滋賀県議会 > 2020-12-08 >
令和 2年11月定例会議(第17号〜第23号)−12月08日-04号

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  1. 滋賀県議会 2020-12-08
    令和 2年11月定例会議(第17号〜第23号)−12月08日-04号


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    最終取得日: 2023-05-14
    令和 2年11月定例会議(第17号〜第23号)−12月08日-04号令和 2年11月定例会議(第17号〜第23号)                 令和2年11月定例会議会議録(第20号)                                        令和2年12月8日(火曜日)           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第4号                                         令和2年12月8日(火)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第164号から議第197号まで(令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)ほか33件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問           ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件           ────────────────────────────── 会議に出席した議員(42名)    1番   井  狩  辰  也       2番   本  田  秀  樹    3番   柴  田  清  行       4番   重  田     剛    5番   白  井  幸  則       6番   村  上  元  庸    7番   清  水  ひ と み       8番   河  井  昭  成    9番   佐  口  佳  恵       10番   小  川  泰  江
       11番   黄 野 瀬  明  子       12番   松  本  利  寛    13番   杉  本  敏  隆       14番   田  中  松 太 郎    15番   角  田  航  也       16番   塚  本  茂  樹    17番   山  本     正       18番   大  橋  通  伸    19番   駒  井  千  代       20番   中  村  才 次 郎    21番   桑  野     仁       22番   周  防  清  二    23番   海  東  英  和       24番   加  藤  誠  一    25番   竹  村     健       27番   目  片  信  悟    28番   有  村  國  俊       29番   大  野  和 三 郎    30番   岩  佐  弘  明       31番   富  田  博  明    32番   細  江  正  人       34番   川  島  隆  二    35番   奥  村  芳  正       36番   木  沢  成  人    37番   清  水  鉄  次       38番   冨  波  義  明    39番   江  畑  弥 八 郎       40番   成  田  政  隆    41番   九  里     学       43番   今  江  政  彦    44番   中  沢  啓  子       45番   節  木  三 千 代           ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)           ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               人事委員会委員長        桂        賢               公安委員会委員長        大  塚  良  彦               代表監査委員          藤  本  武  司               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             中  條  絵  里               知事公室長           水  上  敏  彦               総務部長            江  島  宏  治               文化スポーツ部長        中  嶋     実               琵琶湖環境部長         石  河  康  久               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        森  中  高  史               農政水産部長          西  川  忠  雄               土木交通部長          吉  田  秀  範               企業庁長            河  瀬  隆  雄               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           滝  澤  依  子           ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            西  出  佳  弘               議事課長            山  本  昌  男               議事課課長補佐         瀬  川  進  一   午前10時 開議 ○議長(細江正人) これより本日の会議を開きます。  直ちに日程に入ります。    ──────────────── △議第164号から議第197号まで(令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)ほか33件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問 ○議長(細江正人) 日程第1、議第164号から議第197号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、43番今江政彦議員の発言を許します。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  それでは、発言通告に従いまして、滋賀県における指定管理者制度ならびに公益法人の課題について、一問一答方式で、知事ならびに総務部長、文化スポーツ部長健康医療福祉部長商工観光労働部長にそれぞれお尋ねをしていきます。  チームしが 県議団の代表質問において、知事から、滋賀県の指定管理者制度について、指定更新時の競争性が確保されていない、あるいは施設の活性化が十分されていないなどの課題が顕在化している中で、改めて制度を見直すべきときに来ている、よりよい制度に改善していきたいという趣旨の答弁がございました。このことを踏まえまして、指定管理者制度の個別の課題や、指定を受けている公益財団法人などの、特に県が出資をしている公益法人の課題について、お尋ねをしていきたいというふうに思います。  平成15年の地方自治法の一部改正によりまして、指定管理者による公の施設の管理運営が従来の管理委託制度に代えて行うことができるようになり、滋賀県におきましても平成18年度から導入をし、現在、66の県立施設のうち40施設が指定管理者によって管理運営をされています。  指定管理の期間は、県立施設の指定管理者制度運用ガイドライン──以後、運用ガイドラインといいますが、2019年3月に改正をされたものです。これによりますと、原則として5年ということで、合理的な理由があるときは5年以外の指定も可能というふうになっています。今議会においても、年度末に指定管理の期間が終了する施設に関する17議案が提案をされています。  昨年5月に総務省から公表されました公の施設の指定管理者制度の導入状況等に関する調査結果を見ますと、平成30年4月1日現在で、その内訳は、都道府県6,847施設、指定都市で8,057施設、市区町村で6万1,364施設となっておりまして、全体で約4割の施設が、株式会社あるいはNPO法人などの民間企業などが指定管理者となっています。指定期間は7割以上が5年間ということで、公募については、都道府県で約6割、指定都市では約7割、市区町村で約4割が実施をされているというところであります。  指定管理者制度で管理している県立施設は40施設で、そのうち、総合企画部が1施設、文化スポーツ部で17施設、琵琶湖環境部で1施設、健康医療福祉部で8施設、商工観光労働部で3施設、農政水産部で1施設、土木交通部で8施設、そして教育委員会で1施設となっています。  募集や選定につきましては担当部が実施をされていますが、指定管理制度全体のことなので、以下、総務部長の所管ということでお尋ねしていきたいというふうに思います。  まず、これまでの滋賀県の指定管理者制度を振り返って、どのような成果があったというふうに考えておられるのか、総務部長にお尋ねをします。 ○議長(細江正人) 43番今江政彦議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎総務部長(江島宏治) (登壇)お答えいたします。  指定管理者制度は、現在、県内の40施設で導入し、管理運営に欠かせない仕組みとなっておりまして、制度導入前と直近の状況を比較いたしますと、施設の利用者数につきましては、新たなサービスの提供や積極的な広報活動等により、人数を把握している30施設全体で約32万人の増加となっております。  また、県の委託料につきましては、金額の比較可能な37施設について年額で約9億円の縮減が図られていることなどから、サービス向上と経費縮減の面で、一定の成果が現れているものと認識いたしております。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)ありがとうございます。今、部長から、一定、利用者あるいは予算の面でのメリットということでお聞きをしました。  次に、指定管理者の公募についてですが、先ほど申し上げた運用ガイドラインによりますと、能力のある事業者の幅広い参入の機会を確保するため、指定管理者は原則公募するとなっておりまして、近い将来、施設の廃止や移管が見込まれるなど4項目に該当する場合は、公募を行わず、特定の者に申請をさせることができるというふうになってあります。  令和2年4月1日現在で、びわ湖ホールなど8施設が非公募で指定管理者を選定しています。そして、今回更新になりましたので、びわ湖ホールはじめ5施設が公募となりまして、現在、非公募は3施設であります。これまでどのような理由で非公募とされたのか。そして、非公募とする際には担当部局から総務部にも協議があったというふうに思いますので、これは総務部長にお尋ねをしておきます。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  指定管理者制度は、民間のノウハウを競争原理の中で効果的に引き出すことでサービス向上および経費縮減を図ろうとするものであり、指定管理者の選定におきましては、公募を原則としております。  一方で、運用ガイドラインにおきまして、近い将来に施設の移管や廃止が見込まれる場合や、特定の者以外では施設の設置目的の達成や適正な運営の確保ができないことが明らかな場合には、例外的に非公募とできるとしているところであります。  今回、公募化した施設につきましては、その運営の特性上、当該団体以外ではこれまで専門の学芸員や指導員が確保できないなどの課題があったことから、非公募としてきたものと認識いたしております。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)部長から答弁いただいたんですが、後の質問で何か今の答弁とちょっと合わん部分があるかなと思いますが、そのとき指摘をいたします。  過去に非公募とされた施設の指定管理者は、ほとんど県が関与した公益財団法人あるいは社会福祉法人が選定をされています。公募とされた施設でも、県が関与している公益財団法人などが指定管理者に選定される施設が多数ありますが、このうち、複数の応募があった事例を総務部長にお尋ねをします。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  令和2年4月1日現在で、公益財団法人社会福祉法人が管理している指定管理施設におきまして、継続施設については大津市内の県営都市公園で、また、今年度に指定管理者の更新手続を行う施設については県立陶芸の森で、それぞれ2者の応募があり、そのほかはいずれも1者の応募でございました。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)今、部長の答弁にありましたように、これは知事の答弁にもありました、公募としながらも応募者が少ないという課題があるわけですが、現在、指定管理者となっている公益財団法人がもし更新時に公募で選ばれなかったら、そこで働いている職員さんはどうなるのかということで大変心配されるところです。  県立施設の管理運営のために、県が大きく関与して設立された公益財団法人も多くあると思いますが、県の責任として、この雇用というのは守れるのか。これは総務部長にお尋ねをしたいというふうに思います。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  本県における指定管理につきましては、外郭団体に管理運営委託してきた施設も含めて、原則公募とし、競争原理の導入を図ってまいりました。  その結果として、外郭団体が指定先に選ばれず、主たる事業を民間移管された場合にも、各法人は独立した経営体として、その存続や職員の雇用問題について、法人が経営責任の観点から具体的な対応を決定、実施していくことが基本と考えております。  ただし、設立や運営に県が相当の関与をしてきた観点から、職員の再就職等に向けた団体の取組に対し、県民の理解が得られることを基本に、必要な支援を行うこととしております。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)なかなか難しい問題で、こうだというふうに断定的な答弁はされないと思うんですが、やはり法人をつくった設立の経緯を考えれば、当然、県にその責任、大きなものがあるというふうに思います。こうした課題については、今後、今起こってないんですけどね、起こる可能性もありますので、しっかり対応していただくように求めておきたいと思います。  このことに関しまして、具体的な事例でお尋ねをしようと思います。  今議会の議案として提案されている県立陶芸の森の指定管理者ですが、5年前に公益財団法人滋賀県陶芸の森が選定されたときは非公募でしたが、今回は公募で募集をされました。全体的な話は先ほど総務部長からお聞きをしたんですが、県立陶芸の森を非公募から公募に変更された理由につきまして、これは所管の商工観光労働部長にお尋ねしたいと思います。 ◎商工観光労働部長(森中高史) (登壇)お答えいたします。  指定管理者の募集方法につきましては、総務部長が先ほど答弁したとおり、原則として公募することとされております。  今回の指定管理者の募集に当たり、県内外の類似施設の状況を踏まえて検討し、都道府県立の陶芸関係の美術館のうち2館が、公募の結果、民間法人を選定していることなどを勘案いたしまして、原則どおり公募としたところでございます。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)先ほどの総務部長とのやり取りにもかぶるかもしれんのですけどね。今回、結果として財団以外に株式会社1社が応募されて、審査の結果、財団に決定をされました。この指定管理者となっている公益財団法人は平成2年4月1日に設立をされまして、基本財産は県と甲賀市が100%出資をしているということで、館長はじめ事務局長など17名の職員が雇用をされているわけで、公募方式を取っていながら公益財団法人を指定することを想定しているというようなことがもしあれば、これはもう、応募されている民間団体には大変失礼な話だというふうに思います。もし財団が選ばれなかったらどうなるのかということを、これは商工観光労働部長の見解をお尋ねしたいと思います。 ◎商工観光労働部長(森中高史) お答えいたします。  現在の指定管理者により雇用されている職員の雇用につきましては、公募における募集要項において、継続的に雇用されるよう配慮を求めております。  その上ででございますが、仮に公益財団法人滋賀県陶芸の森が選定されなかった場合、財団の実施する主要な事業がなくなり職員の雇用が困難となることから、法人の解散も含めて、法人において検討されることになると考えております。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)仕組みとしてはね、多分、商工観光労働部長が言うことだと思うんですが、先ほど来、何度も総務部長とのやり取りでも申し上げているように、やっぱりつくったときに、これだけ県、市が関与してつくった。そこで皆さん働いていらっしゃって、公募ということは、それはそれで原則公募ということなんでしょうけどね。  特に商工観光労働部長は、滋賀県の今このコロナ禍においても、いろんな雇用の確保あるいは雇用の継続ということで御尽力されている。そうした観点からいっても、より深く関与している公益財団法人、今おっしゃったような形で雇用が継続できるという調整ができればいいですけど、最後、解散で雇用も終わるということになれば、これは本当に滋賀県全体の雇用政策から見てもどうかと思いますんで、これはぜひ前向きに、今起こってませんけど、そういう問題意識をしっかり持って、今後取り組んでいただきたいというふうに思います。  そして、今回、民間の応募者の提案、採用されなかったんですが、これいろんな過程で、多分、大手の旅行会社さんやと思うんですけど、この部分、商工観光労働部長に、御提案の評価をぜひちょっとお伺いしておきたいと思います。 ◎商工観光労働部長(森中高史) お答えいたします。  選定委員会におきましては、イベントによる集客やプロモーションなど、今回応募のあった株式会社、民間企業の強みを生かした取組について高く評価された一方で、信楽の現状把握が不十分ではないかという意見などもあり、選定基準の4つの全ての項目において、公益財団法人滋賀県陶芸の森が上回ったと承知しております。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)部長から答弁いただいて、評価できる部分もあったけど、トータルでということだと思うんですけどね。  この県立陶芸の森の指定管理は、今回、複数の応募があった唯一の施設ということでありますし、私は挑戦をいただいた企業のほうに敬意を表したいと思います。  そして、今回選定された財団法人滋賀県陶芸の森におかれましても、これから5年間、提案された企業さんの提案もやっぱりちょっと参考にしながら、利用者のニーズにしっかり応えられる管理運営を求めておきたいというふうに思います。  次に、もう一度、総務部長に戻ってお尋ねします。
     次に、公募の実施方法ですが、運用ガイドラインによりますと、幅広い広報手段を活用することや募集期間は2か月程度を原則にしていますが、大規模施設の場合は相当の準備期間を設定することが求められています。これは指定管理者の応募だけでなく、プロポーザルのやり方でも同様だと思いますが、民間企業が仮に応募しようとされますと、マンパワーを含めて一定の費用が生じます。これは追加の予算措置の必要もあるんで難しいとは思うんですが、例えば、私は提案に必要な費用は、採用されなかった団体に対しても一定のルールの下に県が負担する制度、こういうものも必要でないかと。  実際、プロポーザルをやられたところで、そういう報償費を支払ったという事例も私も承知しているんですが、このこと、この提案はなかなか受け入れられないかもしれないんですが、現在のこの指定管理の状況を見て、どのような対応をすればNPOあるいは民間事業者などの参画を図れるのか、総務部長の見解をお尋ねしたいと思います。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  NPOや民間事業者の参画を図るため、指定管理期間の見直しや募集期間の延長など、新規参入の促進に取り組んでまいりました。しかしながら、公募施設でも依然として一者応募が多数を占めており、その背景には、それぞれの施設の専門性、特殊性から、事業者の参入が難しいことなどが想定されるところであります。  今後、各施設の状況や事情を整理して幅広な検討が必要と認識しておりまして、新規参入の拡大に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)これはさっきも言ったように、公募、非公募、原則は公募というのは、それはそれでルールなんでしょうけれど、この辺、公募、非公募とするところ、今、部長がおっしゃったような形で、NPOとか民間事業者が参入を図れるような仕組みは、もっと具体的に議論していただきたいというふうに思います。  次に、会派の代表質問でも指摘をされましたが、指定管理料の参考額の算定について、その根拠がどうなっているのか、大変気にかかるところです。平成28年2月、私、一般質問の中でこのことをお尋ねしました。ちょっとその時期は賃金を中心に聞かせてもらったんですが、当時の総務部長は、管理料参考額の算定に当たっては、人件費について現指定管理期間の実績の平均値以下とすることを基本とし、それぞれの施設の特殊要因も加味しながら算定している、という趣旨の答弁を当時の総務部長はされています。  県の財政事情あるいは社会情勢による変化、人件費の上昇、そして今日のコロナ禍における負担増など様々な要因が影響すると思いますが、それぞれの施設で丁寧な算定がされているのか、それとも過去の実績だけで決められていることはないのか、これは大変気にかかるところであります。指定管理料の参考額の決定方法について、総務部長にお尋ねします。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  この御質問は平成28年2月にもしていただきました。指定管理料参考額の算定に当たりましては、現指定管理期間の実績の平均値を基本としつつ、例えば、コロナ禍の影響を受けた施設については、その影響を除いて算定するなど、それぞれの施設の特殊要因も加味しながら算定しているところでございます。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)これ以上聞いてもそれ以上の答弁はないのかもしれないんですが。  次に、選定の際のこの指定管理料の提示額についてなんですが、大半が今質問しました参考額とほぼ同じの金額になっています。びわ湖ホールのような大きな規模のものでも、管理料参考額61億6,221万1,000円に対しまして、候補者である公益財団びわ湖芸術文化財団の提示額は1,000円まで全く同じ同額でした。  しかも、選定理由を読んでみますと、経費面では管理運営の効率化に関する提案もあり、管理料の提示額は管理料参考額の範囲内であったというて、同額なんですけど、範囲だったという記述がありましてね。もちろん一者応募なんでこういう形になるんでしょうけれど、この金額が直ちに不適切とは言いませんけれど、指定管理者の制度の基本的な考え方にうたわれております、住民サービスの向上を図るとともに経費の節減を図る、あるいは先ほど質問いたしましたように、NPOや民間事業者の参画が図られるようにするということとは、ちょっとかけ離れたような気がするわけですね。この指定管理料参考額の意味について、これは総務部長の御所見を伺いたいと思います。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  参考額は、施設の管理運営に必要となる指定管理料の水準を、これまでの管理運営の実績等も踏まえて示すものとなっております。応募を検討される事業者は、参考額を一つの目安に、自らの経験やノウハウ等を生かしたサービスの向上と利用料金収入の増加、さらなる事務の効率化による経費の縮減の可能性などを検討された上で、事業計画を作成されるものと認識いたしております。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)答弁、そういうことなのかもしれませけど、一者公募であっても、もうちょっと何か具体的な提示額の提案についても、いろんな根拠があってもいいんじゃないかなという気がいたします。  今、答弁いただいたんですけど、1点、ちょっと確認をしておきたい。  平成22年12月28日付の総務省自治行政局の通知の中にも、指定管理者制度は単なる価格競争による入札とは異なるものであるとされていますんで、評価点の違いというのはあるかもしれませんが、この参考額を上回る提示あるいは下回る提示も、これも基本的には可能ということでよろしいですね。確認だけしておきたいと思います。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  今ほど答弁いたしましたように、参考額は一つの目安でございますから、参考額を下回った提案はもとより、上回った提案、これも提案していただくことは可能です。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)それでは、次に、指定管理者制度のガイドラインにありますモニタリングのことをお尋ねしたいと思います。  運営ガイドラインの中に、県および指定管理者は、適正な管理運営をするためモニタリングをすると規定をされています。このモニタリングは、更新する場合の指定管理料参考額の算定あるいは住民サービスが確保されているかなど、確認するためにも大変重要だというふうに思います。  これは平成28年2月の質問で、私はそのときは、それぞれの指定管理者が労働法令の遵守や雇用条件をちゃんと守れているかというモニタリングの話をお尋ねしたんですが、全ての指定管理施設で、どのようなモニタリングを実施をされておられるのか、これは総務部長に総論としてお聞きしておきたいと思います。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  指定管理制度導入時から施設には業務の報告を求めてまいりましたが、より適切な管理運営を確保する観点から、平成28年9月にモニタリングマニュアルを策定するなど、モニタリングの充実、強化を図ってまいりました。  モニタリングマニュアルには、基本的な事項や留意点等を定め、実施に当たっての基本的な考え方や安全確保、経費縮減、法令遵守などの確認事項を再整理し、規定したものであります。  これに基づきまして、全ての施設所管課において、指定管理者から適宜、月例・年次報告を受けまして確認するとともに、実地調査や利用者満足度調査を実施し、改善すべき点がある場合には個別に指導するなど、適切に実施できているものと認識いたしております。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)今、部長から答弁いただきました。前の質問のときにも聞いたんですが、この指定管理のモニタリングって、かなり専門的な部分、特に私が申し上げた労務管理の部分なんか、そのときには、社会保険労務士さんを活用してしっかりモニタリングをやったらどうかという提案もさせていただいたんですが、県の職員さんでできない部分は、しっかり専門家に任したモニタリングも十分考慮いただきたいということ。これは要望ということで申し上げておきたいと思います。  次に、冒頭申し上げた施設の中で、文化スポーツ部の所管、これは17施設あるわけですが、この文化スポーツ部の所管の令和2年4月1日現在の施設の中で、17施設中、公募によるものが13施設、非公募によるものは4施設で、このたびの更新で全て公募になりました。伊吹運動場あるいはライフル射撃場を除きますと、ほとんどが県の公益財団法人あるいは公益財団法人を中心とした共同体あるいはグループが指定管理者となっています。  特に、文化関連施設では大半が県出資の公益財団法人が指定管理者となっています。一方、文化スポーツ部の所管の近代美術館あるいは琵琶湖文化館、今、これは休館していますが、直営となっています。来年以降、順次整備されて開館されていきます。それぞれの施設の特徴は違うと思うんですが、文化スポーツ部として、直営か指定管理者とするか、この点につきまして、何か明確な基準というのを部として持っていらっしゃるのか、文化スポーツ部長に尋ねます。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) (登壇)お答えいたします。  指定管理とするかどうかにつきましては、県立施設の指定管理者制度運用ガイドラインの、制度導入により効率的、効果的な運用が可能か、という考えに基づき、各施設における特性を考慮の上、検討し、当部が所管する施設のうち、17施設について指定管理者制度を導入しているところでございます。  なお、近代美術館につきましては、作品の調査研究、収集、展示を総合的に行っており、そうした一連の活動を継続して行う必要があること、また、作家や寄贈者等との人的ネットワークを時間をかけて構築していく必要があるといったことから、直営としているところでございます。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)今、文化スポーツ部長のほうから、部としての全体的な考え方をお聞きしたんですが、所管の施設の中で、ちょっと具体的にお聞きしたいことあるんですが、公益財団法人滋賀県希望が丘文化公園が指定管理者となっております希望が丘文化公園の3施設、これは公募とされているわけなんですが、特にこの3施設を公募とされている理由について、文化スポーツ部長に確認をしておきたいと思います。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  運用ガイドラインでは、能力ある事業者の幅広い参入の機会を確保するため、指定管理者の募集は原則として公募となっております。希望が丘文化公園は該当する非公募事由がないことから、公募といたしております。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)それでは、この滋賀県希望が丘文化公園の指定管理者期間、これは5年という基本プラス1年で6年となっております。この理由について文化スポーツ部長に尋ねます。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  希望が丘文化公園につきましては、第79回国民スポーツ大会のラグビーフットボール競技会場として使用することから、大会運営を安定的に行うため、指定管理期間を平成31年度から令和6年度末までの6年間としたところでございます。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)ということだというふうに思うんですが、そうすると、今回、国スポ・障スポが1年延期されました。その関係で、もう1年この指定管理期間は延長されるのでしょうか。これを確認しておきたいと思います。文化スポーツ部長、お願いします。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  指定管理期間の延長につきましては、今後検討してまいりたいと思います。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)この滋賀県希望が丘文化公園につきましては、平成30年に策定されました基本計画に基づきまして、現在、文化ゾーンあるいは野外活動ゾーンを中心に公園全体の活性化に係る方策を検討され、また、そのための公園全体の効果的、効率的な管理運営方針を検討するため、検討懇話会で議論がされているというふうに聞いています。民間によるサウンディングも行われているということも聞いております。  利用の低迷あるいは施設の老朽化という課題もお聞きをしており、様々な困難な課題もあると思うんですが、今後、直営とするのか、今までどおり指定管理者制度を継続するか。そうした議論では、具体的な管理運営方法について、この懇話会なりで議論をされているのか、文化スポーツ部長にお尋ねしたいと思います。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  希望が丘文化公園活性化等検討懇話会におきましては、これまで、公園の活性化方策について御意見を頂いております。  今後は、その内容を踏まえまして、管理運営方法についても御議論をいただく予定でございます。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)全体構想が定まらんと、そこも決められへんということなんでしょうね。  平成31年の指定管理選定の際の効果の概要というのを見てみますと、この当該公益財団法人は開園当初から公園の管理を担っておられまして、先ほど申し上げた施設の老朽化がありながら、これまでの経験やノウハウの蓄積によって、利用者の安全・安心に配慮して安定的な公園運営が見込まれるというふうに効果の概要に書いているわけですね。  私もその財団で働いている職員の皆さんと何度か意見交換をさせていただきましたんですが、十分な施設改修がされていない中で、私は、まさしく今申し上げた効果の概要にあるように、本当にそれぞれの職員さんが経験を生かして、日々努力をされているということを痛切に感じました。それだけに、そこで働いている職員さんも、この基本計画や検討懇話会の方向性に大きな関心を寄せられておりますし、また、雇用の確保は同時にどうなるかということも心配をされているということであります。  また、半数近くの職員さんが嘱託職員などのいわゆる期限のある非正規雇用となっている状況なんで、果たしてこれでモチベーションが確保できるかということも心配なところであります。  こうした観点から、今後、どのように希望が丘文化公園の活性化を検討されていくのか、文化スポーツ部長の見解をお尋ねしたいと思います。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  希望が丘文化公園は年間約90万人の方に御来園をいただいており、指定管理者には利用者の安全性や利便性を追求した公園管理を行っていただいておりますが、開園後48年が経過し、社会情勢や利用者ニーズの変化に応える満足度の高い公園づくりが求められております。  公園の活性化方策の検討を進めるに当たりましては、活性化等検討懇話会委員の御意見を賜るとともに、公園の強みや管理運営上の課題などについて財団と意見交換を行い、公園が県内外の方々の交流、憩いの場、スポーツ、健康づくりに取り組める場などの役割を果たせるよう、しっかり検討してまいりたいと考えております。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)ありがとうございます。この希望ケ丘公園、私も子供のときからいろんな形で利用させていただいているんですが、大変大きな価値のある公園だというふうに思うんですが、先ほど申し上げたような施設の老朽化も含めて、いろんな利便性でちょっと低迷しているところなんですけれど、これはしっかり懇話会でも議論いただき、また、今おっしゃったように、そこの運営に関わっている職員さんの意見をしっかり聴きながら、やっぱり生涯学習、生涯スポーツの拠点ということで、公的団体で一体的な管理、直営も含めてすべきだなということを思いますんで、意見としておきます。  次に、健康医療福祉部が所管する指定管理者制度についてお尋ねをしていきます。  障害福祉課所管のむれやま荘や信楽学園が今年度末に指定管理者期間が終了するため公募した結果、現在の指定管理者である社会福祉法人グローが選定されましたが、新聞報道にありますように、代表者のセクハラ疑惑が浮上し、今回、議案の提案が見送られました。  事実関係については今後訴訟の経過などを見守るしかないと思いますが、施設の入所者あるいは利用者、保護者、そしてそこで働いている、本当に厳しい福祉の現場で働いている職員の皆さんが心配されている中で、当然、空白が生じることは許されないわけですが、今後どのように対応されるのか、健康医療福祉部長にお尋ねをします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  むれやま荘と信楽学園につきましては、いずれも入所施設でございまして、支援の必要な利用者が生活をしておられますことから、議員御指摘のとおり、利用者の生活に影響が出ないように施設運営を継続していく必要があると認識をいたしております。  一方、指定管理者の指定につきましては議会の議決が必要とされておりますことから、議案の提案者として説明責任を果たせるように、事実関係等の情報確認に努めまして、施設運営を継続するために必要な対応を今後図っていきたいと思っております。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)次に、この2施設の公募なんですけど、先ほどから、非公募、公募のことを申し上げているんですが、今回の選定に当たって他の応募者はなかったということで、これを公募とした理由について、健康医療福祉部長の見解をお尋ねします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  指定管理者制度運用ガイドラインでは、指定管理者は原則公募とし、非公募とする場合は限定的に列挙されております。  むれやま荘と信楽学園につきましては、利用者が支援を受けながら生活を行う施設でございまして、障害のある方の入所施設を運営する社会福祉法人は複数ございますことから、非公募とする特定の者以外では施設の設置目的の達成や適正な運営が確保できないという場合には該当しないというふうに判断して、公募といたしております。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)部長の答弁では、ほかにも社会福祉法人でやれるところがあるだろうということですけど、現実にはほかの応募者がなかったということなんですけどね。  次に、同じような施設で、近江学園は直営となっていますよね。この直営と指定管理に分かれている理由は何かあるのか、健康医療福祉部長にお尋ねします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  近江学園と信楽学園はともに県内2か所しかない福祉型障害児入所施設として、近江学園では学齢期の障害児への生活支援、信楽学園では青年期の障害児への就労支援を中心に行っているところでございます。  