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令和 4年 5月24日琵琶湖・CO2ネットゼロ対策特別委員会−05月24日-01号

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  1. 滋賀県議会 2022-05-24
    令和 4年 5月24日琵琶湖・CO2ネットゼロ対策特別委員会−05月24日-01号


    取得元: 滋賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    令和 4年 5月24日琵琶湖・CO2ネットゼロ対策特別委員会−05月24日-01号令和 4年 5月24日琵琶湖・CO2ネットゼロ対策特別委員会         琵琶湖・CO2ネットゼロ対策特別委員会 会議要録                                開会 14時01分 1 開催日時      令和4年5月24日(火)                                閉会 16時37分                         (休憩 14時37分〜14時39分)                         (休憩 15時08分〜15時10分)                         (休憩 16時23分〜16時24分) 2 開催場所      第一委員会室 3 出席した委員    富田委員長、河井副委員長             白井委員中村委員桑野委員竹村委員川島委員、             今江委員中沢委員節木委員 4 出席した説明員   東総合企画部長高木琵琶湖環境部長および関係職員 5 事務局職員     川畑主幹井上主査、吉松副主幹
    6 会議に付した事件  別紙次第書のとおり 7 配付した参考資料  別紙のとおり 8 議事の経過概要   別紙のとおり                  議事の経過概要 開会宣告  14時01分 1 付議事件に係る関係部局の取組について(琵琶湖保全再生施策に関する計画の推進およびマザーレイクゴールズMLGs)の取組状況について) (1)当局説明  中嶋琵琶湖保全再生課長 (2)質疑、意見等 ◆節木三千代 委員  資料1の4ページの「琵琶湖を『守る』取組」にある、外来魚を除く琵琶湖漁獲量オオバナミズキンバイ生育面積について、このような形で経年的に書いてあると、減ってきているのではないかと感じてしまいます。しかし、先日、オオバナミズキンバイについてお伺いしたら、管理可能なところでとどまるように何とか管理しておられるということでしたし、ナガエツルノゲイトウも広がっているとも聞きました。このナガエツルノゲイトウなどについて、今後どうするという指標はないのでしょうか。  あと、外来魚については本会議でも議論されていますが、このぐらいの数で推移していくと、結局は増えるのか、減るのか、どのように見たらいいのか教えてください。 ◎矢野 自然環境保全課長  外来種対策のうち外来水草についてお答えします。オオバナミズキンバイナガエツルノゲイトウについては、平成28年度にピークを迎えましたけれども、県や市町、NPO、学識経験者、そういった方々が地域の方々と一緒に駆除事業を実施しております。  生息の状況については、直近で分かるものは令和2年度末の面積ですけれども、オオバナミズキンバイが資料に書いているとおり3.2万平方メートル、ナガエツルノゲイトウが2.4万平方メートル、合わせて5.6万平方メートルという状況です。  オオバナミズキンバイは平成28年のピークから下がってきていますが、ナガエツルノゲイトウは北湖を中心に少し増加傾向にあります。いろいろなところでも説明させていただいていますが、南湖についてはかなり大規模な機械駆除を行い、数を減らすことができましたので、これからは北湖での対策がかなり重要になってきます。現在、巡回監視や大規模な駆除というよりも、拡大した部分がないかというのを丁寧に見て、見つけ次第駆除していくという対応をしています。それによって管理可能な状態を継続していくということで、国とも連携しながら対応を進めているところです。 ◎中嶋 琵琶湖保全再生課長  外来魚についてですけれども、外来魚の生息量は、平成19年度は2,132トンでしたが、令和2年度では410トンと、当初のたくさんいた状態からかなり減ってきました。この間、条例に基づくリリース禁止のほか、外来魚の回収施設や生けすを県内約80か所に設置して回収を進めてまいりました。そのほか、外来魚駆除釣り大会、あるいは子供向けびわこルールキッズ、外来魚の釣り上げ隊といった取組を通じて、その成果が一定表れてきたと考えております。 ◎山田 水産課長  外来魚に関する水産分野での取組、有害外来魚ゼロ作戦事業に関してです。今説明がありましたとおり、令和2年度は外来魚が410トン生息していますが、令和7年度には生息量を300トンにすることを目指して計画的に駆除を進めております。今年も昨年に引き続きまして85トンの駆除量を計画に掲げまして、しっかりと駆除を進めてまいりたいと考えています。 ◆節木三千代 委員  予算に関わることが多いので国にも要望はされているのですが、オオバナミズキンバイは湖岸から少し陸上の部分にも咲くこともあり、一般の人がそれを切って持ち帰ったりして、そこで繁殖したり、田んぼで広がったという他府県の事例もあります。外来魚については割といろいろテレビなどでも取り上げているのですけれども、植物についても、そういうものだということをお知らせすることがもっと必要だと思いますが、どうですか。 ◎矢野 自然環境保全課長  外来水生植物については、委員が指摘されたとおり県民への啓発が非常に重要でして、それをとおして、県民に駆除をしていくための監視の目の一部になっていただくということが必要だと思っています。市町を通じて広報等でオオバナミズキンバイナガエツルノゲイトウとはどういう植物かという紹介と併せて、気になった方については連絡をしていただくというような啓発もしております。県民からの声でオオバナミズキンバイの生息地を新たに発見して駆除につながったという事例もあります。県だけではなくて県民が駆除主体として一緒になって対応していくということが、これからの重要な観点かと思いますので、その辺りも含めて協議会、関係者と連携して対応していきたいと考えています。 ◆節木三千代 委員  花が咲いたらきれいな感じになるのですが、これが非常に繁殖力が強い外来の植物であるということを、今後も啓発や周知していく必要があると思います。  北湖ではナガエツルノゲイトウがかなり増えてきているので、国の事業ということでありますけれども、こういう資料を出されるときにはその辺りのところも分かるようにしていただきたいと思います。 ◎矢野 自然環境保全課長  あらゆる機会を捉えて県民への啓発を行い、また、国との連携ということにつきましても政府要望でのお願いを含めて、継続して連携、協力を図っていきたいと思います。 ◆中沢啓子 委員  マザーレイクゴールズ推進状況をお話しいただいたのですが、例えば何件くらいやるとか、何人くらい参加してもらうとか、何か目標を持ってやっておられるのでしょうか。 ◎中嶋 琵琶湖保全再生課長  現段階では特に目標というものは定めておりません。