京都府議会 1995-06-01
平成7年6月定例会(第4号) 本文
トップページ 検索結果
一覧 使い方の説明 (新しい
ウィンドウで開きます) 平成7年6月
定例会(第4号) 本文 1995-06-28
文書・
発言の移動
文書 前へ 次へ
発言 前へ 次へ
ヒット発言 前へ 次へ
文字サイズ・別
画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく
ツール 印刷用ページ(新しい
ウィンドウで開きます) 別
窓表示(新しい
ウィンドウで開きます) ダウンロード 表
ズレ修正 表示形式切り替え 発言の
単文・
選択・
全文表示を切り替え
単文表示 選択表示 全文表示 発言者の
表示切り替え 全 53
発言 /
ヒット 0
発言 すべての
発言・
ヒット発言の
表示切り替え すべての
発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの
一括変更 選択表示 すべて
選択 すべて解除
発言者一覧 選択 1 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 2 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 3 :
◯林田洋君
選択 4 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 5 :
◯知事(
荒巻禎一君)
選択 6 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 7 :
◯商工部長(
高見静治君)
選択 8 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 9 :
◯土木建築部長(
満岡英世君)
選択 10 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 11 :
◯島田敬子君
選択 12 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 13 :
◯知事(
荒巻禎一君)
選択 14 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 15 :
◯保健福祉部長(
道林邦彦君)
選択 16 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 17 :
◯商工部長(
高見静治君)
選択 18 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 19 :
◯高屋直志君
選択 20 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 21 :
◯知事(
荒巻禎一君)
選択 22 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 23 :
◯保健福祉部長(
道林邦彦君)
選択 24 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 25 :
◯商工部長(
高見静治君)
選択 26 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 27 : ◯農林水産部長(中山禎輝君)
選択 28 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 29 :
◯土木建築部長(
満岡英世君)
選択 30 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 31 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 32 : ◯斎藤彰君
選択 33 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 34 :
◯知事(
荒巻禎一君)
選択 35 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 36 : ◯総務部長(長沢純一君)
選択 37 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 38 :
◯保健福祉部長(
道林邦彦君)
選択 39 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 40 : ◯新井進君
選択 41 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 42 :
◯知事(
荒巻禎一君)
選択 43 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 44 : ◯府民労働部長(田中潤君)
選択 45 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 46 :
◯商工部長(
高見静治君)
選択 47 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 48 : ◯教育長(安原道夫君)
選択 49 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 50 : ◯新井進君
選択 51 :
◯議長(
小林弘明君)
選択 52 : ◯教育長(安原道夫君)
選択 53 :
◯議長(
小林弘明君) ↑ ページの先頭へ 本文 ↓ 最初の
ヒットへ(全 0
ヒット) 1:
◯議長(
小林弘明君) これより本日の会議を開きます。
───────────────────
2:
◯議長(
小林弘明君) 日程に入ります。日程第1、一般質問を行います。
まず、林田洋君に
発言を許します。林田洋君。
〔林田洋君登壇〕(拍手)
3:
◯林田洋君 自由民主党の林田洋でございます。私は、あらかじめ御通告いたしております数点の問題につきまして、荒巻知事並びに関係理事者に質問いたしたいと存じます。
まず第1に、私の地元であります西陣の振興と活性化対策についてお伺いいたします。
我が国は、バブル経済の崩壊、引き続く景気の長期低迷を経験する中で、大きな変化の時代、変革の時代、歴史的な転換期を迎えているとも言われております。我が西陣におきましても、生活様式の変化によります着物離れなどによりまして、和装需要は長期にわたり低迷の一途をたどってまいったのであります。さらに、今年に入りましてからは、阪神・淡路大震災や急激な円高、消費の冷え込みなどによりまして、大変厳しい状況にあるのであります。また、西陣の主力商品でありますネクタイにつきましても、中国や韓国からの輸入に加えて、最近ではブランド性の高いイタリア製品も低価格で輸入が急増しており、大きな打撃を受けておるのであります。地元議員として、一刻も早くこのような苦境を脱し、活気あふれる西陣を取り戻したいと思うのであります。
昨年、京都は平安建都1200年の節目の年を迎え、「伝統と創生」をメーンテーマとし、非常に厳しい社会経済環境下にあっても、行政と企業、また府民の皆さん方が力を結集し、街と人々に活気を与えるための記念行事を数多く開催し、21世紀の郷土を築く新たな出発点としようと誓ったのであります。こうした中で、私は、西陣の活性化のためには、これまで講じられてきた対策に加え、次の視点が重要と考えるのであります。
まず第1は、産地の総力を挙げてイベントを開催するなど元気の出る取り組みが望まれているのであります。円高や不況に対し意気消沈し、ため息ばかりついているのではなく、小さくともエネルギーを結集し、何かの行動を起こすことが望まれるのであります。そのことによりまして、それぞれの分業工程を担っておられる業界や、そこに働く従事者に、目的に向かう勇気を喚起することにつながると考えているのであります。
第2に、産地と地域の商店街等が連携をしてまちづくりに取り組むことが必要と考えるのであります。西陣は、長い歴史の中で、西陣織の生産に携わる方々とその方々の生活を支える商店や文化施設などが混然と形成されている街であります。いま一度「まちづくり」の観点から、ハード、ソフト両面の施策の連携を進め、人々が生き生きと暮らし、活気あふれるまちづくりが必要と考えるのであります。
第3に、産地として、消費者としての生活者との接点が必要であります。これからの「ものづくり」は、いかにして豊かなライフスタイルを提案できるか、すなわち生活提案力のある商品がつくれるかどうかが勝負となるのであります。消費者にとって魅力のないもの、必要のないものは売れないのであります。こういう点から、産地として消費者・生活者から直接ニーズを聞く機会をふやし、積極的に商品に反映させていくことが求められているのであります。
第4に、観光とタイアップした取り組みの強化であります。最近の観光は、従来の名所旧跡の物見遊山型から体験型へと変化してまいりました。その点、西陣には京都らしい落ち着きのあるたたずまい、工房、ブランドある京料理など新鮮な発見と体験ができるすばらしい社会資源が豊富にあります。これらを活用した質の高い新しい観光システムづくりが必要と考えているのであります。そして、これらの4点の取り組みを総合的かつ有機的な連携のもとに実施することによりまして、着物を着る機会をふやし、着物が似合う西陣の街をつくり、和装需要の拡大を図っていくことが必要と考えます。京都府として、これらの施策の展開につきまして積極的な誘導と指導と援助を期待するものでございますが、どのようにお考えか、知事の御所見を賜りたいと存じます。
次に、河川環境整備についてお伺いいたします。
河川の機能には、治水、利水、環境や景観の保持等の役割があり、水害から人々の生命を守るとともに、適正な水利用を図る必要がありますが、一方では、人々に憩いと安らぎを与えてくれる空間であり、さらに、その河川敷などは運動の場や地震・火災の災害時には地域の広域避難場所として、まさに多目的に利用されているのであります。
現在、京都府におかれましては、平安建都1200年を節目とされ、京都市内の知事管理河川であります41河川を対象とされまして、21世紀を目指し、豊かで潤いのある美しい水辺環境を創出することを目的に「京(みやこ)の川づくり事業」を積極的に推進されており、例えばその成果といたしまして、鴨川につきましては七条大橋と五条大橋との区間が「花の回廊」として立派に整備され、また、五条大橋から団栗橋の区間につきましても現在工事が進められ、その完成が待たれているのであります。本年度も、その上流に向かって整備に向けて工事が着手されると伺っており、既に整備済みの区間を歩いてみますと、しだれ桜を初め、里桜、もみじ、松、柳、つつじなどの植樹が四季折々の移ろいを感じさせ、一方、散策路や護岸部分には自然石が使用され「京の川づくり懇談会」の御意見が十分反映され、そのせせらぎとも相まって、年月を経ますと植樹も成長し、見事な回廊となるであろうことを思い、その成果に京都市内選出の議員であります私といたしましても大変感謝申し上げますとともに、今後一層の事業展開に大きな期待を寄せているものであります。その他、高野川や岩倉川、西高瀬川などにおきましても、散策路、親水広場、遊歩道など、水辺に親しめる施設が整備されており、水生生物やホタルなどの回帰も聞かれ、生態系に配慮された川づくりが着々と進められていると伺っております。
そこで、私の地元を流れております天神川、いわゆる紙屋川についてでありますが、この川は、その昔、その清流を利用され官営の製紙工場が設置されたことに由来し、その名も紙屋川と名づけられたと伺っております。また「西の堀川」として水運の動脈としても重要な役割を果たしてまいったのであります。さらには、北野神社や平野神社の「みそぎ川」として重要な役割を果たすなど、地域に密着した川として人々に親しまれ、愛されてまいったのでありますが、近年は3面張りの河川となり、加えて、河川に並行する道路が狭いこともありまして、やむなくガードレールが両面に設けられるなど、結果として地域の人々を遠ざけることになってまいりました。今、地元商店街では、この歴史的にも重要な、また地域の人々とともに生きてきた天神川の周辺地域整備をてこに活性化を図りたいという積極的な取り組みがされております。しかし、今日の地域商店街を取り巻く環境は、消費者の多様化、情報化などのニーズの変化に十分な対応ができず、非常に厳しい状況下にあります。
このような現状を打開するため委員会を設置され、地元の思いを込めた計画書がまとめられたのであります。計画書によりますと、商業施設の整備とあわせ、歴史と文化に富んだ地域資源をネットワークする回廊の整備やふれあいや憩いの拠点となる「紙屋川親水公園空間整備」などの関連事業の必要性が熱望されているのであります。もちろん、この内容には京都市が事業主体となるべきものも含まれておりますが、京都府の所管する一級河川紙屋川におきます親水公園空間整備が欠くことのできない中心的な存在となっており、私もその必要性について痛感するものであります。日本文化の集積地であるこの京都におきまして、長い歴史を刻み続けてきたこの紙屋川という資源を整備することによりまして、今再び京都産業の振興を図っていこうとするこの計画の具体化を図るために、ぜひとも京の川づくり事業の一環として事業化を進めるべきと思うのでございますが、荒巻知事の御所見を賜りたいと存じます。
