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  1. 京都府議会 2022-12-01
    令和4年12月定例会(第3号)  本文


    取得元: 京都府議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和4年12月定例会(第3号)  本文 2022-12-09 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 54 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 2 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 3 :  ◯山口勝君 選択 4 :  ◯副議長(村井弘君) 選択 5 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 6 :  ◯副議長(村井弘君) 選択 7 :  ◯山口勝君 選択 8 :  ◯副議長(村井弘君) 選択 9 :  ◯教育長前川明範君) 選択 10 :  ◯副議長(村井弘君) 選択 11 :  ◯警察本部長筒井洋樹君) 選択 12 :  ◯副議長(村井弘君) 選択 13 :  ◯山口勝君 選択 14 :  ◯副議長(村井弘君) 選択 15 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 16 :  ◯北原慎治君 選択 17 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 18 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 19 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 20 :  ◯北原慎治君 選択 21 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 22 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 23 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 24 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 25 :  ◯西山頌秀君 選択 26 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 27 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 28 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 29 :  ◯西山頌秀君 選択 30 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 31 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 32 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 33 :  ◯西山頌秀君 選択 34 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 35 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 36 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 37 :  ◯西山頌秀君 選択 38 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 39 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 40 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 41 :  ◯西山頌秀君 選択 42 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 43 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 44 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 45 :  ◯教育長前川明範君) 選択 46 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 47 :  ◯西山頌秀君 選択 48 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 49 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 50 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 51 :  ◯教育長前川明範君) 選択 52 :  ◯議長菅谷寛志君) 選択 53 :  ◯西山頌秀君 選択 54 :  ◯議長菅谷寛志君) ↑ ページの先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1: ◯議長菅谷寛志君) これより本日の会議を開きます。            ───────────────────── 2: ◯議長菅谷寛志君) 日程に入ります。日程第1、代表質問を行います。  まず、山口勝議員に発言を許可します。山口勝議員。    〔山口勝君登壇〕(拍手) 3: ◯山口勝君 公明党議員団の山口勝です。私は会派を代表し、さきに通告した府政の諸課題数点につき、西脇知事並びに教育長、警察本部長に質問いたします。  質問の前に、補正予算について一言申し上げます。先日、可決成立した第8号を含め今回計上された予算案は、発熱患者増加時の外来医療の逼迫を回避しつつ、高齢者や重症化リスクのある方に適切な医療提供をできる体制を整備するなど、速やかな対応が必要な事業等を推進する優れた予算案として高く評価するとともに、今後の委員会審議等においてしっかり議論をしてまいります。  それでは、質問に入ります。質問の第1は、この冬における新型コロナウイルス感染症の第8波の流行と季節性インフルエンザとの同時流行への対応、感染症法改正に伴う医療提供体制の強化について伺います。  この同時流行では、多数の発熱患者が発生する可能性があり、必要な医療サービスが受けられる体制の整備が求められています。    〔議長退席、副議長着席〕  現在、新型コロナウイルスの京都府での一日当たりの新規感染者数は、昨日現在で2,283名確認されており、やはり増加傾向にあります。識者からは、北海道などの寒冷地から急拡大してきていることから、気温が下がると感染持続期間が延び、湿度が40%以上を保てなくなると感染が一気に広がると指摘しています。これまでの知見を生かし、しっかりとした対応が必要です。  コロナワクチン、インフルエンザの予防接種を勧奨するとともに、多くの発熱患者に対応すべく、発熱外来の箇所数の拡充や診療時間の拡大、外来逼迫の状況に備え、電話診療、オンライン診療も必要となります。また、同時流行時に重症化リスクの低い方は検査キットでの自己検査が前提となっており、検査キットの確保も重要です。  政府は、先ごろ新型コロナウイルス対策の分科会を受けて、感染症第8波の対策として感染レベルをこれまでの5段階から4段階に見直し、外来医療への負荷が高まり、救急搬送困難事案が急増するような状況となるレベル3「医療負荷増大期」では、知事が「医療ひっ迫防止対策強化宣言」を出し、例えば、あらゆる世代に混雑した場所などへの外出自粛の要請、児童生徒に対して慎重な行動を呼びかけることが可能とされたところであります。  そこで伺いますが、発熱外来は今回の予算措置で拡充される方向ですが、それでも逼迫を避けるためには、電話やオンライン治療の体制も重要です。ただ、このオンライン診療には、まだまだ課題も多く、そもそも実施する機関が少ない、診断正確性の担保、薬の迅速な提供体制などが課題であります。神奈川県では、発熱外来で診ることができない患者が発生した場合を想定し、一日8,000人程度のオンライン診療ができる体制強化を進めています。京都府においても、今後必要性が生じるとされるオンライン診療の強化にどう取り組まれるのか伺います。  また、未承認のキットも流通しており、正規の検査キットの確保と同時流行下での承認されたキットを必ず使用するなどの適切な医療情報の提供、感染症予防の府民啓発の発信はどのように展開されるのか、御所見を伺います。  また、新たな知事権限として発出される可能性がある「医療ひっ迫防止対策強化宣言」については、国との連携、とりわけ年末年始の帰省等での人の流れや、その他の府民への行動要請は近隣県との対策の整合性なども重要と思いますが、知事の基本的な考えを伺います。  併せて、地域の中核病院に病床確保を義務づける感染症法の改正が成立しました。これまでの新型コロナ感染拡大による病床の逼迫を踏まえ、医療提供体制の一層の強化が図られ2024年から施行されることとなりますが、各都道府県が各医療機関と事前に協定を結ぶ仕組みが盛り込まれ、地域の中核となる公立・公的医療機関等病院、大学病院などの特定機能病院及び地域医療支援病院に流行時の病床確保が義務づけられます。  そこで伺いますが、今後、この法律に基づき京都府において医療機関との協定の下、医療提供のための病床確保がどれぐらい進展するのか、お聞きいたします。  次に、困難を抱える女性への支援について伺います。  本年5月に性被害や生活困窮、家庭関係の破綻などの困難な問題を抱える女性に対し、多様かつ包括的な支援を提供するため困難女性支援法が成立しました。私ども公明党は、これまで、この困難を抱える女性支援については、女性の人権や福祉に重点を置いた法整備の提唱、その後も婦人保護事業の法的根拠などから、支援を必要としている女性に支援を届けたくても届けられないといった切実な声を受け止め、2016年12月に自民党・公明党で婦人保護事業の抜本的見直しを盛り込んだ提言を政府に提出し、その後、2019年10月に公表された有識者検討会の中間まとめを踏まえ、与党として新たな法的枠組みのたたき台を作成し、超党派の野党や民間団体とも連携・協議し、このたび超党派の議員立法の実現の運びとなりました。
     これまで困難な女性に対する支援は、長年にわたり女性を取り締まる管理・指導の対象とする売春防止法を法的根拠とする婦人保護事業に基づき実施されてまいりました。しかし、もともとこの売春防止法は、性的犯罪を行うおそれのある女性の補導処分や保護更生が目的であり、このため困窮、心身の健康、住まいの確保など困難を抱える女性の課題が複雑化、複合化する中にあって制度と実態の乖離が指摘されてまいりました。加えて、コロナ禍において、女性の自殺や性被害者が急増し、その厳しい実態が浮き彫りとなりました。  そこで、新たな法律では、困難な問題を抱える女性たちの支援のため、目的や基本理念に「女性の福祉の増進」や「人権の尊重・擁護」「男女平等」、それぞれの意思を尊重した最適な支援の提供などが明記され、発見、相談、心身の健康回復のための援助、就労支援や住まいの確保など、多様な支援を包括的に提供されることとなりました。  この法律は2024年4月1日より施行されますが、この間、国が基本方針を定め、都道府県が基本計画を策定することが義務づけられています。国の方針は現在策定中ではありますが、今後、その基本方針に基づき京都府が基本計画を策定するに当たっては、当事者、女性相談支援センターや女性相談支援員、民間団体などの意見を聞き取ることが重要であります。新法では、当事者を中心に関係機関や民間団体が連携し、支援を実施する仕組みとして「支援調整会議」も法定化されました。  また、支援の充実には核となる人材が不可欠であり、女性支援相談員の設置は都道府県では義務化、市町村では努力義務化となっていますが、適切な配置、育成、そしてその処遇改善も必要です。  これまでの取組の先進事例では、東京都ではNPO法人BONDプロジェクトなどに委託し、虐待事案により居場所がなく家出した若年女性の支援を実施、東京都国立市では居住・同行・就労支援などを行う女性パーソナルサポート事業を市の単独事業として官民協働で実施をしていますが、こうした自治体は全国的にもまだまだ少ない現状であります。  そこで伺いますが、このたびの新法成立を受けて京都府には基本計画策定が求められますが、実態に即し、より充実した内容となることが重要です。計画策定に向けての御所見を伺います。  併せて、これまでの取組を一層強化し、官民協働の推進と女性支援相談員をはじめとする人材の確保・育成にどのように取り組まれるのかお聞きをいたします。  女性の就労支援について伺います。  困難を乗り越えるための支援の充実を図るとともに、女性が活躍できる社会の構築も大切です。結婚は個人の人生の選択であり、するしないは本人の意思ですが、現在50歳まで一度も結婚したことがない生涯未婚率が増加傾向にあります。そのような流れの中で、コロナ禍が女性を直撃しました。それは日本だけではなくヨーロッパやアメリカでも同様で、女性不況、シーセッションと言われています。中でも飲食業や観光業などの対人サービスに従事する女性が大きく影響を受けました。非正規労働者の女性が多いこの分野では、契約が更新されない、収入が減る、解雇されるなどの被害が発生し、自殺者も増加しました。  一方で、女性のエッセンシャルワーカーが多い保育や看護、介護の重要性が認識されるようにはなりましたが、残念ながら処遇改善が追いついていません。2022年の社会進出における男女平等の指標であるジェンダーギャップ指数は146か国中、日本は116位、特に政治分野では女性の国会議員や閣僚の割合が顕著に低く、経済分野でも女性の管理職や役員比率も低く、中でも男女間の賃金格差はフルタイム労働者では、国際比較をすると経済協力開発機構(OECD)の平均が88.4%に対し、日本は77.5%と大きく下回っています。女性の非正規雇用の待遇格差はさらに厳しく、その対策は急務の課題です。そのためには男女間の賃金格差に対する情報開示、同一労働同一賃金の徹底などが図られなければなりません。  そこで伺いますが、男女の賃金格差の対応策として、職種間格差をなくすためデジタル分野における女性の活躍を支援する取組や人材育成、リスキリングの推進、エッセンシャルワーカーの処遇改善などが重要と思いますが、シングルマザーなどが子どもをしっかりと養える就労を支援する環境整備にどう取り組まれるのか、御所見を伺います。  次に、障害者支援について伺います。  国会において、障害者総合支援法並びに障害者雇用促進法の改正案が審議され、11月21日に衆議院で可決され、現在、参議院での可決に向けての審議中となっています。その改正案の目的の一つは、障害者の住まいや働き方の幅を広げることであります。中でも注目される観点として、我が党が繰り返し求めてきました、障害者が住み慣れた地域で暮らせるよう支援の充実を明記したことであります。具体的には、集合住宅や一軒家で少人数の共同生活を送るグループホームなどの地域生活拠点の整備について、市町村の努力義務であると初めて規定されました。また、一人暮らしを望む方への支援や相談の実施も明記され、いずれも本人の希望に沿った生活を後押しする意義があります。  これまで、こうした支援策については法的な位置づけがなされず、国から各自治体へのサポートも明確ではありませんでした。今回の法改正により高齢者や障害者の重度化、また、親を亡くした後も、その地域で暮らせるよう支援することは大変重要であります。  この9月には、国連の障害者権利委員会が日本に対して障害者権利条約の実施状況に関する初の審査を行い、数点の改善勧告を出しました。この条約は、障害のある人の人権や自由を守ることを定め、締約国にその取組を求めています。今回の改善勧告の中に障害者が入所施設から地域生活に移行できるよう政府予算の振替が求められ、本人の希望をかなえる環境づくりを推進することがその趣旨に沿うものとなります。  一方、雇用促進では、国や自治体、企業に義務づけられている障害者の雇用率について、所定労働時間が週10時間以上20時間未満の人も算定対象に加えることも明記されました。これによって、障害の状況や体調によって短時間なら働ける人の雇用率を算定対象とするならば企業の採用も進むと思われ、雇用の拡大につながります。  そこでお伺いしますが、今回の法改正により障害者の生活支援の強化・充実が求められますが、実施主体の市町村との連携、人材育成や社会の理解促進への取り組むべき課題をどのように認識し、今後、障害者の意思が尊重される環境づくりにどう取り組まれるのか、御所見を伺います。  また、短時間労働も雇用率の算定対象になることに、まずは隗より始めよとして京都府としての障害者雇用の拡充、府内各企業への啓発、雇用促進についてどのように取り組むのか、お伺いいたします。  障害者と健常者とのコミュニケーションの壁をなくす取組についてお尋ねいたします。  「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が5月に成立し、施行されています。この法律は、災害時において避難の呼びかけが聞こえない、聞こえても目が見えない人や足が不自由な人は自力で逃げられない。2011年の東日本大震災では、こうした状況で尊い命を落とした障害者の方が多く、障害者の死亡率は住民全体の2倍に上ったとのデータもあります。また、命が助かったけれども、避難所では目が見えず重要な張り紙情報があることが分からない、アナウンスが聞こえず食料などの配給が受けられないといった不便や不利益が生じました。  このような厳しい状況を改善するために、障害者の情報の利用しやすさ、意思疎通に焦点を当てた法整備の必要が高まり、2017年には超党派の議員連盟が障害者団体と意見交換を重ねながら法案をまとめ、この障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が成立いたしました。基本理念には、障害の種類・程度に応じた手段を選択できるようにする、地域にかかわらず等しく情報取得ができるようにする、障害者でない人と同一内容の情報を同一時点で取得できるようにする、高度情報通信ネットワークの利用、情報通信技術の活用を通じて行うことが盛り込まれています。そして、これに沿った施策の策定・実施することを国や自治体の責務と明記され、情報機器やサービスの開発・提供の支援、防災・防犯に関する情報を取得できるようにする体制の充実、多様な手段による緊急通報の仕組みの整備、意思疎通支援者である手話通訳者などの確保・養成などが求められています。  そこで伺いますが、同法に基づく京都府の役割についてはどのように認識されているのか、防災・防犯などについては警察などとの関係機関との連携、市町村への人材支援なども必要と思いますが、その取組についてお伺いをいたします。  以上、ここまでの質問に御答弁ください。 4: ◯副議長(村井弘君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 5: ◯知事西脇隆俊君) 山口議員の御質問にお答えいたします。  