• "贈収賄事件"(1/1)
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  1. 滋賀県議会 2020-11-11
    令和 2年11月11日教育・文化スポーツ常任委員会-11月11日-01号


    取得元: 滋賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-17
    令和 2年11月11日教育文化スポーツ常任委員会-11月11日-01号令和 2年11月11日教育文化スポーツ常任委員会           教育文化スポーツ常任委員会 会議要録                                開会 12時59分 1 開催日時      令和2年11月11日(水)                                閉会 14時52分                         (休憩 13時25分~13時27分) 2 開催場所      第五委員会室 3 出席した委員    成田委員長、周防副委員長             重田委員小川委員杉本委員海東委員木沢委員、             冨波委員(欠席:奥村委員) 4 出席した説明員   中嶋文化スポーツ部長福永教育長および関係職員 5 事務局職員     大倉副主幹、稲田主幹 6 会議に付した事件  別紙次第書のとおり
    7 配付した参考資料  別紙のとおり 8 議事の経過概要   別紙のとおり                  議事の経過概要 開会宣告 12時59分 《教育委員会所管分》 1 県立高等学校募集定員の公表時期について (1)当局説明  村井高校教育課魅力ある高校づくり推進室長 (2)質疑、意見等海東英和 委員  どうせ見直すのであれば、生徒のことを考えて、前の年にきちんと発表してやるのが、今の時代では当たり前ではないかと思います。年度が春から始まって、1学期が終わるときに定員を発表するのは、やはり少しおかしいのではありませんか。前の年に目標が定まるようにしてあげて、新年度の3年生を迎えるほうがいいのではありませんか。そういうことはできないのですか。検討はしたのですか。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  前の年に発表ができないのかという御提案ですけれども、我々としても前倒しするのはどこまでかを検討しました。一定の精密さをもって検討していこうとしますと、5月1日の学校基本調査で正確な数字一定拾って、それを踏まえて募集定員を作成していくことが重要ではないかと考えたところで、その上で最短で7月頃になるという考えです。 ◆海東英和 委員  できないのかという質問についてはどうですか。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  先ほども説明した観点からいきますと、前の年にはできないと考えています。 ◆海東英和 委員  私は、教育委員会の怠慢だと思います。 ◆杉本敏隆 委員  募集定員を決めるのに、卒業予定者数進学志望動向を総合的に勘案するという話ですが、卒業予定者は前の年でも早くに分かっていますね。それから、進学志望動向というのは、進学するか就職するかだと思うのですが、それに毎年それほどの差があるのですか。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  進学志望動向といいますと、先ほど委員がおっしゃったように、高校に進学するか就職するかもありますし、高校等へ進学する中でも私学を選ぶのか、それとも県立を選ぶのか、さらには県外を選ぶのかと、いろいろなパターンがあります。  毎年、一定の傾向はもちろんあるのですが、ただ最終的に5月1日にどれぐらい中学生がいて、どのぐらいをそれまでの傾向として見ていくかを見ようとすると、年度によって一定のずれが生じますので、5月1日の精緻な数字が必要です。 ◆杉本敏隆 委員  私学へ進学する人の割合は、毎年それほど違うのですか。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  どの程度を違うと言うのかもありますが、傾向としてやはりその年その年で一定のずれというか、上下はあります。 ◆杉本敏隆 委員  今、県立へ行く人と私学へ行く人の比率はどうなっていますか。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  おおむね全日制で2割ぐらいが私学に行っていると思います。ただ、その傾向は、やはり年々の状況経済状況によって変わりが出てくると思います。 ◆杉本敏隆 委員  私は、それぞれの指標について、それほど毎年違いはないと思います。数年間分の資料を出していただきたいと思うのですけれども、いかがですか。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  過去の中学校の卒業生がどういった進路になっているかという資料はお出しできますので、後ほど用意したいと思います。 ◆杉本敏隆 委員  公表時期は早めたほうがいいと思うのですが、問題は定員を決める場合に、今年も480人、12学級減にするとされています。その要因は、先ほどおっしゃった卒業予定者数で460人減少になるから、480人分減少すると決めているのですが、460人減少する以上に20人も減らしています。  それから、さっき言われたように私学へ行く人が大体2割あるのですね。だから、460人減ったからといって、県立が460人減らさないといけないわけではないでしょう。私学の比率が高まることになるという話です。今年の場合、募集定員を480人、12学級も減らすのは、明らかに減らし過ぎだと思うのですが、どうなのですか。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  我々としては、減らし過ぎとは考えていないです。と言いますのも、昨年度でいいますと、一定数県立学校募集定員を用意していますが、やはり最終的には未充足になる学校もあります。  それから、私学に進む動向というところで、近年、特に修学支援の関係で経済的な理由で私学が比較的選びやすくなっている状況もありますので、そういったところを総合的に勘案すると、今の数字ということです。 ◆杉本敏隆 委員  では、来年の卒業予定者数の1万3,293人が根拠になっていますが、それ以降の卒業者動向はどうなっているのですか。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  現在のところ我々の見込みとしては、来年3月は1万3,293人が卒業されるだろうと考えていて、去年と比較すると460人の減です。これ以降、さらに変動があるかどうかについては、特段、現時点で把握しているものはありません。 ◆杉本敏隆 委員  それはおかしいでしょう。今の在校生の数を数えれば、来年、再来年、その次にどのくらいになるかという数字は分かるのではありませんか。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  すいません、ちょっと捉え間違いをしておりました。来年、再来年の卒業予定者がどうであるかという数字は把握していて、現時点見込みとしては、令和4年3月は1万3,770名で、令和3年3月に比べると477名の増加を見込んでいます。 ◆杉本敏隆 委員  その次はどうですか。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  その次、令和5年3月ですけれども、現時点では1万3,710名の見込みです。これは、令和4年3月に比べると60名の減を見込んでいます。 ◆杉本敏隆 委員  であれば、再来年からまた増えるわけでしょう。今年、慌ててそれほどたくさん減らす必要はないのではないですか。生徒が増えたら、今度は学級数を増やすのですか。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  令和4年3月に向けては、学級数を増やす必要があるだろうと考えています。 ◆杉本敏隆 委員  最後にしますが、学校によっては、同じ学科で学年によって3クラス、4クラス、3クラスみたいになるわけですね。非常にいびつです。例えば伊吹高校では、今4学級だと思うのですが、1クラス減らすと3学級になります。伊香高校も3学級になりましたし、長浜農業高校も3学級になりました。それによって部活動も成り立たない状況が出てきていますので、将来は増えていくことが分かっているのに、来年460人減るからと480人分も減らすのは問題があるように思うのですが、いかがですか。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  まず、募集定員は、やはりその年その年の中学校等卒業予定者数が大きな要素だと思っています。  したがいまして、今回も全体の人数が減ることに対応してクラス数は減らします。一方で、増えるときもあります。増えるということであれば、そこについては全体として見ながら、増やすべき数は増やしていきます。卒業予定者数の推移は大きな要素だと考えています。 ◆重田剛 委員  皆さんと同じなのですけれども、進路を選択する子供の数は、在校生を調べたらつかめると思います。5月1日の学校基本調査を基にして、7月に前倒しというのは大変ありがたい話ですが、やっぱり子供がじっくりと自分の将来の進路を考えるためには、一日でも早いにこしたことはないと思います。2年生の秋ぐらいにアンケート等を取って進路調査をすれば、大体の数は読めると思いますし、海東委員杉本委員もおっしゃったように、それほど年度によって滋賀子供進路に差が出ることはないと思います。統計的に大体の数が読めているので、一日でも早く前倒しをして、子供が準備できる期間、親子で相談したり友達と相談したりできる時間をつくってあげてほしいと思います。  先ほど杉本委員がおっしゃったように、定数が減るということは、高校現場の先生の声を聞いていると、例えば1クラス40名減らすだけで40人減ったという感覚なのですが、それが3学年に影響してくると、1クラス減でも120名減になります。そうすると、部活動も含めた様々な学校運営に支障が出てきますし、クラスが減ることによって教師の数も減ってきます。そうすると、部活の数を削減しないといけないという事象も起きてきますので、極力、現行を保てる方向性で、それぞれの学校で運営できる方法を考えていただかないと、2校の合同チームであったのが、この頃は3つ、4つもの高校が組んで大会に出ているという事象も起きています。そこはしっかりと考えて、もちろん私学との調整もあるかも分かりませんが、県立高校県立高校としての立場をしっかりと通してほしいと思います。その辺はどのようにお考えでしょうか。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  まず、先ほどの前年度という話に立ち返りますと、やはりその年その年にどれだけの中学3年生がいるのか、見込みと実際の5月1日の数字では、やはりずれがあります。もちろんその後のクラス数をどう考えるかにもよるのですが、1クラス単位での人数の差は容易に起こり得ます。そうしますと、今年、例えば12クラス減らすのに対して、場合によっては13クラス減らさないといけないということもあります。ですので、そこは可能な限り緻密に考えることが必要です。  それから、ある年度だけのクラスの減をどう考えるかですが、今年12学級減らして、来年どれぐらい増やすかというのはありますけれども、例えばその学年だけとなると運営上問題がある、もしくは、1クラス減らすことは3年間トータルで3クラス減らすことになるというのはおっしゃるとおりです。一方で、それをそのまま残しておく場合には、それはそれで一定の弊害というか、未充足がずっと続くことになり、誰でも入れる学校になってしまうというところもあります。そうしますと、やはり学習面での問題も生じますので、できるだけ生徒状況に応じた形で学校の形を変えていくことは必要だろうと思っております。 ◆重田剛 委員  これは質問ではなく、私の思いなのですけれども、学級数を減らすことは、子供の選択肢を減らすということをしっかりと考えてほしいと思いますので、お願いします。 ◆杉本敏隆 委員  さっきちょっと言ったのですが、私学へ行く人が2割あるということは、生徒数が460人減ったら、その2割分は私学だと見ておかないといけないでしょう。460に0.8を掛けたら368ですから、360人の定員の減で済むはずです。9学級の減で済むはずでしょう。なぜ12学級も減らしてしまうのですか。やっていることがおかしいでしょう。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  その差につきましては、先ほども申し上げたとおり、その前の年との比較でいきますと、前の年に用意している定員に対して未充足の部分が生じます。そういったところもトータルで考える必要があると考えております。 ◆杉本敏隆 委員  前の年の未充足を勘案してとは書いてないではないですか。「中学校等卒業予定者数進学志望動向を総合的に勘案して策定する」と書いてあるでしょう。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  最終的に、私学に行っている人数また県外に出ていっている人数特別支援学校への人数、そういったところをいろいろと考えていきます。県立募集定員を用意している人数に対して、それぞれに振り分けられた最終的な2割というのは、県立高校私学の割合の比ですけれども、最終的に県立高校を選んでいる数、私立高校を選んでいる数と募集定員で用意した数との間にはギャップがあり、それが未充足ということになります。ここに未充足という言葉をそのまま上げているわけではありませんが、中学校卒業予定者数進学志望動向の中には、そういった要素があるということです。 ◆杉本敏隆 委員  私は、これは減らし過ぎで、県立高校生徒が十分に入れないようにする募集定員の減だと思います。こういうことは改めてほしいと思います。 ○成田政隆 委員長  先ほど杉本委員から資料のことを言っておられましたが、県立高校募集定員に対してどれだけ未充足があるのかという数字も併せて出していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◆海東英和 委員  さっき怠慢と言いましたが、問題の見方が課題だと思います。実際に中学校でも、みんなが目指す滋賀県の進学校に行けるか行けないかというのは、民間の模擬試験でAとかBとかCとかつくのを見ながら、子供たちが先生や親と相談して、どこを目指そうかという話をするわけでしょう。  この7月に発表している段階で、模擬試験で判断するチャンスはほぼないのではないですか。