最後に、和風迎賓館についてお尋ねいたします。
京都迎賓館の建設につきましては、平成2年以来、地元の熱い要望と期待を受けまして、荒巻知事を先頭に積極的な誘致活動を展開されてきたのであります。その結果、昨年10月25日、京都御苑内饗宴場跡地に国の施設として和風の迎賓館が建設されることが閣議了解され、その実現に向けて大きく前進したのであります。私は、東京赤坂にしかない国の迎賓館が京都にも設置されることにつきまして、地元議員の1人として大変誇りに思い、期待と喜びにたえないところであります。この誘致の意義につきましては、昨年の9月府議会
定例会で申し上げましたが、従来ややもすれば東京で、しかも政治・経済面に重きを置かれていた国家外交や国の国際交流が、日本文化の中心である京都に和風の迎賓館が建設され、学術・文化の面で強化され、いよいよ京都が我が国の国際貢献に大きく寄与できる役割の一端を担うこととなり、まことに意義深いものがあると考えるものであります。また、迎賓館の設置によりまして、国際レベルの会議、会談が世界各国に発信され、名実ともに国際都市として位置づけられ、日本文化の国際的理解の増進とともに、京都ブランドの国際的地位の確立に大きく寄与できるものと期待するものであります。加えて、和風の迎賓館が平成の時代を代表する建築物として、その建築工法・材料について、長年にわたり培われ磨き上げられた伝統的技術・文化・工芸などが活用されることによりまして「匠の技」の保存、継承、発展、ひいては後継者の育成に大きな力になると考えるのであります。
なお、京都迎賓館の建設に当たっては、閣議了解の中で「京都御苑の国民公園としての役割、周辺の環境及び景観との調和などに配慮すること」「我が国の歴史、文化に根差した日本の空間を感じられる和風の態様とすること」「地方公共団体などが行う国際交流事業を含め、関西圏の活性化、国際化に資する使用にも有効に活用し得るよう配慮すること」などが付記されているものであります。私としましても、これらのことに十分な配慮がされて建設されることを強く期待するものであります。
また、荒巻知事におかれましては、京都迎賓館が饗宴場跡地に建設されることに伴う運動公園の確保につきまして、昨年の2月府議会において採択されました「和風迎賓館の京都御苑饗宴場立地に伴う市民スポーツの場確保に関する請願」を受けとめられ、今回の補正予算に京都御苑内運動公園整備関連調査費2,000万円を計上され、さらにその中で防災機能を高めるための調査もあわせ実施されるとお聞きしており、地元に対する配慮に対しまして感謝にたえない次第であります。
そこで、京都迎賓館の建設に関しての現状と今後の見通しはどうか、また、運動公園広場の整備に関する取り組みと見通しについて、あわせて荒巻知事にお伺いいたしたいと存じます。
最後に、京都迎賓館の建設が、京都の伝統産業・伝統文化の振興、後継者の育成などに大きく貢献できるものとなりますよう今後とも積極的な取り組みを期待し、要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
4:
◯議長(
小林弘明君) 荒巻知事。
〔知事
荒巻禎一君登壇〕
5:
◯知事(
荒巻禎一君) 林田議員の御質問にお答え申し上げます。
迎賓館の建設に関する現状と見通しについての御質問でございますが、国におきましては、先ほどお話しのように、昨年の10月25日の京都に迎賓館を置くという閣議了解を踏まえまして、学識経験者を中心に関係省庁なども含めた調査研究委員会を設置いたしまして、施設のいろいろの条件、内容等につきましての調査研究を重ねてこられたところでございまして、本年度中には施設の基本計画を策定される予定と伺っております。基本計画が策定されました後は、基本設計、実施設計、さらには建設予定地の埋蔵文化財調査などを経まして、いよいよ施設建設に着手することとなる予定でございます。
なお、調査研究委員会──この委員会には京都からも中村昌生京都工芸繊維大学の名誉教授や村井康彦国際日本文化研究センター名誉教授、それから京都府の副知事、また京都市の助役が委員としても入っておりますけれども、この中では、京都を初めとする日本の伝統文化、美術、工芸、伝統技術、伝統工芸などに関する調査や御苑の動植物の生態等、自然環境に関する調査もあわせて行うとのことでございまして、基本計画はこれらの調査結果も踏まえて策定されるものと考えておりますが、京都府といたしましても、議員御指摘のとおり、迎賓館の建設が地元の活性化につながるものとなるよう国に対する要望などをさらに強めてまいりたいと考えております。
次に、御苑内における運動公園につきましては、御苑内にスポーツ広場を確保してほしいという府市民の強い御要望にこたえまして、府市が協力して整備に取り組もうとするものでございまして、今般、その構想調査等を行うための予算をお願いしているところでございます。また、京都御苑が広域避難場所に指定されていることも踏まえまして、運動公園の整備区域において防災機能の面からの調査もあわせて行い、府市民の安心・安全のための方策についても検討してまいりたいと考えております。
なお、これらの事業の実施に当たりましては、御苑を管理されております環境庁、また御所の宮内庁などの御理解を得ながら進める必要がありますが、来年度以降引き続き運動公園の設計などを行い、早期整備に努めてまいりたいと考えております。
なお、御要望でございましたけれども、この迎賓館の設立の効果につきましては、国際的あるいは日本の文化の紹介という大きな効果ももちろんございますけれども、それに加えまして、やはり京都にとりましては伝統産業、伝統文化の振興、技術の継承、後継者の育成などを行いますと同時に、やはり京都にしかない、あるいは京都だからできるという私のかねて申しております京都のための大きな事業の1つとして貢献するよう1つの目標を定めて頑張っていきたいと思っておりまして、林田議員におかれましても、この問題の地元議員としていろいろお世話になると思いますけれども、よろしくお願い申し上げる次第でございます。
6:
◯議長(
小林弘明君)
高見静治商工部長。
〔商工部長
高見静治君登壇〕
7:
◯商工部長(
高見静治君) 西陣の振興についてでありますが、産地の厳しい状況を克服するため、議員御指摘のとおり、着物が似合うまちづくりを進めるなど、着物を着る機会をふやすとともに、西陣の文化資源を生かした観光との連携によりまして地域商業の活性化を図ることは極めて重要なことと考えております。このような観点から、西陣織工業組合が中心になりまして、関連事業者や地元の商店街などとも連携して本年秋に開催されます「西陣夢まつり」は大変有意義な取り組みでありまして、西陣産地の活性化の大きな契機になるものと期待をいたしております。このため、京都府といたしましてもこの催しに対しまして積極的に支援を行うこととしておりまして、本議会に必要な予算をお願いしているところでございます。
いずれにいたしましても、西陣産地は伝統を基礎に新しいライフスタイルにも対応しながら、生活・文化提案型産地を目指していくことが重要でありまして、今後とも需要開拓を初めとして西陣産地の自主的な取り組みに対しまして積極的に支援してまいりたいと考えております。
8:
◯議長(
小林弘明君)
満岡英世土木建築部長。
〔土木建築部長
満岡英世君登壇〕
9:
◯土木建築部長(
満岡英世君) 天神川の整備についてでありますが、京都府では京の川づくり事業や水辺環境整備事業を積極的に推進しているところであり、天神川につきましても、京の川づくりプランにおいてスポット的に階段等を整備して親水性を高めることとしております。実施に当たりましては、この河川は人家連檐地域を流れ、川幅が狭く、川底が深くなっており、また両岸は京都市道として利用されていることから、技術的な課題が多くありますが、議員御指摘の点も踏まえ、京都市とも連携を図りながら、この地域と調和し、天神川の特性に応じた整備方策を検討してまいりたいと考えております。
10:
◯議長(
小林弘明君) 次に、島田敬子君に
発言を許します。島田敬子君。
〔島田敬子君登壇〕(拍手)
11:
◯島田敬子君 日本共産党の島田敬子でございます。私は高齢者保健福祉計画にかかわる問題と大型店問題について、知事並びに関係理事者に質問をいたします。
まず、京都府高齢者保健福祉計画にかかわる問題について伺います。
定年を間近に控えたある日、奥さんが脳卒中で倒れたため、退職をして介護に当たられている御主人は「食事ものどを通らない」と疲労こんぱいの様子でした。またある家庭では「特別養護老人ホームを申し込んだが入所できず、そのうちに痴呆症が進んでとうとう老人病院に入院したが、月に13万円もかかり、不景気で商売も芳しくない中で大変だ」と涙ぐんでおられました。寝たきりや痴呆症のお年寄りを抱えた家族の苦しみは想像を絶するものがあります。高齢化社会のためと言って消費税は導入されたけれど、医療や福祉はよくなるどころか悪くなっている、年寄りは死ねということかと嘆きの声が多く聞かれるのです。高齢者保健福祉計画がまだできて1~2年とはいえ、このような嘆きの声はほとんど減っていません。
国民健康保険中央会が今年5月1日付で発表しましたアンケート──これは全国で比較的進んでいると言われる自治体の調査ですが、その結果によると、国のゴールドプランに基づいて全国の市町村が策定をした高齢者保健福祉計画について、当の市町村の過半数が「達成は困難」と考えていることが明らかになりました。そして、達成のために何が必要かについて、市町村の8割が「国、県からの財政補助」を挙げています。また、保健婦さんの9割近くが、達成困難の理由に「マンパワーの不足」を挙げています。私は、府下の市町村関係者からも同様の声を伺いました。
そこで、伺います。知事は、昨年6月の
定例会で「実施主体である市町村に対する支援を推進することを計画推進の1つの柱にする」と答えておられます。ほとんどの市町村が「計画達成には国、府県の財政援助が必要」としている中で、市町村の要望に十分こたえられるよう国への要望とともに本府の援助を行うべきと考えます。知事の見解を伺います。
次に、計画の1つの柱であります在宅サービスのうち訪問看護事業についてお尋ねいたします。
訪問看護事業を進めるために市町村に置くことになっている訪問看護ステーションは、本府の計画では全体で89カ所、京都市を除きますと49カ所となっています。6年度末で10カ所、中丹、中部、相楽では1カ所もありません。平成3年度から訪問看護モデル事業が開始をされ、3年間の試行が終了したところは、6年度末で7カ所、現在進行中が2カ所となっています。このうち久美浜町、伊根町では、町立の訪問看護ステーションが設置をされて効果を上げています。そのほかの5カ所はどうなっていますか。まずお尋ねしたいと思います。
事業を進めている久美浜町でも「現在の療養費では人件費は賄えない。せめて人件費が出るよう療養費を改定してほしい」「看護婦が療養費の支給事務、カルテの整理、統計資料の提出など事務に手が取られて、今看護婦2人で訪問しなければならない重症の人がふえているのに十分対応できない。事務職員をぜひつけてほしい」と要望されています。昨年6月
定例会で、当議員団が、運営の助成拡充や看護婦、事務職員の増員を求めたのに対して、理事者は「往診料の改定など社会保険診療報酬においてその役割を踏まえた措置がとられている」と拒否をされましたが、実態と全くかけ離れていることは、この久美浜の例でも明らかです。設置された訪問看護ステーションを維持するためにも、療養費の改善を国に要求するとともに、本府独自に運営費補助をすべきと考えます。また、未設置の市町村で進まないのもこのことが大きな原因であることは明らかです。設置を促進するためにも、療養費の改善と本府の補助が必要と考えますが、いかがですか。知事の見解を伺いたいと思います。
次に、高齢者の住宅改造助成制度の創設についてお尋ねします。
体の不自由なお年寄りがひとりで浴槽で亡くなっていたという事例や、つまずいて骨折をして寝たきりになる、こういったケースは後を絶ちません。これは、お年寄りが安心して住める住宅になっていないことが原因です。また、家族やホームヘルパーさんが介護をするに当たっても、腰を痛めたり、体を壊して限界状態になり、やむなく施設に入所させなければならなくなったり、病院で一生懸命リハビリをしてせっかく自分のことが自分でできるようになっても、自宅に帰りますと不自由な家屋の条件の中で在宅生活を強いられ、また機能が元に戻って病院に逆戻りをする、こういった事例もよくあります。
今月13日、総務庁は「高齢者の住宅と生活、環境に関する調査結果」を閣議に報告をいたしました。それによると「高齢で体が弱くなっても68.4%の人が自分の家で住み続けたいと望んでいる一方で、高齢者に配慮した設備が自宅にないと答えた人が80.2%にも達している」となっています。健常な人の生活の中でも住みやすさを求めて住居を改善したり、工夫もさまざまにするものですが、高齢者や障害者にとってはなおさらであります。人間の基本的な欲求であります例えばお風呂に入ること、用を足すこと、移動ができるという、このような最低限のことを自分の力でできるということは大変な喜びです。少し病気が進みまして家族や他人の手を借りなければならなくなってもこれらが容易にできる、このことも同様です。そのために、住宅改造はまさに人間らしく生きていくためのものです。
