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  1. 京都府議会 2019-09-01
    令和元年9月定例会(第2号)  本文


    取得元: 京都府議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和元年9月定例会(第2号)  本文 2019-09-17 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 73 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長田中英夫君) 選択 2 :  ◯議長田中英夫君) 選択 3 :  ◯成宮真理子選択 4 :  ◯議長田中英夫君) 選択 5 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 6 :  ◯議長田中英夫君) 選択 7 :  ◯成宮真理子選択 8 :  ◯議長田中英夫君) 選択 9 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 10 :  ◯議長田中英夫君) 選択 11 :  ◯成宮真理子選択 12 :  ◯議長田中英夫君) 選択 13 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 14 :  ◯議長田中英夫君) 選択 15 :  ◯成宮真理子選択 16 :  ◯議長田中英夫君) 選択 17 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 18 :  ◯議長田中英夫君) 選択 19 :  ◯成宮真理子選択 20 :  ◯議長田中英夫君) 選択 21 :  ◯馬場紘平選択 22 :  ◯議長田中英夫君) 選択 23 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 24 :  ◯議長田中英夫君) 選択 25 :  ◯馬場紘平選択 26 :  ◯議長田中英夫君) 選択 27 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 28 :  ◯議長田中英夫君) 選択 29 :  ◯馬場紘平選択 30 :  ◯議長田中英夫君) 選択 31 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 32 :  ◯議長田中英夫君) 選択 33 :  ◯馬場紘平選択 34 :  ◯議長田中英夫君) 選択 35 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 36 :  ◯議長田中英夫君) 選択 37 :  ◯馬場紘平選択 38 :  ◯議長田中英夫君) 選択 39 :  ◯林正樹君 選択 40 :  ◯議長田中英夫君) 選択 41 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 42 :  ◯議長田中英夫君) 選択 43 :  ◯林正樹君 選択 44 :  ◯議長田中英夫君) 選択 45 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 46 :  ◯議長田中英夫君) 選択 47 :  ◯教育長(橋本幸三君) 選択 48 :  ◯議長田中英夫君) 選択 49 :  ◯林正樹君 選択 50 :  ◯議長田中英夫君) 選択 51 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 52 :  ◯議長田中英夫君) 選択 53 :  ◯警察本部長(植田秀人君) 選択 54 :  ◯議長田中英夫君) 選択 55 :  ◯林正樹君 選択 56 :  ◯議長田中英夫君) 選択 57 :  ◯議長田中英夫君) 選択 58 :  ◯池田正義君 選択 59 :  ◯議長田中英夫君) 選択 60 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 61 :  ◯議長田中英夫君) 選択 62 :  ◯教育長(橋本幸三君) 選択 63 :  ◯議長田中英夫君) 選択 64 :  ◯池田正義君 選択 65 :  ◯議長田中英夫君) 選択 66 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 67 :  ◯議長田中英夫君) 選択 68 :  ◯池田正義君 選択 69 :  ◯議長田中英夫君) 選択 70 :  ◯知事西脇隆俊君) 選択 71 :  ◯議長田中英夫君) 選択 72 :  ◯池田正義君 選択 73 :  ◯議長田中英夫君) ↑ ページの先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1: ◯議長田中英夫君) これより令和元年9月京都府議会定例会を再開し、直ちに本日の会議を開きます。            ──────────────────── 2: ◯議長田中英夫君) 日程に入ります。日程第1、代表質問を行います。  通告により、順次、発言を許します。  まず、成宮真理子君に発言を許します。成宮真理子君。    〔成宮真理子君登壇〕(拍手) 3: ◯成宮真理子君 日本共産党の成宮真理子です。議員団を代表して知事に伺います。  質問に入る前に、一言申し上げます。  7月18日、京都アニメーション放火事件では、未曾有の凶悪犯罪により35人もの尊い命が奪われ、今も重大な傷を受けた方々が治療中です。亡くなられた方々に心からのお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われた方々、御家族、関係者の皆様にお見舞いを申し上げます。  また、台風や豪雨による甚大な被害が各地で相次いでいます。亡くなられた方々へのお悔やみ並びに被災された皆様へのお見舞いを申し上げますとともに、速やかな復旧を心から願うものです。  それでは質問に入らせていただきます。  まず、消費税増税と暮らし、地域経済についてです。  安倍政権が狙う10月からの消費税率10%への引き上げまで、2週間となりました。しかし、日本共産党が各地で取り組んでいる宣伝には、「年金が減り、医療も介護も負担が増える中、増税なんてとんでもない」「給料は上がらないのに食料品は次々と値上げされ、この上、消費税が上がれば暮らしていけない」などの声が相次いでいます。商店街では「いろいろ努力しても、8%増税のときから客足が減り、今回は駆け込み需要さえない」との声や、街のレストランは「外食の客足は大きく減るだろう。前の増税のときは値段を上げなかったが、10%ではもたない」と、伝統的な仏画の職人さんは「夏から仕事が減り、別のアルバイトに行かざるを得ない」と訴えておられます。「もう店を閉めるしかない」との声も多く、背筋が寒くなるような様相です。  京都経済について京都商工会議所の直近の調査では、国内景気BSI値は前期同様マイナスとなり、前回予想値を大幅に下回っており、自社業況については、前回予想値を下回る、2期連続マイナスは8期ぶりとされるなど一層の落ち込みが指摘され、その原因として、国内需要の悪化、販売・受注の減少や貿易摩擦が挙げられています。  6月議会で知事は、「製造業の一部で国内景気が下降しているとの実感や、人件費・原材料費上昇による利益確保の難しさ、消費税引き上げに対する懸念の声もある」とされましたが、事態は一層深刻になっているのです。  さらに、京都経済を支える99.9%は中小企業ですが、政府による増税対策が、中小業者と消費者に混乱と負担を押しつけています。キャッシュレス・ポイント還元制度は、対象となる中小業者の登録申請が約3割にとどまり、複数税率をめぐっては、「対応レジはメーカーに在庫がなく、間に合わない。現場は大混乱だ」「政府が仕組みを変えるのに、新型レジや端末機器などの費用は業者持ちとはひどい」との怒りが噴出しています。世論調査では、増税反対が6割近くに上っています。さきの参議院選挙では、自民党の西田昌司議員も「当面、凍結」と言っておられたはずです。  我が党は「10%増税中止、税金は大企業と富裕層からとるべき」と主張してきましたが、府内では、大企業トップ10社の内部留保が8兆2,500億円と過去最高を更新しています。税金は、こうしてもうけをふやしている大企業がきちんと負担すべきではないでしょうか。  知事は、こういう実態にあるもとで消費税増税ができるとお考えでしょうか。府民の暮らしと京都経済を預かる責任者としての御認識を改めて伺うものです。  次に、幼児教育・保育無償化についてです。  我が党は、国と行政が保育に公的責任を果たすため、認可保育所増設や保育士の処遇改善とあわせ、必要な幼児教育・保育の無償化は全ての乳幼児を対象にすべきと求めてきました。ところが、今回の政府による無償化は、対象が限定され、逆に副食費など新たな負担をふやす上、子育てにも重い負担となる消費税増税を財源にしています。さらに、子どもの命や安全にかかわる保育の質を掘り崩すなど、大問題をはらんでいます。
     そこで、無償化にかかわる喫緊の課題2点について伺います。  1つは、新制度が、3歳から5歳児の保育料などは無償化するものの、保育・幼児教育全体を対象とせず、特に保育・教育の一環である給食を対象から外し、新たな副食費の負担などを生むという問題です。  副食費月4,500円が徴収されることに、保護者からは「主食費と合わせて給食費が月7,500円。今より負担がふえそう」「収入が少なく家計が大変な家は、無償化の恩恵がほとんどないとはどういうことか」などの声が寄せられています。  保育料はもともと応能負担なので、今回の無償化は所得の低い世帯には効果は薄く、さらにゼロから2歳児の保育料負担が重い部分は据え置きとされ、教材費なども対象外です。保育の現場にとっても、国や自治体の方針が直前まで決まらず二転三転するなどのもと、保護者への副食費負担の説明や免除世帯の区分などの複雑な事務が、保育士の足りない現場に負担になっています。  この副食費について、秋田県では新たに副食費助成制度が創設され、これは所得制限があるものの、県内では25自治体のうち半数以上の14自治体が独自に上乗せして、全ての対象児童の副食費を無償化する方向です。県の制度が、市町村への後押しになっているのです。  そこで伺います。  今回の無償化は、副食費の負担などの矛盾を生んでいますが、本来、保育・教育の一環である給食費や、またゼロから2歳児の保育料等も無償化すべきではないでしょうか。これらを対象にするよう国に求めるとともに、本府としても独自制度を創設すべきと考えますが、いかがですか。  2つ目に、無償化対象の保育施設をどうするかにかかわり、子どもの命や安全を守るための保育の質が掘り崩されてしまう危険です。  そもそも安倍政権は、待機児童対策や多様なニーズを口実に、これまでの保育制度が認可基準を大原則としてきたものを次々と規制緩和してきました。保護者の願いは、子どもを安心して預けられる認可保育所をふやすことです。ところが、政府はこれに応えるのではなく、定員を超えた詰め込みや、保育士資格者は全員でなく半分でよいとする企業主導型保育の導入を初め、基準を下げた認可外保育施設をふやして待機児童の受け皿にし、保育の公的責任を投げ捨ててきました。  その上、政府は今回、待機児童を理由に、無償化の対象を認可外保育施設にも広げ、中でも、厚生労働省が児童の安全の観点からこれ以下の施設を排除するための基準としてきた認可外保育施設指導監督基準、これは例えば保育士は3分の1でよいなどとするものですが、これ以下でも5年間対象にするというのです。  これに対し、保育施設で我が子を亡くされた保護者や、裁判にかかわる弁護士、全国市長会など各分野から、厳しい批判が寄せられています。  そこで伺います。  政府が進めてきた保育の規制緩和は、子どもの命や安全を守るための保育の質を切り下げる危険な動きと考えますが、いかがですか。  本府として、「子どもを安心できる保育施設に預けたい」という保護者の願いに応え、待機児童問題を解決するためにも、認可保育所の増設を基本に据えること、また、認可外保育施設指導監督基準に基づく立入調査について、その見直しと体制充実などで保育の質をしっかり確保すべきと考えますが、いかがですか。ここまでお答えください。 4: ◯議長田中英夫君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 5: ◯知事西脇隆俊君) 成宮議員の御質問にお答えいたします。  消費税率の引き上げにつきましては、少子高齢化が進む中、全世代型社会保障に必要なものとして法律で来月からの施行とされており、その増収分は幼児教育の無償化や介護人材の処遇改善などに充てられます。京都府としても、増嵩を続ける社会保障関係経費の安定財源として、消費税率10%のうち3.72%に相当する地方消費税及び地方交付税が必要であることを御理解いただきたいと思います。  一方で、足元の経済情勢をきめ細かく点検しながら、必要な対策を実施していくことは重要でございます。直近の府内の景気に関しては、このところ弱さがあるものの緩やかな拡大基調にあるものと考えており、日本銀行京都支店、京都財務事務所、京都銀行の調査においても総じて同様の判断がなされていますが、海外経済の動向もあり、生産面での弱含みが指摘されているところであります。  消費税率の引き上げの影響については、中小企業応援隊が年間約2万社、延べ5万件以上の企業を訪問する中で、引き上げそのものへの不安とともに、軽減税率制度の導入に伴う不安の声などを伺っております。  このため、先月、改めて国に対し事業者等の負担軽減措置の延長や混乱が生じないための取り組みの徹底を強く要望し、その結果として、軽減税率対策補助金において軽減税率対応レジの導入期間の要件が緩和されたところであります。また、今月9日には国、京都府、京都、経済団体、金融機関等が一堂に会して、消費税率引き上げに係る課題等に関する意見を交換し、事業者が円滑に対応できるよう、各団体が必要な対策を講じることを確認いたしました。  さらに、国においても、低所得者や中小小売業者への対策などを講じることとされていますが、京都府においても、当初予算に加えて、消費税率引き上げに対処する経営改善支援施策の増額を求める多くの中小企業の声に応えるとともに、新たに、消費喚起のための商店街等が実施する大売り出し等を支援するための補正予算を提案しております。  このように消費税率の引き上げの備えに万全を期すとともに、今後も、必要に応じて的確な対応を機動的にとることができるよう、消費税率引き上げの影響を注視してまいりたいと考えております。  次に、幼児教育・保育についてでございます。  京都府におきましては市町村と連携し、国に先駆け平成27年度から第3子以降保育料無償化事業を開始するとともに、国に無償化を強く働きかけてきた結果、この10月から、全ての3から5歳児と、住民税非課税世帯のゼロから2歳児の無償化が実現されたところであり、さらなる制度の拡充について要望しているところでございます。  10月からの無償化の開始に伴い、食材費については、自宅での子育てを行う場合も同様にかかる費用であることから、主食費と同様に副食費についても原則保護者負担とされたところでございます。この見直しにより、これまで京都府の無償化事業の対象となっていた世帯に新たな負担が生じないよう、今議会において、副食費の支援を行う独自の助成制度を創設するための予算を提案しているところであります。  次に、保育の質についてでございます。  保育士業務の柔軟化については、保育の質を低下させないことを前提に、増加する保育ニーズに対応するとともに保育士の勤務環境の改善につなげるため、特例として、保育士にかえて幼稚園教諭等を活用すること、児童が少数である朝夕の時間帯に子育て支援員研修修了者等を配置することなどを可能としております。この特例の制度を適用する場合には保健所への報告を求めており、毎年行う監査において保育の安全を確認しているところでございます。  認可保育施設につきましては、保護者のニーズの高い市町村において、今後の保育ニーズを勘案し、今年度は14カ所、563人の定員増を図るなど、待機児童解消に向け計画的に整備を進めております。  認可外施設につきましては、法に基づき保育士等の配置数など、京都府への報告義務があり、毎年立入検査で確認するとともに施設職員に対する研修を実施しているところです。現在、国において、都道府県や市町村の指導監督の充実を図るため指導監督基準等の見直しが進められているところであり、今後、国の動向を踏まえ、一層の保育の質の確保に向けて市町村と連携して取り組んでまいります。 6: ◯議長田中英夫君) 成宮真理子君。    〔成宮真理子君登壇〕 7: ◯成宮真理子君 まず、消費税増税についてですが、府のところに対しても税率引き上げへの不安もあるというふうに知事はおっしゃいました。不安どころではなく、本当に悲鳴が上がっている。その京都経済を支える業者の皆さんや府民の皆さんの悲鳴に耳を傾けるべきだというふうに思います。  消費税増税については、この12日に「消費税10%ストップ!ネットワーク」が、京都や全国からの消費税増税中止署名を追加提出し、国会に届いた署名は合計108万筆を超えています。国会での集会では野党がそろって挨拶し、国会の開会・増税中止法案成立のため、野党が共同して奮闘する決意を述べたところです。そして、本府議会にも増税反対の請願、この声を上げるようにという請願が次々と今、寄せられているところです。  府民の暮らしと中小業者は、「増税はしょうがない」と諦めるわけにはいかない実態です。ある高齢者は、「プレミアム商品券の通知が来たが、買うための2万円さえ用立てができない。そういう実情をわかっていない」と怒っておられました。知事はこうした実態に心を寄せ、影響を注視するとか粛々と増税の準備を進めるというのではなく、増税中止・反対の声を上げていただくように、これは強く求めておきたいと思います。  再質問させていただきます。幼児教育・保育無償化についてです。  1つは保育園の給食ですけれども、これは自宅でも必要という話ではなくて、保育園の給食は保育の一環だということが、国の保育指針にも位置づけられているものです。だから、本来無償化の対象にすべきであるのが、そうなっていないという問題なんですね。ところが、それに対して、お話があった府の補正予算は、副食費の実費徴収がされようとする中で、第3子の部分だけ所得制限ありで、助成の対象はほんの一部というふうになっています。なぜ、それ以外を本府として対象にしないのか、なぜ補助しないという判断なのか、お答えください。  また、保育の質の問題は、質の確保が大事というふうにおっしゃいました。それなら、政府による保育の規制緩和の動きには強く反対の声を上げていただくことが必要だと思います。同時に、府として認可保育所を増設するという問題、今、ニーズの高い市町村と一緒にやっていくというお話がありましたけれども、今後の府の計画、例えば総合計画などにも認可保育所の増設ということを府としても位置づけて、明確な目標を持つことが必要だと考えるわけですが、この点について再度お答えいただきたいと思います。 8: ◯議長田中英夫君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 9: ◯知事西脇隆俊君) 成宮議員の再質問にお答えいたします。  1点目の副食費の件につきましては、自宅で子育てする場合と同様にかかる経費との整理は、政府のほうでなされたということを紹介しただけでございまして、私どもとしては、今回の制度改正によって、今まで府の無償化事業の対象となっていた世帯に新たな負担が生じるということは極めて問題だということで、そうした負担が生じないように今回の措置を講じたものでございまして、さらなる幼児教育・保育の無償化の範囲の拡大につきましては、引き続き、国に対して強く要請してまいりたいというふうに思っているところでございます。  また、認可保育所の施設につきましては、これは今後の少子高齢化、人口減少社会の中で保育ニーズというものをきちっと把握しながら、必要なところには当然でございますけれども、認可保育施設の増設につきましても適切に対応してまいりたいというふうに考えております。 10: ◯議長田中英夫君) 成宮真理子君。    