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  1. 滋賀県議会 2023-02-08
    令和 5年 2月 8日環境・農水常任委員会-02月08日-01号


    取得元: 滋賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-15
    令和 5年 2月 8日環境農水常任委員会-02月08日-01号令和 5年 2月 8日環境農水常任委員会              環境農水常任委員会 会議要録                                開会 10時22分 1 開催日時      令和5年2月8日(水)                                閉会 11時56分                         (休憩 10時52分~10時54分) 2 開催場所      第三委員会室 3 出席した委員    山本委員長、井狩副委員長             桐田委員柴田委員河井委員松本委員駒井委員、             加藤委員江畑委員 4 出席した説明員   高木琵琶湖環境部長宇野農政水産部長および関係職員 5 事務局職員     井上主査川畑主幹 6 会議に付した事件  別紙次第書のとおり
    7 配付した参考資料  別紙のとおり 8 議事経過概要   別紙のとおり                  議事経過概要 開会宣告  10時22分 《琵琶湖環境部所管分》 1 しが木育指針素案)について (1)当局説明  西川森林政策課県材流通推進室長 (2)質疑意見等駒井千代 委員  資料記載の第2章、滋賀県の木育「しが木育」についての説明の中で、木の文化への理解を深めながら木材利用意義を学ぶということが書かれています。木育を通して、結果として木材利用が進むわけであって、木材利用自体意義を学ぶことは、木育意味と少し違う気がするのですが、その点についてどのように思われますか。 ◎西川 森林政策課県材流通推進室長  おっしゃるように、直接、木育意義を学んでいただくというものではありませんが、木育を通して、木のよさを感じ、木材利用につながる学びとなるようにしていきたいとは思っています。資料記載では少し強引に木材利用を学ばせるというような書き方になっていますので、木育推進することにより、結果として木材利用が進んでいくという書き方にしたいと思います。 ◆駒井千代 委員  以前の議会でも北海道木育を御紹介させていただいたのですが、改めて申し上げると、北海道木育は、子供をはじめとする全ての人が木と触れ合い、木に学び、木と生きる取組です。それは子供の頃から木を身近に使っていくことを通じて、人と木や森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育むこととして行われています。やはり、育むという点をしっかりと捉えることが重要だと思いますので、改めて申し上げます。  また、人材育成としては、これまでに木育講座をされてきたと思いますが、その状況についてお伺いします。 ◎西川 森林政策課県材流通推進室長  今年度は木育講座を3回させていただきました。まず、1回目では木の製品の貸出しを、幼保を中心とした各施設に行いまして、そこで幼稚園先生保育園先生を集め、その木のおもちゃの遊び方をはじめ、木を使うことの意義子供たちに伝えていただく教え方や、その趣旨などを講座説明させていただきました。1回目は20名ほど参加していただきました。  それとは別に、一般の方で木育に関心のある方、あるいは指導者として木育をこれから行っていきたい方を対象に2回ほど木育講座開催させていただき、それも各20名程度の参加がありました。ただ、今後、木育に携わっていきたいという方や、自分の趣味として、木育とはどういうことかと勉強に来られた方もおられましたので、これからはインストラクター、あるいは指導員として木育に取り組んでいただける方を中心にしっかりと人材育成をしていきたいと思います。その先では、その方たちを登録し、いろいろな場面でその方たちが活躍できるよう設定したいと考えています。 ◆駒井千代 委員  何でもそうですが、人づくりが非常に重要です。これから拠点をつくりサテライトを強化していく中では、この木育講座などで、そうしたつながりをしっかりつくるようにしてください。