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令和 3年 6月定例会議(第2号~第8号)-06月29日-02号

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  1. 滋賀県議会 2021-06-29
    令和 3年 6月定例会議(第2号~第8号)-06月29日-02号


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    令和 3年 6月定例会議(第2号~第8号)-06月29日-02号令和 3年 6月定例会議(第2号~第8号)                 令和3年6月定例会議会議録(第3号)                                        令和3年6月29日(火曜日)           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第2号                                         令和3年6月29日(火)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第90号から議第104号まで(令和3年度滋賀県一般会計補正予算(第3号)ほか14件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問           ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件           ────────────────────────────── 会議に出席した議員(42名)    1番   井  狩  辰  也       2番   本  田  秀  樹    3番   柴  田  清  行       4番   重  田     剛    5番   白  井  幸  則       6番   村  上  元  庸    7番   清  水  ひ と み       8番   河  井  昭  成    9番   佐  口  佳  恵       10番   小  川  泰  江
       11番   黄 野 瀬  明  子       12番   松  本  利  寛    13番   杉  本  敏  隆       14番   田  中  松 太 郎    15番   角  田  航  也       16番   塚  本  茂  樹    17番   山  本     正       18番   大  橋  通  伸    19番   駒  井  千  代       20番   中  村  才 次 郎    21番   桑  野     仁       22番   周  防  清  二    23番   海  東  英  和       24番   加  藤  誠  一    25番   竹  村     健       27番   目  片  信  悟    28番   有  村  國  俊       29番   大  野  和 三 郎    30番   岩  佐  弘  明       31番   富  田  博  明    32番   細  江  正  人       34番   川  島  隆  二    35番   奥  村  芳  正       36番   木  沢  成  人    37番   清  水  鉄  次       38番   冨  波  義  明    39番   江  畑  弥 八 郎       40番   成  田  政  隆    41番   九  里     学       43番   今  江  政  彦    44番   中  沢  啓  子       45番   節  木  三 千 代           ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)           ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               副知事             江  島  宏  治               副知事             中  條  絵  里               知事公室長           東        勝               総合企画部長          川  崎  辰  己               総務部長            森  中  高  史               文化スポーツ部長        中  嶋     実               琵琶湖環境部長         石  河  康  久               健康医療福祉部長        市  川  忠  稔               商工観光労働部長        水  上  敏  彦               農政水産部長          西  川  忠  雄               土木交通部長          野  崎  信  宏               企業庁長            河  瀬  隆  雄               病院事業庁長          宮  川  正  和           ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            西  出  佳  弘               議事課長            山  本  昌  男               議事課課長補佐         内  田  吉  行   午前10時 開議 ○議長(富田博明) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(富田博明) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  知事からお手元に配付いたしておきました文書のとおり議案の正誤表が提出されましたので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(富田博明) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第90号から議第104号まで(令和3年度滋賀県一般会計補正予算(第3号)ほか14件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問 ○議長(富田博明) 日程第1、議第90号から議第104号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  本日は、会派代表による質疑ならびに一般質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、25番竹村健議員の発言を許します。 ◆25番(竹村健議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。自由民主党滋賀県議会議員団の竹村でございます。令和3年度最初となる代表質問の機会を与えていただきましたことを、会派同志議員に感謝を申し上げます。  本県では、4月15日にコロナとのつきあい方滋賀プランにおいて警戒ステージに引上げられた状態が今日現在もいまだ継続をしており、県民には様々な行動の制約をお願いをしております。そのような中、知事がゴールデンウィーク中にゴルフコンペに参加していた件については、「連休中、できるだけ家族などいつも一緒にいる人と過ごしてください」と呼びかけておられただけに、言行不一致と言われても致し方なく、大変残念であります。リーダーとして必要な姿勢として、論語にある格言や歴史上の偉人の言葉をひもといても、言行一致の姿勢が説かれています。既に猛省されていることとは思いますが、自己省察、引き続き緊張感を持ちながら知事の職務に当たっていただきますよう、冒頭、求めるものであります。  さて、ここ数日はコロナ感染者数が1桁の日も散見されるなど、ピーク時からは明らかに落ち着きが見られ、ワクチン接種の進捗も相まって、一定の安堵感が広がりつつあるのではないでしょうか。  しかしながら、再度の感染拡大は想定しておく必要があり、後の質問でも触れますが、今後のワクチン接種のさらなる進展や、冷え切ったままの飲食店の観光事業者などに対する下支えをどのようにしていくのかは、今議会でも重要な視点であり、大いに議論を深めたいと思います。  また、この感染症蔓延によって、いつ、どこで、自らが感染するかもしれないということから、その対応、対策、ワクチン接種の取組については、国民一人一人が大きな関心を寄せており、そのかじ取りを担う政治、とりわけ県政においては、かつてないほど県民の関心が高まっているときと言えるのではないでしょうか。  二元代表制の下、県民の生命と財産を守ることが我々に課せられた使命であることをお互い共有しつつ、また、私自身もそのことを改めて肝に銘じながら、以下の項目について、知事、江島副知事、教育長に伺ってまいります。  なお、答弁者を指定しない質問については、知事に答弁をお願いをいたします。  まず最初に、危機対応への組織と職員の意識について伺います。  この4月より新たに江島副知事が就任されました。大変優秀な方であるとは十分認識しておりますが、三日月知事はどのようなことを江島副知事に求め、期待し、任命されたのか、改めて伺います。  次に、江島副知事に伺います。  まずは、副知事御就任、誠におめでとうございます。三日月知事を補佐するまさに側近中の側近として、140万県民のために日夜御尽力いただきますことに敬意を表します。我々議会とも闊達な議論を通じて、県政発展に向け、ともに力を尽くしていこうではありませんか。  言うまでもなく、昨年までの立場と副知事の立場は大きく異なります。政治家の一人と言ってもよい副知事の役割をどのように認識し、職務を遂行していくのか。就任に当たっての決意も併せて、江島副知事に伺います。  申し上げるまでもなく、混沌とした先が見通せない時代の中、新しい価値観や仕組み、今までの行政スタイルでは対応し切れないことが多々あるのではないでしょうか。変えてはならないもの、継承していくものと果敢に変えていかなければならない事柄について、昨今の県政を鑑みてどのように認識されているのか、江島副知事に伺います。  過日、前知事の嘉田参議院議員が県内に所在するDVから身を隠すシェルターの特定につながる情報を話されていたとの報道がありました。当時の知事が職務上知り得た情報を流布することについて、守秘義務の観点から問題があると考えます。この事案についてどのように認識されているのか、正式な謝罪もなく、県として厳重に抗議していないことは大変に遺憾に考えますが、江島副知事の認識を伺います。  今回の発言は人命に危険が及ぶかもしれない重大事象であり、現在もこの施設では利用者があるとのことで、大変憂慮しております。先日、知事との政策協議会でもテーマになりましたが、少し危機感が足りない印象を持っています。県として、危機管理対応が必要と考えますが、これによって例えば警備などの新たな費用が発生した場合、嘉田参議院議員に負担を求めるのか、訴訟等を含め今後どのように対応するのか、知事に助言する必要があると考えますが、江島副知事の認識を伺います。  危機管理の基本として、起こったときには初動をしっかり対応し、危機を最小に抑え込む、また、起こり得る大きな危機事案には予想を最大にし、構えて準備をすることだと思いますけれども、この項の最後に、滋賀県の危機事案対応組織と職員の意識の在り方について、ここは知事に伺います。  次に、公共施設のマネジメントについて伺います。  我が国の社会資本ストックの多くは建設後50年を経過し、その割合は年々高くなっており、老朽化するインフラを戦略的に維持管理、更新することを加速的に求められていることは言うまでもありません。  こうした中、県が保有する公共施設は、道路や港湾などのインフラ施設に限らず、庁舎や学校、体育館、図書館など、どれもが私たち県民の生活になくてはならないものであり、そのサービス水準を適切に維持し、将来にわたって切れ目なく提供することは、行政として大変重要な使命であります。  本県においても、平成28年に滋賀県公共施設等マネジメント基本方針を策定し、施設総量の適正化を図ってこられたと承知をしておりますが、この方針も策定以来、既に5年が経過し、コロナ禍によってさらに厳しい財政状況が見込まれるなど、公共施設を取り巻く環境は大きく変化をしています。今年度、基本方針が見直されようとしていますが、これまでの5年間における公共施設の長寿命化対策などの成果と新たな課題について、どのように捉えておられるのか伺います。  方針の見直しについては、新たな行政課題をどのように盛り込むのか、改定の重要なテーマです。令和元年に滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例が施行されるとともに、改正バリアフリー法が本年4月に全面施行されました。誰もが不自由を感じることなく施設を利用できるよう、公共施設のユニバーサルデザイン化を進めることは必須だと考えますし、CO2ネットゼロ社会を導いていく本県として、公共施設マネジメントCO2ネットゼロの視点をどのように盛り込むのか。  さらには、公共建築物における滋賀県産木材の利用方針を定めて県産木材の利用促進を図るなどの視点は、厳しい財源状況の中でも、県庁が率先してその姿勢を示すことが求められます。基本方針の見直しに当たって、どのような考えで進められようとしているのか伺います。  また、この基本方針では、最大の効果である利用者目線に立ったサービスの向上と、最小のコスト化のための効果的、効率的な維持管理を実現する手法として、民間活力を積極的に活用することが明示されており、その手法の一つが指定管理者制度であると承知しております。  ただ、ここ数年の指定管理者の選定では、多くの施設が1者のみの応募であり、仕組みとして形骸化していると言わざるを得ない施設も見受けられるのではないでしょうか。  また、指定管理者制度は、ややもすると、コスト削減など行政側の視点で考えられがちであります。利用しやすく、良質なサービスが受けられるなど、利用者ニーズにどのように応えるのか。すなわち、最大の効果という視点で制度の活用を考えることがおろそかになっているのではないでしょうか。  特に、施設によっては、地域資源の一つと位置づけられているような施設も多く存在し、地元の経済振興にも影響を与えています。行政サービスの品質向上はもとより、地域振興の観点からも考えることが必要ではないでしょうか。公共施設と地域をマネジメントするという視点で、今後、指定管理者制度による施設の管理運営にどのように取り組もうとしているのか伺います。  この項の最後に、教育会館の判決について伺います。  判決内容は、「教育会館は、県に対して建物を収去して土地を明け渡せ」「土地の明渡し済みまで年933万3,324円の割合による金員を支払え」と、県側の全面勝訴の判決に、我が会派も大いに評価をするものであります。県として、この判決をどのように受け止め、今後、教育会館等に対してどのように対応されるのか伺います。  次に、新型コロナウイルス感染症、医療的対応と日々の感染防止への対応について伺います。  まずは、今も医療現場で対応していただいております多くの皆様、そして、各市町を中心としてワクチン接種に当たっていただいている関係各位に、心から感謝を申し上げます。  昨年度はコロナ感染症に翻弄された1年となったものの、県として様々な手だてを打っていただく中で、医療崩壊を起こすことなくかじ取りをしていただいておりますが、昨年、我が会派から提案をした新型コロナウイルスインフルエンザの同時流行の危険性を防ぐためのインフルエンザワクチン接種を進めた施策のように、起こってからの対症療法対策ではなく、先を見越した対策の重要性を改めて感じています。1年を振り返り、これまでの取組から得た知見や改善すべき点、また、先を見越した対応の必要性について伺います。  蔓延防止の重要な対策であるワクチン接種が始まり、昨日で、本県でも高齢者への接種で2回接種が終えられた方が22.4%となったとのことですが、本県の進捗状況は全国と比較してどうなのか。65歳以上の高齢者へのワクチン接種はいつ頃終えることができる見込みなのか伺います。  また、64歳以下に対しても接種券が配布された市町もあるように、いよいよ64歳以下のワクチン接種が始まろうとしています。菅総理がワクチン接種を希望する人全て、10月から11月にかけて終えられるよう取り組む考えを示されましたが、本県としても接種完了の目途を持ちながら、それに向かって知事が決意を示すべきと考えますが、見解を伺います。  本県においても、県が主体となって広域的な接種会場を設置し、大津と彦根の2つの会場で滋賀県広域ワクチン接種センターとして運営されることが決まっています。まずは警察官、教職員、福祉職員など、業種を定めて接種をするとされていますが、県がこの大規模接種を行うことで、市町にとってどの程度の負担軽減になるのか伺います。  また、エッセンシャルワーカーと呼ばれている業種は多岐にわたりますが、接種の職種追加については今後さらに広げていく必要があると考えますが、見解を伺います。  一方、センターでの接種については、市町で発行する接種券が基本的には必要と聞いていますが、市町の接種券配布時期に相当の幅があることや、予約時に接種券が必要な業種と不必要な業種があるなど、混乱が生じないか懸念をしています。市町との混乱を生じさせないためにも、取扱いなどルールを決めておく必要があると考えますが、その対策について伺います。  ワクチンの供給については、県が主体で需給を調整し、ワクチンの量を確保していただいていますが、他の都道府県はさらに一歩踏み込んで、能動的にワクチン確保に国と折衝されていると聞き及んでいます。本県はここまで市町が頑張っていただいたこともあり、供給に対してしっかりと対応していただいていますが、今後は県の動きが鍵を握りそうです。  先日も、大津市からワクチン供給に係る国への働きかけに対する要望をいただいたばかりですが、今後さらにワクチン接種のスピードを上げる取組に対しての考えを伺います。  県は職域接種相談デスクを設けて企業からの職場接種の問合せに対応されていますが、どのような相談があり、その課題に対し、どのように対応していくのか伺います。  今後は、ワクチンの供給が進むにつれ、ワクチンの打ち手不足が大きな課題となってきますが、看護協会協力の下、ワクチン接種サポートナースプロジェクトを実施され、500名以上が登録していただいたことは大変心強い限りであり、御登録いただいた皆様に大変感謝を申し上げます。  さらには、歯科医師、救命救急士、臨床検査技師までワクチン接種を行うことが可能となっている中で、このような方々へのワクチン接種依頼について、どのように考えているのか伺います。  ワクチン接種は、注射をする人材の確保とともに、問診を担うドクターの確保も必要ではないでしょうか。県が有している医療リソースである病院事業庁に対する期待は大変大きいと考えますが、ワクチン接種に係る病院事業庁に勤務する医療従事者の出動についての考えを伺います。  そうした中で、みんなでつくる滋賀県安心・安全店舗認証制度がスタートしましたが、2か月余りが経過し、これまでの飲食店での感染事例の分析などから、本県の制度の特徴はどのようなものなのか伺います。  また、以前から提唱されているマスク会食については浸透していないと感じますが、この際、改めてアナウンスされないのか伺います。  先日、ホテル、旅館を経営されている皆様から宴会に対する基準を示してほしいとの要望を伺っており、どのように対応されるのか伺います。  また、可及的速やかに行う必要があります。どのような目標で取組を進めていくのか、現在の進捗状況と併せて伺います。
     最後に、県民に広く周知をし、認証店に足を運んでいただくことで、この認証制度が意味あるものになるのではないでしょうか。今後、この取組をどのように広報し誘客をしていくのか伺い、この項の質問といたします。  次に、飲食、観光も踏まえた今後の本県産業の振興について伺います。  内閣府が発表した本年1月から3月期の国内総生産──GDPの速報では、前期より1%減り、新型コロナの緊急事態宣言によって経済活動が制約された影響があったものと報道されました。  また、上場企業の決算からは、電気、自動車、半導体関連などの製造業が好調である一方、航空、鉄道、外食などの非製造業で大変厳しい状況となっており、K字型と言われるように、コロナ禍で業績を上げた業種と大きく下げた業種に二極化しているとのことであります。  さらに、来春の採用計画もその業績格差から二極化が強まるとの懸念もあり、注視をしていく必要があります。  このように、本県に立地する企業の二極化について、実態をどのように調査、把握をし、分析をしているのか、二極化がもたらす本県経済の現状と、法人二税をはじめとする県税収への影響について、どのように認識しているのか伺います。  言うまでもなく、飲食をはじめ、観光関連産業などは最も打撃を受けられている業種であり、出口の見えない状況に苦しんでおられる方々が多数おられます。特に本県は、昨年の5月以来、緊急事態宣言まん延防止措置を施していないため、飲食店などに対する補償は皆無であり、家賃補助の制度も打ち切られているため、固定費は待ったなしで出ていっているような状況です。一方で、自粛という見えない鎖によって外食や旅行マインドは縛られたままであります。  先ほど尋ねたみんなでつくる滋賀県安心・安全店舗認証制度も効果は未知数ですし、今定例会議で上程されている個人事業主10万円、法人20万円の補助では十分とは言い難いと考えますが、危機的状況にある中小、小規模、個人事業主へのさらなる支援についての姿勢を伺います。  一方、総じて上向きか横ばいにあると考えられる第2次産業、製造業については、知事も御承知のように、海外拠点のサプライチェーン再構築や国内回帰の動きが顕在化しており、既に本県内にも立地の打診があるとも伺っております。知事がよくおっしゃっている、まさに千載一遇、いや万載一遇のこの時期を逃すことなく、本県として、企業進出を積極的に受け入れる絶好のタイミングと捉えるべきではないでしょうか。  千葉県や佐賀県では企業立地を前提として、道路、工業用水、光回線などのインフラ整備に対する補助を市町に対し積極的に行っておられます。タイム・イズ・マネーと言われるごとく、民間企業の意思決定は迅速です。企業が求めるニーズにいち早く呼応するためにも、早急にそのような仕組みを本県も構築するべきと考えますが、知事の認識を伺います。  さらには、企業立地を促すための工業団地を含めた用地を確保する必要があると考えますが、県の方針について伺います。  豊富で安定的に供給できる工業用水道事業は本県の強みであり、企業誘致の大きなファクターであると考えます。本年3月、企業庁経営戦略が策定され、工業用水の需要拡大に向けた取組に大いに期待を寄せるものであります。  中でも、新規受水企業獲得の取組として、工業用水を必要としている市町に資金を貸し付けることによって、需要拡大が図られるような新たな仕組みを構築するべきと考えますが、認識を伺います。  加えて、観光をはじめとする交流人口の拡大は本県引き続きの課題であり、コロナ禍であっても、先を見据えた支援策を講じる必要があります。  東京オリンピックは既に目前となりましたが、今後は、ワールドマスターズゲームズ2021関西、全国植樹祭、大阪・関西万博、本県開催の国スポ・障スポ、さらには、知事が副会長となられたびわ湖コンベンションストリート活性化協議会が設立され、新たな取組も始まるようでありますが、いずれにせよ、開催が決まっているイベントに滋賀の素材を生かし、いかに人々をこの地にいざなうのか、各地方公共団体の知恵比べ、まさに地域間競争にどう打ち勝つかです。様々なチャンスを県経済発展に生かすための知事の思いと、その道筋について伺い、この項の質問とします。  次に、環境政策の推進方針について伺います。  健康しがの柱は、人の健康、社会の健康、自然の健康ですが、この健康という言葉を環境に置き換えると、人の環境、社会の環境、自然の環境と、これはこれで環境政策の柱として成り立ちそうですが、環境問題をはっきりと定義づけることは難しい時代でもあります。  例えば、人類の活動を要因として発生するマイナス的環境変化という概念には、ごみ問題、食糧問題、騒音問題、地球温暖化、海洋汚染、生態系の変化などなど、一般的に25種類とも言われる環境問題があるそうです。そうした幅広い環境問題にあって、本県として重点的に取り組むべき今日的な環境問題をどのように捉えておられるのか伺います。  本県ならではの環境といえば、言うまでもなく、その対象は琵琶湖となるでしょう。1980年、いわゆる琵琶湖条例と言われる富栄養化防止条例の施行を記念して、翌年にびわ湖の日が定められ、1996年に制定された滋賀県環境基本条例に改めてびわ湖の日が規定された歴史があります。  そのびわ湖の日の趣旨は、県民および事業者の間に広く環境の保全についての理解と認識を深めるとともに、環境の保全に関する活動への参加意欲を高めるとし、7月1日をびわ湖の日にしています。基本に立ち返って、条例に制定されたびわ湖の日の意味合い、意義をどのようにお考えか伺います。  本年が記念の日に定めて40周年ということで、シンポジウムなど様々なイベントが企画をされていますが、びわ湖の日は、琵琶湖そのものに限ったものではないと理解しています。琵琶湖は水があるから琵琶湖であり、その水は山があっての水であります。すなわち、山があっての琵琶湖であるはずなのに、記念イベントなどは山に感謝する視点が非常に少ないのではないでしょうか、考えを伺います。  知事は、びわ湖の日を休日にしたいとかねてから公言され、まだ諦めておられないようですが、この機に、広く滋賀の環境を意識づける県民運動のような展開があってもよいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。  また、条例に定めるびわ湖の日の理念をもって、県民の日とするようなお考えはないのか伺います。  ところで、びわ湖の日が生まれて40年、マザーレイクゴールズなるものをこれまた制定するとのことです。注釈を見ますと琵琶湖版SDGsとありますが、ずばり琵琶湖版SDGsと発信したほうが県民には理解しやすいと思うのは私だけでしょうか。  環境問題において一言で県民にと言っても、小学生からシニアまで幅広い年齢層があります。今年4月に施行された農業分野のSDGsを前面に掲げた全国初めての条例と報道されたしがの農業みらい条例のように、マザーレイクゴールズも親しみやすい愛称が必要ではないでしょうか。お考えを伺います。  マザーレイクゴールズに制定されている13の目標は、よくよく見ますと、琵琶湖保全再生計画にある推進事項にほぼ合致しています。県民の皆さんに新たな意識を持っていただくこともよいのですが、政策の持続には財源が伴うことを忘れてはいけません。