滋賀県議会 2023-10-24
令和 5年決算特別委員会-10月24日-03号
5 事務局職員 野口課長、内田参事、川畑主幹、中村主査、馬崎主査、
井上主査、光野主査
6 会議に付した事件 別紙次第書のとおり
7 配付した参考資料 別紙のとおり
8 議事の経過概要 別紙のとおり
議事の経過概要
開会宣告 9時59分
《
健康医療福祉部・
病院事業庁所管分》
1 議第110号 令和4年度滋賀県一般会計および各
特別会計歳入歳出決算の認定を求めることについて
議第113号 令和4年度滋賀県
病院事業会計決算の認定を求めることについて
報第8号 滋賀県基本構想の実施状況について
報第11号 令和4年度決算に基づく健全化判断比率について
報第12号 令和4年度決算に基づく資金不足比率について
(1)当局説明
大岡健康福祉医療部長、
奥山健康医療福祉部次長、
岸田病院事業庁次長、
(2)質疑、意見等
◆桐田真人 委員 資料2の249ページの
医療機関等指導費について、今後の課題として在宅療養者の増加が見込まれると記載されています。県民にとっては、在宅で医療をすることに関しての情報量が少なく、情報量の差によって機会の損失や受けられるサービスの質などの差が出てきているのではないかと思います。とりわけ家族にとっては、在宅医療により精神的、身体的、経済的な負担もあります。市町職員の
コーディネート力の養成を課題として挙げていますが、市町の病院も含めて、患者家族に接する方の
コーディネート力の養成というのは、具体的にどういったことに注力していくのですか。
資料5の3ページの医薬品の購入にかかる随意契約について、令和4年度の前半は、一般競争入札が不落になったため、後半は、医薬品の安定確保、安定供給のため、随意契約を行ったと記載されています。その結果、医薬品がどのように病院で安定的に供給されて、どのような効果を発揮されたのか、今後の市場の見通し等も含めて、随意契約の効果と評価についてお伺いします。
◎飯田
医療福祉推進課長 在宅医療の推進について、医療と介護の連携や患者本位の在宅医療が重要と考えています。二次
保健医療圏域単位で顔の見える関係づくりができるように、多職種による研究会の開催、切れ目のない医療介護の提供に向けた地域連携のクリティカル・パスや
入退院支援ルールの運用、患者本位の医療介護の提供に向けた意思決定支援等に取り組んでいるところです。
在宅医療介護連携推進事業については、市町が主体となっていることから、本庁と各保健所が連携しながら必要な情報を提供したり、市町の職員を対象とした研修を実施したり、多職種、多機関の
ネットワークづくりや事業実施の手助けなどを行ったり、在宅医療ニーズに対応できる人材の育成やスキルアップを行ったりしていきたいと考えています。こうしたセミナーの開催や市町へのヒアリングの実施、
アドバイザー派遣等による個別支援に取り組んでいきたいと考えています。
◎三井 経営管理課長 医薬品の購入に関する随意契約の効果、評価について、特にがんの治療に使用する医薬品には非常に希少なものがあります。日本だけではなく、様々な国で必要とされており、その中でがん患者を救うために確実に入手する必要があることから随意契約にならざるを得ないと考えています。世界情勢の中で医薬品も高騰している部分もありますので、必要な医薬品を確実に確保するという意味では、随意契約の効果はあると思います。
◎岸田 病院事業庁次長 補足させていただきます。昨日もニュースになっていましたが、後発医薬品を県立病院でも使用していますけれども、品薄状態になっており、新規の契約が難しい状況になっています。同じ業者から継続して購入しないと入手が困難という事情があり、随意契約を選択せざるを得ない状況もありますので、御理解いただければと思います。
◆桐田真人 委員 在宅医療について、人材の育成等の観点から説明いただきました。患者家族が在宅医療を選択されたとき、相談の
ファーストコンタクトを取るところ、それが病院なのか市町の窓口なのかは分かりませんが、一番初めの入り口が大変重要だと思います。コロナ禍ではそういう相談時間が取れないという状況もあったと思いますので、
コーディネート力の部分で、一番初めに相談をしやすい環境をつくっていただきたいと思います。患者に寄り添い、患者の家族の負担を軽減していけるような在宅医療の充実をお願いしたいと思います。
医薬品について、今の説明が全てだと思います。私がお伺いしたいのは、希少な医薬品は当然確保しないといけないと思いますが、医薬品全般においてそういう状況にあるのかです。後発医薬品の制度が根幹から揺らぎかねているという話もありましたが、医療を提供する際にどのような判断をするのか総合的に考えていく必要があるのではないかと思います。1年間の需要に応じて単価契約をされていますが、全ての医薬品がそういう状況なのか、重要な医薬品や希少な医薬品でこういう契約制度を取られているのか、お伺いをしたいと思います。
◎三井 経営管理課長 医薬品の調達方法について、原則は一般競争入札により一括調達しています。その中で、特に高額な医薬品や希少な医薬品については、情報収集し、限定的に随意契約にしているところです。
◆桐田真人 委員 資料5に記載されているものは、随意契約をした医薬品だけ記載しており、全ての医薬品ではないということですか。
◎三井 経営管理課長 一般競争入札で調達しているものが多数で、一部の医薬品だけが随意契約になっています。
◆海東英和 委員 関連してですが、地域の見守りや医療介護の連携について、市町職員の
コーディネート力の養成も確かに必要だと思います。一方で、介護保険や医療がある意味で行き渡って長生きできるようになり、地域で活動されるのですが、初期の認知症が原因で問題を起こしたりしている事例が、市町の保健師にたくさん集まってきています。保健師が疲弊し、メンタルが持たないという状況もあると聞いており、24時間介護や訪問介護の草分けの県として、次のステージに備えないといけないと思いますが、このことについて認識を伺います。
◎飯田
医療福祉推進課長 地域において、医療、介護サービスのほかの部分でも様々な課題があり、特に家族の負担が非常に大きいと認識しています。市町の専門職による支援の中でも困難な事例が多発していると指摘いただいているところです。支援者の支援になりますと、専門職の多職種連携の中でケースワークや助言ができるような体制づくりが重要と考えています。また、支援者に対するアドバイス等ができる支援者支援の体制をつくっていくことも重要と考えています。家族の負担を軽減していく施策も必要と思いますので、今後しっかりと検討していきたいと考えています。
◆海東英和 委員 滋賀県は全国一の長寿県になり、そういう課題が現場で起こっていることを認識し、率先して取り組んでもらいたいです。全国で役に立つような、新たな社会の仕組みについて大いに関心を持って検討していただきたいと思います。
コロナの関連で、とにかく前に進まないといけない状況で走ってきて、滋賀県は近畿で一番死亡率が低く、路頭に迷う人がいないなど、すばらしい対応をしていただいたことに感謝申し上げたいと思います。なかなか内部の人を表彰する仕組みがないので、9月に解散した
コントロールセンターをはじめ、県民に対してこういう方が頑張ってくれたということを周知してほしいと思います。
逆に、旅行業者がコロナ関連で過大な請求をしていたことが報道されています。これからそういうことについて、振り返らなければいけないと思います。令和4年度の監査において、コロナ関連で外部に大きな金額で委託した事業のチェックはどのような状況だったのか伺います。
◎長崎
健康危機管理課長 コントロールセンターの閉鎖に当たり、各医療機関から
災害医療コーディネーターとして活躍いただいたことについて、感謝状等をお渡しする場を設定したいと考えています。
委託事業等について、
近畿日本ツーリストで不正請求があったことが発覚しました。滋賀県でも
近畿日本ツーリストに宿泊療養施設の運営を委託していましたが、事業者自身が第三者機関により検証を行い、滋賀県での不正請求はなかったという報告がありました。基本的に人件費を水増しできるような仕組みではない形で契約していましたが、県においても改めて確認しましたし、県職員が宿泊療養施設に常駐しておりましたので、その履行状況も確認した上で、支払い時には出勤簿あるいは実費精算の領収書等で確認をしたところです。
また、
近畿日本ツーリストは、大阪のワクチンのコールセンターの委託で不正が発覚しました。滋賀県においては、ワクチンのコールセンターを
近畿日本ツーリストに委託しておりませんでしたが、改めて対応状況や出勤簿等の確認をし、間違いがないことを確認しているところです。
◎島戸
監査委員事務局長 担当課から説明がありましたが、委託業者に対して、県職員の派遣や書類のチェック等を担当課で行い、監査においても、帳票等を確認し、その結果、委託事業に関して不正はなかったと認識しています。
◆節木三千代 委員 資料2の231ページの医療提供体制について、昨年度はコロナの波が来るたびに感染者が増える状況でした。県の振り返りの中でも、感染状況に応じた病床運営が困難な場面があったと記載されていて、自宅で療養せざるを得ない状況が、滋賀県だけではなく、全国で多々あったと思います。今後の課題への対応で、必要な時期に適切な入院病床を確保できるよう病院と調整を行うと記載されていますが、そもそもベッド数そのものに限りがある中で、振り返りには他の疾患にしわ寄せがいったことも記載されており、今後の新興感染症に備えて、ベッド数の確保というのは非常に重要になると思います。国の方針とは違うかもしれないですが、そこの部分はしっかりと確保していく必要があると思います。
資料2の245ページの
国民健康保険健全化対策費について、
国民健康保険広域化等支援基金が解散したとの説明がありましたが、この基金は決算でどれぐらいあり、次年度にどれだけ繰り越したか教えてください。令和4年度は標準保険料率を1人当たり2,942円値上げすることを示されましたが、市町の保険料の状況はどうだったのか教えてください。
資料2の309ページの
障害児者施設等整備助成費について、本会議でも何度か議論をしてきたのですが、障害者施設、特にグループホームの整備において、結局予算上は何か所計上して、国庫補助がついた分も含めて決算で何か所になったのか教えてください。
介護職員や障害福祉職員、医療従事者の処遇改善が行われましたが、対象となった事業所数を教えてください。
資料4の3ページの3病院の延患者数について、前年度比較で3,191人の減少となっていますが、主な原因について教えてください。
◎長崎
健康危機管理課長 コロナの病床について、国の方針に基づき、令和4年度の最大の波をベースに、感染拡大期においては県が病床を確保する移行計画を策定し、しっかり確保していく予定です。
コロナの感染拡大では、急に病床を確保したことにより、通常医療に影響が出ました。次の感染症の備えとして、現在、県の感染症予防計画の改定を進めており、その中で、平時からあらかじめ各病院と病床の確保について協定を締結し、通常医療と両立ができるように進めていきたいと考えています。
◎谷 医療保険課長
国民健康保険広域化等支援基金の解散について、県で持っている国民健康保険に関する基金2つのうちの1つになりますが、広域合併に伴って役目を終えたことによる解散になります。年度末残高は4億3,439万4,701円であり、2分の1は国の拠出ですので、国庫に返し、2分の1は県の拠出ですので、県の一般会計に戻した状況です。ちなみにもう1つの基金は、現在26億400万円余の残高があり、こちらのほうは国民健康保険の安定のために、現在も保有しているところです。
令和4年度の市町の保険料の状況について、引き下げは8市町、据え置きが11市町で、引き上げられたところはなかった状況です。
◎長谷川 障害福祉課長
障害児者施設等整備助成費について、国の施設整備補助金の採択を受け、グループホームなどの整備に取り組んでいるところですが、国の予算が大幅に減っており、国への要望を実施しているところです。令和4年度の施設整備の状況ですが、9か所の予算を確保し、国に協議をしておりましたが、補正予算も併せまして9か所中2か所の整備をしたところです。