木育中身をしっかり理解していただいた上で取り組んでいただけるように、よろしくお願いします。 ◆江畑弥八郎 委員  このしが木育指針素案)の概要図にある木育ビジネス化への支援は、令和3年から行われていると思うのですが、この支援成果にはどういうものがあるのか聞かせてください。また、NPO法人等は知っていますが、資料の第4章にある木育関係団体とはどういう位置づけのものか、説明をお願いします。 ◎西川 森林政策課県材流通推進室長  今の支援では、木育広場開催、木のおもちゃの貸出し、そして指導員の養成の3つを取組の柱としています。支援成果としては、まず、おもちゃの貸出しについては、年間40ほどの施設おもちゃを貸し出しています。やはり子供たちには木に触れる機会がすごく新鮮なようで、保育園先生の話を聞きますと、例えば、木の匂いや木の温かさをしっかり感じたことから、家に帰ったときに同じ木の匂いがするなどと言う子供たちが増えてきているようです。そこから木や環境に目を向けたり、おもちゃとなる木に触れるというような学びに結びつけることもしていただいています。一定の成果が、保育園幼稚園で見えてきているというお声を頂いています。  また木育広場をいろいろなイベントの際に各地でサテライト的に行っていますが、そこのアンケートなどでは、一緒に来られている親御さんたちから、子供たち反応が物すごくよく、木のおもちゃを買ってほしいと言われるとたくさんのお声を頂いています。滋賀県でもそうした木育おもちゃを作っておられる方もいますので、購買につながることも成果の1つかと思っています。  また、木育関係団体定義としては、先ほどの、滋賀県でおもちゃ作りをされている人たちが活動に際し組織された団体や、あるいは東近江市で民間の製材屋家具屋が組織された、東近江市あらゆる場面で木を使う推進協議会などを想定しています。 ◆江畑弥八郎 委員  1点目の木育ビジネス化への支援ということは、あくまでも作製されたものを活用する場を提供するという支援なのでしょうか。私も積み木などを作り、販売されているところなどを実際に見に行ったことがありますが、木の製品を製作されている方の経営が成り立つよう助成金を出すとか、販路開拓支援を行うということは将来的には考えているのでしょうか。 ◎西川 森林政策課県材流通推進室長  1点説明が漏れていました。資料の第3章の(8)に木育ビジネス化への支援という項目を設けています。これは令和3年から始めているのですが、木育ビジネス化し、持続可能な木育につなげていきたいと考えた取組です。おもちゃの開発やネット販売の促進、ミニ木育パーク開催など、一般の企業、あるいは団体ビジネスとして行いたいモデル事業に対しての支援をしています。 ◆江畑弥八郎 委員  その成果はどうなのかを聞きたいと思います。 ◎西川 森林政策課県材流通推進室長  令和3年からの2か年で継続して行う事業への支援ということで、今年度にその成果が出てくる予定です。今のところ聞いている団体取組としては、先ほどの東近江市あらゆる場面で木を使う推進協議会が、平和堂のいくつかの店舗の広場を借りて、木育ミニパークということを共同で行っています。そういうところがどんどん増えているので、成果が出てきていると思います。  そして、目途というところでは、端材の積み木的なものをネット販売する取組などもされているのですが、徐々にお客さんの反応が出てきたと聞いています。今年度に事業が終わりますので、その成果をしっかり検証したいと思います。 ◆松本利寛 委員  ここでの木育が、何であるのかよく分からないのですが、資料のし木育で目指す姿には、「木」との触れ合い学びにつながることで、森林資源の持続的な循環利用や、琵琶湖中心とした森川里湖のつながりや水源となる豊かな森林および滋賀の木づかいの文化が次の世代に引き継がれているとあるのですが、切った木を加工して、それが製品になったものに触れるという以前の問題として、森林そのもの、あるいは自然体系そのものに触れることが木育出発点ではないかと思います。あくまでそこを出発点として、そうした森林で生まれたものが日常的な生活の中でどのように生かされているのか、あるいはそれに親しむことがどういう意味を持つのかということに視点を置いた木育をしなければ、切った木をもっと普及しましょうというだけの宣伝になってしまいます。それでは子供たちが木に親しむことの原点がどこにあるのかということになりかねません。後に記載のプログラムを見ても、ほとんどがそうなっています。