山口議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、今回の補正予算案に対しまして高い評価をいただき、厚く御礼を申し上げます。  オンライン診療についてでございます。  電話診療を含むオンライン診療につきましては、議員御指摘のとおり診断の正確性などの課題もあり、京都府といたしましては医療関係者の御意見を踏まえ、まずは対面での医療提供体制が拡充できるよう、休日診療に対する助成の実施などに必要な補正予算を今定例会に提案し、御議決いただいたところでございます。  一方、オンライン診療につきましては、1,008か所の診療・検査医療機関のうち388か所で実施されており、今月から京都府ホームページにおいて周知を図っているところでございます。この冬の感染拡大に備え、オンライン診療を含む発熱外来体制の充実は重要と考えており、引き続き、必要な電話・オンライン診療体制が確保できるよう、医師会の御協力の下、医療機関に働きかけてまいりたいと考えております。  次に、検査キットの確保についてでございます。  検査キットの確保につきましては、国の承認を受けた抗原検査キットを約63万テスト分確保し、医療機関から発熱患者へ配布いただくこととしております。また、国の承認を受けた検査キットを購入していただけるよう、必要な情報を京都府ホームページなどでお知らせしており、引き続き適切な情報発信に努めてまいりたいと考えております。  次に、医療ひっ迫防止対策強化宣言についてでございます。  去る11月、国において今秋以降の対応として、新たなレベル分類の設定とともに、発熱外来など保険医療への負荷が高まった場合、都道府県が医療ひっ迫防止対策強化宣言などを行うことができることとされました。これから年末年始にかけて人の移動が増え、混雑した場所などでは感染リスクが高まる場面も想定されます。また、今後、季節性インフルエンザの同時流行も懸念されることから、国とも常に緊密に情報交換を行い、関西広域連合や全国知事会とも連携して対応を進めてまいりたいと考えております。  なお、府民の皆様に対しては、引き続き基本的な感染防止対策の徹底やワクチン接種の検討をお願いしたいと考えております。  次に、改正された感染症法に基づく病床確保についてでございます。  現在、府内では感染症指定医療機関として、7病院38床の感染症病床を指定しているところでございますが、今回の新型コロナ対応時には大幅に病床が不足したことから、一般病床を感染症病床に転換して対応してまいりました。  改正された感染症法では、感染症の発生及び蔓延に備えるため、都道府県は新興感染症の対応を行う医療機関と病床や発熱外来等に係る協定を締結することとなっております。病床確保に当たっては、今回のコロナ禍の経験も踏まえ、公立・公的病院か民間病院かにかかわらず、地域の医療機関の御意見を十分に伺いながら、必要な協力をお願いしたいと考えております。具体の病床数については、来年度に見直す次期医療計画の中で検討してまいりたいと考えております。  今後とも、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザとの同時流行に対応するため、検査・診療体制をはじめ、医療提供体制の確保に万全を尽くしてまいりたいと考えております。  次に、困難な問題を抱える女性への支援についてでございます。  京都府におきましては、女性の自分自身の生き方や人間関係などの問題を一人で抱え込まないよう京都府男女共同参画センターを核として、市町村や民間団体と連携し、相談体制を整えてまいりました。さらに、婦人相談所の機能も担う家庭支援総合センターにおきましては、売春防止法に基づく婦人保護事業として、困難な状況にある女性への個別支援を行ってまいりました。売春防止法が施行されてから60年以上経過する中で、婦人保護事業を取り巻く状況は大きく変化し、売春に関する相談はほとんどなくなる一方で、DV、ストーカーやリベンジポルノなどといった新しい問題が増えるなど、複雑化、多様化してまいりました。  こうした困難な問題を抱えた女性に対し、寄り添いつつ、自立につながる支援を切れ目なく行っていくためには、行政や民間団体をはじめ、関係する様々な主体がそれぞれの強みを生かし支援を担う体制づくりが今まで以上に必要となってきております。  このため本年5月には、困難な問題を抱える女性への支援に関する根拠法を売春防止法から脱却させ、「民間団体との協働」といった視点も取り入れた新たな枠組みづくりが可能となる新たな法律が成立をいたしました。令和6年4月に予定されている法施行に向け、京都府といたしましては、まず国が定める基本方針に即した基本計画の策定につきまして、議員御指摘のとおり、相談・支援活動に携わってきた婦人相談員に加え、民間シェルターの運営者、NPO団体、さらに当事者等から丁寧に話を聞き、実効性の高い計画をつくってまいりたいと考えております。  また、計画を踏まえ、関係機関や民間団体等と緊密な連携が図られるよう「支援調整会議」を設置し、官民協働により困難な問題を抱える女性に包括的な支援を提供できる体制を整えてまいりたいと考えております。  次に、女性相談支援員の人材確保・育成についてでございます。  新法に基づき令和6年4月から、婦人相談所は困難な問題を抱える女性に対し多様な支援を包括的に提供するための「女性相談支援センター」に生まれ変わることとなりました。センターが機能を十分に発揮するためには、支援の中核を担う京都府と支援の入り口となる市町村が一体となって支援できる体制づくりが重要でございます。そのため、支援の中心となる女性相談支援員の適切な確保と配置に向けて、育成方法や処遇改善の検討を進めますとともに、民間支援団体をはじめ、様々な形で支援に携わる方が必要となる専門知識等を取得できるよう取り組んでまいりたいと考えております。  今後とも、行政だけでなく、様々な関係機関や民間団体との協働により、女性からの相談を待つことなく、早い段階から切れ目のない支援を提供することで、困難な問題を抱える女性が安心して暮らせるよう取組を進めてまいりたいと考えております。  次に、女性の就労支援についてでございます。  男女間の賃金格差につきましては、国の調査によりますと、長期的には縮小傾向にあるものの、格差の要因で最も大きいのは役職の違いであり、次いで勤続年数の違いと指摘されており、出産を機に3割の方が退職する現状の解消が必要だと考えております。  そのため京都府では、働きたい女性が子育て等により離職することがないよう、多様な働き方推進事業費補助金等により職場環境改善に取り組む企業への支援を行い、子育てしやすい職場づくりに向けた取組を進めております。  併せまして、女性の所得向上につながるデジタル分野の人材育成につきましては、今年度、京都府生涯現役クリエイティブセンターに、DXやデータサイエンス等について学ぶコースを新設しております。また、保育や看護・介護に従事される方の処遇につきましては、制度を所管する国に対し繰り返し要望してきた結果、収入を3%程度引き上げるための制度改善が講じられました。  さらに、シングルマザーの世帯は父子世帯に比べて非正規雇用が多く、コロナ禍や物価高騰の影響を受けて厳しい状況に置かれていることから、ひとり親家庭自立支援センターにおいて就労や心理面での相談に取り組むほか、就職に有利な資格取得を目指す方に養成機関に通っている間の生活費を支給するなど、心理面、経済面の両面から支援をしております。  今後とも、独り親家庭をはじめ、困難を抱える女性が子どもを安心して育てられる環境の整備に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、障害のある方の支援についてでございます。  障害のある方が住み慣れた地域で安心して暮らしていただくためには、体調不良や突然の入院など、緊急時においてもその生活を支援し、親元からの自立などを見守る地域生活支援拠点と、地域の相談支援事業者への指導や助言を行う基幹相談支援センターの整備が重要でございます。  京都府におきましては、市町村と連携して整備の促進に努めておりますが、地域生活支援拠点は9市町、基幹相談支援センターは15市町での整備にとどまっていることから、引き続き、これらの施設の運営等を担う人材の育成を進めますとともに、例えば複数の自治体で共同設置するなどの取組を推進してまいりたいと考えております。  また、障害のある方の意思が尊重され、地域において希望する生活を送っていただくためには、障害に対する住民の理解促進を図ることも重要でありますことから、先般作成しました障害の特性についての解説や具体的な対応等を掲載した事例集を活用して、さらなる普及啓発を図ってまいりたいと考えております。  障害者雇用の促進につきましては、京都府庁においては、昭和59年度以降、身体・知的・精神と障害者採用試験の対象を拡大する中で、この間117名の方を雇用してまいりました。短時間勤務者も雇用率の対象となることとした法改正の趣旨を踏まえまして、現行の短時間勤務の業務での雇用促進や、業務の切り分けによる雇用枠の創出などの取組を進めていきたいと考えております。  また、府内企業に対しましては、京都障害者雇用企業サポートセンターにおきまして、障害に応じた職場環境の整備や、任せる仕事の切り分けを提案いたしますとともに、各種助成制度による支援等を行った結果、令和3年6月1日現在の民間企業の障害者雇用率は、全国平均2.2%のところ、京都府は2.28%となっております。引き続き、障害のある方々が希望に応じた働き方ができ、職場に定着できますよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、障害のある人とない人とのコミュニケーションの壁をなくす取組についてでございます。  障害のある方が希望する地域で安心して生活し、様々な活動に参加できる共生社会の実現に向けましては、情報の取得・利用や意思疎通のための手段について、選択の機会を確保・拡大していくことが極めて重要でございます。本年5月に施行された、いわゆる障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法では、地方公共団体の責務・役割として、障害のある方の情報の取得・利用、意思疎通に係る施策を推進することとされたところでございます。  京都府では、これまでからホームページの音声読み上げ機能や、記者会見での手話通訳の配置などの情報発信、障害のある方の意思疎通を支援する人材の育成など、障害のある方の情報の取得・利用や意思疎通手段の充実に取り組んできたところでございます。  また、議員御紹介のとおり、新たな法律では障害のある方が円滑に防災や防犯に関する情報を収集したり、被害の発信ができるよう必要な体制等の整備を推進することが求められております。そのため、警察職員に対する障害の特性や意思疎通の手段をテーマにした研修の開催や、災害時に市町村の避難所で手話通訳などを行う人材の育成などに取り組み、障害のある方に安心・安全な生活を送っていただけるよう、関係機関との連携を深めてまいりたいと考えております。  引き続き、新法の趣旨を踏まえ、国や市町村をはじめ関係の皆様とともに、障害のある方の情報の取得利用や意思疎通手段の充実に努めてまいりたいと考えております。 6: ◯副議長(村井弘君) 山口勝議員。    〔山口勝君登壇〕 7: ◯山口勝君 御答弁ありがとうございました。  新型コロナウイルス感染症については、今の世情といいますか世間におきましては、罹患しても多分大丈夫だろうと、重症化はしないだろうという感覚や認識になっていると思われます。ただ、初期の発生からの性質が異なるアルファ株、デルタ株に変異したり現在はオミクロン株、しかしながらそのオミクロン株から「XBB」「BQ.1」と新たな形の発生も確認をされている状況にあります。  なぜ入院コントロールセンターを設置しなければならなかったのか、保健所を強化しなければならなかったのかということを考えたならば、いかなる変化にあっても適切な医療体制が重要でございますので、そのための取組強化を求めておきます。  新たな感染症法の改正は、病床確保のほか、自宅療養者への支援、緊急時に歯科医、臨床検査技師、救急救命士の接種を可能にするワクチンの打ち手の確保や、医療品の備蓄などがポイントとなっている部分もあります。いずれも平時からの医療提供体制の強化が重要であろうと思います。よろしくお願いしたいと思います。  女性困難者支援については、この約3年にわたるコロナ禍で改めて女性の家庭・雇用などにおいてのひずみが現れました。女性活躍というふうに言いますけれども、その活躍を促すためにも、その前提条件である社会においての真の男女平等共同参画、不利益の解消に不断の努力を尽くしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  障害者制度についても、その方々の思う取組が重要であります。京都府においては、「京都府障害のある人もない人も共に安心していきいきと暮らしやすい社会づくり条例」の下、障害者への不利益解消や合理的配慮の推進に努められてまいりましたけれども、障害者の方々がよく言われます。「障害は不便であるけれども、不幸ではない」と。誰もが住みやすいまちづくりというもの、社会環境の整備が大事だろうと思います。  インクルーシブという意味は、確認しますと「仲間外れにしない、みんな一緒に」という概念だそうでございます。みんながお互いに認め合って、障害のある人が地域の中でも生活をしたり、仕事をしたり、ショッピングをしたり、そして情報もしっかり受け止められる、そんなごく当たり前の生活ができるようなまちづくりを京都府で推進していただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。  それでは、次の質問に入ります。教育問題について伺います。  文科省がこの10月に発表した令和3年度分の「児童生徒の問題行動・不登校等指導上の諸課題に関する調査」によりますと、小・中学校、高校などの暴力行為、いじめ、不登校、中途退学の人数が前年度を上回り、不登校の小・中学生の数が過去最多となっています。  このうち暴力行為は、小学校での増加が著しく、京都府においても1,000人当たりの暴力行為件数は、全国平均を上回る状況となっています。暴力行為は、器物損壊、生徒間暴力、対教師暴力等に分けられますが、中でも生徒間暴力の増加が顕著であり、小学生による暴力行為全体の約7割を占めています。  また、いじめの認知件数の増加も小学校での増加が顕著であり、全国で対前年度比19%増の61万5,351件を認知、京都府では小学校で1万6,290件、中学校で2,683件、高校で373件、特別支援学校では183件、児童生徒1,000人当たりの認知件数は74.7件で、全国平均の47.7件を大きく上回っています。  今回の調査で明らかになった傾向は、小学校低学年の認知件数が多くなっており、全国の学年別認知件数の最多は小学校2年生、その後に小学校1年、小学校3年と続き、小学生では6年生が最も少なくなっております。低年齢化が指摘されております。  また、不登校に関しましても、全国の小・中学校で24万4,940人と過去最高となり、9年連続の増加であり、全体として前年度から25%もの増加は過去に例がありません。京都府でも病気等の長期欠席を除く不登校数は、小学校で1,518人、中学校で2,947人に上っています。  また、小学校6年生と中学校1年生の不登校を比べると、中学校1年は小学校6年の1.8倍となり、これまでその要因として考えられてきた「中1ギャップ」と呼ばれる進学時の心労や環境変化の困惑がうかがえる結果となっています。不登校の主な要因の集計では、小学生・中学生ともに「無気力・不安」が約半数を占め、高校生の不登校も減少傾向からやや増加に転じ、病気を理由として長期欠席も急増しています。  また、児童生徒の自殺者も最悪の水準が続いています。厚労省が発表した自殺対策白書では、コロナ禍と自殺状況による国際比較を行っており、日本と韓国がコロナ禍以降に増加しております。「特に女子中学生、女子高校生、女性専修学校等の上昇が目立つ」「女子中学生では学校問題や家庭問題に、女子高校生では学校問題や健康問題に該当するものが大きく増加している」と分析しています。自ら命を絶った原因や動機は不詳、すなわち分からない割合が高く、その他で「家族からのしつけ、叱責」「学業不振」「親子関係の不和」「鬱病」があり、高校生の女子生徒では、鬱病以外の精神疾患が背景にあった場合や、中学校の女子生徒は「いじめ・学友との不和」が目立った増加となっています。  今、学校現場で暴力行為、いじめ、不登校、自殺する児童生徒の増加は極めて深刻な状況となっています。これらの要因は、修学旅行や遠足、運動会、文化祭の中止、給食を黙って食べる黙食、部活動の自粛、日々の学校生活の制約など、新型コロナウイルス感染症に伴って、学校や家庭における生活や環境が大きく変化し、このような環境変化が子どもたちの心身に影響を及ぼしたことは想像に難くありません。  そこで伺いますが、ただいま申し上げた児童生徒の問題行動・不登校等指導上の諸課題について、京都府の現状をどのように認識されているのか、教育長の御所見を伺います。  不登校対策については、近年、不登校の児童生徒に対して登校を強いるような指導は見られなくなり、あくまで子どもたち一人一人に寄り添った対応に努められています。2017年に施行された教育機会確保法では、不登校の児童生徒の「休養の必要性」を認め、学校以外での学習を国・自治体が支援することが明記されました。  京都府においては、令和2年3月に不登校児童生徒を支援する方針を記したハンドブックを示し、不登校の現状認識、未然防止、早期発見・初期対応、児童生徒への支援、フリースクールとの連携などの施策を通じ市町村教育委員会とその対応に努めてこられました。  しかし、コロナ禍ともなり、環境も変化し、その施策を一定検証し、あくまで不登校の子どもたちの学びを支え、進学や就職の希望がかなうような環境づくりをさらに推進していくことが重要です。京都府の「誰ひとり取り残さない教育環境の整備」についての御所見を伺います。  併せて、いじめ問題については、いじめ防止対策基本法に基づき府内各市町村において条例制定や、法の趣旨に沿ういじめ問題対策連絡協議会を設置し、検証や再検証などの仕組みも取り入れられていますが、私はいじめ問題は社会全体の問題として捉えていく必要性を感じます。  仙台市では産官学が連携し、この春「仙台いじめ防止ネットワーク」が設立されました。行政、宮城教育大学、IT関連企業がおのおのの力を生かし、現段階では構想の段階ですが、ICTデバイスを利用したいじめ防止抑止策として、当事者の子どもが声を上げやすく、大人や周りの子どもが声を受け止めやすくすることを目的として、IoTデバイスを用いて教職員、地域、保護者、第三者機関に伝えられるようにするといったものです。まだ緒に就いた段階ですが、産官学を巻き込むことにはその意欲と意義が感じられます。  京都府においても、ぜひとも、「いじめ」は決して学校・家庭の問題ではなく、社会全体が取り組むべき課題として受けとめ、広がりのある取組を求めますが、今後のいじめ防止対策、地域社会との連携強化についての御所見を伺います。  最後に、自転車の安全運転の推進について伺います。  本年1月に警察庁は、各都道府県警察本部に「良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策のさらなる推進について」との通達を出しました。その内容は、改めて新型コロナウイルス感染症の影響により、国民のライフスタイルの変化により、自転車利用が増加しつつある現状となり、一層自転車が法令を遵守し、安全運転に資する状況となるよう、種々の取組を進めることとなっています。  