両施設を比較いたしますと、近江学園のほうがやはり比較的重度の障害児が多く、年齢幅も広いということで手厚い支援体制が必要であること、また、家庭状況、障害の程度、虐待などにより、地域での生活が継続できない障害児を受け入れるセーフティネット機能を安定的に担う必要があるということから、県立直営で運営を行っているところであります。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)今の部長の答弁では両方とも直営かなと思うんですけれど、指定管理者制度が導入された経緯もあるので、今そういう形になってるんだと思いますけどね。  今、ちょっと、今後の対応とか公募している理由とか、直営、指定管理に分かれているということをお伺いしたんですが、当然、年度内には2施設の指定管理者を選定されるということになるんでしょうが、もし、今回選定された社会福祉法人グローに決定できなかった場合、いろんなケースがあると思いますけど、決定できなかった場合、さきの公募の状況を見れば、部長はあるだろうということをおっしゃいましたけど、新たな指定管理者を公募で決定し直すというのは、大変短期間で難しいというふうに思われます。  しかし期限が待ったなしなんでね。その場合は、この2施設についても県の責任として直営とすることも、もちろん直営とする場合には現に働いていらっしゃる職員の雇用の問題もありますし、そうしたものを守った上で直営とすることも求められるというふうに思うわけですが、このことにつきまして、健康医療福祉部長のお考えを聞いておきたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  先ほど答弁いたしましたとおり、2施設については、いずれも入所施設でありまして、利用者の生活に影響が出ないように施設運営を継続していくということが必要であるということは考えております。  御質問の仮にグローに決定できなかった場合、他の法人を指定管理者に指定することになるか、県が直営で施設運営を行うということになろうかとは思いますが、まずは、そのような事態にならないように事実関係などの情報確認に努めて、施設運営を継続できるように必要な対応を図っていきたいと思っています。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)今回の指定管理に関しましては、ネット上でいろいろ流れている。私のところにも個人的にメールが来ました。そうした状況で、1番は、入所者、保護者、関係者が心配されているというふうに思いますんで、ここはしっかりと選定、そして来年4月からの運営に支障がないようにお願いをしておきたいと思います。  それでは、次からはまたもう一度、総務部長にお尋ねします。  私は、公益財団法人を立ち上げて県立施設の管理運営を任せた背景には、国の強力な定員管理の指導があったのではないかというふうに思っています。つまり具体的には、県立施設に正規職員を配置すれば条例定数にカウントされる、公益財団法人などに出向させるとカウントされないというような事情があったのではないかということであります。  そこで、指定管理者となっている出資法人のうち、県職員で出向している職員は今どの程度いらっしゃるのか、総務部長に尋ねておきたいと思います。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  令和2年12月1日現在で、県の出資法人または出資法人が含まれる団体が指定管理者となっている施設は18施設、法人の数としては6法人となっておりまして、これらの法人へ派遣している県職員は17人となっております。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)今お答えいただいたように、17名の正規の職員さんを公益財団法人へ出しているということです。  何が申し上げたいかということは、これは、やはり指定管理の導入の際に、あるいは県のこれまで公益財団法人を立ち上げた経緯、そうしたいろんな歴史的な経過があるんで、今、知事が答弁されたこの指定管理制度の見直しをするというときに、この歴史的な経過、あるいは今お答えいただいたような職員の配置の問題、こうしたことをしっかり総合的に判断してほしいということで質問させていただきましたので、よろしくお願いします。  それでは、次に、2019年に桑名市が指定管理していた施設を大半直営に戻したという報道がされています。具体的には42施設中39施設を直営に戻したというニュースです。これは私もネットでしか分かりませんけれど、要は一旦直営に戻して、その施設の在り方とか、もう一度しっかり原点に返って検討して、指定管理にすべきものは指定管理にしようという。原点に返ってということで、私はこの考え方は一定評価できるというふうに思うんですが、指定管理している施設、現在、もし県も直営に戻すと仮定した場合に、どのような問題があるのか、総務部長、考えられる範囲で、今の指定管理を直営に戻すときの課題、御答弁いただけますか。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  指定管理者制度の導入によりまして、開館日や利用時間の延長をはじめ、民間ならではの創意工夫で様々な自主事業が行われておりまして、管理業務以外にも利用者サービスの向上に資する取組が行われているところであります。  現在の指定管理施設を直営に戻すとした場合に、職員の新規配置ですとか、あるいはそれによるコストの増加ですとか、また、これまでに実施されてきました効果的な取組ができなくなるなどの可能性があるものと考えております。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)指定管理者が導入された平成15年、あのときたしか、3年ぐらいの猶予期間がありますけれど、冒頭申し上げたように、管理運営している施設については指定管理者とするかせんかを決めるということで、決めてきた経緯があると思うんですよね。  ただ、直営のやり方も、今、いわゆるアウトソーシングを使いながら直営、いわゆる施設の基本的なところは直営で管理して、必要な部分はアウトソーシングで対応するとか、やり方はいろいろあると思いますのでね。  先ほども課題として申し上げた社会福祉法人の指定管理も、民間にいろんなそういう機会を示すというのは、それはそれで施設の中身によってはいいと思うんですけど、画一的に判断するんでなくて、この直営にするということも、必要であれば果敢に取り組んでいただきたいと、そんなことを思います。  もう時間がありませんので、最後、知事にお尋ねしていきたいんですが。  指定管理者制度全般に係る課題、成果。冒頭、部長から成果をおっしゃいましたが、それよりも大きないろんな課題があるということでお聞きをしてきましたが、本県でも平成18年に指定管理者制度が導入されて以来、様々な課題が見えてきた。先ほど私が御質問させていただいている経緯ですが、そうした課題が見えてきたという中で、繰り返しになりますけれど、チームしがの代表質問で、知事は見直すということをおっしゃいました。よりよい制度に改善していきたいという趣旨の答弁をされています。先般、京都新聞にもこうした記事が掲載をされておりました。  このような課題に加えまして、新型コロナ感染拡大の中で、新たな対応も迫られているというのはこれ現状だというふうに思います。6月定例会の私の一般質問や、さきの我が会派の代表質問でも申し上げましたとおり、指定管理者制度も含めて、多くの場面で公共サービスが傷んでいるんじゃないかということを痛感をしているわけです。  現在、滋賀県の契約の在り方についてはプロジェクトチームや検討懇話会で議論をいただいているところなんですが、公の施設の管理については、先ほど来申し上げているように、指定管理者ありきではなく、総務部長が答弁を先ほどされました課題はあるものの、いろんな工夫をしながら直営に戻すという選択肢もあるというふうに思います。  そして、先ほどお尋ねしたように、もし、導入の背景に職員の定員管理の事情があるのであれば、これもしっかり認識をしなければいけない課題だというふうに思います。  さきに私が引用しました平成22年12月28日付の総務省自治行政局長の通知の中にも、指定管理者については、個々の施設に対しまして、制度を導入するかしないかを含め、幅広くですわ、幅広く地方公共団体の自主性に委ねている制度となっていると。もう総務省がそう言うてるわけなんで、地方交付税とか定数管理の話があるんでしょうけど、ここは、滋賀県はこれから国スポ・障スポ、あるいは美の滋賀の実現に伴う施設整備など新たな課題もあります。多くの、そして指定管理者となっております公益財団法人の在り方についても、今後、先ほど申し上げたような課題もあり、議論が必要だというふうに思います。  こうした様々な課題を踏まえて、いま一度、これは指定管理者に限定せんと、幅広い観点でこの指定管理者制度も議論の対象とすべきだというふうに思いますけれど、このことについて知事の御所見をお聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。
     この議場でお取り上げいただいた指定管理者制度ですね、これが管理運営に欠かせない制度として定着してきた一方で、先ほど来お取り上げていただいたように、コロナ禍を含めた社会情勢や利用者ニーズ等の変化とともに、様々な課題が顕在化してきております。外郭団体の取扱いをどうするのか、また、雇用をどう守れるのか守れないのか、また、公的に担う施設の役割というものをどのように考えたらいいのか。直営との比較で申し上げれば、コストの問題もありますし、何より県民の皆様方へのサービスの質をどのように担保するのかという、こういった課題があろうかと思います。  2005年に出されたこういった外郭団体の対応についての書面なんかを見ておりましても、このときは官から民への流れの中で大きな改革が行われた時期でありましたので、そういったニュアンスがかなり色濃く反映されているなという印象を持ちました。この間の状況の変化ですとか課題に柔軟に対応していくため、改めて指定管理者制度の検討を行う時期にあると認識しています。  今後、各施設の状況や事情を整理するとともに、良質なサービスの確保の視点を大切にしながら、まずは庁内横断的に幅広い議論を進めてまいりたいと存じます。 ◆43番(今江政彦議員) (登壇)知事、ありがとうございます。さきの9月に行われた知事と記者団との意見交換の際、知事はこれからの県の方向性として、近代からの卒業が必要とされまして、明治以降つくってきた中央集権、学校のシステム、東京一極集中、こういったことから卒業していくことに挑戦していかねばならないという問題意識を持ち、ウイズコロナ、ポストコロナ時代の社会のありようについて、来年度の県の施策に反映していかねばならないという趣旨の発言をされたというふうに報道を聞いています。  知事が発信をされた近代からの卒業の意味と、私の受け止めは同じではないかもしれんのですけど、これまで、今に生きる者が経験したことがないコロナ禍の中で、国、地方自治体、そして住民の皆さんも、現在の社会の在り方や価値観、そして幸せというものを原点に立ち返って取り返す時代になったということだというふうに思うんですよね。  だから、何度も申し上げているように、この指定管理者制度は、効率性の追求、官から民への流れ、小さな政府を目指すというような観点で創設をされ、今日まで運用されてきたというふうに私は思います。  公の施設を設置した目的とか住民のニーズ、公共サービスの在り方など、さらに大きな視点で、まさしく桑名市のように原点に立ち返って見直しをされるよう要望しておきたいと思うんですが、今申し上げた卒近代の考え、私が言うてるのと違うということでしたらあれやし、私が申し上げたとおりやったらもう結構ですけど。いいですか。答弁、お願いします。 ◎知事(三日月大造) ありがとうございます。詳細を把握しているわけじゃないんですけど、このコロナ禍において、コロナウイルス感染症に感染されたイギリスのジョンソン首相が、退院後に、社会はあったと表現された言葉が1つ私は印象に残っております。恐らく、小さな政府を志向されたサッチャー首相との対比においておっしゃった言葉ではないかなと推察するんですけれども、もちろんその時々、例えば国鉄の民営化もそうだったでしょう、様々な行政改革も行われてきて、一定の必要性と、また、その当時の国民の支持によりなされてきたことではあるんでしょうけれども、それらが全て今日において、またコロナ後において、そのままでいいのかということについては、全てがそうとは言い切れない面もあるのではないかと思います。  したがって、議員がおっしゃったように、改めて原点に立ち返って検証し、さらに必要な改革を行っていくべきではないかという視点は、この指定管理者制度においても大変重要な私は問題提起だと思いますので、そのことをこの議場でも私の発言として申し上げたところでございます。しっかりと今日いただいた御議論も踏まえて、検討していきたいと存じます。 ◆43番(今江政彦議員) 終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、43番今江政彦議員の質問を終了いたします。  次に、3番柴田清行議員の発言を許します。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇、拍手)本日もたくさんの議員が登壇をされます。的確な質問をしたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  JRの諸問題と良好関係について質問をいたします。  鉄道の歴史は、明治の初め、新橋−横浜の開業以来、神戸、大阪、それが京都、大津に続き、そして、滋賀県での長浜、福井県での敦賀港へと続きました。この長浜市から敦賀市にかけての旅客路線は日本で3番目の開通の歴史を持ち、今年の6月には、この鉄道遺跡が日本遺産に認定をされました。  また、今年の10月においては、JR西日本の新快速電車開業50周年となりました。大阪を中心として関西圏から京都行きが当初運行され、草津行きになり、その後、新快速長浜行きは開業し、また、それが滋賀県に大きな富をもたらしました。今や関西のベッドタウンになった大きな要因ではなかったでしょうか。  北部地区からも京都や大阪が通学・通勤圏にもなりました。また、琵琶湖環状線計画では長浜から敦賀間の直流化による政策が実行され、最短2回の乗換えで滋賀県を一周できる鉄道網が形成されました。それ以来、はや15年目を迎えています。しかしながら、新幹線新駅南びわ湖駅中止という経験もあったことは、歴史の一つとして言わなければなりません。  そこで、今後の電車運行計画や駅舎問題など県民に密着したJRの諸問題と今後のJRとの関係について、大変鉄道にも詳しく、また強い思いをお持ちの知事に全てお聞きをしたいと思います。  1つ目に、北陸新幹線の開業が2023年の予定になっていますが、今後、敦賀−名古屋間のしらさぎ運行を含めた取組、また、特に北の玄関口となる取組について大変重要だと思っております。知事にお伺いをいたします。  2つ目に、琵琶湖環状線開業以来、米原以降の電車本数や車両数の減少が行われております。地元市町からは、最低でも開業当時、お金を出したときに戻してほしいとの要望が出ていますが、知事のお考えをお聞きいたします。  3点目、今年の予算特別委員会では、海東議員より福祉政策として質問がありました、近江塩津駅エレベーター設置の件について、琵琶湖環状線構想が実現をしているという県の立場において、障害者や高齢者の方々の対応を改めて知事にお伺いをいたします。  4つ目、来年のダイヤ改正において、最終電車の時間繰上げが取りざたされております。JRの夜間路線作業問題には幾分の理解を示す部分はありますが、通勤者の中には大変お困りになる方も多くおられると思います。現在、滋賀県に伝わっている最終電車の繰上げ時間など、どの程度なのか、お聞きをいたします。  また、あわせて、繰上げに対する知事のお考えと今後の県の対応をお聞きいたします。  5つ目に、前知事の新幹線新駅反対表明以来、JR東海との滋賀県の関係は、言うまでもなく、良好関係とは言えません。私も5年前ぐらいから昨年にかけて、要望活動に名古屋本社を訪れました。しかしながら、ほぼゼロ回答に近いものでした。しかしながら、今後の北陸新幹線敦賀開業や2027年リニア開業に向けて関係性の向上を図る必要があることから、現在の関係と今後の対応について、知事にお伺いをいたします。  最後6点目に、JRとの工事施工委託についてお聞きをいたします。  JRとの踏切、鉄橋、駅舎などの関係する工事などは全てJR側の発注となっていますが、国鉄時代の流れだと考えていますが、民間企業となったJRとのこれからの在り方について、国レベルの話になるとは考えますが、知事のお考えをお聞きいたします。 ○議長(細江正人) 3番柴田清行議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)JRの諸課題と良好関係についてということで、6点御質問いただきました。  まず1点目、特急しらさぎの運行を含めた取組、北の玄関口としての取組ということについてでございますが、北陸新幹線整備は、本県の経済活性化にとって重要な国家プロジェクトであると認識しております。敦賀までの開業により、県外から湖北・湖西地域への来訪者が増加するものと期待しています。このため、敦賀開業を絶好の機会と捉え、北陸本線や湖西線の沿線市と県で構成される協議会において、地域振興やインバウンド誘客を含む利用促進について議論し、SLの運行やフォトコンテスト、台湾での旅行博への出展などの取組を行ってきているところです。  また、北陸方面からの玄関口として、さらなるアクセス向上に向け、北陸新幹線の本数に合わせた特急しらさぎの増便や米原−敦賀間を結ぶリレー快速の運行など、JR西日本、東海両社や国に継続的に要望しておりますほか、中部圏知事会議として考え方を共有し、国に要請しているところでございます。  昨今の報道によりますと、2023年春の敦賀駅までの開業が遅れるとのことでございますが、引き続き、確実な開業と北陸・中京方面からのアクセスの向上について、国やJRに要望してまいりたいと存じます。  2点目、琵琶湖環状線開業時の電車本数、車両数との比較ということについてでございますが、平成18年10月の琵琶湖環状線開業により、長浜駅以北と京阪神方面を結ぶ直通列車の運行が開始されるとともに、北陸本線、湖西線相互の乗継ぎ利便性が向上いたしました。  また、開業時には、運行本数が長浜−木ノ本間で上り5本、下り6本、木ノ本−近江塩津間で上り、下りとも8本増便され、車両数も増えましたが、その後、運行主体のJRが利用状況等を勘案し、運行本数の減便や車両数の削減を行われております。そのため、毎年、私自身もJR西日本を訪問し、運行本数の増便に向けたダイヤ改正を要望しているところでございます。  また、運行本数の増便や車両数の増加のためには利用者の増加が必要でありますことから、鉄道を活かした湖北地域振興協議会等と連携いたしまして、積極的に利用促進に取り組んでいるところでございます。  引き続き、運行ダイヤの充実に向けて、しっかりと取組を進めてまいりたいと存じます。  3点目、近江塩津駅のエレベーター設置についてでございますが、県といたしましては、国の移動等円滑化の促進に関する基本方針に定めます1日当たり利用者数が3,000人以上の駅はもちろんのこと、3,000人未満の駅でありましても、市町が必要と判断され、鉄道事業者に対して整備費を補助される場合にも、財政的な支援を行っているところでございます。  近江塩津駅のバリアフリー化につきましては、琵琶湖環状線の関連プロジェクトに含まれておりませんでしたが、県内の他の駅と同様に、長浜市の意向を踏まえ、検討を行ってまいりたいと存じます。  4点目、最終電車の繰上げについてでございますが、JRからは、琵琶湖線では京都発米原行きが20分、野洲行きが17分、湖西線では、京都発近江今津行きが19分の繰上げを検討していると伺っております。  議員御指摘のとおり、鉄道事業者の事情は一定理解できるものの、本県は京阪神との生活、経済の結びつきが強く人の往来が多いため、短時間で移動が可能な琵琶湖線の利便性の確保は極めて重要であると認識しています。今回の終電の繰上げは、県民生活への直接の影響のほか、沿線の魅力低下につながることも懸念しているところです。  働き方改革や新型コロナウイルスの影響、人口減少、超高齢化の影響を見据えながら、県民にとって鉄道の利便性の維持、向上をどのように図っていくのか、地域と鉄道事業者が一緒に考えていくことが必要だと考えているところです。  5点目、現在のJR東海との関係、今後の対応についてでございますが、北陸新幹線敦賀開業やリニア中央新幹線名古屋開業を近い将来に控える中、東海道新幹線の運行主体であるJR東海との関係は、本県の広域鉄道ネットワークの将来を描く中で極めて重要であると認識しています。  このため、JR東海とは緊密な関係の構築に努めているところであり、例えば、今年10月に実施いたしました県内の公共交通機関におけるバリアフリーに関する調査に御協力いただいたほか、観光面では、「明智光秀公ゆかりの地 比叡山・びわ湖キャンペーン」や、東海道新幹線のグリーン車等に配布される雑誌「ひととき」への掲載など、県外へのPRに御協力いただいているところでございます。  また、県議会議員の皆様にも御協力を賜り、毎年要望活動を実施しているところであり、そういった成果も一定実って、来年春からは、JR東海・西日本の両エリアで相互利用可能なIC定期券の発売が予定されるなど、利便性の向上が実現しつつございます。  私自身もJR東海の皆さんとお話しする機会をしっかりと積み重ねていきたいと考えており、引き続き、良好な関係づくりに向けた取組を積極的に進めてまいりたいと存じます。  6点目、JRに関係する工事の在り方についてでございますが、踏切、跨線橋等の鉄道に関連する工事のうち、安全な運行に支障を来すおそれがあるものや事故発生時の臨機の対応が求められるもの、鉄道の緻密な運行変更や停電作業を伴うもの等、県が管理を直接行うことが困難な工事については、施設管理者である鉄道事業者と協定を締結し、工事実施や施工管理を委託しているところでございます。  協定額や工期等につきましては、国土交通省と鉄道事業者間で平成20年12月に結ばれた公共事業における鉄道委託工事を行う場合の透明性確保の徹底に関する申し合わせに基づき、妥当性について確認を行っているところです。  今後も、民間企業ではございますが、鉄道事業者にしか施工管理ができない工事につきましては、妥当性を精査しながら、施工委託を適切に行ってまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)知事、ありがとうございました。私がお尋ねした全ての項目で、しっかりとやっていくというお答えをいただいているような感じをしているんですが、近江塩津駅のバリアフリーに関しては、今、知事も言われたように、3,000人以上という規約から、海東議員の予特のときの質問も、国としては3,000人以下も認めるというような形に変わってきているというようなお話もいただいておりますが、私がこの近江塩津駅、最初のこの1番の問題でも5番の問題でも言うように、北陸新幹線にとっての滋賀県の北の玄関口が近江塩津駅だと思います。先ほど知事も1問目の御回答には、さらなるアクセスの向上というお言葉も返していただきました。  この近江塩津駅、非常に階段が多く57段、そして横幅が、その通路の横幅、私がちょうど両手を上げた2メーター弱だと思います。ここに高齢者の方やベビーカーを押している方が通行が本当にできるのか。私も何回も利用しているんですが、地下から上がるという形で非常に閉塞感のある、コンクリートに閉ざされた乗換口になっております。  この近江塩津駅、単なる通過点の駅ではなく乗換えの駅だということ、新快速近江塩津行きが10本以上あって、ここの塩津駅で乗り換えて敦賀のほうにも行かれる、そして湖西線の高島のほうにも行かれるということで、ここの交流乗客数、乗換えをされている方々が何人おられるのか、県としては把握を本当にしておられるんでしょうかねと思っているんですが、3,000人以上、僕はこれ乗り換えておられる方がおられるんじゃないかなと思っています。上下線で20本以上、この近江塩津が発、近江塩津止まりという部分があると思っています。  この点と、やっぱり琵琶湖環状線構想、しっかりとこれが、障害者の方、高齢者の方、小さな方々が乗換えができる駅にしてこそ、この環状線構想が出来上がるものだと思う観点から、やっぱり県が指導もしていただきたいと思いますし、当然、長浜市、私、この乗換えの乗客数、長浜市も把握していますかということで交通対策室の室長にお尋ねしましたが、「申し訳ないです、ちょっとしてませんでした、いい参考なんで、今後、長浜市としても、この乗換え数、調べる機会を設けたい」というお話もいただいてます。どうか県としても、この乗換えの客数がどれだけあるのか、それをしっかりと把握した上で、北の玄関口になる近江塩津駅のバリアフリー化をお願いしたいと思いますので、再度この点について知事にお伺いします。  それと、最後のJRとの工事の施工委託についてなんですが、これは私たちの勉強不足かもしれないんですが、工事費が普通の工事より約1.5倍ぐらいかかるんじゃないかなという認識をしているんです。県としても、今知事が言われたように、やっぱりもっとこれに関しては透明性、民間にお金をお渡しして工事をしていただいているんですから、それだけ本当に費用がかかるんですということを、委員会や県議会の場で透明性をもっともっと図るべきだと思うんですが、私の勉強不足かもしれません。ほかの議員さんはもっと理解をされているのかもしれませんけども、この2点について、知事に再問したいと思います。 ◎知事(三日月大造) まず、近江塩津駅につきましては、駅そのものの利用者数、これは手元の資料では令和元年度1日当たり414人ということの報告を受けておりますが、議員御指摘のとおり、北陸線と湖西線との乗換えのためのホーム間移動、こういったこともあろうかと思います。まずは利用実態について、長浜市にも当然御協力をいただき、鉄道事業者にも御協力をいただきながら、調査を行う必要があるのではないかと考えます。  また、JRへの施工委託費が高過ぎるんじゃないかということで御指摘をいただきました。先ほど答弁したとおりなんですけど、おっしゃったとおり、先ほど答えました、平成20年に結ばれた公共事業における鉄道委託工事を行う場合の透明性確保の徹底に関する申し合わせですね、この妥当性を確認しているという情報公開等を積極的に行っていくということは、我々まだまだしなければならないと思いますし、あわせて、やはり夜間の短い時間に非常に制限された状態で工事をなさるとか、また、安全運行に支障を来さないというための安全対策が必要だとか、そういったことなどなどを手当てするためのかかる費用ということも含めて、冒頭申し上げた、しっかりと説明をしていく、こういったことの努力を積み重ねてまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)続いて、山の健康維持に向けた滋賀県木材の利用促進についてお尋ねをいたします。  滋賀県の森林面積は約20万ヘクタール、滋賀県の約50%を占めています。県面積のおよそ6分の1は琵琶湖でございますので、陸地の60%以上が森林ということになります。知事もかねてより、山の健康を前面にお出しになり、山の維持継承を唱えていただいております。その意味から、山で木を育て、育てた木を伐採し、それを利用し、また植林する、この資源循環が森林を継承することにつながると考えています。また、知事が提唱された2025年までのCO2ゼロ宣言にもつながるということは言うまでもありません。  この循環には木材の利用は不可欠であり、国において、平成22年に公共建設物などによる木材の利用促進に関する法律が示され、公共建設物における木材の利用促進がなされ、また、直接的効果だけにとどまらず、公共建設物以外の住宅などの一般建築物に、木材の利用の促進への波及効果が期待できると定められております。  滋賀県において、公共建設物における滋賀県産木材の利用方針が定められ、多くの公共物や木の香る淡海の家推進事業など、推進をしている民間住宅にもびわ湖材が使われるようになりました。  しかしながら、建設物において、基本的にはJAS規格の木材使用が必要であり、滋賀県内でJAS工場がなく、県外で製品化された、私の言葉として、返りびわ湖材の利用をしなければならなくなっております。  また、滋賀県での製材用素材の需要と供給においても、供給量は少しずつ上昇をしているものの、需要量は年々減少を続けているのが現状であります。今後、県内の木材需要をどのように増加させていくかが今後の課題であると考え、知事ならびに琵琶湖環境部長にお尋ねをいたします。  1問目、我が会派の竹村議員、また海東議員の質問を踏まえた上で、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律に基づく利用方針では、低層階での建設物は原則として木造になっていますが、県が行う公共建設物における木材利用の促進をどのようにされているのか、知事にお伺いをいたします。  RC造と同程度の価格で木造建設もできると聞いていますが、今後、価格面での木造での公共建設物の建設についてどのように考えておられるのか、知事にお伺いをいたします。  今後の新たな木造建設政策について、どのようにお考えになっているのか、また知事にお伺いをいたします。  山の健康は山の維持継承であり、植林から伐採、木材の利用、また植林を行う資源循環が必要であり、そのために木材の利用をすることが、この循環を円滑に回していくことだと言われています。  そこで、木の香る淡海の家推進事業などに、民間事業者にもびわ湖材の需要拡大を図るべきと考えますが、琵琶湖環境部長にお聞きいたします。  何回か伐採現場にも入らせていただきましたが、C材と言われる価格が低い木材は、その場に集積されている現状を確認をいたしました。価格が安く、搬出経費等が見いだせずに放置をせざるを得ない現状との説明も受けましたが、災害において、このC材の存在は、台風の大雨や土砂崩れなど、多くの流木や土砂崩れの土砂復旧に大きな障害になるのではないかと考えます。流域治水に関する政策にも関連するのではないかと常任委員会でも質問をしていますが、今後、これらの伐採後の林地残材に対する考えを、琵琶湖環境部長にお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 私に頂いた3つの御質問のうち、まず1点目、公共建築物における木材利用の促進についてでございますが、本県では、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律に基づき、平成24年に公共建築物における滋賀県産木材の利用方針を定め、低層の公共建築物については原則として木造化を図ることとしております。  内装等につきましては、木材を利用することが適切である部分の木質化を促進するものとし、公共建築物の木造化および木質化を進めるに当たりましては、積極的に滋賀県産木材を活用することとしております。このため、庁内に滋賀県木材利用連絡会議を設け、関係部局が連携して、県の公共建築物における県産材の利用促進を図っているところです。  2点目、木造公共建築物の建築についてでございますが、中規模以上の建築物の場合、製材品に必要な品質や量の確保が困難となること、木造以外の工法と比べて価格が割高となることなどの課題があると承知しております。  このため、県産材の製材品の円滑な供給に向けて、製材品の流通を調整する人材の設置や、県内外の製材品の加工施設の連携などに取り組んでいるところです。  また、平成25年度に、一般に流通している規格材を活用して土木交通部で建築いたしました木造の2施設につきまして、RC造や鉄骨造で建築した場合の費用の比較を行いましたところ、木造はRC造や鉄骨造と同等であったとのことでございます。こうした事例を参考にして、木造化の推進に取り組み、県産材の利用促進を図りたいと考えております。  3点目、今後の新たな木造建設政策についてでございますが、公共建築物に木材を利用することは、林業、木材産業の活性化や森林の保全を図るとともに、炭素の固定を進め、“しがCO2ネットゼロ”への貢献につながり、ひいては持続可能な社会の構築にも寄与すると考えております。  このため、関係部局が連携して、それぞれの施設の構想の初期段階から、原則、低層建築物の木造化を図るためのチェック体制を導入するなど、木造化および内装の木質化の判断をしっかりと行っていく必要があると考えます。  こうした取組により、公共建築物の整備において、利用方針に基づき積極的に木造化、木質化に取り組み、木材利用を図ってまいりたいと考えております。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) (登壇)私に頂きました2点の質問のうち、まず、1点目の民間事業者へのびわ湖材の需要拡大についてでございますが、本県の令和元年における木造住宅の着工戸数は5,700戸余で、その木造率は66%となっており、平成初期と比較すれば着工戸数は減少傾向にありますが、木造率に関しては上昇しており、木材にとって住宅分野は依然として大きな需要先であると考えております。  こうした中で、木の香る淡海の家推進事業では、住宅等の新設、木質化改修に補助を行っており、本年度からは木塀の設置も補助対象とするなど、住宅分野でのびわ湖材の需要拡大を図っているところでございます。  あわせて、民間非住宅につきましても、びわ湖材利用促進事業により、社会福祉法人等が実施する保育園、共同作業所や観光船乗り場などの民間施設の木造化、内装木質化等にも補助を実施しております。  木材の利用は、快適で健康的な室内環境等の形成の寄与のみならず、琵琶湖の水源である森林の保全や地球温暖化の防止などの森林の持つ多面的機能の持続的な発揮や、地域経済の活性化に貢献するものと考えており、民間の住宅、非住宅分野において木造化や木質化等を進め、びわ湖材の利用を促進してまいりたいと存じます。  2点目の伐採後の林地残材についてでありますが、本県の森林資源が人工林を中心に利用期を迎え充実する中、この資源を活用し、林業、木材産業の活性化を図るとともに、森林を適切に整備、保全することが必要と認識しております。  近年、主な施業となっております間伐は、切捨てによる保育間伐から材を搬出する利用間伐へと移行しており、森林資源の有効活用につながっております。  利用間伐の実施に当たり、木材の販売価格に対して搬出コストが高くなる低質材や根株などが林内に据え置かれ、林地残材となる場合がございます。  一方で、再生可能エネルギーである木質バイオマスへの期待は高まっており、木質バイオマスの地産地消を進めるために、こうした林地残材について、搬出への助成や搬出コスト低減の検討に取り組みたいと存じます。  こうした取組を進めることが林内に存置された林地残材の利用拡大にもつながり、ひいては災害リスクを低減させるものと考えております。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)ありがとうございました。知事、木材の利用で、やっぱり木造建築という部分が県としても僕は目指していただきたいという思いで、この質問をさせていただきました。  先ほど、代表的な建物と言われて知事から御紹介いただいたのが、多分、2013年という、知事就任前の建物なんですが、彦根東高校の特別教室、それと琵琶湖市民の森の森づくりセンターというのが木造で、私もこれ、建築から見学を2会場させていただいていました。  すばらしい施設、しかも県の職員さんがしっかりと設計から携わって、なかなか構造材は滋賀県でない中で、一般材、細い材料を使ってでもしっかりと建設をされたという、すばらしい僕も建物だと思っているんですが、これが当初、この利用促進に向かう県の方針を立ててすぐの事業だったと思うんです。それからもう10年たって、これももう7年以上前になるんですかね。県が木造建築と胸を張って、今も知事の答弁の中にもこれ入ってなかったので、僕、何か出していただけるのかなと思っていたんですが、やっぱり出てきていないという現状。もう少しやっぱり木造という部分に対しても、県が中心となって取り組まなければならないと思っています。  答弁調整の最中も、この森林政策課、また流通推進室、住宅課、建築課さんともしゃべっていたんですが、私の質問を、こっちが答えるん、いやこっちが答えるんや、誰が答えるんかという部分でも争いをされているぐらいで、この木造建築に関して、やっぱりしっかりとどこかのところが中心となってリーダーになる必要があると思います。  知事も、初期からの連携、連携という言葉を2回使っていただきました。県民が、やっぱり木造はいい、木の温かみ感じられるというような、滋賀県がまずはそういう建物を建ててこそ、今後、いろんな部分にも波及するんじゃないか。  各市町においても、国体の会場、私も委員としても回らせていただきました。形だけ木質化をしている会場もありました。市によっては積極的に、ああすばらしいなという建物を建てられた会場もあります。県全体としても、やっぱり県が中心となるべきだと思いますので、その点について、もう一度、知事に再問をさせていただきます。 ◎知事(三日月大造) 結論から言えば、先ほど答弁させていただいたとおり、さらにこれから建てる、建て替える公共建築物等に木材、とりわけ県産材活用をよりできるように、庁内でしっかり体制をつくっていきたいというふうに思っております。  私の答弁協議のときにも、どっちが答えるんやという顔をされていた様子もございましたので、そうなんだなあという事情は私も共有させていただいております。  ただ、議員も御承知のとおり、どうしても規格材を使用できない木造建築物の場合は建築費用が高額になってしまうと、RC造や鉄骨造に比べて。こういうことをどう考えるのかという視点ですとか、一般的に木造建築物は耐用年数が短いので、トータルコストで考えると割高になってしまう傾向というものをどう考えるのか。また、費用面の課題のほかにも、建築基準法ですとか消防法に基づく制限というものをどう考えるのか。気密性や耐久性、耐震動性ですね。例えば信楽の窯業試験場なんかも随分検討はしているみたいなんですけど、大型のものをいろんな熱を使ってやるということに対する耐性をどう考えるのかといったようなこともあるようでございまして、必ずしも木造建築物では達成できない性能も求められる場合などもあるようでございますので、なかなかその場合は木造以外の構造を選択せざるを得ないこともあるということでございます。  ただ、いずれにいたしましても、すいません、くどくなって、できるだけ早い段階から、やっぱりふさわしい建物ってあると思うんです、この木造なり木質化が。そういう建物については、より県産材が使えるというような仕組み、これを庁内の体制面でもしっかりと補強できるように、改善を図ってまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)知事も駄目な部分のお話もいただきました。学校建築の場合には、当然、耐火性という部分がかなり必要になります。各市町でも幼稚園がかなり木造で造られましたけど、そのときにもそういう部分は議論をされた中で木造をという部分、私も立会いもさせていただきました。高島や米原、長浜、甲賀のほうでも、かなり木造の幼稚園が建ってきているのが現状であります。  今回、10月30日には一般の方に見ていただいたそうです。議員の林活連でも見させていただいた林業会館という建物が今現在建築中であります。実は、それを建てられた方は元県の職員さんで、彦根東やびわこ地球市民の森に7年前に携わった方が、やっぱり木造を頑張らなあかんということで民間で建てられたのがこの林業会館でありまして、構造材、滋賀県になかなかない構造材を使わずに、市販されている木で、表現的には悪いかもしれない、細い木で屋根辺りもしっかりとした構造を造られた建物、そして長もちするというのも。平米単価が22万円という話もお聞きしていましたし、非常に金額的にも私はすばらしいことだと思います。この構造建築された方も、大分の県立体育館、今度は宮崎の県立体育館も受注されたと聞いております。  滋賀県にも、そういうすばらしい方も一時は県の職員にもおられました。ちょっとなかなか、今、滋賀県の職員さんの中には、木造をという部分が私は少し欠けている部分があろうかと思います。県の職員になかったら、外注へ出されても、当然そういう仕事をしていただける方たくさんおられると思いますし、今後、この木造への力をしっかりと知事としても発揮をしていただきたいと思います。  今、この知事の答弁を受けて、琵琶湖環境部長に再々問をしたいんですが、4番目の民間事業者への需要拡大を図るべきだということ、県の今の知事の方針を見ながら、どのように民間への需要拡大を図るべきなのか。  今、住宅のほうにも、木の香る淡海の家推進事業などにも推進をしていただいていますが、現実上は、予算の中に予算が余ってしまって、何とか使えるとこがないものかということで、毎年毎年、一緒の工務店さんにもう一度お願いをしているというのが現状だと思ってます。もう少しこの県の方針を得て民間へも広がるというような考えを、琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えします。  民間への木材の需要を広げるということは非常に重要と思っております。それで、木の香る淡海の家推進事業につきましても、徐々にこの対象の範囲を広げる工夫をしてきているところでございますが、今後も、1つには、この制度をよくPRしてしっかりと知っていただくということと、より効率的に効果的にこの木材を使っていただけるように、その対象施設についても引き続きいろいろ検討していきたいと思っております。
