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  1. 京都府議会 1998-09-01
    平成10年9月定例会(第2号)  本文


    取得元: 京都府議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成10年9月定例会(第2号)  本文 1998-09-29 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 27 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長石田昂君) 選択 2 :  ◯議長石田昂君) 選択 3 :  ◯梅木紀秀選択 4 :  ◯議長石田昂君) 選択 5 :  ◯知事荒巻禎一君) 選択 6 :  ◯議長石田昂君) 選択 7 :  ◯教育長武田盛治君) 選択 8 :  ◯議長石田昂君) 選択 9 :  ◯梅木紀秀選択 10 :  ◯議長石田昂君) 選択 11 :  ◯梅木紀秀選択 12 :  ◯議長石田昂君) 選択 13 :  ◯知事荒巻禎一君) 選択 14 :  ◯議長石田昂君) 選択 15 :  ◯教育長武田盛治君) 選択 16 :  ◯議長石田昂君) 選択 17 :  ◯細井拓一君 選択 18 :  ◯議長石田昂君) 選択 19 :  ◯知事荒巻禎一君) 選択 20 :  ◯議長石田昂君) 選択 21 :  ◯教育長武田盛治君) 選択 22 :  ◯議長石田昂君) 選択 23 :  ◯議長石田昂君) 選択 24 :  ◯酒井国生君 選択 25 :  ◯議長石田昂君) 選択 26 :  ◯知事荒巻禎一君) 選択 27 :  ◯議長石田昂君) ↑ ページの先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1: ◯議長石田昂君) これより平成10年9月京都府議会定例会を再開し、直ちに本日の会議を開きます。         ─────────────────── 2: ◯議長石田昂君) 日程に入ります。日程第1、一般質問を行います。  通告により順次発言を許します。まず、梅木紀秀君に発言を許します。梅木紀秀君。    〔梅木紀秀君登壇〕(拍手) 3: ◯梅木紀秀君 日本共産党の梅木紀秀です。日本共産党府会議員団を代表して、知事並びに関係理事者に質問します。  質問に入ります前に、さきの台風7号で被害を受けられた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。国会議員団を先頭に日本共産党府・市町村会議員団共同で、被害状況の調査を行い、被災地の皆さんのお話を伺ってまいりましたが、一日も早い生活再建と災害復旧のために全力を尽くす決意であります。  続きまして、7月の参議院選挙では、日本共産党と西山とき子に大きな御支援をいただき、府民の皆様に心からお礼を申し上げます。  参議院選挙での自民党の大敗北は、大手ゼネコンや銀行救済には熱心だが、国民生活には目もくれない自民党政治への明確な審判であります。私ども日本共産党は、「銀行の応援団になるのか、国民の暮らしの味方になるのか」と争点を明確にし、消費税減税初め、国民の暮らしと営業第一の緊急不況対策を国民に示しました。また、公共事業に50兆円、社会保障に20兆円の逆さま政治を正すこと、また、環境・教育・食料問題など21世紀に向けて放置できない課題の解決方向を示し、21世紀の政治のあり方を国民に提起しました。日本共産党は、皆さんの期待にこたえ、消費税減税初め当面の不況対策の問題でも、将来の国のあり方についても、国民が主人公を貫いて、公約実現に全力を尽くす決意であります。  さて、深刻な不況のもとで、国民の暮らしと営業はますます苦しくなっています。小渕内閣は参議院選挙での国民の審判を無視して、長銀など銀行救済には執念を燃やし、民主党、平和改革など野党を抱き込んで強行しようとしていますが、中小業者を初め多くの国民から批判の声が上がっています。その一方で、国民の暮らしをよくする経済対策は何もとらない、その無策ぶりに国民の支持率は早くも20%台に落ち込んでいます。今国民が求めているのは、銀行の救済ではなく景気回復のための消費税減税です。  四半期ごとの経済成長率は、初めて戦後3期連続マイナス、完全失業率は過去最悪を更新し、家計消費はさらに落ち込んでいます。どの指標をとっても、マイナスの連鎖が強まり、底知れない景気悪化が進んでいます。明らかな消費不況です。このマイナスの連鎖を断ち切るためには、消費を温めることが緊急に必要であり、消費税減税を求める声はいよいよ高まっています。IMF(国際通貨基金)も公式文書の中で「景気回復のために消費税率の引き下げも検討すべき」と初めて言及しました。知事も、府民の期待にこたえて、消費税の減税を国に求めるべきです。改めて答弁をお願いします。  次に、医療費の負担軽減について質問します。  昨年9月の医療保険改悪から1年が経過しました。この医療改悪で患者負担は、サラリーマン本人は 2.4倍、お年寄りは 2.5倍と重くなり、全国で受診抑制が広がっています。知事は、昨年「皆保険制度を維持するために必要」だと医療改悪を支持しましたが、実態は深刻です。京都府下の実例ですが、糖尿病の64歳の女性がインシュリンの自己注射の負担が倍になったために、治療費が払えず受診を中断、その結果意識不明状態になって病院に運ばれ、両足を切断されました。友人の発見がおくれていたら命さえ失うところでした。高血圧症や糖尿病など、自覚症状は薄いけれども、放置すれば命にかかわるという病気の方々が治療を中断するという危険なケースが相次いでいます。厚生省の医療費動向調査では、医療費の伸びが調査開始以来最低になったとのことですが、このように、命にかかわる受診抑制が広がっているのです。事態の深刻さを反映して、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会が、医療費を値上げ前に戻し、薬剤費負担をなくすよう政府に要望しました。知事もきっぱりと国に対して医療費を値上げ前に戻すよう求めるべきです。いかがですか。  政府はさらに、お年寄りから保険料を取り立て、自己負担も引き上げる、そしてサラリーマン本人の負担も3割に引き上げるなど一層の医療改悪を進めようとしています。また、この10月から、お年寄りや長期入院患者を受け入れれば受け入れるほど病院経営が悪化する診療報酬の引き下げを強行しようとしています。長期入院している患者は、難病やがん末期患者など入院治療が不可欠な人々です。お年寄りや難病患者を今以上に病院から追い出す、こんな冷たい診療報酬の改定を許すわけにはいきません。国民の健康と命を脅かす診療報酬の改定や医療の連続改悪をやめるよう国に求めるべきです。そして、本府として、お年寄りや障害者への入院給食費や薬剤費への助成を行うよう求めます。いかがですか。  次に、融資対策について質問します。  「中小業者は銀行の貸し渋りに苦しめられているのに、なぜ銀行への税金投入か、長銀救済か」。これが府内の中小業者の率直な声であります。民間調査会社によると、金融機関による貸し渋り倒産件数が8月には前年同月比の3倍にもなっており、「政府の貸し渋り対策を理由にした金融機関への公的資金導入は打開策になっていない」と指摘しています。こうした中、公的融資の役割が重要になっています。本府も融資枠や保証枠の拡大を行っていますが、それが真に中小業者を支援するものになるよう数点質問し、改善を求めます。  ある中小業者が、中小企業総合センターに融資の申し込みに行くと、書類も渡されず「半月後に来てくれ」と言われ、半月後初めて事情を聞かれて書類が渡され、それから2~3週間してやっと保証協会から呼び出しがかかり、さらに融資が受けられるまで1~2週間。何と融資を受けるまでに1カ月半かかったそうです。「それまでの資金繰りが大変だった」とおっしゃっておられました。不況で大変な思いをして、中小企業総合センターに駆けつけているのに、このような実態になっているのです。直ちに必要な予算措置も行い、商工部、特に相談窓口の体制を強化すべきです。また府の診断を受けた業者が速やかに融資が受けられるよう、保証協会の審査を簡素化するよう指導すべきであります。いかがですか。  マル小融資は、申し込みから融資の執行まで約2週間という制度をとっており、緊急な対応が求められる現在の情勢にふさわしいものです。今こそ、マル小の限度額を 1,000万円に引き上げるべきです。また、今日の不況の影響は全業種に及んでおり、料理飲食業の方々を初め不況業種に指定されていない業者の皆さんも困っておられます。緊急融資制度の対象をすべての業種に拡大するよう国に求めるとともに、府も独自に業種拡大に取り組むべきです。さらに、美山町、野田川町などが独自に利子補給を行い中小業者に喜ばれていますが、以前本府が市町村の利子補給、保証料補給事業を支援するために実施した補助事業を改めて実施すべきですが、いかがですか。  次に、信用保証協会の窓口も、何日も待たされ、やっと相談に応じてもらえたら厳しい審査が待っています。保証協会に保証をもらいに行っているのに、さらに保証人を求められるケースもあります。ある業者の方が、看護婦をしている配偶者を連帯保証人に融資を申し込んだところ、窓口で第三者保証人を求められました。中小企業庁が今年2月に、各都道府県に対し第三者保証人の弾力化について通達を出し、既に大阪府など多くの県で家族保証人でも認めているのに、京都の保証協会では依然として厳しく第三者保証人を求めています。本府は保証協会と直ちに協議して、弾力化を明確にして、大阪府同様、マニュアルを作成し窓口まで徹底すべきです。いかがですか。  次に、農業基盤整備や農村環境整備についての農家の負担を軽減する問題です。
     府下各地で、せっかく圃場整備をしたのに田んぼが荒れたままになっているところがあちこちに見受けられます。国の政策で米をつくるために圃場整備をしたはずなのに「米をつくるな」と言う。転作野菜の価格も安定しない。収入がなくても負担金の返済だけは農家に重くのしかかっています。お年寄りが、本来わずかでも暮らしの足しにと小作に出しているのに、小作料の全額が返済に消えているという話も珍しくありません。農産物輸入自由化路線を突っ走り、日本の農業を切り捨ててきた自民党農政の責任は重大です。また、米の輸入自由化や減反の拡大に賛成し、自民党農政を農家に押しつけてきた知事にも大いに責任があります。本府の今年の減反達成率は 103%と全国2位です。全国平均は99%、未達成が16道府県ある中で異常な高さです。また、6月議会で知事は、米の価格補てんの要求を拒否しました。国や府の農業規模拡大の方針に沿って規模を拡大してきた農家も、米価暴落と減反の影響をもろに受け、収入が激減しています。経営が苦しくなっている農家や、高齢者世帯の負担を軽減する措置が必要です。農林漁業金融公庫から借りている人について、返済猶予などを政府に要求するとともに、市町村と協力して利子補給を行うべきです。いかがですか。  農家負担の軽減のもう1つは、農業集落排水の農家負担です。我が議員団はかねてから農家負担の軽減を求めてきました。家の敷地までの公共部分については、市町村の努力で負担が軽減されてきたところもありますが、依然として負担が重く、公共部分の分担金が手いっぱいで、敷地内の工事まではできないという農家がかなり残されています。これでは、農村の環境整備を進めるという事業の目的が達成されません。ここでも米価暴落、減反拡大、不況の影響があります。敷地内の工事に対して補助制度を設けるべきです。同和地区には補助制度を実施しているのですから、特別扱いはやめて、一般対策としての助成制度を検討すべきと考えますが、いかがですか。  次に雇用対策について質問します。  本府の有効求人倍率は0.46と全国平均より低い水準で、府内の公共職業安定所は連日、職を求める方々が殺到しています。そこで、緊急雇用確保と新たな雇用の拡大について質問します。  まず第1は、府内中小業者への官公需発注率を思い切って高め、府内建設業者への仕事づくりを進める点です。  仕事がなくて、この1月から金づちを握っていないという大工さん、仕事が入っても手間賃をたたかれるという建設作業員の方など、不況の影響で建設関係者の暮らしは大変です。失業保険制度はない、転職できない、とにかく仕事はないかと必死の状況です。今回の補正予算で一定の雇用対策費が組まれていますが、これまでから住民要求の高い学校や公共施設の補修、改善を進め、府下中小建設業者の仕事づくりを進めるべきです。  東京都足立区では、学校施設整備費を今年度の当初予算と6月補正予算を合わせて昨年比7億 8,000万円増額し、その仕事を地元建設業者に発注し、関係者から喜ばれています。宇治市では、かねてから便所や照明など傷みがひどく市民から要望が強かった老朽校舎を改善するため、学校改修事業10カ年計画を策定し、約50億円の予算を投入する予定ですが、雇用対策の面から計画の前倒しを求める声が広がり、期待が高まっています。本府でも、向日が丘養護学校では床がでこぼこのままで危険であることなどこれまでから指摘してきましたが、緊急に老朽校舎の実態を調査し、改善を進めるべきです。また、府営住宅の建設戸数を思い切ってふやすこと、エレベーターやスロープの設置、古くなった自転車置き場の改修など住民の要求は山ほどあるわけですから、予算を大幅にふやして改善を進めるべきです。中小の河川や生活道路の整備なども府内業者に発注できます。さらに、高齢者の在宅介護を支援するために住宅改造費を助成する制度の拡充、木造住宅の無料耐震診断制度の創設、低利の耐震改修融資制度、高齢者世帯を対象にした耐震改修工事への助成制度を創設することなども、府民要求に沿いながら府内建設業者の仕事をふやすことができます。ぜひ検討すべきですが、いかがですか。  第2は、農山村での仕事の確保についてです。  外材の輸入拡大、国内産木材価格の下落で林業労働者の仕事が激減しています。「月に数日しか仕事がないが、自宅待機ということで他の仕事を探すわけにもいかない」と、その実態は深刻です。林業労働者の高齢化、後継者不足で、ただでさえ作業員の確保が難しいときに離職が進めば、将来の林業振興や森林環境の保全に支障を来します。そこで仕事確保のために、今回の予算にも追加が提案されていますが、引き続き森と緑の公社の事業発注をふやすとともに、国の森林開発公団の発注をふやすよう働きかけるべきです。また、学校などの公共施設への府内産材の活用を喚起するための補助制度をつくるよう提案します。さらに、緊急対策として、松くい虫被害木の伐採、枝打ち、間伐など森林整備につながる雇用創出事業を提案しますが、いかがですか。  第3に、福祉・教育部門での雇用の創出についてです。  高齢者保健福祉計画のうち、緊急を要するものとしてホームヘルパーの確保、老人福祉施設の職員、老人訪問看護ステーションの看護婦の増員や事務職員の配置など、府民の福祉への切実な願いと雇用確保とを結びつけられるような予算配分などを検討すべきではありませんか。教育分野でも、後で述べますが、30人学級の実施、専科教員の配置など教員の増員を図ることで雇用が拡大します。これらは特に、今就職先がなくて困っている若い人たちの雇用拡大に結びつきます。検討すべきと考えますが、いかがですか。  さて、今全国で、公共事業の経済波及効果と福祉を初めとした社会保障の経済波及効果を比較検討する自治体がふえています。その結果、公共事業よりも社会保障の方が地域経済への波及効果が大きく、国よりも都道府県、さらに市町村へと小さなところほど社会保障の経済波及効果の方が大きいことが明らかになっています。少子化・高齢化社会、障害者にやさしいまちづくりなど社会のニーズにこたえながら身近な生活基盤の整備を地元中小業者に発注し、地域経済を活性化させる、また、福祉施設などで働く人たちの人件費が安定した消費を生み、地域経済を活性化させるという考え方が広がっています。21世紀に向けた行政は、大型公共事業中心の発想から、生活密着型・福祉型公共事業中心に転換していくことが必要です。このことを念頭に、以下質問します。  まず、介護保険についてお尋ねします。  まず第1に、保険料、利用料の負担についてです。  今日の深刻な不況のもとで、国民健康保険料を納められない人々がふえています。国保料には減免制度がありますが、介護保険には減免制度がなく、所得のない人も、最低でも月 1,300円の保険料を納めなければ、介護が受けられません。また、介護サービスを受けるときには1割の利用料が必要で、利用料を納められない人は介護サービスが受けられません。今まで、ホームヘルプサービスは約8割の方が無料でしたが、介護保険実施とともに、1割の利用料が必要になります。特養ホームに無料または低額で入所していた方も、平均月4万 7,000円の利用料が必要になります。国民年金受給者の平均月額が4万 6,000円ですから、入所できないどころか、利用料が払えなくて退所しなければならないという事態が生じます。「お金なければ介護なし」です。介護保険にも、国民健康保険同様に、国の責任で減免制度を設けるよう国に求めるべきです。いかがですか。  第2に、介護基盤整備についてです。  現在、特養ホームに入所を希望しても、入所待ちという状態が府下あちこちで起こっていますが、ホームヘルパーの派遣などについても、介護保険実施以後は、待ってくれというわけにはいきません。現在、市町村で計画の見直しが進んでいますが、「保険あって介護なし」とならないよう、当初計画を早期に達成し、さらに十分な介護基盤を整備していくために、府として強力な支援が必要です。  そこで、幾つか具体的な問題について伺います。  特別養護老人ホームの整備についてですが、大宮町の特別養護老人ホームの建設について、当初、府は「計画外で認められない」という態度でしたが、その後、世論に押されて認めました。引き続き、要望の強い岩滝町、京田辺市、八幡市、三和町などについても、積極的に支援すべきです。  また、基盤整備に地域的なアンバランスが生じています。例えば老人保健施設については、相楽圏域が整備ゼロという状況です。公立山城病院で改築及び機能強化が計画されていますが、老人保健施設を併設できるよう支援するべきだと考えますが、いかがですか。訪問看護ステーションについては、中部、中丹、丹後圏域でおくれていますが、とりわけ医療機関がない自治体でおくれています。医療機関が手を挙げるのを待つという姿勢のままでは進まないのではないでしょうか。京都府が積極的に関与して、設置を進めていくべきであると考えますが、いかがですか。  人材の確保についてですが、ホームヘルパーについては、97年度末の進捗率が人数では82.7%ということになっていますが、サービス回数で見ると進捗率は66.3%です。しかも、目標を達成しても、必要なサービスの3分の1しか提供できない状態です。ホームヘルパーの大幅な確保が必要です。