マザーレイクゴールズ成り立ちそのものが、県民や企業の自主的、自発的な取組をベースに策定されたものでして、そういう方々が琵琶湖との約束ということでこれまでから表明されたものを形にしてマザーレイクゴールズの策定に至っています。そうした緩やかなつながりの中で無理のない範囲で参加していただくという趣旨もありますので、量的なものに余りこだわらずに今は推進しているという状況です。 ◆中沢啓子 委員  より多くの方々にマザーレイクゴールズを知っていただいて、自主的にいろいろなことをやっていただくというのが、多分望ましい形だと思います。  主催事業共済事業がありますが、それ自体に何らかの縛りがあるのかどうかは別にして、滋賀県内マザーレイクゴールズに関わりそうなことを実質的にやっておられるところは結構あると思います。滋賀県が県民と一体となってマザーレイクゴールズというのをつくったので、それぞれの団体で、こんな琵琶湖になったらいいねとか、こんな滋賀県になったらいいねということを思って活動しましょうということをやっているということ自体が行き届いてなくて、知っていたらしますというところが結構あるのではないかと思います。  皆さんいろいろな活動をされていますので、そういうところにもう少しアプローチしていただいて、皆さんがやっておられることも琵琶湖の健全な維持や循環に関わっているから、ぜひみんなでこういうシンボルマークを掲げて一緒にやりましょうという形でやっていくと、もう少し知っていただく機会が増えたり、より多くの県民がちょっとずつ関わっているという状況になるのではないかと思います。 ◎中嶋 琵琶湖保全再生課長  MLGsが実質的にスタートしてまだ1年経過しておりませんけれども、普及啓発、広報活動含めてまだまだこれからだと思っております。  MLGsの認知度につきましても、昨年度実施したインターネット調査でも2割程度の水準でした。まだまだこれからPRをしていかなければならないと思いますし、一方で、これまで弱かった、企業とのつながりというものにも注視していく必要があろうかと思っています。県内には熱い思いを持って活動をされている団体や様々な技術を持った企業が幾つもあるということは当然承知していますし、MLGsを推進するに当たって大変心強い存在だと思っているところです。  あらゆる手段を使って広報、周知を重ねる一方で、そうした組織や団体を積極的に取り上げて評価して、支援、広報していくために、そういった活動を学生ライターが取材して、MLGsWEBで紹介させていただく取組も昨年度からスタートしたところです。  こうした活動の見える化を通じて、賛同者間の連帯意識も高まっていくと思いますし、様々な主体が連携、協力することにより活動の相乗効果が生まれるということも期待できますので、あらゆる機会を通じて企業、団体、県民、あるいは下流府県の方々も含めて、周知、啓発に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆桑野仁 委員  2点確認をさせてください。  1点目、資料1の4ページに、カワウ広域管理捕獲実施事業が載っています。たしか昨年度、カワウは随分減ってきたという報告を受けた記憶があるのですけれども、現状と生息域は大体どの辺りかというところをお聞かせください。  それと、2点目が資料1の2ページのところです。先ほど、新たなヨシの植栽は実施しないというような説明がありましたが、その理由を教えてください。 ◎矢野 自然環境保全課長  カワウの対策に関しまして、平成20年頃のかなり数が多かった当時から捕獲を進めまして、近年の生息数は7,000羽程度で推移してきたのですが、令和3年度の春季の調査では、1万3,000羽程度まで数が増えているという結果が出ました。特に、これまでは竹生島を中心に生息していたのですが、県内のかなり内陸部に生息地、コロニーが分散しているというのが最近の傾向です。竹生島での駆除はもちろん進めていくのですけれども、それ以外の地域での対策につきましても地域と個別に話をしながらその方法を検討していきたいと考えています。今年度はカワウの管理計画を見直す予定をしておりますので、これからのカワウ対策というのを県内の関係者とも協力をしながら進めていきたいと考えております。 ◎山田 水産課長  質問をいただきました水産基盤整備事業についてですが、これはヨシ帯を造成する事業と砂地を造成する事業の二本立てで実施しています。  それぞれ約1.8億円ずつの予算ですが、このうち砂地造成につきましては、令和4年度も引き続き実施させていただきます。一方、ヨシ帯造成につきまして、今年度の実施を一度見直しまして、今年は新たなヨシ帯の造成はしないということにさせていただいております。  その理由ですが、これまで整備してきたヨシ帯ですとか、水位低下に備えて各地に整備してきた浮産卵床などの増殖場が、長い年月によって劣化してきているところが多数見受けられ、その機能低下が懸念されることから、まずはこちらの状況をしっかりと確認して、優先して対策を進めていくという判断をしたところです。  資料1の4ページの水産資源の回復のところに、新規事業水産基盤整備事業調査費というものを記載しておりますが、この事業で今申し上げた増殖場等の機能の確認、維持、回復に向けた調査をさせていただくこととしています。 ◆桑野仁 委員  1点目のカワウについてですが、課長の報告にあったように内陸部に入ってきているようです。私は湖東のほうが多いと思っていました。多分認識はされていると思いますが、湖西においても比良ゴルフの山林の辺りでカワウがどっと飛んでいたのが見えましたので、対応をお願いしたいと思います。相当うるさかったような気がしましたので、お願いします。  それと、2点目のヨシについてですけれども、今年はそういう形で調査をやっていくけれども、来年度以降はまた改めて考えて、ヨシの植栽をしていくということでよろしいですか。 ◎山田 水産課長  今回の調査の結果、どのような形で機能を回復することができるのか、そもそもどのような機能低下が発生しているのか、この辺りをしっかり調査させていただいた上で今後の対応について検討し、必要に応じ取組を進めてまいりたいと考えているところです。 ◆桑野仁 委員  以前課長がお話しされた近江舞子のほうでもヨシ帯がたくさんあるかと思います。近江舞子内湖でも地元の方がヨシを植えるということをおそらくされていると思いますので、そういうところに対しての支援も今後考えていただきたいとお願いをさせていただきます。  休憩宣告  14時37分  再開宣告  14時39分 2 付議事件に係る関係部局の取組について(森林資源循環利用の推進について) (1)当局説明  樽谷森林政策課長 (2)質疑、意見等 ◆川島隆二 委員  製材工場の95%以上が小規模、中規模ということでしたが、隣の福井県や岐阜県、三重県における大規模工場の割合はどれくらいですか。 ◎樽谷 森林政策課長  それぞれの県ごとの大規模工場の割合は今手元にはないので分かりかねるところですが、全国的に見ますと大規模工場というのは増加傾向で、大体7割程度が大規模工場となっています。 ◆川島隆二 委員  滋賀県は木材の生産量が41位と全国的にも少なく、大規模工場も少ないということです。木材生産がほかの府県に比べるときついということからすると、大規模工場を増やしてもそこに木材を入れ込むだけの物がないということになるのでしょうか。そうなると、どちらを先に対策したほうがいいのですか。木材生産をもっと増やさないと大規模工場が増えないのか、大規模工場を造って木材生産をもっと増やそうという形を取ったほうがいいのかという点について、何か戦略みたいなものはありますか。 ◎樽谷 森林政策課長  まずは山側の生産量を増やすことが重要だと考えています。といいますのも、最近の大規模工場は効率性、生産性を重視しておりまして、最低でも年間5万立方メートル以上の原木消費量製材工場が必要とされています。そのために、やはり工場側からの視点を見ますと、それだけ山側で生産されているところ、そうでないと木材が集まりませんので、かなりリスクが高くなります。工場側にとってリスクが高くなるということはそこに進出できないということになりますので、まずは山側で主伐、再造林を推進して生産量を伸ばし、生産性も高めていく、そういったことで山側の生産力を高めていく、これがまず重要です。  あわせて、木材利用も推進しまして、山から木材になる、そして循環利用する、そういった流れをつくっていくことが重要だと考えております。 ◆川島隆二 委員  生産量を増やすと言っても、今のマンパワーではできないわけです。マンパワーが限られているなら、今までより増やせるわけはありません。  そうすると、マンパワーを増やすことに併せて、搬出するための林道の整備に取り組まなければいけません。これは誰がやるのですか。県でやるのですか。民間にやってくださいと言っても、もともと体力がないのにできません。そこはどう思っているのですか。 ◎樽谷 森林政策課長  今までは間伐中心でやっていましたので、どうしても素材の生産は限定的でした。今後主伐をすることで、その量は増えていきます。そして人材育成についてですけれども、本県では令和元年度から滋賀もりづくりアカデミーを開講しまして、新規就業者や既存の現場作業員の方々の生産性を高めるような研修、講義を行っております。こうした人材育成も併せながら山側の生産力の増強に努めていきたいと考えています。 ◆川島隆二 委員  そこに時間がかかってしまいます。滋賀もりづくりアカデミー人材育成をすると言いますが、近々に、爆発的に増やせるわけではありません。それを地道にと言っても、そうするとまた時代が変わっていくわけです。そう考えると、どこかでがっと設備投資をしながらやっていかざるを得ない時期が来るのですが、そこはどう思っているのですか。 ◎樽谷 森林政策課長  生産性を高めることが非常に重要だと考えています。そのため、今年度から、まず調査段階レーザー計測を行うこととし、飛行機からレーザーを飛ばすことによって森林調査が机上でもある程度できるようにしています。これまでは現場に行って調査をするのに、かなりの人数が必要だったものを省力化する取組として始めたところです。  また、近年ではスマート林業ということで、ICTと結びついた機器が普及し始めてきたところです。例えばドローンレーザー計測であるとか、主伐後の伐採期に苗木をドローンで運搬するようなシステムであるとか、そういったものが出てきており、それらを活用しながら進めていくことが重要です。あと、生産性を上げるということであればチェーンソーで伐採するよりは、高性能林業機械も組合せながら進めていくということも大切であると考えています。滋賀県の場合、傾斜がきついところもありますので、車両系や河川系の高性能林業機械を傾斜の状況や場所に応じながら適切に配置していくということで事業展開できればいいと思っておりますし、それができるような事業体を育成していくことが重要と考えております。 ◆川島隆二 委員  そうすると、琵琶湖森林づくり条例でカバーし切れていない部分というのは、今言われた中ではどの辺りになるのでしょうか。それと、造林公社の話もあって、特に山を持っている人の中にはもう全然収入がないので、木を伐採してメガソーラーにしてほしいという人も出ています。簡単に言えば、そっちのほうがもうかるからです。そうならないようにすることも考えていかなくてはいけません。その辺りはどうですか。要は森を守る、山を守るということをしていかなくてはいけないのです。 ◎廣瀬 琵琶湖環境部技監  琵琶湖森林づくり条例の中でカバーできていないところについてです。琵琶湖森林づくり条例は、そもそも昭和の時代から治山、林道、造林事業という国の三公共の事業を中心にやってきたところから、森林所有者だけではない広く県民の方と一緒に協働で森づくりをするということが1点と、そして、言わば琵琶湖の水源林という環境を重視して森林づくりをするという観点でつくったという背景があります。  令和2年度に大幅に改正した際には、いわゆる木材の生産から利用に関わるまでの産業に関わる部分についても一定の見直しをしておりますけれども、やはり産業面が弱いと感じております。  そういった観点でのいわゆる川上の木材生産、そして川中の加工、そしてそれをどのようにして具体的に利用していくかという観点での木材利用、川上、川中、川下、その3つを産業として組み立てていくという部分の強化が今後は必要だと考えております。  メガソーラーについてですが、林地開発の中で再生可能エネルギーを進めるということと、森林の資源利用という部分の評価が社会的に低くなっているという観点から、森林所有者の意向が森林から太陽光パネルによる利用のほうに進んできているという現状があります。ウッドショックが起こったり、ロシアによるウクライナ侵攻によって、木材が海外から日本に入ってこないという状況を考えると、日本の中で資源として再生産できる木材の価値は、今後大きくクローズアップされると考えています。そういう意味で、現在森林である場所を木材資源を供給する場所として守っていくという観点はとても大事だと思っております。
    ◆竹村健 委員  今、技監が言われた中でウッドショックという言葉がありましたが、要は国外から木が入ってこないことから、木材の調達がしにくくなるということは、逆に言えば、国内で需要喚起がなされて、今まで安かった木材の値段が上がって、生産者にとっては良くなっていく話になるのか、価格的に皆さん結構潤っている状況になっているのか、今の状況を教えてください。それと、森林環境譲与税の話が先日ニュースでも、基金に積まれているのに使われていないのではないかとか、国のほうでもう一回見直すような動きがあるみたいということが流れていたのですが、その辺りの動きを教えてください。 ◎西川 森林政策課県材流通推進室長  ウッドショックの次に、ロシアによるウクライナ侵攻があったのですが、ウッドショックの時は一部外材が入らないということで価格が高騰しました。ウッドショックを越えてから若干価格が安定化しつつあったのですが、ロシア、ウクライナの関係で今ちょっと上がりつつあります。  国内の状況で言いますと、ロシア材につきましては、国内消費量の2%から5%ぐらいの間ですので、直接的な影響はないのですが、ロシアからEU諸国に行って、EU諸国から日本に入ってくる木材というのがかなり多くあります。その辺りの木材が入ってこないということで、品薄感であるとか、価格の高騰という形で現在徐々に影響が出ている状況です。中間業者、問屋も、ウッドショックの反省から材料が品薄になるのを懸念して、現在囲い込みをする動きがありまして、それも今の価格にプラスされる要因となっています。  その部分が国産材や県産材に100%代わっていけばいいのですが、国自体も外材に代わる部分で対応し切れてないのが現状で、それが市場としては品薄感につながっているところです。 ◎廣瀬 琵琶湖環境部技監  国の森林環境譲与税の使い道についてですが、これは都道府県に配分されるものと市町村に配分されるものがあります。  