    ◆3番(柴田清行議員) (登壇)今後よろしくお願いしたいと思いますし、国の大きな木造、木質化と言いますと、国立競技場とか、JRでいえば新しく出来た高輪ゲートウェイ駅、非常に木質化がされています。県庁では、昨年グッドデザイン賞を取られた長崎県庁、あまり木材を使われているとは思ってないんですが、非常に木を外に表した建築様式をされておられました。どのように木を生かすか、そしてそれを県民に訴えるかというのがこれからの重要性だと思っていますので、また県の政策をよろしくお願いして、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、3番柴田清行議員の質問を終了いたします。  次に、22番周防清二議員の発言を許します。 ◆22番(周防清二議員) (登壇、拍手)久し振りの登壇でございます。お昼も近づきましたので、急いでまいりたいと思います。  通告に従い、まず、集落営農、集落営農法人の将来像についてを伺ってまいります。  かつて、個別農業から転作の麦栽培を集落全体で取り組み、また、米、大豆においては機械の共同利用や作業受託が行われるなど、集落単位で力を合わせて集落営農が営まれてまいりました。しかしながら、米価下落による収益悪化により耕作意欲が減退し始め、少子化や若者の都市流出による後継者不足も懸念されるようになりました。  平成14年12月、米政策改革大綱で、集落営農のうち一定の要件を満たすものを集落型経営体として、認定農業者と並ぶ担い手として位置づけられたこともあり、集落営農は協業を作物全体に拡大されたり、また圃場を大規模化する動きとともに、利用権設定や各種補助金の活用の面からも、将来の地域農業の担い手として、集落営農組織を法人化する動きが始まりました。  そして、平成25年、農地中間管理事業の推進に関する法律に基づき、担い手への農地集積、集約化を推進されたことによって、一気に集落営農法人の設立が進みました。  しかしながら、設立された集落営農法人は定年を迎えた方々が中心的役割を担っている法人が多く、先日開催された集落営農法人との懇談において、最も深刻かつ重要と感じたのは、集落営農自体の後継者不足、人の問題でありました。  そこで、本県の現状を、農政水産部長に一問一答で質問させていただきます。  まずは、本県の集落営農組織数、集落営農法人数はどれだけか、確認させていただきます。 ○議長(細江正人) 22番周防清二議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎農政水産部長(西川忠雄) (登壇)お答えいたします。  国の集落営農実態調査によりますと、令和2年2月1日現在で、本県の集落営農組織数は733、集落営農法人数は356でございます。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。その中で、後継者不足から経営が厳しい集落営農法人があると聞くんですけども、これまでに解散したような例はあるんでしょうか、お伺いします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  令和2年11月の段階で、解散した集落営農法人はございません。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ないということです。多くの法人は何とか頑張っていただいているんだろうなというふうに、経営していただいているんだろうなと思うわけですけど、多少やっぱり法人ごとに違うとは思うんですが、人の問題というのは深刻な課題としていろんな、私どもこういった懇談会で聞かされているように、県や市も相談されていると思います。法人経営に関して、県に昨年度の相談件数はどれほどあったのか、お伺いします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  地域ごとの各農業農村振興事務所が集落営農法人からの御相談を受け、市町や農協などの関係機関と連携して支援に当たっているところでございます。昨年度、集落営農法人からの人材の確保、育成をはじめ、経営の複合化、6次化、スマート農業の導入等に関する個別相談、あるいは依頼を受けた研修といったものを合わせた相談件数は、合計で268件でございました。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。その268件の相談件数の中で、集落営農の後継者に関する相談件数というのはどれぐらいあるのか、お伺いします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  役員やオペレーター不足など人材の確保、育成といった後継者に関する個別相談、あるいは依頼を受けた研修を合わせて210件でございまして、先ほどお答えした相談268件のうちの8割近くを占めております。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)やっぱりそういった8割の法人がそうした相談をしている。非常に大変な現状があるということをまた認識させていただきました。  集落営農法人に農地集積をすることによって利用権設定をするわけですけど、その預けた農家は非農家になるわけですね。そういったことがあって農業への関心が、非農家になった後、やっぱり関心が薄れつつあります。また、そうでなくとも、若者は通勤や生活の利便性を求めて都市部へ移り住むことがあります。そういったことで農業から離れていくことが、集落営農法人の後継者不足に拍車をかけているものだと思うわけであります。  集落営農法人自体は役員に外部の人を登用することができて、農家の後継者でなくても、構成員、従業員の中から意欲ある有能な後継者を確保することが制度上は可能ではありますが、実質上、集落営農の延長線上にあり、集落の人々のつながりの中で運営しているのが実情と言えるわけであります。  ですので、まずは集落にいる後継者が、若者が集落に居ついて、集落営農組織、法人組織に関わって作業に参加すること、そして経営感覚を持ったリーダーに育てていく、育ってもらうことが必要であるのですが、こういったことに関して県の支援策はあるのか、お尋ねいたします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  昨年度、東近江農業農村振興事務所が、次世代の人材を確保できている法人を対象に調査を実施をいたしました。その中では、次世代のために効率的な農業を行えるように、それらの法人では圃場整備や機械整備を進めますとともに、集落の住民の方々と積極的な交流を図られているということが明らかになりました。  こうしたことを受けまして、県では、各農業農村振興事務所でもって、若手参画へのアンケート調査であったり、あるいは集落営農に関する理解の促進、コミュニケーションの充実などについて、相談や助言を行っているところでございます。その上で、経営感覚を持ったリーダーの確保、育成に向けて、若手の参画から始め、組織内で計画的に育成していくためのリーダー研修会などを実施をしているところでございます。  今後につきましては、さらに、コロナ禍を踏まえた例えば半農半X、あるいはUターンといった多様な人材の確保、育成に向けた支援も行ってまいりたいと存じます。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。何とかそういった形で残ってくれるといいんですが、一旦集落から出た若者が集落に戻って、リーダーとなるべく集落営農組織で農業に専念しようとする、そういったことに対する動機づけをするためには、やっぱり農業である程度の収入が得られることが大事だと思います。そのための一時的支援として、農業法人が49歳未満の就農希望者を正雇用すると、国の農の雇用事業の対象となり、最長2年間、年120万円の支援を受ける制度がございます。  滋賀県ではコロナ対策の一環として、さきの6月定例会議で農の雇用事業に相当する事業を創設し、対象を50歳から65歳未満とされましたが、実績はどうであったのか、お尋ねします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  6月補正で予算を頂戴しました、しがの農業緊急雇用促進事業でございます。7つの農業法人、これはいずれも個別経営でございますけれども、7つの農業法人で50歳代の方それぞれ1名、合計7名が雇用されてございます。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)210件ほどの相談がある中で、実際どの程度の人の充足がなされたのかというのはちょっと気にはなりますが、これは一旦農業から離れた法人構成員の後継者が帰ってくるときですね、それで就農するというケースにも対象になっていたのか、お伺いします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  本事業の対象者でございますが、雇用保険の加入を条件にしてございます。したがいまして、法人がそうした後継者を対象に雇用保険に加入できる状況であれば、対象となるというふうに考えております。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)コロナ禍によって、これをみぎりに退職して、故郷に帰ろうという方々を動機づけするには大変有効な制度だと思うんです。ですので、しがの農業緊急雇用促進事業でございますが、緊急を取っていただきたいと思います。ぜひとも次年度以降も継続していただくよう要望しておきたいと思います。  また、リモートワークが広がって、住む場所を選ばなくなったことで故郷に帰ってくるという、農業を手伝おうという若者もいると思うんですけども、こういった若者を動機づける誘因策も併せて考えていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。  一方で、滋賀県でも新規就農者は毎年100名ほどおられるということで、30代が8割ほど占めているということでございますが、その多くは自営かあるいは大規模農業法人への就職とのことであります。帰ってくる後継者がいなければ、集落営農法人も集落外部からの新規就農者を集落営農組織に迎え入れて、リーダーに育てるということも考えていかねばなりません。新規就農者が集落営農法人に雇用された事例があれば、そこでの課題は何であったのか、お伺いします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  まだ事例は少のうございますが、近年では、栗東市や彦根市などの集落営農法人で新規就農者を雇用されてございます。  集落外の新規就農者が地域の営農活動に参画をし、定着していくということにつきましては、もちろん技術の習得はもとよりでございますが、いかに集落になじんでいけるかということが一番大きな課題であると考えてございます。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)そうですね。先ほども申しましたように、人のつながりの中で集落営農というのは営まれておりますので、そこに新たに入っていただくとすると、どうしてもやっぱり人のつながりが大事になろうかと思います。なじんでいただくことが本当に大事かと思いますんで、そういったことも含めて、集落営農法人と新規就農者をマッチングしていただくような仕組みがあるのかどうかをお伺いします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  公益財団法人滋賀県農林漁業担い手育成基金というところで、就農相談事業を実施しております。この中で、就職就農を希望する方を人材を求める集落営農を含む農業法人に紹介する、そういった仕組みを設けているところでございます。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ぜひともその事業をしっかりと集落営農法人に伝えていただいて、少しでも後継者がつながるように何とかしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  一方で、今度は集落営農法人自体の経営体質にちょっと目を向けていきたいと思うんですけど、知事は、力強い農林水産業の確立に向けて、本県農業を支える担い手が高い収益性を確保し、持続的に農業を展開できるよう、多様な担い手の確保、育成と経営体質の強化を図っていくと、このように述べられているわけでありますが、集落営農法人が若者を正雇用するためには、安定した高い収益を上げていなければ難しいことかと思います。  そのためには、経営体質の強化が必然であるわけでありますが、私は、経営体質を強化するためには法人の経営者を育てる必要があるかと思うんですが、いかに所見ございますか、よろしくお願いします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  まさに御指摘のとおりであるというふうに思っております。経営体質の強化に向けましては、人材の確保、育成、資金調達、経営資源の適切な配分、PDCAサイクル等による経営改善であったりということの経営感覚に優れた役員、言い換えますと経営者の存在が欠かせないと思っております。  しかしながら、集落営農法人の中には、役員の成り手がなく、高齢化、固定化している事例も多いと承知しておりまして、若手の参画促進と計画的な経営者の育成が急務と考えているところでございます。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)役員の成り手がないというところで、現状の高齢者の方々に経営感覚を磨いてもらわなければ、なかなかここは難しいところかと思いますが、今のお話のとおり、成り手がない状態であるのと、耕作面積が小さいところというのは、やっぱりなかなか新しい冒険というのはしづらいところがあろうかと思うんです。  そこで、経営感覚を磨いていただくための、なかなか難しいかもしれませんけど、やっぱりアドバイスをしていただかないといけないと思うんですが、先進的集落営農法人の運営者や中小企業診断士などをアドバイザーとして派遣して、集落営農法人の経営を支援する仕組みがあると聞くのですけども、その実施状況をお伺いします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  平成30年度に滋賀県農業再生協議会に設置された、しがの農業経営相談所を通じまして、農業法人等の経営課題の解決に向けて、中小企業診断士などの専門家や先進的な集落営農法人の運営者などを派遣しているところでございます。初年度である平成30年度には4法人、昨年度は18法人に対して個別相談対応を実施してきたところでございます。  集落営農法人数に対しまして相談件数がまだまだ少ない状況にありますことから、今後さらに、しがの農業経営相談所の活用を周知を図ってまいりますとともに、相談体制を強化して、集落営農法人の経営課題の解決を支援してまいりたいというふうに考えております。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)18法人、昨年ですか。18法人しか回り切れんかったということになるんでしょうかね、これは。人が足らないから回り切れなかったというのか、そのつながりなんですか。相談する方がさっき200件あるという中で18件にとどまっている理由というのを、もう一度、再問させていただきます。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  昨年は18件、その前の年は4件。最初の年は始まったばっかりということもありまして、そういうことだと思いますが、昨年度も、回り切れなかったといいますよりも、相談をいただく件数がそれにとどまったということであるというふうに思っておりまして、相談といいますか、アドバイザーの派遣を希望されるところがその数であったということであると理解をしておりまして、より一層この仕組みの周知等を図ってまいる必要があるというふうに認識をしております。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)分かりました。ぜひとも、このアドバイザー制度をしっかりと活用していただいて、農業生産法人自体の経営力を上げていただくように、ぜひともよろしくお願い申し上げます。  現在、滋賀県農業・水産業基本計画が見直しに入られていると思いますが、滋賀県農業・水産業基本計画の中で、現状の後継者で悩む集落営農法人をどのように捉えて計画に盛り込もうとされているのか、お伺いいたします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  後継者の確保に悩む集落営農法人が多いということを受けまして、農業に関わる人の裾野を広げる視点、今回の検討中の次期基本計画では、この農業に関わる人の裾野を広げるということを基本的な視点に置いております。この視点から、集落内の若手だけではなく、コロナ禍を踏まえてUターンをされる方、半農半Xといったものも含めた、多様な人材を活用した営農活動の支援について盛り込みたいというふうに考えております。  また、複数の集落営農に範囲を広げた営農活動の取組を進めますとともに、個別経営との連携なども積極的に進めますことで、集落営農の後継者問題の解決につなげてまいりたいというふうに考えております。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。全ての集落営農組織が自力で成功できることが一番いいんでしょうけど、今もお話あったように、複数の集落営農をまとめていくというような考えがあるということですね。なかなか価格競争力のある作物でなければ、独自で成功できるというのは非常に難しいんではないかなと思うんですけど、今、先ほども申しましたように、小さい集落営農法人ではやっぱり難しいものがあるかと思います。  いずれにしても、集落営農というのはやっぱり本県農業の特徴であり、これまで地域農業を支えてきたわけでございますし、将来にわたって集落営農を維持していかねばならないと考えるわけでありますけども、本県の集落営農の将来像をどのように考えて支援していくのか、伺いたいと思います。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  集落の皆さんが一緒になって、農地などの地域資源を守りつつ、農業生産で安定的に利益を上げている、その中で集落営農組織、集落営農法人がその中心的な役割を果たしているということ、そして、集落の皆さんにとっては、その組織、法人が魅力的な仕事口でもある、そういったような将来像を描きたいなというふうに考えているところでございます。  このため、集落での話合いをやはり基本としながら、経営体質の強化を図ってまいりますために、マーケットインを強く意識した生産への誘導や経営の複合化、多角化などを推進してまいりたいと存じます。加えて、先ほどお答えをいたしました集落営農組織間、あるいは個別経営との連携も促進をしてまいりたいと存じます。  こうした取組を進めるに当たりましては、県をはじめ、市町、農協、農業委員会などで構成する市町ごとの戦略推進会議、こういう組織をこしらえておりまして、ここでの議論を中心に支援をしてまいることによって、将来像の実現を目指してまいりたいと存じます。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございました。魅力的な集落営農になるように、ぜひともよろしくお願いいたしたいと思います。  今日の今回の質問は、若者がいなくなったら、単に農業の話だけではないと思うんですね。自治会の運営あるいは神社仏閣が維持できないなんていうようなことも出てくる。そういったことを懸念されることに対しての、大げさではありますけど、日本の誇る惣村文化の衰退につながっていくんではないかということに対する懸念からの質問でありました。ぜひとも若者が集落に残っていけるよう、県としても御尽力いただければということをお願いして、次に移ります。  近江に根ざした「聖徳太子」の文化の活用と近江鉄道線についてでございます。  日本の古代国家に大きな功績がある聖徳太子に関する歴史文化遺産は滋賀県が全国で最も多く、その中でも東近江地域が最も濃密に聖徳太子に縁起を持つ寺院や神社が多いとのことであります。その歴史文化遺産を資源として、その価値を発信し、観光振興はもとより、他所に誇れる地域づくりに寄与することを目的に、聖徳太子1400年悠久の近江魅力再発見委員会が、東近江市、近江八幡市、日野町、竜王町の2市2町と、聖徳太子ゆかりの11社寺、商工会議所、商工会、観光協会に、滋賀県観光振興局も参加して結成され、活動を開始されました。  令和元年6月に、万葉のゆかりの地を観光にということで私も一般質問させていただきましたけども、令和4年には、聖徳太子薨去──亡くなられたことです、薨去といいますが──1,400年を迎えようとしていることから、滋賀県として伝えるべき文化を守り、滋賀県民の誇りの醸成と滋賀県の観光に、改めて聖徳太子もキーワードに活用すべきではないかと考えております。近江に根差した聖徳太子文化の活用について、県はどのように関わろうとされているのか。以下、一問一答で、商工観光労働部長にお伺いさせていただきます。 ◎商工観光労働部長(森中高史) (登壇)お答えいたします。  本県には、観音正寺や瓦屋寺、石馬寺など、東近江地域を中心に聖徳太子ゆかりの寺院や伝承などが多く残されており、議員御紹介のとおり、その数は全国一と言われております。聖徳太子の薨去から1,400年の節目を迎える再来年に向けて、聖徳太子1400年悠久の近江魅力発見委員会が発足し、聖徳太子の文化と物語を地域資源さらには観光資源としても磨き上げながら、持続可能な観光振興と地域の活性化が目指されていることは、大変すばらしいことと考えております。  聖徳太子ゆかりの地は、この委員会に参画している市町以外にも多数存在することから、県もこの委員会に参画し、地域の取組を支援しつつ、聖徳太子の文化を活用した県全体の観光振興につなげていけるよう、役割を果たしてまいりたいと存じます。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)この秋ですけども、東近江市観光協会が主催した歴史探訪ツアーがございまして、定員の倍の申込みがあったそうでございます。歴史文化遺産を探訪するという観光は、底堅い根強い人気があるんではないかなと、こういったことで思わせていただきました。コロナ禍ということもあるでしょうし、国内旅行が見直されているという中でございますが、歴史文化遺産にあふれた滋賀県の観光振興、今も滋賀県全体の観光振興に取り組んでいくというお話でありましたが、ツアーのキャンペーンテーマとして、聖徳太子というのは有効に活用できるんじゃないかなと思います。  一方で、こっちからブームを仕掛けていくことも大事かなと思うんですね。「麒麟がくる」、大河ドラマも放送されて、明智光秀も滋賀県に大変縁があるわけですけども、もっとメディアを動かせるようなアプローチをされてはいかがかなと思います。今、大人気の「鬼滅の刃」に関しましても、アニメ化によるメディアミックス戦力が功を奏したと言われております。  例えばですけども、本県と関わりのある全国的に人気のある人物、聖徳太子みたいな人物をテーマに、大河ドラマをこっちから誘致するとかですね。昨日も重田議員からもありましたけど、「ここ滋賀」の例えば壁面全体に、ばーんとラッピングするとか、メディアが飛びつくようなアイデアを実施されては、こっちからそういう形でブームを仕掛けたらどうかなと思うんですけど。  こういった形で、歴史文化遺産にあふれた滋賀県の観光振興をどのように進めていこうとされているのか、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(森中高史) お答えいたします。  本県は、戦国はもちろん、聖徳太子ゆかりの地のほかにも、議員から昨年御提案いただいた、万葉から壬申の乱、源平合戦、幕末維新に至るまで、数々の歴史の舞台となり、数多くの歴史文化遺産を有しております。  現在は、戦国にまつわる各地域の歴史文化遺産を戦国絵巻として取りまとめた観光キャンペーン「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」を展開しておりますが、続く取組として、万葉、平安から戦国を経て幕末維新まで、より広い時代の文化遺産を歴史絵巻として描き出し、大河ドラマの誘致も視野に、歴史文化遺産にあふれた滋賀ならではの観光振興につなげてまいりたいと存じます。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。ぜひとも精いっぱい頑張っていただきたいと思います。  ちょっと話を次に移らせていただきますが、東近江地域が最も濃密に聖徳太子に縁起を持つ寺院が多いということを今も申しましたが、観光には東近江地域の公共交通が欠かせないものであります。乗継ぎの連携やキャッシュレス決済の導入など、その利便性は利用促進や観光客誘致に大きく影響するものと思います。  その幹線交通である近江鉄道は、今、令和元年11月5日に設置された近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会──法定協議会でございますが──において、県および沿線5市5町と近江鉄道株式会社、利用者代表や学識経験者などの委員により具体的な議論が活発に交わされ、3月25日には第2回法定協議会において、近江鉄道線を全線存続するとして意見の一致を見ました。  12月17日に開催される第5回の協議会では、近江鉄道線の存続形態や自治体の財政負担など、将来の在り方に関する重要な事項を議論されると仄聞しておりました。が、12月4日、存続形態の方針が新聞で報じられてしまいました。先に新聞が報じるのはいかがなものかとは思いますが、ここではその議論ではなく、近江鉄道が存続していくために重要な利用促進策を議論したいと思います。  私の地元である東近江市では、市単独予算で通学定期券利用者への地域商品券による補助や、法定協議会の支援を得て、ワンコイン500円で全線1日乗り放題の特別切符を発行するなど、独自の利用促進策を展開されております。  観光面での利用促進は景気やブームに大きく左右されるとは思いますが、先ほど申しましたように、歴史文化遺産探訪への人気は根強いものがあると思いますし、東近江地域が聖徳太子に縁起を持つ寺社が多いことから、ツアーのテーマとして有効に活用することで利用促進が図れるものと思います。  例えば、Go To トラベルのような割引券をキャンペーンに付与することで、そういった形で利用促進が図れるんではないかと思うわけですけども、今、協議会の分科会では利用促進策の検討がされているということを聞いておりますが、その取組状況や次年度以降の取組予定を土木交通部長にお伺いいたします。 ◎土木交通部長(吉田秀範) (登壇)お答えいたします。  分科会は、県、沿線市町、近江鉄道株式会社の若手職員をメンバーとして、子育て、中高生、観光、サイクリングという4つのテーマを設け、新たな利用促進のアイデアについて検討を行っているところでございます。  これまでに、メンバー間での意見交換や乗車中の利用者へのインタビューを実施するとともに、この12日には沿線住民等とのワークショップを開催する予定であり、住民、利用者等の幅広いニーズを反映した利用促進策となるよう努めているところでございます。  また、その試験的な取組といたしまして、今年度中に沿線観光地のPR電車の運行、高校生との協働による沿線スポットを紹介するパンフレットの作成、サイクルトレインを活用した観光地スタンプラリーなどを行うこととしております。  次年度以降につきましては、今年度の取組結果をしっかりと分析、評価した上で本格実施へつなげるとともに、今年度に法定協議会で実施し、大変好評であったワンコイン事業については、沿線地域の見どころの紹介や観光イベント等と連携することで、より効果的な取組となるよう検討してまいります。 ◆22番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。若手の職員による新しい提案をぜひとも今後とも続けて、取り込んでいただきたいなと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
     時間もあれですので、最後に、知事にお伺いしたいと思います。  聖徳太子の文化の活用に対する所見と、今回、法定協議会で将来の近江鉄道線の在り方に関する重要なテーマに取り組まれるわけですけれども、その意気込みについてお伺いして、終わりたいと思います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  御紹介いただきましたように、東近江地域で、薨去されてから1,400年を再来年に迎えられる聖徳太子の文化ですとか、物語といった地域の宝を改めて再評価、再発見し、観光振興や地域づくりにつなげていこうとされる取組は、コロナ禍において、県が目指す新しいツーリズムの創出にもつながるものであると考えます。東近江市長に会うたびに、この聖徳太子のお話を聞かせていただいておりまして、私自身も少し勉強せにゃならんなと思っているところでございます。  県といたしましても、本県とのゆかりが深いこの聖徳太子の魅力を広く発信するため、県内市町や観光協会、社寺などと連携いたしまして、イベントの開催など様々な地域の歴史文化資源を活用する取組を進めてまいりたいと存じます。  また、近江鉄道線に関する次回の法定協議会におきましては、存続形態および自治体の財政負担が議題とされるところでございますが、議員御指摘のとおり、これらは将来の近江鉄道線の在り方を大きく左右する重要なテーマであり、議論を次の段階に進めるためには、その合意形成をまず図ることが必要不可欠であると認識しております。  このため、法定協議会の会長として、委員の皆様には、県東部地域、さらには滋賀県全体の将来を見据えながら活発な御議論をいただき、持続可能な形で近江鉄道線が維持され、沿線地域の活性化に資する地域公共交通計画が策定できるよう、様々な御意見をしっかりと取りまとめていきたいと考えているところでございます。よろしく御指導、お力添えのほど、お願いいたします。 ◆22番(周防清二議員) 終わります。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、22番周防清二議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時22分 休憩    ────────────────   午後1時30分 開議 ○副議長(富田博明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、39番江畑弥八郎議員の発言を許します。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇、拍手)それでは、午後1番、よろしくお願いをいたします。  今回は、人事管理の質問を2点させていただきます。1つは、公的部門の非正規労働者、具体的には会計年度任用職員、2つ目は、ハラスメント対策についてであります。双方の項目はさきの人事委員会報告に触れられている内容でございまして、特に職場環境関係の報告は的を射た内容となっております。人事委員会の皆さんの御努力に敬意を表したいと、このように思います。  午前中、今江議員が触れられた一節を、時間がないということではしょりましたので、私はこれから少し朗読させていただきます。  知事は、今後の滋賀県の方向性の中で、「今とこれまでを止観し、謙虚に自省することから始めたい。グローバル化経済への過信や市場効率主義への偏重、東京への一極集中から、国の感染症対策の不完全性、人材や資機材不足など医療保健システムの欠陥など、コロナ危機は皮肉にも私たちの社会の問題点を顕在化させることに貢献している。明治維新以降つくってきた近代の仕組みやシステムの制度疲労に直面している。私たちは、卒近代──近代からの卒業を滋賀から志向する」と、2年目の折り返しを迎えての考え方を公表されました。まさにコロナ禍で浮き彫りになったと思っております。その知事の思いと同じ視点に立って、以下、質問をさせていただきます。  公務員と聞いて、どんなイメージを持たれますでしょうか。私も以前は国家公務員をしておりましたが、安定して働き続けられる、生活には十分な収入、そんなイメージが浮かぶ人もいるかもしれません。しかし、来年の仕事があるか分からない、バイトをしないと食べていけない、そんな公務員がいると聞いたらどうでしょう。半年や1年などの契約を更新しながら働く自治体の非常勤職員や臨時職員は、専門家などの間では非正規公務員と呼ばれております。今回は、県庁で働く、いわゆる会計年度任用職員について掘り下げていきたいと考えております。  まずは、会計年度任用職員の制度の概要と、知事部局の職員数、全職員数の割合も含めて、総務部長に伺います。  この会計年度任用職員制度に対しては、専門家や労働組合からは、新たな制度も形骸化するのではないかといった懸念や、賃金面などでは依然として正規職員と非正規職員の間に差が残されたままだという批判、さらには、雇用が不安定な状況は何も変わっていないとも指摘をされております。  また、財政措置も、総額を変更しない中で制度変更というところもあるようであります。新しい制度が本来の目的である非正規公務員が置かれた状況の改善につながるためには、多くの課題が残されているように感じています。  そこで、制度導入前の財政的な変化と正規職員との処遇面での違いについて、総務部長にお伺いします。  次に、専門職の会計年度任用職員についてお伺いします。まさに知事が言われているコロナ禍によって浮き彫りになった最たるものだと考えております。  まずは児童相談所の関係です。子供を虐待から守るその現場でも、近年、相次いで起きております、幼い子供への虐待事件。児童相談所の対応に遅れがあったと指摘されるケースもありました。こうした子供たちの命と向き合う現場でも、非正規公務員が担う役割が大きくなっております。同一労働同一賃金の原則に立って、県の児童相談所の主な会計年度任用職員の勤続年数および労働環境、責任の重さ、月々の手取り収入等の正規職員との比較について、総務部長にお伺いいたします。  次に、相談業務全般についてお伺いします。  県が委託しているところでありますが、以前、都道府県ごとに設置されている性暴力被害者の相談や治療を担うワンストップ支援センターへの相談件数の増加と相談体制の課題について、マスコミや議場でも問題となりました。その際の大きな課題が専門職の処遇改善でありました。少しは改善されたようでありますけれども、いまだ抜本的な解決はされていないと仄聞しております。  そこで、県の主な会計年度任用職員での相談業務の概要と今後の課題について、総務部長にお伺いします。  次に、感染症対策を担う保健所の抜本的拡充は急務であります。会計年度任用職員の区分ごとの人数について、総務部長にお伺いします。  先日の会派代表質問で、知事は、「今回の新型コロナウイルス感染症への対応と課題を踏まえ、今後も起こり得る感染症対策を十分に対応できる体制となっているのかなども含め、業務の質と量を改めて考慮し、必要な体制を整えていきたい」と答弁されました。もちろん、正規の保健師の増員と受け止めておりますけれども、具体的な内容について、知事の所見を伺います。  いずれにしても、自治体の財政難、そして肥大化する行政サービス、そのはざまに置かれているのが非正規公務員、会計年度任用職員です。  本年の人事委員会の職員の給与に関する報告の中でも、意欲を持って働ける勤務環境の実現に関する職員アンケートの中で、会計年度任用職員の効果は、係長位でありますけれども、40%が「効果を感じていない」とされています。その理由についてはさらに聞き取りをする必要があると考えますが、そもそも会計年度任用職員の制度の在り方が問題であると考えております。とりわけ、専門職の在り方は急務課題だと考えます。今後の会計年度任用職員の在り方についての知事の考え方をお伺いし、これの最後の質問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。 ○副議長(富田博明) 39番江畑弥八郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)会計年度任用職員について7点御質問いただきましたが、私には2点賜りました。  