滋賀県議会 2023-12-04
令和 5年11月定例会議(第16号~第22号)-12月04日-02号
令和 5年11月定例会議(第16号~第22号)-12月04日-02号令和 5年11月定例会議(第16号~第22号)
令和5年11
月定例会議会議録(第17号)
令和5年12月4日(月曜日)
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議事日程 第2号
令和5年12月4日(月)
午 前 10 時 開 議
第1 議第132号から議第160号まで(令和5年度滋賀県
一般会計補正予算(第5号)ほか28件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問
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本日の会議に付した事件
第1 日程第1の件
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会議に出席した議員(43名)
1番 谷 口 典 隆 2番 田 中 英 樹
3番 谷 成 隆 4番 小 河 文 人
5番 菅 沼 利 紀 6番 桐 田 真 人
7番 岩 崎 和 也 8番 野 田 武 宏
9番 森 重 重 則 10番 田 中 誠
11番 河 村 浩 史 12番 柴 田 栄 一
13番 中 山 和 行 14番 赤 井 康 彦
15番 河 井 昭 成 16番 佐 口 佳 恵
17番 小 川 泰 江 18番 田 中 松 太 郎
19番 清 水 ひ と み 20番 井 狩 辰 也
21番 本 田 秀 樹 22番 柴 田 清 行
23番 重 田 剛 24番 白 井 幸 則
25番 村 上 元 庸 26番 桑 野 仁
27番 周 防 清 二 28番 海 東 英 和
29番 加 藤 誠 一 30番 目 片 信 悟
31番 有 村 國 俊 33番 川 島 隆 二
34番 奥 村 芳 正 35番 駒 井 千 代
36番 木 沢 成 人 37番 清 水 鉄 次
38番 大 野 和 三 郎 39番 角 田 航 也
40番 冨 波 義 明 41番 九 里 学
43番 今 江 政 彦 44番 中 沢 啓 子
45番 節 木 三 千 代
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会議に欠席した議員(1名)
32番 岩 佐 弘 明
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会議に出席した説明員
知事 三 日 月 大 造
教育長 福 永 忠 克
選挙管理委員会委員長 世 古 正
人事委員会委員長 池 田 美 幸
公安委員会委員長 大 塚 良 彦
代表監査委員 河 瀬 隆 雄
副知事 江 島 宏 治
副知事 大 杉 住 子
知事公室長 松 田 千 春
総合企画部長 浅 見 裕 見 子
総務部長 東 勝
文化スポーツ部長 谷 口 義 博
琵琶湖環境部長 森 本 哲 司
健康医療福祉部長 大 岡 紳 浩
商工観光労働部長 林 毅
農政水産部長 岡 田 英 基
土木交通部長 三 和 啓 司
会計管理者 中 田 佳 恵
企業庁長 東 郷 寛 彦
病院事業庁長 正 木 隆 義
警察本部長 中 村 彰 宏
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議場に出席した
事務局職員
事務局長 箕 浦 宏 昌
議事課長 野 口 浩 一
議事課参事 内 田 吉 行
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午前10時 開議
○議長(奥村芳正) これより本日の会議を開きます。
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△諸般の報告
○議長(奥村芳正) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。
地方自治法の規定に基づき、監査結果報告書が提出されましたので、お手元に配付いたしておきました。
次に、議第142号議案および議第146号議案について、
地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、
人事委員会の意見を求めておきましたところ、お手元に配付いたしておきました文書のとおり回答がありましたので、御報告いたします。
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○議長(奥村芳正) これより日程に入ります。
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△議第132号から議第160号まで(令和5年度滋賀県
一般会計補正予算(第5号)ほか28件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問
○議長(奥村芳正) 日程第1、議第132号から議第160号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。
本日は、会派代表による質疑ならびに一般質問であります。
発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。
まず、20番
井狩辰也議員の発言を許します。
◆20番(
井狩辰也議員) (登壇、拍手)おはようございます。
自由民主党滋賀県議会議員団を代表して、11
月定例会議代表質問をさせていただきます。
政府の経済対策を盛り込んだ令和5年度補正予算案が、11月24日の衆院本会議、11月29日の参院本会議で、自由民主党、公明党、日本維新の会、国民民主党による賛成多数で可決され、成立しました。岸田首相は
衆院予算委員会で、「物価高を乗り越え、来年に向けてデフレ脱却の流れを確実なものとし、日本経済を新しいステージに持っていきたい」と答弁されています。本県においても、それぞれの部署が抱える行政課題が新しいステージへ向かうべく、
自由民主党滋賀県議会議員団全員の思いを込めて質問をさせていただきます。
それでは、発言通告に従って、順次、知事、副知事、教育長、
警察本部長に質問をさせていただきます。
最初に、県の組織力の向上についてお尋ねします。
地方行政機関の組織とは、地方自治体の大きな目的である住民福祉の向上のため、最大の力を発揮できる職場の体制のことであります。また、その組織力とは、組織を構成する職員が組織の一員として団結することで発揮される力と言えます。したがって、組織力の向上、すなわち職員の意識の向上こそが、複雑、多様化する
行政課題解決のためには必要と考えます。
そこで、まず、知事が直接思いを伝える各部の長に対し、
組織力向上面で何を期待されているか、知事に伺います。
その部長をトップとする現在の組織は、
地方自治法第158条第1項に基づき、県の条例で定められています。かつて、行政組織も企業の経営的感覚を取り入れようと、組織の
フラット化が進められました。この
フラット化は、担当から部長へ伝わる情報の速さにはメリットはあったと考えます。しかし、現在、県の
人材育成基本方針では、係制の下で人材育成の強化を図るとしています。
フラット化ではなく、なぜ係制なのか、また、人材育成や事業を推進する上で職場のキーマンである係長の果たす役割をどのように位置づけられているのか、知事に伺います。
今の県組織は知事を頂点にしたピラミッド型であり、知事には様々な情報が集まってきます。その情報を多角的に見て判断し、政策を構築しなければなりません。昨今の行政課題は、1つの課のみで解決できることが少なくなっています。
例えば河川環境といっても、土木交通部、
琵琶湖環境部、
農政水産部、
総合企画部、総務部それぞれが関係しています。ところが、その複数の部が本当に1つになって十分協議されているのか、疑問を持つことがあります。組織に横串を刺すという表現をよくされますが、県庁組織が雑居ビル化していないか心配します。今こそ組織力を向上させていくために、行政課題に対し、複数の部局が連携し、課題解決に向けて相互の協力体制を意識していくことがより一層求められます。
複数の部局が関わる課題を解決していくために、職員相互の協力体制に対する意識を向上させる取組について、知事に伺います。
県庁の組織力を向上させていくために根幹となるのが、優秀な職員の確保であります。全国的に人材確保の競争が激化しており、本県においても特に専門分野の人材確保が非常に厳しい状況にあります。優秀かつ多様な経験を有する人材を積極的に確保していくためにこれまでどのような対策を講じられてきたのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、知事に伺います。
あわせて、
行政運営上、短期的に新規の
正規職員並みの業務に当たる人材確保として、令和2年度より
会計年度任用職員制度を取り入れておられます。しかし、その制度の実態として、それまでの
臨時的任用職員、嘱託職員等がそのままの業務を行っているだけではないかとの感じがあります。
県が
会計年度任用職員制度を採用され2年が経過した中、その制度の成果と課題、そして今後の取組について、知事に伺います。
次に、組織力を向上させるためには、職員が健康で働ける職場環境が重要です。昨年度、知事部局において
メンタル疾患で30日以上療養した職員は78名と、この5年間で倍増していると仄聞します。こうした状況を踏まえ、未然防止のためのメンタルケアと、発症した職員の早期復帰に向けた取組が必要と考えますが、その対応状況と今後の対応方針について知事に伺います。
次に、時間外勤務縮減の取組、病休、育休職員の代替職員の確保、また、仕事と家庭の両立、仕事と介護の両立などに悩む職員への寄り添いなど、働き方に関する新しい価値観や
ライフスタイルが多様化する中、県庁として、より丁寧な対応が求められます。
昨年度、知事部局の育休取得者は98人と、この5年間で約1.5倍に増え、特に男性の取得者が倍増していると仄聞します。このこと自体は、昨年、
男性職員育休100%宣言をされたこともあり喜ばしいことでありますが、反面、特に現場を管理監督する職場においてマンパワーの確保ができず、事業の停滞を招いているのではないかと懸念します。
働き方に関する新しい価値観が求められ、
ライフスタイルが多様化する中で、誰もが働きやすい職場環境と組織力の向上をどのように図っていくのか、知事に伺います。
さきに、部の組織は
地方自治法に基づくことに触れました。組織の編成に当たっては、事務および事業の運営が簡素かつ効率的なものとなるよう十分配慮しなければなりません。
平成9年度に
農林水産部が
農政水産部に組織改編され、林業に関わる部署が
琵琶湖環境部へと移行されました。自治法によるところの簡素ではなく、非常に複雑な組織改編ではないでしょうか。国への要望においても非効率ではないかと考えます。国においても環境省が設置され、組織が充実してきています。
組織力の向上と簡素で効率的な組織の観点から、部署を含めた現在の県庁組織の在り方について知事の見解を伺い、この項の質問とします。
次に、広報、広聴についてお尋ねします。現在、環境、教育、福祉、産業、観光など様々な分野で積極的に各種施策を進めています。それらの各種施策を実現していくために情報発信などの広報活動があり、よりよい施策としていくために知事への手紙などの広聴活動があります。逆に言えば、各種施策が、県民の皆様はもちろんのこと、県外の方々に理解されていなければ実現は難しくなります。意味がありません。
今年7月に
県政世論調査が実施されました。その中で、滋賀県への定住意向について、「これからも滋賀県に住み続けたい」が76%と昨年をやや上回ったものの、令和2年度調査の80.4%に比べると4.4ポイント下回りました。また、「滋賀県に誇りを持っているか」については、「誇りあり」が75%で昨年より1.6ポイント下回るとともに、3年連続の低下となっており、これも令和2年度調査の79.5%から4.5ポイントも下回っています。さらに、「県政に関心をお持ちですか」との質問に対して「関心あり」と回答された方が60.7%で、令和4年度を4.9ポイントも下回った結果となり、これは過去10年間において下から2番目に低い数字となっています。県が実施していることについて「知らない(わかりにくい)」と回答された方が47.9%と年々増加しています。
この調査結果から、滋賀県への満足度が低下していること、県政への関心が薄れていることがうかがえます。
県政世論調査の結果を受け、県政全体に対する満足度についてどのように分析されているのか、また、その要因についても知事に伺います。
行政施策は当然に県民福祉の向上のためであり、広く県民の声を聴くことは重要であります。広聴活動は、県民の皆さんの声を集め、その声の真意を分析し、県政にどのように反映させていくかということであります。知事は就任後、「こんにちは!三日月です」という名の下、各地に出向かれ、多くの県民の皆さんの声を聞いておられます。さらには、参加された方は、知事の言葉に大きな期待を持たれます。知事が自ら行っておられる広聴活動について、その姿勢と県政への反映について知事に伺います。
冒頭でも申し上げましたが、県民に伝わっていなければ施策の実現は難しくなります。県の広報戦略の中で目指す姿の一つに、受け手に伝わる情報発信により、県政の取組や課題への理解が深まっていることを掲げられています。しかし、
県政世論調査における情報発信の満足度では49.2%が「不満」と回答されており、特に男性の35歳から49歳で非常に高い割合となっています。
この情報発信の満足度の結果をどのように受け止めておられるのか、知事に伺います。
広報戦略で重視する点の一つとして、
情報発信力の最大化とされています。
情報発信力とは、県の発信する情報が県民や県外の方々の心を動かすような影響力のあることと考えます。
県政世論調査において情報発信の満足度が低いことは、県の発信力が弱いと言わざるを得ません。
情報発信力の最大化を、職員の
スキルアップや、関係機関、県民にも求めています。そうした多くの手段をもって行うことも重要ですが、伝えたい事柄に即した手法や
県組織総動員での広報媒体の活用など、わくわくするような具体的な計画も必要ではないかと思います。
県民の心を動かしわくわくする、そしてもっと知りたいと思える県の情報発信について、報道官のような専門的な立場を置く体制など、その取組について知事に伺います。
この項の最後に、広報戦略にある、選ばれる滋賀について伺います。
去る11月23日、映画「翔んで
埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」が公開され、御覧になった方もあると思います。こうした映画は、その地域、その地方の大きなPRになります。選ばれる滋賀は、様々な広報活動を通し、滋賀に興味を持っていただくことから始まります。県が主体的に行う広報だけでなく、映画やそのロケーションの提供など、
メディアリレーションの考え方が重要であると考えます。
安土城跡の史跡発掘が始まり、メディアも何が出てくるのかと興味を持っています。また、大杉副知事、奥村議長がバチカンを訪問され、安土城に関する資料の支援を求められました。知事は、安土城建設に関わった棟梁を描いた「火天の城」という映画を御覧になったと思います。この歴史ロマン漂う安土城跡の史跡発掘をはじめ、県内の様々な取組を県外の方々に知ってもらうことで、広報戦略にある、選ばれる滋賀になります。メディアへの働きかけなど具体的な広報の戦術について知事に伺い、この項の質問とします。
次に、
CO2ネットゼロ社会づくりの推進についてお尋ねします。
現在、COP28──
国連気候変動枠組条約第28回締結国会議が中東のドバイで開催されています。その中で岸田首相は、
石炭火力発電所の新規建設は行わない方針を表明されました。また、全世界の
再生可能エネルギーの容量を3倍に引き上げることや、化石燃料の段階的な廃止など、活発に議論がされていると仄聞しています。
県は令和3年度に
CO2ネットゼロ
社会づくり推進計画を定め、県域からの
温室効果ガス排出量を2030年度までに2013年度比で50%削減するという、国を上回る野心的な目標を定められました。あわせて、
再生可能エネルギーについても、2030年度までに2019年度比で2.1倍に、導入量で言うと92万キロワットを新たに導入するという目標を掲げています。
温室効果ガス排出量については順調に削減が図られている一方、
再生可能エネルギーについては、最新の2022年のデータによると、基準年の2019年度比で16万キロワットの増と、2030年度目標の17%の進捗にとどまっており、さらなる推進が必要と考えます。
化石燃料から
再生可能エネルギーの転換は
CO2排出量の削減に大きく寄与するものであることから、県の
再生可能エネルギー導入量の拡大に向けた取組状況と、今後の方針について知事に伺います。
同じく推進計画では、他の模範となるよう、県庁自身の
温室効果ガス排出量の削減に向けて、省エネ、再エネに率先して取り組むことが明記されています。
省資源化や
エコドライブなど、ソフト面の取組は以前から進められていると思いますが、県庁舎をはじめとする県所有の公共施設など、ハード面での取組は遅れているのではないかと感じていますが、知事の所見を伺います。
2012年に、
固定価格買取制度、いわゆるFIT制度の開始により、
太陽光発電が急速に増えてきました。
太陽光発電に使用する
太陽光パネルの製品寿命は25年から30年と言われており、今後、
太陽光発電設備の
太陽光パネルが大量に廃棄物として出てくることが想定されます。国内において、リユースできる
太陽光パネルはリユースを行い、性能が基準値以下の
太陽光パネルについては、材料ごとに分離、分別して完全にリサイクルしているところもあります。
CO2排出量の削減をしていくために
再生可能エネルギーの活用は大きなツールである一方、それに伴う廃棄物は避けて通れない問題でありますが、知事の所見を伺います。
令和2年に、2050年までに
温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指し、県民、事業者等、多様な主体と連携して取り組む、「しが
CO2ネットゼロムーブメント」
キックオフ宣言を行っています。また、令和3年度の組織改正の際に、当時の
温暖化対策課と
エネルギー政策課を統合して、
総合企画部内に
CO2ネットゼロ推進課が設置されました。パリ協定の下、2050年までに
温室効果ガスを実質ゼロにすることが世界の潮流となっています。その潮流の中で、県内の
CO2ネットゼロの実現に向けて、環境行政の枠組みを超えて総合行政として進めていく必要があり、
総合企画部に設置されたものと認識しています。そのため、
CO2ネットゼロ推進課は、直接的に事業者や家庭の省エネ、再エネの推進を図るだけでなく、あらゆる部門の脱炭素が進むよう、旗振り役としての機能を果たすことが求められています。
そこで、「しが
CO2ネットゼロムーブメント」
キックオフ宣言から4年が経過し、また
CO2ネットゼロ推進課の設置から3年が経過した中、これまでの効果について知事の所見を伺います。
最後に、
温室効果ガス排出量削減の目標を実現していくためには、
再生可能エネルギーの活用だけでは限界があるのではないでしょうか。冒頭でも申し上げましたが、化石燃料の廃止も議論されています。
原子力エネルギーの活用は我が国にとって重要であると、国は原子力利用に関する基本的な考え方の中で言及しています。原子力は二酸化炭素を排出せず、出力が安定的であり、
エネルギーの安定供給とカーボンニュートラルの両立の実現に向け、実効性のある手段になります。また、今後の原子力政策の方向性として、安全性を確保しつつ、既設炉の最大限の活用や
次世代革新炉の開発、建設に取り組んでいくことが示されています。
こうした国の動きについて知事の所見を伺い、この項の質問とします。
次に、わたSHIGA輝く国スポ・障スポについてお尋ねします。
国内最大のスポーツ、国スポ・障スポの開催まで700日を切りました。様々な準備が進んでおりますが、その準備最後の年度が、来年度、令和6年度を残すのみとなります。来年度の予算編成が行われている今、確かな開催を目指して万全な準備を行わなければなりません。重要な時期となった今、準備という点からの質問を行います。
まず、特別国体、障スポが、本年度は鹿児島県で開催されました。知事、議長をはじめ、滋賀県からも多くの役員、選手に参加いただきました。滋賀代表として活躍いただいた選手の皆様に御礼を申し上げます。
鹿児島国体を終えて、目標を掲げる滋賀県チームについて、その成績も含め、知事の感想と、滋賀での開催を目前に、これからの取組や決意を知事に伺います。
今回のわたSHIGA輝く国スポ・障スポ、国スポは全38競技が、障スポは全14競技が各競技会場において開催されます。競技施設は、県立、市町立、民間などのそれぞれの施設が会場となります。新設されたものから、改修を行った施設、競技によっては仮設もあります。選手が練習の成果を100%発揮されるためには施設の環境も重要な要素です。そして何より安全でなければなりません。国スポ・障スポに係る施設の整備状況は万全な体制となっているのでしょうか。
開会式の主会場でも、さらなる安全対策を求める声もあります。安全で全力が出し切れる、選手が輝けるための安全な競技施設の整備の現状、また、選手だけでなく御観覧いただく方々への配慮も重要であり、障害のある方、高齢者、子供など様々な方が安心して利用できる、ユニバーサルデザインに配慮された施設整備の現状、それら施設の来年度における点検や対応の方針について、知事に伺います。
さきの鹿児島国体では、選手、監督、関係者、観覧者、合わせて延べ約61万人、障スポには延べ約8万人が参加されました。本県においても同程度の規模が想定されます。滋賀を訪れる方々へのおもてなしは重要になります。おもてなしは、観光、宿泊やお土産に限らず、様々な施設での接客はもちろん、景観や道路など公共施設の整備も含め、来訪者の心を満たすものでなければなりません。
今回の国スポ・障スポの選手へのおもてなしの検討は進んでいます。一方で、この大会を契機とした、来訪者に対する様々な施設での接客などソフト面でのおもてなし、また、移動等に関係する道路整備などハード面でのおもてなしなど、来訪者の心に残るおもてなしの考え方や対応について、知事に伺います。
施設の安全性と来訪者のおもてなしに加え、もう1つ重要な視点が治安であります。国スポ・障スポなど大きなイベントにあっては、来訪者の安全面から、治安の体制も充実しなければなりません。