自転車走行の現状は、残念ながら利用者が自動車、歩行者とともに共存できるような安全運転を心がけているものとはなっていません。交通事故においても、近年、交通事故件数が減少傾向にある中、全国では自転車対歩行者事故の発生件数は横ばいで推移しています。そのうち、半数近くは歩行者が優先されるべき歩道上、または横断歩道上で発生しており、また自転車関連事故に占める対自動車事故の割合は約8割で推移し、死亡・重傷事故の約7割には自転車側にも何らかの法令違反が認められています。自転車の法令違反で目にするものは、信号無視、一時不停止、右側通行、徐行せずに歩道を通行など危険なものが多く、一歩間違えば重大な交通事故につながります。  通達の中では、自転車利用者の遵法意識が低いことは様々な要因があるが、「自転車が手軽な乗り物であるため、歩道走行時における歩行者優先や車道の左側通行等の交通ルールに関する利用者側の遵法意識が低く、車道での右側通行や信号無視等の違反をしても取り締まられることはないとの認識を持たれていることなどが考えられる」と指摘しています。  今回、自転車の悪質な交通違反に対し、罰金などを対象とする赤切符を交付する運用を警視庁は始めました。これまで警告で済ませることが多かったわけですが、重大な事故を防ぐ観点からも摘発の強化の必要性も理解されるところであります。  警視庁では、先ほど述べた信号無視、右側通行、徐行せずに歩道を通行した場合など、赤切符交付の対象とするとのことです。自転車は道路交通法では軽車両と位置づけられますが、車道の左側通行、車道の信号を守り、例外として歩道を走るときは歩行者の通行を妨げてはいけません。  ただ、こうしたルールを知らないまま違反を起こしている自転車利用者も多いと思います。また、「では、歩行者の通行を妨げないような速度や走り方とは具体的にどのようなものなのか」など、自転車や二輪との相違などルール自体が分かりにくい点も指摘されています。  警察庁の通達には、今後行うべき対策として、自転車通行空間の整備、交通安全教室や啓発活動の強化・充実、交通違反への指導・取締りの強化、自転車指導啓発重点地区・路線の選定等が示されております。  私は、これまで自転車の安全走行の推進について幾度か本会議でも質問をさせていただきました。道路上の自転車の安全対策については、残念ながらもともと現状の道路そのものが自転車走行レーンの設置を前提に建設されておらず、走行レーンが安全に確保されているとは言い難い状況にあると思います。  そこでお伺いいたしますが、京都府警察本部としてこれまで自転車の安全運転対策に取り組まれてこられましたが、まず第一に、自転車が走行する上においての道路管理者との道路環境整備について一層の連携・促進が求められますが、その基本方針について伺います。  また、そもそもルールを知らず、忘れているということに対し、安全運転教室などの積極的開催や、東京都では自転車の走行ルールが学べるアプリを開発するなどもされており、正しい走り方を関連業界なども巻き込み自転車走行に関する情報発信を行っていくことも重要と思いますが、どのように取り組まれるのか御所見を伺います。
     また、悪質な違反者へは赤切符交付の運用も含めて指導・取締りの強化についての基本的な考え方を伺います。 8: ◯副議長(村井弘君) 前川教育長。    〔教育長前川明範君登壇〕 9: ◯教育長前川明範君) 山口議員の御質問にお答えいたします。  不登校、いじめなど、生徒指導上の課題についてでございます。  全国の不登校児童生徒数やいじめの認知件数は過去最多となっており、京都府でも同傾向にあることから非常に憂慮すべき事態であり、特に小学校での暴力行為、小・中学校の不登校やいじめについては大変厳しい状況にあると考えております。このコロナ禍における学校や家庭での環境変化や、児童生徒の心理的ストレスの影響を懸念しているところでございます。  こうした中、児童生徒が誰にも相談できずに不登校となるケースや、過剰なストレスから暴力行為やいじめにつながるケース、また悩みが解消されずに自ら命を絶つ最悪のケースも考えられることから、児童生徒のSOSを見逃さずに丁寧に受け止め、組織的に対応することが課題であると認識しております。  次に、不登校の子どもたちを支える教育環境の整備についてであります。  府教育委員会では、不登校児童生徒の相談・指導を行う市町の教育支援センターの機能強化や、フリースクールへの支援、福祉部局と連携した不登校からのひきこもりを防ぐための支援などを行ってきたところでございます。しかしながら、不登校が急増している現状に鑑みれば、議員御指摘のようなコロナ禍を踏まえ、これまでの施策や手法を検証し、不登校が長期化した児童生徒への対応や、学校外での取組だけではなく、悩みを抱えた児童生徒への柔軟な対応や、不登校傾向の児童生徒に対する早期からの積極的アプローチなどの対策強化が必要であると考えております。  具体的には、登校はできても教室には入れない児童が学ぶ場として、校内に別室を設け、個々に応じた支援を行うモデル事業を小学校で実施しておりますが、教室復帰につながったなどの声も聞いており、こうした手法の府内への展開を検討し、学校における柔軟な対応を支援してまいります。また、スクールカウンセラーやまなび・生活アドバイザーの拡充に加え、オンラインによるカウンセリングを実施するなど、支援につながっていなかった児童生徒に対しても、早期からの積極的アプローチを展開してまいります。  府教育委員会といたしましては、学校復帰への支援はもとより、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、学習や進学、就職に着実に結びつけるといった学びの保障と社会的自立を目標に、誰ひとり取り残さず児童生徒が安心して教育を受けられる環境を整えられるよう取り組んでまいります。  次に、いじめ防止対策、地域社会との連携強化についてであります。  府教育委員会では、全国に先駆けて、いじめのアンケートの実施等による積極的な認知、早期発見など、いじめ防止対策に取り組んでまいりました。しかし、いじめ事案が後を絶たない現実がある中で、いじめの問題は、心豊かで安心・安全な社会をいかにつくるかという、学校を含めた社会全体の課題と捉える必要があると考えております。  議員御紹介の仙台市のように、地域、企業等が加わり、多くの大人が子どもの声を受け止めるよう取り組むことは非常に重要であることと認識しており、府内の各市町においても、いじめに反対する意思を表すピンク缶バッジを子どもが身につける啓発運動を行うなど、学校外での取組事例があると承知しております。  また、京都府においても、大学教授、学校、市町村、PTA、児童相談所、警察等で構成する京都府いじめ問題対策連絡会議において、社会全体でいじめを防止し子どもの声を受けとめるよう連携を進めるとともに、地域交響プロジェクトにおいて、NPOなどの活動を支援する仕組みを昨年度に創設し、いじめに悩む子どもの支援を行えるよう取り組んでいるところでございます。  府教育委員会といたしましては、現状の取組に加え、地域、保護者、関係機関などのお力をお借りしながら、社会全体で子どもの心の中の訴えを周囲の人々が早期に気づき、手を差し伸べられるような取組を検討してまいります。 10: ◯副議長(村井弘君) 筒井警察本部長。    〔警察本部長筒井洋樹君登壇〕 11: ◯警察本部長筒井洋樹君) 山口議員の御質問にお答えをいたします。  道路管理者と連携した道路交通環境の整備の基本方針についてでございます。  自動車関連交通事故の防止のためには、議員御指摘のとおり、自転車通行空間の適切な整備が重要であり、警察は道路管理者と緊密な連携に努めております。具体的には、新たな道路を整備する場合、計画段階で道路法に基づき協議を行うこととなりますが、その際には原則として、自転車道や自転車専用通行帯の整備を申し入れるほか、既存の道路で自転車専用通行帯等が整備されていない場合には、必要に応じ自転車の通行場所を明示する矢羽根型路面表示の設置を働きかけることとしております。  また、自転車関連の交通規制についても必要に応じ見直すこととしており、具体的には、例外的に自転車歩道通行可の規制がされている歩道のうち、幅員が狭隘で歩行者が多いなど危険性の高い歩道については自転車歩道通行可の規制を解除し、歩道上の事故の防止を図る一方で、交差点における自転車の安全走行に資するため、道路管理者と連携し矢羽根型路面表示の交差点内への延伸等も進めております。  次に、自転車利用者等に対する交通ルールの周知についてでございます。  我が国、とりわけ都市部におきましては、諸外国と比べ道路配置が過密で、幅員等に余裕がなく、自転車道等の整備に一定の限界がありますことから、自転車利用者をはじめ、各交通主体が交通法規を遵守し、事故発生のリスク等を理解することが重要です。  このため警察では、毎年春と秋に全国交通安全運動を実施するとともに、小・中学校等における交通安全教室の積極的開催、交通安全教育動画の配信等により心身の発達段階等に応じた体系的な交通安全教育を推進しておりますが、関係機関や交通ボランティアとも連携し、引き続き、工夫を凝らした効果的な交通安全教育と情報発信に努めてまいります。  なお、道路交通法の一部改正によりまして、来年4月からヘルメット着用の努力義務化が予定されておりますことから、自転車安全利用五則のSNSでの情報発信や、自転車販売事業者と連携した購入者に対する交通ルール周知等を行っております。  次に、指導・取締りの強化についての基本的な考え方についてでございます。  自転車利用者の交通違反につきましては、府内36地区、45路線の自転車指導啓発重点地区・路線を中心に取締りを強化しております。具体的には、事故原因となりやすい信号無視、通行区分違反、一時不停止等に対し指導警告を行うとともに、悪質危険な違反に対しては、赤キップを適用し検挙するなど、厳正に対処することとしております。  今後は電動キックボード等、新たなモビリティーの利活用の一層の進展も見込まれますことから、多様な交通主体全ての安全かつ快適な通行を確保するためにも、自転車の交通秩序の正常化やさらなる事故防止対策に取り組んでまいります。  以上でございます。 12: ◯副議長(村井弘君) 山口勝議員。    〔山口勝君登壇〕 13: ◯山口勝君 ありがとうございました。コロナ禍は、女性と子どもという大変弱い立場にある方に大きな打撃を与えていることは事実であろうかと思います。いじめ、不登校、暴力行為、自殺、こういった問題に関して、不断の努力をよろしくお願いしたいと思います。  不登校に関しては、その数字そのものは都道府県や政令指定都市でのカウントの仕方が違うというようなこともあって、大きく乖離しております。ただ、大事なのは長期欠席、これはどういう中身で長期欠席になっているのか、これをしっかりと見詰めていただきたいと思います。大事な視点は長期欠席の子どもに対して、孤立することなく、社会的な自立を支える取組を行う必要性であろうかと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  それから、自転車走行については、なかなか困難な部分もあろうかと思います。あまり自転車に乗っている人が交通標識を意識しない、ここを通行していいかどうかはあまり考えない。例えば、烏丸通りが一部、今、自転車通行許可解除という形になっているらしいんですけれども、解除になりましたというその告知看板を見ながら歩道を走っているという、そういう厳しい現実もございます。  本当に危険と隣り合わせなんだろうと思います。ただ、車を運転する側の者からすれば、やはり自転車が横に走っていると、車道よりも歩道で走ってもらいたいなというふうな思いを持つことも事実、実態であります。バイク走行も大変危険を感じるときがございます。互いに命を守る観点から、しっかり交通ルールを守っていく、このことを推進していただきたいと思います。今後の一層の京都府においての自転車走行の安全確立を求めまして、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 14: ◯副議長(村井弘君) この際、午後2時10分を目途に本会議を再開することとし、休憩いたします。    午後1時57分 休憩            ─────────────────────    午後2時11分 再開 15: ◯議長菅谷寛志君) 休憩前に引き続き会議を行います。  次に、北原慎治議員に発言を許可します。北原慎治議員。    〔北原慎治君登壇〕(拍手) 16: ◯北原慎治君 自由民主党府議会議員団の北原慎治でございます。会派を代表して、通告に従い知事に質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず初めに、障害者歯科医療についてお聞きします。  京都府の身体障害者手帳交付数は、平成30年度で14万3,636人となっており、近年はほぼ横ばい状態であります。障害のある方に対する歯科医療には、歯科医師だけではなくスタッフにも特別な知識や経験が求められますし、器具や医院の内装、診療時間等々にも特別な配慮が必要になり、一般の歯科医院が簡単に担えることではありません。  障害者歯科は、個々の障害を理解し、障害者本人や保護者、介護者の方たちとの十分な相互理解の下に診療を行います。障害者歯科は、以下に示すような疾患を抱えている乳幼児から高齢者まで多くの方を対象にしており、障害者の歯科医療全般における広い分野を担当しています。また、歯科医療に特別な配慮が必要な方には、通常の歯科医療の方法では対応できないことがあるため、障害の種類や程度によっては専門的な知識や技術、設備が必要な場合があり、高次医療機関での診察が必要な場合があります。  知的障害などの発達障害がある方には、診察室、スタッフ、治療器具に慣れてもらいながら治療を進めます。自閉症スペクトラム症の方などには、治療の順番を伝える絵のカードや視覚支援カードなどを利用することもあります。  脳性麻痺や脳血管障害後遺症などの神経、運動障害がある方で、治療中の姿勢を保つことが困難な方にはクッションなどを利用し、安全のために体が不意に動かないようにします。  視覚障害や聴覚障害などの感覚障害や、鼻咽頭閉鎖機能不全症などの音声言語障害、鬱病や統合失調症などの精神疾患、認知症やてんかんなどの脳神経疾患、循環器疾患などがあり、歯科診療に特別な対応が必要な患者、要介護高齢者等の患者さんがおられます。  食事が上手に食べれない方、むせ、誤嚥のある方や、治療器具が口に入ると嘔吐反射を起こしてしまう患者、極度の歯科治療恐怖症の方に対しては、鎮静剤や笑気などを利用してリラックスさせた状態で治療を行ったり、重度であったり、家族が必要性を理解される患者に対しては全身麻酔を利用して集中的に治療したりします。  このように障害者歯科が対象にする患者は、障害の種類や程度によって多岐にわたり、それぞれに適した全身管理方法や行動調整法、治療内容の選択が必要になります。また、それらの困難性に合わせた医療機関が必要になります。  京都府においては、昭和45年5月に京都府の歯科医師会館内に京都歯科サービスセンターが開設され、以来、半世紀にわたり京都府の障害者歯科医療を担ってこられました。平成22年4月には、全身麻酔法並びに静脈内鎮静法を使用した治療を開始されました。全身麻酔下における治療を始めて12年が経過し、現在ではその需要も増えてきました。また、京都府北部地域の障害者の方々への歯科治療を充実させるため、平成26年11月に福知山市に北部診療所を開設し、中央診療所との緊密な連携の下、治療に当たっておられます。コロナ前の状況では、通常の障害者歯科診療は、令和元年度延べ7,124名、二条駅前に移転して以来、延べ23万749名の患者さんの治療を行っておられます。全身麻酔科治療は、令和元年5月末までで延べ1,371日間、延べ2,542症例、静脈内鎮静法は517名となっています。一日の患者数は日によって異なりますが、平均30名以上です。  新患予約は平均1.5か月待ちで、処置予約は2か月半から3か月になっています。全身麻酔面談から予約、全身麻酔下での治療まで4、5か月を要します。常に混み合っていて、急患の随時受入れが困難な状況にあります。したがって、十分な時間枠の中で安心・安全で質の良い歯科治療を常に遂行するには困難な状況になっています。  センターが抱えている問題はほかにもあり、短期間での受診希望者が多いことや、患者さんの住まれている地域での受診を勧めてもセンターへの通院を希望されること、障害者の高齢化に伴い全身状態の悪化や通院困難な患者さんが増加していること、治療時間を要する重度の障害を持つ患者さんの増加等があります。  他の都道府県が障害者歯科に対してどのように取り組んでおられるか、少し例を示します。大阪では、障害者が障害の特性に応じて可能な限り身近な歯科診療施設で歯科医療を受けられる体制を一次から三次の三分類に区分して整理されておられます。  一次医療機関は、地域の歯科診療所に担ってもらい、役割としては、軽度の障害や医学的リスクが低い患者の治療、定期健診、高次の医療機関へ紹介する等のことがあります。二次医療機関は、二次医療圏単位に整備することとし、専門的設備と障害者歯科診療の経験豊富な歯科医師、歯科衛生士により歯科医療を提供し、役割としては中等度の障害者や一次医療機関からの紹介患者に対する診療、三次医療機関への紹介や、一次医療機関への逆紹介等があります。三次医療機関は、三次医療圏単位に整備することとし、全身麻酔による歯科治療が可能な設備を有する歯科医療機関で、役割としては、重度の障害者や一次・二次医療機関からの紹介患者に対する診療、一次・二次医療機関への逆紹介等があります。  大阪府は、重度障害者等に対する歯科医療体制の課題として、次の3つを挙げておられます。  1点目、人口構造の高齢化や疾病構造の変化とともに、今後増加が予想される重度障害者や全身疾患を有し、医学的全身管理下での歯科医療が必要な患者への対応体制が不十分であること。2点目に、三次障害者歯科機能を担う病院の受診者の約半数を二次障害者歯科医療該当者が占め、同病院が本来の三次障害者歯科機能を十分担うことができないおそれがあること。3点目に、全身疾患を有し、リスクの高い有病者の歯科診療に関し、医科・歯科の連携体制が不十分であること。京都府歯科医師会が運営している歯科サービスセンターも、これと同等の内容を課題として認識されておられます。  一次や二次障害者歯科医療に該当する患者が歯科サービスセンターに集中しているために先ほど述べたような状況になっており、安全な体制で対応できる件数を超えてしまっています。  また、現在はありがたいことに、すばらしい歯科麻酔医に在籍いただいておりますが、歯科麻酔医の数は少なく、新しく任用するとなると、すぐに見つかる保証はありません。先日、神奈川県歯科医師会が発表されておられましたが、2040年問題というのがあります。それは、2040年には歯科医師会の会員数が現在より40%少なくなると推計されるという問題です。京都府歯科医師会も同様の問題を抱えており、現在の規模のサービスセンターを維持できなくなることが推察されます。障害者歯科に責任を持つ歯科医師会としては、将来の障害者歯科医療のことも考えていかなければなりません。  そこでお尋ねいたします。  障害者歯科医療体制の現状をどのように理解されておられるのかお聞かせください。  また、課題として認識されている点があるのであれば、今後どのように対応されるおつもりか、お聞かせください。  次に、介護予防事業の今後の展開についてお聞きいたします。  