都道府県に配分されるものにつきましては、滋賀県では主に市町が放置林対策を進めるための支援と人材育成に充てるということになっております。そこにつきましては、ほぼ100%使っております。  次に、市町に配分されているものにつきましては、滋賀県内の市町での執行率は81%で、全国でもかなり高いほうになっております。一方、新聞報道によりますと、横浜市や大阪市などの都市部については、かなりの部分を基金に積んでおられて、例えば横浜市の場合ですと、将来の学校の建て替えのときにこれを木造化するために積んでおられるということです。  そうした中、県内の例えば草津市や守山市のような都市部の状況は、例えば守山市ですと令和4年度に市庁舎を建て替えるに当たって、木質化するために森林環境譲与税を充てたいということで基金に積んでおられます。県内のそれ以外の状況としては、県産材を県民に見えるところで使っていただくことに充当していただくように県としても促しておりますし、先ほどの滋賀もりづくりアカデミーの市町の職員のコースにおいても、県産材をどのようにしたら使えるかということを講座で学習をしていただいています。あるいは、木造化の設計アドバイザーが直接各市町に行きまして、県産の木材をこのように設計すれば使える、しかもコストを下げてできるということをアドバイスしに行っていただいており、県内での利用がかなり進みつつあります。木材の生産量はまだ少ないですが、それを確実に県内で使っていくという動きについては、公共建築を主体としてでき始めつつあるという状況です。 ◆竹村健 委員  県内の話は分かりましたが、先ほど、都市部ではなかなか使われていないという話がありました。滋賀県には、環境学習のやまのことか、ほかの県にないものでは琵琶湖があります。当然、琵琶湖と山の関わりなどもあるわけで、例えば県外の子供たちに琵琶湖に環境学習をしに来てもらったり、あるいは山にいざなうとか、そういう取組も積極的に宣伝し、呼びかけていくという使い方を逆にこちらから提案してもいいのかなと思います。滋賀県にしかできないようなことを積極的に発信していくべきではないかなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  それから、もう1つの質問についてですが、ウッドショックによって森林を取り巻く業者は潤っているのでしょうか、潤っていないのでしょうか。そこを聞きたいので、もう1回教えてください。 ◎西川 森林政策課県材流通推進室長  木材業者、丸太を生産する事業体にとっては、丸太の価格が高騰し、伐採した木材が高く売れますので潤っていると思っています。  ただ、川中、川下に行くにつれて、丸太が高いから加工する事業体が高い丸太を買わざるを得ない、あるいは製品を作った場合に、その製品が高騰して消費者のところに行くときにはかなり値段が高くなっているという部分があります。その高騰した部分をどこで吸収するかということに、工務店等は非常に悩まれておりまして、そこを吸収されている業者はちょっと苦しいのではないかなと思います。 ◆竹村健 委員  特に担い手、山に入って木を切られる方は、今、どれくらいの給料をもらっておられるのでしょうか。 ◎西川 森林政策課県材流通推進室長  平均で年間300万円から400万円の収入となっています。 ◆竹村健 委員  やはり就業しようにも結構しんどいと思います。もうからないと山に人が入りませんし、人が入らないと木が切れませんし、木が切れないと売るものがないということです。ウッドショックをきっかけになかなか外材が入ってこないので、国内の木材の需要の高まりが出てくると思います。だからそれをきっかけに、山に関わる人の収入が増え、一定コストはどこかで高くなるけれども、それは最終的に受益者に転嫁していくようにしないといけないと思います。そこの部分を吸収しようと思ったら、どこかにしわ寄せがきてしまうので、値上げなどをしていくことも一定享受してもらうような雰囲気づくりなどもやっていかないと、結局いつまでたってもその産業自体が育っていかないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎廣瀬 琵琶湖環境部技監  年収が300万円から400万円という状況の中で林業をやろうという人がいるかどうかということで言うと、この年収に関わらず林業に携わりたいという若い世代の方は少なからずいらっしゃいます。ただ、家族を形成しながら人生を描いていこうと思うと、やはりかなり不安があるというのも事実です。  そういう意味では、今後間伐型ではなく主伐、再造林をするということは、1ヘクタール当たりの施業をする上でかなり効率がよくなります。例えば1ヘクタール当たり間伐ですと、多くても100立方メートル弱ぐらいの生産量ですけれども、これを皆伐と言いまして一気に切りますと、400立方メートル以上の木材が出てきます。短期で木材を扱う方法を年間通じて行うことで、効率がよくなって、そこに携わることによる収入が増えますので、確実に年収のアップを図れると考えています。  現在滋賀もりづくりアカデミーでも、いかに間伐型の中で効率を上げるかというトレーニングをしてもらっているのですけれども、やはり限界があります。施業自体を変えていくという方向が大事で、森林所有者の負担を軽減することによって主伐、再造林を進めたいと思っています。  休憩宣告  15時08分  再開宣告  15時10分 3 付議事件に係る関係部局の取組について(CO2ネットゼロ社会づくり推進に向けた取組状況について) (1)当局説明  中村総合企画部管理監 (2)質疑、意見等 ◆中村才次郎 委員  説明の中に水素エネルギーの活用というのが何度も出てきましたが、私には想像ができません。中小企業が多い滋賀県の中でどうやって水素エネルギーを使っていくのか、また、作り出していくのか全く見えませんし、進んでいない状況の中で、目標を達成するためのもう少し具体的な道筋を示せないのでしょうか。 ◎中村 総合企画部管理監  昨年度、岩谷産業や東レ、トヨタ、パナソニック、大阪ガス、関西電力など県内に事業所がある企業に入っていただき、しが水素エネルギー研究会を開催して今後の方向性について検討したところです。  水素にはグレー水素やブルー水素、グリーン水素といった種類があり、その中でも再生可能エネルギーを利用したグリーン水素が滋賀県には一番適していると思いますけれども、滋賀県ですぐに製造するところまでは現段階では難しいと言われています。逆に、今は水素の需要側の創出をしっかり図っていくことが大切ではないかという意見が、その検討会で出ました。そうしたことから、今年度は水素を活用したプロジェクトをしっかりと組成しまして、最終的には国の競争的資金等を確保してその取組を実際の形にしていくこととしたいと思っています。  また、滋賀県には琵琶湖があることから、船での水素の活用等も一つの視野に入るのではないかという意見も出ましたので、そういった意見を踏まえながら方向性を整理していきたいと考えているところです。 ◆中村才次郎 委員  最終の目標年度は2050年だと思いますが、まずは2030年に向けて、水素エネルギーの活用についての検討を大きな会社中心にしが水素エネルギー研究会で進めていただいているというのはよく分かります。例えば燃料電池船を造るということについては、もっと進めていかなくてはいけないと思いますが、水素エネルギーを作ろうと思ったらNOxなどの技術的な課題も克服していかなくてはいけません。