滋賀県議会 > 2023-02-27 >
令和 5年予算特別委員会−02月27日-01号
令和 5年 2月定例会議(第24号〜第32号)−02月27日-06号

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  1. 滋賀県議会 2023-02-27
    令和 5年 2月定例会議(第24号〜第32号)−02月27日-06号


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    最終取得日: 2024-09-17
    令和 5年 2月定例会議(第24号〜第32号)−02月27日-06号令和 5年 2月定例会議(第24号〜第32号)                 令和5年2月定例会議会議録(第29号)                                        令和5年2月27日(月曜日)           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第6号                                         令和5年2月27日(月)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第1号から議第49号まで(令和5年度滋賀県一般会計予算ほか48件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問  第2 議第1号から議第16号まで(令和5年度滋賀県一般会計予算ほか15件)(予算特別委員会の設置、同委員会付託および同委員の選任)  第3 決議第1号および決議第2号(ロシアによるウクライナ侵略を非難し即時撤退を求める決議(案)ほか1件)(議員提出)           ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件  第2 日程第2の件  第3 日程第3の件           ────────────────────────────── 会議に出席した議員(43名)    1番   菅  沼  利  紀       2番   桐  田  真  人
       3番   井  狩  辰  也       4番   本  田  秀  樹    5番   柴  田  清  行       6番   重  田     剛    7番   清  水  ひ と み       8番   河  井  昭  成    9番   佐  口  佳  恵       10番   小  川  泰  江    11番   黄 野 瀬  明  子       12番   松  本  利  寛    13番   杉  本  敏  隆       14番   田  中  松 太 郎    15番   角  田  航  也       16番   塚  本  茂  樹    17番   山  本     正       18番   大  橋  通  伸    19番   駒  井  千  代       20番   中  村  才 次 郎    21番   白  井  幸  則       22番   村  上  元  庸    23番   桑  野     仁       24番   周  防  清  二    25番   海  東  英  和       26番   加  藤  誠  一    28番   目  片  信  悟       29番   有  村  國  俊    30番   岩  佐  弘  明       31番   富  田  博  明    32番   細  江  正  人       33番   川  島  隆  二    34番   奥  村  芳  正       35番   木  沢  成  人    36番   清  水  鉄  次       37番   大  野  和 三 郎    38番   冨  波  義  明       39番   江  畑  弥 八 郎    40番   成  田  政  隆       41番   九  里     学    43番   今  江  政  彦       44番   中  沢  啓  子    45番   節  木  三 千 代           ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)           ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               副知事             江  島  宏  治               副知事             大  杉  住  子               知事公室長           中  嶋     毅               総合企画部長          東        勝               総務部長            河  瀬  隆  雄               文化スポーツ部長        谷  口  義  博               健康医療福祉部長        市  川  忠  稔               商工観光労働部長        浅  見  裕 見 子               土木交通部長          門  間  俊  幸           ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            箕  浦  宏  昌               議事課長            吉  田     亮               議事課課長補佐         内  田  吉  行           ──────────────────────────────   午前10時 開議 ○議長(岩佐弘明) これより本日の会議を開きます。  直ちに日程に入ります。    ──────────────── △議第1号から議第49号まで(令和5年度滋賀県一般会計予算ほか48件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問 ○議長(岩佐弘明) 日程第1、議第1号から議第49号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、9番佐口佳恵議員の発言を許します。 ◆9番(佐口佳恵議員) (登壇、拍手)発言通告に従い、感染症に対する差別、偏見のない社会づくり条例および性の多様性を尊重した社会づくり条例、それらの社会づくりに向けた体制、対策、教育の在り方について質問いたします。  4年間全議会で長い前文にお付き合いいただきましたので恐縮でございますが、今回大変難しい御提案を行いたく、また前文が長いです。どうか御海容ください。  2020年1月、日本で初めて新型コロナウイルス感染症が確認されてから約3年1か月となり、政府からは、本年5月8日より感染症分類季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げるとの発表がなされました。今後、マスクをつけるかつけないかを各人で選択していかれることになりますが、正しく恐れることを重視しつつ、正しさは人の数だけ存在し、それは互いに最大限尊重されるべきものであることを意識的に周知啓発し、マスクをつけるかつけないかで差別や分断が生まれないよう注意していかなければなりません。逆に、ピンチはチャンスではありませんが、マスクをつけるかつけないかについて、コミュニティーやクラスで情報共有や話合いを行うことで、互いの価値観や事情を尊重し合う個人の尊厳について学び合える機会となり得ますし、そうなることを願います。  マスク1つでも、事ほどさように差別や分断は生まれやすいものです。今回の質問では、新型コロナウイルス感染症が流行し始めた時期における差別について思い出していただきたく存じます。本年、県の療養所訪問事業として、3年ぶりにハンセン病の療養施設、岡山県瀬戸内市の長島愛生園、邑久光明園に訪問され、懇談の様子が2月8日の厚生・産業常任委員会の中で報告されました。懇談の際、長島愛生園の園長様が、今回のコロナの始まりの頃、感染された方々を自分たちの生活圏から排除するような大変な差別が全国的に見られたことについて、ハンセン病の経験が生かされてないということを痛感したとおっしゃっていました。今なお問題が解決していないハンセン病について、極めて非人道的な断種がなされたことから、語り伝えることの難しさに非常に危機感を持っていらっしゃることも報告されました。それを受け、健康医療福祉部長も、しっかり語り継げるような体制をつくっていかなければならない旨を述べてくださり、心強く思っております。  ハンセン病のように、最もと言ってよいほど極めて感染力が低い、遺伝もしない、かつ、今では半年前から数年の内服で完治する感染症であったのに、このような悲しい歴史があります。一たび未知の感染が起きれば、社会の誤解、無関心、恐れから、感染されている御本人に加え、御家族までもが差別や偏見に苦しんでしまわれます。しかし、こうした状況を是正する社会の取組は遅れています。  いざ感染症および感染症に対する差別が起きてしまえば、実際に起きている差別、偏見、感染症への対応を急ぐため、そちらが急務となりますし、それ以上にやはり命と健康を守る感染症自体の対応に全力を注がなければならなくなります。  今回の新型コロナウイルス感染症もまさにそうでした。2020年9月の知事とチームしが 県議団との政策協議の中で、差別対応窓口の設置と条例制定について御提案させていただきました。即座に差別対応窓口の設置をしていただけたことに改めて感謝申し上げます。  ただ、このときは、やはりコロナ差別条例制定はかないませんでした。当時は、感染症自体への対応、具体に起きている差別対応に限られたリソースを割くべきと考えておりましたので、条例制定については必要性をお示しするにとどめ、後日の課題と考えておりました。その後日が今ではないかという御提案です。喉元過ぎれば熱さ忘れるとならないために、落ち着きを取り戻しつつある今、かつ、記憶がまだ鮮明に残る今このときにしかつくることができない、そんな機会を得られないのではないかと感じますので、感染症に対する差別条例の制定を御検討いただきたいと思います。  私も伺いたかった滋賀県人権施策推進計画の計画改定の前倒しは検討していただけるとの旨を一般質問2日目の御答弁でいただけましたので、割愛し、ぜひ実現をお願い申し上げます。  計画や要綱が実務上重要であることはもちろんですが、感染症に対する差別防止は過去に歴史があり、かつ永続的に引き継ぐべき内容です。理念だけでも条例化して次代の方々に引き継がれやすい条例の形にまで整えておくのが、感染症差別によってハンセン病の方々のように今なお苦しむ方々、つい数年前、住み慣れた地域から疎外され苦しまれた方々の思いを継ぐということではないかと感じます。新型コロナウイルスによるパンデミック100年に一度のことと考えるなら、なおさら100年後に残る形で残すべきですし、逆に、SARS、MERSなどもあり、気候変動でますます感染症発生リスクが高まると言われる時代、いわゆるパンデミックレディーの時代に入っていると考えるなら、次なる事態への備えをまさに記憶が鮮明な今このときに行っていくことは後年の指針となります。  全国の13都県のコロナ関連条例で、多くは感染症への対策や感染拡大防止策の一部に誹謗中傷の防止をうたう形で制定されていますが、和歌山県、石川県などは、コロナ感染症の差別解消、誹謗中傷の防止に特化した条例となっています。僅か8条から10条の条項の条例ですが、極めて重要な県の決意が示されていると感じます。  後世に残すべき感染症差別との決別の決意を示す意味と、次なるパンデミックへの備えの意味を含め、感染症に対する差別の防止、解消のための条例制定について、知事の御所見を伺います。  次に、差別と言えば、ジェンダーに関して、LGBT等の皆様に対する差別も深刻です。声を上げにくいと感じる方が多いだけに、水面下でひそかに苦しむ方々が多く、後に御紹介する民間の実態調査からは、ふだんお聞きできない悲鳴が聞こえてくるかのようです。  都道府県の差別に関する条例について調査すると、性の多様性条例は圧倒的に数が少なく、全国で大阪府、三重県、茨城県、埼玉県の4府県で定められているだけであることが分かりました。これだけしかないのかと非常に遅れを感じます。SDGs先進県と言われる滋賀が本気でジェンダー平等を目指すなら、性の多様性条例についても検討していただきたいと考えます。  そもそも、行政の中では、いまだに男女共同参画、女性活躍といった性的少数派の皆様に配慮が足りないと感じる表現が多く見受けられます。それが法律に基づいた表現であることは当然理解しておりますが、法や計画の名称が男女となっていること自体に遅れを感じます。  今から便宜上男女で分けて話しますが、女性に関しては、女性とお見受けする方と捉えてください。この場にLGBT等の方がいらっしゃいましたら、何とぞ御容赦ください。  ちなみに、ニュージランドの議会では、同性婚をされた議員お二人が代理母出産で授かったお子さんを議場に連れてこられ、議長が議長席でだっこして授乳してくださったというエピソードさえあります。各国の議会では、議員たちが次々に赤ちゃんを連れて登院され、オーストラリアでは議員が議席で授乳をなさったことが話題になりました。産後の体調は人それぞれですので無理は禁物ですが、制度に人を合わせるのではなく、制度や意識を人に合わせていけば、もっとジェンダー平等が実現するのではないでしょうか。  ハーバードビジネススクールロザベス・モス・カンター教授の黄金の3割説では、マイノリティーの意見が反映されるようになるには約3割を超えることが重要とされています。数が少なければ勇気を持って声を上げてもかき消されてしまう。とても苦しいそうです。実感もあります。  ちなみに、滋賀県の参事級以上の管理職は493名中56名で、11.4%の女性とお見受けられる方の比率。滋賀県議会は、令和3年12月31日時点の数値で、統計がこれしかありません。42名中僅か7名、16.7%にすぎませんでしたが、今の都道府県で4番目に女性比率が高いとされました。今は44議席中7名、これは15.9%とさらに下がってしまいました。何が言いたいかと申しますと、日本においては人口の半数ほどいる女性でさえ声は反映されやすいとは言えず、LGBTQの方の声は本当に届きにくいだろうということです。  ここで、認定NPO法人ReBitが行った調査を御紹介したいと思います。10代LGBTQの48%が自殺念慮を持ち、14%が自殺未遂を過去1年間で経験し、全国調査と比較し、高校生の不登校経験が10倍におよび、しかも、9割以上が教職員、保護者にも安心して相談できていないという衝撃的な内容となっています。相談しても、一番支えてほしい方々から差別的な言葉を投げかけられたり、就職活動の場面では、はやり扱いされ、「うちの会社は理解があるほうだ」などと言われつつ、「実際難しいよね」と採用を断られる、それこそが理解していない証左なのですが、そういった対応を受けた方の絵に描いた餅感、失望感は物すごいことでしょう。  重要だと考えますので、後ほども同じことを申し上げますが、差別や人権の対策において難しいのは、差別をしている側が知っているだけでできている気になってしまうことだろうと思います。  ぜひ、LGBT等の皆様に対するSOGI、これは、性的指向、すなわちどんな性別を好きになるのかや、性自認、すなわち自分自身をどういう性だと認識しているのかをいいます。SOGIへの理解を深め、ハラスメントを社会からなくしていただきたいと強く願います。  LGBT等の皆様が人生を自分らしく生きられる後押しをすることがジェンダー平等の実現に不可欠です。パートナーシップ相談窓口等相談業務については、これも2日目の質問でございましたので割愛させていただきますが、本人から了承を得ずに性的指向や性自認を第三者に公に暴露するアウティングの禁止や、アライと言われるLGBT等の当事者のことを理解し、支援しようとする人の取組の紹介など、性の多様性の理解を深める施策、および、それが実効性を伴っているかどうかをどう把握しているかなどの現状について、総合企画部長に伺います。  この分野は今の政府ではなかなか進みにくいようです。そうであるなら、身近でかつ一定の広域性を持つ都道府県の役割は重要と考えます。滋賀県が当事者や現実の社会に存在する課題に誠実に向き合っていることを示していただきたいと思います。  これだけ自殺念慮が高いと出ている。まさに自殺対策計画を改定する時期で、計画にも一部掲載されていることは承知していますが、まだ具体の政策はこれからであるため、あえて今後の施策充実のために伺います。  性の多様性に対する差別、偏見が若者の自殺の大きな一因であることを踏まえ、LGBT等当事者の方々への対策について、総合企画部長に伺います。  先ほども述べさせていただきましたが、差別や人権課題の解決において難しいところは、知っているだけでできている気になってしまうことだろうと思います。自戒を込めて申しますが、環境や身近な他者の言動から、幼少期からいつの間にか刷り込まれ、海外で留学した方と接してはっとさせられることも私自身多いです。身体を動かして筋肉をつけていくように、心を修練すること、あらゆる機会に何度も繰り返し自分の心や言動と向き合うことが差別をなくしていく上で必要なのだと思います。  そうしたとき、人間にとって規範というものが重要な意味を持ちますが、やはり条例など、県がつくり得る最上位のものに定め範とすることで、滋賀県が差別と決別することを示していただきたいと強く願います。  性の多様性を尊重する社会をつくるための個別の施策を力強く推進するためにも、取り残されていると感じるLGBT等の当事者の方々の生きる力となり得るためにも、ぜひ性の多様性条例を制定いただきたく、知事の御所見を伺います。  また、さきに御紹介した調査では、LGBTQユースが孤独孤立におけるハイリスク層であることが示されています。その年代の方が1日の時間の多くを過ごすのが学校です。  教育現場における学校の教職員に対する研修、文部科学省のガイドライン性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について(教職員向け)」や、県教育委員会も「先生のための性の多様性必携しおり」など御発行くださっていますが、こうした研修や施策の実効性をどのように図っているか、前述の認定NPO、ReBitの調査で、孤独孤立におけるハイリスク層とされたLGBTQユース世代である10代の子供たちへの実態調査や匿名相談窓口の設置、周知などの現状について、教育長に伺います。  また、教育大綱を拝見すると、SDGsには言及があるものの、性の多様性については言及がありません。書き始めると切りがないかもしれません。ですが、今回の調査は重大性を示すに十分と言えます。性の多様性について、教育大綱で言及する等することで、教職員や生徒たち自身の意識改革にもなり得ると考えますが、教育長の御所見を伺います。  また、今回、民間の調査が行われ、ふだん聴きにくい声の一端を聴かせていただくことが可能となりましたが、対策を講じるにも現状把握が鍵となります。課題を把握し、LGBT等の皆様が自分らしく生きられる社会をつくっていくには、実態把握が重要な鍵となります。地域性のあるものではないので、全国的な調査が可能かつ必要であると考えます。  LGBT等のセクシャルマイノリティー──性的少数者の暮らし、課題の現状について、国レベルでの大規模な調査を国へ要望していただきたいと考えますが、滋賀県または関西広域連合の長として御要望いただけないか、知事の御見解を伺います。 ○議長(岩佐弘明) 9番佐口佳恵議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)佐口議員からいただきました7点の御質問のうち、私には3点賜りました。  1点目の感染症に関連した条例の制定についてでございますが、本県では、滋賀県人権尊重の社会づくり条例の前文において、社会的身分、門地、人種、民族、信条、性別、年齢、障害、疾病等により人権の享有を妨げられることなく、個人として尊重されなければならないとしているところでございます。現行条例には、感染症患者をはじめとする全ての人に対する人権尊重の理念が盛り込まれており、現在、これに特化した条例を制定する必要はないと考えております。  ただし、今回の感染症による人権侵害等の状況やその他の人権課題に関しましても、その状況に変化が生じておりますことから、条例の理念に基づいた具体的な施策の方向性を定める人権施策推進計画の改定について、前倒しを検討しているところでございます。  2点目の性の多様性に関連した条例の制定についてでありますが、先ほど感染症の条例制定について答弁いたしましたとおり、人権尊重の社会づくり条例には、性の多様性も含め、様々な人権課題が包括されておりまして、これに特化した条例を現在制定する必要はないと考えております。先ほども申し上げたとおり、今後、現行計画を前倒して改定する中で、性の多様性に関しましても必要な見直しを検討してまいりたいと存じます。  3点目の国レベルでの大規模な調査の要望についてでございますが、これまでから全国知事会や全国人権同和行政促進協議会を通じまして、理解を促進し、差別、偏見をなくす取組について要望しているところでございます。さらに、施策をより効果的に実施するためにも、実情を把握することが必要であると考えますことから、全国的な調査の実施に係る要望についても検討してまいりたいと存じます。 ◎総合企画部長(東勝) (登壇)私への2点の御質問にお答えをいたします。  1点目の性の多様性の理解を深める施策についてでございますが、現行の人権施策推進計画におきましては、LGBT等、性的指向、性自認に関する課題を重要課題の一つと位置づけておりまして、これまでから教育、啓発等に積極的に取り組んでおります。  具体的には、広報誌やテレビ、ラジオ広告、インターネット広告等、様々な媒体を通じて啓発等を実施をしてきております。また、理解を深めるという観点では、今年度、男女共同参画センターで大学生等を対象にジェンダー平等をテーマとした意見交換会を実施したところでありまして、これをきっかけといたしまして、参加者が主体的にアライの輪を広げる取組にもつながっているところでございます。  こうした様々な施策の実効性につきましては、事業実施の際のアンケートや毎年度実施をしております県政モニターへのアンケートなどを通じて把握に努めているところでございますが、今後、当事者への意見聴取などもさらに進めてまいりたいと存じます。  2点目の当事者の方々への対策についてでございますが、現在改訂を進めております自殺対策計画におきまして、誰も自殺に追い込まれることのない地域社会の実現を目指す中で、当事者の方々への支援の充実について検討しているところでございます。  具体的には、当事者の方が受ける不当な扱いや偏見、差別に対する社会の関心と理解を深め、その発生を防止するための啓発を実施するとともに、国や県などの専門の相談機関で組織をしております人権相談ネットワーク協議会を通じまして、相談体制の相互連携を強化してまいりたいと考えております。  また、当事者の方々が集い、お互いに相談できる機会の提供なども今後研究してまいりたいと存じます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)私にいただきました2点の御質問にお答えをいたします。  1点目の研修等の実効性、また実態調査、窓口の現状についてでございますが、研修やガイドラインの実効性につきましては、毎年度末に人権教育に係る調査を実施いたしまして、研修内容や研修用資料の活用状況を把握しているところでございます。  次に、実態調査につきましては、平成30年度に学校に対し調査を行ったところでございますが、児童生徒に対しては実施はしておりません。
     また、相談窓口といたしましては、24時間子供SOSダイヤルや、こころのサポートしがLINE相談、「こころんだいやる」がありまして、児童生徒に対し、チラシや広報誌、「教育しが」等でお知らせをしているところでございます。  2点目の教育大綱で言及することについてでございますが、現在策定中の令和6年度からの次期滋賀県教育振興基本計画(滋賀の教育大綱)につきましては、教育施策の方向性、また、大きな枠組みを示すものでございまして、御質問の性の多様性に関する施策につきましては、人権教育の推進という項目の中でしっかりと取り組んでいきたいと考えているところでございます。 ◆9番(佐口佳恵議員) (登壇)2点再問させていただきます。  条例化、難しいとの御答弁でしたが、差別と決別するということ、100年に一度かもしれない今回の教訓を、そして、ハンセン病患者の方々が苦しい胸のうちをこうして滋賀県に伝えてくださったこと、カミングアウトできずに相談できないゆえに苦しんでいるLGBT等の皆様の声なき声を無視せず無駄にしないという思いは、恐らくこの議場全ての方々が共有していただけるのではないかと信じています。内心、条例化を願いつつ、差別との決別に向けた知事の決意を伺います。  もう1問、教育長にお願いいたします。  法務省では、啓発活動強調事項として17項目が示されています。確かに少なくはありませんが、それでも17です。17もあると考えるか、17ならば、小さい文字でもいいんです、列記できると考えるかという問題であるように思います。本気で自分が差別をしている自覚に乏しい方々へのたゆまぬ働きかけを行おうとするなら、また、差別を受けている側の当事者の皆様が置き去りにされていないと感じていただけるようにするためには、明文化は意味があることと考えます。教育大綱における明文化について御検討いただきたく、再度教育長に伺います。 ◎知事(三日月大造) この3年余りのコロナとの付き合い、闘いというのは、感染症に対する恐れでありますとか、その当初は感染された方々に対する様々な差別等も起こってしまい、以前のハンセン病のそういった教訓が十分に生かされていないのではないかという、こういう指摘を受けてしまうような事態というのも少なからず生じてしまいました。  また、性的指向、性自認の多様性を尊重して、一人一人の生きづらさを解消していく、間違っても差別というものが起こらない、包摂性のある多様性を尊重する社会というものを実現していくことがとても重要なことだと考えております。  先般、私を含めます23県の知事で、そういったことの理解促進をさらに広げていこうという、こういった緊急共同声明を発出したところでございますし、国においても、現在、様々な観点からの法律の制定等が各党、各会派により議論されていると承知をしておりますので、ぜひ滋賀県でも、こういった差別が行われない地域づくり、社会づくり、このことのために努力、傾注してまいりたいというふうに思っております。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  先ほど御答弁申し上げましたとおり、教育大綱につきましては、教育施策の大きな枠組みを示すものでございますので、個別の人権課題の記載については難しいものと考えております。  性の多様性につきましては、個別計画でございます現行の人権教育推進プランにおきまして、人権課題の一つとして記載し、児童生徒の理解の促進に努めているところでございます。  今後、LGBT等、性の多様性を含めまして、17の啓発事項につきまして、児童生徒の理解を促し、そして行動につなげるために、このプラン等でどのように記載していくのがいいのか、これはしっかりと考えてまいります。 ◆9番(佐口佳恵議員) (登壇)次に、気候危機対策の要の一つである滋賀県のネットゼロエネルギー建築、ZEB、ZEHについて伺います。  滋賀県では、CO2ネットゼロに向けた県庁率先行動計画──以下、県庁率先行動計画といいます──において、県が施設を新築、建て替えするときは、原則ZEB Ready以上とすると定めたことから、東北部工業技術センターや新琵琶湖文化館などがZEB Readyで建設予定です。  ZEBはネット・ゼロ・エネルギー・ビル、ZEHはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの頭文字を取ったものですが、省エネによって使うエネルギーを減らし、創エネによって使う分のエネルギーをつくることで、建物で消費するエネルギーをネット、つまり正味でゼロにする建築物のことです。  まず、県民の方にはまだまだなじみがないと見受けられるZEB、Nearly ZEB、ZEB Readyの違いを総合企画部長に伺います。  省エネだけではゼロエネルギーを達成することはできないため、創エネは重要です。もしネットゼロ達成を本気で目指すなら、やはり原則Nearly ZEB、そしてZEBを目指していただきたいと考えます。  そのためには、省エネの点で断熱が鍵となりますが、一度建ててしまえば、建物によっては50年、80年といったスパンで使用されるものでありながら、建てた後で断熱性能を高めるには、技術的にもコスト的にも格段に難しくなります。新築、建て替えの機会にしっかりと断熱性能を備えておくことが必要かつ重要です。  創エネの点では、予算、規制、制度、その建物が建つ立地、技術的課題などにより、全ての物件が現時点で必ずしも創エネ設備をつけられ、自然エネルギーを生かし切れるとは限りません。ただし、再生エネルギー関連は日々目覚ましく進歩しています。後日になってから創エネ設備を付加できる可能性は大いにあります。現時点では、ZEB Readyであっても、断熱性能の面をしっかり備えておけば、将来、ZEB──ネット・ゼロ・エネルギー・ビルを目指し得る可能性があるということです。  例えば、将来の太陽光発電設備設置、日照確保を考えた敷地利用をする、屋上や壁を太陽光パネルを設置しやすい形状にする、窓枠部分を断熱窓にしやすい仕様にしておく、蓄電池を置くスペースを設けておく、高島市庁舎やZEBの先進例である愛知県の環境調査センターなどで採用されているクールピットを造れるようにしておくなど、後日の改変では難しいけれど、最初に考えておきさえすれば、比較的容易に検討できるものが多数あります。  クールピットとは、建物に取り入れる外気を地中に埋設した配管や地盤に接するコンクリート製の空間に通すことで、地中温度により夏は温度を下げ、冬は温度を上げ、冷暖房エネルギーを低減する技術です。愛知県のZEB先進例では、既存の建物を利用しており、解体に際して既にネットゼロを意識しておく必要がある場合があることを示しています。将来を見越して設計、計画しておくことが必要です。  こうした、および、現時点では、ZEB Readyでも、来るべき将来にNearly ZEB化やZEB化するための準備、言い換えれば、新築、建て替え段階で、断熱性能を限界まで追求し、将来創エネ設備を導入することまでを想定した設計、空間確保や敷地利用を現在行っていただきたいと考えますが、現状はどうかについて、また、今後はどのように取り組んでいかれるのかについて、総合企画部長に伺います。  次に、県庁における基準設定について申し上げます。  まず第一歩として、原則ZEB Ready以上となさったのはすばらしいと思う一方で、厳しい財政状況の中でもあり、以上が生かされず、ZEB Readyでよいになってしまわないか不安です。  