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令和 2年 6月定例会議(第3号〜第9号)−07月07日-06号

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  1. 滋賀県議会 2020-07-07
    令和 2年 6月定例会議(第3号〜第9号)−07月07日-06号


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    最終取得日: 2023-05-14
    令和 2年 6月定例会議(第3号〜第9号)−07月07日-06号令和 2年 6月定例会議(第3号〜第9号)                 令和2年6月定例会議会議録(第8号)                                        令和2年7月7日(火曜日)           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第6号                                         令和2年7月7日(火)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第98号から議第111号まで(令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか13件)の各議案に対する質疑ならびに質問           ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件           ────────────────────────────── 会議に出席した議員(43名)    1番   井  狩  辰  也       2番   本  田  秀  樹    3番   柴  田  清  行       4番   重  田     剛    5番   白  井  幸  則       6番   村  上  元  庸    7番   清  水  ひ と み       8番   河  井  昭  成    9番   佐  口  佳  恵       10番   小  川  泰  江
       11番   黄 野 瀬  明  子       12番   松  本  利  寛    13番   杉  本  敏  隆       14番   田  中  松 太 郎    15番   角  田  航  也       16番   塚  本  茂  樹    17番   山  本     正       18番   大  橋  通  伸    19番   駒  井  千  代       20番   中  村  才 次 郎    21番   桑  野     仁       22番   周  防  清  二    23番   海  東  英  和       24番   加  藤  誠  一    25番   竹  村     健       27番   目  片  信  悟    28番   有  村  國  俊       29番   大  野  和 三 郎    30番   岩  佐  弘  明       31番   富  田  博  明    32番   細  江  正  人       33番   生  田  邦  夫    34番   川  島  隆  二       35番   奥  村  芳  正    36番   木  沢  成  人       37番   清  水  鉄  次    38番   冨  波  義  明       39番   江  畑  弥 八 郎    40番   成  田  政  隆       41番   九  里     学    43番   今  江  政  彦       44番   中  沢  啓  子    45番   節  木  三 千 代           ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)           ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               公安委員会委員長        北  村  嘉  英               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             由  布  和 嘉 子               知事公室長           水  上  敏  彦               総合企画部長          廣  脇  正  機               総務部長            江  島  宏  治               文化スポーツ部長        中  嶋     実               琵琶湖環境部長         石  河  康  久               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        森  中  高  史               農政水産部長          西  川  忠  雄               土木交通部長          吉  田  秀  範               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           滝  澤  依  子           ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            西  出  佳  弘               議事課長            山  本  昌  男               議事課課長補佐         瀬  川  進  一           ──────────────────────────────   午前10時 開議 ○議長(細江正人) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(細江正人) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  地方自治法の規定に基づき、公益法人等経営状況説明書が提出されましたので、お手元に配付いたしておきました。    ──────────────── ○議長(細江正人) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第98号から議第111号まで(令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか13件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(細江正人) 日程第1、議第98号から議第111号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次、これを許します。  まず、36番木沢成人議員の発言を許します。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。一般質問4日目、よろしくお願いをいたします。  日本全国がコロナ禍で社会経済的にも大変厳しい環境下にある中、深刻な豪雨災害が発生しております。先週末の熊本県南部に続きまして、昨日からは福岡、佐賀、長崎といった九州北部でも大雨が続き、被害の拡大が大変心配されるところであります。災害で犠牲になられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。あわせまして、救助活動に従事されております自衛隊、警察、消防等関係者の皆様の御安全もお祈り申し上げます。  それでは、通告に従いまして、新型コロナウイルス感染症対策について、一問一答方式で、全て知事にお伺いをいたします。  既に代表質問、一般質問で多くの議員がこのテーマについて取り上げられており、一部論点が重なりますが、改めて確認をさせていただきたいと思います。  6月22日に、新型コロナウイルス感染症に対する振り返りと今後の方向性(骨子案)が示されました。この資料に基づき、以下、伺ってまいります。  骨子案では、冒頭に、これまでの感染者の動向について検証がなされております。県が4月7日にお示しになりました入院医療提供体制の資料においては、本県における感染のピーク時には7,700人が入院する可能性があり、そのため、段階を追って2,000床の病床確保が必要とされておりましたが、最新の県発表資料では、最大推計患者数が660人、必要病床数が450床、軽症者等が療養する宿泊施設が250室の計700人分と大幅に下方修正をされております。  当初の予測シミュレーションと比べて、なぜこのように変化したのか。対策の途上判明したことを含めて、その具体について、まず御説明をお願いいたします。 ○議長(細江正人) 36番木沢成人議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  4月に公表いたしましたピーク時における必要病床数は、国内における感染者数が少なく、潜伏期間や実効再生産数などの有効な疫学データがなかったため、海外における疫学データを基に患者数を試算いたしまして、受入れに必要な数を見込んだものでございます。  6月22日の本部員会議において公表いたしました必要病床数は、国内の感染者数が増加し、利用できる疫学データが蓄積されましたことから、本県の発生状況、発症から陽性確認までの期間などを踏まえ、第2波の流行曲線を推測いたしまして、それを基に再試算させていただいたものでございます。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)当初のそのシミュレーションに用いるデータ、パラメーターと途中で分かってきたことがあったので、そこでシミュレーションし直したということが答弁の主体だと思いますが、国のほうでも、いわゆる緊急事態宣言の元になった、いわゆる北海道大学の西浦教授、通称8割おじさんというふうに巷間呼ばれているところがあるんですが、この西浦教授のシミュレーションがどうであったのかということが、今、大変議論になっております。  御自身で検証されている部分もありますし、その西浦さんのモデルをいろいろな方が改めて検証されているというような状況だと思うんですが、この振り返りと今後の方向性の骨子案を、県民から広く意見を聞いて最終的に県として検証するということをこれまでおっしゃっておりますんで、それであれば、今のこの県のシミュレーションがもう少し具体的に、どういう形で実際行われたのかということをある意味詳細に出していただいて、それをやっぱり第三者に検証していただくということも、今後の展開を考える上では重要と思いますんで、今申し上げた県として行ったシミュレーションの結果について、公表される御意思があるのかどうかということを、この1問目の再質問としてお伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 改めて我々も振り返っておりますと、先ほどもお尋ねいただいたとおり、3月の下旬から試算いたしまして4月に公表した病床数と、6月の時点で公表させていただいた流行曲線に基づく必要病床数と、ここに大きな違いがあると。  その違いの原因は、先ほど申し上げたことでもあるんですけれども、3月の時点では海外、主に武漢での数値を用いて計算をしたということであるとか、4月の時点では、その時点で汎用的な数理モデルを利用したと、6月の時点では、感染確認された後、隔離を考慮する新たな数理モデルに変更して計算をしているということですとか、先ほど述べたことを少し詳しく申し上げれば、6月の試算では、4月の試算と比べてさらに国内の患者の動向等で分かった、把握できたことがございましたので、患者把握割合を25%と入れさせていただいたというようなこと。  一番大きなもう1つの違いは、行動制限の効果というものをどう見るのか。4月の時点ではそういったものが十分見れていない、6月の試算ではそういったものを一定見込んだ上で前提として計算をした、などなどの違いがあるんですけれども、いずれにいたしましても、そういった違いのある中で計算をし、病床数をはじき出し対応してきたということについては、一定県民の皆様方にもお示しする必要があるだろうというふうに思いますので、この時点で不十分な情報の提供ということであるとするならば、また追加で、こういったことで計算をしてきました、見込んできましたということについても、またお知らせをしていきたいというふうに思います。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)先ほど申し上げた国の西浦教授のモデルについても、様々な研究者がそのモデル自体を再検証されて、知事もおっしゃいました行動制限自体の効果があったのかどうかとかいうことを含めて検証されているさなかだと思います。  新型コロナのこの対策というのは唯一絶対解があるかというと、それが分かれば簡単なわけでありまして、そうじゃない中で、皆さんが試行錯誤で手探りの状態、現在もそうだと思うんですけども、そういうことの中で努力をしているということであれば、お互いのいろいろな仮説なりそういうことに対しては、相互にやっぱり検証して、正しいところに持っていくというのが大事だと思いますんで。  特に滋賀県の場合、例えば滋賀大にデータサイエンス学部もできましたし、そういう中では統計ということにおいての専門のそういう大学もあると、そういう研究者さんもたくさんいらっしゃるということなので、そういう意味では、独自に検証するというところのベースも整っているのか思いますので、そこはしっかりしていただきたいと思います。  それと、対策の途上判明したということの中で、私、ちょっと答えていただきたかったことが1つ抜けていたんですけども、当初、今申し上げた西浦さんのモデル、それから県が示したモデル、心配するほど、実際のところを見ていくと、感染者数の広がりというか、感染の伝播力といいますか、その辺のところは当初恐れていたことではないということが何となく確からしいということは、今の段階でも分かっているのかなと思います。  これ、今後、第2波とか第3波とか言われているものが、どういうふうに拡大していくかということを見ていかないといけませんけども、1つは、当初、マスコミ含めて、大きくある意味恐怖心があおられた部分については、それほど、物すごく感染力が高くて、市中感染がどーっと広がって一気にいくかというところでいくと、思っていたモデルで想定したよりはそうではないということが分かっているのかなと思いますんで、そういう情報というのは県民の皆様にとってはとてもやっぱり大事な情報かと思いますんで。だから、このシミュレーションの意味づけであるとか、そういうこともやはりもう少し分かりやすく検証の中では説明いただきたいなと思います。これは要望しておきます。  次、2番目の質問ですが、全国的にもクラスター──集団感染の発生が大きく取り上げられ、その対策に注目が集まったところであります。ここ最近でも、東京を中心とした都市部において、新たなクラスター事案が多数発生しているところであります。  本県におきましても、事業所や役所等におけるクラスター事案が発生いたしましたが、この事案に対しては早急な対策が取れたため、早期の感染収束が図れたというふうに総括をされております。具体的にどのような対策を実施されたのか、お伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 先ほどお尋ねいただいたことで、後段述べられたことで申し上げておくと、量としてはその時点で想定したほど来ませんでしたけれども、増えていく速度、これは当初想定したよりも早めに来ました。したがって、県で持っていた、そして増やそうとしていた病床をオーバーフローしてしまったという状況がございますので、こういったことも含めてお示しをし、また検証し、いろんな御意見、御知見をいただいていきたい、さらによりよくしていきたいというふうに考えております。  それで、その原因にもなったクラスターについて申し上げれば、このクラスター対応では、保健所による迅速な現地調査ですとか濃厚接触者の特定等、検査の実施等によりまして、感染拡大の抑制を図ってまいりました。  例えば、草津保健所が対応した事業所の事例で申し上げれば、帰国者・接触者相談センター当該事業所の感染情報が複数寄せられまして、担当課において事実確認をした後、保健所職員が直ちに積極的疫学調査のため事業所に立ち入ったということがございます。  事業所の協力の下、職場の配置状況ですとか従業員の勤務状況を確認いたしまして、濃厚接触者を速やかに特定し、必要な方にPCR検査を行うとともに、従業員の健康調査や事業所内の消毒、従業員家族への二次感染予防について指導を行ったということでございます。  これらの対策に当たりましては、県庁内におります疫学に詳しい職員も現地で調査を行うとともに、厚生労働省本省クラスター対策班にも早期に御来県をいただいて、技術的支援を受けることができたと、こういったこともございました。  これらの対策と事業所による自主的な早期休業も相まいまして、クラスターを封じ込め、地域への感染拡大を防ぐことができたのではないかと考えているところでございます。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)今、クラスター対策について御答弁いただきましたけれども、このクラスター事案の対策途上に判明しました具体の事項については、プライバシーに関わる情報の保護を前提とはしつつも、広く県民と共有することが今後の対策において必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) おっしゃるとおりだと思います。それで、様々な対応をこの専門の職員も派遣しながら行ってきているということがございまして、今まで行った事例の一部につきましては、事例の概要ですとか、対策方法および改善を要する事項を報告書として一定取りまとめているところでございます。  その他の事例も含め、もちろん個人情報の取扱いに十分配慮しつつ、感染拡大防止につながる注意喚起として、クラスターが発生した要因ですとか感染拡大を防げた要因など、その概要を県民の皆様と共有してまいりたいというふうに思いますし、現在、全国知事会コロナ対策検証戦略ワーキングチームも開催されているんですけれども、ここでは、医療機関ですとか介護施設等でのクラスター発生事案、そしてそれが広がった施設と広がらなかった施設等でどのような対応が行われていたのか、行われていなかったのか、そういったことなども検証し、それを全国で共有しようという取組もやっておりますので、そういった取組と併せて、情報を共有していきたいというふうに考えております。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)この質問をするに先立ちまして、会派の政務調査で県の草津市保健所と大津市保健所を訪問いたしまして、一連の対策等についてお話をお伺いしてまいりました。  その中で、今も答弁の中にあったクラスター事案の具体の例として事業所での発生事案があったんですけども、こちらもやっぱり具体に聞いてみますとね、3月末頃の時点ですけれども、広さが20平米ぐらいの、ある意味ちょっと狭い部屋の中で10人の方が会議をされてまして、そこの部屋自体が窓がなくて、いわゆる密室であったと。当初、3月の終わりぐらいなんで、コロナのことは世間であれですけど、まだそれほど皆さんが完全にマスクを着用してとかそこまでが徹底されてない中で、その密室の中で、いわゆる密接の状態で、密閉空間の中で10人の方が会話をされていたと。そのときに最初のクラスターがそこで発生し、また別の、同じ事業所の中の話なんですけれども、従業員の方がお昼にお弁当を食べておられるときに、そこの空間がやはり3人ぐらいで食べているときに、非常に密接した場所で近接して会話をしていたと。そういうところで感染が広がったということをお伺いしたんですけれどもね。  これ、今申し上げたように、事業所さんのところのプライバシーとかいろんなことの問題ありますけど、やはりそういう具体の話をしていただかないと、いわゆる3密についても県民さんちょっと勘違いされているところがありましてね。あれ、3密の3つの条件が重なったときに、極端に感染の拡大、クラスターの事案が発生するということは国もおっしゃっているんですけども、当然その1つの密という状態でももちろん感染はするんですが、クラスターのような大規模感染になるかどうかというのが3密の重なる条件だということを、国も発信し、県も発信されているんですけども、そこら辺の理解がやっぱり県民さん様々で、ちょっと過剰になって対策をいろんなことやっておられるとことかも見受けられるんです。ですから、やっぱりその具体の発生した条件がどういうことであったのかということを示してあげれば、気をつけられる部分がたくさん出てくるのかなと思ってまして。  そういう意味で、抽象度の高い情報ではなくて、ちょっと具体のやはり事例というものを出していただいたほうが県民さんにとっても分かりやすいのではないかというふうに思うところです。  それから、今のクラスターの発生のところで、先ほども、知事が感染の拡大のところでは感染のスピードの話をおっしゃってましたけども、シミュレーションのところでも、そのスピードはそういうふうに急速な部分があったかもしれませんが、もともと想定していた基本再生産数ですね、1人が何人に感染させるかという、そこの設定がどうも高過ぎたんじゃないかということを国のほうのシミュレーションでもおっしゃっているわけなんですね、今、様々な方が。だから、1人が何人うつすかという部分については、そこの部分については当初予想していたより低いんじゃないかと。  ただ、今申し上げた3密みたいな条件が極端に重なった瞬間のところでは、ぼーんと爆発的に広がるみたいなことが分かってきているということなので、その辺のメカニズム的なこともやはりもう少し詳しく説明が要るのではないかなと思います。  その中で、1つ、あまり県が発信してないところで大事だなと思っている部分が、今のところの、当初、せきエチケットであるとか、せきをなるべくしないでくださいとか、人前で、くしゃみするとき、気をつけましょう、だからマスクですよというようなことがずっと言われて、今現在も言われてるんですけども、やはり最近分かってきたところの部分でいくと、いわゆる普通に無症状の人が会話していても結構感染している人が出てきていると。それがなぜかというところを追っていったときに、口腔の唾液の部分にたくさんウイルスがどうもいるらしいということが分かってきたということが言われてます。  いわゆる新型コロナウイルスが細胞に感染するときに、そのメカニズムの中で、細胞上のある酵素に特定して新型コロナウイルスがくっついていくということが明らかになっているんですけども、その細胞なりがいわゆる唾液腺の細胞にたくさんあるらしいと。舌の上皮とかその辺の部分にあるんですけども、その辺が分かってきているということが言われてます。  そうすると、いわゆるせきとかくしゃみとかそういうことではなくて、やっぱり普通に正面でマスクがない状態で会話しているときに感染のリスクがそこそこあるということが、やっぱり確かになってきているという部分がありますんでね。だからこそマスク着用であるとかいうことが論理的にもよく分かりますし、そういうことの分かってきている最新の情報というのをやはりどんどん出していただかないと、ちょっと情報の精度が3月時点の部分で止まっている部分なんかも多いのかなというふうに感じますんで、その辺も併せて、分かったことの情報というものの出し方と、その発信をよろしくお願いいたします。  次、4番目の質問なんですが、クラスター事案が発生するなどして患者数の多かった県草津保健所や大津市保健所においては、それに伴う相談件数も県のほかの地域の保健所と比べて多く、現場の職員さんには大変な負担を強いることになりました。  現在、県におきましては相談センターが県窓口に一本化され外部委託されたため、現場の負担は軽減されたものの、一方で、土地観があり地域に精通している保健所職員のほうがよりきめ細やかな相談等サービス提供ができるという部分もあり、その点については悩ましいというお声を、保健所の職員さんから草津保健所にてお伺いいたしました。また、大津市保健所におきましても、臨時雇用の派遣職員につきましては地元事情に詳しい方を人選しているということでございました。  今後の対策における相談体制の充実強化においてはこの点を考慮すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