1年から受験用の民間の模擬試験を受けて、仮にどこか志望校を入れて、それで判定が出ているのを2年生でも見ています。それから絞っていって、後はどう頑張るかと作戦を立てて目指すのでしょう。そういう生徒たち状況を見たら、この7月発表というのは極めて殿様商売です。  それから、さっき誰でも入れるようになることがいけないことのような発言がありましたけれども、あれはおかしいと思います。県立高校に来たら、全ての子供可能性を伸ばしてあげますということでないと。学校現場の先生は、いわゆる定員割れになって、誰でも入れるようになると学校のコントロールができないと言います。けれども、教育者はそこに立ち向かって、子供たちのよいところを伸ばす教育を目指してほしいし、学校の個性として、受験者があふれるところと誰でも入ってくる学校では、やっぱり学校運営も違うと思います。そういったことも十分考えた上でこういうことは考えてもらわないと。  子供たち学校県教育委員会の都合だけで判断していませんので、子供たちが民間の模擬試験をどういうスケジュールで受けて、いつ頃判断したいと思っているのか、いつ頃判断するのが子供たちにとってよいと思われるのかという資料杉本委員資料に併せてもらいたいと思います。決して、7月という答えは出ないと思います。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  委員がおっしゃっている意味で言うと、中学校段階でどういったスケジュール感進路の指導をしていくかということにも絡んでくると思うのですが、以前に一般質問での教育長答弁もあるのですけれども、3年生の1学期に生徒一人一人の進路希望を基に懇談を行うのが進路指導の上でのスタート点という状況です。そういったことを踏まえて、夏休み体験入学に参加するなどしながら、志望校を具体的に決めていくといったスケジュール感ですので、我々としては、今回できるだけ早くというのは、夏休み体験入学ですとか、さらには先ほど冒頭申し上げた9月の進路志望調査といったことを踏まえていく上で、7月は有効なときであろうという判断です。 ◆海東英和 委員  私は資料を求めたのです。 ◎村井 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長  進路志望について、どういうスケジュールであるのか、資料を整えたいと思います。
    休憩宣告  13時25分 再開宣告  13時27分 《文化スポーツ部所管分》 ○成田政隆 委員長  まず、部長から発言を求められておりますので、これを許します。 ◎中嶋 文化スポーツ部長  この度、当部、文化財保護課職員官製談合防止法違反および公契約関係競売入札妨害により、懲役1年8か月執行猶予3年の有罪判決を受けました。このような事案が発生したこと、また刑の執行が猶予されているものの、懲役1年8か月という大変重い判決を受けたことは、誠に遺憾であり、県政に対する信頼を大きく損ねることとなり、県民の皆様ならびに議会の皆様に改めて深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。  県では、この判決を受け、11月9日に当該職員に対し、懲戒免職の処分を行いました。また、現在、有識者による検証会議を設置し、これまで2回、年内にあと2回の会議を開催し、検証いただきます。  当面の保存修理工事に対応するため、現在、京都府、京都市を退職されたOBの主任技術者に、会計年度任用職員として勤務いただいておりますが、大切な文化財を保存継承していくため、長期的な視点に立った人材育成、確保を計画的に進めていく必要があると考えています。  今後は検証の結果を踏まえ、二度とこのようなことが起こらないよう、組織体制契約等のあり方、人材の育成、確保策などをしっかり検討し、対策を講じてまいりますので、委員各位の御指導、御助言を賜りますようお願い申し上げます。 ◆杉本敏隆 委員  もう裁判も終わって、判決も出ているので何でもしゃべれると思うのですが、報道を見ていると、仕事熱心で何とか早く仕事がしたかったとか、美談的な話が出ています。大体、贈収賄事件では利権が絡むのがほとんどですよね。業者との金品のやり取りがあったのかなかったのかは確認されているのですか。 ◎中嶋 文化スポーツ部次長  金品のやり取りについてはなかったと訴訟でも明らかにされているところです。 ◆海東英和 委員  報道でも、京都府10人、奈良県10人、滋賀県2人という表がよく出ます。そういう形で職員に過重な責任や業務分掌を課していた管理職は、処分というわけではないのでしょうけれども、処分があってもしかるべきかもしれません。管理職など、そうさせておいた人たちについてはどのような話になっているのですか。 ◎中嶋 文化スポーツ部次長  今回、本人が犯した罪については非常に重大で、どのような状況があっても公務員としてやってはならないことであったというものの、訴訟あるいは様々なところで御指摘いただいていますように、本人に業務が集中していたこと、あるいは時間外労働が長時間に及んでいたこと等、上司として、あるいは組織として様々に取るべき対応はあったと考えております。今後、組織といたしましては、こうしたことが二度とないよう、検証も進めながらしっかりとした対応を取っていきたいと思っていますし、文化財保護をしっかりとしていくことで責務を果たしていくということだと思います。  また、上司等の処分につきましては、総務部から聞いているところでは、今回の事案の背景等検証会議でも検証していますので、そうした背景等がもう少し明らかになった時点で、改めて判断をすると聞いております。いずれにしましても、県として、あるいは組織としてしっかりと対応していきたいと考えております。 ◆海東英和 委員  現在の管理職である皆さんはどう思っているのですか。 ◎中嶋 文化スポーツ部次長  繰り返しになりますが、今回処分された職員は非常に真面目で能力も高かったということです。また、その他の職員についても非常に真面目に仕事をしておりますし、文化財所有者の皆様からも信頼を得ている状況です。  そうした職員を上司として、組織としてしっかりと指導、あるいは守りながら業務を進めて、文化財保護という重要な業務についてしっかりと進められるように、引き続き頑張っていきたいと考えております。 ◆海東英和 委員  文化スポーツ部において、現在、1人ないし2人で決裁をし、予算の執行ができるようなポジションはほかにあるのですか。そういうことがあるかないか、そういう部署にある担当者が孤独で過重な労働にないか、見渡して確認しましたか。 ◎中嶋 文化スポーツ部長  私ども、今回の案件につきましては、裁判の中で確認されたこと、そして検証委員会等で御意見を頂いていること、あるいは職員の声等も聞いて、いろいろな課題があると考えております。おっしゃるように、この案件がこの部署、この担当だけでなしに、どこにでもそういったことがあるのではないかということで、例えば残業の多い職場ではどうなっているのか、同じような行動になっていないかといったことは、これからも調べます。今は残業の時間がどうだったかに着目して見ているところです。 2 滋賀文化振興基本方針(第3次)素案について (1)当局説明  田村文化芸術振興課長 (2)質疑、意見等海東英和 委員  文化振興基本方針は、「芸術」を入れるという安易な検討をしていましたけれども、元のままにするということで、国際交流や観光、産業等も抜いてはいけないからといった説明でしたが、何か音楽という大きな文化芸術ジャンルに関して全然書けていないというか、目が向いていないのではないかと思います。  