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令和 5年 2月定例会議(第24号〜第32号)−02月22日-04号

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  1. 滋賀県議会 2023-02-22
    令和 5年 2月定例会議(第24号〜第32号)−02月22日-04号


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    最終取得日: 2024-09-17
    令和 5年 2月定例会議(第24号〜第32号)−02月22日-04号令和 5年 2月定例会議(第24号〜第32号)                 令和5年2月定例会議会議録(第27号)                                        令和5年2月22日(水曜日)           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第4号                                         令和5年2月22日(水)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第1号から議第49号まで(令和5年度滋賀県一般会計予算ほか48件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問           ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件           ────────────────────────────── 会議に出席した議員(42名)    1番   菅  沼  利  紀       2番   桐  田  真  人    3番   井  狩  辰  也       4番   本  田  秀  樹    5番   柴  田  清  行       6番   重  田     剛    7番   清  水  ひ と み       8番   河  井  昭  成    9番   佐  口  佳  恵       10番   小  川  泰  江
       11番   黄 野 瀬  明  子       12番   松  本  利  寛    14番   田  中  松 太 郎       15番   角  田  航  也    16番   塚  本  茂  樹       17番   山  本     正    18番   大  橋  通  伸       19番   駒  井  千  代    20番   中  村  才 次 郎       21番   白  井  幸  則    22番   村  上  元  庸       23番   桑  野     仁    24番   周  防  清  二       25番   海  東  英  和    26番   加  藤  誠  一       28番   目  片  信  悟    29番   有  村  國  俊       30番   岩  佐  弘  明    31番   富  田  博  明       32番   細  江  正  人    33番   川  島  隆  二       34番   奥  村  芳  正    35番   木  沢  成  人       36番   清  水  鉄  次    37番   大  野  和 三 郎       38番   冨  波  義  明    39番   江  畑  弥 八 郎       40番   成  田  政  隆    41番   九  里     学       43番   今  江  政  彦    44番   中  沢  啓  子       45番   節  木  三 千 代           ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(1名)    13番   杉  本  敏  隆           ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               公安委員会委員長代理      高  橋  啓  子               副知事             江  島  宏  治               副知事             大  杉  住  子               知事公室長           中  嶋     毅               総合企画部長          東        勝               総務部長            河  瀬  隆  雄               文化スポーツ部長        谷  口  義  博               琵琶湖環境部長         高  木  浩  文               健康医療福祉部長        市  川  忠  稔               商工観光労働部長        浅  見  裕 見 子               土木交通部長          門  間  俊  幸               病院事業庁長          正  木  隆  義               警察本部長           鶴  代  隆  造           ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            箕  浦  宏  昌               議事課長            吉  田     亮               議事課課長補佐         内  田  吉  行           ──────────────────────────────   午前10時 開議 ○議長(岩佐弘明) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(岩佐弘明) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  公安委員会北村嘉英委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として高橋啓子委員が出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(岩佐弘明) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第1号から議第49号まで(令和5年度滋賀県一般会計予算ほか48件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問 ○議長(岩佐弘明) 日程第1、議第1号から議第49号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、34番奥村芳正議員の発言を許します。 ◆34番(奥村芳正議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。それでは、2日目トップを務めさせていただきます。  昨年の2月22日、同じくこの場に立っておりました。テーマは、滋賀の認知度を高めるための取組についてたださせていただきました。そのときも触れましたが、一般質問、毎年、私は知事の職員に向けての年頭の挨拶に注目をしております。  知事は、この新年の挨拶で幾つか標語を発言されております。ビヨンドコロナ、健康しが2.0、そしてシン・ジダイであります。ちなみに、昨年はシガリズムでありました。毎年標語が変わり、ついていくのがなかなかしんどいですが、今回、このシン・ジダイについての質問を一問一答で全て知事に伺います。  知事は、「片仮名表記シン・ジダイの『シン』には、新しいの『新』、一歩進むの『進』、未来に伸びるの『伸』、一本芯の通った『芯』、こころの健康重視の『心』、みんな仲よく親しくの『親』、本当の意味の『真』など多くの意味を込めています」と年頭の挨拶で発言され、随分とたくさんの意味合いで使っておられるようであります。しかしながら、逆にたくさんあり過ぎて、今年、何をしたいのかが大変分かりづらいのであります。まずは、シン・ジダイについて、知事の解説をお聞きいたします。 ○議長(岩佐弘明) 34番奥村芳正議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  シン・ジダイは、令和5年度を迎えるに当たりまして、私たち県としての取組姿勢を表したキーメッセージとして出させていただきました。  今後、コロナ禍で顕在化しました課題に応えながら、世界の潮流や社会情勢を踏まえ、2期目の基本構想実施計画および行政経営方針に基づきまして、健康しがの実現を目指して、次の世代の子供、若者と共に歩んでいく未来をシン・ジダイと表現させていただきました。  片仮名表記の「シン」には、私たち自身に問いかけ、様々な意味に置き換えながら、行政課題、施策、効果等を考え、共に取り組み、新たにチャレンジしていく重要性も込めさせていただいたつもりでございます。 ◆34番(奥村芳正議員) (登壇)「ジダイ」も片仮名表示ということで、「ジダイ」というのは、次の世代の時代、そしてまた、今の我々の生きているこの世の中の時代、二通りがあると思うんですけれども、これはさておき、新しいという意味での「新」であれば、知事が就任当初から掲げておられます新しい豊かさがあります。自分の豊かさだけではなく、心の今の豊かさだけでもなく、モノの豊かさだけでもない、みんなが将来も持続的に実感のできる心の豊かさという考え方であり、現基本構想でもその考え方を引き継ぐとされておられます。  年頭での挨拶では、(仮称)新しい豊かさ研究会をつくり、県民と共に最新、最高の知見を集め、より効果的な手法で新たな指針づくりを検討するとおっしゃっておられます。2030年までの県基本構想や、今年度策定されている行政経営方針という指針がある中で、新たな指針のイメージを想像することが難しいのでありますが、新たな指針とはどのようなものをつくることを目指しておられるのか伺います。 ◎知事(三日月大造) 正直、まだこれからというところはあるんですけれども、コロナもありましたので、懊悩の中で今考えているというのが正直なところです。根源性と先進性と長期性は追求したいと思っています。  私が知事に就任以来、新しい豊かさと申し上げておりますのは、今だけ、モノだけ、お金だけ、自分だけの豊かさではない豊かさというのをみんなで追求していこう、実現していこうじゃないかという、こういう問いかけ、呼びかけをさせていただいております。滋賀ならできるだろうと、例えば三方よしを実践してきたという滋賀ならできるだろう、琵琶湖を大事にしてきた滋賀からやろうじゃないかという、こういう意味を込めて申し上げてきました。  そういう中で、さらなる人口減少の問題ですとか、コロナ禍ですとか、災害ですとか、ウクライナへの侵略ですとか、そういったことごとがある中で、この先どうなるんだろうと思われている方、多いと思うんですね。だからこそ、この新しい豊かさの中で健康しがというのを追求してきておりますけれども、先を見通しながら、さらなるどういうことが必要なのか、大切にするべきなのかということを、これは知事だけではなく、行政だけではなくて、世界の最高の知見もできれば取り入れながら、何か見いだすことができないかということを考えております。  コロナに直面して3年、私自身がウェブ等でいろんな方々と接してきた、こういったことがございますが、できればそれを広く県民の皆様方とも共有しながら学び合えるような、そういう場をイメージしながら、来年度、方向性を見いだしていきたいと考えているところです。 ◆34番(奥村芳正議員) (登壇)我々、その答弁でしっかりと受け止めて応援したいのですが、より具体的に県の施策として、この中で触れています自分の新しい豊かさ研究会というところでしっかりと議論していただいて、県民に分かりやすいように具現化していただくことをお願いをしておきたいと思います。  「シン」の中で、未来に伸びる「伸」でしょうか、シン・ジダイの柱の一つとして「子ども、子ども、子ども」を挙げておられます。この中でも最重要政策課題の一つとして少子化の克服があります。  少子化は、1970年代に合計特殊出生率が戦後初めて20を割って以来、何度となく対策が取られてきましたが、先のこととして曖昧になってきたことは否めません。人口減少が再び取り沙汰された平成26年には、出生率の低い東京圏に人口が一極集中することにこそ、その根本的な原因があるとして、地方創生と銘を打ち、総合的な様々な対策が取られ、その結果、観光業を中心として地方経済の活性化の兆しが見えてきましたが、新型コロナにより少子化対策としての効果を表す前に尻すぼみとなっております。ましてや、12月に昨年の出生数が統計開始以来初めて80万人を割る公算が高くなったと新聞各紙が報道しましたが、人口減少にますます拍車がかかり、もはや国難となりつつあります。  我が国では、基本的に結婚をしないと子供が産めない風潮であります。裏を返せば、婚姻数、婚姻率が出生率、出生数に多分に影響をいたします。本県における婚姻件数、婚姻率の推移については、この9月の定例会議の塚本議員の一般質問に対する知事の答弁で、国の人口動態統計では、本県の婚姻数は、2000年には8,593件あったものが、以降、減少傾向であり、特に新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた2020年以降、大きく減少し、2021年には5,733件となっております。また、婚姻率も同様の傾向にあり、人口1,000人に対する婚姻件数では、出されている婚姻率は、2000年は6.5から2021年には4.2となっているとのことであります。  また、知事は、「結婚に対する価値観の変化により婚姻率、婚姻数が減少している」とした見解を答弁されておられますが、少し分析が足りないのではないでしょうか。価値観の変化は確かに要因の一つではあるでしょう。意識改革については啓発程度しか対策が打てず、ましてや結婚は個人の問題として曖昧なことを言っていては、いつまでたっても課題は解決できません。  とはいえ、質問時間に限りがありますので、今回は論点を絞らさせていただきます。  出生数は、若い女性の人口の増減に影響されます。我が国では、人口の男女比は、50歳未満の年齢では若干男性のほうが多い傾向があります。滋賀県の令和2年10月1日現在の年齢男女別人口の構成比は、19歳以下は106.2%前後と男性が若干多く、全国105.1%前後に対して大体全国平均並みであります。しかしながら、20歳から29歳になると112.8%と、全国平均の103.8%に対して極端に増えています。そして、30から34歳では106.8%と、全国平均の103.4%前後に対して若干多く、35歳から39歳になると102.8%と、全国平均の102.3%とほぼ同等になります。この要因について、どのように分析されているのか、お伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  県内の大学では、理工系学部を中心に男子学生の数が女子学生の数を大きく上回っておりまして、県内大学への進学のために男性の転入が多くなった一方、女性が県外への進学等のため転出したことが、20代で男性比率が大きくなっている要因の一つではないかと考えます。  一方、女性は大学卒業後の頃から転入が多くなり、30代で男性より女性の転入が多くなっていることも現状の人口構成となっている要因の一つではないかと捉えているところです。 ◆34番(奥村芳正議員) (登壇)昨年の定例会の一般質問でも私が紹介させていただきましたが、本県の2020年の生涯未婚率は、男性が21%、全国第1位で未婚率が低く、女性は11.8%で全国第2位、その当時から男女とも全国2位以上であり、婚姻率の高い県であるということがうかがえます。  本県は、全国と比較してそういった状況下にあるのでありますが、結婚、出産等を機に、京阪神のベッドタウンである滋賀県に男女とも移り住んでいただく、県南部を中心としたそういった傾向が引き続き続くのは明白でありますが、ここで手綱を緩めると、京都、大阪に人口が移ってしまいますので、ここはしっかりとお願いしたいところであります。  しかしながら、20代の女性の流出については深刻でありますが、本県として真っ先に取り組むべき課題であると思うのですが、現在の取組の成果について伺います。 ◎知事(三日月大造) 女性も働きやすい魅力的な職場づくりが進むよう女性活躍推進企業を増やす取組ですとか、県内企業の魅力を学生にPRするといった取組のほか、女性、若者への就職支援、起業支援、在宅ワークの普及などの取組を行っているところです。  20歳代女性の転出超過は、令和2年の912人から令和4年は325人となるなど、一定の改善は見られますものの、依然として転出超過の状況にあるものと認識しているところです。 ◆34番(奥村芳正議員) (登壇)一方で、少子化は国難であり、都道府県レベルの対策では予算規模からいっても対応が難しいところであり、国レベルで抜本的な対策を取る必要があります。政府では、岸田首相が異次元の少子化対策を行うと発表され、現在、通常国会でも議論がされております。児童手当の所得制限撤廃や出産・子育て応援交付金の継続などのほか、子育て期の長時間労働是正や育児休業制度の強化などの課題があります。しかしながら、抜本的な課題の一つは、子育て、特に教育費についての負担が大きく、賃金が上昇しないことや年老いた親の生活支援に対する負担も相まって、経済的な不安が婚姻率、出生率が上昇しないことが、数多くの有識者、報道等により指摘されております。このため、経済的不安が払拭されない限り、多くの国民が今後も出産をためらう可能性が高いものと思われます。  このような状況から、東京都は、来年度の予算に、結婚・妊娠・出産・子育て支援として4,745億円を計上され、18歳まで月額5,000円の現金給付や、私立中学校の授業料の一部助成などを盛り込むなどとし、小池都知事は、少子化対策は本来国が戦略的に取り組むべきで、もはや一刻の猶予もないと、都として国に先駆ける形で総合的な策を講じると発表されました。  令和3年の東京都の合計特殊出生率は1.08であり、我が国全体の合計特殊出生率を上げるためには、東京都の出生率を上げることは急務でありますが、東京都だけが優遇されては、東京一極集中がさらに加速してしまうことになります。やはり所得の低い地方にこそこのような施策が必要であります。しかしながら、8兆円を超える予算規模の東京都だからこそできる対策であり、6,000億規模の本県では到底まねのできない施策であります。  国との連携については、私も過去に何度も質問をさせていただいておりますが、単に連携や予算を取ってくるという意味だけでなく、国と県と役割分担を明確にし、県でできることを精いっぱい取り組まなくてはなりません。その上で国にしかできないことや国の支援を要望、要請することが重要であります。  知事は、全国知事会における次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーであり、政府に対して要請活動を行っておられます。東京都の対策を各都道府県に拡充するよう政府に要請すべきと思いますが、知事の所見について伺います。 ◎知事(三日月大造) 子育てにかかる経済的支援は、少子化対策の観点からも非常に重要だと考えておりますが、本来は、自治体の財政力などにより施策に地域間格差が生じるべきではないと考えております。  国におきましては、今まさに異次元の少子化対策に向けての議論が進められておりまして、私自身、先月24日には、こども政策に関する国と地方の協議の場準備会合に出席させていただき、経済的支援につきましては、全国一律の制度として拡充を図るよう意見を申し上げたところでございます。  今後も、国の議論を注視しつつ、全国の意見を集約しながら、引き続き要請してまいりたいと考えております。 ◆34番(奥村芳正議員) (登壇)さきの塚本議員の一般質問の答弁では、「より世界に開かれ、世界との関わりの中で人口問題を捉えていくこともそろそろ必要なのではないか」と答弁されておりますが、これは、そろそろ移民政策も考える必要があるという意味なのでしょうか。具体的に御教示願いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 今後、人口が減少していく中で、労働力確保や多文化共生など様々な可能性を持つ方策の一つとして、移民政策も含めて幅広く議論されるべきではないかといった認識を持っているものでございます。 ◆34番(奥村芳正議員) (登壇)少子化課題を克服した上で、人口問題ではなく、多文化共生や経済の問題の観点から、世界に開かれ、世界の関わりの中で我が国や滋賀県はどうあるべきか議論をしてもらいたいものであります。ましてや、知事は、単なる一知事ではなく、全国知事会における次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーであり、関西広域連合長であります。少子化問題の克服について簡単に諦めるような発言は慎み、関西のリーダーとして国に問題提起し、引っ張ってもらいたいものであります。改めて少子化問題の克服について知事の決意を伺います。 ◎知事(三日月大造) 決して少子化問題の克服について諦めているわけではありません。出生数の減少や合計特殊出生率の低下に歯止めがかからない状況について、私も重く受け止めています。若い世代が安心して就労し、結婚、妊娠、出産、子育てに係る希望をかなえられる環境、これを社会全体でつくっていけるよう、滋賀県知事として全力で取り組んでまいりたいと存じます。  また、この問題は全国的な問題でもございますので、全国知事会プロジェクトチームのリーダーとして、また、関西広域連合連合長でもありますので、そういう立場も生かしながら、子供政策の充実についてしっかり提言をしてまいりたいと存じます。 ◆34番(奥村芳正議員) (登壇)よろしくお願いをいたします。  次に、滋賀県にとっての中心、または、真っ芯の「芯」でしょうか、琵琶湖をはじめとする山、川、土など自然環境についてであります。