    ◎知事(三日月大造) 相談の内容は症状に関することが大半を占めているということから、帰国者・接触者相談センターの外部委託に際しましては、相談員は保健師または看護師免許を有する者のみとしておりまして、医療機関の受診相談や感染予防の相談まで、円滑に対応できているということでございます。  また、これらの相談員は県外の方でありますが、基本的な県内の情報について研修を行うとともに、地域に精通する保健所職員と密接に連携を図ることで、帰国者・接触者外来へ問題なく紹介ができているということでございます。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)今、相談件数も一旦落ち着いているかと思いますが、今後またそういう感染が拡大した場合に、相談が多数寄せられることもありますので、その場合に、今、県外の方でも県内事情に精通するよう研修ということもおっしゃいましたけれども、やはり言葉1つでも、会話が弾んでいくというか、結局、保健所職員さんにお聞きしましたけれど、一つ一つの相談事案というのが時間的にやっぱりどうしても長くなりがちになってしまうと、皆さん心配の中でいろんな不安を抱えて相談されてくるのでと。そういう中で、やはり言葉1つとっても、それを標準語的な言葉で対応されるのと、地元のアクセントといいますかイントネーションみたいなので聞いてもらえる、その辺でも大分、親近感というか、信頼感が変わると思いますんで、その辺は十分御留意を願いたいと思います。  次、5番目の質問に移ります。感染に疑いのある方が患者と認定されるまでの期間、またその後において、保健所職員さんは様々な場面で当該対象者に接することになります。また、疫学調査におきましては、患者の濃厚接触者に対しても同様に職員の方がアプローチをされていくということになりますと。こうした場面におきまして、その行為が第三者に知られないよう十分に注意する必要がありますが、これまでの取組の中で課題はなかったのか、お伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 伺いますと、その調査において、保健所職員はできる限り自宅等への訪問は行わないようにしているということでございますが、やむを得ず訪問する場合であっても、人目につきにくいよう、時間帯や駐車する場所などに配慮してくれているということでございます。  また、感染防止のため防護服を着用せざるを得ない場合はさらに目立ちますので、周囲に十分注意を払って訪問するなど、対応を行っているということでございます。  しかしながら、こうした細心の注意を払っていても、こういう状況でこういう格好で訪問したことで、地域の方に特定される可能性というものが拭えず、個人のプライバシーを守る難しさを感じながら対応しているという状況を聞いております。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)なぜこの質問をさせていただきましたかといいますと、東近江市では感染の拡大の早期に2人目、3人目の方が確認をされたんですけども、東近江市内でどういうことがその後起きたかと申しますと、その個人が特定されるようなうわさであったりとか、うわさなのか本当なのかちょっと分からないですけども、かなり具体的な話が市中に流れておりました。現在も流れております。  その中で、患者さんの自宅が特定されているという情報が今現在も流れているんですけども、その原因となった1つに、いわゆる防護服なりを着た方がその当該患者さんのお宅を訪問したというのを目撃したというような話が、市中にちょっと流通をしております。  ですので、そのことを草津保健所さんに行ったときにも全体の話の中でちょっとお伺いしたんですけれども、PCRの検体を採取するときに、通常はそういう人目に触れるようなところでそういう採取というのは行わないらしいんですけども、ちょっとそういう事案が県内で発生したというのは聞いているというふうに所長さんがおっしゃってましたんで、事実関係としてそういうことがあったのかなかったのかだけ、再度ちょっとお伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) すいません。現時点、私のところにそういう事実または情報、入っているわけではございません。  ただ、議員おっしゃるとおり、現場の職員はそういった個人情報が特定されることがないよう細心の注意を払っているところでございますが、そういう対応をしてくれていますけれども、どこでどういう情報が流れるか分からない。また、いろんな情報から類推なりその流布が行われるということから特定されてしまいかねないという、こういうことがありますので、細心にも細心の注意を払いながら行うということと同時に、もし他の事例でもそういったこと等があるとするならば、それらを教訓にして、どういう対策を取っていけばいいのかということについても、部内でまたしっかりと検証していく必要があるのではないかと考えております。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)今、ちょっと知事が資料をお持ちでないということですけども、分かりましたら、今、この骨子案で反省というか検証しているわけですから、事案としてこういうことがもしあったのであれば、そのことは事実としてやっぱり明記をしといていただきたいんです。この後もちょっと人権に関わることを幾つか聞かせていただきますんで。  私も別に保健所職員さんを責めるという意味で申し上げているのではなくて、試行錯誤の中でね、現場の中では非常に大変タイトな中に一生懸命やっていただいたのはよく分かってますんで。ただ、やはり、そういうことの中で、もう一歩ちょっと配慮しておいたほうがよかったということが、たまたまちょっと抜けていたということはあり得ますんで、そういうことの部分をしっかりとお願いいたします。  次の6番目の質問に移ります。  さきに述べましたように、県内におけるクラスター事案等を含む患者数が特に集中したため、県草津保健所と大津市保健所には特に多くの経験、情報、学び、気づき、ノウハウを有しておられると思います。こうした貴重な体験知、経験知、知見をどのように全県的に共有するのか、その具体についてお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) クラスターが発生した草津保健所ですとか大津市保健所をはじめ、各保健所においても多くの感染者対応をこれまで行っているところでございまして、議員御指摘のとおり、これら貴重な経験を第2波に生かすため共有を図ること、これは大変重要であると考えております。  そのため、6月23日にはオンラインで事例報告会を開催し、全ての保健所と本庁の関係職員が参加いたしまして、対応に苦慮した事例などを共有し、意見交換も行ったということでございます。  今後も随時情報の共有を行うとともに、定期的に報告会も開催し、こうしたノウハウの共有や意見交換を行いながら、県内の感染症対策向上強化のためにつなげていきたいと考えております。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)引き続き、しっかりよろしくお願い申し上げます。  それでは、次の質問ですが、新型コロナウイルス感染症に係る諸問題におきましては、今申し上げたように、特に風評被害、差別や偏見による被害事例については、今も申し上げたとおり私自身も知るところであり、大変憂慮をしております。  さきの代表質問でも取り上げられ、知事もさらなる取組の徹底を答弁されましたが、その中で、新型コロナウイルス感染症に対する正しい認識の周知について言及されたところであります。現時点での正しい認識とは一体何なのか、お伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) さきの代表質問におきまして、今も御紹介いただきましたけれども、感染者や治療に当たる医療従事者の方々の人権への配慮に関する御質問に対し、「新型コロナウイルス感染症に対する偏見や差別を解消するため、今後も継続して感染症に対する正しい知識の普及に努める」と答弁いたしました。  ここで言う「正しい知識」とは、どのように感染するのか、また、感染を予防するためにどのようなことに注意すればよいのかなどであると考えております。例えば、新型コロナウイルス感染症は、飛沫感染や接触感染によるものであるということを正しく認識してもらうことで、例えば、擦れ違っただけで感染するなどの誤った認識に基づいた行動をなくすことができる、また、なくしていかなければならないと考えているところでございます。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)今も知事おっしゃいましたように、はしかみたいに空気感染するというような感じで思っていらっしゃる方も多数いらっしゃいます。ですので、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、今現在の県の、いわゆる県版の三方よしの取組の新しい行動様式の「滋賀らしい生活三方よし」を見てましても、先ほど申し上げたように、せきエチケットの注意ということは徹底的にうたわれているんですけれども、それに伴う手洗いなんていうのも書いてあるんですけど、先ほど来申し上げているように、口腔の部分のケアというのが非常に大事だなということが徐々に多分分かってきていると思いますんで、口腔ケアの部分でいくと、いわゆる手洗いも大事なんですけど、当初言っていたように、うがいの部分ですね。それも喉うがいというよりは口を洗う洗口、いわゆるぶくぶくうがいというようなものの重要性でありますとか、そういうことをやっぱり、例えば食事した後にすぐやっていただくとか夜寝る前にしっかりやるとか、そういうことが恐らく非常に大事なことになってくるでありましょうし、そういうことでかなり予防ができるのではないかというふうに、最新のいろんな知見を見ていきますとね、そういうところにたどり着くのかなと思ってます。  ですから、そういう意味での時点時点の正しい予防についてもそうですし、今おっしゃった差別や偏見の防止もそうなんですけども、やっぱり知識なり、その辺の知見をしっかり出すということが大事だと思いますんで、その点については、再度、この検証の中でもう一回議論をしていただきたいと思います。  それでは、次、8番目なんですが、ちょっと観点というかテーマが変わるんですけども、文化スポーツ活動の再開についても骨子案では触れられております。このことに関しまして、今定例会議に上程されている補正予算案には、文化施設の感染症防止対策事業や琵琶湖博物館の感染症防止対策の追加費用等が盛り込まれております。これには発熱者確認のためのサーモグラフィーカメラの購入が含まれておりますが、対象施設に対してどのように整備していくのか、整備の具体について、まずお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 県立文化施設に来場される方の健康状態を確認し、安心して施設を御利用いただくため、サーモグラフィーカメラを、びわ湖ホールに3台、文化産業交流会館と琵琶湖博物館にそれぞれ1台導入するための補正予算案を今議会に提案させていただいているところでございます。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)今、知事が安心という言葉をおっしゃったんで、これちょっと大事なところかなと思っているんですが。  発熱という症状が新型コロナウイルス感染症に特異的な症状ということではございません。また、一般に平熱が高めという方もいらっしゃるかと思います。さらに、サーモグラフィーカメラは法律に定めるところの医療機器ではないのかなと思います。メーカーさんの資料をいろいろ確認しましたが、そういうふうに記載がされております。このような中で、来場者に対してどのように感染の疑いをこの事業で特定するのか、お伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 本県が事業者の皆様にお示しをさせていただいております事業者における新型コロナウイルス感染症予防対策(例)におきましては、感染予防対策の取組例といたしまして、来場者の検温、また体調確認を行い、体調不良の来場者の入場を制限するとしているところです。びわ湖ホール、文化産業交流会館、琵琶湖博物館においては、順次、開館なり様々なイベント等行われるようになるんですけれども、その際、体温測定の結果、発熱の症状がある方については入場をお断りすることとしているところです。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)新型コロナウイルス感染症、これ、発症の2日前が感染力が最大になるというふうに言われていまして、その中で、いわゆる無症状の感染者さんも多数いるということになっております。無症状の感染者の方というのはサーモグラフィーに当然引っかかってこないわけでありまして、そういう方も一定もし感染者がいらっしゃったら、例えばびわ湖ホールだったらホールの中には入っていくということが想定されております。  そういう中で、発熱という事象をもってどこまで特定するのかというのは非常に難しいなと思って、私この質問をさせていただいたんですけども、今現在でもちょっと、本当にどういう形で具体の動線なり、そのスクリーニングをしていくのかなというのが、なかなか私もいろいろ考えているんですが難しいんですけれども。  そういう中で、そういう形でやるということを今おっしゃいましたので、仮に県が定める基準値以上の発熱という症状が見られた場合に、その対象者にどのように対処されるのか。入場の抑制の有無、チケット料金への対応、保健所や医療機関との連携も含めてお伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) まず広くは、この「滋賀らしい生活三方よし」のところにも記載していますけど、毎日それぞれによる検温ですとか、体調が悪いと外出を控えるという、こういうことを広く皆様方にお呼びかけ、協力を求めるということと併せて、琵琶湖博物館においてはチケット購入前に、びわ湖ホールおよび文化産業交流会館では来場時に検温を行い、発熱の症状がある方については入場をお断りする旨、各施設のホームページに掲載するなど、事前に周知を一定させていただいているところです。  入場をお断りする場合は、既に頂いているチケット料金を返金させていただくとともに、別室に御案内をして休息いただくなど、必要な対応を行うこととしているところです。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)ちょっと繰り返しになりますけれども、そういう方がいたときにそういう対応をされるということですけども、先ほど来申し上げているように、無症状の感染者というのが新型コロナウイルスの感染症の場合には多数いらっしゃって、そういう方は擦り抜けていくわけですよね、この施策でいくと。ただ、そういう方が例えばびわ湖ホールであればそのホール内にいらっしゃったとしてもですよ、いらっしゃったとしてもというか、いらっしゃるという前提で公演を行うのであれば、感染症対策をしないといけないということですよね。  ですから、どういうことを具体的に考えておられるか。例えばびわ湖ホールの場合、まだ分からないんですけども、席数を限定して前後、隣を空けて販売されるとか、場内では必ずマスク着用を徹底していただくとか、そういうことなのかなというふうに思いますけども。  例えば文化施設の今のホールであればね、これ、対策のガイドラインを文化施設の協会さんが示しているんですけどもね。その中に、例えば音楽ホールなどはもともと空調設備がとてつもなく高性能で、換気もかなりの性能でやれるようになってますし、施設の構造上ですよ。なので、そもそもの部分でいわゆる3密状態というふうにはなりにくいだろうと、なのでリスクは非常に低いですと、ガイドラインにもともと書いてあるんですよ。その中でそれぞれの施設のリスクを評価して、その中で対応しなさいというようなガイドラインになっているんですけどもね。  それでいくと、今の熱のサーモグラフィーのスクリーニングというのは、いわゆる安心の部分では一定、他の来場者には効果があるのかもしれませんが、実際の本当の意味で感染の拡大を防止するというところにどこまで効果があるのか。効果がないとは言いませんけれども、今のコロナの感染力であったりそういうことを見たら、やっぱりその人の鑑賞機会ということを私は尊重してあげてもいいのかなと実際に思います。  それと、先ほども申し上げたように、平熱が高い人というのは、今後、そういう施設に本当に半永久的に入れないのかというような問題も生じてきますので。ここの部分ですね。これ、大津市保健所にもこのことで相談したんですけども、実際それを現場できちんとスクリーニングするというのは技術的にも本当に難しいんじゃないかと、まだ相談いただいてませんがと、びわ湖ホールなりからは保健所のほうには相談いただいてませんが、難しいのではないかというふうなお声もいただいております。  その中で、次の11番目なんですけども、今申し上げたサーモグラフィーカメラによる発熱者のスクリーニングは、その手法によってはプライバシーの侵害、人権侵害につながるおそれが多分にあると思います。特に、施設入り口に来場者が多数殺到している場合などに個人情報が不特定多数に知れ渡るおそれがあり、注意が必要だと思います。どのように来場者のプライバシーを保護されるのか、お伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 様々な取組が初めてのことですので、全てが試行錯誤の中で行われる、そういう状況だと思います。ガイドライン等で一定示されつつも、詳細は個別の対応に委ねられているということもありますので、そういったことの中でこの対策を講じようとしているということでございます。  御指摘のとおり、発熱者のスクリーニングを行う場合は、プライバシーに十分配慮して実施する必要があるということは当然のことでございます。サーモグラフィーカメラによる確認は、他の来場者からモニターが見えないようにするということのほか、発熱の症状がある方については周辺の状況に配慮しながら別室に御案内するなど、プライバシーの保護について工夫をしてまいりたいというふうに思います。  ただ、空港なんかのように、多くの方にもう既に慣れている、対応しているスタッフがいる場所と、そうじゃない、初めてやる例えばびわ湖ホールなどの施設の対応とでは、スキル、経験に差が当然あるでしょうから、その辺りも十分考慮しながら、来場された方のこういった個人のプライバシーを侵害することのないような対応を、しっかりとつくっていきたいというふうに考えております。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)仮に大量に来場者がいたところで、お1人とかお2人とか熱の高い方が見つかったときに、その方をどういうふうに本当に他の方の目に触れない形で誘導するのかというのは難しいなと思います。  この質問をするに先立ち、私、営業再開されている大手のデパートさんに複数ちょっと行ってまいりました。今、デパート、百貨店でも入り口に消毒液を置いて、その後、サーモグラフィーカメラを設置されているところが多数ありますけれども、実際にそこのカメラのとこに立っておられるスタッフの方にお話聞きましたけども、どういう目的でやっているんですか言うたら、お客様の安全と安心ということを強調されたんですね。  実際に、ちょっとこれ、本当に発熱者が出た場合どうするんですかと若いスタッフの方に聞いたんですけども、即答できなかったんですよ、その方。その後の対処についてどうするのかと。そういう人が来ないという前提である程度考えられてるんですけども、やっぱり来たときに、そんなデパートの中で高熱の方が出ましたとなったら、今の状況であれば、申し上げているように、新型コロナかどうか、ウイルス感染症かどうかに関わらず、一般に、あの人、感染者だなという認定をされかねないということがあります。  ですから、そういうことも含めて非常に、これ、技術的にカメラを置くのは簡単なんですけど、その後の流れというのは非常に難しいのかなと。これは保健所の方が本当におっしゃってて、やはり確定の体温というのは検温しないといけないと、分からないと。その検温については医療機器である体温計をしっかり使ってもらわないといけない。結局、二度確認する作業が出てきますよね。その後、発熱が確定したとして、それをどういうふうに保健所につなぐのか、病院につなぐのかとか、その辺の判断って大変技術的な課題があるので、できればですよ、保健所さんがおっしゃっていたのは、そのスクリーニングのところに、保健師さんであるとか看護師さんであるとか医療スタッフさんを臨時でもいいので配置するようにお願いできないでしょうかというふうにおっしゃってました。やっぱりそれぐらいのことが本当は私も必要なのかなと思ってます。  ですので、いろいろな問題を考えたときに、このサーモグラフィーカメラによる発熱チェックというのは、あくまで任意の協力とするべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来お取上げいただいて私も申し上げているとおり、この来場者の検温、体調確認をやらせていただく、行うということは、新型コロナウイルス感染拡大を防止して、他の来場者の安心・安全を確保するためにも必要なものであると考えております。  ただし、こうした確認を快く思われない方に対して、サーモグラフィーカメラの活用に代えて非接触型の体温計を使用するなどの対応、こういったものも補完的に用意をしておく必要があるのではないかと思いますので。  いずれにいたしましても、どういうスタッフ体制でその入り口を開くのかということも含めて、びわ湖ホールはじめ、こういう機器を導入する施設において、しっかりと検討していただきたいというふうに考えております。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)発熱者等の施設入場の制限につきましては、今議論しました文化施設に限らず、民間の集客施設や事業所を含めた全般について、個人情報保護の観点も含め、県がしっかりとしたガイドラインや指針を定めるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) それぞれの業種ごとによって対応等が異なる面もございますので、それぞれの業種における感染予防対策につきましては、現在、140以上の業界団体等において感染拡大予防ガイドラインが作成されておりまして、県のホームページにおいても紹介をさせていただいております。  また、県におきましても、事業者における新型コロナウイルス感染予防対策(例)を作成いたしまして、一般的に広く考えられる感染予防対策の例の一つとして、発熱者等の施設への入場防止についても示させていただいているところでございます。この感染予防対策(例)は感染予防対策に主眼を置いたものとなっておりますことから、今後は、議員御指摘のプライバシー保護の観点なども加えて、さらに改善なり充実をさせていただいて、周知を図っていきたいというふうに考えております。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)社会のあちこちで、人の顔に非接触型の体温計を当てたりとか、入り口にサーモグラフィーで監視するみたいな、そういうことがどんどん広がっていくのは私は健全な社会ではないと思ってますんで、その意味で、その効果と……。 ○議長(細江正人) 木沢議員に申し上げます。質問の時間を超過いたしましたので、簡潔に願います。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)しっかりと対応をお願い申し上げまして、質問を終わります。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、36番木沢成人議員の質問を終了いたします。  次に、9番佐口佳恵議員の発言を許します。 ◆9番(佐口佳恵議員) (登壇、拍手)チームしが 県議団佐口佳恵です。発言通告に従い、コロナ禍における滋賀5分の1ルールから得た課題、知見、それらの緊急事態下におけるテレワーク体制、すなわち事業場外勤務体制の構築、働き方改革への活用について質問いたします。  知事は、令和2年4月16日に開催された緊急の新型コロナウイルス感染症対策本部員会議で、5分の1ルールを打ち出されました。職員の5分の1しか働いていないのではといった誤解も生まれてしまったようで、県民の皆様に御心配をおかけしたといったお話も聞かれました。5分の1ルールが本来意図したところと実際の取組状況について、総務部長に伺います。  コロナは、長期間収束しない、県庁に職員が来られないという、言わば新しい形の災害と言えると思います。決して望むものではなく、二度とは起きてほしくない事態ですが、ワクチン完成に至ってない今、第2波、第3波に対する備えが必要です。コロナとのつきあい方滋賀プランを策定し、この見えないウイルスと付き合っていくことを決めたなら、コロナが再び猛威を振るったときに対応できる広い意味での危機管理体制を構築しておかねばならないと考えます。  また、コロナに限らず、次なる新たなウイルス、気候変動による災害等、いつ県庁に職員の皆様が来られない事態が発生するか予測できません。コロナに限らず、緊急事態下において、可能な限り平常時と同様の業務体制が構築できることは重要と考えます。  今回、コロナ禍により、県庁にもいや応なく行動変容がもたらされました。在宅勤務などの事業場以外での勤務、いわゆるテレワークや時差出勤などです。県では、これまでも在宅勤務、サテライトオフィスなどのテレワークに取り組んでこられました。これまで県で行われてきた在宅勤務、時差出勤の取組状況と、今回のコロナ禍における実行状況を総務部長に伺います。  業務内容により、テレワークを行いやすいもの、行いにくいもの、行えないものがあったことと推察いたします。それらの情報を集約、検討すれば、例えばペーパーレス化などテレワークやICTを進めるに当たって阻害要因となっている事柄、前段階として工夫、改善が必要となる部分を見つけられると思います。業務の在り方を検討し直すことで、これまで無理だと思われていた業務についても、在宅勤務などのテレワーク、ICT化を進められると考えます。こういった新しい時代の業務の在り方の構築は、特に男女共同参画や働き方改革などに役立つと思われます。  今回、県庁で行った在宅勤務、時差出勤、ウェブ会議等について、課題把握のためにアンケートを実施なさったと仄聞しておりますが、そのアンケートの結果として見えてきた課題について、総務部長に伺います。  次に、情報通信機器、ハード面について伺います。  滋賀県では、平常時には個人情報、機密情報などを取り扱う情報管理の重要性から、専用の端末──パーソナルコンピューターです──を使用し、庁内でLANを組まれ、外部のインターネットとは接続せず業務を行っておられます。そして、専用のルーター、これはネットワークを接続する通信機器のことですが、ルーターを使用すれば、家庭でもサテライトオフィスでも、どこにいても庁内と同じ情報通信環境を構築できるとお聞きしております。  今回の在宅勤務等のテレワークで、モバイル端末、ルーターは十分に足りていたのか。モバイル端末、ルーター等の情報通信機器についての状況を、総合企画部長に伺います。  次に、ソフト面について伺います。  緊急に在宅勤務することを余儀なくされた今回のコロナ禍でした。保健所等コロナに関連する業務を行っておられた課では、常に飛び回っておられ、連絡が取り難い状況が発生していたのではないかと推察しています。情報漏えいを起こせないこともあり、職員同士で連絡が取りにくい状況も発生したことでしょう。  業務を円滑に進める上では、平常時と同じ程度には連絡が取りやすい環境をつくることも重要です。ICT──情報通信技術の向上で様々なウェブ会議システム、グループウエアなどが存在しています。県庁でも、ウェブ会議、チャットなどを取り入れた取組をなさっていたと仄聞しておりますが、その内容について、総合企画部長に伺います。  最後に、改めて知事に伺います。  コロナ禍においても平常時でも、少子超高齢社会は加速度的に進展し、今や、性別、年齢、個人の御事情、働ける時間などが均一な人員だけを雇用し、マネジメントしていれば発展が見込めるという時代は過ぎ去りました。多様な主体が活躍できるようにせねば、社会を支えられない時代となりました。そのためのテレワークだ、ICTだと申しても、増える仕事、削減される人員の中で多忙を極め、自分が経験してみなければ課題に気づけない、現状の業務体制を変え難いというのも無理ない課題だと感じます。  つまり、組織全体の改善を図るには、一部の方だけでなく、全員が当事者としてテレワークを体験しているほうが課題の共有や改善を行いやすくなるわけですが、今回、コロナ禍のために、くしくも想定外に多くの方がテレワークを行わざるを得ない状況となり、県庁内でも多くの職員の方々が経験なさいました。あってはならぬコロナ禍ですが、あえて逆に捉えれば、これだけの規模でテレワークを行うことも、実証実験を行うことも、介護や育児等の事情の有無によらずそろって在宅勤務を経験することも、そうある機会ではありません。  当会派代表質問で、コロナ禍における行動変容について、しっかりデータを集積して分析を行い、今後の政策形成に生かす重要性については、CO2ネットゼロの施策に関連して述べさせていただいたところですが、コロナ禍において得たデータや知見を今後の施策に生かすという観点は、何も温室効果ガスについてだけ当てはまるものではありません。  今回の緊急事態下における情報通信技術を利用したテレワークの実践についても同様に、経験、知見を取りまとめ、男女共同参画、働き方改革、権利が尊重され働きがいがある人間らしい仕事、ディーセントワークなどへの施策へ生かしていただきたいと思います。  具体的には、今回のコロナ禍における経験を忘れないうちに、改善すべき課題、ペーパーレス化、公印や印鑑の電子化などの事務上の課題を掘り起こし、その情報を各課だけで扱うのではなく、全庁的に集積、分析、共有することが重要であると考えます。