滋賀県議会 > 2021-07-05 >
令和 3年 6月定例会議(第2号〜第8号)−07月05日-04号

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  1. 滋賀県議会 2021-07-05
    令和 3年 6月定例会議(第2号〜第8号)−07月05日-04号


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    最終取得日: 2023-05-14
    令和 3年 6月定例会議(第2号〜第8号)−07月05日-04号令和 3年 6月定例会議(第2号〜第8号)                 令和3年6月定例会議会議録(第5号)                                        令和3年7月5日(月曜日)           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第4号                                         令和3年7月5日(月)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第90号から議第104号まで(令和3年度滋賀県一般会計補正予算(第3号)ほか14件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問           ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件           ────────────────────────────── 会議に出席した議員(42名)    1番   井  狩  辰  也       2番   本  田  秀  樹    3番   柴  田  清  行       4番   重  田     剛    5番   白  井  幸  則       6番   村  上  元  庸    7番   清  水  ひ と み       8番   河  井  昭  成    9番   佐  口  佳  恵       10番   小  川  泰  江
       11番   黄 野 瀬  明  子       12番   松  本  利  寛    13番   杉  本  敏  隆       14番   田  中  松 太 郎    15番   角  田  航  也       16番   塚  本  茂  樹    17番   山  本     正       18番   大  橋  通  伸    19番   駒  井  千  代       20番   中  村  才 次 郎    21番   桑  野     仁       22番   周  防  清  二    23番   海  東  英  和       24番   加  藤  誠  一    25番   竹  村     健       27番   目  片  信  悟    28番   有  村  國  俊       29番   大  野  和 三 郎    30番   岩  佐  弘  明       31番   富  田  博  明    32番   細  江  正  人       34番   川  島  隆  二    35番   奥  村  芳  正       36番   木  沢  成  人    37番   清  水  鉄  次       38番   冨  波  義  明    39番   江  畑  弥 八 郎       40番   成  田  政  隆    41番   九  里     学       43番   今  江  政  彦    44番   中  沢  啓  子       45番   節  木  三 千 代           ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)           ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               教育委員会事務局教育次長    谷  口  義  博               公安委員会委員長代理      北  村  嘉  英               副知事             江  島  宏  治               副知事             中  條  絵  里               知事公室長           東        勝               総合企画部長          川  崎  辰  己               総務部長            森  中  高  史               琵琶湖環境部長         石  河  康  久               健康医療福祉部長        市  川  忠  稔               商工観光労働部長        水  上  敏  彦               農政水産部長          西  川  忠  雄               土木交通部長          野  崎  信  宏               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           滝  澤  依  子           ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            西  出  佳  弘               議事課長            山  本  昌  男               議事課課長補佐         内  田  吉  行   午前10時 開議 ○議長(富田博明) これより、本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(富田博明) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  教育委員会福永忠克教育長が都合により本日会議に遅れますので、代理として教育委員会事務局谷口義博教育次長が、また、公安委員会大塚良彦委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として北村嘉英委員が、それぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(富田博明) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第90号から議第104号まで(令和3年度滋賀県一般会計補正予算(第3号)ほか14件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問 ○議長(富田博明) 日程第1、議第90号から議第104号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、10番小川泰江議員の発言を許します。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇、拍手)おはようございます。  質問に先立ちまして、3日に発生した熱海の土石流でお亡くなりになられた方の御冥福を心よりお祈り申し上げます。安否不明の皆様の一刻も早い救出を願うばかりです。  それでは、発言通告書に従い、大きく3問質問をさせていただきます。  まず、1問目は、ポストコロナ時代男女共同参画の部署の在り方についてです。  コロナ下の女性支援については、初日の清水議員、節木議員も重なる部分がありますが、それだけ重要な課題と考えます。御清聴いただければ幸いです。  昨年の4月5日、国連のグテーレス事務総長は、女性に対する暴力の防止と救済を、COVID−19対策への国家規模の重要な項目とすべきという声明を発表しました。コロナ拡大が女性たちに深刻な問題をもたらすことへの警告と、早急に手を打たなければ問題はさらに深刻化し、取り返しがつかなくなるという大きな危機感を国際レベルで発信したものです。その危惧は現実のものとなり、世界各国でコロナによる女性への深刻な影響が報告されており、ジェンダーギャップ指数が156か国中120位とジェンダー格差が依然として大きい我が日本においても、女性の自殺やDVの増加など、深刻な影響が懸念されています。  このような事態を受け、本年4月28日、内閣府男女共同参画局のコロナ下の女性への影響と課題に関する研究会は、誰一人取り残さないポストコロナ社会へと題した報告書を発表しました。女性への深刻な影響の根底には、平時においてジェンダー平等、男女共同参画が進んでいなかったことがあり、コロナの影響により顕在化したものである、今こそ幅広い政策分野でジェンダー視点を取り入れた政策立案が不可欠であり、女性に焦点を当て、我が国の課題を明らかにし、既存の制度や慣行の見直しを行うべきと提言しています。  本県においても、現在、滋賀県男女共同参画女性活躍推進計画の改定が進んでいます。ポストコロナ時代を見据えた、男性も女性も幸せが続く滋賀の実現に寄与する実効性のある計画となることを期待し、まず、コロナ下における滋賀の女性の現状について質問いたします。  女性の自殺については、昨年度も多くの議員が取り上げておられました。全国的に見ると、令和2年では、男性は対前年で8人の減少でしたが、女性は941人の増加となり、今年5月時点で対前年同月比で12か月連続の増加と報告されています。滋賀の女性の自殺者数の推移はどうなのか、健康医療福祉部長にお伺いします。 ○議長(富田博明) 10番小川泰江議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) (登壇)お答えいたします。  厚生労働省の地域における自殺の基礎資料によりますと、本県の今年1月から5月の自殺者数は97人で、昨年同期の87人より10人増加しているところでございます。男女別に見ますと、男性は今年63人と昨年より4人減少しておりますのに対しまして、女性は34人と昨年より14人増加しており、1.7倍となっている状況でございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。今年に入っての増加率が1.7倍、170%ということで、これ、全国は126%、滋賀県はそれを大きく上回っているような状況です。  続いて、DVの相談件数についてお伺いします。  令和2年度に全国の配偶者暴力支援センターDV相談プラスに寄せられた相談件数は19万30件で、令和元年度の約1.6倍に上ったと報告されていますが、滋賀県の状況について健康医療福祉部長にお伺いします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  令和2年度におけます本県の配偶者暴力相談支援センターに寄せられたDV相談件数は1,085件で、昨年度の929件より156件増加し、約1.2倍となってございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。1.2倍、微増よりは少し多いかなという感じですね。全国に比べると大きくは増えてはいませんが、これは潜在化のことも危惧されておりますので、引き続き注視いただければと思います。  続いて、性暴力についてお伺いします。  昨年の6月議会において、コロナ自粛期間中、他の犯罪は減少しているのに、重大犯罪である強制性交が増加していることへの危惧を質問させていただきました。その後どうなっているのか大変気になります。強制わいせつ、公然わいせつも含めた性犯罪の発生状況について、警察本部長にお伺いします。 ◎警察本部長(滝澤依子) (登壇)お答えいたします。  平成30年以降の性犯罪の認知件数について申し上げますと、平成30年は、強制性交等が12件、強制わいせつが64件、公然わいせつが23件、令和元年は、強制性交等が14件、強制わいせつが58件、公然わいせつが22件、令和2年は、強制性交等が15件、強制わいせつが44件、公然わいせつが32件となっております。  次に、本年につきましては、5月末現在で強制性交等が前年同期比6件増の12件、強制わいせつが前年同期比13件増の26件、公然わいせつが前年同期比7件増の13件となっております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。今年に入ってもまたさらに増えているようですし、滋賀県の刑法犯全体の認知件数は、令和2年度は令和元年度よりマイナス732件で11%減と大幅に減少しています。これは昭和34年以降で最少とも言われています。これと比較すると、この性犯罪の増加、かなり特徴的だと言えるのではないでしょうか。引き続き、注意喚起、促していただきたいと思います。  このような状況を改善し、SDGsの果たす目指す誰一人取り残さない多様性と包摂力のある社会を実現していくためには、男女共同参画部署の果たす役割は非常に大きいと思います。現在、滋賀県では、商工観光労働部内に女性活躍推進課として位置づけられていますが、これは平成27年に総合企画部門から移動したと聞いています。  (資料掲示)他県で男女共同参画部署がどこにあるか調べてみたのですが、商工労働部門に置かれているのは全国で滋賀県だけとなっています。県内市町でも甲賀市のみということです。企画や人権、また、県民生活、子供、若者部門に置かれていることが多いようですし、例えば、鳥取県の令和新時代推進本部、福岡県の人づくり・県民生活部、秋田県のあきた未来創造部など、特徴的な部署もあります。これは、何が正解とか、いいとか悪いとかいうわけではないんですが、どの部署に置くかでその行政の姿勢が表れているのではないかと思います。  男女共同参画部門商工観光労働部に置いた目的、意図について、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  男女共同参画社会の実現に向けた取組とともに、企業等の働く場における女性活躍の取組を加速化させ、女性が活躍できる仕組みづくり、風土づくりを強力に推進していくため、経済界との関わりが深く、雇用分野も所管する商工観光労働部に設置させていただいているものでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)その目的を達成するために、強みをいかに生かすか、そして、弱みをいかにカバーするかが重要と考えます。  男女共同参画部門商工観光労働部にあることの強みを中條副知事に伺います。 ◎副知事(中條絵里) (登壇)お答えいたします。  これまで、商工観光労働部における企業や経済団体とのつながりを生かし、女性活躍推進企業認証制度イクボス宣言企業登録の周知、働きかけや好事例の発信などを行い、県内企業の職場環境整備につなげてまいりました。また、滋賀労働局と連携し、滋賀マザーズジョブステーションの運営により女性の就職支援を行うなど、企業等におけます女性の活躍推進に重点を置きながら、男女共同参画社会の実現に向け、取組の充実を図ることができていると考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。実際、M字カーブの底の部分も随分改善もされましたし、特に、厚労省で雇用労働畑を歩んでこられた中条副知事がまさに適任の部署だと思います。期待しております。  ただ、逆に、全庁的な意識の醸成や、また相談など、弱くなった部分もあるのではないかと考えますが、中條副知事の見解を伺います。 ◎副知事(中條絵里) お答えいたします。  御指摘いただきましたとおり、男女共同参画はあらゆる分野で取り組んでいくことが必要であり、全庁的な意識の醸成が重要でございます。このため、知事の強いリーダーシップの下、今年度から、全ての部局の組織目標で関連するSDGsの目標といたしまして、ゴール5、ジェンダー平等の実現を位置づけたところでございます。  また、私が本部長を務めます男女共同参画女性活躍推進本部におきまして、男女共同参画施策の推進に関し部局間の連携を図っております。  さらに、全所属に男女共同参画推進員を配置し、毎年研修を行っているほか、特につながりの深い所属には兼務職員も置くなど、女性活躍推進課が庁内の男女共同参画の旗振り役としての役目を果たしてまいりました。  相談につきましては、男女共同参画センターにおきまして男女共同参画相談を行っており、配偶者暴力相談支援センターとしての役割も担っております。DVに関する相談につきましては、他の配偶者暴力相談支援センターの担当者との定期的な会議の開催など、連携を図りながら実施しているところでございます。  今後も、商工観光労働部にある強みを生かし、女性の活躍をより一層推進するとともに、推進本部の機能を十分に発揮し、現在改定作業中の滋賀県男女共同参画計画・滋賀県女性活躍推進計画の策定、推進等を通じまして、男女共同参画社会の実現に向けて全庁的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  今、ちょうど男女共同参画センターの相談という話が出ましたので、それに関連しまして、男女共同参画センターのDVに関する相談の状況について、商工観光労働部長にお伺いします。 ◎商工観光労働部長(水上敏彦) (登壇)お答えいたします。  男女共同参画センターでのDV相談件数は、令和元年度が562件であったのに対し、令和2年度は722件と1.28倍に増加しており、様々な相談件数全体に占めるDV相談の割合も増えてきております。男性からの相談も増加してきており、今年度から新たに男性相談員を配置し、相談体制の充実を図ったところであります。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。男性相談があるということも、ほかの児相とかではDVに関しては女性だけですので、やっぱりこれも男女共同参画センターならではの取組だと思います。男性の割合も、DVだけではないですが、全体の10%を占めるとも聞いておりますので、ぜひとも周知も含めてしっかりと今後取り組んでいただけたらと思います。
     ただ、その相談なのですが、相談員さんが1人体制の日もあると聞きます。話し中で電話がつながらず、重篤な電話を見逃す可能性を考えると、体制の拡充も必要ではないでしょうか、商工観光労働部長にお伺いします。 ◎商工観光労働部長(水上敏彦) お答えいたします。  今年度に入りましてからも、4月、5月のDV相談件数は合計121件と、前年同時期を上回っている状況にございます。  こうした中、相談員がすぐに電話に出られない場合に備え、24時間対応の国の相談窓口、DV相談プラスの電話番号をお伝えする音声案内を新たに始めますとともに、ホームページに他の相談窓口等を掲載するなど、電話をかけてこられる方々を相談につなげられるよう対応してきたところでございます。  今後も相談件数の推移や相談の状況を注意深く見ながら、相談体制の強化につきましても考えてまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ぜひとも、様々な工夫を凝らしながら、拡充のほう、よろしくお願いいたします。  それでは、この項の最後に、相談窓口の周知について伺います。  どれだけ体制整備しても、必要な方に情報が届かないと意味がありません。昨年度開催された広報の在り方に関する懇話会では、全庁的な情報を一元的に集約し、発信する必要性も指摘されていたと聞いております。  DVや自殺、犯罪被害など緊急性の高い相談窓口を各部局ごとにばらばらと広報するのではなく、まとめて広報することがより効果的と考えますが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  新型コロナウイルス感染症対策に関する相談窓口や支援制度につきまして、各部局の情報をまとめ、新聞折り込みチラシやホームページなどにより分かりやすく周知を図っているところでございます。また、今定例会にお諮りしております女性のつながりサポート事業におきましても関係部局が連携いたしまして、各相談窓口をまとめたカード型の配布物を作成し、トイレに設置することなどを検討しているところでございます。  関連する情報をまとめて広報することは、議員もおっしゃるとおり効果的と考えておりまして、今後とも県民の皆様の目線に立って効果的で分かりやすい情報発信に努め、取り組んでまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ぜひとも引き続きお願いいたします。トイレに貼ってありますSATOCOのステッカーとかは、本当に私もいろんなショッピングセンターなどで目にしますし、効果的だと思います。逆に、男性トイレにまた貼るような必要もあるかとも思いますし、いろいろな手法を検討いただければと思います。  4人に1人が生理用品を購入するのに苦労したと答えた生理の貧困に関するLINEアンケートの結果は本当に衝撃的でした。今回は触れませんでしたが、女性独り親の貧困や就労の問題も深刻度を増しており、女性危機とも言える状況です。例えば、女性非常事態宣言なるものを発出し、集中的に支援に取り組むということも考えられると思います。ぜひ部局連携して対応いただくことをお願いし、次の質問に移ります。  ウッドショックを乗り切れ!今こそ県産材の活用を!  タイトルだけで言いたいことが全部分かってしまうようなタイトルですが、詳しく質問のほうで述べたいと思います。  アメリカ住宅市況のコロナ禍からの急回復や中国の旺盛な需要により引き起こされた木材相場高、いわゆるウッドショックがにわかに取り沙汰されています。住宅建築着工の遅れや木材の値上げなどが報告され、パニックとも言える状況となっています。  まず最初に、ウッドショックの県内への影響について、以降、指定するまで琵琶湖環境部長にお伺いします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) (登壇)お答えいたします。  いわゆるウッドショックの県内への影響として、県内の木材関連の事業者にヒアリングを行いましたところ、外国産材を主に取り扱う事業者につきましては、木材価格の高騰や木材加工の受注制限、納期の遅れ等の製品調達に影響が出ているとのことであります。  県産材を含む国産材を取り扱う事業者につきましては、外国産材の代替需要により原木、製品ともに木材の価格は上昇しているものの、今のところ県産材の流通に大きな影響は出ていないとのことであります。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)その県産材についてはまた後に聞かせていただきますが、県内の業者さんからは、建築用材が2倍、3倍に跳ね上がり、その金額を出してもいつ入ってくるか分からないといった悲痛な声も届いております。引き続き情報収集に努め、長期的な支援も含めて検討をお願いしたいと思います。  このような状況を受けて、今、部長も言ってくださいましたが、国産材のニーズが高まり、県産材にも注目が集まっています。  滋賀の森林は伐採適齢期を迎えており、若齢林に比べると高齢林はCO2の吸収量が減少するということに照らし合わせても、CO2の吸収源として、また、水源涵養、洪水や土砂流出防止といった役割を果たすためにも、森林資源の循環利用が必要と考えます。  現在策定中のCO2ネットゼロの推進計画や契約に関する条例など、様々な県の施策の中で県産材の活用という文言が散見される一方、県内の設計士さんや住宅会社さんからは、県産材を使いたくても手に入らない、どこにあるのか、幾らくらいなのかも分からないといった声が聞かれます。しっかりと循環させるためには、どこが目詰まりしているのかを明らかにし、ウッドショックと言われるこの機だからこそ、的確な施策を講じ、反転攻勢に打って出るべきだと考えます。その観点で、一般住宅用建築用材を中心に質問をさせていただきます。  滋賀の県産木材の住宅利用について、課題も含めた現状認識を伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  素材生産を行う川上におきましては、森林所有者や林業従事者の高齢化、担い手の減少に加え、施業集約化や路網整備が十分でなく、原木の安定供給体制に課題があります。また、県内の森林は高齢化しており、適切な更新による森林資源の循環利用を図りながら、持続的に木材を供給していく必要があります。  一方、住宅用木材の供給を行う川中におきまして、本県の多くの製材所が零細であり、件数、生産量ともに減少傾向が続いております。また、大型の加工機械や木材乾燥機等の設備も十分ではなく、製造コストや生産量、品質の確保といった住宅用木材等の供給体制の整備が課題となっております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。川下である県産材の活用のためには、川上である林業や、また、川中である加工、流通体制の課題解決、必要であるということだと思います。  それでは、まず、川上の林業についてお伺いします。  滋賀の森林面積は約20万ヘクタールで全国38位、素材生産量は国の統計では全国41位となっており、そもそも、もともとの資源が少ないという大前提はありますが、例えば、森林面積18万6,000ヘクタールで全国39位と滋賀より狭い茨城県の素材生産量は、国統計では滋賀の7倍に当たる42万3,000立米で全国16位、この事例を見ても、政策次第でカバーできることは多いのではないかと思います。  森林の循環のためには、例えば、適切な場所では皆伐をもっと積極的に進めるという選択肢もあるかと思いますが、所見を伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えします。  本県の人工林資源は、その多くが利用期を迎え充実する一方、林業生産活動の低迷等により皆伐が進まないことから、若齢林が非常に少なく、高齢化が進行する状態となっております。  本県では、これまで、計画的な搬出間伐などに取り組み、素材生産量は平成22年に4万3,000立方メートルでありましたが、昨年には11万2,000立方メートルとなり、およそ2.6倍となりました。  今後、生産適地におきましては、皆伐による効率的な木材生産も進め、さらなる森林資源の循環利用を促進させてまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ぜひともよろしくお願いいたします。木の高齢化というような言葉もなかなか聞く機会がないかと思いますが、全国でもこういう状況を迎えていると言われておりますので、適切な対処、よろしくお願いします。  また、伐採後は、確実に森林を回復させるために再造林の推進も必要です。現在、滋賀県の森林循環保全直接支援事業における再造林の補助率は78%です。他府県では、100%とすることで再造林を促進している例もあると聞き及びます。速やかな進展のためには補助率の見直しも必要かと思いますが、見解を伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  今年度から始まる第2期琵琶湖森林づくり基本計画におきまして、再造林の促進を重点施策の一つとして掲げております。具体的には、伐採、造林一貫作業等による再造林の低コスト化の推進など、次世代を担う若い森林づくりに取り組んでいるところでございます。直ちに補助率を見直すわけではございませんが、森林所有者の理解の醸成に努めるとともに、市町、森林組合、林業事業体などの関係者との連携を図りながら、再造林に向けた支援を検討してまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。お金の話になると、なかなかすぐには進まないこともあるかと思いますが、ぜひともこの現状、入れていただいて、引き続き検討いただければと思います。  それでは、次に、川中である流通、加工についてお伺いします。  大きな加工場が県内にないことが課題ということで、県外の加工工場と契約する県外のびわ湖材製品の認定加工業体は、近隣の京都、三重、岐阜、遠くは鳥取、愛媛、富山と、8府県13者に及んでいると聞いております。  ただ、このように遠距離の運搬が伴うということは、CO2排出的には一定課題も残ります。例えば、埼玉県が新規木造着工数が全国的にも上位を占める首都圏をターゲットに地域材として利用促進することを提案していますが、大阪という大消費地を近隣に抱え、また、広域連合という組織にも参加している滋賀として、関西地域材として活用促進を図るということも、びわ湖材認証制度と同時並行で進める価値はあるかと思いますが、見解を伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  木材の輸送過程で排出されるCO2は、輸送距離に応じて増えるため、地域材として、木材の産地と近い消費地で利用を促進することは、CO2ネットゼロにも貢献すると考えております。  県産材の県内での利用促進に加えて、京都や大阪といった関西地域で滋賀県産材を利用してもらうことにより、琵琶湖の水源林の多面的機能の発揮や流域の保全、林業の成長産業化にもつながると考えております。  近年、県内の工務店や製材、流通、素材生産を行う企業や関西地域の府県が会員となっているびわ湖・淀川流域協議会に本県も参加しております。今後も、この協議会での活動を通して流域での木材利用に取り組んでいきたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。