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令和 元年 6月定例会議(第2号〜第8号)−06月20日-03号

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  1. 滋賀県議会 2019-06-20
    令和 元年 6月定例会議(第2号〜第8号)−06月20日-03号


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    令和 元年 6月定例会議(第2号〜第8号)−06月20日-03号令和 元年 6月定例会議(第2号〜第8号)                 令和元年6月定例会議会議録(第4号)                                        令和元年6月20日(木曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第3号                                         令和元年6月20日(木)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第134号から議第144号まで(令和元年度滋賀県一般会計補正予算(第1号)ほか10件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(44名)    1番   井  狩  辰  也       2番   本  田  秀  樹    3番   柴  田  清  行       4番   重  田     剛    5番   白  井  幸  則       6番   清  水  ひ と み    7番   村  上  元  庸       8番   河  井  昭  成    9番   佐  口  佳  恵       10番   小  川  泰  江
       11番   黄 野 瀬  明  子       12番   松  本  利  寛    13番   杉  本  敏  隆       14番   田  中  松 太 郎    15番   角  田  航  也       16番   塚  本  茂  樹    17番   山  本     正       18番   大  橋  通  伸    19番   駒  井  千  代       20番   中  村  才 次 郎    21番   桑  野     仁       22番   周  防  清  二    23番   海  東  英  和       24番   加  藤  誠  一    25番   竹  村     健       26番   佐  藤  健  司    27番   目  片  信  悟       28番   有  村  國  俊    29番   大  野  和 三 郎       30番   岩  佐  弘  明    31番   富  田  博  明       32番   細  江  正  人    33番   生  田  邦  夫       34番   川  島  隆  二    35番   奥  村  芳  正       36番   木  沢  成  人    37番   清  水  鉄  次       38番   冨  波  義  明    39番   江  畑  弥 八 郎       40番   成  田  政  隆    41番   九  里     学       43番   今  江  政  彦    44番   中  沢  啓  子       45番   節  木  三 千 代            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               選挙管理委員会委員長      世  古     正               人事委員会委員長代理      曾  根     寛               公安委員会委員長代理      北  村  嘉  英               代表監査委員          藤  本  武  司               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             由  布  和 嘉 子               知事公室長           水  上  敏  彦               総合企画部長          廣  脇  正  機               総務部長            江  島  宏  治               文化スポーツ部長        中  嶋     実               琵琶湖環境部長         石  河  康  久               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        森  中  高  史               農政水産部長          西  川  忠  雄               土木交通部長          川  浦  雅  彦               会計管理者           青  木  幸  一               企業庁長            桂  田  俊  夫               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            廣  瀬  年  昭               議事課長            山  本  昌  男               