     こちらも時間の関係で質問を絞らせてもらいますが、現在、琵琶湖・CO2ネットゼロ対策特別委員会において、議員提案により、滋賀県産材の利用促進に関する条例の制定を目指して議論がされているところであります。特別委員会では、委員会の提出を目指していたところでありますが、理由は定かではありませんが、共産党さんは残念ながら反対ということであります。  しかしながら、滋賀の森林は、琵琶湖の水源の涵養や地球温暖化の防止、その他の多面的機能を有しており、県産木材の利用を促進することにより、健全で緑豊かな森林を未来に引き継いでいかなければならないことも誰も異論はないと思われます。  また、現在、ウッドショックやロシアのウクライナ侵攻による経済制裁の応酬により、外国産木材の価格は高止まりし、国産木材のほうが安い状況が続いており、ハウスメーカー国産材木材に切り替えていると仄聞しております。また、大手や外資系の企業が脱炭素化に貢献するPRの観点から、10階以上の木造ビルの建設計画も多数進んでいるところであります。  本県においても、戦後に植栽された本格的な利用期を迎えている人工林の伐採を促進し、造林公社の債務問題を少しでも解決するためのチャンスであります。しかしながら、その主となる林業については課題だらけであります。植栽してから伐採するまで50年程度かかることから、育林費用が山元立木価格を上回る赤字体質であることが課題であります。したがって、施業の集約化や作業システムの向上、低コストなど林業経営を効率化することが急務であります。  また、樹齢50年以上を経過するとCO2の吸収量は急速に減少するとされております。県の方針では、伐採後は、その7割を環境林に変えていくとのことでありますが、環境林では50年後の伐採が行われず、CO2の吸収量も減少し、森林維持、再生サイクルが止まってしまうことが懸念されます。このため、今だけでなく、50年後、100年後を見据えた持続可能な林業、木材産業にしていくことが重要でありますが、知事の林業、木材産業に対する今後のビジョンを伺います。 ◎知事(三日月大造) 100年後の滋賀の森林の姿を展望いたしまして、森林の適正な管理を図るため、木材生産に適した場所での循環林と、奥地等で自然のサイクルによって多面的機能が発揮される環境林を組み合わせたゾーニングによる森林づくりを目指しております。  とりわけ、利用期を迎えた人工林につきましては、循環利用を強力に進めることに加えまして、ICTを活用し流通強化を図ることにより、木材産業の競争力を高めることが重要だと考えます。  今後は、CO2ネットゼロ社会の実現も見据え、主伐、再造林による資源の再生産と森林の適正な管理を図りまして、林業、木材産業を成長発展させ、グリーン成長の実現につなげてまいりたいと存じます。 ◆34番(奥村芳正議員) (登壇)先ほども述べましたように、現在、その赤字体質から、林業は単独では成り立ちにくく、森林所有者の管理意欲も極めて低下している状況であります。このため、林業および木材産業と、キャンプ場などの観光産業や木工製品の産業など、他の産業との連携を図る、いわゆる6次産業化により、森林資源の価値の向上を図ることにより、森林所有者の森林管理に対する意欲を高めることが重要になってきており、県産材利用促進条例では一つの柱となっているところであります。  知事は、やまの健康や北部振興などを打ち出しておられます。林業と他産業の連携、これは県庁内でも琵琶湖環境部だけでなく、商工観光労働部や農政水産部、総務部などの連携による森林を生かした地域活性化に取り組むことや、やまの健康や北部振興の起爆剤となり得ますが、知事の取組方針について伺います。 ◎知事(三日月大造) やまの健康ですとか北部振興につきましては、議員御指摘のとおり、分野を超え、全庁を挙げた取組が重要だと認識しております。  今後、林業、木材産業の振興に加え、都市圏に近い滋賀県の立地を生かした森林サービス産業の創出や、エコツーリズム、びわ湖カーボンクレジットなど、やまの資源をフル活用した取組を一層進めてまいりたいと存じます。  これらの取組を通じまして、森林所有者の森林管理に対する意識の向上につなげ、やまに関わる人々の収益向上と農山村の活性化を図っていきたいと存じます。 ◆34番(奥村芳正議員) (登壇)県産材の供給を増やすことのみならず、需要を促進しなくてはなりません。  滋賀県は、古くから琵琶湖と共に、その水源となる森林から恵みを享受し、豊かな生活を営み、木材を利用する文化を育んでまいりました。森林から得られる木材は、様々な工夫を凝らして建築物、日用品など用途に応じた利用が行われてまいりました。特に、古来の近江国は、比叡山延暦寺をはじめとする自国の建築物だけでなく、京都や奈良などの都に近い立地を生かして、近江国以外の宮殿や寺院の造営および維持のための木材の供給地にもなっていたところであります。  これら、これまで培われてきた木の文化の歴史の理解や、木の持つ癒やしなどのよさへの県民への理解、また、琵琶湖の水源涵養など、環境を守る側面からの県産材を使う意義の県民への理解を促進することが、県産材の需要を促進するために非常に重要でありますが、県として今後どのように進めようとされるのか伺います。 ◎知事(三日月大造) 私の先祖は鹿深の杣人でもありましたので、議員のおっしゃることはとても共感いたします。  古来から続く木を使う文化の継承や、木のよさを直に直接体感することにより、森林が琵琶湖をはじめとする環境の保全に貢献していることを理解することは極めて重要であると認識しています。  このため、子供から大人までが木と触れ合い、木に学び、木を暮らしに生かす木育の取組を進めております。来年度は、木育拠点の整備に着手するとともに、引き続き木育指導者を育成してまいりたいと存じます。  また、木造化促進アドバイザーが設計を助言することにより、公共施設や住宅以外の民間建築物の木造、木質化を一層促進します。来年度、琵琶湖環境部に新たな組織、びわ湖材流通推進課を設置いたしまして、これらの取組を推進することにより、さらなる県産材の需要喚起を図ってまいりたいと存じます。 ◆34番(奥村芳正議員) (登壇)次に、親しいの「親」でしょうか、世界とのつながりであります。  55周年、40周年の節目を迎える米国ミシガン州、中国湖南省との友好姉妹都市関係を、対面交流活動の復活再開と環境・平和友好交流訪問団の派遣により進化、発展させたいとのことであります。  国政レベルでは、現在、我が国とアメリカとの関係は良好でありますが、中国との関係は思わしくありません。また、香港の一国二制度が形骸化されるなど、台湾への侵攻が懸念されており、尖閣諸島問題を抱える日本国民の感情として中国への不信感が高まっているところであります。企業においても、こうした状況を受けて、中国からの撤退や生産拠点を東南アジア諸国に動かせる動きも加速化されているところであります。  平和交流は大変重要でありますが、このような状況下で、本県も政府の動きと連動し、時には交流の仕方について慎重になることが必要と思われますが、来年度、知事は具体的にどのような取組をされようとしているのか伺います。 ◎知事(三日月大造) 世界情勢や国レベルでの事情にかかわらず、経済活動や市民交流などの草の根の交流を続けることは大変重要だと認識しています。  これまで、地方だからこそできる役割として、姉妹友好州省と長きにわたる交流を続け、多くの人々の往来が重ねられることにより、お互いの理解を深めてまいりました。  次年度は、湖南省との友好提携40周年の節目を迎えますので、記念式典の開催による対面交流の復活や、両県省の若者の交流による次の交流の担い手の育成を図ってまいりたいと存じます。 ◆34番(奥村芳正議員) (登壇)次に、第4、第5の友好交流提携先の可能性を探るとしたいと発言されておられますが、現時点で具体的に考えておられる国や都市があるのか、お伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 現時点で第4、第5の具体的な国や都市はございません。  本県の姉妹友好州省はいずれも湖をえにしに友好交流が始まっております。環境、経済など様々な分野に発展させ、長きにわたり厚みのある交流を展開してまいりました。また、姉妹友好州省以外にも、東南アジアやヨーロッパなどの都市と環境や経済、観光などの分野で交流を行っております。  友好交流の新たな提携先につきましては、具体的にお示しできる段階には今はありませんが、こうした状況や経験を踏まえるとともに、ポストSDGsも見据えて、お互いにメリットとなる関係を構築できるよう検討を進めてまいりたいと存じます。 ◆34番(奥村芳正議員) (登壇)最後に、真実の「真」の文字と心の「心」の文字を2つ組み合わせて、真心という文字が浮かんでまいります。観光は真心の籠もったおもてなしが重要であります。年初の挨拶では国際交流中心でお話しされたようでありますが、ビヨンドコロナ、コロナを乗り越えるとして、今年度は外国人観光客をコロナ以前より増やす政策が重要であります。  リニューアルした「ここ滋賀」において外国人に滋賀のよさを知ってもらう取組も加速化していく必要があります。また、京都にも外国人が増えてきましたので、私が提案しました「そこ滋賀」の取組にもしっかりと取り組んでもらいたいものであります。  また、女性の職場づくりの一つとして、観光産業は男女問わずしてその能力を発揮できる魅力的な職場の一つであります。このような観点からも、外国人観光客をコロナ以前よりも増やすことについて、来年度の知事の意気込みを具体的な取組も含めてお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 外国人観光客の誘引に向けましては、訴求力の高い観光コンテンツの創出を図りながら、京都を訪れる旅行者に対しましても滋賀への訪問を促す「そこ滋賀」の取組も引き続き実施してまいります。  また、多くの外国人が、訪日前、いわゆる「旅マエ」に目的地や旅行行程を決定されているケースも多いということですので、「旅マエ」においてシガリズムをはじめとする本県の魅力を積極的にプロモーションしていきたいと存じます。  多くの外国人の来場が見込まれる大阪・関西万博の開催を2年後に控えまして、本県への誘客を確かなものとするため、私が連合長を務めております関西広域連合などとも緊密に連携を図りながら、本県が世界から選ばれるよう、着実に取組を進めてまいりたいと存じます。 ◆34番(奥村芳正議員) (登壇)多くの皆さんが期待をされておられますので、よろしくお願いをいたします。  知事の挙げられた文字の中にはありませんでしたが、信頼、信じたいの「信」として、前回の一般質問で三日月知事のこれまでの経験や人徳から関西連合長になられるべきということを進言させていただきました。他の知事からも認められ、無事連合長になられました。  少子化問題や景気対策新型コロナ、急速に移り変わる国際情勢など、我が国や関西、そして本県を取り巻く状況は大変厳しい局面ではありますが、広域連合長として関西をまとめていただくとともに、関西の中の滋賀の立ち位置も変革を起こしていただき、シン・ジダイを切り開いていただきたいと思います。  関西広域連合議会で、私もまた直接連合長に質問をする機会をいただきました。こういったことで引き続き全面的に応援をさせていただきたいと思いますので、ぜひ一緒にやりましょう。ありがとうございました。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、34番奥村芳正議員の質問を終了いたします。  次に、20番中村才次郎議員の発言を許します。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇、拍手)皆様、おはようございます。  県道558号高島大津線中央線変移規制区間について、まず質問をさせていただきます。  この件につきましては、警察本部、土木交通部にまたがりますので、本会議で質問させていただきます。どうか御了承いただきたいというふうに思います。  令和3年6月議会において、県道558号高島大津線の大津港口交差点─柳が崎交差点の間にある中央線変移規制区間について質問をさせていただきました。  中央線変移規制とは、主として自動車がスムーズに流れ渋滞を緩和することを目的に、全幅3車線以上の道路において、中央線の位置を時間帯によってずらし、交通量が特に多い方向の車線を特定の時間帯のみ増やすものです。日本では、1960年代後半に、東京都内の甲州街道や日光街道で試験的に始められ、その効果が見られたとして、1970年以降、全国に設置されました。最も多かったときには20都道府県に35か所あったそうです。しかし、危険性の問題があったり、新たな対策を施すことによって交通流の改善が見られたりしたことによって、廃止するところが多くなってきています。  近畿圏で唯一残っている大津港口から柳が崎のこの区間は、主に3車線で、高島方面から浜大津方面への交通量が増える午前7時から9時と午後3時から5時は中央線を移動させて2車線になり、高島方面への車線が1車線となります。それ以外の時間帯は高島方面が2車線となっています。  交通量を調整し渋滞をできる限り少なくするためには必要なシステムではありますが、現地の道路事情に通じていない利用者にとっては非常に危険で、県外から引っ越しされてきた方の体験は前回の質問のときに紹介させていただいたとおりでございます。  平成30年から令和2年までの3年間の交通事故発生件数は53件で、そのうち正面衝突は1件でした。  まず最初に、その後の事故の状況について、警察本部長に伺います。 ○議長(岩佐弘明) 20番中村才次郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎警察本部長(鶴代隆造) (登壇)お答えします。  お尋ねの区間における令和3年と4年の最近2年間の交通事故発生件数は31件であります。  このうち正面衝突は1件でございまして、これは当該区間において発生した交通事故の約3.2%に当たります。同じ期間の県下全体の交通事故における正面衝突事故の割合は約2.7%でございまして、大きな違いはありません。当該区間で正面衝突の事故が多く発生しているという状況にはございません。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ありがとうございます。  この2年間、交通事故の発生件数も少なくなっているようでございますし、全国では大変高い数字も見受けられているんですけれども、浜大津のこの区間での交通安全対策をしっかりしていただいている結果であるというふうに思います。感謝いたします。  令和3年6月議会での警察本部長の答弁では、「中央線変位システムについては、今後、更新の目安となる時期を順次迎える。また、道路交通環境も大きく変化してきており、令和3年度に交通流シミュレーションを行い、関係機関とも協力するなどしながら対策を検討してまいりたい」とありました。既にこのシミュレーションの結果が出ているというふうに思いますし、それを基に関係者の方が集まって検討が行われていると聞かせていただいております。この検討会の状況について、警察本部長に伺います。 ◎警察本部長(鶴代隆造) お答えします。  中央線を固定する想定で行いました御指摘の交通流シミュレーションの結果を受けまして、昨年3月以降、県土木交通部、大津市、警察で計5回の検討会を開催いたしております。  検討会では、中央線変移規制の存廃の是非や、シミュレーションにおいて確認された交通渋滞の解消方策などを話し合い、その結果を受けて、昨年12月に再度シミュレーションを実施するなど、精力的に調査、議論を進めているところでございます。引き続き、県などと共に最適な交通規制の在り方につきまして検討を深めてまいります。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ありがとうございます。既に5回も検討会を重ねていてくださる、それも、土木交通部や大津署等、関係者の方が集まってやっていただいて、また、それに加えて新たに、知りませんでしたけれども、シミュレーションを行っていただいていると。大変感謝いたします。県民の皆様方の安全に関して大変努力していただいているというふうに感じます。  中央線変移規制システムを廃止するか存続するか、今、答弁もございましたけれども、結論を求めるのは時期尚早だと承知しておりますけれども、2025年には国スポ・障スポが開催され、それに符合するかのように待望の国道161号の坂本北から真野間の4車線化も供用されます。また、中央線変移規制システムの耐用年数も限界に近づいているという問題もあります。いつ頃にこの方向性を示していただけるのか、目標を警察本部長に伺います。 ◎警察本部長(鶴代隆造) お答えします。  中央線変位システムの機器は、更新目安となる時期を迎えておりまして、2年後の国スポ・障スポ大会開催時には県外ドライバーの増加が予想されることも踏まえ、それよりも前には具体的な交通規制の在り方を決定し、必要な措置を講じることができるよう、具体的な方向性を示していくことができればと考えております。  まずは、交通量の実態や今後の見込み、シミュレーションから得られた知見等も踏まえまして、信号機の運用改善や車線構成を変更するなどの渋滞緩和対策を講じながら、県などとも協議、検討して、例えば中央線を試行的に固定するなど、具体的な取組を来年度中には行いまして、その結果も踏まえて、先ほどのスケジュール感で最終的な方向性を示すことができればと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)来年度中に試行もしていただけると。大変早く進めていただいているなというふうに感じました。ぜひ、御答弁にもありましたけれども、2年後を目指して、県外からのドライバーも増える、そういった時期に改善されることをお願いしたいというふうに思います。  次に、中央線変位区間が設けられたときは、ここは国道でございました。けれども、現在は県道558号となり、完全に管理者は県になります。そこで、中央線変移規制区間を含む今後の県道558号高島大津線について、土木交通部長はどのような方針を持っておられるのか伺います。 ◎土木交通部長(門間俊幸) (登壇)お答えいたします。  中央線変移規制区間の運用検討につきましては、これまでから県警と情報共有を図りながら取り組んでおり、方向性が決まれば、道路管理者として必要な対策を実施してまいります。  当該区間は、慢性的な渋滞が課題となっており、今後の運用検討だけでなく、抜本的な道路整備の検討が必要と認識しております。このため、現在作成中の道路整備アクションプログラム2023におきまして、新たに着手時期検討箇所として位置づける予定でございまして、今後検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ありがとうございます。土木交通部長からも警察本部と共に協議を重ねてという御答弁をいただきました。大変ありがたいというふうに思います。また、(仮称)滋賀県道路アクションプログラム2023にもその区間、入れていただきまして進めていただけるということに感謝いたします。どうか、この区間、新築マンションも増えまして、また、新たな商業施設もコロナ禍の中でたくさんの方が訪れるようになってまいりました。競艇場もこの区間内にありまして、旧スタンドについては解体し、跡地利用も計画をされております。警察本部、土木交通部、また他の関係機関とも連携を取っていただきまして、新しく、特に県民の皆さん、また、県外から来られる皆様方の安全を重視して、新しい道路に生まれ変わることを要望いたしましてこの項の質問を終わらせていただきたいと思います。  次の項の質問に移ります。撤去された琵琶湖文化館の大トンボの今後の活用についてです。  (仮称)新・琵琶湖文化館については、令和3年に策定された基本方針に基づいて、昨年6月に実施方針、要求水準書(案)の策定、公表が行われました。その後のことについては皆様も御存じのとおりですので、詳しくは述べませんが、順調に進めば令和9年秋頃に大津港港湾業務用地に開館の予定になっております。  さて、今の琵琶湖文化館ですけれども、所蔵されている国宝、重要文化財を守るために、昨年、屋根等の補修が行われることが発表され、現在、その作業が進められています。  同時に、老朽化し危険と思われる琵琶湖文化館のシンボルである大トンボと避雷針は撤去されることになりました。約60年にわたり文化館のシンボルとして多くの人々に親しまれ、湖上約40メートルの高さから琵琶湖や町並みを見守ってきた大トンボです。この大トンボ、アキアカネをモチーフにしたものだと聞いております。  その思い出を残すために、県民の皆さんから写真の投稿を募り、昨年の11月15日から11月30日まで、びわ湖浜大津駅ターミナルデッキと県庁において、大トンボと琵琶湖文化館写真パネル展が行われたところです。  実は、1月末にこの前を通りまして、琵琶湖文化館の上を見上げると、あの屋根の上に設置されていた大トンボがなくなっているのに気がつきました。担当課の方に早速聞かせていただくと、交通の妨げにならないように1月26日深夜に撤去されたとのことでした。そして、現在、大トンボは館内に大切に保管されています。60年間滋賀県を見守り続けていた大トンボがどのような状態であるか、大変気になりましたので、先日、琵琶湖文化館を訪問させていただき、大トンボを見学させていただきました。お話も聞かせていただきました。そういう面では、全く素人の私の目には、塗装は剥げているものの、60年も屋根の上に設置されていたとは思えないほどしっかりした状態に思えました。  1つ目の質問でございますが、大トンボの破損、腐食などの現在の状態について、文化スポーツ部長はどのように認識されているか伺います。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) (登壇)お答えいたします。  大トンボの体を形づくっています金属の腐食というのは見当たりませんでしたけども、それを支えていたワイヤーの脱落によりまして、自らの重みで下がっているという羽もございました。私も現物、先生と同様に確認させていただいています。また、塗装の剥げてる箇所も多いという状況でございます。60年以上自然にさらされ続けてきたという歴史の重みを改めて感じたというところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ワイヤーや、また、塗装が剥げているという、そういうお答えでございましたけれども、文化館に行かせていただいたときにお話聞かせていただくと、この骨材は真ちゅうでできているらしくて、その回りに銅版が貼りつけてあると。これは大変高い技術で作られているというふうにおっしゃられておりました。大トンボの美術的な価値はあるのでしょうか、文化スポーツ部長に伺います。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) お答えいたします。  その制作の経緯を見てみますと、芸術家が独創性を発揮して造形した作品ということではございませんでした。そういった意味でも、必ずしも美術的な価値が高いとは言えないというふうに思っています。  一方で、高度成長期に優れた板金技術を駆使して制作されたモニュメントであるというふうに考えておりまして、一般に広く親しまれる魅力がある作品だというふうに考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)美術的な価値はあまりないということですけれども、本当に県民の皆さんから親しまれてきた、また、そういったモニュメントとして価値があるというお答えだというふうに思います。  この大トンボは、昭和36年1月22日に蜻蛉上翔祭が行われ、本館頂上に健康と明朗の象徴として設置されたそうです。当時は、目の部分はアクリルでできておりまして、その中に電球があって、それが光っていたと。先ほどもお話があったように、下にモーターがついていて、くるくる、速くではないですけれども、ゆっくり回っていて、それが灯台の役目もしていたと、そのようなお話も聞かせていただきました。  何でトンボだったのかということが非常に気になりましたので、そこを詳しくお話をちょっと聞かせていただきました。そうすると、初代館長の草野文男さんの強い意向であったということでございました。トンボは古来、アキツと呼ばれていました。また、日本の古代の呼称はアキツシマです。神武天皇が日本の本州をトンボのようだと言われたことからきているそうです。その日本──アキツシマのど真ん中にある滋賀県、琵琶湖のシンボルはトンボだと、そのように考えられたのではないでしょうか。  さて、長年親しまれてきたこの大トンボが撤去されて、多くの方々が今後について注目をされています。今後の大トンボの活用方法について、文化スポーツ部長に伺います。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) お答えいたします。  取り外しに先立ちまして開催しました写真展につきましては、思いの籠もったメッセージと併せまして195点の応募がございました。多くの方々が大トンボへの思いを抱かれているということを改めて感じたところでございます。  今後の取扱いについてはまだ未定ではございます。ただ、今申し上げましたように、愛着を持っていただいている方々の思いに応えられますように、また、新しい文化館を含めた地域のにぎわいにつながりますような有効な活用方法を検討してまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)有効な活用方法をどうかお願いしたいというふうに思うんですけれども、ここからはちょっと私見になりますけれども、(仮称)新文化館は、日本でも有数の文化財を有する滋賀県の誇りとなって、ここから、ここを中心として、石山寺、三井寺、近江神宮、また、義仲寺、改修が進む世界遺産比叡山延暦寺へと、観光の要地というか、中心になっていくというふうに思います。自家用車で訪れる方も多いかとは思いますが、公共交通機関を使われることを考えますと、京阪電車で、京津線でびわ湖浜大津駅までになります。また、JRを利用した場合は、大津駅からはバスに乗り継いで、または徒歩で、また、これは膳所駅でも降りることができます。膳所駅で降りていただくと、京阪石坂線でびわ湖浜大津駅まで乗り継ぎ、新・琵琶湖文化館へと来ていただくことになります。JRの大津駅、膳所駅、そして京阪のびわ湖浜大津駅がこのポイントになります。  元鉄道マンの知事の前でお話しするのはちょっと気が引けるんですけれども、ちょっと聞いてください。  明治13年に京都─大津間の鉄道営業が開始されたときは、現在のルートとは大きく異なっておりまして、京都から出た汽車は、今の名神高速道路のある場所辺りをぐるっと迂回して、現在の膳所駅、当時は馬場駅と言ったそうなんですが、そこまで参りました。そこでスイッチバックをして、今の京阪のびわ湖浜大津駅、そこまで来てた、そこが当時の大津駅だったそうです。その頃は湖上交通が重要でしたので、荷物、貨物を一旦馬場駅に置いた、だからそこに大きな用地が残っているという、そういう歴史があるそうでございます。くしくも、先ほど述べた大津駅、膳所駅、京阪びわ湖浜大津駅というキーワードとイメージが重なってくるというふうに感じました。  話は変わりますけれども、昨年10月に公務で福井駅に行く機会がありました。西口に恐竜広場というのがありまして、動くモニュメントが3体あり、駅の壁面には巨大な恐竜壁画が描かれていました。また、足跡化石の複製、トリックアートなどもありまして、ここだけでも十分見応えがありまして、ちょっとそこで時間を費やしまして会合に遅れそうになったんでございますけれども、そこから福井の観光スポットになっている恐竜博物館へいざなう役目を非常に担っているのではないか、そういう感想を持ちました。そう思うと、大津駅、あまりにも寂しいなという感じを持って大津駅まで帰ってきたわけでございます。  新・琵琶湖文化館へ、そして、文化財を含めた社寺や琵琶湖の観光へのきっかけになるように、大津駅、膳所駅に大トンボを設置するというのも一つの方法でしょうし、本体は新文化館へ置き、トンボのモニュメントをこの駅に置くというのも一つの考え方として提案しておきたいというふうに思います。  県庁のある大津駅周辺、浜大津港周辺の活性化と琵琶湖の豊富な文化財を生かした滋賀県の観光の発展へ向けて、新・琵琶湖文化館開館への思いを知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)思わず聞き入っておりました。失礼いたしました。