ホールの子事業だけ言っていますが、ホールの子事業は、県民が全然利用しないびわ湖ホールを県の予算で都合よく小学校子供に使ってもらうアリバイ工作のような側面のある事業です。だから、京都市交響楽団とか大阪の日本センチュリー交響楽団とかに頼んで演奏してもらって、それを子供たちが順繰りに聴いて、演奏がいいから感動すると。これでいいのかと思うのですが、びわ湖ホールも抱える滋賀県が、子供たち音楽をどのように楽しんで、どのように県民が豊かになるのかということがどこに語ってあるのかを聞かせてほしいと思います。  それから、文化財の面でも、文化館後継施設を検討されているのは結構なことだと思いますけれども、地域の文化財ではどんどん管理者がいなくなっています。人口減少地域ではもうぎりぎりで、足元から滋賀県の文化財文化がなくなっていっていることについて、どう立ち向かっていくのかが見えません。いっぱい思うことはありますが、この2点について取りあえず聞かせてください。 ◎田村 文化芸術振興課長  音楽をストレートに主な取組等に記載してないというのは、おっしゃるとおりだと思います。びわ湖ホールでは、声楽アンサンブルが地域の巡回公演等をさせていただいており、そういったところで音楽に触れていただく取組もしております。ほかにも音楽には様々な取組がありますので、そういったものをもう少し整理して、書き込めるものはしっかりと書き込んでいきたいと考えています。  それから、文化財の関係ですが、こちらは重点施策の5になろうかと思いますけれども、海東委員がおっしゃるとおり、文化財を守ることに関しましては非常に危機感を持っております。そちらにつきましては、文化審議会でも御意見を賜っているところです。文化財を損なわない範囲でしっかりと活用して、文化財の魅力を発信して、そして文化財保護する人たちで多くの応援団をつくっていくことが必要になってくると思っていますので、その辺は文化財保護課ともしっかりと連携して、書き込んでいくことがあればしっかりと書き込んでいきたいと考えています。 ◆海東英和 委員  例えば、音楽びわ湖ホールには税金から10億円を入れているのでしょう。びわ湖ホールが受皿になっているから、びわ湖ホールにやっておいてもらえばいいということで、県の文化振興部局では、滋賀県の文化行政という分野が抜け落ちているのではないですか。  例えば栗東カレンヂュラという女性の合唱団が全国一の実力をずっと維持されていることとか、大津吹奏楽団が全国トップクラスで頑張っておられることとかは、すばらしい文化資源だと思いますし、滋賀県の音楽分野における力量だと思います。でも滋賀県は、びわ湖ホールに10億円を出していて、オーケストラの一つも養成しようとしていないでしょう。よそから買ってきた公演を上演したり、文化庁から補助を受けて、何億円もかけて有名なオペラをしたりするのもいいですが、県民の文化音楽シーンを増やすとか、そういうことに心を砕いている担当者がいないということをもっと考えないといけないのではありませんか。 ◎田村 文化芸術振興課長  委員がおっしゃるとおり、今は県としては、文化団体への財政的な支援はしていない状況です。文化団体の支援は重点施策の2に当たるかと思いますけれども、今まさに芸術文化祭をさせていただいておりますが、やはり各団体の主体的な文化活動をさらに盛んにしていきたいと思っています。びわ湖ホールに聞いていますと、オペラに地域の文化団体等が参画して、一緒にオペラをつくっている例もあるとのことです。  そういったことで、やはり文化団体ときちんと連携をして、そうした人たちが活躍できる場もしっかりとつくっていかなくてはいけないと思っております。 ◆海東英和 委員  例えば琵琶湖周航の歌記念音楽祭が消えることについて、文化行政の意味からどう思いますか。 ◎田村 文化芸術振興課長  私としては悲しいことだと考えています。 ◆海東英和 委員  滋賀県内で悲しいことが起こることは減らして、うれしいことを増やすために、滋賀県庁は県庁の都合だけではなく、文化の広い分野を守備範囲として、目を配ってそういうものをしっかりと支えて育ててほしいです。今、都道府県でも市町でも、行政にお金がなくなって、市民活動を物すごく絞っているでしょう。だから、本当に地域活動が難しくなっていて、その中で県が大きな何億円という単位の予算を特定のところにだけ注ぎ込んで、それが県民に行き届いてない部分があります。  もう一度そこを根本的によく考えて、県の文化が総合的に振興するようにこの方針をつくり、来年度予算も考えてほしいと思うのですが、いかがですか。 ◎田村 文化芸術振興課長  今、委員におっしゃっていただいた点は、非常に大切な視点だと思いますので、その辺もしっかりと視点を考えながら施策の構築に努めていきたいと考えています。 ◆杉本敏隆 委員  専門家の意見も聞いてまとめられたので、これに対して私が意見を言うのはおこがましいのですけれども、文化は人が生きていく上で欠かせないものだと思っています。3つの施策の2つ目に、「人を育む」というのがありますけれども、この場合の「人を育む」というのは、文化や芸術の担い手、人材の育成とか、後継者を育成することについて、「人を育む」と表されていると思うのですが、私は文化そのものが人の心を豊かにすると思います。  例えば、今、学校でいじめといった問題が広がっていますけれども、文化を通じて豊かな心を育てて、人として育むことが文化の大きな意味だと思うのです。だから、「人を育む」ということをこういった狭い視点で位置づけていいのかどうか、少し疑問に思うのですがどうでしょうか。 ◎田村 文化芸術振興課長  「人を育む」を一つの大きな柱と整理していますが、今、委員がおっしゃっていただきましたことは、13ページの基本目標でも文化芸術の力で心豊かな活力ある滋賀を創ると申し上げました。まさに文化芸術というのは、私たちに感動や心の安らぎ、生きる喜びを与えるもので、このコロナ禍にあっても非常に必要になってきているということを我々もまずは意識をして、この方針をつくらせていただいています。今おっしゃっていただいたところは、常にベースとして、今後も考えていきたいと考えています。 ◆杉本敏隆 委員  そのようにやってほしいと思うのですけれども、「人を育む」という用語をこういった狭い位置づけで捉えていいのかどうかということを言っています。この2番目は、人材育成とか後継者の育成といったことに限定されているので、「人を育む」というのは、文化芸術そのものが人を育むものだという位置づけが必要ではないかと思うのですが、どうですか。 ◎田村 文化芸術振興課長  こちらの「人を育む」というのは、まさに今おっしゃっていただいたとおりだと思うのですが、その中でも、つなぎ支える人材の育成確保ですとか、あるいは作り手、継承者の育成支援といったところをまずは行政として力を入れていかなくてはいけないという意味で整理しています。こちらはこういった形で整理させていただきたいと思いますが、今おっしゃっていただいたところは、基本目標をはじめとしてしっかりとベースに置きながら、この基本方針を推進していきたいと考えています。 ○成田政隆 委員長  埋蔵文化財の関連の記載がないように感じるのですが、やはり滋賀の歴史を見ていく中でも埋蔵文化財は根幹を担う大切な部分でもあると思いますので、そういった部分も反映していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎田村 文化芸術振興課長  今、委員長におっしゃっていただいたのは重点施策5に当たる部分だと思います。