今回の質問に当たり、ZEB ReadyとNearly ZEB、ZEBでどのぐらい建築コスト、予算が異なるか、その場合の電気などエネルギーの低減はどのくらいと見込まれるのかという問いを幾つかの部に投げかけてみましたが、答えは得られませんでした。  滋賀県では、滋賀県PPP/PFI手法導入優先的検討方針により、設備等の事業費が10億円以上の建物のほとんどがPFI事業で行われます。PFIの仕様を定める要求水準書は、率先行動計画をしんしゃくして定められますので、ZEB Ready以上と記載されるようです。その要求水準書に合わせて設計する際、ZEB Readyの見積りと合わせて、ZEBの見積り、創エネ設備の見積りを取るということは難しいのではないでしょうか。行政における指針や基準の重要性をまざまざと感じます。  具体の話、ZEB Ready以上でよいところをZEBにしたところで予算が上がれば、財政的な観点からすると、建物を小さくするのはどうかという調整が求められる可能性もあります。財政担当者の方を責めたいわけではなく、財政担当課は財政の観点から厳しい財政運営に日々頭を悩ませてくださっているのですから、それはそれで誠実な業務です。となると、さらなる高みを目指そうというよりも、やはりこの以上というところに手を挙げるのが難しくなると感じます。これを変えていくには、全庁的にCO2ネットゼロ社会づくり推進計画に記載された、これは昨年、若者たちが要望活動を行い、実現した一言である「さらなる高み」を本気で目指すぞ、この場合であれば、断熱性能を最大限高めるぞということが意識されるようになるというのが理想的なわけですが、気候変動における危機感を考えますと、そういう時間もないというところです。やはりスピード感を持って当たるには、基準そのものの書きぶりを変えるのが有効であろうと思います。  率先計画における新築、建て替え時の基準を、原則ZEB Readyではなく、もう一歩踏み込んだ形で「ZEBと同水準の断熱性能を備える」や「将来の創エネ設備導入を最大限可能とすることを想定した設計とする」等に変えていく必要があるのではないでしょうか。  ここで、ZEB ReadyとNearly ZEBとZEBの違いを踏まえた上で、県庁率先行動計画における新築、建て替え時のZEBに関する基準をさらなる高みを目指し得るものに変更していくことについて、総合企画部長のお考えを伺います。  また、同じ問題意識から、原則ZEB Ready以上の「原則」「以上」という部分について、各担当課の職員が以上を目指しやすいような仕組み、例えば、CO2ネットゼロ特別枠のような財政の裏づけを伴うインセンティブを高める仕組みが重要ではないかと考えますが、総務部長の御見解を伺います。  また、ここまでZEBについて述べてまいりましたが、民間への普及という意味ではZEH──ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスが重要ですが、まだまだ知られていない状況です。県営住宅のZEH化は、創エネというものを身近に感じるきっかけになるなど、周知啓発という一種存在そのものが広報となり得る価値の意味でも意味があると考えます。  住宅についてZEHの普及が望まれます。特に太陽光発電における創エネはZEHを進める上で重要であると考えますが、現在の県営住宅設備での取組状況について、土木交通部長に伺います。  最後に、こうした調査を行っていく中で気づきましたが、現在、例えば他の自治体で見受けられる管財課のような県有の建物を最終的にマネジメントするような部署が滋賀県にはありません。滋賀県が計画する新築、建て替え建築物をZEB ReadyかNearly ZEBかなどは各課に委ねられています。この状況で、限られた予算の適切な配分、政策効果の最大化ができるでしょうか。本気でネットゼロエネルギーを目指すなら、新築、建て替え時点で、ある意味、逆算的に創エネポテンシャルをはかり、例えば創エネが45%しかかなわなそうなら、断熱性能を5%上げるように目指す等、これは一例ですが、そういったマネジメントも必要だろうと思います。一定専門性や経験が必要でしょうし、人事異動もある中で、初めて担当する1物件についてそれを行うのは、あまり現実的、効率的とは感じられません。  限られた財源の中、どの建築物にどの程度の予算を配分するか、どこにZEBなどのCO2ネットゼロのモデルとなるような建築物を建てるのか、創エネの点で環境的または民間との連携において有利な立地はどこかなど、県全体を見渡してCO2ネットゼロの政策効果を最大化するための配分を決めるにも、ばらばらの担当課で担当するのはなかなか難しいのではないかと思います。  現在も、CO2ネットゼロ担当課が毎年各課に照会を行いまとめてくださっている県庁の温室効果ガス排出量などがありますが、これも、担当者が毎年替わる中、ぱっと見ただけでは計算しづらい算定方法に各施設ではなかなか苦労なさりつつ、CO2ネットゼロ課さんは、そういった事情ゆえに統計の取り方にぶれが出てしまわないかに非常に心を砕きながら取り組んでくださっている様子が見られます。  大きなお話ですので、来年度即座にどうこうできるといったお話でないことは承知いたしておりますが、CO2ネットゼロの効果を最大化するために県有建物全体をマネジメントする所管課が必要ではないかと考えますが、知事のお考えを伺います。 ◎知事(三日月大造) 6点いただきましたが、最後に私に賜りましたので、そこからお答えすることといたします。  次期行政経営方針におきまして、高度専門的な業務や集約化により効率的な執行が可能な業務を担当所属に集約化することで、全体最適を図っていこうとしているところです。  来年度、その一環といたしまして、公共施設マネジメント業務を集約化いたしまして、専門性の高いPFI業務などの全庁的サポートを行う財産活用推進室を新たに設置する予定でございます。現在、施設ごとの所管が分散している、今回お取り上げいただいた庁舎管理業務など、県有施設全体の管理、活用につきましても、省エネ、創エネの視点も入れつつ、この室が核となりまして、より効果的な在り方を、次年度以降、検討してまいりたいと存じます。 ◎総合企画部長(東勝) 私にいただきました3点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目のZEB等の定義についてでございますが、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律に基づき算定をいたしました標準的な仕様を採用した場合のエネルギー消費量に対しまして、省エネ対策で50%以上のエネルギー消費量削減に適合した建築物がZEB Readyとされているところでございます。それに加えまして、太陽光発電等の再生可能エネルギーを導入することで、省エネ対策分と合わせて75%以上削減した建築物がNearly ZEB、さらに100%以上削減した建築物がZEBとなっているところでございます。  2点目の省エネ、創エネ設備導入を想定した設計等についてでございます。  議員御指摘いただきましたように、新築等の段階で将来を想定した設計をすることは重要であると考えております。そのため、例えば来年度からZEB Readyで建築を行います予定の東北部工業技術センターにおきましては、将来的に太陽光発電設備の設置が可能な場所を屋上に確保するとともに、昨年選定されました国の脱炭素先行地域の取組にも参画し、地域全体でも創エネを進めるということにしているところでございます。  今後、新たに設計する建築物につきましても、様々なケースを想定しつつ、ZEB Ready以上の建築の可能性について施設所管部局と共に考えてまいりたいと存じます。  3点目のZEBに関する基準を変更することについてでございますが、建築物は長期間使用するため、設計段階から最先端の省エネ対策や再エネ導入について検討することは重要であると考えております。  一方で、建築物の用途や規模、さらには周辺の環境等により費用対効果が大きく異なることなどから、現在の県庁率先行動計画におきましては、新築、更新施設の原則ZEB Ready化以上を取組方針としておりまして、その中で個々の状況も見極めながら、可能な限りエネルギー消費量の50%以上削減を目指していくこととしております。  グリーントランスフォーメーションに係る技術は急速に進歩していることもございます。今後、技術革新等に伴う費用対効果の状況も見極めながら、さらなる省エネ化、再エネ導入が進められますよう、行動計画の見直しの際にこの取組方針につきましても併せて検討してまいりたいと存じます。 ◎総務部長(河瀬隆雄) (登壇)6点の御質問のうち、私にいただきました予算上の仕組みについてお答えをいたします。  ZEB Readyへの対応を伴います施設整備では、これまでから施設ごとに整備方針を判断した上で、長寿命化等推進特別枠の活用などにより対応しているところでございます。  なお、令和5年度から国におきまして脱炭素化推進事業債が創設をされまして、公共施設等のZEB化に対する交付税措置が拡充をされたところでございまして、こうした有利な起債制度も活用しながら対応してまいりたいというふうに考えております。 ◎土木交通部長(門間俊幸) (登壇)6点の御質問のうち、私にいただきました県営住宅の取組状況についてお答えいたします。  今年度、設計を行っております東近江市にある今堀団地の建て替え事業では、屋根、外壁、開口部等の断熱性能をZEH水準とし、共用部のLED照明や太陽光発電設備の設置など、省エネ、創エネに取り組んでいるところでございます。 ◆9番(佐口佳恵議員) (登壇)1分30秒いただきましたので、最後に言い残すように、知事に信頼申し上げお願いがあります。このさらなる高みというところ、県内の若者の声でございました。今回の議会でも、やはり若者の声を聴いてほしいということが各議員から提出されておりました。主権者教育というものを行うときに、やはり滋賀の子供たちが主権者としてなり得るためには、子ども県議会もそうなんですけれども、声を上げたときに大人がどう対応してくれたか。これは何が何でも通せという話ではないです。やはりコミュニケーションをしっかりと取り、できないならできない理由を語っていく、できないならできないところから何ができるのかというのを考えていくということが非常に重要になってまいると思います。今回取り上げた質問では、このさらなる高みということになると思うんですけれども、こうしたところを大切にしてくださる知事だと、私、以前より信頼申し上げておりますので、ぜひこの若者、なかなか今回の答弁もよいもの、悪いものがありました。今後、具体化していく中で、それが生きてくるだろうと思います。  最後に、大変恐縮ではあるのですが、知事の若者からの声であったこのさらなる高みということを含めての実現に向いての、ZEB、ZEHというのも本当に知られていないので、啓発にどのぐらい力を入れていくかというところが重要だと思うんです。このさらなる高みを目指してくださる、ZEBについてということではありますが、知事の最後にもう一度子供たちに向けた一言をお願いできればと思います。 ◎知事(三日月大造) 議員がおっしゃるさらなる高みというのは、CO2ネットゼロ削減目標を定める際のことに言及されていると思いますが、そこは、気候変動対策はまさに待ったなしであると同時に、制約、我慢だけではなくて、こういった建物、建築物、家、こういったものを建て替えて、より効率的なエネルギー利用に切り替えていくことができる、そのことは、新たな投資ですとか新たな雇用、地域経済活性化の一つの私はテーマにもなると思っておりますので、そういう観点からも、県庁も率先してやる、そして地域でもそういった取組を動かしていく、こういうことが重要だと思っております。そういうことにつながった今回のこういう若者の声というものはとても大事なことだと思いますし、そういう声にはできる限り応えていけるようにしていきたいと思います。  と同時に、声なき声にどう耳を澄ましていくのか、傾けていくのかという視点も大事だと思っておりますので、声の大きい少数派の意見だけではなくて、声が出てこない多数派の気持ちというものをいかに酌み取るのか、そういったことがこういった県議会の皆様方との議論だとも思いますので、これからもそういう対話を大事にしていきたいと考えております。 ◆9番(佐口佳恵議員) 終わります。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、9番佐口佳恵議員の質問を終了いたします。  次に、5番柴田清行議員の発言を許します。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇、拍手)週末は風のきつい湖国になりまして、昨日は北のほうはやっぱりちらちらと雪が積もりまして、うっすらと雪化粧となりました。やっぱり寒いと皆さんの健康維持というのは大変になろうかと思っております。健康についての質問をさせていただきたいと思います。  医師の働き方改革と地域医療構想について質問をいたします。  医師の働き方改革は、来年度──2024年の4月から始まることになります。多くの医師を抱える県内の病院において、急ピッチでいろいろな対策が行われている現状にあります。県内の病院の中には、県立病院をはじめとする公立病院があり、不採算治療など地域的な特別治療を行っておられる病院、僻地治療など距離的負担などを担っておられる病院など、様々な病院が県内にも存在をします。  働き方改革は、近年の医師不足を抱える病院にとって喫緊の大きな課題でもあります。そこで、県内の病院で働き方改革への取組と、これに密接な関係があると考えております、滋賀県が取り組んでいます地域医療構想についても、全て健康医療福祉部長にお聞きをいたします。  医師の働き方改革での基本水準、これは時間外労働時間が月80時間以内、年間960時間であるとされており、これはA水準と呼ばれております。これを超えるとされる県内の病院は現在幾つあるのか、お聞きをいたします。 ○議長(岩佐弘明) 5番柴田清行議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) (登壇)お答えいたします。  A水準の上限である時間外労働が年間960時間を超える医師がいる病院は、8病院あると把握しているところでございます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)今、部長のほうから県内では8病院もあるというような発言がございました。2024年以降もこの病院は改善が困難であり、時間外労働が年間960時間を超える医師が病院にいると言われるこのA水準をどのようにされるのか、もしかして滋賀県への指定申請もされるという現状にあるのか、質問をしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  8病院とも特例水準の指定申請に向け準備を進めていただいているところでございます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)非常に医師不足の中、県内の病院もこの医師の働き方改革に向けて本当に御苦労をなさっているというのが今の現状だと思っておりますし、すぐにその改善ができないというところもあろうかと思いますが、その努力を本当に進めていただいていると、本当に御苦労なさっているというのが今の現状だと思ってます。  ちなみに、このA水準、この移行について、厚労省はいつまでにこのA水準を克服しなきゃいけないと言っているのか、お聞きをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  特例水準には4区分ございます。1つ目は、医師を派遣する病院に適用される連携B水準、2つ目は、救急医療等を担う病院に適用されるB水準、それから、3つ目でございますが、臨床および専門研修医がいる病院に適用されるC−1水準、それから、4つ目が、高度技能の修得研修を行う医師がいる病院に適用されるC−2水準がございます。そのうち、連携B水準とB水準につきましては、2035年度末を目標に終了される予定でございますので、これらを適用する病院はそれまでにA水準とする必要がございます。なお、C−1水準、C−2水準につきましては、現在のところ終了年限の目標はございませんでして、将来に向けて縮減されていく方向でございます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)医師の労働時間を考えるにちょっと重要になってくるのが、宿日直許可という制度でございまして、医師が宿日直をされる場合の時間の部分が医師の時間外労働に含まれるか含まれないのかというのが非常に重要な拠点であります。県内の24時間体制で診療業務を行う病院では、現在、医師の働き方改革の開始に向けて、この宿日直許可をどのような対応をされているのか、お聞きをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  まずは、医師の勤務実態を把握する必要がございますことから、各病院では、自院での時間外労働の把握はもとより、兼業、副業の把握や、自己研さんと時間外労働との区別の整理、宿日直許可の取得に向けて鋭意準備を進めていただいているところでございます。  特に、議員から御指摘のありました宿日直許可に関しましては、その許可の範囲で、労働時間にカウントされないこと、休息時間として取り扱えることなど、労働時間や勤務シフトなどとの関係で重要な要素になることから、県といたしましても、その取得に向け積極的に支援を行っているところでございます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)この今の宿日直許可なんですが、県内の病院の全てのほとんどの病院が、これ、許可を取られるような形になるんじゃないかなと僕は思っているんですが、部長にお聞きをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  宿日直許可につきましては、以前からも取得をされている病院等は当然ございましたが、今回の医師の働き方改革に合わせまして、多くの病院、宿日直を伴っている病院は基本的にその方向で考えていくということになろうかと思います。その辺りでは、今回の具体的に今まで宿日直許可、相当古いものもございますので、改めて各病院が点検されているものと考えております。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)それでは、この大学病院から医師派遣について、今後、働き方改革が重要視されると言われておりますし、県も重要視されていただいていることだろうと思いますが、医師派遣を行っていく大学病院に対して、今後、県はどのような対応をされるのか、お聞きをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  まずは、大学病院から宿日直を伴う医師の派遣を受けている病院等が宿日直許可を取得していただくことが重要であると考えております。そのため、派遣を受けている病院等に対しまして、県病院協会から運営委託しております滋賀県医療勤務環境改善支援センターの医療労務管理アドバイザーと県担当者が、宿日直許可申請への継続した支援を行っているところでございます。  あわせまして、滋賀医科大学医学部附属病院の医師の働き方改革に向けた取組への支援も継続して行っているところでございまして、今までどおり医師を派遣していただける環境を整えてまいりたいと存じます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)大学病院との各病院の関係というのは非常に重要視されております。特に働き方改革の中では、大学病院から専属として派遣をされている先生、また、日を決めて週に1回、2回とか派遣されている先生の取扱いというのも、非常にこの時間外の取扱い、大変厳しいといいますか、新たな時間外に対する対応がされていることですし、特に週に1回、2回派遣されている大学からの先生は、この大学から滋賀県内の病院に来る時間、これも労働時間に入れられると。特に北のほうの病院へ来ていただく先生は、2時間以上が通勤時間もこの労働時間に入れられるという規定に今度からなるというような、非常に北部地区については厳しい環境になっていくということなんですが、こういったことでは大学病院との話合いが進んでいるのか、部長に再度お聞きをしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  大学病院につきましては基本的に連携B水準ということで、具体的に申し上げますが、滋賀医科大学等ではその辺の時間の管理、非常に神経を使って調整をされておられます。そういう意味では、それぞれの病院とより具体的に、病院ごとに違いますので、当然、県北部の病院でしたら議員御指摘のようなこともございますので、そういったことも含めまして丁寧に対応をしているところでございます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)それでは、湖北圏域について少しお聞きをしたいと思います。  長浜に存在します4つの病院の連携と機能分化に向けて地域医療構想が進められております。現在、診療科一元化協議(地域医療構想調整会議)が行われておりますが、これらの医師の働き方改革の中核となることから、県はこの協議についてどのような役割を果たしていくのか、お聞きをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  県といたしましては、地域の医療従事者等からなります湖北圏域地域医療構想調整会議に加えまして、今年度より市立長浜病院と長浜赤十字病院などとの間で合同カンファレンスを開催いたしまして、医療資源が限られる中でも効果的、効率的に医療を提供できるよう、診療科の調整に向けて意見交換を重ねているところでございます。  今後、各病院の重複する機能を見直すなど、引き続きその役割分担や連携の在り方を検討し、まずは医師の働き方改革に対応するため、関係病院間での個々の診療科の規模をどのようにするのか調整できるよう働きかけてまいりたいと存じます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)ここでちょっと確認をしたいんですが、この診療科一元化協議において、私の認識では、滋賀県がリーダーシップを取ってこの協議を執り行っていくということでよろしいでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  各病院の診療科は最終的には個々の判断によるものでございますが、医師の働き方改革に対応しつつ、湖北医療圏域全体の効果的、効率的な医療提供体制を構築するという観点から、県のリーダーシップの下、関係病院間の調整を進めてまいる所存でございます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)ありがとうございます。県にも国にもいろいろな御努力をいただいて、この一元化、しっかりと進めていかなければならないと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思っていますが、次に、診療科一元化協議には、長浜市立長浜病院、長浜市立湖北病院、そして長浜赤十字病院の経営の一体的運営が重要になるとされております。長浜市において有識者委員会が発足して市立2病院の経営形態の検討が進んでおります。県としてどのように関わっておられるのか、お聞きをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  これまで県が主催いたします湖北圏域地域医療構想調整会議におきまして、構想の実現に向け、圏域内の医療機能再編の方向性を関係者間で確認し、その実現のために、設置主体間の合意を前提といたしました経営の一体的な運営が望ましいとの見解で認識を深めてきたところでございます。
     今後、経営形態は、市立長浜病院と市立湖北病院の設置主体であります長浜市が、長浜赤十字病院の設置主体である日本赤十字社と協議の上、決定されていくものではございますが、県といたしましても、市の経営形態検討委員会への参画や設置主体との協議等を通じまして、国の技術的支援も活用しながら積極的に調整を図ってまいりたいと存じます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)ありがとうございます。  私の認識では、やっぱりこの経営の一体的運営については、長浜市が責任を持って進めなければならないと、これは思っております。しかしながら、先ほど、さきに述べました診療科の一元化、地域医療構想とも非常にこれは密接な関係を示しておるんですが、この2つの現在協議されている部分についての時間軸を部長にお尋ねしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  長浜市では、市立2病院の経営形態検討委員会での検討を経て、令和5年9月に市長が経営形態を表明し、日本赤十字社と協議する方針をお示しになっているところでございます。  県といたしましては、まずは経営の一体的な運営の検討や協議に並行いたしまして、関係病院間で個々の診療科の規模をどのようにするのか、できる限り早期に調整できるよう働きかけることで、医師の働き方改革に対応してまいる所存でございます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)ありがとうございます。  これは今日の私のこの一般質問の一番の課題なんですが、経営をどうするのか、それと診療科の統一をどうするのか。昨年度も、滋賀医科大学病院、また京都大学病院から、働き方改革の下で、なかなか2つの病院には医師を派遣ができないのでという形の文書が出ております。これは長浜市だけではなく、滋賀県の病院に私は出てるもんだと認識はしてるんですが、長浜がこういう協議をしてるので、かなり目立ってるというようなことだと思ってます。しかしながら、どちらが、卵が先なのか、ひよこが先なのかとか議論があるんですけど、これ、本当にどちらがどのように決めていくのかというのは非常に難しい問題であり、本来ならば、3月中にはこの診療科の一元化をある程度は決めなければ、大学側は来年度の医師派遣について考えるというような話が出てるわけですが、今の経営一体化は市長は9月と言っております。まだまだ半年かかるわけなんですが、この時間軸がそろっていないので、この協議が私はかなり難航するものだと思ってるんですが、部長の認識はどうでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  県といたしましては、経営の一体的な運営の検討、協議に並行しております。特に、冒頭御質問いただきました医師の働き方改革、これについてはもう時期が決まっております。この部分で恐らく大学病院のほうもおっしゃっていることもございますし、当然ですが、我々として今できることは、医師の働き方改革に向けまして、特にその診療科の規模をどのようにするのか、それをできる限り早く調整することが県としての役割の一番重要なことかというふうに思っております。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)今の部長の答弁からいいますと、診療科一元化を何とか早期に決めていただくと、この後に経営の一体化が進んでいくんだろうというような答弁だと思うんですが、地域の方々、この3病院の今後どうなるのかという非常に関心の高い問題であります。厚労省も、重要地点と、重要地区という形で、今後いろんな支える面もしていただけると思っておりますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  県として担っていただいている僻地医療の政策についてお聞きをしたいと思いますが、長浜市の僻地における医療を確保することは大変重要であります。先ほども述べました病院の経営の一体的運営が検討される中で、県として僻地医療拠点病院である湖北病院に求める役割についてお聞きをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  湖北病院には、僻地医療拠点病院として、医療機関を利用しづらい地域におきましても保健医療サービスが継続して受けられる体制を確保いただいているところでございます。  今後は、長浜市内の病院間の連携をさらに深めることで、長浜市北部における医療体制が充実するように、その役割を果たしていただきたいと考えております。具体的には、巡回診療の実施や僻地診療所への支援、総合的な診療能力を有する医師の育成などにより、引き続き住民の方が安心できる医療体制を確保していただきたいと考えております。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)今日も、うちのほうの北部の方の意見を昨日も聴いていたんですが、まだ雪は1メートル以上あるという地域、そこにも湖北病院の先生が循環診療に行っていただいておりますが、まだまだ寒い日が続いて、急にいろんな健康状態される方がおられますので、僻地医療にかけるという滋賀県の責任という部分、部長に今述べていただきましたが、今部長が言われました湖北病院と僻地診療所の関わりについてはどのように思われてるのか、再度お聞きをしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  湖北病院のほうから診療所の御支援をいただいてると思いますが、我々といたしましては、湖北病院に県の派遣医師、行っておりますので、そういった中での一体的な支援の中で対応しているところでございます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)先ほどの答弁の中にも僻地治療における診療所の重要性というのも示していただいてました。その中で総合医をしっかりと育てていくんだというお話もいただきました。実はこれ、知事にも一度質問をさせていただいたことがあるんですが、市川部長に、最後にこの総合医の育成について、どのような県の取組があるのかお聞きをして質問を終えたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  総合診療医につきましては、関係医療機関と連携しまして、僻地での診療を含んだ総合診療に関する研修プログラムを作成しておりまして、地域医療に貢献できる医師の養成、こういった形で取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆5番(柴田清行議員) ありがとうございました。終わります。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、5番柴田清行議員の質問を終了いたします。  次に、44番中沢啓子議員の発言を許します。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして3項目の質問をさせていただきます。  まず、女性特有の健康課題についてお伺いいたします。  女性の健康週間が3月1日から始まります。これは、2008年に新健康フロンティア戦略を根拠として創設され、女性の健康づくりの国民運動が始まりました。