• 吉本興業(/)
ツイート シェア
  1. 京都府議会 2007-02-01
    平成19年2月定例会(第5号)  本文


    取得元: 京都府議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成19年2月定例会(第5号)  本文 2007-02-14 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 80 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長酒井国生君) 選択 2 :  ◯議長酒井国生君) 選択 3 :  ◯伝宝和平選択 4 :  ◯議長酒井国生君) 選択 5 :  ◯知事山田啓二君) 選択 6 :  ◯議長酒井国生君) 選択 7 :  ◯企画環境部長藤城進君) 選択 8 :  ◯議長酒井国生君) 選択 9 :  ◯土木建築部長森田悦三君) 選択 10 :  ◯議長酒井国生君) 選択 11 :  ◯梅木紀秀選択 12 :  ◯議長酒井国生君) 選択 13 :  ◯知事山田啓二君) 選択 14 :  ◯議長酒井国生君) 選択 15 :  ◯梅木紀秀選択 16 :  ◯議長酒井国生君) 選択 17 :  ◯知事山田啓二君) 選択 18 :  ◯議長酒井国生君) 選択 19 :  ◯梅木紀秀選択 20 :  ◯議長酒井国生君) 選択 21 :  ◯総務部長太田昇君) 選択 22 :  ◯議長酒井国生君) 選択 23 :  ◯梅木紀秀選択 24 :  ◯議長酒井国生君) 選択 25 :  ◯土木建築部長森田悦三君) 選択 26 :  ◯議長酒井国生君) 選択 27 :  ◯梅木紀秀選択 28 :  ◯議長酒井国生君) 選択 29 :  ◯角替豊君 選択 30 :  ◯議長酒井国生君) 選択 31 :  ◯知事山田啓二君) 選択 32 :  ◯議長酒井国生君) 選択 33 :  ◯角替豊君 選択 34 :  ◯議長酒井国生君) 選択 35 :  ◯教育長(田原博明君) 選択 36 :  ◯議長酒井国生君) 選択 37 :  ◯角替豊君 選択 38 :  ◯議長酒井国生君) 選択 39 :  ◯府民労働部長(山内修一君) 選択 40 :  ◯議長酒井国生君) 選択 41 :  ◯教育長(田原博明君) 選択 42 :  ◯議長酒井国生君) 選択 43 :  ◯角替豊君 選択 44 :  ◯議長酒井国生君) 選択 45 :  ◯角替豊君 選択 46 :  ◯議長酒井国生君) 選択 47 :  ◯前窪義由紀君 選択 48 :  ◯議長酒井国生君) 選択 49 :  ◯山口勝君 選択 50 :  ◯議長酒井国生君) 選択 51 :  ◯副議長(大野征次君) 選択 52 :  ◯北尾茂君 選択 53 :  ◯副議長(大野征次君) 選択 54 :  ◯知事山田啓二君) 選択 55 :  ◯副議長(大野征次君) 選択 56 :  ◯企画環境部長藤城進君) 選択 57 :  ◯副議長(大野征次君) 選択 58 :  ◯警察本部長(中澤見山君) 選択 59 :  ◯議長酒井国生君) 選択 60 :  ◯北尾茂君 選択 61 :  ◯議長酒井国生君) 選択 62 :  ◯知事山田啓二君) 選択 63 :  ◯議長酒井国生君) 選択 64 :  ◯田中英世君 選択 65 :  ◯議長酒井国生君) 選択 66 :  ◯知事山田啓二君) 選択 67 :  ◯議長酒井国生君) 選択 68 :  ◯副知事(麻生純君) 選択 69 :  ◯議長酒井国生君) 選択 70 :  ◯農林水産部長(鞍掛孝君) 選択 71 :  ◯議長酒井国生君) 選択 72 :  ◯土木建築部長森田悦三君) 選択 73 :  ◯議長酒井国生君) 選択 74 :  ◯田中英世君 選択 75 :  ◯議長酒井国生君) 選択 76 :  ◯議長酒井国生君) 選択 77 :  ◯議長酒井国生君) 選択 78 :  ◯議長酒井国生君) 選択 79 :  ◯議長酒井国生君) 選択 80 :  ◯議長酒井国生君) ↑ ページの先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1: ◯議長酒井国生君) これより本日の会議を開きます。            ──────────────────── 2: ◯議長酒井国生君) 日程に入ります。日程第1、一般質問を行います。  まず、伝宝和平君に発言を許します。伝宝和平君。    〔伝宝和平君登壇〕(拍手) 3: ◯伝宝和平君 私は、自由民主党議員団の伝宝和平でございます。  議長のお許しをいただき、一言申し上げます。  私は、昭和50年4月に木津町議会議員に初当選させていただき7期、府議会議員1期、32年間、地方議会議員として議会活動をさせていただきました。木津町及び相楽郡内の有権者の皆様方には長い間お世話になり、本当にありがとうございました。  私は、この間一貫して、ふるさとを「マイタウン」と胸を張って呼べるようなまちづくりをしてまいりました。人と人のきずなを大切にし、ふるさとを愛し、人を愛し、またスポーツに親しみながら希望の持てるまちづくりを考えて議会活動をしてまいりましたことを踏まえ、知事並びに関係理事者に質問をいたします。  3点について質問をいたしますが、答弁は明確にお願いいたします。  まず、市町村合併について質問をいたします。  私の地元では、3月12日に、木津町・加茂町・山城町の3町の合併により、いよいよ「木津川市」が誕生いたします。この合併にこぎつけるまでには、河井木津町長・難波加茂町長・藤原山城町長を初め議会の皆様方や関係各位の方々、また多くの住民の方々の御尽力と並々ならぬ努力のたまものであり、これまでこぎつけていただきました御尽力に対しまして敬意を表します。  皆さん御承知のとおり、地方分権の進展により、住民の方々の一番身近な自治体である市町村の果たすべき役割は、ますます重要になっています。少子・高齢化などによる福祉の充実が必要であります。まちづくりは人づくり、人づくりは教育からと言われ、今、教育改革が必要であります。産業の活性化により、景気の回復を行い、活力あるまちづくりが必要であります。都市基盤整備により、だれもが快適に住みよい、安心・安全なまちづくりが必要であります。などなど、多くの課題に直面している中で、新しい町に対する住民のニーズはますます多種・多様化している中、市町村はこうした変化に、住民の方々は今何を考え、何を必要とされているのか的確にとらえ、それに対応する必要があると思います。  国・地方を通じて厳しい財政状況のもと、自主・自立を求め、地方自治体はそれぞれ努力をされていますが、地方交付税の削減により、地方公共団体の財政は厳しい状況にあり、今後、なお一層、行政改革が必要と思われます。  以上のことから、京都府内においても「平成の大合併」という中、平成16年4月に京丹後市の誕生を初めとして、今日まで6地域において市町村合併が行われてきました。そして、3月12日には、木津川市の合併により、京都府下の市町村数は15市10町1村になります。住民の生活に直結する市町村の合併には、住民の方のそれぞれの思いがあり、一朝一夕にはできないものであります。合併にたどり着くまで、地域の方々のさまざまな思いや意思疎通を図るため、けんけんがくがくの議論を踏まえ、責任ある判断でそれぞれ市町村の合併をされてこられたと思います。  木津川市の合併についても同様であります。最初は相楽郡における7町村の合併協議会で、「相楽は一つ」という合い言葉のもとで、平成14年に任意合併協議会を設置して、協議・議論を重ねてまいりましたが、法定協議会へ進むことができず、結局、合併はできなかったのであります。その後、3町長で、木津町・加茂町・山城町の3町で、まず第1段階として合併を目指していこうと、平成17年4月に議会の議決のもと法定協議会が設置されました。それ以後、地域で自主的・主体的に議論に議論を重ねてこられ、木津川市の誕生になったのであります。  このように、さまざまな紆余曲折があり、長い時間を費やし合併にこぎつけたものであり、時期がずれ、木津川市の合併は今までの京都府内の6地域の合併と異なり、従来の合併と比較いたしますと、合併特例債や合併補助金等、国の財政支援の規模が縮小されており、それでも、自主・自立のために合併が必要であり、木津川市が新しいまちづくりを進めていくためには、なお一層、地域の活力のため、産業、企業の育成を行い、だれもが安心・安全に暮らせる都市の創造に全力を挙げて取り組む必要があると思います。  合併特例債や合併補助金が少なくなっても、新しいまちの自立のために合併をされる木津川市の努力、また意気込みに対し、京都府や国の支援がより以上必要だと私は思いますが、いかがでしょうか。  そこで、お尋ねいたします。合併後の木津川市がさらに発展していくためには、さまざまな分野において京都府の支援に期待されているところでありますが、合併後、木津川市に対する支援について、山田知事の御所見をお伺いいたします。  次に、関西文化学術研究都市について質問をいたします。
     当初、木津地区は、昭和48年・49年に日本住宅公団により住宅の整備のため買収に入られた地域であります。その後、京都大学の奥田先生の構想・提言により、学研都市として開発が進められることになりました。そして、昭和62年に学研都市建設促進法が施行され、20年の月日がたちました。私自身、学研都市計画を木津町のまちづくりに、また地域住民の方々のためにどのように生かすべきか、学研都市計画を利用して、すばらしいまちづくりをすべきだと、昭和50年4月に木津町議会議員に立候補させていただき、初当選させていただいたものであります。そして、現在、京都府議会議員として、学研都市の開発とともに、住民福祉の向上に、教育の充実に、地域産業の振興に、また都市基盤の整備に邁進してまいりました。今は感ひとしおでございます。  当初は夢のような計画でありましたが、元林田知事、前荒巻知事、そして現在の山田知事さんなど、歴代の京都府知事や国、経済界、そして地元の自治体など、関係者の連携と御尽力により学研都市の建設が進められてまいりました。現在では、約900ヘクタールの地区整備がほぼ完成し、地区内の人口も4万3,000人を数え、研究機関の立地もされ、ATR、国際高等研究所、地球環境産業技術研究機構、国会図書館、原研関西光科学研究所などを初め98の研究所の立地を数えています。つくば学研都市とは違い、民間の活力を生かした建設が進められてまいりました。おかげで人口も増加しており、ことし1月1日では、精華町の人口は3万5,557人、木津町の人口は4万1,317人で、いずれの町も人口急増地域であります。また、近鉄けいはんな新線が東伸してきたり、大型商業施設や病院の建設が進められてまいりました。また、NPOの活動により、住民の皆様方にとって生活しやすい魅力のある町になってきたと喜んでいる次第でございます。  3月12日には、3町の合併により木津川市が誕生いたしますが、新市の組織に「学研・企業振興課」が新たに設置されるなど、都市計画の面でも、産業振興の面でも、学研都市に対する期待は大変大きいものがあります。しかし、ここまでこぎつけるには本当に大変であったと存じます。バブルの発生、そして崩壊による都市計画の全体的なおくれや都市再生機構による木津北地区・木津東地区の事業中止、企業や研究機関の撤退、そして新たな進出など、またその上、株式会社けいはんなの経営不振による多大な赤字など多数の問題も山積していますが、このような状況の中で、京都府では、けいはんな新産業創出・交流センターの設置など研究機関や産業施設についても新たに10数件の誘致を行っていただき、地元の雇用にも成果は上がっているものの、学研地域にはまだまだ多くの研究用地が確保されており、さらに企業や生産のできるものづくり企業の誘致が必要と私は思っております。  ことしの3月には、「学研都市サード・ステージ・プラン」が策定され、今後10年間の学研都市の方向性を出され、学研都市のさらなる発展を図るため、地元自治体として京都府の果たすべき役割はますます重要であると私は思いますが、山田知事はどのようにお考えになっておられるのか。特に、企業誘致など産業機能の導入について、また、木津中央地区等の整備促進について、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、国道163号の道路整備とバイパス整備について質問いたします。  国道163号は、相楽地域を西から東へ貫き、郡内7町村すべてを通り、相楽の生命線とも言うべき道路であります。京都府南部と大阪府・三重県を最短距離で結び、産業の振興や生活道路として人と物の交流を支えるとともに、阪神圏と中京圏をつなぐ名阪国道と同様に重要な幹線道路であります。また、相楽郡の福祉・医療・教育・日常生活を支える重要な道路でもあります。3月12日に合併する木津川市においても、3町の連携を図り、今後まちづくりを進めていく上で根幹となる交通基盤の重要な道路であります。  国道163号は、このように重要な役割を担う道路であることから、京都府や国においては整備を進めていただき、現在では、ほとんど全線にわたり、2車線の幅員が確保されています。しかし、国道24号から東側の京都府管理区間では、トラック等の大型車の通行が増加し、急カーブや集落内に歩道がない区間等では死亡事故が発生するなど、交通安全上、大変危険な状態になっております。これらに対する整備は急務であります。私は、この整備の必要性を今まで訴えてまいりました。  このような状況や地域住民の方々の熱い要望を思い、京都府においては厳しい財政状況の中ではありますが、府民の皆様方の安心・安全のために、加茂町井平尾のバイパス事業や笠置町切山の集落内の歩道設置事業、道路斜面の防災事業に取り組んでいただき、また住民の方々の長い悲願でありました南山城村の北大河原バイパスに着手していただくなど、地元議員として、これらの知事の取り組みに対し、深く感謝を申し上げます。  また、住民の皆さん、そして私の要望にこたえていただき、本当にありがとうございます。これらの事業には数々の課題もありますが、一日も早い完成を心から望むものであります。  そこで、現在事業を進めていただいている加茂町井平尾バイパス等の改良事業や歩道事業、そして防災事業について、現在の進捗状況と今後の見通しについてお伺いいたします。  一方、国道24号と国道163号の重複区間の慢性的な渋滞問題についてであります。この区間は、木津町大谷交差点から山城町上狛四丁町交差点までの約2キロメートルであり、一日の通行量は約2万2,000台であり、両町の交差点の信号により渋滞が拡大し慢性的になっています。この渋滞は周辺地域の商工業者や住民の方々の生活にも大きな影響を及ぼし、沿道の環境の悪化を招いているところであります。この渋滞解消は、地元全員の皆様方の切実な願いでもあります。また、木津川市の中心的な市街地のメーン道路となることから見ても、抜本的な対策となるバイパス整備がぜひ必要と考えております。  私も地元府議会議員として、わざわざ、また機会あるごとに、地元の町長の方々とともに国への要望を重ねてきたのであり、早期の整備計画と事業化を強く望むところであります。地元住民の方々の願いであり、新市「木津川市」の発展に、ぜひとも必要な国道163号のバイパスとなる東中央線等の整備計画についてお伺いいたします。  これで私の質問は終わりますが、このような席を設けていただきました自民党議員団、そして先輩の方々に御礼を申し上げまして、私の質問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 4: ◯議長酒井国生君) 山田知事。    〔知事山田啓二君登壇〕 5: ◯知事山田啓二君) 伝宝議員の御質問にお答えします。  伝宝議員、本当に長い間御苦労様でございました。  市町村合併によって誕生する「木津川市」につきましては、3つの町が1つになることによって府南部の新たな核が生まれ、住民サービスの向上が図られますとともに、学研都市のさらなる発展など、地域の可能性が広がることを心から期待しております。ここに至るまでの伝宝議員の御尽力、そして木津町・加茂町・山城町の町長、議員、職員、住民の皆様方が、地域の将来を見据えた真剣な議論の上に大きな決断をされたことに敬意を表しますとともに、そうした住民の皆様の決断がよい結果をもたらすよう、府としても一生懸命支援してまいりたいと考えております。  