1点目、保健所の体制整備についてでございますが、新型コロナウイルス感染症に対するこれまでの経験を踏まえ、県民の生命と健康を最前線で守る保健所の体制について、改めて検討を行っていかなければならないと考えております。特にその人員について、業務の質と量を十分考慮し、必要な効率化もしながら、議員御指摘の正規の保健師の増員も含め、必要な体制を整えていきたいと考えています。  2点目、今後の専門職の会計年度任用職員の在り方についてでございますが、会計年度任用職員の皆さんは、常勤職員と同様、本県行政の重要な担い手であり、責任を持って業務に取り組んでいただいていると認識しています。  給与水準や休暇制度などの勤務条件につきましては、国の非常勤職員との均衡や民間の同種の職種なども参考にするとされていることから、これらも十分に踏まえながら、引き続き、適切なものになるよう意を用いてまいりたいと存じます。 ◎総務部長(江島宏治) (登壇)7点の御質問のうち、私に頂きました5点の御質問にお答えいたします。  まず1点目、会計年度任用職員の制度概要および知事部局の職員数、割合についてですが、会計年度任用職員制度は、地方公務員法などの改正により、地方行政の重要な担い手でございました臨時・非常勤職員の適正な任用、勤務条件を確保するために、今年度から導入されたものであります。  具体的には、会計年度任用職員とは、一会計年度を超えない範囲内で置かれる一般職の非常勤の職であり、その採用に当たっては、客観的な能力検証が必要とされております。また、その給与については、従事する職務の内容や責任の程度、地域の実情等を踏まえ、適切に決定することとされております。  本県では制度の導入に当たりまして、各職の必要性や業務の内容を十分検討した上で、職務の内容や責任の程度に応じた3つの区分を設けまして、それぞれに報酬の上限額を設定いたしました。  また、知事部局の会計年度任用職員数についてですが、令和2年4月1日現在で776人で、令和2年度の知事部局の職員定数3,200人を合わせました3,976人に占める会計年度任用職員の割合は、19.5%程度となっております。  2点目、制度導入に伴う財政的な変化および処遇についてですが、会計年度任用職員には期末手当を支給することとされたことから、令和2年度当初予算において制度導入前の前年度と比べると、知事部局では約2億6,000万円増額となっております。  それぞれの会計年度任用職員の給与の改定に当たりましては、常勤職員との均衡を図るため、常勤職員と同じ給料表を適用し、経験年数を考慮した上で、上限の範囲内で報酬を決定しております。この結果、会計年度任用職員制度導入前の非常勤嘱託員などで任用されていたときの報酬と異なる場合はあると認識しておりますが、職務給の原則や均衡の原則に照らして、適切な制度であると考えております。  また、任用期間が一会計年度に限られる有期雇用であることから、扶養手当や住居手当など一部の手当が支給対象でないことや、休暇制度においても、常勤職員とは一部異なる制度となっているところであります。  3点目、児童相談所における会計年度任用職員の勤務年数、労働環境についてですが、昨年度までの非常勤嘱託員等としての勤務期間は、児童指導に従事していただいた方で平均約2年、相談・判定業務に従事していただいた方で約5年となっております。  また、各子ども家庭相談センターにおいて、会計年度任用職員の方には、例えば児童指導や相談・判定業務などの専門的な職務に従事いただいております。  同じ職階の常勤職員と収入を比較しますと、児童指導に当たっている職員で平均して月に約8万円、相談・判定業務に従事している職員で平均して月に約7万円、常勤職員が会計年度任用職員を上回っております。これは、会計年度任用職員は担うべき業務の質や量を勘案して非常勤の職としていることから、勤務時間数が短く、職務の級の格付も異なっていることが影響しているものであります。  4点目、会計年度任用職員の相談業務の概要と今後の課題についてですが、相談業務の内容としては、消費生活センターにおいては消費生活相談業務、子ども・青少年局においては、子供や親の不安、悩みに関する電話相談業務など、県民生活に密接に関わる様々な相談業務に従事いただいているところです。  また、御質問にありました処遇改善につきましては、制度導入に当たり、各職の必要性や業務の内容を改めて検討し、新たに設置される職の職務内容および責任の程度、国の非常勤職員の制度などを考慮して、報酬や休暇制度などの勤務条件を整理したものであります。  ただし、先ほどの知事の答弁にありましたように、会計年度任用職員の勤務条件につきましては、国の非常勤職員との均衡や民間の同種の職種も参考とすることとされていることから、他府県の状況等を見ながら、引き続き適切なものとなるよう対応してまいりたいと考えております。  5点目、保健所の会計年度任用職員の区分ごとの人数についてですが、令和2年12月1日現在において、保健所全体では、特に資格、免許を必要としない職務を担う会計年度任用職員を11人、今般の新型コロナウイルス対応も含め、保健師免許などの資格、免許を必要とする職務を担う会計年度任用職員を32人、合わせて43人の会計年度任用職員を任用しているところであります。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)有期雇用ということでありますので、確かに違いはあると思いますが、今、同一労働同一賃金ということで、もう一度しっかりと検証していただきたいなと。特に、今もちょっと回答していただきましたが、専門職の皆さんのところですね。ここは知事が振り返ってのところでも言われておりますが、特にこのコロナ禍で、かなり問題が浮き彫りになったのかなと、このように思ってます。  児童相談センターも保健所も含めてですけれども、大変重要な勤務をされております。そんな中で、今も保健所では43名という方が、この会計年度任用職員として働いていただいております。ぜひ、早急に専門職の方へのところについて、しっかりともう一度検証していただいて、最後の解決策というのは、やっぱり非常勤から正規雇用というところが、基本的に今の国の制度から考えるとそこしかないのかなと、このように思っておりますが、その辺の特に専門職の正規雇用への考え方について、もう一度、知事に考え方をお伺いしたいと、このように思います。 ◎知事(三日月大造) 議員も御案内のとおり、雇用期間の定めのない常勤の職員数については、これまでから、その業務の質と量の両面を十分考慮した適正な管理に努めてきています。また、現在は会計年度任用職員が担う業務について、行政ニーズの変化等により、常勤の職員が担うこともあると認識しております。  つきましては、今後も、お取り上げいただいた専門的なお仕事を担っていらっしゃる方々も含めて、固定的に考えることなく、適切に判断をし、必要な改革等を行ってまいりたいと存じます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)特に専門職の方のお話なんかを聞くと、やっぱり、同じ仕事をしていてなぜこれだけ違うのかと。この任用制度については、まだこれ半年ぐらいしかたっておりませんけれども、基本的には非正規公務員という位置づけで思われておりますので、やっぱりそこは最終的には正規への転用ということも、もう一度しっかりと真剣に考えていただきたいなと、このように思っています。  当然、定数管理等のいろんな課題は現実的にはあるかと、このように思いますけれども、ぜひ、国に横並びということではなしに、やっぱり知事が言われたように、コロナ禍での出てきた課題、それらをしっかりとやっぱり発信していただいて、積極的な見直しをよろしくお願いしたいと、このように思います。  次の質問に移らさせていただきます。  それでは、ハラスメント対策について、一問一答でお伺いをいたします。  この12月は、厚生労働省の職場のハラスメント撲滅月間であります。そこで、ハラスメントには、セクシュアルハラスメント、セカンドハラスメント、パワーハラスメント、もろもろ。最近ではアウティングという、性別自認とか性的指向の暴露などの問題もありますが、多くの種類がございます。  そこで、今回は、組織や職場におけるパワーハラスメントについて取り上げさせていただきます。  パワハラ防止法の正式名称は、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律であります。労働施策総合推進法とも呼ばれております。これまで、職場のパワーハラスメントについては法律上の規制はありませんでした。その防止を目的とした法規制を行うべきという議論が高まりまして、今回の規定が生まれたということでございます。  その背景には、これまで勇気を持って告発された被害者の皆さん、そして残された御家族の皆さんの行動が、この立法につながったものと考えております。財務省に関わる森友問題での赤木さんの奥さんの行動は、まさにそのような勇気ある行動ではないかと、このように受け止めているところでございます。  新設されたパワハラ防止規定の内容は、事業主にして、パワハラ防止のための雇用管理上必要な措置を講ずべき義務を課すものや、労働者がパワハラに関する相談等を行ったことを理由として、解雇等の不利益な扱いをしてはならないというものでございます。  令和元年度の全国の労働局などに寄せられたパワハラなどの嫌がらせ、いじめに関する相談件数は8万7,570件、滋賀県では1,000件を超える相談が寄せられているようでございます。この数字は過去最多を更新中で、特に7年連続、相談件数のパワハラがトップを占めております。  近年、パワハラによって離職を余儀なくされるケースが相次いでいます。しかし、問題はそれだけではなく、パワハラを受けたことによって鬱病になったり、ひどい場合には、強いストレスから、時間がたってもいらいらしてパニック症状が出たり、PTSDを発症し、その後、長く苦しめられるというケースもございます。表に出ているのはまさに氷山の一角ではないかなと、このように考えているところでございます。  そこで、人事委員会委員長にお聞きをいたします。  滋賀県人事委員会が、職員の給与等に関する報告を今月報告されました。その中での職員アンケート、意欲を持って働ける勤務環境の実現に関する職員アンケートの目的をお聞きをいたします。 ◎人事委員会委員長(桂賢) (登壇)お答えいたします。  本委員会では、毎年、給与等に関する報告・勧告の実施に併せまして人事行政上の課題についても提言を行っており、報告の基礎資料とすることを目的として、職員アンケートを実施しております。  本年の職員アンケートでは、職員が意欲を持って働ける勤務環境の実現を通じて、より質の高い行政サービスの提供を目指していくことが重要であると考え、職場におけるハラスメントや仕事に対する意欲、姿勢など、例年より幅広いテーマを設定して実施したところであります。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)次に、職員アンケートのパワーハラスメントをはじめとするハラスメント関係についての調査結果について、続けて人事委員会の委員長にお聞きをいたします。 ◎人事委員会委員長(桂賢) お答えします。  職員アンケートにおけるハラスメントに関する設問でございますが、「過去3年以内に県の職場でハラスメントを受けたと感じる」と回答した職員の割合は、全体で24.1%となっております。  なお、被害を受けたハラスメントの類型では、パワーハラスメントが19.9%、セクシュアルハラスメントが3.0%、妊娠、出産、育児または介護に関するハラスメントが1.5%、その他のハラスメントが3.1%となっております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)ありがとうございます。  人事委員長にお聞きをいたします。  この結果を受けて、どのような印象を持たれましたか、お伺いいたします。 ◎人事委員会委員長(桂賢) お答えします。  ハラスメントは、被害を受けた職員の人格や尊厳を害するだけでなく、職場全体の勤務環境にも影響を及ぼす重大な問題であります。今般のハラスメント行為を受けたと感じる職員が2割を超えているという結果を重く受け止め、的確な対応を図る必要があると考えております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)ありがとうございます。  最後に、人事委員会委員長にお聞きをいたします。  例年、職場環境に関する調査結果について、それぞれ報告をされています。その結果が職場環境改善にどう生かされているのか、お伺いをしたいと、このように思います。よろしくお願いいたします。 ◎人事委員会委員長(桂賢) お答えします。  本委員会では、これまでの報告で、働き方改革の推進や女性職員の活躍推進などに言及してまいりましたが、各任命権者において数値目標を定め、その達成に向けて取り組まれているなど、一定の成果が現れているものと承知しております。  本年の報告で言及しましたハラスメント対策につきましても、全職員がハラスメントを許さないという共通認識を持って、組織風土の変革を進めるとともに、被害者の目線に立った再発防止の取組が行われることを期待しております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)桂委員長、ありがとうございました。私もこの結果の数値を見まして、大変驚いたわけでございます。そのことが今回の質問につながっておりますけれども、24%、そしてパワハラが19.9、約20%ということでございます。  ちなみに、自治労県職のほうでもアンケートをされたようでございます。その内容については、「ハラスメントを受けた、見たことがあるか」の問いに29%、ハラスメントの種類は50%以上がパワーハラスメントになっていたと、こういうことをお聞きをいたしました。そんな状況を受けて、次に、総務部長にお聞きをいたします。  令和2年6月から企業に義務づけられたパワーハラスメント防止措置の趣旨についてお聞きをいたします。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  本年6月1日から、事業の主たる地方公共団体の各任命権者には、パワーハラスメントの防止のための措置として、1つに、事業主の方針等の明確化およびその周知、啓発、2つに、相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備、3つに、職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応が義務づけられたところであります。  また、これらの措置と併せて、相談者、行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じることや、相談したこと等を理由として解雇その他不利益な取扱いをされない旨を定めること等も義務づけられたところであります。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)次に、今現在の休職者の状況について、総務部長にお聞きをいたします。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  12月1日時点の知事部局における休職者は15人であり、全て精神疾患によるものであります。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)先ほどの人事委員会のアンケートの結果とか自治労県職の結果、そして今、休職者の15名ということで、全てがメンタル関係ということでの休職者となっています。大変この結果についても驚いておりまして、どうも私は、ハラスメントと休業者のところに何か因果関係があるのかなと、こんな思いもいたしているところでございます。  それでは、これまで、ハラスメントに係る実態調査を県として実施されたことがあるでしょうか。総務部長に伺います。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。
     これまで、ハラスメントに絞った実態調査につきましては実施しておりませんが、昨年度、知事部局で働き方改革に関するアンケートを実施しております。その中で、ハラスメントだと思う行為を受けていると感じているかについてお尋ねしました。この結果では、「行為を受けていると感じる」との回答は2.5%、「まあ感じる」との回答は6.2%でございました。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)今、総務部長から、ハラスメントに絞った中身ではなしに、多分、人事考査も含めて、人事異動の希望も含めて様々な幅広い調査だと、このように把握しておりますけれども、8.7%というのは、先ほどの人事委員会の調査結果、そして組合の方の調査結果を含めて、そして今の休職者が全てメンタルということを総合的に考えたときに、どうも低いんではないかと、このように思わずにいられません。調査方法に問題はなかったのか、不十分な点がなかったのか、総務部長に改めてお伺いいたします。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  人事委員会の調査、過去3年間でということで調査が行われたとお聞きしています。私どもの調査は、今現在ハラスメントを受けていると感じているかという、若干その辺の違いがあることが原因の一面あるんかなと思いますが、いずれにしても高い数字であることについては変わりませんので、真剣に受け止めたいと思っております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)確かに人事委員会のやつは過去3年ということですが、自治労県職のほうはそうじゃないので。そういうことも考えると、経過年数を含めて、やっぱり今の職場にハラスメント、パワハラの問題があるんだということは、ここはしっかりと受け止めてもらわないかんなと、このように思いますが。  それでは、それに対応する対策として、何か相談体制を取っておられるということですが、相談体制の内容について総務部長にお伺いいたします。 ◎総務部長(江島宏治) 県では、パワハラであるとかセクハラ、ハラスメントに対する相談窓口を設けております。外部の窓口を設けております。その中で相談を受け付けておりますが、令和元年度──昨年度の相談件数は10件でありました。それで、その前、過去3か年の相談件数も引き続き申し上げますと、28年度が8件、29年度が5件、30年度が8件、それで昨年度が10件という状況でございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)OBの方に来ていただいて何か相談体制をされているようですが、その実績含めて大変少ないなと、このように思います。  それでは、相談結果を受けて、例えば改善した事例というのがあれば、ちょっとお伺いしたいと思います。総務部長でお願いします。 ◎総務部長(江島宏治) 今、質問にありましたように、県のOBが相談員、あるいは、そのほかの窓口ではそれぞれの役職の者が対応していますが、年度内にやはりたくさんの相談を受け付けております。実際、それによって、メンタルで休まれた方が復帰するに際してもアドバイスを与えるということをしておりまして、年間一定の相談があり、一定のメンタルで休まれる方がいらっしゃいますが、そういった方々、相談を受け付けたことによって復帰がスムーズになるとか、新たな職場、こういう仕事やったらできるよといったことが相談できて、職場復帰のときの参考になっているというふうにお聞きしております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)改善した事例というのはあるということですが、多分そんな多くはないと思います。  先ほど来の調査結果を踏まえると、一定の改善はあったかもしれませんが、基本的にはやっぱり対策としては相談だけでは駄目だと、このように思っておりまして、何らかやっぱり力を持っている方への、してはならないという抑制効果、いわゆる罰則とか処分をしっかりと厳しい措置をするということが必要かなと、このように思いますが、罰則、処分等の関係について、総務部長にお伺いいたします。 ◎総務部長(江島宏治) 近年のパワハラによる処分というんですか、懲戒処分を行っておりまして、平成30年度に1件、今年度に1件、合計2件のパワーハラスメントによる懲戒処分を行っております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)いずれにしましても、表に出ている件数は本当に少ないと、このように思います。  私がちょっとお聞きしたところ、その罰則というのか、パワーハラスメントの防止等に関する指針というのを当局のほうでつくられているようですが、その中で、パワーハラスメントが生じた場合における措置ということで、パワーハラスメントを行った職員については必要な措置を講ずると、こういう抽象的な表現になっております。  翻って、人事院、国の人事院でありますけども、懲戒処分の指針というのが出ておりまして、その中に、特にパワーハラスメントの項目については、「相手に著しい精神的又は身体的な苦痛を与えた職員は、停職、減給又は戒告とする。パワーハラスメントを繰り返した職員は、停職又は減給とする。相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患をさせた職員は、免職、停職又は減給とする」と。このように明確に規定をされておりますが、県として、この人事院の規定と、そして、今県が示されている指針についての相違について、総務部長、どう思われますでしょうか、お伺いいたします。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  国の指針等には、今、議員取り上げていただきましたように、停職または減給という、こういう規定が入っております。私どもの指針にはそこは入っておりませんが、我々、処分をする、検討するに当たりましては、そういう国の指針等を参考にしながら、あるいはほかの県の状況などを参考しながら決めているというところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)いずれにしましても、パワーバランスといいますか、力を持っている側に対しての抑制効果という意味からすると、しっかりとそれは国のように罰則規定を明示する必要があるなと、このように思っているところでございます。  確かに実績などを聞きますと、戒告処分の実績もあるようでありますけども、やっぱりそこは明確にするということが大変大事かなと、このように思います。ぜひ、そこは総務部長としてももう一度お考えを願いたいなと、このように思います。  次に、知事にお聞きします。  今年度の人事委員会のアンケート結果、特にパワーハラスメントについてをどう受け止めておられますか、お伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来お取り上げいただき、お答えがありましたように、人事委員会が実施したアンケートにおいて、過去3年以内に24.1%の職員が「ハラスメントを受けたことがある」と回答しており、これは大変高い数値であり、重く受け止めているところです。  このほか、「被害あり」と回答した職員の48.4%が、「職場における組織としての対応が不十分」と回答しており、また、ハラスメントの予防や解決に向け、人事評価手法の見直しやハラスメントを許さない職場風土への変革といった取組が望まれているものと認識しております。  これらのアンケート結果を真摯に受け止め、今後の対策にしっかりと生かしていく必要があるものと、改めて認識した次第でございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)本当に重く受け止めていただきたいと、このように思いますが、それでは、知事、パワーハラスメント撲滅に向けての今後の対応についての具体的な対応についてお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 平成30年度以降、ハラスメント事案が相次いで発生いたしましたことを踏まえ、平成31年4月にハラスメントゼロ宣言を行い、ハラスメントの防止や発生後の対応を充実させるため、幹部職員研修やハラスメント対応マニュアルを作成し、また周知しているところです。  また、今年度は、法改正を受けてハラスメント防止等に関する指針を改定するとともに、その中で、ハラスメントに関する相談窓口を明瞭化し、改めて周知したところでございます。  今回の人事委員会アンケートの結果を踏まえ、人事評価の側面から、ハラスメント防止に資する項目の追加の検討や多面観察制度の試行、また、全職員に対する統一テーマ職場研修の実施、係長を対象としたコンプライアンス(ハラスメント)研修の実施などを予定しているところでございます。  さらに、現在、働き方・人材育成等に関する職員アンケートを実施中でございまして、その中で、ハラスメントに関する項目を設け、どのような関係性の中で発生しているのか、行為を受けた場合に相談できているか、相談等ができていない場合は、その理由などについて踏み込んで調査しており、結果を分析して、今後の対策に反映をしてまいる所存でございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)今現在も何か実施をされているようですが、例えば、総務部長が答えられた調査も含めてですけども、どうも所属長を通じて人事課のほうに上がっていくと。こういうことで、例えばその所属長が一つの原因であったとしたら、全くそういうことは書きにくいと思いますし、そこはやっぱり人事課にストレートに行くような仕組み、そういうことも必要かなと、このように思います。  今やっておられるアンケートの中身はちょっと承知しておりませんが、奈良県なんかでは職場環境の調査について、明確にパワーハラスメントの項目をつくって、そして、それが直接人事課のほうに行きます。そして、必要がある場合は所属長のところに相談を持ちかけて解決をしていくと、こういう仕組みになっていますので、県としては恐らくそこは所属長を通してだと、このように思いますが、ちょっともう一度、じゃ、確認をします。総務部長に、ちょっとそこを確認いたします。 ◎総務部長(江島宏治) お答えいたします。  基本的に、その職場のことですから、管理職たる所属長、もしくはその下の参事が把握することが多いですが、相談窓口を持っていますので、そこから人事課等に上がってくるケースもありますので、全てが所属長じゃなくて、そういう複線的なラインで相談を受けているというところであります。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)当然、相談窓口は相談に行ったということで別のルートでしょうけど、要は、実態がどうなのかという把握が一番大切だと思いますので、そこが、上司に遠慮してなかなか本当のことが言えないと、こういうような仕組みではいかんと思います。  奈良県では、まさに仕組みとして直接人事課に行く、メールで配信するという仕組みを取っておられて、一定の効果があるということも私ども聞いております。ぜひそこはそういう形に直していただきたいな、このように要望しておきたいと、このように思います。  そして、先ほど知事が、今後の対策の中で多面評価の試行ということを言われました。私もちょっと質問の中でそれを聞こうと思っておるんですが、まさに多面評価、いわゆる部下が上司を評価をする、そして上司が部下を評価する。多面的な評価ということで、もう民間のほうではやっぱり3割ぐらいが導入をされておりますし、財務省も中間報告の中でも多面評価を導入するという考え方が出されております。知事が答弁された試行ということですが、具体的にどういうことで、いつ頃されるのか。少し具体的な内容をお聞きしたいと思いますが、知事でよろしいですか。よろしくお願いいたします。 ◎知事(三日月大造) これ、人事委員会が行われたアンケートの自由記述の欄を見ていますと、先ほどはアンケートの項目の回答比率だったんですけれども、性別による偏見や女性軽視に基づく発言の存在を指摘する意見も見受けられたという指摘がありますし、こういったハラスメント等が発生する背景や原因にもなり得る固定的な性別役割分担意識ですとか、無意識の思い込みの解消に向けた取組を一層推進する必要があると、こういうことも指摘されているところでございます。  今お取り上げいただいた多面評価につきましては、これは上司に自らのマネジメント能力について気づきの機会を与え、意識改革によるマネジメント能力の向上を図ること等を目的に、国や一部の自治体で導入されているということでございます。ハラスメントの抑止という点では、多面観察から部下からの観察の結果を受けて、上司自身が部下に対する振る舞いや言動を振り返り、見直す契機になるものと考えます。  本県でも、昨年度、若手職員によるタスクフォースからの提言を踏まえ、今年度から多面観察の導入の可否も含めて検討することとしております。  一方で、聞いていますと、人気投票になる側面があるということですとか、匿名性の確保などといった課題も指摘されており、今後試行を行いながら、実施対象、また評価方法などについて、丁寧に検討を進めているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)ぜひ、この多面評価については、僕は本当にこのパワーハラスメントの物すごい大きな対策効果がある仕組みかなと、このように思っています。  ただ、今、知事言われたようないろんな課題もあると思いますので、できるだけ早く仕組みを構築していただいて実施をしていただきたいと、こういうふうに思っているところでございます。かなりほかのところも広がっておりますので、そういう事例を見ていただければ最善の策がつくられるのかなと、このように思いますので、よろしくお願いしたいと、このように思います。  それで、滋賀県で一番権限があるのはどなたかというと、やっぱり知事だろうと、このように思います。知事は県民からの負託を受けられております。知事の権限は強大でありますが、権限を持たれている知事として、日頃、このハラスメント、特にパワーハラスメント等に関する日頃心がけておられる内容等あれば、決意とともにお伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ◎知事(三日月大造) 心がけている内容とともに決意ということでございますが、知事という職を頂いておりますが、まだまだ若輩未熟ですし、何より人間でございますので、至らぬ点もたくさんあると思っております。したがって、知事という大権を謙虚に行使するということに努めているところでございます。  また、職場におけるハラスメント、今はちょうど人権週間でございますが、これは被害者個人の人権というものを侵害するものでございますし、働く権利というものを侵害するものでございます。結果的にその能力の発揮を阻害してしまい、その言動により職員の勤労意欲を減退させるばかりか、職場の秩序や雰囲気を乱し、県政の効率的な運営に重大な影響を及ぼすもの、結果、県民の皆様方へのサービスを低下させてしまうものであり、決して許されるものではないと考えております。  あらゆるハラスメントがなく、職員一人一人が自分らしく能力を発揮し仕事ができることで、職場の士気や生産性が高まり、県民サービスの向上につながるよう、私も含め幹部職員が率先垂範しながら、県庁を挙げてハラスメント撲滅に向けて取り組んでまいりたいと存じます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)ぜひよろしくお願いしたいと、このように思います。  先ほど冒頭言いましたように、表に出ているのは本当に氷山の一角だと、このように思います。みんなも大体、職場の人も含めて、多分パワハラだろうなということの事案も恐らく耳にされたこともあると思います。ただ、分かっていても、なかなかそこに表に出せないと、こんな実情も現実としてはあろうかなと、このように思います。  私もこの間、相談を受けた人の中で、仕事を与えない、そんなハラスメントを受けられて、結局、民間会社でしたけれども離職されたという例もあります。  そして、最近ですけども、元県の外郭団体で働いていた方が職場の人間関係を機に、もう20数年前ですけども退職をされて、それを機にひきこもりになられて、まさに自己否定の状態になられて、最近、生きる気力がないということで亡くなられたケースもあります。  いずれにしましても、こういうハラスメント、パワーハラスメントについては、1つ間違えば、当然、私自身もあるし皆さんもあると思いますが、大変な人生の大きな影響を与えます。先ほど、休職者の方がほとんどメンタルで17名休業中ということも含めて、やっぱりもう一度、県として重く受け止めていただいて、ぜひ、ハラスメント撲滅に向けて最大限の努力をお願いをいたしまして、私の質問を終えたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(富田博明) 以上で、39番江畑弥八郎議員の質問を終了いたします。  次に、25番竹村健議員の発言を許します。 ◆25番(竹村健議員) (登壇、拍手)それでは、一問一答方式にて、2問伺ってまいりたいと思います。  まず、工業用水道事業についてをお伺いをいたします。  工業用水道は、産業活動に必要な基盤的インフラの一つであり、豊富で低廉かつ安定的な工業用水を供給することで地域振興、地域経済の活性化に大きく寄与しており、まさに日本の産業発展を支えてきたと言っても過言ではありません。  ほとんどの都道府県において、工業用水道事業が行われており、本県においても彦根と南部の2事業が運営をされておりますが、まず、滋賀県工業用水道事業の概要について、企業庁長に伺います。 ○副議長(富田博明) 25番竹村健議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎企業庁長(河瀬隆雄) (登壇)お答えいたします。  彦根工業用水道事業は昭和46年から給水を行っておりまして、彦根市および多賀町を給水区域としております。南部工業用水道事業は、昭和43年から給水を開始をいたしました湖南工業用水道事業を昭和54年に統合をいたしまして、現在の給水区域は、草津市、守山市、栗東市、野洲市、湖南市、甲賀市および竜王町の6市1町となっております。  令和2年12月1日現在で、彦根工業用水道事業は14の事業所に、南部工業用水道事業は44の事業所に、工業用水を供給をしております。  彦根工業用水道事業は昭和58年度以降、それから、南部工業用水道事業は平成8年度以降、黒字基調の経営を続けているところでございます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)ちなみに、彦根と南部の水の特徴がそれぞれ違うと聞いたんですけれども、もし御紹介できるようでしたら、よろしくお願いします。企業庁長に伺います。 ◎企業庁長(河瀬隆雄) お答えいたします。  南部工業用水道事業のほうは、一定濁度を浄化をいたしまして供給をさせていただいておりますが、彦根工業用水道事業は、いわゆる琵琶湖から取水をいたしまして、原水をそのまま供給をいたしておるという違いがございます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)ありがとうございます。  本県においては彦根と南部、2つの工業用水道事業が運営されていると御紹介いただきました。それぞれの市町別受水企業数を企業庁長に伺います。 ◎企業庁長(河瀬隆雄) お答えいたします。  彦根工業用水道事業の企業数、事業所数でございますが、彦根市6、多賀町8の合計14事業所でございます。南部工業用水道事業の事業所数は、湖南市26、甲賀市6、野洲市5、栗東市3、守山市2、竜王町2の合計44事業所でございます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)湖南市が突出して多いというようなことかなと。これは先ほど冒頭に御紹介いただきましたように、もともとの当初の背景が起因しているのかなというふうに思います。  滋賀県工業用水道条例では、水を供給するための管、いわゆる配水管ですね、この設置は申込者に負担をさせることができるとなっておりますけれども、過去、何社が負担したのか、企業庁長に伺います。 ◎企業庁長(河瀬隆雄) お答えをいたします。  議員御指摘の滋賀県工業用水道条例第8条の2の規定は、事業創設当初に予定をされました配水施設等がおおむね整った時期を一つの区切りといたしまして、その後に新規参入される受水企業の配水管設置に要する費用負担の在り方を定めるため、昭和54年に条項を追加したものでございます。  この条例改正以降は、新規受水等に伴う配水管の設置費用につきましては、既設管路に近接をして立地しているなど初期費用が不要な場合を除きまして、受水企業に負担をいただいているところでございます。こうした事業所数は、彦根工業用水道事業では3事業所、南部工業用水道事業では12事業所でございます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)彦根の事業所では3事業所、それから南部では12事業所が、この条例に基づいて負担をしているということですけれども、ちなみに、最も負担をしている企業と最も負担の少なかった企業の金額、もしお分かりでしたら御紹介をしていただけませんでしょうか。企業庁長に伺います。 ◎企業庁長(河瀬隆雄) お答えをいたします。  最も負担をされた企業さんの金額でございますが、約3億3,000万円、それから、一番小さな金額ということでまいりますと、約10万円程度ということになります。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)かなりの差があるということですね。この配水管がどの位置に、自分とこの会社から近いかによって、かなり金額の差が出てくるのかなというふうな気がいたしております。  今御紹介いただいた企業以外は、県が費用負担をして配水管を引いたと理解をしてよいか、企業庁長に伺います。 ◎企業庁長(河瀬隆雄) お答えをいたします。  公営企業は、事業に要する経費は税金ではなく、原則、受益者の料金収入で賄うという独立採算制によりまして運営をすると、こういうことになってございます。  そうした中で、先ほど申し上げました条例改正前のいわゆる事業創設時における配水管を含めた建設事業につきましては、企業庁の調達資金でございます企業債のほか、国の補助金および県の一般会計からの出資金、それらに加えまして、彦根工業用水道事業では、受水企業および彦根市からの負担金などを合わせて、整備のための財源としたものでございます。  したがいまして、配水管の設置費用だけを切り分けて申し上げることは難しいわけですが、彦根では当初に受水企業からの負担金という形で、また、彦根、南部両事業とも、企業債による借入れ分につきましては後年度に料金で回収をいたしているということでございますので、原則的には受益者である受水企業さんに御負担をいただいたというふうに理解をしております。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)かなりの歴史があるこの工業用水道事業で、変遷があって、いろんな負担のケースがあるのかなあというような気がいたしました。  先ほど、工業用水道条例のお話をさせていただきました。配水管の設置は申込者に負担させることができると書いていますが、じゃ、負担させないケースはどのようなケースがあるのでしょうか。再度、企業庁長に伺います。 ◎企業庁長(河瀬隆雄) 実例としてございますけれども、いわゆる既設の配管のところに、企業さんが退かれてその跡地に入られるといったようなケース、それから、事業創設時におきましても、昭和54年4月1日というところが一つの区切りにはなってございますが、いわゆるその当時におきまして、既に工事の計画はできておりましたけれども、完成がしていないと、こういうケースがございますので、そういったところを含めまして、できる規定というようなことに整理がされたというふうに理解をしております。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)とはいうものの、負担させることができるということは、負担させないケースもあるというふうに今の条例では読めます。例えば、大きい企業さんが、それこそ莫大な例えば投資効果をこの県内に下ろしてくださるような企業が例えば滋賀県に来たいと。その場合に、工業用水が欲しい言ったときに、ぜひこれは滋賀県で設置をするから、ぜひとも来てくださいと、こういうようなケースは、こういうような配水管の設置を申込者に負担させることができるというふうになっている。この逆ですね。負担させないというような見方も私はできるんではないかなと思いますが、企業庁長に伺います。 ◎企業庁長(河瀬隆雄) お答えをいたします。  いわゆる新規受水に伴います初期投資費用、これと、どれだけその企業さんが契約をいただけるか、基本水量ということになりますが、それから得る給水収益、こことのいわゆる損益分岐といいますかバランス、そこをどう見極めていくかということは大変重要な要素であるというふうに考えます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)そのような中、滋賀県公営企業決算審査意見書が9月に提出をされました。工業用水道の新規需要拡大について言及されておりますが、どのような意見であったのか。要旨について、代表監査委員に伺います。 ◎代表監査委員(藤本武司) (登壇)お答えをいたします。  企業の水需要につきましては、リサイクル水の利用など水利用の効率化や節水意識の高まりによりまして減少傾向となっておりますことから、今後、工業用水道事業を持続的、安定的に経営するためには、新規需要開拓等による収益の確保が重要であります。  こうしたことから、令和元年度滋賀県公営企業決算審査意見書におきましては、今後は、より一層、既存受水企業の水需要の動向把握に努めるとともに、商工観光労働部や土地開発公社と連携しながら、既設管路周辺の企業や竜王工業団地の進出企業を訪問するなど、新規需要開拓に注力されるよう求めたところであります。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)冒頭にも触れましたように、工業用水は産業発展に必要なインフラであることは言うまでもありません。本県においては、本年度から名称も新たに企業立地推進室が設けられていますし、かねてから第2次産業の比率の高い本県にとっては、企業の工場立地をさらに促すためにも、工業用水は必要なツールと考えます。企業誘致、企業立地の推進役である商工観光労働部長の工業用水に対する認識を伺います。 ◎商工観光労働部長(森中高史) (登壇)お答えいたします。  これまでから、特に化学、食品、電子部品などの製造業の企業様から、新規立地の検討に当たり、工業用水の利用が可能かどうかについてお問合せがございます。こうした業種の企業におかれましては、立地場所を選定する際に、本社や他の自社工場との近接性などのほか、工業用水の確保についても重要な要素の一つとされているものと認識しております。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)そのような中、次期滋賀県企業庁経営戦略なるものが令和3年からスタートをいたします。新規需要の拡大について積極的な姿勢をしっかりと示していくべきと考えますけれども、企業庁長に伺います。 ◎企業庁長(河瀬隆雄) お答えいたします。  工業用水道事業の新規事業を拡大することは、地域の産業振興や雇用創出への貢献はもちろん、工業用水道事業の経営の安定化につながるものと認識をしており、企業庁では平成28年度から新規受水に対する優遇制度を創設いたしまして、新規需要拡大の取組を進めてきたところでございます。