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(生田邦夫) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(生田邦夫) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  人事委員会西原節子委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として曾根寛委員が、また、公安委員会堀井とよみ委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として北村嘉英委員が、それぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(生田邦夫) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第134号から議第144号まで(令和元年度滋賀県一般会計補正予算(第1号)ほか10件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(生田邦夫) 日程第1、議第134号から議第144号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、質疑ならびに一般質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、4番重田剛議員の発言を許します。 ◆4番(重田剛議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。子供たちの未来へつなぐ、自由民主党滋賀県議会議員団の重田剛でございます。どうかよろしくお願いいたします。  初夏の風が半袖に心地よい季節になりました。このたび、地域の皆さんの御支持を賜り、今この場に立たせていただいておりますことに衷心より感謝申し上げますとともに、身の引き締まる思いでございます。県民の皆さんの暮らしを守るために、そして子供たちの未来が輝くように、全身全霊で取り組んでまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。  さて、このたび、私は、防災について、子育て、幼児教育について、以上2点について、分割方式で質問させていただきます。  お伺いしたいことは、応援協定について、ブロック塀の撤去について、河川改修について、障害者や高齢者の避難について、避難所での障害者や高齢者について、災害廃棄物についてであります。  梅雨の季節になり、洪水の心配をしなければならないころとなりました。最近は地球温暖化の影響か、大型台風や豪雨による水害、地震など自然災害が頻発しております。一昨日の夜も新潟で震度6強の地震がありました。  昨年は、ちょうど1年前、6月の18日に大阪北部でマグニチュード6.1、最大震度6弱の地震が発生し、一部損壊家屋は5万7,000戸にも上り、また、小学校のブロック塀が倒れ、登校中の女子児童が亡くなるという悲しい事故もございました。  翌7月には西日本豪雨が発生し、広島県、岡山県、愛媛県で甚大な被害が出ました。福岡県から岐阜県にかけて11府県で大雨の特別警報が発令され、避難勧告は最大で800万人を超え、平成日本における最大、最悪の豪雨水害となりました。  また、一昨年の超大型の台風21号や線状降水帯が原因の九州北部豪雨、2015年には利根川の支川、鬼怒川の直轄堤防が決壊して、大河川の水害を目の当たりにしました。また、豪雨に伴って激甚な土砂災害も発生しております。  このように、最近の激烈な雨の降り方や大型台風を見ると、これまでの対応では不十分であり、新たな視点での対応が必要になってくると考えます。  私たちが暮らすこの滋賀県には、県が管理する一級河川だけで505本、総延長225万6,339キロメートルもございます。多くの県民の皆さんが不安を抱えて暮らしておられることと思います。災害時には県だけで対応できるものではございません。国や市町、民間企業など、さまざま分野の方々が連携して対応する必要があります。  以上のようなことを踏まえて、お尋ねいたします。  災害時に備えて、当県もさまざまなところと応援協定を結んでおられると思うのですが、都道府県や市町との連携がとれていなければ何にもなりません。都道府県や市町との連携を実効性のあるものとするために、どのような取り組みをされているのか、知事にお尋ねいたします。  また、大阪北部地震からちょうど1年がたちますが、国交省によると、ブロック塀の撤去作業に補助金を出している自治体は全国で778と全体の4割にとどまっており、なかなか撤去が進んでいないと発表されました。県内市町の補助制度の策定状況はどのようになっていますか。また、撤去を進めるために県としてどのような取り組みをされておられるのか、知事にお伺いいたします。  私の暮らす近江八幡にも、日野川を初めとする何本もの河川がございます。現在、日野川の河川改修が進められておりますが、上流域の住民にとりましても、一日も早い工事の完了を待ち望んでおられます。このたび、JR琵琶湖線橋梁のかけかえ工事に大規模の事業などを計画的、集中的に推進していくための大規模特定河川事業の予算措置が講じられたと伺っております。  そこで、現在の河川改修事業の進捗状況と今後の事業計画を、知事にお伺いいたします。  また、竜王町から流れる善光寺川との合流点までが現在の河川整備計画区間であると伺っておりましたが、このたび、その上流区間の佐久良川合流点までの測量調査にかかったとお聞きしました。その上流区間で実施する堤防補強工事を含む事業の進捗状況と今後の事業計画について、知事にお伺いいたします。  また、豪雨水害などのニュースを聞くたびに、障害のある方や高齢者といった方々の避難が課題になってまいります。このことに対して、県としてどのような取り組みを進めておられるのか、健康医療福祉部長にお伺いいたします。  また、3年前の熊本地震においては、避難所での障害者、高齢者への支援のあり方について課題になったと聞いております。この課題に対して、県としてどのような取り組みを進めているのか、健康医療福祉部長にお伺いいたします。  