ぜひこの機会に、在宅勤務等のテレワークをはじめとする多様な働き方を推し進めるために、業務見直し、県庁における課題の分析、共有を行っていただきたいと考えますが、知事の御所見を伺います。 ○議長(細江正人) 9番佐口佳恵議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)滋賀5分の1ルール等から得られた課題、知見、また働き方改革等への活用という大きなテーマで、6点御質問いただきました。私には最後1問いただきました。  議員も御紹介いただいたとおり、在宅勤務ですとかサテライトオフィス勤務を含めたテレワーク、時差出勤制度、ウェブ会議システムなどの取組は、個々の職員の事情に応じた働き方が可能となるよう環境を整えるものでございまして、働き方改革の推進に大きく寄与するものであると考えております。ところが、なかなかやろうと思ってもこの間進まなかったという、こういう事情がございます。  また、滋賀5分の1ルール、これは検証の中でも申し上げておりますが、分かりやすく説明する必要があったという大きな反省点はありますものの、ただ、当時、感染が初期に拡大、増加してくる局面において、職場等もかなり密な状態で多くの職員が仕事をしてくれておりますので、この職場等での感染を防いで、県民の皆様のための仕事を持続可能なものとしなければならないという、この危機感を強く感じました。状況等については、後ほど総務部長が申し上げます。  とはいえ、今回のこういう一連の状況の中で対応してきたこの新型コロナウイルス感染症対策で得られた、ある意味、苦労の中での経験ですとか、職員を対象に実施いたしました在宅勤務等に関するアンケート結果なども踏まえつつ、職員の多様な働き方を推進し、生産性を高めていくため、全庁的な会議体として設けております健康経営・人材育成推進委員会に設置いたしましたウイズコロナに対応した新たな働き方検討ワーキングを中心に課題を検証いたしまして、例えばペーパーレス化や押印、判この見直しですね、業務の在り方も含めて改善を重ね、すぐにできることは迅速に試行、実行も実施しながら、県庁の新たな働き方の定着を図ってまいりたいと考えているところでございます。 ◎総合企画部長(廣脇正機) (登壇)私にいただきました2点の御質問についてお答えをいたします。  モバイル端末、ルーター等の情報通信機器の状況についてでございますが、かねてから働き方改革や事業継続計画──BCPのために、昨年度、県庁舎の全ての執務室、会議室に無線LANを整備いたしますとともに、インターネットを経由せず高いセキュリティーを確保したテレワーク環境を構築するため、各職員に配付しております端末をより持ち運びやすいモバイル端末へ置換えをすることと、それから、庁外からも庁内のサーバーに接続できるWi−Fiルーターの配備を進めてきたところでございます。  うち、モバイル端末につきましては、行政事務に携わる職員に配付しております5,180台のうち、これまで1,250台の置換えが完了しておりまして、本年中にあと3,000台、その後、引き続き全て置き換える予定としております。  一方、モバイルWi−Fiルーターにつきましては、本年2月に520台を準備したところですが、特に今般の緊急事態宣言以降、在宅勤務者を増やしたことによりまして一時的にルーターが足りなくなり、オフラインによる在宅勤務などをせざるを得ない状況が生じたところでございます。  このため、今回の在宅勤務の状況などを踏まえ、次の波における必要なルーター数については、コロナ対応などの最優先業務等で出勤することになる職員数を除いた上で、サテライトオフィス等における勤務などを組み合わせることによりまして、追加を約1,000台と想定しまして、今回、補正予算を計上させていただいたところでございます。  次に、コロナ禍においてICTをどう構築したか、また今後の展望ということについてでございます。  ICTを活用したコミュニケーションツールといたしましては、コロナ対策として、3つの密を回避する上でも有効であると考えられるウェブ会議の活用を図るとともに、LoGoチャットというチャットツールを試行的に導入をしております。  ウェブ会議につきましては、庁内の会議や外部の方も参加される審議会等での利用に努めましたところ、4月から5月までの2か月間で前年度1年間を上回る594回の利用がございまして、今後もさらに利用を進めていきたいと考えているところであります。  チャットにつきましては、まだ十分利用が進んでおりませんが、庁内の端末相互だけでなく、外部のパソコンやスマートフォンにより、職員同士はもちろん、他の自治体の職員など外部の方とも時間、場所を問わず複数間でもメッセージのやり取りができるというもので、試行的な利用を通じて効果や課題を検証し、今後の活用について検討してまいりたいと考えております。  今後も、進化するデジタルツールの普及状況を見ながら、必要に応じた効果的な導入を検討していきたいと考えております。 ◎総務部長(江島宏治) (登壇)私にいただきました3点の御質問のうち、1点目、県庁における5分の1ルールの意図と取組状況についてでありますが、緊急事態宣言の対象地域に本県が追加されたことを受けまして、県民の皆様の命と健康を守り、県民生活と社会機能を維持していくため、県民の皆様に対して外出自粛要請を行うとともに、行動を5分の1に削減することを目指す滋賀5分の1ルールが提唱されました。  これを受けまして、県庁におきましても新型コロナウイルス感染症対策を最優先業務として、部局横断的に職員を集中配置する一方で、その他の業務につきましては、職員間の接触機会を低減しつつ継続的に業務を遂行するという観点から、原則として、同一執務室内での勤務職員数8割削減に取り組んだものであります。  具体的には、在宅勤務や時差出勤等の積極的な活用を呼びかけるとともに、新たな取組、措置を加えました。例えば、在宅勤務の要件や手続を緩和するとともに対象職員を拡大したこと、県庁大会議室を執務室として活用しサテライトオフィスとしたこと、週休日等の振替の要件を緩和し、柔軟に振替を行い土日に勤務できるようにしたことなど、コロナ禍においても業務が滞ることなく、安心して職務に専念できるような多様な働き方を実践したところであります。  2点目、在宅勤務、時差出勤の取組状況についてですが、まず、在宅勤務の実施状況につきましては、制度を導入した平成29年度は23人、82件、平成30年度は26人、125件、令和元年度は29人、86件であったのに対しまして、本年4月20日から6月6日までの間において1,960人、1万4,835件の利用がございました。  また、時差出勤の実施状況につきましては、今回のコロナ禍において新たに導入した制度であり過去との比較はできませんが、本年4月、5月におきまして1,308人、1万5,750件の実施があったところであります。
     3点目、アンケートの結果として見えてきた課題についてですが、新しい生活様式の定着と多様な働き方の実現に向けまして、在宅勤務制度や時差出勤制度の活用などの取組を一過性のものとせず、ポストコロナも見据えて推進していく必要があると考えまして、6月15日から30日の間、職員アンケートを実施しました。  アンケートの詳細な分析は今後行っていく予定でありますが、速報レベルで申し上げますと、在宅勤務を行って感じた課題としまして、モバイルWi−Fiルーターの不足によりファイルサーバーやグループウエアを利用できなかった、共通事務端末──ノートパソコンなどですが、の持ち帰りが不便であった、書類の持ち帰りや紙決裁をなくすためペーパーレス化を推進すべきという意見が多く寄せられました。  また、時差出勤を行って感じた課題としては、朝礼や終礼に参加できずスケジュール等の共有が困難であった、係員、課員同士のコミュニケーションが取りにくかった、早い時間の退庁や遅い時間の出勤がしづらい雰囲気があったという意見が多くありました。  さらに、ウェブ会議システムを利用して感じた課題としては、大人数でのコミュニケーションが難しいと感じた、自席ではやりづらく、別の場所を確保する必要があったという意見が多く寄せられました。  これらの課題につきまして、先ほど知事から答弁したとおり、全庁的に課題を検証して、業務の在り方も含めて改善を重ね、県庁の新たな働き方の定着を図ってまいりたいと考えております。 ◆9番(佐口佳恵議員) (登壇)先ほど、総合企画部長の御答弁において、チャットを活用した会議を行っておられるということをお伺いしました。会議というか、コミュニケーションを取っておられるとお伺いしました。私もテキストによる会議、文書による会議の経験がございますが、テキストや文書によるコミュニケーションは、表情や声の調子、あとボディランゲージなどが見えにくいことから、文面が予想以上にきつく伝わるなど難しさもあるようです。  今回、県ではICTを活用してコミュニケーションを体験なさったわけですが、今後どのように構築し進めていくかの展望がおありでしたら、総合企画部長に伺います。 ◎総合企画部長(廣脇正機) お答えいたします。  チャットについてはまだまだ進んでいないところではございますけども、利用した職員から話を聞きますと、チャットについては、複数間で通常の会話と同様にリアルタイムで気軽に情報交換や意見交換ができるという点では優れている一方で、話し言葉による気軽なやり取りということになりますが、内容がやっぱり不正確になったり、ぞんざいな表現になったりとすることで、意図しない受け取り方をされる場合もあるというようなことを聞いております。このような特徴にも十分意識をしながら使用するように心がけていくように、今後進めてまいりたいと考えております。 ◆9番(佐口佳恵議員) (登壇)それでは、次の質問に移ります。  コロナ禍においても、他の重要な課題にも対応していかねばなりません。(仮称)持続的で生産性の高い滋賀の農業推進条例について、以下、全て知事に伺います。  この春の国会で種苗法改正が見送られましたが、秋の臨時国会で成立を目指すとされております。主要農産物種子法が平成30年4月1日をもって廃止されたときに続き、強い危惧感を持つ方々と、逆に何が問題か分からないといった漠然とした怖さを持つ方々、知的財産権的な知識も必要とする内容の専門性、情報伝達の不十分さから、少なくとも十分な議論が可能な状況ではなく、様々に不安が生まれているようです。  本年2月の当会派代表質問において、新条例で条例の目的や基本理念、県の責務をどのように位置づけるかお尋ねしたところ、知事は、その御答弁において、「施策について、種子法が廃止される前と同様に、事業を従来どおり実施する。主要農産物の種子生産や安定供給と併せて、滋賀の気候風土に合った品種の育成などを進めてまいりたい」という力強いお言葉とともに、「要綱による運用の継続性について懸念の声があることから、新たな条例に盛り込むよう検討している」とお答えくださいました。  本年2月と6月の環境・農水常任委員会で、その新たな条例、具体的には(仮称)持続的で生産性の高い滋賀の農業推進条例の素案が示されましたが、種子法に対応する条文は、第10条ただ1条しか設けられておりません。「県は、主要農作物等の優良種子の安定的な生産と供給に関する施策を講ずる」とのみ定められております。  種苗法のほうに関連しそうな条項として、同条例案第11条で、「近江の伝統野菜等の遺伝資源の保護」との表題で、「県は、近江の伝統野菜等について、遺伝資源として種子保存するための施策を講ずる」と定められ、第14条で、「育成品種等の知的財産権の保護」との表題で、「県は、職務発明による育成品種等に係る知的財産権を適切に保護するとともに、県民による優先的利用を促進する」と定めておられる素案が示されておりますが、種子法、種苗法関連の条文は全部合わせても3条のみとなっています。  本条例は、多様な農業者の確保、ICT──情報通信技術を活用したスマート農業、気候変動に適応する安定栽培技術開発、滋賀の気候風土に合った品種の育成、選定、普及、環境保全対策と、どれもそれぞれ1つの条例がつくられておかしくないほどの大きなテーマがめじろ押しで定められております。まさに令和元年6月議会の質問において議員も御指摘された、主要農作物種子法を引き継ぐ代替するだけの条例では時代についていけないとの点も反映された条例案となっており、完成した暁には、新しい時代の持続可能な農業を希求する先進的な条例になるであろうと私も期待しております。  しかしながら、そのためか、そのためというのは、具体的には、盛り込んだ一つ一つのテーマにつき詳細な条項を設けるとかなりの分量となるため、今示されているとおりだとすると各条文が目次のようで、条例によって県民の皆様とお約束する内容の具体が見えてまいりません。種子法に定められた条項をそのまま載せることは難しいことは御推察申し上げるものの、生命の根幹たる食、その食を根底で支える本県の条例としては、種子に関して目次のように1条から3条ほど定めるのみというのは不十分と思えてなりません。  元の種子法、他府県の条例と比較すると、廃止された主要農作物種子法は、本則が8条ある法律で、18都道府県の条例、条例案を拝見いたしましたが、多いところでは25条、少ないところでも7条が定められています。単純に平均すると大体十三、四条の定めが置かれているようです。単純な条文数の多い少ないで充実度を図ることはできませんが、1条、3条というのは、いかんせん心細く感じます。  そもそも、国が廃止した法律だとの御意見もあろうかとは思います。ですが、今も叫ばれる穀物は武器である、武器になるという考え方は、少なくとも20年前には耳にしていたように思いますし、輸入に頼り過ぎれば、輸入や流通に問題が発生したとき途端に困ることになることは、今回のコロナ禍において痛感なさったところであろうと思います。  食料自給率の維持向上、それを支える種子に関しての備えは、決して戦後の食糧難の時代だけではなく、今なお当てはまる、古くて新しい問題です。  江戸時代の享保の大飢饉(1732年)の際、伊予国松山藩、現在の愛媛県松前市の農民作兵衛さんが、麦俵がすぐそこにあるのに、がりがりに痩せても手をつけず、「農は国の元、種子は農の元。1粒の種子が来年には100粒にも1,000粒にもなる。身を犠牲にして幾百人の命を救うことができたら私の本望である」と言い、麦種一粒を口にすることなく、餓死することを選ばれたというお話があります。この義農作兵衛さんと同様の農業と種子を守る精神が、今、全国の都道府県に求められているように思います。  戦後と異なる現代的課題として、高度成長期を過ぎ少子超高齢社会となり、予算と人員が厳しく限られてまいります。厳しい取捨選択の中で、時に目の前の命に関わる施策と、はかりにかけながら、それでも10年、100年、1000年と続く農業、特に生物多様性を含んだ種の遺伝情報を、未来の滋賀県民の方に継いでいかねばなりません。厳しいせめぎ合いの中で、難しい政策判断が求められる場面もあることでしょう。条例ではっきりと守っておく必要を感じます。  作物の種の多様性がそれほど大切かといえば、大切です。1845年にアイルランドで起きたジャガイモ飢饉、そして、全国的に冷夏に襲われ、タイから米を緊急輸入することになった1993年のいわゆる平成の米騒動。後者は、細長いタイ米が輸入されたことを御記憶になっている方も多いのではないでしょうか。  1993年、平成の米騒動では、冷夏における記録的なササニシキの不作のとき、冷夏に強いひとめぼれが不作を支えました。ジャガイモ飢饉は、食味がよく生産性の高い1種類のジャガイモを栽培していたところ、その種に疫病がはやり、壊滅的な不作となり多数の餓死者を出した例ですが、これらの例は、幾ら食味や生産性が高くとも、少ない品種だけで生産を行うときのリスクを示しています。経済効率性に欠ける部分があったとしても、作物の多様性の確保が必須であること、その重要性は歴史に刻まれています。  激しい気候変動が起きている昨今、それに対応し得る新たな品種を開発するにも、開発の元となる原種、原々種の種類が限られては、開発できるものもできなくなるかもしれません。古くから引き継いできた多様な農作物を次の世代に引き継いでいくことは、現代を生きる者の責務ではないでしょうか。  これを考えるとき、経済効率性や知的財産の保護の重要性も重々承知してはおりますが、種子法によって守られていた主要農産物の種子の生産、供給の公の機関による確保、財政措置は今後も末永く重要で、種苗法で認められてきた自家増殖の自由と知的財産権の保護は、慎重にも慎重に調整を図り、限界まで制限的でない他の手段がないかを模索するべき課題と考えます。  ですが、種子法は廃止され、種苗法が改正されようとしています。国民、県民の皆様に必要だと考えられる法令を国が何らかの事情で廃したとき、県民の皆様をお守りできるのは、より近い地方自治体であってほしいと願います。やはり条例で品種を守ることが求められると考えます。  実は、滋賀県は、主要農作物種子法の廃止後、種子法、種子法規則などを踏まえ、要綱、これは滋賀県水稲、麦類および大豆の種子供給に係る基本要綱を定め、種子法所定の事項をむしろより詳細に守っていただいていたことは承知しております。では、要綱で十分なのではないかというお声もあると思います。しかし、この要綱というものは県の担当課の部長決裁で変えてしまえるものです。  誠に恐れながら、県の担当課は幾ら優秀でいらっしゃるとしても、知事や議員で構成される議会のように、県民の皆様に選挙によって選ばれる民意を反映した機関ではありません。担当課の部長決裁で内容を変更できる要綱で細かな事務内容を決めることで、実務運営の機動性が図られ、それにより県民の皆様の利益になる場合があることは承知しておりますものの、生命の基本である食、食を支える種子、種苗の問題に関しては、可能な限り県民の皆様の民意が反映された場で決定する必要があると考えます。  それは、二元代表制を取る地方公共団体においては、まず、知事から提案された案を議会で議論し決議する条例、次に、民意によって選ばれた知事が決定される条例規則のレベルで決定していくことが求められてしかるべきであり、要綱で定めてよいのは、さきに申し上げた運用の機動性がどうしても必要であり、機動性確保が民意による統制よりも県民利益に資すると考えるものに限定されるべきと思料します。  仮に、条例でざっくり施策を講ずるとだけ定め、あとは要綱で定めようとするなら、それは種子法廃止によって、優良種子の生産、安定かつ低廉な供給に強い懸念を抱く県民の皆様の御不安の十分な解消にはつながらないことでしょう。条例に、県の責務として明記されていなければ、御不安を拭い去れないことでしょう。  そこで、種子法において守られてきた滋賀県における主要農作物の奨励品種の選定、審査、種子の生産と低廉かつ安定的な供給、農産物の新しい品種開発、そのための種子の採取団体との連携や役割分担、消費者の安全・安心を担保する内容、財政措置等を講じることについては、要綱ではなく、条例で県の責務であることを明確にしながら定めるべきであると考えますが、これらの内容は、条例、条例規則、要綱など、どのレベルでどのように制定していかれるのか伺います。  さきに述べたように、この春の国会で見送られた種苗法改正ですが、秋の成立が見込まれます。種苗法が改正されると、これまで認められてきた品種登録および登録品種と特性により明確に区別されない品種について、自家増殖が禁止されます。知的財産権の観点からすれば、むしろ、開発者が輸出国で品種登録すること、そこへの支援の充実と徹底こそが取り組むべき課題ではないか。より制限的でない、他の選べる方法がないのかの検討が重ねて期待されますが、それは国政の話として、県においてはどのような支援を行うことが農業に携わる県民の皆様、食に関心を持つ皆様の安心につながるかを検討することが重要です。  種苗法は、その67条において、10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、農業生産法人などだと3億円以下の罰金、しかも懲役と罰金を併科もできる。これは、併科というのは懲役と罰金を両方科すことができるという意味ですが、併科もできるという厳しい罰則を定めております。さらに、共謀したとして罰せられる可能性もある法律となります。  今回の法改正により、登録品種等について育成者の種苗に関する知的財産権が守られる反面、これまで自由とされてきたこと、具体的には種苗の自家増殖が制限を受ける。そして、違反すればさきの厳しい罰則の対象になる可能性があるということです。  農林水産省のウェブサイトを見ると、492回とありますが、品種登録公表がなされております。登録品種は知らぬ間にどんどん増えていくようです。公表されている種苗法改正法案の新旧対照条文を読みましたが、伝統的な固定種については育種登録はされないはずとはいうものの、特性により明確に区別されない品種も含まれるもので、自家増殖が認められていたものが認められなくなるのではないかというおそれが生じてもおかしくありません。  同じ産地の同じ名前で呼ばれる作物でも、特徴に多少ぶれがあります。今まで育ててきた品種が特性により明確に区別されない品種に当たらないだろうか。農林水産省が登録なさる際に、日本全国全ての伝統的な固定種の情報を多少のぶれに至るまで把握し、少し品種改良されたものが登録されるようなことは絶対にないのか。そういったことの不安を払拭する必要があります。  農業競争力強化支援法8条4項において、公の機関が有する種苗の生産に関する知見は民間業者に提供することが促進されていますから、それを得た民間企業、これは外国の企業も含まれます、民間企業が品種開発、登録を行い、従来育ててきた作物が新たに登録されることで、そして特性により明確に区別されない品種に当たってしまうというようなことが絶対にないのか。万が一、厳しい罰則や大きな金額の損害賠償など法的トラブルに至った場合に、これは従来育ててきたものだということを立証し切れるのか。種子、種苗を好意で分けたはずが、実は登録品種だったとの理由で相手に迷惑をかけてしまわないかなど、様々な曖昧で漠然とした不安が出てきかねません。  農家の方にお会いするたびにお尋ねしてみましたが、内容は十分に伝わっていない御様子です。育種家の権利保護も重要ではあるものの、正しく情報を知った上で議論せねば、知らないうちに大変なことになりそうだという事態になり、無用な萎縮的効果が生まれます。  怖いのは、農家を中心とする主役である県民の皆様におかれて十分な理解と意思決定がなされないまま進めば、これまで伝統的に行われてきた自家増殖や交換といったものが、問題ない品種についてまで萎縮的効果が生まれる可能性があることです。怖いから自家増殖や種のやり取り、交換はやめておこうかということになれば、長い期間にわたれば、地域の作物の多様性へと影響を与えかねません。  種子の価格の問題も無視できません。種子、種苗が公的機関にあるうちは低廉な供給が期待できますが、権利が譲渡されたり、公的機関から情報を得た民間企業が開発した品種が主流になることで、種子は買うものとなり、価格が上昇するという可能性もあります。実際、イチゴ、メロンなどの種子価格が、1粒一、二円だったものが40円〜50円になったような例もあります。これは農家の皆様の利益率を低下させることにつながります。  農家の皆様の自由度の低下は、いずれ地域の生産物の多様性を避けることにつながる可能性が高く、不安が顕在化されている場合はもちろん、潜在的なものであっても対応と支援の必要があると考えます。求められているのは、はっきりと農業を守る姿勢を示すこと。今、そして今後、具体的にどういう問題が生じるのか生じないのか。県民の方々が分からない、困ったときに分かりやすい説明と周知が行われ、分からないときどこに聞けばよいのかを明確にしていくことだと考えます。  滋賀で従来育てられてきている作物をこれからも安心してつくり続けていただけるよう、近江の伝統野菜を中心に、主要作物同様に特色ある農作物の情報把握、保管を行っていただくことで、無用な萎縮的効果が生じるのを防ぐことや、滋賀県内で農林水産省の品種登録を行いたい方が出た場合、知的財産権関連独特の画面や仕組みに不慣れな方の登録を支援する仕組みづくりが必要であると考えますが、知事の御所見を伺います。  また、今回の条例においては、「食の安全」の語は見受けられません。当然の前提かもしれませんが、新条例の名前に冠しておられる「生産性」は、時に安全と対立しかねない概念であるだけに不安です。これまで、滋賀県食の安全・安心推進条例、滋賀県環境こだわり農業推進条例を定め、琵琶湖を守り、環境、食の安全・安心に主眼を置いた農業を推し進めてきた滋賀県であり、幾つもの生産性を高めるための大きなテーマが並んでおりますが、そのどのテーマ、どの施策の根底にも安全があると担当課からは伺っております。  種子、種苗の問題は、農薬、肥料と併せて不安だとの声が聞かれ、環境を重視する本県としては無視できない問題ですし、遺伝子組換えやゲノム編集の問題、世界レベルではWTOのパネル、仲裁ですね、の制度において、国際表示が不公平な貿易障壁に当たるとされる例が出てきているなど、産地表示をできなくなる可能性さえあるとささやかれるほど、食の安全・安心に対するおそれが広まっています。  安全・安心を一貫して徹底して打ち出すことが重要であり、それは条例名にもある生産性が意図するところである農家の皆様の所得向上に向けても、滋賀の作物のブランディング、販売促進面で生きてくるはずです。  そこで、滋賀県は、農業において安全を忘れないことを示すべく、条例名は無理でも、現在作成中でおられる前文において安全について言及することを望みますが、これについての知事の御所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) (仮称)持続的で生産性の高い滋賀の農業推進条例について、大きく3点の御質問をいただきました。  まず1点目、種子法において守られてきた内容について条例でどのように策定していくのかということについてでございますが、種子法におきましては、奨励品種決定のための調査と、その指定、原種、原々種の生産、種子生産補助および生産物の審査等、県の行うべき業務が定められていたところでございます。  現在策定に向けて検討を進めている条例におきましては、優良な種子の安定生産と供給を促進することを目的といたしまして、1つは、県内に普及すべき主要農作物の優良な品種の選定、2つ目といたしまして、種子生産を行うために必要な原種および原々種の生産、3つ目といたしまして、種子生産を行う圃場および生産された種子の品質を確保するための審査を行うこと等を盛り込むようにしたいと考えて検討しているところでございます。このことによりまして、種子法で定められていた県の責務は網羅できると考えております。  その上で、条例に規定する事項の具体の実施方法ですとか具体的な手続につきましては、滋賀県水稲、麦類および大豆の種子供給に係る基本要綱で引き続き運用してまいりたいと考えております。  2点目、伝統野菜に関する情報の把握、保管や品種登録を支援する仕組みづくりについてでございますが、日野菜や万木かぶなど本県独自の伝統野菜については、農家の皆さんが安心して作付をし、その生産が将来にわたって継承されるよう、品種を維持するための種子の保存に努めることを新たな条例に盛り込みたいということを考えております。  また、品種登録に係る申請手続につきましては、一般社団法人滋賀県発明協会が、農林水産省と特許庁の協力の下で設置されている知的財産総合支援窓口となっております。仮に農家の方から品種登録を行いたいという御相談があった場合には、発明協会におつなぎするなどの支援を行ってまいりたいと考えております。  