京都府議会 2012-01-13
平成24年農商工労働常任委員会閉会中 本文 開催日: 2012-01-13
下記のテーマについて、参考人から説明を聴取した後、質疑及び意見交換が行われた。
・「農業経営の多角化・高付加価値化に向けた取組について」
4:
◯秋田委員長
所管事項の調査についてであります。
本日のテーマは、「農業経営の多角化・高付加価値化に向けた取組について」であり、参考人として、株式会社エチエ農産代表取締役の越江雅夫様に御出席いただいております。
本日は、大変お忙しい中にもかかわらず、本委員会のために快く参考人をお引き受けいただき、まことにありがとうございます。
越江様におかれましては、京丹後市久美浜町において、エコファーマーとして環境にやさしい農業に取り組み、大学生協等との契約販売を行われるなど幅広い農業活動を実施されていると伺っております。
それでは、参考人の御意見を拝聴いたしたいと思います。
越江様、よろしくお願いいたします。
5:
◯越江参考人
ただいま紹介していただきました京丹後市で株式会社エチエ農産を経営しております代表の越江です。よろしくお願いします。
早速ですけれども、会社の経営を少し報告したいと思います。書類の2ページに本年度、平成24年度の作付計画等を記載しておりますので、これに基づいてということでございます。エチエ農産の資本金ですけれども、最初、平成19年5月に設立いたしまして、資本金200万円からスタートということで、家族で法人を立ち上げたという内容でございます。
経歴ですけれども、2枚つづりのこちらに簡単に書いてもらっております。会社に勤めておったわけですけれども、平成6年にやめまして、丹後国営が平成6年から始まったということで、それをきっかけに専業になろうかということで転身をしたという内容でございます。それで、平成16年に府のエコファーマーに個人で認定していただきました。それで、先ほども申しましたように、平成19年5月に法人を設立したという内容でございます。
そのときからですけれども、京都府立医大と府立生協の方々に声をかけていただきまして、地産地消ということでお米を提供してもらえないだろうかというお話がありまして、米の販路も拡大したいという内容でございましたので、生協さんと契約したという内容です。それにつきましては、個人とは契約ができないということでございまして、たまたまちょうど法人に設立したという内容もございましたので、お声がけをいただいたという内容になっております。
それから、平成21年度から京丹後市と、丹後コシヒカリのさらなる挑戦ということで下に書いてもらっておりますけれども、平成19年から平成21年にかけて京丹後市と京都嵐山吉兆の徳岡さんとプロジェクトチームを組みまして、丹後のコシヒカリが3年連続の特Aになったわけです。それが価格的に魚沼から比べたら非常に安いという内容でございまして、それを少しでも高く売っていこうかということで、それで平成21年から平成23年まで3年間プロジェクトチームを組み、有機の無農薬米をつくっておりまして、昨年、平成23年度ですけれども、その成果が実りましたというのか、京丹後市といいますか、北部のほうでは初の有機JASの水稲について認定をしていただきました。それにつきまして、そのお米を京都伊勢丹で昨年11月ごろから、1週間余りですけれども、販売をいたして、大変好評だったというお話も聞いております。
話があちこちしますけれども、そういうことで、作付計画へ戻っていただきたいと思います。
水稲はことし約11ヘクタールほどつくっておりまして、そのうちに、特別栽培米(特栽米)のコシヒカリ、その中に有機の無農薬米が入っておるわけですけれども、それが700アール、7町歩ですね。水田をつくっておりましても、転作ということが絡んできておりまして、それにつきましては、加工米や「祝」酒米をつくって、それを転作にカウントしていただいておりまして、その加工米をつくっておるという内容です。それから、新羽二重もちは100アール、1町歩でつくります。
それから畑につきましては、7ヘクタールほど女布(にょう)団地の国営がございまして、そこをうちが全部請け合ってつくっておるという内容でございます。その内訳ですけれども、タマネギが50アール、枝豆等が30アール、カンショが50アール、里芋が30アールといった内容でございます。その中で、作物はそれぞれ契約栽培をしておりまして、ヒノナが150アールありますけれども、これをJAを通じまして、京都の西利と契約栽培で出荷をしておるという内容です。暮れまで出荷はしておりましたけれども、そういった内容でございます。
時間の都合もありますので、作付内容はこれぐらいで報告は終わりたいと思います。
次に、3ページ、4ページ目です。ここは見ていただいたらわかるかと思います。
それから、5ページ目のエコファーマーということで書いてもらっておりますけれども、これも先ほど申しましたように、平成16年に個人でエコファーマーに認定していただきまして、会社に設立したときに個人から会社に変更をしております。そういったことで、エコファーマーの取り組み等は、こういった内容で取り組んでおりまして、ほんまに最近は慣行栽培が主だったわけですけれども、これからの農業は環境にやさしいということで、普及センター等からも聞いておりまして、そういった取り組みに変えていったという内容でございますし、これからは、農薬、化学肥料も極力抑えてつくっていかないとだめだなということを痛感しておりまして、そういった方向で進んできております。
それから、次に特別栽培米という農産物ということで、そういう環境にやさしい特別栽培の農産物をつくるということは、農林水産省から出ておりますガイドライン等を表示しないといけないということの内容で、こういったことをお米についてですけれども、張っております。これが6ページ、7ページの内容でございます。特栽米につきましては、昨年、平成23年ごろから、女布の集落、近隣の集落につきましても、特栽米をつくって、それにつきましては、ここにも少し書いておりますけれども、うちはミニライスセンターを平成6年に建てまして、それで近隣の集落の方から8割、9割ぐらい乾燥調製を行っておりまして、それにつきましては、お米が昨年、その前からずっと低迷しておるわけですけれども、こういった環境にやさしい特栽米をつくって、少しでも高く売っていこうということを集落内でも話しておりまして、それをできるだけ農家にわかってもらえる話をしまして、去年につきましては、8割方ぐらい特栽米を団地化してつくっております。それにつきましては、JAに出荷しておっても価格が上がらないということで、販売力もだんだんふえてきておりまして、その販売をされる農家の米を引き受けて、それを有利に販売していくという取り組みを、集落だけではなしに、近隣の集落等行ってきております。
またこれからもどんどんそういった取り組みをふやしていきたいということで考えております。
それから、戻りまして、最初の7ページのところ、循環型農業ということで、個人から出るてんぷら油、廃油になるわけですけれども、そういったものを集めまして、それをバイオディーゼルに、DPFというんですけれども、そういったものに変えて、その燃料を使っているということで、本当に排気ガスはてんぷら油臭いです。そういった環境にやさしい、全然目は痛くないですし、そういったことを取り組んでおりまして、ことし平成23年の環境にやさしい農業ということで、先日、京都府の知事賞をいただいたということで、本当にありがたく思っております。
それから、その次の8ページですけれども、「自分で作り、自分で売るコシヒカリ」というタイトルをつけておりますけれども、小さい子どもからお年寄りまで安全な米を食べてもらって、少しでも健康でおってほしいという願いから、こういったことに取り組んできております。
それから、「玉ねぎの紹介」ということで書いておりますけれども、これはもう五、六年、もっとなりますけれども、東京のあるカレー屋から問い合わせがありまして、それで食べていただいたら、本当に甘いと。タマネギをむいたら、普通でしたら、目が痛いわけですけれども、全然目が痛くないし、そのままスライスして食べても全然辛くないということで、すごい評価を受けておりまして、カレー屋のルーにしたり、スライスをしてそのまま皿に盛って食べてもらうということで、今は利用していただいております。そういったことでもすごい評価を受けておりますし、昨年、糖度をはかったら、すごい10%以上あるということでございまして、あちこちから引き合いがありまして、だんだんタマネギも面積をふやしていかんなんのかなと思っております。
紹介についてはこのぐらいですけれども、最近、どんどん高齢化が進んできておりまして、年々、作付面積もふえていくわけですけれども、それが我が会社でも、だんだんと集落がまたがってくると、その集落のしきたりがありまして、そういったことがなかなか、「ひやく」とか溝掃除、いろいろな行事があるわけですけれども、そういったことが重なったりして、なかなか出ていけないということも、これからはふえてくるのかなということで、これからもどんどん法人化が進んでいくと思いますけれども、多分、そういった問題点が出てくるのと違うかなと考えております。