また、災害の規模にもよりますが、災害時には廃棄物が大量に発生いたします。災害廃棄物の仮置き場の確保の状況および対応について、琵琶湖環境部長にお伺いいたします。  以上、答弁をよろしくお願いいたします。 ○議長(生田邦夫) 4番重田剛議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  まずその前に、一昨日、山形県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生いたしました。被災された方々にお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧、復興を願っております。  防災対策について、6点御質問いただきましたうち、私にいただきました3点にお答えをいたします。  1点目、応援協定についてでございますが、都道府県間におきましては、全国知事会、関西広域連合の構成自治体、中部9県1市等と相互応援協定を結び、広域的な応援体制を整えているところでございます。  また、県内市町との連携といたしましては、平常時から住家被害認定や罹災証明発行業務など、災害対応能力の向上を目的に市町とともに研修を行うとともに、災害時には県から市町に情報連絡員を派遣するなど、応援連携体制を構築しているところです。  これらを実効性あるものとするため、毎月定例の情報連絡訓練関西広域連合主催の防災訓練、滋賀県総合防災訓練などにより、協定自治体および市町との災害時における連携を深めているところでございます。  さらに、大規模災害発生時に多様な団体、組織と連携しながら、支援を効率的、効果的に活用していくための組織体制や手順等について定めた滋賀県災害時受援計画をことし3月に策定したところでございます。  今後は、市町においても受援計画の策定が進められるよう県として積極的に支援を行うなど、県と市町一体となった受援体制の整備に努めてまいりたいと存じます。  2点目、ブロック塀の撤去に係る県内市町の補助制度の策定状況と県の取り組みについてでございますが、県内19市町のうち17市町で補助制度が創設されており、策定率は約9割と、近畿2府4県では大阪府に次いで高くなっております。  なお、平成30年度の利用実績は36件でございまして、令和元年度は、市町の要望をもとに、約130件の利用を見込んでいるところです。  また、県の取り組みについてでございますが、補助制度が有効に活用され撤去が進められるよう、市町と連携し、出前講座や広報誌等において、危険なブロック塀の点検、撤去に関する啓発を行っているところです。  3点目、日野川河川改修の進捗状況と事業計画についてでございますが、日野川の河川改修につきましては、大畑橋から善光寺川合流点までの6.6キロメートルの改修を進めているところであり、このうち大畑橋から古川橋までの約4.5キロメートルが完了し、JR琵琶湖線橋梁までの区間について改修を行っているところです。  JR橋梁の改築につきましては、今年度、大規模特定河川事業として国の補助事業の採択を受けたところであり、年内にJR西日本に委託し、当該橋梁の設計、施工を進める予定でございます。JR橋梁改築の完了後、善光寺川交流点までの改修を進める予定です。  次に、善光寺川合流点から上流の佐久良川合流点までの約10キロメートルの区間につきましては、河川整備5カ年計画の中で事業準備区間として位置づけており、今年度上半期に概略設計に着手する予定でございます。その後、河川整備計画の見直しに向け、地域の皆様や学識経験者等の御意見をお聞きし、関係機関との協議も行いながら、改修計画の立案を進めてまいります。  また、善光寺川合流点から上流で蛇行が顕著な区間につきましては、堤防補強が必要な箇所が右岸と左岸の合計で7.5キロメートルあり、これまでに0.6キロメートル──600メートルの対策が終了しております。引き続き、事業の推進を図ってまいります。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) (登壇)防災についての御質問のうち、私に対する1点の御質問、災害廃棄物の仮置き場の確保の状況および対応についてお答えいたします。  災害廃棄物は一般廃棄物に区分され、処理主体の市町が仮置き場候補地についても確保する必要があります。県内における仮置き場候補地の選定状況は、現時点で9つの市町で111カ所、約103ヘクタールとなっており、必要面積や地域的な偏りなど、候補地の確保は十分とは言えない状況にあります。
     本県では、平成30年3月に滋賀県災害廃棄物処理計画を策定したところであり、災害発生時に大量に発生する廃棄物の適正かつ迅速な処理および早期の復旧復興を目指し、市町の支援も含めて、必要な対応を行うこととしております。  仮置き場につきましても、候補地選定を行った市町の先進事例の共有や個別市町の要望を踏まえた県有地等に係る調整を行うなど、市町による仮置き場候補地の選定が早期に行われるよう、支援を行ってまいりたいと存じます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)防災につきまして私にいただきました2点の御質問のうち、1点目の障害のある方や高齢者の避難についてでございます。  障害のある方や高齢者などが発災時に迅速に避難するためには、避難行動要支援者名簿の整備、活用と、避難行動要支援者に係ります個別計画の策定と行動が重要でございます。県内におきましては、全ての市町で避難行動要支援者名簿が策定はされております。ただ、個別計画につきましては、6市町で対象者全員の計画が作成済みでございますが、他の13市町では一部作成や未作成となっているところでございます。  昨年の大阪北部地震におきましては、避難行動要支援者名簿の具体的活用方法が決められていなかったり、個別計画がなかったというようなことで、迅速な安否確認や避難につながらなかった自治体がございました。  