• "野洲養護"(/)
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  1. 滋賀県議会 2023-07-07
    令和 5年 7月 7日教育・文化スポーツ常任委員会−07月07日-01号


    取得元: 滋賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-17
    令和 5年 7月 7日教育・文化スポーツ常任委員会−07月07日-01号令和 5年 7月 7日教育・文化スポーツ常任委員会           教育・文化スポーツ常任委員会 会議要録                                開会 9時59分 1 開催日時      令和5年7月7日(金)                                閉会 12時59分 2 開催場所      第五委員会室 3 出席した委員    河井委員長、村上副委員長             田中(英)委員、野田委員中山委員、清水(ひ)委員、             白井委員九里委員(欠席:目片委員) 4 出席した説明員   福永教育長および関係職員 5 事務局職員     井上主査吉田主任主事 6 会議に付した事件  別紙次第書のとおり
    7 配付した参考資料  別紙のとおり 8 議事の経過概要  別紙のとおり                  議事の経過概要 開会宣告  9時59分 《教育委員会所管分》 1 議第84号 令和5年度滋賀県一般会計補正予算(第2号)のうち教育委員会所管  部分について (1)当局説明  村井教育委員会事務局教育次長 (2)質疑、意見等清水ひとみ 委員  多様な学び確保推進事業夜間中学)には非常に期待していますので、くれぐれもよろしくお願いします。まず、85%の予算を県が負担することについて、根拠をお聞きします。 ◎畑 幼小中教育課夜間中学開設準備室長  夜間中学に通われる方は、外国籍の方や不登校で十分に義務教育を終えられなかった方、あるいは戦後の混乱期などで未就学であった方などとなっています。その中でも事前にアンケート等をした結果、やはり外国籍の方のニーズが相当あり、外国人人口割合が全国的にも高い湖南市では自治体の夜間中学における外国人生徒の割合が七、八割となっています。協議をする中で、その外国人人口等を補助率の積算根拠として、負担割合を85%とさせていただきました。 ◆清水ひとみ 委員  多様な学びということですので、決して外国人のためだけの学校ではないこともしっかり考えた上で、今後しっかり取り組んでいただきたいと思います。あくまで中学校過年度生に対しての学校ではあるので、事業内容の説明で有識者会議やシンポジウム、住民説明会という様々な話がありましたけれども、教育関係者中学校の先生にしっかり理解していただくことが何より大切だと思います。自分が関係した生徒たちに再度こういうところで学んでほしいと教員の方は常に考えておられると思うので、そうした学校の先生への訴えが今回の予算の中で考えられているのかどうか、聞かせていただきたいと思います。 ◎畑 幼小中教育課夜間中学開設準備室長  委員御指摘のとおり、やはり現場の先生に夜間中学校がどういったものであるかを十分御理解いただいた上で、教育に臨んでいただくことが非常に重要であると認識しています。甲西中学校の先生にも、夜間中学でどういった授業がなされているのかや先進地の事例等について、動画の視聴等により理解を深めていただき、夜間中学校の運営が円滑に進むための御協力をいただけるように、努めたいと考えています。 ◆中山和行 委員  甲西中学校の中に夜間中学校が設けられるとのことですが、夜間中学校に勤められる教員の所属はどうなるのでしょうか。甲西中学校の先生であるならば日中の学校との関係が分かりません。また、先生や生徒の数がどれくらいになるという見込みはあるのでしょうか。 ◎畑 幼小中教育課夜間中学開設準備室長  職員の所属としては、甲西中学校の職員となります。勤務形態としては、夜間学級ですので、勤務時間をずらした形となり、昼前から出勤していただき21時ぐらいまでの勤務時間となります。  人数の見込みにつきましては、昼間の学校と同じように公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に定められた人数を配置するように決まっておりますので、その形で配置を考えます。 ◆中山和行 委員  具体的な人数は確定していないということでしょうか。生徒の募集に関する事項が定まってからということになるのでしょうか。 ◎畑 幼小中教育課夜間中学開設準備室長  年度ごとの進行で1クラスずつ学級を開いていくのか、3学年同時に開くのかについても湖南市との検討会議で決めていきます。例えば3学年同時にということであれば、3学級増に対する国からの定数配置が入ります。あわせて、委員御指摘の加配教員についても、以後に教職員課、あるいは湖南市と協議をしながら話を詰めていくことになるかと思います。 (3)採決  全員一致で原案のとおり可決すべきものと決した。 2 報第3号 令和4年度滋賀県繰越明許費繰越計算書のうち教育委員会所管部分について (1)当局説明  村井教育委員会事務局教育次長 (2)質疑、意見等清水ひとみ 委員  教育振興費などについて、安全装置に係る事業の繰越を言われていますが、先日、国の調査報告において、滋賀県の安全装置設置割合が非常に低いとありました。特別支援学校では音に驚く生徒もおられるなどの事情があると思うので、バスに残っている方がいないようにさえできれば機械ありきの話ではないと思うのですが、今回の予算で県としては機械の配置を全て完了することを目指しているのでしょうか。それとも、子供に配慮をして違うやり方でもよいとされるのか、その辺りを聞かせてください。 ◎左谷 特別支援教育課長  特別支援学校のバスの警報装置の使用につきましては、委員に御説明いただきましたように、聴覚に過敏な生徒もおりますので、そうしたことに配慮した機器の選定に時間を要したという面があります。また、県立特別支援学校スクールバスには、リース方式等のバスも含まれていますので、そうしたバスに機器を固定することは、業者等との調整がやはり必要となりますので、こちらにも時間を要しました。  また、おっしゃっていただきましたように、あくまで安全装置ですので、これだけで子供たちの安全を100%守るものではありません。運転手をはじめ介助員も各スクールバスに乗車していますので、乗降車時の児童生徒のチェックについては日々必ず取り組んでいます。また、先の6月27日にはスクールバス乗務員研修を行い、少なからず事故は起こる可能性があるけれども、確実に確認することで可能性を最小限にとどめるということも含めて、講師の先生にお話いただきました。装置の設置だけでなく、そうした安全管理を引き続き行っていきたいと考えています。  なお、現時点では、県立特別支援学校のバス、69台全てに設置する準備を進めています。 ◆中山和行 委員  先ほど清水委員も言われましたが、滋賀県では安全装置設置率が全国で最下位の20%程度だったと思います。バスの安全装置には国からちゃんと予算が出ますが、なぜまだ僅か20%なのでしょうか。他府県は6月末で70%や80%程度の設置率だったと思いますが、新聞報道で滋賀県がまだ20%ほどの全国最下位となっている理由は何なのでしょうか。 ◎青木 保健体育課長  安全装置の設置が遅れている状況に係り、保健体育課では、市町が運行している幼稚園の送迎バスの、27台全てへの補助をしています。新聞で報道されたものは、障害福祉課放課後デイサービスで運行されているものや、子ども・青少年局が私学の保育所や認定保育所などで運行されているものであり、全体としてのパーセンテージが公表されています。当課の事業に関連する設置の遅れの要因を市町へ聞きましたところ、業者からの部品がなく調整が遅れたり、入札準備に少し時間を要して、他府県よりも少し遅くなってしまったためと聞いています。安全装置は全ての状況に対処できるものではなく、あくまでヒューマンエラーを補完するものですが、人的な部分の安全確保を徹底するとともに、安全装置の設置もできるだけ早急に行うよう進めています。 ◆中山和行 委員  言われることは分かりますが、業者との関係においては他府県も同じ状況だと思います。なぜ滋賀県が最下位になってしまったのでしょうか。声をかけるなどのソフト面での対応が確かに一番大事で、最終的にはやはりしっかり確認しなければいけないことは分かりますが、ハード面をしっかり整えることに対しては、人命が失われた重みから国が予算をつけているわけですし、今の説明ではどうかと思います。やはりもっと県からしっかり指導をしていただき、早急に安全装置がつけられるようにしていただきたいと思います。 ◎青木 保健体育課長  全国的に安全装置の設置が義務づけられていますが、委員御指摘のとおり、急いで設置する意識が不十分でその辺りの周知が至っていなかった面もあります。