住宅改造をすると、ホームヘルパーの訪問必要回数が減る、介護が楽になる、施設に入所しなくても済むなど、本人にとっても介護者にとっても大変よい結果をもたらしています。また、高齢者住宅の整備と介護費用の節減効果の研究をしている建設省建設研究センターは「2025年までに約8兆円の高齢者住宅を投資した場合、全体では約20兆円の介護費用の軽減が期待できる」という試算も発表いたしております。
高齢者のための住宅改造に対する本府の補助制度について、知事は当初「融資制度で対応する」と拒否をされました。しかし、この融資制度は所得の低いお年寄りにとっては返済の負担の上に、面倒な手続や保証人が要るなど、大変利用しにくい制度です。府下の市町村の多くが補助制度をつくる中で、知事も補助制度を認めざるを得なくなり「ふるさとの高齢者福祉推進事業」の中で対応されることになり、現在はこの制度を活用するとされています。しかし、これでも不十分であります。1自治体当たりの補助の最高は250万円と少なく、しかも、入浴サービス、給食サービス、洗濯、ふとん乾燥サービスなどの施策も含んでの予算であり、住宅改造助成に使われる保証はありません。平成3年に「すこやかすまい改修助成制度」という高齢者のための住宅改造助成制度をつくった舞鶴市では、6年度で1,570万円に達し、250万円すべてを住宅改造に回したとしても、市の持ち出しは1,320万円にもなります。本当に高齢者のための住宅改造を進めるためには、この事業だけではなく、市町村の要求にこたえられる補助制度をつくるべきと考えます。知事のお考えをお聞かせください。
大阪府は、3年前に独自の補助制度をつくりました。その当時、大阪府内の市町村で制度をつくっていたのは1つか2つで、全市町村で実施できるよう誘導策として制度化されたそうです。本府では既に28の市町村が実施しているのに、いまだに拒否をしています。そればかりか、実施している市町村に対して「所得制限を設けよ」などと干渉・指導までしていますが、このような態度を改めて、お年寄りのための住宅改造を真に促進する立場に立つべきと考えます。
次に、私の地元右京区で問題になっております大型店の進出問題について伺います。
スーパー「ライフ」は、右京区太秦安井池田町に「太秦店」を計画し、既に大店法3条に基づく申請を今年の3月に出しています。計画によりますと、売り場面積は1万7,000m2で、近くの山之内京都ファミリーの2倍、北野白梅町のスーパーイズミヤの2.4倍で、計画どおりに進みますと京都市内でも8番目の大きさになります。この4月10日には、ライフが京都での第1号店として計画をしました中京「壬生店」に対して売り場面積6割カットの大店審決定がおりましたが、そのみずからの店とも競合をし、しかも大規模の出店計画に、地元商店街、住民の皆さんから「余りにも無秩序な計画」「小売店が生き残るすべがあるのか」「交通公害で街が壊される」と批判の声が高まっています。今回のライフ出店予定地近辺には、四条通りに京都ファミリー、帷子の辻にジャスコと厚生会があり、北野白梅町にはイズミヤと、今でもオーバーストア状態にあります。既に82年に京都ファミリーが出店した後、太秦横町、市川マーケット、西京市場、常盤センターなどが地域から消えてしまいました。地元で食料品店を営む方は「息子を研修会にもやり、商店街の近代化計画を持って努力をしてきた。また、体の不自由なお年寄りにも大根1本、豆腐1丁でも配達するなど、地域の人たちと協力もしてきた。けれど、計画が強行されては生き残ることさえできなくなる」と訴えておられました。
また、今回の計画は、商業者だけでなく、地元住民の交通、環境、生活環境、まちづくりなど府民生活にも重大な悪影響をもたらすものです。今回の出店予定地は国道162号線沿いです。右京区の道路環境は大変悪く、西小路通り、葛野通りの全面開通計画も進まない中で、南北道路としての基幹的役割を担っています。北清掃工場へのごみの搬入搬出、南北を結ぶ路線バスなど重要な生活道路であり、太秦映画村や嵐山、高雄などの観光名所も多く、観光道路ともなっております。現在でも朝夕の通勤時間帯や観光シーズンの渋滞もあり、計画どおりの出店となれば三条通りや新丸太町通りにまで渋滞が及ぶことが必至で、容易に予測できることです。密集する住宅街、狭い生活道路、通学路へ車があふれ出し、住環境の悪化は避けられません。また、予定地の北側は、文化ホールや地域体育館の建設予定地ですから、将来的にも車の乗り入れ台数がふえてきます。
ライフの計画では、みずからの営業実績に比べても、売り上げ予想額、来客予定数も少なく、あわせて呼び込む車の台数を少なく見積もり、確保する駐車場の数も京都ファミリー店、イズミヤ白梅町店に比べても極めて少ないなどむちゃくちゃな計画の内容で、住民説明会などでも大変不誠実な態度ですし、住民の皆さんの一層の不安をかき立てています。もとより、駐車場を確保したとしても、さきの道路事情からして大渋滞は必至であります。車公害から住民を守るために強い規制が必要です。我が議員団は、これまでも大型店進出に伴う交通環境、まちづくりの総合的観点から、宮城県の例を挙げて「大規模小売店の出店に伴う交通対策指導要綱」を早急につくることなどを求めてきたところですが、いよいよその必要性が明らかです。事業者に交通処理計画の提出を義務づけ、本府も独自に交通調査を行い、出店側に指導するための要綱をつくって対処すべきと考えますが、いかがですか。知事の見解を伺います。
第2に、スーパーライフの計画地は、京都市の都市計画で住居地域から第1種住居地域に変更が予定をされ、現在、都市計画審議会に提案をされています。ここでは3,000m2以上の店舗などは建築が禁止されることになります。この秋には府の審議会にもかかります。今後スーパーの建築を認めず、良好な住環境を守ろうとしようとする地域でのスーパーの駆け込み申請を認めるべきではないと考えますが、いかがですか。大店審に対してもこの立場から意見を言うべきであると考えますが、あわせてお答えください。
大型店についての規制が緩和されて、今、中小小売商店は壊滅的な打撃を受けています。通産省の昨年度商業統計によりますと、全国で小売店はこの3年間で10万5,600店も減りました。52年の調査開始以来、最も大きな減少率です。大阪府下の小売店に匹敵する店舗が3年間に消えたことになります。京都府下でも同様に2,030店が減少し、右京区に現存をする小売店とほぼ同数の小売店が消えたのであります。中でも、1人から2人の規模の家族や従業員で営まれる小規模小売店が最大の被害を受けていることが明らかになっています。
商店街や個人商店は単に社会生活物資を供給するだけではありません。対面販売を通じて地域づくりの土台となるコミュニティーの役割を果たしています。また、24時間その地域に暮らし、営みをしながら地域の世話役活動にも大変貢献をされ、祭りなど年中行事の中心にもなっておられます。人が住み、また住み続けられるまちづくり、高齢化社会を迎えるに当たって、お年寄りや障害を持つ人々が安心して買い物ができ、暮らせるよう、中小小売業者、消費者の利益を守り、住民が主人公のまちづくりの視点に立つことが必要です。無秩序な出店で小売店を弱肉強食の世界に追い込む規制緩和をやめるよう、この際、政府に強く要求するとともに、本府での大型店規制を検討すべきであります。自治体での独自の大型店規制をさせないとする政府の態度は、自治体に対する干渉であり、地方分権にも反するものです。規制についての知事の見解をお聞かせください。
本府は「商業基盤整備事業」や「魅力ある商店街づくり事業」を進めていますが、小売店、商店街あっての活性化事業であり、消えてなくなってはそれもできないのでございます。小規模小売店が加速度的に消えていき、商店街のあちこちが歯抜け状態になって、その潤いとにぎわいを失い、町全体が壊れていってしまいます。魅力ある商店街づくり事業など要望される商店街などすべてに対応できるよう、大幅な増額をすべきと考えますが、いかがですか。知事の御所見を伺いまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
12:
◯議長(
小林弘明君) 荒巻知事。
〔知事
荒巻禎一君登壇〕
13:
◯知事(
荒巻禎一君) 島田議員の御質問にお答え申し上げます。
高齢者保健福祉計画についてでございますが、その目標達成のためには、サービスの実施主体であります市町村において計画の積極的な推進が図られるよう支援していく必要がございます。このため京都府といたしましては、市町村支援の推進を、先ほどお話しのように、府の計画の柱の1つに位置づけまして「あんしん介護の窓口」の設置をやりましたり、運営に対する助成やホームヘルパーの活動費、研修対策への助成や、さらに既存施設を活用したデイサービスセンターなどの整備事業への助成など、多くの京都府独自の助成措置を含めまして、各般にわたるきめ細かな支援措置を実施しているところでございます。
また、国におきましても、今年度から市町村、都道府県の計画達成を、財源確保を含め全面的に支援していくために新ゴールドプランがスタートしたところでございまして、こうした国、府を通じた支援措置により、計画は逐次着実な推進を見ていると認識をいたしております。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。
14:
◯議長(
小林弘明君)
道林邦彦保健福祉部長。
〔保健福祉部長
道林邦彦君登壇〕
15:
◯保健福祉部長(
道林邦彦君) 訪問看護と在宅ケアモデル事業についてでありますが、市町村におきます訪問看護等の在宅ケアの推進を図るため、平成2年度から開始し、昨年までに7町が事業を完了しております。このうち訪問看護ステーションに移行したものが2町、開設準備中または検討中のものが4町、医療機関による訪問看護を開始したものが1町となっておりまして、順調な移行を見ているところでございます。今後ともこの事業を十分に活用することにより、訪問看護ステーションの整備が一層促進されますよう市町村を支援してまいりたいと考えております。また、訪問看護ステーションの運営費につきましては、昨年度の診療報酬等の改定におきまして、一般の診療報酬の改定率をはるかに上回る格段の改善が図られたところでございます。
次に、高齢者のための住宅改造に対する助成についてでありますが、昨年度におきましては、御要望をいただいた市町村すべてに対しまして「ふるさとの高齢者福祉推進事業」による助成を行ったところでありまして、この事業を十分に活用し、積極的な事業展開を図っていただいております。さらに今後見込まれるニーズの増大に対応するため、今年度から予算の増額を図ったところでございます。
16:
◯議長(
小林弘明君) 高見商工部長。
〔商工部長
高見静治君登壇〕
17:
◯商工部長(
高見静治君) 大型店問題についてでありますが、議員御指摘の大型店、仮称「ライフ太秦店」につきましては、いわゆる大店法第3条の規定に基づく届け出がされまして、現在地元説明が行われておるところでございます。あわせて、都市計画等の関係につきましては、京都市において調整が図られるものと考えております。京都府といたしましては、京都市、京都商工会議所とも連携をとりつつ、近畿通産局に対しましても地域の実情を反映した調整が行われるよう強く求めているところであります。
また、住民生活と密接に関係する交通、環境などの問題につきましては、庁内に関係部局や府警本部によります小売商業振興連絡会議を設置いたしまして、出店者等に対する指導等に努め、実効を上げているところでございます。今後とも地元市町村や商工会議所等と協議しつつ、出店者を指導する手法によりまして適切な対応を行っていくこととしているところでありまして、特別な要綱等による独自の規制については考えておりません。
なお、中小小売商業の振興につきましては、まちづくりとの整合にも十分配慮しながら、商業基盤施設等整備事業や魅力ある商店街づくり推進事業等の活用を図りますとともに、基金総額37億円の中小商業活性化基金や長期無利子の高度化資金などの活用によりまして、各種の振興策に取り組む商店街や小売商業者に対しまして積極的に助成し、要望にこたえているところであります。
18:
◯議長(
小林弘明君) 次に、高屋直志君に
発言を許します。高屋直志君。
〔高屋直志君登壇〕(拍手)
19:
◯高屋直志君 私は自由民主党議員団に所属いたします高屋直志でございます。
議長のお許しをいただき、質問に先立ち一言ごあいさつ申し上げます。
初当選後最初の定例議会で一般質問の機会を与えていただきましたことを大変光栄に存じますとともに、心から感謝申し上げます。
予期せぬ大震災後の復興対策や地下鉄サリン事件等一連の前代未聞の凶悪事件の全容解明に加え、全日空機ハイジャック事件の機敏な対応等、本府御出身の自治大臣、国家公安委員長野中広務衆議院議員の献身的な御活躍を初め、震災時の警察、消防、自衛隊、京都府及び府内市町村並びに民間ボランティア団体等の救援活動に御尽力をいただいた多くの関係者に深甚なる敬意を表します。野中自治大臣におかれましては、今後とも御健勝で、ふるさと京都のさらなる発展と国家、国民のために、そして日本国の将来に誤りなきを期して御活躍賜りますよう、地元府民代表の1人として心から御祈念申し上げます。