本県におきましても、こうした教訓を踏まえまして、市町担当者を対象といたしまして、名簿の有効活用と個別計画の策定について先進事例を学ぶ研修会を開催いたしましたほか、要配慮者の避難支援に関する住民向けの手引を作成し提供することなどによりまして、市町の取り組みを後押ししているところでございます。  今後も引き続きこうした取り組みを進めることで、市町における支援の充実に資するよう努めてまいりたいと考えております。  2点目、避難所での障害者、高齢者への支援の取り組みについてでございます。  避難所におけます要配慮者への福祉的な配慮を進めていくため、障害者など当事者団体と福祉専門職の方々の意見を聞きながら、誰もが安心して利用できるための避難所チェック13項目を作成いたしまして、避難所運営の関係者に周知をいたしたところでございます。  また、要配慮者の避難および避難生活につきまして、関係者が連携して支援できるように、ボランティア、NPO団体、障害者などの当事者団体、医療福祉専門職や施設関係者など74団体で構成をいたします滋賀県災害時要配慮者支援ネットワーク会議を開催いたしまして、意見交換や研修を行うなど、平時より連携を図っております。  今後は、こうした取り組みに加えまして、市町の防災訓練の中で、避難所運営における要配慮者への対応について確認することを市町に働きかけるとともに、発災時に関係者が一体となり、より迅速に支援できる体制づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆4番(重田剛議員) (登壇)すいません、初めてでね、ちょっとイレギュラーもたくさんあると思うんですけど、寛大によろしくお願いしたいと思います。  それでは、何点か再問させていただきます。  まず、応援協定についてですけど、3月に受援計画を策定されたということで、避難のほうは、割かしどこの市町も避難行動それから避難計画を一生懸命策定されるんですけど、やっぱり災害に遭ったときの受援計画はこれ非常に大切やと思いますので、しっかりと受援計画を計画してくれるように、また、県だけじゃなく、市町にもお願いしたいと思います。  私も熊本の益城町のほうへ伺ったんですけど、やっぱり災害時、道路の拡幅があっても、塀が倒れたり家屋が倒れたりして通れなくなって、その受援計画で立てている本来物資を輸送する道路も使えなくなったということもございましたので、しっかりと受援計画を立てていただけるようにお願いいたします。  2点目のブロック塀の撤去についてお伺いいたします。  ブロック塀の撤去は、学校関係は一応済んだというふうにお聞きしているんですけど、新聞を見ていますと、目視で点検したところは全て済んだが、内部の背筋であったり、そういうところでまだ不十分な部分が県内にも学校施設の中にもあるということでございますので、それが進みますように、知事に改めて要望いたします。よろしくお願いいたします。要望になっているけど、すいません。(発言する者あり)今、御注意をいただきましたので、そこの点について、知事の御見解をお伺いいたします。  それから、障害者や高齢者の避難について再問させていただきます。  要支援者の名簿のお話が出たのですけど、要支援者のこの名簿の取り扱いについて、プライバシーのこともあるんですけど、どこまで公開されているのか。例えば、ふだん面倒を見てくださっている地域の民生委員の方々もその名簿はいただきたいという声が多いんですけど、そこの名簿の扱いについての見解を再度お尋ねいたします。それは健康医療福祉部長にお伺いいたします。  それから、避難所での障害者や高齢者についての再問ですけど、要配慮者への御配慮は答弁でよくわかったのですけど、そういう方々の福祉避難所を確保されているのか、再度、医療福祉部長にお伺いいたします。  それと、最後の災害廃棄物について、今、琵琶湖環境部長の御答弁には、先進地事例を参考にしてとお答えをいただいたんですけど、その先進地とはどこなのか、もしよければお知らせください。これは琵琶湖環境部長に再問いたします。  以上、再問といたします。よろしくお願いいたします。 ◎知事(三日月大造) 私にはブロック塀のことで再質問を1問いただきました。  先ほどお答えいたしましたとおり、昨年度は36件だったんですけど、今年度は130件の利用が見込まれているということがございます。  また、補助制度等も、昨年度創設された自治体が9つの市町、今年度創設される市町が8つの市町ということで、まだまだ、おっしゃったように、どういった点検をしなければならないのか、また、その方法はどうなのか等々、しっかりと周知、また啓発をしていく必要があると思いますので、市町と連携しながら、必要なブロック塀の点検と、そして改修等ができるだけ早く行われるよう、県もしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) 災害廃棄物に関しての御質問にお答えします。  今、仮置き場の先進事例ということですが、現在、市町で仮置き場を既に選定されている市町が、大津市、草津市、野洲市、甲賀市、東近江市、彦根市、愛荘町、米原市、高島市と9つございます。その中から情報をいただきまして、他市の参考になる情報を提供させていただきたいと考えております。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  要支援者名簿の取り扱いについて再問をいただきました。  基本的には個人情報ということでございますので、ただ、御本人から平時の場合は同意をいただいた範囲内では関係の方々に共有をしているというふうに理解しておりますが、個人情報ですので、きちんと管理はしていると。  ただ、発災時、災害が起こって命にかかわるような事態になった場合におきましては、例外的に関係者でその名簿を共有するという取り扱いになっているというふうに理解をしております。  それともう1点、福祉避難所の話でございますが、避難所、福祉避難所とも基本的には市町で指定をしていただいていると理解しておりまして、現在、県内に何カ所福祉避難所が今指定されているか、私、すぐ手元にはございませんが、必要な福祉避難所の指定はなされているというふうに理解しております。  