マザーレイクゴールズ制定はどのような効果を想定し、また、それを踏まえた財源確保も含めた今後の琵琶湖保全の推進方針を伺います。  さて、環境基本条例制定の翌年──1997年、琵琶湖総合開発終結とともに、琵琶湖との共生を目指した環境政策という点から、琵琶湖環境部が県に設置され、以後、本県は常に環境先進県を内外に公言されてきました。しかし、残念ながら、今も先進県と胸を張れるのか、いささか疑問を唱える方もおられます。  環境政策は、そのままをしっかり保全する政策、過去の良好な状態を取り戻す再生政策、さらによりよい状態にする改善や創造という政策、それぞれの政策段階がありますが、この項の最後に、琵琶湖環境部を設置する先進県ならではのそれぞれの政策段階で自負できる本県の環境政策の取組を今後どのように進めようとお考えなのか伺い、この項の質問とします。  次に、CO2ネットゼロについて伺います。  これまで琵琶湖環境部が所管していたCO2ネットゼロに係る担当課を総合企画部に移して、新たな組織が発足しました。これは、昨年10月に菅内閣総理大臣が2050年カーボンニュートラルを宣言し、また、4月に開催された気候サミットでは、2030年に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指し、さらに、50%の高みに向け挑戦を続ける旨を表明されたことも関連するものと考えます。  地球規模の課題解決に向けた野心的な目標として、従来よりも大幅に引上げられたわけですが、環境が経済成長の鍵であるという認識を共有する一方で、産業構造や社会の大転換を伴う挑戦は決して容易なものではありません。まずはしっかりと地に足をつけ、2030年の目標が成長につながるよう取り組んでいく必要があると考えます。  本年度、現行の滋賀県低炭素社会づくり推進条例を(仮称)滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進条例として改正するとともに、現行の滋賀県低炭素社会づくり推進計画としがエネルギービジョンを一本化した推進計画として改定するとされています。CO2ネットゼロ社会づくりに係る条例および計画を見直すに当たって、基本的な考えを伺います。  気になるのが、知事が宣言された“しがCO2ネットゼロ”ムーブメントです。この宣言の趣旨どおり、本県が目指すCO2ネットゼロの実現に向けては、行政だけではなく、県民や事業者、各種団体などが自主的、積極的に取り組んでいくことが不可欠であると考えますが、改正される条例との関係と、ムーブメントを県民をはじめ様々な主体と気運の醸成をどのように図っていくのか伺います。  今後、(仮称)滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進計画においては、温室効果ガス削減量や再生可能エネルギー導入量など目標設定されると思いますが、大きくは、県が一つの事業所として、また県民の皆さんがそれぞれの生活を通して、さらには企業の経済活動において、どのように取り組むかが重要だと考えますが、それぞれ重点的に取り組むべき施策の方向性について考え方を伺います。  御承知のとおり、国は、経済と環境の好循環につながるための産業政策として、2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を策定しました。この戦略は、地球温暖化への対応を経済成長の制約やコストとするのではなく、成長の機会と捉えるべきとしています。さらに、従来の発想を転換し積極的に対策を行うことが、産業構造や社会経済の変革をもたらし、次なる大きな成長につながっていくともしています。  本県においては、早くから環境関連産業の振興を柱にし、その商談の場、先端技術の披露の場として環境ビジネスメッセを開催してきましたが、残念ながら取りやめになりました。しかしながら、今こそ落ち込んだ経済を立て直す気概を持ちながら、環境産業を考える上で、最先端にあるCO2ネットゼロを経済成長の機会として積極的に推進していくことが必要ではないでしょうか。  今年度、びわ湖環境ビジネスメッセの後継事業として、イノベーションエコシステム・イン滋賀を実施するとされていますが、クローズされた中でのビジネスマッチングではなく、ムーブメントを声高らかに宣言されたのですから、内外から注目されるオープンな場でのCO2ネットゼロ・ビジネスメッセなど、日本で初めての企画として検討されなかったのか伺います。  この項の最後に、エネルギー問題について伺います。  2018年7月に閣議決定された現行のエネルギー基本計画の下での2030年の電源構成では、原発依存度は20から22%と見込まれていましたが、直近の2019年度の電源別発電電力量の実績では、原発は6%にとどまっています。つまり、不足分はCO2を大量に排出する火力発電所に頼っている現状で、CO2削減の潮流からは明らかに後退をしています。  そうした中、国においてはエネルギー基本計画の見直しが検討され、現在の検討状況では、2030年の原発依存度は当初計画の20から22%の水準を維持し、今後も原発に相当程度依存する電源構成となる見通しであります。  国を挙げて推進する脱炭素化の流れの中で、原発はその実現に向けて不可欠なCO2フリー電源であり、本県も掲げる2050年CO2ネットゼロを達成するためには、中長期的に原発の稼働を容認せざるを得ないと考えますが、条例や計画の見直しに当たり、原発に対してどのように考えているのか伺います。  次に、滋賀の美の魅力発信について伺います。  その名称も新たに滋賀県立美術館として、先日6月27日オープンされ、いよいよ待ちに待った滋賀の美が始まりました。昨年来、よりよい美術館にしようと文化芸術プロジェクトチームを立ち上げた我が会派にとっても大きな期待を寄せるものであります。コロナ禍での開館でありますが、より安心・安全な対策をしていただき、多くの方々に楽しんでいただきたいものであります。  また、再出発に当たり御就任をいただいた保坂健二朗館長に、大いなる御期待を申し上げます。  そこで、改めて、県立美術館を核とした滋賀の美の魅力発信について、どのような構想を描いておられるのか、お考えを伺います。  保坂館長と就任前に県立美術館についてお話をさせていただく機会がありました。館長からは、「美術館は刺激を与えてくれる場所ではあるが、滋賀の美術館は、コレクションの内容からしても、ほっとできるような、柔らかな刺激を与える場所を目指すべきだ」と指摘され、コレクションの魅力について十分熟知されていることに頼もしく感じた次第であります。  今後、さらにわくわくするような美術館づくりを後押しする観点からも、新たな美術館の応援団づくりとして、個人、法人を問わずサポーター制度を設けられますが、これらのサポーターにどのようなことを期待され、あわせて、どの程度の規模の体制をもって盛り上げたいと考えておられるのか伺います。  また、新たな開館に際して、滋賀全体を美術館にするという大きな目標が掲げられ、県立美術館と琵琶湖文化館を核に、美の発信に関連が深い施設と新たにネットワークを構築しながら、共同で企画やプロモーションなど幅広い連携を図るなど、様々な取組を検討するとのことであります。  昨年、知事は、「戦略的に取組を展開していく」と答弁されていますが、いよいよ開館した県立美術館、滋賀全体が美術館としてという目標は滋賀の新しい観光の在り方を考える上でも重要であり、そうしたことを念頭に置くべきだと考えますが、改めて、知事の思いと今後のスケジュール感について伺います。  この機会に、かつてから行われてきたワークショップやアートゲームを用いた教育普及活動に関連して、学校との連携が大変重要だと考えます。  子供たちの創造性は、アート教育、芸術鑑賞でアートに触れる、アート作品を作ることで養われるとも言われています。次代を担う子供たちに豊かな芸術を体験させることは、文化政策の重点課題の一つではないでしょうか。子供たちがいかに美術と出会う機会や、また体験することができるのか、その中心基地として、滋賀県立美術館の再開館は重要な意味を持ちます。うみのこ、やまのこに次ぐ、子供たちの創造性を養う美、美術への意識向上をどのように高めようとされるのか伺います。  開館に当たっては、やはり気になるのが交通アクセスです。場所を聞かれれば、琵琶湖線の新快速は止まらない瀬田駅からバスで10分前後走り、文化ゾーンというバス停で下車し、さらに10分ほど歩いてくださいと言わざるを得ません。  美の魅力発信プランでは、令和7年度には年間70万人の観覧者数を目標としていますが、その目標達成には利便性を高くしていくことが一つの重要な課題と考えます。地域の活性化にもつながる主要駅からのアクセスの向上について、どのような対策を図ろうとしているのか伺います。  今、地域の活性化につながる交通インフラと申し上げましたが、県立美術館が立地する瀬田の丘陵地は、昭和54年に520ヘクタールをびわこ文化公園都市構想区域に位置づけ、現在は、県立美術館のほか大学や高校、県立図書館、埋蔵文化財センター、福祉施設などが集積をしています。また、令和4年12月オープンを目指し、着々と工事が進んでいる滋賀アリーナが加わります。一方で、立命館大学の一部の学部が撤退するなど、大きな岐路にも立っています。  県立美術館再開館の機会に、びわこ文化公園都市を5つの将来像である、県内外の人々が交流する場、文化芸術を創造する場、未来成長へ挑戦する場、歴史と暮らしを紡ぐ場、命と健康を支える場として今こそ進めていくべきだと思いますが、考えを伺い、この項の質問とします。  次に、滋賀の水田農業振興について伺います。  今、水田には、2か月前、コロナ禍で植えられた苗がすくすくと元気に育っています。また、その隣では、梅雨の合間にほぼ収穫を終えた麦作の跡が広がっています。そして、麦の後には大豆の播種も進んでいるようであります。  その水田は、本県の農地面積のうち実に92%、4万7,400ヘクタールが水田と、富山県に次いで全国で2番目に高い比率の県となっており、本県が水田農業の県と言われるゆえんがここにあります。加えて、圃場整備率も約90%、全国で3位となっています。防災上の観点から、水田に洪水調整機能を持つことができるため、本県の水田率、圃場整備率の高さから、そのような防災機能も高い県と言えます。  さて、その多面的な機能のある農業基盤を整備してきた土地改良事業であります。本年3月に新たな土地改良長期計画が閣議決定されました。この計画は、食料・農業・農村基本計画を、土地改良という視点から農業の成長産業化、多様な人が住み続けられる農村の振興、農業農村の強靱化という政策を解決するための指針となるものであります。  そこで、本県の水田の整備率の高さから農業振興を見据えたとき、国の土地改良長期計画についての所見をお聞かせください。  自然相手の農作物の生産は例年、天候に左右されますが、今はコロナ禍という目に見えない脅威により、生産よりも消費に左右されている状況です。県内産農作物の消費流通にもはっきりと影響が出ており、昨年度には、近江牛、県産牛乳、琵琶湖の湖魚といった本県特産物の消費維持に向けた対策が行われてきましたが、さらに大きな懸念となるのが、米の需給バランスの行方であります。報道では、作付が終わった水稲のさらなる主食米以外への転用が必要であるとしています。  そこで、コロナ禍の現状における本県の近江米の流通状況と、既に田植も終了していますが、今年度産米を含め、今後の近江米の消費拡大を含めた需給バランスの安定化に向けた取組方針を伺います。  消費の面から米の需給バランスを考えますと、言うまでもなく、水田での稲作以外の農産物の生産ということになります。さきに申し上げた国の土地改良計画における成長産業化の施策目標にも、高収益作物への転換、産地形成を通じた産地収益力の強化とあります。既に本県もそうした取組を進めていますが、改めて、農業者の所得向上の面から、県の具体的な産地収益力の強化方針を伺うとともに、そのための農業基盤整備の在り方、考え方も併せて伺います。  また、国の計画においては、多様な人が住み続けられる農村の振興という柱には、所得と雇用機会の確保、農村に人が住み続けるための条件整備、農村を支える新たな動きや活力の創出を目標としています。農村と一口に言っても、多種様々な条件の下で多様な地域がありますが、山の知事を標榜する知事として、滋賀の中山間地域の農村振興方針をどのようにお考えなのか伺います。  あわせて、本年3月にJAグループと農業振興等に関する協定を改めて締結されましたが、協定書にある中山間地域をはじめとする農業農村の持つ多面的機能の維持向上のための取組という協定の実行において、JAグループに対し、どのような期待を持っておられるのか伺います。  この項の最後に、中山間地域の一方で、本県でもこれから新たな圃場整備事業に取り組む地域があります。また、スマート農業でより効率化を目指しての区画拡大に取り組む地域もあります。琵琶湖を真ん中に、周辺の山々に向かって広がる耕地にどのような農業が展開されるのか、本県のこれからの水田農業の推進にかける熱い思いを伺って、この項の質問とします。  次に、防災・減災事業の推進について伺います。  気候変動の影響により、気象災害は間違いなく激甚化、頻発化しています。また、南海トラフ地震、首都直下地震などの大規模地震の発生も切迫している域に入っています。その中で、高度成長期以降に集中的に整備されたインフラの老朽化への対応が喫緊の課題として、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策が始まりました。その防災・減災をはじめ新たな時代の社会資本整備に取り組んでいくためには、公共事業予算を安定的かつ持続的に確保することが不可欠であることは言うまでもありません。  自由民主党所属国会議員と我が会派が一致結束して、昨年来、要望活動を行ってきましたが、今年度の国土交通省からの公共事業に係る国庫補助事業費について、滋賀県に対する配分結果はどうであったのか、また、その結果をどのように受け止めているのか伺います。  風の便りでは多額の国庫補助金の配分を受けたと聞き及んでいますが、今後、これを確実に執行し、効果を早期発現することが大変重要です。  そこで、まず、受注者である建設業界について、工事を受けられるだけの体制が整っているのか、現状の認識と、受注されやすい環境整備に向けた県の取組について伺います。  また、発注する県としても、限られた職員の中で、働き方改革にも留意しつつ計画的な予算執行が必要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、現場の土木事務所を踏まえた土木交通部の執行体制について伺います。  去る4月28日に、国から淀川水系河川整備計画の変更案が示されました。現行の河川整備計画からの主な変更点のポイントはどのようなものであり、その変更点について、どのように受け止めているのか伺います。  これに伴って、県から市町長へ変更案に対しての意見照会を行ったとのことでありますが、どのような意見が寄せられたのか、また、その意見を今回の知事意見にどのように反映させたのか伺います。  変更案に対しては、今後、当該各府県の意見も踏まえた上で、国が河川整備計画を決定した後、大戸川ダム本体工事を進めていくこととなります。まさに、本年3月、住民の生命と財産を守るダム等の河川政策の推進を求める決議を滋賀県議会として可決した表れであり、大いに評価するものであります。残念ながら、その決議に当時御賛同いただけなかったチームしが、共産党の皆さんも、改めて大戸川ダムの必要性を認識していただき、共に推進していこうではありませんか。県民の悲願である大戸川ダム推進に当たっての決意を伺い、この項の質問とします。  最後に、これからの県立高校について、知事ならびに教育長に伺います。  現在、県立高等学校の在り方が議論されていますが、その高等学校は、都市部であれば半数が私立、本県でも既に20%近くが私立であり、生徒にとってみれば、その選択は公立、私立、また、県内、県外も問わず選択肢があるということです。そのような中で、県内にある県立、私立、それぞれ高等学校の位置づけをどのように考えておられるのか、知事に伺います。  進学したい高校を選択するのはあくまで生徒であり、県立高校の在り方を議論する上で、その動向や意識は重要な点であります。県内中学校を卒業する生徒の進学について、県内、県外への進学生徒数と比率、県内にあっては公立、私立への進学生徒数と比率の最近の傾向はどのようなものなのか。また、そこから見える生徒の高校に対するニーズをどのように見ておられるのか伺います。  ここから、教育長に伺います。  平成18年度入学者選抜から普通科高校の通学区域全県一区制度が導入されました。県教育委員会としても成果と課題を明らかにするための検証を行っていますが、検証後5年が経過するに当たり、全県一区を進めてきたことに対する考えを伺います。  また、課題はないのか、あれば、今後の方向性を今回の在り方検討にどのように生かされるのか伺います。  次に、新時代に対応した高等学校普通科の再編について伺います。  昨年9月の代表質問で、教育長は、「県立高校の普通科は、各学校が特色ある多様な学びを用意し、中学校段階で進路がまだ明確になっていない生徒たちにも、幅広く学びながら自分の進路や将来のことをしっかり考えていける環境を整える、このことが大切ではないかと考えております」と答弁されています。普通科の特色化という方向性の中で、私立とは違う具体的な県立高校の普通科の特色化の考えを伺います。  さて、現在、滋賀県産業教育審議会において、これからの産業教育の在り方が検討されています。高等教育機関の在り方として、新たなニーズに対応できる高等専門人材育成のため、高等専門学校の設置を選択肢の一つとして、本年度、具体的な設置に向けて検討が進められています。中学校を卒業する生徒の進路として、職業系高等学校、高等専門学校も、それぞれどちらも重要ですが、高等専門学校の在り方をどのように考えておられるのか伺います。  次に、教師から見た在り方も考えるべきではないでしょうか。高校の魅力化、教育の充実を図るに当たっては、高い資質と能力、熱意を持った教員の確保が大変重要です。教員がその能力を十分に発揮し、やりがいを持って働くことができる体制と環境づくりについての考えを伺います。  また、生徒が地域社会との関わりの中で成長し、実社会を生き抜く力を身につけるとともに、将来、地域や社会の未来を担っていく人材を育成する観点から、学校だけで教育活動を行うのではなく、地元自治体や企業等、多様なパートナーと連携協働していくことも重要と考えますが、どのようにお考えか伺います。  今回の県立高校の在り方検討は基本方針としてまとめられるようですが、滋賀の県立高校づくりのコンセプトを、魅力ある取組の見える化し、オンリーワンの学校づくり、魅力発信とされるようです。(仮称)これからの滋賀の県立高等学校の在り方に関する基本方針策定後、個別の県立高校の魅力化をどのように進めていくのか、スケジュール感も含めて伺います。  最後の質問です。  高等学校は公立、私立、県内外とあり、そこに、これまで県になかった高等専門学校という新たな選択肢が増えることになります。現在、県立高等学校は教育委員会、私立高等学校は総務部、高等専門学校は総合企画部と所管が分散をしていますが、県として組織的体制がこれでいいのでしょうか。滋賀県の魅力ある学びやを創造するにふさわしい県の体制の考え方を、ここは最後に知事に伺います。  以上、大きく10項目について質問をさせていただきました。明快な御答弁をお願い申し上げ、自由民主党滋賀県議会議員団の質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(富田博明) 25番竹村健議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)今日もよろしくお願いいたします。  まず、自由民主党滋賀県議会議員団代表竹村議員の御質問にお答えいたします前に、今回提出いたしました案件のうち、議第103号におきまして、引用する条文に誤りがございました。議員の皆様にはこの場をお借りいたしましておわび申し上げますとともに、確認方法の見直しなど、今後このようなことがないよう、より緊張感を持って取り組んでまいります。まずは深くおわび申し上げます。  それでは、危機対応への組織と職員の意識につきまして、私には2点御質問をいただきました。  うち1点目、どのようなことを江島副知事に求め、期待し、任命したのかということについてでございますが、この4月に副知事に就任いただきました江島副知事には、人事、財政や商工観光労働行政などの分野でこれまで培ってこられた豊富な知識や経験を生かし、県政全体を俯瞰したマネジメントを期待しております。  また、そのお人柄を生かし、県議会議員の皆様や市町、県民の皆様との対話を重ね、私との橋渡し役となっていただくとともに、職員にとっては、よき先輩、よき相談相手となり、自身の知識、経験を次世代に引き継ぐという役割を担っていただきたいと存じます。  若輩未熟な私を鎮めたり、いさめたりしていただくことにも御腐心いただくことになる、いや、既になっていると自覚をしております。  コロナをともに経験し、社会が大きく変化する中、大局を的確に捉え、“しがCO2ネットゼロ”や人づくりをはじめとして、本当の意味での健康しがの実現に向けた取組を、行政だけでなく経済界や県民の皆様と一緒に前に進めていけるよう、中條副知事とともに、その手腕を大いに発揮していただくことを期待しているところでございます。  2点目、県の危機事案対応組織と職員の意識の在り方についてでございますが、頻発する危機管理事案に全庁一体となって即応していくため、本年4月、防災危機管理局に危機管理室を設置いたしまして、司令塔としての情報の一元管理と対策の総合的な企画調整機能を強化したところでございます。  また、危機事案の影響を最小に抑え込むためには、迅速かつ的確な初動対応が極めて重要でありますことから、職員一人一人が平常時から危機事案に際し、意識を高く持つことが必要であると考えます。
     そのため、抜き打ちやシナリオレスによる訓練の実施などにより、職員の意識や対応能力を高めるとともに、各部局で所管する危機対応マニュアル等について、危機管理室を中心に改めて検証を行い、実効性の向上に努めてまいります。こうした取組を通じまして、危機事案に応じて関係部局と防災危機管理局が連携し、迅速かつ適切に対応してまいる所存でございます。 ◎副知事(江島宏治) (登壇)危機対応への組織と職員の意識について私にいただきました4点の質問のうち、まず1点目、副知事の役割と決意についてお答えいたします。  4月1日付で滋賀県副知事を拝命し、はや3か月が経過しようとしております。長年副知事を務められました西嶋前副知事から、非常に重いバトンを託されたものと身の引き締まる思いであります。  副知事として私に与えられた役割は、県民の皆様の福祉の増進と県勢の発展を図るため、県民の皆様の声に耳を傾け、県政の課題と可能性を明らかにし、多様な主体との橋渡し役となって、知事の思いや考えを具現化していくことであると認識しております。  また、あわせて、これまでの知識や経験を基に、現場の視点を大切にし、職員と共に課題に対して前向きに取り組むとともに、適時適切に知事と思いを共有し、助言する役割も求められているものと認識しております。  このような職責を全うするため、県議会議員の皆様や県民の皆様の協力をいただきながら、中條副知事をはじめ職員と心を一つに、三日月知事をお支えし、滋賀県政の発展のために全力を尽くしてまいる所存です。御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  2点目の変えてはならないもの、変えていかなければならないものについての認識についてでありますが、私自身、県職員生活を通じて、県民の安全・安心、県民の幸せを第一に考え、職務を遂行してまいりました。この志は行政を担う上で大切にしていかなければならないものでありまして、いつの時代も変わらないものと認識しております。  一方、人口減少や気候変動など社会を取り巻く環境は大きく、そして急速に変化しており、とりわけ、コロナ禍においては、これまでの生活や働き方が大きく変わり、県行政をはじめ、社会全体が前例のない対応を求められることとなりました。  昨今の多様化、複雑化する行政課題への解決に向けては、状況を的確に捉えながら、そして県民の皆様の声にしっかりと耳を傾けながら、職員自らが考え行動し、従来にも増して変化に柔軟に対応していかなければならないものと認識しております。  県行政への期待が高まってきている今こそ、県庁の持てる力を結集し、三日月知事の目指す本当の意味での健康しがの実現に向けまして、尽力してまいります。  3点目、DVシェルターの事案への認識についてでありますが、当該事案は、動画サイトのユーチューブで配信されました意見交換の中で、秘匿とされるべきDVシェルターの場所に関する情報について、嘉田参議院議員が発言されたものであります。秘匿とされるべきDVシェルターの場所に関する情報を他者が知るようなことは絶対に避けなければならず、秘匿性の確保が最大限図られるべき必要があると考えております。  今回の事案について、健康医療福祉部長から直接、嘉田参議院議員に対し、今回の発言が不適切であったこと、発言には十分留意いただくよう強く要請し、議員からは、被害者支援に影響を生じさせる発言をしたこと、関係者に迷惑をかけたことについて謝罪がございました。  なお、事案判明後、知事から万全の安全対策を講じるよう指示があり、利用者の安全・安心の確保に一層配意しているところであり、現時点では、当該シェルターへのDV加害者や不審者等が訪ねてくるなどの事案は発生しておりません。  4点目、警備など新たな費用が発生した場合への対応についてでありますが、DVシェルターにおいては、常に加害者が連れ戻しに来ることも想定し、施設整備や管理体制はもとより、関係機関等とも連絡体制を整え運営しているところでありますが、今回の件をきっかけに、新たな費用負担が生じるといったことはなかったと伺っております。  また、議員の発言以降、施設に加害者が訪ねてくることや周辺で不審者等が確認されるようなことはなく、実際に相談支援している方から、安全性について懸念する声もないと伺っております。  引き続き、DVシェルターが安全・安心の確保に留意して運営がなされるよう配意するとともに、特別な対応が必要となった場合には、知事と情報共有して、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◎知事(三日月大造) それでは、大きく9項目、私に賜りました御質問にお答えをさせていただきます。  まずは、公共施設マネジメントにつきまして、こちらは5点賜りました。  1点目の成果と課題についてでございますが、平成28年3月に基本方針を定め、公共施設等の老朽化対策に取り組んでいるところであり、この間の成果といたしまして、建築物では、防災上特に重要な施設の耐震化率が99.6%に達するなど、良質な性能および安全性の維持確保を図ったこと、また、高校の統合や警察官待機宿舎の廃止などにより、建築物全体で2万1,500平方メートル余の延べ床面積を縮小し、施設総量の適正化を一定図れたこと、屋根の防水や設備修繕等の長期保全計画、老朽化した更新、改修方針に基づく事業が予定どおり進捗しており、137億円余のコスト削減効果があったこと、また、4つ目といたしまして、稼働率や来場者数等の運営改善目標を8割以上達成している施設が86%に達したことなどが挙げられます。  