滋賀県議会 2023-12-08
令和 5年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月08日-04号
令和 5年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月08日-04号令和 5年11月定例会議(第16号〜第22号)
令和5年11月定例会議会議録(第19号)
令和5年12月8日(金曜日)
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議事日程 第4号
令和5年12月8日(金)
午 前 10 時 開 議
第1 議第132号から議第160号まで(令和5年度滋賀県
一般会計補正予算(第5号)ほか28件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問
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本日の会議に付した事件
第1 日程第1の件
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会議に出席した議員(43名)
1番 谷 口 典 隆 2番 田 中 英 樹
3番 谷 成 隆 4番 小 河 文 人
5番 菅 沼 利 紀 6番 桐 田 真 人
7番 岩 崎 和 也 8番 野 田 武 宏
9番 森 重 重 則 10番 田 中 誠
11番 河 村 浩 史 12番 柴 田 栄 一
13番 中 山 和 行 14番 赤 井 康 彦
15番 河 井 昭 成 16番 佐 口 佳 恵
17番 小 川 泰 江 18番 田 中 松 太 郎
19番 清 水 ひ と み 20番 井 狩 辰 也
21番 本 田 秀 樹 22番 柴 田 清 行
23番 重 田 剛 24番 白 井 幸 則
25番 村 上 元 庸 26番 桑 野 仁
27番 周 防 清 二 28番 海 東 英 和
29番 加 藤 誠 一 30番 目 片 信 悟
31番 有 村 國 俊 33番 川 島 隆 二
34番 奥 村 芳 正 35番 駒 井 千 代
36番 木 沢 成 人 37番 清 水 鉄 次
38番 大 野 和 三 郎 39番 角 田 航 也
40番 冨 波 義 明 41番 九 里 学
43番 今 江 政 彦 44番 中 沢 啓 子
45番 節 木 三 千 代
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会議に欠席した議員(1名)
32番 岩 佐 弘 明
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会議に出席した説明員
知事 三 日 月 大 造
教育長 福 永 忠 克
選挙管理委員会委員長代理 柴 田 智 惠 美
人事委員会委員長代理 曾 根 寛
公安委員会委員長 大 塚 良 彦
代表監査委員 河 瀬 隆 雄
副知事 江 島 宏 治
副知事 大 杉 住 子
知事公室長 松 田 千 春
総合企画部長 浅 見 裕 見 子
総務部長 東 勝
文化スポーツ部長 谷 口 義 博
琵琶湖環境部長 森 本 哲 司
健康医療福祉部長 大 岡 紳 浩
商工観光労働部長 林 毅
農政水産部長 岡 田 英 基
土木交通部長 三 和 啓 司
会計管理者 中 田 佳 恵
企業庁長 東 郷 寛 彦
病院事業庁長 正 木 隆 義
警察本部長 中 村 彰 宏
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議場に出席した事務局職員
事務局長 箕 浦 宏 昌
議事課長 野 口 浩 一
議事課参事 内 田 吉 行
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午前10時 開議
○議長(奥村芳正) これより本日の会議を開きます。
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△諸般の報告
○議長(奥村芳正) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。
選挙管理委員会世古正委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として柴田智惠美委員が、また、
人事委員会池田美幸委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として曾根寛委員が、それぞれ出席されておりますので、御了承願います。
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○議長(奥村芳正) これより日程に入ります。
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△議第132号から議第160号まで(令和5年度滋賀県
一般会計補正予算(第5号)ほか28件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問
○議長(奥村芳正) 日程第1、議第132号から議第160号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。
発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。
まず、3番谷成隆議員の発言を許します。
◆3番(谷成隆議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。
自民党滋賀県議会議員団、谷成隆。
通告書に従いまして、一問一答で、私からは、建設業の2024年問題について、土木交通部長に幾つか質問させていただきます。
国は、かつてなく少子高齢化が進み、人口減少が避けられないことから、労働力を確保するため、2015年に一億総活躍社会の実現を掲げました。それを背景にし、労働環境を見直し、生産性を向上させるとともに、労働人口の減少や少子高齢化といった社会問題に向き合って、少子高齢化に伴う生産年齢人口15歳から64歳の減少や働く人のニーズの多様化に対応し、就業機会の拡大や働く人の意欲や能力を存分に発揮できる環境づくりを推進することは重要であることから、働く人の個々の事情に応じた多様な働き方を選択できる社会の実現を目指す、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律、通称働き方改革関連法が2018年──平成30年6月に成立しました。
その法案の検討に当たって大きく8つのテーマがありました。1つ目には、残業時間の上限規制、2つ目には、有給休暇の取得を義務化、3つ目は、
フレックスタイム制の見直し、4つ目は、インターバル性の普及促進、5つ目は、
高度プロフェッショナル制度の新設、6つ目は、同一労働・同一賃金の実現、7つ目は、中小企業での残業月60時間超えの
割増し賃金率引上げ、8つ目は、産業医の権限強化でした。
労働基準法をはじめ、関連法が多岐にわたって改正された働き方改革関連法は、2018年7月に公布され、翌年2019年4月1日に施行されました。この法案は2019年4月1日に施行されていますが、中小企業に対しては1年間の猶予をされ、翌年の2020年4月1日から順次適用されています。
中でも、時間外労働の上限規制は、建設業では、高齢化や労働人口の減少に伴う人材不足で長時間労働が常態化しているといった労働環境の課題が存在することから、短期間では難しい点を考慮し、法案の施行から5年間の猶予期間が設けられましたが、いよいよ2024年──来年4月1日から建設業界に時間外労働の上限規制が適用されます。
働き方改革は、建設業界にとって大難と言われています。
道路や橋、高層ビル、新築住宅、誰もが日々当たり前に使うインフラや建築物にも、それらを造り、支える人がいます。働き方改革の大波が建設業界にも押し寄せてきていますが、目先の労働時間の削減でなく、直視するべき課題は、深刻な人手不足や高齢化あるいは一向に上がらない賃金ではないかと考えています。
本県のインフラや建築物は、県が有する機能であり、また、県土そのものであると思います。これまでの当たり前であったものをこれからも続けていけるかを念頭に幾つかの質問をさせていただきます。
国土交通省が2021年に発表した建設業の働き方改革の現状と課題によりますと、建設業の就業者の状況は、2020年での55歳以上の割合は36%で、29歳以下の割合は11.8%であり、全産業における55歳以上の31.1%、29歳以下の16.6%に比べて高齢化の進行が深刻な状況となっています。
今後、全ての団塊の世代が75歳になります2025年からは、高齢となったことより多くの離職者が予想され、少子高齢化による労働人口の減少も加わりまして、建設業の人材の確保と技術の継承はさらに大きな課題となってまいります。
29歳以下の建設就業者が1割にとどまっている背景には、若年層の離職率の高さも影響していると考えられています。厚生労働省の雇用動向調査によると、2018年に60代以上と29歳以下の離職率が逆転し、それ以降は29歳以下の若年層の離職率が他の年代に比べて高くなっているとのことでした。若年層の離職率が高くなっている主な理由として、休みが取りづらい、労働に対して賃金が低いが挙げられています。
また、建設業界では、今の若い世代は自分の時間や家族との時間を優先する傾向が強く、採用するにも定着させるにも苦労するとの声があります。
それに加え、建設業は、全産業に比べ年間労働時間が長いとの問題を抱えています。国土交通省の発表によりますと、年間労働時間は製造業と比べて147時間、全産業と比較すると364時間長く、年間出勤日数では製造業と比べて20日、全産業とでは30日多い調査結果が報告されています。
それ以外の労働環境では、多くの大企業では週休2日制を導入されていますが、建設業界全体の休日は64%が4週4休以下となっています。
これらの建設業の課題と働き方改革の実現のために2017年3月28日の働き方改革実現会議で決定された働き方改革実行計画では、建設業の今後の取組として、適正な工期設定や施工時期の平準化、さらに適切な賃金水準の確保を挙げています。
そこで、建設業の2024年問題等の課題を受けての土木工事の執行について質問します。
まず1点目として、建設業の働き方改革を受けた土木工事の発注者として、県は2024年に向けていかに対応しているのか、土木交通部長にお伺いします。
○議長(奥村芳正) 3番谷成隆議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎土木交通部長(三和啓司) (登壇)お答えいたします。
来年4月から建設業においても適用されます時間外労働の上限規制に対応するため、県におきましては様々な取組を行っております。
まず、適正な工期の設定でございますが、土日祝日や悪天候等による作業の不能日に加えまして、猛暑日でありますとか地域の祭礼日など、不稼働日数等を考慮いたしまして、適正に工期を設定しているところでございます。
次に、施工時期の平準化でございますが、従前は年度末に工事が集中しておりましたが、現在は、債務負担行為等を活用いたしまして、会計年度にとらわれず柔軟に工期を設定したり、受注者が技術者や資機材の状況に応じて着手時期を選択できる余裕期間制度を活用するなどし、施工時期が偏らず、平準化するよう工夫をしております。
さらに、賃金水準の確保でございます。最新の積算基準や労務、資材単価を用いまして、適正な予定価格を設定し、受注者が適正に利潤を上げ、担い手を確保、育成できるよう配慮しているところでございます。
◆3番(谷成隆議員) (登壇)ありがとうございます。
2点目として、建設業における長時間労働を改善するには、発注者の理解と協力が不可欠であると考えますが、建設業界との連携協力はいかにしておられるのか、土木交通部長にお伺いします。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
これまで、タブレット等を活用いたしましてリモートでの現場立会や工事関係書類の簡素化などにより、受注者の方の長時間労働を改善する取組を行ってまいりました。
また、これらの取組につきましては、県および建設産業従事者や学識経験者等で構成いたします滋賀県
建設産業活性化推進懇話会におきまして、毎年意見交換を行い、さらなる改善につなげているところでございます。
今後は、こうした県の取組を市町が発注する工事におきましても実施いただけるよう、県のノウハウを市町に提供するなどして、さらなる支援に努めてまいりたいというふうに考えております。
◆3番(谷成隆議員) (登壇)ありがとうございます。
それでは、次に、若年層の離職が多く、定着しない建設業において、技術の継承はインフラを造り、維持存続をさせる上で避けては通れない課題であると考えます。建設業の技術者や技能労働者を育成、確保するために、建設業界と連携協力されている具体的な取組がありますか、土木交通部長にお伺いします。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
担い手育成の取組でございますが、県におきましては、建設業協会と協働いたしまして、建設産業従事者の技術力向上のための技術者養成講座や研修会を開催しているところでございます。
また、将来の担い手確保の取組といたしまして、子供たちが建設産業に触れ、感じ、楽しく学べるけんせつみらいフェスタなど、建設業の魅力を発信する様々な行事を建設業団体と協働で開催をいたしているところでございます。
◆3番(谷成隆議員) (登壇)ありがとうございました。
4点目として、土木工事では、個別に設計された極めて多岐にわたる目的物を、多種多様な現地の自然条件、環境条件の下で生産されるという特殊性を有しています。このため、当初に予見できない事態、例えば、土質、湧水等の変化などによりやむを得ず設計変更をする場合があると思いますが、県としてはどのように対応されておられるのか、土木交通部長にお伺いします。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
適切に設計変更を行うことは、公共工事の品質確保の促進に関する法律で発注者としての責務というふうにされております。
県といたしましても、令和4年12月に設計変更の手続に関するガイドライン、これを更新いたしまして、それぞれの工事で設計変更が適切に行われるよう、変更が可能な条件等の具体化、明確化を図ったところでございます。
今後も、ガイドラインの運用を徹底いたしまして、適切な設計変更に努めてまいりたいと考えております。
◆3番(谷成隆議員) (登壇)ありがとうございます。
次に、5つ目として、建設業の人材確保や若年層の就業者を増やすため、建設業には就かない主な要因となっている人手が少なく休みを取りづらいや、猛暑や厳寒など厳しい労働環境の割には賃金が低いの課題に対応して、人材を確保するために休日を増やしたり賃金水準を上げることは当然のこととして十分に理解できますが、現実問題として、直近の2022年の建設業の就業人口は日本全体で約6万6,000人減少しています。
建設業の就業人口が減少し続けていることを踏まえると、建設労働者の時間外労働の60時間超えは避けられないものと考えられ、残業の
割増し賃金率引上げの上に、働き方改革により建設業界の休日が増え、賃金水準が上昇し、さらに原材料費や流通コストの高騰のほか、人材不足による人件費の高騰によりまして土木工事の費用は大きくかさむこととなると考えられます。
これらを受けまして、土木工事の原材料費や流通コストの人件費の高騰を受けた予算確保をいかに対応されようとしておられるのか、土木交通部長にお伺いします。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
議員御指摘のとおり、人件費や原材料費が高騰いたしますと、同じ予算でも事業進捗に遅れが生じるおそれがございます。そうした事態が生じないよう、事業執行の重点化でありますとか、工事のコスト縮減等にも取り組みつつ、しっかりと必要な予算額の確保に努めてまいりたいと考えております。
◆3番(谷成隆議員) (登壇)ありがとうございます。
6点目として、2025年に大阪・関西万博の開催が予定され、新聞やテレビ報道によりますと、パビリオンなどの発注や工事が思うように進んでいないことを耳にします。
大阪・関西万博の開催に間に合わせるために建設業界の多くを万博に取られてしまい、本県の土木工事を担う建設業界が手薄となり、その影響で本県の土木工事が割高になるとか、入札が不調に終わるなど、土木工事の執行に支障が出ないかと懸念しております。
大阪・関西万博の開催に伴い、本県の土木工事の執行に関して、その影響等をどのように把握しているのか、土木交通部長にお伺いします。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
大阪・関西万博でございますが、これは、大規模な施設等の整備が行われましたさきの東京オリンピックと並ぶ国家的なプロジェクトと認識しております。さきのオリンピックにおきましては、施設整備の最盛期においても、本県の入札の不調、不落件数でありますとか建設資材の価格には大きな変動は確認されず、本県事業執行への影響はほとんどなかったものというふうに認識しております。
しかしながら、今回の大阪・関西万博は、近隣の大阪市がメイン会場となりますことから、今後、万博関連の施設整備が本格化していく中で、県内の技能者の確保状況でありますとか、労務費、資材単価等の動向につきまして、緊張感を持って注視してまいりたいというふうに考えております。
◆3番(谷成隆議員) (登壇)ありがとうございます。
最後に、7点目ですが、1964年の東京オリンピックを契機に、高度経済成長期に整備された道路、橋梁などのインフラの老朽化の波が一気に押し寄せ、県民の安心・安全な暮らしを脅かしかねない状況となっていると思います。老朽化したインフラを適正に補修、修繕を行い、機能維持を図ることが望ましいと考えますが、予算に限りがあることは誰もが認めざるを得ないことと理解しております。
人件費や原材料等の高騰による工事費の増加に対して、県民の安心・安全な暮らしを守るため、限られた予算の中、老朽化したインフラを適正に維持するためにどのように対応されているのか、土木交通部長にお伺いします。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
まずは、インフラの老朽化対策を着実に実施していくため、現在の国の5か年加速化対策、この予算を引き続きしっかりと確保してまいりたいというふうに考えております。
また、今年度に改正されました国土強靱化基本法を踏まえまして、令和7年度末で終了いたします5か年加速化対策期間の完了後におきましても、この国土強靱化を継続的、安定的に推進できますよう、必要な財源の確保に向けて、しっかりと国に要望してまいりたいというふうに考えております。
◆3番(谷成隆議員) (登壇)最後に、いろいろと取り留めのない質問に御回答いただきありがとうございました。御回答いただいた土木交通部さんは、建設業界と同様に、県民が日々当たり前のように使うインフラを造り、支える方々と思っております。県民の負託に応えていただくよう、今後ともよろしくお伺い申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(奥村芳正) 以上で、3番谷成隆議員の質問を終了いたします。
次に、40番冨波義明議員の発言を許します。
◆40番(冨波義明議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従い、
帯状疱疹ワクチン接種の推進と国道8
号野洲栗東バイパス工事の遅延について、いずれも分割方式で伺います。
まず、
帯状疱疹ワクチン接種の推進について、
健康医療福祉部長に伺います。
最近、テレビで帯状疱疹ワクチンの接種を勧めるCMをよく目にするようになりました。実は、私も本年2月初旬に帯状疱疹を発症いたしました。最初は左脇腹の後ろから背中にかけて、少々かゆみを伴う赤い小さな発疹が5つ、約3センチほどの長さで5つ、ぽつぽつぽつと並んでできました。この発疹自体には痛みはなく、塗り薬を使い治療をしましたが、これが帯状疱疹の発疹だという自覚はございました。というのは、同じような症状を約20年前、50歳を迎える直前に経験いたしまして、病院で診察を受けたときに帯状疱疹と診断された経験があったからでございます。このとき初めて帯状疱疹という病名を知りましたが、そのときはこの発疹が出ただけで終わりました。
しかし、今回は、発疹が出てから数日後に、左胸の肋骨に神経痛のような激痛、いわゆる帯状疱疹後神経痛──PHNを発症し、これが3週間ほど続きました。この間は、四六時中胸に激痛が走り、就寝時には寝返りを打つことも難儀をいたしまして、何よりも痛みで寝られないという悲惨な状況でございました。
医師の話では、50歳以上で帯状疱疹になった人の約2割がこのPHNになるとのことでした。私自身がこの帯状疱疹を経験いたしましたので、テレビのCMに非常に敏感になったり、私の周りにも意外に多くの帯状疱疹の経験者がおられることに気がついたのかもしれませんが、この疾病は高齢社会において誰もが経験し得る疾病であることを痛感したところでございます。
帯状疱疹は、幼少期に水痘──水ぼうそうにかかった者、この者は、治った後も水痘ウイルスが体内に潜んでおり、疲労やストレス、免疫力の低下等をきっかけとして、また、糖尿病やがんなど免疫力が低下する病気を原因として発症する疾患だそうで、日本人成人の9割以上が帯状疱疹になる可能性があるとされています。50歳頃から発症しやすくなり、80歳までに3人に一人が発症すると言われてもいます。また、3歳未満への水痘ワクチンの定期接種化の影響として、今後、この帯状疱疹が増加する可能性も指摘をされているところでございます。
一方、帯状疱疹はワクチン接種で予防することができることから、テレビなどで50歳以上の者へのワクチン接種が呼びかけられていますが、ワクチン接種率の上昇へとは結びついていないのが現状であります。ワクチンを接種する方がまだ多くならない理由の一つには、ワクチン接種費用が非常に高額であることが挙げられています。
水痘に感染した日本人成人の9割以上が帯状疱疹を発症する可能性があるとされていることや、発症時の皮膚のひどい湿疹やかぶれ、PHNに伴う日常生活への悪影響、そして、高額なワクチン接種費用などを勘案いたしますと、
帯状疱疹ワクチン接種に対する公的な助成制度の確立は喫緊の課題と言えます。
そこで、以下、全て
健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。
まず1点目に、帯状疱疹を発症する原因と、なぜ増加しているかについて、専門的な見地から改めて伺います。
2点目に、帯状疱疹に伴う重篤な症状や日常生活への影響、また、帯状疱疹発症による後遺症とその影響について伺います。
自分が帯状疱疹に罹患したことで気づかされたのですが、私の周りにも帯状疱疹に罹患された方が多数おられます。ちなみに、野洲市健康福祉部の資料によりますと、野洲市における罹患者数、年間推定数ですが、本年4月段階で50歳以上222人、65歳以上164人と推計されています。また、長く続くコロナ禍によるストレスなどから、全国的に帯状疱疹罹患者が増加しているとも仄聞しているところです。そこで、3点目に、全国および県内の帯状疱疹罹患者の現状について伺います。
コロナ禍が取りあえず一段落したかと思われる今年に入ってから、気のせいかもしれませんが、帯状疱疹ワクチンの接種に関するテレビCMや病院でのポスター掲示、チラシなどがやけに目につくようになりました。そこで、4点目に、このタイミングでワクチン接種のCMが流れている、その背景について伺います。
コロナ禍は、生活スタイルや働き方にも大きな影響を及ぼすとともに、人々のストレス増加の要因にもなっています。これらストレスによる免疫力の低下は、体内に潜む様々なウイルスが再活性化することによって引き起こされると言われており、賛否両論はありますが、帯状疱疹もそうした疾患の一つではないかと仄聞しているところです。そこで、5点目に、帯状疱疹と新型コロナウイルスの影響、とりわけ新型コロナワクチン予防接種との因果関係について伺います。
帯状疱疹はワクチンで予防できる疾病とされており、ワクチン接種は極めて効果的だとされています。6点目に、帯状疱疹ワクチンの種類と効果および副反応、併せてワクチンの接種回数と費用について伺います。
7点目に、現在のところ、帯状疱疹ワクチンの接種は任意接種とされていますが、定期接種と任意接種の違いについて伺います。
帯状疱疹を発症する高齢者が今後も増加していく可能性が指摘されていることを踏まえ、
帯状疱疹ワクチン接種に対する公的助成が必要と考えています。8点目に、
帯状疱疹ワクチン接種費の助成に関する国の動向について伺います。
地域住民の帯状疱疹の発症を防ぐ意味から、一定の年齢層を対象に自治体が先行して
帯状疱疹ワクチン接種への助成を実施すべきと考えます。そこで、9点目に、ワクチン接種費の公的助成に関して、全国および県下市町の状況について伺います。
野洲市でも、明年1月16日から、定期接種になるまでの時限措置として、ワクチン接種に対する助成、これは生涯一度のみですが、これが開始されます。その助成内容は、65歳以上の市民に対して、生ワクチン、ビゲン、これを上限1回について助成額2,000円、もう1つ、不活化ワクチン、シングリックスは、助成額1回につき5,000円を上限2回分、合計1万円とされているところです。そこで、10点目に、県下で既に助成を実施している自治体の助成の内容について伺います。
世界情勢の不安定化や急激な円安に伴う物価高で、庶民の生活は厳しさを増し、特に年金生活に頼る高齢者の生活苦は極めて厳しい状況にあり、ここに帯状疱疹の罹患が加わるとすると、仕事や日常生活に大変な支障を来します。このため、ワクチン接種は必要不可欠であり、その対策は急務であると考えます。そこで、最後11点目として、国に先行して
帯状疱疹ワクチン接種費用の助成を行っている自治体に倣い、本県としても早急にワクチン接種費用に係る助成制度を創設すべきと考えますが、見解を伺います。
○議長(奥村芳正) 40番冨波義明議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) (登壇)お答えいたします。
帯状疱疹ワクチン接種について、11点の質問にお答えします。
1点目の帯状疱疹の発症の原因と増加理由でございますけれども、帯状疱疹は、いわゆる水ぼうそうで知られております水痘、帯状疱疹ウイルスが原因となる感染症でございまして、過去に水痘の罹患歴がある人は、ウイルスが体内に存在することによりまして、加齢や疲労、ストレスなどによる免疫力が低下した際に帯状疱疹を発症することがあるということでございます。
2014年から乳児に対する水痘の予防接種が定期接種化されましたことによりまして、水痘を発症する子供が激減し、水痘に感染したことのある成人が再度ウイルスに接する機会、いわゆる暴露する機会が減少したために、免疫を増強する機会が減り、帯状疱疹が発症しやすくなったと考えられております。
2点目の重篤な症状、後遺症やその影響についてでございます。
発症すると、水膨れを伴う発疹が帯状に広がりまして、症状は痛みを伴うことが多く、3週間から4週間ほど続きます。経過や痛みの程度には個人差がございますけれども、病変が広範囲で一面に発疹が出現した場合などは入院が必要となる場合もございます。
50歳以上では、帯状疱疹を発症した人の約2割は、3か月以上痛みが続く帯状疱疹後神経痛になると言われておりまして、治療が長期化する可能性もございます。また、視力低下や難聴などの合併症を伴うこともあるため、日常生活に支障を来す可能性があると考えております。
3点目の全国および県内の罹患者の現状でございますけれども、日本人成人の9割以上に原因となるウイルスが潜伏していると言われておりまして、発症率は50歳代より増加し、80歳までに3人に1人が発症すると推計をされております。ただし、診断時に医師により報告される感染症ではないために、県内の正確な患者数や発生動向は不明でございます。
なお、宮崎県で実施されました疫学研究によりますと、研究開始時の1997年から2017年までの21年間で県人口は8.3%減少しているにもかかわらず、帯状疱疹の平均発症率は68.1%上昇したとされておりまして、増加傾向にあることが示されております。
4点目のワクチン接種のCMの背景についてでございます。
現在使用されております帯状疱疹ワクチンは2種類ございまして、2016年に水痘ワクチンが帯状疱疹の予防のためのワクチンとして承認されました生ワクチン、そして、2018年に承認され、2020年から国内で販売、流通されている、免疫を作るのに必要な成分だけを取り出しました不活化ワクチンがございます。近年、これらのワクチンが帯状疱疹の予防として接種することが可能となったことなどがこのCMの背景にあるのではないかと考えております。
5点目の新型コロナ感染症やコロナワクチン予防接種との因果関係についてでございますけれども、新型コロナウイルス感染症の罹患により免疫が低下する可能性を示すデータであったり、新型コロナウイルス感染症と帯状疱疹の発症との関係についてのデータが論文により示されておりますけれども、肯定もしくは否定の双方の報告がございまして、学術的に結論されていないと承知をしております。また、新型コロナウイルス感染症の予防接種との因果関係につきましても同様に結論されていないと承知をしております。
6点目のワクチンの種類や効果、費用などについてでございます。
生ワクチンと不活化ワクチンの2種類がございまして、副反応は一般的な予防接種と同様でございます。
予防効果は、生ワクチンでは50歳以上で約50%から60%、不活化ワクチンでは50歳以上で約97%、70歳以上で約90%と報告をされております。
生ワクチンは1回、不活化ワクチンは2回接種が推奨されておりまして、費用は、自費診療でございますので医療機関によって異なりますけれども、生ワクチンは1回7,000円から1万円程度、不活化ワクチンは2回合計で4万円から5万円程度でございます。
7点目の定期接種と任意接種の違いについてでございますけれども、定期接種は、予防接種法に基づきまして、市区町村が主体となって実施し、個人の予防とともに、多くは感染症の蔓延防止のために集団として免疫力を高めることを主な目的としております。一方、任意接種は、個人の希望と医師との相談に基づいて受ける予防接種のことで、接種費用につきましては、定期接種は公費での費用負担がありますが、任意接種は原則として全て自己負担となります。
また、ワクチン接種による健康被害が生じた場合の救済制度につきましては、定期接種と任意接種で異なっておりまして、定期接種のほうが手厚くなっているという状況でございます。
8点目のワクチン接種助成に関する国の動向についてでございます。
帯状疱疹ワクチンにつきましては、国の厚生科学審議会のワクチン評価に関する小委員会におきまして、現在、定期接種化を検討している予防接種として審議が行われているところでございます。定期接種化されれば、公費での費用負担がされることになりますが、現在のところ、定期接種化によって期待される効果や導入年齢、費用対効果などの検討が必要と整理をされているところでございます。
9点目のワクチン接種費の公的助成に関する全国および県下市町の現状でございますけれども、今年度、山梨県が行った全国調査では、都道府県として助成を行っておりますのは東京都のみでございます。また、県下市町におきましては、現時点で2市で一部助成事業を実施をされておられまして、今年度中にさらに1市が実施予定でありまして、次年度からの実施を検討している市町もあると伺っております。
10点目の既に助成を実施している自治体の助成内容についてでございます。
近江八幡市では、本年4月1日から50歳以上の市民に対して助成を行っており、9月1日からは助成額を増加し、生ワクチンの場合は助成額4,000円で上限1回、不活化ワクチンの場合は助成額1万円、上限2回で計2万円で実施されていると伺っております。
また、守山市では、本年10月1日から65歳以上の市民に対しまして、生ワクチンの場合は助成額2,000円で上限1回、不活化ワクチンの場合は助成額5,000円を上限2回分、計1万円で実施されていると伺っております。
11点目の県としての助成制度の創設についてでございます。
予防接種事業につきましては、国において総合的に施策を推進されることが必要と考えておりまして、予防接種費用についても、本来、国において負担されるべきものと考えております。このため、この10月には、私自身、直接厚生労働省に訪問いたしまして、早期の定期接種化について要望を行ってきたところでございまして、引き続き、国の動向も注視しながら、費用負担について、国において制度化されますよう、機会を捉えて要望してまいりたいと考えております。
◆40番(冨波義明議員) (登壇)ありがとうございました。
ここの議場におられる大半の方がこの帯状疱疹に罹患する可能性が非常に高い状況にあります。今朝のテレビでも、この帯状疱疹のことを朝のニュースでやっておりまして、高齢者だけじゃなしに、若い世代にも広がりつつあるということが流されておりました。
そこで幾つか再質問させていただきます。
3点目にお尋ねいたしました帯状疱疹罹患者の現状に関することに対する再質問ですが、日本人の成人の9割以上に原因となるウイルスが潜伏しているという現状を重く受け止めるべきだと考えますが、再度このことについて伺います。
次に、4点目のワクチン接種のCMが流れている背景に対する再質問ですが、高齢社会の急激な進展の中で、帯状疱疹は罹患率が非常に高いことや、罹患率が増加の傾向にあること、また、老後のクオリティー・オブ・ライフの尊重などの背景があるのではないかと感じております。テレビCMは、このような社会的な需要と供給を反映したものではないかと考えますが、再度伺います。
8点目のワクチン接種費の助成に関する国の動向に対する再質問です。
このことにつきましては、たくさん私も調査をさせていただきましたんですけども、横浜市医師会会長の水野恭一先生によりますと、海外の主要国では、この
帯状疱疹ワクチン接種が強く推奨されており、保険制度としては様々ですが、国や地域単位で公費助成が積極的に行われているとのことでした。このような現状に鑑みまして、我が国もワクチン接種が極めて必要と考えています。再度伺います。
10点目の既に助成を実施している県下自治体の助成内容に関する質問です。
これを仮に県が実施するとした場合、仮に65歳以上の県民を対象として、生ワクチンの接種に対して助成額2,000円、上限回数1回、不活化ワクチンは1回5,000円を上限2回分、合計1万円ということで実施した場合、この事業予算はどのぐらいとなるのか、お尋ねをいたします。
最後ですけれども、11点目のワクチンの接種費用に係る助成制度の創設に対する見解ですけれども、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は、新型コロナ対応のための取組に対する自由度の高い交付金であり、内閣府も、各自治体の判断で、コロナの影響により発生する住民の負担を軽減するため、帯状疱疹のワクチン接種にかかる費用負担の軽減として、この地方創生臨時交付金を活用することを否定していません。また、部長の答弁でもありましたように、県としても国に直接訪問し、早期の定期接種化を要望されてこられたとの御答弁でございました。そこで、来年度予算にワクチン接種予算を計上できないとしても、これら地方創生交付金などを利用して公的助成が早急に図れないか、再度伺います。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
まず、1点目の現状9割以上にウイルスが潜伏しているという受け止めでございますけれども、帯状疱疹自体は人から人に広がることはないということ、また、治療のための薬剤があるということ、さらには、発症した場合であっても重篤する可能性は他の感染症に比べると高くはないということで、まずは早期発見、早期治療が重要だということを考えております。
一方で、一定の割合で帯状疱疹の後に生じる可能性がある帯状疱疹後神経痛、これは根本的な治療方法がございませんで、何か月、時には何年も強い痛みが残ってしまうことがございます。生活の質、いわゆるQOLを低下をさせてしまいますことから、日本人の成人の多くがこの帯状疱疹の発症リスクから合併症を発生する可能性を有していることは、これは大きな健康課題の一つだと考えておるところでございます。
2点目のテレビCMの背景についての再質問でございます。
2014年から乳児に対する水痘の予防接種が定期接種化されましたことで、帯状疱疹を発症しやすくなったと指摘をされていることと併せまして、議員御指摘の高齢化社会の進展であったり、あるいは高齢者のQOLへの関心が高まっていること、こういったものがこの要因の一つではないかと考えております。
3点目の水野先生のお考え、御意見と、改めてこの必要性を痛感しているということに関する所見でございますけれども、帯状疱疹の後に一定の割合で生じる可能性があります帯状疱疹後神経痛には改善しない例が一定程度ありまして、生活の質を低下させてしまう原因にもなり得るために、多くの方にワクチン接種による予防接種を検討いただきたいと考えているところでございます。