ただ、熊本地震の際にも、福祉避難所に避難所からつなぐというところにはやはり課題があったというふうには聞いておりますので、県内でも発災時に福祉避難所もきちんと機能するように、一般の避難所でなかなか過ごすことが難しいような要配慮の方が福祉避難所に行くことができるような、そこはスムーズに動けるような仕組みを、市町とともに考えていきたいというふうに思っております。 ◆4番(重田剛議員) (登壇)ありがとうございます。  もう1点だけ。障害者や高齢者の避難の名簿の件なんですけど、今の御答弁では、本当にこれプライバシーの問題で非常に取り扱いが難しいんですけど、発災時には必要な関係機関には御提示するということですけどね。本当に例えば災害が起きて大変なときに、どのように伝えていかれるのかね。そこの点について、もう一度、健康医療福祉部長にお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  基本的には市町において御対応いただく内容であるというふうには理解しておりますが、また、発災時の状況というのは、やはり被害の状況、災害の種類、場所、都市部であるか山間部であるか等、いろいろ状況も違うと思いますので、一概に今このような形でというのはお答えするのは難しいんですが、ただ、議員御懸念のとおり、実際に災害が起こったときに速やかに関係者の方に情報を共有して、やはりその安否を確認する、あるいは避難を促すということができるような、やっぱり平時からの備えというのは非常に大切だと思いますので、ぜひそういうふうな顔の見える関係をつくりながら、平時から備えて、いざというときに実際に行動できる、そういうふうな準備は市町とともに考えながら進めてまいりたいと思っております。 ◆4番(重田剛議員) (登壇)よろしくお願いいたします。  それでは、次に、子育て支援、幼児教育についてお伺いいたします。  お伺いしたいことは2点ございます。子供の医療費助成についてと幼児教育についてであります。  未来ある子供たちの健やかな成長を社会全体で支えていくことは、とても重要なことであります。ことしの10月からは幼児教育無償化がスタートいたします。幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3歳から5歳児クラスの子供たち、また、住民税非課税世帯の0歳から2歳児クラスの子供たちの利用料が無料になります。このように、子育て世代を支援、応援するさまざまな取り組みがなされておりますが、子供の医療費助成もその一つであります。  現在、県は、誕生から小学校に入学するまで、いわゆる就学前まで入院、通院の医療費を助成しております。県内の自治体が独自に子供の医療費を拡充して助成している市町も少なくありません。  子供の病気は、保護者にとっても子供にとっても大きな不安の一つであります。子供の病気の早期発見、早期治療のために、また医療費助成を拡充している各市町の負担軽減のために、さらには、子育てするなら滋賀と言われるように、県の取り組みを見直し、拡充されるお考えはございませんでしょうか。健康医療福祉部長にお伺いいたします。(発言する者あり)  ちょっと緊張しておりますので、忘れておりました。すいません。  最後に、幼児教育についてお伺いいたします。  最近は、核家族化や家族形態の変化や保護者の就労の関係で、どちらかといえば幼稚園よりも保育所ニーズが高まっております。幼稚園から長時部を持つ認定こども園に移行している園も少なくありません。今日まで長い間、小学校へ入学するまでの教育機関として大きな役割を果たしてまいりました幼稚園について、どのように考えておられるのか、教育長にお伺いいたします。  以上、答弁をよろしくお願いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 子育て支援と幼児教育につきまして、私にいただきました子ども医療費助成制度の拡充の御質問についてお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、子ども医療費助成制度は、子育て世代が安心して子供を産み育てることができるよう、支援、応援するさまざまな取り組みの一つでございます。平成28年4月に県の制度として、市町と連携をしながら自己負担、所得制限を撤廃することで、就学前の子供の医療費完全無料化を実施をいたしました。  対象年齢の拡大につきましては、県の財政状況あるいは医師の疲弊、医療費の増嵩等、総合的に勘案する必要があると考えております。  限られた医療資源、財源の中で、当面は現行の対象年齢で制度を安定的に維持し、安心して子育てできる環境づくりに努めていくことが重要だと考えております。  また、本来、子供たちを安心して産み育てることができる環境づくりは、少子化対策として国全体で取り組む重要な施策であると考えまして、国において新たな助成制度を構築することにつきまして、全国知事会等を通じまして提案、要望いたしているところでございます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)私にいただきました幼稚園に対する考え方につきましてお答えをいたします。  幼児期は、家庭におきまして親しい人間関係を軸にして営まれていた生活から、より広い世界に目を向け始め、生活の場、他者との関係、そして興味や関心などが広がり、自立に向かう時期でございます。  一方、現代社会は核家族化や少子化、また、コミュニティーの希薄化などが進みまして、家族以外の他者や自然と触れ合う機会が少なくなっているところでございます。  こうした中で、幼稚園は、幼児がこれまでの家庭での成長をもとに、他の幼児や教員など新たな集団の中で、家庭では体験できない社会、文化、自然などに触れ、その豊かさに出会い、さまざまな経験を積むことができる場であります。  