3点目、安全というものを条例にどう記すのかということについてでございますが、現在検討を進めている条例につきましては、滋賀の農業を健全な姿で次の世代に引き継いでいくため、生産面に焦点を当て、持続的で生産性の高い農業を推進しようとするものでございます。当然のことながら、安全でなければ持続的になり得ないという、こういうこともございます。  食品の安全性の確保や食への安心感を醸成するための取組を規定している条例といたしましては、滋賀県食の安全・安心推進条例を定めております。また、環境と調和の取れた農業生産を確保し、より安全で安心な農産物を消費者へ供給することを目指して、滋賀県環境こだわり農業推進条例を定めているところでございます。これらの3つの条例が相まって、全体として、食の安全・安心につなげてまいりたいと考えておりますが、検討の過程において、こういったことをきちんと御説明すると同時に、前文にこういったことを表現できないのか、しっかりと検討してまいりたいと存じます。 ◆9番(佐口佳恵議員) 終わります。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、9番佐口佳恵議員の質問を終了いたします。  次に、21番桑野仁議員の発言を許します。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇、拍手)午前中、もうしばらくお付き合いをください。よろしくお願いいたします。  それでは、発言通告書に従い、質問をさせていただきます。  まず最初に、家庭教育支援についてお伺いをいたします。  新型コロナウイルスの感染拡大により、学校が長期休校となり、また外出自粛が要請された中で、子供たちは外出を控え自宅で過ごす時間が増え、学びや遊びが大きく制約されたことにより、ストレスを抱え、精神、身体、行動の様々な面で不調を抱えたと思います。また、保護者も子供の世話をしながら在宅ワークを余儀なくされるなど、生活リズムが変化して余裕がなかったのも実情だったと思います。その反面、子供との関わりが改めて考え直す機会になったとも考えられます。そうした意味で、今、改めて家庭教育というものが考え直されているのではないでしょうか。  家庭教育については、平成28年9月定例会議において、当時、西村久子議員が家庭教育にもっと関心をということで、知事ならびに教育長に対し質問をされています。今日までの社会情勢や家庭環境の変化の中で、改めて、今回、家庭教育および支援策について質問をさせていただきたいと思います。  教育の原点は家庭であり、家庭教育は全ての教育の出発点です。子供たちが基本的な生活習慣や他人に対する思いやりや善悪の判断などの基本的倫理観、自立心や自制心、社会的なマナーなど、生きる力の基礎的な資質や能力を育成する上で重要な役割を果たすものです。この家庭教育により子供たちはたくましく成長し、また、親も成長していくことになります。  教育基本法第10条においても、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるもの」とされています。  ただ、近年の少子化、核家族化、地縁的なつながりの希薄化などにより、家庭や家庭を取り巻く社会情勢の変化により子育てに不安を抱えている親や児童を虐待する親、また、青少年を巡る様々な憂慮される問題行為が連日のように伝えられ、家庭の教育力の低下が指摘されているところです。  そうした中、本県においては、家庭教育に係る多様な取組をしていただいております。ただ、今日のSNS等を利用した誹謗中傷が問題になったり、事件が起こって初めて子供の行動を知るという家庭の実情も憂慮すべきところです。  ついては、人育ての基本である家庭教育とはどのようなものか。まず、知事に伺います。  次に、日本における3世代世帯の割合は、平成29年国民生活基礎調査において、平成元年の14.2%から平成29年は5.8%と低下をしています。滋賀県は、平成30年7月に出されている滋賀県内における地域間の特徴についてのデータ分析において、3世代世帯の割合は8.8%となっています。そうした中で、保護者が直接祖父母などから子育てに関して学ぶ機会や、相談、協力できる人が少なくなってきており、保護者だけで子育てを担わざるを得ない状況が進んでいます。  少子化について、晩婚化、未婚化をはじめ核家族化など様々な要因が影響をしていますが、子育て世代の孤立感や負担感が大きいことも少子化の一因だと考えられます。  核家族化が進んだ現代では、親との関係だけが強くなり他人への関心が希薄で、困っている人を助けることができなかったり、誰かのために行動することができない子供が増えているのではと懸念をしております。  ついては、3世代同居、近居が家庭教育にどのような好影響を及ぼすと考えておられるのか、知事に伺います。  次に、家庭の教育力低下が指摘されている中で、平成25年頃から家庭教育支援条例が制定されており、現在、熊本、鹿児島、静岡、近県では岐阜など8つの県で制定をされています。こうした中、本県では滋賀県子供条例に基づき滋賀県子ども育成大綱が制定され、育ち、育てる環境づくりに関する施策を総合的に推進されていることと思います。  ただ、時間的、精神的に余裕のない保護者や家庭教育に関心の低い保護者へのアプローチ、子育てに関心を持っている家庭と子育てに関心の低い家庭の二極化が進んでいること。また、家庭の形態によっては家庭教育に関する学ぶ機会が少なく、家庭教育の情報が届きにくいのではという課題があります。  家庭の教育力の向上を図る上で、親が親としての学びや経験を通じ、家庭教育についての理解を深めることが重要です。保護者への学習機会や学習を通じた仲間づくりについては、母親向け事業が中心となっている傾向があると思います。家族の団らんを大切にし、子供の思いを受け止め、親子で夢を語り合い、子供のよいところを褒め、長所を伸ばしていく家庭、そのためには父親も積極的に家庭教育に参加し、学ぶ気持ちを醸成していく必要があると思います。  ついては、今後、親への教育について、どのように取り組んでいこうとしておられるのか、教育長に伺います。  次に、核家族化の進展に伴い、子育てを支援してくれる人や相談をできる人がいないという子育ての孤立化が進んでいると思っています。家庭の教育力の向上を図るためには、家庭教育に関する学習機会や情報の提供とともに、地域や社会全体で家庭教育を支える環境の整備が重要です。家庭教育支援員を育成し、地域における相談体制の一層の充実を図る。滋賀県では既に7市19チームの家庭教育支援チームが組織され、活動をしていただいております。地域全体で子供たちを見守る体制、民生委員、児童委員だけでなく、自治会をはじめ地域の諸団体と連携を図り、地域コミュニティー全体で支援する体制づくりのさらなる強化が必要だと思います。  ついては、地域や社会全体で家庭教育を支える手だてについて、どのように考えておられるのか、教育長にお伺いをいたします。 ○議長(細江正人) 21番桑野仁議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)家庭教育支援について、全部で4点御質問いただきました。私には2点御質問をいただきました。若輩未熟の私がどこまでお答えできるか分かりませんけれども、御指名ですので、お答えをさせていただきたいと思います。  まず1点目、人育ての基本である家庭教育とはどのようなものかということについてでございますが、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染拡大により、親の働き方や子供の家庭での過ごし方の変化などがございまして、今、改めて人育ての基本である家庭教育の重要性を問われていると認識しています。  家庭は、子供が初めて人間関係を築き、親子の会話や触れ合いを通じて、基本的な生活習慣、人や自分を大切に思う心、我慢や挑戦をすること、ルールを守ることなど、大切な力や心を育んでいく場であると思います。  また、どうしてよいか分からない子育て、思いどおりにならない子育てに悩みながらも、子供に寄り添い、一緒に考え、その成長を見守ることは、親自身の学び、私たち親世代の学びにもつながるものではないかと考えております。  このように、子供たちの自立心や社会性を高める大切な役割を担うとともに、子育てを通して親も成長していくのが家庭教育ではないかと考えております。  2点目、3世代同居、近居が家庭教育にどのような影響を及ぼすのかということについてでございますが、議員御指摘のとおり、本県においても3世代世帯の割合は減少いたしまして、保護者が身近な人から子育てを学ぶ機会の減少や地縁的なつながりが弱まるなど、家庭教育を支える環境が大きく変化してきていると認識しています。  県内には様々な御家庭がございます。様々な考え方を持っておられるところでございますが、3世代同居や近居はいろいろと難しい面もあると実態はお聞きしておりますけれども、世代間で助け合うことですとか、子育ての知恵といったものを身近に学ぶことができるという意味もあり、子育ての負担感や閉塞感、孤立感を軽減する1つの方法であるのではないかと受け止めています。  また、子供たちにとりましては、身近に祖父母と接する機会が増えるということから、多様な生き方や価値観があることも知り、物事を多面的に見ることができるという面もあるのではないかと思います。  また、祖父母が年齢とともに老いていく姿から、人の一生を学ぶ機会にもなるのではないかと考えられるところでございます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)家庭教育支援について、私にいただきました2点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の親への教育の取組についてでございますが、現教育委員会では、第3期の滋賀県教育振興基本計画に基づきまして、家庭教育の重要性について啓発を進めるため、PTAや企業等と連携をし、保護者の学びの機会や交流の場づくりに努めているところでございます。多くの保護者に御参加いただくことを目指して事業を行っておりますが、やはり保護者の意識や価値観が多様化する中、保護者が無理なく参加して学んでいただけるような工夫が必要だと考えているところでございます。  こうした状況を踏まえまして、多くの人が集まられる大型商業施設等で、読み聞かせを通して家庭教育の重要性を伝えるおうちで読書のブース出展をするなど、アウトリーチ型の手法による取組を現在進めているところでございます。  さらに、父親をはじめ、より多くの保護者が家庭教育について考え学ぶきっかけづくりが必要であります。そのため、新型コロナウイルス感染症対策に配慮しながら、今後も対面型の学びの機会を提供していくことに加えまして、ICTを活用した学びの手法についても検討をしてまいりたいと考えております。  2点目の地域や社会で家庭教育を支える手だてについてお答えをいたします。  県教育委員会では、これまで、身近な地域における家庭教育支援チームの普及、家庭教育協力企業協定制度により、家庭、学校、地域、企業が一体となって子供の育ちを支える環境づくりを進めてまいりました。  しかしながら、子育ての悩みや課題を抱えていても、自ら学びや相談の場へ出向くことが難しい御家庭もありますことから、本年2月には、滋賀県社会教育委員会議より、訪問型家庭教育支援について提言をいただいたところでございます。この提言を受けまして、本年度から、県内2市をモデルとし、家庭教育支援チーム員が悩みを抱えておられる家庭を訪問し、保護者に寄り添いながら、専門機関への橋渡し等も行う訪問型家庭教育支援の取組を進めているところでございます。  今後とも、新型コロナウイルス感染症対策に十分注意しながら、地域のコミュニティーのつながりを生かし、地域全体で包括的な支援体制づくりを進めるとともに、引き続き企業や団体の皆様と連携して、社会全体で家庭教育を支える取組へとつなげてまいる所存でございます。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございました。  私、今回お聞きをしたのはね、結局、以前の西村議員のときは、教育長に対して家庭教育をお聞きをされたんで、今回は知事に対して、家庭教育とはどういうものなのかというのを今回お聞きをしたかったというのが実情でございます。  知事のほうからもお話があったように、様々な3世代の部分に関しては考え方が正直あるかというように私自身も思ってます。この項に関しての質問はもう再質問はしませんけども、この家庭教育と3世代同居、近居というのは非常に大きなキーワードだというふうに私自身は考えています。  国においても、一億総活躍社会の実現に向けての緊急に実施すべき対策という中に、家族の支え合いにより子育てしやすい環境を整備するため、3世代同居、近居の環境を整備するというのが挙げられております。
     また、人口減少における本県においても、人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略の中にも、重視する視点として3世代の自立、共生と健康というものが挙げられております。そうした意味で、私自身はこの3世代というのは非常に重要な要素だというように考えてます。  ある県では、県自体が独自に3世代に対しての同居、近居、それに伴う住宅建築、リフォーム等に対して支援をされておられます。実際、県内の各市町でも、3世代等に関わる支援をされておられるわけですけども、県自体としては、やっぱり、今、移住支援策というものがありますけども、これはどちらかというと東京圏の方を対象にしている。そして市町に関しても、特定された市町だということでこの支援策をされているわけですけども、これは就業と同時にセットとしてされている支援策ですけども、できれば県独自の3世代に関わっての、いろんな考え方があるかと思うんですけれども、3世代の同居、近居に対する県独自の私は支援策をまた考えていただければなというように思っているわけです。  そういうところを一度また御検討いただきたいなということと、今日ここにあるんですけども、教育委員会のところで、家庭教育啓発ポスターというのを毎年作っていただいております。これ平成17年から私見させていただいたんですけども、いわゆる地域に関わってのそういうイメージをしたポスターが1回、今までに。それと、3世代をイメージしたポスターが今まで1回ぐらいなんですよね。あとはもう全て親子というポスターになっているわけで、ぜひ今後もこれに関しても、地域とか3世代に関わったポスターというものをぜひ作って、検討していっていただきたいなというのが私の考えであって、要望をしておきたいなというように考えております。  それでは、次の質問に移らせていただきます。  続いて、滋賀県自転車活用推進計画について質問をさせていただきます。  この計画においては、本県の自転車利用における現状と課題に対応するため4つの目標が設定をされており、また、これらの目標を達成するための具体的施策も多く挙げられております。今回、その中の何点かについて、関連することも含めて質問をさせていただきます。  まず、新型コロナウイルス感染拡大により、自転車の利用が広がっている状況です。電車内で人との接触を避ける目的など、これまで利用を考えていなかった層に広がっているように思われます。そうした中、エコ通勤という言葉がありますが、これはマイカー中心の通勤から、鉄道やバス、自転車、徒歩など環境に優しい交通手段へ転換することを指します。  エコ通勤のメリットとして挙げられるのが、通勤者にとっては健康増進が図れ、交通事故のリスクが減り、安全に通勤ができる。通勤時間を読書など有意義に活用ができる。地域にとっては、渋滞緩和により地域の環境改善につながる。企業にとっては、従業員の健康管理を図ることができるとともに、環境への取組の一環として位置づけることにより、企業イメージも向上をするというメリットがあります。  滋賀県庁本庁舎においても、エコ通勤プランを作成し、平成27年2月27日に近畿府県の府県庁としては初めて、全国の都道府県庁でも7番目にエコ通勤優良事業所として登録され、平成29年度には、滋賀県内のエコ通勤優良事業所の認証事業所の拡大に貢献したなどの活動が評価され、国土交通省近畿運輸局交通関係環境保全優良事業者等表彰を受賞をしています。  ただ、2020年5月29日現在でエコ通勤優良事業所認証登録された滋賀県内の事業所は49事業所ですが、ほとんどが行政機関であり、行政機関を除く事業所は11事業所、22.5%にとどまっている状況です。  ついては、エコ通勤優良事業所をどのように拡大していこうとしているのか。また、滋賀県自転車活用推進計画におけるモデル事業所に対して、どのような支援と取組の効果を図り、拡大していこうとしているのか、知事に伺います。  次に、県境をまたぐ移動について、6月19日から全ての県境をまたぐ移動制限が解除され、観光での移動が容認されました。現在、観光需要回復策として47都道府県中40道府県で割引の事業が実施され、うち30道県が当面は各道県在住者に限定した施策を実施をしています。  本県においてもプラスサイクル事業として、滋賀県民レンタサイクル利用助成として、6月1日から12月31日までの期間で、滋賀県居住者が利用したレンタサイクル料金に対して補助対象経費の2分の1、上限5,000円までの補助事業が展開されています。この事業は、小さいながらも非常によい事業だと私自身は思っております。  ただ、新型コロナウイルス感染症が拡大する中で自粛要請に応じてこられた人たちに、サイクリングやビワイチを体験することで健康のため気分転換をしていただくためにも、まずは滋賀県民を対象とすることは理解はできるわけですけども、先日、ある観光案内所に訪問させていただいて、この利用助成についてお聞きをしたところ、やはり県外在住者からも利用したいという問合せが多数あったというようにお聞きをしております。  ついては、現在のレンタサイクルの助成事業、現在の参画事業者数、そして、これから秋の観光シーズンを迎えるに当たり、観光客を呼び戻し、地域経済を立て直し、消費喚起を促すためにも、県外からのレンタサイクル利用者も補助の対象としていく必要があると思いますが、商工観光労働部長にお伺いをします。  次に、自転車損害賠償保険等──以下、自転車保険と言いますが、この加入を義務づけた条例を制定したのは、兵庫県に次いで本県が全国で2番目となっています。そうした中で、滋賀県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例──以下、自転車利用促進条例と言いますが、この施行から3年が過ぎる中で、自転車保険の加入率の伸びが停滞していることが課題となっていることなどから受けて、令和2年2月の定例会議で条例の改正提案がなされたところです。  民間の2019年度の調査では、本県の自転車保険の加入率は68.4%となっており、全国第4位という状況です。後発で義務化をした京都、大阪には差をつけられているという状況にあります。こうしたアンケートは、分母の数の違いやアンケート対象者数、またアンケート方法等、統一された基準がないため多様な結果が出てきている状況です。そうしたことから、総数の実態をつかむことがなかなか難しいとは思います。ただ、やはりそうした中においても、自転車保険加入促進に向けた取組は引き続き行っていく必要があると思います。  ついては、現在の県内での自転車保険加入率がどのようになっているのか。また、今後、どのようにしてこの自転車保険加入率の向上を図っていこうとしているのか、土木交通部長にお伺いをします。  次に、自転車利用促進条例が2月定例会議において一部改正され、監護する未成年が自転車を利用する場合、保護者に保険等の加入が義務づけされ、また、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、大学等の長に対しては、自転車を利用して通学する児童等に対し、保険等の加入の有無の確認および確認できない者ならびに児童生徒の保護者に対する保険等の加入に関する情報提供を努力義務としたところです。  滋賀県での自転車事故は、2019年628件、死者が6名、負傷者が620名となっており、件数、死亡者とも前年より若干減少はしていますが、毎年多くの事故が起こってきておる状況です。その中で、昨年の負傷者における中高校生の割合は176人、約27%となっています。  本条例が制定された時点で、県内で多くの大学では、自転車で通学を希望する学生に対し、登録制度を取るとともに自転車保険の加入を義務づけております。また、他府県の高等学校では、自転車通学者に対して保険加入を徹底し、加入状況を確認して、加入者のみ通学を認めるなどの取組が進んでいるところもあります。  児童生徒たちの安全を見守るべき立場である各学校の長においては、手間と時間がかかり負担増となり、学級運営に支障を来すなどの意見があるかと思いますが、自転車通学する児童生徒に対しては、届出制を取り、自転車保険の加入を確認した上で自転車通学許可書などの発行を行い、啓発と安全確保に向け取り組んでいく必要があると考えますが、どのように考えておられるのか、教育長に伺います。  次に、令和元年11月の定例会議で我が会派の本田議員から、ヘルメットの着用に対しての質問がされております。自転車利用促進条例第10条第2項において、保護者は、その監護する未成年者が自転車に乗車するときは、乗車用ヘルメットを着用させるよう努めるものと規定されています。滋賀県自転車活用推進計画のライフステージに合わせた自転車のルールマナー啓発の推進においても、その目標を達成するための具体的措置の中に、自転車乗車時におけるヘルメット着用に向けた意識向上を図るとあります。  自転車乗用中の交通事故で亡くなられた方は約6割が頭部に致命傷を負っており、自転車乗用中の交通事故において、ヘルメット着用をしていなかった方の致死率は着用していた人に比べ、約2.4倍高くなっているということが報告されており、自転車事故において被害を軽減するためには、頭部を守っていく必要があります。  高知県では、小中高校生で自転車通学をする児童生徒を対象に、ヘルメット購入の際に一部助成を行っておられます。また、県内においても、守山市が自転車購入およびヘルメット購入の際に一部助成を行っておられます。児童生徒に対して自転車乗車時のヘルメット着用に向けた意識向上を図り、児童生徒の登下校中の安全確保に向けた取組の充実を図る上でも、ただ単に指導、啓発するだけではなく、滋賀県として何らかの支援策が必要と考えますが、教育長にお伺いをします。  最後の質問になります。新型コロナウイルスの感染拡大により、自転車の利用が全国的に増加している状況にあり、悲惨な事故や危険な違反が起こっている状況にあります。自転車は道路交通法で車の仲間である軽車両になるため、車と同じように標識、そして標示に従う義務があります。  また、令和2年6月30日に施行された改正道路交通法では、従来の交通ルールを無視した14の危険行為、つまりは信号無視、通行禁止違反、通行区分違反、交通運転義務違反などに加えて、あおり運転と言える妨害運転が新たに規定をされたところです。この15の危険行為を3年以内に2回以上繰り返すと、自転車運転者講習を受けなければなりません。対象は、14歳以上の自転車運転者ですので中高校生も対象となります。  私もふだん車を運転していて、自転車での2人乗りや夜間での無灯火などの光景をよく見ます。中高校生に対しては、警察と教育委員会が連携しての交通安全教育の実施や、スタントマンによる交通事故の再現を見ることによって体感するスケアードストレート手法による交通安全教育の実施など、指導に努めていただいているとは思います。  ついては、令和元年、本県における中学、高校生への自転車運転指導警告票の交付はどれくらいあったのか。また、この結果をどのように受け止め、今後どのように減少に向け取り組んでいこうとしているのか、警察本部長にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 自転車活用推進計画について御質問いただきました。私には、そのうちの1問、エコ通勤優良事業所とモデル事業所に係る取組についてお尋ねを賜りました。  エコ通勤につきましては、自転車活用推進計画において、健康しがの実現と環境保全意識の醸成を図るための自転車利用促進策として、国が進めるエコ通勤優良事業所の認証取得の促進とモデル事業所の取組を通じた通勤業務への自転車利用の拡大を位置づけているところです。  このうち、エコ通勤優良事業所の拡大につきましては、これまでから環境に優しい活動を実践する団体と連携いたしまして、広く認証取得を呼びかけるとともに、県にエコ通勤コンシェルジュを設置いたしまして、事業者へのアドバイス等を行っているところでございます。  しかしながら、御指摘のとおり、行政機関を除く事業所の認証数が少ない、十分ではないということから、今後、ISOやSDGsなど関連する取組の実績がある事業所に対して個別に働きかけるなど、効果的な認証促進に努めてまいりたいと存じます。  また、モデル事業所の取組につきましては、昨年度、公募により選定した事業所に対し、スポーツタイプ自転車の無料貸出しと講習会を実施いたしまして、自転車通勤に筋力向上やリラックス、心理的な活性化といった効果があることも確認したところでございます。  今後、モデル事業所を拡大いたしまして、データを蓄積することなどにより効果の検証を進めるとともに、チラシやセミナー等でそれを広く情報発信することにより、事業所における自転車利用を拡大してまいりたいと存じます。  こうした取組を通じまして、エコ通勤が滋賀の生活様式としてしっかりと普及、また定着するよう努めてまいりたいと存じます。 ◎商工観光労働部長(森中高史) (登壇)私への質問のレンタサイクル事業についてでございますが、レンタサイクル利用助成事業は、県民が県内での屋外活動ができるようになった機会を捉え、ビワイチをこれまで体験機会のなかった方々にも広げるため、レンタサイクル料金に対し補助する事業でございまして、ビワイチやビワイチプラスの体験機会の拡大のみならず、新型コロナ感染の心配の少ない活動から徐々に解禁し、県内消費の拡大にもつなげようとするものでございます。  本事業に御参画いただいております事業者数は、7月3日現在で31事業者、施設数としては47施設でございます。本事業は県内での旅の地産地消を目的としており、県民のみを対象としております。県外の利用者につきましては、すぐに取り組めるものとして、現在進めております県独自のクーポンつきガイドブックが特典として付与される「今こそ滋賀を旅しよう!」宿泊キャンペーンのクーポンにおいて、レンタサイクルの割引利用ができるよう調整するとともに、8月からの開始が予定されております国のGoToキャンペーンにおいて、レンタサイクルショップが地域共通クーポン加盟店となるよう働きかけていきたいと考えております。  さらに、議員御指摘の本事業の対象に県外の方も追加することにつきましても、必要な準備を検討してまいりたいと存じます。 ◎土木交通部長(吉田秀範) (登壇)滋賀県自転車活用推進計画につきまして、私にいただいた質問についてお答えいたします。  まず、県内の自転車保険の加入率についてでございますが、条例で保険への加入を義務づけているものであり、加入率の把握は、条例の施行状況を把握する、検証する上でも重要であると認識してございます。  昨年度、県内で開催されたイベントにおきまして、来場者の方に対してアンケートを実施した結果でございますが、自転車を利用される人のうち、自転車保険に加入している人の率は85.1%でございました。  