滋賀県議会 > 2024-02-19 >
令和 6年 2月定例会議(第23号〜第32号)−02月19日-02号

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  1. 滋賀県議会 2024-02-19
    令和 6年 2月定例会議(第23号〜第32号)−02月19日-02号


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    最終取得日: 2024-09-17
    令和 6年 2月定例会議(第23号〜第32号)−02月19日-02号令和 6年 2月定例会議(第23号〜第32号)                 令和6年2月定例会議会議録(第24号)                                        令和6年2月19日(月曜日)           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第2号                                         令和6年2月19日(月)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第1号から議第51号まで(令和6年度滋賀県一般会計予算ほか50件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問           ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件           ────────────────────────────── 会議に出席した議員(43名)    1番   谷  口  典  隆       2番   田  中  英  樹    3番   谷     成  隆       4番   小  河  文  人    5番   菅  沼  利  紀       6番   桐  田  真  人    7番   岩  崎  和  也       8番   野  田  武  宏    9番   森  重  重  則       10番   田  中     誠
       11番   河  村  浩  史       12番   柴  田  栄  一    13番   中  山  和  行       14番   赤  井  康  彦    15番   河  井  昭  成       16番   佐  口  佳  恵    17番   小  川  泰  江       18番   田  中  松 太 郎    19番   清  水  ひ と み       20番   井  狩  辰  也    21番   本  田  秀  樹       22番   柴  田  清  行    23番   重  田     剛       24番   白  井  幸  則    25番   村  上  元  庸       26番   桑  野     仁    27番   周  防  清  二       28番   海  東  英  和    29番   加  藤  誠  一       30番   目  片  信  悟    31番   有  村  國  俊       33番   川  島  隆  二    34番   奥  村  芳  正       35番   駒  井  千  代    36番   木  沢  成  人       37番   清  水  鉄  次    38番   大  野  和 三 郎       39番   角  田  航  也    40番   冨  波  義  明       41番   九  里     学    43番   今  江  政  彦       44番   中  沢  啓  子    45番   節  木  三 千 代           ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)           ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               選挙管理委員会委員長      吉  田  清  一               人事委員会委員長        池  田  美  幸               公安委員会委員長        大  塚  良  彦               代表監査委員          河  瀬  隆  雄               副知事             江  島  宏  治               副知事             大  杉  住  子               知事公室長           松  田  千  春               総合企画部長          浅  見  裕 見 子               総務部長            東        勝               文化スポーツ部長        谷  口  義  博               琵琶湖環境部長         森  本  哲  司               健康医療福祉部長        大  岡  紳  浩               商工観光労働部長        林        毅               農政水産部長          岡  田  英  基               土木交通部長          三  和  啓  司               会計管理者           中  田  佳  恵               企業庁長            東  郷  寛  彦               病院事業庁長          正  木  隆  義               警察本部長           中  村  彰  宏           ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            箕  浦  宏  昌               議事課長            野  口  浩  一               議事課参事           内  田  吉  行           ──────────────────────────────   午前10時 開議 ○議長(奥村芳正) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(奥村芳正) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  議第22号から議第24号までの各議案について、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めておきましたところ、お手元に配付いたしておきました文書のとおり回答がありましたので、御報告いたします。    ──────────────── ○議長(奥村芳正) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第1号から議第51号まで(令和6年度滋賀県一般会計予算ほか50件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問 ○議長(奥村芳正) 日程第1、議第1号から議第51号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  本日は、会派代表による質疑ならびに一般質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、29番加藤誠一議員の発言を許します。 ◆29番(加藤誠一議員) (登壇、拍手)初めに、能登半島地震によってお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災をされた皆様、今なお避難生活を余儀なくされておられる皆様方にお見舞いを申し上げます。また、様々な支援が総動員をされ、一刻も早い復旧復興がなされること、取組が加速することを願うものであります。  そして、震災5日後の1月6日に、政治の道、志半ばで御逝去されました我々の同志、岩佐弘明議員に改めて哀悼の誠をささげるものでございます。先輩議員として、また、我が会派の副代表として、数々の御指導をいただいた思いをこれからの県政推進に生かしていくことをお誓い申し上げます。  それでは、これより、ありし日の岩佐議員のお元気なお姿を胸に、自由民主党滋賀県議会議員団を代表して、質問をさせていただきます。  初めに、令和6年度当初予算案と財政健全化について、知事に問います。  今議会に提案されました令和6年度当初予算案は、新型コロナウイルス感染症の緊急的な対策が姿を消したことから、前年度から6.6%の減ではありますが、実質は過去最大の規模となっています。その増加には、来年に迫った国スポ・障スポなどへの対応もあり、必要なときに必要な予算でしっかり対応すること、これは重要であります。年頭の挨拶にもあったように、夢や希望を持って、旧弊にとらわれず、力強く前進する1年にするための予算を編成されたものと思います。また、会見では、共に生きるということを強く押し出したとも述べられておられます。  まず、年頭に、重点的に注力するテーマとされた「子ども、子ども、子ども」、公共交通の充実、活性化による健康まちづくり、そして、琵琶湖のこと、水のこと、その源であるやまのこと、その恵みを頂く第一次産業、農林水産業の振興の3つのテーマについて、予算的措置においてどのように心されたのかを伺います。  また、記者会見では、やりたいことはほぼ全て入れたと述べられたと報道にございました。これは大事なことであります。知事就任10年目となる予算でありますから、悔いを残すような予算ではいけません。そういう意味では、知事の決意を感じるものであります。そして、この予算は「ともにいきる 未来につなぐ みんなでつくる健康しが2.0」という表題をつけられました。この表題を見て、これまでから知事が使われている利他の心を思い出しました。共に生きるためには利他の心が必要との思いもあるのではと感じた次第であります。  そこで、この「ともにいきる 未来につなぐ みんなでつくる健康しが2.0」という予算の編成において、これが知事就任10年目の予算であるという点、また、3期目の折り返し前の予算という点において、令和6年度予算にかける思いを伺います。  しかし、一方で財政問題があります。現行の行政経営方針における今後の財政収支見通しでも、令和5年度から令和8年度までで623億円、令和12年度までとなると1,031億円もの財源不足が見込まれ、令和6年度予算編成での不足額も182億円でありました。そして、当初予算の財源を見ますと、県税は前年度比で3.5%の減、コロナ対策が減ったとはいえ、国庫支出金は46.9%も減っています。一方、県債は臨時財政対策債を除いた実質発行予定額が578億円にも上っています。今後、県立高等専門学校など大規模事業がめじろ押しの中で、財政調整基金の残高を100億円程度維持するという目標も危惧されます。  予算編成では、常に事業見直しによって財源不足に対応する方針を示されてこられましたが、さきの記者会見では、取捨選択で課題を残したとも述べられたようであります。この発言の意図するところは何なのか、また、本県経済および財政の今後の見通しと、それを踏まえた財政健全化にどのように取り組んでいくのか、決意を伺います。  この当初予算には、早くも能登半島地震を踏まえての防災関連の予算も計上されています。  そこで、次に、教訓を生かす防災対策について、知事ならびに警察本部長に問います。  国がまとめている2月16日──先週の金曜日です──現在の能登半島地震による被害状況でありますが、人的被害が死者241人を含む1,537人、住宅被害が全壊7,704棟を含む6万614戸、避難所生活者が1万2,931人、断水においては今も2万9,520戸が断水をしており、国道、県道においてもいまだ多くで通行止めとなっており、復旧には相当な時間がかかるとされています。被害が明らかになり、その規模や大きさが拡大するにつれ、誠に心が痛みます。提案説明にもありましたが、能登半島地震を教訓に、現状の見直しや、早々新年度予算への対応は防災意識の向上面からも重要な取組であります。  発災当初から、滋賀県も救急救助活動を行うため、緊急消防援助隊滋賀大隊等を石川県に派遣されています。そして、避難生活での災害関連死を防ごうと、福祉専門職で編成された滋賀DWATも派遣し、帰還されたメンバーからの報告も随時行われていると仄聞します。  また、総務省の応急対策職員派遣制度により、滋賀県は能登町の総括支援団体となっていますが、あわせて、関西広域連合としても、和歌山県とともに同じ能登町のカウンターパート支援先自治体として、避難所運営等の支援のため職員を派遣するなど、素早い対応に取り組んでいただいています。  そこで、初めに、知事として、また関西広域連合長として、被災者や自治体が求めている必要な支援の現状や、また、何を今後の教訓とすべきかといった面からの現地把握など、被災地に知事自らが出向くことをお考えではないでしょうか、伺います。  また、既に派遣され、帰還されたチームや、職員の方々の報告からの感想と、現時点での教訓とすべき点について伺います。  さて、今回のような地震に備えて策定しているのが滋賀県防災プランです。この防災プランが令和6年度に見直しの時期を迎えます。既に総務省は、今回の災害から、消防団員の確保と地域防災力の強化を全国の地方公共団体に要請しています。当然、実効性あるプランへの見直しのためには、被災地に入った職員等からの声を地域防災対策県防災プランに生かすべきと考えます。  そこで、現時点で、能登半島地震を踏まえて、滋賀県の地形から見て懸念される被害の特徴をどのように想定をされ、プラン改定における重要な視点をどのようにお考えか、知事にお伺いいたします。  さきに被害状況を紹介しましたが、多くの倒壊した家屋等の片づけに災害ボランティアの活動も始まりました。今後は復興に向けての活動から災害廃棄物の適切な処理が懸念されています。想定では、石川県内では約224万トンと推計され、これは平時の7年分で、広域処分を考えざるを得ない状況とのことであります。  また、被害者支援として移動式のトイレやコインランドリー移動式理容室なども話題に上っていますが、防災プランの見直しに当たってはどのような手順で、また、能登半島地震などの教訓などをどのように生かすのか、加えて、いつ起こるか分からない地震への当面の取組方針について、知事にお伺いをいたします。  ここで、警察本部長に伺います。  滋賀県警察本部も、今回の地震において、広域緊急援助隊として機動隊員など20名余りを被災地に派遣、また、早期の被害状況把握に向け、航空部隊のヘリコプターを出動するなど、被災地での支援活動が行われたと伺っております。  大規模災害時における警察活動は、被災者の避難誘導および救出救助、行方不明者の捜索、交通規制、検視等の身元確認、被災地の警戒、犯罪の予防など多岐にわたります。ついては、今回派遣された警察災害派遣隊は被災地でどのような活動を行われたのか、また、活動を通して明らかになった教訓とすべき点について、警察本部長にその考えをお伺いいたします。  今回の派遣にも必要な災害対策資機材が活用されたと思います。過去の災害から、国土強靱化基本計画では、災害時における救出救助、行方不明者の捜索、被災者の安全確保等の警察活動を適切に行うため、必要な災害対策資機材の整備を行うとされています。  能登半島地震では多くの道路が寸断されました。滋賀県は真ん中に琵琶湖を有し、そこに河川が入り込み、琵琶湖と並行する道路には必ず橋が架かっています。他府県とは大きく地理的環境も異なりますが、そうしたことも踏まえた本県における災害対策資機材等の整備の強化について、警察本部長に伺います。  この機会に、災害時の最前線基地となる交番、駐在所について伺います。  地域住民の安全と安心を確保するための交番、駐在所は、いざというときに防災拠点としても重要な役割があります。現在、計画的に警察署、交番、駐在所の新築や耐震化を図っていますが、大規模災害などの発生において拠点機能が発揮できないとなれば、警察活動そのものも停滞し、治安活動への影響が危惧をされます。県民の安全・安心の確保のためにも早期に新築、耐震化を進めていく必要があると思いますが、能登半島地震を目の当たりにしての交番、駐在所をはじめ警察の施設整備の方針と計画の推進について、警察本部長にお伺いをいたします。  さきに、滋賀は石川県能登町への支援を行っていると述べましたが、その石川をはじめ福井、富山、新潟がいわゆる北陸圏と言われます。その北陸圏と中部圏は滋賀が結節をしているとしています。  そこで、次に、北陸圏、中部圏の活用について、知事に問います。  さきの防災の質問でも触れましたが、本県は関西広域連合という特別地方公共団体に参画し、現在、三日月知事が連合長として指揮を執っておられます。この連合議会の副議長には今は亡き岩佐議員が就任されておられましたが、道半ばの思いを、現在、川島議員が引き継いでおられます。関西広域連合も設立から既に14年目を迎え、本県も2億円余りの負担金と人的派遣を行って、関西区域における課題解決のため、具体的な事業に取り組んでいます。  一方、さきに申し上げましたが、滋賀の地理的環境を語るときの紹介は、近畿、中部、北陸の3つの各県の結節点にあるとし、それぞれ歴史的、文化的、経済的に深いつながりがあるとしています。しかし、県政推進としての位置づけからすれば、この深いつながりをどのように生かすか、そして、そのために何をするかであります。  近畿圏では、今申し上げましたように、関西広域連合で予算措置を行って具体的な事業を実施しています。一方、中部圏、北陸圏にあっては、知事会という組織での活動と、本県の考え方としてある、あくまで連携のための指針があるのみです。  そこで、改めて伺いますが、昨年3月策定の指針では中部圏、北陸圏との広域連携の必要性がますます高くなってきているとされ、また、その対応には効果的な体制の構築と具体的な実施が求められるとしています。ならば、中部圏、北陸圏に対し、県としての取組も、関西広域連合を意識して、指針を基に当面の連携推進計画を示し、そのための予算等も確保するような積極的な広域行政を推進するべきではないかと思いますが、知事の考えを伺います。  その連携の必要性が高まる中での能登半島での地震であります。いち早い防災支援の行動もその一つと理解しますが、また、既に隣接する福井県との間においては具体的な課題へも対応されています。その一つが、3月16日にいよいよ開業される北陸新幹線の敦賀への延伸に当たってであります。  改めて地図を広げてみますと、これまでの東京から米原までの東海道新幹線を利用しての移動に対し、東京から長野経由の敦賀までの新たな移動ルートが開通したことは、利便性もさることながら、災害時などの代替ルートとしても重要な開通であります。が、やはり現時点で残念なことが、結節点という滋賀県としては、敦賀と米原が新幹線でつながっていない点であります。  そのため、三日月知事も先頭になって、さらなる利便性向上の要望活動を行っていただいていることは承知をいたしております。それが、かねてからJR西日本に対し、北陸地域とのアクセス向上に向けた敦賀─米原間を結ぶ速達性の高い列車、いわゆるリレー快速の運行です。この後の質問にも関連しますが、北の近江振興を唱えるならば、新たな快速運行に当たっては長浜市内の駅にも停車させることに県としても取り組むべきではないでしょうか。このことも含め、敦賀─米原間のさらなる利便性と北部振興の視点を踏まえたリレー快速の実現性と、今後どのような取組を展開されるのか、お伺いをいたします。  この質問の冒頭に触れました北陸圏、中部圏の県としての活用こそが、私は北の近江振興プロジェクトにとっても、県の責任としてやるべき重要な点ではないかと思います。広域連携の指針は県の基本構想の実現を見据えたものとされていることからも、深いつながりをどのように北部振興に生かすのか、そのためには具体的に何をするかであります。