一方で、課題といたしましては、コロナ禍の影響により県税の減収等が見込まれる中での必要な財源の確保や、ユニバーサルデザイン化など基本方針策定後の新たな状況の変化への対応があると認識しております。  2点目、基本方針の見直しについてでございますが、ユニバーサルデザイン化等の取組を基本方針に位置づけ、有利な地方債等を有効に活用しながら、施設の老朽化対策と併せて、エレベーター、トイレの改修などに取り組むこととしております。  また、CO2ネットゼロの取組につきましては、低炭素社会づくり推進条例等の見直しの議論を踏まえ、県の施設においても率先垂範し、機器の高効率化等を積極的に進めてまいります。  あわせまして、公共建築物における滋賀県産木材の利用方針に基づき、積極的に県産木材を活用した木造化および木質化を進めていくなど、厳しい財政状況の中にありましても、選択と集中の徹底を図り、新たな状況の変化に適切に対応してまいりたいと存じます。  3点目の公共施設と地域をマネジメントする視点での施設の管理運営についてでございますが、民間の創意工夫を駆使し、より効率的、効果的な施設マネジメントを図ることは、施設の活性化のみならず、地域における新たな産業や雇用の創出といった地域経済の活性化につながるものと認識しております。このため、平成29年度からは、施設管理者選定基準の施設の効用の最大化の配点を見直したところでございます。  今後も、民間のノウハウや技術を施設の管理運営に生かせるよう、競争性の確保に留意しつつ、指定期間の見直しやサウンディング型市場調査の導入などについて幅広く検討し、来年度中に指定管理者制度運用ガイドラインに対応策を盛り込んでまいりたいと存じます。  4点目、教育会館訴訟の判決への受け止めについてでございますが、判決につきましては、教育会館敷地が行政財産であり、許可の終了後は速やかに退去が求められるものとしてきた県の主張が全面的に認められたものと考えております。  今後、県といたしましては、判決に基づき速やかに退去を求めるとともに、敷地の明渡し時期等が明らかになり次第、医療福祉拠点整備に向けた事業者公募の手続に着手したいと考えております。  なお、教育会館側から控訴がなされた場合は、上級審における裁判の早期決着を目指す所存でございます。  大きな3問目、新型コロナウイルス感染症に関して、こちらは14点御質問をいただきました。  まず1点目、知見や改善点、先を見越した対応についてでございますが、これまでの間、検査体制につきましては、衛生科学センターに加え、民間検査機関や医療機関で必要な検査が迅速に実施できる体制を整備し、クラスター発生時には、保健所の積極的疫学調査に加え、クラスター対策チームを派遣することで感染拡大を防止してまいりました。  また、医療提供体制につきましては、感染状況に応じた病床、宿泊療養施設の確保に努めるとともに、コントロールセンターにおいて入院、搬送調整を県全体で一元化して行い、病床の逼迫が見られた場合におきましても、医療提供体制の維持を図ることが一定できたところでございます。  一方で、4月以降は変異株の影響などにより、これまでに比べて新規陽性患者数の増加や患者の容体の急変事例が多く見られましたことから、感染拡大時の検査需要への対応や、症状に応じた適切な医療の提供の必要性を認めたところでございます。  今後は、変異株の影響を踏まえた積極的疫学調査の実施や、補正予算案に計上させていただきました感染拡大のおそれがある状況を早期に探知し、拡大を抑止するためのイベントベースサーベイランスの実施により、感染拡大防止対策の充実強化を図ってまいりたいと存じます。  また、今後の感染拡大や患者の容体の急変に備えて、引き続きコントロールセンターにおける入院、搬送調整を行うとともに、必要な病床・宿泊療養施設の確保、および症状に応じた医療提供体制の充実を図ってまいります。  2点目、ワクチン接種の進捗状況等についてでございますが、6月27日現在、2回目接種をされた方が約8万2,000人、高齢者人口当たりの接種割合といたしましては22.4%となっており、全国平均の22.5%とほぼ同じ状況でございます。  6月15日付で行われた総務省、厚生労働省からの照会に対する市町の回答によりますと、県内全ての市町で、7月末までに接種を希望する高齢者の接種が完了する見込みであるとのことでございます。  3点目、接種完了のめどについてでございますが、国において、10月から11月にかけて接種を希望する全ての国民の接種が終えられるよう取り組む考えが示されたことは承知しております。県内各市町において、今後この目標に向けて接種計画が立てられ、現在の65歳以上の高齢者の接種に引き続き、一般接種においても御尽力いただくものと考えております。  県といたしましても、市町の接種の支援を行う観点から、来月から大規模接種会場として広域ワクチン接種センターを開設するとともに、中小企業が共同で実施する職域接種や大学等が地域貢献も含め実施する職域接種も支援しながら、接種を希望する県民が11月末までに接種できるよう取り組んでまいりたいと存じます。  4点目、大規模接種の実施による市町の負担軽減についてでございますが、県が設置いたします広域ワクチン接種センターでは、警察、教職員、消防職員、福祉職員等の約6万人を対象に、職域を定めて来月よりワクチン接種を行う予定としております。これは、一般接種の対象となる12歳以上65歳未満の県民約82万人のうち7割の方、約60万人が接種された場合の約1割程度に相当するものでございます。  また、危機管理上重要な職種や、感染が発生した場合に利用者の感染リスクが高まる福祉職員等への接種の加速化を図ることができることから、一定の市町の負担軽減が図れるものと考えているところでございます。  5点目、今後の接種の対象となる職種の追加等についてでございますが、県広域ワクチン接種センターで対象としている職種の接種が完了した後の方針につきましては、センターの予約状況、ワクチンの確保の見通し、さらには市町の接種状況を勘案しながら、職種の拡大を検討していきたいと考えております。  具体的には、昨年4月に緊急事態宣言下において、国民生活・国民経済の安定確保に不可欠な事業を行う事業者として、事業の継続を求められた職種などを検討しているところでございます。例えば、国民の安定的な生活の確保の観点から、上下水道等のインフラ関係、理美容等の生活必需サービス、廃棄物収集等のごみ処理関係、社会の安定維持の観点からバス、タクシー、トラック等の物流運送サービス、消防団などが考えられますが、市町の御意見をお聞きしながら検討してまいります。  6点目、接種券の取扱いについてでございます。ワクチン接種は原則として予約時に接種券が必要とされており、接種時には接種券を持参する必要がございます。一方、例外といたしまして、企業や大学等が実施する職域接種につきましては接種券が届く前でも接種可能とされ、接種券が届き次第、企業や大学等に提出する必要がございます。  県広域ワクチン接種センターにおきましては、警察、教職員、消防職員につきましては、各所管所属において職場単位で予約の取りまとめを行うことで接種者の名簿管理ができるため、接種券を予約時には不要とし、接種時において持参できない場合には、後日、各所管所属を通して提出してもらう予定でございます。  福祉職員、医療従事者、柔道整復師、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師等につきましては、県で名簿管理ができないため、接種券に基づき個人単位でウェブ予約していただくこととし、接種時においても接種券を持参していただくこととしております。  なお、ほとんどの県内市町で7月上旬までに65歳未満の方の接種券を発送する予定と伺っておりますが、混乱を生じないよう、県広域ワクチン接種センターにおける接種券の取扱いについて、しっかりと周知を図ってまいりたいと存じます。  7点目、ワクチン接種のスピード等についてでございますが、県内各市町では、接種を希望される全ての方ができるだけ早く接種できるよう、接種計画を策定し、これに基づいて国にワクチンの希望量を申請しているところでございますが、希望どおり配分されていない現状がございます。ワクチン接種を円滑に進めるためには、国からの計画的かつ安定的な供給が行われることが必要不可欠でございます。  県といたしましては、これまでから全国知事会を通じてその旨を国に要望してきたところでございますが、今後も市町の状況を詳細に把握した上で、様々な機会や場面を通じ、改めて国に対し強く要望してまいりたいと存じます。  8点目、職域相談デスクへの相談内容等についてでございますが、県では、国の職域接種について申請受付等の企業の相談に対応するため、6月8日に相談デスクを設置し、6月25日までに302件の相談に対応してきたところでございます。  相談内容といたしましては、具体的な申請方法から、医療従事者の確保や中小企業で1,000人に満たない場合の対応等、様々な御相談が寄せられているとのことでございます。  こうした課題への対応といたしまして、企業が合同で実施する場合において、実施企業や団体の医療従事者の確保等を支援する経費を本会議の予算案で計上させていただいているところでございます。  また、国が6月24日に職域接種の申請受付を一時停止すると表明されたことについて問合せも急増しております。県といたしましては、市町の接種におけるワクチン確保と同様に、職域接種に係るワクチン確保に向けましても、強く国に要望してまいりたいと存じます。  今後も、寄せられる職域接種の相談に引き続き丁寧に対応してまいります。  9点目、歯科医師等のワクチン接種依頼の考え方についてでございますが、打ち手不足の課題は、ワクチン接種サポートナースプロジェクトに6月25日現在で591名の看護師の方に御登録をいただいており、一定対応できるものと考えているところでございます。  今後、職域接種等の拡大に備え、様々な医療従事者に接種に御協力いただくことが重要と考えており、歯科医師会や臨床検査技師会とも連携して検討してまいります。  10点目、ワクチン接種に係る病院事業庁に勤務する医療従事者の出動等についてでございますが、まず、市町への支援といたしまして、市町の意向を確認の上、希望する65歳以上の高齢者の接種を7月末までに完了するため医師を必要とされた大津市からの要望に対しまして、病院事業庁に勤務する医師1名を今月より派遣しているところです。  また、県の広域ワクチン接種センターにおきましても、病院事業庁の医師2名が従事することとしております。  県立病院では、新型コロナウイルス感染症の検査や患者の治療にも対応しているところであり、ワクチン接種の進捗状況を踏まえつつ、必要に応じてさらなる出動も検討してまいりたいと存じます。  11点目、みんなでつくる滋賀県安心・安全店舗認証制度の特徴等についてでございますが、本県の制度は、飲食店の感染対策を県が認証し、利用者の皆様も感染対策に御協力いただくことで、みんなが一体となって飲食店での安心・安全の確保を目指していくことが一つの特徴でございます。  また、感染対策がおろそかにならないことを前提に、県内での感染事例も踏まえ、チェック項目を厳選して基準を定めるとともに、認証に際しましては、現地で店内の状況を詳しく聞き取りながら確認を行うことで、飲食店の取り組みやすさと実効性の両立を図っているところでございます。  御指摘のマスク会食につきましては、これまでから、県民の皆様に感染を防ぎ楽しく飲食するために気をつけていただきたい3つのポイントとしてお示しし、その中でも、会話のときはマスクの着用をお願いしているところでございます。  その上で、認証制度におけるチェック項目におきましても、会話時はマスク着用いただくことを掲示により案内することを求め、制度に組み込んでいるところでございます。  引き続き、認証制度の周知と認証店舗の拡大に努めるとともに、マスク会食を含めた利用者の皆様の感染対策につきましても、一層、周知啓発に力を注いでまいりたいと存じます。  12点目、宴会に対する基準でございますが、これまでから事業者の皆様には、それぞれの業種別感染拡大予防ガイドラインの徹底をお願いしているところであり、まずは、ガイドラインに沿った対策をしっかりと取っていただくことが重要であると考えております。  また、県といたしましても、みんなでつくる滋賀県安心・安全店舗認証制度におきまして、ホテル、旅館内にあります飲食店も対象としており、その旨をさらに周知し、認証を進めてまいります。  その上で、利用者の皆様にも、お互いの距離を十分取る、話すときにはマスクの着用を徹底いただくなど、施設の感染対策に御協力いただくことが極めて重要であり、県といたしましても、そうした呼びかけを積極的に行ってまいります。  感染状況に応じた注意は必要でございますが、会食は人と人とのつながりを深める大切な機会でもあり、ホテル、旅館を含め、認証を受けた施設を安心して御利用いただくことが事業者の応援にもつながることから、この制度を広く普及してまいりたいと存じます。  13点目、この認証制度の目標と現在の進捗状況でございますが、平成28年経済センサスによりますと、本県には約5,000の飲食店があるとされており、対象となる飲食店の全てについて、今年度中に認証ができるよう取り組んでまいりたいと存じます。  現状につきましては、6月28日現在、620件の申請をいただいており、既に404件の現地確認を行い、256件について認証の手続を完了しているところでございます。さらに申請を伸ばしていくため、県民・事業者集中支援月間に合わせまして、テレビCMやSNS広告などを重点的に行うことで一層の制度周知を図り、まずは、7月末までに1,000件を目途に認証できるよう取り組んでまいります。  今後、Go To Eatの再開に当たりましては、利用者に対して認証店舗での利用を要請することを考えており、事業者の御協力をいただきながら、認証店舗のさらなる拡大に努めてまいります。  14点目、認証制度の広報、誘客等についてでございますが、飲食店を応援し、誘客につなげるためには、認証を受けた店舗を利用者に広く周知することが大変重要であると考えます。また、安心・安全の確保のためには、この認証を受けた飲食店を増やすことに加えまして、飲食店を利用される皆様も自身の感染対策をしっかり行い、店舗の感染対策に御協力いただくことが不可欠でございます。  こうした観点から、事業者への広報だけでなく、利用者の皆様にもしっかりと情報が届くよう、テレビCM、SNS広告など様々な媒体を活用しながら周知に努めるとともに、専用ホームページにおいて認証店舗の地図検索機能を設けるなど、利用の促進を図ってまいりたいと存じます。  続きまして、飲食、観光も踏まえた今後の本県産業の振興について、こちらは6点御質問いただきました。  まず1点目、本県経済の状況、県税収入への影響等についてでございますが、県が四半期ごとに実施しております景況調査では、今年4月から6月期の速報値業況DIは全体でマイナス28.0となっており、昨年4月から6月期のマイナス69.6を底に改善してきてはおりますものの、依然としてマイナス基調が続いているという状況です。  これを業種別に見ますと、製造業のマイナス20.1に対しまして、サービス業はマイナス33.7、小売業はマイナス44.0でございまして、業種によって景況感に違いが見られます。  来期の見通しにつきましても、製造業はマイナス16.7であるのに対しまして、サービス業はマイナス30.1、小売業はマイナス34.6など業種によって開きがあるところであり、引き続き、業種や業態ごとに動向をきめ細かく注視していく必要があると考えております。  令和3年度の法人二税につきましては、前年度当初予算に比べ74億円の減収を見込んでおりまして、現年調定額ベースで、製造業はマイナス17.4%の減収、非製造業につきましてはマイナス13.9%の減収と見込んでいるところでございます。  また、給与所得の減少により個人県民税も大幅な減収が見込まれ、令和3年度の県税収入は、前年度当初予算を108億円下回る1,617億円と見込んでいるところです。  新型コロナウイルス感染症の影響が長引く中、引き続き予断を許さないものと認識しているところでございます。  2点目、こうした危機的な状況にある事業者へのさらなる支援についてでございますが、事業者への支援に当たりましては、まずは、飲食や宿泊等のサービス業や小売業など、長引くコロナ禍によって大きな影響を受けている事業者の皆さんの事業継続を支える必要があると考えております。同時に、厳しい中にありましても、コロナ後を見据え、経営力の強化や新たな事業展開に取り組もうとされる事業者のニーズにしっかりとお応えし、取組が力強いものとなるよう後押ししていくことも重要であると考えます。  今定例会議では、この両面から事業者支援を実施していくための必要な補正予算案といたしまして、さきに議決いただきました事業継続支援金のほか、中小・小規模事業者の実情を熟知する商工団体等が地域の事業者を応援する取組への助成をはじめ、資金繰りの円滑化に向けた保証料負担のさらなる軽減、観光事業者が行う受入環境の整備に対する支援、県産品の販路拡大支援などについて御提案申し上げているところでございます。  県では、今月から8月までを県民・事業者集中支援月間と位置づけ、厳しい状況にある県民、事業者の皆さんに必要な支援策をできる限り速やかに、かつ確実に届けられるよう、経済団体とも連携協力し、全庁挙げて取り組んでまいります。  事業者の皆さんからは、先行きがはっきり見通せないことが大きな不安材料であるといったお声をお聞きしており、引き続き動向を注視し、機動的な対応を図ることができるよう、意を用いてまいりたいと存じます。  3点目、企業が求めているニーズに呼応する仕組みについてでございますが、本県では、設備投資への助成などにより、開発機能を備えたマザー工場や研究開発拠点が多数立地し、操業いただいているところでございますが、昨年度からは企業立地サポートセンターを設置いたしまして、立地いただいた企業からのニーズや操業環境の課題をきめ細かく伺うとともに、企業立地促進補助金により、企業の操業環境の課題解決に向けた支援に取り組んでいるところでございます。  企業が求めるニーズに対応し、企業誘致や立地企業の再投資を呼び込むためには、市町と共に対応していくことが大切であると考えております。これまでから、近江金石会等の場を活用し情報共有に努めてきたところでございますが、他県の事例等も参考としながら、具体的な方策について県としてしっかりと考えてまいりたいと存じます。  4点目、用地を確保するための県の方針についてでございますが、御案内のとおり、本県は、地の利、水の利といった地理的優位性、高速道路等の交通インフラの発達による交通利便性などにより、自動車、電子部品、医薬品等の多様な分野の企業が多数立地し、御操業いただいており、サプライチェーンの見直し等の動きを受け、さらなる生産拠点の新設等も進めていただいております。  そうした中、さらなる産業用地を確保していくためには、市町と共に取り組むことが大切であると考えております。  県では、市町と連携いたしまして、産業用地として活用が見込まれる用地情報の収集に努めるとともに、市町より情報提供いただいた用地について、専門家に依頼し、開発実現性や開発手法等を検討し、産業用地の開発を促進する取組も進めているところです。  今後とも引き続き、市町と緊密に情報交換をしながら、産業用地の確保に努めてまいります。  5点目、市町の資金貸付けによる工業用水の需要拡大が図られるような仕組みの構築についてでございますが、今年の3月に企業庁経営戦略が策定され、その中で工業用水の需要拡大が掲げられており、健全経営の維持向上に向けた取組の一つとして大変重要であると認識しています。  企業庁では新規受水企業向けの優遇制度を設けるなど、これまでから需要拡大に取り組んできたところであり、この優遇制度の拡充についても検討が進められると承知しております。  需要拡大を図るための市町への資金貸付けにつきましては、公営企業として独立採算制等の制約や経営上の観点を十分踏まえた上で、企業の立地が推進できるよう、関係部局が連携して検討を進めていくことが必要であると考えております。  この項の最後、チャンスを県経済発展に生かすことについてでございますが、コロナ禍により人々の価値観や生活様式が大きく変わり、観光においても自然志向や健康志向が一層高まる中、本県の豊かな自然や歴史文化、ゆっくり丁寧な暮らし方など、滋賀の魅力が再評価されているところでございます。  そのため、これからの時代にふさわしい滋賀ならではのツーリズムを創出し、シガリズムとして広げていきたいと考えております。その実現に向け、新たな観光戦略を構築するため、現在、ビジョンの改定に取り組んでおります。  また、多様な主体の相互連携をさらに強化するため、先般、滋賀県ニューツーリズム推進協議会を設立するとともに、びわ湖コンベンションストリート活性化協議会にも参画したところでございます。  今後、国スポ・障スポや大阪・関西万博などの大型イベントの開催が控えておりますことから、これらを絶好の機会として、国内外に積極的に滋賀の魅力を発信するとともに、それぞれのイベントの特性に応じた誘客を図ってまいりたいと存じます。  これらの取組により、新しい時代に選ばれる滋賀を実現し、長く滞在し、何度も来ていただくことで、裾野の広い観光関連産業の振興を図り、地域経済の活性化につなげてまいりたいと存じます。  続きまして、環境政策の推進方針について、こちらは7点御質問をいただきました。  まず、重点的に取り組むべき今日的な環境問題についてでございますが、これまでの滋賀の環境施策は、人口が増え、開発が進む中で、いかに人間活動による環境への負荷を抑制していくかということを基本に取り組んでまいりました。  琵琶湖水質の栄養塩等に代表される環境への負荷は一定削減されてきております一方で、在来魚の生息環境の問題など、複雑化、多様化する生態系の課題がますます重要になってくると考えられます。
     また、本県におきましても本格的な人口減少が進み、特に中山間地などにおいては、人の手が入らなくなることによって、例えば獣害の増加や、多面的機能を持つ森林の劣化などが進むことが懸念されます。  こうしたことから、これまでのいかに環境への負荷を抑制するかという視点に加えまして、いかに適切に環境に関わるかという、より広い視点に立って施策を進める必要があると考えます。  また、施策を進めるに当たりましては、県民の皆さんの暮らしや事業者による経済・社会活動の在り方と一体的に考えていく必要があり、これは、環境が持続可能な経済・社会活動の基盤であるというSDGsに示された考え方にも合致するものと捉えております。  2点目、びわ湖の日の意味合い、意義等についてでございますが、びわ湖の日は、滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例施行の翌年──昭和56年7月1日に開催された県民討論会、身近な環境を考えるつどいでの提案により、7月1日をよみがえれ碧いびわ湖の日、通称びわ湖の日と定めたものでございます。  平成8年に制定いたしました滋賀県環境基本条例におきまして、改めて琵琶湖をはじめとする環境保全についての理解と認識を深め、環境保全に関する活動への参加意欲を高める日として明文化したところでございます。  びわ湖の日は、琵琶湖だけではなく、広く滋賀県全体の環境を守り、自然の恵みを生かすために、県民、事業者、行政をはじめ、滋賀県に関わる全ての人々が行動を起こすきっかけとなるような、本県を象徴する日であると認識しております。  3点目、山に感謝する視点についてでございますが、本県は琵琶湖を中心に森、川、里、湖とつながっており、琵琶湖を考える上では、その水源である山に感謝する視点は大変重要であると考えます。  このため、7月11日に開催する記念シンポジウムで全国植樹祭のPRコーナーを設けたり、今後実施予定の全国植樹祭カウントダウンイベントをびわ湖の日40周年関連イベントと位置づけるなどにより、琵琶湖の水源である山や森についても、より一層意識して発信を強化してまいりたいと存じます。  4点目、県民運動のような展開等につきまして、びわ湖の日につきましては、これまでにおいても、7月1日を中心に、県内各地で毎年10万人以上の方が、住民、企業、行政が一体となって琵琶湖を美しくする運動に参加されるなど、本県を代表する環境保全の取組となっており、大きな県民運動の一つであると認識しております。  びわ湖の日は単に琵琶湖の環境のみならず、CO2ネットゼロ社会や循環型社会の実現なども視野に入れ、食や農、観光や暮らしなど環境基本条例の前文に書かれている文化的環境も含めた広範な環境全体への周到な配慮と保全活動を展開することが重要と考えております。  そのためにも、庁内の部局連携はもちろんのこと、市町や事業者、大学、関係団体、下流域などとの連携をより深めて取組を進めていくことが重要でございます。  さらに、本年7月1日に策定されます琵琶湖版SDGsであるマザーレイクゴールズは、琵琶湖を切り口とした2030年の環境と経済・社会活動をつなぐ健全な循環の構築を目指すものであり、びわ湖の日の趣旨にも通じるものでございます。  びわ湖の日がより一層浸透し、滋賀の自然環境を守り、活かす活動が広がることで、真の県民の日となっていくものであると考えており、MLGsの普及啓発と併せて、びわ湖の日自体の認知度も向上させ、滋賀、琵琶湖といえば7月1日びわ湖の日と県民誰もが意識していただけるような状態を目指し、取組を進めてまいりたいと存じます。  5点目、マザーレイクゴールズの親しみやすい愛称についてでございますが、7月1日に策定予定のマザーレイクゴールズアジェンダ(案)におきまして、マザーレイクゴールズは、琵琶湖を切り口とした2030年の持続可能社会への目標と定義づけられており、その意味では、マザーレイクゴールズ自体がこの目標の愛称であるとも言えると考えております。  一方で、マザーレイクゴールズにはこの目標を端的に意味する言葉が含まれておらず、その中身が分かりにくいとの御指摘もいただいているところでございます。  このことから、アジェンダ(案)の中にも記載があり、議員にも御指摘いただきました琵琶湖版SDGsという呼び方につきましても、愛称として積極的に発信し、県民の皆さんをはじめ、多くの方々の御理解の促進につなげてまいりたいと存じます。  6点目、マザーレイクゴールズの効果、また今後の琵琶湖保全の推進等についてでございますが、マザーレイクゴールズの策定は、琵琶湖に関わる多様な主体が琵琶湖を守るための自発的かつ主体的な取組を通じて、SDGsをより自分事として捉えるとともに、琵琶湖を通じてSDGsをアクションにまで落とし込み、互いの活動の連携を加速させる効果が想定できるもの、また、CO2ネットゼロへの取組にもつながるものと考えているところでございます。  今後の琵琶湖保全の推進方針につきましては、マザーレイクゴールズの推進による多様な主体との連携を行いつつ、県におきましては、今年3月に策定いたしました第2期の琵琶湖保全再生計画に基づき、国の支援も求めながら、しっかりと財源を確保し、琵琶湖の保全再生に向けて着実に取り組んでまいりたいと存じます。  