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令和 4年 7月定例会議(第3号〜第9号)−08月02日-04号

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  1. 滋賀県議会 2022-08-02
    令和 4年 7月定例会議(第3号〜第9号)−08月02日-04号


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    令和 4年 7月定例会議(第3号〜第9号)−08月02日-04号令和 4年 7月定例会議(第3号〜第9号)                 令和4年7月定例会議会議録(第6号)                                        令和4年8月2日(火曜日)           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第4号                                         令和4年8月2日(火)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第83号から議第102号まで(令和4年度滋賀県一般会計補正予算(第3号)ほか19件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問           ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件           ────────────────────────────── 会議に出席した議員(41名)    1番   菅  沼  利  紀       2番   桐  田  真  人    3番   井  狩  辰  也       4番   本  田  秀  樹    5番   柴  田  清  行       6番   重  田     剛    7番   清  水  ひ と み       8番   河  井  昭  成    9番   佐  口  佳  恵       10番   小  川  泰  江
       11番   黄 野 瀬  明  子       12番   松  本  利  寛    14番   田  中  松 太 郎       15番   角  田  航  也    16番   塚  本  茂  樹       17番   山  本     正    18番   大  橋  通  伸       19番   駒  井  千  代    20番   中  村  才 次 郎       21番   白  井  幸  則    22番   村  上  元  庸       23番   桑  野     仁    24番   周  防  清  二       26番   加  藤  誠  一    27番   竹  村     健       28番   目  片  信  悟    29番   有  村  國  俊       30番   岩  佐  弘  明    31番   富  田  博  明       32番   細  江  正  人    33番   川  島  隆  二       34番   奥  村  芳  正    35番   木  沢  成  人       36番   清  水  鉄  次    37番   大  野  和 三 郎       38番   冨  波  義  明    39番   江  畑  弥 八 郎       40番   成  田  政  隆    41番   九  里     学       43番   今  江  政  彦    44番   中  沢  啓  子           ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(3名)    13番   杉  本  敏  隆       25番   海  東  英  和    45番   節  木  三 千 代           ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               副知事             江  島  宏  治               知事公室長           中  嶋     毅               総合企画部長          東        勝               総務部長            河  瀬  隆  雄               文化スポーツ部長        谷  口  義  博               琵琶湖環境部長         高  木  浩  文               健康医療福祉部長        市  川  忠  稔               農政水産部長          宇  野  良  彦               土木交通部長          門  間  俊  幸               病院事業庁長          正  木  隆  義           ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            箕  浦  宏  昌               議事課長            吉  田     亮               議事課課長補佐         内  田  吉  行           ──────────────────────────────   午前10時 開議 ○議長(岩佐弘明) これより本日の会議を開きます。  直ちに日程に入ります。    ──────────────── △議第83号から議第102号まで(令和4年度滋賀県一般会計補正予算(第3号)ほか19件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問 ○議長(岩佐弘明) 日程第1、議第83号から議第102号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、20番中村才次郎議員の発言を許します。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇、拍手)皆様、おはようございます。  早速、通告に従いまして質問を始めさせていただきます。一問一答なんですけれども、最初は若干たくさんしゃべらせていただきますので、よろしくお願いいたします。  家庭環境にかかわらず、子供に養育環境を保障するための一連の仕組みが社会的養護です。厚労省のホームページによりますと、「社会的養護とは、保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことです。社会的養護は、『子どもの最善の利益のために』と『社会全体で子どもを育む』を理念として行われています」というふうにあります。  この社会的養護は大きく2つに分類されます。家庭養護と施設養護です。  里親など家庭環境を重視し、子供の養育を行うのが家庭養護、そして社会的養護の施設と言われる施設で子供を養育するのが施設養護です。社会的養護の施設も状況に応じて幾つかの施設に分かれます。児童養護施設、乳児院、児童心理治療施設児童自立支援施設母子生活支援施設等があります。  今回は、このうちの児童自立支援施設について質問をさせていただきます。  児童自立支援施設は、児童福祉法第44条に基づき、不良行為をなし、またはなすおそれのある児童および家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させて、個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、併せて退所者について、その相談その他の援助を行うことを目的とする施設です。  また、児童福祉法施行令第36条により、都道府県には児童自立支援施設の設置義務が課せられており、大多数が公立の施設となっています。そして、ここでは、児童相談所の児童福祉施設入所措置になった子供や家庭裁判所において保護処分とされた子供たちの受入れもしています。  ある論文には、児童自立支援施設について詳しく説明できる人は児童福祉や教育に携わる方々でさえも少ないと言われています。その大きな理由の一つとして、この施設の特殊性や閉鎖性が考えられます。その特性がゆえに施設の存在を地域や社会に積極的にアピールされることはなく、積み重ねてこられた実践や指導、支援技術を外部に向けて発信する機会も少なかったからであると考えられていますというふうにあります。  少しその歴史に触れさせていただきます。  児童自立支援施設は、明治33年の感化法制定に始まります。施設種別の呼称が当初、感化院だったものが昭和9年には少年教護院になり、昭和23年には児童福祉法に基づく教護院へと変遷していきます。さらには、児童福祉法の改正により、平成10年4月の改正児童福祉法施行によって児童自立支援施設という呼称が使われるようになりました。  これに併せて、教護院時代には不良行為をなし、またはなすおそれのある児童のみが対象だったものが、第44条に新たに「家庭環境その他環境上の理由により生活指導を要する児童」という項目が加わり、対象範囲が広がりまして、不登校やひきこもりなどの児童も含まれるようになります。  滋賀県内にある各種施設の中で、この児童自立支援施設に当たるのが甲賀市土山町にある県立の淡海学園です。5月9日に会派でこの淡海学園の視察を行い、現在の様子や課題等について伺ってまいりました。  淡海学園は全国に58ある児童自立支援施設の一つで、明治43年に大津市に開設され、昭和37年に現在の地に移転しました。全国的には北海道の家庭学校等が有名ですが、淡海学園も先駆的な取組がなされてきた歴史ある施設です。全寮制で三重県に近い山あいの敷地約10万6,000平米に3つの寮と校舎、管理棟、グラウンド、体育館、畑などからなり、寮は住み込みで御夫婦1組が、また、残りの寮は職員の方が交代で子供たちと共同生活を送って生活指導に当たっておられます。  施設全体は県立であり、健康医療福祉部の所管となりますが、教育の部分については甲賀市立大野小学校、土山中学校の分教室という位置づけです。このため、学校の職員は甲賀市の所属になり、学習内容、教員の配置等は教育委員会の所管となっています。  まず最初に、本年6月、改めてこの児童福祉法ですけれども、参議院本会議で改正児童福祉法が全会一致で可決されました。今回、児童福祉法が改定されることによって、淡海学園など社会的養護の下で生活する子供たちにどのような変化、メリットがあると思われるか、健康医療福祉部長に伺います。 ○議長(岩佐弘明) 20番中村才次郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) (登壇)お答えいたします。  今回の児童福祉法の施設入所等に関する主な改正点でございますが、1点目には、入所や一時保護を行う際に、児童に意見聴取等を行うことが義務づけられたことでございます。2点目は、児童養護施設等におきまして行われます自立支援事業につきましては、これまで22歳までとなっていた年齢要件が弾力化されることでございます。3点目には、退所者等に対しまして、生活や就労に関する相談等を行う事業が新たな制度として位置づけられたことなどでございます。  こうした改正によりまして、施設入所に当たりましては、子供の意向をしっかり確認することで、子供の最善の利益を考慮した入所決定につながるものと考えております。  また、自立支援事業におけます年齢要件の弾力化や施設等退所後の生活、就労に関する相談、退所者相互の交流の場の提供によりまして、児童、若者の実情に合わせた切れ目ない支援が行うことができ、社会における自立した生活につながるものと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)御答弁ありがとうございます。改正児童福祉法によりまして、今、部長からおっしゃっていただいたような点が変わっていくということがよく分かりました。  こういった施設に入所している子、また、里親の下にいる子供たち、その後、退所した後とかを追っかけてみると、大変不明な子供たちも多いという事実もあるそうでございます。そういったことからも、そういった退所した子供たち等のことをケアリーバーと呼ばれるそうですけれども、そういった子供、若者たちを救っていくためにも、今回の改正児童福祉法というのは意味があるというふうに思います。  施行が2024年と聞いておりますので、それに向けて、どうか部長、しっかりと準備を進めていただきたいというふうに思います。どうかよろしくお願いいたします。  先ほど歴史を少し述べさせていただきました。淡海学園は建設されてから相当な年月がたっています。開設されたのが昭和37年ですので今年で60年になるというふうに思います。校舎、管理棟、体育館の施設の現状について、見解を健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  最も古い建物でございますが、昭和37年に建築されました旧本館でございますが、昭和59年に校舎として全面改修いたしまして、平成20年3月に耐震化工事を完了したところでございます。  また、昭和58年に体育館が、翌59年には管理棟がそれぞれ建築されましたが、40年余りが経過しておりまして、老朽化も見られますことから、令和3年度より、長寿命化計画に基づき、順次屋根や外壁、機械設備等の改修工事を実施しているところでございます。  今後も園生にとって良好な養育環境が維持できるように、計画的に改修等の対策に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)歴史のある古い、そういった建物というのもまたいいものですけれども。けれども、いろんなところで不具合というのが出てくるというふうに思います。改修等も行っていただいているという状況もよく分かりました。けれども、また大変、そこに入所している子供たちは少ないですけれども、どうか不具合が出た場合に速やかに修理とか対応をしていただけるように、これも要望としてお願いしたいというふうに思います。  5月に視察に伺った時点では16名の子供たちが入所しております。小学生が1名、中学生と職場実習に行っている子供が15名でした。この子供たちが通い、学習をする場は施設内にある大野小学校、土山中学校の分教室です。学習や作業活動、クラブ活動に当たっている教員は甲賀市の教職員でありまして、現在、管理職を除くと5名の先生が指導に当たっています。  3点目の質問でございますけれども、県立の淡海学園に入所している子供たちが通う分教室に対して、教育委員会としてどのような人的配慮をされていますか、教育長に伺います。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えをいたします。  淡海学園に入所している子供たちが通う分教室につきましては、管理職を含め、学級数に応じた教員定数3名に加えまして、県単独予算で3名の教員を、また、令和2年度からは学科指導員として、同じく非常勤講師3名、合計9名を配置し、子供たちへのきめ細かな指導支援に努めているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)私は、教員としての初任校が実は旧水口町でございまして、甲賀市でございましたので、淡海学園のことはよく存じ上げております。しかし、大津市へ転勤になってからは、教員の中でもほとんどこの淡海学園のことは話題になりませんでした。ただ、私が受け持った子供のお兄ちゃんが淡海学園に入所したことによって、久しぶりに思い出したという思い出があります。ですから、先ほどの論文にもありましたけれども、施設についての詳細は知らないだけでなく、その存在自体が認知されていないというふうにも思います。  ちょっと話、戻りますけれども、教育長から先ほど、この教師の人員配置について御答弁ありましたけれども、そういった全県の教員があまり知らない施設であるということが現実としてあると思うんです。そしてまた、その特殊性もありますから、そこで、今問題になっている、これは全県、全国の問題ですけれども、教員の欠員の問題ですけれども、そういった欠員が出た場合に、ここ、あまり詳しく聞きませんけれども、欠員が出た場合に、その補充の先生を探すというのは、これは非常に困難だというふうに思います。そこら辺、この所管はというか、甲賀市の教育委員会になるというふうに思いますけれども、そこら辺、配慮していただいて、どうか欠員が出ないようにお願いしておきたいというふうに思いますので、教育長、よろしくお願いいたします。  淡海学園で実際に勤務した方から聞くと、授業はほぼ1人とか2人とかの個別授業です。また、その子供一人一人が抱えている課題や育った環境などについて深く知り、どのような指導をしていけばよいのか模索する必要があるとのこと。その中で教員として多くの貴重な学びがあり、スキルアップにつながったといいます。  皆さん御存知のように、現在、教員が若い世代に代わりつつあります。実際にこの施設で働く方はごく一部の教員です。しかし、そこにおける実践や、そこで暮らす児童について理解を深めることは非常に重要ではないかと考えます。教職員に淡海学園等の施設について知ってもらうことは大きな意義があるのではないでしょうか。  先生方には、ほかにも研修を重ねていただかなくてはならないこと、山積みです。例えばICTもそうです。ヤングケアラーのことについてもそうです。DVについてもそうです。いっぱいあります。けれども、このような施設や分教室についても、何らかの研修の場でぜひ知る機会を取っていただきたいということも、これも教育長に要望として言わせていただきたいと思います。  淡海学園は、これまで多くの方々が子供たちのために、あるときは命を削って、112年という長い歴史を刻んでこられたと思います。ここに入所しているような多くの複雑な課題を抱えた子供、自分ではどうすることもできない環境で人知れず苦しんできた子供、その子供たちがそれぞれの課題を周りの信頼できる大人や社会に支えられて乗り越え、社会で活躍する人材になる。このような基盤をさらに強固にしていくことが喫緊の課題でもあるというふうに思います。  今日は県立の施設であるということから淡海学園について取り上げさせていただきました。  最後に、27日の代表質問の折、昨日の一般質問でも出ておりましたけれども、知事は、教育にとって一番大切なのはまず愛だと思うと。教育においては愛を持って子供一人一人の個性を大切にし、夢と生きる力を育む教育を進めたいと答弁されました。大変、私にとって衝撃的でしたし、感銘を受けました。その愛を受けることが大変難しい環境で育った子供たちがいるのが社会的養護の施設で生活をしていることであるというふうに思います。  最後に、児童自立支援施設や児童養護施設等で生活する子供たちへの思いを知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  滋賀で過ごす全ての子供たちが深い愛情を注がれ、心身ともに健やかに育つことは県民の強い願いであり、子供が安全かつ安心して生活できる環境を確保することは非常に重要な県の責務であると思います。  故あって家族がいなかったり、虐待で傷つくなどにより施設で暮らすことになった子供たちが、将来に夢と希望を持ち、自立できる社会は、まさに本県が目指す、子供を真ん中に置いた政策の方針にも合致するものであると存じます。  こうした考え方を基本に、施設で生活する子供たちには、日常生活の支援だけでなく、退所後を見据えた就労体験などの取組を、また、施設退所後においても、福祉、就労、教育等の団体と連携した居場所づくりの取組を進めるなどにより、自らの力を十分に発揮し、自立して笑顔で暮らせる、そうした滋賀を社会全体で築いてまいりたいと存じます。  私もまだ伺ったことがないので、近く伺って、しっかりと自分自身で見て、今後の改善に資してまいりたいと存じます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)最後の決めの言葉で言いたかったことを自ら言っていただきました。ありがとうございます。ぜひ、やっぱりそういった環境で暮らす子供たちの様子、見ていただく、大変大切だというふうに思います。  淡海学園のある場所、今話題になっております名神名阪連絡道路の計画も進んでいる土地でもありますし、また、先日の全国植樹祭がありました、そういう山の多い土地でもありますし、またぜひ、知事自ら言っていただきましたけれども、そちらのほうに視察に行かれたときに寄っていただければ大変ありがたいというふうに思いますし、そういう子供たちのことを知っていただきたいというふうに思いますので、どうかよろしくお願いいたします。  2点目の質問に入らせていただきます。  子供の電話相談とLINE相談についてです。
     先日、若い、私の知っている共働きの家庭のお父さんからメールが届きました。県から出ている「困ったら相談しよう」というカードを小学校1年生の娘がもらってきました。学校で嫌なことがあったようで、カードを見た娘が母親の携帯電話を使って、お母さんは家の用事を一生懸命やっておられた、そこに書かれている番号にかけましたが、60分間つながらない状況が続きました。緊急の場合や悩みのレベルによっては、60分もかからないと心が折れて負けてしまうと思いました云々という内容のメールでした。  これだけでは分かりにくいので、本人に電話をかけていろいろと事情を聴いてみました。学校で友達から言われた言葉が本当に気になって、学校からもらってきたそのカードを基に、そこに書いてあった0120−0−78310、「なやみいおう」というふうに言うらしいですけれども、に相談したくて電話をかけたそうです。なかなかつながらずに19回目にやっとつながったそうです。かけ始めたのが16時16分、つながったのが17時12分。小学校1年生の子供が、よくも粘り強く19回も電話をかけ続けたものだと私は感心しましたけれども、なぜそんなにつながらなかったのか大変気になりまして、担当課の方にお願いして電話相談の資料を持ってきていただきました。ある程度謎が解けました。その中から今回、問題だと思う点、幾つか質問をさせていただきたいというふうに思います。  いじめ、不登校、自分の性格に関する悩み、DV、また、特に今話題になっているヤングケアラーの問題など、子供たちの生活状況や悩みは様々です。そして深刻な場合、自死や犯罪という最悪の結果につながる場合があります。学校の先生や友人、保護者等に相談できない子供たちに寄り添い、問題の深刻化を未然に防ぐため電話による相談体制が今まで進められてまいりました。  滋賀県では、平成13年度に子供と子育てに関する一次的な相談機能を持っている6つの電話相談窓口、例えば子どもと家庭の110番、いじめホットライン等がありました。それを統合再編し、児童の権利に関する条約が国連で採択した日にちなんで、11月20日に青少年・子ども電話相談室を開設し、公募により通称を「こころんだいやる」としました。その後、平成18年6月に青少年・子ども相談室の業務を拡大、改編し、子ども・子育て応援センターとして現在に至っています。  24時間電話がかけられる体制が組まれておりますけれども、先ほど紹介した0120−0−78310に電話をかけると、午前9時から午後9時までには、この県庁内に設置していただいております「こころんだいやる」につながります。そして、午後9時以降は外部委託されている24時間子どもSOSダイヤルにつながるという仕組みになっています。「こころんだいやる」にかかってきた電話相談件数は、令和3年度、3,795件でした。  令和元年6月議会において、いじめの相談体制について取り上げさせていただき、選択肢を広げる必要性、若年層のコミュニケーション手段として普及拡大しているLINEを使った体制をぜひ実施していただきたいと提案しました。一昨年度の実証実験を経て、昨年の5月から本格実施されています。LINEを使った「こころのサポートしが」における昨年度の5月、5月から始まりましたから、5月から3月までの統計によると、相談件数は2,895件ありました。また、今年度の4月、5月だけでも既に884件あり、推測ですけれども、LINEでの相談件数はますます増えてくるというふうにも考えられます。しかし、電話相談も一定数あり、生の会話での相談は必要だと考えます。  まず、昨年度の「こころんだいやる」に電話をかけてこられた相談者の内訳について、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  昨年度の相談件数3,795件のうち、母親からの相談が2,644件で全体の69.7%と最も多く、次いで子供本人からの相談が810件で21.3%でございまして、両者を合わせますと3,454件となりまして、全体の約9割を占めているところでございます。  なお、父親からの相談は87件で2.3%、祖父母、親戚からの相談は47件で1.2%となっており、子育てに係ります相談は母親が中心となっているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ありがとうございます。  今、御答弁いただきましたように、「こころんだいやる」にかかってくる電話相談、母親が69.7%というふうに御答弁いただきました。そして、それに比べて本人からの相談件数が何か思ったより少ない21.3%というふうに御答弁いただきました。少ないとはいえ、やっぱり本人からかかってくる電話というのが緊急を、母親の場合もそうでしょうけれども、あると思いますけれども、本人からの電話というのは緊急を要することが多いのではないかと、このように考えます。  2点目、本人からの相談件数810件、21.3%とお答え願いましたけれども、この内訳について、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  内訳は、大学生、専門学校生や就労中の若者等からの相談が471件で全体の約6割と最も多く、次いで高校生が152件、小学生が115件、中学生が45件、不明が27件となってございます。  なお、性別では、女性が687件、男性が120件、不明が3件となってございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ありがとうございます。  意外と小学校、中学生等よりも大学生とか在宅のそういった若者たちからの電話相談が多いように感じました。  次に、相談が多くなる時期は、資料を見させていただきまして、1年間のうちでは新しい年度が始まってから一息ついた5月や6月、そしてまた、今、夏休みですけれども、この夏休み明けなどに集中する傾向があるようです。週単位で見てみますと、月曜日や火曜日が多いというふうに承知をしております。  では、1日の中で相談の電話のかかってくる時間帯についてはどうでしょうか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  「こころんだいやる」の開設時間でございます、午前9時から午後9時までの時間帯別の相談件数を見ますと、午後4時から午後7時までの3時間に全体の約4割に当たります1,471件の相談が寄せられておりまして、次いで午前9時から午前10時までが538件で約14%、その他の時間帯はおおむね200件前後で推移しているところでございます。  午後4時から午後7時までの内訳でございますが、子供が299件、大人が1,172件となっておりまして、子供本人にとりましても、不安な思いを翌日に持ち越すことがつらく、下校後に一刻も早くその思いを解消したいという気持ちがある中で、電話がつながらず相談ができないという事例があるのではないかと推察しているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)今、部長の最後の御答弁にあったところが問題だというふうに思います。