次に、自転車保険加入率の向上策についてでございますが、昨年度、条例の改正を行い、未成年者の保険加入を保護者に義務づけたほか、レンタサイクル事業者に保険加入を義務づけたところでございます。  また、企業や学校に対しまして、通勤、通学者が保険に加入しているかを確認することや、未加入の場合に保険加入に関する情報提供を行うよう求めるとしたところでございます。  これまで、改正後の条例の内容をホームページにより情報提供したほか、今後は、企業や学校、保護者向けのチラシを作成し配布することとしております。  また、条例改正の協議に当たり、議員の皆様から御提案いただいた宅建業者からの入居者への周知、自転車預かり所における周知などを通じ、さらなる自転車保険加入率の向上に努めてまいりたいと考えております。 ◎教育長(福永忠克) 滋賀県自転車活用推進計画について、私にいただきました2点の御質問にお答えをいたします。  1点目の自転車保険の加入についてでございますが、自転車保険の加入につきましては、この4月1日より加入の確認等が努力義務となりましたが、県教育委員会として、条例が施行されました平成28年から、市町の小中学校や県立学校に対しまして、土木交通部と連携して、通知等により周知徹底を図ってきたところでございます。  その結果、自転車保険の加入率でございますが、県立高校におきましては100%となってございます。また、市町立の中学校におきましては、把握している15の市町では95%となっているところでございます。また、自転車通学届も事前に提出されていると聞いておるところでございます。  引き続き、自転車通学許可をする際には、自転車損害賠償保険等の加入について周知徹底を図りますとともに、生徒の安全運転に対する意識を高める取組を進めてまいりたいと考えております。  2点目のヘルメット着用に向けた支援策についてでございますが、県内の公立学校の自転車ヘルメット着用率は、中学生においては100%でございます。しかしながら、高校生におきましてはほとんど着用していないというのが現状でございます。このことが自転車通学の安全確保を図る上での課題と認識をいたしております。  まずは、学校におけます安全教育活動等の機会を通じまして、リーフレット等を活用し、引き続き自分の身を守るためヘルメットの効果を伝え、着用を呼びかけてまいりたいと考えております。  さらなるヘルメット着用の推進に向けまして、先ほど議員から御紹介いただきました支援策につきましては、その効果を含めまして研究をさせていただきますとともに、効果的な取組としてどのようなものがあるのか、引き続き研究をしていきたいと考えているところでございます。 ◎警察本部長(滝澤依子) (登壇)中学、高校生の指導警告票の交付件数と警察の今後の取組についてお答えをいたします。  令和元年中における指導警告票の交付件数は2,895件で、前年と比較して231件の増加となっております。種別につきましては、指導警告票の交付件数が多い順に申し上げますと、2人乗り、携帯電話使用、夜間の無灯火となっております。  また、緊急事態宣言がありました本年4月および5月の指導警告票の交付件数につきましては437件で、前年同期比で76件の減少となっております。  なお、自転車運転者による危険行為につきましては、これまで3年以内に2回以上繰り返されたという例はなく、本県においては自転車運転者講習の実施はございません。  多くの中学、高校生ですけれども、自転車の交通ルールを遵守しなければならないという意識がいまだ十分には浸透していない現状がうかがえるところでございまして、警察といたしましては、街頭活動を通じて、引き続き、中学、高校生の自転車に対する指導警告等を徹底してまいります。  また、教育委員会をはじめ関係機関と連携をし、議員御指摘のとおり、参加体験型の工夫を凝らした交通安全教育を推進していくとともに、中学、高校の生徒会活動等とも連携をいたしまして、自転車安全利用の輪を広げる取組を推進し、自転車マナーのさらなる向上を図り、交通事故を抑止してまいります。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)どうも御答弁ありがとうございました。  まず、レンタサイクルの件は御回答いただいた形で、必要な準備を進めるということですので、ぜひ県外の方にも利用できるようにしていっていただきたいなというように思います。  ただ、予算が終わり次第、このレンタサイクル事業は終わるということなんで、先般の目片議員の一般質問の中でも、知事の回答の中から非常に好評やという御答弁があったかと思います。その分やはりもう少し枠を広げてね、長期的にこの部分、いつこのコロナが収束するかも分からない中で、県民だけではなくて、やっぱり県外の方にも滋賀県に来ていただいて消費拡大をしていただく、観光していただくというところからの支援の部分で、もっと期間を延ばしていただくとかいうことを考えていただければなというように思ってます。  それで、1点だけ再問なんですけども、先ほど、自転車保険の加入率85.1%ですか、非常に高くなったなというのが実感でございます。昨年を聞いてたら、何かまだ60%中段ぐらいの数字だったかなというように記憶はしているわけですけども。  滋賀県、先ほど言いましたように、自転車保険の加入を義務化づけたのが全国で2番目というところです。随分前に、ある国会議員の先生が、1番じゃなきゃ駄目ですか、2番では駄目なんですかというような発言をされたことがありますけども、私は1番を狙うのが非常に、1番はいいと思っています。  ぜひ、本県は1世帯当たりの自転車保有台数が1.595台ということで、これも日本一でございます。そして、やはりビワイチを抱える滋賀県ということで、自転車の先進国であるということもありますんで、ぜひ滋賀県が自転車保険加入率日本一を目指す。このことが滋賀をPRする一つの要素と考えるわけですけれども、土木交通部長、再問ということで1つお願いできますでしょうか。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  滋賀県は、議員御指摘のとおり、全国的にもいち早く自転車保険の加入を条例で義務化し、また、昨年はビワイチがナショナルサイクルルートとして認定されるなど、本県は自転車先進県であると認識してございまして、今後も、自転車が安全に走行できる空間の整備と、ルール、マナーの遵守など自転車利用者の意識醸成の両面から、より一層強力に取組を進める必要があると考えてございます。  議員御指摘の自転車保険加入率の増加につきましては、事故は起こり得るもの、安全に気をつけなければならないという自転車利用者の安全への意識の向上が表れたものと考えられますことから、滋賀県における安全な自転車の利用環境を全国にアピールするためにも、加入率のさらなる向上に努めてまいりたいと存じます。 ◆21番(桑野仁議員) (登壇)ありがとうございます。向上に努めるんじゃなくて、日本一を目指しましょう。これをお願いしたいなというように思っています。  最後に、この滋賀県の自転車活用推進計画は推進期間が令和4年度までという形になっています。その中で、4つの目標を達成するために、8つの施策と32の措置ということで具体的な内容が明記されているわけですけども、一つ一つを精査、検証していきながら、一人一人が幸せを感じることができる滋賀の実現に向け、取り組んでいっていただきたいというように思っています。  また、自転車保険については、多分、義務化されているわけなんで、この議場におられる方は全て皆さん自転車保険に加入をしていただいているというように思っておりますが、お聞きすると、県職員の自転車保険の加入率というのがまだ100%には達していないというようにお聞きをしています。ぜひ、まず県職員が率先して自転車保険に加入をしていただくということ、そして、先ほど来言いましたように、自転車保険加入率日本一を目指す。これをぜひ、知事のリーダーシップの下、取り組んでいっていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、21番桑野仁議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時21分 休憩    ────────────────   午後1時20分 開議 ○議長(細江正人) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、44番中沢啓子議員の発言を許します。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇、拍手)通告に従い、4項目の質問をさせていただきます。  まず、がん対策についてお伺いをいたします。  新型コロナウイルスの感染拡大は、様々なところに影響が出ています。最前線でリスクと向き合い、医療現場や福祉現場等で頑張っていただいている皆さんには心から感謝しております。がんの患者さんにとっても、様々な影響があったことと思います。家族の方々が面会できないというお話や、緊急性のない手術は遅らせたのではというお話も耳にします。御家族に会うことは、患者さんの生きる意欲や認知症の予防にも効果があるのではと思います。オンライン等で面会ができるとよかったのではないかなと感じています。  また、岡江久美子さんが新型コロナウイルス感染での急変により亡くなられたことは、大きなショックを受けられた方も多かったのではないかと思います。新型コロナウイルス感染拡大によるがん患者への影響、また、がん対策の推進に対する影響を、健康医療福祉部長にお伺いいたします。  さて、滋賀県では、平成30年度、第3期滋賀県がん対策推進計画が策定されており、本年度は、保健医療計画の改定の時期に合わせて中間評価の年となります。現在の進捗状況についてお伺いをいたします。  本年3月、滋賀県がん患者団体連絡協議会の皆さんが、がん患者の皆さんにアンケート調査をされた結果報告をまとめていただきました。ありがとうございます。非常に治療中の方々の状況が分かりやすく説明されていました。  例えば、手術前に受精卵や卵子、精子などを凍結保存し、将来それを用いて妊娠、出産するという妊よう性の温存の説明を受けた方が少なかったことや、セカンドオピニオンの説明も約4割の人が説明を受けておらず、活用できる状況になかったことが分かります。  また、相談しやすい環境は、患者や家族の方々の身体や心の痛み、落ち込みの緩和に重要だとの結果も出ており、ますます相談の重要性が確認できたことと思います。  また、今回のコロナ禍を受けて、相談に関しては、今後、オンラインの相談も検討されてはどうかと考えますが、健康医療福祉部長のお考えをお伺いいたします。  また、がん相談支援センターやがん患者サロンも、気軽に使っていただけることも求められると感じました。  一方、がん対策で力を入れてほしい内容は、がんの早期発見が一番で、がん医療の充実に関する内容が続いていました。残念なことに、がん登録を知っている人は5.9%でした。患者さんの大切な情報である滋賀県がん患者アンケート調査結果報告をどのように生かそうとされているのか、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。  がんに罹患する前に知っておくことが大事なこともありますし、がん患者が退院されてからの対応も大切です。地域の診療所や訪問介護や福祉との連携や、退院してからでも相談できる体制、就業との両立など多くの対応が求められます。また、脱毛や手術の傷痕など治療によって起こる外見の変化に対して、患者の悩みに対処し支援するアピアランスケアも大切だと感じています。  滋賀県では、7年前に、入浴時に傷痕が気にならないように着用する入浴着への理解の推進にも取り組んでこられました。県内の皆さんへ旅のキャンペーンが提案されており、7月20日から始まります。ぜひ、入浴着について皆さんに理解が広まり、一緒にゆったりと入浴できるようになることを願っております。  2人に1人ががんにかかる今、がん患者と御家族の生活や就労と治療の両立の支援について、がん患者や御家族の方々が安心して暮らせる社会の構築に向けて、由布副知事のお考えをお伺いいたします。 ○議長(細江正人) 44番中沢啓子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎副知事(由布和嘉子) (登壇)私にいただきました1点の御質問、がん患者や御家族の方が安心して暮らせる社会の構築についてお答えいたします。  2人に1人ががんに罹患すると言われておりますが、がんは決して不治の病ではなく、がんとともに暮らす時代となった今、がん患者の方々の生活、そして仕事を支え、がん患者の生活の質──クオリティ・オブ・ライフを高めていくことが必要となっていると考えております。  あわせまして、がん患者の皆様は、その御家族も含め、不安な気持ちで暮らしておられますことから、がんになっても安心して暮らしていただけるように、支え合いの場や在宅療養に関する情報などを網羅いたしました冊子でございます「滋賀の療養情報」を作成し、必要とされる方々に提供しているところでございます。  議員御紹介いただきました入浴着でございますが、がん患者の方の生活の質を高める取組の一つであり、手術後の傷痕を気にされて浴場の利用を控えてしまわれる方に安心して利用していただけるように、引き続き周知に努めてまいりたいと思っております。  また、がん患者の治療と仕事の両立支援を充実させるために、滋賀労働局や、また滋賀産業保健総合支援センター、県内各病院等関係機関がネットワークを構築いたしまして、情報共有しながら、例えばハローワークの職員が病院に出向いて就職相談を行うなど、それぞれの役割に応じた取組を行っているところでございます。  たとえがんに罹患したとしても、将来子供を授かりたい、あるいは家族と一緒に過ごしたい、また働き続けたいといったそれぞれの方々の思いに寄り添うとかできる社会を構築し、患者も、またその御家族も安心して、また自分らしく暮らしていただけるように取り組んでいきたいと思っております。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)私にいただきましたがん対策に関する4点の御質問のうち、1点目、新型コロナウイルス感染拡大によるがん患者とがん対策推進への影響についてお答えをいたします。
     県内の医療機関におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、現在、必要に応じて診療が縮小されているほか、面会の制限もなされているものと承知をいたしております。  しかし、がん診療連携拠点病院等に確認をいたしましたところ、診療科によっては緊急性の低い手術について延期をされているというところもございますが、がん患者の治療に関しましては、必要な手術、化学療法、放射線療法などは主治医の判断によりしっかりと実施をされており、大きな影響はなかったというふうにお聞きをいたしております。  また、面会の制限に関しましては、人数や時間などが徐々に緩和をされてきておりますほか、リモート面会など工夫をしている病院もあるとお聞きをいたしております。  一方、がん対策の推進への影響に関しましては、4月の緊急事態宣言を受けまして、市町が実施するがん検診においては、集団検診を中心に延期等がなされておりまして、受診機会が例年よりも少なくなっているというのが現状だろうと思っております。  あわせまして、がん診療連携拠点病院等では、がん患者サロンや県民向けの講座も開催を見合わせておられまして、交流や啓発の機会が制限されておりますことから、少なからず新型コロナウイルス感染症の影響を受けているものと認識をいたしております。  次に2点目、滋賀県がん対策推進計画の中間評価の進捗状況でございます。  第3期滋賀県がん対策推進計画は、滋賀県保健医療計画と同様に平成30年度から令和5年度までの6年の計画となっておりまして、3年目に当たります今年度は中間評価を実施することとしておりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、医療機関あるいは関係団体等への調査、協議が困難な状況となっておりまして、滋賀県保健医療計画と合わせまして、2年間をかけて令和3年度までに中間評価を行うことといたしております。  今年度は各医療機関や関係団体の取組状況の把握を行いまして、次年度、その状況を踏まえて、目標の修正あるいは設定などにつきまして、滋賀県がん対策推進協議会において協議をいただくということを考えております。  3点目のオンライン相談についてでございます。  県内13か所のがん診療連携拠点病院等のがん相談支援センターをはじめとするがん相談窓口では、面接と電話での相談を中心に、その他メールでの相談も行っているところでございますが、現状としては面接での相談を見合わせているところもございます。  今後、感染症予防対策を十分に取った上で、その再開に向けて努力いただいているとお聞きはしておりますが、第2波のことも考えれば、多様な相談手段の確保が必要であると考えておりますので、オンライン相談の実施につきましても、がん診療連携協議会相談支援部会において検討してまいりたいと考えております。  次に、4点目、滋賀県がん患者アンケート調査結果報告の活用についてでございます。  がん患者アンケート調査結果によりますと、議員からも御紹介のございましたとおり、セカンドオピニオンを受けられることについて約4割の方が説明はなかったと回答されておられることや、がん相談窓口について約8割の方が利用したことがない、あるいは知らないとお答えになるなど、今後の施策展開に向けて重要な視点が含まれていると考えております。  つきましては、この調査結果を滋賀県がん対策推進協議会あるいは滋賀県がん診療連携協議会にお示しをいたしまして、御意見を賜り、滋賀県がん対策推進計画の評価、見直しに活用することで、具体的な施策につなげていきたいと考えているところでございます。  あわせまして、県内のがん患者の方の姿として取りまとめまして公表することで、県民の皆様にもがんへの関心と理解を深めていただくように活用をしてまいりたいと思っております。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)コロナのことで大変な時期かと思いますけれども、がん患者の皆さん、そしてまた御家族の皆さんが安心して暮らせるように、医療の方、そしてまた地域の方々、御家族の方々も含めて、しっかりと連携を取って進めていっていただきたいと思います。  次に、滋賀県立大学について、以下、全て知事にお伺いをいたします。  新型コロナウイルス感染拡大により、滋賀県立大学でも休業やオンライン授業となりました。また、学生にとっては、バイトがなくなったり、家庭の経済的な急変で入学金や授業料が大きな負担になる学生がいたのではないかと危惧をしています。また、留学生の方々にとっても大きな影響があったものと思います。滋賀県立大学の職員さんたちのお米などの食糧の配布など、学生支援に感謝をしております。  滋賀県立大学では、奨学金をもらっている学生は約3割という状況だとお聞きしています。今年度から授業料減免の制度の変更もありましたが、滋賀県立大学の授業料減免を受けている生徒の状況をお伺いいたします。あわせて、滋賀県立大学への新型コロナウイルスの影響と今後の対応をお伺いいたします。  今回、新型コロナウイルス感染症の拡大予防のために自粛が求められ、社会はいきなりオンラインやテレワークなどが導入されました。滋賀県立大学では、1時間半の授業に15分まで動画配信との制限があったと伺っております。3月に小中学校や高校は休業となり、大学としても、今後もし休業の要請があったらどうするかは考えておくべき事項だったと考えます。  新型コロナウイルス感染拡大に対して、どのような準備をしてこられたのか、あわせて、今後の第2波に備えての取組もお伺いいたします。  今回は新型コロナウイルスによる急な外出自粛でしたが、社会はSociety5.0の社会に向けて大きく動き出しています。滋賀県立大学は、「人が育つ大学」「キャンパスは琵琶湖」「テキストは人間」「地域に根差し、地域に学び、地域に貢献する」をベースに、USP2025ビジョンを描かれています。フィールドワークの取組や近江環人、SDGsなど、人が育つ環境としての取組もすばらしいと思っています。  今後は、インターネットに象徴される情報革命、AI技術の発展する中で、広い教養と高い専門性と豊かな国際性を備えた人が求められ、ビジョンには、国際的な教育のICT化につれて、教育の質向上に加えて、教育環境の整備が重要な課題だと書かれています。  第3期中期計画にはウェブ配信等を利用した授業も掲げておられます。県立大学は理系女子に人気があるという結果も出ていました。ICTを活用した教育を進めている高校もありますし、義務教育ではGIGAスクールが前倒しで導入され、3年後には大学受験を迎えます。ICTは、オンラインだけでなく、授業の中で活用していくのが当然の時代になります。  少子化、大学全入時代が来ると言われている今こそ、滋賀県立大学もICTを活用した教育の推進のためのハード、ソフトともの環境整備に早急に取り組み、ブランド価値を上げていく必要があると考えますが、知事の考えをお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)滋賀県立大学について、3点御質問いただきました。  まず1点目、授業料減免とコロナ禍の影響についてでございますが、まず授業料の減免についてでございますが、前年度に授業料の減免を申請され決定に至った学生が201名いらっしゃるほか、4月以降、新たに84名の学生が申請されていると聞いています。また、新型コロナウイルス感染拡大を起因とした家計急変により、8名の学生が申請されているということでございます。  次に、大学への影響についてでございますが、3月に予定していた就職希望者向けの学内企業研究会や県民向けの公開講演会、4月の入学式をはじめとする各種行事の中止を余儀なくされています。また、授業開始時期を4月8日から5月11日に延期するとともに、対面授業を見合わせ、ウェブ形式の遠隔授業を実施することとされています。そのほかにも、感染拡大に伴い、留学の中止や海外からの留学生の受入れを延期するなどの影響も出ていると聞いています。  このような各種行事の中止に伴い、学内ポータルサイトを通じた情報提供や電話やメールによる相談を受け付けることはもとより、就職支援ではウェブ面接練習を行うなど、全力でサポートされているところでございます。  現在、大学への入構については学位論文に係る研究活動に限定しておりますが、今後、7月29日から実験、実習などで遠隔授業が困難な科目について、十分な感染予防対策を講じた上で、対面授業を実施される予定であると伺っております。  2点目、新型コロナウイルス感染拡大への対応についてでございますが、滋賀県立大学におかれては、新型コロナウイルス感染症に係る危機対策本部を2月28日に設置され、理事長のリーダーシップの下、感染拡大防止対策や影響を踏まえた大学運営の調整等に取り組まれてきたと伺っております。  4月以降、学内への入構を原則禁止とする措置が取られたことから、遠隔授業を円滑に進めるための教員用マニュアルを整備された上で、学生に対して利用を周知するとともに、補正予算を活用し、学生に貸し出すパソコン、モバイルルーターの整備やネットワーク環境の拡充を行うなど、環境整備を進めてきておられるところです。  今後、第2波の到来に備え、大学において今回の遠隔授業の実施について検証し、改善することにより、ICTを活用した、より質の高い授業が実施できるよう努められるものと考えております。  3点目、ICTを活用した教育の環境整備についてでございますが、議員御指摘のとおり、社会はSociety5.0に向けて大きく動き出しており、県立大学においても、地域課題をICT化の手法で解決する研究開発を行う地域ひと・モノ・未来情報研究センターを設置され、ICTを駆使できる高度な数理・情報専門人材の育成に力を注がれ、この春に第1期の修了生20名を輩出されたところでございます。  こうした取組やこれまで取り組まれてきたフィールドワークを重視した教育という強みに加え、ICT環境を整備し、これを活用した教育研究活動を推進していくことが、大学のブランド価値を高めていくことになると認識しております。  県立大学は、本県における高等教育の中心的役割を担うものでございまして、第3期中期計画にウェブ配信等を利用した授業の導入を掲げるなどICT化に取り組むこととされており、今後の整備の在り方について、大学の自主性を尊重しながらも相談協議に応じ、必要な助言、適切な支援に努めてまいりたいと存じます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)ぜひとも、しっかりと支援して進めていっていただきたいと思います。  次に、学校に関係するセクハラおよびわいせつ行為等について、以下、お伺いをいたします。  性犯罪や性暴力は被害者の尊厳を踏みにじる行為であり、心身に長期にわたる深刻な影響を及ぼすことから、国では、本年6月11日に性犯罪・性暴力対策強化のための方針が決定されました。方針では、学校等で相談を受ける体制の強化や、わいせつ行為を行った教員等の厳正な処分の推進が明記されています。  性犯罪や性暴力は、ある調査では、加害者が顔見知りであることが7割から8割、誰にも相談しなかった被害者が7割、警察に相談、連絡したが4.3%で、犯罪として認知もされない暗数が多い被害です。閉鎖された学校という環境の中では、さらに声を上げにくい状況があるのではないかと考えます。  学校での性暴力被害者の苦しみは卒業後も続き、自傷行為やトラウマから鬱病を発症し、貧困に陥ることもあります。特に、教師が加害者で児童生徒が被害者の場合、それが性被害だと認識できない。まさか教師が自分に加害をするとは信じられないため被害だと気づきにくい。それでも勇気を出して声を上げても、被害者にも非があったのではないかという理不尽な周りの言葉や、先生がそんなことをするはずがないという同調圧力など、学校という環境では大人でも声を上げることが難しいので、子供ならなおさらです。加害者の、おまえのためにやっていることだとのひきょうな言い訳で、精神的に追い詰められるケースもあると言います。  学校の閉鎖性、身内を徹底的にかばう排他性を指摘する声もあります。被害者は卒業後もずっと苦しみ続けます。子供や若者を育てるという教育の現場では、性暴力はもちろん、わいせつ行為やセクハラなどあってはならないことですが、残念ながら現実には起きています。誰でも被害に遭う可能性があるのです。  滋賀県男女共同参画・女性活躍推進本部長の由布副知事に、性犯罪・性暴力対策強化のための方針を受けて、子供や学校に関する性暴力など、わいせつ行為やセクハラの撲滅に向けたお考えをお伺いいたします。  文部科学省の令和元年12月に発表された平成30年度公立学校教職員の人事行政状況調査の結果では、わいせつ事案での教員処分が282人と過去最多、相手は自校の生徒や卒業生が全体の49%となっています。  文部科学大臣は記者会見で、「わいせつ行為等はあってはならず、特に児童生徒を守り育てる立場にある教師が児童生徒に対してわいせつ行為を行うなどということは言語道断。原則として懲戒免職とするように、これまでも各教育委員会に対して指導してきた。加えて、わいせつ行為を行うなど、教師として不適切な者が教壇に立つことがないように、免許制度や採用、人事管理などの在り方の抜本的な見直しを含めて検討していきたい」と述べられています。  