研修等によりまずは安全確保の部分の周知を徹底するとともに、早急に設置を進めるように市町には改めて周知し、できるだけ早く設置されるようにします。 ◆白井幸則 委員  特別支援学校建設費についてお尋ねします。確か5校に係るものとの話ですので、草津養護学校の増築と、トイレ改修が4校ということかと思います。これは以前から心配してお伝えしていることなのですが、児童生徒の比率は不思議とどの学校も男性が2に対して女性が1となっています。学校を造った当時に男女をほぼ同数だと想定して造っていたら、休み時間やトイレに行く時間を設定してあるとしても、男性のトイレが非常に混み合ったり、困ったことになったりします。その辺りを配慮してくださいと以前から言っていますが、具体的にトイレ改修を進めていく中で、割合や個数を変更せずに新しいトイレに変えるだけで大丈夫だったのでしょうか。それとも、部分的には男性のトイレの数を少し増やした設計などとして進めていただいたのか教えてください。 ◎會田 教育総務課長  それぞれのトイレの便器の数につきまして、スペースの関係もありどうしても限りはありますが、設計に当たっては使用状況を見ながら数などを再度検討し、現場の状況もしっかり聞きながら進めています。 ◆白井幸則 委員  今言ったのは、まさにそうした使用状況を見ながらということでしたが、実際に数を変更したところもあったのでしょうか。 ◎會田 教育総務課長  今手元に詳しいデータを持ち合わせていませんので、すぐにお答えできませんが、覚えている範囲ではブースの数などを変えて造っています。 ◆白井幸則 委員  草津養護学校については新しい校舎を増築して、教室の数や特別教室などを増やし、今年度から使い始めると聞いています。  校舎が離れたところにあり、安全に移動できるように配慮するとのことですが、道路を挟んで離れた場所に生徒が移動することになると思います。また、その距離から万が一の際などに指示や命令がうまく届かないことなどがあってはいけませんので、しっかりと取り組んでほしいと思います。  学校全体を見たときに、草津養護学校は非常に大規模な学校になっています。教室の数が足りないことやいろいろなものが狭いといった狭隘の問題と、学校自体が大規模化している問題というのは、また別の問題としてしっかりと取り組まなければならないと思います。  大規模化の問題に関して前の一般質問などでも言いましたが、サービスを提供する側である教員や講師、現場の職員などの、多くの人員を管理する管理職の数があまりにも少なく、管理職が1年間ぐらいでは所管する先生の名前すら覚え切れない構造になっています。緊急時に速やかに対応できるのかをよく考え、大規模化の問題にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。その辺りの動きを教えてください。 ◎左谷 特別支援教育課長  御指摘いただきましたように、今回の草津養護学校につきましては、当面の教室不足を解消することを狙って増築に取り組んでいます。ただ、草津養護学校の大規模化に係る課題は引き続き残っていると認識しています。特別支援学校を含めた全ての学校における、よりよい教育を受けられる環境、施設を新築や増築を含めて今後も引き続き検討したいと考えています。 ◆白井幸則 委員  大規模化に関して、現場に行かせてもらうと管理職の目が本当に行き届いていない場面をやはり見かけます。野洲養護学校や草津養護学校もそうですが、大規模な学校は、綱渡りをして何とかぎりぎりで持ちこたえているのではないかという危機感があります。そうした声を保護者からも聞くので、大規模化の解消については、またしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 ◆野田武宏 委員  先ほどの白井委員の質問で、會田課長トイレ使用状況を見ながらと説明をされましたが、具体的にどういう想定で考えているのでしょうか。もしくは、今までに取り組まれた事例があれば教えてください。 ◎會田 教育総務課長  設計に入るに当たっては、そのトイレ使用人数使用頻度等を改めて調べた上で、そのデータ等を活用しながら設計を進めています。 3 第4期滋賀県教育振興基本計画(原案)について (1)当局説明  會田教育総務課長 (2)質疑、意見等清水ひとみ 委員  様々な形で検討いただいているので、よいものをつくり上げていただきたいと思いますが、現在、子供の教育を考えるに際して、生成AIなどのネット環境の目覚ましい進展や変化というものは避けて通れない事項だと思います。そうしたことを総合企画部などとも話し合い、どのような形で教育によりよく生かしていくのかについてもどこかで触れていただけたらと思います。次期計画の5年間でその分野はきっと飛躍的に進展すると思いますが、その辺りについてはいかがでしょうか。 ◎鎌田 教育総務課教育ICT化推進室長  生成AIの件につきまして、昨日、文部科学省ガイドラインを公表し、その通知を受け取りました。中身を検証するとともに、高校教育課幼小中教育課、市町の担当課とも相談し、早々に県立学校市町教育委員会に周知をしています。  ただ、その中身を見ていますと、生成AIについての注意事項がメインで、どう活用していくかについてはこれから継続的に改定をしていく内容となっています。我々もこの生成AIというのは今後、必ず生活に入り込んでくるもので、今の子供たちが社会に出ていくに当たっては避けて通れないものだと考えています。情報活用能力を上げるに際しても、生成AIを使いこなす能力が必要になると考えています。ただ、どう活用して行くかについては文部科学省もまだはっきりしない状況ですので、我々も研究しながら、まずは生成AIがどういうものなのかを正しく教員に知ってもらおうと思います。個人情報や著作権などの留意するところやメリット、デメリットを具体的に理解してもらえれば、子供たちにどういう使い方をしたらいいのかをより伝えられると思います。今は年齢制限等もありますので、まずは生成AIを使うに当たってのモラル教育をいま一度しっかりと行った上で、活用に向けての情報化教育を進めるという方向で検討したいと考えています。 ◆清水ひとみ 委員  原案にも、情報活用能力の育成という項目がありますので、しっかり対応していただけると思うのですが、いかんせんこうしたことには子供の方が早く慣れるという問題があると思います。先生方でも若い方はこういう分野にも非常に接点がありますが、特にベテランの先生ほど苦手な人も多いと思いますので、早めの研修などを意識いただけたらと思います。 ◎鎌田 教育総務課教育ICT化推進室長  実は、以前から滋賀県総合教育センターと話をしており、具体的にどのように研修をするかを考えてもらっています。ただ、今すぐに研修メニューに落とし込むことも難しいので、まずは文部科学省が作成しようとしている研修動画などを必ず各学校で見てもらうことや、センターで行っている情報化リーダー研修の中で生成AIに触れてもらい、各学校に持ち帰って研修をしてもらうことなどが考えられます。来年度からはしっかりと研修体系に入れていくような話をしていますが、たちまちの対応としてはそうした動画などを用いて、生成AIとはどういうものなのかや、今回のガイドラインの中身を知ってもらう研修をしたいと考えています。 4 滋賀県立高等学校入学者選抜方法等改善協議会について (1)当局説明  横井高校教育課長 (2)質疑、意見等清水ひとみ 委員  自己推薦制度についてその形式も一つの入試方法かと思いますが、これからが成長期で、変化をしていく15歳の子供たちがどれだけ対応できるのかと思います。大器晩成型の生徒もたくさんいる中で、この方式はどうなのでしょうか。  負担の軽減として、ウェブ出願の導入による出願業務負担軽減については、大いに進めていただきたいと思います。ですが、私の知る限り最近は起こっていないと思うのですけれども、以前は担任の先生による提出ができていなかったなどの出願ミスが時々ありました。今回のウェブ化によってそうした手続き上のミスが再び起きないか、かえって心配になります。せっかく負担軽減で導入したつもりが、子供の一生に本当に関わる大きなミスにつながることがくれぐれもないようにしていただきたいです。  次に受験機会の保障としての二次選抜の在り方について、インフルエンザにかかった生徒への追試を当会派からずっと要望を出していました。なかなかかないませんでしたが、コロナ禍になり、コロナ対策として追試をしていただけるようになりました。今後もそうした思わぬ病気となった際には、やはり追試などの機会を与えてあげてほしいと思います。 ◎横井 高校教育課長  自己推薦についてですが、協議会の中で出た主な意見として、やはり受験生が高校の目指す教育や求める生徒像を踏まえて、校内外の活動実績などを記載したものを提出する自己アピールは非常に大事なことではないかという御意見を頂いています。学力検査では測ることができない資質や能力を、ある意味で評価することができるのではないかという意見でした。また、中学校長推薦については、長い歴史の中で培われたものであり、中学校高校側からも一定の評価を頂いています。  ウェブ出願につきまして、働き方改革という視点も大事だと思っております。