令和4年6月5日に開催された第72回全国植樹祭「木を植えよう びわ湖も緑のしずくから」では、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、参加者においても大きく制限されることになりました。結果、警備体制において、当初計画に対し縮小された分、本来の体制ではなかったと思慮します。
今回のわたSHIGA輝く国スポ・障スポ2025では、感染症分類の変更もあり、平常の大会運営で行われるものと考えます。しかしながら、昨今はサイバー攻撃やドローンによる攻撃などテロへの脅威も高まっており、警備情勢は非常に厳しいものがあると推察します。大会が成功を収めるためには、県警が十分な体制を構築し、万全の準備を整えていく必要があると考えます。大会の成功に向けてどのような決意で臨まれるのか、
警察本部長に伺います。
障スポは、障害のある選手が競技等を通してスポーツの楽しさを体験するとともに、国民の障害に対する理解を深め、障害のある方の社会参加の推進に寄与することを目的とした大会であります。
一方、世界に目を向けると、オリンピック終了後に開催されるパラリンピックのほか、デフリンピックやスペシャルオリンピックスなど、様々な障害に応じた大会も開催されています。
このうち、知的障害のある人たちを対象とするスペシャルオリンピックスの今年の夏季大会がベルリンで開催されました。本県からはバスケットボールに廣はるか選手と藤村侑加選手が出場され、銅メダルを獲得されました。去る10月28日には報告会も開催されました。
この大会に向けて活動されているスペシャルオリンピックス日本・滋賀という団体は、知的障害のある人たちに年間を通じてオリンピック競技種目に準じた様々なスポーツトレーニングと競技の場を提供し、参加したアスリートが健康を増進し、勇気を奮い、喜びを感じ、家族や他のアスリート、そして地域の人々と、才能や技能、そして友情を分かち合う機会を継続的に提供されています。
ただ、活動されるにおいては、指導者や活動場所の確保、活動への理解など御苦労も多いと伺います。このことは他の障害でも同様かもしれませんが、本県の障害者スポーツ推進に向けて、このスペシャルオリンピックス日本・滋賀への本県の関わりにもっと力を入れるべきではないでしょうか、知事の考えを伺うとともに、2025年に開催される、わたSHIGA輝く国スポ・障スポの成功のためには、改めて障害のある方が輝けるよう県のなすべき役割を再点検して取り組むことが必要ではないか、それがその後の障害者スポーツの推進に寄与するものと考えますが、併せて知事に伺います。
次に、琵琶湖の持続可能な保全管理についてお尋ねします。
まず、琵琶湖の水位と今後懸念される被害についてであります。
今日現在、琵琶湖の水位はマイナス69センチメートルとなりました。既に庁内には水位低下連絡調整会議が設置されています。降雨を願いながらも、過去の経験から今何をすべきかということが重要であります。
御承知のとおり、観測史上最低水位を記録したのが、全国的な少雨に見舞われ、各地で渇水を引き起こした平成6年の夏であります。このときの琵琶湖の水位はマイナス123センチとなり、淀川中下流では20%の取水制限の実施を余儀なくされるほど、流域における生活や生産活動に大きな影響を与えました。一方、琵琶湖では、浅くて停滞性が強い赤野井湾ではアオコの増殖に最適な環境となり、継続してアオコが発生するなど、琵琶湖の水環境に対しても様々な影響をもたらした記録があります。
こうした経験から、琵琶湖の水位低下について、既に京阪神への呼びかけもされておられるのでしょうか。あわせて、水位低下の機会を捉えてどのような取組をされているのか、知事に伺います。
また、琵琶湖には、多くの河川で流水量が激減し、流入する汚濁物質も減少したことから、北湖で14メートルもの高い透明度が観測された地点もあったという記録もあります。このことは、当然、琵琶湖の水質汚濁などの解明にもつながっているのではないでしょうか。
こうしたことを研究材料の一つとして世界に呼びかけられているのが、世界湖沼会議だと思います。
歴史は昭和54年──1979年、リンを含む合成洗剤の使用、販売等を禁止する滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例、通称、琵琶湖条例が制定されたことに始まります。加えて、工場からの排水についても規制の強化が行われました。農業分野においても、肥料の適正利用、農業濁水の流出防止、農業排水の反復利用などを進めるなど、環境こだわり農業の推進条例の制定につながっています。こういった琵琶湖での経験を同じく課題を抱える他の地域と共有することで、世界の湖の環境問題の解決に役立てようとの思いと考えます。
既に19回を数えますが、これまで世界湖沼会議において行われてきた研究内容、議論や交流が世界の湖沼に与えた影響、また琵琶湖の保全に対しどのような成果をもたらしたのか、知事に伺います。
今年はハンガリーのバラトンフュレド市において、「湖沼を越えて:持続可能な利用に向けて科学・文化・ガバナンスを繋ぐ」のテーマの下、11月7日から9日まで開催され、江島副知事が参加されました。世界湖沼デーを提案されたようですが、今回の会議では主に何が議論され、県として、今後、琵琶湖の保全管理に参考とすべきことはどのような点が確認できたのでしょうか、これは参加された江島副知事に伺います。
一方で、琵琶湖においてもまだまだ湖沼管理に課題があります。
今年の琵琶湖でのアオコの発生日数が県が確認しただけでも7か所63日間に上り、これまでの最多となったことが新聞で報道されました。県には琵琶湖環境科学研究センターがあり、第6期中期計画に基づき、琵琶湖を取り巻く環境保全と自然の恵みについて研究されてきたところですが、琵琶湖環境科学研究センターのこれまでの研究成果を琵琶湖の持続可能な保全管理に向けて今後どのように活用するつもりなのか、知事に伺います。
これまで世界湖沼会議を通じて、世界の湖の環境問題の解決のために議論を重ねられてきました。
まずはその成果を課題が残る琵琶湖の管理に生かすことが重要であり、また一方で、滋賀県が持続可能な湖沼管理の目標を設定し、先進モデルとして国際会議を通じて発信し、世界を牽引していくことも大いに期待されるところです。
こうした持続可能な湖沼管理を滋賀県が国際会議を通じて世界に対し推し進めていくに当たり、琵琶湖を預かる知事としての決意を伺い、この項の質問とします。
次に、高齢者の活躍推進についてお尋ねします。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2060年には、男性が85.22歳、女性が91.26歳と、女性の平均寿命が90歳を超えることが見込まれています。日本人の平均寿命は確実にこれから伸びていきます。こうした予想から、人生100年時代という言葉が注目を集めるようになり、今後は個人の価値観の変化や
ライフスタイルの多様化が進み、高齢者の生き方や働き方においては柔軟な社会的な仕組みの構築が必要と考えます。
また、定年延長とともに、退職後も元気で活躍されている高齢者が増えています。65歳以上の第1号被保険者に占める要介護認定者の割合は約18%であり、残りのおよそ8割の高齢者は、自立した生活を送る、言わば元気高齢者であると言えます。
こうした方々の中には、現役時代同様に働き続ける方もおられれば、第2の職場環境で新たな働き方で就労される方、また、地域に貢献する様々なボランティア活動に就いておられる方、家庭菜園における農作業や毎日趣味を楽しまれる方など、日々の自由になる時間を幸せな生き方の実現に充てられている傾向にあります。これらのことは令和3年の社会生活基本調査においても明らかで、人生100年時代の高齢期を自分自身や御家族の状況も勘案しながら、何かできることはないか、何をしたらいいかと考えている方も多くおられます。
このような元気な高齢者として自認されている方々を社会を支える貴重な人材と捉え、様々な場面で御活躍いただきやすいように、柔軟な社会的な仕組みの構築を図り、きめ細やかな環境を整えていくことが重要と考えます。
そこで、初めに、元気な高齢者に視点を当てた県政の推進について、知事の考えを伺います。
本県では早くから高齢化社会を見通して、アクティブシニアの学び舎であるレイカディア大学を1978年に開設され、既に40年を超える歴史の中で、高齢者の活躍推進につながる取組や仕組みづくりを実施されています。同窓会も立ち上がり、同窓生も1,300名余りが今も地域で活躍されているようです。そのレイカディア大学、昨年、今年と2年連続して応募者が定員を上回る状況と伺っています。一方で、各地域の老人クラブについては加入率が低下傾向にあります。
県のこれまでの元気な高齢者に対する施策、組織への支援についての評価と課題について、知事に伺います。
しかし、元気であっても、高齢者世帯の状況はまちまちであります。
その中で、高齢者の単身世帯、高齢夫婦のみの世帯が増加する中、介護や医療のみならず、日々の買物やごみ出しなど、日常生活における困り事に対する支援を希望、必要とされる方も増加傾向にあります。このようなちょっとした生活支援のサービスについて、退職シニアを含む地域の元気な高齢者の方々が中心となり、その地域のニーズに合わせて支え合う仕組みをつくり、運営されている事例もあります。
また、元気な高齢者が活躍される場として、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に基づくシルバー人材センターがあります。知事は、同法により法人格を持つシルバー人材センターを指定することができるとされています。シルバー人材センターは、定年退職者その他の高年齢退職者の希望に応じた就業で、臨時的かつ短期的なもの、またはその他の軽易な業務に係るものの機会を確保し、およびこれらの者に対して組織的に提供することにより、その就業を援助して、これらの者の能力の積極的な活用を図ることとされています。
本県のシルバー人材センターにおける会員数の傾向や活動状況について、知事に伺います。あわせて、県としてシルバー人材センターをどのように位置づけておられるのか、併せて知事に伺います。
そのセンターでは、会員のために様々な就業機会を確保しておられます。
レイカディア滋賀 高齢者福祉プランによると、国の需給推計では2040年には約1万500人の介護職員が不足すると見込まれており、人材の確保が大きな課題として顕在化してきています。介護の分野においても、元気な高齢者の方々の活躍を期待するものであります。
シルバー人材センターの会員も含め、地域の支え手、担い手としての元気な高齢者の活躍についてどのように促進されていくのか、知事に伺います。
とはいえ、高齢化は進んでいます。そして、様々な課題を解決しなければなりません。今後、全ての世代が未来に希望を持ち、安心して暮らせる社会をつくるには、子供や若者、現役世代、高齢者の全てがおのおのに役割を果たし、活躍を促していくことが重要と考えます。
最後に、健康維持と幸せな日常、活力ある地域社会の実現を滋賀県としてどのように目指されていくのか知事に伺い、この項の質問とします。
次に、県経済の持続的発展についてお尋ねします。
去る11月22日に公表されました国の月例経済報告では、国内の景気判断を「このところ一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復している」とし、10か月ぶりに景気判断が引き下げられました。また、企業、特に中小企業を取り巻く環境に目を向けますと、長引く物価高騰に加え、円安や人手不足、人材確保のための賃上げ、ゼロゼロ融資の返済など、取り巻く環境は厳しさを増しているように思います。
そうした中で、去る10月23日の岸田首相の所信表明演説では、「経済、経済、経済、何よりも経済に重点を置く」と経済を重視され、投資と消費の好循環をつくる、コストカット型経済から成長型経済に転換するなど、変革を推し進める姿勢を強く打ち出されました。
今後、本県においても、国と連携し、持続可能な経済成長に向けた施策を講じていく必要があると思いますが、まずは本県経済の現状や企業を取り巻く環境をどのように認識しているのか、知事に伺います。
以下、持続する県経済の成長に向け、3つの視点から問います。
まず1つ目が人づくりです。今後も、労働力不足、人材不足はより一層深刻化することが見込まれます。人材確保支援に加えて、人材の定着を図り、その人材の能力を十分に発揮することができる、そのような人材育成に注力することが肝要であると考えます。
今後、DXやGXなど大きな社会変革が進展する中で、成長分野への円滑な労働移動を図り、また、企業の経営強化につながるリスキリングをはじめ、経済成長の基盤となる人材育成、人づくりについて、県としての方針の下、具体的にどのように取り組まれていくのか、知事に伺います。
2つ目がイノベーションの創出です。持続可能な経済成長のためには、産業構造の転換が進む中、技術革新や新たな価値を創造するイノベーションにより、県経済に新たな息吹を吹き込んでいく必要があります。イノベーションなくして新しい産業は起こらないと言っても過言ではありません。
国では、革新的な技術やビジネスモデルにより急成長を目指すスタートアップに注目しています。昨年11月に策定されたスタートアップ育成5か年計画では、イノベーションの担い手に5年間で10兆円規模の投資を行い、持続可能な経済成長につなげるとされています。これらの産業構造の変化と国の動きを踏まえ、本県において、新たなチャレンジを促し、イノベーションを創出していくためにどのように取り組まれていくのか、知事に伺います。
3つ目が女性の活躍推進であります。令和4年就業構造基本調査における女性の有業率は、15歳から19歳を除く全世代で上昇しました。しかし、依然として男性の有業率とは大きな開きがあります。特に子育て期である25歳から44歳の世代を見ると、男性93.1%に比して女性80.1%と差が大きく、一方で、女性無業者のうち就業を希望する方の割合は66.7%、約2万人となっています。また、同調査における、本県における起業者に占める女性の比率は20.7%であり、全国36位と低位な状況となっており、働く場における女性の活力が十分に生かされていない状況であります。
女性の活躍は、多様な視点によるイノベーションの創出をもたらすなど、持続可能な経済成長にとって欠くことのできない要素です。働く場における女性活躍について、事業所での就労に加え、新しく事業を興す企業も含めた多様な働き方が求められていますが、県とし目標をどこに置いてどのように取り組まれていくのか、知事に伺います。
この項の冒頭に申し上げたように、物価高騰やゼロゼロ融資など、企業が抱える課題は多岐にわたり、複雑化しています。こうした企業が抱える喫緊の課題に対応し、事業活動を支えていくことはもちろん必要ですが、岸田首相の言葉を借りますと「変化の流れを逃さずつかみ取る」、まさに歴史的な転換点にある現在の変化の流れをチャンスに変え、中長期的な視点から企業の取組を後押ししていくことが必要です。
製造業の国内回帰の動きがあり、企業のサプライチェーン再構築や設備投資意欲が高まる中、県内に新たな企業の立地、または再投資を呼び込むチャンスであります。県経済を持続的に発展させるため、企業の取組をどのように支援していくのか、知事の考えを伺い、この項の質問とします。
次に、新しい滋賀の漁業振興についてお尋ねします。
去る12月1日に、琵琶湖の冬の味覚、アユ漁が解禁されました。初日の漁獲量は、地域にばらつきはあるものの平年比57.2%にとどまり、今後の水揚げ量を注視していく必要があります。例年、その後、食用ヒウオの漁獲がスタートします。好調な滑り出しを期待するものです。また、アユ漁は、資源調整のため一旦休漁を挟み、1月中旬から再開され、ヒウオとしてのアユ漁はおおむね3月頃まで続きます。その後は子アユとして8月中旬頃まで漁獲されます。これが琵琶湖漁業の一つでありますが、やはり産業として、もうかる漁業でなければなりません。
県が令和3年度にスタートさせた水産業強靱化プランには、漁業者が少数でも精鋭にし、10年後に年収を1,000万円にするとあります。県は、後継者不足や需要減少に課題を抱える琵琶湖漁業の存続に向けて、夢のある旗印を掲げた業界改革に、県漁業協同組合連合会と共に取り組んでいます。
2年が経過した今、この水産業強靱化プランの現状について、全て知事に伺います。
まずは、担い手の確保、育成についての認識を知事に伺います。
次に、漁業水産業に限らず、農水産物は需要と供給に価格が大きく影響します。その供給に関しては年々漁獲量が減っています。その原因として、後継者不足ということのほかに、水産資源そのものがどうなのでしょうか。
琵琶湖における水産資源の現状と今後の見通し、対策について、知事に伺います。
一方、消費拡大についても様々な取組がされています。
毎年、東京のビッグサイトで、世界の魚を集めたフェア、ジャパン・インターナショナル・シーフードショーが開催され、県内からもビワマスを中心にブースを出されている漁業者があります。
水産業強靱化プラン推進に当たって、県として琵琶湖の魚の消費拡大の戦略について、知事に伺います。
滋賀の漁業は琵琶湖だけではありません。鈴鹿や比良を源流とする豊富な水に恵まれた河川漁業も忘れてはいけません。しかし、かつてのにぎわいは影を潜めている状況です。山の健康も琵琶湖の健康も重要です。そして、山と琵琶湖をつなぐ河川の健康も重要であります。河川の健康とは、かつての河川漁業の復活にあります。
県内の河川漁業の重要性と直面する課題、その対応方針について、知事に伺います。
愛知川では、山の荒廃や度重なる洪水により永源寺ダムに砂礫が堆砂し、ダム貯留機能が低下しています。一方で、下流河川への砂礫供給が不足することにより河床の低下やアーマーコート化が進むなど、厳しい河川環境となっています。そのため、愛知川河川漁業組合の組合員以外からも協力者を募って愛知川清流会を結成し、河川環境改善のために様々な活動をされています。
しかし、ダムに堆砂する砂礫は、ダム直下では河川環境上も一定必要との声が日増しに大きくなっています。国では、永源寺ダムの堆砂を抑制する新たな手法として、洪水時に上流から流入する土砂をダムを迂回してトンネルで下流に放流する排砂バイパス事業が進んでおり、現在、全体実施設計が始まっています。
こうした状況を踏まえると、今こそ、ダムも愛知川も併せて環境を改善するチャンスではないかと考えます。愛知川中流域の河川環境改善に向けて、国のダム排砂バイパス事業に対する県としての考え方を知事に伺います。
滋賀の漁業は、河川漁業と河川とのつながりも含めた琵琶湖漁業の振興を併せて図ることが大切であることを取り上げました。このことが、森、里、湖に育まれる琵琶湖システムを守り、次世代へつながると考えます。これからの新しい滋賀の漁業振興についての知事の決意を伺い、この項の質問とします。
次に、強い滋賀を目指し、さらなる県土強靱化の確立に向けてお尋ねします。
今年も残すところ1か月となりました。令和5年の災害を振り返ってみますと、5月5日に石川県能登地方を震源とする震度6強の地震、6月2日に6名の死者を出した台風2号、それと連動した梅雨前線による被害、また、8月8日発生した台風7号は15日午後に本県に最も接近し、倒木による県道の通行止めや強風による停電が発生したほか、鉄道の運転見合せ等、交通機関にも大きな乱れが生じました。
こうした自然災害の発生時、誰もが強い国土であってほしいと願うのではないでしょうか。その願いを実現していくための法律、それが、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法で、本年7月に改正されました。今回の改正で、5か年加速化対策やKPIによる進捗管理が法律上、明確化され、新たな国土強靱化基本計画が令和5年7月28日に閣議決定をされました。
こうした国の方針によって次年度以降の政策が進むことになりますが、その前に、本県の取組状況であります。県においても、大規模自然災害に対し、人命を守り、経済や社会への被害を最小化し、致命的なものにならず迅速に回復することを目的に、41の起きてはならない最悪の事態を設定し、63の施策を講じ、39の重要業績指標──KPIから成る国土強靱化地域計画を策定されております。近年、自然災害の頻発化、激甚化によりその取組の重要性が一層増しています。琵琶湖大橋からコンクリート片が落下したということも漏れ聞こえるところです。
まずは、県計画の直近の進捗状況と、描いたどおりの達成となっているのかなど、課題についても併せて知事に伺います。
国の新たな計画によって位置づけられた、インフラの強化、代替性確保、老朽化対策などを実現すべく、とりわけ国土交通省では、令和6年度予算の概算要求において、第1の柱として、強靱な国土づくりをより強力に進めることが示されました。道路関連においては、災害に強い道路ネットワークの構築、既存の道路における災害リスクへの対策、道路の老朽化対策などが盛り込まれました。また、河川関連では、気候変動による水害の激甚化、頻発化に対応するため、ハード、ソフト一体となった流域治水の取組の推進が掲げられたところであります。
当然、滋賀県においても、この機会にさらなる県土の強靱化を積極的に進めるべきであります。県の計画における令和6年度の交通・物流分野、国土保全・土地利用分野での強靱化について、知事の取組姿勢を伺います。
さて、この分野の強靱化対策は、特に建設業界があってこそ対策が促進されます。しかし、平成9年には685万人おられた建設業就業者は、令和4年には479万人にまで減少、その年齢構成も、55歳以上が35.9%、29歳以下が11.7%と高齢化が進行し、次世代への技術承継も大きな課題となっています。さらに、政府の建設投資額は平成2年度のピーク時には約56兆円であったものが、政権交代で平成22年度には約24兆円まで落ち込み、その後、自民党政権で増加に転じ、現在、令和4年度は約44兆円まで回復してきました。
今後、強靱化の事業推進はもとより、万が一の有事における初動態勢での協力においても、建設業界の育成は県としても重要な課題であります。
昨年、滋賀県が締結する契約に関する条例が施行されました。この条例の理念の一つが、地域経済の活性化への配慮がなされることであります。
そこで、国土強靱化を支える本県建設事業者への条例における地域経済の活性化への配慮について、令和4年度における契約実績を踏まえた知事の考えを伺います。
先ほど申し上げたように、強靱化の実現のためには、その事業を担う建設業界の将来を見越した体制づくりが必要です。
国においては、建設資材に関する適切な価格転嫁への対応、さらに、業界が国土交通大臣との意見交換する中で、賃金引上げと併せて働き方改革に係る申合せも行われています。