〔成宮真理子君登壇〕 11: ◯成宮真理子君 お答えいただきましたけれども、副食費については、今、全国で少なくとも100を超える市町村が無償化する方針であるということが、私どもの「しんぶん赤旗」の調査で明らかになっております。府内でも南山城村、井手町、宇治田原町などで実施の方向です。  そういう中でも、先ほど秋田県のことを紹介しました。市町村の半分以上に広がっているということですけれども、これはやはり、県が6月に市町村と共同の助成事業を創設したことが、市町村が無償化へ踏み出すことをリードする役割を果たしているわけです。本府としても、全ての世帯を対象に、負担軽減・無償化への役割を発揮していただくよう本府として発揮していただくように求めるものです。  そして、保育の質については、子どもたちが、人生の一番初めの時期にどんな環境でどう大人とかかわり合い、豊かで幸せな体験を積み重ねることができるのかどうか、これはその後のその子の一生にかかわるものです。だから、資格を持った保育士が配置され、安全はもちろん、面積基準や園庭など最低基準を守る認可保育所が、保護者の願いになっているわけです。  これを切り崩し、企業のもうけ口に変え、子どもの命を危険にさらすような規制緩和はすべきではないし、認可保育所について適切に対処していくというお答えですが、ぜひ増設をしていく、そこに本府の役割も発揮していただきたい。そのことを求めて、次の質問に移らせていただきます。  次に、自治体のあり方についてです。  地方自治体の役割は、住民の福祉の増進です。ところが、安倍政権は、自治体戦略2040構想研究会や第32次地方制度調査会で人口減少の危機をあおり、AI活用等のスマート自治体、プラットホームビルダーへの転換、広域連携と二層制の柔軟化などを掲げ、地方創生の名のもとに進めてきた観光・インバウンド重視や民間企業の参入をさらに推進しています。しかし、これらは、憲法や地方自治法に定められた自治体の役割を変質させるものです。  本府も、国の方向を率先して進めておられますが、具体例で2つ伺います。  1つは、北陸新幹線敦賀-新大阪間延伸計画です。  概略ルートが発表され、知事は「京都はもとより、関西全体の発展につながる国家プロジェクト」と推進を示され、今後、十分に環境影響に配慮するよう市町村の意見を聞き、必要な意見を述べるとされました。  しかし、計画段階環境配慮書への市町村意見では、水道や産業、農業などの基盤である地下水の枯渇、地盤沈下への不安、トンネル工事による生態系や景観への影響、残土問題、埋蔵文化財や災害対応など、多くの意見が寄せられています。公表されたルートは、幅4キロから12キロで、実際にどこを通り、どこがトンネル、どこが地上で、橋梁なのかなどはわかりませんが、その段階でも「影響はない」などとは言えず、むしろ地域の自然環境や観光資源、産業基盤を壊してしまうおそれが見てとれます。  しかも、財政負担は不明のままです。知事は、受益に応じた財政負担を求めるとされますが、そもそも負担総額も明らかにせずに、府民と地域の利益になると言えるのでしょうか。  朝日新聞の8月19日付が、「整備新幹線、見切り発車の重いツケ」とのタイトルで、北陸新幹線と九州新幹線では当初より費用が2割以上ふえて、JRは追加負担を拒否しており、約520億円の当てがないこと、九州新幹線では、新鳥栖-武雄温泉の地元でもある佐賀県が「中央が押しつけるようなやり方は、地方自治の観点からも大きな問題」だと必要性そのものに疑問を投げかけていることを報じています。  本府でも、巨額の財政負担や環境と地域への深刻な影響に見通しも解決策も示さないまま、推進していいのでしょうか。  もう一つは、京都スタジアムです。  当初、府民スポーツ振興のためとし、建設費は100億円、用地は自治体が無償提供とされたものが、建設費と用地取得で総額170億円を超え、民間企業を入れた、稼ぐスタジアムを目指したものの、もうかる見通しがなくて企業が来ず、国の地方創生交付金をとるために、VR・eスポーツ拠点や足湯、保津川下りの新コースなどを計画されています。  しかし、VR・eスポーツとはゲーム産業で、業界主導の開発や販売戦略でルールもタイトルも数年でどんどん変わるものです。さらに補正予算では、大河ドラマの展示館をつくるとされますが、ことしの大河ドラマ『いだてん』の熊本県玉名の展示館は、NHK関連会社に1億5,000万円の委託料を支払うのに、入場者が少なく、経済効果も期待どおりではないと報じられています。  観光インバウンドを前面に、民間企業参入ともうけ最優先で、府民スポーツとはかけ離れるばかりの計画を推進していいのでしょうか。スタジアムも北陸新幹線も、自治体の仕事のやり方として問題があると考えますが、いかがですか。  最後に、憲法と米軍基地、日米地位協定についてです。  今、日本と韓国との関係悪化が深刻になっています。一部週刊誌が韓国を排除するような記事を掲載するなど、マスコミによる韓国バッシングや、愛知国際芸術祭では旧日本軍・従軍慰安婦を象徴する韓国作家の作品等がおどしや政治家の介入で撤去されるなど、対立をあおる風潮は深刻です。同時に、若者や国民の中では、「差別や憎しみでなく友好を」と掲げた日韓連帯アクションが各地で取り組まれるなど、関係回復と真の友好を求める声が広がっています。  関係悪化の原因は、安倍政権が徴用工問題で被害者の名誉と尊厳を回復する責任を放棄した上、韓国への貿易規制を拡大したことです。加えて、首相自身が、歴代政府が認めてきた過去の侵略戦争と植民地支配への反省を投げ捨てる態度を取り続けている問題があります。その安倍政権が、憲法改正で自衛隊を書き込み、海外で戦争できる国を目指していることが、韓国を初めアジア諸国との関係を一層こじらせています。  首相は内閣改造に当たっても、党一丸となった改憲の号令をかけ、国会での改憲発議へ執念を燃やしています。しかし、国民はこれを望んではいません。さきの参議院選挙で、改憲勢力が3分の2を割り込み、世論調査でも、安倍政権による改憲には「反対」が多数となっています。国民が求めているのは改憲の議論ではなく、憲法を守り生かす政治であり、現行憲法を守り現実をただす政治だと考えますが、いかがでしょうか。  さらに安倍政権は、改憲と一体に大軍拡と在日米軍再編・強化に乗り出そうとしています。防衛計画の大綱などに基づき、今後5年間で防衛費に27兆5,000億円も投入し、アメリカのミサイル防衛のためのイージス・アショアを山口県と秋田県へ配備し、F35戦闘機の追加購入や自衛隊艦船の空母化など、自衛隊と米軍との一体化を推進しています。  沖縄辺野古への新基地建設をめぐっては、政府の異常な姿勢が際立っています。先日、党議員団で沖縄県を訪ね、辺野古の新基地予定地を見てまいりました。高台に上り大浦湾を見渡すと、改めて埋め立て予定区域の広大さに息をのむとともに、軟弱地盤とされる場所は海の色が変わり非常に深くなっていること、また貴重なサンゴを移植したはずが死滅したり、ここを餌場にしてきたジュゴンの死骸が見つかったことなどをお聞きしました。軟弱地盤改良工事では、大規模地震を想定していなかったことも判明しています。沖縄の民意に背き、無謀な工事を強行するやり方は、破綻が明らかです。  本府においては、京丹後に米軍レーダー基地が稼働して間もなく5年ですが、米軍の約束違反や背信行為は、ひどくなるばかりです。米軍関係者の交通事故報告は、約束に反して、件数のみに一方的に変更されたままであり、騒音のひどい発電機が5月から再稼働された問題も、住民から怒りの声が上がっています。  9月5日の米軍経ヶ岬通信所安全・安心対策連絡会では、2期工事が当初予定から大幅におくれるため土曜日も工事をすると一方的に通告されました。さらに7月11日のテロ対策訓練では、機関銃の銃口が国道側へ向けられていたことを住民が目撃し、宇川連合区長からの指摘に、防衛省と米軍はこの事実を認めています。  米軍の約束違反や背信行為は目に余り、「府民の安心・安全の観点から政府が責任を持って対応する」とした、基地受け入れ時の約束さえ踏みにじられる新たな事態となっています。今、その全体を検証するとともに、根本にある日米地位協定の見直しが必要と考えます。いかがでしょうか。 12: ◯議長田中英夫君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 13: ◯知事西脇隆俊君) 自治体のあり方についてであります。  北陸新幹線は、日本海国土軸の一部を形成するとともに、大規模災害時において東海道新幹線の代替機能を果たし、関西全体の発展につながる国家プロジェクトであると認識しております。北陸新幹線の整備は、全国新幹線鉄道整備法に基づき進められているところであり、敦賀-新大阪間の費用負担については、今後、国や独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の詳細計画が固まった段階で建設費や負担の考え方などが示されるものと考えております。  また、環境問題については、環境影響評価法に基づき、本年5月31日から環境アセスメントの手続が始まったところであり、8月2日に計画段階環境配慮書に対する知事意見を提出したところであります。  京都府としては、引き続き国に対し受益に応じた負担となるよう求めるとともに、環境影響評価の各段階において関係市町村の御意見もお聞きしながら、しっかりと必要な意見を提出してまいりたいと考えております。  京都スタジアムにつきましては、約48万人の府民の署名をいただくほか、有識者の御意見をお伺いするなどして、サッカーやラグビー、アメリカンフットボールなどスポーツを振興していくことを目的として整備する専用球技場でございます。  また、府内最大となる2万1,600人の収容人員を擁することを生かして、コンサートなどの文化イベントを開催することも可能となっております。そのほかにも、屋内クライミング施設やVR・eスポーツエリアなどのにぎわい創出エリアを併設する多目的施設となっており、府南部から府北中部へのゲートウエーとなるよう、さまざまな取り組みを進めていくこととしております。  このような多目的施設であるだけに、運営に当たって京都スタジアムの機能を最大限発揮していくため、スポーツ施設などの運営実績のある民間が主体的に関与し、長期的な戦略を持って事業を展開できるよう、期間をこれまでで最長の10年とする指定管理者制度を導入することとしたところでございます。  いずれの取り組みも地域の活性化を図り、ひいては住民福祉の増進を図るという地方公共団体の役割を果たすための取り組みであると考えております。  次に、憲法と米軍基地、日米地位協定についてでございます。  憲法改正をめぐってはさまざまな意見があるものと承知しておりますが、憲法の改正には国会が発議し、国民投票において過半数の賛成が必要である旨憲法の中で定められており、そのあるべき姿を議論することは憲法において予定されているところであります。憲法の改正を議論するに当たっては、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を維持した上でそれをどのように守っていくかという観点から、国会を中心に、国民の間で真摯に幅広く議論されるものと考えております。  次に、米軍経ヶ岬通信所についてでございます。  通信所のXバンドレーダーは、安全保障に責任を有する国における国防上の必要性に基づき配備されたものですけれども、京都府としては、府民の安心・安全を守る立場から防衛大臣に対し、確認、要請を行うとともにその内容の確実な履行を求めてまいりました。この間、新たな派出所の開所及び警察官の増員、道路の新設・改良や農道・水路の整備など、事件・事故の未然防止や生活環境改善の取り組みが進められております。  他方、問題が生じたときは、地元とも連携し速やかに厳しく対応を求めてまいりました。交通事故につきましては、必要な情報の提供を厳しく申し入れた結果、昨年7月の電柱破損事故など、特に安全対策が必要な重大事故については個別に報告されましたし、ことし3月から8月までの事故は、軽微な物損事故1件と米側被害の1件と報告されています。  2期工事につきましては、先日、その遅延が報告されましたが、直ちに遺憾の意を表し、安全で適切な実施と早期完成を強く求める、知事名での文書申し入れを行いました。その際、土曜工事についても、地域住民の生活環境への最大限の配慮を求めております。発電機による騒音につきましては、商用電力の導入を推進するとともに、今般のメンテナンスによる稼働についても、6月19日に直ちに強く申し入れを行い、7月10日には発電機は停止され、防音壁も設置されました。  施設内の訓練につきましては、防衛省から、平素から実施しており、訓練中の安全管理は徹底されている旨の説明がありましたが、地域住民の不安を取り除くため配慮するよう、あわせて直ちに申し入れをしております。  今後とも、府民の安心・安全を守る立場から、問題が生じるような場合には速やかに厳しく対応を求めてまいります。  日米地位協定につきましては、昨年7月、全国知事会が、国内法の米軍への原則適用など抜本的見直しを提言いたしました。この提言は、大きな基地負担を抱える自治体も含め全ての都道府県知事が参画する中でまとめられたものであり、引き続き、全国知事会や渉外知事会を通じ、国に働きかけてまいりたいと考えております。 14: ◯議長田中英夫君) 成宮真理子君。    〔成宮真理子君登壇〕 15: ◯成宮真理子君 再質問をさせていただきます。  まず、自治体のあり方について、北陸新幹線と京都スタジアムについて伺いました。  費用負担の問題や環境破壊がどうなるのかということも、今後に詳細な計画でと言われますけれども、そこが大きな不安になっているのに、それが明らかにされないまま、その次その次ということで突き進んでよいのかということが今、問われていると思うんです。  京都新聞が7月に世論調査をされていて、すると、全体で「延伸は必要ない」が36%となり、「現在のルートで整備すべき」を上回っています。特に、20代、30代では「必要ない」が4割以上になり、費用負担でも環境破壊でも直接の影響を受ける若い世代ほど「延伸は要らない」との声が強くなっている結果です。こういう声に背いて推進することがよいと考えておられるのかどうか、まず、伺いたいと思います。  それから、京都スタジアムについては、さまざまなことができるというふうにおっしゃいましたけれども、紹介しました例えばVR・eスポーツというのは、業界主導でタイトルもルールもどんどん変わるというものです。府立の施設に整備しても、ゲーム業界の開発・販売にとても追いつかないのではないかと思うんです。追いつくためには、また民間の力を借りるのかもしれませんが、また府民負担が膨らむのではないかというふうに思うわけですが、膨らまないというふうに言えるのかどうかを伺いたいと思います。  それから、憲法の問題は、ぜひ知事が憲法を守り、府政に生かす立場に立っていただくように、これは要望しておきます。  京丹後米軍基地問題については、さまざまな問題を逐一申し入れているというふうにおっしゃいますけれども、結局、米軍のやりたい方向で進んでいってしまっているというのが現状ではないでしょうか。  具体的にお聞きしたいんですが、交通事故報告について、地元からは「事故件数のみで、内容がわからなければ、安全対策を立てられない。住民の安全を第一に、軽微な物損事故も米側が被害者でも、全て報告されてこそ、これまでも対策をいろいろと立ててきたのだ。それが重大事故のみというふうになれば、わからなくなる、できなくなる」というふうにおっしゃっておられるわけです。この住民側の主張については、知事は道理があると思われないのか、伺います。
     それから、もう1点。7月の銃器を使用した訓練については、防衛省と米軍は、「事前に知らされずに行われた」ことが問題だとし、「平素からやっている」というお答えがありましたが、今後も、こうした訓練は引き続き実施するという姿勢です。これでは安全・安心が脅かされてしまうという住民の思い、これはもっともだと知事は思われないのか、伺います。 16: ◯議長田中英夫君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 17: ◯知事西脇隆俊君) 成宮議員の再質問にお答えいたします。  まず、北陸新幹線につきましては、従来から国や機構に対しまして、受益に応じた負担となるよう強く求めておりまして、その姿勢について今後も変わりなく強く求めてまいりたいというふうに考えております。  また、自然環境につきましては、さきの計画段階環境配慮書に対する知事意見におきましても、地下水、水資源、文化財、そういう自然環境や生活環境にかかわる全ての評価項目について、影響の回避、または極力低減するよう検討を求めたところでございまして、今後の各段階におきましても、引き続き関係市町村、また京都府の環境影響評価専門委員会の専門家の皆様の御意見もお聞きしながら、必要な意見を提出し、国に強く求めてまいりたいというふうに考えております。  京都スタジアムについて、VR・eスポーツの関係がございました。VR・eスポーツについては、確かに新しく出てきたジャンルではございますけれども、昨年のジャカルタのアジア大会ではデモンストレーション種目として、また2020年の杭州大会では正式種目になっております。また、ことし開催の茨城国体でも、文化プログラムの一環として開催されることになっております。また、日本野球機構とかJリーグも昨年からこのeスポーツに参入し、新たなファンの掘り起こしを図っておられるところでございまして、我々としましては、eスポーツは、年齢、性別、ハンディキャップの有無にかかわらずみんなが対等に行える競技スポーツではないかというふうに考えており、世の中全体の動向も見ながらでございますけれども、引き続き対応してまいりたいというふうに考えております。  次に、経ヶ岬の交通事故の話がございました。一時期報告がない期間がございまして、強く申し入れた結果、今、御指摘がありました交通安全対策が特に必要な重大事故につきましては個別に報告し、その他のものについては件数をもって報告するということになっております。私どもとしては、交通安全対策に必要な、特に重大な事故についてはきちっと報告するようにというその姿勢を相手側に伝えまして、対応を求めてまいりたいと思っております。  最後に、訓練についてございました。訓練につきましては、通常行われております基地の警備のための訓練とお聞きしておりますけれども、確かにおっしゃるように、その訓練の内容によって住民の方に不安を与えることがあってはならないということでございまして、そうしたことがないように丁寧な対応を求めております。なお、銃器につきましてただしたところ、防衛省からではございますけれども、米軍に確認したところ、地元から指摘のあった訓練につきましては、実弾の入った銃器等は使用していないという報告があったということを申し添えておきます。以上でございます。 18: ◯議長田中英夫君) 成宮真理子君。    〔成宮真理子君登壇〕 19: ◯成宮真理子君 北陸新幹線については「要らない」という声が多い、特に若い世代の声が多いのに背いてよいのかというふうに聞いたわけですけれども、背いてよいのか悪いのかということにお答えがありませんでした。  また、スタジアムについても、私どもはeスポーツがいいか悪いかという話をしているんではなくて、eスポーツに飛びついてどんどん業界主導の中で進むことが、府民負担をもっとふやしていくことにつながりかねないのではないかというふうにお聞きしたんですが、「負担がふえません」というお答えもありませんでした。  結局、北陸新幹線については、財政負担でも環境への影響でも、解決策も見通しも示さないまま先へ先へ行こうとする。これでは、受益とおっしゃいますが、府民と地域の利益にはならないというふうに思うんです。そして、スタジアムも先行きが不透明で、結局、府民スポーツ振興という当初の目的からどんどんかけ離れるおそれがさらに強くなると思うんです。こうした事業のやり方は、住民福祉の増進という自治体の本来の役割に背くもので、立ちどまって見直すべきと指摘をしておきます。  そして、京丹後米軍基地については、申し入れをされたということですけれども、結局米軍の思うとおりに次々進んでいる実態があるではないかということです。当初の約束を次々とたがえる米軍の強硬姿勢など、明らかに今、新たな段階に来ていると考えます。こういうときに、府民を守る立ち位置、知事の姿勢が問われると思うんです。  「沖縄県に行った」と先ほど申しましたけれども、玉城知事はドイツ、イギリスなどへ米軍基地と地位協定の調査団を出して、報告書にまとめ、全都道府県と議員に報告書を送っておられます。知事会でも玉城知事が報告されて、基地のない府県からの発言が相次いだと聞きます。