そういう中で、中学校の先生が多数の資料をそろえて全ての高校へ手持ちで持って行き出願することは、大変労力のかかることと思われます。そういう意味から、ウェブ出願となれば、生徒個人保護者とともに入力して出願することになりますし、私立高校や大学などではよく使われている方式でもあります。全国的にはあまり導入されていませんが、早めに導入することで、業務の簡略化を図りたいと思います。ただ、委員がおっしゃったように、ミスがあってはいけませんので、中学校、高校がともにしっかりチェックしていくことは必要だと思っています。  御指摘いただきました追試の件ですが、二次選抜における追検査としてコロナ禍で1度実施をさせていただきました。今後は5類感染症になりましたので、インフルエンザと同じ扱いになるかと思います。二次選抜としての追検査については、今後の状況を見ながら考えていくことになるかと思います。 ◆白井幸則 委員  様々な原因があると思いますが、高等学校によっては定員が割れているところもありますけれども、入試の設定日などにより県内にとどまってくれる生徒の数が変わる可能性もあると思います。  京都府などでも、特に私立では一つの稼ぎどきとして入試日の設定をされているところもあります。設定した入試日次第では多くの受験者が受けられることにもなりますので、戦略的に入試日の設定をされていると思います。  そうしたことから、今どれぐらいの子供たちが県外の高校に行っているのかをつかんでおられたらその数字と、生徒に県内にとどまってもらう工夫としてはどのような意見が出て、それをどう反映するのかを教えてください。
    ◎横井 高校教育課長  県外へ出ている生徒について、多少増減がありますので大まかですが、例年中学校を卒業する生徒は約1万2,000人おり、おおよそですが約10%が県外へ出ています。県外私立へは約800人程度、最近少し多いのですが県外の通信制学校へ300から400人程度、その他は県外の高専にとして人数をつかんでいます。  県外へ出ていく生徒を止めることも大事な視点ですが、これはあくまで入試の制度に関する協議会ですので、その点について議題を設け、委員に協議をしてもらうことはありませんでした。各学校がスクールポリシーを踏まえ、目指す教育や求める生徒像を中学生に周知し、それを出願要件選抜基準に明確化することで子供たちが行きたい学校へ行けるように魅力ある学校をつくり、その魅力を入試制度に反映させる形で入試制度をつくりたいと思っています。例えば、数学の力のある子を取りたいという学校があれば、今まで100点だった数学の得点を150点にできるなどの制度も考えていけると思っています。 ◆白井幸則 委員  県外の私立高校に行く子供もいれば、県内の私立高校に行く子供もいます。それは大体どれぐらいでしょうか。 ◎横井 高校教育課長  県内私学については定員が大きく変動していませんので、大体2,400人程度と踏んでいます。パーセンテージでは15%から20%くらいだと思います。 ◆白井幸則 委員  そうであれば、約75%の卒業生が県内の公立に行かれるのだと思いますが、子供の数も減ってきていますし、率は一定であっても生徒数はだんだんと減り、今までどおりだと定員割れをするところも増えてくると思います。学校でいろいろな特色を出すようにされても、県内の45校ほどの公立高校はそもそもの子供の数が減ると持ちこたえられなくなると思います。民間企業の経営をしていた立場から言うと、生徒数が減少しても一つの組織、一つの建物、一つの償却資産を持ち続けようとすると、県民の税金だけでは持ちこたえられなくなると思います。子供たちの数に見合う適正な学校の数にして適正な運営をしていかないと1人当たりのコストがかかり過ぎ、教育の質ではなく何とか学校を維持することに追われ、子供たちのためにという本来の部分がおろそかになる心配もあります。総合的にはあと2回の会議をして最終案を整えると思うのですが、その辺りも含めて考慮し、しっかりと取り組んでいただけたらと思います。 ◆中山和行 委員  特色入試がほぼなくなっていくということだと思いますが、現場にいたときには特色入試がよくないという声がやはりありました。私自身も何回も進路指導をやってきましたが、言葉は悪いですが青田刈りのように非常に早い時期から一部の子の合格が決まり、多くの生徒が落ちる制度です。特色選抜の中で、挫折感を味わう子供たちが生まれることを経験してきましたし、なぜこんな制度をわざわざつったのかとずっと思っていましたので、これがなくなる方向性になることは歓迎しています。  高校の教員と中学校の教員で思いが若干食い違うところはあるかもしれませんが、中学校の教員側からすると、様々な入試制度がある中で、どの子もその適性に応じてうまく合格させてあげたいという思いがやはり強いです。1月から3月くらいまでの慌ただしい状況で子供たちに接していく中で、制度により合格が早く決まる子、なかなか決まらない子、いろいろな形式での合格等があり非常に煩雑な感じがあります。入試制度を考えることは非常に大事なことだと思うのですが、根本的なこととして今の一学区制になっている問題なども、こうした入試制度の問題と併せてぜひとも考えていただきたいと現場にいたときからずっと思っています。様々な委員や有識者の方たちに加え、やはり現場の声をもう少し上げることも含めて考えていただければと思います。 ◎横井 高校教育課長  様々な意見の中で、特色選抜は各高校の特色が反映されていない入試制度ではないかという御意見もありました。一方で、受験機会が複数回あることはチャレンジを促すものであり、それを乗り越えないといけないという御意見もありました。そうした御意見やアンケート等の結果も踏まえながら、特色選抜についての方向性を決めたいと思います。  通学区域の話が出ていましたが、これについては平成28年度に通学区域の検証を既に終わっていることにより、今回の協議会では議論しておりません。平成18年から始まった区域についての10年後の検証結果としては、県内の保護者、中学生等の90%以上の方々が肯定的な意見を出されていましたので、通学区域については今回の協議会の中では議題に上げていません。 ◆野田武宏 委員  特色選抜についてですが、資料に書いてある内容も否定的な意見が多く、いろいろな課題があると書かれているようですけれども、基本的に似たような試験を繰り返していることも大きな問題かと思います。特色選抜で受験して落ちても、似たような試験をまた受けていくことが問題だと思いますし、そもそも特色選抜においてはもっと違う角度からの試験をするべきだと思います。  また、選抜方法をこういう形でしてはどうか、自己推薦としてこういう方法でしてみてはどうかというような話や、特色選抜自体をなくしていくというような話が出ています。そうしたことに対して、大人側にはスピード感を持って進めたいという思いがあるかもしれませんが、子供には、自分が受験する推薦方式などの入試方法が急に変わることはかなり大きな負担だと思います。この方法で自分は入学を目指そうと思っていた子供たちが、その方式がなくなってしまうという大きな問題があるので、そこは慎重に議論をして進めていくべきだと思います。  特色選抜などの、子供たちに今与えられている入試制度の選択肢については、リストのような形でどこかに用意されているのでしょうか。こういう選択肢の中から受験することができると、一見して分かるようなものがあるのか教えてください。 ◎横井 高校教育課長  現在の予定では、この新しい入学選抜の実施は令和8年度の入試からとしています。対象としては、現在の中学1年生以後の生徒が対象となります。そうしたことから、今年の12月にお認めいただき公表させていただいた後は、すぐに県内の各中学校だけでなく県外の各中学校も含めて広報等に回りたいと思っています。今委員がおっしゃったように、新しい制度ですのでやはり中学生に非常に大きな影響を与えることから、早期の対応が必要だと思っていますので、しっかりと対応したいです。  入試制度の提示としては、既に令和6年度の入試要項を発表しております。各市町の中学校へも発送していますので、全ての中学生が把握されていると思います。また、中学生の進路に塾が結構大きな影響を与えていると言われていますが、そういうことからも早期にホームページにも掲載していますので、恐らく塾関係もいち早く入手されています。新しい制度ができ上がり次第、早めに対応したいと思っています。 5 (仮称)滋賀県立高等学校魅力化に向けた学科改編等実施計画の策定について (1)当局説明  小嶋高校教育課魅力ある高校づくり推進室長 (2)質疑、意見等 ○河井昭成 委員長  魅力化の議論を10年以上前から継続してもらっている中で、今回改めてまた魅力化の取組をするのですが、以前から言っている話として、なぜこうしたことをしなければいけないのかというところに立ち戻ってほしいと思います。例えばアントレプレナーシップや主権者という学びを各高校で行うとは書いてありますが、その結果どうなったのかについては、違いが出されておらず分からないと思います。高校で様々なことを学んだとしても、その後どんな人物に育ったのかという実像が分かりません。