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令和 元年 6月28日琵琶湖対策特別委員会-06月28日-01号

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  1. 滋賀県議会 2019-06-28
    令和 元年 6月28日琵琶湖対策特別委員会-06月28日-01号


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    令和 元年 6月28日琵琶湖対策特別委員会-06月28日-01号令和 元年 6月28日琵琶湖対策特別委員会             琵琶湖対策特別委員会 会議要録                                開会 10時00分 1 開催日時      令和元年6月28日(金)                                閉会 12時08分 2 開催場所      第一委員会室 3 出席した委員    杉本委員長、海東副委員長             白井委員、清水(ひ)委員佐口委員山本委員、             佐藤委員富田委員木沢委員江畑委員成田委員 4 出席した説明員   石河琵琶湖環境部長および関係職員 5 事務局職員     是永主査、柴田副主幹、田中主幹 6 会議に付した事件  別紙次第書のとおり
    7 配付した参考資料  別紙のとおり 8 議事の経過概要   別紙のとおり                  議事の経過概要 開会宣告  10時00分 1 在来魚介類現状琵琶湖環境について (1)当局説明  二宮水産課長 (2)質疑、意見等白井幸則 委員  漁獲量の中に、養殖は入っているのですか。例えば、何年か前から水田を利用して、ホンモロコ養殖等に取り組まれている方がいて、今それがどういう状態になっているのか。琵琶湖の内水面では養殖ができない決まりだったと思うのですが、養殖は含まれているのですか。  それと、ホンモロコ水田を利用した養殖と、内水面で養殖ができるのか、できないのかを教えてください。 ◎二宮 水産課長  まず1点目の養殖をしている量が、この漁獲量に含まれているかにつきましては、含まれていない状況です。あくまでも、琵琶湖漁師が漁獲した量です。  そして、養殖生産量の把握についてです。こちらも我々は農林水産省の統計を使わせていただいているのですが、水田等で行われているホンモロコ養殖量はその中に残念ながら入っておりません。そういう意味で、その辺の情報は十分に持っていない状況です。  そして、3点目に琵琶湖養殖するための漁業権の設定が非常に難しいのではないかという質問をいただきました。漁業権は、基本的に10年ごとに切りかえられます。その切りかえに当たっては、国からの指導に基づいて、漁業権設定考え方は、県として毎回設定することにしております。我々が今基本に置いている漁業権の設定の考え方の中で、例えば琵琶湖養殖することについて、実は2件、3件で漁業権を設定している事例があるのはあるのですが、それはこれまでから行われているところの継続であり、これ以上はふやさない考え方です。  その理由ですが、琵琶湖で網生けすを設定して、そこに魚を入れて、人が餌をたくさんやって、魚を大きくして出荷することが養殖になりますが、養殖配合飼料などの人工的な餌をたくさんやりますので、どうしても食べ残しが養殖場湖底にたくさんたまって、そういった有機物が琵琶湖環境に負荷をかなり与えるのではないかという考えがあります。我々が今、漁業権の切りかえに当たって、琵琶湖での養殖については、今以上にふやさないという考え方を持っているのは確かです。 ◆白井幸則 委員  わかりました。漁獲量がどんどんと減って大変だという話で、漁師の方も景気のいいときは、それはすごくとれたという話をよく聞きます。でも今はもう全然だめという話です。その中間として、養殖もありかと考えたのですけれども、近大マグロなどいろいろな形で、昔と違って今は研究も進んでいますので、そういう最新の知見を使って何とか大モロコとか、何とか大ニゴロブナとか、そういうブランドを出せる可能性検討してみてはどうかと思いました。 ◎二宮 水産課長  我々は、今琵琶湖を中心に何とか漁業の再生を目指しています。ただ、水産業はそれだけではなくて、やはり魚介類を使った産業振興ですので、委員のおっしゃった御意見も踏まえながら、多角的にいろいろと考えないといけないということはそのとおりだと思います。御意見はまた参考にさせていただきたいと思います。 ◆江畑弥八郎 委員  農業濁水について少し触れているのですが、5月に検討チームを設置されたということです。私も以前、濁水対策として、湛水直播、いわゆる直播の試みもいろいろとされたということで、なかなかそれが広がらないという話も聞いたのですが、この辺の手法の問題も含めて検討チームで議論をされるのか、少しこの中身を教えてください。  もう1点は、外来魚駆除量が減少しているのですけれども、これも私がたまたま水産試験場の近くに住んでいるのでときおり行くと、外来魚駆除によって固有種が増加した結果が出てきたと聞いたことがあるのです。そういうことからすると、外来種を抑え込むことによって、固有種がふえます。後ほど出ています種苗の放流などがあるのですけれども、費用対効果も含めると、やはり抑え込むほうが効果があるのかなという感じもするのですが、その辺の見解をお教え願いたいと思います。 ◎若井 農業経営課長  農業濁水検討チーム状況です。農政水産部では、琵琶湖富栄養化防止条例が施行されて以来と思いますけれども、農業排水対策に取り組んできました。その中で、啓発対策、また、先ほどおっしゃられた直播なども含む営農対策、そして施設整備対策の三つで進めてきたのですけれども、なかなか改善状況が見られないということで、再度、今までやってきたことを洗い直して、今後どういうことができるのかを再検討していこうとしているものです。  直播につきましても、湛水直播については、代かきを行いますので、泥水を発生させることになります。乾田直播という方法がありまして、それも過去には実証、検討してきたことはあるのですけれども、普及についてはごくわずかにとどまっている状況です。  どういう対策が今まで効果があるのかなど、いろいろと検討はしてきたのですけれども、今後どういうことが新たに考えられるのか、その辺を出しながら、次年度以降の対策を講じていきたいと思っているところです。 ◎二宮 水産課長  2点目の外来魚の御質問について、お答えします。  委員のおっしゃるとおり、水産試験場は彦根の曽根沼で、これまでから特に魚食性の強いオオクチバスをターゲットにした駆除と、そこで在来魚状況をずっと調べていきました。それを委員に見ていただいたということですが、魚の放流をしなくても、外来魚、特にオオクチバス効果的に駆除すると、ホンモロコなど、さまざまな在来魚がたくさんふえたという結果がありますので、我々も当然外来魚駆除は、在来魚をふやすために非常に効果的な手法だと思っております。  また、水産試験場が調べた中で、琵琶湖全体でニゴロブナの冬の当歳魚の量と、周辺の小型のオオクチバスの量の比較を行うと、オオクチバスが多いときには、ニゴロブナの当歳魚の冬の量は非常に少なく、逆にオオクチバスが少ないときにはニゴロブナが非常に多いということで、かなりの食害を受けているのではないかと思っております。  平成31年度の外来魚駆除につきましては、昨年非常に駆除量が減りまして、そういった面から、外来魚駆除量の目標が、通常の事業では100トンと量を減らしているのですが、それだけではなくて、ニゴロブナが生まれて育つ周辺の湖岸域周辺域で、今申し上げたオオクチバス駆除を別の用船という形で、漁師効果的な駆除をやってもらう事業をあわせて行うようにしております。ただ単に外来魚を減らすだけではなく、それが在来魚の復活に向かう取り組みも今年度から始めているところです。 ◆江畑弥八郎 委員  種苗の放流もいいのですけれども、やはり抑え込むことが私は大事だと思います。ぜひ取り組みを進めていただきたいと思います。  それともう一つ濁水関係ですけれども、今言われた湛水直播は収量もそれほど変わらないという話を聞きました。要は誰が旗を振るかということで、農業者からも意見を聞いたので、農機具屋は怒るかもしれないですが、そこはぜひこの検討会で、収量が変わらないという方向で、全体の環境を考えたときにどうかという検討をお願いしたいと思います。 ◆成田政隆 委員  関連してお伺いしたいのですが、この濁水対策は大事なことだと思うのですけれども、琵琶湖への影響水質に対する影響なのですか。「湖底環境改善」という項目の中に含まれているということは、湖底環境影響があるから、いろいろと検討対策が必要なのですか。濁水琵琶湖に与える影響をどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。 ◎若井 農業経営課長  濁水影響ですが、我々が今考えているのは、当初は琵琶湖富栄養化防止という観点でしたけれども、今は現実的に水産アユなどの遡上行動への影響もありますし、湖畔域における4月、5月の景観の問題です。そういった観光等への影響もあると思っています。何よりも、従来から申しているのは、農業サイドから言いますと、水田から濁水の中で土や肥料成分が出ていくと、そういった部分で農業面でも損失があり、問題があるのではないかと思って、取り組んでいるところです。 ○杉本敏隆 委員長  答弁になっていません。水質への影響か、湖底への影響か、どういう影響があるのかという質問でした。 ◎二宮 水産課長  水産への影響ということで、今まで濁りが魚に対してどういう影響があるかを水産試験場で調べてきたところによると、現実的に今起こっているレベルで、濁りそのもので魚が死ぬことはないだろうと我々は認識しています。ただ、魚の行動、または魚の成長などには影響があるのではないかというデータは出ております。  例えば、アユを使って、濁り行動にどういう影響を及ぼすかという試験をすると、濁りの指標ということで、懸濁物質濃度――水の中にある懸濁物、粒子があります。懸濁物の量は、粒子の量になるのですが、それが25ppmあると、アユはそういった水を避けることが知られております。アユ濁りを避けるとなれば、漁業でやなをしていても、川に上がってこなくなり、えりをやっていても、魚が避けてしまうなど、漁獲への影響があるということで、水産としては、課題として認識しているところです。ただ、それが例えば湖底状況が変わって、それがまたシジミにどのような形で影響があるかまでは、我々としても把握できていない状況です。 ◆成田政隆 委員  それならば、湖底環境改善ではなく、そもそも農業濁水影響として一つ項目を挙げる形で、しっかりと調査研究を行いながら、取り組みを進めていく必要があるのではないかと考えます。この3番の一つに含まれているものではないと思うのです。湖底環境との因果関係は、これからまた出てくるのかどうか、調査をされるかもしれませんけれども、やはり水質にかかわる影響、さまざまな濁りに対しての影響で、別途やはりしっかりとした調査研究をして、農業サイドでの濁水対策が、水産振興琵琶湖環境への影響も含めた形で、効果を及ぼすところが何なのかというところまで発展させていく必要があると思いますが、御所見を伺いたいと思います。 ◎二宮 水産課長  湖底への影響についてですが、例えば大雨または台風など、相当大きな雨が降ったときには、そういった農地以外からも、非常に濁りが発生しまして、それと農業との区別が非常に難しい面はあると思うのですけれども、委員に御意見をいただいたことを踏まえて、どういうことができるかを考えていかなければいけないとは思っております。 ◆成田政隆 委員  どういうことができるかもそうですが、そもそも影響はどうなのかという調査研究をしっかりやっていかなければいけません。影響が余りないならば、原因対策も変わってくると思うのです。琵琶湖漁業に対する影響がなければ、農政サイドの中で対策を講じればいい話であり、それが琵琶湖水質であれ、漁業にかかわる影響があるならば、一緒になってやっていかないといけないので、そのあたりの整理をしながら、取り組みを進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○杉本敏隆 委員長  データはないと言われたけれども、琵琶湖全域の湖岸の砂質、泥質、礫質の面積がどう変化しているかという経年変化データはないのですか。 ◎二宮 水産課長  水産試験場で、沿岸帯調査を10年、20年に1回やっている結果の中で、湖岸の底質を調べた結果は確かにあります。例えば、そういうものを使って、農地からの影響、またはそうではなくて、台風等で多く水が出たときの影響、そういう区別ができるかどうかは、考えてみなければならないのかなとは思っております。  まず今はっきりとわかっていることは、一番重要な魚種であるアユについては、やはり今の濁水レベルは、避ける濃度に達していますので、そういった影響があることは当然認識しているところです。 ◆富田博明 委員  単純に言えば、琵琶湖の水をきれいにすることによって、魚はふえるということでいいのですね。基本的には、昔の水質に戻すことによって、魚はふえるという考え方でいいのですか。水産課はとにかく魚をふやしたい。だから、その関係でほかの原因を何とかしてくれということを言うのではないのですか。魚をふやすためにはこういうことをしてほしい。だから濁水を出さないでくれ、水草をふやさないでくれと水産課が言っていかないといけないのではないですか。僕はそう思うのですけれども。各担当がここにいるということは、担当がいかにどれだけ濁水を出さないようにしましょう、水草をもっと減らしましょう、水位を上げたり下げたりするのはうちの課でやりましょうということを、きちんと皆さんが考えていかないといけないのに、水産課長がそのことまで答えるのはおかしくないですか。とにかくこれだけ魚をふやしたい、だから、こういう原因を何とかしたいと逆に水産課長皆さんに言うのではないですか。  例えば濁水の話だったら、圃場整備ができて、用排が分離できたところだけれども、用排分離ができておらず、用排兼用の部分はどうしても出てくるのです。そのときに、土地改良の費用で用排分離をしていかなければ、琵琶湖はよくならないのではないかと思います。僕は琵琶湖全体のことを考えたときに、水産課長が、逆に原因をつくっているところに言うべきではないかと思うのだけれども、その辺について部長はどう考えますか。 ◎石河 琵琶湖環境部長  おっしゃいますように、琵琶湖に関連のある各部局が関係しています。それぞれが所管する事項の中で、できるだけ琵琶湖にとっていいように取り組みを進めているところです。  先ほど説明がありましたように、研究という面では、琵琶湖環境研究機構ということで、研究と行政が組み合わさって、対策一緒に考えています。全て水産課対策も考えて答えるのではなく、各部局で自分のところの問題として考えてやる姿勢でやっております。どうぞよろしくお願いします。 ◆富田博明 委員  そこが本当にしっかりとやらなかったら、何十年先もずっとそのままで、魚は少しもふえなくなります。だから、今の研究機構を通じて、もっとやはり真剣に取り組んでいただき、それでお金が足りなければ、足りないと言わなければなりません。やはり日本の琵琶湖だから、国にもしっかりともらってこなければいけませんし、その辺はもっと積極的にやってもらいたいと思います。また、山が琵琶湖にも影響があるということで、琵琶湖環境部が山も持ちながらやってもらっているので、その辺も一緒に連携してやってもらわないと、同じことの繰り返しです。きょうの話を聞いても、魚介類現状琵琶湖がきれいになったらふえてくるから、現状はわかるけれども、そのためにどうしていくかを考えていかないといけないと思います。私たちも、県民のほうに向いて、実はこうなので、濁水を落とすのをやめましょう、もっとこうしましょうということを言っていかないといけない立場でもあると思います。これはやはり一緒にやっていかないといけないと思います。 ◎石河 琵琶湖環境部長  まさにおっしゃるとおりです。こういう関係部局が連携して一体となって、国にもいろいろなことを求めることもありますし、県でとれる施策を十分考えてやっていく姿勢でやっていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ◆山本正 委員  確認になるのですけれども、このグラフにつきましては、かつてから極端に落ちてくるころの話をよくさせてもらいました。その要因と考えられる琵琶湖環境変化を、次の3ページから書いていただいて、非常にわかりやすくなっているのですが、やはりどうしても、平成6年から平成9年、1994年から1997年ぐらいの間に、いろいろなことが急激に悪化しているのが、この分野だけではなく、ほかのグラフでも確かあったと思うのです。そういった中から、この三、四年の間に生活変化社会的変化など、いろいろな事象があったと思うのです。その背景が要因にはならないから書けないのはわかるのですけれども、要因とは確定できないまでも、何か触れてもらえないかという気がします。  生活が一変してきたのも、平成に入ってしばらくしたころでしたし、琵琶湖でいろいろなことが起こったこともあるのですが、この時期的な話、社会的背景生活背景が見てとれないので、少しそのあたり説明をお願いしたいということです。  それからもう一つ、これは詳しく教えてほしいのですが、水位について、環境に配慮したとあります。マイナス20センチメートルが今どうされているのか、時期的なことや、ルール的なことです。何か発表されているのかどうか、教えていただきたいです。  それから、カワウ河川でという話ですが、河川対策は何か打たれているのでしょうか。 ◎二宮 水産課長  まず1点目の平成の初めごろから、さまざまな魚種が相当落ちてきていて、さまざまな要因がこの辺で重なっているのではないかという御意見をいただきました。我々もそういう認識は持っておりまして、特に、外来魚については、昭和の終わりから平成の初めにかけて、相当爆発的にふえたことがありまして、特にニゴロブナエビ類にはかなり影響があったと思っております。  そのほかにも、琵琶湖総合開発が終わって、社会的にさまざまなものが整備されていった時代ですので、そういったものもあわせた影響は、もしかしたらあるのかもしれません。 ◎伊吹 流域政策局副局長  2点目にいただきました琵琶湖水位操作関係について、報告します。  まず、琵琶湖水位関係ですけれども、出水期、6月16日から8月いっぱいまでに関しては、琵琶湖水位マイナス20センチメートルとし、出水に備えて対応されています。そして9月から10月の台風シーズン出水期ということで、マイナス30センチメートルで対応されています。そして、それ以外の非出水期、いわゆる10月16日から6月15日までにおきましては、常時満水ということで、プラス30センチメートルの水位を基本に定めておられます。  そのような中で、非出水期の特に春先の魚類産卵期につきましては、琵琶湖河川事務所におきまして、環境に配慮した操作ということで、先ほど水産課長からもお話がありましたけれども、魚類の卵が少しでも干上がらないように、水位操作をされているのが今の状況です。  具体的に申しますと、一旦降雨によって水位が上昇したときには、それを一気に下げると、卵が干上がることになります。降雨によって水位が上昇したときには、下流で利水などもありますので、そうしたところは下流に流しながら、できるだけ水位を極力維持して、魚類の卵が干上がらないように配慮した操作をされているのが、環境に配慮した操作です。 ◎二宮 水産課長  3点目に御質問いただいたカワウの川での対策です。川では、カワウの飛来を抑えるため、三つほど取り組みが行われています。  一つは、カワウが川に入れないように、防鳥糸といって糸を張ります。それは釣り糸のように見えにくい、きらりと光る線を川に張っていくのです。例えば30メートル間隔だったり、50メートル間隔にします。そうすると、カワウはそれを嫌がって川に入ってこなくなる効果があります。カワウがどうしても寄ってくる場合には、それを散らすために花火を上げたり、地元で銃器を使った駆除も行われています。基本的な漁場を守る取り組みは、大体その3点で、今それぞれ行ってもらっているところです。 ◆山本正 委員  1点目の話は、質問の意図がわからなかったのかもしれませんが、1994年から1997年ぐらいのグラフを見ると、どこも急激に減っています。ここで何があったのかという客観的なことは書けないまでも、話ぐらいはできないですかと言ったのです。例えば、水位操作はどうだったのか、あるいは滋賀県中の排水が変わった時期はどうだったのか、生活変化社会的背景変化で、それが要因とは考えられなくても、何か挙げられるものはないのでしょうか。本当に客観的な要因をまとめられておりますので、そのあたりで何か言えることはないですかという質問をさせてもらいました。  それから、もう1点の水位につきましては、ここに書いていることだけで、洗堰の操作環境に配慮していることを言っていただいたのですが、それに対して、何か明確なルールで卵が干上がらないようにされているのかわかっているのでしょうか。これは、わからないという返事でよかったのでしょうか。その2点について、もう一回お願いします。 ◎二宮 水産課長  1点目ですが、まず外来魚と申し上げたのは、外来魚が特にふえて、漁連の駆除や、県の事業が始まったのが昭和60年ごろです。1994年よりも少し早い時代ではあるかもしれませんが、そういった昭和の終わりから平成にかけて、非常に魚食性が強いオオクチバスなどの外来魚が爆発的にふえていますので、大きく減った一つ原因ではないかと思っているわけです。  あと、例えば水位関係でいきますと、水位操作規則が設定されて、それが実施されるようになってきていますので、そういった水位影響が、平成のそのぐらいに当たっていることもあると思います。また、産卵繁殖場の減少もそういった時期に重なり始めているのではないかと思っているところです。 ◎伊吹 流域政策局副局長  2点目の水位操作関係について、補足します。  まず、環境に配慮した操作が、平成16年から10年間試行的に、国で行われました。そうした中で、先ほども話がありましたけれども、こういうコイの干出率については、一定10%という形で下がってきたところが、効果としてあります。ただ、これも先ほど話がありましたけれども、春先のホンモロコの干出につきましては、ホンモロコの生態がまだまだ十分に解明されていないということで、水産試験場で現在、調査研究を進めておられます。こうしたところの知見が出ましたら、国とも情報共有をしまして、よりよい環境に配慮した操作一緒に考えてまいりたいと考えています。 ◎三和 琵琶湖環境部技監  最初の御質問について、マザーレイク21計画等、過去にいろいろな計画をつくっている中で、やはり平成の初めの時代に、非常に環境が大きく変化している面がありました。どれが直接どれぐらいのインパクトかまではわからないにせよ、幾つかの要因が挙げられると考えておりまして、一つは、この時期は人口が急増している時期でもあります。例えば、流域では宅地の面積もふえていますし、さらには、先ほどからお話に出ている平成の初めの時期に水草が大量に繁茂し始めたのも、平成6年の大渇水が引き金になったと言われております。この時期に大きく環境変化して、それが引き金になって、いろいろと連鎖的に環境が変わっていったことも、何が原因で何が結果ということはあるのかと思います。  このあたりは、かつて水草の大量繁茂がなぜ起こったのかという検証もしております。それ以前に、南湖の湖底生活排水、あるいは工場排水を初めとして、さまざまな栄養塩であったり、汚濁物質が堆積していた状況の中で、平成6年の渇水が引き金となって、一旦ふえ始めると、どんどんとふえていきました。だから、この時期の前後にどうであったのかという以前にも、数十年にわたってさまざまな要因変化があったと思っております。  重ねて言いますと、例えば、いわゆる圃場整備、あるいは湖岸堤の整備は、もう少し前の時代から始まっておりますが、要するに水の使い方や、排水、下水道もそうですけれども、1カ所に集めて汚濁水が排出される物理的な変化もありました。そういうさまざまな要素が重なって、この時期にそれがあらわれてきたのかなと一定検証はしているところです。
    山本正 委員  そういったことが背景にあったという中には、例えば水位低下にしても、いつからかがわかっているわけですし、下水道の普及は関係ないかもわかりませんが、確かにこの時期にこうだったという社会的背景としては、やはりみんなが共有しておくべきことではないかと思います。  琵琶湖保全再生計画をつくる際に、水位に関しまして、1行でもいいから入れてほしいと何度も話をさせていただいていましたが、そういった研究がどんどん進んで、これからもこの点につきまして、魚介類の復活に何とかつなげていっていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。 ○杉本敏隆 委員長  今の技監のお話が持ってまわった言い方でしたけれども、それぞれの魚種漁獲量の推移を見ると、アユとビワマス以外はおっしゃったように、大体1990年代に入ってから、極端に減っているのです。いろいろな原因があって影響しているけれども、それぞれにいうと、ホンモロコについては、これは明確に水位操作をするようになってから、卵が干上がってしまって、ホンモロコの再生産ができなくなっています。  それから、ニゴロブナについては、外来魚影響もありますけれども、ヨシ帯がなくなって、産卵する場所がなくなっているという問題です。これはやはり琵琶湖総合開発で湖岸堤をつくって、ヨシ帯をどんどん潰して、内湖とも分断してしまった問題が出ていると思うのです。  それから、エビ類については明確に外来魚、とりわけブルーギルの影響が知られてきたと思います。この時期にふえてきたということです。  それから、セタシジミは砂地で繁殖するわけで、湖底が泥地に変わってきて、タテボシというシジミとは違う貝が泥地では物すごくふえているのです。