それから、有害鳥獣の関係ですけれども、今までずっと補助金等をたくさんいただいておるわけですけれども、電気柵等はワイヤーメッシュ等で囲っても、なかなか被害がおさまらないということで、頭数が大分ふえておると違うかなということを感じております。そういったことで、また補助金等の関係もふやしてもらえればありがたいと思っております。
これで一応私の報告ということで、あとにつきましては、皆さんから質問があったら受けていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
6:
◯秋田委員長
ありがとうございました。本日の
所管事項の調査におきましては、テーマについて参考人も交えて、委員間の活発な意見交換の場となるよう運営をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは御意見・御見解等ございましたら御
発言願います。
7: (
発言)
◯岡本委員
まず、6次産業製造プロジェクトチーム、これについて少し教えていただきたいのと、これはもう平成23年度で終了しているんですね。
8:
◯越江参考人
そうですね、平成21、22、23年で、お米については。
9:
◯岡本委員
6次産業製造プロジェクトチームで実際進められたことというのを少し御説明いただけますでしょうか。
10:
◯越江参考人
先ほども申しましたように、丹後産コシヒカリが魚沼産に比べたら単価が低いということで、それを少しでもアップする形でということで、徳岡さんにも入っていただきながら、少しでも高く売っていくようなことで、昨年の暮れに京都伊勢丹で販売をしたという内容ですし、それにつきましては、環境にやさしい農業ということで、昨年、京丹後市でも会ができまして、──農業にはぐくむ、ちょっと忘れましたけれども、そういったことで会ができまして、慣行でつくっておるものをエコファーマー、エコファーマーでつくっているものを有機。三角形のピラミッドをつくりまして、一番下が慣行栽培と、その上の段階がエコファーマー、その上、一番頂点は有機JASになるわけですけれども、そういった取り組みを一人でも多くふやそうかということで、平成24年度から多分京丹後市が進めていくということですし、今まで3年間つくってきたことの内容を、米づくりにつきましては、栽培指針みたいなものをつくって、それで少しでも多くの方につくってもらおうという取り組みをこれから多分されるとは思います。
11:
◯岡本委員
先ほど、単価を上げていくための努力をしたということをおっしゃいましたけれども、私の知人というか、知ってる方たちで無農薬等を進めておられる方が、逆に単価を下げていって、いいものだから、みんなが食べられるように安くしていきたいということをされておられるんですが、それと反対の動きでということですよね。当然、京都のブランドとかというものを考えると、価格が上がっていって、所得がふえていくほうがいいんですけれども、反対のほうの考えとしては、いいものを安くという考え方もあるとは思いますけれども、そのあたりどのようにお考えでしょうか。
12:
◯越江参考人
それにつきましては、魚沼産から比べたら全然単価が安い。向こうのはもう1袋30キロですけれども、1万5,000円、2万円ぐらいしてるという中で、丹後産のコシヒカリは1万円を切っているということですので、それを少しでも上げて、1万円が1万二、三千円の単価になるような内容にしていきたいということで、すごい上げるわけではないですけれども、今までが全然安過ぎたんで、それを少しでも上げるような内容ということです。
13:
◯岡本委員
私、農業のことはほとんどわからないんですけれども、無農薬をするとお聞きすると、生産者の負担というものが非常に大きいというふうにお伺いしますが、ふだんの生産に係る労力と今の1キロ700円でしたか、5キロで3,500円、こういった価格というのは、まだ安いという認識でよろしいですか。
14:
◯越江参考人
そうですね、大体一般で言うと、無農薬、有機JAS米ですと、1キロが700円前後ぐらいしてると違うかなという内容で単価設定はしているわけですし、慣行のはもっともっと、今は、その半値以下ぐらいな内容ですね。
15:
◯岡本委員
京都全体として、お米の生産量というのが減ってきてたり、休墾地がふえてきたりしているわけですけれども、これからTPPの問題とかがあって、京都の農業も考えていかないといけないというところだと思いますが、一方で京都自体が、例えば新潟なんかは本当にお米の物すごい有名なところですけれども、京都のこれからの農業というものは、京都産のブランド野菜とか、そういったものには今どんどん力を入れていますけれども、京都産のお米をもっとブランドを高めて、例えば日本じゅうなり海外にも出していきたいという御認識かとは思いますけれども、海外とかもっと外に目を向けた動きというのは今されていますでしょうか。
16:
◯越江参考人
今はやっておらないわけですけれども、海外まで広げるということは、ただ、もう面積が多分少ないと思います。そこまで広げることができればいいんですけれども、ただ、そこまでしていくと、今度、生産が全然足らないのかなということは考えております。先ほどTPPの話が出てきましたけれども、私、勉強不足で、そういった難しい話はなかなかわからないわけですけれども、慣行でつくっておっても、TPPになると、海外からどんどん入ってくると。海外から入ってくるそういった農産物にも付加価値のあるものをつくっていけば、対応していけるのではないかなということは、認識が足りないかもわかりませんけれども、そういったことを思っておるわけです。
17:
◯中川委員
きょうはありがとうございます。私も農業の将来ってすごい心配していまして、社長さんのように成功されているというのは大変喜ばしいかと思っているんですけれども、特に農業の場合、今までJAとの関係というのがあって、私は農業も物づくりだと思うので、物づくりの場合に一番大事なのは、販売なくして生産なし、営業を持つことだと思います。今おっしゃってたように、JAに出荷してても価格が上がらないと、みずから、自分のつくったものは自分で値段を決めて自分で売りたいというのは当たり前だと思うので、それを実践されて、JAとの関係って、その辺で何かありましたか。
18:
◯越江参考人
就農した当時はJAが主体であったんですけれども、JAは市場出荷になりますし、自分で値段を決めたいわけですけれども、たくさんとれれば安い。少ないときには高いですけれども、品物がないということで、山あり谷ありになるわけです。でも、自分が直販でやっていこうと思えば、大体そこそこの値段で決めますので、高い安いに関係なしに安定した価格が自分なりに計算ができますので、安定はするということでやってきたわけです。先ほどからも言っております、特別環境にやさしいつくり方をしても、JAに出荷すると、全然同じような価格設定になってしまうので、見返りがないということで、少しずつですけれども、切りかえていって、現在に至っているということで、現在はほとんどの農産物、米につきましては直販で対応しているということですし、自分でつくっていても量が足りないので、先ほども言いましたように、近隣の集落にお願いをして、余ったお米を集めて有利に販売をしていくということに取り組んできておりますし、これからも取り組んでいきたいということは思っております。
19:
◯中川委員
ありがとうございます。私も農産関係少しやっているので、──市場に出すって、本当に農家にとってメリットないんですよね。いつもたたかれるだけで、また競り上げ方式なんでしょうけれども、そうじゃなくて、談合みたいなのがあって、だから直接売っていくというのはすごいいいことかと思います。
この直販の仕方について少しお聞きしたいんですけれども、業務用に吉兆とかああいうところに売る、そういうのは営業をかけなければいけないですよね。今3人でやられていて、営業というのはどなたがやっているんですか。
それともう一つ、直接、小売りする小売店みたいのは持ってますか。
20:
◯越江参考人
小売店というのは持ってないです。直販所がたくさんありますけれども、そういったところにはもう余り出してない。少し余れば出すということで、ほとんどが契約栽培みたいな格好で来ておりますし、販路が拡大した大きな原因は、先ほども言いましたけれども、京都生協さんと取引をしまして、それから口コミ等がありまして、だんだんふえていったということで、会社の下ということもあるでしょうけれども、やはり信頼関係が一番大事かなということがありますので、そういったことでこちらから営業しなくても、向こうから、業者から話がどんどん来ているということでありますし、最近では、いろいろと農政局が行う、ああいったことに参加をしたり、私ごとですけれども、きょうも大丸百貨店で販売しておりまして、それが11日から17日までやっておりまして、そこに3年ほど前から出しておりまして、そういったことでだんだんお客さんも広がっていったりして、販路が拡大しておるのかなということで、あんまり販売には出てないわけですけれども、この大丸百貨店だけ出てきておるという内容でございます。