さらに、みずから全国行脚に出て米軍基地の実態を知らせ、地位協定見直しの世論をつくり出そうとしておられるわけです。  西脇知事も、知事会での玉城知事の報告、発言をお聞きになったと思います。米軍基地の稼働から5年。今、府民の安心・安全を最優先するという当初の約束さえ成り立たない米軍の横暴勝手に対し、もう米軍基地受け入れの根拠はないんだとはっきり言うべきときに来ていると思います。そのことを指摘し、質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 20: ◯議長田中英夫君) 次に、馬場紘平君に発言を許します。馬場紘平君。    〔馬場紘平君登壇〕(拍手) 21: ◯馬場紘平君 日本共産党の馬場紘平です。通告に基づき知事に質問させていただきます。  まず、雇用の改善と賃金の引き上げについてお伺いします。  成宮議員の質問でも指摘がありましたとおり、国民消費の深刻な冷え込みを背景にして、景気の落ち込みがさらに深刻さを増しています。春闘のたびに安倍首相が「賃上げを」と求めることからも、その要因は、上がらない賃金と強まるばかりの将来不安にあることは明らかです。  そうした中で、京都地方最低賃金審議会から最低賃金の27円引き上げが答申されました。これにより、京都府の最低賃金は909円となります。全国では、東京都と神奈川県で1,000円を超え、加重平均額は901円になります。しかし、京都府の新しい最低賃金909円でも、週40時間労働で、年末年始もお盆もなく働いても年収は189万円。ワーキングプアから抜け出せません。それどころか、政府が目標とする時給1,000円でも、年収では208万円にしかなりません。抜本的な賃金の引き上げが必要ではないでしょうか。  先日、財務省が発表した法人企業統計で、内部留保が前年比約17兆円ふえ、過去最高の463兆円を超えたことが報道されました。特に、資本金が10億円以上の大企業では、8.1%増の約235兆円となっており、大企業では内部留保をどう賃上げに結び付けていくのかが問われています。  一方で、中小零細企業では特別な対策が必要です。この間の最低賃金の政策的な引き上げは、労働組合などを中心にした「まともに暮らせる賃金を」との声と運動が背景にあります。我が党議員団も、ハローワーク前や大学門前、街頭での実態調査でつかんだ実態を紹介しながら、強く求めてまいりました。  しかし、政策的引き上げと同時に本来実施されるべき中小零細企業への支援が置き去りにされたことから、「どうすればいいのか」という声が今、上がっています。今年度の引き上げの影響率は18.1%。亀岡以南の府南部は16.4%で、府北部は27.4%とされています。現場でお話を伺うと、知り合いのリネンサプライ業を営む経営者は、100人以上の従業員を抱え地域で頑張ってきた。最低賃金に合わせて、従業員の賃金を引き上げようと思ったら、3,000万円以上の新たな人件費がかかる。これまでは耐えてきたけれどもこれ以上はと取引先に値上げのお願いをしたら、「絶対にだめ」と言われ、返す言葉もない。こういった話は、至るところで聞かれるような状況です。  この間、幾つかの中小企業団体を訪問し、お話を伺ってまいりました。そこでも共通して出されたのは、「暮らせないような最低賃金でいいのかと思う。上げられるなら上げたい。しかし、私たちにだけ負担を求める最低賃金の引き上げは限界」ということです。国の責任はもちろんですが、賃金を上げられるように支援し、地域経済の底上げを図ることこそ、府に求められていると考えます。  そこで伺います。  力のある大企業へ、内部留保を活用した抜本的な賃金引き上げを求めるのはもちろん、最低賃金審議会の答申でも示された、地域経済の中核を担う中小企業が賃上げできるようにするための、真に直接的かつ総合的な抜本的支援策が必要です。機械などへのリース補助は緊急対策で行われたことがありますが、今、そうした固定費への支援が求められていると考えますが、いかがでしょうか。  同時に、国に対して、業務改善助成金やキャリアアップ助成金制度の改善を求めることとあわせて、社会保障費の事業主負担分への支援など、抜本的な支援策の強化が必要と考えますが、いかがですか。  同時に、個人消費を温める上では、雇用の改善も待ったなしです。国の進める働き方改革の中で、非正規労働者の無期雇用への転換の道が開かれました。しかし、ことし3月、日立製作所が無期雇用への転換を申し出た社員を解雇しようとするなど、大手企業や大学、独立行政法人などで、次々と無期雇用への転換を回避するための解雇や制度の悪用などが相次ぎました。そもそも、働き方改革や雇用の改善が言われる一方で、ふえ続ける非正規雇用は相変わらずですし、「上司から残業するなと言われるが、仕事は減らず持ち帰るだけ」「残業は減ったが、給料も減って住宅ローンが返せない」、こういった声まで上がっています。  さらに、国では多様な働き方の名のもとに、フリーランスや雇用によらない働き方が推進されています。しかし、フリーランスで働く労働者の権利保護や、健康を守る対策は全く進んでいません。こうした現状は、安い労働力によって企業が利益を上げるというビジネスモデルの存在や、企業が求める安い労働力を確保するという国の姿勢を示すものではないでしょうか。  そこでお伺いします。  地域経済の好循環を生み出していくためのもう一つの柱である、雇用の改善が急がれます。国に対して、労働者派遣法の抜本的改正、長時間過密労働の抜本的な規制強化を求めていただきたいと考えますが、いかがですか。ここまで御答弁をお願いいたします。 22: ◯議長田中英夫君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 23: ◯知事西脇隆俊君) 馬場議員の御質問にお答えいたします。  賃上げに必要な中小企業支援についてでございます。  京都府における最低賃金は、本年10月1日から27円引き上げられ909円となり、平成14年以降で最大の引き上げ額となります。中小企業にとっては、賃上げの原資となる収益の拡大が求められることから、生産性の向上に向けた取り組みが不可欠でございます。国の業務改善助成金につきましては、申請に当たり、設備投資による生産性向上計画に加え、従業員の賃金引き上げ計画の両方を作成する必要があること、また助成金の支払いが事後の精算払いのみであることなどにより、低調な利用となっております。このため、京都府においては、より使いやすい制度となるよう、国に対しまして繰り返し要望しているところでございます。  京都府におきましては、経営者と十分御相談しながら労働生産性向上への取り組みを進めていただくため、昨年度は延べ約5万4,000社に対し訪問型伴走支援を行いました。この結果、京都府が用意した設備投資に関する助成制度や小規模企業向けの低利なリース制度は、423件の活用をいただいております。また、中小企業の生産性向上に必要なAI、IoTを駆使できる技術人材の育成と確保を支援する事業を本年度から本格的に実施しております。  さらに本年度は、子育てしやすい職場環境づくりのための新たな助成制度を設けるとともに、子育て企業サポートチームをつくり府内企業2万5,000社を訪問する中で、京都府の中小企業支援制度の活用促進を図っているところでございます。  社会保険料につきましては、健康保険法等による給付支援の形で一部公費負担がされる制度となっているところでございますけれども、労働者が安心して就労できる基盤を整備することは労働者を雇用する事業主の責任であり、また、労働者の健康の保持及び労働生産性の増進が図られることが事業主の利益に資することから、直接保険給付を受ける労働者と事業主双方で応分の負担を行うことが基本であると考えております。京都府としては引き続き、企業の生産性向上を通じた経営基盤の強化をしっかりと支援してまいりたいと考えております。  次に、労働者の派遣や長時間労働に対する規制強化についてでございます。  労働者派遣法につきましては、平成27年9月、派遣労働者の雇用の安定、保護等を目的に改正され、同じ事業所に派遣される労働者の派遣期間は3年を限度とすること、また派遣期間終了時に派遣元は、派遣先への直接雇用の依頼を行う、新たな派遣先の提供を行う、派遣元での無期雇用に転換する、その他、安定雇用継続のための必要な措置を行う、この4つのいずれかを講じることが義務づけられたところでございます。  京都府としては、あらゆる機会を捉えて企業啓発を行うとともに、相談窓口を設けまして労働者からの相談にきめ細やかに対応し、法令違反が疑われる場合には、指導監督権限を有する国の窓口につないでいるところであります。また、これまでから京都労働局、京都とともに経営者団体などに対しまして、引き続き有期契約労働者の無期転換が円滑に進むよう要請をしているところでございます。  長時間労働の是正につきましては、京都府ではこれまでから、企業における就労環境改善のための専門家派遣や経営者セミナーの開催、就労環境改善サポート補助金による支援などに取り組んできているところであります。また、国においても、仕事と生活の調和を目指し、社会全体で働き方の見直しを進めるため、働き方改革関連法が順次施行され、時間外労働の上限規制につきましては、大企業では本年4月から、中小企業におきましても来年4月から実施されることとなっております。  京都府としましても、今年度から京都ジョブパーク内に設置した中小企業人材確保・多様な働き方推進センターを核として、長時間労働の是正など働きやすい職場づくりの推進に向け、京都労働局とも連携しながら、経営者に対する労働法制の正しい理解の促進や意識啓発に取り組んでおります。あわせまして、国に対しては引き続き、労働現場の実態把握や事業所への指導・監督の徹底について要望してまいりたいと考えております。 24: ◯議長田中英夫君) 馬場紘平君。    〔馬場紘平君登壇〕 25: ◯馬場紘平君 御答弁をいただきました。  賃上げについてですけれども、国の制度をさらに使いやすいものにしていただくということは当然なんですけれども、今現状、10月1日に迫っている最低賃金の引き上げということを考えると、そう言っている場合ではないというふうに私は思っています。  賃金を上げる必要性については国も認めておられますし、この間の議会での答弁の中でも知事自身も「上げる必要はある」というふうにおっしゃっておられます。中小企業を回りますと、「上げたくても上げられない」という声が上がっているわけでして、ここに応えるというのが、私は当然のことではないかというふうに思います。  目前に迫る10月1日、特に中小企業で重い負担になっている社会保障費の事業主負担の軽減は、先ほど知事は事業主の責任だとおっしゃるんだけれども、この事業主負担の軽減が賃金引き上げの上では非常に有効だと私は考えますが、その点については、知事はどのように考えておられるのか、お聞かせください。  同時に、中小企業が多くて、そこで働く労働者の割合も極めて高いこの京都でこそ、まずこうした事業主負担の軽減を緊急対策として実施すべきと考えますけれども、知事の再答弁を求めます。 26: ◯議長田中英夫君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 27: ◯知事西脇隆俊君) 馬場議員の再質問にお答えいたします。  賃上げは私も必要だと思っておりますし、この間、最低賃金も順次引き上げられてまいりました。ただ、それを実現するためには、中小企業にとりましては財源が必要、賃上げの原資が必要となりますので、収益性を拡大することが極めて重要。これにつきましては、馬場議員と考えを同じくするものでございます。  ただし、社会保険料につきましては、これはもともとの制度が労働者と事業主負担の応分の負担で成り立つということになっております。そこの基本の考え方は維持すべきだと考えておりまして、全体として中小企業者にとりまして賃上げが可能となるよう収益の拡大、経営基盤の強化に努めることが肝要だというふうに認識しております。 28: ◯議長田中英夫君) 馬場紘平君。    〔馬場紘平君登壇〕 29: ◯馬場紘平君 再度答弁をいただきましたけれども、非常に冷たいなというふうな思いを私は持っています。  今現状で言いますと、「上げたくても上げられない」という中小企業の声があるわけで、本来は国が政策的に引き上げたんだったら、国がその対策を打つというのは当然のことだというふうに思うんですけれども、現在、国は、その声に応えようとしていると言えるような状況にはありません。それどころか、ついてこられない中小企業は切り捨てても構わない、労働法制を骨抜きにして、安い労働力を引き続き企業に送り込むんだと、こんな姿勢を示していると言わなければいけないと思うんです。  こうした中で、国に対して強力に訴えていただくことはもちろんですけれども、府下の企業の99%以上が中小企業で、そこで「上げたくても上げられない」という声に今、応えていくことが必要で、緊急的な対策として、社会保障の事業主負担も含めて賃上げができるような対策を抜本的に取り組んでいただく、このことがどうしても必要だということは、この点は厳しく強く求めておきたいというふうに思います。  次の質問に移ります。次に、国民健康保険にかかわってお聞きいたします。  国民健康保険が都道府県化して2年目となりました。「都道府県化で制度を安定化させる必要がある」「私どもはその責任を引き受けていく。まさに京都府が負担をしていく」「全市町村の法定外繰入額に相当する毎年3,400億円という国からの支援を実現した」と前知事は繰り返してまいりました。  しかし、既に7市町で国保料の引き上げがされています。そのほかの市町村でも24市町では納付金は前年度から引き上げられており、多くの市町では、基金の取り崩しや一般会計からの繰り入れなどによって何とか引き上げを回避しているのが実態です。国の、一般会計への繰り入れに対するペナルティー制度の導入、これからも進む高齢化の問題、こうしたものを考えていけば、このままいけば国保料のさらなる引き上げは避けられない状況だと言わなければなりません。  そこで伺います。  この現状は、府が推進してきた都道府県化の姿と余りにもかけ離れていると考えますが、知事の御所見をお聞かせください。  そうした中、京都社会保障推進協議会が府下の全市町村に対して行った「国民健康保険に係る調査」によると、本年4月1日現在、保険料滞納による資格証の発行が府下で3,353世帯に上っています。全日本民医連の2018年の調査では、国保料の滞納による資格証となり医療にかかれないなど、経済的理由により手おくれになって命を落とすという事例が、1年間で77件も記録されています。国民健康保険法の第1条「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与する」という目的が脅かされていると言わなければいけません。  そこで伺います。  知事は、国保料の負担を引き下げる必要があると考えておられるのか、御所見をお聞かせください。  また、国費1兆円で均等割の廃止、これは、我が党はもちろん全国知事会でも要望されてきたものです。しかし、本府の国への予算要望には盛り込まれていません。府として強力に国に対して求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。  さらに、府は法定内の繰り入れは行っていますが、それ以上は一切入れてきませんでした。格差と貧困の広がりが、府民の命を守るセーフティーネットとしての国民健康保険を脅かしています。保険者として、府としても一般会計からの法定外繰り入れなど、保険料引き下げの努力が求められていると考えますが、いかがですか。  府民の命を守るためには、保険料の負担軽減とあわせて、医療費そのものの負担軽減にも取り組む必要があると考えます。  京都府保険医協会の会員医療機関への調査では、「医療費負担を理由に患者に治療を断わられた」ケースが44.8%、「経済的理由による治療の中断があった」との回答が30.4%に上っています。  八幡のある40代の男性は、アルバイトで家計を支えていましたが、脳梗塞で倒れ入院することになりました。しかし、治療費が払えずに困ってしまい、我が党の市会議員に相談されました。結果、一部負担金減免制度を申請、利用し治療を継続することができ、後遺症は残ったものの、障害年金を受け取りながら頑張っておられます。  このように、本来国保には、国保法44条に定められた、窓口の一部負担金減免制度があり、さらに緊急的には無料低額診療事業もあります。しかし、国保の一部負担金減免制度の実績があるのは、災害によるものを除くと昨年は京都と八幡だけです。しかも、その件数は減ってきているのが実態です。さらに、無料低額診療事業は京都市内を含めても実施機関は40機関、京都市内を除くと8機関。しかも、その実施医療機関も減少傾向にあります。  そこで伺います。  本来使える制度がなぜ使われていないのか、各市町村とともに連携しながら国保法44条の一部負担金減免制度の利用促進を図る必要があります。そのための市町村の条例整備を呼びかけるとともに、制度の周知を徹底していただきたいと考えますが、いかがですか。また、無料低額診療事業の実施機関を抜本的に増やす努力とともに、さまざまな機会を通じて府民に制度の周知をし、さらに府立の医療機関でも、低所得者の負担軽減制度を実施する必要があると考えますが、知事の御所見をお聞かせください。  次に、介護についてお聞きします。  新日本婦人の会京都府本部が「65歳以上の女性の介護・医療アンケート」の結果を発表されました。そこには、「夫と2人で年金暮らし。アルバイトをしながら何とか生活をしている。介護が必要になっても必要なサービスを受けられるか心配」「今の年金では入れる施設はない」「年金はどんどん下がる一方、介護保険料が高過ぎる。このままいけばどうなるのか不安でいっぱい」など、不安の声にあふれています。こうした声に応え、誰もが安心して介護を受けることができる制度の構築が求められています。  ところが、先月29日から始まった、来年の介護保険法改正に向けた厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会の検討内容は、「要介護1、2の人の生活援助サービスを介護保険給付から市町村の総合事業へ移行」「利用料の2から3割負担の対象拡大」など、制度改悪が並んでいます。  京都府でも、自助と共助を中心にできるだけ地域で暮らし続けることを目指すとされています。しかし、少ない年金で何とか夫婦で支え合っている、もしくは足りないところはぎりぎりまでアルバイトなどで補う、こうした実態が広がっています。自助や共助の土台がどんどんと失われている中で、施設整備よりも地域に返すことを優先し、制度を支えるマンパワーの確保のための処遇改善の取り組みは見えてこない。そこにさらなる制度改悪が続けば、全てが崩壊してしまうのではないでしょうか。  そこで伺います。  まずは、国に対してこれ以上の制度改悪は行わず、国費の負担の抜本的増額で、誰もが安心して介護を受けることができる制度となるよう、強く求めていただきたいと思います。同時に、府としても、基盤整備を求める声に逆行し、地域へ送り返すことを優先するような姿勢を改めるとともに、現場を支えるマンパワー確保のために介護人材の処遇改善に取り組む施設への支援などを行う必要があると考えますが、いかがですか。  次に、府営水道を含む水問題についてお聞きします。  京都水道グランドデザインでは、施設の老朽化や施設更新、受水人口の減少による財政危機、技術職員不足などが市町村水道事業の運営での大きな課題とされ、その対策として、府域を3つの圏域に分けた広域化とコンセッションなど官民連携を目指すとされています。そして、その中での府の役割は、広域化の推進、官民連携の推進となっています。この流れは、国が水道法の改悪、PFI法の改悪で示してきた道筋そのもので、広域化、民営化ありきの道筋と言わなければなりません。  先日、浜松でお話を伺ってまいりました。浜松は、上下水道事業への民間事業者参入をコンセッション方式で進めようと、まず下水道処理場で導入し、さらに上水事業で2016年に政府の調査費を計上し、導入が計画されました。しかし、2018年4月に「浜松水道民営化を考える会市民ネットワーク」が立ち上がり、実態を共有するためのシンポジウムや駅前での宣伝、署名活動に取り組み、市長に1万2,000筆の反対署名を提出されました。その後、市議選や市長選挙でも大きな争点となり、上水道のコンセッション方式は無期延期とされました。  運動に取り組んだ市民の方は、「民営化されようとしているなんて知らなかった」「なぜ民営化する必要があるのか」「そんなことをして大丈夫なのか」こういう声がどんどん広がっていったと話されました。さらに、浜松が既に海外の水メジャー、ヴェオリア社に一部の下水処理場をコンセッションによって運営権を売却した結果、「修繕工事などの発注もブラックボックス」「従業員数や役員報酬など、運営の中身も明らかにならない」など、民間連携とはほど遠い実態が明らかになり、水道工事にかかわる地元業者の中でも急速に民営化反対の声となって広がったそうです。  これまでから国も府も、広域化や民間連携によって事業を安定化するのだとされてきました。既に本府では、福知山で包括外部委託が始まり、舞鶴、宮津、与謝野町で、窓口業務などの民間委託を広域連携の一環として共同発注することが報道されています。さらに言えば、北部でも南部でも、これまであった簡易水道や飲料水供給施設などを廃止し、市営水道などへ一本化する取り組みが、国の補助金打ち切りを受けてこれまでから進められてきました。こうした動きに対しては、地域で守ってきた命の水を潰すことへの反対運動も、少なくない地域であったと聞いています。  そもそも、なぜ日本で水道事業が自治体によって担われてきたのでしょうか。水道法はその目的を「清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与すること」としています。これは、憲法25条が定める「公衆衛生の向上及び増進」を具体化するものだと言われています。こうした水を企業の利益の道具とすることは、水道法の精神と全く相入れません。本府が水道事業を考えるとき、こうした原点を踏み外してはならないと考えます。  そこで伺います。  本府が進めようとしている方向は、水道事業の原点をゆがめるものだと考えますが、いかがですか。また、広域化・民営化だけが生き残る道のような進め方はやめ、命の水を守る市町村の役割を支援することこそ必要だと考えますが、いかがですか。  同時に、先日開かれた府営水道経営審議会で、3水系の料金統合による宇治系での大幅値上げの案が議論されました。これまでから、過剰なカラ水が各市町の水道料金に大きな影響を与えてきました。今、求められているのは、高過ぎる水道料金の引き下げに、本府としても責任を果たすことと考えますが、いかがですか。お答えください。 30: ◯議長田中英夫君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 31: ◯知事西脇隆俊君) 国民健康保険についてでございます。  国保は国民皆保険制度を守る最後のとりでとして大きな役割を担っており、安定的に運営できるよう、国と地方3団体との協議を踏まえ、国が財政面での責任を持つという前提で平成30年度に都道府県単位化されました。これを受けて、低所得者の負担軽減等の充実を図るため、3,400億円の国費が投入されているところであります。今後も、高齢化等に伴い医療費の増加が見込まれることから、国に対しては引き続き必要な財政措置を講じるよう求めているところであります。