こちらにつきましては、今、委員長がおっしゃったとおりですので、文化財保護課とも調整しながら、しっかりと記載させていただきたいと思います。 3 「幻の安土城」復元プロジェクト・安土城「天主」復元の方向性と方法について (1)当局説明  澤本文化財保護課長 (2)質疑、意見等重田剛 委員  アンケートの結果は真摯に受け止めて、あえて質問させていただくのですが、このプロジェクトは安土城の見える化のプロジェクトではなく、幻の安土城復元プロジェクトということで、地元にとっては再現してくれるのではないかという非常に高い期待があったのです。それに対するお考えをお伺いしたいと思います。  それから、デジタルでということですが、私の地元でもバーチャルは早い段階で作成していて、今、信長の館で放映しています。それと同じようなものであれば意味がないと思いますが、お考えをお伺いします。 ◎澤本 文化財保護課長  地元の期待が高かったことは、一定承知をしているところです。ただ、今回、意見募集をさせていただいた回答を地域別に分析したのですけれども、地元、近江八幡市、東近江市の両市からの意見についても、復元か、復元しなくてもいいかでは、やはり半々という結果でした。今回、4つの案を出させていただいたときに、復元をすると遺構が壊れてしまうことも、復元した場合のデメリットとしてお示しをしました。あと、文化庁の許可がもらえるかどうかについても、デメリット等を提示させていただきました。そういうことを考えた上で、本当はほしいのだけれども仕方ないというところで半々という結果で、現状をより広く知っていただいた結果として、こういうことになったのではないかと思っております。  それから、もうバーチャルの展示はあるのではないかというお話で、信長の館で実際に映像を流しておられます。あと、近江八幡市でVR安土城というCGも作っておられます。信長の館は、当然その館の中での展示であり、現地ではありませんので、そこは見せ方が全く違うと思っています。それから、VR安土城につきましても、VRという名前はついているのですが、実際にはコンピューターグラフィックスを画面で見る形になっており、現地の実際の場所とグラフィックスを融合させる形にはなっていないと思いますので、具体的な検討はできておりませんけれども、今の技術でやれば相当違うものができると思っています。 ◆重田剛 委員  小和田さんのコメントも載っているのですが、新聞報道では、それを踏まえて4案に落ち着くのではないかという知事のコメントも出ているのですよね。  課長も御存じのように、当初、安土城復元プロジェクトを立ち上げたときから、特に関わりの深い安土の人などは、県が腰を上げて復元してくれる、再建してくれるという思いでずっと進んできました。だから、やっぱりそこに対する落胆というか、がっかり感は、正直なところ非常に大きいものがありますので、さんざん喜ばせるだけ喜ばせておいてという言葉は適切ではないかも分かりませんが、そういう感は拭えないところがあるのです。そこに対して、どういう思いを持っておられるのかをもう一度お伺いしたいです。 ◎中嶋 文化スポーツ部次長  2ページにもありますように、決して復元を諦めたということではなく、現時点では詳細な資料がなく、なかなかしっかりとしたものは造れない状況があるということです。2ページの一番下のところですけれども、令和8年にはくしくも安土城築城450年を迎えます。そこを目指してしっかりと安土城を中心に滋賀県下の様々なお城も含めて、盛り上げていきたいと考えておりますので、決してすぐに復元をしないことでこのプロジェクトをしぼませてしまうということではないと考えております。  引き続き地元としっかりと協力しながら盛り上げ、あるいは調査もしっかりとしながら、文化財の保存と活用を進めていきたいと考えております。 ◆重田剛 委員  質問ではなくてお願いなのですが、課長も地元の協議会に説明にも来てくださって、みんなの意見を聞いてくださったように、4案あるけれども1案、2案以外はこれではないという思いを大概の人間は持っていましたので、その思いはやはり心のどこかに置いていただいて、これから進めてほしいと思います。 ◆木沢成人 委員  小和田先生がアドバイザーで、いろいろコメントを出していただいているのですけれども、「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」のキャンペーンでもずっと小和田先生に関わっていただいているので、その流れでもあるのかなと思っていますが、滋賀県でも、全国的に城郭で有名な中井先生が県立大学におられます。  改めてなのですが、この復元プロジェクトにおける中井先生の位置づけはどうなっているのですか。個別に御意見を伺ったりされているのでしょうか。 ◎澤本 文化財保護課長  中井先生に直接御意見を伺いに行ったことはないのですけれども、考古博物館の協議会の委員に入っていただいていますので、協議会でお話しされている内容はお伺いしているところです。 ◆木沢成人 委員  この復元プロジェクトの検討状況が新聞報道されたときに、新聞社が個別に中井先生にコメントを取りに行っているのを見たことがあります。もちろん小和田先生は織豊期の歴史に物すごく詳しいですけれども、どちらかというとこの人はいわゆる史学というか、歴史の部分が専門です。中井先生も分野的には一緒ですけれども、あの人は考古学というか、小さいときからフィールドワークで、自分の足で城山を回って、滋賀県のお城を実地で調べてこられて、その延長線上で今のポジションを築いておられます。  ここにもいろいろな意見が出ていますが、お城というと何となく天守閣とか大きな作事の建築部分をイメージされる方が多いのですけれども、軍事施設としての機能で見たときには、縄張であるとか、どういうところにどのように立地して、どういう構造で建てられているとかといった部分がお城の基本的な価値だと思っています。中井先生はそういう立場だと思うのですけれども、地元にそれだけの全国でも屈指の専門家がおられるので、このプロジェクトを進めるときには、その辺の意見をしっかりと聞いていただきたいと思っています。同じレベルでいくと、お城では、西股総生さんというスペシャリストがもう一人おられます。その方も中井先生と同じ立場で、お城の機能をかなり詳しく調べておられます。  滋賀県にはお城が千数百ぐらいあると言われていますが、大体が山など自然の地形を生かして、そこに造作で土盛りとかしていて、みんながみんな天守閣や館があるというものではないではありませんか。土塁や堀切が残っていたり、虎口や馬出しが残っていたりというところがほとんどだと思うので、ほかのお城とも併せて、お城がどういうものかという価値を改めてこの中でしっかりと出していただかないと。単に歴史好きの人は、安土城は象徴的ですからそこにぽんと行くのですけれども、滋賀県の宝として本来のお城をアピールするという方向をきっちりと出していただきたいと改めて思います。 ◎澤本 文化財保護課長  中井先生をはじめ、小和田先生以外にもたくさんの有名な専門の先生がおられますので、見える化を形にしていく段階で、今後御意見をお伺いして、協力をお願いしたいと思っています。  滋賀県のお城は、1,300あると言われています。特別史跡である安土城、彦根城をはじめとして、史跡としても小谷城や清水山城など幾つもあって、そのような有名なお城がたくさんあります。