処遇改善加算について、令和4年度の前半は補助金の形で実施をしており、対象となる事業所のうち84%ほどの申請率でした。後半の10月からは、本体の加算に加えて
ベースアップ等支援加算という形で実施し、対象となる事業所のうち68.3%が加算を受けた状況です。加算を受けていない事業所に対して、社会福祉労務士からのアドバスを受けていただくなどの取組を行うなど、アプローチを重ねており、引き続き取り組んでいきたいと思います。
◎飯田
医療福祉推進課長 介護施設における処遇改善の状況について、補助金は法人数で439件、その後移行した処遇改善加算は、令和5年4月末の状況で、処遇改善加算ⅠからⅢは95.6%、そのうち
特定処遇改善加算は80.4%、
ベースアップ加算は、処遇改善加算ⅠからⅢの算定事業所のうち89.4%が取得をしているという状況です。
◎三井 経営管理課長 入院患者数の減少の大きな要因について、コロナの専用病床を確保するため一部の病床を休止した影響が出ています。そのほかにも、院内感染を防止する観点から、コロナ感染者以外の入院の受入れを抑制したり、手術の先送りをしたり等の対応も要因となっています。また、患者自身が検診を控えられたこともあり、入院患者数が減少したと考えています。
◆節木三千代 委員 コロナの医療提供体制について、病院と協定を結んで今後の新興感染症に備えるということですが、コロナ病床を確保するのに2、3週間かかり、スタッフの勤務をやりくりするという現場の大変さを見ていますと、ベッド数そのものが全体として不足していたという認識を持つべきだと思います。
国民健康保険について、26億400万円の基金残高があるということですが、これだけ残さなければならない根拠を説明いただきたいと思います。
障害児者施設等整備助成費について、9か所のうち国の予算が2か所だけしかついていませんので、今年度新たに県費単独で予算化したものもありますが、引き続き国に求めることが必要だと思います。
障害福祉の処遇改善の関係で、秋以降に処遇改善を取得しているものが68.3%であり、引き続き取得に向けてアプローチするということですが、取得すれば賃金が上がるにも関わらず取得しないというのは、どのような理由からですか。
病院事業庁の患者数について、病床使用率も患者の減に伴って令和4年度は3病院とも下がっています。
小児保健医療センターでは、100床のうち平時でどれぐらい使用可能なのですか。コロナ病床として40床を確保していたと思うのですが、コロナ禍での一般病床60床の使い方を詳しく教えてください。
◎長崎
健康危機管理課長 コロナ禍でベッド自体が不足していたのではないかということですが、今年度に入り、現場の病院の先生方と
感染症連携協議会や入院、移送に係る部会等で話をさせていただきました。その中で、急性期の入院の受入れは一定めどがついているが、急性期を脱して、回復期やコロナ自体が治った方が次の病院や施設に行っていただく後方支援がなかなか難しく、うまく回っていかないところが課題と指摘いただいています。令和4年度においても、全ての病院が受入れをしていた状況ではなかったので、まずはしっかり役割分担を明確にする必要があると考えています。今後の協定の締結に当たりましても、急性期的な部分、回復期的な部分、後方支援の部分に分けて全ての病院に参画いただけるような調整を行っていきたいと思います。
◎谷 医療保険課長 国民健康保険の基金として26億400万円もの額が必要なのかという質問について、国民健康保険の医療費は年間1,000億円必要であり、1か月分の半分にも満たない残高となっており、必要な額と考えています。
なお、令和4年度には保険料抑制のため、これまでの剰余金で積み立てた21億円余を取り崩し保険料に充てています。
◎長谷川 障害福祉課長 処遇改善の
ベースアップ支援加算の取得状況が低い事情についてですが、日頃施設とやり取りをさせていただく中で、事務処理の手間が大きい、人材不足であり負担になってしまうという声があります。そうした中で、社会福祉労務士にコンサルティングをしてもらい、事務の手間を減らすような取組を進めていますが、介護施設と比べても数字が低い状況ですので、改めてほかに困り事がないか、かゆいところに手が届いているのかということを聞き取りしながら進めていきたいと思います。
◎田中
小児保健医療センター次長 小児保健医療センターの病床について、三十数年前の建物であり、乳幼児病棟には8床の病室がありますが、実際は呼吸器などいろいろな機械をつけた子供が入院するとなると、8床を確保するのは難しい状況です。患者によっては、最大の100床を利用できることもありますが、現実的には機械をつけている子供が増えてきていますので、100床を確保するのは難しいです。
現在は、今までコロナ病床としていたうちの20床は引き続き感染症の患者に対応できるように、残りの80床は、一般医療とHCUなども含めて運営していきたいと考えています。
◆菅沼利紀 委員 資料2の261、262ページの食品や水道水の安全確保と生活衛生の向上について、(5)の
動物愛護普及事業を生活衛生の向上という分野で実施された意味と効果について教えてください。
◎長宗 生活衛生課長 生活衛生課で所管している業務として挙げています。動物愛護の普及啓発をすることで、動物を飼われていない方に対しても、動物の命の大切さ等について知ってもらう機会となり、継続して実施していきたいと考えています。
◆菅沼利紀 委員 例えば動物の生命や病気などを気にするのであれば、医療の分野で実施する、動物愛護や動物の権利を気にするのであれば、人権の分野で実施するほうが効果が高いのではないかと思いましたので、あえてなぜこの衛生の中で実施されるのかお聞きしています。
◎長宗 生活衛生課長 動物を所管している体制の関係もありますが、国は環境省が所管をしており、県では生活衛生課で動物愛護、特に犬猫の関係の業務を所管しています。そうした役割の中で事業を進めていることから、この分野に計上していることを御理解いただければと思います。
◆小河文人 委員 資料2の275ページの「滋賀で家族になろう」推進事業について、しが
出会いサポート地域連携推進事業の会員登録数が708名となっています。この事業はしが結だったと思いますが、登録数があまりにも少ないのではないかと思います。各市町でも実施している結婚相談事業と連携すると、もう少し大きな事業になるのではないですか。もっと県がイニシアチブを取って進めていくべきではないかと思いますが、今後の考え方を伺います。
資料2の286ページの
ヤングケアラー支援体制強化事業について、
ヤングケアラーというのは潜在的で表に出てこないのが現状だと思います。私も小さい頃にそういう経験がありますが、小さい頃は現状の生活が当たり前のように思ってしまい、周りから見てこれは
ヤングケアラーではないかと気づくわけです。この事業が取っかかりになると思うのですが、もう少し実態に応じた
ヤングケアラーの支援を考えていくべきだと思います。県で
ヤングケアラーの人数を把握しているのか伺います。
◎秦 子ども・
青少年局子ども未来戦略室長 結婚支援事業について、事業の周知がだんだん図られてきまして、先月末では1,000名を超える方に登録いただいております。この事業を広めるに当たっては、同じように結婚支援事業をしている市町との連携が大切だと考えています。市町のほうからも一緒にやりたいという意見、要望を頂いているところです。市町で取り組んでいると範囲が限られ、登録者の幅が広がりにくいという意見も頂いており、県のしが結事業と一体的に実施することで、より登録者の幅が広がると思います。
この事業で
結婚支援コンシェルジュを配置しており、市町の結婚支援事業の助言などもしているところです。今後とも市町と一緒に進めていきたいと考えています。
◎川副 子ども・
青少年局家庭支援推進室長 ヤングケアラーについて、まずもう少し実態に応じた支援ができないかということですが、現在、子ども・青少年局に
ヤングケアラーコーディネーターという専門職を配置し、各市町の支援体制の強化に乗り出しています。具体的には、各市町に児童虐待や貧困対策を扱っている要
保護児童対策協議会というネットワークがあり、その中で
ヤングケアラーのケースを適切に把握し対処する支援体制の構築を図っているところです。こうした支援の効果もあり、各市町で独自に実態調査が始まっています。自分の市町で、学校などを通じて、しっかりと
ヤングケアラーの状態にあるような子供を把握しようという動きが広がっております。
ヤングケアラーと思われる子供の人数を把握しているのかということですが、令和4年3月に県で実態調査をしています。その時点では
ヤングケアラーの事業が始まったばかりですので、子供に直接あなたは
ヤングケアラーですかと聞くサンプル調査は実施しておらず、学校、福祉機関、民間団体などの関係機関を通じた間接的な調査を行っています。各団体から回答があり、該当すると思われる児童生徒の数は約590人でした。
◆小河文人 委員 「滋賀で家族になろう」推進事業について、各市町に結婚相談員がいますし、登録数もかなりあると思います。これを一元化して、県が主体性を持って一つのシステムをつくり上げていく段階に来ているのではないかと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
ヤングケアラーについて、学校などで調査してもなかなか出てこないのが現実です。核家族化が進んでいる中で、民生委員等にもっと周知をし、周りからケアをしていく体制をしっかり取っていく必要があると思います。県がイニシアチブを取りながら、各市町と連携することが一番重要ではないかと思いますので、今後の支援のさらなる強化に努めていただきたいと思います。
◆柴田栄一 委員 資料2の195ページのうつ・自殺対策の推進について、相談窓口などをつくっていただき、多くの方が救われていると思います。滋賀県では自殺された方が約300人おられて、40代が多くなっています。全国では2万2,000人ぐらいの方がおられ、50代から上の方がとても多くなっています。SNSやLINEを使った取組をしていますが、そうしたものが使えない高齢者に対してどのように周知をしていくのですか。まだまだ相談したい方はたくさんおり、どこに相談していいのか分からない、ネットが使えない、SNSが使えないといった方もいると思いますので、そういった方に対して県としてどのように周知されていくのか教えていただきたいと思います。
◎長谷川 障害福祉課長 コロナの影響などもあり、県内の自殺者の状況はかなり悪化していると考えています。御指摘いただいた高齢者への啓発については、コロナ禍でも対面による相談や電話相談の回線の増設といった取組を進めてきました。若者に対してはSNSの拡充も進めてきましたが、高齢者に対しては、インターネットよりは、対面や電話での対応が重要になってくると思います。
自殺の予防に関しては、街頭啓発も進めており、9月には自殺の予防週間として、大津市、草津市、長浜市、高島市で啓発資材の配布を1万個ほどしました。なかなか周知が行き届かないという課題は認識しており、地道に進めていきたいと思います。
◆柴田栄一 委員 高齢者にどのように周知するのかを考えると、各市町と連携するのがいいと思います。年齢を絞って、例えば50歳から上の方には紙媒体で、こういったところに相談してください、困ったときは相談してくださいと周知することも必要になるのではないかと思います。この時代に紙媒体となると逆行しているような感じもするのですが、それでも必要になってくると思いますので、今後検討いただきたいと思います。
○冨波義明 副委員長 資料2の196ページの滋賀県の自殺者数ですが、令和4年度は、前年度から26人増加しています。下の自殺死亡率を見ますと、目標値が前年より減少となっており、達成したと記載されています。26人増えたにもかかわらず達成したというのは、人口10万人に対しての割合が少なくなったと見ればいいのですか。例えば令和3年度は229人で前年度から3人増加、自殺死亡率は0.1ポイント上昇し、未達成となっています。ところが今年は26人増加して達成になっていますが、この辺りの表の見方を教えてください。