4点目に、仮に実施した場合の事業予算はどのくらいになるのかという御質問でございますけれども、県内65歳以上の全ての方が接種するとしまして、生ワクチンの接種が4割、不活化ワクチンが6割と仮定をしますと、市町が行う助成に対して県が2分の1を補助すると、この場合の県の総事業費は約12億6,500万という試算になります。
最後に、交付金を活用などして助成が図れないかという御質問でございますけれども、予防接種につきましては、ワクチンの有効性や安全性などの検討を踏まえた上で計画的に推進していく必要があると考えておりまして、新型コロナウイルス感染症や物価高騰等へ対応するために臨時的に措置をされました交付金とはちょっとこの趣旨が異なるのではないかと考えております。また、この継続性を担保することも難しいのではないかと考えております。このため、やはり科学的知見を有する国におきまして早期に検討を進めていただき、安定的な制度の下で接種ができますよう、帯状疱疹ワクチンの定期接種化について、全国の衛生部長会等の機会も通じまして、国に対して強く要望してまいりたいと考えております。
◆40番(冨波義明議員) (登壇)ありがとうございました。
帯状疱疹の予防接種のこの事業につきましては、私も国において総合的に施策を推進されることが必要と考えており、予防接種費用については、本来、国において負担すべきものと考えております。しかし、国の事業化を待ってるだけでは、誰一人取り残さない県政を標榜する本県の姿勢とはなかなか言い難いのではないでしょうか。また、その間、既に公的助成を実施している県下市町によって助成する人の該当年齢や助成額がばらばらになるというのも問題になるかなと思っております。
今、ざっと県がやるとすればということで12億という数字が出ましたんですけど、これは全ての人にしたという場合ですので、実際これをやるのは10%から15%、そうしますと1.2億から2億ぐらいかなというふうに思いますので、その辺、誤解のないようにお願いしたいというふうに思います。
実に日本人の9割以上に帯状疱疹を発症させる原因となるウイルスが現に潜伏しているという現状や、80歳までに3人に1人が発症すると推定されております国民病ともいうべき帯状疱疹に対しまして、早急な対策を県として講じられるよう改めて要望して、この項の質問を終わります。
それでは、次に、国道8号野洲栗東バイパスの工事遅延について、土木交通部長に伺います。
旧中山道としても知られる国道8号は、現在は主要国道として近畿と北陸を結ぶ交通の大動脈であり、また、名神高速道路栗東インターチェンジへのアクセス道路も兼ねています。そのため、現道区間の交通量が計画容量の2倍を超えるなど、混雑、渋滞が慢性化しており、これに伴う追突事故の多発、渋滞を迂回した車が周辺の生活道路や通学路へ進入するなど、地域住民の生活環境が脅かされているところです。
国道8号野洲栗東バイパスは──以後、国道8号バイパスと言いますが──これらの問題を解決するために計画されたもので、野洲市小篠原を起点とし、栗東市手原を終点とする全長4.7キロメートルの4車線道路です。
本バイパスは、1982年、昭和57年度に事業化され、翌1983年、昭和58年度から、旧建設省近畿地方建設局滋賀国道工事事務所、現在の国土交通省近畿地方整備局滋賀国道事務所と、滋賀県および地元3市、旧の野洲町、守山市、旧栗東町の5者で対策協議が開始をされました。その後、15年間の年月を経て、1997年──平成9年にようやく5者合意が成立、2000年──平成12年5月26日に都市計画の決定を見たものです。
しかし、都市計画決定後に地元3市の一部地権者からバイパス計画の白紙撤回を求める要望書が提出され、膠着状態となりました。その後、7年間を要し、2007年──平成19年から滋賀国道事務所は路線測量を開始、2011年、平成23年度にルートの大部分を占める野洲市三上地区の自治会を対象としてバイパス計画の説明会を実施され、そして、2012年──平成24年2月に3市の市長を中心とする国道8号野洲栗東バイパス整備促進期成同盟が設立され、バイパス整備の促進が確認されたところであります。
これらの動きと並行いたしまして、滋賀国道事務所による予備設計や地元設計協議、用地幅ぐいの打設等が進められ、2013年、平成25年度より用地取得に着手、2016年、平成28年度に工事に着手、そして、事業化から実に35年を経た2017年──平成29年3月11日に起工式が執り行われました。これらの経過を経て、2021年──令和3年4月に公表されました防災・減災、国土強靱化に向けた道路の5か年対策プログラムにおいて、2025年──令和7年秋の全線開通予定が示されたところであります。
少々長くなりましたが、地元市町、地域住民はもとより、県民が長年にわたり待ち焦がれている国道8号バイパスの全面開通に向けた苦難の歴史について簡単に振り返ってみました。
ところが、1982年に事業化されて以来41年という歳月を要し、全面開通開始まであと2年という今日に至って、今年に入ってから、滋賀国道事務所のホームページ上の事業促進レポートにおいて、全線開通の遅延が公表をされました。
(資料掲示)資料──こちらです──を御覧ください。
この資料の一番下の小さなところです。ここに言葉が入っております。ちょっと小さくて読みにくいかも分かりませんが、読ませていただきます。
小さな文字ですけども、「アスベスト処分量の増加により、令和7年秋全面開通は遅延するものの、工事工程を精査し、できる限り早期に開通できるよう検討してまいります。」との一文が、このレポートに、そっとではないかも分かりませんけど、掲載をされたところです。
どのような工事にいたしましても、様々な予期せぬ事態が生じまして工事が遅れることはありますので、開通遅延については致し方がないことと理解をしています。しかし、滋賀国道事務所が公表されました工事の遅延情報については、県や地元3市との情報共有や説明の在り方に違いがあり、ちょっと私自身も地元の方に説明するとき大変な思いをいたしました。
そこで、本件に関する県担当部局の見解について、以下6点、全て土木交通部長に伺います。
私が初めてこの全線開通遅延の情報を知ったのは、今も申し上げましたとおり、10月半ばに偶然に閲覧をいたしましたこの事業進捗レポートでございました。また、この情報についての詳しい内容につきましては11月3日付の京都新聞の報道で知ることとなりました。
そこで、まず1点目、県担当部局が本件に関する情報を入手された時期と、それはどのような方法によるものだったのか伺います。
2点目、県担当部局が入手されました情報の具体的な内容について伺います。
3点目、県担当部局が入手された情報を公表されなかった理由について伺います。
地元3市においては、既に3市ともに市の担当部局から市議会への報告が行われたと聞き及んでおります。そこで、4点目として、県担当部局は、滋賀国道事務所が発信した遅延情報を地元3市に伝えたのか、また、情報の取扱いについて協議や調整が行われたのか伺います。
5点目に、県担当部局から県議会の土木交通常任委員会へ遅延情報に関する報告等を行われたのかどうか伺います。また、行われていない場合には、その理由について併せて伺います。
現在、野洲市の工区内には、アスベスト撤去処分を行うための巨大な建屋が建設をされています。
お手元の資料を御覧ください。
(資料掲示)資料2、上のほうは、野洲川右岸の堤防から見た野洲川に架かるバイパス道路の橋脚、ここまで出来上がっております。この前に堤防があります。
資料3は、同じ場所から見た野洲市側に建つ建屋です、これ。ここに堤防があります。この橋脚と建物の間に堤防があるわけですね。この堤防は野洲市の多くの皆様が散歩をされるコースとなっております。多くの市民がこの巨大な建屋を目にされており、想像以上に大がかりな撤去、処分工事になるのではないかという不安を感じておられるところです。
そこで、最後6点目に、アスベストの撤去処分工事に関して伺います。
住民の不安を解消するためには、アスベストの撤去処分工事に関する丁寧な説明が重要と考えますが、国はどのように住民説明されたのか伺います。
◎土木交通部長(三和啓司) (登壇)国道8号野洲栗東バイパスの工期遅延につきまして、私にいただきました6点の御質問にお答えをいたします。
1点目の全線開通が遅延するという情報を入手した時期と方法についてでございますが、議員御紹介のとおり、10月上旬に、事業主体である国が、ホームページ上の事業進捗レポートに全線開通が遅延する旨を記載されました。県に対しましては、その直前に、国から、アスベストの撤去処分には時間を要し、令和7年秋に全線を開通することが困難な状況にあるという情報提供を口頭にていただいたところでございます。
2点目の入手した情報の具体的な内容ということでございますが、そのときに国からは、事業予定地の調査によりアスベストの処分量が増加することが判明し、撤去処分に想定以上の時間を要する見込みであること、令和7年秋に全線を開通することは困難な状況であること、開通時期の見直しは、撤去処分完了後に工事工程を精査し、公表する予定であることという内容の情報を受けたものでございます。
3点目の県において入手した情報を公表しなかったという理由でございますが、国道8号野洲栗東バイパスは国の事業でございますので、こうした情報は事業主体である国において公表されるものとの考えからでございます。
4点目の県から地元3市へ遅延情報を伝えたのか、また、情報の取扱いについて協議、調整をしたのかということでございますが、地元3市へは事業主体である国から情報提供がなされております。また、当該情報の取扱いにつきまして、県と地元3市での協議、調整は行ってはおりません。
5点目でございますが、常任委員会への報告を行ったのかということでございますが、一般的に、県の所管ではない事業の進捗状況につきまして、常任委員会の議題として報告するということはこれまでも行ってはおりません。このため、本件につきましても常任委員会への報告は行わなかったというものでございます。
最後に、6点目の国が行った住民説明でございますが、国のほうに確認いたしましたところ、工事着手に先立ち、隣接する自治会の住民を対象に説明会を開催するとともに、周辺学区の自治会には、自治会長を通じ、各戸に説明資料を回覧いただくことで周知されたということでございます。説明会では、調査の結果、アスベストの処分量が増加し、撤去処分に時間を要することや、撤去作業に当たっては、飛散防止のため仮設の建屋を設置するなど万全の対策を講じる旨を説明されたというふうにお聞きをいたしております。
◆40番(冨波義明議員) (登壇)ただいま種々御答弁いただいたんです。国の事業ですから県としてはということは大変よく分かるんですけども、一方、市ではもうその報告を受けておられますと、市民さんから我々がそれを聞いたときに、いや、我々は何も知らんのやと。私はたまたまこれを見たからちょっと覚えがあったんですけど、ほとんどの方は見られてないですよね。理屈はそうであっても、やっぱりちょっと今回の件、当局の対応は、残念ながら少々配慮に欠けたのではなかったかと感じております。
以上、この件についてはそれ以上言及いたしません。
そこで、1点だけ再質問いたします。
さきにも述べましたが、どのような工事にしても、様々な予期せぬ事態が生じまして、工事が遅れることはよくあることだと承知をしています。それはしょうがないことですが、それでは、この国道8号バイパスについては今後どのくらいの期間の遅延が見込まれるのか、半年なのか、1年なのか、はたまた2年、3年、5年とかかるのでしょうか。県の事業ではないものの、国道8号バイパスの遅延工事および開通年のめどについて、県はどのように承知をされているのか伺います。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
遅延期間および開通時期のめどということでございますが、これにつきましては、現在、国において工事工程の精査中というふうにお聞きをしております。県といたしましては、国に対して、今後も安全かつ速やかな撤去処分の実施と、国道8号野洲栗東バイパスの一日も早い全線開通を強く求めてまいりたいというふうに考えております。
◆40番(冨波義明議員) (登壇)地元3市の住民は、本当に長い期間待って、待ち焦がれております。それが、今日に至って全面開通の遅延を聞いた、その落胆は想像以上であるということをどうか御理解をいただきたいというふうに思います。
それから、最後に、本事業に係るこのたびの野洲工区のアスベスト除去工事は、アスベスト自体の安全かつ完全な除去、そして、その後の安全性の担保という、そういう課題と、一方では、国道8号バイパスの早期の全面開通という2つの課題があります。本事業は国事業とはいえ、県担当部局の果たす役割も今後もますます重要となってまいると思います。国との課題共有や地元3市との連携、そして、県民、市民への情報提供などについて、これからも適切かつ丁寧な説明を心がけていただきますようお願いを申し上げまして質問とします。ありがとうございました。(拍手)
○議長(奥村芳正) 以上で、40番冨波義明議員の質問を終了いたします。
次に、38番大野和三郎議員の発言を許します。
◆38番(大野和三郎議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従い、時代に即した行財政改革について、全て知事に問います。
令和5年度から向こう4年間を取組期間とする行政経営方針がスタートしています。この経営方針は、これまでの行財政改革の取組だけではなく、経営的な視点の下で、滋賀県庁が有する資源の有効活用を積極的に図り、もって県民の期待に応える行政経営を行うための方針として始まったと理解しています。目的も、経営資源、ヒト、モノ、財源、情報を充実させ、その質や価値を守り、高め、最大限活用しながら行政課題に的確に対応し、成果を上げていくこととされ、県の基本構想を行財政面から下支えをするものとされています。
なお、補足として、これまでの行財政改革の取組と成果等が最後に記載されているものの、では、一体これからの滋賀県の行財政改革の取組はどこに向かっているのでしょうか。そんな疑問が残ってしまいます。
そもそも行政改革は、行政の仕組みの改善であり、行政に関する事柄ではありますが、財政とも切っては切れないということから、行財政改革として長く論じられて久しいわけであります。
その歴史はとなると、それこそ明治維新とともに始まったと言われています。明治天皇は、1879年に過度な財政支出を戒め、内閣制度発足時にも伊藤博文が作成いたしました官紀五章には、繁文を省くこと、冗費を節することが掲げられています。
そして、近代でも、第2次世界大戦後、占領下の日本において、社会の変化、財政状況を受けて、行政機構の縮小、人員整理等の行政の改革が実施され、1954年頃までに戦後の行政機構が形成されたとされています。
その後、日本経済は高度成長を経て、1970年代の石油ショックを経験、低成長へと移行し、財政状況が悪化したことを背景に、いわゆる赤字国債が1975年度から発行されました。以降も、国鉄、電電、専売の三公社の民営化に始まり、橋本政権では財政構造改革、教育改革、社会保障構造改革、経済構造改革、金融システム改革および行政改革の6つの改革に、また、小泉内閣では郵政民営化を主導、そして地方分権一括法など地方自治への改革が進んできました。
これは国レベルではありますが、大きな歴史を振り返ったとき、時代時代の改革があり、特に人口減少、高齢化、生産年齢人口が減少することが目の前にある今、不断の改革が必要であります。
まず、知事に、今の社会情勢における行財政改革とはその目的も含めてどのようにお考えか問います。そして、行政経営方針と行財政改革との関係を改めて問います。
また、知事3期目の県民への約束とする行財政基盤の強化においては、財政の持続可能性の確保はもとより、県民視点、デジタルファーストの業務再設計、出資法人の在り方の検討などがありました。こうしたいわゆるマニフェストでの約束について、今後どのように具体的な行動をお考えか問います。
とはいえ、これまでの流れや取組についても完了したわけではありません。そこで、以下、いろいろな意味でのスリム化という視点で少し議論をしたいと思います。
さきに行革の歴史に触れましたが、国の組織も肥大化した時代がありました。これはコストの意識を持たなかったからではないかと思います。地方自治法第2条第14項では最少の経費としていますが、同法第2条第15項では、地方公共団体は常にその組織および運営の合理化に努めるとされています。
そこで、これまでも取り上げてまいりましたアウトソーシングであります。
申し上げるまでもなく、アウトソーシングと業務委託では、業務上の意思決定を誰が行うかで区別されます。アウトソーシングは、外部の会社や団体に業務上の決定権を全て任せる形態ですが、一方、業務委託では、意思決定までは任せず、業務のみを委託業者に依頼するものであります。
これまでの知事答弁でも、民間による代替性のある業務や、県民サービス向上、コスト削減での効果が期待できるものは積極的に推進するとされています。さきの行政経営方針にもそのことは記載されていますが、具体的にどのように進めるのか、そこが行財政改革としての本質であります。もちろん改革を目的にせよと申しているわけではありませんが、目標を持つべきではないかと思います。改めて、アウトソーシング検討に当たっての具体的な手順や目標について問います。
スリム化といえば、かつて特別会計についても取り上げました。これも、地方自治法において、一般の歳入歳出を区分して経理する必要がある場合は設置できます。本県にも現在10の特別会計があり、知事は、固定的には考えない、例えば貸付金などでニーズなどが低下しているなどの場合、的確に対応する考えを示されましたが、この特別会計を含め、スリム化という視点でのこれまでの改革、取組について問います。
さらにスリムというより肥大化が心配な点について取り上げます。それが債務負担であります。
地方自治法第214条において、県が債務を負担する行為をする場合は、予算での債務負担行為が必要であります。一概に債務負担とは申し上げましても、債務保証や損失補償については、必ずしも負担が発生、執行されるとは限りません。また、例えば年度をまたぐ長期間にわたる工事等は、契約額が確定するまでは実際必要な負担が確定しません。債務負担行為額を毎年当初予算で定め、年度途中にはその負担額の補正も提案されますが、一体どれだけの債務の負担となっているのか。当然、当該年度になれば、その年度の現計予算が充当されますが、総じてつかみにくいのが債務負担であります。
そこで、令和4年度中に計上した債務負担行為の件数と予算総額について問います。
また、債務負担は次年度以降の予算編成に大きく影響しますが、行政経営、財政運営上、知事は債務負担をどのように把握し管理しているのか問います。
行財政改革がマンネリ化という声も聞きます。それは、いかに歳出を削減するのかという時期が長く、その後も改革という言葉のみが先行してきた感があり、行政改革そのものの改革、新しい時代に合った改革という意識が必要ではないかと思います。
そこで、歳入、特に自主財源について申し上げますと、ネーミングライツなど知恵を絞ったアイデアもありますが、昨今、国立科学博物館が9億円を集めたというクラウドファンディングという手法が脚光を浴びています。本県も、滋賀県立琵琶湖博物館が、11月15日、同館のシンボル、トンネル水槽の水族展示復活に向けたクラウドファンディングを始めたと発表しました。第一目標金額は500万円ということでありますが、冒頭申し上げました行政経営方針におけるこうしたクラウドファンディングについて、知事の見解と県としての取組姿勢を問います。
いま1点、少し違った視点で提案したいと思います。モーターボート競走事業に関してであります。
この事業も、これまで何度となく取り上げましたが、近年、収益が伸びています。結果、一般会計にも多く繰り入れられ、これはこれで喜ばしいのではありますが、滋賀県財政全体から見ると、少し知恵を働かせてはと思います。
さきに琵琶湖博物館について申し上げました。そのほか、びわ湖ホールなど、これからも様々な県立施設を次の世代に引き継いでいく必要がありますが、そのためには多額の費用が生じることは目に見えています。
一方で、モーターボート競走事業の収益の繰入金は標準財政規模としては算入されません。よって、一般会計への繰入れではなく、これを原資として、琵琶湖博物館やびわ湖ホールなど、次の世代に引き継ぐべき施設のランニングコスト等に充てることができる目的基金を新たに設置してはどうかと考えますが、知事の見解を問います。
最後に、常々申し上げていることですが、環境政策と福祉政策、そして行財政改革、これは知事の明確な意思を示してトップダウンで取り組まなければなりません。そのことも踏まえて、時代に即したこれからの行財政改革への知事の姿勢を問い、質問とします。
○議長(奥村芳正) 38番大野和三郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)行財政改革に関する8点の御質問にお答えいたします。
まず1点目、その目的についてでございます。
複雑化、多様化する行政需要に対応できるよう、改善の視点を持って不断の取組を行うことが行財政改革と承知しておりまして、その実行のため、行政経営方針を策定しております。
方針では、1つ目、職員のやりがい、2つ目、時間外勤務、3つ目、申請の利便性、4つ目、施設の維持管理、5つ目、指定管理者、6つ目、財政調整基金、7つ目、県債残高、8つ目、県政関心度、9つ目、情報発信について、9つの数値目標を設定し、例えば時間外勤務につきましては、令和3年度に8.3%であった年間550時間超の職員の割合を令和8年度に5%以下とする目標を掲げているところです。
さらに、実施計画において、ヒト、財源をシフトするための業務の見直し、効率化ですとか、歳入確保と歳出見直しによる収支改善など、具体的な取組項目を定めており、効率的な行政サービスが持続的に提供できるよう、各目標の達成に向け着実に取り組んでまいります。
2点目、マニフェストについてでございますが、県民の皆さんとお約束いたしました行財政基盤の強化のうち、業務の再設計につきましては、申請等の利便性向上率100%を目標として、また、出資法人につきましては、自立性の拡大と県の財政的リスク縮小を目標といたしまして、それぞれ取組を進めているところです。
今年度は、プレジャーボートの適合証交付手続など、本庁知事部局で233件の業務の見直し、効率化に取り組んでおり、令和6年度末までに電子申請は県全体の約6割になる見込みでございます。今後、さらに電子申請やオンライン決済の拡充などに取り組んでいくことで、さきに述べた目標を達成してまいりたいと存じます。
また、出資法人につきましても、現在、土地開発公社の解散に向けて進めているところであり、求められる役割や需要の変化等を踏まえ、個別の事情を勘案しつつ、その検証、見直しを不断に行ってまいります。
3点目のアウトソーシングについてでございます。
これまで、総務事務、パスポート発給業務などでアウトソーシングを導入し、職員36人相当の事務量を削減して、年間約2億5,200万円の人件費を削減できたところでございます。毎年度の予算編成において、その積極的な活用を指示しているところであり、加えて、業務の見直し、効率化におきましても活用を検討するよう指示しております。
こうした取組の下、令和4年度には新たに57業務、令和5年度には新たに39業務についてアウトソーシングを行い、外部人材や民間のノウハウを活用しているところでございます。今後、来年度以降の取組の中で、アウトソーシングをはじめとする業務見直し、効率化に係る目標を定め、今後3年間で着実に取組を進めてまいりたいと存じます。
4点目、特別会計についてでございますが、単一予算主義の例外となる特別会計につきましては、各事業の状況等に留意しつつ、設置の必要性について検証を行ってきており、前回御質問いただいた平成30年度時点と比べますと、貸付けや償還など特別会計の設置目的の終了や公営企業会計への移行に伴いまして、13会計から10会計に一定スリム化を図ってきているところでございます。
また、残る10会計のうち、法律に基づかない5つの会計につきましても引き続き見直しを進めることとしており、まずは、収入証紙特別会計について、キャッシュレス決済などの導入を見据え、廃止することも含めて検討を行っているところでございます。
5点目の債務負担行為についてでございます。
まず、令和4年度中に計上いたしました債務負担行為は、債務保証等の支出が確定していないものを除くと410件、764億7,708万円であり、令和4年度末時点での債務の負担見込額は1,898億406万円余りに上っているところです。
以前に比べますと、複数年度にわたる大規模事業の増加等に伴い、債務負担行為の規模は拡大傾向にあり、将来の財政運営に与える影響も大きなものがあると考えております。
これまでも、債務負担行為の総額の把握、管理はもとより、各年度の財政運営に与える影響も考慮しながら、財政収支見通しの作成や中長期の収支改善の取組を検討しているところであり、今後も将来の財政運営を見通す上で十分意を用いてまいりたいと存じます。
6点目、クラウドファンディングについてです。
行政経営方針では、寄附、協賛の制度や対象事業等について、理解と共感が得られるよう、県内外に向け一層の周知を行い、歳入確保につなげることとしており、より多くの皆さんに共感いただけるプロジェクトへの応援を呼びかける手法としてクラウドファンディングは有効だと認識しております。
これまでから、学習船うみのこの新船建造をはじめ、琵琶湖博物館の水族展示復活のためのプロジェクトに対して、この手法を活用した応援を募っているところです。琵琶湖博物館では、来年度もクラウドファンディングの実施を予定しており、今後とも県が実施するプロジェクトの発信や応援の獲得のための手法の一つとして積極的に活用してまいりたいと存じます。
7点目のモーターボート収益金の活用についてでございますが、モーターボート競走事業は、収益金の一部を一般会計に繰り入れ、議員御指摘のびわ湖ホールの管理運営費をはじめ、乳幼児福祉医療費助成やうみのこの運航、道路の維持管理など、県民の社会福祉の増進や教育文化の発展などのために幅広く活用させていただいているところです。
ただ、収益金がどのように活用されているかが見えにくいことから、今後、収益金を各事業にどのように充てているか公表することで、使途の明確化を図ることを検討してまいりたいと存じます。
施設に係る基金につきましては、既存の基金の統合や新規に設置する場合の方針、充当事業の範囲など、全般的な整理が必要と考えており、来年度、県立施設の将来ビジョンを考える中で、安定的な管理の在り方について、財源も含めてお示ししてまいりたいと存じます。
最後に、8点目、行財政改革への姿勢についてでございますが、社会情勢の変化に対応していくため、経営資源を最大限活用するとともに、可能な限り効率化することが重要であり、持続可能な行財政基盤の確立とともに、未来志向でチャレンジできる県庁の実現に向けて取り組んでいるところです。
とりわけ、財政健全化に向けましては、収支改善の取組として、歳入確保で39億円、歳出の見直しで40億円の目標を掲げているところであり、その確実な達成を図ってまいりたいと存じます。
また、県債残高につきましては、臨時財政対策債を除いて7,200億円程度を目標としておりますが、今後、事業の必要性の見極めや県債の償還前倒しなどにより、さらに残高の抑制を目指すとともに、具体的な取組と成果を県民の皆様に適宜お知らせしながら、財政の健全化に着実に取り組んでまいりたいと存じます。
今後も、行政経営方針に掲げる目標の達成に向けて、私自身がリーダーシップを発揮して、不断の見直しを進めることで行財政改革の成果が上げられるよう、しっかり取り組んでまいりたいと存じます。
◆38番(大野和三郎議員) (登壇)2点再質問ですが、まず1点目ですが、私の問い(3)の知事の答弁の中でですが、今後、来年度以降の取組の中で、アウトソーシングをはじめとする事業見直し、効率化に係る目標を定め、今後3年間で確実に取組を進めてまいりたいとの答弁がございましたが、具体的にいわゆる歳出削減の数値目標をお示し願えればと思います。
◎知事(三日月大造) 大変失礼いたしました。
アウトソーシングに関しましては、行政経営方針の中で、アウトソーシングを含む業務の見直しおよび効率化を重点取組の一つとしておりまして、デジタル技術などによる申請等利便性向上率を令和8年度において100%にすること、および、日頃から業務の進め方を意識的に工夫し、前例にとらわれず見直しをしている職員の割合を100%にすること、この2つを目標として定めているところでございますので、その目標達成に向けて取組を進めてまいりたいと存じます。
◆38番(大野和三郎議員) (登壇)私の一般質問のいろいろテーマはアウトソーシングのみではありません。行財政改革、したがってアウトソーシングはもちろんですが、総じて、本来でしたら、常に目指すべきところ、数値目標、これは行政庁の長として持つべきではないんでしょうか。
私が申し上げるまでもありませんが、先ほども申し上げました地方自治法第2条14項と併せて2条15項の地方自治法の施行年月日、御存じですか。御存じでしたら御披露ください。現行の地方自治法の施行年月日、御存じですか。私が申し上げますが、1952年9月1日、71年経過しておるんですよ。つまり、行財政改革というのはいわゆる近年生じた行政課題ではないということですよ。少なくとも我が国においては71年前から、それぞれ公共団体がその事務を執行するに当たって、条文はあえて申しませんが、常に組織および運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体の協力を得て規模の適正化を図らなければならない。したがって、しっかりと緊張感を持って取り組んでいただかなければならないと思います。その辺のところ、知事の所見を念のために御披露ください。
◎知事(三日月大造) ありがとうございました。
今おっしゃったとおり、地方自治法、とりわけ第2条14項、最少の経費でということと、第2条第15項の組織および運営の合理化、こういったところは大変重要な条文、また定めだと思っておりますので、先ほども一部答弁させていただきましたとおり、常にそういったことができているのか組織全体で見渡し、そして私自身のリーダーシップを発揮し、そのことを進めていくということでございます。とりわけ、この令和5年度から8年度にかけましては、財政健全化に向けて歳入の確保と歳出の見直しの目標金額を定めておりますし、そして、県債残高につきましても、臨時財政対策債を除いて7,200億円程度と、大きな目標としてこういうものを掲げております。そして、それらを実行、達成するためにも、先ほど来お取り上げいただいておりますアウトソーシングをはじめとする業務の見直しをしっかりとつくり、積み重ねながら、この目標達成に向けて努力をしてまいりたいと思いますし、その過程をこの議会をはじめ県民の皆様方にしっかりとお示しするということでもって責任を果たしてまいりたいと存じます。
◆38番(大野和三郎議員) (登壇)行政経営に対する独創といいますか、オリジナリティーというものが、私も県政の場に出させていただいて13年になるんですが、13年前も今もほとんど変わらない。例えば、ちょっと私の拙い英語で恐縮なんですが、スタッガードコミューティング、御存じですか、スタッガードコミューティング。教育長、知らないですか。私の拙い英語の発音で恐縮なんですが、スタッガードコミューティング。いわゆる時差出勤、時間差出勤等ですよ。いわゆるフレックスタイムですね。そういったことを庁内で十分しっかり議論されていますか。フレックスタイム等、人件費の削減をすべく、そういった取組のための議論は庁内でなされているのかいないのか、簡潔にお答えください。
◎知事(三日月大造) 今、後段お尋ねいただきましたフレックスタイム──時間差出勤、こういったことにつきましては、先生御存じのとおり、この間、コロナもございましたし、そして、柔軟な働き方、その働き方の改革をする観点から、様々議論をし、そしてできることを実行してきているところでございますが、まだまだ改善、向上の余地があると思っておりますので、今後も努力をしてまいりたいと思います。
◆38番(大野和三郎議員) (登壇)それでは、最後にですが、知事が滋賀県知事に就任されて9年と4か月余りになりますが、行財政改革に係る自己評価、最高100点満点とした場合、何点ぐらいあるんでしょうか、御披露いただければ幸いです。
◎知事(三日月大造) 知事をこうして担わせていただいて、行財政改革の面で自己評価をして何点になるのか、100点満点でと問われて、すいません、私自身がこの場で点数を採点することについてはちょっといたしかねるんですけど、むしろ議員の皆様方や、その元にいらっしゃる県民の皆様方の御判断に委ねたいと思いますが、こうして財政破綻することなく運営できているという面においては、最低限の運営はさせていただけているのではないかと思っておりますが、最終的な御評価はお任せしたいと思います。
◆38番(大野和三郎議員) 議長、終わります。(拍手)
○議長(奥村芳正) 以上で、38番大野和三郎議員の質問を終了いたします。
次に、17番小川泰江議員の発言を許します。
◆17番(小川泰江議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、大きく2問質問をいたします。
まず1問目は、学校図書館の充実についてです。
学校図書館に関しては、現在策定中の第5次滋賀県子ども読書活動推進計画──以下、推進計画といたします──その中でも、子供たちにとって最も身近な図書館であり、加えて、学級になじめない子供等、多様な背景を持つ児童生徒の居場所になり得ると位置づけをされています。特に、自力で公立図書館まで行くことが困難な場合が多い小学生にとっては、読書のセーフティーネットとも言える存在です。
先日伺ったある小学校の学校図書館では、子供たちが寝転べるスペースも設けられ、教室に入りにくい児童がしばらく過ごすこともあるということでした。私も、小学校のとき、学校図書館が教室とは少し違うほっとする場所として、また、本を通じた未知の世界への入り口にも見えて、特別な空間であったことを思い出します。
我が会派チームしが 県議団の代表質問への知事の答弁でも、「こども としょかん」を推進するための方策として、学校図書館への司書の配置促進と機能強化を一番に挙げられました。それでは、実際、本県の学校図書館の現状はどうなっているのか、その課題を検証し、対策を考えていきたいと思います。
まず、推進計画の指標にもある学校図書館図書標準について伺います。
学校図書館図書標準とは、学級数に応じて定められた公立義務教育諸学校の学校図書館に整備すべき蔵書冊数の目安のことです。
(資料掲示)これは、文科省が公表した令和2年度学校図書館の現状に関する調査の中の、学校図書館図書標準達成状況の都道府県比較です。小学校の全国平均が71.2%のところを滋賀県は49.6%、中学校の全国平均は61.1%のところ滋賀県は29.2%と、残念ながら非常に低い状況にあります。中学校に至っては、全国最下位というのが現状です。
(資料掲示)こちらは、同じく文科省のホームページで公開されている学校図書館図書標準の県内の市町別の達成状況です。0%から100%と市町によりかなりのばらつきがあるのが分かります。
学校図書館の図書購入に関しては、国から充実のための交付税措置がされていますが、裁量は自治体にあるため、社会保障などに優先して使われてしまっているのが現状です。
以上のような本県の学校図書館の蔵書に関する課題について、教育長にその認識を伺います。
○議長(奥村芳正) 17番小川泰江議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えをいたします。
御質問にございました調査におけます学校図書館図書標準基準の達成状況につきましては、基準の100%を達している学校は、他の都道府県に比べまして、小学校、中学校どちらも残念ながら低い状況にあると認識をいたしております。
学校図書館の蔵書につきましては、交付税措置による各市町の対応とはなりますものの、やはり子供たちの読書環境の充実を図るためには、さらなる蔵書の充実に努める必要があるものと認識をいたしております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
国は、令和4年度から第6次学校図書館図書整備等5か年計画をスタートさせ、令和8年度までに全小中学校での図書標準を達成することを目標に掲げています。また、県政世論調査では、子供が学校において本に親しむための取組として、学校図書館の蔵書の充実、これが3位と上位となっています。
今後、学校図書館の図書充実に今取り組むとおっしゃっていただきましたが、どのように取り組んでいかれるのか、教育長にお伺いいたします。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