今おっしゃられました流域材という試み、上流は下流を思い、下流は上流に感謝をという言葉にも通じるものがあって、ストーリーがあって大変面白いかと思います。ぜひ引き続き広げていただきたいと思います。  次に、川下である県産材の利用について伺います。  現在、滋賀県では、木の香る淡海の家推進事業として、県産材を利用した一戸建て住宅等に補助金を出していると冒頭伺いましたが、実績を教えていただけるでしょうか。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  木の香る淡海の家推進事業の令和2年度の実績としまして、新築98戸、木質化改修5戸、木塀設置10戸への助成を実施したところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)今伺いました新築に関して98戸、昨年の県内の木造住宅着工数は5,733戸、これに対して僅か2%と、やはりあまりにも少ないと言えます。滋賀では木造住宅着工数が少し回復してきております。また、コロナ禍で一定見られる地方回帰の動きにも期待が持てると思います。  県産材の利用をさらに推進するためには、施主や業者が使ってみたいと思ったとき、気軽に相談や照会ができる窓口も必要かと考えますが、見解を伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  木の香る淡海の家推進事業では、林業や建築関係の団体で構成する県産木材活用推進協議会が窓口となって、助成対象となった住宅の建築現場におけるのぼり旗等の設置や、見学会等の開催により、県産材を使った家づくりの普及啓発を行っております。また、建築物の需要を把握し、設計士や工務店等との情報交換や県内外の加工施設と調整する製品流通調整員により、県産材製品の供給を促進しております。こういった取組を通じて、様々な団体とも協力し合い、より利用しやすい窓口となるよう取り組んでまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)県のホームページからも推進協議会さんのサイトに飛ぶことはできますが、県産材取扱事業体、ここには140件掲載されてますが、本当にリアルタイムの情報かどうかも不明ですし、なかなかこのホームページ一つとっても、一般の方とか幅広い方が気軽に相談できる体制ではないのではないかと思います。一定もうちょっと体制整備も必要ではないでしょうか。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  議員御指摘のとおり、県産木材活用推進協議会の運営している木の香る淡海の家推進事業のホームページは、問合せ先も分かりにくく、パソコンの利用を前提とした表示で、スマートフォンには対応していないなど、気軽に相談しにくい状態であると考えております。  県産木材活用推進協議会のホームページにつきましては、本年度に改修を予定されており、利用者からの問合せや相談に対して、より利用しやすい体制となるよう県としても支援して取り組んでまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)よろしくお願いいたします。  また、CO2ネットゼロムーブメントとも連動させる形で、県産材の環境貢献度を見える化するCO2貯蔵量認証制度なども有効かと考えますが、いかがでしょうか。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  県産材を利用することは、住宅に炭素の貯蔵を行うとともに、木材が鉄やコンクリート等の資材に比べ、製造や加工時のCO2の排出が少ないことから、CO2ネットゼロの取組に貢献するものと考えております。  建築物への県産材の利用量に応じたCO2の固定や貯蔵量の認証制度は、他の都府県でも取り組まれており、環境貢献度の見える化によりCO2ネットゼロムーブメントの追い風となると考えております。他県の取組も参考にしながら制度化等について検討してまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ぜひこの機を逃さずに、できるだけ早くまた制度化いただければと思います。  それでは、この項の最後に知事に伺います。  先ほどの男女共同参画部署と同様、森林林業の部署が琵琶湖環境部にあるということも滋賀県の大きな特徴です。この特性をどのように生かし、また、弱くなると考えられる産業の部分をどうカバーし、次世代に引き継ぐ森と林業を育てていくのか、やまの知事を標榜される三日月知事の所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) 琵琶湖の水源林としての役割を果たしております本県の森林は、水源涵養機能や地球温暖化防止等の多面的機能を有しており、こうした機能が持続的に発揮される森林づくりを進めることが必要であります。  また、県内の人工林が本格的な利用期を迎えます中、林業、木材産業の成長産業化を図るため、県産材の安定供給体制の構築を進めることが必要であり、滋賀県環境総合計画の目標でもある環境と経済・社会活動をつなぐ健全な循環を成り立たせることが琵琶湖環境部に森林林業の部署がある意義でもございます。  現在、世界的な木材価格の高騰など、いわゆるウッドショックとの報道がされているところではございますが、県といたしましては、むしろこれをウッドチャンスと捉え、主伐、再造林による木材生産の増強と若い森林づくりを進めるとともに、滋賀県森林組合連合会の木材流通センターの機能強化を図り、外国産材を県産材の利用へ切り替えるウッドチェンジを進めていきたいと考えております。  様々御指摘いただいたホームページの見にくさなど、より使い勝手のよさ等も改善しながら、こういった取組をつなぎ合わせ、森林所有者へのさらなる利益還元をも実現し、農山村地域に経済循環を生み出し活性化させるやまの健康というものを一層推進してまいりたいと考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。ウッドショックをウッドチャンスと捉えて、ウッドチェンジということで伺いました。ぜひともよろしくお願いいたします。  それでは、次に、第5波に備えたコロナ対策の検証についてお伺いします。  これまで、コロナ対策について、中でも感染拡大防止策については、議場や委員会、知事との政策協議会など、様々な場で何度も問わせていただきました。コロナに感染して亡くなられた90名の方たち、感染して大変な思いをされた5,500名を超える方たちを一人でも少なくすることができたのではないか、また、これから感染する方を一人でも減らすことができるのではないか、そんな思いで今回も質問をさせていただきます。  まず、4月招集会議で3億円余の予算が可決された高齢者施設等への一斉検査について伺います。  実施する条件である感染拡大地域の大きな目安は、人口10万人当たり1週間の感染者数15人以上が2週間以上続くということでした。第3波では大津で一度だけ該当したということでしたが、第4波ではどれぐらいの地域で該当したのでしょうか。それぞれの該当日数も併せて、以降、指定するまで健康医療福祉部長にお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  2週間程度にわたりまして人口10万人当たりの1週間の新規感染者数が15人以上発生した地域でございますが、第4波におきましては、6保健所管内が該当したところでございます。それぞれの保健所管内におきまして、これに該当していた日数を見ますと、大津で55日、草津で54日、甲賀で48日、東近江で27日、彦根で20日、高島で25日となってございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  それだけの地域が該当したにもかかわらず、これまでこの事業を実施されなかったのはなぜでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  感染拡大地域におけます高齢者施設従事者等への一斉定期検査につきましては、新規感染者数、感染経路不明割合、それから、週単位の新規感染者数の増加傾向やクラスターの発生状況等を保健所長が総合的に判断し、検査を実施することとしております。  いわゆる第4波におきまして、新規感染者数など指標が高い値を示す地域がございましたが、保健所長が地域の感染状況を総合的に判断しておりまして、クラスターへの迅速な対応などにより、地域全体へ感染が拡大することはなく、高齢者施設等への感染拡大のおそれもないと判断し、一斉検査は実施しなかったところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)確かに、前議会での松本議員の質疑に対して知事のほうから、新規感染者数、感染経路不明割合、週単位の陽性者数の比較など、地域の感染動向やクラスターの発生状況を保健所長が総合的に判断すると答えておられます。ただ、これ、やっぱりもう少し明確な分かりやすいような基準も示すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  感染拡大地域におけます検査基準の判断基準につきましては、一定の数値により明確に基準を設けることはなかなか難しいということでございまして、申し上げましたように、保健所長が新規感染者数、それから感染経路不明割合、それから週単位の新規感染者数の増加傾向、それからクラスターの発生状況等のデータを確認いたしまして、総合的に判断しているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  最終は保健所長の総合的な判断ということですが、確かに最前線で奮闘くださっている保健所長の判断というのは信頼でき、尊重されるべきという理解でよろしいのでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  感染状況につきましては毎日変化しておりまして、例えば中学校区ごとの感染状況を感染症対策課などから提供するなど、様々な対応を行っているところでございます。その上で、その傾向や分布見込みなどは現場の保健所でこそ判断できるものと存じます。保健所長が迅速、的確な判断ができますように、感染症対策課などからきめ細かなデータやクラスター分析の情報提供をしていきたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  高齢者へのワクチン接種がある程度進んできましたし、高齢者施設のリスクと負担は一定軽減されると考えられますが、ほかにもクラスターリスクの高い施設はあるかと思います。この事業の高齢者施設等の等にはどこが含まれるのか、確認をさせてください。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  感染拡大地域におけます一斉検査を実施する高齢者施設等には、医療機関、高齢者施設および障害者施設が含まれるところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)障害者福祉施設では何件かクラスターも発生しておりますし、やはり現場の皆さんの不安も大きいと思います。また必要に応じてぜひとも実施いただければと思います。  また、この事業と類似の事業として、イベントベースサーベイランスの予算が本議会に上程されています。集団において、通常と違う状況、イベントが発生した場合、現場の気づきにより、医師の判断を介在せずに申請し検査を行うことができるというものですが、このイベントの具体的事象が非常に分かりにくいのですが、どのように対象施設に説明されるのか伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。
     補正予算案に計上させていただいたイベントベースサーベイランス事業につきましては、新型コロナウイルス感染症のクラスターを早期に探知し、早期に介入することによって大規模化を抑止するため、高齢者施設や障害者施設、それから学校、幼稚園、保育関連施設におきまして、体調不良を訴える人が増えているなど、ふだんと異なる現場の気づきを基に早期に検査を行う事業としているところでございます。  イベントに当たる具体的な検査基準につきましては、発熱やせきなど風邪のような症状がある人が一定割合発生しているなどを想定しているところでございますが、現在、一部地域におきましてイベントベースサーベイランスの考え方を取り入れた検査を試行的に実施しておりまして、その実施結果等を踏まえまして、改めて検討することとしております。  基準を整理した上で、対象となる施設に対しましては実施方法を具体的に説明するとともに、実施のタイミングなど判断に迷う場合も想定されますことから、各施設の質問や相談に丁寧に応じていく予定でございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)これは本当に難しいと思います。発熱があるなら発熱外来というルートになってまいりますし、今、ちょうどそのことに関して試行されていると伺いましたが、その試行の具体的な内容、これを教えていただけるでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  イベントベースサーベイランス事業につきましては、実施方法や運用の在り方を検証するため、地域および施設を限定し、その考え方を取り入れた検査を実施しているところでございます。この事業は、検体採取を唾液で実施する予定でございまして、試行結果を基に採取に当たっての課題や対象年齢の整理を行いますとともに、各施設の風邪様症状者など、イベントに係る情報の集積を行いまして、本格実施に向けて検査基準や運用方法等を決定してまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)あまり具体的かどうかちょっと分からなかったんですが、唾液の採取に関して、どのような事態が起きるのかということについて中心に様々検証されているという理解でよろしいんでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  幼稚園等、なかなか唾液が取りにくい、高齢者施設もそうですが、認知症の方もおられます。そういった方々に対して、例えばですけども、唾液の採取に当たりまして、大きな綿棒を口に含んでいただいて採取するなど、いろいろな方法を検討しておりますし、イベントでございますので、全ての方を取るというよりは、そこで傾向を見まして、当然、感染者がおられたら直ちに行政検査を実施するなど、いろいろ検討して具体的な方法を決めていくということになろうかと思います。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)具体的な内容をありがとうございます。  それでは、実施のスケジュールはどうなっているでしょうか、お伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  本議会で予算をお認めいただきましたら、速やかに事業が着手できますように準備を進めているところでございまして、8月中の開始を目標に取り組んでいるところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。8月中の開始ということで、以前伺ったときよりは大分前倒しで検討くださっているということで非常にありがたいんですが、ただ、もう既に東京が第5波の入り口じゃないかとも言われておりますし、7月末には第5波、急速に到来する、関東中心かと思いますが、というような様々な話も出ております。これ、委託事業ということで、なかなかそれに時間がかかるという理解でよろしいんでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  イベントベースサーベイランス事業につきましては、今御指摘いただきましたように、運営を民間企業に委託する予定でございます。それから、各施設、先ほども申し上げましたように、実施に向けた丁寧な説明も必要となってございます。こうした準備作業を迅速に進めまして、早期に事業を開始できるように取り組んでまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ぜひとも必要な時期に必要な事業が実施されますように、よろしくお願いいたします。  それでは、次に、飲食店等への時短要請について伺います。  緊急事態宣言を発出した京都、大阪、兵庫、また、まん延防止等重点措置が適用された岐阜、三重に挟まれ、滋賀県でも一時は飲食業者への時短要請も含む県独自の緊急事態宣言も検討されましたが、結局発出されることはありませんでした。しかし、県内飲食業者は、近隣の影響を大きく受け、厳しい経営状態が続いています。チームしが 県議団の代表質問でも指摘しましたが、感染者数の減少が近隣に比べて穏やかという事実もあります。実際、ステージ判断も3に留め置かれたままです。  まん延防止等重点措置の適用について、国へ問合せをするなど検討はされたのでしょうか。以下、全て知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  県の感染拡大防止策を検討する中で、まん延防止等重点措置を行う場合の考え方等につきまして、国へ問合せを行い、対策の検討に生かしてきたところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)それを問い合わせた際には、このまん延防止等重点措置の適用には、県独自の時短要請などの事前実施が前提であるというふうに国のほうからあったという説明をこれまで受けてまいりましたが、その理解でよろしいでしょうか。 ◎知事(三日月大造) よろしいと思います。先ほどの国への問合せの中で、まん延防止等重点措置の適用に当たりましては、まずは県独自の飲食店への営業時間の短縮要請を行い、その結果を踏まえる必要があること、また、区域を限定して行うことといった見解が示されていたところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)それでは、ここから県独自の飲食店への時短要請について伺います。  チームしが 県議団の代表質問に知事は、「飲食店への時短要請は経済活動への影響や私権の制約につながることも踏まえ慎重に検討した」と答弁されました。今回、県独自の時短要請はされませんでしたが、結局、飲食店等を中心に経済への影響は広がり、県としても様々な事業者支援の補助を行っているところです。  あのとき、時短要請をしないという判断をされたことについて、今の率直な思いをお聞かせいただけるでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 代表質問でもお答えいたしましたとおり、飲食店への営業時間の短縮要請につきましては、経済活動への影響や私権の制約につながることも踏まえ、感染状況に応じた選択肢として何度も慎重に検討いたしました。もう昨年末、11月、12月辺りから、この選択肢については選択肢に入れた上で、県としてどのような形で適用可能なのか、また、その際の課題等はどういったことにあるのかといったことを検討いたしまして、一時は要請を行う寸前の状況でもございました。幸いにも、県民の皆様の御協力もあり、こうした措置を取ることなく新規感染者数が減少傾向になってきている、こういう現状がございます。  ただ、今後に向け、感染拡大の波をさらに低く抑える対策について模索、検討することは大変重要であると考えております。今回は行わなかった飲食店への営業時間の短縮の要請の効果等につきまして、他県の事例も踏まえて分析いたしまして、次の感染拡大期に備えてまいりたいと考えているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)知事もかなり悩まれたということは聞いております。  では、次に、財源について確認させてください。  県独自の時短要請を行った場合の協力金に充てる財源は、国の臨時交付金の協力枠から8割、残り2割を自主財源と理解していますが、それでよろしいでしょうか。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  飲食店への営業時間の短縮の要請を行う場合の協力金につきましては、国との協議が必要になりますが、その8割を地方創生臨時交付金の協力要請推進枠により充当できる、また、残りの2割についてもこの同交付金の通常分を活用できる制度となっていると承知をしております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)つまり、県の負担はなしで要請できるということでよろしいでしょうか。 ◎知事(三日月大造) おっしゃるとおりでございまして、国との協議が必要、前提にはなりますが、8割、交付金の枠の活用、そして残り2割もこの交付金の通常分の活用が可能ということでございますので、実質的には全額国費で賄える、そういう制度になっているということでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  この時短等による感染拡大抑止の効果に関しては、6月14日に国立感染症研究所が分析評価報告書を提出されています。私もちょっと読ませていただきましたが、なかなか難解だなと思っております。また、チームしが 県議団の代表質問でも、知事は、「他県の事例も分析し、次の感染拡大に備えたい」と答弁されました。7月中旬には一定の結論をということですが、先ほども申しましたように、下旬にはもう第5波が到来するとも予測されております。より迅速な判断が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 今回の飲食店への営業時間の短縮の要請の検証につきましては、次の波に備えて行いたいと考えておりまして、できるだけ早く取りまとめる必要があるものと存じます。そのため、作業には一定の時間が必要でございますが、かつ、いろんな前提を置いて議論、検証する必要があると思いますので、容易ではないと思うんですが、7月中旬を目途に一定取りまとめを行うよう関係部局に指示を行っているところでございます。こうした検証も踏まえ、次の波にしっかりと備えてまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)先ほど、高齢者施設等への一斉検査の項目で、現場を知る保健所長の判断は信頼でき、尊重されるべきということを確認もさせていただきました。その保健所長からも時短に関して検証し、判断してほしいとの声が上がっていると聞いております。ぜひともしっかりと尊重して、検討して判断いただきたいと思います。  ワクチン接種も進みつつありますが、供給量が減り混乱するなどまだまだ不確定要素も多く、接種後の感染例も報告されています。次々と変異株が現れるなど、残念ながら、まだ当分コロナの脅威は続くと考えられます。これまでの取組をしっかり検証し、次の波を、知事もおっしゃっていますが、できる限り遅く、低く、そのために時宜を得た対策を講じていただくようにお願いし、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(富田博明) 以上で、10番小川泰江議員の質問を終了いたします。  次に、29番大野和三郎議員の発言を許します。 ◆29番(大野和三郎議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従い、先進を自認する環境政策の推進について、全て知事に問います。  我が会派の代表質問で、琵琶湖環境部の設置に関して、自慢のできる取組についての質問がありました。知事は答弁で2つの状態を示されました。1つは、身近にある地域資源がその社会の経済システムの中で循環利用される状態、いま1つは、その地域内だけではなく他の地域との間で相互に支え合う関係が構築されている状態であり、実現へは、多様な主体との協働を大切にして、幅広い参画を得ることで政策を進めるとの考えでありました。そして、この取組が環境先進県として評価を得るよう目指していきたいと答弁されましたが、この協働で、幅広い参画というまさに様々な知恵を結集することが重要であります。  私も、これまでの本会議で、6割ぐらいは環境に関する課題を取り上げてまいりましたが、代表質問の答弁のように、多くの課題が動いているのかどうかということを思い浮かべながら聞いておりましたが、いつも申し上げていますように、やはり全ては結果であります。知事の意気込みも大切ではありますが、環境面で注目される滋賀県の知事として結果を出すことで責任を果たすことに努めていただきたい。今回は、そのことを初めに申し上げながら質問に入ります。  私も、かつて普通地方公共団体の長を務めさせていただきましたが、組織運用を除き、とりわけ産業の振興や住民の生活に関わるものであっても、課題によっては、残念ながら優秀な職員の知識だけで解決できるものではありません。特に進化する技術を必要とする課題は、その不足するところを、餅は餅屋と言われるように、民間や大学などの経験や知識、データなど、専門性の知見を持つ様々な機関の力を必要とします。しかし、あくまで専門家の知見は用いるものであって、最終的には県としての結論を導き出すことになろうと思います。  何を申し上げたいかといいますと、県の委託事務で、どうも丸投げ、そこまでいかずとも、ほぼ丸投げに近いというものが多いように感じられます。また、審議会の答申しかりであります。答申はあくまで答申、必ずしも県の計画にそのままなるものでもありません。  初めに、県行政としての諸課題の解決のために、委託や、民間、大学等の知識や知見を借りる共同での研究ということについて、知事の基本的な見解を問います。  我々自由民主党滋賀県議会議員団は、様々な団体から御意見や御要望を承りますが、知事も同様に様々な情報を得られると思います。いつも感じるのですが、民間が取り入れている進んだ技術や優れた製品を行政が取り入れるということが非常に遅いと思うのであります。ネットゼロを進めるということも、カーボンニュートラルを進めるということも、それはそれでよいのでありますが、世の中の技術の進歩というものをもっと取り入れる姿勢が大切であります。  知事も御存じのNEDO──国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構でありますが、そのムーンショット型研究開発プロジェクトにより、東京大学などが、世界で初のCO2を原料にすると表現した、完全リサイクル可能なカーボンニュートラルコンクリートの製造技術を開発したと発表しました。この新しい技術は、使用済みのコンクリートが過去に排出したCO2と同等程度のCO2を、その使用済みコンクリートから作る再生コンクリートに固定化できるというものだそうであります。  ほかにも、こうした環境負荷を低減する新しいコンクリートの技術が生まれていますが、本県の公共事業にこのような製品を取り入れるという検討を始めることこそが先進県であって、他府県を見てからという後進県になってはなりません。  環境負荷低減など環境に良好な製品等を公共事業に使用するという面での県としての基本的な取組について、見解を問います。  ここから具体的な環境問題ですが、まず、先に触れておきたいのはアスベスト対策であります。  去る5月17日に最高裁にて、4件の建設アスベスト訴訟、御案内のとおり、神奈川、東京、京都、大阪について、国と建材メーカーの責任を認める判決が言い渡されました。なぜこのような判決になったのか、端的に言えば、危険なものを早く危険と認めなかった国の責任を問われたのだと思いました。  昨年6月に改正された大気汚染防止法が施行されたことから、11月議会の私の代表質問でも触れました事業者への周知や義務遵守に対して、どのように県の責任を果たすのかと知事に問いました。知事は、石綿対策は、周辺環境への飛散防止だけでなく、労働者の健康被害防止、建築物の分別解体、再資源化等、様々な分野が関係しているとの認識と、だからこそ関係機関と連携し取り組んでいくことが重要だとし、事業者への法制度の周知や義務遵守の徹底を図るとされました。判決を見まして、早く義務遵守の具体的な取組を示すことが、より県としての責任を果たすことになるのではないかと思います。そこで、この機会に、義務遵守を徹底するための具体的な対応を問います。  かねてより炭についても取り上げてまいりました。  一昨年の11月議会に秋田県の事例を紹介しました。「田んぼに粉炭を散布することによって、土壌が生まれ変わり、より一層お米がおいしくなっております」、ずばりこのように分かりやすい言葉で秋田県の米がPRされています。本県も炭の散布圃場で取れる米を環境こだわり米、さらにはオーガニック米としているならば、知事としても消費者が食べたいと思うように分かりやすく発信されてはいかがとの提案に、今後さらに工夫をしていきたい、また改善を図っていきたいとされましたが、どうも県としての動きが見えません。そうこうしてるうちにCO2削減を進める戦略が始まり、知事も御存じのように、農林水産省は農林水産業のCO2ゼロエミッション化の実現をはじめとする取組をみどりの食料システム戦略として策定されました。このことはまた取り上げますが、炭の利活用も含めて環境先進県として遅れを取っているように思います。  また、下水汚泥のリサイクル率37%で全国42位となっている現状にあって、環境先進県として、下水汚泥リサイクル率100%の達成に向け、今後も必要な施策に計画的に取り組み責任を果たすとされました。これには大いに期待をしているところでございます。