21:
◯中川委員
今、百貨店とか生協とか、そういうところへ出して直接消費者に販売してる。多分お米なんかはそういうのが多いんだと思います。特に野菜ですと、先ほどカレー屋のお話もありました。業務用というか、どうしても業務用の場合、相手はプロですので、おいしかったりすると、多分営業早くつながると思いますけれども、消費者の場合は、どうしても価格とか見ばえとか、そういったことが結構ハードルになるときがあると思いますけれども、今、消費者が、お米はほとんど消費者なのかもしれませんけれども、野菜で消費者に直接売ってる割合と業務用とどのぐらいの違いがあるんでしょうか。
22:
◯越江参考人
業務用とでしたら、野菜につきましては、2・8から3・7ぐらいで業務用のほうが多いですね。米についても、4・6ぐらいな感じで業務用のほうが多いですけれども、ただ、業務用は慣行、少しでも安くということで値段はたたかれますけれども、個人販売の場合については、昨年、有機JASを取った関係で、稲刈りをしたと同時に、全部完売をしたという、数量も少なかったわけですけれども、消費者の方については、安全・安心を求めてこられるのかなということをつくづく感じておりますし、年間契約をしてくれということが有機米については多いです。
23:
◯中川委員
ちょっと言いづらいことを聞くかもしれませんけれども、無農薬とか有機米ですと、生産性、少し落ちたり、あるいは手間もすごいかかると思いますけれども、実際商売として考えて、合ってますか。
24:
◯越江参考人
そうですね、有機米については単価が倍か、それ以上の値段で売れるということで、量が少なくても、採算はちょっと合わんかもわからんですけれども、労力がすごいかかりますので、慣行や慣行って、農薬を使えば、除草剤なんか、薬をぽんと投げたら、もうそれぎりで、田んぼには入らんでも、きれいに草がなくなりますし、有機の場合は、田植え直後からいろいろと、米ぬかをやってみたり、チェーン除草を張ってみたり、あとはもう機械で張ったり、最終は手作業で行わんとしゃあないということで、すごい労力はかかるわけですけれども、価格を見て上げていくと、今度、消費者の方から高いと言われたりするので、そこそこの値段でしないといけないということもありますけれども、採算からいうたら、ちょっと引き合わないかもわからんですけれども、それはちょっと置いといて、安全・安心なものを消費者の方に届けたいという願いがありますので、そういったことにはこれからも、米だけじゃなしに、野菜も進めていきたいし、今現在も進めておるということでございます。
25:
◯中川委員
本当にすばらしいことをやられているので、自信持って価格も、価格に見合えばいいと思うので、堂々と高く売っていただきたいなと思いますし、我々も市場での価値をもっと高めるようにこれから努力していきたいと思っておりますので、また頑張ってください。御期待しております。
以上です。
26: ◯加味根委員
私も農業はもう素人なので教えてほしいんですけれども、魚沼産と丹後のコシヒカリと、どんなふうに違うのか、どうすれば魚沼産に近づけるのか。先ほど少しお話がありましたけれども、どういう課題があって、解決できることなのでしょうか。
27:
◯越江参考人
向こうはブランドですし、こちらは丹後のコシヒカリって、大丸で販売しておっても、京都で米がつくれるのということで言われる方もいますし、米イコール新潟のほうのことになるようですし、それを少しでも認識してもらえるような格好で日々の努力をしていかないと仕方ないのかなということはつくづく思っておるわけです。魚沼産のコシヒカリと比較するわけですけれども、それと食べても全然わからないということで、こんなこと言ってええのか悪いのかわからないんですけれども、3年間、無農薬米をつくったわけですけれども、その中で京都吉兆に、同じような御飯を4品目か5品目ほど集めて同じ炊き方をして我々も一緒に食べたんです。そしたら、それが全然どこの米だかわからないと、現在使ってもらっている米なのかわからないということで、ほんまに味については、ほとんど変わらないということを聞いておりますので、味については自信が持てるのかなと思っておるわけです。それが、ただ、いかんせん、ブランド力に劣っておりまして、値段には反映してこないということで。
28: ◯加味根委員
ブランド米をつくるというのは、一つの発展方向としてすごく大事なことではあると思っているんです。今のお話だと、魚沼産も丹後のコシヒカリも食べたら変わらないと、おいしいということで自信を持っていかないといけないんだろうなと思いますけれども、でも実際にブランド力が違うと。これをどう克服していけばいいのか、解決していけばいいのか、農林水産部にも少し意見を聞いておきたいところなんですけれども、いかがでしょうね。
29:
◯越江参考人
ブランドにしようと思えば、ある程度の量も要ると思います。丹後のコシヒカリだけでは、多分量が足らないということもちらっと聞いてもおるんですけれども、それがいかんせん、なかなか面積がないので、ブランドまでも取れないのかなということは思っておるわけです。そこを何とか、一遍にはできんわけでしょうけれども、年々の積み重ねで認識を高めてもらえれば、消費者の皆さんに評価もいただけるのかなということは思っておるわけですけれども、ただ量が少ないので。
30: ◯小田農林水産部副部長
京都産の米の流通実態というのは、京都府域は消費圏でございまして、府民が16万トン食べているんですけれども、その中で京都産が半分の約8万トンを供給してると、さらにその中でJA出荷というのが2万トンと、かなりの分が今お話ありましたように、もう既にそれぞれの生産者が直接販売とか縁故米とか、そういったJA以外のところで流通しているというのが実態です。
その中で、じゃあ、どう農家所得を上げるか、あるいはブランド力を高めるかということについては、まずは、いい、安心・安全なおいしいお米をつくるということが一番だと思います。今お話ありましたように、丹後のほうでは3年連続特Aということでございまして、去年は温暖化の影響で残念ながら、ちょっとあきませんでしたけれども、ぜひこれをまた特A復活と、それが丹後の経験というのは、それこそ生産者の努力が一番なんですけれども、そこに行政、センター、研究機関、JA、それから地元の自治体、そういったいろいろなところが一緒になって、もう栽培ごよみの中で、携帯電話でいろいろとやりとりするようなことまできめ細かくやっております。それをやる中で、ぜひ特A復活と、その取り組みを今度は南丹とか南のほうにもぜひ広げていって、全体の食味、安心・安全というのを底上げしていくと、おいしさと同時に今お話ありましたように、安心・安全というのが非常に大事ですから、特別栽培米ということで、農薬とかそういったものを半分以下にしていくということをぜひやっていくということがまず大事だろうと思います。
その上で二つ目には、それだけ頑張って、すばらしいものというのは、当然販売、宣伝をしていかなくてはいけないと考えております。この点については、京都産米の米食推進協議会というものもありますし、またそれ以外にいろいろなお米を扱う関係団体と一緒になってPRをしているところであります。
例えば、せんだっても大学の学生さんらに、どのようにして丹後産なりのお米をおいしく料理しPRしていったらいいかということで、毎年毎年、コンクールみたいなことをやっておりまして、新聞にも出ましたけれども、府立大学の学生がわざわざ京丹後市まで行って、それこそ丹後地域全体を売り出すと、その中で、また丹後の魅力とあわせてお米をPRしていくことが大事だというプレゼンがありまして、それが一番その中でも優秀賞をもらったということがありまして、その取り組みはいろいろと新聞にも出ましたし、そこで出てきたアイデアというのを、ほかの大学も結構いろいろと提案をしてくれていますので、そういった取り組みを、また行政とか生産者とか、いろいろな団体が取り組んでいくということもその場でも参加した人が言うておりましたから、例えばそういう取り組みをしていくということをもっともっと広げていって、PRをしていくということが大事だろうと。
三つ目には、学校給食とかそういったところでしっかりとお米を食べてもらうと、小さいころからお米を食べてもらうということをやっていく必要があるだろうと、これは大体京都府の場合は学校給食で、週に4回ぐらいはもう米飯給食になっておりますので、むしろおいしいというものを小さいころから習慣的にしていく取り組みをもっともっと進める中で、大人になっても日本食を食べるという取り組みという、その三つの取り組みが大事かなと考えております。
以上です。
31: ◯加味根委員
特Aの復活というのは、越江さんとこでいえば、特別栽培米の完全な有機無農薬米をつくるということなのではなくて。
32:
◯越江参考人
そういう意味ではなくて、丹後全体が米穀……