京都府の介護予防事業は、地域課題解決型市町村支援事業として、介護予防・日常生活支援総合事業や生活支援体制整備を活用した多様な主体による介護予防・生活支援サービスの拡充等を通じ、地域の実情に応じた地域づくりを進めるため、事業の実施主体である市町村に対し、総合事業等の整備を熟知したアドバイザー等とともに個別の伴走支援をされています。また、介護予防・日常生活支援総合事業に対する理解を深め、住民等の多様な主体による地域の支え合い体制づくりを進めることを目的に、分かりやすく表現・発信できる漫画形式の啓発冊子を作成されておられます。  京都府民の平均寿命は男性81.40歳と全国3位、女性が87.35歳と全国9位と全国平均を上回っておりますが、健康寿命は男性72.71歳で全国19位、女性73.68歳で全国47位となっており、残念ながら全国平均と比べ短くなっており、平均寿命と健康寿命の差が9年から13年と大きくなっています。  健康寿命というのは、集団の健康状態を表す健康指標の一つで、健康上のトラブルによって日常生活が制限されずに暮らせる期間と定義づけされています。日常的に介護などを必要とすることなく、自分の力で自立した生活を送れている年数のことです。  病気を患った本人に十分な備えがなければ、経済的にも家族に頼らざるを得なくなります。また、年金や介護・医療の社会保障を支えている現役世代にかかる負担も増大してしまいます。日本では、高齢者人口は増加傾向で、全人口に占める割合が高まっている一方で、現役世代の人口は減少していく見通しです。2015年の時点では、65歳以上の高齢者1人を2.3人の15歳から64歳の現役世代が支える構図になっており、2060年には、65歳以上の人1人を支えるために必要になる現役世代は1.3人になると言われています。  高齢化社会を迎えている日本では、平均寿命は80歳を超え、運動器の疾患や加齢に伴う運動器の機能低下によって、立位・歩行機能やバランス機能、運動速度、反応時間、深部感覚などが低下し、屋内外の移動やトイレ、更衣、入浴、洗面などの日常生活活動に介助が必要な状態となっていきます。平成25年の介護が必要となった主な原因の「高齢による衰弱」「骨折・転倒」「関節疾患」を運動器の障害としてまとめると全体の36.1%で、一番多い原因となります。また、要支援1では52.1%、要支援2では49.6%と約半分を占めており、運動器の障害をきっかけに日常生活の自立度が下がりやすいことが分かります。脳血管障害で体に麻痺などの運動器の障害が生じることも多く、介護の原因に運動器の障害が大きく関与していることが分かります。  平均寿命が延びている分だけ運動器の健康を長く保ち続ける必要があり、国民一人一人が運動器の健康維持に対して関心を向け、ロコモティブシンドロームを予防するための運動習慣が必要です。また、体が思うように動かないことで外出するのがおっくうとなり、家に閉じこもりがちとなると運動の機会が減り、さらに運動器の機能低下が進みます。容易に転倒しやすくもなり、けがや骨折のリスクも高くなります。  自らの運動器の機能低下に気づき、進行を予防するための運動習慣をできるだけ早い時期からスタートさせることが大切です。運動器の衰えをチェックできる項目を幾つか紹介します。「片足立ちで靴下がはけない」「家の中でつまずいたり滑ったりする」「階段を上るのに手すりが必要である」「家のやや重い仕事が困難である」「1リットルの牛乳パック2個程度の買い物をして持ち帰るのが困難である」「15分ぐらい続けて歩くことができない」「横断歩道を青信号で渡り切れない」などがあります。  ロコモティブシンドロームの予防には、毎日の運動習慣とバランスのよい食生活が大切です。毎日の生活の中で階段を使う、一駅分歩いて通勤・買い物に行くなど、運動の要素を積極的にプラスすることもロコモ予防となります。  「通いの場」は、介護予防としては重要な取組ではありますが、月に一度程度の利用となっております。利用者も少なく、府民の健康寿命を延伸させるためには、もっと多くの方に利用してもらわなければなりません。国のデータによると、地域支援事業で少しずつ普及が進んだものの、実際に参加した高齢者は全体の5%弱にとどまっています。この割合を引き上げていくこと、高齢者の健康を支える良質なサービスを展開していくことが課題となります。  市町村などが地域で開催している高齢者の「通いの場」を強化し、介護予防で具体的な成果を上げるため、厚生労働省は2040年を展望した主な取組として、最重要課題の一つと位置づける健康寿命の延伸につなげるために、民間のスポーツジムやスポーツインストラクターなどの協力が得られる枠組みを検討していくとしています。  体操、運動、体づくりのノウハウや設備を持つ企業・個人にもっと協力していただき、知名度・信頼度が高いジムなどと連携すれば、介護予防に興味を持ってくれる人が増えると思います。行政主導のサービスに距離を置く人や、無関心層にもアプローチできるのではないでしょうか。市町村の後押しなどでジムに保健師や介護職を配置できれば、「通いの場」の数を増やしていくことにも結びつくと思います。  厚労省主導の有識者会議でも、「PRは行政よりジムの方がうまい」「スポーツの振興や人を健康にすることに熱心な方が多くいる」との声があったそうです。  京都市内の施設の介護予防事業に拠出している金額を利用者数で割ると、1人当たり1万円を超えていました。利用者数が少なくなるほど1人当たりの金額は高くなるので、市町村や事業所によって異なりますが、おおむね同様の傾向にあると考えます。  そこでお尋ねいたします。  京都府の健康寿命が他府県と比較して短くなっており、平均寿命と健康寿命の差が大きくなっている現状をどのように認識されておられますか。  また、厚労省も「通いの場」の取組を推進している中、1人当たりの介護予防事業費が高く、参加人数も少ない現状をどのように捉えられていますか。  介護予防事業として、市町村の取組を伴走支援する体制を取られておりますが、厚労省の取組に伴走する形で、京都府としてもっと積極的、主体的に介護予防事業に取り組むべきだと考えますが、いかがでしょうか。  現状の介護予防事業費を考えると、民間のスポーツジムの会費のほうが安く、カリキュラムも豊富で、月会費を払えば月に何度も通えます。そこに保健師や介護職の方、栄養士を派遣すれば、通いの場として多くの参加人数が期待できると考えますが、いかがでしょうか。  まずは、ここまでの御答弁をお願いします。 17: ◯議長菅谷寛志君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 18: ◯知事西脇隆俊君) 北原議員の御質問にお答えいたします。  障害者歯科医療体制についてでございます。  障害のある方が歯科医療を受けるに当たっては、診察室の環境に慣れることや、診療台に座るのに時間をかけて繰り返しトレーニングを行うこと、また患者の負担軽減のため1回当たりの治療時間を長く取って通院回数を減らすことなど、患者の障害の特性に応じたきめ細やかな対応が必要となります。  そのため、議員御紹介のとおり、京都府歯科医師会が昭和45年に全国に先駆けて障害のある方の歯科診療を担う京都歯科サービスセンター歯科診療所を京都市北区に開設をされました。平成12年には、歯科医師会館の整備に合わせてJR二条駅前に中央診療所として移転し、さらに、平成22年には全身麻酔による診療を開始されました。また、北部地域でのニーズにも応えるため、平成26年に福知山市に北部診療所が開設され、北部地域の方からも「通院の負担が軽減した」との声をお聞きしているところでございます。  京都府におきましては、昭和52年から診療所運営費の補助を開始いたしますとともに、施設設備の導入に係る助成を行うなど、これまでから歯科医師会と京都府が連携し、障害の特性に応じ適切な歯科診療を受けられる環境の整備を進めてまいりました。  一方で、中央診療所では全身麻酔治療の件数が増加するなど患者の需要も増えていることから、令和4年2月と9月には、歯科医師会、京都市、京都府の3者により現状の把握と課題の抽出を行い、中央診療所での予約の待ち時間が長期化したり、受診間隔が大きく開いているなどの課題を共有したところでございます。こうした課題に対しましては、中央診療所の体制を強化いたしますとともに、地域における一般診療所などでの障害のある方に対する診療体制を拡充し、中央診療所への患者集中を低減させるなどの取組が必要であると考えております。  中央診療所の体制につきましては、これまでから府立医科大学附属病院からの歯科医師派遣による強化を進めてまいりました。また、地域における診療体制の拡充につきましても、歯科医師会による「障がい者歯科地域協力医」の養成や、障害者歯科診療に対応できる地域の協力病院の確保を図り、中央診療所とこれらの協力病院の間で相互に患者を紹介するなど、患者が身近な地域で診療を受けられる体制構築を進めてきたところでございます。さらに、医療的ケア児や在宅要介護者が在宅でも歯科診療を受けられるよう、人材育成研修などにも取り組んできたところでございます。  これらの取組をより一層推進いたしますとともに、歯科医師会や京都市と引き続き協議を行い、患者の障害の特性や治療の進捗状況に応じて、患者が身近な地域で診療を受けられる体制を強化してまいりたいと考えております。  一方、障害のある方の歯科診療は時間を要し、治療が難しいことから、予防や重症化する前の早期治療が有効となります。平成29年度に改定いたしました京都府歯と口の健康づくり基本計画(第2次)等におきまして、障害者歯科対策として「予防から健診、治療」まで一貫した取組を進めることとしており、歯科疾患予防の観点から、歯科医師及び歯科衛生士が障害者施設を訪問し、歯科健診及び保健指導を行い、治療の必要性についてスクリーニングを行う、障害のある方と日常的に接するケアマネジャー等の介護従事者などと連携し、幼少期からの定期健診やかかりつけ歯科の受診を勧めるなど、予防や早期受診に結びつけ重症化を未然に防止する取組を進めているところでございます。  引き続き、障害者歯科診療の要となる中央診療所、北部診療所の体制強化や、地域協力医、協力病院との連携による地域における診療体制の拡充など、患者一人一人の障害の特性や家族の状況等に応じた歯科診療を行うための体制構築を進めますとともに、予防や健診、早期受診についての普及啓発を行うなど、治療と予防の双方の観点から障害のある方の歯と口の健康を守る取組を推進してまいりたいと考えております。  次に、健康寿命についてでございます。  府民の皆様が住み慣れた地域で、希望や生きがいを持って心豊かに生活していただくためには、健康寿命の延伸が極めて重要だと考えております。しかしながら、議員御指摘のとおり、京都府の平均寿命は男女とも全国平均を上回っておりますが、健康寿命につきましては、男性は徐々に延伸し全国平均を上回ってきたのに対し女性は下回っている状況にございます。また、平均寿命と健康寿命の差につきましては、男性は8.69歳となっており縮小傾向にございますが、女性は13.67歳と拡大傾向にあり、その改善を図る必要があるものと考えております。  このため京都府高齢者健康福祉計画では、健康寿命の延伸を主要な目標に掲げ、主要な死亡原因であるがん、循環器疾患などの生活習慣病の予防、要介護の原因となる転倒・骨折や認知症の予防、高齢者が生きがいを持って活躍できる地域づくりの推進などに取り組んできたところでございます。
     さらに、現在どのような要因が府民の健康寿命に影響を及ぼしているかについて、国の調査データを活用して分析を進めているところでございます。  今後とも、健康寿命の延伸に向けまして、高齢者の特性に応じた健康づくりの取組を積極的に進めてまいりたいと考えております。  次に、「通いの場」についてでございます。  高齢者による健康体操の集いや、食事会、茶話会等の高齢者サロン、趣味のサークル、認知症カフェなど、地域で自主的に運営されている通いの場は、令和4年3月現在、府内で1,254か所あり、健康づくりや仲間づくり、支え合いの場として活用していただいているところでございます。  高齢化が進行する中、高齢者の介護予防を充実していくためには、地域における「通いの場」の取組を継続的に拡大いたしますとともに、地域の実情に応じて行政と地域住民、NPO法人等が連携し、多様な主体による通いの場の活動を充実していくことが有効でございます。  こうした「通いの場」を含む介護予防事業は、介護保険法に基づき全国的に同様の水準により実施されているところでございますが、高齢者のうち「通いの場」に参加する者の割合は、全国平均が5.3%に対し京都府は2.3%にとどまっており、参加人数が少ない状況となっております。このため、より多くの高齢者に参加いただけるよう、市町村やNPO団体等と連携し、通いの場を増やしていくとともに、リーフレットの配布や老人クラブの会報誌による案内などにより、高齢者やその御家族等への周知を図ってまいりたいと考えております。  次に、介護予防事業についてでございます。  介護予防事業につきましては、心身の機能の維持改善を目的とした機能回復訓練を行うだけでなく、生活機能全般を向上させる必要があるため、保健師、管理栄養士、歯科衛生士、リハビリテーション専門職などの幅広い職種とも連携しながら、高齢者の自立支援に資する取組を推進することが重要だと考えております。  介護予防事業は、市町村が主体となって地域の状況に応じて取り組むものでございますけれども、京都府では、運動や口腔ケアと栄養・食生活改善を組み合わせた「介護予防総合プログラム」を亀岡市、府立医科大学と共同して平成25年度に開発をし、市町村とともに普及を進めてきており、現在23市町村で実施されているところでございます。  また、議員御紹介のとおり、地域課題解決型市町村支援事業において、地域の実情に応じた介護予防事業を行う体制を整えるため、市町村にアドバイザーを派遣し、事業の見直しや関係機関との協働などの伴走支援を実施しているところでございます。  さらに、令和2年度からは、歯科医師会、歯科衛生士会及び栄養士会にも協力をいただきながら、通いの場において栄養、口腔ケア等の指導が実施できるよう専門職研修を開催し、これまでに延べ583名の方に受講いただいているところでございます。今後とも、通いの場における専門職の活動の推進や、アドバイザーの派遣による介護予防事業の体制強化など、市町村の取組を積極的に支援してまいりたいと考えております。  次に、民間のスポーツジム等の活用による通いの場の充実についてでございます。  通いの場において介護予防の効果を上げるためには、栄養士等専門職が高齢者の特性に応じた指導等を行うことが有効だと考えております。他府県では、スポーツジム等を活用した通いの場を実施されている事例もありますことから、市町村や関係団体と情報共有を図り、研究してまいりたいと考えております。  今後とも、介護予防事業の充実を通じ、健康寿命の延伸を図り、高齢者の方が健康で生き生きと暮らせる地域づくりを進めてまいりたいと考えております。 19: ◯議長菅谷寛志君) 北原慎治議員。    〔北原慎治君登壇〕 20: ◯北原慎治君 ありがとうございます。スポーツジムに関して研究いただいているということで、前向きに研究いただければなと。ありがとうございます。  先日、地元であった「ふれあいまつり」というところに行かしてもらって、障害者支援の事業者の方とか父兄の方とお話しさせていただいたことがあったんですけれども、やはりそういった方の口の中というのは大分状態が悪いというお話を聞いていましたし、やはりそういう方とすれば地域の歯科医院で診ていただきたいというお声もいただきました。その辺は歯科医師会も十分御理解いただいているんですけれども。  先日、歯科麻酔医の方が、出身が新潟県の方らしくて、その方がちょっと里帰りするというふうになったら、歯科医師会の方は皆さん、もうどきどきされて帰ってこられるのかとか、ちゃんとまた続けてもらえるのかとかすごく心配されていました。歯科麻酔医というのは、本当に少ない方ですので、なかなか任用するとしても大変ということがあって、今の状況を保つというのが本当に心配されています。  今後、やっぱり歯科医師会としても責任ある立場で、障害者歯科というのを担っていく立場というのがありますので、今後、歯科医師会だけでは解決できない問題ですので、京都府と相談、協力しながら解決していきたいというふうに思っておられますので、ぜひともよろしくお願いします。  健康寿命に関してなんですけれども、私も今サッカーのシニアのチームで出させてもらっているんですけれども、先日、僕より若いサッカー経験者を誘って一緒にさせてもらったんですけれども、開始5分でピッチを出て行かれまして、やっぱり自分の思っている体力というのは実際やってみるとそうではない。今、先ほどは高齢者の方に絞ってお話をさせていただきましたけれども、全世代にわたる統計を取ると、やはり20代、30代、40代の運動量が極端に低いというデータもありますので、その辺の方にも運動をしていただくような取組も必要なのかなと思います。  介護予防事業について少し話させていただくと、介護予防事業を受けていただいている施設というのは、高齢者施設というのがほとんどになりますので、このコロナが起こった後のコロナ後の社会となると、やはり外部からそういう方を高齢者施設が受け入れるというのはなかなか難しい状況となっていると思いますので、今後そういった事業所の方々に介護予防事業をこのまま引き継いでいただくというのもなかなか難しい点もあると思いますので、そういった点を考慮して、引き続き、よろしくお願いします。  それでは、次の質問に移らせてもらいます。  再生可能エネルギーの活用促進についてお聞きします。  京都府は、平成28年に府内のエネルギーの供給源の多様化及び再生可能エネルギーの供給量の増大を図り、もって地球温暖化対策のさらなる推進並びに地域社会及び地域経済の健全な発展に寄与することを目的に「京都府再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例」を制定しました。そして、令和2年12月21日、京都府議会11月定例会において「京都府地球温暖化対策条例及び京都府再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例の一部を改正する条例案」が可決し、令和2年12月23日に改正条例が公布されました。  令和4年には、延床面積300平方メートル以上2,000平方メートル未満の準特定建築物に対して、新たに再生エネルギー設備の導入を義務化したり、延べ床面積2,000平方メートル以上の特定建築物に対して再エネ設備の導入義務を強化しました。  FIT制度の創設以降、太陽光発電の導入が急速に進展してきましたが、2050年の脱炭素社会の実現、2030年の温室効果ガス46%削減を達成するためには、再生可能エネルギーの最大限の導入が求められており、中でも太陽光発電の導入拡大が必要不可欠とされて推進されています。  一方、太陽光発電については、近年、件数の増加に伴い様々な形態の太陽光発電が出現し、周辺住民とのトラブル事案が発生している地域もあります。また、設置後の維持管理、整備、廃棄等に関する住民の不安が高まっており、加えて大規模施設等の設置による土砂災害の発生なども懸念されている状況にあります。  先日、府民環境・厚生常任委員会で宮城県へ管外視察に行きました。宮城県では、令和2年4月に宮城県太陽光発電施設の設置等に関するガイドラインを策定され、発電事業者へ適正な手続を取るよう協力を求めてこられましたが、脱炭素社会の実現を図るためには、地域と共生する太陽光発電の導入拡大が必要であることから、新たに太陽光発電施設の設置等に関する条例を制定されました。  