ここで改めて紹介いたしますが、平成20年10月、農林漁業の持続的な発展やエネルギーの多様化への貢献を奨励する農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律、通称、農林漁業バイオ燃料法が制定されました。その一つは、木炭を燃料にすることで、ガスや電気を使用するよりも温室効果ガスの発生も少なく、二酸化炭素の吸収量の少ない老齢木を利用することで、吸収量の多い若い木を増やして森を若返らせることにつながり、もって地域温暖化を抑制することに貢献するというものであります。  知事は、バイオマスエネルギーを推進する中で、こうした考えについてどのように受け止めておられるのか、見解を問います。  一方、平成27年5月には下水道法が改正され、下水道管理者は、発生汚泥の処理にあっては、脱水、焼却等により、その減量に努めるとともに、発生汚泥が燃料または肥料として再生利用されるよう努めなければならないとされました。このこともあって琵琶湖バイオマス循環プロジェクトを開始されたと承知していますが、非常に気になる点が2点あります。  まず1点は、知事が下水汚泥リサイクル率100%を目指すとされた強い意志を関係部署が理解しているのか。先に紹介させていただきました農林漁業バイオ燃料法、すなわち炭という燃料もリサイクル100%の念頭に行われているのかということであります。  いま1点は、プロジェクトを推進するための調査研究がより広い知見の中で行われているのかということであります。古い話ですが、本県の下水道は、財団法人滋賀県下水道公社が滋賀県全域の下水道を管理し、県内の下水道普及推進、琵琶湖への汚水流出防止を担っていました。ところが、2013年3月31日をもって解散し、県が直接管理をするということにされました。当時は、どちらかといえば、県が管理する施設等は民間のノウハウを生かす方向であった中で、県議会でもなぜ解散なのかと、全ての会派が疑問を持たれたと記憶しています。琵琶湖の研究に没頭されてきた当時の嘉田知事の思いつきでないかとも言われていたことを思い出します。それはさておき、下水道公社の時代は、企業や大学との共同研究もその重要な取組の一つでありましたが、結局、県の直営管理となったことで、そうした技術面の日頃の研究はおろそかになってきたのではないでしょうか。  そこで、先に述べた気になる点の幅広い知見の活用についてでありますが、琵琶湖のほとりにある長浜バイオ大学の長谷川教授が下水道汚泥の有効活用について長年研究をなさっておられることを知事は御存じでしょうか。長谷川先生の話では、滋賀県が模範になければならない、そうした活用を確立したいとのお考えで研究をされてきたとお聞きしています。長谷川先生は、下水道汚泥の堆肥化だけでは、未利用の下水汚泥の有効利用を達成するのは難しいものの、メタン発酵処理により電力として有効利用、それにより減量された下水汚泥のバイオ炭としての農地利用、コンポスト化、建材化などにより完全有効利用を考えていくことが現実的な選択であるとされています。私は、こうした滋賀県を熟知された方との共同研究こそが、本県のプロジェクトの成否に関わり、かつて知事の答弁にあった有利な低コストかつ環境に優しい技術の導入を図ることの実現につながるものと考えますが、知事の所見を問います。  また、知事は100%のリサイクル率を目指すとされました。私は、これは達成できると確信しています。そのために何をなすかであります。この下水汚泥のゼロエミッションは、滋賀県のゼロエミッションの進化の象徴となり得るものと思います。そのためには、県、大学、企業が一体感を持って事に当たるほかはありません。それが環境先進県を自任する滋賀の取組ではないでしょうか。もちろん、そのためには県独自の調査などの投資も伴います。目指すは、知事が公言したリサイクル率100%なのであります。改めてその決意と、今、私が述べました県独自の投資も含め、今後の取組体制について見解を問います。  やはり滋賀は環境先進県だと他府県から言ってもらえる県にするためには、率先するという意識を持って事に当たるべきであります。新しい先進的な下水汚泥処理技術で100%のリサイクルを目指すならば、全国知事会の場でその姿勢を表明し、菅首相が目標とする2050年CO2ゼロに一役買う覚悟を知事の口から聞きたいものであります。その具体的な手法として、地方自治法第263条の3の2による全国知事会から内閣への意見書を念頭に本県のプロジェクトを進めてはいかがでしょうか。  最後に、今申し上げたことを踏まえた知事の覚悟を問い、質問とします。 ○議長(富田博明) 29番大野和三郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)環境政策の推進というテーマで7点御質問いただきました。  まず1点目、委託や共同研究の基本的考えについてでございますが、県政に係る諸課題解決のために、民間企業や大学等が持つノウハウや専門的な知見を、委託や共同研究などの手段により、有効に活用していくことは重要であると認識しております。事業の実施に当たりましては、委託や共同研究で得られた成果等を基に、様々な方の御意見を聴きながら、県が総合的に検討した上で、責任を持って判断し、推進していくものと思料しております。  2点目、環境に良好な製品等を公共事業に使用することについてでございますが、本県では、環境に配慮された製品やサービスを優先的、選択的に購入するグリーン購入の取組について、平成6年より全国に先駆けて着手してきております。  平成14年のグリーン購入法の施行を踏まえ、滋賀県グリーン購入基本方針を策定いたしまして、毎年度見直しを行いながら、環境負荷の低減に役立つ物品等の指定を行い、県のあらゆる分野でのグリーン購入の実現を目指しております。  本県の発注する公共工事においても、グリーン購入法に基づく環境物品等の使用を積極的に推進することとしております。特に、県内で発生する資源循環を利用した滋賀県リサイクル認定製品の率先使用に努め、製品の単価、流通、製造状況等を考慮の上、認定製品を使用することとしております。  引き続き、環境負荷を低減する新たな製品や技術についての情報入手に努めるとともに、公共事業において環境に良好な製品等の使用を推進してまいりたいと存じます。  3点目、石綿──アスベスト対策についてでございますが、議員御指摘の建築物解体等工事における石綿──アスベスト対策につきましては、大気汚染防止法と同時に、厚生労働省所管の石綿障害予防規則におきましても、本年4月1日から規制が強化されており、環境中への石綿飛散防止だけではなく、労働者の健康被害防止の観点からも重要であると認識しております。  昨年度の11月定例会での御質問を踏まえ、県では、関係行政機関と連携を強化いたしまして、事業者への制度改正についての周知徹底に取り組んでまいりました。具体的には、県のホームページを一新いたしまして、石綿に関する大気汚染防止法の改正についての最新情報を掲載しておりますほか、滋賀労働局や大津市と共同で新制度を周知するチラシを作成し、本年2月に県内関係事業者約3,600者、市町や建設、解体工事関係団体約40団体に通知を行ったところでございます。こうしたことにより、例えば、制度改正の周知前に比べ、ホームページへのアクセス件数は10倍程度となっており、一定の周知が図られてきているものと認識しております。  また、建築物解体等工事現場への指導につきましても対応を強化しております。具体的には、今年度からは、これまでから実施しております飛散性の高い石綿を除去する作業現場への立入調査等に加えまして、労働基準監督署と県による合同パトロールの機会を増やし、毎月実施することとしており、周知啓発との両面から石綿対策の徹底を図ってまいりたいと存じます。今後、建築物の解体等工事の実情や懇話会などでの工事関係者等の御意見も参考にしながら、関係行政機関との連携を強化し、効果的かつ効率的な対応につなげてまいりたいと存じます。  4点目、木炭を燃料として使用することについてでございますが、木炭を燃料として化石燃料の代わりに利用することは、温室効果ガスの削減につながり、地球温暖化防止に貢献するものと考えております。  令和2年度には、県内で3.7トンの燃料用の木炭が生産されております。現在、燃料としての木炭は、主に野外や店舗での調理用熱源として利用されており、木炭を利用する発電機や熱利用としてのボイラーは全国的にも普及していない状況でございます。  近年、バイオマスエネルギーといたしまして、再生可能エネルギーである木質バイオマスへの期待は高まっております。その中でも、薪や木材チップなどの単なる乾燥、切断、破砕といった簡易な方法により製造される燃料が主に利用されております。特に、電力需要に関しましては、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の普及などにより、近隣府県においても木質バイオマスである木材チップを利用する発電施設が年々増加し、県内でも平成27年から稼働しているところでございます。  議員御指摘のとおり、二酸化炭素の吸収量の少ない老齢木を利用し、吸収量の多い若い木を増やし森を若返らせることは大変重要なことであり、本年3月に策定いたしました第2期の琵琶湖森林づくり基本計画におきましても、基本施策として森林資源の循環利用による林業の成長産業化に取り組んでいるところです。  併せまして、木質バイオマス地域循環プロジェクトといたしまして、未利用材の有効利用や発電施設等への安定的供給に取り組んでいるところです。  今後も、木質バイオマスボイラーによる地域での熱利用、薪やペレットなどで地域での利活用も含め、再生可能エネルギーである木質バイオマスの利用を推進し、CO2ネットゼロに向け取組を進めてまいりたいと存じます。  5点目の県を熟知した方等との共同研究についてでございますが、県では、下水道の新技術開発のため、民間企業や大学等との共同研究を実施しており、共同研究を行う分野の一つとして下水資源の有効利用を掲げ、研究課題を公募しているところでございます。また、共同研究以外でも、高島処理区のコンポスト事業におきまして、県内外の大学の先生に意見を聴くなど、最新の知見を幅広く得ながら、下水汚泥の有効利用を推進しようとしております。  今後も、各処理場において順次予定されております汚泥処理施設の更新時の処理方式検討に備えて、先進事例を踏まえた実績や適応性、安定的な処理の継続性等を配慮し、低コストかつ環境に優しい技術を、幅広く知見を収集してまいりたいと存じます。  6点目、リサイクル率100%への決意、今後の取組体制についてでございますが、燃料化や緑農地利用などにより、下水汚泥のリサイクル率100%を目指すことに変わりはございません。県、大学、企業が一体感を持ち、環境先進県としてふさわしい取組を進めてまいりたいと存じます。  全国の先進事例等の情報を収集し、バイオ炭やエネルギー利用も含めた最適な技術の検討のために、予算の確保に努め、調査研究等を推進してまいりたいと存じます。  また、今年度下半期を目途に、大学など学識経験者や企業を交えた勉強の場を設け、発電利用、コンポスト利用、建設利用など幅広に情報収集し、随時ホームページ等により進捗状況を公開してまいりたいと考えております。  新技術の導入につきましては、有効性の確認に2年程度、その後、規模や地域特性などに応じた実施設への適応性の検討が必要となるため、各処理区の施設の更新時期を見据え、最新の知見に基づく対応ができるよう取り組んでまいりたいと存じます。  なお、県内4処理区の汚泥処理施設の更新時期の見込みといたしましては、高島は令和5年度の供用を、湖南中部の3号炉は令和8年度中の供用を目指して具体的な取組を進めているところです。その他の施設につきましては、東北部は令和13年度頃、湖南中部の2号炉は令和16年度頃、湖西は令和18年度頃の供用を目指し、処理方式も含め検討してまいる予定でございます。  7点目、知事としての覚悟でございますが、滋賀県の下水道は、全国でもいち早く高度処理を導入するなど、水処理分野においてトップレベルを走ってきたところでございます。これからは、汚泥処理の分野におきましても、産、県、学の知見を集め、レベルアップを図り、他府県のモデルとされる真の環境先進県として、さらなる進展を目指してまいりたいと存じます。  私自身も、議員に御紹介いただいた長浜バイオ大学の長谷川教授をはじめ、有識者の御意見等を勉強させていただき、汚泥の有効利用について知見を深めてまいりたいと存じます。  循環型社会の形成に向けて、下水汚泥リサイクル率100%の達成への取組はもとより、カーボンニュートラルやエネルギー利用も視野に入れ、全国的な課題の解決を目指し、先進的な調査研究を進め、環境先進県の知事として責任を果たしてまいりたいと存じます。 ◆29番(大野和三郎議員) (登壇)3点、確認の再質問させていただきたいんですが、議長、再質問は4回までですね。3点ですので、分割でやりますので、御理解いただきたいと。  まずは1点目ですが、私の問い、6番目で、ゼロエミッションに向けてのいわゆる予算の確保に努めてまいりたいということなんですが、つまり財源の確保ということなんでしょうか。私が今さら申し上げるまでもありませんが、財政の定義、これを御存じですね、知事。財政の定義。まず、財政の定義を御披露ください。 ◎知事(三日月大造) 入るものをしっかりと量りながら、出ていくものをしっかりと制御する、そういったことであると思いますし、特に公共団体が行う経済活動として、こういったことをしっかりと取り組んでいくということが重要ではないかと考えております。 ◆29番(大野和三郎議員) (登壇)いわゆる国家および普通地方公共団体が行う経済活動でしょう。私が申し上げたいのは、いわゆる予算の確保、財源の確保、そういうことではなくて、経済活動ですから、投資をしなければリターンは得られないということなんですよ。投資をしなければリターンは得られません。財政、つまり経済活動ですから。その辺のところをしっかりと押さえておいていただきたいし、つまり投資ですね。これも私が申し上げるのは僣越なんですが、一定の利益を見越して資金を投下すること。念のために申し上げておきたいと。  2点目ですが、ゼロエミッションに向けての調査研究のための勉強の場を設けたいといった答弁があったかと思うんですが、おおむね何月頃、今年度の後半ということでしたが、何月頃を想定されているのか。といいますのも、昨年の2月27日、アスベストに係るところの私の再質問、朗読させていただきますが、県民の安全、安心、健康を担保するため、法改正を待つことなく、法改正と条例改正を同時並行で進めていただくべきであろうと考えるが、知事の見解を求めました。この私の再質問に対して、これは知事の答弁ですが、滋賀県として、また環境先進県として、法改正を待たずにしっかりと検討すべきだ。このことについてはしっかりと踏まえ、もちろん法改正の後、よっこらしょと検討を開始するのではなく、方向性等をしっかりと見ながら、県として同時並行で検討し、法改正が行われれば、できるだけ速やかに県としての体制を整える。関係部局にしっかりと指示、伝達し、知事自身も関心を持ってこのテーマに関与していきたい、このように答弁されているんですが、令和3年度も始まって既に7月の5日、いまだに懇話会すら設置されていません。そういった現実がございますので、おおむね何月頃ぐらいにゼロエミッションに向けての知事御自身の勉強の場、テーブルを設けようと想定されているのか、その時期を明らかにしていただきたい。 ◎知事(三日月大造) 先ほども一部答弁させていただきましたけれども、このリサイクル率100%に向けた勉強の場につきましては、今年度下半期、今も確認しましたら、できるだけ早い時期に開催できるように準備したいということでございます。 ◆29番(大野和三郎議員) (登壇)これはデリケートな提案ですので、無理には求めませんが、何を申し上げたいかといいましたら、本県において、他府県のモデルとすべく、ゼロエミッション、つまりリサイクル率100%が、先ほど知事の答弁にもございましたように、燃料炭等でおおむね2年、電力化等というと5年程度要するであろうという所見を長谷川先生からも伺っているんですが、来年の話をすると鬼に笑われそうですが、現在の知事の任期があと1年ですので、願わくば、繰り返しになるんですが、環境先進県、ゼロエミッション等の他府県のモデルとなるような、そういった取組のしっかりとした基盤を構築していただきたい。したがって、願わくば、来年夏ですが、3選を目指していただきたい。これは私の個人的な見解なんですが、無理強いはしませんので、知事の所見を伺います。
    ◎知事(三日月大造) お取り上げいただいた環境先進県を目指す取組、アスベスト、そして炭の活用、下水汚泥、いずれも、今あるものを循環しながら適正に処理し、そして経済活動にも生かしていく、そのためには最新の知見もしっかりと集めて取り組むべきだというのは非常に重要なことだと思っております。そのことは、大きく掲げておりますCO2ネットゼロにも通じる、そういうことだと思いますし、環境先進県を自任する滋賀県として、やはりしっかりとより強化しなければならない分野だということを今回改めて提起させていただき、強く自覚しているところでございますので、そういったことをまず任期中、しっかりと取り組めるようにしてまいりたいと存じます。 ◆29番(大野和三郎議員) 終わります。(拍手) ○議長(富田博明) 以上で、29番大野和三郎議員の質問を終了いたします。  次に、14番田中松太郎議員の発言を許します。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇、拍手)お昼、正午が近づいてまいりましたが、いましばらくお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。  それでは、ボートレースびわこについて、一問一答で質問させていただきます。  琵琶湖モーターボート競走場、いわゆるボートレースびわこのレース場が開場したのは昭和27年のことで、長崎県大村市の大村競艇場、三重県津市の津競艇場に次いで全国3番目にレースが開催されました。昭和から続くこの競艇場は、平成2年度に518億円の最高売上げを達成するも、その後は娯楽の多様化、ファンの高齢化の影響などから利用客が減少、平成17年度には売上げは181億円にまで落ち込み、平成22年度前後では、県営施設でありながら、県の一般会計への繰出金は1,000万円以下で推移するという時期もありました。  その後、ボートレース界にスマートフォンからのインターネット投票が導入されてからは、業界全体で売上げは回復傾向にあり、ボートレースびわこでも、平成30年度に382億円、令和元年度に401億円、一般会計への繰出金が4億円となり、県の財政に貢献する公営競技としての側面を徐々に取り戻しつつあります。  なお、競艇という名称は平成22年までの呼び方で、それ以降はボートレースという名称に改称されています。改称された背景には、若年層のファン獲得を目指すという目的のほか、競艇という競技自体を国際化させるという動きもあったようで、コロナ前には海外からの観光客も大きなターゲットとなっていました。  さて、このボートレースびわこについて、一部新聞報道でもありましたが、昨年度は、コロナ禍にありながらも、全国24のボートレース場の総売上げは28年ぶりに2兆円を超え、ボートレースびわこでは、平成2年に記録した売上げ518億円を大幅に更新する675億円になったと聞き及んでおります。この収益のうち10億円を県の令和2年度一般会計へ繰り出したとの報道があり、令和元年度の4億円の繰出金の2.5倍に当たる金額に驚くと同時に、コロナ禍にあって明るい話題であると大変喜んでおります。  そこで、以下、全て総務部長に質問を行います。  まず初めに、コロナ禍における昨年度の公営競技、ボートレース以外の中央競馬、地方競馬、競輪、オートレースを含めたそれぞれの売上げがどうであったのか、公営競技全体の売上げの内訳について伺います。 ○議長(富田博明) 14番田中松太郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎総務部長(森中高史) (登壇)お答えいたします。  令和2年度の公営競技5競技の売上げは、モーターボート競走事業の売上げは2兆951億円強で、対前年度比35.7%の増、中央競馬は3兆112億円強で、対前年度5.6%の増、地方競馬は9,122億円強で、対前年度比30.1%の増、競輪は7,499億円強で、対前年度比13.6%の増、オートレースは946億円強で、対前年度比28.1%の増、5競技全体では6兆8,633億円強、対前年度比17.7%の増となっております。  このように、いずれの競技も売上げを向上させているところであり、特にボートレースは各競技の中でも一番の伸びとなっているところでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)公営競技全体が売上げ好調である、中でも、このボートレースが非常に伸び率がいいということですが、全国には24のボートレース場がありますが、このボートレース全体から見たボートレースびわこの売上げについて伺います。 ◎総務部長(森中高史) お答えいたします。  令和2年度のボートレースびわこの総売上げは、議員御紹介のとおり、675億3,137万7,500円、対前年比では68.4%の伸びとなり、この伸び率は全国1位となったところでございます。  総売上げの全国での順位は24場中17位でございますが、しかしながら、この売上げの上位は、ナイター開催を行っている7場およびモーニング開催を行っている5場が占めておりまして、それらを除く12場の中では、令和元年度の11位から6位へと上昇したところでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)伸び率では全国1位ということで、大変頑張っておられるなと思うんですが、これは、コロナ禍において無観客での開催を余儀なくされるなど、急遽、様々な工夫や対策に迫られたことと思います。単に巣籠もり需要にあやかっていただけでは、こうした大幅な躍進、飛躍にはつながらなかったのではないかと考えます。他のボートレース場と比較しても、その違いが結果として表れていることから、ボートレースびわことしての特徴的な取組など、どのような工夫をされたのか、コロナ禍での対策について伺います。 ◎総務部長(森中高史) お答えいたします。  緊急事態宣言下の昨年4月、無観客でのレース実施を余儀なくされる中で、場所や時間を問わず購入できる電話やインターネット投票の売上げが重要と考え、取組を強化することといたしました。  そのため、公式ユーチューブにおいて、8月から全国で初めて全レース、全日程での予想配信を開始した結果、登録者数は対前年度比34倍の1万7,627人、電話やインターネット投票の売上げは前年度比約2.2倍の489億円となり、総売上げの約55%から72%を占めるまでとなりました。  このように、インターネットを通じ、全国の顧客をターゲットとした施策に注力したことが、売上げ増加に最も効果的に寄与したものと分析しております。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)インターネットを活用して取組をされたという中で、特にユーチューブチャンネルを使って全レースの予想配信をされたということですが、このユーチューブの内容について、もう少し詳しくお聞かせいただきたいと思います。 ◎総務部長(森中高史) お答えいたします。  これまで、他場におきましては、元レーサーなどの舟券予想番組が多い中、ボートレースびわこにおきましては、実績のあるユーチューバーをMCに据え、業界誌のライターやお笑い芸人といった多様な出演者が、長期にわたって舟券の回収率を競い、優勝者を決定する番組といたしました。この番組では、MCが出演者の個性や能力を引き出し、ボートレースの豊富な知識を提供するとともに、スタジオのデザインや音楽も手がけ、良質な演出効果を図っているところでございます。お客様が気軽に楽しんで、学びながら舟券を購入できる番組となり、登録者の大幅な増加、ひいては売上げの向上に寄与したものと分析しております。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。私も少し番組の内容を拝見させていただきましたけれども、ちょうど昨年の緊急事態宣言が発令されている中で、例えば、パチンコ店も休業要請で休業している中において、例えばパチンコのライターさんをユーチューブに起用して、そこでパチンコのファンをうまく取り込まれたりですとか、非常に番組自体、うまく新たなファン層掘り起こしにつなげられているなというところで、感心しながら見させていただいていたんですが、これまで、子供やファミリー層、高齢者など幅広い方々に楽しんでいただけるボートレース場の在り方などを考えながら、私自身も様々なボートレース場の視察に行かせていただきました。  しかし、今回、ボートレース場に足を運んでいただくことなく、インターネットやユーチューブを活用しながら大きな成果を上げられたことで、私自身も今後のボートレースびわこの在り方や運営方法について大きく考え方が変わりました。同時に、ボートレースのみならず、コロナ禍で厳しい経営状態にある民間事業者の方々も、発想を変えることで大きなチャンスにつなげる可能性を感じましたし、県政運営でも、例えば「ここ滋賀」の運営のヒントにもつながりますし、ユーチューブの活用に関して言えば、県の広報や各種施策のPRの参考にもつながります。ぜひ、こうした成功事例は、庁内でもしっかりと共有しながら、参考にしていただければと思います。  さて、コロナ禍で税収の落ち込みなど、県財政がさらに悪化することが予測される中において、ボートレースびわこからの一般会計への繰出金が増加するということは大変ありがたいことです。令和3年度も、こうした状況、あるいはそれ以上の成果が出ることを期待するところです。  一方、県の一般会計に繰入れされた後は、このお金がどのように使われているのかといったことが分かりにくいという問題も考えられます。例えば、ふるさと納税などでは、その使途を明確にしながら納税額の確保につながるよう工夫をされている例も多く見受けられます。ボートレースの新たなファン獲得とボートレースへの理解を深めていただくためにも、繰出金の使途、使い道について分かりやすくPRしていくことも重要と考えます。繰出金の使途について伺います。 ◎総務部長(森中高史) お答えいたします。  モーターボート競走事業会計からの繰入金につきましては、福祉や教育などの充実を図るため、例えば、乳幼児福祉医療費助成事業やびわ湖フローティングスクール活動費などの財源の一部として、有効に活用させていただいているところでございます。  お客様の舟券購入が県財政への貢献へつながっていることへのお礼および繰入金の使途につきまして、ホームページやSNS、レース場内に分かりやすく掲載し、お客様だけでなく県民の皆様にもボートレースへの御理解が深まるようPRしていきたいと考えております。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。総務部長のお立場では、ボートレースからすると繰り出し側でもあり、財政のほうからすると繰入れ側でもありますけれども、そこは両方兼ねておられますので、そこはうまくできるかと思いますし、ぜひそういったPRのほうもよろしくお願いをしておきたいと思います。  さて、先ほども申し上げましたが、今後の県財政を考えますと、ボートレースびわこからの繰出金というのは非常に重要な財源でもあります。今後のさらなる売上げ向上のために新たな取組などにも期待をするところですが、今後の見通しについて伺います。 ◎総務部長(森中高史) お答えいたします。  今年4月から6月までの売上げは約156億円となっておりまして、女子戦を除く一般戦の1日当たりの平均売上げは、前年度同月比で34%増となっておりまして、依然好調と考えております。  今後の見通しにつきましては、10月以降にG1競争等、注目度の高いレースが控えていることから、引き続き好調な売上げを期待しているところでございます。  また、秋には、お客様からの要望の多い舟券の購入額に応じキャッシュバックを受けられる電話やインターネット会員向けのポイントサービスを計画しておりまして、このポイントサービスの導入後は、キャッシュバックのほかにも、滋賀でしか買えない地場産品をメニューに加えるなど、魅力的な内容となるよう検討を進めているところでございます。  コロナ禍終息後も、お客様に引き続きお楽しみいただけるよう工夫を凝らし、将来に向かって安定的に県財政に貢献できるよう努力してまいりたいと考えております。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)引き続き好調ということで、今後、この流れでぜひ頑張っていただきますようお願いをしておきたいと思います。  さて、ボートレースにはSG、G1、G2、G3、一般戦と、5つのグレード、階級があります。中でも、ボートレースの最高峰、スペシャルグレード競争、いわゆるSGは、全てのボートレーサーの憧れの大会でもあります。出場には、これまでの成績など、大会ごとに様々な条件が課せられるため、約1,600名のレーサーたちの中でも、ほんの一握りの優秀な選手だけが出場を許される大会でもあります。  ボートレースびわこにおけるこれまでのSGの開催実績は、平成15年に第6回競艇王チャレンジカップ競走が開催されたほかは、昭和32年に第3回モーターボート記念競走が開催されたのみで、過去のSG開催は2回しかありません。近年の流れからすると、ナイターレースを実施していないボートレースびわこでのSG開催はハードルが高いのかもしれませんが、ぜひ売上げ好調の波に乗ってSG開催の実現に御尽力いただければと考えます。スペシャルグレード競走の開催について伺います。 ◎総務部長(森中高史) お答えいたします。  最高グレードであるスペシャルグレード──SG競走をボートレースびわこで開催すべく、昨年から関係団体に要望を行ってきたところでございます。特に、昨年度から今年度にかけましては、売上げの大幅な向上のほか、関係団体からの要望にも積極的に協力し、知事にも開催誘致に関わっていただき、本県の取組をこれまで以上に積極的にアピールしているところでございます。  来年度につきましては、ちょうど先日発表がございまして、残念ながらSG競走の開催はかないませんでしたが、令和5年1月にSGの次のグレードであるプレミアムG1ボートレースバトルチャンピオントーナメントの開催が決定いたしました。この競争は、SG級の選手が多く出場することから、売上げの向上が期待できるものでございます。今後とも、SG競走の開催に向け、より一層積極的に誘致に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)SG開催は今回なかったということですけど、いわゆるPG1の開催が決定したということで、おめでとうございます。PG1もなかなか開催実現、難しい部分ですけれども、いろいろと御尽力いただいた中で、これが決定したということは大変ありがたいことだなというふうに思います。ボートレース関係者の皆さんもはじめ、いろいろとコロナ禍で工夫をしながら成果を上げていただいておりますことに対しまして感謝申し上げますし、引き続き県財政に寄与できるように頑張っていただきますことをお願い申し上げます。  あと、こういうことを申し上げるのは非常に恐縮なんですが、ここまで申し上げておいて、私、ギャンブルをほとんどしない人でございまして、人生自体がギャンブルみたいな状況でございますけれども、今回、こういう質問をさせていただきましたので、奥さんにお願いして、僅かながらのお小遣いが出ましたならば、そのお小遣いを握り締めて、またボートレースびわこのほうにも伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、次の項の質問に移ります。  次に、廃棄物処理について、一問一答で質問を行います。  廃棄物には、大きく分けて一般廃棄物と産業廃棄物があります。産業廃棄物は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法令で定める20種類についてをいい、それ以外の廃棄物が一般廃棄物とされています。つまり、家庭から排出される廃棄物は全て一般廃棄物となります。なお、一般廃棄物は市町が処理について責任を持ち、産業廃棄物は排出事業者が自ら処理することとされています。  私が過去に行いました一般質問では、平成29年6月定例会議の一般質問において、PCB廃棄物の適正処理についての質問を行い、令和元年9月定例会議の一般質問においては、産業廃棄物管理型最終処分場クリーンセンター滋賀についての質問を行いました。これらはいずれも産業廃棄物に関係する質問です。  一般廃棄物に関しては、先ほど述べたとおり、市町の責任において処理されるものであり、県が直接処理に関わることはありませんが、現在策定中の第五次滋賀県廃棄物処理計画においても、一般廃棄物を含めた廃棄物全般の排出抑制による減量や、適正処理の観点から循環型社会の形成を推進することが位置づけられており、その中で、県の役割としては、「県は、県内の一般廃棄物および産業廃棄物の処理状況の把握を行うとともに、県民、NPO等の各種団体、事業者等の各主体が、循環型社会の実現に向けて積極的に取り組むことができるよう、各主体と連携協力し各種施策を実施します」と記載されています。  こうしたことから、今回は、廃棄物の中でも特に一般廃棄物の処理について、以下、全て琵琶湖環境部長に質問を行いたいと思います。  コロナ禍で、ライフスタイルやビジネススタイルにも大きな変化が生じていることから、家庭においても、ネットショッピング、宅配、感染防止のための衛生用品、食料品の個包装などの増加による家庭ごみの増加が見られ、一般廃棄物処理への影響があるものと考えます。そこで、本県における一般廃棄物の排出状況について伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) (登壇)お答えいたします。  環境省が実施する一般廃棄物処理事業実態調査における令和元年度実績によりますと、本県の一般廃棄物の総排出量は43万5,000トンで、県民1人1日当たりのごみ排出量は837グラムとなっております。  直近5年の推移を見ますと、平成29年度までは減少傾向にありましたが、平成30年度、令和元年度は微増しております。特に令和元年度は、令和2年2月末からの新型コロナウイルス感染症対策のための全国一斉臨時休業や外出抑制による巣籠もりによって、生活系ごみが増加していることが影響していると考えられます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)現在、第五次廃棄物処理計画が策定中で、早ければ今月中にも策定される予定ですが、平成28年度から昨年度までの5年間は、第四次廃棄物処理計画に基づき、廃棄物処理および資源循環に関する施策の推進が進められてまいりました。今日までの本県の廃棄物削減に向けた取組の状況について伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  廃棄物処理および資源循環を推進するため、リデュース、リユースの2Rの取組強化およびリサイクルの推進を基本方針として、ごみを出さないライフスタイルへの転換を目指して取り組んできたところでございます。  特に、一般廃棄物のうち、生活系ごみが全体の約7割を占めることから、買物に伴って生じるレジ袋をはじめとした容器包装の削減や食品ロス等の削減などを中心に取り組んできたところでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)環境省は、今年3月に、最新のデータとなる令和元年度の一般廃棄物の排出量や処理に要したコストなどを公表しました。その中で、全国のリデュースの取組、1人1日当たりの一般廃棄物ごみ排出量についても公表をされました。  (資料掲示)環境省の環境統計集より、過去10年間の1人1日当たりの一般廃棄物ごみ排出量の少ない都道府県のトップ5の推移を表にまとめてみました。これを見ますと、長野県が6年連続の断トツ1位で、令和元年度においても全国平均の918グラムより100グラム以上少ない816グラムと大きな成果を上げておられます。長野県の第4期廃棄物処理計画では、「『もったいない』を大切にしてごみ減量日本一! 〜美しい信州を次世代へ〜」という基本目標を掲げ、もったいないの気持ちを大切にしながらごみ減量日本一を達成しておられます。正直、どこかで聞いたことのあるスローガンでもあります。  一方、本県も平成24年度に初めて5位にランクインし、その後、着実に順位を伸ばしており、令和元年度には3位になったものの、平成28年度からは3年連続2位とかなり健闘しております。この背景には、第四次廃棄物処理計画や、その前の第三次廃棄物処理計画での様々な施策が成果をもたらしているものと考えますが、ごみ削減の成果の分析について伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  ごみ削減に向け、これまでから県民等との協働による環境美化活動、小売店舗での啓発キャンペーンの実施、レジ袋削減の取組に関する協定によるレジ袋の無料配布中止、飲食店や小売店等と連携した食品ロス削減など、国に先駆けた取組を行ってきたところでございます。  これらの取組は、平成21年度に事業者、県民団体、市町、有識者等で構成する買い物ごみ減量推進フォーラムしがを立ち上げ、各主体との連携協働によって取り組みますとともに、毎年度、その取組を評価しながら推進してきたところでございます。  また、平成29年度には、このフォーラムを滋賀県買い物ごみ・食品ロス削減推進協議会に改組し、新たに食品ロス削減も対象として発展的に事業を進めてきております。  こうした市町、事業者をはじめとした各主体による取組の積み重ねが、県民の皆さんのごみ減量への意識向上につながり、成果として現れてきているものと考えております。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。やはり県民あるいは事業者と、多様な主体の皆さん方を巻き込んでこうした運動を取り組むには、どうしてもタイムラグが生じてまいりますし、今お話しいただいた中では、平成21年にレジ袋削減を目指した買い物ごみ減量推進フォーラムを立ち上げされ、事業者や県民の皆さんとともにレジ袋削減の呼びかけを通じてごみの減量に取り組んでこられたことが一定の成果があったといったお話も今ございました。  一方、昨年7月1日からは、レジ袋有料化義務化が施行されたほか、6月にはプラスチック資源循環促進法が成立した今、さらなる排出量の削減に向けて次の一手が必要であるというふうに考えます。ごみ削減に向けた新たな対策について伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  市町におけるペットボトル、プラスチック製容器包装、白色トレイの分別回収の状況について確認しましたところ、令和元年度と令和2年度の回収量の比較では、全体で約5%増加しております。  コロナ禍により、使い捨てのプラスチック製品や容器包装等の使用量が増えていると考えられることから、レジ袋だけでなく、不必要な容器包装等については極力使用を減らしていくよう、協議会をはじめ、関係者と連携協働を図り、さらなる取組を推進してまいりたいと存じます。  特にプラスチックごみ削減に関しましては、マイボトルの利用を促進するため、給水、給茶が可能な店舗、場所を増やす取組、プラスチック製のストローやスプーン等の使用削減の啓発や顧客への提供を改める取組の推進、リユース食器の使用など、身近な実践事例の周知、プラスチック代替製品の情報提供と使用促進などの取組を行ってまいりたいと存じます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)まさに今月、第五次廃棄物処理計画が策定されますし、その中にどれだけこのコロナ後の部分が含まれているかどうかというのもありますけれども、ぜひしっかりとその廃棄物の抑制につながる施策の取組に御尽力いただきますことをお願い申し上げます。  さて、コロナ禍において、日曜大工などDIY関連の廃棄物、修繕廃材やペンキなどが増加しているほか、園芸用品、農業資材、薬品、液体、ブロックなどの廃棄物は、市町において処理が困難なケースが多く見受けられます。  廃棄物処理法第6条第3項で、市町において適正な処理を行うことが全国各地で困難となっていると認められるものについて、適正処理困難物に指定できるとされていますが、この法律に定められた適正処理困難物とは何か伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  廃棄物の処理及び清掃に関する法律第6条の3第1項の規定に基づき、市町村の一般廃棄物の処理に関する設備および技術に照らし、その適正な処理が全国各地で困難となっているものとしまして、廃ゴムタイヤ、廃テレビ受像機、廃電気冷蔵庫および廃スプリングマットレスの4品目が指定されております。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)それでは、今御説明いただきました適正処理困難物の県内市町の対応状況について伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  まず、家電リサイクル法の対象として、廃テレビ受像機および廃電気冷蔵庫は、購入店での引取り等による対応をされております。また、廃ゴムタイヤにつきましては、国による制度において販売店等への相談を案内されており、廃スプリングマットレスにつきましては、粗大ごみ等として受入れをされていると承知しております。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)それでは、今御説明のあった適正処理困難物以外についても、これは市町において適正に処理することが困難であることから回収をしていない廃棄物の品目はかなりの数に上ると承知しております。その対応状況はまた市町においても様々であるとお聞きしております。  策定中の第五次滋賀県廃棄物処理計画の中では、大型の家財やリチウムイオン電池など市町等の処理場では対応が困難な廃棄物、以下、処理困難物と定義しているため、市町等の処理場では対応が困難な廃棄物のうち、適正処理困難物に含まれない廃棄物について、今回の質問では処理困難物と表現をさせていただきます。  しかし、行政側が処理困難物という表現を安易に使用すると、県民に対し、処理困難物は行政側に処理責任がないかのような誤解を与えかねないため、表現方法については今後慎重に検討し直すことが必要であるとも考えております。  さて、家庭より排出される一般廃棄物で、市町では処理できないものを処理困難物と称して市町が搬入を拒んだり、市町で引き取れない廃棄物を何の取決めもない販売店等に丸投げをされているという現状があるようです。販売店等が引取りを拒めば、行き先はなくなってしまいます。行き先のなくなった一般廃棄物を産業廃棄物処理業者に依頼、あるいは産業廃棄物処理場に持ち込めば、廃棄物処理法違反となるため、最悪の場合、不法投棄へつながるおそれもあります。市町の担当者も、法律が頻繁に改正されたり、数年ごとの異動があるため、廃棄物の適正な処理の認識については混乱もあるようです。また、引っ越し時や遺品整理時に発生する廃棄物の処理方法についても、一般廃棄物の収集運搬の許可のない事業者に依頼をされるケースも多く見受けられます。つい先日も、大阪市内の遺品整理業の社長ら3人が無許可で廃棄物を収集したとして逮捕されたというニュース報道があったばかりです。  そこで、こうした処理困難物の県内での対応状況について伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  法律に基づき指定された4品目以外に、市町等の処理場では対応が困難ないわゆる処理困難物につきまして、個別具体的な対応状況は把握しておりませんが、例えば、消火器、農業用資材および耐火金庫等について、市町で収集できないものとして広報されている事例が見受けられます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)詳細はあまり把握されていないということで、そのこと自体が問題だというふうに思っているんですが、今の件に関して、対応が市町ごとにかなりばらばらだということもお聞きしておりますが、例えば、家庭のDIYで出た壁や天井材に使用される石膏ボード、この廃棄物をどのように処理するべきか、実際、私、インターネットで検索してみました。すると、処理方法の掲載されたサイトがたくさん出てまいりますが、私自身驚いたのが、全国のサイトで書かれている情報では、石膏ボードは産業廃棄物です、市町村では回収できません、したがって産業廃棄物処理業者に依頼してください、こういったサイトが出てまいります。ひどいものになりますと、少量のものであれば、水に濡らすと柔らかくなりますので、そのまま御家庭の庭に埋めてくださいといったことを普通に書かれてるところもあるんですけれども、いずれにしましても、これらは間違った情報で、家庭から出た一般廃棄物を産業廃棄物処理業者に依頼することは違法となりますし、当然、地中に埋めれば不法投棄ということになります。  しかし、多くのサイトでこのように記載されていることから、実態としてこうした処理が行われているということは想像できますし、こうした情報が出回っていることで、各市町での処理についても混乱が生じている実態があると聞いております。  しかし、こうした状況の実態把握と状況の改善については、県はあまり積極的に関与していないのではないかと思います。  廃棄物処理法における地方公共団体の責務としては、第4条において、「市町村は、その区域内における一般廃棄物の減量に関し、住民の自主的な活動の促進を図り、及び一般廃棄物の適正な処理に必要な措置を講ずるよう努めるとともに、一般廃棄物の処理に関する事業の実施に当たっては、職員の資質の向上、施設の整備及び作業方法の改善を図る等その能率的な運営に努めなければならない」とされています。  また、4条第2項において、都道府県は、市町村に対し、前項の責務、すなわち市町村の責務が十分に果たされるように必要な技術的援助を与えることに努めるとともに、当該都道府県の区域内における産業廃棄物の状況を把握し、産業廃棄物の適正な処理が行われるように必要な措置を講ずることに努めなければならないとされています。  市町への技術的援助、それから産業廃棄物の適正な処理は県の役割とされていることから、市町への処理困難物への支援や、一般廃棄物が産業廃棄物業者によって処理されることのないような措置を確実に行っていくべきと考えます。  こうした実態を踏まえ、先ほどの御答弁に対して、再度、市町の処理困難物への対応状況について、どう考えるのか伺います。
    琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  一般廃棄物の処理に関しては、その処理全体について統括的な責任を有する市町の役割が極めて重要でありますが、県としましても、市町、一般事務組合および県で構成する滋賀県廃棄物適正管理協議会の場等を通じて、処理困難物の適正処理に向けた情報共有や意見交換、研修会を実施してきたところでございます。  処理困難物は、各市町において処理の形態等の実情が異なるものの、品目としてはおおむね共通していますことから、引き続き、適正な処理がなされるよう、先進事例の紹介等、必要な技術的援助を与えることに努めてまいりたいと存じます。  また、全国的な団体から国に対して適正処理困難物対策の促進に関する要望がなされているため、こうした情報も収集し、市町等と情報共有してまいりたいと存じます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)今御答弁にありました滋賀県廃棄物適正管理協議会、こちらのほうでもいろいろと研修等を行っておられるということですけれども、これもちょっと業界の方のお話をお伺いしていますと、以前は、いろいろこの協議会の中で課題解決に向けた取組が活発になされていたということですが、どうも最近は単に県主導で研修を行っているだけのようなこともお聞きをしておりますので、ぜひこの協議会の在り方自体もさらに活発化していただけるような取組をお願いしておきたいと思います。  さて、処理困難物の対応については、市町の財政規模や処理困難物の品目別の排出量によって、それぞれの市町だけで対応していくにも限界があるのではと考えます。また、今後、新しい生活スタイルや高齢化社会が進展する中で、さらに多様化する処理困難物をはじめとする廃棄物処理についての課題は増え、その処理の重要性も一層高まってくるものと考えます。  こうした課題を各市町だけの問題として委ねるのではなく、それぞれの市町での問題や処理状況の情報を共有し、処理困難物をはじめとした一般廃棄物処理の課題を県全体の課題として捉え、その解決に向けて取り組むべきと考えますが、廃棄物処理の広域的な検討について伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  処理困難物を含む一般廃棄物処理の課題につきましては、多くの市町に共通する事項でありまして、これまでから廃棄物適正管理協議会において、各市町および一部事務組合からの提案に基づき、情報共有や意見交換を行うとともに、有識者を招いた講演会や研修会を実施してきたところでございます。  引き続き、現状の課題を県全体の課題として捉え、県内の一般廃棄物が適正に処理されるよう、協議会等の場を通じて県としても積極的な支援をしてまいりたいと存じます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)積極的に取り組んでいただくということで今御答弁いただきました。確実にまず今の状況把握から、その対策について、しっかりと情報共有のほうを図っていただきたいというふうに思いますし、私、何もそれを県で処理までしろとは申し上げておりません。みんなでその状況をまずは認識した中で、どう解決していくのか。主体は、当然、法律上、各市町にその責任はありますけれども、県が、じゃ、市町しっかりしなさいよと一方的に投げるのではなく、一緒に考えてどう解決していくかというのが広域的な県の役割だと思いますので、ぜひそういった形でお願いをしたいと思います。  先日、廃棄物のリサイクルをされている現場でお話を伺った際に、スプリングマットレスの解体作業で、ある特定のメーカーのものに関しては、他のスプリングマットレスの解体と比較して、かなりの時間と労力を費やすため、そのスプリングマットレスが搬入されてくると作業員が嫌がるといったお話をお聞きしました。SDGsのゴール12にある、つくる責任、つかう責任についての考え方を、メーカーは今後強く意識をしていくべきですし、リサイクルなど廃棄物処理に係るCO2削減についても意識していくことが求められます。  本県もSDGsやCO2ネットゼロを宣言しておりますが、これらを踏まえた今後の廃棄物処理の方向性について伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  現在策定を進めています第五次滋賀県廃棄物処理計画では、世界的に課題となっているプラスチックごみの発生抑制、食品ロスの削減と、災害時に大量に発生する災害廃棄物の円滑な処理体制の構築を重点施策に位置づけております。  廃棄物の削減につきましては、県民、事業者、関係団体、行政など多様な主体が、廃棄物の諸課題を自分事と捉え、一丸となって進めていくことが重要であると考えます。  この3月に策定しました滋賀プラスチックごみゼロに向けた実践取組のための指針や滋賀県食品ロス削減推進計画などを踏まえながら、県民、事業者の皆さん一人一人がごみの問題に関心を持ち、自らごみ削減の取組を実践していただけるよう促進してまいりたいと存じます。一人一人の実践行動が県全体のムーブメントに発展し、県民総参加の取組につながっていきますよう、様々な主体と連携協力しながら取り組んでまいりたいと存じます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。  先ほど、大野議員の質問でも、環境先進県として、さらにそれを進めるといったことで御質問ありましたけれども、やはりこの廃棄物の問題をしっかり解決していくことというのは、これはやっぱり環境先進県としてしっかりと取り組むべき課題というふうにも捉えております。  また、処理困難物という表現方法につきましては、先ほど、これを処理困難物と言ってしまうと、県民の皆さんからすると、行政側にその回収の責任がないかのような誤解を与えかねないということで、表現方法についてお願い申し上げましたけれども、そもそも処理困難物というものが存在すること自体が問題です。一般家庭から排出された廃棄物処理の方法がないということ自体が問題ですので、そういったことの改善を図りながら、処理困難物という文言自体がなくなるように、そんな実現に向けて、まずはしっかりと情報共有をしていただきますことをお願い申し上げ、質問を終わります。(拍手) ○議長(富田博明) 以上で、14番田中松太郎議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時22分 休憩    ────────────────   午後1時15分 開議 ○副議長(岩佐弘明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、柴田清行議員の発言を許します。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇、拍手)それでは、発言通告に従いまして一般質問をさせていただきます。  JRとの諸課題と広域観光についてお尋ねをいたします。  先月の6月15日には、JR西日本と高島市が連携を発表になり、移住、また、定住人口を増やし、地域活性化を目指すとされ、地域創生に関する協定を結ばれました。大変すばらしい政策になってくることを本当に期待したいと思いますし、JRとの友好関係を築いていくということに対しては非常にいいことだと思っております。  しかしながら、一方では、今年度に入り、突然SL北びわこ号の運行が終了されるということを伝えられました。また、秋のダイヤ改正には列車の減便が発表となり、コロナ禍の中において県民生活に大きな影響を与えることとなることは否めず、また、観光政策においても大きな打撃を与えると予想されることから、一問一答方式にて、知事ならびに関係部長にお伺いをいたします。  まずは、平成7年に登場いたしましたSL北びわこ号、25年間、湖北の人たちにも慕われ、また、多くの観光客を乗せて湖北路を走ってくれた観光列車でございました。JRからは、SL北びわこ号の運行終了の理由について、どのように県側に伝わったのか、土木交通部長にお伺いをいたします。 ○副議長(岩佐弘明) 3番柴田清行議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎土木交通部長(野崎信宏) (登壇)お答えいたします。  JR西日本から、SL北びわこ号は、ばい煙が客室に流入するため窓を開けられず、新型コロナウイルス感染症対策に必要な換気が十分にできないこと、また、部品の入手等、SL北びわこ号本体の保守に苦慮してきたことから、運行を終了するとの説明を受けたところでございます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)コロナの影響でということは否めない、また、ずっと運休はされておりましたので、私たちとしては、コロナの状況が回復したらSL北びわこをまた運行してもらえるもんだと思ってたんですが、部品の調達やいろんな部分で障害が出てきてると。大変残念なことなんですが、特に客車のほうも傷みが出てるというような話もちらほら聞いてるんですが、私たち、やっぱり湖北に住んでる者にとって、この25年間、SLを運行していただいた、そして、最後はデゴイチという一番大きな4車あるSLを動かしていただいて、大変人気をまた復活してきたような感じがしてきましたので、ここですんなりと終わるというわけにもいかないんですが、次の質問に入りたいと思います。  SL北びわこ号運行中止に伴い、大きな目玉政策をなくしたと感じております。SL北びわこ号に代わる今後の広域観光政策が必要だと感じますが、商工観光労働部長にお尋ねをいたします。 ◎商工観光労働部長(水上敏彦) (登壇)お答えします。  湖北地域には、奥琵琶湖の美しい景観や、賤ヶ岳、伊吹山などの豊かな自然、現存する日本最古の旧長浜駅舎をはじめとした日本遺産のほか、竹生島や観音信仰などの祈りの文化、中山道や北国街道の町並みなど、魅力ある観光素材が数多く存在をしております。こうした地域資源を活用して、県におきましても、日本遺産の魅力発信や周遊イベントを実施するほか、地元が取り組む鉄道の日関連イベントなどの地域観光プログラムの支援などに取り組んでいるところでございます。  また、昨年12月には、米原駅を拠点に広域的な周遊観光の促進を図るため、地元関係4市や観光協会などがまいばら駅広域観光交流圏コンソーシアムを設立され、広域観光案内や周遊観光促進事業を実施されているところでもございます。県は、このコンソーシアムに対して、人的、財政的支援を行い、連携を図っているところでありますが、これらの支援は、2024年春に予定されている北陸新幹線の敦賀駅開業後も見据え、県東北部全体の広域観光の機能強化を図るためのものでもあります。  JR西日本からは、SL北びわこ号に代わる新たな観光列車の運行について提案があったと聞いており、今後とも、JR西日本とも連携をしながら、県と地元が一緒になって湖北地域の広域観光の推進に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)今、商工観光労働部長からお話をいただきましたが、SL北びわこ号に代わる観光政策というお尋ねさせていただいたんですが、最後に、これはJR側からの提案であったのか、もう一度確認をしたいんですが、代わる観光列車を走らすというようなお話を今いただきました。私も大変、今初めて聞いて、うれしい提案だなと思っております。それまで言っていただきました北部での政策や米原駅を拠点とした政策に関しては、もう昨年度からそういう計画を発表していただいてやっていただいたので、大変ありがたい政策でもあるんですが、SL北びわこ号に代わる政策ではないような感じがしましたものですから、最後、その観光列車に関しての主体的な部分をお尋ねをしたいと思います。 ◎商工観光労働部長(水上敏彦) 具体的にまだ申し上げる段階には至っておりませんけれども、先ほど申し上げましたような、数多くある魅力ある観光スポットでありますとか、琵琶湖の恵みを中心とした食を生かしたものになればと期待しているところでございます。土木交通部と一緒になって、また、地元関係市とも一緒になって取り組んでまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)ありがとうございます。私、今お尋ねしたのは、どこが主体となってこの観光列車を動かそうと思われてるのかということを、県の商工観光労働部と、今、土木交通部なのか、そこら辺をまたお尋ねしたつもりなんですが、再問させていただきたいと思います。 ◎商工観光労働部長(水上敏彦) お答え申し上げます。  