御認識していただいているということで、ありがたいんですけれども。  この「こころんだいやる」にかかってくる相談人数の内訳、時間帯等、ずっと教えていただきました。私が冒頭にお話しした子供がかけた時間帯、時期などは一番多く相談電話がかかってくる条件と全て重なります。だから19回もかけないとつながらなかったというふうに考えられます。  小学生に配られたカード「困ったら相談しよう」に書かれている電話番号78310「なやみいおう」は、「教育しが」には24時間子どもSOSダイヤルと記載されています。午前9時から午後9時までは「こころんだいやる」につながる仕組みになっています。「こころんだいやる」は、子供も保護者等の成人も対象の電話番号です。  こっからなんですけれども、子供たちからの相談、そういったSOSを逃さないように受け入れられるような手だてについて、健康医療福祉部長に見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  「こころんだいやる」では、昼間は3回線で電話相談員が対応しておりまして、1件当たりの相談に要する時間を見ますと、平均時間は約32分となっておりまして、中には子供たちや子育て世帯以外の方からも相談も一定数寄せられているところでございます。  コロナ禍で子育て世帯のストレスが顕在化する中、まずは子供の声や子育てで悩む保護者の声を広くお聞きすることは大変重要であると認識しているところでございます。  今後は、子供たちからの相談をしっかりと受け止められるよう、県内の小中高校生向けに配布しております「こころんだいやる」のPRカードに、昨年5月に開設いたしました「こころのサポートしがLINE相談」の情報も併せて記載し、相談の分散を図ることで、つながりにくさの解消に努めてまいりたいと存じます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)3回線というふうに御答弁願いましたけれども、それは1回線増やした、2回線増やしたところで解消できるかいうたら、そうではないというふうに思うのです。  また、子供たちへの、やっぱりそういった、つながりやすい時間帯とか、こんな時間に相談したらいいよという指導をカードに書き込むとか、また、カードを渡していただくときに学校の先生からそういうことを紹介していただくというのも一つの手ではないかなというふうに思いますし、御答弁いただきましたQRコード、ぜひ一緒にしてください。後でお願いしようというふうに思っておりました。ぜひしていただきたいというふうに思います。  「こころのサポートしが」、これ、LINE相談ですけれども、これについては多くの議員の皆様が質問されておりますので、1点だけ質問させていただきます。  対象が保護者中心になっているように感じられます。「教育しが」では、様々な悩みを抱える子供や保護者からの相談を「こころのサポートしが」で受け付けていますと書かれています。  また、昨年5月から3月までの集計を見させていただきますと、40歳代が一番多く、職種や学校別で見ると、被雇用者、勤め人が1番、フリーター、アルバイト、パートが2番目となっています。中学生が4番目に出てまいります。そして小学生、高校生は、それに比べてまだ少ないように感じました。  5番目の質問ですけれども、「こころのサポートしがLINE相談」を始められて1年以上がたちました。どのように評価をされているのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  令和3年5月から令和4年3月末までに寄せられました相談件数は2,895件でございますが、小学生から大学生等までの子供、若者からの相談は862件で、「こころんだいやる」におけます同じ年代層からの相談件数810件を上回っている状況でございます。  若者等にコミュニケーション手段として広く普及しておりますSNSを活用することで相談窓口の多様化を図るとともに、若年層にも気軽に相談しやすい環境の整備につながっているものと認識しているところでございます。今後とも利用実態等を検証しながら、より相談しやすいものとなるよう努めてまいりたいと存じます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ありがとうございます。  また、電話相談とLINE相談とうまくリンクをさせて、子供たちの相談に乗れるような工夫をどうかしていただきたいというふうに思います。  昨年度の、電話相談に戻ってしまいますけれども、相談件数は3,795件というふうに言いました。それ以外に787件の無言電話というのもかかってきたというふうに頂いた資料に載っておりました。すなわち、五、六件に1件は無言電話であったという、こういう事実があります。  いたずら電話かもしれません。しかし、中には思い切って電話をかけてみたものの、悩みを打ち明けることができなかった子供もいるのではないか、そのように思います。電話ですから顔が見えないので無言の先の様子をうかがうことはできませんけれども、この背景には、まだまだ悩みを一人で抱えている子供がいるのではないかと推測できるように思います。こういう子供たちが次の手段としてLINEで相談してくれれば救われるかもしれません。  こういった相談は、健康医療福祉部の子ども・青少年局、障害福祉課、教育委員会の生徒指導・いじめ対策支援室、また、男女共同参画センターにまたがって行っていただいている事業と聞いております。本来、電話相談にしても、LINE相談にしても、困った子供が助けを求めたときに、すぐ手を差し伸べることが目的のはずです。ここにタイムロスがあっては本来の目的は達成できないと思います。様々な要素があり、現状は大変だというふうに思いますけれども、各課の力強い団結をしていただきまして、待ったなしの対応ができる体制をどうか進めていただきたいというふうに最後にお願いしたいというふうに思います。  最後に、最初に紹介した19回かけた子供、娘さんなんですけれども、その後、親が大変反省をされまして、子供との対話が少なかったということをされまして、それ以後、親子の対話が増えたそうでございます。これはいい方向へ向いたということで私も一安心しましたけれども。けれども、こういった場合だけではありません。長引くコロナ禍もあり、まだまだ支援を必要とする潜在的な子供や保護者はおられますし、また増加していくと思われます。携わってくださる方々には大変だというふうに思いますけれども……。 ○議長(岩佐弘明) 中村議員に申し上げます。質問時間を超過いたしましたので、簡潔にお願いいたします。 ◆20番(中村才次郎議員) 今後も誇りを持って子供たちに寄り添っていただくことを心よりお願いして、質問を終わります。ありがとうございます。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、20番中村才次郎議員の質問を終了いたします。  次に、38番冨波義明議員の発言を許します。 ◆38番(冨波義明議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従い、滋賀県の魅力ある県立高等学校づくりについて、分割方式で以下、質問いたします。  令和4年度は、本年度の高校入学生から新学習指導要領が年次進行で実施をされ、令和の日本型学校教育の実現に向け、高校の特色化、魅力化に向けた改革が本格的にスタートする年と伺います。また、成年年齢や裁判員等の対象年齢が18歳に引き下げられるなど、高校教育にとって大きな節目となる年でもあります。  新学習指導要領では、子供たちが未来を切り開くための資質、能力を一層確実に育成することを目指し、全ての教科等において、1、知識、技能、2、思考力、判断力、表現力、3、学びに向かう力、人間性という3つの柱でバランスよく育成することとされています。  また、高校などの設置者においては、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改革を進めることや、各学校でのカリキュラム・マネジメントの確立と、これによる組織的、計画的な教育活動により質の向上を図ること、資質、能力を育成するため、この3つの柱に対応した学習評価を行うこととしています。  このため、改めてこれらの趣旨を教職員や学校関係者と共有し、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を通して、主体的、対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に取り組むことが求められています。  本県では、令和2年に、これからの県立高校の在り方検討委員会──以下、検討委員会といいます──を設置し、本年3月に基本方針を策定されました。そして、本年度以降に(仮称)滋賀の県立高等学校の魅力化プラン──以下、魅力化プランといいます──を作成し、実施計画を策定した後、令和5年以降に順次実施するとしています。  そこで、本県の県立高校改革の根幹とも言うべき基本方針に基づき、魅力ある県立高校づくりについて、以下、全て教育長に伺います。  まず、これからの県立高校の在り方に関する基本方針に関して伺います。  基本方針の策定に際しては、これまでの県立高校改革の取組と現行の県立高校再編計画等を総括し、将来の社会の姿を描くとともに、高校への希望や期待を込めたとされています。  そこで、まず、基本方針を策定するに際し、その背景として挙げた県立高校を取り巻く現状と課題について、併せて、基本方針で示された将来を見据えた取組の方向性について伺います。  次に、2番目といたしまして、県内・県外の中学校卒業生の進学動向に関して伺います。  今回、この質問の表題を滋賀県の魅力ある県立高校づくりといたしましたのは、実はこの問題は、私が県議会議員を目指した最も大きな目標でもあり、私の政策の一丁目一番地であることが大きな原因です。そして、この問題を取り上げる引き金になったのは、本年3月8日に開催されました教育・文化スポーツ常任委員会における質疑であります。  この委員会では、柴田委員から、県立高校における部活動、スポーツに関する県教育委員会の取組姿勢について疑問が呈され、県立高校の在り方検討委員会において部活動、スポーツの魅力化を図る議論がなかったことや、優秀なスポーツ選手の県外進学の状況、その進学先に県外の公立高校があることについて質問があり、これに対する当局の答弁に少々違和感を覚えたことが2つ目の理由であります。  この委員会における柴田委員の質問に対する当局の答弁を、少々長くなりますが、そのまま引用させていただきますと、まず、保健体育課長は、「国スポ・障スポ大会を控え、優秀な指導者の確保や選手の県外流出防止に関しては、中学校の先生方の協力を得て、機会が均等になるよう取組を進めてきたが、結果として委員の御指摘のような状況もある。しかし、優秀な選手を県内にとどめる、あるいは県外の様々な学校と競争していくことをどのように具体化していくかについては、すぐには方策を示すことは難しい。最終的には、どこの高校に進学するかは子供の選択もある」と答弁されました。  教育長からは、「県立高校の生徒をどこから募集するのか、県外の生徒を滋賀県の税金で教育するのかどうか、この問題は非常に大きな問題だと認識している。一部の県の県立高校において、県外の生徒を募集し、部活動、運動部の強化に取り組んでいる実態は承知しているが、滋賀県の県民の皆さんから預かっている税金を誰の教育に使うのかという点はしっかりと考えていかなければならない」、そして、「多くの生徒が、様々な競技の県外や私立の強豪校に強い思いを持って進学することを止めることは難しい。他府県の学校で子供の能力を伸ばしたいという保護者なりの思いだと認識している。様々な実情がある中で、県教育委員会としてどのように制度を構築するのか、しっかりと考える」との答弁がありました。  県民の税金で賄われる県立高校の生徒募集については、私も長らく高校教員をしておりましたので、教育長の御答弁については全く同感であり、まさにそのとおりであると考えます。しかし、一方で、私の調べでは、特定の県立高校に全国各地から多くの県外生が入学しているという実態があります。  実例を挙げますと、県立A高校は、ある運動種目で全国大会に6度も出場している強豪校ですが、平成22年から平成31年までの10年間に合計67名の県外生徒が入学をしております。また、県立B高校も、A高校とは異なるある運動種目で全国大会に10回も出場を果たしている強豪校ですが、こちらも平成22年度から令和4年度の13年間に、実に143名もの県外生徒が入学をしています。そして、これら入学生のほとんどが全国大会に出場する運動部に入部していることから、これら県外生徒は、両校での部活動に憧れて入学を希望していたことが容易に推察されます。  このような状況を聞くにつけ、その当時、高校で運動部の指導に当たっていた私は、じくじたる思いを感じておりました。しかし、最初にお断りをしておきますが、私は県立高校への県外生徒の入学を否定しているのではありません。本県の県立高校の魅力を広く県外の生徒に発信し、積極的に県外生徒を獲得する学校があってもよいのではと考えている一人です。そのためには、本県の正式な高校入試の制度として、県外生徒の募集を行うべきとの立場を取っております。  教育長は、「県外の生徒を滋賀県の税金で教育するのかどうか、この問題は非常に大きな問題だと認識している」と発言されていますが、教育長の思いと、ただいま紹介いたしました本県の一部の県立高校の実態には大きな乖離があるように感じます。教育長は、この実態についてどのように認識されているのか伺います。  県外から本県の県立高校受検を希望する場合には、特別事情による出願で受検することが認められていますが、私が調査をいたしましたこの2校においては、その多くが特別事情による出願の手続を行っていないことが分かりました。  そこで、まず、この特別事情による出願とはどのような内容なのか。また、特別事情による出願以外の県外からの生徒はどのような手続をしているのか伺います。  県外生徒の本県の県立高校の受検に際しましては、事前に県教育委員会が希望する生徒の保護者を招集し、丁寧な説明と事実確認をした上で、制度上問題がないと判断されたものについて、特別事情による出願を認めるなど、適切に対応したとのことでした。しかし、私の経験では、同一校にこれほど多くの生徒が特別事情による出願を申し出たケースは知りません。また、特別事情による出願の手続を取らない出願についても同じであります。その結果、誰が見ても、このような不自然な状況が続いたものと感じています。このような状況は、教育長の思いと相入れる状況ではないと考えますが、見解を伺います。  それでは、次に、本県の令和3年3月の中学校および義務教育学校卒業者の高校進学状況について伺います。  本県の高校等への進学総数1万3,191名のうち、1,170名が県外の高校へ進学しており、このうち県外の公立高校への進学者は実に59名に上ります。59名もの生徒が県外の公立高校へ進学している現状について見解を伺います。  少子化に伴う生徒数の減少に加え、このように県外高校への進学が増えますと、県内の県立高校の定員充足は大変難しい状況に陥るのではないかと考えます。令和4年度の選抜検査の実施状況と、県立高校の定員充足の状況について伺います。  県内中学、義務教育学校の卒業生は、1990年の2万747人をピークに、2034年度には約1万2,100人になると見込まれています。県立高校の定員未充足の状況が続く場合、子供の減少傾向と相まって、県立高校再編の議論が持ち上がることが考えられますが、見解を伺います。  次に、大きな3番目、県立高校生徒の全国募集に関して伺います。  令和3年度現在、全国36都道府県で公立高校生徒の全国募集が行われており、本県でも平成26年度入試から、県立信楽高校セラミック系およびデザイン系において定員5名の全国募集が行われています。同校の取組は、甲賀市の地場産業である窯業振興と地域振興などの観点から、地域の強い要望を踏まえ実現した制度であり、高校を核とした地域活性化や地方創生を実現することを目的とした事業でもあります。  教育長は、さきの常任委員会答弁で、「甲賀市の協力の下、信楽高校で全国から陶芸に関心のある方にお集まりいただいて学んでもらっているが、このことは滋賀の子供たちにとっても非常によい影響がある取組だと考えている」と述べられています。  そこで、県立信楽高校生徒の全国募集の現状について伺います。  公立高校生徒の全国募集の先駆けとなったのは、島根県隠岐諸島にある島根県立隠岐島前──島の前と書いて島前高校で、2010年、廃校の危機に直面する中で、島留学としてこの取組を開始されました。この背景には、生徒の減少による廃校が地域消滅の引き金になりかねないという地域の強い危機感があったと聞いております。同校の取組は成功例となり、現在、島根県内の県立高校36校のうち19校で行われており、島根県内の高校生数は回復傾向にあるとされています。  また、本年3月21日付の日本教育新聞によりますと、高校の魅力づくりを進めている地域教育魅力化プラットフォームは、三菱UFJリサーチコンサルティングとの合同調査の結果として、県外から入学生を募集している自治体では、15歳から17歳の高校世代の減少が穏やかだったとする調査結果を公表しました。これは、魅力的な高校が立地していることが人口動態に少なからず影響を及ぼすことを示唆する結果だと言えます。  そこで、生徒の全国募集は、単に教育だけの問題ではなく、地方創生や地域の活性化の観点も大きいと考えますが、教育長の所見を伺います。  先日、令和3年度入試から県立高校生徒の全国募集を始められました香川県に赴き、その状況を調査いたしました。同県では、令和2年3月に、魅力あふれる県立高校推進ビジョン──以下、ビジョンと申します──を策定し、その大きな柱として教育環境の整備を掲げ、具体的な事業として、高校、学科の再編整備と、全国からの生徒募集「せとうち留学」制度を打ち出されました。  この「せとうち留学」制度とは、関係人口、交流人口の増加による地域の活性化を図るとともに、また、全国からの生徒募集を意識し、高校の特色化、魅力化を推進すること、そして、生まれも環境も違う他府県の生徒と共に学び、共生しながら新しい価値観を生み出す力を育成することなどを目標とされています。  令和3年入試から実施をされ、現在、県内全ての公立高校、県立29校、市立1校および県立中学校1校で、通学型と転住──住所を変わる形の2つの形態で実施をされています。令和3年度は、県外からの志願者28名に対して、県立高校8校で合計合格者21名、令和4年度は、志願者46名に対して、県立高校14校で合格者36名という状況でしたが、この取組はまだ僅か2年間ですが、確かな手応えがあるとのことでした。  訪問先の高校では、このビジョンを推進するに当たって重要なことは、教育界だけの机上の計画ではなく、地域産業界や地域住民との幅広い連携、そして、全県民の深い理解と協力が不可欠であると断言されたことが大変印象に残りました。  そこで、このように全国的な広がりを見せる公立高校の全国募集に関して、本県では、基本方針を策定する過程において、どのような検討が行われたのか伺います。  この項の最後の質問になります。  昨日、川島議員が一般質問の北部振興に関する質問をされましたが、その中で、越境入学という表現で、県立高校の生徒を広く県外に求めたらどうかと提案されました。そこで私も、魅力ある高校づくりの具体的な例として県立虎姫校区を取り上げてみます。  虎姫高校は、平成31年3月に、西日本の公立高校では初となる国際バカロレア──以下、IB、ワールドスクールの認定を受け、令和2年度から日本語による、16歳から19歳を対象といたしましたディプロマ・プログラムに取り組まれています。  IB教育は、社会のグローバル化や多様化に対応する有効なプログラムであり、海外の大学の入学資格を得られる極めて魅力ある教育ですので、本県でも、持続可能な高校教育として精力的に取り組んでいかなければなりません。そのためには、まずは虎姫高校のバカロレア教育を県内外に広く正しく発信していくことが重要となります。聞くところによりますと、県内の中学生や保護者の皆さんにもまだまだ十分な周知がされていないとのことで、少々心配をしております。  香川県での公立高校生徒の全国募集に関する調査においても、今後の課題の第一に、全国に向けた広報活動強化の必要性を挙げられていました。  次に、虎姫高校の立地条件を有効に活用することも重要な観点と考えます。IB教育の認定を受けておられます広島県広島叡智学園では、これは瀬戸内海の小さな離島で学びの改革のモデルになるとのビジョンを掲げられていますが、全寮制でIB教育に取り組んでおられます。しかし、全国各地から入学生が集まっていると仄聞をしています。  人口減少と全県一区の影響により、湖北地域では高校の定員割れ状況が続く中、近隣の福井県や岐阜県などに国際バカロレア認定校がないことや、新型コロナ以降、特に自然豊かな教育環境での学びを求める傾向が増していることなどを勘案いたしますと、虎姫高校において生徒の全国募集を行うことは、地域振興にも寄与する好事例となり得るのではないかと考えます。  このような観点から、今後、県立高校の魅力化プランを検討する中で、生徒の全国募集を希望する高校も出てくるのではないかと考えますが、教育長の見解を伺います。 ○議長(岩佐弘明) 38番冨波義明議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)滋賀県の魅力ある県立高校づくりについて、私にいただきました11点の御質問に順次お答えをいたします。  まず、1点目の県立高校を取り巻く現状と課題、そして将来を見据えた取組の方向性についてでございますが、県立高校を取り巻く現状と課題といたしましては、県内の中学校および義務教育学校の卒業者数が、平成2年3月卒業の生徒数をピークに減少を続けており、令和16年3月卒業の生徒数は、平成2年と比較いたしますと42%減少することが見込まれており、その対応が必要となると考えております。  また、グローバル化の進展やICTの急速な発展といった社会情勢の変化に加えまして、令和4年度からは高等学校において新学習指導要領が実施され、主体的、対話的で深い学びの実現に向けた授業改善が必要となっております。
     さらに、高等学校におけます特別な教育的支援を受ける必要がある生徒の割合は増加傾向にございまして、学びにくさのある生徒が安全、安心に充実した学校生活を送れるように取り組む必要がございます。  そうした状況の中で、今後は、学校規模の大小にかかわらず、特色ある教育活動を展開することで、生徒たちが主体的かつ意欲的に学んでいける学校づくりを目指してまいります。  また、教育環境や社会変化に対応し、普通科の特色化や職業系専門学科、総合学科の特色化、高度化を進めますとともに、これまで以上に地域と連携、協働した学校づくり、多様な学習ニーズへの対応にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。  次に、2点目の県外生徒の入学実態に対する私の認識についてでございますが、ある特定の競技では全国的な結果を出している学校におきまして、県外の中学生の強い意思により、保護者の理解の下、入学をしているということは聞いております。入学した生徒は、本県の県立高校の入学者選抜制度の正式な手続に基づいて出願をし、入学したものと理解しているところでございます。  3点目の特別事情による出願の内容と、特別事情による出願以外の県外からの生徒の手続についてでございますが、本県の県立高校への出願手続は、滋賀県立学校の管理運営等に関する規則第11条第2項の規定に基づき、保護者等が県内に居住している場合、出願することができるとしているところでございます。ただし、出願日に保護者等が滋賀県内に居住していない場合では、県教育委員会が特別な事情があると認めた場合には、同規則第11条の3の規定に基づき、出願を許可しています。  この特別な事情とは、保護者等の転勤や住居の購入等により、入学年の4月30日までに滋賀県内に居住することが明確である場合や、隣接府県から志願する者が、地形、交通等により、その府県内の高等学校に進学することが非常に困難な場合などでございます。  特別事情による出願の申請におきましては、説明会への参加を原則としており、保護者等が県教育委員会に持参していただいた申請書類により事実確認を行った上で出願の許可をしているところでございます。  特別事情による出願以外で県外から出願される場合につきましては、出願書類から個々の状況を把握することはできませんが、保護者等が出願日までに滋賀県内に居住することとなった場合や、滋賀県内に居住しておられる親族の方が未成年後見人である場合などが考えられるところでございます。このような場合は、特別事情による出願の手続を行う必要はなく、通常の出願手続によることとなります。  4点目の本県のこのような実態に対する私の見解ということでございますが、県教育委員会事務局では、特別事情による出願をはじめ、入学者選抜に関する事務手続などにおきまして、事前に説明会を行い、丁寧に対応をしているところでございます。このことから、県外からの受検に関しましても、本県の入学者選抜制度を本人また保護者が正しく理解をいただき、正式な手続の下、本県に居住する覚悟を持って受検していただいたものと理解をしているところでございます。  5点目の県外の公立高校に進学をしている現状についてでございますが、県外の公立高校へ進学している例といたしまして、主に、海洋──海の海洋でございます──海洋や水産、芸術などの本県の県立高校にはない学科や学びを希望して進学をされたり、保護者の都合によりまして県外へ転居されたケースがあると認識をいたしております。  進路の選択に当たりましては、中学3年生が自らの生き方を考え、目的意識を持って主体的に自己の進路を選択、決定することが大切であると考えており、主体的に選択してもらえるよう、本県において魅力と活力ある高校づくりを進めてまいる所存でございます。  6点目の令和4年度の県立高校の入試状況と定員の充足状況についてでございますが、推薦選抜につきましては、全日制32校、定時制1校において実施をいたしまして、受検倍率は1.05倍でございまして、募集定員を下回った学校は20校26科でございました。  特色選抜は、全日制15校において実施をいたしまして、受検倍率は3.35倍となり、募集定員を下回った学校はございません。  一般選抜の受検倍率は1.08倍でありました。一般選抜の募集定員を下回った学校は全日制21校24科、定時制5校6科となり、この学校においては2次選抜を実施いたしました。この2次選抜の受検倍率は0.20倍となり、令和4年度の募集定員に満たなかった学校は、全日制20校22科、定時制5校6科でございました。  7点目の高校再編の議論についてでございますが、規模が大きい学校、また小さい学校、それぞれにメリット、デメリットがございまして、例えば学校規模が大きい学校につきましては、学校活力の原動力となり、また、規模が小さいことは、地域との連携など学校の特色を生かしたきめ細かな取組がしやすいなど、それぞれに特徴がございます。  規模の大小にかかわらず、特色ある教育活動を展開することで、生徒たちが主体的かつ意欲的に学んでいけることが重要であると認識をいたしております。  今後、地域ごとの県立高校の魅力化を検討する中で、学校の統合等が議論されることもあると思いますが、再編、統合ありきで県立高校の在り方を考えるものではないと考えております。地域の実情に応じまして、どのように県立高校の魅力化を進めていくのか、地元の市町等の御意見も丁寧にお伺いしながら進めてまいります。  8点目の県立信楽高校の全国募集の現状でございますが、平成26年度入学者選抜から、全国募集として5名まで県外生徒の入学を認めております。