それがちょうど琵琶湖総合開発が終わって、土地改良が全域で行われて、農業濁水がたくさん流れ込んで、砂地の上に泥が覆いかぶさって、シジミが生息できない状況が生まれています。これが1990年代に入ってから、琵琶湖総合開発影響水位や、湖岸堤、それから湖底環境の悪化が広がってきて、かつての1割以下に漁獲量が急激に落ちてしまった大きな要因だと思うのですけれども、その辺の認識はありますか。 ◎三和 琵琶湖環境部技監  今、委員長からお話しいただきましたけれども、なかなか答えにくいといいますか、いろいろな要因があるということですので、どれか一つ、あるいはどれが一番どれぐらい大きいかについては、なかなか難しいと思います。  先ほど湖岸堤、ヨシ群落がなくなったというお話がありましたが、例えば湖岸堤の整備という面でいきますと、最も工事として多く行われたのは、昭和50年代の半ばぐらいであって、それから徐々に整備されていきました。水草のところでも申し上げましたけれども、それが昭和50年代、昭和60年代に行われたさまざまな環境変化が徐々に効いてきていると思いますので、一概に因果関係を解析するのはなかなか難しいと思います。一般的に、いわゆる産卵、あるいは繁殖に必要な場所が失われたことについては、非常に大きなダメージがあったのではないかと考えております。 ○杉本敏隆 委員長  いろいろと考慮しなくてはならないことはあると思いますけれども、やはり真理がどこにあるのかをきちんと明らかにすることは必要です。それは過去に行政がやったことに対しても、やはりきちんとメスを入れて明らかにしないと、しっかりとした対策ができないので、ぜひもう少し踏み込んだ分析をやっていただきたいと思います。 ◆清水ひとみ 委員  南湖の水草について、お聞きしたいと思います。  6ページに、昨年、ことしと少ない状況ということで、地域の皆さんが毎月のように除去活動をしてくださっていることに感謝します。  近年、そこに書かれている糸状藻類のリングビアが湖底にマット状に繁殖している状況で、多分生態系の中で、ほかのものをとると、ほかのものが生きてくることがきっと起こっているのだろうと、素人感覚で想像するのです。魚介類に対する影響が必ず懸念されると思うのですけれども、早期対策をしていただかないとだめだと思うのですが、今後の考えをお聞きしたいと思います。 ◎三和 琵琶湖環境部技監  今、清水委員がおっしゃったように、水草の刈り取り、特に根こそぎ刈り取りをしていることで、従来問題となっていた水草が減っているところにどうやら、そのすきまをぬってリングビアが繁殖しているようです。  これについては、根こそぎ除去の中で、現状はできる限りとっていくことで対応しておりますけれども、今後、水草繁茂の状況は刻々と変わってまいります。十分にその状況を把握しながら、県庁でも、関係機関、琵琶湖環境科学研究センター、琵琶湖博物館、あるいは漁業組合の皆さんとも一緒に、水草対策チームをつくっておりますので、その中で、どういう効果的な対策ができるのか、現状を把握しながら、随時検討する中で進めてまいりたいと思っております。 ◆江畑弥八郎 委員  どこで発言していいのか少し迷っているのですが、水位の低下による琵琶湖への影響という議論がありました。逆に今度は水位がプラスのときを考えたときに、この間、塚本議員が一般質問をされました。さきの大戸川ダムの勉強会の中の議論で、例えば洪水時、それが連続した場合のケースですが、要は琵琶湖水位の上昇で、勉強会の結果としては、一定水位を下げる効果はあるけれども、ケースによっては、長時間その水位が続く場合もあるという結果も出ています。  そういう議論の中で、知事は、大戸川ダムの放流方法の工夫や、下流の天ヶ瀬ダムとの調整で水位を下げることは可能という発言をされていたのですけれども、逆に、長時間つくということは、治水と環境かなり影響が大きいと思います。その辺の議論をここでしていいのか、別の治水と環境のところでしたほうがいいのか、まずその扱いを委員長にお聞きしたいと思います。 ○杉本敏隆 委員長  皆さんの要望があれば、検討したいと思います。 ◆江畑弥八郎 委員  まず、ここで議論としていいわけですか。別個でしたほうがいいのでしょうか。 ○杉本敏隆 委員長  皆さんがやろうということであれば、やったらいいと思います。 ◆江畑弥八郎 委員  せっかくですので、執行部に質問にします。  私が今触れましたように、琵琶湖水位の問題は、稲葉知事以降、県民の悲願でありますけれども、今回のこのケースの場合、水位の上昇が長時間続いて、時間がかなり長くなる結果も出ています。その点の問題と、もう一つは知事が言う工夫です。工夫をしていけば、琵琶湖水位を低減できるということですが、具体的にどういう工夫をするのか、少しその辺をお聞きしたいのです。2点です。 ◎岸田 流域政策局長  勉強会の結果について、あるケースによっては、琵琶湖水位が上がり、上がればそれなりに影響が出てくることはありますけれども、私どもから言うと、ケースが幾つもありまして、そのケースで、大戸川ダムの操作を工夫することによってできることが出ています。それはそれで工夫をして、琵琶湖水位を少しでも下げることは可能と考えています。仮に水位が1センチメートル上がることによって、環境的にどれだけの影響があるかはよく存じませんが、今の勉強会の結果を言いますと、何回も繰り返しになりますけれども、大戸川ダムと瀬田川洗堰と天ヶ瀬ダムの操作を連携したら、それはクリアできると考えております。 ◆江畑弥八郎 委員  簡単に工夫、連携と言われますけれども、これまで幾つかのケースを見ていると、なかなかその連携がうまくいかなくて、愛媛県では大きな被害が出たケースもあります。正直に言って、洪水時、深夜の時間帯もいろいろな時間帯があると思うのですが、工夫、連携がそう簡単にできるとは思えず、私は腑に落ちないのです。一つのケースの結果として考え方はわかりますが、実際にどうなるかがかなり心配ですので、具体的にどういう工夫を行うのか、少し言えないでしょうか。 ◎岸田 流域政策局長  今回、勉強会で学識者から聞いて、あのような結果が出ました。それは確かに今までわかっていなかった知見です。それが出た以上、ダムは国のダムですから、国に検討してもらうことが大前提になりますし、学識者によると工夫したら可能ではないかと聞いていますので、それは一定、工夫してできると我々は考えております。 ◆江畑弥八郎 委員  いずれにしましても、ここで今、局長と私が議論していても、なかなか進まないと思います。