7点目、先進県ならではの本県の環境政策等についてでございますが、御質問のとおり、環境政策には、環境の保全や再生、創造といった様々な政策があり、それらを総合的に進めていくことが必要でございます。その方向性を示します第5次滋賀県環境総合計画の目標として掲げます環境と経済・社会活動をつなぐ健全な循環には2つの視点がございます。  1つは、森林資源や在来魚介類など、私たちの身近にある地域資源を地域社会の中で健全に利用する自立分散型の循環であり、もう1つは、こうした循環が、地域と県外や国際社会などの他の地域との間においても相互に支え合う関係が構築されている状態を指すというものでございます。  このような健全な循環は、日本農業遺産に認定された琵琶湖システムなど、自然の恵みを経済・社会活動において適切に活用すると同時に、環境への負荷を削減し、保全のための投資や活動などを行っていくことにより実現されるものと考えております。  また、びわ湖の日やマザーレイクゴールズの取組などに見られますように、県民、NPO、事業者、研究者などの多様な主体との協働を大切にしながら政策を進めております。  先頃、琵琶湖の知見を生かした国際協力の取組が日本水大賞国際貢献賞に選ばれたところでございますが、環境先進県としての取組を今後も評価していただけるよう、森、川、里、湖のつながりの中で、この環境、経済・社会活動をつなぐ健全な循環を実現することによって、持続可能な社会を目指してまいりたいと存じます。  大きな6項目め、CO2ネットゼロにつきまして、こちらは5点御質問いただきました。  まず1点目、条例、計画の見直しの考え方についてでございますが、脱炭素化に向けた世界的な潮流が加速化する中、本県といたしましては、昨年1月に“しがCO2ネットゼロ”ムーブメントのキックオフ宣言を行ったところでございます。また、国におきましても、昨年10月に2050年カーボンニュートラル宣言、本年4月には2030年の温室効果ガス削減目標を2013年度比で46%削減することを表明されたところでございます。  こうしたことを受けまして、2050年、県域からの温室効果ガス排出量実質ゼロを目指し、省エネ化や再エネ導入等を進め、そしてその取組を通じて地域の持続的な発展を実現し、より豊かな滋賀を次の世代に引き継ぐための指針として、条例および計画を策定しようとするものでございます。  あわせまして、CO2ネットゼロへの挑戦を成長の機会と捉え、その実現を通じた経済成長、地域活性化を図ってまいりたいと存じます。  2点目、ムーブメントとしての気運醸成についてでございますが、CO2ネットゼロを実現するためには、様々な主体と気運醸成を図る必要があると認識しております。条例改正におきましても、ムーブメントの創出を重要な柱と位置づける方向で検討しているところでございます。  具体的な気運醸成ということでは、昨年1月のキックオフ宣言以降、ムーブメントへの賛同者を募集いたしまして、今年5月末現在で約3万4,000人の賛同をいただいているところです。来年3月までに10万人の賛同を目指し、県主催イベントなどあらゆる機会を活用して、引き続きムーブメントへの賛同を呼びかけてまいる所存でございます。  特に、これからの社会の中核を担うネットゼロ世代とも言うべき若者の意識と行動が重要でありますことから、大学生等が参画いたしますワークショップをこの夏に開催し、学習教材を作成するほか、12月開催のシンポジウムでは、学生自身が成果を発表することも企画しているところでございます。  さらに、イベントを開催するに当たりまして、びわ湖・カーボンクレジットの活用を促進し、排出するCO2をオフセットする取組を展開していくなど、県民総ぐるみの運動として、ムーブメントによる気運醸成を図ってまいりたいと存じます。  3点目の重点的に取り組むべき施策の方向性についてでございますが、CO2ネットゼロの実現に向けましては、県民、企業、行政、各種団体などあらゆる主体が中長期的な将来像や目標を共有しつつ、省エネルギーの徹底や再生可能エネルギーの普及等に取り組んでいく必要があると考えます。  そうした中で、まず県が率先して取り組む必要もあると認識しており、具体的には、県有施設の省エネ化を徹底した上で、どうしても必要な電力を再エネで賄う、いわゆるRE100を目指すとともに、燃料電池車や電気自動車など、公用車の電動化の推進を検討してまいります。  県民の生活につきましては、省エネ行動やプラスチックごみ、食品廃棄物等の発生抑制、適切な消費行動等といったCO2ネットゼロ型ライフスタイルの徹底、住宅のネット・ゼロ・エネルギー・ハウス化、いわゆるZEH化の推進、次世代自動車の普及促進等を進めてまいります。  また、企業の経済活動につきましては、事業活動の省エネ化やCO2排出量の少ないエネルギーへの転換といったことに加えまして、事業所のネット・ゼロ・エネルギー・ビル化、いわゆるZEB化、さらには脱炭素化に伴う産業構造の転換を見据えた事業活動の再構築や、革新的なイノベーションの創出などを求めてまいりたいと存じます。  4点目のCO2ネットゼロ・ビジネスメッセなどの企画についてでございますが、平成10年から環境と経済の両立を基本理念に開催してきたびわ湖環境ビジネスメッセは、地方都市で開催される総合見本市として、出展企業の情報発信、販路拡大、情報交換など、環境関連産業の振興に大きく貢献してきたものと考えております。  出展企業数の減少等により、メッセを一旦休止して後継事業を検討する中で、大規模展示会という形ではなく、オープンイノベーション・ビジネスマッチングにより、新技術、新製品の開発、新ビジネス創出を支援することとし、イノベーションエコシステムイン滋賀を実施することといたしました。  今年度はCO2ネットゼロをはじめとする環境やエネルギーの取組をテーマに設定し、大手企業や大学から、省エネ、再エネ分野などで求めたい技術や提供できる技術について御提案をいただいているところでございます。  こうした取組を産業界と一体となって進めることにより、関連産業の振興によるグリーンな経済成長を実現するとともに、環境と経済・社会活動をつなぐ好循環を構築し、CO2ネットゼロを通じた経済成長を図ってまいりたいと存じます。  5点目、条例計画の見直しに当たっての原発に対する考え方についてでございますが、原発につきましては、原発の安全性に対する国民の不安感がいまだ払拭されておらず、使用済み核燃料の処理など、いわゆる原発の静脈につきましても未整備のままであること、また、全国的にも既設原発の老朽化や廃炉が進行しており、新設、リプレースの議論もなされていない状況であること、また3つ目といたしまして、事故が発生した場合の被害、影響が甚大であることなどから、中長期的に見て持続可能なエネルギーとは言えないと考えております。  議員も御紹介いただきましたが、現行の国の第5次エネルギー基本計画における2030年の電源構成では、原発比率は20から22%でございますが、直近の2019年度の実績では6%にとどまっており、国の想定どおりに原発が稼働していない状況もございます。  このように、今後の見通しや現在の原発の稼働状況等を踏まえますと、しがエネルギービジョンに掲げました原発に依存しない新しいエネルギー社会はほぼ現実のものとなっており、本県といたしましては、こうしたことを前提として、CO2ネットゼロ社会づくりを推進していく必要があると考えているところでございます。  続いて、美の魅力発信につきまして、こちらは6点御質問いただきました。  まず1点目、美術館を核とした滋賀の美の魅力発信についてでございますが、滋賀県立美術館を一昨日、6月27日に4年ぶりにオープンさせることができました。これまで県議会をはじめ関係の皆様に熱心に御議論、御支援いただいたおかげさまであり、まずもってお礼を申し上げたいと存じます。  今回の美術館のオープンは、本年3月に取りまとめました美の魅力発信プランのスタートに当たるものでございます。オープニングの展示は、これからの美術館が目指す姿を象徴する2つの企画を用意してございます。  1つ目は、滋賀にゆかりの新進気鋭の若手作家12人による新作の展示でございます。琵琶湖で漁に使われた漁網を活用した作品など、滋賀ならではの素材や文化と向き合った作品も多く展示をしております。2つ目は、重要文化財「桑実寺縁起絵巻」を軸に、所蔵作品を紹介する展示でございます。美術館のコレクションの魅力を改めて知っていただく機会にもなると存じます。  また、今回新たに外部の団体や施設との連携展示が可能なスペース──ラボを設け、オープニングでは成安造形大学の皆さんが地域の文化を紹介するマップを制作し、展示しております。  今後も、美術館と滋賀の美に関する交流や発信のプラットフォームである美の魅力発信推進室とが両輪となって、滋賀の美の魅力を様々な切り口で発信してまいりたいと存じます。  2点目のサポーターについてでございます。  これからの美術館を多くの皆さんと一緒につくり、活動を継続発展させていくための仕組みづくりが重要であると考え、今回の美術館のオープンに当たりましては、新たに個人や企業の皆様からの御寄附を募るサポーター制度を導入したところです。  寄附金額に応じて年間パスポートや従業員、家族の割引などの特典を用意しておりますほか、企業のお名前を冠して特定曜日の常設展示観覧を無料にする無料観覧デーサポーター、また、子供を対象とした創作体験講座を開催することを支援する次世代育成事業サポーターなどのメニューも用意しております。  寄附のほかにも、個人を対象として会員2,000人を目標とするメンバーシップ、いわゆる年間パスポート会員制度を新たに設けるなど、美術館が多くの皆さんから支えられ、より身近な存在として愛着を持っていただけることを目指してまいります。  こうしたサポーター制度やメンバーシップ制度の導入をきっかけといたしまして、美術館を支えていただく来館者や企業などとの関係がより深まり、新たな連携が生まれることも期待しているところでございます。  3点目の滋賀県全体が美術館という目標と観光の在り方についてでございますが、美術館の再開館を機に、滋賀ならではの文化やアートなどの美の資源に着目し、様々なテーマやストーリーでつないで発信することは、新たな観光、いわゆるニューツーリズムを確立し、地域の活性化にもつなげることができる大きな可能性があると考えているところです。  今年度新たに、県立施設や美術系ミュージアム間で情報共有や協議を行う場を設定いたしまして、ネットワークの構築を図り、来年度以降の連携による展示や事業の実現につなげていきたいと存じます。  また、美術館の展覧会のテーマに関連して、地域と連携する取組を進めたいと考えております。具体的な事例といたしまして、今年開催する野口謙蔵生誕120年展におきましては、東近江市および地元の博物館とも連携し、ゆかりの地をたどるモデルツアーや広報、イベントの共同実施などを予定しているところでございます。  さらに、今後は滋賀の美に関する統一的な広報、プロモーションを進める中で、びわこビジターズビューローなどの観光事業者、そして地域で様々な活動を行う団体等とも連携を深め、文化やアートをテーマとした周遊観光の提案を行うなど、さらなる事業展開につなげていきたいと存じます。  4点目、子供たちへの美術への意識を今後どう高めるのかということについてでございますが、美術に出会い、学び、楽しむ体験ができる機会の提供は、子供たちの健やかな成長にとって重要であり、美術館にとって欠かすことができない役割であると認識しております。こうしたことから、美術館では子供を対象とした取組を行っており、特にこの4年間の休館中におきましては、県内各地の小学校、中学校、特別支援学校に職員が出向き、美術鑑賞や創作体験の出前事業を数多く行ってまいりました。  再開館後は、これまでの取組をさらに発展させ、学校からの団体鑑賞の充実に向けた取組や、びわこ文化公園内での親子で参加できるアートやものづくり体験講座の定期的な開催、子供たちに美術の見方や楽しみ方を紹介する動画のホームページ上での公開などを進めております。  今後も引き続き、様々な年齢の多くの子供たちが美術との出会いを通じて意識を高め、創造性を育むことができる機会を提供できるよう、事業の充実に努めてまいりたいと存じます。  5点目、アクセスの向上についてです。  公共交通によるアクセスの向上につきましては、これまでから案内表示が分かりにくい等の御意見もいただいており、昨年度から、JR西日本や大津市の御協力により、瀬田駅の構内、ロータリー周辺、そして、びわこ文化公園におきましても、看板の新設や更新などの改善を行ってきたところでございます。  また、美術館のオープンに合わせまして、瀬田駅からの路線バスを運行する帝産湖南交通株式会社の御協力により、びわこ文化公園内に県立図書館・美術館前のバス停が新設されることになり、美術館までのルートが分かりやすく、また歩行距離も短縮されることになりました。  これを機に、来館者に対しまして公共交通の利用を呼びかけることで利用者増を図るとともに、さらなるアクセスの向上に向けて、交通事業者等への働きかけも強めてまいりたいと存じます。  6点目、びわこ文化公園都市将来ビジョンについてでございますが、5つの将来像の実現を支える取組といたしまして、区域内に立地する23施設で構成いたします施設連携協議会を設置し、各施設のイベント情報の共有や夏休み期間中の子ども探検隊の実施など、施設間の連携の取組を行ってまいりました。  また、区域内に立地いたします滋賀医科大学、龍谷大学、立命館大学や、地元の大津市、草津市と共に地域共創の取組を進めており、今後、ビジョンのいのちと健康を支える場の実現の取組といたしまして、びわこ文化公園都市をからだとこころの健康づくりの研究や実証のフィールドとしていくことなどを提案していきたいと考えております。  さらに、美術館のリニューアルや滋賀アリーナのオープンを好機と捉え、各立地施設や地元市、大学等との連携をさらに深め、先ほど申し上げた美術館のアートやものづくりの体験講座などのにぎわい創出や地域共創の取組等を通じて、ビジョンに掲げる5つの将来像の実現を目指してまいりたいと存じます。  また、ビジョン策定から10年が経過することや、びわこ文化公園都市を取り巻く状況も変わってきておりますことから、交通アクセスの向上や情報発信の強化なども含め、来年度を目途にビジョンの見直しを行ってまいる所存でございます。  大きな8項目め、滋賀の水田農業の振興につきまして、こちらは6点の御質問をいただきました。  まず1点目、国の新たな土地改良長期計画についてでございますが、琵琶湖総合開発により大きく進捗した本県の生産基盤は、整備後40年以上が経過いたしまして、老朽化が進行し、突発事故が頻発しております。一方、高収益作物への転換や省力化を図るスマート農業の導入等が重要となっております。  さらに、農村の都市化の進展や自然災害リスクが高まる中、農業用ため池等の防災・減災対策が喫緊の課題となっております。  農村振興の分野におきましても、人を呼び込み、多様な人が住み続けられる滋賀らしい農村づくりを進めることが重要となっております。  このような本県の課題等を解決するため、国においての長期計画が策定された機を捉え、本県といたしましても、これまで以上に積極的に取組を進めてまいりたいと存じます。  2点目、近江米の流通状況、今後の需給バランス等についてでございますが、令和2年産米は業務用米の需要が低迷し、民間在庫が4月末時点で前年比プラス27万トンと高い水準となっておりますことから、全国的に米価が下がっており、近江米の主力品種におきましても、前年産に比べ約600から700円安くなっているとのことでございます。  また、長期的には毎年10万トン規模で消費が減少するとされておりますことから、近江米の需要拡大と需要に応じた生産が喫緊の課題と考えております。このため、近江米振興協会を中心に関係団体と連携いたしまして、みずかがみや環境こだわり米など特色ある米づくりを進めるとともに、私自身も先頭に立ちながら、販売促進活動に力を入れているところでございます。  さらに、本年度から県や市町の農業再生協議会が本県産米などの需要動向を示し、農業者自らが需要を重視した作物生産を進める仕組みづくりを進めているところでございます。このような取組を通じて、需給バランスの取れた近江米づくりをしっかりと進めてまいりたいと存じます。  3点目の本県の具体的な産地収益力の強化方針等についてでございますが、まず第1には、主力の近江米について、品質向上と特色ある米づくりに取り組み、需要の維持確保に努めるとともに、主食用米以外の作物の本格的な導入を進める必要がございます。  具体的には、既に本県が全国有数の産地となっております麦や大豆に加えまして、業務用野菜や果樹など高収益作物の産地育成に取り組んでいるところです。これらの作物はいずれも畑作物でありますため、水田を畑として効率的に管理ができる団地化を基本に、スマート農業等の革新技術の導入などを進め、品質と収量を高めるとともに、コスト低減を図ってまいります。  こうした取組を効果的に支えるためには、何よりも農業基盤整備が重要です。具体的には、暗渠排水による水田の排水条件の改善、担い手への集積、集約化に向けた水田の大区画化、遠隔操作で管理を省力化するICT水管理や自動走行田植機などの導入を可能とする基盤整備等を進めていきたいと考えております。  4点目、中山間地域の農村の振興方針についてでございますが、中山間地域の農村の振興に向けましては、中山間地域等直接支払制度などを活用いたしまして、集落機能を強化しながら農業生産が継続されるよう支援を行ってきたところでございますが、中山間地域を取り巻く情勢は一段と厳しさを増しております。  このため、引き続き、自動草刈り機など省力化に向けたスマート農業の導入、それを可能とする畦畔法面や緩傾斜化などの生産基盤の整備、地域の特性を生かした農産物の生産販売の強化を図るとともに、あらゆる努力を払ってもなお農地としての管理が難しいところは、鳥獣害の緩衝帯など手間のかからない粗放的な管理を取り入れるなど、中山間地ならではの農業の振興を図ることが重要であると考えております。  また、山の健康は山と周辺農村を一体とした形で活性化策を講じる必要があり、農山村ニューツーリズム推進事業や「やまの健康」推進事業などにより、滋賀の農村の持つ価値や魅力を生かし、より積極的に人を呼び込む施策を展開してまいりたいと存じます。  5点目、JAグループへの期待でございますが、農業農村の持つ多面的機能の維持向上のためには、農村地域に人が住まい、農業生産が続けられることが重要であると考えております。  JAグループには、これまで以上に組合員に寄り添った形で技術面、経営面の強化や集落の活性化に向けた支援に加えまして、JAしが女性協議会の地域に根差した活動でありますとか、JAグループのネットワークを生かした販売面での取組等について期待しているところでございます。  6点目、これからの水田農業推進についてでございますが、県内各地で新たな時代に対応した圃場整備を計画されております。とりわけ東近江市におきましては、約700ヘクタールの農地を対象に、県内初となる大規模圃場整備の地区調査を国が開始されたところでございます。  具体的には、農地の集積・集約化の促進、高収益作物の導入、さらにスマート農業等による省力化を目指し、圃場の大区画化や排水条件の改善、自動給水栓等ICT技術を活用した基盤整備を検討されていると伺っております。  また、この検討に先立ちまして、地域が一体となった営農体系の構築を目指して、集落営農法人の連絡協議会や地域内の農産物の流通販売を担う地域商社が設立されるなど、生産と流通が一体となった本県の次世代農業のモデルになるものであり、こうした取組をモデルといたしまして、県内に広げてまいりたいと存じます。  大きな9項目め、防災・減災事業の推進について、こちらは6点御質問いただきました。  まず1点目、今年度の国土交通省からの公共事業に係る国庫補助事業費についてでございますが、配分いただいた事業費は、令和2年度に前倒しされた防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の初年度分を含めますと約639億円で、前年度に対して約1.4倍、200億円近くの大幅な増額となっております。このように多額の事業費を頂いたことは大変ありがたい結果でございまして、議員の皆様をはじめ、関係の方々の御支援のたまものと感謝申し上げたいと存じます。  頂いた予算を着実に執行し、事業効果を早期に発現できるよう、防災・減災、国土強靱化をはじめとする社会資本整備に一層取り組んでまいりたいと存じます。  2点目、建設業界の工事の受入れ体制等についてでございますが、工事の受入れ体制につきまして、県発注の入札における不調、不落の発生率を見ますと、今年度の5月末時点で約4%でございまして、5ないし6%程度でございましたここ二、三年と比較いたしまして特に懸念する状況にはなく、業界団体からも受注体制を確保するとの御意向を伺っているとのことでございます。  受注環境の整備といたしましては、より多くの企業が入札に参加していただけるよう、債務負担行為の活用により施工時期の平準化に努めますほか、施工実績や主たる営業所の所在地を評価しない総合評価方式の適用範囲の拡大など、入札制度の改善に取り組んでいるところでございます。  引き続き、受注状況を注視し、業界団体の御意見も伺いながら、受注されやすい環境整備に努めてまいります。  3点目、土木交通部の執行体制についてでございますが、今年度は多額の予算執行となりますため、人員体制を充実させるとともに、職員の負担軽減や事務の平準化を図ることが必要だと認識しております。このため、人員体制につきましては、任期付職員や特別募集による職員の採用も含め、前年比14名増の644名に強化したところでございます。  職員の負担軽減につきましては、設計積算および監督業務のアウトソーシングのさらなる活用や、タブレット端末を用いた遠隔での現場確認の本格導入などを行ってきたところでございます。  事務の平準化につきましては、債務負担行為を積極的に活用し、発注時期の分散を図るとともに、必要に応じて他の所属からの応援や業務の他所属への振替を行うなど、現場の土木事務所等の状況を踏まえ、機動的な応援体制を構築しているところでございます。  今後も、事業量に応じた体制を整えるとともに、職員の負担軽減や事務の平準化の取組をさらに進めることにより、計画的な予算執行に努めてまいりたいと存じます。  4点目、淀川水系河川整備計画の主な変更点のポイントとその受止めについてでございますが、変更点の主なポイントは3点あると考えております。  1点目は、流域のあらゆる関係者が協働して取り組む流域治水を推進するとされたことであり、流域における雨水貯留対策の強化や水防災に対応したまちづくりとの連携など、滋賀の流域治水の一層の推進につながるものと考えております。  2点目は、琵琶湖の保全及び再生に関する法律を踏まえ、関係機関と連携の下取り組むとされたことであり、水陸移行帯の形成や侵略的外来水生植物の防除など、琵琶湖を健全で恵み豊かな湖として保全再生を図る取組が一層推進されるものと考えております。