     保険料の均等割については、受益者が負担するという社会保険制度の原則に基づき制度化されているものですが、子育て支援の観点から、子どもに係る部分について負担軽減措置の導入を国に強く求めているところであります。この考えは、全国知事会と何ら変わるものではございません。  都道府県単位化においては、保険料は引き続き市町村が決定し、京都府は財政運営を担う立場から、市町村ごとの納付金を決めるとともに240億円を超える予算を確保し、運営の基礎部分を支えているところであります。  また、京都府では、健診結果や治療継続の有無等の分析を踏まえ、保健指導や糖尿病の重症化予防対策などを効果的、効率的に展開できるよう、市町村支援に努めているところでございます。こうした取り組みは、疾病予防や健康づくり等を推進するため、国が昨年度創設した保険者努力支援制度において高く評価され、京都府や市町村に対して合わせて約21億円の交付金が増額されており、ひいては保険料の軽減に寄与しているものと考えております。  次に、低所得者等に対する医療費についてでございます。  国民健康保険の一部負担金の減免については、市町村との協議を経て、平成24年3月に京都府における減免基準を定めております。減免の実施に当たりましては、条例だけではなく規則、要綱等でも対応可能であり、4市町が条例を、21市町村が規則、要綱等を定めて実施しているところであります。国民健康保険の被保険者が、災害時や病気、失業等により所得が減少した際にも安心して受診できるよう、引き続き被保険者への周知徹底について市町村に求めてまいります。  無料低額診療事業についてでありますが、この事業は、医療機関みずからが低所得者の方に対して医療費の自己負担を軽減する制度で、地域における各医療機関の役割や経営見通しに基づいて、それぞれが判断して実施されるものとなっております。現在、府内の無料低額診療事業の実施医療機関は、御指摘がありましたように40カ所。そのうち京都府へ届け出があったものは8カ所となっており、対象者や減免の範囲につきましては、それぞれの医療機関により異なっております。  こうしたことを踏まえまして、京都府としては、ホームページを通じて制度の概要や実施医療機関等の周知を行っているところでございます。  また、府立病院での低所得者等の負担軽減についてでありますが、府立医科大学附属病院や北部医療センター、府立洛南病院では既にそれぞれ、医療費等の全部または一部を免除する制度を設けているところでございます。このほかにも、分納による支払い方法や障害のある方に対する自立支援医療制度等の活用など、患者や家族の皆様からの医療費等負担軽減などの相談に対して、丁寧な対応に努めているところでございます。  次に、介護保険制度についてでございます。  高齢者が急速に増加する中、介護保険制度は、府民の生活を守るための大切な制度として、平成12年の創設以降、地域社会において定着してきており、この間、要介護認定者数は3.2倍、介護給付費は2.9倍に増加しています。今後も一層の高齢化の進行が見込まれる中で、制度を維持していくためには、給付と負担のバランスをとりながらいかに安定的な制度として次世代に引き継いでいけるかが大きな課題であります。  京都府としては、令和元年度は約340億円を負担し、制度を全力で支えるとともに、国の公費負担割合の引き上げや低所得者対策の充実、施設整備等を含めた必要な財政措置などを国に対し繰り返し強く要望しているところでございます。  また、介護施設については、市町村が入所申し込み者のうち入所が必要な方の数を把握した上で、今後の高齢化率の推移などを総合的に勘案して、整備目標を京都府高齢者健康福祉計画に定めているところでございます。  具体的には、令和2年度までの3年間で、特別養護老人ホームや老人保健施設を1,085床ふやすとともに、認知症グループホームや小規模多機能型居宅介護施設など多様な施設を整備することで、必要なサービス量を確保できる見込みとなっているところでございます。  介護職員の処遇改善につきましては、国に対して繰り返し要望してきた結果、平成21年度以降、月額約3.7万円の引き上げがなされるとともに、本年10月からは、職場のリーダー的な役割を担う勤続10年以上の介護福祉士などを対象に、新たに月額8万円相当の給与の引き上げが予定されております。あわせて、給与規程の整備や休暇取得、労働時間短縮のための取り組み等を要件とする「きょうと福祉人材育成認証制度」を進めるなどにより、引き続き介護職員の処遇改善に努めてまいりたいと考えております。  次に、水道事業についてであります。  来月から施行される改正水道法では、国は水道の基盤を強化するための基本方針を定め、都道府県は水道事業の広域連携の推進を図ることとされております。  府内の市町村では、水需要の減少や水道施設の老朽化、人材確保などに課題を抱え、今日まで水道の基盤強化に向けさまざまな努力をしておりますが、他の市町村との広域連携や民間事業者の技術などを活用する公民連携について、検討も進められております。  今後、京都府では、昨年策定した京都水道グランドデザインに記載しているとおり、圏域ごとに設置する協議会におきまして、将来にわたり安心・安全な水道を供給するため、市町村が地域の実情に応じた基盤強化の方策を選択できるよう支援してまいります。  次に、水道料金についてでございます。  来年度以降の府営水道の料金につきましては、昨年、府営水道事業経営審議会に諮問を行い、先月、審議会において答申中間案が示されました。水道事業は、水道法及び地方公営企業法により、経営を行う上で必要な経費は料金で賄えるよう料金算定を行うことが原則であり、京都府では府民負担の公平性の観点から、国の公営企業繰り出し基準に基づいて、一般会計からの繰り出しにつきましては、適正に行っているところであります。  答申中間案は、こうした原則を踏まえながらも、本来料金参入すべき未利用の水源に係る経費を建設負担料金に含めないことや、修繕引当金を活用して使用料金の引き下げを図ることなど、水道料金の単価の抑制策について提案され、府民負担の抑制に配慮されたものとなっております。  京都府としては今後、審議会からの最終答申を受けた上で、府営水道料金のあり方について慎重に検討してまいりたいと考えております。 32: ◯議長田中英夫君) 馬場紘平君。    〔馬場紘平君登壇〕 33: ◯馬場紘平君 御答弁をいただきました。  時間もあれですので一つ一つはあれですけれども、介護保険です。国に対して財政的な支援を求めていくであるとか、需給のバランスをとりながら安定的な制度となるよう国に対して求めていくんだというお話がありました。処遇改善についても、国が取り組んでいるという話があったわけですけれども、現場でいいますと、負担は限界だと。「制度のことを考えると虚しさと絶望感でいっぱいだ」という、こうした府民の声が広がっているということはやっぱり受けとめる必要がありますし、まずは、これ以上の改悪は絶対許さないという立場に立っていただく。そして、人材確保のための抜本的な処遇改善を国に対して求めていただく。このことを強く要望しておきたいと思います。  国民健康保険についてですけれども、最後のとりでというのは、誰もが安心して医療にかかることができるということを保証するものでなければいけないというふうに私は思っています。39歳以下の夫婦と子ども2人の4人家族で年収266万円のモデル世帯で、京都の国民健康保険料は年間397,497円です。既に、負担の限界を超えていると私は思っています。  多くの滞納者や手おくれの事例というのは、こうしたもののあらわれだというふうに思っております。だからこそ、法定外の繰り入れを行ってでも負担軽減を図る必要があるのではないか。知事は負担軽減の必要性について答弁がありませんでしたけれども、この点についてもう一度答弁をいただきたいと思います。  窓口の一部負担金の44条減免については、既に制度化されているところもあるというお話がありましたが、昨年度、八幡で利用されたのは15件、京都では算定中ですが十数件と言われています。しかも、この数が減り続けている。なぜこんな状況にあるのか、知事はどのように考えているのか、もう一度お答えをいただきたい。  水道事業についてですけれども、府民の願いは、安心して安全な水をいつでも飲める、この制度を維持してほしいということなんですね。逆に、この間進められてきた広域化、また民営化の流れというのは、命の水を地域から奪うものになっているというふうに言わなければいけません。  まずは、先ほど説明した、水道法が定めているような行政としての責任、府民の願いに軸足を置いて、命の水を守るために、市町村を応援することこそ求められているというふうに思いますが、もう一度、知事の考えをお聞かせいただければと思います。 34: ◯議長田中英夫君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 35: ◯知事西脇隆俊君) 馬場議員の再質問にお答えいたします。  国民健康保険の負担軽減についてでございますけれども、先ほども御答弁いたしましたとおり、我々は国の制度も活用しながら、なおかつ我々としても負担の軽減のために国に対して強く要望しているところでございまして、現行よりもなるべく負担の軽減を図るということにつきましては、我々も思いは同じでございます。  ただ、制度につきましては、給付と負担のバランスということもございまして、その中で持続可能な制度として、引き続き府民の健康が守れるように、制度のこれからのあり方につきましては引き続き国に要望してまいりたいと考えております。  それから、国民健康保険の一部負担金につきましての活用のことでございますけれども、先ほども御答弁いたしましたが、4市町で条例、21市町村で規則と要綱等ということで既に実施は可能な制度的枠組みができておりますので、これにつきましては、引き続き周知徹底をより図っていただくように市町村に対して強く求めてまいりたいというふうに考えております。  水道事業につきましては、水道水の安心・安全というのは、おそらく国際的に見ても日本の最も特徴的な一つだと思いますので、府民の安心・安全のためにも、安心・安全な水道を供給することが必要だと思っています。ただ、重要なことは、少子高齢化、人口減少社会の中で、どうやって持続可能な制度として市町村が経営していくのかと、その点を最も重要なポイントに置きまして、我々は、市町村の取り組み、また次の方向の検討について支援をしてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、審議会で審議をしておりますので、そうした答申も踏まえながらさらに検討を深めてまいりたいと思っております。 36: ◯議長田中英夫君) 馬場紘平君。    〔馬場紘平君登壇〕 37: ◯馬場紘平君 再度、御答弁をいただいたんですけれども、出てくるのは、給付と負担のバランスだと。その上で安定的な制度としていくんだというお話があるんですけれども、この議論というのは、この間、ずっと国が制度改悪の中で使われてきた言葉でして、結果その中で、もう既に負担が限界を迎えている。国保だけではなく、介護でもそうですけれども、既に制度の網からどんどんとこぼれ落ちる人が出てきている状況にある。こんな中で、安定的な制度運営を国に求めるということだけでは、問題は解決しないところまで来ているということをしっかり見ていただく必要があるのではないかなというふうに私は思います。  その一番肝心かなめのところは、これ以上の制度改悪は許さないという明確な立場に立っていただくということと、財政的支援を含めて、市町村と一緒になって府民の命や暮らしを守るという立場に、本府が立ち切ることだというふうに私は思っています。その立場に立ち切ることを強く求めておきたいと思います。  水道事業についても、同じことが言えるのではないかなと思います。持続可能な制度としていく、事業として持続可能かどうかということではないというふうに私は思うんですね。今、府民の願いというのは、安心して安全な水をいつでも飲むことができるようにしてほしい、この制度を維持してほしいということなんですね。水道法には、まさにそのことを行政が責任を持たなければいけないということが書いてあるわけで、今、進められようとしているコンセッション、民営化であったり広域化というのが、どんな結果を生み出してきたのかということをしっかり見ていただく必要があるのではないかなと思います。  世界の流れはまさに再公営化ですし、同時に水は人権である、また水は自治の基本であるということが、今、世界の大きな流れになってきているということをしっかり見ていただく必要があります。この間、進められてきている民営化や広域化を進めるような、こうした「ありき」の進め方というのはぜひともやめていただきたい。このことを強く求めて質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) 38: ◯議長田中英夫君) 次に、林正樹君に発言を許します。林正樹君。    〔林正樹君登壇〕(拍手) 39: ◯林正樹君 公明党京都府議会議員団の林正樹です。私は、会派を代表し、知事並びに関係理事者に質問いたします。積極的な答弁を期待するものであります。  まず、議長のお許しをいただき、質問に先立って一言申し上げます。  7月に発生しました京都アニメーション放火事件におきまして、お亡くなりになられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げます。また、負傷された方々に衷心よりお見舞い申し上げますとともに、早期の御回復を祈念いたします。御遺族や被害に遭われた方々に対するケアや支援に万全を期すよう求めるものです。  次に、本定例会に上程の補正予算案について一言申し述べます。  海外経済リスクや消費税率の引き上げ等、刻々と変化する経済環境に応じた地域経済活性化策や企業等への各種支援、雇用対策、安心・安全の向上や子育て環境日本一に向けた取り組みなど、いずれも今、速やかな対応が必要な事業等を推進するための補正予算案としてこれを評価するとともに、今後の委員会審査等においてしっかりと議論してまいります。  それでは、質問に入ります。  まず、就職氷河期世代の就労支援についてお聞きします。  いわゆる就職氷河期世代とは、雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った、現在の30代半ばから40代半ばの世代のことであり、新卒一括採用を初めとした流動性に乏しい雇用環境下にあって、中には希望する就職ができず、現在も不本意ながら不安定な仕事についている、あるいは無業の状態にあるなど、さまざまな課題に直面している人々が多くいる世代とされています。こうした現状認識のもと、政府は経済財政運営と改革の基本方針2019、いわゆる骨太の方針において、就職氷河期世代への支援プログラムを本格的に進めることとしています。  希望する就業とのギャップ、実社会での経験不足や年齢の上昇など、この世代が抱える固有の課題や今後の人材ニーズを踏まえつつ個々人の状況に応じた支援により、正規雇用化を初めとして同世代が活躍できるよう、地域ごとに対象者を把握した上で具体的な数値目標を立て、3年間で集中的に取り組むこととしています。  この支援対象には、正規雇用を希望しながら不本意に非正規雇用で働く少なくとも50万人、就業を希望しながらさまざまな理由により求職活動をしていない長期無業者や、社会参加に向けてより丁寧な支援を要する人などと合わせ、100万人程度と推計しており、3年間の取り組みで正規雇用者を30万人ふやすことを目標としています。  7月には、内閣官房に施策の司令塔となる支援推進室を設置し、2020年度概算要求には、相談、教育訓練から就職までの切れ目のない支援、ハローワークへの専門窓口設置やチーム制での就職相談を通じた継続的な支援体制づくり、仕事に必要な知識を学び直すリカレント教育、正社員雇用した企業への助成金などの集中支援策に1,344億円が計上されています。  こうした中、愛知県では2016年度から、学歴や勤務経験を不問とする社会人採用を行っており、今年度は、就職氷河期等の影響によりやむなく非正規雇用にとどまっている方の正規雇用化を県として率先して取り組むため、その年齢要件を44歳までに拡大しました。また、兵庫県宝塚も8月末、就職氷河期世代を対象とした正規職員を募集したところ、3人程度の採用枠に対して1,816人が応募、倍率が600倍を超えたとのことです。東京に本社のある総合物流企業では、政府が進める本プログラムに賛同し、この世代に限定した中途採用枠を設け、年100人、3年間で300人を正社員として雇用する方針を発表するなど、地方自治体や企業などでも取り組みが進みつつあります。  就職氷河期世代就労支援プログラムにおいては、各都道府県等において、支援対象者が存在する基礎自治体の協力を得て、対象者の実態やニーズを明らかにし、その結果に基づき、必要な人に支援が届く体制を構築するよう求められています。  これまで本府においては、京都ジョブパークにおけるきめ細やかな就労支援、不本意非正規労働の正規雇用化、チーム絆によるひきこもり状態の方への支援など、こうした世代に対するさまざまな支援を展開してこられたところであり、本補正予算案においても、スキルアップ研修と正規雇用に向けたマッチングを実施する就職氷河期世代正規雇用化促進事業費を計上しているところです。  そこでお伺いします。  