     知事は、3期目スタートの記者会見で、人口減少が続く県北部地域の振興に力を入れると表明されました。一方、人口減少を見据えた取組は、国の地方創生の基本的な方向であるまち・ひと・しごと創生総合戦略を踏まえ、県としても、人口減少を見据えた未来へと幸せが続く滋賀総合戦略を策定し、事業を展開してきています。既に戦略も策定から10年が経過し、北部地域も含めた様々な事業が行われてきましたが、そうした取組を行ってきたものの、北部地域の人口減少が顕著となっている点やその原因などをどのように分析をされておられるのか、今後、県の総合戦略に北部振興に係る考えを明確化をされることはないのか、あわせて、北陸圏と中部圏を北部振興に生かすことの考えや具体的な取組方針も伺います。  北陸圏の中でも地震災害が大きかった石川県でありますが、特に心配をされるのは子供たちであります。  そこで、次に、(仮称)滋賀県子ども基本条例について、知事に問います。  民間の調査でありますが、2025年に卒業予定の大学や大学院生へのアンケートで、19.2%、実に5人に1人が子供は欲しくないと思っているという結果が報道されていました。驚きとともに、少子化の奥深い課題を感じずにはいられません。  少子化は、様々な原因が複層的にあり、単純な課題ではありませんが、知事が全国知事会において子ども・子育て政策推進本部長を務めておられることや、この4月からは県の組織に子ども若者部を新たに設置されることは、若者と言われる時期に子供を授かるということについて、様々な視点から新たな施策として取り組まれるものと大いに期待するところであります。  そこで、初めに、さきのアンケートへの感想と、新しい部を設けられますが、県の少子化対策について、どのような視点で取り組まれようとされているのか、お伺いをいたします。  さて、国においては昨年12月に、我が国の子供施策に関する基本的な方針や重要事項等を一元的に定めるこども大綱こども未来戦略等が閣議決定をされました。そこでは、安心して子育てができる社会、子供たちがいかなる環境にあっても分け隔てなく大切にされ、育まれ、将来にわたり、笑顔に満ちあふれ、幸せに暮らせる社会の実現に向け、子供の権利の保障や、子供や若者の視点を尊重し、その意見の反映や社会参画を促進する旨が示されています。  知事は(仮称)滋賀県子ども基本条例の年内制定を目指す方針を力強く示されています。その基本は、子供、若者は保護され、愛情を持って育てられる対象であると同時に、権利を有する個人として尊重される存在であることから、その主体性を育むことが重要であると認識をします。  そこで、現在、検討が進められている(仮称)滋賀県子ども基本条例に関して、提案説明では子供や若者の意見が施策等に反映できる仕組みの導入を目指すとされましたが、改めて、県が制定する条例の目的と、加えて、滋賀県らしさということも検討されているのか、現在の検討状況と提案時期の見通しについて伺います。  子供の権利という点から、現在、県においては、子供の教育を受ける機会の保障に関連して、不登校の状態にある子供が安心して学び育つための、しがの学びと居場所の保障プランの策定に向けた検討が進められています。検討中のプラン案では、学校は学習機会と学力を保障するという役割のみならず、発達、成長を保障する役割や人と安全につながることができる居場所、セーフティーネットとしての福祉的役割など、重要な機能を担っているとあり、不登校にならない、不登校になっても戻ってこられる学校であることが大切であると認識します。  そこで、県としては、いわゆる不登校の状態にある子供たちへの対策について、どのような体制で、何を重点に置き、どのように取り組まれていかれるのか、知事のお考えを伺います。  この項の最後に、令和6年度の子供施策についてでありますが、さきに述べましたように、来年度の組織改編で子ども若者部を新たに設置するとして、条例改正案も提案されています。あえて申し上げるならば、子供や若者の施策は、その一人一人が主役であり大切な存在であるという、重ねて、子供は宝であるということを基本として推進される組織になることを願っております。  それは、子供、若者が対象となる施策は多岐にわたります。福祉、教育という枠組みはもとより、学ぶところが公立であれ私立であれ、それを問わず、また、日本や地域社会の将来を担う若者の社会参画活動への促進などを見据え、様々な視点からの施策を展開していくことが必要であると考えます。新たな組織、子ども若者部においては、全ての子供や若者が自らの希望に応じてその意欲と能力が発揮できるような、子供、若者に関する施策をどのように推進されていかれるのか、新たな部の権限や責任、予算の在り方も含め、子ども・若者施策への知事の決意を伺います。  子供、若者は、生まれたときから30歳未満とのことであります。義務教育が終わると、一歩、大人に近づくわけでありますが、現在、多くの中学生が高等学校へと進学いたします。  そこで、次に、魅力ある県立高等学校について、知事と教育長にお伺いをいたします。  初めに、能登半島地震で被災された石川県珠洲市、輪島市、能登町の3市町では、学習機会を確保するため、中学生の集団避難となりました。特に高校入試を控えている生徒さんへは、実力が発揮できる環境を関係者によって一刻も早く整えられるように祈るばかりであります。  本県の高校の入試であります。明日2月20日から県立高等学校の一般選抜の出願申請受付が始まります。多くの中学3年生にとって、希望の高校に入れるのか、人生の大きな節目と言っても過言ではありません。県内の中学校、義務教育学校などの今年の卒業予定者は1万3,968人で、前年同期に比べて67人増加ということであります。その中で、高等学校への進学志望率は99.3%ということであります。また、県立の全日制高等学校の募集定員に対する平均志望倍率は1.04倍となっているということでありました。今後、学力検査が3月6日、入学許可予定者の発表が3月13日となっており、受験される皆さんにはそれぞれ志望校への入学がかなうことを願っております。  その入学選抜の方法が、現在の中学1年生が受験する令和8年度の入試から変更をされます。入試改善協議会からの報告を基に県教育委員会において決定されましたが、まず、今回の高校入学者選抜方法の変更の概要と、受験者の立場に立ったとき、何がどのようによくなったのか、これは教育長にお伺いいたします。  その県立高等学校にあっては昨年3月に魅力化プランが策定をされました。令和6年度当初予算にもこのプランに沿った数々の事業が予定をされていますが、魅力化には、現にその学校の学校長の思うところや熱意によって左右されることが懸念をされます。  そこで、改めて、高校の魅力化とは何か、また、各高等学校の魅力化の継続的推進には組織面にも気になるところでありますが、各学校での権限や継続性について、教育長の考えを伺います。  高校の魅力化は、その高校を希望する生徒が入学できるかという点でも、今回の入学者選抜の変更がどのように果たすのかが気になります。また、入学者選抜の変更は、魅力ある学校づくり、ひいては意欲ある生徒の入学への効果も期待されるところでありますが、加えて、生徒数にあっては相対的に、この先、減少が続くことは間違いのない事実です。県立高等学校の設置者である知事として、また、「子ども、子ども、子ども」という、子供を真ん中に置く施策を柱に据えた政策に取り組む知事として、入学者選抜の変更と、生徒数が減少する中での魅力ある高等学校づくりについての思いを伺いたいと思います。  高等学校時代は、学生にとってはその先の歩む道を決めるための重要な時期であると同時に、県の政策的には将来を担う人材の育成という取組にもつながります。その一つが医療福祉拠点の人材養成機能であります。  そこで、次に、医療福祉拠点の整備推進について、知事に問います。  医療福祉拠点という提案が示されたのは平成26年9月であります。既に10年が経過しようとしています。昨年6月定例会議の総務・企画・公室常任委員会において、拠点整備に関連する補正予算に対して、令和9年4月供用開始を守ることなどを求めての附帯決議がなされました。教育会館に係る訴訟があったとはいえ、あまりの時間の経過は、その目指すところが非常に分かりにくくなっています。また、厚生会館に代わる(仮称)第二大津合同庁舎の整備が明らかになる一方で、教育会館の撤去に対する公費投入という特異な結果を受けての整備は、やはり大きな説明責任が伴うものであります。  そうした中、今議会、知事の提案説明において、人材養成機能について当初計画の令和9年4月の供用が難しい旨を明らかにされました。改めて、人材養成機能の整備が遅れる要因について伺いたいと思います。  このプロジェクトの分かりにくい点は養成する人材が途中で変更された点にあります。それでも、幸い、これまでの市場調査において、民間主体の拠点整備は、まだ課題はあるものの可能性が確認されたと思います。一方、その少子化の進展などによる学生確保は大きな課題になることも想像はできます。  知事は、市場調査において、人材養成機能を担う事業者、すなわち大学側から県における支援を求める声があることを示され、県立総合保健専門学校も含めた県全体の養成の在り方について、県が主体的に検討、調整を進めることを明らかにされました。そこで、県全体の養成課程の在り方の検討、調整については具体的にどのような方向性で、いつから始めようとされているのか、お伺いをいたします。  次に、医療福祉拠点のもう1つの機能であります医療福祉センター機能についてであります。  その機能を持つ(仮称)第二大津合同庁舎は予定どおり令和9年4月の供用開始とされていますが、健康危機管理事案や厚生会館の老朽化への対応から考えますと、着実な整備を求めておきたいと思います。  昨年7月に作成されました整備基本計画では、滋賀県医師会をはじめ31の団体が入居予定とされています。入居機関があればこそ、その機能が発揮されるものと理解しますが、この医療福祉センターの必要性や目的と具体的な機能について、これは改めてお伺いをしたいと思います。  そもそもこの計画の発端はこの土地の利活用から始まっています。平成21年当時、県庁周辺の複数の県有施設の活用方策を、県立大学に委託して調査研究されています。その後、地元大津市とも、にぎわい機能の整備手法などを検討し、平成25年にNHK大津放送局の移転新築のために、旧滋賀会館の敷地が売却をされました。  そこで、この項の最後に、医療福祉拠点を含むにぎわいの創出に係る民間活用の可能性と、このプロジェクトにかける知事の決意を伺いたいと思います。  専門的な人材育成はこうした拠点において行われますが、子供の頃から仕事ということに触れる機会をつくることも大切であります。やまのこ、うみのこ、たんぼのこなど、子供が自然に触れる機会は農業や林業、水産業の大切さを感じてもらう機会でもあります。  そこで、次に、第一次産業の振興について、知事に問います。  将来の日本の農業にとって極めて重要な国会が開会をしました。食料・農業・農村基本法の改正であります。農は国の基なりという言葉を耳にします。国の発展は農が支えるものである。この考えは、古代国家から江戸時代、そして明治、昭和を迎えても変わることのない国の原理であったと言われています。が、残念ながら、平成から令和となり、この考えが薄れかけてきているように思えてなりません。こうした中で起こったウクライナ危機による小麦の高騰や肥料の高騰であり、突然の高騰で右往左往しているのがその姿であります。  現行基本法の制定から今日までの間の本県農業の足元の状況を見ますと、耕地面積は約10%減少、農業産出額も約25%減少しております。また、集落営農法人等への農地の集積、集約を推進した結果、10ヘクタールを超える経営体が増える一方で、2ヘクタール未満の経営体は半減し、農業従事者の年齢構成は65歳以上が増えており、この傾向は今後も続くと想定されます。  しかし、農の本質とは、安全で機能性の高い食を適正な価格で過不足なく供給すると同時に、農業の生産過程を通して環境を保全し、自然資源を育み、もって人々の健康を守ることにあるはずです。また、水産業や林業も、様々な課題はありますが、全て持続させなければならない産業であります。  そこで、まず、知事が年頭に申された第一次産業、滋賀の農林水産業について、県の経済や県政推進の中でどのように位置づけて振興を図ろうとされておられるのか、知事にお伺いをいたします。  今回の法改正は、持続的な供給に要する合理的な費用、すなわち農産物の価格に対する考えがどのように位置づけられるかが農家にとっても気になるところであります。本県の農畜水産業も、肥料、飼料の価格、また、電気料金の高騰が進む一方で、生産物価格への転嫁はしにくい状況にあります。県として独自に、肥料をはじめとする資材費価格高騰対策を実施していただいていることは知事の農林水産業への危機感の表れと高く評価するものであります。  価格転嫁の議論は今後の国会を見守りたいと思いますが、付加価値をつけること、これは県の責任において行わなければならないものであります。全国に先駆けて環境こだわり農業に取り組んできましたが、滋賀から始めたにもかかわらず、特別の付加価値が今あるかというと、残念ながらそうではありません。そこで、環境こだわり農業をさらに一歩進め、オーガニック栽培を推進しています。ただ、一方で、作り過ぎても付加価値には結びつきません。ブランド化は、単によいものをつくるだけ、PRをするだけ、生産を増やすだけでは成功には結びつきません。付加価値対策の県としての責任や役割、これまでの環境こだわり農業の付加価値対策の現状や結果も踏まえ、滋賀の農産物の付加価値化やブランド化について、農家が「よし、共にやろう」と元気が出る方針や考えを知事にお伺いしたいと思います。  それに併せて、県の責任として重要な取組の一つが昨今の気象変動に対応した地域の銘柄となる作物の新たな品種の育成であります。このことは、気候変動の影響や生産技術の向上によって、これまで作付さえも難しかった北海道での水稲作付が本格的になるなど、各作物の栽培の限界が北上してきていることに注視しなければなりません。近江米のきらみずき、また、イチゴのみおしずくは長年の研究の成果であり、提案説明でも述べられましたように、ブランド農産物として育てていってほしいと思います。  しかし、農業分野の開発も早いスピードで動いております。民間の種苗開発においては、先端技術を用いて育種改良時間の大幅な短縮を行っています。ある県では、サクランボの超大玉品種の育成や新たなニーズに合ったブドウの品種改良を目指して戦略的な品種改良が進んでいます。県も既にその先を見据えた研究に取りかかっていただいているとは思いますが、将来の滋賀の農業の発展につながる品種改良や新たに生産可能な作物、また、育成に係る技術開発について、その重要性の認識と、どのように研究開発に取り組むのか、知事にお伺いをいたします。  ここで、森林政策について取り上げます。  第一次産業の中でも林業は、木材利用で産業化を継続するとともに、国土の3分の2を占める山林の水源涵養機能の維持といった多面的な視点での取組が必要であります。また、高齢化対策として、後継者への新しい知識や技術への適応など高度なスキルが求められていることから、森林林業の人材の育成を図る滋賀もりづくりアカデミーが開設をされました。また、経営基盤の強化を図ろうと、県内にある6つの森林組合が合併して、新たに滋賀県森林組合を発足させるための調印式が1月16日に開催をされ、既に各組合で承認をされたと聞いております。  提案説明でも魅力ある新しい林業の構築を目指すとされましたが、林業振興上、森林組合の合併についてどのように評価をされ、県として、今後どのような支援を行っていかれるのか、お伺いをいたします。  また、森林政策で忘れてはいけないのが造林公社の運営であります。その歴史は、昭和30年代、高度経済成長期に、経済発展に伴って建築用材などの木材需要が急増し、木材需給が逼迫していたため、成長の早いスギやヒノキなどの針葉樹に転換する拡大造林が積極的に進められたことに始まります。しかし、残念ながら経営面からは芳しくない状況となり、自力による経営改善は困難と判断した平成19年11月に特定調停を大阪地方裁判所に申し立てました。本県は、日本政策金融公庫に対し、総額690億円の債務を免責的債務引受けにより引き受け、毎年27億円余りの償還金を負担しています。また、平成23年3月に成立した特定調停によって、956億円もの債務減免を受けて今日に至っています。調停では、公社の将来にわたる債務弁済額、これは平成27年から80年度の予定でありますが、債務弁済額を約188億円と見込んでいます。しかし、昨今、自然災害などの山林の荒廃が進み、今後の経営が懸念されるところであります。  なお、特定調停時に造林公社の取組を共に支援する立場を取られた兵庫県では分収造林の事業の在り方を抜本的に見直されていると伺っています。また、最近は、航空レーザー計測により、より正確な森林解析をされたと仄聞しますが、特定調停から今日までの造林公社の取組の評価と、今後の課題やその取組方針についての考えを知事にお伺いをいたします。  ここまで、第一次産業についての質問でありました。  滋賀県はものづくり県と言われるように、第二次産業は全国的にも高い位置にあります。しかし、残念ながらダイハツによる企業倫理を疑う事件が発生をしました。関連企業への支援等については、また常任委員会等に審査を委ねるとして、第三次産業に係る施策について取り上げたいと思います。  そこで、次に、東京日本橋に開設した「ここ滋賀」の今後について、知事に伺います。  地方創生で東京一極集中に歯止めをかけようとの取組はそう簡単なことではありません。県も平成29年から、移住施策として東京に相談センターを開設しました。また、同年の4月には全国、世界から選ばれる滋賀を目指すとして、首都圏におけるネットワーク強化の取組などをこれまで以上に展開するとともに、滋賀の魅力を効率よく継続的に広く発信できる東京の活動を強化しました。その一つが東京本部であると理解をします。また、その年の10月には、首都圏における滋賀県の情報発信の拠点として、「ここ滋賀」が近江商人ゆかりの地である東京日本橋に開設され、今日に至っています。この運営は公募による民間企業に委託しており、成果は民間の手腕によるところが大きいと思います。我々も東京に出向くときがよくありますが、毎回、建物や店舗、街までが少しずつ変化しているように思えてなりません。それだけ東京は情報による変化が激しいところだと思います。  東京本部と「ここ滋賀」の設置から7年目を迎えるわけでありますが、東京というマーケットや、また、ヒト、モノ、情報の流れなど、この両機関設置から今日までの間の変化をどのように感じておられるのか。また、全国、世界から選ばれる滋賀のため設置した両組織のミッションはどのように果たされているのか、これは知事にお伺いをいたします。  さて、「ここ滋賀」は滋賀の情報発信拠点であります。かつて東京駅八重洲にあった、全国の都道府県が入った観光物産センターが時代の流れでなくなり、滋賀県も有楽町駅の東京交通会館の2階、東京パスポートセンター近くに観光案内コーナーが設置をされていました。その充実を目指して、知事が決断をされたのが今の「ここ滋賀」であります。その運営における取組は、店舗での催事や物販での情報発信、滋賀への観光誘客のための情報提供、百貨店や企業等での拠点外販売、さらには首都圏での新たな販路拡大などに取り組んでいると承知をしています。ただ、物産に限ってみれば、近くには日本橋高島屋やECサイト、また、ふるさと納税の返礼品などから手に入れることもできます。店舗を生かしたさらなる工夫が求められるのではないかと思います。  また、日本橋という立地を考えたとき、周辺には多くの企業があり、ビジネスパーソンのみならず様々な人の往来も激しい場所にありますが、重要なことは、固定された店舗や場所にあっては、その店舗自らが常に新鮮に感じられるような変化と魅力が必要だと思います。来店者にとって、「ここ滋賀」の魅力をどのように創造していこうとされているのか、また、情報発信において、よりミッションに応えるための課題や方針について、知事の見解を伺います。  ところで、最近、アンテナショップをめぐっては大きな環境変化があると仄聞をいたします。さきに述べましたが、東京への一極集中はまだ進んでいます。その中で、宮城県のようにアンテナショップの運営から撤退を表明している自治体もあれば、新潟県のように設置場所を移転する自治体や、また、都会では味わうことができない地方の豊かさを体験できることをコンセプトとする新たなショップも生まれている、このような報道もあります。また、日本橋は100年に一度とも言われる再開発が進んでおり、観光客やインバウンドを含め、今後、人の流れも大きく変わることが予想されます。  拠点の賃貸借契約は令和8年度末までですが、滋賀から首都圏に向けた販路拡大と、首都圏から滋賀に向けた観光誘客という機能を持たせている「ここ滋賀」の令和9年度以降を見据えた今後の戦略について伺います。  実際、「ここ滋賀」の情報によって滋賀に来られた方もあるでしょう。来県の目的は様々であります。安土城址の発掘で、本能寺の変の後、人為的に城を壊す破城が行われた可能性があると分かったというような報道によりまして、現に文化財に興味をお持ちの多くの方が県外から来られているようであります。  そこで、次に、文化振興について、知事に問います。  平成21年に制定された滋賀県文化振興条例の前文にはこのようにあります。「先人から脈々と受け継がれてきた地域の特色ある伝統的な文化と、それぞれの時代を生きる人々の感性や国内外の交流により創造されてきた新たな文化、これらが滋賀の個性ある文化を形成している」とうたわれています。すなわち、歴史ある文化の継承はもとより、今日もどこかで新しい滋賀の文化が芽生えており、それが滋賀の個性ある文化へと育っていくことが期待をされています。文化は過去と現在を結び、また、現在から未来につながるものとの認識であります。  しかし、条例にある脈々と受け継がれてきた文化、特に祭りや伝統といった有形無形の文化財の継承に黄色の信号が点滅しているように思えてなりません。これは、相対的な人口の減少と超高齢化、そして少子化の中で、条例にある「受け継ぐ」ことができなくなってきているという大きな課題であります。  そこで、歴史、風土等に培われてきた有形および無形の文化財、その他の地域において継承されてきた文化的資産の保存および活用を図るという条例を踏まえたとき、文化的資産を保護し受け継ぐという点において、滋賀の現状認識と文化的資産を守るということに対する使命感について、知事に伺いたいと思います。  その使命感の上に立ってでありますが、文化財の保護については文化財保護法を柱に取り組まれています。また、法による指定を受けた文化財以外の文化財で県にとって重要なものは滋賀県文化財保護条例の下で保護や活用への施策が行われていると承知をいたします。  そこで、条例に基づく有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物および伝統的建造物群において、県にとって重要な文化財の考え方と指定の状況、また、今後の新たな指定に向けての見込みや方針について伺いたいと思います。  