私は、去る4月9日執行されました京都府議会議員一般選挙に際し、北桑田郡・船井郡選挙区内の多くの皆様の温かい、そして力強い御支持を賜り、あわせて府内各地の、また多くの方々の心情的な御支援を賜り、当選の栄に浴させていただきました。ここに謹んで皆様の御厚情に心から厚く御礼を申し上げます。
平和を希求し、人権の尊重、自由と公正を旨とする自由民主党の基本理念のもと、伝統や歴史が尊重され、流した汗が報われる地域社会のさらなる発展のために努力をしてまいります。そして、豊かな識見と行政経験を生かされ、府域の均衡ある発展と府民1人1人が豊かさを実感でき、災害のない安全で活力のある京都府づくりに御尽力をいただいております
荒巻禎一京都府知事に心から敬意を表しますとともに、議事機関に身を置く立場を自覚しながら、微力ではございますが、荒巻府政推進を積極的に御支援申し上げ、京都府政と圏域8町を結ぶパイプ役として、その期待と信頼におこたえすべく精進をしてまいります。
何とぞ、知事を初め先輩・同僚議員各位の温かい御指導と御鞭撻を賜りますよう心からお願いを申し上げ、ごあいさつといたします。
それでは、通告に従い知事並びに関係理事者に質問をいたします。まことに多岐にわたる課題についてお尋ねをいたしますとともに、地方分権及び高齢者福祉問題については我が党の小牧誠一郎議員、西田昌司議員が既に代表質問でお尋ねになっております。私は視点を変えてお伺いをいたしたいとは存じますが、若干重複をすることがあろうかと存じますが、御理解を賜りたいと存じます。
まず地方分権推進についてであります。
全国知事会を初め地方6団体が、地方分権推進に関する意見書の提出や緊急要望を重ねられ、去る5月15日、全国地方自治関係者等の大きな期待のもとに「地方分権推進法」が5年間の時限立法として成立をしたところであり、この間における知事初め関係者の御努力に心から敬意を表するところでございます。
21世紀を目前に控え、より成熟した個性ある地域づくりのため、今、我が国は大きな変革を求められており、地方分権はその基本をなすものであります。戦後50年、国家の再建と国民生活の安定のため、中央集権的手法による行政運営がなされ、大きな成果を上げてきたところでありますが、その結果、首都圏への一極集中、地方における過疎化、地域経済の空洞化等、改善すべき多くの課題が生じました。そのため、成長優先の政策から生活重視の政策へと転換が求められ、国民に身近な地方公共団体が住民生活の向上と魅力ある地域づくりに邁進できる権能と条件を備えるべきであります。目的達成のため、地方公共団体の自主性と自立性を高め、個性豊かな活力に満ちた地域社会の実現を図ることを基本理念とし、地方公共団体への権限移譲と機関委任事務等の整理及び合理化、地方税財源の確保と行政体制の整備を図るものとされています。しかし、地方分権とは、単に中央省庁の権限を地方自治体に移すという問題ではなく、身近な行政に対する住民の関心を高め、自治意識の高揚を図り、地方自治の本旨に基づき、団体自治と住民自治が一体となって個性豊かな地域づくりを進めるものであると確信をいたしております。
そこで、第1の質問は、京都府として住民自治を高めるための市町村への指導と支援策についてどのようなお考えをお持ちなのか、お尋ねをいたします。
次に第2点でありますが、府の行う事務の中で国の機関委任事務の概要とその財政面での裏づけ、さらに今後の対応についてお伺いをいたします。
第3点目は、「地方分権推進委員会は、必要があると認めるときは地方公共団体の長等に対して意見の開陳等必要な協力を求めることができる」と定められておりますが、それにとどまらず、全国知事会等で進んで委員会に意見具申をしていただきたいと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
次に、高齢者福祉対策についてお尋ねいたします。
人生80年時代を迎え、本格的な高齢化社会の対応が急がれているところであります。急速に高齢化が進む中、荒巻知事におかれましては、長期化する高齢期を健やかで、生きがいを持って暮らせる長寿社会づくりのため、京都府高齢化対策大綱に基づき、保健・医療・福祉の各分野においてきめ細かい施策を、市町村初め民間福祉団体とも連携されて進めておられるところであります。また本年3月には、障害者や高齢者への温かい配慮から「京都府福祉のまちづくり条例」を制定されるなど積極的な対応を高く評価し、心から感謝を申し上げる次第であります。
さて、園部町にあります社会福祉法人長生園は、養護老人ホームの定員が100名、特別養護老人ホームの定員が90名と聞いております。ところで、養護老人ホームに入所された方が病気や高齢化のためそれぞれの措置機関の入所判定委員会の再審査の結果、特別養護老人ホームへの入所が適当と判定された場合、本人の意向にかかわらず、他の施設への移住を余儀なくされるわけであります。現在、長生園の養護老人ホームに入所されている100名の中で57名の方がそれぞれの措置機関で特別養護老人ホームへの変更が必要と判定されたと伺っております。そこを人生を締めくくる安住の地として入所された方々にとっては、その中で新しくはぐくまれた人間関係は恐らくその人にとっては人生最後の人間関係だと思います。本人が望まれ、施設の設置者が理解をされ、施設改善等一定の手続を経て、引き続いてその施設で安住することは不可能でありましょうか。時に法律や規則は冷徹で冷淡な部分がないとは言えません。しかし、それを運用するのは温かい血の通った賢明な人間であります。社会的弱者と言われる障害者や高齢者には弾力的な対応が必要なのではないでしょうか。また、国においては、高齢者保健福祉推進十か年戦略が見直され、本年から新ゴールドプランとしてスタートされたところであります。京都府や市町村においても高齢者保健福祉計画を見直し、施設改善等により一部の養護老人ホームを特別養護老人ホームに変更することはできないものでありましょうか、お伺いをいたします。
次に、入所者及び家族等の費用負担についてであります。本人は年金等その所得によって応分の負担をされておりますが、たとえ社会通念上扶養義務があると思われる者であり一定の所得があったとしても、同一世帯でない場合は負担が求められておりません。在宅で介護に御苦労されている方と、物心両面にわたり負担に余りにも大きな格差があり過ぎるのではないかと思われます。また、将来、費用負担の面で親子の断絶を助長するのではないかと危惧するものであります。
そこで、第2点目の質問は、扶養義務者及び相続権者にその所得に応じて連帯して一定の負担を求めることができるよう制度改正が必要であると思いますが、知事の御見解をお伺いいたします。
次に、在宅介護を積極的に進めるための条件についてであります。本府においては、ふるさと福祉推進事業費に住宅改造等福祉のまちづくり関連事業に対する助成が引き続いて今年度も当初予算に計上され、温かい配慮がうかがえ、感謝いたしております。また、建設省から、去る6月23日付で知事あてに高齢者住宅の設計指針等について通知があったと新聞において報じられております。そこで、高齢者等に配慮した住宅マニュアル、住宅設計指針の策定に関する京都府のお取り組みについて、知事の御見解をお伺いいたします。
次に、新光悦村構想についてであります。
京都縦貫自動車道の整備やJR山陰本線の電化により、京都中部地域の中核都市の1つとして注目を集める園部町を有力な候補地として新光悦村構想が打ち出されました。江戸時代の初期、本阿弥光悦によって洛北鷹ケ峰につくられた光悦村は、さまざまな分野の工人が一堂に移り住み、交流によって新しいわざが創出され、我が国の芸術、工芸、文化に大きな影響を与えたと言われております。新光悦村構想は、21世紀への新たなハイテク工芸産業の拠点としてその実現に大きな期待が寄せられているところであります。
本年4月、通産省の御指導、御支援のもと、京都府、園部町、伝統工芸産業界、その他関係団体が一体となって、園部町に財団法人京都伝統工芸産業支援センターが設立されました。その研修機関として京都伝統工芸専門校が開校され、全国各地から伝統工芸に関心を持つ優秀な学生が新しい学舎で近代的学校形式のカリキュラムのもとで学習に励んでおられると伺い、まことに頼もしく、心強い限りであります。京都の伝統工芸はまさに日本の代表的な伝統工芸であり、その後継者の育成と伝統工芸への理解を深める交流事業、伝統工芸に関する技術や工具類を保存するとともに、新商品、新需要の開拓を図る拠点として誕生したことは極めて意義深く、新光悦村構想の具現化に大きな弾みとなっております。
そこで、お尋ねをいたします。近代産業が持つハイテク技術と伝統工芸産業が持つ感性と個性的体験の融合という新しい試みである新光悦村建設に向けて京都府としてどのような対応をされるのか、また、財団法人京都伝統工芸産業支援センターの運営に対する支援についても、それぞれ知事の御所見をお伺いいたします。
次に、ガット農業合意についてであります。
ウルグアイ・ラウンド農業合意に基づく米のミニマム・アクセス受け入れ等、農業・農村を取り巻く環境は一段と厳しいものになりました。とりわけ中山間地域においては、過疎化、高齢化が進む中での自然環境保全と農業振興、農村活性化対策は緊急を要する重要な課題であります。京都府におかれましては、本年2月、京都府農業・農村活性化対策大綱をまとめられたところであります。また、府内33町村におかれましては、町村会を中心に、各町村がそれぞれ特色ある対策を計画されつつあると伺っております。6兆100億円の農村活性化対策及び1兆2,000億円の地方単独ふるさと事業については、市町村との強い連携のもと、推進されるよう望むところでありますが、京都府独自の取り組みについても知事の御所見をお伺いいたします。
次に、森林保全と自然環境保護についてお伺いをいたします。
北桑田郡は、京都府の中部地域整備構想の中でも「自然文化生活ゾーン」に位置づけられ、雄大な森林や由良川及び桂川の源流等豊かな自然にはぐくまれ、人情豊かで、文化の薫り高い地域であります。しかしながら、今日、北桑田郡を初め船井郡内各地で森林の乱開発と産業廃棄物の不法投棄や処理場建設が大きな社会問題となっております。特に美山町知見落窪谷においては、地元の皆様の強い反対にもかかわらず、産業廃棄物処理場の建設が強行されようとしており、本議会においても美山町民代表から提出された処理場建設反対に関する請願が採択されたところであります。
反対運動の経過の中で、特に昨年8月13日、病床の身でありながら、あの酷暑の中、京北地方振興局職員、美山町職員とともに150名余の地元住民の先頭に立って、産業廃棄物を満載した大型ダンプの前に仁王立ちになり、命をかけて搬入を阻止された今は亡き山内忠一前美山町長のふるさとの自然を守られた偉大な行為は、美しい自然とともに美山町の歴史に長くとどめられなければならないものと思われます。
本件に関しては、去る3月30日、林道使用禁止の仮処分申請が京都地裁で認められたものの、現在、相手業者が異議申し立ての訴えを起こしていると聞いております。根本的な解決は、森林法及び森林法施行令の一部改正によって対処する以外に方法はないと考えます。そこで、面積にかかわらず、林地開発を行う場合は地元市町村長の意見を必要とする旨の法及び政令改正に向けての知事の御所見をお伺いいたします。
次に、道路整備についてお尋ねをいたします。
私の地元では、京都縦貫自動車道の丹波町までの供用開始を目前に控え、アクセス道路としての国道、府道の整備も一段と進められ、荒巻知事の積極的な道路行政の推進に対し、心から感謝を申し上げます。北桑田郡及び船井郡の地域振興のかなめは道路整備であります。特に、鉄軌道のない北桑田郡2町におきましては、緊急の課題として、国道162号と477号、さらには府道園部平屋線の抜本改修が強く望まれております。そこで、国道162号中川バイパス及び周山バイパス並びに府道園部平屋線の神楽坂トンネルの進捗状況をお伺いいたします。また、国道162号栗尾トンネル及び九鬼ケ坂トンネルの着工のめどについてもお尋ねをいたします。北桑田郡の将来の発展は、一にかかってこの道路の抜本改修にあると言っても過言ではないと信じます。21世紀への展望を開くため、何とぞ知事並びに関係理事者の特段の御配慮をお願い申し上げます。
また、第4次京都府総合開発計画の円滑な推進のため御活躍を賜っております理事者並びに職員各位の御尽力と、産業廃棄物処理場建設問題等、時に困難を伴う私の管内における府政の推進に御苦労いただいております京北並びに園部地方振興局を初め地方機関職員の皆様に心から感謝を申し上げ、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
20:
◯議長(
小林弘明君) 荒巻知事。
〔知事
荒巻禎一君登壇〕
21:
◯知事(
荒巻禎一君) 高屋議員の御質問にお答え申し上げます。