     3点目は、大戸川ダムについて、環境影響をできる限り回避、低減するための環境調査を含め、必要な調査等を行った上で、本体工事を実施するとされたことであり、これまでから早期整備を要望してきた本県にとって、その実現が確かなものになると考えております。  こうしたことから、今回示された変更案につきましては、総合的に見て同意すべきものと受け止めているところでございます。  5点目、市町長からの意見とその反映についてでございますが、県内19市町のうち、18市町は意見なしや同意するなど変更案を肯定されるものであり、そのうち7つの市町は、大戸川ダムの早期整備や瀬田川洗堰の全閉解消に向けた取組などの要望を付されておりました。1つの市からは、大戸川ダムの早期着手や瀬田川鹿跳渓谷の改修などを求める御意見がございましたが、これらの意見は、いずれも変更案に即して具体の内容の推進を求めるものであったと捉えております。  本県といたしましては、こうした市町の御意見も踏まえ変更案に同意することとし、あわせて、市町の御要望については、国に求める特段の配慮事項に反映させることとしたところでございます。  6点目、大戸川ダム推進に当たっての決意についてでございますが、大戸川ダムにつきましては、平成30年度に実施いたしました県の勉強会において、これまでに経験した洪水や計画規模を超える洪水に対しても治水効果があることを確認したことから、平成31年4月に当該ダムの早期整備を求める考えを表明し、国への要望や関係府県との調整などに力を尽くしているところでございます。  また、ダム計画により、住み慣れた土地を手放すという大きな犠牲を払っていただいた皆様方、出水のために御心配されている沿川の皆様方には、これまで大変な御心労をおかけしているものと深く思いをいたすところでございます。  近年頻発している豪雨災害や今後の気候変動に伴う豪雨の激甚化、頻発化を踏まえれば、県民の皆様方の生命および財産をお守りする立場から大戸川ダムの必要性を強く認識しており、今まで御苦労されてきた皆様のダム早期着工への思いも受け止め、変更案に同意し、一日も早くダム本体工事に着手されるよう一層取り組んでまいりたいと存じます。  あわせまして、ハード対策はその効果に限界があることも事実であり、整備が完了するまでの間や整備完了後も含め、避難体制の充実や安全な住まい方への誘導など、ソフト対策についてもしっかりと進めてまいりたいと存じます。  最後の項目、これからの県立高校の在り方について、こちらは9点のうち、私には3点ございました。  1点目、県立、私立それぞれの高校の位置づけについてでございますが、県立高校はこれまでから本県の中学校卒業者の多くが学んでおり、普通科、総合学科、工業、農業、商業の専門学科や定時制、通信制などの多様な学びを県内全域で提供する役割を担っております。また、私立高校は、それぞれの建学の精神に基づき多彩な修学の機会を提供し、特色ある教育を実施されております。  ほとんどの生徒が高校等へ進学する状況にある中、本県の公教育として、多様な高校生のニーズに応える役割を県立高校と私立高校がともに担っていると考えております。  2点目の進学生徒数の比率の最近の傾向と生徒の高校に対するニーズについてでございますが、令和2年度中学校等卒業後の進路状況調査の結果では、高校進学者1万3,421人のうち、県内進学者は1万2,313人で比率は91.7%、県外進学者は1,108人で8.3%となっております。また、県内進学者のうち公立進学者は9,702人で78.8%、私立進学者は2,611人で21.2%となっております。県内進学者は90%以上を維持しておりますものの減少傾向にございまして、県内で見ると私立進学者が増加傾向にあります。  近年、県内私立高校の学科等の充実、広域通信制高校の拡大、私立高校の授業料実質無償化などにより、生徒の高校選択が多様化しており、多くの生徒が進学する県立高校に対しても、魅力化、特色化が求められていると認識しております。  3点目、滋賀県の魅力ある学びやを創造するにふさわしい県の体制についてでございますが、御質問にございました高等専門学校につきましては、これから設置に向けた企画検討の段階でございまして、総合企画部所管とさせていただいております。  県立高校、私立高校の所管につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき、学校の管理権限の違いがありますことから、各学校に対して、より効果的、効率的な取組ができるよう、現在の体制としているところです。  それぞれの所管が縦割りになることなく、相互に横連携しながら、滋賀の学びをより魅力的にしていくことが大切であると考えます。そのため、人づくりの根幹ともいえる教育の充実に向けましては、現在の体制を維持しながら、さらなる連携強化を図ってまいりたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)私にいただきました、これからの県立高校についての6点の質問にお答えをいたします。  まず、1点目の全県一区を進めてきたことに対する考え方等についてでございますが、平成18年度入学者選抜から導入しております県立普通科高等学校通学区域全県一区制度につきましては、平成28年度に制度の検証を実施し、中学生と高校生と、その保護者の皆様の9割以上が制度を肯定していただいておりますことから、制度を継続いたしております。  現在、この制度の下、特色ある高校づくりを進め、多様な制度のニーズに対応し、生徒自身が自分に合った高校を主体的に選択できる環境づくりに取り組んでおります。  例えば、虎姫高校では、グローバル社会で活躍する人材育成に向け、令和2年度から国際バカロレアの認定校として特色ある教育を進めており、県内各地から入学者を集めております。一方で、生徒数の減少により高校の規模が小さくなっている地域では、地域の高校の活力低下等を心配するお声もいただいていると認識をいたしております。  滋賀県立高等学校在り方検討委員会におきましては、「制度的に生徒を居住地にとどめるのではなく、選ばれる学校づくりを地域の自治体も関わっていただいて進めることが大事」といった議論がなされているところでございます。こうした議論を踏まえまして、地域との連携や地域の活性化という視点を大切にしながら、県立高校の魅力化について検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の県立高校の普通科の特色化についてでございますが、本県には、県立全日制高校44校のうち普通科は29校あり、それぞれが工夫した教育をしておりまして、その中で、例えば、先ほども申し上げました虎姫高校の国際バカロレア、愛知高校の音楽コース、石部高校の福祉健康コース、彦根東高校のスーパーサイエンスコースなど、特色あるコース設置等を行っているところでございます。  一方で、在り方検討委員会での議論では、中学生や保護者の皆さんにとって普通科の特徴が分かりにくく、特色ある学校づくりと、その見える化が必要であるとされたところでございます。  また、国におきましては、令和3年1月の中央教育審議会の答申を踏まえまして、高等学校の普通教育を主とする学科の弾力化として、学際領域に関する学科や地域社会に関する学科等の設置が可能とされたところでございます。  こうしたことから、県立の普通科高校におきましては、社会の変化や制度の多様な実態を踏まえ、新たな学科やコースも含め、特色ある学校づくりの検討を進めますとともに、中学生や保護者等に対して分かりやすい情報発信に努めてまいりたいと考えております。  3点目の高等専門学校の在り方についてでございますが、現在、滋賀県産業教育審議会において、これからの産業教育の在り方について御議論をいただいているところでございます。  その中で、社会の変化に対応した県立高校の産業教育においては、技術者となる人材を育てる視点が重要であり、基礎的な学びを大切にしながら、最先端の技術や知識に触れる機会の充実が必要とされているところでございます。  一方、高等専門学校は、中学校を卒業した生徒が早い段階からの5年一貫教育により、技術者に必要な豊かな教養と、より高度な専門知識を身につける特色ある教育機関であり、中学生にとって大切な進路の一つであると認識をいたしております。  これまでから県内企業に多くの就職者を送り出している県立高校に加えまして、より専門的な技術力を持つ高等専門学校が設置されることとなれば、滋賀の子供たちの学びの選択肢の広がりにつながるものと期待しているところでございます。  次に、4点目の教員が能力を十分に発揮し、やりがいを持って働くことができる体制と環境づくりについてでございますが、在り方検討委員会におきましては、多様な生徒の学びの充実や魅力と活力ある学校づくりを支える環境整備として、自ら学び続ける教員の育成と、持続可能な推進体制の構築が必要との議論がされているところでございます。  高校教育の充実のためには、教育者としての使命感と責任感を持ち、専門的指導力のある人材の確保とともに、教員の授業力や生徒指導力等の資質、能力の向上を目指す研修の充実が重要であると考えております。  また、教員が授業準備や生徒と向き合う時間を確保し、健康で生き生きと働き続けることができるよう、ICTの活用やサポート人材の配置など、引き続き働き方改革の推進に取り組む必要があると考えております。  5点目の地元自治体や企業等との連携協働についてでありますが、これまでから、県立高校では市町や企業等と連携した様々な活動が行われており、生徒の社会性の醸成や地域社会からの実践的な学び、自らの進路を考える機会の提供などの面から、大変重要な活動と認識をいたしております。  例えば、在り方検討委員会において現地視察いただいた愛知高校では、愛荘町商工会と協定を結び、3年生全員の就業体験を実施されており、また、守山北高校では地域との連携を学校の特色として打ち出し、近隣福祉施設でのフィールドワークや地元自治会の行事への参画等に取り組み、生徒が地域社会から学び成長できております。  また、今年度から彦根工業高校が文部科学省の地域や産業界と連携したマイスター・ハイスクール事業の指定校となり、彦根市、彦根商工会議所、滋賀県立大学等とともに、持続可能な技術人材の育成に取り組むこととしているところであります。  こうした地域の教育資源を活用した自治体や企業等との連携協働の取組は、生徒の生きる力を育むとともに地域の活性化にもつながりますことから、積極的に推進してまいりたいと考えております。  最後、6点目の個別の県立高校の魅力化をどのように進めていくのかについてでありますが、今後、在り方検討委員会の答申を踏まえまして、(仮称)これからの滋賀の県立高等学校の在り方に関する基本方針を、令和3年度、本年度末までに策定をいたします。  次に、その基本方針に基づき、令和4年度以降、教育委員会が各県立高校の役割や特色を踏まえ、地域ごとに多様な選択肢を提供するという考えの下、全県的視野から各校の魅力化の方向性の案を提示していく予定をいたしております。  そして、それを基に市町の意見もしっかりと伺った上で、魅力化プランを作成し、その後、具体的な個別の各県立学校の実施計画の策定につなげてまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(富田博明) しばらく休憩いたします。   午後0時19分 休憩   ────────────────   午後1時1分 開議 ○議長(富田博明) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、43番今江政彦議員の発言を許します。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇、拍手)それでは、チームしが 県議団を代表して、9点にわたって質問をさせていただきます。  質問の冒頭に当たりまして、何点か所感を申し上げたいというふうに思います。  まずは、新型コロナウイルス感染拡大の収束が見えない中で、三日月知事をはじめ県職員の皆さんにおかれましては、昼夜分かたず御尽力いただいていることに心から感謝を表します。また、医療関係者やエッセンシャルワーカーと言われる皆さん、そして市町の皆さんなど、コロナウイルス対策の最前線で御活躍いただいている皆さんに、改めて心からエールを送りたいというふうに思います。  そして、県内では今日時点で90名の方がお亡くなりになられ、94名の方が現在も療養をされておられます。お亡くなりになられました方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、療養中の皆さんにおかれましては、一日も早い御回復を願っております。  多くの皆さんが期待をしておられますワクチン接種が、医療関係者や市町の皆さんの御尽力によりまして医療従事者から高齢者へと進んでおりまして、今月21日からは企業など職域ごとのワクチン接種も始まりました。  ワクチン接種を希望する県民の皆さんに一日も早く接種を終え、安心して生活できる環境が整うことを願うものでありますが、一方、持病や副反応を心配して接種を迷っておられる方もおいでになります。接種の強要あるいは接種を受けていない方に差別的な対応がなされないよう、国や自治体はしっかり啓発をしていただきたいというふうに思います。  この国難とも言える新型コロナウイルス感染拡大を防止するためには、医療、検査体制の充実や、県民、事業者への生活支援が重要なのはもちろんのことでありますが、全ての国民の皆さんがお互いに理解をし合い、そして支え合い、助け合うという意識を持つことが重要だというふうに思います。  次々と変異株が現れ、不安やストレスも増大している状況ですが、コロナ禍においても人権がしっかり守られる社会を、共に目指していきたいというふうに思います。  また、4月に新しく就任された江島副知事におかれましては、長年の経験を生かしながら、この未曽有の状況の中で、共に人権を大切にする滋賀県を目指して頑張っていきたいというふうに思いますので、御活躍を期待しているところでございます。  さて、通常国会が去る16日に閉会をいたしました。新型コロナ対策や、果たして東京五輪・パラリンピックの安全な開催ができるのかなど、国会で議論すべき課題が山積をする中で、野党の国会会期延長の要求に応えることなく、150日で国会を閉じた政府与党に対しまして、国民の皆さんの不安はますます大きくなっているというふうに思います。  加えて、会期末に採決をされました重要施設周辺及び国境離島等における土地等の調査及び利用の規制等に関する法律案、いわゆる土地規制法については、私権や自由な市民運動が制限されるというおそれがあり、日弁連や多くの市民団体が廃案を求める中での成立となりました。  国会審議の中でも議論されましたが、具体的な規制などが法律にうたわれておらず、多くが政令などに委ねられていることから、理由によっては憲法で定める基本的人権が侵害される可能性があり、この点に課題があると言えます。  土地規制法により、政府が地方自治体の長などに広範な個人情報の提供を求めることができることとなっておりまして、地方自治体も無関心、無関係ではいられません。今後どのような規制が行われていくのか、法律の運用を注視する必要があると考えます。私たち国民の基本的人権が侵害されるようなことがあってはならないというふうに思います。  このような憲法あるいは平和、人権に対する課題に常に情熱を持って取り組んでおられた元県議の沢田享子さんが先月お亡くなりになりました。沢田享子さんは、2015年4月に退任されるまで、大津市議を2期、そして滋賀県議を6期務められ、私たちチームしが 県議団の創設時のメンバーでもありました。教育問題をはじめ多くの県政の重要課題に取り組まれるとともに、元教員らしく、子供たちに話しかけるような優しい語り口で質問されていた姿が今も忘れられません。  また、生涯にわたって公害問題などの様々な社会問題にも熱心に取り組まれ、お亡くなりになる直前には、病を押して、水俣病が発生した熊本県水俣市を訪問されたとお聞きをしております。まだまだ御活躍をいただき、私たちに様々な御指導をいただけるものと思っておりましたのに残念でなりません。改めて、その御功績に敬意を表しますとともに、心から御冥福をお祈りいたします。  奇しくも、本日6月29日は沢田享子さんと私の誕生日であります。私はとても沢田享子さんの御功績の足元にも及びませんが、今日、こうして記念すべき日に会派の代表質問に立たさせていただけることに感謝をしつつ、以下、発言通告に従い、知事ならびに教育長に質問いたします。御答弁よろしくお願をいたします。  まず初めに、高等教育の在り方について、知事に伺います。  高等専門人材育成機関の大きな候補であります高等専門学校は、以下高専と言いますが、幾度となくこれまで議会で取り上げられてきました。その内容は、おおむね本年度、学識経験者や経済界の皆さんの意見を聞きながら、方向性を見極めるというものでありました。  そもそも、この高専の必要性については知事の1期目の政策提案集に掲載されており、政策提案集の策定の際にも、私どももその議論に参加をしてきた経緯があります。  さらに、我が会派は京都大学名誉教授の吉川暹先生や元文部科学大臣の川端達夫先生からもサジェスチョンを受けておりまして、特に吉川暹先生からは、「滋賀県は多くの企業が本社、研究機関、工場を構え、日本有数の産業拠点になっているにもかかわらず、その利点を生かし切れていないのは現代の教育制度の抱える弱点である。滋賀に高等専門学校が存在すれば、隣接する京都、大阪、愛知の創造性を吸収しながら、革新的高度技術者を養成、育成できる」と言われています。  また、技術者教育として、高校と大学の連続性に多くの課題がある中で、高等専門学校は我が国で高大一貫の教育を実践する唯一のシステムであるというふうな助言をいただいているところでもあります。  また、会派の団体政調の場合におきましても、経済関係団体からも再三要望を受けてきました。それらの経緯を受けまして、これまで機会あるごとに知事に早期検討を促してきたところであります。  それに対して知事は、庁内検討会の結果を受けて、高等学校専門人材の定義づけを行うとともに、県内企業との意見交換やアンケート等を踏まえて、高専に絞り込んで検討を行うことを確認、中間まとめ2020を取りまとめて、令和3年度、有識者による懇話会を設置することとされました。チームしが 県議団として知事の前向きな姿勢を評価するとともに、一日も早い設立を熱望するものであります。  そこで改めて、高専の設立の趣旨と、とりわけポストコロナ、気候変動、そして人口減少の中で、どのような専門人材を育成されようとしているのか伺います。  去る6月24日、令和の時代の滋賀の高専設置に向けた第1回懇話会が開催をされ、いよいよ高専設置に向けて議論が本格的にスタートしたと受け止めています。懇話会の中では、有識者の方からのプレゼンテーションや意見交換がなされたと聞いておりますが、第1回懇話会の概要について伺います。  次に、先日の総務・企画・公室常任委員会で、専門コンサルタントが選定されたとお聞きをいたしました。そこで、よくありがちなコンサルタント会社に丸投げではなく、滋賀県が主導し、世界からも求められる人材育成を目指したものにしなければならないというふうに考えます。コンサルタント会社にどのような提言と戦略立案を求められていくのか伺います。  次に、設立に伴う財源確保についてでありますが、県立、公設民営、地元企業との共同運営などが考えられますが、知事は私の質問に対して、「新たな機関の設置となると財政面を含めて様々な課題がある。教育委員会における高等学校の職業学科の在り方などの検討とも十分連携、県内の企業や経済界、また大学等の意見や国の助言や支援も求め、しっかりと検討したい」と答弁をされました。  我が会派としては、今後の財源確保のため、例えば、(仮称)高等専門学校の創設基金をつくることも考えていくべきだと思います。構想骨子をつくる上では財源確保の一定の方向性が必要と考えますが、所見を伺います。  次に、今後のスケジュールについてでありますが、令和3年度の具体的内容も含めて、開校までのスケジュールについて伺います。  最後に、ICTあるいはAIという技術が大きく進展をしています。そのための次世代の人材を育成するという観点からいえば、高等専門人材育成機関の新設のため、早期の着手が必要であり、スピード感を持って進めていくことが重要であります。できる限り前倒しをしていくべきと考えますが、高専の早期設立に向けた知事の決意を伺い、次の質問に移ります。  次に、“しがCO2ネットゼロ”の取組について、知事に伺います。  地球温暖化は気候変動をもたらし、各地で毎年のように過去最高気温を塗り替えています。滋賀県においても、僅か半世紀前には35℃以上の猛暑日は多い年でも僅かに3日か4日でありましたが、近年では10日を超えることも珍しくありません。もはや災害と言われた暑さの2018年には、猛暑日は22日を記録をいたしました。  台風の大型化や豪雨など自然災害は頻発、激甚化の一途をたどり、水環境や生態系にも深刻な悪影響を及ぼしております。地球温暖化が人類最大の共通課題であることを実感いたしております。  一方で、地球温暖化の原因である温室効果ガス削減の取組は世界各国で進んできています。滋賀県においても、令和2年1月、知事が2050年“しがCO2ネットゼロ”のキックオフ宣言を行いました。そして、国では菅総理が今年4月、2030年に温室効果ガスを46%減とする目標を国際的な気候変動サミットの場で宣言をしています。  知事のキックオフ宣言から1年余り、県では今年度より、“しがCO2ネットゼロ”に向けた施策の取組のため、組織改編がなされました。地球温暖化、気候変動に対する緩和策、適応策は県行政の多くの部署に関係し、それぞれに目標を設定し取り組まれております。その中で、部局横断的な総合的牽引役として期待をするところであります。  今年度、新しく総合企画部に設置をされたCO2ネットゼロ推進課が果たすべき役割について、どのように考えているのか伺います。  地球温暖化の原因である温室効果ガス削減につながる緩和策を進めていくためには、社会全体で取り組んでいくことが重要であり、不可欠であります。知事の宣言ではムーブメントと表現をされていますが、一刻も早く実効性のあるものにされなければなりません。また、県行政も一事業者として、各庁舎や学校、病院や警察署などの取組を率先して進めるべきであります。  本県における二酸化炭素排出量の特徴としては、産業部門が全体の半分近くを占めております。また、家庭部門、業務部門は増加傾向にあります。二酸化炭素排出量削減を目指す上で、それぞれの主体が積極的に緩和策を進めていかなければなりません。その誘導こそが県の役割であると考えますが、どのようにして滋賀県の産業、業務、家庭、運輸の各部門の排出削減を進めようとしているのか、考えを伺います。  国では2018年、地球温暖化による被害の軽減を進めるために気候変動適応法が制定をされ、適応策の推進に関する役割が明確にされました。都道府県には、それぞれの区域におけるあらゆる活動状況に応じた気候変動適応の施策を推進すること、事業者等の活動促進を図るため情報の提供を講ずることが求められています。また、県独自の気候変動適応計画を策定することが努力義務とされました。  本県では2019年度から2年間に、気候変動適応推進懇話会において影響情報の収集や意見交換が行われ、取りまとめられてきています。気候変動適応法を受けて、つくろうとしている本県計画のポイントについての考えを伺います。  今回、滋賀県低炭素社会づくり推進計画としがエネルギービジョンが一本化されて、(仮称)滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進計画として改定をされようとしています。現在、原子力発電由来の電力は、再稼働や老朽化問題などで2019年度においては約6%になっていますが、原発は2011年の事故によって重大かつ深刻な被害をもたらし、今もなお多くの方が故郷を追われ、避難を余儀なくされています。  2050年CO2ネットゼロ、いわゆる脱炭素化を進めるに当たってエネルギー政策は重要な位置を占めますが、原発に依存せずに、再生可能エネルギーを倍増させて、主力電源への転換を推し進めていかなければならないというふうに考えます。  2011年震災時の原発事故後も、自民党政権は原発を重要なベースロード電源と位置づけてきました。そして、昨年12月に経産省が策定をしたグリーン成長戦略では、原子力発電を確立した脱炭素技術、依存度を低減しつつも最大限活用していくとしています。ややもすれば、国は二酸化炭素排出量削減を理由に、原発政策の推進につなぎかねない危険性がかいま見えるわけであります。  一方、滋賀県では、2016年に策定をされましたしがエネルギービジョンにおいて、その基本理念に「原発に依存しない新しい社会の実現に向けて」を掲げてきました。今回策定の(仮称)滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進計画においても、原発に依存せず、持続可能な新しいエネルギー社会を目指すとしたしがエネルギービジョンの精神は、決して揺らいではならないと考えます。滋賀県が原発に依存しない新しいエネルギー社会の早期実現と2050年CO2ネットゼロの実現を同時に進めていくことについての考えを伺い、次の質問に移ります。  次に、県立美術館のこれからについて、知事に伺います。  平成29年4月からのリニューアル整備のため、長期休館をしていました県立近代美術館が、一昨日、県立美術館としてリニューアルし、約4年ぶりにオープンをしました。館長には、東京国立近代美術館から保坂健二朗氏に今年1月に御就任いただき、オープンに向けて、関係者と共に御尽力いただきましたことに敬意を表したいというふうに思います。私もオープン前日に行われた内覧会に出席をさせていただき、生まれ変わった県立美術館に、改めて大きな期待を抱いたところであります。  振り返りますと、もともとリニューアルに当たっては、近代美術館の施設設備の狭隘化や老朽化、平成20年から休館中の琵琶湖文化館の機能継承が必要であったことから、神と仏の美、アール・ブリュット、近代・現代美術という滋賀を代表する3つの美を一体的に表現する美の滋賀の拠点となる新生美術館としての施設整備を目指しまして、平成25年12月に策定された新生美術館基本計画に基づき、施設の増築・改修や機能の充実をはじめとした整備の準備が進められておりました。  しかし、平成29年8月、美術館本体工事が入札不落となったことから、有識者や関係者の皆様からの御意見を基に設計の見直しを検討するも、東京オリンピック・パラリンピックを控え建設単価の高止まりが想定をされる中、三日月知事は、施設整備費の上限である47億円以内に収めることができないことから、新生美術館プロジェクトにつきまして、一旦立ち止まるとの判断をされました。  その後、近代美術館については、経年劣化や陳腐化が進んだ展示室や設備等を、現在の美術館に求められる水準に更新する等の老朽化対策、およびキッズスペース、授乳室、多目的室等の整備を実施し、早期の再開館を目指すとされました。休館中の琵琶湖文化館については、琵琶湖文化館機能継承方針を踏まえて、現在、仮称の新・琵琶湖文化館基本計画が策定されたところであります。  また、昨年度には、令和3年度から7年度までの5年間を計画期間とした本県の美の魅力発信に関する全体計画として、美の魅力発信プランが策定をされました。多様で豊かな美の魅力が各地域に満ちあふれている滋賀県全体をあたかも一つの美術館のように感じていただけるよう、美の魅力にあふれる滋賀をみんなの美術館にというコンセプトの下、多くの方々の共感、参画を得ながら、美の魅力発信に取り組んでいくとされています。  その中心的役割となる県立美術館は、かわる、かかわるをコンセプトにいたしまして、滋賀を中心に、障害のあるなしに関係なく、またジェンダーバランスにも留意をしながら、アートって人間にとって何だろうかという問いを考えたくなるような展示を実施するとともに、これまで以上にユニークなコレクションをつくり上げていくとされています。  また、滋賀って面白いと皆が言いたくなるように、県内の個人や企業や団体の協力を得ながら、地域の多様な魅力をリサーチして、広く発信するとされています。  知事は、創造──Creation、問いかけ──Ask、地域──Local、学び──Learningの4つを軸とした新たな県立美術館を御覧になられ、アートを通じて何を感じ取られたのか、感想を伺います。  また、本県の美の魅力発信に関する全体計画として、美の魅力発信プランが策定をされました。多様で豊かな美の魅力が各地域に満ちあふれている滋賀県全体をあたかも一つの美術館のように感じていただけるよう、美の魅力にあふれる滋賀をみんなの美術館にというコンセプトの下、多くの方々の共感、参画を得ながら、美の魅力発信に取り組んでいくとされています。