     お答えいたします。  新文化館は、その機能の柱の一つに文化観光の拠点となるビジター機能を掲げております。開館後、大津港周辺地域は、近江の文化財を保存、継承、活用、発信する中核拠点を有する地域となるとともに、港を生かした文化観光の中心、玄関口ともなり、一層のにぎわいの創出が期待できると考えております。  施設の整備に当たりましては、地元の大津市や関係団体等と情報共有を図りながら事業を進めてまいります。その際には、大トンボの活用も含め、大津駅周辺から浜大津への人の流れも考慮しながら、周辺地域全体の活性化を図れるよう検討してまいりたいと存じます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)大トンボを活用するという一言も入れていただきまして、ありがたいなというふうに思います。  もう少し聞いてください。  日本には約200種類のトンボが生息しております。そして、そのうち半分に当たる100種類のトンボの生息が滋賀県で確認をされています。この数は日本の都道府県の中でもトップクラスです。琵琶湖の歴史は400万年。その豊かな琵琶湖水系の中で多くの昆虫が生息し、進化してまいりました。滋賀県にトンボの種類が多いのも琵琶湖の存在が深く関係しています。滋賀県の代表する生き物としてトンボはもっと認知されてもいいのではないでしょうか。  若き頃、田上山を散策しておりまして、小さな湿原がありました。そこでハッチョウトンボを見つけたときには大変胸が躍ったことを思い出します。  滋賀県において、県の木はモミジ、県の鳥はカイツブリ、郷土の花はシャクナゲです。珍しいんですが、県の昆虫として滋賀県のシンボルにもなり得るトンボを加えてもいいのではないかと勝手に考えたりもします。  最後ですけれども、戦国武将の甲冑などの武具や家紋に好んでトンボのデザインが用いられました。これは、トンボが前にしか進まず、時には空中で止まり、餌を探し続けるという習性から、別名勝ち虫とも呼ばれてきたことに由来しております。  今後も、愛する滋賀県がますます発展していくという大きな願いをこの大トンボの質問にのせまして、私の最後の一般質問を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、20番中村才次郎議員の質問を終了いたします。  次に、37番大野和三郎議員の発言を許します。 ◆37番(大野和三郎議員) (登壇、拍手)それでは、早速ですが、通告に従い、滋賀県の行政経営について、全て知事に問います。  本県も毎年四半期ごとに企業の景況調査を行っています。遡るところ、平成20年の第四半期の業況調査、いわゆるDI、「業績が増加」と回答した事業所数の構成比から「減少」と回答した事業所数の構成比を差し引いた値がマイナス57.7でありました。これはリーマンショックの影響を受けた年でありますが、今回のコロナのまん延による企業業績も相当悪化しています。令和2年の第1四半期は、実にマイナス69.6と過去最悪でありました。それでも、令和3年、令和4年は回復してきており、直近の昨年12月ではマイナス8.5まで回復したところでございます。  まず、今回のコロナによる経済への影響について、一時リーマンショック以上の悪化となったことに対して、知事はどのように分析し、今後の危機管理上どのように受け止めておられるのか問います。  あわせて、マイナス8.5まで回復したわけでありますが、回復力はまさに企業の前向きな活動にあるのではないかと思いますが、企業意識の変化について感じられていることがあれば問います。  さて、なぜ冒頭にこの質問をしたかでありますが、企業は経営が命であります。経営がしっかりしていなければ、もちろん会社も成り立ちませんが、そこで働く従業員も、さらにはその家族も路頭に迷うことになります。それだけに、企業の経営は社会の礎でもあります。  この経営という言葉を地方自治体も使用しています。もちろん滋賀県も行政経営方針なるものによって運営をしていこうということであります。そこで、行政における経営とは何か、企業における経営との違いは何か、また、なぜそうした視点が重要なのか、改めて知事の見解を問います。  「令和4年9月6日付滋行経推第90号で諮問されたこのことについて当委員会で審議した結果、内容については適当と考えます。原案の作成および今後の実施計画の策定に当たっては、特に重要であると考える下記事項に留意の上、進められるよう答申します。」これは、令和4年11月2日付で滋賀県行政経営改革委員会委員長から知事宛てに出された次期行政経営方針の素案についての答申の文書であります。この答申を受けて、現在、最終の行政経営方針を策定中だと思っていますが、その前に、まず答申にあった特に重要であるとする事項についての知事の考え方がまずは重要ではないかと思います。  そこで、答申の重要とされた事項に沿って質問します。  まず、「県庁を担うひとづくりについて」という項目であります。  その前に、これまでの反省も必要ではないかと思うのが、職員、教員の長期休暇であります。様々な原因はあろうかと思いますが、メンタル的な面からの休暇が余儀なくなった職員はどれほどおられるのか、その原因や要因をどのようにお考えか問います。  答申では、「ひとづくりに当たっては、若手職員や女性職員、今後の定年引上げに伴う高齢層職員の増加といった職員構成の変化だけではなく、近年の働き方や任用形態の多様化にも着目して、県庁で働くすべてのひとのひとづくりとなるようにすること。」とありますが、当たり前といえば当たり前のことなのではありますが、あえて重要との答申を受けて、知事は人事面や組織面からどのような考えを持って対応していこうとされているのかを問います。  また、「職員一人ひとりのキャリア形成を意識した目標設定の工夫や適切な評価など、職員が皆やりがいを持って業務に取り組めるような環境づくりに努めること。」とありますが、そもそも職員がやりがいを持って業務に取り組むとは何か。人それぞれ得手不得手があります。知事から見て、現状、やりがいを持って業務に当たっている職員はどれぐらいいるとお考えでしょうか問います。  また、やりがいを持っていない職員がいるとすれば、適切な評価だけでやりがいが出るのでしょうか。ほかに何が必要とお考えか、併せて問います。  そして、「上司があらゆる機会や場面を活用して積極的に職員に声掛けを行い、コミュニケーションをとること等を通じて、心理的安全性が確保された職場づくりに努めること。」とあるのですが、これも当然のことなのに、なぜわざわざ答申になるのか、この答申項目の背景について知事の見解と対応方針を問います。  そして、「業務の見直し・効率化について」も重要項目として答申されました。  初めに、「業務の見直しに当たっては、トップである知事自らがまず『やめる』ことを意識し、強いリーダーシップを持って進めること。」とあります。この項目は、これまで行財政改革に関する私の質問で求めたかったことをずばり答申されています。もう1点申し上げますと、見直しイコールまずは「やめる」もそうですが、見直しの心構えとして大胆な改革という、まさに知事としてのそうした日頃の思いもあってしかるべきであります。  そこで、これまで私の行財政改革の質問項目の中から、知事が自らどのように決断したのか、どのようにリーダーシップを取られたのか、これから取られるのかを触れておきたいと思います。  まず、指定管理制度について、そもそも県の施設の管理運営において、より民間の発想で効率的で高いサービスを提供する制度と理解していますが、一方で管理者は経済の循環からは県内の組織が優先されるものとも思います。滋賀県として行政経営的な視点からの指定管理制度の導入の考え方とこれまでに改善された点があれば、それを含めて問います。  また、モーターボート事業についても何回か取り上げてきました。この事業は、簡単に言えば県の財源確保の一つだと考えますと、私は行政経営面でも必要との認識だと思います。ただ、公営といってもギャンブルという面や、施設の老朽化が進むことを考えれば、いつまで続くのか、また続けるのかであります。今後、大局的な視点では行政経営上どのような考えでモーターボート事業に対応していこうとされているのか問います。  そして、先ほどの「知事自らがまず『やめる』ことを意識し、強いリーダーシップを持って進める」に関連してですが、来年度予算編成において、知事のリーダーシップの下でやめた業務や事業はあったのでしょうか。あればお聞かせください。  答申に戻ります。  重要な点の最後に、「その他持続的な行政サービスの提供に向けた取組について」とあります。「複雑化・多様化する行政課題に的確に対応するため、アウトソーシングをはじめ、官民連携に当たっては、ハード面のみならず、ソフト面での連携についても一層進めること。」とあります。このアウトソーシングにつきましても、何回もこの議場で質問を繰り返してきたところであります。今回、この答申を受けて、改めて県のアウトソーシングについての基本的な考え方を明らかにするべきであります。  まず、アウトソーシングの目的は何なのかを問います。その上で、行政の経営面から、これまでのアウトソーシングの考え方から、この答申を受けての今後のアウトソーシングについて、知事はどのように改革あるいは進めようとされているのか問います。  冒頭、企業の経営について触れました。企業業況調査はマイナスではありますが、だからこそ企業が努力されます。その努力が結果としてもうけ、利益となって企業経営が続いています。  このたび、滋賀県行政経営方針を改定されるわけでありますが、それぞれの課、室ごとに数値目標を掲げ、県民の皆様にお示しし、それを達成すべく、柔軟にしてかつ緊張感を持って取り組まないと成果は出ません。知事は、この経営方針で県民に何を結果として約束をされるのか問い、質問とします。 ○議長(岩佐弘明) 37番大野和三郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)13点御質問いただきました。順次お答えいたします。  1点目のコロナによる経済への影響についてでございますが、令和2年度第1四半期の景況調査におきまして、業種別の業況DIを見ますと、サービス業がマイナス78.5と最も低く、前期と比べますと約46ポイント悪化しております。次いで、小売業がマイナスの70.4であり、前期と比べると約63ポイント悪化しております。  金融危機により金の動きが停滞したリーマンショックでは、製造業を中心に大きな影響を受けました一方、コロナ禍におきましては、行動制限により人の動きが停滞いたしましたことから、特にサービス業や小売業で厳しい状況となりました。こうしたコロナ禍の経験を踏まえますと、感染拡大防止と社会経済文化活動の両立を図っていくことが重要であると認識しております。  2点目、企業意識の変化についてです。  令和3年度第1四半期の景況調査によりますと、ポストコロナを見据えた現在の取組として、新たな販路開拓と答えられた企業の割合が全体の約3割と最も多くございました。また、例年実施しております事業者向けアンケートの調査結果によりますと、新たな販路開拓のほか、設備投資による生産性の向上、新商品の開発、DXの推進など、ポストコロナを見据えた取組を進めておられる企業は多くございます。  このように、コロナ禍の厳しい状況にありましても、社会、経済の変化に対応し、危機を転機として、経営努力により企業活動を力強く進めてこられたものと感じております。  3点目、行政における経営についてでございますが、経営資源が限られる中、今後、社会、経済の変化に、それに伴う新たな行政需要に機動的に対応していく必要がございます。こうした中、経営資源を充実させ、その質や価値を守り、高め、最大限活用しながら、行政課題に的確に対応し、成果を上げていくことが求められる行政経営と認識しております。最少の経費で最大の効果を上げることが重要という視点では、企業経営と大きな違いはなく、効率的な組織運営、財政の健全性や業務改革の手法など見習うべき点は多々ございます。引き続き、企業の優れたノウハウ等を積極的に取り入れ、かつ不断に業務の見直しを行い、県民サービスの向上につなげてまいりたいと存じます。  4点目、メンタルについてでございますが、メンタルにより30日以上勤務を離れ療養した県職員は、令和2年度が64人、令和3年度が78人と、全国と同様に本県でも増加傾向にございます。  不調の要因につきまして、面談等で把握する中におきましては、業務の量あるいは質による不適応ですとか、人間関係というものが多くございます。また、年代別では30代の占める割合が多く、令和3年度と令和4年度は20代も増えてきております。これは、若手職員の増加に伴い、従来上位の職員が担っていた困難な業務を若手職員が担っていることも一因だと捉えておりまして、職員一人一人の能力向上に加え、お互いに協力し合う育ち合いの組織風土の醸成が急務であると考えております。  5点目、県庁を担うひとづくりにつきましては、まず、人事面において、1つは、若手職員には、短めの異動による現場経験、幅広い視野、柔軟な発想力の向上に、2つ目、中堅職員に対しましては、長めの異動による専門性の向上に重点を置きますとともに、3つ目、61歳以上のシニア職員には、豊富な経験を組織力向上と後進の育成に生かせる人事配置を行ってまいります。  次に、組織面におきましては、1つは、PFIなどの複雑、高度な業務を集約化した組織の新設によりまして、専門的な知識を有し全庁をサポートできる人材を育成いたしますとともに、2つ目、係規模の最適化を通じた組織の柔軟性、代替性の確保により、様々な事情を抱える職員の能力発揮と活躍促進に注力をいたします。  これらを通じまして、ダイバーシティーを推進し、県庁のひとづくりを進めてまいりたいと存じます。  6点目のやりがいについてでございます。  一人一人全ての職員がやりがいを持って業務に当たれる職場でありたいと強く思っております。しかしながら、職員自己申告書によりますと、業務にやりがいを感じている職員の割合は、令和3年度では85.7%であり、策定中の次期行政経営方針におきましては、これを令和8年度に90%以上にすることを目指したいと考えているところでございます。  そのやりがいを高めるための取組が7点目でございます。  職員アンケートの結果から、やりがいを高める要因としては、仕事の成果や達成感を挙げる職員が多いことから、日頃から職場内で達成すべき目標や仕事の意義を明確化し、共有しながら業務に当たることが重要だと考えます。  また、特に、若手、中堅職員に対しましては、希望する職務や派遣研修に自ら応募できる庁内公募制度や、自らの強みを生かして他の所属の業務に参画できる仕組みの導入など、成長意欲や主体性の高揚につながるような取組を進めてまいりたいと存じます。  さらに、ワーク・ライフ・バランスの充実との相関関係も見られますことから、例えば、時間外勤務発生に影響を与えている業務や外部からの申請等の業務など、デジタル技術も活用しながら、全庁的な業務の見直し、効率化に重点的に取り組んでいきたいと考えております。  8点目の心理的安全性についてです。  行政需要がますます複雑化、多様化する中で、的確に対応していくためには、一人一人多様な人材の能力が発揮され、組織として成果を上げられるよう、チームワークを強化する必要があると認識しております。また、職員アンケートでは、在宅勤務等の進展など、働き方の変化によって職場でのコミュニケーションに課題を感じる職員が一定見られるところでございます。  そこで、これまで以上に職員間のコミュニケーションを活性化させ、個性や違いを認め合いながら、誰もが安心して発言できる職場環境づくりを意識した取組が重要であります。このため、次期行政経営方針では、職員座談会やデジタルツールの有効活用等によるコミュニケーション活性化、伴走型支援の充実等により、心理的安全性が確保された職場づくりとチームワークの強化に取り組んでまいりたいと存じます。  9点目の指定管理者制度についてです。  指定管理者制度は、民間のノウハウを効果的に引き出すことで、サービスの向上と行政コストの縮減を図ることを目的として平成18年度より制度を導入しています。その効果といたしまして、サービス向上の面では、利用時間の延長や、自主事業を含めた新たなサービスの提供等がございまして、また、行政コスト縮減の面でも、県が支出する指定管理料は、制度導入前と比較いたしまして年間約10億円の縮減が図れているということがございます。  現在、県契約条例の趣旨を踏まえた審査基準の改正、また、競争性を確保し、民間事業者の一層の創意工夫を引き出すための自主事業の拡大などの見直しを進めておりまして、来年度からの施行を予定しております。引き続き、社会情勢の変化等を踏まえながら不断に制度見直しを行ってまいりたいと存じます。  10点目のモーターボート競走事業についてです。  今後の5年、10年後を見据えた上で、経営の安定を図ることが重要だと考えておりまして、そのためには組織の強化と専門的な職員の人材の確保が必要だと認識しております。  本場は単に舟券を売る場ではなく、新規顧客獲得のための入り口としての機能を強化いたします。本場の舟券売場を入場者数に応じて縮小し、経費の削減を図ります一方、空きスペースを新規顧客が集える場に変更する効率化を図るとともに、近隣府県のレース場と連携いたしまして、グルメなど女性客や若者の誘客を図るイベント等を実施してまいりたいと存じます。  モーターボート競走事業は重要な財源の一部でありますことから、業界と連携しギャンブル依存症対策を行いながら、効率化の視点を持ち、事業を継続的に開催してまいりたいと存じます。  11点目、予算編成でやめた業務等についてでございます。  県庁を預かる知事として、強い決意の下、業務を見直し、減らすべきを減らし、県民の期待に応えられる仕事に取り組めるよう環境や体制を構築しようと職員に投げかけてきたところでございます。  具体的には、今年度から予算執行の効率化、協議や資料の簡素化などの業務改善に着手いたしますとともに、来年度の予算編成におきましては、計画期間が満了する事業のうち、継続の必要性が薄いと見極めたものを終了するなどの対応を実施してきているところでございます。  コロナ禍で社会、経済が大きく変化する中、現下の限られた人員で、突発的な事案へ備えつつ、さらに新たな課題にも果敢にチャレンジしていくためには、やるべき業務を見極め、一層の効率化を図り、また財源を確保していくことが不可欠であり、不断の見直しを継続して行ってまいりたいと存じます。  12点目のアウトソーシングについてです。  民間の持つノウハウや技術を有効に活用しながら、事業効果を高め、コスト削減を図ることにより、限られた経営資源の中で効率的に行政サービスを提供するため、進めるものでございます。  引き続き、民間による代替性のある業務や、県民サービス向上、コスト縮減で効果が期待できるものにつきまして、積極的にアウトソーシングの活用を推進してまいります。また、感染症への対応など、一時的に集中する行政需要に対応しなければならない場面におきましても、効果的な活用を考えてまいりたいと存じます。  あわせまして、複雑化、多様化する行政課題へ的確に対応していくため、例えば事業の構想段階から、包括的連携協定締結企業31社様をはじめ、連携協定を結んでいる企業の知見等を活用できるよう、民間企業等との共創の視点を持ち、取り組んでまいりたいと存じます。  最後、13点目、県民への約束についてでございますが、次期行政経営方針では、取組状況を県民の皆様に分かりやすくお示しするため、経営資源ごとの指標を掲げ、数値目標を設定しております。特に財政の持続性の確保に向けましては、財政調整基金残高を毎年度100億円程度維持し、財政運営上のリスク管理を行い、不測の事態にも備えてまいるところでございます。  あわせまして、毎年度それぞれの課、室で業務の見直し、効率化の取組も含めた組織目標を設定し、年度の早期にホームページで県民の皆様にお示しするなど、対話と共感、共創で築く県民主役の県政の実現に全庁挙げて取り組んでまいりたいと存じます。 ◆37番(大野和三郎議員) (登壇)私の問い、13点目ですが、今ほど「毎年度それぞれの課、室で業務の見直し、効率化の取組も含めた組織目標を設定し、年度の早期にホームページで県民の皆様にお示しします」と答弁がありましたが、当然のことながら、今さら申し上げるまでもありませんが、行財政運営における無駄の削減、事務の効率化、例えば時間外手当しかり、アウトソーシングしかり、また指定管理制度の在り方しかりですが、これらの各年度ごとの支出額の削減、課、室ごとの数値目標を示す、そのように理解してよろしいですか。でなければ、数値目標、数字を示さなければ県民の皆さんの理解が得られないと思いますが、その辺のところいかがですか、問います。 ◎知事(三日月大造) 先ほど答弁いたしましたとおり、次の行政経営方針においては、新たに経営資源ごとに数値目標を掲げております。加えまして、それぞれの課、室ごとに業務の見直し、効率化も含めた組織目標につきましても、できる限り数値を用いて設定し、それを計画的に取組を進めるようにしているところでございます。ぜひ、その目標達成に向けて、常に組織および運営の合理化に努め、最少の経費で最大の効果を発揮することを意識しながら、もちろん私自身もそのためのリーダーシップを発揮しながら取り組んでまいりたいと存じます。 ◆37番(大野和三郎議員) (登壇)これも今まで何度も申し上げていますが、行財政改革を断行する上で最も大切なこと、これは、聖域を設けてはならないということと、いま1点は、ボトムアップ、これも結構ですが、行財政改革、財政の健全化、これはトップダウンで知事が方針をしっかりと示していただかないと、なかなか成果が得られないと思いますが、いま一度、知事の意気込み、姿勢を伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) おっしゃるとおりだと思います。強く共感いたします。聖域を設けずトップダウンで断行せよということだと思います。  例えば、ほんの一例ですけど、議会とのやり取りの中で、御理解もいただいて、こういった電子媒体で答弁をつくり、ここで述べさせていただくことで、まだ最終的などれだけ時間が節約できているかというのは統計取れてないんですけれども、かなり早く私の手元にも届くようになったり、また帰れるようにもなってきておりますので、例えばそういう取組しかり、様々な事業のやめることしかり、聖域を設けず、私自身もしっかりと指示、関与しながら取組を進めてまいりたいと存じます。 ◆37番(大野和三郎議員) (登壇)それぞれ立派な御答弁いただいたんですが、言葉だけで終わることのないように、成果、つまり結果を出すと明言できますか。 ◎知事(三日月大造) この間、答弁させていただいたことごとにつきまして、結果で皆様方にお示しできるよう努めてまいりたいと存じます。 ◆37番(大野和三郎議員) 議長、終わります。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、37番大野和三郎議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午前11時42分 休憩    ────────────────   午後0時47分 開議 ○副議長(清水鉄次) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、45番節木三千代議員の発言を許します。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇、拍手)通告に従いまして、4点質問をいたします。  まず、分割で、高島市の饗庭野演習場における日印共同訓練について、全て知事に伺います。  高島市の陸上自衛隊饗庭野演習場と今津駐屯地で2月17日から3月2日まで、陸上自衛隊とインド陸軍による国内初の実動訓練ダルマ・ガーディアン22が行われています。インド陸軍との実動訓練は国内初で、陸自隊は約190人、インド陸軍約40人で、計230人が参加し、小銃の射撃訓練や爆発物処理の手順確認をするといいます。3月2日まで今実施されています。  目的は、自由で開かれたインド太平洋の維持、強化に資するためにインド陸軍との連携強化としています。  2月8日、防衛省陸上幕僚監部が共同訓練を発表し、12日にはインド兵が饗庭野に入ると、地元住民が知らない間に実施するとの住民無視の決定に強い怒りが上がっています。  2月8日、知事は、省略しますが、「万全の配慮をするよう要請する」とコメントを発表し、国内初の今回の共同訓練を認めておられます。  今回の共同訓練は、一体どのような法的根拠に基づいて饗庭野入りなのか、知事はどう説明され、どのように認識されているのか伺います。  法的根拠がなければ、インド兵の訓練などの事故で高島市民、県民らが被害を受けた場合、責任の所在や補償はどうなるのか、大問題であります。  昨年末、岸田政権は、日本の戦後の在り方を根本から転換する安全保障3文書を閣議決定いたしました。今年1月に訪米した岸田首相は、バイデン大統領との首脳会談で、敵基地攻撃能力保有を含む日本の防衛力の大幅な増強を約束しました。加えて、首脳会談でも、自由で開かれたインド太平洋の維持、強化を脅かすものとして中国を名指しし、それに日米で対処することを改めて確認をしています。