そういう中で何度も水素エネルギーという言葉が出てくることに疑問を感じますので、もう一度お願いします。 ◎中村 総合企画部管理監  委員が指摘されたとおり、水素については、例えば作る段階でこうする、運ぶ段階でこうする、使う段階でこうするという具体的な戦略を持って進めてこられているかというと、そこまで至ってないのが現状です。しかしながら、先ほど申し上げましたように、昨年度関係者に集まっていただいて課題を整理し、その上で今年度はとりわけ使う部分についてしっかり考えていこうということで進めている最中です。  他府県でも山梨県などのような先進事例はたくさんあります。そういった先進事例をしっかりと把握しながら、滋賀県として何ができるのかということについて、今年度しっかり整理をしていきたいと思っているところです。 ◆節木三千代 委員  新技術については実用化のめどがこれからの話ですので、全体として再生可能エネルギー、省エネルギーの部分で目標を達成しつつ、新技術の部分はプラスアルファで今後削減に寄与できればいいと考えています。それと目標については議会でも議論してきましたが、産業革命前と比べて1.5度上昇に抑えるために2050年にCO2の排出量を実質ゼロにするという目標は、国や自治体でもありますが、2030年という見える期間での取組が大事で、これも確認ですが、2010年度比では何%になるのでしょうか。 ◎中村 総合企画部管理監  IPCCの基準で申しますと、2030年までに2010年の水準から約45%減らしていくということが前提になっています。  また、45%削減するということを、2013年度比で言いますと約55%の削減ということになりますので、現在50%と言っておりますけれども、さらに5%の削減が必要ということになります。 ◆節木三千代 委員  今の50%の目標に対してどれだけ減らすのでしょうか。要するに原子力発電が動いていなくて火力発電が機能していたので、その部分はどうなっているのでしょうか。 ◎中村 総合企画部管理監  今データを持っていませんので、後ほど答えさせていただきます。 ◆節木三千代 委員  その辺りは、認識を持っていただきたいと思います。40%以下だったと思います。  先ほども言いましたように、新エネルギーの部分についてはできたらいいですが、今後の話になりますので、2030年に向けて当てにするべきものではないという位置づけだと私は思っているのですけれども、いかがでしょうか。  それと、長浜市余呉町の話が出ていましたが、太陽光発電などについては補助制度などもあると聞いたのですが、もっとここの部分の普及ができないのかと思うのですがいかがでしょうか。 ◎中村 総合企画部管理監  今の質問の趣旨は、長浜市余呉町は風力発電ですけれども、太陽光発電等について普及をするための補助についてということでしょうか。 ◆節木三千代 委員  その部分をもっとたくさん導入できないのかと思いますが、どうでしょうか。 ◎中村 総合企画部管理監  現在太陽光発電の普及に関しましては、事業として2つ用意をさせていただいています。  1つは、資料3の7ページ、スマート・エコハウス普及促進事業として、既存住宅への太陽光発電や蓄電池設置に関する補助をさせていただいているところです。  もう1つは、事業所省エネ・再エネ等推進加速化事業として、太陽光発電等の設備導入に対する補助をさせていただいているところです。この事業所省エネ・再エネ等推進加速化事業につきましては、補助額を増やすなどして、再生可能エネルギーの普及につなげていきたいと思っているところです。 ◆今江政彦 委員  さきの県議会でも、県はもっと高みを目指してほしいという請願が若い人たちから出されて、僅差ではありますけれど採択されたことから、そういう思いでやっていただいているとは思います。そうした請願の採択を受け、5年ごとに行うとされている見直しについても、特別委員会は毎年引き続いてありますので、そこで進捗状況をしっかり点検、報告してもらいたいということも申し上げたと思います。年度が替わってこれからですけれども、請願の採択も踏まえて、この目標値について、どうやって高みを目指していくのかという、思いだけ聞かせていただけたらと思います。 ◎中村 総合企画部管理監  Fridays For Futureの学生を含め若い方々からの請願等もございましたが、私どもとしましては50%の目標を掲げてこの計画をつくる際に、事業者も含めて様々な方々から意見を頂戴しました。その中で、事業者の中にもこの50%という目標はかなり厳しいという意見もありました。一方でFridays For Futureのように、さらに高みを目指していって60%を超える目標を、という意見もありました。  私どもとしましては、まずは50%という目標を関係者と共有しながら、これを早く実現できるようにしっかり取組を進めていきたいと思っています。その上で、さらにこの実現を早くして、さらなる高みを目指して進めてまいりたいと思っているところです。  ただ、社会事情等が急速に変わっていく可能性もありますので、その際には計画の見直しということについても考えていく必要があろうかと思いますが、今の段階ではまずはこの50%を目指してしっかりと取組を進めていきたいと思っています。 ◆今江政彦 委員  目標までの期間が長い計画ですので、この1年間だけでも委員会に成果を報告いただけるように取組をお願いします。もう1点、CO2ネットゼロにしても、課題は別ですけれどもコロナ対策にしても、県民の行動変容がなければ実現できない、行政だけではできないというのはもう分かっている話です。コロナ対策の場合は命に関わる、あるいは目前のことということで県民に行動変容について協力いただいたと思います。CO2ネットゼロの場合は長いスパンの話になり、差し迫って県民の身に迫るものではありませんが、イメージとしてCO2ネットゼロについて県民に理解いただき、行動変容していただけなければこういうふうになってしまうので、それを防ぐためにはこうする、というものをしっかり示さないといけません。既にやっておられると思いますが、どんなことでも1つの行動を変える端緒になるように、県民の行動変容を促すような啓発や取組は不断の努力でやっていただきたいと思います。もちろん計画の中にもあると思いますが、その辺りのところを改めて確認しておきたいと思いますので、お願いします。 ◎中村 総合企画部管理監  事業で申しますと8ページのムーブメント加速化推進事業が該当すると思いますが、皆さんと危機感の共有をしっかりとすること、そして、その危機感を前提に自分事として捉えていただいて、自ら行動へとつないでいくということが大切かと思います。  今年度につきましては、12月から1月をCO2ネットゼロムーブメント推進強化月間と定めまして、様々なイベントを実施し、県全体でムーブメントを起こしていきたいと思っております。  このムーブメントを実施するにあたり、県民、事業者等が参画できるような形での仕掛けを今からしていきたいと思っています。  夏はびわ活という形でびわ湖の日の展開をしていますが、実は電気消費量というのは夏よりも冬の方が多くなります。その多くなる冬にしっかりと取組をさせていただいて、皆さんと意識の共有を進め、次へとつないでいきたいと思っております。 ◆中沢啓子 委員  もともと真の意味での持続可能な社会の構築につなげるということでCO2ネットゼロをされていると思います。そうすると、単純にCO2だけではなく、それをすることによって環境や自然といった様々なものにどういう影響が出るかを考えていくことが大事だと思います。  