例えばこの教育を受けた人たちは、後に起業家精神豊富な人となり、やはり起業する人が多いと言えるのか、普通に普通科を卒業した人とそんなに変わりませんと言えるのかというと、その違いが現状では分からないため、学びに魅力があるのかどうか分からない面があります。今説明してくださった、どんな学びをするのかということと、その後のことをもう少し見えるようにしてもらうことは、どちらかの取組だけではだめだと思います。結局、どういう人物を育てたいのかと、どういう人物が結果として育ったのかが伝わらないため、魅力的な学びが伝わらないのではないかという問題意識があってもいいと思います。その点について考えをお聞きします。 ◎小嶋 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  進めようとしている魅力化の中身に加えて、そこで育った生徒がどういう人物に育ったのかという、結果の部分についての御質問かと思います。  今のところ、どういう人物を育てたいかについては考えているのですが、その後どう育ったかについてはこれからのことになります。卒業生がどういう力をしっかり身につけて、その後どういった進路を進んでいくことになったのかは把握をしていく必要があると思っていますので、卒業後の状況が把握できるように、アンケート調査などを行いながら見ていきたいです。  既に甲西高校でも魅力化として、学科改編等を行い、この春に卒業生が出る状況です。これから徐々に学科改編等をした結果が出てくると思います。数年後どうなったかということも大切だと思いますが、なかなか人の成長としては卒業後の数年で結果が出るとは限りませんので、長い目で見ていくことも一定必要かと思います。例えば30歳、40歳になったときに、学んだことが人生にどう生かされてきたかをOBが生徒に語っていただく形で、この学校ではどんな力がつくのかを還元していくような取組も進めていけたらと思っております。 ○河井昭成 委員長  丁寧に議論していただきたいと思います。何が子供たちにとっての魅力なのか、子供や保護者にどう伝わるのかを大人が想像しながら考えるわけですが、そこをしっかり押さえておかないと、いつまでたっても同じ議論をすることになる気がします。滋賀県の学校に通ったら基礎的な生きていく力、基本的な事項が学べてしっかり身につくということが大事なわけですし、あまりふわふわしたことはしなくていい気もしていますので、丁寧な議論をしていただけたらと思います。 ◆白井幸則 委員  委員長の意見とも関連するかもしれませんが、特色に力を入れて取り組むことの背景には、普通科の定員未充足が令和3年度には79人、令和4年には72名増えて151人に、そして令和5年度には214人と、どんどん増えてきていることがあり、それを踏まえて普通科の魅力化に取り組むということだったと思います。そもそも、定員が未充足となっている理由はどこにあったのか教えてください。 ◎小嶋 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  定員未充足となっている高校の理由についてですが、募集定員につきましては、その年度の入学予定者数、中学卒業生数に合わせて毎年度策定しています。生徒の進路希望として、均一にどの学校にもというわけにはどうしてもいきませんので、やはり一部の学校に人気が集中することもあるかと思いますし、進路が多様化していることもあるかと思います。あとは地域の子供の数がどうしても減少してきているので、なるべく近い地元の高校に行こうとした場合に、一部の高校の定員数が未充足という状況になるかと思います。進路の多様化ということでいいますと、広域通信制高校等に進学される生徒が年々増えている状況もあり、そうした部分では県立の通信制や定時制高校により、生徒のニーズをしっかり満たしていく必要もあると思っています。 ◆白井幸則 委員  今の説明でも思いますという説明がありましたが、それが推論なのか事実なのかを分けて、しっかりと突き詰めて押さえないと、推論に基づいた上で次の手を打ったところで砂の上に家を建てるようなことになります。基礎が土台ごとひっくり返ってしまいかねない話を今一生懸命やっているのであれば、それは非常にナンセンスな話です。仮の話として、近くに行きたい高校があったけれども築60年のぼろぼろの校舎で、私立のほうを見たら物すごくきれいな校舎で、庭が芝生で制服もかわいく、修学旅行で海外に行けることなどに魅力を感じており、そこに原因があるということであれば打つ手は変わってくると思います。そうしたことから、なぜかという原因をしっかりと押さえないと、教員の方々や関連会議の委員の想像の中だけで進み、対応をしたけれども結果が何一つ変わらなかった、むしろそれがさらに悪化してしまったという結果になる可能性もあります。志望校が集中して合格できない子供が私立に流れてしまっている場合には入試の時期などで手を打つといったように、原因によって打つ手が変わってくると思います。この原因という点を着実に押さえないといけないと思いますが、どう考えていますか。 ◎小嶋 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  今、委員におっしゃっていただきましたように、何が原因なのかをしっかりと把握し、分析をした上で対応していく必要があると考えています。様々な高校を選択される生徒がいる中で、県立高校に課された使命をしっかりと踏まえて、学校づくりを進めたいと思っています。今の御意見をしっかりと肝に銘じて進めていけるよう、頑張りたいと思います。 ◆白井幸則 委員  原因をしっかり調べた上で対応いただけるのであれば、こうした場で説明する際にも、このような調査をした結果こういう方が何割おられたなどと、具体的かつ論理的に説明をしてください。思いますという説明では、その辺りの取組ができていないのかと受け取ってしまいますので、しっかりと対応をお願いします。  その上で、定員が未充足という根本的な原因として、子供の数と学校の数が合っていないということを検討されたのかお聞きします。 ◎福永 教育長  45校の県立高校があり、入試を行うと、1.2倍や1.3倍、委員がおっしゃったように0.9倍という倍率もあります。そうした中でも中学生が99.5%高校に行く時代ですし、多様な中学生の受け皿をつくっていくことが非常に大切だと思っています。私立学校は自校の建学の精神にのっとり、それぞれ特色ある学びをしています。公立高校においては、それを預かる者として、様々な子供たちが学べる場所をつくることが大切だと思っています。中学生が高校に期待することとして、自分の進路の実現が可能な学校であるのかどうかと、将来にわたって自分に必要な知識や技能、技術が学べる学校であるのかが非常に大きいとアンケート調査の結果から出ています。  多様な学びをつくっていくということと併せて、県内19市町の中で高校が果たしてきた役割、これから果たしていかなければならない役割を踏まえ、それぞれの地域に、やはり高校が一定あることも非常に大切なことではないかと思っております。それぞれの地域の高校がどうすれば未来に向かって残っていけるのか、生徒に学んでもらえるのかに対する一つの方策として、今回、普通科の学科改編を進めています。職業系学科や専門系学科もありますので、そうした学科のより魅力的なものについても、同時に取り組んでいかなければならないと考えています。子供たちに多様な選択肢を提供することによって、様々な子供たちが行きたいと思える学校を滋賀県につくっていくことが我々の役割だと思っています。  ただ、現実としては定員未充足の学校が一定存在することは、必然的でやむを得ない面もあり、定員を大きく超える志願者がいる学校、定員以下の志願者となっている学校が生じてしまいます。その中でも先のとおり、多様な学びを提供することが高校教育の役割だと認識をしています。この点については、市や町の地域づくり、まちづくりにも影響を大きく与えますので、それぞれの市町としっかり相談して、しっかり考えていく必要があると認識しています。 ◆白井幸則 委員  それぞれの地域に住む中学生が自分の将来、進路を思い描けるようにという部分も非常に大切な役割であると思います。一方では、進学したいという意欲自体はそもそも高いですから、その中で役割を果たせるように県立の高等学校を維持していこうと思うと、子供たちの数が減っている中でも定員が充足できるようにという問題もあります。  県内外の私立に1万2,000人のうち3,000人ほどが流れるのであれば、私立高校にこそヒントがあるかも知れませんので、なぜ私立高校に流れるのか、どういう魅力があるから私立高校に行くのかという部分を今後の一つの観点としていただきたいです。  学校が将来にわたってしっかり役割を担っていこうと思うのであれば、やはりそれを維持するだけの体力が滋賀県にずっとあるのかということも、考えないといけないと思います。場合によっては同一地域の同じような学校については、やはり統合しなければならないなどといった、大きな視点の中でやむを得ない部分も、教育長の立場としては決断してもらわなければならない場面が出ると思います。