県教育委員会では、以前から様々な場面を通じまして市町教育委員会に呼びかけを行っているところでございますが、今後も引き続き、特に子供たちの興味関心に応じた本でありますとか学習に必要な図書の充実、こういったことにつながるよう、積極的に市町教育委員会に働きかけてまいる所存でございます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)それでは、もう1つ気になる数字があります。学校図書館の貸出冊数です。先般の決算特別委員会において、先ほども述べた学校図書館の現状に関する調査の中で、年間貸出冊数の全国平均──これは学校図書館ですね──は、小学校で49冊、中学校で9冊と報告されているが、滋賀県の現状はどうかと質問させていただきましたが、その段階では不明ということでした。
ここで改めて問わせていただきます。本県の小中学校の学校図書館の貸出冊数の現状について、教育長にお伺いいたします。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
令和2年度の調査、これは令和元年度の実績でございますけれども、本県の小中学校の学校図書館におけます1人当たりの年間貸出冊数は、小学校で25冊、中学校では4冊でございます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)小学校が平均25冊、全国平均は49冊、中学校は全国平均9冊のところ4冊と、全国平均のやっぱり半分以下というような状況ではあります。こちらも市町によって結構ばらつきがあるのではないかと思いますが、教育長、いかがでしょうか。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
市町によりましてかなりのばらつきが見られまして、小学校におきましては6冊のところから72冊のところまで、中学校では1冊から32冊となってございます。
このようなばらつきが見られる要因でございますけれども、この令和2年度の本調査におきましては、本県の学校図書館における図書のデータベース化が進んでいないために貸出冊数を把握できていない学校があるということも要因の一つだと考えているところでございます。(発言する者多し)
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございました。
議場からも様々な異論の声が上がっていますが、各市町がそれぞれの取組を客観的に評価するための一助として、また、他市の好事例に関心を持ってもらうようなきっかけとして、この学校図書館の貸出冊数も次期推進計画の指標に入れるべきだと考えますが、教育長のお考えを伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
貸出冊数につきましては、学校図書館の活用状況を図るための指標の一つと捉えております。このためには、まずは学校図書館の貸出冊数が正確に把握できる──先ほどもお答えいたしましたが──データベース化の環境を整えていく、このことが大切であると考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)そうですね、データベース化というのは本当に必要なことだと思います。
今、指標に入れる、入れないという明確な御答弁がありましたが、今データベース化ができてなくて現状把握が難しいから指標には入れないのではなく、これをきっかけに、ぜひともデータベース化を進めて実態把握に努めることこそが今求められていることではないでしょうか、教育長の見解を伺います。
◎教育長(福永忠克) 学校図書館の充実に向けた取組の一つとして、今おっしゃられた県内の学校図書館の現状把握という点は非常に大切だと考えておりますので、この取組は今後の取組の一つの大きな柱として進めていきたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)また、指標に関しては、今後ぜひとも検討の課題としていただければと思います。
また、決算特別委員会では、県立高校では令和3年に蔵書横断検索システムを導入し、学校間の相互貸出しを推進することで貸出冊数が増加したとの報告をいただきました。また、古い本ばかりでは子供たちの関心は引くことはできません。図書を適正に更新していくための選定基準や廃棄基準の制定も必要です。
学校図書館の貸出冊数の増加に向けて、どのように今後取り組んでいかれるのか、教育長の考えを伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
まずは学校図書館に子供たちにとって魅力のある新しい本を充実させることが必要であると考えているところでございます。そのためには、全国学校図書館協議会の図書選定基準や廃棄基準などを参考にいたしまして、各学校において図書整備が進みますように、学校司書の配置など学校図書館の体制も含めまして、市町教育委員会と共に取り組んでまいりたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)文科省の次回調査は令和7年ということですので、ぜひともそのときには数字にも現れる成果を期待したいと思います。
今ちょうどお話にも出ました学校司書、これらの施策を進めるためには、次期推進計画にもその配置拡充が明記されている学校司書の力が必要です。
まず、そもそも学校司書というのは何なのか、資格要件も含む位置づけを教育長に確認いたします。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
学校司書は、専門職として、学校図書館の図書の管理運営につきまして、司書教諭や他の教員と連携をいたしまして図書館業務を行う役割を持っておられます。
学校司書の資格につきましては、制度上の定めはございませんが、市町教育委員会が採用される際には、図書館司書免許状や司書教諭免許状を有すこと、また、相当の実務経験等を有していることを条件にしておられるところもございます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
国家資格である図書館法に基づく司書とはまた違うということで、私も調べると、大体3割ぐらいは何も今おっしゃったような資格もなく、また、実際の実務経験のみで採用されている方も多いと仄聞をしております。かなり柔軟に人材確保ができるという理解でよろしいのでしょうか、教育長に伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
先ほど御答弁申し上げましたように、学校司書の資格につきましては制度上の定めはございませんが、やはり司書として活躍をしていただくためには、図書に関する知識を有することなど、学校における図書館業務を適切に行っていただく方が就いていただくことが大切だと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ぜひとも研修制度なども拡充していただいて、質の向上も図っていただけたらと思います。
学校司書を配置している本県の学校割合は、大幅に増加したものの、令和2年で小学校64.2%、中学校58.3%で、第4次推進計画の目標には届かず、全国平均を下回ったことが報告されています。
学校司書の設置推進にも先ほども触れました交付税措置がされていますが、第5次推進計画ではどのような目標に向けて取り組んでいかれるのか、教育長に伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
学校図書館の活用を推進していくためには、学校司書の果たしていただく役割は重要であると考えております。現在の県内の各市町の状況を踏まえ、まずは全ての市町に学校司書が配置されることを目標に取り組んでまいりたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)今、全ての市町という御答弁いただきました。ということは、現状、学校司書が全く配置されていない市町もあるという理解でよろしいんでしょうか、確認させてください。
○議長(奥村芳正) 教育長でよろしいんですね。
◆17番(小川泰江議員) 教育長にお願いします。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
「こども としょかん」の取組の関係で、令和5年4月1日現在で調査をさせていただきましたところ、県内19市町ございますが、3つの市町では学校司書というのを配置しておられない状況でございます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
私もそういう状況があるというのは今の御答弁で初めて知りました。取りあえず全ての市町に配置というのが目標ということも、決して高い目標ではないかと思いますし、最終目標でもないかと思います。
さらに、今現状配置されている市町でも巡回の場合が多いとも聞いております。単に設置したというだけではなく、週何回入っているのか、それで十分なのか、そういった現状把握も引き続きぜひとも進めていただきたいと思います。
学校司書と力を合わせて図書館運営に取り組むのが司書教諭の存在、これも重要です。12学級以上の学校は司書教諭設置が義務づけられているため、滋賀県でも100%の発令となっていますが、11学級以下の司書教諭発令率は、小学校32.5%、中学校21.9%と、その低さが気になるところです。教師の多忙が叫ばれる中、小規模校では難しいことは重々承知できますが、11学級以下の学校の司書教諭発令推進についての教育長の考えを伺います。
◎教育長(福永忠克) 司書教諭につきましては、一定資格が必要となるという点もございます。その点も併せてではございますが、司書教諭の発令をするということは学校図書館の充実につながることでございますので、現在義務づけられていない11学級以下の学校での発令について、小規模校で、どうしても一人で多くの校務を先生方が受け持たなければならないという実態も踏まえ、現場の声を聞き、ここは市町と共にどういう取組ができるのか一緒に考えてまいりたいと思っております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)よろしくお願いいたします。
これまで問わせていただいたこと以外にも、例えば全校一斉読書活動の実施や、授業での活用、ボランティアや公立図書館との連携など、学校図書館の充実には様々な取組があります。小中学校はやっぱり基本市町施策となりますが、県として、例えば、これまでも述べてきましたような現状の把握や、数字や好事例等の市町間の情報共有や推進のサポートなど、学校図書館の充実に向けて果たすべき役割があると思います。教育長の見解を伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
県教育委員会の学校図書館の充実に向けた役割といたしまして、1つには、県内の学校図書館の現状をしっかりと把握すること、そしてもう1つは、先ほど御答弁申し上げました学校司書の配置状況など、市町教育委員会と取組の状況を共有していくこと、これが大切だと考えているところでございます。そうしたことから、司書教諭等と学校司書、そして公立図書館の司書など学校図書館関係者が連携することや、学校司書等の果たす役割の重要性の理解を促すこと、また、先進的な取組事例を共有することなどを通じまして、学校図書館活動の充実に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
現状の把握ということで、本当に今必要かと思います。決算特別委員会で県内の学校図書館の貸出冊数を伺ったときも、なかなかすぐには把握していないということで出てこなかったという状況もありますので、まずしっかりと進めていただきたいと思います。
それでは、この項の最後に、知事に伺います。
知事の1期目の政策集には学校図書館の充実が明記されていたことをよく覚えています。3期目は、それが「こども としょかん」と変化しましたが、特に小学校においては、学校図書館自体がまさに「こども としょかん」と言えるのではないでしょうか。まずここをしっかりと充実させてこそ次のステップに移れるのではないかと考えます。滋賀ならではの「こども としょかん」を目指す上での学校図書館の充実に対する知事の見解を伺います。
◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。
「こども としょかん」は、全ての子供の身近に本があり、読書に親しめる環境を整えることを目指しておりますことから、子供たちにとって一番身近な存在である学校図書館の役割はとても大きいと考えているところです。
そのため、「こども としょかん」において設置を検討しておりますセンターの機能の一つとして学校図書館の支援を予定しているところです。こうした支援を通じまして、全ての市町への学校司書の配置など、学校図書館の整備、また充実につなげることで、子供たちがより多くの本に接し、親しみ、豊かな人生を送ることができるよう、市町と共に取り組んでまいりたいと存じます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)これまで述べてきましたように、滋賀県の学校図書館、様々課題もまだまだあるかと思いますが、ぜひともこの「こども としょかん」構想を機に、子供たちにとって本当に本に親しめる環境、生きる力を育む、そういった施策を進めていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、続いて、教師不足への対策について伺います。
教師不足に関しては、これまで何人もの議員が質問してこられましたが、そもそも教師不足とは何なのでしょうか。文科省の定義では、臨時的任用教員等の講師の確保ができず、実際に学校に配置されている教師の数が、各都道府県、指定都市等の教育委員会において学校に配置することとしている教師の数、配当数、つまり定数を満たしておらず、欠員が生じる状態を指すとされています。つまり、臨時的任用教員、いわゆる臨時講師が確保できないこと、臨時講師不足が教師不足の実態と読み取れますが、教育長の見解を伺います。
以下、全て教育長に伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
令和3年度に実施されました文部科学省の教師不足に関する実態調査、ここで定義されておりますのは、教師不足とは、定数内の臨時講師が確保できず、学校に配置することとしている教師の数を満たしていないというふうに定義されているところでございます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)何か微妙に言い回しが変わったような気がしますが、いわゆる臨時講師不足ということに尽きるかと思います。
それでは、臨時講師不足の要因について、見解を伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
1つには、特別支援学級が増えたことなどによりまして教職員定数が増加したこと、そしてもう1つには、産前産後休暇、また育児休業をはじめとした休暇や休業を取得される教員が増えたことに伴いまして、臨時講師の確保が十分にできていないことによるものでございます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)端的に言えば、需要の増と、そして、私は供給の減ということも要因と考えています。
一時は10倍を超えた教員採用試験の応募倍率も、令和4年は全国平均、小学校で2.5倍、中学校で4.7倍と下がり続けています。採用試験に落ちた方が供給減となっていた臨時講師という制度がもう成り立たなくなっているとも言えるのではないでしょうか。
根本的な解決のためには、処遇改善も含めた教育現場の働き方改革を進め、教職を魅力あるものとし、教職を志す人を増やす。また、少人数学級やインクルーシブ教育に対応するために、人口減少とのバランスを取りながら教員定数の適正化を図るといった中長期的な対策を進める必要がありますが、今回は、今先生がいないという直近の課題への対策として、非常勤講師に論点を絞って問わせていただきます。
まず最初に、全国的に課題となっている、教員の定数の中に最初から臨時講師が含まれている定数内臨時講師について、本県の現状を伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
今後の児童生徒数の減少に対応するため、一定の定数内臨時講師は必要であると考えており、令和5年5月1日現在の定数内臨時講師の数は、全ての講師を合わせまして760人でございます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)今の数字でいいますと、大体7%程度と理解してよろしいでしょうか。7%というと、全国平均と大体同じぐらいで、決して滋賀県が多いというわけではありませんが、今おっしゃったように、将来の児童数の減少を見込んで採用を抑制し、クッションとして臨時講師を充てているということに言ってしまえばなるんですが、先ほども申したように、臨時講師という仕組みそのものが成り立たなくなっている中、教師不足に拍車をかけているというのが現状だと思います。
しわ寄せが行くのは今の子供たちです。定数内臨時講師は減らしていくべきだと考えますが、見解を伺います。
◎教育長(福永忠克) 臨時講師の確保が難しい状況でありますことから、現在の定数内臨時講師の数は課題であると認識をいたしておりまして、今年度から始まります定年引上げの移行期間の活用を通じまして、段階的に正規教員の割合を増やすよう努めてまいりたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)定数内臨時講師の数に関しては、国のほうでも課題認識があって、目安を設けようという議論もありましたが、まとまってなかったとも仄聞しております。
現在の滋賀県において、例えば何%とか、そういった数値目標は設けはしないということで現状よろしいでしょうか、お願いいたします。
◎教育長(福永忠克) 毎年度の採用数とも関係をしてくることでもございます。また、先ほど少し申し上げましたが、今年度から定年引上げに伴う制度がスタートいたします。60歳定年制が61歳から65歳まで延びる中で、61歳以上の先生方が正規で残られるか、退職されて臨時講師とされるのか、そちらの動向もございます。そういった様々な動向を見据えながら、できる限り正規の教員を採れる取組を進めてまいりますが、ちょっと具体的に何%までするというのは、なかなか数字を申し上げるのは難しい状況でございます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)それでは、次の課題に移ります。
現在、臨時講師の確保は、現場の校長先生が一手に担っている状況で、何人もの校長先生から、どれだけ電話をしても見つからない、補充が見つからず、中でやりくりしており、ほかの教員に負担がかかっている、臨時講師が見つからないので、非常勤2人を組み合わせて何とか回しているといった悲鳴にも近い声を伺いました。校長先生が本来の業務にちゃんと打ち込めるようにするためにも、この状況は早急に是正すべきだと考えます。
例えば、他県では、地域ごとの教育事務所が市町教育委員会と密に連携して臨時講師を探しているという例も仄聞しておりますが、臨時講師採用に関して、県としてもっと主体的にできることがあるのではないかと思いますが、教育長の見解を伺います。
◎教育長(福永忠克) 小中学校の臨時講師の確保のために、現場の管理職、校長先生、教頭先生が大変御苦労いただいていることは私も十分承知しており、大変申し訳ないと思っている点でございます。
今、他府県の取組で御紹介いただきました教育事務所でございますが、他の都道府県におきましては、教育事務所が臨時講師の確保を担っている──県の教育事務所でございますが──あることは承知しておりますが、本県では教育事務所そのものが設置していないという状況にございます。そのために市町で御対応いただくこととなりますので、県でしがネット受付サービスを活用いたしまして、講師登録、講師名簿作成を一括して担い、各市町の教育委員会に名簿を提供してサポートをさせていただいているところでございます。
また、今年度からは、講師登録者数を増やすべく、教員へのファーストステップセミナーを開催をいたしまして、教員免許状をお持ちで教育現場で働くことに興味がある方の登録につなげているところでございます。
また、年度途中から先ほどの登録名簿の市町への提供頻度も増やし、改善にも努めさせていただいております。
あわせまして、年度途中から代替の教員を確保することが非常に難しい状況でございますので、7月末までに産休に入られる先生がいらっしゃる場合には、年度初めから補充者を任用できる産休先行補充にも取り組ませていただいているところでございます。
今後も、この臨時講師の確保に向けまして、どういったことができるのか、しっかり考え、工夫を凝らしてまいりたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
今御紹介いただきました産休先行補充、これは本当に校長先生からも助かったという声を伺っております。
また、紹介いただいたしがネットなどへの講師登録に関して少し意見を申し述べたいと思います。
近隣県、京都や兵庫、こちらのほうでは教育委員会のホームページのトップから講師の採用情報に速やかに入ることができますが、滋賀県教育委員会のトップからは、どこに入ったらいいのか分からず、私もここかなと教職員の人事・教員免許等というところをクリックして、ようやく出た採用・講師募集に入っても、記事一覧しかなくて大変分かりにくいような状況です。一人でも多くの方に、もっとウエルカム感とかを出して、登録していくためには分かりやすくすべきではないかと考えますが、見解を伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
今御質問にございましたホームページ、これはまだまだ改善する余地があると思います。ホームページも含めまして、様々な情報を使いながら講師登録の増加をしていく必要があると思っております。できる限り講師になっていただくために、講師登録の案内を配布する際には、QRコードを設けまして、手軽に講師登録ができるような工夫もしております。トップページにリンクするか、どういう手法を取るかは、少しホームページ全体を見ながら考えさせていただきたいと思います。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)早急な対応をお願いいたします。
ここで1つ提案があります。臨時免許制度の活用です。
臨時免許とは、教員免許の一種で、普通免許を持つ教員を確保できない場合に、各都道府県の教育委員会が例外的に交付することができる免許です。例えば、通常、高校の理科の免許のみ持つ方を中学校の理科の教科担当として採用はできませんが、都道府県教育委員会が臨時免許を交付すれば、3年間、中学校で教えることができます。教員免許のない方にも適用可能です。特に不足しがちな中学校の理科の教科担当を大学院の学生に当たるなど、可能性が広がるのではないかと思います。
NHKの調査では、令和4年度は全国で1万572件の臨時免許が交付されたということです。
また、東京のNPO法人ティーチ・フォー・ジャパンでは、教員免許の有無にかかわらず、教員を志望する人を募り、必要な研修を行った上で、臨時免許などを活用し、全国各地の連携自治体の学校に2年間赴任してもらう取組も進めています。
もちろん、しっかりとした人物評価と、OJTなどサポート体制は必要でしょうが、喫緊の課題への対策として、臨時免許制度の活用を検討してはと考えますが、見解を伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
臨時免許状は、普通免許状を有する方を合理的な範囲の努力により採用できない場合に限り、その教科等を教えることができる能力、また経歴等を有する方に対して授与できるものと認識をいたしております。この臨時免許状を授与することは、講師不足の解消に向けた有効な手段の一つであると認識をいたしております。
しかしながら、市町教育委員会や学校におきましては、例外的なものであるという意識を強く持っておられる向きもありますことから、制度の趣旨や申請手続等につきまして改めて周知を図りまして、現場の声に寄り添い丁寧に相談に応じることで、より円滑な授与に取り組んでまいりたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。選択肢が広がることでやっぱり助かる学校もあると思います。ぜひとも今教育長がおっしゃいました制度の周知、学校現場にしっかりと行っていただきたいと思います。
これで終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(奥村芳正) 以上で、17番小川泰江議員の質問を終了いたします。
しばらく休憩いたします。
午後0時16分 休憩
────────────────
午後1時19分 開議
○副議長(有村國俊) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
10番田中誠議員の発言を許します。
◆10番(田中誠議員) (登壇、拍手)それでは、発言通告書に従い、大きく分けて2項目について質問させていただきます。
それでは、まず、大項目1として、各市町における産婦健康診査の現状について、分割質問方式でお伺いいたします。
6月の定例会議のときから常々申し上げていることではありますが、人口減少が全国的に加速度を増し、我が県においてもその波は避けることができず、本年6月2日に厚生労働省発表の令和4年人口動態統計月報年計によりますと、滋賀県の昨年の出生数は9,766人と、統計開始以来初めて1万人を下回ってしまいました。
そんな中で、さきのチームしが 県議団、中沢議員の代表質問において、知事は、妊娠から出産、育児へと進んでいく過程で、母子に対する支援を切れ目なく伴走的に行っていくことがとても重要であるというような御答弁を力強くおっしゃったとおり、誰もが安心して滋賀県で子供を産み育てたいと感じていただくための支援や施策の実行は、まさに待ったなしの状況にあると言えます。
そして、その支援の一つに産婦健康診査助成事業というものが挙げられます。そもそもこの産婦健康診査とは、出産後2週間と1か月の母親に対して、身体的な検査はもとより、EPDS等のスクリーニング検査を用いたメンタルヘルスケアも同時に行い、産後鬱や乳児虐待等の早期発見や予防につなげる重要な役割を担っていると言えます。
そこで、この産婦健康診査助成事業の実施状況について、全国の市町に目を向けますと、令和6年度概算要求資料のデータでは、令和4年度時点で全1,718市町中1,171市町の実に68%以上が実施しているという結果が出ていますが、我が県においては、令和5年4月時点で全19市中10市町の52.6%の実施状況にとどまっております。
ここで1問目として、身体的にも精神的にも産後は不安定になりやすい時期であり、こうした心身の不調に対する早期発見と早期治療はとても大きな意味を持つものだと考えますが、補助がなされている市町があるのに対し、一方では全額自己負担を強いられる市町が約半数もあるという現状は、すなわち、同じ滋賀県に住んでいるにもかかわらず、等しい行政サービスを受けられていないということであり、さきの自由民主党滋賀県議会議員団、井狩議員の代表質問において、知事が誰一人取り残さない社会を実現すると御答弁なされた、その御発言からは乖離が出てくると思うのですが、この行政サービスの不均衡性が生じている状況について、知事の見解をお伺いいたします。
次に、2問目に、前述いたしましたとおり、この産婦健康診査助成事業は、母親の産後ケアや乳児虐待の早期発見などの面から見ても重要な事業だと思うのですが、滋賀県の各市町においてはまだまだ約半数の実施にとどまっている原因はどこにあるとお考えなのか、
健康医療福祉部長の見解をお伺いいたします。
次に、3問目に、この事業の実施主体は各市町で、補助率は国が2分の1で、市町が2分の1ということではありますが、市町によってはこの事業に予算を回す余裕のない自治体も存在することは予見できます。そこで、本事業を県として予算面から各市町に積極的にサポートしていくお考えはないものか、
健康医療福祉部長にお伺いいたします。
最後に、この事業の実施主体が各市町であったとしても、この診査自体は医師会と県内全市町との集合契約で行われていることから、県全体で実施することに大きな意義があると考えられるので、予算面以外でも各市町に率先して実施するように働きかけることが大事だと思うのですが、現時点でこれまでに県として各市町に具体的に働きかけていることや、今後、各市町に対して新たな働きかけをする予定があるか否かを
健康医療福祉部長にお伺いしてこの項の質問を終わります。
○副議長(有村國俊) 10番田中誠議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)産婦健康診査助成事業ということで御質問いただき、私には、1点目、行政サービスに現状不均衡が生じている状況についてということでお尋ねいただきました。
産婦健康診査は、母体の回復状況や精神状態を把握し、必要な支援を行うことを目的に実施されるものであり、心身の負担を軽減し、孤立を防止する上でも非常に大切な健診であると認識しております。
県といたしましても、出産された全ての産婦が県内どこに住んでいらっしゃっても安心して健診を受けられることが望ましい姿であると考えているところでございます。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) (登壇)4点のうち、私にいただきました3点の質問にお答えをいたします。
1点目の産婦健康診査事業を実施する市町が約半数にとどまっているという原因でございますけれども、各市町域を越えた医療機関で健診を実施する場合には、各医療機関と個別に契約をする必要がございまして、市町にとりましてはこうした事務が負担になっていることが考えられます。また、限られた予算の中で、どの施策を優先して実施するかについても市町の判断に委ねられておりますことから、予算上の課題もあるのではないかと認識をしているところでございます。
2点目の予算面からの県のサポートでございますけれども、現在、各市町におけます子ども・子育て施策のさらなる充実に活用いただけるよう、県では(仮称)子ども・子育て施策推進交付金の令和6年度の創設に向けて検討を進めているところでございます。この産婦健康診査助成事業にも活用いただけるような制度として、今後、議会にもお諮りをしてまいりたいと考えております。
3点目の市町に対する具体的な働きかけについてでございます。
県としましては、市町および医師会等と広域的な連携に向けまして調整を行いまして、令和5年4月から集合契約を結ぶことにより、事務負担の軽減を図り、全県で受診できる体制を整えた結果、実施市町の増加につながったところでございます。
未実施の市町に対しましては、市町担当者会議等の場を通じまして、全市町に取り組んでいただけるよう働きかけますとともに、保健所が市町に同行しまして医療機関との個別の調整も行うなどの取組も行っているところでございます。
今後、こうした取組を通じまして、全ての市町で実施していただくことで、県内のどこに住んでいても安心して子供を産み育てられる環境づくりに努めてまいる所存でございます。
◆10番(田中誠議員) (登壇)最後の質問の御答弁に対して再質問させていただきます。
各市町に働きかけるということだったんですけれども、もう少し具体的に、いつまでにどういった形式で議論を進めていかれるのかというのがあればお答えいただければと思います。よろしくお願いします。
○副議長(有村國俊) 答弁者は。
◆10番(田中誠議員) 答弁者は
健康医療福祉部長にお願いいたします。よろしくお願いします。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
現在、各市町におけます来年度の事業実施に係る意向を把握しているところでございまして、引き続き未実施の市町に対しましては、県内の各市町の今後の取組状況、こういったものも各保健所での担当者会議の場を通じて情報提供を行いまして、できるだけ早期に実施していただけるよう、引き続き働きかけてまいりたいと存じます。
◆10番(田中誠議員) (登壇)ありがとうございます。
冒頭でもやはりお話ししたとおり、知事がおっしゃるような妊娠から出産、育児へ向けて、その過程の中で母子に対する支援を切れ目なく伴走的に行っていくというようなお考えに関しては、本当に激しく賛同させていただくところではございますので、今後も、その考えが市町においても浸透いたしまして、同等の行政サービスがどこにいても受けられるような滋賀県であるように、ますますのスピード感を持って取り組んでいただきますようお願いいたしまして次の質問に移行させていただこうと思います。
それでは、次に、大項目2といたしまして、救急安心センター事業──以下、#7119と言います──の導入について、分割質問方式で全て知事公室長に対してお伺いいたします。
現在、全国では19の都府県と5つの市町で#7119が導入されておりますが、この#7119の導入には県民側からと医療従事者側からの双方の立場において大きなメリットがあると言えます。
まず、県民側からすると、急なけがや病気をした際に、医師や看護師が電話で話を聞いてくれることによって、病気やけがの症状を把握して、救急車を呼んだほうがいいのか否か、また、どの医療機関で受診したらよいのかなど、判断に迷った際に的確なアドバイスを受けられるというメリットがある一方で、医療従事者側からすると、急を要さない軽症患者の救急車の不適切な要請を抑制でき、救急隊員の労務管理の適正化を図れるとともに、救急医療機関の負担軽減にもつながるというメリットがあることから、#7119の導入は我が県においても非常に重要かつ早急に取りかかるべき事案であると言えます。
先日も、#7119が我が県に導入されていないことにより、体調を崩した際に、誰にも相談できず、救急車を呼ぶべき事態にもかかわらず、救急車を呼ぶことに対して引け目を感じ、病院への受診が遅れてしまい、重症化してしまったと嘆いておられた年配の県民の方のお話を聞く機会がありました。
そこで、1問目として、前述させていただいたとおり、#7119の導入には県民側からと医療従事者側からの双方の立場において大きなメリットがあると言えるにもかかわらず、いまだに我が県ではこの事業が導入されていない理由を含め、この事業における重要性についての見解をお伺いいたします。
2問目に、現在、滋賀県では、15歳以下が対象の小児救急電話相談事業──以下、#8000と言います──が既に導入されており、この事業のサービス内容としては、電話相談受付回線は2回線で、平日と土曜日の18時から翌朝8時までの14時間と日曜日と祝日および年末年始の朝9時から翌朝8時までの23時間となっており、さらに、予算といたしましては、委託契約額で年間約1,677万円がかかっておりますが、例えば、この事業に対して人員や対応日時などを拡大し、全年齢の方を対象にすれば、既に実施されている事業であることから、導入もスムーズで、予算面でもかなり抑えることが見込めるのではないかと推測してしまうのですが、それでもあえて#8000と#7119が別事業として存在するのは、15歳以下が対象の事業と全年齢が対象の事業といったように年齢の差以外にも、事業としての根本的な考え方やサービス内容に何か大きな違いがあるのかをお伺いいたします。
3問目に、昨年の11月定例会議において、他会派の議員からの一般質問でも、昨年度時点で関西広域連合構成府県と市町の8府県と4市町に限ると、#7119がどういった形であっても導入されていないのは本県だけであり、この#7119の導入へ向けての是非について知事に問われていましたが、その際に知事は、#7119につきましては、県民の安全・安心につながる救急医療体制の構築に資するものと考えられますことから、これまでの先行自治体の調査に基づき、今年度、それを導入効果、課題等を整理し、来年度、市町や消防本部などの御意見も聞きながら、スピード感を持って検討してまいりたいと存じますと御答弁なされましたが、その日から丸1年が過ぎた今、滋賀県における#7119の導入に向けての市町との協議の進捗状況をお伺いいたします。
4問目に、我が県でも#7119を導入されるとすれば、総務省消防庁が作成した資料の#7119実施に係る基本情報を参考に、既に#7119を導入済みで、人口規模が我が県と同等である山口県の事例を基に考えますと、この事業の予算は年間約2,500万円で、対応人員としては2つの電話回線が引かれており、24時間365日いつでも医師や看護師といった医療従事者が電話対応してくれる事業となっておりますが、我が県においても予算や行政サービスとして同等規模の事業を実施されるお考えがあるのか否かをお伺いいたします。
最後に、この#7119の導入については、どの時期をめどに実現されるお考えがあるのか否かをお伺いしてこの項の質問を終わります。
◎知事公室長(松田千春) (登壇)救急安心センター事業について、私にいただきました5点の質問にお答えいたします。
まず、1点目の未導入の理由と事業の重要性についてでございますが、本県は他府県に比べて人口1万人当たりの救急出動件数が全国36番目と少なく、救急搬送困難事案の件数も全国2番目に少ない状況でございまして、現状では、傷病者の搬送等についてはおおむね円滑に実施できている状況でございます。