こうしたことを踏まえて、地方公共団体にも担い手確保に向けた要請がなされていると仄聞しますが、地域住民の生活や企業の経済活動を支える社会インフラを整備、維持管理し、災害時には地域の守り手として、そこに住む人の人命、安全を確保する非常に重要な役割を担っている建設事業者の組織体制強化に向けた支援について、滋賀県ではどのような取組がなされているのか、知事に伺います。
この項の最後に、強い滋賀となる大規模な治水対策である大戸川ダムに関して伺います。
令和元年に三日月知事は、住民の安全・安心のためにはダムは必要だとする判断をされました。
令和3年、2021年8月6日、国土交通省近畿地方整備局は、新たな淀川水系河川整備計画を策定されました。計画には大戸川ダムの工事実施が盛り込まれ、建設の再開が本格化されました。そして本年3月には、大戸川ダム建設事業の準備工事である付け替え県道大津信楽線が開通しました。
そこで、大戸川ダム整備に向けた進捗状況と今後の推進体制、併せて大戸川ダム整備に対する知事の姿勢を伺い、この項の質問とします。
最後に、滋賀県教育振興基本計画について伺います。
滋賀の教育大綱(第3期滋賀県教育振興基本計画)の次期計画の策定について議論され、今議会に議案として提出されました。日本の教育の大きな転換点とも言えるときの、本県の教育の方向性などを定める重要な計画であります。この計画は、基本的な方針に加え、基本目標、政策の柱と主な取組、数値目標等を示しています。
一方で、最終年を迎えている、滋賀ならではの学びを大切にしながら夢と生きる力を育む教育を目指してきた現計画について、教育長としての評価を伺います。
以下、次期計画策定に当たっての基本的な考え方について伺います。
間違いなく、グローバル化やAIなどの進歩により社会環境は日々変化しています。外国語教育やプログラミング教育など、時代や社会の変化によって教育も変化すべきなのではないでしょうか。今の子供たちが大人になって日本の社会を背負っていくときに、世界から時代遅れと言われないために変化し続ける日本社会に対し、教育をどのように対応させていくかが重要な課題ではないでしょうか。
そこで、時代の変化に対応した教育の重要性をどのようにお考えか、教育長に伺います。
その変化の一つとして、中高生にもなると、デジタル教科書の導入という要望や、あるいはGIGA端末をもっと使ってほしいという声があるように伺います。恐らくテクノロジーについては、先生よりも子供たちのほうが得意だという現状ではないでしょうか。
こうした将来を見据えたAIやICTの活用等を踏まえて、教員のICTを活用して指導する能力の向上を図る取組について、教育長の考えを伺います。
日本社会の少子化に、なかなか歯止めがかかりません。滋賀県もしかりです。その先は日本の生産人口が減るということで、日本全体の生産力は落ちることは目に見えています。これも時代の変化であり、日本だけではなく世界を見ることができるように、今よりもっと広い視野を持ち、これからどのように変化していくか予想がつかない社会にも対応できる人材を育てる実践的な教育が必要と考えます。
重要なことは、そのための教える教員の体制であります。日本の教員採用の倍率はどんどん低下しています。一般的に、教員採用の倍率が下がっていることに、よい人材が集まらないと言われています。なぜ集まらないのか。教員の平日は朝早くから放課後まで長時間働き、休日は部活動指導や生徒指導、生活指導など、休む時間がない状況にあります。こうした状況からようやく改善に向けて動き出しましたが、教員自身がさらに専門性を向上させることも重要です。
先月の新聞で、福永教育長への教員の働き方改革をどう考えるかのインタビュー記事が掲載されていましたが、教職員の力が発揮できる、あるべき勤務環境と、教員自身が専門性を向上させるための探求、創造ができる精神的余裕をどうつくるかについての教育長の考えを伺います。
以上の基本的な考えの下で、次期滋賀県教育振興基本計画において、方向性を示した3つの柱があります。
1つ目が、知、徳、体の育成をはじめ、時代の変化に対応できる資質を育成することで、学ぶ力を向上し、夢と生きる力を育みます。また、体験活動や部活動など、子供たちの多様な学びの機会をつくるとしています。
2つ目が、学校教育の基盤である教職員を支え、資質、能力の向上を支援し、また、子供たちが安心して快適に学べる環境づくりや、「この子らを世の光に」の考えに基づいた社会的包摂など、多様な教育ニーズへの対応、成長過程の学びを円滑につなげる取組など、子供を真ん中に置き、学びの基盤を切れ目なく支えるとしています。
3つ目が、子供や学校だけでなく、家庭や地域、企業、NPOなど、社会のみんなが生涯のあらゆる場面で学び、学びでつながり、学びの機会を支えるとしています。
教育会議で議論もされることながら、この3つの柱についての教育長の思いを伺います。
その上で、様々な重要な課題がある中で、2点伺います。
まず1つは、何よりも子供たちが安全で安心して学べる教育環境となっているかであります。とりわけ県立の特別支援学校においては、児童生徒の障害等の状況に応じて多様な教育ニーズがあるものと思慮され、計画でも特別支援学校の一層の教育環境の整備を図るとされています。
そこで、特別支援教育の充実に向けて、特に施設面の教育環境整備の考え方について、教育長に伺います。
もう1点は、県内の首長会議でも、登校したくてもできない子供さんへの学びの機会について意見交換がなされました。
県では多様な学びの機会や居場所の確保についてプランを作成中と伺っています。登校したくても登校できない子供さんへの対策というのは、教育委員会、学校だけではなく、子ども・青少年政策をつかさどる知事部局、さらには市や町、地域、家庭を挙げて取り組まなければならない課題であります。
今後、様々な環境にある児童生徒について滋賀県としてはどのような方針で取り組もうとするのか、これは知事の考えを伺い、この項の質問といたします。
以上、
自由民主党滋賀県議会議員団を代表しての質問とします。ありがとうございました。(拍手)
○議長(奥村芳正) 20番
井狩辰也議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)
自由民主党滋賀県議会議員団を代表されての井狩議員から大きく10項目賜りましたので、順次、御指定の答弁者と手分けしながらお答えをさせていただきます。
最初に、組織力向上に関して、こちらは8点御質問いただきました。
まず1点目の各部局の長に期待することということでございますが、任せてますので、それぞれの個性を生かして自由にやってほしいというのがまず1点でございます。
行政経営におきましては、限りある経営資源の質や価値を守り、高め、最大限活用していくという視点に立つことが重要です。各部局の長には、人こそが最大の経営資源という考えに立ち、多様な職員一人一人が個性や力を最大限発揮できるよう、また、職員である前に一人の人間であることを意識し、時には弱さも見せながら、お互いを支え合えるよう、チームワークの強化に向けてリーダーシップを執ってもらいたいと考えております。
私といたしましても、県政経営会議や組織目標の協議等を通じまして各部局長と県の使命や思いを共有していくことで、県庁全体の組織力を高め、健康しがの実現に向けた取組を効果的に進めてまいりたいと存じます。
次に、2点目、係制および係長の役割についてでございますが、以前には、意思決定の迅速化や業務の繁閑調整、忙しいときと暇なときと繁閑調整を図るため、グループ制による組織運営を行っていた時期もございますが、職員がより早期にマネジメントの経験を積めるようにすること、また、係長による係員の人材育成と業務のチェック機能をより高めることの2点を大きな狙いといたしまして、平成27年度から係制に移行したものでございます。
この係制の下で、係長は、県庁の組織の最小単位の長として、業務マネジメントの面では、組織目標の達成に向けて、関係する主体と連携、協力しながら係の担当業務の成果を上げられるよう、また、人材育成の面では、きめ細かな支援により係員が業務を通じて成長していけるよう、組織運営の中心となる要の役割を担ってもらっているところでございます。
3点目、部局間連携についてでございますが、複雑化、多様化する行政需要に的確に対応していくため、各部局長には様々な機会を通じて自らが先頭に立って横串となるよう指示しており、様々な部局連携の取組が広がりつつあります。
具体的には、スキルを持つ職員に部局の枠を超えてスポット的に単発的に応援してもらう取組などを通じて、若手を中心とした職員の意識改革を図っておりますほか、公園を所管する関係部局による公園魅力向上推進会議の設置など、課題に応じて組織的な部局連携の仕組みを柔軟に設けているところでございます。
また、現在、私たち職員は何のために存在しているのか、働くのか、その原点を問う滋賀県庁のパーパスについて議論をしているところであり、このような取組を通じて職員一人一人の力を結集し、県庁力を最大化してまいりたいと存じます。
次に、4点目、人材確保の取組についてでございますが、採用試験につきましては、多様な能力、経験を評価するアピール型の試験や、民間企業等の経験者を対象とした試験を実施しておりますほか、特に採用が困難な総合土木職につきましては、今年度から通常より2か月早い時期にも試験を実施するなど、試験の多様化を図ってきております。
また、採用広報活動におきましては、学生等のニーズを踏まえ、SNSの活用や動画配信などの情報発信に力を入れておりますほか、先輩職員との座談会や個別相談の実施、学生インターンシップ事業の充実にも力を入れているところです。
今後も、多様で有為な人材の獲得に向けて、試験の実施結果を検証し、適切な能力実証の観点に留意しながら、より幅広い層の方が受験しやすい試験方法等を検討するとともに、受験者増のための効果的な広報活動や、合格者の辞退防止につなげる取組も充実させてまいりたいと存じます。
5点目、
会計年度任用職員制度についてです。制度導入の成果といたしましては、例えばコロナ禍におきまして保健所業務が逼迫した折に、看護師や保健師資格を有する方を速やかに任用し、自宅療養者の支援業務等で活躍いただきました。また、近年増加しております、男性職員による短時間の育児休業取得を含め、正規職員による代替が難しい場合に、一定、責任のある職務を担っていただくことにより、職場の労働力確保につながっているものと考えております。
このように、多くの職場で責任ある仕事の担い手となっていただいている一方で、いまだ一部において、担当職務のうち補助的業務の割合が多くを占めている事例が見られますことは課題だと認識しておりまして、本人のモチベーション、やりがいの面も含めて、制度導入の効果が一層発揮できるように、適切な職務を設定するよう改善を徹底してまいりたいと存じます。
6点目、メンタルヘルス対策についてです。県庁力の最大化を図る上で、職員の健康は非常に重要でありますことから、メンタル不調の未然防止のため、セルフケアや上司等によるラインケアに関する職員研修をはじめ、ストレスチェックや相談体制の充実などに取り組み、早期発見、早期対応に努めているところです。また、療養者の早期復帰に向けましては、試し出勤制度も活用しながら、産業医を中心とする産業保健スタッフが相談、支援を行い、安心して職場に戻れる環境づくりに努めております。
今後は、相談窓口やメンタルヘルスの学習教材を掲載するサイトの構築などを通じて、上司や同僚からの積極的な声かけや支援を促すとともに、職員自身が不調に気づき、気軽に専門スタッフに相談できる環境を整え、全ての職員が健康で元気に働ける職場づくりに取り組んでまいります。
7点目、働きやすい職場環境、組織力の向上についてです。
職員アンケートによりますと、近年、仕事への意欲を高める要素といたしまして、仕事と家庭の両立を挙げる職員が増加している状況にあります。そのため、様々な事情を抱えながらも能力を発揮して活躍できる、働きやすい職場環境の整備に取り組んでおりまして、時間外勤務の縮減や在宅勤務等の働き方の柔軟化、育休等の代替職員の充実、両立に悩む職員への伴走型支援といった取組を進めているところです。
これらに加えまして、今後は、業務の見直しや効率化による新たな行政需要や、重点事業への人のシフトや、休業や突発的な事態などにも柔軟に対応できる職場の持続性や代替性の確保に特に重点的に取り組み、働きやすさと組織力の向上の両立を進めてまいります。
8点目、県庁組織の在り方についてです。組織につきましては、簡素で効率的であることを旨としつつ、重点課題に的確に対応し、必要な施策を的確、着実に推進できる最適なものとしていくことが基本だと認識しております。施策の的確、着実な実施の観点からは、意思決定の迅速さや業務マネジメントの面など、組織力が十分発揮できる体制であることも重要であると考えているところであり、こうした考え方の下、組織体制を見直し、整備してきているところです。
今後も、時代や社会情勢の変化を踏まえつつ、簡素効率、分かりやすさ、重点施策の的確、着実な推進、組織力の発揮といった観点から、組織の在り方を不断に見直してまいりたいと存じます。
次に、大きな2項目め、広報、広聴について、こちらは5点いただきました。
まず1点目、
県政世論調査についてです。今年度の
県政世論調査において、県政全体に対する満足度の中でも特に県政の関心度が昨年度に比べ4.9ポイント低くなっていることについては、真摯に受け止めなければならないと認識しております。特に18から34歳の若い世代において県政に対する関心がないという方が、男性で54.1%、女性で57.0%とそれぞれ半数を超える結果となっております。県の情報発信に対する満足度を見ても若い世代の方が低くなっており、こうした結果から、県民の皆さんに県政情報を十分届けられていないのではないかと、そのことが要因の一つではないかと考えているところでございます。
2点目、私自身が行う広聴活動についてでございますが、「こんにちは!三日月です」は、私の基本姿勢である、対話、共感、共創の原点であり、就任以来、大切にし続けている活動であり、これまで合計84回、800名を超える皆さんと対話をしてまいりました。
例えば今年9月に実施いたしました地域の子育て支援団体の皆さんとの対話では、SNSを使っての情報発信や、お父さん、お母さん同士の横のつながりを強めていく大切さやそのための工夫などを担当課と共にお聞きし、今後の子供施策の検討に当たって多くのヒントをいただいたと感じております。私自身が現場を訪問し、県民の皆さんから直接お話を伺うことに加え、知事への手紙も全て目を通しておりますので、こうした広聴活動を引き続き大切にしながら、応答性を備えた県政を構築してまいりたいと存じます。
3点目、情報発信の満足度の受け止めについてでございますが、県の情報発信に対して半数近い方が満足していないという結果は重く受け止めなければならないと考えます。一方、それだけ県の情報が必要とされている、関心を持っていただいているという期待の表れでもあると受け止めております。情報の入手方法につきましては年代によって異なり、多岐にわたりますことから、デジタル版広報誌の特性を生かして、よりタイムリーに発信し、情報の量を増やすとともに、広報媒体を組み合わせて広く情報を届けてまいりたいと存じます。
また、若い世代では「県政情報はあまり入ってこない」という回答が26.3%もあったことを受け、県政情報が若い世代に認識されていないと考えられますため、発信コンテンツをさらに工夫する必要があるとも考えているところでございます。
4点目、情報発信の体制や取組についてです。来年の大河ドラマ「光る君へ」の放送開始、2025年国スポ・障スポ大会の開催など、今後、県庁を挙げて情報発信に取り組むべき機会を捉えまして、これまで以上に
情報発信力を高めていく必要があると認識しております。
そのため、広報を所管する知事公室をして庁内の旗振り役を担わせることとし、紙や電波、インターネット等、それぞれの媒体の特性を生かすこと、効果的なタイミングで発信すること、庁内はもとより市町や民間企業、県民等とも連携すること、これらの相乗効果によって、人々の心に響く情報発信となるよう工夫を重ねてまいりたいと存じます。
5点目の広報の戦術についてです。現在上映中の「翔んで
埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」では、公開に合わせ、滋賀の魅力の再発見を狙いとしたアンケートを実施し、現時点でおよそ1,200件ものお声が寄せられているとのことでございます。今後、県民の皆さんも巻き込みながら、寄せられた新たな滋賀の魅力を、県内外に向けた情報発信の素材や切り口として活用してまいります。
また、御質問にもございました安土城に関しましても、令和の大調査が開始されるタイミングを捉えてメディアに情報提供したことにより、全国放送のクイズ番組で紹介されましたほか、本県が注力している映像誘致活動と連携し、映像の舞台となった地域に関連する様々な情報をストーリー立てて提供してきたところでございます。
このように、滋賀の持つ奥深い歴史や文化、食などの魅力、情報を時期を逃さず積極的にメディアへ発信し、その効果を広げ、持続させるための工夫も取り入れながら、選ばれる滋賀の実現を目指してまいりたいと存じます。
続いて、大きな3項目めでございますが、
CO2ネットゼロ社会づくりの推進につきまして、5点いただきました。
1点目の再エネ導入量の拡大に向けた取組状況についてでございますが、本県では、推進計画において
太陽光発電を中心に再エネ導入を進めることとしており、
太陽光発電設備の設置に対する補助など個人や企業に向けた支援を行っているところです。また、再エネ導入のモデルとなります脱炭素先行地域に米原市と湖南市の取組が選定され、エリア内における
太陽光発電設備の導入が進められております。
今後も引き続きこれらの取組を進めますとともに、環境と調和する再エネ導入を促進する区域の指定や区域内での事業の推進について、市町の取組を積極的に支援してまいります。
あわせまして、地域の方との意見交換において、
太陽光パネルの設置に当たっての技術的な課題等につきましても、これは規制緩和、規制の強化も含めてお伺いをしておりますことから、どういった工夫ができるかについても検討してまいりたいと存じます。
2点目の、県庁自身の
温室効果ガス排出量の削減に向けたハード面での取組についてでございますが、令和5年度は、合同庁舎など県の施設における
太陽光発電の設置可能性調査および照明のLED化調査を行っており、早期導入に向けた検討を進めているところです。
また、県が乗用車を更新する際には次世代自動車等の購入を原則としており、特に電気自動車につきましては、令和4年度に4台、令和5年度に3台、購入をしております。さらに、県の施設の新築、更新時には、省エネ対策で50%以上の
エネルギー消費量削減に適合したZEB Ready以上を原則としており、現在、新築、更新を予定しております琵琶湖文化館などの施設につきましても、ZEB Readyを前提とした検討を進めているところでございます。
3点目、
再生可能エネルギーの活用に伴う廃棄物の問題についてでございますが、2040年前後に使用済みの
太陽光パネルが大量に排出されることが予想されております。このため、現在、国において、
太陽光パネルをはじめとした
再生可能エネルギー発電設備の廃棄やリサイクルの在り方について検討が進められているところです。本県といたしましては、今年の3月に滋賀県電気工事工業組合と協定を締結し、
太陽光パネルの適正処理についての情報交換を行うこととしております。
引き続き、国の動向を注視いたしますとともに、持続可能な資源循環に向けて必要な方策を研究してまいりたいと存じます。
4点目、
CO2ネットゼロ推進課を
総合企画部に設置していることについてでございます。
“しが
CO2ネットゼロ”ムーブメント・
キックオフ宣言では、2050年までに
温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すこととしており、この実現に向けましては、全ての部門の脱炭素に向けた取組の加速化を図る必要があると認識しております。
そのため、
総合企画部に設置いたしました
CO2ネットゼロ推進課が中心となり、
温室効果ガス排出量の削減と持続可能な社会を目指すための条例改正や、推進計画の策定を行いました。計画の進捗管理や新たに設置した基金の活用などにより、例えば農村地域における省エネ、再エネの促進や、企業の技術開発支援等の新たな取組が始まるなどの効果があったものと考えております。引き続き、
CO2ネットゼロ推進課を全庁の旗振り役として、
CO2ネットゼロ社会の実現に向けた取組を加速化してまいりたいと存じます。
5点目、原子力政策の国の動きについてでございますが、これまでからも原発につきましては、実効性ある多重防護体制の構築が依然道半ばであること、使用済み核燃料の処理などいわゆる原子力の静脈部分が未整備であること、国民、県民の不安感が払拭されていないことなどから、中長期的に見て持続可能な
エネルギーとは言えないと申し上げてきたところでございます。既設炉の活用は言うまでもなく、
次世代革新炉についてもこれらが解決されておらず、また、廃炉も、現在、若狭湾で7基ということでございますので、原発に頼り続けることは難しいという状況に変わりないと認識しているところでございます。
続いて大きな4項目め、わたSHIGA輝く国スポ・障スポにつきまして、こちらは5点、そのうち4点、私にはいただきました。
まず、鹿児島国体を終えての感想についてでございますが、私自身、鹿児島国体の開会式に参加させていただき、鹿児島県の皆さんの、延期を受け入れた本県滋賀県への感謝の思いを様々な場面で承る、また感じるとともに、延期のため出場できなくなった選手の思いも携え大会に臨む選手団の姿を万感の思いで拝見させていただきました。
国体における本県選手団の成績は17位ということであり、目標の10位以内は達成できませんでしたが、順位、入賞数ともに昨年を上回り、障スポでは3種目で大会記録を更新するなど、着実に力をつけつつある選手団を頼もしく感じているところです。
国体では直近2つの大会で開催県が2位にとどまっていることから、今後、原因などを詳細に分析いたしまして、2年後に迫りました、わたSHIGA輝く国スポにおいて、天皇杯、皇后杯が獲得できるよう、選手や競技団体を支えてまいりたいと存じます。
また、わたSHIGA輝く障スポに向けましては、目標である全種目出場が果たせますよう、選手の育成や強化を着実に進めてまいりたいと存じます。
2点目、安全や安心への配慮についてでございますが、今回整備した施設はもとより、既存施設も含め、各会場での安全な競技実施に向け、整備を行ってまいりました。加えまして、競技者が安心して競技に取り組めるよう、今後行われますリハーサル大会をはじめ、様々な機会を捉え、引き続き必要な対応を行ってまいります。