     アメリカは、インド太平洋地域での日米豪印4か国の関係強化で中国に対して軍事的に対抗していく戦略を取っています。岸田政権の大軍拡はアメリカの軍事戦略に沿ったものと言えます。  今回の訓練は、単に日印間の軍事関係強化だけでなく、日米豪印4か国の同盟関係を強固にし、日本がアメリカの軍事戦略により深く組み込まれていく一歩であることは明らかであります。  これまで自民党が説明してきた専守防衛もかなぐり捨て、インド太平洋にまで自衛隊が出ていくための訓練であり、武力による威嚇やその行使を放棄した憲法の趣旨にも相反するものであります。知事としては、この危険な訓練に反対し、ぜひ国に中止を求めていただきたいと思いますが、見解を伺います。  この訓練は、今述べました昨年末の安保3文書の閣議決定直後ということでは軌を一にしていると思います。この閣議決定については撤回を求めていただきたいのですが、見解を伺います。 ○副議長(清水鉄次) 45番節木三千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。  なお、本質問の3項目めは、県の一般事務に関する質問ではありませんので、答弁は不要とします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)3つ御質問いただきまして、今、議長の御指示により、2点お答えをさせていただきます。  1点目の訓練実施の法的根拠についてでございますが、国際法上、外国軍隊が他国の領域で活動するためには当該領域国の同意が必要であります。昨年9月に開催された第2回日印外務防衛閣僚会合において、今回の訓練の実施について言及、同意されているものと認識しております。  2点目の訓練に対しての態度でございますが、防衛政策は国の専管事項でございます。日印共同訓練は両政府の緊密な協力の下に実施されるものと認識しております。  県といたしましては、防衛省より2月8日に訓練実施の説明を受けました際、県民の安全と地域住民の日常生活に支障を来すことがないように、また、必要な情報が関係機関などに迅速かつ確実に連絡されるように万全の配慮を要請したところです。今後とも防衛省と連絡を密にし、引き続き情報収集に努めてまいりたいと存じます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)3問目について、議長が答弁を求めないということを下されたことに私は抗議したいと思います。今回、県議会にも安保3文書の閣議決定の撤回を求める請願が3団体から寄せられています。首長としてどのような姿勢で臨まれるのか、私はこの本会議でやはり知事から答弁をいただきたいというふうに思います。  もう1つの答弁いただいた、今回の訓練が一体どのような法的根拠に基づいてなのかという点については御回答がありませんでした。これまでも日米共同訓練されてきたんですが、安保条約、または日米地位協定に基づいて行われてきた訓練であります。今回の日印共同訓練は、そういう点では私は法的根拠がないと思います。これについては防衛省にぜひ確認していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 防衛省にといいますか、どういう法的根拠でというのは先ほど答弁したとおりなんですけれども、そういったものに法律上どのような位置づけが、また条文との照らし合わせができるのかということについては、事務方とも確認をしたいと思います。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)同意に基づく訓練だとは思いますが、法的根拠については全くないということを指摘しておきたいというふうに思います。  次に移ります。新型コロナウイルス感染症対策について、一問一答で全て知事に伺います。  岸田政権は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを、5月8日から季節性インフルエンザと同等の5類に引き下げる方針を示しました。首相は平時の日本を取り戻すと主張しています。しかし、感染状況は予断を許しません。新型コロナウイルス感染症を5類に位置づけることへの知事の所見を問います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  国において、5月8日から5類感染症に位置づけることを決定されておりますが、この決定は、保健、医療提供体制をはじめとして、様々な場面で平時での対応に移行するための大きな一歩であると考えております。  一方で、今後も感染が継続することも見込まれますことから、移行により医療の逼迫が起こらないよう、また、介助が必要な高齢者等への対応に支障が生じないよう配慮すべきであり、引き続き県民の皆様の命と健康を守れるよう取り組む必要があると考えているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)国際医療福祉大学医学部感染症学講座主任教授の松本哲哉氏は、「既にいろいろな措置が緩和されているので位置づけの変更は必要です」としながら、「ただし、季節性インフルエンザと同じ5類とするのは拙速です」と述べておられます。その理由として、「依然としてウイルスの感染力は強く、そして、1日に当初数百人の死者が出ている、全国で、状況は深刻で、季節性インフルエンザと同じ扱いにできるまで改善されていないからです」と述べています。「5類にするには、医療提供体制をどう整えるか、こうした政府による具体的な方針と説明が必要です」と語っています。  また、新型コロナウイルスは、変異を繰り返しながら感染力を増してきています。中でもオミクロン株は、ある特異な性質を持っていることを日本大学の研究チームが発見しています。その中で、オミクロン株が従来株に比べてセルフリーウイルスという微小で軽く、エアロゾルという空気中に長期間漂うために感染を引き起こしやすいと考えられるとし、この量が従来の株に比べて17.7倍であったと発表されています。ですから、5類に引き下げたとしても、この性質は変わらないというふうに思います。  確認をしたいんですが、感染状況については予断を許さないという、この認識を持って今後も対応していただきたいと思いますが、知事に再度聞きたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 感染状況に予断を許さないというのは、あらかじめ判断するということをしないということと理解をいたしますが、先が分からないというのはおっしゃるとおりだと思います。ただ、この間の変異の状況でありますとか感染状況、また、かかった方々のいろんな御療養の状況等を見ておりますと、3年前の状況、また2年前の状況とは変わってきたということは、これはあると思いますので、そういったことに応じた対応というのをつくっていく必要があると思っております。  また、とはいえ、御高齢の方がかかられると長引いたり命に関わることがあるということですので、そういった体制をどのように維持していくのかということはよく考えていきたいと思います。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)直近の第8波の感染拡大で医療や救急体制は逼迫をしました。医療崩壊や高齢者施設でのクラスターの多発、救急搬送の困難など、第7波で大問題になったことがより第8波では深刻な形で繰り返されたというふうに思っています。第8波、11月からの滋賀県における感染状況について知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 第8波の感染状況ということでございますが、本県では11月1日から第8波ということでくくらせていただくと、2月21日現在で12万3,783人の方の感染、そして293名の方の死亡というものが確認されております。また、クラスターは358件発生しておりまして、うち高齢者施設で確認されたものが240件となっております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)お亡くなりになられる方が第7波では141人でした。今お聞きしていますと293人と、貴い命が奪われたことに本当に心が痛む思いであります。(資料掲示)滋賀県の救急出動件数と救急搬送困難事案の推移を見ても、この1月の半ばというのは、医療機関への受入照会回数4回以上の事案が年間の中で最も高くなっている、滋賀県で第8波で大変逼迫したという状況が分かるというふうに思います。私は、この第8波の深刻さをしっかりと検証もすべきだというふうに思います。  コロナ病床を持つ公的病院にお勤めの看護師さんからお話を聞いたので、少し紹介させていただきたいと思います。「最初の波のときは軽症者が多かったが、第7波、第8波と重症者が増えました。寝たきりの方も多く、口腔ケアや吸たんなどのケアも多くなりました。院内で陽性になった方は、もともとの治療も続けながらコロナの治療もされていました。看護の濃度は最初と全然違います。処遇改善は、昨年の前半は1か月2,870円アップ、後半は7,300円になったけれども、これって患者さんの負担が増えたわけで、何かつらい。院内でクラスターが発生し、病棟が閉鎖したときは、スタッフも休み、限られた人数でかなりの患者さんを診ていました。患者さんがどんどんと悪くなり、お亡くなりになることに心がついていかない。患者さんをみとることなく、御家族の皆さんへのこの対応も本当につらい。この3年間、自分の身を削っているように思います。人ごみの多い土日祭日は、出かけずに家に籠もっています。病院の中と世の中のコロナに対する認識にあまりにもギャップがある」と、このようにおっしゃっておられました。  私は、政府が新型コロナ感染に関するこの情報を全くシビアに伝えない、こういう状況があったというふうに思います。一人一人のかけがえのない命が、現場で多くの皆さんがお支えいただいたにもかかわらず命が奪われた、この深刻さはやっぱり受け止めるべきだし、そして、こういうコロナの感染状況については、県としてもシビアに県民の皆さんに発信をすべきだと今後も思いますが、再度お聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) この3年を超えた新型コロナウイルス感染症との闘いという意味においては、今御紹介いただいた医療現場の方々をはじめ、例えば介護、保育、教育現場もそうでしょう。特に医療現場で命を守るために多大な御苦労をいただいた、このことについては私どももしっかりと認識をし、そういったことによっても崩壊しない医療の体制というものを築いていくという、こういう教訓を私たちに与えたんだと思います。したがって、そこはしっかりと受け止めたいと思います。  と同時に、シビアにとおっしゃいましたけれども、逆にやらなくていいことまでやり続けることがないように、感染状況を見ながらやれることはやっていくという、こういう社会の機能を取り戻していくということも一方では必要だと思いますので、その両面に立った対応というものをこれからも模索、追求していくことが必要だと思います。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)介護や医療の現場でお支えしていただいている皆さんと、コロナは終わったかのようなこういうメッセージが発せられる、そういう中で本当にギャップがあるということをおっしゃっておられますので、しっかりと正確な情報を発信していただきたいと思います。  高齢者施設の感染予防とクラスターの発生への対応について、支援を強化することを求めたいと思います。すぐに対応できる検査キット、そして、いわゆる個人防護具──PPEやN95マスクの提供など、常備できるように県として対応していただきたいと思いますが、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 高齢者施設に対する支援について、県といたしましては、陽性者が確認された場合の感染拡大防止やサービスの継続の助言、かかり増し経費の補助を引き続き行いますとともに、施設職員に対する感染対策の研修の充実などにより強化に努めてまいりたいと存じます。  また、検査キットや個人防護具などの常備品につきましては、全国知事会や関西広域連合を通じて、国に対し、安定供給体制の確保や、施設が調達する費用の全額国庫負担を要望しているところでございます。  さらには、かかりつけ医の支援や訪問看護の活用により、療養体制を強化したサービスが実施できるよう国に働きかけてまいりたいと存じます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)県としても、感染に不安を感じながら勤務しておられるので、常備できるように、県として独自にもしっかりと対応していただきたいということを要望しておきたいと思います。  岸田政権は、5類への移行の際に、医療の公費負担を段階的に見直す方針を明らかにしています。5類引下げに伴う課題について、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 今後も感染が一定継続することも見込まれます中、医療費の公費負担、入院、外来等の医療提供体制など、県民の皆様の命や健康に関わる事項につきましては、その影響を緩和しながら移行していくことが課題になると思います。  こうしたことから、その影響を最小限にとどめるため、当面の間、これまで構築してきた医療提供体制、高齢者の受入体制、相談体制を一定維持する必要があると考えており、全国知事会等を通じて対象事業の支援継続を要望しているところでございます。  現時点におきましても、国も医療提供体制等の段階的移行の方針を示しており、本県といたしましても円滑な移行の実現に向けて取り組んでまいりたいと存じます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)冒頭紹介しました松本教授は、「公費支援を一定期間の後は廃止する方針を明確にしているが、これは大問題です」と指摘をしています。3月上旬に方針を出すと政府も言っていますけれども、今日もコロナ病床については1年以内に廃止という方針が明らかになったようですが、具体的にこの3か月間で、5月の上旬までに国民が安心できる状況になるのか、松本教授は非常に厳しいというふうに述べておられます。特に、病床の確保については、私は非常に補償があるのか重大な問題だと思います。この点について、もう少し県としての対応をお聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 議員がどういうことの対応というのを具体的に想定されているのかというのは定かではないんですけれども、先ほども答弁させていただきましたように、医療提供体制を当面維持すること、そして状況を見ながら段階的に移行していくことについては、私どもも方針を持っておりますし、国もそういった方針で臨んでくるものと思います。  また、とはいえ、例えば患者さんが入っていらっしゃらなくても病床をコロナのために確保していただく、その休床補償までずっと最大限確保したままでやり続けるのかということは、これは他の疾病やけがを対応された方の治療、病院経営の持続性という観点からも、これは変えていかなければならないこともあると思いますので、そういった意味で、変えるべきものと変えずに続けていくものとを見極めながら対応していくということが要諦ではないかと考えます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)波が来るたんびに感染者数が増え、そして、第8波は多くの方がお亡くなりになったということでありますので、この医療体制は、一旦コロナ病床の確保というところがなかなかやはり医療現場にとってはすぐにはできないということもありますし、補助を切っていくという中で、これまで休床の病床をコロナ病床にしていたところを、もうこの際やめてしまうという動きも強まってくると思いますので、現場の状況をよく見ていただきたいと思います。  今もコロナが収束したわけではありません。また、新たな感染症に備えるためにも、平時からの人員体制を確保していくことが重要です。しかし、地域医療構想の名の下で、公的、公立病院の統合、再編が進められています。滋賀県の計画では、2025年までに高度急性期、急性期病床を約1,900床削減をする計画であります。このような削減計画はこの際中止をして、危機に対してゆとりのある強靱な医療体制をつくることを求めるものですが、知事の見解を問います。 ◎知事(三日月大造) まず、お取り上げいただきました地域医療構想は、病床削減を目的としたものではございません。医療機能の分化と連携を推進し、それぞれ住み慣れた地域で安心して暮らせる地域包括ケアシステムを構築するためのものでございます。  県といたしましては、人口減少、少子高齢化の進行を見据えた上で、今後もこの取組を着実に進める必要があると認識しております。  また、次期保健医療計画に追加いたします新興感染症等への対応が発生した際の医療需要による影響、課題にも留意しながら、各圏域の地域医療構想調整会議での議論を進め、地域の医療需要に応じた必要な病床を確保してまいりたいと存じます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)実際は、高度急性期病床が2015年から2020年までに171床減、急性期も605床減ということで、実際には、これは国の方針ですけれども、病床が減っているわけであります。滋賀県は、10万人当たりの病院の数が全国で46位、病床数も40位というところでは、日常からぎりぎりの人員で頑張っておられると。そういう点では、感染症などに対応するためにも余力を持たせることが大事だし、急性期、高度急性期というのは本当に医療の人材が手厚くされている病床ですので、ここをやっぱり医療の人材を確保する点でも、削減を目標とするというこの地域医療構想そのものの目標が、もう人材を確保するという点で逆行しているのではないかと思いますが、知事に再度問います。 ◎知事(三日月大造) 私どもとしては、必要な病床、これは高度急性期、急性期、そして回復期、慢性期、またそれぞれの圏域ごとにということで、必要量を見込みながら、それらをどのように整備していくのかという、これらを構想をもって進めていくという、こういうことが必要でありますので、その検討と調整をさせていただいているということです。  先ほども答弁させていただいたとおり、今回のこのコロナの教訓を受けて、新たに出てくる新興感染症にどういうふうに対応していくのかという観点も盛り込みながら、その検討と調整をさせていただくということであります。  今回の感染症の対応でも、高度な治療を必要とする期を脱せられて療養期に入られた方、回復期に入られた方の療養場所が確保も含めてなかなか難しかったというような教訓もございますので、そういった点等は次の調整の段階でも非常に重要な観点になってくるのではないかと思います。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)7対1の手厚い看護体制、やっぱりこれからも堅持すべきだと思います。  新年度予算案には保健所の保健師増員は含まれていません。医療体制とともに保健所の体制も抜本的に強めることを求めるものですが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 保健所におきましては、直近2年間で保健師を合計13名増員させていただくとともに、昨年4月には健康危機管理係を設置するなど、体制を一定強化してきたところでございます。さらには、看護師または保健師の会計年度任用職員の任用でありますとか、業務のICT化、外部委託化も進めてきたところでございまして、今後の感染拡大時におきましても業務の状況に応じて機動的に対応してまいる所存でございます。  次年度におきましては、感染症対策課を健康危機管理課に改組することとしており、保健所と連携して、今後の新興感染症発生時の体制づくりや人材育成にも取り組んでまいりたいと存じます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)公衆衛生体制、感染対策の要となるのが保健所ですので、保健師さんなど専門職をしっかりと配置をしていただきたいということを重ねて要望しておきたいと思います。  次に、教育長に伺います。  学校における感染対策ですが、2月10日に文科省から、卒業式におけるマスクの取扱いに関する基本的な考えが都道府県に通知が出されました。卒業式におけるマスクの取扱いについて、教育長の所見を問います。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えをいたします。  卒業式は、学校生活の節目となる行事であり、児童生徒にとって、また教員や保護者にとって特別な意味を有するものであると認識をいたしております。  卒業式におけるマスクにつきましては、文部科学省通知により、その教育的意義を考慮し、必要な感染対策を講じた上で、式典を通して外すことを基本とされたところでございます。  県教育委員会として、マスクを外して差し支えないことを基本といたしますが、児童生徒のマスクの着脱を強いることなく、また、マスク着用の有無による差別や偏見がなく、どの児童生徒も尊重されるよう配慮する旨、県立学校宛て通知をしたところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)小学校の校長先生にもお話をお聞きしましたけれども、マスクを外すことを基本とするという通知が出されたことが、非常に現場で困惑がされておられました。子供の意思を尊重したいとおっしゃっておられたので、現場の声を踏まえた対応を今後ともしていただくことを要望しておきたいと思います。  では、4月1日以降のマスクの着用についての考え方について、教育長に伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  国におきましては、4月1日以降の学校教育活動の実施に当たっては、マスクの着用を求めないことを基本とされており、これらに係ります留意事項等につきましては、今後、文部科学省より改めて通知される予定でございます。  マスクの着用を求めないことが基本となる中でも、様々な事情により、引き続きマスクの着用を希望する児童生徒への適切な配慮とともに、児童生徒の発達、発育の妨げとならないよう配慮が必要であるとの指摘にも留意いたしまして、今後、国の通知を受け、適切に対処していきたいと考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)保護者からは感染しにくい学校での環境整備を求める声が上がっています。市町の小中学校でも換気対策に取り組んでおられますが、加湿器、空気清浄機が保健室だけにとどまっていたり、予算の配分でも優先順位がCO2モニターなどは後景に追いやられたり、様々な事情があると思います。差が生まれないためにも、県としてきちっとした基準を示す、また、こうした機材の購入のための補助をして、安心して通える学校の環境整備を求めますが、教育長に伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  市町立および県立の各学校におきましては、基本的な感染対策を徹底する一方で、国の補助制度の活用を図り、換気の状況を数値的に確認できるCO2モニターやサーキュレーターの設置等が全ての校種において進んできているところでございます。  感染対策では効果的な換気が重要とされており、学校におけます対策は、学校の規模により様々でありますことから、一律に基準を示す予定はございませんが、来年度も感染症の影響を最小限にとどめつつ、学校教育活動が継続できますよう、国の補助制度を活用し、それぞれの学校の実情に応じた対策が一層進むように取り組んでまいります。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)現場は校長先生の判断だと思いますが、それぞれ認識がやはりまちまちだということを今回感じました。冒頭紹介したように、オミクロン株は感染力が強いということでありますので、安心して学校に子供さんが通えるように、そういう対応を求めたいと思います。  次に、3問目へ行きます。中小零細業者の支援について、一問一答で知事に伺います。  中小零細業者の役割について、知事の認識を問います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  中小企業および小規模事業者は、地域経済や社会の担い手として、生産や消費活動、さらには雇用や地域づくりなどの面において重要な役割を果たしていただいていると認識しております。本県の経済や社会が今後も持続的に発展していくためには、小規模事業者も含め、中小企業の活性化というものが不可欠であると考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)大事な役割を果たしておられます。  物価高騰、コロナ、資材高騰で、県内の中小零細業者の状況は苦境に立たされています。状況について知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 今年度、経済団体への聞き取りや企業訪問等を通じまして、原材料価格の上昇による企業コストの増加が経営を圧迫しているというお声ですとか、価格転嫁が難しくコストの増加に追いついていないといったお声を把握しているところです。コスト増加分の価格転嫁は、進展の兆しはありますものの、十分には進んでいない状況がございまして、業種ごとに異なりますが、依然として厳しい状況を訴える声は多くあるということでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)地元商店街を回りましたけれども、例えば、つくだ煮を売っておられるお店では、しょうゆ、砂糖、光熱水費、商品を入れるパックなど、何もかも上がって、もう一回値上げをしないといけないというお話とか、総菜を売っているお店では、卵が1ケース、さらに1,000円も上がって4,000円を超えて、このままではやっていけないなどの悲痛な声が寄せられています。  1月の23日から第2弾の「しが割」が行われましたけれども、こうした中小零細業者の支援につながったのか、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 実施させていただいた第2弾の「しが割」におきましては、参加店舗の約95%に相当する5,749店舗において1回以上の御利用があり、幅広い店舗で御利用いただいたと思います。また、従業員が5人以下の小規模事業者が運営される3,619店舗において、全体の22.6%に当たる延べ16万回の利用というものがあったということでございます。  参加いただいた小規模事業者からは、新規の顧客が増えた、客単価がアップしたなどのお声もいただいており、事業者の売上げ向上などに一定の効果があったのではないかと思料いたします。この事業が小規模事業者の売上げ向上にどの程度寄与したのかなど、詳細な分析につきましては、現在実施しておりますアンケートの結果も踏まえ、今後検証してまいりたいと存じます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)ある飲食店では、第2弾のポスターを貼って、4人の方が食べに来られたけれども、しばらくしたら、もう終わったのでポスター外してくれと言われたと。手間はかかったけれども、電気代は今、12万から月17万まで上がって大変という声であったり、整体をされておられるとこも、登録したけれども、家族がコロナに感染して長期にわたって閉めなければならず、さあ、来ていただこうと思ったら、もう終わってしまった。これは早いもの勝ちやなというお話をお聞きをいたしました。  1弾のときも指摘しましたけれども、結局、大手スーパーには行列ができるほどの顧客が増えたけれども、こういうところに本当に行き届いているのかという点では、私は行き届いてなかったという認識を持っています。知事の認識について再度問いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 議員の御認識、御評価は、しかと承りたいと存じます。