しかしながら、今後、高齢化の進展などにより、救急出動件数の増加が懸念されますことから、#7119は救急車の適正利用、医療機関の適正受診につながる事業であると認識しているところでございます。
次に、2点目の#8000との違いについてでございますが、#8000は15歳以下の子供を対象にしておりまして、保護者の不安解消や処置方法の助言、母子保健の向上を目的とするもので、厚生労働省の所管事業として、全ての都道府県で実施されております。
一方、#7119は、救急車の適正利用や救急医療機関の適正受診を目的とするもので、総務省消防庁が推進し、全国24の地域で実施されております。
いずれも電話相談サービスでございますが、目的や所管省庁が異なっているということでございます。
次に、3点目の市町との協議の進捗状況でございますが、今年度は、5月に開催いたしました情報連絡会議において、市町や消防本部と制度の目的や必要性を共有いたしまして、10月には制度導入の方向性についてはおおむね賛同を得たところでございます。
このことから、11月以降は、各市町を訪問いたしまして、電話回線の数でありますとか相談受付の時間帯などについて率直な御意見を直接お伺いしているところでございます。
4点目の実施規模について、本事業は救急搬送につながる可能性もある緊急性の高い相談への対応が求められることから、24時間365日対応という運用方法やその事業規模について、議員から御紹介ありました山口県の事例を参考にしながら、市町や消防本部と協議を進めてまいりたいと考えております。
最後に、5点目の#7119の導入の時期についてでございます。
現在、県全域での導入に向けて市町や消防本部と協議を行っているところでございます。今年度から来年度にかけまして、市町や消防本部とともに、サービスの内容でありますとか費用負担など具体的な検討を進め、できるだけ早期の導入を目指してまいりたいと考えております。
◆10番(田中誠議員) (登壇)ありがとうございます。
まず1つ、2問目の御答弁に対して再質問させていただきたいんですけれども、#8000と#7119の根本の考え方がまず違うんだということで御答弁いただいたんですけれども、そこで新たな疑問が湧いてくるんですが、私自身も子供が4人いまして、まさに子育て真っただ中の世代なんですけれども、もし子供が急な発熱であったりとか急にけがをしたときに、やはりメンタル面で見たときに、どう考えても平常心ではいられてないとは思うんです。やはり#8000にお電話をするときなんかは、ちょっと焦っていたりとか不安がよぎっているときにお電話する番号かなと思うんですが、そんなときに、2番号がこれからできるということで、やはりかけ間違えという懸念はあると思うんですね。もしかけ間違えたときに、例えば、電話の向こう側の医療機関の方が、いや、これ、#8000に聞いてもらわな困りますよみたいな、ある意味ドライな回答をされるような感じでは、そのとき、心理状況でいうと、やはり焦っていたり心配しているときに、そういう素っ気ない対応を取られてしまうと、やはり電話した側からもしてもすごくメンタル的にも傷つくことですし、さらに慌てることになるかなと思うので、そうやってもし電話番号を間違えた場合でもしっかりと対応していただけるのか、行政のたらい回し、サービスのたらい回しにならないのかというところが懸念があるので、そこに対して1つお伺いしたいのと、もう1点、先ほどお話ししたみたいに、やはり電話のかけ間違いが今後起こり得ると。かける側からしても、やはり救急車に電話するまででもないかもしれないが、やはり心配していたり焦っているときに電話をかけ間違えて、いや、こっちじゃないですよなんて言われると、またさらに焦る。そして、かけられた側からも、いや、#8000に電話してください、いや、これは#7119に電話してくださいというような業務が増えてしまうとすると、本来必要な業務ではないところの業務負担が増えてしまうと。双方が本来ウィン・ウィンであるはずの事業が、両方ともが崩れてしまうような事業になってはいけないと思うので、そこに関して、やはり周知徹底、県民に対して、こういう場合は#8000にかけてくださいね、こういう場合は#7119にかけてくださいねという周知が本当にこれから必要になってくると思うので、今現時点で県民に対してこうやって周知をしていこうという周知方法があればお伺いしたいです。よろしくお願います。
◎知事公室長(松田千春) お答えいたします。
この2つの#7119と#8000でございますが、さきに御答弁いたしましたとおり、対象に違いはありますものの、相談に対応する者はいずれも医師あるいは看護師などでございまして、たとえ間違えて電話された場合であっても、年齢に関係なく医療に関する相談には応じることができるというふうに考えてございます。
また、先ほどの業務負担の関係でございまして、できるだけ周知をというお話でございますが、導入に向けた検討に当たりましては、できるだけ御指摘いただきましたようなかけ間違いがないような工夫は凝らしたいというふうに考えてございまして、どのように周知していくのかも含めまして検討を進めてまいりたいと考えております。
◆10番(田中誠議員) (登壇)御答弁ありがとうございます。
さらに、第4問目のことについての御答弁で、ちょっと私が聞き漏らしていたのかもしれないですが、予算面に至っても山口県と同規模を想定されているのか、まずお伺いしたいです。
◎知事公室長(松田千春) 現在、市町、消防本部などと具体のところを検討しているところでございますので、幾らぐらいの予算が必要かということはこれからになるのかなと思いますが、想定している内容としましては同等というふうに考えてございます。
◆10番(田中誠議員) (登壇)ありがとうございます。
やはり山口県と同等のサービス、そして予算規模も同等と考えられているという御答弁だったので、整理いたしますと、24時間365日、そして県内どこにいてもサービスが受けられる。そして、これは物価高の影響もありますので、絶対とは言えないと思うんですが、2,500万前後、あくまでも1億とか2億とか、そういう億単位まではいかないというような想定だという解釈をさせていただきますが、ただ、そうなってきたときに、そんなに大きい事業規模じゃないから、もう一定県が全部負担してくれよ、そうしたほうが早いじゃないかという考えが頭にはよぎる部分もあるんですけれども、逆に、この事業自体が、まず消防や救急自体が市町が所管する業務であることから、もし#7119が導入されたことによって市町の業務負担も少し緩和できるのではないかというところが予見できますので、その予算割合についても、できれば市町としっかりと協議の上、ある程度市町にも持っていただくという考えが妥当ではないかと考えるのですが、それについてのお考えがあればお願いいたします。
◎知事公室長(松田千春) 救急搬送業務というのは市町の所管でございます。ただ、県としても、導入に当たりましては、県全域での導入が望ましいと考えておりますので、こうした視点から、費用負担の在り方について市町と丁寧に議論をしてまいりたいと考えております。
また、費用につきましては、ずっとかかるコストでございますので、できるだけ工夫をして、縮減できるものはしたいというふうに考えております。
◆10番(田中誠議員) (登壇)御答弁ありがとうございます。
本当に今後、やはり市町としっかり連携していただきまして、滋賀県において、いち早くこの#7119を導入していただきまして、県民の方々の安心が担保され、そして、救急隊員や医療従事者の方々の負担が軽減し、県民の皆様が住みよい滋賀県になることに一歩でも近づけるのであれば、それに向けて私のできることは最大限努力させていただこうと思いますので、今後も執行部の方々と協力して、よりよい県政を進めさせていただきますようお願いいたしまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(有村國俊) 以上で、10番田中誠議員の質問を終了いたします。
次に、22番柴田清行議員の発言を許します。
◆22番(柴田清行議員) (登壇、拍手)それでは、早速質問に入りたいと思います。
高校を核とした地方創生について質問をいたします。
近年において、県立高校の普通科の定員割れが多くなってきました。そこで、国において、新時代に対応した高等学校改革推進事業(普通科改革支援事業)として、文部科学省が全国で29校の高校を選定をされました。その中に、滋賀県から伊香高校と守山北高校が選定をされました。
文科省のホームページには、伊香高校では、滋賀県北部地域の豊かな自然環境の中、森で学ぶをコンセプトに、生徒の生きる力を地域とともに育むゼロ・カーボン・ハイスクールを目指すとされ、新学科、(仮称)森の探究科が新設をされます。
守山北高校では、地域をフィールドとした学びとウェルビーイングを柱に、多様性を尊重し、他者と協働しながらよりよい地域の未来を創造するとされ、(仮称)みらい共創科が創設されます。
2校とも、来年度、1クラス40名の定員を募集される予定となっておりまして、令和7年度開設となっております。
そこで、各校でコーディネーターなどの力をお借りして、各校の先生方によって準備をされておりますが、このような取組は今後の高校教育において大変重要な取組であることから、質問に入らせていただきたいと思います。
まずは、県立高校のクラス数の現在の基本的な考えを教育長にお伺いをいたします。
○副議長(有村國俊) 22番柴田清行議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えをいたします。
高等学校全日制課程の学校規模につきましては、平成24年度策定の滋賀県立高等学校再編基本計画では、1学年当たりおおむね6学級から8学級を標準としたところでございます。
その後、社会が大きく変化していく中、令和4年3月に策定をいたしましたこれからの滋賀の県立高等学校の在り方に関する基本方針では、県立高校の学校規模の大小にはそれぞれメリット、デメリットがあり、それぞれに特徴がありますことから、地域の実情に応じて様々な規模の高校において、生徒の力を伸ばす教育の充実を図るとしたところでございます。
なお、現在、県立高等学校は、1学年当たり2学級、定員としては80人から、9学級、定員としては360人の規模となっているところでございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)教育長に再問させていただくんですが、大体やっぱり6から8というのが理想的だと言われておりましたし、私も、やっぱり5クラスぐらいが高校を維持するためには理想的なクラスなのかなと自分自身でも思ってはいますが、県立高校の在り方検討委員会でもいろいろ議論をされた中で、今言われたような5クラス以下が滋賀県内にもやっぱり9校、10校近くあるわけでありまして、少ないほど僕はデメリットが多いのかなと思ったりもしていますが、この高校を核とした地方創生というような議題の中においても、やっぱりこういうふうなクラスが少なくてもしっかりと維持していくというようなお考えなのか、教育長にお聞きしたいと思います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
高等学校のクラス数につきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、クラスの数によってメリットもあればデメリットもございます。とはいえ、今、滋賀県におきましても人口減少が進み、中学生、高校生の数が少なくなってきている地域もございます。そういった地域におきましても、高等学校が今までから、そして、私はこれからも果たす役割というのは大きいものがあると思っておりますので、今御質問のテーマになっております地方創生という観点から、クラス数が少なくても一定の高校が役割を果たしていくということをまずしっかりと考えていくことが大切だと考えております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)それでは、なぜこの2校に新学科設置を考えられたのか、教育長にお聞きをいたします。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
今年3月に全県的な視野から魅力化の方向性を示します滋賀の県立高等学校魅力化プランを策定をいたしまして、このプランに基づきまして、各高校が主体的に魅力化、特色化の取組を進めていくこととしているところでございます。
その中で、まず普通科の特色化に取り組むことといたしまして、学校の意欲的な学校改革の検討でありますとか、市などの関係機関との協力関係等を勘案をいたしまして、今回、伊香高校と守山北高校に地域と連携した魅力ある学びを主とした新学科を設置することとしたところでございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)近年の伊香高校と守山北高校の生徒募集の状況を見てみますと、伊香高校は3クラス、守山北高校は5クラスあるわけですが、この二、三年の中で定員割れ50人という、両校そういうふうな数字が出てる、県内でも一番やっぱり定員割れが出てるという高校であるんですが、そういう意味もあるのか、教育長にお聞きをしたいと思います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
中学生が高校に進学する割合は99%を超えております。ということは、様々な中学生が高校で学びたいと思っておられると考えているところでございます。そのためには、中学生に多様な学びの機会を提供すること、これが大切だと考えておりますので、普通科の中に多様な学びができる学校をつくり、中学生の選択肢を増やしていくこと、これが大切だと考えているところでございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)私は定員割れができているからどうなのかという話を聞いたので、もう一度、教育長、よろしくお願いします。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
高等学校の定員割れというのをどう考えるのかという点が1つあろうと思います。先ほども申し上げましたが、多様な学びの機会を提供するということになりますと、高等学校は今40人定員制でございますけれども、40人掛ける例えば3クラスですと120人ぴったりはまるかどうかというのが、なかなか難しいところがございます。御存じのように、南部の高校では当然定員を大きく超えて受験をされる方もいらっしゃいます。片方でやはり定員に満たない学校もございますが、それぞれの学校を維持していくために、募集定員を設けて学校をつくっていく、そういう中で定員割れが起こっておりますが、やはり定員割れが少なくなるほうが望ましいとは考えておりますので、定員割れの少なくなる、あるいは定員を満たすような学びの機会をつくるということも大切であろうと思っておりまして、最初に申し上げました魅力ある県立高校づくりに取り組むという根本の考えを持っているところでございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)私は、やっぱりその両校の魅力というのが中学生が持てなくなっているというとこら辺が大きな定員割れを示しているということなので、その魅力をどのように回復するかというのが、この2つの高校に今度新学科を設立するというような内容になってくるのかなと思っておりますので。
続いて、これからちょっと伊香高校について質問をしたいと思っております。
伊香高校の新学科、(仮称)森の探究科は、どのような発想から考えられたのか、教育長にお聞きをいたします。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
伊香高校が立地いたします長浜市は、県北部ならではの豊かな自然環境や森林資源に恵まれ、また、令和4年3月にはゼロカーボンシティ宣言を行い、脱炭素社会の実現に向けた取組を進めておられるところでございます。
こうした環境を踏まえまして、スクールミッションで地域と連携・協働した学びを掲げますとともに、魅力化プランでは、地域の専門家と協働し、森・川・里・湖がつながる県北部ならではの学びを位置づけたところでございます。
森で学ぶをコンセプトにいたしまして、生徒の生きる力を地域とともに育むゼロ・カーボン・ハイスクールを目指し、未来環境人材を育成してまいる所存でございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)今までのイメージとは本当に違う高校の新しい科ができるのかなと思っているんですが、今後は林業や環境面での専門スタッフも当然必要かと思いますが、どのようにされるのか、教育長にお伺いをいたします。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
こうした学びを充実させるためには、多様な専門的知識、経験を有する人を教科の学習に迎え入れることが大切でございます。そういった意味におきまして、学校教育の多様化への対応、活性化を図るというためには、教員免許状を有しない非常勤講師が教科の領域の一部を担任することができる特別非常勤講師の制度がございます。そうした制度の活用なども視野に入れながら、今後、学校と、どのような人材をどの程度必要なのか、そういった点、具体的な検討を継続して進めてまいります。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)森の探究科、森や林業や、しかもゼロカーボンシティを目指すというような理想的なタイトルが並んでいまして、私としては期待をしてるんですが、中学生が、さて、こういう分野をしっかりと選んでくれるのかなというのを非常に危惧されている方々がたくさんおられます。
次の事項について、やっぱり伊香高校に来て、それ以降どうするのかということを聞いていきたいと思っていますが、特に今の中学校の先生方は、もし伊香高校へ行くんやったら将来何になるのかなというような、かなり自分の人生を決めるみたいな話をよくされる先生もおられるという中で、今後、卒業後の次の段階へつながるのが重要だと考えますが、対策はあるのか、教育長にお伺いしたいと思います。
◎教育長(福永忠克) 今回の魅力化は、先ほども申し上げましたように普通科の特色化というのを一つのテーマとしております。今回の(仮称)森の探究科は、普通教育を主とする学科でございまして、普通科と同様に、進学から就職まで幅広く、個々の生徒の希望に応じて対応していきたいと考えているところでございます。
まず、大学進学に向けましては、地域と連携した探求的な学びを生かした総合型選抜等の機会の積極的な活用や、就職希望者につきましては、地域と連携した実践的な学びによる地元企業とのつながりによる就職支援などで、新学科での学びが卒業後の進路につながることを想定しているところでございます。
高校でのキャリア教育の学び等を通しまして、生徒はそれぞれの卒業後の進路について考えていくこととなるわけでございますが、生徒の希望がかなうよう支援に努めてまいる所存でございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)この卒業後のどうするかという問題、県に関わることを総務部長にお伺いをしたいと思っているんですが、林業や環境を勉強した生徒が滋賀県の職員として初級採用をするということ、今現在、なかなか土木のほうしか初級採用はないんですが、今後このような考えがあるのか、総務部長にお伺いをしたいと思います。
◎総務部長(東勝) (登壇)お答えをいたします。
林業職の採用につきましては、過去に高校卒業程度の初級試験を行っておりましたが、近年におきましては、行政課題の高度化、また、大学進学率の上昇などを背景といたしまして、より高い専門性を有した大学卒業程度の上級試験のみを実施しているところでございます。
初級試験の実施につきましては、業務に求められる専門性の確保といった点や、近年、林業職も含め、技術職種の確保が困難な状況となっていることを踏まえました採用必要人数の確保の点などを総合的に勘案いたしまして、また、関係部局の御意見もお聞きしながら、その必要性について検討してまいりたいと考えております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)それでは、環境分野で県立大学においてもいろんな研究をされていますが、県立大学進学への道は開けるのか、総務部長にお伺いしたいと思います。
◎総務部長(東勝) お答えをいたします。
県立大学の入学者の受入れにつきましては、大学において主体的に考えていただくものでございまして、大学が定めております入学者受入方針、いわゆるアドミッションポリシーに基づいて入学試験が実施されているところでございます。
そうした中で、県内学校を卒業した生徒の皆さんを対象といたしまして、学校推薦型選抜が行われているところでございまして、来年度も入学定員600人のうち126人が募集をされているところでございます。
また、今年度策定をいたしました中期目標におきまして、受験生の能力を多面的、総合的に評価できる入学者選抜を実施をし、目的意識や学習意欲の高い学生の受入れを促進することを法人のほうに指示をしているところでございまして、県内高校との連携という観点からも、入学者受入れの在り方について研究いただけるよう、大学のほうに促してまいりたいと考えております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)総務部長から御意見をいただきました。入学については、それは分かってるんですが、なかなか伊香高校から県立大学へ行けるという道がレベル的なことも含めて難しいというのが今の現状であります。こういう分野が開かれると大変いいなと思っているわけでありますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、教育長にまた質問を変えたいと思いますが、開科後において、環境研究などが進んでいる県立大学と伊香高校の連携ができるのか、教育長にお伺いしたいと思います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
現在、伊香高校では、文部科学省の普通科改革支援事業の委託を受けまして、新学科の設置に向けて検討しているところでございますが、その運営指導委員に、県立大学環境科学部の准教授に御就任をいただき、(仮称)森の探究科の教育課程や運営体制の構築に関し、専門的お立場から御助言をいただいているところでございます。
今後、森林を中心とした自然環境に関する授業で講師をお願いするなど、伊香高校が目標としております高校と地域がともに未来を創ることを実現するため、県立大学をはじめ、様々な機関と連携をしてまいりたいと考えております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)よろしくお願いしたいと思います。
そこで、伊香高校が今度新クラスを1クラスとなりますと、残りの2クラスが普通科となりますが、この普通科もこれから大変重要だと、いろんな皆さんからの意見も聞いております。この残りの普通科がどのような内容になっていくのか、教育長にお伺いをしたいと思います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
伊香高校では、これまで普通科に4つの特色ある類型、特進、スポーツ健康、自然環境、地域文化を設置し、多様な学びによる特色ある学校づくりを進めてきていただいたところでございます。
新学科設置に伴います普通科の学びについては、現在検討中ではございますが、魅力化プランでは、地域をフィールドに、地域の人々や文化的資源と生徒の興味関心や進路希望を掛け合わせた多様な地域探求の学びや、野球や柔道などの専門スポーツの競技力向上や野外活動などの学びを特徴とする学校づくりを進めていくこととしており、将来の地域を担う人材を育成する学校づくりを進めていきたいと考えております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)4年前から地域の皆様方と、この伊香高校の魅力化プランというのも考えております。長浜市北部地区県立高校魅力化検討委員会というのが長浜市と共にやらさせていただいているんですが、先日もそこの会議がありまして、やっぱりその中では、伊香高校の過去の歴史からいうと、やっぱりスポーツにもっともっと力を入れてくれないかという意見が出ております。先ほど教育長も言っていただきましたが、全国大会には野球、柔道、そして駅伝、ソフトテニス、女子バレー、卓球、アメリカンとか、たくさんの部が全国にも進んで、しかも数多く出ておるという部分もありますので、そこの強化について教育長に再度お聞きをしたいと思います。
◎教育長(福永忠克) 体育、スポーツについてどのように取り組むかという点でございますけれども、伊香高校は、先ほどから申し上げておりますように3クラスの普通科の学校で、特進クラスと現在特色クラスの2類型で取組を進めておられます。さらには特進クラスを2つの類型に、そして特色クラスを3つの類型に分けて、それぞれの生徒の進路興味に合わせた細かな指導をしていただいておるところでございます。
そういった中におきまして、スポーツ健康という類型もございますけれども、これをさらに強化するとなると、類型からコースにつなげていくということになろうと思います。
ただ、現在、コースを設置するには1学級程度の生徒数が見込めることなどの条件を我々はつくっておりますので、現在の伊香高校のクラス数でありますとか類型数、そして伊香高校における指導体制なども踏まえながら、伊香高校の学校の思いというのをしっかり聞いて考えてまいりたいと思っております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)地域の方々の思いという部分もまた受け止めていただきたいと思います。
続いて、滋賀県では現在全域から普通科の全県立高校の生徒の入学を、普通科以外もやっておりますが、この伊香高校へしっかりと来れる環境づくりという部分を教育長にお伺いしたいと思います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
今議員から御紹介がありましたように、本県の県立高校については全県一区でございますので、県内全ての地域から高校に通うことができます。しかしながら、中学生にとって、登下校の時間がどのくらいかかるのかというのも学校を選択する際の一つの要素になるものと考えております。
そういたしますと、やはり登下校時間帯に公共交通がどのくらいあるのかというような点、そういう様々な要素がございます。この通学に関することというのが高校選択の大きな要素になりますので、この点をしっかりと踏まえていかなければならないと考えております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)それはもう十分分かっている環境の中で、次の質問にもプラスアルファされますので、次に行きますが、現在は県内しか伊香高校には来たらいけないという部分もあるので、福井県や和歌山県、岐阜県、京都府など、近隣の府県では全国募集を大きな規模でやられております。滋賀県も信楽高校が1学年5名ですかね、やっておられますが、伊香高校は島根県のほうの島根中央高校などに勉強に行っておりまして、しまね留学などの積極的な全国募集を行うというような希望も持っておりますが、この全国募集について教育長にお話を聞きたいと思います。
◎教育長(福永忠克) お答えいたします。
本県では、先ほど御紹介いただきましたように信楽高校で全国募集を実施しているところでございますが、これの他の県立高校への拡大につきましては、滋賀ならではの全国から選ばれる特色ある学びをどうつくっていくのか、そして、地元の自治体や地域の住民の皆様が県外の生徒への支援や幅広い連携などを行っていただけるのかなどが不可欠の要素であると考えているところでございます。
御紹介のしまね留学におきましても、地元自治体等による様々な支援がなされていると聞いておりまして、こういった点につきまして、地域の皆様方の御意見を聞きながら考えてまいりたいと存じます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)近隣府県においては、福井県の若狭高校、今年は和歌山県で、この伊香高校とか守山北高校と一緒の普通科の改革を受けた串本古座高校は、立派な寮を県のほうで造られて、これから生徒の募集をされるという部分の勉強もこの伊香高校ではしております。長浜市と共にも、みらい留学という、今、全国で35──都は入ってません──道府県の地域、高校的には約150校がこのみらい留学を受けておられると。総務省の企画の予算でもあるんですが、こういう部分でも勉強をしております。先ほど言いました森の探究科、全国的にはかなり今話題にもなっておりまして、同校の校長が全国のところで発表もしてきたという話も聞いております。
魅力ある高校づくりプラスアルファ、やっぱりこれが全国の人たちにもと。地域にとって、やっぱり若い子たちがこの高校のそばで暮らしてくれる、非常にいいことだと思ってますので、再度教育長に御所見をお聞きしたいと思います。
◎教育長(福永忠克) 先ほどから御説明しております(仮称)森の探究科というのをどういう学びにして、どのように見せていくのか、それをある意味、興味を持ってもらえる、全国的に興味を持ってもらえるようにしていくのかというのが1つあろうと思います。
あわせまして、高等学校の入学者選抜につきましては、今、改革を検討しておりまして、先日、入試改善の協議会から答申の報告をいただいたところでございます。
高等学校の入学選抜制度は、令和8年の入学者選抜から、一定今と違う形の入学者選抜を考えたほうがいいと、考えるべきだという御報告もいただいておりまして、今月中に県教育委員会としての新しい入学者選抜を考えることにしております。それを受けまして、来年、それぞれの学校の入学者選抜をどのようにしていくのかというのも並行して考えることといたしております。
全国募集につきましては、入学者選抜の一つの方式として考えることでもございますので、そういったタイミングも並行して見ながら、今後、その全国募集について考えていくことが必要だと認識をいたしております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)私、以前の質問で、国スポのトップアスリート事業という部分での県外の県立高校の入学、それができないと、私立しかこのトップアスリート事業ができないというような話をさせていただいたときに、教育長も、これからいろんな意見を聞いて検討していくというお話もありました。この全国募集、地域としては、そして、長浜市も共に何とか新たな段階に行こうという話にもなっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
続いて、伊香高校では教室などの整備を考えておりますが、しっかりと進んでいるのか、教育長にお伺いをしたいと思います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
伊香高校では、(仮称)森の探究科に関する学校設定科目といたしまして、森林管理でありますとか木工加工、野外活動の実習等を検討しているところでございます。
そうした学びができますように、令和7年度の新学科設置に向けて、令和6年度から必要な環境整備に努めてまいりたいと考えております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)前回の私の質問で、バイオマスエネルギーもこの伊香高校にも積極的に取り入れていくというような教育長のお話もあったんですが、こういう分野とか、今回の質問でも九里先生が、断熱ワークショップを伊香高校が今年行うと、佐口さんからもそういう質問があって、教育長も……。いや、私は非常にいいことだと思うんですよ。こういう部分にもしっかりと本当に予算がつけられているのか、教育長に再問したいと思います。
◎教育長(福永忠克) 令和6年度の予算につきましては、現在、検討、調整を進めているところでございますので、その中で様々な要素について考えてまいりたいと存じます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)それでは、今年の断熱ワークショップについてはどうなのか、もう一度お聞きしたいと思います。
◎教育長(福永忠克) 今年度の断熱ワークショップというのは、すいません、細かいことまで全部承知しておりませんけれども、様々な皆さんの御協力の下にワークショップが実施されるということでございますので、それは1つ伊香高校でそういう取組を始めると。ただ、ちょっと時期的にいくと、今、冬場になっておりますので、いろんな対応が、本当は何か夏にやるほうがよかったというようなお話も少し聞いたところもございますが、ちょっと様々な準備がありまして冬場になっておりますけれども、そういった取組をきっかけとして、今後の新しいゼロ・カーボン・ハイスクールの取組につなげていければと考えております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)ここでは僕、資金面をお聞きしてるんですけども、なかなか今回の断熱ワークショップでも教育委員会からの資金がなくて、実を言うと、甲子園に出た伊香高校の積立金を崩してここに使うという何か報告を聞いてるので、ちょっと使途が違うかなと思ってますので、よろしくお願いしたいと思います。
これからは守山北高校についてちょっとお聞きをしたいと思います。
守山北高校の新学科、(仮称)みらい共創学科とはどのような学科なのか、先ほども文科省のホームページに載っている部分を見ただけでは、ちょっと全くここのみらい共創科が分からないもんですから、教育長に伺いたいと思います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
守山北高校の(仮称)みらい共創科は、地域をフィールドとした学びとウェルビーイングを柱に、多様性を尊重し、他者と協働しながらよりよい地域の未来を創造するということをコンセプトにしております。
具体的には、フィールドワークによる体験的な学びでありますとか、グループワークやディスカッション、また、実践型インターンシップによるキャリア教育の充実に力を入れまして、自己肯定感や多様性を尊重する姿勢、起業家精神──アントレプレナーシップやコミュニケーション能力の育成を図り、地域の未来を共に創造できる人材育成を目指すこととしているところでございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)実を言いますと、守山北高校にも寄せていただきました。森中守山市長とも少しお話もさせていただいて、これから企業との連携を非常に深めていこうという部分。先ほど伊香高校でも言いましたけど、ここはやっぱり企業とつながっていくということは、守山北高校を出てもその企業に行けるとか、その企業との新たな展開の中で大学へ行けるとか、ちょっと伊香高校よりかは守山北高校のほうが何か生徒にとっては未来が見えるなと私自身は感じたわけですが、ここでいろんな難しい点も出てきているので少しお聞きをしたいと思いますが、守山北高は駅からかなり離れているそうでございまして、私も行って感じたんですが、通学手段が課題であるというような先生方からの御意見も聞きました。対策はあるのか、教育長にお伺いしたいと思います。
◎教育長(福永忠克) 守山北高校は、先ほど紹介ございました立地の件もございまして、現在、自転車のみで通学する生徒が約86%おります。そして、JRを利用する生徒は13%でございまして、通学時間30分以内の近隣地域から通う生徒が多いというのが現状でございます。
守山駅から守山北高校への公共交通といたしましてはバスがございますけれども、通学時間帯には1時間に1本程度という状況でございます。学校から徒歩で15分ほど離れております守山北中学校前へは1時間に2本程度のバスが運行されているという状況でございます。
公共交通の利便性というのは、先ほども少し御答弁申し上げましたが、高校選択に係るやはり一つの要素でございますので、今後これは考えていかなければならない課題の一つと認識をいたしております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)守山北高校、守山駅と野洲駅、どちらとも大分歩いて四、五十分かかるのかなと。普通の女子生徒とかそこら辺も含めると。これは、森中市長もちょっとそこら辺をどうするのかという話もされてましたので、地域交通も含めて、今後また教育委員会としても、これから地域と一緒にという部分でも守山北高校はあろうかと思います。地域の方々と御相談もいただきながら、生徒によりよい通学方法が出てくることをお願いをしたいと思います。