そうしたことにつきまして、現在のところ、具体的にまだ申し上げる段階には至っておりません。今後、JRとも連携しながら地元市とも一緒になって検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)これ以上聞きませんけど、どこが主体となってやっていただけるのかというのが一番大事なことであり、それならば、県がどういうふうな協力性をするのか、県が主体となってやるのかというのが一番重要なとこやと思いますが、またお伝えいただけるときにはしっかりしていただきたいと思ってますし、このSL北びわこ号が運行中止になったという連絡も私たちは寸前に聞きました。県としても、いつ頃にこのような時間的な時差があったのかという部分も、追及はしませんけども、やはり話を聞いてますと、新たなこのSL北びわこ号に代わる政策を考えるだけの余裕の時間がなかったというような話も市町でも聞いておりますので、ここら辺が、やっぱりJRとの今後の友好関係を示す上では、県側としてもしっかりとした伝え方をしていただきたいなと思っております。  続いて、秋のダイヤ改正により、近畿エリアの昼間の時間帯列車の約60本が減便されると、これはホームページ上でも発表になっております。JR側からの報告について、まずは土木交通部長にお伺いをいたします。 ◎土木交通部長(野崎信宏) お答えいたします。  現時点におきましては、JR西日本から、琵琶湖線の米原長浜間において、昼間の時間帯において、現在1時間当たり2本運行されている列車を1本に減便する方向で検討しているという報告を受けております。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)昼間の時間帯、通勤時間ではないそうですが、上下線合わせて10本程度が減便されるのではないかというような話が私のところにも伝わっております。この減便理由について、JR側からはどのような伝え方があったのか、土木交通部長にお伺いをしたいと思います。 ◎土木交通部長(野崎信宏) お答えいたします。  JR西日本からは、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい経営状況にあることから、利用の減少率が大きい昼間の時間帯を中心に、列車本数と利用状況の乖離が大きい区間を対象として見直すこととし、県内では、琵琶湖線の米原長浜区間が対象になると説明を受けてきたところでございます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)今、御説明いただきました。コロナの影響において利用客が特に少なくなった昼間の便をというようなお話だったんですが、それならば、このコロナ禍から回復した時点では、しっかりとした増便といいますか、元に戻すことが可能なのか、再度、土木交通部長にお伺いしたいと思います。 ◎土木交通部長(野崎信宏) 今回のダイヤ改正に関しまして、まだ決定ではございませんけども、減便を行われるということになりました場合は、利用状況だけでなく、やはり利用者の利便性に配慮するということが大事でございますので、そこにしっかりと努めていただくこと、加えて、今議員おっしゃいましたように、新型コロナウイルス感染症の収束後は、速やかにダイヤの復活に努めることなどについてしっかりと要望してまいりたいと考えております。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)理由が理由でしたので、JRさんのほうもかなりの減収になっているという部分であったと思いますけども、県としては、やっぱり県民の利便性、しっかりと向上できるように、何とか元に戻せるようにという部分には努力をしていただきたいと思います。  今まで、減便や、また、運行中止というような話をお聞きしてきました。最後に知事にお伺いをしたいと思っております。  JR側との一連の運行中止や減便での県の対応を聞いてきましたが、今後、滋賀県にとって、鉄道事業法についてお伺いをしたいと思います。  昭和61年、また、平成11年に改正をされた鉄道事業法では、鉄道事業者の自由化といいますか、都市部での鉄道事業参入者への規制緩和策が順次なされてきました。当時としては画期的な政策だと評価をされてる方もおられます。しかしながら、それから約30年が経過し、地方での人口減少が顕著に現れ、地方創生の言葉とともにいろいろな動きが見えてきました。この規制緩和策により、ダイヤ改正も許可制から届出制へと変わり、事業者中心のほうになりつつあり、都道府県への関与が一層薄くなりつつあります。JR事業は、市町や県も共同して乗客増加策を講じていますので、今後は少しでも都道府県が意見を言える鉄道法にする必要があると考えます。滋賀県として意見を出し、問題を抱える地方府県との連携強化が必要だと考えますが、知事のお考えをお聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  人口減少社会におきましても、県民の日常生活や県内への来訪者の移動手段として、鉄道ダイヤの維持確保は大変重要であると認識しております。また、JR西日本とは包括的連携協定の相手先様でもありますし、湖北地方では大きな投資もし、利便性を向上してきた、こういう経過もあるということでございます。  このため、今回のダイヤ改正に関しましては、まずは、JR西日本に対し、関西広域連合として、減便を行う場合は、利用状況だけではなく、利用者の利便性に配慮するよう努めること、また、新型コロナウイルス感染症収束後は速やかにダイヤの復活等に努めることなどについて要望するとともに、本県においても、地方6団体や沿線市町と構成する各線区の協議会として要望を行います。  また、現行の鉄道事業法がダイヤの変更や路線の休廃止等を届出制としていることは、とりわけ人口減少が進行する地域において、鉄道を維持していく上での共通の課題となっておりますことから、全国知事会等において、同様の課題を抱える他府県と議論を深め、国に地域の声として伝えるとともに、今後の取組等を模索してまいりたいと考えております。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)ただいま、知事には本当に大変いいお話もいただきました。やっぱり県民にとってJR、非常に大切な足であります。金曜日の一般質問が終わりまして、6時ぐらいの電車で私も帰ったんですが、大橋議員も一緒の電車に乗っておられたんですが、米原駅で運行中止と、大雨によってということで、米原駅で40分ぐらい待ちまして、やっと長浜行きが来て、そこからまた大分待ちまして、木之本までの普通電車がやっと走ったということで、金曜日は大分遅く自宅に帰らせてもらって、でも、その間、やっぱり皆さん、たくさん米原駅で、米原駅のホーム、もうたくさんの人でしたし、木ノ本駅を降りても、木ノ本から北の方、本当に余呉、近江塩津、行けなかったんですが、そこへ車が迎えに来たり、タクシーはもうどんどん走ってましたし、JRのやっぱり皆さん使っていただいてる方々、利便性があるんだなとつくづく思っておりました。今後もJRさんとの関係というのは強化をしてもらって、友好関係をつくりながらも、県としてもしっかりとした意見を述べるような対等の関係で、今後も事業運営に協力をしていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  続きまして、2問目に入らさせていただきます。さっきの知事に質問させていただいたことと少し似てるわけですが、規制緩和策が進む中、今後の人口減少地域への影響について質問をさせていただきたいと思います。  昨年、土木交通常任委員会での県外研修で岡山県の両備ホールディングスの会長様のお話を聞かせていただきました。加藤委員長の指示の下、十何名の方々がこの話を聞いていただいたと思ってるんですが、そこで、バス運輸の規制改革での市内でのお客様が多くいるところに、規制緩和の自由化により幾つもの新規バス会社が参入してきましたと。おのずと料金などの競争により会社の利益は少なくなり、いろいろな結果、経営の見直しを迫られ、結果、利用客の少ない路線を廃線する方向性を出さずにはいられなくなった、結局は地方の切捨てになってしまったと語られました。都市部で利益を上げて地方を支えていくことが、これからの地方創生の一つであるとも会長の言葉で言われてたのが印象的でありました。  これは一つの例ではありますが、今後は、滋賀県内でも起こり得る、いや、このバスの話でいいますと、もう起こっている現象であります。近年では、電力の自由化や電話事業の自由化など、いろいろな規制緩和策が行われてきていますが、都市部では評価を上げられていますが、これから人口減少地域においては、規制緩和策が県民の暮らしを脅かし、公共にて政策を行わなくてはならなくなる、いわゆる税金の投入につながるのではないかと思われます。  そこで、地方創生を考えるならば総合企画部長にお尋ねするんだろうと思いますし、交通政策を考えるならば土木交通部長にお話をお伺いするんですが、規制改革を考えることとして、総合的に総務部長にお考えをお聞きしたいと思います。 ◎総務部長(森中高史) (登壇)規制改革の総合的な考えについてお答えいたします。  電車、バスなどの公共交通や、電力、電話などの公共インフラについて、国営から民営化へ、そして、規制緩和による競争性の発揮へという大きな流れや、その根底にある競争性発揮によるサービスや効率性の向上という考え方自体は間違っていないものと認識しております。  他方で、全てを民間の競争原理に任せてしまうと、採算の取れない人口減少地域等におきまして、これらのサービス供給が行われなくなったり、過度に高額な料金になってしまうなどの弊害が生じることから、電力や加入電話などのユニバーサルサービスにおける規制緩和におきましては、その安定確保のための仕組みも制度上担保されているものと承知しております。  しかしながら、議員御指摘の公共交通のように、地域にとって必要不可欠であるものの、全国一律ではないサービスにつきまして、人口減少地域等においてどのようにしてサービスの維持と競争性の確保を両立させるかというのは、画一的な答えのない大変難しい課題であると認識しております。  そのような画一的な答えがない課題であるからこそ、広域行政体としての県が市町や地域の切実な声を伺い、国などに言うべきことがあればはっきりと物を申すとともに、県としての独自の施策も検討していく必要があると考えております。  一例ではございますが、そのような観点から、地域に欠かすことのできない地域公共交通を守り、よりよくしていくための役割分担の在り方等について、滋賀県独自の検討が始まっているものと認識しております。  市町の振興や過疎地域等の振興を所管する総務部としましても、各部局としっかり連携し、また、自らも地域に足を運び、汗をかく姿勢を大事にしながら、県議会の御意見等もお伺いしつつ、人口減少地域の暮らしを守る施策等に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)大変難しい課題だと思っておりますが、この中でしっかりと議論もしていただきたいと思いますし、置いては通れない課題だと思っております。これからもどうぞよろしくお願いしたいと思います。  終わります。(拍手) ○副議長(岩佐弘明) 以上で、3番柴田清行議員の質問を終了いたします。  次に、20番中村才次郎議員の発言を許します。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇、拍手)通告に従いまして、2項目質問をさせていただきます。  県道558号高島大津線の大津港口交差点、これは浜大津のことですけれども、そこから柳が崎の交差点の区間は中央線変移規制区間となっています。この中央線変移規制とは、通勤等の一時的な時間帯に合わせて交通量が多い方向に多くの車線を割り当てるよう、中央線を変移して交通渋滞の緩和を図る目的で設けられたものです。  今申し上げた大津港口から柳が崎のこの区間は、3車線で、北から浜大津方面への交通量が増える午前7時から9時と午後3時から5時は中央線を移動させて2車線になり、高島方面への車線が1車線となります。それ以外の時間帯は高島方面が2車線となっています。  この区間に中央線変移規制が設けられたのは、1979年──昭和54年です。2016年──平成28年に、歩道の整備や交通量の変化も考慮して、自衛隊北交差点から柳が崎交差点の区間を、高島方向が2車線、浜大津方向が1車線に固定され、変移区間は現在では約2キロメートルに縮小されています。  このように時間帯によって変移する車線を運転者に示すために取られている手段は2つあります。路面に道路式発光びょうを埋め込み電灯で誘導する。ちかちかと点灯するやつです。また、可変標識を設置して中央線の標識を移動して標示するというものです。  この浜大津港口から柳が崎の区間にある発光びょうは全区間にあるものではありません。飛び飛びに設置されており、電球が切れている箇所もあります。特に、昼は大変見にくく分かりづらい状態です。また、可変標識については9箇所に設置されていますが、発光びょうが途切れていて、なおかつ中央線の標識が視野に入らない区間を走行するのは非常に不安を感じると思います。  少し前の話ですけれども、2018年9月には、台風21号によって可変標識の1台のカバーが外れ、指示幕が破れて故障しました。何しろ近畿では1か所──全国でも珍しいこういったところなんですけれども──だけという中央線変移規制区間の装置ですので、もちろん特注品であり、修理に半年もかかってしまいました。  先日、この区間に建設されたマンションにお住まいの方から体験をお聞きしました。引っ越し前に下見に来られたときのことだそうです。この方は、標識や発光びょうの指示どおり2車線になった真ん中の車線を走行されていたのですが、正面から車がやってきて慌ててハンドルを切ったということで、「幸いにもほかの車に接触せずに助かった。慣れていない人には分かりにくいですよね」というお話でした。  運転者にとっては、速度を出す道路中央寄りの通行帯が時間によって対向車線になったり、また、自動車や2段階右折対象外の原付が右折するときに通るべき車線を間違えたりするなど、地域住民であっても戸惑うことが多く、まして、現地の道路事情に通じていない利用者にとっては非常に危険であります。交通量を調節し、渋滞をできる限り少なくするためには必要なシステムであると思いますけれども、問題点も多く含んでいるというふうに感じています。この中央線変移規制区間の現状と将来の展望について質問させていただきます。  まず、大津港口交差点から柳が崎交差点の区間での近年の交通事故件数について、警察本部長に伺います。 ○副議長(岩佐弘明) 20番中村才次郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎警察本部長(滝澤依子) (登壇)お答えをいたします。  お尋ねの区間における平成30年から令和2年までの3年間の交通事故発生件数は53件となっております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)53件という御答弁でございました。事故数は多いというふうに感じます。この区間の一部は、令和2年度の交通事故の多いレッドゾーン指定区域にも入っている区間であります。  間違った車線を走行すれば、正面衝突が起きますけれども、その事故件数について警察本部長に伺います。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えいたします。  さきにお答えをいたしました53件のうち、正面衝突事故は1件発生をしております。これは、当該区間において発生した交通事故の約1.9%でございまして、同期間の県下全体における正面衝突事故の割合、約2.7%よりやや少ない状況でございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)意外にも1件ということで、ほかの区間よりも1.9%で少ないという御答弁でございました。ということは、正面衝突事故が少ないということは、この中央線変移規制のシステムが原因での事故は少ないというふうにも考えられるわけですけれども、先ほども言いましたように、危険な目に遭っておられる方は多いのではないかというふうに感じます。  現在に至るまで、どのような安全対策をされてきたのか、御努力があったというふうに思うんですけれども、警察本部長に伺います。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えをいたします。  中央線変移システムにつきましては、時間帯によって走行する車線が変わりますことから、走行車線を示す可変標識や、中央線を示す発光びょうを設置をしております。
     また、交差道路から右左折をして、この県道に進入する際に、通行する車線を示す標識を設置するなど、運転者の方に分かりやすい標示等に努めているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)様々な対策は、この長い期間の間で取ってきていただいたというふうに思うんです。あそこを歩いていますと、実際に歩きますと初めて分かるんですけれども、たくさんの標識を立ててくださっております。けれども、なかなかそれが、車で、じゃあ、初めての人がぱっと分かるかというと、ちょっと疑問を感じますけれども、いろんな対策を立てていてくださるということは確かだというふうに思います。  この区間での交通量、これがどのように変わっているか、その変化について警察本部長に伺います。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えをいたします。  導入当初である昭和54年の1日当たりの交通量は約3万8,000台でございました。以後、長期的に見ますと交通量は減少傾向となっており、一昨年の交通量は1日当たり約2万9,000台でございました。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)交通量は減ってるという、そういったデータをお示し願いました。  この中央線変移規制区間、設けられてから、先ほどから言ってるように40年以上が経過しました。国道161号線、西大津バイパス、湖西道路の開通、そしてその無料化。また、この道路の山側には、2002年に38階の高層マンションの完成を中心に、周辺にはマンションがたくさん建ちました。近年では琵琶湖側にも高層マンションが次々に建ち並び、現在も新しく建築中です。  この区間から僅かに外れますけれども、昔は入ってたんですけれども、大津びわこ競輪場がなくなり、跡地には新しい商業施設ができるなど、周辺の環境も大きく変わってきています。また、県が運営する競艇場も区間内にあり、令和元年度に出された中期計画書によると、旧スタンド、まだ残っておりますけれども、これについては、老朽化が目立つ状況を深刻に受け止め、必要な機能の移転を含め、速やかに取り壊しますとあります。解体の計画、そして跡地利用も検討されております。また、2025年には、待望の国道161号湖西道路の真野から坂本北インターチェンジの間の4車線化も完成し、開通が予定をされています。それによる交通量の変化もあるというふうに思われます。  今後、この中央線変移規制区間をどのようにしていくことが、地元の方々だけでなく、他県から訪れた方にも安全で安心な通行をしていただくことができるのか、このように多くのことを考慮して考えていく必要があると思われます。  そのための対策をどのように進めていこうとされているか、今後の展望を警察本部長に伺います。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えをいたします。  中央線変移システムにつきましては、今後、更新の目安となる時期を順次迎えるところでございます。  議員御指摘のとおり、道路交通環境は大きく変化をしてきているところでございます。よって、今年度に同区間の交通流シミュレーションを行い、関係機関と協力するなどしながら、交通の安全と円滑に配慮した対策を検討してまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)今年度に調査して、そのデータを基にシミュレーションをしていただけるという御答弁をいただけたというふうに思います。また、中央線変移規制のシステムの更新時期というか、それも来ているというふうにお答えがありました。現在のようなシステムを使った3車線で今後いくのか、また、2車線と1車線に固定した3車線にするのか、また、2車線にして歩道や自転車道を設けるかなど、できるだけ早く検討を進めていただきたい、結論を出していただきたいというふうに思います。  しかし、今後どうしていくかという結論が出るまでには一定の時間がかかると思われます。  3車線の中央の方向が変わる車線、実際にずっと見ていきますと、道路自体には標示がほとんどありません。これはしょうがないことです。真ん中は方向が変わるわけですから、何か字を描くにしても一方方向には描けないわけです。私は横に描いたらどうかなというふうに思いましたけれども、できないわけです。ですから、ほとんど標示がありません。そういったことも考えて、この区間の安全を確保するために、通行車両が間違って逆走することがないように、警察本部と道路管理者がしっかりと協議を行っていただきまして、注意喚起のための路面標示など、何らかの工夫を、全国、これも初になるというふうに思いますけれども、そういった対策を進めていただくよう要望をしておきたいというふうに思います。  この項の最後に、三日月知事もこの区間は昔からよく知っておられるなじみの深い区間だというふうに思います。全国でも本当に珍しい中央線変移規制区間です。初めの頃はたくさんの見学者が訪れたというふうにもお聞きしております。この区間、よりよい方向へ改善していく時期に来ているというふうに思います。最後に知事の見解を伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お取り上げいただいたこの区間は、私も通ることあるんですけれども、どきっとすることありますね。  今答弁がありましたように、県警察において交通流シミュレーションが行われ、その結果を踏まえ、存続、廃止を含めた検討を始められるということでございます。県民の皆様をはじめ、道路利用者にとって、より安全で快適な道路環境になるよう、県としてもしっかりと努めてまいりたいと思いますし、私としても重大な関心を持って、この区間、どういう形にすればいいのか、考えていきたいというふうに存じます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)県としてもしっかりと取り組んでいきたいという御答弁をいただきました。ありがとうございます。本当にここの近辺に住んでおられる方からそういう御要望をたくさんいただくんです。ですので、どうかしっかりと取り組んでいただきたいというふうに要望いたしまして次の質問に移らせていただきます。  次は、ヨシ群落の保全とヤナギの巨木化、樹林化についてです。  資料をお配りしておりますけれども、そのプリントに載ってるのがヤナギの木でございます。そのヤナギの木、ヤナギといえばシダレヤナギを想像いたしますけれども、そうではなくて、アカメヤナギという、別名マルバヤナギともいいますけれども、そういった種類の木でございます。これについてちょっと質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  琵琶湖の代表的な景観であり、魚類や希少生物等の生息場所にもなっているヨシ群落のヨシと、近年、巨木化、樹林化が問題になっているヤナギを中心に質問をさせていただきます。  琵琶湖およびその周辺のヨシは、古来より美しい自然の恵みであり、生活の中に利用され、県民や訪れる人々に親しまれてまいりました。人々がヨシと深く結びつき、その中でヨシの世代交代を促し、その存続、維持に大きく寄与してきましたが、私たちの生活様式が大きく変化するのに伴い、ヨシの産業的利用は衰退していきました。現在、ヨシ群落保全基本計画の改定が進行中で、今議会の常任委員会でも状況報告が行われ、今年度中に改定され、秋には公告の予定になっています。  まず、このヨシ群落の定義について、琵琶湖環境部長に伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) (登壇)お答えいたします。  御質問いただきましたヨシ群落の定義につきましては、滋賀県琵琶湖のヨシ群落の保全に関する条例第2条第1項において、ヨシ、マコモ等の抽水植物の群落およびヨシ等とヤナギ類またはハンノキが一体となって構成する植物群落としているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ヨシ群落といいますと、ヨシだけがいっぱいあるというふうに思われがちですけれども、そのヨシ群落という言葉の定義の中には、ヨシも含めて、ヤナギも含めて、また、ハンノキや、ほかのマコモなどの抽水植物だとか、いろんな植物が含まれていると、こういうことでございました。  人とヨシのつながりが薄れてきたことを背景に、自然と人との共生を具体化するものとして、生態系の保全を積極的に定めたものが、滋賀県琵琶湖のヨシ群落の保全に関する条例です。平成4年3月に公布され、同年の7月1日、びわ湖の日から施行されました。以降、平成12年と14年の2回にわたって改正が行われています。この条例にあります第2章、ヨシ群落保全区域──第8条にありますけれども──では、保全区域について示されております。  では、このヨシ群落保全区域は、保護地区、保全地域、普通地域に区分されております。それぞれの状況について琵琶湖環境部長に伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  ヨシ群落保全区域内において、相当規模のヨシ群落が形成されている区域が保全地域であり、保全地域内において優れた状態のヨシ群落が形成され、その生態系の保全を図ることが特に重要であると認められる区域を保護地区として指定しているところでございます。また、普通地域は、ヨシ群落保全区域内で保全地域に含まれない区域でございます。  県では、ヨシ群落保全区域内の群落の状態について毎年調査を行っており、昨年度の調査では、保護地区は、おおむねヨシを主体としてバランスのよいヨシ群落を形成しているとしたところでございます。また、保全地域と普通地域では、良好な状態のヨシ群落もある一方で、ヨシの衰退やヤナギ等の高木の繁殖が著しい地域も見受けられたところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)確かに、私、ずっと歩かさせていただきまして、保護地区の場所では、バランスのよい、本当にヨシがきれいに据わっている、そういった区域だというふうに思いました。けれども、保全地域、また、普通地域、場所によってはいいところもあるんですけども、そうでないところもたくさんあるということを感じました。この保全に向けた取組についてはどうでしょうか、琵琶湖環境部長に再度伺いたいというふうに思います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  県では、ヨシ群落保全区域の保全に関する基本計画であるヨシ群落保全基本計画を策定し、保護地区、保全地域、普通地域のそれぞれの状況に応じた目標を定め、取組を進めているところでございます。  具体的には、保護地区につきましては、良好な環境の維持を、保全地域につきましては、より良好な環境に向けた保全、再生を、普通地域については、良好な環境の創出を、それぞれ目標として、ヨシの植栽や適切な刈取り、清掃などの取組を進めているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ヨシ群落の面積の推移につきましては、昭和28年と比較して示されることがどうも多いようです。この昭和28年には、内湖に220ヘクタール、琵琶湖本体で260.8ヘクタールでした。琵琶湖総合開発の進展等に伴い一時大きく減りましたけれども、平成25年には内湖で196.6ヘクタール、琵琶湖で255.8ヘクタールと、数字を見れば戻りつつあるように感じます。  しかし、先ほどの御答弁にもありましたように、ヨシ群落とはヨシだけのものではありません。ヤナギなどの樹木ももちろん含まれます。琵琶湖岸だけに限れば、長浜や守山などでヨシの植栽を行っているにもかかわらず、面積はあまり変わっていないという状況です。ヨシ群落の面積の回復は、樹木が増えたと、特にヤナギが増えたというふうに考えられます。それも、過去の琵琶湖の湖岸植生を特徴づける在来植物群落であるイボタノキ・ハンノキ群集やネコヤナギ群集ではなく、先ほどから言っております、資料にも示させていただいておりますアカメヤナギが増えたのではないでしょうか。  ヨシ群落保全基本計画の現状と課題では、「ヤナギが巨木化し、面積比率が大きくなっていることや侵略的外来水生植物が入り込むなどかつてのヨシ群落とは異なる姿になっている場所があります」というふうにあります。また、3月に発表された、琵琶湖保全再生施策に関する計画(第2期)の中でも、「ヨシ群落の造成等により面積は回復しつつあるが、群落内のヤナギの巨木化によるヨシの生育不良などが見られることから、滋賀県琵琶湖のヨシ群落の保全に関する条例等に基づき、地域の特性に合わせて造成・再生・維持管理を推進する」とあります。  