条例での主な規定事項として、出力50キロワット以上の太陽光発電施設を有する事業者には、計画作成の初期の段階から地域住民へ十分に情報提供を行い、太陽光発電事業について理解を得られるよう地域住民等への事前説明の義務化や、地滑り防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、土砂災害特別警戒区域、砂防指定地等の設置規制区域内への設置の原則禁止、事業計画の届出の義務化が明記されています。  しかしながら、地域との共生が困難な事業であっても、法令に基づく許可基準を満たす場合には許可しなければならず事業が実施可能になってしまうことや、地域住民の同意を条例によって義務づけることは財産権との関係で困難であること、新たな規制強化による森林開発抑制策を打ち出すことは難しいといった課題を抱えておられました。  規制等による再エネの森林開発抑制には限界があることを悟られた宮城県は、森林を開発した用地等に設置する再エネ施設に対し課税を行い、経済的な負担が重くなる状況をつくり出すことにより再エネ施設による大規模森林開発の抑制と、平野の未利用地などへの適地誘導を図り、地域と共生する再エネ施設の設置を促進することを検討されています。  他の都道府県の同様の取組として、岡山県の美作市では、太陽光発電の急速な進展に伴う土砂災害や河川洪水の懸念等への対策を目的とする美作市事業用発電パネル税条例を制定し、その導入に向けて現在総務省と協議をされています。  そこでお尋ねいたします。  このように太陽光パネルの設置を急ぐことによって出てきた弊害に対して対策をする自治体が出てきている中、京都府もこのまま太陽光パネルの設置を推し進めていかれるのでしょうか。  また、宮城県や岡山県美作市等の課税による開発の抑制のような対策は考えておられないのでしょうか。  先ほど紹介した宮城県では、脱炭素社会を実現するため水素社会の構築に向けた取組を促進されています。FCトラックの導入可能性調査の実施や、トヨタ自動車がセブンイレブンジャパンと共同開発したFCトラックのうち1台を借り受けて実証走行をしたり、FCバスの路線運行を支援されたり、FCVタクシーの導入を支援されたりしています。  中でも注目したいのが、FCVの新車購入に対して上限57.6万円から100.7万円の補助金を交付されています。例えば、710万円のトヨタのMIRAIを購入すると国からの補助が145.3万円に、宮城県からの補助金57.6万円がプラスされるので507.1万円で購入できます。宮城県のFCV普及台数は、令和2年度で62台であったのが令和3年度には113台まで増えたそうです。  そこでお尋ねいたします。  京都府も「京都府燃料電池自動車普及・水素インフラ整備ビジョン」を策定されており、その中での普及目標として2020年度の当面の目標、FCV1,500台、水素ステーション7か所、2025年度の中期目標、FCV2万台、水素ステーション16か所とされていますが、現在の状況はいかがでしょうか。  次に、「京つけもの」について質問させていただきます。  京都府は、京都府知事指定伝統工芸品として、京都を代表するブランドである伝統工芸品や伝統食品について条例に基づく指定を行い、全国に向けて総合的な情報発信を行っておられます。京都の生活文化の中で育まれた伝統食品を「京もの伝統食品」として、京つけもの、京上菓子を指定されました。今回は、この中の「京つけもの」を取り上げさせていただきます。  京都は千有余年の間、都として栄え、全国からえりすぐりの品々や人、情報が集まりました。野菜も宮廷や社寺に全国から優れた献上品として集まり、京都の肥沃な土壌と豊かな水源、農家の高い栽培技術により改良されてきました。  京都大原の「しば漬」と聖護院かぶらを用いた「千枚漬」、すぐき菜を漬けた「すぐき」を合わせて「京の三大漬物」と呼びます。  「しば漬」は、大原の名刹・三千院の僧侶、聖応大師が発案したとされています。「しば漬」という名前の由来には、複数の説があります。平安時代の末期、平家の娘であり、高倉帝の皇后であった建礼門院徳子様は、壇ノ浦の合戦で平家が滅亡した後、大原の寂光院に閑居します。高倉天皇は既に亡くなっており、その上、源平の戦いで子どもである安徳天皇と一族を失って、侍女とともに仏に祈る生活を送る建礼門院に大原の里の人が献上したのが「しば漬」でした。  大原はシソの産地だったので、保存食の材料にも使われていました。赤ジソとナスで作られた漬物は鮮やかな紫で彩りが美しく、その味に大層喜んだ建礼門院が鮮やかな紫色にちなんで「紫葉(むらさきは)漬」と呼んだことから「しば漬」になったという説と、木の「柴(しば)」、「柴」漬けの字を当てる説もあり、こちらは大原の産物であった柴を大原女と呼ばれる行商をなりわいとした女性が売り歩くことから呼ばれるようになったとも言われています。  今では全国で買うことができ、定番の漬物の一つとなっている「しば漬」ですが、元は京都大原の郷土料理で、赤ジソとナスと塩で作られた自然の乳酸発酵によってできるものでした。現在、一般に流通しているしば漬は、ほとんどが大原発祥の本来の「しば漬」とは異なる作り方をされています。調味液に漬けて味つけをした「調味しば漬」が市販品の主流になっています。ほんまもんのしば漬は、どのようなものだったのでしょうか。  大原の里が「しば漬」の産地として名高いのは、大原盆地の昼夜の寒暖の差が大きく、香り豊かな良質の「シソ」を収穫できることが、「しば漬」作りにおいて欠かせない条件であることが挙げられます。  「しば漬」を作る作業を紹介します。早朝からの手摘み作業を経て、葉と枝に分けられます。幹の下の古い葉などは取り除き、若々しい葉だけに選別します。熟練を要する作業となります。この作業を行うと、漬蔵の中にはさわやかなシソの香りでいっぱいになるそうです。手摘みしたシソ、スライスしたナス、塩を加えて攪拌し、たるに入れて重石をして熟成させていきます。乳酸菌によって醸される「しば漬」の色鮮やかさとおいしさは、重石の加減が決めると言っても過言ではなく、熟練された職人たちの手作業によるたまものだそうです。  現在、この熟練した職人が高齢化のために少なくなっており、ほんまもんの漬物を継続して生産していくことが難しくなっているそうです。一年中作業をするわけではないので、正社員として雇用するのは難しく、またシソを収穫するときは早朝から作業をし、手作業で茎から葉を取るそうで、一日あっても1人でできる量には限界があります。もともと大原の農家の方が自分の家のための保存食を作っていたもので、そのような作業でもされておられました。しかしながら、商売のためには一定の量が必要になりますし、それを確保するための作業を個人の農家でするには負担が大き過ぎます。会社としてやるにしても、年中できる作業ではありませんので雇用するのは難しい。このために、ほんまもんの京つけものを後世に残すのが難しくなっているそうです。  「すぐき」は、今から400年前の桃山時代に、上賀茂神社に使える氏族が屋敷の中で栽培したのが始まりとされています。その後、江戸時代末頃からは、上賀茂神社周辺の農家でも栽培されるようになりました。しかし、当時の所司代から出された「就御書口上書(おかきつけこうじょうがき)」により、他の村へ、すぐきやその種を持ち出すことが禁じられていました。そして、当時は一般の農家でも生産量が少なく、普及し始めるのは明治以降です。今現在も、そのほとんどが上賀茂周辺の地域、松ヶ崎より西、北山通りより北部という上賀茂の狭い地域に限られてしか生産されておりません。  「千枚漬」は、現在では薄切りにした聖護院かぶらを昆布とともに酢漬けするのが一般的ですが、かつては塩漬けによる乳酸発酵で作られるものでした。聖護院かぶらの現在の主力産地は亀岡市ですが、かつては名が示すとおり京都市左京区の聖護院で作られていた野菜です。  そこでお尋ねいたします。  京都府は、京もの伝統食品として京つけものを指定されておられますが、そのほんまもんの京つけものの現状と課題をどのように理解され、今後どのように展開されるのかお聞かせください。  以上で私からの質問を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) 21: ◯議長菅谷寛志君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 22: ◯知事西脇隆俊君) 太陽光発電の導入についてでございます。  京都府におきましては、令和3年3月に改定した「京都府再生可能エネルギーの導入等促進プラン」におきまして、地域共生型の再エネ事業の普及促進に取り組むこととしており、再エネの導入拡大に当たりましては、環境との調和を図るとともに地域住民の理解を得ることを前提としております。環境調和の観点からは、環境アセスメント制度を通じて環境の保全に十分配慮して事業を行い、地域の不安払拭に向け丁寧な情報提供を行うよう事業者を指導するとともに、森林法や砂防法などの関係法令に基づく安全対策を求めているところでございます。  また、令和3年度に改正された地球温暖化対策推進法では、市町村が地域との合意形成を図りながら再エネ導入に係る促進区域を設定する制度が創設され、都道府県は市町村が促進区域を設定する際の基準を策定できることとなりました。このため京都府では、地域の環境保全に配慮し、安全や防災の観点も含めた独自の基準を策定いたしますとともに、再エネに対する理解促進に向けて、市町村による促進区域の設定を支援していくこととしております。  さらに、再エネ設備の設置に当たって、防災・環境上の懸念等をめぐる問題が全国的に生じていることから、全国知事会を通じて地域住民への事前説明義務の法整備など、地域との合意形成に資する措置について国に求めているところでございます。  他方、例えば荒廃農地を活用した営農型太陽光発電は、農地の再生利用や農地整備に伴う獣害対策効果、非常用電源としての地域での活用などが期待されているなど、再エネ導入による地域へのメリットを提示していくことも重要だと考えております。  京都府におきましては、再エネ導入が地域にもたらす様々なメリットについて調査研究し、それらの知見を広く発信いたしますとともに、市町村とも連携して太陽光発電を含む地域共生型の再エネ事業の普及促進に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、議員御紹介の再エネ設備に対する課税制度につきましては、再エネ導入と地域共生への効果や課題等の精査が必要であることから、現在検討されている先行事例の動向を注視してまいりたいと考えております。  燃料電池自動車、いわゆるFCVの普及についてでございます。  京都府におけるFCV等の普及状況につきましては、令和3年度末時点で、FCVは90台、水素ステーションは3か所となっており、目標には到達しておらず、全国的にもFCVや水素ステーションの導入は進んでいない状況でございます。  その要因といたしましては、車両が高額であることや車種が限定されていることに加え、水素ステーション自体の整備費用が高額であることが挙げられます。そのため国におきましては、現在、水素製造技術の開発や水素市場の拡大など、官民が連携し様々な課題の解決に取り組まれているところでございます。  京都府におきましても、京都府北部地域での燃料電池フォークリフトを用いた実証事業や、水素ステーション導入に対する京都府の独自支援などに取り組んでいるところであり、まずは水素需要の創出や、府民、事業者への水素利用に対する理解促進を図ることとしております。こういった取組を通じまして、FCVの普及拡大にもつなげてまいりたいと考えております。  次に、「京つけもの」についてでございます。  京つけものは、先人たちの豊かな発想と高度な技術によって生み出され、長い歴史の中で農家と職人が切磋琢磨し、今日まで伝統食品としての高い地位を維持しながら、他産地との差別化を図ってまいりました。  京都府では、こうした伝統産業を将来にわたって守り発展させていくため、京都府伝統と文化のものづくり産業振興条例を平成17年に制定し、幅広い分野で振興を図っております。京つけものにつきましては、「しば漬」「すぐき」「千枚漬」を京もの伝統食品の第1号に指定するなど、関係者と一体となった取組により観光需要等を伸ばしてまいりました。  一方、議員御紹介のとおり、京つけもののうち、しば漬につきましては生産地が大原地区に限定され、シソの栽培から加工までを一貫経営されている事業者が多い中、生産者の高齢化に伴い担い手不足が深刻化しているものと認識しております。これらの担い手不足に対応するため、短期的には京都援農隊が派遣するボランティアや農業体験を行う大学生を地域全体で受け入れるなど、人材確保の支援をしてまいりたいと考えております。  また、中長期的には地域内で労働力を融通し合える新たな仕組みづくりや、小規模事業者による共同生産体制の構築など、様々な可能性を検討してまいりたいと考えております。  販売面では、今般のコロナ禍による贈答や土産物需要の減少により、一時的には販売額がコロナ前の2割から3割にまで激減するなど、漬物業界は大変厳しい状況となりました。京都府では、緊急的な需要喚起策として、高級料亭の御膳やミールキットと漬物などをセットにした「京の食」プレミアムフードをECサイトで販売いたしましたところ、全国で好評を博し、改めて京の食文化が持つ魅力と価値を実感するなど、京ものが一体となった販売戦略の強みを学んだところでございます。  今後の販売対策としては、国内では、料理人とのコラボにより登録無形文化財にも登録された京料理と京つけものの新たなメニュー開発や、需要の高まる中食用の新商品開発などにより京つけものの魅力を高めますとともに、海外に向けましては、産地と独自の製造技術に裏づけられた京つけものを地理的表示保護制度(GI)に登録し差別化を図った上で、京ものが一体となった販売戦略を展開してまいりたいと考えております。  また、議員御紹介のとおり、キュウリなどを調味液で加工した「しば漬」が多く流通していることから、ナスを使った本物の「しば漬」の認知度を高め、適正な価格で販売する取組が必要でございます。先月には、東京都内で実施した京ものの販売イベントにおきまして、高級志向の消費者に本物の「しば漬」を知っていただいたところであり、来年2月にも首都圏で行われる全国の百貨店やスーパー等のバイヤー向け商談会への出展を支援し、認知度向上を図ることとしております。  さらに、消費者の健康志向の高まりや発酵食品への注目度の高さを好機と捉え、京都府漬物協同組合と包括連携協定を結んだ京都府立大学による漬物の機能性評価や、京都食ビジネスプラットフォームにおける異業種連携により、漬物が持つ発酵と乳酸菌の魅力を生かした新たな付加価値のある商品の開発などを支援してまいりたいと考えております。  今後とも、高品質な原材料の確保と、ほんまもんの京つけもののPR、新たな需要創造などの支援により産地の維持・拡大を図り、漬物業界の振興に取り組んでまいりたいと考えております。 23: ◯議長菅谷寛志君) この際、午後3時20分を目途に本会議を再開することとし、休憩いたします。    午後3時07分 休憩            ─────────────────────    午後3時20分 再開 24: ◯議長菅谷寛志君) 休憩前に引き続き会議を行います。  次に、西山頌秀議員に発言を許可します。西山頌秀議員。    〔西山頌秀君登壇〕(拍手) 25: ◯西山頌秀君 日本共産党京都府会議員団の西山頌秀です。会派を代表して質問いたします。よろしくお願いいたします。  質問に入る前に、一点指摘をさせていただきます。先日報道されました山下副知事のセクハラ発言についてです。報道によれば、副知事が海外出張中、ジェンダー問題に取り組む団体の代表理事である女性へ発言された内容がセクハラと指摘されています。女性は、本府へ対応を依頼後、副知事本人から連絡があったため、西脇知事へ組織的対応について公開質問をされております。本来、ハラスメント被害の根絶を目指すべき行政において、あってはならないことと考えます。被害告発された方への丁寧な対応はもちろんのこと、早急に事実の究明を図るとともに、問い合わせ後の対応についても本来の組織的なハラスメント対応に照らして、適切であったのかも含めた検証を実施すること、そして検証結果については府民・議会への報告を求めておきます。  では、質問に入ります。コロナ感染は、病床使用率が11月末以降、47%以上の状況が続いており、新規感染者も今週に入って2,000人以上の日が続くなど、切迫しています。また、季節性インフルエンザとの同時流行も懸念されています。多くの府民が医療にアクセスできる環境整備、医療・公衆衛生体制の拡充は待ったなしです。  ところが、岸田政権はこの間、陽性者の全数把握を見直し、65歳以上の高齢者や小学生以下の子どもなどに外来受診を限定するなど、医療アクセスを狭めてきました。そして、本府もその方針に追随した結果、自宅療養者の数値が公表されず、現役世代の陽性者はフォローアップセンターへ通告された以上におられる可能性もあります。こうした科学的な分析ができない事態の下で、府民に対し一般的な予防行動を呼びかけても説得力の欠けたものになっているのではありませんか。  医療アクセスを拡充する上で、国の10月の通達においても、「公的検査・発熱外来の強化」が必要と指摘されております。本府では、約1,000か所の地域の医療機関をコロナの診療・検査医療機関としてきたほか、医療機関への検査キットの配布をされ、今議会に提案されている補正予算でも指定医療機関が増加されています。  一方で、地域の診療所では動線の確保等の課題で、指定機関に手を挙げられない実態もあります。そこに、岸田政権が緊急包括支援交付金の病床確保料の条件に、経営状況によっては減額するという措置が講じられようとしています。これに対応しようとすれば、即応病床数を減らすしかありませんが、そもそも感染の急拡大に備えるための病床が不足する事態にもつながり、京都府保険医協会をはじめ地域からも反対の声が広がっています。  全国知事会からも既に見直しを求める緊急提言が政府に提出され、国は批判の声を受け、知事判断により医療機関の対象外を設定できるとされました。しかし、減額措置そのものは残っており、問題が解決されたわけではありません。これまでコロナ患者を受け入れてきた地域の病院が維持できるかどうかの瀬戸際です。こうした事態だからこそ、本府による発熱外来と病床確保に向けた努力が求められています。  そこで伺います。医師会とも連携して、中学生から65歳までの方も含めインフルエンザ等の発熱者にも対応できる公的発熱外来を設置するべきではありませんか。病床確保料の減額を中止するよう国に求めるべきではありませんか。  次に、高齢者施設における留め置き問題についてです。  これまでも紹介したように、高齢者施設おいてクラスター等が発生し、他の疾患もお持ちの方が入院できずに亡くなられておられます。ある高齢の方は、施設入所中にコロナに罹患し、酸素飽和濃度が低下。国の「診療の手引き」において、入院が必要な症状と現場が判断され保健所に連絡されましたが、「入院できない」との返事でした。施設は救急にも連絡されましたが、「コントロールセンターが入院不可と判断している」とのことでした。最終的には、病院に運ばれ一命を取り留められました。  知事は9月議会の代表質問でも、決算特別委員会の総括質疑においても、「入院医療コントロールセンターにおいて療養方針を丁寧に判断しており、入院が必要な患者は入院していただいている」と答弁されてきました。現実には、できていない方がおられ、その末に亡くなられたケースも多数あります。第6波の昨年末から4月にかけては、高齢者施設等の施設内で亡くなられたケースが50件と報告されていました。しかし、それ以降は報告もされていません。  一方、警察本部の資料では、11月末までで不審死、孤独死などで検死された御遺体のうち、コロナ陽性者が64人、うちコロナが死因という方が21人など、昨年度よりも倍増しています。現場で手を尽くしても、残念ながら救えないケースもあります。しかし、行政の責任として、せめて医療にアクセスできる状況にすることが必要です。なぜ入院できなかったのか、個別ケースについて真摯な検証が必要です。  そこで伺います。入院できずに亡くなられたケースを検証し、繰り返さないためにも、どこに課題があるのか明らかにし、原則入院できるように改善するべきではありませんか。  ここまで、まずお願いいたします。 26: ◯議長菅谷寛志君) 西脇知事。
