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令和 元年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月10日-05号

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  1. 滋賀県議会 2019-12-10
    令和 元年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月10日-05号


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    令和 元年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月10日-05号令和 元年11月定例会議(第16号〜第22号)                 令和元年11月定例会議会議録(第20号)                                        令和元年12月10日(火曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第5号                                         令和元年12月10日(火)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第196号から議第210号まで(令和元年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか14件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(44名)    1番   井  狩  辰  也       2番   本  田  秀  樹    3番   柴  田  清  行       4番   重  田     剛    5番   白  井  幸  則       6番   清  水  ひ と み    7番   村  上  元  庸       8番   河  井  昭  成    9番   佐  口  佳  恵       10番   小  川  泰  江
       11番   黄 野 瀬  明  子       12番   松  本  利  寛    13番   杉  本  敏  隆       14番   田  中  松 太 郎    15番   角  田  航  也       16番   塚  本  茂  樹    17番   山  本     正       18番   大  橋  通  伸    19番   駒  井  千  代       20番   中  村  才 次 郎    21番   桑  野     仁       22番   周  防  清  二    23番   海  東  英  和       24番   加  藤  誠  一    25番   竹  村     健       26番   佐  藤  健  司    27番   目  片  信  悟       28番   有  村  國  俊    29番   大  野  和 三 郎       30番   岩  佐  弘  明    31番   富  田  博  明       32番   細  江  正  人    33番   生  田  邦  夫       34番   川  島  隆  二    35番   奥  村  芳  正       36番   木  沢  成  人    37番   清  水  鉄  次       38番   冨  波  義  明    39番   江  畑  弥 八 郎       40番   成  田  政  隆    41番   九  里     学       43番   今  江  政  彦    44番   中  沢  啓  子       45番   節  木  三 千 代            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               選挙管理委員会委員長代理    大  井     豊               人事委員会委員長代理      曾  根     寛               公安委員会委員長        北  村  嘉  英               代表監査委員          藤  本  武  司               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             由  布  和 嘉 子               知事公室長           水  上  敏  彦               総合企画部長          廣  脇  正  機               総務部長            江  島  宏  治               文化スポーツ部長        中  嶋     実               琵琶湖環境部長         石  河  康  久               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        森  中  高  史               農政水産部長          西  川  忠  雄               土木交通部長          川  浦  雅  彦               会計管理者           青  木  幸  一               企業庁長            桂  田  俊  夫               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            廣  瀬  年  昭               議事課長            山  本  昌  男               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(生田邦夫) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(生田邦夫) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  選挙管理委員会世古正委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として大井豊委員が、また、人事委員会西原節子委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として曾根寛委員が、それぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(生田邦夫) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第196号から議第210号まで(令和元年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか14件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(生田邦夫) 日程第1、議第196号から議第210号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、17番山本正議員の発言を許します。 ◆17番(山本正議員) (登壇、拍手)おはようございます。山本でございます。ちょっと声の調子がおかしくて、お聞き苦しいところがあるかと思いますが、どうぞ御容赦ください。  それでは、通告に従いまして、質問のほうを始めます。  今秋相次いで発生した台風15号、台風19号は、我々の想像を超えた被害を各地にもたらし、改めて自然の猛威を痛感したところです。改めて被災者に被災地に心を寄せ、これらの災害によってお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げ、一日も早い御回復と復旧をお祈りいたします。  私たちが今後向き合っていかなければならないものに、その一つに、地球温暖化による地球規模での気候変動が叫ばれて久しくなりますが、いよいよ実感する事態が急激にふえてまいりました。  県内では、昨年の台風21号によって過去最大の瞬間風速を記録するなど、近年は全国各地において風速や降雨量の過去の記録を上回る数値が更新されています。想定を超えるという言葉が毎年のように使われています。  滋賀県におきましても、防災対策、減災プランに着実に取り組んでいただいておりますが、今回の暴風による大規模停電や記録的な大雨による広範囲の洪水被害などに対して、今後どのように対応していくのか、質問させていただきます。  まず、風害対策についてですが、千葉県を中心に襲来した台風15号では、最大瞬間風速で57.5メートル毎秒を記録しました。被害は県下全域に及び、中でも電柱や高圧鉄塔については約2,000本が倒壊し、大規模停電を引き起こしています。その復旧には直後に予測された約2週間をはるかに上回る長期間に及び、深刻な被害をもたらしています。  また、暴風による民家の被害としては1万棟を超える建物で屋根がはぎ取られ、一面ブルーシートに覆われた家々の映像や、ゴルフ練習場のネットを支える巨大な支柱が倒れて、隣の民家数軒を直撃した映像がありました。押しつぶされ、そしてひしゃげた建物を見るにつけ、巨大な鉄柱というこの構造物に恐怖を覚えました。  原則として、電柱は電力事業法によって風速40メートル毎秒に耐え得る強度が確保されていると言います。建物については、建築基準法によって地域別に定められ、千葉県では風速38メートル毎秒に耐え得ることとなっています。  今回の台風15号では、恐らく千葉県の県下全域で最大瞬間風速に近い強風が吹き荒れたということ、そして気候変動によってますます台風は大型化し、全国のどこに来てもおかしくないということ、災害が少ないと言われたこの滋賀県に来てもおかしくないということです。  建築基準法における構造規定は国が定めているとはいえ、災害が激甚化している中、不安を抱く県民のために、建築物の構造設計に用いる基準風速や、ゴルフ練習場の鉄塔のように、その構造規定の見直しについて県としてできることはないのか、土木交通部長に見解をお伺いします。 ○議長(生田邦夫) 17番山本正議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) (登壇)お答えします。  建築物の構造設計に用いる基準風速は、過去の台風の観測記録等に基づき、国土交通大臣により地域ごとに定められており、滋賀県におきましては、秒速32メートルの区域と34メートルの区域があります。  現在の基準風速は平成12年5月に定められたものであることから、今回の台風による被害の原因等を検証し、適正な見直しが行われるように、国に働きかけてまいりたいと考えておるところでございます。  また、ゴルフ練習場の鉄塔の構造規定につきましては国が定めているものであり、現在、国において倒壊原因の検証が進められていることから、必要に応じて見直しがなされるものと考えているところでございます。  県といたしましては、例えばゴルフ練習場のネットから鉄塔にかかる風圧の取り扱いについては、建築確認を所管する自治体の判断に委ねられておりますことから、国の検証結果を踏まえ、その基準について検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆17番(山本正議員) (登壇)御答弁ありがとうございます。ぜひその働きかけよろしくお願いいたします。住民にとりまして不安がやっぱりあります。それをいかに解消し、安心に変えていくのかというところが大事ですので、また、その結果等につきましても、安心できるように何らかの御配慮をよろしくお願いいたします。  倒壊した電柱による停電につきましては、電力事業法によって事業者以外が手を出せないということから、復旧に多くの時間を要しました。そのために、全国各地の電力事業者の方々から、延べ8,000人の方が応援に来たということです。一刻も早い復旧のためには、自治体と電力事業者や通信事業者がスムーズにその復旧作業に取り組める何らかの仕組みづくりがさらに必要であると思われます。迅速な復旧のために、電力事業者や通信事業者との事前協定などによってこの大規模停電対策を行うことについて、知事のお考えを伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  昨年の台風21号を受けて、県と電力事業者などがばらばらで対応していてはライフラインの早期復旧につながらないとの教訓を得ましたことから、県と関西電力との間で、専用回線の設置や関西電力が情報連絡員を派遣することなどにより、連絡連携体制を強化してまいりました。  また、ことしの台風19号の教訓を踏まえ、より一層の迅速な復旧対策の必要性を感じましたことから、改めて電力事業者と意見交換を行ってきたところでございます。年内にも県、市町、電力事業者、通信事業者等によるライフライン保全のための対策会議を新たに設置することとしております。  電力事業者、通信事業者との協定につきましては、現在、関西広域連合において、関西電力やNTT西日本と包括的な協定締結に向け、検討、協議を進めているところでございます。  今後、この包括協定の検討状況を踏まえ、より一層、電力、また通信事業者等との連携協力を強化するため、本県としても、協定の締結に向け検討を進めてまいりたいと存じます。 ◆17番(山本正議員) (登壇)ありがとうございます。  電気は今や生活になくてはならないライフラインの本当に、今までは水はライフラインだからといって滞納があってもとまらないとかいうこともあったんですが、電気もひょっとしたらそれ以上に重要なんじゃないかなというぐらいのことが感じます。  それと、この命にかかわるという大きな影響を及ぼすということですが、今回、改めてですが、電力事業者の皆さん、そして通信事業者の皆さんが担っておられるその使命というものが本当に大きなものである、だからこそ、自治体としてもこういったときこそ最大限の協力をしながら、何らかの県民にとりまして万全の体制ということでお願いしたいと思います。それも早い時期で、来期の洪水期までにということができればお願いしたいところです。  それでは、次に、台風19号による想定を超えた豪雨災害について伺います。  温暖化の影響によって大型化した台風19号による被害は、11月中旬の集計で、13都県で死亡、行方不明を合わせて90人を超えています。また、河川の堤防決壊でいえば、7県にわたる71河川140カ所、越水に至っては16県285カ所にも上りました。これによってとうとい命が奪われただけでなく、浸水被害を受けた家屋は床下・床上浸水合わせて7万棟に及び、かつてない規模となりました。  台風19号は数日前から、かつてない大型の台風であり注意が必要と繰り返し報道されていました。そして発災直後、想像を絶する被害を報道で目の当たりにすることとなりました。今後も続くであろう台風の大型化、そして進路の変化、同時広範囲に及ぶ被害、越水や堤防決壊の多さ、ダムの緊急放流などに対応していくためには、滋賀県の災害対策をこうした災害の激甚化に対応させる抜本的な見直しが必要であると考えます。  昨年の西日本豪雨での浸水被害では、岡山県真備地区において多くの方が亡くなっておられ、そのほとんどは自宅でお亡くなりになっています。浸水深は2メートル、3メートル、深いところでは5メートルを超えるところもあり、2階建ての住宅での垂直避難さえもできずに溺死されています。しかし、これらの浸水深はハザードマップに載っていた想定浸水深とほぼ同じくらいであり、あらかじめの避難行動に結びつかなかったことが残念でなりません。  今回の台風19号においても、あらかじめ想定浸水深などを知っていて適切な避難行動がとれていれば、助かった命が多くあったと言われています。悲しいことに、昨年の西日本豪雨の悲劇が、ことしも関東甲信越、東北の各地で繰り返されてしまいました。  滋賀県には、先駆的な流域治水条例によって、内水氾濫なども考慮された、より精度の高い地先の安全度マップがつくられています。ハード、ソフト両面からの防災対策が重要であることは当たり前のことですが、その効果の発現がより早いのはソフト面です。  台風19号の教訓として、来期の台風シーズン、洪水期までに一刻も早くあらゆる手段を尽くして、この地先の安全度マップ、そしてハザードマップの効果的な周知啓発を行うことが必要であると考えますが、知事の考えを伺います。 ◎知事(三日月大造) 地先の安全度マップですとか市町が作成するハザードマップを広く県民にごらんいただけるよう、県のホームページのトップページから閲覧できるようにしておりますほか、自治会、学校、消防関係者などを対象にマップを用いた出前講座を行い、周知啓発に努めているところでございます。  今後は、来年の出水期までの効果的な時期に、ホームページへのトピックスの掲載、マスコミを通じた情報提供、ネットメディアを活用した出前講座の動画配信など、さまざまな手段を用いて効果的な周知啓発に取り組んでまいりたいと存じます。  ちなみに、来週には災害広報の検証を行ったり、どのような効果的な報道のあり方がいいのかという、そういうシンポジウムを開催することにもしております。  特に、浸水リスクの著しい50の地区につきましては、個別に地先の安全度マップを用いて水害リスク情報を説明することとしており、昨年度までに40地区で説明を終え、今年度内には全ての地区で完了する予定であります。引き続き、こういった周知啓発に努めてまいりたいと存じます。 ◆17番(山本正議員) (登壇)ありがとうございます。
     ここで言う周知啓発、140万人の県民がみずから、その地先の安全度マップハザードマップにその情報を取りに行くという行動に出られる、そういった周知啓発をぜひお願いできたらと思います。  そして、重点地区50地区ということで計画していただいて、非常に危ないところがまず優先ですので当然のことなんですが、それ以外にも、仮に重点地区でない、その付近であったり、あるいは全然違うところで、高さが低くても、おぼれるようなことがなくても、その浸水深で用水路に落ちたり、無理した外出で亡くなってしまう、あるいは避難行動に出て車ごとどこかに行ってしまうというようなことが今回も見られましたので、そういったこともまた念頭に置いていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  そして、滋賀県のこの地先の安全度マップなんですが、流域治水条例、全国に先駆けるものです。川の中の対策であるハード対策だけでなくて、同時に、どんなときにも県民の命を守るとしたもので、全国に誇るべき条例であると考えます。また同時に、数年前、この条例制定に当たりましては本当にさまざまな議論が積み重ねられました。そのことも議員として誇らしい限りであります。  きのうの質問の中で、川島議員がこの流域治水条例に対して、信頼の途上にあるという表現をされました。これからも河川整備に力を入れていきたいとも言われました。知事は、「条例を進めていくことが重要、安心な地域を一緒に考えていきたい。そしてまた、根底からの信頼関係と議論の積み重ねが必要である」と昨日申されました。私も全く同じ同じ気持ちです。今後も続くであろうこの想像を絶する豪雨による大きな災害に対しては、これからも着実に河川整備を進めていくこと、同時に、流域治水条例に基づく施策をしっかりと進めることの両方が重要であると思います。  昨日の川島議員の言葉の中に、河川整備をしっかりと進めることが住民の皆さんの不安を払拭するとありました。そのとおりだと思います。しかし、これももちろんしっかりと進めていきたいというのは我々も同じ気持ちです。しかし、予算に限りがあり、全てのこの整備の着手をするにはまだまだ何十年も要すること、その点では地先の安全度マップの周知などはすぐに効果が出てくる、だからこそ、このハード、ソフト両面の対策を同時に進めていくことが重要であると思います。  ちょっとくどくなってしまいましたが、このことについて、ふだん川島議員とは関西広域連合で途中のバスの中でよくこういう話をします。非常に意思、お互いが持っている考え方を話し合ってやっておりますが、こういったことをこの議場で昨日そしてきょうと、河川整備も重要だしソフト対策も重要だと、このことこそが滋賀県の全国に誇るべきところではないかなと思います。このことにつきまして、知事の御見解がありましたら、よろしくお願いします。 ◎知事(三日月大造) 議員のおっしゃったことに異論ございません。当然、川の中の対策、ハード対策、これは大変重要です。とても重要です。県民の皆様の命と暮らしを見ていかなければならない知事として、行政当局として、持てるものは全て持たしていただいて、いつ起こるかわからない、必ず来る、そして想定外が毎年来るような、こういった自然災害に備えていくということだと思っています。  ただ、議員もおっしゃったように、ハード整備には時間もかかれば費用もかかる。つくろうと言ってからすぐに効果が発現できる状態にならない面もございます。したがって、ソフト対策も組み合わせて、また、計画を超えてあふれる場合も想定しながら、どうとどめるのか、また、どう逃げるのか、どうそういったもの、例え越えてきたとしても命を失わずに済むのかという、こういう対策と組み合わせて行っていくことが肝要だと思います。  その意味において、流域治水条例に基づく施策を着実に積み重ねていく、また広げていく、県民の皆様方に御理解いただく、こういったことが重要だと思いますので、今後ともしっかりと進めていきたいと思います。 ◆17番(山本正議員) (登壇)すいません、ちょっと脱線してしまいました。  それでは、水道施設の浸水対策や停電対策はライフラインにかかわる重要なものです。今回の台風や豪雨によって長期にわたる断水がありました。断水は飲料水だけでなく、例えば腎臓透析に使う水など、命に直結する重大な影響を及ぼすものでもあります。全国では約8割の水道施設においてこの対策ができていないとなっていますが、企業庁の水道施設における電源確保のための浸水対策について、企業庁長に伺います。 ◎企業庁長(桂田俊夫) (登壇)お答えいたします。  ことし10月の台風19号では、関東や東北の複数の浄水場が浸水し、設備が故障したことにより、長期にわたり広範囲で断水が発生した事例もあったと認識しております。  企業庁におきましては、昨年7月の西日本豪雨による岡山県や広島県の水道施設の浸水被害の状況から、当庁の施設のうち、浸水が想定される吉川、馬渕、水口の3浄水場やポンプ場等の施設につきまして、従来から進めてまいりました耐震化対策に加え、今年度から新たに浸水対策に取り組んでいるところです。  具体的には、現在整備を進めております吉川浄水場の新たな浄水施設について敷地のかさ上げを行いますほか、既存の施設につきましては、地先の安全度マップ浸水想定区域図をもとに、浸水が想定される箇所の扉やシャッターを防水タイプへ交換するなど、建物内部への浸水を防ぐ対策を来年度から順次進めてまいりたいと考えております。 ◆17番(山本正議員) (登壇)ただいまは浸水対策でしたが、前述の台風15号での大規模停電時のような場合において、企業庁の水道施設における電源確保のための停電対策についてはどうなっているのか、企業庁長の考えをお伺いします。 ◎企業庁長(桂田俊夫) お答えいたします。  企業庁の水道施設のうち、主要な施設には非常用発電設備を整備しており、停電時におきましても10時間程度の給水が可能な燃料を備蓄しております。また、小規模な施設については、可搬式の発電機により対応することとしております。  燃料の供給につきましては、県と石油連盟や滋賀県石油商業組合が締結しております災害時の電力供給に係る協定や覚書の対象施設に企業庁施設が位置づけられておりまして、災害時の燃料確保を図っているところでございます。  今後は、近年の災害状況等を踏まえまして、非常用発電設備の運転可能時間の長時間化や、災害時でも入手しやすい軽油や灯油を燃料とする設備への更新など、対策の強化に努めてまいりたいと考えております。 ◆17番(山本正議員) (登壇)ありがとうございます。  企業庁は8市2町に供給されていると思いますが、市町のことはまた別のことになりますけども、やはり県民として、その安心という観点からちょっとお伺いしたいんですが、県下全域の市町の水道施設においても、当然にこの2つの対策が重要なことになってくるかと思います。企業庁として、より高度な技術と知見を要するその立場から、平素から浸水対策や停電対策など、災害対策に関して市町と情報共有あるいは意見交換の場としての、そういった県の支援が必要ではないかと考えますが、企業庁長の見解を伺います。 ◎企業庁長(桂田俊夫) お答えいたします。  企業庁と当庁から用水を受水している8市2町におきましては、日ごろから協議会等の場を通じまして密接に情報共有等を行っておりますほか、当庁が行います研修会へ受水市町にも参加いただいたり、災害や事故対応の訓練も合同で実施しているところです。  また、県の全ての水道事業体で構成されている滋賀県水道協会が行う研修会におきまして、企業庁職員が講師役を努めるなど積極的に参加しまして、県全体の水道職員の能力向上、災害対応能力の向上に連携して取り組んでいるところでございます。  今後も引き続き、ライフラインの管理者として、市町とともに、県民の安心、安全の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆17番(山本正議員) (登壇)ありがとうございました。  次に、ダムの緊急放流について伺います。  昨年7月の西日本豪雨では、8つのダムにおいて洪水調節容量を使い切る見込みとなり、ダムへの流入量と同程度の放流を行う異常洪水時防災操作、いわゆる緊急放流が行われました。そのうちの愛媛県の2つのダムの下流域では、その後に8人の犠牲者が出ています。  西日本豪雨時のダムの緊急放流を受けて、国交省に設置された異常豪雨の頻発化に備えたダムの洪水調節機能に関する検討会から、事前放流によって多くの容量確保や、平常時からのリスク情報の提供をすることなどが提言として昨年報告されています。  しかし、今回の台風19号において緊急放流された6つのダムでは、いずれも事前放流はされていませんでした。また、ダムの操作における住民へのリスク情報の提供もなかったということです。平常時からのダム操作におけるリスク情報の認識を共有するために、ダム下流域における浸水想定図の作成ならびにリスク情報の啓発、活用について、知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  ダム下流域における浸水想定図の作成ならびにリスク情報の啓発、活用を図ることは、異常洪水時防災操作を要するような洪水時に、円滑かつ迅速な避難の確保を図る上で重要なことであると考えます。  このため、県内のダム下流河川における浸水想定図の作成に取り組むことといたしまして、未作成区間のございます4つのダムのうち、まずは石田川ダム下流において、測量や流下能力を検討する基礎調査に着手したところでございまして、来年度から順次、浸水想定図の作成を進めてまいります。  また、ダム操作に関する住民への説明やダム操作をシナリオに組み込んだ避難訓練など、今後、関係市町等とも連携しながら、ダム下流域のそれぞれの地域にふさわしい取り組みを検討し、リスク情報の効果的な啓発、活用に努めてまいります。 ◆17番(山本正議員) (登壇)ありがとうございます。ダム下流域における浸水想定図の作成ということでした。  先ほどから、想定を超える災害、何度も申していますとおり、これは滋賀県でいつ何どき起こってもおかしくない。このダムの緊急放流につきましても可能性はあることです。早急にこういった対応もよろしくお願いいたします。  次に、避難所の改善についてお伺いします。  今回の被災地における避難所においての生活環境は、緊急事態とはいえ、長期に及ぶ中で日常生活とは大きな違いがありました。日本は欧米に比して避難所後進国と言われることがあります。  実際に、トイレの数は被災者の数に比して少ない場合があり、また、和式しかないところでは、高齢者や障害のある方にとっては大変厳しい状況にある場合が多いと言われています。食事は既製の非常食やおにぎりが中心となり、また、冷たく固い床に直接寝るざこ寝がほとんどであります。一つの空間に大勢が避難される場合、ざこ寝の場合は動くことが容易でなかったり、人の行き来で、ほこりや振動にも悩まされたりするそうです。  その結果、ふだんには見られない血栓症や感染症など、二次的な健康被害や精神的な疲弊をもたらしているところが多くあると言われています。何十年も前から、この光景は多くのところで進歩していません。  先進諸国の避難所にならって、避難所・避難生活学会というところが、TKBの迅速な供給を行うことを提言しています。TKBというのは、トイレ、キッチン、ベッドの略で、十分なトイレ設備、そして温かい食事の提供、ざこ寝ではなく必ずベッドということを指します。そして、発災から3日以内にこのTKBをそろえることとなっています。  日本でも、この避難所運営ガイドラインを内閣府が策定して避難所の改善を進めようとしておりますが、発災直後におけるTKBなど、県下の避難所のあり方について、知事の考えをお伺いします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  避難所におきましては、健康状態の悪化、災害関連死など災害に起因する二次被害を防ぐことが重要でありますことから、発災後、速やかに国のガイドラインに沿って、議員御紹介のTKBを含め、良好な生活環境を確保する取り組みを進めることが必要でございます。  今般の台風19号により被災した宮城県丸森町の避難所に当県の保健師チームを派遣いたしましたところ、避難所で提供される食事に偏りがあること、簡易なトイレしか用意されていない等の状況があったと報告を聞いており、改めてその必要性を認識しているところでございます。  TKBの備えについて申し上げれば、避難所の設置者であります市町において、国のガイドライン等に基づき、洋式、車椅子対応のトイレの備蓄、温かい食事の確保に向けた炊き出し訓練の実施、簡易ベッドの備蓄や事業者との応援協定の締結などが進められているところです。  また、県におきましては、発災時に市町が設置する避難所で活用できるよう、段ボールベッドの供給やキッチンカーによる食事の提供について、関係事業者と応援協定を締結しているところです。  さらに、これまでから、避難所におきましては女性用トイレや更衣室が不足するなど、女性への配慮が足りなかったことも大きな課題の一つとして報告されており、今年度、県においても女性の参画による防災力向上検討懇話会を設置いたしまして、女性の視点から防災対策の見直しを進めているところでございます。こういった取り組みを着実に進めていきたいと存じます。 ◆17番(山本正議員) (登壇)ありがとうございます。  ガイドラインに示されているとはいえ、避難所は常時設置されているものではないことから、その内容について、現実的には住民や関係者に認識されているとは言いがたいと思います。この内閣府による避難所運営ガイドラインに沿った避難所の運営、およびさらなる改善を県が支援していくことについて、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  現在、各市町において、国のガイドラインに沿った避難所運営ができるよう取り組みを進めていただいているところでございますが、県といたしましても、その取り組みの支援に努めてまいります。  具体的には、国のガイドラインに沿った取り組みが確実に実行されるよう、市町職員を対象とした研修会の充実を図るとともに、より質の高い避難所運営がなされるよう、自主防災組織などを対象とした研修や訓練の支援を行ってまいります。  