実施初年度は5名の出願がございました。その後、4名、2名と少なくなってまいりましたが、近年は、令和2年度に5名、令和3年度に5名、そして令和4年度は8名の生徒の出願がございました。  信楽地域ならではの伝統産業であるセラミックやデザインに強い興味、関心があり、将来に対する目的意識が明確な生徒が他府県から受検をしていただいており、入学した生徒は、意欲的に信楽焼に関する学習に取り組んでいただいていると聞いております。  他県の生徒と共に学ぶことにより、本県の生徒が多くの刺激を受け、学ぶ意欲の向上が図れたり、多様な他者と協働、共生しながら、新しい価値を生み出す力の育成につながっているものと考えているところでございます。  9点目の全国募集と地域の活性化についてでございますが、高等学校は、多様な生徒の生きる力を様々な教育活動により育む場であり、地域の活性化や世代間交流に寄与する機能を有するなど、多面的な機能を持つ場であると認識をいたしております。  本県において実施しております信楽高校の全国募集では、甲賀市や窯業などの産業界などから、学校生活のサポートなど地域を挙げて御協力をいただいているところであり、大変感謝しているところでございます。地域ぐるみで、産地の将来を担う人材育成や産地振興にもつながる取組となっているところでございます。  10点目の基本方針策定過程での全国募集の検討状況についてでございますが、滋賀県立高等学校在り方検討委員会では、将来の社会の姿や、生徒や保護者等が持つ県立高校への希望や期待を踏まえまして、これからの県立高校の目指す姿を整理し、その実現に向けてどのような取組が必要かを中心に議論いただいたところでございます。  生徒募集の在り方につきましては、県立高校と県内の私立高校との関係の視点から議論が行われましたが、信楽高校以外に全国募集を拡大することについては、議論はされていないところでございます。  11点目の、魅力化プランの検討の中で全国募集を希望する高校についてでございますが、今後、全県的視野から魅力化の方向性を示す魅力化プランを作成していくこととなり、その際には、各高校としっかりと意見交換を行いますとともに、地域においても協議会の場などで御意見を聞いていきたいと考えております。  信楽高校以外の県立高校におきまして全国募集枠を設定するかどうかにつきましては、県立高校の希望だけでできるものではございませんで、地域の教育資源を活用した滋賀ならではの特徴ある学び、そして、地元自治体や地域住民の皆様による県外生徒への支援や幅広い連携などが不可欠であると考えております。今後、県立高校の魅力化づくりを進める中で、各県立高校や地域の意見などを踏まえて考えてまいる所存でございます。 ◆38番(冨波義明議員) (登壇)すいません。ありがとうございました。お答えにくい部分もあったと思いますが、御答弁ありがとうございました。  それでは、確認の意味を含めまして、幾つか再質問をさせていただきます。  まず、問2で尋ねました県外生徒の本県の県立高校への入学実態についての御答弁をいただきました。これについては、私も答弁協議で担当のほうからも随分長いこと、いろんな角度から協議をさせていただきました。この県立高校の2例を紹介いたしましたものの、数は少ないものの、この2校ではなく、ほかでも1名、2名、そういうようなことで有力選手が入っているというケースも見られました。  しかし、見方を変えますと、これらの高校は、運動部のすばらしい活躍によって全国各地から入学を希望する生徒が集まったという点では、まさにこれこそ魅力ある高校づくりだったというふうに考えてもいます。  私は、当時はこのような状況に、一部の学校がやっておられることについては、非常に悔しい思いをしながらも、一方では、滋賀県にも全国的なスポーツの強豪校が現れてきた、いいなと思っていました。それだけに、こういうような状況の中で、これはスポーツだけに限らないんですけども、県立高校でも広く県外に入学の門戸を開くという、そういうふうな議論がこの辺りから始まっていたらよかったな、大変残念に思っています。  この手続については、特別な事情がある場合、つまり親御さんの転居ですとか、あるいは県境の子ですとかいろんな事情で、それを申請して入学する場合と、それによらない場合、実はそれによらない場合のほうが多い。それによらない場合の県外制度は何かといいますと、今もおっしゃっていただいたように、既に先に住所を変えている子ということになるんですよね。それのほうが多いと。でも、これがそんなに多いと、やっぱり誰が見ても、ちょっとそれは自然じゃないな、不自然だなというふうなことを感じたので、私は、制度をどういうふうに運用したかというんじゃなしに、教育長さんとして、この状態は本当に、第三者的に見てどうなんだろうかという御感想をいただきたかったんですが、いただけなかったので、こういうふうな実態があって悔しい思いをしていた、平等感に欠けるなと思う県立高校のスポーツに従事してる先生が多かったということだけは指摘をしておきたいというふうに思います。すいません、そこはもう質問にはさせていただきません。いろんなことがございますので、ここまでにしておきます。  続いて、問5の、本県の生徒が県外の公立高校へ進学している状況についての御答弁に対して再質問させていただきます。  先日の代表質問でも、本県の少年スポーツの選手、この強化対策の現状について取り上げられました。昨年度に中学校を卒業した強化指定選手289名のうち、35名が県外高校へ進学して活躍しているとのことでした。実に12%もの生徒が県外に流出と言ったら叱られます、進学していることになり、改めまして本県のスポーツ振興政策、どうなんだろう、大丈夫なんだろうかという懸念を覚えたところです。  教育長は、さきの常任委員会での答弁で、「多くの生徒が様々な競技の県外や私立の強豪校に強い思いを持って進学することを止めることは難しい。他府県の学校で子供の能力を伸ばしたいという保護者なりの思いがあると認識している」との見解を示されましたが、滋賀県のこのような現状に鑑みて、やはり早急に本県生徒の県外への進学をできるだけ防ぐ方策を講じる必要があると考えます。  そこで、生徒の県外進学を防ぐ方策としてどのような対策を検討されているのか、改めて伺います。  3つ目です。問の10なんですけども、問の10で、そのような議論がなかった、すいませんというお答えがありましたんですけども、逆に、せなあかんかったんじゃないかなというふうに思っております。  それに対して、この在り方検討委員会等の会合で、全国的に広がりを見せる公立高校の全国募集に関して、本県では基本方針をする過程においてどのような検討が行われたかということについて、そのような議論はなかったということでしたので、やっぱりしていかないかんというふうに思うんです。これ、やっぱりぜひとも教育長が主導していただいて、取り上げていくように。すぐ、取り上げたからしろというんではなしに、今後何年か先にするためにも、もう既にこれは検討せないかん時期を超えていると思うんです。ですから、これについて再質問をさせていただきます。  そして最後ですけども、問11で、生徒の全国募集を希望する県立高校への対応に対する御答弁に関連して伺います。  特色ある高校づくり、魅力ある高校づくりについては、特に普通科高校での取組が期待されており、私も、生徒や保護者もちろん、県下の産業界や各学校の同窓生の皆さんなどから、たくさんの意見を頂戴しております。  例えばある方からは、医学系大学へ進む、そういう私学が、もちろん滋賀県にもないし、近隣にもないんだと。そのためには、医学系へ進む、そういう進学を希望する生徒や、あるいは教員不足が言われておりますが、教員養成系の大学への進学を希望する者に対する、そういう学びに特化した高校、また、琵琶湖に関する環境教育や、琵琶湖や比良山、比叡山などに特化した観光教育、そして知事が提唱されている例えば林業など、時代のニーズに呼応した特色と魅力にあふれた大胆な高校づくりを、この際、この機を捉まえてやったらどうかという御提案をいただいております。  もちろん、今回、県外からの入学生が多い高校として挙げさせていただきました2校のように、スポーツに特化した魅力ある学校づくりに取り組む学校もあることかと思います。少子化による生徒減少や、多様化が尊重される時代において、全国からの生徒募集を意識し、これを意識することによって高校の特色化、魅力化を推進することは、生まれも価値観も違う他府県の生徒と共に学び共生しながら、新しい価値観を生み出す力を育成することにほかなりません。他府県の例を見ましても、そういうことで非常に意欲的に他府県では取り組んでおいでになります。  当然のことですが、募集する県外生徒の人数枠、ありますね。これは、たくさんやりますと、やっぱり県立高校という制約がありますので、例えば5名なら5名、設置した場合にも、その学校の定員の枠の中に入れるのか、外に出すのかという問題ですとか、あるいは一気に全県、全高校でじゃなしに、希望する学校はどうなんだ、希望する学校についてはやったらどうなのかなどなど、今後検討していかなければならない様々な課題もありますが、まずは県内外の生徒から進学したいと思ってもらえる特色と魅力のある県立学校づくりをするために、そのための強力な制度設計の一つとして、県立高校の全国募集を私は今回、質問をさせていただきました。  そこで、特色と魅力のある県立高校づくりには生徒の全国募集が必要でないかと考えますが、この制度への対応について、再度、教育長に伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  まず、本県の生徒の県外への進学を防ぐために、県としてどのように取り組むかということでございますが、特色ある教育活動を展開し、生徒が主体的かつ意欲的に学んでいける、より魅力的な、そして中学生に選ばれる高校をつくっていくこと、これが一番大切だと考えております。  また、県内には県立高校と県内の私立の高校がございます。この県立高校と私立の高校は、本県の高校教育の充実と発展を共に担っている存在だと認識をいたしております。公私ともに魅力ある高校づくりを進めていければと考えているところでございます。  今後、私学、私立学校の皆様とも話合いを行い、滋賀の県立高校につきまして、県立高校と私立高校が建設的に議論を行う場を持ち、共に生徒に選ばれる高校づくりを努めていく必要があると認識をしているところでございます。  そして、2つ目にいただきました、全国規模の議論が在り方検討委員会の中でされなかった点につきましては、まずは県内の高校の在り方をどうしたらいいのか、県内の高校をどのように魅力化していったらいいのかということを中心に御議論をいただいたところでございます。その中には規模の大小もございます。そして、生徒が減っていく中で、それぞれの地域で高校をどのようにしていくのかという点を中心に御議論をいただきました。  確かに、全国募集が実施されていることは承知をしておりますが、その点につきましては、今後、魅力化を進めていく中で、併せまして高等学校の入学者選抜、入試の在り方を検討する中で、様々な方の御意見をお伺いしながら検討を進めていく課題であると認識をしているところでございます。  そして、この全国募集に関しましては、先ほども少しお答えをいたしましたが、一つには、滋賀でやるのでありますれば、やはり地域の教育資源を活用した滋賀ならではの特徴ある学びをそこに展開していきたい。そして、もう1つは、地元の自治体の皆様、また、地域の住民の皆様による県外の生徒への支援や幅広い連携が取れるのかどうか、こういった点をしっかりと見定めながら考えていく必要があると認識をいたしております。  今後、県立高校の魅力化を進める中で、各県立高校の意見を聞いてまいります。また、地域の皆様の御意見も聞いてまいります。そういった中で出てまいりました意見をしっかりと踏まえながら、県教育委員会として考えてまいる所存でございます。 ◆38番(冨波義明議員) (登壇)ありがとうございます。  昨日の一般質問の、子供のためのということで教育改革について、なりふり構わずやったらどうかということについて、頑張ってやりますというお答えが知事のほうからもあったように私は昨日聞きました。なりふり構わずにということは、既存の小手先のと言ったら失礼ですけども、今までのような改革ではなしに、もっと大胆な改革をやっていこう、ちょうどこれがよいタイミングだというふうに考えて今回質問をさせていただいております。  スポーツの話ばっかりになって申し訳ないんですけども、高校野球の超名門校、大阪の私学ですけども、そこの大エースは滋賀県湖北地方の地域の子供たちでもございます。また、この春、選抜にもやっぱり出た学校ですけど、和歌山の県立学校の生徒も滋賀県の私のほん近くの家の子でした。県立高校へやっぱり進んでいるんですね。今2つ挙げました、その他のスポーツでも滋賀県の選手の活躍というのは本当に目をみはるところがあります。  また、滋賀県の様々な分野については、魅力のあることがたくさんあります。滋賀県琵琶湖でボートをこぎたい、ヨットに乗りたい、憧れている生徒も私は話を聞いております。こういうところで勉強したいんだという生徒もたくさん、滋賀県の学校で勉強したいという生徒も多分、掘り返してみれば、たくさんいるんじゃないかなというふうに思います。  今回の私の質問は、本年度以降に県立高校の魅力化プランを作成し、令和5年以降に順次実施するとされている、このような重要な時期でもあることを踏まえて、お伺いをいたしました。そのために、本県の県立高校への県外生徒の入学の進学の状況、本県生徒の県外の公立高校への進学状況、そして全国的な公立高校生徒の全国募集の現状、この3つを紹介させていただきました。さらに、少子化による生徒減少、地域活性化、地方創生の観点から、特色ある高校づくり、魅力ある高校づくりに取り組む全国各地の実例もお示しをさせていただいたところです。  これらを踏まえ、本県でも特色ある高校づくり、魅力ある高校づくりを推進するためにも、県立高校生徒の全国募集について早急な対策が必要でないかと、今の答弁をお聞きしましても感じました。まずは本県の生徒たちや保護者の声、高校現場の要望をしっかりと聞き取り、適切で的確な対応をしていただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、38番冨波義明議員の質問を終了いたします。  次に、3番井狩辰也議員の発言を許します。 ◆3番(井狩辰也議員) (登壇、拍手)それでは、私のほうから世界農業遺産の活用につきまして、全て知事に質問いたします。  去る令和4年7月18日、国連食糧農業機関──FAOにより、琵琶湖と共生する滋賀の農林水産業、森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システムが世界農業遺産に認定されました。これは、平成28年に世界農業遺産の認定申請へ向けての検討が始まり、シンポジウムや先進地視察、モニターツアー、日本農業遺産への認定、そしてコロナによる国連食糧農業機関──FAOの現地調査の延期など、様々な状況を乗り越えて約6年の取組が実を結び、先人から受け継いだ琵琶湖システムが評価され、世界農業遺産の認定を受けることができました。  このことは誠に喜ばしいことであり、三日月知事をはじめ、生産者をはじめとする関係者の方々や応援していただいた県民の皆様のこれまでの取組や御協力に対して心から感謝申し上げるとともに、敬意を表したいと思います。  しかし、認定を受けたときの知事の会見にもございましたが、認定を受けたことがゴールではなく、ここからが本番になりますとおっしゃっておられました。私も同感でございます。  平成28年9月24日に世界農業遺産認定を目指してのキックオフシンポジウムが開催されています。この中で国際連合大学の永田明さんが、世界農業遺産を目指す意義について講演をされています。その講演の中で、世界農業遺産の認定後の活用について、これまでやってきたことを、認定を契機に加速させ、充実強化していくことが必要です。さらに全国的な視点、国際的な視点も取り入れ展開することが必要です。認定を受けますと、様々な地域から視察を受け入れることになります。外国からもあります。自分たちが日本や世界のモデルとなって取組を進めていく必要がありますと講演をされておられます。  冒頭でも申し上げましたが、この認定はゴールではなく、これからが本番でございます。世界農業遺産の認定を契機に、これまでの施策が国内外で今まで以上に推進され、成果を挙げていくことを期待するところでございます。  先日の我が会派の代表質問において、今後の世界農業遺産の認定の活用について知事に答弁いただいているところでございますけれど、さらに具体的に伺いたいと思います。  改めて、7月18日に滋賀県の琵琶湖システムが世界農業遺産に認定されました。スタートダッシュとして、認定を受けた直後のこの時期は、とても大切な時期だと考えます。世界遺産に認定されたこの時期だからこそ、滋賀県の琵琶湖システムが認定を受けたことを国内外に大きく発信し、アピールを行い、認定を受けた喜びやお祝いのムードを盛り上げていくことが必要です。それが今現在の環境こだわり米やオーガニック米、ゆりかご米、または琵琶湖の湖魚等、琵琶湖システムに関係する農産物、水産物の販売につながっていく、また、つながっていくべきものと考えます。  さらには、滋賀県の琵琶湖システムが世界農業遺産の認定を発信してアピールすることで、県民や国民の琵琶湖に対する意識を高め、琵琶湖の環境保全、滋賀県への観光誘客にもつながるものと期待をします。  しかし、県庁において世界農業遺産の認定の報告会をされましたけれど、それ以降の発信や宣伝が見受けられない状況であります。世界農業遺産の認定を受けた直後の今の時期だからこそできることがあると思います。  そこで、世界農業遺産の認定を受けた直後のこの時期の県産品ブランドの向上や新たな観光誘客などへ期待が高まると同時に、県の第1次産業が抱える課題解決に向けた施策展開の具体案が待たれるところですが、具体的な活用について伺います。  次に、これまで、世界農業遺産の認定に向けて滋賀県・琵琶湖と共生する滋賀の農林水産業推進協議会が活動を行ってきました。この協議会には、市内19市町、滋賀県農業協同組合中央会や滋賀県漁業協同組合連合会など県内の様々な団体が加入しています。今後、世界農業遺産の認定を活用していくに当たり、この協議会の役割について伺います。  次に、県庁内において、世界農業遺産の認定を目指して、農政水産部農政課の世界農業遺産推進係が中心となって進めてきていただきました。一方で、琵琶湖システムに関わる分野は多岐にわたります。環境こだわり農業であれば、みどりの食料戦略室、湖魚の推進であれば食のブランド推進室が担当となります。また、琵琶湖漁業に関しては水産課になります。  琵琶湖システムには様々な要素や取組が組み合わされており、多くの部署が関わっております。一言に今後の世界農業遺産の認定の活用といっても、様々な分野にわたり、世界農業遺産推進係だけでは取組の濃淡、組織内の温度差が生じてくる可能性もあります。関係部署との県庁内での連携、また、どこがイニシアチブを執り、今後の活用の方向性の共有などが必要になります。今後、世界農業遺産を活用していくための県庁内での体制についてどのように考えておられるのか、知事に伺います。  次に、農業者、漁業者等の現場の方々の視点から申し上げると、世界農業遺産の認定がどのようなメリットがあるのか、また、メリットを享受できる具体的なプロセスが分からないのではないかと思います。農業者、漁業者などの現場の方々のモチベーションが上がる、現場で汗をかいた方々が評価され、報われるような認定でなければ、世界農業遺産の認定を受けただけでは何の意味もないものになってしまいます。そのためには世界農業遺産の認定が本県農業施策へ結びついていく必要があります。世界農業遺産の認定を受けて、現場の方々が報われる農林水産業のための今後の具体的な活用、施策展開について伺います。  最後に、世界農業遺産の認定が今後の本県の農林水産業のさらなる発展、飛躍に結びつくことを大いに期待するとこであります。最後に、世界農業遺産の認定を受けての本県の農林水産業のさらなる発展に対する知事の決意を伺います。 ○議長(岩佐弘明) 3番井狩辰也議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)世界農業遺産の活用について5点御質問をいただきました。順次お答えいたします。  まず1点目、認定直後の具体的な活用についてでございます。  今回の認定を機会に、世界に認められる誇るべき価値を広く県内外の方々に認知していただくことが大切だと考えます。  そのため、1つ目は、「ここ滋賀」での琵琶湖システムのパネル展示や店頭でのポップの掲出、2つ目といたしまして、SNSを利用した積極的な情報発信、3つ目として、大津合同庁舎での横断幕の設置や関係各所でのポスターの掲出、4つ目といたしまして、インスタグラムを利用した認知度向上のキャンペーンの実施、5つ目といたしまして、関係団体への啓発資料の配布、6つ目として、イナズマ・ロック・フェスなどの集客が見込まれるイベントでのブースの出店などを進めるなど、県内外への情報発信に努めているところでございます。  さらに、今後は、認定記念シンポジウムの開催、県内商業施設や県立施設でのギャラリー展の実施、琵琶湖システムに関連する農水産物の販売促進キャンペーンの実施、世界農業遺産認定記念米の打ち出し、首都圏および京阪神メニューフェアでの発信といった取組を、世界農業遺産の認定というニュースバリューを生かして、収穫の秋までに集中的に実施してまいりたいと考えております。  2点目、協議会の役割についてでございますが、協議会は、知事である私を会長といたしまして、県、市町をはじめ、県民、民間団体、企業、大学、研究機関等の132団体と個人により構成されております。  これまで、認定に向け、広く県民運動として盛り上げるための取組や情報発信などの役割を担っており、今後は、農林水産物の高付加価値化と生産振興やブランド化、また、地域資源を活用した観光産業の推進、3つ目として、企業との連携などによる地域経済の活性化、4つ目として、農業、水産業の持続可能性を高める自然環境の保全の4つの方向で具体的な取組を展開してまいります。  これらの取組に際しましては、市町、県農業協同組合中央会、県漁業協同組合連合会等の関係団体の自主的な取組も促しながら、多様な主体との連携の下に、力強い農林水産業づくりや活力ある地域づくりを進めてまいりたいと考えております。  3点目、県庁内での体制についてです。これまでは、世界農業遺産の認定に向けて農政水産部を中心とするワーキングチームを設置して、申請書の作成や現地調査などに対応してまいりました。  おかげさまで認定後は、観光産業の振興、関係人口の創出拡大、次世代の育成に向けた取組などを幅広く進めていくため、このチームを農政水産部の次長をトップに、庁内関係課長で構成する会議として推進体制を強化したところであり、スピード感を持って世界農業遺産の具体的な活用策を取りまとめ、展開してまいりたいと存じます。  4点目、今後の具体的な活用、施策についてでございますが、先ほど申し上げた4つの方向で具体的な取組といたしまして、例えば、魚のゆりかご水田米や環境こだわり米の有利販売のさらなる拡大、ビワマス、ニゴロブナ、アユ、セタシジミなどの琵琶湖ならではの魚介類の流通、消費のさらなる拡大、シガリズムやビワイチとの連携による農業、農村体験の提供、世界農業遺産ツアー商品の造成、デジタル地域コミュニティ通貨を活用した農山村地域の関係人口の拡大、包括的連携協定締結企業等との協働による自然環境保全活動の実施などが展開できるよう検討を進めてまいりたいと存じます。  こういった取組を通じまして、農政水産業に携わる人々の誇りと意欲が高まり、世界農業遺産の認定に御尽力いただいた方々にとって、これまでの御苦労が報われたと実感していただけるように努めてまいりたいと存じます。  最後、5点目、農林水産業のさらなる発展に向けてということでございますが、今回の世界農業遺産の認定は、私たちが先人から引き継いできた琵琶湖システムが世界的に重要な価値を持つものとして評価を受けたと認識しております。  さらに、今回の認定は、農林水産業に携わる方だけでなく、全ての県民の方々が本県の農林水産業の持つかけがえのない価値に気づき、誇りを持つきっかけにつながるものと確信しております。  今後は、世界に認められた琵琶湖と共生する滋賀の農林水産業を滋賀ならではの地域ブランド、また、夢のある産業として、担い手の育成につなげ、県民の財産としてしっかりと未来へ引き継ぐ決意を新たにしているところでございます。 ◆3番(井狩辰也議員) (登壇)全ての県民の方が誇りを持てる、そういった琵琶湖システムだと思いますけれど、やはり、まずは現場の方の所得につながる、本当に生活につながるような形で、目に見える形でつながっていくことが何よりも大切だと思います。  今回、受賞を受けまして、いろんな方に話を聞いていますと、やはり自信と誇りというのは、今までやってきたことに対する誇りにはつながっていると思いますし、あと、希望ですね。やはり受けたことで、どういったことが展開されるのか、どういったことに自分たちにメリットがあるのか、そういった希望もお持ちだと思いますので、農林水産省のホームページを見ていますと、10年前とかに認定を受けたところとか、農業遺産認定を受けられたところとかあるんですけれど、その後の取組も見てみますと、本当に実際活用されて成功事例もある一方、活用が難しい地域も、十分に活用されておられない地域も見受けられます。  本当に認定を受けたこれを契機として、10年後、滋賀県の農業が発展していることを期待いたしますし、この世界農業遺産を受けたことが、10年後に本当に過去の遺産にならないようにお願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、3番井狩辰也議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午前11時50分 休憩    ────────────────   午後1時 開議