33: ◯小田農林水産部副部長
京都府の米穀推進協会。
34:
◯越江参考人
その全国のほうに出して、審議会があるんです。丹後産コシヒカリや、あちこち出るわけですけれども、その中で2月の中ごろに審査がありまして、そこで評価をしていただく中で、一番いい米が特Aになったり、その下がA′でしたかね、次は。
35: ◯小田農林水産部副部長
今、私が言いましたのは、京都府の米穀推進協議会で、審査機関はまた別にございまして、これは国なりそういうところがあります。農産課長が説明しますけれども、その後で、特A、A、A′、B、B′と、そういう5段階評価ですかね、ちょっと詳しいことを。
36: ◯池内農産課長
今の委員の御質問ですけれども、まず、特Aというのは、別に有機栽培米であろうが、一般の栽培米であろうが、それは関係ないんです。どちらも取ることはできるんです。特Aという評価はどういうところが下すかということなんですけれども、財団法人の日本穀物検定協会というのがあります。そこにいろいろな専門家の委員がおられて、基本的に食味、機械ではなくて、実際、その委員が食べて、おいしさで5段階をつけていると。そういう審査をやって、その結果が発表されるというものであります。簡単に言えば、まずそんなところです。
37: ◯加味根委員
魚沼産は特Aになっているわけですか。
38: ◯池内農産課長
はい、そのとおりです。
39: ◯加味根委員
その特Aを復活させていく、これは丹後全体で、あるいは京都でという上で、どんなことが課題になるんでしょうか。越江さんのところでいえば、どういう課題がありますか。
40:
◯越江参考人
平成22年産については、夏場の高温が主な原因で、それで登熟期に乳白米が出たり、いろいろな障害が出て、見場も特Aの中には多分入ると思いますし、そういったことで少し特Aから外れたということで、平成23年度産については、それを少しでも、JAが一緒になってやっているわけですけれども、遅く植えて、疎植に植えてということを克服しながら、特Aに復活を、登熟期に高温障害に当てないという内容で、そういったことを考えながら、少しでも食味やら見た目やらということで特Aに近づけたいということを行っておるという内容です。
41: ◯加味根委員
農林水産部としてはいかがでしょう、ちょっとそこだけ。
42: ◯小田農林水産部副部長
今、越江参考人が言われたように、緩効、遅植え、疎植と、そして一等米を80%以上にしましょうと、そのことによって食味が確保できるという考え方で、緩効、遅植え、疎植というのを頭文字をとって、KOS-180運動ということで、これは府域全体でスローガン的に取り組んでおるということが1点ございます。
それから、御承知のとおり、温暖化の問題がありまして、丹後、頑張っておるんですけれども、コシヒカリなり西日本が比較的温暖化の影響を受けて、今まで特Aを取っていたところが、Aになっていることが多くて、むしろ東北とか、そちらのほうは比較的温度といいますか、暑いものに強いという品種のものが結果的に特A取ったということが正直ございます。したがいまして、それはまた研究部門でもしっかりと、どういった形がいいのかということは、現時点、丹後農業研究所がございますし、また普及センターもございます。そういったところと地元の生産者と一体となって研究をしながら、そしてまたその取り組みのいい部分を広げていくということをやっていきたいと、現時点もやっておりますということです。
以上です。
43: ◯加味根委員
特Aの復活がブランド米をつくる上で欠かせない要素、要件ということであれば、個々の農家の皆さん、越江さんのところも含めて努力をされるのは当然なんだけれども、今、副部長が言われたように、行政の相当の支援がないとこれはできないことかなと思いましたので、ぜひ、一層の努力をお願いしたいなと思っております。
最後に1点だけ、株式会社にして農業経営をやっていくということのメリット、あるいは逆にちょっと難しさみたいなのとかはあるんですか。その辺、いかがでしょうか。
44:
◯越江参考人
株式会社にしたというのは第1に信用、やっぱり個人でやっておっても信用度は低いですね。会社組織か法人化して、そういったところでつくったものを売っていけば、業者や消費者の方から信用度が少しでも得られるということで、そういったことをやってきたから、だんだんあちこちから声をかけてもらって、今では、うちの生産量では足りないぐらい販売が上がってきたということであるかなと思っておるわけです。困ったなというのは、今のところは別に思っておりませんし、この4月からもまた1人、従業員をふやしていかないと、ちょっと回っていかないのかなということは考えております。雇用につながれば、それこそありがたいことだなと思っております。
それで、平成23年度事業で加工施設を考えておりまして、野菜もんをつくっても、いいものは当然その値段で売れるわけですけれども、規格外品とかそういったものが少しでも有利というか、高く販売していければ、所得にもつながりますということで、加工施設のほう、京都府の事業をお借りしながら考えておりまして、この1月、2月ぐらいに完成をさせていきたいなということで、それにつきましては、また加工することによって、近所のおばちゃんとか雇用していけたらということを思っております。
45: ◯加味根委員
JAに頼らず販路を拡大して収益を上げていこうとすると信頼が必要だと、品質なり技術なりはもちろんなんですけれども、そのために株式会社というのは一つの方法だと思いますけれども、株式会社でなければ農業はやれないのかというと、広くは家族経営をやっているという中でどうやって、JAももっと頑張ってもらわなあかんとは思いますけれども、農業経営をさらに発展させていく上で、家族でやっている方々の信頼なり技術なり経営の向上、それから集落で営農組合とかでやっておるところもあると思いますけれども、株式会社以外の家族経営なり地域の協働した力でやっていこうとしているところにも、大いに発展の芽はあると思いますけれども、その点で京都府が考えているところがあれば、少し聞いておきたいなと思います。
46: ◯小田農林水産部副部長
越江参考人のところも、御主人と奥さんと息子さん、その3人で株式会社をやっておられるという形態ではございます。またそこに従業員が、あるいは雇用が生まれてくる形というのは一つの方向だろうと思っております。
それから、従来、京都府は集落営農あるいは地域営農ということをやっておりましたけれども、その集落に担い手がいなくなってきている実態が生まれてきています。京都府の平均農家年齢というのは68.3歳と、5年間で3万9,000の農家が、2005年3万9,000、2010年のセンサスで2万9,000になったと、1万人ほど、5年間で4分の1減ったと、これから5年、10年たったときに、もう担い手すらいなくなる集落が出てくるということがあると思います。
したがって、どういう方向が望ましいかというと、それはそういう集落営農をやっておられるところが集落営農を基本とした法人化を目指していくという方向がありますし、越江参考人のようなところの非常に頑張っておられる、企業的にやっておられるところが、さらにまた集落を越えて、あるいは京都の北から南までの広域的な連携をやっていくという方向も二つ目にあるだろうと思っております。
それから三つ目には、企業あるいは食品産業といったところが自分ところの食材を求めてというところで、かなりそれで成功事例も正直ございます。決して企業だからということやなくて、今は農地法とかそういった規制もかなり緩和されていまして、入りやすくなってきております。そこで、企業のマネジメント力を生かしながら、地域においてしっかりとした農業の技術を持っている方々と連携した形で、かなり成功事例が出てきております。
今言いましたのは三つの農業の形態なんですけれども、そういったところが、これからもっともっと伸ばしていく必要があるだろうと考えております。
以上です。
47: ◯渡辺委員
越江様、きょうは本当にありがとうございます。私も特Aを取られた4年前でしたか、コシヒカリを食べさせていただきました。たしか農林水産フェスティバルのときでしたか、売り出しておられたので、当時、特Aを取られたということで、山田知事も大いにPRをされておられまして、私も買ってみたら、本当においしかったです。でも、正直なところ、先ほどおっしゃっていましたように、量的にどこでも買えるというところまではいってないと思うので、先ほどおっしゃった大丸とか、フェスティバルのときとかを中心に販売されているというのが実態なのでしょうか。
48:
◯越江参考人
そうですね。うちは個人の直接注文を受けた方とか、それから契約をしておるところしか出してない。余り小売店には出してないと。全く出してないということでもありますし、うちとしては余り店には置いてないと。そういったことをしても量が多分足らないと思いますし、直接注文していただいた方に販売しているという内容です。
49: ◯渡辺委員