また、今回、TKBに関する市町の備えについて問い合わせをいたしましたところ、市町によって確保状況に差がありましたことから、市町の補完が図れるよう、県での備蓄物資を見直してまいる予定でございます。  こうした取り組みを通じ、例え災害が起こり避難を余儀なくされても、県民の皆さんに可能な限り良好な生活環境を提供できるよう、市町とともに取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◆17番(山本正議員) (登壇)ありがとうございました。  県が市町に13のチェックリスト、これはガイドラインがもとになっていると思いますが、それを配付されております。しかし、本来ならばそれをもとに研修等の県の支援が必要ではないかとも思いますので、今回、女性の参画、そしてその視点を反映した避難所づくりということでお聞きしましたが、ぜひ、これからも県民が安心できるこの避難所、エコノミー症候群や感染症にならない、そういった避難所をぜひよろしくお願いしたいと思います。  それでは、次の項目に行かせてもらいます。  滋賀県における高校の不登校について、全て教育長にお伺いします。  我が会派の小川議員の代表質問におきまして、文部科学省から出ている児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果から見て、滋賀県の高校の不登校率が全国平均に比べて大変高いことを指摘させていただいております。  一般的に、不登校は小学校や中学校のことが中心でありますが、代表質問の答弁で、知事が「高校の不登校は将来の社会的自立の妨げになる可能性があり、誰一人取り残さない社会の実現のために積極的に取り組むべき課題である」と答弁されましたように、高校においても不登校は見過ごせない課題であると考えます。  教育大綱に定める、社会全体で支え合い、子どもたち一人ひとりの個性を伸ばし、生きる力を育む滋賀の教育の実現のためにも、いま一度、この高校の不登校の問題について伺いたいと思います。  まず、調査結果からわかる高校の不登校の現状について、再度、確認のために何点かお伺いしたいと思います。  私学も含めた滋賀県の高校の不登校生徒数および1,000人当たりの不登校生徒数の推移をお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えします。  私学を含めました本県の高等学校における過去5年間の不登校の推移について見てみますと、平成26年度から平成28年度にかけては、不登校生徒数と1,000人当たりの不登校生徒数はともに減少傾向にございましたが、平成29年度の不登校生徒数は1,135人、1,000人当たりの不登校生徒数は28.5人となり、大きく増加したところでございます。  平成30年度の不登校生徒数は948人、1,000人当たりの不登校生徒数は24.0人となり、減少したものの、依然として高どまりの状況が続いておるところでございます。 ◆17番(山本正議員) (登壇)次に、滋賀県のこの高校の不登校が他府県と比較してどういう状態なのか、お伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えします。  私学を含めました本県の高等学校における平成30年度の1,000人当たりの不登校生徒数は、先ほど御答弁しましたように24.0人でございまして、全国平均が16.3人でございますので、これに比べて多い状況でございます。過去5年間で比較しても、多い状況にあると認識をいたしております。 ◆17番(山本正議員) (登壇)(資料掲示)初めてなんでなれませんが、この表をちょっと見ていただきたいと思います。  これは文部科学省が公開している平成29年度の不登校児童生徒数を各県ごとに示したものであります。1,000人当たりの不登校生徒数の欄を見ていただきますと、まず中学校では、滋賀県は29.9人、全国平均は32.5人で、他県との比較では、例えばその上の段の三重県では32人となっています。つまり、中学校では他県とほぼ同じであるということです。  次に、高校の1,000人当たりの人数を見ていただきますと、全国平均では15.1人、三重県も13.8人と中学よりかなり低くなっているのに比べて、滋賀県では28.5人と高どまりしており、高校になると滋賀県ならではの特徴が見られます。  次に、この滋賀県の調査結果におきまして、高校の不登校の要因はどのようになっているのか、お伺いいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えします。  平成30年度の調査によりますと、県立高等学校における不登校の要因としては、本人に係る要因では、全日制、定時制ともに、「無気力の傾向がある」の割合が最も多くなっております。また、学校、家庭に係る要因としましては、全日制では、「入学、転編入学、進級時の不適応」や「学業の不振」、定時制では、「家庭に係る状況」や「入学、転編入学、進級時の不適応」が上位を占めているところでございます。 ◆17番(山本正議員) (登壇)(資料掲示)もう一枚のこの表ですが、これは滋賀県の公立高校の全日制の不登校の要因についての調査結果です。この中のこのカテゴライズですね、分類のほうですが、どのように判断されているのか伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えします。  不登校の要因につきましては、担任や教育相談担当教員など当該生徒の状況を最も把握することができる教員が中心となり、生徒や保護者の思いも踏まえまして、スクールカウンセラー等の専門家の見立ても入れながら、組織的に判断して分類しているところでございます。 ◆17番(山本正議員) (登壇)ここまで、滋賀県のこの高校の不登校の現状について、調査データに基づいて確認させていただきました。全国的にも高い状態が何年にもわたり続いており、県として取り組むべき課題であるという認識は共有できたかと思います。  それでは、次に、不登校への対応について伺いたいと思います。  代表質問での答弁で、学年別では1年生が最も多いとありました。また、先ほど説明いたしました要因に、学業不振あるいは入学時等の不適応が高い割合を占めていることを考えますと、中学から高校に進学する際に何らかの課題があるのではないかと考えられますが、見解をお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えします。  各中学校におきましては、一人一人の生徒や保護者と十分に話をして、その思いに寄り添いながら、生徒が主体的に進路選択ができるよう指導しているものと考えております。  また、各高等学校におきましては、中学生の体験入学を実施したりホームページで学校を紹介したりして、中学生の進路選択に必要な情報を提供するよう努めております。  しかしながら、議員の御指摘のとおり、本県の不登校要因といたしまして、入学時等の不適応、また、学業不振の割合が多いことが課題であると認識をいたしております。  県教育委員会といたしましては、小学校から高等学校までの学習状況やキャリア形成に係る自分自身の変容や成長を記録していくキャリア・パスポートの取り組みを来年度から実施していく予定でございます。  こういった取り組みを活用し、教員と児童生徒が対話的にかかわることで一人一人の思いに寄り添った、そういった進路指導を一層充実させていきたいと考えております。 ◆17番(山本正議員) (登壇)それでは、中途退学との関係について伺いたいと思います。  本県の高校の中途退学率は、先ほど例として出させていただきました平成29年度で1.2%でありまして、全国平均の1.3%とほとんど変わりません。代表質問の答弁では、「不登校から中途退学を生み出さない、丁寧な指導を続けている」とありましたが、具体的にどのような対応をされているのか伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えします。  各県立高等学校におきまして、不登校になった生徒の話をまずは十分聞いて、その生徒一人一人の思いに寄り添いながら、生徒個々の状況に応じて、学校全体でできる限りの指導、支援を行っております。  特に、不登校となっておりますが、進級、また卒業を望む生徒に対しましては、例えば別室での登校や補充学習、また、課題提出等を科目の履修、修得の一助とするなど、中途退学させない指導、支援に努めているところでございます。 ◆17番(山本正議員) (登壇)そもそも不登校としてカウントされる前に、この丁寧な指導をすべきではないかとも思います。代表質問の答弁で、「一人一人に応じた未然防止のためのケース会議を行い、必要に応じて家庭訪問をしている」とありましたが、このケース会議と家庭訪問について、現状をお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えします。  各学校におきましては、不登校になる前の長期の欠席がうかがわれる生徒に対しましてケース会議を開催し、家庭訪問を行うなど、生徒一人一人に応じた支援に努めているところでございます。  しかしながら、早い段階からのケース会議や家庭訪問等の対応につきましては、まだまだ全ての県立学校で十分とは言えないというふうに認識をいたしておるところでございます。 ◆17番(山本正議員) (登壇)ただいま、ケース会議に関して早期の対応は十分ではないと答弁されましたが、今後どのように改善していこうとされているのか伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
     不登校の生徒を減らしていくために、今後、あらゆる機会を通じまして、特に入学や進級に当たります年度初めの早い段階から早期にケース会議を開催することについて、各学校に周知し、改善できるよう指導してまいりたいと考えております。 ◆17番(山本正議員) (登壇)家庭訪問に関しまして、生徒と寄り添う対応として当然に重要です。しかし、その不登校生徒の事情や悩みを把握することにおいて、不登校の理由が生徒によって千差万別であることから、何もかもが担任の先生任せでなく、欧米のようにカウンセラーを初めさまざまな人材で対応することも考えてはどうかと思いますが、教育長の見解を伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えいたします。  家庭訪問等の支援は、学校がチームを組みまして関係者が共通理解を図り、背景を見立て、生徒一人一人に対して具体的な支援の目標であるとか、あるいは学校現場において誰がどういう役割を担うのか、その役割分担を明確にして実施することが大切であると考えております。  決して担任任せとせずに、対象となる生徒にとって最も適切な支援となりますように、担任以外の先生でありますとか、あるいはスクールカウンセラー等、さまざまな人材により支援体制を強化することが重要であると認識をいたしております。 ◆17番(山本正議員) (登壇)次に、出身中学との情報共有についてお伺いします。  中学校の先生からは、教え子が知らない間に不登校になって退学してしまっていた、連絡をもらえたら何か家庭訪問などでできることがあったのではないかという声も聞かれました。また、高校によって情報提供にばらつきがあるようですが、不登校に関して、出身中学との情報共有の現状についてお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) 今、御紹介のありましたように、中学校を卒業して高校に行った子供たちにも心を配っていただいておる中学校の先生がおられるということは、大変うれしく思っております。  配慮や支援が必要となる生徒に関します出身中学校との情報共有につきましては、高等学校進学時には適切に行われているものと認識をいたしております。  高等学校進学後につきましては、必要に応じて対応に努めておりますけれども、なかなか全ての出身中学と緊密な連携を図ることは、対象となる中学校も多いこともございまして、十分に行えていない現状でございます。  また、個別の指導、支援に必要な情報共有につきましては、やはり個人情報の保護にも十分配慮する必要があると考えております。  今後、中学校と高等学校のさらなる連携、これは重要であると認識をいたしておりますので、より適切に情報共有できるような仕組みづくりを今検討しているところでございます。 ◆17番(山本正議員) (登壇)高校から問い合わせがあったら、出身中学に余計な火種をまくことを恐れて進んでないのではないかと考えられるわけです、個人情報として。どんな場合に、どんな形で、この出身中学に相談するのか。例えば欠席日数に応じてとか、あるいは問い合わせや相談の秘匿に関することであるとか、高校の不登校において、中学校と高校とのこの連携における一定のルールが必要ではないかと考えます。今、御答弁の中にそのことについて検討していきますということでしたので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、代表質問の答弁では、不登校の適切な見立てのために、必要なスクールカウンセラー等の配置、派遣に取り組むとありましたが、まず、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーについて、現場の配置、派遣状況を確認のために伺いたいと思います。 ◎教育長(福永忠克) お答えします。  まず、スクールカウンセラーにつきましては、全ての高等学校に月3回程度勤務できるよう配置をしておりまして、生徒や保護者へのカウンセリングでありますとか、ケース会議等での教職員に対する助言や支援を行っていただいているところでございます。  次に、スクールソーシャルワーカーにつきましては、こちらは学校からの要請に応じて派遣をいたしておりまして、ケース会議等に参加し、福祉機関などの関係機関との連携を図っているところでございます。 ◆17番(山本正議員) (登壇)生徒にとってはその大事なことは、こういったスクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、その機会があるのかということです。生徒の抱える事情に応じて、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーに相談できる機会が確保されているのかということです。生徒に届かなければ効果はないということを念頭に、さらなる活用を進めてもらいたいと考えますが、教育長の見解を伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えいたします。  スクールカウンセラー、またスクールソーシャルワーカーのニーズ、これは今高まっていることは十分認識をいたしております。生徒が相談できる機会、これを確保していくことが非常に重要な課題でございます。  こうしたことを踏まえまして、今後も、県立学校におけるニーズ、これをしっかりと把握し、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの適正な配置、派遣に努めていく所存でございます。 ◆17番(山本正議員) (登壇)最後に、教育委員会と福祉部局の協議についてでありますが、代表質問の答弁で、「関係機関において情報共有を進めるための課題整理を始めている」とありました。教育委員会と福祉部局との協議について、具体的な進捗状況をお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  現在、健康医療福祉部で児童虐待や子育て支援にかかわっていただいておる子ども・青少年局、また、ひきこもり対策にかかわっていただいている障害福祉課の皆さんと教育委員会で協議の場を持ちまして、個人情報に配慮するための留意点やその後の対応等、関係機関におきまして、不登校児童生徒等の情報を集めるための課題整理を始めているところでございます。 ◆17番(山本正議員) (登壇)この代表質問におきまして、教育委員会と福祉部局との協議の今後の展開について、答弁で、「今後、市町の意見を伺いながら、対象の児童生徒等の範囲や情報共有のあり方、その後の対応について、効果的な支援の仕組みができるよう検討を進める」とありました。どのようなスケジュール感で、ここに何を目指していくのか、教育長に伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  今後、市町の御意見もお伺いしながら、定期的に関係する福祉部局等と協議の場を持ちまして、年度内をめどに、効果的な支援の仕組みにつきまして具体的な方向性を決めてまいりたいと考えておるところでございます。 ◆17番(山本正議員) (登壇)不登校問題はさまざまな要因を含んでおります。学校というこの教育現場の中の不登校の児童生徒でありますが、その悩みや苦しみというものは多岐にわたり、決して教育現場の中だけで解決できるものではありません。ある種、学校という教育現場が社会の縮図でもあるかと思います。  児童虐待や発達障害などに対して、例えばですが、その早期発見や適切な対応として、福祉とのしっかりとした連携は大変重要であると考えますが、最後に教育長の見解をお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えいたします。  児童虐待、また発達障害などに対しましては、学校はやはりそれを早期に発見するように努め、子ども家庭相談センターや市町の福祉機関等の関係機関に連絡をいたしまして、連携してその対応に努めているところでございます。  議員御指摘のとおり、不登校の背景にはさまざまな要因が考えられますことから、学校現場だけで考えるのではなく、やっぱり福祉などの関係機関とより一層連携を進めまして、子供たちの学びの機会、この確保に努めていくことが大切であると考えております。 ◆17番(山本正議員) (登壇)ありがとうございました。  一番最初に、高校の不登校問題ということで、平成29年度のデータを掲示させていただきました。これ、決してこのデータがどうこうという話ではないんですが、全国の中でうちの県だけの特徴が違うということについて、どのように分析されて、そして、そのことをもってこの不登校になっている児童生徒たちにどのように寄り添った支援をしていくのか、そのことが重要であるかと思います。  さまざまな点からお伺いしましたが、今回は不登校だけに焦点を絞っておりますが、ほかにもたくさんあるかと思います。学校の教育現場の問題、これからもよろしくお願いしたいと思います。ぜひ、この分析等、ほったらかしにならないようによろしくお願いしまして、質問を終わります。(拍手) ○議長(生田邦夫) 以上で、17番山本正議員の質問を終了いたします。  次に、24番加藤誠一議員の発言を許します。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇、拍手)議長のお許しをいただきまして、一般質問をさせていただきます。また、議長の御指示ではないんですが、アイデアで、この「スカーレット」のバッジをつける。きょうはたくさんふえておりますけれども、きょう副知事も、ありがとうございます。このように視聴率が上がることを願っておりますが、私だけこんなところにつけておりまして、うれしがりかと思われますけれども、やっぱり固定観念は捨てたほうがいいと。必ずここにつけなければならないと、そういうものではないということで、あえてここにつけております。  さておきまして、今回、まち・ひと・しごと創生総合戦略の検証と改定についてということで質問させていただきますが、9月の一般質問で、私は2つありまして、少子化に対応する学校づくりについてというのと、高齢化が進む中でのこれからの河川維持管理と体制について質問をさせていただきまして、それぞれ、教育長、土木交通部長にお伺いをいたしました。  もう既に進んでおります少子高齢化そのものに当てたわけでございますけども、今回は、その少子化、高齢化への施策の検討に当たって、その方向性を示した総合戦略について、今回改定をされるということでございますので取り上げさせていただきます。  この法律、2014年──平成26年に施行されまして、御承知と思いますが、改めてその目的だけ先に御紹介をしますと、少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯どめをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を保持し確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくためというふうにされております。  本県においてもこの国の方針のもとで、人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略、これを2015年の10月に策定をして取り組んでおります。ですから、この戦略は、持続可能な滋賀をつくるために、私は極めて重要な戦略と御理解をしております。  ところが、9月の議会の我が会派の代表質問でございましたけれども、「戦略の目標達成は困難な状況にあると考えている」と知事の答弁でございました。こう言っては何ですが、いとも簡単にという印象でございました。  今議会の代表質問でも、これは移住施策に絞っての質問でございましたが、計画を上回りまして増加傾向にあると。結構なことでございますが、なぜ、では目標が達成できないのか。こういったことはやはりしっかりと検証を行った上で、現実的な次の次期戦略がスタートしていただきたいと、こんな思いでございます。  ところで、この総合戦略、県内の市町におきましても策定をされております。それぞれの市町の未来への戦略が進められ、また、それぞれの市町でまちづくりが語られておられます。  先日、先週7日の土曜日であります。大津市内で佐藤良治さんが会長を務めておられます「夢・まち・大津」の主催によります「これからの大津市を語り合う会」が開催をされまして、私も参加をさせていただきました。  会長の力強い御挨拶の後、その「夢・まち・大津」が応援をされておられる我が会派の佐藤健司議員から、まさに夢あふれるまちづくりについて、心に響く熱い思いを聞かせていただきました。ぜひとも、その目的、目標が達成されることをお祈りし、また、私たち仲間も応援をさせていただきたいと思っております。  こうした市町のまちづくり、行政対話、県と市町は別にしても、同じ地方行政を進める点で、県の進める滋賀県づくりとともに密接に関係しております。だからこそ、今回の戦略の目標がなぜ達成できないのか、しっかりと検証をしていただきたいわけであります。  そもそも現戦略は、県の基本構想の重点政策を推進するためのエンジンと位置づけられています。そのエンジンが目標を達成できないということは、必然的に基本構想もあるべき姿にはなおなっていない、こういうふうにとられてしまいます。こうしたことからも戦略ミスは許されません。  本年4月に新しい基本構想がスタートいたしました。人口減少を漠然とした危機管理意識ではなく、みずからが居住する地域でも起こり得る、あるいはもう起こっている身近な問題との認識の上に立って、ただ一方で、人口減少を悲観するというものではなく、それでも未来へ幸せが続くことを信じて、次の次期戦略がスタートすることを願って質問をさせていただきます。全て総合企画部長に伺います。  まず、基本構想には7つの重点政策があります。この7つの重点政策上、総合戦略のプロジェクトがどの政策部分のエンジンなのかを一応整理はされておりますが、例えば、戦略の「人口減少を食い止め、人口構造を安定させる」というのは、8つのプロジェクトで構成されておりまして、ただ、そのプロジェクトは基本構想でいきますと、7つの重点政策のうち、5つの政策に関連するという位置づけでばらけております。エンジンというイメージ、何となくできますけれども、整理すると、どうもぼやけているように思ってしまいました。  そこで、改めて次期戦略と県基本構想との関係について、次期戦略の新しい基本構想のエンジンとして位置づけられるのでしょうか。その点をまず伺いたいと思います。 ○議長(生田邦夫) 24番加藤誠一議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎総合企画部長(廣脇正機) (登壇)お答えいたします。  議員御指摘のとおり、現行の人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略は、19のプロジェクトを設けておりまして、これにより基本構想を推進するという意味で、基本構想のエンジンということを位置づけておりました。  昨年策定いたしました基本構想につきましては、2030年の展望といたしまして、人口減少の影響を明らかにしているところでございますけれども、次期の戦略におきましては、この基本構想を人口減少についての対策という切り口で捉え直しまして、「まち」「ひと」「しごと」という3つの面からの基本政策のもとに、施策を新たなものも含めまして再構築し、人口減少に関する戦略ということで捉え直したものでございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)よくわかりました。エンジンというイメージがちょっと何となくやったんですけど、そういうイメージで、3つの切り口で「ひと」「まち」「しごと」、はっきりそうした形でどうしていくかとしたほうがイメージがわかりやすいし、前回も言いましたけれども、9月でもやっぱり、少子化になるときの小学校がどうなるんかという話とか、そういうやつもわかりやすいんではないかなと今思いました。  そういう形で今回整理をしていただくということでございますが、目標が残念ながら達成しない。これはいろんな意味でありますから、それは一定理由があると。それでいいんですが。  ただ、これから2期目になりますのであえて申し上げたいと思うんですが、責任という問題ではないかもわかりませんけれども、ただ、これ、企業戦略ということに置きかえますと、企業が戦略を立てて、その戦略のもとでやった後、残念ながら達成しなくて業績がだめだったと、こういうことになりますと、やはり経営者の責任という話も出てこようと思います。  そういう意味で、企業にとって戦略というのは非常に重要でございますが、改めて、今回の新たな次期戦略の重要性の部長の認識を伺っておきたいと思います。 ◎総合企画部長(廣脇正機) お答えいたします。  「変わる滋賀 続く幸せ」を基本理念といたします基本構想を実現する意味でも、自然、社会、経済、環境など幅広い影響がある人口減少の対応というのは不可欠であろうと考えております。  次期戦略は、人口減少の緩和に加えまして、今後避けられない人口減少時代の中でも柔軟に適用し、滋賀で暮らし続けたい、移り、住み続けたいと思っていただける「未来へと幸せが続く滋賀」、これをつくるために重要なものであるというぐあいに考えております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)今、非常に重要性を的確に、私も思っているような意味でお答えをいただきました。ぜひとも、これ基本構想は県で一番上でございまして、それぞれ部門計画がございますので、今、部長がおっしゃったそういう重要性が、それぞれの部門計画にも反映するような形で進んでいくことを願っております。  国でも思うように東京一極集中がとまらないということでございまして、昨年来、検証がなされております。ことしの6月に、まち・ひと・しごと創生基本方針の2019というのが閣議決定をされまして、国のほうも進んでおりますけれども、県のほうの、ちょっと幾つか検証という形でお伺いしていきたいと思います。  まず、KPIでありますが、現戦略の3つの基本方向、1つは、人口減少を食いとめ、人口構造を安定させるということでございますが、これに沿ったプロジェクトにそれぞれKPIがありますが、全体としてこのKPIの達成状況はどうであったのでしょうか、お伺いいたします。 ◎総合企画部長(廣脇正機) お答えいたします。  現行戦略の4年目が終了した時点では、全体で44の重要業績評価指標、いわゆるKPIのうち、集計ができております33項目について、目標に達しているものが20項目でございまして、率にすると61%の達成率ということであります。  内訳としましては、基本的方向1つ目の「人口減少を食い止め、人口構造を安定させる」といううち、この16のKPIのうちの56%が目標を達成しており、2つ目の「人口減少の影響を防止・緩和する」では13項目中62%、さらに「自然と人、人と人とのつながり、生活のゆとりを取り戻す」は、4項目中75%という達成率になっております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)5年目のうちの4年目でございましてまだ集計中があるということでございますけれども、全体として61%ということでございます。目標が達成しないということに対しまして、このKPIのとり方、あるいは、初めにKPIをどういう形で据えるかということも大事ではあろうかと思います。  今、61%でございました。基本的に最終的な目標という数字は、人口の伸び率でありますとか達成しないんですけれども、戦術ということを申し上げたいと思います。これ、企画部長に申し上げるのは大変失礼かと思いますが、戦略といいますのは、やっぱり特定の目的を達成するための進むべき方向性あるいはシナリオと私は解釈するんですが、さらに重要なことは、その戦略を実現するための手段でありますから、今回、プロジェクトであろうと思いますし、成果を出すため、具体的な方法を戦術という、私は思っております。  戦術は、どのような考え方でKPIは設定を今しておられたのか、これからしていこうとされているのか。そこら辺、ちょっとお伺いしておきます。 ◎総合企画部長(廣脇正機) お答えをいたします。  KPIは、各プロジェクトの目的に照らしまして、その進捗状況をはかるために、わかりやすく代表的な指標を掲げて設定することとしております。  例えば産業人材育成・確保プロジェクトでございますと、将来の滋賀を支える人材の育成、確保というのが目的でございますので、例えば県内大学生の県内企業就職率というようなKPIを掲げているというところでございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)まさに代表的なやつで、なおかつ、目的が達成するために、わかりやすい、なるほどというものやと思いますけれども、そうした中で、今回、人口目標が達成しないということに対して、すなわちプロジェクトの内容、そういったことの課題というものはどういうふうに今の段階で整理をされているか、お伺いしておきます。 ◎総合企画部長(廣脇正機) お答えいたします。  KPIの上では、さきにお答え申し上げましたように約6割が達成ということになっておりまして、例えば県外からの移住件数の増加とか若者の就業率の向上という点では一定の効果があったものもございますが、全体としては十分でないものもあると思っております。  また、プロジェクトの効果があらわれるには、まだ時間を要するものもあるのではないかというぐあいに考えているところでございます。  こうしたことを踏まえまして、次期戦略におきましては、人口目標の達成に向けまして、みんなで応援する結婚、出産、子育てと人生100年時代の健康しがの実現、これが「ひと」でございます。それから、次代に向かう産業の活性化と多様で魅力ある働く場の創出、これが「しごと」でございます。さまざまな人々が集い、琵琶湖と共生する魅力的な滋賀づくりと次世代への継承、これが「まち」ということでございますが、それぞれその3つの基本政策を設定をいたしまして、政策目的をより明確にした上で施策を構築して、人口減少の緩和、それから、人口減少の中でも柔軟に適応した活力ある地域づくりにつなげてまいりたいというぐあいに考えております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)今、「ひと」「しごと」「まち」、それぞれに分けて御説明いただきまして、結構だと思います。次期戦略につきましては、わかりやすい形になるように期待しております。  