また、先ほど答弁させていただいたような一定の効果もあったのだと思いますが、思ったよりはよ終わったじゃないかとか、コロナで利用できひんかったじゃないかとか、お客様にも来てもらえへんかったじゃないかとか、他のお店に比べて十分お客さんが来はらへんかったじゃないかとか、そういうお声などもいただいているところでございまして、そういうことごとなども十分踏まえた上で今回の事業を検証する必要があるというふうに思っております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)この1月、2月、3月が本当に苦しいというお話を、私、地元の商店街を回ってたくさんの方からお聞きをいたしました。「しが割」は、第1弾と第2弾と合わせて27億円ぐらいを物価高騰対策の交付金として使われたということなんですが、これがなかなか行き渡っていないというふうに思います。私は、こういうやり方ではなくて、今苦しんでおられる中小零細業者に対して、給付金であったり固定費の補助など直接支援をぜひ実施していただきたいと思いますが、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 長引くコロナ禍に加えて、議員も御指摘いただいた物価高騰等の影響、これは幅広い事業者に及んでいると認識しておりますが、一方で、社会経済文化活動を維持しながら感染拡大に対応するなど、事業者を取り巻く環境も変わってきているというふうに思います。また、新たな販路開拓ですとか新商品の開発、ポストコロナを見据えた前向きな取組を進めていらっしゃる事業者もいらっしゃいます。このため、多様な資金繰りでありますとか未来を見据えた投資への支援をはじめ、様々な施策を組み合わせることなどにより、幅広い事業者の事業活動を支援していくことが必要ではないかと考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)いや、幅広くないから言っているわけで、幅広く支援をしていただきたいというふうに思います。  中小零細業者を苦しめているのは、見ますと、新型コロナによる経営難と異常円安、物価高騰に起因するもので、本当に自己責任ではなく、国の姿勢や社会情勢がつくった今は困難なんです。冒頭述べられましたように、地域経済を支える上で、支えていただいている中小零細業者の皆さんの役割、本当に大変重要やというふうに思います。  例を紹介いたしますと、京都市では、売上げの要件関係なく、法人で5万円、個人事業者で3万円というような物価高騰対策支援金制度が、3月の10日までということで今募集が始まっています。こういう早いもん勝ちとか知ったもん勝ちとか、そういうことではなくて、本当に県が少しでも後押ししてくれてるなという実感が欲しいと言われているんです。再度お伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 今おっしゃったようなことも十分踏まえた上で、需要喚起策としてのこの「しが割」を実施させていただきました。ただ、いろんな御指摘もあるので、そういったまた効果があったのかなかったのかも含めて検証する必要があると思っております。  それぞれの自治体がそれぞれのお声も聴きながら対応しているということでありますし、限られた予算をどのような形で使わせていただくのが効果的なのかという点も十分踏まえて、今後ともこういった事業は検討し、また実施していくことが重要ではないかと思います。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)今年度は直接支援は何もありませんでした。昨年の3月末までの売上げに対する支援はありましたが、今年度は全くなかったということですので、ぜひ検討していただきたいと思います。  最後です。湖西線のバリアフリー化について、土木交通部長にお聞きします。  JR湖西線の駅エレベーターの設置について、これまでも求めてきました。ようやく比良駅は今年度にバリアフリー化の整備が完了します。しかしながら、旧志賀町では、蓬莱以北の志賀、近江舞子、北小松、それ以北では近江中庄、マキノ、永原は未整備の状況であります。  一昨年2月には、JR志賀駅で、幼い子供を連れた乗客がホームから改札口に向けた階段を下りる際に、駅係員がベビーカーの介添えをしていたところ、ベビーカーから子供が滑落して負傷するという、あってはならない事故が発生しています。高架駅は、建物にすれば3階半に相当する長い階段です。駅エレベーター設置は切実であります。  昨年11月11日に、私は、日本共産党大津市会議員団と共に国土交通省に直接交渉をいたしました。乗客の安全、利便性の向上のために、移動等円滑化の推進に関する方針の条件緩和を行って、各駅への速やかにバリアフリー化を求めたところです。県としても、国に対して基準の見直しを求めるとともに、抜本的に予算を増やして早急にバリアフリー化が進むように国に求めていただきたいと思いますが、土木交通部長の見解を伺います。
    土木交通部長(門間俊幸) (登壇)湖西線のバリアフリー化についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、湖西線の各駅のような高架等の高所──高い場所でございますが──に設置されました鉄軌道駅につきまして、利用人数にかかわらずバリアフリー化の支援対象とするよう、これまで国に対し強く要望してきたところでございます。引き続き、基準の見直しにつきまして、国に対し要望するとともに、駅のバリアフリー化がさらに進むよう、沿線市に対する支援を行ってまいります。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)要望でありますけれども、乗降客の数がネックにはなっていたんですが、国土交通省との政府交渉の中では、JRと大津市になると思いますが、そこでの協議、合意をして、計画すれば補助の対象になり得るというようなお話もお聞きをしてきました。そういう点では、県も国にしっかりと物を言いながら、そこの点はぜひ一緒になってやっていただきたいというふうに思いますが、もう一回お聞きしたいと思います。すいません。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  駅のバリアフリー化につきましては、先ほどおっしゃいましたとおり、駅の所在する市町と駅の事業者が協議するという形で決定されることとなっております。県といたしましては、駅のバリアフリー化がさらに進みますよう財政支援を行うこととしております。 ◆45番(節木三千代議員) 終わります。(拍手) ○副議長(清水鉄次) 以上で、45番節木三千代議員の質問を終了いたします。  次に、10番小川泰江議員の発言を許します。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従い、大きく2問、問わせていただきます。  まず1問目は、LGBT等への理解促進とパートナーシップ制度導入について伺います。  同性婚などについて、「隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」という元首相秘書官の差別発言を受け、LGBTなど性的少数者に政治がどう向き合うかという問題が国政において急浮上しています。岸田首相の衆議院予算委員会での同性婚をめぐっての「社会が変わってしまう課題」との答弁にも批判が集まり、国会において論戦が展開されています。  一方、社会全体に目を向けると、LGBT等に対する認識は急速に変わりつつあると言えます。共同通信社が2月11日から13日に実施した世論調査では、前首相秘書官の差別発言は「適切ではない」とした人が88.4%、岸田首相の「社会が変わってしまう課題だ」とした国会答弁も「適切ではない」との答えが57.7%に上りました。また、「同性婚を認めるほうがよい」との回答は64%、「理解増進法が必要」とした人も64.3%に上っています。  滋賀県政においても、知事が政策集にLGBTQに関する理解促進を掲げ、先日は、世界的に見ても同性婚が認められるように考えていくのがあるべき姿だとの見解を示したとの報道がなされました。  今、この問題に政治が、政治家がどう向き合うかが大きく問われています。県としてできること、可能性を探り、多様性を認め合える、誰一人取り残さない滋賀県政を目指して質問をさせていただきます。  まず、人権という観点から、現在の滋賀県の取組について伺います。  平成28年に改定された滋賀県人権施策推進計画では、性同一性障害、同性愛者等を重要課題の一つとして位置づけ、正しい理解、認識を図る県民啓発を進めるとともに、学校現場においては児童生徒の心情に配慮した相談や支援等の取組を進めるとされています。  まず最初に、LGBT等に関する理解促進の取組状況について、総合企画部長にお伺いいたします。以下、別途指名するまで総合企画部長にお願いいたします。 ○副議長(清水鉄次) 10番小川泰江議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎総合企画部長(東勝) (登壇)お答えをいたします。  LGBT等、性的指向、性自認に関する課題につきましては、滋賀県人権施策推進計画に重要課題の一つとして位置づけておりまして、これまでから教育、啓発等に取り組んでいるところでございます。  具体的には、広報誌やテレビ、ラジオ広告、インターネットなど様々な媒体を通じまして啓発等を積極的に行っておりまして、次回発行される滋賀プラスワンの3、4月号でもこのテーマを取り上げる予定としております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  滋賀プラスワンで何度か取り上げていただいていること、私も拝見しておりました。そのほかにも、テレビ、ラジオ、取り組まれるということですが、実際様々発信されての手応え、そういったもの、もしありましたらお伺いできませんでしょうか。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  令和3年度に実施をいたしました人権に関する県民意識調査の結果におきまして、LGBT等に関する事柄で、人権上、特にどのようなことが問題かという問いがございました。その中で、「わからない」との回答について、前回、平成28年度の23.9%から今回12.1%へと半減をしているという状況でございます。  また、昨年12月にラジオ広告を実施をいたしました際に、リスナーのほうからいただいた御意見といたしまして、「こういう思いやりが持てる世界が広がればいい」、また、「理解と思いやりができるようになった」といったような御意見もいただいているところでございまして、一定の効果があったものと感じているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  なかなかこの問題、当事者の方が実際に声を届けるということは、まだまだ県のほうでも届いてないということも聞いておりますので、引き続き、当事者の方の声を収集するような、そういった広報活動もお願いしたいと思います。  また、当事者の声という形では、例えば県のサイトにも、人権相談という形で自身の性の在り方に関する悩み相談の窓口が紹介されております。このLGBT等に関する相談体制について、現状をお伺いいたします。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  県内におきましては、様々な人権に関する相談に対応できますよう、相談内容に応じた専門窓口が設置されているところでございます。これらの国や県などの専門の相談機関によりまして、滋賀県人権相談ネットワーク協議会を組織をいたしまして、相互に連携を図る体制を構築して、LGBT等に関する相談にも対応をしているところでございます。  また、このネットワークを活用いたしまして、LGBT等の課題につきまして適切に対応できますよう、資質向上のための講習や連携強化の取組も行っているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  ただ、今御紹介いただきましたこの人権相談ネットワーク協議会さんのパンフレット、手元に私も持っておりますが、LGBTという文言というのは全くどこの説明にも入ってはいないんですよね。このことに特化したような窓口がこの問題に関心が高まっている今こそ必要ではないか、やはり設けるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  これまでに寄せられました相談の内容を見てみますと、就労などの労働関係でありますとか、学校生活上の悩みといったような内容が見られますほか、複合的な内容の相談も多い状況にございます。こうした多岐にわたる相談に対応していくためには、それぞれの課題に応じた専門機関での対応や連携が必要となるというふうに考えておりまして、単独の窓口での対応というよりも、相談機関の連携を強化して、適切な相談機関にもつなぎ、対応できるような体制を構築して、相談者の皆様のニーズにお応えしていくことがまずは必要かなというふうに考えているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)もちろん、そういった実際の課題に対応していただいていることは、もう重々承知いたしますが、やはりこの言葉を表出しすることで、行政がそちらのほうに目を向けている、そういった姿勢の現れにもなるかと思いますので、ぜひともこの点に関しては引き続き検討いただければとも思います。  この課題は急速に変化しつつあり、性同一性障害、同性愛者等といった滋賀県人権施策推進計画の文言なども、もうもはや時代にそぐわなくなっていると考えます。実効性のあるものにするためにも、改定年度の2026年を待たずにやはり改定すべきではないかと考えますが、見解を伺います。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  現行の人権施策推進計画につきましては、期間中におきましても必要に応じて見直しを行うこととしているところ、策定から既に6年を経過いたしまして7年目となっております。その間、社会情勢の変化とともに、性的指向、性自認等の課題をはじめ、人権をめぐる課題、状況にも変化が見られますことから、現在、計画の改定につきまして、前倒しをすることを検討しているところでございます。今後、人権施策推進審議会での議論や当事者の意見等も踏まえまして、計画改定に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ぜひともやっぱりスピード感も必要かと思います。この性同一性障害とか同性愛者等とかいった文言自体、今、もうほとんどやっぱり聞かれなくなりましたし、あまり使うべきではないような文言だと思っておりますので、速やかに進めていただけますよう、よろしくお願いいたします。  令和4年5月の行財政・新型コロナウイルス感染症等危機管理対策特別委員会での滋賀県行政経営方針の審議の項で、LGBT等対応の指針について、私、一度聞かせていただきました。その際に、「現状はLGBT等に対する指針等はないが、重要な課題と認識しており、研究していく」との御答弁をいただいております。LGBT等の割合は、調査によってばらつきはあるんですけど、3から8%とされています。職員さんの中にも何らかの不具合を感じている方がいないわけではないはずです。今後、この課題に対応するための庁内の意識と知識向上のためにも、静岡県、長野県、三重県で制定されているような自治体職員向けガイドラインの策定も検討してはどうかと考えますが、総務部長の見解を伺います。 ◎総務部長(河瀬隆雄) (登壇)お答えいたします。  現在、職員向けには、人権尊重の視点からの施策点検マニュアル等におきまして、性的指向、性自認をからかい等の対象とすることや、アウティング行為をハラスメントの例というふうに明記をいたしまして未然防止を図っているところでございます。  性の多様性を認め合う社会の実現には、県民サービスに携わる職員自身がLGBT等について正しい知識を持ち、より一層理解を深め、施策を点検するとともに、県庁が率先して職員自身が当事者である場合にも安心して働ける職場環境をつくっていくことが重要でございます。したがいまして、こうした視点から、職員向けガイドラインの策定に向けての検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)よろしくお願いいたします。  2020年の電通ダイバーシティ・ラボの調査では、約9割の人が性の多様性を学校教育で教えるべきと回答しています。先ほど挙げた人権施策推進計画にも位置づけられている教育現場でのLGBT等に関する取組状況を教育長に確認させていただきます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えをいたします。  LGBT等、性の多様性について学校現場で学ぶことは大切であると考えているところでございます。教科指導や総合的な学習の時間において性の多様性を学ぶことにより、子供たちの理解促進に努めているところでございます。  また、そのためにも教職員が正しく理解することが必要でございまして、県教育委員会では、性の多様性に関するリーフレットやしおり等を作成、配布し、学校現場での活用を促しているところでございます。  現在、全ての県立高等学校においてスラックスタイプの制服の選択を認めることでありますとか、配慮の必要な子供に対して、職員トイレや多目的トイレの利用を認める等の対応が進んでいるところでございます。また、県立学校の入学者選抜におけます入学願書や受験票などの性別欄を削除したところでございます。  今後も、子供たち、そして教職員が性の多様性についてしっかりと学び、理解し、そして行動できるよう、こうした取組の充実に努めてまいる所存でございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)よろしくお願いいたします。  それでは、次に、全国の自治体で導入が進んでいるパートナーシップ制度について伺います。  同性のカップルは、結婚ができないことで、公営住宅の入居や病院での手術同意書にパートナー関係が認められないなど、様々な制度上の不利益を被るのが現状です。パートナーシップ制度は、自治体が独自にLGBT等カップルに対して、結婚に相当する関係と証明する証明書を発行し、様々なサービスや社会的配慮を受けやすくする制度です。2015年に東京都渋谷区議会が初めて条例を制定して以来、2023年2月12日時点では、導入自治体は少なくとも259となり、人口の7割近くをカバーするようになってきました。県内でも、彦根市が2021年に導入、米原市がこの4月から、近江八幡市も2023年中の導入を目指しておられます。実際、彦根市でも4件の制度利用の実績が報告もされています。  また、先進的な施策で話題に上ることが多い明石市では、(資料掲示)このように、同性カップルに限らず、事実婚などにも対応するパートナーシップ・ファミリーシップ制度を導入し、これまで30組届出という成果も上げておられます。  滋賀県政でも、先日、知事は、「県としてできることを検討中」と定例会見で答えておられます。また、2月20日には、滋賀県を含む23県の知事が、LGBTなど性の多様性が尊重される社会づくりを求める緊急共同声明を発表し、その後の記者会見で、パートナーシップ制度について、「プロセスも大事にし、丁寧にやっていきたい」と述べておられます。滋賀県としても、パートナーシップ制度導入に向けて検討を始めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)私自身も、3期目の政策公約、つくらせていただいた際に、健康しが、そのうちの社会・経済の健康の項目の中に、人権尊重の社会づくりとしてLGBTQに関する理解促進を入れて、県民の皆さんに信を問わせていただきました。その後、施策構築の際に、こういうことを問うて3期目になっているので、県においても、パートナーシップ制度の導入を含め、どういったことができるのか検討しようということを指示しているところです。  差別を許さず、多様性、包摂性のある社会を実現することは、私たち一人一人の願いでございます。また責務であると考えておりますので、より多くの人の生きづらさ、困難を解消するために、本県においてもどのような制度がふさわしいのか、検討を進めていきたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ぜひ前向きな検討であると受け止めさせていただきたいと思います。  そしてまた、知事のおっしゃるように、丁寧に、プロセスも大事にしながら、制度をつくっていくためには、まずはニーズや現状把握の調査も必要ではないかと考えます。なかなか、さっきも申しましたけど、当事者自身が声を上げることが難しい、そして、県内にはその当事者団体がないという課題などもありますが、この調査、これに関して知事の見解を伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 滋賀県においてどのような制度や対応がふさわしいのか検討するに当たりまして、制度を導入している自治体の状況や課題等も含めて調査をさせていただいております。今後も、当事者への意見、ニーズの聴取も含め、調査を予定しております。必ずしも県内の団体というものに限らなくてもいいのではないかと私は思いますし、これからの世の中を考えるのであれば、世界というものを視野に入れて調査、検討すべきではないかというふうに、現在協議をしているところです。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ぜひとも世界標準の制度づくりをお願いできたらと思っておりますし、そのためにも、例えば、現在、LGBT等に関しては人権施策推進課が担当されていますが、ここはもともと啓発が主な業務となっております。今おっしゃったような、それこそ世界に視野を向けたような制度導入の検討には、より総合的に進めるためのセクションが必要ではないかと考えますが、知事の見解を伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) だから総合企画部が担当しているんですけどね、という認識です。だから総合企画部に人権施策推進課を置いてますし、私が本部長を務めております人権施策推進本部というものもございますので、そういったことが全庁に及ぶように、また関係団体、機関等とも連携できるようにということを志向しておりますので、その実が単なる啓発だけにとどまらないということも十分踏まえて行っていきたいと思います。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ぜひとも、じゃ、その総合企画部という名前を冠した部署にさらにそういった総合力を期待させていただいて、全庁的な取りまとめに中心となって奔走いただけるように期待したいとも思います。  コロナ差別が噴出したときに、知事が「人権は政治家三日月の一丁目一番地だ」と力強くおっしゃってくださったことを覚えています。このLGBT等の問題にも政治家としてしっかりと向き合っていただきたいということを期待を込めてお願い申し上げ、次の質問に移ります。  続いて、滋賀応援寄附のさらなる活用について伺います。  他国に比べて寄附文化が根づいてないと言われる日本ですが、手軽に寄附できる仕組みの一つとして急速に広がったのがふるさと納税です。年々利用は増えており、総務省自治税務局の調査によると、令和3年度の全国の実績は前年度比1.2倍の約8,302億円、4,447万件、滋賀県の実績は市町も合わせて約105億円、29万件となっています。  まず最初に、滋賀県のふるさと納税、滋賀応援寄附のこの5年間の推移について、何度も申し訳ないですが、総合企画部長にお願いいたします。以下、別途指名するまで総合企画部長にお願いいたします。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  平成30年度から5年間の寄附の件数、金額でございますが、順に申し上げますと、平成30年度は102件、約1,640万円、令和元年度は147件、約1,810万円、令和2年度は978件、約4億1,680万円、令和3年度は983件、約1億3,420万円、そして令和4年度は、1月末現在でございますが、2,115件、約1億2,970万円となっております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)(資料掲示) ありがとうございます。  この資料は、今部長のほうからお示しいただいたこの5年間の滋賀応援寄附の申込み状況です。今お伺いしたように、この5年間で、金額自体は、やっぱりコロナ対策の寄附もあり、令和2年度がピーク、飛び抜けておる状態ですが、使途の選択肢も含め、件数も順調に増えていっています。新型コロナ対策としての滋賀県がんばる医療・福祉応援寄附は、一時より減ったとはいえ、いまだに群を抜いた額とはなっています。  ほかにも、令和4年度の実績を見てみますと、1月末現在で、「美しい琵琶湖を守ろう」が約1,900万円、「子どもたちの健やかな育ちを守ろう」が約1,210万円、「すべての犬と猫の幸せを願って」が約500万円と、多くの寄附を集めている項目もある一方、見ていただいて分かりますように、なかなか難しいものもあるようで、項目設定や広報など一定の課題もあるかと考えます。滋賀応援寄附の現状の課題と今後の対策についてお伺いいたします。 ◎総合企画部長(東勝) お答えいたします。  近年、個人からの寄附金額につきましては、増加傾向にありますものの、令和3年度を見てみますと全国37位という状況でございまして、さらなる確保に努めていく必要があるというふうに考えております。  