滋賀県では先ほどの調査で、平成29年度、わいせつ行為等に係る懲戒免職が5件、その他が1件となっています。学校内での性暴力などわいせつ行為等は、加害者と被害者の関係が、教員間、教員から児童生徒、児童生徒同士という状況があると考えます。  教員から児童生徒へのわいせつ行為等においては、特に表面化しにくい内容なので、県としてどのような対応しようとお考えか、由布副知事にお伺いをいたします。  教育長に、滋賀県内での教職員のわいせつ行為やセクハラについての相談件数、他の関係機関との連携の件数、処分件数など、現状と課題について伺います。  また、滋賀県公立学校教職員の懲戒処分に係る公表基準では、倫理の確立と情報公開の観点から、公表することにより不祥事の防止を図り、もって、公教育に対する県民の理解と信頼を確保することを目的とされています。  同じ加害者による類似の性犯罪、性暴力が何度も繰り返される例が少なくないと言われています。わいせつ行為等そのものの公開、懲戒処分の教職員の氏名等の公表について、現状と今後の考え方について、教育長にお伺いいたします。  学校という閉鎖的な環境では、被害者は相談しにくい状況があると考えます。ましてや、性暴力などわいせつ行為やセクハラなど、特に話しにくいと考えます。弁護士も含め、被害者の身分や尊厳が守られた中での相談が求められると考えます。また、教職員に第三者機関の相談窓口の周知徹底が予防の効果もあるのではと考えます。安心して相談できる第三者機関で法的なことも含めて相談のできるよう、弁護士も含めて相談を受けられる体制と、その相談窓口は市町の教職員も含めて周知すべきと考えますが、教育長のお考えをお伺いいたします。  また、公益通報制度の公平性、透明性を確保するためにも独立性が求められると思います。自らが声が上げにくいわいせつ行為等については、いじめへの対応のように、生徒や教職員に対するアンケート調査も必要と考えます。当然教職員が加害者であることも考慮して、第三者機関で開封されるという条件が必要だと考えます。アンケート調査に関しての教育長のお考えをお伺いいたします。  アンケートにより課題が発見されたときには第三者機関で聞き取るなど、適切な対応や子ども家庭相談センターやおうみ犯罪被害者支援センターや警察などとの連携も求められると考えます。教育長のお考えをお伺いいたします。  県教委は平成11年に、職場におけるセクシュアルハラスメント防止に関する指針が策定されています。この指針では、セクシュアルハラスメントに、身体に不必要な接触、性的な関係を強要することが含まれています。国の対策強化の方針でも、学校等で相談を受ける体制の強化、わいせつ行為を行った教職員の厳正な処分等が先ほども言ったように明記されています。  外部の第三者機関での相談や、弁護士の活用など相談体制の充実、おうみ犯罪被害者支援センターや警察など関連機関との連携も必要です。指針では、苦情相談した職員が不利にならないように配慮する、プライバシーの保護に特に配慮すると書かれています。令和2年6月1日から、職場におけるハラスメントは防止対策が強化され、法律上禁止されています。今後、職場におけるセクシュアルハラスメント防止に関する指針の改訂が必要と考えます。  内閣府特命担当大臣のメッセージは、「性暴力は1つあるだけでも多過ぎるという認識の下、性暴力のない社会、誰一人取り残されない社会の実現に向けて、全力を尽くしてまいります。国民の皆様の御理解と御協力をよろしくお願いします」という言葉で締めくくられています。性暴力などわいせつ行為等の撲滅への取組と、教育長の決意をお伺いいたします。 ◎副知事(由布和嘉子) 学校に関係するセクシュアルハラスメントおよびわいせつ行為等について、私にいただきました2点の御質問のうち、1点目のわいせつ行為やセクシュアルハラスメントの撲滅についてお答えいたします。  子供や学校に関係する性暴力やわいせつ行為、セクシュアルハラスメントは絶対にあってはならないものでございまして、その根絶に向けて取り組んでいくべきものと考えております。  6月11日に、政府の性犯罪・性暴力対策強化ための関係府省会議において決定されました性犯罪・性暴力対策の強化の方針を踏まえまして、学校関係者が加害者にならない、被害者にならない、傍観者にならない取組を進めていくとともに、社会全体で性暴力の根絶に向けての意識や機運を高めていく必要があると認識しております。  次に、2点目の県としての対応についてでございますが、教員から児童生徒に対する対するわいせつ行為等は、先ほども申し上げましたが、絶対にあってはならないものであり、万一起こった場合には厳正な処分で臨むべきものであります。  教員に対しましては、これまでから、教員自身が性暴力の加害者にならないための研修を実施しているところでありますが、これらの徹底強化と併せて、子供を性被害から守れるよう、県医師会や市町教育委員会等の協力を得ながら、教職員を含む関係者への研修会を実施する予定としております。  学校現場におきましては、児童生徒に対して、スマートフォン、SNSの適切な利用方法とともに、様々な犯罪に巻き込まれる危険性について周知し、状況を的確に判断し、未然に回避できるよう指導しているところです。  さらに、県の子ども・子育て応援センターに電話相談として「こころんだいやる」を開設し、子供や保護者の様々な悩みの相談を受けております。毎年、夏休みが始まるまでに、県内の全ての児童生徒に電話番号を記したカードを配布し、周知にも努めております。  今後は、さらに子供たちがどんなことでも気軽に相談できるよう、相談窓口の周知の強化などに努めるとともに、国の性犯罪・性暴力対策の強化の方針に基づき、教育や啓発に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)学校に関係しますセクハラおよびわいせつ行為等について、私にいただきました6つの質問についてお答えをさせていただきます。  まず、1点目の相談、他の関係機関との連携、処分の件数などの現状と課題についてでございますが、教職員間のセクハラに関する県立学校教員からの相談件数は、過去5年間において2件ございまして、他の関係機関との連携を行った事案はございませんでした。  次に、処分件数につきましては、過去5年間において、県立学校教員および市町立小中学校教員を合わせて12件ございました。  課題といたしましては、教職員間のセクハラに関しましては相談窓口は設けているところでございますが、その周知が図られているのかということがございます。しかし、最も大きな課題は、これまでから定期的に不祥事防止研修を行ってきたにもかかわらず、不祥事がいまだ絶えないことにあると認識をさせていただいております。  不祥事の防止に向けましては、教職員一人一人の意識を高める必要があるため、知識としてでなく意識化できるよう、研修の内容や方法について一層の工夫に取り組んでいきたいと考えております。  次に、2点目の公表の現状と今後の考え方についてでございますが、公表基準におきましては、わいせつ行為等にかかわらず、懲戒事案については原則公表としております。また、被処分者の氏名については、社会的影響、職責等を勘案して、妥当であると認める場合、公表するものとしているところでございます。  ただし、被害者が公表を望まれない場合、被害者またはその関係者のプライバシー等の権利、利益を侵害するおそれがある場合等は、被害者等を守るために公表しないケースもあるところでございます。  今後とも、公表を原則としながら、再発防止と教育への信頼確保に向け適切に対応してまいります。  3点目の第三者機関で弁護士も含めて相談を受けられる体制と相談窓口の周知についてでございますが、県立学校の教職員間のセクハラに関しましては、外部相談員として、ハラスメント対応に見識を有する臨床心理士が相談に応じ、学校とは切り離された相談体制としているところでございます。  これまでから、メンタル面にも配慮して相談者に寄り添い、身分や尊厳を守って、ちゅうちょなく何でも相談していただき対応しておりますが、法的なことを含めまして、弁護士にも相談を受けられる体制をつくるべきとの議員の御指摘も踏まえまして、今後、どのような相談体制が望ましいか検討してまいります。  また、相談窓口の周知につきましては、これまでから、相談日等を電子データで掲示して教職員が閲覧できるようにしているところでございますが、やはり全ての教職員に知ってもらう、このことが大切でございますので、小中学校の教職員も含めまして、県の教育委員会と市町の教育委員会が会議など様々な機会を活用して、さらなる周知が図れますよう、連携した取組を進めてまいる所存でございます。  4点目のアンケート調査の実施についてでございますが、いじめにつきましては、いじめ防止対策推進法に基づきまして、学校設置者および学校がいじめの早期発見のため、在籍する児童生徒に対しアンケート調査を実施しているところでございます。  わいせつ行為等の実態把握のためには、議員御指摘のアンケートも1つの方法であると考えておりますが、どういった手法が一番いいのか、様々な観点から検討をしてまいりたいと考えております。  5点目の関係機関との連携についてでございますが、アンケートの実施につきましては、先ほど申し上げましたように今後検討していくこととしておりますが、これまでから、不祥事事案が明らかになった際には、事案の内容に応じまして、子ども家庭相談センターや警察等との連携を行っているところでございます。  最後、6点目の撲滅の取組と私の決意についてでございますが、議員がおっしゃるとおり、性犯罪、性暴力などのわいせつ行為は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であります。特にその対象が児童生徒の場合は、その心身に将来にわたり重大な影響を及ぼすものであり、決して許されざる行為でございます。  本県の教職員が自らの使命を認識し、教育活動にしっかりと取り組めるように、昨今のハラスメントを取り巻く情勢を踏まえた職場におけるセクシュアルハラスメント防止に関する方針の改訂など対策を強化し、今後も不祥事防止に向け、県教育委員会と市町教育委員会が連携してしっかり取り組んでまいる所存でございます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)教育長、1つ再問させていただきたいと思います。先ほど件数をお伺いしました。相談件数2件、懲戒免職が12件ということで、こんな数では多分ないんだろうなと思いますし、12件ある中で、2件しか相談ができないという状況になっているというのは非常に課題だと思います。  それはやっぱり、顔見知りからのわいせつ行為などは、顔見知りの人に相談するというのはやっぱりちゅうちょすると思いますし、ましてや、それが加害者の同僚であればなおさらのことだと思います。やはり第三者機関で、先ほどおっしゃった臨床心理士の方とかおうみ犯罪被害者センターの方とか、本当に寄り添うことにしっかりと経験を積んでおられる方と、あわせて、弁護士の方に相談できるということが安心して相談できる環境になると思います。特に法律的に守られるというのは、相談する側にとっては一番大切なところだと思いますので、ぜひそれをしていただきたいなと思っています。  全国では、セクハラやパワハラに関する外部相談窓口は19都府県で設置されており、そのうち14都県で弁護士が相談員をされています。性犯罪・性暴力対策強化のための方針では、令和4年度末までを集中強化期間と定めています。学校等での相談を受ける体制の強化が掲げられております。再度、教育長に、第三者機関で、弁護士の相談を受ける環境整備について、前向きに検討いただけるかどうか、ぜひ、お答えをいただけたらありがたいと思います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをさせていただきます。  現在対応いただいている相談員の方は、臨床心理として、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントに係る相談対応や研修講師など、経験豊かな方にお願いをしているところでございます。  相談は事務局職員が同席をせずに相談者と相談員のみで行われ、また匿名での相談も受け付けておりますことから、一定の独立した相談体制となっていると認識をいたしております。  しかしながら、議員の御指摘のとおり、5年間で2件しか相談がなかったという事実、そして、処分は5年間で12人の処分をさせていただいたという事実を考えますと、やはりこういった相談窓口がもっと多くの方に利用してもらえるような仕組みというのは必要であると考えております。  現在、教育委員会でなくして、知事部局のほうで設置をしていただいているセクシュアルハラスメントの相談窓口も利用できるということも案内をさせていただいておりますけれども、相談者にとってより一層相談しやすくなるためには、全く独立した第三者機関の対応が望ましいという考え方もございますので、その点についてはしっかりと検討していきたいと思っております。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)ぜひ周知徹底も確かに必要だと思います。それは市町教委さんにとっても大切だと思います。小さいエリアだったら本当にほとんどの方が御存じの方ということが多いと思いますので。  ただやっぱり、弁護士が入っていると、法律的にどう守れられるのかというのが非常に安心できると思うんですね。全ての方に入るかどうかはともかくとしても、求められたときにそれが受けられるということが、後になってからそごが出てくるとか、そういうことにはつながらないと思いますので、その部分で、もう一度お答えをいただければありがたいと思います。 ◎教育長(福永忠克) 教職員だけでなくて、職員の相談の窓口としての弁護士の方の参画につきましては、こういったハラスメント案件だけでなく、様々な案件について相談というものが行われるのが望ましいといういろんな事情もございますので、その点につきましては、先ほど議員からございました他府県の事例等もしっかりと見ながら、検討をさせていただきたいと思います。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)よろしくお願いします。  次に、公益法人等についてお伺いいたします。  国では、民間非営利活動の促進は、21世紀の我が国の社会を活力に満ちた社会として維持していく上で極めて重要であるとし、この民間非営利活動を担う代表的主体として公益法人等が挙げられています。  公益法人等とは、公益の増進を図ることを目的として、法人の設立理念に沿って活動する民間の法人のことです。公益法人等は民間非営利部門の一翼として様々な民間公益活動を担っており、社会を支える重要な役割を果たしています。県が25%以上出資している公益法人等がありますが、その理由は何でしょうか。県として位置づけをお伺いいたします。知事にお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  県が設立に関わった公益法人等は、それぞれ経緯や趣旨等は異なりますが、県から独立した組織としての効率性や柔軟性等を有しながら、公共的目的を達成するために設立されたものでございます。  その活動は公共性、公益性が高く、県行政の展開と住民サービスの向上に寄与するとともに、効率的な事業運営が強く期待されるということから、県として一定の出資を行い、経営に関与してきたところでございます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)知事にお伺いいたします。  県が直接に取り組まず、公益法人等に出資して支援しているメリットをお伺いいたします。
    ◎知事(三日月大造) 各法人が県から独立した組織として、地域において住民の暮らしを支える事業を行う重要な役割を担っていただいているということでございます。  県として各法人に出資を行い、その経営や事業に関与をすることにより、法人の持つ専門性や技術等の特性を最大限活用し、効率的かつ効果的で柔軟性のある施策展開が可能になることがメリットであると考えているところでございます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)知事にお伺いいたします。  開会日に公立法人等の経営状況説明書が配付されました。今日もその2が配付されておりましたが、この説明書に掲載される公益法人等の根拠をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 公益法人等経営状況説明書に掲載されている法人の根拠につきましては、地方自治法第221条第3項の規定および地方自治法施行令第152条の規定に基づき、県条例で定めているところでございます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)以下、幾つかの団体で具体的にお伺いしたいと思います。  びわ湖芸術文化財団について、文化スポーツ部長にお伺いいたします。  令和元年の報告には、プロデュースオペラが新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、無観客上演および無料ライブストリーミング配信を行った結果、延べ約41万アクセスを記録したと報告されています。しかしながら、今年度の計画には、中止となった4月25日、26日に開催予定だった近江の春 びわ湖クラシック音楽祭の言葉は、そのままの事業計画となっています。理事会は3月11日および6月3日に行われたとお聞きしています。  今後、ウイズコロナの社会の中で、芸術の持つ力はとてもとても大切だと思っています。ただ、従来の開催ができないことはもう分かっていた時期のはずです。なぜ新型コロナウイルス感染症の一言もないのか、びわ湖芸術文化財団を所管する文化スポーツ部長の所見をお伺いいたします。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) (登壇)お答えいたします。  公益財団法人びわ湖芸術文化財団の事業計画は、定款で、事業年度開始日の前日までに理事会の決議を得るとされていますことから、去る3月11日の理事会において承認を受けたものでございます。  令和2年度事業計画策定時においては、県内において新型コロナウイルス感染症は拡大しておらず、財団において積極的な事業展開を計画していたところでございます。しかしながら、4月に入り緊急事態宣言が発出されるなど感染拡大が続き、新型コロナウイルス感染症により中止となった事業につきまして、6月の理事会において報告されましたところでございます。  今後、財団において計画の見直しが検討されるものと考えております。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)公益財団法人滋賀県スポーツ協会について、文化スポーツ部長にお伺いいたします。  元年度の報告には、第11回びわ湖レイクサイドマラソン2020は、新型コロナウイルス感染防止のため中止と書かれています。学校は今年3月から休業になっており、春の高校野球も中止、5月には様々な大会が中止されていました。今年度の計画が例年どおりにいかないことは想像できたことと思います。実際には対応していただいていると思います。それなのに、なぜ令和2年度の計画には新型コロナウイルスの一言もなく、今年度の取組が例年どおりの事業計画並んでいるのか不思議です。理事会は3月に1回、6月2回行われたとお聞きしています。  文化スポーツ部長は、所管の部長としてどのようにお考えでしょうか。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  先ほどのびわ湖芸術文化財団と同様に、公益財団法人滋賀県スポーツ協会の令和2年度事業計画については、去る3月23日の理事会において承認を受けたものでございまして、その時点では今年度の大会や事業の中止、延期は決定されておらず、事業計画には反映されなかったものと認識をしております。  その後、代替大会等の開催に向けた動きが出てきており、また、今後、鹿児島国体の動向についても明らかになってくることから、協会において計画の必要な見直しがされるものと考えております。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)春の高校野球は中止されていましたし、海外でどういう状況になっていたかというのは多分ある程度出てきた時代かなと思います。  次に、公益財団法人滋賀県生活衛生営業指導センターについて、健康医療福祉部長にお伺いします。  事業計画はほとんど例年どおり、新型コロナウイルスの一言もありません。理事会は5月26日書面表決だとお聞きしています。実質的には新型コロナウイルス感染症の対策に取り組んでおられるのではないかと思うんですが、健康医療福祉部長に所見をお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  公益財団法人滋賀県生活衛生営業指導センターの事業計画にございます相談指導事業には、日本政策金融公庫の特別貸付けなどの新型コロナウイルス対策に関する支援策に係る指導助言が含まれております。  また、生活衛生営業の振興に関する事業には、新型コロナウイルス対策を含めた自主衛生管理の促進も含まれているところでございます。この事業計画に従いまして、センターでは、経営の持続と衛生確保の両面から、生活衛生営業における新型コロナウイルス対策が実施をされておられます。  本事業計画につきましては主な項目と概要を記載したものでございますので、新型コロナウイルス感染症に関する具体的な対策は記載ができておりませんが、議員から御指摘のありましたとおり、計画に明記されておりましたら、より適切であったろうと思っております。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)次に、公益財団法人滋賀県産業支援プラザについて、商工観光労働部長にお伺いいたします。  今年度の事業計画はブラッシュアップされていますし、追加された働き方改革への支援の項目では、テレワーク勤務可能なレンタルスペースの設置の事業が書かれています。ただ、新型コロナウイルスという言葉は一言もありません。理事会は5月27日、評議員会は6月12日に開催されています。  社会や経済に大きな影響があり、経験したことのないことが起こっている今こそ、産業支援プラザの本領発揮のときだと思いますし、実質的には取り組んでおられるのではないかと思うのですが、なぜ公益法人等経営状況説明書の令和2年度事業計画には新型コロナウイルスに関する現状への言及がなかったのでしょうか、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(森中高史) (登壇)お答えいたします。  産業支援プラザの令和2年度事業計画は、3月24日の理事会において議決されたところでございますが、その際、新型コロナウイルスに関する経営相談の状況について報告が行われたと承知しております。  また、5月の理事会、6月の評議員会においても、新型コロナウイルス感染症対策に係る取組についての報告があり、ポストコロナを踏まえた新技術開発支援などについて議論がされたということでございます。  産業支援プラザでは、これまで新型コロナウイルス感染症関連の支援として、土日を含んだ相談対応の実施やインキュベーション施設入居者に対する利用料金の支払い猶予など、困難な状況にある県内中小企業等に寄り添った取組を行ってきたところでございます。  さらに、明日7月8日には、需要が高まると予想されるサテライトオフィス機能や、テレワーク活動の拠点となる「BizBaseコラボ21」を開設することとしております。  議員御指摘のとおり、今年度の事業計画には新型コロナウイルス感染症に係る記述はなく、その点において、柔軟な対応を欠いていたのではないかという御指摘は重く受け止めさせていただきたいと存じます。  プラザが中小企業等の中核的な産業支援機関として、県の緊急経済対策と連携を密にして、コロナの影響を踏まえた企業支援を展開されることを期待しております。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)次に、公益財団法人滋賀県陶芸の森について、商工観光労働部長にお伺いいたします。  ここにも、報告には新型コロナウイルス感染症に触れていますが、令和2年度事業計画では触れていません。ここは緊急事態宣言を受けて4月11日から6月1日まで休館になっていました。理事会は5月29日に開催されたとお聞きしています。  とてもいい取組をされているとも聞いておりますが、今年度は例年どおりにできないと思いますが、なぜ事業計画はこのような状態のままなんでしょうか、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(森中高史) お答えいたします。  公益財団法人陶芸の森の事業計画につきましては、令和2年3月開催の理事会で承認されたものでございますが、その後、理事会が書面開催された6月の時点において、イベントの延期や開催形態の検討を行ったものの、大規模イベントの中止など大きな事業は決定まではなされておらず、事業計画の変更までは諮る必要はないと財団において判断されたものでございます。  県としまして、財団の判断自体は適当だったと考えておりますが、新型コロナウイルス感染症による影響の大きさに鑑みれば、議員御指摘のとおり、感染症に対する対応等を盛り込んだ事業計画の変更があってもよかったものと考えております。  なお、3月の理事会におきましては、展覧会の開催のための感染防止対策について議論がなされております。また、園内の感染防止対策を徹底するとともに、講座やイベントを年度後半に延期する、陶芸の森に来館できなくても展示を楽しむことができるよう、VR──仮想現実を活用したバーチャルミュージアムを導入するなど、コロナの状況に応じてしっかりと対応しながら事業の実施に努めていただいており、今後も、コロナ禍の中にあっても工夫を凝らし、県民はじめ多くの方々に陶芸に対する理解と親しみを深め、陶器産業の振興と文化向上に努めていただきたいと考えております。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)次に、公益財団法人滋賀食肉公社について、農政水産部長にお伺いいたします。  ここは令和元年の報告と令和2年度の事業計画はほとんど同じです。屠畜数のみ昨年度で廃止された豚の屠畜がないことが大きな変化ですが、旅行者や宴会等がなくなった3月で、令和2年度は大きな影響があることは分かったのではないかと思います。昨年の牛の屠畜頭数は、8,700頭の計画に対し実績は8,339頭でした。今年度の目標は9,000頭。コロナ禍がなかったとしても、チャレンジな目標だと考えます。このコロナ禍では、例年どおりの取組では目標達成は苦しいと考えます。理事会は3月25日に開催されたとお聞きしています。  この公益法人等経営状況説明書の事業計画をどのように、受け止めておられるのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) (登壇)食肉センターの牛屠畜頭数は、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、本年3月と4月は前年と比べ減少いたしましたものの、5月以降は回復傾向にございます。とはいえ、先の見通しが立ちにくい状況が続いているものと認識をしております。  