    ○副議長(清水鉄次) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、26番加藤誠一議員の発言を許します。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇、拍手)楽しい昼食を済まされたと思います。我が会派も今日はお弁当でして、雑穀米といいますか、黒米が入ったお弁当を頂きまして、大変おいしかったです。実はパッケージがあまりインパクトなく、何が入っているか分からなかったお弁当を見まして、世界農業遺産記念弁当でもよかったんではないかと思いながら頂きました。  午前中の井狩議員の最後の、これは質問ではなかったんですけれども、農業遺産、喜ばしいことですが、やっぱり農業者の所得、これは間接、直接的にも所得に結びつくということが大事じゃないかなと思いながら、今回は農業の緊急的な諸問題の対応について質問をさせていただきたいと思います。  多くの水田では、もう稲穂が出てまいりました。月末には刈取りを迎えます。一方、現在、注意報が出されておりますカメムシなどの害虫の駆除も進んでおります。大中ではスイカあるいはトウモロコシといった産直販売所が車でにぎわっております。また、ブランドの近江の牛も、暑い中ではございますけれども、すくすくと育っています。  こうした滋賀県農業の現状、見た目には何事もないように見えるわけでありますが、実は資材等の価格高騰で大変な状況になっているということでございます。これは滋賀県だけではございません。このままでは廃業せざるを得ない、こういうような声までが聞こえてきそうであります。  知事も選挙期間中に農業者の声を聞かれたと思います。代表質問でも、食料安全保障についての質問もございました。十分御承知おきをいただいているというように思いますけれども、農業者は、だから何を、どのような対策を講じていただけるのかなと、こんなことを、早急なその答えを待たれているというように思います。  7月13日の日本農業新聞の1面であります。「農業の電気代も高止まり、節電で対処もう限界」という見出しで報じられました。いわゆる農事用電力、とりわけかんがい排水用の水利施設の稼働に影響があるということで、全国有数の規模で揚水ポンプを使う滋賀県の現状を伝えたものであります。当然、土地改良区では節電に努めておられますけれども、この時点でも電気代が前年比3割増しということで、既に節電で対応できる次元ではなく、賦課金の値上げも示唆するような状況にあるというものでありました。  この高騰する電気代につきましては、この支援につきましては、5月の県議会臨時会で補正予算を組んでいただきまして、関係団体も感謝をされていると思いますが、ただ、現実がどうなのかも含めまして、以下、緊急的な諸問題に関しまして、一問一答で全て知事にお伺いをしてまいりたいと思います。  初めに、確認でございますが、本県の土地改良団体等が所管するかんがい排水施設における電気料金値上げは、今現在、土地改良区や農業者の経営にどれだけの影響となって表れているのでしょうか、お伺いをいたします。 ○副議長(清水鉄次) 26番加藤誠一議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  農地の約4割が琵琶湖からの揚水に依存する本県にとりましては、電力料金の高騰は大きな課題だと認識しております。  電力料金のうち燃料調整単価は、例えば、補正予算を編成いたしました本年5月分の高圧3.13円が8月分4.69円となり、約5割値上がりをしているということだそうです。  このため、土地改良区は、かんがい排水施設の漏水対策や省エネ機器の導入、再生可能エネルギーの活用、隔日送水による節水対策に懸命に取り組まれておられますが、これらの努力を超える深刻な状況だと伺っているところです。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)ただいま50%アップの話がございました。この5月の補正予算のときですが、そのときに検討されたときの影響の見込みということに対しまして、今伺いました現時点における影響というのは、そごはなかったのか、さらに、今後の影響をどのように予測されているのか、お伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) かんがい排水施設の電力料金は、例年に比べ降水量が少ないため、農業用水の供給に要する電力使用量が増加傾向にあり、影響が深刻化していると聞いております。  特に、規模が大きな施設については、当初予定していた電力料金を大きく上回ることが見込まれたため、私自身も、基幹水利施設管理事業などに係る追加支援を国に要望してきたところであります。  一方、農業者や乾燥調製施設への燃油等高騰に対する支援でありますが、燃油や電力料金の単価は今のところほぼ5月に想定したとおりの単価で推移しており、一定の効果があるものと考えております。  何をもってそごというかというのは、それぞれの御判断があるのかもしれませんが、県としても引き続き国に必要な支援を要望いたしますとともに、どのような対応が必要なのか、できるのか、検討してまいりたいと存じます。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)この件に関しましては、今後の状況につきまして注視をしていきたいというふうに思います。  次に、7月21日の日本農業新聞、畜産業の関係でございますが、配合飼料の価格高騰における生産者への補填について、2022年4月から6月期においても「制度を発動へ」という報道がございました。産地の不作や需要の増、あるいはロシアのウクライナ侵攻、あるいは円安等々で受けた飼料原料の高騰が続いております。  そこで、この配合飼料高騰は現状、本県畜産業へはどのような影響が確認されているのか、この先の見込みも併せてお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 畜産物の経営コストに占める飼料費の割合は、国の統計では約3割から6割を占めており、配合飼料価格の高騰は畜産経営に大きく影響するものと思料されます。  今回、配合飼料価格の高騰を受け、令和2年度第4四半期から配合飼料価格安定制度による補填の発動が続いている状況でございます。  今年4月の配合飼料価格は、対前年同月比15.8ポイント増のトン当たり8万8,569円でございまして、依然として世界情勢等の先行きは不透明でありますことから、価格の高止まりが懸念されているところでございます。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)価格の高止まりということでございましたけれども、この配合飼料対策、これにつきましても5月に補正予算を組んでいただきました。この対策だけで価格高騰に対して十分なのかなと。この高騰が続けばどうなるんだろうかと。近江牛ブランド、これを守れるのかなという心配という意味でですが、こうしたことをどのようにお考えなのか、お伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 今もお答えいたしましたように、今後も配合飼料価格の高止まりが懸念されますことから、5月定例会議で可決いただいた畜産農家の皆様への12月までの支援の予算超過も危惧されるところであります。  本県が誇る近江牛ブランドをはじめとした畜産業を守るためにも、引き続き動向を注視し、国の動きも踏まえながら、さらなる県としての、どのような支援策が必要なのか、有効なのか検討していきたいと存じます。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)今後も注視をしていきたいというふうに思いますけれども、今、子牛の価格というのは、どうもちょっと下がっているようでございます。子牛の価格は。ただ、枝肉のほうも下がっているということでございまして、その中での飼料価格が高騰したということも、ちょっと若干変わりましたので、そういうことで今、私は心配しているということで質問をさせていただきました。  そして、知事選が終わりました7月の14日でございますが、知事は国に対しまして、価格高騰に関連する要望活動をいただいたということを聞いております。  そこで、様々な価格高騰が続く中で、農業関連としまして国には特に何を要望いただいたのか、改めてお伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 肥料および粗飼料の高騰に対し、短期および中長期の両面から早急に支援を強化するよう要望したところでございます。肥料につきましては次の3点を要望いたしました。  1つは、即効性があり、十分かつ簡素な支援策、2つ目は、今後の高騰にも対応する肥料版セーフティネットの創設、3つ目は、化学肥料に依存しない施肥体系への転換に必要な機械整備などに対する大胆な支援策について、粗飼料につきましては、安定的な自給飼料の確保に向け、水田における飼料作物の増産に向けた支援の充実を要望したところでございます。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございます。  まさに肥料の高騰につきましての要望につきましては時宜を得た要望活動ということで、大変期待をいたしております。  今回、この肥料高騰の要望をいただいたわけでございますが、ならば、本県農業、農業者の経営への影響をどのように見ておられるのか、また推測をされているのか、お伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  肥料は、農産物の収量や品質を維持するため、容易に減量、減らすことができないことに加え、コストの増加分を販売価格に転嫁することが困難な農業者にとりましては、肥料の高騰は直接利益を減らすことにつながるものであり、経営への影響は極めて大きいものと認識しております。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)だからだと思うんですけれども、ただいまの、先ほど御説明いただきました要望の中に、即効性のある十分な簡素な支援策の早急な実施ということでございましたけれども、即効性のある対策というのは具体的に何を求めて要望されたのか、お伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 答えます。  肥料コストの増加に対する国の助成事業において、コスト増加分の補填を7割補填ではなく、満額とするなど十分な支援制度にするとともに、農業者への助成金交付を迅速に行うよう求めたものでございます。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございます。  そうした農業者にとっても心強い要望になっているのではないかと私も思います。  もう1点、飼料について、5月は配合飼料の補正でございましたけれども、今回の粗飼料の安定確保を図るという支援でございますけれども、今回の要望をされた背景、滋賀県畜産業への懸念される影響、こういったものをどのように捉えられての粗飼料の要望だったのかということをお伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 国の統計では、今年4月の乾牧草──乾いた牧草の輸入価格はトン当たり5万4,202円と対前年同月比約34.6ポイント増とのことであり、酪農および肉用牛経営に大きな影響を与えているということだそうです。  粗飼料価格高騰による経営への影響を緩和するため、自給飼料の県内での安定確保に向けた耕畜連携等の取組が重要だと考えているところです。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)よく分かりました。ありがとうございます。  粗飼料に関しましては、後ほどもまた質問させていただきたいと思うんですが、ここで、この要望に関連して、環境こだわり農業について少し触れておきたいと思います。  滋賀県環境こだわり農業推進条例の第2条の定義は、環境こだわり農業とは、「化学合成農薬および化学肥料の使用量が慣行的使用量を相当程度下回って行われる農業であって」というふうにあります。高騰する肥料も環境との調和に配慮した措置の一つであります。  まず、農業者の方の理解、大変高い滋賀県でございまして、環境保全型農業の取組面積、これは耕地面積に占める割合というのは、滋賀県は飛び抜けて高い取組をしていただいております。  それでは、高いんですけれども、その環境こだわり農産物は、どれほど有利な販売価格となっているのかということでございますが、中でも水稲はどうなんでしょうか、お伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 生協ですとか大手量販店などとの契約栽培や直売により、環境こだわり米として有利販売をされている事例もございます。  一方で、多くの消費者が価格を優先して購入される傾向もありますことから、価格差をつけずに販売されている事例も多いということも承知しているところです。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございます。  そうなんですね。一部やはり価値ということで売っておられる方もありますけれども、なかなか価格が飛び抜けて高く売れているということではないというのが現状だと思います。そこに肥料高騰は、農業経営そのものに大きな影響がございます。  しかし、先ほど知事もおっしゃりましたように、このコストを農産物の販売価格にそう簡単に転嫁できないというのが現状でございます。加えて、米価も、いろいろな調整をしておりますけども、下降ぎみであります。これは何を意味するかでございますけれども、やはり全て農家へのしわ寄せと言うのは言い過ぎかもわかりませんけれども、そちらのほうへどうしても流れていくというのが現状であります。  そこで質問なんですけれども、今、高騰している肥料もそうですが、いわゆるその肥料も含めて種苗──苗ですね、種、それから先ほど言った光熱費とか水利費、農機具、こういったものの関連で今後高騰が懸念されるわけでございます。そうした物財経費について、いろんな作物がございますが、例えば、米生産の10アール当たりの生産費に対してこの物財費の占める割合というのは、滋賀県農業ではどれぐらいを占めているのかということをお伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  国の農産物生産費統計によりますと、滋賀県における令和2年産米の10アール当たりの生産費は約10万9,000円、そのうち物財費は約6万9,000円と約6割を超えているそうでございます。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)約6割ということでございまして、ここ、上がれば上がるほど、どこかにしわ寄せが来る。労務費の削減とか、そういうことになるわけでございますが、これも限界があるわけでございます。  要望された支援策についてですが、現在、国のほうでいろいろと検討されているということでございまして、新聞紙上でも少しずつ明らかになってきてはおります。ただ、漏れ聞こえるところによりますと、肥料の価格高騰対策は、高騰コスト分の7割を国が補填すると。これ、知事、要望されましたけど、それを何とかもっと増やせという話がありましたけど、7割を国が補填するというようなものでございますけれども。ただ、その前提で、2割の使用削減は自主的にせよと、こういうような情報もございますが。  そこで質問なんですが、本県の環境こだわり農産物は、農薬あるいは化学肥料を通常の5割以下に減らして、琵琶湖に負担をかけない栽培をして、農産物が認証をされています。既に環境負荷低減、化学肥料2割以上の削減でのコスト削減。ただ、そこに加えて滋賀県では、技術の向上によりまして収量維持を長年取り組んできたと、これが滋賀県農業であろうかと思いますが、こうした実情を国は十分認識をされているのか、こうしたことをしっかり県から国のほうに伝えてきていただいているのか、併せてお伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 国の支援制度の実施に当たりましては、以前から環境こだわり農業に取り組んできた本県の農業者の努力が十分に評価されるよう求めたところでございます。  現時点では、国において化学肥料の2割低減を2年間で取り組むことを原則としながらも、これまで化学肥料の節減に取り組んできた農業者に対する一定の配慮を取り入れた仕組みになる方向で検討中だと聞いているところでございます。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございます。  そうした県の取組が一定、念頭に置いたような形の支援策になることを望んでおるわけでございますが。  今後、この国の支援策、明らかになろうと思います。明らかになった支援策に対して、それでいいのか。やはり滋賀県農業継続発展のために沿ったものなのかどうか。それを踏まえて、県として取るべき支援策の検討がないのかどうか。すなわち、加えて県独自の対策についての検討をする、そうした姿勢あるいは考え方がございましたら、お伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 先にお答えいたしましたように、農業については肥料費の高騰分を価格転嫁することが困難でありまして、直接利益を減らすものとなりますことから、7割の補填では十分ではないと認識しておりまして、このことを国に対しても強く申し上げてきたところでございます。  しかしながら、国の支援策がコスト増加分の7割補填にとどまるとするならば、県として、今後も農業者の皆さんが安心して経営を継続していただけるよう、代表質問でお答えしたとおり、独自の支援策を準備すべく、検討を進めているところでございます。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございます。非常に心強い御答弁をいただきました。  ところで、国の環境保全型農業直接支払制度がございます。これは2007年──平成19年から国の制度として創設をされました。当初、滋賀県からの提案もございまして、この制度ができたわけでございます。初めの頃は県の独自の措置、いわゆる特認と言われる分野が多かったわけでございますが、さすがにやっぱり国の制度で全国一律ということになりますと、なかなか特認事業が少なくなってきているように思います。  そもそも滋賀県の環境こだわり農業、これは水稲10アール当たり、当時だと思いますけれども、5,000円のコスト高になるんではないかと、こういったことから、そのコスト高も、これは琵琶湖の保全のためだということで補填的な考えの下での支援としてスタートしたというふうに認識をしております。今回の肥料コストの増加は、環境こだわり農業のコストのさらなる増加ということになると思いますけれども、環境こだわり農業継続におきまして、ちょっと懸念を私はしております。  そこで、知事は、今回の肥料をはじめとする価格高騰が本県の環境こだわり農業の推進にも影響をもたらすのではないかという御懸念はお持ちかどうか、お伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 今回の肥料の高騰は、環境こだわり農業にとりましても、生産コストの増大につながるものでもありますことから、生産者の意欲減退を招くのではないかと懸念しております。  その一方で、化学肥料の高騰は、有機質肥料への転換やオーガニック農業を進める好機、また、地域内循環を進める好機でもあると捉えているところです。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)そこで、そのことを踏まえながらの次の質問なんですが、国では、みどりの食料システム戦略の推進に向けた本年度の環境保全型農業直接支払交付金の仕組みを見直しました。その中でGAPと呼ばれる部分を、みどりのチェックシートの取組を実施と、そのほうの要件となった点があります。このみどりのチェックシートの取組の実施という要件、本県にとって今回の見直しをどのように捉えておられるのか、お伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 今回の国の見直しは、従来の取組項目について環境保全を重視する観点で行われたものであり、これまで環境こだわり農業に取り組まれていた農業者につきましては、十分に対応可能な内容であると考えております。  本県では、環境こだわり農業の取組が停滞しないよう、むしろその先をさらに進めていくことができるよう、引き続き市町等と連携し、丁寧に農業者の取組を支援していきたいと考えております。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)この話も次の話もかぶるかもわかりませんが、いずれにいたしましても、肥料の価格高騰等、さらなる滋賀県の環境こだわり農業推進に影響が出るということを懸念すると。そうした中での今回の世界農業遺産の認定ということになったわけでございます。  私も、世界農業遺産に認定されたこと、これは大変喜ばしいことだと思っております。ただ単に喜ばしいということだけでなく、一定、県としても新たな責任を負うものという考え方もできるのではないかと、こういうふうに思います。その中での、いわゆる今回の認定の中での肥料をはじめとした生産コストが増加する、このときにこそ、農業者の取組意欲がそがれないような、いや、さらには高まるような県の姿勢というのが重要であると思いますけれども、改めて知事のお考えをお伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システムということで世界農業遺産に認定されました。この琵琶湖システムが世界農業遺産に認定されたことを受け、その主要な要素の一つである環境こだわり農業を今後もしっかりと推進していかなければならないと改めて責任と共に強く感じているところでございます。  今般の急激な肥料の高騰のように、今後も予期せぬ課題が発生することもあろうかと思いますが、農業者の皆さんが誇りと意欲を持って環境こだわり農業に取り組まれるよう、県としても責任を持って進めてまいりたいと存じます。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございます。  県の責任を持って進めるというそうした姿勢は、やっぱり農業者の方にとっても、やる気というものを持ってもらえるのではないかというふうに思います。  一方、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で、生産資材だけではないんですね、小麦などの輸入に依存する食料そのものの価格が影響が出ております。昨日の報道でも、関連する食品の値上げがかなりあるように報道をされておりました。  また一方で、これ、あまり関係なさそうだと思っていたんですけども、国土交通省の国土形成計画、ここに食料やエネルギーの安定供給、その計画に反映させるというようなことも載っておりました。  国民の生命を守る食料について、国の責務として行うことは当然でありますけれども、農林水産省も国産を選ぶことが食料安全保障につながるとして、国民運動を展開するということにされています。ただ、コロナでこの展開がなかなか思うように進んでいないようでありますけれども。今、食料安全保障への関心が高まっているときだからこそ、国産を選ぶ、地域にあっては地産地消、知事は地消地産ということも言われたと思いますけれども、もっと大胆に推進するべきではないかという思いをいたしております。  そこで、代表質問にもございました、食料安全保障ということについてでございますが、滋賀県の立場での食料安全保障について考えを改めてお伺いをしたいというふうに思います。 ◎知事(三日月大造) ウクライナ侵攻をはじめとする国際情勢もございまして、輸入国間の競合等の食料供給に対する懸念も生じている状況の中、食料安全保障の重要性、食べるものを作れる農業の大切さ、改めて感じているところでございます。  県といたしましては、消費者が求めるものは、できる限り県内で生産することを念頭に、生産基盤である農地の確保、農業生産を担う人材の育成、確保などにより、地域の自給力の向上に努めてまいりたいと存じます。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございます。  そして、自給力の向上ということからしますと、やはり地産地消ということがすぐに浮かぶわけでございますけれども。ただ、これ、地産地消を県だけで進められるということでは、まずはないと思います。例えば学校給食しかり、産直しかり、市町と共に考えて、やはり一つ運動として推進する、その先頭に県が立つということではないかと。「おいしが うれしが」もそうでございますけども、そうしたことをさらに実のある行動に持っていくということも大事ではないかと思うわけでございますけれども。  この地産地消でございますが、例えば県としても数値目標、あるいは市町との連携を持つ、そうした具体的な取組について、改めて知事のお考えをお伺いしておきたいというふうに思います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  地消地産の推進目標につきましては、農業・水産業基本計画において、「おいしが うれしが」キャンペーンの登録事業者数を令和元年度末982事業者から、令和7年度末に1,250事業者まで増加させることとしております。  地消地産の推進に当たりましては、市町やJAとの連携の下、学校給食での取組や食育に加え、農産物直売所における品ぞろえの充実など顧客満足度を高める取組をしっかり連携して進めてまいりたいと考えております。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございました。  地産地消ですね、どこの県か忘れましたけども、県のリーダーシップによりまして、かなり上がったというようなことがございました。ぜひとも「おいしが うれしが」をベースに頑張って取り組んでいきたいと私も思いますし、一緒にやりましょうということでございますが。  ここで先ほどの粗飼料についての質問にちょっと戻りたいと思います。