こうした文化も最初は新たに生まれたもので、長い年月をかけて育まれて今日に至っているわけでありますが、生まれたときの対応によっても、その後の文化への進展は大きく左右するものと思います。  そこで、県立美術館です。リニューアルをされ、新たに館長も迎えて、今こそ県立美術館の新たな文化をつくる重要なときにあると考えます。美の魅力発信プランの見直しの中でも検討がなされていますが、美術文化の継承にも、民俗文化同様、子供が深く関わってこそ将来への展望が開けるものと考えます。幸い、知事が子供を真ん中に置く施策を打ち出しておられる今、県立美術館でもそうあってほしいと思うのであります。  そこで、これからの美術館文化の創造に向け、子供に視点を当てた県立美術館の今後について、知事の考えをお伺いしたいと思います。  また、令和9年12月の開館を目指して新しい琵琶湖文化館の整備が始まっています。歴史ある現文化館も、そのものが滋賀の文化であり、形は変わりますが、文化であればこそ、その継承も重要な取組であります。  こうした滋賀の文化に関連して様々な動きがある中で、知事は突如として水中遺跡についての魅力を発掘と、年始の職員向け挨拶でも述べられました。  3年前になりますが、長浜城歴史博物館では企画展「葛籠尾崎湖底遺跡─深湖に眠る水の宝」が開催をされています。1924年──大正13年に地元漁師が土器を引き上げたことで知られることとなった湖底遺跡であります。また、ふだんは水中にある石垣が琵琶湖の水位低下で姿を現すことで知られる坂本城址でも新たな発見がありました。坂本城に関してはまたの機会にするとして、知事が新たに取り組むとされた水中遺跡の魅力発掘、発信について、市町の連携や県の役割など、また、文化財保護条例等も踏まえて、今後どのような方針を描いておられるのかをお伺いしたいと思います。  文化財も活用の時代であります。多くの文化財で滋賀に多くの観光客を迎え入れたいものであります。そこで、その来県者、観光客が利用される公共交通機関についてであります。  質問の最後に、地域交通ビジョンについて、知事にお伺いをいたします。  県は、2040年代を見据えて、誰でも行きたいときに行きたいところに移動できる持続可能な地域交通を掲げて滋賀地域交通ビジョンの策定を進めています。2040年というと16年先であります。もう16年しかありません。本県は、全国でも人口増加県として人口の維持を保ってきました。それは県南部の地域の増加によるものであり、県北部をはじめその他の地域は刻々と人口減少が進んでいます。昨年末、国立社会保障・人口問題研究所がまとめた地域別将来推計人口では、滋賀県は13.5%の人口減となり、122万2,000人余りになるとの推測でありました。そのうち65歳以上の高齢化率は36.7%に上昇するとされています。  ビジョンで地域を分類した形で考える、この考え方は必要だと思います。気になるのが、利用する者について人口密度での戦略を示していますが、推測できる高齢化率は地域の生活構造が変化することからも重要な視点ではないでしょうか。  そこで、初めに、今回策定の地域交通ビジョンは、人口減少や高齢化への戦略であります人口減少を見据えた未来へと幸せが続く滋賀総合戦略では、どのような位置づけとなるのかを伺います。  ビジョンの理念には、福祉、教育、文化、観光、企業誘致、さらにはCO2ネットゼロ社会の実現など社会を支える重要なインフラとされています。この中で観光については、令和4年は4,500万人余りが本県に観光客として来られました。しかし、来られたものの、県の観光客入込調査では交通手段の調査がございません。この調査がないのはいかがなものかと思いますが、これでは来県者から見た県の交通の利便性をはかることができません。近江鉄道をはじめ既存の交通を守るためには、人口減少の中で利用者を増やすためには、今の4,500万人という規模の観光客による公共交通利用は大変重要であります。インバウンドなどの国外を含め、観光促進の観点における地域交通の在り方、これについて、知事のお考えをお伺いしたいと思います。  さて、そのビジョン実現における財源であります。  確かに令和4年4月20日の滋賀県税制審議会による「地域公共交通を支えるための税制導入の可能性について」の答申によれば、「滋賀交通ビジョンの見直しと並行して、地域公共交通を支えるための税制の導入に向けて県民とも議論を行い、新たな税制を設けることに具体的に挑戦するとともに、もって、議論のプロセス自体を通じて、よりよき自治を追求し、『変わる滋賀 続く幸せ』の実現につなげていくことを提言する」と述べています。ここで申し上げなければならないのは、答申には交通税という言葉はないということです。単に交通とすれば、自転車から自家用車、鉄道や航空機までを認識してしまいます。答申では「地域公共交通を支えるための税制」とあり、課税方式についても「既存税目への超過課税を基本としながら」とされています。知事の公約には交通税の検討ということがあったと思いますが、ビジョンにおける財源の検討には審議会の答申にあった正確な言葉で県民とも議論すべきではないかと考えますが、知事にお伺いいたします。  ビジョンには目指す姿を地域別に、また、3つの整備レベルを示しています。かかる経費も表記しています。本来、どの地域にあっても誰でも行きたいときに行きたいところに移動ができる交通体系を目指しますとされるビジョンになるのではないかと思います。その思いからか、提案説明では、地域に最適化した移動手段の検討を進め、(仮称)地域公共交通計画を策定するとされました。しかし、厳しい状況にある公共交通を担っていただいている事業者の経営方針などの将来展望は重要な要素となります。地域公共交通計画の策定について、どのような手順や方法で、いつまでの策定を予定されておられるのかを伺いたいと思います。  既に、公共交通の維持のために各地域のコミュニティバスなどの支援等、一定の財源を県は負担をしています。今後、新たに近江鉄道の上下分離化が始まり、県の負担も増えます。新たな財源については県の長期財政の見通しの議論も併せて行う必要があるのではないかと考えますが、地域公共交通を支えるための税制の議論の具体的な進め方についても伺いたいと思います。  財源もさることながら、大阪・関西万博には空飛ぶ自動車が登場いたします。新しい交通手段も併せて検討すべきではと思います。  条件つきではありますが、2024年4月よりライドシェアが部分解禁されようとしています。過去、日本においても過疎地域や福祉目的で認めていた自家用車有償旅客運送を拡充するもので、都市部や観光地などタクシーが不足する地域や時間帯に限り、タクシー会社の管理下で導入を認めています。今回の規制緩和はタクシーやドライバーの不足や観光対応ですが、今後はIT企業などを念頭に、タクシー会社以外でも参入できる法整備に向けて議論が行われるものと予想されます。滋賀県のような地域におけるサービス向上や、タクシーやドライバーの不足改善、過疎地域における交通不足の改善など、将来にわたる公共交通の毛細血管を担う大きな役割がここにあるように感じます。  誰でも行きたいときに行きたいところに移動できる持続可能な地域交通を掲げるならば、滋賀県においても、公共交通の空白を埋める有効な手段として、早々に実験的にでも取り組んでみてはと思いますが、滋賀県版ライドシェア実現への今後のスケジュールを伺います。  以上、予算に始まりまして、質問の関連性も踏まえて、交通ビジョンまでの質問であります。それぞれの質問の意図を十分にお酌み取りいただいて、答弁をお願いしたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(奥村芳正) 29番加藤誠一議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)自由民主党滋賀県議会議員団を代表されての加藤議員からの御質問にお答えいたします。全部で10項目賜りました。順次、お答えいたします。  まず、当初予算案に関して、こちらは3点賜りました。  1点目、3つのテーマについてでございますが、「子ども、子ども、子ども」では、こどもまんなか社会の実現に向けて、健やかな育ちや学びの環境を充実させるため、医療費助成の高校生世代への拡充、県と市町がともに取り組むための交付金の創設、新たな子ども家庭相談センターの設置、特別支援学校の分離新設、不登校の状態にある子供の支援、教員業務支援員の配置などを盛り込んでいるところです。  2つ目の公共交通についてでございますが、地域公共交通は、県民福祉の向上や経済活動、健康まちづくりの基盤であり、大変重要だと捉えております。そのため、滋賀地域交通ビジョンで目指す姿の実現に向けた具体的な施策の検討を行うための予算を盛り込んだところです。あわせて、広く負担を分かち合う仕組みとして、地域公共交通を支える税制度、いわゆる交通税の検討も深めてまいりたいと存じます。  3つ目、琵琶湖、水、やま、農林水産業の振興の分野では、改めて、水のつながりや恵みに思いを寄せた施策づくりを検討いたしました。MLGsのさらなる発信、農山村の活性化や、やまの健康2.0の取組、世界農業遺産琵琶湖システムを生かす取組、きらみずきやみおしずくのブランド化などの農林水産業の振興を進めていきたいと考えております。  2点目、令和6年度当初予算にかける思いについてでございますが、知事就任から10年、SDGsの宣言や健康しがを掲げ、社会、経済、環境が調和した持続可能な滋賀の実現を目指す中で、コロナ禍を経験し、世界情勢の緊迫化、物価高騰、異常気象等に加えて能登半島での震災もございました。未知の変化に直面し、不安な状況にあっても、今あることにしっかりと目を向け、共に生きること、未来につなぐことに思いを込めて予算を編成したところです。  3期目は、特に子供をすべての施策の中心に据えることを掲げてスタートし、来年度の当初予算案には子ども施策の充実に向けた取組を盛り込んでおります。3期目就任直後に始動いたしました県北部地域の振興もプロジェクトを拡充、また、大阪・関西万博や国スポ・障スポ開催に向けた取組を重点テーマとして盛り込むなど、3期目折り返しを前に、これまでの積み重ねを踏まえて、今できることを予算案に込めたと考えているところです。  世界の動向に目を向け、変化に対応しながら、悩みや苦しみに直面しても、力を合わせて共に生き、共に「健康しが2.0」をつくるという思いで編成した予算案を県民の皆様にお届けし、未来につないでまいりたいと存じます。  3点目の、財政健全化に向けた決意についてでございますが、まず、今後の本県経済の見通しにつきましては、緩やかな回復基調にある一方で、一時的な企業業績の鈍化や海外景気の下振れなどのリスク要因も懸念されており、新年度予算案においては3年ぶりに県税の減収を見込んだところでございます。また、県財政につきましては、令和7年度以降、財源不足額の縮小が見込まれますものの、大規模事業に係る県債の償還の本格化や財政調整基金の残高減少が進むこと等を踏まえますと、引き続き、厳しい状況が続くものと考えております。  こうした中、今回の予算編成におきましても事業見直しによる財源のシフトに早い段階から取り組み、一定の収支改善につなげることができましたが、将来の収支見通しを大きく好転させるところまでは至らなかったと考えております。このため、来年度、全庁統一的な方針の下、さらなる歳入確保や、有効性、経済性の観点からの事業見直しなど、もう一段踏み込んだ検討を集中的に行い、財政健全化につなげてまいる所存でございます。  続いて、大きな2項目め、こちらは防災対策ということで賜りました。6点頂きました。私には、うち3点でございます。  1点目、被災地に出向くことについてでございますが、現地を訪問することは、被災地への支援はもとより、本県の地震防災対策や南海トラフ地震での広域的対応に生きてくるものであり、訪問したいとの思いもございますが、被災地の状況等を十分見極め、判断したいと考えております。  派遣した職員からは、仮設トイレは狭く段差もあり、高齢者は使いづらいでありますとか、非常食中心の食事で栄養の偏りがあったなどの報告を受けており、被災された方や地域によって異なる様々なニーズにきめ細かに対応した支援が必要であると感じております。また、近年、大規模災害がなく、受援の経験がない本県が、今回、統括支援団体として能登町に対する支援の取りまとめを経験する中で、改めて、受援力の向上が急務であるとの認識を強くしているところでございます。  2点目、防災プランの改定における視点等についてでございますが、能登半島地震は活断層のずれにより発生したもので、斜面崩壊や液状化など大きな被害が発生しております。本県におきましても琵琶湖の周りに多くの活断層が分布しており、平成26年3月に見直しました滋賀県地震被害想定におきましては、例えば琵琶湖西岸断層帯による地震発生時には、大津・高島地域の山間部で崖崩れや盛土崩壊による道路の通行不能、孤立集落の発生などの被害を想定しているところであります。  こうした被害想定や能登半島地震への対応から得られた教訓を基に、防災プランの見直しに当たりましては、1つは複数の輸送手段、2つ目にライフライン途絶時の例えばトイレなどの避難環境、そして3つ目といたしまして、高齢化の進展を踏まえた自助と共助、そして、4つ目は迅速かつ的確に対応できる受援、この4つの視点が重要になってくると考えております。
     3点目、防災プランの見直しの手順等についてでございますが、既に派遣職員からの報告等を受け、課題の洗い出しなどに着手しているところです。今後、復旧復興期にかけての教訓や課題も整理いたしまして、庁内での検討を進めるとともに、連携して被災地を支援いたしました市町や学識経験者等の御意見も聞きながら見直しを行ってまいります。  また、プランの見直しと並行いたしまして、新年度当初予算案では、道路寸断時の対応としての湖上輸送の検討や道路啓開計画の策定、高齢化の進展を踏まえた県民意識調査を実施し、その結果をプランに反映するとともに、避難環境改善のためのトイレトレーラーの導入や県の災害対応能力の向上のための非常用電源設備の強化などに取り組んでまいりたいと存じます。これまでの災害や訓練で得られた課題や教訓に加え、今回の能登半島地震の教訓もプランに生かしまして、着実に実行することで災害に強い滋賀をつくってまいりたいと存じます。 ◎警察本部長(中村彰宏) (登壇)防災対策について、私に頂きました3点の御質問にお答えいたします。  まず1点目の、警察災害派遣隊の現地での活動と教訓についてお答えをいたします。  県警察では、1月1日から本日までに、広域緊急援助隊をはじめとする警察災害派遣隊等延べ147人を派遣して、被災者の救出救助や安否不明者の捜索、幹線道路における交通規制、被災地域のパトロール、避難所における相談活動や防犯指導等を行っております。  今回の活動を通して、1人でも多くの命を救うためには、警察本部や警察署の災害警備本部がしっかりと機能し、迅速に情報を集約、分析した上で、少しでも早く部隊を投入することが重要であると痛感いたしました。  県警察といたしましては、災害警備本部の機能を強化するため、今後もマニュアルの不断の見直しや運用訓練を実施するとともに、県の各部局との連携を密にして、対応力の強化に努めてまいります。  2点目の、災害対策資機材等の整備の強化についてお答えいたします。  県警察では、これまでの大規模災害の対応を通じて得られた課題や琵琶湖を有する滋賀県の特性を踏まえて、警察用船舶やオフロードバイクなどを配備し、湖上輸送訓練等、地域の特性に応じた訓練も行ってきております。しかしながら、必要な装備資機材は、発生する時期や場所、建物の構造等によって変化するものと認識をしております。今回の経験では、部隊が自活するための水や食料等の補給や輸送、宿営するための装備の重要性を気づかされたところであり、今後も装備資機材の充実強化に努めてまいりたいと考えております。  3点目の、警察施設の整備方針と計画の推進についてお答えをいたします。  有事の際にも県民を守ることができるよう、警察施設の整備につきましては治安維持や災害対策の拠点としての役割を果たすことが重要と考えており、県内全ての警察署および交番、駐在所につきましては耐震補強と建て替え整備を進め、昭和56年に改正された建築基準法の新耐震基準を満たしているところであります。しかしながら、耐震基準につきましては、随時、見直しが行われており、また、大津北警察署をはじめ老朽、狭隘化した警察署や交番、駐在所もあることから、安全、安心の拠点としての役割が維持できるよう、建物および設備の機能強化を図っていく方針であり、これを計画的に進めてまいります。 ◎知事(三日月大造) 続きまして、北陸圏、中部圏の活用について、こちらは4点賜りました。  1点目、広域行政の推進についてでございますが、広域連携の指針では、1つは広域交通、2つは産業、物流、3つ目は観光、文化、スポーツ、4つ目として危機管理、5つ目は健康、医療、6つ目として環境の、6つの連携を進めていく分野と実施方針を定めているところです。  私が出席いたします中部圏知事会議や福井県、岐阜県との隣県知事懇談会のほか、それぞれの分野におけるプラットフォームにおいて連携施策を進めているところです。例えば広域災害時の応援受援体制に係る連携や伊吹山の獣害対策の検討、安土、関ケ原、一乗谷を巡る周遊スタンプラリーの共同実施など、必要に応じて予算措置を講じ、事業を進めているところです。  庁内におきましては、各部局の次長を構成員とする広域行政推進会議を設置いたしまして、広域連携施策について検討する仕組みとしておりますことから、今後も引き続き、この会議を活用いたしまして、実施方針に基づく取組状況の確認、課題の共有を行い、各部局が連携して、効果的かつ効率的に広域連携施策の推進を図ってまいる所存です。  2点目のリレー快速についてでございますが、特急しらさぎを補完するリレー快速の運行につきましては、JR西日本への要望はもとより、国からも後押しをいただけるよう国への政策提案も行っているところです。また、中部圏知事会でも、北陸と中京・関西圏等とのアクセス向上を図るため、北陸新幹線と在来線との結節性の強化や在来線の機能強化による鉄道ネットワークの充実について、国に対し、提言を行っているところです。  北陸本線につきましては、直流化に当たって県も多額の予算を投じたところであり、その実績も訴えつつ、リレー快速の実現に向けて粘り強く要望を継続してまいりたいと存じます。  また、敦賀─米原間に停車駅が設けられるためには、まずは乗降客数の増加が不可欠でありますことから、沿線市町とともに北陸本線の利用促進に努めてまいります。  3点目、北部地域の人口減少等についてでございますが、北部地域の人口移動の状況を見ますと、10歳代から30歳代で転出超過となっており、特に10歳代後半から20歳代で大幅な転出超過が生じている状況です。その要因としましては、進学先や就職先の選択肢が少ないということもあるのではないかと考えております。また、先日開催されました北の近江振興高校生サミットでの長浜北星高校の発表の中では、長浜市では、進学、就職で転出した若者のうち数年後に戻る人の数が減少している状況があること、また、様々な魅力がある一方で、交通の便が悪いことや遊ぶ場所が少ないことなどが報告されております。  総合戦略につきましては、現在、昨年12月に公表された地域別将来推計人口を踏まえて改定作業を行っており、今年度から本格的に取り組んでいる北部振興についても記載したいと考えております。  4点目、北陸圏、中部圏を北部振興に生かすことについてでございますが、県北部地域の振興に当たりましては、北陸圏と中部圏との結節点としての地理的な特性を生かし、県域を越えた取組や連携、関係人口の創出を目指した相互の交流も必要だと認識しております。このため、昨年10月には県から長浜市、高島市および米原市に呼びかけ、愛知県内で開催された移住フェアに共同で出展し、北の近江の魅力を発信したところです。また、国道365号栃ノ木峠道路の整備につきましては、福井県と合同で国へ要望活動を行ったところでもございます。  北の近江振興プロジェクトの目標である移住や関係人口の創出には近隣県との行き来を増やすことも重要であり、今後、北部3市の御意見も伺いながら、北陸新幹線敦賀駅の開業などの好機も生かし、近隣県と3市をつなぐ役割も果たしてまいりたいと存じます。  続いて、大きな4項目めの(仮称)子ども基本条例について、こちらは4点賜りました。  1点目、アンケートへの感想等についてでございますが、議員からアンケート結果の紹介をいただいたことから、全国のこういった状況も認識しながら、県として必要な施策を進めてまいりたいと存じます。  子供を産み育てるかどうかは個々人で御判断いただくことでございますが、県としては、まずは子供を産みたい、育てたいと考えている人の思いをかなえられるよう、さらには、できるだけ多くの人がこうした思いを持っていただけるよう、また、ロールモデルとなる世代の意識改革を含めて取組を進める必要があると考えているところです。そのために、結婚や出産、子育て支援だけではなく、経済的な安定のための雇用環境の整備やジェンダーギャップの解消、ワーク・ライフ・バランスの推進など様々な観点から施策を展開してまいりたいと存じます。  2点目、(仮称)滋賀県子ども基本条例についてでありますが、子どものために、子どもとともにつくる県政の実現に向け、子供を中心に置き、子供が幸せに成長し、大人が子育ての喜びを実感できる、こうした思いを県民の皆さんと共有し、一緒になって取り組むことを目的に制定するものでございます。  検討に当たりましては、子ども若者審議会を5回開催し、議論を重ねますとともに、アンケートにより、約1万1,000人の子供たちから、どうしたら意見を伝えやすいのかといった点について意見を頂いたところです。こうした取組も踏まえ、具体の規定につきましては、子供の権利を盛り込むとともに、子供の意見の聴取や反映、権利を保護する仕組みなどについて滋賀県らしさを打ち出したいと考えているところでございます。  