       〔知事西脇隆俊君登壇〕 27: ◯知事西脇隆俊君) 西山議員の御質問にお答えいたします。  発熱患者への対応についてでございます。  発熱患者に対応する診療・検査医療機関につきましては、京都府医師会の御協力を得て拡充を進め、12月9日時点で1,008か所となっております。加えまして、市町村が地区医師会と連携して設置する休日急病診療所に発熱患者の診療枠の拡充を要請いたしますとともに、休日の発熱患者対応に対する助成に必要な補正予算を今定例会に提案し、御議決いただいたところでございます。引き続き、京都府医師会をはじめとする関係団体と連携しながら、必要な診療体制を確保できるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、病床確保料についてでございます。  コロナ対応で引き続き確保病床数を維持していく必要がある中で、今回の国の見直しにより確保病床に影響が生じないよう、国に対しまして全国知事会等を通じ、地域の実情や各医療機関の個別事情を十分考慮の上、実態に即した柔軟な運用になるよう求めてまいりました。この結果、都道府県知事の判断で小児・周産期等の特定の診療科や、コロナ病床確保に中核的な役割を果たす基幹的医療機関などについて、病床確保料を減額する対象から除外できることとなったところでございます。今後とも、国に対しましては、新たな課題が生じた場合など、地域の実情を踏まえた柔軟な運用を求めてまいりたいと考えております。  次に、事例の検証と入院調整についてでございます。  新型コロナウイルスは、変異を繰り返しながら種類を増やし、重症化リスクや感染力を変化させてきたことから、その都度検証し、対策を見直しながら対応してまいりました。施設で療養される方に対しましては、協力医療機関や施設医などの協力の下、施設等で療養される陽性者の診療が可能な体制の確保を図ってきたところでございます。  また、入院医療コントロールセンターでは、基礎疾患の有無や症状、食事や水分が取れないなどの全身の状態も考慮した上で療養方針を判断しており、入院が必要な患者は入院していただいているところでございます。  今後とも、新型コロナ対策につきましては、その都度状況を検証しながら臨機応変に対応し、府民の命と健康を守れるよう万全の対策を講じてまいりたいと考えております。 28: ◯議長菅谷寛志君) 西山頌秀議員。    〔西山頌秀君登壇〕 29: ◯西山頌秀君 御答弁いただきました。発熱外来について、1,008か所に増やしてきたということなんですけれども、現場の医師からは「発熱外来の対応が長期化して疲弊している」と、あるいは「診療所の条件が悪くて外来対応はできないけれども協力したい」という声もあります。だからこそ、公的に外来センターを設置することも検討すべきだと考えます。  そこで、再質問いたします。例えば、秋田県では感染拡大時に県庁でドライブスルー方式により実施された事例もあります。センター方式については、なぜ検討されないのかお答えいただきたいと思います。  もう一点、留め置きの問題についてです。  原則入院できているという御答弁ですけれども、現実に入院できていない事例があって、その検証もせずに、そんなことは言えないと考えます。現場からは、せめて保健所を介さずに、現場の臨床医とコントロールセンターの医師とが直接協議できる仕組みを求める声まで上がっておりますが、こうした要請についてはどう受け止めておられますか。お答えください。 30: ◯議長菅谷寛志君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 31: ◯知事西脇隆俊君) 西山議員の再質問にお答えいたします。  発熱外来の公的設置でございますけれども、現在のそれぞれの医療機関での窓口の状況を見ますと、増加はしているものの、まだ逼迫した状況ではございませんが、我々はコロナと季節性インフルエンザの同時流行という非常に膨大な数になることを懸念しております。  今、秋田県の例がございましたけれども、実際にそうした多くの方のインフルエンザも含めた患者を治療いたしますと、やはり、そこは日頃からそうしたかかりつけ医等の機能を果たされておられます診療・検査医療機関のところの拡充を進めるということが、何よりも重要だと考えておりまして、現時点におきましては、公的な発熱外来の設置は検討しておりません。  また、入院医療コントロールセンターの入院の判断についてでございますけれども、先ほども申し上げましたけれども、患者の発生状況、患者一人一人の症状、また受入医療機関の状況等を含めて、総合的に判断した中で判断をしておりまして、保健所を通す、保健所を通さないにかかわらず感染患者の状況を見ながら的確に判断をしておりまして、入院医療コントロールセンターの機能が的確に判断するように、我々も全力で支援してまいりたいと考えております。 32: ◯議長菅谷寛志君) 西山頌秀議員。    〔西山頌秀君登壇〕 33: ◯西山頌秀君 公的発熱外来センターについては、これまでも医療が逼迫してきた、そういう状況もあります。これまでの状況の中で医師会と現場の声にぜひ耳を傾けていただいて、全国の事例もぜひ検討していただきたい、これは要望しておきます。  既に第8波に入り始めているという指摘もある下で、検証もせずに同じように医療へアクセスできないまま命を落とされるような事態は繰り返してはならないと考えます。この点は強く指摘をさせていただきます。  次の質問に移ります。府民の暮らしと京都経済を守るための緊急対策についてです。  総務省が発表しました10月の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合指数で前年同月比3.6%上昇、オイルショック以来40年ぶりの急激な物価上昇となっています。府内でも京都市消費者物価指数は前年同月比で3.4%上昇、13か月連続上昇です。特に食料品や光熱費など消費者に身近な分野で上昇しており、これに総務省の「家計調査」で2人以上の平均的世帯の費目別支出額に物価上昇分を適用すると、年間13万円の負担増となることが「しんぶん赤旗」で報じられています。これが個人消費を冷え込ませる上、原材料費やエネルギー価格の高騰は中小企業・小規模事業者の経営も圧迫します。さらにアベノミクスで異常な円安をもたらした結果、物価高騰をさらに押し上げています。そのため地域経済の立て直しには、緊急に物価を抑える施策と同時に、抜本的に内需を温める必要があります。内需の温めには賃上げを軸とした対策が必要です。  岸田政権も「構造的賃上げ」と掲げていますが、中身はリスキリングによるキャリアアップ支援や副業・兼業支援等、また国は「労働移動が少ないことが生産性向上の足かせになっている」として労働移動の促進を掲げています。  しかし、これでは効果がありません。日本では雇用の流動化のためとして人材派遣が自由化され、非正規雇用が増加しました。能力があっても、不安定雇用のため景気変動のたびに切られてきた方がたくさんおられます。企業は人件費を抑えなければ生き残れず、非正規雇用の増加と一体で正規労働者の長時間労働を生み出しました。これが労働生産性を下げて、賃上げできない状況をつくり出しています。  そこで、政策転換による安定雇用を広げること、賃上げできる環境整備が必要です。非正規雇用は、その多くを女性が担っており、男女の賃金格差の原因にもなっています。男女の賃金格差は民間給与実態統計調査によると、年収で243万円にも及びます。本府においても男性の賃金を100とした場合の女性の賃金は、全産業平均で56.8、非正規雇用が多いとされる卸売業・小売業では49.6となっています。  そこでお伺いします。男女の賃金格差をなくす上でも、同一価値労働同一賃金の原則化、非正規雇用の労働条件を抜本的に改善して正社員との格差をなくす等の施策が必要ではありませんか。  また、京都地方最低賃金審議会で、最賃の引上げに対し中小企業への社会保険料の負担軽減など、「真に直接的かつ総合的な抜本的支援策」が求められてきましたが、こうした施策は国にありません。本府議会でも昨年、「コロナ禍で影響を受ける中小企業、個人事業主、働くひとたちへの経済対策・緊急支援対策を求める意見書」において賃金引上げができる環境整備を求めてきたところです。  そこで、社会保険料の負担を賃上げ分に応じて減免することや直接的な賃上げ助成金制度の創設など、直接的支援を国に求め、同時に本府としても非正規雇用の改善を含めてどういう支援をされていくおつもりか、お答えください。  次に、中小企業・小規模事業者の支援についてです。  長期化するコロナ禍と物価高騰、さらに来年から本格的に返済が始まる、いわゆるゼロゼロ融資の返済という「三重苦」問題が深刻です。京都中小企業家同友会の景況調査報告では、「流通・商業、サービス業、京都中北部、正規従業員数『4人以下』の企業における景況回復や物価の安定が必要不可欠となっており、先行きへの『不透明感』がにじむ」と指摘されております。  ゼロゼロ融資の実績は、昨日の本会議で自民党議員へ答弁されたように府内で約4万7,000件、1兆円とされています。東京商工リサーチの「債務の過剰感についてのアンケート」では、債務について「コロナ後に過剰になった」中小企業が19.4%、「コロナ前からの過剰感」の11.3%と合わせ30.8%が「過剰債務」と回答しています。  この間、日本共産党京都府会議員団として京都信用保証協会や信用金庫、中小企業団体、ものづくりの事業所等へお話を伺ってきましたが、「資材が高騰して、このままでは仕事を受けるほど赤字になりかねない」「事業の見通しが全く立たないまま融資の返済が始まる」「3割の企業が返済できない可能性もある」との声が上がっています。  こうした状況を打開するためには、まず緊急的に物価上昇を抑える仕組みと、中小企業の経営が維持できる制度が求められます。しかし、岸田政権が打ち出した政策は、物価全体ではなくエネルギー価格等限定的で、これまで高騰してきた原材料や仕入れ価格までカバーするものではありません。加えて、そこにインボイス制度が導入されようとしています。府内経済も支える多くの個人事業主等の納税免除が外されれば、関連する多くの業者の収入減少は避けられず、最悪の場合は廃業に追い込まれる業者も生まれかねません。  そこで、まず国の制度に関わって伺います。物価全体を抑える最も効果的な施策は消費税の減税です。知事はこの間、「国において検討されるべき」「社会保障財源にとって必要」との答弁を繰り返されておられますが、物価高騰対策として有効とはお考えになられませんか。  また、府内の経済実態を踏まえ、インボイス制度の中止と、消費税の納税困難な事業者への特例的な減免・猶予制度等を国に求めるべきではありませんか。  ゼロゼロ融資については、国は新たな規模のものへと借換え可能な信用保証制度等を補正予算で議決しています。同時にその条件として、事業再生計画についてより厳しく審査されることも示されています。もとより国は、経営改善できない中小企業の淘汰の議論をされていますが、実際には小規模事業者への支援こそ求められています。府内企業の実態に応じた施策が求められています。  そこで、これまでの債務とは別枠で切り離し、事業規模に関係なく無利子・無担保で一定期間返済を猶予する新規融資制度など、新たな制度を国に求めるべきではありませんか。  そして、本府として独自に中小企業・小規模事業者が無条件に経営を維持できる支援が必要です。京都市では中小企業に5万円、個人事業主に3万円の支援金を給付するとされています。ほかにも府内市町村で、これまでから独自の給付金等を実施されてきました。知事は「事業支援や雇用維持のベースとなる支援は国の役割」と否定されますが、国が今やらない以上、京都府として光熱費や家賃等を含む様々な固定費支援を実施するべきではありませんか。  さらに、こうした施策を緊急的に急ぎながら、事業倒産等の事態が広がる懸念がある下、府民生活を支える越年対策が求められます。我が党議員団として9月議会閉会日に2023年度予算要望を実施しましたが、その中でも来年度予算を待たず、緊急に越年対策が必要であると補正予算の検討を求めておりました。中でも、本年9月末に終了した生活福祉資金のコロナ特例貸付について、特に緊急小口資金が年明けから返済開始されますが、物価高騰も相まって府民の生活はより厳しくなっています。京都労働局の最新の雇用失業情勢によれば、「持ち直しの動きが広がりつつあるものの、求職者が依然として高水準」として、回復に至っていないとされています。加えて雇用調整助成金の特例措置も11月末で終了となり、雇用情勢は極めて不安定です。資金の貸付は、住民税非課税世帯は返済免除とされているものの、所得が落ち込む中にある方にとっては、「借りたときよりも苦しいのに返済が始まる」という声もあります。  また昨年は、本府が実施した「府民に寄り添った地域活動緊急支援事業」も積極的に活用され、地域の幅広い団体が生活に困窮する世帯への食料品・生活必需品などを提供する取組を実施されました。私も幾つかの団体を伺って取組を拝見しましたけれども、「家の食料が底をついていて本当に助かった」という歓迎の声をお聞きしました。そのため「今年も実施してほしい」との要望が我が議員団にも多数寄せられています。本年9月末で終了した生活福祉資金のコロナ特例貸付けについて、一度利用された方の追加貸付けも含めて再度実施、また返済免除の緩和や雇用調整助成金の特例措置の延長など国に求めるべきと考えますが、いかがですか。その上で本府も地域活動緊急支援の再実施など検討すべきではありませんか。  ここまでお願いします。 34: ◯議長菅谷寛志君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 35: ◯知事西脇隆俊君) 同一労働同一賃金に基づく処遇改善と賃金引上げについてでございます。  京都府では、これまでから非正規雇用労働者の雇用環境改善について、同一労働同一賃金に基づく処遇改善を国や経済団体に要望いたしますとともに、セミナーや社会保険労務士による無料相談会の開催等による周知に取り組み、誰もが働きやすい職場づくりに向けて取り組んでいるところでございます。また、賃金引上げにより労働者の生活の安定と向上が図られることが、経済の好循環をもたらし、さらに地域経済の活性化につながることから賃金引上げは重要でございます。  一方で、中小企業の事業継続のためには、原資となる利益を確保しながら賃金を引き上げていくことが大切であると考えております。そのため、国に対して中小企業の賃金引上げに向けた支援制度改善などを要請するとともに、京都府としても中小企業の経営安定に向けた支援や、利益確保につながる生産性向上の取組への支援を実施してまいりました。  今後とも、あらゆる施策を総動員し、雇用環境の改善や賃金引上げができる環境の整備に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  なお、社会保険料につきましては、労働者が安心して就労できる基盤を整備することは労働者を雇用する事業主の責任であり、また労働者の健康の保持及び労働生産性の増進が図られることが事業主の利益に資することから、直接保険給付を受ける労働者と事業主双方で応分の負担を行うことが基本であると考えております。  次に、消費税及びインボイス制度についてでございます。  消費税につきましては、全世代型社会保障に必要なものとして法律で税率の引上げが行われたものであり、少子高齢化社会における我が国全体の社会保障財源の問題として、国において検討されるべきものと考えております。  また、インボイス制度は、消費税率引上げに伴う低所得者対策として軽減税率が導入され、複数税率になったことに伴い、売手と買手の双方において取引における消費税率と税額等を一致させ、適正な課税を行うために必要な仕組みとして令和5年10月から導入することとされております。制度の円滑な導入を図るため、国におきましては、IT導入補助金や持続化補助金による中小事業者の事務負担の軽減や販路開拓など、免税事業者をはじめとした事業者のインボイス制度導入に向けた環境整備に取り組まれております。また、新たな対策として、免税事業者が課税事業者を選択した場合の納税額にかかる負担軽減措置等についても、現在検討が進められているところでございます。  京都府といたしましても、国による制度改正等の動向も注視しつつ、インボイス制度導入に向けた周知などに取り組みますとともに、中小事業者に与える影響等を踏まえながら制度の円滑な導入に向けて、引き続き必要な支援を行うよう国に求めてまいりたいと考えております。  次に、資金繰り支援についてでございます。  コロナ禍で厳しい経営環境にある中小企業・小規模事業者を支援するために実施した無利子・無担保・無保証料の融資につきましては、中小企業の事業継続を支える大きな役割を果たしました。しかし、無利子期間の終了と元本返済開始のピークを来年度に迎える状況の中、原油価格・物価高騰の影響が加わり、中小企業の資金繰りが一層深刻化するおそれがございます。そのため、国に対しては事業者が条件変更する際に必要となる信用保証料への支援や、借換えが可能で長期・低金利となる新たな融資制度の創設を繰り返し求めてきたところでございます。  その結果、12月2日に成立いたしました国の補正予算におきまして、借換えにも対応する新たな信用保証制度の創設が措置されました。今後、新たな信用保証制度の詳細が明らかになりましたら、京都府としても新たな融資制度を速やかに立ち上げたいと考えております。引き続き、あらゆる施策を総動員することにより、中小企業の事業継続に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次に、固定費への支援についてでございます。  固定費支援など事業継続や雇用維持のベースとなる支援は国が担い、京都府は地域の実情に応じたきめ細やかな支援を行うことが重要であると考えております。そのため国に対しまして、家賃支援給付金の再給付や、エネルギー価格の低減措置などを繰り返し求めてまいりました。  京都府としては、持続的な経費削減につながる設備投資や経営効率化をきめ細かく支援してきたところであり、6月議会及び9月議会で議決をいただきました原油価格・物価高騰等小規模事業緊急支援事業につきましても、当初の想定を超える約1万4,000件もの申請をいただいたところでございます。こうした支援により、中小企業や小規模事業者の将来にわたるコスト低減や経営効率化が進展し、経営体質の強化につながっているものと考えております。引き続き、あらゆる施策を総動員し、中小企業の事業継続を全力で支援してまいりたいと考えております。  次に、生活福祉資金の特例貸付けについてでございます。  コロナ禍の影響により収入が減少した世帯の暮らしを支えるため、京都府社会福祉協議会において、これまで延べ約11万7,000件、約483億円の貸付けを実施していただいたところでございます。また、貸付けを受けた方のうち、住民税非課税世帯につきましては、国により償還が免除されることとなっており、現在、令和5年1月から開始される約6万9,000件の償還のうち、45%に当たる約3万1,000件について償還免除の申請を受けているところでございます。  