地方分権についてでありますが、議員御指摘のように、地方分権は21世紀における成熟した個性豊かな地域づくりのための基本となるものと考えております。そして、この地方分権を実効のあるものとするためには、地方自治の主人公である住民の積極的な行政参加を通じて、その意向を行政に反映させることが肝要でございます。昨日来、私も地方自治につきまして住民の視線から見た地方分権ということを強く国に対して申し上げておりますけれども、私も同感でございます。そして、そのことが地域づくりの基本であると認識をいたしております。このため京都府といたしましては、コミュニティーづくりのための市町村の事業や自治会などが行う事業に対しまして、自治振興補助金などにより積極的に支援を行いますとともに、昨年度には住民団体と市町村が一体となった地域づくりを支援するため、地域づくり交流ネットワーク推進協議会を設立いたしまして、研修、交流事業を行っているところでございます。今後とも住民の方々と市町村との連携のもとに、個性豊かな地域づくりが進められるよう積極的な支援や環境整備を行ってまいりたいと考えております。
また、機関委任事務につきましては、現在、都市計画法に基づく開発許可などの許認可を初め、350件を超える事務がございまして、これは京都府政の事務の中の相当大きな部分を占めておるわけでございますが、これらは通達、ヒアリングなどを通じまして、細部にわたって国からの指揮、監督を受けているところでございます。これらの事務に係る経費は、国庫支出金や手数料などにより一定補てんはされておりますけれども、必ずしも十分でない点もございますし、また、住民生活に関連の深いものでございましてもマンディマス・プロシーディングというようないわゆる職務執行命令権、国の方が地方自治法151条の2によりまして、国の意向に従わないときには職務執行命令で自分の意に従わせる、そういう制度もございまして、地方自治体の裁量の余地がなく、議会の関与も制約されるなど問題の多い制度であると考えておりまして、今後ともその整理、廃止が進められるよう全国知事会を通じまして強く働きかけてまいりたいと存じております。
今話題になっております東京都の2つの信用組合が東京都知事の監督であって機関委任事務であるということで、公金の支出をするかしないか、都のお金を出すか出さないかという問題になっておりますけれども、やはり「信用組合制度というものが、協同組合という面があると同時に全国の金融秩序というものの大きな柱になる」、こういうふうに政府が言われるのでございましたら、これはそっちの面が重点であればそちらの方の責任でやっていただかなきゃならない。これは果たして機関委任事務として知事に任せっきりでいいのかどうかというこの問題があろうと思います。これは農協とかそういうふうな協同組合についても同じ問題だというふうに思っております。
それからまた、宗教法人のオウム真理教が東京都知事の認可だということでいろいろ問題になっておりますが、全国的にあのように活動している宗教法人が、その本拠の所在地の知事だけが認可権を委任されまして、あと全部監督せよというのも非常に酷な話でございますし、また、人員や情報が入らないという点でもこれはなかなか難しい問題でございますので、そういう具体的な問題も含めまして、この機関委任制度というものは全面的に私は見直すべきだと、このように思っております。
なお、地方分権推進委員会を初め政府の関係方面に対する働きかけにつきましては、議員御指摘のとおり、全国知事会などとも十分連携をとりながら、また、地方6団体とも十分連携をとりながら、地方の意見が十分反映されますよう積極的に意見を申し述べてまいりたいと存じます。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。
22:
◯議長(
小林弘明君)
道林邦彦保健福祉部長。
〔保健福祉部長
道林邦彦君登壇〕
23:
◯保健福祉部長(
道林邦彦君) 高齢者福祉対策についてでありますが、養護老人ホームを初め各種の施設はそれぞれ固有の機能を持ち、入所する方々の状況に応じた役割分担がなされているところでございます。こうしたことを踏まえまして、高齢者保健福祉計画におきましては、各種施設別に今後入所が必要と見込まれるお年寄りの数を各市町村ごとに算定していただき、平成11年までに各圏域でこれに見合うそれぞれの施設定員が確保できるよう今後の施設整備の計画目標を定めたところでございます。したがいまして、個別に養護老人ホームを特別養護老人ホームに転換していった場合には、広域的には、養護老人ホームの定員数が不足する一方、特別養護老人ホームが過剰となるか、または偏在するといったなかなか困難な事態も予想されますため、議員御指摘の問題につきましては、今後、京都府の全体の計画の見直しが行われる場合にあわせて解決していくべき課題であると認識をしているところでございます。
なお、養護老人ホームにおきます入所者の重度化への対応につきましては、現在、措置費の中で各種の加算措置が講じられているところでございますが、さらに何らかの措置が必要かどうか、長生園を初め養護老人ホーム全体の状況も調べてまいりたいと存じます。
また、特別養護老人ホーム等の費用負担の問題につきましては、施設サービスに限らず、在宅サービスも含めた老人福祉制度全般にかかわるものでありまして、負担を求めるに当たり、個人単位とするか、世帯単位とするかといった法制度そのもののあり方にもかかわる問題でございますが、御指摘の点につきましては、人情として、また社会正義としての御意見として国に対しまして十分に伝えてまいりたいと存じます。さらに、現在国におきましては、公的介護保険制度の検討の中で、費用負担の問題も含め、老人福祉制度など各種の制度全般にわたる幅広い検討が行われておりますので、そうした検討の中でも的確な取り扱いが行われるよう国に働きかけてまいりたいと考えております。
24:
◯議長(
小林弘明君)
高見静治商工部長。
〔商工部長
高見静治君登壇〕
25:
◯商工部長(
高見静治君) 新光悦村構想についてでありますが、この構想は伝統産業と近代産業の融合によります新しいタイプの産業拠点を形成するため、民間活力を生かしつつ、地域の特性に合った事業展開を目指しているものでございます。特に園部町におきましては、地元の積極的な御協力を得て具体化に向けた取り組みが進められているところであります。京都府といたしましては、引き続き園部町との連携を一層密にし、企業誘致に係る京都府独自の助成制度等の活用によりまして、この構想の実現に向けた取り組みを強化してまいりたいと考えております。あわせまして、新光悦村への参加に積極的な企業グループであります新光悦村研究会の取り組みに対しましても支援を強化してまいりたいと考えております。
また、京都伝統工芸産業支援センターにおきましては、本年4月に人材育成の拠点となります京都伝統工芸専門校を開校されたところでありまして、京都府といたしましては、これまで施設の整備等に対しまして援助を行ってきたところであります。今後とも、園部町や業界団体とも協力しながら、円滑な運営が図られるよう適切な指導、助言を行いますとともに、将来的には当センターと新光悦村との有機的な連携が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
26:
◯議長(
小林弘明君) 中山禎輝農林水産部長。
〔農林水産部長中山禎輝君登壇〕
27: ◯農林水産部長(中山禎輝君) ガット農業合意の問題についてでありますが、農業・農村の振興は、食料生産はもちろん、地域の活性化や日本文化の継承という点からも重要な課題であると考えております。とりわけ中山間地域につきましては、担い手の弱体化が進み、農林地の荒廃が懸念されており、活性化が緊急の課題でございます。このため、国のガット対策を積極的に活用しながら、圃場整備を初め、農道、集落排水などの農業・農村整備やライスセンターなどの施設整備を推進し、この機会を逃すことなく農山村の基盤づくりを図ってまいりたいと存じます。
これらの施策とあわせて、京都府独自の事業として、今年度、農業・農村活性化総合対策事業や農山漁村ふるさと活性化支援事業を創設し、生産の振興、担い手の育成を総合的に支援するなど、地域の実情に応じた対策を進めることといたしております。今後とも、農業農村を府民みんなのふるさととして守り育てていくため、事業の実施に当たりましては、議員御指摘のように、京都府町村会がまとめておられます活性化計画など、市町村の農業振興や地域づくりの計画が進みますよう一層連携を深めながら取り組んでまいりたいと考えております。
次に、森林保全と自然環境保護についてでありますが、森林法では林地開発の規制は、土砂の流出防止、水源の確保、水害の防止などの森林の持つ公益的機能を維持するという見地から、開発面積が1ヘクタールを超える場合には知事の許可が必要と定められ、さらに平成3年4月の法律改正により許可に当たっては市町村長の意見を聞くことが義務づけられているところであります。近年、地元住民が十分知らないところで突然廃棄物や建設残土の処分地計画が持ち上がるような案件が増加しておりますけれども、国におきましても、森林法の許可手続等の研究が行われていると伺っており、京都府といたしましても、引き続き国に対し実情を訴えてまいりたいと存じます。
森林法を初め関係法令の許可を要しない案件につきましても、地元の意向を十分に踏まえ、地域住民の信頼を確保することが極めて重要であると認識しております。今後とも、森林の乱開発や廃棄物の不法投棄については、市町村や関係機関と十分連携し、監視、指導を強めてまいりたいと考えております。
28:
◯議長(
小林弘明君)
満岡英世土木建築部長。
〔土木建築部長
満岡英世君登壇)
29:
◯土木建築部長(
満岡英世君) 建設省から示された住宅設計指針についてでありますが、21世紀の本格的長寿社会を控え、高齢者が可能な限り住みなれた地域社会で安心して生活できるよう、高齢社会に対応した住宅ストックの形成を図ることを目的として策定されたところであります。
京都府におきましては、従来から府営住宅の建設に当たっては、住宅内の段差解消、階段、浴室等への手すりの設置など、高齢者や障害者にやさしい住宅仕様を取り入れているところであります。また、一般住宅につきましても、高齢者向けの住宅仕様を普及させるために、京都府独自の高齢者向け住宅改善融資制度に加え、今年度から新たに新築される方に対し高齢者向け仕様住宅割増融資制度を設けたところであります。今後はさらに、国から示されました指針が広く活用されますよう、市町村、関係団体とも連携し、広報啓発に努める所存であります。
次に道路整備についてでありますが、国道162号中川バイパスにつきましては、現在京都市において事業が進められており、トンネルを含むバイパス全体で約70%の進捗と伺っております。また、京都府で進めております周山バイパスにつきましては、昨年度用地買収に、今年度からは一部築造工事にも着手することとしており、今後とも地元の御協力を得ながら事業の進捗に努めてまいりたいと考えております。
さらに、府道園部平屋線の神楽坂トンネルにつきましては、昨年7月に着手し、現在トンネル本体工事を鋭意進めているところであります。
次に、国道162号栗尾トンネルにつきましては、現在、ルート等の基礎的検討を進めているところであり、事業化につきましては、実施中の周山バイパス等の事業進捗を見ながら検討してまいりたいと考えております。
また、九鬼ケ坂の改築につきましては、将来の検討課題といたしたいと存じます。
30:
◯議長(
小林弘明君) この際、暫時休憩いたします。
午後2時38分 休憩
───────────────────
午後3時06分 再開
31:
◯議長(
小林弘明君) 休憩前に引き続き会議を行います。
次に、斎藤彰君に
発言を許します。斎藤彰君。
〔斎藤彰君登壇〕(拍手)
32: ◯斎藤彰君 自民党議員団の斎藤彰でございます。さきの府議会選挙におきまして舞鶴選挙区の皆様の絶大なる御支援を賜り、伝統ある府議会の末席を汚すことになりました。もとより若輩、未熟な者でございますが、荒巻府政の推進、また郷土発展のため、そして府民と府政を結ぶため、誠心誠意、微力を尽くしてまいる決意でございます。今後、先輩、同僚の諸先生、さらには荒巻知事さんを初め府理事者の皆様には大変お世話になることと思いますが、格別の御高配、御指導を賜りますよう、冒頭、お願い申し上げる次第でございます。
また、本日はこのような初の登壇の機会をいただきましたこと、無上の光栄と存じておるところでございます。一昨日来の質問と重複し、要領を得ない質問になるかとは存じますが、新人というところで御容赦いただきたいと思います。
さて、戦後50年という大きな節目の年である本年は、年頭から天変地異、そして常識では考えられないような事件の続発、さらには各地の首長選挙に見られる大きな変革のうねり等々、政治、経済、社会、あらゆる分野で戦後50年の清算と次なる時代に向けて一大転機のときにあると申してよいかと存じます。
このような中、我が京都府に目を転じてみますとき、昭和53年林田知事誕生以来、おくれた京都を取り戻すため、国の理解と支援のもとに府政の積極的な展開を図られ、林田府政は荒巻府政へと継承される中で、府政の発展は目覚ましく、17年の努力が実り関西文化学術研究都市の建設、丹後リゾートの整備、日本海の門戸港としての舞鶴港の整備や近舞線の整備促進、昨年は平安建都1200年事業を大成功に終えるなど、荒巻府政の成果が今大きく芽を吹き、花を咲かせようとしております。