2013年度から2022年度までの第二次健康日本21では、健康寿命と平均寿命の差である日常生活に制限のある期間は女性が長いこと、また、妊娠中の喫煙は、妊婦自身の能動喫煙による健康被害とともに、胎児に対する受動喫煙による健康被害があること、さらに、子宮頸がんや乳がんの予防や早期発見が重要であることなど、女性には特有の健康問題が存在し、その対策が必要とされています。これらを踏まえ、女性の健康に関する知識の向上と、女性を取り巻く健康課題に対する社会的関心の喚起を図るための国民運動を展開し、女性が生涯を通じて健康で明るく充実した日々を自立して過ごすことを総合的に支援するとされてきました。  まずは、女性自身も含め、女性の心と体を理解するための基礎知識、いわゆるフェムテラシーを高めることが大切です。知事は健康しが2.0を掲げておられますが、まず、女性特有の健康課題の解決に向けて、知事の思いをお伺いいたします。  国では、今年度は「大人の相談室〜女性の更年期障害って?〜」をテーマとされています。今まで様々な取組をされてきていると思いますが、滋賀県として、女性の健康に関しての今までの取組を健康医療福祉部長にお伺いをいたします。  女性のライフステージごとの健康は、女性ホルモンの分泌量と深く関わっており、分泌量の増減に伴い起こりやすい病気やトラブルも変わってくるために、その前後も含めて状況や対応策も知っておくことが大切です。  (資料掲示)女性のライフステージごとの女性ホルモン、エストロゲン分泌量と起こりやすい病気等のこの図を御覧ください。  女性は、小児期に初経を経験し、成熟期に向かって女性ホルモンの分泌量が増え、思春期を迎え、月経不順やPMSと言われる月経開始3日から10日前から始まる肩こりなどの体の症状やいらいら感などの心の症状などの月経前症候群、拒食や過食などの摂食障害、起立性調節障害のリスクが高まります。女性ホルモンの分泌量が安定する成熟期においても、不妊症や月経困難症、PMS、女性ホルモンの分泌量が減少していく更年期に向かう時期以降は、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮頸がん、卵巣がん、乳がん、膠原病など甲状腺の病気のリスクが高まります。月経周期が変化し、閉経に至る更年期には、生活習慣病や鬱、前述のがんなどの病気があります。そして、女性ホルモンの分泌量が僅かになり、生活習慣病にかかりやすくなり、骨粗鬆症やアルツハイマー、皮膚の病気、泌尿器の病気にかかりやすくなると言われています。  これらのリスクを考えれば、性教育も含め、体系的に、また、ライフステージに合わせて学ぶ機会が望まれます。県としても、関係するところは、総合企画部の企画調整課、健康医療福祉部の健康寿命推進課、子ども・青少年局、商工観光労働部の女性活躍推進課、教育委員会など多くの部局が関わります。女性の健康に関して情報共有し、体系的に対策を取ることが求められると考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。  例えば、月経痛、いわゆる生理痛に関しては、他の病気との関わりもあると言われています。生理痛は仕方がないと諦めるのではなく、仕事や学業の能率の低下や生活に障害が出る場合は、婦人科を受診するタイミングと言われています。機能性月経困難症、特に子宮や卵巣に子宮筋腫や内膜症などがない月経痛の原因は、排卵した後、卵巣から分泌される黄体ホルモン、プロゲステロンの作用が原因です。この原因となる黄体ホルモンの分泌を抑えれば、月経痛は予防できます。それには低用量ピルが効果的で、しかも安全な方法と言われています。ピルは排卵をストップすることから避妊薬としても使えますが、月経痛治療薬としても使うことができます。スポーツの大会や受験、就職面接など、大切な機会での生理痛に関して、低用量ピルを使用することについても知っていること、また、必要なときに知ることができることが大切です。様々な女性特有の健康課題に関して、気軽に相談できる体制や対応策につながれることは大切ですが、広報、啓発や相談窓口などの体制の現状と充実について、健康医療福祉部長にお伺いいたします。  女性特有の健康課題は、女性の生涯にわたっての健康に関わることなので、早い時期に知ることが大切だと考えます。また、スポーツの大会や、受験、就職面接などの大切な機会での生理痛に関しての低用量ピルについても知っておくことは大切かと思っています。女性が生涯を通して健康で充実した人生となるよう、女性の心と体を理解するための基礎知識、いわゆる先ほどのフェムテラシーを高めるためには、小児期、そして思春期において教育委員会としての取組が大切と考えますが、教育長にお伺いをいたします。  従来の婦人科や乳腺だけの女性医療は、ビキニ医療とも言われ、ビキニの水着で隠す部分のみを女性と考える医療のことを指すそうです。臓器別に男女均一に行われていた医療から、性差を考慮した全人的医療が期待されています。また、医療だけでなく、ヘルスケア習慣など、予防やライフスタイルに合わせた保健制度も大切と考えます。一人一人を大切にした新しい医療、保健システムを目指して、健康いきいき21の計画に位置づけ、女性が生涯を通じて健康で明るく充実した日々を自立して過ごせる社会になることが求められると考えますが、知事にお考えをお伺いいたします。 ○議長(岩佐弘明) 44番中沢啓子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)女性特有の健康課題につきまして、私に賜りました3点の御質問にお答えいたします。  1点目、解決に向けての私の思いということについてでございますが、国の働く女性の健康推進に関する実態調査によりますと、女性従業員の約5割が生理関連の症状や疾病、月経前症候群などで勤務先で困った経験があると回答しており、女性特有の健康課題につきましては特に配慮が必要だと認識しております。  まずは女性自身が健康課題について正しく理解できるようにすることと同時に、女性を取り巻く社会全体の理解を深めることが必要だと考えます。  2点目、体系的な対策についてです。  御指摘のとおり、女性の健康課題の解決に向けましては、関係する部局が情報共有しながら取組を進めていくことが必要であると認識しております。県が設置しております「健康いきいき21」地域・職域連携推進会議におきまして、女性特有の健康課題につきましても意見交換しているところでございまして、そこでの意見を庁内関係部局にあらゆる機会を捉えて共有することで、女性の健康に関する施策が体系的に取り組まれるよう努めてまいりたいと存じます。  3点目、計画への位置づけについてでございますが、国の次期健康増進計画では、胎児期から老齢期に至るまでの人の生涯を流れで捉えた健康づくりとして、ライフコースアプローチの推進について示されております。来年度行います滋賀県の健康増進計画「健康いきいき21」の策定に当たりましては、こうした国の方向性を踏まえ、女性の健康という視点からも検討してまいりたいと存じます。  人生100年時代において、誰もが自分らしくそれぞれの幸せを実感できることが大切であります。そのためにも、生涯を通じて女性が健康で過ごせる社会づくりを進め、全ての県民が生き生きと輝いて活躍できる健康しがの実現を目指してまいりたいと存じます。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) (登壇)女性特有の健康課題につきまして、私にいただきました2点の御質問にお答えいたします。  1点目のこれまでの取組でございますが、毎年3月の女性の健康週間を中心に、市町や関係団体等と共に知識の普及啓発を実施しているほか、子宮がん、乳がんの検診受診勧奨、女性ホルモンの影響と思われる各種症状に対する相談支援などを実施しているところでございます。  また、幅広い関係団体が参画されておられます「健康しが」共創会議におきましても女性の健康をテーマとして取り組んだり、先日も商業施設において開催いたしました「MEET YOUR HEALTH」をテーマにイベントを開催いたしまして、女性の健康に関する啓発などを実施したところでございます。  さらには、商工観光労働部や教育委員会と連携しながら、ライフステージに合わせた女性の健康づくりに関する啓発資料を作成し、配布するなど、事業展開を図っているところでございます。  2点目の相談窓口等でございますが、県では、滋賀県助産師会に委託いたしまして子育て・女性健康支援センターを設置し、思春期や妊娠、出産期、更年期など、女性の人生におけるそれぞれの段階に応じた相談に対応しているところでございます。  また、国の若者向け支援サイト「スマート保健相談室」では、正しい知識Q&Aとして、月経に関する悩みや女性に多い病気などの情報が発信されておりまして、県ではこのサイトを広く周知するためのカードを作成いたしまして、県内全ての中学3年生と高校生に配布したところでございます。  現在、女性特有の健康課題に関する教材の作成についても取り組んでおりまして、今後も引き続き、相談窓口の周知や広報、啓発に努め、より多くの方が相談につながるよう取り組んでまいりたいと存じます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)私にいただきました教育委員会の取組についての御質問にお答えをいたします。  児童生徒が女性特有の健康に関する基礎知識について学ぶことは大切なことでございます。学校では、保健の授業などで思春期における体の変化や性に関する正しい知識を学ぶことにより、理解の促進に努めております。  また、子供たちがインターネット等を通して様々な健康情報を容易に入手できる中、女性特有の健康に関する正しい知識等を習得した上で判断、行動できるようにすることが大切でございます。  引き続き、県の教育委員会では、教員が女性特有の健康に関する課題などの理解を深めるための資料の配布や、児童生徒向けの相談窓口の周知等にも努めまして、児童生徒が正しく理解し、適切に対処できるよう取組を進めてまいる所存でございます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)ありがとうございます。  教育長、ぜひ、今、カードを作っていただいて配布していただくそうですので、しっかりとそれの持つ意味をお伝えしていただいて、子供たちが分かるようにしていただけたらと思います。  知事に再度、今、ほとんど言っていただいたと思うんですけれども、先ほどおっしゃったように、やっぱり困った経験をした方が5割いらっしゃるということでした。県庁内にもたくさんいらっしゃることだと思いますし、女性も症状が出てる方は自分で自覚があると思うんですけれども、ない方もいらっしゃると思うんですね。そうすると、なかなか症状のある方のことが分かりにくかったりとか、男性の方もなかなかやっぱりそんなにしんどいということが分かりにくいということがあると思いますので、そういうことも含めて、女性だけではなく男性の方々もしっかりとこういう情報を知っていただいて働きやすい職場にするということも非常に大切なことだと思っています。なので、3月1日から女性の健康週間、始まりますので、そういうことも含めて、今回は更年期というテーマだそうなので、今まで頑張ってきていただいてるベテランの女性の方々に対することも含まれてると思いますし、県庁内でもそこを意識して、また、全職員の方々がそういう情報をしっかり気に留めていただけるような職場環境にしていただけるとありがたいと思っています。これ、多分家庭内でも非常に役立つ知識だと思いますので、ぜひそういう取組を進めていただきたいと思いますので、一言だけいただけたらと思います。 ◎知事(三日月大造) 一言だけでは語り尽くせない大切な課題だと思うんですが、おっしゃるとおり、女性特有の、また、それぞれの年代、そのライフステージごとの課題、こういうことにより理解を広げ、声を上げやすくする、また休暇等を取りやすくする、そういった理解を広めていくということはとても大事なことだと思います。それは何も女性にとって優しいということだけではなくて、男性にとってもそういった配慮がよりしやすい、されやすい職場や社会になるということと同時に、組織全体のパフォーマンスを上げることによるメリットというのもあると思いますので、そういう広い観点も含めて、当然、県庁の職場でもそういった配慮等がより行き届く職場になるように私自身も努めていきたいと存じます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)よろしくお願いしたいと思います。  それでは、次に、ロケーションオフィス20周年を迎えてについてお伺いしたいと思います。  滋賀ロケーションオフィスは、2002年4月に設立され、今年度20周年を迎えました。当時、国内外において、映画、ドラマ、漫画、アニメーションなどの舞台として地域がメディアを通して紹介され、観光客の来訪促進につながることが地域の行政、経済団体に認識されるようになり、各地のロケ受入れ機関の活動や、ロケ地や漫画、アニメを活用した振興などの取組が見られるようになりました。  2003年に、国では観光立国行動計画が策定され、日本の魅力、地域の魅力の確立や日本ブランドの海外への発信に関連して、日本映画の制作、上映支援、フィルムコミッションの活動支援、ロケの誘致、コンテンツ産業振興が位置づけられました。また、国では、2002年に策定された知的財産戦略大綱を踏まえ、知的財産推進計画2004では、コンテンツビジネスの飛躍的拡大として、地域等の魅力あるコンテンツの保存や発信強化を図ることが記載され、芸術文化振興、産業振興、観光振興の側面から、映像等コンテンツに着目した地域づくりを展開する条件の整備が述べられていました。  滋賀のロケーションオフィスは、2002年に、映画やドラマを通して滋賀の豊かな自然や歴史文化遺産等を全国に発信することにより、滋賀の知名度向上と観光および地域の振興を図るため、県と市町で共同設置されました。滋賀ロケーションオフィスでは、ロケ地の情報収集や提供、撮影適地の紹介や道路使用許可などの許認可の調整、エキストラの手配など、きめ細かな支援をされ、初年度は40作品の映像誘致の実績を上げておられます。その後も様々な活躍を通して、「ロケ地から日本を元気に!」をテーマに、国内の映画、ドラマの舞台やロケ地を応援する雑誌「ロケーションジャパン」の2016年に最もまちの観光を活性化させた作品とその地域を顕彰する第7回のロケーションジャパン大賞を、『映画「ちはやふる−上の句・下の句−」×滋賀県大津市』が受賞されました。また、2021年度の第12回ロケーションジャパン大賞の特別賞撮影サポート部門に、映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」と滋賀県が選ばれました。この20年の滋賀ロケーションオフィスの取組や成果と、その効果についてお伺いをいたします。  この活躍を支える体制は徐々に整えてきていただいていますが、今の件数を見れば、今後の体制整備も大切だと考えます。ロケ受入れ機関では、政策に関する専門的な知識、地域の現状に関する汎用な情報はもとより、関係者との人的ネットワークが求められる経験が必要な専門的業務です。また、臨機応変な対応も求められます。これら蓄積されてきたノウハウや人的ネットワークを活用していくための滋賀ロケーションオフィスの体制整備や地域との連携など、今後さらにどのように整えていこうとされるのか、知事にお伺いいたします。  現在、滋賀でも撮影された東映設立70周年記念作品「レジェンド&バタフライ」が公開され、注目をされています。県でも、滋賀県内のロケ地&ゆかりのスポットガイドを作成し、地域の盛り上げや観光に生かそうとされています。今後も、地域の盛り上がりや、ロケツーリズムなどの誘客や滋賀ファンにつなげるための取組が大切だと考えます。滋賀ロケーションオフィス設立20周年を契機に、滋賀のさらなる魅力発信と誘客、地域の振興につながる取組が求められると考えますが、今後の取組について知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) ロケーションオフィスに関しまして3点御質問いただきました。  1点目、まずこれまでの取組等についてでございます。  滋賀ロケーションオフィスでは、映像制作者や地域の皆様と信頼関係を築きながら、ロケの誘致や支援、プロモーション活動などに取り組んできたところです。設立以来、合計で1,664本、直近10年間では年平均100本を超える作品の県内ロケの実現につなげており、とりわけNHK大阪が制作する朝の連続テレビ小説におきましては、10作品連続で撮影が行われたところでございます。  県内におけるロケは、スタッフの宿泊や食事などによる直接的な経済効果だけでなく、各種メディアに取上げられることによる広報効果や、ロケツーリズムによる観光誘客、地域の皆様のシビックプライドの醸成等にもつながっているものと認識しております。  2点目の体制整備等についてでございます。  滋賀ロケーションオフィスは、県と県内市町により構成されておりまして、会長はじめ6名の職員が事務局を担っております。ロケ地との調整やエキストラの確保といった映像制作者からの御要望に対しましては、事務局職員が市町の協力を得ながらきめ細かく対応しておりまして、その手厚いサポート体制は高く評価されていると承知をしております。  今後、事務局が蓄積してきたこうしたノウハウや人脈を共有することにより、市町のロケ受入れ機能の強化を図りますとともに、例えば、彦根を映画で盛り上げる会のように地域で活動している団体との連携を深めることにより、フィルムコミッションとしての体制充実に努めてまいりたいと存じます。  3点目、今後の取組についてです。  設立以来、20年間にわたって積み上げてきたフィルムコミッション活動の経験や実績を生かしながら、引き続き、映像制作者や地域の皆様に寄り添ったロケの誘致、支援に取り組んでまいりたいと存じます。加えまして、これまで培ってまいりました映像業界とのネットワークを駆使いたしまして、本県が舞台となっている小説等の映像化について、積極的にアプローチをかけてまいりたいと存じます。  県内市町や地域の関係団体とも連携しながら、本県で撮影された映像作品を活用したプロモーションを効果的に行い、滋賀ファンを獲得するとともに、ロケツーリズムによる誘客を促し、地域振興等につなげてまいりたいと存じます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)ぜひ、今後ますます増えていくように、体制のほうもしっかりやっていただきたいと思いますし、必要な予算をしっかりとつけて、さらなる効果的な活用もお願いしたいと思います。  では、次に、地域の医療介護とみとりについて、以下、お伺いをいたします。  滋賀県地域医療構想は、誰もが状態に応じて適切な場所で必要なサービスが受けられる滋賀の医療福祉の実現を基本目標として、団塊の世代が75歳になられる2025年を見据えて2015年に策定されました。構想の具体的な目的は、1、地域の医療需要の将来推計をデータに基づき明らかにすること、2、構想区域ごとの各医療機能の必要見込量について検討すること、3、地域にふさわしいバランスの取れた医療機能の分化と連携を推進すること、4、地域で安心して暮らせる地域包括ケアシステムを構築することとされています。  また、2022年には滋賀県保健医療計画の中間見直しがされ、レイカディア滋賀高齢者福祉プランは、2023年度、最終年度を迎えます。これらの計画は、整合性を取って取り組まれるよう、地域の関係者が集まり、毎年地域医療構想の会議が開催をされています。医療資源の地域偏在や、さらに2024年度から、先ほども御質問ありました医師の働き方改革の影響も気になるところです。  超高齢化社会でも地域で安心して暮らしていくためには、医療と看護や介護などの体制の整備が大事ですが、現在の地域での人材や資源の状況と課題を健康医療福祉部長にお伺いいたします。  2025年度までには2年となりました。今後の取組を健康医療福祉部長にお伺いいたします。  入院したときには、できるだけ早くリハビリを始め、退院へとの流れとなります。この在宅での医療や福祉、リハビリにスムーズにつなぐ退院調整は、自宅や施設での生活の質につながりますので、とても大切です。ただ、残念なことに、退院予定日までに要介護認定ができないということが発生しているそうです。例えば、主治医意見書にはどこも苦労されているようですが、退院に要介護認定が間に合わないとサービス調整が難しくなります。  国の平成26年の資料では以下のように述べられています。「介護保険法上、要介護認定は申請日から30日以内に行わなければならない。しかしながら、現状では申請日から36日程度かかかっている。こうした背景の一つに、主治医意見書の提出が遅延しているということが指摘されている。また、市町村では、主治医意見書の提出の遅延に伴う督促に負担がかかっている。」ここに医師の働き方改革が始まれば、さらに困難になるのではないかと危惧をしています。  これだけではなく、根本的に高齢者が増加して認定申請件数がうなぎ登りに多くなっていますが、特にケアマネジャーなどの認定調査員、それとか多種の専門職の認定審査会の委員はじめ、人員が絶対的に不足して追いついていないのが実態ではないでしょうか。  また、介護現場ではケアマネジャー不足が言われています。ケアマネジャーの資格試験は、介護職の場合、以前は介護業務の経験年数が5年または10年あれば受験できましたが、平成30年度以降は、介護福祉士の国家資格を取得してから5年以上の実務経験が必要となりました。努力して介護支援専門員を取得してダブルライセンス取得者になっても給料が上がらない、その上、ヤングケアラーや8050問題など対応するケースが複雑化している問題や、先日のコロナ予防接種のワクチンの予約など、何でも分からないことがあったらケアマネジャーにと、行政からも全て介護支援専門員に様々なことが振られている、介護支援専門員の役割と規定されていない仕事が膨大に増えている現状にあると言えるのではないでしょうか。  負担感がかなり増えているという現状もある中、国ではマイナンバー制度取得もケアマネジャーにという言葉も聞こえてきているようです。ケアマネジャーになる人が少なくなり、1人のケアマネジャーにかかる負担が大きくなり、さらにケアマネジャーになる人が減っていくという状況になってきているのではないでしょうか。ケアマネジャーの処遇改善は急務だと感じています。  退院時の要介護認定の課題とその後の解決の取組について、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。  また、ケアマネジャー不足についての認識とケアマネジャーの処遇改善に向けての取組について、健康医療福祉部長にお伺いいたします。  知事は、死生懇話会で多くの方々とお話をされています。最期をどう迎えるのか、最期までどう生きるのか、どう向き合うか、大切なことだと感じています。現在は、どこで最期を迎えたいのかの希望は、令和元年の調査では、病院が22.9%、施設が6.8%、自宅が41.9%ですが、現実は、令和3年の調査では、病院が68%、施設が12%、自宅は18%という状況です。生まれる瞬間や亡くなる瞬間が病院となり、子供たちは生と死をリアルに感じる場が少なくなってきていると感じています。生まれるときや亡くなるときを知ることで人生に大きな影響があると思っています。今後、さらに多死社会となります。独り暮らしでも、場所がどこであっても、穏やかな最期を迎えられることを願っています。  先日、看取り士の方のお話を伺いました。QOD──死の質、その人らしい尊厳のある死について、日本は世界で14番目。人生の最終段階を迎えるケアシステムの充実が望まれるとのお話をお伺いしました。慣れ親しんだ自宅で最期まで穏やかな日々を過ごすためには、御本人の意思を中心にして、御家族、看取り士、在宅医、訪問看護師、ケアマネジャー、ホームヘルパー、エンゼルチーム、友人、御近所さんなどチームで取り組むことが大切だともお話しされていました。専門職が協力、相互連携する地域包括ケアシステムの充実が求められています。  人生の最期をどう迎えるのか、最後までどう生きるのか、多様な選択肢が望まれますが、現状と今後の取組を知事にお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 私には最後に賜りましたけれども、まずお答えをさせていただきます。  現状と今後の取組についてでございますが、人生の最終段階のケアを含め、本人の望む最期を実現するためには、多職種がチームとなり、本人の意思、意向を聴き取り、思いに寄り添った支援を行うことが大切であると認識しております。このため、希望する医療やケアに関するアドバンス・ケア・プランニングの普及、意思決定支援や多職種連携強化のための専門職研修などに取り組んでいるところです。  また、誰もが人生の最期をイメージし、元気なときから身近な人と共有できるよう、医療福祉・在宅看取りの地域創造会議や死生懇話会において、どう生きるかを考えるきっかけづくりを行うなど、本人の暮らしを中心に据えた滋賀の医療福祉の実現を目指してまいりたいと存じます。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) 地域医療介護とみとりについて、私にいただきました4点の御質問にお答えいたします。  1点目の人材や資源の状況と課題についてでございますが、在宅医療を支える資源のうち、24時間往診可能な在宅療養支援診療所は、現在、2015年度から1.4倍増の165か所、訪問看護ステーションは1.8倍増の162か所となっております。  また、訪問看護師は常勤換算で現在約836人で、2015年度から約314人の増、介護職員は2020年度現在約2万100人で、2015年度から約1,900人の増となりますなど、在宅医療介護を支える体制の整備は確実に進んでいるところでございます。  今後、さらに増大、多様化する医療介護のニーズに対応するためには、例えば、社会資源が少ない地域への対応、人材確保が厳しい地域への対応など、資源、人材ともさらなる充実が必要と認識しております。  2点目の今後の取組についてでございます。施設や設備に対する整備費の支援を引き続き行いますとともに、特に医療福祉のひとづくりに取り組んでまいりたいと考えております。具体的には、在宅医療への医師の参入を目的としたセミナーの開催、訪問看護経験の少ない看護師に対する同行訪問体験、訪問看護ステーションへの就職者の定着支援などにより、在宅医療に携わる医師、看護師などの確保、育成を進めてまいります。
     介護人材の確保につきましては、とりわけ職場の不足感が強いことから、仕事の魅力発信、処遇改善、定着支援、生産性向上など、様々な方向から事業者や市町との連携を密にオール滋賀で取り組んでまいりたいと存じます。  3点目の退院時の要介護認定の課題等についてでございますが、申請から要介護認定までの期間は、令和3年度上半期の全国平均で36.2日となっております。  市町からは、議員御指摘のありましたとおり、主治医意見書の遅延や認定調査の調整に時間を要することなどが要因と聞いておりまして、専門人材の不足が介護認定審査会委員等の確保に与える影響も懸念されるところでございます。  要介護認定につきましては、国の審議会での介護保険制度の見直しの中で、各保険者による審査の簡素化事例の収集、周知や、ICT、AIの活用に向けた検討が重要とされたところでございます。  県といたしましては、今後の国の動向を注視いたしますとともに、医療福祉を支える人材の育成や介護認定審査会委員等への研修などを通じまして、各保険者におけます審査の簡素化、効率化を支援してまいる所存でございます。  4点目のケアマネジャーの処遇改善についてでございますが、現在、本県の介護支援専門員証をお持ちの方は約3,800人である一方、県内事業者でケアマネジャーとして従事されているのは約半数の1,900人前後で推移しているところでございます。  現場からは、介護職員からケアマネジャーになると給与が下がる、業務の質や量に見合う処遇がなされていないなどのお声をお聞きしておりまして、ケアマネジャーが増えない要因の一つと考えているところでございます。  県といたしましては、国に対しましては、一昨年から3回にわたりまして、居宅介護支援の基本報酬引上げやケアマネジャーに対する処遇改善加算の創設などを要望しておりまして、引き続き、国の動向も注視しながら、改善が図られるよう働きかけてまいりたいと存じます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)知事と健康医療福祉部長に少しお話をもう一度聞きたいと思っています。  いろんな研修をしていただいてるということでお伺いをしました。知事、それは非常に大切なことだと思うんですが、今、健康医療福祉部長もおっしゃったように、なかなか人材が足りないという中で、やっぱり研修の時間が取れなかったりとか、あと、もしくは、そこに出かけていけないみたいなことはたくさん多分あるんじゃないかなと思うんですね。でも、それでもやはり知っていただくことというのは非常に大事だと思いますので、その辺はしっかりと工夫をして、これからは病院ではもう亡くなれないということもよく言われる多死社会に入るのですから、その在宅をどうしっかりと支えていけるのかというのは非常に大事なことだと思いますし、御本人もそれを知っていただいて備えていく、もしくは周りと連携していくということが大事だと思いますので、その辺りのことを今後また具体的に取り組んでいただけたらと思うので、その件について1点。  それと、健康医療福祉部長に関しては、様々な状況がやっぱり厳しいんだなと思いました。日数が36.2日とおっしゃってましたけれども、先ほど文書の中でもお話ししたとおり、平成26年の資料でもう既に36日で、それ以上に短くするようにというそのときのお話があったにもかかわらず、令和3年になってまだそれが短くならないというのは、先ほど言ったみたいに人数が増えているということもあるんでしょうけども、やはりなかなか体制が整ってないということもあると思いますので、そこはさらに具体的に取り組んでいただきたいと思いますし、併せて、ケアマネジャーさんの処遇改善なんですけれども、3年言ってなかなか変わらないということであるならば、ぜひまた三日月知事にも現場に行っていただいて、現場の声をしっかり聴いていただいて、知事会全体として、多分この問題は滋賀県だけの問題ではないと思いますので、今後の社会のことを考えたときに、人材を育成するというのは非常に時間のかかることですし、しっかりと現場の声を知事会全体として国に届けていただいて、今後の報酬改定等に間に合うように対応を国のほうで考えていただけるようにぜひ取り組んでいただきたいと思うので、その件について再度質問したいと思います。 ○議長(岩佐弘明) 中沢議員に申し上げます。最後の質問は、知事会のお話が出たんですけども、それでも健康医療福祉部長に質問ということでよろしいんですか。 ◆44番(中沢啓子議員) 聞きたいのは知事ですけれども、質問として最初のときに知事にお伺いしてないので、健康医療福祉部長を通して知事にぜひということを質問させていただきます。 ◎知事(三日月大造) 私に賜りました最初の再質問にお答えいたしますと、最後もこれをいただきましたけど、長生きできるようになって、長生きできる人の数が増えて、その老後をどのようにみんなで支えてみとっていくのかというのは、これは国家的課題だと思います。そういう時代の到来を見通しながら、この間、先ほど健康医療福祉部長が答弁いたしましたように、在宅医療ですとか介護を支援する訪問看護師、また介護職員、ケアマネジャー、一定数を皆様方の御尽力もあって増やしてきた。