今回、検証ということでございますんで、あえて検証の視点で幾つかお聞きをしておきたいと思います。  ですから、その検証が今おっしゃられたそういう方向で進むようにという思いでありますけれども、例えば合計特殊出生率でありますが、2020年で1.69という見込みでありましたけれども、2018年には1.55と伸び悩んでいるという状況であります。その要因ですが、未婚率の上昇、晩婚化、晩産化の進行であるということで、これ、知事の答弁であります、9月の。  それに対して、課題は、若い世代での結婚や出産支援が必要やと、こういうふうにされたわけでありますけれども、晩婚化ということは、それまでに過去からわかっている話でありまして、例えば滋賀県の平均初婚年齢を調べてみますと、本県は今、男性が30.7歳、女性が29歳であります、平均初婚年齢です。  これ推移、過去を見ますと、実はこれ女性だけに限ってあえて申し上げたいと思いますけれども、昭和30年ごろで24歳でありました。平成8年ごろに26歳でありますから、40年かけて2歳かそこら上がっております。また、その後、平成28年で29歳になっておりますので、平成8年から20年余りで3歳上がっていると。晩婚化が進んでいるのは事実でありますけれども、ただ、これは単に上がっているというよりも、やはり女性の社会進出でありますとか、やっぱり男女共同参画社会でありますとか、いろんな形で政策方向が変わっている中で、これは私は当然の結果ではないかと半分思っております。  そうした中で、あえて晩婚化から若い世代での結婚を誘導するというようなことでございましたので、今度、新しい戦略になりますけれども、そうした戦略というのはどうあるべきだと思っておられるか。部長にお伺いしておきます。 ◎総合企画部長(廣脇正機) お答えいたします。  国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査において、若い世代──25歳から34歳でありますが──の未婚者の方に、その理由を尋ねております。それによりますと、近年は結婚資金が足りない、異性とうまくつき合えない。特に女性の中におきましては、仕事に打ち込みたいというような割合が増加しているということだそうであります。  結婚はもとより個人の意思によるということが大前提でありますけれども、例えば今のうち結婚資金が足りないという面でございますと、これは非正規雇用の広がりとともに、若い世代の所得が減少するといった社会的な背景というのもあると見られますので、こうした問題に対しましては、例えば雇用の安定に取り組んで、それで結婚への希望をかなえるというようなことが施策として考えられるんではないかということを思っております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)そうした分析の中で、今おっしゃられたような方向で、それぞれ戦術、いわゆるプロジェクトでありますとか事業が出てくるというふうに期待をいたしております。  私が質問するときに、ちょっと若干勘違いといいますか、言ったかわかりませんが、今、人口問題研究所、25歳から34歳って多分言われていたと思うんですが、実は私は20代というイメージで若いというイメージを持っていたんですけれども、34歳までという話でしたので、そこまで考えておられるんでしたらそれでいいんですけど、やっぱり逆に30歳以降になっても安心して出産に向かえる、そういう、若い世代もそうですけれども、そうでなくても出産に向かえる、そうした滋賀県ならではの政策を充実するということも必要ではないかと思うんですが、改めてそこだけお伺いしておきます。 ◎総合企画部長(廣脇正機) お答えいたします。  おっしゃるとおり、晩産化、晩婚化が進むとともに30代での出産がふえている中、安心して出産をしていただけるということは大変大事なことでございます。  このため、出産や子育てへの不安を減らすということのために、例えば県では、ポータルサイト「ハグナビしが」による妊娠、出産前後に役立つ制度やサポートサービスに関する情報提供などに取り組んでいるところでございます。  さらに、晩婚化に伴いまして、不妊治療を希望する人がふえているということでございます。仕事と治療の両立支援を図るなどの施策も充実することが必要ではないかというぐあいに考えているところでございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)出生率につきましては以上でございまして、次に、人口移動の関係でちょっと、どんな分析をされているかをお聞きしておきたい点がございまして、2020年で20から24歳の社会増減、これをゼロという目標でありました。しかしながら、2018年でも1,500人のマイナスということになってございまして、むしろマイナスが拡大しているという状況です。  社会増を目指す中で、この中で気になったのが、やっぱり関西圏からの転入減が続いているということでございます。関西圏からの転入が減ってきているわけであります。それがまだ続いているという状況ですが、この背景をどのように分析をされておられるか、お伺いいたします。 ◎総合企画部長(廣脇正機) お答えいたします。  近畿2府4県の近年の社会移動の状況を見てみますと、大阪府のみが転入超過が拡大しているという状況でございまして、首都圏と同様に、大阪周辺につきましても都心回帰が生じているということが背景にあるというぐあいに考えられます。  ある調査によりますと、大阪中心部での大規模マンションの増加とか、単身世帯や共働き世帯の増加に伴って、そういう都心近くでの居住者がふえているんだということが要因だということだそうでございます。
     近年の大阪府への転入者を見ますと、20歳代の特に女性の転入者の方が増加をしておりまして、本県を初め、京都府など近隣府県から人口流入が大阪に対して生じている状況だということでございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)そうした背景の分析から、今後どのような戦術が必要という思いを持っておられるのか、あればお伺いいたします。 ◎総合企画部長(廣脇正機) お答えいたします。  今申しましたように、大都市への人の流れが続く中で、やはり大都市とは異なる滋賀の魅力とか暮らしやすさを丁寧に伝えて、移住などにつなげていくことが大事だというぐあいに思っております。  特に、関西圏居住者は滋賀に対するなじみもありまして、移住のハードルは比較的低いのではないかと考えられますことから、東京のみならず、関西圏で開催する移住セミナー等での情報発信など、関西圏からの転入をふやしてまいりたいというぐあいに考えております。  また、滋賀県の若者が一度は県外に出ても、いずれは滋賀県に戻ってきてもらえるというような、滋賀県への誇りとか愛着を生むような取り組みも広げてまいりたいというぐあいに考えております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)そういうお答えやと思いました。実は、今、近江八幡駅にまたマンションができておりまして、きのう、チラシをいただきましたら、250戸ぐらいですかね、入居が募集されるようでありますし、そう言いながら、250戸余りのマンションが今これから売りに出されるという、そういう状況があります。  私、能登川でございますけれども、能登川でも駅前周辺の開発の話がいろいろ出ておりますけれども、そうした住があれば人口が当然ふえる話であります。今、何でそういう状況になっているんだろうかという、そこら辺については疑問でありまして、1つには、流入も大事ですけども、流出を防ぐということですけれども、例えば、私も長浜にいたり、今、能登川にいますと、全部、駅周辺のほうに出てきておられるというのははっきりわかっておりまして、もちろんそういう滋賀県全体からこういう大きな話でもいいんですけれども、足元のそういった人口の具体的な流動というのは非常に重要です。  ですから、今、JR、新快速がとまって非常に便利でありますけれども、もともとはやっぱり滋賀県の人口は、名神高速道路自体、やっぱり仕事があるからふえてきたと。それで、ベッドタウンが京都、大阪から近いからできたと。本来の滋賀県の立地条件はまだ変わっておりませんし、そうしたさらに大きな視点で人の流動というのがどういう形でいっているかというのは、やっぱり現状マンションがふえていることから見ますと、もう少し深掘りをして検討してみることも必要ではないかと、こんな思った次第でございます。これは私の勝手な思いですので結構です。  次、もう一つ、大きな視点で、今の戦略での実は基本的な考え方の中にありまして、人口増加の地域と人口減少が進行する地域を実情、特性に応じて取り組むというふうにされております。  しかしながら、この現戦略では、人口減少地域に効果が期待されるのはこのプロジェクトですよという整理を実はされておりました。長い意味ではそうなんでしょうけれども、いろいろと申し上げておりますように、もう待ったなしの状況であります。漠然と効果があるというような戦略上ではいかがなものかと思った次第でありますが、実は1つだけ、今回、この5年が、まだまだありますけれども、人口減少地域にプロジェクトがどれだけの効果があったのか。具体的な例があれば、一つでもお聞かせいただければと思います。 ◎総合企画部長(廣脇正機) お答えいたします。  例えば移住促進プロジェクトでは、移住施策に取り組む市町への県外からの移住件数をKPIとしておりまして、全体で300件の目標を設定しておりましたが、平成30年末時点で457件と目標を上回る達成状況ではあります。  このプロジェクトでは、人口減少が比較的進んでいる市町を中心として、滋賀移住・交流促進協議会というのを結成しておりまして、それと連携して移住促進に取り組んでまいりました。  その結果、この457件の移住件数のうち、高島市が98件、甲賀市95件、米原市95件、長浜市で50件となるように、30年に人口が減少した市町が9市町ございますけれども、その人口が減少した9市町に移住された方の割合が87%ぐらいになっておりますので、人口減少地域に特に効果があったものというぐあいに考えております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)効果があった話、今していただきました。これは、「ひと」あるいは「まち」、「しごと」というくくりからいいますと、「ひと」の面では少し人口がふえるという、そういう意味ではあったんでしょうけども、実際、その「まち」あるいは「しごと」という面で、今の人口減少が進行する地域の実情、特性に応じたという部分、ここら辺が実は、これは戦略でなくても基本構想もそうなんですけども、やっぱりそうしたところに具体的に何かやっていくということを見せるべきではないかなと前から思っております。  そのことは過去そういう実績がありましたので、ぜひともそういうことで前向きに進んでいただくということでありますけど、ちょっと戦略から若干外れるんですけども、基本構想の中にも、人口動向の状況を二極化する見込みとしてはっきり書いて今回おられますので、この二極化ということに対して、本県にどのような影響があるんだろうかなと。私も漠然とわかるんですけども、企画部長のお考えがございましたら、お聞かせください。 ◎総合企画部長(廣脇正機) お答えいたします。  国立社会保障・人口問題研究所による2045年の推計人口では、草津市、栗東市、守山市、愛荘町が2015年比較で増加が見込まれます一方で、甲良町、多賀町、高島市、竜王町では同年比較で30%を超える大幅な人口減少が見込まれております。  このような二極化によりまして、まず減少する地域では、地域コミュニティーの弱体化でありますとか生産年齢人口の減少によります労働力の不足、公共交通を含めました社会インフラの維持が困難になるというような影響が生じてくるものと見込んでおります。  一方で、増加する地域におきましても、将来的に高齢化が急速に進むことで医療や介護の需要が増大し、医療・介護従事者の不足などの影響が見込まれますほか、まちづくりの面でも、市街地において低未利用地が散在するという、いわゆるスポンジ化などが進行する可能性もあるのではないかと考えております。  このように、減少する地域、増加する地域双方におきまして、暮らしや地域経済など社会のさまざまな面に影響を与えると考えております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)そうした人口問題研究所のもとで、各市町のそれぞれでお考えをいただいていると思います。私はそういった市町の考えが、そうしたものをベースにしながら、で、滋賀県がどうするんだと。やっぱり県は県で考えるというよりも、市町がどういう考えをお持ちなのかということを含めた上で、ぜひとも二極化することに対してできるだけ、おくらすことはおくらすでいいんですけれども、それでも、なるところについてどういう形で進めていくかというやつは考えるべきではないかと、こんな思いをしたわけでございます。  その上で、今回、その改定戦略案でも、重視する視点に人口減少が進む地域への対応ということをはっきり書いておられますので、これは大変いいことだと思います。しっかりそれに目を向けるというのが大事でありまして、その影響を緩和するというためにも、次期戦略でこれから、今もらっている素案ありますけれども、そういう減少地域に、あるいはこれから進む中での地域に、具体的な戦術というベースでも示してはどうかなという思いがございます。  これは9月の一般質問で、少子化する小学校への対応ということで、あのときはガイドラインでもという話を教育長に申し上げましたけれども、国もはっきり方針をしまして、小規模化の学校はこういうふうにという部分をはっきり示しておりますので、そうしたことも踏まえながら、減少地域、一定進みますので、そういうときであってもこういうふうにやるというような具体的な戦術、こういったものも今度の戦略の中、あるいは戦略をベースにして実施計画で結構ですが、示していってはと思うんですが、部長のお考えをお聞きします。 ◎総合企画部長(廣脇正機) お答えをいたします。  人口減少が特に進みますのは農山村地域でございます。こういうところにおきまして地元や市町と連携いたしまして、地域固有の価値や魅力を生かし、6次産業化や体験型観光などの拡大によって、新たな産業づくり、地域づくりを進め、これによって都市部との間で人材や資金が循環するといったやまの健康、これなどを戦略には位置づけていきたいと思っております。  さらに、今まで進めてきました移住施策をさらに進めまして、多様な県外からの方々が地域課題の解決を初めとするさまざまな形で継続的に地域にかかわっていただく、いわゆる関係人口、これの創出拡大につきましても、新たに位置づけてまいりたいというぐあいに考えております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)もう最後にします。大体、部長の考え方わかりました。しましたというか、理解をさせていただいております。こういう方向で来年度予算編成がなるんだろうなという意味で期待をしたいと思うんですけど。  最後です。人口の変化による影響というのが、先ほど問題研究所の話もありましたけれども、今回の県の戦略にも整理をされております。暮らしに与える影響、それから地域経済に与える影響、地方行政に与える影響、その他の影響として、実はこれ、最後は、懸念されるとかおそれがあるという、こういう整理の仕方なんであります。  しかしながら、もう既にはっきり影響が出ているというところもかなりあります。  例えば、今、部長がおっしゃいましたけども、農村集落機能の低下でありますとか耕作の放棄地の増加、あるいは空き家の問題でありますとか、小規模企業が廃業がふえているとか、また、もう一回言いますけども、小学校の小規模化でありますとか、創造法の目的にある、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくという、こういうところが既に表面化しているところの足元の対策というのも私は大事ではあるというふうに思っておりまして、あわせて、将来の人口減少を見据えた地域対策を長期的な見通しの中で検討、議論していくということだと思うんでありますが。  例えば、今、近江鉄道の今後の運営について知事先頭で協議をいただいておりますけれども、この近江鉄道もやっぱり、過去、運営はよかったけれども、いわゆる車社会になって乗車人数が減ってきた。その当時はまだ人口がふえていたわけです。それでも乗らなかった。そういうときの対策につきましては、当然、公共交通機関を利用しようという、そういう施策が中心でありますけれども、今は違うわけでありまして、これからますます乗る人が少ない、あるいは高齢化が進むという、そういう念頭で、その未来へと続くための近江鉄道のあり方というのを検討いただいているんだというふうに思っておりますし、また、けさの農業新聞でも、今度、食料・農業・農村基本計画、今検討されておりますけれども、今の国の方針に基づいて、関係人口を増加するというような方針も今打ち出されたという話がけさの新聞に載っておりました。  そういうことを考えますと、基本構想をベースにしながら、各部門計画、それぞれ部長さんおられますんで、ここで改めて各部長に、人口が減少する危機意識に取り組む姿勢をそれぞれ伺おうと思ったんですけれども、それはまた個別計画のときに聞かせていただくとして、代表いたしまして総合企画部長に、人口減少に対する危機意識と取り組む姿勢について、最後にお伺いしておきたいと思います。 ◎総合企画部長(廣脇正機) お答えいたします。  本県における減少人口は、そのもの自体は他県に比べますとまだ比較的緩やかでありますものの、今後の高齢化の急速な進行による年齢構成の変化や、議員御指摘の既に始まっております地域間の格差の広がりということは、長期的にわたって社会のさまざまな面に大きな影響を与えるものと、非常に強い危機感を持っております。  次期戦略の策定に当たりましては、県政経営会議などを通じまして、知事初め各部局、県庁全体で、こうした長期的視野に立って認識を共有しながら、人口目標を設定し、現在、これに向けて各部局とともに施策の構築に取り組んでいるところでございます。  今後とも、この戦略のもと、各部局において施策を着実に進め、市町や関係機関と連携しながら、人口減少対策に一体となって取り組んでまいりたいというぐあいに考えております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)そうした思いで平成2年度の予算編成がされることをお願い申し上げまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。(「令和2年」)失礼しました。令和2年度の予算編成が今の部長の思いで策定されますことを御期待申し上げまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(生田邦夫) 以上で、24番加藤誠一議員の質問を終了いたします。  次に、19番駒井千代議員の発言を許します。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇、拍手)通告に従いまして、大きく1問、以下、一問一答でお伺いしたいと思います。  先月の20日、国連総会で子どもの権利条約が採択されて30年を記念し、各地でさまざまなイベントが開催をされました。日本が批准してからは25年となります。子どもの権利条約では、差別の禁止、子供の最善の利益、生存発達の権利、子供の意見の尊重の4つの基本原則に、18歳未満の子供を、大人に守られるだけではなく、権利を持つ主体と位置づけています。  しかしながら、日本がこの権利条約に批准してから25年経過した今日においても、いじめ、体罰、児童虐待、不登校、児童買春、児童ポルノを初め、SNSを介したさまざまな課題も山積しています。  このような状況のもと、本年6月に児童虐待防止法、児童福祉法の改正で、しつけのための体罰の禁止は、親権者等との間においても、子供が暴力を受けることのない権利の主体として明確に示されたものであります。  滋賀県においては、2006年に滋賀県子ども条例を制定し、子供が人権を尊重され、夢を持って健やかに育ち、子供を安心して育てることができる環境づくりを進めるため、それぞれの責務を明らかにしておりますが、子供が権利の主体であることを位置づける条文の規定はありません。  子どもの権利条約では、子供の意見の尊重も柱の一つとなっておりますが、その前提となるみずからの権利について知ることができるようにすること、そして、意見表明権を保障する仕組みを進めていくことが重要だと思います。  そこで、みずからの権利について知り、意見を表明する取り組みについて、学校現場についてどうであるのか、教育長にお伺いをいたします。 ○議長(生田邦夫) 19番駒井千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えいたします。  学校教育におきましては、日本国憲法における基本的人権や子どもの権利条約など、みずからの権利について学習をしております。自分が権利の主体であり、かけがえのない存在であるという認識は、命の大切さや人間の尊厳についての学びとともに、自分が大切にされている経験を積み重ねることによって深まるものと捉えております。  意見の表明に関しましては、子供が企画、参画する活動の中で情報や課題を整理し、みずから考え、意見を交流する機会を多く設けることで、自分の意見を表明したり意見が生かされたりする喜びを味わえる取り組みを進めているところでございます。そこには、子供の意見を受けとめ、そして尊重できる教職員の存在があるべきと考えております。  今後も、子供自身が一人の人間として尊重されるべき存在であることを認識し、自分の思いをしっかり伝えることができるよう、学校教育で努めてまいりたいと考えております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)それでは、同じく、みずからの権利について知り、意見を表明する取り組みについて、健康医療福祉部長にお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  子供自身がみずからの権利について知る取り組みにつきましては、特に児童養護施設や里親のもとで生活する子供たちに対しまして、個人の秘密は守られなければならないことや、自分の好きな音楽やスポーツなどを楽しむことができることなどを記載いたしました子どもの権利ノートを配布いたしまして説明することにより、みずからが持つ権利を理解してもらうための取り組みをいたしております。  また、ロールプレイやディスカッションを通じまして、自分が持つ権利や、それにより暴力等から身を守ることを考えるCAPプログラムを実施いたしまして、みずからが持つ権利とそれを行使することを体感しながら、理解を進める取り組みも行っております。  子供自身が意見を表明する取り組みといたしましては、滋賀県子ども若者審議会の児童養護施設等の子どもの権利擁護部会におきまして、弁護士、学識経験者などの委員に対しまして、施設で暮らす子供たちが困っていること、望んでいることなどを意見を述べるという機会を定期的に設けまして、子供が施設で安心して生活できる環境づくりにつないでおります。  また、子供がみずから考え、みずから行動する力を育む子ども県議会や、あるいは人格形成で重要な時期にございます中学生が日ごろ考えていることを県民の皆様に訴え、自主性を伸ばすための中学生広場、それぞれ毎年開催いたしているところでございます。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)今、それぞれ取り組みを答弁いただきました。確かに子供は心身ともに発達途上にあることから、一部パターナリスティックな制約は受けるということはいたし方ないということで理解はあるんですけれども、何よりもまず、一人の人間としての権利そのものを持っているということが、まさに基軸とされなければならないと考えています。  午前からもお話がありましたように、子供、大人によって守られることももちろん必要でありますけれども、それと同時に、自分自身がやはり気づいて声を上げていくこと。目黒区の事件においても、自分が悪いことをしたからこのようにされても仕方がないんだとか、自分が何とか頑張らないといけないんだとか、そういうことではなくて、やはり暴力を受けられない権利、そういうのがあるということをしっかりと子供に伝えていく、そしてそれがやっぱりおかしいんだと思える気持ちと周りに伝えていく力をつけていくということが、社会に出ていく上でも必要だと考えています。それと同時に、子供であっても、当事者としてその思いを十分に聞いてもらうことも必要であると思います。  平成28年改正児童福祉法においては、昭和22年の制定時から見直されてこなかった理念規定を改正し、子供が権利の主体であることを位置づけるという大きな視点の転換がされるとともに、子供の家庭養育優先原則が明記をされたところです。  そこで、社会的養育推進計画を滋賀県でも策定する今、その理念を記した滋賀県子ども条例に子供が県民の主体であることを位置づけた条文を盛り込むべきではないかと考えますが、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  子供を権利の主体とする条文につきましては、子どもの権利条約の中で、自己の意見を表明する権利や表現の自由についての権利等が規定をされております。  また、我が国におきましても、言うまでもなく、日本国憲法において基本的人権が規定されていることに加えまして、議員からもお話のありましたとおり、平成28年に児童福祉法第1条が改正されまして、「児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切に養育されることなど、福祉を等しく保障される権利を有する」とされまして、子供が権利の主体であるということが明記をされております。  一方、県の条例につきましては、子どもの権利条約の考え方に基づきつつ、子供が人権を尊重され、夢を持って健やかに育つための環境づくりの推進を目的として制定をいたしております。  子供は大人に守られるだけでなく権利を持つ主体であるという考え方は、さまざまな施策を進める上で大変重要な視点と考えておりまして、現在策定中の淡海子ども・若者プランの中にしっかりと位置づけてまいりたいと考えておりますが、条例に関しましては、先ほど申し上げたその制定の目的からも、子供が権利の主体である旨の規定を盛り込む改正というのは、現在のところ考えておりません。  ただ、滋賀県子ども条例につきましては、制定後13年余りを経過しておりまして、子供をめぐる状況も大きく変化してきておりますので、そのあり方については研究を続けてまいりたいと考えております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)子ども条例を見ますと、その各条文の中において、保護者の責務、そして県等の責務、そして施設等の責務など書いておりますが、これらは全て大人がどうするかということなんですね。  私が先ほど申し上げたように、やはりまずは子供が一人の主体として認められた存在であるということは、この児童福祉法においてもやはりそれまでが弱かったということで改正の経緯があった、理念規定を改正したという経緯がありますので、先ほど部長もおっしゃったように、13年経過して、いろいろとその中身についても改めて見ていくという必要があると思いますので、条文まで至らなくても、その文言を明記すべきではないかと思いますので、ぜひとも検討をよろしくお願いしたいと思います。  今年度は、淡海子ども・若者プラン、滋賀県児童虐待防止計画、滋賀県配偶者からの暴力の防止および被害者の保護等に関する基本計画、それぞれ次期計画の策定が予定されていることから、子供の健やかなる育ちを支援することについて、以下、伺います。  まず、子供の育ちで何よりも気になるのが児童虐待であり、悲しい事件が後を絶ちません。滋賀県でも御承知のとおり、児童虐待相談対応件数は増加の一途でありますが、中でも心理的虐待が一番多くなっており、その多くが警察からの通告となっております。  これはDV、すなわちドメスティック・バイオレンスに起因すると仄聞しておりますが、県内警察署におけるDVの相談件数は増加傾向にあり、平成30年には初めて1,000件を超えています。  そこで、DV相談件数と、それに伴う心理的虐待の通告状況について、警察本部長にお伺いいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) (登壇)お答えいたします。  配偶者からの暴力相談件数は年々増加傾向にあり、平成30年は過去最高の1,096件となっております。また、児童虐待に係る児童通告人員につきましても年々増加しておりまして、平成30年中の児童通告人員は1,065人と、過去5年間で約6倍となっているところでございます。  児童虐待の態様にありましては、心理的虐待、性的虐待、怠慢・拒否、心理的虐待の4類型に区分されているところ、心理的虐待の通告人員が最も多く、平成30年中は749人と、全通告人員の約7割を占めております。  心理的虐待の中に占める児童の面前で配偶者やその他の家族などに対し暴力を繰り返す、いわゆる面前DVにつきましては435人と心理的虐待の約6割を占め、年々増加傾向にございます。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)今、警察本部長からも答弁いただきましたとおり、多くなる心理的の中でも6割を占めるこの面前DVをどう防いでいくかも非常に重要なことになってくるかと思います。このDVは当事者間だけの問題ではなくて、子供へのやっぱり虐待にもなるという認識をもっともっと広めることが重要であると考えています。  そこで、本年6月に配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律、いわゆるDV防止法が改正をされました。改正では、子ども家庭相談センターと配偶者暴力相談支援センターとの連携強化も含まれておりますが、今後、連携強化をどのように図っていくのか、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  今回の配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律、いわゆるDV防止法の一部改正によりまして、昨今の痛ましい児童虐待事案と密接な関連があるとされますDVの被害者およびその同伴する家族の保護が適切に行われるよう、相互に連携協力すべき関係機関に、児童相談所、本県の子ども家庭相談センターでございますが、これが明文化されたところでございます。  本県におきましては、従前から子ども家庭相談センターと配偶者暴力相談支援センター、両センターで情報を共有し連携を図ってまいりましたが、加えまして、今後は両センターが市町の要保護児童対策地域協議会に参画することによりまして、市町および関係機関とも情報共有を進めるなど、連携強化を図ってまいりたいと考えております。  現在策定を進めております本県のDV防止計画におきまして、両センターが連携し、DV被害者と子供の適切な保護、支援に取り組むことをしっかりと位置づけてまいりたいと思っております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)この改正では、ほかに民間シェルターの件などもありますけれども、やはりこの連携をしっかりと進めていく。そして、おっしゃったように、市町との役割というのも非常に重要になってくると思いますので、ここの連携強化をさらに深めていただきたいと思います。  何よりも子どもの権利条約、滋賀県子ども条例に掲げるように、子供の最善の利益が求められなければなりません。子供の問題は児童虐待だけではなく、貧困やひとり親家庭における保護者の病気など、さまざまな背景から社会的養育を必要とする子供たちがいます。  平成28年児童福祉法改正によって、家庭養育優先原則に基づき、家庭における養育が困難な場合は里親やファミリーホームへの委託を原則とされていますが、現状では、全国でも滋賀県でもそのようになっておりません。  そこで、以下、家庭養育優先の推進についてお伺いをいたします。  家庭養育優先原則とされることの意義について、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  子供にとって最も安心できる家庭において、特定の信頼できる大人から十分な配慮を注がれながら、愛着を築き生活できる環境を整えるということは、心身ともに健やかに成長する上で大変重要なことだと思っております。  この点から、できるだけ家庭的な環境のもとで暮らす里親やファミリーホームは、保護者からの虐待などによりまして家庭での生活が困難な子供が暮らす場として、重要な役割を果たしていただいております。  実家庭への支援、これを原則とした上で、実家庭における養育が困難な場合は里親やファミリーホームへの委託を進める家庭養育優先の原則は、子供が健やかに成長し発達するための生活環境を整える上で、大変意義ある考え方だと認識しております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)国の里親等委託率目標値は、乳幼児で75%、学童期以降で50%以上となっております。滋賀県の里親等委託率の目標はどのような根拠で算出されていこうとされているのか、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  現在策定をいたしております淡海子ども・若者プランおよび滋賀県児童虐待防止計画では、数値目標を定めることといたしておりますが、里親等委託率もその目標の一つとして検討いたしております。  具体的な目標数値につきましては、両計画の原案においてお示しをする予定でございますが、里親等委託率の数値に関しましては、国の都道府県社会的養育推進計画の策定要領に基づきまして、県が本年8月に実施をいたしました施設に長期入所している子供を対象とした里親等委託可能性調査、この結果を踏まえまして定めてまいりたいと考えております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)今策定中で、まだ数字は確定していないということであるかと思いますけれども、この国の目標値に合わせて、少なくとも乳幼児、学童期と分けて目標の設定をすべきではないかと思いますが、その考えについて、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。