そうしたことも考慮して、将来に向けて地域の子供たちに公立の役割が果たし続けられるようにお願いしたいと思います。 ◎福永 教育長  市町の教育委員会では小中学校をどうしていくのかについては、非常に大きな課題となっていますが、特に県の教育委員会にとっては高校の在り方が非常に大きな課題であると思っています。その上で、滋賀県の19市町の均衡ある発展、活性化をどうしていくのかということについて、高校教育が一定の役割を果たしていく必要があると考えております。  白井委員がおっしゃるように事実として小学生、中学生が減少していくこともありますので、高校の在り方をどうするのか、どのような形で維持していくのかということは、今年度の事業だけではなく今後も引き続き考えていかなければならないと思っております。  ただ、今の子供たちは多様な選択肢を求めています。いろいろな生き方の中で県内外の私立高校や広域の通信制高校を選択される方がいることは、そうした多様な選択の一つでもあります。そうした選択をされた方だけでなく、県立高校に行きたい方、高校に必ず行きたいと思っている方に学びの場所を提供することが県の教育委員会の役割だと認識していますので、しっかりと検証や見直し、検討を進めてまいります。 ◆清水ひとみ 委員  様々に御検討いただいていることに感謝しますが、今回の件において、伊香高校と守山北高校の先生には、すばらしい学校改編をしていくという意識や思いを持って臨んでいただきたいと思います。人事による異動は避けられませんが、自分はこの学校から異動になるので関係ないという考えではなく、自分の今勤めている学校にすばらしい学科ができるという誇りと、その学校に多くの生徒が来てほしいという思いを持ってもらいたいと思います。  昔のことですが、子供たちが好むような片仮名の学校名に変更することがはやっていた当時、湖南農業高校の先生と懇談する機会がありました。その中で、農業高校という名前がついていることに対して質問があった際に、うちの学校は、農業高校という名称に非常に誇りを持っており、子供たちが未来の農業に関われるような人材育成をしていると、管理職ではなく一般の先生がおっしゃっていました。当時の私は、そのことに非常に感動したことを覚えています。  魅力ある学校づくりの中でもこれから体験入学や説明会などがありますが、基本的な部分として、関係する先生には自分の学校に新学科ができると自覚をしていただき、特に先の2校の先生には、そうした意識を強く持っていただきたいと思います。 ◎小嶋 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  今おっしゃっていただいたように、やはり現場の先生方に思いを持って頑張っていただくことが大切だと思っています。各学校の中に検討委員会や推進室を設置し、校内での議論を踏まえて実施計画の中に落とし込んでいくというプロセスをしっかり進めていきたいです。 ◆野田武宏 委員  根本的な話ですが、これは地元以外の外部から人を呼びたいと思っているのか、それとも地元の人たちに、より魅力がある学校として認識してもらいたいと思っているのか、方向性はどうなっているのでしょうか。 ◎小嶋 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  地元の生徒はもちろんですが、全県一区ですので、広く県内の生徒に来ていただけるような魅力をつくっていきたいと思います。 ◆野田武宏 委員  例えば、伊香高校の場合では北部の振興ということですが、地元の人たちだけではなく、今、北部振興は県として取り組まなければならないと言われています。ということは、今の北部地域は栄えていないものとして問題視しているわけです。そうした中で、そこに住んでいる子供たちが、それに対して危機感を抱いていたり、もしくは現状に魅力を感じていればそのままそこに根差して栄えていくと思いますが、そうなっていない状況であるからこそ外に行ってしまうのだと思います。  そうした問題を、高校の一つのテーマとして持ってくるということは、自分たちがやってほしいことを子供たちに丸投げしているように感じます。彼らに望まれることを用意してあげることが本来の役割であり、逆に今までからあるものやその問題点を彼らに何とかしてほしいとか、その問題を何とかしてくれるような子供に育ってほしいということが、果たして魅力に感じてもらえるのかと強く思います。  北部の自然や林業も確かに魅力だと思いますし、それを生かしていくことは大事だと思いますが、極端な例として、VRの仮想現実の空間で授業を全て行うようなことをすると、今までなかった新しい取組であり、県内の学校で近いので行こうという話につながるのではないでしょうか。  魅力ある学びにおけるDXの推進などにおいても、1人1台端末の活用などを発展させた学びとされていますが、既に1人1台の端末がほぼ進んでいる状態で、それが果たして魅力として感じられるのか疑問です。その先に考えられることが最先端のものであったりした場合に魅力につながるのではないかと思います。  言ってしまえば、別に学習内容だけに限らずうちの学校は校風が自由で金髪でもいいなどといったことや、先ほどもあったような、修学旅行や制服が特異であるということも魅力の一つだと思います。現状、大人たちがしてほしいこと等が強く出過ぎているように見えることについては、検討のときに少し注意していただきたいです。 ◎小嶋 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  今おっしゃっていただきました、伊香高校の仮称、森の探究科につきまして、目標としては、自然豊かな環境の魅力を生かし、生徒自身が生きる力をつけていくことを目指したいと思っています。例えば新たな学びとして、北部地域のことだけではなく、これからの循環型社会の中で、どのように地球環境を考えていくのかといった視点による学びです。他にも森林サービス産業における森の幼稚園や新たなキャンプなどの野外活動、それらのような今までになかった学びを展開していけないか、今回、伊香高校に新たな学科を設置できないか考えています。北部の地域の課題を子供たちに解決してもらうというより、資源を生かしていろいろな学びを子供たちに提供し、そこで学んだことを、この地域はもとより、広範な様々な場で生かしていただけるよう、力をつけてもらいたいと思っています。  守山北高校のDX関連につきましては、まだまだ具体的にどういうことを取り組んでいくのかはこれからのところもありますので、しっかりと従来とは違う魅力が示せるように考えたいと思います。 ◆野田武宏 委員  先ほど最初にお聞きした、呼び込みたいのは外部からなのか、地元からなのかという話でいうと、地元に住んでいる子供たちは既にその自然環境を生かしていると思います。ですので、その子供たちにさらにそれを生かしてもらうという話になるのか、それとも外部からそうした環境に触れていない子供たちに、その環境を生かす方法を教えていくのかによって進め方や発信の方法が全く変わってくると思います。先ほど、まずは地元からというお話だったと思いますが、その方向性を是非ともしっかり決めておいていただきたいと思います。 ◎小嶋 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  まずは地元からというよりは、地元はもちろんのこと、県内の様々な生徒に選んでいただけるように取り組んでいきたいと思っています。 ◆田中英樹 委員  清水委員からも、各学校の先生方にしっかり取り組んでいただきたいという話がありましたが、今回の資料においても守山北高校と伊香高校の資料の作り方が全く異なっており非常に見にくくなっています。これは各高校から出されたものなのでしょうか。  また、令和7年度からとのことですが、これは独立した学科として扱われるのでしょうか。それとも普通科の入試を行い、その中でコース分けをする形でこの選択肢を提示されるのか、今はどう考えているのかお聞きします。 ◎小嶋 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  各学校から出された資料なのかという点に関しましては、各学校から出していただいた構想を基に、県の教育委員会と様々にやり取りをしながら双方の思いを踏まえて作成したものとなっています。原案としては、学校で作成いただいている部分もありますので、体裁、様式の作り込みの仕方が学校ごとに少し異なっている部分があります。  学科もしくは入試後のコースということにつきましては、コースではなく、入試の段階から学科として希望して選んでいただく、その学科の生徒として入学していただくことを今想定しております。 ◆田中英樹 委員  そうなってきますと、工業や商業などの専門学科などとのすみ分けというのは、今後この高校に対してはどうなっていくのでしょうか。 ◎小嶋 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  今回設置するものは、国により令和4年度から設置が可能となりました、普通科の中の小学科という形になります。専門高校において工業高校の中に電気や機械科があるのと同じように、大学科としては普通科で、その普通科に小学科として仮称、森の探究科や、みらい共創科という学科が設置される形になります。 ◆田中英樹 委員  次に資料を出していただく際には、基本的なフォーマット、体裁を整え、例えば目指す生徒像や特色などをしっかり比較できる書き方としてもらえるように願いしたいと思います。 ◎小嶋 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  今回は各学校の構想イメージとして提示させていただいており、今後示させていただく実施計画案につきましては、もちろん学校毎の体裁を整えた形で対応させていただきたいと思います。 6 公の施設にかかる指定管理者の選考について (1)当局説明  廣瀬生涯学習課長 (2)質疑、意見等  なし 7 学校部活動の地域クラブ活動への移行等に向けた取組について (1)当局説明  青木保健体育課長 (2)質疑、意見等