これまでも、京都府は、地域における合併協議が円滑に進むよう、人的支援や財政支援を行いますとともに、合併に先行して進められている業務電算システムの統合や新庁舎の建設などの事業に対しましても、未来づくり交付金や合併推進債などの特例措置の導入により、支援を実施してまいりました。合併につきましては、メリットとともにデメリットもありますだけに、今後とも新市において、住民の協働のもとに合併によるデメリットをできるだけ抑えながら、広域的な視点に立った地域活性化のための施策展開、行財政基盤の強化による行き届いた行政サービスの充実などのメリットを最大限に生かした新しいまちづくりが進められますよう、未来づくり交付金、そして新たに来年度からお願いをしております「地域力再生プロジェクト事業」などの各種施策を活用しながら、積極的に応援してまいりたいと考えております。  また、合併後の地域の一体性を確保し、将来のまちづくりを効果的にするためにも、地域の皆様からは、国道163号等の基盤整備について強い要望が寄せられているところでございまして、これにつきましても、新市そして国とも連携をしながら、積極的に取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。  木津川市の未来がより豊かなものとなるよう、これからも京都府としても全力をもって支えていくことをこの場でお誓い申し上げたい、このように思います。  その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。 6: ◯議長酒井国生君) 藤城企画環境部長。    〔企画環境部長藤城進君登壇〕 7: ◯企画環境部長藤城進君) 学研都市についてでありますが、これまでの厳しい社会経済情勢の中にあっても、東の筑波と並ぶ国家プロジェクトとして、未来の関西を担う研究拠点として着実に進展してまいりました。しかしながら、バブルとその崩壊、財政の逼迫に伴う基盤整備等のおくれや、企業行動の変化による研究施設の撤退と新たな進出など都市の新陳代謝、さらに株式会社けいはんなの経営問題などが生じているところであります。  京都府では、このような状況に的確に対応し学研都市をさらに飛躍させるため、府の果たすべき役割を明確にした「学研都市新時代プラン」を策定するとともに、中国・中関村との交流提携等の国際化、あるいは知的クラスター創成事業等産学公連携の推進、新産業創出・交流センターの設置などの取り組みを展開してまいりました。  産業機能の導入につきましては、学研都市の理念やバランスに配慮しながら、従来の研究所に限らず、研究成果を活用できる研究開発型産業施設の誘致を推進しているところであります。  好調な景気の追い風や立地補助制度、けいはんな線等交通基盤整備の効果も相まって、この2年間でも大学・研究施設を5件、研究開発型産業施設を10件誘致いたしまして、本年中には立地施設数が100を超える見込みであります。  次に、木津地区につきましては、国の「学研都市サード・ステージ・プラン」でも、主要なクラスターとして文化学術研究施設や研究開発型産業施設の整備を進めると位置づけられております。都市再生機構法改正によりまして、ニュータウン建設が平成25年度で終了することから、現在、木津中央地区の推進に全力で取り組んでいるところであり、木津地区まちづくり検討委員会の整備構想の考え方に基づき、都市再生機構が本格的な工事に向け計画を策定中でありまして、本府においても、関連する基盤施設整備について、国、地元町とも連携しながら推進してまいりたいと考えております。  これまでから、学研都市の最大の土地所有者である都市再生機構が重要な役割を果たし建設推進を図ることを、機会あるごとに国に対して要望してきておりますけれども、引き続き、早期整備を強く求めていきたいと考えております。  今後とも、時代の変化を先取りし、サード・ステージ・プランで示された国際研究開発拠点としての将来像をしっかりと踏まえ、都市の理念が生かされるまちづくり、施設立地の早期実現、株式会社けいはんなの経営再建が進められるよう、国や地元市町、関係機関と密接に連携しながら取り組んでいきたいと考えております。 8: ◯議長酒井国生君) 森田土木建築部長。    〔土木建築部長森田悦三君登壇〕 9: ◯土木建築部長森田悦三君) 国道163号の道路整備についてお答え申し上げます。  国道163号は、相楽地域を横断する唯一の幹線道路であり、地域の安心・安全の確保を図るため、地域の実情に合わせた道路整備を積極的に進めているところでございます。  まず、改良事業についてでございますけれども、加茂町の井平尾バイパスでは、昨年末に懸案事項の一つでありました移転補償契約を締結し、現在、橋梁の下部工事等を実施するとともに、トンネル工事の契約手続についても現在行っているところであります。  さらに、今年度事業着手いたしました南山城村の北大河原バイパスでは、詳細設計及び土質調査等を実施中でございます。  次に、交通安全対策でございますけれども、笠置町切山地内及び南山城村の今山地内におきまして、歩道整備と車道拡幅工事を実施し、両区間合計約3キロメートルのうち、既に約1キロメートルを供用しております。さらに、和束町木屋地内におきましても、今年度から事業に着手し、年度内には用地測量を完了する予定でございます。  さらに、防災対策といたしましては、来年度も引き続きまして、山城町上狛から加茂町西までの区間の危険箇所解消に向けまして、事業の進捗を図る予定としております。  次に、国道24号と国道163号との重複区間の渋滞対策についてでありますけれども、本区間は、周辺に木津川を渡河する橋が24号の泉大橋1橋しかなく、このために交通が集中し、さらに今後の学研都市等の進展に伴いまして、一層交通量が増加することが予想されておるところでございます。  京都府といたしましては、重複区間の渋滞対策とともに、学研木津中央地区の建設を促進し、木津川市の新たなまちづくりを支援する観点からも、木津川を渡る新しい橋を含めた都市計画道路・東中央線等の整備が必要と考えておりまして、引き続き、府議会の御支援を得るとともに、地元とも連携をしながら、国及び都市再生機構による整備を強く要望してまいりたいと考えております。  以上でございます。 10: ◯議長酒井国生君) 次に、梅木紀秀君に発言を許します。梅木紀秀君。    〔梅木紀秀君登壇〕(拍手) 11: ◯梅木紀秀君 日本共産党の梅木紀秀です。通告しております数点について、知事並びに関係理事者に質問します。  まず、過疎地域住民への生活支援の問題についてです。  私の地元左京区には、花背峠を越えて、花背、広河原、久多、また大原百井町など高齢化が進む過疎地域があります。昨年8月、左京区広河原の松上げの日に、松上げ保存会の皆さんと知事との「和ぃ和ぃミーティング」が開かれ、参加された皆さんは随分喜んでおられました。その広河原も、私が議員になった12年前には元気だった方々が年を重ねて、高齢化が進み、ひとり住まいの女性もふえています。年末に雪が降り積もるこの地域で、「あと10年後、この集落はどうなるのだろうか」という古老の悲痛な声をお聞きしました。日本全国、京都府内で、同様の声が上がっています。  国による市町村合併の押しつけ、地方交付税の削減、農協・郵便局の廃止・統合、品目横断対策による農業と農村の切り捨て、さらに通院・通学のバス路線の廃止・縮小、医師不足などが容赦なく過疎地域を襲っています。抜本的な政策転換が必要ですが、喫緊の課題として、京都府が過疎地域に暮らす人々の生活をどう支援するのかという課題について、提案を含めて質問します。  65歳以上の人口が50%を超える集落を「限界集落」と呼ぶそうですが、京都府には幾つあるのでしょうか。京都府として、存続の危ぶまれる農村地域の実態をどう把握しておられるか、まずお聞きします。  埼玉県では、「農村魅力づくり室」という担当課が集落単位の高齢化率を調べています。その調査によると、埼玉県では、平成10年度、限界集落が13であったものが16年度には27に倍増していること。予備軍である高齢化率40%以上の集落も34から62にふえているなど、実態を把握しています。また、鳥取県では、19ある限界集落について、県と関係市町が共同で、昨年、集落の生活実態調査に着手しています。このような実態の調査・把握が必要だと思いますが、いかがでしょうか。  綾部市では、昨年12月議会で「水源の里条例」を制定しました。世帯数20戸未満、高齢化率60%以上の水源の集落を対象に、定住対策、特産物の開発・販売、都市との交流、通信・保健・医療などの基盤整備を市が支援します。今後の展開が注目されますが、京都府として、このような取り組みを支援することが必要だと考えます。  そこで、来年度予算で、市町村未来づくり交付金に「地域力再生推進枠」3億円が提案されていますが、過疎地域への支援については、どのように考えておられるのでしょうか。  また、地域力の再生を図るためには、地域力が衰退した原因の分析が必要ですが、そもそも過疎地域の地域力が衰退した原因について、知事はどのように分析しておられるか、考えをお聞かせください。  過疎地域に行きまして、住民の皆さんの要望をお聞きしますと、農林業の振興、有害鳥獣対策の強化、生活道路の整備、福祉や医療、通院の足の確保など、多様かつ切実であります。ところが、これに対応する行政が縦割りで、横断的に対応できていないという問題があります。例えば、携帯電話の要望は、広河原の「和ぃ和ぃミーティング」でも出されましたが、切実な要望です。「携帯電話が通じないから電話を貸してほしい」と町から来た人に頼まれれば断ることができない。ところが、家の中に上げるわけですから、ひとり暮らしの女性などは怖くてたまらないのです。孫たちも、携帯が通じない、メールが通じないと不便がります。このような農村に暮らす住民の視点から、関係企業に働きかける行政の担当窓口はといえば、残念ながら明確ではありません。  また、一昨年は12月から大雪が降りました。高齢化した集落では雪かきが大変でした。京丹後市弥栄町では、合併前には消防団や町の職員が心配してくれて雪かきの援助もあったそうですが、合併後、京丹後市役所に電話したところ、「屋根屋さんを紹介しましょうか」とのことだったそうです。わずかな年金で何万円もの雪かきの費用負担は大変です。  そこで私は、丹後広域振興局に、「台風23号被害の際、京都市内からボランティアが支援に駆けつけた実績があるけれども、雪かきボランティアを組織できないか」と聞いてみました。返事は、「雪かきは危険で、ボランティアというわけにはいかない。申し出があったがお断りした」とのことでした。私の地元左京では、「スノーバスターズ」という名称で雪かきボランティアが組織されています。課題はあるでしょうが、できない話ではありません。過疎地域に暮らす府民の視点から出発して、生活を支援する担当窓口が市町や府に必要なのではないでしょうか。  鳥取県では、「地域自立戦略課」に「中山間地域振興担当者」を配置し、先ほど紹介しました生活実態調査を行うとともに、部局横断的なワーキンググループをつくって政策検討を行っています。「あと10年後、この集落はどうなっているのだろうか」との不安にこたえるために、担当窓口と部局横断的なプロジェクト体制が必要です。いかがでしょうか。  以上、知事の答弁をお願いします。 12: ◯議長酒井国生君) 山田知事。    〔知事山田啓二君登壇〕 13: ◯知事山田啓二君) 梅木議員の御質問にお答えいたします。  65歳以上の人口が過半数を占める、いわゆる「限界集落」につきましては、センサスでは京都府内に96集落あったところでありまして、そこに生活する人々は約4,800人でございます。こうした限界集落を含めまして、過疎化・高齢化の進行の著しい地域では、医療施設や高齢者の福祉施設が少ない、集会施設等のコミュニティー施設が少ない、道路、情報、上下水道等の社会的インフラの整備がおくれているなど、多くの課題が指摘されております。また、過疎市町村の集落を対象としましたアンケート調査では、対象となりました府内577の集落のうち55の集落で「集落機能の維持が難しい」、あるいは「低下している」という回答があったところであります。  こうした中、集落の状況を熟知している市町村におきましては、地域の実態を踏まえながら、過疎地域自立促進計画や山村振興計画等を策定いたしまして、集落排水や集落道などの生活基盤整備、野菜など収益性の高い農業の導入、多様な地域資源を生かした農林産物の加工や販売など2次化、3次化の努力、そして、都市と農村の交流事業などの取り組みが展開されているところであり、京都府といたしましても、こうした市町村の施策を積極的に支援してまいったところであります。  しかし、東京への一極集中が再び進むなど、大きな地域間格差が生じる中で、都市部への人口集中がまた進行をし始めております。それに対し、過疎の小規模市町村では、福祉施策や社会資本整備に対応する行財政基盤が弱く、さらに、かつての基幹産業であった農林水産業の停滞など雇用の場も厳しさを増しており、こうした中で、過疎の流れが依然としてとまらないことが大きな課題になっております。  このため、京都府といたしましても、それぞれの地域の特性を生かし、地域の主体的な力を高めながら府域の均衡ある発展を図るため、情報、交通基盤整備など、地域間の格差を縮小させる取り組みを進めるとともに、広域振興局が市町村と連携し、幅広い地域の人たちから成る委員会により実情を十分お聞きする中で、地域振興計画を策定し、さらに地域戦略予算などにより、積極的な対策を講じてまいりました。あわせて、国に対しましても、一極集中の是正に向けた取り組みの一層の強化を強く働きかけているところであります。  19年度予算編成の基本方針で掲げた「地域力の再生」は、まさにこうした観点を踏まえたものであり、市町村未来づくり交付金を拡充し、新たに設けました「地域力再生推進枠」につきましても、地域団体等が行う地域の活性化、地域福祉の向上、安心・安全な地域づくりなど、地域社会に貢献する地域の住民の皆様の活動を支えていこうというものであります。  また、これらの施策の推進に当たりましては、部局を超え、迅速かつ的確に地域の課題に対応できるよう広域振興局に権限を集中し再編したところでありますが、今後とも、振興局を核に府庁各部が連携し、さらに市町村との協調のもと、過疎地域を含めた地域活力の強化と府民生活の向上に向けて、積極的に取り組んでいるところであります。 14: ◯議長酒井国生君) 梅木紀秀君。    〔梅木紀秀君登壇〕 15: ◯梅木紀秀君 知事から、限界集落について、96集落、4,800人が住んでおられるということをお聞きしました。実は、この質問を準備する前に農村振興課の方にお聞きをしましたら、直ちにはこの数字は出てこないということで、先ほどお答えになりました96集落というのは、2000年農業センサスから、集落内の農家人口において65歳以上の人口割合が50%以上の集落を抽出したものということで私は報告を受けました。その数字だというふうに思いますけれども、私は、まず実際に過疎地域に暮らす皆さん方がどういう生活実態にあるのかということを調査するべきだと。その点で、鳥取県が既にやっているわけですから、これを参考して、ぜひとも着手をしていただきたいというふうに思います。  それで、特に先ほど申したように、部局横断的なプロジェクトチームをつくっていくということが、今の重要な課題にこたえていく道ではないかというふうに思います。  そこで、私の地元の広河原まで知事に来ていただいて、いろいろお話をされた。本当に地元の皆さん方も喜んでおられるわけですけれども、広河原に行ったときに、どういうようなことを感じられたか、また府内のそのほかの地域にも行っておられると思いますけれども、率直なところで、そういう過疎地域、高齢化が進む地域で、知事がどういう感想を持っておられるか、そのあたりを再度お聞かせいただきたいというふうに思います。 16: ◯議長酒井国生君) 山田知事。    〔知事山田啓二君登壇〕 17: ◯知事山田啓二君) 広河原に参りましたときの私のお話をお聞きしたときの思いですけれども、まさに、非常に厳しい条件の中で集落を維持するとともに、地域の連帯感をさらに高めるために松上げを中心として頑張っておられます、こうした人々を私たちは少しでも支えていきたいという思いがあります。  そこで、今回、地域力の再生枠という形で、そうした地域に応じて積極的にきずなを高めながら地域の活動を頑張っていらっしゃる方を応援できる仕組みをつくるということは、これは広河原に行った私の一つの結論でございます。それだけに、今回のものにつきましては、京都市内も対象にすることにしているわけでありまして、これからも私は、地域のきずなと信頼関係を保つために本当にやっていかなければならない部分については積極的に応援をしていく、そういう思いで今議会にも予算をお願いしたところであります。 