そのためにも労働条件の改善が急がれるのですが、逆に、市町村から委託を受けてホームヘルプサービスを実施してきた社会福祉協議会などへの補助金が、人件費補助方式から事業費補助方式に切り下げられ、経営上、労働条件の低下が心配されています。賃金、休暇、身分保障など労働条件改善のために、府の積極的な支援が必要だと考えますが、いかがですか。  第3に、情報公開と住民参加についてです。  介護保険制度が円滑にスタートするためには、住民に十分な制度の説明をし、住民の意見を反映することが必要です。東京都の武蔵野市では、地域説明会をきめ細かに開き、住民の意見にこたえて、低所得者への介護サービスの提供などについて研究が進んでいます。計画策定委員会には公募で住民代表が参加していますし、もちろん基盤整備の進捗状況は住民に公開されています。本府の場合、住民説明会や計画策定委員会の公募など、一部の自治体で進んでいる例もありますが、ゴールドプランの進捗状況について、36の市町村が非公開、計画策定委員会の委員会審議が非公開、委員名簿も非公開の自治体が多いというのが実態です。本府自身も市町村を通じて四半期ごとに特養ホームの待機者の状況を調査しておきながら、その結果を議会にも報告しないという態度であります。厚生省の課長会議資料でも「被保険者の意見を反映させるための必要な措置」を強調しているわけですから、府として、情報を積極的に公開すること、計画策定委員の公募、住民懇談会の実施など、住民の声が十分反映されるよう市町村を指導すべきです。いかがですか。  次に教育について質問します。  文部省の97年度学校基本調査によると、「学校嫌い」を理由に30日以上欠席した不登校の小中学生が、ついに10万人を突破しました。京都は、小学生で全国平均の 1.8倍、全国ワースト3位です。中学生は全国平均の 1.4倍、全国ワースト6位です。なぜ、京都で不登校が多いのか、この問題意識を踏まえて質問します。  中学生の不登校生徒の比率は小学生の 7.3倍で、1クラスに1人の割合です。栃木県黒磯市のナイフによる教師刺殺事件以来、いわゆる「普通の子」がキレる深刻な事件が多発していますが、中学生に過度のストレスが集中しています。今年6月、国連「子どもの権利に関する委員会」も、「日本の教育制度が極めて競争的であり、過度なストレスや不登校を生み出している」と日本政府に勧告しています。文部省は、受験競争の緩和のためにと、92年度から、高校入試に推薦入学の枠をふやし、意欲・関心・態度を評価する内申書を重視するよう指示しました。ところが、逆に生徒にとっては、日常的な態度まで教師に評価されることになり、ストレスを増加させました。ストレスの質も変化し、これ以降、急激に不登校は増加し、事件の質も深刻になりました。全国中学校校長会は昨年、高校受験のストレスを緩和するために「希望者の全員高校入学が必要だ」と提言しています。また、本府の場合は、類・類型制に加えて、「特色ある学校づくり」や「選択肢の拡大」の名目で、高校の多様化や通学圏の拡大を進め、さらに学校間格差を拡大してきました。その結果、中学生に早くから高校受験のプレッシャーをかけ、ストレスを増大させることになっています。京都府の中学生の不登校が全国ワースト6位であることと決して無関係ではありません。体の急激な成長とともに、心を揺り動かしながら人間的に成長していく中学生の年代を高校受験のストレスから解放するために、高校全入制度の実施が必要です。また、学校間格差をなくすこと、高校入学後にじっくり考えて進路を決定し、また変更についても柔軟に対応できるような高校制度にしていくことが必要だと考えますが、教育長の考えをお聞かせください。  次に、小学校の「学級崩壊」にかかわって、30人学級の実施について質問します。  6月にNHKが、大阪堺市の小学校1年と5年の学級崩壊の状況をリアルに紹介したドキュメンタリー番組を放送しました。全国から再放送の要望が相次いだそうです。子供の育ち方が変わる中で、1人の先生が40人近い子供たちの心を把握することが無理になっています。欧米では、子供たちを個としてとらえ、学級定員を少なくして、個性を大切にする教育を重視してきました。多くても25人学級です。ところが日本では、子供たちを集団としてとらえ、校則など生活指導を強化することで、効率のよい多人数一斉授業を維持してきました。しかし、今の子供たちは、自分らしさや個性へのこだわりを強く持っており、40人学級では対応できなくなったことを「学級崩壊」は示しているのではないでしょうか。一人一人の子供に丁寧にかかわり、的確な指導をしていくためには、30人学級にすることが求められているのではないでしょうか。  参議院選挙では、我が党はもちろん、民主党、公明、自由党、社民党いずれも30人学級あるいは25人学級を公約しています。また長野県小海町、佐賀県北波多村など、単費で30人学級を実施する自治体がふえ、文部省も弾力化の方針に変わりました。予算の裏づけをしないことが問題ですが、30人学級への道が開けてきたと歓迎されています。京都府下で31人以上の学級で学んでいる児童・生徒は、小学校で66.4%、中学校では95%にもなります。そこで、30人学級を実施するのに、財源は幾らかかるか試算してみました。40人学級を実施したときと同じく6年間かけて実施していくと、京都府では6年間で、約28億円の予算を上乗せすることで30人学級が実現します。単費の計算ですから、文部省が実施すれば半額で済みます。また、文部省が実施するまで市町村に府が2分の1補助をするならば、同じく半額で実現できます。これだけ世論が広がっているのですから、国に30人学級の実施を強く要求すると同時に、京都府独自で実施することや市町村への補助を行うべきだと考えますが、いかがですか。  次に、フリー教員の配置について質問します。  先日の京都新聞に「ふえる先生の燃え尽き症候群」という記事がありました。いじめや不登校、授業妨害、生徒指導や会議に追われ、蓄積したストレスが限界に達したとき、燃え尽きたように意欲を失い、不眠、偏頭痛などの症状があらわれるそうです。京都では約3割の教師が燃え尽き症候群に陥っているということです。教師も大変ですが、子供たちへの影響も大です。先生の多忙を解消しなければならないのではないでしょうか。小学校の場合、学級担任の先生は朝の会からお別れ会まで授業に空き時間がありません。昼も給食指導です。授業が終わった後も職員会議や研修会、校内の仕事に追われます。多くの先生は、自宅で夜遅くまでかかって、学級通信や子供との交換ノートに記入します。慢性の過労状態になっています。多忙な状況を解消するために、先ほど申し上げた30人学級の実施が必要です。また、研究指定校の削減、学習指導要領の精選や授業研究の時間の保障など、支援すべき内容はたくさんあります。その中でも、京都の場合、文部省基準より教員配置基準が少ないことが大問題なのです。12学級の小学校では、文部省基準では16人ですが、京都では15人です。学級の担任の先生が12人、校長、教頭、教務主任の先生で15人。文部省基準どおり16人ならば、フリーの先生が1人配置できるのです。音楽や図工の専科教員としてフリーの先生が入れば、確実に学級担任の先生の心にゆとりが生まれます。子供たちと余裕を持って向き合うことができるのです。校内の仕事の分担も楽になります。他府県とのこの差は、京都の小学生の不登校が全国ワースト3位となっていることと無関係ではありません。京都府教委が先生のゆとりを奪っているのです。直ちに文部省基準どおりフリー教員を配置すべきです。教育長の答弁をお願いします。  次に、ダイオキシンなどによる環境汚染について質問します。  このほど世界保健機関(WHO)は、生涯にわたって摂取し続けても健康に影響がないとされるダイオキシン類の基準値である1日摂取量を10ピコグラムから1ないし4ピコグラムに規制強化しました。既にヨーロッパでは1ピコグラムに抑える国が主流です。日本の対策は10ピコグラムを前提にしており、世界の流れに比べ、おくれは際立っています。直ちにWHO新基準をもとに、焼却炉の排出基準の強化、土壌汚染の基準設定などを急ぐ必要があります。  日本共産党府会議員団は、14年前からダイオキシン問題について質問し、繰り返し対策を求めてきましたが、改めて次の3点について知事にお伺いします。  まず第1に、ダイオキシン類の汚染の実態調査と府民への公表の問題です。  京都府は、ようやく今年度から府下 140カ所のごみ処理施設の調査を始めましたが、排ガスの分析調査は5年間かけて、また土壌や水質の調査は40地点を3年もかけて行うというもので、極めて不十分です。しかも、調査対象には、焼却灰の最終処分場や既に使い終わった元処分場、より高濃度の汚染が心配されている産廃などの小型焼却炉すら入っていません。また、事業所や家庭にある小さな焼却炉などは何ら規制も調査もされていません。調査のテンポアップと調査対象を拡大し、汚染実態の総合的な把握が必要です。  また検査体制も問題です。先日、私ども日本共産党府会議員団は、以前、数年間にわたって電線の塩化ビニールカバーを野焼きしていた八幡市の現場を調査しました。鉄の網の上に乗せてガソリンをかけて燃やしていたというのですから、ダイオキシン類が発生していたおそれが十分にあります。住民の方々からの強い不安の声にこたえて実施したものです。保健所にも立ち会っていただいたのですが、土壌や水の調査方法、評価について国の基準がないこと、また、保健所には調査する体制もないことが明らかになりました。これでは府民の不安にこたえることができません。また、本府にはダイオキシンを分析調査できる機器が全くありません。香川県などでは早くから導入されていますし、最近導入した横浜市では、 7,300万円で整備できています。府保健環境研究所に直ちに導入すべきですが、いかがですか。そして保健環境研究所や保健所の検査機能と体制を強化し、府民が不安を抱いている地点の調査はもちろん、調査対象を広げ、迅速な調査と結果の公表を行うべきです。また、法基準以下の小型焼却炉について、府独自の規制によるダイオキシン類の定期測定の義務づけと施設の改善などが急務だと考えますが、いかがですか。  第2に、後を絶たない不法な野焼きの取り締まりについてです。  先ほどの八幡市の例のように、野焼きによるダイオキシン類の汚染は深刻です。廃棄物処理法施行規則などの改正で野焼きを禁止する基準が強化され、罰金も最高 300万円と厳しくなりました。ところが、その後も府下各地での野焼きは後を絶っておらず、京都府が掌握しているだけで府下26件にも上っています。そして、亀岡市内には6件が集中しています。その1つ、亀岡市の住宅地に隣接した解体業者の作業場では直径15メートル、深さ3メートルの穴が掘られて建築廃材などが燃やされ、白煙と悪臭が立ち込めています。この業者は7年も前から野焼きを行い、付近の住民の皆さんが連絡会をつくって京都府や亀岡市に取り締まりを再三求めてきたにもかかわらず、一向にやめる気配がありません。府は口頭指導しかしておらず、これでは不十分です。厚生省は、各都道府県知事に対し「違反者に対しては、改善命令や措置命令の発動を積極的に行うなど厳しい態度で対処されたい」と指示しているのですから、悪質な行為には、京都府として、法的措置も含め、不法な野焼きは絶対に許さないとの強い決意で臨むべきです。決意をお聞かせください。  第3に、ダイオキシン類を発生源で断つための塩ビ製品の規制、とりわけ製品表示と分別回収についてです。  塩ビ製品は、建設資材や農業用、医療用資材を初め、食品包装、文房具、おもちゃ、雨具、履物など、日常生活の至るところにあふれていますが、表示が義務づけられていないため消費者も気づかずに使用しています。ダイオキシン対策で最も重要なことは、塩化ビニールの製造・販売、使用を規制し、素材を塩ビ以外のものに切りかえること、どうしても使用する場合には表示を徹底し、メーカーの責任で回収と無害化を義務づけ、塩化ビニールをごみとして燃やさないことです。既にヨーロッパ各国では法的な規制が進んでいます。本府のように、業界による自主回収システムの確立を待っていたのでは、いつまでたってもごみから塩ビがなくならないことは明らかです。  国が塩ビの規制に背を向けているもとでも、府下の幾つかの自治体で、塩ビを含むプラスチックの分別回収に努力しています。加茂町では、昨年4月の調査で、清掃センターから府下で最高の49ナノグラムものダイオキシンが検出されたことを契機に、今年1月からプラスチックを分別回収し、この4月の調査では4ナノグラムに激減し、効果を上げています。37ナノグラム検出された船井郡衛生管理組合でも今年4月からプラスチックの分別収集を開始しましたが、処理のための財政負担が重くなっています。業者責任の明確化が求められています。また、八木町ではさらに進んで、今年5月から塩ビ製品ごみの分別回収を始めましたが、町民の中から「どれが塩ビ製品なのか区別がつかない。せめて表示があったら」との声が出ています。塩ビ製品の規制は、本格的なリサイクル社会を築いていくために、製造者の責任を明確にしていく重要な試金石となります。  知事が「京都府を環境先進県に」とおっしゃるのであれば、全国に先駆けて京都府独自に塩ビ製品の表示を義務づける条例の検討を初め、市町村の努力を支援するために、塩ビ製品ごみの保管をしやすくするための圧縮器への補助なども積極的に行うべきではありませんか。お答えください。  次に、第2迎賓館建設計画について知事に質問します。  総理府は先日、第2迎賓館の基本設計概要を発表しましたが、我が党がこれまで指摘してきた大きな問題点を浮き彫りにしています。改めて3点に絞って質問します。  第1は、迎賓館を御苑内につくることによる問題点です。  京都御苑は、長い歴史と京都らしい独特の景観を持つ公園として全国の人々からも親しまれています。先人たちが築いてきたこの歴史的な遺産を守ることこそ行政の任務です。かつて文化庁は京都御所を世界遺産に登録しようとしましたが、宮内庁の了解が得られなかったため断念したと言われています。世界遺産に登録されれば御苑はそのバッファゾーンとして一切建築を禁止されていたはずです。京都御苑はそれほどの値打ちのあるところです。そこへ、新たに迎賓館をつくること自体が、歴史的な遺産を台なしにします。知事は、迎賓館の建設で「京都が築き上げてきた豊かな文化を世界に発信する」と言われましたが、和風に見せかけても、鉄筋コンクリートの建物がひわだぶきの御所の横に建つことは、本物の京都の歴史と文化を破壊するものです。鴨川にフランス風が似合わないように、御苑に和風もどきは似合わないのです。  また、知事はかつて「松の木一本も切らずに迎賓館を建設する」と約束したのに、大量の樹木移植や土壌破損で貴重な自然を破壊しているではありませんか。スポーツ愛好者には「代替グラウンドを確保する」と約束したのに、4面あったグラウンドは2面しか確保できず、府民に犠牲を強いているではありませんか。京都を象徴する歴史的遺産の破壊や、公園とグラウンドの縮小、自然環境破壊などの否定的な影響を真剣に考慮し、建設をストップすべきと思います。まずこの点についてお答えください。  第2に、迎賓館の建設そのものが不必要であるということです。  今回、概要で「国公賓及びこれに準ずる賓客」に加え「地方交流事業を含め、関西圏の活性化、国際化に資する使用にも」と使用範囲を広げましたが、これは、年数回の国公賓の利用だけではむだ遣いになることを裏づけたものです。これを取り繕うために、これまで民間のホテルで用が足りていた地方交流事業や経済界の利用をふやせばふやすほど本来の国賓等を接遇するという目的は薄れ、結局建つのは、迎賓館とは名ばかりのホテルではありませんか。御苑内に巨費をかけてつくる必要はない施設であります。国や府は、必要もない迎賓館建設に数百億円ものお金をかけるよりも、不況で苦しんでいる国民の暮らしや生活基盤の整備にこそ使うべきです。以上からも、迎賓館を御苑内に建設する理由は破綻していると思いますが、知事の答弁を求めます。  第3に、迎賓館建設にかかわる法的問題です。  京都御苑は都市計画決定されている都市計画公園であり、公園の安易な廃止や本来の用途に適合しない施設の建設は認められません。また、建築基準法によれば、京都御苑は第二種中高層住居専用地域であり、ホテルまたは旅館は建築できません。宿泊施設である迎賓館は建てられないことは明らかです。ところが、市長の特例許可や都市計画審議会で用途地域を変更するという府市共犯の例外的手法で、あくまで強行しようとしています。建築基準法や都市計画法の法的規制で、御苑の歴史的景観を先人が守ってきたものを、市長、知事が率先して破壊しようという許されない行為であります。かつて京都で例外的手法でホテルが建てられたことがあります。1984年に、サミットを誘致するという名目で、小屋ひとつ建てられない宝ケ池の公園区域を解除し、西武ホテルが建設されました。サミット誘致が無理であることがわかっていながら、行政が一部のホテルを例外扱いで優遇した許されない行為として府民の批判を浴びました。法律の制約を突破してまで京都の歴史的景観を破壊し、御苑内に必要性のない迎賓館名目のホテルを建てることはやめるべきです。知事の答弁を求めます。  日本の顔・京都を象徴する鴨川の景観を守るために立ち上がった京都府民及び全国の良識ある人々の運動と世論の大きな盛り上がりの中で、京都市は鴨川フランス橋計画を白紙撤回しました。府市民の声を無視した無謀な計画は必ず破綻せざるを得ません。第2迎賓館についても府民の合意抜きに強行する行政姿勢を改めるよう強く求めます。  最後に、アメリカの未臨界核実験について質問します。  去る26日、アメリカは4回目の未臨界核実験を強行しました。インド、パキスタン両国の核実験を強く批判しておきながら、みずからは新しい核兵器開発の実験を強行する、こんな理不尽な態度は許されません。核兵器廃絶を求める世界の世論に挑戦するものであり、日本共産党は厳しく抗議するものです。知事は、インドやパキスタンの核実験には直ちに抗議しましたが、アメリカの暴挙には何ら抗議されないのですか。アメリカに対してもきっぱり抗議するべきです。知事の御所見をお伺いします。  以上で、私の質問を終わります。御清聴どうもありがとうございました。(拍手) 4: ◯議長石田昂君) 荒巻知事。    〔知事荒巻禎一君登壇〕 5: ◯知事荒巻禎一君) 答弁に先立ち、職員の不祥事につきまして、一言おわびを申し上げます。  昨夜、京都府木津土木事務所職員があっせん収賄容疑で京都府警に逮捕されました。私は、知事就任以来、府政推進に当たっては、清潔で親切、公平・公正を基本姿勢とし、職員に対してもあらゆる機会を通じて徹底してまいりましただけに、今般の事態はまさに断腸の思いであります。府議会議員の皆様並びに府民の皆様に対しまして、心から深くおわびを申し上げます。早急に事実関係の把握と原因の究明を行うとともに、全庁挙げて総点検を行い、再発防止と府民の皆様の信頼回復に全力を挙げて取り組む所存でありますので、何とぞ御理解賜りますようお願い申し上げます。  梅木議員の御質問にお答え申し上げます。  