今後も、議会の皆様はもとより、子供や若者、保護者、さらには子供に関わる関係団体等、幅広く御意見をお聞きし、丁寧に議論を行いながら、令和6年中の制定を目指して取り組んでまいりたいと存じます。  3点目の不登校対策についてでございますが、子供たちの状態が多様であることを踏まえ、分野横断的に施策を企画調整することが肝要であり、新たに設置する子ども若者部が司令塔となって、教育と福祉の観点から包括的に取り組む体制を整えたいと存じます。  取組に当たりましては、検討中のしがの学びと居場所の保障プランに基づき、学校を安心して学ぶことができる魅力ある環境とすることと、多様な学びの機会、居場所の確保を重点として、市町や民間施設等とも連携しながら推進してまいりたいと存じます。あわせまして、子供や保護者、支援に取り組む施設等の実態把握と取組の検証を進め、子供のための施策の充実に努めてまいります。  4点目、子ども・若者施策に対する私の決意ということでお尋ねいただきました。  子供や若者を取り巻く環境は様々であります。学校教育との連携、若者の社会参画の促進、さらには労働雇用政策など、これまでの福祉の枠組みを超えた観点での取組が必要との思いから、このたび健康医療福祉部から新たな部として独立させることといたしました。  子ども若者部を子ども・若者施策における庁内の司令塔として、子ども・若者基金等の財源も活用しながら、ライフステージに応じた施策を様々な観点から展開し、未来へとつながる、私たちの希望である子供1人に寄り添いながら、また、子供の周りにいる大人一人一人を大切にしながら、社会全体で子供を育み、若者を支える滋賀を実現してまいる所存であります。  続きまして、大きな5項目め、こちらは魅力ある県立高等学校ということでお尋ねをいただきました。  その思いについてでございますが、子供たちが社会の中心になって活躍する未来社会を見据えますと、多様な人々との協働の中で、主体的に答えを見いだしながら、時代の変化にたくましく向き合い、持続可能な社会づくりに参画する人づくりを図っていくことが重要だと考えます。そのため、生徒数が減少する中にありましても、市町、産業界、大学等と連携、協働しながら、人と人がつながり、好奇心や探究心を発展させることで、将来に向かって夢を持ち、可能性を広げていくことができる魅力ある高校づくりを進めていく必要があります。県立高校での学びを通じて、生徒一人一人の夢と生きる力を育み、あわせて、滋賀の未来を担う人づくりに取り組んでまいりたいと存じます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)魅力ある県立高等学校について、私に頂きました2点の御質問にお答えをいたします。  1点目の新しい入試制度についてでございますが、令和8年度入学者選抜より導入をいたします新しい入試制度は、選抜時期の一本化、学力検査の全員受検、学校独自型選抜の実施、ウェブ出願システムの導入などが主な変更点でございます。  今回の変更では、選抜時期を一本化することによりまして受検者の精神的な負担が軽減されるとともに、学校独自型選抜におきまして、中学校長推薦に加えて自己推薦を導入することにより、中学生自身が自己の資質や能力をアピールする機会を確保できるものと考えているところでございます。  2点目の、高校の魅力化と各高校での継続性についてでございますが、高校教育をより魅力的なものにするためには、何が学べるのかを明確にし、生徒の能力、適性、興味関心等に応じた多様な学びの選択肢を提供するとともに、生徒の可能性や能力を最大限伸ばせるよう学びの充実を図り、チャレンジできる機会や場をつくることであると考えております。  各高校ではそれぞれが目指すスクールポリシーを定め、校長はこのポリシーを踏まえた学校経営方針を、毎年度、教職員に示し、教育活動を推進しており、組織としてスクールポリシーに基づく取組が継続されるような仕組みとなっているところでございます。  今後も、各校長のリーダーシップの下、スクールポリシーを起点とした教育活動により、魅力化の取組が継続性を持って進められることを期待しているところでございます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)それでは、残る5つのテーマについて、順次、お答えいたします。  まずは医療福祉拠点整備について。こちらは4点賜りました。  1点目の、人材養成機能の整備遅れについてでございますが、令和5年2月から市場調査を進めてまいりましたが、大学設置認可や採算面での課題が明らかとなり、当初予定しておりました昨年12月の事業者決定には至りませんでした。このため、学校法人の積極的な参画を促すための条件等を検討した上で、事業実施に当たっての県からの支援等を示し、1月から再度、市場調査を実施しておりますが、調査に参加する民間事業者からは、目標としている令和9年4月の供用は難しいという御意見をいただいているところです。こうした状況を踏まえ、県としても改めて今後のスケジュールを精査し、当初予定していた令和9年4月の供用開始は難しいと判断したところでございます。  2点目、県全体の養成課程の在り方についてでございますが、看護師等を養成する大学、専門学校の定員充足状況や将来の学生確保の見通し、市場調査における学校法人からの養成規模や職種の提案内容を踏まえつつ、施設の老朽化や定員が充足していない等の課題を抱える総合保健専門学校も含めた検討、調整を行うこととしております。既に大学や専門学校とは今後の学生確保や定員等に関して意見交換を行っているところであり、引き続き具体的な調整を進め、事業者公募に当たって県全体の養成課程の在り方を示してまいりたいと存じます。  3点目の医療福祉センターについてでございますが、地域包括ケアシステムの推進に当たりましては、在宅療養等の現場において医療福祉専門職の連携が円滑に行われることが重要であり、日頃からの専門職同士の関係づくりや研さんの場づくりが必要だと考えております。また、コロナ禍や今回の能登半島地震を受け、改めて、平常時から関係団体が連携しておくことの重要性を認識したところでございます。  こうしたことから、県が主体的に関わりながら、医療福祉センターに関係団体の事務所機能を集約し、多様な医療福祉専門職の連携強化や人材育成、さらには災害対策における多職種間連携などの機能を備えるとともに、その機能の効果が県内全域に及ぶよう、医療福祉関係者が参画するネットワークを構築してまいりたいと存じます。  4点目、にぎわい創出も含めたプロジェクトへの決意についてでございますが、現在実施しております市場調査の説明会には学校法人3者を含む10の事業者が参加し、一定の関心をお示しいただいているところでございます。今後、民間事業者との対話を重ねながら、拠点整備に伴う人通りの増加や周辺エリアの在勤者、在住者の利便性向上につながるにぎわい創出についても提案を求めてまいります。  この医療福祉拠点を中心として、医療福祉関係者が参画する全県的なネットワークを構築し、地域包括ケアのさらなる充実を図るとともに、誰もが自分らしくそれぞれの幸せを実感できる健康しがを目指し、この構想を何としても実現するという気概を持って、全庁挙げて取り組んでまいる所存でございます。  続きまして、大きな7項目めの、第一次産業の振興ということでございます。こちらは5点賜りました。  1点目、滋賀の農林水産業の振興についてでございますが、森、里、湖からの水の恵みを一番に頂く第一次産業は命の産業であります。私たちが生きていくために欠かすことができない食を創る礎でもございます。しかしながら、食料、農業、農村を取り巻く環境は世界人口の急激な増加や食料生産の不安定化など、大きな転換期を迎えており、現在、国において改正に向けた議論が進められているところでございます。  この改正は、次世代へつなぐ環境に優しい農業、食品産業への転換等の観点から行うこととされており、県が県民とともにこれまで守り育ててきた、琵琶湖と共生する滋賀の農林水産業と方向性を同じくし、後押しとなるものと期待しているところです。  県といたしましては農林水産業を、未来を開く新たな価値を生み出す産業として発展させるとともに、県土の保全や地域文化の継承などの多面的な役割を次世代に引き継げるよう、振興してまいりたいと存じます。  2点目、付加価値化やブランド化についてでございますが、農産物のブランド力を高め、消費の拡大につなげていくことが県の責務や役割であると認識しております。このため、きらみずきでは、全国への発信力が強い首都圏において、民間事業者と連携し、新たに有利販売できる販路開拓や魅力発信を、また、みおしずくでは、首都圏の百貨店での販売や有名菓子小売業と連携したスイーツ商品の開発などに取り組むこととしております。  こうした取組をはじめ、先日発表いたしましたびわ湖魚グルメなど、多様な事業者と協働する取組を先行モデルとし、農産物の特徴を最大限に引き出しながら、生産、流通、販売の好循環を生み出し、生産者の活力につながるブランド化を進めてまいりたいと存じます。  3点目の研究開発についてでございますが、新たなニーズや気候変動に対応した品種育成などの研究開発は本県農業の振興を図る上で極めて重要であると認識しております。現在、農業技術振興センターでは、育成期間の短縮を図るための先端技術を活用し、主食用米や酒米の品種育成に取り組むとともに、気候変動に適応する新たな作物の調査研究にも取り組んでいるところです。  今後、人口減少等の社会情勢の変化などに対応し、省力化、安定生産につながる技術開発や先を見据えた品種育成、さらに、普及組織による展開を通じて、農業技術振興センターが本県農業を牽引する技術の拠点としての役割を果たすよう、中長期的な戦略を策定し、研究開発を進めてまいりたいと存じます。  4点目の、森林組合の合併についてです。  森林組合は本県の林業振興および森林の保全整備において大変重要であり、中核的な役割を果たしていると認識しております。今般、県内の6つの森林組合が合併されることは、確固たる経営基盤を基に、効率的な事業の実施により、主伐、再造林や森林整備をより一層推進するものと考えており、高く評価しているところです。  県といたしましては、来年度当初予算案において、ICT技術を導入する新しい林業に向けた取組を支援するほか、引き続き、人材育成や技術力向上のための支援を行うこととし、森林組合の経営理念である森林よし、組合員よし、組織よしの三方よしの実現につなげてまいりたいと存じます。  5点目の造林公社についてでありますが、特定調停以降、長期経営計画に基づく分収造林事業を通して森林の公益的機能の持続的発揮に取り組み、国民的資産である琵琶湖を取り巻く水源林の効率的な保全、環境に配慮した計画的な木材生産をはじめ、琵琶湖と淀川を守りつつ、地域の木材生産の核となる重要な役割を担っていると評価しております。  今後の課題といたしましては、今般の航空レーザー計測による森林解析の結果、債務弁済に必要な伐採材積量が想定の3割程度しか確保できず、188億円の債務の大部分が弁済不可能な見込みであることが新たに判明したことなど、長期経営計画に基づく経営改善は大変難しいと認識しており、抜本的な見直しが必要だと考えているところです。そのため、あらゆる選択肢を排除せずに造林公社の在り方を検討いたしますとともに、次の100年の森林づくりを見据え、これからの時代にふさわしい森林経営管理モデルの構築を目指してまいりたいと存じます。  続きまして、大きな8項目め、「ここ滋賀」についてでございます。こちらは3点賜りました。  設置して以降の東京の状況変化等についてでございますが、コロナ禍を経まして、テレワークの普及による地方への人の流れが見られたことやECサイトの定着により、自宅で商品を手に入れることが可能になったことなどが挙げられます。また、情報に関して申し上げれば、ソーシャルメディアから情報を収集される割合が増えてきたことなどがあり、これらの変化は大きなものであったと感じております。  このような変化の中にありましても、依然として人やモノ、情報は東京に集まっておることから、東京本部では首都圏において情報発信力の強化や、本県ゆかりの人や企業とのネットワークの拡充を図るため、SNS等での発信や企業訪問、企業交流会の開催等に取り組んでいるところです。令和5年度には首都圏において、150を超える店舗や企業に滋賀の情報発信に御協力いただくとともに、滋賀にゆかりのある方が一堂に会する近江ゆかりの会を、多くの企業に協賛もいただき、開催させていただいたところでございます。  一方、「ここ滋賀」では、滋賀が全国や世界に誇る食やモノ、歴史や文化などについて、実際に見る、触れる、食べるといった体験を通じて滋賀県のよさを実感していただく拠点として、滋賀の魅力の発信に努めてきたところです。これまでも東京本部が有する首都圏のネットワークを活用し、「ここ滋賀」への誘客や催事情報の発信などを行っており、今後も、さらに双方の強みを生かしての連携を深め、全国、世界から選ばれる滋賀を目指して、首都圏での取組をさらに進めてまいりたいと存じます。  2点目、「ここ滋賀」の魅力の創造、情報発信に係る課題等についてでございますが、まず、魅力の創造につきましては、生産者の顔や商品のストーリーを紹介することで、来館者に滋賀の魅力をより深くお伝えしたり、首都圏にいながら滋賀を感じられる体験を提供することで、「ここ滋賀」の魅力を創造してまいりたいと存じます。  情報発信につきましては、常に変化を求められる首都圏において旬のコンテンツをタイムリーに発信することが課題であり、可能性だと考えております。  先週末、猫の日、忍者の日である2月22日前というのを記念して、ひこにゃんや忍者にも御登場いただき、メディアにも大きく取り上げられるPR活動も実施されたと聞いております。  今後も、大河ドラマの展開に合わせた関連商品のフェアによって、ゆかりの地である滋賀の魅力を伝えたり、近江米新品種きらみずきのテストマーケティングを行うなど、時宜にかなった発信に取り組んでまいります。これらの取組を通じて、「ここ滋賀」にお越しいただく方にとって常に新鮮に感じられるような店舗づくりをしてまいりたいと存じます。  3点目、「ここ滋賀」の今後の取組や戦略についてでございますが、議員御指摘のとおり、兵庫県や群馬県、宮城県のようにアンテナショップの運営から撤退されるところもあれば、沖縄県や福井県、石川県や新潟県のように新店舗へ移転され、首都圏での情報発信にさらに力を入れていこうとされるところもあると承知をしております。  また、アンテナショップにつきましては、これまでのような商品の販売や飲食に加えて、地方の豊かさを感じられるイベントの実施や拠点を活用したコミュニケーションの機会の提供、さらには地方へのいざないや移住、チャレンジする事業者の首都圏進出への支援といった新たな動きも出ているところでございます。  このような環境の変化がある中で、全国・世界から選ばれる滋賀を実現するために、首都圏における中長期的な変化も見据えながら、来年度以降、「ここ滋賀」の在り方について多角的な検討を行ってまいりたいと存じます。  続きまして、文化振興について。こちらは4点賜りました。  まずは文化的資産の継承等についてでございますが、本県の文化的資産は、その多くが地域コミュニティーの中で守り伝えられてきたという特徴がございますが、少子化や若年人口の流出、価値観の多様化などにより地域での守る力が低下し、保存や継承が難しくなりつつあると認識しております。  今後は、その地域の出身者や近隣住民、来訪者、企業など、より幅広い人々が関わる中で継承していくことが大切になると考えており、そのため、例えば文化財探訪など、文化的資産の魅力を発信する事業のほか、未来を担う子供たちが祭りなどの文化に親しむ取組を進めているところです。こうした取組を通じて支援の輪を広げながら、県としても、新・琵琶湖文化館の整備をはじめとして文化的資産の調査、修理や文化観光の振興等に取り組むことで保存と活用の好循環を生み出し、先人から受け継いできた滋賀の宝を未来へ確実に継承してまいりたいと存じます。  2点目、県にとって重要な文化財の指定についてでございますが、県にとって重要な文化財とは、滋賀県の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことができないものであり、かつ、将来の文化の向上、発展の基礎をなすもののうち、国の指定基準に照らして重要と判断されるものでございます。  現在、447件を県指定文化財に指定し、その保護を図っているところです。この5年間は毎年6件程度を新たに指定しており、今年度も指定に向けた取組を進めているところです。県内にはほかにも保護を図るべき文化財が数多く存在しておりますことから、今後も市町と連携しながら調査研究を進め、歴史上の価値などが明らかとなり、条件が整ったものから順次、指定を進めてまいりたいと存じます。  3点目、美術館の今後についてでございますが、今年度、美の魅力発信プランの中間見直しに加え、今年、開館40周年を迎える美術館の魅力や機能の向上を目指した方針、美術館魅力向上ビジョンを策定しているところです。文化芸術は、豊かな人間性を育むなど、人間が人間らしく生きる糧となるものであり、とりわけ子供の成長において極めて重要であります。このため、美術館が目指す姿を、子供も大人も来たくなる未来を開く美術館とし、次の時代を担う子供たちが幼い頃からアートに触れ、創造力や感性を養うことができるよう、いつでも子供が遊びながらアートに親しめる展示空間をプロデュースしたいと考えているところでございます。  令和6年度から美術館の機能向上に向けた整備基本計画の検討に着手するとともに、子供が楽しめる体験型の企画展示など、先行して進められる新たな取組を展開し、社会的処方の観点も取り入れながら、子供に光を当てた美術館づくりに邁進してまいりたいと存じます。  4点目、水中遺跡の魅力発掘、発信についてでありますが、琵琶湖の水中遺跡は、いにしえより水と共に暮らしてきた先人たちの歴史を物語る滋賀ならではの大切な文化財であり、これまで貴重な出土品や調査成果も蓄積したところであります。今年は、我が国の水中遺跡調査の先駆けとなった葛籠尾崎湖底遺跡の発見から100年の節目に当たるため、この機に水中遺跡に改めて光を当て、長期にわたる取組を開始したいと考えております。  まずは北部地域の葛籠尾崎湖底遺跡や塩津港遺跡などの魅力発信に取り組むとともに、史跡指定等も視野に入れた本格的な調査の実施や、公開活用の充実に向け、有識者会議で検討を進め、水中遺跡保存活用基本構想を策定したいと考えております。この構想に基づき、国や関係市、大学等とも連携しながら、県が主体となって、水中遺跡の調査、保存と公開活用に息長く取り組むことで琵琶湖の価値や魅力を高め、地域振興や観光誘客にもつなげていく、その礎を築いてまいりたいと存じます。  最後、10点目は滋賀地域交通ビジョンについてでございます。こちらは6点賜りました。  まず1点目、総合戦略との関係についてです。  総合戦略では2040年頃の目指す将来像について、まちの面からの展望として「移動交通の仕組みづくりが進み、これまで以上に安全・安心な暮らしや産業活動を支えている」としており、地域交通ビジョンはこの具体化に向けて策定するものでございます。  ビジョンでは、将来の地域交通に影響を与える環境変化の要素の一つに人口減少、高齢化を掲げ、利用者の減少、高齢化による外出率の減少等の影響があると整理しているところです。このような、人口が減少し、長寿社会を迎える中でこそ、誰もが安心して移動できる地域交通ネットワークを構築することが、人々が社会活動へ参画したり、集い、交流できるにぎわいと活力ある滋賀の実現に重要だと考えているところです。  2点目、観光促進の観点における地域交通の在り方についてでございますが、県外からの移動手段である広域交通と県内の地域交通がソフト、ハード両面で有機的に結合することが重要だと考えます。例えば3月に北陸新幹線敦賀開業を控える中、インバウンドを含む観光誘客や本県各地の様々な観光コンテンツへの周遊促進には、北陸・中京圏や京阪神地域との広域的なアクセスの改善や、県内を移動するためのラストワンマイルも含めた交通ネットワークの充実、さらにはMaaSやキャッシュレス決済の導入等による便利で快適な移動環境の整備が不可欠であると考えております。  今後、地域交通ビジョンの実現に向けた具体施策の検討を進める際には、県民の日々の移動はもとより、来訪者にとっても移動がしやすい手段となるよう、観光施策等とも連携してまいりたいと存じます。  3点目、ビジョンの財源検討についてでございますが、私はこれまでから地域公共交通を維持、活性化するための財源の負担分担の仕組みづくりについて提起し、県民の皆様との対話の中で、交通税という言葉も地域公共交通を支えるための税制という趣旨で用いてまいりました。今後、ビジョンに基づく地域交通を維持、活性化するための施策の財源の選択肢の一つとして、新たな税制度について、交通税について、さらに検討を進めたいと考えております。  御指摘も踏まえ、今後の議論におきましては、正しく意図が伝わるよう留意しながら、分かりやすく適切かつ丁寧な議論となるよう努めてまいりたいと存じます。  4点目、地域公共交通計画につきまして、ビジョンで描く目指す地域交通の姿の実現に向け、具体的な施策や施策実施に必要な費用等を整理した計画としたいと考えているところでございます。早ければ年度内にも計画策定に向けた協議会を設置するとともに、県内を6つの地域に分け、それぞれの地域でワークショップを立ち上げ、住民、交通事業者、市町等とともに、地域特性に応じた、より利便性が高く、かつ効率的で地域に最適化した交通手段の検討と、交通税を含めた財源の在り方等の議論を重ねてまいります。  このような地域レベルの対話と県域レベルでの検討を相互に積み重ね、議会からの御意見もいただきながら、令和7年度に地域公共交通計画の策定を目指してまいりたいと存じます。  5点目、地域公共交通を支えるための税制の議論の進め方についてでございますが、さきに申し上げた地域公共交通計画策定に向けた財源の在り方の議論において、施策に要する経費が将来の財政運営に与える影響等を十分考慮しながら、施策の実現に必要な財源をどう賄うのかについて検討していくこととしております。その中で、税制という負担を伴う議論につきましても、参加型税制の考え方の下、来年度からの住民との対話や税制審議会などにおいて具体的な施策と税を含めた財源の案を併せてお示しし、県民や議会の皆様から御意見をいただくなど、施策と財源の議論を並行して進めてまいりたいと存じます。そして、こうした取組を通じ、本県の地域交通の在り方について、県民の皆様の関心をより高め、一緒に議論、また、その議論を深化させてまいる所存でございます。  最後、6点目、ライドシェアについてでございますが、様々な個人の移動ニーズに対応できるきめ細かな地域交通ネットワークを構築するために、ライドシェアは選択肢の一つだと捉えております。  地域の移動ニーズとそれに適した手段はどのようなものなのか、市町や事業者、住民の皆様等としっかりと検討した上で、ライドシェアの導入が適していると判断できる地域において、関係者が連携して、持続可能な形で取り組むものが滋賀県版ライドシェアだと考えております。  4月には、いわゆる日本版ライドシェアが解禁されること、また、わたSHIGA輝く国スポ・障スポ開催を来年に控え、効果的、効率的な移動手段の一つとして試行もできるよう、滋賀らしいライドシェアの実現にも挑戦してまいりたいと存じます。 ○議長(奥村芳正) しばらく休憩いたします。   午前11時47分 休憩    ────────────────   午後0時59分 開議