障スポ大会に向けましては、先催県でも行われましたバリアフリー調査を実施いたしますとともに、開閉会式など多くの来訪者が想定される会場において、障害者に加え、高齢者、子供など様々な立場に立った独自の調査を実施し、その対応を検討しているところであります。
このように、来年度は、する、見る、支える全ての人にとって必要な整備を行うなど、両大会の開催に向けて、市町と共に着実に準備を進めてまいりたいと存じます。
3点目、来訪者へのおもてなしについてでございます。
私自身、鹿児島国体に参加し、おもてなしを受ける立場として、会場の盛り上がりや充実した土産物、会場間の円滑な移動を体感いたしまして、それらの重要性を再認識いたしました。
2年後の大会に向け、観光面においては、競技間、競技終了後などの時期を活用して周遊いただける観光案内や、競技会場の地域それぞれの特色あるお土産物の販売など、本県の魅力を発信できるよう関係部局に指示しているところです。
また、道路整備などの面では、来訪者の安全で円滑、快適な移動を確保するため、アクセス道路等の整備をしっかり進めるとともに、舗装や区画線の補修などの修繕も適切に実施してまいります。
加えまして、競技会場や案内所、交通機関等、来訪者が多く利用される様々な場でお声かけなど心の籠もったおもてなしができるよう、機運醸成に努めてまいりたいと存じます。
4点目、障害者スポーツへの取組についてでございますが、これまで県では、障害のある方のスポーツを通じた社会参加のきっかけや県民の理解促進につながるよう、障害のある方が気軽にスポーツに親しむことができる環境づくりに取り組んできたところです。
一方で、スペシャルオリンピックス日本・滋賀のように、指導者や活動場所の確保など、活動を続けていくのに課題を抱えていらっしゃる団体があることも認識しております。このため、2年後に迫りました、わたSHIGA輝く国スポ・障スポの成功に向けましては、これまでの取組に加え、各団体の状況や障害種別ごとの指導について理解促進を図り、指導者確保等につなげるなど、さらにきめ細かな対応に意を用いてまいりたいと存じます。
今後は、大会後も含めて、地域で頑張っておられる様々な団体と対話しながらスポーツ振興を図り、障害のある方の体と心の健康と、全ての人が障害のあるなしにかかわらず互いの価値観や輝きを認め合うことのできる共生社会の実現を目指してまいりたいと存じます。
◎
警察本部長(中村彰宏) (登壇)国スポ・障スポに関する5点の御質問のうち、私に対する御質問についてお答えをいたします。
大会の成功に向けた決意についてであります。通例では、国スポ・障スポは、天皇皇后両陛下をはじめ、多数の皇族方が御来県になられる行事であり、警衛を行うことになるものと承知をしております。
そうした中において、警備情勢は、議員御指摘のとおり大変厳しい情勢にあるものと認識をしております。県警といたしましても、限られた体制の中で、今春に警衛対策課を新設し、主催者等と連携を図りながら、大会に向けた準備を始めているところであります。大会に向けまして万全の警備体制を整え、両大会が安全・安心に開催されるよう全力を尽くしてまいる所存であります。
◎知事(三日月大造) (登壇)次に、5点目にいただきました琵琶湖の持続可能な保全管理について、5点お答えをいたします。
1点目の水位低下につきましては、関西広域連合議会や定例の記者会見など、あらゆる機会を捉えて私自ら水位低下の現状を説明し、琵琶湖の水を大切に使っていただくようお願いしておりますほか、県ホームページやSNSなど様々な手段を活用し、琵琶湖の水を使う京阪神の方々も含め、広く呼びかけを行っているところです。また、この機会を捉え、水位が高いときには作業が困難であった、河口部のしゅんせつですとか護岸の補修などに取りかかっているところです。
さらに、水位低下により干上がった水際のごみが拾いやすくなることから、先日より始まりました県下一斉清掃運動では、ふだんは拾えない湖岸のごみも拾っていただくよう呼びかけを行っているところでございます。
2点目、世界の湖沼に与えた影響、琵琶湖の保全にもたらした成果についてでございますが、これまで国際湖沼環境委員会──ILECが統合的湖沼流域管理の考え方を発信し、各国と交流、連携してきた成果として、例えば2022年の国連環境総会において、持続可能な湖沼管理の決議が採択されるなど、ローカルな課題とされていた湖沼問題の重要性を世界に浸透させることに一定貢献してきたものと認識しております。
また、琵琶湖の保全にもたらした成果といたしましては、例えばミシガン州の五大湖における産官学民が関わられる環境評価の仕組みをマザーレイク21計画やマザーレイクゴールズ──MLGsの評価方法に取り入れるなど、世界各地の湖沼管理に関する知見を本県の施策にも取り入れてきたところでございます。
3点目、琵琶湖環境科学研究センターについてでございますが、県では琵琶湖の保全再生に向けて、在来魚介類のにぎわい復活に向けた研究をはじめとする様々な調査研究を進めてまいりました。その結果、従来の汚濁負荷の削減に加え、物質循環の円滑さに着目した新たな水質管理の在り方について、一定、知見を得たところでございます。
これらを踏まえ、環境省とも連携して新たな水質管理の手法を検討いたしますとともに、気候変動による、水質、生態系への影響やプラスチックごみなど、新たな課題に関する調査研究も進め、その成果を持続可能な湖沼管理に向けた計画、施策に反映させ、世界湖沼会議をはじめとする国際会議など、様々な機会を捉えて国内外にも発信してまいりたいと存じます。
4点目、持続可能な湖沼管理を世界で進めていくための決意ということについてでございますが、これまで本県といたしましては、水質汚濁などの問題を克服してきた経験を踏まえ、国際会議を通じて湖沼の重要性を世界に発信するなど、国内外における湖沼管理の推進において主導的な役割を担ってきたと自負しております。
今後とも、世界の湖沼保全と水問題の解決に向け、国際会議等の場において本県の経験や知見を提供させていただくとともに、MLGsを身近な環境を守ることを通じたローカルSDGsモデルとして、世界湖沼デーの制定に向けた呼びかけとも併せて世界に発信し、それぞれの国や地域の実情に応じて適切な湖沼管理が実施されるよう、琵琶湖をお預かりしております滋賀県の知事である私自身のリーダーシップも発揮し、世界における持続可能な湖沼管理に貢献してまいりたいと存じます。
◎副知事(江島宏治) (登壇)琵琶湖の持続可能な保全管理に関しまして、私にいただきました、今回の会議での議論の内容と琵琶湖において参考とすべきことについてございますが、最終日に発表されましたバラトン宣言骨子にもありますように、今回の会議におきましては、私から参加者に賛同を呼びかけました世界湖沼デーの制定に向け推進を図ることのほか、持続可能な湖沼管理に向けて科学と政策の統合を推進することや、政策決定者とのコミュニケーションの深化を図ることなどが、本県の高校生も参加する交流会をはじめ、若者世代の積極的な参画の下、議論されました。
これらの議論は、本県におきまして、びわ湖の日の取組や、琵琶湖環境科学研究センター等の調査研究に基づいた行政計画、施策の立案、マザーレイクゴールズ──MLGsをはじめとする官民協働による取組などを進めていく上で参考になるところでありまして、今後これらをさらに深化、発展させていくことが重要であると感じたところであります。
◎知事(三日月大造) (登壇)続きまして、高齢者の活躍推進ということで、こちらは5点いただきました。
1点目、元気な高齢者に視点を当てた県政についてでございますが、人生100年時代を見据えまして、元気で豊かな高齢期を過ごすためには、壮年期からの健康づくりや、高齢期における様々な学びや活動を充実させることが重要だと考えております。
そのため、県といたしましては、レイカディア大学等における学びの場の充実や、就労支援、介護予防などの取組を推進いたしますとともに、住民同士のつながりの中で高齢者自身が支え手としても活躍できる支え合いの地域づくりを進め、一人一人の高齢者が地域の中で生き生きと暮らし、活躍できる社会を目指し、取組を進めてまいる所存であります。
2点目、施策等に関する評価と課題についてでございますが、令和3年の社会生活基本調査によりますと、本県の高齢者のボランティア参加率は28.6%と全国1位でございまして、また、学習や自己啓発、スポーツといった活動に参加する割合も高く、レイカディア大学での学びや老人クラブにおける活動がこうした結果につながっているものと認識しております。
一方で、高齢者の興味、関心の多様化や定年延長などにより老人クラブに加入する人が減少していることを踏まえ、滋賀県老人クラブ連合会では、未加入者にも参加いただけるよう、ものづくりに関する出前講座を実施するなど、新たな取組を進められていると承知をしておりまして、県といたしましても活性化に向けどのようなことができるのか、一緒に考えてまいりたいと存じます。
3点目、シルバー人材センターについてです。令和4年度末時点の会員数は1万2,683人となっており、新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に会員数が減少いたしましたものの、令和3年度以降は回復傾向にあります。このシルバー人材センターの会員は、植木の剪定や筆耕のほか、買物送迎支援、配食サービス、預かり保育補助など、様々な分野で地域の担い手として活躍されておられます。
県といたしましては、人生100年時代に、地域や仲間とのつながりの中で、高齢者が居場所や生きがいを持ち、生涯を通じて自分らしく活躍できる社会の実現に向けて、シルバー人材センターの役割が非常に重要なものであると認識しており、引き続き取組を支援してまいります。
4点目の、地域の支え手、担い手としての活躍促進についてでございますが、喫緊の課題となっております介護人材の確保におきまして高齢者の参画は大変重要であると認識しておりまして、介護の仕事に興味を持っていただけるよう入門的研修を実施いたしますほか、食事の配膳や掃除など専門職でなくてもできる業務を切り分ける、いわゆるタスクシェア、タスクシフトを進め、高齢者が従事しやすい職場づくりを進めているところです。
また、介護分野のほか、地域において日常生活の様々な困り事に対する支援につきましても高齢者に参画していただきたいと考えており、県ではこうした活動を広げるため、その中心となる生活支援コーディネーターを育成するとともに、県のホームページや様々な研修会の場を通じて地域の好事例を紹介し、高齢者の活躍を促進してまいりたいと存じます。
5点目、活力ある地域社会の実現に向けてということでございますが、少子高齢化が進む中、社会の担い手として、高齢者の役割はこれまで以上に期待されていると認識しております。そのため、県といたしましても、高齢者が身近な場所で気軽に学び、自分の希望に合わせて働き、知識や経験を生かしながら様々な活動に取り組むことができる環境づくりを進めてまいります。
こうした取組は高齢者自身の健康や生きがいづくりにもつながるものと考えており、高齢者がいつまでも元気で生き生きと活躍できる地域社会をつくっていくことで、全ての人が、老いても滋賀と感じていただける滋賀を目指してまいりたいと存じます。
続いて大きな7項目め、県経済の持続的発展ということで、こちらも5点賜りました。
まずは現状について、県内の景況は緩やかに持ち直しておりますものの、四半期ごとに実施している県の景況調査によりますと、これは、先週の時点で取りまとめた第3四半期調査結果の速報値におきましては、業況DIはマイナス6.7、前期と比べますと5.1ポイント悪化しており、来期の見通しもさらに3.7ポイント悪化する見通しとなっております。
業種別の業況を見ますとサービス業を除きマイナス圏内にありますが、前期に比べて、製造業や卸売業では改善しているのに対し、小売業や建設業では悪化しているなど、業種ごとの動向に違いが見られます。事業者の皆様からは、相次ぐ物価高で価格転嫁が追いつかないということや、人手不足で需要に対応できないなどのお声が聞かれ、特に、大企業に比べて経営基盤の弱い中小企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあると認識しております。
2点目、企業の人づくりの取組についてです。企業の人材育成力強化には人事施策を経営戦略の中心に据えていただくことが重要であり、経営層と人事担当者が人材育成強化策を学ぶワークショップを開催するなど、意識改革を促しているところです。
また、企業の省人化、省力化による経営強化につなげるため、小規模事業者や従業員のスキル向上に向けた取組を支援しております。DX、GXなどの加速が求められている中、企業や従業員のリスキリングはますます重要な取組となっておりますことから、県内大学での先行事例を参考に、まずはリスキリングマインドの醸成に取り組むこととしたいと存じます。
また、今年度中に新たに立ち上げる、経済団体や関係機関、有識者等で構成いたします協議会におきまして、今後の産業人づくり政策を共創いたしまして、その中で検討する具体的な施策の展開を通じて、本県の経済成長を支える人材の育成に取り組んでまいりたいと存じます。
3点目、イノベーションの創出についてです。本県は、大企業の研究所や
マザー工場、理工系大学が多く集積しているなど、イノベーションの担い手として期待されるスタートアップの発掘、育成環境に恵まれております。この環境を生かしまして、産学官金によるコンソーシアムを設置し、平成28年度から研究開発型ベンチャーの発掘、育成を行います滋賀テックプランターを実施しており、将来、成長が見込まれる有望な事業シーズが多数生まれているところです。
今後は、テックプランターの取組をはじめ、社会実装等に向けた支援をさらに充実するとともに、県内大学との連携を強化いたしまして、国等の競争的資金の獲得に積極的にチャレンジしてまいりたいと存じます。
こうした成長段階に応じたきめ細かな伴走支援により、本県発のスタートアップが続々と生まれ、大きく育つエコシステムを構築し、イノベーションの創出へと着実につなげてまいりたいと存じます。
4点目の女性活躍の推進についてでございますが、働く場における女性の活躍推進は、女性一人一人の希望する働き方をかなえるとともに、県経済の持続的な発展のためにも欠かせないものと考えており、目標として「一人ひとりの多様な生き方・働き方の実現」を掲げ、滋賀マザーズジョブステーションでの再就労支援をはじめ、事業を興す起業や在宅ワークの普及など様々な取組を進めているところです。特に起業、業を起こす起業支援につきましては、男女共同参画センター内に女性の起業応援センターを開設し、アドバイザーによる相談や助言、またセミナー、交流会の開催など、起業前から起業後までの各段階に合わせた支援を実施しているところです。
今後、さらにこうした起業や再就労を進めるため、販路開拓のためのデジタルマーケティングやITスキル向上のための学習機会の提供などにより、女性の多様な働き方を応援してまいりたいと存じます。
5点目、企業の取組への支援についてでございますが、全国的に、蓄電池、半導体をはじめとした産業立地が加速する中、本県におきましても産業立地や立地企業の再投資を実現するチャンスでありますことから、まずは課題である産業用地の確保に向けて、産業立地サポートチームにより部局横断で迅速な土地利用調整に努めますとともに、県が主体となり、市町との連携による新たな産業用地の開発にも取り組むことができないか、考えているところでございます。
また、今後さらなる成長が期待できる産業分野等において、
CO2ネットゼロや生物多様性等の本県が大事にする価値に共感いただく企業の立地を促進するため、近隣府県に見劣りしない産業投資を呼び込む新たな支援制度につきましても検討を行っているところでございます。
続いて大きな8項目め、漁業振興についてでございますが、新しい滋賀の漁業振興について、こちらは6点賜りました。
1点目、担い手の確保、育成についてでございますが、平成28年度から滋賀県漁業協同組合連合会が、しがの漁業技術研修センターを設置され、国や県の漁業研修制度を活用した就業希望者の受入れに取り組まれているところです。その結果、令和4年度までに新たに15名が琵琶湖漁業に就業されておられます。
一方、新たな担い手は熟練の漁業者と比べて漁労技術が未熟で漁業収入が少ないことから、ICTを活用した漁労技術の継承、経営スキル向上のための研修会の実施等に取り組んでいるところです。これに加えまして、今後は、漁具、漁船の取得等、着業後の支援の充実が課題だと認識しており、新たな担い手が精鋭の漁業者となるよう支援策を検討してまいりたいと存じます。
2点目、琵琶湖における水産資源についてです。琵琶湖の漁獲量は、外来魚を除き、近年は1,000トンを下回る状況が続き、令和3年は670トンと低迷しております。ホンモロコのように、近年、資源状況が回復傾向の魚種があります一方、アユやセタシジミのように資源が減少傾向の魚種もあり、餌不足など、琵琶湖のアユなどを育む力、生産力に変化が生じている懸念も生じているところです。
そうしたことから、主要な漁獲対象種について、漁獲報告アプリ、湖レコの活用などによる科学的な資源評価を進め、種苗放流等の増殖対策を引き続き講じますとともに、適切な資源管理の下、積極的に資源を有効活用し、漁獲量および漁獲高の向上につなげてまいりたいと存じます。
3点目、湖魚消費拡大の戦略についてです。湖魚の認知度向上と需要の掘り起こしのため、多様なニーズに応えるため、新たな流通の構築と湖魚の魅力訴求の取組が必要であると認識しております。
新たな流通の構築のため、漁業組織の流通改善の取組を引き続き支援し、県域での物量の確保と漁獲物の高品質化を図り、湖魚の販売力の強化、安定化を推進してまいります。また、学校給食での普及に加え、湖魚の旬や、骨まで丸ごと食べられるといった魅力を県職員がセールス担当として伝えてまいりますとともに、漁業者の知る湖魚の魅力を飲食店等を通じて消費者へ届ける御当地グルメ開発など、新たな魅力訴求にも取り組んでいるところでございます。
今後も引き続き、漁業組織とも連携しつつ、産地にある湖魚のおいしさや魅力を丁寧に紡ぎ、飲食等関係事業者自らが消費者へ分かりやすく届けられるよう取り組むことで、湖魚の認知度向上、消費拡大につなげてまいりたいと存じます。
4点目、県内の河川漁業についてです。河川漁業は、河川の生態系保全、地域社会の維持、人々が自然に触れる機会の提供等、多岐にわたる機能を有する重要な産業であると認識しております。
県内の河川漁場では、土砂や倒木の流入、濁水の発生が頻発しておりますほか、カワウ飛来数の増加などにより漁場環境の悪化が引き起こされていると認識しております。加えまして、高齢化と人口減少により、河川漁業の機能を継承することが課題となっております。このため、放流や釣り教室などへの支援に取り組むほか、必要に応じて漁協を中心に河川の関係者が意見交換できる機会を設けるなど、河川漁業の抱える課題の解決に取り組んでまいります。
5点目、国のダム排砂バイパス事業についてでございますが、排砂バイパス事業は、下流河川への土砂の還元など、愛知川の河川環境改善に一定つながるものと期待しております。また、県におきましても、河川環境改善に向け、関係部局間での協議を行っており、具体的には、ダムに堆積した土砂をダム下流河川内に置き土するなど、河川へ土砂を還元する手法について検討を進めているところです。
今後、その検討結果等を国と共有することで、排砂バイパス事業による効果がより高まるよう協力してまいりたいと存じます。
6点目、新しい滋賀の漁業振興についてです。古来、培われてまいりました漁労技術を確実に継承するとともに、時代に即した新たな発想を柔軟に取り入れ、精鋭の漁業者の育成に努めてまいりたいと存じます。
加えまして、広域での流通や組織の改革等、精鋭漁業者の力の結集による琵琶湖漁業全体の強靱化を進めてまいりたいと考えております。また、源流から琵琶湖に至る滋賀の水産業全体で消費者から選び続けられるよう魅力訴求を図る必要があり、その結果として、もうかる漁業があるものと認識しております。
湖魚の持つ唯一無二の魅力を、漁業者、さらには飲食店関係事業者、消費者とも共有し、もうかる漁業の実現に向け、継続的かつ強力に取り組んでまいりたいと存じます。
続いて、大きな9項目め、さらなる県土強靱化の確立に向けてということで、こちらは5点いただきました。
1点目、その進捗状況、また課題についてです。令和4年度は、39のKPIに対し、年度ごとに進捗が確認できるそのうちの36の指標で、5か年計画の3年目の目安となる進捗率60%以上のものが20項目、60%未満のものが16項目ということでございます。
取組が進んでいない項目の理由といたしましては、事前調整に時間を要していることやシステム導入の遅れなどそれぞれに課題があり、今後より一層、国や市町、関係機関等とも連携しながら目標の達成に向けて取り組む必要があると考えております。
2点目、強靱化への取組姿勢についてです。交通・物流分野においては、特に幹線道路のダブルネットワーク化や4車線化、のり面対策などを積極的に進め、強靱で信頼性の高い道路ネットワークを構築してまいります。国土保全・土地利用分野におきましては、特に河道拡幅や堤防強化、堆積土砂の撤去、堰堤の整備などを積極的に進め、激甚化、頻発化する自然災害への備えを強化してまいります。
今後も国の5か年加速化対策を積極的に活用し、先ほど申し上げた2つの分野をはじめ、国土強靱化対策を重点的かつ集中的に進めてまいります。さらに、5か年加速化対策後におきましても継続的、安定的に国土強靱化を推進できるよう、必要な財源の確保に向けて国に要望してまいります。
3点目、本県建設事業者への契約条例における地域経済の活性化への配慮についてでございますが、地域経済を活性化させるためには、予算の適正な使用に留意しつつ、県内事業者の受注機会の増大を図ることが重要であると考えております。令和4年度の本県発注の建設工事につきましては、件数ベースで924件のうち約92%に当たる848件、契約額ベースで約557億円のうち約89%に当たる約498億円が県内事業者との契約となっております。今後も県内事業者の受注機会のさらなる増大に努めてまいります。
4点目、県内事業者の組織体制強化に向けた支援でございますが、来年4月から建設業においても時間外労働の上限規制が適用され、働き方改革および担い手確保が急務となっておりますことから、主に次の3つの取組を行っているところです。1つは、受注者が適正に利潤を上げ、担い手を確保、育成できるよう、最新の積算技術や労務、資材単価を用いて適正な予定価格を設定するということです。
2点目は、建設産業従事者が働き続けられる環境整備として、県が発注する土木工事において、全国に先駆けて平成30年度から完全週休2日制度を導入するなど、働き方改革を積極的に支援しているところです。