荒巻府政の業績は枚挙にいとまがありませんが、このように南北に長い本府にとって多年の悲願でありました高速交通網の整備が着々と進捗を見ておりますことは喜びにたえないところであります。しかし、正直申し上げまして、千年の王城の地である京都市及び府南部と山村・漁村が点在する北部とでは、同じ京都府でありながらその意識の中には多種多様な格差があると申さざるを得ません。もちろん、地域による住民意識はその地域の個性、アイデンティティーそのものであり、大切にしなければならないと思いますが、少なくとも京都府民であるということの誇りや郷土意識、さらに府民としての一体感はだれもが抱くことのできる連帯感のようなものであり、府政の発展の礎と思うのであります。そして、その一体感を形づくる前提となるものは密接な地域間交流であり、そのためにも南北を縦断する高速交通網の整備は21世紀に向けて本府発展の基盤になるものと確信しております。
この交通網体系のうち、ここでは鉄道の整備に絞ってお伺いいたしたいと存じます。
モータリゼーションの進展によって一時は主役の座をおりた感のある鉄道の果たす役割が、今、見直されつつあります。その高速性、快適性、さらには定時、安全、大量輸送機能等、鉄道は新しい時代の新しい交通機関として再度黄金時代を迎える要素を十分に秘めているのであります。本府におかれては、このような観点に立たれ、かねてから鉄道網の整備に鋭意努力をいただいているところでございますが、特に京都縦貫幹線鉄道として山陰本線の電化・高速化に積極的にお取り組みいただいておりますことはまことにありがたく、心から御礼を申し上げる次第であります。現在着々と工事が進んでおります園部-福知山間、KTR福知山-天橋立間の電化が完了しますと、昨日も明らかにされましたが、京都-天橋立間が1時間40分で直結することになると述べていただきました。文字どおり、より一層の府政の一体感が期待できるものと存じます。
そこで第1点は、この電化工事の現時点の進捗状況と完成予想時期、またこれはJRサイドの問題であろうと思いますが、電化に伴う新ダイヤ編成の基本方針、殊に優等列車等のダイヤに関して本府はどうお考えになり、対処していこうとしておられるのか、お伺いをいたしたいと存じます。
第2点目は、舞鶴線電化の問題であります。山陰本線の電化が完成し、電車となった優等列車が運行されることになりますと、舞鶴線への乗り入れができなくなることは当然のことであり、急行、特急の乗客は綾部でディーゼル車に乗りかえなければならなくなり、舞鶴線利用者にとっては大変不便でみじめな結果を招くことになります。また、このことは府北部の拠点都市あるいは環日本海時代の中核都市を自負する舞鶴市にとっては、市民の不便さはもとより、極めて大きなイメージダウンになるのではないかと危惧するのは私一人ではないと思います。このような事態を回避するため、山陰本線の電化完成に引き続き、一日も早く舞鶴線の電化を実現していただきたいものと念願するものであります。そして、少なくとも山陰本線電化完成の時期には舞鶴線の電化事業が具体化しているようにぜひお願いしたいと存じます。
本府におかれては、さきに奈良線を含めた鉄道整備基金として20億の基金を積まれ、また、舞鶴市においても6月
定例会において10億円の鉄道整備基金の積み立てを提案されるなど、本事業の具体化に向け、その機運は大変高まっている状況であります。また、本府においては、先ほど申しました事態を回避すべく、内々、格段の御努力をいただいておることは推察できるわけであります。そこで、事業化に向けては解決すべき種々の課題もあろうかと存じますが、何はともあれ、知事の御英断によって「山陰本線の電化に引き続いて舞鶴線の電化に着手する」という大方針をお示しいただくことが地域住民の不安を解消し、夢を与えることと考えますが、この問題について御見解をお伺いするものであります。より前向きな御答弁をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
さらに、舞鶴線26.4kmの電化工事に当たっての事業費の財源については、利用密度などからしても山陰本線とは異なってくるのではないかと思いますが、沿線地域にとって最も関心の高い事業費の総額と地元負担の問題についても、現時点でどのように考えておられるのかお伺いいたします。
また、この舞鶴線の電化問題に関連いたしまして、小浜線の電化や福井県上中町と滋賀県今津町を結ぶ新線計画とのかかわりをどう見ておられるでしょうか。さらに、これらの問題を含め、今後福井県や滋賀県との鉄道整備についての連携の必要性についてどのようにお考えであるか、明らかにしていただきたいと存じます。
次に、当面する最大の課題とも言える防災対策についてお伺いいたします。
未曾有の大災害となった阪神・淡路大震災、さらに引き続いて発生したサハリンでの震災と、相次ぐ地震災害は、予知できない天災だけに人々に大きな不安を与えております。そして、今回の多大の犠牲の中で得た教訓を結論として申せば、古くから言い尽くされた「備えあれば憂いなし」の言葉に尽きるのではないかと思います。さらに、大震災の救助や支援などを通じて日本人の沈着さ、秩序正しい行動、辛抱強さ、そして何よりも旺盛なボランティア精神、隣人愛が海外においても高く評価されたことは御承知のとおりであります。
自治体に課せられた責務で何にも優先する事柄は、住民の福祉の向上、すなわち住民が幸せで安心して暮らせる環境の創造であると考えます。防災対策は最たるものではなかろうかと存じます。それだけに、今回の貴重な教訓をいかに実践的に生かした防災対策を確立するのか、各自治体の真価が今問われると思うのであります。本府におかれても、先般、防災計画上の当面の対応を明らかにされ、各市町においても防災計画の改定など検討され、一部では事業の実施に移っているとお聞きしておりますが、今後の具体的対応についてお伺いいたします。
まず第1点は、各市町における防災計画の統一性、広域性の問題であります。
もちろん、市町における防災計画の策定は地域の実態に応じて各地防災会議が主体となって定めているものでありますが、少なくとも根幹的な事項については府の指導、助言のもとに統一性、広域性を確保すべきものと考えます。殊に今回、震災対策を防災計画の中で独立させた計画として整備していこうとする動きが多くある中で、その感を強くするものであります。そこで、計画策定の前提となるものは、予想される震災の規模と被災想定であろうと思います。現在の府の計画においても一定の想定がされているところでありますが、今回の震災を契機として、府下全域における科学的根拠に基づく想定を改めて早急に示していただくことが見直し作業の前提になると考えますが、御所見をお伺いいたします。
また、これとあわせて課題となるのが広域的な防災体制の整備であろうと考えます。このたびの教訓をまつまでもなく、有事の際、市や町単位での対応はおのずと限界があるのは明らかであります。そのため、消防においては既に広域的な相互応援協定が結ばれておりますが、被災後の対応を考慮すると、例えば南部、中部、北部ブロック等の自治体レベルの応援協定なり、救援物資の備蓄計画を樹立することが効率的で効果的な防災体制につながるかと考えます。このことにつきましては、各市町の対応と申しますより、府としてその実現を積極的に働きかけていくべき課題と存じますが、お考えをお伺いいたします。
防災対策に係る2点目は、自衛隊との関係であります。
今回の震災における自衛隊の献身的な活動は既に御承知のとおりでありますが、残念ながらこれを受け入れた自治体側の対応は種々問題を残したところがありました。そして、この問題の発生源が、日ごろの自衛隊との関係にあったことも周知の事実であります。もちろん、自衛隊の任務は国防でありますが、要は同じ地域にある者同士として日常いかに意思疎通がなされ、信頼関係ができ上がっているかによると思います。この関係については、過去のしがらみにとらわれることなく、また一部においてアレルギーがないとは言えない中でありますが、それを完全に払拭し、自衛隊との共存共栄の新たな関係を構築していくことが求められていると思うのであります。これがひいては平穏で安全な府民生活に結びつくと確信するのであります。防災対策を中心とした自衛隊との協力関係について、基本的な方針をお伺いしたいと存じます。
次に、府政に課せられた多くの行政課題の中でも、今日、府民の生活に密着した最も緊急なテーマであります高齢化対策についてお伺いいたします。
世界に類を見ない速度で進行する我が国の高齢化現象は、長寿国日本の広義の意味での社会福祉体制の熟度を示す指標であり、まことに喜ばしい限りでありますが、一方では、高齢者が尊厳を保ち、自立した高齢期を過ごすことのできる社会を実現していくために行政が担う使命はまことに大きいものとなってきております。長寿社会の実現にとって高齢期最大の不安原因である介護についても、だれもが自立に必要なサービスを身近に手に入れることができる体制を構築することが今最も緊急の課題と言えます。この基本理念に沿って、本府におかれては、平成6年3月に京都府高齢者保健福祉計画を策定され、今日まで計画目標達成に向け最大の努力を傾注され、ハード、ソフト両面において着々と成果をおさめておられますことに対し、心から敬意を表する次第であります。さらに、本年度から国においては高齢者介護サービスの基本的枠組みを設定した新ゴールドプランがスタートし、高齢化対策も新たな段階に入り、府としても従来にも増して事業の拡大に意を注がれていることと存じます。
このような中で、府下市町村においても府の指導のもと、それぞれの老人保健福祉計画の目標に向け、施設整備及び事業の拡充に全力を傾けておられる現状でありますが、平成11年度の目標年次に計画目標が達成し得るかどうかにつきましては、いまだ多くの問題が残されているだろうと考えられます。
つきましては、府下市町村の老人保健福祉計画の進捗状況並びにその進捗度合いに問題があるとすればその要因、高齢化の進行状況、ニーズの変化等、時代の推移に伴ってこの計画の見直しの必要性など、新ゴールドプランがスタートした今日の時点における老人保健福祉計画を取り巻く状況の変化についてお伺いいたします。
また特に財源とマンパワーが最大の課題であろうとは理解するわけでありますが、そのマンパワーの中でも、なかんずく理学療法士、作業療法士にあっては、新ゴールドプランで目標数1万5,000人が全国で必要とされ、府下においては、理学療法士(PT)が平成6年11月で229名、作業療法士(OT)が平成5年の数値ではありますが119名と、その数値の低さを示しております。現在、府下には公私立合わせても京大の医療短期大学部のOT・PT定員各20名のみであり、地元の定着等を考慮すれば、今後国の養成施設の整備の方針に従い順次取り組む緊急課題であろうと思われますが、あわせて知事の御意見、御所見をお伺いいたします。
冒頭申し上げましたように、京都府では荒巻知事の卓越した行財政手腕のもとに、懸案である課題が次々と実現し、今、21世紀へのさらなる飛躍に向けてのステップの時期に来たと認識しております。知事さんを初め理事者の皆様のますますの御活躍をお祈り申し上げますとともに、ただいま申し上げました質問事項について懇切丁寧なる御答弁をいただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
33:
◯議長(
小林弘明君) 荒巻知事。
〔知事
荒巻禎一君登壇〕
34:
◯知事(
荒巻禎一君) 斎藤議員の御質問にお答え申し上げます。
まずJR山陰本線、KTR宮福線などの電化・高速化についてでありますが、工事は来年3月の完成に向けて順調に進んでいるところでございまして、現在、京都府中部、北部地域の利便性の向上を目指し、JR西日本において運行計画の検討を願っているところでございます。
次に、JR舞鶴線についてでありますが、以前、舞鶴線につきましては本会議でもちょっと経過と申しますか、昔のことをお話ししたことがあるのですけれども、昨年は言うまでもなく平安建都1200年の年でございましたが、それからさかのぼる100年前の平安遷都1100年の時期、ちょうど明治26~27年、28年、あの時期の年表をたまたま繰って見ておりましたところ、当時の京都での3大問題という形が、現在の京都の商工会議所に当たります京都商工会同盟会というところで一つの方針が決まっておりまして、それは1つは遷都1100年祭を行う、京鶴鉄道を完成する──いわゆる京都から舞鶴でございます。そして博覧会を行う。この3つが京都3大問題として決められておったということが書いてありまして、非常に当時からこの舞鶴方面についての京都の人の思いは強かったということをつくづく感じておるわけでございます。くしくも100年後の現在、また違った意味での舞鶴線の問題が議論されるということは大変な因縁を感じるわけでございますし、また田中源太郎さんという立派な方が、政府がなかなかつくらないので自分の資力ででもつくろうということで一部園部方面につくられて、最期は保津川の橋の上で不慮の死を遂げられたといういろんなお話がございますが、そういう先人たちの熱意と努力ということも私たちは学ばなくてはいけない、このように思いまして、環日本海時代の重要拠点であります舞鶴と京阪神地域を結ぶ幹線鉄道としてJR山陰本線の電化・高速化の効果を生かした一体的輸送を確保するためにも、電化・高速化は重要な課題であると認識をしているところでございます。