そのため、今後、滋賀の魅力ある地場産品等の返礼品をさらに充実させていきますほか、全国に向けまして、本県の取組に共感が得られますよう、広報や情報発信の強化を図ってまいりたいと考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)広報や情報発信の強化ということでありましたが、例えば、この滋賀県のホームページの滋賀応援寄附のトップページ、ここに、寄附金の使い道は以下よりお選びいただけますと、先ほど示しましたような今18の項目あるんですが、言葉だけ並んでいて、そこの詳細内容にリンクを張られているのがコロナと県立学校だけという状況で、やっぱこういったところからも、実際使ってみて不便を私は感じました。こういったことも訂正すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎総合企画部長(東勝) お答えいたします前に、先ほどの答弁で全国37位というふうに申し上げましたが、申し訳ございません、全国32位の言い間違いでございました。申し訳ございません。  お答え申し上げますが、先ほど申し上げましたように、滋賀応援寄附による歳入を拡大していくためには、やはり本県の取組に共感が得られるように、広報、啓発をしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。ただいま議員のほうから御指摘がございましたが、現状のホームページ、御指摘のような状況があるというふうに私も認識しておりまして、寄附の使途の詳細が十分に伝えられないというふうな状況を早急に改善するように対応してまいりたいと考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)よろしくお願いいたします。  また、共感という意味では、私、ふるさとチョイスとかいろんなサイトで他県のものとかも比べてみたんですけど、ほかの自治体に比べて、この使途の説明文がすごく短くて、なかなか思いが伝わりにくいような部分はあるかと思うんですが、この点に関しても是正してはいかがと思いますが、いかがでしょうか。 ◎総合企画部長(東勝) お答えを申し上げます。  やはり文章がしっかりと相手に伝わるような形で記載をしていかないと、なかなか効果も上がってこないというふうに思いますので、御指摘いただいた点も併せまして見直しをしてまいりたいと考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)それから、もう1つ提案なんですが、最近、自動販売機型のふるさと納税というのが割と全国各地で出てきておりまして、京都市などもこの12月から導入しています。その場で旅行に行って、すぐにふるさと納税できて、利用するクーポンが出てくるというようなものなんですが、こういった新たなことにも何か取り組んでみたらいかがと思いますが、これは提案ですけど、もし見解がありましたら伺いたいと思います。 ◎総合企画部長(東勝) お答え申し上げます。  寄附の獲得に向けたユニークな取組ということかと思います。  御紹介いただきましたふるさと納税自動販売機ということでございますが、設置場所となります施設の御協力ですとか、導入に伴いますコストも必要になるというふうなこともあるかと思いますので、費用対効果なども含めて今後研究をしてまいりたいというふうに考えております。  今回御紹介いただきました事例も含めまして、各寄附のさらなる確保の観点からは、他府県の先進的な事例も調査をいたしまして、積極的に本県の取組に生かすようにしてまいりたいと考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)それでは、少し制度のことについて伺いたいと思います。  滋賀応援寄附は、原則は年度内に使い切るということで伺っております。結果として、結局従来事業に充当されて、その分県費が減らされるだけ、付け替えただけというのは、項目にもよりますが、趣旨にそぐわないこともあるかと思います。多くの寄附を集めたら、何らかのやっぱりインセンティブというものが必要かと思いますが、その仕組みがあるのかについて伺いたいと思います。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  滋賀応援寄附では、それぞれの部局による寄附獲得の取組を促進していくという趣旨で、また施策の充実につなげるという目的で、寄附実績に応じて各部局へ後年度に予算を配分する仕組みを令和元年度から設けているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。なかなか多分、予算書とか見てても、それがどれぐらいの額というのは見えにくくはありますが、今後また、ぜひともいろんなせっかく寄附いただいた方の志が少しでもここに生かされているんだと見えるような、そういった工夫もしていただきたいと思っております。  そして、ふるさと納税の課題として、例えば自治体によっては、結果的に税収減につながったり、返礼品やサイト利用の手数料など経費がかかり、本当に収入増につながっているのかどうかということが少し気になります。  仕組みについて確認したいのですが、令和3年度を例にいたしまして、滋賀応援寄附の事務経費等も含めた収支をお伺いいたします。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  令和3年度におきましては、個人および企業、団体から約1億3,420万円の御寄附をいただいておりますが、これに係る事務経費は約1,740万円となっておりまして、事業に充当できる額は約1億1,680万円となったところでございます。そのうち約5,860万円を当該年度の対象事業に充当いたしまして、残余の約5,820万円につきましては基金のほうに積み立てたところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)先ほども申しましたが、滋賀応援寄附は、基本は寄附いただいた年度内に使い切るのが前提ということですが、今、部長のほうから基金に積まれているということも伺いました。これはちょっとイレギュラーなことになるのかなと思うんですが、令和3年度は半分近くが基金に積み立てられたと今の御報告だとなります。その基金の金額や内訳について教えていただけるでしょうか。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。
     令和5年1月末現在で見ますと、基金残高は約2億4,300万円というふうになってございます。そのメニュー別の内訳を申し上げますと、滋賀県がんばる医療・福祉応援寄附として約2億3,800万円、「すべての犬と猫の幸せを願って」のメニューといたしまして約250万円、それから、「県立学校を応援しよう」というメニューにつきましては約180万円ということになってございます。これらは、今年度事業に可能な限り充当いたしまして、充当し切れなかった残額につきましては来年度事業に充当をする予定となっているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ただいま、基金に積んでいるのは、コロナと県立学校、そして「すべての犬と猫の幸せを願って」の3件だけということを伺いました。ここから、個別の項目として、令和4年度は500万円の寄附を集めている動物愛護の項目「すべての犬と猫の幸せを願って」について、この寄附を活用してさらに施策を進められないかという観点で伺いたいと思います。  この項目の令和3年度の寄附は360万円余ですが、実際に事業に充てることが可能な額は幾らになるのか、まず教えてください。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  令和3年度に「すべての犬と猫の幸せを願って」を指定をして寄附をいただきました額は約365万円でございますが、これに使途を指定しない「おまかせ」を選択された寄附もございまして、これを全部メニューで均等割した金額約49万円を合わせた約414万円をこのメニューへの寄附額として整理をしているところでございます。この金額から各メニューで案分いたしました事務経費約56万円を差し引きました約358万円が犬と猫の幸せに関する事業への充当可能額となるところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)今、358万円が充当可能な金額ということを伺いましたが、そこから基金に253万円積まれたということです。つまり7割が使い切れずに残ってしまったということになります。この要因について、健康医療福祉部長にお伺いします。以下、健康医療福祉部長に別途指名するまでお願いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) (登壇)お答えいたします。  寄附金は、飼い主のいない猫対策補助金、動物保護管理センターで実施いたします不妊去勢手術経費、譲渡候補犬猫の設備改善費用、適正飼養の広報、啓発費用などに充当したところでございます。寄附額が当年度のこれら動物愛護に係ります経費を上回ったため、その剰余を令和4年5月に積み立てたものでございます。  なお、この基金積立額につきましては、令和5年度当初予算案で基金繰入金を財源といたしまして動物愛護に係る事業に計上しているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  もともと、この動物愛護の事業というものをちゃんと捉えると、事業費って140万円ぐらいしかないところに、それを大幅に上回る寄附金が集まって対応し切れなかったというところが原因かとは思います。ちょうどコロナもあって、センターもコロナの入院患者さんの犬や猫を預かるというようなこともしたと仄聞もしておりますし、部自体が応援とかで大変だったということも理解いたします。しかし、結局、志を使い切れなかったというところで、体制やマンパワーの不足というのがやっぱり要因としてあるのではないかなということも考えてもおります。  先ほども出ておりました令和5年度の予算案に確かに250万円ぐらい繰出金という形で計上もされておりますが、令和4年度の状況、今、500万円の寄附が集まっておりますが、こちらの状況はいかがでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  令和4年度につきましても、昨年度と同様に飼い主のいない猫対策を含めた事業への充当を予定しているところでございます。  なお、今年度は、令和2年度寄附金のインセンティブ等の活用によりまして、動物愛護関連経費を充実させまして、従前からの事業に加えまして、譲渡子猫用の大型ケージの購入をしたところでございますが、この費用へも寄附金を充当する予定でございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)今、飼い主のいない猫の対策、地域猫対策ということかと思います。ふるさとチョイスやさとふるのサイトでは、この地域猫、自治会やボランティアグループなど、飼い主のいない猫に不妊去勢手術を行い、地域で餌やトイレを管理するという地域猫対策にも充てられると説明がありました。今、実際に充てられたというふうな説明が部長のほうからあったと思いますが、これ、ただ、件数とかは全くこれがない時期からも変わってはいません。それについて、やっぱり寄附された方というのは、殺処分をやっぱり少しでも減らしてほしい、対策を拡充してほしいということでそれを寄附された方、多いかと思います。それが結局県費の差し替わりになっているという現状がある中で、やはり私、この地域猫対策、致死処分の大半を占める幼齢期の猫を減らすために、不幸な野良子猫を増やさないための不妊手術、この地域猫対策の推進が重要だと考えております。  この御寄附いただいたお金を活用して、ふるさと納税サイトの説明でもうたわれている地域猫活動の推進、これはやっぱり件数もそうです。そのためには人員も必要です。それを拡充を図るべきと考えますが、こちらもやっぱり政治判断にもなってくるかと思います。知事の見解を伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 今日は2月22日。にゃんにゃんにゃんで猫の日ということだそうですね。健康医療福祉部長に教えてもらいました。  この地域猫活動については、飼い主のいない猫対策にかかる補助金により支援をしているところです。年々活動地域が増加してまいりましたが、今年度は、新型コロナウイルス感染症への対応による業務体制の縮小、第1種動物取扱業の規制強化に伴う監視指導業務の増加により、活動地域のコーディネートや不妊去勢手術を縮小せざるを得ない状況があり、活動地域が18にとどまったとのことでございます。  地域猫活動の推進には、不妊去勢手術の実施体制の充実が必要でありますが、活動に協力いただいている皆さんの御意見も聴きながら、さらなる寄附金の活用も視野に入れつつ、まずは現在のセンターの人員体制を踏まえて、どこまで充実できるのか検討をしてまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)知事も今おっしゃられましたように、本日は図らずもにゃんにゃんにゃんの日ということで、狙ったわけではないんですが、新聞にちょうど動物保護管理センターの取材記事が掲載されておりました。収容された子猫の六、七割が育てる職員の手が足りずに致死処分になっている現実と、地域猫活動の重要性、そして、猫を排除するのではなく、増える原因を見極めて対処しなくては同じことが繰り返される、不妊去勢手術をするなど猫との共生を頭に入れてほしいというメッセージが紹介もされています。  昨日、加藤議員が、子供たちに命の大切さを伝えるために動物との触れ合いが有効とおっしゃっておられました。こうしたやむを得ず人間の手で命を奪われている小さな動物たちがいるということも子供たちに伝えて、では、どうしたらいいのかを一緒に考えて、可能なら行動するといったことも命の大切さを伝えることにもなるかと思います。  こういった観点も含めて、この地域猫活動、ぜひとも今、人員体制も含めて検討していくとおっしゃっていただきましたので、さらに進めていただきたいと思いを申し述べて質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(清水鉄次) 以上で、10番小川泰江議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後2時24分 休憩    ────────────────   午後2時45分 開議 ○副議長(清水鉄次) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、23番桑野仁議員の発言を許します。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇、拍手)それでは、もうしばらくお付き合いのほどよろしくお願いをいたします。  それでは、発言通告書に従い、滋賀県立高等専門学校の設置に向けて、一問一答で知事、大杉副知事、総合企画部長に質問をさせていただきます。  御存じのように、高等専門学校とは、実践的、創造的技術者を養成することを目的とした高等教育機関です。現在、全国に国立が51校197学科、公立が3校7学科、私立が3校6学科あり、この4月より徳島県神山町で私立の神山まるごと高専が開校をします。現在、設置をしていない都道府県というのが、埼玉、佐賀、神奈川、滋賀、山梨の5県となっています。  高等専門学校の特色は、5年一貫で一般科目と専門性科目をバランスよく配置した教育課程により、技術者に必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができるということです。また、学んだことを応用する能力を身につけるため、理論だけでなく、実験、実習を重視した専門教育が受けられるということです。そして、卒業生は製造業をはじめとして様々な分野で活躍することができ、産業界からの評価も非常に高く、就職希望者に対する就職率や求人倍率も高い水準となっています。  そうしたことから、本県においても、本格的な人口減少社会への移行、就業構造の変化などを見据え、将来にわたり競争力のある力強い産業を創出し、経済の発展や雇用の維持、拡大とともに地域社会が今後も持続的に発展していくためには、成長市場、成長分野を意識した人材や県内産業の高度化を担う人材、本県の地域や世界の社会的課題を解決する起業家、イノベーターなど、専門的技術を社会に実装し、これからの滋賀の地域と産業を支える高等専門人材の育成が不可欠のことから、こうした人材の育成を行う機関の設置について令和元年度から検討を開始し、令和3年度に有識者や関係者への意見の聴き取りなどを行い、「令和の時代の滋賀の高専」構想骨子がまとめられ、令和4年度以降、具体的な検討を行い、令和の時代の滋賀の高専の令和9年春の開校を目指してきたわけですが、昨年、高等専門学校を野洲市の旧野洲川跡地に設置することが決定をされ、野洲市を含め、大きな期待を持たれたと思います。  ただ、今年1月27日に知事より、開校を1年延期、後ろ倒しにするとの発表がなされたわけですが、最初に、滋賀県立高等専門学校の開校時期をこれまでの2027年──令和9年から2028年──令和10年に延期した理由について、知事に伺います。 ○副議長(清水鉄次) 23番桑野仁議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)高専につきましては、最速で令和9年開校と掲げさせていただいて、スケジュール等を精査していたところでございます。今年度、県立大学が行いましたPFI導入可能性調査の民間業者ヒアリング結果におきましては、万博やIRを控える建設業界の状況等から開校準備の期間の確保を含めた工期が厳しいといった御意見が多かったと承知をしております。  また、基本構想の検討を進める中で、学生や社会にとって学びやすく利用しやすい学校を整備するために必要なことも精査させていただき、今後の設置準備スケジュールがより明確になってまいりました。  こうしたことから、最速で令和9年度としていた開校時期につきましては、よりよい学校づくりのために令和10年開講とさせていただくことが最良と判断させていただいたところでございます。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。  令和4年3月にまとめられた「令和の時代の滋賀の高専」構想骨子、また、令和4年12月に出されました施設設備基本計画(素案)の中で、ところどころに先ほども知事からありました「最速」とか、「開校を目指す」とか、または「開校を想定した」というような少し曖昧な言葉が使われていたと思いますが、令和5年2月に総務・企画・公室常任委員会に提出された基本構想1.0(原案)の中にも、「令和10年の開校を目指した」と、ここにも目指したいという言葉が使われています。今回、開校が1年延期になったわけですが、2028年──令和10年4月に必ず開校すると考えているのか、知事にお伺いをします。 ◎知事(三日月大造) 令和10年開校が最良と判断させていただいたところですので、実現できるよう精いっぱい取り組んでまいりたいと存じます。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇)実現できるようにお願いをしたいと思います。また最後にもお願いをさせていただきますが。  多くの期待が寄せられている中で開校が1年延期になることについて、設置場所である野洲市ならびに産業界からどのような反応が出てきているのか、総合企画部長にお伺いをいたします。 ◎総合企画部長(東勝) (登壇)お答えをいたします。  高専の設置に対しましては、産業界はじめ多くの方々から御期待をいただき、開校時期についても高い関心を持っていただいているものと認識をしているところでございます。  そうした中、野洲市とは隣接する国有地の活用など、これまでから連携して取組を進めてきておりまして、今回の開校時期の判断については御理解をいただいているところでございます。  また、産業界からでございますが、現状の人材不足のためには一年でも早く高専の設置を期待していたので残念であるというふうなお声もいただいておりますが、よりよい高専をつくっていくためにはやむを得ないという御理解をいただいているところでございます。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇)それでは、少しちょっと事務的なところをお聞きをさせていただきます。  この1年開校が延期になったことによって、文部科学省への設置認可申請、これはいつ頃になるのか、総合企画部長にお伺いをいたします。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  平成18年文部科学省令第12号大学の設置等の認可の申請及び届出に係る手続等に関する規則によりますと、開設する年度の前々年度の10月1日から10月31日までの間に申請するものというふうにされておりまして、令和8年の10月までに申請をする必要があるものと認識をしております。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇)それでは、その設置の認可申請にはどのような書類が必要なのか、総合企画部長にお伺いをいたします。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  先ほどお答えいたしました文部科学省の規則によりますと、高専の新設を申請する場合におきましては、基本計画書、校地校舎等の図面、学則、当該申請についての意思の決定を証する書類、設置の趣旨および学生の確保の見通し等を記載した書類、教員名簿、そして教員個人調書、そして教員就任承諾書が必要とされているところでございます。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇)非常にたくさんの資料を提出をしなければいけないということだと思います。  その中で、令和4年3月に「令和の時代の滋賀の高専」構想骨子が公表されてから、カリキュラムの編成が少し進んでいると思っているわけですけども、現在、このカリキュラム編成、どのような状況になっているのか、総合企画部長に伺います。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  カリキュラムの編成についてでございますが、「令和の時代の滋賀の高専」構想骨子に基づきまして、国立高専で構築をされておりますモデルコアカリキュラムも参考にしながら、実践力、即戦力といった高専の強みに情報技術や複数分野を掛け合わせた新たな学び、さらには県立大学が培ってまいりました地域とのつながりを生かした対話力や人間力といったことに関する学びを加える方向で現在検討を進めているところでございます。  具体的には、1年次では全員が基礎として情報技術を学び、2年次以降はコース別に専門性を高めますとともに、高年次、高い年次のところでは、県内各地をフィールドに、地域課題の解決に挑戦する社会実装トライなどに挑戦できるようにするなど、県としての特徴を盛り込みながら、各コースのカリキュラム体系のたたき台を検討しているところでございます。  先般、県立大学の各分野の教員で構成をいたしますワーキングチームを立ち上げたところでございまして、今後、年度末に策定をいたします基本構想1.0や産業界等の御意見も反映しながら、さらに具体的な検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。  ワーキングチームをつくられて編成を考えていっていただけるということですけど、どうしてもカリキュラムを考えていく中で、やっぱり教員という問題が出てきますよね。高等専門学校の教員、つまり校長ならびに教授、准教授、講師等については、基本、博士の学位が必要、それ以外の条件もあるわけですけども、そういう博士の学位を有する者とされてるわけで、高度専門人材の育成にはそれなりの教員が必要ということになります。ただ、私が聞くところ、そうした人材というのは本当に引く手あまたで、非常に探すのが厳しい状況だというようにお聞きをしてます。ただ、やはり開校するに関しては、どうしてもそういう教員は採用しなければいけないということになるわけですけども、そうした状況の中で、この高等教育のカリキュラムに合った教員の確保を今後どのように進めていこうとされるのか、総合企画部長にお伺いをいたします。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  今年度末に策定をいたします基本構想1.0でお示しするカリキュラムの方向性や特徴を踏まえまして、来年度から本格的に校長や各コース長などの教員の確保を進めていきたいというふうに考えております。  校長につきましては、すべての人と地球を支え続ける技術を磨く学校という学校像に共感をいただき、高等専門人材の育成や技術を通じた地域のハブとなる学校づくりをリーダーとして牽引していただけるよう、来年度にはその方向性をお示しできるように準備をしていきたいというふうに考えております。  各コース長につきましては、4つのそれぞれの分野に精通をして、それぞれの分野の学びの核となる方を確保していきたいというふうに考えております。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。  知事も、令和4年7月の定例会議において、知事のほうから、「まずはそれぞれのコースのコアとなる教員を選定をして、その方を中心にカリキュラムや指導方針を検討する必要がある」というように答弁をされております。そのとおりだと思いますので、高等専門学校のカリキュラムは、各コースが目標とする人材育成に合致した順次性のある体系的な教育課程の編成や初年時教育の充実等を考慮する必要があるということです。そうしたことを踏まえると、今答弁がありましたように、中心となっていただく校長、そして教員、これをやっぱり早急に選定をして、その教員の下、カリキュラムの編成を考えていく必要があるかなと思います。でないと、やはりどんどん遅れていく可能性があるというように非常に危険性を私自身は感じておりますので、どのような高等専門学校にするかはカリキュラムが基本となります。