続いて、伊香高校の現在の取組状況、私もよく知ってまして、今回、守山北高校へ寄せていただいたんですが、進捗状況がやっぱり遅れていると感じてしまいました。先生方は何かやらされ感がある、非常にと感じたんですが、失礼な言い方だと、直接先生らにもそういう話をしたんですが、言葉は返ってきませんでした。この状況について教育長にお伺いをしたいと思います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
今回取り上げていただきました2校のうち、先ほど御答弁申し上げました伊香高校につきましては、昨年度──令和4年度から県立高校魅力化推進事業の中で、コーディネーターを配置をし、地域連携の取組を先行して進めてきたところでございます。
一方で、守山北高校につきましては、今年度から文部科学省の研究指定を受けまして、地域連携の取組を本格的に始めたところでございまして、御指摘のとおり進捗状況に差があることは否めないと認識をいたしております。
現在、守山北高校の学校内の新学科推進室やコーディネーターを中心に、学校設定教科、科目のカリキュラム研究でありますとか、地域と連携した運営体制の構築に向けて、学校として鋭意取り組んでいただいているところと認識をいたしております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)この守山北高校は、今、運営指導委員会というのを立ち上げていただいて、大学教授や森中守山市長も入っていただいています。金融機関の方もNPO法人の方もという形で、非常に努力はされているわけでありますが、やっぱり先生の人手不足という部分は僕はちょっと感じたかなと思ってますので、よろしくお願いをしたいと思います。
続いて、守山北高校の新学科1クラスが出来上がる、残り4クラスが普通科として残るんですが、ここもこの4クラスが重要だと、これは先生方も言われておりました。スポーツにおいては、過去、サッカーでは全国ベスト4、国立競技場まで行ったのが、現在もサッカー部は77名という大所帯でサッカーをしっかりとやっていただいてると。サッカーをしたいから守山北に来たいんだという生徒がいるということも聞いております。この残りの4クラスについてもどのような内容にされていくのか、教育長にお伺いしたいと思います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
守山北高校では、総合的な探究の時間をもりきた学といたしまして、地域や社会の課題を自分事として、ウェルビーイングを意識しながら、フィールドワークなど体験的な学びを取り入れた学習内容に再構築し、普通科を含めた全生徒が履修することとしているところでございます。
このもりきた学でフィールドワークや学園祭における地域と協働した企画実践で、学校全体で地域と協働した学びに取り組むことで、地域の未来を担う人材を育成する学校として普通科を含めて特色化に取り組んでまいりたいと考えております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)ウェルビーイング、何回も言葉が出てくるので僕も調べたんですが、これも何か幸せというようなのが最終一番身近な訳する言葉だそうですが、ここもやっぱり地域とともにという部分が出てこようと思っておりますので、これからの守山北高校のみらい共創科、これがやっぱり全国に名が通っていくようによろしくお願いしたいと思いますが、最後に、教育長には、この伊香高校、守山北高校、このような改革を進めて、生徒に選んでいただける。今、全国的にも森の探究科辺りは注目を集めてるらしいです。和歌山県のロケット、宇宙探究科という部分も出てきているらしいんですが、そこに次いで森の探究科というのが名前が全国でも挙がっているらしいんですが、守山北高校のみらい共創科も含めて、本当に今の中学生に選んでいただけるような学科になるのか、教育長にお伺いしたいと思います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
今回取り組んでおりますこの新学科につきましては、自ら課題を発見し考え、そして行動する課題解決力や、他者と協働するコミュニケーション力など、これからの社会に求められる生きる力の育成を目指しているところでございます。
来年3月には、伊香高校の魅力化シンポジウムや守山北高校の研究発表会を開催をし、機運の醸成を図りますとともに、新学科の魅力が中学生や、また保護者の皆さんへ正しく伝わるよう、来年度は、学校説明会でありますとか一日体験入学、また地元の市の協力も得ながら、様々な機会を通して広報に努めてまいりたいと考えております。
このような形で、地域の自治体でありますとか、企業、大学、また地域の方々との連携、協力した学びを創出するとともに、その魅力を広く発信することによりまして、生徒から選ばれる学校づくりにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)何とか生徒たちに選んでいただける。私の地域でも、森の探究科、非常に大人たちは期待してます。いいイメージもたくさん持っていただいてます。ただし、生徒たちにという部分に関しては、来年度、やっぱりしっかりとした教育委員会の方針の中で、子供たちに説明ができる環境づくりをよろしくお願いをしたいと思います。
最後に、知事のほうにもお聞きをしたいと思います。
国においてこのように進められております高校を核とした地方創生について、どのような考え、どのように進めていこうとしておられるのか、知事にお伺いをしたいと思います。
◎知事(三日月大造) (登壇)お尋ねのことにお答えいたしますが、これからの地方創生におきましては、地域と学校が連携、協働して地域の特性を生かした教育を行うことが、生徒への教育効果にとどまらず、地域の活性化にもつながるものと考えます。
地域の魅力や課題を研究し活性化を考える高校でありますとか、グローバル人材や科学技術人材の育成を目指す高校、生徒一人一人の個性と魅力を高める多様な学びのある高校など、今日は普通科を主にお取り上げいただきましたけれども、例えば、農業高校や商業高校、工業高校も含めて、例えば、長浜であれば長浜農業高校など、大いに可能性があると思っております。市町、産業界、大学等と連携、協働しながら、人と人がつながり、好奇心や探求心を発展させる高校づくりを進めることにより、それぞれの夢や希望がかなえられ、一緒に地域づくりを担っていく、そういう活力ある地域社会の姿を目指してまいりたいと考えております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)やっぱり地域との連携をどのようにしていくかという部分では、これからの県立高校、全ての高校についても非常に大事なことだと思っていますが、国は、今回のこの普通科改革の中においても、各高校でコンソーシアムの形成という部分を提唱されています。伊香高校についても、もう準備をされて、今年度内にこのコンソーシアムをつくると、守山北高校においても、市長を中心に、しっかりと来年度早々にはこのコンソーシアムをつくるというようなお話もされております。地域とともにというのがコンソーシアム、その中で形成していくという部分だそうですね。このコンソーシアムというのが大変重要だと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
最後に、いろいろと教育長にもお聞きをしてきましたが、伊香高校、守山北高校の新学科新設について知事にお伺いをしたいと思っておりますが、知事のマニフェストには高校林業科の新設研究という部分もありましたので、それも併せて知事にお伺いしたいと思います。
◎知事(三日月大造) まず、高校での林業科というこの検討につきましては、植樹祭のレガシーを滋賀県内に波及させていきたいということで申し上げたところでございますので、この伊香高校の森の探究科というのも一つの私はプログラムになるのではないかというふうに考えております。
いずれにいたしましても、今日は伊香高校と守山北高校をお取り上げいただきました。それぞれ新学科を設置して、地域との協働による新たな学びが、生徒自身にとって、夢や可能性を感じる、また広げていく有意義な学びとなり、これからの人生を生き抜く力につながるとともに、様々な人との出会いやつながりにより、人生がより豊かなものになるよう期待したいと思いますし、そういったことが可能になるように教育委員会と共にしっかりと支援をしてまいりたいと思います。
また、そういった取組が、地域社会にとっても、高校生が地域の魅力、課題を探求する、また、地域の未来を考える、そういう中で、新たな交流が生まれて、もって地域が活性化していくという、こういったことにつながるよう、これは大変重要な取組であると考えているところでございます。
ぜひ、長浜市、そして滋賀県、共に連携しながら、そういった教育委員会の活動を支えていけるように取り組んでまいりたいと思います。
ただ、いろいろ聞いてますと、駅から遠いところをどのようにするのかとか、あと、生徒自身が選んでもらえるようにどうするのか、また、コンソーシアムということで、みんなが連携する組織づくりが必要だというようなこともございますので、こういったことごとが、すぐに解決することと、少し時間をかけて解決すること、学校内だけでは解決できませんので、地域の皆さんと連携しながら解決していけるように、ぜひ教育委員会、高校、中核となって取り組んでいけるように努力してまいりたいと存じます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)知事、ありがとうございました。
私も伊香高校を出て40年になるんですが、当時は進学をする方がかなり多くて、同級生にも京大や、かなりの名門大学にも行った生徒がいましたが、なかなかそういうレベルの部分からかなり伊香高校の場合は下がってしまっている。大変残念な現状なんですが、何か新しいこの学科ができることによって、全体のやっぱりレベルを上げてもらいたいと思ってますし、その中で、地域にどのように、この伊香高校や守山北高校が地域とともに、生徒とともに形成ができるのか、私も注目しながら、この新学科の開設を見守って、また協力していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(有村國俊) 以上で、22番柴田清行議員の質問を終了いたします。
次に、1番谷口典隆議員の発言を許します。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇、拍手)皆さん、こんにちは。自由民主党の谷口です。よろしくお願いいたします。
失礼いたしました。議第140号滋賀県手話をはじめとする障害の特性に応じた言語その他の手段による意思疎通等の促進に関する条例案について質問をさせていただくに当たり、拙い手話でございましたが、自己紹介をさせていただきました。
障害がある、ないにかかわらず、お年寄りも若い人も、全ての人がお互いの人権や尊厳、つまりは私たちが幸福に暮らしていくための権利やその人の人格を尊いものと認めて敬うことを大切にし、支え合い、誰もが生き生きとした人生を送ることができる社会を私たちは共につくり上げていかなければなりません。
この共生社会の実現を目指す滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例で定義された障害の特性に応じた意思疎通等を促進するための必要な施策を講ずることにのっとり、今期定例会に提案された本条例については、手話や点字など障害がある方のコミュニケーション手段を広く社会に認知させることで、真のバリアフリーが実現できるものと大きな期待を寄せるものであります。
その上で、手話をはじめとする障害の特性に応じたコミュニケーション手段を容易に用いることができる環境づくりが推進され、障害がある方の意思疎通を行う権利が尊重され、安心して生活することができる共生社会を実現するために、以下、お尋ねをいたします。
まず、
健康医療福祉部長にお尋ねします。
本条例の制定に当たり、障害者差別のない共生社会を目指す上で必要不可欠なのは、県民および事業者等の理解促進や協力体制の構築であると考えます。そのために県が実施する事業や啓発等の今後の具体的な取組と、これまで展開されてきた事業との違いについてお示しください。
次に、第8条関係でございますが、本条例が制定された後には、障害の特性に応じた意思疎通等を支援する人材の確保や養成等が急務になるものと考えます。例えば、現在市町が担っている聴覚に障害がある方をサポートする役割の手話奉仕員養成や、県が担っている視覚に障害がある方をサポートする同行援護・ガイドヘルパーの養成などにも十分な予算措置が必要と思われますが、現状と取組について
健康医療福祉部長の見解をお聞かせください。
次に、9条関係でございますけれども、情報の発信等についてお尋ねいたします。
聴覚や発話に困難のある方と聞こえる方との会話を通訳オペレーターが手話または文字と音声を通訳することにより、電話で即時双方向につながることができる公共インフラサービスである電話リレーサービスの普及啓発に取り組むべきと考えますが、
健康医療福祉部長の見解をお聞かせください。
電話リレーサービスとは、2021年7月から、携帯電話や固定電話を利用されている方々、恐らくここにおられる皆様も、通話リレーサービス料として毎月1円程度を電話提供事業者を通じて御負担いただいているものでございます。
私は、この電話リレーサービスについて、県庁内において、県の各部局においても対応できる体制や周知が必要であると考えますが、
健康医療福祉部長の見解をお聞かせください。
続いて、15条関係でございます。
事業者による環境の整備も本条例ではうたわれており、障害がある方が意思疎通等を円滑に行うことができるためには事業者への事前の十分な周知も必要と考えます。とりわけ、障害がある方が社会との結節点となり得る雇用や、日常生活で接点となる買物などで困られることがないよう、企業や商店街等への周知や理解促進、協力依頼などについて、その方策を
健康医療福祉部長にお尋ねいたします。
続いて、教育長にお尋ねをいたします。
16条の関係でございます。
本条例では学校等での努力義務についても明記されております。学校ではコミュニケーションツールとしての手話や点字等の手段そのものを学ばせることになるのか、もしくはそうした手段があることを学ばせることになるのか、今後の進め方を含め、見解をお聞かせください。
最後に、
健康医療福祉部長にお尋ねいたします。
17条の関係でございます。
本条例が制定された後、手話をはじめとする障害の特性に応じた言語その他の手段による意思疎通が図りやすい共生社会の実現を願う者として懸念するのは、財政上の措置であります。このことは条文に明文化もされてはおりますが、今後、年次計画に基づく財政措置が講じられるべきと考えますが、
健康医療福祉部長の見解をお聞かせください。
○副議長(有村國俊) 1番谷口典隆議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) (登壇)障害の特性に応じた意思疎通等の促進に関する条例案についての6点の御質問のうち、私にいただきました5点の質問にお答えいたします。
1点目の県民等に対する理解促進等に係る事業についてでございます。
これまで、県民向けの手話初心者講座や疑似体験を通じまして、知的障害や発達障害を理解いただく取組などを実施してきたところでございます。
今後は、本条例の制定を契機としまして、これまでの取組に加えまして、障害のある人の情報取得や意思疎通に関して、多種多様な手段があることや、社会の中でこうした手段を利用する上での障壁を取り除いていく必要があることなどについて、県民の皆さんが学べる機会を広く確保しまして、理解を深めていただけるよう進めていきたいと考えております。
2点目の議員御指摘の人材育成に係る予算措置についてでございますが、こうした事業は、市町が実施する事業につきましては、国が2分の1、県と市町が4分の1ずつを負担し、県が実施する事業につきましては、国が2分の1、県が2分の1負担することとなっております。しかしながら、障害者の意思疎通支援等に関する事業につきましては、国において十分な予算措置がなされておらず、市町や県の負担となっております。
こうした状況を受けまして、県としましても国に対し、財源の確保について強く要望を行っているところでございまして、今後も様々な機会を捉え、国に働きかけてまいりたいと存じます。
3点目の、電話リレーサービスの普及啓発についてでございますが、聞こえない人と聞こえる人が電話でコミュニケーションを図る上で、本サービスは有効であると考えており、これまでから市町や聴覚障害者福祉協会等を通じまして周知を図ってきたところでございます。
また、県におきましても、このサービスに適切に対応することが必要だと考えておりまして、今後、各部局が行う職員研修の中で、このサービスの仕組みや適切な対応方法について説明、周知することと併せまして、県民の皆様には、県ホームページで県がこのサービスに対応していることをお知らせするなど、このサービスの利用が広まるよう取り組んでまいる所存でございます。
4点目の企業や商店街等への周知についてでございますが、御指摘のとおり、雇用の場面であったり買物等の日常生活の場面で、コミュニケーション等への配慮がより適切に行われるよう、事業者の皆さんへ本条例を周知し、多様な意思疎通手段に対する理解の促進を図っていくことは非常に重要だと考えております。
今後は、事業者の皆さんに積極的にこうした環境を整えていただけるよう、庁内関係部局と連携をしまして、啓発パンフレットの配布や出前講座の実施など、本条例の内容を周知するための取組を検討してまいりたいと存じます。
5点目の財政措置についてでございますが、事業の実施に当たりましては、計画的に行うことが必要なことから、条例に基づく施策の実施状況を、毎年度、滋賀県障害者施策推進協議会に報告をしまして、幅広く関係者の御意見を聞くこととしております。
これまでから、県では予算編成に当たりまして、同協議会の御意見や施策の実施状況等を踏まえ、必要な予算を計上しており、今後もこうした考え方に基づき、事業が計画的かつ効果的に実施できますよう必要な財政措置に努めてまいる所存でございます。
◎教育長(福永忠克) (登壇)障害の特性に応じた意思疎通等の促進に関する条例案について、私にいただきました学校における取組の御質問にお答えをいたします。
学校におきましては、児童生徒が障害について理解を深めるため、様々な取組を行っていただいているところでございますが、本条例に関しましては、例えば、実際に手話を見た上で、手話をはじめとする様々な意思疎通の手段があるんだということを学ぶことなどによりまして、児童生徒の理解を深めるということが大切だと考えております。児童生徒がこうした理解を深めることは、全ての人がお互いに理解し、支え合う共生社会の実現を進めていく上で大切なことだと考えております。
県教育委員会といたしましては、各学校におきまして、こうした取組が進められますよう努めてまいる所存でございます。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)御答弁ありがとうございます。
3点ほど再質問させていただきたいと思います。
まず、2点目の質問に対してお尋ねをさせていただきたいと思います。8条関係でございますね。
手話通訳者をはじめとする意思疎通支援者としての登録者数、所管課から情報等をいただいて見させていただいているんですけども、この登録者数というのが増えていない現状であるということは御認識いただいているというふうに思いますけれども、登録者数を増やすための取組についてお尋ねしたいと思います。
また、登録の有無にかかわらず手話ができる人を増やすための取組、例えば、今以上に気軽に手話を学べる場所や機会を県が設けるなどの取組を進めるべきであると考えます。これについても具体的な方策をお聞かせいただきたいと思います。
御答弁いただきましたように、いわゆる補助割れが起こっているという現状について、しっかり国にも要望していっていただいているということ、我々議員もしっかりその辺は認識をさせていただいて、国もしくはしかるべき機関に要望、要請をしていきたいというふうに思いますが、今の点についてお考えをお聞かせください。
それから、次、電話リレーサービスについて、前向きな御答弁をいただいたものと評価させていただきます。ただ、第4次障害者計画の中でも触れておられるわけですけれども、いまだこの体制というのは構築はされていないというふうに私は認識しております。県庁内の取組として今も御説明をいただきました職員の皆さんに啓発をしていただくことというのは十分に大切なことだというふうに思いますけれども、県民の皆さんに分かりやすいという御答弁がございましたが、県へのお問合せの際にはぜひ気軽にこの電話リレーサービスを利用してくださいということを、民間企業さんのホームページ等々も参考にしていただきまして、滋賀県のホームページでも、できればトップページなんかで、ああ、ここに電話すればいいんだなということが分かりやすくなるような取組をお願いしたいというふうに思っていますので、その点についても、ホームページ等で目立つところで啓発をしていただきたいということに対して見解をお願いしたいと思います。
それから、最後6点目の手話通訳者の待遇改善というものにも、しっかりやっぱりこれは財政措置、支援が私は必要だというふうに考えております。何もハード面ばかりではございませんで。例えば、病院通訳の方であれば、聴覚に障害がある方、いわゆる依頼者の命にも関わる重要な責任、重要な役割を担っていただくことになります。その待遇というのはやっぱり公でしっかりと担うべきではないかというふうに考えております。そうした意味でも、財政措置、財政支援というものを私はお願いをしたいと思っておりますので、この辺についても御見解をお聞かせをいただきたいと思います。
それから、これは最後、質問ではございませんけれども、民間事業者への啓発ということについては、若干これは質疑とは離れますので要望にとどめさせていただきますけれども、障害者差別解消法の改正によりまして、来年4月からは事業者に合理的配慮の提供というのが義務化されます。これに伴いまして提供するサービスを見直す事業者やお店もあるというふうに思いますので、このことも併せて周知していただくようにお願いをしたいと思いますので、さきに述べました大きく分けて3点につきまして再質問させていただきますので、御答弁お願いいたします。
○副議長(有村國俊) 答弁者は。指名。
◆1番(谷口典隆議員) すいません。
健康医療福祉部長、お願いします。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
まず初めに登録者を増やす取組でございますけれども、例えば、県庁内でも手話通訳の教室などを行っておりまして、こうした取組をどんどんと市町の中でも、あるいは地域の中でも広めようということで、こういったことはしっかりと我々も工夫していきたいと思いますし、さらには、今回、国スポや障スポにおける手話のボランティアの登録もしておりまして、こういった機会も通じてどんどんと地域の中で手話ができる方を増やしていくというようなことを進めていきたいと考えております。
国に対しての要望もちょっと加えさせていただきますけれども、そもそも予算は措置するけども国の財源がついていかないという状況でございますので、このことにつきましては、毎年春と秋に行う政府提案で県としましても毎年これは強く要望しておりまして、さらに、これは全国的な課題でもございますので、全国の知事会等を通じましても粘り強くこれは国に働きかけてまいりたいと思っております。
それと、リレーサービスの体制ということで、これはちょっと答弁でも触れさせてきましたけれども、やはり県民の皆様にこういった対応がしっかりできるということをお知らせすることは非常に重要だと考えておりますので、県のホームページを通じてこういったことにつきましてはしっかりと周知をしてまいりたいと考えております。
あと、財政措置に絡みまして、例えば病院に、命に関わることですので、こういった手話ができる方を配置するというようなことなどですけれども、こういった点につきましては、現在、先ほども触れさせていただきましたけれども、障害者施策推進協議会など様々な協議会の皆さんの現場の声をお聞きする場がございますので、こうした場を通じまして、今後どういうような措置、対応が必要なのか、県としてもしっかり見極めながら、その必要性に応じてしっかりと予算については対応してまいりたいと考えております。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)ありがとうございました。ぜひとも前向きな取組、今御答弁いただきましたことをしっかり実施していただくことが、障害をお持ちの方だけではなく、県民皆様方の幸せにつながるというふうに考えておりますので、ぜひとも取組をお願いしたいと思います。
次の項目に行かせていただきます。
次に、議第160号第4期滋賀県教育振興基本計画の策定にかかる不登校児童・生徒等への支援について、一問一答で質問させていただきます。
様々な事情により不登校等の状態にある子供やその保護者への支援は必要不可欠であり、このことは同計画にも明記されており、先日の我が会派の井狩議員の代表質問の中でも触れられておりました。
私からは、同計画策定の経緯の中での議論や、不登校児童生徒、またフリースクール等への支援の観点に絞って、以下、質問いたします。
同計画策定に係る議論の中で、不登校児童生徒への支援やフリースクールへの支援について、どのような意見がありましたか、教育長に答弁を求めます。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
策定に係る議論の中では、不登校児童生徒が増加している状況を踏まえ、子供の状態に応じた学習機会や居場所の確保が重要であること、教育と福祉の横の連携、さらに校種間で継続した対策に取り組む縦の連携が必要であること、多様な学びの機会や居場所の確保に向け、社会的自立に重要な役割を果たす学校を安心できる場にすること、フリースクール等の民間との連携を意識することが大切などの御意見をいただいたところでございます。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)教育長に再質問させていただきます。
今御説明いただきました御意見というのは、そうしますと、この同計画の中に全て網羅されているといいますか、全ていろんな形で組み込まれているという認識でよろしいんでしょうか。
◎教育長(福永忠克) 基本計画の中に、同じ文言かどうかは別にいたしまして、今申し上げました4点の意見を今出させていただきましたが、4点につきましては記載をしているものと認識をしております。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)ありがとうございました。では、その上で次の質問に移らせていただきます。
同計画では教職員の働き方改革についても明文化されております。教職員の長時間勤務による心身の健康毀損は、教育の質の低下や人材確保にまで影響を及ぼす重要な課題であることは認識しております。その上で、教員1人当たりの時間外在校等時間の短縮については、同計画策定の中でどのような意見があり、具体的にどのように取り組まれるのか、教育長の見解をお聞かせください。
◎教育長(福永忠克) お答えいたします。
計画策定の中では、本来の教員の業務とそうでない業務の仕分をすべき、教員業務のうち教員免許の不要な業務が過剰となっている、生成AIをはじめ人工知能を教育に積極的に取り入れる、先生の時間にゆとりがあれば、生徒のことを気にかける時間が増え、生徒が気軽に相談しやすいといった意見がございました。
このような意見を踏まえまして、教員がすべき業務の見直しでありますとか、スクールサポートスタッフあるいはスクールカウンセラー等の外部人材の活用に取り組みますとともに、校務におけますICTの活用を進め、時間外在校等時間の短縮に努めてまいります。
こうした働き方改革の推進を通じまして、教員の健康保持と教育の質を高め、併せて教員の人材確保を進めますとともに、子供と向き合う時間を確保し、子供も教員も笑顔あふれる学校づくりの実現を目指していく所存でございます。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)先ほども教員の人材確保という点では御質問もございました。しっかり取り組んでいただくためには、いろんな取組、方策も必要かというふうに思います。
ただ、懸念もあるわけでございまして、次の項目に行かせていただきます。
学校を休むようになったきっかけは何ですか。NPO法人多様な学びプロジェクトが実施しているアンケート調査で、このような問いかけを不登校の子供を持つ保護者にしたところ、先生と合わなかった、先生が怖かったなど先生との関係が最も多く、その背景には、先生、いわゆる教員の多忙さとの関連性も指摘されたとのデータが、速報値ではございますけれども、公表されたとの報道がございました。このことは先日の中沢議員の代表質問でも触れておられましたが、出典元が異なるにもかかわらず同様の結果が出ていることは、そこに解決方法を導き出す何らかのヒントがあるようにも思います。教員の皆さんが自らの働き方と子供と向き合うことのはざまで苦しい選択を迫られておられることは重々承知しております。しかし、その一方で、今紹介したようなアンケート結果を目の当たりにしたとき、教員の在校時間の短縮は子供が置き去りにされないかとの懸念も抱くものであります。この点について教育長の見解をお聞かせください。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
不登校の状態にある児童生徒をはじめ、全ての児童生徒へのきめ細かな支援をするためには、先生方が子供と向き合う時間を確保することが重要でございます。
そのためには、働き方改革を通じまして、業務の効率化や外部人材の活用を図ることで、在校等時間をまずは縮減をいたしまして、教員、先生方が心と時間にゆとりを持てるようにすることが大切だと考えております。こういった取組を通じ、教員が子供と向き合う時間の確保と、併せまして子供が安全・安心に過ごせる学校づくりに取り組んでいきたいと考えております。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)再質問させていただきたいと思います。
教育長に再度お尋ねをさせていただきますけれども、今、詳細なアンケート結果がまだ出ているものではございませんけれども、今指摘したような懸念や課題というものがございます。こうした課題、懸念というのは一応は御認識いただいているという理解でよろしいでしょうか。
◎教育長(福永忠克) やはり先生方が非常に業務多忙でありますと、どうしても心に余裕がなく、児童生徒といろんな話をするときに、どうしてもやっぱり丁寧にしっかりとした会話ができない。そのことが児童生徒、子供たちにとってどう先生を見る目に映るのかということが非常に意識しなければならないと思っております。
そういう意味におきまして、今回取り上げていただいている在校等時間の短縮という問題は、まずは、今非常に多忙である先生方の在校等時間を減らすことによって、それも大幅に減らすことによって一定の時間を生み出して、その生み出された時間の一部を子供たちの向き合う時間に振り替えていっていただく、それで一定の勤務時間を確保しながら向き合う時間を確保していくということが大切だと認識をしておりまして、そのために業務の効率化でありますとか外部人材の活用を図ることが必要だと認識をしているところでございます。
先生方に心と時間に余裕がないと、どうしても子供たちに対する対応が丁寧でなくなるところも、この先生方に対する子供たちの見方につながっているのではないかと考えているところでございます。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)もう一度お尋ねさせていただきたいと思います。教育長にお願いしたいのですが、そうしますと、先ほど、御認識はいただいているということですが、2点目で、教員1人当たりの時間外在校等時間の短縮が明記されている、これにお取組をいただくということでございましたけれども、そことの整合性はどうなっていきますか。今、確かに時間を効率化をされることで、教員の先生方に心のゆとりというものが生まれるということは、不登校児童、個々に不安を持っている子供さんに対しては十分にケアできるというふうに思いますが、一方では、教員1人当たりの時間外の在校時間を減らしていこうというお取組がこの計画の中で明記されている。ここをしっかりすみ分けといいますか、はっきりさせていかないと、私はこの辺が引っかかってしまうといいますか、懸念になってしまいます。効率化によって、業務改善によって、外部人材の登用によって時間は生み出すけれども、時間外は早く帰りなさいよということを推奨するということは、私はここは整合性がしっかり図れるのかなというふうな不安、懸念を持っておりますが、その辺はいかがでしょうか。
◎教育長(福永忠克) 今我々が取り組んでおります働き方改革については、大きく2つございます。1つは、月80時間を超えるような長時間の在校等時間をゼロにしていこう、つまり、あまり長時間で働くということは、その先生方の健康にもありますので、それをゼロにしていく。あわせまして、月30時間、年間360時間程度になりますけれども、そのぐらいの時間に時間外在校等時間を収めるようにしようということでございます。その時間の中で子供たちと向き合う時間をつくっていくということでございますので、確かにゼロにするというのは一つの理想かもしれませんが、現実になかなかそこは難しい点もございますので、一定縮減をして生み出された時間の一部をそういう子供と向き合う時間に振り替えることで、振り替えた後の時間が目標としている在校等時間になるように取り組んでいくという思いで、今、取組を進めさせていただいております。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)今、そうした御説明、こうしたやり取りをさせていただいて十分に理解はさせていただきました。しかしながら、基本計画だけを読み解くと、なかなかそこまでの理解というのはできないというのが正直なところかというふうに思います。
この基本計画、今御答弁いただきまして私も十分理解をしました。ゆとりの時間、心のゆとりを持って子供たちと接する時間を増やしていただけるという御認識であるということは、じゃ、今御答弁いただいたような内容というのは、しっかり今後どのような形で学校現場の先生方に周知していただく、教育振興基本計画にのっとって、これから学校運営、学校経営していきましょう、教員の皆さん方の働き方改革を進めていきましょうということは、個別具体的にどのように今のやり取りも含めて落とし込んでいただけるのかというのだけ最後にお聞かせいただけませんか。教育長、お願いします。
◎教育長(福永忠克) 今回知事から提案をしていただきました第4期滋賀県教育振興基本計画というのは、今後5年間の教育の大きな枠組みを示すものでございます。そちらの中に先生方の教員の働き方についても書いてございます。併せまして、子供たちへの向き合い方、学校づくり、そして困難な環境にある子供への対応も書いてございます。
それぞれ具体の対応につきましては、働き方改革の取組の計画でありますとか、今検討を進めております学びと居場所の保障プランの中での学校での取組とか、そういったものに一つ一つ落としながら、そういった取組一つ一つを丁寧に市町教育委員会、そして学校に説明をすることによって、その理解を深めますとともに、様々な施策を通じて、その取組が実効性のあるものにしていきたいと考えているところでございます。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)ぜひとも実効性のある計画にしていただきたいと思います。
市町の役所、役場でも窓口の時間延長や休日開庁をされておられますけれども、職員の残業代を減らしておられるという実績がやはりございます。午前の質問で大野議員からおっしゃいました時間差出勤、スタッガードアテンダンスですかね。
フレックスタイム制とか多職種連携など図られまして、こうした取組をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
次、4点目へ行きます。
学びの機会や場所の確保の項目ではフリースクール等の文言が記載されていますが、地域差や規模の違いがある中で、不登校の状態にある子供を含め、それぞれの人が自分に合った学びをできるよう、居場所の確保を図るためにどのような取組を想定されておられるのか、教育長の見解をお聞かせください。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
まずは、子供たちの社会的自立に重要な役割を果たします学校が、多様な子供たちにとって安心して学び育つことのできる場となるように取り組むことが重要であると考えております。
そして、学校外では、市町の教育支援センターや民間のフリースクール等は、不登校の状態にございます児童生徒が安心して過ごすことのできる多様な学びの機会や居場所として大きな役割を果たしていただいていると認識をしております。
不登校の状態にある子供も含め、全ての子供たちが安心して学び育つことができるようにするためには、子供たちの状態に応じました教育と福祉が連携したチームで支援することが必要であると認識をいたしております。