    ○議長(奥村芳正) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、39番角田航也議員の発言を許します。 ◆39番(角田航也議員) (登壇、拍手)まず冒頭、去る1月6日に御逝去されました岩佐弘明議員に対しまして、謹んで哀悼の誠をささげます。いただいた数々の御指導を胸に刻み、県勢発展のため、力を尽くしてまいりたいと思います。  また、元日の夕刻に起きました令和6年能登半島地震でお亡くなりになられた方々と御遺族の皆様に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。被災地に心を寄せ、早期の復旧復興をお祈りいたします。加えて、消防、警察関係者の皆さん、県や市町の職員さんはじめ、被災地で救助救援、支援活動に携わっていただいた全ての皆様に敬意を表しますとともに、心より感謝を申し上げます。  それでは、チームしが 県議団を代表して、質問をさせていただきます。  世界では、間もなく2年がたちますロシアによるウクライナへの軍事侵攻やパレスチナにおける紛争が続き、依然として先行きが不透明な状態が続いております。国際社会全体による外交的、平和的な解決が不可欠であり、平和憲法を有し、その前文で「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う」と宣言する我が国としても、事態の打開に向け、外交的、政治的な努力を尽くすべきところです。  国内では政治と金の問題が、連日、ニュースとなり、国民の政治不信は極めて深刻な状況になっています。国民の政治への信頼を取り戻すためには、政治資金規正法上の収支報告書不記載に係る一連の事件の全容の解明と責任の所在を明確にすること以外ありません。また、今回の問題を検証し、再発防止に向け、実効性ある法改正を求めると同時に、我々も襟を正し、法令遵守はもちろんのこと、公正で透明な政治を心がけていかねばなりません。  平和と被災地の復興を願い、また、公正な政治を誓い、以下、発言通告に従いまして、知事、教育長ならびに病院事業庁長に質問いたします。  初めに、令和6年度予算と組織について、知事に伺います。  まず、予算について伺います。  令和6年度の予算編成方針として、基本構想実施計画(第2期)に掲げた政策を着実に推進するため、世界とのつながりを広げることや、GX、DXの可能性をより一層追求するという視点を持ち、世界と滋賀の未来を見据えた新たな一歩を踏み出す施策を検討することとされています。また、引き続き、子供の意見や思い、視点を尊重し、これらを施策に反映させるとともに、1人の主体である子供、社会の一員である子供、未来の希望である子供を真ん中に置いた施策を検討することとし、5つの柱で施策構築をされています。  1つ目に「子ども、子ども、子ども」、2つ目にひとづくり、3つ目に安全・安心の社会基盤と健康づくり、4つ目に持続可能な社会・経済づくり、5つ目が自然環境や生物多様性の保全・再生で、この5つの柱に加えて、ここ数年間で取組が広がる2つの集中的な取組として、県北部地域の振興と、大阪・関西万博やわたSHIGA輝く国スポ・障スポ開催への着実な取組の推進とレガシーの創出を掲げられています。さらに、元日に能登半島地震が発生したことを踏まえ、地震防災力の強化と、災害時の水の重要性や琵琶湖の水位低下、映画「翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜」で水に注目が集まったことから、水のつながりも強く意識された予算とされました。  5つの柱、2つの集中的な取組、特に意識された視点と令和6年度予算に込められた知事の思いについて伺います。  次に、令和6年度の組織について伺います。  今から17年前の2007年、当時、知事は民主党の国会議員でいらっしゃいましたが、我が会派の前身であります民主党県民ネットワークが作成したびわこマニフェスト2007で子育て環境日本一を掲げ、その中で、縦割り行政の弊害をなくし、子供政策の一元化を目指すとして、県行政に子供家庭部を新設することを提案していました。それから17年の歳月を経て、このたび、子供を真ん中に置き、子供が幸せに成長し、大人が子育ての喜びを実感できる滋賀の実現に向け、庁内の司令塔として、関係部局と連携の上、子ども・若者施策を総合的に企画調整し、迅速かつ効果的、効率的に推進するために、令和6年度の組織に新たに子ども若者部を設置することとされています。この組織改編により期待される効果について伺います。  令和6年度からは、定年年齢引上げに伴い、61歳以上のシニア職員の活躍が期待されます。滋賀県行政経営方針においても、61歳以上のシニア職員が持つ多様で豊富な知識や業務経験を生かし、ベテランプレーヤーとしての役割、技術等の伝承、後進育成の役割、マネジメントの補佐的役割等が最大限発揮できるよう、求められる役割や意識の醸成を図るとともに、職員一人一人が有する知識、経験や意向等を適切に把握した人事配置を行うとしており、令和4年度、5年度はそのための研究、検討の期間とされてきました。これまでの研究、検討の結果をどのように生かし、61歳以上のシニア職員の人事配置を行っていくのか伺います。  次に、能登半島地震と防災・減災について、知事に伺います。  能登半島地震で被災された方々が再び住み慣れた土地で一日も早く平穏な生活を取り戻せるよう、本県としても支援していくことが重要です。  本県の職員の方も能登半島地震の被災地へ多数派遣され、現地での救援支援活動などを行っておられますが、被災地での救援支援活動の現場経験を通して、改めて、どのような気づきがあり、本県の災害対策、防災・減災対策においてどのように生かしていかれるのか伺います。  次に、滋賀県地域防災計画について伺います。  滋賀県地域防災計画については、これまでに発生した災害の教訓、被災地支援の現場経験等を踏まえ、国の防災基本計画に基づき、不断の見直しを行うことが県民の生命および財産を守るという点で重要です。関西広域連合において関西防災・減災プランも改定されますが、本県が被災した場合の道路啓開や上下水を含めたインフラの復旧対応、また、被災者への1次避難所の整備や、ホテル、旅館を借り上げての1.5次避難所、2次避難所の整備、そして、民間事業者との災害時応援協定など、このたびの令和6年能登半島地震を通して、滋賀県地域防災計画の修正を行う必要性があると考えますが、どのように修正しようと考えておられるのか伺います。  次に、本県の業務継続計画について伺います。  県庁、県職員等、自治体自身が被災した場合に、災害対応を含めた業務を継続できるかが県民の生命と財産を守る上で重要な責務となります。業務継続計画においても、訓練とこれまでの被災地現場での経験を通して、実効性の高い計画にレベルアップしていかなければなりません。令和6年能登半島地震を通して、業務継続計画についても修正を行う必要性があると考えますが、見解を伺います。  次に、北部振興について、知事に伺います。  来年度予算における施策構築方針の2つの重点テーマのうちの一つとして県北部地域の振興を掲げられ、5年間でこのテーマに集中的に取り組むとされています。各部の来年度予算の主要事業の中にも様々な事業が盛り込まれ、知事の北部振興にかける強い思いが感じられますが、まず、どういった課題を踏まえての北の近江振興プロジェクトなのか、今、北部振興に力を入れる理由と、その必要性を改めてお伺いします。  次に、課題を踏まえ、いかにして北部振興につなげていくかが重要です。目標として、移住プラス地域とつながる人、すなわち関係人口を3,000人増やすとありますが、北の近江振興プロジェクトの事業のうちの主な事業と、その期待する効果を伺います。  特に北部地域では若者の地域外への流出が激しく、若者が地域の外へ出ていかなくてもよい環境づくり、例えば魅力ある働き場所の創出、交通の利便性向上、子育て、教育環境の充実、古い慣習やしきたりの改善等が必要と考えます。こうしたことは、一度は都市部に移り住んだ若者が、知識や専門性を習得し、経験を積んだ後、Uターンしやすい環境でもあり、さらには北部地域出身ではない若者を呼び込み、移住にもつながると考えます。  北の近江振興プロジェクトの総合プロジェクトには、住み続けたくなる還りたくなる北部へと銘打って各種事業が掲げられていますが、若者の定住や移住、Uターンの促進のためには、もう一段、踏み込んだ対策が不可欠です。若者の流出の原因をいかに分析し、今後、どのようにして北部地域の若者の定住やUターン、さらには外からの移住を促進していこうとされるのか伺います。  昨年12月には長浜市議会から、県北部地域の発展に寄与する北の近江振興プロジェクトの推進に向けた県制度における規制措置の緩和を求める意見書が、今年1月には米原市議会から、県北部地域の発展のため、戦略的政策実現に向けた北の近江振興プロジェクトの実施を求める意見書が、それぞれ知事に提出されました。これは、両市議会とも、県北部の振興には県の果たす役割は非常に大きなものがあることへの期待であると思います。北部地域を構成する長浜市、高島市、米原市の3市との強力な連携を今後いかに図っていくのか、また、北陸圏と中部圏との結節点に位置し、県内唯一の新幹線駅である米原駅は北部地域の発展を目指す上で非常に重要であると考えますが、米原駅東口周辺の開発に関して、県は地元の米原市と連携し、どのような支援をされようとしているのか伺います。  来月16日には北陸新幹線金沢─敦賀間が開業し、福井県はじめ北陸地方に注目が集まり、人の流れが変わることが予想されます。敦賀に近い高島市、長浜市、また、新幹線駅のある米原市にとっては、北陸新幹線敦賀開業は観光客増加の大きなチャンスであり、県としてもこのチャンスを最大限生かし、北部振興につなげることが重要と考えますが、3市と連携して、いかに観光による北部振興を図っていかれるのか伺います。  北の近江振興プロジェクトの一環として、北の近江振興高校生サミットが2月10日に木之本スティックホールで開催されました。北部地域にある9つの高校の生徒さんたちがそれぞれの地域の魅力や課題を探り、その発信方法や解決策、自分たちにできることなどを様々な視点から提案されました。未来を担う若者の真っすぐで豊かな感性、課題分析力と独創的なアイデアや実行力に、私も含め、会場にいる全ての人が北の近江の未来に明るい展望を感じられたのではないかと思います。今回の高校生サミットの狙いと成果について伺います。  課題の先行地域と言われる北部地域です。ここでの振興策の成否が今後の県内のほかの地域の振興策にとっても重要となってきます。そこで、この項の最後に、北部振興にかける知事の意気込みと目指すべき北部の姿、加えて、その先にある全県への波及効果について伺い、次の質問に移ります。  次に、文化財の保存と活用について、知事に伺います。  2019年4月に改正文化財保護法が施行されてから間もなく5年が経過します。この間、本県では文化財保存活用大綱を策定され、その後、一部改定されましたが、いまだ、文化財保存活用地域計画は県内では10市町しか作成されていません。文化財を総合的に保存、活用するためには文化庁の認定を受ける法定計画としての文化財保存活用地域計画が各市町において策定されることが望まれます。地方公共団体が主体的に文化財を守り生かすことのできる将来ビジョンや具体的な事業計画が明文化されてこそ、県全体で継続性、一貫性のある文化財の保存と活用が推進できると考えます。  また、県全域で文化財を確実に次世代に継承していくためには、県が中心となり、市町や関係団体の旗振り役として、関係者や県民の皆さんの理解と協力の下、将来にわたって文化財の総合的な調査を早急に実施すべきと考えます。  そこで、本県文化財行政全般を担う県として、現在の文化財の保存と活用の進捗についてどのように現状を把握されているのか伺います。  東京都、京都府、奈良県に次いで全国で4番目に国指定文化財が多い本県において、文化財保存活用地域計画の作成が進むことにより、これまで所有者に管理を委ねがちであった文化財が、住民、民間団体、行政文化財部局など関係部局が地域総がかりで、長い期間をかけて文化財を守り、生かし、伝えるシステムができるようになりました。  つい先日、坂本城址で30メートルの石垣が新たに見つかったというニュースがありました。この坂本城の石垣について、知事は13日の記者会見において、予想とは異なる場所からきれいな状態で出てきており、注目しているとコメントされたと報道されています。専門家のみならず、一般の人々の関心も高く、保存を望む声も多いと認識しています。保存なくして活用なしと知事も常々おっしゃっておられますように、文化財の保存体制や基盤整備の充実が重要であり、文化財の修理、複製、復元から公開に至るまで、確実な保存継承を図るため、文化財関連予算の増額が必要ではないかと考えます。文化財の保存と活用に係る令和6年度施策について伺います。  次に、観光資源としての文化財の活用について伺います。  文化庁は今月5日、指定文化財の観光活用を支援するために、所有者からの相談を受け付ける窓口を令和6年度から京都庁舎に設置する方針を示されました。庁舎に民間の専門人材を配置し、官民連携して文化財の新たな価値を創出する国の方針に基づき、本県も民間投資を呼び込む観光資源の核として、文化財をさらに観光面で活用していかれてはどうかと考えます。  文化財の宝庫である京都府や奈良県をはじめ近隣府県とも連携し、関西広域で文化財をまちづくりの起爆剤にすることで、観光は言うまでもなく、都市計画や地域振興等、幅広い分野で活用することも可能になると考えます。また、新・琵琶湖文化館の新設や文化庁京都一部移転など、恵まれたこの好機を逃さず、本県の有する貴重な文化財を見詰め直し、魅力的に各方面に発信していくべきと考えますが、観光資源としての文化財の活用について、新年度の具体的な戦略を伺います。  次に、森林づくりと伊吹山の保全について、知事に伺います。  本県の森林は、琵琶湖の水源涵養をはじめ県土の保全、生物多様性の保全、地球温暖化防止、木材等の生産といった多面的な機能の発揮を通じて県民の生活に様々な恩恵をもたらしてきました。しかし、戦後の化石燃料への転換や木材輸入の増加などにより、森林づくりを支えてきた林業が大きな打撃を受け、今日まで構造的な不振の状況にあります。その結果、適切な手入れがされないまま放置されている森林が増え、このままでは琵琶湖の水源涵養はもとより、県土の保全や地球温暖化の防止などの森林の多面的機能が損なわれ、私たちの暮らしに深刻な影響をもたらすことが危惧されます。  そうした危機的状況を脱し、森林の多面的機能が持続的に発揮されるよう、緑豊かな森林を守り育て、琵琶湖と人々の暮らしを支えるかけがえのない滋賀の森林を健全な姿で未来に引き継ぐため、琵琶湖森林づくり条例が平成16年に制定され、今年で20年がたとうとしています。そして、昨年には、県産材の利用促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって林業および木材産業の持続的な発展を図ることを目的とした滋賀県県産材の利用促進に関する条例が制定されました。これを受け、今年度、琵琶湖森林づくり基本計画(第2期)が改定され、2030年までの目指す森林づくりの方向性が示されたところです。  まず、森林づくりのこれまでの成果および今後の課題とその対策について伺います。  琵琶湖森林づくり基本計画(第2期)の計画期間10年間に行う基本的な施策において、豊かな森林を未来に引き継ぐ人づくりの推進の一つとして林業の担い手の確保、育成が掲げられ、その中で森林組合および林業事業体の育成と経営力の向上が項目として列挙されています。  県内では、現在、8つある森林組合のうち6つの森林組合が令和6年6月1日の合併に向けて協議が進められています。合併により新たな組合が誕生すれば、組合員数は全国で2番目に多い1万9,000人余りとなり、組合員が所有する森林の面積は全国の組合で最も広い10万7,000ヘクタールに上るということですが、森林組合の合併の意義と、森林組合が実施する今後の林業の成長産業化に向けた取組について、お考えを伺います。  次に、一般社団法人滋賀県造林公社──以下、造林公社といいます──について伺います。  本県の森林面積のおよそ10分の1の森林を管理している造林公社では、平成22年に県が制定した関与条例に基づき、平成23年度に長期経営計画を、また、5年ごとに中期経営改善計画を策定することで経営改善に向けた取組を実施されています。県としても、特定調停により下流府県と約束した造林公社経営の改善および森林の持つ公益的機能の維持向上に向けて適切な関与を図り、造林公社経営に対する県の考え方を整理することを目的に、造林公社が次期中期経営改善計画の策定を行う前年度に在り方検討を行うこととし、令和7年度に次期中期経営改善計画の策定作業を造林公社が行うに当たり、今般、在り方検討が進められているところです。  造林公社では、平成27年度から本格的な伐採に着手し、現在は、第3期中期経営改善計画に基づき、森林整備や木材生産等を実施されているということですが、現在の経営状況および計画の達成状況も含め、造林公社の現状と課題を伺います。  あわせて、今後の経営健全化と収益確保策、ならびに森林行政の中で造林公社の果たしていくべき役割について伺います。  この項の最後に、伊吹山の保全について伺います。  以前よりニホンジカによる食害で豊かな自然が失われかけていた伊吹山で、昨年、局地的な豪雨が降り、保水力を失った南側斜面では土砂が流れ、登山道が寸断されています。登山道の復旧はもとより、長期的な計画の下、ニホンジカの捕獲強化や防護柵設置による食害の防止、山全体の植生回復が待たれます。伊吹山南側斜面登山道の復旧および山全体の環境保全に向けた今後の取組について伺います。  次に、生活困窮者支援について、知事に伺います。  平成27年に、日々の生活に困っている方の状況に応じて就労支援や住宅を支援し、自立を促す生活困窮者自立支援制度が我が国に導入されてから来年で10年となります。この間、コロナ禍の生活変容に加えて、ここ数年の物価高や光熱水費の高騰、教育費の増大や年金の減額など、社会的に弱い立場にある子供や高齢者、障害者や独り親家庭など、困難な環境下にある家庭や県民は、日々、とりわけ経済面から来る生きづらさを抱えておられます。そこで、近年の本県における生活困窮家庭ならびに生活困窮者の現状について伺います。  厚生労働省は、税金滞納者など生活困窮の要素が高い傾向の対象者を支援につなげるため、庁内連携により早期に把握し、積極的に制度利用を促すこととしていますが、自治体担当職員からは個人情報に関わり、不信感を抱かれないようにすることは困難との声や個別具体の課題が多く、接触の仕方が難しいなどの声が寄せられています。当事者と直接接する機会の多い市町の現場では生活困窮者の実態把握や接し方に悩んでおられ、こうした悩みに応えようと、早くからこの問題に積極的に取り組んでこられた野洲市などの先進事例を学ぶ機会を県に求めておられます。  そこで、県が市町と連携して、相談員や支援員の方と課題や好事例を共有できる合同研修会の開催など、県と市町が一体となった取組の推進が必要と考えますが、見解を伺います。  市町によっては専門人材の数や予算規模にも違いがあるため、国に対して国庫補助率の引上げや補助基準額の撤廃を強く求めるなど、市町への支援が必要と考えます。  そこで、この項の最後に、県として、国へのさらなる働きかけや、市町への人材、財政両面にわたる具体的な支援策について伺います。  次に、「子ども、子ども、子ども」について、知事に伺います。  あらゆる政策の中心に子供を置き、子どものために、子どもとともにつくる県政を目指し、昨年、今年度の予算の1つ目の大きな柱として力強く打ち出された「子ども、子ども、子ども」政策ですが、来年度はさらに強力に推進すべく、子ども若者部を設置し、県庁全体で子供施策に集中的に取り組んでいこうとされています。