     この魅力発信プランの中で、再開館後の展開として、館長である保坂ディレクターの積極的な館外活動や「ここ滋賀」、ウェブや雑誌等の媒体を通じて、県内外に県立美術館の魅力を発信すること、また、各種事業の多言語化対応を進め、世界に向けて県立美術館の取組を発信するとしているほか、保坂ディレクターが中心となって県内企業経営者との交流を深め、アートシンキングやデザインシンキングといったアートとビジネスとの豊かなつながりが実感できる機会を持つことなどを通じて、県立美術館に対する共感の醸成やラーニング機能の充実を図るとされています。今後の保坂ディレクターの館外活動や経済界との交流などの予定と、具体的な内容について伺います。  リニューアル後の美術館の経営の健全化に向けては、企画内容やサービスの充実を図り、来館者の満足度を高めるとともに、メンバーシップ制度を導入し、来館者やリピーターの拡大につなげるとされています。  また、個人や法人向けサポーター制度の新設やクラウドファンディングの導入など、共感、支援の輪を広げながら寄附の獲得に努めるとともに、国や民間財団の助成の積極的な活用や、職員のコスト意識に向けた取組もしっかり進め、経営の健全化を図るとされています。  そこで、来館者数目標、メンバーシップの目標人数、資金調達の目標金額など初年度の数値目標と、その後の計画について伺います。  新生美術館基本計画の内容は、一旦立ち止まり、老朽化対策を中心に早期再開館を目指してきたことから、これまでからの課題でありました収蔵庫の収容力向上、展示室の充実、ギャラリーの充実、北側エントランスの整備、施設の長寿命化などについては引き続き検討する必要があります。リニューアルで改善されなかった多くの課題について、今後どのように対応していこうとされているのか伺います。  リニューアルした美術館を美の発信に関する総合センターと位置づけ、プラットフォームとしての機能を発揮する中で、関係者や県民の交流を創出するとともに、滋賀の多様な美の魅力を国内外に効果的に発信していくとされています。  その上で、美の発信に係る統一的な事業展開、滋賀をみんなの美術館にというコンセプトの具現化に向けまして、統一的なロゴマークやキャッチフレーズの作成や活用、広報PRやアートプロデュース等の専門家から助言を得ることなどについて検討し、統一的、そして戦略的に事業を展開するとされていますが、その具体的な内容やスケジュールについて伺い、次の質問に移ります。  次に、マザーレイクゴールズについて、知事に伺います。  びわ湖の日は、昭和55年に施行された滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例の1周年を記念して、7月1日と定められました。今年は40周年を迎えます。そして今般、マザーレイク21計画を継承するものとして、この7月1日に琵琶湖版SDGsであるマザーレイクゴールズ、以下、MLGsといいますが、これが策定をされます。  マザーレイクフォーラム運営委員会が起草したMLGsアジェンダ素案には、これまでの活動とともに、取組の目標、マザーレイクゴールズやターゲット、アクション、そして指標のほか、基本理念や推進体制などが記載をされています。  MLGsの推進に向けては、昨年度末に改定された琵琶湖保全再生計画(第2期計画)と相乗効果を上げていくことが重要になってきます。人間の都合でこれ以上自然破壊を進めないために、今ある自然を限りなく生かすため、琵琶湖を預かる滋賀の思想、このMLGsを全ての施策、事業に織り込んでいかねばなりません。このMLGsを本県の様々な施策、事業にどのように位置づけるのか伺います。  MLGsのキャッチフレーズ「変えよう、あなたと私から」には、県民一人一人の環境保全への意識を高め、活動を喚起していく願いが込められています。次世代に引き継ぐ視点を持ち、学校教育や生涯学習にとどまることなく、あらゆる機会を通して、ムーブメントを創出していくことが求められています。一般社団法人滋賀グリーン活動ネットワークなどの団体との連携も大切になってきます。MLGs推進に当たり、いかに主体的な県民アクションをしていくのか伺います。  環境保全に向けた本県の取組の一つに、2018年度から始まり、昨年度末までの累計で62団体に広がったしが生物多様性取組認証制度があります。MLGsの理念を具現化している企業、団体を認証する取組であります。  他方で、県内にはそれぞれの地域、職域で、MLGsの理念に資する多様な活動を進めている草の根的な組織、団体があります。いずれも熱い思いを持って、ひたむきに活動をされておられます。こうした組織、団体を取り上げ、評価するとともに、支援し、広報していくことがMLGsの推進には欠かせないと考えますが、知事の見解を伺います。  琵琶湖の保全及び再生に関する法律に記されたように、琵琶湖は国民的な資産であります。滋賀県民だけでなく、下流域の府県の方々の賛同と参加を促し、MLGsの取組の成果を上げることが肝要であります。県境を越え、琵琶湖に注ぐ河川の流域住民や関係が深い他府県と共にMLGsを取り組むために、どのような展開を考えているのか伺い、次の質問に移ります。  次に、新型コロナウイルス感染症について、知事に伺います。  昨年2月27日に滋賀県での新型コロナの陽性者が確認をされてから1年4か月がたちました。コロナ禍は様々な影響を与えています。困窮者やひきこもり、地域コミュニティーの希薄化など、今まであった課題が顕在化しているのではないでしょうか。  大学生の2人に1人は、奨学金の活用によりまして卒業時には数百万円の借金を背負う状況にもかかわらず、コロナ禍でオンライン授業になり、同級生と出会うこともなく、孤立しているのではないでしょうか。特に、若者にとっては、漫然とした将来への不安が、最後のセーフティーネットでも救われないのではないかという絶望感につながっていないか、大変危惧をしています。  この状況は、若者だけではなく、多くの人が同様のストレスフルな状況になっているのではないでしょうか。だからこそ、未来の希望につながる一つの光が大切だというふうに感じています。県民が、若者が、未来に希望を持てるよう、まず、コロナ後の社会をどのように描こうとされているのか伺います。  滋賀県の令和元年度の合計特殊出生率は1.47でありましたが、コロナ禍での不安からか、出生数も減少していると言われております。折しも国では、男性が妻の出産後に計4週間まで取得できる出生時育児休業の導入を盛り込んだ改正育児・介護休業法が6月3日の衆議院本会議で可決をされました。コロナ禍でも安心して出産、育児ができる環境が大切だというふうに考えますが、滋賀の現状と今後の取組を伺います。  今現在、滋賀県は第4波が落ち着きつつあります。ただ、現状はコロナ禍が長期化し、度重なる緊急事態宣言等の発出により、事業主の借入れは増えても経済は回らないという状況で、知事の自粛のお願いに県民の皆さんが御協力いただき、飲食業界をはじめ、多くの事業者の皆さんは我慢の日々が続いております。感染予防と経済のバランスを取るのであれば、感染拡大の予防に取り組み、感染の増加が懸念されるときにはいち早く対策をし、一日でも早く感染拡大を抑えることが求められます。  第4波は、医療体制の確保や保健所の積極的疫学調査やコントロールセンターなど、関係者の皆さんのおかげで、滋賀県は医療崩壊には至りませんでしたが、医療体制非常事態を宣言され、病床占有率が81%を超え、自宅療養が100名を超える状況となりました。病床使用率など多くの指標でステージⅣの状況が続き、他府県の感染者が減少していく中で、滋賀県の減少の速度は遅く、地域経済には厳しい状況が今も続いております。  そもそもまん延防止等重点措置は、ステージⅢの状況でステージⅣの緊急事態宣言にならないように取り組むべき対策で、国からはそれ以前に県独自の対策を取るべきと言われているなら、県としてゴールデンウイークの前後には県独自の対策を取るべきだったと考えます。県として、感染拡大防止と経済のバランスを考えたとき、この第4波の検証と、次に生かすべきことをどのように捉えておられるのか伺います。  ワクチン接種が進んでおりますが、重症化は避けられても、感染しないわけではないですし、感染力の強い変異株が6月には約90%となっています。4月以降では若年層が感染しやすく、学校のクラスターが8件と急増いたしまして、その陽性者は5名から18名となり、事業所では過去最多の50名となりました。  保健所の検査以外で陽性者が確認されていることを考えれば、積極的疫学調査に併せて、イベントベースサーベイランス実施の方針からすれば、より広い検査の実施が必要というふうに考えます。  クラスター確定日と発症日を見てみますと、初期にPCR検査の範囲を広くしておけば、もう少し感染拡大を抑制できたと感じます。第5波につながらないように、感染予防とともに積極的にPCR検査をすること、特にクラスター発生時には、より早く、より広くPCR検査をすることで、感染拡大を抑制することが大切です。  変異株による感染力の変化に伴い、必要な検査の範囲はさらに変わってくると考えられ、今まで積み上げてこられた知見を基に柔軟に変更し、そして広く早く必要なPCR検査をすべきと考えますが、PCR検査の検証と今後の取組について伺います。  厚労省の研究によると、後遺障害は入院した人の半数以上で3か月後も肺に炎症が見られ、息苦しさや筋力の低下、倦怠感などの自覚症状があり、重症の人ほど肺の機能が低下することが分かりました。今後、さらに重症化しやすいデルタ株に置き換わると、その対応が求められます。  また、県においては、今議会の補正予算に計上されている第4の宿泊療養施設などにおける急変に備えて、医療体制の強化に取り組まれます。しかし、救急搬送は市町の救急車への影響もあります。  また、先日、重症化予測検査ができるようになったと報道をされていました。重症化リスクを早めに知ることで、本人の命や宿泊療養施設にかかる負荷の軽減につながるのではないかというふうに思います。治療薬についても報道がされていましたが、今後の感染状況と重症化の想定、そしてその対応について伺います。  ワクチン接種に関しては、高齢者が7月末に市町の接種完了の予定ですが、突然、国から7月以降のワクチンの大幅な供給減の通知が届きました。それでも河野大臣は、10月から11月にかけて希望する全ての人に接種を完了することは達成可能と話されました。そのためのファイザーやモデルナのワクチンも不足する状況になっており、今後のワクチンの配送予定も分からず、実施主体の自治体からは、困惑し、悲鳴にも似た声が聞こえてきます。  そこで、ワクチン接種についての状況と、県としての今後の対応を伺います。  6月18日の本部員会議では、Go To Eatが再開できないのは、ワクチン接種がまだ少ないこと、認証店舗数が少ないことを理由として述べられておられました。店舗の認証は5月10日から大津で、20日から全県で開始をされました。認証店舗の目標は5,000店舗となっています。今年度中ということであれば、月平均500件が目標となると考えます。店舗認証制度の現状の分析と今後の取組を伺います。  全国で失業者が増加したと言われますが、困窮世帯はさらに見えにくくなっていないか、危惧をしています。滋賀県でも、令和元年度の要保護、準要保護の児童生徒は12.09%と、9人に1人は支援を必要としています。子供たちが生理用品まで買えずに困っている状況が報道され、4月下旬には女性議員で、生理用品等を高校や大学で受け取れ、困窮者支援につながるようにと要望されていました。  また、失業者や収入が減少した方々へ生活福祉資金が貸し出され、4月からの緊急事態宣言を受け、8月までさらに2か月延長されましたが、今後の生活のためには、仕事ができる状況になることが大切だというふうに思います。  特に、通常でも弱い立場になりがちな女性の厳しい状況が顕在化していると言われています。滋賀県の困窮者の状況と県としての取組を伺います。  次に、経済・雇用対策について、知事に伺います。  今年1月から3月期の国内総生産、いわゆるGDPがマイナス成長となり、20年度の実質GDPも個人消費や設備投資の不振により前年度比4.6%減と、戦後最悪の落ち込みとなりました。コロナ禍による経済の悪化は深刻であり、新規感染者数は一定落ち着いてきたものの、依然収束は見えず、今後も厳しい状況が続くことが予想をされます。  国においては、度重なる緊急事態宣言等の発出によりまして、その影響を受けて厳しい状況下の事業者を救済すべく、これまでも特別融資や各種の給付金や支援金、補助金などを設け、事業が継続できるよう様々な支援策を打ち出してきました。  昨年の全国の倒産件数は帝国データバンクによりますと7,809件で、前年に比べ6.5%の減となりましたが、個人事業主など表には出ない潜在的な倒産や廃業が増加していないか、大変気がかりな状況です。  本県においても、これまでから事業の継続を図るための支援策を打ち出されてきました。6月補正予算におきましても、売上げが50%以上減少した事業者を対象とした事業継続支援事業として11億5,000万円を計上され、開会初日に成立したところであります。  もっとも、こうした支援を受けるための手続が煩雑であったり給付が遅いこと、あるいはダメージを受けてはいるものの売上げ50%減といった要件を満たさず、支援の網にかからないといった様々な課題が依然として指摘をされています。さらなる周知と手続の簡素化、支援の拡充および迅速化が求められるところであります。  どのような施策にも言えることでありますが、行政需要があり、費用に照らし、その施策の目的が効果的に達成できることが重要であります。  県はコロナ禍の中、厳しい状況にある事業者の声を実際どの程度聞いて、施策に反映されているのでしょうか。担当課の職員がどれぐらい事業所などを訪問され、必要な支援を把握したり、実施した施策が必要な方に届いているかの検証をされているのでしょうか。実態から離れた机上での議論で施策を構築したり、予算を消化することが目的化しないように気をつけなければいけません。  そこでまず、コロナ禍による県内経済の影響を現状どのように把握されているのか伺います。  また、これまでの支援策の実績とその効果について伺います。  これまで各種支援策の要件を満たさず、支援対象になっていない事業者の中には、今後、景気回復や個人消費の回復が遅れることにより持ちこたえられなくなりまして、そうした事業者が出てくるというふうに考えられます。また、支援や融資を受けられた事業者であっても、今後の業績回復や返済の見込みが立たない事業者も予想されます。  特に、4月15日以降、コロナとのつきあい方滋賀プランがステージⅢの警戒ステージに引上げられたままゴールデンウイークに入り、大きな打撃を受けた飲食事業者や観光事業者が多くおられます。この間、県は、ふだん一緒にいる人以外との行動の自粛を呼びかけ、人流抑制を行ったことで経営状況は一段と悪化、近隣府県では時短要請に応じた事業者への協力金が支払われる中で、本県では、客数減による事実上の時短営業を余儀なくされた事業者も多くあるものの、具体的な支援はなかったのが現状であります。  今後の経営のため補助金等を活用しようにも、そのために先行する資金の借入れが必要で、仮に申請が通っても補助金が支払われるのはかなり先になるため、結果的にはキャッシュフローがさらに悪化することも懸念をされる状況であります。こうした事業者に対して、県独自の支援や追加の支援策が必要になると考えますが、今後の事業者支援の在り方について伺います。  総務省が本日に発表しました5月の完全失業率は、前月比0.2%上昇の3.0となりました。厚生労働省によりますと、5月の有効求人倍率は前年比と同じ水準の1.09倍で、完全失業者数は211万人と、前年同月に比べ13万人増加をしています。滋賀労働局が発表した本県の5月の有効求人倍率は、前月比0.01ポイント増の0.92倍となっていますが、近畿2府4県の中では一番低い値であります。コロナ禍に起因する失業者が4月に10万人を超えるなど、コロナ禍が雇用関係に与える影響が長期化、深刻化しており、今後もさらに悪化することが予想されます。  そこで、県内の現在の失業者数および新型コロナ関連の解雇、雇い止め人数など、雇用情勢と今後の見通しについて伺います。  次に、今後の雇用対策についてでありますが、これまで政府は、雇用調整助成金の拡充で失業の抑制を一定図ってきましたが、特例措置が8月末で終了した後、雇用情勢が急速に悪化するおそれがあります。こうした事態を最小限に抑えるためには、失業なき労働移動のさらなる取組と、失業者には適した職業の紹介や、給付金つきで、かつ社会のニーズに合った職業訓練が有効であるというふうに考えます。  この項の最後に、県の雇用シェアサポート事業の取組状況と今後の雇用対策について伺います。  次に、公共事業の計画的な執行について、知事に伺います。  近年の激甚化、頻発化する気象災害や大規模地震への備え、また、高度成長期以降に集中的に整備されたインフラの老朽化対策として、国は、平成30年度からの防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策に続き、今年度から5年間で追加的に必要となる事業規模等をおおむね15兆円程度と定め、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を進められています。  本県におきましても、平成28年に策定をされました滋賀県国土強靱化地域計画~災害に強くしなやかな滋賀の「県土」と「県民生活」の実現計画~を昨年改定され、近年の豪雨災害等の教訓を生かし、いつ起こるか分からない大規模な自然災害に対し、被害を最小限に抑える対策に取り組んでいただいているところであります。  こうしたことを受け、土木交通部においては、国土交通省からの補助金配分額が、国土強靱化分を含め事業費ベースで昨年度約408億円が、今年度約600億円とおよそ1.5倍になるなど、近年大幅に増加をしています。公共事業費に係る最終予算額で見ましても、昨年度は、その3年前の平成29年度と比べて約2倍の810億円と増えています。  一方で、翌年度への繰越予算額も年々増え、平成29年度の約160億円が昨年は約470億円とおよそ3倍になり、昨年度の最終予算額の約6割が翌年度に繰り越されています。  防災・減災に向け、少しでも早く事業を進め完成させることが重要であり、そのためには予算の計画的かつ効率的な執行が求められますが、こうした多額の繰越し予算が生じ、増加する原因をどのように分析をされ、今後、いかに公共事業に係る予算を計画的かつ効率的に執行していくのか、実効性のある対策について伺います。  県の土木交通部の土木系技術職員には欠員が生じていること、募集をかけても応募が少ない状況にあると仄聞をしております。設計業務や公共事業の用地買収の業務などには経験豊富な職員のマンパワーが欠かせないところ、こうした人材の確保や育成についても十分とは言えない状況と聞いております。  県では、特別募集の導入や受験年齢等の拡大、県外の大学等での説明会の実施に加え、滋賀県や仕事の魅力をアピールするために工夫を凝らしたパンフレットの作成などによりまして、一人でも多く受験をしてもらい、必要な人材を確保しようとされていますが、例えば、昨年6月の総合土木の上級試験の受験状況を見ますと、採用予定者数に対して受験者数が2倍程度であり、受験者数が少ない状況になっております。この状況も含め、県として今後、土木系技術職員の人材確保および育成をいかに図っていくのか伺います。  加えて、土木系技術職員の担い手不足の問題は県内各市町でも深刻化しており、市町との連携が必要な公共事業を効率的に進める上でも、県の市町への支援が必要と考えます。この項の最後に、技術職員不足の市町への支援の在り方について伺い、次の質問に移ります。  次に、淀川水系河川整備計画の変更に対する知事意見について、知事に伺います。  2019年4月、知事は、近年日本における過去最多雨量をシミュレートした3回の勉強会を根拠として、県議会の改選直後、突然とも思えるダム建設の推進を記者会見において、大戸川ダムが有効であることが分かったと表明をされました。あれから2年余り、今定例会議に出されている淀川水系河川整備計画の変更に対する国への知事意見には、改めて大戸川ダム本体工事を早期に実施することとあります。公共事業を止めるのにはかなりの時間を費やしますが、いざ進めるとなれば、この速さであります。進めるときこそ慎重になるべきであると考えます。  淀川水系全体において、大規模な人口密集地を抱える淀川が万が一破堤すれば、被害額は約9兆円に上ると試算をされています。その淀川を守るために、遠く大戸川ダムの洪水調節機能が必要であるというふうにされています。  下流府県である大阪府や京都府が検討会を設けて、大戸川ダムが必要であると結論を出してきたのは、滋賀県の三日月知事の表明から約2年後である本年であります。なぜその順番になるのでしょうか。本来ならば、今回の河川整備計画変更の大戸川ダムについては、まず、桁違いに想定被害額の大きい大阪府や京都府からこそオファーがあるべきだというふうに思います。イニシャルコストが国や下流府県の負担がほとんどであることからも、このことは分かります。  そして、滋賀県としては下流府県に対し、県内にダムを造って水をとどめることよりも、桁違いに流量の多い桂川流域と木津川流域にその負担を求めるべきであり、まずは、滋賀県にとって危険な水を下流域へ早く安全に流すという選択を主張するべきだというふうに考えます。  同様に、まずは、ダム建設の早期着工よりも県内の河川整備を進めること、洗堰の全閉操作を回避して琵琶湖岸の被害を軽減させることなどを、河川整備計画に求めるべきであるというふうに考えます。滋賀県知事として、大戸川ダムの必要性等に関わるこれまでの意見や表明は、果たして県益にかなっているのか伺います。  滋賀県からすれば、ほぼ下流府県のために造られた大戸川ダムが将来的に及ぼすデメリットを、国や下流府県に訴えるべきであります。建設時だけでなく、ダムが周辺に及ぼす自然環境や生態系破壊のリスクはどうなのか、進行する気候変動による水害は想定を超えないのか、将来世代が負うこととなります費用面には何があるのかを明らかにすべきであります。  いずれにしても、現時点では、建設後の将来的リスクは全て滋賀県民が負うことになります。それでも滋賀県のほうから早期着工を求めるとすれば、その知事の考えについて説明を求めたいというふうに思います。  言うまでもなく、大戸川ダムは、高さ約67.5メートル、幅約200メートルの重力式擁壁タイプの巨大なコンクリートの塊です。一旦建設されてしまえば、後に予期せぬ事態が起きても、元に戻すことは物理的にも費用的にも容易なことではありません。自然環境、生態系などが受けた影響もほとんどもとには戻りません。  国交省はコンクリートのダムを半永久的なものと言いますが、世界には様々な理由で大小1,000を超えるダムが撤去されてきた、あるいは、過去にダム決壊事故により多くの人命が失われたという事例も聞き及んでおります。近年において、持続可能な社会の構築、SDGsが叫ばれる中で、世界の潮流はダムの回避ですが、知事の考えを伺います。  ダム建設は、一定の治水効果以上に深刻な問題を引き起こす可能性があり、より慎重な対応が必要となります。ダムによる水質汚染などの環境破壊や生態系への悪影響のみならず、世界には、何らかの想定を超えた原因によってダム決壊を引き起こし、大規模災害となった事例もあります。  また、コンクリート構造物には寿命があるはずであります。将来、何らかの事情で放置されたり対処不能になったりすれば、ダム崩壊の危険性があるかもしれません。将来世代にとって、撤去するにも再建するにも莫大な費用と時間がかかることになってきます。これらの懸念は杞憂とは言い切れません。  このように、自然環境に及ぼす影響、将来世代に残す負担と危険性、大戸川ダム下流域の危険性回避のための他の選択肢、全国的にも事例の少ない穴あきダムの安全性など、まだまだ広く深く検討する必要があると考えます。その上で、それでも早期着工して造らなければならないとする理由を、県民に対して明確に示す必要があるのではないでしょうか。知事が積極的にダム建設を進めようとする合理的な理由、そして科学的な根拠について、考えを伺います。  ダム建設の早期着工の理由としている一つに、大戸川ダム下流域にある浸水被害の対策には待ったなしであるとの理由があります。しかし、ダム本体の建設はすぐに着工できたとしても、最低でも12年以上の時間を要します。  気候変動が進行する中、様々な豪雨水害から県民の命を守るためには、目の前にある出水期の対策を早急に確実に進めておく必要があります。まずは、水害リスクの高い区域にある1軒1軒に対する想定浸水深の周知徹底、各家、各人の的確な避難方法の理解促進、安全な避難場所の確保など、流域治水対策が徹底されていかなければなりません。  国の防災の考え方も変化してきており、流域治水政策が様々な法律の中で盛り込まれるようになってきました。特に流域治水関連法の改正では、詳細はこれから明らかになっていくと考えますが、警戒区域の住宅の移転費用の助成など、様々な補助金制度が活用できるようになると仄聞をしています。まずは、大戸川流域の県民に対する一刻も早い流域治水政策の徹底こそが住民の命を守ることになりますが、考えを伺います。  滋賀県では平成26年に、それまでのけんけんがくがくの議論や再議を経て、滋賀県流域治水の推進に関する条例が成立をいたしました。ダムや堤防などのハード対策だけではなく、流域全体であらゆる手段を尽くして、どんな豪雨に対しても少なくとも命は守るという全国で初めての画期的な条例であります。  国では滋賀県から遅れること7年、本年4月28日についに流域治水関連法の改正が可決、成立しました。しかし、今回の淀川水系河川整備計画変更には間に合わず、反映されていないのではないかというふうに考えられます。特に、利水ダムの事前放流による容量の治水への活用が認められたことは勘案されているのか、大変気にかかるところであります。  喜撰山ダムや日吉ダムなど流域全体の利水ダムを合わせた貯水量は、大戸川ダムによる洪水調節機能に匹敵するものがあります。今回、国で成立した流域治水関連法の改正の趣旨と淀川水系河川整備計画変更における整合性についての考えを伺い、次の質問に移ります。  最後に、県立高等学校等における1人1台端末環境の導入について、教育長に伺います。  国が掲げるGIGAスクール構想の実現に向けては、Society5.0時代を生きる子供たちにふさわしい、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを実現するため、1人1台端末と学校における高速通信ネットワークを整備するとされています。本県の県立学校における高速通信ネットワークについては令和2年度に整備をされ、1人1台端末については、令和4年度からの運用に向けまして、本年度に導入準備を行うというふうにされています。  その導入手法については、BYOD──ブリング・ユア・オウン・デバイスと呼ばれる、個人が所有するタブレット等の端末を学校に持ち込んで活用する方法が検討されており、先行して実施されている私立の学校でもBYODが導入をされているほか、最近では企業においてもBYODを導入されるケースが増えています。  高等学校においては、義務教育と異なり、教科書をはじめ教材は原則自己負担であることから、端末についても同様の考え方とし、今後も教科書もデジタル化に移行されることが考えられることからすると、時代の流れに沿った対応と考えます。卒業の際も、貸与された端末であれば、3年間の学習のデータ、写真や動画などをどのように個人に移行するかという問題が生じますが、個人の端末であれば卒業後もそのまま活用できます。  また、高校生の端末の活用範囲は、単に学校での学習や家庭学習の活用だけにとどまらず、最近では、野球の試合やバレーボールの試合でも分析にタブレット端末が活用されるなど、部活動での活用をはじめ、より高度なICTの活用スキルの向上など、多様化する生徒それぞれの幅広い学びにおいて活用するためにも、それぞれにとって最適な端末を各個人が選び、各自の目的に応じたアプリをインストールしていくというのは、大いにメリットがあるというふうに考えます。  一方、様々な端末を持ち込むことによるセキュリティー対策での問題などのデメリットも考えられます。BYODの導入に当たり、メリット、デメリットについて、それぞれどのように考えておられるのか、また、デメリットについてはどのように対応されるのか伺います。  1人1台端末により、個別に最適で効果的な学びや支援が実現可能となるほか、プロジェクト型学習を通じて創造性を育んだり、海外など遠隔地とのオンラインによる国際交流を行うなど、これまでにはない新たな教育が可能となります。また、学校の事務の効率化や教師の経験値だけに頼らない、科学的視点を取り入れた指導も可能となってまいります。  1人1台端末を導入することで、個別最適な学びの向上や協働的な学びの向上、学力の向上にどのようにつなげていこうとされるのか伺います。  高校入学時においては、タブレット等の端末購入のみならず、教科書等各教材の購入、制服、体操服の購入など多くの費用がかかります。経済的に困窮する世帯などの生徒に対し、経済的負担を軽減しつつ、学習関係の格差が生じないための配慮も必要となってまいります。BYOD導入に当たり、経済的に困窮する世帯等の生徒への支援について伺い、質問を終わります。知事ならびに教育長の御答弁、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(富田博明) 43番今江政彦議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)今江議員、誕生日おめでとうございます。また、沢田享子さんの御逝去、悼みたいと存じます。  大きく8項目、私には御質問賜りました。順次お答え申し上げます。  高等教育の在り方について、6点御質問をいただきました。  まず1点目、高専設立の趣旨と、どのような専門人材を育成するのかということについてでございますが、人口減少社会への移行やSDGs、Society5.0の実現を見据え、滋賀のこれからの産業を支える工業系の人材を育成するとともに、若者にとっての新たな学びの選択肢を広げることを目的として、高等専門学校の設置に向けて検討を行っているところでございます。  昨年度の中間まとめ2020では、滋賀の産業競争力の向上につながる高度な技術を持つ専門の力、そして、先進的な技術をいち早く地域社会に実装できる実践の力、そして新たな価値観や行動を生み出す価値創造の力、この3つを兼ね備えた工業系の高等専門人材の育成を目指すこととしておりますが、今年度、さらに有識者懇話会などで検討を重ねてまいりたいと存じます。  2点目、第1回懇話会の結果概要についてでございますが、先週開催いたしました第1回令和の時代の滋賀の高専設置に向けた懇話会では、県内外の7名の皆様に御出席いただき、まず3名の皆様から、各地の高専の状況や学生の姿、最新の技術動向等についてプレゼンテーションを行っていただき、その後、企業の採用側から見た高専卒業生の魅力など、様々な御意見をいただいたところでございます。  今回の大きなテーマでございました求められる人材像につきましては、理論と実践を兼ね備えた人、地域課題の解決にデータサイエンスを生かせる人、地域に根差し課題を自ら見つけることができる人、技術が誰を幸せにするのか考え、価値創造につなげることができる人などが求められるといった御意見等をいただいたところでございます。  また、より深く物事を捉えるため、倫理や歴史、哲学にも触れる必要があるといった御意見をいただいたり、最近の高専の学生のトレンドとして、ものづくりのみならず、農業や観光、社会インフラの維持といった分野に技術を生かすことへの関心が高いという状況も御紹介いただいたところでございます。  3点目のコンサルタント会社との関係についてでございますが、令和の時代の滋賀の高専として、人や自然に寄り添い、技術をベースに社会的課題の解決に挑むイノベーターの育成、AIやIoTなどで地域のデータを活用することができる実践型人材の育成など、その魅力や特徴を出すことが必要だと考えております。