これらの経験の積み上げによりまして、一人一人の心や身体の発達を支え、小学校以降の生活や学習の基盤を培う学校教育の始まりとして、非常に大切な役割を幼稚園は担っていると考えているところでございます。 ◆4番(重田剛議員) (登壇)ありがとうございます。  1点だけ、教育長にもう一度、再問いたします。  幼稚園が非常に大切であるというのは教育長も御見解いただきましたけど、就学前の施設として小学校との連携──幼小連携、今、保育所もそうですけど、幼保小の連携についてどのように考えておられるのか。そこの点について、もう一度お願いいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  議員も御質問にございましたように、やはり学校、園との連携というのは非常に重要だと思っております。そういう意味におきまして、やはり幼稚園におきましても、今後、小学校で子供たちがどのような生活をしていくのか、そのための基盤をどのように幼稚園が考えていくのか。また小学校側も、やはり幼稚園でどのような園運営が行われているのか、どのような教育なり体験活動が行われているのか、こういったことをやはり相互にしっかり理解して取り組みを進めていただくことが非常に大切だと考えておりますので、幼稚園と小学校との連携、例えば校長先生と園長先生との連携とか、そういったことがより深まるように、県としても取り組みを進めていく必要があると考えているところでございます。 ◆4番(重田剛議員) (登壇)ありがとうございます。このたびの私の質問、本当に初めてでイレギュラーばかりで、お名前間違えたり失礼なこともございましたけど、今後ともよろしくお願いしたいと思います。  職員の皆さんは本当に丁寧に御答弁をいただき、ありがとうございました。職員の皆さんが日々一生懸命取り組んでくださっていることも重々わかりました。感謝申し上げます。  今後さらに施策が充実しますように切にお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(生田邦夫) 以上で、4番重田剛議員の質問を終了いたします。  次に、45番節木三千代議員の発言を許します。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇、拍手)改選後初めての定例会議であります。日本共産党県議会議員団は4議席に伸ばしていただきました。皆さんの期待に応え、公約実現へ全力で頑張ってまいります。  それでは、まず、国民健康保険について、一問一答で、健康医療福祉部長にお聞きします。  安倍政権は昨年4月から国民健康保険の都道府県単位化を進め、滋賀県もそれにならって進めています。国民健康保険の都道府県単位化でどう変わるのか、健康医療福祉部長にお聞きいたします。 ○議長(生田邦夫) 45番節木三千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  平成30年4月からの国保の制度改正によりまして、都道府県が財政運営の責任主体となりまして、市町村が給付に必要な費用を交付いたしますとともに、市町村が納付する国保事業納付金を決定し、標準保険料率の提示を行うことなどによりまして、安定的な財政運営を行うこととしております。  また、都道府県は、例えば被保険者証と高齢受給者証の一体化を進めるなど、市町村の事務の効率化と広域化等を推進するものでありまして、こうしたことによりまして、国保制度の安定化を図るものとされたところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)標準保険料率については提示をするということであります。そのもとで何が起こっているのか。今でも高い国保料が、都道府県単位化でさらに引き上げられようとしています。  滋賀県は、ことし1月に示した2019年度の市町の1人当たりの標準保険料額は1万1,782円、対前年度比で約9%の大幅な負担増を示されましたが、2019年度の各市町の保険料は対前年度比でどのようになったのか、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  2019年度に市町が決定をいたしました保険料率は、前年度と比較いたしまして、大津市と長浜市は引き上げられましたものの、彦根市と豊郷町は引き下げられ、その他15市町はほぼ据え置きとなっております。これは、各市町において前年度繰越金や基金を活用されたことによるものと考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)今、答弁にありましたように、各市町は直接住民さんとかかわるということで、高い国保料を抑えるために繰越金、基金を使った、この努力の結果だというふうに思います。  県が示した9%の引き上げの標準保険料率を深刻に受けとめた滋賀県民主医療機関連合会、略して滋賀民医連は、ことし2月から3月の1カ月間に受診された国保の患者さんに、国保緊急アンケートを県下4つの診療所で取り組まれました。アンケートには538人の方から回答が寄せられています。  アンケートでは、国保料についてふだん感じていること、複数回答ですが、「年々高くなり、負担を感じている」が52.3%、「これ以上の負担はできない」が29.2%、「日々の暮らしを圧迫している」が17.8%と続きます。  (資料掲示)この表は、医療費の窓口負担や国保料、税の支払いの負担で、お金がかかるために工夫していることということで、アンケートの結果をまとめたものです。最も多かったのが、「特に重い症状のときに病院に行くようにしている」が3割を超えました。「病院に行く回数を減らしている」が2割、「できるだけ病院に行かずに、薬局で買う薬で済ましている」が1割と、保険料や窓口での負担の重さで、この表では医療にかかりにくくなっている、こういう方々が国保に加入しておられます。  ある事例では、統合失調と糖尿病を抱える60代の女性が以前から受診が途絶えがちで、その理由として、お金がないことがわかりました。