来年度からは、我が会派から要望を重ねておりました、子供の医療費助成の高校生世代への拡充に加え、(仮称)子ども・子育て施策推進交付金が創設されるなど、子供の健やかな育ちを支える施策が大きく前進します。  国でも、昨年4月にこども基本法が施行されると同時にこども家庭庁が発足し、12月にはこども基本法に基づき、子供政策を総合的に推進するため、政府全体の子供施策の基本的な方針等を定めるこども大綱が閣議決定され、こどもまんなか社会への機運が高まっています。  本県では、来年度、子供の意見の尊重や子供の社会参画が社会全体で進められるよう、(仮称)滋賀県子ども基本条例を制定しようとされています。これまでも子ども県議会や子ども県民の声ひろばなど、子供の意見を聞き、県政に反映する取組はありましたが、今回の条例制定で何が変わるのか、今後の取組と目指すところを伺います。  子供たちがいかなる環境、家庭状況にあっても、自分らしく健やかに安心して育つことができ、大切に育まれ、笑顔で暮らせる社会の実現には、行政だけでなく、社会全体で子供の健やかな育ちや子育てを支える環境の整備が不可欠です。特に子育て世代が子育てしやすい労働環境のさらなる整備や社会全体の意識改革が必要と考えます。  国では2022年4月に改正育児・介護休業法が施行され、事業主に育休制度の周知と育休取得の意向確認を義務づけ、同年10月からは産後パパ育休制度が導入されたところです。  厚生労働省の調査では、男性の育児休業の取得率は、昨年度──2022年度は17.13%で、前の年、2021年度の13.97%に比べて3.16ポイント増え、過去最高となりましたが、女性の育児休業の取得率は昨年度80.2%で、依然として男女間で取得率に大きな差があります。政府としては、男性の育休の取得率を2025年に50%、2030年に85%にすることを目指すとしています。  山梨県では、県庁の男性職員は最低3か月、育休を取得することを原則とし、取得できない場合を例外として、その理由を上司に申し入れないといけない制度を昨年8月から始められています。また、育休を取得した職員の上司の業績評価において、育休取得を加点対象にしたり、育休職員の業務を応援した同僚職員には勤勉手当を加算する制度も導入されています。  折しも本日は19日ということで県庁内の育児の日ですが、本県でも県庁職員の子育て支援のための各種休暇制度や休業制度の充実を図られ、県庁内の男性職員の育児休業取得率は大きく上昇していると伺っております。もっとも、収入が減ったり、仕事の引継ぎや職場に迷惑をかけるのではないかといった不安から、取得をためらったり短期間にとどめるといった声も聞かれます。県庁における男性職員の育児休業取得のこれまでの状況と併せて、今後、いかに取得しやすい職場環境をつくっていかれるのか、職員の配置も含め、今後の取組を伺います。  こうした男性職員の育休取得の促進を、県庁内にとどめることなく県内民間企業等にも波及させ、さらに子育てしやすい滋賀県にしていくべきと考えます。  本県ではこれまでから、ワーク・ライフ・バランス推進企業登録、女性活躍推進企業認証制度、イクボス宣言企業登録、家庭教育協力企業協定──「しがふぁみ」といった、子育てしやすい職場、男女が共に働きやすい職場を増やす取組をされてきましたが、県内民間企業等における育児休業取得の現状と、今後の取得率向上を含め、子育てしやすい職場環境づくりへの取組を伺い、次の項の質問に移ります。  次に、ダイハツ工業株式会社の生産停止に伴う影響について、知事に伺います。  国の型式指定申請における不正問題で昨年の12月末から工場の稼働停止が続いているダイハツ工業は、竜王町の滋賀工場については3月1日まで稼働停止を延長することを発表されました。当初は1月末までの稼働停止とされていたものが、2月16日までの稼働停止の延長が発表され、その後、さらに3月1日までの延長が発表されたところです。  国土交通省が車種ごとに基準への適合を確認し、出荷停止の指示を解除していくため、国内のほかの工場においては既に生産の再開をしているところもありますが、滋賀工場では16日に3つの車種で指示が解除されたものの、主力の軽自動車は依然として適合が確認されておらず、生産再開の見通しが立っていない状況にあります。  株式会社帝国データバンクの調べによると、ダイハツ工業の県内のサプライチェーン企業は、1次取引先が43社、2次取引先が101社、3次以降取引先が43社の計187社、関連売上高は903億円となっており、生産停止の延長により地域経済への影響の長期化が懸念されます。  また、雇用においては、ダイハツ工業から、正規雇用、非正規雇用も含め、給与補償が行われているほか、1次以降の取引先についてもその対象とされているものの、実質所得が減少することから、生活への影響についても様々な不安の声が聞かれます。  県においては、昨年12月27日と今月7日に滋賀県総合経済・雇用対策本部本部員会議が開かれ、ダイハツ工業株式会社の型式指定申請における不正行為に伴う影響等やその対応を議題とし、相談体制の確認や、雇用への影響などが確認されたところです。ダイハツ工業の長期化している生産停止に対して寄せられている相談や影響について伺います。  また、今回の生産停止の影響に対する県の対応について伺います。  次に、観光誘客について、知事に伺います。  平成24年頃から年々上昇していた本県における観光入込客数は、コロナ禍前の令和元年の5,404万人をピークに、一時期は3,641万人まで減少したものの、令和4年頃からは回復傾向にあります。  観光庁宿泊旅行統計調査によりますと、令和5年11月の全国の観光状況は、コロナ禍前の令和元年同月比でプラス6.6%と、コロナ禍前に戻っている状況です。一方で、同調査による本県の観光の状況は、コロナ禍前の令和元年同月比マイナス10.6%と、全国に比べて回復が遅い状況ですが、コロナ禍を経て、本県への国内誘客と海外誘客の現状認識と今後の課題について伺います。  特定の時期や場所に多くの旅行者が訪れ、単に消費をするだけのいわゆるモノ観光や団体旅行を中心とした旅行から、自然の中でのアクティビティや地域住民との交流など、体験に価値を見いだす少人数向けの体験、体感型観光にかじを切り、進められてきた滋賀ならではのツーリズム、シガリズムですが、今回はその推進に3.9億円の予算が計上されています。コロナ禍を経て、宿泊場所が不足していた京都には多くのホテルが建設され、宿泊場所不足から本県へと流れていた観光客を見込むことは難しいのが現状です。こういった状況だからこそ、一度に大量の観光客が訪れ、人であふれてしまうような観光ではなく、自然や日本文化の源流が多く残る滋賀ならではの、一人一人に向き合ったシガリズムをさらに推進していくべきと考えますが、所見を伺います。  今年はNHKの大河ドラマ「光る君へ」の放送が始まり、紫式部が「源氏物語」を記述したとされる石山寺や、大津市を中心に滋賀県内に残る紫式部ゆかりの地には多くの観光客を見込むことができます。昨年、公開され、既に興行収入23億円を超え、170万人以上に滋賀を知ってもらうきっかけとなった「翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜」など、今後も映像を活用した誘客は欠かすことができません。特に、歴史が深く、大河ドラマで舞台として登場する機会が多い本県だからこそ、単発的なアプローチで終わることなく次にも生かせるよう、継続的にロケツーリズムを進めていくことが大切ではないでしょうか。そこで、今後の映像を活用した、さらなる観光誘客についての考えを伺います。  お隣の岐阜県では5年ほど前から、インバウンド対策としてネット戦略に力を入れてこられ、旧正月に当たるこの時期、合掌造りで有名な白川郷や飛騨高山、スキー場などはアジア圏からの訪日客でにぎわい、取組の成果が表れているとのことです。  先日、知事は関西広域連合長として、大阪・関西万博のPRのため韓国を訪問された際に、滋賀県知事の立場として本県観光のPRもしてこられたと聞いておりますが、この項の最後に、今後のインバウンドをターゲットにした観光誘客についてどのように考えておられるのか伺います。  次に、農政水産行政について、知事に伺います。  豊かな資源を持つ農村を次世代に引き継ぐためには、農業水利施設の長寿命化とライフサイクルコストの低減を目指して、令和5年3月に滋賀県農業水利施設アセットマネジメント中長期計画が改定されました。  滋賀県は昭和47年から平成8年までの琵琶湖総合開発事業で多くの施設が整備されました。ダムや用排水機場などが136か所、用排水路は基幹水路が857キロ、末端水路が1万2,117キロと、合計約1万3,000キロとなっています。これらの多くは整備後40年以上が経過し、老朽化が進んでいます。令和5年には耐用年数を超える水路延長の累計が647キロに対して更新済み延長は180キロという状況です。今後、耐用年数を超える水路は毎年24キロずつ増えていくと予測され、長寿命化に取り組んでも限界があり、この差は大きくなるばかりです。また、末端水路に関しては、世代をつなぐ農村丸ごと保全向上対策を活用して、多面的機能の維持や共同活動に取り組まれています。しかしながら、非農家の増加や若い人が減少している農村の状況など、維持管理に関して困っておられる声をお聞きします。  そこで、まず、滋賀県の農業水利施設の現状と課題、今後の対応について伺います。  令和2年の本県の基幹的農業就業者数は9,981人で、平成27年から10.6%減少し、平均年齢は69.6歳、農業従事者は3万4,103人で32.9%減少し、平均年齢は61歳という状況です。滋賀県は集落営農を進めてこられましたが、平均年齢が上がり、事務作業も回らなくなってきているところもあると仄聞しています。そうなると、農業水利施設の修理も厳しい状況になります。農業を続けるためにはもうかる農業になることが求められます。  さらに、スマート農業などを進めるにも、土地の集約をして自動運転の基地局を整備するなど、効率的な農業ができる環境が必要になると考えます。  また、国では令和5年末に、食料・農業・農村政策の新たな展開方向に基づく施策の工程表が公表され、令和6年度に食料・農業・農村基本法の改正、令和7年度から新制度のスタートが予定されています。  滋賀県の農業経営体数の現状と、滋賀県での持続可能で生産性の高い未来の農業、もうかる農業の実現に向けた今後の展開を伺います。  一方で、集積、集約など効率的な農業経営が難しい中山間地域に関しては、さらに課題が残ると考えます。持続可能な農業、農村の振興を進めるための対策について伺います。  次に、琵琶湖漁業について伺います。  令和5年のアユの産卵数は15.2億個と、平年の20%にとどまるというショッキングな状況となりました。加えて、琵琶湖の水位低下とも相まって、今年に入ってアユの漁獲量が大幅に減少していると報道されています。  現在、琵琶湖漁業は漁業共済の対象になってはいませんが、今後の気候変動等々、漁業従事者の生活を考えれば、漁業共済の対象となるようにすべきと考えます。アユ資源の現状と今後の取組、あわせて、琵琶湖漁業の共済への対応について伺います。  県は、琵琶湖漁業の持続的発展のために、もうかる漁業に向けて令和3年度から10年間を集中的な期間として取り組んでおられるところです。流通改革等を強力に進めるためにも漁協統合が重要とされており、令和6年10月1日に合併し、滋賀びわ湖漁協の発足、令和7年4月に漁連が包括承継されるスケジュールで検討が進められています。  そこで、漁協組織再編の現在の課題と今後の対応について伺います。  琵琶湖漁業を支える水産試験場は、本館が築52年となり、老朽化が甚だしく、現在、整備基本計画が策定中です。水産試験場は唯一の試験研究機関であり、資源を守り、研究を続けながら、建物だけでなく、屋外飼育池や給排水施設、港湾施設等の更新も一体的に進めることが求められます。  そこで、水産試験場全体の更新についての方針と今後の取組について伺います。
     また、滋賀県醒井養鱒場は、ビワマスの養殖に成功するなど、本県のマス類生産を支える重要な施設です。2028年には設立150周年を迎える滋賀県醒井養鱒場の今後の施設更新と活性化についても伺います。  次に、THE シガパークについて、知事に伺います。  本県では、県の基本構想やSDGs、MLGs、30by30などの目標年度でもある2030年を一つの区切りとして、琵琶湖を中心として滋賀県全体が一つの大きな公園となった姿、水と緑と人でつながる滋賀の公園、THE シガパークの実現を目指し、魅力向上を進めようとされています。  具体的には、THE シガパークの目指す姿として、自然も施設もマナーも美しい公園「うつくシガパーク」、誰でも自然に優しい公園「やさシガパーク」、気持ちが楽になる楽しい公園「たのシガパーク」の3つを掲げ、魅力向上を図ろうとされています。  また、これまでは複数の部局が部局ごとにそれぞれの公園を担当していましたが、THE シガパーク推進会議を設置することで、所管を超えた公園間の連携により、滋賀県が管理する公園の潜在的な魅力を再発見、向上させていくとともに、全庁が一丸となって連携協力し、効果的、魅力的な情報発信、事業実施を行うとされています。  会議の中では、公園におけるトイレ管理状態の指標化や、都市公園において飲食店、売店等の公園施設の設置または管理を行う民間事業者を公募により選定するパークPFIについてなど、活発な議論が進められていると仄聞しています。  魅力向上に向けた3つの取組として、部局を横断した公園連携、庁内連携の取組や、拠点的な公園の機能強化と利便性の向上、市町、民間事業者、住民等と協働した取組を3アップとして掲げておられますが、現時点における、部局を横断した公園連携、庁内連携の具体的な成果と、民間事業者、住民等と協働した今後の取組について伺います。  令和5年9月に「しがの公園」魅力向上推進会議からTHE シガパーク推進会議に改め、議論が進められる中で、滋賀県立自然公園条例の改正や、目指すTHE シガパークの姿として世界一の公園を掲げられるなど、THE シガパークに対する知事の強い意気込みを感じます。  県土の37.3%が琵琶湖を含む自然公園で、県土に占める自然公園の割合が全国1位の本県ですが、雄大な自然の中で野生動物が動き回り、世界国立公園ランキング1位に選ばれたこともあるタンザニアのセレンゲティ国立公園や世界一の花畑とも言われる自然花園、ドバイ・ミラクルガーデン、ニューヨーカー憩いの場所のアメリカ・セントラルパークなど、世界には魅力的な公園であふれています。国内でも手つかずの自然が残る世界自然遺産の北海道知床国立公園や、城の内堀、外堀をそのままに、広大な城郭を活用した大阪城公園など、魅力的な公園の在り方は多岐にわたります。  そこで、既に3回開かれているTHE シガパーク推進会議を踏まえ、滋賀県全体を一つの大きな公園として世界一の公園を目指す知事の思いを伺います。  次に、医療福祉拠点と病院経営について、知事ならびに病院事業庁長に伺います。  まず、医療福祉拠点について、知事に伺います。  県民のための医療を支えるためには、病院にとっても人材確保は大切です。知事は、医療福祉拠点は令和9年度から供用開始ができるよう計画されていましたが、人材養成機能の整備の遅れを先日の提案説明において述べられました。知事との政策協議会においても議論させていただきましたが、人材養成機能の新設に関しては、今後のニーズに合わせて、ほかの大学などの人材養成機関とのバランスを取ることが大切だと考えます。大津駅前という立地からすると、県外流出や、ほかの大学、専門学校が定員割れになることが危惧されます。市場調査の結果と今後の開校に向けた取組、あわせて、設置に向けた県全域の関係者との連携について、知事に伺います。  総務省の持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドラインに基づき、県内の公立病院も令和5年度中の経営強化プランの策定を求められています。長浜3病院の再編の話も出ていますが、県内の公立病院におけるプランの策定状況と、県としての今後の対応を知事に伺います。  県立病院においても、公立病院経営強化ガイドラインに基づき、経営強化プランを策定することになります。また、県立病院は、これまでに経営形態について議論が行われ、独立行政法人ではなく、地方公営企業法の全部適用での運営が適しているとされたところです。県全体の医療を考え、公立の病院として、不採算な医療や政策的な医療にも取り組むこと、また、県民にとっての医療のとりでとしての役割が求められてのことと理解しますが、一方で、経営形態の議論の中では、現行形態において、まだ取り組むべきことがあると指摘されています。  そこで、県立病院における持続可能な地域医療提供体制の確保に向けた公立病院経営強化ガイドラインへの対応、および経営対応についての議論で指摘された課題への対応について、病院事業庁長に伺います。  今回の計画では、県立総合病院と小児保健医療センターが統合され、小児病床が100床から72床となるとして、利用者の方々から不安の声が聞こえてきます。特にレスパイトの対応についても不安の声が聞こえてきていますが、これらの不安の声に応えることが求められます。統合後の小児保健医療の提供体制や小児保健サービスの一層の機能向上について、病院事業庁長に伺います。  第5次県立病院中期計画改定素案の収支計画においては、コロナ対応の補助金でここ数年は単年度収支では黒字でしたが、令和5年度はコロナ禍の影響が残り、15億6,000万円の赤字の見込みで、単年度収支が黒字に転換する見通しは令和9年度となっています。コロナ禍前の令和元年度の単年度収支は9億4,600万円の赤字で、平成30年度と比べて4億7,800万円、赤字が拡大しています。収支改善に大きく影響する病床稼働率の引上げなど、経営強化の具体策の検討も必要かと考えますが、今後の経営改善のための具体的な取組を病院事業庁長にお伺いします。  病院事業庁として改定した計画に取り組んでいくためには、病院事業庁長や病院長を先頭に、医師、看護師、医療技術者の皆さんなど病院で働く全ての人が、目指す方向に向けて使命を持って取り組むことが求められます。県立病院として、命と健康を守り、県民に信頼される病院として、計画の推進に向けて病院で働く皆さんが一つのチームとして取り組んでいくことが大切だと感じていますが、病院事業庁長の決意をお伺いします。  最後に、特別支援学校について、知事ならびに教育長に伺います。  本年1月24日に、知事は特別支援学校1校を新設する方針を明らかにされました。我が会派では、インクルーシブ教育の視点も大切であるとしつつ、様々な教育ニーズに応じた特別支援教育の充実を訴え、令和4年の7月定例会議の代表質問等において、特別支援の必要な児童生徒が増加する中、特別支援学校の分離新設も検討されるべきと提案をしてまいりました。このたび公表された特別支援学校の分離新設においては、以前から草津養護学校と野洲養護学校の児童生徒数の増加が課題となり、時期や設置場所については未定とのことですが、両養護学校と同じ、知的障害と肢体に障害のある子供たちに対応した特別支援学校とのことであります。  そこで、改めて、特別支援学校の分離新設に至った経緯について、知事に伺います。  次に、分離新設校の設置方針について、教育長に伺います。  様々な障害のある子供たちが安全・安心に過ごし、学びの充実につながるよう、特別支援学校の一層の教育環境の整備を図ることが重要と考えます。現在、特別支援学校の大規模化の課題として、ソフト面では、学校行事の分散化による児童生徒の活躍する場を見る機会の減少や個別の指導方針を共有することの難しさ、ハード面においては、校舎の狭隘化やスクールバスの長時間の乗車、保護者の送迎時の混雑、職員駐車場の不足等の課題があり、設置場所については、ハード、ソフト両面で課題解決となる場所を選定していく必要があると考えます。分離新設校の設置場所の選定についてはどのような考えで選定されるのか、教育長に伺います。  最後に、本県全体の特別支援学校の狭隘化、老朽化対策について、教育長に伺います。  全国の特別支援教育対象者は過去10年間で2倍に増加し、本県も同様の傾向です。このたび、分離新設の対象となりました草津養護学校、野洲養護学校以外においても、狭隘化、老朽化対策が必要な特別支援学校もありますが、本県全体の特別支援学校の施設面での課題認識と今後の対策について、教育長の見解をお伺いし、チームしが 県議団を代表しての質問とさせていただきます。(拍手) ○議長(奥村芳正) 39番角田航也議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)チームしが 県議団を代表されての角田議員からの御質問にお答えをいたします。  まず1点目、予算と組織に関しまして。こちらは3点賜りました。  1点目、予算に込めた思いでございます。  世界情勢の緊迫化や物価高騰、気候変動など、変化が激しく先行きが見通せない状況がある中でも、子供、若者が夢や希望とともに歩む未来を展望し、健康しがを実現するという思い、また、来年度は北の近江振興プロジェクトも2年目となり、さらに取組を拡充することや、万博、国スポ・障スポ開催に向け、レガシーの創出も見据えて準備に注力する年であるとの認識、これらを5つの柱と2つの集中的な取組として予算を取りまとめたところでございます。  加えまして、能登半島地震を受け、発災時の課題を想定した対応など地震防災力のさらなる強化や、災害や渇水による水への注目、重要性の高まりを踏まえた水のつながりを特に意識して施策を展開したいという思いを込めたところです。未知の変化に直面し、不安な状況にありましても、今あることにしっかり目を向け、共に生きることを大事につくり上げた予算案であり、みんなで健康しが2.0をつくってまいりたいと存じます。  