まず、不況打開のため、消費税減税を行うよう国に意見を言うべきとの御意見でございますが、これまでから何度も申し上げておりますとおり、国の税制については、国全体の経済・財政運営の基本にかかわる問題として、政府及び国会において総合的・専門的見地から検討がなされるべき分野の問題であると考えております。  もとより、最近の経済情勢には極めて厳しいものがありますが、国においては、先般の総合経済対策に加え、さらに景気にも最大限配慮しながら、6兆円を相当程度上回る恒久的減税の実施に向けて、国会において総理の所信表明もあり、検討が行われているところでございます。  京都府といたしましても、国の対策にも呼応しながら、思い切った景気・経済対策を実施してきており、今回の補正予算においても中小企業貸し渋り対策や雇用創出に関する予算を御提案申し上げているところでございます。これらにより、一日も早い景気の回復が図られることを願っております。  医療保険制度についてでありますが、責任と権限を有する国会での審議に基づき、昨年9月に健康保険法の一部改正が実施されたところであり、診療報酬の改定につきましては、厚生大臣の諮問機関であります「中央社会保険医療協議会」の答申に基づき決定されているところであります。  また、今後の医療保険制度の見直しにつきましては、全国知事会、全国市長会、全国町村会などにおきまして、制度の十分な議論が広く行われるよう国に対し強く要望しているところであり、今後とも国会や国の審議会において十分な論議が行われることを期待しております。  次に、入院時の食事療養費についてでありますが、従来から申し上げておりますとおり、入院給食費の補助よりも直接的な医療費の軽減を図る観点から、乳幼児や障害者の医療について改善を図っているところでございます。  また、薬剤費につきましては、法律改正の趣旨を尊重しつつ、安心して医療が受けられるよう、低所得の重度障害者や母子家庭の方々に対して、薬剤に係る負担も含め、自己負担分を助成しているところでございます。  金融対策についてでありますが、極めて厳しい中小企業の状況を踏まえ、昨年9月から緊急金融対策を実施してきているところでありまして、大変多くの府民の御利用をいただいております。今後とも、京都信用保証協会とも連携しながら、できる限り迅速な融資が実行されるよう努めてまいりたいと考えております。  いわゆるマル小についてでありますが、従来からお答えしておりますとおり、平成8年度に創設いたしました新マル小は、利率、限度額ともにマル小よりも大幅に有利な制度でありまして、この新マル小の利用促進を図っているところでございますので、お勧め願いたいと存じます。  また、不況業種についてでありますが、これまでも京都府から国への強い働きかけで、織物業や陶磁器、印刷業など、多くの業種が指定されているところであります。今後とも、より多くの業種が対象になりますよう、引き続き努めてまいりたいと考えております。  また、市町村への支援についてでありますが、本年8月に制度融資の金利をさらに引き下げたところであり、各市町村において地域の実情に応じて実施されている利子補給制度と相まって、中小企業の皆さんの負担の適切な軽減が図られているものと考えております。  なお、保証人の扱いにつきましては、京都信用保証協会では、必要以上の保証人や担保の徴求はしていないなど、適正な対応が行われていると存じておりまして、また京都府としてもそのように指導しているところでございます。  なお、不況業種に対する信用保証協会の本年4月から8月までの全国における別枠の保証実績は約 2,000億円でございますが、このうち京都信用保証協会は約 300億円を占めておりまして、実に全国の15%を占めていると聞いております。京都府の経済規模は全国の50分の1、すなわち2%でございますから、この金額は大変大きなものでございます。中小企業に対する制度融資や信用保証について京都府が全力を挙げているあかしであろうと存じております。ぜひこういう事実もあることを御承知おき願いたいと思います。また、支持者の方にも御説明願いたいと思います。  圃場整備事業の農家負担の軽減についてでありますが、負担金の年償還額が高額となる期間におきまして、利率が2%を超える部分を助成する「担い手育成支援事業」がウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策として実施されておりまして、借り入れ主体である土地改良区等において積極的な活用が図られているところでございます。  また、農業集落排水につきましては、宅地内工事は個人施設となるため、農林漁業金融公庫資金など、低利な制度融資を活用して工事が実施されているところでございます。  なお、同和地区での水洗化補助につきましては、これまでからお答えいたしておりますとおり、国の公共下水道整備事業が同和対策事業として5年間の経過的な財源措置が講じられたことにより、市長会、町村会の要望も受けまして、経過措置を設けているものでございます。  雇用創出についてでありますが、厳しい不況・雇用情勢の中で、京都府におきましては、当初予算に加え、6月補正予算におきましても総合的な経済対策を実施することとし、必要な公共事業の確保に努めてきたところでございます。府立学校や府営住宅等につきましては、その実情を十分に把握し、計画的な整備に努めているところでございますし、道路、河川、府営住宅等の公共事業につきましては、高度で特殊な技術力を要する工事を除きまして、従来から府内の建設業者へ積極的発注を行ってきたところでございます。  なお、住宅の耐震改修等につきましても、京都府住宅供給公社の住宅相談所におきまして、個々の相談に応じているところであります。  また、森林開発公団が行う造林事業の確保につきましては、森林組合連合会や公団造林協議会と連携をいたしまして、国に対して要請活動を行った結果、今年度は国の経済対策を受けて、昨年度実績の約30%増しの事業量が確保されております。  さらに、府内産材の活用につきましては、昨年発足させた「府内産材利用推進庁内連絡会」におきまして、公共施設等への利用促進の取り組みを進めておりまして、学校施設への利用につきましても木材の利用促進の助成制度の活用により、カウンセリングルームなどの整備が行われているところでございます。  また、福祉分野におきましても、介護保険の導入を控えて、市町村との連携のもとに、ホームヘルパーなどの人材養成や老人福祉施設の前倒し整備など、介護基盤づくりに積極的に取り組むとともに、高齢者などにやさしい住宅改善を促進するために各種の施策を実施しているところでございます。  さらに一段と厳しさを増した雇用情勢に対処するために、全庁を挙げて、現下の不況雇用情勢を配慮した当面の対処方針を取りまとめまして、小規模な土木工事や枝打ち、間伐等の森林整備などの緊急雇用創出事業を実施することとし、これに係る予算審議を今回お願いしているところであります。  介護保険についてでありますが、京都府といたしましては、この制度が府民の多様で切実なニーズにこたえた水準の高いものとなり、また地方の立場を踏まえ、行財政的にも合理的で安定したものとなるよう、介護基盤の整備や低所得者に配慮した保険料の設定など、制度全般にわたりまして、かねてより国に対し強く要望しているところであります。  特別養護老人ホームや訪問看護ステーションなどの基盤整備につきましては、介護保険の導入に備え、施設の前倒し整備も含め、積極的に進めているところであり、今後ともニーズを十分に把握しながら、市町村との連携のもとに、必要な基盤の整備を推進することといたしております。  なお、公立山城病院につきましては、現在、相楽地域の中核病院として整備が進められているところであります。  ホームヘルプサービスの事業費補助方式につきましては、利用者のニーズに応じたきめ細かなサービスが介護保険制度のもとで効率的に提供される体制の整備を支援するために、新たに導入されたものと理解をいたしております。  介護保険に関する情報の提供についてでありますが、京都府の介護保険事業支援計画の策定に当たりましては、その前提となる介護ニーズやサービス提供体制の状況などの情報提供に努めてまいることといたしております。  また、市町村は介護保険事業計画の策定に当たり、あらかじめ被保険者の意向を反映させるために必要な措置を講じることとされておりますところから、市町村におきましては、策定委員会に被保険者代表の参加を求めるなどの配慮がなされているところでございます。  ダイオキシン対策についてでありますが、この問題を解決するためには、発生源の規制と環境調査の実施が重要であると考えております。このため、京都府といたしましては、独自に規制対象となる民間の全廃棄物焼却施設のダイオキシン調査を実施するとともに、多様な排出源からの一般環境への影響を見るために、大気、水質、底質、土壌における調査も広域的に実施しているところであり、その結果について公表することといたしております。  なお、最終処分場の跡地等については、閉鎖に当たって覆土対策や水質分析等、管理の徹底を図っており、今後国における土壌や水質のダイオキシン規制値の設定を注視してまいる所存であります。  また、府は率先して府の施設に設置されている小型焼却炉を原則廃止しておりますが、市町村に対し、家庭用焼却炉をふやさないよう指導も行っており、規制対象とならない小型焼却炉の規制につきましては、国が排出実態調査を行っているところであります。  次に野焼きについてでありますが、規制の強化を踏まえ、保健所が中心となり、関係機関や市町村と連携して野焼き行為の中止など、指導の徹底を図っているところであり、今後警察とも協力して、厳正に対処してまいりたいと考えております。  塩化ビニール製品の規制と分別収集等については、既に府内の多くの市町村がプラスチックごみとして分別収集しているところでありますが、さらに平成12年度には容器包装リサイクル法に基づき塩化ビニールなどのプラスチック類の分別収集が始まるところから、この分別基準や保管基準について国の動きを注視し、適切な対応を図ってまいりたいと存じます。  なお、保健環境研究所におけるダイオキシン分析の施設整備につきましては、検査に際しての安全性の確保など、さまざまな研究課題があると考えております。  京都迎賓館についてでありますが、先日、基本設計の概要が明らかにされまして、マスコミでも報道され、「府民だより」にも掲載いたしましたが、その外観は、築地塀に囲まれた現在の御所や御苑の歴史的な景観と調和を重んじた清楚で品格ある和風のたたずまいとなる予定でございます。既存の樹木も生かした敷地内の豊かな植栽や日本庭園を中心とした施設配置、木と伝統技術の積極的な活用などにより、自然との調和、融合にも配慮した和風施設となる計画であります。  代替の運動施設の確保につきましては、環境庁により、御苑全体の公園利用や自然環境等にも配慮の上、御苑内富小路地区においてゲートボール場3面、ソフトボール場2面が整備されることとなっております。また、これとあわせ、京都市が本年5月には伏見区の桂川緑地久我橋東詰公園において、饗宴場広場のソフトボール場を上回る広さの多目的運動場を開設されたところであります。  京都迎賓館の利用につきましては、国が建設の基本方針を決定いたしました平成6年の閣議了解の中で、既に「地方公共団体等が行う国際交流事業を含め、関西圏の活性化、国際化に資する使用にも有効に活用する」とされておりまして、計画当初から地元での幅広い利用そのものの本来の目的とされているものでございます。府民の方々に親しまれ、観光面でも京都の魅力を高めるような公開性を高めた幅広い利用が可能な施設となることは、地元にとりましても大きな利益になると考えております。  迎賓館に係る建築規制につきましては、関係法令の規制にのっとって適正かつ円滑に建設が進むよう、建設主体である国が中心に調整が進められておりまして、しかるべき時期に所要の手続が踏まれるものと承知をいたしております。  京都迎賓館の国における外交上の大きな役割や、地元京都にとっての限りない意義などにつきましては、6月府議会の一般質問でも梅木議員に直接明確にお答えしたとおりでございまして、今後とも国に対し、後世に誇り得るすばらしい施設となるよう、建設促進等を強く要望してまいりたいと考えております。
     最後に、今回アメリカが行った未臨界核実験についてでありますが、府民の生命、身体を守るべき立場にある知事といたしましては、今後、世界の核軍縮に向けて国際社会で未臨界核実験のあり方についても十分な論議がなされ、すべての国が核兵器を廃絶し、世界の恒久平和が確立されることを強く願っている次第でございます。 6: ◯議長石田昂君) 武田教育長。    〔教育長武田盛治君登壇〕 7: ◯教育長武田盛治君) 梅木議員の御質問にお答えいたします。  まず高校への入学についてでありますが、法令により、選抜に基づいて入学を許可することとなっており、中学校におきましては、一人一人の生徒の多様な興味、関心、能力、適性、進路希望に即しながら、家庭とも連携した進路指導が行われているところであります。  また、高校教育制度についてでありますが、府立高校におきましては、生徒の多様な進路希望や保護者のニーズにこたえるため、普通科の類・類型や職業に関する学科の充実、新しいタイプの専門学科や総合学科の創設、単位制の導入等、積極的に取り組んでいるところであり、生徒に対しましては、日ごろから教育相談や適応指導等、きめ細かい指導を行っているところであります。今後とも現行制度を基本に、高校教育の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、学級編制についてでありますが、先日の中央教育審議会の答申を受けまして、文部省では今後協力者会議を設置し、法改正も含めまして検討されると聞いておりますので、その動向を見きわめて対応してまいりたいと考えております。  次に、教職員の配置についてでありますが、標準法は各府県ごとの教職員総定数を算出するための基準でありまして、各府県は、その範囲内でそれぞれの実態に応じて配置ができることとなっております。本府におきましては、この標準法の趣旨に即しまして、学校規模に応じた配置を基本としながら、個に応じた指導や不登校などの教育課題に適切な対応ができるよう、必要な教職員の配置をしているところでございます。  次に、教員採用についてでありますが、毎年、児童・生徒数の推移や退職者の状況、年齢構成などを勘案しながら、計画的に採用を行っているところでございます。(梅木議員発言を求める) 8: ◯議長石田昂君) 梅木紀秀君。    〔梅木紀秀君登壇〕 9: ◯梅木紀秀君 知事の方から、また教育長から答弁いただきましたけれども、私、代表質問をするに当たって、今、深刻な不況の中でどういう要望があるのか、たくさんの皆さんの声を聞いてまいりました。それを踏まえて質問したわけですけれども、知事の答弁は、何かすれ違うような感じがしました。  融資の問題についてですけれども、融資の額が多い、それは京都が大変だから多いわけですね。そこで私が言ったのは、融資がふえてきている中で、本当に困っている人たちが融資を受けようと思ったら、1カ月半もかかっている。この現状をどうやって改善していくか、今、枠をふやすだけではなしに、どう迅速に融資の要望にこたえていくかという点について知事は答えられていないので、もう一度答えていただきたいと思います。  それから、ダイオキシンの問題ですけれども、私、大変大事な問題として言ったのは、香川県の例を挙げまして、ダイオキシンの分析機器を入れてほしい、香川県では平成3年に入れて、そのときには工事費1億、それから機械が1億。2億円で入ったのです。ところが、つい最近、7月に入った横浜市では全部で7,300万です。ダイオキシンが心配で、土を持ってきて委託料を出して調べるために前は70万と言ってましたけれども、1回50万円かかる。こういう額を払えないわけですね、市町村なんかでも。府が1つ機器を持っていて、香川県などでは委託を受けて10万ぐらいで検査をするようですけれども、そういう体制をぜひ京都府につくってほしい。これが環境先進県ではないかというふうに思うわけです。保健環境研究所の方でも、機械を入れることは可能だということを私聞いておりますし、ぜひ急いで、ダイオキシンの問題が重大な問題になっているときに、調査対象を広げていくために、お願いをしたいと思います。もう一度お答えをいただきたいと思います。  それから最後に、教育長の答弁ですが、私は不登校が京都の小学校は全国でワースト3位、中学校では6位だ、こういう数字を挙げまして、これはなぜだろうか、京都がどうして不登校が多いのだろうかということについて、問題提起をしながら具体的な改善策を、高校全入の問題とか、多様化と言うけれども逆にプレッシャーを与えているのではないかとか、30人学級の問題や教員配置の問題を提起しているんです。ところが、あなたが答えられた答えというのは、制度をいろいろ説明したり、まさに事務的な答えなんです。子供の状況がこんなに大変なときに、どうやって解決しようかということを真剣に教育長、考えなきゃだめですよ。また、教育委員長にもお願いしたいのですけれども、何回も教育委員会を傍聴に行った、ところが子供のことについて教育委員の会議でしっかり議論がされていないんですよ。一生懸命我々が考えているのをくみ上げて教育委員会でも議論していただきたい。教育長、なぜ国が16人のところを15人に少なくしているのか── 10: ◯議長石田昂君) 再質問は簡潔に願います。 11: ◯梅木紀秀君(続)私は、フリー教員が少ないということが大変大問題だということで言っているのだから、そのことはもう一度答えてください。 12: ◯議長石田昂君) 荒巻知事。    〔知事荒巻禎一君登壇〕 13: ◯知事荒巻禎一君) 梅木議員の再質問にお答えいたします。  最初の融資関係について、待っている人が多いのでできるだけ早くせい、という御質問に対しましては、私ここに答弁の原稿を持っておりますけれども、「今後とも信用保証協会とも連携しながら、できる限り迅速な融資が実行されるよう努めてまいりたいと考えております」と、こう答弁いたしておりますので、念のため。  窓口対策につきましても、必要な対策をやっております。  それから、ダイオキシンの分析機械の導入についての課題が残っている、と申し上げましたのは、機械の値段だけの問題ではございませんで、やはりダイオキシンの分析機械を入れますためには、非常に危険なものでございますので分析者の安全性を確保しなければいけないということで、専用の分析室の問題や、あるいは吸入や直接皮膚への接触を避けるための設備とか、あるいは定期的な健康診断、こういうふうな対策が要りますし、外部への安全性としましては、分析機器からの排気の処理、活性炭フィルターをつけるとか、分析廃棄物の廃活性炭、廃液などの適正な管理など、いろいろ一緒に整備しなければ機械が入れられないという問題がありますので、先ほどのようなお答えになっております。 