無保険などで、無料定額診療事業を利用して定期通院できるようになりましたが、それでもなかなか改善しないので自宅を訪問すると、重度の糖尿病で既に足の壊疽が始まっている兄がいることがわかりました。話を聞くと、「保険証がない。窓口の負担が心配で30年以上も病院にかかったことがなかった」と語ります。  その方は、その後、生活保護の利用につながりましたが、知事は健康しがを掲げられていますが、このアンケートや現状を見れば、今、命を脅かす状況が滋賀で起こっている国保加入世帯の深刻な実態について、どのように受けとめられておられるのか、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)議員が御紹介いただきましたアンケートの結果、また事例につきましては、しっかりと受けてとめたいと存じます。  お一人お一人の個別事情はあると思われますものの、国民健康保険制度は被保険者の年齢構成が高く医療費水準が高くなっている一方、所得水準が低いため、保険料負担が重くなるという構造的な課題を抱えていることは認識しているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)さらっと答えられましたけれども、国保の構造問題があると、深刻な実態が起こっているということをしっかりと受けとめていただきたいと思うわけです。  こんな状況で国保料が引き上がれば、国保料を払えずに滞納する世帯がふえ、お医者さんに行けない、命を落とす方が生まれるのではないかと心配をするものですが、知事の認識を問います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  国保は被保険者の支え合いで運営されるものであるため、1人当たり医療費が上がる場合において国保料の引き上げを行うことは、制度の安定化のため、一定必要なものと考えます。  しかしながら、国保は他の医療保険制度と比較いたしまして、今も申し上げたとおり、保険料負担率が高いことから、今回の制度改正に当たりましても3,400億円の公費投入がなされており、県といたしましては、今後とも、国の定率負担の引き上げなど、必要な財政支援を国に要望してまいります。  あわせまして、低所得の方に対しましては、その所得水準に応じて、国保料の均等割および平等割の7割、5割、または2割を軽減する措置を講じておりますほか、お一人お一人の生活の実態に応じ、必要な福祉制度につなげるなどの対応も必要だと考えているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)今の制度では命が脅かされるような状況が現に生まれているということを述べたわけであります。  支え合うという御答弁がありましたけれども、旧国保法ではそうなっていました。しかし、今の国保法の目的では、社会保障の一環としてきちっと定められています。その点についての知事の認識を再度確認したいと思います。 ◎知事(三日月大造) 多くの方々にとって大切な社会保障制度の一つだと思います。  と同時に、制度の安定運営のために、保険料による支え合いの仕組みでありますとか、そういったものが構造的に難しいということであるがゆえに、国の一定負担、こういったものもなされておりますし、さらなる引き上げを私たちは求めているところでございます。こういった要望等がしっかりと聞き入れられ、制度の安定的な運用が図られることが望ましいと考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)社会保障制度の一環であります。  次に、滋賀県は標準保険料率を算定し公表されていますけれども、国保料を決めるのは市町の裁量であるということを再度確認をしたいと思います。健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  保険料の決定は新制度のもとでも市町の事務でございまして、市町が判断して決定するものでございます。
     なお、本県では、県内のどこに住んでいても、同じ所得、同じ世帯構成であれば同じ保険料となる保険料水準の統一ができるよう、現在、市町と協議を進めているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)いろいろおっしゃいましたけれども、市町の判断で決められるということであります。  それならば、一般会計からの繰り入れもそれぞれの市町の判断でできるということだと思います。独自の施策ができるということだと思いますが、その点について、健康医療福祉部長に確認をします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  市町の国保特別会計への法定外一般会計繰り入れにつきましては、新制度のもとでも市町において判断されるものでございます。  決算補填目的の法定外繰り入れにつきましては、2023年度までに段階的に解消することを、市町と協議の上で、県の国民健康保険運営方針に記載したところでございまして、2017年度には全市町で決算補填目的の法定外繰り入れは解消されております。  国民健康保険法第82条の2第8項では、「市町村は、都道府県国民健康保険運営方針を踏まえた国民健康保険の事務の実施に努めるものとする」と規定されておりまして、市町はこれを踏まえて対応いただくものだと認識をいたしております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)運営方針は技術的助言という位置づけだというふうに思います。  もう一度聞くんですけれども、一般会計からの繰り入れはそれぞれの市町の判断で独自の判断でできる、独自の施策ができるということをもう一回確認させてください。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) ただいまお答え申し上げたとおりでございますが、制度的には、一般会計の繰り入れにつきましては新制度のもとでも市町で判断をされるということでございますが、その判断に当たっては、県の運営方針を踏まえて対応いただくということになるというふうに思っております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)繰り入れができるということであります。  