ただ、ケアマネジャーについては、介護支援専門員証は約3,800人持ってはるけれども、実際県内で従事していらっしゃる方が1,900人という、こういう状況もあるということだと思います。したがって、処遇改善もそうです。そして、より、何ていうんでしょうか、現場を充足する人材を確保する、配置する、そして、必要な研修等、スキルアップ、レベルアップのための研修を現場の理解を得ながら受けていただけるような、そういうことも可能になる体制を確保していくということがとても重要なことだと思いますので、そういったことがなるよう、先ほど答弁した取組をしっかりと進めると同時に、もし進まないとするならば、その隘路を解消するための提言や改善策等を国にもしっかりと申し上げていきたいと存じます。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  ケアマネジャーの関係でございますけれども、なかなか知事のほうに現場に足を運んでいただいている機会が少ないとは我々も思っておりますので、そういった機会も考えてまいりたいと存じますし、あと、処遇改善につきましては、3年間にわたり私のほうから要望活動しておりますが、政府要望の中でも、報酬改定の時期が迫ってまいりました。国のほうでは介護保険の見直しに関して意見がもう取りまとめられておりますので、ぜひとも居宅介護支援の報酬改定につながるよう働きかけていただけるように知事会等にもお願いしてまいりたいと思います。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、44番中沢啓子議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時1分 休憩    ────────────────   午後1時 開議 ○議長(岩佐弘明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、12番松本利寛議員の発言を許します。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇、拍手)ロシアがウクライナの主権を侵害をして、軍事侵略をして1年になりました。今日、この後、ロシアのウクライナへの軍事侵略を非難するとともに、即時撤退の求める決議が上程をされています。私どもも、この決議の立場が貫徹されるように、ぜひ引き続いて奮闘していきたいと思います。  さて、知事は、昨年の12月の議会で節木議員の質問に答えて、「国スポ・障スポ大会に向けた準備投資が県財政を厳しくしている要因になっている」と答えられていますが、今回、国スポ・障スポ大会の開催経費の再試算が行われ、総額46億円も増額する必要があるとされました。この増額によって国スポ・障スポ関連予算は約600億円という巨額の経費に膨張しています。改めて、巨額の国スポ・障スポ関連経費が県の財政運営を厳しくしている要因であるとの認識について変わりはないか、知事に伺います。 ○議長(岩佐弘明) 12番松本利寛議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  昨年12月にも答えさせていただいておりますが、国スポ・障スポ開催経費や開催のための投資などが県財政を厳しくしている要因の一つだと認識しています。併せまして、事業費は大きいが、両大会の開催が本県のスポーツを取り巻く環境を大きく前進させ、県民の健康づくりや地域の活性化に向けた起爆剤とするための必要な投資とも認識しているところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)巨額の経費が県の財政運営を厳しくしているという認識のようですが、さらにその予算を増額しようとする要因は何なのか、まず伺います。当初の計画では67億円とされていた開催経費が37億も増額し、104億円に膨張した要因と使途について、文化スポーツ部長に伺います。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) (登壇)お答えいたします。  開催経費につきましては、開閉会式の実施や競技会運営に係る経費でございまして、これまで平成15年から21年の先催県の平均額を踏まえて試算してまいりました。今回、直近の先催県の開催経費や本県の実情を加味して改めて試算したところでございます。  平成15年から21年までに開催された大会と比較しますと、競技の種目数が5種目増えていることや、県運営競技が5競技になったことが県の開催経費を増加させている要因の一つであると考えています。加えまして、この間の消費税率の変更や労務費や資材単価の高騰などが直近の開催経費が増加している要因であると分析しております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)37億円も膨張するという必要性について、いまいち説明は不十分ではないかというふうに思うんですが、当初10億円とされた市町村が担うスポーツ施設の整備費が、これもまた7億も増額されていますが、整備する施設とその原因について、文化スポーツ部長に伺います。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) お答えいたします。  市町競技施設整備費補助金につきましては、これまで各施設の改修等の規模が明らかになれば修正するということを前提に先催県の平均額で試算してきたところでございます。今年度でおおむね半分の施設の整備が完了する予定でございますが、施設整備基準を満たすための対応、あるいは中央の競技団体の正規視察における指摘事項への対応などが必要でございまして、先催県の施設の状況との違いなどから約7億円の増額が必要な見込みでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)東近江市で行われるカヌー競技の競技場としての伊庭内湖の浚渫が必要だという話を仄聞しますが、この7億の中にこの経費は含まれるんですか。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) お答えいたします。  今ほど申し上げましたもともとの試算でいうと先催県の平均額ということだったんですが、今御指摘のあった伊庭内湖については、その後に具体的に生じた内容ということで、増額の要因の一つであると考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)2つの意味でこれは問題があるんじゃないかと。1つは、内湖を底質も含めて攪拌することによって水質の問題に影響を与えないのかという問題だとか、それから、そもそもそういう底が浅いという点で、ここに設定をしたこと自体に最初から問題があったのではないか、その2点について再質問します。文化部長です。 ○議長(岩佐弘明) すいません、松本議員、一問一答ですので、1つずつ質問し、答弁いただきたいと思います。 ◆12番(松本利寛議員) じゃ、前段。すいません。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) もともとの金額の想定の中では、伊庭内湖については先ほど申しましたような状況でございましたが、経緯でいうと、平成29年の7月に伊庭内湖の特設コースを決定したという状況でございます。その中では、浚渫における環境への影響についてでございますが、ほかに例えば西の湖とかの事例で申し上げましても、浚渫におきましては、ほかに影響がないように水の中に壁というかを造ってやっていくというような手法をやっておりますので、今後とも、この伊庭内湖について、浚渫を仮に行う場合におきましても、そのような環境に影響がないように最小限にやってまいりたいと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)西の湖はいまだに浄化されないということで、県自身も調査の対象にして、どうしたらいいのかという検討してるわけですね。そこに伊庭内湖も同じような内湖として底質を攪拌すれば、そういう可能性が十分にあるということをまず指摘をしておきたいというふうに思います。  時間の関係で次に移ります。  さらに増額の問題ですが、当初36億円とされていた競技力向上対策費が3億円も増額をされて39億円に膨張した原因について、文化スポーツ部長に伺います。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) お答えいたします。  これまで、競技力向上対策費につきましては、先催県の状況を踏まえまして36億円の所要額を見込んでおりました。開催の2年前となりまして、本県として取り組むべき課題が明らかになってまいりまして、対策経費としての積み上げが可能となってまいりました。昨年──令和4年の5月に成年選手の確保計画をまとめまして、開催年までに確保すべき選手の数の概要が定まったことを受けまして、改めて試算を行いました結果、約3億円の増額となったものでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)今申し上げた増額分を含めて、彦根の総合スポーツ公園や滋賀アリーナ、温水プールなどの大規模施設の整備と、今回増額された市町整備費、開催経費など、合計すると593億円もの巨額の経費になります。  2019年に知事が会長を務める国スポ・障スポ開催準備委員会が定めた大会開催基本方針と、これに基づく基本構想の実施目標6に、滋賀の未来に負担を残さない大会が目標とされ、その第1に大会運営の簡素、効率化が掲げられ、「開催準備から大会運営に至る全ての取組において簡素・効率化を図ります」と明記され、その2に、財政負担を考慮した施設整備として、施設は既存施設活用を基本とし、事業費を抑制すると規定されています。この巨額の国スポ経費は基本方針に反する大会準備になってるのではありませんか。今、大会準備経費を先催県の平均値で改めて見直したというふうに言われるんでしたら、総額そのものも先催県の平均値で見直したらどうかというふうに思います。  さらに、今後、令和5年の鹿児島、6年の佐賀大会の状況を見て、経費のさらなる増額の可能性があり、今後の県警の警備費などを考慮すると、優に600億円を超える開催経費に膨張すると考えられますが、知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) まず、本県は、昭和56年以来44年ぶりにこの2つの大会を開催することとなります。したがって、全国からアスリートをお迎えする、そしてよりよい大会をやる、さらにはそのことに必要な施設の整備をする、こういうことに努めてまいりました。確かに大きな投資になります。他の都道府県との比較ということも言及されましたけれども、それは、それぞれの持ってる施設の状況、更新の時期、そういうものにもよると思いますので、その比較は一概には比較し難いものもあるのではないかと思っております。ただ、大きな投資ではありますが、先ほども申し上げましたように、県民の健康づくりでありますとか、それぞれのスポーツ振興でありますとか、こういうことに資する必要かつ有効な投資にすべく我々は努めていきたいと思っておりますし、その中にありましても、使えるものは使って、そして更新等につきましても必要最小限のものにしながらということは旨とし、現在進めているところでございますので、そういったことを県民の皆様方にもしっかりと丁寧にお示しをしていきたい。もって、健康しが、バージョンアップさせて推進する、その施設として有効活用させていただきたいと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)私は、この基本方針や基本構想の明確な明文に大きく逸脱してるというふうに思います。改めてこれはまた後で取り上げますが、この膨張した開催経費を踏まえて、知事はさきの代表質問で、市町の施設整備含め大会関係経費が930億円に及び、これとともに国スポ・障スポの経済波及効果を計算すると1,184億円と見込んでいると答弁されましたが、知事のこの答弁、経済波及効果と捉えられた知事の見識を問いたいというふうに思います。 ◎知事(三日月大造) 私が言った答弁の見識を問いたいとお尋ねいただきましたが、こういった公共投資をした際のその経済波及効果の算出の仕方につきましては、この分析ツールも持ち合わせておりますので、こういった公共投資をさせていただいた波及効果としてお示しをしたものでございます。これは先催県等でも行われていることでありますので、その事実として公表させていただいたところであります。  ただ、なかなかそういったことを御存じいただけてないことでありますとか、そういったことはまだまだあると思いますので、丁寧かつ十分な説明を尽くしてまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)経済波及効果を算出する諸式については承知してるわけですが、効果と捉えているのは施設の建設費、言わば大規模な公共工事です。公共工事を行えば、お金の流れが生まれるのは当たり前で、国スポの効果をはかるものでは決してありません。大規模公共工事の受注の中心は県内のゼネコンです。しかも、この公共工事の利益の多くは県外に持ち出されてしまうという性格があります。同時に、スポーツ大会の波及効果の捉え方が極めて問題があるというふうに思います。国スポの目的は、スポーツを普及し、スポーツ精神を高揚し、国民の健康増進と体力の向上を図り、スポーツの振興と文化の発展に寄与することです。大規模公共工事による経済的な波及効果が目的ではありません。スポーツの振興を通じた県民の健康増進です。この視点を欠いて経済波及効果と捉える知事の見識はいかがなものかと言わざるを得ません。国スポの目的と広めるべき効果について、知事に再度伺います。 ◎知事(三日月大造) 尊敬する松本先生のお言葉でございますが、一定の公共投資を行ったときの経済波及効果というものを算出する手法というのはあると思います。おっしゃったとおり、こうやって公共投資をさせていただいて、その国スポ・障スポ大会の効果やいかんということであれば、もっと広く、健康でありますとか、地域経済に及ぼす効果というもので測定することも可能だと思いますが、一定の公共投資を行った乗数効果としてお示しをさせていただいているものでございますので、そういったことを御理解いただければと思います。ただ、せっかくこれだけの投資をし、こういった大きなイベントをさせていただきますので、そういったものが地域活性化に役立ってるんだなということを皆様方にも分かっていただき、実感していただくことが重要だと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)2017年に東京都がオリンピック、パラリンピックについて経済波及効果を試算をしています。この試算では、公共工事とは別に、スポーツ実施者や観戦者の増加、障害者スポーツの振興、都民参加のスポーツ、文化、教育への波及効果等を指標にレガシー効果を算出しています。こうした視点こそ重要です。  しかし、残念ながら、その東京オリンピックも、商業化された運営形態の弊害が現れ、電通、博報堂など大手広告代理店によるスポンサー契約をめぐって汚職事件が相次ぎ、大会組織委員会理事や広告大手の元社長などが逮捕、起訴されています。大企業をめぐる汚職事件に発展し、国を挙げたスポーツイベントの利権をめぐる構造的な問題が明らかになりました。国民のオリンピックとスポーツイベントに対する信頼を著しく傷つけました。  改めて知事に伺いますが、県内での大きなスポーツイベントとなる国スポ開催に際して、スポーツ大会の意義や役割について、もう一度知事の認識を伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 私は大きく3つあると思います。まず1つは、私たち県民が、そして広く県民の皆さんが、より一層スポーツに身近に楽しむことができる環境づくり、これが大きく1つあると思います。そして、2つ目といたしましては、健康、体力の保持増進でありますとか競技力の向上、こういったことによる効果、こういった目的ということがあるのと同時に、障害者スポーツ大会も開催させていただくと、そして、みんなで支え合ってこういった大会を盛り上げていくという意味においては、障害に対する理解を深める、障害のある方の社会参加促進をする、もって共生社会を実現していくということもあるのだと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)何度も申し上げますが、国スポ・障スポ開催の基本構想の実施目標6は、滋賀の未来に負担を残さない大会です。しかし、既に施設建設に巨額の資金が投じられて、建設された施設について、今後、多額の管理運営経費が必要となりますが、PFI事業における今後の整備費の支払いも含め、新施設の今後の運営経費について知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) まず、滋賀ダイハツアリーナにつきましては、PFI方式により整備を進めてまいりました。整備費の分割も含め、年間おおむね6億5,000万円の支払いを見込んでおります。  また、彦根総合スポーツ公園につきましては、指定管理料として年間おおむね1億7,000万円の支払いを見込んでいるところです。  加えまして、(仮称)草津市立プールにつきましては、草津市に対しまして、PFI方式による整備費の分割も含め、施設完成後は年間おおむね4億8,000万円の財政支援を行うこととしているところです。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)国スポ・障スポ開催に当たり、県は簡素で効率的な国スポを掲げてきましたが、今後の管理運営経費も含めて、あまりにも巨額の国スポ・障スポ開催経費になっています。2018年2月の財政収支見直し再計算で、国体・障スポ大会関係費を451億円とされていました。ところが、その後、増額増額を繰り返し、今や600億円の巨額の経費に膨張しています。先催県の状況から見ても異常です。福井では227億円、岩手では118億円、和歌山では300億です。  知事は、来年度、「子ども、子ども、子ども」と子ども施策の充実を掲げておられるが、この間の県の財政運営は、「子ども、子ども」ではなくて「国スポ、国スポ、国スポ」です。国スポによる厳しい財政運営によって、子供の医療費の無料化を求める県民の声や、障害児学校の分離新設を願う保護者の皆さんの声も、大学の授業料減免を求めた県立大学の学生の皆さんの請願など、子ども施策に係る県民の声が後景に追いやられています。改めて、県が掲げた国スポ開催の基本方針に立ち返って、簡素で効率的で意味のある国スポ・障スポとなるよう、巨額国スポ経費の見直しを求めるものですが、再度知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) 国スポ開催まで944日となっております。  この両大会の開催準備に当たりましては、これまで県内の既存施設の活用を基本としつつ、滋賀の将来のスポーツ振興に必要な施設については投資を行ってまいりました。これからもその旨で行ってまいります。  また、開催経費につきましても、これまでから精査削減に取り組んできており、今後開催されます鹿児島県、そして佐賀県の内容も分析させていただいて、滋賀の大会として、すること、また、しないことを精査し、簡素で効率的な大会を目指してまいりたいと存じます。  両大会の開催は、本県のスポーツ環境を大きく前進させる好機であります。また、県民の健康づくりや地域活性化に向けた大会になるようしっかりと準備を進めていきたいと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)先ほど申し上げました東京オリンピックのレガシー効果について、これはきちっと県が、どういうレガシーを残すのかということも含めて、やっぱりこれだけ金をかけてるんだから、きちっとやるべきだと。同時に、開催経費について、先催県の平均値取るんだったら、開催総経費についても先催県の平均値ぐらいに努力していただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。  それでは、次に移ります。  次に、国民スポーツ大会の主会場と彦根インターを結ぶ道路工事の変更契約締結が今議会に上程されていますが、この原松原線補助都市計画街路工事の工事費が大きく膨張したことについて、土木交通部長に伺います。  まず、国道8号線古沢町交差点から国道306号線外町交差点間のトンネルを含む全体事業費について、ルート決定時と現在の全体事業費および今回のトンネル工事の発注から今日までの設計変更、変更契約による工事費が膨張した経緯について伺います。 ◎土木交通部長(門間俊幸) (登壇)お答えいたします。  バイパストンネル案の全体事業費は、平成15年のルート決定時に約40億円と試算しておりました。それに対し、現在での全体事業費は、トンネル工事費の増額を含め、約156億円を見込んでおりますが、平成15年当時は概略設計の段階でございまして、試算には、市道の付け替えや交差点改良の関連工事費、トンネルの区分地上権などの費用が含まれていないことや、平成15年度から約20年がたち、資材価格や人件費等が上昇していることなどを考慮しますと、単純には比較できないものと考えております。  次に、原松原線トンネル工事につきましては、当初契約を平成31年3月に49億7,642万4,000円で締結し、その後、事業の進捗に応じて変更を重ね、今2月定例会議におきまして契約額変更の議案を提出しているところでございまして、契約変更後の契約額は93億9,573万8,900円となっております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)ルート全体の経費が4倍近く膨張すると同時に、トンネル工事自身も49億7,000万から93億9,000万円と、実に1.89倍に工事費が膨張しました。その原因について、改めて部長にお伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  主な原因につきましては、当初の想定よりも地質がもろく、トンネル掘削に必要な補助工法を追加する必要が生じたこと、また、法の基準値を超える重金属を含む区間が多く、処理の必要な土砂量が増加したことなどによりまして工事費が増加したものでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)その膨張の要因になったもろい地質や自然由来のヒ素含有を含むことを把握したのは、当初の事業計画段階から把握されていたのか、いつの時点で把握されたのか伺います。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  平成15年の事業計画段階では、既往の文献調査で岩質や地層の形成年代等から地質の特徴を把握しておりましたが、地質の硬さの程度や重金属の有無については把握しておりませんでした。もろい地質であることや基準値を超える重金属の含有につきまして、トンネルの設計に先立ち実施しました平成22年度のボーリング調査で採取しましたコアを分析した時点で把握いたしました。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)この事業は、国民スポーツ大会の主会場と彦根インターを結ぶ道路として、国道8号線の渋滞解消を目的に計画されていますが、本事業のルート決定の検討はいかに行われてきたのか、土木交通部長に伺います。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  原松原線の事業は、国道306号外町交差点の渋滞対策として計画し、そのルートは、平成15年度に学識経験者や地元住民の方、道路利用者、各道路管理者で構成します外町交差点周辺渋滞対策検討委員会において検討の上、決定したものでございます。  なお、当委員会では、現在のバイパストンネル案のほか、現道拡幅案、外町交差点の立体交差案につきまして比較検討を行い、経済性のみならず、沿道の土地利用への影響、工事中の現道交通への影響、供用開始までの時間などを総合的に判断してバイパストンネル案を選定したものでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)この事業の費用対効果は検討されたのか。少なくとも3ルートと3つの工法について検討があったと聞きましたが、それぞれのルート決定時の費用対効果の検討経過について伺います。 ◎土木交通部長(門間俊幸) 当事業の費用対効果につきましては、社会資本整備総合交付金の採択時の要件ではなかったというふうなことから、国の費用便益分析マニュアルに基づき算出はしておりません。  なお、先ほどの検討委員会におきましては、3つの対策案の事業効果を比較するため、渋滞改善の効果を金額に換算し、これを事業費で除した数値を費用便益比として提示しております。費用便益比は、ルート案の比較検討のための一要素として提示したものでございまして、ルートは様々な要素を総合的に勘案して決定しております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)では、このルート決定時点で、先ほど費用の膨張の原因になった土質状況の把握はどの程度されていたのかお伺いします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  平成22年度のボーリング調査や弾性波探査の結果、もろい地質であります破砕帯の確認はいたしておりました。それ以外では、比較的硬い岩質を示しておりましたけれども、産出しましたサンプルには小さな割れ目が多く見られたことから、工事により掘削を行った場合には、地山に緩みが生じる傾向があることを把握いたしました。また、産出したサンプルの土質試験の結果から、基準値を超える重金属の存在を把握しておりました。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)(資料掲示)これはトンネル掘削の前に試掘された湖東土木事務所の資料ですが、当初の今部長おっしゃられたルート決定時点ぐらいでのトンネルの掘削状況によると、硬い地層ともろい層の比率が、当初設計では7対3で硬い地盤のほうが多かったと。ところが、実績では逆転して、2対8になって逆転をしてしまっています。また、重金属の含有も、当初の12%から実績では48%まで、下の表ですけども、48%と4倍にまで広がってしまっています。このもろい地質の比率も、ヒ素含有の土壌の割合も、当初設計時のボーリング調査と実績との間の乖離が大き過ぎるのではないかというふうに思います。調査が不十分ではなかったのか、土木交通部長に伺います。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  国の設計便覧や道路トンネル技術基準に基づきまして、複雑な地質の可能性のある箇所を含めまして10本のボーリング調査を実施いたしました。さらに、そのボーリング孔、穴でございますけど、それを活用して地盤の硬さをはかる調査を実施した上で設計をいたしております。  また、重金属につきましては、地質の専門家に意見聴取を行い、破砕帯全てに存在するものと推計し、設計をいたしております。  こうした調査や設計につきましては、令和3年度に設置しました専門家によりますトンネル技術検討委員会において、妥当な考え方であると評価されており、事前の調査には問題がなかったものと認識しております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)この事業が、国体主会場とインターを結ぶ国スポ関連事業であり、2025年の国スポ開催までに完成という期限があり、事前の十分な調査の余裕がなく、トンネル工事に着手せざるを得なかったのではないか、改めて土木交通部長に伺います。