     このため、世界や日本の技術動向、入学者や産業界のニーズ、他の教育機関の先進的取組等について調査分析をコンサルタントに求めつつ、懇話会でも御議論をいただき、県として主体的に、令和の時代にふさわしい、滋賀ならではの新たな高専像や求める人材像を共に描いてまいりたいと存じます。  4点目の設立に当たっての財源確保の方向性についてでございますが、構想骨子を取りまとめていく中で設置主体や学校規模を検討し、学校設置に係る経費についても今年度併せて検討を行うこととしております。  設置経費につきましては、県の財政負担に関する検討はもとより、外部資金の獲得や機械設備の寄附をはじめ、様々な御支援をいただくための工夫も必要だと考えております。  そのため、高専設置に向けた検討に当たりましては、企業や産業界との協議会を設けるなど、様々な方からの御支援や御協力に向けた具体的な枠組みづくりを進めることとしており、その中で、御提案の基金という形についても積極的に研究してまいりたいと存じます。  5点目の開校までのスケジュールについてでございますが、今年度は、有識者懇話会での御意見や入学者や産業界のニーズなどを踏まえながら、学科や学校規模の検討、事業シミュレーションなどを行い、年度末には、滋賀の高専としてあるべき姿を構想骨子として取りまとめることとしております。  さらに、来年度以降、教員の確保や設置場所、カリキュラムの詳細について検討を進め、高専設置に向けて、文部科学省への具体的な協議が行えるレベルとしての構想にまで高めてまいりたいと存じます。  具体的な開校の時期について、現段階では明確にお示しできませんが、設置認可には文部科学省との事前協議の段階を含めて通常は2から3年程度を要するとされていることに加えまして、教員の確保、施設整備等についても一定の時間が必要だと承知をしております。  これらを踏まえまして、今年度の構想骨子を取りまとめる中で、高専設置に向けた全体スケジュールについてもお示しできるよう努めてまいりたいと存じます。  6点目、高専の早期設立に向けた決意についてでございますが、先週の第1回有識者懇話会には私も出席させていただきましたが、技術動向はもとより、高専の学生の人物像、あるいは学生たちによる地域や産業の活性化など、様々な御意見をいただきました。御参加いただいた皆さんに共通していたのは、高等専門学校が果たす社会での役割に対する大きな期待であり、私も大いに共感したところでございます。  高専は、15歳という若い年齢から専門的な教育を受けることができる学びの仕組みであり、地域に根差して課題を発見する力と、それを解決する技術力、実践力を育むことができます。この学びの仕組みを新たに本県に導入することで、地域との連携や卒業生の活躍などにより一段と力強い滋賀をつくり出し、未来を切り開いていけるのではないかと考えております。  このような高専の早期設置に向けてスピード感を持って検討を進め、まずは今年度、令和の時代にふさわしい新しい高専像をしっかりと描き、お示ししてまいりたいと存じます。  大きな2問目、“しがCO2ネットゼロ”の取組について、こちらは4点賜りました。  まず1点目、CO2ネットゼロ推進課の役割についてでございますが、CO2ネットゼロの実現に向けましては、エネルギー政策と温暖化対策を一体的かつ効果的、効率的に取り組む必要がありますことから、総合企画部エネルギー政策課と琵琶湖環境部温暖化対策課を統合いたしまして、今年4月から総合企画部にCO2ネットゼロ推進課を設置したところでございます。  また、省エネルギーの徹底や再生可能エネルギーの普及などに向けまして、全庁的に取組を強化していくことが必要でありますことから、私を本部長といたします、しがCO2ネットゼロ社会づくり推進本部において県としての方針を決定し、総合企画部に設けたCO2ネットゼロ推進課において、条例と計画の見直しや施策立案に向けて、全庁的かつ部局横断的に検討を進めているところでございます。  さらには、“しがCO2ネットゼロ”ムーブメントを、県民や事業者、各種団体など様々な主体を巻き込みながら、県民運動として展開していくための旗振り役の役割を担っているところでございます。  2点目、産業、業務、家庭、運輸の各部門の排出削減についてでございますが、CO2ネットゼロの実現に向けましては、県民、企業、行政、各種団体などあらゆる主体が中長期的な将来像や目標を共有しつつ、省エネルギーの徹底や再生可能エネルギーの普及等に取り組んでいく必要があると考えます。  そうした中で、まず、産業、業務部門では、事業活動の省エネ化やCO2排出量の少ないエネルギーへの転換といったことに加えまして、事業所のネット・ゼロ・エネルギー・ビル化、いわゆるZEB化、さらには脱炭素化に伴う産業構造の転換を見据えた事業活動の再構築や革新的なイノベーションの創出などを求めてまいりたいと存じます。  また、家庭部門におきましては、省エネ行動やプラスチックごみ、食品廃棄物等の発生抑制、適切な消費行動等といったCO2ネットゼロ型ライフスタイルの徹底、住宅のネット・ゼロ・エネルギー・ハウス化、いわゆるZEH化の推進などの可能性があると考えます。  運輸部門では、エコドライブやエコ交通のほか、電気自動車や燃料電池車など次世代自動車の普及および充電環境等の整備、物流の効率化等の推進が可能だと認識しております。  3点目の気候変動適応法関連についてでございますが、近年生じております豪雨や記録的な高温などの異常気象や、2年連続で琵琶湖の全層循環の未確認など、気候変動は県民生活を脅かす、より身近なリスクとなりつつあり、CO2ネットゼロを実現するには、リスクに備える適応策をともに考え、こうした危機感を共有することで行動変容につなげることが重要だと認識しております。  本県では、平成31年1月に滋賀県気候変動適応センターを設置いたしまして、県民等との意見交換を進めるとともに、専門家にも御意見を伺いながら、科学的知見を集約し、令和3年3月に滋賀県の気候変動影響等とりまとめとして整理したところでございます。  とりまとめによりますれば、本県の年平均気温は今世紀末までに最大で約4.3℃上昇すること、また、これにより農畜産業や県民生活等にも様々な影響が生じる可能性が判明し、適応策の取組が急務であるとの報告がなされたところです。  また、これまで本県が取り組んできた持続可能な農林水産業の推進等が適応策としても有効に機能していることや、県民に対し適応策の定着を図ること等の必要性が示されたところでございます。  こうしたことを踏まえまして、計画改定に当たりましては、気候変動の被害を最小限に抑えるための県民等とのリスクコミュニケーションの強化や、気候変動に適応した商品、サービス等の創出に向けた支援など、適応策をより一層推進するための方策を検討し、新計画に盛り込んでまいる所存でございます。  4点目、原発に依存しない新しいエネルギー社会の構築と2050年CO2ネットゼロの実現についてでございますが、原発に依存しない社会、CO2ネットゼロの実現はともに乗り越えていくべき大きな課題であり、双方が満たされた社会を目指していくことが、持続可能な社会を構築していく上で重要であると考えます。  原発につきましては、まず1つ目、原発の安全性に対する国民の不安感がいまだ払拭されておらず、使用済み核燃料の処理など、いわゆる原発の静脈についても未整備のままであること、2つ目、全国的にも既設原発の老朽化や廃炉が進行しており、新設、リプレースの議論もなされていない状況であること、3つ目、事故が発生した場合の被害、影響が甚大であること等から、中長期的に見て持続可能なエネルギーとは言えないと考えております。  また、国の想定どおりに原発が稼働していない状況であること等を踏まえますと、しがエネルギービジョンに掲げた原発に依存しない新しいエネルギー社会はほぼ現実のものとなっており、本県としては、こうしたことを前提として、CO2ネットゼロ社会づくりを推進していく必要があると考えております。  大きな3点目、滋賀県立美術館のこれからについて、こちらは5点御質問をいただきました。  まず1点目、新たな美術館を見ての感想ということについてでございますが、オープニングの2つの展覧会、1つ目の滋賀にゆかりの若手作家12人による展示におきましては、新進気鋭の作家たちによる様々な表現と出会い、彼らの作品をこのような形で展示することの面白さや可能性を改めて知りました。また、2つ目の重要文化財「桑実寺縁起絵巻」を軸に、いろいろなつながりで所蔵作品を紹介した展示では、滋賀の歴史や文化の厚みを感じることができる内容であったと感じました。  ほかにも、ロビーに新設されたラボでは、成安造形大学の皆さんによる滋賀の文化をマップで紹介する展示があるなど、この美術館が、再スタートに当たって、滋賀にこだわり、多様な文化や魅力を新たな切り口で私たちに問いかけようとしていることが、皆さんにも伝わるのではないかと思います。  また、ロビー全体が開放的でくつろげる空間になったこと、キッズスペースや授乳室が新設されたことで、まさに公園の中のリビングルームとして、お子さん連れの御家族など、多くの方々が思い思いに時間を過ごされている様子が印象的でございました。  今回、美術館を訪れて滋賀のアートや文化のポテンシャルの高さに触れ、気負わずに楽しむ体験が私もできましたし、多くの方にもできるのではないかと思いました。美術館がこれから多くの皆さんに親しまれながら、滋賀の美を力強く発信していけるのではないかと、意を強くしたところでございます。  2点目、保坂ディレクターの活動についてでございます。  そのお人柄とともに、その感性や発せられるメッセージに共感の輪が日に日に広がってきているのではないかと感じております。今年1月に御就任以来、美術館のかじ取り役にとどまらず、経済界や文化、大学等外部の関係者とも積極的に交流し、メディアにも多数登場されるなど、精力的に活動いただいていると存じます。  直近では、大津ロータリークラブや文化・経済フォーラム滋賀、びわこビジターズビューローの会合で、滋賀のポテンシャルと美術館の関わりをテーマに意見交換されたほか、びわこビジターズビューローの理事にも就任されたところでございます。  今後ますますネットワークを広げ、美術館が核となった滋賀の美の魅力発信を行うとともに、観光振興など地域や経済の活性化にも、保坂さんの豊富な知識や経験、発信力を発揮していただけるのではないかと期待しているところでございます。  3点目、来館者数やメンバーシップ、資金調達の目標計画についてでございますが、まずは来館者数について、令和3年度は展覧会の観覧者と教育交流事業の参加者数合わせて計11万5,000人を目標としており、今後も充実した展示やリピーターの確保等に取り組み、美の魅力発信プランの最終年度である令和7年度には16万人の来館者数を目指してまいります。  次に、新たに始めるサポーター、いわゆる寄附制度では、個人では1万円、企業では10万円からメニューを用意しており、寄附金額に応じて年間パスポートや従業員、家族の割引などの特典を用意しておりますほか、企業の名前を冠して特定曜日の常設展示観覧を無料にする無料観覧デーサポーター、子供を対象とした創作体験講座の開催を支援する次世代育成事業サポーターなどのメニューも用意しているところでございます。  さらに、メンバーシップ、いわゆる年間パスポート会員制度でございますが、これまでの近代美術館友の会に代わって、美術館が運営する年間パスポート会員として新たにスタートいたします。これは2,400円の年会費で何度でも展覧会を御覧いただけるものでございまして、美術館のリピーターや固定ファンを増やすため、積極的に入会を促し、令和3年度末には2,000人の会員を目指して取組を進めているところでございます。  4点目の改善されていない課題への対応についてでございますが、御指摘のとおり、今回の美術館の施設整備は老朽化対策が中心で面積の拡張等は行っておらず、収蔵庫の狭隘化や展示室における多様な芸術表現への対応、ギャラリーの面積の制約などの課題が依然としてあると認識しております。  再開館後の美術館では、この館ならではの趣向を凝らした展覧会の開催や、様々なニーズに応じたきめ細かな教育普及プログラムなどソフト面の改革を進め、美術館の魅力や認知度の向上、来館者の確保に努める方針です。  まずはこうした活動の成果を積み重ねる中で、美術館が活動の幅をさらに広げることに対する県民の皆さんの期待が高まるよう努め、その先にある施設機能の向上にも前向きに取り組める環境をつくってまいりたいと存じます。  5点目、美の発信に係る統一的な事業展開についてでございますが、滋賀をみんなの美術館にをコンセプトといたしまして、滋賀ならではの文化やアート、いわゆる美の資源に着目し、様々なテーマやストーリーでつないで一体的に発信することは、新たな観光ルートの創出や地域活性化にもつなげることができ、大きな可能性があると考えております。  そこで、今年度から県立施設や美術系ミュージアム館での情報共有や協議を行う場を設定いたしまして、ネットワークの構築を図り、来年度以降の連携による展示や事業の実現につなげていきたいと存じます。  さらに、今後は、滋賀の美に関する統一的な広報、プロモーションを専門家のアドバイスを得ながら進める中で、地域で様々な活動を行う団体やびわこビジターズビューローなど観光事業者とも連携を深め、文化やアートをテーマとした地域の活性化や周遊観光の提案を行うなど、さらなる事業展開につなげてまいりたいと存じます。  次に、大きな4項目め、マザーレイクゴールズにつきまして、こちらは4点御質問いただきました。  まず1点目、マザーレイクゴールズの位置づけについてでございますが、琵琶湖の保全再生を進めるには、県の施策だけではなく、琵琶湖に関わるより多くの多様な主体の皆さんの自発的、主体的な取組が必要と考えられますことから、マザーレイクゴールズは、琵琶湖を切り口とした2030年の持続可能社会に向けた共通の目標、言わば琵琶湖版SDGsとして策定するものでございます。  県は、この中で、琵琶湖の保全再生に取り組む主体の中核として、昨年度末に策定いたしました第2期琵琶湖保全再生計画に基づく施策や事業を着実に進め、マザーレイクゴールズの達成に貢献する役割を担うものと位置づけております。  県といたしましては、森、川、里、湖に連なる流域全体を視野に入れ、部局の枠を超えて、多様な主体の皆さんの自主的、自発的な取組との相乗効果の下で進めるとともに、マザーレイクゴールズに込められた多くの皆さんの思いを、来年度以降の施策づくり、事業展開にも生かしてまいりたいと存じます。  2点目のいかに主体的な県民アクションにしていくのかということについてでございますが、マザーレイクゴールズは、もともと多様な主体の皆さんの琵琶湖の保全に向けた自発的、主体的な取組や琵琶湖との約束から生まれたものであり、同時にSDGsをアクションにまで落とし込み、各主体の連携を促進させる仕組みでございます。  その提案文書であるマザーレイクゴールズアジェンダにおきましては、こうした多様な主体の皆さんの取組を、マザーレイクゴールズという太陽に向かって、それぞれが思い思いに伸び伸びと枝葉を広げ、成長していく植物になぞられているところでございます。このことから、主体的な県民アクションをさらに広げるためには、こうした多様な取組を緩やかにつなぎ、必要な支援、後押しをしていくことが重要と考えております。  さらに、議員も例示されました滋賀グリーン活動ネットワークとの連携など、これまでのマザーレイクフォーラムにおける10年にわたる協働のつながりを基に、国際ボランティア学生協会──IVUSAの皆さんなど、若い世代の意見もいただきながら、取組を進めようとしているところでございます。  こうした多くの団体や企業、個人の皆さんが重層的に参加することで、主体的な県民アクションがマザーレイクゴールズという太陽に向かって大きく育つよう、県の役割を果たしてまいりたいと存じます。  3点目、組織、団体等を取り上げ広報していくことについてでございますが、県内には熱い思いを持ち活動されている団体が幾つもあることは承知しており、琵琶湖を預かる滋賀県知事として誇りに思い、大変心強い存在として頼りにしているところでございます。  議員御指摘のように、こうした組織や団体を積極的に取り上げ、評価し、支援、広報していくことは大変重要であると認識しておりまして、今年度、オンラインや体験型のワークショップを10回程度開催いたしまして、それぞれの活動をつなげるとともに、様々な活動を学生ライターが取材し紹介するウェブサイト、(仮称)マザーレイクニュースを立ち上げ、発信していく予定でございます。  また、マザーレイクゴールズに御賛同いただいた団体や個人のお名前や活動内容につきましては、専用のページにおいて紹介させていただいており、こうした活動の見える化の取組を通じまして、賛同者間の仲間意識が高まり、互いの事業に協力し合うなど、活動の相乗効果が広がっていくことも期待しているところでございます。  4点目、県域を越えた展開についてでございますが、下流府県の方々の賛同と参加は極めて重要な視点であると認識しておりまして、そのためには、マザーレイクゴールズを通じて、国民的資産である琵琶湖の重要性、その価値を御理解いただくことが重要だと考えます。  このことから、明後日7月1日のマザーレイクゴールズ賛同者会議や7月11日のびわ湖の日40周年記念シンポジウム、さらにはワークショップなど、今後、琵琶湖の保全再生に関連する様々な事業を展開していく中で、より多くの下流府県の方にもこの取組を知っていただき、賛同者を増やしていきたいと考えております。  また、行政サイドにおきましても、毎年開催しております琵琶湖保全再生法に基づく下流府県との連絡調整会議や、関西広域連合の枠組み等のネットワークを生かしてまいりたいと存じます。  また、全国的な展開をされている企業の方々からも、マザーレイクゴールズへの賛同をいただいており、商品のキャンペーン等においてロゴマークを使用していただくなど、県外への新たな広がりが期待されるところでございます。  なお、びわ湖の日に合わせまして、先週から、国土交通省の委託により運営されている淀川河川レンジャー事務局が呼びかけ、琵琶湖淀川流域でごみ拾いを行った場所をアプリを使って地図上に可視化させる取組が行われております。この取組に県も賛同し、琵琶湖流域における参加を呼びかけているところでございます。  こうしたことをはじめ、様々な形で、下流域だけでなく全国の方、さらには世界湖沼会議などを通じて、世界に向けて琵琶湖の重要性を御理解いただく取組を進め、マザーレイクゴールズへの賛同の輪を広げてまいりたいと存じます。  大きな5問目、新型コロナウイルス感染症について、こちらは8点御質問いただきました。  まず1点目、コロナ後の社会をどのように描くのかということについてでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、経済的に厳しい状況に置かれ、また、人や社会とつながりが持ちにくくなっている中で、鬱や自殺等の問題が深刻化しており、県民、特に若者への影響が懸念されているところでございます。  そのため、まず、こころの健康の維持増進に向けた取組を進めることにより、全ての県民が生き生きとした生活を送ることができ、自分らしい未来を描ける社会をつくり上げていく必要があると考えております。  さらに、今回の感染症の拡大により、デジタル化の進展、グリーンリカバリーなどの持続可能な社会の構築、一極集中社会から分散型社会への転換など、社会構造や人々の意識の変化が急速に進んでおります。  こうした変化を好機と捉え、全ての人の命を守り、次の世代と共に生きる本当の意味での健康しがをつくり、「変わる滋賀 続く幸せ」を理念とする基本構想の実現を目指してまいりたいと存じます。  2点目の出産、育児の環境についてでございますが、本県が設置する相談窓口には、妊娠中の方からは、自らが感染した場合のおなかの中の胎児への影響や、立会い分娩ができないことへの不安の声が寄せられているところです。また、子育て中の方からは、友達との遊びの機会が減ったことによる子供の成長への影響を心配する声などが寄せられており、出産、子育てに対して、県民の方々が様々な不安を抱えておられる様子が伺えます。  こうした不安を軽減できるよう、本県では、妊娠中の方に分娩前のウイルス検査への助成を行うとともに、感染が確認された場合は、かかりつけ産科医の御協力を得ながら、適切に入院、療養できる体制の整備や、助産師等による寄り添い支援を実施しているところでございます。  また、市町においては、感染予防対策を徹底しながら、母子保健と子育て支援の一体的なサービスが子育て世代包括支援センターを中心に行われておりますほか、県内約90か所の地域子育て支援拠点におきまして、親子の交流促進や相談、支援等が行われているところでございます。  さらに、「すまいる・あくしょん」宣言を行った26の企業、団体におきましては、コロナ禍でも安心して参加できるイベントの開催や居場所づくりなど、子供たちの笑顔を増やす取組を進めていただいているところです。  今後とも、こうした取組を推進するとともに、コロナ禍が出産や子育てに与える影響に注視しながら、必要な環境整備に努めてまいりたいと存じます。  3点目、第4波の検証と次に生かすべき点ということについてでございますが、今回の感染拡大期におきましては、感染拡大の波をできる限り遅く、また低くすることを目指し、検査体制の拡充や県民の皆様に基本的な感染対策の徹底、緊急事態宣言対象地域等との間の往来の自粛を呼びかけることなどにより対応してきたところでございます。  また、飲食店への営業時間の短縮の要請につきましても、経済活動への影響や私権の制約につながることも踏まえ、慎重に考えつつ、感染状況に応じた選択肢として検討してきたところでございます。幸いにも県民の皆様の御協力もあり、こうした措置を取ることなく、新規感染者数が減少傾向となってきております。  今後に向け、感染拡大の波をさらに低く抑える対策について模索することは大変重要であると考えておりまして、今回は行わなかった飲食店への営業時間の短縮の要請の効果等について、他県の事例を基に分析し、次の感染拡大期に備えてまいりたいと存じます。  4点目、PCR検査の検証と今後の取組についてでございますが、積極的疫学調査に基づき行うPCR検査につきましては、一つ一つの事例の場面、時点ごとに調査の中で把握した情報等から、保健所長が適切に判断し、必要な検査を確実に実施しているところでございます。  クラスター発生時には、それぞれの事例についてクラスター対策チームで課題を検証、整理の上、保健所等にフィードバックし、その後の調査に活用しており、その結果、クラスターを起因として地域へ感染が拡大した事例は、これまでのところございませんでした。  また、医療機関や高齢者施設において陽性者が発生した場合には、原則、入所者および従業者全員を対象に検査を行うこととしておりますほか、感染者が多数発生している地域におきましては、高齢者施設の職員等を広く、一斉かつ定期に検査することとしているところです。  今後の取組につきましては、補正予算案に計上させていただきました感染拡大のおそれがある状況を早期に探知するイベントベースサーベイランスを実施するとともに、従来からの積極的疫学調査につきましても変異株の影響を踏まえて実施するなど、より広く検査することにより、早く探知できるよう取組を進めてまいりたいと存じます。  5点目、今後の感染状況と重症化の想定およびその対応についてでございますが、いわゆる第4の波の感染拡大は、6月に入りおかげさまでようやく収束の傾向が認められますものの、国の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードにおいて、8月中の東京都での感染の再拡大が懸念されていることなどから、本県においても感染の再拡大を想定しているところです。  また、新たな変異株の流行も危惧しているところであり、国立感染症研究所の報告では、デルタ株は感染性が高く、入院患者の増加の可能性が示唆されておりますことから、本県におきましても新たな変異株による感染の再拡大が起こり、病床占有率が高まる可能性があると認識しております。  そこで、次なる感染の拡大に備えまして、第4の宿泊療養施設を開設いたしますほか、療養者の症状悪化時には、医師の判断に応じて酸素療法や投薬などの医療行為を実施できる体制の整備を進めております。  あわせまして、6月17日には医療関係者向けの意見交換会を開催いたしまして、重症化を防ぐための治療方法、治療薬の使用方法などについて情報共有を行ったところでございます。  今後もこうした取組を積み重ねていくことにより、医療機関、宿泊療養施設の体制強化を図ってまいりますとともに、重症化リスクを早期に判断できる手法など、新たな知見の共有を図っていくことで、感染者が安心して利用できる体制の一層の強化を進めてまいりたいと存じます。  