滋賀県議会 > 2020-12-10 >
令和 2年11月定例会議(第17号〜第23号)−12月10日-06号

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  1. 滋賀県議会 2020-12-10
    令和 2年11月定例会議(第17号〜第23号)−12月10日-06号


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    令和 2年11月定例会議(第17号〜第23号)−12月10日-06号令和 2年11月定例会議(第17号〜第23号)                 令和2年11月定例会議会議録(第22号)                                        令和2年12月10日(木曜日)           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第6号                                         令和2年12月10日(木)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第164号から議第197号まで(令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)ほか33件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問           ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件           ────────────────────────────── 会議に出席した議員(41名)    1番   井  狩  辰  也       2番   本  田  秀  樹    3番   柴  田  清  行       4番   重  田     剛    5番   白  井  幸  則       6番   村  上  元  庸    7番   清  水  ひ と み       8番   河  井  昭  成    9番   佐  口  佳  恵       10番   小  川  泰  江
       11番   黄 野 瀬  明  子       12番   松  本  利  寛    13番   杉  本  敏  隆       14番   田  中  松 太 郎    15番   角  田  航  也       16番   塚  本  茂  樹    17番   山  本     正       18番   大  橋  通  伸    19番   駒  井  千  代       20番   中  村  才 次 郎    21番   桑  野     仁       22番   周  防  清  二    23番   海  東  英  和       24番   加  藤  誠  一    25番   竹  村     健       28番   有  村  國  俊    29番   大  野  和 三 郎       30番   岩  佐  弘  明    31番   富  田  博  明       32番   細  江  正  人    34番   川  島  隆  二       35番   奥  村  芳  正    36番   木  沢  成  人       37番   清  水  鉄  次    38番   冨  波  義  明       39番   江  畑  弥 八 郎    40番   成  田  政  隆       41番   九  里     学    43番   今  江  政  彦       44番   中  沢  啓  子    45番   節  木  三 千 代           ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(1名)    27番   目  片  信  悟           ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             中  條  絵  里               知事公室長           水  上  敏  彦               総合企画部長          廣  脇  正  機               総務部長            江  島  宏  治               琵琶湖環境部長         石  河  康  久               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        森  中  高  史               農政水産部長          西  川  忠  雄               土木交通部長          吉  田  秀  範               会計管理者           浅  見  裕 見 子               病院事業庁長          宮  川  正  和           ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            西  出  佳  弘               議事課長            山  本  昌  男               議事課課長補佐         瀬  川  進  一   午前10時 開議 ○議長(細江正人) これより本日の会議を開きます。  直ちに日程に入ります。    ──────────────── △議第164号から議第197号まで(令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)ほか33件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問 ○議長(細江正人) 日程第1、議第164号から議第197号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、11番黄野瀬明子議員の発言を許します。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇、拍手)おはようございます。  早速ですけれども、事業者の緊急支援策について、通告したとおり、知事と各部長に一問一答で質問をいたします。  第3波のコロナ感染が広がっています。これまで打ってきた事業者などへの支援策は第3波を想定していませんでした。効果が切れ始めるこれからの時期に、事業者を支える緊急の直接支援策が必要です。県内の事業者の状況に応じた手だてを求めます。まずは、県内で休廃業、解散する事業者は、産業別、従業員規模別の傾向はどのようになっているか、商工観光労働部長に伺います。 ○議長(細江正人) 11番黄野瀬明子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎商工観光労働部長(森中高史) (登壇)お答えいたします。  県内の休廃業や解散する事業者の状況につきましては、公表されているデータがないため把握しておりませんが、民間事業者の調査によると、本年1月から11月までの倒産件数は73件となっており、これを産業別で見ると、卸、小売、飲食業の32件が最も多く、サービス業が次いで17件、建設業が15件となっております。また、資本金別で見ると、個人企業の35件が最も多く、500万円未満が14件となっており、小規模企業の割合が多くなっているところでございます。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)特に小規模事業者が経営が危機ということでございます。  第3波を乗り切る支援が必要です。休廃業が急増している娯楽業に当たるライブハウスの実態を1つ御紹介いたします。  大津市内にある県内で唯一全国ライブができるライブハウスが、感染拡大が深刻になった4月、イベントがゼロ、その後、緊急事態宣言から7月末まで休業し、8月から再開をしましたが、通常月20本入るイベントは3本程度が続き、来年2月までこの状態です。イベントの予約はすぐには入らない、今入るイベントは3月、春先になります。感染防止のために、ライブハウス協会のガイドラインを参考に、お客さんに1メートル離れてもらうため、収容人数は通常240人のところが60人です。収益が85%減の状態が来年2月まで続くことになります。ガイドラインが緩和されても、1回でも感染者が出たら経営には致命的だということで思い切った集客もできません。ライブ配信の機器も導入をされて、無観客も挑戦をしますが、これで収益が出るのは都市部のトップアーティストぐらいだとおっしゃいます。感染防止と営業の両立は事業者努力ではどうしようもありません。アーティストやファンからの寄附、持続化給付金家賃支援給付金、県の休業支援金や各種補助金、全部申請されましたが、支援策の効果が切れてきています。寄附が寄せられる事業者は多くありません。もっと深刻な事業者のほうが多数です。今手を打たなかったら事業者の廃業が多数出ると思いますが、知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  新型コロナウイルス感染拡大により、本県経済は引き続き厳しい状況にあり、今後も幅広い業種に影響が続くものと認識しております。  一昨日には、実質無利子・無担保融資の継続、雇用調整助成金の特例措置の延長、国内観光を中心とした旅行需要の回復策、業態転換等のための事業再構築補助金の創設等を主な内容とする国の総合経済対策が閣議決定されたところでございます。  こうした国の経済対策に県として呼応し、迅速に対応していくとともに、これまでの補正予算でお認めいただいた事業の周知と執行にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)大変厳しいということで、もう1つ紹介をいたします。  スナック、飲食店でも、「9月頃、やっと持ち直してきた。その矢先の第3波、年末年始の書き入れどきなのに予約がほとんどない」とおっしゃいます。東京商工リサーチの調査では、「忘年会、新年会を開催しない」、こう答えた企業は全体の87.8%、特に10月以降、飲食店での感染が増えて、企業に防衛意識が高まっています。事業者の自助努力ではどうしようにもなりません。持続化給付金家賃支援給付金の複数回実施を国に求めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 先月23日に全国知事会が国に行いました緊急提言では、新型コロナウイルス感染症により大きなダメージを受けた雇用、産業への支援や、需要創出、消費喚起対策として、持続化給付金等の再度の支給も含め、リーマンショック時を上回る追加の経済対策を講じることを提言しているところです。  本県経済は、先ほど申し上げたように、依然厳しい状況でございます。今後の見通しについても、引き続き厳しい状況が続くものと考えており、必要に応じて、これらの給付金の複数回の実施について国へ要望してまいりたいと考えております。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)さらには、支援が届きにくい小規模事業者への県独自の直接支援を求めます。これまでの補助金、それからGo Toなどの支援策は、この恩恵を受けられた事業者に格差が出ています。滋賀労働局にお聞きしますと、Go To トラベルで県内の観光・宿泊業でも、高級ホテルは客入りが多い一方で、小規模の宿泊業は不況で格差が出ている、Go To Eatで大手チェーン店は盛り返しているが、飲食店の小規模は落ち込んだままだと指摘をされました。  長野県が、この状況に対し、Go To トラベルの支援を受けていない事業者を対象に小さなお宿応援事業をしておられるように、滋賀県内の事業者の状況に応じた支援が必要だと思います。県内事業者がどのような施策を望んでいるのか、今、滋賀県では、新しい生活・産業様式確立支援事業、これを進めておられまして、その申請用紙についているアンケート、これで必要な支援策を集約されているというふうに思います。このアンケートの結果から、県内事業者がどんな支援を求めているのか、商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(森中高史) お答えいたします。  県の新しい生活・産業様式確立支援事業の申請時に寄せられたアンケートの速報によりますと、新型コロナウイルス感染症による事業への影響については、客数の減少、受注、売上げの減少、感染予防等に伴うコスト増という回答が多くなっております。また、県に求める支援制度、対策につきましては、全体として資金繰り支援が最も多く、続いて、新しい生活・産業様式の確立に向けた支援等も求められております。とりわけ中小企業では、資金繰り支援とともに雇用対策も多く求められているところでございます。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)今、集計中だと思いますけれども、その結果を踏まえて、県ではどんな支援を考えているのか、商工観光労働部長に再度お聞きをいたします。 ◎商工観光労働部長(森中高史) お答えいたします。  先ほど知事の答弁もございましたが、一昨日、国のほうでも閣議決定された経済対策がございますが、その中におきましても、資金繰りの支援の継続ですとか雇用対策等もございます。また、様々な支援策がございますので、ここでつまびらかには答弁できませんが、失業なき労働移動等、そういったものも含めて、資金繰りですとか雇用対策、そういったものにも万全を期していきたいと思っております。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)1点再問をしたいので、本当は知事に聞きたいんですけども、商工観光労働部長にお聞きをいたします。  今、8日に内閣の発表がありまして、次の労働政策、支援で、業態転換と、中小企業向けのそういう補助金を盛り込まれました。先ほども知事がそういった対策に取り組んでいくと、こういうお話なんですけども、事業者は、今のコロナを乗り切りたいと、この危機を。ライブハウスの例で言えば、春先には仕事が戻ってくる可能性もあると。こういうふうに、今を耐えたいと、だから、今支えてほしいということを訴えておられるわけで、今乗り切る支援策が欲しいということが訴えの中心であります。  お聞きをいたしたいのは、国が示してきましたこの中小業者を念頭に置いた業態転換、これを精力的に取り組んでいこうということなのか、国は、持続化給付金とか、知事は求めていただいているんですけど、家賃支援給付金、これの代わりに業態転換を主軸に進めていこうということで、直接給付をしようという考えが今示されていないんですね。そういう下で、県はこの業態転換を、乗り換えてやっていこうという姿勢に立ってしまっているのかということを再度お聞きいたします。 ◎商工観光労働部長(森中高史) お答えいたします。  この国の今御指摘いただきました総合経済対策につきましては、一昨日閣議決定されたものでございますので、これからしっかり情報を取っていきたいと思いますが、その上でお答えいたしますと、国におきましては、やはりまず前面に出ているのは、しっかりと資金繰りの継続ですとか雇用対策、そういったものもしっかりやっていくということを考えているというふうに承知していまして、まず、やっぱりしっかり今の事業者様の事業継続をどのように支えていくのかという観点があると思います。その上で、やはりコロナの影響が長引き、それから、まさにその生活様式ですとか産業のやり方も変わる中で、やはり業態転換が必要な業種もあろうということから、そういったことにチャレンジ、もしくは、チャレンジというか、やむを得ずというか、やらざるを得ないような場合には、そういったものの支援もしていくということかと思っておりますが、詳細につきましては、また引き続き、この後、国の対策の詳細も出てくると思うので、しっかりと情報収集したいと思います。  県のスタンスはどうなのかと言われますと、国と、今申し上げたのと同様で、当然、事業者の事業継続、そこをしっかり最優先に考えていくとともに、そういった新しいものにチャレンジするところをどう後押しできるか、そういったものを考えていきたいと思っております。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)次に、行きます。  幅広い小規模事業者に届く経済政策を1つ提案をいたします。住宅リフォーム助成制度です。住宅リフォームは、関わる業種工種が広く、県内の全事業者のうちの割合が高い建設業や製造業の仕事おこしになります。甲賀市で実績がありますように、地域内の小規模事業者が請けられる仕事です。今、この業界の実態も大変です。大津市のある塗装事業者は、今月、仕事を予定していたお施主さんから、コロナで先行きが見えないから塗装工事を先送りしたいというキャンセルが6件もありました、今月。その事業者は、仕事に使うはけや機械を年間で借りて、12月末にまとめて1年分40万円の支払いが決まっています。このように、多くの事業者がリース代などの支払いがある年末を迎え、収益が上がらず苦境にあります。コロナ危機から地域経済を回復させていくためには、地域経済への波及効果の高い住宅リフォーム助成制度こそ行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 県では、これまでから、住宅リフォームに対する支援として、木造住宅の耐震化やバリアフリー化の促進など、特定の政策目的を持ったリフォームへの助成を行うとともに、県民向けの普及啓発や相談事業を実施しております。住宅リフォーム全般に対する助成制度を創設することは財政的に困難でございますが、今後とも特定の政策目的を有したリフォーム助成を継続または充実させることで、地域経済の活性化にもつなげてまいりたいと考えております。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)今後も引き続いてということでありますけれども、特に今、コロナ禍で仕事がすごく減っているという事業者に対して、コロナ禍でこの景気が落ち込んでいると、こういうことを乗り越えていこうという角度で、さらに今拡大していこうという観点があるのか、再度お聞きいたします。 ◎知事(三日月大造) 住宅リフォーム業者が受けていらっしゃるこのコロナ禍に対してという趣旨の御質問と受け止めるんですけれども、もちろん、全般的にコロナで苦境にある事業者の皆様方の資金繰り支援ですとか雇用対策、これはしっかりやっていかなければなりませんし、長引いていますので、そういったことに対して国の経済対策も活用しながらしっかり手を打っていくということだと思います。ただ、殊、住宅リフォーム業者に目がけて、どんな改修でもいいからリフォームしはったらコロナで大変やろうから支援しまっせというようなことは考えておりません。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)おっしゃるように、そういう仕分は要ると思っているんです。私が言いたいのは、この住宅リフォームという特定の工事じゃなくても、幅広く今困っていらっしゃる小規模事業者の皆さんに仕事おこしになる、そういう観点で、今、そういう助成制度をしようという、そういうことを考えておられるかということです。すいません、もう一度お願いします。 ◎知事(三日月大造) このコロナで様々な感染症の予防対策が必要だということがございますので、と同時に、そういった対策を講じる際に、地域の事業者ができるだけそういった事業を請けていただけるような、そういう発注なり仕事の枠組みにしていこうという、この意識は絶えず持って事業の検討をさせていただいているところです。例えば、このたび議会にお諮りしておりますトイレ等の改修、洗面ルームの改修などにつきましても、これは、それぞれ発注の仕方にもよりますけれども、県内のこういった事業者にも請けていただけるような、一定の波及効果が及ぼし得るような、そういった事業にもなり得ると思いますので、そういう観点から事業の組立てや発注をしていくということも必要なのではないかと存じます。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)次に、行きます。  今ある制度の延長や周知、柔軟な運用も必要です。持続化給付金家賃支援給付金の申請期限は来年1月15日です。実際、今月の営業実績までが対象となります。今、第3波が拡大をしていて、これからますます消費が冷えることが予想されます。今の時点では支給要件を満たさなくても、来年1月以降に経営が悪化する事業者が使えるように、申請期限の延長を国へ求めるべきと思いますが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 先ほどの質問でもお答えいたしましたとおり、全国知事会の緊急提言においては、持続化給付金等の再度の支給も含め、リーマンショック時を上回る追加の経済対策を講じることを提言しているところでございまして、この追加の経済対策の中には、各種給付金等の延長も含めて包括的に国に要望しているところでございます。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)次に行きます。  持続化給付金をまだ申請しておられない事業者もあります。例えば農業者です。5月の12日、当時の江藤拓農水大臣がこのように国会でおっしゃっています。「多くの農業者の方々が、自分は規模も小さいし、小規模であるから対象にならないだろうというような判断をされていることも多い。そして、農林の場合は、過去1年間の収入を12で割って、この1月15日までの期間で所得の低いときと比較していただければ、ほぼほぼこれは対象になる可能性が極めて高いということでありますから、農業者のもとに、一日も早くこの制度が理解され、そして利用されるように努力していきたい」と、このようにおっしゃっています。給付の対象になり得る農業者で所得を申告しておられるのは何者か、農政水産部長に伺います。 ◎農政水産部長(西川忠雄) (登壇)お答えいたします。  本県の農業経営体数は、2020年農林業センサスで1万4,679経営体でございまして、このうち、実際にどれだけの農業経営体がどのような税務申告を行っていらっしゃるかは承知しておりません。ただ、同センサスで青色申告を行っている経営体数の調査がございます。これによりますと、今年2月1日現在で、先ほど申しました農業経営体数1万4,679のうち青色申告をしていらっしゃる農業経営体は4,970でございます。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)少なくともその4,970の方々が対象ということだと。5割減という要件はありますけども。  しかし、県内各地で私たちが農家を訪問していますと、いまだに対象になることを知らない方が大変多いんです。今、外食チェーンの売上げが暴落をして、国内の米や野菜が売れないなどのコロナの影響が出ています。期限がもうまさに迫っている中で、農業者への周知は行き届いているのか、農政水産部長に伺います。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  農業分野におけるコロナ禍による影響への支援制度につきましては、御指摘の持続化給付金制度に加えまして、農業者等を対象とした経営継続補助金や高収益作物次期作支援交付金などがございまして、これらの支援制度をセットにして併せて周知に努めているところでございます。  農業者への情報提供については、説明会の開催のほか、JAの営農指導員や市町、県の職員が直接伝えるなど、インターネット上の情報周知だけに頼らない手段も併せて用いておりまして、可能な限り必要な方へ周知が行き届くように努めているところでございます。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)そのように周知に頑張っていただいているとは思うんですけども、実際に農家の方から聞きますと、たくさんの支援があるということで、それは結構なことなんですけれども、その中の一つということで、ちょっと印象が薄れて知らなかったという方も多くいらっしゃいました。江藤大臣が、当時の大臣がおっしゃるように、改めて期間が迫るこの時期に、県として改めて周知をすべきと思いますけれども、再度、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  引用いただいた大臣の御発言、その部分だけで理解をいたしますと、多少不正確な部分もあるかというふうに懸念はいたしますが、いずれにいたしましても、申請期限までもう間もなく1か月ということでございますので、お忘れのないようにということで、いま一度周知を図りたいというふうに存じます。
    ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)次に行きます。  持続化給付金は、事業をして確定申告をして法人税を納めているのに、登記をしていない法人格のない、いわゆるみなし法人は申請できない問題があります。申請できるよう求める声が寄せられております。みなし法人は県内に何社あるのか、商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(森中高史) お答えいたします。  国税庁の統計情報によれば、本県のみなし法人は238社と承知しております。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)国の制度ですけれども、国のほうは、事業性の低い法人もあって線引きが難しいということで、一律に対象外としています。しかし、確定申告もして税金を納めているのに除外するのは公平でないということで、佐賀県なんかは、事業者から相談を受けられて、事業の5割以上が収益事業としている法人であれば国と同等の支援を行うという措置を行われました。ほか、全国に3市、そして、滋賀県内では近江八幡市がこの12月議会に同様の補正予算を提案をされております。例えば、近江八幡市では、沖島でお弁当を販売している漁業協同組合の婦人部さんが、コロナで4月の桜の時期に売上げが激減をしたと、こういう相談をされたようであります。今、近江八幡市以外の地域から同様の措置を求める声が上がっております。県独自で県内のみなし法人の支援を求めるものですが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 県内事業者の皆様より様々なお困りのことやニーズをお聞きしております。今例に挙げられた近江八幡市の湖島婦貴の会の皆様方からの御要望は、私も直接お伺いをいたしました。優先的に取り組むべきこととして、新しい生活・産業様式の確立に向けた支援や中小企業等が連携して行う新たな事業創出に対する支援など、感染拡大の影響を受けた中小企業等に対する新たな支援を実施しているところでございます。  お取り上げいただいたみなし法人への支援につきましては、今後、国の動向も見極めながら、また、他府県の取組も注視しながら、必要に応じて支援の在り方について検討を行ってまいりたいと存じます。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)率直に言って、これぐらいやったらいいんじゃないかというふうに思うわけです。県の本当に事業者を支えようと、こういう姿勢を見せてほしいなというふうに思うわけです。事業者の方々、本当に様々なお困りの声がありますので、おっしゃるように、どこからやればいいんだというような状況ではあるかと思いますけれども、本当に、でも、何をしてくれているんだというふうにも思うわけです。本当に事業者のこの危機を、何とか事業継続してほしいということで、本当に真剣に考えてこういう措置を打っていってほしいというふうに思います。  この項の最後に行きます。  消費税の減税を求めることについて、知事の所見を伺ってまいります。  消費税の減税は、特に苦境に立たされている小規模事業者への納税の負担を軽減をし、所得の少ない人の負担を軽減する支援策になります。消費税の減税には受給の線引きはなく、申請の手間も不要です。感染防止と両立できる経済政策だと思います。消費税の減税は、日常生活の中で減税効果を実感できる一番有効な経済政策だと思います。国に対し消費税減税を求めることについて、今の知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 求めるべきではないというのが私の見解です。令和元年度決算においては、消費税は18兆4,000億円で、国税収入の31.4%を占めています。本県でも清算後の地方消費税収入は485億円で、県税収支合計の24.3%を占めており、国、県の主要な税目となっております。昨年の税率引上げ以降は、そのウエートや重要性が増しており、ますます欠くことができない基幹税目になっていると認識しております。急速な少子高齢化社会が進展する中、社会保障制度を持続可能なものとし、次世代に引き継ぐためには、国民全体で負担をし合い、景気変動に左右されにくい消費税の税率は引き下げるべきではないというのが考えです。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)2月議会の答弁と全く変わっていないんです。残念です。  今言われましたけれども、私は、この事業者の支援策や、また、今本当に困っている国民の支援ということでの、そういう角度でお伺いをいたしました。今、答弁ありましたけども、これは税金を集める側の理屈なんです。国民全体で負担をし合いと言いますけども、税の原則は応能負担原則だというふうに思います。能力のある方から、担税力のある方から多くを撤収をすると。この消費税の場合は赤ちゃんのおむつ代からも取るんですよ。御存じのことだと思いますけど。ですから、低所得者でも生活必需品から取る、ぜいたくをしてなくても取られる、だから低所得者に重いんです。税金が払えないと、そういう方々でも無理に取る、これがあるから国や県の最大税目になっているんですよ。これ自体がどれだけ庶民に大きな負担を強いているか。景気変動の影響が小さく安定性が高い、こういうふうに言われますけども、この消費税の増税自体が経営やこの景気を悪化させた、そういう税金であります。  その上のコロナです。事業者にとっては、コロナで売上げが上がらない、それでも仕入れている分だけ消費税は払わないといけないんです。小規模事業者の消費税減税を求める声は切実ですよ。この状況に、幅広い方々から、今、この税金の在り方そのもの、どこから取るんだということ自体の見直しを求める声が、私たちだけじゃないです、幅広い方々から上がっているのが現状であります。社会保障の財源は消費税しかない、そういう固定した考えを一旦置いて、公平な税とは何か、ぜひ知事も研究をしていただきたいということを申し上げて次の質問に移ります。  雇用を守る対策について伺います。一問一答です。  12月1日の滋賀労働局の発表で、県内の有効求人者数が2万3,906人、有効求人倍率は0.81、近畿で最低でした。また、厚労省が12月4日集計で、滋賀県で今後雇用調整の可能性がある事業所が1,581件、解雇等見込み労働者数が483人で、約5割が非正規雇用です。滋賀労働局に問い合わせると、解雇見込みは調査できた範囲であって、実態はさらに多い、雇用調整助成金の効果があり、リーマンショックのような一気に大量の解雇をするということにはなっていないと指摘をされています。雇用調整助成金、休業支援金がなければ、もっと多くの解雇、雇い止めが起こっている厳しい状況だと思いますが、知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) 県内の雇用情勢につきましては、雇用調整助成金や休業支援金により雇用の維持が一定図られておりますものの、この10月の有効求人倍率、こちらは0.81倍と低水準の状況が続いており、滋賀県は他の地域よりもより低いという、こういう状況もございまして、大変厳しいものと認識しております。特に、外出自粛などの影響で業務の縮小を余儀なくされた宿泊、飲食業や、国内外の生産活動の停滞に影響を受けた製造業で、引き続き新規求人数が大きく減少しており、また、本県の主要産業である製造業への影響が派遣や請負業といったサービス業にも波及しておりまして、非正規雇用者を中心に離職者が増えているという状況が続いており、懸念しているところでございます。新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、影響が長期にわたることも覚悟し、困難な状況に置かれている方々にしっかりと寄り添った対応が必要であると認識しております。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)次、伺います。  先月、国は、雇用調整助成金のコロナ特例の実施期限を12月末から2月末まで延期をすると発表しました。しかし、3月以降は縮小するとしています。今、第3波が深刻化し、多くの企業で先行きが見通せなくなっています。雇用調整助成金のコロナ特例の支援が切れる3月、新年度を迎える4月に多くの解雇、雇い止めがあるのではないでしょうか。仮にコロナが終息をしても、景気が回復をし、雇用の増に踏み出すにはその先になると思います。雇用調整助成金の特例や休業支援金は景気回復する期間を見越した期限に延長するよう国に求めるべきと思います。知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 雇用調整助成金の特例措置等につきましては、経済状況や雇用情勢を踏まえて、さらなる延長など柔軟な対応を行うよう、全国知事会等を通じて国に繰り返し要望をしてきております。一昨日閣議決定された総合経済対策において、雇用調整助成金の特例措置等については、現行水準で来年2月末まで延長するとされ、その後の取扱いについては、3月以降、段階的に縮小することを基本の想定としつつ、感染状況や雇用情勢を踏まえ柔軟に対応するとされていると承知をしております。県といたしましては、今後の国の動向を注視しつつ、地域や業種ごとの状況に応じて必要な措置が講じられるよう求めてまいりたいと存じます。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)国は、3月以降は縮小すると、この宣言どおり雇用調整助成金特例や休業支援金を終わらせたら、それでも雇用を維持するために県としてできる限りの雇用調整助成金などの上乗せが必要ではないでしょうか。今年4月、県は、国がコロナ特例を実施する前に事業者の負担を軽減する独自の上乗せ制度を創設されました。雇用を守るための重要な措置だったと思います。その後、すぐに国がコロナ特例を創設したために活用しませんでしたが、今こそ創設しておくことが必要ではないでしょうか、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 雇用調整助成金につきましては、国がその時々の雇用情勢や今後の雇用政策の方向性を踏まえ、必要な措置を講じられるものと認識しており、現時点では県独自の上乗せは検討しておりません。3月以降は、先ほども答弁したとおり、特例措置等の段階的な縮小を基本に、感染状況や雇用情勢を見極め、柔軟に対応することとされていることから、県といたしましては、国に対して適切な対応を求めながら、同時に、雇用をつくる事業の継続や、雇用維持が難しい状況になった場合に、離職者を介護や福祉など担い手不足の業種へつないでいくこと、失業なき労働移動を実現する仕組みの構築など、雇用を守り、つなぐ取組を検討してまいりたいと考えております。