    土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  当時の国民体育大会は、平成25年度2月県議会において本県に招致することが表明されました。一方、トンネル工事に必要な調査、設計等は、国スポ招致表明前の平成23年度に完了しております。その後、関係機関等との協議、調整を経まして、平成30年度にトンネル工事に着手したものでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)国土交通省の土木事業に関連する学協会と連携して、土木事業における地質・地盤リスクマネジメント検討委員会が組織をされ、その成果を地質・地盤リスクマネジメントのガイドラインとしてまとめられて、令和2年3月に地質・地盤リスクマネジメントのガイドラインとして公表をされました。そして、近畿地方整備局も、地質リスク低減のための調査・設計マニュアル改訂版を令和3年3月に公表しています。こうした国の動きについて、県としてどの程度把握されていたのか。早い段階で、このガイドラインにあるように、道路概略設計(ルート帯の検討時)、それから道路予備設計(ルート中心線の検討)、道路予備設計(幅ぐいの検討)、それから道路詳細設計、そして施工というふうに至る工程の中で、ルートを決定するまでの段階でしっかりした公共工事における地盤リスクの事前調査を十分に行っていれば、工費の大幅な増額という事態は避けられたのではないか、土木交通部長に伺います。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  ルート決定時の地質リスクの検討は、議員御案内のマニュアルでは、広範囲で大局的な調査を目的とするもので、地形地質文献資料等の収集整理を実施するとされており、ボーリング等の詳細な調査を行うものではございません。  今回設計時には、付加体と呼ばれます特殊な地層であることを踏まえまして、国の基準以上の調査を行い、もろい地層や重金属が存在する範囲を推定し、補助工法や重金属の処理費を計上して工事を発注したところでございます。実際には、想定を上回り、広範囲にもろい地層や重金属が存在し、工事費が増加いたしましたが、当時の設計に必要な調査は実施したものと考えております。  先ほどのトンネル技術検討委員会からは、当初の調査設計の考え方は妥当であったものと評価をいただいたものの、ボーリングの長さや追加の箇所につきまして、事業費の変動リスクを含めて検討することや、同様の地山条件が認められる場合には、計画検討する際や設計時において今回の知見を生かす必要があるとの御提言もいただいているところでございます。  これら御提言を真摯に受け止めるとともに、議員御案内いただきました地質・地盤ガイドライン等に基づきまして、地質リスクを事業に反映させ、今後は大幅な増額変更が生じないように努めてまいりたいと考えております。  また、既にトンネル工事はもう貫通しております。今後は、安全に一刻も早く供用させ、効果を発現させてまいります。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)この項の最後に知事に伺いますが、公共事業は一旦始まったらなかなか止まりません。止めないで、だんだんだんだん工事費が膨張していくという、そういう性格を帯びています。だから、改めて、この事業が国スポ関連の事業であり、事業の完成時があらかじめ決まっている中で事業が進められて、ルート決定時、工法決定時までに十分な予備調査が実施できなかったのではないかというふうに私は思います。改めて、全体事業費が、当初の事業計画の40億円が160億円近くに、事業費で言わば4倍に拡大をしています。事業の方法の選択が正しかったのか、ルート決定が正しかったのか、改めて事業全体を検証するべきだというふうに考えるんですが、知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) 今お尋ねいただいているこのテーマ、事業費の大幅な増額により、県財政、ひいては県民の皆様に御負担をおかけすることになり、このことは重く受け止めているところでございます。  一方で、彦根市中心部の外町交差点の渋滞、これは県民生活や経済活動への影響が大変大きく、一日でも早くその解消を図り、事業効果を発現させる必要がありましたことから、事業の実施については妥当であったと考えております。  しかしながら、当該事業は大きな予算を投入して実施したものであり、事業完了後には、周辺の交通量の変化などを把握いたしまして、バイパス整備による事業効果の検証も行い、県民の皆様に分かりやすくお示ししていきたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)まだルート決定はされていませんが、国道8号線バイパス、この事業計画の概要によると、国道8号線バイパスは彦根インターよりも東側を通過するという計画がなされているように思います。だとすると、今の彦根インターと旧の国道8号線を結ぶ道路の混雑状況というのは、ある一定解消されるのではないかという気がします。そういう点からいって、改めて、都市計画上、この道路、このトンネルが本当に必要だったのかということも含めて、その時点になったら問われるのではないかという気がします。そういう全体的な将来的な都市計画も含めて道路のルート決定をきっちりやる必要があるのではないかということを申し上げておきたいというふうに思います。  次に移ります。  政府は、原発の新設、増設と再稼働を気候変動対策と結びつけて、グリーントランスフォーメーションの実現に向けた基本方針を閣議決定いたしました。今日まで、甚大な被害を引き起こした福島原発事故を受けて、原発の新増設を抑制し、老朽原発の再稼働も使用期限の上限を設けて規制してきました。しかし、今回の政府が決定したGX、いわゆるグリーントランスフォーメーションは、次世代原発の開発とリプレース──建て替えを推進し、60年超の老朽原発の運転を認めるという原発政策の大転換を行うものです。原発回帰は止めるべきであります。政府のGX基本方針は、本県の原子力防災対策や温暖化防止対策、CO2削減対策と深く関わり、県民の命と安全に関わる重大な問題です。この政府の基本方針に対する知事の認識を以下の項目に沿って問うものであります。  福井の原発群には40年超の老朽原発が存在をします。40年を超える原発をさらに60年を超えて稼働させることは、交換できない原子炉格納容器等が中性子照射によって脆弱化し、深刻な原発事故につながる危険なものです。県民の命と安全に関わる重大な問題であり、60年超の原発再稼働は認めるべきでないと考えますが、いかがでしょうか。  政府は、原子炉の安全性をより高めた次世代革新炉と呼ばれる改良型原発を開発、建設していくとしていますが、この次世代革新炉なるものは、既存の大型炉の仕組みそのものを生かしたものです。福島で起きたメルトダウンを引き起こす基本構造には何も変わりはありません。次世代革新炉という偽りの看板の掛け替えで新増設を進めるべきではありません。  3つ目、原子力発電は、依然としてトイレのないマンションを建設し続けるものです。持続可能なエネルギー政策ではありません。核廃棄物処理は依然未解決であり、推進するべきではありません。  4、原発回帰のエネルギー政策は、再生可能エネルギーの拡充にとって障害になっています。この間、配送電会社は、原発や化石燃料由来の電力を優先し、再生可能エネルギー電力の配送電網への接続を制限してきました。これは再生可能エネルギーの普及を阻害するものです。原発回帰のエネルギー政策は、こうした傾向をさらに強めるものと言わなければならないと思います。  5番、再生可能エネルギーのコストは大きく低減し、電力の生産コストの面からも原発はコスト高です。また、20年から30年もかかる原発建設のスピードから見ても、原子力発電が急を要する気候変動対策に役立たない電力であることは明らかだというふうに思います。  大きな2番目、国の原発回帰のGX政策は、気候変動対策に係るイノベーションを抑制します。したがって、より高みを目指すとした県のCO2削減対策の強化が一層求められます。2030年までの県のCO2削減目標は711万トンです。この711万トンの年次別の到達目標と県の施策で削減を目指す数値を明示をしながら進行管理を行う必要があると考えます。  以上の項目について、知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) 6点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目、答える前に、これまで約50年にわたり原子力発電の立地を受け入れ、電力の安定供給に御協力いただいてきた福井県をはじめとする立地自治体の住民の皆様に敬意を表しますとともに、原子力発電所の安全確保等に御尽力いただいている方々に感謝したいと思います。  その上で、1点目、60年超の原発の活用についてでございますが、安全性を国が責任を持って審査し判断されたものが運転されると理解しておりますが、住民の不安感は払拭されていないと受け止めており、国においてしっかりと説明責任を果たしていただきたいと考えます。  2点目、原発の新増設についてでございますが、次世代革新炉なるものの導入は、まだ具体的な詳細が明らかになっていないため、今後の動向を見ていく必要があると考えております。しかしながら、新技術によりオンサイトのハード面で安全性が向上したとしても、実効性ある多重防護体制の構築には、1つは、オンサイトの安全対策のみならずオフサイトの防災対策も必要である、2つ目は、ハード整備のみならずソフト対策も併せて講じる必要がありますほか、3つ目、立地自治体のみならず周辺自治体での取組や、4つ目、事業者との連携協力体制の法定化なども含めてその取組は道半ばでありますことから、次世代革新炉でありましても、原発に頼り続けることは難しいという状況に変わりはないと認識しております。  3点目、放射性廃棄物の処理については、これ、いわゆる静脈の問題です。長期にわたって安全に管理しつつ、適切に処理、処分を進めていくことが重要な課題であると認識しております。このことにつきましては、将来世代に負担を先送りしないよう対策を進めることが重要であり、国が前面に立って取組を進めていくべきものと考えます。現在、政府の責任において高レベル放射性廃棄物の最終処分の実現に向けた取組の強化が検討されていると承知をしており、引き続きこの動向等を注視してまいりたいと存じます。  4点目の出力抑制についてでございますが、安定的な電力の供給を維持するためには、電力の需要と供給を常に一致させる必要があります。太陽光や風力などの自然状況によって出力が左右される再生可能エネルギーの積極的な活用につきましては、既存電源の活用や送配電網の空き容量など、様々な課題が存在いたします。そのため、国としても再生可能エネルギーの主力電源化を目指し、送配電網の増強や電源接続時のルールの見直しなどの議論が進められており、このことにも県としても注目してまいりたいと存じます。  5点目、気候変動対策としての原発の有用性についてでございますが、原発は排出係数ゼロとされており、持続可能な経済活動を分類する制度であるEUタクソノミーにおいてもグリーンと位置づけられております。しかしながら、原発は多重防護体制が不十分であるということだとか、先ほども申し上げた静脈の問題などの課題が存在しており、真に持続可能な電源ではないと考えております。そのため、県といたしましても、これまで安全・安心最優先のエネルギー政策の早期実現を国に要望してきたところであり、太陽光発電をはじめとする自立分散型の再生可能エネルギーの導入を促進してまいりたいと存じます。  最後、6点目、年次別削減目標等の明示についてでございますが、温室効果ガス排出量の算定に当たりましては、電気の排出係数の変動や技術革新等による取組の加速化など多くの不確定要素が存在し、年次目標の設定は適当ではないと考えているところでございます。一方、今年度に新たに設置いたしましたCO2ネットゼロ社会づくり審議会におきましても、委員からCO2削減に向けた取組状況を分かりやすく報告する必要があるとの御指摘もいただいたところでございます。そのため、先日公表いたしました推進計画の関連事業の実施状況におきまして、年次ごとの温室効果ガス排出量の目安を示すなど進捗状況を明らかにしたところであり、引き続き見える化を進めて理解の醸成に努めてまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)私は、議員にならしていただく前から、今、大津地裁で行われています福井原発群の訴訟の原告の一員でありました。ずっと関西電力を被告とする裁判の席に座ってまいりましたが、関西電力の主張が、結局、規制委員会が安全だと言うから安全なんですと、この一言で尽きる答弁をしてるわけですね。これはきっぱり今までの安全神話がそのまま踏襲をされてるということにしかすぎないというふうに思います。なぜ安全なのか、地震に対してなぜ安全なのか、そういうことの返答や答弁は一切ありません。全部規制委員会が大丈夫ですと言ってるから大丈夫ですという、そういう裁判における論争になってしまっています。改めてそういう点からいくと、規制委員会が様々な規制をしてるから大丈夫だろうということには決してならないということを申し上げて私の発言は終わります。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、12番松本利寛議員の質問を終了いたします。  次に、3番井狩辰也議員の発言を許します。 ◆3番(井狩辰也議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして一般質問させていただきます。  希望が丘文化公園の活性化について、知事ならびに文化スポーツ部長に分割方式で質問いたします。  希望が丘文化公園は、野洲市、湖南市、竜王町の2市1町にまたがる416ヘクタールの広大な自然公園であり、昭和47年に開園し、開園50年となっております。その後、長年にわたり県内外の多くの方に親しまれてきましたが、一方で、青少年宿泊研修所や野外活動施設の利用の減少のほか、公園内施設の老朽化が進んでおり、これらの課題に十分に対応できていない状況であります。  当局では、このような状況を踏まえ、公園全体の魅力を向上させるために、滋賀県希望が丘文化公園活性化方針を策定されようとしており、現在、骨子案が示されているところであります。  昭和47年開設時から、周辺の状況は一変し、名神高速道路竜王インターチェンジが昭和56年に新設されるとともに、平成21年には三井アウトレットパーク滋賀竜王が開業しております。これらの交通アクセスやにぎわい等の環境変化は、希望が丘文化公園にとって有益なものばかりでありますが、このチャンスを生かし切れていないと考えざるを得ません。事実として、休日、アウトレットパークにたくさんの車は来ているものの、東ゲートの駐車場は閑散としております。逆に、西ゲートの駐車場はにぎわっております。来場者にアンケートを取ることを提案しますが、西ゲート利用者は希望が丘文化公園単独の利用者が多いような気がしております。  アウトレットのにぎわいを少しでも文化公園に取り込まない手はありません。  家族連れならば、買物に飽きる子供も考えられ、帰りに公園に寄ってスポーツなどにより子供と遊ぶ時間を取りたいと考える家族は十分にあり得ます。しかしながら、県外から名神高速道路を使ってアウトレットまで来る家族は、西ゲートまでのアクセスが不便であり、諦めてしまう方も多いのではないでしょうか。そのため、東ゲートからスポーツ施設へアクセスできるとよいのではありますが、希望が丘文化公園は416ヘクタールの広大な自然公園であります。各ゾーンの移動は、歩いて行くことは難しく、園内のアクセス手段は自転車やマイクロバスとなっております。このため、公園の一体活用がとても難しい状況となっております。  そのほかにも、部活で利用される保護者の方から、西ゲートの駐車場からスポーツ施設までの距離が遠く、送迎だけでも車で行けないのかといった御意見も聞きます。  方針の骨子案では、一般車両の限定的な通行の許可を検討するとなっておりますが、希望が丘文化公園を活性化させるためには、安全性と利便性を両立するためには、運用の変更だけでなく、もう少し思い切ったことをしなければならないと考えます。  このため、例えば、公園内に自動車専用道路を新設し、歩行者立入禁止区域を設定する、または、東ゲートからの車がスポーツ施設に近いところに駐車できるようにするなど、公園内の安全を確保しながら利便性を高める基盤整備を行うことが必要と考えますが、その障壁と実現可能性について、知事の所見を伺います。  新型コロナの影響により、キャンプ場やグランピングが盛り上がっております。人気のあるキャンプ場の特徴としては、風呂場や清潔なトイレ、食器洗い場などの施設が併設されるとともに、まきや木炭等の販売、キャンプ用品一式やバーベキュー設備、子供の遊具等の貸出し、また、夏休み等の期間においてイベントを行っていることなどがあります。  私は別の委員会に所属しておりますが、琵琶湖・CO2ネットゼロ対策特別委員会で富士山の麓にあるキャンプ場ふもとっぱらに県外調査で訪れられたとのことであります。このふもとっぱらでは、人気のあるキャンプ場の特徴を全て備えており、眼前にそびえる雄大な富士山の景観も相まって、火曜日にもかかわらず、たくさんのお客さんでにぎわっていたそうであります。  希望が丘文化公園は、青年の城として宿泊施設も備え、売店等もあります。各種スポーツ、遊具、アスレチック施設もあり、また、イベント開催においても、約20年前にはドリカムワンダーランド2003が開催され、約5万人が来場された実績もあります。  しかし、青年の城があります文化ゾーンには有効活用できていないエリアも多く、キャンプ場を導入するにはうってつけの施設であります。少しの設備投資や工夫によって、すぐにでも活性化につなげられそうと思料しますが、キャンプ場拡充に対する知事の所見を伺います。  次に、青年の城の宿泊施設についてであります。  青年の城は、開園当時、近未来的な建物で注目を浴びたところであります。未来をのぞく双眼鏡のようなエントランス、ガラス張りの天井を持つ広いアトリウム、丸と四角を組み合わせた個性的なデザイン、極めつけは、6層のカプセル状の部屋が壁面に張りついたかのようなシンボリックな白いタワー、青年の塔があります。  先輩の議員に伺いますと、希望が丘文化公園のそばを通るたびにそびえ立つ青年の塔が見え、滋賀県にもすごい建物があることを誇りに思ったとのことです。また、子供の頃、宿泊施設に泊まったときには、カプセル施設の中で秘密基地のようなわくわく感を感じていたとのことです。大人になってからも子ども会などで活用されていたとのことで、青年の城は、自然と触れ合い、子供の情緒を育む青少年育成の場所として大きな役割を果たしてきました。  しかし、残念ながら、現在は青年の塔については解体されており、青年の城全体の施設についても、屋根や外壁が傷んで全体的に老朽化が進んでいるところであります。このため、改修することは必須でありますが、改修費用については現在どのくらいの金額を試算されているのか、文化スポーツ部長に伺います。  50年スパンで考え、改修より建て替えたほうが効率的であるのならば、青年の城は、これまでと同様に、希望が丘文化公園、また滋賀県の新たな象徴となるような建物にすべきであります。  県議会では、現在、琵琶湖・CO2ネットゼロ対策特別委員会で県産材の利用の促進に関する条例が議論され、議員提案で提出される予定でありますが、公共建築物の整備には県産材の利用義務が明記されております。また、公共建築物の整備以外にも自ら率先して県産材を利用することも明記されております。  さらに、SDGsやCO2ネットゼロに貢献する観点から、CLTを使用した10階以上の木造ビルが東京都内を中心として建設ラッシュとなっているとの一部報道もあったところであります。県産材のCLTがないことから、構造材に県産材の利用は難しいかもしれませんが、構造材以外に県産材を利用するなどし、木造の高層宿泊施設を建造すれば、CO2ネットゼロの観点からも、文化公園の自然景観の観点からも、また、青年の城に代わる滋賀県の象徴的な建物としても検討する価値はあろうかと考えますが、知事の所見を伺います。  最後に、希望が丘文化公園は、野洲市、湖南市、竜王町にまたがる広大な公園であります。これらの市町との連携はもちろんのこと、アウトレットパークなど近隣の民間業者との連携による相乗的な活性化が不可欠であります。骨子案には市町、近隣民間事業者への観光客のニーズや課題が記載されておらず、連携不足は否めません。近隣に立派な文化公園があることも知らないアウトレットパークのお客さんが多いことは大変もったいない話であります。  現在、専門の民間業者からのサウンディングを参考にしながら活性化方針を策定されようとされておられますが、市町や近隣施設に訪れる観光客のニーズ等をどのように入れて活性化方針を作成されるのか、知事に伺います。 ○議長(岩佐弘明) 3番井狩辰也議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)希望が丘文化公園の活性化というテーマで5点、うち、私には4点いただきました。  まず1点目、利便性を高める基盤整備についてでありますが、公園が持つ豊かな自然環境の保護と活用のバランスを取ることが重要だと考えています。新たな道路の新設などの基盤整備には、森林の伐採や造成工事が必要となり、自然環境への影響が大きいと考えます。そのため、既存の道路を活用して、歩行者や自転車の安全な利用のためのカラー舗装や、スポーツゾーンの空きスペースを新たな駐車場として活用することを検討しているところです。  2点目、キャンプ場の拡充についてです。  インターチェンジからのアクセスのよさや豊かな自然など、文化ゾーンが持つキャンプ場としてのポテンシャルは高いと考えており、キャンプエリアの候補地としているところです。また、キャンプだけではなく、スポーツゾーンのアスレチックなどの施設も併せて利用してもらえるよう、公園全体を一体的に活用する方策を検討しているところです。  3点目の宿泊施設についてでありますが、青年の城は築50年を経過しております。費用対効果および現在の利用者ニーズへの対応の観点から、改修ではなく、建て替えたほうがより公園の魅力向上に資すると判断しております。  青年の塔に代わる象徴的な建物としての木造高層宿泊施設の御提案をいただきましたが、宿泊施設の適正な規模や機能等につきましては、来年度末までにはお示しできるよう鋭意検討してまいります。その際には、県産材の利用も視野に、構造材や内装の木質化などに十分意を用いてまいりたいと存じます。  4点目、ニーズ等の反映についてでございますが、これまで、公園利用者や三井アウトレットパーク滋賀竜王におけるアンケートによりニーズの把握に努めてまいりましたほか、地元市町との意見交換会を実施し、御意見等を伺ってきたところです。地域と連携した取組は重要であります。地元市町からの御意見も踏まえて、市町や周辺の商業施設等と連携したイベント開催などについて、方針に盛り込みたいと考えております。  今後、近隣の市町や民間事業者との連携を一層強化することにより、多くの方にとって健康づくりや憩いの場となるよう、公園の活性化を図ってまいりたいと存じます。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) (登壇)私への1点の御質問にお答えいたします。  今年度の委託業務におきまして、青年の城の改修費用を算出いたしました。そうしたところ、電気、機械設備、あるいは屋根や外壁等の老朽化対策に加えまして、照明のLED化、多目的トイレの増設などを合わせますと約11億円となったところでございます。 ◆3番(井狩辰也議員) (登壇)ありがとうございます。  青年の城のほうは建て替えということで検討をされているということで、あと、またキャンプ場のほうもキャンプ区画の導入ということで検討されておられると、文化ゾーンにその2つを今検討されておられるということですので、ぜひ文化ゾーンとしての特色を持った形で進めていただきたいんですけれど、また一方で、スポーツゾーンのほうにもキャンプ区画のほうを導入を検討されておられるということも聞いております。私としては、やはり同じ公園内に重複した施設が存在するような形になろうかなと思うんですけれど、その辺りの現在整合性についてどのように考えておられるのか、改めて再問させていただきたいと思います。知事に質問させていただきます。 ◎知事(三日月大造) お尋ねいただきましたキャンプエリアの整備は、重要な活性化方策の一つと考えております。そのため、今後の事業者公募の際に、幅広い選択肢を提示し、積極的に事業者に応募していただきたいという観点から、強みである広大な敷地を生かし、公園全体にキャンプエリアの候補地を設けているところです。  そうした中、スポーツゾーンにおきましては、芝生ランドでの大会開催や利用者の安全に配慮することを前提に事業者の公募を行ってまいりたいと存じます。最終的には、事業者の提案を基に、公園全体を見てキャンプエリアの最適な配置を決定し、豊かな自然の下、伸び伸びと時間を過ごしていただける公園を造ってまいりたいと存じます。 ◆3番(井狩辰也議員) 終わります。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、3番井狩辰也議員の質問を終了いたします。  次に、18番大橋通伸議員の発言を許します。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇、拍手)この壇上に一般質問でこれまで24回立たせていただきました。28項目にわたり質問させていただきました。うち、12回、教育について質問させていただきました。これまで耳を傾けていただきました議員各位ならびに知事はじめ執行部の皆様、県民の皆様に感謝申し上げます。ここに25回目の登壇です。最後は教育で臨みます。今定例会議の代表質問で2つの会派が取り上げた質問、この間の一般質問との重複を避け、質問いたします。よろしくお願いします。  去る1月17日開催の令和4年度第4回滋賀県総合教育会議を傍聴させていただきました。この冒頭、三日月知事は、御自身の教育観を披瀝されました。3項目にわたった質問でした。  1つに、教育の独立性、中立性、自由な気風、2つに、「子ども、子ども、子ども」に込めた思い、一人一人の存在の尊重、社会の一員という理解、未来への規模という認識、3つに、人の弱さを大切にしたいでした。分からない、助けてと言うことができる学校や社会にしたいとのことでした。以上3つを挙げられました。  中でも、新鮮であり、温かい気持ちになれたのは、3つ目、人の弱さを大切にしたいです。教育に関し、あまた考えられる着眼点の中で、「人の弱さを大切にしたい」を取り上げられたことに深い感慨を覚えました。新年の挨拶でも触れられました。  知事に伺います。この言葉、「人の弱さを大切にしたい」には、知事御自身の御経験、そこでの発見や気づきがあってのことと拝察します。そこを教えてください。 ○議長(岩佐弘明) 18番大橋通伸議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)今回も心して答えたいと思います。  「人の弱さを大切にしたい」となぜ言ったのか、どういう経験等に基づくのかということだと思いますが、正直申し上げて、よわいを重ねてきたんだと思いますね。そして、よりよわいを重ねる例えば親の世代であるとか、なかなか親の思うとおりにならないことの関わりとか、そういうことが作用しているのかもしれません。  何より一番大きな影響は、この3年にも及ぶ感染症との闘いですね。私自身も怖かったし、そして人間は弱かったし、人間と人間が構成する社会というのはもろかったということをつくづく感じましたので、そういうことの発露として教育観の中で弱さというものに言及したのかもしれません。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)響きました。ありがとうございます。  障害者に係る活動を長らく続けてきました。確かめ合ってきたことは、障害がある人にとっての自立とは、自分にできないことを人に頼る力を身につけること、助けてほしいときに助けてと言えることでした。加えて、それに応じる人づくり、社会づくりでした。  子供は未来の大人です。しかし、子供は大人になるための準備期間を生きているのではありません。子供は、今、二度と来ない子供時代を生きています。子供時代を目いっぱい生きることが、結果、ゆくゆくの力になる、大人を生きる根っこになる。教え子たちを浮かべて、そう確信できます。この点は、知事の教育観の2つ目、一人一人の存在の尊重、子供は未来への希望という認識に通底しています。  知事に伺います。知事の子供時代の今につながる思い出を教えてください。 ◎知事(三日月大造) それでは3時間ぐらいお時間をと言いたいところですけども、簡単に申し上げれば、この御質問をいただいてから何があったかなと思いました。  1つは、私、生まれたのは京都なんですけど、少年時代、青年時代を滋賀、湖西地域で過ごしましたので、まだ開発がされておらず、自然がたくさん残るところで虫を捕ったりしながら過ごしましたので、琵琶湖で魚を捕ったりしましたので、そういう自然との関わりというのはありますね。  そして、2つ目は、スポーツ少年団だとか、いろんな様々な地域のお祭りだとか、そういう活動の中で得られた友、友達、これは今でも財産ですね。  そして、3つ目は、学校を私、好きでしたので、学校での先生方とのつながり、先生方との触れ合い、そこからの教え、こういうものは自分の人生、今に至るものを形づくってることにつながっているのではないかなと思っております。  いずれにしても、シン・ジダイの希望は子供だと思いますので、子供の今を大切にする視点が重要ではないかという議員のお考えには私も強く賛同するところです。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)1つ目も含めて御答弁ありがとうございました。  「人は人の中で人となる」、これまで何度もおっしゃってこられた知事の言葉に共感している一人です。現行の「『滋賀の教育大綱』の策定にあたって」と題した知事の教育に寄せられた文章は、事あるごとに読み返しています。知事と同僚として教育現場で働いていたとしたら、どんなにエキサイティングだったろうと想像を走らせている大橋です。  さて、今の子供たち、自然の中で戯れる機会が少なくなっています。知事と私とは15歳ほど離れていますが、知事御自身の子供時代と比べても、子供と自然との距離が遠くなっていると感じておいででしょう。小学生の私は、裏山や竹やぶで友達と秘密基地を造り、土日は一日中、武器を作ったりなんかして、そこで過ごしました。「わんぱくでもいい。たくましく育ってほしい」、こんなフレーズのコマーシャルが流れ、時の大人たちは寛容でした。けがのリスクにも寛容でした。私は伸び伸びと子供時代を送ることができました。  時代の変化にはあらがえません。今の子供たちは守ろうとされていることが多く、自分で危険や痛みを感じる機会が減っています。こうした状況からも、本県では、うみのこややまのこなどに取り組まれています。しかし、令和4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果は芳しいものではありませんでした。  知事に伺います。子供たちが自然から遠くなっている現状、また、体力が低下傾向にある現状にあって、どんな活路を見いだそうとお考えですか、お尋ねします。 ◎知事(三日月大造) どんな活路を見いだそうとするのか、これもなかなか難しい御質問だと思いますが、私は3つあるんじゃないかなと思っていて、まず1つは、とはいえ、滋賀県はまだ自然に恵まれてますし、周りに田んぼがあったり、川や湖、山がありますので、そういう中での体験、これは大事にしたいと思います。だからこそ、やまのこがある、うみのこもある、そして、たんぼのこ、こういった体験による学び、育ちというものを大事にすることが一つの活路でないかと思います。  2つ目の活路は、学校授業の中である体育、保健も含めてですけれども、この授業はみんなが参加できるものですので、その授業の充実を図ることによって体力を向上させていく、こういったことも活路だと思います。