以前BMWの廃棄工場に行ったときに、「うちは造るときにどれぐらいの負荷がかかって、走るときにどれぐらいの負荷がかかって、廃棄するときにどれぐらいの負荷がかかるかということについて、ちゃんと新しいものを造って工場で潰してみて、ライフサイクルの中で環境にどんな影響があるのかを見て、それでやりにくかったら設計から変える。」という話をされていました。  CO2ネットゼロを目指すときも同じ感覚が必要だと思っていて、持続可能な社会ということを考えたときに、CO2の排出量がどれぐらい減るかということだけではなく、それを使うことによってどういう影響が出るのかということも見て、その中でやっていくということがすごく大事だと思うので、環境や自然に対する負荷という視点だけはぜひ持っておいていただきたいと思います。 ◎中村 総合企画部管理監  委員が指摘されたことは、カーボンフットプリントやライフサイクルアセスメントをしっかり意識した上で取組を進めていくということで、消費者側からしますと、この商品は製造段階から今までどれだけのCO2を出しているのかという、フットプリント的なものも意識しながら行動変容につなげていくという趣旨だと思います。  先ほど申し上げましたCO2ネットゼロムーブメント推進強化月間等で、そういった頑張っている企業やカーボンフットプリントに取り組んでいる企業も併せて紹介することによって、そういう商品を選んでいけるような方向に行けるように、我々も仕掛けをしていきたいと思っています。 ◆中沢啓子 委員  行動変容もそうです。例えば太陽光発電設備をこれだけ増やそうという話をされますけれども、太陽光発電設備の廃棄の問題はかなり言われていますので、太陽光発電設備の廃棄も含めてどうやっていくのかであったりとか、ほかにも自然環境に対するものも当然あるでしょうから、その辺りのバランスを持った上で政策を進めていただきたいと思います。 ◆白井幸則 委員  先ほどの話の中で、早く実現して、そしてまた次なるというようなことを言われましたが、その辺りはちょっと違った見方をしていく必要があると思います。そもそもこのCO2ネットゼロという新しいルールは欧米が仕掛けて、これを国際的なルールとしてみんなが守っていこうというものです。  選択肢としては、そのルールに乗るという選択肢と、乗らないという選択肢があるわけです。乗ったほうが国民の何十年か先の生活がよくなるのか、乗らなかった場合のほうがもっとよくなるのかというところを考えたときに、社会の皆がこの国際的なルールに乗っていこうということになったから、逆に乗らないという選択肢をしたほうが恐らくはうまくいかないだろうということが想像つくと思います。その中で、どういう戦略を立てていくかということは非常に大切だと思います。ただ、環境の観点から、この活動を推し進めなくてはいけないという方々も当然おられますし、一方で、国際的なこのルールに乗らないことには社会からはみ出してしまうから、これに乗るほうが経済的な利益がたくさん得られるし、結果として県民、国民の生活がよくなっていくからこれに乗っていかなくてはいけないというある意味二面性があります。  今はどちらかというと、この戦略を国が決めたから、これを早く達成しなくてはいけない、そのためにあれもやって、これもやって、一日も早く達成しなくてはいけない、ということになっています。同時に我々県民には生活がありますし、これをすることによってみんなが貧乏になってしまうようなことではいけませんし、みんなが今までよりもさらに豊かな生活を享受できるように同時に考えないといけません。  このルールをしっかりと理解して、その上で様々な施策を打ちながら、例えば県内の総生産額をさらに上げて、経済的にも豊かになっていくという戦略をしっかり立てないと、ただ数字を追いかける遊びだけで終わって、県民が苦労して貧乏になってしまうことになるので、それはよくありません。しっかりとバランスよくやっていく必要があると思うのですけれども、その辺りはどのように考えているかということを、今の県内の総生産額は幾らかも含めて教えてください。 ◎中村 総合企画部管理監  総生産額がどれぐらいで、このCO2ネットゼロの事業を展開することによってどれだけの経済成長が得られるのかということについては、今データを持っておりませんので、ここではお答えできないのですけれども、白井委員が言われた視点というのは、非常に大切だと思います。  この計画をつくるときも、環境と経済をしっかり回して循環させていくということが重要で、単にCO2ネットゼロを達成するということだけではなくて、併せて地域課題も解決していくということも中に入れてつくっているところです。  経済成長につなげていくという意味で申しますと、CO2ネットゼロだけに取り組むということではなくて、工業もございますし、農業もございます。それぞれの事業の中でしっかりとそれをCO2ネットゼロを組み込んだ上で成長につなげていくという視点を持ちながら事業展開していくことが非常に重要だと思っております。例えばネットゼロヴィレッジもそうですし、先ほど申し上げました中小企業の事業もそうですけれども、そういった視点で事業を組まれていると思いますが、どれぐらいの経済成長になるのかについては、現在把握できていません。 ◆白井幸則 委員  それを把握してないということは、その視点が欠けているということです。答えられないのでしたらいいですけれども、ある意味その辺りの視点が欠けているのです。1つの見方としては、欧州が仕掛けたCO2ネットゼロという新しいルールの枠組みの中でやっていこうという経済戦争の意味合いがあるのです。その部分をすっかり忘れてしまって、ただネットゼロの何%削減という数字だけを追いかけていたら、滋賀県は本当に失敗します。その中で勝ち残っていこうと思うと、例えば経済成長率をこれだけにするという目標を立てる、そうすると企業を誘致しようかとかそういった話が出てくるはずです。新しい産業のこともいろいろと考えてやっていったら戦略が変わってきます。  せっけん運動と言いますが、1985年から1987年とかその辺の時代の話です。そのことを知っている人はほとんどいません。いないと言ったら失礼になりますが、そこをメインターゲットにしてこのCO2ネットゼロのムーブメントを起こしていこうとしているのか、どこをメインターゲットにしてムーブメントを起こそうとしているのか、その辺りがまだしっかりと定まってないような気がします。  お願いしたいのは環境という視点で地域の活性化という側面である一方で、経済戦争でもあります。ヨーロッパではもう何兆円という電池工場の投資が決まっています。そういう観点で言うと、日本はすごく出遅れています。それは日本人が案外のんびりしているから、仕掛けられたことに気がつくのが遅かったのです。今からでも挽回できると思うので、そういう視点をしっかりと持ってほしいと思います。