ヤナギの繁茂、巨木化は、常任委員会などでも度々議論されているところですけれども、改めて、ヤナギ、このアカメヤナギの繁茂、巨木化についてどう認識されているか、琵琶湖環境部長に伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  これまでの調査で、琵琶湖と内湖のヨシ群落には、巨木化してヨシの衰退の原因となることから、伐採が必要と考えられるヤナギが3,400本以上存在しているということを把握しております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)県が行いましたヤナギの伐採本数は、平成28年度に80本、平成29年度は86本、平成30年度が81本、令和1年度59本、昨年度の令和2年度は54本となっていますが、今年度の伐採予定本数について、琵琶湖環境部長に伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  今年度につきましては、50本程度の伐採を想定しているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)どんどんどんどん減ってるんですね、伐採本数が。これは予算の関係が大きいというふうに思いますけれども、先ほどお答えがあった巨木化して伐採が必要と思われるヤナギの木は3,400本以上あると。それが今年も50本しか切らないというのでは、何かとかいうよりも、全くこれは問題であるというふうに感じます。けれども、私は全てのアカメヤナギの木を伐採するというふうに言ってるのではございません。これも見てきたことですけれども、下阪本にある坂本城址公園付近を5月の末に観察したときに、大きなアカメヤナギの木がありまして、その根元がマット状になっていました。資料に示させていただいておりますけど、ぐちゃぐちゃぐちゃっとなっているところです。それ、全部根なんです。そこにいろんな魚が集まってきました。上から見入っていたのですけれども、ホンモロコと思われる魚がたくさん産卵のために集まってきておりまして、そこに大きなコイがやってきました。外来種のブルーギルもやってきたんです。また、ちょっと私には分からない種類の魚もやってきました。けど、その姿がすばらしくて、30分ぐらい上からずっと見ておりました。このアカメヤナギの根元は魚の産卵場所にもなっていることを実感しました。ですから、アカメヤナギも琵琶湖の生態を守る上で大切な役目を担っていると言えます。  しかし、近江舞子の内湖を愛する会の方からお聞きしたところによると、アカメヤナギは昔は数本しか生えていなかったそうです。それが、手入れをしないと次々と増えていったそうです。ヨシを守る上でも、また、琵琶湖の景観を守るという観点からも重要なことです。  次の質問ですけれども、このあまりにも増え、巨木化したアカメヤナギの伐採や剪定を行い、景観とヨシなどの抽水植物を守っていくことが必要だと考えますが、琵琶湖環境部長に見解を伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  議員御指摘のとおり、水辺のヤナギの根元は、ホンモロコの産卵場になるなど、ヨシ群落の一部として生態系保全の役割を担っております。一方で、巨木化したヤナギは、ヨシをはじめとする抽水植物群落の衰退の原因にもなると認識しております。このことから、県としましても、巨木化したヤナギについては、皆伐ではなく、生態系への影響等にも配慮した上で、伐採や剪定等の対応を進める必要があると考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)伐採や剪定の必要があるというふうな御答弁でした。じゃ、切りましょうというふうに思います。もっと切っていただきたいというふうに思います。  高島市に針江浜湖岸緑地公園というところがございまして、ここは保護地区になっております。県立のあれになっておりますので、手入れが大変なされております。けれども、その少し離れた場所では、先ほど質問させていただきました保全地域になっているんです。保全地域というのは、先ほど琵琶湖環境部長の御答弁にありました、良好な方向へ持っていかなあかん、そういった地域でありながら、アカメヤナギが樹林化しています。その写真のとおりです。  湖岸の樹木を切るためには、各種の法令に係る許可が必要です。例えば、自然公園法、河川法、また、ヨシ群落保全条例、これは県が定めたものですけれども、特に保全区域では簡単に樹木の伐採ができなくなってしまいました。昔は湖辺に住む方々がヤナギを切り、薪などに利用していました。生活様式が変わった現在では薪を作る必要がなくなったことは事実ですけれども、簡単にヤナギの木を切ることを難しくした法令に原因があることも確かです。ヨシ群落保全条例を制定した県の責任として、もっと手を入れていく必要があるのではないでしょうか、再度、琵琶湖環境部長に見解を伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  これまでの調査で、伐採が必要なヤナギの存在を把握しており、県としても継続してヤナギの伐採を進めてまいりたいと考えております。  しかしながら、県の事業で伐採できる本数は限られており、それだけではヤナギの巨木化によるヨシの衰退等の課題を解決できないものと認識しております。このため、現在改定を行っているヨシ群落保全基本計画において、県民や企業によるボランティアとの協働による保全活動を広げるなど、地域の実情に応じてヨシ群落の維持再生に取り組める方向性を示してまいりたいと存じます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)本当にいろんなボランティアの方々が活動してくださっております。県民の方と協働して進めていく、琵琶湖を守っていく、大変大切な視点でありますし、すばらしいことですけれども、もっと県としてはそこへ力を入れていかなくてはいけないのではないか、このように思います。  ヨシはもともと内湖に多く繁茂していました。残り少なくなった内湖の保全に真剣に取り組むことが必要です。近江舞子の内湖では、上流部の砂防堤の影響で砂の供給が減り、底質が泥質化、泥化しているとお聞きしました。もともとヨシは砂質に根を張る植物です。このまま泥質化が進めば、ヨシの生育に悪影響が出てくることは確かです。  また、ヨシの茎が大変最近細くなってきてるというふうにもお聞きしました。内湖や琵琶湖へ砂の供給が必要と考えますが、琵琶湖環境部長に見解を伺います。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  土砂移動と生態系の関係につきまして、県の8つの試験研究機関や行政部局等で構成する琵琶湖環境研究推進機構で、平成26年度から森、川、河口の土砂移動に関する調査研究を進めており、その中で、適度な土砂移動が在来魚介類の生息環境の改善につながるといった知見も得られております。  砂をはじめとする土砂の供給は、ヨシ群落の保全はもとより、魚類や貝類の生息環境の保全を進めるに当たり、重要な要素の一つと認識しておりまして、今後も土砂の供給と生態系保全に関する知見の集積に努めたいと存じます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)琵琶湖本体の浜欠けなどへの対応だけでなく、今御答弁いただいたように内湖への対応もお願いしたいというふうに思います。  知事は、今議会の初日の知事提案説明の中で、マザーレイクゴールズについて言及をされました。SDGsは、現在でもなかなか理解が進んでいない現状の中で、この琵琶湖を切り口としてSDGsの目標に県民を挙げて取り組んでいくという考えはすばらしいというふうに思います。マザーレイクゴールズアジェンダ、このアジェンダという言葉は抵抗のある方が多いですね。もっと分かりやすい言葉に、計画とかにならないかなというふうに思いますけれども、このマザーレイクゴールズアジェンダを読ませていただくと、ヨシの保全という言葉が何度も出てきます。ざっと数えただけですけれども、15回以上は出てまいります。  このマザーレイクゴールズの観点から、ヨシ群落を含めた琵琶湖の水辺環境のあるべき姿を知事はどのようにイメージされているのか、最後に伺います。 ◎知事(三日月大造) お尋ねいただきましたマザーレイクゴールズ──MLGsは、琵琶湖を切り口として、私たちの自発的、主体的な取組を通じた持続可能な社会への目標でございまして、2050年頃の琵琶湖のあるべき姿を活力ある営みの中で、琵琶湖と人とが共生する姿として描いております。  その具体的な水辺のイメージといたしまして、「春には、固有種のホンモロコなどがヤナギの根っこ、ヨシ原などで産卵し」ということであるとか、「夏には、湖辺の公園で水遊びをする人々の姿が見られ」ですとか、「生業が地域に深く根を下ろし、働くことへの悦びに人々の顔が輝き」ですとか、「琵琶湖を中心とする自然の大きな環のなかに人々の輪に根ざした暮らしがある」といった姿が示されているところでございます。こうした琵琶湖の豊かな生態系の恵みの下で、人々の生き生きとした営みのある水辺の姿をあるべき姿と考えているところでございまして、これまで長い時間をかけ、私たちの暮らしと琵琶湖との間で結ばれてきた様々な絆、つながり、こういったものを、マザーレイクゴールズの取組を通じて、皆さんとともにさらに強いものにしてまいりたいと考えているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ありがとうございます。県民の皆様が、全員がいつも船に乗って湖上に出ておられるわけではございません。やはり水辺が一番県民の皆さんにとって琵琶湖と接するところだというふうに感じます。そこへの力の入れ方というか、どういった姿かということ、今、語っていただきましたけれども、よろしく推進をお願いしたいというふうに思います。  今回、この質問を取上げさせていただくに当たって、大津市から高島市までヨシ群落保全区域を数日かけて歩かせていただきました。コロナ禍にあって久しぶりに自然観察をさせていただき、改めて琵琶湖のすばらしさと豊かさを実感しました。自然はもともと遷移していきます。移り変わっていきます。400万年の歴史のある琵琶湖でございます。そんな400万年も昔からのずっと変わってきた姿も考えると、これから琵琶湖の姿もまた変わっていくんだろうなと、このように思います。  けれども、この数十年間の間で、人の命と財産を守るために、琵琶湖総合開発もそうですけれども、様々な人間がこの琵琶湖に手を加えてまいりました。これは必要なことであったというふうに思います。けれども、ならば、自然のあるべき姿をどういうふうにイメージし、また守っていくか、ここに人間の力を、もっと県の力を入れていかなくてはいけないのではないかというふうに感じているところでございます。どうかこのマザーレイクゴールズ目指して、琵琶湖と県民の皆様がすばらしいつながりを持っていただいて、滋賀県が発展していくことを願って質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(岩佐弘明) 以上で、20番中村才次郎議員の質問を終了いたします。  次に、5番白井幸則議員の発言を許します。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇、拍手)自民党滋賀県議会議員団の白井幸則でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  では、発言通告に従い、びわこ文化公園都市について、分割で総合企画部長にお伺いします。  びわこ文化公園都市は、昭和57年に策定されたびわこ文化公園都市基本計画に基づき、大津市瀬田地域から草津市にかけて広がる丘陵地、およそ520ヘクタールの区域を対象として開発、整備が進められてきた地域です。この基本計画に沿って、芸術、教養の文化クラスター、福祉の文化クラスター、生命の学術の文化クラスター、研究、研修、教養・教育の文化クラスター、住まいの文化クラスターと、これらのクラスターを結ぶ軸として緑の回廊が位置づけられ、順次整備が進められてきた結果、区域内に23の施設が立地するに至っています。  そこで、最初の基本計画策定から現在まで、びわこ文化公園都市は5つのクラスターと緑の回廊を設けて整備を進めてこられましたが、現在の状況とこれまでの取組の成果についてお伺いします。  また、基本計画の策定から30年を経た平成24年には、周辺環境や取り巻く社会情勢の変化を踏まえ、土地利用の観点から、立地する施設が相互に機能を高め合う機能連携への主眼をシフトしていくことが必要という考えに立ち、びわこ文化公園都市将来ビジョンを策定され、県内外の人々が交流する場、文化、芸術を創造する場、未来成長へ挑戦する場、歴史と暮らしを紡ぐ場、いのちと健康を支える場の5つの将来像の実現のために、短期的、中長期的な取組の方向性についても定められました。  そして、そのビジョン実現のために、施設連携協議会や県市推進調整会議などにおいて、何をいつまでに行うかという具体的な取組計画を策定されています。令和元年に取組計画の更新をされましたが、びわこ文化公園都市将来ビジョンの示す5つの場を積極的に実現していこうとする計画としては、県の関与が弱いように感じますが、総合企画部長の所見を伺います。  一方、各施設においても、パンフレットやホームページなどで情報発信されていますが、この地域のポテンシャルを考えると、もっと工夫して積極的に外部へ発信すべきと考えます。  また、先月の県立美術館の再オープンや来年の滋賀アリーナの竣工など新たな動きが見られ、このことが、将来ビジョンがうたう機能連携を強化し、びわこ文化公園都市の存在を外部にアピールする絶好の環境が整いつつあるのではないかと感じているところです。  現在、びわこ文化公園都市に通じる山手幹線の工事が急ピッチで進んでいます。2025年の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会までに開通する予定です。また、名神高速道路と新名神高速道路の草津ジャンクションの出入口は、まさにびわこ文化公園都市の中にあるようなイメージですし、2023年には新名神高速道路も大津ジャンクションから城陽ジャンクションまで延伸され、一気に神戸までつながります。  40年の歳月と滋賀県の英知の結集として整備され、充実してきたそれぞれのクラスターの価値を全国に向けて発信すると同時に、県民にびわこ文化公園都市のすばらしさを再認識していただくためにも、びわこ文化公園都市の情報発信を強化すべきと考えますが、部長の所見を伺います。  びわこ文化公園都市基本計画は40年前に策定され、昭和50年代から次々と施設が建設され、整備が進みました。当然のことですが、バリアフリーや安全性の考え方も当時と今では随分と変わってきました。また、10年前から課題として認識しておられますが、インフラの老朽化も進んでいます。  びわこ文化公園都市将来ビジョンでは、将来像の実現に向けて、取組の進捗や社会環境の変化を踏まえ、10年を目途に評価し、柔軟に見直しをするべきとされています。今年度でビジョン策定からちょうど10年が経過することとなり、さきの代表質問で、知事がビジョンについて見直すとの答弁がありましたが、ビジョンの見直しについて、バリアフリーやサービス施設の不足などの課題も踏まえたお考えをお伺いし、この項の質問といたします。 ○副議長(岩佐弘明) 5番白井幸則議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎総合企画部長(川崎辰己) (登壇)びわこ文化公園都市についての4点の御質問にお答えをいたします。  1点目、現在の状況とこれまでの取組の成果についてでございます。  昭和57年以来、びわこ文化公園都市基本計画に基づくクラスターのゾーニングを踏まえまして、関係施設を整備してまいりました。その結果、例えば、芸術・教養の文化クラスターには美術館や図書館など、福祉の文化クラスターには滋賀医科大学附属病院や長寿社会福祉センターなどというように、各クラスターに現在23施設が立地し、県内でも屈指の文化、芸術、医療、福祉、教育、レクリエーションなどに関する多様な施設が集積するとともに、緑豊かな住宅地が形成された区域になっていると思っております。  一方で、基本計画策定以降の状況の変化を踏まえまして、また、各施設間の交流や連携不足などの課題があり、びわこ文化公園都市の持つ潜在的な可能性が生かし切れていないのではないかという問題意識の下、平成24年にびわこ文化公園都市将来ビジョンを策定をいたしました。ビジョンにおいては、議員から御紹介のありました5つの将来像を設定いたしまして、その実現を支える取組として、立地施設による施設連携協議会を設置し、各施設が主催する講座やイベントなどを共同で実施するなど、機能連携の強化を図る取組を進めているところでございます。  2点目、取組計画における県の関与についてでございます。  県が事務局を務めます施設連携協議会において、ビジョンが掲げる5つの将来像の実現に向けた各立地施設の取組を毎年度取りまとめ、イベントを合同して実施したり、周知を一体的に行えないかなど、調整を図っているところでございます。  しかしながら、取組計画としてまとめた事業につきましては、施設単体による行事や講座が多く、それぞれは将来像実現に向けた内容ではございますものの、機能連携という観点での事業がまだまだ少ないのが現状であるというふうに認識をいたしております。  今後は、施設連携協議会に設けましたワーキンググループにおいて、一体的な行事の実施などの調整を行いますとともに、さらに、例えば、大学などと連携し、びわこ文化公園都市をからだとこころの健康づくりの研究や実証のフィールドとしていくなど、今までと違った視点や新たな切り口の連携事業に取り組めないか、県としても提案するなど、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。  3点目、びわこ文化公園都市としての情報発信の強化についてでございます。  施設連携協議会の取組として、美術館や図書館などによるみどりのつどいや、夏休みの期間中の子ども探検隊などを行いまして、チラシ、SNSなどでも発信し、多くの方に参加もいただいております。  先ほどお答えしましたとおり、今後さらに施設間の連携を積極的に図り、多くの方に訪れてもらうことにより、また、議員の御指摘のとおり、美術館や滋賀アリーナのオープンを好機と捉え、発信力の強化に努めるなど、びわこ文化公園都市に対する認知度が高まるよう努力してまいりたいと思っております。  4点目、バリアフリーなどの課題を踏まえたビジョンの見直しについてでございます。  新名神高速道路の延伸、美術館のリニューアル、滋賀アリーナのオープン、また、コロナ禍による人々の生活行動の変化など、びわこ文化公園都市を取り巻く状況も大きく変わりつつあるところでございます。  また、ビジョン策定後10年を経過することからも、来年度を目途に、ビジョンの土地利用から機能連携へという基本的な方向性は維持しながら、見直しを行ってまいりたいと考えております。見直しに当たっては、交通アクセスの向上、情報発信の強化に加えまして、さらには議員御指摘のインフラの老朽化やユニバーサルデザイン化、サービス施設等の不足といった課題についても、まず現在の状況を各施設や関係課とも改めて確認をいたしまして、必要な取組を検討してまいりたいと思っております。
    ◆5番(白井幸則議員) (登壇)丁寧にありがとうございます。24年に策定された将来ビジョンの目的というのは、滋賀の社会成長や経済成長に貢献する場としていくということでしたので、そういった辺りがぶれないように、しっかりとまた地元自治体とも協力してビジョンの見直しを進めていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、滋賀県障害者差別のない共生社会づくりについて、一問一答にてお伺いをします。  第204回通常国会において、平成28年4月に施行された障害を理由とする差別の解消に関する法律の一部を改正する法律が、5月28日に参議院本会議で全会一致で可決、成立しました。この法律は、先月の6月4日に公布され、3年以内に施行されることとなっています。  改正のポイントは、大きくは2点です。  1点目は、これまで事業者には努力義務とされてきた合理的配慮の提供が、国や自治体と同じように事業者にも義務として課せられるという点です。  2点目は、障害を理由とする差別の解消の一層の推進を図るため、地方公共団体も差別解消の取組に資するよう、情報の収集、整理、提供を行うとともに、支援措置を強化し、行政機関相互が連携協力しなければならないということです。  滋賀県では、国の法律の実効性の補完等を目的として、滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例を制定し、平成31年4月から施行されています。国の法律では、対象者を行政機関等および事業者に限定していますが、条例では対象者を何人もとし、全ての県民、事業者、行政機関を対象とするなど障害者差別と真正面から向き合い、互いに人格と個性を尊重し合いながら共に生きる社会を実現していこうとする強い決意を感じるところです。  そこで、本県の条例施行から2年がたち、県民や事業者への周知や理解などの進捗について、併せて知事の障害者差別のない共生社会づくりに向けての思いを伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  条例の周知につきましては、県や市町の広報媒体やチラシ、パンフレット、出前講座など様々な手法を駆使して、県民や事業者の皆さんへの普及啓発に努めてきたところでございます。  条例施行後、障害福祉課で受け付けた相談件数は、令和元年度が85件、令和2年度が88件と、条例施行前1年間の16件から大幅に増加して推移しているところであり、県民の皆さんの障害者差別に関する意識の高まり等が相談件数の増加として現れているものと認識しております。  しかしながら、条例の普及啓発につきましては、いまだ道半ばであると認識しており、先般の障害者差別解消法の改正により、民間事業者の合理的配慮の提供が法律上も義務とされたことを機に、一層、県民や事業者の皆様へ条例の浸透を図る取組を強化する必要があると考えております。  コロナ禍におきまして様々な生きづらさが浮き彫りになり、改めて人の絆の大切さが見直されている今こそ、障害のある人もない人も互いに多様な価値を認め合い、人格と個性を尊重し合う誰一人取り残さない共生社会を目指す取組を力強く進めていきたいと考えているところでございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)ありがとうございました。  次に、ポイントの1つ目、合理的配慮についてです。  滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例の取組状況等についての報告書にも記載されていますが、不当な差別的取扱いや合理的配慮の不提供に関する相談が多く寄せられています。また、公益財団法人滋賀県身体障害者福祉協会からの要望にもありますが、県内でも障害を理由とする差別や合理的配慮の不提供などの事案があり、条例の周知啓発が不十分ではないか、合理的配慮という言葉そのものが理解されていないのではないかと危惧をされています。  まず、障害の社会モデルと合理的配慮の提供の考え方について、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) (登壇)お答えいたします。  障害の社会モデルとは、障害のある人が日常生活や社会生活において受ける制限は、心身の機能障害のみによって生ずるものではなく、社会の中にあるバリア──社会的障壁によって生ずるものであるという考え方とされているところでございます。一方、合理的配慮の提供は、障害のある人から何らかの配慮を求める意思が表示されたとき、負担が重くない範囲で配慮を行うことでございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)ありがとうございます。  次に、今説明ありましたところに関してですけれども、知的障害や精神障害、発達障害などにより、本人の合理的配慮を求める意思表示、意思表明が困難な場合はどうすればよいのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  障害者差別解消法の基本方針によりますと、合理的配慮を求める意思の表示には、障害などにより本人の意思表示が困難な場合には、家族、介助者などコミュニケーションを支援する方が本人を補佐して行う意思表示も含まれるとされているところでございます。  また、意思表示が困難な方が家族、介助者を伴っていない場合などには、適切と思われる配慮を、建設的な対話により働きかけることなどが望ましいとされているところでございます。  このほか、本県では、自身で相談することが難しい障害者に寄り添い相談内容などを代弁する地域アドボケーターを条例に基づいて設置しておりまして、こうした方々に御相談いただくことができると考えているところでございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)家族、保護者、そういった方が代理で表明するということの今の説明の中で、最後に地域アドボケーターという、新しいというか、あまり聞き慣れない言葉が出てきました。これは条例に基づいて設置しているということですけれども、この部分について、もう一度、もう少しアドボケーターの意味と、そして、滋賀県にそういった方は何人ぐらいおられるのかについてお伺いします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) 地域アドボケーターにつきましては、アドボケーター、権利を擁護するという意味でございますけれども、各圏域で、障害のある方がなかなか具体的な相談をすることができない、差別を受けたことについて相談することができないということがございますので、そういった方々が地域によって御相談いただけるように、各圏域に相談員を設置しているところでございます。  具体的な数字は、今、ちょっと資料を手持ちで持ち合わせていなかったのですが、各圏域に設置するということで、例えば、障害当事者の方、あるいは相談員の方々を設置しているところでございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)今、圏域とおっしゃっていただいたその圏というのは、滋賀県の県ではなしに福祉圏域ですね。だから、7つの福祉圏域に複数名で、今、滋賀県には25名おられるということです。例えば、湖南の圏域でいくと、湖南4市で33万人ほどの人口のところに実は2人なんですよね。たった2人。市長さんでも4人いるんですけど、アドボケーターは2人ということで、また、その人数が適正なのかどうなのか、また強化すべきであれば今後検討していただけたらなと思います。  障害の種類も様々ですし、また、年齢によっても、自らの意思表示が上手にできない場合もあります。特別支援学校のように合理的配慮を必要とする障害者が数多く見込まれる場合や、障害者との関係性が長期にわたる場合はどのように対応すればよいのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  障害者差別解消法では、個々の障害者への合理的配慮を的確に行うため、環境整備としてバリアフリー化や情報アクセシビリティーの向上に努めることとされているところでございます。  さらに、法の基本方針では、合理的配慮を必要とする障害者が多数見込まれる場合等には、環境整備を考慮に入れることにより、中長期的なコストの削減、効率化につながる点は重要であるとされているところでございます。  本県では、だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり条例に基づきまして、多数の者の利用に供する公益的施設等のうち、病院や社会福祉施設、学校など公共性の高い施設を特定施設と定めまして、整備基準によりまして、バリアフリー化、ユニバーサルデザイン化の推進に取り組んでいるところでございます。  障害のある方の生活のしづらさの要因となっている社会的障壁を取り除くため、バリアフリー化と合理的配慮は両輪で推進すべきものと考えております。こうした点を踏まえまして、各事業者において障害のある方からの意見等もお伺いしながら、法や条例の趣旨にのっとって適切に判断し、対応されるものと認識しております。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)ありがとうございます。  今、前段のところで、合理的配慮が必要とする障害者が数多く見込まれる場合や、障害者との関係性が長期にわたる場合には、コストとかの面も考慮しながら環境のほうを整備することを検討するほうがよいという、それは、内閣府の障害を理由とする差別の解消に関する法律の基本方針を今説明していただけたと思います。では、滋賀県や滋賀県教育委員会の障害を理由とする差別の解消の推進に関する職員の対応要領にはどのように書かれているのか伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  本県の職員対応要領では、合理的配慮の提供に当たりましては、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思表明があった場合、その実施が過重な負担でないときには、障害の状況等に応じて、社会的障壁の除去の実施について合理的配慮の提供をしなければならないとしているところでございます。  