14: ◯議長石田昂君) 武田教育長。     〔教育長武田盛治君登壇〕 15: ◯教育長武田盛治君) 教職員の配置につきましては、標準法の趣旨に即しまして、教育課題に適切な対応ができるよう、必要な配置をしているところでございます。 16: ◯議長石田昂君) 次に、細井拓一君に発言を許します。細井拓一君。    〔細井拓一君登壇〕(拍手) 17: ◯細井拓一君 新政会の細井拓一でございます。我が議員団を代表して、知事並びに関係理事者に質問いたしますが、その前に一言申し上げます。  去る9月22日に襲来した台風7号は、近畿地方などを中心に大きなつめ跡を残し、京都府も全域、とりわけ宮津市、与謝郡、舞鶴市を中心に甚大なる被害をもたらしました。被災された方々に心からお見舞い申し上げますとともに、本府に対し、早急かつ万全の復旧に向けた対策を講じられるよう強く要望するものであります。  それでは、質問に入ります。  さて、今日、世界的な同時不況、デフレスパイラルが憂慮される中で、我が国はバブル崩壊後の経済の立ち直りが思うに任せず、深刻をきわめ、世界の渦の中に巻き込まれようとしております。本府においても、企業倒産、失業・雇用不安等、府民の暮らしは厳しさを増しています。  このような状況の中で、知事におかれては、公約の実現に向け、4選直後の6月補正で時宜を得た的確な対策を施されたのに引き続き、今定例会でも不況克服、府民の生活防衛に最大の力点を置かれ、総額 180億円を超える積極的な補正予算案を提案されました。その中で、中小企業への貸し渋り対策、緊急的な雇用創出や公共事業、単独事業による社会資本の充実等に適切な対応、さらには介護保険制度の円滑な導入に向けた保健福祉対策など的確に手当てされたこと等、時宜を得たものと高く評価するものであります。対応を通じて、知事の弱者への思いやりの深さをとりわけ強く感じます。  そこで、質問の第1は、財政問題についてであります。  去る8月、平成9年度の決算が発表されました。昭和52年度より実に21年間連続の黒字決算であり、見事な財政運営はさすがであります。ところで、今、国と地方を合わせた債務残高は、平成10年度末には約 529兆円と想像に絶する額となることが見込まれています。これはGDPを超える額で、国、地方を通じ、まさに危機的な状況と言えると思います。幾つかの府県を眺めても、隣の大阪府はもとより、神奈川県では 600億円の財源不足を抱え「財政立て直しの県民向け緊急アピール」を発せられていますし、愛知県では、経常収支比率99%、すなわち経常的一般財源のうち99%が経常的経費に充当され、財政余力はたったの1%となっています。ことほどさように、大都市を抱える府県はとりわけ深刻化しているのではないかと想像します。国の場合は、たとえ歳入欠陥が生じても赤字国債でもって手当てしてきていますが、自治体では許されません。  幸いにして、本府においては今日まで健全財政をキープしつつ、府民の安心・安全を確保するため、経済基盤の整備や保健福祉、環境、そして教育など、きめ細かい施策の推進に取り組まれてきました。しかし、今後のことを考えると、若干の憂慮も禁じ得ません。いわゆる借金である起債残高が今年度末には 9,000億円に達しそうで、それは一般会計の予算総額に匹敵するものとなります。知事は常々、起債の活用に当たっては、償還額の多くの部分が交付税措置されるいわゆる優良債を中心に借り入れておられるので、過度の心配はないとは思いますが、油断は禁物です。起債も借金である以上、見る見るうちに膨れ上がります。また、国も極度の財政逼迫から一般財源に占めるウエートの大きい地方交付税が抑えられることも当然予想される等、今後の財政運営は殊のほか厳しくなってきます。  そこで大切なのが、財政構造の健全性保持であります。そのためには、まず歳出の3割を占める人件費、もっともこの数字は革新府政のときは5割にも達していましたが、この義務的経費の切り込みに努めることや、さらに経常収支比率や公債費比率など、財政状況をあらわすさまざまな財政指標について、常に綿密な分析評価を行うことが従前にも増して肝要になるであろうと思料します。  そこで、お尋ねします。まず財政指標から見て、現在の本府の財政状況についてどのように考察していらっしゃるか。それを踏まえ、今後の財政運営に関し、知事の基本的な考え方をお聞かせください。  次に、「入るをはかって出るを制す」の鉄則どおり、歳入の確保策もまた重要です。とりわけ、歳入の根幹をなす府税収入の確保は大切であります。景況悪化の中で、特に法人事業税等府税収入の状況、見通しはいかがか、お答えください。  次に、地方分権について質問します。  明治以来、我が国は、中央政府、都道府県、そして市町村が上下主従のような関係に推移し、地方自治も民主主義も育ちにくい官僚機構主導の中央集権的な行政が行われてきました。それは戦後も続き、外国に追いつき・追い越せというキャッチアップ型経済を支え、高度経済成長を誘導するという大きな力を発揮しました。しかし、その後、とりわけ50年代以降は国民のニーズが福祉や文化、環境などを中心としたものに変わってきたことによって、旧来型の社会経済システムでは対応しにくくなりました。そこで、だんだんに中央集権的な全国画一の行政システムを改め、地域みずからが選び、かつ責任を持って活力ある地域づくりを推し進めていくシステムの構築こそが重要な改革の柱となると考えられるようになったのであります。したがって、今後は規制緩和と地方分権、さらには行政改革を通じて、「官から民へ、国から地方へ」と役割分担を見直し、チープ・ガバメント、すなわち小さな政府の実現とともに、地方分権型のシステムに改めていく必要があります。  さて、今年5月、政府においては4次にわたる勧告を踏まえ「地方分権推進計画」が策定され、分権型社会実現への新たな第一歩が踏み出されました。この計画は、機関委任事務の廃止や必置規制の廃止・縮小、さらには国庫補助負担金の見直しなどが国の関与を大幅に減らしていくことに力点が置かれています。しかしながら、期待とは裏腹に、現実には新たな事務や権限移譲はわずかにとどまり、特に重要な税財源の移譲に至っては具体的見通しはなく、まことにもって不満の残るところであります。  そこで、知事にお尋ねします。仄聞するところによれば、地方分権推進委員会では公共事業の見直しや権限移譲について追加勧告を行う方向で検討が進められているようであります。知事は、推進委員会の勧告や国の取り組みに何を期待されるのか。特に権限とともに財源の分権もまた必要ですが、お考えをお聞かせください。全国知事会副会長としての荒巻知事の発言は重みがあるので、期待します。  ところで、知事は常々から、住民密着の基礎的自治体である市町村と府は対等・協力の関係にあるという観点から、市町村に事務を押しつけることのないように十分協議、連帯することが必要とおっしゃっています。  さて、知事は今年初めに、市町村長の代表者と権限移譲について意見交換されました。その結果、具体的に大きく前進させるよう府の総務部長と市町村の助役等が実務レベルでの協議を行うべく、4月15日に協議会が設置されました。この協議会では、市町村の意向をアンケート調査するなど、精力的に進められていると聞いています。現在の状況と、知事は今後の権限移譲をどのように進めようとされているのか、地方分権先進県となるよう期待をもってお尋ねします。  次は、農業・林業についてお尋ねします。  我が国における農業は、貿易自由化の波にさらされ、ガット農業合意、WTO体制へと進んで、とうとうたる規制緩和の勢いは食管法を廃して新食糧法の制定を見るに至りました。そして、バブル崩壊後の財政逼迫は、食糧自給率の低下に歯どめをかける助成手段さえ困難にしています。一方、高齢化の進行、担い手激減によって中山間地域においても過疎化が進み、農村社会は存亡の危機に直面しています。かかる情勢の中で、去る4月、国では新農業基本法の制定に向け「食料・農業・農村基本問題調査会」が発足し、活発に議論された結果、過日答申が出されました。その要旨は、総合食料安全保障政策の確立、自給率の目標設定や中山間地域への直接所得補償、さらに株式会社による農地取得等について踏み込んだ内容となっています。  そこで、知事にお尋ねします。知事は、従来よりACT21、しなやかでたくましい府農業の振興に鋭意取り組まれていますが、かかる国の新農業基本法の動きを踏まえ、本府の農政の今後の基本方向についてどのようにお考えになり、推進されるおつもりか、お示しください。  次に、林業についてですが、木材生産はもとより、二酸化炭素の多くの部分を吸収、固定し、さらに水源涵養や治山など、緑の貴重なタンクとして国民にはかり知れない恵沢を与える森林。国民、府民の間にそのありがたさが十分に理解されているとは思えませんが、その林業もまた衰退の一途をたどっています。森林は、ある試算によれば、金に換算して本府で何と1年に1兆 1,000億円の利益をもたらすとされています。  そこで、知事にお尋ねします。今日まで府行造林、公社造林、林家への支援事業等を積極的にされていますが、今後における基盤整備や保育管理、さらに森林の持つ公益的機能の府民への啓蒙についてどのようにお考えか、お答えください。  続いて農業資源研究センターについてお伺いします。  今、世界の中で、先進国では総じて飽食、発展途上国では食料不足、特にアフリカなどでは毎日数千人の子供たちが飢えにより哀れ死亡するという悲惨な現実があります。世界人口はふえ続けて、2020年には現在の60億人から85億人になると言われています。人間の命の糧となる食料を生産する農地はどんどん減り続ける中、ふえる人口に必要な食料の確保をいかようにするのか。将来、食料戦争勃発さえ危惧されています。したがって、食料増産の課題は焦眉の急であります。そこで、それを担える手法として登場したのが遺伝子工学であります。それは夢の科学技術と言われ、今、先進国で研究開発が進み、農学、薬学、医学の分野で遼原の火のごとく広がりを見せています。その中で特に期待を集めているのが遺伝子組みかえ技術で、多くの驚くべき研究成果が得られています。  ところで、この技術が進めば、農業にとってどんなメリットが既に得られているのか、あるいは将来可能になるのか。列挙してみますと、まずびっくりするような多収性の作物を成育できる。害虫やウイルスに強いもの、塩分に強い作物や砂漠で育つ作物もつくれるであろうし、たんぱく質や他の栄養素を多く含む作物もできる。制がん性物質を多量蓄積する植物の生育も確実です。加えて、トウモロコシからエタノール燃料を、大豆からディーゼル油を取り出すことも夢でないと言われています。まさに人類にとって驚くべき有益な先端技術であります。  ところで、知事は昨年4月、学研都市に府農業資源研究センター──私はアグリバイオ研究所と命名する方がよいかなとかねて思っていましたが、をつくられました。それは府立大学農学部の今を時めく田中教授の遺伝子工学研究室と既設の府立試験研究機関の一部が一体とされた、日本で初めての官学共同の研究施設であります。その中では、植物病理の権威、獅山所長ほか20名余のスタッフが研究に没頭されています。細胞生物学、分子生物学、分子遺伝学などを基礎として、遺伝子工学、応用微生物学、細胞工学における先端技術を取り上げ、既に遺伝子の単離や遺伝子構造の機能の解明に成功をおさめ、実用面ではたんぱく質の少ない酒米品種、病害抵抗性遺伝子の導入による丹波黒大豆、京野菜の研究など多彩であります。機器等も最新鋭のものが配置され、DNA解析室で研究に余念のない大学院生の姿に心満たされました。また、実験圃場も自然界の生態系を壊さないように隔離設備も整っておるなど、順調に研究が進んでいる様子であります。先端技術の粋を集めた学研に高度のこの施設をつくられた知事の先見性と、「農と健康」を守ろうとされる情熱に感服しています。  そこで、お尋ねします。センター発足1年半を経過した今、研究成果の報告を含め、センターの今後について知事が期待される内容や思いを語っていただきたいと思います。また、センターが目指す目標をより十分に達成する上で、遺伝子組みかえと並ぶバイオテクノロジーのもう一つの柱、細胞培養、細胞工学分野の研究体制の充実が必要と考えますが、御所見をお聞かせください。  続いては、遺伝子組みかえ食品の表示にかかわって要望します。  最近、消費者から組みかえ食品表示の要求の声が強まっています。一方、アンケートによれば、安全なら大いに食べたいとする人が70%を超えているとのことであります。ところで、専門家によると「生物はなかなかしぶとくて、簡単には変質するものではない。例えば遺伝子組みかえによって耐病性の作物をつくった場合、耐病性という性質は変わっても、必ずトマトならトマト、大豆なら大豆という全体性は絶対に壊さない」。ことほどさように、遺伝子組みかえによって全く新しいものに変化することはないとのことです。私は、安全性確認はもちろん必要ですが、人々が組みかえ食品の表示を見ただけでナーバスになり、危険意識を誘導させるような過剰反応に陥る危険性なしとしません。なぜならば、それが食料の決定的不足を招来する来世紀、人類にとって有益きわまりないこの新科学技術の研究、進歩を阻むことになりはしないかと心配します。理に合わぬ拒否反応を示すことのないよう、府民に啓蒙、啓発もまた大切かと思いますので、この点、強く要望します。  次に、介護保険についてお尋ねします。  急速に進行する高齢化、少子化、核家族化などの社会変化の中で、お年寄りがもし病に倒れ、介護を要する状態になられたとき、家族で果たして支え切れるのか、介護する人も、される人も不安が増幅しています。そこで、これを社会全体で支えていこうという仕組みとして、昨年12月に介護保険法が成立しました。大改革であります。  京都府及び市町村では、平成12年4月の円滑な導入に向けて、それぞれおくれをとらないよう鋭意準備が進められています。当面、各市町村において、被保険者管理のための電算システムの開発や要介護認定等、モデル事業の取り組みに加え、まずは「市町村介護保険事業計画」の策定に向け、要介護者等の実態調査が必要として、着々と行われています。本計画は各市町村における介護サービスの量の見込み等を定め、保険料算定の基礎ともなる大事な計画ですので、この実態調査は精度の高いものにすべきであります。ラフな状況把握では、後々事業運営に大きな支障を来すことになります。  一方、介護保険においては、今日まで行われてきた在宅サービスも市町村の枠を越えて、どこでも利用できることとなり、また療養型病床群を含む施設サービスについては、広域的利用が前提となります。このために、計画策定に当たっては、介護基礎の整備を広域的に行う視点も大切で、私の地元でも、特養ホーム、ケアハウス、デイサービスセンターなど、4町一体となって広域的に協調して整備されております。  そこで、お尋ねします。この高齢者等の実態調査に対し、また介護保険事業計画の策定に対し、市町村にいかような指導かつ支援を行われるのか。さらにお隣の滋賀県では、この事業を財政面も含め補完し合うため広域事務組合をつくる動きがあることを新聞で見ました。知事のお考えはいかがでしょうか、お答えください。  さて、今後経済の先行きが心配される中、高齢者福祉はもとより、身障者福祉、母子及び児童福祉等、弱い立場の方々の福祉の増進こそが重要な行政課題となります。知事におかれては、従前にも増して積極的に推進されるよう強く要望するものであります。  次は、丹後産業の活性化についてお尋ねします。  丹後は今、不況の波をもろに受けて、織物業初め、農林漁業、観光、商工業ともまことにもって深刻な状況にあります。何としても一日も早い再生を期すべく、自助努力はもとより、本府の一層の施策充実を期待するものであります。本日はその中で特に織物、漁業、観光について質問します。  まずは織物業についてですが、これが着心地満点の丹後ちりめん織りの背広であります。さて、 270年の伝統に輝く丹後ちりめんも、今かつてない深刻な状況です。昭和48、49年ごろは年間白生地生産約 1,000万反でしたが、今年は 100万反ラインまで落ち込むと予測されています。かつてはガチャマン景気を味わったこともありましたが、その後、国民の着物離れや国の生糸一元輸入制度に起因する外国からの猛烈な輸入に痛めつけられています。かてて加えて、バブル経済の崩壊後の大不況、消費減退のあおりを受けて、今産地は大幅減産、従業員さんの一時帰休、相次ぐ解雇、倒産、廃業といったまさに暗やみのような現実を迎え、不安と焦燥におののいています。知事はこのような状況にかんがみ、当面の金融対策、雇用安定対策等、元気の出る施策を矢継ぎ早に打たれましたが、いかんせん国全体の大不況の前には決定打とまではならない悔しさを感じます。丹後は言うまでもなく日本一の絹織物の産地です。今、世界の中で民族衣装が産業として残っているのは「日本の着物」だけだと言われます。何としても業界・行政一体となって再興せねばなりません。そんな中で一歩先んじたアイデアやマーケティングにより、洋装、刺しゅう、アパレルを含め実績を伸ばしている元気企業も幾つか出ています。  そこで、知事にお尋ねします。  丹後機業の現状をどのようにとらえていらっしゃるか。当面の追加施策はいかがか。さらに中長期を見据え、付加価値の高い消費者ニーズ対応型の産地への飛躍を目指して、例えばデザイン力の強化、広く人材の活用を図ること、数少なくとも情熱を持った後継者の育成等必要であると考えます。そこで、知事が既に計画されているデザイン力強化策や丹後ビジネスネットワーク、人材活用、そして育成についてどのようにお考えか、お答え願いたいと存じます。  次は、漁業についてであります。  他府県の人から「京都に海があるんですか」と問いかけられ、とんでもないとびっくりすることがあります。京都市から遠いので、さもありなんとも思いますが、府北部では、日本海の荒波に向かって来る日も来る日もたくましい漁師さんたちが命をかけて漁に出かけ、国民にとって重要なたんぱく源としての漁獲に活躍されています。  ところで、近年はマイワシ資源が激減し、漁獲の量も金額も減少を来し、後継者不足にも悩まされ、厳しい現況にあります。しかしながら、平成8年8月に、我が国においても国連海洋法条約が批准され、昨年1月より漁獲可能量制度(TAC制度)が施行されました。現在、マイワシ、サバ類など7魚種が対象となっています。先日、韓国との新しい漁業協定締結合意の報道がありました。正式にこれが決定すれば、資源の適切な管理によって安定的な漁業が行える環境が整うであろうと期待されます。  さて、本府では全国に先駆けて「つくり育てる漁業」をスローガンに、資源の維持、培養に努めてこられました。それにより、マダイ、ヒラメ、サザエなど、大きな成果を上げられている等、栽培漁業や資源管理型漁業の取り組みは全国でもぬきんでています。今後、府漁業・漁村の活性化を図る上で、これらと不離一体に行うべき漁港や漁場等、生産基盤や下水道など漁村環境の整備はどのように進められているか、お答えください。  