今日まで府議会や地元の市長さんを初め関係の皆様方から御要望を受けまして、その早期実現をJR西日本に要請してまいったところでございますが、何分にも民営化した鉄道事業者としては投資採算性を大きな課題といたしておりまして、電化・高速化の実現には地元の駅や駅周辺整備を初めとするまちづくりや乗車利用促進という積極的な取り組みが不可欠となってきておるわけでございます。もちろん、道路が整備されてきておりますのでそれの関係もございますけれども、舞鶴線の十数年の乗車輸送密度につきましては、10数年で67%ということで、3分の1ほど減ってきている、こういう数字もやはり無視できないわけでございますので、何としてもここでもう少し皆さんと一緒になって利用促進を図らなければいけないと思っておりますので、その点もよろしくお願い申し上げます。
もちろんそれだけで方針が決まるわけではございませんで、やはり先ほどからお話にありましたような低公害、公害のない乗り物というものはやはり自動車と並行して我々も残していくべきだというふうに思いますし、また、子供や生徒あるいは老人、高齢者というような、自動車をなかなか自分で運転できないような方、こういう方のためにも鉄道というものは本当に必要なものだと、こういうふうに理解しております。また、舞鶴地域以外から舞鶴へ遠くの方々をたくさん引き入れるというそういう行政的な目的からも鉄道というものは大いに役立つわけでございますので、そういうことも十分頭に入れまして努力をいたしますので、ひとつ今申し上げましたような誘致のための条件づくりにぜひ御協力いただきたいというふうに思うわけでございます。
京都府といたしましては、これらの取り組みとその進展に合わせまして、電化・高速化の具体化に向け、引き続き努力をしてまいりたいと存じておりますので、府議会の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げる次第でございます。
また、近隣府県ともそれぞれ機能分担のもと、鉄道線整備の充実を目指して努力してまいりたいと存じております。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。
35:
◯議長(
小林弘明君) 長沢純一総務部長。
〔総務部長長沢純一君登壇〕
36: ◯総務部長(長沢純一君) 防災対策についてでありますが、まず市町村地域防災計画につきましては、議員御指摘のとおり、京都府地域防災計画における地震想定や被害想定との整合性に留意することとされております。このため京都府におきましては、昭和46年から地盤の震動特性調査等を実施し、地域防災計画に盛り込みますとともに、昭和61年には京都府全域にわたる地震想定、被害想定に基づく京都府地域防災計画震災対策計画編を制定し、市町村に対しましても震災対策計画の策定の促進や内容の充実強化について指導してまいったところでございます。
現在、京都府の震災対策計画編では、震度7の激震による被害想定を定めておりますが、このたびの大震災の教訓をもとに、さらにこれを補完するため、本年度から活断層や液状化の調査を府全域において実施することとしており、引き続き市町村との連携を図ってまいりたいと存じております。
次に、広域的な防災体制の整備についてでありますが、現在、近畿府県災害対策協議会において大規模災害時の広域応援体制の整備について鋭意検討を進めているところであります。こうした府県間の広域応援体制の検討状況を踏まえ、京都府におきましても、議員御指摘のとおり、消防と同様に府内全市町村による災害時の相互応援協定の実現に向け努力をしてまいりたいと考えております。
また、自衛隊との協力関係につきましては、平成2年の伊根町沖での油流出事故や平成4年の八幡市での水道管破裂による断水時において大変お世話になり、また京都府総合防災訓練にも、林田府政にかわりました後の昭和54年以来、毎回参加していただいているところであります。今後とも自衛隊との協力関係を強化することが極めて重要であると考えており、陸上及び海上自衛隊とを結ぶ防災行政無線の拡充整備、共同訓練の充実を図るなど、より一層協力関係を推し進めてまいりたいと存じます。
37:
◯議長(
小林弘明君)
道林邦彦保健福祉部長。
〔保健福祉部長
道林邦彦君登壇)
38:
◯保健福祉部長(
道林邦彦君) 高齢化対策についてでありますが、京都府及び各市町村の高齢者保健福祉計画につきましては、御承知のように昨年度からスタートしたところでありまして、現在のところ、京都府、市町村ともにおおむね順調な進行を見ているところでございます。この間、国におきましては市町村、都道府県の計画達成を全面的に支援していくため新ゴールドプランが策定され、今年度から実施されたところであります。これにより京都府の計画につきましても計画に必要な財源が手当てされるとともに、施策展開の基本理念の面でも京都府の計画と同様の考え方が打ち出され、名実ともに府の計画を推進する体制が整備されたものと考えております。
また現在、国におきましては、いわゆる公的介護保険制度の導入をめぐり、現行の各種制度の根幹にかかわる大がかりな検討が行われていると聞いております。したがいまして、今後の施策展開に当たりましては、引き続き府の計画の推進に全力を傾けてまいりますとともに、公的介護保険制度の検討動向についても十分に注視していく必要があろうと考えております。
次に、理学療法士、作業療法士につきましては、本格的な高齢社会を迎え、従来の医療分野にとどまらず、今後は老人福祉施設などの入所施設や在宅におけるリハビリテーションでの需要が増大していくものと考えております。こうしたことから、国におきましては、平成3年度に養成定員の需給計画の総合的な見直しを行いますとともに、新ゴールドプランにおいてOT・PTの養成確保が位置づけられたところでございます。いずれにいたしましても、保健福祉の分野でのOT・PTにつきましてはこれからの開拓分野でもありますところから、必要な技術者の養成確保に今後とも努めてまいりたいと考えているところでございます。
39:
◯議長(
小林弘明君) 次に、新井進君に
発言を許します。新井進君。
〔新井進君登壇〕(拍手)
40: ◯新井進君 日本共産党府会議員団の新井進でございます。私は、さきに通告しております2つの問題について、知事並びに関係理事者に質問をいたします。
その第1は、本府の経済にも大きな比重を占め、伝統的な産業である西陣、丹後などの和装産業の振興対策についてであります。
既にこれまでから我が党議員から、この和装産業が長引く不況と海外生産、逆輸入などによって深刻な事態にあり、その抜本的な対策が急がれることを指摘してまいりましたが、今日の事態はこのことが緊急の課題となっていることを示しています。
第14次西陣機業調査の結果が先般発表されましたが、この結果によりましても、平成2年の前回調査との比較で、西陣織生産の基礎となる企業数で11.6%、織機台数で19.1%、従業者数で18.8%の減少と、昭和56年から平成2年までの緩やかな減少傾向が今回は大幅な減少となっていると指摘しています。しかも、これを昭和50年に比較すれば、企業数で67.2%、織機台数58%、従業者数46.4%と、ほぼ半減するという事態に陥っています。さらに今回の特徴は、これまで出荷数量が減少しても出荷額は増加していたのが、今回の調査では、総出荷額で前回調査時2,795億円が2,014億円と781億円、28%もの大幅な減少で、昭和50年当時を下回ってしまったことです。
この傾向は丹後機業でも同様で、丹後織物組合の組合員数が昭和50年当時約1万人であったのが平成6年度では6,190人と約6割に減少し、織機台数も50年当時4万6,624台が2万7,491台、59%に、白生地の稼働織機台数で言えば昭和50年当時の23%へと激減しています。
こうした和装産業の深刻な事態は、京都の経済全体、府民の暮らしに大きな否定的影響を与えるものであり、この原因には、長引く不況とともに海外生産、逆輸入にあることは明らかです。
帯の輸入数量は、統計の上では「織物のベルト」とされ、正確な輸入数量の統計は出されていませんが、関係者の間では、年間30万から40万本ほどあるのではないかと言われています。この数は西陣での帯生産382万本の1割を占め、しかも低価格で、西陣織の売り上げを圧迫していることは明らかです。絹織物の輸入は平成6年度252万反であり、ついに丹後の生産数量235万反を上回る逆転現象となっています。
さらに、最近の異常円高によって西陣のネクタイも重大な打撃を受けています。今、ネクタイの国内総需要は年間5,000万本と言われていますが、うち2,300万本が輸入されています。しかも、今日では韓国産であれば1本250円程度、イタリアやフランス、これも中国やベトナムで製造されて日本に入ってくるものが1本600円程度と言われています。西陣のネクタイ関係者は、これでは全く太刀打ちできないと悲鳴を上げる事態となっています。
こうした海外生産・逆輸入、さらには無秩序な輸入を野放しにし、個別企業や関係者にその経営努力を求めるだけでは西陣や丹後の機業を守れないことは明らかです。
そこで知事に伺います。第1に、この海外生産・逆輸入、さらには無秩序なネクタイなどの輸入の規制についてであります。
第14次調査でも初めて海外生産・逆輸入問題が質問項目に入れられ「海外生産はやるべきでない」と76.5%の人が答えており、西陣織工業組合の帯地部会は本年3月、改めて、西陣産地防衛の観点から、帯地国外生産阻止について三ない運動の強化推進、商社への「拾い買い」に対する中止要請、通産省や税関への申し入れ、公正取引委員会への原産国表示の義務化の申し入れなどの方針を決定されました。知事は、西陣織や丹後機業を守り、関係者の営業と暮らしを守るために、和装品は海外生産すべきでないと考えておられるのかどうか、そして海外生産・逆輸入の規制が必要と考えておられるのかどうかをお伺いいたします。
また、中小企業基本法第22条は「物品の輸入によってこれと競争関係にある物品を生産する中小企業に重大な損害を与えるおそれがある場合において、緊急に必要あるときは、関税率の調整、輸入の制限等必要な施策を講ずるものとする」とされています。京都府を挙げてこの発動を国に強く働きかけることが、今、必要と考えますが、知事にそのつもりがあるかどうかをお聞かせ願います。
さらに、消費者を保護し、伝統産業を守る立場から、海外生産の商品が西陣織まがいで安売りされ、価格破壊を起こすことのないよう、帯、帯地など和装品の原産国表示の義務づけが必要と考えますが、知事として公正取引委員会に申し入れるつもりがあるか、お聞きいたします。
第2に、こうした経営不振のもとで、実効あるきめ細かい金融対策についてであります。
現状は、こうしたもとで売り上げや収入が大幅に減少し「これまで借りたものも、返したくても返せない」「金利が下がったとはいえ、新たな借り入れをするには担保物件もなく、保証人もつくれない」、こういった声が出されています。しかも再び丹後で新たな自殺者が生まれるなど、放置できない事態となっています。今こそ、我が党議員団がこれまでから要求してきた無担保、無保証人、無利子で景気回復まで返済猶予の融資制度が必要となっています。京都府として、こうした要望にこたえた対策をとるよう強く求めるものです。そして、小企業特別融資制度の限度額を最低1,000万円へ引き上げることを要求するものです。
さらに、東京、大阪、兵庫、福岡など既に多くの府県が限度額を500万円とし、京都信用保証協会の無担保無保証人保証限度額が93年の11月から500万円に引き上げられているもとで、450万円に据え置かれたままとなっているのでは、本府が中小企業対策では後進県と言われても仕方がない状況です。さらに、小企業特別融資制度の保証料についても全額助成をすべきと考えます。既に同和地区産業振興融資制度では全額助成されており、知事がやる気になればすぐにでもできることではありませんか。知事の御所見をお伺いいたします。
第3に、西陣で働く手機労働者の深刻な事態打開のための対策についてであります。
手機は、伝統的工芸品産業の振興に関する法律──伝産法に基づき指定された伝統的工芸品の中で重要な位置を占めるものです。ところが、この手機が今日の西陣織の深刻な事態のもとで最も大きな打撃を受ける状況となっています。先ほどの14次調査でも、平成2年の調査と比較して4分の1が減少し、地区内外合わせて2,431台となっています。しかし実態はもっと深刻で、A社では織機台数47台で、稼働しているのはゼロ、B社では30台のうち稼働しているのは9台、C社では16台のうち稼働しているのはゼロ、こういう実態です。まさに、このままでは手機が消滅してしまう、そして、この伝統的技法を受け継いで守ってきた伝統工芸士すら首を切られる事態が相次いでいます。その中で、今、ある企業では、手機の労働者が「不採算部門だから」という理由で一昨年11月から仕事を取り上げられ「20カ月も仕事をさせてもらえない」「再開のめどすら立っていない」「労働者はこれから先どうなるのか」、こういった不安を募らせています。西陣織の伝統的技術の継承と発展があってこそ、伝統的技術を生かした機械化も可能となるものです。そして京都府も、伝統的技術の後継者育成をこれまでから「重視をする」としてきました。