次に、2点目、子ども若者部の設置の効果についてでございますが、新たな部は、未来への希望である子供、若者一人一人が愛され、夢を持って健やかに育ち、周りにいる大人も大切に、社会全体で子供を育み、若者を支える滋賀を実現したいとの思いを込めたものでございます。その上で、具体には3点の効果を狙うものです。  1つ目は、スピード感を持った対応が求められる子ども・若者施策について、意思決定を迅速化し、より効果的、効率的な施策の実施を図ること。  2つ目に、新しい部が多岐にわたる子ども・若者施策の司令塔となることで、関係部局とも連携の上、施策を総合的に企画調整し、複合的な課題に、より的確に対応すること。  3つ目といたしまして、新たに子どもの育ち学び支援課を設置し、不登校やいじめ対策など、子供を取り巻く課題に福祉と教育の観点からチームで対応することにより、子供の居場所づくりや学びの機会の一層の確保を図ることでございます。これらの効果を最大限発現させ、施策を前に進めてまいりたいと存じます。  3点目、シニア職員についてでございますが、これまで、50代後半の職員に61歳以降の働き方の意向確認を行うとともに、各部局からシニア職員に担ってほしい役割を聴取するなどし、検討を行ってきたところでございます。その結果、シニア職員自身の意識やスキルのアップデートを行うこと、また、シニア職員が知識、経験を生かして業務担当者として活躍できる人事配置が一緒に働く職員にとっても望ましいものと考えているところでございます。  このため、今年度から、役職定年を迎える職員が業務内容や役割の変化を踏まえ、リスキリングを行いつつ組織への貢献意欲を高めるための研修を開始したところでございます。また、人員配置に当たりましては、県行政の安定的な運営や一層の発展に寄与できるよう、ベテランプレーヤーとして専門知識や人脈などを生かした業務を遂行する中で、係長や周囲の若手職員へのフォロー、育成も担える適材適所の配置に意を尽くしてまいりたいと存じます。  続いて、大きな2項目めでございますが、能登半島地震と防災・減災ということで、こちらは3点賜りました。  1点目、支援活動の中で得た気づきについてでございますが、派遣した職員からは、例えば紙おむつは子供用より大人用のほうがニーズが高いということでありますとか、発災当初は飲料水の需要が高かったが、1週間で置場所に困るほど届けられたという、こういったことも報告を受けており、被災者や地域によってニーズは様々でございますし、時間の経過とともに変化していくことから、適時適切に人的、物的支援を行うことの重要性を痛感しているところでございます。また、統括支援団体として能登町の支援を行う中で、被災自治体をはじめ国、関係機関等多くの関係者との調整の難しさも感じているところでございます。これらの気づきを各種計画や訓練等に反映し、県や市町の受援力の向上や災害対応に生かしてまいりたいと存じます。  2点目、地域防災計画の修正についてでございますが、地域防災計画は、これまでに発生した災害の教訓等を踏まえ、毎年、修正を行っているところでございます。能登半島地震では、道路の寸断により救助や支援活動に支障を来したことや、住家被害が多い上、断水が長期化し、高齢の被災者が多いことなどから、避難環境を改善するため、1.5次や2次避難所などの広域避難の対応が行われているところです。これらの課題から、計画の修正に当たりましては、複数の輸送手段のこと、また、ライフライン途絶時のトイレなどの避難環境のこと、また、高齢化の進展を踏まえた自助と共助のこと、また、迅速かつ的確に対応できる受援ということが現時点での重要な視点だと捉えており、国の防災基本計画の修正も踏まえながら、市町や関係機関と丁寧に協議し、修正作業を進めてまいりたいと存じます。  3点目、業務継続計画についてでございますが、業務継続計画は、毎年度、それぞれの所属において人事異動や事務分掌の変更などを踏まえ、修正をしているところでございます。今回の能登半島地震の経験から、例えば2次避難所の設置運営や市町への災害マネジメント支援など、現在の計画では想定していない新たな災害対応業務を追加する必要が見込まれるところでございます。このことから、必要となる災害対応業務の内容や人員の規模について検証するとともに、これに伴い、継続すべき通常業務のさらなる精査も必要になると考えております。  今後も、実効性のある業務継続計画となるよう、訓練や見直しを不断に繰り返し、災害対応能力の向上に努めてまいります。  続いて、大きな3項目めでございますが、北部振興についてでございます。こちらは7点賜りました。  1点目、北部振興の必要性についてでございます。  県北部地域は自然や歴史、文化など豊かな地域資源を有し、近畿圏、中部圏、北陸圏の結節点として高い可能性を有する一方で、過疎地域を多く抱え、人口減少や高齢化に伴う担い手不足等の課題が先行している地域でございます。このため、これまでから取り組んできた施策に加えて、まずは5年間、移住や関係人口を3,000人増やすことを目標として、今年度から地域資源や特性を生かした北の近江振興プロジェクトに着手したところでございます。  2点目、北の近江振興プロジェクトに期待する効果等についてでございますが、プロジェクトは3つのアプローチで取り組んでいるところです。  まず、1つ目のアプローチ、住み続けたくなる還りたくなる北部への中では、例えばしがのふるさと応援隊事業により、多様化するライフスタイルに応じた農山村体験プログラムを提供することで移住促進につなげていこうとしております。また、2つ目の、挑戦する若者が育ち集う北部への中では、プロフェッショナル人材戦略拠点北部サテライト事業により、企業のニーズに応じた専門人材とのマッチングにつなげ、企業に必要な人材確保を図ってまいりたいということで取り組んでおります。3つ目、訪れたくなる北部への中では、首都圏における北の近江魅力発信プロジェクトによりまして、セミナーや催事を通じて県北部地域の魅力に触れていただき、実際に訪れていただきたいという考えの下で実施をさせていただいております。こうした取組等により、移住者や関係人口の創出に努めてまいりたいと存じます。  3点目の、若者の流出についてでございますが、北部地域では特に10歳代後半から20歳代で大幅な転出超過が生じており、その原因といたしましては、進学先や就職先の選択肢が少ないということもあるのではないかと、また、先日開催された北の近江振興高校生サミットでは、交通の便が悪いことや遊ぶ場所が少ないことが指摘されたところであり、そうしたことも若い世代の転出の原因にあるのではないかと捉えているところでございます。  これらを踏まえまして、県北部地域における新たな産業用地の確保や女性活躍の推進をはじめ、若者が県北部地域の未来に新たな可能性を感じる施策を講じてまいる所存でございます。  あわせまして、北部3市と連携いたしました愛知県内での移住フェアへの出展、首都圏のしがIJU相談センターや、大阪に開設予定の移住相談窓口の活用など、移住候補先としての認知度を高めるとともに、より具体的に移住を検討していただく機会づくりにも取り組んでまいりたいと存じます。  4点目の、北部3市との連携についてでございますが、北部振興の推進には3市との連携協働は必要不可欠でございます。先日、長浜市、米原市の両市議会から意見書をいただきました。北部振興の推進に当たって何ができるのか、また、規制緩和も必要だという、そういったことでございます。特に規制緩和につきましてはいろいろと難しいこともあると思いますが、どうすればできるのか、探ってまいりたいと思います。  いずれにいたしましても、3市の御意見等も聞きながら、引き続き連絡調整を密にし、取組を進めてまいりたいと存じます。  また、米原駅は県内唯一の新幹線停車駅であります。交通の結節点でもありますことから、乗換え利便性を高め、県北部地域の振興を進める上で県北部の玄関口としての機能を高めていくことが大変重要であると考えております。そのため、米原駅東口周辺の土地活用の具現化に取り組む中で、県といたしましても、民間活力の導入により県有地と市有地が一体的に活用されることを目指し、民間事業者の公募を米原市と共同で行っているところでございます。県といたしましても、引き続き米原市と連携し、事業者選定や契約等の手続を遅滞なく進め、民間事業者の計画が確実に実現されるよう取り組んでまいりたいと存じます。  5点目、観光による北部振興についてです。  北陸新幹線の敦賀駅延伸は、東京─大阪間のいわゆるゴールデンルートに次ぐ新たなルートの構築、県北部地域に近接するターミナル駅、また、関西への玄関口の誕生であり、本県の観光にとって、北陸との連携による一体的な周遊をもたらす一層の契機となるものであると考えております。  そのため、首都圏等から来訪される観光客に県北部を周遊していただけるよう、鉄道事業者のアプリ等を活用した観光周遊企画を、50周年を迎える湖西線利用も含めて実施いたしますとともに、長浜市や米原市、高島市等で構成されるまいばら駅広域観光交流圏コンソーシアムの広域観光周遊の取組や、県北部地域ならではの誘客イベントの支援など様々な取組も進めてまいりたいと存じます。  今後、北陸新幹線延伸の効果の持続可能性を高めるため、府県域を越えた幅広い関係機関と連携いたしました観光企画や魅力発信など、広域周遊観光を一層推進し、北部振興を図ってまいりたいと存じます。  6点目、高校生サミットについてでございます。  未来の北部振興に挑戦する人材育成を目的に、滋賀県北部で学ぶ高校生が地域の魅力や課題などを探り、北部の未来について考え、発表する場として高校生サミットを開催いたしました。  当日の発表では、未利用魚の活用や高齢者層のQOL──クオリティー・オブ・ライフ向上、地域の歴史的、文化的な魅力の発信や地域公共交通など、的を射た、熱い思いが籠もった提案をたくさんいただいたところでございます。  高校生の活動に市や企業、地域の方々が様々な形で関わっていただき、高校生にとって、学校の中だけでは学べない多くの学びにつながり、また、地域の方々の元気にもつながったのではないかと考えているところです。  今回、高校生の視点で様々な課題へアプローチしてくれましたが、ある意味、課題は可能性でもあり、改めて北部地域の可能性を共有できたことが意義深かったと捉えているところでございます。  7点目の、北部振興にかける思い等についてでございますが、北の近江振興プロジェクトにおきましては、これまで先行事業として取り組んできた事業を、来年度、さらに発展、継続させるとともに、商工観光労働分野や健康医療福祉分野、文化芸術分野等、多面的に展開し、地域を支える人材の育成や地域産業の活性化に向けて取り組んでまいります。  また、伊吹山の保全や湖北圏域の病院再編など、直面している喫緊の課題や、中長期を見据えて継続的に取り組むべき課題についても着実に進め、人やまちがにぎわう北部地域を目指してまいりたいと存じます。  さらに、人口減少や高齢化に伴う担い手不足等の課題は、今後、他の地域でも顕在化してくることが想定されることから、取組の成果を他の市町などと共有し、横展開することで県全域へ波及させることができるよう、取組を進めてまいりたいと存じます。  続きまして、大きな4項目め、文化財についてでございます。その保存と活用について。こちらは3点賜りました。  1点目、現在の進捗についてでございます。  近年、少子化や若年人口の流出、価値観の多様化などにより、文化財を守ってきた地域の力が低下しつつあると認識しております。そこで、県の文化財保存活用大綱におきましては、みんなで文化財の保存継承を支え合う地域づくり・人づくりを優先テーマに掲げ、各市町の文化財保存活用地域計画の作成や地域総がかりによる保存活用の取組を支援しているところでございます。  地域計画の認定率は本県が全国1位を誇っており、具体的な取組におきましても、例えば文化財建造物の民間活用や多彩な文化財イベントの実施など、保存と活用の機運が醸成され、その推進力も着実に整えられつつあるのではないかと考えております。  現在も野洲市と日野町で計画作成が進められておりますが、県といたしましても、引き続き、市町への支援を通じて文化財の把握調査や保存活用に共に取り組むことで、滋賀の宝を確実に次世代へと継承してまいりたいと存じます。  2点目、令和6年度施策についてでございます。  新年度の文化財関連予算案につきましては、対前年度比で8億円以上の増額を行い、充実強化を図ることとしております。  まず、文化財の保存につきましては、延暦寺根本中堂などの保存修理事業を着実に進めますほか、次年度は葛籠尾崎湖底遺跡の発見から100年の節目となりますことから、水中遺跡にも光を当て、その保存と活用に向けた長期的な取組に着手したいと考えております。また、安土城考古博物館の第1期展示改修や新・琵琶湖文化館の整備など、文化財の保存、継承、活用、発信の基盤整備を進めますほか、安土城跡における令和の大調査や、見える化アプリの制作などにも引き続き取り組んでまいりたいと存じます。  令和6年度のこうした施策により、文化財の保存と活用をさらに推し進め、その先も事業を持続、発展させていくことにより、魅力あふれる地域づくりの礎を築いてまいりたいと存じます。  3点目、観光資源としての文化財活用の戦略についてでございます。  滋賀ならではのツーリズム、シガリズムの推進の一環といたしまして、三井寺や竹生島をはじめ、本県の魅力ある有形無形の多様な文化財を巡るツアー造成等に取り組むこととしております。また、お城は本県の貴重な観光資源であるとの認識の下、新年度におきましても、引き続き、近江の城を切り口に文化財の活用事業を展開してまいりたいと存じます。  首都圏等において全国的なお城イベントへ出展いたしますとともに、県内においては、北の近江振興の一環として「出張!お城EXPOin滋賀・びわ湖」を、今回は、次は米原市で開催する予定でございます。北陸新幹線敦賀駅の開業を好機と捉え、岐阜県、福井県との3県連携を深めつつ、公共交通の利用促進にも意を用いながら、観光誘客を図り、地域の活性化につなげてまいりたいと存じます。  続きまして、大きな5点目、森林づくりと伊吹山の保全ということについてでございますが、こちらは4点頂きました。  まず、1点目の森林づくりについてです。  これまでの成果といたしましては、奥地での針広混交林化や里山整備などの多様な森林づくりや、森林づくりの活動団体への支援などを通じた地域づくりに加えまして、林業従事者の確保と育成、森林環境学習やまのこの取組により人材育成にも努めてまいりました。  今後の課題といたしましては、利用期を迎え充実する人工林について、生産適地での主伐・再造林、県内での木材加工、流通体制整備による木材産業の競争力強化などの必要がございます。こうした課題に対応するため、やまの健康2.0の取組をさらに進めますとともに、県産材利用促進条例を踏まえまして、環境と経済が両立する滋賀らしいグリーン成長の実現に向け、引き続き取り組んでまいりたいと存じます。  2点目、森林組合の合併についてでございます。  合併により、主伐・再造林をはじめとした森林整備について、スケールメリットを生かした事業展開のほか、森林経営管理法に基づく市町事業の実施など取組の多角化、林業機械や施設の共同利用によるコストの縮減など、多くの意義があると考えております。  今後は、デジタル技術や高性能林業機械の導入による施業の効率化や木材流通センターへの木材の出荷体制の強化、森林資源を次世代へ安定的に引き継ぐための信託制度の導入により、経営理念である森林よし、組合員よし、組織よしの三方よしを実現されることを期待したいと存じます。  3点目の造林公社についてです。  平成27年度の伐採開始以降、順調に伐採材積量および伐採収益額を伸ばしており、中期経営改善計画をおおむね達成している一方で、長期経営計画とは大きな乖離が続いており、造林公社の経営には大変大きな課題があると認識しております。  今後の経営健全化と収益確保策について、今般の航空レーザー計測による森林解析の結果、債務弁済に必要な伐採材積量が想定の3割程度しか確保できず、188億円の債務の大部分が弁済不可能な見込みであることが新たに判明するなど、長期経営計画に基づく経営改善は大変難しいと認識しており、抜本的な見直しが必要だと考えているところでございます。そのため、あらゆる選択肢を排除せずに造林公社の在り方を検討するとともに、次の100年の森林づくりを見据え、これからの時代にふさわしい森林経営管理モデルの構築を目指してまいりたいと存じます。  4点目、伊吹山の保全についてです。  県と米原市の合同プロジェクトチームの枠組みの下、登山道につきましては、令和7年春の再開を目指し、復旧工事を進めてまいります。南側斜面の復旧につきましては、来年度中に策定いたします中長期的なロードマップに基づき、植生復元事業や治山事業を進めてまいります。また、山全体の環境保全に向け、山頂などで新たな手法による捕獲を行うなど、ニホンジカの捕獲を一層進めるほか、植生防護策の強化に取り組んでまいります。  多様な草花や生き物でにぎわう魅力的な伊吹山を取り戻し、生物多様性の象徴の一つとなるよう、米原市をはじめ地元関係者等とも連携いたしまして、粘り強く取り組んでまいりたいと存じます。  続きまして、大きな6項目め、生活困窮者支援につきまして3点、お答えいたします。  1点目の、生活困窮者の現状についてでございますが、県内の自立相談支援窓口への新規相談件数は、制度が創設された平成27年度から、年間2,000件から2,500件で推移しておりましたが、コロナ禍におきましては特例貸付けの相談などで1万件を超える状況でございました。今年度は12月末までで約1,900件となっており、コロナ禍前と同程度になる見込みと聞いております。  相談窓口には、長引く物価高騰の影響により、主に経済面の相談が寄せられておりますが、その背景にあります高齢の親がひきこもりの子供を支える、いわゆる8050問題やアルコール依存症など、重層的で複合的な生活課題を抱える方の相談が増えているとのことでございます。  2点目の、市町と一体となった取組についてでございますが、県では、市町をはじめ県や市町の社会福祉協議会とともにチームをつくり、研修会を企画立案し、相談支援員を対象とした事例検討やグループワークを行うなど、支援員同士が交流を図りながら資質の向上に努めております。また、郡部6町でのこの事業は県が実施主体でございますが、例えばその管内の町と連携いたしまして、税や年金、公共料金等の滞納者を把握し、生活困窮者への支援につなげている取組もあるとのことでございます。  今後、こうした取組を市町との連絡会議において共有いたしますとともに、市町や社会福祉協議会などの関係団体と連携しながら支援員のスキルアップに努めるなど、県と市町が一体となって効果的な事業を実施してまいりたいと存じます。  3点目、市町への支援についてです。  県では、市や町が生活困窮者の状況や地域の実情に合わせて円滑に事業を実施できるよう、必要な財源の確保について、これまでから国へ要望しているところです。今後も様々な機会を捉え、国へ働きかけますとともに、人材の確保育成のほか、どのような課題があるのか、市町の意見を丁寧に伺いながら対応を考えてまいりたいと存じます。こうした取組を通じ、市町とともに、困り事を抱える生活困窮者一人一人に寄り添った事業が実施できるよう努めてまいります。  続きまして、大きな7項目め、こちらは「子ども、子ども、子ども」ということで、3点、御質問いただきました。  1点目、(仮称)滋賀県子ども基本条例についてです。