資料の第3章には、森林環境学習としてやまのこの位置づけがありますが、以後は切った後の木の問題ばかりとなっています。それでいいのかという気がしてならないのですが、どうでしょうか。 ◎西川 森林政策課県材流通推進室長  委員がおっしゃるとおり、木育における自然体験は、原点であり非常に大切なことだと思っています。そこをないがしろにして、木に触ることを優先するわけではなく、木を触りつつ、その木はどこから、どういう山から来ているのか、山はどういう状態になっているのかというフィードバックができるよう、木育を進めたいと思います。森林での環境学習から始める学習もあるとは思いますが、その両輪で進めたいと思います。今、木育指導をしていただいている方には、例えば、間伐の話をして森林のことに触れる、間伐でどういうおもちゃができているかを子供たちに正確に教えていただいている指導員もいます。それをきっかけにフィールドに出て、木の観察や、山のフィールドを歩くという体験をされている指導員の方もいますので、個別の取組ではなくトータルで考えたいと思います。 ◆松本利寛 委員  資料の第3章の初めに森林環境学習とありますが、そうしたことから発展させて、切った木の温かみや、それが生活にどのように生かされているのかに触れるという一連流れ木育をやらなければ、出てきたおもちゃを使って遊びましょうと言っても、木育にならない気がします。 ◎西川 森林政策課県材流通推進室長  そうした一連流れもしっかり本編に盛り込んで原案をつくっていきたいと思います。 ◆河井昭成 委員  最初の駒井委員の話にも共通するかもしれませんが、そもそも滋賀の「木育」とはとして書かれている説明に課題があると思います。これを見ると、結局、滋賀木育とは何かというと、木を生活に生かす取組と締めています。多分、林野庁の指針書き方がこうなので、これに尽きるのだと思うのですが、木材製品を取り入れていきましょうという書き方でいいのか、議論がもう少し必要だと思います。あくまで豊かな生活につなげることや、森林環境に配慮した心を持った人を育てることなどが本来の目的であり、木材を使った暮らしや木に囲まれた豊かな生活を通じて、それを知るのだと思います。この点については、どちらが先なのか後なのかという議論を丁寧にしたほうがいいと思いますが、見解を伺います。 ◎西川 森林政策課県材流通推進室長  おっしゃるとおりであり、しが木育定義資料に書かれているとおりですが、しが木育で目指す姿に記載のとおり、「木」とともに生活することにより豊かな人生を送ることが一番の目指す姿だと考えています。木を使うことが木育定義になっているという話は、今も御指摘を頂きましたし、意見照会をしている中で、木育に携わっている方から同じような御意見を頂いていますので、検討したいと思います。 ◆加藤誠一 委員  資料を読んでも木育の意図が入ってきません。既にホームページでは木育に取り組んでみませんかと載せており、そこでは、快適で健康な生活木材利用意義を学んでもらう取組木育とされています。なぜ木育に取り組むかと言えば、それにより快適で健康な生活の実現に役立つからであり、取り組みましょうという形です。このようにせっかく書いてあるのに、ここでは木育についての指針のために逐条解説をするのでしょうか。滋賀県の木育を進めるための何が書いているのか分からず、なぜ木育を進めるのかと思います。他の委員がおっしゃるとおり、せっかく指針をつくるのであれば、もう一度、何を目的にした指針なのかを分かりやすく明示する必要があると思います。  もう1点申しますと、木育については各都道府県でもいろいろな取組をされています。しかし、木というもの自体はどこで作ってもほぼ一緒のものです。今回わざわざ滋賀県として指針をつくるのであれば、ほかの都道府県にはない、滋賀県独自の部分があれば聞きたいです。例えばせっかく知事が健康と頻繁に言っていますので、滋賀県の木育においては、山の健康も含めた、健康という言葉がこの中にはやはり出てきてしかるべきではないかと思います。滋賀県の木育を進める中での付加価値として、健康的な生活という部分などがあれば滋賀県の指針として分かるのですが、どこにでもあるような指針では意味のある指針にならない気がしますがどうでしょうか。 ◎西川 森林政策課県材流通推進室長  今の御意見を参考にして取りまとめていきたいと思います。