     現在策定を進めております滋賀県企業庁経営戦略におきましても、庁内に新規受水企業開拓チームを設置をし、新規受水企業向け優遇制度の拡充を図るとともに、県の産業立地推進部局や市町との連携を図っていくことを位置づけておりまして、今後、一層の需要拡大に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)今も市町との連携ということをおっしゃっていただきましたが、管路が目の前に通っていれば別でありますけれども、例えば、給水区域外の市町に工業進出に意欲的な企業が工業用水の受水を市町に相談され、市町から供給を求められた場合、どのようにされるのか、企業庁長に伺います。 ◎企業庁長(河瀬隆雄) お答えいたします。  現在の給水区域以外の市町から工業用水の供給、これの要請があった場合には、県の産業振興施策との整合も図りながら、独立採算制の下、給水収益、浄水施設や配水管等の初期投資費用、さらには維持管理費用等を勘案をいたしまして、事業として成り立ち、健全な経営が維持できるか、採算性も含めまして、経営上の観点から検討を行うことになるというふうに考えております。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)例えば長浜市でありますとか高島市、大津市、それから近江八幡、東近江等々、この工業用水が通ってない市はたくさんあるわけでありまして、今も御紹介いただきましたけれども、否定的ではないというか、いろんな採算性とかいうことを勘案して、必要であればやっていくというような私は答弁というふうに理解をいたしました。  現在、水源は全て琵琶湖から取水をしておられます。状況によっては河川などから取水することも視野に入れていくべきと考えますけれども、企業庁長に伺います。 ◎企業庁長(河瀬隆雄) お答えいたします。  工業用水の取水につきましては、河川と比較をし水量、水質ともに安定をしております琵琶湖から取水をすることが望ましいものと考えております。状況によりまして河川から取水をする場合には、新たに河川管理者からの水利権の許可、これを得る必要がございます。さらに取水施設や浄水施設、それから送水施設等、新たに整備をしていく必要があると、こんなふうに考えております。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)滋賀県は琵琶湖という豊富な水がある一方で、川もたくさんこれありますので、その辺も、いろんなものの比較になってこようかと思うんですが、選択肢に入ってくるのかなというふうに思います。  また、農業用水の一部を工業用水に転用した例が利根川等でもあると聞いておりますが、そのような選択肢もあってしかるべきと考えますけれども、企業庁長に伺います。 ◎企業庁長(河瀬隆雄) お答えいたします。  水利権に基づく水利用につきましては、目的以外の流水の占用を行うことはできないというふうにされております。このため、農業用水として許可された取水量の一部を工業用水として用いるためには、転用すべき取水量について農業用水の減量処分を行い、その分について、工業用水として新たに許可を受けることが必要になってまいります。  具体の事案が生じた場合には、関係機関と協議をいたしまして、その可能性について検討することになるというふうに考えております。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)可能だと。いろんなハードルはあるけれども、可能だというようなことかというふうに思います。  コロナ禍にありまして、海外展開をしていた企業が、サプライチェーンの再構築で国内回帰が顕在化しております。本県においてもそのような動きがあることは、企業立地に携わっていらっしゃいます皆さんはキャッチをしていただいているはずです。  また一方で、そのような企業は、どこの都道府県が一番よい条件を出してくれるのかということも、併せてこれは調査をしておられるはずです。  本県は古くから交通の要衝であり、その地理的優位性から、企業が主体的に進出してくれた時代がありました。ほってても企業が来てくれていた時代もあったというふうに思います。現下においては、企業立地先に選んでもらうためには、待ちの姿勢では成果に結びつかないのではないでしょうか。企業立地を推進するに当たっては、市町も汗をかく必要がありますし、県との連携、協力も不可欠です。  今回、企業立地における工業用水の重要性、必要性を改めて認識をしていただき、何よりも、推進していくに当たっては、今までの手法や慣例にとらわれることなく、どうしたらできるかという視点に立って取り組む必要があると考えますけれども、最後に、知事の姿勢を伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  工業用水は産業活動において必要不可欠なものであり、ものづくり県である本県の産業を支える重要な社会インフラであると認識しています。  本県において工業用水道事業を担っている企業庁では、新規受水企業向けの優遇制度を設けるなど、これまでから新規需要拡大に取り組んでいるところではございますが、公営企業として独立採算制の下、健全な経営を確保するため、その取組には一定の限界があるものと認識しております。  県といたしましては、コロナ禍の影響によるサプライチェーンの再構築や、国内回帰といった企業の新たな投資の流れがある中、工業用水が必要となる場合、様々な制度上の制約もあると考えますが、企業の立地が推進できるよう、課題の克服、解決に向けて、市町とともに、知恵を絞りながら検討を進めてまいりたいと存じます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)ぜひとも前向きなコメントをいただいたと思っておりますので、どうか、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  それでは、2問目に移らさせていただきます。  それでは、2問目も一問一答方式におきまして、コロナ禍における県立総合病院の医療提供体制についてを伺ってまいりたいと思います。  現在も収束の見えないコロナ禍におきまして、県民のために、日夜、安心な医療提供のために御尽力いただいておりますことに、県立総合病院の職員の皆様をはじめ、県内の医療機関全ての方々に心から敬意と感謝を申し上げ、質問に移らさせていただきます。  コロナウイルス感染症の対応では、症状のある患者を早期に医療につなげ、重症化させない医療提供体制の整備が大変重要であります。本県においても、まずは、感染症指定医療機関を中心に始まった入院医療体制でありましたが、患者の受入れ態勢を整えた重点医療機関を県内各地に整備することによって、患者を治療し、重症化をさせずに社会復帰していただく役割を果たしていただいております。  そこで、本県全体の検査体制と医療提供の確保について、初動から現在までどのように取り組まれたのかを振り返り、まず、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  検査体制につきましては、今年2月4日に帰国者・接触者外来を設置して以降、5月からは順次、地域外来検査センターを開設いたしまして、また、保険適用による行政検査を実施いただくための委託契約の締結を進めるなど、主に病院を中心とした検査体制の拡大を進めてまいりました。  さらに、季節性インフルエンザの流行に備えまして、11月からは、かかりつけ医など地域の身近な医療機関で迅速に診療、検査を行っていただける体制を整えたところでございます。  入院医療体制につきましては、4月当初までは、議員も御紹介ありましたとおり、7か所の感染症指定医療機関による感染症病床34床の体制でございました。その後、感染の拡大により病床が逼迫してまいりましたため、4月7日に滋賀県新型コロナウイルス感染症対策協議会を開催するなどいたしまして、県立病院をはじめ、他の公立・公的病院においても入院を受け入れていただく方針で、必要な病床確保を進めてまいりました。  6月上旬には今までで最大となる278床の病床を確保しましたが、その後、病床確保計画に従いまして病床数の見直しを行い、現在は213床を確保しているというところでございます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)この間の部長はじめ職員の皆様にも敬意と感謝を申し上げたいと思います。  コロナウイルス感染症の患者を受け入れている医療機関は、公立・公的医療機関が多いわけでありますけれども、中でも滋賀県立総合病院は早くから重点医療機関の指定を受け、県の組織として、コロナウイルス感染症対策の一翼を担っていただきました。  一方で、年度当初から、コロナウイルス感染症の患者受入れに積極的な姿勢は示されていたものの、コロナ対応病床の立ち上げに時間を要したと聞いておりますけれども、なぜなのか、病院事業庁長に伺います。 ◎病院事業庁長(宮川正和) (登壇)お答えをいたします。  県立総合病院では、今年の4月7日に、感染症指定病院での患者受入れ数を超えた場合、患者の受入れを行うという重点医療機関としての指定を受けました。その後、看護体制などの院内体制の整備や病棟のゾーニングなど必要な対策を行った上で、4月の16日から5床を確保したところでございます。  その後、既存の診療体制の縮小や感染症対応の体制に向けての再構築、あるいは病室を陰圧仕様とするための工事とか医療資機材の調達などに取り組み、段階的な病床確保を進めたところでございますけれども、全国的な需要増による資機材調達の難航とか工事の遅れという事情もありまして、こうした理由から、受入れ病床が当面目標とする19床に拡大できたのは5月18日でありまして、5床確保から約1か月間の時間を要してしまったところでございます。  今申し上げたことは、いずれも必要な準備、手順であったとは思いますが、今、振り返りますと、もう一段スピードを上げることができたのではないかという思いもございます。  今回の初期対応について、病院単体ということではなく、病院事業庁全体で検証し、今後の対応に生かしてまいりたいと存じます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)また、精神医療センターや小児保健医療センターについても、コロナウイルス感染症対策において、精神障害者や難治慢性疾患の子供たちへの対応に備えていただいております。当初、精神疾患を有する方がコロナ感染症となった場合の精神医療センターの受入れ経緯についてはどうであったのか、病院事業庁長に伺います。 ◎病院事業庁長(宮川正和) お答えをいたします。  感染症指定病院で精神科の診療を行うのは県内では1病院のみでございまして、これに加えて、県立精神医療センターにおいても、精神疾患を抱える患者が新型コロナウイルスに感染した場合、受け入れるようにということで、県からの要請が6月下旬にございました。  この要請に基づき、県立総合病院との連携により、医療対応の充実を図ったり、専用病室を整備したりといったソフト、ハード面の準備を進めるとともに、患者の搬送方法などについて関係の病院や団体等との役割の整理を行った上で、8月8日に病床を確保したところでございます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)今も病院事業庁長のほうからも8月に用意ができたということでありますけれども、やはりこの辺のスピード感もどうであったのかなあというようなこともございます。そこのところ、また反省も十分踏まえていただいて、検証のほうをまたお願いをしたいというふうに思います。  ある開業医さんから、県立総合病院のコロナ対応に端を発して、緊急の受入れについておしかりの声があり、病院事業庁長にもその声が届いているかと聞いておりますけれども、どのような内容であったのか、対応も併せて伺います。 ◎病院事業庁長(宮川正和) お答えをいたします。  御質問の件の内容は、総合病院ではコロナ対応中との理由で、かかりつけにしている患者さんの救急を断って、別の病院に送ったという内容でございました。  そこで、総合病院からこの医療機関を訪問し、本院は新型コロナウイルス感染症に係る重点医療機関として入院患者を受け入れていること、また、守山野洲医師会と共同で地域の皆さんのPCR検査も実施をしていることなどを説明をいたしました。  その上で、可能な限り救急の応需はしているものの、他の救急患者さんの対応中や、コロナ疑いの患者さんへの対応後に換気のためにしばらく処置室が使えない等、そういった場合などは、院内感染に万全を期す必要がございますので、やむを得ずお断りをしたケースがあったと、こういうふうに御説明しております。また、この当該患者さんのフォローもさせていただきました。  今回、率直な御意見を賜りまして、今後とも、地域の医療機関の皆様とのコミュニケーションに努め、信頼関係を深めてまいりたいと思っております。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)私もこの声を聞いて、そこの病院をお訪ねをしてまいりまして、具体的な指摘等も、今、企業庁長がお話しなさっていない部分に関しても、いろいろお伺いをしてまいりました。この辺もやはりしっかりと、再度、病院の中でも検証していただきたいというふうに思います。  少し県立総合病院の実績についてお尋ねをしたいと思います。  6月末、直近の11月末時点で結構でございますので、コロナ患者が延べ何人入院されていたのか。症状別に病院事業庁に伺います。 ◎病院事業庁長(宮川正和) お答えをいたします。  6月末時点の入院患者累計は9名で、全て軽症患者さんでございます。それから、11月末時点の入院患者さんの累計は101名で、中等症の方が10名、残りの91名が軽症患者さんでございます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)病院事業庁が述べられた数字と同時期の県全体の入院患者数から鑑みて、どのように考察をされるのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  県全体のコロナ患者の入院受入れ数の累計は、ホテル療養を除きまして、6月末時点で117人、11月末時点で731人となっております。  県立総合病院は、県内全てのコロナ患者受入れ病院のうち、6月末時点では11病院中7番目の受入れ数となっておりまして、県全体の約7.7%を占めております。また、同じく11月末時点では15病院中3番目で、約13.8%を占めているところでございます。  第1波の流行の際には、まず感染症指定医療機関から受入れを行いましたことから、6月末までの県立総合病院の県全体の受入れ人数に占める割合は少なかったものと考えておりますが、その後は重点医療機関を中心に患者を受け入れていただいたため、11月末時点では受入れ人数が増えまして、県全体の中でも受入れの割合が大きくなっているというふうに思っております。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)県立総合病院において、病状の変化で転院した症例はあるのか。具体的に病院事業庁長に伺います。 ◎病院事業庁長(宮川正和) お答えをいたします。  症状悪化のケースについて申し上げます。これまで総合病院から症状悪化により他の病院に転院した事例は、5例ございます。いずれも、本院に入院後、重症化されまして、人工呼吸器の挿管の必要性が見込まれるというふうになった場合でございまして、県コントロールセンターと調整を行った上で、重症患者さんの対応を担う他の医療機関に転院をしていただきました。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)ここなんですけどね。5例、コロナで入院されていた方が症状が重くなって、ほかの病院に転院をされたと、こういうようなことだと思うんですけども。  これもちょっといろいろ取材をすると、県立総合病院ってやっぱり滋賀県唯一の総合病院でありますから、ここには全ての病気、いろんな医療に対応できるような、そういう器具やそういう仕組みもできているのではないかと。そういうような中で、ほかの病院に転院をするような必要性がなぜあったのかと、こういうような声も聞くんです。その辺について、病院事業庁長の見解を再度伺います。 ◎病院事業庁長(宮川正和) 議員の御指摘よく分かるんですけれども、現時点において、これは当初からのスキームなんですけれども、重症患者は県立総合病院以外の、ある特定の複数の病院が担うと、こういうスキームがございまして、そのスキームの下に県コントロールセンターと調整をして、その上で、それぞれが医療機関の役割分担の中で対応していると、こういうことでございます。  もちろん、今後この仕組みがそのまま続くかということではないと思ってまして、こんなことは想像したくないですけれども、今後、重症患者が増加をして、これに対応する医療機関の病床が満杯になると、こういうふうな状況が近づけば、県立総合病院でも重症患者を診させていただくと、こういうことでございます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)そういう、私が申し上げたような声があるというようなことでございますので、今、病院事業庁長がおっしゃったことが、私は詳しく分かりませんけれども、そういうことであれば、しっかりとその辺が行き渡っていないのかなというようなことも思ったりをします。  コロナ病床を確保するに当たって、国からお金が出ております。集中治療室、いわゆるICUですね、高度治療室、これはHCUと言われているらしいですが、あと一般病床、それぞれ何床確保し、その費用は幾らになるのか、病院事業庁長に伺います。 ◎病院事業庁長(宮川正和) お答えをいたします。  総合病院では12月末までの見込みといたしまして、一般病床で延べ1万4,009床、ICUで304床、HCUで233床、その他の病床で3,994床の計1万8,540床を見込んでおります。  これに国の示す算定方法に基づく補助金を算出いたしますと、14億円余りという数字になりまして、その補助金の額を申請をしておりまして、9月末には約8億2,000万円余りの概算交付を受けているところでございます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)病床確保のためには必要な金額であるというふうには思います。このコロナ病床の病床自体を確保する金額と、それから、そのために休床しなければいけないという病床があるということです。この辺の今8億2,000万の中の内訳を、分かればお示しをいただきたいと思いますけれども、病院事業庁長に伺います。 ◎病院事業庁長(宮川正和) お答えをいたします。  病床数で申し上げます。先ほど、合計で1万8,540床と申し上げましたうちの、いわゆるコロナ患者さんを受け入れる確保病床、これは3,667床でございます。それから、態勢を確保するために、ほかの病床を病棟ごと吸収をする、こういうふうなものを休止病床と呼んでおりますけれども、これが残りの1万5,000床弱と、こういうことでございます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)金額は分かりませんか。病院事業庁長に伺います。 ◎病院事業庁長(宮川正和) ちょっと引き算をしないといけませんが、合計、先ほど申し上げた14億円余りのうち、いわゆる確保病床、実際に患者さんが入られるところですが、これが2億6,000万少々でございます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)ちょっときちっとした金額がお示しいただけなかった。私は8億2,000万の内訳をちょっと聞きたかったんですけれども、県内のほかの病院と比較してどうなのか。もし健康医療福祉部長が御存じでしたら伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  先ほどからお話しになっています空床確保料、9月末に交付決定を行ったベースでございますが、県全体で申し上げますと、入院病床として約18億1,000万、休止病床として約31億6,000万、比率にしまして1対1.7となっておりますが、県立総合病院につきましては、入院病床が約1億1,000万、休止病床が約7億2,000万、比率にして1対6.7と、休止病床の比率が比較的高くなっているという状況ではございます。  これは、県立総合病院では流行当初、患者1人当たり看護師3人程度の配置をされたというふうにもお聞きしておりまして、人材の確保のために休止せざるを得なくなった病床も、休止病床として病床確保料の対象となるということは国のほうにも確認しておりまして、この点については問題はないと思っております。  なお、6月以降は県立総合病院の休止病床の比率は、当初よりも低下しているというふうに理解しております。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)これも今お尋ねしましたように、県立総合病院の場合は、コロナ病床を確保するために、ほかの病床を潰した比率がかなり高いというようなことやというふうに思います。そこには当然国からの交付金もあるので、かなりな金額が病床を潰された分、積み上がっているというようなことやというふうに思います。  この金額については、特段、県立病院だけようけ取っとるなというようなことは申し上げませんけれども、うがった見方をされると、冒頭に少しスタートが遅れたというようなことの指摘をさせていただきましたけれども、お金だけはようけもろうとるやないかというようなことにも言われかねませんので、この辺、誤解がないように、しっかりと説明をしていただきたいなというふうに思います。  県立総合病院には、入院患者の受入れはもとより、検査に対する期待も大きいはずです。PCR検査の1日最大可能検査数を病院事業庁長に伺います。 ◎病院事業庁長(宮川正和) お答えをいたします。  現在、県立総合病院ではPCR検査については、外来診療を通じた検査、守山野洲医師会と共同で実施する検査、それから、総合病院で手術を受ける患者さんの検査を実施をしております。  1日最大可能検査数というのは、なかなか検査体制との関係で申し上げるのは難しいところがございますけれども、現実に院内PCR検査機器を導入した7月1日以降の数字で申し上げますと、検査数が最も多かったのは、1日29件でございます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)大変頑張っていただいているのかなというふうに思います。  全国的に感染拡大が続いている中、本県においても医療提供体制の充実は今後も必要であることは言うまでもありません。現在のコロナ病床数、今後、感染拡大がしたときの病床数を病院事業庁長に伺います。 ◎病院事業庁長(宮川正和) お答えをいたします。  総合病院の現在の病床確保数は、1病棟で22床でございます。  今後、感染が拡大し、県が想定するピーク時には、入院患者の調整を図りながら、40床程度まで確保する予定でございます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)昨日ですかね、資料提供いうことでメールが来ました。今朝の新聞にも載っておりましたけれども、新型コロナウイルス感染症の患者さんが急増している大阪府への支援のため、大阪コロナ重症センターに看護師を派遣しますということで、県からは6名というようなことが示されておりますけども、県立総合病院でも、このようなケースに対して、スタッフの派遣要請に対して、どのように考えておられるのか、病院事業庁長に伺います。 ◎病院事業庁長(宮川正和) お答えをいたします。  こうした派遣要請の対応は、新型コロナ感染の深刻化を未然に防いで、ひいては県内の医療提供体制の安定化に資する、こういうふうに考えております。  その考え方に基づきまして、これまで、県内の療養施設、いわゆるホテルですが、については、9月1日から12日に看護師を延べ10名派遣をいたしました。また、11月30日から既に始まっておりますけれども、12月14日に看護師さんを述べ14人派遣をする予定でございます。  さらに、先ほどお話のあった今般の大阪府からの看護師派遣要請についても、2名の看護師を派遣する予定でございます。
    ◆25番(竹村健議員) (登壇)また、派遣をされるといいますか、行っていただく皆さんには大変なことになろうかと思いますけれども、また、お手伝いをしていただいたときのまた知見とかもぜひ本県にお持ち帰りをいただいて、今後の本県の患者拡大に備える力となればというふうに思っております。  先の見えないコロナウイルス感染症への対応で、盤石な医療提供体制を整備していくためには、やはり県のリーダーシップは欠かせないというふうに思います。その中で、県立病院としての使命をどのように考えておられるのか、病院事業庁長に伺います。 ◎病院事業庁長(宮川正和) お答えをいたします。  端的に申し上げまして、県民のニーズ、医療ニーズに沿って県の医療課題に対応することが、県立病院の使命であると認識をいたしております。  現在の県の最大の医療課題は、新型コロナウイルス感染症対策であることは間違いございませんし、同時に、これを極力抑え込んで、がん治療をはじめとした通常の診療も確保していくことが重要であると、こういうふうに思っておりまして、コロナ感染症への対応と通常医療の両立に全力で取り組んで、県民の皆さんの期待に応えてまいりたいと思います。  今回の一連の新型コロナウイルス感染症への対応によりまして、感染症対策についての対応方策を一定病院内に確立をできたということは、コロナ対応以外の診療科でも活用することができるということでございまして、総合病院における医療の質の向上にも資するものと考えております。  今後も引き続き、重点医療機関としての県民から求められる役割をしっかり果たしてまいりたいと存じます。 ◆25番(竹村健議員) (登壇)ありがとうございます。今回の質問に至るまでに、私も、病院のいろんな先生であったり地元医院の先生であったり、いろんな方にお話を伺ったんですけれども、最初にも少し聞かせていただきましたけれども、やはり初動で県立総合病院の動きが遅かったり、あるいは見えなかったことで、県総、何やっとるんやというような声が、私も1つの病院だけではなしに、いろんなところから聞かされました。コロナって、なかなかほかの病院も分からんことが多かったと思いますし、これは県立総合病院が悪いわけではありません。  ただ、県立病院がやっぱりやってくれんと、我々、後についていけないじゃないかというような声をやはり多く聞きましたので、率先して、県立唯一の総合病院でありますので、いろんなコロナ対策におきましても、やはり先頭を走っていって頑張るというような姿勢を示していただくことが、県全体の医療の提供体制の結果的に確保に、安心につながっていくかというふうに思いますので、今後ともの御尽力をお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(富田博明) 以上で、25番竹村健議員の質問を終了いたします。  次に、18番大橋通伸議員の発言を許します。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇、拍手)コロナ禍をくぐる子供たちについて、分割で4つ質問します。  親しくしているお坊さん、僧侶のお話から始めます。過去帳の話です。過去、現在、未来の過去帳です。  お寺には過去帳と呼ばれる和とじのそこそこ分厚い冊子があります。私が住職を務める田舎の山寺にもそれはあって、慶長年間の1596年から今日までの亡くなった人の名前や亡くなった日、つけられた戒名などが記載されています。お寺が出来てからの代々の住職が書いているため、近寄りがたいほどの達筆もあれば、友達になりたいくらいに下手くそな字のものまで様々です。そして、ところどころに死因など、メモ風に記されていたりもします。死因で多いのは病死と戦死でしょうか。過去帳は、お寺を支えてきた人たちの暮らしや、その地域のありようなどを今日に伝えてくれています。  先日、あるお寺の住職と話をしていたとき、過去帳のことが話題になりました。今からおよそ100年前、大正7年頃、過去帳に記載された人たちが大変多いのだと、その住職は話されました。日本でスペイン風邪が猛威を振るった年です。中には一家全滅という悲惨な事例もあったとのことでした。そんな話を聞きながら、医療が十分には整えられていなかった当時の人たちにとって、このはやり病は大変な恐怖であっただろうとつくづく思うのでしたと。僧侶の話はここまで。  もう一つ、コロナ禍のイタリアからの報告です。これは、雑誌「世界」2020年6月号からです。「パルマの新聞『ガゼッタ・ディ・パルマ紙』では、昨年3月の平凡なある日、死亡欄が載っているのは1ページの片隅だけだった。それが今年の3月には4ページ半全面に膨らんでいる。統計的な数字の背景に、名字と名前、個人史、それに引き裂かれた家族がいる。イタリア国家は苦しんでいる」と。  新型コロナウイルス感染症とスペイン風邪、それらがもたらす恐怖と不安、そして悲しみ、この大変な現実に向き合いつつ、一日、そしてまた一日と、とにかく生き延びていくこと、そのことの重さと意味、大切にする、したい今のかけがえなさ。このことは何度も何度も確かめ合いたいことなのだと思わずにはいられません。  人生にあって、今回のような停滞は付き物です。思わぬ病気や事故で入院するとか、最愛の人を亡くして仕事が手につかないとかです。そんなつらい思いも、それはいつか乗り越える力になっていきます。  コロナ禍にあっての高校生の声です。「人を非難してもコロナ収束の答えにはならない」「近過ぎたから見えなかったものが、離れてみて見えてくるものがあった」。これらの言葉に、子供たちが自分について、社会についてじっくり考えたあかしがあります。コロナがなかったら経験できなかったこと。そこで感じたこと。不安で不安で仕方ない中で、自分だけじゃないんだという経験は救いだったこと。自粛の日々は決して無駄ではなかったというメッセージを、私たち大人は子供たちに発していきたいと思います。  1つ目の質問です。この異常事態を乗り切った、乗り越えている、この経験だけでも、これから生きる力になることを子供たちに伝え、確かめ合い、子供たちの自信と誇りにしてほしい今です。知事の御所見を伺います。  さて、この2月末の、また再びの4月の一斉休校は、臨時休業は未曽有の事態だったことから、現在のような対策が定まらなかった時期であったことから、その時点の判断として、今となっては殊さら批判はしないものの、あの時期をはるかに上回る感染状況であった8月、そして、今現在も子供たちは登校を続けています。  子供たちの多くは休校中も学校再開後も、黙って、黙って、この事態に耐えてきました。親の解雇、雇い止め、休業などで家庭が乱れ、心が折れた子もいたでしょう。虐待、DVなど、身の危険にあった子もいたことでしょう。  子供はそもそも天真爛漫だろう。それは違います。子供だから、その苦悩や不安は大人の2分の1くらいだろう。それは違います。子供は、家庭の、社会のしわ寄せを一身に背負います。  そこで伺います。2つ目の質問です。  あのときの一斉休校は一体何だったのか。その説明をおざなりにしてこなかったか。児童生徒に、また保護者に、一度どこかで、なるほどそうだったのかと納得してもらえる説明を果たすべきと、ずうっと考えてきました。教育長に伺います。  三方よし!子どもの笑顔プロジェクト実行委員会と県の子ども・青少年局が中心になって作成された「すまいる・あくしょん」、代表質問で取り上げました。分かりやすく、親しみやすく、上質です。いろんな場面でその実効が上がることを期待しています。  県教育委員会作成の人権学習指導資料も拝見しました。「想像力を働かせ、気づき・考え・学び合い・自らの生き方につなぐ」。これまた教育現場での有効な活用に期待を大きくしています。  さて、「すまいる・あくしょん」、その下地となった「子どもの声」アンケート調査報告書に記載された数々の回答の中にあって、「学校が休業になったことに仕方がないと思っている」。もう1回。「学校が休業になったことに仕方がないと思っている」に答えた割合は、対象の小学5年生から高校3年生まで、押しなべて9割を超えていました。私はこのことがとても気がかりです。物分かりのいい子供たちで済ませてはいけないと思います。  このことを捉えて、あるスクールカウンセラーは以下のように話されています。これは表層演技ですと。表層とは、土砂災害のときに使う表層崩壊の表層です。本当は嫌だと思っているけど、その気持ちを今は抑えないとまずいという演技、それが表層演技だということです。  さらに、もっと複雑、厄介なのは深層演技だと言います。嫌だというネガティブな感情を自分に許さず、先生方は私たちのためにそうしてくれたなどと解釈を変えて、自分の感情を組み替えること。しかも、この心の動きを継続的に行っていると自分の本当の気持ちを見失い、将来にその影響は大きいですと。  3つ目の質問です。コロナ禍をくぐっている子供たちのこうした自己抑制的な姿を、教育長はどのように認識しますか、伺います。  私の教員時代の話です。少年院に送致された教え子を訪ねたときのことです。その少年院の教官から伺った言葉です。「ここでの教育は、子供たちから学び続ける営みです。私たちは少年たちの行動を観察していますが、少年たちもまた私たちの行動を観察しているのです」と。あの先生の喜ぶ顔が見たい、あの先生の顔に泥は塗れない、そう思って頑張るのが子供です。染めた髪の毛やピアスは禁止できても、教職員に対する子供たちの冷たいまなざしは禁止できません。  4つ目の質問です。  今、コロナ禍をくぐっている子供たちは、同時代を生きている教職員の姿や行動を思いのほか鋭く観察しています。子供たちが希望を膨らませ、未来を描いていくに当たって、教職員は、少年院の教官が述べたように、子供たちにとって意味のある他者、意味のある他者であり続けてほしいと願います。教育長の御所見を伺います。 ○副議長(富田博明) 18番大橋通伸議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)コロナ禍をくぐる子供たちについてということで御質問いただきました。私には1点、コロナ禍を経験している子供たちに対する所見ということで頂きました。  