京都府における就職氷河期世代の現状、とりわけ就労状況をどのように認識しておられるのか、それを踏まえた上で同世代の不本意非正規労働者の正規雇用化など、具体的な目標数値も設定した集中的な支援策を策定し展開していくべきと考えますが、御所見をお聞かせください。  また、私は、本府においても、こうした世代を対象とした社会人採用枠を創設するなど、府が率先して直接雇用する取り組みを行うべきと考えます。さきに紹介したような正規雇用を行う企業の取り組みを後押しする支援策の創設も重要と考えますが、あわせてお聞かせください。  次に、人生100年時代に向けた高齢者の雇用・就業機会の確保についてお聞きします。  我が国の高齢化率は、2018年で28.1%、これが2065年には38.4%に達すると見込まれています。高齢者が安心して年齢を重ね、長寿を謳歌できる社会の実現に向けて取り組むべき課題は山積しておりますが、現下の深刻な人手不足の現状において、働く意欲のある高齢者がその経験や適性、能力を十分に発揮できるよう、高齢者の活躍の場、とりわけ雇用・就業機会を確保していくための環境づくりが、今後ますます重要となってまいります。  現行の高齢者雇用安定法において、企業は希望する社員全員を65歳まで再雇用、定年延長や定年制廃止などによって雇用する義務がありますが、骨太の方針2019においては、70歳までの就業機会確保に向けて、それらに加えて他企業への再就職支援、フリーランス契約で働くための資金協力、起業支援、NPO活動などへの資金協力等、さまざまな選択肢を用意する法整備を進めることとしています。  厚生労働省が2018年11月に発表した、同年「高年齢者の雇用状況」によれば、66歳以上働ける制度のある企業は27.6%、70歳以上では25.8%、定年制度廃止企業は2.6%となっており、企業サイドの取り組みは徐々に進んでいると言えますし、内閣府が行っている高齢社会対策に関する各種調査において、70歳くらいまで、もしくはそれ以上の就労を希望する人が8割近くに上るなど、高齢者の就労意欲も高いと言えます。  2018年に政府は、新たな高齢社会対策大綱を閣議決定し、65歳以上を一律に高齢者と見る一般的な傾向はもはや現実的なものではなくなりつつあり、70歳やそれ以降でも、意欲・能力に応じた力を発揮できるエイジレス社会を目指すとしています。本府においては、京都ジョブパークの開設時から、シニア向けコーナーを設けて総合的な就業支援を実施するなど、高齢者の雇用・就業機会の確保に取り組んできたところであります。  そこでまず、京都ジョブパークにおける高齢者の相談件数や就職率などの現状をお聞かせください。それを踏まえ、企業への再就職・転職支援、起業支援、フリーランスやNPO活動などへの資金協力等、エイジレス社会の推進に向けて、今後どのような支援策を講じていかれるのか、企業の雇用拡大に向けた働きかけやマッチングも含め、取り組みの方向性についてお聞かせください。  まずは、ここまでの答弁をよろしくお願いいたします。 40: ◯議長田中英夫君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 41: ◯知事西脇隆俊君) 林議員の御質問にお答えいたします。  林議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして今回の補正予算案に対しまして評価をいただき、厚くお礼を申し上げます。  就職氷河期世代の就労支援についてでございます。  いわゆる就職氷河期世代は、おおむね平成5年から16年ごろに就職活動を行った世代であり、たまたまバブル崩壊後の厳しい経済状況にあったことから、不本意ながら非正規の仕事についている方や、就業は希望するものの長期にわたり離職中の方などが、議員御紹介のとおり、全国で約100万人と見込まれております。  京都府では、京都ジョブパークを中心に、きめ細かな就業支援により正規雇用の創出を図ってまいりました。昨年度は、無職または非正規で在職中の就職氷河期世代の方467人の正規雇用を実現できたところでございます。しかしながら、府内の同世代の労働者のうち非正規労働者の占める割合は31.5%と、全国平均29.9%を上回っている状況にございます。  こうした非正規労働者の方々の中には、継続的に働いてこられたものの、能力を開発する機会が少なく、企業に評価される職務経歴が積めていない方がおられます。また、そうした人材を企業サイドから見ますと、中堅を担うべき世代の人材で採用は望んでいるものの、年齢に見合った職場の提供が難しいといった状況も伺っております。  このため、不本意ながら非正規で働いている方々に、本人が既に持っておられるスキルに加え、チームで働く力や課題解決能力など、企業側が求めている能力を身につけていただくためのオーダーメード型の研修を行い、その上で、こうした人材を積極的に採用する意欲のある企業とのマッチングを実施することによって、非正規労働者の正規雇用化と中小企業の人材確保を図るための補正予算を今議会に提案しているところでございます。  また、企業の取り組みを後押しする支援についてでありますが、京都府庁におきましても、就職氷河期世代の方を対象とした正規職員としての採用試験について検討していく必要があると考えておりますが、一方で、公務員の採用試験においては地方公務員法上、公正・公平に実施することが求められており、受験資格の制限等は合理的なものであることが必要でございます。先行しております愛知県や宝塚においては、受験資格は年齢要件だけとされ、正規雇用についている方も受験可能となっておりますので、より支援が必要な方が採用できる支援となるためには課題があると考えており、受験資格や能力判定の方法等につきまして、引き続き検討してまいりたいと考えております。  さらに、国が今年度中にも一部実施をいたします就職氷河期世代支援プログラムにおいては、労働局を中心にした都道府県レベルのプラットホーム設置による社会機運の醸成や、ハローワークへの専門窓口の設置によるチーム支援、短期資格等取得訓練の充実、限定求人の実施、試行雇用する事業主への助成金拡充など、この世代と企業への多種多様な支援の方針が打ち出されております。  このため京都府では、公労使で人手不足対策等を検討・実施するために昨年3月に設置いたしました人材確保推進機構の国のプラットホームへの位置づけ、またジョブパーク内におけるハローワークの専門相談窓口の設置、就職氷河期世代を対象にしたマッチング機会の創出につきまして、京都労働局に働きかけることとしております。  こうした取り組みを通じまして、ジョブパークにおける就職氷河期世代の年間正規雇用就職者数の700人という数字を目指してまいりたいと考えております。今後とも、安定就業を願う就職氷河期世代の方々と採用いただく中小企業双方への支援をオール京都で切れ目なく実施してまいりたいと考えております。  次に、高齢者の就業機会の確保についてでございます。  人生100年時代を見据え、さまざまな場面で自分の能力を発揮したいと考える高齢者の方が多くおられることから、仕事やNPO活動など多様な社会参加を通じて、健康に活躍できる生涯現役社会の実現が重要でございます。  まず、就業支援では、京都ジョブパークのカウンセラーが御本人の状況に応じてセミナーや合同企業説明会を御案内するなどきめ細かに対応し、その結果、昨年度、ジョブパークを利用された高齢者894人のうち578人が就業され、就業率は64.7%となっております。  しかしながら、この578人の高齢者のうち、その経験等を生かした仕事についた割合は約20%にとどまっていたことから、みずからの経験等を生かせる就業を支援するため、今年度は新たに、技術や経験を持つ大企業OBなどを受け入れるためのノウハウを中小企業に伝えるアドバイザーの派遣、シニア求人に特化した高齢者ジョブ博などの取り組みを進めたところ、8月末現在でございますが、ジョブパークを利用して就業された300人のうち約25%が、みずからの経験等を生かした仕事についておられます。  さらに、就業以外にも起業、フリーランス、NPO活動などを御希望される方もおられますので、年齢にかかわりなく、仕事や生活、健康増進に係る情報提供から相談、マッチング、産業界や大学等と連携した研修、活躍の場づくりまでをコーディネートいたします、生涯現役クリエイティブセンターの設立につきまして、本議会に提案しております新たな総合計画にも盛り込ませていただいたところでございます。  今後とも、高齢者が技術や能力を生かして社会で活躍いただける環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。 42: ◯議長田中英夫君) 林正樹君。    〔林正樹君登壇〕 43: ◯林正樹君 御答弁いただきました。  実は私は1993年、平成5年に大学を卒業した年齢でございまして、まさにこの就職氷河期世代の入り口の年代に当たります。同期の仲間や後輩たちが厳しい雇用環境の中で、就職活動やその後の転職、退職等を悪戦苦闘しながら行っている状況を間近に見てまいりましただけに、ぜひとも、こうした世代の支援策をしっかりと進めていただきたいと思いますが、今、知事から答弁がありましたように、確かに、この世代側にもさまざまな課題があり、また企業側にもあるという中で、いかにマッチングしていくための前提条件をしっかり整えていくのかというところから、取り組みが必要になるというふうに思っております。  厚生労働省が8月末に、ハローワークの求人申し込みの前提に、就職氷河期世代で正社員雇用の機会に恵まれなかった方を対象とした求人申し込みができるようにするような取り組みをしましたり、また令和2年度から全都道府県で、プラットホームを先ほどありましたような形で事業実施計画やKPIの設定、進捗管理、支援に関する機運醸成や行政支援策等の周知、経済団体から参加企業に対する就職氷河期世代を対象とした求人募集や就職面接会等への積極的な参加の呼びかけなど、都道府県が一つの核になって行っていく取り組み、都道府県が一つの場となって取り組んでいく、そうした流れをつくっていこうということになっております。そうした意味で、京都府はこれまでも、先ほどありましたように公労使、そしてまた国、府、また基礎自治体が連携したオール京都体制で総合的な就労支援を長きにわたって行ってきた、そうした経験、蓄積がありますので、全国のモデルとなって、そして牽引していけるようなそうした支援の取り組みを展開していただきますように期待するものであります。  また、直接雇用につきましては、確かにさまざまな検討すべき課題はあろうかと思いますが、やはり隗より始めよということで、ぜひ、その検討の末に実現いただきますようにお願いいたします。数値目標も示していただきました。ぜひ、その達成に向けても取り組んでいただきたいと思っております。  また、一昨日、敬老の日に合わせて総務省が発表した「統計からみた我が国の高齢者」によれば、高齢就業者数は862万人で過去最多となっており、2017年以降は団塊の世代が70歳を迎え始めたことによって、主に70歳以上で増加しているというような数値も出てまいりました。こちらもやはり、御本人の希望やニーズをしっかりとマッチングしていく取り組みが重要であるという認識から、京都府としてもきめ細やかな支援、マッチングをされているということで、それが数字になってあらわれているということでございますが、今後とも、こうした動向も踏まえながら、高齢者の健康や安全に配慮しつつ雇用・就業機会の確保に向けて、より一層の取り組みを進めていただきますように求めたいと思っております。  それでは、次の質問に入ります。  次に、外国人材受け入れに伴う多文化共生の京都の推進についてお聞きします。  本年4月から、新たな外国人材の受け入れ制度がスタートしました。新たな制度は現下の深刻な人手不足対策に対応するため、即戦力となる外国人材を受け入れるというものですが、同時に、地域で暮らし働く外国人と府民双方が尊重し合える共生社会の構築に向けて取り組みを強化しなければなりません。
     政府は2018年12月に「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」、次いで本年6月に「対応策の充実について」を示しました。その対応策は、教育、行政・生活情報の多言語化、相談体制の整備、地域における多文化共生の取り組みの促進・支援、医療・保健・福祉サービスの提供、住居、防災対策などさまざまですが、その多くで地方自治体における取り組みが求められています。  本府は本年6月、京都府国際センター内に京都府外国人住民総合相談窓口を開設し、さまざまな暮らしに関する相談を8言語で対応する体制を構築されました。昨年12月の一般質問における私の質問に対しまして、外国人住民の方への調査を行う旨、答弁されましたが、調査の概要や結果、そこで明らかとなった生活する上での課題などについて、総合相談窓口における相談の状況も加えてお示しください。また、調査を通じて明らかとなった課題への今後の対応について、御所見をお聞かせください。  本年6月、日本で暮らす外国人への日本語教育の充実を促す日本語教育の推進に関する法律、いわゆる日本語教育推進法が議員立法で成立、施行されました。日本語教育が法令上定められた意義は大きく、外国人が日常生活及び社会生活を国民とともに円滑に営むことができる環境の整備と多様な文化を尊重した活力ある共生社会の実現を目指す、重要な法整備であります。  法では、日本語教育に関する施策の策定と実施を国と地方自治体の責務とし、事業主の責務も定めています。基本方針の策定を国に義務づけ、地方自治体には努力義務としています。基本的施策として、日本語教育の機会拡充に向け、外国人の児童生徒を指導する教員の養成や研修、地域の日本語教室の運営の支援、日本語教育に従事する人の能力・資質向上と処遇改善なども明記しています。そして、同法では、地方自治体における日本語教育の推進策が求められています。  本府においては現在、地域における日本語教育推進プランを策定中ですが、府内には、日本語教室が16市町に26教室あるものの、空白地域も10市町村あるなど、地域的な濃淡があります。また、日本語学習者、学習希望者のニーズと日本語教室における学習内容や時間のミスマッチ、学習支援者の不足など、さまざまな課題があります。  そこでお伺いします。  府内における日本語教育の現状を踏まえ、日本語教室空白地域の解消や学習者のニーズにマッチした学習機会の提供、日本語教室運営や学習支援者に対する支援策の構築などを早急に行うべきと考えますが、今後、どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお聞かせください。  外国人児童生徒に対する教育は、日本における生活の基礎となるものであり、個々の日本語能力を的確に把握しつつ、きめ細やかな指導を行っていくことが求められています。しかしながら、公立学校においてはそうした配慮に基づく指導を受けられていない外国人児童生徒が2割以上に上るという実態があり、教員等の確保や資質・能力の向上が不可欠です。  兵庫県では、全ての児童生徒が互いを尊重し合い、多様な文化的背景を持つ外国人児童生徒と豊かに共生する真の国際化に向けた教育の取り組みや、外国人児童生徒の自己実現の支援などをコーディネートしながら、総合的な施策の展開を図る拠点として、2003年に子ども多文化共生センターを設置し、教育相談、学習教材や情報の提供、国際理解を進める交流活動、そして日本語の理解が十分でない外国人児童生徒等を支援する「子ども多文化共生サポーター」の派遣、日本語指導や通訳、翻訳、母語指導、異文化紹介などが行えるボランティアと学校などとをマッチングするボランティアバンクの運営などを行っています。  そこで、外国人児童生徒に対する教員の教育の充実に向けて、府教委や学校における受け入れ体制の整備や、児童生徒及びその保護者とのコミュニケーションを適切に図るための取り組み状況についてお聞かせください。  あわせて、今、紹介しました兵庫県のような拠点整備、サポーターの養成や派遣、ボランティアバンクの整備などの取り組みを本府においても展開していくべきと考えますが、御所見をお聞かせください。  次に、防災・減災対策について2点お聞きします。  まず、情報難民ゼロに向けた取り組みについてです。  総務省は、一般的に災害に関する情報が届きにくい外国人や高齢者などに、必要な情報を確実に届けられるようにするための情報伝達の環境整備を図る、情報難民ゼロプロジェクト報告を2016年に取りまとめました。これは、これらの人々が災害に関する情報を必要とするさまざまな場面を想定し、各場面における情報伝達手段の現状と課題、そして2020年に目指すべき姿を利用者視点で整理するとともに、その実現に資する関連施策について、2020年までの社会実装を見据えたアクションプランを作成したものであり、現在もフォローアップされているところであります。  私も同様の問題意識から、昨年10月の決算特別委員会総括質疑において、災害時の外国人観光客への対応について取り上げたところであります。頻発した自然災害を通じて浮き彫りとなったさまざまな課題を踏まえ、国の観光戦略実行推進会議においては、非常時の外国人旅行者の安全・安心確保のための緊急対策の概要をまとめ、多言語対応のコールセンター設置や交通機関ターミナルにおける情報提供体制の強化などに取り組んできたところであり、関西広域連合においても、関西広域帰宅困難者対策ガイドラインにおいて、災害時の外国人観光客対策についても取りまとめられたところであります。  本年5月、本府では、「平成30年度災害対応の総合的な検証」最終報告書を発表。その中で、観光連盟やホームページでの多言語による情報提供をリアルタイムに伝達する仕組みを構築し、宿泊施設や観光案内所などへも周知することとなっています。  そこでお伺いします。  今夏も台風10号が日本に上陸し、京都においても被害や影響が発生したところですが、その対応において総合的な検証を踏まえた外国人観光客等に対する情報提供など、その状況や課題についてお聞かせください。  私は、外国人観光客が高い頻度で閲覧するホームページやSNSページ等と災害時に提携して、さきのホームページに誘引を図るなど、より踏み込んだ情報提供の取り組みを行うことが重要と考えますが、あわせて御所見をお聞かせください。  次に、乳児用液体ミルクの備蓄及び調達協定についてお聞きします。  私ども公明党の子ども・若者支援プロジェクトチームは、常温で保存ができ、お湯で溶かす必要がない乳児用液体ミルクについて、その国内での製品化早期解禁・普及や災害用備蓄品としての活用を国会質問や政府との意見交換などを通じて強力に推進してまいりました。  東京都では、解禁以前である2018年6月に流通企業との間で、海外からの緊急調達協定を締結しました。実際、翌月に西日本を襲った豪雨の際には、岡山県倉敷や愛媛県から要請を受け緊急調達を実施し、救援物資として提供し、被災自治体の保育所等に配布されました。昨年8月、乳児用液体ミルクの国内での製造・販売が解禁となったことから、本年7月には三重県が都道府県として初めて備蓄物資の粉ミルクを液体ミルクにかえることを発表しており、大阪府東大阪、群馬県渋川、鳥取県米子などの基礎自治体においても、災害用備蓄物資としての導入が広がりつつあるところです。  導入コストや賞味期限の課題はあるものの、本府においても乳児用液体ミルクの備蓄導入やこれに関する調達協定等を締結するなど、推進すべきと考えますが、御所見をお聞かせください。ここまでの答弁をよろしくお願いいたします。 44: ◯議長田中英夫君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 45: ◯知事西脇隆俊君) 外国人材受け入れに伴う多文化共生の京都の推進についてでございます。  外国人材の受け入れ拡大等に伴う在留外国人の増加が見込まれる中、京都府におきましては、この5月に京都府外国人材受入れ・共生推進本部を設け、多文化共生の促進のほか、教育、医療・福祉、住宅、防犯などさまざまな分野にわたる施策を推進するため、庁内横断的な体制をスタートさせたところでございます。外国人住民の生活に関しては、同本部に多文化共生ワーキングチームを設けて検討を進めており、府内在住の外国人約600名へのアンケート調査やヒアリング調査を実施したところでございます。  調査結果からは、日常生活では日本語でのコミュニケーションに最も不安を感じていること、生活情報の入手先がインターネットや知人からが多く、公的な情報の利用が少ないこと、また、災害時に行政情報が出されることを知らない方が多いことなどが明らかとなったことから、今後、生活全般の基盤となる日本語能力を身につけるための環境整備を進めるとともに、必要な情報をより的確にお届けできるよう取り組みを進めてまいります。  