滋賀県ならではの木育としては、やはり琵琶湖中心に周りに山々がありますので、森川里湖のつながり子供たち、あるいは大人も含めて理解いただけるようなものが滋賀県の特徴的な取組かと考えていますので、その部分象徴的にまとめていきたいと思います。 ○山本正 委員長  独自の事例が取り入れられているのかという今の話につきまして、私は30年以上前に仕事の関係で北欧の木のおもちゃイベント関係を手伝ったことがあり、そのときには、プラスチックや金具が全くない、木のみでできた安全なおもちゃという観点が取り入れられており驚きました。そうした国内に限らない先進的な事例がここには取り入れられているのでしょうか。 木育関係者子育て支援団体教育関係機関森林審議会等意見を伺いつくられているとのことですが、その中でもそうした話が出ていると思うので、そのあたりをお聞きしたいと思います。 ◎西川 森林政策課県材流通推進室長  北欧の木のおもちゃという話がありましたが、滋賀県でおもちゃを作っておられる方には、そうしたデザインを見て勉強し、デザイン性のよい、広く受け入れられるものとなるよう取り組まれているところもあります。そういうところでは大変参考にされて活動いただいていると思います。 また、今回、取りまとめるに当たり、いろいろな関係団体関係機関にお伺いしているところですが、先ほどの御意見と同じような御意見もあります。木材関係についてはやはり森林循環利用に目が行くのですが、特に子供の保育や育みに携わっている方は、やはり豊かな心や子供情操教育という部分も重視されますので、その辺りがしっかり融合できるように何とかまとめたいと思います。 ○山本正 委員長  教育や子育て支援という観点保育園幼稚園、小学校などでの安全という観点が十分反映された計画となるようにしていただきたいと思います。  また、第3章の2の(2)に、木と森林文化との結びつきが不十分という文言があります。その下を読めば意味が分かるのですが、その意味からは文法的に間違っているのではないでしょうか。木との触れ合いからの森林との結びつきが不十分、あるいは木との触れ合いからの文化との結びつきが不十分とあり、このタイトルでいいのかと思います。違う表現があるかと思いますので、検討してください。 休憩宣告  10時52分 再開宣告  10時54分 《農政水産部所管分》 2 滋賀環境こだわり農業推進基本計画(原案)に対して提出された意見・情報とそれらに対する滋賀県の考え方について (1)当局説明  平井農政水産部技監 (2)質疑意見等駒井千代 委員  かねてからプラスチック被膜殻課題等がありますが、提出された意見にあったような農業プラスチック不法投棄も含めたプラスチック対策において、全ての農家GAP認証を取ることはなかなか難しいと思います。ですがGAPが目指す環境性安全性という趣旨は、この取組と変わらないと思います。認定、認証まで行かなくとも、GAP目的を生かした滋賀県としての取組について、やはりしっかりと取り組む方針を示すことが重要だと思いますがどうでしょうか。 ◎平井 農政水産部技監  GAPにつきましては、認証を取らない段階でも生産工程管理の中で指導を進めています。御意見のとおり、そうした形でしっかりと進めたいと思っています。故意に捨てる不法投棄の実情については我々も十分承知していますが、それよりもむしろ多いのは田んぼの中で波板が風で飛ばされて川にはまり、それが流れていくとか、肥料袋を別の使い方をしてそれが飛んでしまうとか、ごみ袋が農地から出ていったりとか、そうしたケースが多いのではないかとも考えています。そういったことについてしっかりと農家注意喚起をすることで大分減るのではないかと考えていますので、そうしたことをしっかり推進していければと思います。 ◆松本利寛 委員  環境こだわり農業の基本的な骨組みの問題となりますが、基本方針の中の重点施策のところで、環境こだわり農業の柱、象徴としてオーガニック農業位置づけられています。環境こだわり農業というのは、言わば減農薬減化学肥料であるという流れの中でいくと、新しく提起されるオーガニック農業は、無農薬、無化学肥料栽培で、生産者から見れば全くレベルの違う話となります。その全くレベルの違う問題を単に環境こだわり農業としてまとめて打ち出し、この中に基準の異なる2種類があるという提起の仕方で果たしてよいのでしょうか。消費者オーガニック農業に対して持っているイメージからすると、もっとオーガニック農業の基本的な要件を打ち出してアピールしていく、位置づけていく必要がある気がします。