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)今のうちから創設をしておかないということでありますなら、それ相当の雇用確保の対策が必要になってくるというふうに思います。  次に行きます。  県は、6月、9月の補正予算で、コロナ禍の失業者へ雇用創出事業として、県の職員の会計年度任用職員50名、県から民間委託をしている団体などに150名、また、民間企業が正社員を雇用した場合に1社5名分として200名分の雇用に対しての補助事業を始めておられます。緊急の雇用維持として重要な事業です。しかし、第3波到来の下、国が有効なコロナ封じ込め策も事業者支援策も打ち出しておらず、支援策の期限が切れようとしております。このままでは今後もさらに失業者が増えることが見込まれます。さらなる雇用確保が必要ではないでしょうか。来年度の予算では、今のこの400人という措置よりもさらに多くの雇用確保を求めるものですが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 経済雇用情勢は今後も厳しい状況が続くと思われますことから、雇用の創出を図る事業については、国の地方創生臨時交付金の動向も見据えながら、次年度においても引き続き実施できるよう、雇用創出の規模も含めて現在検討しているところです。  また、雇用の維持が難しい状況になった場合に、離職者を介護や福祉など担い手不足の業種へつなぐ失業なき労働移動を実現する仕組みの構築も検討し、緊急的な雇用創出と併せて、雇用を守る取組をしっかりとつくり、また進めてまいりたいと存じます。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)規模も含めて検討なんですけども、今年の補正でつけた規模よりは増やす必要があるというふうな認識なのか、伺います。 ◎知事(三日月大造) まずは、現在あるこの予算の枠をしっかりと活用させていただくということですし、今後については状況を見据えながら検討をしてまいりたいと存じます。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)今よりは下げないと、その後どんだけ増やすかということの検討ですか。再度お聞きいたします。 ◎知事(三日月大造) 状況を見て判断したいと思います。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)次、行きます。  失業や収入減による困窮者で多いのが、非正規雇用、特に女性です。中でも、子供を育てながらの独り親の収入減や失業は、特別に支援につなぐ必要があります。社会福祉法人滋賀県母子福祉のぞみ会の皆さんと女性県議会議員で懇談をさせていただきました。コロナ禍での要望書を受け取りました。独り親家庭の場合、多くはパートやアルバイトなどの非正規雇用で、コロナ禍の大幅収入減の上に、養育費を払っていた側もコロナで収入減や失業から養育費が払えないという実態が寄せられております。低所得の独り親世帯に臨時特別給付金の再給付を行う国の動きも出てまいりました。大変重要です。同時に、今後も見通して安定した仕事に就くなど、自立支援も重要だと思います。県内の自立相談支援窓口などに寄せられている相談のうち、就労支援を希望されている方で、どれだけ安定した就労につながっているのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  独り親家庭の就労相談に関する相談について申し上げますと、県では、相談窓口といたしまして、マザーズジョブステーションの中に滋賀県母子家庭等就業・自立支援センターを設置しておりまして、今年度4月から10月までの間に約1,600件の相談を受けておりまして、これは前年同期に比べますと約1.3倍ということでございます。このうち就労に結びついた人は72人でございまして、うち19人が正規の雇用でございました。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)貴重な実績だと思います。その上で、失業や収入減となった独り親の方が安定した就労に就くにはどんな課題があるのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  就業・自立支援センターの相談員に相談内容を確認しましたところ、就業に当たっての課題として、例えば子育てのため勤務時間が合わなかった、あるいは、資格や技能が求められたといった声があると聞いております。こうした点を踏まえ、就労に結びつけるための課題といたしましては、例えば子育て施策の充実、あるいは資格の取得や技能を習得するための支援が必要ではないかと思っております。つきましては、一時預かり事業への補助、あるいは、看護師、介護福祉士等の資格取得のために必要な資金の貸付けなども実施をいたしているところでございます。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)子育て施策の充実や、それから資格技能を取る、そういう支援ですね。そういったことだというふうに思います。  次の質問に移ります。  県は、来年度から、企業が雇用の維持が難しくなった場合に、離職者を介護、福祉など担い手不足の業種へつなぐ失業なき労働移動を実現する仕組みを実施しようとしておりますが、いまいち何をするのか見えません。今、実施するからには、コロナ禍で特に影響を受けている独り親をはじめ非正規労働者などが、例えば飲食業から介護や福祉職に転職を目指す場合の職業訓練の機会とか、資格取得にかかる経済的な負担を軽くする支援の仕組みこそ必要ではないでしょうか、商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(森中高史) お答えいたします。  失業なき労働移動の取組は、労働力が過剰となっている分野から労働力が不足している分野への人材の移転を図ろうとするものでございまして、特に業種の異なる分野への移籍や出向を円滑に進めるためには、受入先で必要なスキル獲得のための支援が必要であると認識しております。  県では、経験のない職業に就くことを希望する求職者に対しましては、県立高等技術専門校や民間教育訓練機関において公共職業訓練を実施しているところでございますが、失業なき労働移動を念頭に置いた在職者向けの訓練は実施できていないのが現状でございます。  県としましては、現在検討している失業なき労働移動の枠組みをまず立ち上げることに全力を注ぎつつ、業種が異なる分野への移籍等に必要なスキル獲得のための支援の在り方について、一昨日閣議決定された国の第3次補正内予算の内容にも注視しつつ、検討してまいりたいと考えております。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)再問をいたします。  お聞きをしたいのは、まだちょっとよく見えてこないんですけども、大きな枠組みとして、労働力が過剰になっている分野から人手不足の業種への労働を移動させるということなんですけども、これは労働者の希望によって転職ができるものなのか、あるいは、企業の間で労働が過剰だと、いわゆるリストラをしたいという企業が、それを公助の力で別のところに移動できると、そういうことを支えることになりかねないなというふうにも思うわけでありますが、どっちなんでしょうか。 ◎商工観光労働部長(森中高史) お答えします。  詳細につきましては、今検討中ではございますが、現在想定している先ほどから申し上げている仕組みにつきましては、企業と企業の間を想定しております。といいますのも、基本的には、産業雇用安定センターという、そういった出向ですとか転籍、移籍、そういったものを調整している機関がございまして、そことの連携というので、あらかじめ、それぞれ労働力が過剰になっている会社と求める会社との橋渡し、そういったものをしていこうというものでございます。ただ、その際にリストラを促進するということではございませんで、その仕組みの中に労働組合も含めて入っていきますし、当然、強制ということではなくて、そういった条件とかも含めて、その当事者間でしっかりと調整をしていくということになろうかと思っております。  この企業間での取組を今の仕組みでは想定しておりますが、当然それ以外に、個別に御自身として転職活動ですとか、もしくは失業中に職を求める、それはまた別の制度としましてそういった仕組みもございますので、個々人で職を求めるための支援と、企業間同士のそういった中でのマッチングの支援、そういったものは、ダブルといいますか、複層的に構築していくということでございます。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)ちょっとまだよく分からないので、また引き続きこれは議論をしていきたいなと思っているんですけども、もう1つ再問をいたします。  今、本当にコロナの影響を受けて、特に非正規労働者の皆さんや、紹介をいたしました独り親の皆さんなんかは、本当に先ほども健康医療福祉部長がおっしゃったように、スキルを身につけていないということで、安定した職に就きたいけれども、それがかなわないという、時間的な余裕もないし、そういう財力といいますか、その資格を取る、そういう経済力も低いということで、転職を繰り返すごとに段々条件が悪くなっていくと、こういうことにもなりかねないわけです。今、そういう方々にこそ公助の支援が必要だと思うんですね。そういう方々を支援しようという仕組みなのかということについて再度伺います。 ◎商工観光労働部長(森中高史) お答えいたします。  議員御指摘のとおり、非正規雇用の方のスキルアップですとか、そういったことを通じた正社員化、そういったものは大変重要だと考えております。国の経済対策の中でも、早期再就職支援のために、一定期間試行雇用、試しに雇用する事業主に対する賃金助成制度の創設ですとか、紹介予定派遣を通じた正社員化の促進などを書いてございます。こういったものの内容も見極めつつ、それから、今申し上げました県のほうでも行う仕組み中でどのようなスキルアップの支援などができるのかというのも併せて考えていきたいと思っております。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)次、行きます。  雇用情勢が悪化をして、回復がまだ見通せない中で、学生アルバイトが復帰できるのはさらに後回しになると考えられます。民主青年同盟が、11月21日、滋賀大学経済学部の学生に向けてフードバンクを実施されました。お米や野菜などの配布をしながら実態アンケートを行ったところ、43人からの回答が寄せられました。その中身は、多くは学業に対する悩み、単位が取れるか、進学できるかという不安とともに、そして、バイトが減った、シフトが組まれない、バイト先が潰れた、家族の経済状況が不安、授業料の支払いに困っているなどの経済的困窮が見えてまいりました。国の動きを待つだけではなく、県としての県内学生への経済的支援を行うべきではありませんか、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 県内学生の皆さんが経済的理由で学ぶ機会が奪われることのないよう、これまでから、県ホームページや各大学を通じて、授業料等減免、給付型奨学金等の修学支援新制度、学びの継続のための学生支援緊急給付金などの周知を図ってきたところでございます。また、アルバイト学生が自ら申請できる新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金につきましても、11月の国からの依頼を受けて周知に努めているところでございます。さらに、国の修学支援新制度の対象が住民税非課税とそれに準じる世帯にとどまっておりますことから、対象者の拡大など制度の拡充について、私たち県だけではなくて、全国知事会や日本創生のための将来世代応援知事同盟を通じて国に要望をさせていただいているところでございます。  今後も、様々な支援制度が必要とする学生に届くよう、周知の徹底に努めるとともに、環びわ湖大学・地域コンソーシアムと連携しながら、学生生活の状況把握に努め、必要に応じ適切な対策を図ってまいりたいと存じます。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)国の支援が、授業料の減免ですとか給付金、そういったものが住民税非課税の世帯に限られているという問題は、大変私も問題だなというふうに思っていまして、範囲の拡大をぜひ求めてほしいということであります。  加えて再問いたしますけれども、県内の大学生などの実態をつかまれて、何ができるかということを検討するというようなお話ですけれども、県として、経済的な支援というのをなぜ決断をしていただかないのかな、何がネックなのかなということをお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) この感染が広がり始めた当初、まだ国の制度も十分整っておりませんでしたので、県としての対策、学生の皆さんに物資を配るなどの対策を取ってきました。その後、国で様々な制度が整えられてきました。ただ、まだまだ御存じない方、利用が十分じゃない方等がいらっしゃいますので、その周知をしっかりと行っていくということと併せて、必要な制度改善があるならば、先ほども答えました、また、さらにお尋ねいただきましたけども、様々な所得制限で十分その対象が広げられないというような課題があるならば、それらを改善するように国に求めていきたいと思っておりますので、まずはそちらのほうが先ではないかなというふうに思います。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)県は、県立大学が所管というようなことはあるのかも分かりませんけども、県内の市町でも、例えばその行政区内にお住まいの学生さんに5万円なりを支給されると、こういう実践は県内に限らず全国各地で行われていることでして、そういう本当に困っている学生さんを救おうと、こういう姿勢は、別に所管は関係ないというふうにも思うわけです。ぜひそういう支援をこれからも求めたいと思います。  最後の質問に行きます。  さきの9月の議会の代表質問で、中條副知事は、滋賀県には化学、自動車、電子部品などの企業が立地をして、県内総生産に占める第2次産業の割合が日本一であるものづくり県であり、民間事業所の27.1%が製造業に従事されている、製造業は国内外の景気変動の影響を受けやすい業種が多く、雇用の安定ということからすれば構造上の弱点があるとの認識を示されました。また、今議会の代表質問では、雇用悪化の原因は、宿泊、飲食業、製造業などで新規求人者数が大きく減少したことと、県内の主要産業の製造業への影響が派遣や請負業のサービス業に波及をし、非正規雇用者を中心に離職者が増えた、こういう答弁でございました。コロナ禍の下で本県の雇用構造の弱点が明らかになったわけですけれども、この弱点に対して、コロナ禍を経験をして、より一層の雇用を守る取組というものが求められると思います。本県の雇用政策は、本県の主要産業において正規雇用を増やしていくということに今後さらに力点を置くべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来、お答えもさせていただいているんですが、現在、雇用を「守る」「つなぐ」「創る」という3つの柱を基本方針に掲げて緊急雇用対策を進めており、当面は新型コロナウイルス感染症の雇用への影響を最小限に抑えることに全力を尽くし、困難な状況に置かれている方々にしっかりと寄り添い、県民の雇用に対する不安の解消と雇用の維持確保に努めておりますし、これからもしっかりと努めてまいります。  その上で、コロナ禍の中で、テレワークや出向、副業など、働き方に対する人々の意識や働き方そのものに変化が生じてきており、雇用の在り方も変わってくるのではないかと考えております。こうした変化を積極的に捉え、例えば、ライフスタイルに合わせた自由度の高い働き方等、多様な働き方の実現に向けた環境づくりですとか、業種の異なる分野への移籍等に必要なスキル獲得のための支援など、これまでのセーフティーネットとしての雇用対策に加えて、将来の社会像を見据えた施策を展開していくことも必要だと認識しております。働きたいと思う全ての人が、それぞれ生活スタイル、状況等に応じた働き方を選択でき、その雇用形態にかかわらず、希望を持って働き続けられる社会を目指して取組を進めてまいりたいと存じます。 ◆11番(黄野瀬明子議員) (登壇)正規雇用を望まずに、私はパートがいいんだと、短時間勤務がいいんだとおっしゃる方は、当然、そういう希望に応じた働きが保障されるべきであると思っております。私が特に強調したいのは、今、非正規雇用率が本当に5割に近く伸びてきています、どんどんと。そういう中で、安定した職に就きたい、正規雇用になりたい、こう思いながらも就けない、そういう不安定な処遇に立っていて、こういうコロナ禍や様々な災害が起こったときに一気に解雇されてしまう、そういう事態がないようにしなければならないんじゃないの、そういう観点でお取り上げをさせていただきました。そういう意味で、全部を正規雇用にしていこうと、いろんな働き方をしたいという方々の意見を押してそうすべきということではなくて、安定した雇用を増やしていく、正規雇用を増やしていくというところにこそ公の力が要るというふうに思っておりますので、そういう点でもう一度知事の見解を伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) どこからどうお答えいたしましょうか。私も1990年代に労働組合の役員をしておりましたので、様々な雇用の在り方、議論をしたり交渉したりしておりました。現在は知事として、公務員の例えば有期雇用の在り方ですとか会計任用制度、こういったものをどう考えるかなど、今議論をさせていただいているところなんですけど、特に製造業においては、生産や業務の波動を雇用の在り方との調整弁にしながら様々な雇用形態をつくってきた、また、働く側もある意味ではそれを受任してきた、受容してきたという、こういう経過がございます。そのことがもたらす、いい面も一定あったのかもしれませんが、そのことによるしわ寄せが働く側や社会に出ている面もあるのではないかと思います。こういった在り方を例えばコロナも経験しながらどう改善していくのかということは大きな社会テーマであると思いますので、今後も、こういった場もそうですし、社会的に議論が広げられ、深められていくことが必要なのではないかと思います。 ◆11番(黄野瀬明子議員) 終わります。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、11番黄野瀬明子議員の質問を終了いたします。  次に、24番加藤誠一議員の発言を許します。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇、拍手)毎議会、一般質問をお伺いしておりますと、まあ、多種多様な県政課題があるなと思っております。目の前の大きな問題から、現在進行形で進捗状況がどうなんだと、こんなお話がたくさんございますけれども、今回、新たな条例が制定をされるということで、その条例のスタートに当たりまして、少し10年先、20年先、30年先を見ながらの質問を1回やってみようと考えさせていただきまして、未来の滋賀の農業というタイトルをつけさせていただきました。  今議会に、持続的で生産性の高い滋賀の農業推進条例の制定の議案が提出をされました。本県も環境こだわり農業の推進条例がございますけれども、確かに農業に関する条例といいますのは各府県で幾つか制定をされておられます。その多くは、農業、農村の振興に係るもの、あるいは農と食に関するもの、あるいは都市型農業の推進に係るもの、もっとも、2018年に廃止をされました主要農作物種子法に代わる同様の県の条例というものは、県で種子を責任を持って育てるという条例、この条例は21の府県でも制定をされておられます。  本県でも、当該種子法の廃止によって県の条例を求めるという動きがございましたけれども、この機会に、米、麦、大豆に限らず、滋賀県の近江の伝統的な野菜等がございますので、そうしたことも含めた、そして、それをベースにした県の独自の条例をということで今議会に提出をされたものでございますが、もとより、そうした条例が我が会派でも必要だということを申し上げておりましたので、応援し、あるいは支持をしていくということで、今後の展開に期待を寄せているところでございます。  その条例、名前が少し長く、もっと分かりやすい親しみが持てる条例にと愛称をつけるべく6つの候補で投票を呼びかけられておられました。議員の皆さんにも投票された方はおられますでしょうか。あまり関心がない方が多いですかね。私も農業法人の役員をしているということで、前から気になっておりましたので投票させてもらいました。私は、その中から、しがの農業みらい条例というのに投票いたしまして、将来というと近い未来でございますけれども、さらに向こうの未来を想像するというのは大変楽しい話でございますし、滋賀県も未来へと幸せが続く総合戦略という名前でございますので、今回、そうしたことを踏まえて質問でございますが、この今回の条例の基本理念に、農業所得の増大こそが農業者が意欲を持って農業を営めることだとして、その環境整備を行うこと、また、喫緊の課題である気候変動による農作物への影響に積極的に取り組んでいくと、そして、国、県、市町、農業団体、農業者それぞれが役割と自覚を持った中で連携しながら滋賀県の農業を振興するということでございまして、この12月6日の日本農業新聞の1面に取り上げられておりまして、この中では全国初と紹介をされておりました。まさに他府県に類を見ない条例だと思います。  そこで、初めに、この条例制定に当たってでありますが、この趣旨は知事の提案説明で伺いましたので、この条例に込めた、あるいは条例にかける滋賀の未来の農業について、農業者の皆さんへ、知事のまさに一緒にやりましょうというような気持ちを持ったメッセージをお聞かせをいただきたいと思います。 ○議長(細江正人) 24番加藤誠一議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)私たちの命と暮らしを支えている本県農業の未来を思うとき、1つは、スマート農業等による高い生産性によって、もうかる農業が意欲ある農業者によって展開されていること、2つ目といたしまして、地域の高齢者や兼業農家も農業にやりがいを感じながら携わっていらっしゃるということ、3つ目といたしまして、こうした農業者が生産する農作物が食を通して地域を豊かにしていること、4つ目といたしまして、農業を通して地域の環境が維持されているといった魅力ある農業の姿を思い描いているところでございます。  こうした思いを実現するため、このたびの条例の制定を機に、これからの農業づくり、地域づくりに向け、農業者をはじめ県民の皆さんと一緒に、ある意味では、県民の方だけではなくて、こうして滋賀県産の農作物を買っていただく方々とも一緒に、知恵を絞りながら、力を合わせながら、その歩みを進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございました。4つの視点で、まさにこれまで力強い農業という言葉はたくさんあったんですけれども、具体的に今の知事のメッセージでイメージができたのではないかと、こんな思いをしたわけでございますが、この今の知事の熱いメッセージを念頭に、これから具体的な施策を展開いただくわけでございますが、ここからしばらく農政水産部長に今の知事のメッセージを踏まえた考え方を伺ってまいりたいと思います。  この条例の名称にもございますように、高い生産性を追求していくということからも、生産性向上のために8つの取組の柱が整理されております。この中で、幾つか取り上げますけども、その1つにまず農地の生産力最大化というのがございまして、その中に水田の多様な利用その他農地の有効活用の促進というのがございます。イメージは大体分かるんですけれども、本県の耕地整備、いわゆる土地改良といいますのは、水田というのをベースに前提として整備をされてきております。水田の多様な利用、農地の有効活用について、部長の具体的なイメージをここでお示しをいただきたいと思います。 ◎農政水産部長(西川忠雄) (登壇)お答えいたします。  これからの水田利用につきましては、米作りを基本にしつつも、米の需要減少に伴い、所得向上につながる需要に応じた農産物を生産する基盤として、水田の利用を幅広く考え、作付を行う農作物をより効果的に組み合わせることが必要であるというふうに考えております。具体には、国産需要への期待が高まってまいっております麦、大豆の増産や、高収益が期待できます露地野菜の導入、さらに非主食用米への転換等を念頭に、現行のブロックローテーションの方式を改善することや、一部の水田では施設野菜を生産するために固定をするというような多様な農地利用を想定しております。  なお、こうした農地の有効活用を進めるに当たりましては、地域の気候や立地、圃場の条件はもとより、農産物の需要動向を考慮してまいりたいというふうに考えております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございます。  お米の問題はまた最後に取り上げたいんですが、今部長おっしゃるように、この間、周防県議も取り上げられましたけれども、今の農業経営体からいいますと、いわゆる集落営農でありますとか、大きな法人でありますとか、そういう方が担っていただいておりますし、土地利用を考えますと、今部長の答弁がございましたように、多くがローテーションで回っております。米、麦、大豆をどのように地域で回すか、こういう形ですね。  そうしますと、その生産性の向上から考えますと、特に高収益の野菜、露地野菜という言葉もございましたけれども、野菜といいましても品目がたくさんございまして、そういうことを考えますと、もうかる品目を作ろうということを考えますと、耕地の環境上、作付できないということになれば、これはなかなか高収益につながらない、あるいは、そういうことを考えますと、この水田の多様という利用になるためには、どのような作物にも対応できるような農地の環境整備というものを併せて考えていくということが必要ではないかと思うわけでありますけれども、現在の水田について、どのような考えの下で、その基盤整備を形、変えていくという思いを持っておられるか、ちょっとお伺いしたいと思います。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答え申します。  水田の多様な利用や農地の有効活用を推進します上では、先ほど申し上げました野菜など多様な作物の栽培を可能とするための排水条件を改善する暗渠排水の整備、また、農地を有効活用して生産コストを削減するために、農地の集積・集約化であったり、あるいは大型機械、自動走行作業の導入により作業時間を短縮できるような大区画圃場の整備、また、管理の省力化、農業濁水の流出軽減につなげますために、用水の有効で効率的な利用を可能といたします遠隔操作による水管理システムの整備、こういった生産基盤の整備が不可欠のものであると認識をしてございます。  このため、将来の地域農業の姿を踏まえました上で、担い手への農地の集積・集約化とともに、農地の生産力の最大化による所得の向上を目指しまして、国の補助制度も十分に活用しながら、高収益作物の栽培やスマート農業の実施など、地域のニーズに応じた、それに対応できる生産基盤の整備に取り組んでまいる考えでございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございます。東近江も国営で新たな整備が始まろうとしておりますけれども、あそこでも当然、将来、高収益作物の話が今も出ておりますけれども、これから始まる土地改良、あるいは整備は、そうしたことを念頭に置きながら整備をされるんだと思いますけれども、既に整備されているところにおきましては、今部長が申されましたような形での整備が、いわゆる農業農村整備事業の中で円滑に進むようなことを国にも提案いただきたいし、あるいは、少しならば県もお手伝いするとか、いろんな形で考えていただきますようにお願いをしておきたいというふうに思います。  それから、この4月なんですけれども、これはちょっとずれるんですけど、4月にコロナ対策で国が高収益作物の次期作の支援が出まして、ところが、途中で条件が変わってしまいまして、大変農業者から不満や不信の声が出てまいりました。結局、これは今朝の農業新聞で読んだんですけれども、第3次の補正で1,300億円の確保をいたしまして対応していくという話でございましたので、これは、実は質問しようと思ったんですけども、これからですので、県内の農業者の公募があったと思いますけれども、これにしっかり対応いただくことを求めておきたいというふうに思います。何が言いたいかといいますと、国が今回方針を途中で変えて、いろいろと大変でしたけれども、こうしてせっかくその条例がスタートしますから、大きな方針を初めからすかっと示すということも大事だろうということを申し上げたいというふうに思ったわけであります。  そこで、この次の柱なんですが、消費者等の需要に対応した農産物の生産促進、これは「消費者等の」と書いています。こういう話があるんですけど、これは、初め知事がおっしゃったもうかる農業ということから考えますと当然といえば当然の柱でございます。先ほども露地野菜の話が出ましたけれども、代表質問でも知事からは、大規模生産団地でありますとか、地産地消における産地でありますとか、あるいは卸売市場を目指した産地でありますとか、あるいは外食産業と提携する団地である、いろんな野菜作の団地もいろいろとあるわけでございますけれども、ちなみに、現在、滋賀県内で野菜等の産地化と言えるところの地域というのはどのぐらいあるのか、そして、そこがもうかっている農業というようなことに今状況がなっているのか、状況をお聞きしたいと思います。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  野菜をはじめとする園芸作物の産地化でございますが、例えば、草津市北山田地域の軟弱野菜、あるいは大中の施設野菜など、先進的な産地をはじめとして、これまで地域の特徴に合わせて県内に数多くの産地がつくられてまいっております。こうした産地では、生産技術が非常に高うございまして、収益性の高い生産が行われているところでございます。  しかしながら、こうした産地の中でも、例えば水田の排水性の問題であったり、あるいは、昨年、一昨年辺りの大きな台風のように、近年の気象条件に大きく影響を受けたりということで生産性が低下してしまうケースがあったり、あるいは、全国の需給バランスによって価格が低迷するなどの課題を抱えるところもございます。  県といたしましては、生産安定のための暗渠排水などの基盤整備や栽培技術の開発、普及に引き続き取り組むとともに、産地間競争に打ち勝つためには、販売力の強化などにJA等と連携をして取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございます。  なかなか言うのは簡単ですけれども、おっしゃるように、気候でありますとか条件でありますとかに加えて、それに上乗せではないですけど、もともとのやっぱり需要に即したというところから考えますと、何ぼ需要に即したものを作ろうと思っても、気候に合わないとか、あるいは条件ができないとか、いろんなことがありますから、総合的にその産地をどういうふうに育成していくかというのは非常に簡単ではないという思いもします。