今取組を進めておりますしがの学びと居場所の保障プランの議論を通じまして、学校と多様な学びの場や居場所とが連携を図りまして、子供の情報を共有し、成長に必要な環境を整えていくことができるように努めてまいりたいと考えております。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)今、教育長から、フリースクールもしっかり学校外の居場所ということで御発言、御答弁がございましたけれども、このフリースクールというものを、じゃあ、確かに県内にもあまたあるわけでございますけども、こちらの定義というものを今後しっかり教育委員会として、県教委として定めていくというお考えはあるのでしょうか、教育長、お願いします。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
このフリースクールに関しましては、私も様々な方から御意見を聞いております。そして、様々な実態も聞いております。そういたしますと、フリースクールに通う子供たちというのは、そのフリースクールでの学びの内容を含めまして非常に多様でございます。この多様な学びについて、どのように捉まえて、どういう基準をもって考えていくのか、これは、すいません、私は非常に難しい問題だと思っておりまして、今、常にどうしていくのかと考え続けているところでございます。そういった中で、どういうところにこの考え方の結論を持っていくのか、これは、いましばらく多くの方々の御意見を聞きながら考えてまいりたいと存じます。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)定義については、いろんな捉まえ方、また、今の難しさということも重々承知しております。またこの後というか、また明日ですかね、私どもの会派の海東先輩がしっかりその辺は深く掘り下げていただけるものというふうに思っておりますので、私はこの辺で今の項については終わらさせていただきたいと思いますけれども、次の5点目へ行きます。
フリースクールやフリースクールに通う家庭への支援について、知事は、先日、フリースクールの利用料を独自に補助している市町に対し来年度から補助金を支給する方針を示されましたが、改めて、県としての財政支援について知事の見解をお聞かせください。
◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。
現在検討中のしがの学びと居場所の保障プランにおきましては、基本理念を、すべての人が愛情をもって関わり子どもたちの生きる力を育むとさせていただいておりまして、教育と福祉の連携の下で取り組むこととしております。
お尋ねの財政支援につきましては、今後、議会はもとより、市町、関係者の御意見を伺いつつ、フリースクール等を活用する家庭への支援について、個人助成を行う市町への支援策を考えていきたいと考えております。
子供にとって居場所は、成長に大きな影響を与えるものであることを踏まえ、学びに加え、子供の居場所も含めた支援が大切でありますことから、今後も当事者の子供自身やその保護者、不登校の子供を支援されている関係者等と対話を重ねながら、全庁的に取組を進めていきたいと考えております。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)ありがとうございました。
まず、1点再質問させていただきたいと思います。
来年度からの実施ということは報道でも見聞きさせていただきました。市町の新年度の予算編成にも関わりますのでお聞かせをいただきたいのですが、来年度の当初予算に盛り込まれるものという理解でよろしいんでしょうか、知事、お願いいたします。
◎知事(三日月大造) いや、もちろん、年度を通してやる、最初の年度からやらせていただくということであれば、そのことが一つのスケジュールになると思いますが、今おっしゃった来年度当初予算に入るかどうかも含めて市町とよく議論したいと思います。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)高校生世代の医療費の無償化についてもいろんなお考えがあって、県として予算措置をされていくということは重々理解をするんですけども、やはりその辺、しっかり市町の御意見もお聞きいただきながらお取組を進めていただきたいというふうに思うんですが、もう1点、知事にお尋ねしたいんですが、現状では、今度は不登校の児童生徒の定義でございますけども、30日以上学校を休んでいる子という形で定義をされているかというふうに思うんですが、この30日以上学校を休んでいるお子さんと、それに満たないお子さんへの支援の格差が生じないようにお願いをしたいというふうに考えておりますが、その辺の──今後の検討課題ではあろうかというふうに思いますけれども──知事の御見解もお聞かせください。お願いいたします。
◎知事(三日月大造) 先ほども教育長から御答弁がありましたとおり、まず、それぞれ学齢期の子供たちが過ごす学校、その学校での学びというのを充実する必要があると思っています。
もちろん、それぞれの子供たちがいる教室、学年と教室ですね。もし仮に教室に何らかの事情で入れない場合は、学校内のサポートルーム等でいかに支援をしていくのか、そして、学校というところに登校できない場合は、地域の中でつくられている支援センターでありますとか、または民間のフリースクールであるとか、そういったところで対応していくということが必要ですので、もちろん一定の基準、数をカウントするための基準というのはあるんでしょうけれども、その子その子に応じた、そのときそのときの状況というのがあると思いますので、一律に何か線引きをして、ここから先に支援がある、ないということではなく、その子に対応した対応というのが望ましい姿だと思います。
その辺りの考え方も含めて、市や町とよく議論をして、一定の制度が整いましたら予算とともに提案をさせていただきたいというふうに思います。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)様々な事情を抱えて学校に行けない、学校に行くことに不安を覚えていらっしゃるお子さんがたくさんおられる中で、しっかりその辺をいろんな事情に適用できるように、多様なお取組、それに伴う予算措置をお願いをしておきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
続いて、6点目へ行かしていただきます。
夏休みが終わり、新学期に学校へ行くことがためらわれる子供に対し、全国の図書館が居場所としての利用を呼びかけるなど、今や図書館は子供の大切な居場所の一つであります。同計画にも図書館を生かしたまちづくりの推進との目標が掲げられておりますが、貸出図書の冊数増加だけでなく、県立図書館や市町立図書館が子供の居場所として利用されるよう協力を求めていく考えはございますでしょうか、教育長の見解をお聞かせください。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
図書館は、あらゆる人が自由に利用できる開かれた場でございます。そこには本をきっかけとした、新しい、新たな世界との出会いがあり、本と子供を結ぶ人もいらっしゃいます。
このような図書館の特性から、学校図書館がクラスになじめない子供の居場所として注目されておりますように、公立図書館にも行き場のない子供を見守り支える役割は期待されるように思っているところでございます。
現在策定中の第5次滋賀県子ども読書活動推進計画でも、そのような視点からの議論も行っておりますので、そういったものも踏まえ、公立図書館、市町立図書館も含めて様々な議論を交わしながら検討をしてまいりたいと考えております。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)1点、教育長に再質問させていただきます。
今、様々なそうした御意見といいますか、趣旨も含めて計画が策定されたということでございますけれども、教育長として、この図書館というものも子供にとって居場所の一つという御認識でよろしいでしょうか。
◎教育長(福永忠克) 子供にとって、多分、子供が集うところ全ては、子供にとっての居場所になると思います。そういう意味におきましては、学校につきましても居場所でございますし、今回お取り上げいただいております図書館も居場所でございます。また、地域のいろんな集会施設も居場所ございますし、当然、家庭、おうちというのも居場所であろうと思います。そういう意味におきまして、図書館も子供にとっての居場所の一つだと認識をいたしております。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)では、私も教育長と同様に、県立図書館も子供にとって大切な居場所の一つであるとの認識の下、7番目の質問に入らせていただきます。
県立図書館の現在の休館日について、現行の週休2日を見直す考えはございませんでしょうか、教育長の見解をお聞かせください。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
県立図書館は、直接来館される方だけでなく、市町立図書館を通じての資料の貸出しなど、子供を含めまして県内全ての方を対象にした図書館サービスを行っているところでございます。
そのサービスを充実させるためには、県内の全ての子供たちにとって興味関心を持てる資料を収集、保存することと、県内の市町立図書館とのネットワークを通じて届けていくことが大切であると考えております。
ただし、今お取り上げいただいている県立図書館の週2日休館という課題につきましては、この休館日を見直すことも課題の一つだと認識をしており、今後の図書館の在り方を検討する中で、図書館ネットワークを構成していただいている市町図書館をはじめ関係者の皆さんと共に議論し、考えていきたいと存じます。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)ありがとうございます。
見直しも検討していただけるということでございました。予想外と言うと失礼なんですけど、予想外にちょっと前向きな御答弁をいただきましたので、私の想定の答弁と違いましたので、ちょっと戸惑っているんですけれども。
私、県内の市町の図書館の休館日を調べさせていただきましたら、週休2日の図書館というのが6割ぐらいあって、そのうちの8割以上が、全体でも6割以上の図書館が月曜日に休館されておられます。ということは、月曜日に、先ほどの教育長のお言葉をお借りすれば、子供の大切な居場所というものが、図書館が月曜日はなかなか開いてるところが少ない、県内、県立図書館を含めて8割以上の図書館が月曜日は休館ということでございます。こうした現状も変えていく必要があろうかというふうに思いますけれども、その点についても今後検討していただく課題ということで認識させていただいてよろしいでしょうか、教育長、お願いします。
◎教育長(福永忠克) 休館日を見直すということは、様々な課題があることも別途認識はいたしております。
特に、人をどのように確保していくのかというのは非常に大きな課題でございます。県立図書館におきましても、お取り上げをいただいておりまして、28人の職員中25人が正規の司書でございますが、その司書だけで回り切れるのかどうか。回り切れないというふうに考えておりますけれども、そういった点も含めて、そして、今おっしゃられた月曜日の休館日、そして市町の図書館も休館にしておられますので、先ほど申しましたように、この市町、ネットワークをつくっておりますので、ネットワークの構成員である市町のお考えとか思いをしっかり酌み取りながら、共に議論をして休館日の在り方については考えていくということでございます。
決して後ろ向きとかいう意味ではございませんけれども、課題をしっかりと捉まえて検討することが大切だと認識をいたしております。
◆1番(谷口典隆議員) (登壇)ありがとうございます。
再質問しないほうがよかったのかもしれないなと思いながら、ちょっと私の聞き方が悪いのか、週休2日を見直す課題の一つだということでとどめておいていただいて、事実として月曜日が、県内の市町の図書館も含めて月曜日休館のところが8割以上あるという御認識だけは提言させていただいて、週休2日を見直していただくということの御答弁は持ち帰りたいというふうに思っております。胸に秘めたいと思います。
せんだっての質問でも出ておりました石川県立図書館というものが、昨年、所管が教育委員会から知事部局に変わって、昨年の7月に移転、開設をされました。こどもとしょかんの趣旨にのっとりというか、決してそうではないかも分かりませんけども、本を通じて子供の居場所づくりというものが、非常に建物も立派ですし、開館の状況、印象もすばらしい図書館でございました。こうしたことも参考にしていただきながら、すばらしい図書館、そして子供の居場所づくりにつながるようなお取組をこれからもお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
自由民主党の谷口でございました。ありがとうございました。
終わります。(拍手)
○副議長(有村國俊) 以上で、1番谷口典隆議員の質疑ならびに質問を終了いたします。
しばらく休憩いたします。
午後3時30分 休憩
────────────────
午後3時50分 開議
○副議長(有村國俊) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。
次に、15番河井昭成議員の発言を許します。
◆15番(河井昭成議員) (登壇、拍手)発言通告に従いまして、東北部工業技術センター整備事業について、分割方式で質問をいたします。
東北部工業技術センターは、令和5年──本年3月にPFI方式による整備事業の契約が締結され、令和7年度中の供用開始に向けて事業が進められています。この東北部工業技術センター整備事業は、現状、詳細設計が行われている段階とのことです。
しかし、昨日の木沢議員の一般質問でも明らかになったように、設計前の調査において想定外の軟弱地盤であることが判明しています。今後、大幅な追加工事、工期の延長が必要となる可能性があります。
今回、このような状況となっておりますが、県の行う工事において、想定外の地盤の状況によって追加の工事となったものは例示に事欠きません。
幾つか事例を挙げるならば、都市計画道路原松原線トンネル掘削工事、当初予算が約49億円であった工事費が、トンネル施工では崩落しやすい地質、ヒ素などを含む土壌で処理を必要とするなどで、その対策のため補正を繰り返して、事業費は最終的に約98億となり、当初のおおよそ2倍となりました。
また、信楽窯業技術試験場整備事業は、当初約4億6,000万円であったものが、建物を建築する予定の地中に大きな岩が存在し、この除去のため工事費が5億5,000万円に増額となった事例もあります。
今回も、想定外の地盤の状況によって大きな追加工事が発生する可能性があり、それに対応するならば、大きな追加費用が発生することが想定をされます。
この件に関して、今後、同様の事例を減らす必要があると考え、その観点から質問を行います。
まず、今般のPFIの手法で行っている東北部工業技術センター整備事業についてですが、当初の契約からの大幅な変更を余儀なくされる事態となっています。大幅な変更が必要な状況となった原因、問題点はどこにあると考えるのか、商工観光労働部長の見解を伺います。
この件も含めてPFIの手法を用いた事業では、事業者が地盤の調査など設計に必要な準備を契約後に行うことになるため、十分に土地の状態を把握していないと、想定外の地盤という状況が起こりやすいと考えます。一方で、都市計画道路原松原線トンネル掘削工事や信楽窯業技術試験場整備事業などの事例から、想定外の地盤となると、大幅な変更、大幅な追加工事、それに伴う大きな追加費用が発生することが経験上分かっています。
今後、当初の契約からの大幅な変更、特に想定外の地盤の状況による変更、追加工事となる事態はできる限り発生させないようにする必要があると考えます。PFIの手法を用いた事業は今後も予定されており、特に、このPFIの手法で行う事業において、想定外の地盤という状況を減らす対応が求められると考えますが、総務部長の見解を求めます。
○副議長(有村國俊) 15番河井昭成議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎総務部長(東勝) (登壇)東北部工業技術センター整備事業につきましての2点の御質問のうち、私にいただきました地盤状況による変更、追加工事を発生させないための対応につきましてお答えをいたします。
PFI事業におきましては、設計、施工を一体的に発注することで民間ノウハウを生かすことができる反面、県が設計、建設を個別に発注する従来方式以上にリスク管理に慎重を期すことが求められますため、事業実施前に可能な限り敷地の正確な地盤状況を把握しておくことが重要であると認識をしているところでございます。
このため、知見やノウハウの蓄積、集約化を図りますとともに、地歴等、事業用地周辺を含めた土地についてのきめ細かな情報収集や、第三者からの技術的なアドバイス、さらには必要に応じた関係部局との緊密な連携を図ることで、適切な数のボーリング調査を実施するなど、地盤状況による増額変更が極力生じないよう努めてまいりたいと存じます。
◎
商工観光労働部長(林毅) (登壇)1点目の大幅な変更が必要になった原因と問題点でございますが、主な原因、問題点といたしましては、令和3年度に東北部工業技術センターが実施いたしました本事業用地の地盤調査におきます県作成の仕様でありますとか調査結果の公表内容、参入希望事業者への対応の認識に不十分な面があったことであると考えているところでございます。
その結果、PFI事業者が、本年8月から10月に建設予定位置で実施したより細かいピッチでの地盤調査の結果と大きく乖離したため、当初提案していた地盤改良工事から大幅な変更が見込まれる状況となったところでございます。
この事態により、予算の増額とともに新センターの供用開始が遅れる見込みとなったことに対しまして、関係者をはじめ県民の皆様の信頼や期待を損ねることとなり、大変重く受け止めさせていただいているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)原因の分析と問題点の把握というのは非常に大事だと思っております。
今商労部長がおっしゃってくださった原因は、県がこう考えるというものだと思うんですけども、これは客観的にやっぱりきちっと分析をされる必要があるんじゃないかと思います。その結果、この後どういう対応を取るのかとか、あと、誰が責任を持ってやるのかなどということがはっきりするのではないかと思います。ここはぜひとも客観的な原因分析を行われるべきだと思っていますので、この点について回答を求めたいと思います。
ちなみにですけども、PFIではこのように書いてあります。様々に考えられるリスク、このリスク管理が効果的に行えることがメリットである。このリスクは誰が負担するのかということがこのように書いてあります。最もよく管理ができる者がそのリスクを負担する。これ、負担能力に応じてなんて書いてないんですよね。最もよく管理ができる人がと書いてあるんですけども、これがこのPFI事業のすごくよいところとされているはずですので、こういうことがちゃんと体現できるように、そのためにも、この事業、この後対応されると思うんですけども、そのために、適切に対応されるために、原因の分析と問題点の把握、県としてはそのように分析をされて今おっしゃってくださいましたが、客観的にこれが大丈夫かという、昨日の木沢議員の一般質問の中でもありましたけども、見解が割れるものがあるのではないかと想定がされます。だから、そこをしっかりと明らかにできるように対応されるべきだと思うので、そこを踏まえて、客観的な原因分析、問題点の把握についてどのように考えているか、商労部長にお伺いをいたします。
2点目、大きく追加費用が出る、工期が延びるだけではなくて、このような想定外の地盤というものが起こると、これまでもありましたけども、そもそもの事業がこの場所でよかったのか、この方法でよかったのか、また、PFIでいうならば、様々に事業者から提案を受けて、そこから選択をして事業者を選定しています。その前提の中で、事業費の価格がこれでと示されているわけですから、それで一定評価がされています。ここに疑義が持たれることが起こるのではないか。ですので、適切に事業費が見積もられていて、その後、大幅な変更がないような状態で、特にこの想定外の地盤などということで変更がないようにする必要があると思います。
なので、先ほど様々に改善の方法をおっしゃっていただいておりますが、ぜひともこの想定外の地盤、起こると大幅な追加工事の可能性が十分に考えられるわけで、しかも、過去、その経験がたくさんあるわけで。まあ、PFIの事業によりませんけどね。でも、今後、その可能性を減らすための改善をこれからしっかりとやっていかなければならない。今回繰り返したのは前回の反省が生かされていないとも取れます。しっかりと取る必要があると考えますので。
もう1つ、最後のほうにちょっとだけ言ってくださったんですけども、より細かいピッチでの地盤の調査を行うということなんですけど、これ、やはり最初の要求水準書を作る段階にこの調査が要るんじゃないかと。どのぐらいの数が適切かなどというのは専門的な知見が要ると思うんですけども、これ、調査をしておいて悪いことはないはずなんです。昨日のやり取りでも分かったんですけども、事業者さんは、本格的な建設をするときに、最初に何か所かやっておいて、必要だと思うから何か所か追加して、さらにもう1回追加してやっているんですよね。結局、かなりの数の地盤の調査をされるわけですよ。これは、建設する場所だけじゃなくて、ほかの場所もきちっと調べておいて事前に提示することができれば、後、かなりのリスクを下げることができるのと、実際の建設をするときの調査の本数を減らすことができるかもしれないのと、あと、後々周囲の開発をされるときとかのデータになったり、さっき地歴をと言っていますけど、それ、過去に分かったことですよね。そういう地歴の積算にもなりますし、防災上も役立つかもしれないし、後に増改築をするときに役立つかもしれない。だから、ここに建物が建たないところで地盤の調査をするというのが無駄だとか言わずに、しっかりと調査をされたらいいのではないかと思うので、ぜひともこの辺も考えながら後の改善策をしっかりと取っていただきたいと思いますけども、その辺りについて、総務部長、もう1回見解をお伺いをしたいと思います。
◎総務部長(東勝) 私にいただきました1点の御質問にお答えをしたいと思います。
まず、今回の事例のように後に地盤の状況が分かると、多額の増額が伴ってくるという事例というのは、これまでもございましたことから、そうした事例を踏まえまして、適切に対応していくということは重要であるというふうに考えております。そのために、事前にその地盤の状況をできる限り詳細に把握するように努めるということは大変重要であるというふうに思っております。
一方で、どの程度の本数がいいのかということにつきましては、後段、無駄にはならないのではないかというふうな御指摘もございましたが、一定費用対効果ということもやはり事前に実施する際には十分考慮した上で対応する必要があるというふうに考えているところでございます。そうした事例の集積をまずしっかりと図っていく中で、今後しっかりと改善を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
そして、ボーリング調査、事前にやっておいても無駄ではないのではないかということでございますけれども、正確な地盤状況を把握するための調査ということで、非常に重要であるというふうには考えております。その後の増額変更が生じないように、必要に応じて関係部局の技術的なアドバイスなども踏まえながら、費用対効果も一定考慮しながら、適切なボーリング調査等、様々な対策につきまして考えてまいりたいと思っております。
◎
商工観光労働部長(林毅) 今回の件でございますが、経緯ですとか、あるいは役割等を改めてしっかり確認いたしまして、第三者も含めたチェックをかけながら今後の対応について検討してまいりたいというふうに考えております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)1問目なんですけども、第三者というよりも、客観的に分析ができるようにお願いをしたいと思いますので、もう一度お願いします。
2点目、これは想定外の地盤であることが後にもし分かったときに、どのようにこれを確認するのかというのもあるんですよ。県としてそのデータを持ち合わせないで、工事をされている人から言われることに対して対応することになるんですけども、この確認は誰の責任の下で行うのかと考えたときに、やっぱりこの地質のデータ、地盤のデータって持っておくほうがよいと思いませんでしょうか。このようなことも考えると、地盤の調査はもっと丁寧にしっかりとやっておいて、後にしっかりと生きると思うので、そこはしっかりと考えていただいたほうがいいのではないかと思っております。これについても、総務部長、もう一度答弁ください。
◎総務部長(東勝) お答えをいたします。
私にいただきました想定外であるかどうかの検証という意味でも必要ではないかというふうな御質問だったかと思うんですが、地盤の状況が後に想定外であったかどうかというのは確かにデータがなければ分からないというふうなことでございますが、その部分につきましても、どういった契約といいますか、リスク分担で考えるかというふうなこともあるかと思いますので、このいわゆるPFIの事業に伴う課題としてどういった形が望ましいのか、いろんな知見をいただきながら検討してまいりたいと思っております。
◎
商工観光労働部長(林毅) 客観的な分析ということでございました。
客観的な分析をするために、先ほど申しました第三者を含めましたチェックをしっかりとかけていきたいということでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)この後もPFIで事業をされることが多分多くなってくると思いますし、もう既に幾つか計画がございますよね。衛生科学センターであったりとか高専であったりとかというのがその対象となるのではないかということですので、しっかりとした改善の策を見つけていただきますように要望しながら次の質問に移ります。
この項目では、琵琶湖の漁業について、知事ならびに農政水産部長にお伺いいたします。
滋賀県においては、令和3年度から7年度の5年間を計画期間とした滋賀県内水面漁業振興計画を策定し、本県ならではの魅力ある魚介類や淡水真珠、健全なレクリエーションの場を多くの人々に提供するとともに、これら活動により環境保全や食文化の継承など水産業の持つ多面的機能が発揮されており、特に琵琶湖漁業については、少数でも一人一人が精鋭のもうかる漁業が実現をしている状態を目指す姿として、本県の漁業振興に取り組んでいるところです。
この計画では、特に、琵琶湖漁業の2030年の姿として、目指す姿にも示された少数でも精鋭のもうかる漁業を掲げたことで、報道でも取り上げられるなど話題ともなりました。計画策定時にも私が質問をさせていただきましたが、令和5年度は計画の中間年であり、取組が進んでいると思いますので、その成果などを確認すべく、本県の漁業について質問をいたします。
最初に幾つか数字を確認したいと思います。
少数でも精鋭として2025年に160という漁業経営体数の目標を設定されています。この根拠は、2018年の琵琶湖漁業の経営体は440経営体で、うち漁業を主とするものが約250経営体となっていますが、これは、高齢化が大きく進み、減少する状況が避けられず、何も対策を取らなければ、2025年には漁業を主とする経営体は130程度になると推測されるとされ、これに対して、新たな施策の実施などにより、研修などを通じた新規就業者、漁業を主としない漁業者からの転換での就業者を増やし、2025年において160経営体の精鋭漁業者を確保したいとされています。
そこで、これまでの新たな取組の効果などを踏まえて、現時点で分かる最新の漁業経営体数の状況について農政水産部長にお伺いします。
◎農政水産部長(岡田英基) (登壇)お答えいたします。
漁業経営体数につきましては、議員御指摘のとおり、直近の2018年漁業センサスでは440経営体となっております。最新のセンサスは今年度調査されているところでありまして、正確な状況は把握できておりませんが、漁業経営体を取り巻く状況は厳しさを増しているものと認識しております。
こうした中、2016年度から滋賀県漁業協同組合連合会がしがの漁業技術研修センターを設置され、国や県の漁業研修制度を活用した就業希望者の受入れに取り組まれているところでございます。その結果、2022年度までに新たに15名が琵琶湖漁業に就業されておるところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)5年に一度の調査で数を把握するということなんですけども、それではこの事業の効果などが把握、自分たちで理解するのになかなか難しいと思うんですけど、これを把握する努力が要るのではないかと思いますが、農政水産部長にお伺いいたします。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
個々の漁業者の所得に占める漁業収入の割合などを聞き取り、また、専業ですとか兼業の別や漁業を主としているかなどの調査を県独自で行うことはなかなか容易ではないというふうに認識をしております。漁協に所属する正組合員の人数は把握をできておりますので、そうした数を参考にしながら、経営体の動向を注視して施策に生かしてまいりたいと考えているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)次は年間の漁獲量です。2020年が漁獲量811トンであり、仮に2025年において130経営体まで減少したという前提ならば、漁獲量は520トン程度まで落ち込むと推測されるとし、これに対して160経営体を維持することができると、合理的な資源管理や既存漁法の効率化、また、新たな漁法の開発、導入などにより、2025年には900トンにまで引き上げるとされています。漁獲量の現状について農政水産部長にお伺いいたします。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
琵琶湖漁業の漁獲量は、かつて1950年代には約1万トンでありましたが、近年では1,000トンを下回る状況となっており、コロナ禍による消費活動の冷え込みなどの影響も加わりまして、2021年度は670トンにとどまっております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)漁業の生産額の現状について農政水産部長にお伺いをいたします。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
琵琶湖漁業の生産額は、1991年に約52億円でピークを迎えた後、減少の一途をたどっており、近年では10億円を割り込む状況となっております。
農林水産統計は、2009年を最後に漁業生産額の調査がありませんので推計となりますが、漁業センサスを基に試算しましたところ、2018年の生産額が約8億円であったものと見ているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)これも、もうかる漁業を掲げて、で、数字を挙げて160経営体、1,000万円、これをちゃんとフォローしようと思うと、ここの数字の把握は大事だと思うので、ここはやっぱり改善が要るんじゃないかと思うので、改めて農政水産部長にお伺いをいたします。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
個人の個々の事業者の収入等をどのように把握するかということは、なかなか個人の情報もございますので難しい部分はございますけれども、代わりにどういった手段が取れるかについては研究していきたいというふうに思っております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)個々の収入をとは申し上げていなくて、琵琶湖の漁業の全体の生産額の現状をちゃんと把握するようにするのがいいのではないかと申し上げました。再度答弁をお願いします。
◎農政水産部長(岡田英基) 失礼いたしました。
様々な統計データがございますので、そうしたものを組み合わせることによりまして、何かその代わりになるようなデータが取得できないかということにつきましては研究させていただきたいというふうに思います。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)次に、ICTを活用した漁獲データの収集、解析による漁獲の効率化や技術継承を推進するとされていますので、この点についてお伺いをいたします。
琵琶湖漁業の現状を知る上でも、資源管理の面からも漁獲量などを正確に把握することは大変重要であり、漁業者がスマートフォンなどから簡単かつ迅速に漁獲情報を報告できるシステムの開発などで漁獲データの収集もICT化を進めています。今年度も滋賀の水産業強靱化プラン推進研究が実施されています。漁獲データの収集、解析の活用状況、効果など、琵琶湖漁業におけるICTの活用の詳細について農政水産部長にお伺いいたします。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
琵琶湖漁業のICT活用につきましては、7名の漁業者に協力をいただき、アユの刺網漁業を対象に、GPSによる操作場所、仕掛けた漁具の水深や水温、漁獲量のデータを収集し、操業マニュアルなどに反映させたところでございます。
また、漁獲報告アプリ「湖レコ」による漁獲情報は、現在84名の方から収集をしており、直近の漁獲動向の把握に利用しております。
引き続き、その利用者の増加に努め、多くの漁業者の漁獲情報を活用して科学的な資源評価を迅速に行い、適切な資源管理型漁業の推進に努めてまいりたいと考えております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)せっかくICTを活用してということなので、できる限り多くの方にというか、全ての方に利用いただく努力を、これ、琵琶湖の漁業だからできるんじゃないですかね。経営体数は少ないですもんね。ぜひともしっかりと資源管理、それから、漁業がしっかりと行える環境をつくるということにも役立つと思うので、進めていただくのと、これが分かると、先ほどの1番目と3番目で数が把握するのが難しいと言ってたこともしっかり把握できるようになるんじゃないかと考えます。引き続き取り組んでいただけたらと思います。
さて、現在はヒウオの季節です。12月1日からヒウオの漁が始まっています。アユ漁初日の取れ具合は地域で差があったようですが、琵琶湖全体ではまずまずの水揚げだったと水産課のホームページで発信されています。この琵琶湖のアユについて取り上げたいと思います。
まず、今年のアユの産卵状況について農政水産部長にお伺いをいたします。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
今年度の琵琶湖全体でのアユの産卵数は、水産試験場が11河川で実施した調査結果によりますと、合計15.2億個でありまして、平年値の75.6億個の約2割となっておるところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)例年より少ないという感じですかね。昨年よりは大きく少ないんですか。
次に、ヒウオ生息状況調査はどのような状況だったのか、農政水産部長にお伺いいたします。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
水産試験場では、琵琶湖北湖の9水域において、調査船により採捕された数によりまして、ヒウオの生息状況を把握しているところでございます。
10月に実施した第1次調査では、全水域の平均で、平年値159尾のところ17尾の採捕、11月に実施した第2次調査では、平年値67尾のところ13尾の採捕でありまして、いずれも平年値を大きく下回った結果となっているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)さきに述べたとおり、12月1日から早期のアユ漁が始まっていますが、その採捕状況について農政水産部長にお伺いをいたします。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
12月1日から早期のアユ漁が開始され、12月7日までに琵琶湖全体で7トン余りが漁獲され、既に注文量の約半分を満たしたところであります。北部で漁獲が少ない傾向など、地域により取れ具合に差が見られる状況となっているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)少ない原因というのは様々にあろうかと思いますけども、今年は暑い時期が長かったと思います。水温のデータを見ても、平年よりも高い状況が長く続いていたというデータとなっています。今年の気温、水温の高かった状況のアユの産卵、その後の成長への影響について、見解を農政水産部長にお伺いいたします。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