18: ◯議長酒井国生君) 梅木紀秀君。    〔梅木紀秀君登壇〕 19: ◯梅木紀秀君 どうもありがとうございました。私は、やっぱり過疎地域に行きますと、ひとり暮らしの女性が台風の夜に、本当に心細い思いをしている、大雪が降ったら、その降り積もった雪の重みで家がミシミシという音を聞く、その孤独感というのは大変だというふうに思います。それが、息子さんたちがなかなか帰るわけにはいかない。これ、出てこいというわけにもいかないわけですから、大変重要な課題だというふうに思います。ぜひとも、これは府の方で、市町村とも協力して取り組んでいただきたいというふうに思います。  それでは次に、私学助成について伺います。  私学助成を進める会から、昨年末に、私学助成の充実を求めて約48万人の要請署名が知事あてに提出されました。その第1項目で、授業料直接助成について、1つ、所得の少ない世帯に大幅に上積みをすること、2つ、所得制限をなくすことを求めています。全国私立学校教職員組合の「学費滞納調査」によれば、昨年9月末時点で私立高校生の学費の滞納と経済的理由での中途退学者は、1999年の調査開始以来2番目の多さになっているということです。京都府内の私学でも、昨年、経済的理由による退学者は35名に上っています。  そこでまず、所得の少ない世帯への支援の問題についてです。公立高校の場合は、授業料減免制度があります。昨年末、京都新聞は「京都府内の公立高校の授業料の減免を受ける生徒の割合が過去最高になった」と報道しました。貧困と格差の拡大の影響です。府立高校の生徒の13.6%、5,234人が減免を受けています。一方、私学の場合、授業料減免は学校が減免する場合に府が補助するという制度になっており、昨年度は減免を受けた生徒は1.7%、395人です。減免を受けた生徒が府立高校では7人に1人に対して、私学では60人に1人で極端に少なくなっています。私学に通う生徒の家庭がすべて裕福なわけではありません。制度に問題があると思うのです。  以前から私も提案してきましたが、京都府が直接所得の少ない世帯を支援する制度が必要なのではないでしょうか。大阪府の場合、生活保護世帯で最高35万円など所得の少ない世帯には上積みして、府が直接授業料補助を行っています。「授業料直接補助を所得の少ない世帯に大幅に上積みしてほしい」という48万人の声にこたえるべきです。いかがですか。  次に、所得制限をなくす問題です。京都府の授業料直接補助は、制度創設以来、全生徒に補助されていましたが、1999年度から所得制限が導入されました。その結果、所得証明書類を添付して申請しなければならなくなり、現在では、全生徒の6割から7割しか授業料直接補助を受けていません。助成を受けていない世帯がすべて所得1,200万円以上とは思えません。申請主義になったために、補助を受けていない生徒が出ているのです。所得制限をなくすべきです。授業料直接補助の総額は、所得制限を設ける以前の平成5年度14億6,000万円でしたが、平成17年度は7億7,000万円で半額になっています。所得制限を外して全員に補助するための所要額は、文教課によれば11億2,000万円です。48万人の署名にあるように、所得制限を外して全員に補助する制度に戻すべきです。いかがですか。  以上、お答えください。 20: ◯議長酒井国生君) 太田総務部長。    〔総務部長太田昇君登壇〕 21: ◯総務部長太田昇君) 私学助成についてでありますが、私立学校が授業料減免等の修学支援を行うに当たりましては、設置者である私学の責任と判断に基づき、私学に対する修学相談・指導と相まって進められることが適当であり、京都府といたしましては、こうした学校の取り組みを支援するというのが基本であると考えております。  このような考え方に立ち、府としては国に先駆けて授業料減免補助制度を創設し、これまでから、補助対象・補助率・補助限度額の拡充・改善に努めてきたところでありまして、現在、補助率については低所得者世帯で実質6分の5、失職・倒産等で実質8分の7、補助限度額についても最高で50万円と大変手厚い制度となっております。この結果、現在、すべての私立学校において減免制度が設けられたところでありまして、今後とも、引き続き、その活用について周知徹底を図ってまいりたいと考えております。  次に、学費軽減補助についてでありますが、平成11年度から、所得に応じた実質的な公平性を確保する観点から所得基準を導入いたしましたが、その内容は、学費負担者の年収が1,200万円以下の生徒を補助対象とする、極めて緩やかな要件に該当する幅広な補助を行っております。  このように、私学助成につきましては、学費軽減補助、授業料減免補助のほか、平成17年度に創設した全国的にも高い水準にある高校生等修学支援事業を活用していただければ、年間納付金全額をほぼカバーできる額にありまして、全国的に見て、高い水準の修学支援を行っていると考えております。 22: ◯議長酒井国生君) 梅木紀秀君。    〔梅木紀秀君登壇〕 23: ◯梅木紀秀君 今、総務部長の答弁では、設置者の学校に対する支援を行っているということでした。私は、その制度を全部やめろというふうなことではなしに、今、隘路になっているところを指摘したわけです。ワーキングプアの番組がNHKでも放送されました。その中で、母子家庭の実態が放送されましたけれども、本当に大変な状況になっているわけです。その中で、35人、やはり経済的理由で退学をしている、そういう生徒がいるわけです。そこのところはどういうふうに援助するのかということが問題になっているということです。  確かに、修学資金、支度金も含めまして、来年度の予算でも15億円組まれています。これは奨学金の貸し付けということで、基本的にはローンになるわけです。結局、17年度の場合でも12億円の実績があるわけですけれども、それは卒業と同時に返済しなければならない、そういうお金になるわけです。社会人になると同時に借金を背負っていくというだけでは不十分だというふうに思います。それは、全体で私学助成の充実、教育費負担の軽減ということが大変な課題なわけでありますけれども、せめて中途退学しなくてもいいように直接生徒に補助する制度が必要だということを改めて指摘しておきたいと思います。ぜひとも検討をしていただきたいということで、次の質問に移ります。  次に、府営住宅の問題について質問します。  昨年9月議会で、我が党の久守議員が府営住宅の新規建設を求めたのに対して、知事は、府営住宅の「新規建設は必要ない」という答弁をされました。11月の決算特別委員会で、平成17年度の府営住宅への入居申し込み状況を聞いたところ、住宅課長は「604戸の入居募集に対して5,142世帯の応募があった」と答弁しました。実に、8.5倍の倍率で、申込者の9割、4,538世帯は入居できなかったのです。府営住宅が足りないことは明らかです。貧困と格差の拡大の中で、安くて良質な公営住宅の供給が求められているのです。ところが、知事は府営住宅を建てようとしない。これは、府民の願いに反するものです。  逆に、知事は府営住宅を建てるのではなく、入居世帯の収入基準を厳しくすることで、入居者に府営住宅からの退去を求めてきたのです。平成8年の公営住宅法の改悪で、一定収入のある働き盛りの世帯が府営住宅から退去させられました(発言する者あり)。これ、事実ですからね。その結果、私の地元の府営岩倉団地では、年々お年寄りや障害者の比率が高くなり、入居世帯の40%、ほぼ2軒に1軒が65歳以上の方のひとり住まいになっています。  決算特別委員会で、「火災や地震のときに、お年寄りの命を守れるのか」と質問しましたところ、住宅課長は「自治会を中心にやっていただけるものと承知している」と答えましたが、国と府の政策によって自治会の担い手がいなくなっているのです。いざというときに、だれがお年寄りを助けるのですか。知事は「安心・安全」ということを強調されますが、万が一のとき、だれが府営住宅のお年寄りを守るのか、府の責任について(発言する者あり)-それができない言うとるやないか。改めて知事の認識を伺います。
     国土交通省は公営住宅法施行令を改定し、入居世帯の収入基準を現在の政令月収20万円から15万8,000円に引き下げて、働き盛りの世帯をさらに追い出そうとしています。標準家賃も政令月収15万8,000円の世帯で、月4万5,000円から5万1,200円に17%も大幅に引き上げようとしています。収入の3分の1もの家賃負担になります。これでは、ますます自治会活動を担う世帯はいなくなり、府営住宅のコミュニティーが破壊されるではありませんか。これでは、来年度予算で知事が掲げている「地域力の再生」どころか、「地域力のさらなる破壊」ではありませんか。このような収入基準の引き下げと家賃の値上げは撤回するよう、国に求めるべきです。  また、先ほど指摘したように、現に高齢化が進み、火災や地震のときの安心・安全だけでなく、毎月の清掃活動にも支障を来しています。住民からは、清掃活動について府の責任範囲を拡大してほしいという要望やエレベーター設置など、強い要望が出されています。府営住宅の「地域力の再生」について、知事はどのように考えておられるのか、考えをお聞かせください。  また、府営住宅の高齢化率について、住宅課は「全体では20%で、一般と変わらない」と答えましたが、全体ではなく、個別具体的な府営住宅の実態を十分に把握することが必要です。必要な実態調査を行うとともに、団地住民及び自治会の役員さんから積極的に要望を聞き、地域力の再生を図るべきです。そして、何よりも府営住宅の新規建設を進めるべきです。  10年前の住宅建設費は1年間に115億円でしたが、昨年度はその5分の1以下で、20億円にまで削減されているのです。山田知事になって4年間の合計でも住宅建設費は102億円で、10年前、1年間の額にも足りません。府営住宅の新規建設を進めることで入居希望者の要望にこたえるとともに、地域コミュニティーの再生を図るべきです。  以上、答弁を求めます。 24: ◯議長酒井国生君) 森田土木建築部長。    〔土木建築部長森田悦三君登壇〕 25: ◯土木建築部長森田悦三君) 府営住宅の管理についてでありますけれども、府営住宅は日常生活の場であり、自治会の果たされている役割は大きいものと認識しております。自助・共助・公助の観点により、それぞれの果たすべき役割に基づき、京都府といたしましても、引き続き努力してまいりたいと考えております。  なお、入居者の募集に当たりましては、公募を原則としておりますので入居者を特定することは困難でありますけれども、新婚世帯や子供の多い世帯に対する優先入居に取り組むとともに、小学校就学前の子供さんのいる世帯の入居収入基準の緩和などにより、高齢者だけでなく若い世帯の入居を図り、地域コミュニティーの形成に一定寄与しているところでございます。  また、府営住宅の高齢化の実態について、地域ごと、団地ごとに差異があることは承知をしており、既存住宅へのエレベーターの設置、一定の条件に該当する方には申し出により低層階へお移りいただくなどの対応を進めているところでございます。  昨年8月に国土交通省から示されました公営住宅の管理制度の見直し案につきましては、世帯収入や民間賃貸住宅の家賃水準の変化に伴い、最低居住水準の住宅を市場マーケットにおいて自力で確保し得る者も対象となる水準となっており、その結果、真に住宅に困窮する多くの入居希望者が入居できない状況にあるためと伺っておりますけれども、見直し内容につきまして、国においてさらに検討することとされております。  次に、府営住宅の新規建設についてでありますけれども、住宅ストックが量的には充足をする中で、公営住宅の役割は、マーケット、市場をメーンとする視点から、住宅市場の適正な形成を誘導しながら、民間では十分に対応できない低額所得者に対する住宅供給を担うことと認識しているところでございます。  したがいまして、京都府といたしましては、空き家募集等の既存ストックを活用することなどを基本に、今後とも、真に住宅に困窮されている方に的確に対応していきたいと考えているところでございます。 26: ◯議長酒井国生君) 梅木紀秀君。    〔梅木紀秀君登壇〕 27: ◯梅木紀秀君 部長、お答えになりましたけれども、府営住宅の役割を、いわゆるセーフティーネットということで、真に困窮する世帯に対してという方向転換してから、府営住宅のコミュニティーとしてのまとまりがどんどん破壊されてきている。そういう中で、どう地域力を再生するのかということが課題になってきているということを私は申し上げているわけで、これは根本的な政策の転換が必要なわけでありますけれども、その中で、特に十分に住民の皆さん方の声を聞いていただきたいということは、これはできることですから、ぜひともお願いをいたします。  ぜひとも知事に、府営住宅の役員さんとの「和ぃ和ぃミーティング」を開いていただきたいということを要望しておきます。  最後に、8日の本会議での公明党・佐藤議員の子供の医療費にかかわる我が党へのいわれなき発言について一言申し上げます。  まず、「蜷川時代になぜ制度化できなかったのか」という発言についてですが、議事録を精査していただきたい。1972年9月議会で日本共産党の浅川亨議員が、京都府議会で初めて乳幼児医療費助成を要求し、翌12月議会で蜷川知事が「十分検討してみたい」と答弁し、制度化に向けて医師会との調整に入るのです。制度化を前にした1978年に自民党府政にかわります。ところが、自民党府政になって制度化されたのは1993年で、15年もかかりました。この間、我が党は一貫して制度化を求めてきましたが、公明党は一体何をしてきたのか、このことこそ問われます。  もう1つ、「予算案に反対したから実績とは言えない」という発言についてです。御承知のとおり、予算案は一括採決です。予算案には、府民の暮らしの視点から、賛成する部分と賛成できない部分があって当然です。我が党は、何でも賛成でも、何でも反対でもありません。だから、議案討論で、賛成、反対を明確にした上で、予算案全体についての態度を表明しているのです。これは議会の常識です。  かつて公明党も、国会で野党だった時代、予算案に反対していましたが、この間は実績がなかったのでしょうか。このことを指摘して、私の質問を終わります。(拍手) 28: ◯議長酒井国生君) 次に、角替豊君に発言を許します。角替豊君。    〔角替豊君登壇〕(拍手) 29: ◯角替豊君 公明党府会議員団の角替豊でございます。私は、通告に従い、知事並びに関係理事者に、分割方式で質問を行います。  まず最初に、医療問題についてであります。  「Man is mortal」、学校で英語を習い始めたころに暗唱したこの文のとおり、人はまさしく「死すべきもの」であります。その死因として、がんはふえ続けています。今や日本では2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡し、そして10年後には2人に1人ががんで死亡するようになるだろうと予測されているのであります。このような状況に対処するべく「がん対策基本法」が制定され、いよいよ今年4月から施行されることとなりました。本府ではこれを受け、国から「都道府県がん診療連携拠点病院」に指定された府立医大附属病院を中心に、「がん拠点病院整備事業」に取り組まれようとしているところであり、その成果が大いに期待されています。  その中で、私は、特に「緩和医療」の推進についてお尋ねをいたします。  がんは脳梗塞や心臓病などと違って、突然に死に見舞われる疾病ではありません。しかし、がん患者は死に向き合いながら長い年月を過ごすことになります。そして、その時間は、人生最後の数年間ということになるかもしれないのであります。その間にがん患者が直面する不安や苦痛など、身体的、心理的、社会的、その他さまざまな問題に対処するには、それにふさわしい適切な支援が必要となりましょう。ここに、「病気とその治療」という視点だけでなく、「患者の生活の質」に目を向けることが求められる根拠があるのであります。  緩和医療は、従来、終末期におけるがんの激しい痛みに対処するものという、限定的な見方をされてきた面があるように思います。しかし、実は「終末期」と「激しい痛みへの対処」というだけにとどまらないのが「緩和医療」なのであります。がん対策基本法にも「がん患者の療養生活の質の維持向上」として、「疼痛等の緩和を目的とする医療が早期から適切に行われるようにすること、居宅においてがん患者に対しがん医療を提供するための連携協力体制を確保すること」がうたわれているゆえんでありましょう。  