     そこで、既に県では、JAさんとともに滋賀県園芸農産振興協議会というのを立ち上げられていると。これは県レベル、県域だそうでございますが、がありますけれども、条例案でも農業団体は施策に協力するということであえて求めておられますけれども、園芸の産地化に当たりまして、今後、このJAの役割というのはどのようにお考えか、お伺いいたします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  これまでの事例を見ましても、園芸作物の産地化に当たりましては、生産物の販売や営農指導等を担っているJAの役割は極めて大きいものがあるというふうに考えております。今後とも、JAには、販売を起点としつつ、地域の実情に応じた園芸品目の選定をすること、また、生産者と実需者との結びつきの強化をすること、また、生産者の組織化や技術指導といった役割を引き続いて担っていただくことが期待されるというふうに考えます。とりわけ、契約取引の拡大であったり集出荷体制の整備など、販売力の強化に向けましては、JAグループが力を発揮していただくことに大いに期待をしているところでございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)私も思います。日本農業新聞を見ておりますと、後ろにいろんな産地なり新たな取組を見ますと、必ずJAの取組という、JAという部分が出てきますね。そういう意味では、今部長がおっしゃったように、やっぱりJAさんのやる気といいますか、動いていただくといいますか、存在というのは非常に私は大きいというふうに思います。  そこで、先ほど草津とか大中の話がございましたけれども、何かこうJAさんが頑張っていただいているような、取組のモデルとなるようなものが滋賀県にあれば、一遍ひとつお示しをいただければと思います。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  近年の取組を中心にというふうに思いますが、例えば、JAレーク伊吹では、水田農業の新たな品目として今後も需要が見込まれます加工業務用のタマネギの作付拡大を進めていらっしゃいます。これは、担い手が機械化一貫体系により大規模に栽培をし、JAが収穫後の乾燥調製作業から販売までを担う体制を構築されたものでございます。  また、東近江地域のJA東能登川、湖東および滋賀蒲生町の3つのJAでは、加工業務用のキャベツの生産を進められています。これは、3つのJAが連携することによって販売量が拡大し、実需者との安定した取引が行われているケースでございます。こういった取組はほかの産地のモデルになるものというふうに考えているところでございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)私も地元でございますので、キャベツの出荷が今かなり進んでおります。そうしたモデルになるようなところの取組というのは、そのモデルの部分につきましては、さらにそこから進化をしていくと。タマネギ、キャベツであれば、さらにその地域でもっといいものをと言ったらJAも動くと思いますし、あるいは、本当は地域で取り組んだらどうかというやつは、まだこれからでというところもあると思います。そういう意味では、モデル的なところは、やっぱりさらなる支援というものを県がしっかり表に出す、あるいは、まだこれからというところにつきましては、モデルを目指して取り組むに当たりまして県が支援をしていく、こういうめり張りのあるような県としての支援策というのが私は大事やと思うんですが、一概に団地化、団地化というよりも、具体的にそういう見える形で、この条例を機会に支援策を考えていただけたらと思うんですが、部長のお考えを聞きたいと思います。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  先ほど御紹介申し上げました事例でも、この実際の産地づくりには、JAをはじめとする関係者が連携をして、同じ方向性の下でそれぞれの役割をしっかり発揮していくということが重要でございました。その中で、JAの取組に加えまして、普及指導センターの果たす役割も大変大きいものがあったというふうに思っております。このため、県としましては、この普及指導センターによる関係機関の連携促進であったり技術経営指導、また、国や県の事業の活用による生産基盤の整備や機械施設の導入などを通しまして、引き続きこうした取組の支援や後押しをしっかりとやってまいりたいというふうに考えております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)もう1つ提案といいますか、お考えを聞きたいなと思いましたのは、先ほど3次補正の国の話をしたんですけれども、報道でしか私は分かりませんが、今、国は、輸入が多い野菜とか、そうした産物を国内産に替えようという、そういう支援をやるという動きになってございまして、これは、今回、国が言っている品目も、ニンニクでありますとかショウガ、里芋、エンドウ、アスパラガス、これが新たな支援品目ということもはっきり国も示しております。そうしたことから、こうした動きも野菜産地を滋賀県でつくるに当たっての一つのチャンスではないかと思いますけれども、本県の産地化に当たりましては、こうした国の動き、こういった重要な要素ではあると思うんですけれども、部長はいかがお考えでしょうか。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答え申し上げます。  国の3次補正につきましては、私もまだ詳細を承知していないわけでございますけれども、御指摘のとおり、輸入から国産へ切替えを進めるということになりますと、これは需要の拡大だけではなくて、産地化を推進する上でも大変な追い風になるものというふうに思います。御紹介いただいた品目の中には、県内でも少量ながらも特色のある品目として取組が進められているものも入っております。今後の国の3次補正予算の内容をしっかり注視してまいりたいというふうに存じます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ぜひとも、先ほど申し上げました県とJAさんで協議会をつくっておられますので、ここは滋賀県だけで考えていてもあれなので、まさにそうした協議会で土俵に上げていただきまして、国のそういったものに対応できんかと、滋賀県で、こういうことを素早く対応いただきたいというふうに思います。  条例でもございますが、先ほど言いました消費者等の需要に対応したという話がございますけれども、この需要といいますのは、需要のある作物という見方もございますけれども、一方、需要のある地域にそれを持っていくという、その需要もあります。すなわち国外ということでございますけれども、海外への需要というものをやっぱり考えていくべきだと。これも、今回、国が輸出の考え方としまして、2030年に農林水産物と関連食品の輸出額を5兆円にするという実行戦略をつくったと、こんな情報も流れております。滋賀県も輸出を進めるということで、平成28年に滋賀県農畜水産物輸出戦略というものをできておりますけれども、この期限が5か年ということでございますので、ちょうど切れるわけであります。ただ、当時も私もちょっと見ていたんですけど、なかなかよく分からないままにそうかと思っていました。方針はございました。それから、その相手国も、輸出先の国も書いていましたし、目標というところもございました。ただ、取組というところを見ますと、プロモーションの実施でありますとか、あるいは食べ方の何かこうPRでありますとか、あるいは差別化を図るという抽象的な話だったんですけども、残念ながら戦略にはもう少し欲しいなと思ったことがございまして、これからも期待するんですけども、ちなみに、この5年間、滋賀県の輸出戦略が終わりますけれども、実績とその課題について、もしまとめておられましたらお伺いをしたいと思います。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  滋賀県農畜水産物輸出戦略で重点品目としている品目が3つございます。近江牛と近江米、近江の茶ということでございますが、この輸出実績につきまして、平成26年度と令和元年度との比較において、近江牛では440頭が687頭に、近江米では140トンが812トンに、近江の茶では0.4トンが6.5トンに、それぞれ増加をしたところではございます。  一方、その課題として大きく2点、1つには、輸出先の国ごと、あるいは商品ごと、事業者ごとに異なる課題やリスクへの対応に加えまして、今回のコロナ禍の影響により輸出環境が変化する中で、オンライン商談をはじめとした新たな手法への対応についてもきめ細かな助言、指導が必要となっているということ、2つ目には、輸出に初めて取り組む際には、国内での販売とは異なる課題やリスクが大変多うございます。そのために、ハードルが高いと考える、あるいは不安に思われる事業者さんが大変多うございまして、新たに輸出に取り組もうとする事業者はまだまだ少ないということがございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございます。確かにそうでして、まだまだなかなか輸出というところまで取り組むというのは、大きな経営体でありますとそういうふうに目が行くんでしょうけども、なかなか普通の農業法人だけではこういうところまで目は行かないんだろうと思います。そうした中でも、今、平成26年との比を聞きましたけれども、伸びているということでございますので、ぜひとも輸出にかけておられる方につきましては、しっかり支援がしていただければという思いもいたします。  今のこの主要品目、近江牛、近江米、近江茶でございますけれども、この中でお米の話なんですけれども、今回、国の3次補正、今また見ましたけれども、今回、米の需給が緩和して余っているという中で、米の輸出にもさらに力を入れるということで、国は、輸出事業者と産地が連携して、米あるいは米の加工品を輸出開拓するということに力を入れると、こういうようなくだりがありまして、はっきりと輸出事業者をかまして産地と連携した形でやるという、こんなことも書いてございました。  そういうことを考えますと、滋賀県も、先ほどお米も140トンが812トンでしたっけ、かなり増え、これはJAさん絡みかも分かりませんけれども、こうしたことを考えますと、次なる輸出の戦略というのはお考えなのでしょうかと。考えておられると思うんですけれども、そうした中で、どこまで本気度を出して推進するかという思いがございましたら、部長のお考をお聞きしたいと思います。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  先ほどお答えをいたしました課題を踏まえますと、事業者が輸出しやすい商流によって自ら輸出に取り組む力をしっかりつけていく、あるいは、継続的、安定的に輸出が展開できるように、そういった支えを県としてしっかりしなきゃいけないということであるというふうに思っております。今年度末に終期を迎えます戦略については、先ほど御指摘いただいたように、戦略という名前はどうなのかということもございました。従来の戦略という形に必ずしもこだわらずに、事業者さんが活用しやすいものとなるように見直しをして、県産農畜水産物の輸出が着実に拡大するように取り組んでまいりたいというふうに考えておりまして、本気の力をかけて見直しをしたいというふうに思っております。ありがとうございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)いきなりでなかなか難しいんですが、こういった反省を込めまして、次なる戦略ではないかも分からないけれどもという話でございましたけれども、その中で、今、事業者が活用しやすいという言葉がございました。この事業者も、幾つかの事業者がございますけれども、例えば、今国が言っていますように、輸出といいますのは、やっぱり商社と貿易会社をかました間接輸出なのか、あるいは、前、戦略でありましたが、プロモーションに行って、向こうで良かったバイヤーさんと出会って、バイヤーさんと直接契約を結んだということで、直接自らがやる輸出もございますけど、こうしたことも、今度戦略なり計画を立てられるときには、輸出の方法を含めてちゃんと整理をした上で、JAさんがどうかんでくるのかとか、そういうことを含めたきめ細かな形の戦略なり計画なり、そういうのが必要であると思うんですけれども、部長、いかがでございましょうか。 ◎農政水産部長(西川忠雄) 直接貿易と間接貿易、それぞれメリットとデメリットがあるというふうに思いますし、また、バイヤーさんがどういうスタイルを求められるかということもあろうかと思います。また、個々の県内の事業者さんにとってどちらが適切か、その都度、そのケースによっての判断が必要だなというふうに思っております。例えば、輸出する商品や輸出先国、地域、あるいは商談の相手によりまして求められるスタイルが異なってくるということであると思っておりまして、間接輸出と直接輸出のいずれにも適切に対応できるように、それぞれの支援方法を区別してお示しをしてまいりたいというふうに思っております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございます。野菜の話、輸出の話、それから国が作物の話をしましたけれども、先ほどJAの役割の話を触れたんですけれども、JAさんがああいう形でかんでこられるということを考えますと、一度、近江牛、米と、それから今のお茶もそうですけれども、先ほどの協議会でもいいんですけど、輸出ということを考えるようなチームをつくっていくようなことはどうかなと今ふと思ったわけであります。マーケット調査から産地形成、輸出、こういったものを滋賀県でモデル的に一遍やってみよう、できるかできないかよりも何かやってみようと、こういう形で、先ほどの協議会ですか、そういったところでも考えてみてはどうかなと、ふと今思ったんですが、部長、いかがでしょうか。 ◎農政水産部長(西川忠雄) ありがとうございます。品目ごとにいろんな取組を既にやっていらっしゃるところもあるわけですが、例えば、近江牛や近江のお茶に関しましては、生産、加工、流通、販売に関わる事業所さんが一体になって輸出に取り組まれている、そういう組合組織がございます。あるいは、近江米につきましても、JA単位で輸出用米を生産され、全農滋賀を介する形で全農スキームという中で輸出に取り組まれている事例が増えてきてございます。こういうように産地としてまとまった取組を求められるケースでは、生産現場の課題であったり、あるいは新たなビジネスチャンスの創出、商流の形成、継続的な輸出といったところに結びつけていくために、輸出に関わるいろんな課題について、特にジェトロ滋賀さんの支援が大変役立っておりますので、こういった専門的な支援団体と連携をして引き続き支援をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ここからは少しお米のほうに行きたいんですけど、その前に、今回は生産の技術ということも条例でされているんですけれども、育種を含むそうした技術開発の体制について1つだけ確認をしておきたいと思うんですが、今年も当初予算のほうで、高温対策の品種改良をするのに、なかなか時間かかるので、時間を短縮するために機器を整備されました。これはいいことだと思います。必ずしも人的なだけが体制ではないと思うんですが、やっぱりせっかく条例ができてこういうことが進むに当たりまして、一刻も早く気象変動に対応するような品種は改良を進めていただきたいと思いますし、あるいは、食味を踏まえても、よりおいしい米を作る、あるいは、そういうことを考えますと、試験研究機関の強化というものを、人だけではないんですけど、お考えをお伺いしたいと思います。 ◎農政水産部長(西川忠雄) ありがとうございます。今御紹介いただきました米の育種については、大変時間がかかるという中で、1年間にできるだけの試験を進めるというための装置をJAグループさんからも寄贈いただく中で、今年からまた活用して取組を進めさせていただいております。こういった試験研究に関しまして、条例では、本県農業の生産力の向上に向けて、需要を切り開くための新品種の育成をはじめ、気候変動に適応した農産物の安定生産、さらにスマート農業等による作業効率化の促進といった本県農業の持続的発展につながる技術開発を目指してございます。このために、技術開発を担う人材の育成であったり研究環境の整備など、試験研究の体制強化に努めますほか、研究テーマに応じて国や大学等との共同研究も併せて進めてまいりたいというふうに存じます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ぜひ共同研究等に努めていただきたいと思いました。  次に、代表質問では知事からの御答弁があったんですが、令和3年産米の生産目標の考え方、これは部長が県の農業再生協議会の会長をされているということでございますので、改めて会長として、今回の決定に当たりまして考え方をお伺いしたいと思います。 ◎農政水産部長(西川忠雄) 恐れ入ります。令和3年産米の生産目標につきましては、コロナ禍等に伴う全国的な需要の減少に配慮しつつ、本県産の需要量シェアや産地の契約による販売見込み等を考慮した実効性のある目標とすることとして、滋賀県農業再生協議会で決定をいたしました。前年産の生産目標から3.4%減となる14万9,428トンを基準値とし、これに契約等による上積み可能数量を加えた15万2,783トン、この量は前年産の生産目標から1.3%減に当たります。ここまでの一定の幅を持った目標を設定をさせていただきました。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)分かりました。今までにないような目標値の設定だと思いますけれども、確認だけなんですけども、そうしますと、ということは、市町の協議会でこれから目標値を定められますけども、今部長おっしゃったように、事前契約等の販売が確実な量につきましては上乗せを認めるというようなイメージやったと思うんですけど、そうすると、今御紹介ありましたように、最終的には滋賀県の今目標としている部分につきましては、昨年度から1.3%減の15万2,783トンが県の目標だということで言っていいのかなというちょっと確認なんですけど、すんません。 ◎農政水産部長(西川忠雄) ありがとうございます。本県の生産目標としては、やはり全国需要量に占める滋賀県産のシェアを基にして算定した基準値のほう、14万9,428トンのほうが基本であるというふうに思っております。ただ、上積み可能値としている15万2,783トンについては、やはり売れるお米はしっかり作っていくという考え方の中で、播種前契約などの事前契約によって本県産の米の生産と販売の結びつきをしっかり強化していくということのために設定をしておりまして、産地の主体的な取組を促す目標値として設定をしたものでございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)売れるお米を作るという、それは大事な話でございまして、まさに播種前契約というのは確実に売れるということでございますから、そうした政策はよろしいかと思います。  実は、ここでお米の話で、近江米生産・流通ビジョンというのがございます。これは近江米振興協会さんの名前で実は策定がされているんですけれども、ここにはマーケットインを強く意識するというふうにあるわけでございますが、それを見ますとやっぱり近江米なんですよね。近江米の生産・流通ビジョン。ただ、近江米といいますのは、滋賀県全体のお米なんでしょうけども、近江牛はやはりGIを取って、全国的にも近江牛というのはそこそこ分かっていただいているんですが、近江米というのは、この名前は全国的にどれほど知られているんだろうかなとちょっと思った次第でありますけれども、このマーケットで需要の評価、これは平成28年にビジョンをつくられているんですけど、そこからこのマーケットインを強くされて、近江米というのはどれほど、何ていいますか、名前といいますか、そういったものが向上してきたかというのをふと思ったんですけれども、もし何かデータ含めてあればお示しをいただきたいと思います。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えします。  平成27年度と30年度に、インターネットを通じて、京阪神と首都圏の消費者を対象に滋賀県食材の認知度調査というのを実施をいたしました。この結果でございますが、近江米の認知度は、京阪神においては、平成27年度が77.6%、平成30年度が79.6%と高く横ばいという感じでございます。よく知られているという状況かと思います。一方、首都圏では、平成27年度は24.4%、平成30年度が33.1%。もとより近江米といいますのは、京阪神を中心に流通をしているということが色濃く出た結果であったなというふうに思っております。  この需要の評価につきましては、新型コロナウイルス感染症によって状況は変わりつつございますものの、毎年実施をしております米の主要卸さんとの意見交換の場におきましては、全国的に米の需要が減少する中でも評価が高く、需要の多いみずかがみであったり、あるいは、価格は安いけれども需要の増加しています業務用品種の作付を増やす取組に加えまして、播種米契約など事前契約を推進する取組について期待の声をいただいている状況でございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございます。そこそこ高いレベルでの話もございますし、ありがとうございます。  それで、この平成28年のビジョンですが、今御紹介ありましたように平成27年に県が調査をされた流通なんですけれども、それからかなりたつんですけれども、先ほど言いましたように、主食用米の流通はかなり減っておりまして、当時の調査では15万4,200トンというベースに調査されておりますけれども、その後、多分それは需要が減っていますので、6,000トンぐらいは減っているのではないかなと、滋賀県産。そうなりますと、やっぱりマーケットはどうなっているんだろうということが非常に気になるところでございます。次なるビジョンをもう5年もたちましたので考えていく時期ではないかと思いますが、ちなみに、そうした中で、直近の近江米の流通実態、こういったものの調査は今されているんでしょうか。される予定なのか、ちょっとお伺いしたいと思います。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  近江米の流通実態につきましては、御紹介いただきました平成30年3月の近江米生産・流通ビジョンを策定します際に、平成27年産米について調査を行ったところでございます。その後、米の需給動向、御指摘のように大きく変化をしておりますことから、平成30年産米の実態調査を行うこととして、その取りまとめを現在行ってございます。ただ、今年のコロナ禍の影響によりまして、とりわけ中食、外食の流通が大きく変化をしておりまして、卸業者さんの生の声をお聞きするなどによって、令和2年産のお米の需要動向の把握を併せて行っているところでございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)大切なことだと思います。マーケットインという名前で、実はこれを見ますと、流通で滋賀県からどういう形で出たというところまでしか実は調査がなかったわけでございますが、今部長が卸の声という話がありましたけれども、マーケットは流通というか、どこまで行ったということだけでは分からない。やっぱり消費者の声というのが大事なんですが、私、一番気になるのは、滋賀県産米は行き先は分かっているんです。だが、滋賀県内の主食用米が滋賀県だけではないわけです。スーパーへ行きますと他府県産米も実は並んでおりまして、じゃ、他県産米がどんだけ入っているんだろうなという、そういうことも気になるわけです。これも事細かにはなかなか難しいんでしょうけども、県内のスーパーでありますとか、そこら辺の御協力をいただいて、そうしたことのデータも集めることも大事でありますし、それから、消費といいますのはやっぱり変わっていきますよね。今、どういったお米が売れているんだろうと。売れ筋というのは、普通の商品ですと結構リサーチされていますけども、お米も、今、みずかがみ、それから、後から言いますけどキヌヒカリ、コシヒカリ、日本晴、それから秋の詩、これも県が作ったお米がいっぱいあるわけですけれども、そうしたもののそれぞれのお米の消費者さんのどういった購買ニーズがあるんだろうと、いろいろ気になるところがございますので、こういったことも含めたリサーチも必要ではないかというふうに思ったんですが、今回、その調査をされるに当たりまして、そうしたこともできるだけいただきたいと思ったんですが、部長のお考えがありましたらお聞かせください。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えします。  御指摘いただきました他府県産米のお米がどれだけ入っているかという点につきましては、例えば業務用米の取扱いが非常に多岐にわたっているということであったり、あるいは、特にネット販売のようなもので、他府県の農家さんから県内の消費者が直接購入されているようなもの、こういったものについては、もうほぼ把握は不可能ということであるかなというふうに思っております。  ただ、一般の家庭用については、御指摘いただいたように、県内の量販店等における近江米の販売割合を聞き取り調査するなどによって、逆に言いますと、その反対の数が外から入っている数ということになってまいりますので、こういう点からも消費動向をできる限り把握してまいりたいというふうに存じます。  また、定期的に継続的にリサーチが要るということにつきましては御指摘のとおりでございまして、近江米振興協会を通じて関係者でしっかり調査をしてまいりたいというふうに思います。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございます。そういう状況でございまして、なかなか把握しにくいところもあるんですけども、しからば、そういう状況の中で、滋賀県の近江米、あるいはお米をどういうふうにPRしていくかという話なんですが、要するに近江米というのは滋賀県で収穫された米の総称をいいます。それのマーケットインで米作りをしようというビジョンがあります。安全・安心で環境こだわり米ということを言うています。ただ、その環境こだわり米も、必ずしもみずかがみだけじゃなくて全ての品種であります。それを進化させて、今、オーガニック米ということを言うています。ところが、今、みずかがみが一番生産が伸びておりますけれども、今、全体で作っておりますのは、やっぱり消費者ニーズからいいますとコシヒカリが一番多いわけであります。みずかがみのパンケーキも最近出ましたけれども、いろんなところでいろんなこの米の話が出てくるわけでありますけども、要は、どういう形で滋賀県の米をPRしていくかというのは、どうも近江米、環境こだわり米、オーガニック米、あるいはみずかがみ、そういうことからどういうふうに組み合わせてどういうふうにPRしているのか、何か見にくいような気がしてしまいまして、全てそれぞれの意味はあるんだと思うんですけども、一度整理してはと思いました。といいますのは、例えば秋の詩とか、滋賀羽二重糯もそうですが、滋賀県が独自で作った、開発したお米というのがあるわけですね。それがあまり表に出ていない。これは滋賀県しかないと。滋賀羽二重糯なんかいうのは、これは一定の需要もありまして、いいのではないかと思うんです。そういうことで、米の戦略という形で、先ほど近江米振興協会の話が出ましたけれども、一遍整理をしてみたらどうかなと思ったんですけど、部長はすかっと言えると思うんですけども、どういうふうな形で戦略を立てたらいいかなと思ったんですが、いかがでしょうか。 ◎農政水産部長(西川忠雄) 申し訳ございません、なかなかすかっといかないのでございますけれども、先ほど申し上げております近江米生産・流通ビジョンでございますが、これは、マーケットインという考え方の下で、京阪神を中心に家庭用としてコシヒカリやみずかがみをしっかり供給していくということを基本に策定をした戦略でございました。米の需給動向が大きく変化する中で、直近の流通実態も踏まえてこのビジョンを見直していかなければならないというふうに思っておりますが、その見直しに当たりまして、やはり産地間競争が激化しているということを強く意識しております。その産地間競争の中で、やはり特色のあるお米づくりをしていかなければならないというときに、本県の場合は、やはりここで特色があると言えますのが環境こだわり米やオーガニック米といった部分、ここの生産拡大を主軸にしながら、一方で、需要が拡大しております業務用米や非主食用米との組合せといったこと、そういったようなことを加味しながら、できますれば、その方向性が分かりやすく示せるものになるように努めてまいりたいというふうに思います。ありがとうございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)期待をしております。  あと2つでございます。ここから知事にお伺いしたいと思います。  お米の問題はいろいろございますけれども、知事は近江米振興協会の会長さんでございますので、改めてこういう時期において、近江米振興協会の役割というのをどういうふうにお考えか、お伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) これまで県内外の量販店でみずかがみなどの近江米のPRを行ったり、年末恒例の餅つきで、今年は残念ながらできないんですけど、収穫への感謝と翌年の豊作を県民の皆さんとともに願う機会に接するたびに、消費者の近江米への期待ですとか生産者の思いやこだわりを身をもって感じてまいりました。その重みをしっかりと受け止め、コシヒカリやみずかがみを中心とした本県ならではの環境こだわり米やオーガニック米の生産拡大、そして特Aの継続取得などの取組を進めることが、会長である私の務めであると同時に、近江米振興協会を構成する機関、団体が一丸となって取組を進められるよう、コーディネートしていくことが協会の役割ではないかと認識しているところでございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)もう質問しませんけれども、先ほど部長がおっしゃいましたマーケットの調査も、近江米振興協会等を通じてという話がございましたので、幅広く近江米振興協会でいろんなところのリサーチもしていただければと、こんな思いをしたわけでございます。  今、お米の問題は国で基本的に動いておりますけれども、都道府県の関与を強めるような最近の国の動きがございます。滋賀県としての米生産への関与について、知事のお考えをお伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) どういう意味合いで関与と使われているのかということは、いろいろとお伺いしないといけないのかもしれませんが、主食用米の需要が大きく減少する中、令和3年産に向け、これまでにない作付転換を実効性あるものにするには、全国で足並みをそろえた取組が必要だと考えます。  このことを前提といたしまして、本県では、県の農政水産部長を会長とする滋賀県農業再生協議会の場で生産目標を議論し、需要に応じた米作りの取組を進めるほか、国の対策等を活用しながら主食用米以外の作物と組み合わせ、農業所得を最大化する取組を促進することとしております。県といたしましては、引き続き、こうした取組に対するコーディネート機能の発揮や生産現場の実情に応じた技術、経営指導等を通じて、しっかりと関わっていかなければならないと考えております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)確かに関与という意味はありますけど、私が思いましたのは、例えば環境こだわり農業、これは滋賀県が一番初めにやりかけた話ですね。今は国になっていますけれども。そういう意味では、環境こだわり農業は滋賀県が音頭を取ってやった政策がスタートしておりますので、今回も条例ができますので、滋賀県が音頭を取ってといいますか、主体的に何かこの条例を基にやっていくという、そういうこともいいのではないかと、そういうことも考えるべきではないかと思った次第で、そういうお考えというのは、具体的にはいいんですけども、お考えがあるかどうかだけ確認したいと思います。 ◎知事(三日月大造) あります。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)最後です。2030年というのはもうすぐなんですけれども、実は湖南農業の高校生が来られました。GAPを取られました。そういう意味で、そうした若者に夢のある形で知事のメッセージが欲しいと思います。冒頭では条例で農業者へのメッセージでございましたけれども、最後に……。 ○議長(細江正人) 加藤議員に申し上げます。 ◆24番(加藤誠一議員) はい。最後に、20年先の滋賀県農業を高校生に聞かせていただくような絵はどういうふうに描いておられるか、お伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 湖南農業高校のGAPの取得というのは快挙だと思いますね。今年いただいた御報告の中で最もうれしかった報告の一つだったと思います。  先ほど申し上げたように、20年先には、スマート農業等の革新的技術が広く普及し、飛躍的な向上を遂げた生産性の下で農業が展開されていることであるとか、農作物の生産にとどまらず、食に関する産業へと発展し、多様化した消費者のニーズを満たしているということであるとか、こだわりや希少価値を生かした農産物が支持され、本県ならではのブランドとして定着しているというような滋賀県農業の姿を思い描いているところでございます。  また、こうした農業に若者が意欲的に取り組み、大規模な担い手だけでなく、小規模な農家も生き生きと農業に携わる、このような姿を実現することが県の責務であると考えており、また、世界とのつながりの中で、先ほどもお取り上げいただいた輸出もそうです。また、外国人が農業に関わるということも出てきておりますので、そういった形で、様々な方々と一緒にこの県の農業盛り上げるために努力をしていきたいと考えております。 ◆24番(加藤誠一議員) 終わります。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、24番加藤誠一議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時 休憩    ────────────────   午後1時 開議 ○議長(細江正人) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、8番河井昭成議員の発言を許します。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇、拍手)通告に従いまして質問を行います。  最初の項目は、琵琶湖の環境について質問いたします。  琵琶湖においてもマイクロプラスチックが存在していることが分かっています。現時点において、人の健康への影響、生態系への影響は認められていないということですが、不明な点が多いとされていて、大変気になるところです。この問題は、さきの代表質問の答弁でも、琵琶湖の新しい課題であるとの認識が知事からも示されたところです。  私自身、琵琶湖岸の清掃活動に参加をしていますが、現場を見て分かることは、ペットボトル、空き缶、レジ袋、たばこの吸い殻、ライター、ストロー、農業資材、木材の破片、衣類、最近では使い捨てのマスクなどなど、琵琶湖のみぎわに私たちが使った後の様々なものがごみとなって存在しているということです。さらによく見ると、砕けたり破れたりで細くなった食品トレーや発泡スチロール、フィルムなどのプラスチックのかけらがあちらこちらにあるということが分かります。直接見ることはできませんが、琵琶湖の中にも相当あると想像できます。これらのごみは、生態系への影響が懸念される上に、景観上も衛生上も好ましくない。そもそもいい気分がしないのは私だけではないと思います。  一方で、海洋とは違って、琵琶湖は閉鎖系であり、ごみが入り込む場所が限られているということから、対応を進めればごみをなくすことができるということを言う人もいます。現場を見れば大変気の遠くなる話ですが、しかし、ここから先の私たちの取組が大事であるということが言えると思います。  琵琶湖の環境に影響を与えているものは様々あり、1つではありませんが、まずは目に見えるものから、このようなごみについて、一人一人ができることを、特別ではなくてもいいから身近な自分の足元からできることを考えて実行していくことが、琵琶湖の環境、言わば健康状態をよくすることにつながると考えます。そのために、多くの人に琵琶湖に関わってもらうための取組、まずは知ってもらう取組が重要であると考えます。これらを念頭に、以下、知事と琵琶湖環境部長に伺います。  まず初めに、先日、多くの方の参加を得て、守山市の赤野井湾で琵琶湖の湖底ごみの除去活動が行われたとのこと、その結果について、県の見解を琵琶湖環境部長に伺います。  あわせて、県内の他の場所で行われている、ごみの状況などに関する湖底の調査や湖底ごみの除去作業の実施について、琵琶湖環境部長に伺います。  湖底に沈んだごみを回収するのは容易ではありません。湖岸で流れ着いたごみを回収するのも大変な労力がかかっています。手前で対応するほうが効率的であるのは言うまでもありません。そのためには、ごみがどこから琵琶湖に入ってくるのかについて把握して、対処する必要があると考えます。例えば、滋賀県内では守山市が、川の要所に回収フェンス、オイルフェンスのようなものですね。これでトラップを設けてごみの調査を行っています。富山県でも同様の調査をされているようです。これを踏まえて、まずは琵琶湖に流入するごみに関する調査とそれに基づく対策の実施について、見解を琵琶湖環境部長に伺います。  様々な取組が行われていますが、県の取組がどのような効果があったのかを計ることは、重要であると考えます。様々な数値データなどを取っていますが、施策、取組を行った前後の様子について、湖底の様子、ごみの状況などは映像で記録しておくと大変分かりやすいと考えます。また、湖底の泥の様子やごみの様子を示す映像は、現状の問題点を浮かび上がらせて、直感的に伝える効果もあると考えます。  あわせて、この際、ごみの様子に限らず、水中、湖底、湖岸など、広く琵琶湖の様々な姿を映像の記録として活用してみてはと考えます。例えば、琵琶湖の中に生きる生き物の様子などの映像は興味深いです。エビ豆のエビはどのように水中で過ごしているのか、また、ホンモロコやアユがどのように水の中でどのような場所でどのような動きをしているのかを見ることは、様々に気づきがあり、大変興味深いものです。実物に勝るものはないですが、それでも何かを語りかけるに十分な力はあると考えます。多くの人に興味を持ってもらうことに寄与すると思います。多くの人に知ってもらうために様々に効果が見込まれる琵琶湖の様子の映像での記録、琵琶湖の映像化についての見解を琵琶湖環境部長に伺います。  このような映像資料も含めた琵琶湖のデータについて、将来に残していくことは次世代への責任であると考えます。そこで、琵琶湖に関するデータの蓄積と利用の現状について、琵琶湖環境部長に伺います。  あわせて、これらのデータを蓄積して、琵琶湖のアーカイブを作成することについて、その際、オープンデータとして県民をはじめ多くの人が自由にアクセスできるようにすることを含めて、見解をこれも琵琶湖環境部長に伺います。  この項の最後に、琵琶湖の健康をよくするための事業がありますが、なかなか予算が確保されないという状況もあると認識をしています。近年、新たな課題として認識するに至った気候変動やプラごみの影響を受ける琵琶湖の環境のための事業を新たに始めなければならないという状況にあることに鑑み、その財源として、ふるさと納税などの寄附の活用など、新たな財源の確保の方策の実行についての見解を、これは知事に伺います。 ○議長(細江正人) 8番河井昭成議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)琵琶湖の環境についてということで、私には最後に1問、財源の確保方策ということについてでございますが、これにつきましては大変重要であると認識しております。琵琶湖の持続可能な活用に向け、環境への負荷や利益の享受に対する適切な負担や貢献の在り方、仕組みについて、庁内関係部局が連携して検討を行っているところです。これまで、ネーミングライツパートナー契約や、企業等が事業用に利用する水草の有償提供などに取り組んできたところでございます。  議員御指摘のふるさと納税につきましても、寄附していただく方の御意向に沿って選んでいただけるよう、現在示されている寄附メニューについて、これまで「美しい琵琶湖を守ろう」という抽象的な表現であったところを、水草除去や外来魚駆除など、より具体的な使い道を明示することを検討しているところです。  これに加えまして、寄附の対象となる事業そのものについても、湖底の調査などを新たに追加して多様化を図るなど、琵琶湖のために貢献したい様々な人たちの思いを受け止め、新たな財源確保につながるよう検討を進めてまいりたいと存じます。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) (登壇)私にいただきました6点の質問のうち、まず1点目の赤野井湾湖底ごみ除去活動についてでありますが、この活動は、地元の赤野井湾再生プロジェクトが主催で開催されており、県は昨年度、同プロジェクトと連携して湖底ごみの実態把握調査を行ったところでございます。今年度は、昨年度よりも多い約300人の参加者が湖底ごみの回収活動に参加されており、県からも約20名参加させていただいたところですが、改めて湖底ごみの多さを実感したところでございます。  赤野井湾再生プロジェクトによりますと、全体ごみ重量のうち、プラスチックごみの割合は約87%であったと伺っております。今年度の調査結果も、昨年度同様、袋類や農業系のプラスチックごみが大部分を占めており、琵琶湖に流入する前での対策が非常に重要であることを改めて認識したところでございます。  2点目の県内のほかの場所で実施されている湖底調査や湖底ごみの除去活動についてでありますが、現在把握しております活動としましては、赤野井湾再生プロジェクト主催の湖底ごみ除去活動以外に、この10月に淡海を守る釣り人の会が実施された野洲川沖等の湖底の調査がございます。また、一般社団法人日本釣用品工業会が、毎年10月から11月にかけて複数回、県内各地の漁港等でプロダイバーによる湖底ごみの回収を実施されているところでございます。  このように、県内各地でそれぞれの団体が、琵琶湖のことを思い、湖底ごみの調査や除去活動をされており、県としてもこれらの活動に積極的に協力していきたいと存じます。  3点目の琵琶湖に流入するごみに関する調査とそれに基づく対策の実施についてでありますが、琵琶湖に流入するごみの原因の一つとして、陸域で発生した散在性ごみが河川等を通じ琵琶湖に流出していると想定されるところでございます。この散在性ごみの実態調査につきましては、毎年県内38地点において調査を実施しており、この調査結果では、調査を開始した平成14年度以降、調査地点での散在性ごみの平均個数は減少していますものの、近年は横ばいの傾向にございます。  県では、こうしたごみの散乱防止に関する取組として、環境美化監視員を設置し、監視パトロールや啓発活動を実施しております。また、滋賀県ごみの散乱防止に関する条例に定める環境美化の日を基準日として、県民の皆さんや事業者、行政等が一体となって環境美化活動に取り組んでおります。今後も引き続き、こうした環境美化活動を推進し、散在性ごみの発生抑制に努めてまいりますとともに、琵琶湖に流入する前での取組が重要でありますことから、市町との協議会において先進的な取組などを情報共有し、効果的な取組を検討してまいりたいと存じます。  4点目の琵琶湖の映像化についてでありますが、琵琶湖環境科学研究センターでは、潜水型水中ロボット──ROVにカメラを搭載し、琵琶湖北湖の湖底における底生生物の映像を捉え、調査研究に活用しております。湖底の状況を映像で捉えることにより、これまで把握しにくかった湖底における生物の活動の様子や、周辺の泥の色や状態などを、より感覚的に捉えることができるようになっております。