     国においては、平成29年に示されました新しい社会的養育ビジョンにおきまして、愛着形成に最も重要な時期である3歳未満についておおむね5年以内に、そして、それ以外の就学前の子供についてはおおむね7年以内に、里親委託率を75%以上とすることを実現すること、そして学童期以降については、おおむね10年以内に里親委託率を50%以上を目標とするということとしております。  本県におきましては、先ほど申し上げましたとおり、里親等委託可能性調査をもとに算定した上で、国の方針に合わせ、年齢区分別の目標値を設定できるかどうか、検討してまいりたいと思っております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)今、部長もおっしゃいましたけれども、特に乳幼児は安定した家族の関係の中で愛着環境の基礎をつくる時期であることから、国の乳幼児の委託率もほかと比べて高く設定されているということもありますので、やはり私自身は分けてこの目標値をつくっていくべきではないかと思いますので、ぜひとも検討をこれから進めていただきたいと思います。  それでは、今おっしゃったように、根拠となる里親等委託可能性調査を実施されているわけですが、少しその内容についてお伺いしたいと思います。  この調査の結果はどのようなものであったのか、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  本調査は、乳児院に半年以上措置されている乳幼児あるいは児童養護施設に3年以上措置されている学童期以降の子供など、長期間施設に入所している子供を対象に、里親などへの委託が可能かどうか、子ども家庭相談センターに対して行ったものでございます。  対象者128人のうち、里親等の委託が可能な子供は10名でございまして、里親等の委託が困難な子供は118名という結果でございました。  委託が困難な子供の内訳としましては、保護者が里親委託に反対をしている子供が49名、情緒・行動上の問題が大きいなど、施設での専門的なケアが望ましい子供が45名などでございました。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)ありがとうございます。今、数をおっしゃったのは、里親等の委託可能性が可能か困難かという区別でおっしゃっているわけなんですけれども、親が明確に反対しているという点がございましたけども、このことは少なくとも代替養育が必要な子供の数に入れるべきではないかと思っています。  厚生労働省によりますと、里親等委託が必要な子供の割合を算出するに当たっては、施設入所しているケースにおいて、児童を家庭および当該養育環境において養育することが適当でない場合とは、医療的ケアの必要性や行動の問題などの理由から里親等での養育が困難な子供や、年長で家族に対する拒否感が強い子供であると考えられることに留意することとなっております。この件について、再度お伺いをしたいと思います。  それともう1点ですね。子供の当初に申し上げたような意見表明権からは、今、アンケートをとられたこの調査というのは、センターに対して聞いているんですけれども、子供へのアンケートもとるべきじゃないかということを、2点目としてお聞きしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  先ほど申し上げました保護者が里親委託に明確に反対しているケースの中には、里親委託が必要な子供が含まれているということは認識をいたしております。  ただ、一方で実際の里親委託におきましては、保護者の意に反して里親委託を実施した場合、その後、その子が家庭に帰っていくという家庭復帰に向けた支援において、さまざまな困難が生じてくるという現実もあるということを考える必要があろうかと思っております。  そのような点も含めて総合的に考えまして、この目標をどうしていくか、今後実施するパブリックコメントあるいは社会的養護検討部会などでのさまざまな御意見をいただきながら、改めて検討してまいりたいと思っております。  もう1点、子供へのアンケートについてでございます。  子供たちは里親委託ということ自体につきまして十分に知識、経験がない場合もございまして、アンケートという形で判断を求めることが困難な面もあろうかと思っております。  一方、児童福祉司につきましては、子供たち本人の意思も確認した上で里親委託の判断の可否というのを行っておりまして、一定、子供の意向も踏まえた判断でできているのではないかと理解しております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)まず、1点目のどういう代替養育者が必要な子供の数に入れるべきかということなんですけども、まさにおっしゃったように、里親委託率を算定するに当たっての厚労省の策定要領の中では、代替養育が必要な子供の数をするのであって、現実的なことを踏まえての可能かどうかというのと、必要と可能かというのはちょっと違うと思うんですよね。  ですので、このベースとなる必要な数には、親の状況ではなくて子供の利益を最優先にした場合に、その子供に代替養育が必要であるならば、そこはベースの数に入れるべきだと思います。  なので、少しその算定の数のあり方については、もう少し今後やっぱり議論をしていただきたいと思いますので、部会のほうでどうぞよろしくお願いいたします。  また、子供の意見表明ということですが、施設にいると、私もお聞きすると、家庭の概念がなくて、家庭で暮らすことのイメージが湧かないというようなこともお聞きしておりますので、そういう意味では、もう少し施設の子供たちがホームステイ事業などで家庭の概念がつくれるようにして、そうした上で、また今後意見が表明できるようなまさに環境づくりをつくっていただきたいと思います。  次に行きます。  平成25年度末時点で里親登録されているのが171家庭ありますが、もちろん未委託の里親もあるかと存じます。  そこで、里親稼働率はどのようになっているのか、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  平成30年度末時点の県内の里親登録数は177世帯でございまして、そのうち子供を委託中の里親家庭は42世帯、子供を委託中のファミリーホームは13世帯でございまして、両者合わせた稼働率は31.1%となっております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)数字を見ますとまだまだなのかなというふうに思いますけれども、なかなか学齢期の場合においては学校の件ですとか相性の問題もありますので、どうしていくかということでもあると思います。  そこで、里親とのマッチングについて、どのような基準でされているのか、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  まず、自分の考えが述べられる子供に関しましては、里親での生活について丁寧な説明を行いまして、本人の思いをしっかりとまずお聞きをいたしております。  一方、里親に対しましては、毎年度受け入れに関する意向調査を実施しておりまして、年齢や性別、その他受け入れに当たって希望することなどの把握に努めております。  こうして得られた情報に加えまして、子供の発達等の特性や里親宅の生活環境等を総合的に勘案いたしまして、子ども家庭相談センターにおいて委託先を決定いたしております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)確かに稼働率そのものありきであればやはり措置不良ということもありますので、ここは十分に丁寧にマッチングをする必要があると思います。  また、里親のトレーニングとしても、このマッチングというのはきめ細かくしていくべきではないかと思っておりまして、例えば一時保護の3分の1は、虐待ではないが1カ月近く一時保護施設に入っている子もおりまして、里親委託率そのものは、ある程度長い期間の養育の里親という形にはなるんですけども、そうではない一時保護やホームステイ、先ほど申し上げたホームステイという役割としての里親というのもありますので、そうした委託も進めていく必要があるのではないかなと思っております。  そこで、より家庭養育推進のために、ここはこういった一時保護やホームステイの事業などももっと取り組んでいく必要があるのではないかと考えますが、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  実家庭での養育が一時的に難しい子供や保護者の反対などで里親委託が困難で施設に入所している子供たちにおきましても、家庭と同様の環境のもとで養育することが子供にとってよりよい成長につながるということから、一時保護やホームステイ事業での里親委託を今後も積極的に進めてまいりたいと思っております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)ぜひよろしくお願いします。  データを見ますと、平成30年にホームステイの体験者としては22名で12%となっておりまして、まだまだ、いろいろあるかと思いますけれども、こういったところの取り組みもぜひとも今後ともよろしくお願いいたします。  さて、先ほど申し上げたように、里親も種類がいろいろあります。一概に里親といいますと、どうしてももうそこで子供が行けば戻ってこないようなイメージも強いんですけども、いやいやそうではなくて、いろんなケースがあります。養育の場合においては、措置解除されますとその養育家庭から保護者のもとへ戻りますし、また、障害のある場合も、必ず施設でなければならないかといえばそうでもなく、専門里親の登録制度というものがあります。  専門里親というのは、虐待された児童や非行等の問題を有する児童および身体障害児や知的障害児など、一定の専門的ケアを必要とする児童を養育する里親でございます。この専門里親の活用状況はどのようになっているのか、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  現在、県内には7人の方が専門里親として登録をしていただいておるところですが、ファミリーホームを運営し子供を預かっていただいている方、あるいは養育里親として長期的または一時的に子供を預かっていただいている方など、さまざまな場面で活躍をいただいているところでございまして、いずれの方も、専門里親として受け入れていただくということは難しいという状況でございます。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)専門里親になるにはいろいろ条件もございますし、難しいところもあると思いますが、ただ、発達障害とかいろいろなことで育てにくい、難しい家庭もあります。そうした中でやはり支えていくためにも、この専門里親もどういうふうにふやしていくのかというのも一つの課題ではあるかなというふうに思っていますので、こちらのほう、今、活用状況を聞きましたけども、どうふやしていくのか、できるのかということも検討をよろしくお願いいたします。  児童養護施設に入っている子供のうち、特に学齢期の子供も多いわけですが、その場合は、学校や友人関係など子供の生活環境をできるだけ変えないためには、全体の里親をふやすと同時に、地域ごとの戦略も必要ではないかと考えるわけですが、今年度の里親リクルート事業について、どのように取り組んでいるのか、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  里親になっていただく人をふやすため、今年度から新たに里親リクルート事業を実施をいたしております。  具体的には、里親制度を知ってもらうための啓発資材の作成や里親のリクルーターを配置いたしまして、子育てに関心のあるファミリーサポート事業所や更生保護女性会などの団体に出向きまして里親制度の説明を行ったり、各関係団体の参画を得ながら、商業施設等で街頭啓発に取り組んでいるところでございます。  その直接の効果かどうかは明らかではございませんが、今年度の里親研修の受講者は36人となっておりまして、過去3年の平均の28.6人よりも約7人ほどふえているという状況でございます。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)先ほど来、里親の役割というのはいろいろあるというふうに申し上げたんですけども、この里親登録をされている中で、未委託の場合においては、高齢になってなかなか委託が受けられない方もいらっしゃるということなんですね。  そういう意味でいうと、乳幼児も結構多いわけですが、やはり若い方にもなっていただくかということが必要で、じゃ、どういったところに言ったらいいか。今年度は更生保護女性会さんにもお話しされたということなんですけども、もっといろんなショッピングセンターであるとか、もっと県内にいろいろな啓発事業をされるときに使われるところがありますので、どういったところがいいのかということと、やはり学童期の子供たちが施設に多い場合に、この子供たちがやっぱり里親に行くためにはどうしても施設周辺の里親の方をふやすなりしないと、同じ学校に通えないということがあるんですね。  そういう意味でどうなのかという、まさにこれが地域戦略にもなってくると思いますので、そういった細かい点もありながら、来年度は少しこのリクルート事業を改善していただいて、やはり力を入れていただかなければならないと思いますので、よろしくお願いします。  そうした中で、リクルートした上での里親登録までの流れについて、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  里親登録を希望される方には、子ども家庭相談センターで制度の詳細や里親の心構えについてガイダンスを受けていただきまして、その後、6日間の養育養子縁組里親研修を受講いただきました後、里親登録の申請を行っていただくこととなります。  申請後は、子ども家庭相談センターにより家庭訪問をさせていただくなど、家庭環境などの調査を行いまして、滋賀県社会福祉審議会の里親審査部会での審査を経て、里親として登録されることとなります。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)まず最初にガイダンスということなんですけれども、やはり多くの方にまずはガイダンスを聞いてもらうと、参加してもらうということが必要なんですが、なかなかこのガイダンスが時間が限られていたりとか、調整が難しくなっています。というのも、里親のガイダンスを担当する方がやっぱりほかの仕事も抱えていらっしゃって、どうしてもガイダンスの時間をうまく合わせることというのが非常に難しい場合もあったりもするわけです。  そうした意味におきますと、里親専門の児童福祉司の配置、また、この場合は未委託里親との連携等も必要ですので、専門の配置を子ども家庭相談センターに必要かと思いますけれども、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  現在、各子ども家庭相談センターでは、議員から御指摘ありましたとおり、里親に関する業務を担当する児童福祉司が虐待ケースなども担当するということで、兼務をしながら配置をいたしております。  平成30年12月に国が示しました児童虐待防止対策総合強化プランにおきましては、令和4年度までに各児童相談所に里親養育支援のための児童福祉司、専任で配置をするということとされたところでございます。本県におきましても、本プランに基づきまして、必要な配置を進めてまいりたいと考えております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)子ども家庭相談センターにおいては、なかなかほかの面においても募集をされているところではありますけれども、やはり専門でしっかりとこの体制づくりをつくっていくということが、将来的な児童虐待のケースを早く終わらせる、また、安定した環境に子供たちを置いていく上でも重要ですので、令和4年度までということではありますけれども、県としても一刻も早く専門で置いていただくよう、よろしくお願いをいたします。  里親等の委託については、今後、特別養子縁組の緩和なども検討されておりますが、養育里親の場合などは、いわゆる措置解除の場合における里親ロスや里親への支援について、まだ十分であるとも言えません。しかしながら、家庭養育を進めるためには、現状の課題改善に向けて取り組んでいく必要があると思います。  そこで、最後に、里親等委託率向上のための体制づくりについて、知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  大変重要なテーマをお取り上げいただきありがとうございます。  冒頭御指摘いただいた、子供を権利を有する主体として捉えるべきではないかという問題提起も含めて、条例等への位置づけも含めて、私自身も関与、参画しながら、検討、勉強をさせていただきたいと存じます。  全ての子供が深い愛情を注がれ、心身ともに健やかに育つことは県民の願いでございます。そのための環境づくりは県の重要な責務であると考えます。ゆえあって家族がいなかったり、虐待で傷つくなどにより家庭に恵まれなかった子供が、家庭と同様の養育環境において、安全で愛情ある養育者のもと健やかに養育されるためには、里親制度の充実、また推進が不可欠であります。  そのため、里親開拓のための里親をふやすためのリクルートや里親登録に向けた研修、子供の委託中の養育支援などの取り組みや、子ども家庭相談センターの里親支援の体制を強化し、家庭養育優先の原則のもと、家庭で暮らすことが困難な子供が健やかに育成される環境づくりをしっかりと進めてまいりたいと存じます。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)私がこの里親の問題に取りかかるに当たっては、議員になる前に、6年ほど社会的課題や公共経営のスクールに通うなど勉強をしてきたわけなんですけれども、その中で里親に関しての勉強会にも参加をし、そして議論をしてきました。  特別養子縁組の年齢の変わるときも、議員会館において超党派の議員連盟がかなり動いていただいて年齢の緩和になったというときも、私も意見交換会に参加させていただくなどしてきたところであります。  近年、里親の政策づくりについては、かなり尽力いただいた方が亡くなられたこともありまして、私はその方と議員になる前に里親の件をお話をさせていただいて、なってからも、さらにもっとやっていきましょうというお話をさせていただいたところなんですが、まだまだ志半ばで、そして私自身も十分なことができないままに今日に至っているわけであります。  しかしながら、今、この権利条約30年の節目において、新たに家庭養育推進の原則がうたわれ、今まさに社会養育の推進計画を県においてつくろうとしているところであります。  里親というのは、親から子供を取り上げるわけではなくて、まさに保護者と人生の伴走者として寄り添っていく存在でありますし、また、里親自身も支えられるべき存在であると思います。そうしたためにも、県としてしっかりと体制をつくっていくようお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(生田邦夫) 以上で、19番駒井千代議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時20分 休憩    ────────────────   午後1時20分 開議 ○副議長(細江正人) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  23番海東英和議員の発言を許します。 ◆23番(海東英和議員) (登壇、拍手)23番、海東英和でございます。よろしくお願いします。  きょうは、質問に入る前に、ちょっとおわびと訂正を申し上げさせていただきます。  令和元年9月定例会議の10月1日の私の一般質問におきまして、防災訓練の想定で、日曜日の朝7時の早朝に琵琶湖西岸断層帯を震源とする震度7の地震が発生し、1,455棟の全壊家屋の下敷きほかで多数のけが人が出て、高島市民病院に殺到された場合の救援体制のさらなる御検討をお願いした再質問の中で、麻酔科医がおられないと誤解を与えるような発言をいたしました。鈴木病院長を中心に、常勤麻酔科医の医師初め、一丸となって患者に最適な医療を提供するために日夜御努力いただいております。謹んで発言を訂正し、おわびを申し上げます。  それでは、通告に従いまして、まず、琵琶湖のコイのDNAについて御質問を申し上げます。  コイは、日本人にとって大変身近で、おめでたい印象の魚類の一種です。5月の空をこいのぼりが晴れやかに泳ぎ、コイは次々と滝を登り竜になるとの登竜門の伝説もあります。琵琶湖に伝わる竜の伝説にも、大ゴイの金色に光るうろこが関係しているのではと想像が膨らみます。きょうは、琵琶湖のコイについて質問をさせていただきます。  まず、琵琶湖に生息するコイには、在来種と外来種があると承りました。琵琶湖の漁師さんや鯉師と呼ばれる巨ゴイを釣り上げようと向き合っておられる釣り人たちの間では、両者の性質の異なることは知られておりましたが、今般、国立環境研究所琵琶湖分室に着任いただいている馬渕浩司先生のミトコンドリアDNAの研究で明確になったと聞いております。  (資料掲示)この2種のコイの写真をごらんいただきたいと思います。これは馬渕先生と協力して研究を進めておられる、神奈川県生命の星・地球博物館の瀬能宏先生からお借りした写真データです。  日本在来系統は、琵琶湖安曇川河口の沖、東南東約3キロ、水深78メートルから80メートルで、2010年3月17日に沖島漁協の方が捕獲された個体と聞いております。そして、この下の方は、いわゆるヤマトゴイといいますか、大陸系の外来種と言われているコイです。  このDNAの研究によって、どういうことが明らかになったでしょうか。まず、琵琶湖環境部長にお尋ねします。 ○副議長(細江正人) 23番海東英和議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) (登壇)お答えいたします。  この研究は馬渕主任研究員らが2000年代前半から取り組まれ、数多くのデータを積み重ねられてきたものでございます。  その結果、これまで日本の湖沼、河川に生息するコイは、中国などユーラシア大陸系統のコイと同じと考えられていましたが、遺伝的に明白に区別される日本在来系統も存在することが新たに確認されたというものでございます。  議員御提示のパネルでは、上部の細長いコイが日本在来系統と新たに確認されたものであり、下部の体高の高いコイが大陸系統のものでございます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)ありがとうございます。  2015年にNHKが「サイエンスZERO」という番組で、琵琶湖在来コイ──野ゴイの存在を取り上げ、数百年間にわたる生物学会の常識がひっくり返るほどの出来事と表現し、番組をつくっています。この番組は、多くの日本人の目からうろこを落としたのではと思われます。現在もインターネットで見ることができます。  (資料掲示)次にお示しします資料は、DNAの系統樹でございます。この資料は馬渕浩司先生からお借りしたものでございまして、琵琶湖の個体群が、この赤枠、日本在来系統という中で、琵琶湖の固有のコイを遺伝子検査すると、このところに符合するということが明らかにはっきりしてきたということを示す資料としてお借りしました。
     このDNA分析による琵琶湖のコイは、どのような意味を持つのでしょうか。琵琶湖環境部長にお尋ねします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えいたします。  研究員が日本各地のコイのDNAを調べられたところ、国内のほとんどのコイは大陸系統に分類されるが、琵琶湖の深層部に生息するコイの多くは、純粋に近い日本在来系統のものであることがわかったということです。  つまり、琵琶湖は新たに確認された日本在来系統の唯一残された生息場である可能性が高いという意味を持つと考えられます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)この貴重な在来種が生息し続けていることを国際レベルで学会的に認めてもらうには、これからどのようなプロセスを踏むことになると聞いておられますか。琵琶湖環境部長にお尋ねします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えします。  在来系統の種であることを認めてもらうためには、まずは、コイのDNAの分析結果や体形の違いなどを取りまとめ、日本在来系統が大陸系統と生物学的に明白に異なる種であることを明らかにした論文を科学雑誌に投稿し、発表することが必要でございます。現在、そのための論文の作成に向けて研究中と聞いております。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)ちょっと再質問で、わかったら答えてください。どれぐらいの期間があと必要だというふうに聞いておられますか。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えします。  申しわけございませんが、あとどれぐらい期間必要かということは、ちょっと聞いておりません。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)申しわけありません。早くて二、三年かかるかなと。だから、信頼性のおけるDNAのいわゆるデータと、そして形状のいわゆるデータをしっかりと集めていくことがこれから大切なんだということを漏れ伺いました。  そういうことを踏まえて、重要な研究に基づき、琵琶湖のコイを外来でなく在来のものと位置づける、学術的に偉業とも言える成果がなし遂げられるそのときを、県民とともに、そして日本の国民の多くの方々と理解し、応援したいと思うのは私だけではないと思います。できればお邪魔をせずに、お手伝いしたいと思う方も多いと思いますが、このことについて、知事はどう思われますか。 ◎知事(三日月大造) (登壇)大変興味深いことだと思います。議員御指摘のとおり、この発見を知った県民の皆様の中には、本研究に興味を持たれ、応援したいとお考えになる方もたくさんいらっしゃるのではないかと存じます。  研究をさらに推進していくためには、県民の皆様からの応援も重要と考えられますことから、さらに多くの方々にこの発見を知り興味を持っていただくため、我々も一緒に情報発信に努めてまいりたいと存じます。  加えまして、国立環境研究所が参加型の調査等を計画される場合には、積極的に県民の皆様にかかわっていただけるよう、国立環境研究所と一緒に進めてまいりたいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)ありがとうございます。滋賀県、琵琶湖にとって大変すばらしい、希望のある話題だと思うので、明るくいきたいと思います。  誘致してきていただいた国立環境研究所琵琶湖分室と琵琶湖環境科学研究センターならびに琵琶湖博物館、滋賀県水産試験場は、この琵琶湖の在来型のコイの個体群の解明にどのような協力関係で貢献をされているでしょうか。琵琶湖環境部長にお尋ねします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えします。  水産試験場や琵琶湖環境科学研究センターなど県の試験研究機関は、魚体のサンプル提供やコイ科魚類の産卵場所に関する情報の提供、さらには分析機器の共用や研究スペースの提供という形で貢献しております。  また、琵琶湖博物館の学芸員が共同で現地調査を実施し、関連論文の共著者となっております。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)ありがとうございます。ぜひ、滋賀県の各機関も一緒になってこの研究を進めていただくように期待をしています。  それでは、引き続き、知事にお尋ねします。  滋賀県民の生活排水も工業排水も農業排水も全て受け入れて、琵琶湖は多くの生き物のゆりかごであり続け、近畿1,450万人の飲み水を提供してきました。これは世界的にも希有なことであります。  県民の琵琶湖を守る取り組みがとうといということは言うまでもありませんが、琵琶湖の生態系の変容、コイの在来種がコイヘルペスの危機や交雑の心配もある中で、ひっそりと琵琶湖の深いところをすみかとしながら、田んぼやヨシ帯や浅瀬で産卵し、沿岸で餌をとり、命をつないできたのであります。とても身近な存在でありながら、生態はまだ解明されていないとのことです。  この分野において、滋賀県の研究機関はより積極的に取り組む責務があると思いますが、どのように思われますか。知事、お願いします。 ◎知事(三日月大造) お取り上げいただいております在来型のコイの生息場所や生態を解明することは、種の保存にとって重要であると考えます。このことから、実験設備や現地調査での支援など研究への協力に加え、県の試験研究機関がさらに連携協力を強めるとともに、研究成果の発信にも積極的に関与してまいりたいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)国際自然保護連合によると、外来のコイ、例えばヤマトゴイ等は環境を害する存在として、ブラックバスと並んで世界の侵略的外来種ワースト100に挙げられていると聞きますが、どういうことでしょうか。