◎長谷川 障害福祉課長 自殺者数の状況としては、昨年度と比べて26人増加し、年代別に見てもまんべんなく増加している状況です。自殺者数と自殺死亡率の表の見方ですが、出元が違う統計を使っていまして、自殺者数が警察の統計を基にした、地域における自殺の基礎資料から拾っている数字で、速報的に出る数字になります。自殺死亡率は、厚生労働省の人口動態統計を基にしており、医師の死亡届に基づくもので、発表の時期が10月か11月ぐらいになります。そのため、令和4年度の自殺死亡率は15.4で、前年度より0.9ポイント減少とありますが、これは1年前の数字になります。令和5年度については、先週ぐらいに人口動態統計の最新の数字が発表され、自殺者が250人で、自殺死亡率が18.1となっており、警察の統計と厚生労働省の統計のどちらとも増加に転じている状況です。
○冨波義明 副委員長 表の見せ方が分かりにくいと思います。令和4年度の自殺者255名のうち、18歳未満はどれぐらいいますか。
◎長谷川 障害福祉課長 19歳までの数字になりますが、令和4年度は10人になっています。
○冨波義明 副委員長 そうすると大多数が青年になると思います。新型コロナウイルス感染症等の影響により自殺者の増加が懸念されたと記載していますが、具体的にコロナの何が要因で自殺者が増えていると県は分析しているのですか。
◎長谷川 障害福祉課長 昨年度の滋賀県自殺対策計画の改定の中で、自殺は、一つの要因で起こるというよりは、命を絶たざるを得ない状況に追い込まれるプロセスとして捉える必要があり、様々な悩みが複合的に重なり追い詰められて、自殺以外の選択が考えられない状況に陥ったり、社会とのつながりが減少したり、生きていても役に立たないというような役割の喪失感があったりということが指摘されています。コロナ禍では、やはり社会とのつながりが減少するという方が多く、そのことも精神的な状況を悪化させた可能性があるのではないかと分析しています。
○冨波義明 副委員長 自殺の増加傾向は二、三年続いており、今後も続くと思われますので、自殺の要因分析を踏まえて、しっかりとした対策を取っていただくようにお願いします。
◆本田秀樹 委員 資料1の8ページの貸付金元利収入について、補正予算を組まれていますが、目的と全体の貸付元利の人数を教えていただきたいと思います。
◎川副 子ども・
青少年局家庭支援推進室長 母子父子寡婦福祉資金貸付ですが、困窮されている世帯等を対象に生活資金や修学資金を貸し付けているものです。今回の補正については、貸付件数の増加によるものですが、数字については後ほど答えさせていただきます。
◆本田秀樹 委員 その件数を教えていただきたいのと、収入未済額の件数、貸付けの限度額の有無についても教えてください。部長からいろいろな部分について取組をしているとの話がありましたが、具体的にどういう回収をしているのか教えてください。これに対しては遅延料が課されるのかも教えてください。
◎川副 子ども・
青少年局家庭支援推進室長 収納未済になっている件数については、母子、父子、寡婦合わせて1,182件であり、うち163件の滞納があります。延滞金、いわゆる違約金については、母子及び父子並びに寡婦福祉法施行令で利息3%と定められており、違約金がついている方は58名になっています。
◆本田秀樹 委員 何年も滞納されている方がいると思いますが、その人数を教えてください。
◎川副 子ども・
青少年局家庭支援推進室長 全体で1,028件あり、新規に滞納された方は163件となっています。
◆本田秀樹 委員 その中で、今後なかなか払えない人がいれば差押さえすることもあると思いますが、そうした事例はあるのですか。
◎川副 子ども・
青少年局家庭支援推進室長 県の償還に係る取組についての質問と思いますが、まず各家庭において状況が変わりますので、県庁に配置している母子父子支援員や市町を通じてきめ細かに家庭状況を把握しています。償還方法については、分納や口座振替など収めやすい方法で指導をしています。長期間滞納されている案件や償還が困難な案件については、財政課との共同管理や弁護士への回収業務委託などを行っていますが、現時点で差し押さえたケースはありません。
◆河井昭成 委員 資料2の257ページの介護支援専門員養成事業について、例年合格者数が100人を超えていますが、当然辞めていかれる方もあり、現状ケアマネージャーが足りているのかどうかの評価を教えてください。
資料2の275ページの保育士・保育所支援センター運営事業や保育士を確保する事業、低年齢児保育保育士等特別配置事業について、保育施設の質の確保が大事だと思っています。通常業務として保育施設の現場の実査等を行い、園の運営を確認されていると思いますが、コロナでなかなかできなかった実情もあると思います。現状どのように認識しているのか教えてください。現場に行っていただいて現場の悩みを聞いていただきたいと思います。
低年齢児保育保育士等特別配置事業について、成果の説明では、低年齢児保育の質の向上ならびに保育士の業務負担軽減を図ることができたと記載されていますが、本当に実現していますか。配置はできているけれども、現場はまだ足りていないという現状がないかを実際見ておく必要があると考えます。ここについての現状を教えてください。
◎飯田
医療福祉推進課長 介護支援専門員について、専門員証の交付者数自体は3,700人ほどいますが、実際にケアマネージャーとして従事している方は1,900人前後であり、介護支援専門員の育成や仕事を続けていただくことについて課題があると認識しています。現場からは、介護職員からケアマネージャーになると給与が下がるとか、業務の質や量に見合う処遇が受けられないといった声も聞いており、介護支援専門員が増えない要因の一つと考えています。国に対してケアマネージャーの処遇改善の要望をしているところですが、引き続きそうした働きかけについても続けていきたいと考えています。
◎堀出 子ども・青少年局子育て支援室長 保育の質について、確かにコロナで現場に行く実地指導が1年半ぐらいできていませんでしたが、昨年度からできる限り実地指導を進めております。実地指導に当たり、県庁に配置している指導員と一緒に現場指導させていただき、その中で必要な支援をしているところです。委員御指摘のとおり、コロナ禍で保育の質が確保できていなかったという現場の声を聞いておりまして、今年度については、現場から要請がある施設に可能な限り指導員が出向いて、新人保育士の指導や園長の相談に乗るようにしているところであり、現場の質の向上に向けて取り組んでいるところです。
低年齢児保育保育士等特別配置事業について、加配をしている保育施設においては、多くの保育士を配置し、質の向上が図られていると考えています。ただ、保育士の数が足りない中、全ての保育施設で配置できているわけではなく、そのような施設では質の向上につながっていないところもあります。引き続き保育士の数の確保に努めていきたいと思います。
◎川副 子ども・
青少年局家庭支援推進室長 先ほどの本田委員の質問で答えていませんでした母子父子寡婦福祉資金の貸付限度額についてお答えします。こちらについては12のメニューがあり、そのほとんどが修学資金と就学支度資金になっています。修学資金については、学校種別等により異なりますが月額1万8,000円から12万2,000円、就学支度金は一時金になり、こちらも学校種別等により異なりますが6万4,300円から59万円になっています。
◆佐口佳恵 委員 資料2の195ページの自殺予防の相談について、たくさんの相談を受けていただきありがとうございます。相談を受けた後を支えていかないといけないと思いますが、相談を受けた後はどうなりましたか。また、19歳未満の自殺者が10人いるということですが、2022年は全国の子供の自殺者が514名となり、初の500人超えということが報道された年でもありました。県内での推移はどうだったかお伺いします。
資料2の251ページの認知症の相談についても、6,745件の相談を受けていただきありがとうございます。周知ができているのかという観点から、地域別の相談状況を教えてください。また、どの程度の認知症の段階で相談窓口にアクセスできているのか教えてください。
また同ページの若年認知症支援者見える化事業について、事業所一覧を作成したということですが、地域リソースを掴むことも大事だと思います。この事業の内容と事業所一覧をどのように生かしていくのか教えてください。
資料2の319ページの包括的・重層的支援体制整備推進事業について、重層的支援体制整備事業実施市町が7市町とありますが、その内訳を教えてください。ほかの市町の動向についても教えてください。
資料2の322ページの生活困窮者自立支援事業について、相談者の自立を支援することができたとあっさり記載されていますが、どのような様子であったか説明いただければと思います。
◎長谷川 障害福祉課長 自殺予防相談を受けた後について、例えばLINE相談や対面相談において、必要があれば警察につなぐという取組をしています。相談業務を委託している事業者から、この方は保護したほうがいいのではないかという緊急の電話があった場合には、警察が現地に駆けつけ、すぐさま保護するような取組をしています。万が一、自殺未遂ということになった場合は、救急医療機関から精神科医療機関へつなぐような取組をしています。
10代の自殺者数の推移ですが、ここ5年ほどの数字で申し上げますと、平成30年が5人、平成31年が6人、令和2年が10人、令和3年が10人、令和4年が10人であり、ここ5年ほどで倍増したような状況です。
◎飯田
医療福祉推進課長 認知症の関係について、地域別の状況については後ほどお答えします。
若年認知症支援者見える化事業につきましては、平成29年度から、若年認知症の人の受入れが可能な事業所や、受入実績のある事業所について公開しているところです。令和3年度末で32事業所、令和4年度末で40事業所であり、県のホームページでの公開や医療機関、地域包括支援センター等を通じて、情報提供を行っているところです。
◎駒井 健康福祉政策課長 重層的支援体制整備事業の実施市町ですが、長浜市、守山市、甲賀市、野洲市、高島市、米原市、竜王町の7市町となります。令和5年度以降に新たに2市が実施し、現在9市町が実施していることになります。また、本格実施に至る前段の移行準備事業があり、こちらの事業に取り組んでいる市町が現在6市町ありますので、残りの4町が未実施という状況です。
生活困窮者自立支援事業について、幾つかメニューがあり、必須事業である相談支援事業では、各市町の健康福祉事務所に相談支援員を配置し、相談を受けていただいています。そのほか、住宅確保給付金の支給や就労準備に向けた支援、子供の学習・生活支援、家計改善支援などのメニューがあり、各市町で実施していただいている状況です。
◆佐口佳恵 委員 認知症もそうですし、在宅医療は大分進んでいるみたいですが、既存の地域のリソースを掴むことが大事だと思います。
警察と県が協働して自殺対策をしていただいていますが、バックアップの体制もいろいろな方法があると思います。せっかくワンタッチで相談できるところがあるので、そこを分析していただき、必要な支援者を支える仕組みについて、既存の枠組みにとらわれることなく検討していただきたいと思います。
◆節木三千代 委員 先ほど
小児保健医療センターの病床使用率を聞きましたが、レスパイトは2か月に1回で抽選でしか入れない、入院できないという声も聞いております。三十数年前は乳幼児病棟が8床という枠組みだったと言われましたが、使用率が43.2%になっていることもあり、最近ではどの程度利用可能になっているのですか。呼吸器を装着する患者もいるので、100床全部を使用するのは難しいと思いますが、コロナの病床確保を除き、100床のうちどの程度使用可能か教えてほしいと思います。
◎田中
小児保健医療センター次長 患者の年齢や機械の装着によって異なりますので、現在何床利用できるかについて答えるのは難しいです。