委員長にお願いしたいのですが、どこかのところで時間をとって、この辺の議論を少ししていただきたいことをお願いしてもいいですか。 ○杉本敏隆 委員長  わかりました。検討します。 ◆佐藤健司 委員  今の点、要望だけ申し上げておきます。  議論するのはやぶさかではないですけれども、一義的には常任委員会もあります。当然のことですけれども、当特別委員会でやらなければいけないことでもないので、常任委員会としっかりと調整した上でお諮りをいただきたいと思います。  非常に素朴なことですが、1点少し教えてください。  きょうの議論は、在来魚介類現状ということですけれども、冒頭に水産課長から御説明があったように、こういう話をすると、やはり漁獲対象種を中心に議論がされがちです。我々もアユがふえた、減ったと、確かに生活がかかっておられるので非常に大事な視点ですけれども、一方で、生物多様性を考えると、これだけ固有種がいて、その中に絶滅危惧種も希少種もあるので、なかなかここに数値で出てこない種にも目を向ける必要があるのではないかと、いつも思っています。  そういった中で、なかなかそういう説明を聞く機会がないものですから、ホンモロコも確か絶滅危惧種だったと思いますが、そういった漁獲対象種以外のレッドデータブックなどに載っているものの現状を教えていただけたらと思います。 ◎安田 自然環境保全課長  確かに、琵琶湖には60種を超える固有種がありまして、漁業として生活の中でとられているもの以外にも、多様な生態系がもちろんあります。その中で、そういった固有種の中にも、委員御指摘のように、生息量が減っているものもあります。こういったものの調査につきましては、ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例を持っております。その中で、毎年度、生き物総合調査をする中で、特に魚についても、専門家の委員に調べていただいて、特に、ここ近年生息量が減っているものについては、5年に1回、レッドデータブックを取りまとめて、魚類についても評価をして、特に生息環境が悪化していたり、まだ減る恐れがあるものにつきましては、条例の中で、指定希少野生動植物種に指定をしまして、とる規制を行っております。  魚類につきましても、手元に資料はありませんが、何種類か、例えばハリヨは琵琶湖ではなく河川ですけれども、ハリヨやイチモンジタナゴの指定をしております。毎年、検討会議の中で、追加的にこういったものを指定すべきではないかという提案もいただいていまして、それを条例に基づく種の指定という形で保全を図り保護を進めているところです。  今何がどれぐらい減っているかというデータが手元にありませんので、そういう定量的なお示しはできないのですけれども、そういう枠組みの中で、しっかり琵琶湖の生態系全体の保全を図っていきたいと考えております。 ◆佐藤健司 委員  要望にしておきます。取り組みをしていただいているのは知っているのですけれども、やはりそういうところも、しっかりと表に出していただかないと、本当に今漁獲対象種の議論が中心になっています。アユがふえたり減ったりするところに目を向けることも大変大事ですけれども、一旦失われてしまったら元も子もないところは本当に大切だと思いますので、これから広報をもう少し強めていただければと思います。要望しておきます。 ○海東英和 副委員長  最初に聞き逃したのかもしれないですが、貝類がたくさんとれていて、色がわからないぐらいに激減しているということは、今まで余り知らなかったのです。漁獲対象種だけを見たら、ふえている時代も経て、今激減していると思うのですけれども、貝類はどのように読み取るといいのですか。  それから、先ほども出ていましたが、琵琶湖の保全は水の環境基準で追いかけることが正しいと思っていたけれども、このグラフを見たら右肩下がりでずっと減り続けていて、魚、貝、エビ類は全然回復していません。ということは、やはり水のきれいさと、生物の生息環境はイコールではないことを改めて何かの段階で認めて、政策の方向性をもう一遍軌道修正する必要があると思うのですが、それについてはどういう議論になっていますか。それが2点目です。  3点目は、琵琶湖の生態系でいえば、圧倒的に北湖の面積が大きいです。全体で漁獲量が大きく減っているということは、やはり北湖での再生産の機能が著しく落ちていると考えるべきだと思うのですが、南湖でばかり実験政策をやってきていて、着々と北湖の命を育む能力を低下させていることをもう少しリアルにリサーチすべきではないかと思うのですけれども、どう思われますか。 ◎二宮 水産課長  まず、1点目の貝類が1954年から大幅に減っている件につきまして、貝類の中でやはり大半を占めていたのは、漁獲量から見るとセタシジミでした。一つは、昭和30年代に貝類に非常に影響を与えるPCPという除草剤によって、かなり琵琶湖中の貝類に影響が出たことが1点です。  それと、シジミに関しては、もともと漁師は手かきをしていたところ、漁船を引き回してとる効率的な漁法が入ってきて、一気にたくさんとれる漁獲圧が高まったこともかなり大きな要因ではないかと認識しております。ただ、これがどれぐらいの影響があったかという割合はわからないのですが、そういったものがベースにありながら、長年川を初めとしたさまざまなところから適度に砂地が入ってきたことも減ってきているのではないかと思います。そういったことにより、シジミを含めた二枚貝のかなりの部分が減ってきたと認識しております。  続けて3点目について、南湖ばかりということですが、我々としては、漁獲の大半は北湖ですので、基本的に放流などのさまざまな施策は、北湖でしていることが多いです。  ただ、特に最近、南湖について例えば窪地の修復など、いろいろと申し上げていますのは、やはり南湖は、水草外来魚、窪地も含めてさまざまな課題が集中していますので、南湖を再生することは、琵琶湖全体にとって非常に重要ではないかと思っております。また、魚介類的に例えば、琵琶湖全体のホンモロコかなりの部分は回遊していて、春先に南湖へ入ってきて、そこで卵を産んで、また北湖に戻っていくというように、大きな内湖みたいな機能を有していると我々は考えており、南湖は魚のゆりかごという言い方をしております。  セタシジミの漁獲量が全体でかなりの部分を占めていた昭和30年代では、砂地もたくさん広がっていたということですので、そういった面からも、南湖の取り組みを強調しているところもあります。 ◎三和 琵琶湖環境部技監  2点目の御質問にお答えします。  