そうしなければ、今までの環境こだわり農業の延長線上のオーガニック農業という位置づけになってしまいます。その辺りの考え方をどう整理するのかをお聞きします。  また、無農薬、無化学肥料という点で徹底しようと思えば、例えばネオニコチノイド系殺虫剤、そしていつも話題になるグリホサートを用いた除草剤、こうしたものを、一切、その農産物には使用していないことを明確に示すオーガニック農業指針を出し、オーガニック農業が何であるのかを消費者に分かるようにする必要があるのではないでしょうか。  さらに、オーガニック農業推進しようと思えば、経営上も成り立つことを農業者に周知することになりますので、有利な販売状況経営上の有利性をこの指針などに具体的に入れる必要があります。オーガニック農業としてこういうことを実践すれば、このように有利な販売ができ、経営上も有利になるということを明記する必要があると思います。そうでなければなかなかオーガニック農業推進はできませんので、消費者に示すオーガニック農業差別化の問題と、それが経営上実現可能だという生産者側の問題、この2つの柱をもっと明確にしていく必要があると思います。 ◎平井 農政水産部技監  まず1点目、レベルが違う話をどう整理するかということですが、これにつきましては条例の中でも一応2つに分けて考えることとしています。従来は全く農薬などを使用していないオーガニックも、一定程度使用しないものも環境こだわり農業という整理にしていましたが、不使用のものをオーガニック農業とした上で、それ以外のものについては環境こだわり農業として2つに分けた整理をしています。 先ほど、御質問の中で柱や象徴とありましたが、これまでは象徴という言葉を使っていたところですが、それを進めた本格的生産に向けての柱としてこの計画を進めています。本格的生産といいましても生産量全体は少ないのですが、環境こだわり農業の柱になるように進めたいということです。そうしたことから、全く違うものとして、環境こだわり農業の中をオーガニック農業と狭義の環境こだわり農業2つに分けるという条例上の整理をしました。計画重点施策においても、一般的な環境こだわり農業推進と、オーガニック農業推進とを区別して施策を進めることとしています。 無農薬・無化学肥料として、ネオニコチノイドグリホサートなどを使わないことは当たり前のことですが、その取組を進めたいという考えを持っています。当然のことながら、オーガニック農業ではそれらを全く使用しませんので消費者に分かりやすくそのことを示すよう、流通対策の中で進めていきたいと思います。  経営上の問題につきまして、いろいろな販売方法がある中で例示的に書いてはどうかということですが、そうしたことについては我々も一応の案を持っていますので、この計画の中で載せるのではなく、それぞれ別の資料を作る中で農家に示し進めたいと考えています。経営試算については、いろいろな条件があるので、計画では経営試算に基づく農業者の判断を促すという基本的な考え方を示すにとどめ、現在、改定作業を進めている農業経営ハンドブックを基に、米価低下肥料価格の高騰などの状況を踏まえ、再度試算を行い、別に資料を作成し栽培研修会等において、農業者へ提示、説明したいと考えています。 ◆松本利寛 委員  まさにそのオーガニック農業環境こだわり農業差別化、違いを初めて具体的に盛り込んだわけなので、やはりオーガニック農業推進しようと思えば、オーガニック農業環境こだわり農業の中の柱というレベルでいいのかと思います。包括されてしまうと、環境こだわり農業の中のオーガニック農業というレベルとなりオーガニック農業観点からは、値打ちが下がる気がします。基本的に、環境こだわり農業の柱ないしは象徴という位置づけでいいのかという思いがあります。それぞれの農法が違うものだと思うのならば、基本的な問題意識の立て方として、このオーガニック農業生産者が取り組むための中身と、消費者における違いの理解の問題がきっちりと整理される位置づけにする必要がある気がします。 ◎平井 農政水産部技監  滋賀環境こだわり農業推進条例において2つのものを切り分けて整理する中で、大枠はどうしてもそうなってしまいますので、滋賀環境こだわり農業推進計画においても同様の形となります。条例中では内訳として分けるという整理をしていますが、実際の流通対策としてはそれぞれをしっかり分けた形とし、オーガニック農業差別化が図れる形となるよう、十把一からげでPRするのではなく、別々にしっかりと消費者の方々に普及できる形で推進していきたいと考えています。 ◆松本利寛 委員  環境こだわり農業を水稲だけの問題で考えると、この減農薬などの取組は普通のレベル取組になっています。これ以下の基準での栽培は言ってみたら、生産義務の認識の話ではないかと思います。では、この普通の規制レベルで栽培している近江米以外の生産米とどう違うのかということを生産者はあまり分かっていません。滋賀県が環境こだわり農業生産面積では一番と言いますが、では、別の府県とどこが違うのかというと生産者消費者も分かりません。その辺も含めて、やはり環境こだわり農業そのものに対する評価づけを、県としてどう上げるのかということと、さらにその環境こだわり農業の中に位置づけオーガニック農業を、環境こだわり農業の包括的な一部として位置づけることについて、やはりもっと明示し、滋賀県の環境こだわり農業は他府県と比較しても非常に高いレベルであることと併せて、それを超える基準オーガニック農業を県は推進することを示す必要があると思います。 ◎平井 農政水産部技監  滋賀県は平成13年から先行してこうした取組を進め、トップランナーとして走っていますので、そうしたことについてはしっかりとPRしたいと考えています。例えば、昨今、農業新聞に載っていましたが、秋田県のサキホコレにおいては全てを環境こだわり農業で栽培する方向性を示したように、後ろからはどんどん別の取組が追いかけてきていますので、環境こだわり農業取組状況にあぐらをかいていてはいけない時代になってきています。先行して進んでいる部分についてはしっかりと消費者の方々に周知するとともに、他府県よりも先にしっかりとオーガニックを柱として進めていくという形で、他府県との差別化を図り、両方のPRをしっかりできるように進めたいと考えています。 ◆江畑弥八郎 委員  さっきも少し話が出た、資料3ページ7番のプラスチック被膜殻について、本編の8ページを見ると、被膜殻が外に出ない技術ということも書いていますが、実際にこのプラスチック被膜殻を発生しない緩効性肥料を現場で活用されているのでしょうか。この間、農業者の人と話をすると、どちらかと言えば、外へ出さないよう、深く埋め込むような形をとっていると話をしておられました。そうした中で、実際に現場ではプラスチックが発生しない緩効性肥料が活用されているのかどうかを教えてください。
    平井 農政水産部技監  プラスチックが流出しない肥料には2種類あり、1つはプラスチックの代わりに硫黄でコートされている肥料と、ウレアホルムといって、ぎゅっと圧縮して溶けにくくしているものの2種類があります。基本的に商業系の農協のルートでは一切流通していませんので、それ以外のルートで流通しているものがほとんどです。そういう中で今、3万ヘクタールのうちの1,000ヘクタールでそういったものを使っていただいています。使用面積を2,000ヘクタールまで増やすという目標を定めていますし、商業系の農協でも、今はそうした肥料が出ていないものの開発をされていると聞いていますので、ウレアホルムのような肥料が今後出てくるのではないかと思います。農協とばかりお付き合いをされている農家ではまだ具体的な提案もされていないような状況というところです。 ◆江畑弥八郎 委員  そういう状況の中で、現場では今言ったように隠す形となっていますがそれもどうかと思います。金額が高いのか、農協が全然取り扱っていないのかよく分かりませんが、現場では使わないというより既存の肥料を奥底に沈め、外に出ない、出さないこととしているという話を聞いたので、大分、資料に書いていることと現場の状況が違うという思いがあります。そうしたことへの対策は何か考えているのでしょうか。 ◎平井 農政水産部技監  資料8ページの②持続性の向上の中で、一応、プラスチック被膜殻を発生しない肥料の活用と、プラスチック被膜殻を圃場へ出さない流出防止策の普及、両方を進めることを併記しています。被膜殻が発生しないものについては、今、申し上げたとおりですし、被膜殻が流出しない対策については、ここ二、三年研究をしています。流出原因は代掻きのときに水の中に舞い上がり、一緒流れ出るということがほとんどであり、それ以後は沈降して流れませんので、泥水対策と全く同じ対策となります。深水で代掻きをしない、しっかりと越水によりこぼれるようなことがないようにする、漏れ出ることがないようにするなど、そういう対策をしてもらうことが泥水対策同様に一番重要です。