私は、既に平成9年9月定例会の代表質問で、緩和医療の推進について質問をいたしましたが、がん対策基本法施行を控えた現時点で、施設や在宅で取り組まれる本府の緩和医療について、基本的な考え方や理念、現状と今後の推進体制や目標などを改めてお尋ねいたします。  ところで、緩和医療を必要としているのは、がん患者だけに限らないと私は思います。それ以外にも、原因がわからず治療方法も確立されていない多くの難病患者さんとその家族の方々なども、同様の困難に直面していることは言うまでもありません。また、これはイギリスの事例なのでありますが、終末を自宅で迎えることを選択したがん患者のところには、「近くの病院の緩和医療のコンサルタントが始終訪ねてきてくれた」。それに対して、がんではなく別の肺の病気で死んだ人の方は、「18カ月間自宅で寝ていたにもかかわらず、地域の看護婦がたった5回しか訪ねてこなかった」という報告がございます。私は、これは明らかに一つの矛盾であり、私たちの課題であると思うのであります。  これらがん患者以外の方々への、いわゆる「緩和医療」の推進についても、今から検討されるべきではないでしょうか、御所見をお伺いいたします。  次に、「笑いの医療効果」というテーマについて質問いたします。  「笑いは最高の抗がん剤」、3年生存率5%という「肺小細胞がん」から生還して元気に活躍している、全日本社会人落語協会副会長の樋口強氏はこう言っています。また、「病院寄席」を開催している、中央群馬脳神経外科病院の中島英雄理事長は、笑いの前後の血糖値変化の実験を通して、「運動効果・免疫効果・脳内麻薬効果」という3つの笑いの効果・効用を紹介しています。そして、関西大学の木村洋二教授は、チャップリンの映画を見せることによって、アトピー性皮膚炎の患者の免疫力を高め、炎症を軽減させた友人の医師の事例を紹介しています。さらに、吉野槇一日本医科大学名誉教授は、落語を聞いた後のリューマチ患者の体の不調和の正常化を報告しているのであります。  私は、「笑い」の効果・効用を積極的に医療に生かしていこうという、これらの取り組みに大きな魅力を感じますし、注目したいと考えます。そして、本府においても、このような取り組みを推進していただければすばらしいことだと思います。いかがでございましょうか、御所見をお聞かせください。  まず、以上をお尋ねいたします。 30: ◯議長酒井国生君) 山田知事。    〔知事山田啓二君登壇〕 31: ◯知事山田啓二君) 角替議員の御質問にお答えいたします。  緩和医療についてでありますが、がんによる死亡が年々増加する中、緩和医療は告知時から精神的・身体的苦痛の軽減を図り、療養生活の質を確保する重要な役割を担っていることから、今後、一層の普及を図ることが必要と考えているところであります。まさにクオリティー・オブ・ライフ、人間の尊厳の問題だというふうに思っております。  京都府における緩和医療につきましては、まず、都道府県がん診療連携拠点病院であります府立医大の附属病院において、麻酔科医や精神科医、がん専門認定看護師等から成るケアチームによる緩和医療を提供してまいりました。また、1月末に指定された地域がん診療連携拠点病院におきましても、専門職種チームによる緩和医療を実施するとともに、府立医大附属病院を中心にしたネットワークを構築しながら緩和医療を推進することにしているところでありまして、ようやく今、地域における緩和医療について始まってきたというふうに考えております。  そうした中で、私どもはさらにこうした動きを推進させるために、在宅における緩和医療の充実が必要でございますので、各拠点病院では地域のかかりつけ医と連携しながら緩和医療を推進することにしておりまして、府としては、今後こうした活動を支援していきたいといふうに考えております。  他方、難病などがん以外の患者に対する緩和医療につきましては、府立医大や宇多野病院などの難病医療協力病院を中心にして、療養生活の質を向上するために、とりわけ神経難病などにあらわれる疼痛等に対し、モルヒネや抗うつ剤などの薬物を使用して緩和療法が推進されているところであります。  さらに、平成17年度に設置した「京都府難病相談・支援センター」におきまして、医師・看護師による難病の特性に応じた専門的医療相談等を通じて、療養上のさまざまな悩みや不安の軽減を図るとともに、各保健所におきましても、難病相談会や交流会の開催等、患者・家族を支援しているところであります。  今後、がん患者や難病患者に対する緩和医療については、がん診療連携拠点病院、難病医療拠点病院や相談・支援センターを核といたしまして、関係医療機関との連携のもと、施設ケアの充実に努めますとともに、在宅における緩和医療につきましては、今議会に予算をお願いしております認定看護師の養成や在宅ホスピスケア研修の実施等により、充実・強化を図ってまいりたいと考えております。  次に、医療分野における「笑い」の効果・効用についてでございますけれども、今、議員から御紹介がありましたように、府といたしましても、これまで保健所等におきまして、笑いによります脳の血流増加を活用した認知症の予防などに取り組んでまいりました。府と京都大学、そして民間とで開催しております「京都文化会議」の席上におきましても、一昨年、これは遺伝子分野におきましての世界的権威であります国際科学振興財団の村上和雄先生から、「こころといのち」という題で、笑いが遺伝子に与える効果について御講演いただいたところであります。先生は、筑波におきまして、血糖値の高い糖尿病患者に対して吉本興業と組んで実験しましたところ、患者さん21人全員血糖値が下がったという結論を得た。ところが、これを新宿でやりましたら、今度は下がらなかったという中で、まだ未解明な部分が大変多いようですけれども、何らかの形で笑いが体にスイッチを入れるということをおっしゃっておられました。  こうした分野についても、私たちはしっかりと見ていかなければなりませんし、先ほど申しました文化会議を続けてきた中で、やはり心の問題というのは、行政にとりましてもこれから大きな課題だろうというふうに思っておりまして、この文化会議の成果としまして、京都大学におきましても、心と体の問題を総合的に研究する「こころの未来研究センター」の設置準備を進めておられますので、京都府も協力をしていくつもりであります。それと同時に、今後とも、保健所等で個性ある取り組みを進めていく中で、関係機関の意見を踏まえながら、笑いの効用というものを多くの方々に味わっていただけるようにしていきたいと思っております。 32: ◯議長酒井国生君) 角替豊君。    〔角替豊君登壇〕 33: ◯角替豊君 御答弁をいただきました。ぜひ、患者・家族の立場・気持ちというものを酌んで、その立場から一層推進していっていただきたいというふうに思います。お願いをしておきたいと思います。  私は、「緩和医療」という問題にしろ、それから「笑いの医療効果」という点にしろ、病気だけを見るのではなくて、病人の生活を見ていく。QOLという視点もそのとおりだと思いますが、こういうことが非常に大切な視点であり、もっともっとそこから取り組まれる必要があるだろうというふうに思っておりまして、その観点からも、ぜひ一層の取り組みをお願いしておきたいというふうに思います。  次に、「心のノート」の問題についてであります。  「心のノート」や学校における道徳教育について、私は、特定の価値観の押しつけや権威主義的な風潮を助長することになってはならないという観点から、幾度となく質問を重ねてまいりました。その問題意識を保持しつつ、このたび「京の子ども 明日へのとびら」がまとめられたという状況を踏まえて質問を行います。  私たちには、完成した教材を手にとって吟味することはいまだかなわないわけですが、京都にゆかりのある著名な方々の書きおろし文や、児童生徒の作文が収録されたものだそうであります。私がよく理解できないのは、「わざわざそのような教材を作成しなくても、既に公表されている執筆者の文章や書物などは幾らでもあるではないですか」ということなのであります。また、さまざまなコンクールで入賞した生徒の作文は新聞紙上などでも公表されますし、その他新聞の投書欄などにも府民の声や同世代の意見が発表されたりするわけですので、それらを先生方が工夫して適切な教材として活用することは幾らでもできるはずだと思うのであります。それとも、現在の教育現場では、教師が工夫し努力して教材を探したりつくったりするということはできなくなっているのでしょうか。また、そのほかにも、読書運動で推薦されている文学作品など、教材にふさわしいものは幾らでもあるはずだと思うのであります。にもかかわらず、なぜこのような教材を作成する必要があったのか、まず、納得できる答弁を求めたいのであります。  次に、教材の活用方法についてであります。  とにもかくにも、教材ができたからには活用方法が課題になります。思想や価値観にかかわった領域を取り扱うわけですので、教師にはかなりの力量が求められると思います。また、工夫や技術も求められるはずであります。私は、生徒同士の自由で活発な議論を中心にすることやロールプレイなどの手法を活用する工夫などで、子供たちがみずからの考えを深め、価値観を確立していくことに役立つ取り組みとなっていってほしいと念願するものであります。  そこで、教材は現場でどのように活用されるのか、教師はどのようにかかわっていくことになるのか、子供たちの心の成長にかかわる教師の力量をどのように強化していこうと考えておられるのかをお尋ねいたします。  執筆者の一人、梅原猛先生は、私立洛南中学で1年間「道徳」の授業を続けられました。その授業は本やCDになっており、私も拝聴して大変に感銘を受けた次第であります。梅原先生は、教育が教育である限り、「人としてなさねばならないこと、なしてはならぬこと」を教えなくてはならないとおっしゃっています。そして、道徳とは、決して薄っぺらな安易なものではなく、人としての道徳の根拠を深く問う必要性を述べ、道徳の根拠を深く問うみずからの思索の過程をまさに教材として中学生にもわかりやすく示されながら、戦前の忠君愛国の道徳教育の低劣さと誤りを厳しく指摘しておられます。  先生のけいがいに触れ得た体験は、中学生にとって大きな財産となったことだろうと私は思います。私は、公立学校の生徒たちにも、このような人物・人格そのものに触れる体験を持たせたいものと強く念願いたします。執筆者との懇談会や授業、講演会の開催など、何らかの工夫をしていただき、ぜひとも実現していただくことを求めます。教育長の御所見をお聞かせください。 34: ◯議長酒井国生君) 田原教育長。    〔教育長田原博明君登壇〕 35: ◯教育長(田原博明君) 角替議員の御質問にお答えいたします。  「京の子ども 明日へのとびら」についてでありますが、社会全体にモラルの低下や道徳性の欠如などが指摘される中で、子供たちの豊かな人間性や規範意識をはぐくむためには、すべての小・中学校でしっかりと心の教育を進めることが必要であると考えております。  そのため、各学校では子供たちがみずからを見詰め、生き方について深く考える契機となる多様な教材・資料が豊富に準備されていることが必要であり、その中から、教師が的確に選択し、組織的・計画的に指導が進められていくことが大切であります。その一助として、府教育委員会においては、京都にゆかりのある執筆者の方々にお願いし、日本の英知とも言うべき方々のそれぞれの専門分野や生き方からはぐくまれた子供たちへの強い思いを、児童生徒向けに特別に書きおろしていただいたものを学習資料集として作成することとしたものであります。先ほど、議員御紹介ございましたが、梅原先生にも低学年向け・高学年向けに執筆していただいたところであります。  これに加えて、子供たちの作文や府民の皆様から子供たちに寄せられたメッセージを取り入れるなど、その内容と構成に工夫を凝らし、道徳の時間を初め、すべての教育活動において活用できるよう作成しております。  また、議員御指摘のとおり、この活用に当たっては、子供たちが道徳的な価値や行動などについて、みずから考えを深めるように導く教師の指導力が極めて重要であります。このため、授業の中で児童生徒の話し合いや役割演技、いわゆるロールプレーイングなどの指導展開例を盛り込んだ事例集の作成も進めており、また事例集をもとにした教員への研修も計画しているところであります。  さらに、議員から御提案のありました執筆者による授業等につきましては、執筆者本人が体験や考えを直接語りかけるということが子供たちに感化をもたらす大きな契機になると考えておりまして、そういった授業についても検討を進め、今後とも、道徳教育を初めとした本府における心の教育の充実に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 36: ◯議長酒井国生君) 角替豊君。    〔角替豊君登壇〕 37: ◯角替豊君 「心のノート」というようなものをつくって授業でそのことを推進しなければならないということ自体が、一つの大きな、私たちの、社会の、あるいは時代の課題なんだろうという問題意識を持ちながら、このことにかかわっていくべきではないかというふうに思います。  公徳心の問題、それから倫理観というものがどうなのかという問題意識や危機意識は、確かにだれもが共有するところだと思います。しかし、そのこととしっかり向き合って、安易な解決方法はないという、そして教育長も、みずから子供たちが考えていく力を養うことが大切だというふうにおっしゃいました。そのとおりだと思います。これは、だれも否定しないことだと思いますが、教室で、教育現場でこのことをはぐくんでいくということは大変に重要な課題であると同時に、難しい取り組みだということをしっかりと目をそらさずに取り組んでいく必要がある。これからも、私たちもこの問題に引き続いて目を離すことなく、しっかりと取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。  続いて、「いじめ問題」について質問をいたします。  深刻ないじめ問題の解決に特効薬はありません。また、家庭の問題だ、学校の責任だと押しつけ合ってみても、どこか1つがカバーできるような問題ではないと思います。社会全体で、それぞれができることを誠実に、積極的に、しかも冷静に進めていくこと、またオープンに連携し協力していくことが何より重要だと私は考えるのであります。  本府でも、従来から進めているスクールカウンセラーの配備や教育相談事業の充実に加え、新たに「24時間電話相談」の実施やカウンセリングの一層の充実などを行おうとしているところであります。  私は、これら専門家の活動を一つの軸としながら、さらに社会全体で多くの人々がかかわれる運動、子供たち自身が取り組める「いじめ反対」の運動を推進することができないものだろうかと考えるのであります。なぜなら、人間は、自分がかかわる運動の中で自己形成していくものであり、社会的な現実も人々の運動を通じて変革されていくのが歴史の事実だからであります。  私の知るところ、日本と同じくいじめが深刻な社会問題となっているイギリスでは、ここ何年か、青色を「反いじめ」のシンボルカラーとして、青色のリストバンドや青いTシャツなどを身につけて「いじめ反対」の意思を表示する運動が推進されているとのことであります。これは、上からの官製の運動ではなく、またどこかの組織がかちっと組織しているというのでもなく、サッカーのベッカム選手が青いリストバンドを腕に巻いたことで大きな反響を呼び運動が広がるなど、緩やかなものであることに特徴があるようであります。  私は、一人一人がはっきりと、「いじめ反対」「私はいじめない」という意思を示すところから始めるこの運動は、いじめ問題解決の底流となり、子供でも、大人でも、専門家でも、素人でも推進できる、有意義なものと評価いたします。そして、このような運動が日本でも起こらないものかと願うのであります。また、イギリスの「青いバンド運動」に倣いつつ、この際「京都発のいじめ反対運動」が構想できないものかとも考えるのであります。  イギリスの場合、上からの官製の運動ではないことに特徴があり、だからこそ持続しているものと見込まれます。私も、日本でも民間の運動が起こることが望ましいと思います。  そこで、本府として、民間からの取り組みを促す方策の検討・研究を始めてはどうかと提案いたします。御所見をお聞かせください。  また、私は、いじめを阻止し減らしていくことに有効な対策として評価される「ピア・サポート」「ピア・カウンセリング」にも注目したいと思っています。