今、水がきれいになってきている、あるいは環境基準の達成のために、汚濁負荷の削減対策を進めてきた一方で、このように漁獲量に代表される魚が減ってきている状況があることについてです。我々が環境基準を目指して、琵琶湖の汚濁負荷の削減を進めてきているのは、昭和40年代に環境基準が設定されて、その当時、滋賀県も人口がふえ、琵琶湖には流入負荷がふえ、赤潮が発生し、利水障害を含めてさまざまな影響が出ていました。まずはこれを削減していくことが喫緊の課題であるということで、目標の水質環境基準を目指して、下水道の整備、工場排水の規制、生活排水、あるいは石けん条例に代表されますさまざまな排水、汚濁負荷の削減を進めてきました。これについては、現時点でこういう状況になっておりますけれども、一定、改善されてきたからこそ、次の課題に進んでいける状況になっていると考えております。  例えば、環境基準そのものに向かって対策を進めてきたことについては、これは一定成果が上がったと思いますけれども、今このように魚にあらわれている状況については、海東副委員長がおっしゃいましたように、ある意味で、汚濁負荷を削減するだけでは、生態系を含めた琵琶湖の生き生きとしたにぎわいのある生き物の環境の状態は、達成できないのではないかということが示されているのかなと思います。従来の汚濁負荷の削減対策を継続してしっかりと進めていくと同時に、先ほど来出ておりますように、もっと物理的な湖岸の変化や、琵琶湖環境に関する課題を引き起こす要因がさまざま出てきておりますので、それに対応できる対策を進めていく、あるいは、それに対応していくための新たな行政目標を掲げて、新たな施策を進めていく時期にきているということは、我々も認識しているところです。 ○海東英和 副委員長  三つ目の三和技監のお答えは、なるほどと思います。だから、こういう生き物を育む湖を持つ滋賀県が、新しいそういう観点、ステージを迎えることは大きな意味があると思うし、滋賀県の役割としてもとうといと思うので、しっかり取り組んでほしいと思います。  それから、南湖、北湖の話で、ホンモロコが南湖で回遊する話が出ていましたが、例えば北湖の柳、ハンノキの足もとでふ化したものが、全て南湖に行っているのでしょうか。産卵、ふ化をして、大きくなるのは圧倒的に北湖で、それが展開されているわけです。その産卵生息環境が壊されていると警鐘をずっと鳴らしているのに、それについては政策の対象にならないから、先ほど委員長アユホンモロコそれぞれで考えられる減少原因を言われました。  例えば、ニゴロブナであればヨシ帯の減少があるのではないですか。ヨシ群落保全条例によって、柳、ハンノキを切るなという条例にしてしまったおかげで、ヨシ帯がだんだんと生息しにくくなって、明らかにニゴロブナ、コイの生息環境は劣化していると思うのです。地元の人が柳、ハンノキは切るものだから、切るように条例を改正してくれと言ったのに、県は聞きませんでした。中途半端な学識経験者が譲らなかったという一つの象徴です。湖中砂利をとっていたけれども、穴があると悪いので、実験して確かめて、必要だったら埋めましょうというように、滋賀県も一歩抜けた政策をとるようになるわけですから、過去の政策で少し危なかったものは、正直に新しい政策で改善しないと、琵琶湖が致命的なことになるように思います。ぜひ今年度はそういうことについても、考え直してもらうきっかけにしてほしいと思います。  例えば2番の①の水ヨシ帯などの減少について、例えば内湖の減少、ヨシ帯の減少、柳、ハンノキ帯の減少と分けると、魚種とも対応するので、そういう見方も入れてほしいことを要望して終わります。 ◎二宮 水産課長  全てが南湖に行っているわけでは当然ありませんので、少し言い方が悪かったと思っております。  今までそれを申し上げていたのは、水産試験場調査で、主にホンモロコの漁獲の調査を1年追いかけたときに、漁獲の中心が北湖から春先にかけて南湖に移動して、産卵して成長したら、漁場の主体が北湖に戻るという大きな流れがあるのではないかと、我々は聞き取り調査で認識しているところです。ただ、全てが南湖に行って産んでいるわけでは当然ありませんので、その辺は、これから説明するときに十分配慮したいと思います。 ○海東英和 副委員長  説明だけではなく、北湖の産卵場等をしっかりと掌握して、保全をしていく意識をもう少し高めてほしいことを要望します。 2 令和元年度「びわ湖の日」の取組について (1)当局説明  中村環境政策課長 (2)質疑、意見等 ◆佐藤健司 委員  意見だけ申し上げておきます。  このガイドブックに関して従前から指摘をしていますけれども、昨年度と違って、製作委託の経費を削って、委託事業者に広告をとらせる形に変わりました。結果、拝見したら38ページが一番大きな広告ですが、製造業の会社だったという結論になりました。従前から指摘しているように、県内の9万人の子供たちにびわ活を進めていこうとするこのガイドブックにおいて、広告をとることのリスクをしっかりと考えていただきたいと思います。もしこの全面広告が学習塾の夏期講習の広告であれば、みんなで遊べ、いろいろな体験をしろと言っているのに、塾の広告がどのように受けとめられるのか、そういうことまでしっかりと考えて仕様をつくっていただきたいと思います。別に学習塾の夏期講習の広告が悪いとは言いませんけれども、このガイドブックの発行主体は滋賀県であります。ガイドブックの目的をしっかりと鑑みたら、このような仕様にして広告をとって、委託事業費を浮かそうとは考えないはずです。もし来年度にこれをつくり続けるならば、今年度のようなやり方はやめていただきたい。意見です。 ◆木沢成人 委員  このガイドブックの52、53ページですけれども、寄附つき商品の案内を載せていただいているのですが、例えばほかのイベントでは、参加費などの料金が明示されているのです。このページを見たときに、商品は載せていただいているのに価格が見えないのは、何か意図があったのでしょうか。 ◎中村 環境政策課長  ここで金額を明示させていただいていないのは、実際にこのバーコードをクリックして、そのページにいっていただくことを考えていたのですけれども、やはりここに金額等を明示したほうが、買っていただく方には親切でわかりやすいと思います。次回からは、金額を明示できるようにしてまいりたいと考えております。 ◆木沢成人 委員  消費者として最初に見たときに、ここに価格がないと購入の動機の面では少し下がる気がしたのです。  今言ったように、その本を持っていたらQRコードから見てくださいということですけれども、親切な面がありつつ、少し不親切かなと思うのです。