安土城だけとか、彦根城の世界遺産だけという話ではなく、滋賀県には有名なお城がこれほどたくさんあるということは、非常に大きいステータスであり武器だと思いますので、うまく使って滋賀の魅力を発信していきたいと思います。 ◆木沢成人 委員  先ほど文化振興基本方針でも「地域や社会に活かす」のところで、彦根城の世界遺産登録に向けた取組と幻の安土城復元プロジェクトが同じ場所に併記されています。以前も申し上げましたが、戦国期からその後の歴史の流れを見ていったときに、安土城はあのような形で焼失しましたけれども、本来であればあそこに、その当時に建て直してもよかったわけではないですか。でも、それをなぜしなかったのかと言えば、まだ権力体制が豊臣秀吉の天下にまでは行っていない状況で、実際には信長の長男の信忠の系統はなくなったけれども、信雄の系統は残っていて、秀吉は東海へ進んで信雄と一回合戦までやっています。だから、秀吉の権力が確立するまでに物すごい時間がかかっているわけです。豊臣は豊臣で滅びたけれども、徳川期になっても信雄の系統で織田信長の系統はずっと江戸時代を通じても残っているわけです。そうすると、家康にしても、かつての信長を象徴するものというのは、権力の体制維持から考えたら建てられないわけです。系統の人が残っていたら、自分の天下を取られるのではないかと。だから、大阪城についても豊臣期のものは徹底的に破壊して、その流れの中で周りに抑えの姫路城とか彦根城とかを造っているわけではないですか。そういう流れの中で、最終、姫路城や彦根城は国宝として本物が残っているわけですよね。
     だから、そういうものがあるところに、今の案でいくと、安土城は現実の木造の建築というのはない方向に行きそうですけれども、やはりあそこに現物を建てるみたいな議論は滋賀県で安易にしてはいけません。夢はあってもいいと思います。でも、そういう歴史の流れを全体で県民ともきちんと共有した上で、どうしようかという議論にしてもらわないと。この中の意見にも出ていますけれども、歴史や信長に対しての冒涜であるといったことも書いてあったと思います。だから、そこはしっかりと押さえてほしいと思います。 ◎澤本 文化財保護課長  歴史の流れの中で、今は安土城がないという厳然たる事実があって、委員御指摘のとおり、豊臣の天下になって安土城は廃城になって、八幡山へと行くわけです。その後はまた大阪城があって、大阪城は完全に破壊して、わざわざそれに土を盛って、新しい徳川の大阪城を造っています。そういう歴史の流れがあって、安土城はこういう経過を経て、今、あのような状態で残っているわけです。確かに、意見募集で頂いた意見の中にも、今ある姿がいいのだというものが幾つもありました。片や、先ほど重田委員からありましたように、何としても建ててほしいと、建てなければ意味がないとおっしゃる方もありました。双方の御意見はありますので、実際にできるかどうかというところも含めてですが、総合的に判断していかないといけないと思います。 ◆小川泰江 委員  2点お伺いしたいと思います。1点目は、小和田アドバイザーのコメントで、結果については滋賀県民らしさが表れたものと受け止めたとありますが、これを読まれるときに、「良心的な」という言葉を付け加えられたと記憶しています。この部分について、どういう意味だったのか詳しく説明いただけますか。良心的な滋賀県民らしさがこのアンケートに表れているという評価を頂いていることについて、お伺いしたいと思います。先ほど、地域別のクロス集計でも、地元でも半々だったという報告がありましたので、奥ゆかしいとか、そういう意味なのかなと私は推察しているのですが、聞かせていただけたらと思います。  2点目は、その下の方向性と方法です。1番で令和の大調査を開始する、また今後とも夢を追い求めますと、なかなか勇ましい言葉が並んでいるのですが、先ほど文化財保護などに関して宝厳寺の例で滋賀県の体制不足が明らかになった直後でもあります。しかも、コロナ禍で緊縮財政をしばらく余儀なくされるだろうという中で、このように書いたのには、何かビジョンはあるのですか。財政的に、体制的にきちんとした裏打ちがあるのかどうか。そういったことまで含んで、ここにこうした文言を書かれているのかどうか。また、かえって地元の方をがっかりさせるだけになるのではないかということも危惧しています。この体制や財政措置について、もし具体的なものがあるようであればお聞かせいただきたいと思います。 ◎澤本 文化財保護課長  最初の「良心的な」というところですけれども、確か会議の場ではそういった言葉を使われたように記憶しておりましたので、申し上げました。「良心的な」とはどういう意味ですかと聞いたわけではないので、推測で答えるしかないのですけれども、記者会見でも小和田先生がおっしゃっていたのですが、遺跡、遺構をきちんと守れる形になればいいと小和田先生は思っておられたところがあって、良心的という言葉を使われたのではないのかなと思います。史跡を壊してまでむやみに建てたり、観光目的などのために経済性だけを追い求めて遺跡を壊したりしてほしくないという意味でおっしゃったのではないのかと思います。これは小和田先生にどういうことかは聞いておりませんので、あくまでも推測になります。申し訳ございません。 ◆小川泰江 委員  「滋賀県民らしさ」というのはどういうことですか。 ◎澤本 文化財保護課長  「滋賀県民らしさ」も、遺跡や遺構をきちんと守っていかなければいけないと滋賀県民が思っていると理解されたのではないのかと思いますが、それも確認できておりませんので推測になります。  それから、令和の大調査のくだりですけれども、昭和の時代と平成の時代に、10年、20年という単位で発掘調査を実施しています。その結果、安土山全体の20%ほどは調査が終わっておりまして、あと8割が残っている状況です。その残りの8割について、発掘調査を再開してはどうかという御意見が出ております。今事件になっている問題は、建造物、建築のほうの話です。これは発掘調査で、文化財保護の中ではあるのですけれども、全く別の技術系職員が対応する形になりまして、過去にもやっていることです。  お金につきましては、まだどの規模でやるか、全く想定できていませんので、めどがついているのかどうかという話は申し上げにくいのですが、国庫補助金の対象にはなるということです。 ◆小川泰江 委員  小和田先生のコメントは、一応、お褒めの言葉と理解していいのかなとは思っています。  また、今後につきましては、大調査をやっていくことは賛成です。ただ、あまりこのように夢を追い求めるとか大仰なことを言っては、さっき重田委員からもありましたように、打ち上げたものをどこに降ろそうかと苦慮している状態でもあるかと思いますので、その辺りはもう少ししっかりと責任が取れる内容で押さえていくことも必要だと思いました。これは意見にとどめさせていただきます。 ◆海東英和 委員  私も今の小川委員重田委員の意見と似た方向なのですが、まず文化財保護課の良心として、復元という言葉はその位置にあったままの形態に戻すこと以外に使っていけないと思います。復元と言っているのに、バーチャルでの再現とか別の場所で建てるとか、詭弁を弄して、復元という言葉を弄んでいることについては、どう思っているのですか。 ◎澤本 文化財保護課長  もともとは現地に建てようということで発案されたのではないかと推測するのですけれども、文化庁が示した基準でも、現地で忠実にというのが復元だと定義しています。