6点目、今後のワクチン接種についてでございますが、現在、市町において接種会場の増加等を図るなど、ワクチン接種が進められております。接種を希望する65歳以上の高齢者のワクチン接種につきましては、7月末までに完了する見込みでございます。  また、多くの市町で今月下旬から来月中旬にかけて65歳未満の方の接種券が発送されるなど、一般接種の準備も着実に進められております。  一方、ファイザー社製のワクチンにつきまして、来月の国からの配送数が市町の希望どおり配分されていないため、今後の接種計画に影響が出ており、国に対して、計画的かつ安定的なワクチンの配送を実施するよう強く求めてまいりたいと存じます。  また、県では、市町の接種の支援を図る観点から、来月より大規模接種会場として広域ワクチン接種センターを大津と彦根の2か所に開設し、職種を定めて接種を開始するとともに、中小企業が共同で実施される場合や大学等が地域貢献も含めて実施する職域接種も支援することとしており、接種を希望する県民が11月末までに接種できるよう取組を進めてまいりたいと存じます。  7点目、みんなでつくる滋賀県安心・安全店舗認証制度の現状、そして今後の取組についてでございますが、現状につきましては、6月28日現在、620件の申請、そして既に404件の現地確認を行い、256件について認証の手続を完了しているところです。  認証に当たりましては、一件ずつ現地で丁寧に確認することが必要な中、制度開始の初期に申請が集中いたしまして、確認までに時間を要する事例が発生しておりましたが、受託事業者において現地確認の体制を増強するなどによりまして、おおむね現在は解消しつつあるということでございます。  さらに申請を伸ばしていくため、県民・事業者集中支援月間に合わせまして、テレビCMやSNS広告などを重点的に行うことで一層の制度周知を図り、まずは7月末までに1,000件を目途に認証できるよう取り組んでまいります。  今後、Go To Eatの再開に当たりましては、利用者に対して認証店舗での利用を要請することを考えており、事業者の御協力もいただきながら、認証店舗のさらなる拡大に努めてまいります。  この項の最後、困窮される方々の状況、県としての取組についてでございますが、6月18日現在、緊急小口資金等の貸付件数は2万9,751件、貸付金額は約181億円となっておりまして、リーマンショック時の3年間との比較で約12倍という状況でございます。  貸付利用者等を対象に、昨年、県社会福祉協議会が実施された調査によりますと、独り親世帯では収入が減った理由といたしまして、職場の都合や子育てにより出勤日数が減少した方が62%、失業された方が12%と厳しい経済状況を挙げていらっしゃるほか、多くの方が健康や子育てに不安を抱えていらっしゃることが分かりました。  また、今月、県が実施いたしました生理の貧困に関するアンケート結果からも、経済的理由により生理用品の購入に苦労されている方が一定数おられる現状がございます。  このようにコロナ禍が長期化する中、様々な課題が明らかになっており、生活福祉資金の貸付けや生活困窮者自立支援金の支給、また、今定例会議にお諮りしております困窮する女性への生理用品の配布等を行う女性のつながりサポート事業などを通じまして、相談につながった方の困り事が解消されるよう、県、市町社会福祉協議会をはじめとする支援団体など、関係者との連携を強化してまいりたいと存じます。  さらには、各市町で取組が進められております包括的、重層的な相談支援体制の整備を研修会等を通じサポートすることで、県全体でのセーフティーネットを充実し、誰一人取り残さない滋賀を皆さんと共に構築してまいりたいと存じます。  大きな6項目め、経済雇用対策について、こちらは5点御質問賜りました。  まず1点目、県内経済への影響の把握についてでございますが、コロナ禍が長引く中で、担当部局では、これまで以上に商工会や商工会議所等との情報、意見交換を密にするとともに、例年実施しております事業者向けアンケート調査や企業訪問時においても、特にコロナ禍による影響や対応等についてお聞きするようにしながら、把握に努めているところでございます。  加えまして、県において設置しております補助金の申請に当たってのコールセンターや各種の事業説明会等の場で寄せられたお声についても、庁内の関係部局で情報共有を図っているところでございます。
     また、私自身も、今月18日には、滋賀経済団体連合会の皆さんとコロナ禍での経済・雇用情勢や必要な対策等について意見交換を行いまして、様々な御意見をいただきました。感染拡大を防止しながら、社会経済文化活動との両立を図っていくに当たっての共同メッセージをまとめ、発出させていただいたところでございます。  よりよき自治を追求するに当たり、それぞれの現場で努力、御苦労いただいている方々の声や意見をお聞きすることは、その出発点だと考えます。引き続き、様々な機会を捉えて事業者の皆様のお声の把握に努め、それらを施策の構築や検証、そして事業の運用改善につなげてまいりたいと存じます。  2点目のこれまでの支援策の実績と効果についてでございますが、例えば、昨年度末から実施しております経営力強化支援事業におきましては、飲食などのサービス業や小売業を中心に、当初の見込みを大きく上回る計2,660件の事業者の皆様に御活用をいただき、コロナ禍を乗り越えるための売上げ確保に向けた取組を進めていただいております。  また、令和2年度の県制度融資におきましては、実質無利子無担保融資等により、前年度に比べ件数ベースで約15倍、金額ベースで約37倍となる新規貸付を実行しているところです。  感染状況を見ながら実施してまいりました「今こそ滋賀を旅しよう!」宿泊周遊キャンペーン事業におきましては、県内100か所以上のホテル、旅館を対象として、第1弾、第2弾合わせて10万人泊分の県内旅行需要を創出してきたところでございます。  これらの事業者支援策や観光需要、観光消費の喚起策により、依然として厳しい状況の中ではございますが、国の支援策とも相まって、事業者の事業継続を一定下支えできているものと認識しております。  3点目、今後の事業者支援の在り方についてでございますが、事業者への支援に当たりましては、まずは飲食や宿泊等のサービス業や小売業など、長引くコロナ禍によって大きな影響を受けていらっしゃる事業者の皆さんの事業継続を支える必要があると考えております。このため、さきに議決をいただきました事業継続支援金を速やかに届けられるよう、準備を現在進めているところです。  同時に、厳しい中にありましても、コロナ後を見据え、経営力の強化や新たな事業展開に取り組もうとされる事業者のニーズにしっかりとお応えし、取組が力強いものとなるよう後押ししていくことも重要だと考えております。  今定例会議では、この両面から事業者支援を実施していくために必要な補正予算案といたしまして、事業継続支援金のほか、中小・小規模事業者の実情を熟知する商工団体等が地域の事業者を応援する取組への助成をはじめ、資金繰りの円滑化に向けた保証料負担のさらなる軽減、観光事業者が行う受入れ環境の整備に対する支援、県産品の販路拡大支援などについて御提案申し上げているところでございます。  県では、今月から8月までを県民・事業者集中支援月間と位置づけ、厳しい状況にある県民、事業者の皆さんに必要な支援策をできる限り速やかに、かつ確実に届けられるよう、経済団体とも連携協力し、全庁挙げて取り組んでまいる所存でございます。  事業者の皆さんからは、先行きがはっきり見通せないことが大きな不安材料であるといったお声をお聞きしており、引き続き動向を注視し、機動的な対応を図ることができるよう意を用いてまいりたいと存じます。  4点目、県内の雇用情勢、今後の見通しについてでございますが、総務省の労働力調査によりますと、令和3年1月から3月期までの平均で、完全失業者数は2万1,000人、完全失業率は2.8%でございまして、対前年同期比で5,000人、0.8ポイントの増となっております。  また、滋賀労働局や県内のハローワークに対して相談のあった事業所において、新型コロナウイルス感染症の影響により解雇、雇い止め等の予定がある労働者数は、6月18日時点の累積で855人と厳しい状況が続いております。  一方、本県の受理地別の有効求人倍率は、令和3年5月において0.92倍と13か月連続で1を下回っておりますものの、就業地別の有効求人倍率におきましては1.16倍と全国平均を上回るなど、弱いながらも回復傾向にあるのではないかと見ております。  ただ、今後の雇用情勢の見通しにつきましては、感染拡大の長期化や雇用調整助成金の特例措置の見直し等により、雇用維持が困難になる事業者が出てくることも懸念されるなど、先行きは依然として不透明でございまして、厳しい状況が続くものと認識しております。  5点目、雇用シェアサポート事業の取組状況、今後の雇用対策についてでございますが、本県では、出向や副業などを活用して従業員の雇用を維持しようとする事業者等を支援するとともに、多様な働き方を推進するため、本年4月1日に滋賀県雇用シェアサポートセンターを開設いたしました。これまで、産業雇用安定センターと共に直接事業所を訪問するなどして、人手不足や雇用維持などに関する具体の相談に応じてきたところでございます。  雇用過剰となっている事業者の多くは、雇用調整助成金を活用して従業員を休業させておられ、相談の中で、特例措置の終了に対する不安のお声をお聞きしているところでございます。そのため、雇用調整助成金の特例措置の終了までに出向等の選択肢が事業者に浸透するよう、引き続き、周知広報や丁寧な相談対応に努めてまいります。  加えまして、今年度は研修と企業実習を組み合せた離職者雇用型職業訓練や、コロナにより離職された方を雇用した事業者に助成金を支給することなどにより、800人規模の雇用創出に向けて取組を進めております。  また、しがジョブパーク等の就業支援機関におきまして、キャリアコンサルタントなどの専門支援員がそれぞれの状況に応じてきめ細かに相談対応するなど、関係機関とも連携して、必要な支援を行ってきているところです。  さらに、コロナの影響が大きい非正規雇用労働者や高齢者に対する就業支援の取組を強化すべく、本定例会議に必要な予算を提案させていただいているところです。  今後も、雇用を「守る」「つなぐ」「創る」という基本方針の下、雇用の維持確保を図る緊急雇用対策と、多様な働き方を実現するための将来を見据えた雇用対策を併せて実施してまいりたいと存じます。  大きな7項目め、公共事業の計画的な執行について、こちらは3点賜りました。  まず1点目、繰越し予算が多額で増加する原因および予算執行に係る実効性のある対策についてでございますが、本県では公共事業の早期の効果発現を図るため、積極的に国の補正予算を活用することとしておりますが、近年は、その補正予算が年度末に措置されること、また、より大型となってきていることが、多額の繰越し予算が生じ、増加する主な原因となっていると考えております。  予算執行に係る実効性のある対策につきましては、今年度、前年比14名増の人員体制に強化するとともに、アウトソーシングの活用や債務負担行為を活用した発注時期の平準化などに取り組んでいるところでございます。  今後も、事業量に応じた体制を整えるとともに、職員の負担軽減や事務の平準化の取組をさらに進めることにより、計画的かつ効率的な予算執行に努めてまいります。  2点目、土木技術系職員の人材確保および育成についてでございますが、近年、総合土木職員の6月の上級試験における最終競争倍率は2倍程度で、合格者が採用予定数を下回っていることから、特別募集の実施や任期付職員として県OB職員等を採用するなど、職員の確保に努めているところでございます。  また、人材確保に向けた取組といたしましては、若手職員による業務紹介や職場見学を行う技術系職種ガイダンスの開催、若手職員が出身大学を訪問するなど、より多くの方に受験いただけるよう活動を行っているところでございます。  今後、他府県の取組なども参考にしながら、積極的に人材確保に向けた取組を実施してまいりたいと存じます。  人材育成の取組といたしましては、年間約30講座の土木系技術研修を行いますとともに、技術士などの技術資格取得を奨励するなど、職員の技術水準の向上に努めております。  また、任期付職員といたしまして採用したOB職員には、各土木事務所におきまして若手職員と共に業務を進める中で、これまで蓄えられた豊富な知識や経験を継承いただいているところでございます。  加えまして、広い視野を持った技術職員を育成することも重要だと考えておりまして、設計積算や現場監理だけではなく、政策形成や企画立案など、様々な経験を積むことができるような人員配置にも努めてまいる所存でございます。  3点目の技術職員不足の市町への支援についてでございますが、市町職員に対し、公益財団法人滋賀県建設技術センターと連携いたしまして、土木関係の専門研修を行うとともに、各土木事務所等に技術相談窓口を開設いたしまして、積算など工事発注に係る助言などを行っております。  また、建設技術センターにおきまして、工事積算および道路橋点検に係る業務の受託や、市町職員に対する個別工事の積算指導などを実施しております。  今後も、市町の意向を確認しながら、適切な事業執行が行えるよう、必要な支援等行ってまいりたいと存じます。  大きな最後8項目め、淀川水系河川整備計画の変更に対する知事意見について、こちらは6点御質問いただきました。  まず1点目、大戸川ダムの必要性等についてでございますが、平成29年11月定例会議におきまして、県益を最優先する河川政策の推進を求める決議をいただき、この中で、大戸川ダム本体工事の一日も早い着工を国や下流府県に働きかけることは知事に課せられた責務とされたところでございます。  これを受けまして、平成30年度に今後の大戸川治水に関する勉強会を行いまして、県内の治水効果を検証いたしました結果、大戸川ダムは、まず、計画規模と同程度の洪水に対して大戸川からの氾濫を抑制できること、また、超過洪水に対して洪水のピークをダムでカットできる場合は浸水被害を低減できること、ピークをダムでカットできない洪水に対しても、氾濫を遅らせることにより避難時間や避難経路を確保できること、天ヶ瀬ダムへの流入量を低減させることにより瀬田川洗堰の全閉時間や制限放流時間を短縮できること、洪水後の放流操作を工夫することで琵琶湖のピーク水位を抑制できることなどが確認できたところでございます。  この検証結果や近年頻発する豪雨災害、大戸川の改修状況などを踏まえまして、大戸川ダムを早期に整備することは県益にかなっているものと判断し、平成31年4月にその考えを表明し、その後、国に要望するとともに関係府県にも説明をし、議会とも議論を重ねてきたところでございます。  2点目、早期着工を求める考えについてでございますが、まず、大戸川ダムに伴う自然環境や生態系破壊のリスクについてでございますが、国において、平成4年に本県の要綱に準じた環境影響評価を実施され、総合的にはダム建設事業による環境への影響は少ないものと考えられるとされております。  また、平成13年から平成17年まで、環境影響評価法に準じた環境調査を実施されているところでございます。  今般の河川整備計画の変更案では、環境影響をできる限り回避、低減するための環境調査を含め、必要な調査等を行うとされており、今後国において調査を進められる中で、本県としてもその状況をつぶさに確認いたしまして、適切な措置が講じられるようしっかりと意見を述べるとともに、県民の皆様にも必要な説明を行ってまいりたいと存じます。  次に、想定を超える洪水による水害リスクについてでございますが、平成30年度に実施いたしました勉強会におきましては、計画規模を超える洪水でありましても、氾濫を軽減する効果や氾濫を遅らせる効果があることが確認できているところでございます。  なお、異常洪水時防災操作を行いました場合は、ダムの下流で急激な浸水範囲の拡大や浸水位の上昇を招くおそれがあることから、ダムの下流にお住まいの皆様がダムが整備できたからといって水害に対する危機意識を緩められることなく、ダムにより氾濫を遅らせた時間を有効に活用し適切な避難につながるよう、国や市と連携いたしまして、リスク情報の周知や避難体制の構築に取り組んでまいります。  ダム建設後に必要となる費用は維持管理費が考えられますが、平成28年に国が実施いたしました大戸川ダム建設事業の検証における費用対効果分析での維持管理費は年間2億7,000万円程度とされており、当該費用は国において負担されますことから、県民のみに負担がかかるものではないと承知しております。  このように、御指摘のあったリスクにつきましては、いずれも、今後、国または本県において適切に対応できるものと考えており、近年の気候変動による水害の激甚化、頻発化が顕在化する中、大戸川ダムは、淀川下流域のみならず、大戸川流域や琵琶湖周辺においても治水効果がありますことから、県民の生命と財産を守る立場の知事として、大戸川ダム本体工事の早期着工を求めることとしたものでございます。  3点目、世界の潮流はダムの回避との御指摘についてでございますが、ダムの建設につきましては、気象、地形条件、ダムの目的、これまでの整備状況が異なる他国と比較し評価すべきでないものと考えます。  また、国際大ダム会議のシンポジウムにおきましては、カナダでは2010年から2019年までに5基のダムが完成、2020年現在、イタリアでは4基、スペインでは5基の水力発電を目的としたダムが建設中との御報告があり、必要のあるダムは先進諸国でも建設されており、必ずしも世界の潮流はダムの回避との御指摘は当たらないのではないかと考えております。  ダム撤去に関しまして、国連大学の報告書によりますと、米国ではほとんどのダムは個人所有であり、多くのダムは管理が放棄されたままであること、撤去されたダムのほとんどは高さ5メートル未満で個人所有であるとされており、政府機関などが管理しているダムが数多く撤去されているものではないと考えております。  また、過去にダム決壊等の事故があったことは事実でございますが、国土交通省によりますと、ダムの本体は半永久的に健全であることが期待できるとされており、適切に施工、維持管理されているものであるならば、決壊等の事故には至らないものと考えております。  なお、SDGsには目標11の住み続けられるまちづくりをにおきまして、総合的な災害リスク管理の策定と実施を行うとされ、目標13の気候変動に具体的な対策をにおきまして、気候関連災害や自然災害に対する強靱性および適応の能力を強化するとされておりますことから、大戸川ダム本体工事の実施は、SDGsの目標の達成にも資するものと考えております。  4点目、ダム建設を進める合理的な理由、科学的根拠についてでございますが、先ほども申し上げましたが、平成30年度に実施いたしました勉強会で、大戸川ダムは、淀川下流域のみならず、大戸川流域や琵琶湖周辺においても治水効果があることが確認できております。  また、繰り返しになりますが、お示しいただきました御懸念の一つ一つにお答えさせていただきますと、自然環境に及ぼす影響につきましては、これまでから国において環境に係る調査や評価が実施されているところでございます。  変更案におきましては、環境影響をできる限り回避、低減するための環境調査を含め、必要な調査等を行うとされており、今後国において調査を進められる中で、本県としてもその状況をつぶさに確認いたしまして、適切な措置が講じられるようしっかりと意見を述べるとともに、県民の皆様にも必要な説明を行ってまいりたいと存じます。  将来世代に残す負担と危険性につきましては、ダム堤体のコンクリートは適切に施工、維持管理されているものであれば半永久的に健全であることが期待されるとされており、撤去や更新の必要はなく、負担は大きいものではないと考えております。  大戸川ダム下流域の危険性回避のための他の選択肢につきましては、平成28年に国が実施いたしました大戸川ダム建設事業の検証におきまして、河道の掘削案や遊水地案、利水容量買上げ案など複数の代替案についてコストや実現性等を比較検討され、大戸川ダム案が有利と判断されたところでございます。  流水型ダム、いわゆる穴あきダムにつきましては既に全国で5基完成しており、これまで安全性などについて大きな問題は報告されていないと承知しております。  近年の気候変動による水害の激甚化、頻発化が顕在化しており、例えば、30年で時間雨量50ミリを上回る大雨の発生件数は約1.4倍、時間雨量100ミリは約1.7倍に増加しております。  また、国によりますと、今後の気候変動により、河川整備の目標としている降雨量が約1.1倍から1.3倍に増加し、洪水の発生確率が約2倍から4倍に増加すると予測されております。  このような状況を踏まえ、大戸川ダムの完成には少なくとも12年を要することを考え合わせますと、一刻も早く治水効果を発現させるため、大戸川ダムの早期整備が必要と判断させていただきました。  5点目、一刻も早い流域治水政策の徹底が住民の命を守ることになるというお考えについてでございますが、国においては、流域治水として河川管理者が主体となって行う河川整備等の川の中の対策と併せ、あらゆる関係者が協働して流域全体で行う川の外の対策を総合的かつ多層的に推進することとされております。  川の中のハード対策は、計画規模以下の洪水に対して確実に効果を発揮いたしますが、計画規模を上回る洪水は起こり得るため、大戸川流域におきましては、河川改修やダムの整備と併せまして、議員お示しの想定浸水深の周知徹底や安全な避難方法の理解促進など、川の外の対策を組み合わせ、ハード、ソフト一体となった多層的な対策を講じる必要があると考えております。  このため、これまでから、ダム下流で想定浸水深が大きく水害リスクの高い4地区において、流域治水条例にのっとり、水害に備えた図上訓練やまちあるきの実施、避難計画の検討などの取組を進めているところでございます。  今後も地域と連携いたしまして、避難体制の充実を図りながら、早期に安全な住まい方が実現できるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  6点目、流域治水関連法の改正の趣旨と淀川水系河川整備計画変更における整合性についてでございますが、今般の変更案におきましては、ダムの事前放流による利水容量の活用も含め、あらゆる関係者が協働し、流域全体で水害を軽減させる治水対策である流域治水を進めることとされており、整合していると考えます。  県といたしましては、この整備計画の変更により淀川水系全体で流域治水が進展することを期待しており、流域における雨水貯留対策の強化や水防災に対応したまちづくりとの連携など、本年5月に公布された流域治水関連法の制度を活用することで、滋賀の流域治水の取組を一層強化していきたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)県立高等学校等における1人1台端末環境の導入について、3点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目のBYODの導入のメリット、デメリットについてでありますが、高等学校では令和4年度から新しい学習指導要領が実施され、主体的、対話的で深い学びの実現を目指すため、1人1台端末の環境が必要であると考えております。  導入に当たって、タブレット端末等はふだんから使う文房具や辞書の代わりになるものとも考えており、生徒が常に自分の周りに置き、個人の所有物として責任を持って管理し、深い学びの実現につなげてもらいたいと考えているところでございます。  BYODを導入するメリットといたしましては、タブレット端末等の様々な機能が充実していく中、その時々に合った機種を自身の学習内容を踏まえて選択することで、より充実した学びが実現できることがあると考えております。  一方で、デメリットといたしましては、議員御指摘のセキュリティー対策の問題に加えまして、保護者の皆さんの購入費用負担に対する支援が課題であると認識をいたしております。  セキュリティー対応策といたしましては、登録された端末以外はネットワークに接続できない仕組みとするほか、データのやり取りをセキュリティー対策が取られたクラウド上で行うことにより、高い安全性が確保されるものと考えております。  また、保護者の御負担が入学時に集中しないような方法などについて、しっかりと考えてまいります。  これらの取組によりまして、来年度に向けてしっかりと準備を進め、購入したタブレット端末が有効に活用されるよう努めてまいる所存でございます。  次に、2点目の1人1台端末を導入することで、個別最適な学びの向上や協働的な学びの向上、学力の向上にどのようにつなげていくかについてでございますが、個別最適な学びにつきましては、1人1台端末を活用することにより、教員は生徒一人一人の学習進度や到達度に合わせることで、個に応じた指導をより進めることが可能となると考えております。  また、生徒につきましては、自らの学習状況を振り返り、自分に合った方法で主体的に学習を進めることで学習を深めることができ、さらに家庭などで繰り返し学習することで、学習内容の定着に生かせると考えております。  協働的な学びにつきましては、例えば、これまでは難しかった他の学校や地域、海外など多様な他者との交流を通して、自分の考えを深めたり、多様な意見を共有しつつ合意形成を図ったり、課題解決策を考える活動を進めることで、より深い学びの実現につなげてまいりたいと考えております。  個別最適な学びと協働的な学びの向上によりまして、主体的、対話的で深い学びを推進するとともに、これまでの対面での学びのよさを生かしながら、一層学びの充実と学力の向上を図ってまいります。  あわせまして、1人1台端末が有効に活用できますように、引き続き、ICT活用に係る教員研修や情報提供の充実を図ってまいります。  次に、3点目の経済的に困窮する世帯等の生徒への支援についてでございますが、これらの生徒に対しましては、国の補助制度を活用して貸出し用の端末を今年度中に各学校に整備し、必要に応じて貸出しを行う予定をしております。  また、購入を希望される保護者の皆様に対しましては、今後、奨学金の制度などを周知いたしますとともに、分割で購入できる方法などを検討してまいりたいと考えております。  保護者の負担を軽減するため、通信料の補助やタブレット端末の購入にかかる費用の助成などを国に働きかけますとともに、各学校においては、購入したタブレット端末等をしっかり授業で活用し、子供たちの学びの向上につなげてまいる所存でございます。 ○議長(富田博明) 以上で、会派代表による質疑ならびに一般質問を終わります。    ──────────────── △休会の議決 ○議長(富田博明) お諮りいたします。  明30日および7月1日は、議案調査等のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(富田博明) 来る7月2日は、定刻より本会議を開き、上程議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。   午後2時57分 散会    ────────────────...