     先ほど、国への要望をいただきました粗飼料の安定確保に係る支援について、その背景につきましてはお伺いしましたけれども、これも食料の自給率向上のための重要な要望だというふうに思いますけれども、今回のこの要望、具体的に何を要望されたのか、改めてお伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 国際情勢の変化を背景といたしました粗飼料──粗い餌の粗飼料の不足や価格の高騰に対応するためには、水田を活用して粗飼料の増産を進める必要がございまして、牧草などの作物について、飼料用米や稲WCS──稲発酵粗飼料、イネホールクロップサイレージというんだそうでございますが、と同等となるよう支援の充実を要望したところでございます。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございました。  粗飼料の増産に向けての支援ということでございますが、この要望につきましては、我が自民党県議団へも、滋賀県肉牛経営者協議会と滋賀県酪農経営者協議会、それからJA中央会の皆さん方から要望においでいただきまして、その中で、この要望の話をお聞きしておりますと、やっぱり近江牛のブランドを守るという強い使命感を持っておられまして、高騰する飼料の国内生産を増やしたい、いわゆる自給率を上げることが食料安全保障なのだと、こういう思いで支援策を求められたということを記憶しております。  とはいうものの、生産価格が問題でありまして、今、水田活用の直接支払交付金では、飼料作物には10アール当たり3万5,000円の交付ということでございますが、折しも先ほど知事の答弁にございましたけれども、WCS用の稲に匹敵するような支援、これをしていただくと、100%はなかなか難しいんですけども、これに近づけていただくと、農業者もしっかり、その自給の飼料確保に取り組めるんだというようなことを申されておりました。  そこで、知事も、代表質問で輸入に頼らないというようなフレーズの答弁があったんですけれども、知事は、こうした食料自給率向上に向けた農業者の自主的な考え、あるいは姿勢、これをどのように思われるか、また、県としてどのように対応、支援すべきとお考えか、併せてお伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 飼料価格の高騰や輸入飼料の不足という危機に直面し、自給飼料の確保に取り組まなければ近江牛ブランドを守れないという切実な思いであると受け止めておりまして、県としても、その思いに応えられるよう、しっかり対応しなければならないと思います。  畜産農家だけでなく、耕種農家による飼料作物の作付拡大も重要だと考えておりまして、農業者の生産意欲を喚起できる対策や耕畜連携の拡大を通じて、しっかり応援をつくっていかなければならないと考えております。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)最後の質問になるんですが、ちょっと、ずっと聞いて、やり取りしておりまして、ふと思ったことがあるんですが、今、国も来年度の当初予算といいますか、予算編成に向けて概算要求の時期やと思います。月末には概算要求が出るんか分かりませんけれども、今のこの食料安全保障ですね、国はそういった枠を設けるんか分かりませんけれども、滋賀県はそこまでなくても、いわゆる県も農林水産業の振興という、その振興に加えまして、消費者とも一体となって食に関する幅広い取組、これを、例えば県レベルの食料安全保障的な予算なんだというようなパッケージで、これは示すだけになるかもわかりませんけれども、こういった形で予算編成をするに当たっての考え方を片や持っていただくという、そういう時代といいますか、時期でもあるんではないかというふうに思いました。  そうしたことまで、まだお考えではないかと思いますけれども、もし知事のお考えがあれば、ここでお伺いしておきたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 県内各地を回っておりまして、豊かな自然に恵まれておりまして、その恵みをいただけると、それがなりわいである農林水産業によって、もたらされているということを実感いたしました。  ただ、今もお取り上げいただいたように、世界の様々な情勢、ウクライナ情勢等もあり、いろいろと厳しい状況が生産現場にあると。これは、ある意味では構造転換をしていくチャンスであると同時に、その構造転換に向かわせるだけの様々な支援なり仕掛け、仕組みをつくっていかなければならないということだと思います。  あわせて、琵琶湖をお預かりする本県は、環境先進県でもあり、環境こだわり農業を率先してやってきたと。また、このたび世界農業遺産に認められて、さらに世界に向けた、未来に向けた責任を背負うことにもなり、これをうまく活用しながら、この農林水産業の価値や、また力を高めていくチャンスでもあると思っておりますので、そういうことを事業として、予算としてどのように形づくるのかということについては、今後、国の動向なども見ながらにはなると思いますけれども、県としても主体的に考えていきたいと考えております。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)それでは、最後になりますけれども、積極的な農業者に対してどのような姿勢で臨むのか。とはいえ、農業者だけでは何ともならない今回の価格高騰に当たっては、守るべき農業としてどのように県が責任を持つのか。そして併せて、魅力ある滋賀県農業へどのように取り組むのか。こうしたことも含めまして、3期目スタートに当たっての滋賀県農業推進の知事の方針を改めてお伺いして終わりたいと思います。 ◎知事(三日月大造) やっぱりここでは夢を持てるかどうか。夢を持てるかどうかだと思います。回っておりましても、環境に対する使命感とか、自分たちの土地を、先祖代々譲り受けたものを守らなあかんという、そういう責任感とか、そういうものは強く感じますけれども、それだけでは回っていかないんだろうなと。自分たちのやっている、こういった第1次産業、農林水産業に、特に将来に向けて夢を持てるのか、その将来に対する夢というのは再生産、今年作るだけじゃなくて来年、再来年と、そして今作ったものが実り、売れる、そしてまた作れる、またそれが売れるという、この再生産の仕組みにつながるかどうかということが非常に重要なんだと思います。  その意味でいうと、議員もお取り上げいただきましたけれども、消費者としっかりとつながりながら、今、私も直売所をあちこち回っていますけれども、大変多くの方でにぎわっています。ただ、滋賀県の直売所は、今の時期であればナスとキュウリとトマトがすごく多くて、それ以外の品ぞろえが果たして十分なのかという、こういった課題がございますので、例えばそういうことを進めていきながら、これだけ都市近郊近いこの地域の直売所のさらなる価値を上げていくこともできるでしょうし、また、これだけ、外から取り入れている餌や肥料の価格が上がっているこの時期は、生産者をしっかりと下支えすることによって地域内で餌や肥料を作っていこう、また、肥料を減らしていこうという新たな取組につなげるチャンスでもあると思っておりますので、こういったことをしっかりと進められる農林水産行政というものを、現場の皆様方、そして、いろんな団体の皆様方と力を合わせてつくっていきたいと考えておりますので、今後ともよろしく、お力添えや御指導をいただければと存じます。 ◆26番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございました。  もう終わろうと思ったんですけども、再生産という話、聞きましてね。これはすぐにできる話じゃないんですけれども、一つ頭に置いとかなあかんというのが一つありまして、稼ぐ力ですね、滋賀県の。これはいわゆる農業産出額というのがあるんですが、1ヘクタール当たりの産出額、滋賀県は120万円ぐらいです。ところが和歌山県いいますと、340万円ぐらいあるんですね。これは梅とか、やっぱり地域によって違います。ですから、これは一概にほかの府県と比べるもんではないかもしれませんけれども、滋賀県の農業を滋賀県で再生産して、今言うたみたいに夢を持ってもらうためには、ここ、今の120万をせめて150万の産出額にするぐらいの一つの目標を持って、この農政、私もやっていきたいなと思いますので、お互いに夢を持って頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(清水鉄次) 以上で、26番加藤誠一議員の質問を終了いたします。  次に、37番大野和三郎議員の発言を許します。 ◆37番(大野和三郎議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従い、行財政改革への3期目の決意について知事に問います。  三日月知事の3期目がスタートしました。意気込みを伺う前に、まず、2期8年を振り返って、県民への公約や新たに生まれた課題への対応など、知事御自身の活動、行動へ点数をつけるなら何点をつけられますか。  選挙においては信任されましたが、しかし、県民の評価は個々様々であろうと思います。重要なことは、自分の取組は自分が一番よく分かるはずであります。その自己評価が、これからの4年間の県政運営の基盤とすべきだと思いますので、あえて問います。  さて、健康な滋賀、誰しもが願うところであります。人の健康、自然の健康、社会の健康という柱。県政運営上の柱として推進することに異論はありません。しかし、ただ、そのためには国政とも相まった施策展開が必要であります。知事の信任もさることながら、参議院選挙では自民党岸田内閣も信任をされました。  それで、ここで、これもあえて問いますが、知事は岸田内閣にどのような期待をお持ちですか。毎年、国への政策提案をされ、また要望もされています。この後の質問にも関連しますが、自民党公明党連立政権への期待を問います。  このたびの知事選挙で様々な公約をされました。その中で、これまでも申し上げてきましたが、何を行うにも財政基盤が重要だということであります。財政あっての公約実現であります。きれいな言葉や掛け声だけでは進みません。健康しがのための基盤づくりに関して、これまでの知事の答弁も踏まえて伺ってまいります。  本年3月、今後の財政収支の見通しについて改めて試算した結果が公表されました。その内容は、経済成長率を名目で1%台前半程度を見込んだベースラインケースと、名目3%程度上回る成長率を見込んだ成長実現ケースとの中間値で、毎年100億円から200億円程度の財源不足が生じる見通しとしており、令和4年度から令和8年度までの累計では669億円になる見通しであるとして、その対策を行わない場合、財政調整的な基金が枯渇する可能性があるとしています。対策を行わないなら当然のことでありますが、しかし、御承知のウクライナ情勢からの物価高騰を背景とした経済は、試算の前提が早くも崩れそうであります。  そこで、現状の経済社会情勢は、3月に試算した財政見通しにどのような差異、影響があるとお考えか問います。  特に地方財政の基本というものは、これまでも申しておりますが、「入るを量りていずるを為す」であります。すなわち収支を見極めた上で政策の判断をしなければなりません。以前から気になっていたのですが、毎年の決算状況を見ると、不用額が何と多いことか。令和2年度の不用額は約95億円でした。新型コロナウイルス感染症の拡大によるところが大きいとはいえ、それ以前でも毎年30億円から40億円近い不用額が発生しています。結果として不用であったということかもしれませんが、知事は、毎年、同様の不用額が発生していることについてどのようにお考えか、見解を問います。  また、この不用額は毎年、結果として財政調整基金取崩しを回避し、加えて、地方自治法第233条の2によって、基金への積立てという手法でもって決算をしているものと承知をしています。ですが、予算編成時には財源不足だ、厳しい状況だと公言しながら、毎年、結果、決算では、基金の取崩しはしなくてよかった、そして、さらに積み増しをする。こうした状況が続くと、収支見通しにおける財源不足という言葉に、どうも危機感が持てません。財政見通しに対するこうした決算を知事はどのようにお考えなのでしょう。  今回の知事選挙において、財政の持続可能性の確保ということを言われていますが、人口、面積、環境、そしてその健康を目指す滋賀県として、今の財政事情は危機なのでしょうか、どのような状況と言えるのでしょうか、県民の皆さんにお示しください。  いずれにしても、県民の皆さんには正しく伝えなければなりません。また、これもくどいようでありますが、行財政改革というのは聖域なく取り組んでいくことが重要であります。  昨年9月議会で、なぜ県は行財政改革を行うのか、その基本的な必要性についての問いに、知事は、「県民サービスのさらなる向上を図るためだ」と答弁されました。おっしゃるとおりだと思います。ただ、そのための改革には大きく2通りがあります。一つは手法や手段の効率的な改善であります。もう一つはサービス提供のための財源確保であり、もちろん手法や手段の改善にも財源を伴うものもありますが、まずは効果的、効率的な方向への取組であります。  その一つとして公社の在り方についてですが、これまで知事の答弁も、行財政改革において、法人については経営改善に取り組んでいくとのことでありました。経営改善は必要ですが、いま一歩進んでの検討が必要ではないでしょうか。すなわち、答弁には公社の在り方そのものに対する言及はありませんでした。  改めて、県が主導して設立した公社の在り方そのものについて検討がなされているのか、統廃合すべきところはないのか、県が設置した公社の将来像について問います。  次に、財源不足への対応についてでありますが、これについても、これまでから提案をしてまいりました。その後の状況ですが、土地開発公社の所有地も含めて、不要と位置づけた県有地の最近の処分状況と、現に今、不要となっている土地とその簿価、さらには、現時点での処分によって得られるであろう額について問います。行財政改革上どのような方針で取り組むのかも併せてお答えを願います。  各都道府県には、それぞれの公共団体特有の財政需要というものがあります。本県は何といっても琵琶湖でしょう。そして、その琵琶湖に関する経費は年間81億円程度、国庫等を除いた本県負担額が72億円程度あります。  琵琶湖再生法が制定されたとき、振り返りますと、知事は大きな期待をされていたと思います。我々も同じように期待をしていました。しかしながら、思うような琵琶湖再生が進んでいないように思います。やはり財源であります。申し上げるまでもなく、琵琶湖の恩恵は下流域の1,470万人が受けています。ところが、その恩恵に対しての下流公共団体からの負担というのは、京都市が毎年2億3,000万円を琵琶湖疏水感謝金として支払うのみであります。  これまでから琵琶湖に関する経費の財源について下流府県にも求めるべきではないかという問いに、知事は、その必要性は認めつつも、根拠法令がないことから難色を示される一方で、関西広域連合や琵琶湖保全再生推進協議会など、あらゆる機会を通じて粘り強く訴えかけていくとされています。  知事が今回の選挙で公約に掲げられた行財政基盤の強化において、琵琶湖再生への財源確保について、どのように具体的対策を考えておられるのか。例えば、関西広域連合長が引退を表明されていますが、連合長へ手を挙げて主導するとか、具体的な手順や目標も含めて問います。  最後に、政治は結果であります。知事3期目における政策が結果を出すための取組姿勢を問い、質問とします。 ○副議長(清水鉄次) 37番大野和三郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)県の行財政改革への3期目の決意ということで10点御質問いただきました。  まず1点目、2期8年間の自己評価についてでございますが、2期8年間を改めて振り返りますと、対話、共感、協働、現場主義を基本姿勢といたしまして、チャレンジ精神と行動力を頼りに、職責の重さを絶えず感じながら、県民の皆様とお約束した公約の実現や、新型コロナウイルス感染症対策など予期せぬ新たな課題への対応などに全力を尽くしてきたつもりであります。  これまでは、あえて自己評価をせずに、県民の皆様に評価を委ねさせていただきたいとしておりました。県民の皆様の御審判を経た今、改めてこれまでの県政運営を振り返ると、及第点はいただけているのではないかと考えているところです。  2点目、自民党公明党政権への期待ということについてでございますが、私自身も選挙期間中に様々なお声や思いをお聞きいたしまして、改めて県政に対する重い責任を自覚したところでございます。  同様に、政府与党におかれても、参議院選挙を通じて聞かれた様々なお声や思いを謙虚に酌み取り、政策、施策を実行していただけるものと考えているところでございます。  具体的には、新規感染者数が増加している新型コロナウイルス感染症への対応や、喫緊の課題である物価高や原油高に対する生活や事業者への支援等への地方の実情に応じた総合的で切れ目のない対応、地域のにぎわいや中小企業、地域経済の活性化の推進など、本県の思いも十分酌み取りながら着実に実行していただくことを期待したいと存じます。  3点目、現在の経済社会情勢の収支の見通しへの影響等についてでございますが、3月に公表いたしました財政収支見通しでは、令和4年度当初予算額を基礎とし、地方財政対策の状況や内閣府の中長期の経済財政に関する試算を基に県税や地方交付税等を見込むとともに、社会保障関係費や想定される大規模事業の動向等を考慮しながら、令和8年度までの推計を行っているところでございます。  現在、ウクライナ情勢等を受けた原油や物価価格の上昇、国際的な金融市場の変動などにより、国内企業物価指数が前年同月比で9.2%上昇しておりますほか、電気料金やガソリン価格等も大きく上昇しております。さらに、県が実施しております第1四半期の景況調査速報値では、景況DIの第2四半期の見通しは第1四半期と比べてマイナス2.7ポイント悪化するなど、今後、公共施設等の光熱費の増加や税収への影響等により、本県財政の悪化が懸念される状況でございます。  こうした状況の中で、先週末に国の中長期試算が公表されたところであり、これを踏まえ、県税や地方交付税、公債費の影響を再度試算しているところでございまして、本県を取り巻く直近の状況変化等も可能な限り収支見通しに反映し、できるだけ早期にお示ししてまいりたいと考えております。  4点目、毎年の不用額の発生についてです。  歳出不用の発生は、効率的な予算執行の結果という側面もありますものの、年度当初から限られた財源を効果的かつ効率的に活用する観点から、可能な限り不用額を縮減する必要があると考えております。  これまでの議会や監査からの不用に関する指摘も踏まえまして、当初予算編成におきましては、予算積算の精査に加えまして、年度の早い段階から、コロナの影響で執行できない事業等について事業内容の組替えや中止、減額などの補正対応を行い、不用額発生の抑制に努めてきたところであります。  しかしながら、令和2年度決算におきましては、コロナの感染拡大による不測事態に備えて余裕を見ておかなければならなかった病床を確保するための補助金で約32億円、入院や検査に係る扶助費で約4億円、中小企業者等の借入れに伴う利子補給で約2億円など、コロナ対策関連で約55億円の不用が生じましたほか、年度末まで所要額を見通すことが困難な退職手当をはじめとする教職員給与費で約2億円、医療費に係る国民健康保険事業特別会計への繰出金で約1億円などの不用が生じたところでございます。  引き続き、厳しい財政状況が見込まれます中、最少の経費で最大の効果を発揮できるよう、不用額の一層の縮減に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  5点目、収支見通しに対する決算の考え方です。  例年、入札による執行残や年間の効率的な予算執行などで一定の歳出不用が生じるところであり、また、当初予算で見込んだ県税や地方交付税などが見込みを上回る場合もございますことから、財政収支見通しでは、その財源を活用して基金残高を確保することについても織り込んでいるところでございます。  しかし、コロナ対策を含め、ここ数年、歳出不用額が特に大きいことは課題であると認識しております。  具体的には、先ほどの病床確保補助金など、コロナ対策等の不測の事態への備えとして、不用の発生が一定やむを得ないものもございますが、その他の補助金や委託料などでは、事後的な検証が不十分であるとの指摘も受けており、改めて、各部局において、例年大きな不用等で処理している経費については、要因や状況を分析し、積算等を精査いたしますとともに、予算編成過程におきましても、事業実施の必要性まで踏み込んだ議論を行っていきたいと考えております。  6点目、直近の財政事情についてです。  令和4年度末の財源調整的な基金残高は、5月補正後で目標の160億円を上回る346億円を確保できておりますが、今後数年間で見込まれます大規模事業等の財政需要を踏まえますと、基金残高が枯渇する可能性がございます。  また、実質的な県債残高は、老朽化や防災・減災、国土強靱化対策などにより、現時点で6,858億円と目標の6,700億円を上回る見込みでございまして、将来負担比率も全国平均よりも悪い、これは高い率となるなど、県債発行については今後留意していく必要があると考えております。  現時点では県税収入も堅調でございますが、国において交付税等を含めた一般財源総額が据え置かれ、当面、大きな改善は見込めないなど、何ら対策を講じない場合は、危機的な財政状況に陥る可能性があると捉えております。  まずは、現方針の計画期間であります令和4年度末に向けて、基金残高目標の160億円を確保することはもとより、実質的な県債残高についても、できる限り6,700億円程度に近づけるよう発行抑制に努めてまいる所存であります。  また、現在策定中の次期行政経営方針におきましても、計画期間中の財政運営上の具体の目標を定め、選択と集中の一層の徹底を図り、必要な見直しを不断に行うことで財政の持続性を確保してまいりたいと存じます。  7点目、公社の在り方についてでございます。  行政経営方針に基づき、公社を含む出資法人は、県から独立した組織として、効率性や柔軟性等を生かして、県の施策目的を効果的に推進する役割を担っていると認識しております。  これら法人の将来像につきましては、県民にとって、より効果的かつ効率的な公共的サービスの提供のために、自立した経営機能の発揮、環境変化に対応し得る経営の確立、透明性の確保という点について向上を目指しているところです。  その上で、現在の社会や県民のニーズに十分適合しているのか、他の手段により適切に代替できないのか、公共性、公益性が低下していないのかなどといった点で不断の見直しを行うことが必要であり、役割を終えた法人については、廃止することも当然考えられると考えております。  8点目、県有地の処分状況等についてでございますが、令和3年度には、15件の土地および建物について、19億1,000万円余で売却し、本年度は既に第1回の入札を完了し、2件の土地および建物について、2,700万円余で売却をしているところです。  現在、活用可能と判断している県有地は34件、約45万平方メートル、固定資産評価額等は147億8,000万円余でございますが、本年度はそのうち15件について今後売却を予定しており、12億5,000万円余の歳入を見込んでいるところでございます。  また、土地開発公社所有の未利用地につきましては、本年度、滋賀県東北部工業技術センター移転用地として利用する予定の土地を除き、4件、約68.9万平方メートル、簿価は総額で約57億300万円となっております。  県有地等の処分方針についてでございますが、未利用の県有地につきましては、不要資産の圧縮、いわゆるスリム化の観点から、まずは売却に努めているところでございます。その中で、例えば、保安林指定がある、接道していない、高低差が大きいなど、売却が困難な案件につきましては、貸付けを検討するなど、最適な有効活用ができるよう併せて取り組んでまいりたいと存じます。  こうした未利用資産の売却、活用は歳入確保の有効な手段であり、公社の在り方の検討と共に、県有資産の精査、活用の検討をさらに進め、次期行政経営方針にも収支改善の取組として位置づけて、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  9点目、琵琶湖再生の財源確保についてでございますが、国に対する毎年の政策提案において、地方交付税措置のさらなる拡充や各施策に対する補助の充実など、国民的資産である琵琶湖の保全再生に向けた財政的支援の強化を要望しているところであります。  この成果といたしまして、環境省からは、琵琶湖保全再生等推進費を平成29年度から毎年約4,000万円措置していただいておりますほか、オオバナミズキンバイの駆除につきましては、新たな交付金による支援や国の直轄事業としての対応をいただいております。  また、下流府県に負担を求めることにつきましては、議員も御紹介いただきました疏水感謝金などがございます。現在は2億3,000万円、年間頂いているということでございますが、さらに負担をしていただきたい気持ちというものもございますが、法令上の根拠がない現状においては相当困難であると認識しております。  このため、時間はかかりますが、まずは負担につながる第一歩といたしまして、下流府県を含め、多くの方々に琵琶湖の価値や重要性について理解を深めていただき、行動に移していただくことが必要であると考えておりまして、昨年12月に開催された関西広域連合委員会において、私の提案により、琵琶湖淀川流域対策に係る有識者との意見交換を実施し、流域全体での水循環の重要性について構成府県市の皆様と議論を深めたところでございます。  琵琶湖の保全再生のための財源確保は重要な課題と認識しており、今後とも、国や下流府県に対して、琵琶湖保全再生推進協議会や関西広域連合など、あらゆる機会を通じて、できるだけ多くの財源措置や事業への連携、協力が図られるよう粘り強く取り組んでまいる所存でございます。  最後、10点目、結果を出すための取組姿勢についてでございますが、今回、選挙で県内の様々なところで思いやお声、課題を直接お聞きし、県民の皆様の生活に対して重責を担っているという自覚と使命感を感じているところです。  今後、思いやお声を踏まえて政策を進めていくに当たり、何より大切にしなければならないと考えておりますのは信頼関係でございます。  もちろん、よりよい政策にしていくため、活発に議論を行うべきではございますが、最後はみんなで支え合うんだという意識を共有することに意を用いてまいりたいと存じます。信頼関係の下、お一人お一人と向き合い、地域や議会、国や市町と議論、対話、連携いたしまして、持続可能な県庁を実現しながら、元気に、謙虚に健康しがをつくってまいりたいと考えているところです。 ◆37番(大野和三郎議員) (登壇)2点について再質問ですが、分割で行いたいと思いますので。なお、順序が後先になるんですが、まず1点目、私の4点目の質問ですが、不用額ですね。不用額について知事の見解を尋ねたところ、「不用額の一層の縮減に向けて、しっかり取り組んでまいりたい」と答弁がございましたが、ちなみに、本県の財務規則第36条とそれに基づく資金管理要領、これは知事、御存知ですね。御存知ですか。(発言する者あり)であるならば、第3条、4条、5条、6条、8条、13条、14条、15条、御披露してください。 ◎知事(三日月大造) 今の条文を全部そらんじることから始めますか。(「あなたが知ってると言われたでしょう」)ちなみに13条、滋賀県資金管理要領の13条は資金の管理について定めているところでございまして、「所属長は、収支計画に基づき、適期の支出に努めなければならない」、また、14条につきましては、資金の運用について定めているところでございまして、「会計管理者は、資金計画に基づき、支払準備資金に支障を及ぼさない範囲内で、計画的かつ効率的な資金の運用に努めなければならない」をはじめとし、各種規定があると承知をしております。 ◆37番(大野和三郎議員) (登壇)私が申し上げたいのは、御案内のとおりですが、今申し上げました財務規則36条に基づく資金管理要領、これをしっかりと遵守されていれば、繰り返しになりますが、計画的かつ効率的な資金の管理が行われていれば、このように毎年度、多大な不用額が発生することはなかったのではないでしょうかと、そういった思いで問うてるわけですね。  県民の貴重な税金を預かり、執行する職員に財務規則および資金管理要領の遵守を徹底するよう指導する必要があると考えます。したがって知事に問うわけですが、その中でもとりわけ、先ほども申し上げました、資金管理要領第3条、4条の1項、2項ですね。5条、6条の1項、2項、3項、8条の1項、2項、13条、14条、15条1項、2項、これらも、直接の資金管理は会計管理局ということなんでしょうが、根拠法は地方自治法ならびに施行令、条例があって規則があります。したがって、究極は行政庁の長であるあなたの責任になると思いますので、その辺のところ、繰り返しになりますが、しっかりと職員の皆さん、緊張感を持って資金管理要領を遵守、徹底されるよう指導すべきではないかと考えますが、いま一度、知事の所見を求めたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 今も御指摘いただきましたけれども、財務をつかさどる、または、その一つである資金を管理する、それらを法令または要領、規則に基づいてしっかりと管理をしていく、運用していく、その最高最大の責任は所属長である知事である私にあるというのは、おっしゃるとおりでありますので、しっかりそれぞれの部局を束ねて様々な施策を実行していきたいと存じます。 ◆37番(大野和三郎議員) (登壇)2点目ですが、私の問いの2点目ですね。自民党公明党の連立政権への期待について問いました。知事からは、自民党公明党連立政権への期待としてですが、「地域のにぎわいや中小企業、地域経済への活性化推進など、本県の思いも十分酌み取りながら、着実に実行いただくことを期待したい」という答弁がございましたが、ちなみにですが、本県の一般会計の令和2年度の税収と、併せて3年度の決算見込みの額は、知事、御存知ですか。(発言する者あり)そういうことでしたら私から申し上げますが、令和2年度が、一般会計決算で、概算ですが1,655億円、令和3年度、これは決算見込みですが1,754億円。つまり1年間で99億円、税収が増えています。この最も大きな要因、これはどこにあるとお考えか、まず知事の所見を求めたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 令和2年度から3年度にかけての税収が増収になる見込み、この要因はどこにあるかということについてでございますが、一つは、コロナの影響で悪化した企業の業績が回復基調にある。したがって、法人2税の増収というのが主な要因であると考えております。  また、その他、税率が引き上げられました地方消費税の増収でありますとか、コロナ特例による徴収猶予分が令和3年度に収納されたことなども要因だと把握をしております。 ◆37番(大野和三郎議員) (登壇)否定はいたしませんが、私自身、考えるところですが、コロナ対応地方創生臨時交付金、これは令和3年度、本県への交付額、これは御存知ですか。(発言する者あり)そういうことですと私が申し上げますが、210億5,240万7,000円交付されています。事業継続支援金、これが40億2,560万円給付されています。このことをもって本県の経済もいささか明るいものが見えてきたと思います。ですが、いまだ道半ばでありますので、滋賀の経済をもっと元気にする意味におきましても、令和4年度は3年度にも増して、しっかりとコロナ対応臨時交付金共々、確保、獲得、これが必要であろうと思います。  したがって、中央政府、つまり自由民主党公明党連立政権とのしっかりとしたパイプ、知事御自身が構築される、またはすべきであろうと思いますが、知事の所見を御披露願いたいと思います。 ○副議長(清水鉄次) ただいまの質問は4回目の再質問となります。 ◎知事(三日月大造) おっしゃったとおり、新型コロナウイルス対応、長引く状況ではございますが、現在も7波の対応ということで続いております。また、そういう状況の中で経済情勢、社会情勢、文化活動等、どのように復興、再生させていくのかという、こういう大きな課題もあります。その際に、御紹介いただきました新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金でありますとか、事業継続支援金、これも大変大きな財源要素となっておりますので、こういうものを本県にもしっかりと確保していくということは大変重要な課題であると認識をしております。  したがって、政府に対して本県の状況もしっかりと伝えて、額が確保できるように今後も努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆37番(大野和三郎議員) (登壇)これで終わります。  いつも申し上げているとおりですが、経済が元気にならないと財政が元気にならないので、今ほどの答弁が言葉だけで終わることのないように大いに期待しながら、終わります。議長、終わります。(拍手) ○副議長(清水鉄次) 以上で、37番大野和三郎議員の質問を終了いたします。  次に、5番柴田清行議員の発言を許します。