先ほどから特Aのブランドという話も出ていますけれども、私は特Aを取るのが目的ではなくて、特Aをとったほどおいしいお米だよと。そしてまた、今、ネット販売とか大変よく利用されていますし、反対にお店には出てないけれども、限定版、皆さん、消費者の方も限定ということとか、結構魅力を感じられる方もいらっしゃると思います。そういう面をもっと押し出していって、このネットでしか買えませんよとか、それが一部の方だけではなくて、それが広まっていくと、また丹後というか、京都全体のお野菜とか、御地元のほうのお野菜のブランド化というか、アップにもなっていくと思うので、PRの仕方なのではないかなという気がします。
ですから、そういうことについては、またいろいろと、越江様は、今お聞きしていたら、すごいいろいろな、私たちが課題かなと思っているような、これからの農業を考えていく上で、大変先駆的なお取り組みをされていますし、皆さんが学ぶべきところが多いと思います。ですから、あと、広報的なことで、いろいろなところと、もちろん京都府のほうも協力をしていただいて、特Aをとられたときも、結構、山田知事がいろいろなところでおっしゃっていたりとか、食べ比べして、どちらがおいしいとか言って、当てていたような記憶もあったりして、結構PRをされていた割に、今、まだというようなことがあったので、また、そういう視点についても、京都府さんのほうも含めて、全体のブランドアップというか、そういうことも含めてのお取り組みをお願いしたいなという気がするのですが、いかがでしょうか。もちろんやっていただいていると思いますが。
50: ◯小田農林水産部副部長
渡辺委員おっしゃるとおりで、これは決意表明みたいな話になってくるのかもわかりませんけれども、一生懸命PRをしていこうと思います。
同時に、正直言いまして、丹後のお米はおいしいです。それがまた京都市内でとか欲しいという方に、必ずしも届くほど量がないと。これはお米にかかわらず、トリガイとか、そういったものもそういう話をよく聞きます。したがいまして、まずは生産をしっかりと安定的にふやしていくということと、決して丹後だけではなくて、丹波のほうも含めて、おいしいお米をふやしていくと。京都産のものを京都府民・市民が食べるという方向に、ぜひ持っていかなければいけないということを思います。
あと、少し蛇足的ですけれども、私自身も、実は以前、目隠しテストで、去年ですか、よその府県の特A米を全部取り寄せて、5種類で、その中で丹後産が一番おいしかったということを思っているのが一つです。
もう一つは、去年、おととし、サポートセンターということで、就農者を、新規就農したいという方をテルサで募集して、そのときにいろいろお話をしたときの中に、お一人、新潟の魚沼から来られた就農希望者がおられまして、わざわざ京都に来られたということがありまして、結構、京都も、そういう面では魚沼よりも魅力あるのかということを少し思ったということは、蛇足でございますが、以上です。
51: ◯渡辺委員
ぜひよろしくお願いいたします。お米のこともですが、日野菜(ひのな)については、西利さんとも連携とられて、お野菜というのは新鮮なものもですけれども、一時にとれると思うので、それを今さっきおっしゃったような、本当のしゅんのときに加工して、できるだけ長く楽しんでいただけるという工夫が必要かと思います。
アドバイスをいただきたいのですけれども、私とこも伏見なのですが、伏見の竹田の方が九条ネギをいろいろ細かく切ってカットされてというのは、とても有名なところが御活躍いただいていますけれども、また全然別のところで九条ネギを使った加工品とか、また今度、リーガロイヤルホテルと連携をとれることになったということで、九条ネギを使ったお料理ということをその方たちが連携してやれることになったと、すごく喜んでお話してくださいました。越江様がいろいろな形で連携をとられて、吉兆とか、西利とかと連携をとられていく中で、御苦労されたところとか、何かアドバイスがあれば、ちょっと教えていただけたらありがたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
52:
◯越江参考人
電話等で話せても、なかなか現場がわかってもらえないと思います。それで、先ほども言うのを忘れたのですけれども、京都生協さんとは、毎年、
収穫体験等で、ことし、平成23年で4年目になるわけですけれども、当初は15人ぐらいだったわけですが、だんだん人数もふえて、30人、40人ぐらい来ていただけるようになりまして、そういったことをすることによって、学生さんがあちこちにまた就職をされるわけですけれども、そういったところで話の一つでもしていただけたら、またちょっとでも販路が広がるのかなと思っておりまして、収穫体験も1泊2日で来てもらっておりまして、しゅんの野菜を収穫してもらって、その後、野菜を食べてもらったり、もちつきをしてもらったりということで活動を行っておりますし、それから、また夜につきましては交流会みたいなものをやりまして、学生さんやら、我々農家がそこに出向いて、いろいろと意見を1人ずつ言いながら、話をして、和気あいあいとやっておるわけです。そうすることによって、だんだんと販路等が拡大していけたらと考えております。
実際に来てもらわないと、どういったところで、どういった環境でつくってもらっておるのかわからないと思いますし、バイヤーさんとか業者さんとかに足を運んで来てもらいたいなと思っております。
53: ◯渡辺委員
大変参考になりました。私も知り合いの人に、今おっしゃっていただいたことをお伝えして、できるだけ体験の中でいろいろな興味を持っていただき、また販路にもつなげていけるようにしたいと思います。
最後に、今お聞きしたようなことが、もしかしたら、これからの日本のと言ったら大層ですけれども、農業というものを支えていく。新しく三世代で皆さんがやられておられた中に、新しく若い方が従業員としてふえられたという記事も拝見して、そういう体験の中から興味を持たれて、今までと違う自分たちのやり方の農業というものに興味を持たれて飛び込んでこられる。その方々がちゃんと生活が成り立って、やっていけるようにしないと長続きしないと思いますので、そういうことにつながるきっかけとしても、今の御意見はすごくよかったなと思いますし、先ほど、もうお一人ぐらい従業員をふやさないといけないかなと思っていただけるぐらいで、とってもうれしいお話を聞いたのですが、初めて入ってこられた、ここに書いていただいております、脱サラした29歳の若い方、今、どのような形でお勤めいただいているのか、ちょっと御披露いただけたらと思います。
54:
◯越江参考人
その方につきましては、家は全然農業は全くやってないと。お父さん、お母さんも全然やってないから、田畑も全然ないということで、中学校時分から少し農業に関心がありましたけれども、都会で就職しておってもなかなかうまいこといかないと。地元に帰って農業がしてみたいということで、普及センターとか、振興局とか、そういったところに出向かれまして、働き口がないかなということで探していたわけですが、その中で話がありまして、それで話を聞いておったら、農業に対する熱意があったわけです。それで雇いまして、今は2年目ですけれども、昨年から自分で田んぼとか畑とかをつくらせて、つくったものは全部持って帰れと。
ことし、平成23年も、そのときも水稲、お米をつくらせたわけです。なかなか見ておってもわからないですし、試行錯誤でつくったわけですけれども、除草剤をやった後に雨がざあっと降って、全部流れてしまって、全く除草効果がなく、あと草が生えて、手でとったりして、いろいろと四苦八苦してましたけれども、その米を持って帰って、食べて、自分がつくった米はおいしいなということで、家族の方も感動されておったわけです。それに、また畑につきましても、タマネギやら大根やら、そういったものを自分がつくれということで、全然僕らはノータッチで、最初からつくらせておりまして、自分がつくったものは自分がおいしいと食べられますし、そういったことで喜んでもらっています。これからもだんだんとそういう機会やら、面積もふやしてつくらせていきたいなということを考えておりまして、今では従業員にも喜んでもらっているということです。
55: ◯渡辺委員
すばらしいですね。単なる労働力というのではなくて、その方がみずからやっていくことをアドバイスされてというお取り組み、大変参考になりました。
それと、そのときにおそろいの作業服も新調したとここに書いてあります。入社してこられたときに、これを機にそろいの作業服も新調したと書いておられて、制服みたいな。今まで、農家の方というのはそういう感覚がなかったと思いますが、これから若い方々が格好いいつなぎを着て、農業やるんだみたいな感じの、そういう視点みたいなものも取り込んでいくとなると、若い人たちが、農業に興味を持って、自分の力でやってみようと試行錯誤しながらも、自分でどんどんとおいしいもの、野菜とか農作物はうそはつかないという、本当に手を込めたら、心を込めたら、その分返してくれるという喜びを若い人たちが感じてくださって、多くの方々がまた就労していただけるように、御活躍もいただきたいですし、私も大変参考になりましたので、また、これからいろいろな場面で少しでも生かしていきたいと思います。本当にありがとうございました。