最後には尻水門のほうへ寄ってくるので、その部分についてはすくい取って廃棄する対策をお願いしています。 ◆江畑弥八郎 委員  いずれにしても、この間、現場を見て話を聞いたことと大分違ったのでどうかと思いました。以前に視察に行った、フクハラファームなどで行われている、乾田直播だと全くそうした心配はないと思うので、そうした方向に向かったほうがいいのかなという感じはします。 ◆河井昭成 委員  資料4ページの15番目の御意見に対する、こちら側の考え方に少し突き放した感じがあるのですが、1つの団体だけではなく農業団体の人はみんなこう思っていると思うので、ここの表記内容をこのままにさせてもらうためには、何が要るのかを書いてあげないといけない気がします。この計画に実際に取り組む人たちが後ろを向いていたら話にならないと思うので、ここの表現は何とかされたほうがいいと思います。細かい話ですがもう1点、17番目で御意見を踏まえて次のとおり修正とのことですが、もともと表現が誤っているから書き直したということであれば、御意見があろうがなかろうが、誤ったものは直さないといけないので、御意見を踏まえて直したという書きぶりは自然ではないと思います。ここも検討いただきたいです。 ◎平井 農政水産部技監  資料の14ページの本文中の表現につきまして、今、御意見いただきましたとおり、一旦、農業者にしていただくということで表現を修正していますが、これでもまだきついという御意見を頂いていますので、ここにつきましては今の御意見も踏まえながら、もう少し修正していきたいと考えています。それから、17番目の記載につきましては、完全にこちら側のミスですので、表現等について改めたいと思います。 ○井狩辰也 副委員長  先の江畑委員の被膜殻に係る話ですが、JAは対応に取り組んでおらず、プラスチックの被膜殻肥料を使われているということですよね。一方で、個人商店の肥料屋は硫黄被膜の肥料などを使われているということですが、JAはなぜ取り組まないのでしょうか。 ◎平井 農政水産部技監  業界の話で我々がなかなか立ち入ることが難しいのですが、JAの全てがということではなく、商業系のメーカーの中に農協系のメーカーのようなものがあり、農協がお付き合いされているメーカーの中には、そうした肥料を作っているメーカーがなく、今のところ、硫黄被膜の肥料などを取り扱う業者とのお付き合いがなく入ってこないという状況です。農協系ではないメーカーからは入ってくるという実態があり、末端の農協では、他のメーカーから入れておられる農協もあり、そうしたところには硫黄被膜系の肥料が入ります。今、業界を分けて話しましたが、農協だからだめだということではなく、経営上の付き合いの中でそうなっています。今、農協系統の肥料メーカーも一生懸命、新しいものの開発を進めていますので、順番的にも時間的にも遅れるかもしれませんが、全く対応されていないということではなく、しっかりと将来に向けての対応は進められています。 ◆松本利寛 委員  いわゆるプラスチックを使わない緩効性肥料の今の技術開発のレベルはどの程度になっていますか。 ◎平井 農政水産部技監  硫黄コートというのは昔からあると聞いており、価格的にもそんなに遜色がありません。ただ、硫黄コートそのものはプラスチックと違って被膜の強度が少し弱いということもあり、施肥田植機の中に入れると、割れて詰まってしまうことが昔はあったと聞いています。それについてもだんだん技術開発が進み、改善はされていると聞いています。 ◆松本利寛 委員  今、市販されている硫黄コートの肥料は従来のプラスチックシルクコートと比較して、使用に耐えられないものなのでしょうか。ほぼ製品として完成しており、一気に普及が可能なのかその辺りの見合いはどうでしょうか。 ◎平井 農政水産部技監  こうした問題が出てから、試験場でも改めて2つを比較して試験をしていますが全く遜色がありません。技術的には全く遜色がありませんが、メーカーが比較的大手のメーカーではないので、供給量が限られておりなかなか広がらないと聞いています。 ◆松本利寛 委員  緩効性肥料の推進について、全国レベルからいえば、琵琶湖の富栄養化対策として滋賀県はトップランナーだったと思います。そのことを踏まえ、やはりそうした技術的な開発がほぼ完成に近づいているのであれば、その普及について、県としてもっと促進を図るべきだと思います。