確かに、その部分でいけば、今回復元するという話にはならないわけです。ただ……。 ◆海東英和 委員  ならないのでしょう。 ◎澤本 文化財保護課長  はい。 ◆海東英和 委員  ならないことをさもなるような言い方をする。県庁というのは、人の顔色を見て表現を変えたらいけないのではありませんか。知事が言い出したからといって、文化財保護課としては、ならないものはなりませんと言わないといけませんし、復元するというのであれば、どれぐらいの覚悟で、どれぐらいの重みを持って言わないといけないということを知事に言わないといけないのではありませんか。言いましたか。 ◎澤本 文化財保護課長  この4案を提示するときにも、文化庁の基準をクリアするのは相当難しく、ほぼ現実的ではないことはもちろん申し上げていますし、もしやるのであれば遺跡を破壊せざるを得ない非常に大きなリスクがあることはお伝えしています。 ◆海東英和 委員  復元した愛媛県の大洲城は知っていますか。 ◎澤本 文化財保護課長  資料では見ています。 ◆海東英和 委員  中江藤樹の関係で大洲とは姉妹都市みたいに行き来があって、復元したばかりの大洲城を訪ねて案内してもらったことがあります。今、一番何が手に入りにくいかと言えば、玉鋼でつくったくぎがもう作れないと言っていました。あそこは竹中工務店の専門の木工集団によって造られたのですが、玉鋼でくぎが作れないのに、文化財担当者として復元という言葉を用いて復元の夢を語っていいのですか。 ◎澤本 文化財保護課長  今は、確かに復元ができないということで、デジタルという案を出させていただいて……。 ◆海東英和 委員  デジタルは復元ではないでしょう。 ◎澤本 文化財保護課長  今、1つ目の柱のところでお示しをしているのですけれども、復元を目指して、今後とも調査、研究を続けて夢を追い求めますとしておりまして、そういう意味で復元という言葉が残っているところです。 ◆海東英和 委員  こういうことによって安土城復元という夢が消費されて弄ばれて、捨てられる気がして、とても心が痛いです。それなら、さっきの調査を続けながら、みんなが夢の安土城を共有していくような文化行政的な展開も戦略としてあると思います。復元ばっかり言って、幾らかかるか、負担はどれぐらいかも問わずに、物すごく薄っぺらなアンケート調査をして事をまとめようとしていることに、とても残念な気がします。滋賀県行政の底の浅さを感じて、とても残念な運びになっていると思うのですが、もう一度腰を落として、この安土城というコンテンツをもっと大事にして、滋賀県行政の取組というものを考え直すべきだと思います。  この調子で、最後はバーチャルですということであれば、こんな議論をする必要がないでしょう。バーチャルで、カメラのついた眼鏡みたいなものをかけて、石段を登りながらこっちを見たらこっちの館と、全て復元されたらそれはおもしろいでしょう。だけど、それは復元ではないですし、地元の人の気持ちという話もありましたが、県庁はこの頃どうなのかということを私はあえて問いたいです。 ◎中嶋 文化スポーツ部次長  御指摘のことで、例えば3ページを御覧いただきますと、第1案から第4案までありまして、歴史的建造物として復元、あるいは復元的整備、あるいは再現、あるいはデジタル技術での再現、あるいは2ページ下のところでも安土城の見える化ということで、用語については使う場面においてしっかりと区分をして、文化財の基準に即して使っているところです。  また、御指摘のように、例えばバーチャル、VRにつきましても、何も単純に見えるということではなくて、昭和、平成の大調査の結果も踏まえて、まだ十分に整備できていない部分もありますので、そうしたこともしっかりと踏まえた上で学術的にも耐えられる形で復元をしていく、デジタルで再現をしていくということでして、決してテーマパークのように何となく見に行って見えるということを考えているわけではありません。安土城を引き続き大切にしていく、また450年という節目といったことも利用しながら、安土城をしっかりと盛り上げたいという気持ちでやっていることですので、よろしくお願いします。 ◆海東英和 委員  そのように見えないので申し上げました。私は、復元という言葉を弄んでいると思います。そこは県庁として、使い分けるのであればきちんと使い分けて、復元の重みとはどういうことかもしっかりと県民や地元の人に理解してもらって、知事にも理解してもらってください。県庁の言葉は重たいですし、5,000億円を超えるお金を動かしている人がやろうと言えば、やってくれるのかと思うでしょう。だから、安土城天主を復元する会の実行委員長、三日月大造が復元を言うのであればいいですけれども、滋賀県知事として言うことの重みをもう一度、文化スポーツ部としてもしっかりと押さえて、知事にもそういうことはきちんと理解してもらわないといけないと思いますが、どうですか。 ◎中嶋 文化スポーツ部長  安土城につきましては、先ほど説明がありましたように、平成は20年間調査をして、それでもまだ安土山の2割強しか調査できていないということです。こういった中で、何が事実であったのかを調べていくのは非常に大事な話です。その中で、今おっしゃるように、復元という言葉を軽く使っているのではないかという話ですが、そういう打ち出しをすることによって、例えば可能性として、これは関連する資料ではないかといった情報の収集にもつながってきますので、決して言葉を弄ぶというわけではなく、こういったプロジェクトとして打ち出して具体に進めていきたいという考えです。 ◆海東英和 委員  プロジェクトとして打ち出すと言われたので聞きます。何年ぐらい、どういった予算でそういったことを打ち出すつもりですか。 ◎中嶋 文化スポーツ部長  先ほど文化財保護課長からもありましたように、令和の調査は非常に大事です。これに取りかかるには、もちろん所有者の方、関係者の方にも御理解をいただかなければならないのですが、今まさにそれをやっていきたいと考えておりまして、調査の計画が文化庁でもお認めいただければ、そういった仕組みを使って進めていきたいと考えております。まずは、現在、ここまでしか分かっていないし、分かったことも皆様に見せられていないところもありますので、そういったこともしっかりと見せながら、今後まだまだ不明であるところを解明していきたいと考えています。 ◆海東英和 委員  文化庁に補助金の申請をする資料に、遺構調査や安土城の令和の大調査をしたいとすれば通るのでしょうが、復元のために調査をすると言ったら通りますか。 ◎澤本 文化財保護課長  安土城跡の発掘調査につきましては、以前から文化庁からも積極的に進めるように意見を頂いているところです。復元のためにと言うことは多分ないと思うのですけれども、バーチャルの文言についても補助金のメニューにありますので、進めるということであれば、申請はしていきたいと思います。 ◆海東英和 委員  言っていることが通じていません。バーチャルとか遺構調査に補助金がつくことは知っています。でも、復元という言葉を文化庁の補助金申請に使って、正面から滋賀県がまともに考えていると取ってもらえるのかと聞いているのです。そのようないい加減な使い分けが通るのですか。 ◎澤本 文化財保護課長  今の時点で文化庁の復元の基準はクリアできていませんので、復元をしたいと文化庁に申し上げても、それは当然認められることはないと思います。 ◆重田剛 委員  皆さんの御意見も踏まえた上で、先ほども申しましたように、昭和と平成に調査をして、謎に包まれている安土の史跡を少しずつ解明していただいて、この間も赤外線で4つの廓が出たという話でした。