     また、国立環境研究所琵琶湖分室では、コイ科魚類の行動パターンを把握するため、コイにビデオカメラを取り付けるバイオロギングという調査をされ、得られた動画はホームページで公開されております。私もこれらの映像を拝見しましたが、ありのままの琵琶湖の姿を伝えることができるなど、琵琶湖の映像化は効果的な情報伝達の手段の一つと考えております。  5点目の琵琶湖に関するデータの蓄積と利用の現状についてでございますが、県では、これまで琵琶湖の水質に代表される様々な環境調査で得られた数値データを、毎年、環境白書資料編において取りまとめ、県ホームページ等で公表しております。こうした数値データにつきましては、琵琶湖をはじめとする環境の現状評価や、特異的な事象に対する要因解析等において、過去と比較検証する際に活用しているほか、市町や大学等においても活用されております。また、研究活動で得られた映像資料につきましては、その研究目的に応じて管理しており、研究成果の発表等の機会に活用しているほか、一部の映像は、琵琶湖博物館において、水深ごとの様子が分かる資料として展示しております。  6点目の琵琶湖のアーカイブをオープンデータとして作成することについてでありますが、琵琶湖に関する様々なデータをしっかりと蓄積し、オープンデータとして自由にアクセスできるようにすることは、多くの人に琵琶湖に関心を持ち、理解をしていただく上で重要であると考えております。  数値データについては、環境白書資料編として取りまとめ、公表しており、さらに、琵琶湖の全層循環に関係する底層溶存酸素量などのモニタリング調査結果は、県ホームページに今日の琵琶湖として取りまとめて掲載し、よりアクセスしやすくなるよう努めております。  映像データとしましては、琵琶湖北湖の底層溶存酸素量について公表する際に、ROVで得られた映像資料も提供するなど、こうしたデータも知っていただけるよう工夫しております。また、インターネット上に、一般の方が潜水して撮影された琵琶湖の水中の映像資料が公開されていることなども把握しております。  こうした一般の方による映像資料も含め、琵琶湖を知る貴重なデータは多岐にわたって存在しており、これらをオープンデータ化し、一律に扱うためには、著作権など解決すべき課題もございますが、今後、よりよい琵琶湖のアーカイブを作成することについて研究してまいりたいと存じます。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)幾つか再質問をさせていただきたいと思います。  非常に前向きな御答弁をいただいたなと思っております。このテーマは、大変多くの人に参加をいただいて活動がしてもらえる内容なのではないかなと思って、ちょっと今回取り上げさせていただきました。  先ほどちょっと御紹介いただきましたが、淡海を守る釣り人の会、私、釣りしないんですけど、この人たちと一緒に活動させてもらっている中で、実は半数以上の方が滋賀県の方ではないんです。わざわざごみ拾いの活動のために滋賀県に来てくださっています。このような多くの人をやっぱり今の現状でも引きつけられる琵琶湖の魅力をしっかりと発信しながら、琵琶湖のために何ができるのかを、それぞれが足元から考えてできるようにと思って取り上げさせていただいています。  その中で、赤野井湾の湖底ごみの除去活動、この議場の方も幾人か参加をしていただいていると伺っていますけども、結果、なかなか重たい内容だったと思うんですが、その後の川の3つ目、どこからごみが入ってくるのか、しっかりと調査をいただいていると思いますが、なるべく幅広く、また、併せてその結果、どういう状況なのかを現状をしっかりと知ってもらって、皆さんの取組がどういうふうに生きていくのかということをやっぱり幅広く知ってもらう必要があるのかなと。現状をなかなか、私、こうやって取り上げましたけど、お伝えできていないんじゃないのかなと思いますので、ここから先の伝え方について、琵琶湖環境部長の見解をお伺いをしたいと思います。  あと、最初に知事にお答えいただきましたが、ふるさと納税の取扱いなんですけども、これもやっぱり参加の一つの手法なのかなと。遠くからでも資金を提供しますよということで参加をしてくださる人がいる、そういった意味でも、おっしゃっていただいたとおりで、参画したい事業をメニューとして分かりやすくお伝えするのが非常に大事かなということがあります。これは物すごく効果があると思いますので、ぜひ鋭意進めていただきたいなと思っております。  大津市のほうで、実はこのふるさと納税、昨年のデータが約9,000万円ほど総額で集まっているんですが、うち2,500万円を一つの返礼品で集めています。これが、ちょっと賛否はあるかもしれませんが、ルアーなんですね。滋賀県内、大津市の中のルアーを作っているメーカーさんがその返礼品を作ってくださってやったところ、実はこの2,500万円を僅か1日で集めています。どのような事業に使われて、どのようなところで使ってもらえて、さらにどんな魅力のある地元の返礼品が返ってくるのかによっては、すごく爆発的な力を発揮するんだなということが分かっている事例だと思います。このようなことも含めて、割と相性がいいのではないかなと。ぜひともふるさと納税の活用を進めていただければなと思いますので、この辺も踏まえてもう一度見解をお伺いできればと思います。  以上2点、再質問いたします。 ◎知事(三日月大造) この琵琶湖の環境を改善するために、多くの方々に御参画なり御協力をいただくツールとしてふるさと納税をより活用していく、また、活用しやすくなるよう改善していく、工夫していく、こういったことは、先ほど答弁したとおり、まだまだやれることがあると思います。おっしゃったように、バス釣りなどは多くの方が関わられる、人に言わせれば、バス釣りの聖地、最も大きなバスがこの琵琶湖で釣れているというようなこともあるようでございますので、例えば、そういった方々にどのように御協力いただけるのかといったような視点なども、まだまだ持てるのかもしれません。  従来のように、外来魚を釣る人と、琵琶湖にいる魚を捕る人とのコンフリクトなども乗り越えて、いい意味での協力関係を築いていくきっかけとして、この琵琶湖の環境を守ろうというテーマが役立つとするならば、まだまだできることがあるのではないかと思いますので、そういった視点も持ちながら、今日いただいた様々な御示唆なども参考にさせていただいて、さらに検討を進めてまいりたいと存じます。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  様々な調査についての伝え方ということでございますが、おっしゃいますように、できるだけ多くの方にこの琵琶湖のことに関心を持っていただいて参加していただくこと、そのためにいろんな情報をきちっと伝えるということは非常に重要だと思っております。したがって、こういう調査の結果なり、その情報につきましても、例えば県のホームページでありますとか、いろんな県が出す資料にできるだけ掲載するなど、それから、それを見て自分も行動に参加しようと思っていただけるように、表現の仕方も工夫しながら、できるだけ広く知っていただけるように工夫して実施していきたいと思っております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)次の項目の質問に移ります。  新型コロナウイルス感染症について、この項目は全て知事に質問いたします。  新型コロナウイルス感染症について、感染された方や御家族、医療関係者などへの誹謗や中傷、差別などが問題となっていて、情報の取扱いには十分な配慮の必要があると認識をしています。どんなに注意しても感染する可能性がある、また、誰でも自分が感染する可能性がある、そのことに思い至れば、その状況に関する正しい理解と、それに基づく冷静な対応が求められると考えます。同時に、できる限りそれぞれが感染拡大防止の行動を取れるようにするためにも、正しい情報をもって判断する必要があると言えます。  幾つかの事例を見て、新型コロナウイルス感染症に関する情報の取扱いについて課題があると考えるため、以下、質問を行います。  多くは学校、店舗などの施設で感染者が発生した場合、詳細を県から発表することをしていません。情報を制限しています。一方で、感染拡大の防止のため、その施設を利用した人のうち、濃厚接触者など検査をしたほうがよいという人には、保健所の指導に基づき、保健所ないしは施設から検査を受けるようにという連絡が行きます。直接連絡を受け取った人は情報がまだ正確ですが、ここから人づてに、自身に起こった状況の説明などをする必要があると思いますので、情報が広がっていきます。このときに、主には臆測による情報が付加されることが起こります。伝言である上に、ここにポイントがあるんですけども、詳細の情報については発表がされておらず、問い合わせても確認ができないということが起こります。間違った情報を広げてはいけないと思う人でも確認のしようがないという状況が発生をしているということです。このような誤った情報が広がる状況を行政がつくっているという現状を改善する必要があると考えるわけですが、見解をお伺いいたします。  今後も、新型コロナウイルスの感染と付き合う、このような状態が続くこと、また、そう遠くない将来に新たな感染症の感染拡大の状況も想定されることから、情報のよりよい伝え方について常に見直し、最適な方法を見いだす必要があると考えます。自治体によっては、より詳細な情報を出している事例がありますが、市民、県民の受け止め方など、状況についてどのように認識しているのかを伺います。  また、今回の感染された方が発生した施設で、情報の伝達や広がり方などについて、どのようなことが起こったのか、状況調査や意見の聴取などを行い、この知見を基に情報の取扱いの在り方について検討することが必要ではないかと考えますが、見解をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 新型コロナウイルス感染症の情報の取扱いについてということで、3点いただきました。  まず1点目、誤った情報が広がる現状を改善する必要性についてでございますが、感染症に関する情報につきましては、感染症法第16条の規定と国の通知に基づき、感染拡大防止を目的に公表しているところでございます。感染症が発生した具体的な施設名等につきましては、不特定多数の濃厚接触者が発生しているなど、感染拡大防止のために公表が必要な場合を除き公表しておりません。これは、具体名を公表することで風評被害が発生したり、個人の特定や誹謗中傷につながるおそれがあることからでございます。したがって、県民の皆様が広く発生場所などの感染に関する詳細な情報を入手することはできない状況となっておりますが、これは、濃厚接触者への検査の実施など必要な感染防止対策を実施しつつ、個人情報などをしっかりと守ることで、個人へのいわれない誹謗中傷などが発生しないようにするために必要な対応であると考えております。  なお、感染者が確認された施設の管理者等が自ら公表されることについては、施設の休業のお知らせや利用者の安心など、それぞれの状況に応じて公表されているものであり、感染拡大防止という県の公表とは目的を異にするものと理解をしております。  2点目、県民の方の情報の受け止め方などについてでございますが、感染症患者が発生した場合の公表につきましては、国から基本方針は示されておりますものの、具体には各自治体の判断により公表されており、本件の取扱いと比べて、より詳細な情報を公表していらっしゃる自治体があることは承知しております。県民の皆様からは、感染を予防するためには、感染した方が利用した施設名等、より詳細な情報を公表すべきという御意見があります一方で、個人の特定や誹謗中傷等につながる可能性があることから、公表する情報をより限定すべきという御意見もあると認識しております。  最後、3点目、状況調査などにより得られた知見に基づく情報の取扱いについてでございますが、感染した方が確認された施設等では、周囲の関係者などを中心に、臆測など事実に基づかないことも含め、様々な情報が広がる可能性があります。一方で、感染した方の勤務先が詳細の情報を公表したことから、感染者個人の特定につながり、大変つらい思いをされた事実があることも確認しております。  本県といたしましては、今まで行ってきた公表に伴い確認できた御意見や事実も踏まえた上で、あくまで感染拡大を防止するために必要な情報を県民の皆様にお示しするということが基本でございまして、それ以外の情報の取扱いについては十分に配慮しなければならないと認識しております。この考え方を基本といたしまして、県では、情報の公表につきまして、随時見直してきており、例えば、週ごとに感染経路や年代別の傾向等を取りまとめて公表しておりますほか、クラスター発生事例の分析結果に基づく課題や必要な対策をお知らせしてきたところでございます。今後も、この感染症を取り巻く状況の変化や新たな知見などを踏まえ、必要な見直しを検討し、講じてまいりたいと存じます。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)感染拡大の防止を図ることを目的としてということを、知事は最初の質問に対して答弁に使われましたが、感染防止を図るときに必要なことというのは、多分、これはふだん知事がよくお使いになることだと思うんですけども、それぞれが適切に判断をしてとおっしゃっていると思います。判断をするときに必要なものは何なんだろう。正しい情報だと思うんですよね。実は、この1問目の問題は、確認をするすべがないというところにすごく問題があるんだと思うんですよ。感染拡大防止のために、濃厚接触や検査を受けなきゃいけない人たちにはそれは連絡が行くんですけども、それだけではないですよね。学校なんかは特に校庭を見ただけで分かりますよね。何で今日は静かなんだろうって。そこからどうしたんだって聞くと、近所の人から、どうもこうらしいよという話が伝わっていくみたいなことがありまして、割と遠くまで行きます。結果、現場では、その施設で何が起こったのかという情報は実は回っていたりします。そこにうわさや臆測がくっついて回っていく、事実じゃない情報を聞いて傷つく方がいるという状況も一方である。なので、ぜひともこれ、今のやり方がということはまあそうなんでしょうけど、改めて考えてみると、現場に投げている部分がないかなと。これはちょっと正解があるかどうかは分からないんですけど、取り上げてみました。みんなで考えなければならない内容なのではないかなと。正しく行動しようと思ったら、そのときに必要なのは何なのか、それは適切な情報だと私は考えるので、この問題を取り上げています。改めてこの点をちょっと踏まえて知事に御答弁をお願いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) おっしゃったとおり、正しい行動をするためには正しい判断が必要で、その正しい判断をするためには情報が要るというのはそうだと思うんですが、その情報に伴う判断や行動には、感染拡大防止という観点からは必ずしも必要ではない判断や行動というのも伴うリスクというものを、私たちはどう考えるのかということだと思います。したがって、私たち行政としては、感染拡大防止のためにこれが必要だろうという情報を公表させていただいているということですし、お尋ねの中に現場に丸投げじゃないかというお話がございましたけれども、決してそうではなくて、それぞれの施設の管理責任の範疇内で出される情報、これはそれぞれの施設の御判断により出されるということですし、冒頭申し上げた、必ずしも感染拡大防止のために望ましくない判断や行動を促すような情報を行政が出すということには、慎重であるべきではないかなという観点から現在の取扱いをさせていただいているところでございます。  ただ、この感染症にまつわる情報を公としてどのように出していくのか、また、人々がどのように行動することが望ましいのかというこのテーマは、議員もおっしゃいましたように、非常に根源的な問題であり、様々な課題が伴うテーマでもございますので、今回のこの感染症、コロナの闘いの中で得られた知見や経験もしっかりと踏まえて、今後のありようということについても県としても考えていかなければなりませんし、法律を所管する国ともよく議論をしていかなければならないテーマではないかなと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)次の項目に移ります。  最後の項目は、実証実験のフィールド滋賀について、一問一答方式で知事と商工観光労働部長に伺います。  本年3月に議会の議決を経て産業振興ビジョン2030が策定をされ、新たなチャレンジが日本で一番行いやすい県、社会課題をビジネスで解決し続ける県を目指して、新たな指針に基づき、産業振興施策に取り組み始めたところであります。この産業振興ビジョンでは、バックキャスティングの手法を採用して目指す社会の実現に向けて取り組むなど、新しい考え方を導入した挑戦的な内容もあり、私はこの点を高く評価をしています。ぜひとも、社会の課題解決につながる、次の社会を担う技術やサービスが生まれ、滋賀を代表する企業や産業に発展することを期待するところです。その実現のためには、産業振興ビジョン2030の中でも、実証実験のフィールド滋賀、この取組が大変大きな役割を持つと考えますので、この点について質問をいたします。  さて、この実証実験を滋賀県で行ってもらおうという実証実験フィールド滋賀を具現化するべく、本年度の予算には2,040万円が計上され、近未来技術等社会実装推進事業が進められています。このたび、補助事業の募集が行われ、15件の応募があり、審査の結果、採用された案件は5件となったとホームページには示されています。そこでまず、この近未来技術等社会実装推進事業の募集に当たって、応募の状況を踏まえて、その評価について商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(森中高史) (登壇)お答えします。  新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、提案の募集開始が遅れ、10月から募集を開始したところ、短期間にもかかわらず多くのお問合せをいただき、最終的には15件の応募があったところでございます。  今回の募集に当たりましては、デジタル化の促進やグリーンリカバリーなど6つのテーマを設け募集いたしましたが、それぞれのテーマにわたって幅広く提案が見られました。再生可能エネルギーの導入促進につながる高効率な電池システムの実証実験の提案など、ポストコロナを見据えた提案内容が多く、2030年の目指す姿の実現につながるこれらの事業をしっかりと支援していきたいと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)これらの5つの採択された事業は、その技術の実現により、2030年以降の目指す社会像にどのような影響、効果があると見据えての採択なのか、県の考えについて商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(森中高史) お答えします。  この事業は、滋賀県内をフィールドに、近未来技術等の社会実装を行い、社会的課題をビジネスで解決することを目的としております。例えば、今回採択した高効率な電池システムの実証実験は、2030年に目指す具体的な姿として掲げております「高度なエネルギー利用が強みとなっている」という姿に通じていると考えております。  採択いたしました5つの事業は、社会実装に向けて、先端技術を具体的に活用する実証実験となっており、県が支援していくことで、例えばCO2ネットゼロ社会の実現などの社会的課題の解決の促進につながるものと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)今回の滋賀県近未来技術等社会実装推進事業、この補助金で採択された事業は、社会の課題解決につながって、次の時代がどのような社会になっているのか、どのような社会を目指しているのかを具体的に示す大変よい事例となると考えます。採用された事業の実現しようとする技術やサービスの具体の内容とその目指す将来の状態について、文章ではなく、図解、ビジュアルで、県民の皆さんをはじめとした多くの人に広く分かりやすく知らせることが重要であると考えますが、商工観光労働部長の見解を伺います。 ◎商工観光労働部長(森中高史) お答えします。  議員御指摘のように、事業内容について、ビジュアル等を活用し、具体的に分かりやすくPRしていくことは、県民の皆さんとともに目指す社会を実現する上で重要であると認識しております。具体的には、今回採択した事業が2030年の目指す姿のどこに関係するのかを明示することで、この事業に対する県の姿勢を県民や事業者などにお示しすることができると考えております。そのため、現在は、県のホームページ上で文章のみの紹介にとどまっていることから、図解、ビジュアルなども織り交ぜ、より分かりやすい表現にしていくとともに、この事業や、採択し、今後実証実験を行っていく事業につきまして、折に触れてしっかりとPRをしてまいりたいと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)図で示すって、すごく分かりやすくてイメージも湧きやすいですし、具体にこれらの採択された事業が、実証実験なので実現するかどうかはあれなんですけども、目指す社会を明確に示してくれる道しるべになると思いますし、目指している方向を示すことができる。これは、実はこういう技術を滋賀県は採択したということは、目指しているんだなということを知ってもらうことになるので、また、この実証実験のフィールド滋賀について言えば、実証実験のフィールドとして、自分たちの持っているこの事業は滋賀のこの部分にタッチするなということで来てくれる可能性がある、情報を集める効果もあると思うので、ぜひとも積極的に取り組んでいただきたいなと思います。  そういう意味でいきますと、私たちの代表質問のときに、“しがCO2ネットゼロ”ムーブメントの項目の中で、「技術開発や社会実装に向けた実証実験などに企業や関係機関などと協力して取り組むべきと考えるが」というときに、例えばこれ、2つほど例示をいただいて紹介をいただきました。県内大学による再生可能エネルギーの拡大に向けたマイクロ波送電技術の研究開発、もしくは県内企業による高効率な電池システムの実証実験、こういうものについてもしっかりと、この5件の採択の案件だけではなくて、今滋賀県が取り組んでいる実証実験だったり、取り上げたほうがいいなと考えている、実現したらいいなと思っているものを、ぜひとも同じようにマップの中に落とし込んで全体像を見せながらPRするということが大事なんじゃないかと思うので、この実証実験のフィールド滋賀という項目に絡めて、幅広く県がこの5件の採択によらずPRすることについての見解を商工観光労働部長にお伺いしたいと思います。 ◎商工観光労働部長(森中高史) お答えいたします。  県がこの技術開発ですとか近未来技術を活用して、社会的課題を解決するためにいろいろ支援を行っている事業は多数あると思います。その中で、先ほど答弁しましたとおり、まず、この近未来技術の社会実装事業のビジュアルというか、図解で分かりやすく説明するということをするとともに、どういった関連づけをして、ほかの支援している様々な事業がございますので、そういった中をどうPRできるのか、県庁内の他の部も含めてどういった示し方ができるのか、考えていきたいと思います。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)今回の事業募集の経験も踏まえて、滋賀で実証実験を行うことを決断してもらうために必要な要件は何であるかを把握することは、今後のためにも大変重要であると考えます。待っていたら事業者がよい提案を持ってきてくれるわけではありません。将来性のある面白い、よい実証実験を呼ぶには、実証実験のフィールド滋賀に取り組む熱意、よそではなくて滋賀県でやってほしいという熱意を示すことが重要だと考えます。そのためには、相手である事業者など担い手の課題やニーズに対して県が応えることが必要であると言えます。  そこで、今後の事業募集に生かすためにも、実証実験を行う上で、事業者などの担い手の課題、ニーズはどこにあると考えているのか、これは知事の見解をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 実証実験の担い手から見た課題やニーズについては、新しいテーマにチャレンジする人材、実証実験に必要な資金、スピード感を持った支援といったことが考えられるのではないかと存じます。実証実験のフィールド滋賀を具現化していくためには、これらの課題に寄り添った支援が必要であり、とりわけ期待されるのはスピード感を持った支援であると考えております。  このため、産業振興ビジョン2030では、ビジネスの現場で見られるOODAの考え方を取り入れ、前例にとらわれず、機動的な対応を目指すこととしており、実証実験の担い手が求めるスピード感にできる限り対応していきたいと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)県の仕組みの中で難しいのは、単年度会計であるというところが非常に難しいのかなと思っています。事業者の話を研究開発をしている人間から聞くと、社内のプロジェクトのスピードと、やっぱりこれ、合わないということが多くあると。実は、ここにタッチすると、すごく実証実験に来てくれるんじゃないかなと考えたりします。また、県庁の中の人、これも重要だと言われています。企業が実証実験を行う上で、企業の中の人も大事なんですけど、県庁の中でこの事業をどれだけ理解をして、企業の立場を考えながら県の中でどんな展開をしていくのかということを考えられる人材、私はこの人材が非常に大事なんじゃないかなと思っています。おっしゃったように、お金と人とスピード感、これが求められているんだと思うんですが、今申し上げたように、スピード感、それから人、県庁の中の体制について、ぜひとも強化をしていただきたいなと思いますので、知事の見解を重ねて聞きたいと思います。 ◎知事(三日月大造) おっしゃったように、このチャレンジをされる企業側の方だけではなくて、こういった新しいテーマに一緒にチャレンジしていこうという県庁側の人材、これも大変重要だと思います。目利きも要るでしょうし、そして、話されていることが何のことが分かんないというんじゃ困りますし、かつ、ある程度リスクを負ってトライしていくということも必要だと思いますね。一定時間かけて種を発芽させ開花させていくという、そういった伴走も要るでしょうし、そういったこと等を県民の皆様、議会の皆様に御理解をいただくという、こういう説明能力なども必要になってくるのかもしれません。などもろもろ、こういったことに踏み出したわけですから、しっかりと私たち県庁内の人材も育てていきたいと思いますので、ぜひ温かくお見守り、お支えいただければ幸いでございます。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)今回の1事業当たりの事業費の補助には1,000万円という上限があります。しかし、検証が進むと規模の大きい実証実験となることも考えられまして、事業費の規模も大きくなるものもあると想定がされます。ある意味、社会実装が近い状況で起こるのではないかと考えます。将来性のある面白い、よい実証実験を滋賀で行うには、ここにも柔軟に対応する必要があると考えますが、予算面での実証実験への県としての関わり方について、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 御指摘のように、検証が進んでいき、社会実装が近くなると、実証実験の規模が大きくなって、伴う事業費の規模も大きくなると認識しております。このような場合、多大な事業費を全て県費、すなわち税金で賄うことは困難でありますことから、事業者の提案に対して、例えば、新エネルギー・産業技術総合開発機構、通称NEDOといった国の予算を活用するといったことも視野に入れて、これも事業者と一緒になって伴走型の支援をつくっていきたいと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)滋賀県が求める社会の課題解決に向けた実証実験が行われることを期待したいと思います。例えば、琵琶湖の貧酸素状態の解決や、本年初めに知事がお示しになった“しがCO2ネットゼロ”ムーブメントに関係する低炭素や脱炭素の技術などを実証実験のテーマとして具体に示すなど、県が解決したい社会の課題を設定して課題解決型の募集という方法を行ってはどうかと考えますが、知事の見解をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 今回の募集では、先ほども答弁がありましたように、デジタル化の促進やグリーンリカバリー等6つの社会的課題のテーマを設けて募集させていただき、幅広く御提案をいただいたところです。新型コロナウイルス感染拡大を経験いたしまして、社会的課題や事業者のニーズ等が時々刻々と変わっていくことも予想されますことから、今後、制度設計を行う際には、滋賀県の強みを生かして、今も御紹介のあったCO2ネットゼロなど、特定のテーマでの募集についてもしっかりと検討してまいりたいと思います。このカーボンニュートラル、CO2ネットゼロの分野は、国も本格的に方針を定めて動き出されていますので、様々な税制優遇等も検討されているようでございますので、こういった時流に乗っていけるようなこの分野での取組ということも志向できるのではないかと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)では、最後に、今後改めて、滋賀県に将来性のある面白い実証実験をどのように誘致しようとしているのか、どのようにつかまえようとしているのか、知事の見解と決意を伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 将来性のある実証実験を誘致していく、滋賀で展開していただけるようにするためには、滋賀県の実情にも明るく、近未来技術に精通した人材の御協力を得ることが不可欠であると考えます。加えまして、県内外の大学との連携を今まで以上に強化する必要もあるのではないかと思います。さらに、滋賀県内には最先端技術を持つ大手企業の研究所も多数立地しております。また、本県ゆかりの企業や包括連携協定を結んでいただいている企業も多く存在いたします。こういった企業とも意見交換を重ねながら実証実験へといざなうことも有効であると認識しています。こうした人材や企業の皆様のお力もお借りいたしまして、実証実験フィールド滋賀を推進し、社会的課題をビジネスで解決し続ける県の実現を目指してまいりたいと存じます。  冒頭御紹介いただいたように、今回選ばれた5つの事業も、少し、何をどうされるのか、これが実現すればどうなるのかというのが資料で十分分からないと。実は私も指摘をして、これ、何とかならないのかということで今問うているところでございます。こういったことを、議員も御指摘のように、きちんと見えるようにして、こういうことに今チャレンジし始めている、応援し始めているということが見えれば、さらなる投資だとか、さらなる知恵が集まるというようなことも考えられますので、こういったことも含めて、いいスパイラルが滋賀で起こるような、こういった取組をつくっていきたいと思います。 ◆8番(河井昭成議員) 終わります。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、8番河井昭成議員の質問を終了いたします。  次に、12番松本利寛議員の発言を許します。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇、拍手)あと4名です。発言通告に従いまして、全て一問一答で質問をさせていただきます。  まず初めに、地域公共交通の再生について、全て知事に伺います。  先日、議会の常任委員会で岡山県の両備グループ、両備交通ですけれども、訪問させていただいて、知事も古くから交流があり、近江鉄道沿線再生協議会の委員として参画をしてこられました。また、たま電車の発案で有名な小嶋光信CEOの話を伺いました。私、興味深かったのは、CEOが、公共交通衰退の原因が、モータリゼーション、規制緩和、費用対効果の導入など5つの要因があったと指摘をされました。さらに、日本の公共交通が民間任せになっているのが異常だと指摘されたのが非常に印象的で、共感できるものがありました。  この指摘のように、これまで住民の足となってきた鉄道、バスなどの路線の廃止が相次ぎ、地域公共交通が衰退し、この10年間に全国の地域鉄道の廃止路線が294.5キロ、廃止されたバス路線の距離は1万3,991キロに上るというふうに明らかにされています。県内でも過疎地域を中心に次々と路線バスが姿を消して、自治体が運営をするコミュニティーバスが地域の公共交通を辛うじて下支えしていると、そういう状況になっています。しかし、地域公共交通の衰退に歯止めがかからず、自家用車を利用できない高齢者など、移動制約者が増え、中心市街地の空洞化とともに、買物難民を発生させるなど、交通弱者の生活を困難にしています。今後、年間40万人とも言われます運転免許証の返納者が増え続ける状況になればなおさらであります。  2013年に制定された交通政策基本法に移動権の保障が盛り込まれなかったのは残念でありますけれども、いつでもどこでも誰でも自由に安全に移動できる社会を保障する、これは、憲法が保障する生存権の一つとして、移動の自由を権利として保障する考え方であり、国や地域の重要な責務であるというふうに思います。  EU諸国では、移動権の保障を明文化し、住民の自由で安全な移動を支える施策を進めています。地方バス路線等を公共インフラとして位置づけ、公的に支える制度もあります。フランスでは、公共交通を維持するために、労働者の通勤などで受益がある地域の企業から4,000億円の交通税を徴収し、バス事業に補填をしています。ドイツでは、エネルギー税を地方公共交通分野に配分して、連邦政府として1兆円を超える財政援助を続けています。まさに国と自治体が住民の移動する権利を保障することと公が地域公共交通を支える仕組みがしっかり位置づけられています。  国鉄の分割民営化以後、大都市部のもうかる地域はJRや鉄道会社が交通網の整備を投資として進めていますが、地方の公共交通は維持する仕組みがますます脆弱化しています。市場任せ、成り行き任せという状況ではないかというふうに思います。  地域公共交通の維持、再生は全国共通の課題です。社会経済基盤としての公共交通を再生するには、採算が取れず、公共交通事業からの撤退や路線廃止が相次いでいる現状を考えれば、事業者任せにせず、EU諸国のように、国が財政を確保した上で公共団体が自主的に関与する仕組みをつくることが重要ではないかというふうに考えます。  そこで、公共交通に造詣の深い知事に伺います。こうした現実を踏まえ、地域の公共交通の在り方、地域公共交通政策に対する基本的な方向性といいますか、姿勢について知事に伺いたいというふうに思います。 ○議長(細江正人) 12番松本利寛議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  公共交通は、誰もが自由に、かつ安全に移動し、社会活動に参画できるようにする重要な社会インフラであり、よりよき自治を追求し、本当の意味での健康しがを実現するための基礎となるものと認識しており、事業者だけでなく、県、市町、県民が一丸となってしっかりと支えていかなければならないと考えております。  利用者の減少や運転者不足、さらにコロナ禍の影響などにより、地域公共交通の維持確保が課題となる中、高齢化の進行に伴い、県民の移動確保の重要性がますます高まっているところであり、中長期的な展望の下で、地域特性に応じた持続可能な地域公共交通ネットワークの構築に、危機感、また使命感を持って取り組んでまいりたいと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)今、知事は意識的に抜かれたのかどうか分かりませんが、県、市町と住民がというふうにおっしゃられました。地域公共交通を支える支え手としてね、私は、このトップに国があるということを申し上げたいというふうに思います。  先月の議会で、私は、社会学者といいますか、経済学者の宇沢弘文氏の社会的共通資本が大事だと、ポストコロナ社会の中で社会的共通資本をもっともっと公が支えることが重要だというふうに申し上げましたが、まさにこの公共交通というのは、医療や教育と同様に、または道路と河川と同じように、公共資本として重視をしていく必要があるというふうに思います。  さて、この12月17日に第5回の近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会の会合が開かれます。全線存続の確認を受けて、いよいよ鉄道の存続形態や費用負担の問題が協議の重要な課題になります。そこで、地域公共交通の再生を目的とする地域公共交通活性化法など、その活用も含めて、湖東地域を縦断する近江鉄道沿線の地域公共交通再生に向けた取組の概要について、知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 地域公共交通活性化再生法では、原則として、全ての地方公共団体がマスタープランとしての地域公共交通計画を作成し、自家用有償運送や福祉輸送などを含む、あらゆる交通手段を活用して、まちづくりと連携した地域公共交通ネットワークの形成、維持に取り組み、国は、財政的、技術的な支援メニューを充実するなど、その取組を促すこととしております。  本県では、この法の趣旨を踏まえ、現在、御質問にあった近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会において、沿線10の市町と共同で地域公共交通計画を作成すべく議論を進めているところでございます。  また、平成30年度には、大津湖南エリアの6市と共同で計画を作成し、南草津駅周辺における交通対策の社会実験等、大津湖南エリアの持続可能な地域公共交通ネットワークの再構築に取り組んでいるところでございます。  その他、交通空白地の移動手段確保に向けた竜王町でのデマンド型交通の実証実験、鉄道、バスの利便性向上、利用促進のための大津市と連携したMaaSの実証実験、公共交通の運行維持に係る支援の仕組みの検討など、地域特性に応じた取組を進めているところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)その地域公共交通活性化法などに基づく地域の公共交通を再生をしようという国の財政措置などについて、どういった措置がなされているのか、また、県としてどういう対応をしているのか、知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 地域公共交通活性化再生法に基づくものといたしましては、地域公共交通計画に位置づけた事業について、国土交通大臣の認定を受けることにより、補助率のかさ上げなど国の財政支援の特例等を受けることができるというものでございます。具体には、例えば、バスの定額制運賃の導入など利便性を向上させるための事業ですとか、いわゆる上下分離方式への移行など鉄道事業を再構築するための事業が支援の対象とされるものでございます。その他、国の財政措置として、幹線バスの運行維持や地域鉄道の安全性向上、鉄道駅のバリアフリー化等に係る国庫補助制度がありますほか、地方バス路線の運行維持、地域鉄道の施設整備に対する特別交付税措置などがございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)そうした法の枠組みに基づいて再生計画を作成するために、近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会で、今後のいわゆる近江鉄道の運営形態や費用負担の在り方をめぐる議論がいよいよ重要な時期に差しかかってまいります。既に一部の報道では、近江鉄道の運営形態を上下分離方式とし、自治体が鉄道施設を保有し、民間が車両を運行する方式に移行する。移行に向けて施設管理団体を設立し、管理団体が鉄道施設や車両を保有し、近江鉄道に車両を無償貸与すると。財政負担割合は県と沿線市町で1対1とする、5市5町間の負担割合は、駅数、営業距離数、利用者数の3指標に基づき算出するなどと報道されています。12月17日の第5回近江鉄道沿線地域交通再生協議会での運営形態や費用負担の在り方をめぐる議論の方向性について、知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 方向性だけ申し上げます。  存続のための新たな運営形態および自治体間の費用負担につきましては、将来の近江鉄道線の在り方と県東部地域の発展を大きく左右する重要なテーマであり、議論を次の段階に進めるためにも、次回の協議会においてその合意形成を図ることを目指しております。  3月に開催された協議会において、近江鉄道線は、地域住民にとって代替のない交通機関であるとともに、地域にとっては将来にわたり欠くことのできない社会資本であり、人口減少、超高齢社会においても、県東部地域が魅力と活力を維持し、向上させながら、持続的に発展していくため、全線存続すると確認されたところでございます。  次回協議会での議論の方向性につきましては、このことをしっかりと踏まえながら、安全な運行、利用の促進、費用の軽減が図られるなど、持続可能な形で近江鉄道線が維持され、県東部地域の発展に資する地域公共交通計画が策定できるよう、委員の皆様に活発な御議論をいただき、しっかり取りまとめを行ってまいりたいと考えているところです。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)新聞報道にある、こういう方向で関係市町、県も含めて合意が得られて、湖東地域の重要な幹線鉄道網である近江鉄道が存続し、再生されることに、ぜひ引き続いて知事の努力をお願いをしたいというふうに思うんですが、ただし、私は、地方に行けば行くほど公共交通が脆弱になり、公共交通の空白地域が全国で拡大をしています。言わば交通権に対する格差が開く一方だというふうに思います。だからこそ、公共交通の再生は、国の問題、国全体の重要な課題だというふうに言えるというふうに思うんです。  だからこそ、さきにも述べましたが、EU諸国のように、国が財源をしっかり確保した上で公共団体が主体的に関与する、地球温暖化に対処をする交通施策も含めて、税財政の仕組みを抜本的に改革をし、地域公共交通の再生に向けた財政措置の確立を国の重要な務めとして求めていくことが極めて大事だというふうに思います。国がその責務を高め、例えば、普通交付税の総額を拡充をし、地域公共交通の財政措置の一層の強化を図ることが重要ではないかというふうに考えます。これまでも、また、これからの県の取組も含めて知事に伺いたいというふうに思います。 ◎知事(三日月大造) 交通政策基本法におきましては、日常生活等に必要不可欠な交通手段の確保や利便性向上、総合的な交通体系の整備等について、国は必要な施策を講ずるものとされ、地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針におきましては、地域公共交通計画に基づく地域の取組に対し、財政的支援を講ずることとされております。  高齢化の進行などに伴い、社会インフラである地域公共交通の果たす役割は年々増大しており、その活性化や再生はまさに全国共通の課題となっているところです。こうした状況に的確に対応するためには、国、県、市町がそれぞれ役割分担の下、しっかり連携し取り組む必要があり、国の財政支援の充実強化が欠かせないものと考えております。  このため、今年度の国への政策提案におきましても、地域鉄道の利用促進の取組に係る支援制度を創設することや、地域公共交通が将来にわたり維持、存続されるよう、社会全体で支える新たな仕組みについて検討に着手するよう要望したところであり、引き続き国に対し支援の拡充を求めてまいりたいと思いますし、県としてできることは、しっかりと検討の上、行ってまいりたいと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)引き続き国に求めていただくということが大事なんですが、私は、先ほど冒頭に申し上げましたように、EU諸国と対比しても、地方の地域の公共交通に対する国の財政措置は極めて脆弱だというふうに言わなければならないというふうに思います。国鉄が分割民営化され、JRの北海道の幹線鉄道網はもう寸断状態になっている。地域と首都圏との間の格差が極めて広がっていて、地方の状況はもう地方任せという状況に等しいというふうに思うんです。先ほど知事が言われた国の地方交通に対する財政支援も僅か二、三百億円という程度でないかというふうに思うんです。やっぱりここを抜本的に改革をしないと、これからの高齢化社会における地域の公共交通は維持できないという状況に来ているのではないかというふうに思います。そこで、先ほども述べましたけれども、EU諸国のように、国が財政をしっかり確保した上で公共団体が主体的に関与する、地球温暖化に対処する交通政策も含めて一層強化をしていただきたいというふうに思います。
     さて、近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会の課題に戻りますが、地域公共交通再生協議会の議論を踏まえ、仮に新たな運営形態で近江鉄道が運営を実施をされるとした場合に、新たな運営形態の下で、いわゆる第二種事業者、これは鉄道を運行する会社、第三種事業者、鉄路の管理を行う団体、自治体が当たるんだろうと思うんですが、それぞれしっかりした責務を果たすことが重要となります。全国の他の地域の事例も含めて、第二種事業者、第三種事業者のそれぞれ果たすべき責務などについてどのように今後議論をされていかれるのか、知事にお伺いをします。 ◎知事(三日月大造) 御質問いただきました第二種事業者、第三種事業者、これは鉄道事業法第2条に規定されている事業者でございますが、これは、いわゆる上下分離方式における事業者の区分でございまして、基本的には、第二種事業者は列車の運行を主体として安全運行の責務を、また、第三種事業者は鉄道施設や車両の保有主体として施設の維持管理や整備更新を行う責務を有するものでございます。  近江鉄道線の運営形態については、現行の運行形態のままでの存続や、上下分離方式など新たな事業形態へ移行するパターンが想定されますが、いずれの場合も、安全な運行に加え、利用促進や効率的な経営などについて、自治体、事業者が適切な役割分担の下でしっかりと連携して、それぞれの責務を果たし、持続的かつ安定的に運行していくための仕組みを構築する必要があります。このため、地域鉄道の再生に係る全国の先進事例も参考にしながら、近江鉄道線にふさわしい仕組みの構築に向けて議論を積み重ねてまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)その際、私は大事だというふうに思うのが、第二種鉄道事業者になった、多分、近江鉄道が引き受けるんだろうと思うんですけれども、いわゆる車両運行を担う第二種事業者が、鉄道会社にインフラ部分の維持管理を、経営上、非常に重たい部分が外れると。そうした場合、鉄道会社がその責任が薄れたということで、様々なサービスや様々な事業の運営に支障を来さないように、きっちりとその責任を果たしていただくということが大事ではないかというふうに思います。そういう意味では、一層の利便性の向上、利用者サービスの向上の努力を通じて再生、活性化につなげていただきたいというふうに思うんですが、例えば、現在、近江鉄道は貴生川、近江八幡、彦根、米原でJR各線と接続をしていますが、私もよく使うんですが、JRに乗っていったら1時間待たんなん、30分待たんなんと。寒風吹きすさぶ中で、これ、長いこと待ってんなんですね。こういうところにやっぱりもっと接続をどういうふうに改善するのかということは、今後より一層鉄道事業者に求められるし、昼間の間は1時間に1本、多分2時台だったら1時間に1本ないんじゃないかなというふうに思うんです。そういう点で言えば、列車ダイヤの増便など利便性の改善がこの第二種事業者により一層求められます。  また、第三種事業者である鉄路の管理をする部分についても、鉄道施設の安全運行の条件整備はより一層求められますし、各駅へのアクセスとしての路線バスやコミュニティーバスの運行網の整備、それから駅周辺の駐輪場や駐車場の整備などなど、より一層利便性向上に向けて取組が必要になってくると思うんですが、これからの協議会における議論の中で、どういう方向で知事はこの議論をリードしていくのか、お伺いをしたというふうに思います。 ◎知事(三日月大造) このことを考えない日はないんですけど、近江鉄道のことは、今月中旬、来週ですか、来週での協議会に向けて、今、最終調整させていただいているんですが、一般論として、やはりこういった鉄道事業、どういった形態であれ、まず一にも二にも安全な運行だと思います。また、議員も御紹介いただきましたけれども、せっかくJR線と接続しているわけですから、そことの接続の改善を含め、利便性をどう向上させていくのかということ、これにはどうしても運賃や列車ダイヤ等が関係してくると思います。また、サービスも改善してほしいというお声もたくさんいただいていますし、効率的な経営というものが求められてくるんだと思います。仮にこういった上下で第二種、第三種と分離される方式というものが取られたとしても、それをお互いに責任を押しつけ合うということではなくて、共同して責任を担っていくような、そういう仕組みというものが望ましい、ふさわしいというものではないかと考えておりますので、こういったことは検討の際にもしっかりと踏まえた上で議論をすることが重要ではないかと考えます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)私も、地域で鉄道問題を考える様々な集会や会合に参加をさせてもらいながら、引き続いて努力をしていきたいと思うんですが、この地域の公共交通の在り方と関わって、知事は先日、先日というか、7月に県の税制審議会に答申を出されました。環境、教育、暮らし、健康、交通・交流・交信の5つの課題の頭文字を取って「かきくけこ」をテーマに、新しい社会の在り方、あるべき社会像を描き、そこから税をつくる、税源をつくるとして、県の税制審議会にかきくけこ課税、これは私の言葉ですが、について諮問されましたが、この意図するところは何なのか、知事に伺いたいというふうに思います。 ◎知事(三日月大造) 私の言葉ですがと前置きされましたけれども、決してかきくけこ課税について諮問したわけではありませんので、誤解なきようによろしくお願いしたいと思います。  滋賀県の行政経営方針2019において、社会環境の変化に伴う需要の高まりが大きい行政施策について、実施のための必要な財源、その負担の仕組みの在り方等について、研究、議論を進め、検討していくこととしております。これを受けまして、令和2年7月17日に開催されました第7回滋賀県税制審議会において、新しい自治の一つの可能性を滋賀から発信していくことを見据え、滋賀にふさわしい税制の在り方について諮問を行ったところです。その際、私が知事として、県民の皆様のお声を聞く中で、特に関心が高いと感じた行政需要である環境、教育、暮らし、健康、交通・交流・交信という5つのテーマを「かきくけこ」として提示し、受益と負担の在り方等について議論をしようと、また、議論をしてほしいと諮問させていただいたところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)第7回の県の税制審で議事録を読ませてもらうと、そういう5つのテーマについて議論してはるんですけども、ところが、1回終わっただけで第8回に、地域公共交通を支える税制の検討、税負担の在り方についてというところまで話が進んでしまっています。地域公共交通の再生の取組が、新たな課税ありき、増税ありきの公共交通の再生策だというふうに私は言わざるを得ないというふうに思います。5つのテーマの議論がなぜ収れんされて地域交通を支える税制の在り方の検討になるのか、改めて知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  その第7回の税制審議会において、ある委員からは、交通が他の4つの分野を支えているのではないかといった趣旨の御意見をいただいたところでございます。また、県からは、公共交通は、県政世論調査において満足度が最も低い結果が出ていることや、先ほど委員もお言葉を使われましたけども、社会的共通資本として、環境や教育など様々な分野において、その基盤を下支えしているのではないかという分析を提示させていただいたところでございます。そうした議論等を踏まえ、11月12日に開催いたしました第8回の審議会で、滋賀にふさわしい税制の一環として、「地域公共交通を支えるための税制」をテーマとし、その可能性を探るための議論をしていただいたものでございます。  また、1月に開催を予定しております第9回の審議会では、コロナ後へ向けた戦略的税制という、内容が地域公共交通に限らない議題も提示させていただく予定であり、審議会における議論を特定のテーマに収れんさせたわけでは現時点ございません。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)第8回は、いわゆる地域公共交通を支える税制の議論になっているんですが、この交通をターゲットにして、都道府県段階で目的税ないしは普通税に上乗せをして徴税している府県はあるんでしょうか、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 現時点、今お尋ねのような税等を課していらっしゃる都道府県はないと承知をしております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)私は、さきのテーマのときも申し上げましたが、地域の公共交通の財源を誰が負担をするのかという大きな問題がまずあると思うんです。だから、さきの法律の中でも、交通権、移動権、これを盛り込むかどうかということは非常に大きな国会での論議になったと思うんです。そういう意味からすると、改めて国がもっとしっかりした、地域公共交通の再生は全国的な課題だと、そういう立場から、国が財政負担も含めてしっかりその責務を担うように求めることがまず地域の自治体の立場ではないかというふうに思うんですが、改めて知事にその認識を伺いたいというふうに思うんです。 ◎知事(三日月大造) 御認識は半分共有します。地域公共交通の再生は全国共通の課題であります。今後ますます深刻化する状況に的確に対応するためには、先ほども申し上げたように、国、県、市町がそれぞれの役割分担の下でしっかり連携し、取り組む必要があると考えます。それを踏まえ、国の役割として対応していただくべき事項については、国に対し、財政面も含めた支援の拡充をしっかりと求めてまいりたいと思いますが、県としてもできること、やるべきことについて議論を積み重ねていくということも必要なのではないかと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)私は、新たな課税、新たな増税を前提とした地域公共交通の再生策ではなくて、地域公共交通の利便性の向上など、将来の公共交通のビジョンをしっかり示して、公共交通の再生や活性化の具体的な施策も含めて、住民、県民の皆さんの合意形成を図ることこそ優先させるべきというふうに考えるんですが、知事の認識を伺います。 ◎知事(三日月大造) 税制度、これは必要な公共交通を維持、活性化させていくために必要な財源、その負担をどう分担していくのかという議論と併せて、税制度を具体的に検討していく段階においては、その税収が何のため必要なのかといった検証が必要になりますことから、公共交通の将来ビジョンの合意に向けた議論は税制の議論と併せて大変重要であると考えます。税制審議会の委員からも、それぞれの地域における公共交通の計画づくりが必要で、また、そのための合意形成を考えていく必要がある等の御意見を頂戴しているところでございます。  今後の議論次第ではございますが、仮に地域公共交通を支えるための税制の導入を具体的に検討することになった場合には、地域公共交通のビジョンづくりや計画づくりと並行して、どのようなスケジュールで税制について議論をしていくのか、また、どのように県民の皆様との合意形成を図っていくのか等についてもしっかり説明責任を果たしていく必要があると思っておりますので、この点、丁寧に行う必要があると自覚しているところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)私は、住民合意がないまま、先走ってこういったところに新たな課税、増税は行うべきではないというふうに思います。  この間の税制審議会の議論でも、新たな課税について、公共交通だけの検討になってしまって、横串で他の分野と横断的に考えてほしいと伝えても、公共交通だけで考えてしまう嫌いがある、そもそも増税で合意形成するというのは大変な作業であって、消費税を見ればよく分かる、合意形成するというのは大変な作業、理念とエビデンスで議論することは基本だと思うし、それが大事だと、議会のみの議論では住民全体の合意形成は難しい、議会の外で、住民が対話の中で入って議論できるような場所も必要であるなどなど、この審議会の委員の皆さんからも多様な意見が語られています。私は、新たな課税、増税の議論ではなく、巨額の国スポ施設整備の抜本的な見直しなど含めて、歳出構造の見直しこそ必要ではないかというふうに思います。しかも、そもそも新たな課税、増税を前提にした地域公共交通の再生の議論は、今日まで全くなく、ましてや肝腎の地域公共交通再生のビジョンが県民に示され切れていません。税制審議会や議会の議論だけで新たな課税、増税を行うべきでないというふうに考えるんですが、知事の認識を問うものです。 ◎知事(三日月大造) 現在、滋賀県税制審議会に滋賀にふさわしい税制について諮問している中で、合意形成の在り方についても論点として提示しており、県民の皆様と合意形成を図ることの重要性については十分認識しているところでございます。仮に地域公共交通を支えるための税制の導入を具体的に検討することになった場合におきましても、地域公共交通が生み出す幅広い便益を見える化しながら、丁寧かつ謙虚に議論を進めてまいりたいと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)ここ数年、コロナで県の財政状況が極めて厳しいという状況が予想されますし、歳出構造のありようが本当に問われるという状況になるのではないかというふうに思います。そこのところを含めて、この税制の在り方についてはぜひ議論を引き続いて進めていきたいというふうに思います。  時間の関係で次の質問に移らせていただきます。  この間、コロナ禍で、地域の中小の業者の方から、様々な県の施策、国の施策に対する声をいただきました。その中で、幾つかの課題や問題について質問させていただきたいと思います。  コロナの感染者数が全国で急増して、1波、2波を上回る深刻な状況として3波が襲いかかっています。爆発的な感染を抑止するために、検査と医療体制の抜本的な強化と、暮らしと営業を支える制度の強化が一層求められます。中小業者からは、持続化給付金などを受けてきたが、経営が回復せず廃業せざるを得ない、コロナ禍が襲い、先行きも商売は厳しいとの声が相次いで寄せられています。今後、年末年始にかけて、より一層支援制度の充実が求められます。  そこで、この間、我が議員団に中小業者の方から寄せられた声を3点紹介させていただきながら、その対応を求めたいと思います。  まず、今年3月に、新型コロナ感染症の発生に伴い納税が困難な者への対応についてとして、税徴収の猶予、換価の猶予、滞納処分の停止などについて、総務省からの助言の通知がなされたと思うんですが、この通知の徹底についてどのように対応されたのか、通知の内容も含めて総務部長にお伺いいたします。 ◎総務部長(江島宏治) (登壇)お答えいたします。  令和2年3月18日付の総務省自治税務局長通知は、新型コロナウイルス感染症の発生に伴い納税が困難になった方の置かれた状況に十分配慮して、徴収の猶予等の制度について適切に対応するよう助言されたものであります。  県は、これを令和2年3月23日に、各市町宛てに通知いたしました。その後、担当者が代わる年度初めの4月2日に、再度、各市町宛て通知したところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)今年4月に国税庁が各国税局に発した文書で、「新型コロナ感染関連の助成金等に対する差し押さえについて」とする指示文書が出ているんですが、その内容を承知しておられるのか、総務部長にお伺いいたします。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  お尋ねの国税庁通知につきましては、本県は受け取っておりません。また、国税当局に内容を照会させていただきましたが、この通知は国税庁から各国税局や税務署にされたものでありまして、部外には公表されておらず、県は内容を承知いたしておりません。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)これは、実は各都道府県などにも通知するべきだと私は思うんですが、この2つの文書の内容と、その後の国会での答弁を併せると、地方税の滞納処分に当たっては、持続化給付金家賃支援給付金などコロナ対策として支給、交付された各助成金等については、経済的な影響を受けた事業者への支援であることを踏まえ、銀行口座に振り込まれた給付金の差押えは慎重な対応を行うことが必要だ、各自治体も適切に判断をしてほしいと、こういう国会のやり取りがありました。  実は、こういう方向で差押えについての動きが国も含めてある中で、今年の7月末に、東近江市だったんですが、建設業を営む経営者の方に持続化給付金100万円が振り込まれました。ところが、振り込まれた翌週に、残っていた残金とともに117万9,335円が全額預金口座から差し押さえられて、預金の残高がゼロになってしまうという案件が発生をしています。当時、この経営者の方は病院へ入院中で、しかも、その翌々日には手術をしなければならないと、そういう状況の中で市が差し押さえて、固定資産税と市民税、この市民税の中には当然県民税も含んでいます。滞納料金も差し押さえたんですが、本税は既に支払い済み、滞納についても市と協議をしてそこそこ順番に払っておられたと。コロナ禍でこんな持続化給付金を差し押さえるなどということは、言わば廃業に追い込むも同然であります。改めて県として、こうした持続化給付金などを差し押さえるという事態を是正する必要があるというふうに考えるんですが、その実態も含めて総務部長に伺います。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  持続化給付金を受給する権利や、持続化給付金が入金された預金債権は、法令上は差押禁止財産ではなく、個別事案の滞納処分は各団体の判断と責任で対応すべきものと考えており、個々の実態把握まではしておりません。  今回の議員御指摘の事案ですが、確認しますと個人県民税が含まれているということのようです。個人県民税は、法令上、市町が個人市町民税と併せて賦課、徴収することとされておりまして、個別の事案に県が関与することは適当ではないと考えますが、当該自治体からは、持続加給金が含まれている場合には、該当額を差押え対象額から外し、その残額を差押えの対象としていると伺っております。  いずれにいたしましても、コロナ禍での滞納処分につきましては、令和2年3月18日付の総務省自治税務局長通知のとおり、納税者の置かれた状況に十分に配慮して適切に対応していただきたいと考えておりまして、改めて各市町に周知徹底してまいりたいと思います。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)ぜひそういう配慮をした税務活動を進めていただきたいと思います。  次に、6月、9月議会で我が党の節木議員が指摘した学校給食の食材の納入業者に対する損失補填について、再度、教育長に伺います。  6月議会の後、県の学校給食会、理事長が教育長ですけれども、給食用食材の4月、5月分の違約金等、支援金をお知らせさせていただきますという文書が学校給食会から出されています。令和2年7月7日付での104号で新型コロナ感染症対応地方創生臨時交付金活用についてと題する文章が発せられて、違約金の支払いについて通知をされましたが、この結果はどのようになっているのか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えいたします。  まず、滋賀県の学校給食会が県および市町の教育委員会に通知された内容は、学校給食会が関わりますパン、御飯、麺について、給食が実施されなかった4月、5月分を支援金等として対象額を示し、協力を依頼されたものでございます。  その依頼後の結果についてでございますが、4月分について対応をしたのは県と10の市町、5月分については7つの市町となっております。県と多くの市町はキャンセルできなかった分を対象とし、キャンセルできた分、また、発注していない分については対応をしていないところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)(資料掲示)ちょっと裏は違いますが、表の表なんですが、これは学校給食に牛乳を供給しておられる事業協同組合からいただいたんですが、牛乳についての状況なんです。確かに3月は、多くの市町、学校も、その違約金といいますか、受けておられるんですが、4月、5月は非常にばらつきがあります。大津市なんかは予約も含めて5月まで全部支払わせてもらいますというような回答をされておられるようですけれども、そういう中で、改めてこの牛乳の契約を見ると、単価掛ける月々の数量、それがトータルとして年間幾らかという契約になってあるんです。業者の方が言えば、年間の数量が変われば月々の単価も変わりますと、なのに、単価を変えずに3、4、5と全部断ってくるんじゃないかと、これはやっぱり基本的な契約上の不合理があると、少なくとも、やっぱり単価も含めて考えるのなら、もう一度やっぱり契約に立ち戻って、契約当事者の話合いを通じてこの違約金を支払うべきではないかという、こういう御指摘をいただいています。年間12億円、牛乳だけで学校給食に供給をされているわけですから、それぞれの業者にとっては非常に重大な問題です。しかも、3月のときに廃棄をされています。学校給食、急に断られたと、作った牛乳が行き場がどこにもないので、これ、廃棄処分しましたと。廃棄処分にかかったのが40万円かかったと、これは一切支払いを受けていないという話などもあります。ぜひここは支払われるよう、引き続いて教育委員会の努力をお願いをしたいというふうに思います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  御質問にございました4月分、5月分の牛乳の取扱いについてでございますが、県立学校につきましては、既に発注をしておりました4月分についてはお支払いをすることとしておりますが、発注をしておりません5月分の支払いの義務はないと考えているところでございます。  