また、6月に開設した京都府外国人住民総合相談窓口では、開設後3カ月で、留学生からの相談を除き432件の相談が寄せられましたが、その内容は、雇用・労働が最も多く、次いで入管手続、子どもの教育となっております。現時点においては相談件数は少ないものの、こうした相談の蓄積は、外国人住民の方の現状と課題を浮かび上がらせるものであることから、今後、推進本部で共有し、必要な施策につなげてまいります。  次に、日本語教室の充実につきましては、日本語教室が、日本語の学習支援はもとより、生活支援など多面的な役割を果たしていることから、共生社会を実現する上で重要と考えており、現在、地域において日本語教育を推進するための具体的な実施計画として、地域における日本語教育推進プランの策定を進めております。  このプランでは、日本語教室未設置地域における教室の新設の支援、初期日本語教育を専門に行う場の設置、持続可能な教室運営への支援、学習支援を行う人材の確保と資質の向上などに、市町村、関係団体や外国人材の受け入れ企業と連携して取り組むこととしており、こうした取り組みを通じて、地域における日本語教育の推進に着実に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、外国人観光客への災害情報の提供についてであります。  昨年の大阪府北部地震では、鉄道の運休により駅周辺に外国人観光客が多数滞留するなど、災害時の情報提供に課題を残したところであり、本年5月の災害対応の総合的な検証においても、交通機関の運行状況等を多言語で伝達することが必要とされたところでございます。  このため、府観光連盟のホームページに英語併記の台風情報を掲載し、観光・防災情報を多言語で提供する「KYOTO Trip+(きょうと とりっぷ ぷらす)」にもアクセスできるよう改善するとともに、外国人対応が可能な京都駅観光案内所の時間延長や一時避難所機能の強化を実施したところであり、台風第10号では大きな混乱は回避されました。今月中には、交通機関、政府観光局等の情報も多言語で提供できる見込みであり、昨年度、京都駅等府内12カ所、阪急梅田、東京と合わせますと14カ所に設置いたしましたデジタルサイネージとも連携し、情報提供の強化に努めてまいります。  また、ほとんどの外国人観光客が日本滞在中、スマホやタブレットを活用しており、グーグル等の検索エンジンやフェイスブックなどと連携した情報提供は極めて有効と考えられます。関西広域連合におきましても今月、災害時の外国人観光客対策に関するガイドラインを策定し、インターネットやアプリケーション等を活用した情報提供の促進を掲げたところであり、引き続き、国や広域連合等とも連携して取り組んでまいります。  次に、乳児用液体ミルクの備蓄についてでございます。  京都府におきましては、市町村とともに、緊急用として府内で想定される最大の避難者数28万人分の食料等を備蓄しており、乳児用粉ミルクについても必要と見込まれる約3,400食を確保しております。  液体ミルクは、昨年8月の食品衛生法に基づく省令改正を踏まえて、ことし3月には、国内メーカー2社から販売が開始されました。液体ミルクは、計量や温度調節等の手間が省けるなど利便性が高く、災害時の非常食としても有用な反面、粉ミルクに比べ保存期限が短く、衛生上、開封後すぐに使用する必要があるほか、価格も高いなどの課題もございます。  今後の商品開発の中でこれらの改善も進むと考えられるため、その動向を踏まえながら、導入を見極めてまいりたいと考えております。また、公的な備蓄を補完するため、大手スーパーやコンビニ等と災害時の物資調達に係る協定を締結しており、今後、液体ミルクを対象とすることについて検討してまいりたいと考えております。 46: ◯議長田中英夫君) 橋本教育長。    〔教育長橋本幸三君登壇〕 47: ◯教育長(橋本幸三君) 林議員の御質問にお答えいたします。  外国人児童生徒に対する教育についてでありますが、府内で日本語指導が必要な児童生徒は約140名おり、その母語も多様な中、教育委員会や学校における日本語指導を含めたきめ細やかな支援体制の充実とともに、多様なニーズに応じた支援が重要であると考えております。  府教育委員会では、国の補助事業の活用などにより、府内2において日本語指導ができる支援員の派遣や個別の指導計画の作成による日本語指導、通訳の派遣による保護者との連絡調整、関係教員向けの会議の開催による成果の情報共有などの取り組みを推進しております。  また、京都府国際センターにおいて、府内の学校への母語支援員や日本語指導者の紹介、日本の学校生活になじみのない保護者向け資料の提供などの支援に取り組まれているところであります。  今後、市町教育委員会に対し、国の日本語指導アドバイザーの派遣制度を一層周知するとともに、国際センターを初めとするさまざまな関係機関との連携強化を図ることなどにより、また御紹介いただいた事例も参考にしながら、日本語指導が必要な外国人児童生徒の支援の充実に努めてまいりたいと考えております。 48: ◯議長田中英夫君) 林正樹君。    〔林正樹君登壇〕 49: ◯林正樹君 御答弁いただきました。  外国人材受け入れに伴う多文化共生の京都の推進につきましては、やはりニーズに即した情報提供、そしてまたそのベースになる日本語教育の充実、こうしたことが重要であろうということだと理解いたしました。  そして、また教育現場においては、さまざまな取り組みを今、進めていただいているということなんですけれども、先日、議員団で兵庫の子ども多文化共生センターを調査してまいりました。さまざまな取り組みをされているんですけれども、その中で特に印象的だったのは、県と市町が連携し、子ども多文化共生サポーターを軸に、生活言語や学習言語のレベル、生活習慣や文化の違い、さらに自尊感情、アイデンティティーの形成にまで細かく配慮しながら、児童生徒の個別の状況に応じた中長期的な支援を伴走しながら展開している点でした。  今後、外国人児童生徒が増加していく見込みであることから、それに備えた万全の体制構築を求めるものであります。  そしてまた、今回の台風10号においては大きな混乱はなかったということで、昨年の検証が大きく生きたというふうに理解しております。今後もさらなる拡充を行いながら、今回の質問では時間の関係で取り上げられませんでしたが、高齢者への災害発生前からその後に至るまでの情報提供も、今回の台風では千葉県等で大きな課題になっているという状況も起きておりますので、そうした点も目配りしながら取り組んでいただきたいと思っております。  乳児用液体ミルクにつきましては、今後、備蓄そして調達についてそれぞれ検討していくということでございますが、少しずつでも導入していきながら、その効果をしっかりとはかっていく、そうしたことも必要であろうというふうに思いますので、前向きに検討いただきますように、よろしくお願いいたします。  それでは、次の質問に入ります。  次に、本府におけるキャッシュレス化の推進についてお聞きします。  昨年12月の一般質問で私が求めたキャッシュレス納税について、本府では、「京都府パ写っと納税」を本年5月から自動車税や個人事業税など、府税14税目全てを対象に導入し、クレジットカード納付、インターネットバンキング、LINE Pay請求書払いなどの新たな納付手段を加えて、納税者の利便性向上に取り組んでおられるところです。  そこでまず、本年度の府税に係るキャッシュレス納税の状況と評価、課題などがあれば、お聞かせください。  さて、その質問の際、私は京都府における窓口収納のキャッシュレス化についても求めたところでありますが、今回はその関連で、収入証紙制度の廃止について取り上げます。  収入証紙とは、金券の一種であり、地方自治体が条例に基づいて発行し、自治体に対する手数料等などの納付を行うための証票です。京都府においては、運転免許試験やパスポートの交付申請等で手数料等の納付がなされています。こうした証紙が使われるようになったのは、現金の取扱窓口を絞ることで事務を効率化する、誤徴収も少ないなどのメリットがあるようですが、他方で、府民にセルフサービスをさせている上に販売窓口も少なく、不便さを指摘する声もあります。  近年では、料金徴収システムの発達も踏まえ、証紙の印刷や管理にかかるコストを省き、住民の利便性を高めるため、都道府県では東京都、広島県、大阪府が、政令指定都市では大阪、京都が使用・販売ともに廃止しており、長崎においても使用はできるものの、販売は既に終了し、横浜でも来年1月での販売終了が公表されている状況です。広島県では、人件費や証紙の印刷代など年間約7,300万円の経費削減になるという試算をもとに廃止を実施したとのことです。  本府における収入証紙による収入及び経費について、事前に資料を求めたところ、2018年度の収入は約34.6億円、他方、販売する業者に対する手数料である証紙取扱手数料が約6,377万円、印刷を国立印刷局に発注する経費が約1,037万円で、経費としては計約7,415万円となっております。  業務量の観点でいえば、現在の方法は、申請者が現金を払って証紙を購入し、その証紙を貼付した申請書を府が受け付けることにより府の収入となる仕組みですが、証紙を廃止すれば、申請者が支払う行為自体は同じであるものの、証紙を張ることなく受領印を押すことでトータルの手間や収納所要時間は減少できます。  そこでお伺いします。  府民の利便性向上、証紙管理業務の削減、証紙の調達や販売コスト等を踏まえ、従来の納付方法である収入証紙制度を廃止し、あわせて府民の手数料支払いについては、他の証紙廃止自治体の事例も参考にしつつ、現金支払いのほか、キャッシュレスでの対応を行うよう求めるものですが、御所見をお聞かせください。  次に、京都府地域機関等の関連施設における支払いのキャッシュレス化について、お聞きします。  これは、昨年の12月の一般質問でも言及しましたが、キャッシュレス化の推進は、単なる支払い行為の電子化にとどまらず、現金決済に伴うさまざまな業務の削減による事業者の生産性向上、インバウンド需要の取り込み、消費者の支払いの利便性向上に加え、データの蓄積を通じたイノベーションの実現にもつながるなど、経済全体に大きなメリットがあります。  公的部門におけるキャッシュレス化が求められる中、石川県では北陸新幹線の金沢延伸を契機に、兼六園を初め二十数カ所の県営施設でキャッシュレス支払いの受け入れを一斉に実施するなどしています。  本府における関連施設においても、京都府立医大附属病院などはクレジットカードやデビットカードでの支払いも可能としていますが、多くの施設では現金決済のみとなっているのが現状と認識しています。  そこで、京都府地域機関等の関連施設における支払いのキャッシュレス化を実施すべきと考えますが、御所見をお聞かせください。  最後に、地元問題、新十条通・稲荷山トンネル無料化に伴う交通安全対策についてお聞きします。  本年4月、京都高速の山科-鴨川東間の稲荷山トンネルが無料化されたことにより、私の地元・山科区では、三条通りと五条バイパスに次ぐ第3の東西幹線道路がその機能を大いに発揮するようになりました。  昨年6月の代表質問において、両出入り口における案内標識や交通規制、交差点改良などによる混雑、誤進入対策、近隣道路における安全確保のための時間帯規制やゾーン30などの交通規制、道路改良、主要交差点における信号の運用改善など、道路管理者である京都等と十分な協議、連携の上、無料化前から万全の交通安全対策を求め、さまざまな対策を講じていただいたところであります。  無料化により、交通渋滞緩和や移動の利便性向上が図られ、区民の方々からは多くの喜びの声が寄せられているところでありますが、一方で、こうした交通ネットワークの大きな変化によって、これまでにない地域や道路での事故や渋滞が新たに発生しており、その対策を求める要望も多く寄せられるようになりました。  そこでお伺いします。  無料化後の山科区内における現下の交通影響はどのようになっているのか、それを踏まえた交通安全対策、とりわけ通学路を含む生活道路における歩行者の安全確保などをどう進めていくのか、御所見をお聞かせください。 50: ◯議長田中英夫君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 51: ◯知事西脇隆俊君) 京都府におけるキャッシュレス化の推進についてでございます。  キャッシュレス納税につきましては開始後4カ月がたち、トラブルもなく順調に運用され、利用実績は8月末で約1万5,000件、納付額として約6億円となっております。そのほとんどが自動車税での利用で、利用率は件数、金額とも2%強と導入初年度としては標準的な水準となっておりますが、社会にキャッシュレスが定着していく中で、今後、利用がふえていくものと考えております。  次に、収入証紙についてでございます。  収入証紙制度は地方自治法で規定され、手数料などの少額で頻繁に生じる歳入金について、申請者の事務負担の軽減や収入未済の防止、現金取扱事務の軽減のための仕組みとして構築されたものであり、京都府では収入証紙を152カ所で販売し、約900種類の申請に係る手数料を受け付けしております。中には、販売窓口と申請窓口が近接していない場合もあり、手間がかかり不便であるとの声も聞いているところでございますけれども、不特定多数の申請処理に際し、入金確認が必要ないことなどから、現在もほとんどの道府県で利用されている制度でございます。収入証紙を廃止した東京都や広島県につきましては、現金が主な収納方法で従来から現金を取り扱っていたことから廃止をされたもので、現金を取り扱う申請窓口が少ない京都府とは異なった事情がございます。  議員御指摘のとおり、収入証紙制度の運用に当たっては、印刷経費や売りさばき手数料などのコストがかかっておりますが、現金収納にした場合には出納職員の増員や金融機関収納手数料などのコスト増が見込まれること、またキャッシュレス対応のためにはシステム導入に当たり機器などの経費を要することから、収入証紙制度を直ちに廃止することには課題があるものと考えております。  しかしながら、今後、社会のキャッシュレス化が進展することが見込まれる中、府民の利便性の向上を図る観点から、クレジット払いなど多様な収納方法について検討してまいりたいと考えております。  次に、府民利用施設のキャッシュレス化についてでございます。  平成31年3月策定の行財政改革プランにおいて、府民利用施設でのクレジット納付の導入など、利便性の向上を目標に掲げたところでございます。府民利用施設の入場料などのキャッシュレス化については、府直営の施設15と指定管理者制度や無償貸し付けによる他団体運営の施設42のうち、現時点では、スチールの森京都でのクレジット納付の導入にとどまっているところでございます。  各施設のキャッシュレス化に当たりましては、端末機器のコストや決済手数料について、運営団体や利用者の負担をどうするかが課題になることから、庁内に連絡会議を立ち上げ、まずは各施設の管理者に先行事例や費用対効果の試算方法などの情報共有を行うなどして、キャッシュレス化に向けて取り組みを進めてまいりたいと考えております。 52: ◯議長田中英夫君) 植田警察本部長。    〔警察本部長植田秀人君登壇〕 53: ◯警察本部長(植田秀人君) 林議員の御質問にお答えいたします。  京都高速稲荷山トンネル無料化の交通への影響については、山科-鴨川東間の交通量が無料化前の約1.7倍に増加し、一方で山科区内の国道1号線や京都外環状線では交通渋滞が緩和され、交通事故の発生件数は、前年同期比で約36%減少しています。  他方で、周辺生活道路において新たに交通事故や交通渋滞の発生が認められます。そこで、これらの対策として、通学路における車両通行どめの規制時間帯の見直しを実施したほか、信号機の運用見直しの検討を行う一方、交差点への車どめの設置を道路管理者である京都に申し入れるなど、歩行者の交通安全確保に努めているところです。  いずれにいたしましても、山科地域における交通の安全と円滑に向け、京都とも緊密に連携しつつ、交通安全対策の推進に努めてまいりたいと考えております。 54: ◯議長田中英夫君) 林正樹君。    〔林正樹君登壇〕 55: ◯林正樹君 御答弁いただきました。  収入証紙制度の廃止につきましては、具体的にメリット、デメリット等も含めしっかりと精査しながら、ぜひ前向きに検討していただきたいと思っております。この件につきましては、私どもも議員団として広島県の取り組みの状況を調査してまいりましたが、数年単位の取り組みとなりますけれども、やはり一番は県民の目線に立った、県民の利便性を向上させていく、そういった取り組みの上で業務の効率化、そしてコストの縮減につながっていくという取り組みであるというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。  また、山科区内の交通安全対策。山科警察署、そしてまた道路管理者である京都とも連携しながら、さまざまな御対応を懸命に現場でしていただいておりますが、府警本部におかれましても、予算措置も含め、しっかりとした交通安全対策、万全となるようにさらにお進めいただきますように求めて、私の質問を終わります。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 56: ◯議長田中英夫君) この際、午後3時40分を目途に本会議を再開することとし、休憩いたします。
       午後3時24分 休憩            ────────────────────    午後3時42分 再開 57: ◯議長田中英夫君) 休憩前に引き続き会議を行います。  次に、池田正義君に発言を許します。池田正義君。    〔池田正義君登壇〕(拍手) 58: ◯池田正義君 自由民主党議員団の池田正義です。我が会派の議員団を代表いたしまして、あらかじめ通告いたしております諸点につきまして、西脇知事並びに関係理事者に質問をさせていただきます。  まず、質問に入るに先立ち、議長のお許しをいただき一言申し上げます。  去る7月18日に発生した、株式会社京都アニメーション第1スタジオの放火事件では、死者35名、負傷者34名と多数の方が被害に遭われました。亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、負傷された方々の一日も早い御回復を心からお祈り申し上げます。  我々自由民主党京都府議会議員団といたしまして、西脇知事に対し迅速かつ適切な対応についての緊急要望、そして国に対し被害者等への必要な支援、税制上の特例措置などを要望いたしましたところ、西脇知事におかれましては、国の関係機関とも調整の上、義援金受け入れ専用口座を開設されるなど、速やかに対応いただき御礼申し上げますとともに、今後とも、被害に遭われた方々や御遺族の皆様に寄り添い、必要な支援に万全を尽くしていただきますようお願いいたします。  また、9月8日から9日の朝にかけて関東地方を縦断いたしました台風15号により、千葉県を中心に甚大な被害が発生し、本日現在でいまだ約6万5,000軒で停電となっております。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された多くの皆様にお見舞いを申し上げます。そして、一日も早い復興・復旧をお祈り申し上げます。  それでは、質問に入ります。御答弁よろしくお願いいたします。  まず、今定例会に提案されている9月補正予算案についてであります。  府内の経済情勢は全体として穏やかに拡大を続けているものの、米中の貿易摩擦など、昨今の経済情勢の動向を見ますと、先行きは予断を許さない状況であります。10月1日には、消費税の引き上げも控えており、今般、企業ニーズを踏まえた中小企業の経営改善や新規海外取引先の獲得・拡大、設備投資を支援することは、先行きが不透明な経済情勢の中、府内中小企業の経済活動をしっかり支えようとするものであり、まことに時宜にかなったものであります。  また、子育て環境日本一推進戦略の策定に合わせ、オール京都体制を早期に構築するためのサミット開催や保育所等の副食費への助成制度の創設、豚コレラの予防対策など、いずれも喫緊の課題に対し今まさに必要とされている取り組みであり、その迅速かつきめ細やかな対応を高く評価するものであります。  それでは、まず初めに、子育て環境日本一推進戦略についてお伺いいたします。  