そこで、京都府として、この伝統的技術を守り継承する立場から、この手機労働者に仕事をさせないようなやり方や、伝統工芸士まで首切りをするようなことはやめるよう働きかけるべきではないかと考えます。西陣織を京都の重要な産業として、また京都の誇るべき文化として守り発展させる立場から、関係企業に社会的な責任を果たすよう要請することは当然だと考えますが、いかがですか。
同時に、こうした伝統的技術である手機を守るためにも、手機労働者や伝統工芸士を雇用する企業に対し、高齢者や障害者雇用に国が
雇用調整給付金を出しているような助成措置を独自につくり、伝統的技術を持つ労働者の雇用促進を図ることが必要と考えますが、いかがお考えか、お聞かせ願います。
第4に、危機的状況にあると言われる和装産業を京都府の基幹産業として位置づけて、その抜本的な対策をどう講じるかという問題です。
丹後機業の生産総額は減少しているとは言うものの、丹後経済全体に占める割合は平成5年度で41%を占めるものとなっています。西陣でも、出荷額は2,000億円を超え、関連従事者は約10万人に及ぶと言われています。この京都の基幹産業の1つである和装産業を振興するために、地域経済に重大な影響を与える海外生産を規制し、その振興を図るための条例の制定、さらには関係者の英知を集めた西陣や丹後の振興計画の確立、そして、これまでの経営者を主体にした実態調査だけではなく、労働者や賃機、そして関連するすべての業種も含めた全面的な実態調査を行うなど、基幹産業にふさわしい振興対策を抜本的に講ずることを要求するものです。知事の見解をお伺いいたします。
2つ目の質問は、京都府立図書館の問題についてであります。
府立図書館につきましては、1月の阪神・淡路大震災による被害の修復の措置がとられたところですが、その際並行して行われました文化環境計画研究所に委託しての構造調査の結果では、1つには、地震による被害は建物上階ほど大きく、また南ウイング、振興課事務室、和室会議室に集中していること、2つには、南ウイングの新書庫以外の1階は全体的に安全性が高く、特に閲覧室はしっかりしていること、3つには、北ウイングの2階、3階は老朽化のため床の沈下が見られること、4つには、したがって、安全確保に万全を期すため、建物中、今回の地震の被害を受けていない安全性の高い箇所・1階部分中心に使用することが適切である、こうした調査結果報告がされました。その結果「立入禁止区域」として、3階の研修室、和室会議室、倉庫、2階の事務室、児童室、1階の新書庫が使用不能になり、そのほか「要注意」「立ち入りは避けた方がよい」とされたのは2階の館長室などで、実質的に使用可能は1階のみとなっています。
こうしたもとで、当初5月1日からの開館予定をさらに2カ月間おくらせ事務室移転などの措置がとられてきたところですが、その結果は、7月からの府立図書館の状態は極めて深刻な事態となることは明らかです。閲覧室が、これまで350m2あったのが約3分の2に縮小され、しかも、いすも満足に置けない状態になっています。新聞・雑誌コーナーも廊下に設けられ、閲覧机やいすがない、児童室も大幅に縮小され、しかも書架も7段のものが置かれる、障害者サービスコーナーも対面朗読などのスペースがとれないという状況です。さらに、職員は資料の出し入れには、立入禁止、立ち入りは避けた方がよいとされる区域に立ち入らなければ業務ができないという状態となっています。これで京都府立の図書館と言えるのでしょうか。
知事は昨年の9月定例議会で「公立図書館は府民の生涯学習を支える重要な施設として、学習内容の多様化、高度化にも十分対応できる快適で豊かな施設であることが大切」と言われました。また、文部省の生涯学習審議会図書館専門委員会の報告では「公共図書館の設置及び運営に関する基準」として「落ち着いた雰囲気の中で利用しやすく快適であること」「児童室など必要なスペースの確保」「障害者のための設備と資料や機器の整備」を求めています。こうした知事自身の本議会での答弁やこの基準から見て、今日の府立図書館の現状をどうお考えなのか、まずお聞かせ願います。
私は第1に、こうした事態のもとで、新しい府立図書館の建設が緊急の課題となっていると考えます。図書館法に基づく新しい府立図書館を建設するおつもりがありますか、建設時期についてもどうお考えなのか明らかにしていただきたいと思います。このことがいつも生涯学習の重要性を強調される知事の府民への責任ある態度と考えます。同時に、教育委員会は、既に昭和61年8月に社会教育委員会議に対し「生涯学習社会を展望する京都府の図書館のあり方」について検討依頼をされ9年が経過していますが、その検討結果はどうなっているのか、あわせて明らかにしていただきたい。
第2に、新しい府立図書館が建設されるまでの期間、現状の府立図書館では府民、利用者の期待にこたえられないことは明らかです。現状の建物では、職員がどんな工夫や努力をしても限界があり、しかも安全性においても極めて問題があります。市内小中学校の統廃合で廃校となっている学校の一時借り入れも含め、代替施設を確保し、府立図書館を運営することが、今、求められていると考えますが、この点どうお考えか、明らかにしていただきたいと思います。
第3に、これまでから京都の府立図書館の現状は、利用者から施設の面で「これが府立の図書館ですか」と言われるような状況にあっただけではなく、蔵書の面でも、他府県からの観光客などが「京都のことをよく知りたいと思って府立図書館に来ても満足に図書や資料がそろっていない」などの不満が表明されていました。これは京都府立の図書館としての図書費の予算が余りにも少な過ぎることにあることは明らかです。府立図書館の図書費は平成5年度、6年度とも2,229万円、7年度が2,118万円です。リクエストのある資料や図書を購入するだけで年間1,300万円程度必要であると言われており、他の参考図書などがほとんど満足に購入できない状況にあります。お隣の滋賀県が、平成5年度1億3,000万円、昨年度1億3,900万円と比べれば余りにも貧弱なことは明らかです。本府の場合「資料館もある」と言われますが、資料館の図書費を含めても昨年度4,939万円であり「利用者の要望にこたえ得る図書を確保したい」とする関係者の声には全くこたえ切れていない状況です。府立図書館の図書費の大幅な増額が必要となっています。
京都府は、平成5年度に生涯学習振興基本構想を定めましたが、府立図書館は当然府民の生涯学習にとっても中核的な施設として位置づけられるべきものです。今こそこの府立図書館が施設や環境の面でも、その蔵書やサービスの内容においても一層の充実を図ることが必要となっていると考えます。この府立図書館の充実についてどう考えておられるのか、明らかにしていただきたいと思います。
以上、2つの問題について、知事並びに関係理事者の誠実な答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
41:
◯議長(
小林弘明君) 荒巻知事。
〔知事
荒巻禎一君登壇〕
42:
◯知事(
荒巻禎一君) 新井議員の御質問にお答え申し上げます。
和装産業についてでありますが、申し上げるまでもなく、丹後、西陣、友禅、室町などの和装関連産業は、日本文化の象徴であるとともに、京都の経済や雇用を支える重要な産業でありまして、京都府といたしましては、その振興に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
特に、最近の円高などによる厳しい状況に対応するために、緊急の対応として融資利率の引き下げを初め融資制度の対応拡充を図る一方、業界が自主的に取り組まれる新商品の開発、需要開拓、人材育成などのさまざまな事業に対し積極的な支援を行っているところであります。
また、和装需要の振興につきましては、平成4年に京都府が参画して設立した財団法人京都和装産業振興財団の活用などにより、全国に向けた和装の普及・需要開拓事業にも取り組んでいるところでございます。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁をさせていただきます。
43:
◯議長(
小林弘明君) 田中潤府民労働部長。
〔府民労働部長田中潤君登壇〕
44: ◯府民労働部長(田中潤君) 和装産業における雇用の維持安定につきましては、和装振興施策の推進とともに、事業主に対しまして国の雇用調整助成金などの有効な活用により雇用の安定が図られるよう、その周知に努めているところでございますが、さらに今議会に関連の予算をお願いしており、今後とも事業主などに対しましてきめ細かな雇用対策を進めてまいりたいと考えております。
45:
◯議長(
小林弘明君) 高見商工部長。
〔商工部長
高見静治君登壇〕
46:
◯商工部長(
高見静治君) 和装品の海外生産についてでありますが、京都府といたしましては、西陣織工業組合が推進されているいわゆる「三ない運動」は西陣織産地の生産基盤を守るための懸命な取り組みであると認識し、適切な指導、助言を行ってまいったところでございます。
一昨日の代表質問で知事から答弁のありましたとおり、輸入織物等の増加は基本的には円高や生糸の内外価格差が大きな要因と考えられますので、その解消に向けて引き続き国に強く要望してまいりたいと考えております。
また、原産国表示の問題につきましても、業界の自主的な取り組みにより、原産国など商品についての正確な情報を消費者に伝えることが和装品に対する信頼性を高め、需要の促進につながるものと考えられますので、この点につきましても引き続き適切な指導、助言を行ってまいりたいと考えております。
次に制度融資についてでありますが、京都府といたしましては、中小企業の経営安定を重要課題として、これまでから可能な限り金融支援対策を講じてきているところであります。特に、最近の円高等による厳しい状況に対処するため、この6月1日をもって制度融資の貸付利率を過去最低水準に引き下げるとともに、制度融資の返済猶予の特例措置や、緊急経営支援資金制度の拡充などに要する予算を今議会にお願いをしておるところでございます。
なお、中小企業者の負担を軽くするため、いわゆるマル小融資の保証料につきましては、一部軽減措置を講じているところであります。
また、中小企業者の緊急的な資金需要に対応するため、平成6年度に緊急無担保資金を創設したところでありまして、これまでに656件、27億600万円の利用を見ているところであります。
47:
◯議長(
小林弘明君) 安原教育長。
〔教育長安原道夫君登壇〕
48: ◯教育長(安原道夫君) 新井議員の御質問にお答えをいたします。
府立図書館についてでございますが、明治以来の長期利用によります建物の制約の中ではありますが、来館者及び職員の安全に万全を期しながら7月3日からの再開館に向けて準備を進めているところでありまして、図書館が大量の蔵書を有していることもあり、現時点では収蔵機能のある現施設において引き続き運営してまいりたいと考えております。
その中で、中丹以北への連絡協力車を月2回に増便して、府民の方々に対する図書貸し出しをより迅速にするなど、市町村支援に一層力を注ぐことによりまして府県立図書館としての役割を果たしてまいりたいと考えております。
また、京都府社会教育委員会議におきまして、仮称ではございますが国立国会図書館関西館や京都市を含む各市町村立図書館の動向も踏まえながら、図書の整備も含めて、図書館のあり方について継続して御審議をいただいているところでございます。(新井議員
発言を求める)
49:
◯議長(
小林弘明君) 新井進君。
〔新井進君登壇〕
50: ◯新井進君 ただいま答弁をいただいたところでありますが、1つは西陣織の海外生産・逆輸入の問題について、西工などの業界団体の取り組みを支援をするという答弁でしたが、私の質問の趣旨は、京都府としてこの取り組みをやるべきだということを申し上げております。既に京都市は、平成8年度の国に対する要望の中で、和装製品等の絹製品の原産国表示の義務づけ、輸入規制の強化を国に要望するという態度をとられています。そういうことから見ても、府市協調をいつも強調される知事として、京都市と足並みをそろえて京都府としても国に対してそのことを要望されるよう、改めてそのことを申し入れます。
第2点は手機の問題です。先ほど田中府民労働部長の答弁がありましたが、そうした高齢者雇用などの制度のもとでも、現実には手機の労働者が首を切られたり雇用を喪失しています。そうした中での対策を求めているわけで、今ある制度の説明を求めたのではありません。
第3点は図書館の問題ですが、新しい府立の図書館の設立の必要性を認めるのかどうかという問題について答弁をいただきたい。
51:
◯議長(
小林弘明君) 安原教育長。
〔教育長安原道夫君登壇〕
52: ◯教育長(安原道夫君) 新井議員の再質問にお答えいたします。
新図書館の必要性につきましては、先ほど、答弁の中から十分御説明をしております。
───────────────────
53:
◯議長(
小林弘明君) 進行いたします。
本日はこの程度にとどめ、明6月29日午後1時から本会議を開きますので、御参集願います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後4時06分 散会
発言が指定されていません。 ↑ ページの先頭へ...