例えば、それぞれの事業者の電話番号が書いてあるのですけれども、ここにわざわざ電話をして、どういう商品かを尋ねて、そこまでして買おうという人はよほどの人です。だから、本当にできるだけ多くの人に購入の障壁を下げようと思ったら、今言ったように、もう少し情報を豊富にしてほしいと思います。  このガイドブックはイオンなどで置いていただくということですが、この寄附つき商品を全部まとめて買えるお店は県内にあるのですか。 ◎中村 環境政策課長  まとめて買えるお店はありません。例えば、一番上の水草の肥料等につきましては、インターネットなど限られたお店で買う形になっていますので、現在、これをまとめて買うお店はない状況です。 ◆木沢成人 委員  県として、本当に寄附をしてほしいという思いからすると、伝わってこない気がするので、これは何か工夫できたらしていただきたいです。  また、39ページにあるローソンのみずかがみのおにぎりです。これは7月1日から7月15日までの限定発売ということなので、1日のロットがどれぐらいの量かわからないのですが、みずかがみを和風だしとブイヨン風で炊いただけのいわゆる白むすびですよね。生産者がお米を売っているところからすると、物すごく利益率の高い商品です。価格が税込110円とありますけれども、例えばセブン‐イレブンやローソンなどとの包括連携で、みずかがみのおにぎり自体に寄附金等がついているなど、例えば企画のときから話をされたり、ローソンからそういう申し出が今までにあったのですか。 ◎中村 環境政策課長  このみずかがみにつきまして、企画の段階から寄附をいただくお話はありませんでした。確かに寄附をいただくことも一つの手ですけれども、まずは商品をつくっていただいて、食べていただいて、琵琶湖を知っていただく趣旨で、取り組みをさせていただいています。  過去には、こういう形で商品をつくって、そこにびわ湖の日に合わせて、寄附をいただく展開をしたことがありますので、次年度以降、こういった取り組みがある場合については、事前に今委員がおっしゃったことも含めて、調整させていただければと思っています。
    ◆木沢成人 委員  最後にしておきます。例えばびわ湖の日の取り組みは、県下全域で10万人以上が環境美化活動を行うと書いていただいていますけれども、県の人口からしたら、7%ぐらいの数字です。私たちが頑張れば30万人など、その辺のオーダーでいけるのではなかろうかと思っていますし、いくべきではないかと思っているのです。そうすると、10万人以上が頑張っていることについて、逆に便益を享受しているだけといったら失礼ですけれども、そういう人も多いわけです。私たちも今週末に草刈りをして、河川愛護活動できれいにするのですけれども、そういう活動に参加できなくても、せめて、金銭的な負担で参加できる仕組みをつくるなど、寄附の仕組みをもう少し充実させてもらわないと、全県民がやはり参加できる形になってこないので、そこはもう少し工夫してほしいと思います。意見です。 ◆山本正 委員  一つだけです。小学生9万人に配られるということで、琵琶湖について知識を得るにはすごくいい面もあると思います。ただ、4ページの左下の土地利用分布図が、滋賀県の地図がしっかりと頭に入っているわけではない小学生にとって、どうかと思いました。琵琶湖の水は、瀬田川一本から京阪神の淀川を通って最終大阪湾に出ていくことがわかるほうが大事なのに、何か一番大事なところが欠けています。目にした子供たちはこれを覚えてしまいます。意見です。 ◎中村 環境政策課長  琵琶湖だけで切りとっているこの地図につきましては、実は、いろいろな方から御指摘もありまして、今後はやはり琵琶湖とのつながり、下流域とのつながりをはっきりと明示できるように考えていきたいと思います。ここは森林の面積ということで、その半分が森林の面積であることを示すために載せたのですけれども、配慮が至らずに申しわけありませんでした。 ○海東英和 副委員長  先ほど佐藤委員もおっしゃったけれども、12万5,000部のうちの9万部を小学生に最初から配るコンセプトだったら、こんなことにならないと思います。小学生に勉強の足しになり、夏休みの活動に期待と夢を持って、小学生に伝えたいということだったら、こういう編集に恐らくならないと思うのに、とりあえず小学生に配る形で、何がしたいのかがきちんと整理されないままに、びわ活で何かはしゃいでいるだけのようです。小学生であれば、例えば琵琶湖ハンドブックというとてもよい教材があるのですから、そういうものとリンクしたり、ショッピングサイトをするのでしたら、それこそ「ここ滋賀」、ココクールのホームページとリンクするなど、落ちついて考えれば熟度を上げられることがたくさんあると思います。小学何年生だったらこれを読めるかを考えると、もう少し丁寧につくり込み、準備、意見交換をして、最後に絵日記を送ったら鉛筆をあげるということではよくないと思います。常任委員会でも大分議論されたと聞きますので、そちらにお預けするべきかと思いますけれども、滋賀県としてこの熟度でいいのかと感じます。 ◎中村 環境政策課長  趣旨としましては、小学校で配っていただいて、お父さん、お母さんと一緒にこれを見ていただいて琵琶湖に来ていただき、全体の部分については、お父さん、お母さんと一緒に学んでいただこうという趣旨で、今回はつくらせていただきました。小学校に配るということですので、内容等については、少し熟度が上がっていないのではないかという御指摘を受けましたので、今の御指摘も踏まえまして、次年度につくる場合には、もう少しわかりやすくターゲットをしっかりと限定して、全体の部分については整理をしたいと思っています。御指摘ありがとうございます。 ○海東英和 副委員長  御指摘ありがとうと思っているのでしょうか。琵琶湖に来ていただくという表現がありましたが、県外の人ということでしょう。9万人の子供たちは琵琶湖とともに暮らしている子供たちでしょう。琵琶湖に来ていただくというゾーンは、その子供たちではないわけです。 ◎中村 環境政策課長  来ていただくという表現が少しふさわしくなかったかもしれませんけれども、琵琶湖でさまざまな体験をして琵琶湖を学んでいただく、そういったことにつながるように、このびわ活冊子を充実できるようにしてまいりたいと思っております。 ○海東英和 副委員長  管理職でしっかりとこの成果を評価して、そして来年度もするのか、するなら大事にすることをしっかりと掌握してほしいと要望します。 閉会宣告  12時08分  県政記者傍聴:京都、滋賀、民報、中日  一般傍聴  :なし...