その際の留意事項の一つに、合理的配慮を必要とする障害者が多数見込まれる場合、障害者との関係が長期にわたる場合等には、中長期的なコストの削減、効率化の観点から、その都度の合理的配慮とは別にバリアフリー化や情報アクセシビリティーなどの環境整備に考慮することとしているところでございます。滋賀県教育委員会および文部科学省が示す対応要領等にも同様の記載があると承知しております。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)今のところについて再質問ですけれども、今、文部科学省のことも触れられましたけども、文部科学省の事業者に対する対応指針には、正確にはどのように書かれていますか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  文部科学省の対応方針には、中長期的なコストの削減、効率化につながる可能性がある点は重要であることから、環境の整備に取り組むことを積極的に検討することが望ましいとされているところでございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)詳しくありがとうございます。積極的に取り組むことが望ましいというふうに今説明をいただきました。先ほどの質問にも関連しますが、障害の種類や年齢も様々ですし、いつも支援者とか家族や地域アドボケーターの方が一緒とは限りません。その都度の自らの意思表示のできないケースも考えられます。都度対応するより、環境を整備すれば障壁そのものがなくなるわけですから、法や条例の目指す共生社会の実現に近づくと考えられますので、よろしくお願いします。  次に、県の条例はもとより、障害の社会モデルの考え方や合理的配慮の提供などについて、県民や事業者、行政機関にもさらに周知啓発に努め、取組を強化しなければなりません。今後の取組について、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  条例施行後、これまでにフォーラムを3回、出前講座等を110回余り開催したほか、条例の内容を分かりやすく記載したチラシやパンフレットを作成、配布し、また、県や市町の広報媒体を通じた周知を行うなど、障害の社会モデルや合理的配慮の提供の周知に努めてきたところでございます。  令和3年度は、これまでの取組に加え、関心のない層への周知を強化していくため、新たに条例の浸透と障害者理解につながるテレビCMの放映を考えているとこでございます。  さらに、早い段階から障害への理解を深めてもらうために、小学生向け教育資材を作成し学校に提供したり、民間企業においてもさらなる浸透を図るため、研修に出前講座を取り入れてもらうよう働きかけを強化するなどして、より幅広い層に対して障害理解のための取組を進めているところでございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)ありがとうございます。今後の取組ということでお伺いしました。周知啓発に力を入れていただくということと、先ほどの質問とも関連しますけれども、ちょうど今、淡海ユニバーサルデザイン行動指針の見直しを進めておられるということです。この際に、滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例と、そして、ユニバーサルデザイン行動指針、その根拠になる条例、だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり条例は非常に関連が深いので、行動指針の改定に合わせて条例の点検も一緒にしていただけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いします。  次に、合理的配慮の提供に係る費用の助成についてお伺いをします。  令和元年9月議会の清水鉄次議員の質問に対し、健康医療福祉部長は、条例の目的である共生社会の実現を目指すという観点から、県民全体で障害者差別の解消に取り組むことができるよう、障害者差別解消法以上の義務づけを県民や事業者に課している、また、合理的配慮は、お互いの事情を分かり合い、共に何ができるかアイデアを出し合い、建設的な対話によってその時々にできる配慮を導き出すものである、そのために主に3つの取組を実施していると答弁されています。  その3点目に、事業者の皆さんによる合理的配慮の取組を後押しするための助成をしているとありますが、この合理的配慮の取組を後押しするための助成金の予算と、その積算の根拠を健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  合理的配慮の提供に係ります助成金でございますが、令和元年度から交付しているものでございまして、今年度の予算額は50万円、補助率2分の1でございまして、補助上限額は事業内容に応じて3万円から10万円となってございます。  50万円の積算根拠でございますが、手すりの設置や多機能トイレの設置など、合理的配慮に向けた環境整備を進めるための工事2件、筆談ボード等物品購入46件、点字メニューの作成等、コミュニケーションツールの作成5件など、計53件の申請を見込んだものとなってございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)ありがとうございます。  その対象とする事業者の範囲はどこまでか、例えばNPOやボランティアサークルなども含まれるのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  助成金の対象者は、滋賀県内において、飲食、物販、医療など不特定多数の方の利用が見込まれる民間事業者のほか、自治会など幅広く規定しておりまして、NPO法人やボランティアサークルなども含まれているところでございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)ありがとうございます。  今、代表的なところを言っていただきましたけれども、ほかにも、例えば国際協会であったり、環境保全のボランティア団体であったり、サッカーチームとか野球チーム、スポーツ少年団とか、そして、地域の安全まちづくり協議会とか、青少年育成会議とか、例えば初日からお話が出ている消防団であるとか、そういった様々な団体が事業者ということで対象になっていると思うんですけれども、県内にどれぐらいの事業者があるのか、その数を健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  助成金の対象となる事業者でございますが、例えばということになりますが、県内の企業数は平成28年時点で3万4,000社余りございます。中小企業白書によるものでございます。それから、NPO法人は5月末時点で588法人、自治会、町内会等は昨年4月時点で3,300余りあるというふうに承知しております。対象事業者の範囲は非常に幅広いため、全ての団体数は把握できていないというのが現状でございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)今のいわゆるお商売されているお店とか、登録しているNPOさんとか自治会、それ以外にも、今の自主活動団体さんとか、サークル活動されているところとか、スポーツ関係の団体さんとか、本当に数多くあります。今おっしゃっていただいただけでももう5万を超えてきますけれども、そういうようなほかのものも含めると、実は健康医療福祉部では把握できないぐらいたくさんあるという方が対象であるということだと思います。それに対して滋賀県全部で50万円の予算ですよね。本当に対象となる事業者は広範囲で、本当に数多く見込まれています。そういう意味においても、事業者の皆さんによる合理的配慮の取組を後押しするには、予算があまりにも少な過ぎるのではないかと私は思います。  事業における障害者との関係が、分野、業種、場面、状況によって様々であって、求められる配慮の内容も多種多様であることから、各主務大臣は、所管事業分野における対応指針を作成し、不当な差別的取扱いの禁止および合理的配慮の提供に関し、事業者が適切に対応するように定めています。あわせて、主務大臣は、必要があれば、その事業者に対し報告を求め、助言し、指導し、もしくは勧告をすることができるとされているところです。つまり、経済産業省は、所管事業分野における事業者に対しての対応指針をつくっています。例えば、総務省や農林水産省、国土交通省、文部科学省、厚生労働省などなどそれぞれに、所管事業分野における事業者に対し対応指針を定めているところです。  県においても、先ほどあった事業者の活動の内容によって所管する部がありますので、当然、所管する関係各部各課から生ずる障壁を取り除くのは、関係各部各課の責務ですから、健康医療福祉部だけで助成を実施するのではなく、それぞれの部にも予算を計上してもらって次年度の予算を強化すべきと思いますが、健康医療福祉部長の考えを伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  この助成金につきましては、合理的配慮の考え方を広める施策の一つとして、令和元年度から交付してきたところでございます。本来、合理的配慮の提供は、助成金のあるなしにかかわらず、条例に基づいて、全ての県民や事業者が様々な場面で負担の重くない範囲において自ら行うべきものとしているところでございます。  しかしながら、知事からも答弁で申し上げましたとおり、条例の周知はいまだ道半ばであることや、先般成立いたしました改正障害者差別解消法におきまして、事業者の合理的配慮の提供が法律上も義務とされたこと、それから、当事者団体等からも今後も事業を継続するよう要望を受けていることなどを考え合わせますと、今後も何らかの取組が必要ではないかと考えているところでございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)先ほどお話ししたように、元年の9月の健康医療福祉部長の答弁に、合理的配慮の提供の事業者の取組を後押しするために助成をやっているということです。だから、今の50万というのでは、後押しする力にしては弱過ぎるのではないですかということを申し上げているのであって、そして、関係各部、企業さんとか事業者がそれぞれに努力する部分、当然ありますけれども、それを後押しするために、共生社会づくりを加速するためにそういう事業をしてるということですから、そこをもう少し強化しなければならないのではないかということを申し上げているのであって、そして、今聞かせてもらったのは、それぞれ助成を対象とする事業者の活動分野は、それぞれ所管する各部各課あると思いますので、そちらのほうからちゃんとこのことについては取り組んでくださいよ、そちらのほうから合理的配慮の提供をちゃんとしてくださいよ、その分については応援しますからね、というふうにしてもらわないと駄目なのではないかなという思いで聞かせていただいたのであって、県庁というのはまさにこの社会の縮図なんですよね。だから、健康医療福祉部だけが、なかなか確保しにくい予算の中で何とかやりくりして、ちょっとでも前に進めようという気持ちはひしひしと僕は伝わってくるんですけれども、でも、障害者差別の解消に関する法律もまさにこのとおりで、障害者本人に関わることじゃなしに、それ以外の先ほど説明あった社会モデル以外のところがちゃんとその障壁を取るための努力をしないと駄目じゃないという、このことなんですよね。だから、知らん顔するような関係各部というのはないと思うのですが、その辺の思いをちょっと健康医療福祉部長に尋ねます。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  助成金につきましては、本県における条例の啓発として、健康医療福祉部の取組について申し上げますと、助成事例の紹介をしながら合理的配慮の好事例の普及を図る積極的取組をお願いするモデル事業としての位置づけでございまして、予算を増やして多くの取組を助成することは難しいという状況でございます。先ほども申し上げましたとおり、今後も何らかの取組が必要と考えているところでございます。  議員御指摘のとおり、法ではそれぞれの各主務大臣が所管事業分野における対応方針を示されまして、事業者の研修や啓発などに取り組まれているところでございます。例えば、県の取組事業の中では、大会やイベント等、手話通訳の配置を、できる限り庁内理解の下、各課で対応するなど取組を進めていただいております。事業者の普及啓発につきましても、費用の有無にかかわらず、それぞれの事業や活動の中で合理的配慮の取組が進みますよう働きかけてまいりたいと存じます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)民間事業者や県民に対してでも、滋賀県では負担が大きくない範囲での合理的配慮の不提供というのは差別に当たりますよということで義務づけを課しているわけですから、行政はなおさらのこと、しっかりと取り組む必要があると思うんですね。申し上げているのは、この共生社会づくりを実現するために事業者の合理的配慮の提供というのを後押しする、そのために助成をしている。でも、その助成が少ない。でも、健康医療福祉部だけではなかなか予算が確保しにくい。でも、この構図を考えたら、県庁は本当にこの構図そのもので縮図ですから、お隣の方とか斜め前の方とか、健康医療福祉部が発信して、そういったところをみんなで取り組もうやないかい、そのやり方は様々あると思いますけども、そういう意味で、後押しをもう少し頑張ってできるような予算にしていただけたらなと思っておりますので、ですから、行政の縦割りというか、その辺の縦割りの壁が、それはそれでいいと思うんですけども、これが妨げになるようでは障壁ということになるので、これを取り省くような発信を健康医療福祉部長にしていただきたいなと思うので、それは、知事に対してでもそういうことを言ってほしいですし、そして、今日も恐らくはライブ配信等で、障害者とか障害者のある家族の方々も大勢この議会の様子を見ておられると思いますので、そういった方々の代弁をするつもりでもう一度お願いします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  庁内でこういった取組が進みますように、鋭意働きかけを続けてまいりたいと思います。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)ありがとうございます。そんなもん必要ないぞという後ろの声もなく、皆、我々も聞かせていただきましたので、またどうぞよろしくお願いします。  次に、2つ目のポイントであります市町との連携と協力体制の強化についてです。  まず、障害の社会モデルや合理的配慮の普及啓発に係る市町との連携や県の役割について、健康医療福祉部長にお伺いします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  障害者差別の多くは、地域や日常生活において生じるものでございまして、条例の普及啓発に当たりましては、日頃から障害者から直接相談を受ける機会も多く、最も身近な自治体である市町との連携は重要であると認識しております。このため、これまでから、福祉圏域ごとに、県と市町、地域アドボケーター等が一堂に会して情報交換を行うなど、緊密に連携を図っているところでございます。  条例におきましては、県の役割として、市町の差別解消の取組を支援することが規定されておりまして、社会モデルの考え方や合理的配慮の提供の普及啓発においても、県は、市町と緊密に連携し、広域的、専門的見地から市町の取組を支えることができるよう取り組んでまいりたいと存じます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)ありがとうございます。本当に生活の場というのはそれぞれの市町になってきますので、その辺の連携をお願いしたいなと思います。  先日、庁内で車椅子を利用されている職員の方が携帯電話を落とされて、あと数センチが届かなくて拾えないという場面に遭遇しました。困っておられたかどうかは分かりませんけれども、拾って手渡しました。これは障害のあるなしにかかわらず、全ての方に言えることだと思うのですが、自分でできることは自分でしようとして、誰かの助けが必要なときでも、なかなか助けを求められないものだと思います。そんなときに、私は手助けをする用意がありますということが一目見て分かれば声をかけやすいと思います。例えば、オレンジリボン運動のように、子供の虐待防止のシンボルマークとして、子供虐待をなくすことを呼びかける市民運動もありますし、また、合理的配慮を提供する用意のある事業所には、幾つかの留意点を了解してもらって登録をしてもらう、登録をしてもらった事業者には、認証のステッカーを渡して、入り口などに貼ってもらうようにすると、障害者はその事業所に入りやすくなります。これは実際に長野市で取り組まれていますが、結果として、飲食店などの事業所のほうも売上げの増加にもつながって、お互いにウィン・ウィンの関係が生まれます。  このように、合理的配慮の提供の意思表示をすることは、条例の目的とする共生社会づくりを推進する上で大きな効果が期待できます。ただ、それは、障害者の身近な生活の場である市町が取り組むことが望ましいので、このことに取り組む市町と連携して、それを県が支援する。一つの案ですが、例えば、自治振興交付金のメニューに加えて、かかる費用の2分の1を応援するとか、健康医療福祉部のオリジナルの施策でもいいのですが、このように市町との協力体制を構築することが重要であると思います。健康医療福祉部長の考えを伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  合理的配慮をはじめとする条例の周知は、いまだ道半ばでございまして、事業者の合理的配慮が法的にも義務化されておりますことから、条例の普及啓発の取組は今後も強化すべきと考えておりまして、この取組を進めるに当たりましては、市町とより緊密に連携を図ることは重要であると認識しているところでございます。  市町と連携いたしまして、合理的配慮の提供を求める意思表示がしやすい環境を整えるという議員の御提案につきましては、これまでの取組の効果や課題を見極めながら、どのような仕組みが効果的か、市町や関係団体から御意見を伺いながら検討してまいりたいと存じます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)ありがとうございます。生活の場である市町と協力体制をつくるということは大切ですし、本当に市町さん、やれやれではなしに、県も一緒に協調しながら、一緒に協力し合いながらやりますよということで進めていただけるようにお願いをしたいと思います。改正された法律や県の条例に基づく取組をしっかりと進めて、みんなで社会の障壁を取り除いていくことで、障害のあるなしにかかわらず、共に生きていく社会の実現を目指してまいりたいと思います。  どうもありがとうございました。終わります。(拍手) ○副議長(岩佐弘明) 以上で、5番白井幸則議員の質問を終了いたします。  暫時休憩いたします。   午後3時17分 休憩    ────────────────   午後3時30分 開議 ○副議長(岩佐弘明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  最後に、13番杉本敏隆議員の発言を許します。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇、拍手)最初に、障害者歯科医療について質問をいたします。
     滋賀県歯科医師会口腔衛生センターは、県の委託を受けて、一般の歯科医療機関で治療することが困難な障害者のための歯科治療を中心に、健診、歯科衛生教育等を行っておられます。センターの老朽化に伴い、障害者歯科を県立総合病院に機能移転することが検討をされています。このことについて質問をいたします。  まず、障害者歯科とはどういうものなのか、健康医療福祉部長に答弁を求めます。以下、指名するまで健康医療福祉部長に答弁をお願いします。 ○副議長(岩佐弘明) 13番杉本敏隆議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) (登壇)お答えいたします。  障害者歯科は、身体障害のために治療を受ける姿勢を維持することが困難な人、それから、知的障害者や自閉症のため歯の痛みを訴えることができない人などが対象となります。一般の歯科医院では安全に診療を受けることができない人、すなわち特別な支援を必要とする人を対象に治療を行う歯科でございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)県の委託を受けて、これまで口腔衛生センターはどのような取組をされてきたのか、説明を求めます。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  口腔衛生センターは、県歯科医師会への運営委託によりまして、障害のある方への歯科治療、障害者支援施設入所者への歯科健診およびブラッシング指導を含む歯科保健指導に取り組んでいるところでございます。  令和2年度の実績は、歯科治療受診者が延べ1,417名、実患者数が500名でございまして、歯科健診は12施設で計547名、歯科保健指導は2施設で124名の実施となってございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)では、口腔衛生センターの機能移転等に関する検討会について、その検討状況をお尋ねいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  現在の口腔衛生センターには、建物の老朽化、診療待ち患者の長期待機状態、全身麻酔等の設備不足などの課題がございます。そのため、機能移転も含め、障害のある方に対する今後の歯科保健医療サービスについて議論することを目的に、学識経験者や県歯科医師会代表などを委員とする検討会を令和3年3月に設置したところでございます。これまで検討会を2回開催いたしまして、現状や課題の整理、県立総合病院へ機能移転した場合の診療体制などについて検討したところでございます。今後、検討会での意見も踏まえまして、県としての方針を決定してまいりたいと考えております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)大まかに聞きますが、移転によって現在センターが果たしている機能と役割を引き継ぐことができるのかどうか、質問をいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  口腔衛生センターの持つ機能のうち、歯科治療につきましては、県立総合病院内に診療科を設置することで、より安全でより充実したサービスが提供できないか検討しているところでございます。また、入所施設利用者への歯科健診および歯科保健指導につきましては、その実施主体をどうしていくか議論しているところでございます。  それぞれ機能も含めまして、詳細は今後方針を取りまとめていくことになりますが、これまで県内唯一の障害者歯科を専門とする施設として果たしてきた役割を引き続きしっかり担っていけるよう検討してまいりたいと存じます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)移転後、障害者歯科を県立総合病院の歯科口腔外科で担当するということを仄聞しましたが、障害者歯科の診療科を新設するのかどうか、質問をいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  現在、県立総合病院には歯科口腔外科が設置されておりまして、障害者歯科を県立総合病院に移転する場合、既設の口腔外科とは別の診療科として設置する必要性がないかなど、幅広く議論しているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)まだ検討中ということですけども、移転後、障害者歯科専門医を配置されるのかどうか、質問をいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  日本障害者歯科学会が認定する専門医はごく少数でございまして、現在、口腔衛生センターで治療に当たっておられる歯科医で専門医として認定されている方はおられないと伺っております。  県立総合病院に機能移転する場合、専門医が確保できるかどうか、現時点では確約はできませんけれども、障害者歯科治療の経験がある歯科医師の配置が必要であると考えているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)では、障害者のことをよく理解した学会認定の歯科衛生士の配置はされるのかどうか、質問します。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  現在の口腔衛生センターには、日本障害者歯科学会が認定いたします歯科衛生士が配置されているところでございます。県立総合病院に機能移転する場合も、学会が認定する歯科衛生士が配置されることが望ましいと考えているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)障害のある方々には落ち着いた診療環境が不可欠ですが、障害者に配慮した診療環境の確保をどのように図られるのか、質問いたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  機能移転の検討に当たりましては、診療科を分けることと併せまして、障害者歯科専用の待合場所を設置するなど、落ち着いた環境の中で診療を受けていただけるよう整備する方向で検討してまいりたいと存じます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)現在、県立総合病院は赤字経営ですが、新たな障害者歯科の設置による財政負担にどのように対処されるのか、質問をいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  障害者歯科につきましては、これまでから県の事業として県歯科医師会に委託し実施してきたところでございます。今後の財政負担につきましては、検討会での議論を踏まえながら検討してまいりたいと存じます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)まだ検討中ということがほとんどのあれなんですけども、最後に知事に質問します。知事は、歯科医師会と懇話会を持たれるなど、この問題をよく御承知だと思いますが、口腔衛生センターを県立総合病院へ機能移転することによって新たに大きな財政負担が県にかかってくると予想されますが、この機能移転によって障害者歯科医療の前進を図れるのか、後退することはないのか、所見を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  本県の障害者歯科診療は、昭和44年に近江学園の入所者を対象にしたのが始まりと言われておりまして、早い時期から障害のある方への歯科診療に取り組んできた歴史がございます。  その後、昭和55年に現在の口腔衛生センターを開設し、県内の障害児や障害者へと対象を広げ現在に至りますが、この間、センターの運営をお願いしております県歯科医師会の御理解と御協力をいただきながら、障害のある方の口腔保健向上に努めてまいりました。関係各位の御尽力に心から敬意を表したいと存じます。  センター開設から40年余りが経過した現在、幾つかの課題も出てきており、この課題解決に向けて、現在、検討会の場で議論しているところでございます。この検討会での議論を踏まえ、必要な経費も含めた事業方針を県として決めていくこととなりますが、障害者歯科診療の分野で本県がこれまで取り組んできた歴史をしっかりと継承するとともに、患者サービスの向上が図れるよう検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)現在、県は歯科医師会に約2,400万円の年間の委託料を出して、この障害者歯科医療が行われております。しかし、総合病院に機能移転をして、先ほどから聞きましたように、新たな病院での認定医というか、そういう医者を確保し、歯科衛生士を配置をし、そして、歯科の麻酔医も恐らく必要になると思うんですけども、そういう人的な配置だけでも、また、環境整備においても、今の2,400万をはるかに上回る財政措置が必要になると思うんですけども、そのことによって、今の障害者歯科に対する口腔衛生センターが果たしている役割と機能を後退させずに、きっちりと財政負担をして図ることができるかどうか、もう一度お尋ねをいたします。 ○副議長(岩佐弘明) どなたに答弁を求められていますか。 ◆13番(杉本敏隆議員) すいません、最後に知事にお願いいたします。 ◎知事(三日月大造) まず検討させてください。その上で、果たしてきたその役割、そして今後果たさなければならないこと、それを果たすためにかかる費用、そして当然専門資格者も要るでしょう。そして、麻酔等、それぞれなかなか意思表示が困難な方々に対するケア、こういったことごとをどう担っていくのか。必要なものはきちんと負担していかなければなりませんし、資格者も確保していかなければなりません。いずれにしろ、現在の老朽化施設を何とかして改善していかなければならないということで設置している検討会ですので、今行っているサービスが後退することがないようにしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)これまで52年間、歯科医師会に委託をして、滋賀の障害者歯科医療は非常に重要な役割を果たされてきました。