さらに、最大の装置産業として、観光面からも価値のある海の利活用についても、知事のお考えをお伺いします。いよいよ2000年には網野において「全国豊かな海づくり大会」が開かれます。その成功が丹後漁業の振興に大きなインパクトを与えることは必定ですので、知事の一層の御配意を求めるものであります。  次は、観光についてであります。  丹後は天下の名勝、宮津天橋立を中心に、観光地として全国的に有名で、年間 700万人が訪れ、観光産業は地域経済を支える重要な産業であります。山紫水明、おいしい丹後米、魚、林産物の宝庫であり、日本一の丹後ちりめん、加えて、名所旧跡、伝説に富み、観光資源についてこれほど恵まれた地域はないでしょう。  ところで、近年、国民の観光志向が著しく変わってきました。余暇の増大、交通網の整備、モータリゼーションの発達等により、観光が日常的に楽しめるようになり、しかも、その志向が物見遊山型から参加体験型、いわゆる「見る観光」から「する観光」へと大きく変貌しております。こうした傾向を踏まえて、去る4月に、知事は弥栄町に町などと協力して「丹後あじわいの郷」をつくられました。この5カ月間で実に25万人が訪れ、にぎわっています。また、私の住んでいる加悦町でも、これに呼応するかのごとく「リフレかやの里」がこのほど完成しました。既に今日まで、古墳公園、千年椿の里、大江山運動公園、カヤ興産のSL広場、工芸の里、道の駅、双峰・池ケ成公園などがつくられていますが、これらに加えての「食と健康の拠点施設」誕生であります。それは農水省の補助事業で、府補助金などを加え9億円を要しています。緑豊かな農村空間に食と健康にこだわりを持って心身のリフレッシュをしてもらうテーマパークであります。地元生産の有機減農薬の新鮮な農作物活用の郷土食、薬ぜんの提供、ハーブ園でつくられたハーブぶろのサービスなどがあり、まさに農業と観光と織物など、商工業をドッキングさせたすばらしい施設であります。知事の格別の御高配、国の御援助に対し、地元議員として心から感謝します。  さて、これは一例にすぎませんが、丹後ではこのほかにも、例えば地元では宮津の天橋立はもちろんですが、「ふれあい&すこやかフィールド」を初め、公園や海岸整備、野田川のフォレストパーク、福祉の里、岩滝のクアハウス、男山八幡公園、伊根の舟屋の里、浦島公園などが整備されており、これらを結んで広域ネットワークによって魅力ある質の高い観光地としてレベルアップする必要性を感じます。  ところで、知事は、今年3月、自然環境、地域文化を融合させる新しい観光哲学のもとに観光ルネッサンスを起こそうと、京都府観光産業振興ビジョンを策定されました。  そこで、お尋ねします。知事はこのビジョンに沿った丹後観光振興をどのように図られようとするのか。さらに、さきにも述べたテーマパークのように、まちづくりと産業と観光をリンクさせた取り組みへの支援策はいかがですか。また、府北部を質の高い観光地とするよう、国内のみならず、外国人観光客誘致への積極的な策を講ずべきだと考えます。まして、舞鶴港をゲートにした環日本海時代の到来であります。その取り組みについてお答え願います。  加えて、京阪神から近い丹後を目指す交通アクセスとして、京都縦貫自動車道建設の一層の促進を望むものですが、特に綾部宮津道路の南工区完成後の北工区の進捗について、さらに地域高規格道路として宮津インターチェンジから野田川、網野への延伸の現況についてお教えください。  最後に、丹後半島一周道路国道 178号に係る岩滝海岸道路府中バイパス、養老伊根バイパス、蒲入バイパスの進捗はいかがでしょうか。地域住民鶴首して待望しています。お答えください。  加えて要望ですが、立ち上がり施設として進められている丹後リゾート公園もビジョンに沿ったコンセプトに基づき、早急に完成されるよう求めるものであります。  次は、環境問題についてであります。  21世紀は環境の時代と言われています。振り返って、産業革命以降、人間の暮らしの多様化や利便性の向上に向けて、科学技術が発達し、工業化が進み、その結果、化石燃料の大量使用、そして二酸化炭素の排出による地球の温暖化、オゾン層を破壊するフロンガスの拡散などを招来しました。さらには、人工的につくられた10万種にも及ぶ化学物質のうち、ダイオキシンや環境ホルモンなど、おびただしい数の物質による環境破壊は著しいものがあります。そんな中で、遅まきながら今日、世界各国がこぞって環境への負荷の軽減を図るため、協調して取り組もうという機運が高まってきました。昨年12月のCOP3京都会議の成功はその一つであり、今後の展開に弾みがつくものと期待されます。知事も開催県の名誉ある知事として、自信と誇りを持たれたのでしょう。環境行政に情熱を傾注されています。例えば、このほど環境基本計画を策定され、さらにアセス条例を今議会に提案されました。計画の中身は、10年後までに低公害車数を大幅にふやすとか、国際環境規格ISO 14001取得事業所を現在の10倍に増加させるなど、数値目標が設定されています。加えて、府民の意識調査による満足度まで数値目標に組み込むという全国で類例のない発想であります。さらに今後、二酸化炭素削減目標を府単独で決定する予定と伺っています。本府では、既に「環境を守り育てる条例」を制定されております。これと相まって、環境の問題を総合行政としてとらえ、必要な施策の一層の展開を求めたいと存じます。  そこで、お尋ねします。環境基本計画策定の理念と哲学、そして目標とプロジェクトの特徴的なものをお示しください。  また、アセス条例についても、基本理念と特徴、対象事業の種類や規模についても、あわせお答え願います。  次に、ダイオキシンにかかわって質問します。  今、日本国中が青酸化合物とか砒素とか騒然としていますが、ダイオキシンはそれらとは比べものにならないほど猛毒で、1グラムで1万人を死亡させると言われています。そのダイオキシンは大部分がごみを燃やす焼却炉から発生するとされており、私はこの問題でたび重ねて今まで質問してきました。  ところで、現在、市町村ではそれぞれが担う一般廃棄物を焼却する焼却場で、国の定めた厳しい新基準値以内にダイオキシンの発生量を抑え得るかどうか、大問題になっています。本府内では、ごみの排出量と規模の問題、新炉建設の財政問題、広域収集の場合のコスト負担の問題等により、個々の自治体ではなかなか解決が困難です。そこで、どうしても本府がコーディネート、調整役となり、広域化してごみの収集、そして焼却を効率的に行わないと府全体における府民の安全・安心は担保できないとして、今、本府がごみ処理広域化計画を進めていただいております。これがうまくいかないと、市町村間に格差を生じ、地域によっては重大な不安を抱えることになります。  そこで、知事にお尋ねします。このごみ処理広域化計画についての課題、進捗状況について、御所見をお聞かせください。  最後に、教育問題についてお尋ねします。  今、子供たちの状況は憂うべきものがあります。少年少女の犯罪の凶悪化、低年齢化が進む中で、子供たちの問題行動は全国的に戦後第4のピークと言われるなど、深刻であります。わけても、神戸の残酷きわまりない殺傷事件は脳裏から離れません。当該少年が、閉ざされた密室の中でホラービデオや「たまごっち」に打ち興じ、リセットボタン一つでペットを殺す遊びの中で、生き物、現実感覚を失い、自然や人への畏敬の念が希薄になった結果であるとも言われています。引き続いて、いじめ、暴力、それによっていたいけな少年少女が命をみずから絶つという悲しい現実は、枚挙にいとまがありません。本府においても例外ではなく、一乗寺公園で友人を殴って殺したり、山科でのおやじ狩り等、目を覆うばかりの事件もあり、何としても家庭、学校、地域社会が三位一体となってあしき大人社会の反映として受けとめ、たくましく健やかな子供の成長に向けて、今こそ力の限りを尽くして努めなければなりません。  ところで、過日の新聞報道によれば、去る8月末、高松市で行われた日本教育学会の「子供の成長と悪」というテーマのシンポジウムにおいて、「子供の一連の問題行動は競争と利潤に飽くなき追求をする大人社会の状況や学歴社会に根源があり、子供は犠牲者である」とか「いやいや、犠牲者扱いにすることは子供の純粋イメージを壊さずに済むからで、かえって自分の犯した罪を他人のせいにする子供を生む結果を招来する」とか、いろいろ議論があったようです。そして最後に、筑波大学の門脇教授が「子供の自己の内面にある悪を見詰めようとするまなざしが欠けている。原因は今日までの教育風土にあり、もっと大人も子供もともに抱えている人間性の暗やみを子供に見据えさせることこそが大切だ」という、今後の教育のありようを示唆する注目すべき発言がありました。  さて、中央教育審議会は、この状況を大人社会のモラル低下が「次世代を育てる心を失う危機」の状態であるとして、この解決のため、親の過干渉や知育に偏った早期教育に狂奔する家庭教育を見直すこと、加えて、父親の役割について喚起を促すなど、子供を取り巻く家庭や地域社会の教育力回復などを提言しております。そのことを前提として、「心の教育」の必要性を提起するとともに、今年度の補正において、これらの悩みにこたえるため、中学校に「心の教育相談員」を配置することとしております。  そこで、お尋ねします。今日のこの憂うべきいじめや暴力、少年犯罪を起こす原因をどのように分析され、その上に立って、心の教育実践をいかように取り組まれようとされているのか、お答えください。  さらに、2学期から中学校に配置される心の教育相談員も含めてお示し願いたいと存じます。  心の教育について、ちなみに一言申し上げます。  過日9月7日、府立加悦谷高等学校において、文化祭の一環として、府立与謝の海養護学校と加悦谷高校の交流会が開かれました。数えて今年で27回目であります。序幕には、今年もまた見事府下の高校、近畿の合唱コンクールで金賞を得た加悦谷高校合唱部のすばらしい歌声に始まり、養護学校の皆さんが「ぼくらの学校」を高らかに合唱。「母ちゃん聞いてや、あの子が大事にされんかったら、僕かて大事にされないのやで。おむつしているみいちゃんも、車いすの安久夫君、全校集会、階段をいつも支えてのぼります」。その歌の後、養護学校の歩みと私たちの思いをリレーでつづったその発表に、両校生徒がるつぼの中で溶融したかのごとく、目を輝かせ、心の底から思いやりや友情、生きる喜びを共有しているその姿に感動を覚えました。毎年の卒業式の答辞の中に、必ずこの情景が思い出深く語られます。「心の教育」実践の実りある一例として申し述べました。  教育問題の最後は、教員の資質向上についてであります。  昔から教師は聖職ともとうとばれたように、子供たちが先生から他人への思いやりとか、公共心といった社会的規範や倫理観等、影響を受けること極めて大なるものがあり、私自身も過去を振り返って痛感いたしております。そこで、教員に対し豊かな人間性と広い知見が求められています。
     ところで、一般的に言って、教員は大学卒業後すぐに教壇に立たれ、学校外での社会体験の機会が乏しいことから、教科書などの指導力とともに、社会的に開かれた豊かな経験に基づいて、公序良俗や人間を深く理解する能力もまた強く希求されるのではないかと思います。一たん教員になると、学校という狭い空間の中で、しかも、常に子供を預けた親たちのいちずな期待と畏敬のまなざしを注がれている環境に置かれるだけに、時として誤った価値判断に陥りやすいこともあるのではないかと危惧します。  そこで、教育長にお尋ねします。今年度から教職経験10年目、20年目の中堅教員全員を対象に、社会貢献活動体験を初めとする研修が行われていると仄聞しています。時宜を得た事業であり、受講された先生からも好評の声をあまた聞いております。そこで、研修新設のねらい、実施状況、及びこれを踏まえた今後の方針等についてお聞かせください。  以上で私の質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 18: ◯議長石田昂君) 荒巻知事。    〔知事荒巻禎一君登壇〕 19: ◯知事荒巻禎一君) 細井議員の御質問にお答え申し上げます。  ただいまは細井議員から、府政や財政運営につきまして高い評価を賜りまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  まず今後の財政運営についてでありますが、京都府財政を取り巻く環境は、歳入面におきましては、バブル経済の崩壊以降の長期にわたる景気の低迷等により、一般財源の大宗を占める府税収入の回復が期待できないことなど、また、基金の活用も限界に近づいていることなど、非常に厳しい状況がございますし、一方、人件費、公債費などの義務的経費を中心に今後とも歳出の増加が見込まれるところから、極めて厳しい状況にございます。  こうした状況の中にあって、適切な財政運営を行ってまいりますためには、種々の財政指標を客観的に分析しながら、その結果を財政運営に生かしていくことが重要であると存じております。平成9年度決算における京都府の財政力指数や公債費比率、経常収支比率等の財政指標を見てみますと、他府県に比べまして比較的良好な指標も多いものの、他府県と同様に、ここ数年、こうした財政指標は急速に悪化してきております。特に、府税収入が伸びない中で義務的経費が増加したことなどにより、経常収支比率が京都府の場合89.9%に上昇しておりますとともに、公債費につきましても、この間の府債の活用により大きく上昇をしてきておるわけでございます。このため、今後の財政運営に当たりましては、不況対策など、当面する緊急課題に重点的に対処する一方、既存施策全般について総点検を行うなど、徹底した行財政改革に取り組み、効率的な財政運営に努めることにより、厳しい財政環境を乗り切ってまいりたいと存じております。  府税収入の状況についてでありますが、8月末の調定実績を見ますと、昨年同期と比較いたしまして、現年課税分では 6.4%の増加となっておりますが、これは平年度化により大幅な増加となっている地方消費税を除きますと、 5.2%の減少となっている次第であります。また、このうち法人2税につきましては、対前年 0.6%の減少となっております。今後の府税収入の見通しにつきましても、長引く景気の低迷等によりまして、多くの企業が業績を悪化させている中で、税収入も厳しい状況が続くものと考えております。  地方分権についてでありますが、国から地方へのさらなる事務権限の移譲は、中央省庁のスリム化と同時に、個性豊かで活力にあふれた分権型社会を創造するために不可欠の課題であると認識をいたしております。このような趣旨を踏まえまして、地方分権推進委員会では、現在さらなる権限の移譲を内容とする第5次勧告の実施を検討されておりまして、全国知事会では、こうした動きを受けまして、去る7月に国から地方への事務権限の移譲に関する決議を行ったところであります。その中でも要望しておりますように、裏づけとなる財源が措置されなければ、地域の個性を生かした施策の実現など、実効ある地方分権を推進していくことが極めて困難でございます。したがって、今後このような地方の声を踏まえた勧告が行われるとともに、地方への税財源の移譲等に関し、国において具体的措置が確実に講じられるよう、強く期待をいたしております。  市町村への権限移譲についてでありますが、かねてから申し上げておりますように、私は市町村が名実ともに基礎的地方公共団体となるよう、府県と市町村の事務配分を見直すことによって、初めて真の地方自治が実現するものと考えております。そのためには、市町村の意向を十分に踏まえて、市町村が真に必要とし、かつ住民の利益になるような権限の移譲を進めていくことが重要であると考えております。  具体的な権限移譲のあり方等につきましては、府と市町村で共同設置した「市町村における地方分権推進のための協議会」で検討しているところでございまして、市町村に対して行ったアンケートの結果等を踏まえながら、現在ワーキンググループにおいて、移譲になじむと考えられる事務や、移譲に際しての諸条件の整備などについて、精力的に検討を行っているところであります。  また、京都府といたしましても、市町村の意向に沿ってできるだけ広く権限が移譲できるよう、協議会の取り組みと並行して、庁内の新しい行政推進会議に権限移譲推進部会を設けまして、全庁的に検討を進めているところでございます。今後とも協議会での検討結果等を踏まえ、市町村の代表者と十分な意見交換を行いながら、分権時代にふさわしい権限移譲を積極的に進めてまいりたいと考えております。  農林業の問題についてでありますが、御指摘の答申を得まして、来年「新しい農業基本法」が制定されるものと伺っております。京都府といたしましては、国の新しい農政と役割分担をしながら、地方分権時代にふさわしい、きめ細かで自主性と創意工夫ある農業・農村政策を展開していくことが必要であると考えております。このため、今後、次期京都府総合開発計画への反映も視野に入れながら、所得形成はもとより、情操教育や生きがいの創出、健康の維持などにも寄与し、生涯にわたって親しむことのできる農業の特質を「生涯産業」というキーワードで評価、整理いたしまして、多くの府民の方々が農業に関心を持ち、そして農業に携わることができるような京都府独自の農政理念のあり方について、検討してまいりたいと考えております。  また、林業につきましては、深刻な木材不況の中で、近年、山の管理が滞りがちとなっておりますが、森林は50年、 100年という長期的な展望のもとに育成していく必要があると考えております。このため、森林総合整備事業などを適用し、間伐、保育などの森林管理を適切に行うとともに、将来の伐採に備えまして、機械化が可能となる林道網の整備を進めているところでございます。  さらに、森林の公益的機能の理解を深めるために、各種団体やボランティア組織とも連携しながら、森林管理に多くの府民の方々が積極的に参加していただけるよう働きかけるとともに、インターネットなどを活用した啓発も進めてまいりたいと考えております。  農業資源研究センターについてでありますが、昨年4月の開所後、府立大学の基礎研究部門との連携のもと、さまざまな研究課題に取り組んできたところでございますが、中でも弱毒ウイルスを利用した防除技術は、「紫ずきん」のさや茶しみ対策として広く実用化され、商品価値を著しく高めるなど、大きな成果が得られたところであります。また現在、病害抵抗性遺伝子の導入に成功した加茂なすの耐病性について検定を行い、病気に強い加茂なすの選抜を進めておりまして、万願寺とうがらしにつきましても、細胞培養により、辛みのない系統の育成に着手したところであります。さらに、微生物の利用分野につきましては、農薬に頼らない、環境にやさしい防除技術を開発するために、ホウレンソウの病気を抑制する有望な菌を選抜し、その発病抑制効果について確認を進めているところであります。