琵琶湖環境部長にお尋ねします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えします。  世界の侵略的外来種ワースト100は、本来の生息地以外に侵入した外来種の中で、特に生態系や人間活動への影響が大きい生物が選定されております。  いわゆるヤマトゴイなどのユーラシア大陸を原産とするコイは、原産地以外の例えば北米やオーストラリアの水域で深刻な水質の悪化や水生植物の減少を招くことがあるため、選定されたものと認識しております。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)琵琶湖での対応の仕方も追い追いしっかりとはっきりとさせていかなければならないと思いますが、世界農業遺産の認定に向けて、ゆりかご水田の働きも琵琶湖農業のすばらしい特徴とされていると存じますが、コイの在来種の生態を守っているのか、外来種のコイの産卵を助けているのか、実にデリケートな問題を含みます。  また、産卵の時期が分かれているかなど、在来コイの生態については、大切なことがまだ明らかになっていないようです。  ゆりかご水田の運用の最適化を図る必要と責任からも、農業環境の観察や生態把握に農業分野の協力が必要と思われますが、農政水産部長はどのようにお考えですか。 ◎農政水産部長(西川忠雄) (登壇)お答えいたします。  御案内のとおり、魚のゆりかご水田は、フナやコイ、ナマズなどの魚類が琵琶湖と水田の間を行き来していたかつての環境を取り戻す滋賀らしい取り組みでございます。  本年2月に日本農業遺産に認定をされ、現在、世界農業遺産として申請をしている「森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」の主要な取り組みの一つでございます。  本年度は、23地域、約143ヘクタールで魚のゆりかご水田に取り組まれ、うち、水田で魚類が産卵、生育していることを確認した面積が約119ヘクタールでございます。また、地域主催の生き物観察会などを通じて魚道を設置した排水路には、コイを含め、多くの魚類が遡上、繁殖していることを確認してございます。  その中で、琵琶湖固有種でありますニゴロブナが産卵、繁殖をしていることであったり、あるいは外来魚であるオオクチバスやブルーギルの繁殖の場とはなっていないことなどを確認してございます。  残念ながら、コイにつきましては、とりわけ稚魚では外観から判別がつかないことなどから、在来のもの、外来のものと区別をせず、単にコイとして扱ってきたところでございます。  まずは、魚のゆりかご水田の取り組みがコイの研究の場として役立つということでございますれば、集落や農家等関係者の御理解をいただきながら、できる限りの協力をしてまいりたいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)ありがとうございます。  琵琶湖博物館や琵琶湖環境科学研究センターでも、コイを専門とする研究者はおられないようです。水産試験場も、漁業で収益性の高い魚種に絞って研究しておられる現状だと思います。  今後、滋賀県は、奇跡的に生き残っているとされる琵琶湖在来のコイについて、どのようにアプローチをしていくお考えでしょうか。知事にお尋ねします。 ◎知事(三日月大造) さきにも述べましたとおり、この研究は種の保存という意味においても、また琵琶湖研究の歴史の中でも極めて重要であると認識しています。  水産試験場や魚類を研究対象とした学芸員が在籍する琵琶湖博物館の持つデータや知見を提供するなど、本研究が円滑に進むよう、しっかりと支援してまいりたいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)ぜひ、しっかりと研究を支援するという中で、琵琶湖にもコイの専門家を育てていくということもやっぱり考えていただいてもいいのかなと私は思いますので、また研究、検討をしていただきたいと思います。  引き続き、知事に御質問します。  滋賀県のレッドデータブック2015、この冊子で、議員の皆さんのお手元にもあるかと思いますが、希少種で、コイ野生型として分類をされています。環境省のレッドリストには、絶滅のおそれのある地域個体群15の中に、「琵琶湖のコイ在来型」と記されています。滋賀県として、琵琶湖のコイの在来型個体群に対して、生息環境を守る責務があると存じます。  SDGsの15番目の「陸の豊かさも守ろう」の中の15.5、「自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる」とあります。  15.8では、「2020年までに外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海域生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う」とあります。  SDGsに熱心に取り組む滋賀県は、この項目に対してどのような取り組みを実行していかれますか。知事にお尋ねします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  本県では、琵琶湖保全再生計画や生物多様性しが戦略等に基づいて、在来種の保全および外来種の抑制等の対策を行っているところです。  SDGsのターゲット15.5に係ります在来型のコイの保護に関する取り組みといたしましては、在来魚の産卵生息環境の改善としてヨシ群落造成事業を、また、希少な種の調査として滋賀県生き物総合調査等を行っているところです。  SDGsのターゲット15.8につきましては、オオクチバスやブルーギルなどを駆除する外来魚駆除対策事業等を行い、在来型のコイなどの在来の魚を守る取り組みを行っているところです。  今後も、各計画等の推進や生物多様性しが戦略の改定、マザーレイク21計画を引き継ぐ新たな枠組みであります(仮称)マザーレイクフレームワークの構築、国立環境研究所琵琶湖分室等との連携により、本県の生物多様性の保全やSDGsの達成に向けた取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)ぜひ今までやってきた保全の政策に加えて、今回のこのニュースを受けて、より具体的に保全の積極的な政策を、そしてまた、国やいろいろな機関の支援や資金的な応援も得て進めていただきたいというふうに思っております。  それから、ヨシ群落の造成は今進んでおりますが、最近の研究では、柳とかハンノキの琵琶湖とか河川に接している根っこ部分にモロコもフナもコイも産卵するということも大変確認がされてきましたので、これからの河川の整備とか琵琶湖岸の整備等においても、柳やハンノキの根っこというものの存在をぜひ大切にするような観点もこれから取り入れていただきたいと要望いたします。  それでは、続いて、琵琶湖環境部長にお尋ねします。  コイの表現で、環境省は在来型と外来型という用語で在来型と分類しておりますが、滋賀県のレッドデータブックでは野生型と表記しています。魚類学雑誌では、日本在来コイと大陸導入コイと分類し、琵琶湖在来コイとも書いています。どのように使い分けられているのですか、お尋ねします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えします。  在来型のコイは正式な学名や和名が決まっておりませんで、着眼点の違いによりさまざまな表現が用いられております。本県では、レッドデータブック2000年版において、いち早く琵琶湖の在来型のコイに着目し、養殖型と異なる野生の在来のものとして、コイ野生型として、要注目種と評価しました。  その後、馬渕主任研究員らの研究の進展により、養殖型とされていたものが外来起源で、野生型にされていたものが在来系統であることが明らかにされた結果が反映され、2007年に公表されました環境省の第3次レッドリストで、在来型という表記が用いられるようになったと考えられます。  また、学会誌では、コイがどのような遺伝的属性を持つかに重点を置いて、日本在来や琵琶湖在来などの表現が用いられているものと考えられます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)滋賀県はこれから何と呼んでいくという相談はされましたか。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) 今後、呼び方を変えるとか、どういうように呼んでいくとか、ちょっとまだ協議はしておりません。またこれも検討してまいりたいと思います。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)ところで、今度はコイの表現で、ヤマトゴイが外来種であることも余り知られていませんが、琵琶湖の在来種のことをウィキペディアでは野ゴイと表現しており、日本経済新聞の滋賀県水産試験場を取材した記事ではマゴイとなっています。スゴイという呼び方もあるようです。  和名はまだ決まっていないと聞きますが、滋賀県として、呼称、愛称はどのように考えていくおつもりでしょうか。琵琶湖環境部長にお尋ねします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えします。  議員御指摘のとおり、在来型のコイは、野ゴイやマゴイなどのさまざまな呼び名で呼ばれております。魚類の場合、研究者が論文等で新たに与えた和名を日本魚類学会が標準和名として認証する仕組みでありますが、在来型のコイは正式な和名が決まっていない状況であります。  琵琶湖の在来型のコイにつきまして、外来型とは別の種として適切に区別できる和名が与えられ、それが県民に親しまれる呼称、愛称となることを期待しております。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)ちょうどこの琵琶湖ハンドブックに、魚名は人と魚の交渉の結果成立した社会的財産であるという言葉が、民俗学の渋沢敬三さんの言葉を用いて載せられております。ええ言葉やなあと思いますので、やっぱり琵琶湖の民もこの大切なコイをどう呼ぶのかってとても大事で、また、みんなが関心を持つとよい活動につながるようにも思いますので、研究者の皆さんといろいろ相談しながら進めていただきたいと思います。期待しています。  滋賀県のレッドデータブックに、コイは希少種に分類されていますが、説明にためらいがあります。琵琶湖ハンドブックでは、残念なことに琵琶湖の在来種のコイについては触れられていません。県の広報物の記載を検討し、滋賀県のホームページや琵琶湖ハンドブックなどにちゃんと記事を掲載する必要があると思いますが、いかがでしょうか。琵琶湖環境部長にお尋ねします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) お答えします。  本県では、滋賀県レッドデータブックを5年ごとに発行しておりまして、最新の2015年版において、コイ野生型を希少種として評価し、掲載しているところでございます。  コイ野生型は、学術的に独立した種として正式に学名や和名が与えられておりませんものの、外来型とは異なる保全対象であると評価されたものです。  レッドデータブックの発行のほか、レッドデータブックに掲載している種をリスト化してホームページに掲載することで、コイ野生型を初め、本県の希少な大切にすべき生き物を知っていただく機会としたいと存じます。  また、琵琶湖ハンドブックにつきましては平成30年に発行したものでありますので、次回の改訂時には掲載に向けて検討したいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)よろしくお願いします。ぜひ理科の先生とか生物の先生にもこのことはよく理解していただいたり参加していただいて、子供たちにも、教材というか、夢のある話としてもちゃんと正確に伝わることを念願したいと思います。  次に、我々の生活の中でも、種の保全、生態系の維持という観点からいえば、ニシキゴイやヤマトゴイの放流などは厳に慎むべき行為でありますが、どれだけの県民が御存じでしょうか。学校教育も含め、県民の皆様に知っていただき、より琵琶湖への正しい知識を備えるように、在来種の保護と外来種の抑制の周知が必要と思いますが、知事はどのようにお考えですか。 ◎知事(三日月大造) 議員御指摘のとおり、ヤマトゴイなどの外来型のコイを放流することで、在来型のコイと交雑してしまうことや、在来の水草や水生昆虫などへの生態的な影響が懸念されます。  また、コイの放流につきましては、コイヘルペスウイルス病の蔓延防止のため、滋賀県内水面漁場管理委員会などの指示により制限をされているところでございます。  琵琶湖には、お取り上げいただいたように、在来型のコイと外来型のコイが生息していることや、一般に外来種が生態系に与える影響等について、広く県民への啓発に今後もしっかりと努めてまいりたいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)馬渕先生のレポートなどを読ましていただくと、現在、ヤマトゴイも琵琶湖にいて、その生態系について余りヒステリックに取り上げるよりは、現在の生態系が安定しているので丁寧に見ていくということも言っておられますので、また滋賀県として……。  ただ、環境のためにとか教材のためにということで、河川に外来種のコイ、またニシキゴイを放流することは、漁業関係の人はよく知っておられますが、いけないということをね。でも、県民の皆さんはそこまでまだ御理解になってない方もあると思うので、ぜひ啓発について、これからはお願いをしたいと思います。  広報と同時に、研究者や県民の皆さんの活動を支援することが必要と思います。琵琶湖保全再生法や水産多面的機能保全事業補助金、これは率が高いんですが、予算とか資金の工面先は見出せると思います。県はどのような心づもりをされているでしょうか。ぜひ馬渕先生や瀬能先生、そして滋賀県の先生方が参加されているこの取り組みであるとか、琵琶湖環境科学研究センターの内藤先生をリーダーとする琵琶湖に関する取り組みとか、さらに支援を積極的にしていただきたいと思いますが、知事はいかがお考えですか。 ◎知事(三日月大造) さきにも述べましたとおり、この研究に対して、実験設備や現地調査などさまざまな形で支援を行ってきたということでございます。  このような支援を継続するとともに、研究者の御意向も確認しながら、県の試験研究機関による支援を積極的に考えてまいりたいと存じます。  議員御指摘の資金の工面につきましては、国の制度のほか、民間資金などさまざまな方法が考えられます。また、ほかにもたくさんの研究等もありますので、研究の進捗状況等に応じて、適切な方法を国立環境研究所ともしっかりと議論し考えてまいりたいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)夢のある話題ですので、ぜひ積極的に応援をしていこうというスタンスをお示しいただきたいと思います。  さて、絶滅のおそれのある地域個体群の琵琶湖のコイ在来型には、春先にヨシ群落や田んぼに上がって産卵すると言われており、夏から秋は沿岸部で採餌、餌を食べ、冬場は琵琶湖の水深20メートルより深いところで生息していると言われます。  レジャー利用者にも琵琶湖の希少なコイの生息環境を保全する責務があります。この希少な在来種は外来種より非常に敏感であるため、夏から秋の沿岸部で騒音の著しいプレジャーボートは採餌を阻害すると考えられます。  環境省レッドリストやSDGsに即し、琵琶湖レジャーの条例で規制区域を改めてよく検討していただき、地域によっては航行を控えていただくように理解を求めるべきと思うのですが、知事はいかがお考えですか。 ◎知事(三日月大造) 議員御指摘のように、プレジャーボートの航行が、在来型のコイが餌をとる行為などに与える影響については懸念されるところでございます。  一方で、このことについての知見につきましては十分ではないと認識しておりまして、まずは、国立環境研究所琵琶湖分室の研究成果なども注視しつつ、対応の必要性について検討してまいりたいと存じます。  なお、他の魚介類を初め、鳥類やトンボ類など、湖岸付近には多様な生物が生息しており、これらへの影響も懸念されますことから、レジャー利用される皆さんには、そうした生態系にも配慮し、ルールを守って楽しんでいただくよう、引き続き理解を求めてまいりたいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)コイは音をとる器官があるので余計騒音に関しては敏感だということが、これは知見があります。ですから、ぜひこのことでもう一度御検討をいただきたいと思います。  NHKの番組によると、200年前のシーボルトは、日本のコイをキプリヌス・カルピオとキプリヌス・メラノータスと分類し、日本の固有種名メラノータスを考案し、発表をしました。しかし、その後、大陸系統のコイと同じものとして扱われ、認められなくなったとのことです。  200年たった今日、ミトコンドリアDNA検査ができるようになり、コイヘルペスで在来コイが大量死し、サンプルが多数手に入って、学術的にも偉業と言える研究が進展したとのことでございます。  このことは歴史的にも価値が高いものであることから、その過程を記録したNHKの続編番組の製作などを呼びかけていくことも重要ではないかと考えますが、知事はいかがお考えですか。
    ◎知事(三日月大造) 今回の研究は歴史的に価値の高いものであると私も思います。その過程を記録し成果を発信していくことは、琵琶湖の価値を高めるほか、生物多様性保全に向けた県民の皆様の意識向上にもつながるのではないかと認識しています。  成果の発信といたしましては、議員御提案の続編番組も方法の一つではございますが、研究成果を生物多様性保全に向けた普及啓発や環境学習の題材として活用していくことなど、さまざまな方法もありますことから、幅広く考え、行動してまいりたいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)「スカーレット」「麒麟がくる」でNHKの番組が次々と来て大変にぎわっているわけですが、このコイのことについて、NHKは既に「サイエンスZERO」という番組で全国から大変な反響を受けています。  しかし、世界のこの生物学の現場でこのことが認められるという瞬間が数年後に来る可能性があります。だから滋賀県として、ぜひ知事からNHKに、番組つくってえなということを頼んでいただくことを今要請しているんですが、もうちょっと温かい答弁はいただけないでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 機会を捉えて、またNHKの方と話したいと思います。何か知事が言えば何か番組ができるというものでもないと思いますので、その点、放送会社との関係は一定の矜恃を保ちつつ、ただ、議員おっしゃったように、こういう興味深い研究成果が出てきて、また番組でも一部取り上げられることで反響も出てきているという、このことについては、よく共有をしていきたいと思います。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)ぜひNHKさんにも、あの番組よかったわと、ぜひこれからも頼むわということを、滋賀県挙げて伝えていきたいなというふうに思います。ぜひ先頭に立ってください。びわ湖放送もぜひ、琵琶湖の問題ですから、番組をつくっていただきたいというふうに思います。  次、全国的に琵琶湖といえば石けん運動、富栄養化防止条例のことを社会の授業で習いますので、赤潮やアオコといった汚染された琵琶湖のイメージが最初の記憶として焼きついている人が少なくありません。それらの人の琵琶湖への好ましくないイメージを、今回取り上げました琵琶湖の在来のコイの存在で上書きし、琵琶湖の神秘さ、清らかさ、生き物のゆりかごとしての琵琶湖の懐の奥深さに畏敬の念を抱いていただくのに打ってつけの話でないかと思うわけでございます。滋賀ブランド、びわ湖ブランドの面からも、琵琶湖の美しいイメージを上書きする千載一遇のチャンスだと思います。  そして、世界の生物学会から注目され評価されるテーマであります。知事にぜひとも先頭に立って、この問題についても県民運動として注目し、応援していくようになりたいと思いますが、締めくくりの知事の御答弁をお願いいたします。淡水魚の王者と呼ばれるコイについてぜひ御支援を、リーダーになっていただきたいと思いますが、いかがですか。 ◎知事(三日月大造) 今回お取り上げいただくことで、馬渕主任研究員が長年手がけてこられましたコイのDNAについての研究により、琵琶湖が日本の在来型のコイにとって貴重な生息の場であることが改めて明らかとなったところでございます。  この成果は、学術的な価値に加え、約400万年の歴史の中でニゴロブナなどの固有種の進化の舞台となった古代湖である琵琶湖の神秘さや奥深さを再認識させるものであり、研究員のたゆまぬ御努力に改めて敬意を表したいと思います。  また、議員御指摘のように、こういったことが琵琶湖のさらなるイメージアップにつながる絶好の機会と捉え、その成果等を国内外に広く発信するなど、びわ湖ブランドの構築にもつなげてまいりたいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)ありがとうございます。コイとの琵琶湖の民の関係性というのは、お祭りにコイの洗いを食べたりコマブシを食べたり、赤ちゃんが生まれるということになると、コイコクやフナのおつゆを飲んで母乳が出るようにとかずうっときましたので、琵琶湖八珍に入ってないんですけれど、ぜひ、これからまたコイの存在を見直していただきたいと思います。  それでは、次の質問に移ります。  フードバンク活動への税制優遇についてを御質問します。  自由民主党の佐藤健司議員の代表質問の御答弁でも、三日月知事は食品ロスの取り組みに熱心に進めていくことを表明されました。滋賀県のホームページには、食品ロスの削減初め、フードバンク活動への食品提供者のメリット、受ける側のメリット等が整理されています。  また、これまでの議会の一般質問や先般の決算委員会でも、子ども食堂の助成の方法が変わり、自立を促す内容になっているのでありますが、どのようにして子ども食堂を存続するか、持続可能な手だてが見えないままであり、子どもの笑顔はぐくみプロジェクトという形を変えた助成になりましたが、現場は先行きの不安を抱えています。  そこで、フードバンクが食品ロスの削減にも子ども食堂の支援にも貢献し、希望の歯車となることを期待し、質問をつくりました。  滋賀県では、業務用よりも家庭の食品ロス半減が主眼になっているように思われます。フードバンク活動においても、個人参加のフードドライブの観点からが強いように思います。  例えば、子ども食堂への食材提供の一部をフードバンクが支えることを期待するなら、企業の参画が不可欠であると考えます。国が整えられた損金算入などの制度を生かして、子ども食堂の安定的な運営を支え得るフードバンクの仕組みづくりについて、県が上手に関与することで循環の輪がつながると思い、以下、質問します。  各地で実施され県庁でもされたフードドライブも、募金活動のように協力者をふやし啓発することには有効であると思います。実際に多くの種類の食品が数多く寄せられたことは、県民の心をノックしたと思いますし、大きな力を生み出しました。  さらに進めるために、寄附社会の成熟という観点から見ると、個人にとどまらず、企業の不要在庫などを寄附していただき、もう少し量的にも多く、定期的かつ安定的に供給していただける仕組みが待たれます。県がビジョンを示して、企業の参加を誘引してはどうでしょうか。  食品製造企業は、身を切るごとく、食品ロスを産業廃棄物として費用をかけて処理しておられます。産廃処理費、輸送費、倉庫等の保管費がかかっています。食品衛生上は問題がなくても、製造してからの期間の経過によって、社内の商品管理上のルールで産業廃棄物処理や再資源化に回しておられる一定量があります。小売店でも消費期限前に店頭では入れかえが行われ、廃棄物処分に回されてまいりました。  これらを産業廃棄物で出さず、フードバンク活動をする団体に無償で提供すると、廃棄物処理費がかからず、倉庫代なども浮き、輸送費等も軽減ができます。お金を出して処分していた食品を無償提供すれば、廃棄費用が削減され、結果、食品ロスの大口削減になります。  ここからが大事です。  さらに、食品提供企業にメリットとなるのは、2018年12月以降、一定条件のもとでなら、食品を提供する費用、すなわち製造原価や輸送費を提供時の時価で損金の額に全額参入してよいという税法上の優遇制度ができたことです。このフードバンク活動に食品を提供する場合の税法上の優遇制度とは、どんな内容でしょうか。  廃棄コストが浮いて損金算入枠も拡大しますと、食品提供企業さんも、その浮いた何割かは寄附することもやぶさかでなくなると思われます。浮いた費用の何割かをフードバンクの運営費などに寄附する仕組みにつなげていただければ、フードバンク活動を支える法人や団体の人件費や運営費に充てることができ、持続可能な仕組みが回り始めますし、新しい仕事、雇用の創出になります。  この廃棄費用の削減と損金参入の2つの経営的メリットと社会貢献の観点から、企業は大きな関心をお持ちになると考えられます。そのためにも、これらを企業や県民の皆さんに広く知っていただかなければなりません。行政の企業支援をする部局や税理士さん、公認会計士さん、行政書士さん、商工会議所や商工会の指導員さん、金融機関などにも、食品製造企業さんらに的確なアドバイスをしていただけるように、県が率先してフードバンク活動への食品を提供した場合の税制の優遇制度の説明会などを企画し、周知に積極的な役割を果たすべきと思いますが、どうでしょうか。  もちろんインターネット上でも県のホームページや説明動画をユーチューブに上げるなど、しっかりと説明をしていただきたいと存じます。  他方、寄附や食品の提供を受けるフードバンク側、NPOや社会福祉協議会等にも、損金算入のために果たさなければならない要件があると存じます。それらはどのようなことですか、お尋ねします。  税務処理に通用する書類の作成と考えると、一定の事務能力や法令遵守についての管理能力、そして人員も必要になると思います。県内で企業から食品の提供に対応できる体制は整っているでしょうか。  そして、民間法人がそれらの要件を果たしていくために、フードバンク活動をされる法人や団体へのサポートを県はきちんとすべきとき、タイミングではないかと思います。どのようにお考えですか。  フードバンク活動の支援は食品ロスの削減にとどまらず、子ども食堂の支援もでき、貧困対策でもあり、循環社会づくりでもあり、企業支援であり、雇用創出であり、市民活動やコミュニティーの活性化の政策スイッチとなることができるのではないでしょうか。もちろんSDGsに沿った活動でもあると思います。  この制度をよりよく理解し、県内のとうとい民間のフードバンクの取り組みを支援し、子ども食堂を持続可能な取り組み事例となるように、循環政策部局、福祉部局、企業支援部局、税制の部局などにリーダーになっていただき、県庁横断的発想で支援チームを編成して果敢に応援すべきと思いますが、いかがでしょうか。全て知事に御所見をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) フードバンク活動への税制優遇等に関して、私には6点御質問いただきました。  まず1点目、食品を提供する場合の税法上の優遇制度についてでございますが、国税である法人税におきましては、企業が廃棄予定の食品をフードバンクへ提供した場合、その提供に要する費用を全額損金として算入できるとされていると聞いております。  具体的には、食品の提供が実質的に食品の廃棄処理の一環で行われる取引であること、また、2つ目といたしまして、フードバンクとの合意書の中で、食品の転売等の禁止やその食品に関する情報の記録保存、結果の報告などのルールを定め、提供した食品が目的外に使用されないことが担保されていること等が要件とされているとのことでございます。  2点目、優遇制度の周知についてでございますが、今回の税法上の優遇制度については、関係者に対して、さまざまな機会を捉えて説明、また発信をしていきたいと存じます。  また、県運営の協働に関する情報サイトでございます「協働ネットしが」において情報発信するとともに、フードバンク活動は食品ロス削減にも有効であると考えられることから、滋賀県ごみ減量・資源化情報サイト「ごみゼロしが」上でも掲載し、紹介してまいりたいと存じます。  3点目、食品の提供を受ける側のフードバンク等の要件についてでございますが、食品の提供を受けるフードバンクやNPO等は、食品提供企業との合意書を締結することと、食品の内容や提供量がわかる受取書等を提供企業に提出することの要件があるものと承知をしております。  4点目、企業からの食品の提供を受けるフードバンク側の体制についてでございますが、フードバンク活動を行う団体ごとに体制はさまざまであると承知しておりますが、食品の受け入れ事務や、さきにお答えした書類作成などの事務処理等を考えますと、中には人員など体制が脆弱であられる団体もあるのではないかと認識しています。  5点目、フードバンク活動をされる団体等へのサポートについてでございますが、フードバンク活動を適切に行うためにも、また税法上の優遇措置を受けていただくためにも、団体のNPO法人化、さらには認定NPO法人化が望ましいと考えられます。  県では、公益財団法人淡海文化振興財団、通称淡海ネットワークセンターを通じて法人化に向けたサポートを行っており、こうしたことも関係団体に周知等してまいりたいと存じます。  最後6点目、県庁横断でフードバンク活動への支援を行ってはどうかということについてでございますが、本県で去る9月18日に、民間団体からの提案に基づき、フードバンク活動について協働プラットフォームを開催いたしました。この場におきましては、琵琶湖環境部および健康医療福祉部を初め、県社会福祉協議会などの関係団体とともに、フードバンク活動の必要性や実施に当たっての課題の共有を図ったところでございます。  フードバンク活動は、子ども食堂などへの食料支援や食品ロス削減など、社会的意義がますます高まっております。このため、引き続き協働プラットフォームを通じて、食品を提供する企業などとも連携を図るとともに、例えば子ども食堂の支援をテーマとしてフードバンク活動の応援ができないか、庁内横断で検討する場を設けてまいりたいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)ありがとうございました。このフードバンク活動、今やっぱり始まった大切な時期だと思いますし、滋賀県の寄附や、そしてまた公益法人の制度とか、そういうものについてもよい学びにもなると思いますし、ぜひ、おいしい話が本当に行き届いて喜ぶ人がふえるように、滋賀県が大切な役割をお果たしいただきたいと思います。知事、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます。終わります。(拍手) ○副議長(細江正人) 以上で、23番海東英和議員の質問を終了いたします。  次に、3番柴田清行議員の発言を許します。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇、拍手)3日前に、私のもとに悲しい知らせが参りました。現職の長浜市議会議長が、就任より4カ月というときに急な心筋梗塞によりお亡くなりになりました。本当に元気で、お酒も飲まずに、スポーツマンであった議長でありまして、私の議長時代にも、同僚として、会派の会派代表として、また常任委員長としても2年間支えていただきました。本当に哀悼の誠をささげ、御冥福をお祈りしたいと思います。  この12月議会開会中でございまして、何とか西邑定幸議長の意をとっていただいて、県が支える市町の議会もしっかりと12月議会を乗り越えていただきたいと思っております。  また、皆さんも、本当に当局の皆さんも県民のために激務をこなしていただいておりますので、お体に御留意をしていただきたいと思っております。  西邑定幸議長、「さだやん」と私も呼んでおりました。