◆節木三千代 委員 なかなか答えていただけないのですが、病床の使用率の問題はここからいろいろな話が進むので、きちんとした情報開示が必要ということを意見として言っておきたいと思います。
休憩宣告 12時06分
再開宣告 12時59分
《商工観光労働部・労働委員会事務局所管分》
2 議第110号 令和4年度滋賀県一般会計および各
特別会計歳入歳出決算の認定を求めることについて
報第8号 滋賀県基本構想の実施状況について
報第11号 令和4年度決算に基づく健全化判断比率について
(1)当局説明
林商工観光労働部長、中村商工観光労働部次長
(2)質疑、意見等
◆桐田真人 委員 滋賀県基本構想の実施状況の資料で、令和4年度の観光消費額が1,480億円となり、前年に比べて約300億円上昇しています。この部分については理解をするのですが、関連業種も含めて大変波及するものが多いです。滋賀県の経済に与える観光消費額、波及効果の数字をどのように算定され、コロナからの回復をどのように分析していますか。それを踏まえて、令和4年度あるいは現状の施策にどのように反映しているのか確認したいと思います。滋賀県政においては、客観的なエビデンスに基づいて施策立案をしていく方針なので、もし数値の算定方法をまだ構築していないということであれば、そこは改善していくべきだと思います。観光当局の認識をお伺いしたいと思います。
◎河崎 観光振興局シガリズム推進室長 観光消費額の算定に当たっては、過去の状況を踏まえて宿泊、日帰りの単価を設定し、観光入込客数を乗じた額で算出しています。あくまで想定ですので、委員の御指摘のとおり、その部分をいかに把握するか考えているところです。特に「全国版 今こそ滋賀を旅しよう!」事業では、86万人の宿泊があり、その経済波及効果の出し方について、事業を担ったびわこビジターズビューローとともに検討しているところです。まだ今年度分の「全国版 今こそ滋賀を旅しよう!」事業がまとまっていませんので、まとまった段階で経済波及効果についてきちんと分析していきたいと考えています。
◆桐田真人 委員 日帰り客、宿泊客だけということですけれども、観光は交通、地場産業を支える飲食、農産物など波及効果が高いです。そこの部分をしっかり把握することで、幅広に立案されている観光施策の中で本当に必要なのかという事業も出てくると思います。今、全世界でコロナによりサービス消費を抑えていた状態から一気に開花してきています。そうすると、サービス消費の単価は従前に比べて高くなってきます。気軽にいろいろなところに行きたいという要求が出てくる可能性もあるわけです。令和4年度の決算を見ていても、これをすればいいのだという施策がなく、施策が集約されていないと思います。観光を基幹産業と捉えている滋賀県ですので、そういったところを踏まえていただき、予算に見合う効果、税収を上げるべきだと思います。
観光だけではなく、他の分野にも言えることだと思いますが、特にびわこビジターズビューローという、わざわざ観光を担う法人をつくって、いろいろなところから人を呼んで取り組んでいるわけですから、令和4年度の取組状況を見て、令和5年度、令和6年度に向けて、新しい観光の在り方を数値や分析で示さないといけないと思います。監査におかれても、そういったところを十分に認識していただき、意見なり審査報告なりをお願いしたいと思います。
◎河崎 観光振興局シガリズム推進室長 御指摘いただいたとおりだと思いますし、観光は産業ですので、観光関連事業者がしっかりと経営を継続し発展すること、雇用の安定を図ること、地域の発展を図ることが観光振興の目的です。その点についてはしっかりと数字を踏まえながら対応していきたいと思いますし、びわこビジターズビューローとも連携を図っていきたいと思います。
◆加藤誠一 委員 今の関連になりますが、成果を見ますと、非常にいろいろなことを実施してよかったという評価になっていますが、昨年度の景況調査にどのように表れているのかが重要です。サービス業、製造業、あるいは商工観光労働部的に言えば2次産業と3次産業になりますが、各産業の景況調査の分析をしていますか。分析をしていないのであれば、ぜひともしていただきたいです。商工観光労働部の成果は、景況調査での成果になります。企業として景気がよくなった、景気がよくなると思っているという指標がありますが、ここに現れて初めて県の施策の成果になるのではないかと思います。
◎住羽地 商工政策課参事 景況調査の結果について、昨年度景気がよいと答えた事業者の割合から、景気が悪いと答えた事業者の割合を差し引いた業況DIの数字は、コロナ後順調に伸びてはいますが、御指摘のあった観光分野でどれぐらい貢献しているのかにつきましては、数字の中で見えにくい部分がありますので、どのような分析ができるのか今後検討していきたいと考えています。
◆節木三千代 委員 コロナ禍で事業者への直接支援を行ったのは資料2の374ページの事業継続支援事業だけだと思います。事業者の話を聞いていると、要件となっている売上げ3割減は、なかなか大変な状況であり、売上げ2割減や1割減に対しても支援をしてほしいという声がたくさんありました。給付を受けられる人は毎回受けられますが、給付を受けられない人は毎回受けられないという状況を聞いています。コロナが5類になったので、状況は変わると思いますが、売上げ2割減もかなりの状況という認識を持ってほしいと思います。
第4期は、国の事業復活支援金の対象者に上乗せする形でスピーディーに行くようにということだったと思いますが、今後こういう事態があったときに、売上げ2割減、1割減でも大変な状況だという認識を持っていただきたいと思います。
◎住羽地 商工政策課参事 委員御指摘のように、第4期につきましては、国の事業復活支援金の対象者とさせていただいたところです。第1期につきましては売上げ50%以上減、第2期、第3期につきましては売上げ30%以上減ということで一定線を引かせていただきました。委員御指摘のように、売上げ29%減の事業者は苦しくないのかと言われますと当然厳しいと承知はしているのですけれども、一定線を引かないといけないことから、第2期、第3期につきましては、売上げ30%以上の減とさせていただいたところです。今後どのような事業ができるか分かりませんが、引き続き、事業者支援に取り組んでいきたいと考えています。
◆節木三千代 委員 支給額は中小企業者が20万円、個人事業者が10万円で、それで事業が回っていくかというとなかなか厳しい状況なのですが、直接支援で5万円なりを受けることができれば何かしら県や国に後押ししてもらっているという実感が持てると思います。市町では売上げ2割減で事業者に給付金を出しているところもありましたし、どこかで線は引かないといけないですが、広く支援してほしいと思います。商売をする上で、給付金が手元に届いたという実感が気持ち的に励みになると思います。金額が足りるか足りないかということもありますけれども、そういうことも念頭にしていただきたいと思います。
◎住羽地 商工政策課参事 委員御指摘のように多くの方にこういった支援が届くことが必要だと十分承知はしているのですけれども、一定財源という制約もありますので、何らかの基準を設けさせていただいて、対応しないといけないことは御理解いただきたいと思います。
◆柴田栄一 委員 資料2の331ページの多様な働き方の推進について、業界団体と連携したテレワークの導入支援事業として、8社に支援し、テレワークを導入したとありますが、働き方改革やワーク・ライフ・バランスにおいて、何がどのように変わったのか教えていただきたいと思います。
◎森 労働雇用政策課産業ひとづくり推進室長 テレワークを導入した8社はいずれも中小企業で、例えば就業規則をどう変えるかなど、大企業が行うような大胆なものというよりは、地に足のついた取組をされたと承知しています。今後については、こういった小さい企業でもテレワークができるという実例を、横展開していきたいと考えています。
◆柴田栄一 委員 テレワークを導入することによる効果はいろいろあると思います。先ほど言われた働き方改革以外にも、働く環境や通勤面、少子高齢化対策や女性の活躍、UIJターンによる地域の活性化などいろいろあると思います。テレワークを何社に導入したのかも必要ですが、テレワークの導入によって得られた効果を数値化して、様々な面から見てもらいたいと思います。
◎森 労働雇用政策課産業ひとづくり推進室長 御指摘のとおりだと思います。何がどう変わったのかという経済効果よりも、どれだけのサンプルでどのようなパターンがあるのかを、多く収集していく必要があると考えています。いろいろな企業が自社でこれができるといったサンプルを、企業の規模に応じて集めていく必要があると認識しています。
◆岩崎和也 委員 資料1の10ページの高度化資金、小規模企業者等設備導入資金について、過年度分で多くの収入未済額がありますが、それぞれの件数を教えていただきたいと思います。
◎原田 中小企業支援課長 高度化資金の収入未済額6億1,700万円について、貸付先は2件です。
◆岩崎和也 委員 小規模企業者等設備導入資金のほうは何件ですか。
◎原田 中小企業支援課長 1件です。
◆岩崎和也 委員 2件で6億円ということですが、期限までにどのような見込みがあり、どのように回収しようとしているのですか。
◎原田 中小企業支援課長 高度化資金および小規模企業者等設備導入資金のいずれも、経営不振に陥ったことで、貸付けの完済に至らず収入未済になっているものです。これまで事業の廃止や破産に至った場合には、担保物件である不動産を競売にかけたり、連帯保証人等に弁済を求めたりと、状況に応じた回収策を講じてきましたが、貸付元金全額の回収には至っていないところです。今後につきまして、資産調査等を行い、可能な限り返済を求めていく一方で、これ以上返済が困難と認められる場合には、債権放棄を検討するなど、債権管理の効率化等を進めていきたいと考えているところです。
◆小川泰江 委員 2点お伺いします。1点目が、資料2の330ページの世界にひとつの宝物づくり事業で、令和4年度はコロナ禍にかかわらず参加者がいたということで、まずは事業継続の感謝を申し上げます。最初に事業の説明を受けた際、若手陶芸家を講師にすることで、その育成を図っていきたいと伺っておりましたが、それについて成果の中で触れられておりません。その点についてどうなったのか伺います。今後の課題の中で、県負担金以外の財源の確保に努めるとありますが、その中身について伺います。今後の課題への対応の中に、寄附金制度の周知を行うとありますが、この寄附金制度について少し詳しく教えていただきたいと思います。
2点目が、資料2の383ページに入るのだと思いますが、当初の予算案で新しい働き方トライアル事業があり、託児付きコワーキングスペースの事業が計上されていました。新しい試みとして期待していたのですが、結果としてどういう利用状況であったのか教えてください。当初予算の段階では、コロナ後の新しい働き方として、在宅ワークの普及に向けて事業を企画したとありましたが、まさに今コロナ後であり、どこにどうつながっているのか教えていただければと思います。
◎森野 モノづくり振興課長 世界にひとつの宝物づくり事業について、事業に関わっていただいている陶芸家の高齢化が進んでいることから、若手への代替わりを図っていく必要があると認識しています。資料に記載しているのは令和4年度の状況で、本格的に若手の育成の取組を始めたのは、今年度からであり、鋭意取り組み中です。
財源の確保については、寄附金制度として、つちっこサポーターという制度を設けておりますが、あまり芳しくない状況です。代わりというわけではありませんが、県として国のデジタル田園都市国家構想交付金を新たに獲得し、今年度の事業費を200万円強増額し、500万円ほどにしています。寄附金に頼るだけではなく、県としても様々な工夫をして財源を確保していきたいと考えています。