     最後、3つ目は、義務教育段階だけではなくて、小中学校だけではなくて、もっと前の幼児期、乳幼児期から、どのように遊びを通じて体を動かすことや人と触れ合うこと、こういうことを行っていくのかということも心と体の成長には重要だと聞いておりますので、そういったところに少し目を向けて、例えば、そういったところから小学校へのつなぎですとか、そういう学校入るまでの子供たちに対するアウトリーチのアプローチですとか、そういうことがもう少しできると、より体力を向上させる活路になるのではないかと考えます。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)県内でも、森のようちえんのほか、冒険遊び場──プレーパークなどの取組が展開されているものの、そこに参加している子供たちは限定的です。長浜市で冒険遊び場のお世話をしてくださっている青年は、「けがと弁当は自分持ちが合い言葉」と屈託なく話されます。実際、そこで遊ぶ子供たちの目は輝いていました。しかし、世話人の成り手が思うように見つからないのが現状のようです。今の親世代は、私のように野山で遊びほうけた経験をお積みでないことも、こうした活動が広がりを欠く理由かもしれません。子供たちが自らで遊ぶ場所を見つけることができる環境や地域にしていくことが何よりも大事なんでしょうけれど。  子ども食堂への支援と併せて、健やかにたくましく地域で過ごす場、冒険遊び場──プレーパークなどへの支援を求めます。知事の御見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 子供たちが様々な体験や人との交流を通じて健やかに成長するため、冒険遊び場などの地域の居場所づくりは非常に重要だと考えております。これまでから、しがこども体験学校の取組などを通じて、地域での体験学習や体験活動の場づくりを進めてまいりました。さらに、今年度からは、子供の居場所づくりに取り組むNPO等への助成事業も始めているところでございまして、これら施策をさらに充実しながら様々な居場所づくりを進めてまいりたいと考えております。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)私は、子供たちを同時代ランナーと思ってきました。子供たちは、時に教師を試します。信頼に値するかです。粗暴な態度で表したり、教室に入らないという姿で表したりします。今を生きる子供たちは、今を生きる大人たちを見ています。何より教師を見ています。多少の困苦にはへこたれず、楽しくやりがいを持って生きているか、働いているか、子供たちはちゃんと教師を見ています。教員時代、子供たちに映る自分自身を意識してまいりました。  教職には有能な人に就いていただきたいと思っています。人間味にあふれる人に就いていただきたいと思っています。しかし、近年は、消去法の結果、教職を選んでいるケースが少なからずあるようです。教師を志望する学生が減ってきたことを憂い、質問します。  小中学校や高等学校で出会った憧れの先生を目標に教師を志望する生徒は相当いると思います。私の経験から思います。教職を将来の選択肢に入れている学生に向けて、知事から「滋賀で教師になろうよ」のメッセージをお願いします。 ◎知事(三日月大造) これも難しいテーマを与えていただいたなと思ってるんですけど、目の前にそういう学生さんがいらっしゃったらどう言うのかということだと思います。  私が育ってきた学生生活の中で、こういう先生と接してると面白いなと思ったのは、先生に質問したときに、「先生も分からんのや」と言わはったことと、先生は何してるときが楽しい、先生の夢はこうだと、もう意気揚々として語られる先生ですね。そして、もう1つは、やっぱり、何ていうんでしょう、いいことも悪いことも、何かつらいことも楽しいことも一緒にやろうというか、一緒に泥だらけになったり、一緒に汗かいたり、一緒に悩んだりという、こういうことをしてくださった先生との思い出というのはやっぱり鮮明に覚えてますよね。  だから、何も教壇の上に立って先生然とせずに、人間として子供たちと一緒に育ち、学び合えるような、高めていけるような、そういう教師像というのを探ってもらえればいいんじゃないかなと思いますね。  ただ、滋賀県は琵琶湖が真ん中にあって、それぞれの地域、先生中心に学校を支えようという気風や、そういう地域の風土、文化なんかもありますので、ぜひ、学校だけ、先生だけで抱えられずに、地域全体でよりよい学校をつくっていきましょう、子供たちの教育をやりましょうという、こういう考え方ができる地域だと思いますので、「先生やるなら滋賀が面白いよ」って、教育長に言わせてと言ってるんですけど、まだそういう機会、与えていただいておりませんので、これからまた相談したいなというふうに思っております。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)タブレットに目を落とさない御答弁ありがとうございました。  子供たちにとって学校は夢を見つけるところだと思っています。学校には幾つもの教科があり、幾つもの活動がありますが、それらを通して子供たちは自分自身の夢を見つけるのだと思っています。子供にこの世界はどう見えているのか、そして、そこでどんな夢を温めているのか、子供の声に耳を傾けていきたいと思います。  生徒が私の胸ぐらをつかまえて言いました。「大橋、夢を持って人生変わるんか」僕は答えました。「変わるで。夢のない人生から夢のある人生に」と。顔と顔、その距離約5センチのやり取りでした。懐かしい思い出です。桜の木は今、眠っているように見えますが、そのときを待ち、着実に力を蓄えています。  知事に伺います。私は、学校教育が果たす大切な役割の一つに、子供たちの「夢を育む」があると思います。御所見をお願いします。 ◎知事(三日月大造) 学校教育が果たす大切な役割の一つに「夢を育む」というのがあると思うが、いかんというその御質問は、私もそのとおりだと思いますね。そして、今先生が紹介してくださった「夢を持って人生変わるんか」と「変わるで。夢のない人生から夢のある人生に」また機会があったら使わせてもらいたいなと思いました。いい言葉ですよね。さすが先生やなと思って聞き入ってたんですけど。  ただ、学校もそうですし、社会、滋賀もそうだと思うんですが、子供に夢を育もうと言う大人がどれだけ夢を持ててるのかという、そういう姿勢ですとか、目の前のことを自分が経験したこと以外にいろんな選択肢があるという、いろんな世界、社会があるんだという、そういう広さを子供たちに提示してやれるかということと、もう1つは、我々も自戒せにゃならんのですけど、夢を持つ心持ちに至らない、なかなか前が向けない、なかなか周りが見れない、そういう環境にある子供たちに対する愛というか、寄り添いというか、そういうことも必要なんだろうなという、この3つのことを思いながら聞かせていただきました。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)繰り返しますが、一緒に教育活動したかったなと思っております。  先日亡くなられた漫画家の松本零士さんは、「未来は少年少女の心の中にある」という言葉を残されています。  教育現場を離れて13年になります。今、教育総研しがの研究員として、現役の教職員の声を聴き取っています。2つの声を紹介します。1つ「学校スタンダードは、あれば楽。学校で決まっているからと言えば、それで済む」、2つ「正しいことを伝えているが、その正しさで子供の言い分を切ってしまっている」この2つです。いずれも自責の念がにじみ出ています。また、「職員間で子供の話を交わす時間がない」との声もありました。  私の妻64歳は、小学校を退職後、パートで引き続き退職した小学校でお世話になっています。当てにされてかどうか、土日になると同僚とのお茶会に出かけていきます。勤務時間内ではとてもとても子供たちについて語り合う時間はないからだそうです。子供から見れば、今の多忙な先生は、話を聴いてくれる存在ではなく、マルかバツかを判断する行司役になっているのでしょうか。  夢を追いかける教師であってほしいと思います。ノルマに追いかけられる教師であってほしくないと願います。子供たちは夢を追いかける教師を待っています。知事の御答弁にあったとおりです。  今の教師が置かれている現状と、それが子供たちに与える影響について、知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) 現在、現場の先生方、教員、教師の皆様方が置かれている現状、これはよく福永教育長からも御指導いただくんですけれども、相当時間外といいますか、勤務状況、大変だということを聞いております。また、学校、教材、目の前の授業だけではなくて、時間外の活動、そして家庭への寄り添いなどにも心を砕いていてくださっておりますので、相当、何といいますか、苦労されていることが多いというふうに聞いております。  と同時に、あまりに大変過ぎて、目の前の子供と話したり、どうやということを聞いたりする時間もなかなか取れへんのやということも聞いておりますので、だからこそ、子供の笑顔を増やそうと思ったら、子供と関わる教職員の笑顔が大事なんじゃないか、まさに滋賀の格言である急がば回れじゃないですけど、そういう手法で、先生の笑顔が増えるようなプロジェクトをやろうと。したがって、現場の体制に少し余裕を持たせるとか、あと、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーの配置、部活動の支援員の配置をするだとか、そういったことごと、議会からも御理解、また御提言いただいてやってまいりました。こういうことをぜひこれからもさらに進めていけるよう努めてまいりたいと存じます。そのことが子供たちの笑顔を増やすことにつながるのではないかと考えます。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)引き続きお願い申し上げます。  さて、知事は、教育観の1つ目に教育の自由な気風を挙げられました、自分の力量を問われることは避けたい、とがめられることは避けたい、教員にそう思わせてはなりません。日々子供たちと接し、目の前の子供たちのことをよく知っている教員の自覚的、主体的な挑戦を阻むようなことがあってはなりません。教育の自由な気風を萎縮させてはなりません。教師の姿こそが子供たちに確実に伝わることを私は知っています。教育の自由な気風にどんな願いを込められたのか、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 隣で教育長、聞いてらっしゃるので緊張するんですけど、あえて自由に申し上げると、私、若輩ですけど、いろんな県内回ってまして、それぞれの地域にそれぞれの文化を大事にされる学校があるんだなと、これは規模限らずあるんだなということを実感しています。そして、先生方、それぞれ個性、能力、得意分野、苦手分野お持ちで、その授業は全部違うし、面白いし、そして楽しいなというふうに感じます。  と同時に、私は現場の先生方を信じてます。信じてますので、何か知事の体験でもって、何か公的な縛りでもって教育内容を縛るということよりも、そういう人間対人間の自由な触れ合いの中で、地域の独自の文化の中で、その年代の下の子供たちに対して諭す、そういう活動というものを信じたいし、信じてますので、そういうことを言葉にして申し上げたところでございます。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)ありがとうございました。  教育の自由な気風を子供の側から伺います。  子供たち自身による校則の自主制定の動きが各地から届いています。子供に自治の精神を育む観点から歓迎するところです。知事の教育観の2つ目、社会の一員という理解に当たります。しかし、今ある校則は禁止事項の羅列ですから、子供たち自身が自らの権利を束縛する方向に流れてしまうことには要注意です。  知事に伺います。子供たちが自分たちのことは自分たちで決めることについて、御自身が生徒会長を担われた御経験も交え、御所見をいただけると幸いです。 ◎知事(三日月大造) 生徒会長の経験よりも、みんなそうだと思いますけど、議員もそうだし、先生方もそうだと思いますけど、自分のことを自分関与せずに決められるのって嫌ですよね。時代に合わないルールがあるのって、やっぱり違うなと思いますよね。変えるべきは変えるというその自由さがあってもいいですよね。だから、そういうことだと思うんです。校則もいろんな理由があって定められてるんでしょうけど、時代に合わない、納得いかないというのであれば、変える手続を発露すればいいし、もちろん、みんなの多数決や議論によって変わらないものもあるのかもしれませんが、その自治の気風、気概というか、そういうものをぜひ持とうじゃないか、持つべきじゃないかというメッセージを投げかけているところです。そのことが主権者教育につながるのではないかと私は考えます。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)子供の声を反映させるとした本県の子ども基本条例の成立に期待しています。自分の意見が周囲に響いたと実感できる体験の積み重ねが、子供たちのさらなる社会参加につながっていくはずです。子供の出番のさらなる創出を楽しみにしています。  これ以降は教育長に伺います。  教育大綱──第4期滋賀県教育振興基本計画素案を拝見しました。これを基にした去る1月24日に開催された滋賀県教育振興基本計画審議会第3回会議を傍聴させてもいただきました。次期教育大綱の理念や骨格、また、課題解決への視座に異を唱えるものではございません。議論も価値あるものでした。それらが教育現場でフルに生かされたら、滋賀の教育はどんなに輝きを放つだろうとも思いました。  いかんせん、教育現場の教員が疲れ果てています。保護者対応も含め、身も心もすり減らしています。子供たちにとって、目の前の先生は憧れの先生、憧れの大人と映っているでしょうか。次期学校における働き方改革取組計画の策定も教育大綱と並行して進められていますが、私にはこの2つが別建てのように思えてなりません。なぜか。これまで、個々の学校に、個々の教員にそれらの理念が落とし込めてこなかったからです。教育大綱も、学校における働き方改革取組計画についても、それを読み込み、理解し合い、教育実践を問い直し、練り直す、その時間が確保できない今の学校現場にあります。私たちが思う以上に深刻です。  ここに私の現状認識をお示ししました。さきに知事にお尋ねした内容と重なりますが、教育長の立場から御認識を伺います。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えをいたします。  学校現場で日々子供たちと向き合っていただいている教職員の皆様が、滋賀の教育大綱の理念を理解し、そして納得し、そして実践することこそが、大綱の実効性を高めますとともに、目標の実現に向けての推進力になるものと認識をいたしております。  しかしながら、教員の時間外在校等時間が高止まりになっているという現状を鑑みますと、今年度末に策定予定の次期の学校における働き方改革取組計画に基づきまして、教職員の負担の軽減にこれまで以上に強力に取り組み、滋賀の教育大綱の理念の下、全ての教職員が日々の教育実践を振り返る時間を確保することが大切であり、その取組を進めてまいる所存でございます。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)2000年以降、教育改革と銘打って様々な教育政策が打ち出されてきました。一部を振り返ってみます。2002年、学習指導要領の改訂、年間授業時数の削減、ゆとり教育、完全学校週5日制。2004年、PISA、OECDの学習到達度評価の結果を受け、学力低下論争、ゆとり教育の見直し論争。2009年、教員免許更新講習制スタート、学力低下論争の活発化、学校スタンダード広まる、無言清掃など。2010年、学習指導要領の改訂、生きる力の育成、授業時数の増加、約10%。ざっくりこの後申し上げたいポイントだけお伝えしましたが、教育改革の名の陰で翻弄されてきたのは子供たちです。先日、ゆとり教育で育った若者から、「僕たちは実験台だった」と聞きました。悲しくなりました。時の政局などに左右されてきた制度改革でした。この間、知事が示された教育の自由な気風が隅に追いやられる光景が教育現場で続きました。  近年の教育改革に係る私の認識について、教育長の御見解を伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  これまでの国の教育施策は、その時代の課題認識でありますとか解決策を熟議の上、立案されてきたものと考えておりますが、本県といたしましては、一貫して「未来を拓く心豊かでたくましい人づくり」を基本目標に掲げながら、子供たちや学校現場に向き合い、教育施策に取り組んできたものと認識をいたしております。  教育施策は、長期的な視点で不易に取り組みつつ、社会の変化、また、新しい課題への柔軟な対応を図る流行も取り入れることによることが望ましいと認識をいたしております。次期滋賀県教育振興基本計画──滋賀の教育大綱につきましても、この不易流行の視点に立ちながら、子供の最善の利益を基本に置きまして、これからの滋賀の教育の方向性を示すものにしてまいりたいと考えております。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)小松光、ジェルミー・ラプリー共著「日本の教育はダメじゃない 国際比較データで問いなおす」を読みました。その中の一部を紹介します。「日本の学校教育があらゆる点で徹底的に駄目だと政策決定に関わる方も勘違いをしていて、実現可能性のほとんどないような改善策に飛びついてしまうこともあります。こういう改善策は、ほとんどの場合、よい結果をもたらしません。学校教育現場を混乱させ、税金を浪費し、学校の先生を多忙にし、さらに保護者を不安にします。それだけでなく、今の学校にあるよい点を損なってしまうことも考えられます」と。同感です。経産官僚や財界人、教育産業者は、寄ってたかって日本の学校教育は駄目だと言って、公教育の市場化を進めてきました。肝心の子供はそっちのけで、自分たちの都合を優先し、誤った認識から、誤った課題が設定され、誤った改善策が繰り出されてきました。この著書に掲載された国際比較データに接し、これまでの日本の教育に自信を回復しました。私は。  今はどうか。昨年12月、文部科学省は、「令和の日本型学校教育」を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について〜「新たな教師の学びの姿」の実現と、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成〜(答申)を公表しました。この答申は、学校における働き方改革の一層の推進や教師不足の課題に触れています。また、教員採用試験の早期化、複線化、特別免許状の活用推進なども記載しています。  教員採用試験の実施時期の早期化については、教育実習との兼ね合いや、大学と受入れ校との日程調整、試験会場の確保などの課題が予想され、慎重な検討が求められます。また、複線化については、他府県との教員採用における競合や、それに伴い複数県に合格した場合の採用辞退が想定され、教員確保の抜本的な解決にはならないと考えます。  文部科学省のこの考え方について、ここは大杉副知事の御見解を求めます。 ◎副知事(大杉住子) (登壇)教員採用試験に関する文部科学省の考え方ということでございまして、昨年8月にこちらに来させていただく際に、文科省を引いてきた身としては僣越ではございますけれども、出身元の考え方ということですので、お答えをさせていただきたいと思います。  教員の人材確保はかなり厳しい状況というのは現実のことであると思います。こういう中で、様々あらゆる手だてを尽くすということが求められている中で、答申を踏まえまして、教員採用選考の早期化、複線化につきましては、現在、国と地方の担当者レベルでの協議が重ねられているというふうに承知をしております。  これにつきましては、受験機会の増加といったメリットもある一方で、実習カリキュラムの見直しをはじめとする教員養成上の課題でありますとか、採用選考運営上の課題についても指摘され、議論されているというふうに伺っております。  引き続き、優れた人材の確保に向けまして、志願者の視点にも立ちながら十分に議論を尽くしてほしいというふうに考えております。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)教員免許は取得してはいないけれど、その道に秀でた人に与えることが可能な特別免許状の活用促進については、既に県内でも始まっています。多様な人材の活用の観点から大いに促進すべきと考えます。本県における特別免許状の活用促進について、ここも大杉副知事の御見解を求めます。 ◎副知事(大杉住子) お答えいたします。  先ほど御指摘いただきました答申におきまして、多様な専門性や背景を持つ人材を教師として取り入れる方策の一つに、特免、特別免許状の活用が挙げられているところでございます。教員免許状を持っていないが優れた知識経験等を有する社会人等に特免を授与して学校へ迎え入れることは、児童生徒の学びの充実につながるものという認識の下、教育委員会のほうでも御検討されているというふうに認識しております。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)教員不足について、この答申は、産休、育休取得者数や特別支援学級数の見込み以上の増加、さらに、退職者の増加に伴う採用者の増加により、講師登録名簿者数が減少しているとしていますが、原因はそれだけでしょうか。教育課程を置いている大学でも、教職課程を履修しない学生や、免許取得を諦めたりする生徒、学生も存在するなど、採用試験の倍率低下を克服するには、教員養成段階まで射程に入れた対応が待たれます。また、教職を目指す学生が採用された折には、奨学金の返済免除など、インセンティブを与えることも検討されてはと考えています。  教員不足の解消に向けて、併せて、教員の資質の確保を図るため、教育委員会で御努力いただいていることについて、教育長、お聞かせください。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  大学での説明会の工夫でありますとか、採用ポータルサイトでの発信の強化、採用選考方法等の見直し等を行いまして、一人でも多くの学生に滋賀の教員採用選考試験を受験してもらえるように努めているところでございます。  また、優秀な教員の確保に向けましては、県内の教員養成を行う大学等と協議を重ねながら、教員養成段階で求められる資質、また能力について共有をし、育成に努めているところでございます。  さらに、大学生向けの滋賀の教師塾を実施することによりまして、高い志と実践力を持った学生の育成にも取り組んでいるところでございます。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)本県教育の充実と発展は、とどのつまり、有能な教員がいるかどうかに尽きます。採用に当たっては、本県で働く魅力を自信と誇りを持って打ち出していただけることを期待しています。  さて、我が会派の代表質問で取り上げた個別最適な学びについて伺います。  本県は、一人ひとりの学びの最適化をうたい、施策を進めています。その結果を期待するところです。一方、教育長は、さきの総合教育会議で、つながる、つなげることの大切さを説かれました。子供たちが、そこに教員も加わって、補い合い、支え合い、励まし合う、これこそが学校での学びの基軸と考えます。  今の子供たちはVUCAの時代を生きていきます。個別最適な学びとともに、協働的な学びも大切にしていこうとする本県教育の目指すところについて、教育長の考え方を伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  個別最適な学びと協働的な学び、これはいずれも大切なものでございまして、子供の学びの両輪となるものだと認識をいたしております。子供たちが主体的に学習に取り組み、それぞれの可能性を引き出すために、いずれも大切なものでございます。  中でも、協働的な学びにつきましては、自分と他者がつながり、お互いに支え合い、そして対話を通して考えを広げたり深めたりすることで、よりよい学びを生み出すといった大きな効果があるものと認識をいたしております。どちらか一方に重きを置いて進めるのではなく、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実をさらに図ってまいる所存でございます。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)ありがとうございました。  今の社会は、感受性の豊かな人ほど生きづらくなっています。大人も子供も同様にです。学校生活において、笑顔あふれる子供たちがいる一方、笑顔が消えている子供も相当います。その原因は子供の数だけあります。様々なことが原因で、人への警戒心や学校への不信感が解けないままの子供がいます。登校こそしているものの、学校や教師を見限っている子供もいます。それらの子供たちは、多様性の尊重が語られる中にあっても、その対象外だったりします。意気地なしと言われたりします。内気な子で済まされたりします。生き生きと活動し、笑顔あふれる子供であってほしいと願いますものの、周囲の目を冷たく感じ、次の一歩が踏み出せない子供たちもいます。教員は受容と共感に心を砕いています。  あるスクールソーシャルワーカーからこのようなお話を聞きました。「今の子供たちは賢くしている、我慢している。ですから、余計に家庭生活、家庭背景が見えにくくなっている」と。どの子供も抱き締めたくなるような過去と現在を隠し持っています。  教員が子供一人一人と向き合うゆったりとした時空が学校に今必要です。子供も、そして教員も安心して自分の思いや願いを表現できる学校をと願います。子供とつくろういい関係、学校に、教員にと願います。教育長の御所見をお聞かせください。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  学校は、子供たちが楽しいと感じられる場所、子供たちが活躍できる場所、そして子供たちが安心して学べる場所であってほしいと強く願っております。また、教員がやりがい、働きがいを持ち、子供たちの学びを高めるため、意欲的に新しいことに挑戦してもらえる学校にしたいとも考えているところでございます。このため、今後も夢や希望を育み、子供も教職員も笑顔あふれる学校づくりに県教育委員会としてしっかりと努めてまいります。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)笑顔あふれる学校を願って私の最後の質問とさせていただきました。御清聴ありがとうございました。終わります。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、18番大橋通伸議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後3時 休憩    ────────────────   午後3時20分 開議 ○議長(岩佐弘明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  最後に、39番江畑弥八郎議員の発言を許します。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇、拍手)皆様、連日お疲れさまです。  それでは、今議会最後の一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  11月定例会議では医療的ケアについて質問をさせていただきました。先日も、市川部長も同席していただき、担当課の方々と現場の生の声を聴いていただきました。少しでも改善されるよう、重ねて御尽力をお願いしたいと思います。  さて、先日、田中松太郎議員の我が会派の代表質問の中の健康しがの項の中で、施設整備の不執行について、知事の考え方をお伺いいたしました。内容は、今年度、市町に整備補助を予定していた9件のうち3件が、施設を運営する事業者の手が挙がらなかったことによる不執行であり、その要因は、市町からは、採算性、整備費の高騰、介護人材の不足などが考えられると伺っていると言われておりました。今後の対応といたしましては、採算性や施設整備費については、既に国に対して介護報酬の改定や施設整備費補助の増額を要望しているところであり、引き続き様々な機会を通じて働きかけていきたい、また、介護人材不足については、さらなる処遇改善に向けて国に働きかけていくほか、介護の仕事の魅力発信などによる多様な人材の確保、ICTを活用した介護現場の負担軽減、業務改善の支援に重点的に取り組んでまいりたいと答弁されました。  その質問を補完する意味も含めて、改めて介護施設の現状と課題について、知事および健康医療福祉部長にお伺いをいたします。前向きな答弁をよろしくお願いいたします。  まずは、代表質問の知事答弁でも言われているとおり、介護施設ではコロナ禍と物価高で極めて厳しい状況になっております。東京リサーチによりますと、2022年1年間で倒産した介護事業者数は全国で143件、前の年から1.7倍に急増し、倒産件数は介護保険制度が始まった2000年以降で最多となりました。一見、経費が増えた分、料金に転嫁すれば問題は解消するように思えますけれども、多くの介護施設は国の介護保険制度で料金が定められているため、施設側が料金を引き上げることはできません。県や市町は物価高への補助金を出していますが、値上がりした分の10分の1程度しか補うことができないのが現状であります。経費節減のための対策はいろいろと伺っていますが、どうしても限界があります。また、特に電気代は介護施設では節電しにくい環境であります。さらに、4月にはさらなる電気代の値上げが予定されていると仄聞いたしております。  それでは、以下、指名変更するまで、まずは健康医療福祉部長にお伺いいたします。  まずは、滋賀県の介護事業所数についてお伺いをいたします。 ○議長(岩佐弘明) 39番江畑弥八郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) (登壇)お答えいたします。  令和5年2月1日現在で、医療機関を事業所としてみなす指定事業者や、介護事業所に併設の介護予防事業所を除きますと、2,500事業所でございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)ありがとうございます。  今、2,500事業所ということですが、その内訳として、居宅サービス、地域密着型介護保険施設ということだと思いますが、内訳の数字が分かればお教え願いたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  居宅サービスで1,686、それから地域密着が679ございますが、この介護給付の1,686のうち、多いものでいきますと、通所介護が279ございます。居宅介護支援が459ございます。それから、地域密着型の介護給付でいきますと、地域密着型通所介護が299ございますし、介護保険施設といいまして、特養、介護老人福祉施設が96ございます。それから、介護老人保健施設が34、その他、多数ございます。
    ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)ありがとうございます。  介護保険施設96というのは、大規模な特養が多分中心だろうと思いますが、居宅サービスとか地域密着型でいうと、ほぼ中規模か小規模ということが実態のようです。いずれにしても、県のほうの把握の仕方としては、事業者の届出の関係で多分集約されたと思いますが、なかなか実態が分かりにくくなるというのを私は印象として持っております。  それでは、次に、滋賀県の介護施設の倒産件数についてお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  倒産などの事業所廃止につきましては、介護事業所からの廃止届や市町などからの情報提供で把握しているところでございまして、今年度は通所介護事業所で1件の倒産を把握しているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)全国で179ということなので、人口比でいくとそれぐらいかなとは思いますが、ただ、今言われたように、実際にどうなのかというと、倒産というのは、言ってみたら、債務が超過をして経済活動ができないというのが一般的に倒産といいますけれども、恐らくもう施設が経営が成り立たないということで、自ら閉鎖しようとか休止しようとかいうところも僕はかなりあるんだなと、私の地元でもそうなんですけれども、その辺の数というのは把握はされておるんでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  廃止事業所の数ということでいきますと、令和4年4月から令和5年1月の間に廃止した県内の事業所が61事業所ございます。この廃止理由を、令和3年度のデータしかございませんが、県指定の事業所の廃止42件のうち、休止中で再開のめどが立たないものが13件と最も多く、次いで事業所の移転によるものが9件、財政上、継続的な運営が困難となったものが8件となっているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)そうですね。倒産というと1件ということで、少ないなと思っていたんですが、今言われるとおり、確かに事業の統廃合とか、様々な多分地域での要素があるので、なかなか把握しづらいなとは思いますけれども、今言われましたように、61事業所ということでいくと、やっぱりそういう意味では、先ほど申し上げましたように、かなり経営が厳しいんだなと、こういうことが推測されます。できれば県としても、もう少し市町としっかりと調整をして、正確なそういう状況を把握していただきたいなと、このように思っているところでございます。  次に、そういう状況ですが、滋賀県の介護施設の経営状況について、県が把握されている範囲でお答えを願いたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  県内の事業所の経営状況につきまして、詳細な調査は実施していないところではございますが、厚生労働省の令和4年度介護事業経営概況調査によりますと、収益額と費用額の差の割合であります収支差率が全サービス平均で前年度から0.9ポイントマイナスとなっておりまして、16のサービスで収支差率が縮小するなど、経営状況は厳しくなっていると認識しているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)これも大変厳しい状況だということですが、いずれにしましても、情報源というのは、今、厚労省のそういう調査の結果ということでありますが、やっぱり私、県が少なくともその辺の状況は、もう少し詳しくアンケートをするとか、何かしらの手だてでしっかりと把握すべきかなと、このように思っております。  次に、そういう厳しい経営状況を受けて、その原因というのは県としてどう考えられておられるのか、重ねてお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  令和4年度介護事業経営概況調査によりますと、収入に対する給与費の割合が18のサービスで増加しておりまして、人材確保に伴う給与費の負担が増えていると考えられます。また、新型コロナウイルス感染症の影響による利用控えによる収入減や昨今の物価高騰による費用負担増も経営状況を厳しくしている原因と考えられます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)人材確保経費というのは、多分、恐らく慢性的なものだろうなと、このように思いますが、やっぱり今の一時的にコロナ、それから、そういう物価高の経費の引上げというのが大きな原因だろうなと思っております。  ただ、冒頭ちょっと申し上げましたが、事業所の規模によってもかなり経営に対する影響というのは違うんだろうなと、このように思うんですが、例えば、大規模施設と地域密着のような小規模事業所、これはかなり違うとは思うんですが、その辺、部長としてはどう受け止めておられるのか、もう一度お伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  令和4年度の介護事業経営概況調査の結果を見る限りでは、事業所の規模の大小による有意な差は認められないところではございますが、深刻な人材不足が長引く中、介護人材の確保に要する費用が増加しておりまして、こうした費用につきましては、小規模な事業所ほど負担が大きくなる傾向にあると考えております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)私の知り合いの事業所でも、大変厳しい状況だということで、逆に言うたら、もう人件費を削らないかんというところまで来たということなので、何か完全に負のスパイラル状態のような悪循環が始まっているということで、大変深刻な顔をされて話しておりましたので、そこはぜひ県としても実態を把握をしていただいて、何らかの手だてを御検討願いたいなと思っているところでございます。  次に、代表質問での知事答弁の中で、様々な点で国へ要望されているということでありますが、具体的にどういう内容を要望されているのか、お聞かせ願いたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  昨年5月と10月に行いました国への要望内容でございますが、コロナ禍や物価高騰等を踏まえまして、利用者負担への転嫁が困難な公的価格で運営しております医療機関、社会福祉施設等の運営に影響を生じさせないための臨時の報酬改定等の対策を実施すること、施設整備に係る国庫補助金の基準単価の増額や、かかり増し経費への財政措置を実施することの2点を要望したところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)恐らく、ここ数年来、そういう同内容の要望をされてると思うんですが、その結果として改善されてきたのかどうか、国としてしっかりと対応してくれたのかどうか、その辺についてお伺いしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  報酬改定がなかなか難しいということで、地方創生交付金を活用して対応するようにということで、県のほうでもその交付金を活用した支援を行ったところでございます。報酬改定につきましては次年度予定されていると伺っているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)なかなか国に要望しても、後ほどの質問にありますけど、来年度が報酬改定時期ということで、その状況を聞いても、どうもかなり厳しいやり取りがあるやに聞いてます。いずれにしましても、結局なかなか抜本的な制度改革というのはできていないというのが今の現状だと、このように思います。地方創生の資金で県が自ら動いていくと、こういうことだろうと、このように思いますが、これ、私もちょっと調べたんですが、国が直接市町に行ったり、県を通じて今の給与改定とか電気代のやつは地方交付税でいったりとか、様々なルートがあるんですけど、どうも何か分かりにくいんですが、ちょっと大きなものでいいので、現在の国や県、市町の助成制度の内容、ルートについて、少し説明をお願いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  通常については報酬ですとか、施設整備については補助金等があるわけでございますが、この厳しい状況につきましては、今年度は国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して原油価格・物価高騰対策支援金を創設いたしまして、社会福祉施設等を運営する事業者を支援しているところでございます。市町におきましても、当該交付金を活用して類似の支援を行っていると伺っているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)現場のほうの皆さんから聞くと、それぞれ市とか国の助成金、県のがあるんですが、実際10分の1ぐらいしかなかなか助かっていないということで、ほとんど持ち出しというのが今の現状だと、このように思います。多分、県の令和5年度予算の中でも、恐らく対策を講じられていると思うんですが、この介護事業所に係る次年度予算の、後ほどこれは審議はしますけど、当初予算の中でどういうメニューがあったのか、大まかで結構です、お聞かせください。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  来年度の予算については通常ベースということになりますが、ICT関係の事業所支援等も行いますけれども、基本的には一般的な地域密着型の施設整備とかでございまして、特に現時点で国の交付金制度が予定されていないことなどから、県、市町が継続した令和4年度に行いましたような交付金による対応というのは困難な状況でございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)先般の代表質問の知事答弁にもありましたように、不執行というのがこれまた次年度もあるのかなというのが、今の本当に現場の実態、経営状況なんですね。なかなかこう手を挙げてやってみようというところの環境にはないということは、本当にこの間の知事答弁でもありましたように、こんなことが続くと、後ほど触れますけれども、これからの超高齢化にもう対応できないなと、かなり私、懸念を抱いております。  今ちょっと答弁でも触れられましたが、私の知り合いのところも人材がなかなか集まらないということで、ICTの活用を検討したいということで聞いております。今回、令和5年度、ICTの関係で中身ありますけど、少しその中身について御説明をお願いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  介護現場の負担軽減、業務改善に向けまして、平成30年度から介護ロボットやICT化の導入費用の助成を行っておりまして、これまで補助上限額の拡充や台数制限の撤廃、最大補助率を4分の3に引き上げるなど、順次拡充を図りながら支援を行っているところでございます。令和4年度は72事業所、約1億円の助成見込みとなっておりますが、次年度予算案においても1億円の予算を計上し、引き続き、介護現場の負担軽減、業務改善につながる機器等の導入を支援してまいります。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)平成30年から行われているということですが、なかなか実際、先ほどみたいな数が多いので、浸透してないなというのは否めないと思いますが、これはあれですか、4分の3ということでいくと、4分の1を負担すればそういうことができると、こういうことなんですかね、事業全体の中で。そういうことですね。それで、今言われたように令和5年度は1億円の予算枠を取ってると、こういうことですけど、この辺はやっぱり残が残らないで、例えば平成30年からやってこられてて、大体ほとんど消化されてるという状況なんですか。ちょっと予算の執行状況をお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  まず、浸透まで少し時間がかかっておりますので、平成30年度は87万6,000円の執行、非常に少なかったんですが、令和元年度が296万1,000円、令和2年度が7,079万5,000円、令和3年度が9,517万円ということで、令和4年度は、先ほど申し上げましたとおり、1億に近い9,985万1,000円ということですので、年々執行が増えている状況がございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)徐々に増えてきたということですが、今言われたように、この令和5年1億というのは少ないのかなという気がいたします。どんどんやっぱしこんな状況になったときには、かなりそれにチャレンジしようという事業所が多分増えると思いますので、そこはちょっと今日の議論ではないんですけども、そこはちょっと意見として聞いといていただきたいなと、このように思います。いずれにしましても、大変この今の現場の状況というのは厳しいということを再認識をしていただきたいと思います。  さて、日本の人口は2010年を境に減少を続けております。2025年には約800万人いる団塊の世代が後期高齢者、75歳となり、国民の4人に1人が後期高齢者という超高齢化社会を迎えます。逆に社会保障の担い手である労働人口は減っているということで、社会保障の増大、不足が予想されるほか、医療、介護分野の整備や、まさに少子化対策が急務であると、このことが言えます。  また、我が国の認知症の高齢者数の数も、2012年が462万人、2025年が700万人ということで、65歳以上の高齢者の5人に1人が達するということで予測をされております。  いずれにしましても、大変な時代を迎えるという割には、なかなか対応が追いついていないというのがこれまでのやり取りの中でも分かっていただけたと、このように思います。いずれにしましても、今現状でも、介護を受けたいという方がなかなか介護サービスが受けられない、いわゆる介護難民という方が懸念をされております。いずれにしましても、後ほどまたこれは詳しく聞きますけど、2024年が、来年、介護保険の改正が予定されているということですけど、今、審議会とか分科会なんかでいろんな議論がされておるようですが、その内容について把握はされているのか、部長にお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  令和6年度制度改正に向けて、国では、社会保障審議会の分科会におきまして、地域包括ケアシステムの深化、推進、介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進や給付と負担について議論が行われているところでございます。  昨年12月にまとめられました制度の見直しに関する意見では、例えば給付と負担に関しましては、65歳以上の保険料の所得段階や保険料率を低所得者に配慮して見直す、あるいは、介護老人保健施設、介護医療院の多床室の室料負担の導入、利用者負担が2割となる所得の判断基準の見直しについて、令和6年度制度改正に向けて結論を得ることとされたところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)私もちょっと見させていただきましたが、今のは割とプラス思考のところもあるんですけど、実態のところは、やっぱり財源をめぐって財務省と厚労省がもうばちばちやってるということで、先ほど我が会派の中沢さんからもケアマネジャーの件が触れられましたけど、今回の議論の中では、ケアマネジャーの負担を増やすというほうの、改善というよりも負担を増やすみたいな議論もあるように聞いてます。いずれにしましても、来年度に向けて財源中心とした議論をしていくと、やっぱりどうしても中身が抑えられた中身になるんだなと、こういうことで大変心配をいたしております。いずれにしましても、ちょっとそこは我々も注視をしていきたいと、このように思います。  次に、先ほどちょっと触れました介護難民について、いわゆる居場所のない介護認定者といいますか、この滋賀県の状況についてお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  介護難民につきましては、定義が明らかでないことから、県内にどの程度おられるかは把握は難しいところではございますが、令和2年度に国が行いました在宅介護実態調査結果の分析に関する調査研究事業というのがございまして、これによりますと、全国的には介護認定者のうち介護サービスを利用していない方が23.3%であったということでございます。介護サービスを利用していない理由は、「利用するほどの状態ではない」が最も多く37.4%でございましたが、「利用料を払うのが難しい」が3.8%、「利用したいサービスが利用できない、身近にない」が2.4%でありましたことから、こうした人の中に十分な介護サービスが受けられていない方もおられるのではないかと認識しております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)恐らく確実に増えているかなと、このように思います。当然、家族が見れないとか、経済的な面もありますし、実際県が把握してないという、また先ほどのあれと同じなんですけど、実際、特養の待機者なんかは多分数字では問い合わせたら出ると思うんですけど、そのほかの要因というのはなかなかつかみづらいということですが、やっぱりそこはしっかりと、介護が受けたいけれども受けられない方がどれぐらいいて、そしてどういう理由なのかというところはやっぱりきちっと把握しないと、恐らく介護プランの計画なんかもまた改定時期が来ますよね。来年か再来年かな。そういうときに、そこらを国のデータばっかし基づいてプラン立てても、実際の滋賀県の実態には合ってないということになりますので、そこはぜひ、手間がかかるかもしれないけれども、実態をしっかりと把握していただきたい。先ほど知事みたいに地域によって違うかもしれないし、家族の成り立ちの関係もあろうかとは、このように思いますけど、そこはやっぱり早急に実態の把握をお願いしておきたいと、このように思います。  まだちょっと時間ありますけども、いずれにしましても、今ここで皆さんに問い詰めたところでなかなか改善はできません。いずれにしましても、今のこの先行きの状況をやっぱりしっかりと見ながら、あと、根本的には少子化対策だろうと思いますが、残念ながら、この10年間、少子化対策というのはなかなか改善が見られなかったと、失われた10年ということも言われております。そういう意味からすると、そういう状況と並行しながら、できるだけやっぱり現場の状況、県民の状況をしっかりと把握した上で的確な判断をしていただきたいなと、このように思っているところでございます。  最後に、健康しがを標榜されております知事にお伺いしたいと思います。  知事にとっては、この超高齢化社会というのは、そして、2025年問題というのは避けて通れない大きな課題だろうと、このように私も認識をしております。「未来へと幸せが続く滋賀」の実現を目指す知事の2025年問題の認識をお伺いをしたいと、このように思います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)介護制度の現状と課題ということで御質問いただきました。  まず、関連して、超高齢化社会、みんなが、多くの人が長生きできるようになってきたと、そして、人口ボリュームの大きい、いわゆる団塊の世代と言われる方々が、いよいよ病気や老いがより顕在化してくる後期高齢者の世代に入っていかれるという、このことを取って2025年問題と評されていると思うんですけど、これは恐らく今やろうとしている少子化対策では間に合わない、多分、10年20年スパンで先に来る課題だという認識をまず私たちは持たなければならないと思います。  ただ、じゃあ、座して諦めてということだけではなくて、私たちは、先ほど来答弁しておりますように、医療や介護のサービスがそれぞれの地域にしっかりとあるように、それらが充実するようにするための基盤整備、そして、それぞれの職種が連携しながら、それぞれの方々の困り事に寄り添って対応していけるような多職種連携の仕組みづくりをやろうと、もって地域包括ケアシステムを充実させていこうということに現在取り組んでいるところです。  そのためには、もう議員も御指摘いただきましたけど、やはり人材ですね。そのサービスを担うひとづくり、資格を持っていてもその仕事に就いていらっしゃらなかったり、先ほど負のスパイラルに陥っているんじゃないかというような表現もございましたけれども、処遇改善もそうです。そして、事業者の経営を下支えするということもそうです。こういったことごとによって持続可能なものにしていくということがとても重要なことだと思います。  来年度、法律の改正も予定されているということですし、伴う報酬の改定なども行われるということですので、しっかりとした財源をもって、そういった制度の拡充が図られるよう私たちも国に求めると同時に、注視し、私たちは私たちでできる、そういったネットワークづくりやひとづくり、そういったことに注力をしてまいりたいと思っております。  ぜひ、あまり問題問題ということを捉えると、そもそも私らが長生きすることが、老いていくことがそんなに社会にとって問題なのか、重荷なのかという、そういうメッセージを与えることになるのは本意ではないんですけれども、社会全体でこのテーマ、課題をきちんと受け止めて、逃げることなく対応していくことが重要だと考えておりますので、県としても、来年度、様々な計画の改定時期を迎えますので、精力的にこの問題に対応していきたいと存じます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)まさに逃げられないと、このように私も思います。ただ、コストがかかるということですので、財源はしっかりとやっぱり確保しないといかん。でも、介護保険制度というのは、もう恐らく支払う側が増えないので、急には多分、知事言われたように増えませんので、やっぱり保険制度がなかなか成り立たないということも現実だと思います。ただいま国がやろうとしてるのは、先ほど言いましたように、人材確保のために、じゃあ、地域の皆さんにボランティアでとかいう話も出たり、本当に事業のところに2で足して3にしないで1.5にしたりとか、そういうことばかり、財政緊縮の方向が本当にほとんどだと、このように思います。そういうことではいかんので、やっぱりコストはかかるということも含め、そして、長期的にはしっかりと少子化対策、子供たちを社会で支えていくんだということで、しっかりやっぱり失われた10年を回復していかないかんだろうな、このように思います。  先ほど来からも何回も言いますが、まず滋賀の介護現場の実態をしっかりとやっぱし把握していただきたいということを特に今回の質問のやり取りで感じましたので、そこは県のプランの基礎になるところだと、このように思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと、このように思います。  いずれにしましても、そんなことで、なかなかすぐには解決できないんですけども、我々はしっかりと気持ちを持って、そして、政治とかいろんな絡みがあるとは思うんですが、党派も超えて、やっぱりこれは2025年度問題に向かって立ち向かっていかなあかんなということを痛切に思っているところでございます。  そう思いながらも、私も、今回が最後の県議会の一般質問となります。私ごとでありますけど、少し話をさせていただきたいと思います。  私、3期12年、県議会議員として、本当に議員の先生の皆さん、そして知事をはじめ執行部の皆さん、そして県民の皆さん、本当に皆さん方から大所高所の御指導を受けて、何とかこの12年間やり切れたかなと、このように思っています。今質問したように、まだまだ思いはありますけど、一県民になっても、そこはしっかりと地域を支えていきたいなと、こんなことも思っているところでございます。  本当に最後の最後ということになりましたけれども、皆さん方に、高いところからではございますけど、この間のお礼とさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、39番江畑弥八郎議員の質問を終了いたします。  以上で発言通告のありました発言は終わりました。  この際、関連質問はありませんか。    (「なし」)  関連質問なしと認めます。  以上で質疑ならびに一般質問を終わります。    ──────────────── △議第1号から議第16号まで(令和5年度滋賀県一般会計予算ほか15件)(予算特別委員会の設置、同委員会付託および同委員の選任) ○議長(岩佐弘明) 日程第2、議第1号から議第16号までの各議案を一括議題といたします。  お諮りいたします。  本件につきましては、41名の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、当委員会に付託いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  お諮りいたします。  ただいま設置されました予算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、議長および副議長を除く全議員を指名いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── △議第17号から議第49号まで(滋賀県個人情報の保護に関する法律施行条例案ほか32件)ならびに請願(各常任委員会付託) ○議長(岩佐弘明) 議第17号から議第49号までの各議案ならびに請願は、お手元に配付いたしておきました文書のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。           ──────────────────────────────                  令和5年2月定例会議議案付託表                                        令和5年2月27日(月) 〇予算特別委員会  議第1号 令和5年度滋賀県一般会計予算  議第2号 令和5年度滋賀県市町振興資金貸付事業特別会計予算  議第3号 令和5年度滋賀県母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算  議第4号 令和5年度滋賀県中小企業支援資金貸付事業特別会計予算  議第5号 令和5年度滋賀県林業・木材産業改善資金貸付事業特別会計予算  議第6号 令和5年度滋賀県沿岸漁業改善資金貸付事業特別会計予算  議第7号 令和5年度滋賀県公債管理特別会計予算  議第8号 令和5年度滋賀県国民健康保険事業特別会計予算  議第9号 令和5年度滋賀県土地取得事業特別会計予算
     議第10号 令和5年度滋賀県用品調達事業特別会計予算  議第11号 令和5年度滋賀県収入証紙特別会計予算  議第12号 令和5年度滋賀県モーターボート競走事業会計予算  議第13号 令和5年度滋賀県琵琶湖流域下水道事業会計予算  議第14号 令和5年度滋賀県病院事業会計予算  議第15号 令和5年度滋賀県工業用水道事業会計予算  議第16号 令和5年度滋賀県水道用水供給事業会計予算 〇総務・企画・公室常任委員会  議第17号 滋賀県個人情報の保護に関する法律施行条例案  議第18号 滋賀県退職手当基金条例案  議第19号 個人情報の保護に関する法律の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例案  議第21号 滋賀県附属機関設置条例の一部を改正する条例案  議第22号 滋賀県職員定数条例の一部を改正する条例案  議第23号 滋賀県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部を改正する条例案  議第24号 滋賀県職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案  議第26号 滋賀県使用料および手数料条例の一部を改正する条例案  議第28号 滋賀県住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例案  議第40号 滋賀県防災会議条例の一部を改正する条例案  議第49号 包括外部監査契約の締結につき議決を求めることについて 〇土木交通・警察・企業常任委員会  議第27号 滋賀県警察関係事務手数料条例の一部を改正する条例案  議第37号 滋賀県道路占用料徴収条例の一部を改正する条例案  議第39号 滋賀県地方警察職員の定員に関する条例の一部を改正する条例案  議第42号 契約の締結につき議決を求めることについて(国道307号補助道路整備工事)  議第43号 契約の変更につき議決を求めることについて(原松原線補助都市計画街路工事)  議第47号 滋賀県道路公社定款の変更につき議決を求めることについて  議第48号 滋賀県道路公社が行う有料道路事業の変更に同意することにつき議決を求めることについて 〇環境・農水常任委員会  議第36号 滋賀県環境こだわり農業推進条例の一部を改正する条例案  議第44号 建物収去土地明渡等請求訴訟の提起につき議決を求めることについて  議第45号 国の行う土地改良事業に要する経費について関係市町が負担すべき金額を定めることにつき議決を求めることについて  議第46号 琵琶湖流域下水道高島処理区の管理に要する経費について関係市が負担すべき金額を定めることにつき議決を求めることについて 〇厚生・産業常任委員会  議第20号 こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例案  議第25号 滋賀県国民健康保険広域化等支援基金条例を廃止する条例案  議第29号 滋賀県児童福祉法に基づく指定通所支援の事業の従業者ならびに設備および運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例案  議第30号 滋賀県児童福祉法に基づく指定障害児入所施設等の従業者ならびに設備および運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例案  議第31号 滋賀県児童福祉法に基づく児童福祉施設の設備および運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例案  議第32号 滋賀県認定こども園の認定に関する条例の一部を改正する条例案  議第33号 滋賀県就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律に基づく幼保連携型認定こども園の設備および運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例案  議第34号 滋賀県看護職員修学資金貸与条例の一部を改正する条例案  議第35号 滋賀県ふぐの取扱いの規制に関する条例の一部を改正する条例案  議第41号 契約の締結につき議決を求めることについて(滋賀県東北部工業技術センター整備事業) 〇教育・文化スポーツ常任委員会  議第38号 滋賀県市町立学校の県費負担教職員の定数に関する条例の一部を改正する条例案           ──────────────────────────────                   請  願  文  書  表 △請願第1号 「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」を撤回し、省エネと再生可能エネルギーの主力電源化推進を求める意見書の提出を求めることについて 請 願 番 号 第1号 受 理 年 月 日 令和5年2月20日 件     名 「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」を撤回し、省エネと再生可能エネルギーの主力電源化推進を求める意見書の提出を求めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 黄野瀬明子 節木三千代 付 託 委 員 会 総務・企画・公室常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨 【請願の趣旨】  国に対して「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」を撤回し、省エネと再生可能エネルギーの主力電源化推進を求める意見書を提出すること 【理由】  岸田文雄内閣が原発の「最大限活用」を明記した「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」を閣議決定した。原発の建て替えや運転期間の延長などをはじめとする政策の大転換を政府の正式な方針にしている。  今、政府は、脱炭素や電力安定供給を理由に、原発の最大限活用に踏み出している。しかし、原発依存ではこれらを実現することはできない。原発固執は、気候危機打開に不可欠な省エネと再生可能エネルギーの普及、拡大の妨げとなる。  電力の安定供給に必要なのは、電力の需要の急激な増減に対応できる柔軟な電源の確保である。大口需要の時間調整の導入や蓄電システム強化、省エネで対処すべきである。出力調整ができない原発は適していない。  地震、津波が多発する日本で原発を推進することは、国民の命と安全、国土を危険にさらし続けることにしかならない。加えて、ウクライナで「原発が標的」になることをみても、その危険性は計り知れない。  福島原発事故から12年。なお苦しむ福島県民や、国民多数の原発ゼロの願いを踏みにじる原発回帰は看過できない。  よって国に対して「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」を撤回し、省エネと再生可能エネルギーの主力電源化推進を求める意見書の提出を求める。           ──────────────────────────────                   請  願  文  書  表 △請願第2号 平和と暮らしを壊す大軍拡、大増税に反対し、「安保関連3文書」改定の撤回を求める意見書の提出を求めることについて 請 願 番 号 第2号 受 理 年 月 日 令和5年2月20日 件     名 平和と暮らしを壊す大軍拡、大増税に反対し、「安保関連3文書」改定の撤回を求める意見書の提出を求めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 黄野瀬明子 節木三千代 付 託 委 員 会 総務・企画・公室常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨 【請願の趣旨および理由】  政府は、2022年末に「安全保障関連3文書」(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)の改定を閣議決定した。先制攻撃も可能な「軍隊と武器」(敵基地攻撃能力)を持とうとするものであり、「専守防衛」を基本としてきた戦後の安全保障戦略の大転換となり、憲法前文および9条に違反するものと言わざるを得ない。  政府は、2027年度までの5年間で防衛費の総額を43兆円とし、GDP比を2%にするとしている。日本を米国、中国に次ぐ世界第3位の軍事大国にしようとしているのである。長射程ミサイル整備なども整備リストに挙がっており、周辺国の不信をあおり、軍拡競争を過熱させる悪循環になることは明らかである。  また、政府は、防衛費増の財源捻出のために、増税と国債発行を検討しており、私たちの暮らしを直撃する懸念がある。防衛費が文部科学省の年間予算の2倍となり、教育費や社会保障費への国の支出減も懸念される。これでは暮らしも経済も立ち行かなくなる。  今、憲法9条を持つ日本がやるべきことは、「戦争の準備」ではなく、対話と外交によって戦争を避ける努力イコール「平和の準備」である。国際社会が日本に期待するのも、憲法9条を生かした平和のための外交推進、核兵器のない世界実現への努力ではないか。  私たちは、多くの自衛隊員の命を危険にさらす大軍拡路線には断固反対である。県民の安心、安全と暮らしを確保する見地から、滋賀県議会が国に対し、下記の意見書を提出することを求め、請願するものである。                 記  平和と暮らしを壊し、国民に負担を押しつける大軍拡、大増税に反対し、「安全保障関連3文書」改定の撤回を求める意見書を、国に対し提出すること           ──────────────────────────────                   請  願  文  書  表 △請願第3号 平和と暮らしを破壊する大軍拡・大増税に反対し、「安保3文書」閣議決定の撤回を日本政府に求める意見書を提出することについて 請 願 番 号 第3号 受 理 年 月 日 令和5年2月20日 件     名 平和と暮らしを破壊する大軍拡・大増税に反対し、「安保3文書」閣議決定の撤回を日本政府に求める意見書を提出することについて 請願者住所氏名 (略)