将来の食料や環境、エネルギー問題を見据える中で、遺伝子組みかえ技術等の先端技術による作物の開発研究は大変重要であると私も考えているところでありまして、農業資源研究センターに対しまして、従来からの育種技術と先端技術を組み合わせながら、総合的な育種センターとしての役割を発揮し、京野菜や花、黒大豆等、特産作物の品種改良を進めてまいりたいと考えております。  また、基礎研究部門につきましては、現在、作物の改良につながる有用遺伝子の検索や、遺伝子組みかえによる解析等の研究を主に行っているところでございますが、さらに府立大学農学部の細胞工学関連講座との連携を強める等によりまして、研究の充実を図ってまいりたいと存じます。  先ほど細井議員におかれましては、遺伝子組みかえ等の遺伝子工学を化け物が出るような、そんなことになるというふうな誤解がある旨については、十分その辺をよく説明して、心配のないようにせよと、こういうお話がございました。  細井議員がそちらの専門でございますから、私が言うのもおこがましいのですけれども、現在、地球上には植物で40万種、動物で 100万種ほどの種がある。人によってはこれがさらにもっと数百万だとか、あるいは 1,000万台だと言う方もおられますが、少なくとも想像以上の大きな種があるわけでございますが、この種がやはり異種交配とか、あるいは突然変異によっていろんな新しいものができてくる。こういうことを活用しながら、花の改良、あるいは果物の改良、農作物のいろんな改良技術が従来ずっと進んできたわけでございますが、それを今回、遺伝子工学によって、長年かけてやる分を一挙にこれをやってしまう、こういうことで、かなり違和感といいますか、心配する方がおられるわけでございます。  おっしゃいますように、植物、動物、いずれにしましても、そう単純な構成ではございませんで、例えば人間の「ヒト・ゲノム計画」というのがございまして、人間のどの遺伝子がどういうふうにどこの器官に関係してくるとか、どういうふうになるかということを世界中で研究しておるわけでございますけれども、人間の遺伝子だけで10万個あって、それがDNAのらせんには30億塩基対というものでできておるので、一つ一つやるのは大変なことでございます。その幾つかを変えたからといっていきなり違ったものになるわけではございませんので、これはそう心配することはないんですけれども、ただ、動物にしましても、人間だけではなく、変わったものとか知らないものに対しては警戒するという本能がありまして、これは悪いことばかりではありませんで、やはり未知なもの、知らないものはやっぱり危険を感じて避けるというのが、毒キノコを食わなかったり、いろいろ怖いものから逃げるということで、生存のために必要な本能でもあるわけでして、その辺との兼ね合いを十分に考えて、説明をよくするということが必要かと思います。  ただし、余り京都の伝統野菜につきまして近代性を強調いたしますと、遺伝子工学というのは、新幹線の特急みたいなことを思いますと、普通の改良は在来線か、もっと後の馬や「かご」というような状態でございますので、もともと伝統野菜というのは「伝統」という古いものが一つの価値でございますので、やはりかごの方が似合っているということもありまして、余り新幹線ばかり強調しないで、必要なところでは早くする、そういうことで検討させていただきたいと、このように思っております。  介護保険についてでありますが、この制度が円滑に実施されるためには、介護ニーズに対応できるサービスを確保することが大変重要であります。このため、京都府といたしましては、特別養護老人ホームを初めとする施設整備の前倒しや、府独自の上乗せ補助の充実を行うとともに、本議会には療養型病床群の整備促進のための予算もお願いしているところでございます。  また、議員御指摘のとおり、市町村は制度導入までに介護給付サービスの整備目標量や確保方策等を定めた計画を策定することとされておりまして、現在、各市町村で高齢者の実態や必要なサービスの量などを把握する調査が実施されております。京都府といたしましても、今年度、実態調査に対する財政支援を行うとともに、広域的に利用されている老人保健施設や療養型病床群等での実態把握に当たって、調査協力を行っているところでございます。今後とも計画策定のためのガイドラインの提示や広域的なサービス利用のための調整など、きめ細かな指導、支援に努めてまいりたいと考えております。  また、介護保険におきましては、都道府県においても国から示される基本的な指針や各市町村の計画に基づき、サービスの広域的な整備目標などを定めた「介護保険事業支援計画」を策定することとされておりますので、市町村や学識経験者、被保険者などの方々で構成する委員会において「京都府高齢者保健福祉計画」の見直しとあわせ、御検討をお願いすることといたしております。  なお、滋賀県の例でおっしゃいました介護保険の広域的な取り組みにつきましては、事務処理の効率化や保険財政の安定化、サービス提供の広域化など、安定的で水準の高い保険運営を行う上で有効な方策の一つであると認識をいたしております。  京都府といたしましては、介護保険実施体制の広域化を検討、調整するための予算も確保して、今、地域ごとに市町村との意見交換の場を設けるなど、これまでから必要な対応をしてきているところでございます。もう一息でございますので、今後とも市町村の考え方や地域の実情などを十分に踏まえながら、適切な指導、援助に努めてまいりたいと考えております。  丹後産業の活性化についてでありますが、御指摘のとおり、未曾有の大不況の中で、丹後産業、とりわけ織物業は極めて深刻な状況にあると認識をいたしておりまして、そのため、京都府といたしましては、目下の深刻な不況を乗り切るために、金融や雇用確保対策を進めるとともに、織物指導所などを中心として、技術力やデザイン力の向上を図りながら、総合ファッション産地づくりを積極的に推進しているところであります。これらの取り組みの一環として、著名なファッションデザイナーや流通の専門家の御協力を得て、デザイン力の一層の強化を図るために、今年度新たに「丹後産地デザイン強化特別対策事業」を創設したところでございます。明日、9月30日でありますが、第1回目の研究会を現地で開くこととしておりまして、今後、デザインセミナーの開催や、専門家によるデザイン指導などの取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。  また、人材の育成やネットワークにつきましては、昨年度、丹後の若手経営者の皆さんにより開設されました「丹後経営者塾」に加えまして、このたび全国各地で活躍されている丹後御出身の経済人の方々に丹後産業の活性化に御協力いただくために、「ふるさと丹後ビジネスネットワーク」、代表発起人として後藤茂ファミリーマート社長、を11月に発足することといたしまして、近く会員の募集を行うことといたしております。今後、会員の皆さんに丹後にも足を運んでいただきまして、地元の企業の皆さんとの交流を深める中で、商品づくりや販路開拓などについての助言や提案をいただくなど、丹後産業の振興につなげてまいりたいと考えております。   270年にも及ぶ長い歴史を有する丹後織物業は、常に京都の和装産業を支え、着物文化の発信に貢献してきたところでございます。21世紀に向けてゆとりと真の豊かさが求められている中で、丹後の織物業はなくてはならない産業であると認識をいたしております。丹後の織物業を何としても守り発展させるとの強い決意で、最大限の努力をしてまいる所存でございます。  漁業・漁村の活性化についてでありますが、漁港につきましては、漁業生産や流通の拠点として、現在、京都府の代行事業などを含め、11港で整備を進めておりまして、漁場につきましては、ズワイガニやマダイ、ヒラメなどを増殖するための人工魚礁の設置や、磯根資源の増殖場づくり、藻場の回復など、漁場特性を生かした漁場環境整備に努めるなど、漁業生産基盤を計画的に整備しているところでございます。  なお、漁村の生活環境の整備につきましては、現在4地区で漁業集落排水の整備が進められておりまして、早期完成に向けて支援してまいりたいと考えております。  また、海の利活用につきましてでありますが、一昨年策定しました「京都府漁業・漁村活性化構想」におきまして、従来の漁業に加えて、海と漁村の豊かな資源を活用した「海業(うみぎょう)」を提唱しているところでございまして、市町や漁協におきましても、親水公園の整備や遊漁案内施設、水産物直販所の設置など、観光面も視野に入れた取り組みが進められているところであります。今後とも多くの府民の皆さんが海の豊かな自然に親しむことができるよう、京都府といたしましても、海と漁村の総合的な資源の活用を積極的に推進、支援してまいりたいと考えております。  丹後地域の観光振興についてでありますが、本年3月に策定しました「京都府観光産業振興ビジョン」に沿って、観光地づくりに努めてまいりたいと考えております。そのため、本年4月にオープンした「丹後あじわいの郷」を活用し、来る10月3日からスタートいたします大収穫祭等のイベントを開催するとともに、11月から全国で初めて、日本道路公団と共同して、舞鶴自動車道や京都縦貫自動車道の利用促進と丹後への観光客誘致を一層図るために、観光キャンペーンを展開することといたしております。丹後は「丹後王国」ということでいろいろ宣伝してまいりましたが、つい最近でも、岩滝の大風呂南1号墓ですか、大変すばらしいガラス製のブルーの釧(くしろ)が出まして、大々的に関心を集めております。こういうものがたくさんありますので、そういう特徴をうんと伸ばしていったらどうかというふうに思っております。  地域の伝統的な産業を観光に生かすなど、新しい「お国自慢」をつくることが重要であるとの考え方に立ちまして、新たに観光のまちづくり推進事業を創設したところでございます。今年度は、各市町村が行う休憩所等の整備や、複数の市町村による広域観光の取り組みに対する助成とあわせて、宮津市を初め、丹後地域で地酒の酒蔵の見学や、織物・染色の体験などができる民間施設の整備に対しましても支援してまいりたいと考えております。  なお、外国人観光客の誘致についてでありますが、議員御指摘のとおり、グローバルな時代を迎え、海外からの観光客誘致は重要な課題であると考えております。そのため、海外の方々にも関西の歴史や自然を楽しんでもらえるよう、今回、関西の各府県が共同いたしまして、丹後を含む広域的な観光ルートを設定したところであります。今後とも関係市町や観光産業の御協力をいただきながら、丹後地域の観光振興に努めてまいりたいと考えております。  道路整備についてでありますが、京都縦貫自動車道綾部宮津道路の舞鶴-宮津間につきましては、既に本線の全区間にわたって土工工事を進めており、今後、橋梁上部工の工事に着手するため、京都府道路公社への委託契約の議案を今議会にお願いしているところでございます。また、早期整備を図るため、綾部-舞鶴間に引き続いて、有料道路事業の延伸について議会の同意を求める議案をあわせてお願いしているところでございます。  鳥取豊岡宮津自動車道につきましては、宮津-野田川間におきまして、用地取得に向けた地元協議を鋭意進めているところでございまして、続く網野までにつきましても、環境調査等がおおむね完了し、今後、都市計画決定に向けた手続を進めてまいりたいと考えております。  次に、丹後半島を一周する国道 178号についてでありますが、バイパスの役割も担う岩滝海岸線につきましては、海上部の工事や陸上部の用地取得などに取り組んでいるところであります。府中バイパスにつきましては、今年度から地元の御協力を得て、用地取得に着手しているところでございます。養老伊根バイパスにつきましては、既に2つのトンネルが貫通し、トンネル前後の築造工事に本格的に着手することとしており、今後は府道久僧伊根線までの 2.3キロメートルについて早期完成を図り、大型車の離合困難区間の解消に努めてまいります。また、蒲入バイパスにつきましては、現道拡幅がほぼ終わり、続く橋梁の下部工事を進めてまいっております。今後とも、丹後地域の活性化を支援するこれらの事業の進捗に努めてまいりたいと考えております。  環境基本計画についてであります。今後、環境施策の展開に当たっては、地球温暖化防止京都会議の歴史的な意義を踏まえまして、またCOP3を契機に高まった環境保全への動きを一過性のものに終わらせないように、開催地京都は誇りを持って環境施策に積極的に取り組むことが必要であると考えております。したがいまして、基本計画は、こうした京都の気概を強く打ち出すことや、自然と共生してきた府民の暮らし方を施策に生かすこと、環境を「府民の安心・安全の確保」という観点でとらえることなどを念頭に置いて策定した次第であります。  また、行政だけではなく、府民や事業者などのあらゆる人たちの主体的な取り組みが必要であるとの認識に立ち、さらにこの計画を府民とともに共有し得るよう、わかりやすい将来の環境像を示すこととし、他県に類を見ない「環境への満足度」や「日常生活での環境保全行動」など、府民の意識や行動にまで踏み込んだ「数値的目安」などを設定したところでございます。また、環境施策全般をリードするリーディングプロジェクトとして、環境教育や学習をねらいとした「環境まなびの輪」創造プロジェクトを初め、幅広く各行政分野にまたがるプロジェクトを設けたところであります。  環境基本計画は、環境施策の長期的かつ総合的な大綱であり、いわば環境のマスタープランとも位置づけられるものでありますので、今後全庁的に推進し、環境先進地京都の創造を目指してまいりたいと考えております。  環境影響評価条例についてでありますが、この条例におきましても、京都府環境を守り育てる条例の理念である「歴史と文化の香り高い、健全で恵み豊かな環境の保全」を図ること、及び「安らぎと潤いのある、快適で住みよい環境の創造」を確保することを基本理念としているところでございます。  次に、その特徴といたしましては、現在の「環境評価要綱」の内容はすべて取り込み、さらに「環境影響評価法」の内容も反映させているところであり、加えて、事業者主体の手続に知事が必要に応じて関与することにより、一層公正、透明な手続となるよう、内容の充実を図っております。  なお、本条例につきましては、法が全面施行される平成11年6月12日にあわせて全面施行することといたしております。  最後に、ごみ処理広域化計画の策定についてでありますが、市町村におけるごみ焼却施設の集約化がダイオキシンの排出量を削減する上で有効な対策であると認識をいたしております。しかし、広域化には、議員御指摘のとおり、収集運搬コストや現有施設の更新時期など多くの課題があり、こうした課題を解決するためには、広域ブロック化する市町村間において十分な協議をしていただくことが必要であると考えております。このため、京都府といたしましては、本年5月から広域化のブロック分け及びブロック単位の市町村会議の設置について市町村と協議を進めているところでございます。今後協議が調い次第、この会議において、ブロック別の現状、課題、集約化までの過渡的対策等について検討願うこととしておりまして、この結果を踏まえ、今年度をめどに市町村の意見を十分反映した広域化計画を策定してまいりたいと考えております。 20: ◯議長石田昂君) 武田教育長。    〔教育長武田盛治君登壇〕 21: ◯教育長武田盛治君) 細井議員の御質問にお答えいたします。  まず、いじめなどの要因についてでありますが、今日、子供たちに他人への思いやりや善悪の判断等の基本的な倫理観や規範意識、社会性が不足していることなどがその主な要因であると認識をいたしております。こうした課題を克服するには、学校、家庭、地域社会がそれぞれの教育機能を発揮しながら連携を強化し、豊かな人間性をはぐくむ「心の教育」を一層充実させることが肝要であると考えております。  特に学校においては、道徳の時間の充実を初め、ボランティアなどの豊かな体験活動を計画的に進めながら、道徳的実践力を高めてまいりたいと考えております。  また、「心の教室相談員」は、中学校 131校に元教員や大学生などを相談員として配置し、生徒の悩み等の相談相手となり、心を和らげる環境づくりや地域の青少年団体との連携などを促進してまいりたいと考えております。  次に、教員の資質向上についてでありますが、いじめなどの今日的課題や生きる力をはぐくむ教育を推進する上で、教科などの専門研修とともに、議員御指摘のとおり、社会に視野を広げるための研修が必要であると考えております。そのため、従来からの教職経験10年目の教員研修に工夫を加え、新たに社会福祉施設など19会場で、約 230人に対し、社会貢献活動の研修を既に実施したところであります。そのほか、今年度新たに20年目の教員全員に対しまして、意識改革が必要であることから、教育改革を進めるための中堅職員の役割を中心に、レポートの作成やセミナー形式による研修を実施することとしております。今後とも教育職員養成審議会の審議状況を注視しながら、研修内容や方法をさらに工夫し、教員の資質向上を図り、京都府の教育の推進に一層努めてまいりたいと考えております。 22: ◯議長石田昂君) この際、暫時休憩いたします。    午後3時29分 休憩         ───────────────────    午後3時48分 再開 23: ◯議長石田昂君) 休憩前に引き続き会議を行います。  次に、酒井国生君に発言を許します。酒井国生君。    〔酒井国生君登壇〕(拍手) 24: ◯酒井国生君 私は、自由民主党の酒井国生でございます。自由民主党府会議員団を代表いたしまして、知事並びに関係理事者に質問をいたします。  質問に入る前に、お許しをいただきまして、一言ごあいさつを申し上げます。  去る9月22日、京都、滋賀を直撃いたしました台風7号により大きな被害をお受けになられた皆さんに心からお見舞いを申し上げますとともに、万全を期して復旧に頑張ってまいりたいと存じます。  また、本年7月12日に執行されました第18回参議院議員通常選挙におきまして、我が党は国民の皆様方の厳しい審判を受け、特に京都選挙区においても前府議会議長の山本直彦氏を擁立し、総力を結集して選挙戦を戦いましたが、まことに残念な結果になり、ここに昼夜いとわず御支援を賜りました皆さん方に心から御礼を申し上げます。我が党は、選挙の結果を謙虚に受けとめ、自由民主党の再生と景気回復を目指し、全力を傾注して頑張ってまいりますので、なお一層の温かい御支援を賜りますよう心からお願いを申し上げます。  さて、月日のたつのは早いもので、荒巻知事が見事4選を果たされて以来、はや半年が経過いたしました。荒巻知事におかれては、知事就任早々、いち早く6月補正予算の編成作業を手がけられ、非常に厳しい財政環境のもとではありましたが、国からの財源確保を図り、総合的な経済対策や保健福祉対策、環境対策などといった、京都府が緊急に取り組まなければならない行政課題に対して積極果敢な姿勢を示されたところであります。