◎高木 女性活躍推進課長 新しい働き方トライアル事業について、令和2年度から4年度までの3年間、長浜市に所在する合同会社LOCOに委託して、コワーキングスペースの運営と在宅ワーカーに対するサポート支援の大きく2つの事業を実施しました。特に在宅ワーカーに対するサポート支援については、令和4年度42名の方に登録いただき、34の企業から発注を頂きました。発注案件数で127件、受注額で642万8,750円という成果が出ているところです。こちらの事業につきましては、今年度の実施はありませんが、従前からの在宅ワーク普及促進事業の中で、企業とのマッチング交流会などを実施しているところです。コロナ禍でなかなか外へ出るのが難しい中で、在宅ワークという働き方が一定定着してきましたし、今後伸びていくことになると思いますので、引き続き支援をしていきたいと思います。
◆小川泰江 委員 世界にひとつの宝物づくり事業について、滋賀応援寄附のメニューにはないようなので、そういうところで集めるのも非常に分かりやすく、活用してはどうかと思いました。
託児付きコワーキングスペースの利用状況について伺いましたが、それについて回答いただければと思います。
◎高木 女性活躍推進課長 コワーキングスペースについて、細かい数字は持ち合わせていませんが、開設日数としては168日です。
◆小川泰江 委員 国の感染症対策の交付金で実施した事業だと思うのですが、実績がなかなか答えられないものがほかにも散見される印象を持っています。せっかく国費を投じているものでもありますし、コロナ後に向けた投資だったと思いますので、しっかりと検証しながら、いろいろな分野につながる事業となるようお願いできればと思います。
◆駒井千代 委員 資料2の333ページの滋賀マザーズジョブステーション事業について、コロナ禍においてなかなか来所しにくいということでオンライン相談を実施し、かなり好評でよかったという意見を聞いています。相談件数のうちオンライン相談の件数はどれぐらいありましたか。
資料2の337ページの子育て女性等職業能力開発事業について、応募者が少なく中止になったコースがあったり、託児付き訓練に利用していた託児所が廃業等により利用できなくなったりしたことの影響がどの程度あったのか、見通しを含めてお伺いしたいと思います。
◎菊池 労働雇用政策課長 中止状況について、資料が手元にありませんので、後ほど回答します。
◎高木 女性活躍推進課長 相談人数の一覧を持ってきているのですが、オンライン相談込みで集計をしておりまして、オンラインだけの数字は後ほど回答します。
◆菅沼利紀 委員 資料2の356ページの地場産業等の振興について、滋賀県モノづくり・匠の技展の来客数を教えてください。
資料2の358ページのここ滋賀等における魅力発信について、滋賀への誘引につなげたということですが、県外からどれぐらい来られたか教えてください。滋賀県への波及効果が10億円とありますが、この算出方法も教えてください。
◎森野 モノづくり振興課長 滋賀県モノづくり・匠の技展の来場者数は4,380名です。
◎片山 商工観光労働部管理監 滋賀県への誘客について、正味の観光誘客数のうち来館者数アンケートから逆算しまして、約1万人程度を送客したという経済効果を出しています。タクシーチケットを使って誘客している部分もあり、利用件数93件、利用者数延べ414人については、ここ滋賀から確実に送客した数字です。
経済効果の10億円の出し方ですが、4分野あり、ここ滋賀を使った拠点として約2億円、滋賀県から東京都に進出したい方への支援など拠点外として3.5億円、ここ滋賀から滋賀県に行っていただいた観光誘客として2.5億円、ここ滋賀の取材、メディア、催事の開催として約2億円、合わせて10億円という数字を出しております。非常に複雑な産業連関表などを使い、委託先で数字を出しているところです。
◆菅沼利紀 委員 滋賀県モノづくり・匠の技展ですが、280万円を使って売上げが21万円となっており、成果として大いに活用できたというのは過大評価だと感じます。4,000人が来られたのは一つの大きな効果ですが、そういった部分をしっかり検証して、謙虚に捉えてもいいのではないかと感じます。
ここ滋賀については、各都道府県がこうしたアンテナショップを縮小してきている中で、県民から非常に厳しい目で見られると思っています。この年度はコロナ禍ですので、最大限の効果を求めるのは難しかったと思いますが、今後は、算出ではなくもっと明確に効果を示してほしいと思います。例えば、滋賀県に地縁があるとか、滋賀県のものを食べたいからここ滋賀に行くとか、そういったことではなく、全く関係のないところから、ここ滋賀を通して滋賀県にどれだけ入ってくるのかが、東京都にアンテナショップを持つ最大の効果だと思いますので、そういった部分を検証できるような方法を検討いただきたいと思います。
◆小河文人 委員 資料2の342ページの企業立地の推進について、事業実績に平成24年度から平成26年度、平成27年度から平成30年度、令和2年度から現在までの実績が、なぜ令和4年度の決算に記載されているのか教えてください。
同ページの産業用地開発資金貸付金について、令和4年度は無利子貸付を行う制度を設けたが利用がなかったということですが、今後の課題への対応を見ますと、引き続き市町による産業用地開発を支援するとあります。産業誘致戦略はまだ出てきておりませんが、同じ施策をしていくのか、今までの企業立地の在り方を見直しながら考えていくのか、お伺いをします。
資料2の353ページのSOHO型ビジネス支援事業について、事業費として4,000万円が計上されており、実績として入居者数が記載されています。その入居者は、ビジネスオフィスの利用だけで入居されているわけではなく、今後起業することなどを想定して支援をしていると思いますが、入居者同士も含めて、起業された件数が分かれば教えてください。
同ページの立命館大学BKCインキュベータ入居者支援事業についてですが、これも同じような事業だと思います。中小企業基盤整備機構が整備・運営するとありますが、今後の課題として撤退されると記載されています。これは効果がないとみなされて退去されるのですか。そうであれば、もう一歩踏みこんだ形でビジネスサポートを見出していく必要性があるのではないかと思います。
先ほど菅沼委員から指摘がありましたここ滋賀についてですが、何度も行かせていただいていまして、いろいろな形で展示や販売をして滋賀への誘客を図ってきておられます。商品ではなく、滋賀県を知らない人をどうするのかという観点から、滋賀県の拠点として、ここ滋賀の魅力を発信していくべきではないかと思います。滋賀県から首都圏へ出向く方もいますし、そこから滋賀県へ来られる方もいますので、人という観点からここ滋賀の利用が見込めるのではないかと思います。
◎本田 商工政策課産業立地推進室長 企業立地の推進の実績についてですが、滋賀でモノづくり企業応援助成金と「Made in SHIGA」企業立地助成金は、設備投資を行った企業に対する助成制度になります。内容的には割と似通ったものですが、設備投資の合計額に対して、単年度に助成するわけではなく、1者当たり一般型では4,000万円、大規模型では1億円を単年度の上限として、数年かけてお支払いする制度になっています。なお、滋賀でモノづくり企業応援助成金については、令和6年度で支出が終了する見込みとなっています。
滋賀県企業立地促進補助金については、ハード整備をした事業者に対して、その後の円滑な操業のためのソフト的な取組を支援するものでして、先ほどの助成金とは性質が違うものです。
産業用地開発資金貸付金ですが、現在、市町の開発実態や要望を踏まえて、来年度何ができるか前向きに検討しているところであり、別途検討している産業誘致戦略、または来年度予算でお示ししたいと考えています。
◎原田 中小企業支援課長 SOHO型ビジネス支援事業の実績について、今年度に入ってからの分も含みますが、草津SOHOを卒業された延べ122社のうち事業の拡大をしたのは88社で72.1%、米原SOHOを卒業された51社のうち事業の拡大をしたのは33社で64.7%であり、入居者支援については一定成果があったものと考えています。
立命館大学BKCインキュベータ入居者支援事業について、施設退去後の支援については、県内の施設等を紹介できるよう検討が必要と考えているところです。
◎片山 商工観光労働部管理監 委員御指摘の点については、非常に同感するところです。滋賀県から首都圏に商品を売り出したい方の事業支援をすること、滋賀県に誘客することは、ここ滋賀の大きな目的です。委員御指摘の関係人口のようなものを、ここ滋賀を拠点にして構築していくことも大変肝要であると考えています。例えば、滋賀県出身の方、大学を滋賀県で学んでいた方、滋賀県で働いていた方など、首都圏には滋賀県にゆかりのある方がかなりおられることが分かっていますので、ここ滋賀という拠点を活用して、その方たちとの関係をしっかりつくっていく取組を、既に今年度から始めているところです。それがひいては誘客や企業誘致、ふるさと納税を含めて様々な効果につながるかと思いますので、今の委員の御指摘を肝に銘じて、さらに取組を進めていきたいと考えています。
◆小河文人 委員 企業立地の推進については継続した形の中で進めていること、産業用地開発資金貸付金については無利子貸付の実績がなく、今後制度を検討していくことは分かりました。そこで、先ほどの説明の中で、設備投資額30億円以上の立地件数が7件とありましたが、その内訳を教えてください。
起業、創業の事業はそれぞれ別の事業だと認識させていただきましたけれども、中小企業も含めてサポートしていく中で、県として一体性を持った支援体制を整え、いろいろな形の支援をマッチングさせていくことを今後考えていかれるのかお聞きします。
ここ滋賀に関しては、今の説明で承知しました。
◎原田 中小企業支援課長 SOHO型ビジネス支援事業について、SOHOビジネスオフィスを退去されてBKCインキュベーション施設に入居されている方もいます。また、BKCインキュベーション施設に入居されて、滋賀県起業支援金を利用されている方もいます。今後も総合的に起業、創業に係る支援を実施していきたいと思います。
◎本田 商工政策課産業立地推進室長 質問いただいた7件については、いずれも研究開発機能を持ったマザー工場です。企業名については、一部非公開とされている企業がありますが、公開されている企業では、京セラ株式会社、株式会社日立建機ティエラ、株式会社村田製作所、東レ株式会社、株式会社SCREENホールディングスです。
◎菊池 労働雇用政策課長 先ほど駒井委員から質問いただきました子育て女性等職業能力開発事業についてです。子育て家庭支援コースは実施しましたが、女性等の再チャレンジ支援コースは、6月と12月に各定員12名で開催する予定でしたけれども、12月開催のほうは応募者数が少なく中止になりました。6月開催については、託児利用が1名ありました。こちらの事業は、託児施設の廃業や事業者の応募が少ないといった課題があり、今後の事業実施に向けてしっかりとした対応をしたいと考えています。
◎高木 女性活躍推進課長 先ほど駒井委員から質問いただきましたマザージョブステーションのオンラインでの相談件数について、延べ128件あり、全体の1,971件の相談のうち約6.5%がオンライン相談として受けております。コロナ禍でオンライン相談もかなり定着してきたと思いますので、高齢者の利便性の向上も含めて今後もオンライン利用に力を入れていきたいと思います。
◆駒井千代 委員 オンライン相談については、来所が難しい中で、場所も工夫しながら始まった形ではあるのですけれども、今後来所者が増えてくると、かなり業務も増えていくと考えられます。そうした意味では、前も言いましたけれども、マザージョブステーションの委託事業は1年ごとでいいのか、業務負担の量を踏まえ今のままでいいのか、一定動向を見ながら考えていただきたいと思います。
子育て女性等職業能力開発事業について、託児所がなくなったということですけれども、託児を求められる人数からすると、例えばマザージョブステーションで仕事の相談をされるときに利用できる託児を活用するとか、場所によって市町と連携するとか、もう少し行政として連携を生かした工夫ができると思います。民間だけに任せないといったことも記載されていますので、そうした検討をお願いします。