これは、いじめ被害者と同世代で自分もいじめを受けた体験のある人たちなどがメンタルヘルスやカウンセリングの訓練を受けた上で複数のグループをつくっておいて、支援を求めるいじめ被害者に最もふさわしいグループが「ピア・サポート」「ピア・カウンセリング」に当たるという取り組みであります。  イギリスでは既に本格的な普及段階とのことですが、本府でもこの取り組みについて、検討・研究を始めてはいかがでしょうか、御所見をお聞かせください。  最後に、「子ども議会」について質問いたします。  いよいよ新年度予算に「京都府子ども議会開催費」が計上されました。私にとりましては、昭和62年12月定例会の代表質問で初めて提案させていただいて以来、20年ぶりに実現したことになるわけでありまして、感慨もひとしおであります。  私が「子ども議会」を提案した理由は、1つには、子供も子供として立派に社会の一員であり、社会に参加していくことの重要性、2つには、民主主義的な価値を身につけ、民主主義の担い手としての自覚を深めることの意義、3つには、子供の斬新な視点や豊かな発想を府政の糧としていくことの必要性などを考えたからであります。  1人の子供議員の活動は、周りの友人や家族や大人たちにも必ず波動を送ることになるでありましょう。また、そのような取り組みであっていただきたいと念願いたします。  そこで、どのような「子ども議会」を構想しておられるのか、事前の取り組みの工夫なども含めてお尋ねをいたします。 38: ◯議長酒井国生君) 山内府民労働部長。    〔府民労働部長山内修一君登壇〕 39: ◯府民労働部長(山内修一君) 「子ども議会」についてでありますが、京都の未来を担う子供たちが積極的に意見を表明する機会づくりを通じて、地域社会の一員として主体的に考え、社会に参加する意識をはぐくむことは大変重要であるというふうに考えております。さらに、京都府政や議会制度への関心と理解を深めるためにも有意義なところから、京都府議会にも御協力をいただき、この議場において来年度の夏休み期間中に小学5・6年生を対象に「子ども議会」を開催したいと考えておりまして、今議会に所要の予算をお願いしているところであります。  なお、開催に当たりましては、参加していただく小学生を広く公募し、府内各地域から応募していただきたいというふうに考えております。  また、「子ども議会」の開催に先立ちまして、地域社会の問題や将来の夢などについて、子供たちが自由な発想で考え、互いの議論を通じて意見をまとめ、質問づくりなどを行うワークショップを教員等の指導を得ながら事前に行いたいというふうに考えているところであります。  今後、教育委員会や関係機関とも連携しながら、子供たちにとって生涯の貴重な体験となる京都らしい「子ども議会」を開催し、青少年の健全な育成にもつなげてまいりたいというふうに考えております。 40: ◯議長酒井国生君) 田原教育長。    〔教育長田原博明君登壇〕 41: ◯教育長(田原博明君) いじめの問題についてでありますが、議員御指摘のとおり、子供たちはもとより、より多くの府民が主体となっていじめの解決に向けて取り組むことが大変重要であると考えております。  現在、府内の各学校では、例えば生徒会が中心となり、ポスター啓発やリボンを着用していじめ撲滅運動に取り組むなど、子供たち自身がいじめと向き合い、これをなくそうとするさまざまな取り組みが進められてきております。  今後は、こうした取り組みを他校へも紹介するとともに、保護者や府民向けのセミナー、さらには各市町村におきます心の教育連絡会議の取り組みとも連携して、広く府民に向けても「いじめは人間として絶対に許されない」という意識を広め、いじめのない社会づくりに向けた府民的な機運が高まるよう努めてまいりたいと考えております。  また、「ピア・サポート」「ピア・カウンセリング」についてでありますが、各学校においては、学級活動の中で児童生徒がいじめの問題を初めとした生活上の諸問題について、グループや学級を単位として相談し合ったり、話し合ったりする取り組みが発達段階に応じて進められているところであり、生徒自身によるこうした取り組みが大変重要であると考えております。  今後は、議員御指摘の視点を踏まえ、どのような方策がとり得るのかを含め、他府県の事例等も調査しながら、よく研究してまいりたいと考えております。 42: ◯議長酒井国生君) 角替豊君。
       〔角替豊君登壇〕 43: ◯角替豊君 「子ども議会」でございますが、ぜひ、いい取り組みにしていただきたいというふうに思います。  それに当たりまして、このことも幾度となくお願いをしてきていること、提案をしてきていることですが、未来を担う子供たちの集う「子ども議会」でございます。21世紀、これからの日本にとって必要なこと、いろいろなことがございますけれども、私は、一つには、多文化共生の重要性ということだと思います。そして、私たちの日本は多様な豊かな社会であって、決して単一民族の社会であるなどということが、いつまでも意識の中に誤解として残っていてはならない、このことは払拭していかなければならない私たち社会の課題であろうというふうに思っております。  したがいまして、そのことがはっきりとにじみ出るような取り組み、推進であっていただきたい。したがって、外国籍府民の子弟、民族学校の生徒にも、この「子ども議会」に参加する機会が与えられるような、しかも、それは結果としてそういう子供たちも参加していましたよということではなくて、参加できるように、目的意識的に企画をしていくような取り組みであっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  いじめ問題等の取り組みですが、ポスターの作成、バンド運動などが既に子供たち自身の手で、生徒会などで取り組まれているということは、大変に喜ばしい、心強い限りだと思います。このことがさらに大きく広がっていき、大人は大人として、子供は子供として、それぞれにこの問題に取り組んでいけるような社会にしていくということが、いじめをなくす取り組みであり、いじめのない社会をつくっていく大きな取り組みになると思います。私自身もそのことに一層強いかかわりを持っていくようにしたいと思います。本府の教育長、そして教育委員会、さらに知事さんも中心とした取り組みをお願いしておきたいと思います。  それで、笑いが体にいいということは、怒りは体に一番悪いものかもしれませんが、しかし邪悪や不正に対する怒りを持たないようでは、これはまことに不健康なことだと思います。  そこで、先ほどの梅木議員が最後に、下品な言い方になりますが、「イタチの最後っぺ」のように言ったことに対して、それなりに反論しておきたいと思います。  日本共産党というのは何年共産党をやっとるんです。戦前からある日本で一番古い政党じゃないですか。そういう意味では、何をやろうと「いまだに革命ならず」ですがね、60年もやってても。それでも一番最初に言ったことが、共産党にあったって不思議じゃないわけですよ。言えばいいわけですか。言えばいいだけというのは「ふろ屋の看板」といって、よくやゆするわけです。そういうことを言うと、ふろ屋さんに失礼になりますが。  昭和47年ですか、何かここで言ったと言いますけど、言って議事録に残ればそれでいいんですか。つまり、言いました、議事録見てください、残ってますということを、残したいだけの取り組みなんじゃないですか、それだったら。47年、共産党が京都府政によくも悪くも、悪いことが多かったと思うけれども、一番影響力を持っていたその時代に、なぜ実現できなかったんですか。政治家というのは、政党というのは、自分が一番影響力を持ったときに一番やりたいことを丁寧に推進していくものなんですよ。こういうことを言われるのが一番こたえるから、私は今初めて言ってるんではない、書きもした、ここでも言った。(発言する者あり)時間オーバーは、おまえたちだってやるやないか。よほどこたえたからそういうことを言うんでしょう。自分たちが影響力のあるときに言っただけで、できなかったということは、共産党はまじめでもなければ、つまり、やる気もなかったか、やらせるだけの政治力がなかったということのあかしじゃないですか。  私たち公明党が国会で野党時代のことを盛んにおっしゃいますが、野党時代の公明党でも幾つもの実績を残してきた(発言する者多し)─ 44: ◯議長酒井国生君) 簡潔に願います。 45: ◯角替豊君(続) それはまじめにやる気があったから、少なくとも日本共産党よりは庶民の暮らし向きを考えて、優秀な政治力が公明党にあったということのあかしだということをはっきりと申し上げさせていただいて、質問を終わらせていただきます。(発言する者あり)余りむきになりなさんな。うそはうそ、それは決まっているんだ。(拍手)(前窪議員「議長、議事進行」と言う) 46: ◯議長酒井国生君) 前窪義由紀君。 47: ◯前窪義由紀君 ただいま、角替議員の発言の中で、我が党に対して「ふろ屋の看板」などと、まさに議会の品位を汚すような発言をいたしました。議会というのは、論戦をもってそれぞれの政治主張を行い、そして政策を推進するものであります。ただいまの発言は、まさに取り消しに値する、そして謝罪に値する、そして議事録から抹消する、そのことを強く求めるものであります。(山口議員「議長」と言う) 48: ◯議長酒井国生君) 山口勝君。 49: ◯山口勝君 ただいまの議事進行につきまして、本日の角替議員の発言及び先日の佐藤議員の発言に関しましては、日本共産党府議団のこれまでの予算案に対する態度を明確に事実に基づいて述べたものであり、何ら瑕疵があるものではありません。  先ほど梅木議員からは、公明党は何をしてきたんだというお話がありましたけれども、山田知事が先日述べられましたとおり、自民党の皆さん、民主党の皆さん、そして新政会の皆さんとともに、子供の医療費の制度拡充に全力で取り組んできたわけでありまして、これからもそのような態度で臨んでいくつもりであります。何ら瑕疵はございません。議事録の削除も当てはまるものではありません。議長、よろしくお取り計らいください。 50: ◯議長酒井国生君) ただいまの前窪義由紀君及び山口勝君の議事進行発言につきましては、後刻速記録を精査の上、善処いたしたいと存じますので、議長に御一任願います。  この際、暫時休憩いたします。    午後2時52分 休憩            ────────────────────    午後3時13分 再開 51: ◯副議長(大野征次君) 休憩前に引き続き会議を行います。  次に、北尾茂君に発言を許します。北尾茂君。    〔北尾茂君登壇〕(拍手) 52: ◯北尾茂君 民主党・府民連合京都府議会議員団の北尾茂でございます。  まず、通告に従いまして、質問を順次進めさせていただきたいと思います。山田知事並びに関係理事者におかれましては、御答弁のほど、よろしくお願いいたします。先ほどの質問にありましたとおり、笑って頑張ってやっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。  京都府における地球温暖化対策の推進についてお伺いいたします。  京都府では、京都議定書の発効を踏まえ、都道府県として初めて温室効果ガス10%削減の数値目標を掲げた地球温暖化対策条例を制定されるなど、京都議定書誕生の地にふさわしい全国に先駆けた取り組みを次々に展開されており、これまでの取り組みに対し、敬意を表する次第であります。  さて、最近の異常気象についてでありますが、昨年の冬は「平成18年豪雪」と命名されましたように、各地で大雪が降り、戦後2番目という大きな被害に見舞われました。春以降は、一転して、梅雨が長引く中で、7月の集中豪雨、また夏は30度を超える真夏日が続くという異常な気象状態でありました。さらに、ことしの冬は、近年まれに見る暖冬となり、国内ではヒマワリが咲き、アメリカのワシントンでは桜が咲いたという報道がなされております。このような地球温暖化の影響と思われる異常気象は日本だけではなく世界各地で頻発しており、このような状況を目の当たりにしますと、地球温暖化問題はまさに目の前にある危機となっていることを実感せざるを得ません。  このような中、現在、地球温暖化の危機を訴えるアメリカ元副大統領アル・ゴア氏のドキュメンタリー映画「不都合な真実」が大きな反響を呼んでおります。さらに今月2日、地球温暖化の最新の知見をまとめている「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」から発表された報告書では、今世紀末の地球の平均気温について、前回2001年の報告書で、最大で5.8度の上昇とされていた予測を6.4度に上方修正するなど、地球温暖化が予想を上回るペースで進んでいることを指摘し、さらには、地球温暖化の原因が人間の活動により排出された温室効果ガスの増加によると、ほぼ断定しています。  このように、地球温暖化の防止は待ったなしの状況にありますが、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を初めとする温室効果ガスの排出は、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会経済システムの中で、便利さや快適さを追求してきた我々自身の生活スタイルや事業活動そのものに起因するものであります。  このため、地球温暖化問題を解決していくためには、私たち一人一人が自分自身の問題であることをしっかりと認識し、身近なこと、できることから具体的な行動に移していくことが何よりも重要であります。  今後、地球温暖化の防止に向けて、これまでの意識や価値観、生活スタイル、さらに社会経済システムそのものを環境に配慮したものへと大胆に変革していくことが求められる中、かけがえのない地球と人類の未来を地球温暖化の脅威から守るための世界の約束である議定書に、その名が刻まれた京都こそ、持続可能な社会のありようや環境と共生した生活スタイル、ビジネスモデルを内外に示し、その実現に先導的な役割を果たしていくことが強く求められていると考えます。  そこで、お伺いいたします。昨年4月に施行されました地球温暖化対策条例では、10%の削減目標の達成に向けて、大規模な事業者や建築物に対する温室効果ガス削減計画書の報告・公表制度や省エネラベル制度の創設など、実効性の高い、かつ京都創発のユニークな取り組みを展開されているところでありますが、現在の対策の推進状況と平成19年度における取り組み方針、また府県レベルの取り組みとあわせて、府県域を越えた広域的な連携のもとでの取り組みが重要であると考えますが、近畿府県における連携した取り組みをどのように進めておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。  次に、府民の安心・安全についてお伺いいたします。  昨年の全国の犯罪発生状況をあらわす刑法犯認知件数は約205万件で、前年より9.6%減少しており、京都府下にあっても約5万5,000件と前年より4.6%減少するなど、数の上では「治安指数」に回復の傾向がうかがえるようになりました。しかし、全国的に、殺人・強盗などの重要犯罪の検挙率は、平成10年までの80%台に及ばない状況であり、地域の安心・安全を実感する「体感治安」については、依然として厳しいものがあるのではないかと考えております。  京都府警におかれましては、このような治安情勢に的確に対応するために、平成17年度から警察署等の再編整備を実施しているほか、昨年7月には「交番・駐在所等の機能充実・強化プラン」を公表され、順次お取り組みを進めていただいているところであります。また、京都府並びに京都府警本部におかれましては、同プランに沿って、私の地元城陽市の寺田地域に城陽警察署寺田交番の設置をお決めいただき、この春の完成を目指してのお取り組みをいただいておりますことを、この場をおかりして、改めて感謝を申し上げる次第でございます。  さて、山田知事は、平成19年度当初予算案について、予算案の基本方針として「地域力の再生と中期ビジョンの着実な推進による『安心・安全、希望の京都』の実現」を大きな柱立てとされ、各般にわたり、260万府民のための事業の展開を目指しておられるところであります。  私自身、地域の防犯力を向上させるためには、制服警察官によるパトロールの強化などで犯罪などの未然防止を図ることも重要でありますが、交番・駐在所等が地域の防犯活動の拠点として地域住民との連携を強化し、犯罪を起こさせない地域づくりを進めることが重要だと認識するところであります。  