    ◎中村 総合企画部管理監  成長率がどれくらいになるのかについては計算できていませんが、CO2の排出量を50%削減するのに産業部門、業務部門、家庭部門、運輸部門の必要な投資額ということで申しますと、全体で1年あたり1,875億円、公的負担では国の事業がほとんどですけれども、325億円ぐらいになると試算しています。ただ、それがどのぐらいの経済成長につながっていくのかということにつきましては、データを持っていません。 ◆白井幸則 委員  できていないならできていないでそれでいいです。今この数字が出ていますと言われましたが、それが結果としてどうようにして生産につながって、県内の生産がどれだけ上がるのか、率だけではなく額も目標としてしっかりと持ってください。 ◆川島隆二 委員  4ページにある温室効果ガス排出量削減目標のところで、ほかの数字は2013年から2030年の目標数字がでていますが、森林吸収量は31万トンでそのままということは、これはそれほど変わらないという意味でしょうか。それから小水力発電の伸びは1.1倍になっていますが、もうこれ以上はなかなか難しいという話なのだろうと思います。それともう一つは、CO2削減の話をするエネルギー源という意味では、原子力発電は避けては通れない話だと思います。先ほどの白井委員の話ではありませんが、ヨーロッパではもう手のひら返しで、原子力はグリーンエネルギーだと言い出しています。再生可能エネルギーだからといって、そういうのを見ているとこれは仕掛けの問題だと思います。原子力発電というエネルギー源の在り方や原子力発電のこれからの技術革新を考えると、これを避けて通っていたら日本は世界の中で周回遅れになってしまうこともあり得るだろうと思います。確かにあの事故があったからいろいろな意見があるのは分かりますが、CO2ネットゼロに限って言うと原子力発電というエネルギー源をちゃんと考えたほうがいいですし、議論することから逃げたら絶対に駄目だと思います。その辺りはどう考えていますか。 ◎樽谷 森林政策課長  まず森林吸収量についてお答えさせていただきます。  先ほど説明しましたとおり、森林は齢級が高齢化しています。高齢化しますと森林のCO2吸収量が減っていきます。現在は31万トンですけれども、このまま主伐をせずに若返りをしないと、吸収量はかなり減っていくという予測が立てられています。  ただ、琵琶湖森林づくり基本計画に基づきまして主伐、再造林を行い、成長の旺盛なCO2吸収量が大きい若い森林を育てることによって、28.4万トンという数字を達成してまいります。 ◎中村 総合企画部管理監  小水力発電についてですけれども、滋賀県は段差が少ないということもあり、これ以上は小水力を見込んでいくということが難しいということで、この数字で算定をしているところです。  原子力発電につきましては、ウクライナの状況も踏まえまして、国のほうでもSMRについての議論がこれから始まるのではないかと言われているところですが、県といたしましては、1つは原発のいわゆる静脈の問題が解決できていないところがありますし、それから新設、リプレースの議論につきましても恐らく今後始まっていくであろうというところです。  さらに原子力発電につきましては、事故が起こったときの懸念等もありますので、そういったことを踏まえますと、県としては原子力発電が真に持続可能なエネルギーかどうかというと、そういう視点ではないのかなと今は思っています。  ただ、国の議論についてはしっかりと注視していく必要があろうかと思いますので、そこは委員に指摘いただいたとおり、動向等を見守っていくことが必要だと思います。  現在の原子力発電に対する首相の見解ですけれども、4月11日にウクライナの関係で記者会見をされたときに、「原子力規制委員会の基準に適応すると見られた場合に限って地元の理解を得ながら活用していく」と発言されておりますので、今のところ既存の原発について考え方は変わっていないと思っています。ただ、今後の推移については、県としてはCO2ネットゼロという観点でしっかり見守っていく必要があると思っているところです。 ◆川島隆二 委員  今の話は結局何も言ってないのと同じです。ヨーロッパはこれから原子力発電にシフトすると思います。天然ガスも止められ、石油もない、石炭も来ない場合の対応について、ドイツでもいろいろと議論になっていました。結局そうなっていくのです。  では、自前のエネルギーをどのようにしていくのですかと言われたときに、日本において自前のエネルギーは何がありますか、という話になります。再生可能エネルギーにしても全部を賄えるわけではありません。火力発電にしろ、天然ガスの発電にしろ、絶対事故がないと言い切れません。それは原子力発電も同じことです。事故の懸念と言われましたが、どんなものでも事故の懸念はあります。理想と現実はあるのでしょうけれども、もうちょっとリアルに物を考えたほうがいいと思います。別に滋賀県が率先してやれとは言いませんが、議論の中からそれを外すという考え方はやめたほうがいいと思います。ちゃんと議論したほうがいいです。 ◎中村 総合企画部管理監  今、委員が言われたように国のほうでしっかりと議論されていくと思います。確かにCO2ネットゼロという観点で言いますと、原子力発電というのは排出係数等を考えたときには、CO2フリー電源ですので非常に有用だと考えられます。しかしながら先ほど申し上げましたように、一方で様々な課題があるということも事実です。そこは今後の国の動き等を見ながら、県としてその時々でしっかり考えていく必要があろうかと思います。私たちは原子力発電自体を否定しているわけではありませんので、しっかりと国の議論を見守っていきたいと思います。 ◆竹村健 委員  関連です。今、原子力発電の話になりましたけれども、CO2削減という視点からすると原発は歓迎すべきものということでいいのですか。 ◎中村 総合企画部管理監  CO2フリー電源だと言えると思います。  ですので、CO2ネットゼロということでいきますと、それに資する電源の1つだと思います。 ◆竹村健 委員  先ほど中沢委員からライフサイクルアセスメントの話が出ました。太陽光発電ももちろんそういう視点に入ると思いますが、原発も当然リプレースしたり潰したりしなくてはいけません。ライフサイクルアセスメントではどれぐらいの差があり、どちらが有効なのでしょうか。 ◎中村 総合企画部管理監  原子力発電と太陽光発電についてのライフサイクルアセスメントを比較したデータ等はありませんので、また勉強させていただきたいと思います。 ◆竹村健 委員  その辺りはしっかりつかんでおいたほうがいいと思います。私の資料では原子力発電のほうが少なく、倍くらいの差があります。原発を造る時に当然CO2が出て、それで使った後に廃棄するのにも金がかかりますけれども、それだけエネルギーが出る効果がすごいということを考えると、原子力発電のライフサイクルアセスメントはかなり少なくなるというところはしっかり押さえていただきたいです。一方で、結局火力発電所に頼っている状況です。ということは、電気を使えば使うほどCO2を出しているということを、感覚的に分かってないところが結構一般消費者にあると思います。だから例えば電気自動車に乗っていれば環境に優しいと思っている人がいます。これも先ほどの話ではないですけれども、ライフサイクルアセスメントを考えたり、CO2をどんどん使って電気を発電しているという状況を考えると、本当に電気自動車がCO2削減につながっているのかどうかという視点もあると思うのですが、そこをもう一回確認しておきたいと思います。 ◎中村 総合企画部管理監  電気自動車につきましては、リチウムイオン電池を作る際にCO2を非常に出すということで、自動車会社が算定したデータでは、大体9万キロメートルから10万キロメートル以上走らないと、CO2排出の部分ではガソリン車のほうが少なくすむという結果が出ています。  しかしながら、そのリチウムイオン電池につきましても製造過程でのCO2排出をできるだけ減らしていくという取組が進んできておりますので、今後さらにCO2排出量が減っていくと想定されます。  