◎菊池 労働雇用政策課長 託児所の確保については、子ども・青少年局や市町等とも話をさせていただきながら、利用できる施設を探しているところです。
国の委託事業の関係で、訓練事業者は託児枠を確保していることが条件となっており、事業者としては難しい面もありますが、できる限り託児施設の確保に努めていきたいと考えています。
◆駒井千代 委員 国の委託事業の条件面があると思いますが、コロナ禍の影響を受けて非常に厳しい状況や、税金の関係などで働きに出る女性が増えていく状況の中で、県内事情も踏まえてどういう形がいいのか提言していけるように検討をお願いします。
◆佐口佳恵 委員 資料2の333ページの新しい働き方トライアル事業について、コワーキングのようなスペースで託児しながら女性が集まり、テレワークができるという仕組みは残りますか。
資料2の346ページの製造現場へのAI・IoT導入促進事業について、製造業においてDXやAIが広がっていくのは大事だと思いますが、10件の応募があり、7件が採択、3件が不採択になっています。不採択になった理由として、予算不足なのか、ほかの理由があったのか教えてください。
資料2の360ページのシガリズム創出データ活用モデル事業について、県内事業者の反応を教えてください。
◎高木 女性活躍推進課長 コワーキングスペースについて、県の事業としては令和4年度で一旦終了し、令和5年度は実施しておりません。
◎森野 観光振興局副局長 製造現場へのAI・IoT導入促進事業について、10件の応募に対して7件を採択しました。もちろん予算の上限ということもありますが、審査会を開催し、優秀な提案を採択させていただいた結果、7件ということになりました。
◎廣部 観光振興局副局長 シガリズム創出データ活用モデル事業について、観光のビックデータを分析しまして、その活用に向けた方策を検討しました。モデル地域として、草津市、びわ湖大津プリンスホテル、近江鉄道のモバイル空間統計などのデータを活用し、分析いただきました。成果報告会を開催し、70人以上の事業者に参加いただき、ビッグデータの活用等について情報共有することができました。観光客数や年代、周遊ルートといったものを参考にして、今後の事業につなげていただければと考えています。
◆佐口佳恵 委員 コワーキングスペースについて、合同会社LOCOが果たしていただいた当事者としての目線というのは非常に大事だと思いますし、常任委員会の県内行政調査でも十分に伝えていただいていると感じたところです。コワーキングスペースで、女性が在宅ワークをし、そこに仕事が下りてくる仕組みは先進事例だと思います。今回は合同会社LOCOが恐らく34企業に声をかけて仕事を取ってきていただいたと思いますが、企業とのマッチングや仕事を見つけてくるところを当事者だけに任せるのではなく、県が支えてほしいと思います。こうした事業が根っこに下りると、例えば北部で女性が働く場所がないといった問題に対応できるなど様々な効果があると思います。一旦見直されて事業はなくなったということですが、果敢にチャレンジしていただきたいと思います。
シガリズム創出データ活用モデル事業について、びわこビジターズビューローは岐阜県などの先進事例を参考にしながら、データ活用について学ばれていたようです。滋賀の地域が分かれていること、データがなかなか取っつきにくいこともあり、岐阜県では旗振り役がいたようですが、そうした方がいない場合に、取っていただいた情報をどのように生かしていくのか気になります。この事業が次に生かせるようにお願いしたいと思います。
資料2の366ページの滋賀県イクボス宣言企業登録制度や資料2の383ページの男女共同参画センター事業について、女性の働く環境を整えるためには、男性の働く環境を整える必要があると思いますが、現在の進捗状況を教えてください。
◎高木 女性活躍推進課長 委員御指摘のとおり、男性の働き方を変えなければいけないと私どもも重々承知しており、長年力を入れて取り組んでいます。イクボス宣言企業登録については、昨年度末で266社が宣言を行い、女性活躍推進起業認証制度については、昨年度末では291社を認証したところです。こうした企業においては、女性の活躍と併せて男性の育休取得にも積極的に取り組んでいただいていますので、積極的に取り組んでいただける企業数を拡大できるよう今後も引き続き進めていきたいと思います。
◆佐口佳恵 委員 コロナ禍の本当に厳しい中で認証され、本当に頑張っていただいていると思いますので、そうした企業に対して優遇する仕組みがいいのか、モデル的に水平展開するのがいいのか分かりませんが、認証された企業がマイナスにならず、一歩進むような施策をお願いしたいと思います。
◆河井昭成 委員 資料2の344ページの近未来技術等社会実装推進事業について、今回は11社に補助をしたということですが、上限の2,000万円まで到達している企業はありますか。もっと大きな社会実装実験をしたいけれども、補助が2,000万円しかないのでできないと思っている企業がなかったかどうか教えてください。参加された企業に対して、事業後のフォローをどのようにしているのか教えてください。
資料2の376ページの電子割引券発行による中小・小規模事業者応援事業について、新規顧客の獲得などにつながったと記載していますが、どれぐらいの新規顧客の獲得につながりましたか、またどのように把握していますか。需要喚起と新規顧客の獲得などを目的にしていますが、事業を複数回実施した中で、どれぐらいの持続性があるのですか。
あわせて、今年度の補正予算のときにも指摘させてもらいましたが、売上げにどの程度効果があったのか、割引券の利用に関する分布はどうだったかなどが分かるように数字でまとめるべきと思います。今回実行すれば全部で3回実施したことになるのですが、少しずつやり方を変えたことで、どのような違いが出たのかを数字で追いかけるべきだと思いますが、まとめの状況などを教えてください。
◎住羽地 商工政策課参事 近未来技術等社会実装推進事業について、2,000万円の上限に達した事業者は1者でした。補助金額に上限があり、もっと大きな社会実装実験をしたかったができなかった企業については、把握が難しい状況です。実証実験を実施した事業者のフォローについて、補助事業後も社会実装に向けた進捗状況を確認することは非常に大事なことですので、事業所を訪問するなどして確認しているところです。
しが割の新規顧客の獲得について、利用者へのアンケート調査の結果、新しい店に訪れたと答えた方が5割ほどいましたので、一定新規のお店に訪れていただいたのは間違いないと思っています。再度お店に訪れたかどうかといった持続性については、なかなか追いかけられていない状況です。
しが割の第3弾については、第1弾、第2弾とは違う方法で実施します。第1弾、第2弾の結果とこれから実施する第3弾の結果を踏まえて、比較しながら、どういう効果があったのか確認していきたいと思います。
◆河井昭成 委員 しが割について、第1弾、第2弾と比較するということですが、各店にどれだけの補助を行ったのか把握できるので、売上げにどれだけ影響があって、それがどういう階層なのかを比較されるという理解でいいですか。
◎住羽地 商工政策課参事 委員に御指摘いただいた点を反映できるかどうか考えさせていただきたいと思います。
◆河井昭成 委員 数字のデータを追いかけたいので、反映してください。
◆海東英和 委員 資料2の344ページの滋賀ウォーターバレー・水環境ビジネス推進事業について、延べどれだけの予算を投入し、どれだけの成果を出してきましたか。
◎住羽地 商工政策課参事 水環境ビジネスの管理事業につきましては、平成24年度から実施させていただいておりまして、令和4年度までの決算額としては2億3,600万円余になります。成果については、一つ一つの販路を拡大したといった効果はありますが、県全体に大きな投資を呼び込むまでには至っていないところです。個々の販路の拡大や事業展開の広がりはあり、一定の効果は出ていると考えております。
◆海東英和 委員 2億3,000万円も投入して、効果がないのは問題です。こういう場所でしっかりと成果を述べられないのは成果がないということだと思います。2,300万円を投入して、3者に補助した、事業化したと言っていますが、滋賀県が水環境という看板を掲げているがために、取り回しが難しくなっているのではないですか。ほかの企業も参加できるような、もっと大きな施策として統合して、より平等で広く展開するようなことは考えていないのですか。
◎住羽地 商工政策課参事 取り回しについて、それぞれの事業者の事業展開により、例えば新しく現地法人が設立されたといった成果はあったところです。またJICAなどの外部資金の獲得を見据えながら事業展開をしているところです。
一般施策との統合について、現時点ではまだまだ水環境ビジネスを広げることができると考えておりますので、引き続きこの事業に取り組んでいきたいと考えています。
◆海東英和 委員 世界で水問題が大事であることは分かりきっています。淡水化技術などいろいろなことを滋賀県の企業も取り組んでおり、滋賀県がわざわざこういう組織をつくってお金を投入する意味があるのですか。もともと県庁というのは、自治事務と法定受託事務といった税金でないとできないことをするのが仕事であり、民間の投資や企業活動は、民間にもっとしてもらったらいいと思います。2億円も投入して、どれだけの成果があるのか県民にきちんと説明できないといけないと思います。
JICAからどれぐらいの資金が入っているのですか。
◎住羽地 商工政策課参事 スキームベースの額ですが、約13億円の事業です。
◆海東英和 委員 スキームベースで13億円の事業とはどういうことですか。
◎住羽地 商工政策課参事 例えば、ベトナムの観光地であるカットバ島において、観光客がたくさん訪れ、水質が悪くなっている状況があり、滋賀県の事業者が連携しながら、JICAのお金を活用して水質改善に取り組んでいる事業があります。
◆海東英和 委員 その企業がこの事業に参加することによって、滋賀県にどれだけ増額して税金を納めてくれていますか。
◎住羽地 商工政策課参事 今御質問いただいた件については把握しておりません。
◆海東英和 委員 そこまでの把握は難しいと思いますが、この事業を客観的に評価する視点を持たないといけません。県からの助成がなくても実施しているような事業に対して、県から助成をし、成功しているように見せているのであれば意味がないと思います。滋賀県が税金を使って取り組まなければならない意味、責任をしっかりと受け止めて、事業を評価してほしいと思います。
休憩宣告 14時45分
再開宣告 14時59分
《文化スポーツ部所管部分》
3 議第110号 令和4年度滋賀県一般会計および各
特別会計歳入歳出決算の認定を求めることについて
報第8号 滋賀県基本構想の実施状況について
報第11号 令和4年度決算に基づく健全化判断比率について
(1)当局説明
谷口文化スポーツ部長、藤原文化スポーツ部次長
(2)質疑、意見等
◆桐田真人 委員 資料2、92ページからの史跡公有化について伺います。令和4年度の取組として載っている近江大津宮錦織遺跡も含めて、令和4年度はどのような方針で事業を進められ、そこからどういった課題が見いだされたのでしょうか。また、市町を通じて要望を出されているほかの地域などもあると思います。緊急性の高い部分の公有化を行っていくと抽象的に示されていますが、課題や要望を以後の取組にどのように反映されて、史跡の安定的な確保に努めていくのか説明を求めます。
◎村田 文化財保護課長 令和4年度は資料に記載のとおり、近江大津宮錦織遺跡で160平方メートル余の公有化をしました。委員御指摘のとおり緊急性というのは少し分かりにくい言葉かもしれませんが、どうしても国指定の史跡としての強い規制、制限がかかります。史跡の保護という観点からも、計画的に公有化を進めることが最も有効な手段ですので、文化財保護行政の立場としては、着実に公有化を進めていくことになります。国からもかなり大きな補助支援が頂ける仕組みになっていますし、それ以外の起債等も充てられるので、公有化に向けての様々な補助制度は一定整っています。ですが、国負担分も含めて限られた財源の中で、計画的にやっていくことがどうしても避けられませんので、数々の御要望を頂いている中でも、緊急性の高さなどを考えるとどうしても順番ができてしまいます。大勢の方にお待ちいただいている状況ですが、そうした中でもしっかり地方の声を国に届け、公有化に向けて取り組みたいと思います。