3つ目は、子供たちが建設産業の魅力に触れ、感じ、楽しく学べる、けんせつみらいフェスタを建設事業者の皆さんとの協働で毎年開催するなど、将来の担い手確保に努めているところです。
今後もこれらの取組を積極的に進めてまいりたいと存じます。
5点目、大戸川ダム整備についてでございますが、まず、整備の進捗状況ですが、現在、国において、本体工事の早期着手に向け、環境調査やダム本体の概略設計等が実施されていると聞いております。
県の推進体制といたしましては、昨年度、関係部局で構成いたします大戸川ダム建設事業に係る庁内連絡調整会議を設置し、国の環境調査が円滑に進むよう助言を行うなど、迅速かつ適切な事業の推進に協力しているところです。
近年、激甚化、頻発化する豪雨災害から県民の生命および財産を守るため、一日も早くダムが完成するよう、今後も機会あるごとに国に要望してまいりたいと存じます。
また、ダムの完成には時間を要しますが、これまで取り組んできた避難体制の充実や安全な住まい方への誘導など、ソフト対策、滋賀の流域治水の取組もしっかりと進めてまいりたいと存じます。
最後、10項目め、滋賀県教育振興基本計画について、私には1点、御質問いただきました。様々な環境にある児童生徒への支援の方針ということでございます。
子供たちは、一人一人、個性を備えた主体であり、また社会の大切な構成員であり、同時に未来への希望であります。様々な環境にある子供への支援につきましては、多様な学びの機会と安心して成長できる居場所を確保することを目指し、全ての人が愛情を持って関わり、子供たちの生きる力を育んでいきたいと考えております。
新たに策定しようとする多様な学びと居場所の確保に関するプランにつきましては、明日の推進本部で議論をいたしますほか、市町の御意見も聴きながら、一人一人に応じた、その状況に応じた安心して学び育つことのできる学校づくり、地域、教育と福祉の役割や、市町や家庭、フリースクール等、様々な主体との連携をしっかりと位置づけてまいりたいと考えております。
このプランにおける取組を通じて、全ての人が居場所と出番のある、誰一人取り残されない社会の実現を目指してまいりたいと考えております。
◎教育長(福永忠克) (登壇)滋賀県教育振興基本計画について、私にいただきました6点の御質問にお答えをいたします。
1点目の現行計画の評価についてでございますが、3年にわたりますコロナ禍により子供たちの学びに大きな影響があったところではありますが、計画の目標項目の多くが未達成であることにつきましては重く受け止めているところでございます。
そのような中、特に読み解く力の育成に取り組みまして、一定の成果が表れてきているものと認識をいたしております。また、本県ならではの、びわ湖フローティングスクールうみのこでの学習につきましては、航海期間を日帰りに短縮せざるを得なかったわけでございますが、関係の皆様の御尽力により、子供たちにとって大切な体験的な学びを継続できたところでございます。
一方で、コロナ禍を契機として学校のICT環境が急速に整備されたところでございますが、その利活用につきましてはまだまだ工夫が必要であると考えておりまして、次期計画においてしっかりと取り組んでまいる所存でございます。
次に、2点目の時代の変化への対応についてでございますが、教育の最大の使命は持続可能な社会の発展を生み出す人づくりであり、人口減少やグローバル化の加速度的な進行、DXをはじめとする技術革新を基盤とした社会構造の変化などが見込まれる中にありまして、教育が果たすべき役割は一層重要性を増しているものと認識をいたしております。
こうした認識の下、社会が求める資質、能力を見極めながら、子供たちが自ら未来を切り開いていくことができる力の育成が必要と考えているところでございます。変化の激しい社会にしなやかに対応しながら、未来社会の形成に主体的に参画する人づくりに向け、計画案に全体を貫く方向性として掲げております、学習者が主体の教育にしっかりと取り組んでまいります。
3点目の教員のICT活用能力の向上についてでございますが、県教育委員会では、全てのキャリアステージにおいて、ICT活用等情報活用能力を教員の育成すべき大切な能力であると位置づけております。
そのため、県総合教育センターでは、教職員の個々の能力に応じた研修を実施することにより、全ての教職員がICTを効果的に活用した授業を行えるよう努めているところでございます。また、小中学校におきましては、各教科におけるICTを活用した授業実践例を紹介するなど、GIGAスクール構想によるICT機器の積極的な活用と指導力の向上に努めております。
今後も滋賀県学校教育情報化推進計画に基づきまして、これまでの研修の取組の成果と課題を明らかにしながら、教員に求められる、ICTを活用して指導する能力の向上に努めてまいります。
4点目の、教職員のあるべき勤務環境と精神的余裕などをどうつくるのかについてでございますが、学校教育の基盤であります教職員が力を十分に発揮するためには、働き方改革の推進を通じて勤務環境を改善することにより、心と時間にゆとりを持っていただくことが大切であると認識をいたしております。
また、時代の変化にしっかりと対応できる教育力や専門性の向上を図るためには、学び続ける教職員として授業準備や実践的な研修に積極的に取り組むことも必要でございます。
そのため、管理職のリーダーシップの下、風通しのよい職場づくりを進めますとともに、ICTの効果的な活用やスクールカウンセラー、部活動指導員など、専門性を有した多様な人材の活用などに一層取り組んでまいります。あわせまして、教職員の増員や勤務実態に見合った待遇改善も必要であると認識をしておりますので、引き続き国に対して要望していく所存でございます。
5点目の次期計画の3つの柱についてでございますが、これまでの延長では対応できない社会の変化が見込まれる中、未来社会の中心となる子供たちの育成、学びの基盤となる環境の整備、社会のみんなで取り組む学びの3つの観点から、今取り組むべき教育施策を整理させていただいたところでございます。
とりわけ、柱のⅠでは、うみのこをはじめとした体験的な学びや情報活用能力の育成に、柱のⅡでは、働き方改革を通じた笑顔あふれる学校づくりの推進にしっかりと取り組んでまいります。また、柱のⅢでは、喫緊の課題であります、不登校など困難な環境にある子供たちの学びへの支援に重点的に取り組むこととし、こうした施策の展開を通じまして、未来を拓く心豊かでたくましい人づくりの実現を目指してまいる所存でございます。
最後、6点目の特別支援学校の教育環境の整備の考え方についてでございますが、御指摘のとおり、子供たちが安全で安心して学べる教育環境は大変重要なものでございまして、特別支援学校の児童生徒数の増加に伴いまして、草津養護学校の増築をはじめとした教育環境の整備にこれまでから順次取り組んできたところでございます。
今後の児童生徒数の推移を踏まえまして、現在、県内全ての特別支援学校の教育環境整備について特別支援教育の充実が図れますよう、総合的な観点から検討を進めているところでございまして、その中で、特別支援学校の分離新設に向けてしっかりと考えてまいる所存でございます。
○議長(奥村芳正) しばらく休憩いたします。
午後0時2分 休憩
────────────────
午後1時 開議
○議長(奥村芳正) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
次に、44番中沢啓子議員の発言を許します。
◆44番(中沢啓子議員) (登壇、拍手)チームしが 県議団を代表して質問します。
日本の少子化が止まりません。11月24日に公表された令和5年1月から9月までに生まれた赤ちゃんの数は、前年比5%減の56万9,656人、滋賀県は7,245人となっています。このまま推移すると、2023年の日本の出生数は、ついに70万人前半で過去最低となる予測をされています。この少子化の現状に、子供を産み育てたいと思える社会になるよう真剣に取り組んでいくことが必要だと思います。
ただ、残念ながら日本では、子育て、教育への税金の投入額は先進国の中では最低レベルです。ヨーロッパの国々ではGNPの4%ほどが子育て、教育に投入されていますが、日本は2%、約半分です。また、柴田悠さんの著書「子育て支援が日本を救う 政策効果の統計分析」によると、税金を投入したらどれだけのマクロの経済効果があるのかを示す乗数効果については、道路や河川などの公共事業の乗数効果は1.1なのに、子育てや教育の場合には2.3という研究成果もあります。つまり、子育てや教育に税金をたくさん入れることは経済成長にもつながるということです。
滋賀県でも、出産、子育てや教育にしっかりと予算を投入し、当事者の声に耳を傾け、子供を真ん中に置いた政策を推進していただきたいと思います。若者や子供が未来に希望の持てる滋賀を共に目指したいと思います。
それでは、まず初めに、令和6年度予算について、知事にお伺いいたします。
今年度予算における施策方針の5つの柱は、1つ目に「子ども、子ども、子ども」、2つ目にひとづくり、3つ目にこころとからだの健康づくり、4つ目に安全・安心の滋賀づくり、5つ目がグリーン・デジタルによる経済・社会づくりとなっています。特に「子ども、子ども、子ども」については、以前より我が会派からも要望しておりました子供医療費助成の拡充に取り組んでいただいたことに心から感謝申し上げます。
一方、9月定例会議の我が会派の代表質問において令和6年度の施策方針について質問を知事にしたところ、1つ目に「子ども、子ども、子ども」、2つ目にひとづくり、3つ目に安全・安心の社会基盤の健康づくり、4つ目に持続可能な社会・経済づくり、5つ目に自然環境や生物多様性の保全・再生の5つの柱に沿って、「子供を真ん中に置いた施策、世界と滋賀の未来を見据えた新たな一歩を踏み出す施策を構築する」との答弁をされました。
令和6年度の施策方針においても、今年度に引き続き「子ども、子ども、子ども」を一つの柱に掲げられた一方で、特に今年度の5つ目の柱と大きく異なるのは、5つ目の柱を自然環境や生物多様性の保全・再生とされた点です。今年度の予算編成においては留意点としてSDGsの視点の活用などが挙げられていましたが、滋賀県版SDGsでもあるMLGsを含む自然環境や生物多様性の保全・再生を施策方針の柱の一つにされた思いと狙いについてお伺いをいたします。
令和6年度当初予算編成要領では、令和6年度から8年度までの3年間の累計で433億円の財源不足が見込まれることから、財政健全化に向けた取組は喫緊かつ重要な課題であるとされています。
滋賀県立高等専門学校や琵琶湖文化館、医療福祉拠点の整備、防災・減災、国土強靱化など既に着手している取組に加え、子供政策などの重要課題の充実に向けて検討されていますが、これらの取組を着実に進めるためにも、必要な財源をしっかり確保する必要があります。
9月定例会議の我が会派の代表質問で、既存施策の見直しをどのように進めるかという質問をしたところ、「今年度から3年間を集中取組期間と定め、財政や組織の取り巻く課題等を全庁で共有し、DXの活用や部局連携、歳入確保など統一的な見直しを定めた上で、まずは課題や実情を熟知している各部局において、事業効果を十分検証し、主体的に見直しを検討する」との答弁をされたところです。
県民サービスの充実や将来に向けた投資を行うためにも財政健全化に向けた取組は重要ですが、令和6年度当初予算編成に当たって今後の財政健全化に向けた知事の決意をお伺いし、次の質問に移ります。
次に、
県政世論調査について知事にお伺いいたします。
県政世論調査が、令和5年7月10日から26日に郵送とオンラインによって3,000人を対象に行われました。本県における
県政世論調査は、昭和43年度の第1回調査以来、毎年実施され、滋賀県基本構想に即した満足度、要望度や県政の直面する主要課題等をテーマに、県民の意識、意向を調査し、今後の施策や県政運営に反映させるための基礎資料となっています。
2013年まで遡り、回答数を振り返ってみると、それまでは平均して1,500人ほどだった回答数が、令和4年と5年の平均が約1,900人以上と大きく上昇していることが分かりますが、そこには、行動経済学の一部で、行動をそっと後押しをするナッジ理論をアンケートの案内文に導入したことが大きく寄与していると仄聞しています。
しかしながら、令和4年は2,034人と最も高い回収率となっていますが、本年は1,880人と回収率が減っていることが見受けられます。県民の声を一つでも多く集めるためにアンケートの回収率向上に向けた取組としてナッジ理論の導入を進めていますが、今回の調査で回収率が下がった要因と、回収率向上に向けた今後の取組についてお伺いをいたします。
滋賀県行政経営方針実施計画において、
県政世論調査をはじめ、各種広報活動やビッグデータ等を通じて幅広く収集した県民の声について、分析を行うとともに、分析結果を関係部局に提供することや、インターネット上の声なき声の収集、可視化、分析について、ツールの提供や分析作業への協力等により、各部局における政策判断や政策立案を支援することとあります。
もっとも、この5年の比較で見ますと、地球温暖化への対応や災害に対する備え、鉄道やバスなどの公共交通が整っているという質問に対する県民満足度が定常的に低いことから、
県政世論調査の結果が効果的な取組につなげられていないのではないかと考えます。
そこで、
県政世論調査の結果を踏まえた県民課題の改善に向けた今後の取組についてお伺いし、次の質問に移ります。
次に、関西広域連合との施策について知事にお伺いいたします。
関西広域連合では、今年の7月に奈良県が全面参加を表明し、文化庁の京都移転や2025年日本国際博覧会、略称、大阪・関西万博の開催等、各種施策が慌ただしく動き出しています。
そこで、まずは大阪・関西万博についてお伺いいたします。
共同通信社の最新の調査によると、国民意識では「開催不要」が68.6%と、「開催必要」の28.3%を大きく上回っていることが明らかになりました。開催に向けてのテーマ設定や命をコンセプトとした開催テーマを、これからホスト国として世界中にどれほどアピールできるのでしょうか。先月末にはチケット販売がいよいよ始まりましたが、各国からの基本計画もいまだ不明瞭な状況に加え、開催準備の遅れや、資材、運搬、建設費の急激な上昇、加えて人手不足から人件費の高騰などが指摘されています。
関西広域連合長でもある三日月知事はこうした状況をどのように捉え、今後いかに対応されるのか、お伺いをいたします。
次に、第21回関西文化の日についてお伺いいたします。
関西広域連合構成府県市でもある2府8県4市内の美術館、博物館、資料館など約420の文化施設で、11月18日、19日を中心に、原則として常設展の入館料を無料にするという取組が今年も行われました。関西の文化を気軽に知ってもらえる機会として、これまで約20年余りにわたり、全国に先駆け、関西広域連合全体でこうした取組を進めてこられました。
しかし、残念ながら最近では、以前ほど関西文化の日が認知されていないように感じられます。
そこで、本県の関西文化の日をより実りのあるものにするため、本県における関西文化の日の近年の状況と、文化庁の京都移転を契機とした関西文化の日を通じた今後の魅力発信についてお伺いいたします。
次に、関西広域連合構成府県市の連携の中で、本県ならではの強みを生かした今後の取組についてお伺いをいたします。
湖国滋賀は、寺社仏閣や多数の文化財の宝庫であるとともに、湖国ならではの琵琶湖を中心とした食文化を有し、最近では、彦根城世界遺産登録や幻の安土城復元へのプロジェクト、県立美術館の再オープンや琵琶湖文化館の再整備など、構成府県市の中でも話題に事欠かない事業がめじろ押しとなっています。
このような状況下において、大阪・関西万博やワールドマスターズゲームズ2027関西は、インバウンド需要を発掘することで、観光面はもとより、経済、文化の両面からも、京都府や奈良県、大阪府や神戸市にひけを取らないだけの独自の存在感を示せる絶好の機会だと考えます。
関西広域連合長でもある三日月知事は、観光、文化の面において本県の存在感を向上させるために、令和6年度からの新たな本県の施策をどのように構築されるのかお伺いし、次の質問に移ります。
次に、国際交流と外国人材の雇用促進について、知事ならびに江島副知事にお伺いいたします。
この秋には、本県と諸外国との間で様々な交流が行われました。
まず、台湾の台南市と本県において、経済・産業分野等の交流に関する覚書の締結から10周年に当たる本年11月に、滋賀県国際友好議員連盟と関係機関の皆様がサイクルツーリズムの取組状況を視察され、新たにサイクルツーリズムを推進するために、台南市と本県の観光部局の間でサイクルツーリズムにおける交流に関する覚書が締結されました。
また、11月には江島副知事がオーストリア、ブルゲンラント州を訪問されました。琵琶湖とオーストリアの国の形が似ていることから交流が始まり、県の使節団がオーストリアを訪問し、環境、観光、文化など幅広い分野での交流を図られました。琵琶湖を自転車で1周するビワイチを通じた観光振興に向け、同じく湖を一周するコースがあるオーストリア、ブルゲンラント州との交流に力を入れる方針も明らかにされました。
江島副知事が現地に赴き、州政府とのトップ会談もされましたが、今回のオーストリア、ブルゲンラント州訪問の成果と、今後どのようにオーストリアとの間でビワイチを観光振興につなげていこうと考えているのか、江島副知事にお伺いをいたします。
次に、ミシガン州との交流について伺います。
今年はミシガン州と滋賀県が姉妹提携を結んでから55年の節目に当たり、9月にはミシガン州のホイットマー知事が本県に来訪されました。「滋賀の企業がミシガンでものづくりをする一方、ミシガンのビールが滋賀で飲めるようにする」と具体例を挙げ、滋賀の米や地酒も売り込まれました。ミシガン州との経済交流を一段と活性化したいとも要請され、交流を深める姿勢を改めて強調されましたが、このたびのミシガン州との友好交流の成果と今後の取組について知事にお伺いいたします。
次に、湖南省との友好県省40周年についてお伺いいたします。
滋賀県と湖南省は1983年に友好県省の協定を締結し、本年40周年を迎えました。11月10日の記念式典では、5年ごとの友好交流に関する覚書の締結や、湖南医薬学院と滋賀医科大学との協定の披露も行われたところです。あわせて、両国の次世代交流を実施し、学生の皆さんが発表されました。
湖南省との友好交流の成果と今後の取組について、知事にお伺いいたします。
また、11月には三日月知事がベトナムを訪問されました。
本県においては令和3年に、高度人材の受入れを促進するために、ベトナムハノイ工科大学、一般社団法人滋賀経済産業協会、3者間の覚書を交わしています。この覚書に基づき、11月にハノイ工科大学でJOB FAIRが開催され、これに合わせて知事と滋賀経済産業協会の会長がハノイ工科大学やハノイ周辺に進出している滋賀県企業を訪問されたところですが、今回のベトナム訪問の成果について知事にお伺いいたします。
この項の最後に、外国人材の雇用促進、定着支援についてお伺いいたします。
企業の人材確保が深刻化する中、特に理系を中心とした高度人材の国内労働市場での獲得競争が激しく、県内中小企業においては特に人材獲得に苦慮されています。外国人材の受入れは、人材確保の側面のみならず、地域における多文化共生を進める上でも意義があるということから、外国人材の雇用促進は、県内中小企業のみならず、障害、介護、児童福祉などの福祉分野においても重要な人材確保策であると考えます。
外国人材の雇用促進、定着支援について知事にお伺いし、次の質問に移ります。
次に、犯罪被害者支援について知事にお伺いいたします。
犯罪は、ある日突然に起こります。いつ誰が被害者になるか分かりません。被害者やその関係者は大きなダメージを受けられます。特に性犯罪は顕在化しにくい犯罪で、その被害の深刻さから、魂の殺人とも言われています。
滋賀県では平成26年に、性暴力被害者総合ケアワンストップびわ湖、通称、SATOCOを設立し、滋賀県産科婦人科医会、おうみ犯罪被害者支援センター、滋賀県警察、滋賀県が協力して、24時間365日、性犯罪被害者支援に取り組んでこられました。
今年度、10周年を迎えるに当たり、11月6日にSATOCO設立10周年記念イベントを開催し、4者の協定を更新されました。SATOCOの相談支援件数は、令和4年までで延べ1万722件に上ります。皆様の取組に心から感謝するとともに、敬意を表します。国でもこの取組は非常に評価されていると伺っています。
そこで、滋賀県の性犯罪の現状と今後の支援の取組、SATOCOへの思いについてお伺いをいたします。
そのSATOCOを献身的に支えていただいている、おうみ犯罪被害者支援センターは、平成12年に、犯罪の被害に遭われた方が孤立して苦しむことがない社会をという願いから設立され、犯罪被害者のお一人お一人に寄り添う支援をしてきていただいています。平成30年からは公益社団法人として、犯罪被害者支援を行う県内唯一の民間支援団体として活躍いただいています。
おうみ犯罪被害者支援センターの位置づけと、期待するものをお伺いいたします。
令和4年度のおうみ犯罪被害者支援センターの相談支援件数は2,982件で、過去8年間で約3倍に増加しています。相談件数の増加に加えて、性犯罪被害などセンシティブな支援にも当たっていただくためには、人材の確保や育成が必要となります。あわせて、組織として安定的に運営できるための財政基盤も大切です。
おうみ犯罪被害者支援センターの現状の認識と今後の支援についてお伺いし、次の質問に移ります。
次に、国スポ・障スポ対策について知事にお伺いいたします。
わたSHIGA輝く国スポ・障スポの開催が、国スポまで664日、障スポまで691日と、2年を切ってまいりました。
今年、鹿児島県で開催された、特別国民体育大会、特別全国障害者スポーツ大会では、本県選手団の活躍が光りました。選手の皆さんはじめ、関係者の皆さんの御尽力に心から感謝いたします。来年、そして再来年の本県開催に向け、さらなる飛躍を祈念いたします。
他方で、開会式のプログラムが決まるなど、大会運営の準備も徐々に進められています。両大会を成功裏に終わらせるためにも、競技そのもののスムーズな進行はもちろんですが、競技会場への移動手段や駐車場の確保、会場内の動線も重要となってまいります。先進県においては、タクシーやバスが不足し、選手等の移動がスムーズに行えず、競技に支障を来した事例も聞かれます。
本県においては大会実行委員会で輸送実施計画が策定されていますが、以前に比べバスの運転手不足が進行していることに加え、大阪・関西万博の開催時期と重なるなど、輸送環境が大きく変化しており、現状に即した対応が求められます。