きょうはお別れの日になりましたが、私はこの壇上に立たさせていただいております。いつものように背中を「さだやん」に支えていただいて、一般質問をやらさせていただきたいと思います。  それでは、まずは、公立病院事業の課題について質問をいたします。  1つ目に、医療費における消費税について質問をいたします。  社会保険診療においては消費税は非課税であるのは、現状においてもちろんのことでもあります。しかし、病院経営の中では、仕入れ品や医療機器や大きな建物建設においては、消費税を病院側で支払っていただいておるのが現状であります。医療費非課税分は診療報酬の一部に補填されている、と厚生省は示しております。今回の10月からの消費税10%に対しても、診療報酬の改正がわずかながら行われております。  しかし、高額医療機器や病院建物建設などに支払われる消費税は診療報酬に含まれる消費税補填分では補えないと、公立病院経営者の声が聞こえています。ただでさえ公立病院は、総合的な診療科の設置や不採算診療の設置など、なかなか経営を支えることができない、地域にない診療科の設置も行っていかなくてはなりません。  先日、我々自民党の新人議員が東京で消費税の勉強会に臨ませていただいた際に、国税局の方や厚生労働省の方にこの質問をぶつけてみました。返ってきた答えは、確かに消費税は診療報酬の中で全てが補填されているわけでは難しい現状であり、2年前から法人税減税でも補われていますという回答も受けました。  しかしながら、公立病院は非課税でありますので、この恩恵を受けているのか受けていないのかわからない状態であります。消費税が10%になり、ますます消費税負担分が拡大し、経営悪化につながると考えます。  全国知事会においても、消費税負担分の補填を要請していただいていると聞いておりますが、私は決して社会保険診療における消費税非課税分の廃止を訴えるものではなく、病院事業として消費税負担軽減をもっともっと強く厚生労働省へ働きかける必要があると考え、知事にお考えをお聞きいたします。  次に、地域医療介護総合確保基金医療費分について質問をいたします。  地域医療介護総合確保基金は、地域における医療と介護の総合的確保を推進するために、平成26年度から消費税が5%から8%に上がった消費税増収分等を活用した国の財政支援制度であり、そのうち医療費分については、1つ目に、地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設または設備の整備に、2つ目に、在宅における医療の提供に、3つ目に、医療従事者の確保に基金を活用できるとされております。  しかし、この基金の国の県への内示額は、29年度は6.9億円、全国で47番目、最下位、30年度は8.2億円で全国で44番目、ことしは7.4億円で39番目と大変低い水準にあります。市町からは、県の基準に従い申請をしているが、特に施設や設備の整備において県へ事業提案を行ってもなかなか採択に至らず、必要な財源確保が難しい現状にあるとお聞きをしております。  地域医療構想を進める中に当たり、もっともっと市町との連携のもとで、このような財政支援制度を利用していく必要があると考え、知事にお考えをお聞きいたします。  3つ目に、県の医療政策において、僻地医療政策など重要な役割を担っている長浜市立湖北病院について質問をいたします。  第7期滋賀県保健計画では、「僻地においても保健医療サービスを継続して受けることができる」、このことが目指す姿と示されております。県においても5市13地区が無医、お医者さんがいない地区、または準無医地区として指定をされております。この地域においても、他の地域と同じような医療を受けられる体制づくりをしていただいていると理解をしております。  長浜市立湖北病院がある湖北圏域には、準無医地区が県の半数近く、6地区も存在し、県としても僻地医療の充実は重要な問題であり、湖北病院が僻地医療に果たす役割は大きいと考えています。  それにもかかわらず、我が会派の佐藤健司議員が代表質問でも訴えたように、今般の公的病院の再編統合の議論が必要な病院として厚生労働省から名指しで公表され、地元からは大変不安の声が上がっております。  そこで、僻地医療はもちろんのこと、それだけでなく、県の医療政策において長浜市立湖北病院が担っている役割についてお聞きするとともに、今回の厚生労働省による湖北病院の公表に対する県民の不安な声に対して、どのように取り組んでいくのか、知事のお考えをお聞きいたします。 ○副議長(細江正人) 3番柴田清行議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします前に、言及いただきました西邑長浜市議会議長の急な御逝去には、私も言葉を失いました。長年一緒に活動されていた議員のお悲しみはいかばかりかとお察し申し上げます。心から悼み、謹んで御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。  公立病院事業の課題について、3点御質問いただきました。  1点目、医療機関に対する消費税の影響に関してでございますが、社会保険医療は消費税に関し非課税取引でありますことから、医療機関が仕入れに際して支払った消費税を補填するため、診療報酬や薬価に消費税を反映し点数を上乗せされていると承知しています。  しかし、提供する医療サービスや診療科により設備投資に差がありますことから、医療機関によっては診療報酬における補填が十分ではないケースもあると聞いており、公立病院においても同様の課題があると認識しています。  そのため、国はことし10月の消費税増税に係る診療報酬改定において、直近の医療費データを用いて、入院料について病院種別や病床機能も考慮するなど、これまでよりもさらに実態を踏まえた形で、診療報酬の配点方法を精緻化したと聞いております。  県といたしましては、国に対して、消費税増税後の診療報酬による補填状況について継続的に調査を行うとともに、医療機関の経営実態等を十分に考慮し、必要な場合に対策を講じるよう、全国知事会を通じて求めているところです。  今回の診療報酬による補填状況、今後の国の対策、その効果等について注視し、これらを踏まえて国への働きかけを行ってまいりたいと存じます。  2点目、市や町との連携のもと、地域医療介護総合確保基金を利用していくことについてでございますが、議員御指摘のとおり、地域医療介護総合確保基金の国からの内示額はここ数年低くなっております。  その理由といたしまして、1つ目の医療機関の施設設備整備事業の対象分につきまして、平成27、28年度に翌年度以降の先取り分として国から基金の配分を受けており、その先取り分を差し引いて国に対して申請をしていることが挙げられます。  一方、2つ目の在宅医療事業と3つ目の医療従事者確保事業の対象分につきましては、合計で平成29年度は5.3億円、平成30年度は5.9億の内示があり、全国総額が平成29年度399.9億円、平成30年度433.7億円であるため、相応の配分をいただいているのではないかと思料しております。  基金の医療分の国への申請に当たりましては、毎年、市町や病院、医療関係団体などから、地域医療構想調整会議での議論を経て基金の事業提案をいただき、県ではいただいた提案事業について、地域医療構想の実現に寄与するかどうか、国の基準に合致するかどうか、また、他の国庫補助事業で対応できるかどうかなどを検討した上で、必要な事業を県予算に計上し、それをもとに国に対して申請しているところでございます。  今後とも、市町はもちろんのこと、病院や在宅医療関係者などからの御提案や御意見を聞きながら、基金を活用することで地域にふさわしい医療提供体制が確保できるよう、引き続き取り組んでまいります。  3点目、湖北病院の担う役割と県民の皆様の不安のお声への取り組みについてでございますが、長浜市立湖北病院は、僻地医療拠点病院として無医地区等へ巡回診療を行っていただき、湖北圏域の僻地医療確保に御尽力いただいているところでございます。  また、救急告示病院として、入院の必要な患者に対して救急医療を提供をしていただいており、退院後は関係機関と連携して、在宅医療まで一貫して支える地域密着型の病院でございます。  さらに、原子力災害医療提供体制において、原子力災害医療協力機関としての役割も担っていただいているところでございます。  厚生労働省の病院名の公表による県民の不安のお声に対しては、湖北病院がある湖北圏域で3病院の役割分担について検討が進められているところであり、湖北地域の実情も踏まえ、また、地域の皆さんのお声もしっかりとお聞きしながら、湖北圏域地域医療構想調整会議で丁寧に議論を進め、その過程について広く県民の皆様にお知らせをしてまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)消費税について、これから県立病院のまた新たな建設も始まろうとしておりますので、しっかりと調査をして、また、知事の方から知事会を通じて、しっかりとした補填がしていただけるようにお願いをしたいと思っております。  地域医療介護総合確保基金につきましてなんですが、先ほど知事が言われていました2番目、3番目に関して、僕は十分なとは言えませんけども、まあまあしっかりとした基金を支援していただいていると思っておりますが、やっぱり1番の建物や設備について、これ、いただいている資料からいいますと、29年度はちょっとまだいただいてないんですけど、30年度、58の病院が県に申請をしていただいたんですが、県が採択された16病院、今年度──31年が39の病院が申請をしていただいて、採択していたのは7つ。どうしても市町にとっては、県の言われている方針の中で出しているのに、なかなか県から国へも申請をしてもらってないという現状もあると聞いております。  何とか再度、こういう部分に関して、やっぱり国の支援がいただけるという制度を、財政のほうもあるかと思うんですが、ここら辺は県としてももう少し上がるような努力を当然していただきたいと思っております。このことについて知事に再問をさせていただきたい。  そして、3つ目の湖北病院に関しては、透析をするこの旧伊香地区のただ唯一の医療機関でもあります。今、原子力には大変大事な病院だと知事からも言っていただきました。しっかりと皆さんの議論の中で、急性期はなかなか難しい部分があるかもしれませんが、回復期や慢性期には大変重要な病院だと思っておりますので、維持をしていきたい。大きく声を上げていただきたいと思います。2番目のこのことについて、再問をさせていただきます。 ◎知事(三日月大造) 失礼いたしました。議員のお気持ちは受けとめさせていただきたいと思いますが、先ほどもお答えいたしましたとおり、当然予算のこともございますし、私どもが持っている地域医療構想との関係を見させていただいたり、そもそも基金事業の対象外なのではないかということですとか、ほかの国庫補助を使えるんじゃないかとか、いろんなことを勘案の上、十分満足いただける状態になってないのではないかなと拝察いたします。  とはいえ、今後もこういった基金を活用したさまざまな取り組みをしていくことになると思いますので、よく事情等をお伺いして、いろんな条件等についてもよくコミュニケーションをとって、地域医療、介護のために必要な施設整備が着実に進んでいくように、努力をしてまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)対象の補助金になってないという、だから申請までに県と市がもっとやっぱりしっかりと相談しないといけないと思っているんです。だから市町が出したのに申請してもらえないという部分になるので、そこら辺はしっかりと県と市町のやっぱり医療構想を踏まえて、しっかりとした議論をそれまでに、病院が出される前にやっぱりやっていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  続いて、基金運用の現状と今後の対策について質問をさせていただきます。  将来の財政状況が令和8年までに累計で1,060億円の予算不足が生じる可能性があるとも公表をされました。今後は財政再建が急務となりますが、一方で、利益を生んでいる基金運用にもっともっと努力を注ぐ必要がないのかという観点から、前回、基金運用の見直しを提案をさせていただきましたが、大変時間がなく、知事にも失礼な質問になりました。再度、一問一答方式にて質問をさせていただきます。  現在の滋賀県の基金運用の現状については、30年度の運用利回りが0.104%、調査できた45の都道府県の中で29番目であり、滋賀県においては大半が大口預金であり、基金運用の6%を、当県が発行した地方債の償還積み立て原資である県債管理基金で10年ものの債券を運用されているのが現状であります。  他県の状況では、長期債券や超長期債券の購入で債券運用されている島根県や栃木県のすばらしい運用状況を前回も説明をさせていただきました。早速、島根県に職員を派遣をしていただき、調査研究をしていただいたと聞いております。最近の時事通信社の記事によりますと、島根県では債券発行と基金一括運用で、近年5年間で利回りを5倍にふやしたという記事の紹介もございました。  また、滋賀県内の市町においては、不動額の的確な管理をされている長浜市、東近江市、守山市などは債権を購入され、特に長浜市においては債券運用率が30%、これは知事の前回のお話の中でも30%が最適であるという形で、長浜市は平成30年度において約370億円の基金運用で2億1,600万円の運用益を出されております。  ちなみに、滋賀県は倍の670億円を運用して、長浜市の3分の1、運用益は7,000万円であります。しかも長浜市は、大口預金において高い利回りも出されております。  この長浜市、10年前からこの債券運用をされていた結果が現在のこの2億1,600万円。1人の職員さんが本当に勉強されて、この債券運用を10年前からされていたと。ちなみに、滋賀県がこの10年前から債券運用をもしされていたなら、私の計算では5億か6億円の今の運用益が出たんじゃないかなと思っております。  10年前にこの職員さんの話をしっかりと聞かれた上層部の方はすばらしいと思っておりますが、ちなみに10年前は、我が会派の佐藤県会議員が副市長で長浜市に来ていただいた時期だと思っております。(「加藤議員」)すいません、加藤先生が。  そこで、一問一答方式で質問をしたいと思います。
     各基金と預金債券の1対1の関係をなくし、複数の基金を一体のものとして捉え、複数の基金をまとめて一括運用して、不動額を見積もって運用できる金額をふやしていかなければならないと考えますが、県債券の管理基金以外の基金においても、不動額を見積もり、運用することについて、会計管理者のお考えをお聞きしたいと思います。 ◎会計管理者(青木幸一) (登壇)基金の運用状況と今後の対策につきまして、不動額を見積もり、運用することについての御質問にお答えいたします。  現在、本県においては39の基金があり、その基金に属する現金を、会計管理局ではまとめて一括して運用しており、その運用益を各基金に配分しているところでございます。  これらの基金のうち、10年後の一括償還に備えた県債管理基金については長期間取り崩しが発生しないと見込まれることから、これを不動額と捉えて、債券と預金で運用しています。  これ以外の基金については事業費に充てると、こういう性格から取り崩しに備える必要があり、キャッシュフローの安定を図る役割もあることから、預金で管理をしております。  また、今後の財政収支見通しにおいて、令和8年度までに累計で1,065億円の財源不足が生じる可能性があり、財源調整的な基金の取り崩し等により対応することとされています。  こうしたことから、県債管理基金以外の基金については、不動額として捉えることは困難であると考えております。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)この不動額の考え方、市町、長浜市とか守山とかは、なかなか債券を当然市町は発行していませんので、債券の積み立て運用を債券に利用するということもできない中で、不動額も出されているわけですよね。  県としても、各課で基金を管理していただいているんですが、どこまでが使えるのか。実をいいますと、基金の運用率、昨年がたった7.4%、その2年前が10.1%、次が18.7、ほとんど基金使われてないんですよ。なかなか各課と相談をして基金の不動額を出すのは難しいかと思いますが、これはしっかりと今後いろんな面で、次の質問にかかりますので再問はしませんが、この不動額を的確にあらわすということは非常に重要だと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  続いて、基金運用のうち、債券運用の割合は6%であります。そのほかの預金は、引き合い預金といいまして、入札をして利回りを決めると。7社ぐらいで入札をしておられるのが44%、1つの銀行に利息を相談して決めているのが49%もあります。現状について、会計管理者のお考えをお聞きいたします。 ◎会計管理者(青木幸一) お答えいたします。  基金の運用につきましては、歳計現金の保管の例に準じ、指定金融機関その他の確実な金融機関への預金等によって保管しなければならないとされております。  このため、本県では指定金融機関への預金を基本に、ペイオフへの対応をも考慮し、金融機関ごとの借入額を限度として、入札による預金で運用を行ってきたところでございます。  また、平成24年度からは、10年後の一括償還に備えた県債管理基金を10年債により運用しております。この結果、平成30年度末現在では、議員御指摘のとおりの運用割合となっているところでございます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)この相対預金、全国調べてみましたら、全く相対預金はもうないというとこは16府県ぐらいあります。相対と、そして引き合い預金があるのは17ぐらいというような私の調査でわかっているんですが、引き合い預金の比率が両方ともある県によっても、引き合い預金は7割、8割。1つの銀行で預金を決めている。ペイオフの関係があるかもしれませんけども、この古いならわしみたいな形で、この1社で決めている。当然利回りもどんと低いこの相対預金が、半分以上滋賀県はまだ存在するという状況、これはやっぱり比率をかなりの部分で変えていかなければならないと思ってるんですが、再度、会計管理者のお考えをお聞きいたします。 ◎会計管理者(青木幸一) お答えいたします。  公金の安全性の観点から、指定金融機関への預金に重きを置いているところでございます。指定金融機関は滋賀銀行でございますけれども、県の公金取り扱いに伴います支払資金の当座勘定の借り越しの見合い預金として行っている部分もございます。  これによりまして、県は公金の支払資金に不足が生じたときは、いつでも600億円を限度として借り越しを行うことができる契約となっております。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)もしものときにという部分、過去五、六年間で、その特定金融機関からお金を引き出されたという例があるんでしょうか。再問したいと思います。 ◎会計管理者(青木幸一) お答えいたします。  近年、平成25年度には基金の取り崩しをしましたほか、その基金を歳計現金へ一時融通する繰りかえ運用も332億円行ったところでございます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)指定金融機関、それ大切だと思いますけども、だんだんだんだん他の府県もそれを少なくするというのが流れになってきています。これから次の預金をする、また借金をするというのも、これから債券でやるということが、この1,060億円の予算不足、これは債券を発行してというような話にもなってきますので、次の項目に入りたいと思っております。  また、債券の購入額を今後ふやしていくことができないかと前回知事にお尋ねしましたが、「保有割合としては3割程度の債券を有するという方向であるが、現在の債券購入より高い預金で運用を行う」とお答えになりました。  最近では、10年もの地方債の利回りは0.085%あり、現在の預金の利回りとほぼ変わらない状態。今回の基金運用について、債券運用を再開してはどうかと考えますが、会計管理者のお考えをお聞きいたします。 ◎会計管理者(青木幸一) お答えいたします。  債券運用については、昨年末から国債がマイナス水準となり、10年ものの地方債の利率が購入の目安としていた利率、0.15%でございますけれども、これを下回る状況となったことから、新規の債券購入を控えてまいりました。  直近では、議員御指摘のように長期債の金利がやや上昇しているところでございますけれども、債券購入の再開については、今後の金利情勢を注視して判断してまいりたいと考えております。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)先ほども、今後、滋賀県の方針としては債券を発行していくというようなお話を私がさせていただきましたが、これは働き方改革、また、その中でも示されていることなんですが、島根県へ行っていただいたと思いますが、債券を発行した、そして債券を購入して運用されている。これから銀行にも頼らないような形で、島根県は8割の債券運用を基金の中でやられております。これが5倍までの利回りになったと。これからのこの滋賀県にとっても、債券を発行するならば、当然、債券の運用をしなければいけないということになってこようと思ってます。  続いて、この4番目の質問で、私の調査によると、今回回答のあった42の都道府県の中、21の府県において20年以上の超長期債券の購入が行われていました。20年債はより高い利息が得られると思いますが、20年債の購入についてどうお考えか、会計管理者のお考えをお聞きいたします。 ◎会計管理者(青木幸一) お答えいたします。  本県の資金運用規程では、基金の取り崩し要請に応じるための資金繰りなどを考え、原則として5年までの中期債を購入することとし、金利情勢などを勘案し、債券運用上有利と判断した場合は、10年債を購入することも可能としております。  20年債の購入については、基金の取り崩しや将来的な金利上昇への備えなどを考慮し、総合的に検討していく必要があると考えております。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)なかなか私の主張も会計管理者には通っていないというのが現状なんですが、最後に、まとめて知事にお伺いをしたいと思っております。  財政収支見通しで財源不足が見込まれる中、今後の基金運用を預金や債券運用などで運用益を確保することが非常に重要な取り組みであると考えますが、そこで、知事のお考えをお聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 基金の運用状況と今後の対策についてでございますが、基金の運用につきましては、地方自治法において確実かつ効率的に運用しなければならないと規定されており、安全かつ確実であることを旨に運用を行っているところでございます。  具体的には、預金につきましては、指定金融機関およびその他の金融機関の経営状況を半期ごとの決算をもとに評価し、ペイオフなどの預金の安全性を考慮しております。その上で預け入れ先を入札によっても選定し、効率性も高めているところです。  債券運用につきましても、有識者の御助言等を得ながら、地方債より高い利率で同等の安全性のある債券を購入するなど、より効率性に配慮した債券の購入を行っているところでございます。  引き続き外部の有識者の助言等もいただきながら、より一層、確実かつ効率的な運用が図れるよう努めてまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)知事からお決まりのお言葉をいただいたわけですが、先ほども言っていますように、今後は基金を発行されなきゃいけない、滋賀県としても。ますます発行していかなければいけないというのをあらわしておられています。  基金を運用しなきゃいけない。これも発行した場合には、基金運用というものはまた大切になります。だから、まずは僕は今の現状でも基金をしっかりと運用して、運用いうか、上げていくべきだと。他の市町もやっておられる。他の県もやっておられる。不動額を出すのが大変だとか、各課の人たちと相談するのはほんと大変かもしれません。しかしながら、これはこれからの県政において非常に重要なことだと思っています。  10年前から債券運用してたら、私の試算では5億から6億の今年度の運用益が必ずこれはできていたというのは、誰が言われてもわかってる現状です。  この基金運用、今は会計課でやっておられるんですが、今後、基金を発行していくのは財政課であります。この財政課と会計課、2つが発行と運用、今現在しているんですが、そのような状態ではこれからなかなか基金の活用方法はできないと思います。  先ほども長浜市の例を言いましたが、1人の職員さんが訴えられて、非常にすばらしい計画を立てられました。これから、やっぱりしっかりした基金運用、基金発行に関しても、今、滋賀県は11月に100億ずつ、毎年毎年一緒のようなことをやってますが、実は島根県は、その債券、10年債券、20年債券、30年というのを発行して、長期の計画、債券を長期の計画までして、お金を使う計画まで島根県はしておられるというのが現状で、これは職員さんもしっかりと勉強をしてきていただいたと思っております。  その中において、この債券運用、非常に重要になり、これからの考え方を私は滋賀県として変えるべきだと思っておりますが、再度、知事のお考えをお聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) お言葉でありますが、また、議員の御達観はしっかりと拝聴したいと思うんですけど、現時点で方針を変えるつもりはございません。  それぞれの自治体にはそれぞれの財政状況なり債券の保有状況があると思いますし、長期、超長期で運用できるかどうかは、満期一括償還の時期がどれぐらいで設定できるかということにもよると思います。  したがって、我々、大きなお金をある意味で年度内に発生する不確実性等にも対応するために運用状況を考えなければならないということ、何より安全で確実な運用等を志向しなければならないということから、今の方針で対応させていただいております。  ただ、今後、例えば市場の動向、金利の動向等もありますし、さらにもっとやれることがないのかということについては、よく会計管理局等と、また財政部局等とも議論、検討してまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)なかなか御理解をいただけないのは残念なんですが、当局とも私、この話はかなりさせていただきました。実は、この質問をもう一回下げてくれとも当局から言われていたんですが、もっと勉強したいと、知事にも説明したいと言われたんですが、私はもうこの機会にさせていただきたいという話をさせていただいたんですが。  今後、債券を発行していく、これはもう表明されているんです、財政のほうで。債券を発行されたら、債券を返していくための基金はたまっていくわけです。ためなきゃいけないんですよね。そしたら、それは長期の債券運用しかないんです。これはこれからも私も訴えていきたい。この債券の発行についても、債券発行の時期、11月に毎年やられてますけども、本当にその時期が的確なのかとか、次は、この債券発行についてもこの質問を続けていきたいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。これで終わります。(拍手) ○副議長(細江正人) 以上で、3番柴田清行議員の質問を終了いたします。  次に、44番中沢啓子議員の発言を許します。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、3項目の質問をさせていただきたいと思います。  まずは、農業振興について、以下、全て農政水産部長にお伺いをいたします。  かねてより交渉が行われてまいりました日米の貿易協定は、ことし9月25日に最終合意がされ、10月の署名を経て、来年1月発効の見通しとなりました。  牛肉、豚肉については、環太平洋パートナーシップ協定と同等の関税撤廃もしくは削減が実施される見込み、一方、米については無関税枠をゼロとしたと報道されていました。日本の農業にその影響が及ぶことが懸念されるところですが、滋賀においても、近江牛、近江米など、さらにブランド化を高める取り組みも大切だと思っております。  2018年4月、国の主要農作物種子法、いわゆる種子法が撤廃されました。食は命の源、地域でつくられた新鮮で安全な農作物をおいしく食べられるのは幸せなことです。私たちは種子法の廃止を受けて、未来を担う子供たちのためにも、また、おいしく安全安心な農作物を生産される農家の皆さんが希望を持って経営を続けるためにも、作物の種子を守り、地域の農業と食の安全を守る条例が必要だと訴えてきました。また、滋賀らしい伝統野菜や地域の特産物も大切にしてほしいと考えています。  滋賀県では、種子を守り、農業を振興するために、新たな条例の策定に向けて昨年から検討いただいておりますが、まずは、その進捗状況についてお伺いをいたします。  今後は、日本は人口減少と超少子高齢化が進み、食においては一層のグローバル化が進むと言われています。一方、夏の猛暑や豪雨、台風など地球温暖化による気候変動は今後さらに進行し、このままでは世界の気温は加速的に上昇すると警笛も鳴らされています。農業生産においてもこれらへの対応が必要です。  滋賀県では、夏の高温に強い稲の品種みずかがみを開発され、ことしの厳しい暑さの中にあっても高い品質があったと聞いておりますが、さらに環境変化に順応できる品種の開発が求められていると思います。  また、オーガニック農業や有機栽培の推進の対応として、県として認定機関の設置や、今後、農業生産現場におけるSociety5.0への対応や活用も大切と考えます。  このような課題を乗り越え、滋賀の農業を守り発展させていく条例の制定に当たっては、農家を初めJA等関係者の声を聞くなど、県民の皆さんを巻き込んでいくことが大切と考えます。条例の内容についてどのようにお考えでしょうか、お伺いをいたします。  また、本県においても、今後、人口減少や高齢化の進行が見込まれる中、滋賀県農業を維持発展させていくため、現在、滋賀県農業・水産業基本計画を令和2年度の策定に向けて取り組まれているとお聞きしています。条例はこの基本計画などとの整合性も図りながら、農業を守り発展していく具体的な内容が大切と考えますが、どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。 ○副議長(細江正人) 44番中沢啓子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎農政水産部長(西川忠雄) (登壇)農業振興について、3点のお尋ねをいただきました。  1点目、新たな条例の策定に向けた進捗状況についてでございます。  ことし7月以降、部内検討会議におきまして、生産力の最大化、気候変動への適応、環境保全対策に対応し、生産面に焦点を当てて、多様な農業者が意欲と誇りを持って農業に取り組むことができる環境づくりを目指す条例として、検討を進めてまいりました。  10月からは環境・農水常任委員会で御説明申し上げるほか、滋賀県農業・水産業基本計画審議会を初め、JA営農・農政担当部課長会議などの場で御説明申し上げ、意見を伺い、骨子原案を作成しているところでございます。  2点目の条例の内容についてでございます。  基本的な考え方としては、今後の農業生産活動を、気候変動への適応を初め、生産力を最大限に引き出すための施策により支えるとともに、琵琶湖と周辺環境の保全に配慮する施策を講じることにより、持続性の高い農業生産活動を促進することと考えております。  具体の内容はこれからの検討ではございますけれども、議員がお尋ねの中でお触れいただいた、気候変動に適応するための滋賀の気候風土に合った品種の育成や、スマート農業等の革新的技術の体系化と普及なども盛り込んでまいりたいと考えております。  