このことは十分承知されてると思いますが、早急に手だてを打っていただくようお願いをいたします。  先ほど答弁があった認可申請時に必要な書類として、学生の確保の見通し等を記載する書類を文部科学省に提出する必要がありますが、今回の入学者想定である120名の根拠について、総合企画部長にお伺いをいたします。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  県内中学からの進学状況を見てみますと、例年60人程度が県外の高専へ進学をしておられます。これに加えまして、令和2年度、県内の中学生を対象に実施をいたしましたアンケート調査から、滋賀に高専ができた場合の潜在需要を算出をいたしまして、県内からの志望者数を150人程度と見込んでいるところでございます。さらに、県外からの志望者につきましては、近隣府県の高専への進学状況等から80人程度と見込んでおりまして、県内外合わせて合計230人程度が志望いただけるものと見積もっているところでございます。この志望者見込み数を基に、望ましい入試倍率や教育効果等の観点から検討いたしまして、入学定員を120人としているところでございます。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。  私の経験上でいきますと、大学等を新しく設置をしますと、やっぱり初年度、2年度は受験生来ますわ。ただ、3年目以降になると、やはり今回本県が設置する高等専門学校がどれほど周知をされているのか、それと、その魅力、施設設備、それから教員陣、この辺り、やはり中学校を卒業して選んでくれるわけですけども、やっぱりそういう専門的なことをやっていきたいという子供というのはそれなりに意識が高い。やっぱり中身を必ず見てきます。そう思うと、この120名の定員、これを5年間確保しないといけないわけですけれども、その辺り、きっちりと周知ができるよう、ほんで魅力を全面的に出していけるような形で取り組んでいかないと、この5年間、毎年120名という入学者、確保するのは非常に厳しいかなというように思いますので、その辺りはひとつまたよろしくお願いをしたいと思います。  続いて、国外の学生からも選ばれる高専となるよう取組を進めていくとのことですが、どういった視点で留学生を確保していこうとしているのか、またその狙いについて、総合企画部長に伺います。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  高専におきましては、他者の共感を得ながら新たな価値を創造し、地域や地球の課題に技術で挑み、これからの滋賀や社会を支える人材を育成していきたいというふうに考えております。そのためには、カリキュラムの内容はもちろんでございますが、多様な人が集い、お互いが切磋琢磨しながら学べる環境を整えていくことも重要であるというふうに考えております。そうした観点から、異なる国籍や文化を持つ学生が多様な見方や考え方に触れながら学び合える環境を整えることで、国際的な感覚を磨くとともに、互いの学びの充実につなげていきたいというふうに考えております。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇)多分、留学生の確保は非常に厳しいかなというようには正直思います。ただ、国立高専等も留学生は採っておられる状況もあるので、その辺りはきっちりと募集をしてやっていただきたいなと思ってます。  留学生については、大きく国費、政府派遣、そして私費留学生、この3つに分類をされると思います。基本、高等専門学校の3年次に編入をしてくるというのが基本になるかなというように思うんですが、ただ、専門用語など日本語での教育を受けるため、それを理解できるだけの日本語能力、これが必要となってきます。ほとんどの留学生は日本での教育を受けるため、本国または日本にて事前に日本語教育を受けてから入学をしてくるという状況があります。留学生を受け入れるに当たっては、寮もそうですが、日本語能力または日本語での教育など、留学生が高等教育についていけるよう、また途中でリタイアしないよう、体制整備を十分今後議論をしていただきたいというように思います。  次に、高等専門学校は5年間の教育を行い、卒業すると準学士の称号が与えられますが、国立高専51校全てで2年間の専攻科を設置をされています。この専攻科を修了しますと、大学改革支援・学位授与機構の審査を経て、認められれば学士の称号が与えられることになるわけですが、本県の高専は将来的に専攻科の設置を考えているのか、総合企画部長にお伺いをします。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  県立の高専は全国的にも例がございません。そうした中で、国公立の新規開校も平成14年の沖縄国立高専開校以来26年ぶりとなるビッグプロジェクトというふうに考えておりまして、まずは高専の開校に向けて注力をしていきたいというふうに考えております。  当面は、設置主体であります公立大学法人滋賀県立大学と高専の2つの学校を運営することになりますことから、高専卒業後の県立大学への編入学など、県立大学と高専双方の学びの幅を広げ、深めるための連携が図れるものというふうに考えております。  さらに、県立大学以外の理工系学部を設置されております県内の大学との連携ということも今後具体化していく予定でございまして、オール滋賀で高専卒業後の学びについても可能性を広げてまいりたいと考えております。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。  本県が開校しようとしている高等専門学校は、学生が5年間の教育課程を修了した後、県内の企業等へ就職をしていただくということを前提としてるわけですけども、高等専門学校生には多彩なキャリアがあるということで、卒業後、すぐに就職して技術者として活躍する道と、やはり進学して専門的知識、技術をさらに高める道を選択することができるということです。独立行政法人の国立高等専門学校機構の調査によると、高等専門学校5年間修了した後、約6割の学生が就職、残り4割がやはり大学院等、ほかの大学等へ進学をされておるという状況があります。進学先として、県内の今連携をしながら各大学との連携を深めていくということですけども、やっぱりどうしても外へ出てしまう学生たちがいるかなと思います。そうしたことを踏まえると、やっぱり本県で育った優秀な学生らが、やはり外に出ないで滋賀県で就職をしていただけるということも将来的にこれは考えていかないと駄目だと私自身考えてますので、少しでも県内での就職率を高めるためにも、将来的に専攻科というものの設置というものを検討していただきたいなというように思っておりますので、その点もよろしくお願いをいたします。  それでは、次に、現在、高専構想推進本部が設置をされていますが、どのような体制でどのようなことを議論されているのか、総合企画部長にお伺いをします。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  高専構想推進本部につきましては、今後本格化をいたします地元市などとの調整を円滑に進め、関係機関が連携して取り組んでいくために、知事をトップに、設置主体であります公立大学法人滋賀県立大学の理事長、設置場所となる野洲市長、高専運営や理数系教育に造詣の深い学識経験者3名の計6名で構成をしているところでございます。  この本部におきましては、基本構想や校長の選任方針等の重要事項の検討や方向づけ、調整、確認、共有などを行うことを目的としておりまして、この本部での議論、検討を通じまして、具体の高専設置準備の業務をより円滑、迅速に進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇)それでは、今回の高専設置に向けては、総合企画部の中に高専設置準備室、そして滋賀県立大学の中に高等専門学校開設準備室が設置をされているわけですけども、職員等の構成と業務分担、今現在どのようになっているのか、総合企画部長にお伺いします。 ◎総合企画部長(東勝) お答えをいたします。  現在、県庁の高専設置準備室に4名、大学法人の高等専門学校開設準備室に4名の職員を配置をいたしまして設置準備を進めているところでございます。  県におきましては、基本構想の策定や設置場所の決定および用地の造成関係、また、国や市をはじめとした関係機関との調整を担当しております。また、大学法人におきましては、主にPFI発注に係る手続やカリキュラムの検討や教員確保を担当するなど分担して業務に当たっているところでございます。  現在、より双方が連携して効率よく準備業務を進めていくために、それぞれの準備室の執務環境を1つにするなど工夫をして準備を進めているところでございます。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。  今、少し次の質問と若干かぶっていたかという部分は正直あるんですが、今までお聞きした内容、また答弁等からしても、また基本構想1.0の原案においても、いろいろな課題がまだまだ残っているというように考えます。2028年──令和10年4月に開校しようとする場合、設置認可に向けての手続やこれらの課題解決のためには、今ありました高専の設置準備室ならびに大学にあります高等専門学校開設準備室の体制、これをやはり強化をしていく必要が絶対あるのではないかなというように考えますが、その辺り、知事のお考えをお伺いをします。 ◎知事(三日月大造) おっしゃるとおり、まだまだ多くの課題イコール可能性が残っていると考えております。令和5年度は、県と法人とがさらに連携して設置準備を推進できるよう、体制を強化し、より一体性を高めることとしております。  その中で、より県が主体性を発揮し、加速的にソフト、ハード両面の検討を行いますとともに、地域や産業界との共創、連携を進め、子供、保護者、教員等に対して戦略的な広報も行っていく予定でございます。
     加えまして、企業や大学との連携をはじめ、高専設置準備が円滑に進むために専門的なアドバイスをいただく顧問、アドバイザーを置くことを検討しております。また、私をトップとして関係機関による推進本部も立ち上げましたので、こうした体制で万全を期して設置準備を進めていきたいと考えております。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇)今答弁ありましたが、知事をトップにして本当にちょっと動いていただきたいなというように思ってますので、よろしくお願いをいたします。  続いて、大杉副知事は、文部科学省高等教育局高等教育企画課にも在籍をされていたというようにお聞きをしております。まさしくこの高等教育局が大学等の設置認可、届出を担当している部署かなというようには思っておるんですが、大杉副知事が大学等の設置認可に関わってこられたかどうかは分かりませんが、本県の高等専門学校設置においては私はキーマンだというように考えております。副知事として現在の状況をどのように捉え、また、今後どのようなことに取り組んでいく必要があると考えておられるのか、お伺いをいたします。 ◎副知事(大杉住子) (登壇)日本に高専が生まれて、今年度、60周年という節目でございますので、ますます高専が育む技術力や課題解決力に対する社会からの期待、高まっているというふうに感じております。県では、こうした期待に応えるべく、設置主体を決め、設置場所を決め、開校時期を決定するといった設置に必要なステップを着実に積み重ねてきていると感じております。  先ほど、国立ですと沖縄高専の例があると部長からありましたけれども、都道府県立高専で申し上げますと、この新設というのは実に昭和38年以来ということになります。前例に頼ることができない中で切り開いていくということでは、今後の設置認可に向けたプロセスは引き続き緊張感を持って取り組んでいく必要があるというふうに考えています。年度内に知事の下で基本構想1.0を示されますけれども、これに基づき、人員体制、それから関係機関との連携の強化を含め、全力で全国に誇る滋賀の高専の設置に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。  今答弁があったように、昭和38年以来ですかね。多分、以降、公立での設置というのがないわけですので、相当な苦労が必要なのかなというようには正直感じてるところです。  それでは、最後に、高等専門学校設置に向けては、3つのポリシー、いわゆるAP──アドミッションポリシー、入学者の受入れ方針、つまりはどのような入学者に来てほしいのか、そして、CP──カリキュラムポリシー、学科における教育課程編成、実施の方針、つまりはどのような学びの体系をつくるのか、そして、DP──ディプロマポリシー、卒業認定、学位授与の方針、どのような人材を育成するのかということを明確にしておく必要があります。この3つのポリシーの下、本県のみならず他県の子供たちから選ばれる魅力ある高等専門学校にする必要があるわけですが、改めてどのような高等専門学校を設置していこうとするのか、知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 初回の推進本部の会議でも申し上げたんですが、高専に込める思いといたしまして3つ、高専が養う確かな技術を核といたしまして、高専を拠点に、技術人材の育成、その技術の社会実装、それが技術への憧れにつながるという好循環をつくろうということと、確かな技術を中心に高専と様々な機関が連携して共に創る共創を行っていこうと。3つ目は、確かな技術を基礎として、様々な挑戦をしていける教育拠点、研究拠点にしようということを申し上げました。  そのために、先ほど来、答弁の中にも出てきております、すべての人と地球を支え続ける技術を磨く学校というものを理念に掲げ、資源を有効活用する滋賀ならではの資源循環という視点も生かしながら、工学系の学びや、幅広い教養科目や社会実装トライなどの特徴ある教育の提供により、対話力や人間力も備えた全人格的等陶冶を行う教育機関として、様々な課題克服に向けた取組に資する人材を滋賀県から生み出す高専というものを目指して準備を進めてまいりたいと存じます。 ◆23番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。  先ほど部長のほうから答弁がありましたように、高等専門学校の設置認可の申請には、基本計画書以下いろんな書類が必要になってきます。これらの資料を令和8年10月に文部科学省に提出する必要があるわけですけども、やはりその中で一番重要なのが教員の就任承諾書かなというように私自身は思ってます。やっぱりできる限り早く本県の高等専門学校に来ていただける優秀で実績を伴った教員予定者に対して接触をしていただいて承諾書を取っていただくということに努めていただきたいなというように思います。1つは、やはり校長を早く決めていただくと。やっぱり校長を決めていただくと、その下の人脈というものが必ずあるので、その人脈をやっぱり使わないと損だと思いますし、ぜひまずは校長を早く決めていただいて、その校長の下で人脈を使いながら、また産業界の人との協力をしながら人選をしていただくということでぜひお願いをしたいなというように思います。  文部科学省に提出をした書類に不備があると、何度も訂正をしなければいけないことになります。そうすると、提出前にたしか期間があったかと思うんですが、ヒアリングの期間、事前相談の期間があると思います。そこできっちりと事前に相談しておかないと、その令和8年の10月の書類に不備があると、また下手にしたら延びていくことになるので、その辺りはきっちりと事務的な手続を進めていただきたいなというように思います。そのためにも、先ほど知事から答弁があったように、組織としてこういう事務手続も含めたところもきっちりと進めていただくということをお願いをしたい。滋賀の高等専門学校に関しては県民から大きな期待がなされてるわけですから、一つ一つの課題を早急に解決をしていただきながら、令和10年4月、必ず開校していただくということをお願いを申し上げて私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手) ○副議長(清水鉄次) 以上で、23番桑野仁議員の質問を終了いたします。  最後に、8番河井昭成議員の発言を許します。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして質問を行います。  今回の質問、最初は、国スポ大会を契機としたスポーツの振興について、分割方式で知事ならびに文化スポーツ部長にお伺いをいたします。  2025年からの3年間は、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会、インターハイ、ワールドマスターズゲームズと大規模スポーツイベントが立て続けに開催され、知事はゴールデンスポーツイヤーズと表現をされています。この期間は、スポーツ熱の高まりが期待されるため、スポーツ振興を加速させることとし、指導者の発掘、育成に対する支援の強化や、障害のある方も親しめる多様なスポーツ環境の整備を進めていくとされました。そして、「国スポ・障スポ大会は、スポーツ振興のみならず、県民の健康づくり、地域の活性化に向けた起爆剤となる」と今議会の冒頭にも述べられたところです。  これまでから、2025年に本県において開催される国民スポーツ大会に向けて準備が進められています。スポーツの振興のために国民スポーツ大会、国スポは分かりやすい目標であり、ここをターゲットに様々な取組が行われています。  特に競技力向上については、12月定例会議の代表質問において、その状況について伺ったところ、「3年ぶりの開催となったいちご一会とちぎ国体の総合成績は20位で、目標としていた10位台には僅かに届かなかったが、各競技において着実に強化に取り組んできた成果が一定現れてきた」という答弁でした。  スポーツの振興にとって、地域スポーツや身近なスポーツの活動推進を通じて国民一人一人のスポーツ参画を図るスポーツの裾野を広げる取組と、トップアスリートの育成、競技力の向上は双方に影響し合うもので、どちらの取組も重要であると考えます。  国民スポーツ大会に取り組む目的は、滋賀で開催される大会で天皇杯、皇后杯を取ること、いい成績を収めることにとどまらず、その先にあるスポーツ振興、県民の健康づくり、さらには地域の活性化などにあります。この点を念頭に質問を行います。  まず、少年種目の選手確保や競技力強化についてお伺いします。  少年種目については、種目によっておおむね15歳から18歳まで、成年種目についてはそれ以上となっています。少年選手の競技力強化については、滋賀大会の際に15歳から18歳になる世代をターゲットエイジとし、選手の発掘、強化に取り組んできています。そこでまず、少年選手の育成、競技力の向上に関して、滋賀での国スポの開催年に少年種目の世代となるターゲットエイジの選手確保および競技力向上の状況について、文化スポーツ部長に伺います。  ターゲットエイジという言葉は滋賀での国スポ大会に照準が当たっていますが、国スポは毎年行われていて、滋賀で開催される国スポ大会以降も取組を継続をしていくことが重要です。少年選手は、その後、成年選手として滋賀県で活躍してもらうことにつながるため、継続的な少年選手の発掘と育成は本県のスポーツの振興に大きく寄与することにつながると考えます。滋賀で開催される国スポ大会の後の少年種目の選手確保や競技力強化について、どのように取り組んでいくのか、その方針や手法について知事に伺います。  次に、成年種目の選手確保や競技力強化について伺います。  本県では、成年選手確保計画に基づいて、滋賀県で開催される国スポ大会の成年選手を確保のために取組を進めています。その計画では、開催年の成年選手想定数を480人としていて、現有選手数は212人、開催年までに獲得すべき選手数をあと268人としています。今後の確保計画としては、県外で活躍する県出身トップアスリートのふるさと選手として112人、残り156人を企業所属、教員、公務員、県スポーツ協会スポーツ特別指導員として確保していく計画となっており、この計画により確保した選手の開催後の処遇についても12月定例会議の代表質問で取り上げたところです。  開催年に向けた成年選手確保計画および開催後の選手の処遇については、「成年選手確保計画に基づき、今後3年間で必要となる選手確保に向け、民間企業への採用やスポーツ特別指導員の獲得に向け鋭意取り組んでいる。あわせて、国スポに向けた強化の成果を一過性のものとしないために、期限を定めて雇用するスポーツ特別指導員であっても、SHIGAアスリートナビを通じた民間企業への就職あっせんなどを通じて、大会終了後も滋賀にとどまってもらい、後進の指導やスポーツ振興、県民の健康づくりに従事してもらえるように取り組んでいきたい」と知事が答弁されたところです。  ここでの肝は、この滋賀県で開催される国スポ大会を契機として、選手の確保、育成、強化、そして選手としての活動を終えた後の処遇について、滋賀県に定着することを前提に仕組みを構築することにあると考えます。  そこで、成年選手を確保するべく取り組んでいますが、選手にとっては、滋賀県代表として滋賀県で国スポ大会を迎えることにメリットがある必要があります。成年選手は日々の競技力強化に向けてどのように取り組んでいるのか、どのようなサポート体制があるのかなど、成年選手の競技力強化の特徴について、文化スポーツ部長に伺います。  あわせて、大学生選手やプロスポーツ選手として活動する一部の選手は別として、成年選手は競技以外に仕事をしながらの生活となりますが、成年選手の競技と仕事の両立の状況について、これも文化スポーツ部長に伺います。  期間を定めて雇用している県スポーツ協会の特別指導員について、本県開催の国スポ終了後も滋賀にとどまり、スポーツの振興に従事してもらえるようにとのことですが、現状確保しているこの特別指導員という人材は、アスリートナビを活用して民間企業に就職あっせんなどを通して滋賀にとどまってもらうとのことでした。この県スポーツ協会の特別指導員の滋賀での国スポ大会終了後の定着の見通しについて、これも文化スポーツ部長に伺います。  これまで、地域スポーツの指導者などスポーツ系の人材は、ボランティアで行ってもらっているという側面が強く、専門性があるのにそれが評価をされているのか、活動時の事故やけがなどへの対応や責任をどうするのかなど課題が多いと考えます。一方、滋賀での国スポ開催に向けて、県スポーツ協会において特別指導員という仕組みを構築されましたが、これはスポーツの専門職をつくったと言えるのではないかと考えます。  今後のスポーツの振興のためには指導者が重要であり、その指導者は、自身のスポーツ競技の知識のみならず、指導方法などについても適切な知識を持ち、責任を持って指導してもらうこと、つまりプロであることが求められると考えます。また、今後、部活の外部指導者への移行などの仕組みも持続可能なものとして構築していかなければなりません。特別指導員はその解決の糸口になるのではないかと思うところです。  そこで、特別指導員を常設し、後進の指導を含めて、今後の県スポーツ振興やスポーツ行政に関する業務を担う人材として活用することについて、知事の見解を伺います。  成年選手は、県が考えるスポーツ振興にとって重要な役割を担う人材となります。12月定例会議の代表質問に対する知事の答弁では、後進の指導やスポーツ振興、また県民の健康づくりに従事してもらえるように取り組むとされたところです。企業に勤務しながら、もしくは教員、公務員として勤務しながら、指導者などスポーツ振興に関わる活動をする方について、企業などでの勤務とスポーツ振興に関わる活動との関係を調整する必要があります。後進の指導などのスポーツ振興に関わる仕事を行うときには勤務時間中でも離席が可能なようにする、例えば、そのときの労務費を企業側に支払うなどが必要だと考えます。民間企業に所属する選手について、後進の指導やスポーツ振興、また県民の健康づくりに従事してもらうための処遇と仕組みが必要であると考えますが、知事の見解を伺います。  この項の最後に、成年選手の確保、競技力向上の取組は、今後の本県のスポーツ振興や県民の健康増進につながる取組となることに鑑み、滋賀県で開催される国スポ大会を契機に取り組んでいる選手確保や競技力向上の取組について、強化の成果を一過性のものとしないために、大会終了後も継続し、今後のスポーツ振興を図ることについて、知事の見解をお伺いいたします。 ○副議長(清水鉄次) 8番河井昭成議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)8点御質問いただいたうち、私には4点賜りました。  まず1点目、大会後の少年選手強化の方針等についてでございますが、国スポに向けた強化活動の過程で、ジュニアアスリートの発掘、育成を目指す滋賀レイキッズの取組や、競技団体によるジュニア選手から成年選手までの一貫指導体制の蓄積が進んできたところでございます。また、大会を契機に、民間企業や財団等から、ジュニア選手を含む滋賀県選手の競技力向上のため、多額の御寄附が集まってきており、社会でアスリートを支える仕組みが一定できつつあります。おかげさまで。これらの仕組みや機運は、両大会のレガシーとして次の世代に確実に引き継いでいきたいと存じます。  2点目の特別指導員の活用についてです。  滋賀県スポーツ協会での採用に当たりましては、選手として活躍することと併せて、県のスポーツ振興への貢献、とりわけジュニアアスリート育成について協力いただくことをお願いしているところです。現に、特別指導員の中には、高等学校へ出向き、合同での練習会を開催するなど、指導者として活躍していらっしゃる選手もいると伺っております。大会終了後も、議員御指摘のような課題への対応も含め、ジュニアアスリートをはじめとする競技者に対する指導を通じた本県の競技力向上への成果を見極めながら、競技水準の維持向上を図るための選択肢の一つとして検討してまいりたいと存じます。  3点目、民間企業に所属するアスリート、指導者の処遇等についてでございます。  