また、選手の皆さんが最高のコンディションで活躍できるよう、宿泊施設の確保や、そこで提供される食事についても配慮が欠かせません。輸送、交通対策および宿泊対策の現状と今後の対策について、市町の状況も踏まえ、お伺いをいたします。
競技施設の整備については、物価の高騰や仕様の変更など、計画当初には予見し難い事象も発生し、必ずしも全て順調に進んできたとは言えませんが、来年のプレ大会が予定どおり実施できるよう、そして、本大会がベストの環境で開催できるよう、万全を期していただきたいと思います。
また、多額の費用をかけて建設された各施設を、負の遺産ではなく、多くの県民に愛され、また利用され、大会のレガシーとなるよう、大会後の利活用も見据えた対策が今から必要と考えます。
来年開催の佐賀県のメイン会場、SAGAスタジアムは、スタンドの下にコンビニやカフェ、レストランがあったり、スタジアムを周回するランニングコースが設置されているなど、ふだんから人が集まる工夫が施されていました。平和堂HATOスタジアムについては、大会後、陸上競技に限らず、サッカーなどのプロスポーツの拠点にすることも、施設の利用率の向上、地域の活性化、子供たちの夢につながり、有効と考えます。
滋賀県初のJリーグ入りが期待されましたレイラック滋賀FCですが、先日行われた最終戦で惜しくも引き分け、J3昇格は来年以降に持ち越されました。レイラック滋賀は、JリーグにHATOスタジアムをホームスタジアムとして申請し、先頃、JリーグからJ3クラブライセンスが交付されたところです。
平和堂HATOスタジアムの計画時には、Jリーグにも対応した整備に向けて様々な議論が交わされてきた中、Jリーグ側から否定的な見解を示されたことを受け、最終的にJリーグ参入を想定しない形での整備が進んできましたが、レイラック滋賀FCのJリーグ入りの可能性が来年も期待される中、積極的に県としても連携、活用していくべきと考えます。
レイラック滋賀FCに対する今後の連携、活用の在り方も含め、国スポ・障スポ大会の先を見据えて、今後、県としていかにHATOスタジアムを利活用していこうと考えているのかお伺いし、次の質問に移ります。
次に、MLGsについて知事にお伺いいたします。
マザーレイクゴールズ──MLGsは、一昨年の7月に琵琶湖版のSDGsとして策定され、2030年の持続可能社会の実現を目指す13の目標が掲げられています。これまでも様々な取組が行われ、11月11日にも、関西・歴史文化首都フォーラムとして、マザーレイククルーズ2023~びわ湖で学び、ふれあい、つながる絆~が開催されました。ワークショップの実施や、小中高でのマザーレイクゴールズをテーマとした環境学習、県内外のイベント等への参加、出展も多数実施されております。
もっとも、令和5年度の
県政世論調査によりますと、SDGsの認知度は、「知っている」「聞いたことがある」と答えた人が87.9%で令和4年度から4.1ポイント上昇している一方で、MLGsの認知度については、「知っている」「聞いたことがある」と答えた人が26%と、昨年度から0.2%しか増えていないという状況です。このように、まだMLGsが県民の皆さんに浸透していない現状があります。加えて、地域別、性別、年齢別に見ても認知度にばらつきが見られます。
他方で、先月、ハンガリーで開催された世界湖沼会議においては、MLGsの取組について発信され、参加各国からの共感を得られたと仄聞しています。また、他府県においても、本県のMLGsの取組の関心が高まっております。
今回の
県政世論調査の結果や、海外、県外の反響をどのように受け止め、MLGsの認知度向上に向けて今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
MLGsの13のゴールには、「1、清らかさを感じる水に」「6、森川里湖海のつながりを健全に」との目標が掲げられていますが、今年は例年と比べて秋の降水量が少なく、琵琶湖の水位が下がっており、今朝の8時40分では標準的な水位よりマイナス70センチとなっています。このままさらに水位の低下が進むと下流府県への影響や漁業への支障を来し、取水制限が実施されると日常生活にも大きな影響を及ぼしかねません。
そこで、過去の水位低下による影響についてお伺いいたします。また、本年の水位低下の状況を踏まえた今後の対応についてお伺いをいたします。
次に、高時川の濁水問題についてお伺いいたします。
MLGsには、先ほど掲げたほかに、「2、豊かな魚介類を取り戻そう」「5、恵み豊かな水源の森を守ろう」という目標も掲げられていますが、こうした目標にとって大きな課題となっていることの一つが高時川の濁水問題です。
昨年の8月4日から5日の豪雨で、高時川流域では、幸い人的被害はありませんでしたが、河岸破壊や霞堤への濁流流入で農業被害がもたらされました。最大の問題は、河川の濁流がいつまでも引かず、河川のアユの生息環境が大きく破壊されてしまったことです。それは琵琶湖河口部まで影響していると、地元の漁師の皆さんはおっしゃっています。
昨年の濁水による今年度のアユの産卵やアユの遊漁活動にどのような影響があったのか、お伺いをいたします。
長期化する高時川の濁水問題は、昨年の定例会議以降、何度も取り上げられ、県も昨年の11月以降、部局連携で濁水の原因究明を進められているところです。
高時川濁水問題検討会議もこれまで3回にわたって開かれ、11月2日の第3回目の会議では委員の方から濁水が長期化するメカニズムが報告され、今後の対策等も示されました。
こうした調査結果の内容、および、それを受けて今後いかに対策を講じるのか、お伺いをいたします。
あわせて、現在、旧スキー場の事業者には是正を指導しているということですが、それを受けた事業者是正計画の具体的な内容とその効果の見通しについてお伺いし、次の質問に移ります。
次に、健康医療福祉行政について知事にお伺いいたします。
先月11月は児童虐待防止推進月間、昨年度1年間に県内3つの子ども家庭相談センターと市や町の相談窓口が対応した児童虐待に関する相談は7,901件で、前の年度より400件、4.8%減少したものの、県が現在の方法で統計を始めた平成20年度以降、3番目に多くなりました。
センターでは、虐待の相談経路としては、警察等からの相談が1,090件と最多で42.2%。滋賀県警察本部による、令和4年1月から12月の1年間に虐待の疑いがあるとして警察が児童相談所に通告した子供は1,257人、虐待での検挙は28件で、いずれも過去10年で最多であると報道されていました。昨年の虐待による一時保護件数は271件と、前年より82件、43%増加しており、危惧をしております。
そこで、まず、県内の虐待の現状の分析と対応をお伺いいたします。
滋賀県では、児童虐待等の増加により、センターの強化として、4か所目となる児童相談所、子ども家庭相談センターを日野町に、来年4月の開設に向けて取り組んでいただいております。
虐待対応等に取り組む職員を支えるためにも大切な、開設に向けた取組、併せて県内全域の人員体制や一時保護の環境などの改善への取組についてお伺いをいたします。
次に、困難な状況にある女性への支援についてお伺いいたします。
国では、女性をめぐる課題が複雑化、多様化、複合化している中、令和4年5月に成立した困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が令和6年4月に施行されることに伴い、本県では(仮称)滋賀県困難な状況にある女性への支援のための施策の実施に関する基本的な計画を策定しているところです。
女性が安心かつ自立して暮らせることは大切です。この計画で期待するものと、具体的な取組についてお伺いをいたします。
次に、出産と子育てについてお伺いいたします。
本県では、出産場所に関する不安の声が聞こえてくるにもかかわらず、国の基準では産科医の比較的充足している県となっており、出産場所には地域偏在があり、近くで出産ができない状況の妊婦さんにとっては大変なことです。特に、既に第1子がいる家族やリスクのある妊婦にとっては重大な問題です。分娩取扱医療機関の偏在についての認識と対応についてお伺いをいたします。
安心して出産できる環境を整えるためには、妊娠した当初から継続して助産師が寄り添ってくれることなど、助産師さんは大きな役割を果たすと感じています。さらに、妊娠期から退院直後のお母さんや新生児の心身のケアや育児のサポートなど、切れ目のない安心できる支援体制は重要です。例えば妊娠期から未就学児のいる家庭に研修を受けた地域の子育て経験者が訪問する、家庭訪問型子育て支援ボランティアのホームスタート、アフターバースプランの策定、居場所など民間の取組、産後鬱の予防、乳腺炎予防のおっぱいマッサージなど、母体と新生児のための産後ケアの充実、リトルベビーのための母乳バンクの推進など、重層的に対応できる支援体制も大切だと考えます。
当事者の状況に沿った、妊娠期から出産後、子育てまでの切れ目のない支援の充実、それを支える方々への支援についてお伺いをいたします。
様々なニーズに対して適切な支援につなぐ相談支援体制が大切であり、対象の方にその情報を的確に分かりやすく届けることが大切です。また、祖父母など周囲の方々の理解も大切です。全ての妊婦、子育て家庭等への適切な情報提供についてお伺いをいたします。
次に、子供の医療費助成制度の拡充と(仮称)子ども・子育て施策推進交付金についてお伺いいたします。
来年度、長年要望してきた子供医療費助成制度の拡充がいよいよ始まります。県内どこに住んでいても、家庭の経済状況によらず子供が医療サービスを受けられることは、子供の健康を守ることに寄与すると考えています。また、子供を真ん中に置き、子供を安心して産み育てることができる滋賀県を目指して設立される(仮称)子ども・子育て施策推進交付金が、本来の目的にかなうように、市町の使い勝手のいい交付金になることを願っております。
そこで、来年度実施に向けた予算規模と市町との話合いの状況、スケジュールなど、実施に向けた状況についてお伺いをいたします。
次に、保健医療計画についてお伺いいたします。
今年度、計画の改定が行われますが、令和6年4月から始まる医師の働き方改革や、2025年問題での病院での高度専門の医療体制が確保されるとともに、地域での在宅医療等の推進と病院との連携、訪問看護や介護福祉等との連携が求められます。医師の地域偏在は大きな課題です。
地域で安心して暮らすために、医師の確保を含めた地域医療を支える体制の整備についてお伺いをいたします。
コロナウイルス感染症は医療にも大きな負荷をかけ、社会に大きなダメージを与えました。今後、新たな感染症に備えることは大切です。公衆衛生を専門とする医師の育成など、コロナ禍の対応の要となる保健所の7圏域でのハード、ソフト両面での体制の整備は重要ですが、今後の保健所の体制整備の取組についてお伺いし、次の質問に移ります。
次に、農業振興について知事にお伺いいたします。
原油価格の高騰が原因で、農業資材や冬期の暖房用燃料費の高騰など、原油価格の高騰は生産者の利益を減らすことに直接つながることから、農業者の生産意欲の減退、本県の農業振興の減退を招くのではないかと懸念しています。
このような中、県において農業生産コストの増加分の支援を推進されており、生産者自身もコスト削減や地域内循環を進めようと努力されているところですが、世界情勢が不安定な中、今後のさらなる原油価格の高騰も懸念されています。
今後、原油価格の高騰対策における農業支援を行う必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。
原油価格の高騰に加え、世界的な穀物需要の増加やロシアによるウクライナへの侵攻などから、肥料の原料価格の高騰が続いています。また、農業生産者は長引く肥料高騰分の損失額を価格転嫁で解消するには困難な状況であり、厳しい農業経営が続いていると認識しています。
農業肥料の価格高騰支援策を講じていく必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。
本県では、滋賀県初のオリジナルイチゴであるみおしずくが、2016年から5年間の歳月をかけて農業技術振興センターにおいて品種育成をされる中、誕生いたしました。昨年度、試験販売され、この冬に本格販売するとのことで、期待が膨らみます。
夏季における高温等の気候変動による収量や品質の低下を背景に、農業技術振興センターにて近江米の新品種きらみずきが、高温登熟性に優れ、様々な気象条件でも安定した生産が可能な近江米品種として開発されました。
きらみずきは、米市場でも存在感を高めるため、栽培方法を、環境こだわり栽培基準よりも厳しい、化学肥料や殺虫殺菌剤(化学合成農薬)不使用栽培と、オーガニック栽培の2区分に限定して栽培されると聞いております。ブランド農産物であるイチゴのみおしずくと近江米のきらみずきにおいて、今年、どのような生産状況であるのか、今後の販売見込みと併せてお伺いいたします。
また、本県のオリジナル品種として、生産者、消費者の期待が広がるみおしずく、きらみずきですが、原油高、資材高などの課題がある中でどのようにブランド化して育てていくのか、知事の思いをお伺いし、次の質問に移ります。
次に、地域公共交通について知事にお伺いいたします。
10月24日に東近江市内において、第12回近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会が開催されました。
これは県や近江鉄道の沿線市町などで組織された法定協議会で、今回初めて近江鉄道の鉄道事業再構築実施計画の概要が示されました。近江鉄道の上下分離に伴う10年間の事業費が158億円、県と沿線市町の負担金が116億円となるとの試算が出されたとの報道がありました。
近江鉄道の鉄道事業再構築実施計画の概要に対し、法定協議会においてどのような議論が交わされたのか、お伺いいたします。
今後、鉄道事業再構築実施計画に基づき、鉄道事業再構築事業を実施する上での課題について、併せてお伺いをいたします。
これからの地域公共交通について、県民と県、事業者などが一緒に考えるイベント「滋賀の公共交通未来アイデア会議」県民フォーラムが、10月28日に草津市のイオンシネマ草津で開催されました。当日は、会場に約250人、オンラインで100人が参加の下、「なぜ今滋賀県で「公共交通」を考えるのか」をテーマに三日月知事もお話をされ、その後、参加者との意見交換が行われたとのことです。
今回、県民の方々との意見交換を通じて出された意見と、それを踏まえた感想をお伺いいたします。
また、今回の県民フォーラムで出された意見を今後どのように生かしていくのか、見解を併せてお伺いいたします。
近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会では、令和2年3月にクロスセクター効果分析調査報告書が出されています。地域公共交通のクロスセクター効果分析とは、地域公共交通が廃止された場合に、各分野において、その代替となる施策の実施に要する費用と、地域公共交通の運行に対して行政が負担している費用を比較することにより把握できる、地域公共交通の多面的な効果を分析したものです。
報告書によると、近江鉄道の代わりに、医療、教育、建設等の多様な分野で代替施策を実施した場合の費用は年間19.1億円以上となり、近江鉄道を維持するために必要となる、国、県、市町の財政支出と事業損失の合計費用の年間6.7億円を大きく上回ることが確認されています。このことから近江鉄道については、廃止して代替施策を行うよりも効果的であるとの結論に至っておりますが、同時に、滋賀の公共交通の在り方を考えるに当たっては、全ての地域公共交通におけるクロスセクター効果分析をしていく必要があるのではないかと考えますが、見解をお伺いし、次の質問に移ります。
次に、不登校対策とフリースクールについて、知事、大杉副知事ならびに教育長にお伺いいたします。
子供たちは、社会の宝、未来そのものです。今回、10月17日の首長会議でのフリースクールに関する発言が全国的に報道され、大きな波紋を広げました。
まずは、知事の不登校への認識を改めてお伺いいたします。
滋賀県内の不登校の状況は、小学生は1,270人、在籍率は1.59%、中学生は2,194人、在籍率は5.33%と増加傾向になっています。不登校のうち、公立の小学生の365人、中学生の732人が専門家等による相談、指導等を受けておらず、支援につながっていない状況と仄聞しております。
国では、不登校児童の増加を受け、その支援を応援するため、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、通称、教育機会確保法が平成28年に制定され、平成29年には教育機会の確保等に関する基本指針が、令和5年3月には誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策──COCOLOプランが策定されました。
これらを受けて、県として、全ての子供の社会的自立のため、学びの保障は最重要課題であり、計画的な取組が必要との課題認識の下、増え続ける不登校への対策として、全ての子供たちに学びの機会を保障するため、現在、しがの学びの保障プランを策定中です。実効性を上げるためには、教育委員会だけではなく、民間や福祉等との連携をして取り組む必要があると考えます。
そのために、県としても、例えば滋賀の学びの推進本部等を設置して取り組むことが望まれると考えますが、しがの学びの保障プラン策定への思いと推進体制について、知事のお考えをお伺いいたします。
また、不登校のきっかけは、令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査では、小中高とも1番目は「無気力、不安」が約50%、「教職員との関係をめぐる問題」は約1%前後となっています。それにもかかわらず、滋賀県フリースクール等連絡協議会の不登校児童・生徒と家庭の実態調査の報告書では、不登校のきっかけは複数回答で、当事者は「先生のこと」が最多で、「先生が誰かを怒るのを見てしんどかった」を合わせると約15%、保護者も「先生のこと」が最多で、両方で約17%となっています。これは、令和2年度の文部科学省の不登校児童生徒の実態把握に関する調査でも類似の結果が出ていました。
この滋賀県フリースクール等連絡協議会の実態調査報告書には、ほかにも当事者と保護者の心情や実態や多くの声が掲載されていました。この貴重な実態調査を分析し、今後の対策に生かすべきと考えます。滋賀の不登校と学びの現状およびその分析と対応について、文部科学省出身の大杉副知事にお伺いをいたします。
不登校にも様々な状況があると感じています。校内教育支援センターや教育支援センター、校内カフェなどの充実やバージョンアップも大切だと考えます。ただ、学校など公の対応だけでなく、さらに多様な対応を考えたときに、フリースクールや子供の居場所など福祉や民間との連携が必要だと考えます。特にフリースクールの保護者への支援は現在6市町で独自に対応されていますが、フリースクールの安定的な運営や多様性を考えれば、滋賀県のどこからでも通える県域での支援が求められると考えます。
今後の具体的な支援については、市町との連携や国の支援等が大事だと考えます。フリースクールや居場所の利点などの認識、今後の連携と支援について、大杉副知事にお伺いをいたします。
そもそも国では、個別最適な学び、主体的な学び、協働の学びを掲げられています。幼児教育や小学校低学年から、学ぶことが駄目出しや怒られるような嫌なことではなく、学ぶことが楽しいと思える環境づくりが大切だと考えています。
先ほどのフリースクール連絡協議会の実態調査報告書では、小学1年生から3年生の時期に不登校が始まったとする割合が60%を占めています。脳科学でも、嫌々やることは鬱につながる可能性があり、楽しくすることは効率がよくなると言われています。学校が、楽しいところ、安心していられる安全な場所となることが大切だと考えます。
しがの学びの保障プランを絵に描いた餅にしないため、意識改革や具体的な取組が大切と考えますが、今後の滋賀の学びについての大杉副知事の見解をお伺いいたします。
不登校については、実際に市町や県の教育委員会や学校現場の先生等が当事者や保護者の実態を知り、当事者に寄り添う言葉がけや民間や福祉等との連携など、適正な対応が望まれます。また、学校が楽しいところ、安心していられる安全な場所になることは、全ての児童生徒にとって学びのベースです。学校における対応の質の向上にはチーム学校としてオンザジョブトレーニングが大切ですが、不登校対策やしがの学びの保障プランの実効性を上げ、子供の状況に応じ、教育と福祉が連携したチームで支援するための今後の取組について教育長にお伺いし、次の質問に移ります。
次に、こどもとしょかんについて知事にお伺いいたします。
今定例会議には第4期滋賀県教育振興基本計画案が上程されていますが、この計画策定の背景の一つである第3期計画の成果と課題の一つに「すべての人が学び続け、共に生きるための生涯学習を振興する」とあり、とりわけ本県においては子供時代に読書習慣が十分に定着していないため、子供時代の読書習慣の一層の推進が求められると示されています。
公共図書館における図書環境の整備については、コロナ禍のここ数年を経て、来館型、非来館型、両面にわたる公共図書館サービスの充実が、本県教育を取り巻く現況からも必要不可欠とされています。昨年度から、子供のための図書館について県内市町の図書館長からの声を聞いたところ、子供だけで行くことのできない箱物づくりよりも、子供が成長していく過程で身近に本がある環境を整えることのほうが何より重要との声を多数いただいたと仄聞しています。
現在、検討を進めている第5次滋賀県子ども読書活動推進計画では、こどもとしょかんを、置かれた環境にかかわらず、全ての子供たちが読書を身近に親しむことができるように取り組んでいきたいとされています。本県ならではのこどもとしょかんとはどういうものを考えているのか、お伺いいたします。
「子ども、子ども、子ども」と、子供を真ん中にした滋賀づくりを知事は目指されていますが、子供はもとより、保護者や地域の皆さんにとっても一生涯にわたり魅力や特色ある本県ならではのこどもとしょかんを造るためには、官民、とりわけ基礎自治体であり住民に最も身近な19市町との連携は必要不可欠と言えます。これからの図書館行政には、仏を作って魂入れずではなく、真に魂の入ったこどもとしょかんを地域活性化の核として19市町の地域住民と双方向で進めることが肝要です。
少子化が急速に進み、人口流出がこれからも続く地方において、地域の中核施設として多くの機能を持つ図書館の役割は、学校図書館も含め、より一層、重要性が増していると我が会派は考えています。