また、担い手を初めとする多様な農業者等の確保や、主要農作物の種子生産と安定供給も盛り込みたいと考えております。  もとより、これらの生産活動は、琵琶湖およびその周辺環境の保全対策とあわせて進めていくことが大切でございます。特に、最近問題が顕在化しております農業濁水と農業系廃プラスチックの排出抑制につきましては、県、農業者および関係団体が一体となって取り組むことを位置づけたいと考えております。  今後も、基本計画審議会を初め、農業者はもとより、消費者など県民の方々から幅広く御意見を伺って、検討を重ねてまいりたいと存じます。  3点目の新たな条例と次期基本計画等との整合性等についてでございます。  この新たな条例は、持続的で発展性のある農業生産活動を長期的かつ重点的に促進することを目的に、基本理念、県の責務および基本となる施策の方向性を明らかにしようとするものでございます。  一方、次期基本計画は、農業・水産業部門全般にわたる農政の総合的な指針として、今後の中長期的な施策の方向性を示すものでございまして、相互に密接に関係するものと考えております。  条例に定める基本施策の具体的な内容につきましては、農業を取り巻く社会経済情勢の変化等を踏まえつつ、並行して策定作業を進めている基本計画と、それに基づく分野ごとの実施方針等に盛り込んでお示しをしたいと考えてございます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)どうもありがとうございます。しっかりと県民も農業者の方々も皆さんが喜ばれる条例になることを願っています。  次に、移ります。  新しい時代に対応した教育について、知事および教育長にお伺いをしたいと思います。  Society5.0、超少子高齢社会等、今までの想像を超える変化が目の前まで来ています。AIやIoTなど急速な変化の中では、人間は生命体であり、自然の一部だという感性を身につける自然体験も大切だと感じています。  子供が生きる力を身につけ、豊かな想像力を養い、自立できるよう、さまざまな取り組みを進めていくことが求められます。子育て環境の充実、STEAM教育等の充実、社会全体で子供を見守り育むことが大切です。  障害がある人も障害がない人も、多様な人々が安心してともに暮らしていくことができる社会を目指してまいりたいと思います。そのために、インクルーシブ教育や多文化共生の取り組みの推進も望まれていると思っています。  新しい時代に向け、よりよい学校教育を通じてよりよい社会をつくるという目標を共有し、社会と連携協働しながら、未来のつくり手となるために必要な資質、能力を育む社会に開かれた教育課程の実現を目指して学習指導要領が改定され、令和2年から小学校で、令和3年から中学校で、令和4年から高等学校で実施されます。  この新しい時代に必要な資質と能力とは、生きて働く知識、技能の習得、未知の状況にも対応できる思考力、判断力、表現力等の育成、学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力、人間性等の涵養と記されています。  新しい学習指導要領では、小学校の外国語教育やプログラミングや、高等学校の公共が科目としてふえ、さらに、主体的・対話的で深い学びの視点から、授業を改善することが求められています。小学校では移行期間としてモデル校をつくり、現在、全校で試行に取り組まれているところです。  今、求められている主体的・対話的で深い学びは、まさしく、残念ながら廃校になった彦根西高校では、東大の佐藤先生や草川先生を招き研究授業を重ね、学校全体で取り組んでこられました。生徒の意欲が向上するという結果も出ていました。  新しい時代の中で、豊かな想像力を持ち、自立できる生徒が育つよう、高等学校でも令和4年の実施に向けて取り組む必要がありますが、県としての課題と、今後、具体的にどのように取り組もうとされているのか、教育長にお伺いをいたします。  また、高等学校等への進学率が98.8%となっていますが、みんなが行くからという理由で進学した子供たちも存在しており、義務教育段階での学習内容の学び直しや、日本語指導が必要な外国人生徒や障害のある生徒等、特別な配慮を要する生徒などへの対応も求められると考えますが、教育長のお考えを伺います。  一方、さまざま課題解決が求められる中、教員の残業時間は過労死ラインを超えると言われています。この12月4日に、公立学校の教員の勤務時間を年単位で調整する変形労働時間制の導入を盛り込んだ改正教職員給与特別措置法が成立しました。教員からは、さらなる長時間労働につながるのではないかと、怒りや不安の声が上がっていると言います。  教員の働き方改革が進められる中、社会に開かれた教育課程の実現など、新しい時代に対応した教育を進めるためには、教員自体が変わること、外部講師の活用等、新しい時代に対応した人材が必要になると考えますが、教育長のお考えを伺います。  特に、Society5.0社会に対応した力としては、基礎的読解力や数学的思考を初め、データサイエンス等に関する教育等も含めた基盤的な学力や情報活用能力の育成が求められると言われています。当然、そのための学校におけるICT環境整備が必要です。  国では、教育のICT化に向けた環境整備5か年計画が2018年度から2025年度まで単年度1,805億円の地方財政措置を講じるとされていますが、県としてICT環境の整備にどのように取り組んでいこうとされるのか、教育長にお伺いいたします。  また、STEAM教育の推進が重要とされています。これは、児童生徒が数学、科学の基礎を身につけた上で、技術や工学を応用して問題に取り組むSTEM、科学──サイエンスのS、技術──テクノロジーのT、工学──エンジニアリングのE、数学──マセマティクスのMの頭文字をとった造語です。このSTEMにアート──芸術の感覚、具体的には、デザインの原則を用いたり、想像力に富み、創造的な手法を活用することによる問題解決を奨励するために必要な能力を統合的に学習することがSTEAM教育と言われております。  ICTなどハードや使い方だけでなく、まさに豊かな想像力やコミュニケーション能力、人間性や感性が大事だと考えますが、知事のお考えをお伺いします。  このSTEAM教育に具体的に取り組むことが、滋賀の新しい時代を担う人材を育てることにつながると考えますが、どのように取り組もうとされているのか、教育長にお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)今の項目の最後にいただきましたけれども、私に賜りました1点、STEAM教育についてどのように考えているのかということについてでございますが、STEAM教育とは、現実社会の問題を創造的に解決する学習を進める上で、学問領域を横断して学ぶ取り組みであると理解しています。  変化の激しいこれからの社会を生きるためには、生徒たちが主体的に学び続けて、みずから能力を引き出し、自分なりに試行錯誤したり、多様な他者と協働したりして、新たな価値を生み出していくために必要な力を身につけることが求められていると思います。その過程において、先生も私たちも一緒に学ぶことができればと思います。  その力を育成するために,STEAM教育の考え方を高校教育に取り入れて、教育内容に創意工夫を加えていくことは大変重要なことであると考えます。
    ◎教育長(福永忠克) (登壇)私にいただきました5点の御質問にお答えをいたします。  1点目の高等学校での新しい学習指導要領の実施に向けた課題と今後の取り組みについてでございますが、全ての高校で主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善をさらに進めることと、生徒がみずから課題を発見し解決していくための資質、能力を育成することができるよう、探求活動を充実させることが課題と捉えております。  県教育委員会では、学習指導要領の改訂を見据えて、平成28年度より授業改善に関するプロジェクトを立ち上げ、全ての学校に研究主任を置いて、主体的・対話的で深い学びの実現に取り組んでいるところでございます。  また、生徒がみずから問いを見い出し、探求する力を育成することができますように、今年度より探求活動に関するセミナー等も実施をしているところであります。  今後も、授業改善や探求する力の育成に向けて、大学教授等による指導や、県内のすぐれた実践の報告に基づいた研究協議等を全ての県立高校に実施することにより、授業改善、探求活動の取り組みのさらなる改善、充実を図り、令和4年からの新しい高等学校学習指導要領の実施に向けた準備を進めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の特別な配慮を要する生徒などへの対応についてでございますが、新しい高等学校学習指導要領におきましては、特別な配慮を必要とする生徒等への指導の充実について、より具体的に明記されたところでございます。  本県におきましては、これまでからも義務教育段階での学習内容の確実な定着を図るための学校設定科目を設けている学校でありますとか、日本語指導が必要な外国人生徒への支援を行っている学校がございまして、生徒一人一人に対して適切な支援を行っているところでございます。  さらに、全ての学校に特別支援教育コーディネーターを配置いたしまして、個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成し、それらに基づきまして、個々の生徒の教育的ニーズに応じた支援を行っているところでございます。  今後も、新しい学習指導要領の趣旨を踏まえ、一人一人の生徒の状況や実態に応じまして、こうした取り組みをさらに充実させていくことが重要であると考えているところでございます。  3点目の教師が変わることと新しい時代に対応した人材が必要になることについてでございますが、高校におきまして主体的・対話的で深い学びを実現するため、校内での授業改善を進めるとともに、指導力の高い教員の授業を全県の教員に公開し、教員の研修を行っているところでございます。  一方、生徒がみずからの考えを広げたり深めたりする学習を実現するには、教員以外の専門的な知識を持たれる人材の授業への参画も考えられるところでございます。このような外部人材の活用につきましては、これまでからの取り組みも踏まえながら、生徒自身の成長にいかにつなげていくのかという視点で考えてまいりたいと思っております。  今後も、企業やまた大学等の協力も得ながら、教員への研修を充実させ、持続可能な社会の構築、情報化の一層の推進、グローバル化等、時代の変化に対応できるよう、教員の資質向上に努めてまいる所存でございます。  4点目のICT環境の整備についてでございますが、新しい高等学校学習指導要領におきましては、情報活用能力が学習の基盤となる資質、能力と位置づけられ、各学校におきまして、コンピューターや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ることとされているところでございます。  ICT機器を活用することは、学習意欲を高め、生徒一人一人の学習状況に応じた学びを進めるという視点や、個人の学びを集団の中で共有し、多様な考えに触れながら学びを深めていくという視点などにおきまして、大変有効であると認識をいたしております。  例えば英語の授業におきましては、1人1台のタブレットを活用し、スピーチやプレゼンテーション等の言語活動を生徒が相互に撮影し合い、自分の様子を動画で確認、点検、評価することができるようになります。  また、大型提示装置を用いることによりまして、教員がデジタル化された教材を提示して、生徒の視覚に訴えることで生徒一人一人の理解が深まり、主体的に学習に取り組むことが可能となります。  県教育委員会といたしましては、国の教育のICT化に向けた環境整備5か年計画に沿った形で、ICT機器の有効性、汎用性を踏まえつつ、より効果的な機器の整備について、それらの優先度を考えながら、計画的にICT環境の整備に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  あわせまして、高等学校において効果的な授業が実践できるよう、県内外におけます先進的な活用方法を紹介することでありますとか、研修等を通じまして、教員が授業においてICT機器を効果的に活用できる力を高め、より一層、指導力や授業力の向上を目指してまいりたいと考えております。  5点目のSTEAM教育にどのように取り組もうと考えているのかについてでございますが、高等学校では、学習指導要領に定められたさまざまな科目をバランスよく学ぶとともに、実社会での課題解決に向けていくための教科横断的な教育を行う必要があると考えております。  新しい高校の学習指導要領では、「総合的な探究の時間」が新たに設置されます。特定の教科、科目等にとどまらず、横断的そして総合的な学びを行い、実社会や実生活とのかかわりにおいて、自己のあり方、生き方を考えながら、よりよく課題を発見し、解決していくための資質、能力の育成を目指しているところでございます。  このことは、STEAM教育において各教科の知識や考え方を統合的に活用するということを通して、問題解決的な学習を重視するという考え方につながるものであると考えております。  今後は、STEAM教育の考え方も踏まえながら、文系や理系といった既存の学問の枠組みにとらわれない探求的な学びを通して、子供たちが課題を発見し、解決していくという学習活動の充実に、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)令和4年から入ります新学習指導要領ということで、しっかりとその準備をしていただきたいと思いますし、読み解く力ということにもつながるんだと思いますが、その辺のとこもしっかりとやった中で、子供たちができるように、また、一人一人に寄り添ったということは、人も予算も必要なことだと思います。  でも、やはりそこでしっかりと教育に予算を投じて次の世代を育てていくということが、次のこの滋賀の支えになると思いますので、取り組む姿勢をしっかりと見せていただきたいと思いますし、最後の、やっぱりどうしてもICTといったときに、プログラミングであったりとかハード、もしくはその使い方だけになりそうなんですけれども、やはり人間性であったりとか、自然の中で滋賀の場合であったら出てきたものであったりとか、あとアートというような、受験には関係ないかもしれないけれども、非常に創造性を発揮するものであったりとか、そういうものをしっかりとやっていくことで、次の時代の新たな素養が身につくということになろうかと思いますので、そのあたりも取り組んでいっていただきたいと思っています。  では、次に、高等学校の入学者選抜と募集定員について、知事および教育長にお伺いしたいと思います。  まずは知事にお伺いしたいと思います。  年末が近づき、令和元年も残すところあと21日となりました。中学3年生にとっては人生の大きな進路選択となる高等学校の入学者選抜、いわゆる受験の季節が近づいてきました。  滋賀県では、高校受験が初めての受験という生徒が大多数だと思います。中学校等におかれては、生徒や保護者に寄り添い、日々、進路指導等に取り組んできていただいていると思います。  文部科学省の通知では、「高等学校への進学に関する進路指導については、各高等学校の校風や教育内容の特色を踏まえて、生徒がみずからの生き方を考え、目的意識を持って主体的に自己の進路を選択、決定するという方向に一層の改善を進めること」と明記されています。  受験する生徒や保護者が話し合い、志望校を決めて、合格に向けて取り組み、その勉強の成果が出るよう、安心してチャレンジできるような進路選択のための環境整備が必要と考えますが、知事のお考えをお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 議員御指摘のとおり、文部科学省通知にもありますように、中学3年生がみずからの生き方を考え、目的意識を持って、主体的に自己の進路を選択、決定することは大切なことであると考えます。  このため、中学3年生が公立、私立を問わず、それぞれの進路実現のための必要な情報を得て、保護者や学校とともに、時には塾の先生とも相談するのかもしれませんが、主体的に自分で選んで進路を決めていくための環境を整えていくことが重要ではないかと考えます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)それでは、次に指定するまで、教育長にお願いいたします。  それでは、滋賀県の中学校卒業者の進路状況をどのように捉えておられますでしょうか。  滋賀県は先ほど申したように中学校受験が少ないと思いますが、高校の受験が初めての受験体験になる生徒が多いのではないかと推測しています。滋賀県の進学率、公立と私立、また県内外と、中学校卒業者の状況をお伺いいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えいたします。  令和元年度の中学校・高等学校等卒業後の進路状況調査の結果によりますと、平成31年3月に中学校および義務教育学校を卒業した生徒の高等学校進学率は99.3%となっております。  高等学校等への進学者のうち、全日制高等学校につきましては、公立高等学校へ71.5%、私立高等学校へ22.1%が進学をしており、また、県内と県外で整理いたしますと、県内の高等学校へ87.3%、県外の高等学校へ6.3%の子供たちが進学をしております。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)では、中学校ではきっと生徒の大切な進路選択について日々情報を集め、生徒本人や保護者の意向とあわせて、客観的なデータも分析しながら進路指導に取り組まれていると思いますが、中学校ではどのような情報やデータをもとに進路指導されておられるのでしょうか、お伺いいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えします。  中学校での進路指導におきましては、本人の適性や興味関心を踏まえまして、将来の自己実現に向けて最適な進路先を選択できるよう、助言を行っていただいております。  また、進路相談の際には、日ごろの学習や生活の状況を記録した通知表や実力テストの結果、高校などから送付されてくるリーフレットなどを参考にして進めていただいているところでございます。  さらに、過去の卒業生の進路実績や成績に関するデータについても、助言の際の参考としていただいております。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)それでは、高校の募集定員は教育委員会の了承で最終決定されて発表されていると思いますが、高校の募集定員もまた、生徒にとっても保護者にとっても中学校の進学指導にとっても重要な情報だと思います。高等学校の募集定員はどのような要因で決定されておられるのでしょうか、お伺いいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えいたします。  県立高等学校の募集定員につきましては、中学校等卒業予定者の数や進学志望の動向、また地域ごとの生徒の数、公立、私立高校への進学状況、そして学校規模などを総合的に勘案し、教育委員会において決定させていただいているところでございます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)今、高等学校の募集定員の要因ということでさまざまお伺いしましたが、では、今回、膳所高校、石山高校、東大津高校、水口東高校、河瀬高校、八幡高校の令和2年度の募集定員が1学級40人減となると発表されました。各高校の学校の志望等調査の結果はどうだったのでしょうか。例年と大きな差があったのでしょうか、お伺いいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  まず、お断りでございますが、今年度実施いたしました9月の進路志望調査の結果について、個別の高校の調査結果は非公表としておりますので、御了解をいただきたいと思います。  県全体で申し上げますと、高等学校等進学志望者のうち、82.1%が県立の全日制高等学校への進学を志望しております。この割合は前年同期と比較いたしますと1.0ポイント低下しているものの、大きな変化はないと考えているところでございます。  各学校では、例えば前年の確定出願倍率が高いと翌年の志望者数が減少したり、また一方、例年同じ高校が志望を集めているといった傾向もうかがえまして、志望動向はさまざまな要因で変化するものと考えておるところでございます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)今おっしゃっていたように、さまざまな要因で決まると、志望動向もその年々で変わるというお話をされていました。  ただ、今おっしゃっていたように、毎年希望が多い高校も実際にはあって、今回発表された特に膳所高校、石山高校、東大津高校等は、大体毎年高い志望率ということで結果発表されていたと思います。この各校が各1学級40名の減になったというのはどういう理由なのか、その理由をお伺いいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えいたします。  今年度は、大津地域の中学校の卒業予定者の数が昨年度に比べまして182人減少することが見込まれますので、まず、大津地域の高校については3学級の減とさせていただいたところでございます。3学級の減というのは、120人の減ということでございます。  大津地域におきましては、これまで主に定員未充足等の高校を対象に募集定員を減じてきたところでありますが、今回は大津地域内の中学校等の卒業予定者が大きく減少する中、規模の大きい学校の定員も縮小していく必要があると考え、膳所高校、石山高校、東大津高校の学級数をそれぞれ1学級ずつ減ずることとしたところでございます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)さまざまな理由でされると思いますが、ことしの受験生にとっては、やっぱりイレギュラーな減り方だったんじゃないかなという感じは受けます。毎年だったら減らないところが、ことしは減ったという感じだと思いますので、非常に子供たちもびっくりしたんじゃないかなと思います。  毎年、高校の募集定員は11月当初に発表されます。受験生や進路指導する中学校にとってはもっと早く知りたいとの声も聞きますが、なぜ高校の募集定員の発表は11月当初なんでしょうか。理由をお伺いいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えいたします。  本県では、中学3年生に対して進路に関する保護者懇談や高校体験入学を行った上で、9月に進路志望調査を実施し、この結果も踏まえて募集定員を作成しているところでございます。このため、募集定員の公表時期は10月下旬から11月上旬としているところでございます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)生徒にとっては進学というのは非常に大切な進路選択だと思いますので、早くから進路に対して情報提供し、中学校では話し合いをしておられると思います。  中学校ではどのようなスケジュールで進路指導されているのか、お伺いいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えいたします。  中学校における進路指導では、生徒みずからが生き方を考え、進路を選択、決定できるよう援助することが必要でございます。そのことから、まず1年生では職業調べを、そして2年生では職場体験や高等学校調べ等を行い、具体的な進路先の決定に向けた進路相談については3年生で行っております。  3年生の1学期には、生徒一人一人の進路希望をもとに生徒、保護者との懇談を行い、夏休み中に高等学校の体験入学に参加するなどして、具体的な志望校を考えているところであります。  2学期には、県教育委員会が実施いたします進路志望調査等を活用し、2回程度、生徒、保護者との懇談を行った上で、12月中に最終的な志望校を決定するのが一般的なスケジュールでございます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)受験者の方は今のようなスケジュールで中学校の進路指導を受けながら、志望校を決定していかれます。9月の調査の回答をその中でしていかれるんだと思うんですが、その後、ここに行こうと思って決めた後に11月に高校の募集定員が減少すると発表されると、特に、減少した学校を志望している受験生にとっては、かなりの不安要素になる可能性もあるんじゃないかと思っています。  特に、学級数が減となるときの高校の募集定員を11月に発表することの受験生に対する影響をどのように捉えておられますでしょうか。 ◎教育長(福永忠克) 先ほどもスケジュールを少し申し上げましたけれども、中学生の子供さんの中には、12月中の最終の志望校決定において、志望校をどうするのか、やっぱり悩まれる子供さんもあると聞いているところであります。  つきましては、こういった子供さんに対して、中学校の進路指導をよりしっかりと行っていただくことが必要であると考えているところでございます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)先ほど、子供たちが自分の生き方、適性を考えてここを選ぶという方向性を1年生からずっとやってきたと、その最終は3年生になってから、さまざまな具体的な進路指導に入るということでした。  高校受験の合否というのは、絶対評価で決まるのではなくて相対評価ですから、募集定員が減少するということは合否に大きな影響を与えると思っています。志望校が減らなくても、他校の減少したのが自分が志望する高校に影響するということも考えられます。  では、募集定員の減少を11月に発表されることは、中学校の先生の進路指導にどのような影響があるとお考えでしょうか、お伺いいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  各高等学校の募集定員につきましては、入学者選抜に向けた合否の判断基準に影響を及ぼす要素の一つでありますことから、生徒や保護者の皆様の関心は高いものと認識をいたしております。  そのため、特に募集定員が減少することが11月にわかったという場合、生徒や保護者が不安を抱くことも考えられますことから、先ほども少し申し上げましたが、教員が各学校の志望状況の情報をよりきめ細かに提供を行ったり、あるいは生徒の心理的サポートを丁寧に行ったりする必要があるものと認識をいたしております。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)では、今後の滋賀県の中学校卒業予定者の傾向をお伺いいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  令和元年5月1日現在の学校基本調査によりますと、県内の令和2年3月──来年3月の中学校等卒業予定者は1万3,743人で、前年度より約260人減少する見込みでございます。  その後、毎年の卒業予定者数は増減はあるものの、全体としては減少傾向にございまして、今の小学校1年生は1万3,319人と、今年度の中学校等卒業予定者からさらに400人程度減少する見込みとなっております。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)生徒がみずからの生き方を考えて、目的意識を持って、主体的に自己の進路を選択、決定するために、先ほどおっしゃった「夢の設計図」等が配布されて、夏休みにオープンキャンパスであるとか、さまざまな体験、見学をしていって、目標に向かって努力する期間である夏休みだと思っています。  その夏休みの前に募集定員を発表してあげたほうが、受験生にとっては進路を決定するということに迷いが少なくなるのではないかと思いますが、今後、高校の募集定員を早期に発表できるよう検討すべきと考えますが、教育長のお考えをお伺いいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  本県の募集定員につきましては、先ほども申し上げましたように、丁寧に生徒の志望動向等を勘案した上で作成するということで、10月下旬から11月上旬に公表することとしているところでございます。一方、他府県の状況を見てみますと、本県より早い時期、例えば6月あるいは7月、8月等に公表しておられる県もございます。  こうしたことから、今後、そうした府県における課題等の調査でありますとか、中学校の進路指導への影響等も含めた学校現場の声などをしっかりお聞きし、先ほども申し上げましたが、中学生の数が減っていく中での公表時期や策定のあり方についてまずはしっかりと研究し、その状況を踏まえ、検討を進めていければと考えているところでございます。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)ぜひ、毎年受ける受験生がいますので、しっかりとやっていただきたいと思います。  では、知事にお伺いいたします。  平成28年、文部科学省からの「生徒指導・進路指導の改善等について」の通知では、進路指導のあり方では、「進路指導は、生徒が自らの生き方を考え、将来に対する目的意識を持って、主体的に自己の進路を選択し、生涯にわたる自己実現を図っていくことができるような能力や態度を育成することが重要であり、このため、各学校が進路指導の目標を持ち、その実現を目指して教育活動全体を通じ計画的、組織的、継続的な指導を行っていくことが必要である」「進路指導が生徒の生き方の指導であることを踏まえ、生徒の意欲や努力を重視し、生徒が自ら選択した進路を堂々と進んでいけるよう、生徒の将来における自己実現を応援する姿勢をもって指導に当たることが重要である」と明記されています。  そのためには、先ほどから何度も言っていますが、生徒や保護者が主体的に判断し、計画的に取り組めるよう、さまざまな情報を早期に提供することが求められていると考えています。他府県でもやっていらっしゃるということなので、ぜひしっかりと研究していただいて、検討していただきたいと思っておりますし、平成21年3月にまとめられた滋賀県での「今後の県立学校のあり方について」の報告の「おわりに」で、こう書かれております。  児童生徒の視点を大切にし、何が最善だということを基本に据えて進めていくことが重要である。入学者選抜方法や募集定員の策定方法の改善など、今回の検討委員会の議論の中に出てきたものの、本報告の中には直接提言しなかった項目もありますが、それらの項目に関しても全く課題がないというわけではなく、県立高校のあり方の見直しにあわせて、よりよい制度設計に向けた改善の努力は必要であると考えます。生徒が主体的に問題に立ち向かい、意欲を持って学習に取り組み、これからの社会をたくましく生き抜く力を養うことができる枠組みを、まさに今構築するという気概も持って改革に望まれんことを期待します、という旨が書かれています。  私立も含め、生徒の人生にとって大きな影響を与える進路選択について、十分に検討する時間も必要と考えます。生徒の進路選択を考えると、高校の入学選抜や中学校での進路指導の不断の改善は重要と考えますが、総合教育会議でともに滋賀の教育にかかわる知事の考えを伺います。 ◎知事(三日月大造) まずは、もう既に始まっていると思いますが、これから高等学校の入学選抜に臨まれる中学3年生の皆様方にエールを送りたいと思います。  中学3年生の皆さんが進路実現のための情報を得て、悩みながらも主体的に自分で進路を選び、決めていくための環境を整えることは重要だと思います。  先ほど教育長から、募集定員策定のあり方や公表時期等についても研究するとの答弁がありました。私学とも情報共有すべきテーマだと思いますし、全県一区制の中で、各地域にとっても大変重要なテーマだと思いますので、私としてもこの研究状況を注視すると同時に、必要に応じ、協議等にも応じてまいりたいと思います。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇)子供たちにとっては大きな選択の時期だと思いますし、私も、子供たちがみずからの主体的な考えでしっかりと取り組み、みずからの高校の生活を楽しめる、そんな選択になることを望んでいます。  子供たちはそこでさまざまな体験をして、そしてまた社会にかかわってくる、社会に出ていくということを考えたときに、やはりしっかりと、今、大人としてできる改善は取り組んでいっていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。終わります。(拍手) ○副議長(細江正人) 以上で、44番中沢啓子議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後3時49分 休憩    ────────────────