さらに、今日の金融不安や円安・株安の進行などにより、景気回復のめどがなかなか立たない中で、中小企業に対する貸し渋りや、働きたくても働き口が見つからないという雇用情勢に対して的確に対応するため、今定例会に総額 185億円に上る補正予算を提案されたところであります。特に、中小企業の貸し渋りに対して総額 1,000億円の融資枠を確保するとともに、新たな地元雇用の創出に向けて、総額6億 8,000万円の緊急雇用創出事業を予算計上されるなど、荒巻知事の景気回復や府民生活の安定向上にかける意気込みが十二分に酌み取れる予算であり、我が議員団は、会派を挙げて、今回の補正予算を高く評価するものであります。この上は、一刻も早く景気が回復し、地域に活気がよみがえることを祈るばかりであります。  それでは、質問に入らせていただきます。  質問の第1点は、京都府の今後の行財政運営についてであります。  バブル経済崩壊後、不況が長期化し、府内経済の停滞が続く中で、私は、今後の本府の財政運営を懸念するものであります。バブル崩壊後、この間の京都府財政は、歳入面においては、府税収入が平成3年度の約 3,428億円をピークに、4年連続して毎年減収の一途をたどり、10年度は約 3,194億円しか予算計上されておらず、ピーク時と比べまして、約 234億円もの減収となっております。しかも、景気動向に明るさが見えない中にあっては、今後とも飛躍的に増収を期待するわけにはいかないのであります。  さらに、財政調整基金については、ピーク時から大幅に減少し、現時点ではわずか75億円しか残っておりません。一方、歳出面を見ますと、人件費は府政の屋台骨を支える必要経費とはいえ、給与改定などにより、平成8年度で55億円、平成9年度で71億円の増加というように、毎年数十億円単位の驚くべきハイペースで年々増加しているのであります。また、一般家庭の住宅ローンの借金返済に当たる公債費は、平成4年度以降これまでの間、何度も景気対策が実施され、その財源として府債が積極的に活用されてきました。今後その借金返済が始まり、公債費は大幅に増加するものと思われます。さらに、高齢者人口の増加に伴い、介護保険を初めとする福祉部門や下水道などの生活に密着した社会資本整備などについては今後ますます府民の要望が高まり、今まで以上に大幅な増加が見込まれます。こうしたことを考え合わせますと、京都府の今後の財政運営がいかに厳しいか、いかに難しいかがよくわかるのであります。  京都府におかれましては、これまでから荒巻知事のもと、全国に先駆けて行政改革に取り組まれ、組織機構の見直しや定数削減はもとより、外郭団体の統廃合など大きな成果を上げてこられております。さらに、予算編成のたびに、スクラップ・アンド・ビルドを徹底され、事務経費をとことん切り詰められ、これらの結果、21年間連続して健全財政を維持されてこられました。私は、こうした取り組みを高く評価するものであります。しかしながら、今後の財政運営を考えますと、これまでの事務事業の見直しや節減・合理化といった取り組みだけでは健全財政が維持できなくなる日がいずれ近い将来やってくるのではないかと、大変心配をしております。  そこで、荒巻知事にお尋ねいたします。中小企業の経営環境が当初予算の時期よりもなお一層厳しくなっている中で、今回の補正予算には府税が予算計上されていないなど、非常に厳しい状況となっているのであります。今後とも的確な財政運営を行う上で、地方交付税や国庫補助金など、国からの財源確保に努力していただくとともに、自主財源であります府税についても積極的な確保対策を講じていただく必要があろうかと存じます。つきましては、徴収率の向上など、税収の確保を図るためどのような取り組みを進めておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  先ほど申し述べましたように、将来の京都府を展望するに当たり、今後とも健全財政を維持しようとするならば、これまでの取り組みをさらに強化徹底するとともに、事務事業の効率化はもとより、一時凍結・廃止などの思い切った手法も取り入れつつ、現行の行革大綱を大幅に見直し、定数の削減や事務事業全体を総点検する中で、予算の中で35%を占めている人件費の増加を抑制する必要があると存じます。人件費の見直しに当たっては種々難しい問題もあろうかとは思いますが、例えば他府県でも議論されているような定数削減や特殊勤務手当を初めとした各種手当の見直しなどによる人件費の削減はもちろんのこと、この際、福利厚生などについてもその削減についてあらゆる方策を真剣に議論し、少しでも抑制すべきと考えますが、知事の御所見をお聞かせ願います。  次に、4府総の総合的評価と新しい総合計画の策定に向けた取り組みについてお尋ねいたします。  いよいよ21世紀まで残すところあと2年余りとなり、新しい世紀の足音がすぐ目の前に迫ってきております。しかしながら、京都府を取り巻く社会・経済情勢は大変厳しいものがあり、日本を初め、世界各国に及ぶ景気低迷が長期化する様相を示す中、府民の生活や産業にも大きな影響を及ぼしており、また、世界の経済・政局不安など国際情勢の不安定さに加え、国内においても少年犯罪の増加や毒物混入事件など、社会不安をもたらす事件が相次いでいるところであります。さらに、少子・高齢化、グローバリゼーションの進展、あるいは地球環境問題など、21世紀にはその具体的な対応が迫られる新たな課題が次々と顕在化しており、一方では、地方行政を推進する上での喫緊の課題である地方分権や行財政改革など、府民生活に直接的に、あるいは間接的にさまざまな影響を与える課題が出てきております。私は、このような困難で不透明な時代にこそ、府民に対して新たな世紀の羅針盤となるような明確な道しるべを示すことが時代のリーダーとして必要であると確信しております。そうした意味でも、知事が既に明らかにされました21世紀に向けた新しい総合計画の策定については、まことに時宜を得た取り組みであり、荒巻知事のリーダーシップに敬服しますとともに、大いに期待するものであります。  また、今さらながら申すまでもなく、荒巻知事は、知事みずからの指揮のもと、平成2年に策定されました第4次京都府総合開発計画に基づきまして、21世紀の橋渡しとなる現在までのこの8年間に、高速交通網や産業・生活基盤の整備を初め、福祉、環境、教育、文化といった府政全般にわたったきめ細かな施策の推進を通じ、真に豊かで均衡ある発展を現実のものにされてこられたところであります。私は、21世紀に向けた新たなビジョンについても、こうした4府総の成果や実績を十分に踏まえた上で、計画づくりを行うことが必要であると考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。平成2年から推進してこられた4府総について、どのような総括をされているのか、また、平成8年度からの点検作業において明らかになった課題としてはどのようなものがあるのか、御所見をお聞かせください。さらに、新しい総合計画の策定に向けた今後の取り組みについてはどのように進めていくお考えなのか、現在の取り組み状況も含め、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、不況・雇用対策についてお伺いいたします。  まず、貸し渋り対策についてであります。  申すまでもなく我が国の経済は、いまだかつてない不況に直面しており、経済企画庁の月例経済報告を見ましても、「景気は低迷状態が長引き、極めて厳しい状況にある」ということで、一向に景気の回復の兆しが見えておりません。さらに、金融機関が不良債権の処理を進める中で企業へのいわゆる貸し渋りが起きており、その結果、中小企業の資金繰りがますます苦しくなってきており、「貸し渋り倒産」といった事態も全国各地で起きていると聞いております。  この7月末に、全国商工会連合会が全国の商工会を対象として行った調査でも、過半数以上の商工会が「貸し渋りがある」と答えており、その中身も、「追加融資を断られた」とか「担保、保証人の追加を要求された」、あるいは「融資金額の査定が従来よりも低くなった」など多岐にわたっており、さまざまな形での貸し渋りがあることを物語っております。  こうした中で、京都府では昨年来、思い切った中小企業緊急金融対策を実施してこられました。例えば、不況業種に対して通常の2倍の融資が低利で受けられる別枠融資制度など、どの府県にも負けない、きめ細かな対策が行われております。金融は経済の血液と言われておりますが、多くの中小企業の方々が担保や保証人など、さまざまな問題で資金の確保が大変難しくなっている今、京都府の融資制度は命の綱であり、中小企業が厳しい不況を乗り切るためにも、今後極めて大切な役割を果たすものと考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。中小企業への金融対策に日々大変な御尽力をいただいているところでありますが、京都府の制度融資がどれほど利用されているのか、この間の窓口での相談件数や融資の実績についてお聞かせください。  また、国は8月末に、政府系金融機関や各府県の信用保証協会の業務を充実し、中小企業に対して40兆円を超える融資を行うため「中小企業等貸し渋り対策大綱」を決定しましたが、この大綱を踏まえ、今後京都府としてどのように金融対策を進めていこうと考えておられるのか、あわせてお伺いいたします。  次に、雇用対策についてでありますが、長期の景気低迷の影響を受け、今年になって、企業倒産の急激な増加やリストラによる人員削減で失業者の数が急激にふえてきており、今やその数は 270万人にも及んでおります。失業率では、今年の4月に完全失業率が4%台に乗り、6月には 4.3%の史上最悪の状況まで上昇し、現在も4%台の率で推移しています。  京都府内の状況では、特に西陣や丹後地域の繊維産業が大きな打撃を受けて、白生地生産量が大幅な減産を余儀なくされ、売上高が大きく落ち込んでいる状況となっており、とりわけ中小零細な生産者は仕事がなくなり、公共職業安定所に職を求めて殺到されている状況にあります。もちろん西陣、丹後ばかりではありません。府内の全域において建設業や製造業に携わる方々も同じように厳しい状況下に置かれております。特に下請の中小企業で働いている方は受注の仕事が半減するなど、不況の影響をもろに受けていると聞いております。  今回の不況は、複合型の長期の構造的不況とも言われており、私は、基本的にはこの不況の抜本的な対策は、国の経済対策により景気の回復を一日も早く実現することが必要であると考えております。  そして、地方公共団体としては、1つには、経営不振に陥っている中小零細な企業を何とか持ちこたえさせる支援を行い、これ以上の失業者を出さないこと、そして2つ目は、新しい産業を早期に育成して、新たな地域産業の活性化を図っていくことが大切であると考えております。しかしながら、同時に、実際に仕事がなくて困っておられる方々に対して、身近な行政としてでき得る限りのきめ細かな支援策を実施していくことが大切であると考えております。府では、既に全庁的な「緊急不況・雇用対策本部会議」を開催され、地元雇用の具体的な実現化に向けて協議を重ねられてきたと承っておりますし、今、府内の市町村でも、丹後の網野、大宮、加悦町では、不況・雇用対策の会議等を設置するなどの取り組みも行われているとのことでありますが、こうした取り組みは、真に府民のことを考えた地方行政の施策として、評価に値するものであると考えております。  そこで、知事にお伺いしたいのでありますが、不況の長期化により一段と厳しさを増す雇用・失業情勢のもとで府民の生活を守るためには、もはや一刻の猶予も許されないのであります。京都府としても、従来取り組んでこられた対策からさらに一歩踏み込んだ支援策も必要ではないかと考えるのであります。京都府では、緊急不況・雇用対策本部会議で当面の対処方針を取りまとめられたと聞いておりますが、知事の不況・雇用対策についての当面の方針や対策について、お考えをお伺いいたしたいと存じます。  次に、障害者対策についてお尋ねいたします。  京都府におかれましては、これまでから「完全参加と平等」「自立と社会参加の促進」を障害者対策の重要な柱に位置づけて、「京都府福祉のまちづくり条例」の制定など、障害者に対する理解と普及啓発の取り組み、在宅福祉・施設福祉対策など、各分野にわたり、全国に誇る積極的な政策を展開してこられました。さきの6月府議会における我が党の井上赳夫議員の質問に対して荒巻知事から御答弁をいただきましたように、「障害のある方々が、一人の人間、一人の社会人として、その持てる力を最大限に発揮できるような社会の実現」を目指してこられたわけであります。こうした京都府の取り組みや市町村、関係者の方々の御尽力のたまものであろうかと存じます。  最近の新聞報道を拝見いたしましても、障害のある方々にかかわる各地域でのさまざまな取り組みが連日のように取り上げられておりまして、関係者の一人として大変喜んでいるわけでございます。先ごろも障害のある方々が製作した授産製品の普及を目的として設置しております京都授産振興センター「ハートプラザKYOTO」について取り上げられております。同センターは、京都府の英断でJR京都駅ビルに移転し、全国にも例を見ないすぐれた立地条件のもとで運営されていると伺っておりますが、JR京都駅ビルへの移転1周年を記念して、センターや授産製品のPRのため福祉フェスタを開催され、連日多くの人でにぎわったと報道されておりました。こうした取り組みは、単にセンターのPRにとどまらず、福祉に関する府民の理解を深める意味でも大変有意義な取り組みであると存じます。JR京都駅ビルなど、関係者の御理解を得て、引き続き実施していただくようお願いいたしたいと存じます。  ところで、近年の障害者対策については、重度の障害のある方々への対応が大きな課題になっていると言われております。このことは、従来からも問題となっていたと思いますが、障害者施策・事業が進展し、障害に対する理解が進んでくる中で、障害のある方御自身、あるいは保護者の意識も変化してきたことで、いわばニーズが顕在化してきたものと考えているものであります。それだけに、今後の障害者対策を進める上で、重度者への対応を十分念頭に置きながら、関係者のニーズに的確にこたえていくことが必要であります。  そこで、お尋ねいたします。  第1点目は、今回の9月補正予算案に盛り込まれております重症心身障害児者通園施設についてであります。この施設は京都府内では初めての施設かと存じますが、先ほど申し上げましたような重度者のニーズにこたえるものとして大いに期待をしているところであります。今回の整備補助を予定されております重症心身障害児者通園施設について、整備の目的や具体的内容、さらには整備の効果について、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。  第2点目は、今回の施設整備も含めまして、今後の重度障害者あるいは障害児対策について、今後どのように進めようとされておられるのか、あわせてお伺いをいたしたいと存じます。  次に、農業・農村の整備についてお尋ねいたします。  京都府におきましては、既に農業の生産振興とあわせて農村の生活環境の総合的な整備を進め、農村の活性化に向けて積極的な取り組みが行われているところであります。中でも、圃場整備を初めとする農業基盤整備は、農業生産振興の基礎として、京都府においては昭和50年代から圃場整備を積極的に推進され、現在では整備率もほぼ全国平均並みの状況に達しております。しかしながら、今日の農業・農村は、農業従事者の減少や高齢化の進行、耕作放棄地の増加など、農地の利用状況の悪化、さらにはこうした農村の活力低下とともに、農業・農村が有する国土・環境保全等の多面的機能の低下など、なお厳しい状況に直面しております。  このような中、担い手農家や担い手組織の育成等と一体となった圃場整備事業を今後積極的に推進していくことが非常に重要と考えておりますが、そこで、1点、私からの要望として、亀岡市の川東地域を初め、府内にはいまだ整備に至っていない優良な農業地域も少なからず残されており、これら地域の要望は強いものがあります。引き続き担い手育成対策等のソフトを含めた積極的な推進を要望するものであります。一方で、農業・農村につきましては、食料の安定供給の確保はもとより、水資源の涵養を初め、国土や自然、生態、景観など、環境保全といった多面的、公益的機能に対する評価が高まっており、歴史と伝統に根差した地域の文化を継承するとともに、都会にはない「ゆとり」や「安らぎ」を与えてくれるかけがえのない産業として、また空間として、整備に対する多様な要望が見られております。  また、圃場整備によって農村部の周辺基盤が整備されていく一方で、集落の生活排水の処理が緊急の課題であると考えております。私の地元亀岡市におきましても、市街地の公共下水道の整備とあわせ、周辺農村部におきましても農村部の下排水の整備を求める声が多く出されており、今後、ますます要望が高まるものと考えております。