この機能移転のことを含めまして、こういう役割や機能がしっかりと継続され、発展されることを願ってこの質問を終わります。  次に、身体障害者等の方に対する自動車税の減免について質問をいたします。  身体障害者等の方に対する自動車税について、全て総務部長に答弁を求めます。  まず、制度の概要について説明してください。 ◎総務部長(森中高史) (登壇)お答えいたします。  身体障害者、知的障害者、精神障害者等の方の移動のために使用される自動車につきまして、一定の要件の下で自動車税を減免させていただいております。  運転者の要件につきましては、本人が運転される場合は、特に制限はございません。生計を一にする家族の方や常時介護する方が運転される場合は、専ら本人の方の通学、通院、通所、通勤のために使用されることを要件としております。この専ら通学、通院、通所、通勤のために使用するとは、生計を一にする家族の方が運転される場合は、継続して月1回以上本人のための移動のために使用することとしており、常時介護する方が運転される場合には、継続して同一運転者が週3回以上使用することとされております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)家族でなしに常時介護する方が運転する場合の要件として、継続して同一運転者が週3回以上とされていますが、その根拠は何か、お尋ねをいたします。 ◎総務部長(森中高史) お答えいたします。  常時介護する方が運転される場合の要件確認につきましては、市町が発行する常時介護証明書により行っているところでございます。この常時介護証明書につきましては、週3日程度以上を基準とする平成9年厚生省大臣官房障害保健福祉部長通知等における取扱いを考慮して発行されているものと認識しております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)この週3回以上の要件について、他の都道府県の状況はどうですか、答弁を求めます。 ◎総務部長(森中高史) お答えいたします。  本県と同様に週3回以上を基準とする市町村が発行する常時介護証明書に基づいて要件確認をしているのは、本県を含めまして31団体となっております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)では、それを下回る要件を設定している県はどうですか。 ◎総務部長(森中高史) お答えいたします。  残り16都府県のうち、常時介護証明書に基づいているものの、どのような基準で各市町村が発行しているのか承知していない府県が5団体ございます。また、週1回または月4回以上を要件としている道県が5団体、使用頻度を要件としていない都県が3団体、全く別の基準で判断している県が3団体ございまして、この中で、本県より要件が緩いといいますか、緩和をしている団体は8団体。週1回または月4回以上を要件としている5団体と、使用頻度を要件としていない3団体を合わせて8団体でございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)だから、週3回以上というのが絶対的な要件ではないように思うんですけども、私は、熱心に障害者の社会活動を支援されている方から相談を受けたのですが、この週3回以上の要件というのは、月に直すと12回以上という、土日は省くとほぼ毎日移動支援しなければ税の減免を受けられないという非常にきつい条件なので、この要件の緩和をお願いしたいという要望を受けているんですけども、検討することができるかどうか、お尋ねをいたします。 ◎総務部長(森中高史) お答えいたします。  自動車税の減免につきましては、他の納税者の方との公平性の観点から、専ら障害者の方のために使用される自動車を対象としております。このため、繰り返しになりますが、生計を一にする家族以外の方で障害者を常時介護する方が運転される場合には、週3回程度以上という基準が平成9年厚生省通知で示されていると認識しております。  そのため、障害者の方の移動支援につきましては、ガソリン代やバス、タクシー代を助成している市町もあると承知しておりまして、そういった支援について県税の窓口でも御案内するなど、福祉部局とも連携してまいりたいと考えております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)今議会には精神障害者2級の方の自動車税の減免の請願も出されております。ぜひこのことについても検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。  次に、新型コロナウイルス感染症の検査の拡充について、全て知事に質問をいたします。  新型コロナパンデミックは1年以上となり、この間、ウイルスについての新たな知見や、国や地域での取組の差異が命と暮らしに大きく影響することなどが明らかになってきました。  感染が成立するには、感染源、宿主感受性、伝播経路の3要素が必要です。この3要素に対する対策が求められますが、宿主感受性を低下させ、免疫による抵抗力をつけるのにはワクチンが最も有効で、今、取り組まれています。伝播経路に対する対策は、人と人の接触を避けることで、マスク、手洗い、3密回避、多人数での会食を避けること、飲食店の時短要請、外出自粛、テレワークの推奨などが行われてきました。これまで日本の感染対策は伝播経路対策に尽きると言えるものです。  これと比べて遅れているのが感染源対策です。この点で今、積極的疫学検査や社会的検査について、自治体の進んだ取組が注目されています。広島県の社会的PCR検査、鳥取県の積極的疫学調査、世田谷区のPCR検査体制の拡充など、首長の新型コロナウイルス感染症に立ち向かう姿勢がコロナ封じ込めの感染源対策に表れています。  知事は、今後、どのような姿勢で新型コロナウイルス感染症に立ち向かうのか、お尋ねをします。 ◎知事(三日月大造) 新型コロナウイルス感染症につきましては、現在、おかげさまで少し落ち着きを取り戻しているものの、次の感染拡大も想定されるところでございまして、状況を注視しつつ、しっかりと備えていくことが重要だと考えております。  感染拡大を防止するため、検査につきましては、変異株の影響も踏まえながら、積極的疫学調査を適切に行い、より広く、必要な検査を確実に実施してまいりたいと存じます。  また、今後の感染拡大や患者の容体の急変に備えて、引き続きコントロールセンターにおける入院、搬送調整を行うとともに、必要な病床、宿泊療養施設の確保および症状に応じた医療提供体制の充実を図ってまいります。  こうした感染拡大防止や医療提供体制の確保はもとより、ワクチン接種を進め、困窮している県民、事業者の皆様の支援にも全力で取り組み、県民の皆様とともにこの難局を乗り越えてまいりたいと考えているところです。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)全力で取り組まれるという決意はお聞きしたんですけども、第5波が来るのは当然という前提でお話をされているように思うんですけども、私は検査で感染を封じ込めるという対策がやっぱり今必要だというふうに思うんですけども、そこら辺の認識はどうですか。 ◎知事(三日月大造) 必要かつ有効な検査はしっかりとやっていきたいというふうに考えております。検査だけで全ての感染を封じ込めるということはなかなか難しいのではないかと思いますが、ただ、様々な知見等も明らかになってきているところでございますので、必要な改善はしっかりと行っていきたいと存じます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)午前中も小川議員が質問されましたけども、私がお聞きしたいのは、現在、福祉施設や学校等で陽性者が出た場合、どのような検査の対応をしておられるのか、改めてお尋ねをいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  高齢者施設や障害者施設で陽性者が発生した場合は、積極的疫学調査による濃厚接触者に対する検査はもとより、原則入所者および従事者全員を対象に検査を行うこととしております。また、学校等で陽性者が発生した場合には、積極的疫学調査に基づき、調査の中で把握した情報等から、一つ一つの事例の場面、また時点ごとに、保健所長が適切に判断し、必要な検査を確実に実施しているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)今、医療機関や高齢者施設において陽性者が発生した場合には、原則入所者および従事者全員を検査するというのが原則だと言われたんですけども、4月の17日に東近江市にある施設で陽性者1名が発生したと。このときに保健所により聞き取りの調査が行われて、濃厚接触者4名しかPCR検査しないと。施設長が、それではあまりにも少ないということで、再三にわたって保健所とやり取りをやって、結局、職員16名、利用者37名の計53名を追加して検査をされました。これ、増やされたのはいいですけども、今知事が言われたような原則入所者および従事者全員を対象にPCR検査をするということが行われていないのではないですか。 ◎知事(三日月大造) 陽性者が出た際の施設関係者への検査については、保健所において患者に対する積極的疫学調査を行って、施設内での患者との接触状況、また施設内での人の動き、施設の構造などを踏まえ、必要な検査の範囲を特定しておりまして、一つ一つの事例で検査が必要な範囲は異なると思います。  先ほど申し上げた高齢者施設等におきましては、原則全員を対象とした検査を行うこととしておりますが、検査が必要な範囲を特定できた場合は、その範囲を確実に検査しているということでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)私は、そこのなぜ検査を渋るのか、そこがよく理解できないんですよ。原則入所者および従事者全員を対象に検査をするというふうに決めておいて、保健所が調査をして検査対象者を絞ると。これ、やめるべきじゃないんですか。全員を対象にやると原則を決めといたら、それで全員対象にPCR検査をやったらいいと思うんですけども、いかがですか。 ◎知事(三日月大造) 検査が必要な方に検査を行うというのが原則ですので、その判断は保健所長に委ね、それぞれ範囲を定め、できるだけ早く検査をするということだと思います。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)原則が原則になっていないということを指摘したいと思います。  それから、これは4月に、長浜市内の中学校なんですけども、4月13日に教職員2名が陽性判明、で、4月14日から23日まで10日間、臨時休業されましたけれども、その間に、4月16日に教職員3名、それから、4月19日に教職員1名と、計6名の方が1週間にわたって陽性が次々と出ました。それから10日たって、4月の28日に教職員1名が陽性になり、4月30日、臨時休業されました。この場合もどういうふうに対応されたか分からないんだけれども、4月13日に教職員2名が陽性になった時点で、その学校の少なくとも教職員全員のPCR検査をやればいいのではないかと。そういうやっぱりきちっとした対応、濃厚接触者だけに検査を限定するのでなしに、そこの起こった職場の教職員全員のPCR検査をやるべきでないかというふうに私は思うんですけども、いかがでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 一件一件の調査の範囲、その判断、その全てを私が今持っているわけではなく、ここでお答えできる状況にはございませんが、その時々、ここまでが必要な検査の範囲だということを定めて検査をしてきていると思っております。  ただ、課題になっていますのは、拡大期において、その手が十分に全ての範囲内に回るのかどうなのか、その速度も含めて、そういったことは課題になろうかと思いますので、また、変異株において、その感染状況等を踏まえた対応をしていくという必要もあろうかと思いますので、次の波に備えて、より広い範囲、また、より早い形で検査ができるよう対策を指示しているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)もうこれ以上繰り返しになりますのでやめますけども、クラスター対策に対して、濃厚接触者だけに検査の対象を限定するというのは、これはあまり感染拡大を防ぐという点では非常に漏れがあるというふうに私は思います。  そこで、先ほど紹介した東近江市での施設での問題なんですけども、保健所が職員全員の検査をしてくれないので、この事業所のグループ全員の検査を、約200人だそうですけども、こういうPCR検査のキット(資料掲示)なんですけども、これを購入して、約5,000円ぐらいかかるらしいんですけども、5,000円の200人ですから約100万円をかけて検査を行われました。こういう検査費用について、やっぱり助成をすべきだと考えるんですけども、答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来答弁させていただいているとおり、例えば高齢者施設等で陽性者が出た際の検査については、原則入所者および従事者全員を対象とした検査を行うこととしています。施設における感染の状況、施設内での人の動き、施設の構造などを保健所が調査し、検査が必要な範囲を特定できた場合については、建物やフロアを単位として検査を実施しているということでございます。また、感染の動向を見極めるために、必要に応じて繰り返し検査を実施していることもあるということでございます。  このように、保健所では、感染拡大を防止するため、広く必要な範囲の検査を確実に実施しようということで実施しておりまして、いわゆるそれぞれの個社の事業者の方々の御安心のために施設が自主的に実施される検査について、支援というものを行う考えは持ち合わせておりません。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)現在、県のPCR検査の能力は1日2,000件以上あるというふうに聞いているんですけども、原則従業者全員を検査をすると言いながら、そこを検査を絞っといて、で、施設がほかの全員の検査をした場合には自費で検査しなければならないと。これはどうも県として不十分ではないかなというふうに思います。  最後に、やっぱり世界を見ると、感染を封じ込めたところでは、共通してPCR検査を徹底して行っています。ワクチン接種が遅れている下で、感染源対策としてPCR検査の拡充はますます必要になっていると思います。変異ウイルスの動向を把握する点でも検査の拡充が重要です。今後、どのように抜本的な検査の拡充をしていくのか、再度知事に質問をいたします。 ◎知事(三日月大造) 現在、保健所による積極的疫学調査に基づくPCR検査や陽性者が発生した場合の高齢者施設等への検査など、感染拡大を早期に防ぐために広く必要な範囲について検査を確実に実施しているところです。  今後につきましては、補正予算案に計上させていただきました、感染拡大のおそれがある状況を早期に探知するイベントベースサーベイランスを実施いたしますとともに、従来からの積極的疫学調査につきましても変異株の影響を踏まえて実施するなど、より広く検査することにより、早く探知できるよう取組を進めてまいりたいと存じます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)多くの国民がワクチン接種を終えるまでの間、感染拡大をいかに抑えるかが重要で、検査戦略の確立と実行が不可欠になっているということを指摘しておきたいと思います。  次に移ります。  米価暴落について、全て農政水産部長にお尋ねをいたします。  代表質問でもありましたけれども、米価暴落の実態について、その原因を含めて説明を求めます。 ◎農政水産部長(西川忠雄) (登壇)令和2年産米の5月末時点の相対取引価格は、全銘柄平均で前年産に比べ、玄米60キログラム当たり887円下がっており、近江米の主力品種でありますコシヒカリやキヌヒカリ、みずかがみにおきましても、約600円から700円下がっております。この背景には、コロナ禍の影響により業務用米の需要が低迷し、全国の民間在庫量が5月末時点で前年比プラス20万トンと高い水準で推移していることがあるものと考えてございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)新型コロナウイルスの感染拡大の下で、米などの農産物は需要が減り、価格が暴落しているということだと思うんですけど、他方で、コロナ禍で生活が困窮し、食べたくても買えないという人、学生や生活困窮者や、そういう人も増えていますが、アメリカやヨーロッパでは、農家から過剰在庫を国が買い上げて必要とする人に届けています。日本政府は、買い上げて提供するという政策がありません。コロナ禍での生活困窮者への支援のために、政府による米の買い上げを県が求めるべきだと考えますが、答弁を求めます。 ◎農政水産部長(西川忠雄) 米の需要減退や在庫拡大に対応するため、昨年の春以降、全国知事会を通じまして、備蓄米や海外援助米など、新たに米の政府買い入れによる市場隔離や、あらゆる消費段階における需要喚起を講じますよう、重ねて要望してきているところでございます。また、昨年11月には、本県独自に、コロナ禍の需要減少によって生じた過剰用米を市場から隔離するための政府買い入れを要望したところでもございます。
     一方、米によります支援につきましては、農水省において、子ども食堂等を対象に政府備蓄米を無償提供されていると承知をしているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)コロナによって米の需要が減っているというのは、その大本には、政府による自粛要請や、あるいは緊急事態宣言、政府だけでなしに自治体もそうですけど、そういう要請などによって米が余る状況がつくられていると。だから、政府の責任によって生活困窮者への備蓄米の援助拡大をすべきだと。これは、我が党だけでなしに、国政の与野党ほとんどの政党がこういう主張をしています。だから、このことを国に求めるというのは非常に道理があることであって、アメリカでは10兆円の予算を組んで食料を買い取り困窮者に配っていると。アメリカはあまりいいことばっかりやってないけれども、こういうところこそ見習うべきではないかというふうに私は思います。  それでは、そういう米価暴落に苦しむ県内の農家に対して、滋賀県はどういう独自の対策を考えておられるのか、答弁を求めます。 ◎農政水産部長(西川忠雄) 本県におけます令和2年産米につきましては、契約は既にされておりますものの、販売の進度は鈍いというふうに伺っております。また、この影響により、令和3年産米につきましても事前契約の遅延を招いているというふうに伺っておりまして、このまま事前契約が滞ってまいりました場合には、売れ残りが発生するなど、需給バランスの崩れが懸念されているところでございます。  このため、今議会におきまして、1つには、令和2年産米の販売促進、そして、2つには、販売が見通せない令和3年産の主食用米について、飼料用米への緊急的な転換を誘導する事業について補正予算をお願いしているところでございまして、これら事業を活用することにより影響の緩和を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)これまで、米の価格を維持するためという口実で、国や県が指導する転作面積を滋賀県の農家は忠実に守ってきました。それなのに、この米価暴落の責任を農家に押しつけると。36万トンの減反の拡大を求めているとか、飼料米への転換を図れというふうな指導もされておりますけども、今の農政は、そういう国や県の指導に対して忠実に従ってきた農家に対してひどい仕打ちをしているというふうに私は思います。農政水産部長に、今一般質問で唯一の出番だと思うんですけど、知事に代わって、滋賀県の農家を守るために、県として米の価格を守るために、もっと思い切った対策を考えていただきたいと思いますが、いかがですか。 ◎農政水産部長(西川忠雄) ちょっと知事に成り代わりますのは非常に荷が重うございまして、あれでございますが、本県の米につきましては、各地域の農業再生協議会等で各地域の米の生産数量目標に応じた取組がなされてきたというふうに承知をしております。  一方、今回のこの状況につきましては、令和元年産米まで家庭用向けの消費が減少して、業務用の伸びが著しかった状況の中で、主産県である東日本で業務用に力を入れてきた、このことが今回のコロナ禍の影響によって大きく影響を受けた、そのことが背景にあるものというふうに承知をしております。  そうした中で、国においては、この東日本を中心にキャラバン等でお米の非主食用米への転換について、大きな努力を今されているというふうに承知をしております。そうした状況を踏まえながら、私どもとしては、私どもでできる努力をしながら、影響の緩和を図ってまいるということに注力してまいりたいというふうに考えております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)根本的には、今の国の農政が、まさにイエス、ノーのノー政になっていると。これだけ日本の国内で米が余って価格が暴落するというふうな状況なのに、アメリカなどからのミニマムアクセス米については指一本触れようとしないと。これほど国民、農家をないがしろにした農政はないと思います。私は、やっぱり農業というのは国の礎でありますので、しっかりと農家を守ると。とりわけ、令和3年産米は物すごい価格暴落になるおそれがあると、今、JAグループなどでも危惧をされておられます。こういうときに、県、国挙げて農家を守るために、米の価格を保証するためのあらゆる対策を取られるよう強く求めて次の質問に移ります。  最後に、高校全県一学区制度が湖北、湖西などの人口減少地域にもたらした影響についての認識を知事に問いたいと思います。  県立普通科高等学校通学区域全県一区制度が導入されてから16年目になります。先日の代表質問で教育長は、5年前の制度の検証で、生徒と保護者の9割以上が制度を肯定しているから継続している旨の答弁をされました。今行われている県立高校の在り方検討委員会でも、全県一区制を前提に議論が進められているように思われます。  しかし、5年前の検証報告書でも、「アンケートの中には、南部に人気が集中し北部の高校に活気がなくなる、一部の学校の倍率が高くなり過ぎ競争が激化しているという意見がありました。また、人口減少や若者流出等に向き合っている市町からは、相当数の生徒が市外の進学伝統校に流出し市内の高校教育が地盤沈下する、市外からの進学者が少なく市内の高校が定員に満たない、若者の転出超過が続いており市内で働く人材を育てる必要があるといった声や、地域の活性化のために地元にある高校との連携を望むという意見もありました」と記載されています。  昨年行われた県立高校の在り方に関する意見聴取の中にも、ある市町教育長は、「現在の全県一区を立ち止まって考える必要があるのではないか。高校は地域とともに歩む学校としての存在は大きいものであり、この問題は地域の活気にも大きく関わっている問題だと考える」とし、ある中学校長は、「高校は地域にとって大切な存在である。地域の人材を育成し、将来的に地域に戻って地域に貢献する人材の育成が高校の大きな役割であると考える。しかし、全県一区制により、一部の学校に優秀な生徒が集中し、地域のバランスが崩れているように思われる。本来なら、各校が特色を打ち出すことでカバーするべきだが、特色ある学校づくりにも限界があるのではないか」と発言をされています。今、全県的視野で県立高校の在り方を検討するというならば、人口減少が進む湖北、湖西、甲賀等の高校の活力の低下、地域の活力の低下に心を痛める、これらの意見に耳を傾け、全県一区制の問題を真剣に検討することが求められていると思います。  普通科高校全県一区制を可能とした2001年の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正時の参議院の附帯決議でも、受験競争の激化、学校間格差の拡大等を招かないよう努めること、また、通学区域の設定に当たっては、地域社会の意向等、地域の実態を十分踏まえるよう努めることとされています。私は、通学区域の設定に当たっては、地域の実態を十分踏まえるという指摘は、滋賀県の高校の在り方の今日的課題だと思います。6月に開かれた在り方検討委員会の資料では、13年後の県立全日制高校募集定員のシミュレーションで、全県一区導入時と比べ、甲賀市が800から520で65%に、長浜市が1,160から760で66%に、高島市が640から240で実に38%にまで募集定員が減るとされています。これらの地域は人口減少が進んでいます。それに加えて、全県一区制による旧通学区域外への生徒の流出が広がっています。こうした状況が続けば、これらの地域ではますます高校の活力が失われ、ひいては地域の活力の喪失をもたらします。全県一区制導入後のこれらの地域の教育関係者や産業界からは、将来、深刻な事態になるのではという不安の声が出されていましたが、それが現実化しています。  過疎法が改正され、過疎地域の見直しが行われました。全国では過疎地域数はほとんど変わっていませんが、滋賀県では高島市の旧朽木村、長浜市の旧余呉町に加えて、長浜市の旧木之本町、旧西浅井町、旧虎姫町の3地域が新たに指定され、2.5倍に増えました。今春の入試で、長浜市では募集定員を大きく下回った普通科高校がありました。長浜市の過疎化の最大の要因は1市8町の合併にあると思いますが、間違いなく全県一区制により市外への生徒の流出がその一要因になっていると思います。  県教委は、魅力と活力ある高校、特色ある高校づくりで、人口減少地域のこうした問題の解決を図ろうとされていますが、さきの中学校長の発言のとおり、特色ある学校づくりにも限界があります。なぜなら、地元の高校関係者も中学校の先生も、生徒が地元の高校に行くよう望んでいるけれども、多くの生徒が学習塾に通っており、塾は県南部の進学校へ一人でも多くの生徒を送るのが塾の成績につながるため、成績上位者が県南部へ流れています。生徒の高校選択の第一の基準が、学校の特色ではなく、学習塾の指導にあるからです。塾教育と全県一区制が重なることによって、市外への生徒の流出という構造的な地域の活力喪失システムが出来上がっていると思います。  県立高校の在り方を検討するなら、この地域と高校の問題、全県一区制16年と人口減少地域の衰退の問題をもっともっと深く検討するべきだと考えますが、知事はどのように考えておられるのか、答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  県立普通科高等学校通学区域全県一区制度、これは、中学生が自分に合った高校を主体的に選択できるようにするとともに、特色ある学校づくりを一層推進することを狙いとして、平成18年度入学者選抜から導入されたものでございます。平成28年度には教育委員会でこの制度を検証され、その中で、中学生、高校生とその保護者、9割以上が制度を肯定していることなどから、この制度は継続されているところです。  長浜市、高島市内の中学校からは、地域外の県立全日制普通科高校への進学状況として、それぞれ主に隣接する彦根市や大津市にある高校に進学したり、逆に、長浜市、高島市にある高校に地域外の中学校から進学したりするなど、制度導入の狙いである主体的な高校選択ができていると考えているところです。  滋賀県立高等学校在り方検討委員会では、今年度、生徒数のシミュレーションも行いながら、生徒数減少への対応も検討していただいており、今後、人口減少地域をしっかり意識しながら取組や検討を進めていくことが大切だと考えているところです。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)私は、県土の均衡ある発展のためにも、全県一区制を見直し、人口減少地域を考慮した通学区域の設定が必要だと思いますが、知事の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) 議員がお取り上げいただいておりますこの全県一区制度、御心配されるお声、また、懸念される思いはしっかりと受け止めたいと考えます。  滋賀県立高等学校在り方検討委員会では、制度的に生徒を居住地にとどめるのではなく、選ばれる学校づくりを地域の自治体も関わって進めることが大事といった議論もなされているところでございます。平成28年度の検証結果や現在の在り方検討の議論も踏まえて、これまでどおり、全県一区制度は継続した上で、特色ある学校づくりを教育委員会とともに進めてまいりたいと考えております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)るる述べたことを理解していただいてないようですけども、私は、全県的視野で県立高校の在り方を検討するというならば、今、これだけ深刻な問題になっている人口減少地域と高校の在り方を検討しなくて何をしているんだというふうに思います。ぜひ、在り方検討委員会で人口減少地域のこの深刻な問題を全県一区制と絡めて議論をしていただいて、改善を図っていただくように求めて質問を終わりたいと思います。(拍手) ○副議長(岩佐弘明) 以上で、13番杉本敏隆議員の質問を終了いたします。  以上で本日の質疑ならびに一般質問を終わります。  明6日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもちまして散会いたします。   午後4時25分 散会    ────────────────...