56: ◯田中委員
ブランドは、例えば、西利さんとか吉兆さんというと、大変なブランドだと思いますので、そのあたりをもっと活用できたらいいのではないかと、お話を聞いていて、そんなふうにちょっと思いました。
それと、本当に創意工夫と御努力で付加価値を高められて、農薬を使わないとか、あるいはEM菌という有用微生物ですね、こういったものも活用されて経営をされているということで、本当に心強い思いをいたしまして、先ほどもお話ありましたけれども、多くの御心配、御懸念がある、海外から安い物が入ってきたときにどうだという御懸念がありますけれども、越江さんのような御努力をされているところは必ず生き残ると思いますし、また生き残って発展していただかなければいけないと私は思いました。
先ほど副部長がおっしゃった中にも、子どもたちというのがあったと思いますが、大学の生協と、大学生がまた来るというのも大切ですけれども、もう少し小さい子どもたち、小学生ぐらいの子どもたちとの交流であったり、例えば生産量とか、あるいはコストとか課題あるいは教育委員会等とかいろいろあるかもしれません。例えば学校給食に活用できないかとか、子どもたちの教育の部分でも活用できないかとか、食育という言葉もあります。その辺の観点は、今いかがなのでしょうか。
57:
◯越江参考人
今、京丹後市で経営者会議という組織がありまして、その中で学校給食に使ってもらおうということで取り組みをしておりまして、そのグループも発足しております。今は年に2回、3回ぐらいの状況ですけれども、この日はお米や野菜を京丹後市産のものを全部使ってもらうということで、そういう取り組みもされておりますし、そういう取り組み、年じゅう使ってもらえれば一番いいわけですけれども、なかなか年間を通じてということになると、しゅんの物ができるときとできないときがあります。そういったことについては、市況から仕入れていかないといけないのかなということも考えておりますし、しゅんのものが食べれる時期だけでも、京丹後産だけではなしに、京都府全体の野菜物が使ってもらえたりすればええのかなということを思っておりますが、なかなか教育委員会とか、そういったもろもろの事情もあるかと思いますし、それを少しでも近づけていってもらえればありがたいということで、京丹後市で現在取り組んではきております。
58: ◯田中委員
ありがとうございます。京丹後市の地元が中心になると思いますけれども、いろいろな問題があるのだと思いますが、本当に京都の子どもたちは、まさに地産地消の中で、京都産のコシヒカリを食べていると。例えば、給食でも食べているということが、それも一つのブランドだと思いますし、安心・安全というのは、今すごく注目されているところです。私も一人の親としても、自分の子どもにはこういうお米を食べさせてあげたいなと、純粋に思います。そういうニーズは物すごくあると思いますので、そういった観点、これは京都府の中でも、例えば教育委員会との連携であったり、例えば兵庫県あたりは、そういう取り組みも、お米の観点でされているやに少し伺っております。そういったことも参考にしていただいて、ぜひ今のお話のようなお取り組みを進めていただければありがたいと思います。
以上です。
59: ◯桂川副委員長
本日はありがとうございます。
数点お聞きしたいと思いますが、農業法人として経営をしていかなければいけない中で、今、エチエ農産さんについては、年商というものがどれだけあって、今、17ヘクタールの農地を11ヘクタールぐらいが水稲をやられて、残り6ヘクタールが野菜ということですが、それだけやろうと思えば大変忙しいと思いますけれども、野菜と水稲との収入のバランスといいますか、年商に対してどんな状況になっているのか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
60:
◯越江参考人
総所得ですけれども、現在では6,000万円弱、平成23年はまだ出てないわけですけれども、平成22年がそうでした。
それから、水稲と畑の割合ですけれども、うちは作業受託と言いまして、ミニライスセンターというものが建っておりまして、その中に乾燥機が現在7台あります。コンバイン等で刈り取り、そういった受託も行っております。そういったものが、作業受託の部門で約1,500万円ぐらいあります。それから、水稲が2,000万円ぐらいあるのではないかと。あとは野菜とか、そういったものです。
61: ◯桂川副委員長
今、農地が17ヘクタールで、経営をしていく中で、実質3名の方と年間延べ300人の雇用をされて、それを回しておられるということですが、今後、逆に言えば、新たに就農していきたいと、農業法人をつくっていきたいとなったときに、最低限、採算性が合うラインの面積というのは、どのぐらいだと思われますか。それと、もう一つは、エチエ農産として、将来、自分とこの会社組織の中で、どの程度の農地までなら、逆に言えば、経営していける能力があるのかなということをどのように感じておられるのか、その辺をちょっと聞かせてほしいのですが。
62:
◯越江参考人
農業もやり方がありまして、水稲だけですと、10から15ヘクタールぐらいでは全然経営が多分成り立っていかないと思います。面積を確保するのは、多分いけるかなとは思いますけれども、ただいかんせん農業の機械は高いですし、専用の機械ばかりなので、コンバインは、それこそ10日から2週間ぐらいな間で、面積がふえればふえるほど大きい機械を導入しないといけないわけです。それについては、すごい投資になりますし、今でしたら、コンバインだけで6条刈りだったら1,500万円ほどしますので、それだけでもそれだけしますし、また、あと田植え機とかトラクターとか、いろいろと専用の機械が要るので、多分水稲だけでやるには、10から15ヘクタールでは全然やっていけないのかなということを思っております。
畑につきましては、管理が全然大変でしょうけれども、やり方次第では小面積でもやっていけるのかなということは思っております。ただ、面積的に言われるとちょっとわかりませんけれども。
63: ◯桂川副委員長
エチエ農産としては、今後、面積をどのように広げていくのですか。
64:
◯越江参考人
面積につきましては、畑は、今、女布団地の畑を管理するだけで、今いっぱいのような状況です。田んぼにつきましては、多分これからどんどんふえてくると思いますし、15ヘクタールぐらいだったら、何とかいけるのかなということを思っています。ただ、作業受託でやっておるわけですけれども、高齢化が進んできておりまして、つくり手がないので、つくってもらえんだろうかということで、また、ことしも新たに1ヘクタールぐらい、水田につきましてはふえておりまして、ふえるのはいいのですけれども、それにつきまして、転作もどんどんふえていくと。3割から3割5分ぐらいやらないといけないので、そういった課題もふえてくるわけです。
ふえてくると、先ほども言いましたように、大型機械がどんどん要ります。コンバインにつきましては、耐用年数が5年か6年ぐらいしかないので、それにつきましては、また次に更新をしていかなければいけないということで、だんだん大型化してくると、その更新をしていくのにまた資本が要りますし、そういったことで新規に導入する場合は、何とか補助金も出るわけですけれども。更新するのにも何とか、少しでも手助けしてもらえたら、うちだけではなしに、多分、ほかの法人の方もそういうことを考えておられると思いますし、何せ農業機械は高いので、更新のときも何とか少しでも手助けしてもらえればありがたいかなとは思っております。
65: ◯桂川副委員長
実は、もう一つ聞きたかったのはその部分で、逆に言えば、大規模でやっていくに当たって、いろいろな課題があって、そんな中で行政に対していろいろなサポートをしてほしい部分があるのではないかと。これは、大抵販売の部分でのPRだとか、今言う、機械の更新のときの何らかの補助制度だとか、そのほか、エコファーマーということですから、それだけ手間がかかる部分のそういう制度についても、実質サポートをしてほしいなという部分があるのではないかと思いますが、現状の中で、どのような形のサポートをしていただいているのか。逆に言えば、こういう制度の補助金をこれだけもらっているというか、そういうのがあれば教えていただきたいのですが。
66:
◯越江参考人
当初言いましたように、平成22年・平成23年度事業で、京都府のほうで補助制度がありまして、新規に導入する場合は補助金を出しますということで、昨年、平成22年は米の貯蔵庫やら、米を保管して、ついて、袋詰め、そういった一連の流れをするのにということで、補助事業を利用しながらお世話になったわけです。平成23年度事業につきましては、先ほども言いましたように、加工施設を考えておりまして、1・2月にしなければいけないわけですけれども、新しい事業やら、6次産業の事業を取り組むのには何とか補助が出るわけです。そういった補助を利用しながらということで、利用はさせてもらっておりますけれども、平成22年度事業につきましては1,000万円ぐらいかかりまして、3分の1の補助をいただきました。それから、平成23年度事業は、加工施設のほうですけれども、それも同じ2カ年の事業ですので、3分の1ほどもらうわけですけれども、それは約500万円ぐらいの予定でおります。