本年3月の事業計画策定時におきましては、食肉公社において、新型コロナウイルス感染症による影響の程度や、どの程度これが継続するものかなどについて、十分見通せる状況にはなかったものと理解をしております。  県といたしましては、新型コロナウイルス感染症による影響をできるだけ抑えられますよう、この6月議会にも補正予算をお願いしているところでございまして、今後も状況を注視をいたしながら、食肉公社の事業が着実に実施されますよう支援をしてまいりたいと存じます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)知事にお伺いをいたします。  私は、この公益法人等経営状況説明書の内容を見て違和感を感じました。今年度の課題は新型コロナウイルスの感染症の影響だと思っています。社会が大きく変わり、知事も5分の1ルールを提唱され、自粛を要請され、ウイズコロナの社会、以前の社会には戻らない。また、海外でも大きな感染症が発生しておりました。  それにもかかわらず、今定例会の開会日に報告されている19団体で、新型コロナウイルス感染症という言葉は、令和元年の報告に数か所、令和2年の計画には公益財団法人滋賀県国際協会の1か所のみです。公益財団法人等の経営状況説明書のこのような状況は、どこに課題があるとお考えでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 各法人で状況が異なりますので、一律にお答えするのは難しいところではあると思うんですけど、この経営状況説明書、改めて私も見ますと、令和元年度事業報告について申し上げれば、3月末までの新型コロナウイルス感染症による影響が年度単位では限定的であったということから、その影響を記載している法人が少なかったのではないかと考えています。  また、令和2年度事業計画については、多くの法人が3月末までに策定されています。手続や協議なんかはそのもっと前に入っているのかもしれません。その時点で令和2年度中の新型コロナウイルス感染症による影響を見通すことが難しい一方で、策定後の感染拡大の状況を踏まえれば、事業計画の見直しが必ずしも柔軟に行われていないことが課題ではないかと考えております。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)知事にお伺いいたします。  私もそう思うんですね。予算主義で融通がききにくいというやっぱり行政とは違って、民間である。柔軟性であったりとか効率性のために、専門性ということもあろうかと思いますが、そのために公益法人に出資をしてやっていらっしゃるということを考えれば、やっぱり、今みたいに民間の活力を生かすために公益法人等の制度ができたという経緯を考えれば、もう少しフレキシブルに現実に即した対応を計画に反映することが求められているんではないのかなあと思います。  全てが全て全部やる必要はないと思うんですけれども、ただ、これだけ大きな変化があって、なかなか元に戻らないということがやっぱり言われていることでありましたら、理事会のタイミング等も含めて報告もいただいていたのであれば、そこに少し書いておいていただければ、私たちはその文書を見たときに、ああ、新型コロナウイルスにも対応していただいているんだなということが非常に分かりやすいと思いますので、その辺はやはり柔軟な対応も求められたんではないかと思うんですが、知事のお考えを伺います。 ◎知事(三日月大造) 新型コロナウイルスのこういった感染症に限らず、各法人の経営に影響する環境変化が計画の策定後に発生することは今後も想定されます。議員の御指摘も踏まえて、こういう事態にどうするのか、より柔軟に対応することも必要でしょうし、場合によっては事業計画を見直すことも必要でしょうし、また、事業計画はそのままにしておいて事業報告等でお諮りをする、御報告をするというやり方もあるでしょうし、いずれにしろ、それぞれの法人の状況に応じた対応等ができるように、県としても必要な関与を行ってまいりたいというふうに考えます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)ぜひとも危機意識をしっかりと持って、県民のため、また滋賀のために、一緒に歩んでいける公益法人になっていただけるよう、よろしくお願いしたいと思います。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、44番中沢啓子議員の質問を終了いたします。  最後に、37番清水鉄次議員の発言を許します。 ◆37番(清水鉄次議員) (登壇、拍手)最後です。どうぞよろしくお願いします。  初めに、このたび、熊本県をはじめ、九州全土で記録的な大雨により大きな被害が出ています。心からお見舞い申し上げます。また、お亡くなりになられた方にはお悔やみを申し上げます。まだまだ大雨が続き、気の抜けない状況です。最大級の備えをしなければならないと思います。  さて、日本は、先週末から東京を中心に首都圏で新型コロナ陽性患者が増加しておりますが、私は、世界の中で、新型コロナウイルス感染症に対しての医療的な対応は踏ん張っておられるなと思っています。また、滋賀県も対策本部をはじめ多くの医療現場の皆様のおかげで、ベッド数の稼働率も十分な余裕があり、PCR検査が1日に合計150件、160件以上できるようになり、医療体制は第2波に備えながらも改善したことは、医療現場の皆様、対策本部の皆様の御努力のもので、感謝申し上げたいと思います。  ところが、製造業、サービス業をはじめ様々な分野の経済状況がリーマンショック以上に大変悪化しており、それぞれの分野において、時間が経過するごとに一段と厳しさが増しています。  そこで、その中で観光業復活に対して質問します。  帝国データバンクによりますと、コロナウイルス関連で7月3日16時現在で全国で311件が倒産し、そのうちホテル、旅館業が46件となっており、まだまだ増加すると言われています。4月末には大津市の大手リゾート観光事業者が閉鎖されたことは衝撃でした。  そういった中、国では、打撃を受けた観光、飲食業を支援するGoToキャンペーンを計画されておりますが、始まるのが当初の予定より遅れ8月上旬とも言われています。また、全国的に6月19日には県境をまたぐ移動自粛が解除になり、イベント開催や休業要請も大幅に緩和されました。初めての週末である6月20日、21日には他府県ナンバーの観光客が増加しましたが、まだコロナ前の状況には戻っていないとそれぞれが言われています。  日本の観光産業は約240万人の雇用があり、地域の食材や物品も多く利用して、2019年度で日本人国内旅行が約23兆2,000億円、訪日外国人旅行が約4兆8,000億円です。このように、観光事業は日本経済の活力に大きな影響があります。ところが、訪日旅行者はコロナの影響が大きくあり、5月で1,700人と大幅に激減しました。インバウンド効果が当分の間、全く見込めない状況で、観光産業を復活させるには国内の観光事業に力を注がなくてはなりません。  まず、先ほど述べました国のGoToキャンペーン事業が8月に遅れそうです。このGoToキャンペーンの内容で滋賀県の観光需要回復につながるか疑問に感じております。どのようにGoToキャンペーン事業を滋賀県の観光振興に結びつけるのか、商工観光労働部長に伺います。  さて、滋賀県は豊かな自然に恵まれた名所旧跡などたくさんの観光名所があり、昨年は約5,400万人近くの方が滋賀県を訪れました。知事は、今年度NHK朝ドラ「スカーレット」やNHK大河ドラマ「麒麟がくる」で、万載一遇のチャンスと言われました。観光事業者も大いに期待をしましたが、残念ながらコロナの関係でチャンスは来ず、一段と大変厳しい状況になりました。  観光業は、その取引先を含め、観光に関わっておられる事業所や雇用者も数多くおられます。まさに県の重要な産業であります。だからこそ、スピード感を持って事業を進めなければなりません。  そこで、4月補正や5月補正で予算化された主な事業の内容等について、以下、お伺いします。  まず、旅の土産も想い出に事業について。  これは、「今こそ滋賀を旅しよう!」宿泊キャンペーンという名称で事業が立ち上げられたとお聞きしていますが、一部の観光事業者に集中しないか気がかりです。この事業が県内一円の観光事業者に行き渡るのか、疑問に感じています。県内満遍なく経済効果が受けられるようにすべきであると考えるが、そのような施策になっているのか、事業内容、進捗状況と併せて、商工観光労働部長に伺います。  次に、教育旅行誘致に関してお聞きします。  今年の春休みや、これから迎える夏休みは学校のキャンセルが相次ぎ、予約がほぼないということを聞いています。教育旅行誘致事業はエージェントに対してインセンティブを提供することで、秋に向けて教育旅行の団体を取り戻したり、新規団体の取り込みを計画されていると思います。しかし、学校側が果たして教育旅行をしてくれるのか、今年いっぱい厳しい状況ではないかと考えます。  このような中、教育旅行誘致に関して、これまでの取組状況はどうか。また、来年の春に向けてどのように考えておられるのか、商工観光労働部長にお伺いします。  また、観光関連産業の下支えを目的に予算化されたウェブ物産展や宿泊事業者の資金確保支援に係る取組については、それぞれ進捗状況はいかがでしょうか、商工観光労働部長に伺います。  星野リゾートの星野氏は、マイクロツーリズム、地元での観光旅行について提案をされています。具体的には、コロナ対策を十分に進め、密にならないよう、おおむね30分から1時間以内で行ける範囲の近距離旅行の需要が増えると提案されていますが、このような見方がある中で、滋賀県も早急に取り組むべきと考えますが、いかがか、商工観光労働部長に伺います。  まさに県民による県内旅行、または近隣からの観光を推進していくことが必要です。それらに対して県独自の施策、例えば、安全で、近くで、単独や小グループ単位で楽しむ県民の宿泊50%補助として宿泊施設に対して発行する宿泊券など、県内宿泊を推進するための施策はどうか、知事に所見を伺います。  4月補正の予算は約1億9,600万円、5月補正では約1億6,300万円でした。6月議会では3億4,500万円と観光予算は増額しているものの、まだまだ少額と感じます。宿泊事業者の資金確保支援に係る取組への補助の拡充など、今後、2次、3次と観光に対しての追加施策を実施すべきと思うが、どのように考えておられるのか、知事に伺います。  今回のコロナ問題で、観光産業に新しいビジネスモデルが求められています。それは、地域の事業者と連携し、酒類や近江牛など地元食材を活用し、宿泊はホテルや旅館で、食事は地域に出て、地域の観光資源を楽しむことによって、分散型にすることが長期滞在につながると思います。このような新しいビジネスモデルについてどのように考えるか、知事に伺います。 ○議長(細江正人) 37番清水鉄次議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)滋賀の観光復活というテーマで、私には3点御質問いただきました。  まず1点目、県民による県内宿泊の推進ということについてでございますが、議員御指摘のとおり、当面は県内宿泊が重要でありますため、旅の地産地消を推進しているところでございます。  具体的には、5月補正事業より、ホテル、旅館等の感染症対策に対し支援を行い、安全・安心な宿泊環境を整えた上で、県民対象のビワイチ体験事業を実施しておりますほか、県内の観光施設等で使用できるクーポンがついた「今こそ滋賀を旅しよう!」宿泊キャンペーンを、7月15日から2万泊分、販売を開始するところでございます。  このキャンペーンにつきましても、まずは県内を中心に、近畿、中部圏を含め販売することで、旅の地産地消を通じた県内宿泊を推進しているところでございます。  2点目、今後のさらなる観光施策の追加についてでございますが、観光庁の統計やびわこビジターズビューローの聞き取りの結果から、県内観光業は非常に厳しい状況にあり、今後もしばらくはこのような状況が続くものと認識しております。  このため、反転攻勢に向けて、4月、5月の補正や今議会に提案させていただいている事業により、時期を逸することなく、まずは県内の方、次に県外の方へと感染の状況等に応じてターゲットを広げ、国のGoToキャンペーンとも連携し、観光需要の回復に取り組んでまいります。  さらに、ナショナルサイクルルート「ビワイチ」をはじめ、滋賀らしいニューツーリズムのSNS等を活用した発信でありますとか、インバウンド誘客に向けた中日外交団による本県への視察ツアーの実施や、様々なインフルエンサーを活用したPR等に取り組んでまいりたいと思います。  今後も、観光客の動向を見極めつつ、刻一刻と変わる状況に対する柔軟かつ機動的な対応、第2、第3弾の追加の施策も含め、検討の上、展開をしてまいりたいと存じます。  3点目、地域の事業者と連携した新しいビジネスモデルについてでございますが、7月から開始予定の「今こそ滋賀を旅しよう!」宿泊キャンペーンでは、県内宿泊観光客にアクティビティーや飲食店で使用できる5,000円分のクーポンつきガイドブックをお配りすることで、地域の観光資源を楽しんでいただけるようにしようとしているところでございます。  また、連泊者には、1泊当たり5,000円のクーポンに加え、ECサイトでお土産購入に使える5,000円分のクーポンをさらにおつけすることとしておりまして、2泊していただければ合計1万5,000円分のクーポンがつくことになるなど、長期滞在につながる仕組みも一定盛り込んでいるところでございます。  この事業をはじめ、議員御提案の地域の事業者が強みを持ち寄って互いに連携することで、地域の観光資源をゆっくり長く楽しんでいただくような施策を今後も考え、また実行、実施してまいりたいと存じます。 ◎商工観光労働部長(森中高史) (登壇)滋賀の観光復活について私への5点の御質問のうち、1点目の国の事業を県の観光振興に結びつけることについてでございますが、国のGoToキャンペーンは、これまで各都道府県や市町が実施あるいは準備している支援事業と併用が可能との情報を得ております。  本県のクーポンつきガイドブックが特典として付与される「今こそ滋賀を旅しよう!」宿泊キャンペーンは、滋賀ならではの食や体験が楽しめるガイドブックとなっております。他方、GoToキャンペーンは、一定程度地域共通クーポンにも割引が適用されるものの、宿泊代金に対する割引のウエートが大きくなっております。このため、宿泊の割引はGoToキャンペーンを活用し、それをフォローする形で本県のクーポンつきガイドブックを併用することで、旅行先として滋賀が選ばれ、観光需要回復につながるよう取り組んでまいりたいと存じます。  なお、国の事業の効果が特定の地域や時期に偏ることのないよう、去る6月29日に、全国知事会を通じ、都道府県ごとに予算枠を設けるなどの緊急提言を行ったところでございます。  2点目の県内満遍なく経済効果を受けられるのか、また、事業の内容や進捗状況についてでございますが、「今こそ滋賀を旅しよう!」宿泊キャンペーンは、クーポンつき宿泊プランを造成、販売するもので、県内で宿泊した際に、県内の観光施設ですとかお土産物等に使用できる1泊当たり5,000円分のクーポンがついたガイドブックを、宿泊施設でお渡しするものでございます。  このプランの造成に当たりましては、宿泊施設ごとに規模に応じた一定数のガイドブックを割り振ることで、特定の宿泊施設に売れ行きが集中しないよう対応しております。これまで、参加事業者の調整やプランの造成を行ってきたところでございますが、6月19日から既に広報を行い、7月15日から販売開始の予定でございます。
     観光施設でのアクティビティーですとかお土産物やレストランに使えるクーポンにより、県内に泊まるだけでなく、おいしいものを召し上がっていただいて、各地を巡っていただくことで、県内に幅広く効果を生み出してまいりたいと存じます。  3点目の教育旅行についてでございますが、4月補正で認めていただきました事業によりまして、キャンセルの取戻しや新規取組に向け取り組んだ結果、6月30日時点で、秋から冬にかけて168校、生徒数2万1,466名分の申込みが来ている状況でございます。  教育旅行は、参加する生徒さんはもちろん、その御家族も含め滋賀ファンになっていただき、将来の訪問に向けたきっかけとなり得るものと考えておりまして、これから教育旅行の行き先変更等の動きが本格化すると見込まれる首都圏をはじめ、さらなる働きかけを行ってまいります。  また、来年2021年は東日本大震災から10年目の節目の年でございます。この機会を捉えた東北地方との相互交流の促進など、来年春以降の教育旅行誘致にも積極的に取り組んでまいります。  4点目のウェブ物産展や宿泊事業者の支援確保支援、それぞれの進捗状況でございますが、まず、びわこビジターズビューローが取り組むウェブ物産展につきましては、県内事業者の支援および滋賀の産品をPRするため、7月1日からヤフーショッピングサイト内において30%の割引クーポンを用いました「ええもん、うまいもん大集合 滋賀県御当地モール」を開催しております。180を超える事業者の1,200を超える商品を掲載、販売しておりまして、7月5日現在で1,245万円余りの売上げにつながっておりまして、今後の販売に期待しているところでございます。  また、宿泊事業者の資金確保支援につきましては、6月22日に、滋賀県旅館ホテル生活衛生同業組合が、宿泊代金の半額を事前に宿泊事業者へ支払う滋賀の宿応援プロジェクトのホームページを開設しております。現在、プロジェクトに参加する宿のページを作成中であり、7月15日から宿泊チケットの販売を開始する予定でございます。お気に入りの宿に対する前払いでの支援の輪が広がることを期待しております。  最後、5点目のマイクロツーリズムへの取組についてでございますが、コロナ禍を受けて、今後、観光客が観光先を選ぶ際には、混んでいない、コロナ対策をしっかり行っている、安全・安心な交通手段が確保できるなどがポイントになると考えております。  議員御指摘のとおり、長距離移動はしばらく敬遠される傾向が続くものと予想されるため、近距離旅行ニーズの取り込みが大事であると考えております。このため、「今こそ滋賀を旅しよう!」宿泊キャンペーンや本議会に提案している県内観光バスを利用したツアーに対する補助事業などで、まずは県民や関西圏、中京圏からの観光客を中心とする誘客を進め、観光需要の回復につなげてまいりたいと存じます。 ◆37番(清水鉄次議員) (登壇)まず、GoToキャンペーンですけど、遅れるとはいえ、やはり人気の高い北海道とか沖縄とかいうところに集中しないかというのが非常に懸念をしておりまして、先ほど部長がおっしゃったように、地域割りというんですか、そういったものを要望されると聞いたんで、ぜひそれを実現していただければ滋賀にもお越しいただけるんじゃないかなと、そのように思ってます。  それと、「今こそ滋賀を旅しよう!」宿泊キャンペーンですけど、これは県の施策で、これも非常にいい施策と思うんですけど、ただ、これもやはり滋賀県の中での人気のあるところに集中する可能性もあるので、その点も、これも地域割りということがいろいろと御検討されているのかどうか分かりませんけれど、そういった配慮もお願いしたいなと思っています。  それと、教育旅行誘致に関しましては、今、168校、2万1,466人が秋から冬にかけてと。冬にかけてというのは、これは2月までなんかなというふうに想定しているんですけど。大体、今年の3月から今の夏に失った教育旅行誘致の人数は6万泊というふうに言われてまして、今、2万1,000といいますと、4,800万の予算に対して、お1人500円にすると1,000万ちょっとなんですけれど、来年の春、そしてその次の夏と、この事業も予算まだ余裕あると思いますので、ぜひこれも頑張っていただいて、ぜひ今年キャンセルになった分をカバーしていただければありがたいなと思います。  それと、知事がおっしゃった、2次、3次に向けていろんな施策を検討するとおっしゃっていたんで、これは非常にありがたいなと思っていますので、よろしくお願いします。  そしたら再問です。6点目の再問なんですけどね、知事でいうたら2点目か。  県民による県内旅行の宿泊に50%補助ということをしてはどうかということを申し上げたんですけど、各府県もそれに取り組んでおられるところもあります。福島でも県民割引クーポン券5,000円ですか。2万4,000枚を15万枚に追加したりとか、山形県でもいろいろとされております。  県民の皆さんは、このコロナの中で、遠距離は心配だが、近くであれば観光したいというお気持ちが強く、それを喚起するためには、秋に宿泊旅行を実行できるために、市町と共同で県民割引クーポンをぜひ実現していただきたいと思いますが、知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 観光は在庫がきかない産業ということで、この間、来ていただけなかったものを取り戻すのが大変難しい、こういう産業であることを痛感させていただいております。とはいえ、これから回復もしくは取り戻していくために、まさに県一丸となって取り組んでいく必要があると思います。そのためにも、一にも二にも感染拡大防止、こういったことも必要ですし、気をつけながら、注意しながら、対策をしながら活動する、観光する、こういったステージに入っているんだと思います。  議員の御提案のとおり、まずは県内の方が県内でお楽しみいただくと、そのことをいかに誘発していくのか、こういうことが重要であるという考え方は全くの同感でございます。したがって、観光キャンペーン「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」において、市町はじめ関係者との協働で、県民割引クーポンの実施も視野に、今後、検討を行ってまいりたいと存じます。 ◆37番(清水鉄次議員) (登壇)よろしくお願いします。  それでは、次の質問に参ります。教職員の懲戒処分と事案の公表について。  5月中旬に、部下であった女性教諭にわいせつな行為をしたとして、滋賀県警は強制わいせつの疑いで元校長を逮捕しました。その後、不起訴になりましたが、衝撃的な事件です。校長先生とは地域の顔で、多くの子供たちや関係者から信頼され、尊敬される立場の方だと思います。そのような立場の方が、1年半近くにわたり女性教師にわいせつな行為をされていたことは、校長先生としては前例のないことだと、大変残念に思っています。  この事件では、元校長は今年の2月に停職6か月の懲戒処分を受けましたが、県教育委員会は、被害者の方が公表を望んでいないということで、被害者保護の観点から公表されませんでした。しかし、その後の報道によると、被害者の方は非公表は望んでいなかったと言われております。被害者の方への公表の意向確認は草津市教育委員会が行い、県教育委員会へ報告されておりますが、その際の確認が双方とも不十分であったために、このような事態となったものです。  今回のこの事案については、被害者の方の意向をしっかりと確認し、事実を公表すべきであったと考えますが、いかがか、教育長に伺います。  また、懲戒処分は懲戒審査会で決定され、そこには教育次長2人、教育総務課長1人、教職員課長1人、オブザーバーとして弁護士1人が入られ、教育長に報告し、そこで決定されると聞いております。このときは全員が男性で、今年度は教育次長のうちお1人が女性で懲戒審査会に参加されると思いますが、常時、女性に入っていただいたほうが多様的な視点から意見を述べていただけると思いますが、いかがか、教育長に伺います。  今回の決定は変更することはできないと聞いていますが、県民感情とのずれがあるのではないかと思います。先ほど述べました2月の停職6か月の懲戒処分はどうだったのか。6月8日の教育・文化スポーツ常任委員会で、多くの議員から、処分が軽いのではないか、社会的な影響を考えると懲戒免職に該当すると発言があり、私もそのように考えます。  私は過去を追及するのが目的ではなく、過去から学び、今後を改善することが重要だと考えます。全体的に懲戒審査会での決定は前例を踏襲すると言われています。あまりにも処分が甘過ぎるのではないかという声を聞いて、どのように思われるか、教育長に伺います。  また、この機会に教職員全員にハラスメントのアンケート調査を実施するべきと考えますが、教育長に伺います。  平成27年度に懲戒処分は12件、そのうち免職が6件、平成28年度は懲戒処分4件、そのうち免職が3件、同じように平成29年度は懲戒処分が9件、そのうち免職が6件、平成30年度は懲戒処分8件、そのうち免職が4件、平成元年度は懲戒処分8件、そのうち免職が2件と報告されています。滋賀県の教職員は、臨時講師や非常勤講師を含めると約1万5,000人おられますが、統計的に懲戒処分の人数はやむを得ないのかどうか、教育長に伺います。  今回の懲戒処分の多さについて調べておりましたところ、昨年の特別支援学校の件で、教育委員会の判断を疑問に感じます。具体的には、2019年10月10日に、特別支援学校で在校生の氏名や住所、身体の状況などの個人情報が書かれた自立活動ファイルを紛失されました。  翌月の11月18日には、乳製品と卵のアレルギーを持つ男子児童に配膳ミスを犯し、パンを食べてアナフィラキシー症状で救急搬送され、集中治療室で治療を受けるという事故を起こしました。幸い2日後退院し、翌日から登校を再開されたということです。  そして、11月29日には、肢体不自由の生徒が校外学習中に飲食店で昼食を気管支に詰まらせ、介助していた担任の臨時講師が異変に気づき、心肺停止状態で病院へ搬送され、20日後にお亡くなりになられたという痛ましい事故が起こりました。この件については、2月に福永教育長は記者会見をされましたが、保護者から公表は控えてほしいと言われた件もあり、公開することは基本だが、個々のケースで判断したと言われています。  しかし、特別支援学校で、アレルギー男子の児童がパンを間違って配膳し病院に救急搬送されたことを情報公開しなかった件に関しては、一般的に、卵、乳製品、小麦アレルギーを持った子供たちが、40人クラスで1クラスに二、三人の割合でいると言われています。このような事態を考えれば、私は特にこの件は情報公開すべきだったと考えます。  その後、2月議会で杉本議員は一般質問で、生田議員は予算特別委員会で、情報公開などについて質問されました。その際、教育長は、「アレルギー症状を起こした事案については、今考えれば公表すればよかったと考え、反省しているところ」と答弁されました。  さらに、当時、県議会の議事録を確認すると、警察に届ける必要はなかったのか、学校の対応に問題はなかったのかということを第三者に判断してもらう必要があるのではないかという意見が出ていました。今後のことを考えると、情報公開の件や第三者に判断してもらうことなど、この判断でよかったのかどうか。今後どのように対応されるのか。改めて教育長に伺います。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)教職員の懲戒処分と事案の公表についての6点の御質問にお答えをさせていただきます。  1点目の事案の公表についてでございますが、教職員の懲戒処分につきましては、原則公表としているところでございます。しかし、議員御指摘の事案では、被害者が公表を望んでいないとの市からの報告を受け、被害者個人が特定されプライバシーが侵害される可能性が高いと判断し、非公表としたところでございます。公表、非公表を含めまして、今後は、被害者の思いをより丁寧に確認していく必要があると認識をいたしているところでございます。  2点目の懲戒審査会の構成メンバーについてでございますが、懲戒審査会の委員につきましては、その職務職責に基づきメンバー構成を決定しているところでございます。  