アユの産卵に適した水温はおおむね20度以下でありますが、今年は、高温の影響により、産卵のピークとなる9月中旬から下旬にかけまして、産卵場である河川の平均水温が24度程度と高めに推移いたしました。そのため、9月に河川に遡上したアユが産卵できず、その間にカワウによる捕食などでアユが減少した結果、産卵数の減少を招いたと考えております。
一方、この12月のアユ漁初日に漁獲されたアユの平均体長は40ミリメートルと、平年値の38ミリメートルに比べてやや大きいことから、今年のアユは順調に成長しているものと考えております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)今年は産卵が少なかったということなんですけども、これを補う意味でも、人工河川でのアユの産卵の事業を行っておりますが、アユの資源量増加への効果を農政水産部長にお伺いをしたいと思います。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
今年度の人工河川への親アユの放流量は、通常の12トンに加えて7トンを追加し、合わせて19トンの親アユを放流いたしました。
人工河川でふ化したアユ仔魚、子供のアユですが、9月6日から10月28日までの間に38.2億尾が琵琶湖へ流下し、天然の産卵量が少ない中、12月から始まったアユの漁獲に貢献しているものと考えております。
引き続き、水産試験場の資源調査結果や漁獲状況を注視して効果の把握に努めたいと考えております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)次に、姿が美しく、高級魚として扱われる琵琶湖の固有種ホンモロコについて伺います。
一時は漁獲量も落ち込み、なかなか手に入らない幻の魚になっていましたが、近年では資源量が回復傾向にあるとされています。そこで、ホンモロコの資源量の現状について農政水産部長にお伺いをいたします。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
ホンモロコの推定資源量は、水産試験場が資源評価を始めた2007年には20トンでありましたが、外来魚駆除や種苗放流等の効果によりまして、近年は大きく増加しており、2021年には190トンになっているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)それでは、ホンモロコの漁獲量について農政水産部長にお伺いをいたします。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
2007年に7トンであったホンモロコの漁獲量は、資源量の回復に伴って増加傾向にあるものの、その回復は資源量の伸びと比べると緩やかでございまして、2021年は25トンとなっているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)では、次に流通について伺いたいと思います。
もうかる水産業のためには、琵琶湖の魚介類が売れ、おいしく食べてもらわなければなりません。改めて確認をしたいのですが、流通が縮小していて魚価が低迷している状況、私が前回質問させていただいたときですけども、このような状況だという認識でした。現在どのような状況にあるのか、琵琶湖産の魚介類の消費について現状を農政水産部長にお伺いいたします。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
琵琶湖産魚介類──湖魚につきましては、近年は、魚食離れに加えまして、長期間の漁獲低迷による販路の減少などによりまして、消費は低調であると認識をしております。さらに、コロナ禍の影響によりまして、京阪神の料理店など、従来強い結びつきのありました中心的な販路を失うなど、大きな影響を受けたところでございます。
コロナ禍が落ち着いてまいりました現在も、依然として魚価の低迷、消費低調の状況にありますが、漁業組織の流通改善の取組などを通じまして、新たな販路開拓もなされており、回復の兆しが見えつつあると考えているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)おおよそ2年ほど前に質問をさせていただいているんですけども、そのときから比べると様々に手を打っていただいていると思うんですよ。それでいて、すぐに効果が出るかという話はあるんですけども、じゃあ、我々の食卓に湖魚が乗っているかというと、その状況はあんまり変わってないんじゃないかなという気がします。私は意識して食べるようにしていますけども。そういった意味でも、ここから先のもうかる漁業のためには、目標年限もあるわけですし、というか、それよりも何よりも、高齢化が進んでいって漁業者が減っていくという状況が待ったなしの状況にあるので、しっかりとした手を打っていかなければならないと考えると、これまでと同じやり方でいいのかというところがやはりちょっと気になるところではあります。効果が少し兆しが見えているということなので、そこには最大期待をしたいところではありますけども、そのようなことをちょっと考えながら、モノを売りたいときに、ターゲットを設定して考える必要があると考えますが、琵琶湖産の魚介類は誰に食べてもらいたいのか、主に食べてほしい消費者のターゲットについて、県の見解、農政水産部長にお伺いをいたします。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
地域の食文化として代々受け継ぐ県内の消費者はもちろんのこと、湖魚を選び続けてもらうためには、湖魚になじみの薄い若い世代や県外から新たに移住した方などへの訴求が必要であると認識をしておりまして、こうした方々を新たなターゲットとして取り組んでまいりたいと考えております。
加えまして、特色ある地方食材に関心のあります大都市圏の消費者や、滋賀へ訪れる国内外の観光客に対しましても、滋賀ならではの食材として訴求をしてまいりたいと考えております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)このターゲットの設定、非常に大事だと思うんですけども、もともと、先ほどから資源量のちょっと確認をさせていただきましたが、物すごく量を出せるわけでもないわけですよね。その中でどこをターゲットに置くのかというのは、今のお話でいうと、かなり幅広く設定をされてると思います。確かに今、量が出ていない中にあっては、あちらこちらで可能性を探るということなんでしょうけども、そこをぶらさないほうがいいのではないかと思います。琵琶湖の魚──湖魚は、ここ滋賀県で食べてこそなので、基本的にはやっぱり滋賀県の中で、外の方も来てもらって食べてもらう、こういうブランディングをしていくことが大事なのではないかと思うので、このターゲットの設定という話をさせていただきました。改めて農政水産部長にお伺いをしたいと思います。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
確かに議員御指摘のとおり、湖魚を食べるということは地域の文化でもございますので、まずはやはり県内の方にたくさん食べていただきたい。私も食べておりますし、皆さんに食べていただきたいというのはもちろんでございます。
その一方で、やはり需要を拡大していくということを考えますと、大都市圏の方、また県内に来られる観光客の方にも食べていただきたいということもありますので、そこはぶれるということかもしれませんけれども、両方大事に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)最初に滋賀県の中での消費を、それから滋賀県に住んでいる人で若い人、また、滋賀県に新たにお越しになった皆さんで、住んでいる皆さんに食べてもらいたいというのを先に言っていただいたので、ぜひそこは大事にしていただきたいと思います。
琵琶湖産の魚介類はどこで売られているか分からないという状況にあると私は感じています。皆さんはどうでしょうか。ICTを活用した漁獲データの収集、こういうこともやっていますので、こういうものを生かせないか、どこへ流通しているのか分かるようにできないでしょうか。どこに行けば琵琶湖の魚介類が手に入るか分かるようにタイムリーに情報提供するなど、具体的な対応が必要ではないかと考えますが、農政水産部長の見解をお伺いをいたします。
◎農政水産部長(岡田英基) お答えいたします。
現在、琵琶湖八珍WEBサイトにおきまして、スーパーなどの小売店を含む湖魚を取り扱う店舗を琵琶湖八珍マイスター登録店として紹介をしているところでございます。湖魚を求める消費者に琵琶湖八珍WEBサイトを一層知って利用いただけるよう、引き続き、SNSをはじめ様々な媒体を通じて周知をしてまいります。
加えまして、琵琶湖八珍WEBサイトを積極的に活用して、登録店における湖魚の取扱情報をタイムリーに発信できるように、各店舗との連携強化に努めてまいりたいと考えているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)今の琵琶湖八珍WEBサイトなんですけど、現状はお店が分かるタイムリーな情報提供にはなってないですよね。もっと流通すると、平和堂さんに行ったらあるなとか分かるのかなと思うんですけど、現に平和堂さん、時々モロコをパッケージにして使いやすい量を売ってくださったりしています。すごい量が並んでいる日も実はあったりするんですけども、その情報がないと、いつもあるわけじゃないので、何かこれが分かるようにするということがまず大事なんじゃないかなと。ぜひとも多くの人にこの琵琶湖の魚介類を食べていただきたい、そういう環境をつくりたいと思いますので、ぜひともここは水産課、頑張ってくださっていることはよくよく分かっております。これから先もぜひとも頑張っていただきたいなと、エールも込めてこのような話をさせていただきました。
続きまして、琵琶湖産の魚介類の需要喚起の取組が必要ではないかと考えます。需要喚起の策と言えばしが割です。琵琶湖産の魚介類の購入や琵琶湖産の魚介類を提供する飲食店での利用に特化したしが割など、琵琶湖産魚介類の需要喚起策の事業化について知事の見解をお伺いをいたします。
◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。
現在も、琵琶湖八珍マイスター登録店など、湖魚を取り扱う店舗の中には、しが割を活用されている店舗があると承知をしておりますが、いずれの地域にお住まいの方にも御利用いただくためには、湖魚を取り扱う店舗の拡充が必要だと認識しております。
そのため、まずは、飲食店等を通じて消費者へ届けるご当地グルメ開発や学校給食での提供により、需要喚起に取り組んでいるところでございます。
県内のどこでも、またいつでも、もちろん旬はございますけれども、湖魚を手にできる環境づくりの目指す先の取組として、議員御提案の湖魚に特化した需要喚起策の事業化についても研究してまいりたいと存じます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)今、知事の答弁でもちょっと触れていただきましたが、学校給食での琵琶湖産魚介類の提供について伺いたいと思います。
現在でも学校給食での提供が行われています。給食での提供は、食材として一定量が必要となります。また、現在の需要にとどまらず、将来の需要の喚起にもつながります。子供たちが大きくなったときに食べる。新鮮なものをおいしく調理して滋賀の子供たちに食べてもらうことが滋賀県の水産業を支えることになると考えますが、琵琶湖産魚介類の給食での提供の重要性について知事の見解を伺います。
◎知事(三日月大造) 学校給食での提供につきましては、食文化の継承と将来の需要喚起につながるものと承知をしております。とても大事なテーマだと思います。
滋賀県農業・水産業基本計画において、学校給食での湖魚の使用回数を2025年に平均10回とする目標値を定め、食材費の支援等に取り組んでおり、2019年に平均7.2回であったところを2022年には平均8.3回まで増加できたと聞いております。
今年度も目標の達成に向け、大学の御協力の下、大量調理に適したおいしいメニューを、栄養教諭の皆さんや食品加工事業者の方に提供することとしており、子供たちに喜ばれるメニューとして湖魚が利用されるよう努めてまいりたいと存じます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)ありがとうございます。
様々に取組をしていただいて、7回程度だったものが8回を超えてきたということで、平均の提供回数ですけども。
やはりこの学校給食での提供は一定量が必要になるので、先ほどモロコの資源量は増えているのに消費につながらないというか、漁獲につながらないというのは、やっぱり消費の量が需要がないからですよね。ここをしっかりと充てることが必要だと思って、ここにも需要喚起が要るのではないかという話をさせていただきました。やはりもうかる水産業をしっかり支えようと思うと、売れて、食べてもらって、喜んでもらって初めてだと思いますので、そこのやっぱり支援をしっかりとするということが大事なのではないかと思い、この給食の重要性について問わせていただきました。
今も拡大を図っていただくということだったんですけども、ここをしっかりと予算を充てていただいて、これは漁業のほうの活性化にもつながりますし、一方で子供たちの食育のほうだったり滋賀の食文化を伝えるという事業にもなると考えますので、ぜひとも大きく拡充をしていただいてもいいのではないかと私は考えております。改めて知事にこの見解をお伺いしたいと思います。
◎知事(三日月大造) どういうことができるか考えます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)この項目の質問の最後に、これまでも様々な事業、取組を行ってきていますが、現状を踏まえて琵琶湖漁業の振興に向けた今後の取組について知事の見解をお伺いをいたします。
◎知事(三日月大造) お答えいたします。
科学的な資源管理が重要だと思います。したがって、今行っている「湖レコ」はじめ、様々な資源がどうなっているのか、どこで取れているのか、どう動いているのか、また、どこで売っているのかといったようなことを共有していく、これをまず行いながら、同時に担い手の育成、広域での流通、そして漁業組織の強靱化、さらには消費者から選び続けられるための魅力の訴求、こういったことごとをより一層図っていく必要があると認識しております。これは同時に可能性でもあると思います。
湖魚の持つ唯一無二の魅力を、漁業者や飲食店など関係事業者、消費者とも共有、また共感し、もうかる漁業の実現に向け、継続的かつ強力に取り組んでまいりたいと存じます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)科学的にデータを見ながらというようなコメントもしていただきましたが、冒頭にも触れましたけども、せっかく目標を掲げているものに対して数字が準備できないものがあったりします。ぜひともこういうところを、せっかく頑張って取り組んでいる事業内容ですので、どのような状況になったのかが把握できるように取り組むということも大事なのではないかと思っています。その状況をみんなで共有できると、そこにどういうことができるのかであったり新たなアイデアだったりというのがまた生まれてくるのではないかと、そういうことも期待できると思いますので、ぜひともこの点を次の質問するときにはしっかりとお示しをいただけるように、2023年の漁業センサスの結果を踏まえてではなく、滋賀県としてデータを取られるようなこともこの後の事業化をしていただけたらと思うんですが、これについて知事の見解を最後にお伺いして私の質問とします。答弁をお願いします。
◎知事(三日月大造) 大きく考えていることは先ほど答弁したとおりで、できる限り資源の状況がどこでどうなっているのか、いつどのように動いているのか、把握をしながら皆様方にお届けをし、そして、冒頭お触れいただいたような、例えば所得、収入がどうなってるのか、そういったものが施策によってどのように効果があるのかということをできる限り客観的なデータで把握をし、お示しをするということは、大きな流れとして取り組んでいきたいと思います。
ただ、なかなか机の上だけで語っているように物事うまくいかず、頭のいい方が語られるようなことだけで進まないということもあるので、やはりみんなが取り組める状況を粘り強くつくっていくということも大事だと思いますので、そこは、早急に結果を求めるだけではなく、少し限界というか、どう動いていっているのか、改善の状況なども見守りつつ御指導賜れればというふうに思います。
◆15番(河井昭成議員) 終わります。(拍手)
○副議長(有村國俊) 以上で、15番河井昭成議員の質問を終了いたします。
次に、13番中山和行議員の発言を許します。
◆13番(中山和行議員) (登壇、拍手)今日12月8日は、くしくも82年前の1941年、日本軍がハワイの真珠湾に奇襲攻撃をかけて中国戦線から太平洋戦争に突入していった日です。NHKの朝ドラ「ブギウギ」では、ちょうど今その時代で、日本中が戦争一色になっていく様子が描かれています。ジャズや外国語を禁止し、自由に物を言えなくなる様子は空恐ろしいものです。私も含めてこの議場におられる方は、みんな戦争体験者ではありません。だからこそ、ウクライナ、パレスチナなどいまだ戦争が続き、日本も大規模な軍事増強が進められ、新しい戦前と言われる中、改めてこの日の意味を御一緒に考えていきたいと思います。
通告に従いまして、1、高時川濁水問題について、2、大阪万博について、3、意思疎通等の促進に関する条例案の3点について質問をいたします。
まず初めに、高時川濁水問題について、一問一答方式で質問をいたします。
第3回の高時川濁水問題検討会議は、それまでの県庁ではなくて、長浜市役所高月支所で行われました。9月県議会で私が要望しましたけども、地元長浜市で開かれたことは英断だと評価いたします。そして、11月27日、同じく高月支所で、高時川濁水問題検討会議第2回、第3回の報告会が開かれ、一般市民24名が参加されました。この報告会で報告された内容について琵琶湖環境部長にお尋ねを申します。
○副議長(有村國俊) 13番中山和行議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) (登壇)お答えいたします。
報告会では、定点観測いたしました濁度の推移でありますとか、航空レーザー測量といった調査結果とそのまとめ、また、スキー場跡地の是正工事の概要、検討会議でまとめられました長期の濁りの原因および対策、その3点を報告したというところでございます。
◆13番(中山和行議員) (登壇)今ほど、いろんな点で原因であるとかその対策について報告されたということなんですけども、私は、濁水の主たる原因というのはスキー場跡地での大規模な浸食だというふうに考えています。このことについて琵琶湖環境部長にお尋ね申します。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
検討会議でまとめられました濁りの原因については2つございまして、1つ目が、流域の広い範囲で大規模な浸食が起き、高時川本流に粘土などの細かい粒が堆積し、それらが雨のたびに巻き上げられるというものでございます。
2つ目が、大雨によって土砂がむき出しになっている場所や森林の斜面が新たに浸食されて濁りを引き起こしているというものでございます。
航空レーザー測量データや現地調査によりまして、高時川流域全体の広い範囲で浸食が起きていることを確認しておりまして、スキー場跡地におきましても大規模な浸食がございますので、濁りの原因の一つと考えてございます。
◆13番(中山和行議員) (登壇)資料を用意しています。パネルを御覧ください。(資料掲示)これ、写真1と2あるんですけども、1は2013年の写真です。スキー場が廃業した3年後の様子です。大音波谷川、コルゲート管を埋めて、その上に目測では5メートルの高さまで盛土をしてゲレンデを造成しています。
これは国土地理院の写真なんですけども、ちょっと小さいですけども、これが全体のスキー場の航空写真です。それのここの部分、一番下の部分を拡大したのがこれです。これだけ盛土をしているという状況です。
続けて、3、4の写真ですけども、これは2020年8月の写真で、大豪雨の前の写真です。2017年に大雨があったんですけども、そのことによって土砂が流れて、下にあったコルゲート管が現れています。ここはずっとかつてのゲレンデだったところです。ここがそうです。このようにコルゲート管が出ているという状況です。
続けて、5、6の写真です。これは今年──2023年6月の写真です。2022年8月でありました大豪雨の6か月後の状態です。盛土されていた土砂が大きく浸食をされて、そして流れ出てしまっている、こういう状況が分かります。
これが先ほど見たゲレンデのところです。こういうふうに現れているわけです。
ここは最下部のところです。ここにぐっと盛土がされていて、ここは本当はここまで全部土があったんですけども、それが全部流れているという状況です。
最後に、7、8です。これは、先日、私が11月の27日に現地調査に行ったものです。数回これまでに行ってるんですけども、行くたびにどんどんどんどん削られていって、そして、本当に前回行ったときはここを歩くのが危険な状況、そういうような状況でした。大変土砂が削られている、こういう状況が分かると思います。
これら今削られた大量の土砂は一体どこへ行ったんでしょうか。言うまでもなく、大音波谷川下流に流れ、そして高時川に合流していった、このことは間違いがありません。つまり、濁水の原因は、先ほどの報告で2点言われていますけども、濁りの主たる原因はスキー場跡地から流出した土砂であることは確実です。地元漁業者の皆さんは、スキー場ができるまでは大雨が降っても川の水が何日も濁ることはなかった、スキー場ができてから今のように川の濁りがいつまでも続くようになった、こういうふうに言っておられます。このことからも、濁りの主たる原因がスキー場にある、こういうふうに言えるのではないかというふうに思います。
次に、スキー場跡地の是正工事について、進捗状況を琵琶湖環境部長にお尋ねします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
国道からの工事用車両の進入路が、昨年の8月、今年7月の豪雨で寸断されております。現在、その復旧工事が行われているところでございます。
来年の雪解け後には、進入路の復旧工事と並行しまして、作業道の整備、最下流部の沈砂池の設置や緑化を行いまして、来年度末までに是正工事の完了を目指して取り組むと聞いております。
◆13番(中山和行議員) (登壇)先ほど写真で見ていただいたんですけども、工事が全く進んでません。今年の9月議会の私の質問に対しまして、琵琶湖環境部長は、今年、年内に進入路と資材運搬路の復旧を行い、来年度、雪解け後に是正工事を再開し、来年度中に完成させる予定であるというふうに答えられました。しかし、今、現実はそういうふうになっておらず、全く復旧のめどが立っていません。写真では十分に分からないかもしれませんけども、私が先ほど言いましたように、実際に現場に足を運べば、本当に元に戻せる状態なのか、このことが分かるかなというふうに思います。
次に、知事にお尋ねをします。
先日の12月の5日、高時川の現場を見に行かれたというふうに新聞で報道されていますけども、川の様子はどうでしたか。
◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。
12月5日に現地視察に参りました。雪が現地に積もっているということでしたので、議員がお示しのところまでは行けなかったんですが、スキー場跡地のある大音波谷川と高時川上流との合流地点と、高時川中流の下丹生平篠橋、川の様子を視察いたしました。
視察の前々日までに降った雨の影響で濁りが発生しやすい状況であったとのことでございますが、最初に行った上流部は大音波谷川、高時川本流とも濁りがなく澄んでいた状態だったと思います。
一方、中流部では濃い濁りが見られ、はっきりとした違いがあることに驚きますとともに、高時川の中下流に濁りの原因となる泥等も堆積しており、巻き上げられ濁りが発生しているのではないかということを実感したところでございます。
◆13番(中山和行議員) (登壇)今、合流地点で観察をされておられたということです。今言われましたように、行かれた日というのが雨が降った少し後やったということで、比較的水がきれいだったようで、知事のほうは、今も言われたんですけども、想像していたよりも上流はきれいというふうにおっしゃったようですけども、たまたまその日であって、雨が降ってその数日間というのは本当は濁水が続くという、これが本当の実態です。新聞記事にこのようなふうなコメントが載りますと、やっぱり見てまして、高時川の水は大した汚れではないのではないかと、こういうふうに思われる県民がもし出てこられるとしたら、ちょっと心配になる、そういうふうに思いました。
さて、先日の報告会でたくさんの方が発言をされました。その中で、漁業組合の方は、濁りの原因であるスキー場跡地の土砂を何としても食い止めてほしい、こういうふうに涙ながらに訴えられました。私は本当に胸をつまされる思いがしました。また、別の方は、この問題の県の関係者の方はこの先数年で配置替えで替わってしまうだろうけども、濁水というのは何年も続く、我々にとっては死活の問題であると、北部振興を言われるならば、知事や部長の方は現地にぜひとも来るべきだと、こういうふうに言われました。ぜひとも、今回、知事、余呉のほうへ行っていただいたというのは非常によかったと思うんですけども、ぜひ今度は雪のない時期に、スキー場跡地、私が先ほど言いました一番下のところまで現場を見に行っていただきたい、こういうふうなことを再度要望いたします。
重ねて知事にお尋ねします。
この高時川濁水問題を解決するためには、私は、県が主導して濁水対策をやっていかなければならない、こういうふうに考えますけども、知事はどう思われますか。
◎知事(三日月大造) まず、私が伺った日、大音波谷川と高時川の合流地点は思っていたよりも澄んでいたように思うと申し上げましたけれども、川に入っていろいろと砂等を触りますと、確かにこういったものが濁りの原因になるのかなといったようなものもその周りにありました。したがって、そこにあるということは、その上流にその原因があるということですから、そういったことに目を向ける必要があるということと、これだけ清流で知られる高時川が強く濁り、そして長く濁り続けるという、こういった状況に心を痛めていらっしゃる方が多くいらっしゃるということですので、こういったことにしっかりと向き合いながら対策を取っていくということが重要だというふうに思います。
高時川の濁りの解消に向けて現在実施しております高時川や県道の災害復旧工事に加えまして、検討会議や報告会でいただいた御意見を踏まえ、関係行政機関で構成する連絡調整会議等で議論いたしまして、今後取りまとめていこうとする対策を確実に実施していきたいというふうに思います。
また、高時川濁水問題検討会議は、新たに地域の方々にも委員として御参画いただき、一緒に情報の共有や検討ができる体制で今後も開催いたしまして、山や川の状況の監視を続け、対策の効果検証やさらなる対策の検討も行いながら、県としての役割を果たしてまいりたいと存じます。
◆13番(中山和行議員) (登壇)そもそもこの濁水問題というのは、26年前の1997年にマルア観光株式会社が無許可でスキー場開発を始めたことに起因します。そのときに県は中止勧告を出しています。その2年後の1999年には濁水が数回発生し、湖北土地改良区や6町、漁業組合からは要望書あるいは質問書が県に提出をされています。その後も、区域外に大量の土を捨てる、あるいは区域外にゲレンデを造成する、こういった違法行為があり、県も指導をしました。しかし、不十分な是正工事で、濁水は度々起きていました。そして、2010年には会社が倒産し、以後、工事はストップしました。2017年には大豪雨が起こり、それまでにない濁水が続きました。2021年にGPIが風力発電事業と引換えに是正工事を引き継ぎ、現在のこのような状況になっています。
マルア観光が違法行為を行っていたときに県が強い姿勢で対応していたら、この問題は起きていなかったはずです。また、その後20年にわたって県がしっかりと対応してこなかったことは大きな失政と言わざるを得ません。県の責任が問われます。
今年3月に長浜市議会から、県知事、経産大臣、環境大臣、農林水産大臣、国土交通大臣、林野庁長官宛てに意見書が出されました。その中では、スキー場跡地を含めた源流域の土砂流出防止と森林の再生を何よりも優先して行われたい、源流域での土砂崩壊は甚大であり、高時川の再生は民間事業者の自助努力のみでは不可能であることを踏まえた上で、滋賀県は国に支援を求め、長浜市と連携の下、土砂流出防止と森林再生に取り組まれたい、こういうふうに要請をされています。私もこのとおりだと思います。まさに、もはや民間事業者任せにするのではなくて、県が事業を主体的に指導をし、国の財政支援を求めながら復旧工事を進めるしかない、こういうふうに思います。このことを強く求めて次の質問に移ります。
大阪・関西万博について、一問一答方式で質問します。
知事は、9月議会の中で、2025年4月13日から開催されます大阪・関西万博に、県内の4歳から高校生までを対象にチケット代を公費で負担するというふうに表明されました。18万人が対象になるようですけども、その費用は幾らになるんでしょうか、総合企画部長にお尋ねします。
◎総合企画部長(浅見裕見子) (登壇)お答えいたします。
大阪・関西万博に滋賀県の子供を招待する事業については、現在、具体的な内容を検討中でありまして、入場料を県で負担するための予算につきましては、令和7年度当初予算として計上する予定としております。現時点では、チケット代として概算で約3億円から4億円を想定しているところでございます。
◆13番(中山和行議員) (登壇)今、3億から4億というふうに言われたんですけども、その金額というのはどのように算出をされましたか、総合企画部長にお尋ねします。
◎総合企画部長(浅見裕見子) お答えいたします。
先ほどの概算の金額は、小学生のうち班行動が可能な学年および中学生の全学年のそれぞれ5割程度、また、高校生については、全学年の7割程度が教育旅行で入場するものと仮定をして学校団体割引券の価格で算定したものと、教育旅行以外で入場する子供たちについては、個人や家族での入場を仮定して一般料金で算定したものの合計でございます。
現在、学校に対しまして意向調査を実施をしておりまして、その結果などを参考に、今後、令和7年度予算に向けて精査してまいります。
◆13番(中山和行議員) (登壇)今ほどの質問で、4歳から高校生までが大体対象になっていて、高学年くらいから教育旅行ということで参加するというふうな見込みだったんですけども、どの学年から具体的にはなりますか、総務企画部長に伺います。
◎総合企画部長(浅見裕見子) お答えいたします。
教育旅行で入場する場合、万博会場では班行動が必要と考えられますことから、教育委員会の御意見も参考に小学6年生以上と考えております。なお、最終的には各学校が御判断されるものと承知をしております。
◆13番(中山和行議員) (登壇)小学校6年生からということです。それ以下の方は1,800円を出して各御家庭で行っていただくと、そういうことになると思います。
その教育旅行で借り上げ車を利用した場合、例えば私の近くの県北部の長浜市余呉町、こちらから夢洲まで行ったとする、その場合、どれくらい時間がかかると思いますか、総合企画部長に伺います。
◎総合企画部長(浅見裕見子) お答えいたします。
道路状況等によっても異なると思いますが、片道でおおむね2時間半を要するものと承知をしております。
◆13番(中山和行議員) (登壇)片道で2.5時間ということは往復で5時間ということですね。途中トイレにも寄らなければならない、あるいは、夢洲付近というのは、今、道が1本しかないということで、大渋滞が予想されるというふうなことも言われています。こういったことを想定しますと、見学できるのがせいぜい現地で一、二時間くらいではないかなというふうに考えます。県南部の大津市の学校でもせいぜい3時間ぐらいではないかなというふうに思います。今までそれぞれの学校で取り組まれてきた学校行事とか校外学習があるんですけども、それをやめて大阪・関西万博に行く、このことにそれだけの価値があるのかというのが大変疑問に思います。校外学習、教育旅行で行くということになります。下見も必要になってきます。あるいは、事前学習、安全計画づくりなど大変な準備が新たに必要になって、先生方はまたさらに忙しくなる、このことは目に見えています。こういったことが予想されることについてどのように思われますか、総合企画部長に再質問いたします。
◎総合企画部長(浅見裕見子) お答えいたします。
今議員御指摘のような課題というのはいろいろあるかと思っております。やはり距離の問題でありますとか、学校の体制の問題とか、そういったものがあるかと思います。ただ、その辺りと教育効果というものを総合的に判断していただいて、それぞれの学校のほうで教育旅行で行かれるかどうかについて御判断いただければというふうに思っております。
◆13番(中山和行議員) (登壇)このことについて、県立学校とか各市町の教育委員会、そちらのほうにどういうふうな説明を県としてされているのか、総合企画部長に伺います。
◎総合企画部長(浅見裕見子) お答えいたします。
各学校等に対しましては、文書により事業の対象や方法、内容をお伝えし、教育旅行への万博の積極的な活用をお願いしたところでございます。また、高等学校長協会総会や市町教育委員会教育指導担当者協議会の場で御説明申し上げたところでございます。
◆13番(中山和行議員) (登壇)今、部長のほうから積極的な参加のほうをお願いするというような言葉があったと思うんですけども、あくまでも教育旅行としてこの万博に参加するかどうかというのは、やっぱり学校の判断に任せていただいて、そして決して押しつけになってはならないというふうに考えています。県からもこのことを十分に説明をしていただきたいというふうに思います。
そもそも今回のこの大阪・関西万博というのは、当初の会場建設費が1.9倍の2,350億円に膨らんでいます。先日報道されたように、これ以外にも日本館の建設費360億円、途上国建設支援費240億円、安全確保費199億円、機運醸成費38億円、合計で837億円、合計約3,200億円という膨大なお金が使われることになっています。今後さらに増額される可能性も否定できません。このうち3分の2を県と大阪市、大阪府が負担することになっていて、厳しい物価高で国民の生活が圧迫されている中、2,000億円ものお金、税金を使っていいのか、そのお金があるなら国民のために回せ、こういった声が7割以上の国民から出ていて万博中止を求めています。また、ロシア、メキシコ、エストニア、これらが参加撤退を決めて、諸外国の会場建設も進んでいません。
想定来場者数は2,820万人というふうに見込んで、そのうち滋賀県は110万人とされています。人口140万人の滋賀県民の約8割が万博に行くというんでしょうか。このような無謀な計画の大阪・関西万博に県民の税金を使って子供たちを行かしていいのか、私は厳しく問われていると思います。人が集まらない万博に、滋賀の子供たちを使って入場者数を稼ごうというのか。3億円から4億円のお金を子供たちに使うならば、学校給食費、あるいは高校生のタブレットなど、県民が求めることにこそ使うべきではないかというふうに私は思います。このチケット代を県が持つという施策を改めるお考えがないのか、知事にお尋ねをいたします。
◎知事(三日月大造) まず、2025大阪・関西万博につきましては、いのち輝く未来社会のデザインということですので、そのときに、それぞれの国や企業、団体等が考える、もしくは持っている、そういったものを展示しながら、どうやって生きていくのか、どういうことができるようになるのかということを示す私は絶好の機会だと思っておりますので、そういったことに滋賀県としても関西広域連合の一員として参画すると同時に、そういうせっかくの機会ですので、より多くの方々が見に行ける環境をつくること、とりわけ未来社会の担い手である子供たちにとっては、目を開いたり夢を描いたりということにつながる機会として、4歳から高校生の子供たちに対する機会の提供をしようということで今準備をさせていただいているところです。
もろもろ議員が御指摘いただいた御心配や御懸念、また様々な課題、そういうものにつきましては、みんなで力を合わせて乗り越えるということと、かかる費用につきましてはきちんと説明責任を果たしていくということが必要だと思いますので、今後もそういったことを、我々も努力してまいりたいと思いますし、様々ネガティブな事象が取り沙汰されることもありますが、ポジティブな様々な要素につきましても情報提供もさせていただきながら皆さんと一緒に考えていきたい、取り組んでいきたいと思いますので、ぜひ、なかなか御理解はいただけないのかもしれませんが、少しでも御理解いただいて、ただ、あくまで教育旅行への参加というのは、それぞれの学校が日程や事情を勘案して主体的に御判断いただく内容ですので、そういったところに押しつけにならないように、そこはしっかりと配慮していきたいと存じます。