京都府といたしましては、特例貸付けの償還が生活に困窮された方々の生活再建の妨げとならないよう、引き続き、償還免除要件の緩和などを国に求めているところでございます。  また、雇用調整助成金の特例措置につきましても、これまで国に対し措置の延長などを求めてまいりました。社会経済活動の回復に向けた動きが本格化し、観光、飲食産業などを中心に人手不足が顕著となっている中で、助成金の利用はピーク時からは約7割減少しておりますが、コロナ禍以前と比べると今もなお多くの業種で利用されていることから、引き続き雇用情勢に合わせ柔軟に対応するよう要請してまいりたいと考えております。  次に、年末年始の地域活動緊急支援についてでございます。  令和3年度は57のNPO等の民間団体が、京都府の地域活動緊急支援事業を活用し、年末年始にコロナ禍の影響を受けた生活困窮世帯へ食料品や生活必需品を無償で提供する活動を行ったところでございます。令和4年度に入り原油高・物価高騰などの影響もあり、府民の暮らしが厳しい状況に置かれていることから、現在、地域の社会福祉協議会を通じて食料品等を配布するとともに、住居確保や就労などの必要な支援につなげる物価高騰対策緊急生活支援事業を実施しているところでございます。  年末年始に向けましても、この物価高騰対策緊急生活支援事業の一環として、生活困窮世帯への支援に取り組むNPOやボランティアグループなどにも食料品等の支援物資が提供され、さらに幅広い方々に支援の手が届くものと考えております。今後とも、社会経済の状況や物価高騰の影響を注視し、支援を必要とする方々の暮らしをしっかりと支えてまいりたいと考えております。 36: ◯議長菅谷寛志君) 西山頌秀議員。    〔西山頌秀君登壇〕 37: ◯西山頌秀君 まず、消費税についてです。物価高騰の以前と同じ答弁を繰り返されておりますけれども、この間、経済状況は変わっておりますので、やはりそうした現場の状況を踏まえて国に減税を求めていくことが私は必要だと思います。岸田政権の物価対策は、生活必需品なども高騰している状況にとても追いつかないものです。先ほども紹介しましたけれども、オイルショック以来40年ぶり規模の物価高騰という事態ですから、ぜひ国へ強い働きかけが必要だと考えますので、その点は要望しておきます。  生活福祉資金の貸付けについて、先日我が会派として厚労省へ要請に伺いました。返済については住民税非課税世帯が免除となりますけれども、その他、物価高騰等による生活激変等の状況があれば、返済猶予や分割納付など柔軟な対応も可能との見解を伺っております。本府としても周知・徹底いただくよう、これも要望しておきます。  制度融資について、多くの事業者が返済できずに廃業されていけば地域経済や雇用に深刻な影響が広がります。国への働きかけと同時に本府独自に早急に実施されることを求めます。その際、無利子・無担保・無保証料であることはもちろんのこと、多くの中小企業が利用できる支援となるよう求めておきます。  2点、再質問いたします。  非正規雇用の改善について、本府として丁寧な事業所支援をされているということですけれども、例えばリーマンショック時に実施されたような緊急雇用創出事業も含めて検討されないのか。知事の御認識を伺います。  もう一点は、地域活動緊急支援について、御答弁のように先日、地域の社会福祉協議会を通じて実施している物価高騰対策緊急生活支援事業の取組で、支援物資提供の団体を社協以外にも広げられました。このこと自体は歓迎するものです。一方、この取組は既存予算の延長であり、昨年度は「京都府が支援してくれるならば」と取組の規模を広げる役割も担ったと考えます。年明け以降も一定期間活用できるものとして、ぜひ御検討いただきたいですけれども、いかがでしょうか。ぜひ御答弁をお願いします。 38: ◯議長菅谷寛志君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 39: ◯知事西脇隆俊君) 西山議員の再質問にお答えいたします。  まず、1点目のリーマンショック時に行われました緊急雇用創出事業について検討しないかという御質問がございました。実はリーマンショックのときに起こっている経済状況と、厳しさのレベルではなくて、かなり性格が異なっていることもございます。リーマンショック時に行った緊急雇用創出事業には、それなりに有効な効果があったというふうに思っておりますけれども、現在はそれとは別に、もともと雇用調整助成金の特例給付という非常に緊急的な措置も併せて講じた上で、京都府としてはきめ細かな雇用対策を講じているところでございまして、今回のこのコロナ禍という中での厳しい状況については、今の対応が、国がベースのことを行い、我々が地域の実情に応じたきめ細かな対応をするということで、何とか府民の生活、また事業者の皆様を支えてまいりたいと考えております。  それから、2点目の年明けに向けてもということで、年末年始にかけて考えておりますので、その実施時期等につきましては、府民の皆様になるべく分かりやすいように周知した上で安心を届けてまいりたいと考えております。 40: ◯議長菅谷寛志君) 西山頌秀議員。    〔西山頌秀君登壇〕 41: ◯西山頌秀君 御答弁いただきました。今、雇用情勢はとても不安定です。数値として現れてからでは遅くなってしまいます。寄せられている相談事例もぜひ検証いただいて、早急な対策を検討いただくよう求めておきます。  生活支援についても、年始以降、年度末も含めて支援が広がるように取組を、補正予算を組むことを含めて要望しておきます。  次の質問に移ります。子育て環境の充実に関わってお伺いいたします。  西脇知事は、就任以来「子育て環境日本一」を掲げ、切れ目のない一貫した支援を実施すると述べられてきました。しかし、真に子育て世帯や子どもを産み育てたいと願う若い世代の方々から求められる子育て・教育費負担の軽減については、自らの役割を避け、その願いに背を向けてこられました。子育てに係る経済的支援に応えることは、現在の物価高騰から府民の暮らしを守り、ひいては支援を通じて内需を温めることにもつながります。  こうした下、岸田政権も子育て施策の充実を掲げていますが、内容や財源を含めて議論が先延ばしにされている状況です。そのため、国の責任で実施すべき施策も含めて、次の子育て要求に応えることが重要です。  第1は、子どもの医療費無料化を高校卒業まで拡充することです。  この間、子育て支援医療費助成制度について2回の検討会が実施され、現行の支援対象を通院も年齢を引き上げることを求める意見も出されました。特に、市町の委員からは府の制度拡充が市町の子育て施策の財政支援にもつながるとして歓迎の声が出されておりました。同検討会に委員として参加していない市町村への聞き取り調査が今、行われていると伺っております。さきの9月議会決算特別委員会総括質疑でも西脇知事は「まずは市町村の意見を聞いてから」と、府として拡充幅を示すことを避けてこられました。今こそ、拡充内容を示すべきときだと考えます。入院も通院も高校卒業まで助成している自治体は府内で8市町村に広がっており、府の制度として高校卒業まで無料にすべきではありませんか。  第2は、小・中学校における教育費負担の大部分を占める給食費の無償化です。  給食は食育に位置づけられ、本来は教育の一環であり、本来、無償であるべきとされています。しかし、国による施策が遅れる下、全国的には文科省の2017年度調査で76の自治体が無償化を実施されていたところから、直近では「しんぶん赤旗」の調査で256自治体にも広がっていることが明らかになっています。府内でも、10月に実施された大山崎町長選で2期目の当選を果たされた前川町長も、町民の要望を受けて給食費の臨時的な無償を打ち出されました。これにより、京丹後市、伊根町、井手町、笠置町、和束町、南山城村、久御山町、宇治田原町など9市町村が臨時的な措置も含めて給食費への補助を実施しておられます。知事と教育長宛てに8,000筆を超える給食無償化を求める署名が提出されたとも伺っております。そして、本議会にも同趣旨の請願が提出されています。これに基づき、府民の声に応えて本府も給食費無償化等の支援を実施するべきではありませんか。  第3は、高校授業料の支援についてです。  高校の授業料をめぐっては、かつて府民や我が党も求める中、2009年に国の制度で公立高校の無償化が実施されました。我が会派としても当時、授業料が払えずに高校を中退する生徒が増えていたことを踏まえ、府内の実態を把握しようと府内全ての私立高校を訪問しておりました。議会でも私学への支援制度を求めてきた中で、本府のあんしん修学支援制度が実現してきました。その後、無償化をめぐっては自民党政権に替わる中で所得制限が設けられましたが、本来教育の無償化からは大きな後退となっています。特に私学において、実質無償化されている対象が年収590万円未満の世帯になっていますが、共働き世帯では多くがその対象から外されているのが現状です。  そこで、所得制限、公私の区別のない高校無償化の復活・拡充を国に求めつつ、本府においても授業料支援の対象を拡充するべきではありませんか。  さらに、高校での教育費負担をめぐっては、今年度から1人1台端末授業を開始するために、端末の原則自己負担方針としたため、教材費負担の大幅増が保護者を苦しめています。端末をめぐっては、私も議会で何度も求めてきました。その中で、所得に応じ1万円から2万円の助成制度が実施されることとなりました。しかし、タブレット端末の価格は円安のあおりを受け、約7万円から9万円を超えて価格上昇をしております。府教委は、端末が高額であることから学校に対して保護者の総合的な負担軽減を呼びかけられました。しかし、それを学校任せにすれば、教育活動の縮小につながると指摘しておりました。実際、今年度から修学旅行の積立金等を減らすため、行き先を近場にされるなど変更された学校もあると伺っております。それが選択肢を狭めたことになっており、指摘したとおりの問題が起こっております。  これ以上、問題を広げることは許されません。全国半数以上の府県が実施するように、原則公費負担への切り替えによって、教材費負担の軽減が必要ではありませんか。
     第4は、大学等の高等教育機関での学費無償化や修学支援の充実、給付型奨学金の実施についてです。  そもそも、大学等高等教育機関での教育費負担が子育てにかかる最大の負担とされており、自らが返済し切れないほどの奨学金を借りて学業を修めた若い世代が子どもを産み育てることにちゅうちょする声を多く聞いております。京滋地区私立大学教職員組合連合が実施されているアンケートでも、このような保護者の声が紹介されています。「子ども2人を東京と京都の私大に進学させましたが、どちらも収入基準に合致せず銀行の教育ローンにて借入れしました。借入額は合計で1,000万円近くに上り、返済の負担はとても大きなものとなります」とのことです。  しかし、岸田政権は高等教育修学支援制度の拡充について、特に高学費となっている理工系等に広げる考えを示したものの、同時に対象大学を経営状況について要件化するなど、学生の願いとは別に小規模大学ほど切り捨てられるもので検討しております。学生の学ぶ権利とは関係のない要件を持ち出すもので、関係者から批判の声が上がっております。  そこで、国の責任で所得等の要件を設けない高等教育無償化を段階的に進めるよう求めるべきと考えますが、いかがですか。  また、せめて本府において、例えば国の高等教育修学支援制度に上乗せするなどで支援を広げることや、独自の給付型奨学金を実施すべきと考えますが、いかがですか。  次に、コロナ禍と物価高騰を前に、国民・府民の暮らしを最大限守る施策が求められているときに、それに逆行した行政の在り方が国でも本府でも進められようとしております。以下、数点について知事の姿勢をお聞きしたいと思います。  まず、国において介護保険制度の改悪が進められようとしていることについてです。その中身は、要介護1・2の訪問介護・通所介護を自治体の地域支援事業に移行する、利用料の2割負担対象の拡大、ケアプランの有料化、老健施設の多床室の有料化、保険料納付年齢の引下げと利用開始年齢の引上げ、保険料の引上げと多岐にわたり、いずれの論点でも多くの反対が広がっております。府民への影響も計り知れません。  認知症の関連団体でつくられる「認知症関係当事者・支援者連絡会議」がコロナ中の本年2月から4月に実施された全国の介護保険サービスの利用状況アンケートでは、介護サービスの利用を減らした方が26%、種類を変更した方は11%、中止した方は2%おられます。結果、「認知症の程度が進んだ」32%、「心身機能の低下」が26%との報告がされています。現在でも介護サービスの利用が低下し、身体機能へも重要な影響が出ている上に、負担増による利用低下は利用者の健康を大きく阻害しかねません。加えて、介護サービスに頼れなければ結局、親族による介護が増加します。介護離職の増加や老々介護などで起こる問題を加速することにつながるのではないでしょうか。  そこで知事として、介護保険制度の改悪による府内への影響についてどうお考えになるでしょうか。本府として実態を調査し、改悪を中止すべきと国に求めるべきではありませんか。  もう一点、国が進めている重大な問題は、マイナンバーカード促進のために健康保険証を廃止する方針についてです。岸田首相は、現行の保険証を2024年に廃止するとし、マイナンバーカードに一本化すると表明されました。これまで、原則任意で進められてきたマイナンバーカードの取得を事実上強制するもので、デジタル庁がマイナンバーカードの普及についてアンケートを実施したところ、「メリットを感じない」が29%、「手続が面倒」が19.4%、「情報流出が怖い」が14.7%で、本来こうした不安の声に応えることが先です。にもかかわらず、健康保険証の廃止方針を打ち出したことに、医療現場からも反対の声が広がっております。京都府保険医協会が実施したアンケートでは、府内の開業医の8割から反対の声が上がっており、「費用対効果が乏しく、事務負担が増える」「医療へのアクセスが制限される」などの懸念をされています。  そこで、マイナンバーカードとの一体化を狙う健康保険証の廃止については、中止を求めるべきと考えますが、知事の認識をお伺いします。  マイナンバーカードの促進の背景には、岸田政権がデジタル田園都市国家構想の下、国、自治体が持つ個人情報をデジタル化し、徴税強化を図る目的、また民間に開放することで民間のもうけ口をつくる狙いがあります。安倍政権以来の個人情報保護法の改定で、個人情報を匿名加工すればビッグデータとして民間に提供できるようにされております。しかし、いくら加工されているとはいえ、膨大な分野にわたる情報から本当に識別できないのか、個人への許可なく実施してよいのかという問題は残されております。  本府は、令和5年度からの法の全面施行に向けた個人情報保護条例の廃止案を今議会に提出しています。そもそも個人情報保護法は、地方自治体の取組が積み重ねられ法令化されてきたものです。その実績からも大きく後退し、法の全面施行となれば、現行の府条例が定めている個人情報は本人から収集しなければならない原則、目的外使用、他団体への提供、センシティブ情報の収集の可否などを審議会へ諮問しなければならないなどの規定が法律では認められず制度としてなくなります。  そこで、これまでの府条例で図られてきた取組について、どのように担保されるでしょうか。知事の御所見を伺います。  こうした政治の在り方は、本府の姿勢においても問われています。コロナ感染の第8波と物価高騰の最中に、本府は自治体の役割を歪めて水道事業の民営化に向けた広域化を進めているほか、多額の財政負担となる大型開発を進めています。  水道事業をめぐっては、本府からは北中部6市1町における15の浄水場の廃止などが既に打ち出されております。これを受けて各市町の9月議会では、「府の計画はあくまで例示」「広域化の考えはない」などの答弁が首長からされておりました。ところが、先日開かれた知事と市町村長による水道事業広域的連携等推進協議会では、各自治体の議会や住民レベルの声は反映されておりませんでした。ところが、知事は「賛同を得た」として広域化を進めようとされております。これは、各自治体の住民や議会との関係を無視するもので問題です。同時に知事は、広域化や官民連携を進めることで公的責任が後退することに「誤解」と表現され、誤解を解くために情報発信していくと発言されたようです。  そこで、知事は、各自治体の考えについて、どのように把握され、どのような課題があると考えておられるでしょうか。広域化しない考え方も当然尊重されるのでしょうか。お答えください。  次に、北山エリア整備についてです。  府立大学内のアリーナをめぐって、知事はさきの9月議会決算特別委員会でも「学生利用を最優先」と繰り返し答弁されておりました。府立大学の学生の皆さんが実施されたアンケートでは、「スポーツを『観る』ための共同体育館についてどう思うか」という問いに、4割が「市民・学生の利用をメインにしてほしい」と回答しています。アリーナが学外にあっても、学生をはじめとした府民はプロスポーツを観賞可能です。学内にアリーナ機能を持ち込めば、学生利用を最優先にすることは不可能となります。  決算特別委員会で要求した資料によれば、現状の府立大学体育館の学生使用状況から算出すると、授業や入試、課外活動、年末年始等の休日を除けば利用可能日程は最大で40日程度しかありません。この資料は昨年4月末に大学より提出されたようですが、それより後に民間に検討させた北山エリア整備事業手法等検討業務においても共有されておらず、先日の意見聴取会議でも具体的に日数の分かる資料としては共有されておりませんでした。これでいかにして学生利用を最優先に検討することができるのでしょうか。  また、本府は昨年度実施された住民説明会において、「今後も実施する」と住民にも議会にも住民説明会の実施を約束されておりました。ところが、実際には周辺の住民団体の長など一部の方にごく短時間の説明と、先日開かれたワークショップ形式のもののみで、様々な疑問や声を聞く機会は設けられておられません。  知事は、学生の声も住民の声も聞かずに進めるおつもりでしょうか。それぞれ幅広い声を聞く場として説明会をなぜ実施しないのか、お答えください。  北陸新幹線の延伸計画については、府内で反対の声が広がり鉄道・運輸機構による環境調査も進んでおりません。11月16日に開かれた建設促進大会において、与党整備委員長の高木自民党国対委員長が当初予定どおりの来年度着工に向けて、環境アセスを経た認可がなくても国が来年度予算に計上することで「事実上の着工ができる」と発言されたと報道されています。この発言は、住民の声や自治体の環境アセス等、民主的なプロセスを封殺するもので重大です。知事自身は大会に参加されなかったと報じられていますが、府民からは高木委員長の解任を自民党に求める動きもあります。  知事は、これらの動きをどのように認識しておられますか。環境アセスメントを軽視するような脱法的なやり方を容認されるのでしょうか。お答えください。 42: ◯議長菅谷寛志君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 43: ◯知事西脇隆俊君) 子育て支援医療助成制度についてでございます。  本制度は、京都府と市町村が一体となってつくり上げてきた制度であり、京都府が制度の基礎となる部分をつくり、その上で各市町村が地域の実情を踏まえ独自に上乗せ措置を講じているものでございます。平成5年の制度創設からこの間、京都府、市町村ともに厳しい財政状況にありながらも対象年齢等の拡充を順次図ってきており、令和元年9月からは中学校卒業までの通院時の自己負担上限額を月3,000円から1,500円に軽減するなど、全国トップクラスの支援を行っているところでございます。  