そこで、地域防犯力を高めていくために、交番・駐在所と地域社会との連携強化という観点からお伺いいたします。  自治会の回覧板などで、交番・駐在所が作成したミニ広報紙等を目にしますが、このように交番・駐在所が管内住民に対して犯罪の発生状況や犯罪に遭わないようにする方法等の情報を提供することは、交番・駐在所との連携という面で非常に有意義だと考えます。  そこで、このような交番・駐在所が管内の住民などに対して情報発信している活動の現状についてお聞かせいただきたいと思います。またあわせて、今後の取り組み方針について、警察本部長の御所見をお伺いいたします。  次に、京都府下では、自主防犯ボランティア組織が次々と立ち上げられ、活発な活動を展開されているところであります。私の地元城陽市でも、自主ボランティア組織の活動が活発であり、46団体が自主防犯活動に取り組んでいただいております。  そこで、京都府下の現在の自主防犯ボランティア団体の結成状況と、これらの団体に対して、警察としての支援の取り組み方針についてお伺いいたします。  次に、地元問題であります山砂利対策についてお伺いいたします。  京都府は、昨年5月に、日本興産株式会社が平成16年3月から平成17年5月にかけて城陽市の山砂利採取跡地に搬入した再生土、10トンダンプカーで約1万6,300台分のうち約3,000台分を産業廃棄物と認定、同社及び元役員らを廃棄物処理法違反で刑事告発され、また土壌環境検査の結果、有害物質は不検出または環境基準以下だが、高アルカリ性を示したことを受けて、専門家の意見を踏まえ、1メートルの覆土をもっての安全対策を表明されました。  地元の城陽市議会では、同年6月の定例会において、産業廃棄物認定分については撤去すべきとの決議を全会一致で可決されたところであります。一方、城陽市は、昨年11月から実施した土壌検査の結果、土壌汚染や地下水汚染への影響がないという判断、1メートルの覆土を妥当と考える旨、京都府へ回答されたと聞いております。京都府はそれを受けて、去る2月2日に覆土施工を事業者に指導されたところでありますが、2月9日、京都府は「府の担当者の説明に不十分な点もあり、安心・安全に関する問題について府民の理解が十分得られていない現時点では、覆土の施工は凍結する」という形で方針転換をされました。  私は、今回の本府の覆土施工の凍結は、的確な現状認識に基づく英断と考えております。その理由として、私自身、城陽市議会での全会一致での撤去の決議は、山砂利問題にかかわる市議会はもとより住民の思いを反映するものとして重く受けとめており、事が産業廃棄物にかかわることからも、なおさらと考えるからであります。  私たちが開催したこの事案を中心としたフォーラムでも、多くの参加者からさまざまな御意見を拝聴したところでありますし、その他の機会でも住民の方々からさまざまな御意見が寄せられました。その多くが産業廃棄物に対する不安や山砂利対策に対する不満でありました。私は、今回の産廃問題については、1つに、その土壌や地下水への安全性に対する不安、2つには、産業廃棄物が山砂利採取跡地に搬入されたことが既成事実となることによる今後の懸念等が大きなポイントであると考えております。  そこで、お伺いいたします。まず、今回の事案について、これまでの経過について御説明をいただきたく思います。  次に、覆土施工の凍結の発表の際、「検証委員会の設置」「再生土にかかわる対策」「山砂利採取跡地に産廃を搬入させないための対策」「地下水への影響にかかわる府民の不安に対する方策」等、今後の対策を明らかにされており、その対策の成果に大いに期待するところでありますが、その点についても、あわせてお聞かせください。  次に、今後の山砂利対策についてお伺いいたします。  平成12年3月14日、自然環境保全ゾーン内での、近畿砂利協同組合を事業主体とする自然環境保全ゾーン内での共同採取認可問題に関連して、当時の「城陽市議会東部丘陵地整備対策特別委員会」で一つの報告がなされました。それは、城陽市が設置した「城陽市まちづくり緊急課題対策検討委員会」が委員会としての認可問題に係る検討結果をまとめた際に、同時に報告された5項目から構成される「今後の山砂利対策について」であります。  その内容は、検討委員会の結論として条件をつけて例外的措置として当該地における新たな山砂利採取を認める場合、住民の理解を得るため、その対応を明確にし、確実に実施していく必要があるとされた5項目であります。  具体的には、1つに、ダンプ専用道路について、2つに、条例化について、3つ目に、跡地利用の促進体制について、4つ目に、自然環境重要保全ゾーンの保全確約について、5つ目に、今後の山砂利対策について、となっております。  5項目は、私たちが考えていた今後の山砂利対策に必要不可欠なものを的確に押さえたものであり、城陽市のまちづくりの観点からも大きな意味を持つものでありました。その内容の着手あるいは早期の実現を条件に、平成11年6月の市議会定例会で、賛成多数で可決された決議をもって例外的採取に反対していた市議会の他会派から、行政判断にゆだねる趣旨の要望が相次いで提出され、京都府が事業認可申請を受理されたという経過があります。  その意味からしても、この5項目の提示以降約7年間、京都府、城陽市、近畿砂利協同組合が一致協力して5項目の確実な遂行・実現に努めてこられたものと理解しておりますが、現在の5項目のそれぞれの進捗状況についてお聞かせいただきたいと思います。  とりわけ、1項目めのダンプ専用道路の完成は、公共残土等の搬入経路を限定し、監視体制を確実なものへとしていくために必要不可欠なものであり、その早期完成が望まれますが、完成時期の見通しと今後の取り組みについてもあわせてお聞かせください。  また、5項目めについてですが、私は、山砂利対策の諸課題解決に向けて大きなポイントとなるのが、終息時期を明確にすることにあると考えております。終息時期を明確に設定することなしに、山砂利対策を講じていくことの限界が来ているのではないかと考えております。現在も修復整備事業が推進され、新たに整備計画の策定も進められておりますが、終息時期の明確な設定なくして、それらの一刻も早い実現は相当困難なものになりかねず、いたずらに終息時期を先送りし、住民の不安や負担、行政の負担も継続していかざるを得ないのではないかと考えます。終息時期の設定については、製品骨材の社会の需要動向等を勘案していくことも当然必要と考えますが、その時期の明確な設定を切に望むものであります。  このことは、先ほどの5項目めで「近畿砂利協同組合に対して、今後の砂利採取計画の策定を求めること、砂利採取の終息時期と修復整備の具体的計画について、京都府、城陽市、近畿砂利協同組合の三者協議を行うべき」としています。  そこで、お尋ねいたします。終息時期の設定について、どのような協議がなされてきたのか、また今後の取り組みについてもお聞かせいただきたいと思います。 53: ◯副議長(大野征次君) 山田知事。    〔知事山田啓二君登壇〕 54: ◯知事山田啓二君) 北尾議員の御質問にお答えいたします。  山砂利採取跡地問題についてでありますが、平成17年5月に、再生土と称します建設汚泥処理物が搬入されていることが判明し、直ちに搬入を停止させるとともに、廃棄物処理法に基づく立入検査等を行い、環境省や専門家との協議を重ね対応を検討してまいりました。その結果、搬入された約1万6,000台のうち、不適正処理と推定される約3,000台分について産業廃棄物と認定し、昨年の5月に廃棄物処理法違反で告発をいたしました。  安全対策につきましては、専門家と検討した結果では、撤去等の措置命令の根拠となります生活環境の保全上の支障は認められないものの、安全確保に万全を期すため、アルカリ対策として覆土が適当とされました。その後、城陽市議会において、御指摘のように、産業廃棄物と認定された再生土の撤去を求める決議が行われ、市において万全を期すため独自の土壌検査を行われたところであります。検査の結果、城陽市から覆土の措置は妥当との回答を先月正式にいただいたところでありますが、産業廃棄物を搬入させない今後の取り組みや地下水汚染との関係などについて、いまだ府民の皆様の十分な理解を得られていない状況を踏まえ、府民の安心・安全の問題は、府民の皆様の理解の上に成り立つとの立場から、覆土の実施を凍結するように指示いたしました。  そして、府と城陽市の調査結果などを客観的にもう一度検証し、その結果を府民の皆さんにお示しし、理解を得て進めたいとの立場から、城陽市長さんに対し、再生土問題に関する検証委員会の設置を提案したところであります。  この委員会は今月中にも立ち上げ、京都府、城陽市のほか、環境法学や水質・土壌などの専門家で構成し、改めてこれまでの検査データ、検討のプロセス、対策の検討状況などを総合的に検証いただく中で、再生土に係る対策などについて、広く府民の皆様・市民の皆様に公開し、その皆様の安心・安全を確保することを基本として、しっかりと専門家の意見を踏まえた検証をしていただくようお願いしていきたいと考えております。  今後、城陽市の決定を待った上で、今申し上げましたように、今月中にも委員会をスタートさせたいというふうに考えております。  次に、今後の山砂利対策についてでありますが、まずダンプの迂回走行対策につきましては、京都府において、木津川右岸運動公園アクセス道路の南北区間390メートルを整備し、平成16年12月に供用開始したことなどによりまして、国道24号へ至る市道を通過するダンプの交通量は大幅に減少したところであります。さらに、城陽市におかれましても、木津川右岸運動公園アクセス道路・東西区間について現在工事中でありまして、早期の完成に向けて努力されており、その東側に続きます木津川右岸運動公園の隣接道路(公園内)につきましても、早期に整備される方針であるというふうに伺っております。  条例化及び自然環境重要保全ゾーンにつきましては、平成14年3月に「城陽市砂利採取及び土砂等の採取又は土地の埋立て等に関する条例」が制定されまして、自然環境の重要保全ゾーン等も「保全区域」に指定し、砂利採取を規制する区域の明確化が図られたところであります。  跡地利用につきましては、昨年1月に、城陽市において「東部丘陵地整備計画検討委員会」が設置されまして、平成9年に城陽市が策定した「東部丘陵地利用計画」の見直しや整備計画の策定について検討が行われておりまして、本年度中にも取りまとめられるというふうにお聞きをしております。  そうした面からしますと、今後の山砂利の採取についてでありますけれども、今申し上げましたように、砂利採取を規制する「保全区域」を条例に基づいてしっかり指定しますし、そして、それに事業者の砂利採取に基づく府への認可申請に当たりましても、事業者がまず城陽市と事前協議をしていくということが義務づけられたところであります。  これは、やはりこの問題が城陽市のまちづくりにかかわる重要な問題でありますから、まちづくりとしてどういう形でしていくかということをしっかりと主体性を持って城陽市が決めていくということを条例でもって明らかにされましたので、私どもは、そうした城陽市の立場を尊重し、今後、城陽市と連携し、まちづくりや利用計画の状況を踏まえながら、最終的な結論について協議を進めていきたいというふうに考えております。  その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。 55: ◯副議長(大野征次君) 藤城企画管環境部長。    〔企画環境部長藤城進君登壇〕 56: ◯企画環境部長藤城進君) 地球温暖化対策についてでありますが、府内の温室効果ガス排出量が、平成15年度には基準年度である平成2年度比マイナス5.4%と減少傾向を示しているものの、将来的には増加する見込みであり、条例に掲げた10%削減の目標達成に向けて、推進計画に基づき全力を挙げて対策を推進しているところであります。  対策の推進状況でありますが、産業部門では、大規模事業者に義務づけた温室効果ガス削減計画の報告制度によりまして、248事業者から、平成19年度までの2年間で、総排出量500万トンCO2の2.5%に当たります12.5万トンCO2の削減計画が提出されました。あわせて、中小企業における省エネ改修や環境マネジメントシステムの導入を支援しているところでございます。  運輸部門や民生部門では、エコカー、エコドライブ、省エネの各エコマイスターを合計435人養成いたしまして、また家電販売店における省エネラベル対象品目の拡大を通じまして、省エネ機器の普及と省エネ行動を喚起しているところでございます。  さらに、新たな府民協働の取り組みといたしまして、府、京都市、京都商工会議所、京都工業会など7団体で構成する「脱温暖化行動キャンペーン京都ネットワーク」の設置や、関西経済連合会等との共催で「地球環境フォーラムinけいはんな」を開催するなど、「京都地球環境の日」を契機とした府民総参加による取り組みを展開しております。  平成19年度の取り組み方策につきましては、府民の意識の高まりにより、各分野で取り組みが進んできておりますが、京都議定書のカウントが始まります第1約束期間、これは2008年から2012年でございます。その前年という重要な年に当たることから、地球温暖化対策プランに基づき、実効性の高い対策をさらに推進していきたいと考え、必要な予算を今議会にお願いしているところでございます。  産業部門におきましては、省エネや省資源化の取り組みへの指導・助言を行う「省エネアドバイザー育成・派遣事業」や産学公の連携による環境問題の解決や環境ビジネス育成の仕組みとなる「エコ・コンソーシアム京都」の検討、また民生部門におきましては、建築士等に対する屋上緑化の工法や技術等に関する講習・認定する、全国初となる「屋上緑化推進マイスター認定事業」、それから地球温暖化防止京都会議の「10周年記念事業」を12月に展開してまいりたいと考えているところでございます。  近畿府県相互の連携につきましては、滋賀県と連携して、エコカーマイスターの養成やインターネット環境家計簿の共同実施に取り組んでいるところでございます。京阪神3府県4政令市による地球温暖化対策推進会議なども設置し、連携方策の研究や共同メッセージの発信などの広域連携の取り組みも進めているところでございます。  今後とも、府民総参加によりまして、また近隣自治体との連携を強化する中で、実効ある対策を確実かつ強力に推進してまいりたいと考えております。 57: ◯副議長(大野征次君) 中澤警察本部長。    〔警察本部長中澤見山君登壇〕 58: ◯警察本部長(中澤見山君) 北尾議員の御質問にお答えをいたします。  交番・駐在所による情報発信活動の現状についてでありますが、犯罪や交通事故の状況、地域の話題、防犯の心得などを盛り込んだ「ミニ広報紙」は、すべての交番・駐在所で毎月定期的に発行しており、平成18年中は約3,600紙、184万枚に上り、自治会等の御協力を得て、回覧または配布により各家庭に届けられております。    〔副議長退席、議長着席〕  また、事件・事故などの発生情報を速やかに提供するため、「交番速報」を作成し、自治会や警察施設の掲示板などに約3,400回、2万枚を掲示したところであります。  今後とも、地域の防犯活動の拠点として、一般の報道では取り上げられることが少ない身近な事件・事故の発生と、検挙・解決の状況を含めて地域内における治安の実態や被害防止等の情報を盛り込んだ、タイムリーで親しまれる情報発信活動を積極的に推進してまいりたいと考えております。  次に、防犯ボランティア団体の結成状況についてでありますが、近年、安全で住みよい地域社会づくりを求める機運が高まり、防犯ボランティア団体は飛躍的にふえ、京都府内では、3年前に61団体であったものが、平成18年末では509団体と、約8倍になっております。警察としましては、これら防犯ボランティア団体に対して、地域の安全情報の提供や防犯活動のノウハウの提供とパトロールを共同で実施するなどの支援を行い、連携に努めているところであります。とりわけ、防犯ボランティア団体の多くが子供の安全確保を目的に結成されたものであることから、交番・駐在所を中心とした通学路における合同パトロールや立番の実施、「こども110番のいえ」の所在地の教示、地域安全マップの作成支援、子供に対する声かけ事案発生時における対応方法の教示、防犯情報メールによる子ども安全情報の提供などに重点を置いて実施しております。  今後とも、自主防犯ボランティア団体が安全・安心なまちづくりを推進するため、効果的な役割を果たしていただけるよう、積極的な支援に取り組んでまいりたいと考えております。 59: ◯議長酒井国生君) 北尾茂君。    〔北尾茂君登壇〕 60: ◯北尾茂君 時間が相当限られてまいりましたので、要望あるいは再質問等、簡潔にさせていただきたいと思います。  地球温暖化対策につきましては、京都府の現在のお取り組み、しっかりとした形で進めていただいているということで、大変心強く思いました。ただ、一般の府民、あるいは一般の住民のレベルでいえば、これは一つの報道機関のアンケート調査なんですが、地球温暖化防止対策の日常生活の中での取り組みに関して、なかなか何をどういう形でやっていったらいいのかというとこら辺が理解できていないというふうな部分もあるようなことを聞いております。その辺も含めまして、府民への啓発等もしっかりとお取り組みの中に取り入れていただく形で、今後とも、京都から地球温暖化を阻止する、京都からこの地球を救っていくという、そのような力強い形での気概を持ってのお取り組みをお願いしたいと思います。  それから、警察関係なのですが、こちらの方は、城陽市におきましても新たに交番を設置していただくということで、まさに地域力の再生の一つの具体的な形が近い将来見られるものと期待申し上げますが、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