◆13番(中山和行議員) (登壇)なかなかこの問題については平行線だというふうに思うんですけども、私、最終的にやっぱり、先ほども言われましたように、学校の押しつけにならないようにということ、これだけはくぎを刺しておきたいというふうに思います。
さて、3番目です。滋賀県手話をはじめとする障害の特性に応じた言語その他の手段による意思疎通等の促進に関する条例案について一問一答方式で質問をいたします。1から6までの質問全て
健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。
2016年に、滋賀県ろうあ協会と県手話通訳問題研究会、県手話通訳士会、県手話サークル連絡協議会、この4団体が1万4,275筆の署名を知事に届けまして、手話言語条例の制定を求めました。その後、条例検討小委員会や県障害者施策推進協議会で議論が交わされ、2022年に、手話言語単独型の条例案ではなく、情報コミュニケーション条例と抱き合わせた一体型の条例案の作成を進めると、こういうふうに結論を出されました。
当事者である聾唖者の皆さん自身が、手話言語条例を単独で制定してほしい、こういうふうに願っておられます。どうして一体型の条例案になったのか、お尋ねをいたします。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) (登壇)お答えいたします。
当事者や支援者等の立場から条例を検討いただいた滋賀県障害者施策推進協議会においては、誰一人取り残さないという考え方や、共生社会づくりという理念に基づいて、障害の有無や特性を超えた条例をつくるべきという意見が多数を占めましたことから、まずは手話言語条例と情報コミュニケーション条例の一体型条例案の作成を進めると結論づけられたところでございます。
県としましては、こうした関係者の御意見を踏まえまして、一体型の条例を制定することとしたものでございます。
◆13番(中山和行議員) (登壇)それでは、全国47都道府県の中で手話言語条例を定めておられるのは何県ありますか、お尋ねいたします。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
手話言語条例を単独で制定をしているのは22都県でございます。
◆13番(中山和行議員) (登壇)今、22というふうに言われましたけども、私の調べたのでは34の都道府県、単独型の手話言語条例をつくっておられるというふうに聞いています。
直近の調査で、市区町村を含めて全国で506の自治体が手話言語条例を制定されています。滋賀県内では、大津市、近江八幡市、栗東市、甲賀市、米原市、長浜市の6市が制定をされています。このように、全国の流れは手話言語に特化した単独型の手話言語条例になっているというふうに思います。
県のほうが今年の9月から10月までの条例案に対するパブリックコメントを実施されました。その中で、50名の個人の方と、それから2団体から126の意見が出たというふうに聞いています。その中の一部を、私、全部読ませていただいたんですけども、紹介させていただきます。
私の両親は、聾学校で手話が禁止され、先生の口の動きだけで教育が行われた世代の聾者である。授業では何を話しているのか分からず、毎日苦しく泣いていたと聞いたことがある。口話を読み間違えると体罰も日常的にあった。両親は、学校時代に手話で教えてほしかった、あんな経験を若い世代にしてほしくないと言っており、私はその思いに強く共感をしている。
また、ある人は、条例案では、聞こえる人に手話は意思疎通のための手話と誤解されてしまう。聾者にとって、物事を知ったり思考するためには手話こそが必要なのであり、聞こえる人に手話は分からないので、文章で書いて伝えよう、こういうふうに思われても、聾者がその文章で意思疎通ができるわけではない。こういったことが伝わらないというふうに思う。
また、手話は、手、指、表情、体の動きを使って会話する視覚言語である。手話は言語としてまだ認められていない。音声言語と対等になるように手話言語を認めてほしい。聞こえない私たちは、聞こえる人たちが当たり前に暮らしている中に一緒に暮らしており、苦労や不便や苦しさをずっと感じている。多くの県民は聞こえない私たちの生活の状況をまだ理解できていない、こういうふうに書いておられます。
こういった声をどのように受け止められますか。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
条例案要綱に係るパブリックコメントにおきましても多かった意見として、ただいま議員から御紹介いただきましたように、手話言語条例を単独でつくってほしいという御意見もございました。これは議論の開始当初からいただいている御意見でもございまして、こうした御意見も踏まえ、障害者施策推進協議会や条例検討専門部会におきましても、様々な御意見をいただき、丁寧に議論を重ねてきたところでございます。今回の条例案は、こうした多くの議論の積み重ねを踏まえまして作成したものでございます。
なお、ほかにも様々な御意見もいただいておりまして、こうした御意見を合わせまして今後の施策を実施していく上での参考にさせていただきたいと考えているところでございます。
◆13番(中山和行議員) (登壇)今回の条例案、基本理念第3条第2項で、手話は独自の体系を有する言語であって、聾者が心豊かな日常生活および社会生活を営むために大切に受け継いできた文化的所産である、こういうふうに書かれています。この意味をお尋ねいたします。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
手話は、単なる意思疎通手段ではなく、日本語や英語などと同様に独自の言語体系を有する言語であること、また、聾者の間で自然に発生し、日常生活や社会生活を送る中で育まれ、受け継がれたものであり、聾者が独自に築いてきた文化であること、こういったことを説明したものであると考えております。
◆13番(中山和行議員) (登壇)今の説明でよく分かったと思うんですけど、私、これまで手話というのを、これに対するちょっと認識が違ってまして、これは聾者の方といわゆる耳の聞こえる者の間をつなぐコミュニケーションの一つだというふうに考えてきたんです。前の答弁で教育長さんが先ほどコミュニケーションの一つだというふうに言われていたと思うんですけども、しかし、今回、当事者の方からお話を聞いて、それが間違いだということが分かったんです。
私たちが今使っている言語、つまり日本語というのは、音で成り立っている音声言語であること。だから、文字、筆談、点字、字幕、こういった伝達手段というのは、耳から聞く日本語が聞こえて初めて理解ができます。これに対して、生まれながらに聞こえない聾者の方には、耳から入る音声が聞こえず、そのために日本語を理解できません。言わば絵を見ている、あるいは外国の文字を見ている、こういうふうな印象というか理解なんですね。だから特別な言語である手話を使ってこられたんです。日本語は音声言語であって、手話は視覚言語だということです。
こういうふうに、聾者の方は、手話と日本語は全く違った言語である、こういうふうに考えておられます。このことから、手話に限定した単独の条例を制定してほしい、こういうふうに願っておられるわけです。一体型の条例にしてしまうと、手話を私のようにコミュニケーションの一つ、その手段の一つというふうに捉えてしまう可能性がある、こういうふうに捉えておられると思うんです。実際、社会では私のように考えておられる方がほとんどであるというふうに思います。手話は独自の言語であるということを世の中の人に理解していただくためにも単独型の条例にすべきだというふうに考えています。手話言語条例は一体型でなく単独型にすべきだというふうに、このように考えますけども、どう思われますか。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
繰り返しになりますけれども、障害者施策推進協議会におきまして、誰一人取り残さないという考え方、そして共生社会づくりという理念に基づきまして、障害の有無や特性を超えた条例をつくるべきという意見が多数を占めましたことから、まずは手話言語条例と情報コミュニケーション条例の一体型条例案の作成を進めると結論づけられましたので、県としましても、このことを受けまして一体型の条例を制定するとしたところでございます。
◆13番(中山和行議員) (登壇)今、部長、まずはというふうなお言葉だったと思うんですけども、この条例案では3年後に見直しをするというふうに書かれています。新たに手話言語条例が制定されるとしても、つくられるのは今から3年後の2026年以降になります。2016年の署名からもう既に10年以上かかるということになります。これほどまでに当事者の方が願っておられる手話言語条例、先延ばしにしていいのか、これから先まだ10年、当初の予定から10年延ばしていいのかどうか、お尋ねをいたします。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
さっきの申し上げました障害者施策推進協議会では、一体型の条例を施行し、その取組や成果、課題を見極め、一定期間経過後に見直しの検討を行うとされたところでございます。こうした御意見を踏まえ、まずは一体型である本条例に基づき施策を実施をします。その成果の検証を踏まえた本条例の規定の見直しを行う中で、手話言語条例についても検討することとしておりまして、こうしたプロセスを踏むことから3年程度の期間が必要と考えているところでございます。
◆13番(中山和行議員) (登壇)当事者の方というのは、本当にこれまでにたくさんの署名を集められて、そして当局に願ってきたわけです。まずは一体型をつくるというふうに今言われましたけども、当事者の方にとってはやっぱり切実な問題で、早くしてほしいという思いだと思うんですよね。やっぱりこれは3年後と言うんじゃなしに、新たにまた別につくったって構わないわけですから、新たにつくるんだったら、3年待たずに少しでも早くやっぱりそれをつくっていただきたいということを申し上げまして……。
○副議長(有村國俊) 中山議員に申し上げます。発言時間を超過しましたので、簡潔に願います。
◆13番(中山和行議員) これで終わります。(拍手)
○副議長(有村國俊) 以上で、13番中山和行議員の質問を終了いたします。
最後に、4番小河文人議員の発言を許します。
◆4番(小河文人議員) (登壇、拍手)4番小河文人でございます。
今日の一般質問10番目ということで、まだ小河はやるのかというような冷ややかな声もなく、冷たい視線もなく、拍手でお送りいただきましたことを厚く御礼申し上げます。
それでは、一般質問させていただきます。一問一答で琵琶湖環境部長ならびに教育長にお伺いをいたします。
昨年5月に、甲賀市を主会場といたしまして、第72回全国植樹祭が開催をされました。滋賀県の森林面積は約20万ヘクタール、滋賀県の約50%を占めています。県面積のおよそ6分の1は琵琶湖ですので、陸地の60%近くが森林ということになります。地球温暖化対策としてのCO2削減に向けた取組や、伐採、活用、植林、育てる、山の循環への取組、森林資源の活用、人材育成、森林所有者の確定作業や防災、自然環境および境界の明確化等々、多くの課題を抱えております。
本県で開催された植樹祭を一過性にするべきではなく、県全体としての取組として森林づくりを進めていかなければならないというのは皆さん方の周知の理解であります。令和3年に2期計画が公表されまして、今年11月には改訂版を出されました。植樹祭の前と後という形になりますけれども、今後の指針として、琵琶湖の森林づくりの基本計画、植樹祭の開催意義を踏まえ、取組と受け止め、本県の森林政策の方向性を確認するために質問をします。
まず最初に、森林に携わるヒトについて、以下、琵琶湖環境部長に質問します。
林業を成長産業として進めていく方向性を示されていますが、新規就業者の確保や森林林業に関わる総合的な人材の育成等が必要不可欠であります。本県の林業従事者の推移について琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。
○副議長(有村國俊) 4番小河文人議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) (登壇)お答えいたします。
本県の林業従業者数は、統計が存在します昭和40年度には1,188人でございましたが、以降、下降の一途でございまして、令和4年度は226人にまで減少しております。この10年間では、平成24年度の267名に対しまして令和4年度は226名と10年間で約15%減少しておるところでございます。
また、令和4年度の林業従事者の年齢構成につきましては、働き盛りであります40歳代が26.1%と最も高い割合でございますが、60代が17.7%、70代が15.5%と高齢世代の割合も高く、若い世代の人材確保が課題であると認識をしております。
◆4番(小河文人議員) (登壇)本計画には12年度の目標が250名でありますし、令和3年度の234名から微増という形になります。しかし、今の年齢構成からいいますと、今、40歳代が26.1%、50歳代が17.7%ということで、これから年齢層の若返りを図っていかなければならないということになります。それに併せて林業就業者の平均給与も上げていかなければならないということになりますし、今、計画では340万、令和3年度から430万という方向性を示しておられます。これも、今、物価の高騰や他業種においての賃上げも含めると、今後、林業従事者に対しての給与も上がっていくのではないかなというふうに思います。今は林業の生産の立米数によっての計算をなされているということで、今の430万円に試算ということで本計画を見させていただいておるところでございます。
また、産業構造が変化しておりますし、人口減少を迎え、どの業種においても言えることですが、人材難になってきてまいります。特に森林林業に携わる人の減少や、現場でそれを補うためにも、林道へのアクセス等の改良も含め、大型機械の導入などの設備投資を行い効率化を目指しておられます。しかしながら、人があっての話なので、森林林業の人材育成が必要不可欠であると感じております。
そこで、現在県が行っておられます滋賀もりづくりアカデミーの実績を含めた評価について琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
滋賀もりづくりアカデミーは、令和元年度に既就業者コースと市町の職員コースの2つのコースで開始いたしまして、令和2年度からは、林業への就業を希望する人のうち、特に転職者を対象としまして新規就業者コースを創設いたしました。令和4年度までに3コースで延べ351名の方に受講いただいたところでございます。
これまでに、新規就業者コースの修了者14名のうち9名が県内で就業しておりまして、既就業者コースの修了者は各森林組合で生産性向上への貢献、市町の職員コース修了者は14市町で森林経営管理制度の取組を開始しているなど、徐々にではありますが、着実に成果が上がっていると認識してございます。
◆4番(小河文人議員) (登壇)この滋賀もりづくりアカデミーの実績を含めて成果が上がってきているということでありますけれども、この滋賀もりづくりアカデミーの今後の課題について琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
今後、主伐、再造林をさらに進めていくため、また、森林経営管理制度の推進を担う人材をさらに育成していくために、そういった体制の充実をさらに図っていかなければならないと考えております。ほか、ICTなど新たな技術の導入や修了生の就職先を確保していくことなどが課題であると認識しております。
◆4番(小河文人議員) (登壇)このもりづくりアカデミーですけれども、全国では、地方公共団体が設置しているもので、修学、研修期間がおおむね1年から2年、1,200時間以上の期間を通して林業の就業に必要な技を習得する期間がございます。また、地方公共団体の研修機関または学校教育法に基づく専門職短期大学や専修学校もありますし、チャレンジする環境を応援するものであると私は考えています。
本県は、市職員コース、先ほどもございましたように就業者コースと、半年間で生業として働いておられるということになってきますと、本格的な教育機関として今後進めるべきではないかと考えています。本アカデミーが、今、その入り口として、もう一歩踏んだ政策として取り組んでいかれることを今後期待したいと考えています。
次に、基本指標の2−1で多様な主体による森林づくりの推進、森林づくりに関する講座等への参加者数が、平成29年度から令和元年度の平均で66名、12年度の目標値が1,400人とありますけれども、この森林づくりに関する講座、研修について、対象者は林業従事者に直結する取組なのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
本県では、森林や森林づくりに関心を持ち、積極的に関わる人材を養成することを目的に、もりづくり県民講座や林業普及センター研修など森林づくりに関する講座を設けてございます。
これらの講座は、専門的な知識や技術というよりも、誰もが森林や林業に少しでも関心を持っていただく入門講座と位置づけておりまして、林業への就業を直接の目的としているものではございませんが、将来的に受講された方の中から林業従事者となることを希望する方が現れることも期待しておるところでございます。
◆4番(小河文人議員) (登壇)本県では、かつて幾つかの高校に林業科がありました。その一つに私の地元であります甲南高等学校がありますが、平成19年度から総合学科として再編をされています。この総合学科の在り方については別の議論となりますので、今回は申しませんが、以前は高校3年間に専門知識を習得する林業科でありました。高校生から専門知識を習得する林業科の再設置について教育長にお伺いをいたします。
◎教育長(福永忠克) (登壇)現在、林業に関する学びといたしましては、甲南高校の──こちらは総合学科の学校でございますが──総合学科の農業系列の科目に森林科学を設置いたしまして、森林の役割や森林管理の意義、森林の生態と分布、森林の育成、木材の生産などについて学習をしているところでございます。
また、滋賀もりづくりアカデミーの高校出前講座では、竹林整備や竹の炭づくりなどを通した竹の有効利用等の連携を図るなど、林業に関する学びの充実を努めていただいているところでございます。
今後も、こうした外部指導者の御協力によりまして、専門的な内容を充実させながら、生徒に林業に関心を持ってもらえるよう努めてまいる所存でございます。
◆4番(小河文人議員) (登壇)地元が甲南高校であるということですので、甲南高校を例に出してお話しさせていただきましたけれども、先ほどの一般質問でありましたように、伊香高校の件もございますし、今後、普通科による改革の方向性も示されておりますので、その辺でしっかりと教育のほうを進めていっていただければなというふうに思います。
次に、山の再生には、伐採、活用、植林、育てる、山の循環が不可欠であります。その上において、最近どうも自然災害や土石流で山が崩壊するという問題も出てきています。そこで私が注目しているのは、自伐型林業による山の再生を目指していったらどうかということを考えています。採算性と環境保全を高い次元で両立する自伐型林業の持続的な森林経営であると言われております。参入障壁が非常に低く、幅広い就労を実現し、定住、移住を促し、防災・減災、獣害対策等々、持続可能な新たな中山間地産業の創出および地域活性化へとつながるのではないかと注目をされております。
全国には、地域おこし協力隊のミッションにも林業等で募集、応募されて、その後、定住され自伐型林業に就労された方もおられます。また一方、現行林業では、請負事業全体を委託して、50年皆伐、再造林、そして採算が合わず補助金頼みでB材やC材の生産が主体になってくるというような、そして50年で終わり、そしてまたゼロから、そういうような不採算のまま繰り返していくというのが今の現状ではないかと考えています。
自伐型林業では、経営、施業を就労者が山守から借り受け、自営業として長期にわたる多間伐施業、100年から150年以上ということでありますが、小規模の中で小型機械や2.5メートル以下の作業道、そしてA材木材等の高品質生産を目指して、主体がB材、C材、50年目から持続的な森林経営がスタートするもうかる林業という形の中で、期間的には長い課題になるんでありますけれども、所によりますと450万ぐらいから500万ぐらいの収入があるとされております。
自伐型林業への支援について、県としての考えを琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
本県における自伐型林業につきましては、地域おこし協力隊が中心になって森林整備や木材生産に取り組んでおられます。地域林業の活性化を担う重要な主体の一つであると考えております。
このため、本県といたしましては、引き続き、自伐型林業を行う方によります森林の保全、利用のための共同活動等の取組に対しまして、交付金による支援を行うとともに、滋賀もりづくりアカデミーなどによって人材の育成も行ってまいりたいと存じます。
◆4番(小河文人議員) (登壇)この自伐型林業の推進は、今現在進めておられる大規模な高性能林業機械の導入とかICTの活用による収益向上を目指す持続的なもうかる林業、森林産業への転換という方向性からは若干後退するようには思います。しかし、山を切り開くことによって自然災害が起きると、大きな被害をもたらすことになりかねません。それぞれの強みや利点を考慮しながら、私は災害に強い森林づくりが必要不可欠であると考えています。基本計画では、災害に強い森林プロジェクトとして、減災に向けた森林整備の理解や意欲の向上とも記されていますし、県民生活に影響を及ぼす被害を極力減少を視野に入れて進めていかなければならないと考えています。
次に、平成30年度に新たな森林管理システムおよび森林環境譲与税が導入され、その主体的な役割を担う市町村の支援体制を構築するためには、県は市町への支援策として森林境界明確化を進めてこられてまいりました。しかし、困難な事業であることは事実でありますが、進めなければならないと考えています。森林境界明確化の現状を踏まえ、今後の課題について琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
境界の明確化につきましては、県と市町が連携しまして、令和4年度末までに約5,100ヘクタールを行ってまいりました。令和元年度からは、森林経営管理法に基づき市町が主体となって推進しておりまして、毎年約500ヘクタールの明確化に取り組んでいるところでございます。
しかしながら、境界の明確化が必要な残る森林面積はまだ約3万ヘクタールございまして、市町の境界明確化がさらに促進されるよう、令和12年度までに複数の公図を結合させました合成公図を4万2,000ヘクタール作成し、市町に提供する予定であります。これまで約3万2,000ヘクタールを提供しております。
また、市町等で構成される滋賀県森林整備協議会の中に設置いたしました森林情報アドバイザーによる助言に加えまして、林業普及指導員による支援体制と併せて引き続き支援をしてまいります。
さらに、令和4年度から実施しております航空レーザー計測、解析による高精度の森林資源情報を市町や森林組合等に提供することでも境界の明確化を促進してまいりたいと考えております。
◆4番(小河文人議員) (登壇)令和2年度で1万2,100ヘクタールでしたっけ。3年度の決算ベースで1万3,649ヘクタール、そして、この間の決算委員会ベースでは1,680ヘクタールと極端に減ってきている現状であります。計画では10年度目標4万2,000ヘクタールでありますので、今、4年度で減少しているということに関して、大変難しい課題がたくさんあるかと思います。しかし、境界に関してはいろいろな様々な利権もありますし、なかなか前に進まない。そのときそのときにだんだんだんだん増えていくというわけでもありませんし、こういう時期もあるんだなということで理解はしておりますので、今後、この明確化について進めていただきたいなというふうに思います。
次に、地球温暖化防止に貢献する森林づくりについてお伺いをいたします。
CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量をカーボンクレジットとして国が認証するJ−クレジット制度について、県が申請をしていた取組が令和5年1月認証委員会で登録を受けています。これにより、県自身がカーボンクレジットの創出者になるとともに、創出したクレジットを企業に販売することで得た販売収益を県内のCO2ネットゼロを推進するための事業の財源として活用することになります。森林づくりとしての関連も含め、現在の状況を踏まえ、J−クレジット制度の活用について琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
J−クレジット制度は、森林の管理によって生み出されるCO2の吸収量などをクレジットとして国が認証するものでございまして、温室効果ガス排出量の削減に大変有効だと考えております。
本県の森林由来のJ−クレジットにつきましては、これまでに3団体が制度に取り組んでおりまして、約1,800トンが県内外の企業などと取引をされてございます。今後、新たに2つの団体がクレジットの創出に取り組まれる予定と聞いております。
J−クレジット制度の活用には専門知識が必要で、経費などの負担も大きいことから、県では、滋賀県由来のものをびわ湖カーボンクレジットと呼称しまして、その創出や活用について支援をいたしております。今後も、この取組を通じましてカーボンオフセットを進めまして、CO2ネットゼロ社会づくりに貢献してまいりたいと存じます。
◆4番(小河文人議員) (登壇)この制度を進めるに当たって、大変難しいという声も聞いています。しかし、県としての支援策も充実を今後していかなければならないところでありますし、申請等についてもしっかりと県としての支援体制をお願いしたいと思います。
次に、重点プロジェクトには、花粉の少ない再造林促進プロジェクトとして新たに植林をするための事業の支援があります。花粉発生源対策として杉人工林の伐採、植え替え等を推進するとともに、間伐、再造林の省力化、低コスト化を進めなければならないと考えています。花粉の少ない再造林促進プロジェクトについて、新たに植林をするための事業に対して、具体的にどのような予算措置を講じるのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
花粉の少ない再造林促進プロジェクトにつきましては、琵琶湖森林づくり基本計画の重点プロジェクトの一つでございます。令和7年度において50ヘクタールを目標に再造林の促進に取り組んでおります。
この取組を確実に進めるために、令和3年度からは、国庫補助事業を活用した花粉の少ない苗木への植え替えを促進しておりまして、さらに令和4年度からは、伐採と造林を一貫して実施するなど省力化、低コスト化に向けた施業を条件といたしまして、その補助率を98%にかさ上げをし、支援を強化しているところでございます。
◆4番(小河文人議員) (登壇)この予算措置についても、98%という大変手厚い支援をしても、なかなかこの森林に対しての思いが通じてこないというのが現状でありますし、なかなか難しい問題でもあります。花粉の少ない樹木に植え替えても、下刈り、そして雪折れの起こしとか肥料、獣害対策等々、その後の数年はなかなか枝打ちに始まり、そして間伐していくこの過程の中、なかなか前に進まないというのが現状であります。私は子供の頃に山に連れていかれて、そういうようなことを手伝いをしながらやっておりましたけれども、そのときは予算措置も何もありませんでしたけれども、今はこれだけの手厚い予算措置があるのになかなか進まないという現状に、やはりもう一度森林に対しての皆さん方の思いをしっかりと前に進めなければならないなというふうに考えています。
次に、滋賀県産材の利用促進の現状について琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
本県では、建築物における滋賀県産木材の利用方針を定めてございます。内装等については、木材を利用することが適切である部分の木質化を促進するものとし、木造化および木質化を進めるに当たっては、積極的に滋賀県産木材を活用することとしております。
このため、庁内に滋賀県公共施設木材利用促進会議を設け、関係部局が連携して県の公共建築物における県産材の利用促進を図ってございます。
これまでの実績といたしまして、安曇川高校のウエイトリフティング場など42件の木造建築物と、滋賀ダイハツアリーナなど27件の施設の内装に県産材を利用しているところでございます。
◆4番(小河文人議員) (登壇)県の整備する公共施設のびわ湖材による内装等木質化率が、計画では令和3年度80%、令和12年度に100%、新たな整備、改修する県施設は全て木質化にということでありますけれども、その目標値に向けて、それぞれの施設の特性を生かした方策をどのように取り組んでいくのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
内装等木質化率100%という新たな指標達成のために、先ほど申し上げた庁内の促進会議の活用に加えまして、財源としては森林づくり県民税の活用も行ってございます。
それぞれの施設の特性を生かした内装等木質化につきましては、目に見え、手に触れられる箇所に木材を使うことで、癒やしや心地よさなどの木材の効果効用が高まる利用を目指してございます。
取組に当たりましては、木材の利用に精通した木造化促進アドバイザーによる助言等を実施いたしまして、施設の立地や機能、対象とする利用者等の特性に応じて、効果的な木質化となるよう取り組んでおります。
また、公共施設の新設はもとより、改修の際にも内装等に木材を利用し、多くの方に木のよさを感じてもらえるよう取り組んでまいりたいと存じます。
◆4番(小河文人議員) (登壇)各市町でも、この滋賀県産材の利用促進ということで施策を打っておられます。
今、ちょっと思うのは、甲賀市で保育園をCLTで完全木造でやっておられます。しかし、木の香りやそういうようなものを十分に生かした形でできるのかと思ったら、そこにサンを打ってボードを張ってクロスを張るというような現象が出てきています。これは防火法上の問題もありますし、建築基準法の問題もありますけれども、木材を使う、そして、その木材を利用するに当たって、その利用した側が豊かになれるというような形の施策を進めないと、幾ら木質化にしても、それやったらもう鉄骨で木を使うというような方法もありますし、何も完全にCLTを使ってやるというようなものでも私はないと思うんですね。それは防火法やらいろんなこともありますけれども、その辺も検討課題になるのではないかなというふうに思います。
近年、大型建築物にも利用され、県内の施工事例も増えてきましたCLTですけれども、その生産の施設は県内にはなく、他県に頼らざるを得ない状況であります。CLTを含む大量の木材生産をする大型製材工場の設置に向けて、滋賀県の特性を踏まえて検討するとされておりますけれども、滋賀県の特性とは何を指すのか、その大型工場の設置に向けた検討とは何なのか。県として民間企業に設備投資を促すことになれば、県外からの誘致なのか、県内企業なのか、選択肢は多くあると思います。滋賀県の特性を踏まえた大型製材工場への設置に向け、検討課題とはどのようなものであるのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
滋賀県の素材生産量が、近年増加傾向にはございますが、年間10万立方メートル程度でございまして、大型製材工場が必要とする原木を県内の森林からだけでは安定的に供給できない状況でございます。
一方、本県の多くの製材工場は零細であるものの、地域の工務店などに多様な製材品を供給しておりまして、一定の規格を大量に生産する大型製材工場とは役割分担や協力体制の構築をしていかなければいけないという点も課題と考えてございます。
このような課題を踏まえまして、県内の製材業等の関係者の御意見を伺いながら、県内の製材業全体の活性化につながる大型製材工場の設置について、その可能性をしっかり探ってまいりたいと存じます。
◆4番(小河文人議員) (登壇)昨年、6月5日、本県甲賀市鹿深夢の森で全国植樹祭が開催をされまして、はや1年半が経過しましたが、植樹祭の盛り上がりを一過性のもので終わらせることなく、継続した緑化意識の醸成は必要なところであります。基本的には、森林の多面的機能の恩恵について、近江富士花緑公園をはじめとした森林公園を活用するなど、様々な媒体を通じた情報発信や普及啓発を行うことで、県民の森林づくりの参画を促進するとありますが、このことは、まさに全国植樹祭のレガシーとして重要な点であると思っています。
そこで、全国植樹祭のレガシーとして、どのように多くの県民が将来を見据えた持続可能な森林づくりに参画する場を提供するのか、具体的な取組について琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
具体的な取組でございますが、例えば、近江富士花緑公園において、木育拠点施設整備や森林体験イベントの実施など森林公園の魅力向上を図り、様々な世代が森や木に親しむことができる取組を進めてございます。
また、植樹祭の開催地であります甲賀市において、企業と地元緑の少年団との協働による植樹活動を実施するなど、県全域において、市町や関係団体などと連携することにより、木育イベントや緑の少年団活動、企業が関わる森づくり等を推進しておりまして、引き続き、県民が一丸となって森林を「守る」「活かす」「支える」取組を進めてまいりたいと存じます。
◆4番(小河文人議員) (登壇)先ほども知事も、全国植樹祭のレガシーということで、県域全体にという波及効果をしていかなければならないということで、さっきも伊香高校のお話もございました。
全国植樹祭のレガシーの取組の一つとして、今、木育という言葉が出てきましたが、現在、近江富士花緑公園に木育拠点施設の計画中であり、設計予算も計上され進んでいることは承知をいたしております。全国植樹祭は、甲賀市の鹿深夢の森のメイン会場を含め、県内各地のサテライト会場でも植樹などのイベントが開催をされました。滋賀県として、植樹祭のレガシーとして木育の拠点施設の計画の状況を踏まえ、今後の木育をどのように県内各地に広めていくのか。琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
木育拠点施設につきましては、近江富士花緑公園にあります既存の施設を改修し整備することといたしまして、関係者とのワークショップ開催と先進施設の視察を行い、検討を進めているところでございます。
木育拠点施設は、豊かな自然環境を生かした滋賀らしい木育拠点施設といたしまして、森林のわくわく学習館を中心にして、周辺の林業普及センター、ウッディルームのほか、森林空間や遊具広場も含めた改修工事を順次行っていくことで、花緑公園全体を活用した木や森林に親しむ施設としたいと考えております。
また、木育指導者の育成や派遣などの木育を発信するソフト的な機能を持つ拠点といたしまして、全国植樹祭と同様に県内各地にサテライトとなる施設ができるよう、市町や企業とも連携いたしまして、県全体に木育の取組を広げていきたいと考えております。
◆4番(小河文人議員) (登壇)植樹祭のテーマは「木を植えよう びわ湖も緑のしずくから」。今回の琵琶湖森林づくり基本計画改訂版において方向性を示されましたけれども、まだまだ不十分ではないかと私は考えています。これからスタートするわけでありますし、今後、森林の適正な管理、林業成長産業化とともに環境へのこだわり、幾つもの課題が山積の中、市町との連携を図りながら、本計画を基に滋賀県全体の森林政策を進めていただきたいと思います。
最後になりましたけども、昨年度、自由民主党の県議団の代表質問においても、林業の成長産業化を進める上で、必要ならば組織体制を見直す必要があるのではないかと思うがという質問もされております。また、先日の自民党の井狩議員からの代表質問も、組織体制について、林業に関わる部署が琵琶湖環境部にあることが国への要望においても非効率ではないかというような質問をされました。これも申し添えて私の質問を終わります。(拍手)
○副議長(有村國俊) 以上で、4番小河文人議員の質問を終了いたします。
以上で本日の質疑ならびに一般質問を終わります。
明9日および10日は、県の休日のため、休会であります。
来る11日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午後6時4分 散会
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