     新たな条例では、現行の滋賀県子ども条例には規定がない子供の権利を盛り込むとともに、子供の意見聴取や、反映、権利を保護する仕組みなどについて定めていきたいと考えております。  県ではこれまでから子ども県議会や高校生サミットなどの取組を進めてまいりましたが、今後はさらに様々な分野で子供や若者の意見を聞き、施策に反映することで、全ての子供や若者が、現在、そして将来にわたって幸せに暮らせるこどもまんなか社会を実現してまいる所存でございます。  2点目、県庁における男性職員の育児休業取得状況等についてでございますが、令和4年3月に男性職員の育児休業100%宣言を行いまして、育休取得を促す私からのメッセージの送付に加えまして、育休職員を支える職員への適切な評価の実施など、取組を強化したところでございます。また、育休を取得しやすい職場づくりをさらに進めるため、昨年夏には全ての職場で管理職と若手職員が話し合う総対話行動も行ったところでございます。これらの取組により、宣言前の令和2年度に27.6%であった男性職員の育児休業取得率は令和5年12月末時点で75.3%と大きく向上いたしましたが、取得者のうち5.5%は1週間以内と、まだまだ取得期間が短い例が見られるということでございます。引き続き、事務事業の見直しや業務の効率化に加えて、育休取得職員の増加に柔軟に対応できる代替職員の確保等により、取得しやすい環境や期間等、育休の質の向上にも力を入れてまいります。  次に、3点目、民間企業等への取組についてでございますが、令和5年7月に実施いたしました県労働条件実態調査では、本県の男性の育児休業取得率は34.8%となっており、前年度の21.8%から大きく上昇しているとのことでございます。  議員御紹介の取組に加えまして、育児・介護休業法の改正による産後パパ育休制度の創設などにより、男性が育休を取得するという認識が社会に広まってきたことも要因だと考えております。  今後、県では、新たに就業規則等の見直しを支援することにより働き方改革を一層推進するとともに、育休中の業務代替などを対象とした国の各種助成金などを周知することで、男性育休の取得率、さらには取得日数の向上を促してまいりたいと存じます。  子育てをしやすい社会を目指す上では働き方を変えることが必要であると考えており、誰もが働きやすい、子育てのしやすい職場づくりに向け、国や労働団体、経済団体等とともに、男性育休が当たり前の社会を実現してまいりたいと存じます。  続きまして、大きな8項目め、ダイハツの生産停止に伴う影響等についてでございます。  1点目、相談状況、その影響についてです。  この事案を受けまして、ダイハツ工業株式会社では、工場等に勤務する従業員の雇用を維持するとともに、取引先企業に対して、2次取引先以降も含めて補償対象とされるなど、生産再開に向けてサプライチェーンを維持する方針であると伺っております。  そうした中、県内の各種相談窓口等におきましては、労働者から手取り収入が減り、先行きが見えないですとか取引先企業からは受注が止まり、補償の詳細も分からない、資金繰りを相談したいなど、生産再開の見通しが立たない中で、先行きへの不安や資金繰りを懸念するお声が寄せられているとのことでございます。  先日、2月16日に滋賀工場で生産している車種の一部について国が出荷停止の指示を解除されたところでございますが、引き続き、状況を注視し、関係機関と緊密に連携しながら、影響の把握に努めてまいりたいと存じます。  2点目、県の対応についてです。  この事案に関して、本県では昨年12月と今月に、滋賀県総合経済・雇用対策本部の本部員会議を開催いたしまして、現状を共有いたしますとともに対応方針を確認してまいりました。また、これまで国や市町等とも連携いたしまして、的確な情報の把握に努めますとともに、経済団体を通じて相談窓口や支援策の情報等を県内事業者に広く周知してまいりましたほか、影響を受ける中小企業等の事業活動を下支えするため、県のセーフティーネット資金の融資対象者を拡充してきたところでございます。  今後、生産停止のさらなる長期化にも備え、引き続き、セーフティーネット資金等を活用した資金繰り支援、また、滋賀労働局と連携いたしました雇用維持の取組、そして、関係機関との連携による情報収集や相談対応の3つの柱により、本県経済への影響を最小限にとどめられるよう対応してまいりたいと存じます。  続いて、大きな9項目め、観光誘客についてであります。こちらは4点賜りました。  まず、1点目の現状認識等についてでございますが、本県の宿泊旅行の状況は、日本人、外国人ともに、コロナ禍を経て、着実に回復しておりますが、令和5年1月から11月の合計ではコロナ禍前の水準の8割程度となっているとのことでございます。  そうした中、1月29日の石山寺の大河ドラマ館の開館、3月16日の北陸新幹線敦賀駅の開業、そして、3月28日の琵琶湖疏水線大津港延伸、さらには、県北部地域で琵琶湖の景観が楽しめるグランピングなどの新たな宿泊施設が複数開業されるなど、今後、さらなる誘客も見込まれるのではないかと捉えております。  本県の観光誘客における課題といたしましては、国内誘客では宿泊滞在型観光の拡大に向けた夜型や朝型観光などの新たなコンテンツの創出、海外誘客につきましては、認知度向上に向け、雪や伝統文化の体験など、ターゲットに応じた魅力発信が必要だと認識しております。  2点目、シガリズムの推進についてです。  観光地を単に巡るだけではなく、本県の豊かな自然や歴史文化、ゆっくり丁寧な暮らし方など、滋賀の魅力をより深く体験、体感していただけるツーリズムをシガリズムとして展開してきております。  これまで造成してまいりました約110のシガリズム体験コンテンツでは、特に刀鍛冶体験や金勝寺でのヨガ体験、丁稚ようかんづくりと水郷巡りなどが全体売上げの約3割と人気を博している状況だそうでございます。また、ビワイチの日におけるエイドステーション来場者数も昨年度から約1.8倍となっていると。ビワイチアプリ登録数も昨年度当初から約25%増の約6万件、サイクリストにやさしい宿の登録数も、この2年で54件と着実に増加しており、滋賀ならではのアクティビティへの関心も着実に高まってきているのではないかと捉えております。  そのため、引き続き、滋賀ならでは、かつ選ばれる体験コンテンツの充実を図りますほか、国内外に誇れるような特別感や高い満足感が得られるコンテンツの創出、シガリズムに込められたメッセージが響く多様な観光プロモーションの展開など、周遊滞在型観光につながる誘客をさらに推進してまいりたいと存じます。  3点目、映像を活用した観光誘客についてです。  本県では、県や市町で構成する滋賀ロケーションオフィスにおいて、映画やドラマなどの映像作品の誘致や支援を行うほか、県内のロケ地やゆかりの地の広報発信を積極的に行っており、本県の魅力発信や地域振興、ロケツーリズムによる観光誘客につながっているものと認識しております。例えばNHKの連続テレビ小説「スカーレット」が放映された令和元年の甲賀地域の延べ観光客数は前年比8.7%の増、宿泊者数は13.8%の増と大幅に増加したと伺っております。その後、甲賀市では「スカーレット」で甲賀を盛り上げる推進協議会が、昨年度、映像作品のロケ支援を行うフィルムコミッションに改組されるなど、映像誘致の取組は県内各地に広がりを見せていると承知をしております。また、映画「翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜」は、上映に加え、様々なメディアでも取り上げられたことなどから本県の認知度向上につながり、さらに、県内企業からも関連商品の販売促進に大きく寄与したとお聞きしております。  今後は、これまでの取組やノウハウを生かしながら、県内市町や関係団体等との密接な連携の下、大河ドラマをはじめとした映像作品の積極的な活用を通して、本県の魅力発信やロケツーリズムによる周遊滞在型の観光機会の創出を図ってまいりたいと存じます。  4点目、インバウンドの観光誘客についてでございます。  まず、先月の韓国観光プロモーションでは、本県の豊かな自然やビワイチ、ゴルフなどのアクティビティーの関心が特に高く、今後のインバウンド誘客に向けたさらなる可能性を感じたところでございます。  これまで重点市場の東アジアに対し行ってまいりましたSNSプロモーションや現地旅行会社へのセールス活動等により、台湾最大級の旅行メディアでの2023年上半期の訪日旅行計画先で本県が伸長率──伸び率全国1位となったとのことでございますし、10月に大阪で開催された海外向け大商談会においても、本県観光への商談希望が相次ぐなど、回復の兆しも一定見られると考えております。  今後は、大阪・関西万博を見据え、関西観光本部や近隣府県との連携により広域的な誘客に取り組むとともに、シガリズムの中でも特に訴求力のあるコンテンツのPRや、日本遺産や文化施設等を活用したツアーの造成、旅行会社の招聘等の取組を通じて、世界とつながる滋賀を目指し、さらなるインバウンド誘客に努めてまいりたいと存じます。  続きまして、農政、水産行政につきまして、こちらは7点賜りました。  まず1点目、農業水利施設についてです。  本県の農業用水利施設では老朽化が進み、突発事故のリスクが高まっているほか、農家の減少により末端水路の維持管理が困難になっているなどの課題がございます。このような中、不具合を早期に発見し、アセットマネジメントを適切に推進するとともに、人手不足の状況においても、農業者以外の参画を促し、地域全体で維持管理する仕組みを構築することが重要だと考えております。これらの対策により、農業生産に不可欠な農業水利施設を健全な姿で次世代に引き継いでまいる所存でございます。  2点目、農業経営体数の現状等についてでございますが、本県の農業経営体数はこの10年間で43%減少し、2020年では1万4,680経営体となっております。一方、経営規模が20ヘクタール以上の経営体は429と倍増し、本県農地の約3分の1を担っており、今後、規模の大きい経営体がさらに多くの農地を担っていく必要があると考えております。  このような経営体が持続的で生産性の高い、もうかる農業を実現するためには、1つは地域計画の策定による農地の集積や集約化、圃場の大区画化やスマート農業の推進による省力化などの取組が必要であります。こうした取組を加速するため、来年度は農業機械の自動直進運転も取り入れたモデルづくりを、北の近江振興プロジェクトの中で、関係機関や団体等と連携して進めてまいりたいと存じます。  3点目の、中山間地域の振興についてでございますが、これまで、中山間地域直接支払制度や世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策により、農地、農業水利施設の保全や地域コミュニティーの維持を支援してきたところでございます。引き続き、農地等の保全活動を支援する中で、農業者の急速な減少や高齢化に対応するため、自動草刈り機の導入など、農作業の省力化を促進してまいりたいと存じます。  さらに、しがのふるさと支え合いプロジェクトなど、地域と企業、大学等との連携を推進することで、関係人口の創出や移住定住を促進し、本県の農業、農村を振興してまいりたいと存じます。  4点目、アユ資源、また、漁業共済についてでございますが、昨年秋の産卵数は、河川の高水温などのため平年の20%となり、その後の琵琶湖内における資源も、魚群探知機による調査で、1月は平年の20%、2月は37%と低水準であり、漁獲につきましても、1月以降、極めて低調な状況と聞いております。  今後は、資源や漁獲の状況を注視し、必要と判断された場合には人工河川への親魚──親の魚の追加放流など、来期以降のアユ資源を確保するための対策を検討してまいりたいと存じます。  また、琵琶湖での漁業共済導入に向けましては、国や漁業共済団体と調整を進めているところでございます。令和6年度中に共済の活用が実現できるよう取り組んでまいりたいと存じます。  5点目、漁協組織再編の課題と対応についてです。  滋賀県漁業協同組合連合会、27の漁業協同組合、10の市および県が参画いたします滋賀県一漁協合併推進協議会の下、合併契約書や事業経営計画などの案が策定されたところでございます。  現在、各漁協において、組合員の理解醸成を図りながら組合としての参加意思を確認中であり、一部の漁協においては参加を判断しかねていらっしゃる状況と聞いております。今回の合併に多くの漁協が参加し、漁業者を支える足腰の強い組織となるよう、引き続き、合併に対する支援を継続いたしますとともに、担い手の確保や流通改善、資源管理等の支援を強化してまいりたいと存じます。  6点目、水産試験場全体の更新についてです。  水産試験場の本館や第一飼育実験棟などの建物は、滋賀県県有施設更新・改修方針において、水産業振興を支えていく公設試験研究機関として必要な機能を維持する必要があるとして更新対象としております。水産試験場が求められる研究ニーズに対応していくために、施設、運営の両面から、その機能を最大限に発揮できる施設となるよう基本計画を取りまとめているところでございます。令和10年度末の完成を目指し、整備を進めてまいります。  また、水産試験場の機能は、屋外飼育池や港湾などの更新対象外施設も含め、健全な状態で備わっていることが必要であるとのことから、これらにつきましても一体的に検討する方針であり、まず、来年度、状況の評価や調査を行うこととしております。  7点目、醒井養鱒場についてです。  醒井養鱒場はマス類の養殖施設であるとともに観光施設としての機能を有しており、養殖の生産効率に加え、来場者の安全性確保と魅力の向上が求められると認識しております。  飼育池などの場内の施設は老朽化が進んできていることから、醒井養鱒場の持つ機能を維持できるよう、施設更新について研究してまいりたいと存じます。  加えまして、醒井養鱒場が北の近江地域における観光拠点の一つでありますことから、150周年の機会を契機に魅力を向上させることで来場者の増加を図り、周辺地域の活性化に寄与できるよう取り組んでまいりたいと存じます。  続いて、大きな11項目め、THE シガパークについて。こちらは2点賜りました。  1点目は、これまでの取組の成果、今後の取組についてでございますが、今年度はポータルサイトを開設し、THE シガパークとして一元的な情報発信を始めたほか、県広報誌での特集、2030年に向けたロードマップの作成、びわ湖の日やビワイチの日に合わせたイベントの開催、駐車場の有料化社会実験などを実施してまいりました。こうした、推進会議による部局を超えた検討や取組によって、これまでにはなかった相乗効果が生み出され、2030年に目指す姿の実現に向け、確かな一歩を踏み出すことができたのではないかと、一定、評価しているところでございます。  今後は、企業や市民との協働の機運を醸成しつつ、ボランティアを行うパートナー企業登録制度の導入や、ネーミングライツや寄附などの民間資金の導入、民間による収益施設の設置に向けた支援などの施策をパッケージにしたTHE シガパークPPPに積極的に取り組んでまいりたいと存じます。  また、今後も駐車場の有料化のみならず、マナーよく快適に利用してもらうための様々な社会実験に取り組んでまいりたいと存じます。  さらに、公園の魅力向上に必要不可欠な清潔、快適なトイレの整備には強く、特に強くこだわりを持って進めてまいりたいと存じます。そのため、補助金の活用やTHE シガパークPPPの実施による収益の確保、施設の有料化検討など、財源づくりにつきましても、それぞれの部局、部局横断で取り組んでまいりたいと存じます。  2点目、世界一の公園を目指す思いについてでございますが、コロナ禍におきましては大変窮屈な生活を強いられる中、多くの県民が憩いと安らぎを求め、琵琶湖岸等を多く散策されたと存じます。私も散策しておる折に県民の方々からこのような空間をつくってくれてありがとうとのお礼を何度もいただき、私自身、「しがの公園」を大事にしたい、また、それが県民から託された思いであるとの実感を強く持つようにもなりました。そうした経験から、高い価値と魅力を持つ「しがの公園」を生かすTHE シガパークプロジェクトをスタートさせたところでございます。  様々な種類の公園がある中で、私が自らリーダーシップを執り、庁内に横串を刺し、県民から託された思いを実現すべく、清潔、快適なトイレ整備をはじめ、全体のレベルアップを図ることで、琵琶湖を中心とする滋賀県全体が一つの大きな公園であるかのように、子供たちが遊び、学び、全ての世代の人が憩い、集い、四季の移ろいや山川草木が感じられる世界一魅力的な公園づくりに全力を挙げてまいりたいと存じます。  続きまして、12項目め、医療福祉拠点整備と病院経営について。こちらでは、6点のうち、私に2点賜りました。  まず1点目、医療福祉拠点についてでございますが、令和5年2月から実施いたしました市場調査では具体的な提案が得られず、大学設置認可や採算面の課題が明らかとなったところでございます。  このため、学校法人の積極的な参画を促すための条件等を検討した上で、事業実施に当たっての県からの支援等を示し、1月から再度、市場調査を実施しているところであり、調査に参加する民間事業者からは、目標としている令和9年4月の供用は難しいという御意見を頂いているところです。今後、民間事業者の意向も確認し、早期に供用開始できるよう取り組んでまいりたいと存じます。  また、県内の大学や専門学校と、今後の学生確保や定員等に関して意見交換を行っており、この結果も踏まえ、県全体の人材養成の在り方について、県が主体的に検討、調整を行うこととしております。  さらには、県内で人材を養成し、県内の就職につなげ、定着できるよう、医療福祉拠点を中心とした全県的なネットワークによる連携した取組を進めてまいりたいと存じます。  2点目の、県内の公立病院におけるプランの策定状況等についてでございますが、公立病院経営強化プランは、持続可能な地域医療提供体制を確保していくため、地域の実情を踏まえつつ、必要な経営強化の取組について策定するものです。現時点において、県内の14の公立病院のうち3病院が策定済み、残りの11病院も今年度中の策定を予定されているとのことでございます。引き続き、今年度末までに全ての公立病院においてプランが策定され、持続的な病院経営が確保されるよう、地域医療構想との整合性等を確認しながら必要な助言などを行ってまいりたいと存じます。 ◎病院事業庁長(正木隆義) (登壇)病院経営について、私に頂いた4点の質問にお答えします。  1点目の、総務省ガイドラインへの対応等についてでございますが、現行の第5次滋賀県立病院中期計画をガイドラインに適合したものとなるよう改定作業を進めており、改定素案では、ガイドラインに基づき、地域の医療機関との機能分担や連携の強化、救急医療の充実のほか、新たな取組として、働き方改革の推進や総合病院が県の災害拠点病院の指定を目指すことなどを盛り込んでおります。また、経営形態の議論を踏まえまして、総合病院と小児保健医療センターの統合の効果を生かして、医療従事者の安定確保や診療機能の充実、診療報酬の拡大、施設利用の最適化など、医療の充実や経営の安定化を着実に推進することとしております。  2点目の、小児専門医療の提供体制と機能向上についてお答えします。  小児病棟の病床数につきましては、県外からの患者の減少、15歳以上の患者割合の増加、小児予防医療の進歩、少子化の進展等による新規入院患者数の減少を踏まえ、72床を確保することとし、一時的な患者の増加には病院全体の病床を活用して対応することとしております。  提供体制につきましては、組織横断的な(仮称)こどもケアセンターや小児の特徴的な医療を提供する高度医療センターを設置し、小児専門医療や福祉サービスを包括的に提供し、これまで担ってきた機能の充実強化を図ってまいります。  また、機能向上につきましては、専門医との連携による診療できる疾患の拡大や、重度障害児等の成人後の対応、夜間休日の検査、調剤への対応の強化などに取り組むこととしているほか、レスパイト需要に対応するため、障害者総合支援法に基づく医療型短期入所の実施に必要な体制の構築や、県内各地域でのレスパイトの受入れが進むよう、指導や研修を行ってまいります。  3点目の、経営改善のための具体的な取組でございますが、経営状況につきましては、新型コロナ拡大前に引き続き大変厳しい状況が続いており、収支の改善が喫緊の課題であると認識しております。  収益の拡大に向けましては、患者確保や病床稼働率向上のため、さらなる医療機能の充実や救急医療体制の強化、地域医療機関との機能分化や連携強化による紹介率の引上げに取り組むほか、新たな診療報酬の加算の取得などにより増収を目指すこととしております。費用の縮減に向けましては、専門家のノウハウを活用した医薬品、診療材料の調達や委託業務の仕様の見直し、事務部門の一元化などに取り組んでまいります。  4点目の、計画推進に向けた決意でございますが、議員御指摘のとおり、医療の現場は医師や看護師など様々な職種の職員で構成され、それぞれの専門性を超えたチームとしての取組、組織としての使命の共有が重要と考えております。県立病院が県民の命と健康を守り、県民に信頼される病院であり続けるため、これまで以上に現場に入り、病院長をはじめとする幹部職員と職員一人一人が求められる使命や役割を共有し、中期計画で掲げる取組を一丸となって推進してまいる所存でございます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)最後に、特別支援学校について、私に賜りました1点、分離新設に至った経緯についてお答えいたします。  令和5年度の県立特別支援学校の在籍者数は過去最高となり、特に野洲養護学校は令和4年度に400名を超え、令和5年度も過去最高の413名となり、在籍者数の増加が続いているところでございます。また、草津養護学校におきましては、近年、360名を超える状況が続いております。  今後の児童生徒数の推移を踏まえますと、野洲養護学校、草津養護学校では、引き続き、300名以上の児童生徒数が継続すると見込まれますことから、子供たちにとってよりよい教育環境を整えるため、分離新設が最善の方策であると判断したものでございます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)特別支援学校について、私にいただきました2点の御質問にお答えをいたします。  1点目の、新校の設置場所の考え方についてでございますが、設置場所につきましては、野洲養護学校と草津養護学校両校の大規模化に伴う課題の解消につながるように考える必要がございます。選定に当たりましては、児童生徒の教育的ニーズに応じた指導、支援が提供できる規模やスクールバスの乗車時間などを総合的に勘案し、教育環境として適切な場所の選定に努めてまいります。  2点目の、特別支援学校の施設面での課題認識と対策についてでございますが、特別支援学校におきましては、野洲、草津養護学校の大規模化のほかにも、狭隘化および老朽化などの課題があるものと認識をいたしております。こうしたことから、今後の児童生徒数の推計、現有施設の状況など、総合的な観点から検討を進め、今回、北大津養護学校の狭隘化対策として校舎の増築をお願いしているところでございます。  そのほかの特別支援学校におきましては、施設の老朽化などの課題があるものと認識をいたしておりまして、引き続き、トイレ改修や必要な修繕などを計画的に実施してまいる所存でございます。 ○議長(奥村芳正) 以上で、会派代表による質疑ならびに一般質問を終わります。    ──────────────── △休会の議決 ○議長(奥村芳正) お諮りいたします。  明20日および21日は、議案調査のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(奥村芳正) 来る22日は、定刻より本会議を開き、上程議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。   午後2時47分 散会    ────────────────...