67: ◯桂川副委員長
そういう面では、今後、先ほど副部長も言われましたが、農業をどんどんやめていく人があって、今言う、農業法人にどんどん農地を委託といいますか、栽培委託をしなければいけないので、どんどんふえてくる、京都府が全体でそういう状況になっているのではないかと思います。そういうものの受け皿づくりも、これは京都府としてしっかりつくっていかないと、農地の崩壊なり、農業の耕作放棄地がふえるということになるわけですが、そういう面において、これは副部長のほうに聞きますが、何らかの制度が要るのではないかと。先ほど言われた、そういうものがふえていけば機械も大きくしなければいけないということがあって、そういうものに対する、しかし、機械は新規ではないとなると補助が出ないということになると難しいという話になってきますが、何かそういうところをサポートできるような体制というのは、今後考えていくような方向性はないでしょうか。
68: ◯小田農林水産部副部長
まず、今までの制度でも、今、参考人が言われたように、いろいろなソフト・ハードにわたっての支援制度もございます。それは個々の事業もありますし、また、そういった政策、あくまでも単純更新ということではなくて、政策的な意味合いを持たせたものについては、これは説明の仕方なり理屈の仕方なのでしょうね。そういうことで、かなりいろいろな事業制度がございます。ただまたこれからのことを考えたときに、一つは、グローバル化をしていくという中で、ほかの府県との戦いではなくて、これから世界を相手にしなければいけないという問題もあるだろうと思います。
それから、まさに地域をしっかりと守っていかなければならないという点での、まさに高齢化をしておられるけれども、その方々が、多様な担い手が地域に住んでおられるからこそ地域が守られているという側面がありますから、言いたいことについては二つありまして、一つは、産業政策としてしっかりと強い農業をやっていくのを政策としてやっていくという部分と、もう一つは、地域を守るという、せめて守りのバランスのよい施策の展開が要るだろうと考えております。
そういう面からすると、国のほうが、今、平成24年度予算で、これは国会でこれから議論されますけれども、予算原案を見ると、かなり集落で話し合いをしっかりとしていって、そして担い手のいない集落も巻き込んでいって、そして将来のプランをつくって、そこに対して国が支援をしていこうと、あるいは集積もしていこうと。国のほうは、平地で20ヘクタールから30ヘクタールぐらいと、中山間地で10ヘクタールから20ヘクタールぐらいということを言っておりますけれども、かなりそれは京都の実態に合うかどうかという問題が正直あります。しかし、その話し合いを進めるための集落プランづくりということも国が言うておりますから、そういったものの予算化が通れば、私どもは積極的にそれを使って、まずは集落でしっかりと地域で話し合いをしてもらうということが要るだろうと。
その上で、一番地域に合った施策というものをやっていって、国の事業は使えるものは、ぜひ使っていってもらおうと。しかし、どうしてもそれが「帯に短し、たすきに長し」ということであれば、それこそ京都府の出番として、府独自の支援策もあるだろうと。これはまた、今、ちょうど検討しているところでございまして、またいずれ先生方のお世話で、平成24年度予算の中で、ぜひまた御議論いただけたらと思います。それが産業政策の話でございます。
もう一つは、多様な担い手が地域でしっかりと農業をやっていこうと、あるいは生活をしていこうと思えば、いわば直接支払い的な農地・水環境とか、中山間直接支払いとか、あるいは戸別所得補償とか、ああいうふうな方々への広く、そこは何とか守っていけるような支援措置というのが、両方が要るだろうと考えておりますので、府としても、そこはバランスよく施策展開できるようにはやっていきたいと考えております。
以上です。
69: ◯桂川副委員長
ぜひとも、そのような時代に即応した農業政策を進めていただきたいと思います。やはり生産者がなくなれば農業も壊滅的になっていくわけですから、積極的に組織化をしてやっていこうという方を御支援をしてあげていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。
それと、もう1点、先ほどあったように、減反政策が現状の農業を苦しめている部分が現実ありますが、現状、具体的に減反がどういう状況でやらなければいけないのかと。厳格に減反をしてない方もあると思いますけれども、その辺の状況をちょっと教えていただきたく思います。
70: ◯小田農林水産部副部長
包括的に言いましたら、転作という、従来のものは、今の制度においては戸別所得補償となってきまして、以前だったら、米つくったらあかんよという形だったものを、これからはこれだけ生産をした者については、最低限、反当たり1万5,000円の支援をしましょうという生産目標というものを、お米について支援をするような形が戸別所得補償として一つあると。
そして、それについて一定、国の、全国画一という問題がありますけれども、値段がそれ以上に下がった場合に、下がった分について補てんするという米政策の部分が一つあります。
もう一つは、大枠の戸別所得補償政策の中の二つ柱がありまして、今言うたのが一つの柱です。もう一つの柱については、今度は転作という考え方よりも、米以外のものをつくった者についても支援をしていきましょうと。それは今は産地交付金という形で、これについても、どちらかというと土地利用型ですね。自給率を上げるために、小麦とか大豆とか、カロリーが上がるようなものについて、国が指定をしておりまして、そういったものをつくる者については、国が支援をするという形の中で、戸別所得補償制度というのがあります。これはかなり国の予算は、それこそ合計で、たしか8,000億円ぐらいあったかもわかりません。6,000億円だったかもわかりませんけれども、かなりの額です。
したがって、それがそれぞれの都道府県に来ておりますので、生産者の地域のほうには、かなりお金が、最低限の、先ほど言いました、多様な担い手が行けるような形での制度というのがなされているというのが、今の実態でございます。
もう少し言うと、しかし、それがそれぞれの地域において、やればやるほど、またさらに米以外のものをつくらなければいけないとかいうものについては、一応それぞれの地域の運用の中で、最低限これぐらいはやるというところから上の分については、一定の話し合いというものがありますので、そこは先ほど言いました話し合いの中で、どうやられるかというところがあろうかと思います。
ただ、事前に、先ほど始まる前にお会いをしたときにお話を伺った点で、少し説明をさせてもらいますと、いろいろな集落を超えて、いろいろと作業受託をされて、あるいはそこの田んぼを管理したときに、どうしても草取りとか、あるいは道路とか水路の管理をしていこうとしたときに、参考人のところが、それをやればやるほど集落によっては、行けないから、お金を払いますよということだったらいいんですけれども、直接的な作業員として行かんならんといったときには、手広くすればするほど、それこそ従業員の四、五人ぐらいでは手が回らないといった課題もあるということは、先ほどちょっとお話がありましたので、まだまだ正直いろいろ課題があると思いますので、そのあたりの課題は、私たちもこれからもしっかり聞いた上で、対策を考えていきたいと思っております。
以上です。
71: ◯桂川副委員長
今、副部長からそういう話があったのですが、越江さんのほうでは、現状として、減反政策なり、今の国の制度の中で御苦労されている部分があると思いますが、その辺のことがあればちょっと聞かせてもらえればうれしいと思います。
72:
◯越江参考人
3年ぐらい前までは、転作が、加工米が取り組めなかったのです。それまでは小豆やら黒豆やらつくっておったわけですけれども、稲がなくなって、豆やら小豆は、10月、11月ごろまで圃場にありますが、そこにも全部集中攻撃を有害鳥獣、イノシシ、シカの被害を受けまして、収穫皆無ということがありまして、ただ、うちらの集落につきましては、中山間で、すごい段差があります。1枚の田んぼでも、10アールが一番大きいぐらいな田んぼぐらいしかないわけです。そういったところでつくっておりまして、そういったところに集中攻撃を受けて、収穫皆無みたいな状況が続いておったわけですけれども、去年、おととしぐらいから加工米に取り組めるということになりまして、たしか、部長さんか副部長さんか、だれだったか忘れましたが、その方がたまたまうちへ来られまして、何か課題はないですかと言われまして、こういったことで転作が困っておりますということを話しておりましたら、加工米が、たしかいけるようになったということでお話をいただきまして、お世話してもらいました。