     そして、山砂利にかかわる問題なのですが、再度質問させていただきたいのは、まず産業廃棄物にかかわる部分なのですが、この事案に係るこれまでの京都府の取り組みは、これまでの取り組みの積み重ねができているわけですから、私はそれを十分生かしていただくことが必要だと思います。しかしながら、府民の理解が十分得られる結論を求めるために設置される検証委員会の議論の出発地点においては、やはり京都府の基本的なスタンスというものは明確にしておく必要があるのではないかと思います。  そこで、今回、覆土の施工の「凍結」という言葉を使っておられますが、その凍結の意味を御説明いただけたらありがたいと思います。  それから、山砂利にかかわる問題の中で私が取り上げました、いわゆる山砂利採取の終息時期の設定なのですが、これは、いわゆるかつての市民に対する、あるいは府民に対する約束事でございます。自然環境保全ゾーン、これは昭和50年代後半につくられました城陽市の山砂利憲法と言われる全体整備計画でゾーニングがされております。そのゾーニングの中では、採取を、まあいわば禁じられているその地域を新たに採取したわけですから、そのときの条件として提示されたのが、まさにこの5項目であります。1項目めから4項目めまでの進捗は私も評価するものでありますが、5項目めの、各事業者による採取計画の策定、あるいは総体としての終息時期を明確に設定しておくことは、やはり今後の山砂利対策を進めていく上で大切なものと考えておりますが、この点についても、再度御答弁をお願いしたいと思います。  それから、これらの状況にかんがみまして、埋め戻し事業が、特に京都府民、地元の府民、あるいは府民の不安を醸成しているのではないかと思います。この意味におきまして、埋め戻し事業に係る公共残土等の搬入の監視体制を初め、確実な、あるいは実効性のあるシステムの構築が必要と考えておりますが、この点についても京都府の方から、具体的な、あるいは解決的な御答弁をいただけたらと思っております。  以上、この場で私の質問を終わらさせていただきたいと思います。時間が来ております。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 61: ◯議長酒井国生君) 山田知事。    〔知事山田啓二君登壇〕 62: ◯知事山田啓二君) まず、凍結問題についてでありますけれども、京都府は覆土という提案をさせていただきまして、城陽市も独自調査の結果、それが妥当とされたところでありますけれども、今回設置を提案した検証委員会におきましては、こうした府・市のこれまでの検査結果、そして検討プロセス、対策の検討状況などの妥当性や、さらに問題点はないかということにつきまして、府民との情報共有のもとで検証・検討いただきたいというふうに考えておりまして、私どもといたしましては、その結果をあくまで尊重して対応していきたい、そういう意味で申し上げているところであります。  終息時期の明確化でございますけれども、この問題につきましては、先ほど申し上げましたように、城陽市のまちづくりと大変大きくかかわってまいりますし、その中において、修復の計画の問題、そして保存区域内の問題と砂利採取を容認している区域内での進捗状況の問題ということがございます。私どもはそうしたものをしっかりと城陽市の意向を踏まえて、まちづくりも含めて検討していく中で明らかにしていくべきだというふうに考えておりまして、北尾議員の意図するところは十分に理解しておりますので、そうした観点から、城陽市ともこれから協議を進めてまいりたいというふうに思っております。  埋め戻し事業に係る残土搬入等の監視体制につきましては、これは一応、公社の方で受け入れの一元化によりまして、民間残土につきましても監視を行っているところであります。私どもといたしましては、府として設置しております技術検討委員会において、さらに安全性を高めるための工法とか管理等についても検討していきまして、引き続き公社の監視体制の強化や、埋め戻し、急崖地の復旧施工について、安全で効率的な施工が図られるよう城陽市とも連携を図り、公社に対して協力してまいりたいと考えております。 63: ◯議長酒井国生君) 次に、田中英世君に発言を許します。田中英世君。    〔田中英世君登壇〕(拍手) 64: ◯田中英世君 自由民主党の田中英世でございます。私は、今期をもって引退をいたします。ごあいさつは、議長のお許しを得て、最後にさせていただきます。  今2月定例会、最後の一般質問をさせていただきます。また、トリを務めます。皆さんには、連日、大変お疲れと存じますが、よろしくお願い申し上げます。  さきに通告いたしております数点につきまして、山田知事並びに関係理事者に質問をいたします。簡潔・明瞭な御答弁をよろしくお願い申し上げます。  質問に入りますまでに、議長のお許しをいただき、一言申し上げます。  今定例会に提案されております平成19年度当初予算案は、山田府政2期目初めての当初予算編成となるわけでありますが、「地域力の再生」を最重点課題に掲げ、安心・安全、子育て、医療・福祉など、府民生活に直結した諸施策に積極的な予算措置が講じられております。また、深刻化する医師不足問題への対応、特別養護老人ホームに対する支援、京都縦貫自動車道の全線開通に向けた事業展開、機械金属産業の一層の発展を期すための「ものづくりの人材育成」など、私の地元・北部地域が抱えるさまざまな課題に対しましても、きめ細やかな対応がなされており、今回の当初予算を高く評価するものであります。  一方、こうした予算を編成するためには、経営改革の徹底による財源捻出が不可欠であります。今回においても、職員定数の削減や事務・事業の見直しなど、「経営改革プラン」に基づく取り組みの推進に努められました。今後とも、山田知事の強力なリーダーシップのもとで、改革のスピードを緩めることなく、全職員が民間企業に負けないくらいの気迫と覚悟を持って、経営改革のさらなる取り組みに尽力されますことを強く求めておきたいと思います。  それでは、質問に入らせていただきます。一括質問をいたします。  まず初めに、元気な地域づくりについてお尋ねをいたします。  近年、「格差」という言葉がマスコミを初め流行語のように叫ばれております。我が国は、資本主義経済のもと急速な経済発展を遂げた一方で、いびつな国土構造になってしまいました。効率追求の結果、首都東京に政治・経済の中枢機能が集中し、新幹線や高速道路といった社会交通網も、東海道を初め太平洋岸を中心に整備が進められたのであります。国土の2%の面積に日本の総人口の半数が住んでおるという非常にいびつな状況であります。こうした状況下では、「ヒト」も「モノ」も「カネ」も、そして「情報」までも東京に一極集中しているのは当然の結果であり、その早期是正が求められているという現実にあります。しかし、今の東京の発展は、食料、人材など、東京以外の地方によって支えられているのであり、地方の発展なくして東京の発展や我が国の未来はないと思うのであります。  今こそ、我々政治にかかわる者の責任において、税金という国民共有の富をできるだけ平等に再配分することが、改めて真剣に求められているのではないでしょうか。配分先のまず第1は、社会的弱者に対する再配分、生活保護などはその代表例でありましょう。  次に、教育、医療、介護、年金対策などへの配分であります。これらは、基本的なところは国が責任を持って国民に生活の保障を行うべきと考えますが、こうした制度を支えるための子育て、少子化対策も大変重要であります。また、安全・安心対策や道路・河川など地域の社会資本の整備にも配分する必要があり、こうしたサービスの恩恵を国民が等しく受けられるようにしなければなりません。しかし、現実には税収の多い大都市と、過疎化が進み税収の少ない地方が存在する中で、このままでは地域間格差はますます拡大し、自主財源の少ない地域での公共サービス提供が維持できるのか、非常に憂慮すべき状況になっていると思います。過疎化の進む地域では、少子・高齢化の進行がこうした事態に追い打ちをかけています。  例えば、私の地元・北部では、小児科・産婦人科医など、深刻な医師不足の問題を抱え、また道路ネットワークの整備の現状を見ましても、都市部との格差是正の必要性を痛感いたしております。さらに、三位一体の改革が進められましたが、地方交付税の削減など地方の財政は厳しい状態が続いており、もはや、これまでのような交付税と補助金に依存する形での地方の行財政運営は困難な状況にあります。  このような状況のもと、真に元気な地域づくりを目指して、東京一極集中、地域間格差の是正に向けた抜本的な取り組みが必要と考えますが、今後、どのように取り組まれていくのか、知事の御所見を賜りたいと存じます。  次に、入札制度についてお尋ねをいたします。  一昨年来、公共工事をめぐる入札談合事件が相次ぎ、また発注者側が関与したとされる官製談合事件も立て続けに明らかになっており、昨年10月以降、3人もの知事が相次いで逮捕されるという極めて残念な状況になっております。全国知事会におかれましては、こうした事態を深刻に受けとめ、昨年末に「都道府県の公共調達改革に関する指針」の緊急報告を行い、その中で、当面、1,000万円以上の工事については、原則として一般競争入札とすることを初め、全面的な電子入札の導入、総合評価方式の拡充、不正行為等に対するペナルティーの強化など、入札制度の改革に向けたさまざまな提言がなされたところであります。また、この指針の結びにおいて、「各都道府県においては、この指針に記載された数値を含む具体的な目標に向けて、段階的に行う場合でも、具体的な工程表を作成・公表の上、その実現に向けて改革を進め、その実施状況について毎年公表すること」や「市町村に対しても、同様の入札制度の改革を行うよう訴えていく」とされているのであります。  この全国知事会の指針を受け、京都府においては、早速「京都府公共調達改革検討会議」を設置され、現在、対応策を鋭意検討されているとお聞きいたしているところでありますが、その具体的な改革の内容について、また官製談合の根絶に向けたコンプライアンスの徹底などについて、本府における現在の取り組み状況及び今後の取り組み方策についてお伺いいたします。  また、市町村における入札制度の改革に向けましても、本府の強力なリーダーシップが期待されているところでありますが、この件に関しましても、今後の取り組み方針につきまして、あわせて御所見をお聞かせいただきたいと思います。  次に、農業振興についてお尋ねをいたします。  昭和30年代、80%近い自給率でありましたけれども、現在は、自給率40%ということで、先進国では最も低い自給率となっております。また、世界最大の食料輸入国となっております。21世紀には水と食料不足が懸念をされています。戦後の都市化による農地の減少と山間地域を中心に耕作放棄地の拡大によって、我が国の農地は年々減少しております。  国においては、農家の減少や高齢化等により我が国農業の生産体制が弱体化する中で、これまでの価格対策を全面的に見直し、認定農業者や一定の規模等を満たす集落営農等に支援を集中し、農地の集積を促すという改革が進められようとしております。  御承知のとおり、京都府農業は中山間地域が7割を占め、小規模集落が多く、農地は水田が中心で経営規模も小さいという実情にあり、今回の国の改革が必ずしも府内農業の振興にはつながらないと思っております。京都府では、農作業受託組織の育成や中核的な若い農業者の確保、女性・高齢者等の多様な担い手による京野菜の生産振興など、積極的な支援策を講じられたところであり、これらの取り組みに対しまして、高く評価するものであります。  しかしながら、中山間地域を中心とする農村部では、過疎化・高齢化による担い手の減少が地域の活力の低下を招き、農村地域の維持さえ難しい現状を生み出し、耕作放棄地の増加につながっているという紛れもない現実も見落としてはなりません。  2005年センサスによりますと、全国の耕地面積は、5年前と比べると7.1%の減少の363万ヘクタール、逆に耕作放棄地は12.5%増の約39万ヘクタールに拡大をしており、これは実に滋賀県の全面積に匹敵するものであります。京都府の耕作放棄地も2005年には2,615ヘクタールにも上り、5年前に比べ20%以上も増加しており、全国平均を大きく上回る率となっております。このままでは、食料の安定供給だけでなく、農山村の維持、さらには国土の良好な保全にまで影響が出るのではないかと危惧をしているところであります。  こうした中、国においては、既に実施中の「中山間地域等直接支払制度」に加え、農地の農業用水等の資源や環境の良好な保全と質的な向上を図るための地域共同の取り組みを支援する制度として、新たな「農地・水・環境保全向上対策」を平成19年度から本格的に実施しようとしているところであります。京都府におきましても、本年度、既に7市町8地区においてモデル事業が進められているところであります。  そこで、お尋ねをいたしますが、平成19年度当初予算案に「農地・水・環境保全向上対策」に関する予算が計上されておりますが、これに先駆けて取り組まれているモデル地区の事業実施状況はどのようになっているのでしょうか。また、このモデル事業によって明らかとなった課題には、どのようなものがあるのでしょうか。さらに、今回の当初予算案に盛り込まれた事業の積極的な展開を含め、今後、府域の農地を守っていくために、どのような取り組みを進めていかれるつもりなのでしょうか、知事の御所見を伺いたいと思います。  最後に、高速道路及び幹線国道の社会基盤の整備に関しましてお尋ねをいたします。  高速道路は、全国の主要都市間を直接的につなぎ、道路ネットワークの根幹をなすものであり、また、国道は高速道路へのアクセス道路であるとともに、府県界を越えて人や物を運び、地域の振興、交流、連携を支える広域的な幹線道路でもあります。  特に、公共交通機関が十分でない府中北部地域においては、専ら車を府民の足として使われることから、商工業や農林水産業等の産業を支える動脈としての役割と同時に、通勤・通学・通院等、府民の日常生活においても、高速道路や国道はなくてはならない道路となっておりまして、その早期整備に対する要望が強く、大きなものとなっております。  このような実情や府民の熱い要望を踏まえ、京都府においては、府域の南北高速軸となる京都縦貫自動車道や鳥取豊岡自動車道を初めとする高速道路網や広域的な幹線道路である国道の整備を積極的に進められ、高速道路については計画の7割近くが供用され、国道についても、府の管理国道の約8割強が改良済みとなるなど、高速道路や国道整備を全国水準にまで引き上げてきたこの間の府の取り組みに対しまして、敬意を表する次第であります。  しかしながら、府内の高速道路においては、途中に未供用区間がありネットワークとして完成していないため、十分な機能が発揮されていない状況にあり、また、国道においても、地域の日常生活や産業を支える幹線道路でありながら、いまだ幅員が狭い区間や線形の悪い箇所が多数残っています。地域の活性化や災害時の緊急輸送道路を確保するとともに、府県境の峠部分の未改良区間など府県を越えた交流・連携を支援するためにも、国道のさらなる整備促進が必要不可欠であります。  