    中山和行 委員  現在、各中学校では運動系や文化系の部活に全員が入ることになっているのでしょうか。あるいは希望制で入らなくてもいいとなっている学校があるのかについて、資料があればお聞きします。 ◎青木 保健体育課長  お尋ねの全員が部活動に入っているのかなどについての調査はしておりませんが、基本的に部活動は生徒の自主的、自発的な活動と理解していますし、その考えをベースに各中学校で活動をされています。 ◆中山和行 委員  基本的に、文言としてはもちろん部活動は自主的、自発的な活動となっていますが、実際には強制的に全員加入の学校もありますし、入部希望者のみ、あるいは地域のクラブ活動への参加を部活動としてみなす扱いをしているところなど、様々にあると思います。今なぜそういうことを聞いたのかというと、地域移行へと進むに際して、実態として強制的な入部になっている学校がまだあると思っているためです。そうしたことから現状を聞きたいと思います。 ◎青木 保健体育課長  現在の部活動への加入率としまして、運動部に関しては、生徒全体の内、令和4年度には65%の子供たちが部活動に参加しております。地域の既存のサッカークラブやバスケットボールチームなど、地域クラブにも10%程度だったと思いますが加入していると聞いています。 ◆九里学 委員  ここには学校の先生も多いでしょうからはっきり申し上げますが、多様化や少子化、人口減少などの影響により、産業構造や社会システムが変わり、今までからは非連続的な社会になるということで、国のガイドラインでは新しい取組をどんどん地域に、あるいは地方の教育委員会に求めてきます。教育委員会は多忙化が進んでいるとして、文部科学省や環境省は段階的に地域の人たちに関係してもらえる取組をどんどん進めないといけないという方針をしていますが、先ほど教育長が言われたように、市町の教育委員会や学校現場に今までと違う形の負担がどんどん増えています。国と現場に挟まれた県の教育委員会は非常に気の毒な状況にあると思います。  地域クラブ活動への移行についても、国のガイドラインでは様々な形でどんどん地域の人に取り組んでもらったら、より地域に開放された学校となり、問題になっている教員の多忙化の対応にもなると言っています。選択肢が非常に増えることや部活動でより専門的な取組ができること、あるいは教員の業務のスリム化などのいい面はあると思います。反面、しっかり適切な指導を受けてもらえるような質と量の確保ができるのか、受け皿がしっかり整えられるのかということもあります。大津市や草津市などの中心部、言い方はよくないかも知れませんが、ある程度の人気のある学校は大丈夫だと思います。ですが、先ほどの魅力化とも関連しますが、人口等が少ないところが適切に対応できるのかということや、地域で請け負った方が役割として何とか強く有名にしようとされた場合に、勝利至上主義になることも考えられます。そうしたことから、施設や学校の生徒の安全面がきちんと確保できるのかと思います。また、今までの学校の先生や保護者、市町の教育委員会においては、例えば教材やバス代などの交通費といった財政的な負担がありましたが、それをすっぱりと切って、費用をどこが確保するのか明確にできたのでしょうか。そこの間に挟まるのは県の教育委員会や市町の教育委員会、現場の先生となります。国は一方的に言っていればいいですが、どんどんこうして国のガイドラインで締めつけることによって、理想と現実のギャップ、あるいは中心部と人気のない地域のとの格差ができると思います。先ほどの魅力化も一緒の話です。部活動を地域に移行し、どんどん地域の人たちに投げるのはいいけれども、制度的、組織的なものをしっかり構築し、現場の声を聞いた上でやっていかないと、やるだけやって残念なことになりましたとなりかねません。国が決めたことでやっていかないと仕方がないので、皆さんに言うことではないかも知れませんが、やはり譲れないところや現場の声から決めたことを県の教育委員会としてしっかりと押さえていった上でやってもらわないといけません。所管する常任委員会の私たち委員も、本当にこれでいいのかと考えるのが役割なので議論をしています。国のガイドラインがあるので仕方ない面はあると思いますが、やはりきめ細かく丁寧に見てほしいということを申し上げておきますので、何かあればお願いします。 ◎青木 保健体育課長  国がガイドラインを示しておりますけれども、実際には書かれたとおりにはなかなか難しいと市町の現場からもお聞きしています。今おっしゃられた指導員の質などの部分でも、逆に保護者の方から学校に対ししっかりと安全に指導ができるのかという声があります。費用の部分につきましても、基本的には受益者負担ということになっているだけで、国が財源をしっかり示している状況でもありません。拙速に進めてうまくいっているところがあったとしても、その受け皿となる団体の人頼みのところもあると聞いていますので、将来的に特定の方がおられなくなったら行き場がなくなるなどのこともあります。それでも、子供たちがちゃんと活動できる場を持続可能な形で確保していく必要がありますので、慎重になるかも知れませんが市町の状況も踏まえながら、できるところから進めていく必要があると思っています。委員がおっしゃったように、国へ言うべきことに関しては、全国知事会等でも話がされておりますので、そうした場を通じて国へ伝えていきます。生徒が望むような活動ができる場を、しっかりと県で整えていくことが一番大事だと思いますので、そのように取り組んでいきたいです。 ◆九里学 委員  皆さんに言って申し訳ないのですが、やはり砦となるのは皆さん方です。さっきの魅力化、特色化もそうですし、後になってからこんなはずではなかったというようなことではいけません。さらに言えば、今、最後に言ってくださったように、勉学、スポーツ、文化活動などに対するいろいろな取組がありますが、やはり原点として、ここにいる皆さんがいかにポリシーを持って学校を人間形成の場にしていくかということが一番大事だと思います。国に対しても、取組に対しても、現場に対してもぜひポリシーを持って臨んでいただきたいと思います。 ◆村上元庸 委員  今ほど、九里委員がおっしゃったことについて、もう少し細かい話になるかもしれませんが、基本的にスポーツは子供に非常によい影響を与えますけれども、やり方によっては全く逆のことになる場合があります。私もスポーツドクターをやっていてそうしたことをよく経験してきていますし、そうしたことから学校でのスポーツにおいては指導者が非常に重要となります。データでも出ていますが指導者によって子供は健康で強くも、けがばかりで弱くもなります。弱いチームでは何人もの子供にけがをさせているような指導者がいますので、あまりにもレベルが低い指導者にはやはりしっかりと指導する必要があります。学校の先生の場合には本人に言ったり、最終的には校長先生に言ったりするなどにより抑えが利きますが、スポーツ少年団などでよくある、ボランティアでやってくださっている場合などでは抑えが利かないこともありますので、学校外の活動とする場合には特に指導者をしっかりとグリップできるようなシステムなどを持ってもらいたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◎青木 保健体育課長  委員御指摘のとおり指導者が非常に大切で、場合によっては勝利至上主義で子供たちの健康を無視し、過剰な練習をすることもあるかと思います。そのため、検討中の方針の中でも、成長期にある子供たちがバランスのとれた適切な休養時間をしっかり取れる部分を大事にしていきたいと思います。勝利至上主義だけではなく、友達と楽しく活動したいという生徒のニーズもありますので、そうした子供たちのレベルやニーズにも応じた活動の場が確保されることが大事だと考えています。  指導者については、スポーツ課にて受け皿となる指導者の確保をされます。そちらで研修会を開催するなどにより、しっかりと質の確保を図っていく必要があると考えています。 ○河井昭成 委員長  この件について、国からの財源はどのぐらい示されているのでしょうか。