京都市内のみそ屋さんですけれども、そこと契約ができまして、それで稲をつくっても転作にカウントしてもらえるということで、そういったことでいい情報をいただきまして、うちだけではなしに、転作に困っておられる方に声をかけたところ、うちも参加したい参加したいというお話をいただきまして、今では七、八件ぐらいになっていますし、平成24年からは、もう少し、10件以上になるかと思います。そういった生産者もふえまして、ありがたいというお話を聞いておりますし、転作につきましては、稲で対応ができるということで、本当に感謝をしております。本当に豆ではどうしようかなということでおりました。昨年から、また戸別所得補償ですか、それが出てきまして、転作を100%消化していたら戸別所得補償が受けられるということで、ありがたいお話でもありますし、農家の方それぞれに聞きましても、ありがたいことだということの話を聞かせてもらっております。
これからも、そういったことで、そういう施策を進めてもらえたらということを、私だけではなしに、ほかの人も多分思っておられると思いますし、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
73: ◯桂川副委員長
そういう面では、加工米が転作になることによって、転作の問題が一つ解決してきたと。加工米も、その行き先がちゃんとあれば、それはそれで大変いいことだと思いますが、そんな中で一つ、鳥獣被害というものがありましたが、現状、今度、平成24年度、作付計画がありますが、この中でも鳥獣被害に遭うようなやつがありますか、現状。
74:
◯越江参考人
あります。うちの集落全体で、国営と山との境をワイヤメッシュといいまして、鉄筋の高さ2メートルのそういった金網で3,000メートルぐらい囲って、おりの中に我々がつくったという内容ですし、その中でも道路や水路が含まれておりまして、そういったところを囲うということはできないのです。そういったところは電気柵とか網とかで囲っておりますけれども、イノシシやシカは一回ぼーんと通れば、そこは倒れてしまえば通行はできます。そういったことで、だんだんイノシシ、シカも知恵がつきまして、そういったことを繰り返して、どんどん被害に遭うということで、電気柵では対応ができないということで、だんだんとワイヤメッシュ、そういったものに変えておるわけですけれども、何せ囲えないところがありまして、そういったところも、これからどういうふうにしていくかなということを思っております。
圃場を1枚ずつ囲っていかないと被害を受けるということでありますし、電気柵、網等を囲っておりましても、京丹後のほうは雪が降ります。そうすると、雪が降って電気柵が垂れてしまえば、電気がきかないということで、作物をつくっていても、雪が解けるに従って上の野菜物が出てきます。そこに入ってきて、どうしようもないということであります。きょうも家の者と電話しておったわけですけれども、だんだん雪が解けてきて、シカが白菜やキャベツを全部食べてしまうと、そういったことでどうしようもないということで、だんだん被害も減るほうではなしに、ふえるほうが多いということでありますので、頭数が多分だんだんとふえているのではないかということをつくづく考えておるわけです。
できるだけ個体数を減らしてもらえるように、猟友会のほうにもお願いしてもらえないかなということを思っております。我々がつくっておる集落はいいですけれども、さっきも言いましたように、他集落に出向いていくわけですね。そうしたら、そういうところは全部自分たちがせんなんと。集落では囲ってくれないということで、何ぼ電気柵や網があっても足らないということで困っておりまして、豆だけではなしに、稲のほうにもだんだん被害があって、収穫皆無というところも、年に何カ所は出てきております。うちだけではなしに、ほかの生産法人の方に聞いても、そういって言っておられますし、何とか今気張って、有害鳥獣の関係も補助金もおりてきているわけですけれども、なかなかそれだけでは対応がし切れない。頭数を何とか減らしてもらえないのかなということをつくづく思います。
75: ◯桂川副委員長
丹後地域の有害鳥獣対策の現状はどうなっているのでしょうか。
76: ◯小田農林水産部副部長
丹後地域という限定であれば、また森林保全課長から説明させてもらいますけれども、全体としましては、とにかく今おっしゃられたように、捕獲をしていくということで、それぞれイノシシ、シカは、過去最大の1万3,000頭を捕獲しました。そのために猟期も延ばしたりとかしていますし、また、ハンターも養成していくということをやりました。同時に被害を少しでも食いとめるために、平成23年については当初予算、それから補正予算でそれぞれ、これも過去最大の防護柵等に係る設置費用も認めていただいて、ほぼそれも、今、集計しているところでは、大体地域のほうがかなり満遍なく防護柵等も、それぞれ被害のところについて設置ができるようなことになったと。ただ、これで完全かとは正直思っておりません。やればやるほど、結局囲えば囲うほど、囲ってないところにどうしても集まってくると。それまで被害がなかったからせんでええわと言うておったところが、結局、周りが囲ってきたことによって、被害がなかったところに、また被害が出てくるという現象も、正直出てきております。
トータルの頭数というのは、調査によるとそうは変わってないですけれども、結局、集落でえさ場になっていると。蘖(ひこばえ)ということで、稲刈りが終わった後のところに、にょきっと出てくる青いものはシカが大好物ですし、サルなんかもカキなんかをどんどん食べに来るという格好で、集落全体がえさ場になっているということからすると、これは柵をやるだけ、ハンターで捕獲するだけ、殺処分するだけではなくて、集落の住民の人たちと一緒になって、トータルの施策をして、奥山のほうに帰していくということをしなくてはいけないということを考えております。
丹後のほうは簡単に。
77: ◯吉川森林保全課長
被害の状況ですけれども、京都府下、平成22年度の被害額、農産物だけでございますけれども、6億9,500万円、うち京丹後市で申しますと約8,000万円、大体12%ぐらいの被害のシェアを占めております。
さらに、防除対策でございますけれども、今年度につきましては、全体防護柵を中心といたしまして、地域防除力の強化ということで推し進めています。基本的には、今とっております施策は、従来の電気柵、先ほども参考人さんのほうからお話ありましたように、冬場に非常に機能しなくなるということがございます。維持管理が大変であるということで恒久防護柵、ワイヤメッシュでございますとか、針金のしっかりしたものでございますけれども、雪に強いもの、そういったものを進めておりまして、今年度におきましても約5億6,200万円ほど、全体で。これ国庫交付金でございますけれども、使って進めております。
京丹後市さんにつきましては約8,300万円、約15%ほどを市さん取り組んでいただいておりまして、引き続き地域防除力の強化と、それとお話ありましたように、しっかりと生息数そのものも、確かにふえている傾向にございます。一気に被害が減らないという現状がございますので、ふえているのだろうということで推測をしております。しっかりとっていくということで、平成22年度、過去最高、シカ、イノシシ、サル等もとりましたけれども、それ以上にしっかりとっていくということで、今、平成24年度に向けて、施策を検討しているという状況でございます。
以上でございます。
78: ◯桂川副委員長
ありがとうございました。農業を進めていこうとされる方の気持ちが、それによってなえてしまわないように、しっかりとそういう対策もとっていただきたいなということをお願いしておきたいと思います。越江社長さんにおかれましては、今後も、今聞いていますと、職員さんも現地を見に行っていただいて、そういう交流もあるという話もありましたし、携帯でという話もありましたし、いろいろな課題を、また京都府のほうにぶつけていただいて、なるべくそういう課題を解決してもらえるような取り組みをまた府政の課題として進めてもらえればありがたいと思っておりますし、今後も頑張っていただきたく思います。
どうもありがとうございました。
79: 3 今後の委員会運営
(1) 管外調査
1月19日(木)から20日(金)にかけて1泊2日で実施することが報告された。
また、管外調査に係る事前調査については、本日の委員会終了後に実施すること
が報告された。
(2) テレビ常任委員会
KBS「テレビ常任委員会」の収録については、2月2日(木)午後2時ごろか
ら「新たな京都産業の確立へ~地域資源を競争力の源泉に!~」をテーマに実施す
る予定となっていることが報告された。
また、2月の閉会中の常任委員会の開催については、同テレビ常任委員会の実施
をもってかえることが了承された。
80: 4 その他
発言なし
81: 5 閉 会
秋田委員長から閉会宣告が行われた。
-以 上-
発言が指定されていません。 ↑ ページの先頭へ...