市町につきましては、それぞれの市町により状況が異なりますことから、それぞれの市町で御判断いただいたことによりまして、その対応は一律にはなっていないところでございます。  ただ、御指摘の年間の発注量が大きく変更されたこと、このことにつきましては、今後の学校給食において、牛乳の安定供給に当たっての一つの課題であると認識をいたしております。牛乳は子供の成長を支える意味で必要不可欠なものであると認識をいたしております。その安定供給は、業界の皆様方の御協力なくしては成り立たないと認識をいたしておりますので、今後、今回のような事態が起きたときにどのような対応ができるのか、検討をしてまいりたいと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)それは将来について考えていただくのはいいんですが、4月、5月について大きな損失が生じているわけですね。そこはやっぱり契約上の問題として関係者の皆さんと十分な協議を進めていただきたいと。それと、将来に向かって、ここは誠意を持って対応していただくということが必要じゃないかというふうに思います。  次に移ります。  今年5月28日付で、総務省自治行政局、自治税務局から、新型コロナ感染症の影響による入札・契約の執行に当たっての留意事項という文章が発せられています。この通知に対応して、会計管理局の競争入札参加資格審査において、参加資格要件から消費税や地方税の徴収猶予を受けた事業者などへの対応が適切に行われているか、会計管理者に伺いたいというふうに思います。 ◎会計管理者(浅見裕見子) (登壇)お答えいたします。  会計管理局では、物品・役務および庁舎管理業務に係る競争入札参加資格者名簿を作成しており、その資格審査においては、消費税および都道府県税に未納がないことを証する納税証明書またはその写しの提出を求めているところでございます。  新型コロナウイルス感染症の影響により、消費税や都道府県税の徴収猶予を受けている事業者にあっては、議員御指摘の総務省通知の趣旨を踏まえ、未納がないことを証する納税証明書の提出に代えて、納税の猶予許可通知書の写し等によることを可能としたところでございます。12月9日までに、新規申請と更新申請合わせまして2,586件の審査を行いましたが、そのうち10件について、納税の猶予許可通知書の写し等による対応をしたところでございます。  今後とも、新型コロナウイルス感染症の影響により税の徴収猶予を受けている事業者が不利な取扱いとならないよう、ホームページ上での情報をより分かりやすくするなどして、さらなる周知に努めるとともに、事業者からの相談には引き続き丁寧に対応してまいりたいと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)今、3波が襲って、この年末から今年度の年度末にかけて、業者の方は非常により一層深刻な状況になるのではないかと。そうした場合に、当然、納めたいけれども納めらないという事態が発生してくることが十分に考えられます。ぜひこの対応は引き続いて努力をしていただきたいと同時に、土木の公共工事の入札についても同じ対応をしていただいているんだろうというふうに思うんですが、時間がありませんので、今、多分進行中だと思うんですが、入札資格参加申請、ぜひ後日確認いただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。  県の入札と同様に、県の融資制度を受ける際に徴されている納税証明書の添付についても徴収猶予を受けている証明書に代えるなど、適切に行われているのか、商工観光労働部長にお伺いをいたします。 ◎商工観光労働部長(森中高史) (登壇)お答えします。  県制度融資におきましては、滋賀県中小企業振興資金融資要綱において、融資対象者の要件の一つに、税金を完納している者であることと定め、借入申込み時に、県税に未納がないことを証する証明書、いわゆる納税証明書の提出を求めているところでございます。  一方で、新型コロナウイルス感染症の影響による売上げ減少等により税の徴収猶予が認められている状況に鑑み、今年5月に創設した新型コロナウイルス感染症対応資金につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて納税が遅延した場合においては、税金を完納している者であることの要件は充足されるものとして、いわゆる納税証明書の提出は不要とする取扱いとしているところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)先ほども申し上げましたように、これから年末年始、さらには年度末にかけて非常に厳しい状況が続くというふうに思います。今日取り上げた3つのケースは、非常に目立たない、目立ちにくい悩みといいますか、問題ですが、そういうきめ細かなところにもきっちり対応して、このコロナ禍で苦しんでおられる業者の方、県民の皆さんへの対応を強く求めて質問を終わりたいと思います。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、12番松本利寛議員の質問を終了いたします。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  しばらく休憩いたします。   午後2時49分 休憩    ────────────────   午後3時10分 開議 ○議長(細江正人) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、15番角田航也議員の発言を許します。 ◆15番(角田航也議員) (登壇、拍手)通告に従いまして、河川整備の諸課題について、一問一答方式で全て土木交通部長に伺います。  近年、気候変動の影響により、全国的に自然災害が激甚化、頻発化し、極めて深刻な状況が続いております。水害だけを見ましても、今年の7月には、熊本県の球磨川が氾濫し、甚大な被害が発生しました。昨年は、長野県の千曲川が氾濫するなど台風19号による被害が、一昨年は、岡山県倉敷市真備町をはじめ西日本各地が豪雨災害に見舞われるなど、毎年国内で大きな水害が発生しております。  県内におきましても、平成25年9月の台風18号は県内各地に浸水被害を生じさせました。その後も、気候変動の影響か、降雨量の増加や大型台風の県内通過が増えたように感じます。  こうした中、本県では、全国に先駆け、流域治水の概念を導入した流域治水条例を制定し、川の中の対策に加えて、川の外の対策も並行して進めてこられました。川の中の対策については、滋賀県河川整備方針を定め、効果的かつ効率的な河川整備を図るため、中長期整備実施河川の検討により、優先的に治水事業を展開する河川が選定され、AランクからDランクおよびTランクに分類がされました。そして、AランクおよびBランク河川についての河川整備計画が7つの圏域ごとに策定され、また、河川の現状を踏まえ、治水対策を計画的に進めるための河川整備5ヶ年計画により、各河川の整備が進められてきたところです。  そこでまず、本県における河川整備5ヶ年計画の進捗状況について伺います。 ○議長(細江正人) 15番角田航也議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎土木交通部長(吉田秀範) (登壇)お答えいたします。  県内の河川整備は、平成26年度より河川整備5ヶ年計画に基づき実施しているところであり、今年度は第2期計画の2年目となっております。  令和元年度末時点での6年間の改修の進捗状況につきましては、目標15.5キロメートルに対し、16.2キロメートルの区間で整備が完了しており、計画を上回る実績となってございます。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)目標を超える改修事業が実施され、一定順調に進捗が図られているということですが、本県における河川整備率、すなわち県が管理する河川における10年確率降雨で想定される洪水を河道内で安全に流下させるという目標が達成されているパーセンテージで見ますと、昨年度末で約56%という状況で、近年、国からの予算が増額されているとはいえ、100%達成するのに今後100年程度の期間を要すると言われています。厳しい財政状況の中、限られた財源と人員では、整備完了までに相当の期間が必要となりますが、洪水を防ぐ最も基幹的な対策であります降った雨を河川で安全に「ながす」対策を計画的かつ効果的に引き続き取り組んでいただきたいと思います。  もっとも、整備途上や整備完了後であっても、気候変動が激しい今日、想定をはるかに超える大雨が降った場合、河川が氾濫する可能性があり、川の中の対策だけでは抑え切れない洪水があることを踏まえた治水対策、すなわち流域治水の考え方による川の外の対策も急がれます。近年における全国的な水害を受け、国の治水対策方針も流域治水へと転換されたところです。本県では、国に先んじて流域治水政策を進めてこられたわけですが、こうした国の治水対策方針の転換に伴って、県の河川整備計画も見直しの必要があるのでしょうか、見解を伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  議員御指摘のように、本県では、国に先んじて平成26年に条例を制定し、しがの流域治水に取り組んできたところであり、国の示した流域治水の考え方は既に県の河川整備計画に盛り込んでいることから、現時点で計画を見直すことは考えておりません。今後、国の動向を注視しながら、流域治水の取組をしっかり進めてまいります。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)国の流域治水を進める主要施策では、河川整備計画等を過去の降雨実績や潮位に基づくものから、気候変動の影響による降雨量の増加、潮位の上昇なども考慮したものに見直すことが盛り込まれていますので、気候変動を踏まえた降雨量の増加など、実態に即した最新のデータを基に、計画の見直しを適宜図っていただきたいと思います。  次に、湖北圏域河川整備計画について伺います。  湖北圏域は、長浜市、米原市の琵琶湖に注ぐ淀川水系と、あまり知られてはいませんが、伊吹山から伊勢湾に注ぐ藤古川という木曽川水系から成っており、その圏域面積は約923平方キロメートルであります。圏域には、一級河川が琵琶湖を含め全部で107河川あり、主要な河川としては、北から大川、余呉川、田川、姉川、高時川、天野川などがあります。湖北圏域河川整備計画は、平成28年9月に認可を受け、改修工事が進められていますが、この整備計画で位置づけられています主な河川の改修状況について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  主な河川の改修状況についてでございますが、姉川は河口から9キロメートルの区間、高時川は姉川との合流点から27キロメートルの区間を整備実施区間として位置づけ、長浜市南浜町や高月町馬上などで堤防強化工事を行うとともに、河道改修に向けた用地取得、詳細設計などを実施しているところでございます。  また、余呉川では、国道8号の賤ヶ岳橋前後の800メートルを整備実施区間として位置づけ、橋梁の架け替え工事を実施しているところでございます。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)次に、現在、湖北圏域河川整備計画の変更案の策定作業と各種手続が進められていますが、今回、湖北圏域河川整備計画が変更されることとなった背景について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  湖北圏域の河川のうち、現行の計画に整備実施区間の位置づけのない天野川、田川、米川につきましては、流下能力が低く、これまでの被害の実績や今後想定される被害の大きさなどを勘案すると、早期の改修が必要な河川でありますことから、地域の方々の御意見もお聞きしながら整備内容について検討を進めてきたところでございます。このほど、その内容がおおむねまとまったことから、河川整備計画を変更しようとするものでございます。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)ありがとうございます。  では、次に、湖北圏域河川整備計画の変更内容について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  今回の変更は、天野川、田川、米川の3河川について、新たに整備実施区間を位置づけようとするものでございます。今回位置づける具体の内容としましては、天野川では河口から19キロメートルの区間における河道掘削や遊水地整備などを、田川では河口から7キロメートルの区間における河道拡幅や遊水地整備などを、米川では中流部における遊水地整備を想定しております。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)私の地元、米原市を流れる天野川は、霊仙山を源に、市の中央を東から西に流れ、琵琶湖に注ぐ流域面積約111.6平方キロメートル、延長約19キロメートルの川ですが、度々氾濫危険水位に達し、付近住民に対し避難勧告が頻繁に出されておりますことから、早期の河川整備が待ち望まれており、今回の変更は大変ありがたく感じております。
     それでは、次に、天野川の整備目標について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  天野川の整備目標といたしましては、おおむね30年に一度の大雨が降っても氾濫することなく、川の水を安全に流下させることを想定しております。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)流域面積が50平方キロメートル以上の天野川ですと、整備目標は、戦後最大洪水規模相当、すなわち50年に1回程度の降雨により予想される洪水を安全に流下させることができる改修、50分の1確率規模となるところですが、おおむね30分の1確率規模とされたのはどういう理由からでしょうか。天野川の整備目標が戦後最大洪水規模相当でない理由について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  戦後最大の洪水規模相当である50年確率の降雨に対応する整備を目標とした場合、JR北陸本線を含め、多数の橋梁の架け替えや取水堰の改修などが必要となることから、上流までの整備を進めるには多くの時間と費用を要します。  他方、上流部にある長岡地区では、これまでから浸水被害が発生しており、流域全体にわたって整備効果を早期に発現させる必要がございます。このため、まずはJR北陸本線橋梁部の現在の流下能力に相当する30年確率の降雨に対応する整備を進めたいと考えております。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)天野川は、1959年──昭和34年8月豪雨で、被災者1万4,652人、死傷者15人、建物被害2,928戸、また、同じ年の9月の伊勢湾台風で、被災者1万7,253人、死傷者10人、建物被害3,036戸と壊滅的な被害を受けたことから、沿線住民には洪水の被害経験をお持ちの方がたくさんおられ、水害に対する関心が比較的高い地域と言えます。そのため、近年の各地の豪雨災害が人ごとではなく、河川整備に寄せる期待は大きいものがあります。  そこで、天野川の治水の現状について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  天野川の現在の治水安全度につきましては、区間によって違いはございますが、おおむね10年確率の降雨に対応する河道となっております。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)では、次に、天野川の治水上の課題について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  天野川の流域には、国道8号、JR北陸本線、東海道本線など主要な交通幹線が集中し、沿川には多くの集落がございます。また、天野川は堤防が高く、一部天井川の区間もあることから、氾濫した場合は甚大な被害が予測されるため、早期の河川整備が必要であると考えております。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)では、次に、天野川の整備計画における計画高水流量について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  30年確率の降雨に対応する計画高水流量は、基準地点である米原市箕浦地先の近江橋地点におきまして毎秒600立方メートル、上流にある長岡地先の天野川橋地点におきましては毎秒190立方メートルでございます。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)では、次に、今回の整備計画変更に当たり、米原市長岡地区に遊水地の設置が検討されていますが、天野川の整備計画における計画高水流量と長岡地区の遊水地との関係について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  遊水地は、洪水時に河川からの水を流入させ、貯留することで、下流の水量を抑えることを目的に整備するものであり、長岡地区にこれを整備することにより、天野川橋地点で流量を毎秒20立方メートル低減することを想定しております。このことにより、計画高水流量は毎秒190立方メートルとなり、河川掘削を実施することで30年確率の降雨に対応することができることとなります。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)では、次に、どのような川を目指し、どのような方針の下、整備を進められるのか、天野川の整備計画の概要について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  天野川は、沿川には市街地や多くの集落があり、豊かな自然に恵まれた河川でありますことから、人と自然に優しく、地域に愛される安全・安心の川づくりを目指し、整備を進めたいと考えております。特に治水面におきましては、河道掘削、築堤、引堤、堤防強化等により流下能力を向上、維持するとともに、遊水地の整備により流量を低減させることを想定しております。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)河川整備においては、洪水による災害の発生を防止または軽減するための河積の確保が第一ではありますが、いわゆるグリーンインフラ、Eco−DRRなど、自然の機能を防災・減災に活用する新しい視点も重要と考えます。また、かつて東海道新幹線が建設される際、地域住民の要望で、盛土方式が避溢橋方式、すなわち増水時に線路の盛土が水をせき止めて上流側を水没させてしまわないように架けられる橋梁に変更になったことや、二線堤、霞堤が複数残るなど、天野川は流域治水のお手本のような川でもあります。流域治水の考え方も取り入れながら、河川整備をぜひ進めていただきたいと思います。  天野川は、その名のとおり、織り姫と彦星の七夕伝説が残り、息長川の名で万葉集にも詠まれ、飛鳥時代には、滋賀県ゆかりの天智天皇の太子、大友皇子と天智天皇の弟で後の天武天皇の大海人皇子が争った壬申の乱において戦いの舞台となるなど、この地域の歴史と文化に深い関わりのある川です。また、長岡のゲンジボタルおよびその発生地は国の特別天然記念物で、息長ゲンジボタル発生地も国の天然記念物に指定されているなど、自然環境豊かな川として、地域の方に愛され、親しまれてきた川でもあります。加えて、アユやビワマスが遡上し、農業用水にも利用されるなど、環境保全、生態系、利水への影響等、配慮が必要な項目が多くありますが、天野川の整備計画における配慮事項について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  議員御指摘のとおり、天野川は、歴史と文化に深い関わりがあり、自然豊かな川として地域の方に愛され、親しまれるとともに、その水は農業などに広く利用されてきました。このため、河川整備に当たっては、常に水の流れるみお筋を残し、瀬、ふちなど変化に富んだ河道を維持することや、地域の方が親しめる空間にすることなど、地域の御意見を伺いながら、自然環境や文化、利水との調和に配慮してまいりたいと考えております。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)ぜひ環境等も配慮した整備をお願いしたいと思います。  次に、先ほども計画高水流量との関係で長岡地区の遊水地について伺いましたが、天野川における遊水地の整備について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  遊水地は、洪水時に、堤防の高さを低くした越流堤から堤防で囲んだ土地に河川の水を流れ込ませ、貯留することにより、下流の水量を低減させるものであり、現在、その形状や管理方法等について検討を進めているところでございます。  今後、具体の計画の検討や整備に当たりましては、土地の所有者をはじめ、地域の皆様に対し丁寧に説明し、御理解をいただきながら進めてまいります。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)長岡地区のほかに、計画として、以前からの霞堤や遊水地は生かされるのでしょうか。岩脇地区に今も残る霞堤は、江戸時代の大老、井伊直弼によるものと言われています。流域治水の観点からも、生かせるものは生かしながら、復活できるものは復活させながら進めていくべきではないかと思いますが、御所見を伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  既にある霞堤や遊水機能を有する土地につきましては、計画目標を超える降雨による浸水被害を軽減する効果が見込まれますことから、その機能を生かすため、保全することとしております。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)次に、天野川における遊水地の効果について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  長岡地区の遊水地は、洪水時に河川からの水を貯留し、下流の水量を毎秒20立方メートル減少させることで、長岡地区などの浸水被害を防止、軽減する効果がございます。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)長岡地区に頻繁に出される避難勧告等が大幅に減少することを期待します。  次に、お答えしづらいとは思いますが、長岡地区の遊水地の完成の時期はいつぐらいになるのか、お伺いします。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  遊水地につきましては、今後、地域の方々の御意見を伺いながら、具体の整備内容について検討を進め、合意形成を図ってまいる予定でございまして、現時点で具体の完成時期をお示しすることはできませんが、早期に整備できるよう努めてまいります。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)長岡地区は、特に川幅が狭く、大雨のたびに氾濫危険水位に達し、避難勧告が頻繁に出されていますので、ぜひとも遊水地の早期完成を目指して進めていただきたいと思います。  また、長岡地区の遊水地は、天野川と弥高川と長岡バイパスの間の三角形の間に造られるわけですが、県道長岡バイパスの工事がある程度完了しないと遊水地の工事も完了できないそうですので、長岡バイパスの工事もできるだけ早期の完成を併せて要望させていただきます。  次に、湖北圏域河川整備計画変更の今後のスケジュールについて伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  現在、河川法の規定に基づき、地域住民や学識経験者の意見をお聞きし、変更案を策定したところでございまして、今後、関係する米原市長、長浜市長から御意見をいただいた上で、年内に国土交通省に申請を行い、今年度内には国の認可を得たいと考えております。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)では、この湖北圏域河川整備計画変更の認可が下り、決定がなされた後、整備計画に基づく実際の工事は完了するまでどのくらいの期間を見ておられるのか、お答えしづらいとは思いますが、お願いします。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  本県の河川整備計画は、おおむね20年間に実施する事業を定めているものではございますが、必ずしも期間内に事業が完成することを意味するものではございません。それぞれの事業の工事期間につきましては、計画策定やその合意形成、用地取得や予算の状況など不確定な部分もございまして、お示しすることはできませんが、早期の完成を目指し取り組んでまいります。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)1年でも早くできるようにお願いします。  次に、河川整備には整備完了まで長期にわたるため、並行して、しゅんせつ工事など維持管理を進めていく必要がありますが、県内河川の維持管理の方針について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  定期的に実施している河川の巡視点検の結果や、市町、地域からの要望を踏まえまして、治水上支障となる箇所について、緊急性の高いところから、堆積土砂の撤去、竹木の伐採、護岸等の補修の対策を実施することとしております。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)次に、県内河川の維持管理の状況について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  昨年度は、堆積土砂の撤去を68河川で11万立方メートル、竹木の伐採を67河川で32万3,000平方メートル、護岸等の補修を175河川で実施いたしました。また、近年の台風等による大規模な浸水被害等が相次ぐ中、堆積土砂の撤去や竹木の伐採が重要でありますことから、今年度、国において5か年の措置として緊急浚渫推進事業が創設されました。本県でも、この事業を積極的に活用し、土砂の撤去を推進することとしております。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)では、次に、天野川における維持管理の状況について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  天野川では、昨年度は、堆積土砂の撤去を200立方メートル、護岸等の補修を7か所で実施いたしました。今年度は、これまでに堆積土砂の撤去を2,900立方メートル、竹木の伐採を2,800平方メートル、堤防等の補修を2か所実施しておりまして、さらに年度内に堆積土砂の撤去を4,800立方メートル実施する予定でございます。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)ありがとうございます。  頻発する大雨による流量が増えると、その分、堆積土砂も増え、その結果、しゅんせつする必要が生じます。国の緊急浚渫推進事業やそれ以外の事業であっても、事業推進に当たり、しゅんせつした土砂をいかに処分するかの問題がついて回ります。建設資材や公共事業の用に供する場合はよいとしても、泥土など利用価値の低いものは有料処分となり、土砂の処分状況が気がかりです。処分先や仮置き場の確保が難しいと仄聞しますが、そういったしゅんせつで発生した土砂をいかに処分されているのか、処分方針について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  しゅんせつにより発生する土砂につきましては、まずは、公共工事間で土砂の利用調整を図るデータベースを活用し、他の工事での利用可能性を検討することとしており、それが困難な場合には、市町や地域から情報をいただきながら、農地のかさ上げや民間造成工事等での利用に努めております。そうした他の現場での利用が困難な場合には、民間の有料処分場等で処分することとなります。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)土砂の有効利用を図られているということですが、今後さらに強力にしゅんせつ事業を進めていく場合、処分の効率化や仮置き場のさらなる確保が必要となってまいります。一般の土地所有者も含め、民間事業者への情報提供の強化や工夫、市町との連携も深めていただき、処分先がなく、しゅんせつ工事が遅れることがないようお願いいたします。  次に、現在も長岡地先の天野川でしゅんせつ工事を進めていただいておりますが、発生した土砂は有効に活用されていますでしょうか。仮置き場の確保状況も含め、天野川のしゅんせつ発生土砂の処分状況について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  天野川における昨年度と今年度のしゅんせつにより発生した土砂は、その多くを米原市や湖北広域行政事務センターの事業へ有効活用することとし、米原市が所有する柏原地先の土地へ一時的に仮置きしております。また、地域から要望のあった農地のかさ上げにも利用しており、民間の有料処分場での処分は行っておりません。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)今後、本格的に河川整備工事が進むにつれて、有効利用先や仮置き場等がさらに必要となることが想定されます。できるだけしゅんせつ工事の現場と有効利用先等が近接しているほうが効率的ですし、必要な道路工事など土砂を必要とする公共事業と時期を合わせて進めることが合理的でもあります。例えばですが、国道365号線は大型トラックの往来が激しいのですが、米原市の大野木から藤川間は特に路肩が狭く、両側が深い谷になっているところがあります。近年事故も発生しており、道路の拡幅と歩道整備の要望が地元からも寄せられています。県の道路整備アクションプログラムにも事業化検討路線に挙げられており、早期の事業化をお願いしたいと思いますが、この事業を進めるには大量の土砂が必要となります。しゅんせつ土砂が盛土に適しているのかの問題はありますが、しゅんせつ土砂の有効利用としては、場所的な近さ、量的にも十分な処分先として選択肢の一つではないでしょうか。ぜひ道路の件、御検討いただき、事業化が決まった際には、しゅんせつ土砂の有力な活用先としてお考えいただきたいと思います。  以上のことも踏まえ、天野川の今後の河川整備やしゅんせつで発生する土砂の有効利用について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  天野川で発生する土砂につきましては今後増加する見込みでございまして、道路整備事業を含む他の公共事業や農地のかさ上げ、民間造成工事での利用など、有効利用に努めてまいります。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)ぜひ、事業の進捗に影響がないよう、土地の有効活用をお願いいたします。  次に、良好な河川環境の保全と地域住民の方との関わりについて伺います。  河川整備に当たり、豊かな自然環境や美しい河川景観、憩いや触れ合いの場としての河川空間など、良好な河川環境を保全することも重要と考えますが、親水公園の設置など、子供たちをはじめ、地域の皆さんが親しく水と触れ合い、河川環境の保全の大切さを感じていただけるような整備の方法も取り入れるべきと考えます。また、良好な河川環境を次の世代へと引き継いでいくためには、地域住民の方と協働して河川の維持管理を行うことや、学校と連携し、自然学習の機会をさらに増やしていくことも重要と考えます。良好な河川環境の保全に向けた地域住民の皆さんとの関わりについて伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  美しい河川景観や豊かな生態系など、良好な河川環境は地域の財産でもあり、これを守り育て、次の世代へ引き継いでいくことが重要と考えております。このため、地域の皆様と協働して草刈りや川ざらえ、河畔林の管理など、河川の環境保全に取り組んでいるところでございます。こうした活動を通じて、地域の方々に河川をより身近なものとして感じていただくとともに、防災意識の向上にもつながる大変意義のあるものと考えております。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)県では、河川愛護活動への支援を既にされていますが、河川愛護活動に参加される地域住民の高齢化が進み、活動が今後継続できるか大変気がかりです。私も年に数回、天野川の土手の草刈りに参加しておりますが、急な斜面の草刈りは非常に危険です。それでも70代、80代の方が大勢参加され、肩から下げる草刈り機で一生懸命草を刈られています。作業の安全と持続可能な河川愛護活動のため、斜面でも除草できる自走式の機械をオペレーターつきで貸し出す仕組みなど、さらに使い勝手のよい支援が必要と考えますが、河川環境保全活動に対する地域住民への支援について伺います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  まず、議員の皆様には日頃より河川愛護活動の促進に御尽力いただき感謝申し上げます。  地域の皆様が草刈りや川ざらえなどに継続して取り組んでいただけるよう、除草機械の経費や保険代等を支援するとともに、効率的に作業ができるよう、階段や通路等の整備を行っております。これまで、経費を支援する機械の対象を拡大するなど、地域の皆様の作業の負担を軽減し、より安全に活動いただけるよう改善に努めてきたところであり、今後も、地域の皆様や市町の御意見をお聞きしながら支援の充実を図ってまいりたいと思います。 ◆15番(角田航也議員) (登壇)ぜひ引き続き支援のほうをよろしくお願いいたします。  それでは、最後の質問に移ります。  依然として県内には十分な治水安全度が確保されていない河川も多くあり、近年においても洪水被害が発生しています。引き続き河川整備を計画的に、かつできるだけ早く進めていく必要があります。そのためには予算の確保も重要です。  また、多くの河川は洪水到達時間が短く、洪水の予測が困難であるゆえ、近年、全国各地で気候変動による集中豪雨が頻発していることから、県内河川の施設能力を上回る洪水が発生する確率が増大しています。こうしたことから、県民の命を守り、壊滅的な被害をできるだけ少なくするため、これまでの川の中だけの対策に加え、川の外の対策、流域治水を推進し、効果的に治水安全度を高める必要もあります。維持管理事業の促進、しゅんせつ土砂の有効利用、地域の方との河川環境保全活動の協働など、解決すべき課題は多々ありますが、県民の命と暮らしを守るため、引き続き御尽力をお願いしたいと思います。  最後に、こうした河川整備の諸課題の解決に向けた取組について、意気込みをお伺いします。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  近年、水害が激甚化、頻発している中、県内には、おおむね10年に一度の降雨により市街地に氾濫が及ぶ河川がいまだ120河川ある状況でございます。県民の皆様の安心・安全な暮らしと経済活動を守ることが最優先課題であると考えております。このためには、国や市町、地域住民等と連携し、効果的な河川改修や適切な維持管理のほか、確実な避難や安全な住まい方を実現するためのソフト対策など、あらゆる手段を講じていく必要があり、予算の確保を含め、総力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。 ◆15番(角田航也議員) 終わります。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、15番角田航也議員の質問を終了いたします。  次に、19番駒井千代議員の発言を許します。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇、拍手)いましばらくよろしくお願いいたします。  それでは、通告に従いまして、指定管理者制度について一問一答でお伺いをいたします。  先日のチームしが 県議団、佐口議員の代表質問や今江議員の一般質問でも同制度に関する質問をされたところですが、さざなみ倶楽部でも知事との政策協議会でこのテーマについて意見交換をさせていただいた経緯から、もう少し別の観点で質問をさせていただきます。  指定管理者制度をめぐっては、佐賀県武雄市立図書館がリニューアルをされた際、図書館は直営か指定管理かという議論が活発にされましたが、専門性を問われる施設の代替性については先日の一般質問でもされたところであります。  そこで、私としては、当該施設については賛否両論あったものの、入館者数の大幅な増加原因となった公的施設のサービス力の向上という側面を中心に質問をしたいと思います。  現在の滋賀県の40の指定管理施設は、文化施設、スポーツ・レクリエーション施設、産業振興施設、社会福祉施設など多岐にわたり、目的や利用ニーズも異なり、一律に判断できるものではありませんが、先日も、競争性の確保や施設の活性化が十分になされていないなどの課題を含め、改善を図っていきたいと知事は答弁されております。  そこで、現状についてもう少し掘り下げ、確認をしてまいりたいと思います。  滋賀県では、公募しても1者応募が多数を占めており、専門性、特殊性から難しいことも想定をされますが、公募方法や公募条件が参入障壁となっている場合はないのか、公平性、透明性は担保されているのかなどの観点から、以下、お伺いをいたします。  審査基準は、その目的とするところを伝えるものの一つでもありますが、基準やその配分の公表はプレゼンテーションの準備の上でも重要な要素となります。審査基準の事前公表について、総務部長にお伺いをいたします。