少子化の進行に歯どめがかからず、社会全体の活力が失われる懸念が高まる中、昨年6月、知事みずからが本部長として、子育て環境日本一推進本部を設置され、就任後初めて編成された昨年の6月補正予算においても、一丁目一番地に子育て環境日本一の実現を掲げられました。今日に至るまで知事におかれては、強力なリーダーシップを発揮されるとともに、市町村や関係団体、企業、NPO、有識者等との意見交換を積極的に努められてきており、その中で、結婚、妊娠・出産、子育てへの漠然とした不安、頼るべき存在が身近にいないこと、経済的な負担、雇用環境による将来への不安など、少子化や子育て不安を招いている要因や現代社会の抱えるさまざまな課題について、多くの皆様からさまざまな意見を聞かれたことと思います。  一方で、課題に対応する取り組みを進められる中においても、少子化は着実に進行しており、1人の女性が出産可能と言われる15歳から49歳までに産むと見込まれる子どもの数を示す合計特殊出生率は、京都府は平成30年で1.29と前年から0.02ポイント下がり、全国順位も45位、さらに府内の出生数は1万7,909人と前年から約600人も減少するという、大変厳しい状況となっております。  当然、全国的に見ても同様の状況が多く、各都道府県においてさまざまな少子化対策が実施されていますが、いまだ特効薬はなく、このような現状を打破するためには都道府県ごとに地域課題を明確にした上で、中長期的な視点に立った総合的な対策を進めることが必要と考えます。  本年度の当初予算では、我が会派においても緊急重点対策として要望しました人口減少対策にも手を打たれ、出会い・結婚から、妊娠・出産、保育・教育、就労に至るまでの一貫した総合的な子育て施策を推進することとされました。  また、さきの2月定例会における我が会派の秋田議員の代表質問に対しまして、「子育て環境日本一への挑戦に当たって、地域、学校、企業などと相互に協働した若者の意識・行動の変革や、人が交流し互いに支え合う地域コミュニティの再構築、働く側と企業側の意識改革を進め、子育てしやすい職場づくりに重点的に取り組みたいとの思いで当初予算を編成した」との御答弁をいただいたところであります。  とりわけ優先すべき課題として、子育て世代が多くの時間を過ごす企業や職場において、子育てを応援するという意識を高め、行動を変えるに当たり、今年度の重要な取り組みとして、子育てに優しい職場づくり事業を創設されました。企業が、子育てしやすい職場環境づくりに取り組まれることで、子育て世代だけでなく、誰もが働きやすい魅力ある職場、企業となり、こうした企業を京都府内に波及、拡大させることで、社会全体で子育てを支える環境整備に取り組むことが大変重要であり、知事の掲げられる子育て環境日本一に近づくものだと考えます。  今般策定されました、京都府子育て環境日本一推進戦略の目指す社会像の中にも、「行政、地域、企業、関係団体など社会全体で、子育て環境日本一の京都を目指します」とされており、目指す社会像の実現に向け、4つの重点戦略を挙げておられます。  1つ目の重点戦略として、子育てに優しい風土に包まれた京都府社会の実現。2つ目は、子育てしやすい安心・安全なまちづくりの実現。3つ目は、若者が安心して結婚、妊娠・出産、子育てできる雇用環境の創出。そして、4つ目は、地域のきずな、地域の子育て力の再構築を掲げられております。  特に1つ目の重点戦略において、「行政や地域、府民が一体となって子育てに優しい府民運動を展開し、地域や企業、府民一人一人の子育てに対する意識や行動の変容を促します」とされていますが、私も、子育て環境ということを考えたときに、社会のさまざまな主体の意識、行動を変え、子育て環境に対するムーブメントを起こすことが大変重要であると考えています。  そこでお伺いいたします。  今般策定されました京都府子育て環境日本一推進戦略における現状分析や、課題を踏まえた4つの重点戦略を掲げられた知事の思いをお聞かせください。  私も舞鶴におきまして、多くの地域の方々や友人とともに、ふるさと舞鶴のため、地域のきずなのある社会をつくることを目指しております。小学校、中学校のPTAやソフトボール協会の役員などをさせていただいておりますが、スポーツ大会や地域のお祭りの日には、お子さんからお年寄りまで地域の人々が集まり、大変にぎやかで活力に満ちあふれています。しかしながら、少子高齢化、人口減少の進展は、地域社会にとって地域の発展、そして活力の維持の観点からも大きな課題であると考えております。  このような中、地域の人が、生まれ育ったその地域に対して愛着、自信、誇りを持ち、地域のことを思い、そして地域の未来を考えながら経済活動を初めとしたさまざまな活動を続けていくことにより、地域全体で子育てを応援し、自然に地域の誰もが子どもに優しく声をかける社会をつくることが重要ですし、このような社会をつくることを目指すべきと考えております。  そこでお伺いします。  子育て環境日本一への挑戦という大変困難な課題に向けて、知事は果敢に挑戦されておられますが、今年度の当初予算では子育てに優しい職場づくりに取り組まれ、今般、京都府子育て環境日本一推進戦略を策定された次の一手として、今議会の9月補正予算において、子育てに優しい風土づくり推進事業を提案されています。  子育て環境日本一への挑戦に当たっては、府としても地域に根差した活動をしていくためには、本庁組織だけでなく、広域振興局もその役割として市町村との行政間の連携はもちろん、地域の関係団体などとも連携し、地域へ事業を展開させる必要があると考えています。どのようにして、府域全体の子育て環境に関する機運の醸成を図り、地域に、そして府民の皆様に浸透させようとされているのか、お聞かせください。  また、子育て環境日本一への挑戦は、教育機関との連携が大変重要なことと考えています。私もこれまで学校の先生方と連携したことを思い出しています。ぜひ、教育長の子育て環境日本一への挑戦への思いもお聞かせください。 59: ◯議長田中英夫君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 60: ◯知事西脇隆俊君) 池田議員の御質問にお答えいたします。  池田議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして今回の補正予算案に対しまして高い評価をいただき、厚くお礼を申し上げます。  子育て環境日本一推進戦略についてでございます。  私が目指す子育て環境日本一とは、子どもを社会の宝として社会全体で見守り、みんなで支え合う、子育てにやさしい京都であり、子どもの生き生きとした姿と明るい声が響き渡る京都の実現であります。こうした京都は、若い世代や子育て世代が住み続け、子育てを楽しみたいと思える魅力あふれるまちであり、全ての世代にとっても優しい社会であり、そんな京都にしたいと強く思っております。  しかしながら、京都府の現状は少子化と人口減少が進み、核家族化や地域のきずなの希薄化により、子育てを地域全体で支えるには厳しい状況になっており、地域の活力維持の面でも課題が多くなっているものと考えております。  このような現状を打ち破るため、これまで充実を図ってきた子育て支援策に加え、京都府の地域特性を踏まえた取り組みの方向性を示した、京都府子育て環境日本一推進戦略を策定することとしたものであります。  まず、京都府の出生の動向等を分析したところ、特に20から30代の女性の未婚率が全国に比べて高く、合計特殊出生率を低くする要因になっていること、また、結婚している女性が出産する子どもの数の割合は全国平均並みであること、一方で、晩婚化、晩産化が全国に比べても進行していることなどの特徴が明らかになったことから、特に20代、30代を中心に婚活支援や就労支援、子どもを産み育てやすい環境整備が重要であると考え、戦略が目指す社会像の実現に向け、4つの重点戦略を掲げたところでございます。  議員に御紹介いただきましたように、1つ目の戦略は、子育てに優しい風土に変えること、2つ目は、子育てしやすいまちをつくること、3つ目は、若者が結婚や子育てできる働く場を創出すること、4つ目は、子育てを支える地域の力を強めることであります。  こうした取り組みの推進に当たっては、急速に変化する社会環境に的確に対応するため、従来の手法にとらわれず、出会い・結婚から妊娠・出産、保育・教育、就労に至るまで総合的な対策を柔軟に展開する必要があります。私としては、温かい子育て社会を目指し、京都全体で新たな子育て文化をつくり上げるとの強い気概を持って、粘り強く着実に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、子育て環境に関する地域への機運醸成についてでございます。  今後も、人口減少が続くと見込まれ、女性活躍や働き方改革などが言われる中、これまでの間、子育て中の親御さんや企業の皆さんとも意見交換を行ってきましたが、企業の理解があれば子育てがしやすくなるという認識を改めて持ったところでございます。このため、子育て世代が多くの時間を過ごす企業や職場での子育てに優しい環境づくりの取り組みを、今年度から積極的に展開することとしたところであります。  さらに、子どもを育み、生活する場である地域においても、子育てを温かく支える環境を整えていくことが大切なことから、企業や府民一人一人の意識や行動を見詰め直し、社会全体で子育て世代を守り立てていくことが重要であると感じているところでございます。  そのため、行政、経済団体、保育・教育関係団体等が一体となり、我が事として子育て環境日本一を目指す意義を互いに確認、共有し、子育てを支える社会の実現に向けた出発点となります「きょうと子育て環境日本一サミット(仮称)」を開催するとともに、御指摘がございました広域振興局が核となりまして、こうした流れを地域に広げ、京都府全体の子育て環境を変える原動力にしてまいりたいと考えております。 61: ◯議長田中英夫君) 橋本教育長。    〔教育長橋本幸三君登壇〕 62: ◯教育長(橋本幸三君) 池田議員の御質問にお答えいたします。  子育て環境日本一への挑戦についてでございますが、子どもたちの教育に最も深くかかわるものとして、大変重要な役割を担っていると認識しております。  学校においては、誰もが安心して学べる環境のもとに質の高い学びの実現に向けて取り組むとともに、乳幼児と触れ合う中で家族を持つことや子どもを産み育てること、ライフデザインを描くことの大切さを生徒に理解させるなど、生きる力の育成に取り組んでおり、こうした取り組みの一層の拡充が必要だと考えております。  また、京都府子育て環境日本一推進戦略の重点戦略に掲げられている、地域の子育て力の再構築を図っていく上で、学校は地域コミュニティの一つの核となる機関であることから、議員御指摘のとおり、家庭や地域と連携・協働した取り組みを一層推進していくことが重要であります。  こうした、地域とともにある学校を目指す中で、子どもたちは周囲の大人に見守られて安心して学び、地域への愛着を深め、地域の担い手としての自覚を育んでいくものであり、また保護者にとっても子育ての安心感につながるものであると考えております。  そのため、家庭や地域と学校が連携して行う地域学校協働活動を推進することとし、放課後の体験活動や地域行事への参加等の活動支援に取り組んでおりますが、今後は、そのパイプ役となる地域学校協働活動推進員の配置の促進やネットワークづくりの取り組みの活性化に一層努めてまいります。  府教育委員会といたしましては、学校教育の充実とともに、家庭、地域と学校が連携し子どもを育む活動を推進することによって、京都府の目指す子育て環境日本一に挑戦していきたいと考えております。 63: ◯議長田中英夫君) 池田正義君。    〔池田正義君登壇〕 64: ◯池田正義君 御答弁ありがとうございました。  知事は子どもは地域の宝だと言われますけれども、これは、いつの時代になっても変わらないものだというふうに思っております。さまざまな失敗も私はしてきましたけれども、私たちは子育てをしながら、子どもから教えられたり、そしてまた地域の方にお世話になることによって、新たな一つのものが生まれてくるんだというふうに思っております。  4つの重点戦略をしっかりと実施し、これから女性が活躍していくそういった社会を迎えるわけですので、企業や職場での取り組みや、そして的を得たサミットの開催等で新たな取り組みをお願いしたいというふうに思っております。教育長からも、子どもたちの教育に対する日ごろからの温かい思いや、これからも質の高い教育、家庭や地域のコミュニティともしっかり連携してやっていくという、本当に心温まる挑戦の言葉もいただきました。しっかりとお願いしたいというふうに思っております。  それでは、次の質問に移ります。  2項目めは、京都舞鶴港の振興についてであります。  天然の良港である京都舞鶴港は、北近畿の人流、物流、エネルギーのゲートウエー機能を持つ港として、今、大きく発展しようとしています。京都舞鶴港では、外航クルーズの誘致を積極的に進められ、2012年には京都舞鶴港と韓国浦項(ポハン)港との国際フェリートライアルもありました。クルーズでは、内航、外航問わずクルーズ船の受け入れに尽力され、その動きは顕著であり、2013年には7隻、大きな船は7万トンの寄港実績でしたが、2014年には15隻、2015年にはマリーナ・オブ・ザ・シーズ、3,000人の旅客を乗せた大型船の初寄港、2017年には39隻、ことしもコスタ・ネオ・ロマンチカの日本海クルーズなど、多くの誘致を実現されるなど、国、府、地元自治体や関係機関等の連携を密にされ、最近では、名古屋、四国、和歌山方面からのお客様も京都舞鶴港を御利用されて乗船いただいていると聞いております。  先般、コスタ・ネオロマンチカのクルーズに乗船いたしました。その乗船時、京都舞鶴港は豪雨に見舞われました。乗船しようとするお客様を丁寧に、雨の当たらないおもてなし施設までバスや自家用車の乗り入れを誘導され、乗船をスムーズに進めておられました。改めて、京都府や関係の担当者の皆様のおもてなしに感激をしたところであります。  実際にクルーズ客船に乗船しますと、さまざまな楽しい催し物の数々や食事、ショッピング、体を動かすジムやスパなどで1日があっという間に過ぎます。体も心もリフレッシュでき、貴重な体験をすることができました。ことしの舞鶴発着便は8月で終わりましたが、今から来期の予約をすればリーズナブルな御利用が可能であります。ぜひ、京都府内の皆さんはもちろんのこと、名古屋、大阪、四国などからも御乗船いただきたいものであります。  このような外航クルーズ客船の誘致を行っておられますが、気になるのは、地域への経済波及効果などであります。  京都舞鶴港では、西舞鶴駅からユニクロや薬局がシャトルバスを運行させ、多くの売り上げがあったとお聞きしましたし、お土産物などをお買い上げいただくお店も近くに出店されるなど、さまざまな取り組みをされていると聞いているところであります。  また、最近、クルーズ・アンド・ヘリ観光の可能性があるとお聞きし、その調査をすべく京都の民間ヘリポートから京都舞鶴港までヘリにより調査を行いました。4人乗りの小さなヘリでしたが、京都縦貫自動車道を左に見ながら北上し、亀岡の建設中の競技場を眺めながら約25分で京都舞鶴港に入り、東港上空を右に旋回しながら、美しい「海の京都」を空から眺め、往復50分程度のフライトをしてきました。私は、富裕層が乗るラグジュアリーなツアー等として可能性を秘めていると感じ、これまで他のヘリで天橋立などを空から眺めたときのことを思い出し、「海の京都」の新たな観光に期待を寄せています。  しかしながら、京都舞鶴港は、クルーズ岸壁付近にはヘリが発着する場所としてのスペースはあるものの、港湾用地がほとんどで京都府の管理下にあります。第3埠頭は、クルーズ船の駐車場としても利用されていますが、緊急時、災害時のヘリポートとしても登録をされています。クルーズ船の発着時だけでも、富裕層などを対象にした京都観光や天橋立等の空からの観光や移動にヘリを使うオプショナルツアーとして取り組んでみてはいかがでしょうか。  そこでお伺いしますが、クルーズ船での地域への経済波及効果の状況や京都舞鶴港などから乗船されるお客様の状況、あわせてクルーズ・アンド・ヘリ観光についてのお考えをお聞かせください。  次に、物流についてであります。  平成29年にはコンテナの取扱量が過去最高の、空コンテナを含め1万9,272TEUを記録するなど、順調に取扱量をふやされています。積極的なポートセールスが実を結んでいると感じています。  また、私は以前にこの課題に対しお聞きしましたが、「現在の荷役機器のトップリフターの上限である3段積みでは、コンテナターミナルの限界取扱能力の約2万1,000TEUに達し、当面、舞鶴国際埠頭にある未利用地の有効活用のほか、現況のコンテナターミナル面積でより多くのコンテナを効率的に取り扱うことができる荷役機器、トランスファークレーンの導入について検討を進めている」との答弁をお聞きしましたが、未利用地の活用は予算化されていますが、本年度当初予算でも、また補正予算でも、トランスファークレーンは計上されておりません。  今、港湾局の皆様や港湾関係者が努力をされ貿易の振興を進められると、当初の計画では、平成30年代半ばに取扱貨物量1,400万トン、そのうちコンテナ取扱量3万2,000TEU、船舶の乗降旅客数15万人の目標は早く達成し、貨物の置き場所の確保ができず貿易の取り扱いがこれ以上できないとなることを心配するのは、私だけではないでしょう。せめて、現況のコンテナターミナルの4段積みに対応するヤードの補強工事を済ませ、トランスファークレーンの導入をすべきと考えます。  そこでお伺いしますが、貿易量の増加に対する整備計画についてのお考えをお聞かせください。  次に、LNGガスパイプラインの整備について伺います。  我が国のエネルギー情勢は、東日本大震災以降大きく変わり、電力・ガスが自由化される中、稼働率が低下している原子力発電の代替として、再生可能エネルギーの活用、化石燃料では温室効果ガスの排出量が最も少ない天然ガス(LNG)へのシフトが必要となっています。  国における天然ガスパイプライン整備に関する動きは、平成30年度に資源エネルギー庁により、舞鶴-三田間を含む3ルートについて整備に係る概算費用と概算便益を計算の上、費用便益分析を実施され、災害発生時のパイプラインの有効性などもあわせて検討されたところです。  京都府では、京都府地球温暖化対策条例に基づき、再生可能エネルギーの積極的な導入を推奨し、石油から天然ガスへの転換についても推奨すべく計画されています。平成29年度に策定されました京都舞鶴港スマート・エコ・エネルギーマスタープランのエネルギー分野の取り組みとして、陸上LNG基地とガス火力発電所、LNG冷熱を用いたデータセンターや冷凍冷蔵庫などが位置づけられています。  また、平成30年度の委託業務、浮体式LNG基地整備に係る調査業務において、短期的には浮体式LNG基地(FSRU)、長期的には陸上LNG基地がそれぞれ有効で、整備予定事業者の事業計画や投資回収期間により、FSRUと陸上LNG基地の相違が確認されたところであります。  しかし、陸上LNG基地の候補地である平地区は、水深が8メートル程度と浅く、世界の主流である大型LNG船に必要な水深14メートル程度とするには、大規模なしゅんせつが必要です。また、現在の港湾計画にも、陸上のLNG基地はいまだ位置づけがされておりません。陸上のLNG基地や関連施設の誘致においては、民間事業者に任せきりでなく、行政としてインフラの整備、規制緩和措置などの制度整備を行い、より具体的なアクションプランが必要と考えます。  今、民間事業者では、関係機関と調整する中で、長浜地区のFSRU用の沖合係留施設の計画設計に関する深浅測量、磁気探査、ボーリング調査が9月中にも開始される見込みであります。  今こそ国内で導入事例のない浮体式LNG基地を全国で初めて導入するには、十分な水深、マイナス14メートル海域のある長浜地区は、年間の潮位差がおおむね30センチという天然の良港ということを考えたときに、しゅんせつの必要がなく最適な所であります。「我が国で初めて浮体式LNG基地を京都に」を合言葉に、ぜひ実現したいものです。また、日本海に眠る、表層型メタンハイドレートについても検討されています。  そこでお伺いします。  浮体式LNG基地、パイプラインについて、また表層型メタンハイドレートについても、現状や今後の取り組みについて、知事のお考えをお聞かせください。 65: ◯議長田中英夫君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 66: ◯知事西脇隆俊君) 京都舞鶴港のクルーズについてでございます。  