     さらに、農道の整備につきましては、農産物の流通の合理化を図り、主産地を形成していく上で重要であることはもとより、国道・府道などの幹線道路を補完し、地域の生活・福祉・産業用の道路としても広く利用されております。農道整備は、農村の地域整備における一つの軸として、地域の利便性の向上など生活条件の整備とともに、都市と農村の交流による地域活性化や農村地域への定住促進にも極めて有効な方策と考えます。  このほか、農村地域に多数存在するため池につきましては、その本来の機能である農業利水の用途に加え、地域の防災・安全の面も含め、緊急な整備が必要となっているところであります。京都府におきましても、昨年1月「京都府ため池整備総合基本構想」が策定され、農村部における地域整備の一環としての整備方向が打ち出されております。また、農村地域の整備として、豊かな自然にあふれた潤いのある空間として農村の価値を引き出していくため、すぐれた景観の保全や水と土とのふれあいを促すような環境整備もあわせて各地で実施されております。  これら農村地域における生産から生活に及ぶ広範な整備は、とりわけその基盤条件の厳しい中山間地域において緊急に促進を図る必要に迫られているものと考えますが、折しも公共事業に対するいろいろな批判がある中で、事業推進に影響が出てこないかと懸念をいたしております。  国においては、21世紀を展望した食料・農業・農村政策の基本方向が検討され、新たな農業基本法の制定に向け準備が進められているところであります。府においては、現在「UR農業合意に対応した京都府農業・農村活性化対策大綱」に基づき、真の豊かさと均衡ある発展を目指し、各種の施策の展開が図られているところですが、農業・農村の整備として、これら生産基盤整備や生活環境整備について、今後どのように推進されるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、国道9号の渋滞対策についてお尋ねいたします。  国道9号に関連する京都縦貫自動車道の整備については、昭和54年の国道9号バイパスとしての改良着手以来、積極的な取り組みを行っていただいた結果、著しくその整備が進展したところであり、その努力に敬意を表するものであります。特に以前の国道9号は、亀岡市内から八木町、園部町の中心部にかけて慢性的な交通渋滞が発生し、国道のみならず、抜け道をするため周辺の生活道路にまで入り込んだ通過車両等によって、市民の生活に大きな影響を与えておりました。それが、この間の京都縦貫自動車道の整備によって、現在は京都市沓掛から丹波町までが供用され、長距離区間を走行する交通の流れを分離することによって、地域内道路の渋滞対策に著しい効果があらわれております。また、人や物の移動が活発になり、今後の地域活性化の効果が期待されるところであります。しかし、このような具体的な効果があらわれ、さらに今後の新たな効果が期待される京都丹波道路ではありますが、京都市内に入った途端にその効果を十分生かし切れていないのが現状であります。将来的には、現在取り組まれている第二外環状道路の整備によって、乙訓地域や京都南部地域へ向かう交通は分離されるものと思われますが、京都市内中心部への渋滞、特に洛西ニュータウンの中山交差点から西大路交差点付近にかけての渋滞は慢性的で、何としても抜本的な対策を講じていただきたいものと、かねてより要望してきたところであります。聞くところによりますと、この京都市内の国道9号の抜本的な渋滞対策として、建設省におかれましては、京都西立体交差の構想があり、今年度、新規着工準備箇所に位置づけられたとのことであります。また、国道9号と関連して、桂川右岸地域の東西軸のネットワークの形成を図る観点からも、周辺道路網を含めた渋滞対策が必要であると考えております。  そこで、これらの渋滞対策を一日も早く具体化し、事業促進をしていただきたいとの立場から、国道9号を初めとする総合的な渋滞対策に関して、次の諸点について、知事の御所見をお伺いいたします。  第1点目は、建設省で構想されている京都西立体交差計画の概要と今後の取り組みについてお伺いいたします。  第2点目は、国道9号に関連する周辺道路網の渋滞対策に係る取り組み状況についてお伺いいたします。  最後に、地元の問題に関して、質問と要望をしておきたいと存じます。  第1に、桂川改修についてであります。  まず、日吉ダムについて一言御礼を申し上げます。地元の悲願でありました日吉ダムが、4月から本格運転を始めてはや半年がたとうとしております。この間、夏の少雨による渇水時には、農業用水の安定取水が確保されるとともに、保津川遊船につきましても、日吉ダムからの補給により一日も休むことなく運航されたところであります。また、先日の台風に伴う大雨に際しましても、桂川の亀岡地点では、ダムがない場合に比べて水位は1メートル近く抑えられ、日吉ダムの洪水調節効果が発揮され、桂川沿川住民の安心・安全が守られたところでございます。改めて、先頭に立って建設促進を図っていただきました荒巻知事に、厚く御礼を申し上げます。  また、本年2月9日、知事も出席をしていただき、起工感謝式が盛大にとり行われ、亀岡市民の念願でありました桂川改修と保津橋のかけかえ工事が着工され、今回、橋の中心部である契約議案を提案いただき、厚く御礼を申し上げます。この保津橋の早期完成を強く望むものでありますが、保津橋かけかえに係る今後の見通しについて、知事の御所見をお伺いいたします。  第2に、歴史街道の推進についてであります。歴史街道につきましては、京都府において、平成4年度以降、宇治地域を初めとして取り組んでこられたところであり、大きな成果を上げてきたところであります。今年度は、亀岡市において取り組まれると承っておりますが、地元の歴史・文化のPR、まちづくり、観光振興等に大きな期待が持たれるところであります。その進捗状況や今後の取り組みについてお伺いいたします。  最後に、山陰本線京都-園部間の複線化についてであります。亀岡市の人口が増加し、京都市方面への通勤・通学者が大きく増加している中で、山陰本線京都-園部間の全線複線化による利便性向上は、地元住民の強い願いであります。また今後、京都中部圏域の振興発展のためにも欠かすことのできない重要な事業であります。京都府におかれましても、その実現に向けたより一層の取り組みを強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 25: ◯議長石田昂君) 荒巻知事。    〔知事荒巻禎一君登壇〕 26: ◯知事荒巻禎一君) 酒井議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、補正予算等に対しまして高い評価を賜りまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  まず、今後の行財政運営と府税収入の確保についてでありますが、議員御指摘のとおり、京都府の財政環境は、バブル経済崩壊後、府税収入を初めとする歳入が厳しい状況で推移する一方、人件費や公債費を初めとする義務的経費が引き続き増加するなど、極めて困難な状況が続いております。今後においても同様の状況が続くものと見込まれますところから、健全財政を維持しつつ、増大する府民要望に的確に対応してまいりますためには、根本的な行財政改革を進め、効率的な財政運営を目指すとともに、あらゆる歳入の確保に努めることが不可欠でございます。特に、府税は歳入の大宗を占める貴重な自主財源であり、常日ごろから組織を挙げて徴収に努めてきているところでございまして、先般、9月14日も「税収確保対策推進会議」を開催いたしまして、昨今の厳しい財政状況等について認識を深めるとともに、さらなる税収確保に向けて方針を確認したところでございます。今後とも組織の連携を強め、「早期着手、早期収入」を基本とした滞納整理の徹底を図りますとともに、年末や年度末に滞納整理強化月間を実施しまして、一層の税収確保に向けて努力してまいる所存でございます。  人件費の削減についてでありますが、京都府では、全国に先駆けた行政改革の取り組みにより、組織の簡素化や職員の定数の削減に努めてきたところであります。しかしながら、昨今の厳しい財政状況のもとで、少子・高齢化対策、地球環境問題などの課題に対処するためには、費用対効果や行政と民間との役割分担などの観点も織り込んで、事務事業を徹底して見直すなど、人件費の削減に向けて行政改革の取り組みを一層強化してまいる必要があると考えております。このため、今回「新しい行政推進大綱」を見直しまして、厳しく具体的な数値目標を掲げて、組織のスリム化、民間委託等の一層の推進により、思い切った定員削減に取り組んでまいりたいと考えております。また、職員の給与や福利厚生についても、適正な管理、運用に努めてきたところでありますが、今後とも社会経済情勢に照らし、府民の理解が得られるよう一層の見直しを行い、人件費等の抑制に努めてまいりたいと考えております。  4府総の評価と新しい総合開発計画についてでありますが、このほど4府総の進捗状況などを整理した「点検報告書」でも取りまとめましたように、これまで立ちおくれていた高速交通網の整備を初め、関西文化学術研究都市の建設や京都迎賓館の誘致など、京都ならではの取り組みが進んだほか、産業、福祉、教育、文化など、府民生活を支えるきめ細かな施策も着実に実現してきたところであり、4府総はおおむね順調に進捗してきたものと考えております。しかしながら、21世紀が間近に迫った今日、少子・高齢化の一層の進展、産業空洞化の懸念、地球環境問題の深刻化など、新たな課題が投げかけられている中で、今後とも府民一人一人が希望に満ち、生き生きと充実して暮らせるような潤いと活力ある京都府社会を実現することが最も大切であると考えております。そのためには、4府総ででき上がった社会資本の成果を大いに活用しつつ、福祉や環境など、ソフト面をより重視し、やさしくてたくましい地球時代の京都府を築いていくための総合計画を策定していく必要があると考えております。  新しい総合計画の策定に向けた取り組みにつきましては、去る9月11日に総合開発審議会の第1回会議を開催いたしまして、会長には元京都大学総長の西島先生を選任の上、審議に着手していただいたところでございます。この審議会には、各世代の方々の意見が反映しますように、20歳代、30歳代、40歳代、50歳代、60歳代と世代間のバランスをとり、また全体の30%を女性委員に、また外国人にも委員をお願いしており、第1回目の審議会におきましても、21世紀を見据えた活発な議論が交わされたところであります。今後は、府民の皆さんの声をお聞きする機会を多く設けながら計画づくりを進め、21世紀の始まりのときには地球時代にふさわしい21世紀の京都ビジョンを提示できるよう策定作業を進めてまいりたいと考えております。  貸し渋り対策についてでありますが、京都府として、未曾有の不況の中で、中小企業の皆さんが安心して経営に取り組んでいただけるよう、昨年9月から、いち早く緊急金融対策を実施してきているところであります。この間、担保や保証人なしで従来の2倍まで借りられる別枠融資の対象業種を大幅に拡大するとともに、金利の引き下げ、京都信用保証協会への追加出捐による保証枠の拡大など、制度融資の一層の改善、充実に努めているところでございます。その結果、本年4月からの約半年間における制度融資の実績は、昨年度の同じ時期と比べて3倍近い約 486億円となっております。  民間調査機関によりますと、京都府内の8月の企業倒産は、件数、負債額ともに大幅に減少いたしまして、今年で最も少なかったとのことでございます。これについては、新聞報道──9月8日付の京都新聞で「行政の貸し渋り対策などが中小企業の資金繰りを緩和したと推定される」と評価していただいておりまして、京都府の制度融資が中小企業の経営安定の上で重要な役割を果たしてきたものと考えております。  しかしながら、極めて厳しい不況がまだ続くと見られる中で、京都府の制度融資につきましては今後も多くの利用が見込まれるとともに、国の貸し渋り対策と連携して相乗効果を上げるために、制度融資の融資枠について現在は過去最大の 780億円を確保しておりますが、さらにこれを 1,000億円に拡大したいと考えて、本議会に所要の予算をお願いしているところでございます。  また、来月1日から、別枠融資の対象となる不況業種を、現在の 107業種から、金属(プレス)製品製造業や漆器製造業などを加え 148業種に拡大するとともに、近く融資限度額について、無担保無保証人融資は 750万円から 1,000万円に、無担保融資は 3,500万円から 5,000万円にそれぞれ引き上げたいと考えております。さらに、貸し渋りを受けて資金調達に支障を来している中小企業を対象として特別の保証制度が創設されますので、府といたしましても、国や京都信用保証協会と協議の上、制度融資での対応について検討してまいりたいと存じております。  なお、昨年12月から緊急経営相談窓口を開設しておりますが、不況の深刻さを反映して、既に1万 2,834件──9月22日現在でありますが、と実に多くの中小企業の皆さんから御相談を受けております。このため、特に利用が多い京都府中小企業総合センターを中心に、府のOBや、また経験者を活用することも含めまして全庁的な応援体制を組むなど、窓口体制の充実に取り組んでまいりたいと考えております。  今後とも、中小企業の皆さんに対する金融対策を積極的に進めてまいりたいと存じておりますので、よろしくお願い申し上げます。  不況・雇用対策についてでありますが、御指摘のとおり、長引く不況の影響を受け、雇用・失業情勢は大変厳しい状況にあります。このような中で、京都府におきましては、本年度当初予算に加えまして、6月に総合経済対策 645億円を中心とした過去最大規模の補正予算を計上するとともに、公共事業の前倒し執行に努めまして、85.7%の計画でございますが、不況・雇用対策に取り組んでまいったところであります。さらに一層厳しさを増した雇用・失業情勢に対処するために、「緊急不況・雇用対策本部会議」を開催して、全庁挙げて検討を行い、雇用等に関する「当面の対処方針」を取りまとめたところでございます。この方針では、府の単独事業等を活用して、道路、河川の小規模な改修工事など、具体的に雇用の創出を図るための新たな事業などを実施いたしますとともに、発注方法等の工夫や受注業者への働きかけにより、公共事業による地元雇用の促進を行うことといたしております。また、企業立地促進対策事業費補助金なども活用して、企業誘致の促進と就業機会の拡大を図るとともに、離職者向けの職業訓練の実施や市町村の雇用創出の取り組みへの支援など、きめ細かな対策を行うことといたしております。  今定例会には、先ほどの対処方針に盛り込まれた事業の実施に必要な予算の審議をお願いしているところでございます。今後とも、経済、雇用の動向に十分目を配るとともに、府民の暮らしを守る立場から、国や関係機関と連携して、不況・雇用対策の充実に全力を尽くしてまいりたいと考えております。  障害者対策についてでありますが、本議会に御審議をお願いいたしております重症心身障害児者通園施設は、在宅の重症心身障害児者に対し、衣服の着がえ、スプーンの使用などの日常生活動作、寝返り、姿勢の保持などの運動機能について、医師や理学療法士などにより専門的な療育訓練を行う施設として整備をしようとするものでございます。療育事業につきましては、従来から市町村などにおいて障害児デイサービス事業や母子療育教室が行われておりますが、障害の重度化に伴い、高度・専門的な訓練や関係職員への技術支援などが求められているところであります。このため、広域的な療育事業の拠点施設として位置づけております花ノ木学園に、今回府内で初めて重症心身障害児者のための通園施設を整備することにより、京都府中部の療育基盤の一層の強化を図ることができるものと考えております。  また、重度の障害者対策につきましては、身体に障害のある方の4割、知的障害のある方の5割が重度の障害者でありますところから、京都府といたしましても、施設における処遇向上のための運営費加算事業や、家族の繁忙時に障害者を一時お預かりして介護を行うレスパイト事業、安心して医療を受けていただくための福祉医療給付事業など、多様な施策を展開しているところであります。今年度におきましても、身体障害者療護施設や知的障害者更生施設重度棟の整備を図る一方、在宅対策としてレスパイト事業やデイサービス事業の実施箇所の拡充などを図っているところであり、今後とも「京都府障害者基本計画」に基づき、関係施策の充実に努めてまいりたいと考えております。  農業・農村整備についてでありますが、圃場整備につきましては、整備率が54%近くまで向上し、多くの地域で水田の高度利用が可能となり、京野菜や花卉を初めとするハウス栽培や、小豆、黒大豆などの集団栽培によって収益性の高い農業が展開されてきております。この成果は、農業センサスにおきましても数値としてあらわれてきておりまして、農産物販売額50万円以上の農家の数は、全国では10%近く減少する中で、京都府では逆に6%近くも増加しております。また、農業集落排水につきましては、市町村において積極的に取り組まれ、水洗化普及率も全国を上回る状況となってきております。  今後におきましても、生産と生活の場の一体的な整備により、豊かで住みやすい農村空間をつくり出すために、農地の生産性向上はもとより、河川、道路との一体的整備を図る圃場整備を推進し、さらに農業集落排水などによる生活環境整備やため池、水路などの特性を生かした農村環境の保全にも努める必要があるものと考えております。  このため、京都府の農業・農村の将来を展望した国営、公団営、府営などの拠点事業の早期完成に努めるとともに、「ウルグアイラウンド農業合意に対応した京都府農業・農村活性化対策大綱」に沿って、市町村の要望も踏まえながら、積極的に農業・農村整備に取り組んでまいりたいと存じております。  国道9号京都西立体交差計画についてでありますが、この計画は、京都縦貫自動車道の沓掛インターチェンジから京都市中心部にかけての交通渋滞を緩和し、円滑な交通を確保するために建設省において、千代原口交差点や五条天神川交差点など、交通渋滞の著しい主要交差点を立体化しようとするものであります。今年度は新規着工準備箇所に位置づけ、また事業着手に向けた測量や設計の検討が行われているところであり、京都府といたしましても、一日も早い事業着手に向け、積極的に協力してまいりたいと考えております。  また、国道9号に関連する周辺道路網の渋滞対策につきましては、桂川右岸地域を東西に結ぶ都市計画道路、久世北茶屋線の整備促進に向け、向日市とともに鋭意取り組んでいるところでありまして、平成11年度末の工事完成を目指して、引き続き努力してまいりたいと考えております。  さらに久世北茶屋線につきましては、京都市において取り組まれておりますJR東海道本線との立体交差部の4車線拡張とあわせ、阪急京都線物集女踏切の除却に向けて、京都市と連携しながら、関係機関との協議調整を進めてまいりたいと考えております。  府道亀岡園部線保津橋のかけかえにつきましては、桂川改修と相まって進めているところでありまして、昨年度より左岸側から下部工の工事を進めておりましたが、今年度から、橋の主要部分となる上部工工事に着手するために、請負契約の議案を今議会にお願いしているところでございまして、橋梁部分は平成12年度末に完成する予定であります。また、右岸側の取りつけ区間につきましても、現在用地取得を進めているところであります。本事業の進捗を図るために、さきの6月の補正予算において大幅な事業費の増額をお認めいただいたところでありまして、地元の御協力も得ながら、早期完成に向けて努力してまいりたいと考えております。  酒井議員におかれましては、地元議員として今までもいろいろ御協力をいただきましたが、今後ともよろしくお願い申し上げます。  最後に、歴史街道についてでありますが、亀岡市におきましては、昨年、国から「歴史街道モデル事業」整備計画策定地域として指定を受け、現在、地元が中心となって歴史や文化を生かした道づくり、川づくりなどが進められているところであります。また、古くから山陰街道の要衝として幾たびも歴史の舞台となった亀岡の魅力を多くの方に知っていただくために、京都府では亀岡市や地元関係団体と共同で、亀山城跡、穴太寺などをめぐる「京・亀岡歴史街道千社札ラリー」等を今月20日から実施しているところでございます。さらに亀山城跡周辺の府道において、伝統的なお祭りや景観に配慮した道路整備を今年度に行うことといたしております。         ─────────────────── 27: ◯議長石田昂君) 本日はこの程度にとどめ、明9月30日午後1時から本会議を開きますので、御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。    午後4時52分 散会 発言が指定されていません。 ↑ ページの先頭へ...