それはこれほど大きな花火を上げて、幻の安土城復元プロジェクトとうたわなくても、調査はずっと進めていただいたらいいのですし、それであれば安土城跡調査でいいのです。そうであるのに、幻の安土城復元プロジェクトとまでうたって、今にも建てるような言い方だったから、私はそういう言い方をさせてもらったのです。まして見える化と言えば、それはもう姿として見えるのだと、天主閣が建つのだと誰でも思うでしょう。ほとんどの人間はそう思ってしまう、そこをやっぱりしっかりと知事は重く受け止めてほしいし、気安く今にも建てるような言い方をずっとしてきたから落胆が大きいということを私は申し上げています。もういいです。以上です。 4 ワールドマスターズゲームズ2021関西について (1)当局説明  野瀬スポーツ課交流推進室長 (2)質疑、意見等重田剛 委員  大会が延期になったのは新型コロナウイルス感染症の影響で、オリンピックもそうですから、それは仕方がないかなと思います。開催側としては、日程は延期になったけれども、中身はほとんど変えないという方向性は分かるのですが、県内で開催予定の競技を受ける市町の反応は、コロナ禍前と今の段階で変化はあるのかないのか、お伺いしたいです。 ◎野瀬 スポーツ課交流推進室長  資料の2の9月のところですが、県内の開催市実行委員会に対しまして、開催時期について意向を調査しましたところ、やはり国際的な大会で海外からたくさん参加者が来られるということで、地元の理解が得られにくいのではないか、あるいは大会の特徴として、高齢の方が参加者で、役員も高齢の方が多いので、感染症のリスクが高い方が多いといった御心配がありましたので、延期となったことはやむを得ないと。しっかりと準備する期間が得られたので、前に向いて、開催効果を最大限発揮できるように頑張っていきたいという状況だと認識しています。 ◆重田剛 委員  競技はそれでいいのですが、ボランティアの募集をかけていますよね。ボランティアは、今後、たくさん応募してもらえるのか、それとも、やはり新型コロナウイルス感染症を懸念して見込みは厳しいのか、その辺はどのようにお考えですか。 ◎野瀬 スポーツ課交流推進室長  再来年に延期になったということで、新型コロナウイルス感染症の終息も期待できるのではないかと考えておりまして、予定どおりの規模で、予定どおりの競技数をボランティアの方々に支えていただくことを予定しています。今の状況ですと、なかなか新型コロナウイルス感染症がまだ収まっていないので、ちゅうちょされる部分もあろうかと思いますが、そこはしっかりと大会を支える魅力、あるいはボランティアをすることによるボランティア同士の交流、エントリーされた方々との交流など、ボランティア活動の魅力をしっかりと発信して、ボランティアの方々を確保していきたいと考えています。 ◆杉本敏隆 委員  大会の名称は変更なしとあるのですが、2021のままでいくのですか。 ◎野瀬 スポーツ課交流推進室長  ワールドマスターズゲームズ2021関西という名称が一定浸透していること、それから同一の大会であることを踏まえまして、組織委員会からは同じ名称のままでいくと聞いています。 ◆杉本敏隆 委員  2022ではなく、2021でいく理由をもう一回言ってもらえますか。 ◎野瀬 スポーツ課交流推進室長  東京オリンピック・パラリンピックも2020を踏襲しておりまして、ワールドマスターズゲームズにつきましても、同じ大会ということで、ワールドマスターズゲームズ2021関西という名称を使うものと認識しています。 ◆海東英和 委員  延びることはいいのですが、滋賀県のエントリー数は、目標のエントリー数に対してどういう状況ですか。 ◎野瀬 スポーツ課交流推進室長  資料のとおり、大きい4番、エントリー状況②の県内外、海外の状況でエントリー者数は2,375人とあります。県の目標は9,220人ほどのエントリー者数を見込んでおりまして、まだまだだと思っています。1年しっかりと準備をする期間を頂いたということで、先ほど申し上げましたようにSNS等を通じて大会の魅力等を発信しまして、しっかりと参加者数を確保していきたいと考えています。 ◆海東英和 委員  9,220分の343ということですか。9,220人は県内の目標ですか。 ◎野瀬 スポーツ課交流推進室長  県内の6競技のエントリー者数が2,375人です。 ◆海東英和 委員  私が聞きたいのは、滋賀県民がどれくらい参加することを見込んでいるのかということです。 ◎野瀬 スポーツ課交流推進室長  滋賀県内の人がどれくらい参加するかという試算は持ち合わせていません。 ○成田政隆 委員長  当初に目標は設定されていなかったのでしょうか。 ◎野瀬 スポーツ課交流推進室長  当初の目標は、県内の6競技で……。
                   (発言する者あり) ◎野瀬 スポーツ課交流推進室長  すみません。ワールドマスターズゲームズに滋賀県民が何人参加するという目標はありません。 ◆海東英和 委員  これは関西広域連合が主体みたいな形で、初めての都道府県をまたいだ主催団体の取組として意味があるといったことを聞くのですが、やはり県庁が関わる以上、県民の健康やスポーツ参画につながらないといけません。ワールドマスターズとありますが、毎年、マスターズというのもありましたよね。滋賀県で、日本のマスターズゲームズを受け入れた年が10何年前にもあったでしょう。  滋賀県のスポーツ行政として、当然、これをどう生かして県民の健康を進めようかという戦略が並行してあって、これを受け入れてさらに祭りとして盛り上げようと普通は考えるものだと思います。本当に、滋賀県は県民がどれくらい参加するかということは、1回も考えていないのですか。 ◎野瀬 スポーツ課交流推進室長  申し訳ございません。県民がどれだけこの大会に参加するかという目標数値などは持っていないのですが、知事自ら、ワールドマスターズゲームズのボート、10キロメートルロードレース、ソフトボールに出場すると言っておりまして、率先して県民の方々にも参加していただけるよう呼びかけてまいりたいと考えています。 ◆海東英和 委員  別に知事のパフォーマンスをPRするための大会ではないのですから、やっぱり県民の健康、長寿につなげるために、滋賀県はこのワールドマスターズゲームズ大会をどう活用するのかという基本戦略というか運営方針がないといけないと思います。ですから、延びた機会にきちんとそれはつくって、県内の日常のスポーツ活動と国スポにつながるように考えてほしいと思うのですが、どうですか。 ◎辻 スポーツ課長  委員のおっしゃるとおり、県民にスポーツに取り組んでいただくきっかけづくりになる大会だと思っています。先ほど室長から説明がありましたように、目標数値としては定めていませんでした。  やはりこの大会はスポーツを楽しんでもらうのと併せて、県外もしくは国外から多くの方に滋賀県にお越しいただいて、滋賀県の魅力を存分に楽しんでいただくという目的もあります。その部分もしっかりと捉えてやっていきたいということもありますし、今おっしゃっていただいたように、今後、オリンピック・パラリンピック、ワールドマスターズ、滋賀国スポに向けて、県民のスポーツ機運を醸成する一つの大会だと我々も認識しておりますので、その辺はしっかりと受け止めて検討してまいりたいと思っております。 閉会宣告  14時52分  県政記者傍聴:京都、読売、中日、共同通信、滋賀報知、産経  一般傍聴  :なし...