    ◆5番(柴田清行議員) (登壇、拍手)それでは、質問に入らせていただきます。  大きな項目で2つ質問をさせていただきますが、まずは北部振興策への課題と今後の取組について、全て知事にお伺いをしたいと思います。  知事は、3期目に当たり、北部振興について取上げをいただきました。北に住む私としても大変ありがたいお話をいただいていると思っておりますが、この滋賀県にとって北部は長浜や高島、米原も入るだろうと思いますが、北部に住んでいる人たちにとっては、その地域がやっぱ北であり、特に私は北部に住んでいることから、いろいろな課題を皆さんからお聞きしております。その中を含めて、知事にその課題についてお伺いをしたいと思います。  まず、その1点目は、人口減少に伴う高齢化率が進む北部地区への僻地医療の医療体制についてお伺いをしたいと思いますが、僻地医療を担っている滋賀県にとって、診療所の医療体制が整っているのか、お聞きをしたいと思います。 ○副議長(清水鉄次) 5番柴田清行議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)現在、湖北地域では、長浜市に7か所、米原市に2か所の合計9か所の僻地診療所が設置されており、僻地の医療提供体制は一定確保されていると考えております。  さらに、僻地医療拠点病院等からの医師派遣や地域の医師会の御協力等により、地域住民への安心できる体制を整えているところでございます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)それでは、一番北に位置します総合病院、長浜市立湖北病院は僻地医療の拠点病院として役割を担っております。この支援体制は整っているのか、お聞きをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 県では、長浜市からの要請により、県職員として採用しております自治医科大学卒業の医師を僻地医療拠点病院である湖北病院へ継続して派遣しており、今年度は3名の医師を派遣しているところです。  また、関係医療機関等と連携いたしまして、僻地での診療を含んだ総合診療に関する研修プログラムを策定するなど、総合診療医の養成に取り組んでいるところであり、引き続き、在宅医療のリーダーとして地域に定着し、地域医療に貢献できる医師の養成に取り組んでまいりたいと存じます。  さらに、湖北病院からの巡回診療に係る長浜市が負担する経費に対して補助を行うなど、湖北地域の僻地医療体制の整備に向けて、県として引き続き必要な支援を行っていきたいと考えております。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)体制づくり、本当に県に御協力いただいて、やっていただいています。  今、知事から総合医療というお言葉もいただきました。つい最近、よく聞かれるようになってきた総合医療、総合治療といいますか、専門科目が全般的に、この僻地に対する医療を担っていただいている先生方を増やしているというのが今の湖北病院の体制、また診療所の体制なんですが、これからこの体制づくりというのをもっとしっかりしていかなければならないと思っているんですが、知事のお考えをお聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 議員がおっしゃったとおりだと思います。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)今の体制づくりの中で、どのようにこれを増やしていくのか、もっともっと増やしていかなきゃいけないというのが、僕の考えなので、多分知事も、その中で県の担うところをどのようにしていくのかというのを今後お考えになられるのかなと思っていますので、ちょっとお聞きしました。  続いて、長浜市の周産期医療は、昨年、市立長浜病院がお産を休診となり、減少が進んでおります。長浜市北部地区においては、周産期医療提供体制は整っているとは考えづらいものがあります。近年に若者の移住が少しずつ進んでいるこの北部地区において、今後の周産期医療提供体制をどのように考えておられるのか、知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 湖北圏域におきましては、近年、病院や診療所での分娩休止が相次ぎまして、地域内の産科医療機関の負担が増えている状況がございます。  本県では県内を4つのブロックに分けて対応しておりますが、湖東、湖北ブロックにおきましても、関係者の御尽力もございまして、正常分娩はかかりつけ医療機関で対応し、リスクの高い分娩は周産期母子医療センターである長浜赤十字病院で適切に受け入れる体制を構築できているものと認識しております。  今後とも、産科医療機関や関係団体、市町行政とも連携しながら、産科医の確保に努めるなど、若い世代が住みやすい、安心・安全な周産期医療提供体制を確保していきたいと考えております。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)県によっても、長浜では長浜赤十字病院にその体制づくりをしていただいているんですが、長浜地区においても、私が住んでいる木之本でも30分かかります。余呉やと1時間近くかかる部分があって、なかなか北部から、子供さんを授かった方々の負担、特に安心できない現状にあるというのが今、若い方から私に届けられる考えでありまして、何とかもう少し安心できる周産期の体制づくりができないかという部分について、知事に再度お聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) その地域にお住まいの方々、また、子供を授かり、また産み、育てられる方々の安心という面は、県として、知事として、しっかり市とも共有して考えていかなければならないと思っておりますが、一方で、御案内のとおり、産科医はそう数が多くなくて、そして今後、働き方改革が進められる中において、これまでどおり、またこれまで以上、現有の数で、減っていく状況の中でニーズに応えていくということに社会全体でどのように対応していかなければいけないのかという課題が今あるところでございますので、そういった課題を克服するための方策をそれぞれのブロックに分けながら、医療機関の先生方にも御協力をいただいて、もちろん、そこに住む町民や市民の皆さんにも御理解をいただきながら取組を進めていくということが必要だと思います。  同時に、県としては、不足する産科医を確保するための奨学金や様々な制度を設けながら、滋賀県で産科医になろう、産科、婦人科を担って頑張ろうという、そういう医師をしっかりと確保するための努力をこれからも積み重ねていきたいと思います。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)非常に若者の女性が不安になっている。ここで、先ほど言いましたように、総合医という考えの中で、診療所にやっぱりそういうふうな、お産はできなくても、ここで診察ができる体制づくりというのをかなり願っておられる方々がおられます。その中の総合医という部分の、今後の県の役割という部分に関しては、少しこれ、お願いをして、次の質問に行きたいと思います。  続きまして、知事もおっしゃっていただきました丹生ダム問題について、1問お聞きをしたいと思います。  丹生ダム中止に伴う地域振興策でありますが、なかなか目に見えてこないのが現状であります。そこで、地域振興策について、現状を知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 丹生ダム中止に伴います地域振興は、丹生ダムの買収済み用地や残存山林、少しエリアを広げた丹生地区、さらには余呉地域全体を対象といたしまして、それぞれの特性や課題を踏まえた取組を展開していく必要があると考えております。  この6月からは、国、水資源機構、長浜市、県の4者から成る地域振興プロジェクトチームを立ち上げて、地域振興プランの具体化を進めているところであります。  県といたしまして、まず、丹生ダムの買収済み用地や残存山林においては、自然保護地を活用したエコツーリズムの実施を念頭に、住民や専門家等から成る検討委員会を設置し、残存山林等の活用と保全について検討しているところであります。  また、丹生地区におきましては、長浜市や地元におきましても、発生土受入地をキャンプ場として利活用することなどの計画を進めておられると伺っておりまして、県といたしましても、関連する河川整備などを進め、しっかりと支援をしていきたいと存じます。  さらに、余呉地域におきましては、余呉湖周辺における土地利用の基礎調査をすることとしており、地域住民の方々が求める地域振興に関するアンケート調査を進め、地域振興プランを策定していきたいと考えております。  国、水資源機構、長浜市と本県の4者が連携、協力いたしまして、地域振興につながるそれぞれのプランを具体化し、地域整備の実施計画に位置づけ、着実に進めることで、この地域が持続的に発展できるよう取組を進めていきたいと存じます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)少しずつは動いているのかなというのが現状でありまして、現在、余呉まちづくり研究会などにも私も参加させていただきまして、県の職員さんも参加させていただいて御説明はいただいています。ただ、残存山林の寄附が本当に進んでいない。また、余呉湖周辺地域の諸問題がなかなか片づいていないというのが現状であります。  ここについては、県の方々も本当に親身になって、今この問題についても対応していただいていると思うんですが、今後、知事にお伺いしたいのは、この地域振興策の財源をどのようにされるのか。今までは丹生水源地区の整備特別交付金というのが、これは下流府県から集めたお金を県がお預かりされて、約4億円だと思うんですが、ハード面のほうに使われてきたと。もうそれがほとんどなくなってきているわけなんですが、今後、この地域振興策におけるこの財源をやっぱりしっかり確保するべきだと、僕は国にしっかりと求めていただきたいと思っているんですが、その点について再問をさせていただきたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 平成29年度に策定いたしました地域整備実施計画では、県は長浜市や地元が実施される事業を対象とした支援のため、平成30年度から特別交付金制度を創設いたしまして、長浜市への支援を実施しております。これまで市道整備としての消雪設備の整備や舗装修繕を対象として交付決定してきました。  今後、丹生ダム対策委員会をはじめ、地元の御要望に基づいて具体化された地域振興策に対して、国、水資源機構、長浜市と本県の4者が連携、協力いたしまして、財源の確保に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)県が中心になって、また財源の確保をよろしくお願いしたいと思います。  続いて、これは川島議員、また先ほどは冨波議員から質問もありましたが、北部地区の県立高校の現状と今後の政策についてお聞きをしたいと思います。  まず、先日、伊香高校で行われた京都府の魅力コーディネーターの講演会におきまして、冒頭に、県立高校のこれからを考えるには、まずはまちづくりが欠かせないというお話がありました。長浜市北部地区高校魅力化検討委員会というのが一昨年からずっと開かれているんですが、ここでも元県立高校の校長先生が同じような発言をされて、県立高校がなくなると、まちが滅びるというような画期的な話もされております。  知事は県立高校とまちづくりについてどのように考えておられるのか、まずお聞きをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 高等学校は、多様な生徒の生きる力を様々な教育活動により育む場であり、地域の活性化や世代間交流に寄与する機能を有するなど、多面的な機能を持つ場であると認識しております。  例えば長浜北高校では、コミュニティ・スクールとして地域の皆さんに学校運営に参加いただくとともに、高校生が地域のイベントや祭りの運営に携わったり、小中学校への学習支援にも関わっております。  また、伊香高校における地域と連携した防犯ボランティア活動や花いっぱいサークルの活動、長浜農業高校における地域伝承野菜「尾上菜」のブランド化の取組など、様々な場面で、高校が地域の中でまちづくりに参画をしてくれています。  高校生が地域の皆さんと、その地域の魅力や課題、将来を共に考えることで、地域の皆さんにとっては、地域で生徒を育てるという気概や元気、将来も子供たちが住み続けたいと思える地域づくりへの思いにつながり、高校生にとりましては、この地域を盛り上げるために頑張りたいという意欲や、まちづくりの担い手としての可能性を引き出し、地域社会に貢献できる資質と能力の育成などの効果が期待できるものと考えております。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)それでは、北部地区の高校の現状と本当にどうするのかというのを、まず短期政策の部分からお聞きをしたいと思いますが、滋賀県全体の高校を選べるルール、全県一区制でありますが、北部地区の高校は、交通網の関係から、滋賀県内どこからでも通学できる高校とは言えません。県内唯一の国際バカロレアがある虎姫やスポーツ強化の伊香高校は、限られた生徒しか通学はできません。  先ほど皆さんは全国募集というお話をされておられましたが、僕もそれに反対するわけではない。もっともっとその政策もしていただきたいんですが、今のルールの中で県内としてしっかりと、この南からも北の高校も通えるような施策が僕は必要じゃないかなと思い、まず、これは知事の考えをお聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 南の生徒も北へということですか。全県一区制ですから、選んで、それぞれの生徒が北の高校に行きたいという場合は北に通うんでしょうし、南の高校に行きたいと、西の高校に行きたいという生徒は、それぞれ専門に応じて通うということになると思います。ただ、その際に、ある課題をどのように克服していくのかということについては、それぞれまた関係者と協力しながら改善をしていくということになると思います。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)ちょっと僕の説明、ちょっと答弁協議でもあれしてたと思うんですが、なかなか北のほうには交通網の部分の関係、JRの関係あたりでも、大津の子が虎姫高校や伊香高校へ来れる環境というのが、なかなかないということなので。一部の今、伊香高校へ来ている生徒でも、東海道線の子は米原駅で30分以上また待って、琵琶湖線、北陸線に乗り換えて来る。それでも精いっぱい、1時間半以上かかって伊香高校へ通っている生徒もあるんですが、大津から伊香高校へ通おうと思うと、2時間近くかかってしまうという環境になってしまう。  バカロレア、これから県に一つしかないという部分があるとすると、まずは今のルールの中で、県内の生徒がどこの高校へも行ける、特に北の高校に行けるような環境づくりというのを僕はこれから必要じゃないかなと思って質問をしました。  もう一度ちょっと知事、ちょっと分かりにくい発言だったかもしれませんが、よろしくお願いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 高校生にとって自宅からの通学手段というものは、徒歩や自転車に加えて、電車やバスといった公共交通機関の利用であるということから、各県立高校では電車等の運行状況に合わせて始業時間を設定したり、生徒の通学のしやすさの工夫も行っていると聞いております。  また、一部の高校では、地元のコミュニティバスが運行ルートや運行時刻を高校の通学に配慮いただいている例もあると承知をしております。  湖北地域においては、75%以上の生徒がJRを利用する高校もありまして、登下校の時間帯における公共交通の利便性は、通学しやすさの面で高校選択にも関わる一つの大事な要素でありまして、地域公共交通の利便性が維持されるよう、持続可能な交通まちづくりを進め、通いたい高校に通える環境整備にできる限りつなげていきたいと考えているところであります。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)私が高校へ通っていましたのがちょうど30年前。私は歩いて5分のとこに高校がありましたので通っていましたが、当時、当然普通科は限られたとこしか行けませんでしたが、農業科や商業科、工業科は全県一区制でありまして、伊香高校にも大津のほうからも通っておられたり、大中の干拓地から、高島から、堅田というようなとこの生徒が、私の先輩や後輩は、野球部は野球部で普通の家庭に泊まらせていただいて、柔道部は柔道部で一軒の家庭に泊まらせていただいて、陸上の長距離は長距離で一軒の家庭にというような環境でありました。  なかなか今は、そういうふうな環境の中で普通の家に高校生が泊まるという環境がなくなってはきてるんですが、全てこれは滋賀県の生徒が当時、伊香高校へそういう通ってたと、スポーツをしたいために集まっていたという環境でありまして。当時、国体が私の高校2年生のときに行われましたけども、県内から集まってきた高校の方が伊香高校から国体に出られて、上位の成績を収められたというのが当時30年前の話なんですが。  そういう話をしていると、やっぱり県内でもなかなか伊香高校へ来れないという環境をどういうふうにするのかというのを、もう少しやっぱり、教育委員会と共にやっていただきたいなという思いの中で、これを、発言をさせていただきましたので、よろしくお願いをしたいと思います。  続いて、長期的政策といいますか、現在、伊香高校は、今年から魅力化検討校として、いろんな検討がなされております。しかしながら、もっと大胆な改革が必要ではないか、これ、先ほど冨波先生も一緒の言葉を言われてましたが、長浜市北部地区高校魅力化検討委員会というものが提言書を、昨年、知事と教育長に提出をいたしました。選ばれる高校に変革するには大きな改革が必要と考えますが、これからの方針をお聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) これまで、長浜市における統合新校の設置でありますとか、西日本国公立高校では初めてとなる虎姫高校の国際バカロレアの設置、総合学科による多彩な系列や専門学科による学び、全国レベルで活躍する部活動など、多様な形態で、北部地域における魅力と活力ある高校づくりに努めてきたところであります。  今後、高等学校は、生徒数の減少により学校規模が小さくなることも予想され、学校内だけの教育活動では生徒を伸ばすことが困難になることも予想されます。これまで以上に社会に開かれた教育課程の実現が重要となり、地域と共に目指す姿を具体化していく必要があると思います。  昨年、長浜市北部における県立高校魅力化検討委員会から、新たな学科の設置などに関する御提言もいただきましたが、特に、県北部地域などで人口減少には強い危機感を抱いており、それらの地域における振興というものについては、北部振興と申し上げておりますので、確固たる決意で皆さんのお力を得て臨んでまいりたいと考えております。  地域における高校の存在は、先ほど来申し上げておりますように、大変大きゅうございます。もちろん交通の問題は教育委員会、教育行政だけで何か語られる、また、改善できるものではありませんけれども、地域の皆さんとも力を合わせて、今後議論を重ねながら、選ばれる高校づくりにしっかり取り組んでまいりたいと存じます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)私たちも、中学生に選ばれる高校にどうすればいいのか、今後、本当に考えていきたいと思っております。  それでは、北部振興への課題の最後の項といたしまして、選挙戦、ありました。その後、長浜の市議会議員選挙もありまして、かなりの地域で私も街頭にも立たせていただき、皆さんの意見を聞かせていただいた中での一番のやっぱり皆さんが言われることは、県境付近によく行きましたが、見た風景や一番声が大きかったのは猿の被害に弱っている。どうしようもない。ちょっと言い方は悪いんですが、おりの中で畑を行っているというのが今の北部地区の一番の大きな声でありました。  私が住む木之本の商店街にも、近年は猿が出没してくるというのが現状であります。二、三日前ですか、全国放送でも、山口県でしたですかね、猿による人の被害も出てるということで、やっぱり皆さん、どうにかならないのか、どうしようもないのですかという意見が多かった部分があります。なかなか難しい問題かと思いますが、知事にお伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) どうにかならないのかと私に問われても大変困ることなんですけど、我々人間が一緒に考えていくしかないんだと思います。そして、私たちの命を脅かされることがないように、どのように一緒に暮らしていくのかということを、究極的には考えていくことになるんだと思いますが、事前に用意している答弁もありますので、読み上げさせていただきますと、ニホンザル被害対策についてでございますが、猿の出没が多い地域では、農業に加え、住民生活においても被害があり、大変御苦労も多いと認識しております。私もそういうお悩みを直接お聞きすることもあります。  こうした中で、これまで個体数調整や追い払いなどの対策を進めてまいりました結果、農作物の被害額は、ピーク時から平成28年には約6分の1まで減少してきましたが、それ以降はやや増加傾向にあるということでございます。  一方、生活環境被害につきましては、年々被害を訴えるお声をいただくことが増えておりますが、追い払いなどの被害防除を行う人手が高齢化により不足しているなど、課題は多いと認識しております。  即効性のある対策はないんですけれども、滋賀県ニホンザル第二種特定鳥獣管理計画に基づき、これまでから集落を主体とした被害防除対策や市町が行う個体数調整等へ支援を行ってきたところでございます。引き続き、いろんな有効な対策等を講じていらっしゃるような自治体の事例なども情報共有しながら、今後の対策を市町と共に考えてまいりたいと存じます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)最近、イノシシを見る機会というのは本当に少なくなりました。鹿に関しても、長浜市においては昨年、かなり駆除ができたという話も聞いております。どうしても最後はこの猿という話をよく皆さんにお聞きします。何とか皆さんと共存ができるような体制ができなければいけないのかなと思いながらも、知事に質問をいたしました。  続きまして、2問目、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会における今後の取組についてお聞きをいたします。  知事は、代表質問において、滋賀県開催の国スポにおいて天皇杯獲得の強い意思を表明されました。私も競技大会において勝利をつかみにいく姿勢は当然だと思い、私も何とか天皇杯を取りたいなと思う気持ちであります。  そこで、まだまだ進化しつつある滋賀県選手団の強化について、中心に質問をいたします。  まず1問目、滋賀県開催の国スポの3大会前の開催となる栃木国体、まだ国体といいます。鹿児島までが国体と言われるそうですが、今後の選手強化において非常に重要な大会となることから、栃木国体の選手派遣など、実績を含めて、目標を文化スポーツ部長にお聞きをしたいと思います。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) (登壇)お答え申し上げます。  滋賀国スポ開催までの残り3大会が重要であるというふうに考えておりまして、今年開催されます「いちご一会とちぎ国体」におきまして、天皇杯の順位10位台への進出を目標としております。  この目標に到達するためには、参加点で申し上げますと400点、成年種別で370点以上、少年種別で230点以上、合わせまして1,000点以上の獲得が必要だというふうに考えてございます。  現在、この栃木国体の予選であります近畿ブロック大会が順次開催されておりますが、少年選手は強化拠点校の生徒を中心に、また、成年選手におきましては、SHIGAアスリートナビ、また、スポーツ特別指導員として確保した成年選手を主力メンバーとして派遣するなど、今回の国体に向けての準備を進めているところでございます。  目標達成に向けまして、一つでも多くの種目が近畿ブロックを突破して、また、今回の栃木国体で多くの競技が入賞できるように、引き続き取り組んでまいりたいと、このように考えてございます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)1,000点以上を目標にされるというすごい目標でありますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思うんですが。  この3大会前になる栃木国体がなぜ重要なのかという部分、ちょっといじわる的な質問なので私が言っときますけども、成年の部、少年の部も、一つの県に出たら違う県で出場する場合は2年間出場をやめなければ違う県に行けないというルールがこの国体ルールでありますよね。しかしながら、今年の栃木国体前の2大会は中止になっているから、今年は全員フリーなんですよね。どこの府県からも制限なしで出られるというこの栃木国体、しかも2大会後が滋賀だということは、栃木の後、もしも滋賀で出ていただくためには、この後の2大会は出ていただけなくなる可能性もあるという重要なこの栃木大会であるんです。  