武村県政時代に、住民の身近に知の拠点を造るという理念で県内の公立図書館の整備が進められ、本県は図書館先進県として今に至っています。こどもとしょかんを進めるに当たってこの理念を継承していくべきと考えますが、こどもとしょかんを着実に推進していくための方策についてお伺いし、次の質問に移ります。
次に、音響式信号機とサイバーセキュリティーについて
警察本部長にお伺いいたします。
音響式信号機とは、信号機が青になったことを視覚障害者に知らせるため、誘導音を出す装置がついている信号機のことですが、信号機における音響式信号機の設置割合は、和歌山県が約23%が全国で最も高く、近畿圏では京都府、大阪府、奈良県と続き、本県は約10%となっています。2025年に障スポ大会の開催を控える本県としては、音響式信号機に加えて、歩行者用信号の状況を音で知らせるなど、視覚障害者や高齢者等の安全を支援し、交通事故の防止を図るスマートフォンを活用したシステム、高度化PICSも併せて設置拡充を目指すことで、より視覚障害者が横断歩道を安心して横断できるよう、環境整備を推進していく必要があるのではないでしょうか。
音響式信号機の設置場所の基準としては、視覚障害者の利用頻度が高い駅、役所や特別支援学校、障害者スポーツセンター等の社会福祉施設等の周辺で視覚障害者の需要が見込まれる横断歩道という基準が警察庁の通達により設けられています。
そこで、音響式信号機や高度化PICSの現在の設置状況と、その拡充に向けた取組についてお伺いをいたします。
次に、サイバーセキュリティーについてお伺いいたします。
デジタル化が進み、2023年は世界的にサイバー空間の脅威が増加しました。本県においても2023年上半期におけるインターネットバンキングに係る不正送金被害の発生件数が過去最多となり、被害金総額も過去最多に迫っていると仄聞しています。
滋賀県警察本部では2022年12月に、トレンドマイクロ株式会社の田中啓介さんのアドバイザー委嘱式を行っています。世界有数の情報セキュリティー企業である同社の田中さんは、企業に対するサイバー攻撃の侵入調査、侵入後の感染拡大傾向や被害を封じ込めるための分析が御専門で、新種の脅威が絶えず生まれ、世界に最も速いスピードで増大している犯罪であるサイバー犯罪に対する県警の強い取組姿勢を感じます。
そこで、委嘱から約1年を迎え、田中啓介さんの協力を得ながら進めてきたサイバーセキュリティー対策の成果と今後の展開、拡大し続けるサイバー犯罪に対しどのように対応していくのかについてお伺いし、質問を終わります。(拍手)
○議長(奥村芳正) 44番中沢啓子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)チームしが 県議団を代表されての中沢議員の御質問にお答えいたします。喉もお体もおいといください。
令和6年度予算について、2点の御質問にお答えをいたします。
1点目、自然環境や生物多様性の保全・再生を柱の一つとした思いと狙いについてでございますが、琵琶湖と山、多様な生き物と共に歩んできた滋賀県は、生物多様性がもたらす生態系からの恵みが生活の豊かさや文化の基盤になっていると強く認識しております。したがって、全ての土台という思いを持っております。
昨年12月には、2030年までに30by30や生物多様性を回復軌道に乗せることを新たな世界目標とする昆明・モントリオール生物多様性枠組が採択され、国でも今年3月、生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せるネイチャーポジティブの実現を目指す生物多様性国家戦略2023-2030が策定されました。滋賀の未来のため、改めて共生と循環に基づく行動を選択していくための施策を構築していくという思いを込め、柱に位置づけることとしたものでございます。
2点目の財政健全化に向けた決意でございますが、まずは、行政経営方針で定めた令和8年度までの取組を着実に実行していくことが肝要であると認識しております。
具体的には、歳入の一層の充実を図るため、県税、交付税、国費など基幹的な歳入の充実、確保を図りますとともに、クラウドファンディングの実施など、県の経営資源を最大限活用した独自の歳入確保にも全庁挙げて取り組んでまいります。
また、歳出面におきましては、引き続き必要な投資や課題にはしっかり対応しつつ、全ての施策、事業について、経済性、効率性の観点から不断に見直しを行ってまいります。特に令和6年度の当初予算に向けましては、集中取組期間として事業見直しや業務の効率化に取り組み、限られた人、財源を新たな取組にシフトすることで財政健全化への歩みを確かなものにしてまいります。
続きまして、大きな2項目め、
県政世論調査につきまして、こちらも2点賜りました。
1点目、回収率についてでございます。初めてナッジ理論を取り入れました昨年度の回収率は67.8%と、その前よりも大幅に向上いたしましたが、今年度はこのナッジ理論の効果をより詳細に検証するため、回答をお願いするメッセージを5種類用意いたしまして、それぞれの効果を図ることといたしました。
最も効果が高かったのは「3,000人のお一人に選ばれました」という社会的責任感を訴えることでありまして、これに加えまして回答者へのプレゼント情報を強調するメッセージを組み合わせた場合の回収率が最も高くなったということでございます。一方、「昨年は3分の2以上の方に回答いただきました」と同調行動を訴えた場合は回収率が低くなったそうでございます。
結果として、全体の回収率は62.7%に下がったものでございます。この結果は庁内でも共有いたしますとともに、来年度以降もこのナッジ理論を活用しながら一層の改善に努め、回収率の向上につなげてまいりたいと存じます。
2点目、この調査結果を踏まえた今後の取組についてです。
これまで、各種広聴事業により県民の皆様からお聞きした御意見や御提案等につきましては、全庁で共有し、各関係部局において施策への反映に努めているところです。県民の満足度が継続して低い分野につきまして、例えば地域公共交通では、より詳細に県民意識を把握するためのアンケート調査を実施し、目指す公共交通の姿など、県民との対話を実施しているところです。また、
CO2ネットゼロに向けた県民の省エネ、再エネ設備の導入に対する支援などの強化も図っているところです。
滋賀県基本構想実施計画では、
県政世論調査における各行政分野に対する満足度の上昇を目標としており、特に県民の満足度が低い分野につきましては、その要因と課題を的確に把握しながら、各種広聴事業で寄せられる御意見も踏まえて施策の検討や実施に努めてまいりたいと存じます。
大きな3項目めでございますが、関西広域連合との施策についてということで、こちらは3点賜りました。
1点目、大阪・関西万博についてでございます。建設費用の増加や開催そのものについて様々な御意見があることなどについては承知しておりますが、万博は人類共通の課題解決に向けた英知が結集する場でありますとともに、誘客などを通じて本県にも一定の経済波及効果が期待できますことから、着実に準備を進めていく必要があると考えているところです。このため、未来を担う子供たちをはじめ、一人でも多くの方にお越しいただけるよう、万博そのものの魅力発信に努めますとともに、万博会場内で行う催事や、県内催事で本県の魅力を発信するなど、今後も工夫を凝らして機運醸成に力を入れてまいりたいと存じます。
あわせまして、できる限り経費節減にも努めながら、関西パビリオンの滋賀県ブースが本県へのゲートウエーとして、滋賀の豊かな自然を感じていただける魅力あるものとなるよう知恵を絞ってまいりたいと存じます。
2点目、関西文化の日についてです。本県における参加施設数と入館者数の近年の状況は、令和元年度は36の施設1万4,567人、4年度は23施設1万3,433人と推移いたしまして、新型コロナの影響を受けました一時的な減少はありますものの、この取組は、一定、定着してきているのではないかと認識しております。
こうした状況にある中、本県独自の取組といたしまして、文化庁の京都移転の好機を捉え、県立美術館等の視察や博物館職員を交えた意見交換を行うなど、交流を重ね、連携を深めてきたところです。今後も参加する文化施設の拡大に努めますとともに、文化庁との交流で得られる知見を基に各施設の文化資源の磨き上げを促進することで、関西文化の日を生かした滋賀の魅力発信につなげてまいりたいと存じます。
3点目、存在感を向上させる施策についてでございますが、今後、大阪・関西万博など世界から注目されるイベントの開催は、オペラやアール・ブリュットなど国際的水準の文化芸術を提供できる施設や、近江の城に代表される国内外に誇れる文化財、世界農業遺産琵琶湖システムなどを有する本県ならではの魅力を発信し、関西の中でも独自の存在感を示すチャンスだと捉えております。
そのため、令和6年度に向けましては、世界とつながる滋賀を意識し、これまで紡がれてきた滋賀の自然、歴史文化、農業水産業、三方よしの理念、暮らしを生かした滋賀ならではの魅力をシガリズムとして国内外に広く発信し、誘客につなげられるよう、広域的な取組も含め検討しているところです。このことは関西広域連合が進める関西ブランドの向上などにもつながると考えており、相乗効果が発揮できるように取組を進めてまいりたいと存じます。
続いて、大きな4項目めでございますが、国際交流と外国人材の雇用促進ということで、こちらは5問中4問、私に賜りました。
1点目のミシガン州との交流の成果等についてでございます。
8月の私のミシガン州訪問や9月のホイットマー州知事の御来県を通じ、両県州の交流の再起動を確認することができましたとともに、琵琶湖をはじめ、本県の魅力に触れていただけたことは大変有意義だったと思います。
州知事との会談では、若者の相互交流の推進や世界の湖沼保全に向けた連携を確認し、これを受けて、11月の世界湖沼会議では、両県州が共同で環境教育の取組等についてプレゼンテーションを行いました。
今後も引き続き、ミシガン州立大学連合日本センターを活用して次世代の交流を担う人材の育成に取り組むとともに、このセンターと県内企業との連携や、近江の茶、地酒の販路開拓などの経済交流もさらに推進してまいりたいと存じます。
2点目、湖南省との交流の成果等についてです。これまでから、様々な分野の交流を通じて多くの人が往来し、互いの文化や習慣を学び、友情を紡いでまいりました。友好提携40周年の節目に当たりまして、夏には私が湖南省を訪問いたしますとともに、先月には湖南省からの訪問団をお迎えして記念行事を開催いたしました。
その際、毛偉明湖南省人民政府省長との間で取り交わした覚書におきまして、両県省は、40年にわたる友好交流が、日中両国のみならず世界の恒久平和と繁栄の礎となることを一層意識して各種交流を進めていくことを確認いたしました。
また、今回の記念行事では、両県省の高校生や大学生が書道やワークショップ等を通じて交流を深められたことから、今後も引き続き若者世代の共通体験の機会を設けるなど、次世代交流の輪が持続、発展するよう取り組んでまいりたいと存じます。
3点目、ベトナム訪問の成果についてでございますが、ハノイ近郊の工業団地に進出している本県企業の訪問では、力強く操業されている実態を目の当たりにいたしまして、近江商人をはじめ、数百年に及ぶ日越の交易の歴史が今日のベトナム経済とのつながりの基礎になっており、改めて重要な相手国であると感じたところでございます。
ハノイ工科大学の訪問では、本県が提供する日本語講座の受講学生との交流やJOB FAIRの会場視察を通じまして、滋賀の豊かな自然や生活環境の魅力、製造業を中心とする本県の産業特性や、多くの有望な企業が存在していることをPRさせていただいたところです。
自らの専門性を日本企業で発揮したいと志す多くの優秀な学生の存在や、説明を受ける学生のその優秀さを感じるという参加企業からのお声も伺うことができ、ハノイ工科大学との一層の関係強化が多くの果実をもたらすものと確信したところでございます。
ちなみに、この後、ハノイ工科大学のタン学長が知事室を訪問される予定もございます。
4点目、外国人材の雇用促進、定着支援についてでございますが、理系分野だけでなく、様々な分野で知識、技能を有する外国人材の雇用促進と定着支援は、人材不足が深刻化する本県では重要な取組だと認識しておりまして、滋賀県外国人材サポートセンターや滋賀県国際介護・福祉人材センターを設置し、事業者等を支援しているところでございます。
雇用促進につきましては、これまでから実施している留学生向けの合同企業説明会や外国人材活用セミナーの取組に加えまして、就業体験の機会提供や留学生に向けた情報発信の強化を図ってまいりたいと存じます。
また、定着支援につきましては、今後、国の検討状況の中で外国人材の活躍の長期化が見込まれます中、日本語習得支援などの就業面での課題解決だけでなく、生活面におきましても市町との連携強化を図りながら、安心して生活するための福祉や教育制度の充実が重要であると考えておるところでございまして、多文化共生にもさらに取り組んでまいりたいと存じます。
◎副知事(江島宏治) (登壇)国際交流と外国人材の雇用促進に関して、私にいただきましたオーストリア訪問の成果等についてでございますが、今回のオーストリア訪問では、ブルゲンラント州のドスコツイル首相と覚書を締結し、文化、経済などの分野での協力を確認し合えたこと、また、自らの目で現地の様子を見、人と触れ合う中で、両県州の交流の可能性を改めて感じられたことが成果と考えております。
また、サイクルツーリズムにつきましては、ノイジードラー湖周辺に整備されましたサイクリングロードを試走し、水辺に広がるヨシ群落の風景や、市民がサイクリングを楽しんでおられる様子など、琵琶湖周辺と大変よく似ていることを痛感したところでもあります。
今後のビワイチを通じた観光振興につきましては、まずは互いのルートの魅力紹介やサイクルツーリズムの充実に向けた意見交換などの取組を充実に進めますほか、互いのサイクリングロードに相手にちなんだ愛称をつけるといった取組も検討しているところでありまして、サイクルツーリズムを通じた様々な交流を進めてまいりたいと考えております。
◎知事(三日月大造) (登壇)続きまして、犯罪被害者支援につきまして、こちらは3点御質問いただきました。
1点目、本県の性犯罪被害の現状等についてでございますが、令和5年の性犯罪事件は10月末時点で241件でございます。前年同月比で31件増加しているとのことでございます。また、令和5年度のSATOCOの相談支援件数は10月末時点で1,393件でございまして、前年同月比で240件増加しているということでございます。
こうした中、今後は、改定したSATOCOの協定にもありますように、相談員の人材育成や教育機関等との連携、男性被害者にも対応した支援について、これまで以上に取り組んでまいります。
SATOCOは、県、県警察、医療機関、支援団体が緊密に連携する、全国でも先進的なシステムであると自負しております。設立10年目を迎え、全ての関係者に改めて感謝いたしますとともに、今後もこのシステムを維持、そして発展させてまいりたいと考えております。
2点目、おうみ犯罪被害者支援センターの位置づけ等についてでございますが、このセンターは平成21年に滋賀県公安委員会に指定された県内唯一の犯罪被害者等早期援助団体でございまして、県といたしましても犯罪被害者相談窓口やSATOCOの運営を委託しているところです。
このセンターでは、一人一人の心に寄り添い、それぞれの事情に配慮した途切れのない支援が実施されているところです。相談支援件数も年々増加しており、本県の犯罪被害者等支援において欠かせない存在となっております。
社会のデジタル化が進む中で、犯罪被害者等がインターネット上で誹謗中傷を受けるケースも出てきております。センターには、こうした犯罪被害者等を取り巻く環境の変化にも対応した、よりきめ細かな支援を期待し、県も一緒に取り組んでまいりたいと存じます。
3点目のセンターの現状の認識等についてでございますが、相談支援件数が増加傾向にあります中、相談員の確保、育成や、心のケア、デジタル化への対応、財政基盤の安定化等の課題があると認識しております。
現在、国におきましては、犯罪被害者支援体制の強化について、人材面、財政面での支援が検討されており、県といたしましては、その動向も注視しながら、相談員のピアカウンセリングなど支援体制の充実を図ってまいりたいと存じます。
また、センターでは、地域における途切れのない犯罪被害者等支援の実施のため、市町との連携協定の締結を進めておりますが、現時点では13の市町にとどまっております。この連携協定が全市町と締結できるよう、引き続き県もセンターと一緒に働きかけてまいりたいと存じます。
続きまして、大きな6項目めでございます。国スポ・障スポ対策ということで、こちらは2点いただきました。
1点目、輸送交通対策および宿泊対策等についてです。
私自身も鹿児島県に赴き、地域挙げてのおもてなしに感銘を受けますと同時に、選手団によりよいコンディションで御活躍いただくためには、大会期間中の輸送や宿泊の調整が重要であることを改めて認識いたしました。
まずはバスや宿泊施設を県内で効率よく確保するため、県と市町が共同で宿泊・輸送センターを開設することを予定しており、県内の事業者に最大限の御協力をお願いしたいと考えております。その上で、県内だけでは対応できない分につきましては、福井県や三重県など比較的短時間の輸送が可能な地域の事業者に提供を依頼することなど、必要な調整を講じてまいりたいと存じます。
2点目、平和堂HATOスタジアムの利活用についてです。
今年4月に供用を開始いたしました平和堂HATOスタジアムにつきましては、施設を最大限に生かして、誰もがスポーツをする、見る、支える機会を創出することを目指しております。この目標の実現に向けては、高い発信力と集客力があるプロスポーツとの連携、活用は効果的であると考えておりますが、同時に、アマチュアや障害者など多様なスポーツの拠点となることも重要であると認識しております。
このため、調和の取れた施設利用に向けた利用者間の調整や各スポーツの情報発信など、できることを積極的に行い、シンボルスポーツの創出や大会誘致等を進め、多くの方にこのスタジアムに関わりを持っていただき、国スポ・障スポ大会後もスポーツを通して地域を元気にしてまいりたいと存じます。
続いて、大きな7項目め、MLGsについてということでございまして、こちらは5点、御質問いただきました。
まず1点目、認知度向上についてです。MLGs──マザーレイクゴールズ策定から2年余りが経過いたしますが、いまだ7割の方が知らないという
県政世論調査の結果につきましては真摯に受け止めているところです。一方、今年度も、企業、団体での講演や、学校の授業の依頼を県外も含めて数多くいただいているところでございまして、また、世界湖沼会議など海外に向けた発信などを通して、MLGsは、身近な環境を通じてボトムアップでSDGsの達成に貢献するローカルSDGsモデルとして、共感の輪が広がり始めていることを実感しております。
今後とも、講演や授業のほか、集客が見込まれるイベントなど様々な機会を捉えてMLGsの意義を伝えることにより、より多くの県民の皆さんの共感とともに認知度が高まるよう、着実な努力を重ねてまいりたいと存じます。
2点目、水位低下の問題でございますが、過去の水位低下時には、漁業への支障、アユの産卵への障害、船舶の航行障害、水草の漂着、異臭、植栽したヨシの枯損、取水制限など、様々な影響が生じたところでございます。現在、水位低下連絡調整会議を設置いたしまして、影響把握のための調査を進めているところです。
今後、水位低下が進み、マイナス75センチに達した場合には、副知事を本部長とする渇水対策本部を設置し、さらなる調査を実施いたしますとともに、県民の皆様、企業に対しても節水の呼びかけを行います。さらに水位低下が進んだ場合には、河川管理者、利水者等により取水制限の検討がされることとなります。
今後とも状況を注視しながら、様々な手段により、県民や琵琶湖、淀川流域の方々に琵琶湖の水を大切に使っていただくことを発信いたしますとともに、国土交通省をはじめ関係機関との連携を密にいたしまして、適切に対応してまいりたいと存じます。
3点目、高時川の状況、これらがアユの産卵や遊漁活動にどのような影響を与えるのかということについてでございますが、今年度の琵琶湖全体でのアユの産卵数は、水産試験場が11の河川で実施した調査結果によりますれば合計15.2億個であり、平年の75.6億個の2割の状況と、大変少のうございました。秋の産卵期に高時川が渇水したため、特に重要なアユの産卵場である高時川合流地点より下流の姉川において泥の堆積は見られず、濁水による産卵への影響は限定的だったと考えられるとのことでございます。
遊漁活動への影響につきましては、高時川上流部にある2つの河川漁協では、今年度も濁水の影響を受けたため、例年7月から実施されるアユの遊漁事業の休業を余儀なくされたと承知をしております。
4点目、高時川の長期濁水、その原因と対策についてでございます。
有識者や漁業等関係者に検討会議で御意見をいただきましたほか、報告会を2回開催して、地元の方々からも幅広く御意見をいただいたところでございます。濁りの原因につきましては2つあるということでございます。
1つ目に、流域の広い範囲で大規模な侵食が起き、高時川本流に粘土などの細かい粒が堆積し、それらが雨のたびに巻き上げられるというものでございます。
2つ目は、大雨により土砂がむき出しになっている場所や、森林の斜面が新たに侵食され、濁りを引き起こしてしまっているというものでございます。
1つ目の原因に対しましては、広範囲に堆積した細かい粒の除去は困難で、自然の力で浄化されるのを待つ必要がありますが、2つ目の原因に対しましては、旧スキー場や大音波谷川において土砂をとどめることや、流域において新たな浸食を防ぐことなどが有効な対策と考えられます。
個々の対策につきましては、年内に取りまとめ、年明けの検討会議と報告会でお示しし、確実に実施するとともに、川や山の状況の監視を続け、対策の効果を検証していきたいと存じます。
雪の関係でちょっと行程は変わりますが、明日、私自身も視察をさせていただき、今後の対策検討につなげていきたいと存じます。
5点目、是正計画の内容とその効果についてでございますが、スキー場跡地について、現在、見直しが行われている是正計画の具体的な内容といたしましては、1つは、裸地になっているところを緑化し、土砂流出を防ぐこと、2つ目は、ゲレンデ跡に設置した作業道からの土砂流出を防ぐこと、3つ目は、流下してくる土砂を最下流部でとどめ、安全に少しずつ流すという、この3点でございます。
県といたしましては、これらの是正工事が実施されると土砂流出を確実に減少させることができると考えており、引き続き事業者と綿密に協議しながら工法等の助言を行うなど、積極的に関与し、早期に是正工事が完了されるよう粘り強く指導してまいりたいと存じます。