京都舞鶴港では、ことしはクルーズ船の寄港が33回予定されております。従来から、北部地域での経済波及効果が少ないとの指摘を受け、DMOが天橋立や舞鶴を周遊する企画を提案し、船会社等にオプションツアーとして採用されたほか、自由行動をされる乗船客にレンタサイクルを利用したまちなか観光を楽しんでいただく取り組みなどを進めております。  さらに、舞鶴港発着クルーズでは、乗船前・下船後の周遊観光が期待できることから、整備が進んだ高速道路網を生かし、2016年から埠頭に無料駐車場を設け、ドライブ・アンド・クルーズを提案いたしました。この取り組みは好評で、ことしは昨年よりも約200台ふえ、約750台の利用があり、東海方面からの利用が約25%と予想以上に多くございました。このように乗客の増加と集客エリアの拡大で、北部地域での消費拡大につながっているものと考えております。  しかしながら、課題も多く残されております。その第1は、他港と比べるとまだまだ寄港回数が少ないことでございます。加えて、舞鶴港発着のクルーズ船や消費額が多いラグジュアリー船など、経済波及効果の高い船の寄港をふやしていくことが必要と考えております。  このため、先日行いました府懇談会におきまして、舞鶴港寄港クルーズの魅力を高め、寄港回数の増加やラグジュアリー船の誘致を図る取り組みを京都と共同で実施することになりました。さらに、ドライブ・アンド・クルーズの一層の認知度向上と、乗船前・下船後の周遊観光の拡大を図るため、大阪、名古屋において消費者向けのクルーズセミナーを開催する予算を今議会に提案しているところでございます。  次に、クルーズ・アンド・ヘリ観光についてでございます。  ラグジュアリー船や停泊時間の長い船を誘致するには、一層魅力的な寄港地観光を提案していくことが必要でございます。議員御指摘のクルーズ・アンド・ヘリ観光は、天橋立やジオパークなど、「海の京都」が誇る豊かな自然を通常では体験できない上空から眺めることができ、京都舞鶴港ならではのコンテンツになり得ると考えております。  また、ヘリの活用については、舞鶴港から始まる府内周遊観光の手段としても考えられ、府域全体にクルーズ観光の経済波及効果をもたらすものと期待できることから、関係機関と積極的に調整を進めてまいりたいと考えております。  次に、物流についてでございます。  平成25年に改定をいたしました舞鶴港港湾計画において、第2埠頭を旅客船専用、舞鶴国際埠頭を物流拠点として機能分担を進め、オペレーションの効率化を図ることで、コンテナ取扱量を3万2,000TEUを目標として、取扱能力の拡大に取り組んでおります。ことしのコンテナ取扱量は、積極的なポートセールス等の結果、上半期の実績が約9,600TEUと過去最高を記録し、年間でも過去最高水準の2万TEU程度を見込んでおります。ここ数年、限界取扱能力2万1,000TEUに迫る水準で推移しており、貨物量の増加に対応できるよう、段階的な取扱能力の拡大が必要と考えております。  このため、今年度は短期的な対策として、舞鶴国際埠頭の未利用地をコンテナヤードとして活用する事業を進めており、これにより、舞鶴国際埠頭のコンテナ取扱能力を2万5,000TEUまで強化できる予定でございます。将来的に、3万2,000TEUの取扱能力を実現するためには、舞鶴国際埠頭の2期整備による拡張やトランスファークレーン等の導入による荷役の効率化が必要となります。
     このうち、舞鶴国際埠頭の2期整備につきましては、今年度から準備作業に着手するとともに、国に対して2バース目の事業着手を要望しているところでございますが、これらの整備が順調に進んだといたしましても、相当の期間を要することになります。それまでの間、コンテナ物流の停滞を招かないためには、比較的短期間で実施できますトランスファークレーンの導入と4段積みへの対応を適切な時期に実施することが必要であり、貨物量の動向を注視しつつ、施工中にも埠頭内の荷役作業に支障を生じないような施工計画について、検討を進めていくこととしております。  今後とも国等の関係機関と連携して、計画的な京都舞鶴港の機能強化に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、京都舞鶴港におけるエネルギーインフラ整備についてでございます。  京都府では、平成29年度に実施した陸上式のLNG基地整備に係る調査に加え、30年度には議員御質問の浮体式のLNG基地整備に係る調査を実施いたしました。その結果、浮体式基地は、陸上式に比べ、初期費用が安価で工期も短縮できる一方で、再ガス化など運営に係る経費が高額となる、また、台風接近時等の気象条件によっては、LNGの供給ができなくなるといった課題が明らかになりました。  また、パイプライン整備につきましては、兵庫県との研究会において、ガス転換需要や敷設費用の調査を実施してきたところでございます。  LNGインフラ整備は民間事業者での整備が基本であり、実際に、京都舞鶴港での事業化に関心を示す事業者も出てきております。京都府といたしましては、国に対し、リダンダンシーの観点から公的支援の実施についての要望を行っておりますが、今後、民間事業者の検討状況を踏まえ、事業化に向けて必要となる規制緩和などについても国に働きかけてまいりたいと考えております。  また、メタンハイドレートにつきましては、日本海側12府県で構成いたしております海洋エネルギー資源開発促進日本海連合による、国への要望活動などを実施してきたところであり、国におきましても、資源量把握や回収技術の調査研究が2013年度から継続実施され、2019年2月策定の海洋エネルギー・鉱物資源開発計画では、2027年度ごろまでに民間企業が主導する商業化に向けたプロジェクトを行う旨が明記されたところでございます。  大型のエネルギー関連の基盤整備や開発は、府県域を越え、多額の費用を要する息の長い取り組みとなりますことから、国を初め、地元・舞鶴など関係機関と連携して、着実に一歩ずつ前に進めてまいりたいと考えております。 67: ◯議長田中英夫君) 池田正義君。    〔池田正義君登壇〕 68: ◯池田正義君 御答弁ありがとうございました。  特にクルーズの関係ですけれども、まちなか観光であるとか乗船前後のさまざまな観光が本当にちょっとふえているのを我々も感じておりますし、このドライブ・アンド・クルーズというのが、名古屋であるとか大阪方面からも舞鶴に車ですっと行ける。そういう面では大変有効な部分だというふうに思っております。しっかりとこれからまた戦略を練りながらお願いしたいというふうに思っております。  ヘリ・アンド・クルーズですけれども、これはやはり本当にこれからそういったニーズが出てきます。特に富裕層が乗るクルーズというのも結構ありますので、そういったときを目指しながら、ぜひ、先ほど関係機関と積極的な一つの連携をとってやっていくという話を聞かせていただきましたので、よろしくお願いしたいというふうに思っております。  それから、国際埠頭等の機能強化です。そういった部分も、やはり今、しっかりやっておかないと、先ほど来、「それまでの間、適切な時期に」というふうに御答弁をいただいておりますので、置く所がないとかそういうことは絶対ないなというふうに確信をしておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。  LNG基地は、以前にもこの質問をさせていただきました。舞鶴から三田間の約100キロメートルのパイプラインの事業のためには、沿線での需要が6億立米必要で、3億立米足りないとありました。しかし、今、民間事業者が進めようとしているのは、1期工事として8万キロワットの発電所を舞鶴に2カ所、綾部に1カ所の計3カ所で24万キロワットなり、これで約2億立米になります。地元企業での天然ガスを使用しておられる需要も含めますと、約1億立米あります。そして、2期工事で綾部に30万から50万キロワットの発電所も入れますと、ガス需要は7億立米となり、事業化が可能な試算であります。  そして、LNG燃料船に対する海上での燃料供給である専用船、LNGバンカリングですね。それについても、国土交通省が支援して建造工事が10月1日から始まるというふうにお聞きしております。ぜひ、メタンハイドレートも含めて、兵庫県と京都府が一緒になって国会等において、このLNG基地やパイプライン、メタンハイドレートも含めた誘致の推進大会を始めようではありませんか。  それでは、次の質問に入らせていただきます。  農林水産業の振興についてであります。水産業の振興について伺います。  海洋国家である日本にとって、水産業は地方創生の主役であります。漁業者の活動が、漁村や地域を守ることにもつながっており、海洋国家である我が国にとっては重要な産業です。  しかし、これまで日本の漁業は衰退の一途をたどってきています。漁業従事者は、過去40年で3分の1に減少し、その半数は60歳以上と後継者不足は深刻であります。一方、漁業先進国のノルウェーでは、漁業者の平均年収は800万円。若者にも人気の仕事となっています。水産資源が減少する中で、資源管理型漁業の導入などを通じて、水産業の高付加価値化を実現し、稼げる成長産業へと発展させなければなりません。  現在、国においては、水産改革の中で、1つに、水産業を成長産業化させること、2つに、水産資源を管理しつつ生産性を高めること、3つに、漁業者の所得向上を図ること、4つに、年齢のバランスのとれた漁業就業構造を確立することを目指しています。  一方、京都府の漁業に目を向けますと、府内の生産主要魚種別取扱実績によりますと、昭和53年ごろからイワシの漁獲がふえ、いわゆるイワシ時代と呼ばれた昭和58年には5万3,000トン、金額にして80億円をピークに年々減少し、平成30年度では1万1,110トン、金額にして30億2,300万円となっています。  そのような中、平成30年台風21号の影響による急激な潮流が7日後から発生し、定置網等に大きな被害が発生しました。被害規模3億円を上回り、漁業集落に与える影響も大きいことから、京都府において、局所的に被害が一定規模以上生じている場合に、地元市町と協調した支援制度を平成30年度12月補正予算で新たに創設していただきました。地域からは、本当に感謝の声が多くありました。ありがとうございました。  さて、そのような厳しい水産業を取り巻く環境の中ではありますが、京都府の水産の現状について、府内の主な4つの水産市場、舞鶴、宮津、間人、網野市場の取扱数量、金額等の流通の状況について、お聞かせください。  私は今、京都府の水産業に求められるものとして、やはり漁業所得の向上に向け、1つは、活魚や未利用魚、脂の乗った11月ごろから2月ごろの京サワラのようなブランド化などの生産物の付加価値向上の取り組み、2つには、仲買人の競争力強化、3つには、買参権取得による魚価向上の販路拡大が必要と考えます。  また、水産物産地卸売市場の機能強化としての施設整備や、多様化、高度化する需要者のニーズに的確に対応するため、計画的な再編整備も視野に入れ、効率的な市場の運営を図ることが求められます。  そのためには、最も主力である舞鶴市場を、国が推進している高度衛生管理型市場へと整備を進めなければならないと考えています。将来を見据えた冷蔵・冷凍設備の統廃合、また働き方改革に向けた取り組みとして、市場の休日の統一化及び定休日の増加であります。漁業者にこれまで既成概念としてあった、「休日は、海が荒れた日」という考え方から脱却し、若者が就業しやすい環境づくりが必要であり、漁協がその先頭に立ち、その仕組みの改革を図ることなどが考えられますが、京都府としてどのように水産振興に取り組まれるのか、そのお考えをお聞かせください。  最後に、鳥獣被害対策についてお伺いします。鳥獣被害対策、とりわけツキノワグマ出没に対する対応についてであります。  ことし7月末における中丹管内におけるツキノワグマの目撃件数は288件で、毎年増加し、舞鶴の東部地域(丹波個体群)での出没が特に多くなってきています。今年度、舞鶴、とりわけ大浦半島を中心とする地域でツキノワグマの出没情報が多く寄せられ、集落内で捕獲される個体数も例年になく多いため、住民の安全確保対策が急がれるところであります。  成生では、子グマがシカやイノシシ捕獲用のわなにかかった錯誤捕獲に伴い、親グマがその周辺を徘回し周辺住民に不安を与えたり、小橋(おばせ)、三浜では、海水浴場付近に設置している「クマ出没注意」の看板で、海水浴客へ不安を与えかねない状況でありました。  また、農家倉庫に侵入し、保管している米俵や米ぬかを襲う事件や、人身事故こそありませんが民家の仏壇まで侵入し被害も発生し、人身被害の危険性がかなり高まっています。住宅近隣への出没は命にかかわる状況であり、住民からは、できるだけ捕獲をしてほしいと強く要望を受けているところであります。特に、平成29年度から捕獲殺処分頭数も増加していますが、住民の安心・安全確保を図るための人家等周辺での捕獲は重要であります。  一方、ツキノワグマは、京都府のレッドデータブックで絶滅寸前種に選定され、狩猟を禁止されています。しかし、出没や捕獲件数が多い中ではありますが、その地域に住んでいる住民感覚として、決して絶滅寸前種ではありません。少なくとも、レッドデータブックの改訂は急ぐべきであると考えます。  そこでお伺いします。  こうした状況を踏まえ、住民の安心・安全確保の対策を基本としたツキノワグマ対策が必要と考えますが、京都府としてどのように取り組んでおられるのか、また、舞鶴の大浦半島のようなツキノワグマの出没がとりわけ多い地域については、緊急捕獲など、状況に応じた柔軟な対応が求められると考えますが、知事のお考えをお聞かせください。 69: ◯議長田中英夫君) 西脇知事。    〔知事西脇隆俊君登壇〕 70: ◯知事西脇隆俊君) 水産業振興についてでございます。  京都府の漁業生産額は、近年、40億円前後で漸減傾向ですが、国内外の資源管理のルールを守りながら、収益力の高い魅力ある京都府水産業を実現するためには、1つは、高品質でブランド力のある水産物の生産を拡大すること、2つには、高い魚価を実現する鮮度管理等ができるように、流通改善を図ること、そして、担い手の確保・育成と労働環境の改善を進めることの3点が重要であると考えております。  まず、生産拡大では、「つくり育てる漁業」の強化が重要で、ICT技術等を活用した新たな養殖漁場の整備とともに、サバやサーモンなどの丹後とり貝に続く魚種の拡大を支援していきたいと考えております。  また、「とる漁業」においては、高級で高品質な水産物の出荷に向け、クロマグロなどの資源管理を徹底するとともに、アカガレイやサワラの生け締めなど、高価格での取引につながる技術習得を支援してまいります。  次に、流通改善についてであります。府内の水産物は、30余りある府内漁港に水揚げされた後、府漁協が開設する舞鶴、宮津、間人、網野の市場へと出荷され、これらの4つの市場での取引は合計約1万1,000トン、30億2,000万円となっております。このうちの7割が、舞鶴市場において取引されており、舞鶴市場は京阪神や東京などの市場への輸送拠点という役割も担っております。  このため、舞鶴市場を重点に高度衛生管理やコールドチェーンへの対応、市場内データ管理の省力化や輸送先の各市場の価格動向に基づく最適輸送量の決定のための仕組みづくりなど、府漁協や地元市町と連携し、機能強化策を検討していきたいと考えております。  3点目の担い手の確保・育成につきましては、京都府では漁協等とともに京都府漁業者育成校「海の民学舎」を開校しており、卒業生のうち11名が府内の漁業現場で活躍されておられます。若者が就業しやすい労働環境づくりには、経営体の収益確保が第一歩となることから、経営者を対象に商工部門の専門家などと連携した相談会や研修を実施するなど、経営改善の取り組みを支援してまいります。  今後とも、若者に漁業・漁村の将来を担う人材として水産業に参入いただけるよう、水産業を魅力と夢のある産業にしてまいりたいと考えております。  次に、鳥獣被害対策についてでございます。  ツキノワグマは、京都府のレッドデータブックにおいて、絶滅の危険度の高い絶滅寸前種に位置づけられております。これを踏まえ、鳥獣保護管理に関する京都府の計画におきましては、保護が必要と認められる鳥獣として狩猟を禁止するとともに、年間捕殺頭数の上限を設けております。  最近の調査では、生息頭数が増加傾向にあり、平成30年度末で丹後個体群は約900頭、丹波個体群は約500頭と推定され、両個体群ともに絶滅寸前種という位置づけは必ずしも現状を反映していないと考えられることから、専門家の御意見を伺った上で早期にレッドデータリストの見直しを行ってまいりたいと考えております。  京都府ではこれまでから、住民の安心・安全の確保、人身被害の回避を最重点として、関係市町村等と構成する被害対策チームにより、現地を巡回し、出没防止対策を進めております。  また、集落に出没した場合には、その都度捕獲を許可し、両個体群合わせて、昨年度は103頭を、今年度は既に104頭を捕殺しております。特に人家周辺で出没頻度が高い地域には、事前に捕獲を許可することで迅速な対応もしております。  議員御指摘の舞鶴大浦地区を含む丹波個体群では、出没情報が5年前の207件から、昨年は475件に増加し、ことしも8月末現在で既に398件に上っていることから、緊急事態と捉え、専門家の意見を聞き、この7月に初めて捕殺上限頭数を年間40頭から60頭に見直し、捕獲強化を行っております。  さらに、出没が集中している地域を緊急対策重点地区と位置づけ、被害対策チームの活動を強化し、里と山の間の見通しをよくし、クマに警戒心を与えるバッファーゾーンを設けるとともに、人家近くにあります餌となる柿や隠れ家となるやぶの除去を地域と一緒になって集中的に取り組んでおります。  今後とも、人家近くでの出没に迅速に対応できるよう警察と密接な連携をとり、住民の安心・安全の確保に努めてまいりたいと考えております。 71: ◯議長田中英夫君) 池田正義君。    〔池田正義君登壇〕 72: ◯池田正義君 御答弁ありがとうございました。  本当に水産業というのは、京都にとっても大変大事な産業だというふうに私は思っておりますし、先ほど来の生産拡大であるとか、そしてまたICTの活用等々を含めて、さらなる漁業の振興に向けて、とりわけサバであるとかサーモン、京都産をコンセプトとしたそういった新しい部分も挑戦していくというふうに聞いております。  それから、特に人材育成ですね。やはり、若い人たちがしっかりと後を継いでいけるような部分というのをつくっていかないと、後継者が育たないことになります。せっかく、これだけの貴重な水産資源があるわけですから、あとはしっかりと取り組みをやりながらお願いしたいというふうに思っております。とりわけ舞鶴というのは、先ほど来、市場の中でも7割以上を占めるというところですので、高度衛生化に向けた管理市場への整備というのもしっかりと地元、漁協との調整をしながら進めていただきたいというふうにお願いをしておきます。  そして、鳥獣被害の件でございます。  先ほど来の御答弁の中で、丹波500、丹後が900というふうに、そういった多くの生息数が推定されるという部分、昨年は103、ことしは104頭の殺処分をしたと。そして、専門家の会議等を開いて、殺処分等の頭数も40から60頭にふやしていただいたりしてきております。また、バッファーゾーン等やら、当然柿の木というのがどうしても田舎のほうには結構ありますので、そういったものも地元の方と一緒になって、地元の方も柿の木を切ったりとかしながら、命を守ることをやっていただいております。  さらにそういった現状に合わせた殺処分というのは、やはり私は人間の命が大事だと思っておりますし、イノシシであるとかシカであるとかそういった被害も、きょうは申し上げませんでしたけれども、そういったもので大変地元の方は弱っておられます。そういったものも含め、これからさらなる鳥獣被害に対する、住民に寄り添った支援、対策をお願いしまして、質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)            ──────────────────── 73: ◯議長田中英夫君) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  明9月18日午後1時から本会議を開きますので、御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。    午後4時42分 散会 発言が指定されていません。 ↑ ページの先頭へ...