県としてどうするのか、その辺をどう考えているのでしょうか。単に流出しないようにするとしても、そんなことには限界がありますし、一度まいたものを探すことは難しいので、やはり新しい技術開発ができているのであれば、それを一刻も早く普及していく対策に重きを置いたほうがいいと思います。 ◎平井 農政水産部技監  先ほどから申し上げていますように、あるものについてはしっかり推進をするのですが、多数はまだすぐに普及促進できるようなものではありませんので、そこについては並行して進めていきたいと思います。ただ、推進に当たって全国的にもこうした被膜殻の問題が出てきていますので、今後、環境こだわり農業の中でどういう形で扱っていくのかはこれからの検討材料だと思います。今、はっきりお答えできませんが、そうしたものを助成対象とすることはなかなか難しいと考えていますので、開発についてメーカーへのお願いを進めています。現在は経過的な段階であることをご理解願います。 ◆松本利寛 委員  技術開発の促進と併せて、既に製品として使用に耐えられるものがあるのであれば、その普及促進に向けて、具体的に足を踏み出してほしいということをお願いしておきます。 3 本県における高病原性鳥インフルエンザ防疫対応について (1)当局説明  青木畜産課長 (2)質疑意見等 ◆桐田真人 委員  今回の一連の対応に感謝申し上げます。資料6ページの野鳥への対応というところで、今後、道端や公園で野鳥が死んでいる可能性も捨てきれないと思いますし、鳥インフルエンザの認知により、そうした野鳥に敏感になり発見が増えることもあると思います。そうしたときに、子供たちなどが死んだ野鳥を発見した場合の対応として、触らないようにすることは分かりますが、まずはどこに電話をすればよいのかや、どういう流れでどういう手続きをすればよいのか、その後どうなるのかといったフローチャートについて、明確なものを住民に共有されているのでしょうか。そうした、ファーストコンタクトからどうしていくのかということについて教えてください。 ◎辻田 自然環境保全課長  対応についてのフローチャートですが、基本的に鳥インフルエンザが全国的に発生したことをきっかけに、普段から素手では触らないよう周知をしておりますが、より一層そうした周知をホームページ等で行っています。発見された方は、まず、森林整備事務所に御連絡いただく形となっていますが、市町に連絡があることもあり、そこは市町と森林整備事務所、そして当課との間で連絡調整をして対応しています。実際に見つけた場合は、検査対象の種ですとか、羽数がありますので、それに該当する場合は森林整備事務所や当課から回収に行くこととしています。対象外の場合には、基本的にはその場所を管理されている方にごみとして出して処分していただいています。 ◆桐田真人 委員  今日の状況で鳥が死んでいるとなっても、我々もこういう立場ながら分からないこともあります。森林整備事務所というのは県民にとってなじみがあるかどうかというと、あまりなじみがないと思います。そういったことから、間髪を入れずに、周知をしていくことはやはり住民不安を和らげる部分と流行を抑えるという部分の早期対応としては重要だと思います。先ほどおっしゃったように、場所によってはそこの管理者に処分していただくということは、やはりこういう時期では、抵抗感があると思います。だからこそ、きめ細かい住民の不安の除去とこの部分についての対応として、もう一段踏み込んだ、分かりやすく、誰もが理解しやすいものにすることが必要だと思います。当然、市町も関わってされていくと思いますので、法律に基づいた対応も大切ですが、住民不安の除去、流行の早期対策という観点からすると、もう少し積極的なほうがいいと思いますので、お願いしたいと思います。 ◎辻田 自然環境保全課長  周知については、引き続き充実を図っていきたいと思っています。他方で、鳥は自然のものであり、鳥インフル以外の原因でも時々死んでいますので、あまり不安をあおらないようにも気をつけているところです。そういったあたりのバランスを取りながら周知を引き続き図っていきたいと思います。 ○山本正 委員長  今回の防疫対応につきましては、殺処分、焼却などで、メンタル面も含めて大変な作業であったと思います。本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。 閉会宣告  11時56分  県政記者傍聴:毎日  一般傍聴  :1人...