状況は御案内のとおり、春から夏、そして秋、冬と刻々と変化をしてきておりますし、まだ事態を乗り切ったと言える状況ではなく、まさに今、まだ向かい合っているという状況ではないかと認識しております。  この新型コロナウイルス感染症により、改めて社会の脆弱性が浮き彫りになったのではないでしょうか。特に、弱い立場に置かれることの多い子供たちは、不安な気持ちを抱いたり、我慢を強いられるなど、様々な影響があるのではないかと承知をしております。このことは、「すまいる・あくしょん」を策定するために行ったアンケートにおいて、寂しかった、悲しかったという多くの声があったことからも実感できます。  その一方で、アンケートには、友達や家族の大切さや医療職の方への感謝の気持ち、さらには新しい趣味や楽しみを見つけた、地元のよさを再発見したなど、コロナ禍の経験の中から気がついた多くの気持ちや発見についても記されており、改めて、子供たちが持つ優しさですとか力強さも感じたところでございます。  このコロナ禍は、今を生きる私たちにとって未曽有の事態であります。これは子供たちだけではなく、私たち大人も含めて、今までと違うということへの戸惑いを感じているのではないでしょうか。また、失ったものもあるかと思います。しかし、この困難を悩みながらも向かい合い乗り切れたとすれば、それを乗り切ったという経験は、子供たちをたくましくし、また、その中で得られたものは、子供たちの将来においてかけがえのない力にもなるのではないかと信じています。  私は、子供たちがどのような状況であっても健やかに育ち、希望と誇りを持って歩んでもらいたい、また、周りの人も大切にしてもらいたい、コロナ禍を乗り越え、力強い世代となって幸せを感じられるように、そのことを願っておりますし、そのために全力で様々な対応を行ってまいりたいと考えております。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)コロナ禍をくぐる子供たちについての3点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の学校の臨時休業措置への説明についてでございますが、3月からの一斉臨時休業の実施に当たりましては、まずは子供たちの健康と安全を第一に考えるということといたしまして、大人から子供へ、そして子供から子供への感染を防止することが周囲の方々を守ることにもつながるという思いから、休業という判断をさせていただいたところでございます。  その判断をするに当たりましては、県教育委員会といたしまして、国の要請や方針、近隣府県等の感染状況等を十分考慮して行わせていただきました。  今回の休業は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するためとはいえ、子供たちや保護者の方々には様々な御負担をおかけしたものと認識をいたしております。  次に、2点目の子供たちの自己抑制的で心痛む姿をどのように認識しているかについてでございますが、今回のコロナ禍にありまして、子供たちの心理的ストレスや不安は高まっておりまして、中には、自分の思いを抑え込んでいる子供もいるのではないかと私も考えております。  このため、子供たちが何らかの不安やストレスを抱えているという前提で、学校全体として状況把握するとともに情報共有を行い、子供たちが素直な思いを出せるよう、その声に耳を傾け、寄り添って支援をしてまいることが大切であると考えております。  また、その際には、必要に応じましてスクールカウンセラー等の専門家を積極的に活用し、子供たちの心のケアに努めてまいりたいと考えております。  3点目の教師像についての御質問でございますが、コロナ禍にありまして、教職員が子供一人一人と寄り添い、夢と力を育むためには、高い教育力と豊かな人間性が重要であると考えております。  本県では、滋賀県公立学校教員人材育成基本方針を策定し、滋賀県が目指す教師像を、教育者としての使命感と責任感、教育的愛情を持っている人、柔軟性と創造性を備え、専門的指導力を持っている人、明朗で、豊かな人間性と社会性を持っている人の3点にまとめ、資質向上の明確な目標にしているところでございます。  また、学校における働き方改革取組計画に基づき、教職員が健康で生き生きと働くことができるよう、各種の取組を進めているところでございます。  私といたしましては、滋賀の教員の皆さんが、自らを律し高め、そして元気で、前向きに、明るく働く教師、子供たちの記憶に残る、子供たちの憧れや目標になる教師になってほしいと強く思っているところでございます。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)再問を2ついたします。  まず、1つ目です。4つの質問をさせていただきましたが、最初の知事の御答弁についてです。  世界中の、日本中の人たちが、そして大人も子供も遭遇しているこの事態の深刻さと厳しさ、この現実に向き合って生きる日々の重さをどれだけ意味のあるものにしていけるか。これからの人生を輝かせるために心に刻んでいけるか。この点については、今月の1日、知事の談話の中で、知事は、長浜小学校合唱団との「こんにちは!三日月です」の報告を添えて語られました。心踊りました。ここに改めて、ポストコロナ時代を生きていく子供たちへの知事のメッセージをお聞かせください。  2つ目です。4つ質問したうち、2つ目の御答弁についてです。  元文部科学省大臣官房審議官の寺脇研氏は、「皆さんには教育を受ける権利があります。しかし、憲法には、公共の福祉のためには、その権利が制限される場合があると理解してほしい。こんな納得のいく説明が必要であると考えます」と話されています。寺脇研氏のこの表明について、教育長の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 先ほど、教育長が、学校の臨時休業措置の際の考え方、御答弁なさいました。あれは2月の28日だったと思いますけど、ここの議場で一般質問3日目の答弁をしている最中に、学校一斉休業へというような報が入りまして、その夕方だったですかね、教育長室に私が行きまして、最後の最後まで教育長と、どう考えたらいいのか、それでも学校での学びを続けられるようにすべきではないのかということを議論し、しかし最終的には、教育長が先ほど述べられたお考えを基に、やはり子供の命、安全が第一だろうということで判断したことを思い出しました。  ただ、今でもその判断が果たしてどうだったのかという、そういう顧みを持っております。ただ、今さら過ぎ去ったことは仕方ないとはいえ、やはりそのときの、その子供たちの学びというのが非常に大事であったことを思い知らされております。  先般、そういった時期を乗り越えていこうとする子供たちと、長浜小学校の合唱団の子供たちと意見交換を行いました。合唱団のイベントですとか友達との交流の場が奪われて、率直に、悔しいな、悲しいといった声をお聞きする一方で、合唱という自分たちができることで周りの人たちを元気づけたいという、これはもう本当に優しくて温かい気持ちにじかに触れて、心にもしみましたし、私自身も忘れない機会となりました。私、このときに感じたことは、やはり、子供に学ぶ、子供と学ぶということを大事にしようと思ったことです。  また、御指導いただく先生から頂いたお手紙にも記されていたんですけれども、こういった子供たちの存在ですとか子供たちの努力っていうのは、このコロナ禍の世の中にあって、まさに一筋の光なのではないかという表現がございました。糸賀先生も「この子らを世の光に」という、そういったことを伝えていただいておりますけれども、子供たちは未来に向かって生きようという力を持ってますし、生きているということを純粋に表現する能力を大人以上に持っているのではないかと感じます。  したがって、こういった光をぜひ世の中の光とし、未来に向けてのある意味ではともしびとすることができるよう、私も知事として、また一人の大人として、しっかりと役割を果たしていきたいと思いますし、折に触れ、こういったメッセージを県庁、そして県内に伝えることによって、悲しみを喜びに変えていけるような、そういうリーダーになっていきたいと思いますので、ぜひ子供たちに対しても、そういう力を持っているんだということを伝えながら、一緒に頑張ろうということを、メッセージとして送っていきたいというふうに思います。 ◎教育長(福永忠克) 再質問にお答えをさせていただきます。  議員から御紹介のがありました寺脇氏個人のお考えに対して、直接見解を述べるということは遠慮させていただきたいと思いますが、今、新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、周りの人たちへ感染を広げないために、子供たち一人一人が我慢したり、また頑張ったりしていることが、多くの人の命を守ることにつながっていると私は考えております。こうした子供たちの我慢や頑張りに対して、教育長として、敬意と感謝の気持ちを伝えたいと思っております。  また、今申し上げましたように、子供たちをはじめ、人々が様々な制約を受けながらも、この感染症を乗り越えようとしておられます。このことを通じて、子供たちが様々なことを自ら考える機会になればとも思っておるところでございます。 ◆18番(大橋通伸議員) (登壇)ただいまの教育長の答弁に問います。  子供たちに自主性や主体性を求めても期待しても、今回の一斉休校、臨時休業は、子供たち、そして保護者もまた、教育行政の指令は絶対であることをかつてない強烈な経験として感じ取っています。強権的な政治イメージを、図らずも子供に保護者に植え付けました。このイメージはきちんと払拭しておかなければなりません。このたびの一斉休校が避けられなかったとすれば、避けられなかったことについての子供や保護者の納得と了解が必要であると私は考えます。  この9月の教育長からの「2学期の始まりにあたって」というメッセージ、県内の子供たちに向けて発出された、今御答弁いただきました、リスペクトあるメッセージを承知しています。その上でなお、寺脇氏が示したさきの説明を、おのおのの学校の判断に任せるのではなくて、あのときの一斉休校は何だったのか、このことを県教委が責任を持って果たすべきだと思います。遅くはありません。まだ渦中です。  この説明は、子供たちが教育を受ける権利について考える絶好の機会となります。政治に触れるまたとない機会となります。主権者教育の観点からも必要かつ有効と考えます。教育長、もう一度、答弁お願いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  子供たちをはじめ、保護者の皆様、地域の皆様、学校の先生方に、県教育委員会としての対応をしっかりと説明することは大切であると考えております。  先ほどは3月の臨時休業のお話を少しさせていただきましたが、4月の臨時休業に当たりまして、私から子供たちや保護者の皆様に対して、「現在、滋賀県において各地で新型コロナウイルスの感染症が確認されており、警戒すべき状態が続いています。こうした中、子供たちをはじめとする県民の皆様を感染の危険から守るために、再び学校の臨時休業の措置を取ることといたしました」というメッセージを出させていただいたところでございます。  あわせまして、子供たちには、「自分も他者も大切にするために、自分がどのようなことをすればいいのか考えてください。今の状況を自分のこととして考え、感染症をうつされないこと、うつさないことを意識し、自分を守る、大切な人を守る、社会を守る強い意思を持って行動してください」と呼びかけたところでございます。  また、再開後の学校生活の中で、多くの子供たちが自分たちはどうしなければならないのかということについて問題意識を持ち、学校行事の在り方など、周りの友人たちと話し合いながら、しっかりと考えてくれていることを大変うれしく感じております。  今後も、子供たちや保護者の皆様の声にしっかりと耳を傾けながら、県教育委員会としての考えが皆様方にしっかりと伝わるよう努めてまいる所存でございます。 ◆18番(大橋通伸議員) 終わります。(拍手) ○副議長(富田博明) 以上で、18番大橋通伸議員の質問を終了いたします。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  しばらく休憩いたします。   午後3時45分 休憩    ────────────────   午後4時5分 開議 ○副議長(富田博明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、1番井狩辰也議員の発言を許します。 ◆1番(井狩辰也議員) (登壇、拍手)それでは、質問通告に従いまして、2つの項目について質問をさせていただきます。  1つ目は、若年層の薬物乱用対策について質問いたします。  法務省が11月24日に2020年版犯罪白書を公表しました。この白書には、特集として薬物犯罪に関することが掲載されています。少年の薬物非行に関するものとして、令和元年の覚醒剤取締法違反の検挙人員は97人で、平成10年以降、減少傾向にあります。一方で、大麻取締法違反の検挙人員は609人で、平成26年から6年連続で増加しており、令和元年は前年比41%の増加となっています。全国的に覚醒剤取締法違反で検挙されるケースは減少する一方で、大麻取締法違反で検挙されるケースが増加しています。  令和元年度の本県における少年の薬物非行に関するもののうち、覚醒剤取締法違反の検挙人員は1名でございます。また、大麻取締法違反の検挙人員は5名であります。また、本年──令和2年10月までの検挙数といたしましても、覚醒剤取締法違反による検挙人員が1名であり、大麻取締法違反による検挙人員は8名となっております。本県においても、覚醒剤よりも大麻で検挙される人員が多くなっております。  そこで、本県において、少年が大麻で検挙される人員が増えている要因をどのように分析されておられるのか、警察本部長に伺います。  2020年版犯罪白書によりますと、令和元年度の大麻取締法違反の検挙数は20代が1,950人であり、他の年齢層よりも多くなっています。10代を含め、若年層の大麻取締法違反による検挙が増加しています。高校を卒業して、大学生や社会人になってから使用するケースが多くなっているのではないかと考えられ、学校において、薬物の害悪や薬物乱用の危険性をしっかりと認識してもらうことが重要であります。  本県においても、これまでから、学校での薬物乱用対策として、メールマガジンを配信したり、リーフレットを生徒や生徒の保護者に配布したりするなどの対策をされています。また、中学校、高等学校では年1回以上、薬物乱用防止に専門的な知識を有する有識者を講師とした薬物乱用防止教室を実施するよう指導をされておられます。さらに、教職員向けに、毎年、薬物乱用対策の研修も行っておられます。  しかし、本年──令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、ほとんどの学校が臨時休校をしており、授業日数も十分に確保できない状況にあります。こうしたコロナ禍の中で、小学校、中学校、高校において、薬物乱用の防止に対する取組、広報や啓発の実施状況を教育長に伺います。  11月25日の新聞に、法務省の担当者は、若者が覚醒剤や危険ドラッグから大麻にシフトしている、インターネットで大麻の害悪を矮小化した説明が拡散し、入手、栽培方法などの情報も出回り、安易に大麻に手を出していると指摘するといった記事がありました。  コロナ禍の中、なかなか外出できない若者が、興味本位からネットで情報を集め、売人から大麻や覚醒剤などの薬物を入手し、乱用へと進んでしまう例もあると聞きます。こうしたSNSやインターネットの情報に対する対策も必要であります。  大麻は葉っぱや草、最近では野菜といった隠語がネット上で使われており、一見すると、何に関するサイトなのか分かりづらくなっています。また、大麻の危険性を誤解させるような情報もネットに流れています。  平成28年2月定例会議の村島議員が、「携帯端末は御存じのように、現在、小学生でも持っていて、簡単に違法薬物が入手できる時代ですが、この問題についての対策についての見解をお伺いします」と質問されています。この質問に対し警察本部長は、「サイバーパトロール、これの徹底的な実施によりまして、違法情報の発見や削除、事件化を見据えた対応も徹底してまいりたいと考えております」と答弁もされています。  大麻を含む薬物に関するサイバーパトロールは、主に組織犯罪対策課が行っておられるとのことですが、これまでよりも一層ネット対策を強化していく必要があると考えます。SNSなどのインターネットを利用して閲覧できる大麻を含む薬物情報や、その購入情報などの薬物犯罪に関するネット対策はどのようにされているのか。また、今後、ネット対策を強化していくべきと考えますが、警察本部長に伺います。 ○副議長(富田博明) 1番井狩辰也議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)若年層の薬物乱用対策についての御質問のうち、私に頂きました学校における薬物乱用の防止に対する取組状況についてお答えをいたします。  薬物乱用の防止に対する取組は、国の第五次薬物乱用防止五か年戦略に基づき、全ての中学校および高校において薬物乱用防止教室を年1回は実施するとともに、小学校においても、地域の実情に応じて開催に努めるとされているところでございます。
     令和2年度の実施状況につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響もございまして、11月現在で実施または実施予定であると回答をいただいた割合は、小中学校で約5割、高等学校で約7割という状況でございます。  また、広報や啓発につきましては、リーフレットの配布は実施をされておりますが、コロナの影響で、薬物乱用防止啓発キャンペーンの取組は中止となっているところでございます。  去る11月27日に、県の健康医療福祉部との共催によりまして、各学校の教職員等を対象に滋賀県薬物乱用防止教室指導者講習会を実施いたしましたところ、リモートでの参加も含めまして、約170名の方に御参加をいただいたところでございます。  本講習会では、コロナ禍の中、児童生徒が特に不安やストレスを感じやすくなっている状況に鑑み、例年以上に危機感を持って啓発と指導に当たるとともに、薬物乱用防止教室を年度内に必ず実施するよう依頼をしたところでございます。  子供たちが将来にわたって幸せな人生を送れますよう、薬物乱用の防止に対し、引き続きしっかりと取り組んでまいる所存でございます。 ◎警察本部長(滝澤依子) (登壇)若年層の薬物乱用対策について3点の御質問のうち、私に対する2点の御質問についてお答えいたします。  1点目の県内において少年が大麻で検挙されている人員が増加している要因をどのように分析しているのかについてお答えいたします。  少年の大麻取締法違反による検挙者数は、全国、県内ともに増加傾向にありまして、若年層に広がりを見せていることにつきまして、県警察といたしましても危機感を持っております。  若年層は、インターネット上などに出回る大麻の危険性や有害性等についての誤った情報、違法薬物の入手方法などの有害情報を安易に信じてしまう場合がありまして、また、本県においてもインターネットを介して違法薬物入手する事例も把握をしており、これら有害情報の流布が要因の一つとも考えられるところでございます。  2点目の薬物犯罪に関するネット対策についてお答えいたします。  県内の本年10月末における少年による大麻事犯の検挙人員は、議員御指摘のとおり8名でありますが、そのうち5人がインターネットを利用して大麻を入手しております。また、若年層を中心に広がりを見せている大麻でありますが、大半が国内で違法に栽培され、密売人や密売組織に供給されていると見られております。  県警察といたしましては、まず、大麻栽培や密売の拠点、いわゆる供給元の摘発と密売人の検挙により、薬物乱用者が大麻を入手できない環境をつくり、大麻事犯を減少させる取締りを行っているところであります。  議員御指摘のとおり、インターネット上には違法薬物を含む様々な違法情報があふれている現状でありまして、県警察としては、サイバーパトロールによる違法情報の発見、削除および事件化を見据えた対応を行っておりますが、インターネットによる大麻密売事犯の検挙には至っていないところでございます。  今後、職員にインターネット対策の重要性を再認識する研修等を行い、大麻事犯を含む薬物犯罪の取締りに努めるとともに、学校など関係機関と連携して、薬物乱用対策に取り組んでまいります。 ◆1番(井狩辰也議員) (登壇)何点か再質問させていただきます。  まず、教育長の御答弁いただきまして、薬物乱用防止教室のほうが、小学校、中学校が実施予定も含めまして5割の見込みとなっている、高校生のほうが7割となっているということなんですけれど、以前はシンナーや危険ドラッグがゲートウェイ・ドラッグと危険視されていましたが、現在は、大麻がコカイン、ヘロイン、覚醒剤など強い副作用や依存性のある薬物使用の入り口となるゲートウェイ・ドラッグになっていると考えられています。薬物使用年齢が早ければ早いほど依存症になりやすく、また治療も困難になると聞いております。コロナ禍で授業日数を確保するのは難しいところではあるんですけれど、実施率100%を目指していくべきと考えますけれど、再度、教育長に見解を伺います。  続きまして、警察本部長のほうなんですけれど、大変危機感を持っていただいているということで、以前からサイバーパトロールもされておられるということなんですけれど、熊本県警がサイバーパトロールで大麻を販売している投稿を見つけ、逮捕に至りました。愛知県でもサイバーパトロールから逮捕に結びついた事例もあります。  今後は、薬物のインターネットでの取引がますます増加すると思います。サイバーパトロールに一層力を入れていただき、逮捕に結びつくことを期待するとともに、自らサイバーパトロールするとともに、子供や親御さん、また県民の皆さんから、有益な情報の提供を積極的に呼びかけていくことも重要であると考えますけれど、警察本部長の見解を伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  このコロナ禍の中で、例年同様、全校の子供たちを一堂に会して薬物乱用防止教室を実施することはなかなか困難であると考えておりますことから、児童生徒がそれぞれの学級、ホームルームで学習できる方法が考えられるのではないかと思っております。  そこで、今年度の講習会では、保健の授業におきまして、滋賀県が提供しております薬物乱用防止啓発の動画資料や講師による音声入りの解説資料を御活用いただくよう紹介をしておりまして、コロナ禍においてもこの薬物乱用の教室ができるよう、学習の工夫についてお願いをしているところでございます。  引き続き、各学校での取組につきまして、しっかりと呼びかけてまいる所存でございます。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えいたします。  御指摘いただきましたとおり、サイバーパトロールにつきましては、違法薬物の販売等の情報を得るにつきまして大変有効な手段であるというふうに考えております。犯罪捜査の担当者として、適切なサイバーパトロールの推進に引き続き努めてまいりたいというふうに考えております。  また、県民の皆様からの情報の収集ということでございますけれども、従来より関係機関とも連携いたしまして、警察といたしましても、薬物乱用防止のための広報啓発活動を様々に進めてきているところでございます。  その中でも、違法薬物販売などの情報に接したことなどにつきまして情報がありましたら、ぜひ警察にお寄せいただきたいというお願いもさせていただいてきているところでございますけれども、こうした取組を引き続き行うことも含めまして、しっかりと対策に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆1番(井狩辰也議員) (登壇)こういった状況の中ででき得る限りのこと、コロナ禍だからこそできることですね。コロナ禍だからこそ、心が内向きになる今だからこそ、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。  警察のほう、ぜひとももっと情報をくださいと呼びかけていただきますようお願いいたします。組織犯罪対策課でされておられると思いますけれど、やっぱり限界がありますので、それぞれ県民の方から本当に情報を頂くような呼びかけをもっと広くしていただきたいなと思います。  続きまして、次の質問に移らせていただきます。  続きまして、県営都市公園につきまして質問をさせていただきます。  県のホームページによりますと、都市公園は、国または地方公共団体が土地の所有権等の権限を取得し、環境の保全、遊び場、防災等を目的とした都市の施設として整備するものとあります。都市公園の役割として、レクリエーションの提供や自然との触れ合い、教養を高めるための博物館や美術館、図書館などの利用、コミュニティーの提供、自然環境の保護、避難場所などの防災などが挙げられます。私たちの安全でゆとりある生活に欠かせない施設であります。滋賀県営公園は、都市公園として、琵琶湖辺を中心に県下8市に6公園あり、滋賀県民の皆様に広く利用されています。  そこで、コロナ禍の中、県民にとって都市公園の持つ役割は重要であると考えますが、土木交通部長に所見を伺います。  県営都市公園の全域にわたって、松の木の手入れ不足や松枯れが発生しています。湖南の湖岸緑地公園では、松枯れによって松の木が褐色に変化しており、景観上好ましいとは言い難い状態です。また、枯死した松は倒れやすくなっており、公園の利用者に倒れかかる可能性もあります。こうした危険な状況で、松の木を計画的な対策をしていく必要があると考えますが、土木交通部長に伺います。  私の地元野洲市に、中主吉川湖岸緑地公園があります。以前からキャンプ利用者の騒ぎ声などの騒音やごみの放置など不適切な利用がなされていたため、現在はバーベキューやキャンプの利用が禁止になっていますが、施設は清潔に管理されており、バーベキューやキャンプをするのに大変人気の高い公園になっておりました。  加えて、琵琶湖に近く、すばらしい景色を望むことができます。中主吉川湖岸緑地公園は、まさに都市公園の持つレクリエーションや環境保全などの役割とともに、琵琶湖との相乗効果で大きな魅力とポテンシャルを持つ公園であります。これは中主吉川湖岸緑地公園だけでなく、全ての湖岸緑地公園は琵琶湖との相乗効果で、魅力のあふれる、ポテンシャルの高い施設であります。  現在、びわこ文化公園、びわこ地球市民の森、奥びわスポーツの森の3つの県営都市公園で、よりよいサービスの提供や民間事業者が参入しやすい公募条件等の設定等を行うために、サウンディング型市場調査をされています。湖岸緑地公園にも、こうした市場調査も取り入れていくべきとだと考えます。  そこで、湖岸緑地公園の魅力をより一層高めていくために、どのような活用を考えておられるのか、土木交通部長に伺います。  11月の定例会議の補正予算の新型コロナウイルス感染症対策の一つとして、都市公園施設のトイレの洋式化や自動洗浄、自動水栓、非接触型の自動水栓への改修等を行うとあります。これは飛沫感染のリスクを低減し、利用者の不安を和らげるものと期待をします。  そこで、どちらの都市公園のトイレの改修を行うのか。この工事期間中にトイレの使用は可能なのか。また、今回の工事で全ての都市公園のトイレが洋式化され、自動洗浄、自動水栓装置への改修が完了するのか、土木交通部長に伺います。  県内の都市公園では、新型コロナ感染症が急速に拡大し始めた3月から4月に、県外からのレジャー客も急増しました。3月から4月中旬に、駐車場利用台数が例年の2倍に達していたとのことです。県のほうにも5月の大型連休を控え3月の3倍の来園があり、県民の方から、県外ナンバーの車を多く見かける、駐車場に止まっているとの懸念の声が寄せられたと聞きます。ここ数年のキャンプブームと重なり、ソロキャンプという言葉が、2020年の新語流行語大賞の30語の中にノミネートされています。  キャンプ愛好家の話を聞いておりますと、これから冬のハイシーズンで、1人のソロキャンプでもファミリーキャンプでも、寒い中、たき火をして、バーベキューをして、冬の景色、夜景を見ることが楽しいとのことです。特に長浜、草津の湖岸緑地公園は人気が高いと聞いています。  そこで、新型コロナ感染症が拡大し第3波が来ていると言われる中、現在、県内の都市公園の利用状況の調査および利用状況を土木交通部長に伺います。  4月7日に、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言が行われ、4月16日に対象を全国に拡大されました。県ではこれら感染拡大の状況を踏まえ、県境をまたぐ移動の自粛を促し、県外からのレジャー客の流入を抑え、人と人との接触機会を減らすことを目的に、びわ湖ホール、琵琶湖博物館、県立体育館など様々な県立施設が順次閉鎖されました。  県営都市公園も、大津、草津、守山、彦根、長浜などの5園と湖岸緑地16地区、主に琵琶湖岸に点在する計21か所の駐車場を4月24日から一斉に閉鎖しました。駐車場の閉鎖とともに、園内でのバーベキューやキャンプ、遊具の使用も禁止となりました。なお、散歩、ジョギングなどの一般利用はできました。  湖岸緑地公園以外のびわこ文化公園などの県営都市公園5園の駐車場は5月16日に、湖岸緑地公園16地区については6月1日に閉鎖の解除がされました。それに伴って、6月1日に各公園の遊具や屋外スポーツ施設、屋内施設、バーベキュー、キャンプの利用禁止も解除されました。  そこで、新型コロナ感染症が全国的に急激に拡大し第3波が到来していると言われる中、県営都市公園を含む県立施設の使用の制限をどのように考えているのか、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)最後に私に頂きました県営都市公園の使用制限に関する質問にお答えいたします。  県立施設は、県民の福祉向上のため、それぞれの施設が重要な役割を果たしており、県民にとっても大切な施設であるとともに、県外の人々にとっても、かけがえのない場所、まさに国民的資産であると考えております。  現時点では県立施設の使用制限を行うことは考えておりませんが、感染状況等を注視いたしまして、感染拡大防止と社会経済文化活動の両立の観点を踏まえ、慎重に対応してまいりたいと考えております。 ◎土木交通部長(吉田秀範) (登壇)私に頂きました5点の御質問のうち、1点目の都市公園の持つ役割についてお答えいたします。  都市公園は、防災、環境保全、レクリエーション、地域振興等の多様な機能を有しており、緑豊かでゆとりある生活の実現や、にぎわいと活力あるまちづくりを推進する上で重要な役割を担っていると認識しております。  また、コロナ禍におきまして、多くの人が自宅周辺で過ごす時間が増えた中、運動不足やストレスの解消の場として、また、新しい生活様式に対応した職住近接のまちづくりが求められる中、生活にゆとりと潤いをもたらす場として、都市公園の重要性が高まったものと考えているところでございます。  2点目の松の木の計画的な対策についてでございますが、県営都市公園におきましては、指定管理者により日常的にパトロールを行っており、樹木の生育状況や枯れ木の有無についても把握しております。  松枯れの対策につきましては、定期的に防除剤の散布や薬剤注入を行うとともに、パトロールで発見した倒木のおそれのある枯れ松につきましては、伐採もしくは立入禁止区域の設定等を行っております。しかしながら、周辺の松枯れの影響もございまして、湖岸緑地においても松枯れの被害が進行してございますことから、伐採等の安全対策や薬剤による予防対策などの管理を強化してまいりたいと考えてございます。  3点目の湖岸緑地の魅力をより一層高めていくための活用についてでございますが、本県におきましては、誰もが自由に利用でき、にぎわいと活力あふれる都市公園を目指し、今後、スポーツ施設やカフェ等の収益施設を設置する等、民間活力の導入により質の高い運営を効率的に行っていくこととしており、議員お示しの3公園におきまして検討を進めているところでございます。  湖岸緑地公園におきましても民間活力を導入したいと考えておりまして、例えばキャンプ場やビワイチのサポート施設の設置など、民間事業者のニーズ調査も行い、地元住民の皆さんの御意見も伺いながら、官民連携により活性化を図ってまいりたいと考えております。  御指摘の中主吉川地区につきましては、以前より、騒音やごみの放置等不適切なキャンプ利用が見受けられましたことから、キャンプ、バーベキューの利用禁止の措置を実施したところでございます。  今後、有料制による入場制限や利用エリアの区分分け、管理員の配置等の適切な管理方策を検討の上、再開に向けて、周辺住民の皆様や地元市と協議、調整を行ってまいります。  4点目の都市公園のトイレ改修工事についてでございますが、今般の都市公園トイレ改修工事では全ての県営都市公園を対象にしてございまして、本議会にて補正予算を提案させていただいております。当該予算をお認めいただけましたら、今年度中に工事着手予定でございます。なお、工事期間中においても使用できるトイレを確保することとしております。  また、今回の工事では、浸水時に移動する必要がある湖岸緑地の可搬式のものを除く全てのトイレにおいて、自動洗浄および非接触型自動水栓装置を設置するとともに、原則、洋式化を進める予定でございます。  5点目の現在の都市公園の利用状況の調査およびその状況についてでございますが、各都市公園におきまして、代表箇所を設定して平日と休日に調査を行い、月ごとの利用者数を推計しております。昨年と比べますと、駐車場閉鎖解除直後の6月は0.9倍と減少しましたものの、直近の10月は約1.2倍と増加傾向にございます。  利用状況につきましては、湖岸緑地では、いわゆるソロキャンプやファミリーキャンプ等のキャンプ利用が目立っておりまして、特に南湖東岸地域では、県外からの来訪が多く見られている状況でございます。 ◆1番(井狩辰也議員) (登壇)中主吉川湖岸緑地については住民の方から大変な苦情もございますので、しっかりと協議の上、進めていただけたらと思います。  その上で、利用状況を聞いていますと、10月が1.2倍ということで、県外からもたくさん来られているということでございます。  そこで、1点、再質問させていただきます。  新型コロナウイルスに係る対応として、4月16日に全都道府県に緊急事態宣言が発令され、滋賀県では道路利用者に対し、道路情報板等を利用して、県境をまたぐ移動および不要不急の外出の自粛を呼びかけられました。  現在、大阪で非常宣言が出されております。昨日の大阪の新規感染者は228人であります。都市公園を含む県立施設の利用者には、県外から来られる方もおられます。県境をまたぐ移動、また、県外から来られる方に対する自粛の判断はどのように考えておられるのか、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 現状におきましては、他府県からお越しになる方、また県境を越えての移動、こういったものをしないでくださいというお願いはしておりません。この状況では、する状況ではないのではないかと考えております。ただ、感染拡大地域における接待を伴う飲食ですとか会食は控えてくださいというメッセージを出させていただいております。したがって、他府県の方に滋賀県に来ないでという呼びかけも行っておりません。  今後、感染状況等を見ながら、今後の対応はしっかりと検討していきたいと存じます。 ◆1番(井狩辰也議員) (登壇)感染状況を見ながらということでございます。大変難しい判断になろうかと思います。私自身は、都市公園というのは大変重要な施設であると思います。各施設の状況に応じて判断いただきますことをお願いしたいと思いますし、特に都市公園施設は屋外にあります。利用者同士が離れて使用することで3密の回避などはでき、また、今回の補正で非接触の自動水栓にもなります。  私自身も、びわこ地球市民の森に子供と一緒に遊びに行ったりするんですけれど、経済活動とコロナの両立も大切であると思います。それとともに、日常生活とコロナの両立も大切であると思います。コロナ禍になって、私自身、こうした何気ない日常の生活の中に、心の安らぎ、気持ちのゆとりがあることを実感しております。  コロナ感染がますます拡大していく可能性も考えられますけれど、しっかりとマスクの着用や手指の消毒、3密の回避などを徹底の上、しっかりと対策を取りながら、私としては、でき得る限り各施設が閉鎖されることなく使用できますことをお願いを申し上げて、私の質問とさせていただきます。ありがとうございます。(拍手) ○副議長(富田博明) 以上で、1番井狩辰也議員の質問を終了いたします。  次に、27番目片信悟議員の発言を許します。 ◆27番(目片信悟議員) (登壇、拍手)冒頭ではございますけれども、私のプライベートのことで、本日、議場の皆さん方、また多くの皆さん方から励ましのお言葉や、またお悔やみのお言葉頂戴いたしました。心から感謝申し上げます。ありがとうございます。その上で、この議場において、亡き父の思い、しっかりと職責を果たせという思いの下、ただいまから一般質問させていただきたいと存じます。  それでは、発言通告に従い、大きく2項目、今後の再犯防止を推進するための取組について、そして、県立の射撃場の整備について、分割方式にて、全て知事にお伺いをいたします。  それでは、まず初めに、今後の再犯防止を推進するための取組について伺います。  このテーマにつきましては、年に1回もしくは2回取り上げさせていただいておりまして、言わば、私のライフワークの一つとなっております。今回取り上げさせていただいた背景には、平成30年度から法務省より本県が受託していたモデル事業が、来年3月に終了するということにあります。これまで、刑事司法手続段階における高齢者、障害者の入り口支援や再犯防止地域支援員の設置、また、事業所等相談アドバイス事業など5つの事業を、平成30年度よりモデル事業として取り組んでこられました。  このほかにも、本県の再犯防止推進の取組は、本年5月に、当時の山下法務大臣と、支え手よし・受け手よし・地域よし再犯防止「三方よし」宣言に知事が署名をされ、他の自治体に先駆けて推進しておられます。  一方で、年々受刑者の数も減っており、2022年3月で刑務所機能を廃止される予定の滋賀刑務所においても、近年の収容率は70%前後で推移しておりますが、それでも、2019年10月末時点で、全国の刑務所や少年院、少年刑務所、拘置所といった刑事施設への収容者数は4万8,800人余りと、決して少なくないのも現実であります。  やはり本県としては、計画期間が終わるとはいえ、引き続き再犯防止の取組の手を緩めることは許されないと私は考えますが、まず、このモデル事業の後を引き継ぐ取組をどのように構築されるのか、知事の見解を伺います。  また、関係する諸団体から、これまで国、また滋賀県として取り組まれてきた様々な施策について一定の評価をいただいておりますが、やはり課題もあるようです。例えば、ハローワークをはじめ、裁判所、警察や、あすくる等も同様に登録した雇用主がありますが、それぞれ互いに連携できていないとも仄聞をいたします。今後、こうした活動をワンストップ化していく必要性があり、その役割をどこが担うのか、そうした議論をしっかり詰めていかなければなりません。  本県においても、協力雇用主や保護観察所内にある就労支援事業者機構、滋賀県更生保護事業協会などの団体が、就労をはじめとする様々な取組がなされておりますが、どうも企業やその担当者の理解が深まらないのが実情のようであります。  そこで、滋賀県として、就労や住まいなど再犯防止に係る窓口を一本化し、ワンストップで展開ができる体制を構築してはどうかと考えます。また、そうした受皿は、対象者やその家族が地域において孤独になることを防ぎ、スムーズな社会復帰が果たせる可能性も高くなると思われます。  これからの時代、この新型コロナウイルス感染症によって、まさしく新しい生活様式、あらゆる面でこれまでの生活様式とは変わっていくことが予想されるわけですから、これまでの組織に新たな役割をしっかりと整理し、組み込む作業をしていかなければならないと考えます。  そして、その役割を果たすのは、保護司やそのOB、そうした取組に理解がある県民など、もちろんボランティアにはなりますが、関係団体や、その中心となって取り組まれている方々の知恵や力をお借りし、進める価値は十分にあるのではないでしょうか。特に、滋賀県更生保護ネットワークセンターなどが中心となって、滋賀県としての再犯防止、更生保護政策を進めてはいかがでしょうか。知事の見解を伺います。  また、このような事業に携わっていただいた方々に、知事や市町長、また議会議長などから顕彰されてはどうでしょうか。半ばボランティアとして献身的に活動された方を顕彰することは、その方にとりましても大きな励みになると思いますし、後を引き継ぐ人も現れると思います。特に医療や福祉、また、雇用や住まいの提供、寄附や寄贈などに功績があった方をはじめ、更生保護に熱心に取り組んでいる方にはぜひお願いをしたいと思います。どうでしょうか。知事、今後、ぜひそういったことの制度も御検討をいただければというふうに思います。  次に、本県の公共事業における入札制度の加点制度についてであります。  関係者からの聞き取りによりますと、雇用する意思がなくても、付き合いや入札でのメリットを期待して登録する企業が多い、実雇用に至るハードルは高いということでありました。また、働く経験が乏しい出所者にとって、長時間の勤務経験がないことから、これもネックになっているようです。こうした雇用をする側、また働く場を望む側の立場と、状況の違いをきちんと認識しながら施策を進める必要があると考えます。改めて、実効性のある加点制度を求めたいと思いますが、知事の見解を伺います。  また、再犯を防止する上で欠かせないのが、安心して生活できる住まいであります。引受人がいる出所者は、まず落ち着ける場所がある。しかし、身寄りも当てもない、まして部屋を借りるにしても保証人すら立てられないといった人は、非常に苦労されていると伺っております。本県には、そうした人たちを受け入れる施設として更生保護法人好善会があり、法人が運営する光風寮がその役割の一端を担っておりますが、これも耐震性の問題や老朽化が著しく、今後、建て替えなども視野に検討に入られています。この光風寮の建て替えも含め、出所者等の住まいの確保について、もう一歩、ぜひ県の強力なリーダーシップを期待するものであります。  生活の安定化と就労促進のため、光風寮も含め住まいの提供に対する滋賀県としての補助など、再犯防止に係る取組により具体性を持たせるべきと思いますが、知事の見解はいかがでしょうか。  あわせて、更生保護法人好善会の運営について、知事に伺います。  これまでから、この法人の理事長は行政の長が長らくされておりました。ここ8年ほど以前からは、保護司としても活躍されておりました方が理事長職を担っていただいておりますが、県域全体で活動する好善会ですから、ぜひ知事に理事長就任をお願いしたいのですが、いかがでしょうか。  それでは、この項の最後に、「誰一人取り残さない」「すべての人に居場所と出番を」、よく聞くフレーズであります。言うのは簡単、実際はどうかが問われています。三日月知事は平成27年に、県において保護観察対象者の直接雇用を実施していただきました。早いもので、もう5年が経過をいたします。  先日、11月定例会開会日に配付されました自治ニュースダイジェスト拝見していて目に飛び込んできたのは、「就労支援として 奈良県 出所者2名を雇用、財団設立 林業に従事」という記事でありました。これは奈良県が刑務所の出所者らの社会復帰を促すことを目的に、全額出資して一般財団法人を設立し、同法人が20代と40代の男性出所者を雇用したというものであります。法人は県条例に基づき7月に設立したもので、雇用期間は1年、仕事は林業で、県職員の初任給程度の給与とボーナスが支給されるそうです。  本県におきましても、当初、様々なハードルがある中、保護観察対象者の雇用につきましては、大津保護観察所と連携をしながら、実際の雇用にこぎ着けることができました。やればできるんです。そうした人の出番があったわけです。改めて奈良県と同じことをせよと申し上げているのではありません。  さきの2月定例会議での質問でも取り上げたように、滋賀県は滋賀県として、県下市町との連携も含め、よく言われる滋賀らしい更生後の取組を実践していただきたいのですが、今後こういうものを目指すという、その覚悟を見せていただきたいのであります。抽象的なものでなく、具体的に就労に向けて県として何をするのか。民間だけに頼るのではなく、県も汗をかくということをぜひお示しをいただきたいと思います。  民間事業者も様々なリスクと向き合いながら、社会に貢献するという使命の下、取り組んでいます。そうした団体や事業者に勇気を与える県の取組をぜひお願いをしたいと思います。 ○副議長(富田博明) 27番目片信悟議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お父様、元市長であられる目片信先生の御逝去、謹んでお悔み申し上げたいと存じます。