人づくりにしても、各種研修や事業をするに際しても先立つものがないとできないと思います。今は素案の段階ですが、どのぐらいを考えておられるのか教えてください。 ◎青木 保健体育課長  予算につきまして、今年度8市町に取り組んでいただいている実証事業に関しては、国から委託事業という形で予算が出されています。ものによっては国と県で3分の2、市町に3分の1の負担となっています。  来年度の予算については、夏頃に概算要求という形で示されると思いますが、会費などの費用部分がどうなるのかについては、まだ少し不透明なところがあります。 ○河井昭成 委員長  聞き方が悪かったです。学校部活動の地域クラブ活動への移行等を実際にやろうとした際には、その予算はしっかりつくのかということでした。今の実証事業と同じぐらいの感覚で考えたらいいのでしょうか。 ◎青木 保健体育課長  現時点でも実際に地域のスポーツクラブとして活動されている、例えばスイミングクラブや総合型スポーツクラブの運営というのは、基本的にはそこに参加する子供たちの会費で運営されておりますので、後々はそういう形になると思います。ただ、経済的に厳しい家庭の状況にある子に関しては、何らかの措置をしっかり取って、家庭の経済状況にかかわらず、望む活動ができる環境を用意していくことは大切だと思っております。 ◎村井 教育委員会事務局教育次長   委員長御質問の趣旨は、今後に向けて国はこれにどう財源的に責任を持っていくのかということかと存じますが、少し補足しますとそれに対する現時点の答えとしては、まだ分からないというのが正直なところです。まだ国でそうしたことが明確に示されているわけではありませんので、現時点ではそういう答えになるかと思います。 8 教職員の懲戒処分について (1)当局説明  有田教職員課長 (2)質疑、意見等白井幸則 委員  今回の件が氷山の一角かどうかは分からないと思いますが、指導していく立場としては、もしかしたら今回の件は氷山の一角かもしれないという思いで、様々に取り組んでいただくようお願いします。 9 一般所管事項について ◆九里学 委員  滋賀県立国際情報高校で今週の火曜日に、中等症で4人、軽症で2人の、合わせて6人の方が体育祭のときに熱中症で救急搬送されたことを報道や近隣の方からの連絡で知りました。こういう事態が起こってしまったことについて、現時点では教育委員会としてどのように把握されているかをまず聞かせてください。起こった事象についてですので、責任を追及したり事案対応を求める意味でお聞きするわけではありませんので、その点を理解していただき、あくまでも今後の問題提起としてお聞きします。 ◎青木 保健体育課長  県の状況ですが、県立学校熱中症予防ガイドラインを、国の資料を参考に作成しております。その中には各地域の暑さ指数というものがありますので、それを見て、行事等については計画や内容を十分検討いただくように、暑くなる前から通知し、研修会や会議でも注意喚起を図っています。熱中症の危険度を測る指標は暑さ指数になりますが、それは気温や湿度、それから日射などから測定がされるものです。その値によって注意レベル、警戒、厳重注意、危険とあり、危険の場合には、運動を原則中止にしています。学校にも暑さ指数を測る測定器がありますので、体育祭の当日においても適宜確認されていたのですが、体育祭が終わるまでの間で、危険値のアラームが鳴ることはなかったということでした。とはいうものの警戒が必要な時期ですので、基本的には暑さが厳しくなる前の午前で終わる予定とし、日よけテントの設置やドリンクの配布もされていたのですけれども、それでも熱中症が起こったということで、残念で申し訳なく思っております。  やはり全校生徒が参加されるものの場合、参加される生徒の体調も様々でしょうし、日頃運動せずに汗が出にくい生徒などもいますので、より注意が必要だと思います。何より学校では生徒の健康が一番大事ですので、今回の件を踏まえて各校へ改めて注意喚起をし、行事の内容や日程等の見直しも含めて対策の強化をお願いしています。 ◆九里学 委員  前年にこの時期にこういうことをする、体育祭をすると決められた方はもう退職されているとのことです。4月からの新たな校長先生に、今言っていただいたような様々な対策をやっていただいたけれども、こういう事案が起こったということだと思います。その中で、国のガイドラインを受けて、昨年度、県教育委員会として熱中症予防対策のガイドラインを作成され、それぞれ周知をしていただいているということなのですが、今までにない猛暑となっており、二点の確認をする必要があると思っています。一つはこういう学校行事や部活動、課外授業などについて、前年度にある程度決まってしまい、年間を通じての忙しい学校のカリキュラムの部分で仕方ないという硬直したものを、弾力的に変更することができないのかということが一つ。もう一つは、今言っていただいた、県教育委員会の熱中症予防ガイドラインが、どれだけ現場の先生方、あるいは生徒、保護者の方々に浸透し理解いただいているのかということです。この部分が今回に限らず今後、非常に重要になると思います。これは高校教育課だけではなく、特別支援教育課、保健体育課なども非常に憂慮しないといけないことだと思うのですが、その辺りをどのように思っているのか言っていただけたらと思います。 ◎横井 高校教育課長  今委員がおっしゃった弾力的に変更は可能なのかということですが、実を申し上げますと、この事案が起こった当日、県教育委員会から熱中症の注意喚起メールを出しております。さらに翌日、高校教育課、特別支援教育課、保健体育課の連名で生徒の安全を最優先に考えて行事等を実施するように、また場合によっては、プログラムの変更等も含めて判断してほしいと学校長に伝えております。  結果として、本日予定されていました栗東高校の体育祭が急遽校長判断で10月に変わったという連絡が朝に入ってまいりました。このように、状況によって学校長が適切に判断をし、周りの保護者等とも相談をしながら、例えば部活動を今日は中止する、行事を延期するということも十分考えられると思います。  学校行事等につきましては、来年度のものは大体今年度の12月から1月にかけて学校で相談されます。そのため、来年の体育祭の在り方等についても、時期や開催場所を含めてやはり再度しっかり検討してほしいと伝えていく、指導していく心づもりです。 ◎青木 保健体育課長  熱中症予防ガイドラインがどの程度浸透しているかという御質問でしたが、滋賀県立国際情報高校については、保健予防の先生がそれをしっかり把握して暑さ指数計を置き、その上で注意をされていました。先のとおり、事前準備としても、日よけテントの設置や用意したスポーツドリンクの配布などにより注意をされていたので、滋賀県立国際情報高校としてはガイドラインに沿った対応をされておりました。それでも、様々な体調の全校生徒が参加するということからより注意が必要と考え、先ほど高校教育課長から説明させていただいたように、通知を改め、内容や日程の変更も考慮してもらうようお願いをしたところです。今後の管理職や部活動の顧問を対象とした研修会等でも、熱中症予防ガイドラインの周知徹底を図り、暑さ指数計や当日の日照状況、生徒の体調をしっかり見ながら、熱中症の予防として徹底した取組をしてもらうようにお願いしたいと思います。 ◆九里学 委員  滋賀県立国際情報高校も次の日には文化祭の予定を変えられたと聞いていますが、子供、あるいは保護者が楽しみにしていた行事を急遽変更していいのかという観点や、命と健康を最優先にしないといけないという観点もあり、非常にこれは難しい問題だと思います。そうしたことはよく理解していますし難しい話だとは思うのですが、せっかく昨年にガイドラインを作られたのであれば、やはり現場に浸透をさせなければならないとも思います。また、これだけ暑い中で高校にエアコンが入ったことなどもあり、逆に暑さに慣れていない生徒も増えてきているでしょうし、課外授業あるいは学校行事についても、毎年これほどの猛暑になっているので、一つの災害ぐらいに思っていただきながら今まで以上にしっかりと丁寧に進めていただきたいと思い、言わせていただきました。 ◎福永 教育長  高等学校の体育祭、文化祭をいつやるのかということは学校によっても事情が異なりますのでなかなか難しい問題だと思います。それと、先ほど高校の魅力化の話もありましたが、体育祭、文化祭を非常に楽しみにして、やりがいを持って取り組んでいる生徒も非常にたくさんいます。  達成感のある体育祭、文化祭にするためには、やはり一定の準備期間を取らなければなりません。さらに全校生徒で行うので、入学した1年生がいきなり5月にできるかというと、気候的にはいいかもしれませんがなかなか厳しいものがあると思います。また、秋にしたらどうかという話もありますが、秋以降になりますと、3年生には進学、就職などの様々な準備がありこれもなかなか難しいです。そうしたことから、非常に悩ましい状況にあります。  生徒の命や安全を第一に考えてどういう工夫ができるのかについては、我々が一方的にこうしなさいというのではなく、現場の先生や生徒の声も聞きながらお互いに何とか工夫できることがないかを、引き続き考えていくべきであると認識しています。 ◆清水ひとみ 委員  3月31日に文科省から非常に分かりやすい不登校対策についての文書が示されました。以前の指針を変えるものではないという、大臣からの言葉も入っていますが、その中には、すぐにでも取り組めることがたくさんあると思いました。  対策の中のスペシャルサポートルームなどには、別室登校という形でほとんどの学校に取り組んでいただいていますが、実際に見せてもらいに行くと、残念なことに余りの椅子や机などが置いてある部屋を仮に使っている状況となっています。そうしたことから、この指針に沿ってできることにしっかりと早く取り組んでいただきたいです。教育総合会議の議題にも不登校がありましたので、その中でも議論していただけると思うのですが、今後これらの取扱いをどのようにされていくのか教えてください。 ◎福永 教育長  今、清水委員がおっしゃられたように、7月21日に開催を予定しております、滋賀県総合教育会議では、先ほど御説明しました、第4期滋賀県教育振興基本計画と合わせて不登校について議論をしようと思っています。現場で実際に不登校児童生徒に向き合っておられる方にゲストに来ていただき、知事、副知事、教育委員と議論をする予定です。その中では、今の滋賀県では何に力を入れて、どんなことをスピーディーに進めていけばいいのかをしっかり議論したいと思います。既に始まっている取組もありますし、さらに拡充すべき取組もあります。また、新しい取組を考えなければいけないこともあると思います。不登校対策は大きな我々のテーマの一つですので、その中でしっかりと議論をして、次年度以降の予算に反映できるものはしていきたいと考えています。 ◆村上元庸 委員  先月、国会で性的指向および性同一性に関する国民の理解増進に関する法律が成立されましたが、現在、小学校、中学校ではLGBTに関してどのような内容で教育をされているのでしょうか。また、このたびの法案成立によって何か変わることがあるのかについて、分かる範囲で教えてください。 ◎阪東 人権教育課長  先日、国からLGBTに関する通知が届いており、各学校に周知をしています。その内容は、先の法律についての理解と併せて、今まで学校において続けている取組についてもう一度確認し、相談しやすい環境づくりや、性の多様性についての教職員研修、発達段階に応じた子供たちへの周知を続けていくようにというものでした。  現在の滋賀県における性の多様性についての学習状況について、人権教育課で毎年度末に推進調査を行っています。その中では、性の多様性について学習していると答えた学校の数は年々増加しております。また、教職員、特に校長先生を対象にした研修においても、性の多様性をテーマにした研修をここ数年続けて行っており、文部科学省から平成28年度に通知が出たときと比べると、研修後の校長先生の感想において、意識の高まりをかなり感じています。自分の学校の中に、実際にそうした生徒がおられるというような感想を書いておられた校長先生もいます。また、性の多様性を学習内容として必ず扱うわけではありませんが、全ての新しい保健の教科書の中で性の多様性が取り上げられたりということもありますので、子供たちの状況に合わせて学習を進めています。学習の内容としては特に保健体育や道徳、家庭科の中で学習しているという報告を受けています。 ◆村上元庸 委員  非常にこの問題は大きく深い大変な問題だと思います。このたび簡単に法律が成立しましたが、先進的と言われているイギリスでは、子供には性転換の自己決定権のようなものがあるとのことで、性別の変更や手術を希望する声がどんどん増えているようです。また、変更などをさせたくない親との対立もあるようです。多様性とは言いますが、子供というのは性に対して非常に不安定な時期なので、性別の変更について教えて促すようなことが、いいことなのかどうか、慎重にしっかり考えないといけないと思います。時間が過ぎてから、子供が結局不安定になり後悔することにならないよう、親はしっかりと指導しないといけません。多様性がはやりだから、今こういう時代だからと容易にそれを子供に深く考えずに伝えて促すのではなく、検討などが慎重に行われないといけないと思います。これは国で決まった法律ですし、守らないといけないと思いますが、やはり大人としての良識をしっかりと持って教育してもらえたらと思います。アメリカなどでも揺れ戻しで、LGBT関連の法律が廃止された州もあるようですし、一時的な流行に流されることなどがないように、やはり我々大人が、特に教育に携わっている人には、しっかりと落ち着いて慎重に、性の多様性について臨んでもらいたいと思います。 ◎阪東 人権教育課長  性の多様性について、心を悩ませている子供たちがいることも事実ですので、まず教職員がそうした現実をしっかり把握して、悩んでいる子供がいれば相談できる体制などを整えることが第一と考えています。  学習の内容については、子供たちの実態に合わせて、状況を見てということがやはり優先されると思いますので、その辺りも併せて発信したいと思います。 ◆村上元庸 委員  子供の意見も大事かもしれませんが、子供は経験や知識がないところから始まっている場合もありますので、本来は大人がしっかり責任を持って指導し、子供たちを育てていくものだと思います。意見を聞くことも大切ですが、基本的には大人がしっかり指導することこそが、大人としての責任だと思います。 ◎阪東 人権教育課長  指導する部分と子供たちを見守っていく部分、寄り添っていく部分の分別をしっかりつけながら進めていく必要があると考えております。 ◆中山和行 委員  国に対して教育長と副知事が要望に行っていただき、その中で、少人数教育のさらなる推進として、定数の改善や少人数習熟度別、35人学級のことなどを言っていただいたと思いますが、前向きな姿勢が見られたなど、国の姿勢はどのようなものでしたか。 ◎福永 教育長  なかなか難しい問題なのですが、基本的には、先ほどからの説明のとおり、全国的に少子化が進むと、小学校のクラス数は減少し、定数も必然的に減少します。現在、国は小学校までを35人学級としていますが、本県は独自に中学校まで少人数指導としており、今後国が中学までを35人学級にすると、現在県独自に配置している教員は別の課題に対応させることができるようになります。国としては、現行の小学校における35人学級を着実に進めていこうとしているところですが、それ以上については、少子化対策なども含めた全体の中で国が判断されますので、要望の場で明言されるのは難しいのではないかと思います。県としては、このような少人数教育の推進と合わせて、様々な課題に対応する加配教員についてもしっかりと国に要望していきたいです。 ◆中山和行 委員  今問題になっている公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の問題についても、根本的な点において、やはり教職員の働き方の問題に大きく関わりがありますので、ぜひとも県からも要望を上げていただきたいと思います。  文部科学大臣から正規職員の比率を高めていく方向として、恐らく県に対して目標値を示すようにあったと思うのですが、滋賀県は具体的にもう設定されましたか。 ◎有田 教職員課長  現在は具体的な目標値を設定していませんが、定年延長が今年度から実施されますので、それに合わせて採用を順次進めております。定年延長になりますと、基本的には退職者が出ない年が2年に1回の延長により発生しますので、これを好機として一定数の採用を順次確保することで、計画的に臨時講師数の削減を進めたいと考えております。 ◆中山和行 委員  ぜひよろしくお願いします。学校給食の無償化について先日の一般質問でも伺い、知事からは現在のところ施策の中には入っていないと答弁がありましたが、教育長としてはどういう考えを持っておられるかお聞きします。 ◎福永 教育長  子供たちの食を通じた健康という意味において、学校給食の果たす役割は非常に大きいと認識をしています。その学校給食が果たす役割が大切であるということと、保護者の教育費の負担を減らすために学校給食を無償化にするという話は、少し違う次元の話だと認識しています。ただ、本会議でも申し上げましたが、今、本県におきましても非常に少子化が進んでおります。少子化が進みますと、やはり多くの子供たちが様々な子供たちと切磋琢磨したり、一緒になっていろいろな取組をする機会がだんだん減りますので、一定数子供が地域にいて元気に小中学校に通っておられる、そういう社会をつくっていくということは、教育長として必要なことだと認識しております。ただ、そのための施策としてどういうところに力を入れて子育て世帯を支援していくのかは県庁全体でしっかりと考えていくものであると思います。そのための様々な手法があると思いますし、その手法の一つとして、学校給食の無償化に取り組んでおられる市や町があることも承知していますが、滋賀県がどの施策を取っていくのが一番いいのかについては県庁全体で考えていくべき課題だと認識しております。 閉会宣告  12時59分  県政記者傍聴:読売、京都  一般傍聴  :なし...