    ○議長(細江正人) 19番駒井千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎総務部長(江島宏治) (登壇)お答えいたします。  指定管理者の選定に当たっての審査基準につきましては、各施設に関する設置および管理に関する条例に定める4つの基準を踏まえまして、施設所管課において、各部局に設置されている指定管理者選定委員会から意見を聴取した上で定めております。この選定時の審査基準につきましては、指定管理者の募集開始と合わせて公表することとしており、また、前回選定時の審査基準につきましても、県のホームページ等に掲載しているところであります。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)今回も上程をされておりますが、例えば、醒井養鱒場、そして安土城考古博物館ですけども、前者は養殖の技術、また、後者におきましては研究など専門性が要されているわけですが、ただ、醒井養鱒場におきましては、米原駅前の開発が進む中で、どうその活性化と一緒に取り組んでいくかという視点も重要でありますし、安土城考古博物館におきましては、安土城プロジェクトが動く中、安土城址に訪れる方との回遊性、また、活性化についてもどうしていくか、この点については、この審査基準の中でどういうふうに求めるか、また、配分をどのようにしていくかということも重要でありますので、この点について、単なる公表ではなくて、これまで以上に改善も含めて取り組んでいただきたいと思います。  さて、選定過程の公表は、公平性、透明性、信頼性確保の点、さらには管理者が継続する場合でも、さらなるサービス力向上に向けた指摘も重要となります。選定過程の公表について、どのようにされているのか、総務部長に伺います。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  各選定委員会における指定管理者の選定過程については、可能な範囲でその審議の概要を県のホームページにおいて公表し、次回の募集時における事業者の参考にもなるよう努めているところでございます。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)選定委員の方々には各専門分野などの見地から判断をいただくわけでありますが、以前、スケジュールの都合上、7名中3名が欠席で、実質4名で審査決定されたことがあり、議会でも指摘させていただきました。委員の選定は、それぞれ意味があり、全員によって審査されるべきと思いますが、現在の状況について総務部長にお伺いをいたします。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  選定委員会は、規則において、委員の欠席があっても2分の1以上の出席を満たせば成立するものとされておりますが、各施設の特性に応じた分野の委員で構成されていることから、各施設所管課では全員出席の下で審議できるよう日程調整に努めているところでございます。今年度、更新手続を行う20施設の選定委員会についても、欠席が出た委員会は、委員の1名が急な事情により欠席された陶芸の森の選定委員会のみでございました。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)急な事案でなかなか出席できない、お忙しい方にも参加していただいているということはあると思いますけれども、念のため確認ですけれども、1名欠席をされたわけですが、きちんとした議論を選定過程で意見を述べていただいているということでよかったのか、総務部長に確認をさせていただきます。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  陶芸の森の選定委員会の概要について、私も詳しくは存じ上げませんが、選定委員会の選定結果概要というのを頂いておりまして、それを見させてもらいますと、4名の委員の方が出席されて、2者についての採点をいただきました。いろんな項目がありますが、提示額を含めて、それぞれ点数に違いは若干ありますが、全ての方が高い点数を陶芸の森につけていただいているという状況でもあります。あと、概要につきましても、いろんな提言等をいただいておりまして、こういった提言は次の審査に生かされるものと考えております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)応募される方も時間と費用をかけて資料を作成をされておりまして、この点については少し今江議員もおっしゃったんですけども、やはりそれぞれの委員にしっかりと議論をしていただくということが重要ですので、たとえその当日に万が一都合が合わない方がいらっしゃったとしても、その方にもしっかりと議論をしていただいて、その意見も出していくということで、お聞きしていると見ていただいて意見もいただいているということですので、そういった形で全員の意見といいますか、やっぱり審査を何らかの形でしていくということが必要ですので、これからも引き続き、そういう形を念頭に置いて、定足数ではなく、きちんとした全員の意見が反映されるようにしていただきたいと思います。  また、その1者が長く続くというのは、同じところが継続しますと、やはりこう、ややもすると維持管理を続けていけば足りるということにもなりがちでありまして、そういうものに関しては運用改善を図る上でも非常に大事ですし、やはり重要な施設を期間決めて任せるわけですので、この選定過程というものは、やはりできる限り公にされて、皆さんが納得といいますか、分かる形にできるだけしていただくということが重要ですので、お願いをいたします。  一般的に経費縮減効果は、指定管理制度を初めて導入した際は大きいですが、2回目、3回目の指定と続くにつれ減少し、経費は横ばいとなってきます。このため、限られた予算でいかにサービスの量や質を高めるか、継続できるかということになりますが、民間からの提案を柔軟に受け入れることも必要な場合があるのではないかと思います。  そこで、提案の受入れ状況について、総務部長にお伺いをいたします。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  指定管理者制度は、民間のノウハウを競争原理の中で効果的に引き出すことでサービス向上等を図ろうとするもので、事業者からの提案は施設の効用を高める上で意義のあるものと認識しております。  現在、各施設におきましては、事業者の提案に基づく様々な事業が展開されております。一例を申し上げますと、コロナ禍においてびわ湖ホールで実施した声楽アンサンブルによるロビーコンサートのネット配信でありますとか、長寿社会福祉センターで行われておりますレイカディア大学を公開講座とするなどが特徴的な事業として挙げられますが、これらの取組は、制度の趣旨に即した事業と考えておりまして、サービスの向上に寄与するものと認識しております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)会派調査で伺った福井県池田町では、委託された施設の敷地内にツリーハウスの設置を提案されたところ、安全性の面で協議をされたわけですが、結果的に了承をされ、民間ならではのアイデアが生かされております。先ほどの例も挙げていただいたように、やはりここのところでより民間のアイデアをどういうふうに柔軟に入れていくかということ、そういう意味では、審査基準の中で、自主事業の項目ですとか、そういったことも踏まえながらより引き出していただきたいと思います。とはいえ、選定の段階では、協議に時間を要してなかなか反映が難しい点もあると思います。  そこで、場合によっては、サウンディング調査をあらかじめして審査提案の中に反映することもあるかと思いますが、その点について総務部長にお伺いをいたします。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  サービス向上や地域の活性化などの観点から、民間のノウハウやアイデア等を県の施設運営に生かしていくことは大切であると考えております。例えば、令和元年度に立ち上げました県有資産活用のひろばというものがありまして、これは、金融機関、建設事業者、飲食運営、造園、コンサルティングなど、25者の方々にパートナーとなっていただいているものですが、このひろばを活用してヒアリングを実施するなど、民間事業者からの提案を広く受け入れてまいりたいと考えております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)今、県有資産のひろばというお話もございまして、私も行革の質問をさせていただいたとき、少しそのお話もいただいたわけなんですが、こういったところの話も踏まえて、次の例えば指定管理者の募集などにも生かしていかれるということでよろしいでしょうか、確認のために総務部長にお伺いいたします。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  今申し上げました県有資産活用のひろば、これは、いわゆる県の土地とかを有効に活用するというときにアドバイスを受けるというものでつくったところもありますが、こういった民間の方が入っていらっしゃるひろばでありますから、ぜひこの知見とかを、指定管理者の選定、募集の際に、アイデアとしてよい意見を出していただけるものと考えておりますので、このひろばを活用したいと思っております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)指定管理者が利益を得ることは否定されるものではありません。利用料金や自主事業により利益を得ることは、利用者増加のためのサービス向上にも向けた投資につながるなどといったことにもなります。  そこで、滋賀県の指定管理者のインセンティブについて、総務部長にお伺いをいたします。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  指定管理施設のうち、全ての有料施設で利用料金制度を導入しております。収入確保や経費節減の経営努力が指定管理者の利益に結びつく仕組みとなっております。  また、平成27年度には、募集時の指定管理料参考額の算定方法につきまして、直近2か年の最低額ではなくて、直近4か年の平均額としたほか、指定管理者で負担すべき修繕等の費用の基準について、柔軟に設定できるよう見直しを行っておりまして、より事業者のサービスの向上とインセンティブを高める改善に努めたところであります。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)修理費用の分担等についても、以前の議会でも少し申し上げたわけなんですが、また、この分担にも関わりますが、県としての役割が果たせていなければ、なかなかこの指定管理者のインセンティブ、難しいところもあると思いますが、この点について総務部長にお伺いをいたします。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  県では、公共施設等マネジメント基本方針に基づきまして県有施設の長寿命化対策に取り組んでおり、年数や規模の要件を満たす施設を対象に長期保全計画を策定し、建物の使用期間の延伸を図っております。指定管理施設につきましても、長期保全計画に基づく予防保全工事に取り組んでおりまして、その費用は金額にかかわらず県が負担することとしております。引き続き、計画的な予防保全工事を進め、指定管理者のインセンティブにつながるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)さて、平成30年の予算質問では、指定管理者とPark−PFI制度について質問をさせていただきましたが、都市公園の再生、活性化を目的に都市公園法が改正をされ、Park−PFIなどの活用などにより、都市公園への民間の投資がしやすくなりました。今年3月にようやく策定された、みどりとみずべの将来ビジョンの中では、都市公園湖岸緑地の活用エリアでのビジョンが示され、今後、民間活力の活用が期待されるところであり、これについては、先日、井狩議員が質問をされております。  一方、都市公園以外の公園については、当然のことながら、都市公園法改正の対象とはなっていません。  そこで、今回、琵琶湖環境部が所管する近江富士花緑公園について質問をさせていただきます。  近江富士花緑公園は、広い敷地を有し、三上山の麓となる場所でもあります。この公園のポテンシャルについて知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  近江富士花緑公園は、四季を通じて花や緑、森林に親しむことのできる場を提供し、県民の緑化意識を高めることを目的に平成4年に開園した森林公園でございます。花緑公園の魅力といたしましては、美しい桜や紅葉、ヒノキ林や里山林などの多様な自然が楽しめる点、自然に親しむ遊歩道や宿泊ロッジなどのハード施設が整っている点、木登りを楽しむツリーイングや森林環境学習やまのこなど、多くの自然体験プログラムが提供できる体制が整っている点などが挙げられます。  これらの魅力に加えまして、栗東インターチェンジから車で15分というアクセスのよさがあり、より多くの人に身近な森林を楽しんでもらえることがこの公園の持つ大きなポテンシャルではないかと考えております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)近年、施設の統廃合や老朽化による公共施設マネジメント計画の下、遊休化した公的不動産市場が拡大をし、特に、少子化によって廃校となった教育施設がリノベーションされ、ホテルなどに変わる場合も多くなっています。  国土交通省が示した不動産投資市場の成長に向けたアクションプランの中で、地方公共団体所有の公的不動産が、平成29年の懇談会では約450兆円、令和元年の懇談会では約585兆円と示され、地方公共団体所有の公的不動産に対する民間企業の注目も高くなっているところであります。  近江富士花緑公園については、平成4年、5年を中心に施設が整備されてから25年以上が経過しており、公共施設マネジメント方針の下、今年の3月、ふるさと館について長寿命化計画が策定されていますが、現在の課題について知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 議員もおっしゃいましたように、平成4年の開園から28年が経過し、宿泊等施設の老朽化が進んでいる点や、宿泊利用等の収益性が高い事業の利用者が減少傾向にある点など、公園の持つポテンシャルを生かし切れていないことが課題であると考えております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)知事おっしゃったように、ここの収支を見てきたわけなんですけれども、やはり近年、宿泊の需要がかなり落ち込んでおります。先日も寄せていただいたんですけれども、コロナの影響で少し宿泊の、週末を増えているともお聞きはしますけれども、やはりこの老朽化でかなり大変な状況になっているということと、先ほどのポテンシャルを考えると非常にもったいないなというふうに思っております。  それと、野洲から私はバスで寄せていただいたんですけども、このバスは、最寄りですと、頻繁にあるのは希望が丘文化公園、この西口から徒歩15分でありまして、この希望が丘文化公園はスポーツ施設でありまして、これは文化スポーツ部の所管でありまして、すぐ歩いて15分のこちらは琵琶湖環境部の所管になっていると。自然豊かなこの2つの地域を、それぞれでどうあるかということになっているわけなんですけれども、やはり全体として自然豊かなこの地域を滋賀としてどうしていくのか、こういったところも大きく捉えますと、ポテンシャルが生かされてない、それぞれの役割をどういうふうにしていくのかという意味でも考える必要があると思っております。  このように、ポテンシャルがありながら、現状の課題を考えて、もっと民間活力を活用できるのではないかと思っております。  先般、近江富士花緑公園と同様に宿泊施設である、ロッジとバーベキューエリアを有する茨城県笠間市にある旧あたご天狗の森スカイロッジが、民間活力を生かしてアウトドアリゾートETOWA KASAMAとして生まれ変わりました。  (資料掲示)一部を御紹介しますと、バーベキューエリアをカフェバーに、和室の大部屋を洋室のスイートに変更されております。  この施設ですが、以前は、フォレストハウス、野外ステージとともに地元の観光協会の指定管理で運用されていたものですが、施設に対する一定の需要も見込まれることから、公民連携による事業運営を検討されたものであります。その結果、スカイロッジ部分を切り離し、基本のインフラ設備の更新をした上、10年間の賃貸借契約をされることになりました。トイレやシャワーブース、キッチンなどの水回りから、和室から洋室への変更も含めた内装に加えて、駐車場の半分にグランピング施設やワーケーション、チームビルディングができるスペースの確保など、全てが民間資金でされております。また、地場産業の振興として、地元茨城産の食材や、新たな笠間石の価値創造にも取り組んでいらっしゃるところであります。  今年オープンされたところ、当初、地元の方にということで、オープン1か月、県民限定の期間であったとしても、ほぼ満室状態が続くなど、以前の2倍以上の利用があり、想定以上の反響があるとお伺いをしております。  近江富士花緑公園のようにポテンシャルの高いところは、より民間の資金も活用した積極的な投資を考える時期にあると思います。現在、滋賀県では、収支見通しの悪化が予想されることから、公共施設の更新の見送りがされるところも出てくると思います。しかし、最低限のサービスの提供水準となっているのか、老朽化によって固定費の負担増や、民間活力の活用が難しくなり参入が難しくなっていないかなども考える必要があるのではないでしょうか。  前半では指定管理者制度の中での改善、後半は指定管理者制度以外の手法も含め申し上げましたが、指定管理施設の在り方についての検討について、改めて知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 指定管理施設の運営に当たりまして、民間活力を活用して、より効率的、効果的な施設マネジメントを図ることは、施設の活性化につながる重要な視点と認識しており、近江富士花緑公園につきましても、ビフォーアフターのビフォーのような施設がたくさんありますよね。こうなるのかと思って見させていただいておりました。御提案のことを踏まえて検討してまいりたいと存じます。  今後は、こうした考えに基づき、官民連携の対話の場である県有資産活用のひろばや淡海公民連携研究フォーラムの活用のほか、国等が実施されますサウンディングに参加するなど、民間事業者の意見や提案等の収集に向けて取り組んでまいりたいと存じます。  また、指定管理者制度につきましては、この議会でもたくさん取り上げていただいておりますが、社会情勢の変化等に伴い顕在化してきた様々な課題に対応していくため、改めて制度の検討を行う時期にあると認識しておりまして、御指摘の観点なども踏まえ、庁内横断的に幅広い議論を進めてまいりたいと考えております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)検討していただくということなんですけれども、これまでも案件として指定管理者制度の件が上がるたびにこの件は申し上げておりまして、一定その課題そのものというのはもう共有できているのかなというふうに思っております。大事なのはスピード感であって、公共施設のマネジメント計画が進められようとしている今だからこそしっかりと取り組むべきだと思っております。協議をじっくりされることも重要なんですけれども、指定管理期間というのはあっという間に来まして、また次の更新時期が来ます。できれば次の更新時期までに方向性を出すということを確認させていただきたいんですが、知事に再度お伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) ここでこうして議論、検討しますと言っておきながら、次の契約更新の時期にまた同じことを議論される、もしくは指摘されることがないように、しっかりと検討の上、以前とは違う契約の在り方が、全てすぐにというわけにはいかないまでも、動きつつあるなということを御確認いただけるように取り組んでまいりたいと存じます。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)ありがとうございます。施設にももちろんよると思いますので、あまり厳しくは申し上げませんけれども、ぜひよろしくお願いいたします。  先ほどの施設のホームページを見ていただいても、前と今とで訴求力が全く異なるんですね。この滋賀県で言いますと、民間の事業者ではありますけど、びわ湖バレイを皆さん考えていただければいいかと思います。このびわ湖バレイにびわ湖テラスを設置することで、同じ場所、同じ風景でありますけれども、感じ方が違う、新しい価値の創造が生まれたわけであります。これが民間のアイデアを生かしていくということであって、やはり公的施設にもこういったアイデアを生かすことで満足度を高めていき、そのことが住みたい滋賀、訪れたい滋賀になり、滋賀のブランド力向上にもつながると申し上げまして私からの質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、19番駒井千代議員の質問を終了いたします。  最後に、37番清水鉄次議員の発言を許します。 ◆37番(清水鉄次議員) (登壇、拍手)最後だと思いますけれど、よろしくお願いします。  ちょっと初めに少し申し上げさせていただきたいと思います。  全国の最前線で頑張っていただいている医療従事者の皆様に感謝申し上げます。このたび、大阪府の要請に応じ、関西広域連合から派遣要請を受け、県内の病院に御協力いただき、滋賀県から看護師6名を派遣されることを知事は決断をされました。報道を見ておりますと、現場の最前線で医療従事者の御労苦が想像を絶する厳しいものと感じます。最前線に立たれる6名の看護師の皆様には心から敬意を表します。  今、コロナ患者が大幅に増加しております。しかも、重症者患者も増え、お亡くなりになられている方も増えてまいりました。また、北海道旭川市では医療崩壊が起こりつつあり、自衛隊の出動も報道されています。今後、コロナ患者が増えるのではないかと大変心配するところです。そのようなことにならないことを願い質問に入ります。  滋賀県の森林管理について。この質問は成田議員と柴田議員の質問にかぶりましたが、気にせんと質問させていただきます。  昨年の11月議会で、これからの森林・林業施策について質問しました。それから1年が経過しましたが、その後どのようになっているのか質問したいと思います。  今年は、令和2年7月集中豪雨で、熊本県を中心に、また、中部地方などで大きな被害が発生しました。私どもの地元、高島市でも、大きな土砂災害が発生し、県は素早い対応をしていただいております。  平成29年10月の台風21号や平成30年9月の台風21号で、強風により風倒木被害が発生し、多くの家で長期にわたり停電が発生したことは記憶に新しいところです。また、今年は豪雪になるのではないかと予想されています。このような状況の中、倒木被害を未然防止するために対策を進めているところですが、対策の進み具合が遅れているのではないかと心配をしています。  前回に、風倒木によって道路や電線などの重要インフラが被災した場合、早期の復旧対策が必要と考えますが、県はどのように対応していかれるのかと質問したところ、知事は、「県、市町、電力事業者、通信事業者等によるライフライン保全のための対策会議を年内にも新たに設置することとしております」と答弁をいただきました。  そこで、1点目に、ライフライン保全のための状況について、知事にお伺いします。  2点目に、風倒木未然防止対策について、予防伐採をモデル的に実施することを検討していくとのことでしたが、特に今年度、国の特定森林再生事業メニューとして重要インフラ施設周辺森林整備事業が創設され、県においても新規に取り組まれることと伺っております。県への予算配分状況等を含めてどのような状況なのか、琵琶湖環境部長にお伺いします。  3点目に、今年度、高島市が県の事業を活用して実施している高島市特定森林再生事業に係る協定書について、高島市、森林所有者、関西電力株式会社、高島市森林組合の4者で協定が結ばれる予定と聞いておりますが、県は、この高島市特定森林再生事業にどのように関わっているか、琵琶湖環境部長に伺います。  また、近年、森林施業を進めるために当たって、路網整備が重要ですが、気象災害等により林道や作業道が倒木や土砂崩れで活用できない場所が増加しております。  そこで、4点目に、森林施業に必要な林道と作業道の災害復旧に向けた取組について、どのような状況か、琵琶湖環境部長にお伺いします。  次に、森林境界明確化の進捗状況について。  先日の決算特別委員会によりますと、令和元年度森林境界明確化支援事業の決算は865万3,700円でした。市町も森林環境譲与税を活用し、その事業に取り組んでおられると思いますが、あまりにも予算が少ない状況です。県は、令和2年度までに7,000ヘクタールを目標としておられますが、前回の一般質問によりますと、平成30年度末での実績は3,400ヘクタールで、進捗率48%と答弁され、令和2年度までに7,000ヘクタールという目標を達成することは非常に難しい状況であると答弁されました。  5点目に、計画を達成するために、森林境界明確化の促進について、今後どのように取り組んでいくのか、琵琶湖環境部長にお伺いします。  一方、森林整備には人材育成が重要です。昨年度から滋賀もりづくりアカデミーが開講され、森林の担い手の育成が始まりました。その内容は、森林組合作業班を対象とした既就業者コースと、市町の森林、林業を担う職員を対象とした市町職員コースに加え、今年度から、新たに林業に就業しようという方を対象とした新規就業者コースも開講し、3つのコースにおいて人材育成を取り組んでおられます。  先ほど申し上げた境界明確化を進めるためには、市町の森林環境譲与税を生かし、森林、林業担当者職員を育成することが重要です。的を射た人材育成だと思います。  そこで、6点目に、滋賀もりづくりアカデミー市町職員の人材育成については、いかに育成をしていくのか、琵琶湖環境部長にお伺いします。  さらに、県産材の利用を促進することは、森林の保全や地域経済の活性化にもつながります。木の香る淡海の家推進事業により住宅等に、びわ湖材利用促進事業により公共的施設の木造化、木質化において、びわ湖材の利用を促進させていますが、森林の保全につながるためにはさらなる取組が必要と考えます。  先日、森林組合連合会が施主である滋賀県林業会館の建設現場の見学会がございました。この会館は、県内各地から集められた特色のある木材の活用や、一般に流通している製材品を用いてコスト低減に取り組まれるなど、本県における中規模木造建築物の見本となるものです。  7点目に、このような地域の木を活用した魅力ある建築物を増やし、びわ湖材の利用をさらに拡大していくためには、森林所有者など林業関係者や木材業、製材業者のみならず、建築士、工務店などの建築関係者との連携も重要であり、特に建築士等が木材と利用者をつなぐ重要な役割があると考えますが、琵琶湖環境部長にお伺いします。  8点目に、さらに木材を利用することが森林資源循環にもつながるという考え方の下、県では木育に取り組まれています。子供から大人まで、木に興味を持ってもらい、その良さを感じていただく木育は、木材利用を下支えしていくものと考えますが、琵琶湖環境部長にお伺いします。  また、人工林の熊剥ぎ被害が進んでいます。現場では、樹皮を爪で挟んで剥ぎ取り、下顎で樹液を絞り取っているとのことで、しかも、新世代の熊は人を怖がらない傾向が強いと聞いております。全国的にも、ここ5年間、ツキノワグマの被害が多発しており、今年はさらに増加しているとのことです。滋賀県ツキノワグマ第1種特定鳥獣保護計画(第3次)の概要によると、北近畿東部地域個体数の生息頭数は372から550頭と言われ、年間捕獲数の上限は県内推定生息数の8%とされています。  9点目に、増加する熊剥ぎ被害への対応が必要と考えますが、現在の県内のツキノワグマの生態と熊剥ぎ被害について、どのような状況なのか、琵琶湖環境部長にお伺いします。 ○議長(細江正人) 37番清水鉄次議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)滋賀県の森林管理について9点御質問いただきましたが、私は1点、ライフライン保全のためのモデル事業等の状況についてでございます。  昨年12月24日に、電力事業者、通信事業者、国、県、市町により、滋賀県ライフライン保全のための対策会議を設置いたしまして、応急対策および予防対策の観点から議論を進めてまいりました。  応急対策につきましては、道路や電気通信設備等の早期の復旧に向け、災害対策本部設置時に情報共有などを行うライフライン関係機関調整所の設置や、ライフライン事業者からリエゾンを派遣する仕組みの構築、時間外の連絡体制の整備などに取り組んできたところでございます。  また、予防対策につきましては、台風や豪雪などによる倒木が原因で起こる大規模な停電を未然に防ぐため、道路や電線等の重要インフラ施設に被害を及ぼすおそれのある樹木を事前に伐採することが有効ということで、他府県の先進事例や、活用できる国の事業などについて、関係機関と情報共有や研究を進めているところでございます。  今年度は、新たに高島市において、あらかじめ危険な木を伐採するモデル事業の実施が予定されており、県といたしましても必要な支援を行ってまいります。今後は、こうしたモデル事業の成果も生かしながら、ライフライン保全対策が応急対策と予防対策の両面から進むよう取組を進めてまいりたいと存じます。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) (登壇)私にいただきました8点の質問のうち、まず1点目の予防伐採をモデル的に実施することについてでありますが、予防伐採については、近年、頻発する台風など、気象災害に伴う倒木等による道路や送配電等の重要なインフラ施設への被害リスクを軽減する上で有効な手段と認識しており、県としましても、現在策定中の次期琵琶湖森林づくり基本計画において、災害に強い森林づくりの一つとして位置づけているところでございます。  一方、予防伐採を進めるには、森林所有者や市町、インフラ施設管理者といった関係者の合意形成や、費用負担などの役割分担といった課題がございます。このため、先ほど知事から答弁がありましたライフライン保全のための対策会議に参加しますとともに、インフラ施設管理者や関係市町等と課題の検討を進めてきたところでございます。  また、今年度に国の新たな補助事業として創設された重要インフラ施設周辺森林整備事業について、積極的に要望を行いました結果、配分をいただき、高島市においてモデル的な事業実施を進めているところでございます。  今後も、他府県における取組状況等の情報収集に努めますとともに、国から技術的、制度的な指導や助言を得ながら、引き続き、風倒木被害対策について円滑な取組が図られるよう、施策の検討を進めてまいりたいと存じます。