全員がフリーになる国体って多分初めて、第1回大会以来初めてなのかなと思うんですが、そのためには、この栃木国体での成績イコール、滋賀県が「あ、やるんだな」と、「滋賀県ってすごいんだな」という部分を含めて、この栃木国体では言われるように、本当に上位進出をして、滋賀でやっぱり滋賀の魂を受け継いでいこうという人をたくさんたくさん出す必要があるんだと思うんですが、もう一度、文化スポーツ部長にその部分を含めてお聞きをしたいと思います。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) 今、議員のほうからルール、今回の位置づけについて解説いただきまして、本当にありがとうございます。私どもも、国体そのものが中断された中での再開の大会ということで緊張感を持って臨んでおります。今、議員が御指摘いただいたことを十分に肝に銘じて具体的な取組を進めてまいろうと思っていますので、引き続き御指導願えたらありがたいと思っています。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)今、後ろのほうから「よく分かんないな」という話がありますけども、続いて行きます。  今後の強化については、成年の部の選手をどのように集めていくか、また、滋賀の魂を植え付けていくかというのが一番課題になりますが、現状を文化スポーツ部長にお伺いします。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) お答え申し上げます。  開催年に総得点の6割から7割の獲得を想定しております成年種別の強化は、天皇杯の確保に向けて極めて重要だというふうに考えております。  今年度は県内の企業、大学チーム所属の選手であったり、県外で活躍するふるさと選手に加えまして、今年度までに確保しました新しい新戦力を基に選手団を結成いたしまして栃木国体に臨むところでございますが、いまだに予選突破が難しい、選手層の薄い種目もあるというふうに課題を抱えているというふうに考えてございます。  このため、現有戦力の競技力の底上げと並行しまして、競技力の高い選手を県内企業所属、また教員、公務員、また県スポーツ協会のスポーツ特別指導員として残り3年間で着実に確保いたしまして、天皇杯の確保を目指してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)続いて、少年の部の強化について、滋賀県ゆかりの選手を育てていただいてきましたが、これからの少年の部の強化についても文化スポーツ部長にお尋ねをいたします。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) お答えいたします。  「わたSHIGA輝く国スポ」における少年種別の中心になりますターゲットエイジの選手につきましては、競技力の高い選手を早い段階から強化選手に指定しまして、継続的に強化を行ってきたところでございます。  現在の中学3年生は、ターゲットエイジの最高学年となる学年でございまして、県内の高校に進学していただくことが非常に重要であるというふうに考えてございます。  そのため、昨年度、令和3年度からは、競技力の高い選手を対象に、県内高校への進学を条件に支援を行います高校生トップアスリート支援事業という事業を新設いたしますなど、県内の高校への進学を選択していただくような環境を整えたところでございます。  県内の高校に進学した選手に対しましては、今後、スーパーアドバイザーコーチなど、全国レベルの指導者の下で、早い段階から県代表として試合経験を積んでいただくなど、集中的に強化を行いまして、開催年まで残り3年間で入賞できる力を培ってまいりたいと、このように考えてございます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)ターゲットエイジの御説明もいただきました。  我が会派の代表質問におきましても、35名のターゲットエイジが本年度、県外の高校に進学しているという現状をお聞きをいたしました。今、文化スポーツ部長の御説明どおり、来年度の入学生が滋賀国スポのときには高校3年生になるという、少年の部の最高学年になるということになります。そのためには、将来性に期待が持てる選手の県外への進学は大変残念でもありますが、今後の対策について、文化スポーツ部長にお尋ねをいたします。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) 今、議員からも御紹介ありましたとおり、ターゲットエイジの選手につきましては、今年3月の県内中学校を卒業した強化指定選手289人のうち、県外の高校に進学した選手35人でございました。  また、より競技力の高い選手でございます高校生のトップアスリート支援事業の内定者については、24名いたわけですけど、うち8名が県外の高校に進学したという状況でございます。  こうした中、競技力の高い選手ほど県外の高校を選択しているという傾向が見て取れます。これは本県の競技力向上の観点から大きな課題であるというふうに認識しておりまして、ターゲットエイジの選手の県内高校進学がかなうように、引き続きしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。  一方、陸上競技の例えば桐生選手のように、高校で県外に進学されたものの、成年選手になってからの国体には滋賀代表として出場していただいている選手もいらっしゃいます。  このように、ターゲットエイジとして育ててきたものの県外に進学した競技力の高い選手につきましても、今後、ふるさと選手として滋賀から出場していただけるように、良好な関係の継続と必要な支援ということをしっかり行ってまいりたいと、そのように考えてございます。
    ◆5番(柴田清行議員) (登壇)今年、県外に進まれた方々は、当然、滋賀国スポのときには成年の部に出られる方でありますので、当然ふるさと選手という形を、何とか帰って来ていただけるように、よろしくお願いをしたいと思います。  続いて、このターゲットエイジの県立高校の進学について、教育委員会として、しっかりと県立高校へ進学を促進していただきたい。文化スポーツ部と今後どのように協力して、国体強化拠点校などの県立高校へのターゲットエイジの進学を進めていくのか、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えをいたします。  ターゲットエイジの県立高校への進学につきまして、本県の県立高等学校の入学者選抜では、平成29年度の入学からスポーツ・文化芸術推薦選抜を新たに設けまして、スポーツ強化拠点校の指定を受けた学校が、県教育委員会と協議して、推薦選抜を実施することができるようにしているところでございます。  制度のスタートの平成29年度の入学では10校で16種目でございましたが、ターゲットエイジの最高年齢が入学される令和5年、来年の入学におきましては、17校38種目に拡大をし、できるだけ多くの有望な選手が推薦入学で滋賀県の県立高校に入っていただけるように取組を進めているところでございます。  また、今年度から、文化スポーツ部と連携をいたしまして、中学生が参加をいたします高等学校の体験入学におきまして、スポーツ強化拠点校の部活動の体験ができるというように変更をさせていただいたところでございます。  県内のターゲットエイジに当たります中学3年生に対しまして、県内のスポーツ強化拠点校の特色や魅力、また、部活動の雰囲気を肌で感じることができる機会を設けまして、県内の中学生の県内のスポーツ強化拠点校への興味、また関心を深める工夫をすることによりまして、教育委員会として、多くの有望な生徒が強化拠点校に進学できるよう努めているところでございまして、この点につきましては、令和6年、令和7年においても、令和4年、今年度の取組をしっかり検証しながら、工夫を重ねてまいりたいと考えております。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)県内高校、やっぱりちょっと私の印象的にも、私立高校に押されているのかなと、県立高校がと。国体は関係ないんですが、野球がやっぱり、私立がベスト4だとか。いろんなスポーツについても、県立高校のやっぱりレベルがなかなか私立のレベルに来ていないというのも現状であります。国体という部分では、しっかりと県立高校の役割、県立高校でも頑張っているところもたくさんありますので、よろしくお願いをしたいと思います。  次に、トップアスリート支援事業、先ほど文化スポーツ部長からもお話をいただきました。このトップアスリート支援事業では、県外からの選手にも、このトップアスリート支援事業は適用されるルールになっています。滋賀県の精神をどのように注ぎ、注入して、この少年選手を県外から滋賀県の高校に入学を促進されるのか、文化スポーツ部長にお伺いをいたします。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) お答え申し上げます。  中学校時代に県外で活躍していた選手の県内高校への進学実績を見てみますと、直近の令和4年度の4月入学生で申し上げますと、強化拠点校であります私立高校の指定の部に57名の選手が進学したというふうに把握しております。  このうち、議員から御案内がありました高校生のトップアスリート支援事業につきましては、特に競技力に秀でた県外からの進学者も含めて県内高校に進んでいただいた方を対象にしております。これらの選手に対しまして、改めてこの制度、県外の選手に対しましても、この制度を周知してまいりたいというふうに考えております。  この高校生トップアスリート支援事業を通じた取組に加えまして、県外から本県の高校に進学する選手に対しましては、滋賀県の代表としての自覚と誇りを感じていただきまして、滋賀の国スポで大いに活躍していただけますように、学校であったり競技団体と連携しながら強化活動をしっかり支援していまいりたい、そのように考えております。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)少年の部、なかなか難しいルールでありまして、滋賀県の高校に所属をする人たちでなければ滋賀国スポの少年の部には出場できないというのがほとんどなんです。ほんまにごく一部、ゴルフとかそこら辺の個人競技では、県外の選手が県外の高校に行っても、滋賀県代表で少年部という方はおられるんですが、95%以上が、滋賀県の高校に所属しないと滋賀国スポは少年の部に出られないということですので、滋賀県のお金を使って県外の選手も育てていくというのがトップアスリート支援事業ということをお聞きをしております。  続いて、国スポを通じて県立高校のスポーツ向上政策をするということは、私も願ってもない政策だと考えています。県立高校が県内選手の受入れには、滋賀の制度では現在難しい現状であります。先ほど冨波議員からのいろいろな説明、また質問でもありました。これからの滋賀県のスポーツ向上にどのように、県立高校の進学制度を含めた検討も必要ではないかと、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  先ほど文化スポーツ部長から答弁にありましたように、私立高校におきましては、県外から競技力の高い選手の入学を促し、それぞれの学校の活性化を図ろうという取組が従来から行われておりますが、本県の県立高校におきましては、そのような制度は現在ないところでございます。  現在、全国募集に関しましては、信楽高校においてのみ実施をしておりますが、この全国募集の制度をさらに拡大するのかどうかにつきましては、今後、様々な方々からの御意見を伺いながら考えてまいりたいと思っております。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)先ほど冨波議員の質問の中にもいろいろとありましたが。ここ、ちょっと矛盾をしてる。トップアスリート支援事業を滋賀県が構築して、私立の高校でなければいけないというルールなんですよね、結局は。最終的には。本来ならば、この国体があって、滋賀のスポーツを盛り上げようと思えれば、県立高校にも本来は迎え入れて、このトップアスリート支援事業というものを構築していくというのが、教育委員会も協力的なことで、もっと早くから議論をしてもらわなければいけなかった。今になって議論をしているから、なかなか来年度の入学には難しいというような現状に、僕はあったのかなと思うんですよ。  何か教育委員会と文化スポーツ部の意見がなかなか合っていないのが、この滋賀県の政策ではないかなと思っているんです。県立高校のスポーツを向上していこう。その中では、やっぱりこのトップアスリート支援事業というものをもっともっと早くに理解をしていただき、教育委員会として県立高校のスポーツをよくしようと本当に思われてるのかどうかというのが、僕は非常に疑問に思っております。もう一度、教育長にお伺いをしたいと思います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  県立高校で運動部活動に様々な生徒が関わっておられます。そういった一人一人の生徒にとって運動部活動がよりよきものになるように、県立高校の設置者としてしっかり考えていかなければならないのは当然のことだと思っております。施設、指導者、そして運動する機会、様々なものを県立高校でも設けていくことが私に与えられた役割でございますので、滋賀の高校生のスポーツ振興に県立高校も一定の役割を果たしていくことは大切であると認識をしているところでございます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)何とか県立高校でもそういうふうな制度ができるように、今後、文化スポーツ部と協力して御協議をいただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  続いて、国スポ競技におきましては、国内競技では数少ないドーピング規定を重んじられております。現在、薬剤師会や医師会では、いろいろな対策を検討されていますが、救急治療に関してドーピング対策が検討されているのか、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) (登壇)お答えいたします。  救急医療では患者の救命を優先するため、現在、県におきましては、救急医療に関するドーピング対策は検討していないところでございます。  各医療機関におかれましては、患者や家族からの申出や、国民体育大会選手カードの携帯等によりまして、患者がスポーツ競技者であることが分かる場合には、治療に一定の配慮がなされていると考えております。  スポーツ選手にとりまして、薬物の摂取は非常に重要な意味を持つことを十分に認識した上で、県におきましても、スポーツ競技者が救急時に治療薬等により競技に参加できないということが起こらないよう、文化スポーツ部とも連携し、医療機関等に対する周知等を検討していきたいと考えております。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)この救急医療のドーピング、非常に難しい。生命に危機している場合はという部分は僕はあろうかと思っていますが、過去の国体においても、救急治療で救急車で搬送されるのが、選手、2時間以上かかって派遣されたという例は多々出ております。  滋賀県でもこれからサブ大会ももうそろそろ始まろうとしてますが、そういう人たちは当然ドーピングには神経をとがらせている方もおられますので、点滴治療とか、そういう簡単な治療で収まる場合には、しっかりとドーピングという部分にも救急医療の方々のお力をいただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  続いて、なかなか少年の部の選手に対して、ドーピングに対する経験不足から、いざ病気にかかると非常に焦ってしまうというのが現状にあります。少年の部の選手に対しての指導を強化する必要に対して、文化スポーツ部長にお伺いをいたします。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) お答えいたします。  禁止薬物につきましては、少年選手でも容易に入手できます、例えばサプリメントであったり、ドリンク剤ということについても禁止薬物が含まれているということがございまして、早い段階からアンチ・ドーピング教育を行っていく必要があるというふうに考えております。特に大会への出場経験の少ない少年の選手に対する徹底というのが重要だというふうに認識しております。  こうしたことから、アンチ・ドーピングの情報を分かりやすく解説するとともに、例えば服薬履歴を記録いたしますアスリートおくすり手帳ということにつきまして、県の薬剤師会の皆さんの協力の下に製作しておりまして、今年度から少年選手を含めます県の代表選手団全員に配布することといたしております。  加えまして、治療の現場におきましてもアスリートへの配慮が促進されますように、我が部、文化スポーツ部といたしましても、医療機関に対しますアンチ・ドーピングに対する情報の積極的な発信を行いたいと思っています。アスリートが禁止薬物を摂取するということの未然防止につなげていくように注力したいと考えております。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)高校生ドーピング、本当に大変な問題だと思っておりますし、家族がその中で一番大変だというのが一番、私も一応経験をしている上、ドーピングに対しての思いという部分が強くありますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  それでは、大会終了後の取組への重要性のお声をよく聞くようになりました。今後の大会終了後の検討計画を文化スポーツ部長にお聞きいたします。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) お答えいたします。  ジュニアアスリートの発掘、育成を目指します滋賀レイキッズや成年選手の就職マッチングを行いますSHIGAアスリートナビといった、これまでやっております、今回の国スポを契機に行いました新たな取組につきましては、「わたSHIGA輝く国スポ」に向けた競技力向上の過程で生まれたものでございまして、定着しつつあるものと認識しております。  加えまして、競技団体では、全県域を対象にしました、ジュニア選手から中高生、成年選手までの強化を一貫して行います強化活動のノウハウの蓄積が進んでいるというふうに考えてございます。  こうした取組を一過性のものとはせずに、滋賀の子供たちが、この滋賀の地で育ちまして、世界に羽ばたき活躍する国スポのレガシーとして残していただくことが重要であるというふうに考えております。このことにつきましては、現在策定を進めております第3期の滋賀県スポーツ推進計画の中で必要な方策として位置づけまして、その取組を着実に進めてまいりたいと考えております。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)もう1点、この大会終了後の取組の中では、やっぱり立派なスポーツ施設を造らせていただきましたし、この今後の活用政策についても重要かと思うんですが、文化スポーツ部長にお聞きをしたいと思います。 ◎文化スポーツ部長(谷口義博) 今、議員御指摘のとおり、今回、大規模な施設、多額の投資もさせていただいて、主会場をはじめ様々な施設を整備させていただいております。  そこについては、国スポでの活用というのはもとより、今後とも県民の皆さんがスポーツを見たり、現場で仲間の皆さんと共にそこの場で活動していただくということが、もとより重要だと考えておりますので、そのようなことをまずプログラムというか、実際の動きの中でしていただけるように、県としての具体的な啓発というか、働きかけとかも含めまして、具体的な動きについてのイメージをしっかり共有するような広報啓発も含めまして、しっかりしてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)私の地元でも柔道競技が行われるツインアリーナ、長浜伊香ツインアリーナというとこでも、つい最近になりまして、子供さんの遊具を駐車場の周りに設置したところ、連日、この暑い中、一日に本当にぱっと見ただけでも100人ぐらいの子供さんがおられるような現状もあります。  小さな子供から高齢者の方々までが楽しめる、そういう施設をもっともっと県としても今後、御検討をいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  最後に、いろんな課題をお聞きをいたしました。天皇杯獲得までには大きな課題や新たな対策も必要になってくると感じました。そこで、天皇杯にかける知事の考えをお聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 2025年、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会を開催させていただくということであります。  この2025年に向けて、ターゲットエイジの高校進学を目前に控えた今年度は、開催年を見据えた成年選手獲得の動きに拍車をかけるタイミングでもあるなど、節目となる重要な年であるということを改めて認識いたしました。  先ほど部長からも申し上げましたとおり、成年、少年、それぞれの選手強化の課題にスピード感を持って対応していく必要があることは、私自身も実感しているところであります。  県といたしまして、3年ぶりの開催となるこの秋の栃木国体にしっかりと臨みながら、その結果も分析をし、必要な対策を残り3年間でタイミングを逃さず実施し、「わたSHIGA輝く国スポ」での天皇杯獲得という目標の達成を目指してまいりたいと存じます。  また同時に、一部の人のための大会にならぬよう、一過性の大会にならぬよう意を用いていくことも重要だということを改めて、御質疑も伺いながら感じたところであります。  そのためにも、国スポ開催までの間に積み上げてきたアスリート育成のノウハウや、国スポで活躍した選手などの人材を生かして、県民の皆さんの一層のスポーツの振興や健康しがの実現につなげていけるよう取り組んでまいりたいと存じます。 ◆5番(柴田清行議員) (登壇)今、知事も言っていただきました。やっぱり今年の栃木国体、非常に重要なポイントになろうかと思っております。私も時間がありましたら、できれば応援に行きたいなと思っております。  私自身も国体には出たことなく、出たかったんですが、出られる実力がなかったというのが事実かもしれませんけども。琵琶湖ブルーのあのユニフォーム、ハット、非常にそこら辺はスポーツ選手は憧れるところ、このファッションというもんを結構スポーツ選手としては憧れて、そのユニフォームが着たいというのが思う気持ちなんですが、今後、また新たな滋賀国スポに対するユニフォームのデザインとか、これからやっていかれると思いますが、憧れるようなユニフォーム、またデザインにも仕上げていただきたい。  しっかりとした国スポ、また全国障害者スポーツ大会になることを願って、質問を終えます。ありがとうございます。(拍手) ○副議長(清水鉄次) 以上で、5番柴田清行議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後3時23分 休憩    ────────────────   午後3時45分 開議 ○副議長(清水鉄次) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  最後に、10番小川泰江議員の発言を許します。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇、拍手)本日最後の登壇となりました。皆様、お疲れでしょうが、いましばらくお付き合いをよろしくお願いいたします。  それでは、まず1問目、子供の集団への新型コロナ対策と検査についてをお伺いいたします。  先般の代表質問への答弁で知事は、新型コロナ対策について、「社会経済活動を維持するために、私権の制約につながる行動制限はできる限り行わない」「保健医療体制は万全を期し、県民の安心につなげたい」と述べられました。これは国の方針とも合致していますが、この感染急拡大の中、本当に県民の安心が担保できているのか、制度のはざまで困っている人はいないのか、施策は本当に機能しているのか、また有効なのか、そういった疑問を強く持っています。その観点で幾つかの論点について問わせていただきたいと思います。  まず、これまで何度も問わせていただいた子供の集団へのコロナ対策について伺います。  夏休みに入り、学校での感染拡大は抑えられていますが、保育園や放課後児童クラブでの感染拡大が危惧され、実際に保育施設でのクラスターも報告されています。これまでも、子供たちの集団で感染者が出ると、休園や自宅待機になり、保護者が仕事に行けなくなり、結局、社会活動に支障が出るということを繰り返してきました。  知事は、これまで得られた知見を生かして賢く対応していくと選挙期間中もおっしゃっておられましたが、子供の集団で感染者が発生した場合、現在の対応はどうなっているのか、以下、別途指名するまで健康医療福祉部長にお伺いいたします。 ○副議長(清水鉄次) 10番小川泰江議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) (登壇)お答えいたします。  オミクロン株が主流の間は、保健所による積極的疫学調査の集中化を行っておりまして、保育園や放課後児童クラブ等の保育関連施設に対する調査を行っておりませんでして、必要に応じまして保健所からの助言を受けながら、それぞれの施設の判断によりまして、検査や行動制限を行っていただいているところでございます。  保育関連施設におきます検査につきましては、陽性者が出たときに、希望される場合はイベントベースサーベイランス事業による検査を活用していただくとともに、濃厚接触が疑われ、重症化リスクがあるなどの場合は、しがネット受付サービスによる検査をお申し込みいただいているところでございます。  施設の開所を続けるか、あるいは休園するとした場合のその範囲や期間につきましては、地域の感染状況や保育の提供状況等を踏まえまして、市町が判断することとなっております。  なお、休園する場合でも、期間を短くし、また、一部のクラスにとどめるなど範囲を小さくし、できる限り保育が継続できるよう努めていただいているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  現在、濃厚接触者の特定は、例えばクラスターとか以外はもう行われていないということですが、結果として保護者個人の判断に委ねられたりすることになりまして、やっぱり不安と負担になっているのではと危惧されます。  その一助ということで、今、自己申告の濃厚接触者に提供される、しがネットのPCR検査キットですね、これ。こちらのことを御紹介いただきましたが、この申込みのほうですね。今のこの感染急拡大、機能しているんでしょうかどうか伺いたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  しがネット受付サービスの検査は、直近で1日当たり600件程度お申し込みいただいているところでございます。検査に要する日数は、お申し込みいただいてから5日程度であり、感染拡大前と変わらない状況でございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)先日の特別委員会でも、イベントベースサーベイランスも同様に、結果判明まで5日かかっているということを伺いました。