一方で、令和元年9月の制度拡充以降、コロナ禍をはじめ、子育て家庭を取り巻く社会経済情勢の変化もあることから、医療や福祉、社会保障分野の有識者等で構成する子育て支援医療助成制度あり方検討会議を設置し、これまで2回の検討会議を開催したところでございます。今後とも市町村や医療関係者等の意見をお聞きしながら、検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、私立高校授業料の支援についてでございます。  国の高等学校等就学支援金は、平成22年度の制度創設時には保護者の所得制限はありませんでしたが、平成26年度に世帯年収910万円の所得制限が導入され、これにより捻出された財源を活用し、私立高校の生徒のいる590万円未満の世帯への加算額が拡充され、さらに令和2年度からは全国の平均授業料額まで支援が拡充されてきたところでございます。  また、京都府としましても、これまでから繰り返し国に拡充の要望を行っており、先月も国に対して制度の充実を求めたところでございます。引き続き、保護者負担軽減のため、国に就学支援金のさらなる充実を要望してまいりたいと考えております。  また、あんしん修学支援制度につきましては、厳しい財政状況の中ではございますが、国の制度も活用しながら京都府独自の支援措置を行う本制度を堅持し、全国トップクラスの授業料支援を行ってまいりたいと考えております。今後とも、子どもたちが経済状況にかかわらず安心して学べる環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。  次に、修学支援についてでございます。  大学生に対する修学支援につきましては、基本的には高等教育を所管する国において、財源を含め全国で統一的に行われるものと考えております。国におきましては、令和2年度に従前の制度を大幅に拡充する形で高等教育の修学支援新制度を創設し、年収380万円未満の世帯を対象として、授業料の減免と給付型奨学金を併用した修学支援を実施されているところでございます。  京都府といたしましても、これまでから給付型奨学金の対象拡大など、無償で学べる環境が拡充されるよう支援制度の充実を国に対して繰り返し要望してきたところでございます。現在、給付型奨学金制度につきましては、本年5月の教育未来創造会議の第1次提言等に基づき、令和6年度からの中間層や多子世帯への対象拡大等に向けた検討が行われているところでございます。今後とも、学生が経済的な理由で学業を諦めることがないよう、国に対し要望してまいりたいと考えております。  次に、介護保険制度の改正についてでございます。  介護保険制度につきましては、現在、国の社会保障審議会介護保険部会で「給付と負担」の議論が行われ、被保険者の範囲の拡大、ケアマネジメントの給付や高所得者の1号保険料負担の在り方などについて検討されており、今後の動向を注視しているところでございます。なお、これまでから介護を必要としている人が必要なサービスを受けられないことがないよう、高齢者の生活実態を踏まえた適切な対応を国に要望しているところでございます。  次に、従来の健康保険証の廃止についてでございます。  マイナンバーカードと健康保険証の一体化を進め、従来の健康保険証を原則廃止する方針が政府から示されたところでございます。マイナンバーカードで医療機関を受診することにより、健康・医療に関する多くのデータに基づいたよりよい医療を受けていただくことができるなどのメリットがあり、これまでから全国知事会とともに国の責任において普及・啓発を進めるよう求めてきたところでございます。  一方、デジタル技術の利用に不慣れな高齢者や、紛失など何らかの事情で手元にマイナンバーカードがない方にとって、必要な医療への受診抑制につながらないように配慮が必要だと考えております。  京都府といたしましても、国に対しメリットや安全性について、国において丁寧に説明を行いますとともに、何らかの事情でマイナンバーカードを健康保険証として利用できない方の受診についても配慮するよう求めているところでございます。  次に、個人情報保護の在り方についてでございます。  京都府における個人情報の保護措置につきましては、個人情報保護法の改正によりまして、令和5年4月1日から国、地方公共団体を通じた全国共通のルールに基づいて実施することが義務づけられたところでございます。法律には京都府個人情報保護条例の規定と異なる部分もありますが、保護のレベルを下げるというものではなく、独立性の高い政府の専門機関である個人情報保護委員会の監視を受けることも含めまして、これまでと同等の保護水準が確保されているものと考えております。  その上で、新ルールの下でも、適宜これまでに示された審議会の答申を踏まえますとともに、必要に応じて審議会の意見や個人情報保護委員会の助言を求めることなどにより、適切に個人情報保護制度を運用してまいりたいと考えております。  次に、水道事業の広域化についてでございます。  将来にわたり安心・安全な水道水を供給していくためには、水道事業の基盤強化が求められており、現在、京都水道グランドデザインの改定作業を通じて、市町村域を越えた広域的な観点からも基盤強化策の議論を進めております。この間、各市町村議会では、広域化に関して危機管理上の懸念や、住民意見が届きにくくなるといった意見がございました。その点も踏まえた上で、先月開催した広域的連携等推進協議会では、事業の基盤強化を図り、公的な責任をしっかり果たすという観点から、広域化の議論を進めていく必要があるとの認識を市町村長と共有したところでございます。  また、日頃から今後の議論に当たっては、各市町村のメリットを明確化することや、それぞれが抱える事情にも配慮することといった御意見をいただいており、こうした御意見も踏まえて、地域の水道事業の将来像について真摯に議論し、広域化に参加するか否かも含め、市町村が地域の実情に応じた方策を選択できるように進めてまいりたいと考えております。  次に、北山エリア整備についてでございます。  北山エリアは、エリア内の各施設がそれぞれの役割・機能を高めながら相互に連携することで、京都が世界に誇る文化と憩いに包まれながら人生を豊かにする魅力あふれた交流エリアとなることを目指しております。整備の検討に当たりましては、論点が多岐にわたりますことから、施設ごとに有識者の方々による意見聴取会議において、専門的な視点から議論を行いますとともに、地域の自治会役員の方々や小・中学校などとも意見交換を行ってきたところでございます。  また、去る11月27日、12月4日には、府民の方々を対象としたワークショップを開催したところであり、近く府立大学の学生を対象としたワークショップの開催も予定されるなど、幅広く利用者や府民の御意見を伺っている段階でございます。  今後とも、検討の進捗状況に応じて、分かりやすい情報発信を行いますとともに、どのような形で御意見を伺うかも順次検討しながら、多くの皆様の御意見をお聞きし、整備内容に反映してまいりたいと考えております。  次に、北陸新幹線についてでございます。  北陸新幹線につきましては、日本海国土軸の一部を形成いたしますとともに、大規模災害時において東海道新幹線の代替機能を果たし、京都府域はもとより、関西全体の発展につながる国家プロジェクトであると認識をしております。敦賀-大阪間につきましては、現在、鉄道・運輸機構において環境影響評価法に基づく手続が進められているところでございます。北陸新幹線の建設につきましては、環境影響評価法において、規模が大きく環境に大きな影響を及ぼすおそれのある第一種事業に該当し、必ず環境影響評価を行うことと規定されていることから、環境影響評価が完了した区域でなければ工事を実施することができないものだと認識しております。  京都府といたしましては、引き続き、鉄道・運輸機構に対し、現在実施中の環境影響評価において、慎重な調査と十分な地元説明を行うよう求めてまいりたいと考えております。 44: ◯議長菅谷寛志君) 前川教育長。    〔教育長前川明範君登壇〕 45: ◯教育長前川明範君) 西山議員の御質問にお答えいたします。  小・中学校の給食費無償化のための財政的支援についてでございます。  義務教育における学校給食につきましては、学校給食法により実施・運営等は市町村が担い、食材料費である給食費は保護者負担とされているとともに、経済的に厳しい状況にある保護者には、就学援助として全額または一部を補助する仕組みが制度化されております。また、義務教育の無償化の範囲は国において定められており、現在、授業料や教科書代の無償化の措置がなされております。全ての市町村で一律に給食費の無償化を実施することは、就学援助費としての位置づけや、財源負担の問題等を国において適正に判断されるべきであると考えております。一方で、急激な物価高騰に伴う保護者負担の急増緩和策として、6月補正予算で学習費高騰緊急対策事業費を御議決いただき、給食費の値上げ分などに限定して支援を講じることとしております。  次に、府立高校における生徒1人1台学習用端末についてでございます。  本府におきましては、生徒が自らの文房具のように自由に活用できること、卒業後も端末を使用できることや将来的にも持続可能な手法であることから、自費で購入していただくこととしたところでございます。一方で、保護者の負担を軽減するため、端末購入の補助制度を創設し、全世帯への一律補助に加え、所得に応じて補助を増額するなど、同じく自費購入している他の自治体と比べ、手厚い支援を講じているとともに、経済的には厳しい、いわゆる住民税非課税世帯の方に対しましては、端末の貸出しも行っているところでございます。また、各高校においても、副読本など教材費にかかる費用の縮減に精力的に取り組んでおり、この間の物価高騰を踏まえて、さらなる見直しを求めているところでございます。  府教育委員会といたしましては、在学中トータルでの費用負担を軽減する取組の一層の推進に向けて、引き続き、しっかりと取り組んでまいります。 46: ◯議長菅谷寛志君) 西山頌秀議員。    〔西山頌秀君登壇〕 47: ◯西山頌秀君 御答弁いただきました。先日、八幡市議会で子どもの医療費を高校卒業まで無料化することや、学校給食費の無償化などを求める請願が全会一致で採択されたとお聞きしております。こうした声を府民の声として本府も受け止めるべきです。子どもの医療費については、市町村の意見を聞いてということであれば、積極的に意義をつかんでいくことも、ぜひ求めます。府制度の底上げは既に独自に拡充を図ってきた自治体にとっては、他の子育て施策への財源確保にもつながることは知事御自身も認められてきました。所得制限を設けない現状の措置で、特に通院における対象年齢の引上げ、これを早急に実施すべきだと要望しておきます。  給食費の無償化については、さきに紹介した256自治体のほかに、例えば、千葉県では第3子のみで無償化を開始されています。こうした全国の取組に学んで、具体的な支援を検討するよう求めておきます。  あんしん修学支援制度について、我が党で実施しているアンケートでも「授業料支援はあるけれども制服代や教材費などを含めると厳しい。親の所得で子どもの選択を狭めたくない」との声が寄せられています。これまでの成果を踏まえて、さらに制度を拡充されるよう求めておきます。  高等教育の授業料支援について、国の役割という答弁ですけれども、本府でも検討できないわけではありません。本府も大学の街として、学生支援に様々に取り組んできました。授業料負担に対しても拡充を検討するべきだと、これも要望しておきます。  健康保険証の廃止については、ぜひ中止を求めるべきです。マイナンバーは、そもそも任意の制度です。強制的なやり方は問題です。知事として反対の声を上げるよう求めておきます。  個人情報保護について、本府が培ってきた保護の取組が後退することは明らかです。条例を改廃することは問題だと指摘をしておきます。  北陸新幹線について、環境アセスメントが進んでいない現状の下で、与党が焦って別のやり方を進めようとしております。そのこと自体が問題です。延伸計画は中止しかありません。その立場で知事も国や鉄道・運輸機構へ要望されるよう求めておきます。  再質問をさせていただきます。タブレット端末についてです。  今年度、各学校の努力で保護者の負担軽減に取り組まれ、平均して2万円の引下げが行われたと報告を受けております。その分、既に修学旅行等の影響については、先ほども御紹介したとおりです。これに来年度、端末価格が2万円以上高騰するということが見込まれている下で、学校の努力では全く追いつかない上に、教育への影響が広がりかねませんが、その点については、どう認識されておられるでしょうか。  介護保険制度についてです。先日もある方から御相談がありました。認知症となった70代の夫を同じく70代の妻が介護をされております。夫御本人は、昼も夜も分からずに1日5回以上も食事を要求されるなどの中で、妻のほうはケアプランナーと一緒に何度も話し合って、ようやくデイサービスの利用が始まったと。第三者の介護は絶対に必要だと切実に訴えておられました。この方が要介護2であって、この方が外されていくことになります。こうした影響については、知事として関係団体、本府の状況について影響を調査するべきだと考えますが、その点についていかがでしょうか。  また、私の地元伏見区において、16年前、介護疲れで親子心中された事件もありました。京都地裁の判決では「裁かれているのは日本の介護制度や行政」とも指摘されました。あの痛苦の経験を持つ本府として、反対の声を上げるべきだと考えます。再度、知事の答弁を求めます。  水道広域化官民連携について、さきの協議会をもって合意されたわけではありません。各自治体では、議会へも住民へも意見を聞かずに協議会が始まっているという状況です。さらに、官民連携の道を開けば、結局、民間の利益を保障するために、もうかるところだけ売り渡していくことにもなりかねないと、私どもは指摘もしてきました。何より住民説明も不十分な状況では、方向性も定められないのではありませんか、いかがお考えでしょうか。  最後、北山エリアについて、先日開かれたワークショップにおいても、「たった15人の意見で終わるのか」「あと何回するのか」という質問が出されたとお聞きしております。本来は、住民説明会を開いて、希望する全ての府民が意見を述べるようにすることのできる、そういう機会を設けるべきではありませんか、お答えください。 48: ◯議長菅谷寛志君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 49: ◯知事西脇隆俊君) 西山議員の再質問にお答えをいたします。  まず、介護保険制度の実態調査についてでございますけれども、京都府におきましては、現在第9次の京都府高齢者健康福祉計画の期間が令和5年度末までとなっていますことから、来年度には計画改定の本格議論を始める予定としておりまして、今後、市町村の在宅介護実態調査等を集約する中で、高齢者の状況を把握し、それを施策に反映してまいりたいというふうに考えております。  それから、水道事業についての市町村ですが、これはあくまでも選択肢を示すということで、当然市町村の意見を尊重するというのは基本的な姿勢でございます。ただ、皆様から、水道事業の基盤強化をする必要があるというのは、公的責任として必要だということでございましたので、広域化の議論も含めて、今後の水道事業の在り方については、真摯に議論を進めているということでございますので、その中でそれぞれの市町村にとって最もいい選択肢を選択していただけるように、我々も支援してまいりたいというふうに考えております。  それから、北山エリアの住民説明会の件でございますけれども、私どもの基本的な視点は、なるべく多くの方の御意見をお伺いし、それをエリアの整備に反映していきたいということで順次、有識者による意見聴取会議、そして自治会、小・中学校との意見交換、そしてワークショップというふうに連ねております。それぞれの進捗状況に合わせて、分かりやすい情報発信をするのはもちろんでございますけれども、どのような形で御意見を今後伺っていくのかということも順次検討しながら、できる限り多くの皆様の御意見を賜り、整備の内容に反映してまいりたいと考えております。 50: ◯議長菅谷寛志君) 前川教育長。    〔教育長前川明範君登壇〕 51: ◯教育長前川明範君) 西山議員の再質問にお答えいたします。  各高校では、これまでから校長先生の方針の下、学校で使用する副読本などの購入を案内してきているところでございます。これらの副読本などについては、単に減らせばよいということではなく、学習用端末の活用によって機能として代替できる、あるいは、より学びが深められるといった教育効果も考慮しながら、各高校で見直しを検討されているものと考えております。  例えば、これまで多くの生徒が購入してきておりました電子辞書について購入を任意にしたり、辞書アプリに変更するなどの報告を受けております。こうした方策については、各高校にも情報共有を図っており、引き続き、在学中トータルでの見直しが進むよう働きかけてまいります。 52: ◯議長菅谷寛志君) 西山頌秀議員。    〔西山頌秀君登壇〕 53: ◯西山頌秀君 タブレット端末について、これによって電子辞書等の物を買わなくていいという御答弁もありましたけれども、現実には今年度タブレットを授業で使われたところで、しかし4月の段階では保護者の収入を見なければならないために、タブレットの配備について2学期以降になったところが多くの学校でありました。そういったところでは、電子辞書も当然買っていますし、タブレットも両方買っています。こういう状況が来年度以降も続くことが見込まれます。ですので、学校に対応を任せていくのは大変不十分です。府教委の責任として、教育費負担の軽減に逆行するような、こういうやり方を続けることが問題です。全国に見習って、公費負担での実施に転換するよう求めておきます。  介護保険制度については、反対の声を上げる府内各団体の声を聞いて、知事としても反対を表明されるよう、これも強く求めておきます。  水道事業については、もともと広域化・官民連携のプランのみを示してきたことが問題です。各市町の水道事業の維持に必要な支援を講じていくことを求めます。  北山エリアについて、「順次」という言い方をされますけども、そもそも昨年、住民説明会がされたときに、こういったやり方を、住民説明会を今後も開いていくと表明されたにもかかわらず、それがされていないということが問題です。順次というのはどういうことなのか。これも府民に対して説明することが必要ですし、約束どおり住民説明会をやっていくことを改めて求めます。  府民の暮らしを守る行政の在り方についてただしましたが、共通することは、府民の声をまともに聞かずに施策を進め府民の暮らしを脅かそうとしている点です。我が日本共産党府会議員団として、改めて府民の声を代弁し、暮らしを守る政治への転換を決意して、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)            ───────────────────── 54: ◯議長菅谷寛志君) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  明12月10日及び明後11日の2日間は、日曜日等のため休会とし、12月12日午後1時15分から本会議を開きますので、御参集願います。
     本日は、これをもって散会いたします。    午後4時43分 散会 発言が指定されていません。 ↑ ページの先頭へ...