     御質問は、今後の再犯防止を推進するための取組ということで7点賜りました。  再犯防止推進モデル事業後の取組、まず1点目頂きましたが、本県では平成30年度から地域再犯防止推進モデル事業に取り組んできたところであり、3年間で97名に対して、福祉サービスを利用するための手続や住まいの確保など、地域生活に向けた必要な支援を実施しているところでございます。  また、地域の支援者への相談、アドバイスを198件実施するとともに、協力雇用主へのアンケート調査や戸別訪問、研修会の実施など、就労の確保に向けた取組を実施しているところでございます。  これまでの取組を通じて、1つは、取調べからの刑事司法手続段階で支援を受けた高齢者、障害者が実刑となった場合も、出所後の福祉的支援につなげることですとか、2つ目といたしましては、地域の支援者、更生保護に協力する雇用主等に対する支援や、地域における支援体制の構築を進めることについて、継続的に取り組む必要性を再認識したところでございます。  モデル事業終了後におきましても、滋賀県再犯防止推進計画に基づいて、刑事司法関係機関や更生保護、福祉の支援等を行う民間団体等との連携強化、市町における取組の促進を図りつつ、引き続き、必要となる再犯防止の取組を推進し、犯罪を犯してしまった人等が地域社会で孤立しないための息の長い支援を行ってまいりたいと考えております。  2点目、本県の再犯防止、更生保護政策の推進についてでございますが、犯罪を犯してしまった人等が立ち直ろうとするとき、住まいや仕事の確保は大変重要であり、地域における再犯防止の取組の推進の下、更生保護の関係者が相互連携を図っていくことが必要であります。  平成31年3月に、滋賀県更生保護事業協会や滋賀県保護司会連合会、滋賀県就労支援事業者機構、滋賀県更生保護女性連盟が連携して設置された滋賀県更生保護ネットワークセンターは、地域に開かれた更生保護活動の拠点となるものであり、本県の更生保護の推進に当たって大変有意義なものであると考えております。  県といたしましては、更生保護に御尽力いただいているこの滋賀県更生保護ネットワークセンターと連携協力いたしまして、罪を犯した高齢者や障害者など生きづらさを抱えた人に寄り添いながら、繰り返し犯罪に手を染めることがないように、必要な支援をしっかりと行ってまいりたいと存じます。  3点目、再犯防止、更生保護に係る顕彰制度についてでございますが、現在、更生保護活動で御功績のあった保護司や更生保護女性会員、BBS、これはビッグ・ブラザーズ・アンド・シスターズ・ムーブメント、様々な問題を抱える少年少女を支援する青年ボランティア団体の会員の方、また協力雇用主、更生保護法人職員等に対して、叙勲や褒章、法務大臣表彰等により顕彰が行われております。  私といたしましても、大津保護観察所や滋賀県保護司会連合会等が主催されておられます滋賀県更生保護事業関係者顕彰式典には昨年度も出席、できるだけ出席させていただき、祝意や謝意を表させていただいているところでございます。  再犯防止の取組につきましては、地域の支援者によるボランティア活動などに支えられており、その方々にもどのように謝意を表することができるのかということにつきましては、国等による顕彰制度も鑑みながら、検討をさせていただきたいと存じます。  4点目、実効性のある加点制度についてでございますが、本県では、建設業者における保護観察対象者等の雇用の呼び水となるよう、平成28年度より、建設工事の入札参加資格審査において、協力雇用主に登録されている業者、実際に直接雇用した業者、下請契約による間接雇用をした業者に対して、加点できる制度を導入しております。この加点制度を導入して約5年が経過しており、協力雇用主登録者として加点している業者は年々増加し、今年度の入札参加有資格者名簿においては、約15%の業者が加点を受けていらっしゃる状況でございます。  しかしながら、保護観察対象者等を直接雇用している業者は約0.5%、下請業者を通じて間接雇用している業者は約0.2%と、現状ではまだまだ少ないという状況がございます。  このようなことから、建設業者での保護観察対象者等の雇用が広がるよう、今後、業者を対象とした入札参加制度の説明会等において改めて周知を図るとともに、加点の配点バランスの見直し等、より効果的なインセンティブの在り方について、建設業者等の関係者の声も踏まえ、速やかに検討を始め、今年度中に一定の結論を得たいと考えております。  5点目、住まいの確保についてでございます。県内唯一の更生保護施設である光風寮につきましては、住居がなかったり頼るべき人がいないなどの理由で直ちに自立することが難しい保護観察対象者等を受け入れ、社会復帰のための就職援助や生活相談等を行われており、本県の更生保護の取組において大変大きな役割を果たしていただいていると存じます。  県といたしましては、罪を犯した高齢者や障害者など生きづらさを抱えた人に寄り添い、生活困窮者自立支援事業の活用や救護施設との連携等を通じて、刑事施設や矯正施設を退所した方の住居の確保を進め、地域生活への復帰の支援を行ってまいりたいと存じます。  6点目、更生保護法人滋賀好善会の理事長就任についてでございますが、現在、更生保護法人滋賀好善会につきましては、滋賀県保護司会連合会会長が理事長に就任されているところでございます。更生保護行政の一翼を担っている更生保護法人の役員につきましては、現在のような更生保護に携わる皆さんの中から就任されるのが適切ではないかと考えているところでございますが、現在の理事長の前任のお父様が、本日、御逝去されたということも受け、どういうことができるのか、しっかり考えてみたいと存じます。  7点目、就労支援についてでございますが、現在、法務省モデル事業を活用して、滋賀県更生保護事業協会に再犯防止地域支援員を設置し、大津保護観察所と連携して、協力雇用主の実雇用に当たっての相談支援に取り組んでいるところです。  また、県の就労支援の取組といたしまして、大津保護観察所と協定を締結し、保護観察所から推薦を受けた地方公務員法の欠格条項に該当しない保護観察対象者を、県の会計年度任用職員として直接雇用できるようにしているところでございます。  今後、県所管団体などに対しましても、就労支援に御協力いただけるよう、保護観察所などの関係機関とともに汗をかき、働きかけてまいりたいと存じます。  保護司や更生保護女性会員など更生保護に携わる皆様や更生保護関係団体等と引き続き連携協働しながら、見守りや就労支援などを行い、犯罪や非行をした人の生活の安定を図ることで、ひいては、加害者も、また被害者も生み出さない社会を目指して、まさに滋賀らしい再犯防止の取組をしっかりとつくり、また進めてまいりたいと存じますので、引き続きよろしく御指導のほど、お願いいたします。 ◆27番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございます。そもそも、この再犯防止につきましては、知事が就任される前からこの点には大きく共感するものがあって、共に取り組みましょうということがそもそもの発端で、先ほども御紹介いただきましたけれども、私の父が好善会の理事長をしていなかったら、こういったことに私も関わることがなかったのかなという、そんな思いもいたしました。  それに、この原稿を書いたときはまさか今日亡くなるとは思ってませんでしたので、そんなこともあって、ぜひ県として、知事の立場として、好善会、更生保護事業についてお力添えをいただければと、そんな思いで取組をさせていただきました。  そうした中で、先ほども御紹介がありましたけど、加点制度も直接雇用も、やはり今まで滋賀県はなかったんですね。保護観察所長さんから、ぜひ近畿2府4県で、市町も含めて、例えば雇用でありますとか加点制度が全くないのは滋賀県だけでしたというお話を聞いて、初めて質問をさせていただいた。こんな思いで問いかけたところ、それに答えていただいたというのが、今思い返せば、そんな思いが今込み上げてきております。  そこで、先ほど、どういう形で、例えば顕彰制度でありますとか、今の法人に対するスタンスでありますとか、これから考えていただけるということではありますけれども、私はぜひもう一歩前に進めて、例え賞状の1枚でも例えば県知事名で出していただくなり、また、好善会においても、理事長でなくても、こういう形なら何とか協力できるだろうとか、何かそういったものをお示しいただければなというふうに思うんですが、その点について、もう一度、御答弁をお願いできたらというふうに思います。 ◎知事(三日月大造) まさにお父様の影響や御指導を受けられながら、この議場においても誰よりも早くこの分野のことを御指摘なり御提案をいただいて、私自身は2014年から知事をやらせていただいておりますけれども、その折も、その選挙の以前から、この分野のことについてむしろ議員から私もいろいろと教えていただいて、この取組を県内においても進めてきたということでございます。それがそれぞれの団体の方ともつなぎ役を果たしていただいて、このネットワークセンターの設立にも至っております。  ただ、ここに来て、さらに今日的な改善をしていかなければならないということですとか、先んじてやった分、様々な都道府県も追いついてこられたり、あと、担っていただいている様々な組織やまた人々が、どんどんいろんなものを担われて大変な状況になっているというようなこともお聞きしておりますので、それらに寄り添っていく必要があると思っております。  その意味で、お尋ねいただいた顕彰の制度でありますとか好善会という組織に対する関わり方、これにつきましても、先ほど答弁したとおり、どのような対応がいいのか、よく考えたいと思います。  顕彰については、国の制度との兼ね合いをどう見るのかということがあるんですが、おっしゃったとおり、何らかの形で知事がありがとうございますとお示しすることは、特にこの分野、あんまりこんなことやってます、こんな人がいはりましたって、周りの方に言えない中で御尽力いただいているということもありますので、やはりしっかりと、見ていますよ、ありがとうございますというお気持ちを示すことは大変重要ではないかと思いますし、好善会のこの関わり方につきましても、今日この日にこうして御質問いただいたということは、何かのおぼしめしではないかと私自身も感ずるところ大でありますので、どういう関わり方が一番望ましいのか、関係団体の方とも御相談の上、議員とも御相談し、対応を考えてまいりたいと思います。 ◆27番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございます。ぜひよろしくお願いをしたいと思います。この件については、また様々時期を見て議論させていただきたいと思います。  それでは、次に、県立の射撃場の整備について、これも全て知事に伺います。  この射撃場整備につきましては、これまでから、獣害被害の軽減のため、また自然環境の保護、これは森林を食害被害から守るための対策として、ハンター等の養成や免許更新制度で射撃の講習が義務づけられたことから、整備の必要性、加えて今後は競技スポーツとして、ライフル射撃やクレー射撃といった選手育成のための施設として、しっかり整備すべきではないのかとの要望がございました。  これは今に始まったことではなく、平成22年9月定例会議では、今日議場にもお越しでいらっしゃいます清水議員や世古議員、また、平成24年2月定例会議では、我が会派の川島議員からも射撃場整備についての質問がございました。  その際の論点として、まず、銃刀法の改正により講習の義務づけとともに、実射による訓練の必要性、これについては、当時の正木部長から、実射訓練は必要との御認識の答弁がなされました。また、その実射訓練については、当時、京都の京北町や大阪泉南地区において実施され、最近では、岐阜県揖斐や京都府笠取の射撃場を利用されていると伺っております。  しかしながら、いずれも他府県域で遠方でもある上、講習受講者も実射訓練者もだんだんと高齢化が進み、現状ではその会場まで行き来するのも時間的、また、遠方であれば交通事故など様々なリスクがあるというふうに思われます。  県では旅費等の助成はされているものの、今後、狩猟者の養成を怠れば適正な個体数の維持が困難となり、大きな被害が発生することは十分考えられます。そのためにも、新たな射撃場の整備について、関係団体からはぜひ希望が丘エリアでとの要望も伺っておりますが、様々な課題もあることを承知もしております。  そこで、こうした射撃場の整備について、これまでからの議論を検証しながら、将来どのように取り組むべきなのか、伺ってまいります。  まず、今定例会議にも大津市にあります滋賀県立ライフル射撃場の指定管理に関する議案が上程されていますが、この施設はあらゆる射撃の実射訓練について対応できているのでしょうか、伺います。聞くところによりますと、限られた用途でしかないとのことですが、この施設では、狩猟者やクレー競技者の育成には、距離もなく全く役に立たないとも聞いております。  また、平成18年、平成19年には、猟友会に補助を出して適地の調査をされたようですが、適地がないのが実情との見解を示されました。改めて、その調査の結果、適地として報告された土地が全くなかったのか。一件も適当な土地もなかったのか。仮にそうだとすれば、どのような理由をもって調査された土地は不適格地であったのか、その理由を聞かせください。  また、平成24年2月定例会議での川島議員の質問で、再度、350万円の調査費の助成を行い調査されましたが、前回調査との違いは何だったのか、私には整備しないための理由を見つけるための調査としか目に映りませんでしたが、総合的に検討した結果、どのような課題があったのか。また、その課題を克服すれば整備は可能なのか、見解を伺います。  造らないための調査ではなく、どうすれば造れるのか、どのような課題をどうすればクリアできるのか。その視点に立って、施策の構築を、そのための調査をぜひ実行していただきたいというふうに思います。  ここまでは、前任者が財政改革プログラムを実行されている中、あらゆるハード整備が、もちろんハードだけではありません。興味なき施策については聖域なく切り捨ててこられた背景がありましたが、改めて三日月知事に問いたいのであります。  これまでから、狩猟者については高齢化の問題、またその数の減少等が言われています。そのために、県として継続して活動するための経費助成を行ってこられましたが、それで新たな人材が確保され、狩猟者は増えていくのでしょうか。現状を伺います。  例えば、県では令和3年度末までに、平成27年度の生息数7万1,100頭のニホンジカを5万1,900頭まで減少させる目標を立てていますが、その状況はいかがでしょうか。あわせて、イノシシやカワウ、また猿などの鳥獣害におけるその個体数管理は、狩猟者の人数や能力と大きく関わっているのではないでしょうか。こうした鳥獣の状況は、以前に比べ現在はいかがでしょうか、伺います。  最近では、兵庫県三木市に、これは兵庫県が事業主体で、また、岐阜県高山市にも新たな射撃場が建設されました。両施設とも狩猟者の育成を掲げ、また競技スポーツとして、クレー射撃やライフル射撃の大会等も開催できる規模として整備されております。  私は、特に本県でも熱心に取り組んでいるライフル競技の高校生たちが、これは水口高校とあえて言わせていただきますが、共に活動できる拠点として整備し、こうした施設での狩猟者とも交流しながら、将来その担い手に育ってくれたらと思うのであります。何も今すぐに建ててくださいとは申していません。将来をしっかりと見据え、しっかりとした計画を立てていただきたいのであります。  何度も申し上げますが、担い手の育成は一朝一夕ではいきません。若年層の競技者などもできれば訪れやすい立地、また、環境を提供することで将来の人材育成につながると思いますが、知事、一度、真剣に考えていただけませんでしょうか。いかがでしょうか。  この射撃場の整備については、多くの課題があることも承知をしております。鉛弾の問題、音も含めた施設の存在に対する周辺住民の理解を得ること、また整備のコストなどが挙げられますが、一方で、民間規模であっても実際に運営されているところもあります。ですから、行政だけでやろうと思うところに無理があったり、例えば、銃砲店や関係業界、団体とも連携をしながら、これまでからの発想を変えることでよい方向が見えることがあるやもしれません。  要は、最終目的は何なのか。そのためのアプローチを、行政や関係団体、また地域の皆さんと知恵を出し、最善の策を導いていただきたいと思います。よろしくお願いをいたしますというのが、これは原稿なんですけど、最近はわな猟が増えてきて、実際は答弁、協議をしていると、わな猟が多いというのも聞いています。そのことも含めて御答弁いただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。 ◎知事(三日月大造) 県立の射撃場の整備等について、今回は7問いただきました。  まず、1点目の県立ライフル射撃場における実射訓練についてでございますが、県立ライフル射撃場は、びわこ国体のライフル射撃競技の会場として昭和55年に整備され、県内唯一のライフル競技に係る指定射撃場であり、ライフル射撃競技の普及振興に大きな役割を果たしてきたところです。  施設は、10メートルのエアライフル射撃場、ビームライフル射撃場、50メートルのスモールボアライフル射撃場を完備している競技用の施設でございます。当施設では、エアライフルやスモールボアライフルの実射による競技練習を行っておりますが、クレー射撃や狩猟用の猟銃等の実射訓練を行うことはできないということでございます。  2点目、平成18年度と平成19年度滋賀県猟友会の用地に関する調査結果についてでございますが、民間射撃場の候補地として県内5か所を調査されたが、用地の取得資金の確保や地元合意に課題があり、候補地が絞り込めず、また、鉛弾の汚染対策を含めた経営の採算性の検討が必要であるという調査結果であったと伺っております。  3点目、滋賀県猟友会の調査結果の課題についてでございますが、射撃場候補地として、このときは県内6か所について検討されましたが、法令上の規制、周辺生活環境への影響、用地の確保が見込めないことの課題があったと伺っております。  また、工事費約5億円の負担、整備後の事業収支について黒字が見込めないこともあり、滋賀県猟友会が主体となる整備も困難であるとの結論になったと伺っております。  4点目、狩猟者の現状についてでございますが、銃の免許所持者は1,000人程度で推移しておりますが、今も最後にお触れいただきましたわな免許所持者を含めた狩猟者全体では、平成26年度以降、増加傾向にございまして、本年3月末現在、狩猟免許所持者は2,349人となっております。  本県では、県外の射撃場で行う射撃技能講習会の開催に対し助成を行っているところでございます。この助成により、狩猟者の射撃技能の向上が図られるとともに、銃の免許所持者への負担軽減を図り、継続して狩猟に取り組めるよう支援することで、人材の確保を図っているところでございます。  5点目、ニホンジカを減少させる目標の状況でございますが、増加したニホンジカの食害により、農作物被害や奥山等での下層植生の衰退が進んでおり、生息数を減少させるため、市町による里山等での捕獲への支援や、捕獲条件が悪い奥山等での捕獲に取り組んでいるところです。  これまでの取組で、農作物被害が減少するとともに、奥山等のニホンジカの生息密度が低下傾向にございますが、捕獲目標に対し8割程度の達成状況でありますため、生息数は横ばい、または緩やかに増加していると考えており、引き続き目標の達成に向け取り組んでまいりたいと存じます。  6点目の狩猟者の人数、能力と鳥獣の状況についてでございますが、県内全域に広く生息する有害鳥獣の捕獲には、議員御指摘のとおり、狩猟者の人数や能力が大きく関わり、狩猟者の確保と技能の向上が重要であると考えております。  イノシシ、ニホンザルでは加害個体の捕獲を中心に取り組んでおり、狩猟者数が大幅に増加した平成26年度以降、捕獲数も増加し、防除の取組も進んだことにより、農作物被害の軽減が一定図れていると見ています。  また、カワウにつきましては、竹生島等の大規模コロニーで銃器による捕獲を実施しており、これまでの取組により、本年5月の生息数は約7,300羽で、ピーク時の約3万8,000羽から大きく減少しているとのことでございます。  今後も、有害鳥獣の捕獲が適時適切に実施できるよう、引き続き、狩猟者の確保と技能の向上を図っていきたいと存じます。  7点目、射撃場の整備についてでございますが、改めて真剣に考えてみましたが、狩猟者などの育成のための射撃場につきましては、これまでの検討状況を踏まえますと、用地の確保や整備費用の負担および整備後の運営等に課題があり、県で整備することは困難であると考えています。  なお、射撃場につきましては、兵庫県が令和4年度の開場を目指して整備内容を検討されているところであり、関西広域連合を通じて、兵庫県から射撃場の広域的な活用や構成府県市との研修にも協力したい考えである旨、伺っているところです。  射撃場の広域的な利用につきましては、今後、兵庫県の意向を踏まえ、協議調整を行い、県内の狩猟団体に情報共有を図ってまいりたいと存じます。  また、県外での射撃技能講習に対し引き続き支援を行うなど、今後も狩猟団体と連携して、人材育成に取り組んでまいります。 ◆27番(目片信悟議員) (登壇)御答弁のそのまま、そうかなというふうに思っております。要は、先ほど御紹介した三木の兵庫県の部分もそうなんですけど、いかにしてそこへ行くのか。行きやすいということを、様々なそういう補助なり何なりというところで、しっかりとそうした皆さん方にお支えをいただければなというふうに思います。こんなん造る造らんという議論をいつまでしてても始まらないとするならば、やっぱり、あるものをどういうふうに使いやすく、なおかつ負担なくということが求められていくというふうにも思いますし。  それと、そういった狩猟者、わな猟については増えてきたということでもありますので、そうした所期の目的をしっかりと達成できるような方向で、関係諸団体も含めて、これからもしっかりと連携していただければなというふうに思います。  加えて言うなら、先日ちょっとテレビを見ておりましたら、解体の講習会、いわゆる捕獲した鹿とかの解体の講習会を、たしか高島かどっかでやられていたようなテレビ放映があったように思います。そうすると、やっぱり、駆除したといいますか、捕獲したそういった鹿とかをいかに解体をして、次のその命をつないでいくかということも、これ、併せて考えていく必要があろうかなというふうに思いますので、そこらはまた農政の話にも関わってくるのかなと思いますから、そういったことをトータルで考える中で、こういった問題をこれから前へ進めていただければなというふうに思います。ありがとうございました。終わります。(拍手) ○副議長(富田博明) 以上で、27番目片信悟議員の質問を終了いたします。  最後に、5番白井幸則議員の発言を許します。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇、拍手)本日最後の登壇者となりました。どうぞよろしくお願いいたします。  では、発言通告に従いまして、滋賀県の魅力発信について、分割質問にて、全て知事にお伺いします。  10月にブランド総合研究所の地域ブランド調査結果が発表され、滋賀県の魅力度は全国37位という結果でした。地域ブランド調査とは、ブランド総合研究所が年1回実施しているインターネット調査であり、全国1,000の市区町村と47都道府県が対象となっているもので、都道府県ランキングは2009年から実施されているものです。  本県の魅力度は、最初のスタートが2009年の42位、その後、2017年には28位と最も高くなったものの、その後、直近では38位、39位、37位という状況となっています。あくまで滋賀県の魅力度をはかる一つの指標だと思いますが、まずは、この指標に対し知事はどのように受け止められ、順位が下位にある要因は何か、どのように分析されているのか、お伺いします。  次に、今年はコロナの影響と近年のアウトドアブームが相まって、初夏から秋にかけて、琵琶湖岸にキャンプをしに多くの人々が訪れていました。その様子を何回も見に行ったのですが、湖南地域では湖岸緑地公園にびっしりとテントが張られ、駐車場は車があふれ出すほど止まっていました。ナンバーを見ると、大阪府、京都府、愛知県の車がほとんどでした。湖西のほうでは、京都府や大阪府のナンバーが多く見かけられました。  先々週も、この季節になると寒いので、さすがにキャンプはしていないだろうと思っていましたが、夏や秋ほどではないものの、キャンプをしておられる方がおられました。今まで見たこともないような形のテントや煙突が出ているテントなどもあり、アウトドアメーカーも、1年を通して需要があるように商品開発をしているのだなあと感じました。  滋賀県は、海、山、川、湖などの地名的名称の認知度ランキングは、北海道に次いで第2位になっています。もちろん日本一大きな湖、琵琶湖です。数年前から続いているアウトドアブームは滋賀県の魅力度を上げる大きなチャンスと考えますが、知事はどのように捉えておられますか、お伺いします。  次に、魅力というのは人を引きつける力です。理論や理屈ではなく感じるものであり、感性に訴えるものであります。知事も魅力度の重要性は十分認識しておられると思いますが、魅力度が向上することにより、全国第38位の観光意欲や第42位の産品購入意欲、さらに、第47位、最下位の食品想起率にどのような影響を与えられると考えているのか。また、魅力度向上に取り組むのであれば、責任の所在を明確にするとともに、一番大切なことは具体的な目標を持つことです。  私も、他府県と比べて上だとか下だとかという順位に一喜一憂する必要はないとは思いますが、それよりも、ポイントを具体的に何点にするというような目標にしたほうがよいと思います。ポイントの目標を設定するとしたらどれくらいを設定されるのかを、併せてお伺いいたします。 ○副議長(富田博明) 5番白井幸則議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)滋賀県の魅力発信について、私に3点御質問いただきました。  まず、1点目のブランド調査結果についてでございますが、この地域ブランド調査は毎年10月に発表され、発表直後は多数のメディア等が取り上げるなど、高い話題性があると認識しております。  従来よりこの調査結果について、今も議員もいみじくもおっしゃいましたけれども、順位にとらわれて一喜一憂するのではなく、県民の皆さんが滋賀をどのように思うのか、また、滋賀を訪れていただいた方々に満足していただくことが大切だと考えているところです。  順位が下位にある要因につきましては、観光親善大使や御当地キャラクターなどの項目はおかげさまで全国平均より高い一方で、地名のついた特産品などの地域コンテンツの認知度がまだ低く、本県ゆかりの食やモノなどの魅力がうまく伝えられていないところが課題ではないかと認識しております。  2点目のアウトドアブームについてでございますが、議員御指摘のとおり、キャンプなどのアウトドアがブームとなっており、日本一の湖、琵琶湖岸でのバーベキューは、まさに滋賀ならではの観光資源だと存じます。  コロナ禍を経て、改めて注目されている琵琶湖でのアクティビティやキャンプなどのアウトドアについて、これはナショナルサイクルルートに指定されたサイクリングも含めて、改めて再評価、再発見し、PRしていくことで、滋賀県への観光誘客につなげていきたいと考えております。  3点目のポイント目標の設定についてでございますが、地域ブランド調査2020では、本県の魅力度は、前年の39位、13.1ポイントから2つ順位を上げ、37位、14.3ポイントとなっているところでございます。  滋賀の魅力発信に当たりましては、ここ滋賀推進会議でブランド推進の連携強化を実施しており、部局横断を図りながら、個別ブランドの磨き上げと情報発信を組み合わせ、魅力発信に努めているところです。  事業を進めるに当たりまして、目標の設定というのは大切であると考えておりますものの、それ以上に、県民の皆さんはじめ、滋賀に関わる人々が滋賀を大切に思う、滋賀に誇りが持てる、そのすてきな滋賀を紹介するといった手法で滋賀の魅力を広くお伝えしていきたいと考えており、その結果としてポイントや順位が高まっていけばいいなと期待しているところでございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)ありがとうございます。2問目について再問をさせていただきます。  今の順位について、県民の皆様はがっかりされています。順位が今ほどもあったように上がればうれしいですし、また、それが滋賀県を愛する気持ちや誇りに思う、そういった気持ちにもつながっていくと思います。  具体的な目標というところは設定はまだ考えておられないようですけれども、具体的な目標を設定することによって現実とのギャップが生まれて、このギャップを埋めるために、どういう次の手を打てばよいのかということが大切になってくるわけですから、PDCAのこのサイクルを回す上においても、具体的な目標設定、これがまず必要になってくると思いますので、その辺もまた検討していただけたらなと思います。  広報で直接琵琶湖の宣伝をするというのも一つの方法だとは思いますけれども、民間の企業を長年経験した経験からいうと、自分の会社がすばらしいよということを100回言うよりも、お客さんとかほかの人が1回いいよって言ってくれはるほうが実は効果が大きいわけで、例えばアウトドアのメーカーさんに宣伝してもらうとか、いろんなメーカーさんのCMに琵琶湖が映るとか、その制作費を支援するとか、新しい視点での検討もしてはどうかなと思いますけれども、知事の所見を最後伺います。 ◎知事(三日月大造) いろんな感じ方あると思うんですけれども、例えば、1つ、毎年注目している私どもがやっている調査でも、県政世論調査、こういったものを見ますと、このコロナ禍にありまして、滋賀県に対する誇りありという数値は、昨年度よりも4ポイント以上上回って、全体のほぼ8割の方が県に誇りを持っていらっしゃるということがありましたり、住み続けたいと思っていただく方も昨年度を5ポイント上回り、これは調査開始以降、最高となっているところがございます。  もちろん、いろんな調査、そしてそれによるランキングづけ、順位づけ等もございますが、何より滋賀県にいらっしゃる方々の、住んでいらっしゃる方々のこういった誇りや満足度、住み続けたいと思ってくださっているかどうか。こういったこともぜひ参考にしながら、滋賀県の魅力づくりを行っていきたいと考えております。  ただ、この調査の中では、滋賀県の魅力が発信されていると感じますかという、このことの満足度は大変低位にあるということですとか、滋賀県の魅力が発信されていると感じますかというのは、満足度よりも不満度のほうがやっぱり高くなっているということがございますので、こういった指標等も参考にしながら、今後の発信方策についてもさらに強化していければと考えておりますし、今、議員が御提案ありました琵琶湖をはじめとする滋賀の自然、その中での様々なアクティビティを、民間企業などと連携して発信していく、PRしていく、その効果等についても御指摘ございました。  かける費用との兼ね合いはございますが、県が、知事が言うよりも、そういった民間企業等の発信媒体の中で紹介されるということの有効性は私も感じているところでございますし、この間、西川貴教さんが随分いろんな番組に出られて、ならではの視点と表現で発信されたことの反響は大変多うございました。  したがって、そういうもの、狙ってできるものばかりではないと思うんですけれども、ぜひ関係もつくりながら、しっかりと滋賀の発信をしていただけるように取り組んでまいりたいと存じます。