    紹 介 議 員 黄野瀬明子 節木三千代 付 託 委 員 会 総務・企画・公室常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨 【請願趣旨】  政府は、2022年末に「安全保障3文書」(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)の改定を閣議決定した。その内容は、先制攻撃を可能とする「敵基地攻撃能力」の保有を進める大軍拡で、「専守防衛」を基本としてきた戦後の安全保障政策の大転換であると同時に、憲法違反であると言わざるを得ない。  政府は、今後5年間で防衛費の総額を43兆円、GDP比2%にしようとしている。これをすれば、日本は米国、中国に次ぐ世界第3位の軍事大国となる。長距離巡航ミサイルの購入、極超音速誘導弾の開発などで、周辺国に脅威を与え、軍拡競争をあおる悪循環になることは明らかである。  また、この大軍拡は、大増税と暮らしの予算削減を国民に押しつけるものとなっている。さらに、「防衛費に国債は使えない」というこれまでの政府見解をほごにし、国債の発行を検討している。物価高騰が国民を苦しめているさなかに、暮らしの予算を削って軍事費につぎ込めば、暮らしも経済も立ち行かなくなる。  今、憲法9条を持つ日本がするべきことは、「戦争の準備」ではなく、対話と外交により戦争を避ける努力をすることである。国際社会が日本に期待するのは、日本国憲法第9条の精神を名実ともに発揮した平和外交の推進や、核兵器のない世界を実現するための努力ではないか。  県民の安心、安全と暮らしを守るためにも、「安保3文書」閣議決定の撤回を日本政府に強く求めるものである。 【請願項目】  平和と暮らしを破壊し、国民に負担を押しつける大軍拡・大増税に反対し、「安全保障3文書」閣議決定の撤回を日本政府に求める意見書を提出すること           ──────────────────────────────                   請  願  文  書  表 △請願第4号 平和と暮らしを壊す大軍拡、大増税に反対し、「安保関連3文書」改定の撤回を求める意見書の提出を求めることについて 請 願 番 号 第4号 受 理 年 月 日 令和5年2月20日 件     名 平和と暮らしを壊す大軍拡、大増税に反対し、「安保関連3文書」改定の撤回を求める意見書の提出を求めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 黄野瀬明子 節木三千代 付 託 委 員 会 総務・企画・公室常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨 【請願の趣旨および理由】  政府は、2022年末に「安全保障関連3文書」(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)の改定を閣議決定した。先制攻撃も可能な「軍隊と武器」(敵基地攻撃能力)を持とうとするものであり、「専守防衛」を基本としてきた戦後の安全保障戦略の大転換となり、憲法前文および9条に違反するものと言わざるを得ない。  政府は、2027年度までの5年間で防衛費の総額を43兆円とし、GDP比を2%にするとしている。日本を米国、中国に次ぐ世界第3位の軍事大国にしようとしている。長射程ミサイル整備なども整備リストに挙がっており、周辺国の不信をあおり、軍拡競争を過熱させる悪循環になることは明らかである。  また、政府は、防衛費増の財源捻出のために、増税と国債発行を検討しており、私たちの暮らしを直撃する懸念がある。防衛費が文部科学省の年間予算の2倍となり、教育費や社会保障費への国の支出減も懸念される。これでは暮らしも経済も立ち行かなくなる。  今、憲法9条を持つ日本がやるべきことは、「戦争の準備」ではなく、対話と外交によって戦争を避ける努力イコール「平和の準備」である。国際社会が日本に期待するのも、憲法9条を生かした平和のための外交推進、核兵器のない世界実現への努力ではないか。  私たちは、多くの自衛隊員の命を危険にさらす大軍拡路線には断固反対である。  県民の安心、安全と暮らしを確保する見地から、滋賀県議会が国に対し、下記の意見書を提出することを求め、請願するものである。                 記  平和と暮らしを壊し、国民に負担を押しつける大軍拡、大増税に反対し、「安全保障関連3文書」改定の撤回を求める意見書を、国に対し提出すること           ──────────────────────────────                   請  願  文  書  表 △請願第5号 小・中学校の給食費の無償化を求める意見書の提出を求めることについて 請 願 番 号 第5号 受 理 年 月 日 令和5年2月20日 件     名 小・中学校の給食費の無償化を求める意見書の提出を求めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 黄野瀬明子 節木三千代 付 託 委 員 会 教育・文化スポーツ常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨 【請願の趣旨】  国に対して「小・中学校の給食費の無償化を求める意見書」を提出すること 【理由】  新型コロナウイルス感染症の影響による経済の悪化に加え、円安などによる急激な物価高騰により、子どもを育てる世帯に貧困と格差が広がり、経済的に困難な家庭が増加している。大津市では学校給食費が、小学校で年間約4万円、中学校で約5万円となっており、複数の児童、生徒がいる世帯では重い負担となっている。  学校給食は、食を通じ、子どもの心身の健全な発達を目的とし、「食育」の推進をうたっており、教育の柱の一つとなっている。また、セーフティーネットの機能も果たしており、給食無償化を求める声はますます大きくなっており、子育て支援、少子化対策の一環として、全額または一部補助をする自治体が年を追うごとに増えている。  未来を担う子どもたちの健やかな成長のため、「義務教育は無償」とする日本国憲法第26条にのっとり、住んでいる地域によって格差が生じないためにも、国の責任で給食費の無償化を実施することが強く求められる。  ついては、貴議会より、国に対して「小・中学校の給食費の無償化を求める意見書」を提出するよう請願する。           ──────────────────────────────                   請  願  文  書  表 △請願第6号 子どものために保育士配置基準の引き上げによる保育士増員を求める意見書の提出を求めることについて 請 願 番 号 第6号 受 理 年 月 日 令和5年2月20日 件     名 子どものために保育士配置基準の引き上げによる保育士増員を求める意見書の提出を求めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 黄野瀬明子 節木三千代 付 託 委 員 会 厚生・産業常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨 【請願の趣旨】  国に対して「子どものために保育士配置基準の引き上げによる保育士増員を求める意見書」を提出すること 【理由】  コロナ禍で保育所の重要性は広く社会に認識されたが、感染対策を徹底しながら、子どもの発達を保障し、子育て家庭を支えるには、現在の配置基準は不十分であり、子どもの命と安全を守るためにも保育士増員が急務となっている。また、保育現場では、子どもへの対応や事務業務に追われて休憩や休暇が取れない等の労働環境の悪化の背景にも配置基準の問題がある。  小学校では、コロナ禍を受けて全学年での少人数学級化が順次実施されており、2021年度「学校基本調査」によれば、公立小学校の学級当たりの平均児童数は既に22.7人になっている。一方で、小学生よりも幼い乳幼児が長時間生活する保育所等の4、5歳児の配置基準(子ども30人に保育士1人)が、基準制定以来70年以上一度も見直されていないことは、ゆゆしき事態と言わざるを得ない。  国は2023年4月に「こども家庭庁」を創設して、これまで以上に子ども関連施策の充実、推進をするために予算も倍増するとし、次年度の予算案では、大規模保育園の4、5歳児への加算を計上しているが、保育現場の状況を改善するには、保育士増員や処遇の改善に関わる施策を一層拡充する必要がある。  ついては、貴議会より、国に対して「子どものために保育士配置基準の引き上げによる保育士増員を求める意見書」を提出するよう請願する。           ──────────────────────────────    ──────────────── △陳情についての報告 ○議長(岩佐弘明) なお、陳情については、お手元に配付いたしておきました一覧表のとおりであります。           ──────────────────────────────                   陳  情  一  覧  表 △陳情第1号 学校給食および昼食における「心身の健康の増進と豊かな人間形成」の実現を求めることについて 陳 情 番 号 1 受 理 年 月 日 令和5年2月8日 件     名 学校給食および昼食における「心身の健康の増進と豊かな人間形成」の実現を求めることについて 提  出  者 (略) 要     旨 【陳情趣旨】  既に黙食緩和が滋賀県からの通達によりなされている地域において、感染症流行レベルの差や感染症対策に重きを置いて真摯に取組をなされていることにより、各学校によって黙食緩和に対する判断が分かれる結果が生み出されている。  給食の時間は重要な学校教育活動だが、この約3年間は食事中に感染しない、させないマナーとして「会話を控える、対面にはしない等」に重点が置かれてきた。  これからは感染状況に関わらず「食器や箸の持ち方、並べ方、食事中の姿勢など基本的なマナーを身につけ、楽しい雰囲気の中で会食できるようにする」という孤食および個食では習得することが困難な食育へ再び着目いただきたい。  特に園で使用されていることが多いパーティションは、事故防止や安全性の観点からパーティションの使用を廃止していただきたい。また、パーティションの使用により学校給食が孤食状態となるため、食育基本法の目的にもある「豊かな人間性をはぐくむ」ことへの影響が懸念される。よって、パーティションは基本的には使用しない、推奨しないことを県内の各学校、園の職員や保護者に周知していただきたい。 【陳情事項】
     ・ 滋賀県の学校、園において、黙食緩和に伴い、学校給食法、食育基本法の目的、目標を考慮した対応がなされるよう、各市町教育委員会へ繰り返しの周知をすること。  ・ 食事時のパーティションは基本的には使用しない、推奨しないことを県内の各学校、園の職員や保護者に周知すること。 送 付 委 員 会 教育・文化スポーツ常任委員会           ──────────────────────────────                   陳  情  一  覧  表 △陳情第2号 マスク着用の有無による差別・偏見等防止の啓発および換気システム等を導入し、換気方法の見直しを求めることについて 陳 情 番 号 2 受 理 年 月 日 令和5年2月8日 件     名 マスク着用の有無による差別・偏見等防止の啓発および換気システム等を導入し、換気方法の見直しを求めることについて 提  出  者 (略) 要     旨 【陳情趣旨】  「児童生徒等の心情等に適切な配慮をすること」との記載もあり、各家庭で必要とする感染症対策の度合いは異なることや、「保護者は子の第一義的責任を有すること」に配慮し、保護者や児童生徒に「本人の意に反してマスクの着脱を無理強いしないこと」を何度でも繰り返し丁寧に伝えていただき、周知していただきたい。  換気方法を段階的に見直すことで教室内の安全性を保ち、心理的不安を解消することにより、常時マスクを必要とする児童生徒とマスクをしない児童生徒が、互いの考えや行動を尊重できるようにしていけるよう学習環境の整備および学習機会の確保に努めていただきたい。  教職員に求められる感染症対策の負担を軽減し、子どもたちの人権意識への配慮に注力いただけるよう、より一層の環境整備に努めていただきたい。  また、実際に各学校や園で、アンケートや健康相談の実施等、状況把握を行っていただきたい。 【陳情事項】 ・ 様々な事情がある子どもがいることから、児童生徒等の心情等に適切な配慮を行うこと。厚生労働省通達による「本人の意に反して着脱を無理強いすることにならないよう」という一文を滋賀県教育委員会ガイドラインに明記し、各自治体、教育機関から生徒や保護者への周知をすること。 ・ 高機能換気設備、二酸化炭素濃度測定器、サーキュレーター、HEPAフィルタ付空気清浄機等の換気システムを導入し、換気方法を段階的に見直すことと、換気設備に関する情報提供と周知を各自治体や学校にすること。 送 付 委 員 会 教育・文化スポーツ常任委員会           ──────────────────────────────                   陳  情  一  覧  表 △陳情第3号 大津事故を踏まえた対策等のさらなる深化・検証等の取組を進めることについて 陳 情 番 号 3 受 理 年 月 日 令和5年2月20日 件     名 大津事故を踏まえた対策等のさらなる深化・検証等の取組を進めることについて 提  出  者 (略) 要     旨 【陳情の趣旨および理由】  令和元年5月8日に発生した大津市大萱六丁目交差点における未就学児死傷事故については、滋賀県議会においてもたびたび取り上げられ、県内外において再発防止に向けた対策が一定進められてきた。  一方、同一事象の再発防止対策の交通安全対策の要となる、防護柵、車止めの設置については、事故の実情に適した対策が不十分な実態も県内外に散見され、中央政府の現場認識の不足や過度な即効対策の推進が課題の抜本解決から遠ざけているという指摘をせざるを得ない。  さらに、事態を一層深刻にさせたのは、事故実態に関する滋賀県および滋賀県警察本部の県議会への不正確な報告と中央政府への要望文書の記載であり、現場視察に来県された当時の内閣総理大臣にも同様の説明資料を用いて説明され、警察本部が警察庁や他の警察本部への事故発生に係る申報、報告も含め、ごまかしのオンパレードとまとめるしか表現のしようがない。  今定例議会の知事提案説明において、知事は、子どもの視点に立った施策立案が重要になると発言されている。 これらを踏まえ、滋賀県議会においては、次の取組を当局に求めるよう希望する。  1 滋賀県および滋賀県警は、県議会において正確な事故状況の説明を行うこと。  1 同一事象の交差点(巻込み部に横断歩道が接する交差点)の実態についても一定の取りまとめを行い、横断歩道の位置や幅の在り方、対向車待ちの区画線の類の統一化、関係する交通安全施設整備等を含めこれまでの交差点コンパクト化の検証を含めた安全対策のさらにきめの細かな(閾値)検討や実態把握を行うこと。  1 交差点交通安全化に向けた、指導啓発の推進をすること。  1 知事は上述の実態を踏まえ、迷惑をかけた中央政府や都道府県、県内市町に対して、中央政府要望や全国知事会等において、お詫びと正確な説明に尽力すること。  1 公文書管理条例の施行前とはいえ、関係文書の作成、管理が十分でない実態があるため、さらに適切な運用に向け検証を行うこと。 送 付 委 員 会 土木交通・警察・企業常任委員会           ──────────────────────────────                   陳  情  一  覧  表 △陳情第4号 大津事故を踏まえた対策等のさらなる深化・検証等の取組を進めることについて 陳 情 番 号 4 受 理 年 月 日 令和5年2月20日 件     名 大津事故を踏まえた対策等のさらなる深化・検証等の取組を進めることについて 提  出  者 (略) 要     旨 【陳情の趣旨および理由】  令和元年5月8日に発生した大津市大萱六丁目交差点における未就学児死傷事故については、滋賀県議会においてもたびたび取り上げられ、県内、県外において再発防止に向けた対策が一定進められてきたところである。  令和5年2月の定例議会の知事提案説明において、知事は、「子どものために、子どもとともにつくる県政を目指し、全庁で子ども施策を充実してまいります。 そのためには、子どもの意見を尊重し、子どもの視点に立った施策立案が重要になる」と発言されている。  これらを踏まえ、滋賀県議会においては、次の取組を当局に求めるよう希望する。  1 様々な交通実情を踏まえた交差点における交通安全について、指導啓発の推進をすること。  1 道路部門に限らず、県内の取組経過と対策実績を7月の全国知事会を目途に取りまとめ公表すること。  1 施設側の誤認による報告間違いが生じないよう、施設から報告のあった危険個所およびお散歩コースのうち、関係者による合同点検を行えていない箇所の周期的な点検を行うこと。  1 公文書管理条例の施行前とはいえ、関係文書の作成、管理が十分でない実態がある。このことを踏まえ、さらに適切なルールの整備、運用に向け検証を行うこと。  以上、かけがえのない命を交通事故の危険から除去するためにも、適切な取組が進められることを切に希望する。 送 付 委 員 会 厚生・産業常任委員会           ──────────────────────────────                   陳  情  一  覧  表 △陳情第5号 日本の未来を担う子どもたちの健康と学びを守るために 陳 情 番 号 5 受 理 年 月 日 令和5年2月20日 件     名 日本の未来を担う子どもたちの健康と学びを守るために 提  出  者 (略) 要     旨 【趣旨】 ・ 感染リスクを上げてしまう室内でのマスク着用や黙食の見直し等の緩和の前に、科学的根拠を基に、子どもを守るために、代わりとなる適切な空気清浄機、換気設備を導入、強化し、室内での感染の原因である「ウイルスを減らすことができる」環境に整えること。 ・ 新型コロナウイルス感染症に罹患した子どもと、感染不安から登校自粛している子どもの学びを保障するために「双方向性のあるオンライン授業」を実質的に実現すること。 ・ 基礎疾患を持つ子ども、感染回避のために自主休校している子ども、後遺症で通学が難しい子どもたちの学びを保障するために、登校選択制を導入しオンライン授業参加を出席として認めること。 【趣旨の理由】  メディアや世間の一部では新型コロナウイルスは弱毒化しインフルエンザと同じであるように言われているが、年々強力になる感染力はインフルエンザの何倍もあり、子どもの死亡数はオミクロン以前は3人であったのが、オミクロン以降第7波2022年9月までに62人(第8波不明)が発生し、感染者の1〜3割が後遺症にかかっているという報告がある。また、第9波の主になると注目されているXBB.1.5はBA.5を上回る感染力を持ち、国内でも既に発見されている。さらにBA.5はBA.2より病原性が高いという研究がある。  この事実を前に教室でただマスクを外し、会話をしながら給食を食べることで何が起こるのかは明白である。  新型コロナウイルスの主感染経路は空気感染であり、空気中に漂うウイルスによって感染している。であるならば空気中のウイルスを物理的に除去しようと、米国では学校の空気環境改善に多額の投資をしている。  しかし、滋賀県の多くの教室ではいまだに「窓開け換気」だけで対応しており、これで「適切な対応」とする教育委員会が多数である。結果は学級、学年閉鎖の頻発を見れば明らかである。(各自治体や学校で感染抑制のための設備導入も様々で効果があるのかも疑問である。)日本の学校でも空気中からウイルスを減らす努力が必要である。  また、様々な理由で感染に不安があり登校できない子どもや、後遺症で登校できない子どもが学びから取り残されている。学校には双方向のオンライン授業ができる設備はあるのに、実施できている学校はとても少ない。健康を害するリスクを犯してでも対面授業だけが唯一の選択肢では、取り残される子どもはさらに増えていく。  感染リスクの少ない学習環境を空気清浄機とオンライン授業でつくり、全ての子どもの健康と学びを守ることが必要である。 送 付 委 員 会 教育・文化スポーツ常任委員会           ──────────────────────────────    ──────────────── △決議第1号および決議第2号(ロシアによるウクライナ侵略を非難し即時撤退を求める決議(案)ほか1件)(議員提出) ○議長(岩佐弘明) 日程第3、決議第1号ロシアによるウクライナ侵略を非難し即時撤退を求める決議案および決議第2号北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議案が、議員から提出されておりますので、一括議題といたします。           ────────────────────────────── △決議第1号 ロシアによるウクライナ侵略を非難し即時撤退を求める決議(案)                                           令和5年2月27日 滋賀県議会議長 岩 佐 弘 明 様                                    提 出 者  中 村 才次郎                                           奥 村 芳 正                                           木 沢 成 人
                                              今 江 政 彦                                           節 木 三千代                  議 案 の 提 出 に つ い て  令和4年度滋賀県議会定例会令和5年2月定例会議に下記の議案を提出します。                          記  決議第1号   ロシアによるウクライナ侵略を非難し即時撤退を求める決議(案)           ………………………………………………………………………………  2022年2月24日にロシアがウクライナへの侵略を開始してから1年が経過した。  この間、国連総会においては数次にわたり侵略を非難する決議を採択し、本年2月23日にはロシア軍の即時撤退とウクライナでの永続的な平和などを求める決議を採択するなど、国際社会は連携してロシアに対抗するともにウクライナへの支援を強化してきたが、未だ収束のめどは立っていない。  ロシアによる一連の侵略行為は、ウクライナの主権および領土の一体性を侵害するとともに国連憲章や国際法の原則に反する行為であり、断じて許容できるものではない。また、その影響はヨーロッパにとどまるものではなく、アジアを含む国際秩序を揺るがす重大な事態であり、本県としても看過できるものではない。  よって、本県議会は、ロシアによるウクライナ侵略に対し改めて厳重に抗議し強く非難するとともに、ロシア軍が即時に侵略行為を停止し、完全かつ無条件に撤退するよう強く求める。  政府におかれては、国際社会とも連携し、アジアを含む他の地域でも力による現状変更は決して許されないという意思を発信するとともに、あらゆる外交資源を駆使し、ロシアに対する制裁、ウクライナに対する人道支援を含め、国際社会の速やかな平和の実現に向けて全力を尽くされるよう、強く求める。  以上、決議する。   令和5年2月27日                                          滋 賀 県 議 会           ────────────────────────────── △決議第2号 北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議(案)                                           令和5年2月27日 滋賀県議会議長 岩 佐 弘 明 様                                    提 出 者  中 村 才次郎                                           奥 村 芳 正                                           木 沢 成 人                                           今 江 政 彦                  議 案 の 提 出 に つ い て  令和4年度滋賀県議会定例会令和5年2月定例会議に下記の議案を提出します。                          記  決議第2号   北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議(案)           ………………………………………………………………………………  北朝鮮は、本年2月18日、ICBM(大陸間弾道ミサイル)級の弾道ミサイルを発射し、日本海上の我が国の排他的経済水域内に落下させた。また、その後も弾道ミサイルの発射を繰り返している。  これらの発射は、一連の国連安保理決議および日朝平壌宣言に明確に違反するものであり、各地で弾道ミサイルに関連していると推定される光が確認されるなど我が国に直接的かつ甚大な被害を引き起こしかねないものであるとともに、我が国と地域および国際社会の平和と安全を脅かす一方的かつ重大な挑発行為であって、断じて容認できるものではない。  よって、本県議会は、北朝鮮に対し厳重に抗議し強く非難するとともに、更なる挑発行為を行わないよう強く求める。  政府におかれては、関係国と緊密に連携し、一連の国連安保理決議の完全履行に向けた外交努力を行うとともに、北朝鮮の核・ミサイル・拉致問題の解決に向けてあらゆる選択肢を排除せず検討した上で総力を挙げて必要な措置を講じ、我が国の平和と国民の安全・安心の確保に万全を期すよう、強く求める。  以上、決議する。   令和5年2月27日                                          滋 賀 県 議 会           ────────────────────────────── ○議長(岩佐弘明) お諮りいたします。  決議第1号議案および決議第2号議案については、提出者の説明、質疑および委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  これより討論に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありませんので、討論なしと認めます。  これより採決いたします。  決議第1号議案および決議第2号議案を一括採決いたします。  決議第1号議案および決議第2号議案を原案のとおり可決するに賛成の方は、御起立願います。    〔賛成者 起立〕  御着席願います。起立全員であります。よって決議第1号議案および決議第2号議案は、原案のとおり可決いたしました。  お諮りいたします。  ただいま議決されました決議中万一字句等について整理を要する場合は、その整理を本職に一任されたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らいます。    ──────────────── △休会の議決 ○議長(岩佐弘明) お諮りいたします。  明28日から3月8日までは委員会審査等のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(岩佐弘明) 来る3月9日は、定刻より本会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。   午後4時3分 散会    ────────────────...