今後、事案の内容に応じて、女性の視点や専門的な知見が必要な場合には、女性の専門家にオブザーバーとして審査に加わってもらうような仕組みについて、検討してまいりたいと考えております。  3点目の処分量定についてでございますが、懲戒処分の量定は、基本的に非違行為の内容に基づき決定をされるものでございます。加えまして、被処分者の役職や過去の類似事案との均衡等も考慮して判断させていただいているところでございます。  今回の件につきましては様々な御意見をいただくこともありますが、先ほど述べましたとおり、様々な要素を総合的に判断したものでございます。  4点目のアンケートの実施についてでございますが、アンケートにつきましては実態把握のための1つの方法であると考えておりますが、目的や実施方法、また実施主体等を慎重に検討する必要があると考えております。  今後、他府県での実施状況を調査し、小中学校の服務監督権者である市町教育委員会の意見も聞きながら、検討を進めてまいります。  5点目の本県の懲戒処分の割合についてでございますが、文部科学省が毎年実施をしております調査結果を見る限り、本県の懲戒処分者の教育職員に占める割合は、全国的に見ても高いものではないと認識をいたしております。  しかしながら、こうした懲戒処分は決してあってはならないものでございます。不祥事を起こさない、そして起こさせないことが何より大切でありますので、今後も不祥事防止にしっかりと努めてまいる所存でございます。  最後、6点目の今後の対応についてお答えを申し上げます。  県教育委員会といたしましては、学校現場における重大事故につきましては公表を原則といたしております。  今回の事故、事案の公表の判断につきましては、さきの2月定例会議でも御答弁申し上げましたように、アレルギー症状を起こした事案については、その時点で公表すべきであったと考えているところでございます。学校が児童生徒や保護者の皆さん、また、地域の皆様に信頼されることが何よりも大切であると私は認識をいたしております。  今後の公表に際しましては、被害者の意向を十分確認し、個人情報の保護に配慮しながら、個々の事案ごとに慎重に判断いたしますとともに、基本調査後に警察等の第三者に意見を求めるなど、関係機関との連携を一層重視していくこと、そして、こうした取組を通じて信頼される学校づくりに努めてまいる所存でございます。 ◆37番(清水鉄次議員) (登壇)6番目の答弁、非常にありがたい答弁だと思いますので、ぜひ信頼される学校づくりを目指していただきたいと思います。  それでは、再質問します。4番目のアンケートについて質問します。  教職員全員のハラスメントアンケート調査の件ですが、昨年、神戸市の市立東須磨小学校で教職員が暴力や暴言を繰り返し、例のカレー事件の件で、2人が懲戒免職等の懲戒処分を受けたことは記憶に新しいことだと思います。  そこで、神戸市教育委員会は、全教職員約1万2,000人にハラスメントのアンケート調査をされました。その結果、約1,600人の先生方から1,755件のハラスメントの申告があったと発表されました。実に13%強の割合です。大変驚きました。神戸市教育委員会にお聞きしますと、初めてのアンケート調査で、このような結果に大変驚いたと、現在、弁護士の意見を踏まえて調査されているそうで、調査が終わるまでに1年以上かかる可能性もあるとのことです。  滋賀県も、今回は不起訴になりましたが、校長先生の逮捕事件は重く、初めてかと思いますが、教職員全員にハラスメントがあってもなくても、封緘して誰も見られないように、直接意見が届くような形で調査すべきであると考えますが、いかがか、教育長に伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えいたします。  こうしたアンケート調査を実施する場合には、できる限り正確に実態が把握できるよう工夫する必要があると考えているところでございます。  ただいま議員から御紹介をいただきました神戸市の例等も踏まえまして、正確な実態把握、そしてアンケート調査に答えられる教職員お一人お一人が安心して答えられる調査、このためにはどのような方法を取ったらよいのか、様々な観点から調査の在り方について検討をしてまいりたいと考えております。 ◆37番(清水鉄次議員) (登壇)実は5月の中頃から、新聞に報道されてから担当課と十何回協議しました。最初の頃は、もうとてもこれは無理かなと、何もしてくれへんなと、これでは何も変わらへんなということも思い、協議を何回もさせていただくうちに、だんだんと前向きに変わっていったなと思いました。  それだけでなく、教育委員会だけでなく、現場の先生も、僕は、アンケートしても滋賀県の皆さんはいい人ばっかりやから、そんな答えはないんじゃないかな、厳しい神戸みたいな答えはないんじゃないかなと思って、現場の先生から聞いてみようということで、ちょっと何人か地域を分散してお聞きしたところ、ぜひやってほしいという声がありました。やり方も言わはったんですけど、それはここでは言いませんけどね。やっぱり自分たちの本音のことを書けるような状況でアンケート調査をしてほしいというのが希望されてました。そして、実際に何回か協議するうちに、やっていただけるんじゃないかなという気がしました。  実際、自分の中で考えてみるとね、このアンケート調査というのは非常にデリケートで難しいなというふうに自分も思いました、実際やるとしたら。それで、担当課とずうっと話をしながら、実は今日の教育長の答弁が一番ええ答弁でして、私は、ぜひこれ、御苦労かと思うんですけどね、やってほしいなと。先生方は子供たちのために一生懸命頑張っておられますやん。それはやっぱり、子供たちのために集中した教育をやってほしいと、いろんな課題でそれが遮られるようなことがあってはならないと、それをやっぱり教育委員会がしっかりと守ってあげると。これが大事だと思いますので、ぜひともやっていただきたいと思うので、もしよろしければ、教育長、再度、答弁よろしくお願いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  今し方、議員からいろんなお話をお聞かせいただきました。県内には1万5,000人の教職員の方がおられます、臨時、非常勤を含めまして。その中には、小学校、中学校で働いておられる先生方、そして県立高校、県立の特別支援学校で働いておられる先生方もおられます。法律上、それぞれの服務監督の権限が県教育委員会、そして市町の教育委員会にもございます。  そういったことをまずしっかりと押さえながら、そして、何より大切なのは、先生方の本当の声がちゃんと聞けるかどうか、聞くためにどういう調査をしたらいいのかということにあろうと思います。そのために工夫をしてまいりますし、工夫を考えてまいりますが、そのためには、場合によりましては経費のかかることもございますので、その点も含めまして、検討をしていく必要があると考えております。  ただ、こうした事案につきまして、多くの県議会議員の皆様方に御心配をおかけをしております。また、県民の皆様にも御心配をおかけしておりますことをしっかりと受け止めて、アンケート調査について、しっかりと検討をしてまいりたいと考えておるところでございます。 ◆37番(清水鉄次議員) どうぞよろしくお願いします。終わります。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、37番清水鉄次議員の質問を終了いたします。  以上で発言通告のありました発言は終わりました。  この際、関連質問はありませんか。    (「なし」)  関連質問なしと認めます。  以上で質疑ならびに質問を終わります。    ──────────────── △議第98号から議第111号まで(令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか13件)ならびに請願(各常任委員会付託) ○議長(細江正人) 議第98号から議第111号までの各議案ならびに請願は、お手元に配付いたしておきました文書のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。           ──────────────────────────────                  令和2年6月定例会議議案付託表                                        令和2年7月7日(火) 〇総務・企画常任委員会  議第98号 令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳入の部 全  部    歳出の部 款2 総合企画費         款3 総務費         款11 教育費   第3条 地方債の補正  議第99号 滋賀県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部を改正する条例案  議第100号 滋賀県職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案  議第102号 滋賀県税条例の一部を改正する条例案  議第103号 滋賀県税の課税免除および不均一課税に関する条例の一部を改正する条例案  議第104号 滋賀県使用料および手数料条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例案  議第110号 令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳入の部 全  部    歳出の部 款1 議会費         款2 総合企画費         款3 総務費         款11 教育費のうち          項6 大学費   第2条 債務負担行為の補正のうち    1 追加 292 リモート接続環境再構築業務
    〇土木交通・警察・企業常任委員会  議第98号 令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款9 土木交通費         款10 警察費   第2条 債務負担行為の補正のうち    1 追加 249 道路交通調査(地域高規格道路調査検討業務)         250 補助道路整備事業(国道306号)         251 補助道路整備事業(国道367号)         252 補助道路整備事業(小浜朽木高島線)         253 補助道路整備事業(山東本巣線)         254 補助道路整備事業(栗見八日市線)         255 補助道路整備事業(水口甲南線)         256 補助道路整備事業(杉谷嶬峨線)         257 補助道路整備事業(赤野井守山線)         258 補助道路整備事業(木部野洲線)         259 補助道路整備事業(日野徳原線)         260 補助道路整備事業(八日市五個荘線)         261 補助道路整備事業(佐目敏満寺線)         262 補助道路整備事業(朝妻筑摩近江線)         263 補助道路整備事業(水谷彦根線)         264 補助道路整備事業(丁野虎姫長浜線)         265 補助道路整備事業(中河内木之本線)         266 補助道路整備事業(小荒路牧野沢線)         267 補助道路整備事業(五番領安井川線)         268 補助道路整備事業(畑勝野線)         269 補助道路整備事業(五個荘八日市線)         270 補助道路整備事業(伊部近江線)         271 補助道路整備事業(安食西八目線)         272 補助道路修繕事業(国道365号)         273 補助道路修繕事業(国道421号)         274 補助道路修繕事業(大津草津線)         275 補助道路修繕事業(甲賀土山線)         276 補助道路修繕事業(野洲甲西線)         277 補助道路修繕事業(木之本長浜線)         278 補助道路修繕事業(石部停車場線)         279 補助道路修繕事業(杉谷嶬お8峨線)         280 補助道路修繕事業(片岡栗東線)         281 補助道路修繕事業(泉日野線)         282 補助道路修繕事業(川合千田線)         283 補助道路修繕事業(鮎河猪ノ鼻線)         284 補助道路修繕事業(田代上朝宮線)         285 補助道路修繕事業(泉水口線)         286 単独道路改築事業(国道477号)         287 単独道路改築事業(小浜朽木高島線)         288 単独道路改築事業(佐生五個荘線)         289 単独道路改築事業(地域高規格道路調査検討業務)         290 補助広域河川改修事業(野洲川)         291 補助都市計画街路事業(本堅田衣川線)    2 変更 36 補助道路整備事業(国道303号)         37 補助道路整備事業(国道307号)         38 補助道路整備事業(国道421号)         39 補助道路整備事業(国道422号)         40 補助道路整備事業(国道477号)         41 補助道路整備事業(大津能登川長浜線)         42 補助道路整備事業(木津信楽線)         47 補助道路整備事業(愛知川彦根線)         56 補助道路整備事業(下笠大路井線)         58 補助道路整備事業(春日竜王線)         60 補助道路整備事業(神郷彦根線)         67 補助道路整備事業(川合千田線)         68 補助道路整備事業(木之本高月線)         73 補助道路整備事業(高島大津線)         74 補助道路整備事業(近江八幡大津線)         75 補助道路整備事業(甲賀阿山線)         77 補助道路整備事業(宇治田原大石東線)         78 補助道路修繕事業(国道303号)         80 補助道路修繕事業(国道307号)         83 補助道路修繕事業(大津能登川長浜線)         87 補助道路修繕事業(彦根八日市甲西線)         101 補助道路修繕事業(葛籠尾崎大浦線)         115 単独道路改築事業(杉本余呉線)         123 補助広域河川改修事業(真野川)         125 補助広域河川改修事業(金勝川)  議第105号 滋賀県地方警察職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案  議第106号 契約の締結につき議決を求めることについて(彦根米原線補助道路修繕工事)  議第108号 契約の変更につき議決を求めることについて(原松原線補助都市計画街路工事)  議第110号 令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款9 土木交通費         款10 警察費 〇環境・農水常任委員会  議第98号 令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款5 琵琶湖環境費         款8 農政水産業費  議第107号 契約の変更につき議決を求めることについて(草津用水2期地区常盤用水路(その1)工事)  議第110号 令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款5 琵琶湖環境費         款8 農政水産業費 〇厚生・産業常任委員会  議第98号 令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款6 健康医療福祉費  議第101号 滋賀県子育て支援対策臨時特例基金条例の一部を改正する条例案  議第109号 損害賠償請求事件の和解につき議決を求めることについて  議第110号 令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款6 健康医療福祉費
           款7 商工観光労働費   第2条 債務負担行為の補正のうち    2 変更 248 新型コロナウイルス感染症対応資金利子補給  議第111号 令和2年度滋賀県病院事業会計補正予算(第2号) 〇教育・文化スポーツ常任委員会  議第98号 令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款4 文化スポーツ費  議第110号 令和2年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款4 文化スポーツ費         款11 教育費[項6 大学費を除く]   第2条 債務負担行為の補正のうち    1 追加 293 教育情報ネットワーク運用管理業務           ──────────────────────────────                   請  願  文  書  表 △請願第3号 減らない年金で、安心できる老後のために「マクロ経済スライド」の廃止の意見書について 請 願 番 号 第3号 受 理 年 月 日 令和元年9月25日 件     名 減らない年金で、安心できる老後のために「マクロ経済スライド」の廃止の意見書について 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 黄野瀬明子 松本利寛 杉本敏隆 節木三千代 付 託 委 員 会 厚生・産業常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  厚生労働省は8月27日、公的年金の将来の財政見通しを示す5年に1回の「財政検証」を発表した。今回の「財政検証」では、経済成長が異なる6つのケースを提示したが、その全てで、モデル世帯(40年間平均的な収入で会社勤めした夫と専業主婦)の厚生年金の給付水準は、所得代替率での標準的なケースで2019年度の61.7%から28年後の2047年度には50.8% (2019年度換算で18.1万円)まで低下し、2割近く目減りする見通しが示されている。  また、基礎年金(国民年金)部分の給付水準は、経済成長と雇用の拡大が進み、所得代替率が50%以上確保されるケースでも、今後27〜28年間減り続け、所得代替率は現在の36%台から26%台に低下、給付水準は最終的に約3割程度減少し、2019年度換算で6.5万円から約4.2万円にまで下がる。  このように30年近くにわたって年金の給付水準が下がり続けるのは2004年に導入され、2015年に初めて発動されたマクロ経済スライドの仕組みそのものに原因がある。マクロ経済スライドは、年金を2040年代まで毎年下げ続け、物価が上がっても年金の実質価値を減らし続ける仕組みである。景気後退で減額できなかった分は次年度以降に何年分でも繰越合算して減額する「キャリーオーバー」という仕掛けまで導入されている。その結果、2019年度の年金は物価が1%増だというのにわずか0.1%増の改定にとどまった。賃金の 0.6%増を基準に、マクロ経済スライド0.2%減と前年度見送られた0.3%減を合わせて差し引いたためである。この7年間で物価は5.3%上がったにもかかわらず年金は0.8%も下がっている。  国民の年金不信を解消し、老後の安心をつくるには、マクロ経済スライドを直ちに廃止し、「減らない年金」にすることを求める意見書の採択を請願する。           ──────────────────────────────                   請  願  文  書  表 △請願第4号 日米貿易交渉の中止を求める請願 請 願 番 号 第4号 受 理 年 月 日 令和元年9月25日 件     名 日米貿易交渉の中止を求める請願 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 黄野瀬明子 松本利寛 杉本敏隆 節木三千代 付 託 委 員 会 環境・農水常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  「8月にはすばらしい数字が発表できるだろう」とトランプ大統領が発言していた日米交渉が参議院選挙を終えて、協議が急加速されている。  8月早々の閣僚級協議の交渉後に茂木敏充経済再生担当相は、米国側が工業製品の譲歩に前向きな姿勢を示したことを明らかにし、「頂上が見えている」と交渉が進展したとの認識を示した。月内にも再度、閣僚級協議が予定されており、相次いで日米首脳会談が開かれる可能性が高く、交渉は重大な山場を迎える。  安倍首相は参議院選挙中に「日米間に密約はない。TPP水準が最大限」と繰り返してきたが、トランプ大統領は「TPPには縛られない」「農産物、牛肉、豚肉、乳製品ですばらしい成果が発表できる」と表明している。アメリカがTPP水準を「出発点」に、これをはるかに上回る譲歩を強要することは明らかである。  TPP11が12月30日に、日欧EPAが2月1日に発効して以来、豚肉、乳製品を初めとする農産物の輸入が急増している。この上、アメリカとも自由貿易協定が締結されれば、日本農業は壊滅的な打撃を受け、滋賀県農業も壊滅的な打撃を受けることは必須である。  農水省が2010年11月に行ったTPP影響試算では、食料自給率が39%から 14%に落ち込み、米生産は90%減、牛肉・豚肉の生産は70%減、小麦・砂糖生産は壊滅し、農業生産額は半分になるとした。この悪夢の試算が現実のものになりかねない。県内農業関係者や消費者、県民の不安は募るばかりである。国民を欺き続け、アメリカ言いなりに日本の農畜産物に甚大な被害を及ぼす日米貿易交渉は直ちに中止すべきである。  以上の趣旨から、地方自治法第99条の規定により、下記の事項を実現するために政府および関係機関に意見書を提出することを請願する。 【請願項目】 1.日米貿易交渉を中止すること。           ──────────────────────────────                   請  願  文  書  表 △請願第5号 看護職員確保についての請願 請 願 番 号 第5号 受 理 年 月 日 令和元年9月26日 件     名 看護職員確保についての請願 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 黄野瀬明子 松本利寛 杉本敏隆 節木三千代 付 託 委 員 会 厚生・産業常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  現在、各都道府県では、国の「医療従事者の需給に関する検討会・看護職員需給分科会」の看護職員需給推計に関する「報告書」取りまとめに向け、国から配布された推計ツールにより、都道府県ごとの推計作業が行われているものと拝察する。同分科会に示された資料によれば、今年度末には都道府県推計の集約が行われ、6月には報告書が取りまとめられる予定とされている。  この看護職員需給推計は、地域医療構想との整合性と医師需給推計の方法を踏まえながら、直近のデータを用いて行うとされている。  しかし、病床機能報告の4つの機能ごとの病床当たり看護職員数は、地域や職場の看護師不足や需給バランスの現状を反映して、同じ機能でも都道府県間で大きな差があるのが実態である。  そもそも、病床機能報告と地域医療構想の4つの機能は同じ呼称でも“似て非なるもの”で、急性期の場合、病床機能報告では、7対1病棟の基準該当患者は3〜4割で経過観察や回復期等の患者が6〜7割を占める一方、地域医療構想の急性期は「医療資源投入量600点以上」の100%急性期の患者が想定されている。つまりこの推計方法は、「一病棟に急性期患者100%」という将来の急性期医療需要に対し、現在の「一病棟に急性期患者3〜4割」に対応している人員を想定するものである。滋賀では、慢性的な看護師不足が持続しており、厚労省が提唱している年次有給休暇の取得にはほど遠い現実、育児短時間制度を活用しても、時間外労働をせざるを得ない看護師が、育短活用者の半数以上を占める実態もある。これでは将来、極度の労働の過密化や残業時間の大幅増等が懸念され「看護崩壊」すら危惧せざるを得ない。  さらに、地域医療構想の医療需要には、「お金がなくて医療にかかれない」「必要な医療が身近で受けられない」といった住民の医療ニーズは一切反映されておらず、その点でも、医療・看護を必要とする住民のニーズに十分寄り添うものとならない可能性がある。  以上の点を踏まえ、下記のとおり要請する。             記 1.看護師需給推計にあたっては、地域医療構想との整合性を前提とせず、滋賀の実態に合った需給計画策定されたい。 2.日本医労連の看護師必要数も参考にし、第6次看護職員需給見通しで示された労働条件改善項目を算定の際の条件とすること。           ──────────────────────────────    ──────────────── △陳情についての報告 ○議長(細江正人) なお、陳情については、お手元に配付いたしておきました一覧表のとおりであります。           ──────────────────────────────                   陳  情  一  覧  表 △陳情第1号 違法契約10億円に関する住民監査請求について 陳 情 番 号 1 受 理 年 月 日 令和2年6月29日 件     名 違法契約10億円に関する住民監査請求について 提  出  者 (略) 要     旨  滋賀県監査委員に対し、(略)が提出した滋賀県職員措置請求書(令和2年6月24日収受分)について、適正な監査を行うこと、また、(略)が予定する住民訴訟提起妨害を行わないよう求めることを陳情する。 理由  県営住宅指定管理者は、当該住民監査請求に記載のとおり、その管理業務に関して多数の悪質かつ重大な不法行為を行い、滋賀県の住宅行政を混乱に陥れてきた。  また、指定期間5年間に約10億円もの高額の管理料を支払うにも関わらず、指定管理業務に関する入札応募者が前々期、前期の県営住宅指定管理者だけであったことにより、滋賀県知事が故意または重大な過失に基づき、職務上の権限を濫用して当該指定管理業務に関する入札応募者募集を懈怠したことは明らかである。  上記の事情があるにもかかわらず、指定管理者選定委員会における選定結果概要に基づいて行った、管理業務に関する契約は、政・官・業の癒着を正すべき官製談合防止法等に反するものであり、違法・無効である。  よって、趣旨の履行を陳情する。 送 付 委 員 会 総務・企画常任委員会           ──────────────────────────────    ──────────────── △休会の議決 ○議長(細江正人) お諮りいたします。  明8日から15日までは、委員会審査等のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ────────────────
    ○議長(細江正人) 来る16日は、定刻より本会議を開き、付託案件に対する各常任委員長の報告を求めます。  本日はこれをもって散会いたします。   午後3時11分 散会    ────────────────...