続いて大きな8項目め、健康医療福祉行政について、こちらは9点、御質問いただきました。
1点目の県内の児童虐待の現状分析と対応についてでございますが、令和4年度の相談対応件数は前年度から減少しておりますものの、継続して支援する事案の割合が増加しております。こうした背景には、内容が複雑化している、また複合化する中、対応を終結させるまでに時間を要する事案が増加していることが考えられます。そのため、子ども家庭相談センターにおいて、職階別研修等により職員の資質向上を図りますとともに、職員が孤立しないよう、センターOBなど経験豊富な職員も配置いたしまして、業務支援やメンタル面でのケアを行うことにより、働きやすい職場環境づくりに努めているところでございます。
2点目、新しい子ども家庭相談センター開設に向けた取組についてでございますが、準備段階から既存センターの職員から意見を聴取いたしまして、子供への支援環境だけではなく、働く職員の職場環境にも配慮した施設を目指しております。県内全体の人員体制につきましては、国の児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づきまして、児童福祉司や児童心理司をはじめとする専門職を計画的に配置し、体制の整備を図っているところです。また、一時保護所につきましては、児童のプライバシーに配慮し、各センターにおいて順次、居室の個室化を進めており、引き続き、心に傷を負った子供たちが安心して過ごせる環境となるよう努めてまいります。
3点目、仮称でございますが、滋賀県困難な状況にある女性への支援のための施策の実施に関する基本的な計画において期待することとその取組についてでございますが、この計画に基づきまして取組を進めることで、生活困窮や家族関係の破綻等により困難な状況にある女性に対して、日常生活の回復や自立に向けた支援等が効果的に図れるものと考えます。
具体の取組につきましては、基本方針に、切れ目のない支援体制の強化や多様化するニーズに応じたきめ細かな支援、関係機関との連携強化を掲げており、現在、こうした方針に基づき必要な対策の検討を進めているところです。
今後、来年3月の策定に向け、県民や議会に御意見を伺いながら、必要な人に必要な支援が届けられる仕組みを構築し、困難な状況にある女性が安全・安心に生活できる社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと存じます。
4点目、分娩取扱医療機関の偏在等の対応についてでございますが、分娩取扱医療機関の数は減少してきており、二次医療圏域によっては、リスクのある妊婦を受け入れることが困難な状況であることは認識しております。そのため、たとえリスクがあっても安全に出産できるよう、県内を4つのブロックに分け、リスクの高い分娩は周産期母子医療センターで受け入れる体制を構築したところです。
今後、出生数の減少に伴い、分娩取扱医療機関が減少する可能性も踏まえ、県内のどこであっても安全に出産することができるよう、分娩やケアの役割分担を含めた地域の体制について、市町や関係機関と共に検討してまいりたいと存じます。
5点目、妊娠期からの切れ目のない支援についてです。
一人一人の妊産婦に寄り添いながら、当事者の状況に沿った支援を行うことは非常に重要だと考えております。特に心身の負担が大きく孤立しがちな産前産後の母子に対するサポートが重要なことから、まずは産婦健診の実施が県内に広がるよう、市町、医師会等と調整し、今年度から広域で受診ができる体制が整い、新たに8つの市町で事業化されたところでございます。
また、助産師や保健師など専門職によるケアの充実が必要でありますことから、資質向上のための研修を充実するとともに、妊産婦ケア検討会等を通じまして、医療機関や市町、民間団体等とのさらなる連携を強化し、切れ目のない支援体制を整えてまいりたいと存じます。
6点目、全ての妊婦、子育て家庭への適切な情報提供についてでございますが、県では、ハグナビしがポータルサイトやいい育児の日等のイベントにおいて、広く県民に対して、子供、子育てに係る情報を提供しているところです。また、必要な方に必要なサービスを確実に届けるためには、直接、妊産婦と出会える場面が非常に重要なことから、相談支援のほか、医療機関の妊婦健診や出産時、さらには予防接種や市町の乳幼児健診などの機会を通じ、医療機関や市町、NPO等の民間団体と連携して、積極的な情報提供に努めてまいります。
7点目、子供の医療費助成、子ども・子育て施策推進交付金についてです。
まず、医療費助成につきましては、市町が実施する高校生世代の医療費助成に必要な経費を予算に計上すべく準備を進めるとともに、広報や開始時期等について、市町や関係団体と丁寧に調整を行っているところです。
交付金につきましては、県民に子育て支援が充実したと感じてもらえるよう、年間4億円の規模で、市町の希望を踏まえ、幅広く事業を対象とできるよう調整を進めているところでございまして、医療費助成と併せて令和6年度から事業を実施したいと考えております。
県といたしましては、市町と連携し、県全体の子ども政策のさらなる充実に努めますとともに、全国知事会の子ども・子育て政策推進本部の本部長をお預かりしておりますので、全国の子供政策を牽引していけるよう頑張ってまいりたいと存じます。
8点目、地域医療を支える体制についてです。医師の確保につきましては、滋賀医科大学と連携いたしまして、県内に定着し、地域医療に貢献できる医師を養成する地域枠制度の入学定員を、これまでの11名から令和6年度には16名へと拡充することなど、将来を見据えた地域の偏在是正に向けた取組を進めているところです。
さらに、限られた医療資源の下におきましても適切に医療が受けられるよう、医療の機能分化を図り、高度急性期から在宅医療まで切れ目のない体制を整えますとともに、退院後も地域で安心して暮らせるよう、地域の特性に応じた地域包括ケアシステムの充実に努めてまいります。
9点目、今後の保健所の体制整備についてです。保健所は、地域の保健、医療、福祉、さらには健康危機管理の拠点としての役割を担う大変重要な機関であると認識しております。体制整備に当たりましては、現在、改定を進めております感染症予防計画も踏まえ、人材の確保や育成、医療機関等の関係機関との連携構築により平時からの備えを進めますとともに、老朽化した施設や設備につきましても、財政負担の平準化も考慮しながら必要な対応に努めてまいりたいと存じます。
こうしたソフト、ハード両面での取組を着実に進め、健康危機事案に適切に対応し、県民の皆さんの安全・安心な暮らしにつなげてまいりたいと存じます。
続いて、大きな9項目め、農業振興ということで、こちらは4点いただきました。
1点目、原油価格の高騰対策です。価格が高騰した令和4年度には、農業用燃油等価格高騰対策緊急支援事業を実施いたしまして、2,179名の認定農業者等の担い手に対し、燃油や電気代を対象として約2億6,000万円の支援を行ったところです。今年度は国において燃料油価格の激変緩和措置が講じられておりますことから、県といたしましては現段階で支援策は予定しておりませんが、原油価格の動向や国の対応等を注視してまいりたいと存じます。
2点目、農業肥料の価格高騰対策についてです。これまでに国の対策として、化学肥料の低減を進める農業者に対し、令和4年秋から5年秋までに使用した肥料について、価格上昇分への補填が実施されてきたところです。県では国の対策に独自の上乗せを行いまして、延べ1万5,000人以上の農業者への約11億6,000万円の支援を通して化学肥料の低減を進めてきたところでございます。
今後、こうした取組をより前進させるため、新たな国の事業を活用し、堆肥の使用や肥料を効率的に利用できる機械の導入など、市町農業再生協議会と連携して取組を進めているところでございます。
3点目、みおしずく、そしてきらみずきの状況についてでございますが、みおしずくは現在65戸の生産者で約2.2ヘクタールが栽培されているところです。昨年度の栽培面積が0.3ヘクタールでしたので、大幅に増加しております。個人販売のほか、1ヘクタール分に当たる約17万パックが、県内量販店を中心に12月中旬から本格的に販売されると聞いております。
一方、きらみずきは74名の生産者で55ヘクタールが栽培され、今年の猛暑におきましても1等米比率が86%と高く、高温に強い特性が発揮されたと考えております。現在、県内量販店、直売所で販売が開始されており、アンケートでは9割以上の消費者から「おいしい」との評価をいただいているところでございます。
そうしたみおしずく、きらみずき、どのようにブランドとして育てるのかという4点目の御質問です。みおしずくにつきましては、昨年度、県内量販店で、他県産のブランドイチゴと同等の価格で販売いただきました。今年度は、販売を担う全農しがとも連携いたしまして、1月から県内量販店で生産者が自らPRするイベントを実施するとともに、新たに首都圏でのテスト販売も計画しております。
一方、きらみずきにつきましては、11月23日には守山において、そして一昨日12月2日には八日市の量販店で開催した販売促進イベントで私自身もトップセールスを行いまして、そのおいしさを多くの方に実感していただいたところでございます。
今後、それぞれのブランド価値を消費者に御理解いただくことにより、農業者の努力や苦労に応えられる価格で、できるだけ値を下げずに販売できるよう、PRなどに取り組んでまいりたいと存じます。
続いて、地域公共交通についてということで、こちらは4点御質問いただきました。
1点目、近江鉄道線の鉄道事業再構築実施計画について、どんな議論をしているのかということでございますが、令和6年度からの10年間で必要となります資金の額と、利用者の利便の確保に関する事項の2つを中心に議論いただきました。
まず1つ目の必要となる資金の額につきましては、今後、自治体が負担する鉄道施設の設備投資や修繕等に要する経費の算出根拠や将来見通し、国の支援制度の内容を中心に説明し、確認をいただきました。
2つ目の利便の確保につきましては、通学定期券の運賃値下げや交通系ICカードICOCA導入等の意義や効果等について、様々な角度から活発に意見が交わされたところです。
今後の議論を通して、沿線市町長の近江鉄道線再生にかける強い覚悟と、県民の皆様の利便性向上に対する大きな期待を実感いたしました。あわせまして、来年4月には第3種鉄道事業者の一員として鉄道施設を保有管理することとなりますが、その責任の重さを改めて認識したところでございます。
2点目、その鉄道事業再構築事業を実施する上での課題についてです。近江鉄道線を将来にわたり持続可能な交通軸として維持するためには、事業の収支均衡を図り、県、沿線自治体、鉄道事業者が連携協働しながら、まずは何よりも安全運行の確保、そして利便性向上への投資を持続的かつ安定的に実施していくことが課題となります。
安全運行の確保につきましては、県と沿線自治体により構成いたします近江鉄道線管理機構が第3種鉄道事業者として、施設等の更新時期の最適化、修繕工事等における工法の研究、実践等による経費節減を図りながら、適時適切な設備投資や修繕に取り組んでまいります。
利便性向上につきましては、これまで取り組めていない増便や通学定期券の値下げ、交通系ICカードの導入などについて、利用者のニーズや実施効果等を調査研究し、実現可能性を見極めながら、県、沿線市町、鉄道事業者が連携して取り組んでまいりたいと考えております。
3点目の県民フォーラムについてです。「車がなくても暮らせるまちに住みたい」ですとか、「負のスパイラルから脱するためにみんなが変えようと思うことが必要だ」また、「ライドシェアの導入など増税以外の手段を考えるべきだ」など、多くの御意見をいただいたところです。私は、よりよい滋賀をつくるためにみんなで議論し考えることが、まさにあるべき自治の姿であると考えており、今回のフォーラムはその大きな一歩となったのではないかと感じております。これに終わることなく、引き続き皆様と様々な形で対応を重ねてまいりたいと存じます。
今回いただきました御意見等につきましては、滋賀地域交通ビジョンにしっかり反映することはもとより、タクシー運転手の確保が難しい中山間地域でマイカーを活用する、滋賀県にふさわしいライドシェアの在り方や、新たな財源、例えば交通税の議論などにもつなげてまいりたいと存じます。
4点目、クロスセクター効果分析につきまして、地域公共交通は、福祉、教育、文化、観光、企業誘致、さらには
CO2ネットゼロ社会の実現など、社会を支える土台であり、また、誰もが自由にかつ安全に移動し、社会活動へ参画したり人と交流したりするために必要な、欠かすことのできない重要な社会インフラであります。
このように、地域公共交通の価値は単なる利用者の移動手段のみにとどまらないことから、その価値を見える化する手段として、クロスセクター効果分析は重要かつ有効であると認識しております。
今後、クロスセクター効果も重視し、目指す地域交通の姿を実現するための具体的な施策と、その財源の在り方、負担分担、例えば交通税を含めた議論も進めてまいりたいと存じます。
続いて、大きな11項目め、不登校とフリースクールについてということで、こちらには1点、私に御質問いただきました。
新たに策定するプランにおきましては、「すべての人が愛情を持って関わり、子供たちの生きる力を育む」ことを基本理念としたいと考えております。その中で、子供たちに多様な学びの機会と安心して成長できる居場所の確保を目指してまいりたいと存じます。
プランにおきましては、安心して学び育つことのできる学校づくりや、教育と福祉の役割、チーム学校による支援体制の強化などを位置づけていきたいと考えております。
あわせまして、推進体制につきましても、今後、実効性のある取組につながるよう考えてまいりたいと存じます。
◎副知事(大杉住子) (登壇)不登校対策とフリースクールにつきまして、私にいただきました3点の御質問にお答えをさせていただきます。
1点目、不登校と学びの現状、分析と対応についてでございますけれども、不登校は、様々な理由が時間経過とともに積み重なり、登校への不安となって、ある日、表れてくるとも言われております。不登校に至る背景は子供により異なり、理由は複雑に絡み合っているということも踏まえまして、子供の状態に応じ、社会的自立に必要な支援につないでいくことが重要と考えております。
関係者との意見交換の中で、民間の調査で、「先生のこと」がきっかけとして挙げられていた点につきましては、不安な状況で身近な先生に頼りたかったのではないかという、期待の裏腹ではないかというお声のほか、生徒指導、学級経営、これらのやり方によっては少し過度な同調圧力になってしまう例があるのではないかというような声も寄せられたところです。
今後も引き続き、関係者の声を聴き取りながら実態を把握し、安心して学び育つことのできる学校づくり、居場所づくりを後押ししますとともに、特に居場所や学びにつながっていない1,097人の小中学生が支援につながるよう取り組んでいきたいと思います。
2点目、フリースクール等の利点と今後の連携、支援につきまして、子供にとっての居場所は自己肯定感や将来の希望に大きな影響を与えるものであり、フリースクールなどの多様な学びの場や居場所は、不登校の状態にある子供が自信を取り戻し、社会につながるセーフティーネットとなっていると考えております。
学習面でも、例えば分数などつまずきやすい課題に、学校外の安心できる場所で多様なアプローチで取り組むことにより、学ぶことの楽しさを実感し、学校でも主体的に学びに向かうようになったという例も聞いているところでございます。
今後、子供たちの社会的自立に重要な役割を果たす学校と多様な学びの場や居場所とが連携しつつ、子供の成長に必要な環境を整えていくことができるよう、議会はもとより市町や関係者の御意見を伺い、国とも対話を続けながら、支援の在り方について具体的に検討していきたいと考えております。
3点目、今後の滋賀の学びと居場所についてでございますけれども、プランの原案をたたき台といたしまして、市町や関係者との意見交換を重ね、子供たちの状態に応じて必要な支援を切れ目なく確保できるよう取り組んでまいりたいと存じます。
先日、注目を集めております岐阜市の草潤中学校を訪問した際に印象的だったことは、不登校特例校を、不登校対策支援のみならず、その子らしさを生かし可能性を伸ばす教育を推進するための拠点として位置づけ、教育方法等の成果を市内の学校に普及させようとしている点でございました。
子供たちの社会的自立に重要な役割を果たす学校が、多様な子供たちにとって安心して学び育つことのできる場となり、学校外の多様な場とも連携しながら、社会全体で子供の成長に必要な場が確保されるよう取り組んでまいりたいと存じます。
◎教育長(福永忠克) (登壇)不登校対策とフリースクールについて、私にいただきました不登校対策の今後の取組についての御質問にお答えをいたします。
学校におけます不登校対策は、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの皆様を活用しながら、子供一人一人のその要因を見極め、個々に応じた対応が必要であると考えているところでございます。
また、教室に入ることができない子供につきましても、校内に安心して過ごせる場所を確保することが必要であり、その充実にも努めていかなければならないものと考えているところでございます。そして、その取組の実効性を高めるため、教職員の対応力を向上させることでありますとか、教育機会確保法の基本理念の理解を深めるための研修等の充実も図ってまいりたいと考えております。
そして、チームでの支援をこれまで以上に充実させるためには福祉との連携が何より大切であると認識をしており、市町も含め、こうした取組を進めてまいる所存でございます。
◎知事(三日月大造) (登壇)大変失礼いたしました。先ほどお答えすべき項目について、1問、外しておりましたので、11問目の不登校対策とフリースクールについて、その1つ目の不登校への認識について、まずお答えさせていただきます。
不登校の背景は様々でございます。多くの場合、家庭、学校、本人に関わること等の要因が複雑に絡み合っていると認識しております。その支援につきましては、子供を中心に置いた、その状況に応じた安心して成長できる居場所をつくること、また、多様な学びを確保することを目指し、全ての人が愛情を持って関わり、子供たちの生きる力を育むことを大切にしたいと考えております。
取組に当たりましては、子ども政策推進本部でも取り上げ、知事部局と教育委員会がチームで対応することにより、一人一人に寄り添った対応が、学校だけではなくみんなで行われることが必要であると考えております。
それでは、次の12項目めのこどもとしょかんについてお答えをさせていただきます。
1点目、こどもとしょかんはどういうものかということでございますが、こどもとしょかんとは、どこか1か所にハードを造るのではなく、全ての子供の身近に本があり、読書に親しめる環境を整えることでございます。そのためには、県や市町、民間等、子供の読書に関わる全ての人が、みんなで子供の読書活動を総合的に推進していくことが大切であります。
具体的な方向性といたしましては、全ての子供が本に親しめる環境づくり、学校、園、ボランティアなど子供の読書活動を支える人への支援、子育て世代に魅力ある図書館づくり、様々な主体が連携した取組による子供の読書環境の充実、この4つを考えているところでございます。
2点目、こどもとしょかんを推進するための方策についてでございますが、全ての子供たちにと考えた際、子供たちに身近な学校図書館の役割も大きいことから、まずは、県内の全ての市町に学校司書が配置され、学校図書館の機能がより活用されるよう、市町と共に取り組んでまいりたいと存じます。また、幼稚園や保育所、認定こども園のほか、子育て世代が利用する児童館やショッピングセンター等で、本と出会う機会の創出にも取り組む予定です。
こどもとしょかんの取組を着実に推進するため、子供の読書活動や学校図書館を支援する機能を持つセンターを設置していきたいと考えております。
◎
警察本部長(中村彰宏) (登壇)私にいただきました2点の御質問のうち、1点目、音響式信号機等の設置状況とその拡充に向けた取組についてお答えをいたします。
本県におきまして、音響式信号機は、現在、全国障害者スポーツ大会の会場周辺も含めて256か所に設置をしており、高度化PICSと呼ばれる、携帯電話機を利用した歩行者等支援情報通信システムにつきましては、彦根市内の県立盲学校周辺の4か所に設置をしております。
今後の取組につきましては、視覚障害者団体の御意見や、設置予定箇所周囲の住民の方の御理解などを踏まえて、必要な箇所に設置をしてまいります。
2点目のサイバーセキュリティー対策等についてお答えをいたします。
サイバー犯罪につきましては、年々、多様化、拡大化の一途をたどっておりまして、現状に的確に対処するためには、職員の能力向上と官民連携による被害防止対策などを一層強力に推進していく必要があると考えております。
トレンドマイクロ株式会社の田中啓介さんへのアドバイザー委嘱でございますが、県警察や県下企業におけるサイバー犯罪対策への助言、関連知識の底上げ等を目的としており、これまで県警察の職員向けの講演を2回、企業、団体向けの講演を1回、実施をしていただきました。また、県警察、田中さん、それから立命館大学が協働いたしまして、県下企業のウェブサイトの脆弱性を個別に点検するなどしておりまして、企業の皆様からも大変好評いただいておるところでございます。
引き続き田中さんの御協力も得ながら、職員等の知識の底上げ、あるいは中小企業対策等、サイバー犯罪への対処に取り組んでまいります。
○議長(奥村芳正) 以上で、会派代表による質疑ならびに一般質問を終わります。
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△休会の議決
○議長(奥村芳正) お諮りいたします。
明5日および6日は、議案調査のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
(「異議なし」)
御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
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○議長(奥村芳正) 来る7日は、定刻より本会議を開き、上程議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後2時42分 散会
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