また、公有化したところは、どうしても虫食い的な形になりますので、なかなか目覚ましい活用には至っていないことも大きな課題だと思っています。地域の皆様のお力も借り、一部管理していただいているところもありますし、予算を使って管理することもあります。県も予算が限られる中で、地域の人と連携や意見交換をしながら、常に状況を教えていただき、定期的な見回りや管理等に精いっぱい取り組んでいます。課題も少なくありませんが、今後もそうした地域の声をしっかり聞きながら、史跡の公有化や維持管理に努めたいと思います。
◆桐田真人 委員 土地の所有者が相続などで変わると、公有地化の制度自体を知らない方々もでてこられます。代が替われば状況も変わりますので、できればという希望ですが、安定した文化財の保護行政の観点からも、公有地化制度のありようについては、市町等を通じて、当該地域の皆様にすべからく、全世代に御理解いただけるような形での取組を期待します。これからもよろしくお願いしたいと思います。
◆小河文人 委員 史跡の保存整備等の額は2,263万9,984円ですが、この取組は確か、国、県、市の負担によるものだったと思います。県の負担分は幾らでしょうか。
◎村田 文化財保護課長 細かい数字はまた後ほどとさせていただきたいと思いますが、制度的には、史跡等購入費補助として国庫補助率が80%です。その国庫補助の残に対して充当率90%の起債が充当されます。地元負担は2割ですが、そのうちの9割に起債が充てられる制度になっています。
◆小河文人 委員 市の負担も10%ぐらいありませんでしたか。
◎村田 文化財保護課長 記載させていただいている事例については、滋賀県が直接県有地化する事業ですので、市の負担分はありません。
◆海東英和 委員 国スポ・障スポにつきまして、わたSHIGAが輝く国スポ・障スポを看板としてずっと掲げています。全ての県民がスポーツに参加することによって健康寿命を延ばす、健康な滋賀をつくるという具体的なキャッチフレーズや、大会後の滋賀県をどうするのかというメッセージ、滋賀県をよくしていこうとする働きが欠けているのではないかという声は届いていませんか。
2点目、企業、大学、クラブ支援の事業がありますが、剣道と柔道では、以前、滋賀県警察の機動隊の方が選手として大変活躍され、現在も一定期待すべき選手がいると思うのですけれども、警察は支援先の組織にはならないのでしょうか。
3点目、資料77ページの「ホールの子」事業について、県域全体で平等に負担なく参加できるようにしていただき、ものすごい喜びの声が私のところにも届いていますし、よくぞやってくれたと思います。令和5年度の事業もさらにすばらしかったという声を聞きます。これについては、皆さんの御努力と御配慮に賛辞を送りたいと思います。ですが、そのびわ湖ホールが菊池寛賞という大変な賞を2、3年ほど前にもらっているのに、全然そのことをPRしていません。そのことを県民と分かち合いさらに進めていこうというPRができていないように思います。昨年度あたりには、だんだんと新型コロナも落ち着いて事業ができるようになったので、関連事業に打ち込まれるべきではなかったかと思うのですが忘れていませんか。もったいないのではないでしょうか。
それから、資料2、80ページの近江文化発見・発信事業について、高校生も506人参加されて、滋賀県が松山市に次ぐ俳句の聖地になれる可能性があるのに、PRが下手ではないでしょうか。
また、びわ湖ホールに9億円も投入して、美術館に1億円の投入ではバランスがおかしいと思います。もっと美術館でもいろいろなことを行えるよう、資金や体制の準備が必要ではないでしょうか。
◎辻 国スポ・障スポ大会局長 1点目について、令和7年度に国スポ・障スポを開催するに際して、しっかり開催対応をすることはもちろんですが、開催後も大会のレガシーをしっかりと次の世代に引き継いでいくために、7つのレガシーを掲げて取り組んでいます。この大会を通じて県民にスポーツに楽しんでいただき健康づくりにつなげていただくことや、競技力向上として活躍する選手を滋賀の地で育てること、ボランティアの活躍を通じて滋賀にスポーツボランティアを根づかせることなど、7つのレガシーを掲げております。委員御指摘のとおり、大会後のことをそろそろ考えてという声も聞こえていますし、県議会でも御質問いただいています。大会準備はもちろんですが、大会が終わった後のことをしっかりと考えながら、今後ますます取組を加速させたいと考えています。
◎南野 国スポ・障スポ大会局競技力向上対策室長 2点目の剣道、柔道の強化に関しては、御指摘いただきましたように、県警本部には剣道、柔道の選手もいます。その中には、国スポに向けた強化選手の指定を受けている方もいます。企業、大学、クラブ支援の枠組みによる支援はしていませんが、剣道連盟や柔道連盟に支援している強化費の範囲内で、県警所属の強化指定を受けている選手にもいろいろな強化事業に参加していただいており、実力を養っていただけるよう進めています。加えて、県警所属の選手が、例えば平日に連盟競技団体の練習会に出るときには、人事委員会で職務専念義務の免除に当たると整理をしていただいています。そうしたことも含めて、選手ができるだけスムーズに強化練習に参加できる措置を取っていただけるように、県警本部の所管部署に依頼するなどの側面的な支援をしています。
◎荻原 文化芸術振興課長 「ホールの子」事業について、お褒めの言葉を賜りましたことを心よりお礼申し上げます。私たちもこの事業には、より多くの子供たちに参加していただき、この形でずっと続けていくことを目指して頑張りたいと考えています。参加校についても、学校や地域への働きかけにより、令和3年度から4年度にかけては未参加校が53校から36校となり、令和5年度にはさらに減り31校となっています。今後、全学校が参加いただけることを目指したいと考えています。
びわ湖ホールの菊池寛賞受賞についてのPRですが、びわ湖ホールは令和5年3月に佐治敬三賞も受賞するなど、一定の評価を頂いています。ですが、そのPRに関しては、新聞報道等に資料提供するものの、それ以後の、受賞などを生かした事業の構成については御指摘のとおりできていないと思います。その辺りについてはびわ湖ホールにも投げかけて、受賞を生かした事業展開を考えたいと思います。
近江文化発見・発信事業における高校生の俳句コンクールですが、昨年度には、高校の文芸部にも協力をお願いし、部活動事業との連携などの形で御協力いただいた結果、高校生506名から1,117句の応募を頂きました。多くの高校生に御参加いただけたと考えています。しかしながら、御指摘のとおり俳句作成への機運が広まったところからの展開については、取り組めていないと反省しています。例えばその後に芸術文化祭などで発表する、ほかの文化芸術関係のイベントで公表するなども考えられたのではないかと思います。御指摘を踏まえ、今後の近江文化発見・発信事業や高校生に御参加いただく俳句コンクールなどの検討に当たりましては、そうしたことを念頭に置きながら事業を考えたいと思います。
◎辻 文化芸術振興課美の魅力発信推進室長 最後の美術館における体制の構築、あるいは予算額が少ないのではないかという御指摘については、もっとしっかり事業に取り組むべきという御指摘と承っています。現在、リニューアルした美術館では、滋賀の美の魅力発信に関する全体計画である美の魅力発信プランや、令和3年には、文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律に基づく文化観光拠点施策に取り組んでいます。あわせて、令和5年には博物館法が改正され、文化観光の推進や関係団体、民間団体との連携も、これから美術館で担うこととなっています。そうした中で、令和7年度までの美の魅力発信プランの中間年度を迎えており、更なる美術館の魅力向上の検討に取り組んでいます。その中で、より一層美術館が皆様の期待を担う施設となるようにどういったことが必要なのか、ハード面、ソフト面を合わせて専門家の意見も盛り込みながら検討しています。現在は、構成を考えているところですが、こうしたことを今後中間見直しに盛り込み、実行していく中で、しっかりと予算の確保や体制の充当ができるよう、前向きに取り組みたいと思います。
◆海東英和 委員 国スポをみんなで盛り上げていくために、上手にタクトを振ってほしいと思います。
警察については、職場に選手自身が練習会などに行かせてくださいと言う必要があるようなので、支援組織として指定することにより、さらに理解が深まって選手が動きやすくなると思います。その辺りにも踏み込めるのであれば、組織的な指定をされてもいいと思いますので検討いただきたいです。
佐治敬三賞をもらったことは、議会にも報告していないのではないでしょうか。毎年10億円ほどつぎ込んでいる文化振興が、外から評価され、菊池寛賞や佐治敬三賞といった業界としてはとてつもなく立派な賞をもらっているのに、内緒にしておく必要はないと思います。これだけの評価がされていることを、やはり議会にも県民にも上手に知らせて、応援団を増やさなければいけません。投入に対する評価と県民の納得が必要ですから、いつまでも10億円の税金を投入できると思うのは甘い考えです。説明責任をしっかり果たしていただき、もっと県民に喜んでもらえるようにしてほしいと思います。そういう意味では、「ホールの子」事業はとてもよい事業展開だと思いますし、いろいろなことのヒントになると思うので期待しています。
びわ湖ホールへの投入が10億円で美術館には1億円ということについて、芸術監督や美術館長を招いている中で、しっかり予算を渡さないと美術館長の腕が振るえないと思います。ある程度の配慮が必要だと思うので、来年度予算に向けて大いに検討してもらいたいです。また専門家に相談するとしていたら、何のために美術館長を招いたのか分かりませんのでお願いします。
俳句について、スポーツや文化というものは観光資源でもあります。高校生だけで閉じ籠もろうとしないで、俳句の松山に並ぶ芭蕉が愛した滋賀県なのですし、短歌などにもたくさんいい話題があります。そうしたことから文化、スポーツが観光振興も兼ねるよう、詩をもっと上手に活用してもらうように検討願います。
◎荻原 文化芸術振興課長 大変力強い応援の御意見などを頂きましたので、それを肝に銘じて、今後のびわ湖ホールのPRや、滋賀県のホール文化の支援となる俳句などの文化芸術のPRに努め、県民に更なる文化芸術を楽しんでいただける場づくりに努めたいと考えています。
◎辻 文化芸術振興課美の魅力発信推進室長 現在は、ソフト面とハード面の両面から検討中であり、保坂ディレクターの意見もしっかり反映したものにしたいと考えていますので、引き続きよろしくお願いします。
◆加藤誠一 委員 文化財保護の関係で、計画的に保存修繕ということが何度も出てくるのはありがたく思いますが、先ほど説明がありましたとおり、非常に多い滋賀県の文化財に対応するための基金については、資料1のとおり10億円ほどあった基金残高が、令和4年度に1億4,000万円ほど取り崩されて、あと8億5,000万円ほどとなっています。これからもずっと保存や修繕が続きますが、この基金の積み増しについてはどんな考えをお持ちでしょうか。確かこれは年度末に積むものではなかったと思うのですが、当初予算に積んでいるイメージもありません。年度末に財政当局との関係で積んだのではないかと思いますが、部として滋賀県文化財保存基金の将来に向けての在り方をどう考えているか聞かせてください。