     2点目の県の関わりについてでございますが、高島市においては、現在、高島市特定森林再生事業の実施に向けて、森林所有者、インフラ施設管理者等と協力体制を構築し、協定の締結に向けた取組を進めているところでございます。県としましては、年度当初から国と協議を行いながら、高島市の事業実施について、施工箇所の選定、整備の方法等について、現地に出向くなど技術的、制度的な助言、指導を行ってきたところでございます。この事業は、本県におきましても、風倒木によるインフラ被害の未然防止対策を実施するモデル的な取組であり、関係部局とより一層連携を図りながら、引き続き市の取組を積極的に支援してまいりたいと存じます。  3点目の林道や作業道の災害復旧に向けた取組についてでございますが、まず、林道につきましては、本県に令和元年度末で林道が659路線あり、そのうち2つの路線が県管理林道でございます。一方、残りの路線については、市町または森林組合等の管理でございます。これらの林道が、台風や豪雨等によって路肩欠損、法面崩壊や倒木による車両の交通に著しい妨げとなるような災害が起こった場合は、林道管理者が復旧対応に当たることとなりますが、その際、林道災害復旧事業や単独林道災害復旧事業の活用が可能であります。  次に、作業道につきましては、1,763キロメートルあり、主な管理者は森林組合等であります。県では、崩れにくく長期にわたって使用可能な作業道の作設を推進しておりますが、豪雨等による被害を受け、通行不能となった作業道の復旧につきましては、補助造林事業の活用が可能であります。  林道や作業道の災害につきましては、早期の復旧を図ることが重要であるため、国庫補助金の要望を行いながら、市町等への技術的、人的支援を行っているところであり、今後とも継続して取り組んでまいりたいと存じます。  4点目の森林境界明確化の取組についてでありますが、令和2年度末までの目標7,000ヘクタールの実施面積に対し、令和元年度末の実施面積は3,831ヘクタールで、達成率は55%という状況であります。現在、森林経営管理法の施行により市町が中心となって境界明確化を行っており、県は、市町の支援として森林環境譲与税を活用し、境界明確化の基礎資料を作成し、提供を行っているほか、森林情報アドバイザーによる助言を行っているところでございます。  また、市町が行う境界明確化の作業は、主に森林に精通している森林組合に委託していますが、携わる人員が限られており、進捗が上がっていない状況であります。そのため、コンサルタント等の森林組合以外の外部人材の活用も検討しているところでございます。  今後とも、市町と森林組合を構成員とした滋賀県森林整備協議会を通じ、技術情報や問題意識を共有して境界明確化の促進に努めてまいりたいと存じます。  5点目の市町職員の人材育成についてでありますが、今年度の滋賀もりづくりアカデミーの市町職員コースは、2回開催し、13市町25名の参加がありました。また、今月には第3回目を実施する予定であります。令和元年度から講座を開催してきましたが、林業への関心が希薄で積極的に参加いただけない市町が複数あること、参加者の理解度に差があることなどが課題として挙げられます。このため、市町のニーズや参加者のレベルを把握した上で、講座内容へ反映し、参加への働きかけを強めるなどの対応が必要であると考えております。市町には地域の森林づくりを担うという大きな役割がある中で、アカデミーでの人材育成を通して意識の醸成を図り、森林の適切な管理の推進により一層取り組んでまいりたいと存じます。  6点目の建築士等の役割についてでありますが、本県の森林資源が本格的な利用期を迎える中、施業地の集約化、路網整備や機械化による生産性の向上に取り組んだ結果、素材生産量は着実に増加しております。  びわ湖材の製材品については、流通量が少なく、中規模以上の建築物に必要とされる品質と量の製品を円滑に供給するために、製品流通調整員の設置や、県内外の加工施設の連携などの取組を進めているところでございます。  さらに、びわ湖材を建築物に活用するためには、びわ湖材製品の流通状況を把握している建築士等の存在は不可欠と考えております。木造建築物の設計に意欲のある建築士等とともに、木材生産から利用まで一貫したびわ湖材利用の仕組みについて検討し、びわ湖材製品を活用した魅力的な木造建築物を県内に広めてまいりたいと存じます。  7点目の木育についてでありますが、県では、木材や木製品に触れることを通じて、木の良さや森林の大切さ、さらに、それに関わる文化等の啓発活動である木育を推進しております。具体的には、木の良さを体験するために、木製遊具による遊び体験や、ワークショップの開催を通して、木育を体感できる場の提供や木のおもちゃの貸出しを実施しております。木育の推進により、都市部の住民を含め、より多くの人に山に関心を持っていただける機会を創出し、森林と人との共生や森林資源の循環利用の重要性についての理解の深まりの下で木材利用は支えられていくものと考えております。  8点目の県内のツキノワグマの生態と熊剥ぎ被害についてでありますが、ツキノワグマは、本来は森林に生息し、基本的には人を避ける動物であります。植物中心の雑食性でありますが、学習能力が高く、人里や人間の食べ物の味を覚えると執着し、食べることに夢中になる性質があり、植林木の樹液の味を覚えた熊により皮剥ぎ被害が発生していると考えられます。熊剥ぎ被害面積は、平成4年度には50ヘクタールを超えておりましたが、被害対策の効果もあり、平成25年度以降はおおむね10ヘクタール前後で推移していますものの、依然として被害は減らない状況にございます。  杉、ヒノキ等の人工林への被害対策としましては、ニホンジカの剥皮対策と併せて樹幹へのテープ巻きの実施に支援を行っており、令和元年度は440ヘクタールの実績でありました。一方で、国の通知を踏まえ、県内の市町、森林組合等の関係機関等に対し、人身被害防止に係る取組の徹底について注意喚起を行ったところでございます。  今後も引き続き熊剥ぎ被害対策としてのテープ巻きの実施を支援しますとともに、関係機関と出没状況を共有したり、熊の生息区域での森林作業等では、音で人がいることを知らせるなど、人身被害未然防止の取組の周知を図ってまいりたいと存じます。 ◆37番(清水鉄次議員) (登壇)9点目の熊剥ぎ被害は増えていると申し上げました。特に、下顎の牙で樹液を吸っておられるということなんですけど、結構歯から年齢を推察すると、若い熊が多いということで、だから、今後、場合によってはツキノワグマが徐々に増えていくんじゃないかなというふうに予想されます。それで、熊剥ぎ被害のテープ巻き、今、440ヘクタールというふうにおっしゃったんですけど、さらに増やしていただければと思います。  次に、4点目の林道や作業道の災害復旧ですけど、作業道は森林組合の管理で1,763キロメートルと今おっしゃったんですけど、これは森林組合が整備せえということをおっしゃったと聞こえたんですけど、要は財源がやっぱり不足しているわけですね。国の補助造林事業の予算ということをおっしゃったので、ぜひこの点を予算の確保をお願いして作業道を整備すると作業も早く進むので、その点、御協力をお願いしたいと思います。  それで、2点目、3点目の予防伐採をモデル的に実施する事業について再質問します。  再度申し上げますけど、一昨年の台風21号による風倒木被害、そして、昨年の15号で関東地方に大きな風倒木被害が発生したことによって、林野庁は新規事業として重要インフラ施設周辺森林整備事業を予算化されました。県は、今部長が、風倒木の未然防止対策は国の新規事業を活用し、県下で初めてモデル的な取組で、市の取組を積極的に支援すると答弁されたわけなんですけれど、実際事業が進んでないんですね。それで、設計図はできていますが、やはり市町主導ですと、市町はどうしても組織も小さいし、機動力も小さいと。そして、もちろん財源も厳しい状況なんですけど、県にはやっぱり精鋭がたくさんおられますやん。林業に関連してね。やっぱり県が積極的に強く関わっていただかなければ事業が進まないと思うんですよ。  国の林野庁の新規事業のこの風倒木未然防止対策は、関西電力管内はまだどこも行われていないわけですわね。ほんで、また今年も雪が多いと言われていまして、ここの能家地先というとこは長浜の余呉と同じぐらい雪が降るんですよ。積もるんですよ。その雪の重さでまた木が倒れる可能性があるんですね。ほんで、また電線引っかけてしばらく停電ということをもう起こるって見えてるんですよ。だから事業をはよ進めていただきたいと。何かこう県の専門家と、職員さんですけどね、答弁協議してても、もう一つわしらがせなあかんのやという意志が感じられないんですね。  だから、そういう点に関して、部長、本当に私も、今回、一番最初に検討されている朽木の能家地先に、7ヘクタールなんですね。この現場に行ったんですよ。数本の電柱があるんですね。数本の電柱の際に成長したいい木が並んでいるんですよ。いい木なんですよ、結構。ほんで、そこを県で初めて取り組まれる場所として場所を選定されたことは、非常にその場所はよかったと思うんですね。しかも、そこは皆、境界明確化ができているんですよ。ほんで、地主の方も12名で26筆あるんですよ。ほとんどが地元の方で、また東京都へ行ってはるんですけど、地元出身の方ばかりなんですよ。しかも、ほとんどの方がやっぱり理解をいただいてるんですね。だから、そういうところをこの事業を進めていただくことがやっぱり安心につながると。停電でまた寒い中を、雪の中をしばらくいるのは気の毒じゃないですか。だから、今後、この住民の皆さんの安心のためにも、財源も含めて県主導で進めていただくようお願いしたい。部長、答弁をお願いします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  御指摘の事業の状況についてでありますが、先ほどお答えしましたとおり、高島市におきましては、現在、その事業の実施に向けて、この森林所有者、インフラ施設管理者と協定の締結に向けた取組を進めているところですが、新たな取組ということもございまして、関係者の合意形成とか費用負担など課題もあって、協定がいまだ締結に至っていないということを承知しております。これまでも県としても市の取組を支援してきましたが、とりわけこの事業、風倒木によるインフラ被害の未然防止対策に向けたモデル的な取組でありまして、インフラ施設管理者との協議の場に参加して、合意に向けて働きかけを行うなど、早期の事業実施に向けて、さらに市と連携して、より積極的に参加して取り組んでいきたいと思っております。 ◆37番(清水鉄次議員) (登壇)何回も担当の方と答弁協議をさせていただいて、今、部長の答弁が一番よかったですね。ちょっと少し安心しました。あとはもうよろしくお願いしたいと思います。  それでは、次の質問に移ります。  教職員のハラスメント対策について。  6月議会で、教職員懲戒処分の事案の公表について一般質問しました。そのときに、この機会に教職員全員にハラスメントの実態調査を実施すべきと提案したところ、滋賀県教育委員会は、県内各公立小中学校教職員約1万4,000人を対象に、直接ウェブ調査でハラスメントに関する実態調査を実施することを決定されました。実態調査を実施されることに対して大いに評価するもので、現場の先生の方からも賛同の声をいただいております。  調査期間は11月16日から12月15日までの1か月間とのことで、まだ調査、回答受付中ですが、現在の回答状況について教育長にお伺いします。  昨年、教員間での暴力や暴言などを内容とするハラスメント行為があったことを受け、全教職員にハラスメントに関するアンケートを実施された神戸市教育委員会に対して、去る10月9日に会派で、教育間のハラスメント行為についてのアンケート調査等の取組をテーマとして、オンラインによる調査を行いました。  神戸市教育委員会によると、昨年10月に約1万2,000人を対象にハラスメント調査を実施し、1,600人、1,755件のハラスメントの申告がありました。そのアンケート調査の結果に対しては、3名のハラスメント調査担当弁護士に、調査方法、内容および法律的な助言、法的判断等を仰ぎながら、1、行為者、時期などの具体的な内容が明示されているもの、2、事実関係の確認が必要なもの、3、調査の実施が困難と考えられるもの、および、調査または解決を要しないことが明記されているものなどに仕分を実施されました。  ハラスメントの申告があった1,755件のうち、500件は調査の必要はないと判断されましたが、残りの回答のうち5名に懲戒処分が下され、その内訳は、セクハラが2件2名、パワハラが2件3名でした。アンケート調査をきっかけに処分に至るまでの流れは、ハラスメント調査回答から回答者へのヒアリング、関係者、加害教員や被害教員からの情報があった方へのヒアリング、所轄課内で検討した上で案を決定し、神戸市教育委員会職員分限懲戒審査会に諮問し、意見を求め、教育委員会会議に上程し、教育長決裁でその懲戒処分等を実施されました。  滋賀県教育委員会による今回の実態調査は、まだ期間がありますが、その結果によっては懲戒処分を含めた対応が必要と考えるが、どのように考えておられるのか、教育長にお伺いします。  神戸市教育委員会は、このような結果を受け、再発防止検討委員会を立ち上げられました。構成メンバーは、大学教授4名、弁護士1名、また、精神科医の医師の方も協力していただいているそうです。そこで、実態調査結果によって、ハラスメント行為の再発防止に向け、どのような取組を考えておられるのか、また、取組の検討に当たっては女性の視点も取り入れるべきと考えるが、教育長にお伺いします。  次に、児童生徒へのわいせつ、セクハラ行為についてですが、報道によると、わいせつ、セクハラ行為で処分される教員が全国で過去最多となっています。2015年度から2019年度までの5年間に、わいせつ、セクハラ行為で懲戒処分をされた公立小中学校教員が496人で、被害を受けた子供は少なくとも945人に上ることが判明されました。衝撃的な出来事です。多くの人は、これまで学校は安全だと信じ、教員が教え子への加害者になるとは誰も思っていませんでした。  滋賀県においても、令和元年度に県立学校の女子教師が生徒にわいせつ行為を行い、懲戒免職があり、また、今年度5月には、県立高校の男性教諭が同じく女子生徒にわいせつ行為を行い、懲戒免職がありました。本県の児童生徒に対するわいせつ、セクハラ行為による懲戒処分の状況と、それに対する教育長の所見をお伺いします。  また、体罰の件で、今年の9月に、兵庫県宝塚市の中学校で柔道部の顧問が男子生徒2人に重軽傷を負わせました。その後、傷害の疑いで逮捕、起訴されています。兵庫県教育委員会は懲戒免職処分にされました。この問題は、この教師は以前に体罰で3回の懲戒、訓戒処分を受けたにもかかわらず、その処分が全く生かされず4回目が起こりました。滋賀県教育委員会は体罰を起こした教員に対してどのような研修と指導をされているのか、また、宝塚市の中学校教員のように、同じ教員が何度も不祥事を起こすことに対する教育長の所見をお伺いします。  最後に、知事は、全国知事会の次世代育成支援対策プロジェクトチームリーダーを務められ、先月、関係府省に訪れ、子供が被害者となる保育・教育現場での性犯罪対策の強化などを求める緊急提言を行い、日本ではわいせつ行為で教員免許を失効しても3年後に再取得できるため、要件を厳格化するとともに、保育士、放課後児童支援員の制度についても同様に見直すよう提言されました。教員免許に再取得に対する知事の考え方をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 教職員に関するハラスメント対策に関し、私にいただいた最後の御質問にお答えいたします。  わいせつ行為のため教員免許を失効させた者が再取得をすることについては、制度の要件を厳格化されるよう、去る11月11日に、全国知事会の次世代育成支援対策プロジェクトチームリーダー県として、国への提言を行ったところでございます。  教員がその立場を利用して、声を上げにくい子供を対象にわいせつ行為に及ぶことは許し難いものと認識しております。このため、性犯罪歴のある者をしっかり管理するとともに、安易に資格を再取得することができないよう、厳格なルールを構築する必要があると考えております。  国では既に教員免許の失効履歴の管理に取り組まれていますが、管理の対象とする期間を現行の3年から40年へ拡充するとともに、懲戒免職から3年がたてば再取得できる現在の制度を、法改正でより厳格化すべく検討されていると伺っております。今回の提言を踏まえ、教員免許制度が早期に再構築され、子供を対象とした性犯罪、性暴力の撲滅につながることを期待し、また注視してまいりたいと存じます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)教職員に関するハラスメント対策について、私にいただきました5点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目のハラスメント調査の回答の状況についてでございますが、今回の調査につきましては、県内の小中学校、高校、そして特別支援学校の正規、臨時の教職員約1万4,000人を対象に実施をさせていただいているところでございます。現在、調査中の段階ではございますが、12月7日現在におきまして、回答いただいた総数は5,827件、回答率は41.7%という状況でございます。  また、回答内容は、精査する前の状況ではございますが、回答者の15.9%に当たる925人から「ハラスメントと思われる事象を受けたことがある」との回答があり、各ハラスメント種別の内訳は、セクシュアルハラスメントが15.8%、パワーハラスメントが66.9%、妊娠等に関するハラスメントが9.6%、その他のハラスメントが7.7%となっております。調査の締切り予定日の12月15日まで残り数日という状況ではございますが、引き続き一人でも多くの教職員から回答が得られるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の懲戒処分を含めた対応についてでございますが、今回の実態調査の回答内容から、ハラスメントであると判断し、事実関係を確認できるものにつきましてはしっかりと確認し、懲戒処分を含めた厳正な対処を取る必要もあると考えているところでございます。  次に、3点目の再発防止の取組と女性の視点を取り入れることについてでございますが、まずは、この実態調査を行わせていただきましたことで、お一人お一人の教職員が改めてハラスメントについて考える機会となり、このことがハラスメントの未然防止にもつながるものと考えております。また、自らの性格や傾向を自己分析できる不祥事防止セルフチェックシートの活用や、知識ではなく意識化できるような研修の一層の工夫など、不祥事の未然防止に向けて取組を進めているところでございます。  さらには、今後、今回の実態調査で回答のありましたハラスメント防止に向けた現場の御意見や、弁護士や心理士等の専門家、また、議員御指摘の女性も含めた様々な観点からの御意見もお伺いしながら、より実効性のある再発防止策を検討してまいりたいと考えております。  4点目の児童生徒に対するわいせつ等の行為による懲戒処分状況とそれに対する私の所見でございますが、本県におきましては、2015年度から昨年──2019年度までの5か年間で、自校の児童生徒や卒業生に対しますわいせつ、セクハラ行為による懲戒処分件数は、公立の小中県立全校種を合わせまして6件ございます。  わいせつ、セクハラ行為は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、その対象が児童生徒の場合、将来にわたり心身に重大な影響を及ぼすもので、決して許されるものではございません。その根絶に向けてしっかりと取り組んでまいる所存でございます。  最後、5点目の体罰を起こした教員に対する研修等の状況でございますが、体罰を起こした教員へは、管理職より十分な反省を促すとともに、校内で不祥事防止研修を実施し、再発防止に努めているところでございます。特に、同じ教員が不祥事を何度も繰り返すことは決してあってはならないものであり、教育への信頼が大きく損なわれることとなります。こういったことがないよう、継続的に指導と研修を繰り返し、再発防止の徹底を図ってまいる所存でございます。 ◆37番(清水鉄次議員) (登壇)要は、アンケートの実態調査をしていただいて、本当に感謝したいなと思っています。  今、中途経過なんですけど、回収率41.7%の中で、925件ですか、15.9%のハラスメントを受けたという回答なんですけど、比べるのもなんですけど、神戸市教育委員会様に比べれば少ないかもしれませんけれど、予想以上にちょっと多いなと。そんなにないんじゃないかなと実は思っていたんですけど、予想以上に多くてちょっと驚いています。今教育長がおっしゃったように、これから中身を精査され、また、まだ未回答の方もできるだけ回答していただけるようにしていただいて、今後、再発防止に向けて、時間を置かずに今回の対応をして進めていただきたいと思っておりますので、今後の予定について教育長にお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  御答弁申し上げましたように、現在は調査中であり、また、内容精査前の段階であるとはいえ、925件という件数、これにつきましては非常に高い数字であり、県の教育長として大変重く受け止めておるところでございます。学校が働きやすいハラスメントのない職場となるよう、改めてしっかりと取り組んでまいる所存でございます。  なお、今回の調査の目的は、学校現場のハラスメントの実態調査ということでございますので、一人でも多くの教職員から回答をいただきたいと考えております。そうした意味で、調査の回答率をまだまだ上げていきたいと考えており、当初予定しておりました調査期間、残り数日ということを勘案すると、期間の延長も視野に入れているところでございます。そして、調査の回答が締め切られた後、年度内のできるだけ早い時期に回答内容の精査を行ってまいりたいと考えております。そして、その次は事実関係の確認となるわけでございますが、回答の内容から緊急性が高い事案から、順次、当事者および関係者からの聞き取り等、丁寧に事実関係を行っていく予定をしておりますが、ハラスメントを受けた人を守るためにも、できるだけ早期の解決が図れるよう取り組んでまいる所存でございます。 ◆37番(清水鉄次議員) (登壇)ただいまはすばらしい答弁をいただきまして非常にありがたく思います。それぞれの学校には様々な課題があると思います。やはり子供たちのために働きやすい教育現場をつくってほしいと思いますので、今後とも御尽力よろしくお願いします。  以上で質問を終わります。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、37番清水鉄次議員の質問を終了いたします。  以上で発言通告のありました発言は終わりました。  この際、関連質問はありませんか。    (「なし」)  関連質問なしと認めます。  以上で質疑ならびに一般質問を終わります。    ──────────────── △議第164号から議第197号まで(令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)ほか33件)ならびに請願(各常任委員会付託) ○議長(細江正人) 議第164号から議第197号までの各議案ならびに請願は、お手元に配付いたしておきました文書のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。          ──────────────────────────────                  令和2年11月定例会議議案付託表                                        令和2年12月10日(木) 〇総務・企画常任委員会  議第164号 令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳入の部 全  部    歳出の部 款1 議会費         款2 総合企画費         款3 総務費         款11 教育費のうち          項6 大学費   第2条 債務負担行為の補正のうち    1 追加 351 議会ICT機器および通信回線運用管理業務         352 議会ファイル管理システム運用管理業務   第3条 地方債の補正  議第165号 令和2年度滋賀県モーターボート競走事業会計補正予算(第3号)  議第168号 滋賀県新型コロナウイルス感染症対策基金条例案  議第170号 滋賀県知事等の損害賠償責任の一部免責に関する条例の一部を改正する条例案  議第171号 琵琶湖森林づくり県民税条例の一部を改正する条例案  議第172号 滋賀県使用料および手数料条例の一部を改正する条例案  議第173号 滋賀県行政財産使用料条例の一部を改正する条例案  議第197号 令和3年度において発売する当せん金付証票の発売総額につき議決を求めることについて 〇土木交通・警察・企業常任委員会  議第164号 令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款9 土木交通費         款10 警察費   第2条 債務負担行為の補正のうち    1 追加 370 単独道路改築事業(大津信楽線)         371 単独道路改築事業(四津川鴨線)         372 単独道路改築事業(大房東横関線)    2 変更 161 単独河川改良事業(矢倉川)         164 単独河川改良事業(菜種川)
            172 単独河川改良事業(安曇川)         175 中規模堰堤改良事業(日野川ダム) 〇環境・農水常任委員会  議第164号 令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款5 琵琶湖環境費         款8 農政水産業費   第2条 債務負担行為の補正のうち    1 追加 369 滋賀県醒井養鱒場管理運営委託  議第166号 令和2年度滋賀県琵琶湖流域下水道事業会計補正予算(第3号)  議第169号 持続的で生産性の高い滋賀の農業推進条例案  議第175号 琵琶湖森林づくり条例の一部を改正する条例案  議第176号 滋賀県国営土地改良事業負担金等徴収条例の一部を改正する条例案  議第177号 滋賀県浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例案  議第178号 契約の変更につき議決を求めることについて(草津用水2期地区常盤用水路(その1)工事)  議第196号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県醒井養鱒場) 〇厚生・産業常任委員会  議第164号 令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款6 健康医療福祉費         款7 商工観光労働費   第2条 債務負担行為の補正のうち    1 追加 361 滋賀県立長寿社会福祉センター(福祉用具に関する業務を除く。)管理運営委託         362 滋賀県立びわ湖こどもの国管理運営委託         363 滋賀県立障害者福祉センター管理運営委託         364 滋賀県立視覚障害者センター管理運営委託         365 滋賀県立聴覚障害者センター管理運営委託         366 大津・高島子ども家庭相談センター一時保護所調理・栄養管理業務         367 近江学園長寿命化等推進事業(PFIアドバイザー業務)         368 滋賀県立陶芸の森管理運営委託  議第167号 令和2年度滋賀県病院事業会計補正予算(第5号)  議第174号 滋賀県食品衛生基準条例の一部を改正する条例案  議第179号 損害賠償の額を定めることにつき議決を求めることについて  議第190号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立長寿社会福祉センター(福祉用具に関する業務を除く。))  議第191号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立びわ湖こどもの国)  議第192号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立障害者福祉センター)  議第193号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立視覚障害者センター)  議第194号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立聴覚障害者センター)  議第195号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立陶芸の森) 〇教育・文化スポーツ常任委員会  議第164号 令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款4 文化スポーツ費         款11 教育費 [項6 大学費を除く]   第2条 債務負担行為の補正のうち    1 追加 353 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールおよび滋賀県立文化産業交流会館管理運営委託         354 滋賀県立安土城考古博物館管理運営委託         355 滋賀県立栗東体育館管理運営委託         356 滋賀県立スポーツ会館管理運営委託         357 滋賀県立アイスアリーナ管理運営委託         358 滋賀県立彦根総合運動場管理運営委託         359 滋賀県立琵琶湖漕艇場管理運営委託         360 滋賀県立伊吹運動場管理運営委託  議第180号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールおよび滋賀県立文化産業交流会館)  議第181号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立安土城考古博物館)  議第182号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立栗東体育館)  議第183号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立スポーツ会館)  議第184号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立アイスアリーナ)  議第185号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立彦根総合運動場)  議第186号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立琵琶湖漕艇場)  議第187号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立ライフル射撃場)  議第188号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立伊吹運動場)  議第189号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立柳が崎ヨットハーバー)          ──────────────────────────────                   請  願  文  書  表 △請願第12号 国に対し、「刑事訴訟法の再審規定(再審法)の改正を求める意見書」の提出を求める請願書 請 願 番 号 第12号 受 理 年 月 日 令和2年12月4日 件     名 国に対し、「刑事訴訟法の再審規定(再審法)の改正を求める意見書」の提出を求める請願書 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 松本利寛 角田航也 中沢啓子 節木三千代 付 託 委 員 会 総務・企画常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨 【請願趣旨】  「再審法(刑事訴訟法の再審規定)」の改正を求める意見書の採択をお願いする。 【請願の理由】  現在、再審制度は刑事訴訟法に規定があるが、条文数は19カ条(435条〜453条)のみで、極めて大雑把な規定のため、個々の再審裁判では裁判所の解釈、運用にすべて委ねられていることから「再審格差」が起こっているのが実態である。  再審制度の抱える問題点は、一つは捜査段階で集めた全証拠を検察が開示しないことである。国民の税金を使って集めたすべての証拠は、有罪立証に有利、不利を問わず、弁護団の開示請求に応じ、真実解明に役立てるべきであると考える。  二つは、検察官の不服申立て(上訴)である。裁判所が再審開始決定を出しても従わず、不服申立てをおこない、いたずらに時間稼ぎをして、当事者と家族を時間的にも金銭的にも、また心理的にも苦しめ続けることは許されない。  再審開始決定に対する反論は、再審公判のなかで主張立証する機会があるので、上訴は禁止すべきであると考える。  三つは、前述の「再審法(刑事訴訟法の再審規定)」を通常審のように整備し、環境を整え、「再審格差」や再審審理において、過去に当該事件に関与した裁判官が再び関与することが起こらないようにすることが重要であると考える。  ついては貴議会において、地方自治法第99条に基づき、無辜の者を誤った裁判から迅速に救済するために、「再審法(刑事訴訟法の再審規定)」の改正を求める意見書の採択をお願いする。 【請願項目】 一、再審における検察手持ち証拠の全面開示 二、再審開始決定に対する検察の不服申立て(上訴)の禁止 三、「再審法(刑事訴訟法の再審規定)」の整備          ──────────────────────────────                   請  願  文  書  表 △請願第13号 少人数学級の実現に向けた意見書の提出を求める請願 請 願 番 号 第12号 受 理 年 月 日 令和2年12月4日 件     名 少人数学級の実現に向けた意見書の提出を求める請願 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 角田航也 節木三千代 付 託 委 員 会 教育・文化スポーツ常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨
    【請願趣旨】  新型コロナウイルス感染症対策として行われた3ヶ月にわたる学校の休業は、子どもたちの心と教育に大きな影響を与えた。5月末から6月初めに行われたクラス半分程度の少人数による分散登校では、子どもたちから「いつもより勉強がよく分かった」「手を挙げやすかった」、保護者からは「子どもが、先生にいっぱい話を聞いてもらえたと喜んで帰ってきた」、教職員からは「いつもより子どもに寄り添って、教育活動をすすめられた」といった声が上がった。しかし、学校再開後はもとの35人から40人の学級に戻っている。今後も感染拡大が心配される中、新型コロナウイルス感染予防のための児童・生徒の十分な身体的距離の確保は困難であり、子どもたちの不安を受け止める手厚い教育も難しいと考える。  こうした状況の下、7月2日には全国知事会など地方三団体が、「現在の40人学級では感染予防のために児童・生徒間の十分な距離を確保することは困難」であり、少人数学級の実現へ「教員の確保が是非とも必要」だとした提言を発表した。  7月の政府の骨太方針の閣議決定にも、少人数指導体制の整備がはじめて盛り込まれた。教育再生実行会議でも7月と8月の2回にわたって少人数学級実施を求める立場で委員が発言をしている。中教審特別部会の9月の議論でも少人数学級を実現するよう求める意見が相次いだ。政府・与党からも少人数学級を求める動きが活発になり、こうしたことを受けて文部科学省は、2021年度政府予算に向けた概算要求で「学級編成の標準の引き下げを含め、少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備」を事項要求として盛り込んだ。しかし、財務省は少人数学級の学力への効果に疑義を示しており、今後文部科学省との間ではげしい攻防になると予想される。  学校における感染予防と、子どもに寄り添うゆきとどいた教育環境をつくる立場から、教員の配置を大幅に増やし豊かな学びと安全安心の学校生活を保障するために、国の責任で少人数学級を実現するよう強く求める。  以上の趣旨に沿って、下記について、国に対して意見書を提出するよう求める。                   記 1.国に対して少人数学級の実現を求める意見書を提出すること。          ──────────────────────────────    ──────────────── △休会の議決 ○議長(細江正人) お諮りいたします。  明11日から20日までは、委員会審査等のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(細江正人) 来る21日は、定刻より本会議を開き、付託案件に対する各常任委員長の報告を求めます。  本日はこれをもって散会いたします。   午後5時1分 散会    ────────────────...