      午後4時9分 開議 ○副議長(細江正人) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  最後に、7番村上元庸議員の発言を許します。 ◆7番(村上元庸議員) (登壇、拍手)7番、村上元庸でございます。皆さん大変お疲れだと思いますが、最後ですので、しばらくの間おつき合いお願いいたします。  知事は日ごろ、健康しがということで、人の健康に取り組まれております。私も、子供から働く方、お年寄りまで健康を守る、市民、県民の健康を守るために医療の充実をということを公約としておりますので、今回も前回に引き続き医療問題を取り上げます。よろしくお願いします。  それでは、骨髄ドナーの支援についての題目で、通告に従いまして、一問一答方式で質問します。  骨髄バンクについては、本年6月議会で清水鉄次議員、竹村議員が質問されて、この11月議会でも先日、成田議員が、また、あしたは白井議員が質問されます。この質問の頻度の多さから、骨髄バンクが多くの方に大変関心の深い、そして、大変重要で大切な問題であることの証左であると言えます。先日の成田議員の質問と重なるところがあるかと思いますが、御容赦ください。  世の中には人を殺傷する武器を開発する人もあれば、反対に病気を治し人の命を救う治療法を開発する人もいます。人の命を奪う悪意あるおぞましい傷害や殺人事件が多く報じられていますが、一方、ホームから落ちた人を助けようと犠牲になった方もおられたように、他人の命を献身的に助けるという、とうとい心がけを持った人も多くおられます。今回は、そのとうとい志を持った骨髄ドナーさんに関して質問します。  人の骨は、外は皮質骨という固い骨ですが、中心部は海面骨というスポンジ状の半空洞になっていて、骨髄と呼ばれます。骨髄は赤血球や白血球など血液細胞をつくり出す場であります。  血液のがんと言われる白血病は、この骨髄ががんとなり、正常な造血を阻害し、血液中にも白血病のがん細胞があふれ出てくる血液疾患です。正常な血液細胞が減るため、感染症や貧血、出血症状などの症状が出やすくなります。  白血病は、10万人当たり6から7人程度の発症率で、肺がんや大腸がんに比較すると発症率も死亡率も高いものではありませんが、小児から高齢者まで広く発症し、15歳までの子供、小児期に発生するがんのうちでは最も多く、40%を占めます。未来のある子供がこのような重い病気にかかることは、家族にとってとても悲しいことです。  白血病の治療は、化学療法という抗がん剤による治療によって、体内のがん細胞をできるだけ少なくすることから始まります。この化学療法によって治る患者さんもおられますが、難治例では造血幹細胞移植という骨髄移植が行われます。  この方法は、骨髄にあるがん細胞を大量の抗がん剤や放射線で一気に根こそぎたたいて死滅させ、全部いなくなったところに、ドナーと呼ばれる他人からの健康な骨髄細胞を点滴して骨髄に届け、生着させるのです。白血病の患者さんのうち20%、平成29年には3,600人に骨髄移植が行われました。  ほかに、再生不良性貧血に対しても骨髄移植が行われます。このとき、ドナーさんと患者さんのHLAと呼ばれる白血球の型が一致しないと移植できません。この型の一致率は、兄弟では25%、4人に1人ですが、他人ですと数百から数万人に1人という、かなり低い確率になります。ですから、できるだけ多くの人から探さねばならず、そのため、骨髄バンクが必要とされて創設され、ドナー募集されました。  我が国では1991年に開設され、そのとき、今、NHKの朝ドラの「スカーレット」の主人公の方が大変尽力されました。先ほど、富田先生からバッジをいただきました。このドラマの「スカーレット」の話がどこまで行くかわかりませんが、私としては、骨髄バンクを創設するところまで行っていただいて、この骨髄バンクが有名になってもらいたいと思っております。  ドナーさんは全く知らない赤の他人に対して、まさにボランティア精神で、御自分の骨髄細胞を提供されます。型が一致した患者さんがおられると連絡がありますと、平日の昼間に、仕事を休んで4回病院に行かなくてはなりません。2回の面接と2回の採血を受けます。  その後、入院して骨髄採取となりますが、3泊4日の入院が必要です。全身麻酔をかけられ、臀部の骨盤から数十回、場所を変えて針を刺して、骨髄細胞の入った血液を吸引して採取します。500ccから1,000ccの骨髄液が採取されますので、貧血になります。そのため、あらかじめドナーさん自身の血液を骨髄採取の二、三週間前に採取し、保存しておき、骨髄採取中より輸血し、貧血にならないようにします。  ドナーさんには検査や入院に関する費用はかかりませんが、この骨髄移植にかかる時間と労力には何も対価はありません。それどころか、4回の病院訪問と入院中の間の仕事休務の経済的、社会的負担、そして骨髄採取時の痛みや合併症の危険性という精神的、肉体的負担は自分持ちであります。  ドナーさんは身をささげ献じられる、まさに文字どおり献身的で、骨髄ドナーさんが究極のボランティアと言われるゆえんです。この見返りを求めないドナーさんの精神はとうとく、すばらしいと思います。  骨髄ドナーの経験者の方に、アンケートで、「もう一度提供を依頼されたらどうしますか」の問いに、何と77%の人が「再び提供する」と答えられたのには、改めて尊敬の念を覚えずにはいられません。  全ての患者さんにドナーが見つかるわけでなく、残念なことに、数%の患者さんはドナーが見つかりません。病状が悪くなる一方で、骨髄移植しか残された治療法がないのに、ドナーが見つからず時間だけが無情に過ぎていく。患者さんと家族にとって、これほどつらく悲しいことはありません。移植を待っている患者さんと家族にとっては、骨髄バンクやドナーの存在が生きる希望となっています。  今現在も、全国で2,000人、滋賀県では15人の患者さんが適応ドナーを探して、心細い思いをして、今か今かと待っておられます。できるだけ早く、とうとい命を救うための最後の望みをかなえるため、一人でも多くドナー登録をふやすことが重要です。  そこで、この骨髄ドナーに関しての質問を、全て健康医療福祉部長に伺います。  質問1、ことし2月に水泳選手の池江璃花子さんが自分自身の白血病を公表されたことで、ドナー登録が全国的に増加したと言われています。滋賀県のドナー登録者はどの程度増加し、全国と比較してどの程度の水準にあるのでしょうか、お伺いします。 ○副議長(細江正人) 7番村上元庸議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  令和元年10月末時点の本県のドナー登録者数は6,560人となっておりまして、3年前の平成28年10月末の登録者数の3,950人と比較をいたしますと、2,610人の増、約1.7倍の増となっております。  直近3年間の新規登録者数は、平成28年度で793人、平成29年度で883人、そして昨年度は1,292人と、平成3年の事業開始以来、最も多くの方に登録をいただきました。  平成28年度から、献血とあわせて実施をいたしておりますドナー登録会におきまして、シニア世代の方を中心にボランティアの説明員として参加をいただき、登録会の回数を大幅にふやすことができており、説明員の皆様には感謝申し上げたいと思っております。  また、議員からもお話ありましたとおり、本年1月に75人であった登録者が、池江璃花子さんが病気を公表された2月には168人、3月には159人、4月には182人と増加をいたしておりまして、善意の輪が広がっていることを感じております。  全国の状況と比較をいたしますと、3年前の平成28年10月末は、提供対象人口、1,000人当たりでございますが、その登録者数が6.34人ということで全国33位でございましたが、令和元年10月末時点では10.23人となっておりまして、全国平均を上回る19位という位置におります。 ◆7番(村上元庸議員) (登壇)ありがとうございます。今、どんどんドナー登録者がふえているということで、うれしいことだと思います。説明員の方にも感謝申し上げます。  ことし2月18日の衆議院予算委員会で、安倍首相は、「ドナーになりやすい環境を整備することが重要で、企業などにドナー休暇制度の導入を働きかける活動の支援をしていく。そして、若年者ドナー登録者を増加させることが重要である。」と表明し、国も動きかけております。  骨髄ドナーをふやすためには、まず本人に関心を持って理解してもらうことは当然ですが、それだけでなく、次に、家族と職場の環境を整えることがとても重要だと思います。  骨髄ドナーの登録は18歳からできます。実際に骨髄提供ができるのは、二十歳から55歳までです。今、滋賀県の年齢ピークが40代で、新しいドナーが入らないと、10年すれば登録者がかなり減少していきます。できるだけ若年層に加入していただくほうが長続きして、安定すると思います。  そこで質問します。  若年層のドナー登録をふやすための取り組み状況についてお伺いします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  ドナー登録は、議員御紹介ありましたとおり、18歳からできるということでございますので、大学あるいは専門学校の献血会場を利用した登録会の開催に取り組んでおります。平成28年度は17回で258人、平成29年度は32回で321人、平成30年度は26回で287人、そして今年度は4月から11月までの7カ月間で25回の登録会を開催し、320人の方に登録をいただきました。  また、高校の献血会場や骨髄バンク推進月間でもあります10月にはショッピングセンターでも骨髄バンクの周知を図るなど、若年層を意識した啓発にも取り組んでいるところでございます。  その結果、昨年度の本県の新規登録者に占めます30歳未満の方の割合は43.8%と全国で5位でございまして、また、昨年度末の全登録者に占める30歳未満の方の割合は25.8%と全国で3位に位置しているところでございます。 ◆7番(村上元庸議員) (登壇)ありがとうございます。若い人がふえているようで、ひとまず安心しております。  次に行きます。  患者さんからの立場では、適合ドナーが見つかる確率は96%ですが、実際の移植率は58%にとどまっています。  そこで質問です。  HLA型が一致しても、実際にドナー側の問題で提供に至らないケースの実態や、その原因についてお伺いします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  これは日本骨髄バンクの調査による結果でございますが、移植を希望される患者の9割以上に、今議員御紹介ありましたとおり、HLA型が一致するドナーが見つかりますが、実際に移植に至るのは6割程度にとどまっているということでございます。  提供に至らなかった理由といたしまして、ドナー自身の健康上の理由というのを挙げられた方が32%、そして健康上の理由以外の理由を挙げられた方が68%でございまして、その68%の内訳として、具体的な内容といたしましては、都合がつかないと言われた方が42%、そして連絡がとれない方が34%、家族の同意がないという方が11%となっておりまして、この都合がつかないという方が、健康以外の理由の中では一番多いものでございました。  骨髄の提供には通院、入院合わせて7日から10日程度の日数が必要となりますため、仕事などの都合によりまして、ドナーとなることを辞退されるケースがあるのではないかと考えております。 ◆7番(村上元庸議員) (登壇)ありがとうございます。  適合して提供に臨む段階で、まず、本人の覚悟の問題、次に、幾ら本人がその気でいても、親や配偶者の家族の問題、また職場の問題があることがわかりました。この問題を解決するには、社会全体でドナーを支援して、骨髄提供しやすい風潮をつくっていくことが肝要ではないでしょうか。  知事は昨年の答弁で、「ドナー助成制度について調査をし、そして骨髄移植推進のための普及啓発、骨髄ドナー登録の促進、企業に対するドナー休暇制度の創設の働きかけに取り組む。」と言われました。  そこで質問です。  せっかくドナー登録して患者さんとHLAが一致しても提供に至らないことにならないように、ドナーさんを支える仕組みが必要と考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  先ほど答弁しましたように、ドナーになるに当たり、仕事などの都合をつけることが一つの不安要素になっているものと理解いたしております。  こうしたことから、企業等で働く方がドナーとなる場合に、特別休暇を取得できる制度を普及させるということが1つ重要だと考えております。  日本骨髄バンクのホームページでは、ドナー休暇制度を導入されている484の企業や団体名が公表されておりますし、県内では、この県庁を初め、県内19市町で既に制度化がされてはおります。  しかし、まだまだ民間の企業や団体に広く普及しているという状況ではないことから、市町の担当者が集まる場あるいは経済団体の会議の場などにおきまして、ドナー休暇制度の導入を働きかけてまいりました。また、県のホームページの中でも呼びかけるなど、取り組みを進めているところでございます。  今後は、ドナー休暇制度の導入が一層進みますように、企業等の労務管理の担当の方が集まる場も捉えて働きかけもしてまいりたいと思っております。  また、御家族や職場を初めとする皆さんに、ドナーとなることについての意義を理解してもらうことも大切でございます。県としても、日本骨髄バンクとともに、骨髄提供の必要性をわかりやすく周知し、皆さんの理解を進めてまいりたいと思っております。  さらに、ドナーを支える仕組みといたしましてドナー助成制度がございます。日本骨髄バンクの公表資料によりますと、令和元年11月14日現在で、41都道府県の605の自治体でドナー助成制度が導入されておりまして、県内では湖南市と甲賀市が助成制度を創設されております。  また、ことし7月、全国の都道府県に対しましてドナー助成制度に関する調査を実施いたしましたところ、25都府県がドナー登録や提供を促進するための助成制度を実施しておりまして、市町村の骨髄バンク事業の取り組みが進んだ、あるいは骨髄バンクについての啓発効果があったなどと複数の都府県が回答をしていることなどから、この助成制度には一定の効果があるというふうに判断をいたしております。  ドナーに対する助成制度が全国で広まりつつある現状も踏まえ、ドナー候補者となった方のとうとい善意が移植を待つ患者さんのもとに一日も早く届くよう、ドナーに対する助成制度について、しっかりと検討してまいりたいと考えております。 ◆7番(村上元庸議員) (登壇)ありがとうございます。  助成制度では、お金を出すことは経済的な助成の意味だけでなく、精神面からも患者さんとその家族、ドナーさんとその家族、職場の方々に、県や市からという公的な行政がバックアップして、皆で助け合いをしているのだという風潮をつくることにつながると思います。ぜひ、県民の税金ですので無駄にはできませんが、予算をつけていただきますようお願いします。  これでこの項の質問を終わり、次に進みます。  次は、中山間部の防災対策について、通告に従いまして、一問一答方式で質問します。  まず、さきの台風でお亡くなりになった方の御冥福をお祈り申すとともに、被災を受けられた方に心よりお見舞い申し上げます。そして、一日も早い回復をお祈り申し上げます。  本県は、琵琶湖を中心とするドーナツ状の県土、すなわち外から順にぐるっと県境を取り巻く山間部、次に中間部、そして琵琶湖沿岸の平野部からなる、他県に見られない特筆すべき県土を形成している地域であると言えます。その中で、前回に引き続き、今回も外周部に位置する中山間部に注目して質問いたします。  さて、近年、地球温暖化のためか自然災害が激甚化してきており、広範囲で長時間続く記録的な豪雨や台風による記録的な暴風など、これまで経験したことのないと言われる気象状況など、観測史上、例を見ないような現象が発生してきています。  本県においても、昨年の7月豪雨で多くの山地災害が発生し、また台風21号においては、猛烈な風の影響により多くの風倒木が発生し、高島市では道路の通行どめにより集落が一時孤立するとともに、ライフラインの復旧などに大きな障害をもたらしたところです。  また、本年では9月の台風15号で千葉県で大規模な停電が発生しましたが、特に山間部では多くの倒木により復旧作業が困難となり、その回復に長時間を要し、より深刻な問題となりました。  その後、10月に大型で強い台風19号が上陸し、全国各地で多くの河川堤防の決壊や土砂災害、ため池の決壊など、甚大な被害が発生したことはまだ記憶に新しいところです。  台風や豪雨により、多くの家の水没や道路や橋の破壊など、下流域の河川災害はクローズアップされがちでありますが、上流域の中山間部は、ややもするとその陰に隠れて見逃されがちであります。  中山間部は河川の上流部に位置し、農林業生産活動による国土の保全、水源涵養機能等の多面的機能の発揮を通じ、下流域の都市住民の生活基盤を守る重要な役割を担っています。すなわち、中山間部を守ることは下流域の都市部を守ることにつながると言えます。  中山間部は傾斜地が多いなどの立地特性から、集中豪雨による山地の崩壊、渓流から土砂や流木の流出などの山地災害が発生しやすく、その対策が重要な課題となっています。  最近は森林所有者の山への関心が低下し、利用可能なまでに成長した木々が以前のように手入れされず、間伐や伐採もされないまま放置され、荒廃が進んでいる森林が多く見受けられます。このような山林は、台風や豪雨などによって山地災害を起こしやすくなります。  また、中山間部においては、住宅地や生活道路など多くが地形的制約から山裾に配置されており、地域住民は常に土砂災害の危険にさらされています。  これに対し、従来より土砂災害対策の整備が進められているところですが、昨今の激甚化する土砂災害から人命を守るためには、施設整備のハード対策推進とあわせ、住民自身がみずから避難できるようにするソフト対策も重要です。  また、中山間部には農業用水源として農業用ため池が多く点在しています。農業用ため池は雨水を水源とするため、山裾など高台に設置されていることが多く、万一決壊すれば、下流の人家や農地に大きな被害を及ぼすことになります。  現実に、本年10月の台風19号で、関東や東北地方で12カ所のため池が決壊する被害が発生しました。私の住む甲賀市においても、一昨年の台風21号でため池が決壊して、下流の家屋が浸水する被害が出ました。このため、農業用水の供給機能を確保しつつ、近年の集中豪雨や大規模地震の発生の高まりに備えた、ため池の防災・減災対策が急務となっています。  このように、中山間部には山崩れ、渓流からの土砂や流木の流出、風倒木、山裾にある農業用ため池の決壊などに対する多面的な防災が必要であります。  そこで、こうした課題を抱える中山間部に対し、県の防災対策の取り組みについて、以下、一問一答方式によりお尋ねします。  質問。知事は常々、山の知事になると言われ、森林政策に何かと力を入れておられます。余談ですが、私も知事にならって、山の議員と呼ばれたいと思っております。  現在、十分な手入れがなされず荒廃が進んでいる森林が見受けられる中、災害に強い森林づくりが必要となりますが、どのように進めていかれるのか、知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  災害に強い森林づくりは、まず、間伐等を進め森林を適正に管理することにより、下層植生を発達させ、しっかりと根を張りめぐらせる木の育成を図ることで、山崩れ等の防止に取り組んでいるところでございます。  また、伐期を迎えた木を伐採して再造林を行い、森林の若返りを図ることで、森林の持つ水源の涵養や災害防止、木材の生産などの多面的機能を持続的に発揮させることが重要だと考えます。  特に、住宅や道路、送配電施設、通信施設等の周辺では、伐採されずに大きくなった木が倒れることによる被害のリスクが高くなっております。こういったリスクを低減させるため、住宅周辺において、倒木によって人家等に危害を及ぼすおそれのある危険木の伐採等への支援を行っているところでございます。  その他の危険木については、関係部局が連携して、市町、電気事業者や通信事業者などのインフラ事業者とともに、危険木の除去等の対応策について検討していくこととしております。  こうした取り組みにより、災害に強い森林づくりを着実に進めてまいりたいと存じます。 ◆7番(村上元庸議員) (登壇)力強いお言葉ありがとうございます。災害に強い森林づくり、ぜひ進めていただきたいと思います。  次に、移ります。  山間部において長雨や台風による災害が懸念される中、山崩れなど危険箇所や風倒木への対策が必要であると考えますが、その取り組みについて、琵琶湖環境部長にお伺いします。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) (登壇)お答えいたします。  山崩れなどの災害防止対策につきましては、ハード対策とソフト対策をあわせて推進しているところでございます。  まず、ハード対策としましては、山崩れの危険箇所について山腹工を実施し、また、土砂が流出するおそれのある渓流について治山ダム工を設置するなど、治山事業を国土強靱化対策の予算なども活用し実施しております。
     また、風倒木への対策として、渓流に倒れた樹木が下流に流出し、災害を引き起こす危険性が高い箇所から、順次、流木対策を実施しております。  この流木対策につきましては、上流部では治山事業で危険木を除去し、下流部では治山事業と砂防事業が連携して、スリット式ダム等を整備しております。  次に、ソフト対策につきましては、土砂の流出、山崩れなどの災害が発生するおそれがある地区を調査し、山地災害危険地区を指定し、県ホームページで公開して情報提供を行っているところでございます。 ◆7番(村上元庸議員) (登壇)ありがとうございます。引き続き取り組みのほう、よろしくお願いいたします。  砂防事業、急傾斜地崩壊対策事業等による施設整備は、住民の命を守る土砂対策、災害防止対策の最も重要な柱であると考えますが、土砂災害防止のための施設整備、ハード対策の進め方について、土木交通部長にお伺いします。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) (登壇)お答えします。  土石流、危険渓流、急傾斜地崩壊危険箇所および地滑り危険箇所のうち、人家や公共施設等が存在する箇所について、順次、砂防堰堤や擁壁などの施設整備を進めているところでございます。  特に、避難所や要配慮者利用施設の立地する箇所や、災害時の迅速な救援、復旧を支える緊急輸送道路を初め、地域社会に大きな影響を及ぼす交通インフラにかかわる箇所などについて、優先的に対策を進めているところでございます。  気候変動による豪雨の激甚化、頻発化を踏まえ、施設整備による事前防災対策の重要性はますます高くなっておりまして、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策による国の臨時の予算措置など、さまざまな財源を活用しながら事業のさらなる進捗を図り、土砂災害から人命を守る施設整備を積極的に進めてまいります。 ◆7番(村上元庸議員) (登壇)ありがとうございます。限られた予算だと思うんですが、先日も被害に遭ったところに行きますと、なかなかハードが進まないと、わしが死なんとなかなか設備ができないんかなというようなことを言われてまして、一つずつだと思うんですけども、できるだけ早急にいろいろハードのほう、よろしくお願いいたします。  次の質問に行かせてもらいます。  施設整備には多大な時間と予算を必要としますが、住民の命を守るためには待ったなしの状況であり、いざというときの避難行動も重要です。  そこで、土砂災害警戒区域の指定の進行状況と、住民の避難行動に結びつけるための取り組みについて、土木交通部長にお伺いします。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) お答えします。  土砂災害警戒区域の指定の状況についてでございますが、県内に土砂災害のおそれのある箇所は約7,000カ所あり、これまでに約5,700箇所の区域指定を完了したところでございます。残りの約1,300カ所につきましては、今年度中に基礎調査を終え、令和2年度内に区域指定を完了するよう進めてまいります。  県民の避難行動に結びつけるための取り組みといたしましては、まずは、土砂災害警戒区域の指定時に市町と連携し、土砂災害リスクや避難時の留意点などを区域内の住民に対して説明しております。  また、小中学校等を対象に、さぼう出前講座により土砂災害への理解を深めていただくとともに、今年度から自主防災組織リーダー、防災士養成講座等の機会も活用し、地域において避難行動を率先する声かけリーダーの育成を図っているところでございます。  豪雨時には、市町による避難勧告等の判断の目安となる土砂災害警戒情報を気象台と共同で発表するとともに、しらせる滋賀情報サービス──しらしが──により、小学校区単位でリスク情報の提供を行うなど、きめ細やかな情報提供に努めているところでございます。  今後も、市町とともに、県民の適切な避難行動に結びつく取り組みを進めてまいります。 ◆7番(村上元庸議員) (登壇)ありがとうございます。これからも指定の進行と、それから、市町との連携を引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。  次の質問をします。  農業用ため池は万一決壊すると下流に大きな被害を与えることになりますが、本県では今後どのように農業用ため池に係る防災・減災対策を進めていかれるのか、農政水産部長にお尋ねします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) (登壇)お答えいたします。  議員御指摘のとおり、中山間部では農業に必要な用水を確保いたしますため、農業用ため池が多く存在しておりますが、一たび決壊をいたしますと、下流地域の人命や農地、家屋に大きな影響を与えることとなります。  また、その復旧に大変な労力と時間を要するだけではなく、その間の農業経営にも影響を及ぼしますことから、農業用ため池の防災・減災対策は重要な取り組みと認識をしております。  そこで、昨年度、県、市町、土地改良区等で作成をいたしました今後10年間の滋賀県ため池中長期整備計画に基づきまして、集中豪雨や大規模地震の発生に備えた計画的な防災・減災対策を行うこととしてございます。  具体的には、堤体や洪水吐き施設の改修、補強工事といったハード対策と、情報連絡体制や監視体制の整備、ハザードマップ作成などのソフト対策を地域の実情に応じた形で組み合わせ、関係者が一体となった防災・減災対策を推進していきたいと考えております。  また、本年7月には農業用水の確保を図るとともに、農業用ため池の決壊による水害等の災害から国民の生命および財産を保護することを目的とした、農業用ため池の管理および保全に関する法律が施行され、県や市町、所有者等、関係者の役割分担が明示されたところでございます。  県といたしましては、これまで以上に市町や土地改良区、滋賀県土地改良事業団体連合会等と連携をし、農業用ため池が適切に管理され、地域の安全、安心を守っていただけるよう、所有者、管理者等をしっかりと支えてまいりたいと存じます。 ◆7番(村上元庸議員) (登壇)ただいま、市町等と連携して、農業用ため池の所有者等をしっかり支えるとお答えいただきました。大変心強いことでございますが、私の住む甲賀地域は、県内で最も多くの農業用ため池を有している地域であります。連携するとお答えいただいた市では、技術者などマンパワーが十分でないことから、十分な対応が厳しいと思われます。  今回の法律の施行を受け、県としてしっかり支えていただく必要があると思っていますが、いかがでしょうか。農政水産部長にお伺いします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  甲賀市につきましては、一昨年、ため池が決壊をいたしました際に、市の技術者が少ないことなどから、市から要請をいただき、県や滋賀県土地改良事業団体連合会が災害査定や復旧工事に係る技術的な支援をさせていただいたところでございます。  また、定期的に県と市による合同会議を開き、早期の災害復旧に向けた課題や進捗状況等の情報を共有しながら、諸問題の解決に向けた取り組みを進めております。  県といたしましては、甲賀市を初め各市町で、農業用ため池に係る管理保全がしっかり行われますよう、引き続き、地域に寄り添いながら、技術的な助言等を行ってまいる考えでございます。 ◆7番(村上元庸議員) (登壇)ありがとうございます。  最後の質問になります。  中山間部を災害から守ることが琵琶湖を、そして滋賀県全体を守ることに通じると考えます。過疎化で危機に瀕している中山間部に対して、誰一人取り残さないSDGsの観点からの取り組み、また、災害による被害を最小限にするためには社会全体で防災対策を高めていく必要があると考えますが、そのためには、自助、共助による地域防災力の向上が欠かせないと考えます。  今後、こうした中山間部での取り組みをどう進めていこうとしているのか、知事の御存念をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 存念を申し上げます。  中山間部におきましては、崖崩れ、土石流、地滑り等の自然災害のリスクが高く、また、高齢化により要配慮者が増加し、人口減少によって防災の担い手が不足するといった課題があると認識しています。  そのため、砂防施設整備などのハード対策や災害リスク情報の周知などソフト対策に加え、住民の自助、共助による地域防災力を高めていくことが欠かせないと考えております。  特に、誰がどういったルートで避難をしていただくのか、避難所はどう運営するのかなど、高齢者や障害者等の要配慮者を含めた住民相互の連携方法や、備えておくべき物資、資機材などについて、あらかじめ地区防災計画などに定めておくことが重要でございます。  集落人口が減少し、地域コミュニティーの維持が困難になる地域もふえることが想定される、現にそういった集落もあるということから、今後、県といたしましては、積極的に市町と連携し、地区防災計画の策定支援を行ってまいります。  山の健康が里山、川、琵琶湖を初めとする自然の健康につながると存じます。こういった自然の健康が私たち人間の健康の土台になると同時に、災害リスクを減ずることにもつながると思います。  今後とも、中山間部における防災対策、これらをハード、ソフト両面から必要な対策を着実に進めることで、誰一人取り残さない対策の推進を図ってまいりたいと存じます。 ◆7番(村上元庸議員) 終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(細江正人) 以上で、7番村上元庸議員の質問を終了いたします。  以上で本日の質疑ならびに質問を終わります。  明11日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後4時55分 散会    ────────────────...