処遇につきましては、所属する企業で対応いただくことが基本ではありますものの、地域のスポーツ活動に参加することを後押しする休暇制度の導入や活用などを企業に対し積極的に働きかけをしてまいりたいと存じます。  加えて、新年度より、スポーツ人材バンクの創設を含む滋賀スポーツコーチ養成・活用システムの構築を予定しておりまして、アスリートや指導者の地域での活躍機会の創出につなげていきたいと考えております。  最後に、大会後の継続したスポーツ振興についてです。  わたSHIGA輝く国スポでの天皇杯獲得はもとより、大会終了後も一定の競技力が滋賀に根づくことが重要だと認識しております。現在改定中の第3期滋賀県スポーツ推進計画(案)におきましては、大会後の競技水準の定着という項目を設け、大会で活躍した選手の定着に力を入れていく所存でございます。これまでの取組が一過性のものにならないためにも、大会で活躍した選手が、シン・ジダイの滋賀のスポーツ振興の礎として、次の世代の選手を育てていく、育成するとともに、地域の活性化や健康しがの創出に関わっていただけるような持続可能な仕組みの確立を目指してまいりたいと存じます。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) (登壇)失礼します。私にいただきました4点の質問にお答えいたします。  まず1点目、ターゲットエイジの状況についてでございますが、競技力の高い選手を対象に、県内高校への進学を条件に支援を行います高校生トップアスリート支援事業につきましては、早期の内定等を行うなど選手確保に努めてきたところでございます。  2025年に少年種別の最高学年となります現在の中学校の3年生の進学に当たりましても、既に県内外の有望選手が県内高校への進学を決めるなど、多くの有力な選手が県内高校で本県代表選手として活躍いただける見込みとなっております。  今後、残された期間におきまして、遠征、合宿、また強豪校の高校生や大学生の合同練習、また全国トップレベルの指導者を招いての講習といった多様な手段を用いまして、一層の競技力の向上に取り組んでまいります。  あと、2点目でございます。成年選手の強化の特徴についてでございますが、ほとんどの成年選手につきましては、所属している大学あるいは企業等での練習だけではなくて、各競技団体が実施する練習会などに参加していただきながら競技活動を行っておられます。  これに対しまして、県の競技力の向上対策本部からは、競技団体を経由しての支援に加えまして、競技や選手の特性に応じた強化に取り組めますように、選手個人にも支援を行っているという状況でございます。  また、医科学サポート事業ということで、トレーナーの派遣とかメンタル指導といったことについても取り組んでいるところでございます。  今後におきましては、本県の強みであります県内のスポーツ科学系の大学の皆さんとの連携を行いながら、体力測定あるいはトレーニング指導といった支援を充実させまして、個々の選手のニーズに応じた強化を進めてまいりたいと考えております。  3点目でございます。競技と仕事との両立についてでございますが、成年選手の中で社会人である選手のほとんどが企業に属しておられます。通常勤務を行いながら自らの競技活動に取り組んでおられるという状況でございます。その中でもSGIGAアスリートナビを通じて就職あっせんを行った選手につきましては、アスリートとしての活動を前提として採用いただいておりまして、大会や合宿への参加などに配慮をいただいております。企業側にも積極的に協力をいただいているという状況にございます。  今後、開催年が近づいてまいります。強化活動の頻度も高まってきますことから、県としましても所属先の企業に対する協力の働きかけをより丁寧に行ってまいりたいと考えております。  最後、4点目になります。スポーツ特別指導員の定着の見通しについてでございますが、雇用主体であります県のスポーツ協会におきましては、国スポまでの活動条件だけではなくて、国スポの終了後、どのような立場で活動したいかという御意向も含めて聞き取りを行った上で採用を行っています。そうした中で、今の段階で全ての指導員の皆さんにそれぞれの意向を踏まえた将来の見通しが立っているという状況ではないんですが、できる限り御本人の希望に沿った形で滋賀にとどまっていただけますように、企業への接続など、県としても鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)数点再質問をしたいと思います。  1点目は、成年選手の競技力強化の特徴について、ぜひ様々な形で滋賀に来てもらって定着してもらいたいなと思うところですが、これはおおむね今既に民間企業に就職されて滋賀県で活動されている選手たちには好評であって、ほかの県に比べて大きな強みになっているという理解でよいか、これは文化スポーツ部長にお伺いをしたいと思います。  もう1点、これは知事に。民間企業に所属をしながら選手活動を続けてくださっている方々、この方々に将来的に、後進の指導やスポーツ振興、県民の健康づくり、こういったことに従事をしてもらう、スポーツの人材として活動してもらうときに、社会でアスリートを支える仕組みがレガシーとして残る、その過程ができつつあるという評価でしたけども、民間企業に対して働きかけてというのももちろん大事なんですけども、県としてどのぐらい主体的に関わっていくのかということなのではないかなと思っています。民間企業は民間企業ですので、利益が出るときもあれば出ないときもあり、選手を支えるのが苦しくなる瞬間も出てくるのではないかということも考えると、やっぱり安定的に支えられるのは公のことかなと。ここもしっかりと仕組みとして構築をして支えていくような仕組みが必要なのではないか、それもレガシーの一つになるのではないかと考えています。  そもそもにおいて、スポーツ振興もそうですし、県民の健康づくりなども、行政としても目標として掲げる政策になるんですが、この辺に対しての認識、民間企業に所属する選手についての処遇だったり仕組みづくりを県としてもっと積極的に考えなければならないのではないかという思いでこの質問をしています。ここについて、かなり企業に対して働きかけであったりとか、社会全体でというのはそのとおりなのでそうなんですけども、県としてはどういうふうな立ち位置、姿勢でというのをこの国スポまでにしっかりと検討して示すというのが大事なのではないかと思いますが、ここについての知事の見解をお伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 後段お尋ねいただいた再質問、民間企業のアスリート、指導者、もっと行政も、県も主体的に活用する、処遇等を支援していく、そういう仕組みが要るんじゃないかという、そういう御趣旨だと思うんですが、基本、それぞれの所属される企業等にお任せする、お願いすると、また私たちはそういった企業等に対して働きかけをするということだと思います。基本、それがベースです。  ただ、それだけでいいのかということもございましたので、先ほども答弁いたしました滋賀スポーツコーチ養成・活用システムを来年度つくって、そういった方々が、所属はそれぞれの企業等であるけれども、選手としても、また特に指導者等で活躍する機会をマッチングして見いだしていく、つないでいくという、こういうこともやろうとしておりますので、その過程でさらにどういったことが必要なのか、有効なのかというようなことについても、ぜひ、またいろんな御提案、御意見等を承ってまいりたいと存じます。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) 私にいただきました再質問についてお答えいたします。  成年選手に対する競技力強化の特徴についての点についての改めての御質問をいただきました。  先ほどの答弁で申し上げましたとおり、まず、競技団体を経由した支援に加えまして、選手個人にも支援を行っているということで、基本的な仕組みとしては丁寧に構築しているという状態でございます。他府県と比べて充実してるかどうかという部分でいうと、他府県並みという部分が正直あると思うんですけども、今後とも各選手の皆さんの動向、お気持ちをしっかり聴きながら、仕組みについて丁寧に考えてまいりたいと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)国スポ、近づいてますので、選手の強化とか獲得を通じて、この後、滋賀県がスポーツ振興が図れるように、いい仕組みがつくれるといいなと思っております。この検討、すぐに出来上がるものでもないと思いますので、引き続き議論させていただきながら、いい仕組みがつくれたらと思っておりますので、次の質問に移りたいと思います。  次の質問、理工系人材の育成について、これについては分割質問方式で知事ならびに教育長にお伺いをいたします。  日本は高い科学技術で高度成長を遂げた国であり、その中でも、私たちの滋賀県は、高い技術力を基盤に様々な製造業が存在する内陸工業県であります。滋賀県において、これらの産業を担う技術者や研究者の育成が非常に重要であることは言うまでもありません。しかし、近年、報道などでは、産業界において理工系人材、特にデジタル分野の人材が不足している、そして、今後さらに不足するとされています。  滋賀県においては、第4次産業革命が進行する中、将来にわたり競争力のある力強い産業の創出、持続可能な発展には、高等専門人材、企業の研究開発を担う理工系分野の技術人材が不可欠として、先ほど桑野議員の質問にもありましたけども、高等専門学校の設置の検討が進められてきました。高等専門学校の理念や学びの内容、また、それらを実行するに必要な設備や予算など詳細が少しずつ見え始め、昨年10月には高等専門学校の設置場所が野洲市に決定するなど、設置に向けた準備が進んでいます。今議会において、高専の開校は当初の令和9年から令和10年になると見解が示されたところですが、5年後には開校することになり、滋賀県における理工系分野の人材の育成が強化されることになります。  滋賀県において、理工系分野の技術人材を育成するための高等専門学校という施設は形ができつつありますが、高等専門学校に入学を目指す人、将来の理工系人材をたくさんつくることも重要であると考えます。この観点から以下伺います。  まずは、理工系人材の状況について伺います。近年、報道などでは、産業界において、一般的には理工系人材、特にデジタル分野の人材が不足している、また、今後不足するとされています。県内の理工系人材の状況はどのようになっていると判断しているのか、認識されているのか、本県における理工系人材の状況と理工系人材の育成の必要性について、知事の認識を伺います。  次に、理工系人材の育成を担う機関の一つである県立の工業高校について、理工系人材の育成の状況と課題について、教育長にお伺いします。  次に、工業高校以外での理工系人材の育成については、国の事業などで一定取組を行っており、これまでから県立高等学校においてスーパーサイエンスハイスクール──SSHなどに取り組んでいますが、これまでの理工系の人材の育成に関する県の取組状況、その成果と課題について、これも教育長にお伺いいたします。  さきにも述べましたが、理工系の人材の育成に関して、小中学校の時点での取組が重要であると考えます。滋賀県としても、高等専門学校を開校するところでもあり、この高等専門学校に進学を希望する、進学する力を持つ生徒を増やす必要があると考えます。そのために、小中学校の時期から理工系の人材につながる算数、数学、理科が好きな子を意識して育てることが重要であると考えます。算数、数学、理科が好きな子を育てるには、科学に精通したよい指導者の下、教科書だけでなく実験、観察をさせること、本物の自然に触れる機会を増やすことなどリアルな体験をさせることが重要であると言われています。  これらを踏まえて、まずは、小中学校において、理科や算数、数学の楽しさを実感してもらえるような子供たちの興味を引く授業が行われることが大切です。子供たちの興味を引く理科や算数、数学の授業については、指導する教員によるところが大きいと言えます。理科や算数、数学を指導する体制の構築など、小中学校における理工系人材の育成に向けた取組の強化の必要性について、県の考え方と今後の取組を、これも教育長に伺います。  実験用器具をはじめとする理科や算数、数学の学習における設備面の整備と実験などのリアルな体験を伴う学習を適切に行えるようにすることが、算数、数学、理科に興味を持つ学習に欠かせないと考えます。また、急速に導入された1人1台のタブレットなどの端末の活用は、これまでになかったツールであり、効果的な学習につなげられる可能性があります。小中学校での算数、数学、理科の面白さを実感してもらえるような、子供たちの興味を引く授業のための指導方法や設備の整備はどのようにするのがよいか、これらは市町の取組になります。  そこで、理工系人材の育成につながる算数、数学、理科が好きな子を育てることに向けた市町との意識のすり合わせや連携した取組が必要ではないかと考えますが、見解を教育長にお伺いします。  この項目の最後に、本県において、理工系分野の技術人材の育成を目的とした高等専門学校の設置を契機として、広く理工系分野の人材の育成について、小中学校の段階から計画的、戦略的に取り組む必要があると考えますが、知事の見解をお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 答弁もつくってきたんですけど、また今の御質問も聞きながら、理工系人材って、繰り返しおっしゃいましたけど、どういう人なのかな、どうやったらできるのかなと、また、昭和の時代と平成の時代と令和の時代、これからの時代でどう考えたらいいのかなと思って聞いておりました。  1点目のいわゆる理工系人材の本県の状況でございますが、令和3年3月にまとめた滋賀県高等専門人材育成機関検討会中間まとめ2020によりますれば、令和2年春の卒業者は、4年制大学の理工系学部で2,241名、工業系の高等学校で762名、計3,003名でございました。このうち就職者は、4年制大学で1,322名、高等学校549名、計1,871名となっております。  人口減少社会の進行やデジタル社会の浸透、Society5.0の先の社会を見据えると、成長市場、成長分野を意識した人材やデータサイエンティストなど県内産業の高度化を担う人材、本県の地域や世界の社会的課題を解決する起業家、イノベーターなど、これからの滋賀の地域と産業を支える高度専門人材の育成が必要ではないかと考えております。  2点目、小中学校段階での取組につきましては、文型、理系といった枠にとらわれず、各教科等で学習したことを実社会で問題発見や解決に生かしていくための教科等横断的な学習の考え方も私は大切だと認識しております。  一例といたしまして、新たに設置する高専では、次代、次の時代を担う小中学生への科学教室や工作体験など、学生、小中学生、社会人の実践と交流により理工系のことも分かる人材の育成の場となるよう検討しているところでございます。  今後、小中学校での取組や、現在県が団体等と取り組んでいることを継続いたしますとともに、高専の設置は一つの契機ですので、県内大学と企業との連携をより深め、早い段階からの理工系のことも分かる人材の育成に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)私にいただきました4点の御質問にお答えをいたします。  1点目の工業高校の人材育成の状況と課題についてでございますが、これまでから工業高校におきましては、様々な企業や事業者、また大学の協力を得ながら、インターンシップの取組や大学教授による講演会等を実施し、人材育成を進めてきたところでございます。  また、令和3年度は、国の産業教育装置デジタル化整備事業を活用をさせていただき、3Dプリンター等の最新鋭のデジタル機器等を導入いたしまして、これを実習等で活用しているところでございます。  これからのものづくり人材を育成するに当たりましては、高度な知識やスキルを持った教員の育成、また工業高校への志願者の確保、そして高校卒業後にものづくりに関わる進路を選択する生徒の育成、こういったことが課題であると認識をいたしております。  2点目の工業高校以外の高校における取組の状況等でございますが、現在、国のスーパーサイエンスハイスクールの指定を受けました県立高校3校、そしてその連携校6校におきまして、大学や企業と連携し、理系分野の研究、実験、また課題研究などの高度な理数教育を行っておりまして、多くの生徒が理系の大学に進学をし、また研究者等も輩出しているところでございます。  しかしながら、理工系に関する探求的な学びの機会には、まだ増やす余地があると考えているところでございます。今後は、それぞれの高校におきまして、それぞれの高校のスクール・ミッションを踏まえまして、企業、大学、研究機関等の専門的な学問分野に触れる取組でありますとか、生徒が課題を持ってフィールドワークに取り組むことを通じまして、生徒の理数系科目への興味関心を高めるような学びの機会を創出し、理工系の人材の育成に努めてまいる所存でございます。  3点目の小中学校におけます県の考え方、また今後の取組についてでございますが、県教育委員会では、基礎的、基本的な知識、技能の定着を図るとともに、子供たちにより興味を持ってもらうために、平成31年度から、小学3年生、そして中学1年生の算数、数学科で、習熟度別の少人数指導によるきめ細かな指導を行っておりますほか、令和4年度からは、小学校高学年で算数、理科を中心に専科指導を実施をいたしまして、小学校高学年におけます専門的指導の充実を図っているところでございます。  また、現職の理科の教員を対象に、滋賀大学等におきまして中核的な役割を担う教員の養成研修を実施いたしまして、県全体の指導レベルの向上を図っております。さらに、中学生を対象に、科学への興味関心を高めます科学の甲子園ジュニア滋賀県大会を開催をしておりまして、生徒が科学の楽しさを実感し、また、他校の生徒から刺激を受ける機会を設けているところでもございます。  今後も、子供たちが算数、数学、理科に興味を持ち、そして小学校や中学校の学びが充実するように取り組んでまいりたいと考えております。  4点目の市町等との連携についてでございますが、県と市町の教育委員会は、子供たちが学校で学ぶことを楽しい、興味があると思えるような授業にすることが大切であるという共通認識を常々持っているところでございます。算数、数学、理科におきまして、子供たちの分かった、できたにつながるよう、タブレット端末等ICTの効果的な活用によりまして、子供たちの気づきや疑問を引き出し、そして試行錯誤する場面の充実に今取り組んでいるところでございます。  また、理科につきましては、興味関心を高め理解を深めるために、実験観察は重要な活動内容であると認識をしておりまして、必要な備品等につきましては、国の補助金等が活用できるよう、その情報を共有しながら、その充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)ありがとうございます。  理工系の人材の育成というふうなタイトルを打ちましたけども、ここにつながっていく理科、算数、数学の好きな子というか、素養を持った子というか、そういう人を増やしておかないとなかなか難しいだろうなという思いからちょっと質問をしました。出口の問題もあるんですけど、まず入り口からかなと思って入り口の質問をしています。  文理にとらわれず理工系のことも分かる人材ということなんですが、滋賀県において言うと、読み解く力というところで、しっかりと国語の力だったりとか読解、読み解く力を育成するということをやってくださっているので、ここについてはこれに委ねるとして、学力・学習状況調査などを見ると、他府県に比べると、何か理科が好きとか算数が好きとかいうところがちょっと低めに出てるなと思っていて、ここを引き上げてあげる必要があるんじゃないか、どこに課題があるのかということを考えたときに、今、ちょうど専科の先生の配置を進めていくとか、1人1台端末の活用が進められる状況にあって、今までとは違う取組が進められる中、こういうところに解決の糸口がありそうだなと思ってこの質問をいたしました。
     今おっしゃっていただいたように、専科の教員の配置だったりとか指導力の強化をする、それから1人1台端末の成果がちゃんと見えて結果につながるといいなということなので、計画的、戦略的にこういう取組を進めてはどうか、特に学力・学習状況調査の児童生徒に対する問いから分かる、ちょっともう少し力を入れたほうがいいなと思われるのが、この理科や算数、数学を好きだという子が増えるといいなというところからこの質問をしてますので、そういった意味でも計画的、戦略的に取組を進めるということが大事なんじゃないかということで、知事にこの質問をさせていただきました。  今、これまでの取組をしっかりとやっていくということだったんですけども、成果を見ていこうと思うと、計画的にやる、その後を見るというような活動が必要なので、改めてこの計画的、戦略的に取り組むということについての知事の見解をお伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) かなり高尚な議論になってきましたので、ちょっとよく分からなくなってきたんですけど、ただ、この議場には学校で指導をされた御経験のおありの先生方も大勢いらっしゃいますし、そういった教育機関で学んできた我々として、それはそうですよね。結果、成果、そんな簡単に出りゃいいですけど、出ないのが教育だし、それが人間のよさ、面白さじゃないかなと思うんですよね。工業製品ではないので。ただ、やっぱり夢を持ったり可能性を広げたり、何かこうわくわくすることにチャレンジしたり、困っている人がいたら助けようとしたり、勉強というのが面白いんやで、将来の役に立つんやでというような、何かそういうことを教育現場でも、何ていうかな、大事に一人一人に対して話ができるようなことというのが、これは大事だと思いますので、そういった視点は持ちながら、教育機会の保障ですとか様々な環境の改善に教育長と一緒に取り組んでいきたいというふうに思います。教育長、それでよかったでしょうか。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)成果をはかるのが、いろいろなものが要素として絡むので、純粋に一つの作業をしたからうまくいくとかいう話ではないですけども、教え方だったりとか体験する実際の内容だったりとかで、数学をあることをきっかけに好きになったりとかすることもあるわけで、そういう機会をなるべく増やしてあげるような教育の状況にできないかなというのがあってこういうふうな質問を。だから、そこに意識を持って取り組んでいってもらえるような取組ができないかと考えるところです。  ここから先の時代は、先ほどおっしゃったように、デジタル化だったりとかCO2ネットゼロだったりとか琵琶湖の環境だったり、科学のリテラシー、これが非常に重要になってきて、多くの人に理工系のことも分かるようになってもらったほうが、こういう活動を進めるときに理解が深まったり、豊かな暮らしにつながったりとか、自然を守る取組につなげられたりするのではないかと思うわけです。なので、そういった意味でいくと、将来的に技術者になるからといってここの分野を勉強するわけではなく、幅広い素養の中で身につけていってもらえるような取組を意識して取り組んでいけたら、それは高校になってからいきなりできるものでもないので、小中学校、もしくはその前からかもしれないです。そういう体験をしてもらえるような環境、せっかくこの滋賀は自然豊かな場所でもありますので、実際の体験をするには事欠かない環境を持っているということもあって、ここには強みがあるだろうから、ここ、力入れられるんじゃないかということで質問をいたしました。  そういう思いだったので、計画的にとか戦略的にと言うと、何ていうんですかね、システマチックにやるのかという話になるんですけども、そう固く考えずに、子供たちにとってよりよい教育につながるような取組を進めていくので、そこに計画を持ったり、数値を追っかけてみたり、この後どういうふうになるのかなというのをデータをフィードバックかけてみたりとかいうことを試行錯誤しながら取り組んでいくのがいいのではないかと思って質問をしています。この件について、いま一度知事の見解を問います。 ◎知事(三日月大造) すいません、私がちょっと固く受け止め過ぎてたのかもしれません。今のお話聞きながら、私は2つのことを思いました。  1つは、遊びとか、子供のときからの遊びの中からとか、あと、日常の暮らしの中からそういう興味関心って出てくると思いますので、恐らく現場の先生方も、そういうものをうまく取り混ぜながら御指導いただいていると思います。そういうことがもっともっといろんな形でできるように我々は応援してあげる。ICTの活用なんかはその一つだと思いますし、総合的な学習というのもそういう観点から行われているんだと思います。  もう1つは、エジソンがそうだったと言われているのでちょっと思い出したんですけど、なぜこうなるのかとか、あと、教育長はよく、できた、分かったとおっしゃるので、僕は、その前段階の分からないとか何でこうなるのというのをもっともっと現場で聞けるように、これは学校だけじゃなくて地域や家庭でもそうあったらいいなと思うんですけど、そういうことって大事だと思うので、子供のそういう純粋な視点の、なぜ、どうなってんの、分からないから教えてということに、私たち社会、大人が向き合ってあげられるような、そういう滋賀をつくっていけたらいいなと思います。  今後とも大所高所から御指導いただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◆8番(河井昭成議員) 終わります。(拍手) ○副議長(清水鉄次) 以上で、8番河井昭成議員の質問を終了いたします。  以上で本日の質疑ならびに一般質問を終わります。  明23日は、県の休日のため、休会であります。  来る24日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後4時8分 散会    ────────────────...