次世代自動車には、CO2という観点だけではなく、CASEと言われるように、つながる、自動化、利活用、電動化という大きなそれぞれのメリットがありまして、国としても県としても、そうしたことも含めて取組を進めていくということになっています。確かにCO2ということで申しますと、9万キロメートルぐらい走らないといけないということにはなっていますけれども、一方でそういうメリットもあるということも訴えていく必要があると思っているところです。 ◆竹村健 委員  一方で、価格が高いということもデメリットとしてはあります。もちろんメリットをしっかりとお伝えする一方、デメリットもあって、それこそ9万キロメートル、10万キロメートル走らないとメリットは出ないということも伝えるべきだと思いますので、今年度はその辺りをしっかりとやっていただきたいと思います。  あと、この計画は4月からスタートして2か月弱、進捗していますが、手応え的にはどうでしょうか。スタートダッシュは大事ですが、しっかりと計画が達成できそうな感覚を受けているのでしょうか。 ◎中村 総合企画部管理監  まだ緒に就いたばかりですので頑張っていかないといけないところではありますが、今年度に入ってからいい知らせが1つございます。それは脱炭素先行地域と申しまして、環境省が今年度200億円の予算を計上して地域の脱炭素化を進めていく事業を企画しているのですが、その事業に米原市、ヤンマー、滋賀県の三者で申請しました事業が採択されまして、5年間の事業費ベースで申しますと大体58億円ぐらい、交付金ベースでいきますと34億円ぐらいの申請を出しています。  どのぐらいの額が交付金の対象になってくるのか、さらに精査していく必要がありますが、こういった事業の採択というのはほかの市町にも刺激にもなりますので、計画の出だしとしては非常にいいスタートダッシュが切れたという印象を持っているところです。  それ以外の事業につきましては、現在委託業者を募集している最中ですので、委託業者と話をする段階で、様々な企画を盛り込みながら展開して、良いスタートダッシュに努めていきたいと思っているところです。 ◆竹村健 委員  最後に、去年もこの計画を聞かせてもらう段階で太陽光発電とかが結構野心的な計画になっていると思いました。私も太陽光の事業をやっていますが、そもそも場所がありません。そういう話をすると、いやいや今は壁につけられるような太陽光のパネルがあるなどと、案外楽観的な話をされていました。今、その辺りは滋賀県内でどれぐらい普及しているのですか。 ◎中村 総合企画部管理監  壁づけの太陽光発電、ペロブスカイト型太陽電池と言いますが、現在まだ実証実験段階で、滋賀県で壁についているかどうかについては把握していません。  他方、通常太陽光パネルといいますと黒くて向こう側が見えないぐらいですけれども、カネカ株式会社の滋賀工場等では透過型太陽光パネルといいまして、向こう側から光が透過してくる、向こう側が見える、そういったパネルを開発されて、事務棟につけておられます。そういった太陽光パネルにつきましては、光を透過しますので、今後、営農ソーラーですとかそういったところでつけられる可能性もあります。そういう意味で言いますと新しい太陽光発電が出てきていると思います。  色も黒だけではなくて、紫や緑といった色つきの太陽光パネルも出ておりますので、景観に配慮した形で進めていくことも1つの方法であると思っているところです。  今回、我々もプラットフォームをつくりますので、そのような太陽光発電設備もしっかり紹介していければと思っているところです。 ◆竹村健 委員  いずれにしてもこれから計画が始まって、そういうものが滋賀県にどれぐらい浸透、普及していくのかということを、しっかりとウオッチしてもらわないといけないと思いますので、よろしくお願いします。 ◆節木三千代 委員  原発の話が出たので質問させていただきます。事故が起こると最大の環境汚染が起きるというのは福島原発事故を見ても明らかですし、使用済み核燃料の処理も今後数万年という未来の世代に残すものです。2030年の電源構成について、再生可能エネルギーは日本では比率としては22%ですが、世界でみますと、ドイツでは48%、イギリスでも43%ということで、本当にこの部分は遅れた分野になっています。今も産業の話がありましたけれども、再生可能エネルギーに頑張って取り組んでおられるところに対する見える化であったり、その部分で励みになるような対応が必要ではないかと思います。  企業がそういうことに取り組むことに対する優遇施策は、国でしっかり考えないといけないと思うのですが、その辺りの潜在量は電気事業の5倍と言われています。そこを十分発揮できるような優遇策が自治体としても大事であると思うのですけれども、その点をお聞きしたいと思います。 ◎中村 総合企画部管理監  普及策としまして、先ほど申し上げたムーブメント加速化推進事業の中で、しがCO2ネットゼロみらい賞という再生可能エネルギー等に取り組んでいる事業者を表彰する制度をつくっています。こうした制度をしっかりと外に向けて発信することによって、優良事例という形で横展開していくことが大切だと思っております。  事業者に関しまして、太陽光発電設備についてはどうしても初期投資がかかってくるということがありまして、PPA、ゼロ円ソーラーという形で初期投資ゼロの太陽光設備を設置できるような仕組みを県が応援するという事業を設けています。そういった事業を普及させていくことで、初期投資が厳しいという事業者の応援をしてまいりたいと考えているところです。  さらに、土地につきましても屋根につけるということではなくて、ソーラーカーポートのように駐車場につけるという方法もありますので、そういう事例も普及させていくことによって、様々な場所で太陽光を設置できるようにしてまいりたいと思っているところです。 ◆節木三千代 委員  世界ではグローバル企業が中心ですけれども、滋賀県では中小企業がいろいろな技術を持っておられて、100%再生可能エネルギーで行おうということでRE100の運動が広がっています。そういう技術で日本が後れを取らないように、とりわけ滋賀県ではそういうところで企業も元気になって雇用も生まれるので、その辺りに力を入れていただきたいということを要望しておきたいと思います。 ◆川島隆二 委員  もう一回言っておきますが、理想と現実というのがあるから、100%再生可能エネルギーなんてそれはもう無理な話です。では、再生可能エネルギーを22%から44%に上げたら、それでベースロード電源になるかと言うと、それも無理な話です。だからちゃんと現実に即しながら政策は作っていかなくてはいけないので、そこを履き違えないようにお願いします。  休憩宣告  16時23分  再開宣告  16時24分 4 委員会の運営方針について (1)質疑、意見等  なし (2)重点調査項目   「琵琶湖をとりまく森林および治水対策について」「琵琶湖保全再生施策に関する計画の推進およびマザーレイクゴールズMLGs)の推進について」「CO2ネットゼロ社会づくりの推進について」の3項目が位置づけられた。 (2)運営方針   「執行部から説明を求めるほか、可能な限り、行政調査、県民参画委員会および参考人からの意見聴取等を実施することにより、多面的な調査研究を行う。」ことと決定された。 閉会宣告  16時37分  県政記者傍聴:京都、毎日  一般傍聴  :なし...