御承知のとおり、濃厚接触者の待機期間が、国のほうから通達で、もう既に5日に短縮されることになった今、これらの事業は本当に有効だとお考えでしょうか、見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  検査結果の判明前に濃厚接触者の待機期間でございます5日間が過ぎた場合、検査の結果判明を待たずに待機期間を解除していただいているところでございます。  しかしながら、待期期間解除後も7日間が経過するまでは、検温など自身による健康状態の確認などをしていただいていることから、結果の判明に5日程度要するということではございますが、7日間経過するまでの間に検査結果が判明するため、感染拡大の防止にはつながっていると考えているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)もちろん効果がゼロとは申しませんが、この例えばイベントベースサーベイランス事業でしたら、当初予算で5億2,600万円余ですね。これだけの予算をかけて運用しているような事業です。その事業が本当に県民の安心につながっているのかということに関しては、大きなやっぱり疑問を持たざるを得ません。  これ、例えば、すぐに結果が出るような抗原検査キットに振り替えるとか、そういったような、例えば期間を短縮するとか、そういった可能性を検討すべきではないかと考えますが、見解がおありでしたら伺いたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  まず、保育所等につきましては、イベントベースサーベイランス事業を中心に展開しているところでございますが、結果判明まで、今申し上げましたおおむね5日ということではございますが、これは平均といいますか、実際5日が一番長いケースでございまして、申込み2日から5日程度、結果報告というものもございます。今般の感染急拡大を受けまして人員体制も増強いたしましたので、直近ではおおむね3日で結果をお返ししているということでございます。  本事業は、濃厚な接触があった方も含め、施設を広く一斉に検査を実施しておりますことから、クラスターを早期に検知し、早期に介入することによって大規模化抑止につなげるということで、まず、イベントベースサーベイランス事業ではそうでございますが、今、議員御指摘ありましたように、抗原定性キットも活用の余地があるのかなというふうに思っております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)実際に5日の待機期間を3日に短縮する、エッセンシャルワーカーの方は抗原定性検査キットでそれを図るということでしたので、無症状者の方に対して抗原検査というのが、若干精度は落ちるとはいえ、ある程度の有効性、あるかと、確立されているかと思いますので、ぜひとももっと有効な施策となりますように、引き続き御検討いただきたいと思います。  先ほど、保育園等の休業は、できるだけ短く小さくということを伺いました。ただ、社会全体のまだコロナに対する許容意識がそんなに大きくは変わっていない状況では、結局、万が一を考えて、念のため長く大きくとなってしまうのではないかと危惧もしております。保育所、放課後児童クラブ等の自宅待機の短く小さくは本当に進んでいるのでしょうか、お伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  保育所や放課後児童クラブ等の平均休園日数についてでございますが、令和4年2月は月平均4.7日でございましたが、6月には月平均3.8日と短縮傾向でございます。  また、全部休園につきましては、令和4年2月は全体の70.5%と大半を占めておりましたが、6月には20%となっているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  こちらのほうは一定、様々な理解の下、進んでいるということで、引き続き、できるだけオミクロンの特性に合わせて、短く小さく進めていただければと思います。  そして、以前の質問で、コロナで休園になった場合の代替保育について提案しました。その後、国からも実施への働きかけ、通達があったと聞きますが、こちらの実施状況はいかがでしょうか、お伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  代替保育につきましては、これまで市町担当者会議やフォローアップ調査を通じまして実施促進を図りまして、保育士の派遣の仕組みや他施設の活用など、16市町で受け入れる用意をしていただいているところでございます。  しかしながら、感染拡大のおそれや保育環境の整備など課題も多いことから、先ほど御答弁させていただいたとおり、個々の園内において休園を一部のクラスにとどめたり、できるだけ短期間とするなど、園の実情に応じて対応いただいているところでございまして、代替保育の活用実績は大変少ない状況でございます。
    ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  全国的にもなかなか低調の利用であったと、補助金も下りたということですが、ということも聞いておりますし、高齢者施設の例でも同じような状況もあるということが伺っておりますので、まだ様々模索しないといけないことかなと考えております。  それでは、次に、高齢者施設や福祉施設従業員への一斉検査の実施状況はいかがでしょうか、お伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  大型連休後の感染拡大を抑制するため、5月11日から6月10日まで、高齢者施設等の従事者を対象に実施したところでございます。  また、今般の新規感染者数の急増を受けまして、7月20日から受付を開始しまして、7月25日から8月24日にかけまして、高齢者施設や障害者施設に加え、集団生活を行う保育関連施設等の従事者まで対象を拡大した集中的、一斉的な検査を実施しているところでございます。  5月から6月は432施設、8,102人に検査を実施いたしまして、陽性と判明した方は5人で、陽性率は0.06%でございました。7月は、7月31日時点で277施設、6,387人の申込みがあり、うち50施設、768人に検査を実施し、陽性と判明した方は7人で、陽性率は0.9%でございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)すいません。今、陽性と判明した方、7人とおっしゃいましたが、0.9%と合わないかと思うんですが、もう一度御答弁をお願いできますでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) 失礼しました。0.09%でございます。(「すいません。失礼しました。もう一度訂正します」) ○副議長(清水鉄次) もう一回答弁しますか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) すいません。50施設、766人に検査いたしまして、陽性と判明した方は7人で、陽性率は0.9%でございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。すいません。  まだまだ0.9%、多くないように思いますが、最初の0.06%から考えると15倍にはなっているということで。例えばこれ、今、保育所等の従業員への一斉検査も行ったとおっしゃいましたが、こちらのほうの状況はいかがでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  保育関連施設の結果につきましては、7月31日時点で61施設、1,217人の申込みがあったところでございますが、うち7施設は137人に検査を実施しておりまして、陽性と判明した方は2人で、陽性率は1.5%でございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)現在、多いとか少ないとかいう声も飛んでおりますが、これについては、また後で触れてまいりたいと考えております。  それでは、次に、発熱外来等での検査体制について伺います。  先ほどもありましたが、第7波においては、濃厚接触者の特定は高齢者施設やクラスターなどを除いては、ほとんどされていないということです。つまり、現在陽性となっている方は、ほとんどが何らかの症状が出て発熱外来等で検査した方だと言えます。その周辺には何倍もの無症状の陽性者がいる可能性があるということが推察されます。  先日の特別委員会で、EBS──イベントベースサーベイランスでは、7月1日から7月25日に7,673人が検査し、陽性者は501名、陽性率は6.5%との報告がありました。また、再開した無症状者への無料検査では、7月17日から7月23日に6,189人が検査し、469名が陽性、陽性率は7.6%ということです。  そして先ほど、高齢者施設等の一斉検査の陽性率が直近では0.9%まで上がっているということも確認しました。この数字を滋賀県の人口およそ140万人、これに、単純にいかないことは承知の上、当てはめてみると、0.9%の場合は1万2,600人、7.6%の場合は10万6,400人です。  つまり、今検査をすれば、周囲に症状のある人がいるとか、感染が気になるといったシチュエーションによって幅はありますが、最低でも1万人を超える無症状陽性者が出てくる可能性があるということだとも推察ができます。誰がいつ感染してもおかしくない、まさに市中感染がまん延している状態と言えるのではないでしょうか。  その前提で確認いたします。第7波で報告されている陽性者の中で無症状者はどれぐらいいらっしゃるのか、お伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  第7波の始期でございます7月1日から7月31日までに確認された陽性者3万2,618名のうち、無症状者と診断された方は513名でございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)すいません。参考までに、私、前、7月27日から無症状者、抽出を始めたということを聞いておりまして、この日の陽性者が2,195名、この日の無症状とデータ上なっている方というのが何人いらっしゃるかは分かりますでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  7月27日、2,195名の陽性者の確認がございました。この日、無症状者は23名でございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)すいません。数字のことをいろいろ今取り上げましたが、発表されている陽性者は、ほとんどが症状のある方ということがこの数字からも分かるかと思います。  ある発熱外来の方に話を伺うと、最近では検査した方の8割が陽性ということでした。第7波において発熱外来の果たす役割はこれまでよりも大きいと言えます。  報道では発熱外来の予約が取りにくくなっているとありますが、県内の状況はいかがでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  診療・検査医療機関により受けている報告では、第7波の拡大期に当たります7月の発熱患者等の診察数でございますが、第6波の小康期に当たる6月と比較して約2.1倍、検査実施数が約2.3倍に増加しておりまして、無条件に患者を受け入れてくださっている医療機関におきましては、かなり逼迫している状況になっているということでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)それでは、発熱外来の検査体制は現状どのようになっているのかも確認させてください。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  発熱外来では、抗原定性検査やPCR検査等が行われているところでございます。抗原定性検査は自院で検査されますが、PCR検査等は、自院で検査される場合と民間検査機関に外注される場合がございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)まず、ある発熱外来の方で、ここはPCR検査を外注している病院です。例えば、土曜日の午後に採取された検体は、業者回収が月曜の朝となり、結果が出るのが火曜日の朝となってしまうということを伺いました。当たり前ですが、陽性が確定しないと宿泊療養等コロナのサポートは受けられません。この陽性確定までのタイムラグにより、困った状態に置かれている県民がいるということを、この発熱外来の方より伺っております。  例えば、生まれたばかりの赤ちゃんがいるため自宅には帰れない、お金を払ってもいいから宿泊療養施設に入れないかと懇願され、保健所に相談したが無理ということだった。結局この方は、陽性の可能性があることを隠して、どこかのホテルに泊まったということでした。また、ほかにも、車で寝泊まりしている方が実際にいらっしゃったということも聞いております。  この検査のタイムラグを解消するため、例えばローテーションを組んで日曜日も検体回収や検査を実施するなど何らかの対策が必要ではないかと考えますが、見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  感染拡大の防止や社会経済文化活動の継続の観点から、可能な限り短い時間で検査結果が判明することが望ましいと考えております。  議員御指摘のとおり、PCR検査におきましては、検査機関の休日等の体制によりまして、検査結果の判明までに一定時間がかかる場合があると承知しているところでございます。一方、抗原定性検査においては、有症状者に限定されるものの、迅速に検査結果が判明するものと承知しているところでございます。  このため、患者の状態に応じて抗原定性検査キットを活用していただくなど、迅速な検査を実施していただけるよう引き続き周知してまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  現実の運用として、PCR検査と抗原検査のなかなか併用が今の制度でできにくいというようなことも、その医院の方から伺いましたので、抗原検査の併用、こちらのほうを実はこの場で提案しようと考えていましたが、もう国のほうの方針として、発熱外来で医療用抗原定性検査キットの無料配布の方向が示されました。ただ、全国的なキットの不足も指摘されており、安定供給ができるのか不安が残ります。  抗原検査キットの供給について、県内の状況はいかがでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  7月25日の国事務連絡におきまして、外来医療の逼迫に対応するため、体制を整備する都道府県に、国から各都道府県に対しまして抗原定性検査キットを配布することが示されました。さらに7月29日の国事務連絡で示された追加の配布分を含めますと、本県には28万5,000キットの抗原定性検査キットを配布する準備があることが示されたところでございます。  現在、外来医療の逼迫等に対応するため、国から示されました抗原定性検査キットの活用や配布方法等について検討しているところでございます。  既に県で備蓄している抗原定性検査キットの配布と併せまして、この取組を迅速に実施できるよう早急に体制を整備してまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  県の備蓄分が4,000人分あるということで、合わせて大体29万。28万5,000プラス4,000で28万9,000分が準備されるということで、ぜひとも速やかに、今の発熱外来とか本当に必要な方の下に届いて、有効に速やかに検査ができるようにお願いしたいと思います。  これまで様々伺ってきましたが、私権の制限をしないと言いながら、結局は自宅待機等、私権を大きく制限されることになっている。濃厚接触者の判断や検査、療養も結果として個人に委ねられ、自己責任となってしまい、十分なサポートを受けられない場面がどうしても出てきている。重症化率が低く、医療提供体制は確保できていても、県民の不安や不満、また不便の払拭にはつながっていないのではないかと考えます。  また、現在位置づけられている感染症法上2類相当たるべき措置、入院勧告や無症状者への適用、外食自粛の要請など、今はもうほとんど行われてない現状で、コロナ対策は大きな岐路を迎えていると言えます。  現状に合わせた対策として、ワクチン等一部公費負担は残しながら、感染症法上の分類を2類相当から5類相当に引き下げることを、これ、全国知事会でも同様の意見が多く出たそうですが、早急に国に要請し検討すべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  オミクロン株の流行下におきましては、以前に比べて重症化率や死亡率が低い割合で推移しておりまして、例えば感染者の全数把握など、新型コロナに2類相当の強い措置を課しているのは、現在の感染状況に見合っていないのではないかと認識しております。市中感染の封じ込めを目的とした患者の全数把握を行わず、重症者対応、死亡予防を目的とした対策に転換すべきだというふうにも考えております。変異動向を注視する必要はあると思いますが、私も一つの岐路にあると認識しております。  一方で、新型コロナが季節性インフルエンザ並みに弱毒したかという評価は、まだ確定していないと認識しております。また、今後新たな変異株が出現する可能性も考慮いたしますと、2類か5類かという形式的な議論よりも、現在の新型インフルエンザ等感染症の位置づけとして、その時々の変異株の特性に応じ弾力的に運用することが重要だと考えます。  このような考え方を、これまで全国知事会等を通じて国に提案してきたところであり、その成果として、例えば濃厚接触者の待機期間の短縮などの実現にもつながってきているのではないかと考えております。  今後、国において、感染者の全数把握の要否や公費負担の在り方など感染症法上の取扱いについて検討が進められるものと考えておりますが、できるだけ早くそういうものはやっていただきたいと考えておりますし、引き続き、ウイルスの特性に応じた機動的な運用がなされるよう国に働きかけてまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ぜひともよろしくお願いいたします。  今回の感染爆発に対応すべく、国のコロナ対策も本当に目まぐるしく変わっています。7月29日にはBA.5対策強化宣言という措置も新設され、報道等でもありますように、宮城県、愛知県が発出を決定したということです。この効果には様々な見解もありますが、国の出してくる対策も活用できるものは活用して、時機を逃すことなく有効に施策を打ち出して県民の安心につなげていただけるように、さらにお願い申し上げて、次の質問に移らせていただきます。  それでは、2問目、人と動物の豊かな関わりのために、動物愛護政策のさらなる推進についてお伺いいたします。  先般のチームしが 県議団の代表質問の動物愛護の項において、知事より、致死処分をなくす滋賀をつくる思いに変わりはないと御答弁をいただきました。また、知事就任直後に、そのことを滋賀県動物愛護管理推進計画にも盛り込まれたともおっしゃいました。確かに、各種事業に取り組むことにより、致死処分ゼロに向けて収容数の減少を図るということが明記されております。  平成26年に改定された現計画も来年度、最終年を迎えます。最終年度、令和5年度の犬の収容数の目標値300頭、猫は650頭、返還譲渡率の目標値は犬が80%、猫が20%です。それに対して令和3年度実績は犬の収容数261頭、猫が604頭、返還譲渡率は犬が80%、猫が36.3%と、現段階で数値目標を達成していることを代表質問でも御報告いただきました。  しかし、現実、猫は64%が致死処分されており、致死処分ゼロを目指すという前提なら、そもそも数値目標自体が低過ぎるのではないかと考えます。  次期滋賀県動物愛護管理推進計画においては、致死処分ゼロの実現につながるしっかりした数値目標を設定すべきと考えますが、健康医療福祉部長の見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  環境省基本指針におきまして、致死処分の削減に向けて講ずべき施策といたしまして、譲渡適性のある犬猫の積極的な譲渡促進が掲げられているところでございます。  これは、致死処分の中には、治療困難な疾病や攻撃性により譲渡が適当でなく、安楽死せざるを得ない事例があることを踏まえたものでございます。  そのため、次期動物愛護管理推進計画におきましては、収容数の削減と併せて、譲渡適性のある犬猫が確実に譲渡されている実質的な致死処分ゼロなど、致死処分が減っていることを実感できる目標を設定してまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)よろしくお願いいたします。  次に、高齢化社会における人と動物の豊かな関わりについて、問題提起をさせていただきます。  先日、ある市の地域包括支援センターより突然の電話がありました。独り暮らしの高齢の方が入院して、猫が取り残されてしまった。本人はそのことを大変気にかけていて、猫のためにも一日も早く退院しなくてはと頑張っているんですが、まだめどが立たない。近所の方が餌だけはあげていますが、いつまでもは続かない。金銭的な問題もあり、ペットシッターなどは難しい。何とかならないだろうかという相談です。  コロナの患者さんの中にも、ペットがいるのでと入院を拒否されてたという方がかなり、入院勧告をされてた時期は、かなりの数いらっしゃったということも聞いています。  また、動物保護管理センターに持ち込まれる犬猫の飼えなくなった理由として急増しているのが、飼い主が高齢であることに起因する、世話ができない、入院することになった、亡くなられたというものであることも仄聞しております。  これからますます高齢化、独居化が進むことが確実な今、高齢の方のペットの問題について何らかの対策が必要ではないでしょうか。健康医療福祉部長の見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  動物愛護管理法第7条に、飼い主の責務として終生飼養が定められていることを踏まえまして、飼う前に最期まで飼えるのか冷静に考えること、また、飼えなくなったときに代わりに世話をする人、もらい受けてくれる人を探すよう啓発に取り組んでいるところでございます。  しかしながら、高齢者におきましては、入所や入院などに際しまして犬猫の預かり先が問題になりやすく、やむを得ず動物保護管理センターに持ち込まれ、結果として致死処分となる事例も認められるところでございます。  大切なペットを守るため、預かり先などの備えについて高齢者へ確実に啓発する必要があると考えておりまして、滋賀県介護支援専門員連絡協議会に機会をいただき、事前の備えの重要性などについて福祉関係者へ説明を行っているところでございます。  また、甲賀市におかれましては、先駆的に、動物保護管理センターと市福祉関係者と連携したエンディングノートへのペットに関する情報の記載に取り組まれているところでございます。  高齢者のペット飼育に関する問題には、こうした多機関と連携した取組が必要と考えておりまして、引き続き、様々な機会を捉えて啓発に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  例えば、京都動物愛護センターでは、ペットのための終活をテーマにオンラインセミナーを開催して、ペットのための贈与や遺言、ペット後見互助会、老犬、老猫ホームの事例などについて100人が受講したということです。こういった啓発セミナーのようなものを県内でも進めてはいかがでしょうか。もし見解がありましたら伺いたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  具体的な様々な相談というのは、まだあまりは出てきてはおりませんが、今、先ほど御紹介しましたとおり、介護支援専門員連絡協議会等を通じまして、いろいろな御相談がございます。  今、議員御紹介いただいた事例も含めまして、ニーズが様々にございますので、どういった形で対応できるか、また検討してまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)よろしくお願いいたします。  先ほど紹介しました入院された方の例では、これ、本当に偶然なんですが、私のほうで別の方より、猫と暮らしたいが自分自身が高齢のため、みとりまで全うするためにもシニアの猫を引き取りたいという、そういった相談が別にあって、マッチングの結果、無事にその方に一時預かりのボランティアをしていただけることになりました。  犬猫の保護団体さんのほとんどは、今、部長もおっしゃったように、終生飼養ができない可能性が高いという理由で一定年齢以上の方への譲渡は行ってはいません。しかし、高齢の方にこそ、また独り暮らしの方にこそ、パートナーとしてのペットの果たす役割は大きいとも言えます。  よわいを経ても人と動物が豊かに関わり続けられる地域社会を目指して、シニア猫の預かりボランティア制度やマッチングシステム、後見人登録制度など、行政としても何らかの仕組みづくりができないかと考えています。今後の施策の可能性について、知事の率直な見解を伺えたらと思います。 ◎知事(三日月大造) 率直な見解ということですので、私もこういった施策の必要性や可能性、感じます。  私ごとで恐縮ですけど、3人の子供が巣立って、連れ合いと2人で住んでますと、犬か猫と一緒に暮らすかという話をしたりするんですけど、でも終生飼養できるかなということも含めてやっぱり考えていく。  よわいを重ねれば重ねるほど、一人になったときに動物とも暮らせるといいなとか。ただ、どっちが先に旅立つんだろうということは、これ、極めて重要な問題で、その後、取り残されたほう、とりわけペットが行き場がなくなるということをどのように考えていくのかということは大変重要なテーマだと拝聴いたしました。  全国的には、今も御紹介いただきましたけど、民間団体による高齢者を対象とした永年預かりですとか、子猫の育成のための高齢者による一時預かりなど、終生飼養が難しい高齢者の方でもペットと関われるような取組が始まっていると認識しております。  今後、県内においても、そうした取組の相談が増えることが予想されるところでございますが、人と動物が豊かに関わり合う社会に向けては、高齢者が安心してペットを飼育でき、また、飼育されるペットが健やかにその生涯を全うできることが重要だと考えております。  そのために必要となる仕組みなど今後の施策の可能性につきましては、高齢福祉や地域福祉の関係者とも意見交換しながら、高齢者がペットをパートナーとして、そのペットが最期まで適正に飼養される、人も動物も豊かな暮らしが実現できるよう考えていきたいと思いますし、考えた結果、やれることを実施できるよう取組を進めていきたいと考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  代表質問において知事より、致死処分ゼロに向けた思いに変わりはないと伺ったときは本当にうれしかったです。また、今も、想像していなかったような御答弁もいただいて、ありがとうございました。  さっきも部長もおっしゃいました、傷病動物や最近増えていると聞く譲渡不適な遺棄猟犬、また、以前取り上げた野犬の扱いなど、まだまだ課題は多いですが、人も動物も幸せが続く滋賀を目指して、できることを共に頑張っていきたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
    ○副議長(清水鉄次) 以上で、10番小川泰江議員の質問を終了いたします。  以上で本日の質疑ならびに一般質問を終わります。  明3日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後4時27分 散会    ────────────────...