    ◆5番(白井幸則議員) (登壇)では、よろしくお願いします。  次の質問に移ります。  福祉作業所の賃金、工賃について、分割質問で、全て健康医療福祉部長にお尋ねします。  障害者が地域で自立した生活を送る基盤として、就労により収入を得ることは重要であります。一般就労を希望する者には、できる限り一般就労ができるように支援をしていかなければなりません。しかしながら、一般就労が困難な障害者が収入を得ようとすると、就労継続支援A型事業所において、時間給幾らかという形での雇用契約に基づく就労の機会を得るか、就労継続支援B型事業所において、時間給ではなく、作業ができた分に見合う工賃を頂く形での仕事に就くことになります。  令和元年度のA型作業所の平均賃金は8万6,490円で、B型作業所の平均工賃は1万8,516円でした。このようにB型事業所の工賃は低く、お昼の給食代を引くと、1万円あるかなしかの収入になってしまいます。  国では、平成19年から工賃倍増5か年計画に取り組み、平成24年度からは、全ての就労継続支援B型事業所において工賃向上計画を策定し、工賃向上に取り組んでいます。今年度は第4期滋賀県就労収入向上実践計画の最終年度に当たりますことから、計画期間における主な取組や成果についての評価と、現状での問題点や課題点についてお伺いします。  次に、滋賀県では、B型事業所で約3,300人が作業をしています。先ほども言いましたが、平均の工賃が1万8,516円ですが、あくまでも平均ですので、少ない人になると1万円を切ってしまいます。そこから給食代を引かれると、手取りは2,000円とか3,000円ということになります。障害者基礎年金の6万5,000円を足しても7万円には届きません。親が元気な間は何とかしてでも面倒を見てあげられるのですが、いなくなった後、1人で生活するには収入が少な過ぎます。  障害者の親は自分がいなくなった後のことを、この子はどうやって生きていくんだろうということを一番心配されています。何とかみんなで知恵を絞って協力し合いながら、B型事業所で働く障害者の工賃を上げていかなければなりません。本人も頑張らなければならないということは言うまでもありませんが、その支援をする事業所の職員の方の役割が大変重要になってきます。  A型事業所は、雇用する時間が増えると基本報酬も大きく増える仕組みになっていますから、職員の方も頑張りがいがあります。ところが、B型事業所では工賃が上がっても事業所の基本報酬はあまり変わりませんから、やりがいが生まれてきにくくなっています。基本報酬のインセンティブを大きくする必要があると思いますが、所見を伺います。  次に、来年度は滋賀県障害者プランの改定があります。特に、B型作業所の工賃を向上していこうとすると、事業所の運営が健全でなければなりません。そのための支援や意識改革のための県の支援をお願いしたいところです。  そして、滋賀県障害者プランの素案では、B型事業所の工賃の目標設定において、平均工賃が3万円以上となる事業所の割合を、現在の12.8%から30%に上げることを目標とされると仄聞しております。たくさん工賃を取れる人を増やしていく対策をして、平均を引っ張り上げることも大切かとは思いますが、それでは、工賃の低い人はいつまでたっても低いままになってしまいます。全体の底上げができるような対策となるような目標設定をする必要があると思います。  この項の最後に、次期プランの目標と具体的な行動計画について、健康医療福祉部長にお尋ねいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)福祉作業所の賃金、工賃についての3問の御質問にお答えをいたします。  1点目、第4期計画の主な取組などについてでございます。  第4期滋賀県就労収入向上実践計画につきましては、平成30年度から令和2年度までを計画の期間といたしまして、主に就労継続支援B型事業所利用者の工賃向上に向けた県の取組を定めております。  第4期計画における主な取組といたしましては、障害福祉サービス事業所の仕事おこし支援事業によりまして、事業所にアドバイザーを派遣して、経営の改善や業務の改善の指導、あるいは職員のスキル向上の支援を行いますとともに、農福連携に取り組む事業所の支援も実施をしてまいりました。  また、事業所への発注拡大の取組といたしまして、滋賀県ナイスハート物品購入制度によります官公需の促進を図っておりまして、発注実績は、平成29年度の2,700万円から、令和元年度には約4,000万円まで増加をいたしております。さらに平成30年度からは、しが障害者施設応援企業認定制度を開始いたしまして、民間企業からの発注促進にも取り組んでおります。認定企業の数は、令和元年度の17社から今年度は56社にまで増加をいたしております。  こうした取組もございまして、A型、B型を合わせました平均工賃月額は、平成29年度の2万7,104円から、令和元年度には2万9,308円へと2,204円上昇いたしております。  一方で、目標値としている3万円には届いていないこと、また、B型作業所の平均工賃月額は1万8,516円と、平成29年度から360円の上昇にとどまっておりまして、工賃向上の取組をさらに推進するということが必要であります。  また、B型事業所利用者の高齢化、あるいは新型コロナウイルス感染症拡大によります生産活動の収入の落ち込みへの対応などという新たな課題もあると認識しております。  2点目、基本報酬のインセンティブを大きくする必要性についてでございます。  現在、国におきまして、令和3年度からの報酬改定に向けた検討が進められております。B型事業所の基本報酬につきましては、現在の平均工賃月額に応じた報酬体系のほかに、もう1つ、新たに平均工賃月額の増額を行うことが難しい事業所などを念頭に置きまして、利用者の生産活動等への参加などを支援したことをもって、一律の評価をする報酬体系も新たに創設するということを検討されております。  一方、平均工賃月額に応じた報酬体系におきましては、高い工賃を実現している事業所にはさらに高い報酬となるよう、国においてもインセンティブが働く仕組みも検討されているものと考えております。  県といたしましても、業務改善などによります工賃向上の好事例を幅広く紹介するなど、事業所が工賃向上などに意欲を持って取り組むことができるような工夫は検討してまいりたいと思っております。  3点目、次期プランの目標と具体的な行動計画についてでございます。  B型事業所の平均工賃がA型事業所と比べて低く、いまだ1万8,000円台となっていることは課題と認識しております。現在策定作業を進めております次期障害者プランにおきましても、3万円以上の工賃を支払うB型事業所の割合の目標を30%以上とするということを検討いたしております。  この目標を設定いたしまして、その達成に向けまして、仕事おこし事業による生産活動の強化に引き続き取り組みますとともに、市町と連携した官公需の掘り起こし、あるいは、しが障害者施設応援企業認定制度の周知の拡大など、B型事業所の工賃向上に向けて全力で取り組んでまいる所存であります。  なお、議員の御指摘のとおり、月額が1万円に届いていない事業所というものもございます。ただ、毎日通所が困難な方がおられる事業所があるというようなこともお聞きをしておりまして、やはりそれぞれの事業所において、どのような工夫が必要なのか、そこは丁寧にいろいろとお話をしてまいりたいと思っております。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)ありがとうございます。ぜひ障害者が自立した生活が送れるような次期プランとなるよう、よろしくお願いいたします。  では、次に、特別支援学校の大規模化の解消について、一問一答で、全て教育長にお伺いをいたします。  まず、滋賀県では平成24年から、知肢併置特別学校における児童生徒増加への対応策について取り組んでこられましたが、その成果についてお伺いいたします。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えをいたします。  平成24年10月に策定をいたしました児童生徒増加への対応策では、普通教室の増築や愛知高等養護学校、長浜養護学校伊吹分教室、三雲養護学校石部分教室の新設などに取り組んできたところでございます。こうした取組によりまして、約350人分の教育環境整備の効果があったところでございます。  さらに、令和3年──来年4月から、3か年での定員48人の北大津高等養護学校を新設する予定でございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)以前に担当課から報告を受けたところによりますと、予想以上に増加が多かった1校を省いて、一定の成果が認められたというふうに伺っております。その1校というのは草津養護学校なんですけれども、草津養護学校に成果が認められなかった要因は何かをお尋ねいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  草津養護学校への取組といたしましては、平成23年にグラウンド棟を増築、また、甲南高等養護学校の定員募集の1クラス増、平成25年には、草津養護学校も通学区域となります三雲養護学校石部分教室を新たに設置するとともに、平成28年にはさらに1クラスの増を行ったところでございます。  こうした対策を取ってきたところではございますが、草津養護学校への就学を希望される児童生徒の増加や通学区域の就学年齢人口の増加が、平成24年に予測しておりました児童生徒数を上回っているところであり、取組の効果が限定的となったと認識をいたしております。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)予測した以上に増加が激しかったということであるということです。令和元年には304名だろうと思っていたところに、令和2年は369名が通わせていただいているという状況です。  次の質問です。  草津養護学校も含めて、各校の将来の児童生徒数の推計はどのようになっていますか。お伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  県内に8校ございます知肢併置特別支援学校の児童生徒数につきましては、通学区域内の人口や就学率を基に推計を行っているところでございます。現在公表しております推計値につきましては、平成24年に公表した平成34年までの数値を今公表をさせていただいております。  現在、その後の推計値について推計作業を行っているところでございまして、申し訳ございませんが、現時点において、具体的な数字についてはまだお答えできる段階にはない状況でございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)予測が大きく外れ、外れたと言うと失礼ですけども、ずれてしまって、なかなか対応についての成果がなかったという中で、まだ将来の推計を出していないということですけども、なぜつくっていないのかをちょっとお伺いしたいと思います。 ◎教育長(福永忠克) 先ほどもお答えいたしましたが、今後の児童生徒の数をどのように推計するかということでございますが、1つは、当然、通学区域内の人口、就学人口がどうなっていくのかという点がございます。あわせまして、各学部で就学率がどうなっていくのかという点もございます。その就学率につきまして、どれを基に推計をしていくかという点がございます。  例えば、今から過去5年間に遡って就学率を計算する、あるいは10年間に遡って就学率を計算する、こういった手法があるわけでございますけれども、こういったもののどういった数字を使って推計をしていくのが一番適切か、そういったことも含めまして、現在検討を進めているところでございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)いろんな手法がある中で、いろんな計算の仕方がある中で、それぞれを出して、その中でどれが一番優れているかということを判断していかないと駄目ですし、難しいからできないと言って先送りしているようでは駄目だと思うので、今のことについて再問をします。  平成27年の3月策定された滋賀のめざす特別支援教育ビジョンの19ページには、「中・長期的な展望に立って、県内各地域における特別な支援を必要とする児童生徒の動向(将来推計)等を丁寧に把握し、様々な教育的ニーズに対応できる学校づくりを進める」とあります。もう28年から5年たって、まだ何もできていないということでは、このことを大切に思ってくれているのか、先送りしようとしているのか、しっかりと考えてほしいなと思います。  ですから、将来推計というのは、これから対策を考える上で非常に重要な数字です。例えば児童生徒が5人、6人増えても、普通の学校ではクラスが増えることはまずないと思います。ところが、特別支援学校ではクラスや教職員の数が増えると思うのですが、見解を伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えいたします。  今、議員が御指摘のとおり、小中学校の通常の学級で学ぶ子供さんについては、30人が32人になっても同じ数ということでございますが、特別支援学校につきましては、特に知肢併置の特別支援学校については、障害の程度、重度であるとか軽度であるとか、肢体障害であるとか知的障害であるとか、様々な要因によってクラス分けをしてまいりますので、少しの数の変化が教室の増減につながっていくというのは十分認識をしておりますので、その辺を見据えながら施設整備を考えていくことが必要でございます。  そのためには、おっしゃるとおり、推計をどのようにしていくかというのが基本でございますので、その点と施設整備をやはりセットでしっかりと考えていく必要があると認識をいたしております。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)この部分について、もう一度、再問します。  平成24年から取り組んでこられた知肢併置特別学校における児童生徒増加への対応策についても、今、将来推計を出しておられると言っておられました。今、例えば平成24年から令和元年度までの推計を出しておられるのでいくと、草津養護学校は令和元年度には304人になると推測していたところが、令和元年度では361人で、差が57名ありました。甲良養護学校では199と推計していたのが218で、プラス19名でした。野洲養護では418人と推計していたのが374人で、マイナスの44。そして、八日市養護は203と予測していたのが185で、マイナスの18ということです。  これ、一つ一つの学校を見ると全然外れてるやんということですけれども、草津と野洲養護を1つの生活圏という形で見ていただくと、例えば子供が就学するときというのは、マイホームを取得しようとか、賃貸に住んでいるのがマイホームに移ろうとか、そういったときに、何々市限定で探しますというよりは、この生活圏の中でよい物件ないかなというふうに探したりしますし、他府県から流入される方も、何々市限定でというふうにはせずに、どこどこの生活圏でという形で探したりされる。  そういった見方で、生活圏という形で見ていくと、草津養護と野洲養護、合計で722名の予測が735でプラスの13人、誤差は1.76%。湖東の地域のほうでいくと、八日市と甲良、合計で402名の推測をしていましたけども、実際は403名、たった1人の差。ほぼ正確にぴたっと推計を出しておられたということで、やはり推計も読み方次第ではしっかりと出せられると思いますので、幾つかある中から、どれが一番優れた見方かというところをまたしていただきたいなと思います。  私が統計等の専門の方に出してもらった草津養護学校の将来推計は、2025年が380人、2030年が379人、2035年が372人、2040年、20年後で363人です。ただ、これは、南草津駅周辺で今、約1,000戸の区画整理の住宅開発が進んでいることと、特別養護老人ホームが引っ越しして、その跡にマンションの計画がある、このことが考慮されていませんので、若干上振れする可能性が大だと思っています。  まず、将来の生徒の予測数を出さないと、長期的な計画が立てられないのではないかと思いますけれども、もう一度お伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  今、御質問の中で触れていただきました生活圏という視点というのは、今後、十分考えていく視点であると思いますので、今後、参考にさせていただきます。  そういった中で、中長期的に特別支援学校をどうしていくのかという視点もしっかりと持たないといけないと思っております。10年後、20年後に子供の数がどうなって、それに対して施設をどういうふうに整備していくのかという視点が1つ大事な視点だと思っております。  あわせまして、今いる子供たちの学びの環境をどうしていくのかということも、今教育長をしております私としても、併せてしっかり考えなければならない課題であると認識をいたしております。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)今ありましたように、長期的な視点も持たないと駄目だ。長い仕事にしていこうと思うと、長い先を予測しておかないと駄目です。二、三年先の生徒の数がこれだからということを追いかけていっても大きな仕事はできないんで、しっかりと予測を立てていただけたらなと思います。  次の質問に移ります。  滋賀県では、第2期教育振興計画に基づいて、平成27年3月に滋賀のめざす特別支援教育ビジョンを策定されました。第1の2の(1)の項では、本県の現状と課題ということで、特別な支援を必要とする児童生徒の増加ということを挙げています。  一部の特別支援学校において教室不足が生じてきたことや、湖北や湖西等の地域では既に増加が止まり、あるいは減少に転じる傾向が出てきているが、その一方で、湖南地域を中心に、引き続いて増加の傾向が見られることから、さらなる対応策の検討が求められているという課題認識があり、教育環境の整備充実を図ることを、基本理念を実現する7つの柱のうちの一つに挙げています。  そして、この基本ビジョンに基づき、具体の取組をまとめた滋賀のめざす特別支援教育実施プランを平成28年3月に策定。この実施プランでは、重点的に取り組む期間を平成28年度から令和2年度としてきましたが、この期間の最終年度に当たり、どのようなことを実施してきたのかをお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  実施プランにおけます教育環境の充実におきましては、まずは、小中学校におきましては、特別支援学校の就学要件を満たす児童生徒が地域で学ぶに当たりまして、支援員を配置する市町に対し支援を行っております。また、医療的ケアが必要な児童生徒が同じように地域で学ぶに当たり、看護師を配置する市町に対しまして、国との連携の下、支援を行っているところでございます。  県立高等学校におきましては、特別な支援を必要とする生徒への支援スタッフを配置し、障害のある生徒への支援の充実を図っているところでございます。  特別支援学校では、高等部段階の生徒が増加することに対応するために、先ほども御答弁申し上げましたが、令和3年4月より北大津高等養護学校を開校としているところでございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)今のことについて再問をします。  教育環境の整備充実というところで、様々取組をしてこられました。そして、今通っている子供たちの学びということを大切しながら配慮していくということです。  その中で、特別支援学校における基礎的環境整備は、合理的配慮に基づくものであって、合理的配慮の不提供は障害者の差別を禁止した国連の障害者の権利に関する条約の違反となります。一般的な教育環境の整備と合理的な配慮に基づく基礎的環境整備では、どちらも大切ですが、後者を優先すべきだと私は考えるのですが、教育長の考えを伺います。 ◎教育長(福永忠克) 特別支援教育におけます教育環境の整備は、目標といたしまして、基礎的な教育環境を整えるとともに、子供一人一人の障害の状況に応じた合理的配慮を提供するとうたっているところでございます。  この目標達成に向けた考え方におきましては、子供たちの障害の状況、また、教育的ニーズに応じた多様な学びの場を柔軟に選択し、見直しできるように、教育環境の整備とその充実を図るとともに、合理的配慮の提供が適切にできるよう、基礎的な環境整備を進めるということでございますので、この2つの考え方をしっかりと見据えて取り組むべきだと考えております。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)いずれ大きなお金をかけるんであれば、合理的な配慮に基づく基礎的な環境整備というのを急いでいただけたらなと思います。  では、次の質問に移ります。  児童生徒の急激な増加による学校の大規模化は、クラスの増加による教室不足を生じています。また、体育館の利用が複数のクラスで重なり使えないということが起こったり、特別教室などの利用も同じく、利用が重なると使えません。また、通学なども工夫はしていただいていますが、朝から90分以上バスに乗らなければならない児童や生徒がいる状態が長年続いています。  さきの質問の滋賀のめざす特別支援教育実施プランを実施したことにより、特別支援学校の大規模化による様々な問題は解決したのかどうか、お伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  先ほども少し触れさせていただきましたが、実施プランの教育環境の充実におきましては、基礎的な教育環境の整備を整えるとともに、子供一人一人の障害の状況に応じた合理的配慮を提供することを目標に、子供の障害の状況や教育的ニーズに応じた多様な学びの場を柔軟に選択し、見直しできるように取り組んでいるところではございます。  しかしながら、現在のところ、特別支援学校におきましては、児童生徒数の増加による教室の不足でありますとか、スクールバスの長時間乗車の課題がまだ引き続きあることは十分認識をいたしております。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)今、問題がまだ解決してない、その途中であるという、そういった御答弁かなと思います。  では、それについて再問させていただきますけれども、児童生徒数が増えて大規模化の学校になる、このこと自体が悪いことでは決して一概ではなくて、様々な弊害をもたらしてしまいますから、それを放置したままにしておくと問題が発生するということです。  それで、今の様々な問題と申し上げた中で、付け加えてもう一つあるとすると、よく鍋ぶたって言われますように、学校の管理職の数と一般職員の比率の問題があります。本当に、校長先生、教頭先生などの少ない管理職で、一般の職員さんたくさんをマネジメントしなければならないという問題です。  様々な研究から、一般的には、1人の管理職が管理する適正人数というのは、業務内容やタスクの量にも左右されるものの、おおむね5人から8人、補佐をする人をつけても、最大でも15人から20人程度だと言われています。ちなみに県庁の知事部局では、管理職が402名、一般職が2,715名です。管理職1人当たり6.7人となっています。会計年度任用職員を含むと、1人当たり8.7人というふうになっていますが、大規模化の進む養護学校での児童生徒数の多い学校ではどれくらいの比率になっているか、お伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  今、御質問の中にございます草津養護学校を例に取らせていただきますと、現在、管理職は5名おられます。それに対して非管理職である職員の皆様は、正規職員が161名、臨時職員の方が41名、非常勤職員の方が45名、職員が非管理職全体で247名となってございます。これを管理職1名当たりに割り算をいたしますと、約50名程度の職員になるという形でございまして、管理職の割合は2.0%というふうに認識をいたしております。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)先ほども申し上げたように、サブの方をつけるとしても最大でも15人から20人が限界だと言われている中で、1人の管理職が50人の一般職員をマネジメントしなきゃならんということです。これは、もうコントロールができてない状態が実は続いているんじゃないかなということを危惧します。  ハインリッヒの法則にあるように、1つの重大な事故の陰には29の中ぐらいの事故、そして300のヒヤッ、ハッとするような、ヒヤリ・ハットとするような小さな事故があるという中、多分、日常的に、これ間違うた、あれどこ行ったやろ、子供たちいいひんわ、こんなことが日常的に起こっていると思います。  私も、実は草津養護学校の学校評議員というのを3年間務めさせていただきました。そんな中で、様々な問題、そして学校の中のこと、いろいろと見させていただいた中で、細かいことがたくさんふだん起こっていると思います。それがやがて中ぐらいの事故になって、何か実際に間違ってしまったわというようなことになって、そして、しまいには命にも関わるような大きなことが事故として起こってしまう、こういったことになっているんじゃないかなと思います。  ですから、大規模化の大きな問題の一つは、管理職が少ない。少ない管理職で大勢の一般職員さんをコントロールしなきゃならん。本当に今、綱渡りの状態になっているんじゃないかなということを感じるんですけれども、もう一度、その辺の認識について教育長に伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  現在、大規模な特別支援学校におきましては、少ない管理職の方で多くの先生方を見ていただいておるというのは認識をいたしております。  それで、管理職の数というのにつきましては、定数に関します法律に基づき算出をし配置をしているところでございます。管理職以外の職員が多くおられるわけですけれども、配置している管理職は少数ではございますが、管理職以外の職員の中から、現在、学校では、校長が任命した人材に学校運営の要の役割を担っていただいているという取組もございます。  草津養護学校では、小学部、中学部、高等部がございますが、各学部の経営に当たる学部主事を3名設置をさせていただき、また、校務分掌の取りまとめでありますとか関係職員への指導助言に当たる主任を6名、合計9名を学校運営に参画していただくことによりまして、管理職を含めまして、学校運営に取り組んできているところでございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)今、補助的な人を入れてということで、大丈夫だというような意味合いのことを伝えようとしていただいたと思うんですけれども、そういった方をつけても、1人の管理職が見られる限界というのは大体約20名ぐらいというふうに言われてます。  今、県立の高等学校の平均は、1人当たり22.2名を見ておられます。それに対して、養護学校は非常に高いんではないかということを指摘させてもらっているのであって、事故が起こらないようにするには、そういったところからの改善を求めておきたいなと思います。
     次の質問に移ります。  実施プランでは、多様化する学びの場の整備に向けて、小中学校および高等学校への新たな特別支援学校分教室の設置等について研究、検討を進めるとしています。もって、児童生徒の増加対策ともするため、草津市や大津市と協力して研究をしたと仄聞していますが、研究、検討の結果はどうであったかを伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  県では、平成28年度より小中学校への特別支援学校分教室設置に関する研究に取り組んでいるところでございます。これは、障害のある子供と障害のない子供が共に学ぶことを支える多様な学びの場の仕組みづくりを行うために、県と市町が共同で研究に取り組んでいる事業の一つでございます。  これまでの研究では、分教室におきまして、障害の重い子供が特別支援学校の専門性の高い指導を受けつつ、小学校の子供たちと共に学べる柔軟な学習集団をつくるための教育課程の在り方について研究を進めてきているところでございます。  研究を通しまして、分教室設置により、障害のある子供と障害のない子供が共に学べる、ある意味、理想の学校づくりができることや、小中学校の教員が特別支援学校の専門性に触れる機会が増える。そのことによりまして、通常の学級や特別支援学級における指導や支援の充実を図ることができるといったことが明らかになってきているところでございます。  今後は、分教室における教育環境の整備について、また、地域の実情や児童生徒、そして保護者のニーズを踏まえた分教室運営の在り方等、こちらは市町とより連携を深めることによって検討を進める必要があると認識をいたしております。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)小学校とか中学校の空き教室を活用してこういった研究をということでしたが、結果として私が聞いている分では、草津市においても空き教室は当然ありませんし、大津市においても万が一空き教室が出たとしても、まず、市として使い方を検討したいというような、市のほうからはそんな反応だということを聞かしてもらってますんで、分教室等で児童生徒の大規模化はなかなか望まれにくいなというふうに感じています。  次の質問に移ります。  平成20年4月には八幡養護学校を野洲養護学校に移転して再編整備し、八日市養護学校を知肢併置校に再編、あわせて、両校と草津養護学校の間で通学区の見直しをされました。実施プランには、特別支援学校の再編整備の必要性の研究、検討をするとあります。検討の状況はどうか、お伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  実施プランにありますように、特別支援学校の再編整備につきましては、大変重要な検討課題であると認識をいたしております。  そこで、通学区域の見直しや、新設や増築等の施設整備などを研究あるいは検討してきたところでございます。  まず、通学区域を変えることにつきましては、通学区域を変更することで通学時間が長くなる方がおられるという課題があること、また、施設整備をする場合には、その規模でありますとか財源でありますとか、期間が今後課題になるものと認識をいたしておるところでございます。  引き続き、再編整備の必要性につきましては、各特別支援学校の特色や在籍者数の推移、先ほども御質問いただきましたが、在籍者数の推計などをしっかり踏まえながら、研究検討を進める課題であると認識をいたしております。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)ありがとうございます。通学区が変わると通学の時間が変わるということもありますけども、通学の問題でいうと、バスに例えば25人の子供を乗せられるとして、1人当たりにもし時間がかかる子もいて平均2分かかったとしたら、25人いたら乗せる時間だけで実は50分かかってしまっているわけで、そこはまたいろんな工夫の仕方があると思いますし、そういったすぐに取りかかれる問題は、すぐにでも取りかかってほしいなと思います。  そして、今も推移を見極めながらと言いましたけど、まず、その推移が28年の実施プランをつくったときにまず1番にそれ考えますって言うてて、今の5年たってやってへんということ自体、深く反省して、速やかに出していただけるようにお願いしたいなと思います。  次の質問に移ります。  令和2年9月、滋賀県特別支援学校PTA連絡協議会の役員の方々が教育長に要望書を提出され、切実な思いを訴えられました。これに対し教育長は、大規模化の解消について、市町との関係もあるが、スピード感を持ってやっていきたいと応じています。現在、特別支援学校の新設も検討されているということですが、進捗についてお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  去る9月7日に、滋賀県特別支援学校PTA連絡協議会の役員の皆様から要望を頂いたところでございます。特別支援学校に係る様々な課題について要望をお聞きいたしました。私からはそれぞれについてお答えをさせていただきましたが、大規模化の解消につきまして、一つには、特別支援学校の設置基準について、国が検討を始めているということもございます。こういったことを見据えながら、そして、やはり市町との関係をしっかり考えなければならないということで、私としては、スピード感を持って検討を進めたいというふうにお答えをしたところでございます。  そういった中で、御質問いただいております特別支援学校の狭隘化への対応については、喫緊の課題であると私は認識をいたしております。この課題に対して、県教育委員会としてどのような対応を取るかについては、現在、様々な観点から検討を進めているところでございます。  ただ、具体的な施設整備につきましては慎重に検討をしているところであり、現時点において、その具体の内容をまだお答えできる状況ではないということで御理解いただきたいと思います。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)ありがとうございます。喫緊の課題であるということを認識していただいていて、具体は公表できないけれども検討中であるという、そういうことだと思います。  次の質問に移ります。  令和2年1月31日付で、文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部施設助成課長と、そして同じく初等中等教育局特別支援教育課長名で、特別支援学校における教室不足についての通知が来ています。県のほうに来ています。「教室不足の解消のために計画を策定し、総合的、計画的な取組を一層推進していただくようお願いします」とあります。そして、「国の財政支援制度を積極的に活用するなどして、新設校の設置、校舎の増築、分校分教室による対応、廃校・余裕教室の活用等の既存施設の活用を図るなど、教室不足の解消に向けた取組を集中的に行っていただきますようお願いします」と書かれてあります。  教室不足解消の計画作成の進捗についてお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  文部科学省から依頼のありました特別支援学校におけます教室不足の解消に向けた集中取組計画の策定状況調査については、御質問にありましたように、令和2年から令和6年度を集中取組期間として計画的に取り組むことを求めておりますので、本県におきましても、今後、この計画を策定していきたいと考えているところでございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)いつ提出ですか。教育長、いつ完成しますか。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  令和2年度中に計画を策定できることを目指してまいりたいと考えております。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)令和2年度中ということはあと3か月余りですけれども、そのスケジュールと、そして議会にいつ説明するのかを教えてください。 ◎教育長(福永忠克) 集中取組期間の計画につきまして、どのような形で計画をつくっていくのか、どの学校を対象にするのか。教室不足が発生している学校のうち、どの学校をどう対応していくのかを今検討を進めているところでございますので、今直ちに何月にこういう形というのはまだお示しをできる段階にはなっておりませんので、御了解いただきたいと思います。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)先ほどの答弁では、今年度中にそれが策定できるということでした。そして今年の8月に、文科省の担当課のほうにも、県庁のほうから令和2年度中に策定をいたしますという報告をされています。まだそれが曖昧で、これからだということであるのかも分かりませんけれども、令和2年度中であれば、いつ、どのようなスケジュールで完成させるのか、そしていつ議会に説明するのかを聞いているのです。 ◎教育長(福永忠克) 今回は教室不足解消に向けた集中取組計画ということでございます。ということになりますと、施設整備ということがやはり一つの前提になります。そして、令和6年度までの期間ということもございますので、どの時期に、どういう形で整備をしていくかということを検討をする必要があると考えておりますので、現時点において、申し訳ございませんが、スケジュール、令和2年度末、来年3月31日までの間に、いつにどうということを今ここで明確にお答えすることはまだできませんので、御了解いただきたいと存じます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)何か答弁があれで、かなりばかにしてくれているなというふうなことを感じてますけれども、はっきりしてくださいよ。  次。これまでの取組で成果が認められなかった草津養護学校については、大津市からの通学者が半分、そして草津市からの通学者が約半分です。草津養護学校の大規模化の解消については、大津地域に新設校を1つ設置するか、もしくは、同じく大規模化が顕著な野洲養護学校のこの2校と、新たな新設校1校を足すような形での再編を考えることが問題解決につながると思いますが、教育長、いかがですか。 ◎教育長(福永忠克) 県南部地域におけます知肢併置の特別支援学校の大規模化によります教室不足の解消に向けた取組につきましては、今、議員から2つの案を御提示いただきましたが、この御提案についても、今後の検討に当たって参考とさせていただくつもりでございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)参考に検討していこうという、選択肢の一つに指を折ってもらったのかなと思います。  では、最後の質問になりますけれども、先ほどの文部科学省からの通知では、令和2年から令和6年の5年間を集中取組期間として、補助率をかさ上げするなどして、スピード感のある取組をしなさいというふうに通知をしています。  最後に、児童生徒増加による大規模化の弊害である教室不足などの解消に向けての教育長の意気込みをお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  草津養護学校をはじめ、大規模な特別支援学校や教室不足のある学校があることは十分認識をいたしております。子供たちが十分に学べる、そういった教育環境をつくることが大切であると考えておりますので、特別支援学校それぞれの課題解決に向け、現場の教職員の皆様、そしてPTAの皆様の声をしっかりと聴いて取り組んでまいる所存でございます。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)ありがとうございます。喫緊の課題であって、スピード感を持って取り組んでいくと言いながら、実は平成28年から推計を出さなきゃならんと言ってることが、もう5年間、実は遅れてしまっていますので、ここから、ぜひスピード感を出して取り組んでいただけたらなと思います。  我々というのは、やると決めたことをやる、やると決めたことをやる、これの繰り返しです。これの繰り返しによって、県民の暮らしがよくなっていきます。逆に、やると決めたことをやらない、やると言ったことをやらない、これが繰り返しされていったら、県民の暮らしというのは少しでもよくならないと思います。  そういった部分においても、障害がある子たちが通う学校の環境が少しでもよくなるように、私もまた協力しますので、協力させていただきますので、またよろしくお願いしたいなと思います。  最後に、もう一言、教育長、お願いします。 ◎教育長(福永忠克) 滋賀の特別支援学校で学ぶ子供たち、広くは滋賀の特別支援学級も含めて、特別支援教育で学ぶ子供たち一人一人がやはり明るく楽しく学べるように、教育委員会としてしっかり取り組む必要があると思っております。  その取組に当たりましては、議場におられる議員の皆様方の御理解、御協力が不可欠でございますので、県教育委員会の取組にしっかり御協力いただき、県教育委員会として、全力を挙げて取り組んでまいる所存でございますので、よろしくお願いをいたします。 ◆5番(白井幸則議員) (登壇)今、よろしくお願いしますとお願いされましたので、頑張ります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(富田博明) 以上で、5番白井幸則議員の質問を終了いたします。  以上で本日の質疑ならびに一般質問を終わります。  明9日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後6時24分 散会    ────────────────...