◎村田 文化財保護課長 基金は、文化財保護行政の保存修理事業の補助をしていくに当たって非常にありがたい仕組みだと思っています。計画的に先を見据えた補助支援ができるようになっています。こちらについては、平成25年に創設いただいたものですが、今、委員がおっしゃったとおり、確か令和4年2月議会の補正でつけていただいた5億円を積み増した結果、令和3年度末時点では10億円弱になりました。その後、令和3年度事業に対する補助事業分として令和4年度中に1億4,000万円余の取り崩したこと、令和4年度の補助事業分として1億3,000万円余を取り崩したことで、令和5年度以降の事業の財源となる現在の額としては、7億2,000万円余となっています。このペースでは、近い将来に基金が底をつくことになりますが、基金という制度があるおかげで、特に建造物などの規模の大きな複数年にわたって支援が必要な事業に計画的に対応できますので、こうした補助財源の確保は大変重要なことだと思います。今、具体的にいつ、どのようにして積み立てるという考えを持ってはいませんが、引き続き総務部や議員の方々にも相談させていただきながら、基金の確保を目指したいと思っています。
◆加藤誠一 委員 文化財保存基金だけの話ではないと思います。今、課長がおっしゃったように、確か年度末の2月補正ぐらいのときに積まれるものがありますが、将来的に5年先、10年先にどのぐらい必要になるということを執行部の方から、しっかり総務部に言った上で動いているのかどうか、少し見えにくいです。最後の結果として、決算でどれだけ崩して取り組みましたとされるのもしょうがないですが、それぞれの条例に基づいているとはいえ、そもそもこの基金自体は貯金みたいなものですし、滋賀県としての基金を積むルールがない気がします。この基金を代表的に言っただけなので答弁は結構ですが、5年先などの計画があり、計画的に保存修繕することをしっかり方針として持っているのであれば、先の計画を考えながら積み立てておくことも必要ではないかと考えます。基金については先を見た形で年度末に積むといったような、ルールなどがあったほうがいいと思いました。取組自体は頑張ってください。
◆節木三千代 委員 国スポ・障スポ大会の費用には、競技力向上や開催準備、施設整備などに関するものがあると思いますが、収支見通しなどから直近では総額が547億円であると思っています。令和4年度の費用は総額で幾らであるのか教えてください。
市町もそれぞれの会場の準備をされていますが、費用がかさむとも聞いています。県への要望などについての対応をどうしているのか聞かせてください。
また、国スポ・障スポのポロシャツについて、ミズノのポロシャツが揃えられていますが、幾つかスポーツメーカーがある中で、契約などについてはどうなっているのかお聞きします。
◎西島 スポーツ課長 節木委員のおっしゃった費用について、令和5年2月の公表では593億円としていますが、その後、先日の特別委員会で報告させていただきましたとおり、主会場整備事業に係る5億円を増額し、現時点では598億円になっています。
◎石野 国スポ・障スポ大会局副局長 ポロシャツにつきましては、大会の機運醸成として、スタッフが皆で着ているところ、一部議員の皆様にも着ていただきました。県内のスポーツメーカーと契約をしまして斡旋をしていただいています。一般発売はしておらず、メーカーから頂いた価格表に基づいて、庁内に向けて販売しています。
◎辻 国スポ・障スポ大会局長 ポロシャツの件で、正確なことは持ち帰り調べますが、過去からの引き継ぎによりデザインや色から何社か見積りを取った上で、安かったところに決めたと思います。
また、1点目に御質問の大会経費598億円の収支見通しのうち、今回の主要施策の成果で上がっている金額がどの程度になるかということですが、598億円のうち競技力向上対策費として39億円ほどを見込んでおり、資料2、107ページの3億8,000万円余りが令和4年度の決算額です。あわせて、598億円の中には、開催経費を104億円ほど見込んでいます。資料2の111ページの3億8,000万円余りのうち、1億2,000万円ほどが開催経費、26億円と見込んでいる市町の施設整備補助金の令和4年度の執行額が残りの2億6,000万円です。
◆節木三千代 委員 結果として、令和4年度の国スポ関連費用のトータルが幾らになるのか教えてください。また、市町から国スポの費用について要望があると思うのですが、その辺りの対応はどうしているのか教えてください。
◎辻 国スポ・障スポ大会局長 開催経費を中心に説明させていただきましたが、施設整備の部分は、もう少しお時間を頂いて答えさせていただきます。
市町からの要望についてですが、リハーサル大会を来年度開催しますので、現在、市町はその準備に当たっています。業者からの見積り額が予定していたよりもかなり高くなっていると聞いています。それに対して県として何とか補助してほしいと要望が出ていますので、来年度以降どのような予算で対応するか検討したいと考えています。
なお、令和4年度の国スポ関連経費の決算総額は89億6,400万です。
◆節木三千代 委員 リハーサルの準備で、今後また費用がかかるであろうことについては、市町と調整するという理解でいいでしょうか。
◎辻 国スポ・障スポ大会局長 はい、そうした御要望を聞いており、現在、来年度の予算に向けて金額を精査中です。
◆菅沼利紀 委員 資料2の101ページ、スポーツの総合的な振興の中で、令和4年度の目標とする指標の達成率が58.3%となっていますが、報第8号滋賀県基本構想の実施状況説明書の13ページによると、51.8%になっています。どちらを参考にしたらいいのか教えてください。
◎西川 スポーツ課交流推進室長 実施率に係る達成率の違いは、基準となる年度が異なることによります。資料2の実施率目標については、平成28年度の目標を基準に設けており、その上で達成率を算定しています。一方で、基本構想に載っている指標は平成30年度の基準で設けており、基準年度が異なります。そうしたことから達成率の違いが生じています。
◆菅沼利紀 委員 報第8号によると、子供たちのスポーツの達成度合いが非常に鈍っているとのことです。担当部局が違うとは思いますが、文化スポーツ部の管轄の中でも子供のスポーツを盛り上げて振興していこうという事業があると思います。この結果を捉えてどういった形で、子供たちのスポーツを振興し、スポーツを好きと回答する子供を増やすための支援ができるのか、考えていることがあれば聞かせてください。
◎西川 スポーツ課交流推進室長 子供のスポーツに関して、スポーツを好きと回答する部分が伸びない、実施時間が伸びないことについては、やはり新型コロナの影響が一番大きいと思います。その中でこれまで取り組んでいますのが、もっと小さい就学前の子供たちからスポーツを好きになれるよう、遊びながら運動する「運動遊び」を広めようということで、滋賀県独自にPicという運動プログラムをつくっています。そうしたことを普及させる取組として、資料2の99ページ、1の事業実績の(2)に記載の「しがスポーツの子」事業を展開しています。大きな実績数ではありませんが、そうしたことを続けて、小さい子供から運動習慣がつながるようにしたいと思います。ほかには県のスポーツ協会でのスポーツ少年団などの取組もありますので、これも一緒になって展開したいと思います。
◆菅沼利紀 委員 所管が違うところがあるかとも思いますが、互いにスポーツを振興していこうという立場の中で、他部局と補完し合ってもらえればと思います。例えば、資料にありますプロスポーツ選手の派遣等も小中学校に派遣するなどで、しっかりと大会本番に向けた子供たちの意識を高めてもらいたいと思います。
◎辻 国スポ・障スポ大会局長 国スポ・障スポは、子供たちにスポーツを楽しんでもらう絶好の機会だと考えています。先日終了しました鹿児島県の国体でも、各会場に子供たちがバルーンを持って応援に来ておられる光景が見られました。選手の励みにもなりますし、子供たちにとっては全国でトップレベルの選手の姿を見ることは非常によい刺激となり、スポーツ好きの子供たちを増やす一助になると期待していますので、各市町とも連携しながら取組を進めたいと考えています。
◎石野 国スポ・障スポ大会局副局長 先ほどの節木委員からのポロシャツに係る御質問にお答えいたします。まず入札等については実施していないとのことです。先催県の協賛企業であるミズノから話があり作るに至りました。令和元年度から作成しているもので、一部の議員の方々にも着ていただきましたが、今はまずは庁内といった一部の方に対して、斡旋という形で販売しています。
◆節木三千代 委員 そうであれば、一般販売となる際には入札とされるのでしょうか。
◎石野 国スポ・障スポ大会局副局長 今、具体にその動きがあるわけではありませんが、その際には、公共としてどのような手続が一番売り出すにふさわしいのか検討したいと思います。
◆佐口佳恵 委員 資料2の83ページ、アール・ブリュットの魅力発信事業が480万円余ということで、少ない感じがしているのですが、予算の使い道は何だったのか教えてください。もし外注などをされていれば、その内容も教えてください。
また、資料から琵琶湖文化館についての取組が読み取れません。開館に向けて、ほかの館で展示物を生かしていただいていますが、待ちに待った開館ですので、令和9年には盛大に開館していただけるように、例えばデジタルアーカイブをつくるなど、閉館しているからこそできることを何かされているのでしょうか。令和4年度には特に動いていないとしたら、今後どうされるのかも含め、予算が使われていたのかどうかを教えてください。
◎辻 文化芸術振興課美の魅力発信推進室長 まず事業の概要ですが、滋賀県には、福祉の長い歴史の中で生まれた造形の魅力があります。そうしたものを発信するために、魅力ある造形の作品を宿泊施設等で展示し、宿泊者に見ていただき、また次に足を運んでいただけるような、文化観光に資する事業を委託により取り組んでいます。その委託の金額は261万6,350円となっています。さらには全国組織の、アートと障害を考えるネットワークの運営も担っています。そうしたものについて、定期的、また随時にも、アール・ブリュットや造形の魅力の発信に資するような活動をされている方の情報を、メールマガジンで発信したり、年に1回程度ですが、ネットワークフォーラムの実施をしています。
◎中井 文化財保護課文化財活用推進・新文化館開設準備室長 開館までに作品をデジタルアーカイブにすることなどを準備事業として予定しています。これからSPCの事業者と話し合い、進めていきたいと思っています。令和4年度にはまだ取り組めていませんが、これからの開館準備業務の中で取り組みたいと思います。
◆佐口佳恵 委員 先ほどの美術館の480万円のうち260万円が外注費とのことですが、フォーラムやメールマガジンなどの事業がある中で、残り220万円の内訳が分かりませんでした。また、この宿泊施設や集合施設での展示や映像展示についても、外注としてお金を払っているのか、その期間はどのぐらいかということを聞きたかったです。分科会的な取組についてはぜひ進めてください。恐らく資金調達等にも、それをつくることが非常に役に立つと思いますのでよろしくお願いします。
◎辻 文化芸術振興課美の魅力発信推進室長 説明が不足し申し訳ございません。まず、宿泊施設等の展示場所ですが、宿泊施設が4か所、その他の場所が1か所となっています。具体的には塩野温泉と、びわ湖花街道、そして旅館紅鮎、雄山荘の4つの宿泊施設となっています。残り1つは、プロポーザルで決定した業者の提案により、旧八幡郵便局で展示をしていました。旧八幡郵便局では昨年度、近江八幡地域で行われたBIWAKOビエンナーレというイベントの開催時期に合わせた展示をしました。そのほか4つの宿泊施設につきましては、3月19日で一旦は展示を終了しています。それ以外の費用については、もう少し時間を頂けたらと思います。
◆佐口佳恵 委員 委員長の御判断にお任せしますが、細かい話になりますので、情報の提供は私に個別でされても構いません。小規模なものは別として、日本に滋賀県立美術館ほどの大きな規模のアール・ブリュットの美術館は、私が知っている限りではまだないはずです。ですので、ここは文化観光の一つの柱になると思います。この予算でいいのかということも含めて、その発信についても御検討いただけたらと思います。
閉会宣告 16時11分
県政記者傍聴:読売
一般傍聴 :なし...