一方、近年の厳しい府の財政状況から、道路予算は平成10年度に比べ、今や4割にまで落ち込み、限られた予算の配分と工事箇所の中で、用地買収のおくれ等を初め種々の理由はあろうと思いますが、せっかく事業化されても事業期間が相当長期化している箇所も見受けられます。  ついては、これらの事業箇所における投資効果の早期発現に対する取り組みなど、今後の道路整備の進め方につきまして、知事の御所見を伺いたいと思います。  本日は、私の地元の皆さんが大勢、3時間以上かけて傍聴に来られています。京都縦貫道や宮津から京丹後市までの延伸となる地域高規格道路の全線完成は、中北部府民の多年の悲願であります。  平成26年度、あと7年で完成の目標がこの1月に示されました。しかし、当初計画に比べ大幅なおくれが見られています。1年でも2年でも前倒しによる早期全面供用ができますように、強く要望しておきます。  以上、4点について答弁を願います。 65: ◯議長酒井国生君) 山田知事。    〔知事山田啓二君登壇〕 66: ◯知事山田啓二君) 田中英世議員の御質問にお答えいたします。  どうも長い間御苦労さまでございました。  元気な地域づくりについてでありますが、御指摘のように、東京というのは全国の人口の1割弱、9.8%しか住んでいないにもかかわらず、そこに大企業の本社が50%以上、しかもその割合が急上昇中、情報の集中化も著しく、情報サービス業の売上高は全国比率で60%を超えてさらに上昇している、高額所得者の半数以上が集まり、4兆円を超える再開発ラッシュが起こるなど、今、加速度的に東京に富が集中しております。  こうした問題に対しましては、本来であれば、国家レベルの調整によりまして、東京への富の集中を地方へ再配分することによって過度な集中を抑制する方向へ動くべきであるのに、逆に地方公共団体の財政状況を見ますと、税収などの一般財源につきましては、平成15年から平成18年度の3年間で、東京都は約1兆円伸びておりますが、そのほかの団体は、逆に1兆円減っております。その格差は、約2兆円にも拡大するなど、一層、富の集中を助ける結果になっているのが現実であります。  この原因としましては、財政調整機能を持つ地方交付税が地方財政対策により削減され、全く財政調整が働かないということが挙げられると思います。こうして経済的集中による格差が広がる中で、地方公共団体による格差是正が機能しないどころか地域間格差に拍車をかける、これが私は今の危機的状況ではないかなというふうに思います。これは、戦後の高度成長のころ、そしてバブルのころを通じまして、このように民間の経済が伸びていったときに、公共部門も一極に集中するということはなかったことでありまして、まさに、私は戦後初めての状況が今生まれているのではないかなというふうに思います。  きょう、丹後で生活をしていらっしゃる皆様が大勢傍聴席においででございますけれども、交通問題、医師確保問題を含め、まさに生活の中でそういった今の構造の持っているいびつさというものを実感されているのではないかなというふうに思います。そのためにも、私は、国のあり方として、1つは、東京一極集中をどのように是正し、地域のあり方というものをどう考えていくのかをしっかりと国土的な政策を今考える時期にあると思っております。かつて多極分散ということが言われましたけれども、それが十分に行われないどころか一極集中している現状を踏まえ、新たに国土形成計画を国は策定しようとしておりますので、もう一度、地域の個性と力を発揮できるような、新たな国土計画をつくっていただくように私どもは働きかけていきたいというふうに思います。  もう1つは、地域間格差を埋める財政システムを構築していくことであります。法人税を含め、東京に集中する現在の税源配分のあり方そのものの見直しや、交付税の本来の機能であります財源調整機能を強化することが必要でありますし、その中で、議員御指摘のように、そもそも東京の人材を私ども地方がしっかりと育てているということに対して、そういう努力が反映されるような仕組みに私どもは全国知事会を通じて働きかけていくべきだというふうに考えております。  その上で、京都府といたしましても、京都の地域がそれぞれの力をしっかりと発揮できるよう、京都の中を人・物・情報が流れる、例えば京都縦貫自動車道や鳥取豊岡宮津自動車道、デジタル疏水、そして医師確保対策、京都舞鶴港対策、こうしたものを打ち立てることによって広域的な連携を確立していかなければなりません。そして、その上に立って、各地域に暮らす人々の力が発揮できるよう、これは平成19年度予算案においてもお願いしておりますけれども、地域力の再生や厳しい財政状況にある市町村への支援を打ち出し本議会に提案させていただいているところでありまして、こうして京都の持てる力を生かすことによって、私は、京都府域の均衡ある発展へとつなげていきたいと考えておりますので、どうか議員の皆様には御理解を賜りたいというふうにお願い申し上げたいと思います。  その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。 67: ◯議長酒井国生君) 麻生副知事。    〔副知事麻生純君登壇〕 68: ◯副知事(麻生純君) 入札制度改革についてでありますが、京都府におきましては、これまでから、クリーンで公正・厳格な職務執行を徹底するとともに、より透明性・競争性の高い入札・契約制度を目指しまして、その改善に積極的に取り組んでまいりました。既に、発注金額が2,500万円以上の工事につきましては、一般競争入札や公募型指名競争入札とすること、談合等の違約金が20%であることなど、全国的にもトップクラスの改善措置を講じますとともに、談合情報があれば、迅速に対処してきたところでございます。  しかしながら、公共工事をめぐる不祥事が全国で相次いで発生いたしまして、地方行政に対する信頼が揺らいでいるという深刻な事態の中で、先ほど田中議員からも御紹介がございましたが、昨年末に全国知事会から「公共調達に関する指針」が緊急報告されまして、全都道府県でこの指針を踏まえて、より一層の入札制度の改革を行うことになりました。  京都府といたしましても、私が座長になりまして、全部局長等で構成いたします「公共調達改革検討会議」を設けまして、全国知事会の指針の具体化に向けて鋭意検討を進めているところでございまして、できるだけ早期に取りまとめた上で実行に移していく考えであります。  主な内容といたしまして、第1に、一般競争入札の拡大であります。一般競争入札の実施に当たりましては、電子入札の導入が必要でありますので、現在、府内の中小零細企業の皆さんに鋭意普及に努めていただいている状況を勘案いたしますとともに、制度の周知に必要な一定の期間を置いた上で、一般競争入札の範囲を、平成19年度内に知事会指針に沿いまして発注金額1,000万円以上の工事に拡大したい、あわせて健全な企業がしっかりと応札できますように総合評価制度の充実に努めたい、第2に、談合等の不正行為があった場合、ペナルティーとして業者に対する指名停止期間を大幅に延長したい、第3に、入札事務について、工事を発注する部局から切り離しまして、別の部局で行うことにより、より透明性を高める体制づくりを行いたい、などにつきまして検討を深めているところでございます。  なお、災害発生した際の緊急出動を初め、安心・安全の地域づくりや身近な公共事業を進める上で、地元中小零細企業が大きな役割を果たしております。そのため、入札制度の改革に当たりましては、全国知事会の指針にも明記されておりますように、「健全な地域産業の育成にも配慮しつつ公正な競争性の確保を図る」との視点も持ちながら進めてまいりたいと考えております。  また、官製談合の防止に向けたコンプライアンス(法令遵守)につきましては、近日中に「発注業務に関する職員倫理規程」を制定いたしまして職員に徹底を図りますとともに、既に実施しております内部通報制度につきましても、庁内の窓口での受け付けに加えまして、弁護士による独立した外部の通報受付窓口を設置することといたしました。  一方、市町村におきましても、入札制度の一層の改革を進めていただくことが必要でありまして、京都府と市町村で構成しております「公共工事契約業務連絡会」など、さまざまな機会を通じて国や京都府の取り組み状況を紹介し情報の提供と共有を行っておりますほか、知事会の指針や改正された官製談合防止法の周知を図るなど、府内市町村に対しまして、必要な指導・助言に努めてまいりたいと考えております。  談合は府民に損害を与える行為であります。今後とも、府議会の御理解もいただく中で、府民の皆さんの信頼にこたえる入札制度に向け、改革に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 69: ◯議長酒井国生君) 鞍掛農林水産部長。    〔農林水産部長鞍掛孝君登壇〕 70: ◯農林水産部長(鞍掛孝君) 農業振興についてでありますが、中山間地域を中心とする耕作放棄地の増加は、農業生産の基盤の弱体化にとどまらず、水源涵養などさまざまな公益的機能を維持する上でも大変重要な課題であり、市町村農業委員会の農地のあっせん活動や農地パトロールなどに加えまして、「地域農場づくり事業」などを通じて農地の保全に取り組んでいるところであります。  しかしながら、議員御指摘のように、年々耕作放棄地は増加傾向にありまして、圃場整備を実施した水田などでは目立った耕作放棄は見られないものの、担い手不足が続く中で、このままでは優良農地にまで影響が及ぶことが懸念される状況となっております。  このため、平成19年度から、国の「農地・水・環境保全向上対策」を活用して、農家だけでなく地域住民が一体となった農地や水路等の保全、さらには地域資源の発掘と活用を通して農村コミュニティーの再生を図るため、「農と環境を守る地域協働活動支援事業」を実施することといたしまして、これに必要な予算を今議会にお願いしているところであります。  本年度、モデル事業を実施した地域におきましては、自治会や子ども会の参画による水路の泥上げや草刈り作業、休耕田へのチューリップの植栽による景観づくりなど幅広い取り組みが行われ、参加住民の皆さんからは、「農地の荒廃防止や環境保全の機運が高まった」などの評価がある一方で、「中心となって活動を進める人材確保が課題」などの意見もいただいております。  このため、現在、市町村や関係団体とともに研修会の開催や優良事例集の作成などの取り組みを進めておりまして、今後とも、できるだけ多くの地域で事業が導入され効果的な展開がされるよう支援に努めていくこととしております。  また、市町村ごとに遊休農地等に関する情報を一元化し、受託組織や地域内の担い手に集積する取り組みを一層強化しますとともに、農業開発公社を通じて、新規就農希望者や農のある生活を求める幅広い人々にも積極的にあっせんする仕組みとして、新たに「担い手活用農地バンクシステム」の整備を行うこととしておりまして、これらの事業により、農地の保全・活用と担い手の確保を一体的に進めてまいりたいと考えております。 71: ◯議長酒井国生君) 森田土木建築部長。    〔土木建築部長森田悦三君登壇〕 72: ◯土木建築部長森田悦三君) 高速道路などの幹線道路網の整備についてでありますけれども、御指摘のとおり、府域の高速道路網につきましては、いまだ未整備区間があり、さらにネットワーク機能が十分に発揮できていない状況にあるとともに、国道や府道につきましても、防災や交通安全、渋滞の解消など、引き続き整備が必要な箇所が残っており、道路整備に対する切実な要望を多数お伺いしているところでございます。  このため、中北部の活性化を図る上で特に重要な京都縦貫自動車道丹波綾部道路の整備を進めるため、国に加えまして新たに府道路公社が有料道路事業として参入することで平成26年度の全線供用の目途をつけるとともに、鳥取豊岡宮津自動車道につきましても、その早期整備を図り、より使い勝手のよい道路となるよう計画を一部見直しするなど、幹線道路網の一日も早い完成を目指しているところでございます。また、新規事業化に当たりましても、公共事業評価審査委員会で事業の必要性や整備効果、さらにはコスト縮減等の審査を受けることとしておりまして、予算の重点配分等とあわせ、選択と集中による重点整備を進めているところでございます。  さらに、事業が用地取得のおくれにより長期化している箇所もありますことから、今年度、土木建築部内に「用地取得推進プロジェクトチーム」を設置し、難航する用地取得の一層の推進を図ることとしております。  今後とも、地域力の再生に向け、府民の安心・安全の確保を図るため必要な道路整備を着実に進め、限られた予算をより集中的・効果的に活用し、その整備効果が一日でも早くあらわれるよう努力してまいりたいと考えております。 73: ◯議長酒井国生君) 田中英世君。    〔田中英世君登壇〕 74: ◯田中英世君 それぞれ御答弁をいただきました。再質問はいたしませんけれども、本府の重要な、それぞれ諸課題につきまして、その積極的な推進を要望いたしておきます。  最後に1点だけ、日本三景の一つ、天橋立を世界遺産にということで、今年度京都府は、登録の可能性を探るための調査に乗り出すということで予算をつけていただきました。地元住民の期待は非常に高まっております。時間はかかると思いますけれども、夢と希望を与えるこの事業に対して、格別な御尽力をお願いしたいと思います。  終わりに、議長のお許しをいただき、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。  私ごとでありますが、今期をもって引退させていただきます。平成3年初当選以来4期16年、地元・橘学区の皆さんを初め旧選挙区であります竹野郡3町の多くの方々の多年にわたる御支援に心から感謝を申し上げます。  府庁から一番遠隔地の議員として、丹後地域の皆さんの声を届けるべく、特におくれていた道路改良を初めとする社会基盤の整備など、全力で頑張ってまいりました。議員各位、先輩、同僚の皆さん、山田知事を初め、理事者、職員の皆様の今日までの御指導、御厚情に心からありがたく、厚く御礼申し上げます。歴史と伝統に輝く京都府議会の限りない御発展を祈念を申し上げ、また山田府政におかれましては、264万府民のために、さらなる発展に向けて御尽力を賜りたいと存じます。  意を尽くしませんが、重ねて厚く厚く御礼を申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 75: ◯議長酒井国生君) 以上で、一般質問を終結いたします。            ──────────────────── 76: ◯議長酒井国生君) 次に日程第2、第1号議案から第54号議案までの54件を一括議題といたします。  これより質疑に入りますが、通告がありませんので、質疑を終結いたします。  お諮りいたします。  ただいま議題となっております第1号議案から第54号議案までの54件については、30名の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と言う者あり〕 77: ◯議長酒井国生君) 御異議なしと認め、さよう決します。  さらにお諮りいたします。  ただいま設置されました予算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、私から、別紙お手元に配付の予算特別委員会委員名簿のとおり指名いたしたいと思います。御異議ありませんか。
       〔「異議なし」と言う者あり〕 78: ◯議長酒井国生君) 御異議なしと認め、さよう決します。  なお、委員長及び副委員長については、委員会条例第6条第2項の規定により、委員会において互選願います。                               (委員名簿は巻末に掲載)            ──────────────────── 79: ◯議長酒井国生君) お諮りいたします。  本日はこの程度にとどめ、明2月15日から28日までの14日間は予算特別委員会審査等のため休会とし、3月1日午後1時から本会議を開きたいと思います。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と言う者あり〕 80: ◯議長酒井国生君) 御異議なしと認め、さよう決します。  それでは、3月1日午後1時から本会議を開きますので、御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。    午後4時29分 散会 発言が指定されていません。 ↑ ページの先頭へ...