国保料は協会けんぽなどの被用者保険と比べて著しく高くなる大きな要因になっているのは、国保しかない均等割、平等割──世帯割ですが、という保険料算定であります。低所得者には一定の減額はあるものの、子供の数が多いほど国保料が引き上がる均等割に、子育て支援に逆行しているという批判の声も上がっています。均等割についての健康医療福祉部長の認識を問います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  均等割につきましては、子供の数が多いほど、その世帯の均等割の保険料負担が増加することになりまして、子育て世帯の経済的負担が大きくなっていると認識をいたしております。  少子化対策の観点から、また医療保険制度の公平性を図るためにも、全国知事会等を通じまして、見直しを実施するよう要望いたしております。  また、国におきましても、子供に係る均等割のあり方について検討が行われているところというふうに仄聞いたしております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)子供に係る均等割は問題だというところは認識を共有したいというふうに思います。  そうしたもとで、全国で独自の均等割に対する減免をする自治体が、今、25自治体になっています。宮古市では、1人当たり2万5,400円全額免除する独自制度も始まっています。  こうした独自の軽減についても市町の裁量で進められるべきものと、均等割のところですけれども、進められるべきものと考えますが、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  国保は我が国の保険医療制度を支える基盤として、国がスキームをつくっているというふうに考えております。  このため、子供に係る均等割の取り扱いにつきましては、市町や県の独自の取り組みによるべきではなく、国として制度化していただくことが必要と考え、要望もいたしております。  県といたしましては、子供に係る均等割保険料軽減措置の導入につきまして、全国知事会等を通じ、先ほど申し上げましたとおり、国に要望いたしているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)県がするしないは県で決めたらいいと思いますが、市町が独自に子供の均等割について減免をすることについては、先ほどの答弁からの流れでいきますと、それは市町の裁量に任すということでよろしいですね。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  市町独自の保険料軽減につきましては法的には不可能ではないと考えておりますが、本県としては保険料水準の統一を目指しておりまして、やはり国全体でスキームをつくり、国において必要な対応がなされるということが望ましいと考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)不可能ではないということです。  三日月知事は5月の13日、財政制度等審議会財政制度分科会の榊原会長に対して、吉村大阪府知事、荒井奈良県知事とともに、国保制度改革加速化を図るための申し入れをされていますが、その内容についてお聞きします。 ◎知事(三日月大造) この5月13日の申し入れにつきましては、平成30年度からの国民健康保険の都道府県単位化を契機として、県内の国保保険料水準の統一の具体的道筋をいち早くつけることにより、受益と負担の関係の見える化を進めてきた等、こういったことを述べた上で、3府県を初めとする都道府県内の保険料水準の統一や法定外繰り入れの解消等の取り組みについて、優良先進事例として認識いただき、保険者努力支援制度の拡充の際の公費配分にその進捗を反映するなど後押しをすることなど、申し入れさせていただいたところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)今、安倍政権は6月の31日までに、今でも高い国保料の大幅な引き上げを狙って、保険料率の都道府県単位化の統一化を促す新たな誘導策の検討に入っています。  自治体独自の国保料軽減に充ててきた公費の繰り入れの削減など、こうした自治体の取り組みを支援する保険者努力支援制度で交付金の配分を厚くする案を探る見通しですが、今回の3府県の申し入れはこの政府の方針を後押ししたものであり、許しがたいことだというふうに考えます。  国保料の値上げにつながる統一化、法定外繰り入れをなくす方向ではなく、国保料を引き上げない、この立場に立つことを強く求めるものですが、知事に姿勢を問います。 ◎知事(三日月大造) 議員の御主張は承りたいと思います。  先ほどもお答えいたしました申し入れにつきましては、被保険者間の負担の公平性でありますとか市町間の公平性、および制度の持続可能性の確保の観点などから、保険料水準の統一や一般会計繰り入れの削減が必要との考えのもとに行ったものでございます。  一方、国保の保険料につきましては、先ほど来お答えしておりますとおり、県としては、国保世帯の負担が重いことに鑑み、国に対して、国の定率負担の引上げなど必要な財政支援を求めるとともに、保健事業の実施を通して被保険者の健康づくりを推進し、結果として医療費の適正化が図られ、保険料の増加の抑制につながるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)保険料の統一化、一般会計からの繰り入れをなくすということは保険料が上がる、そこを促進するという姿勢に立っておられるというふうに思います。  そうした姿勢ではなく、これまでも求めてきましたけれども、全国知事会が求めている公費1兆円の投入で均等割、平等割をなくして、大幅なこの国保料の引き下げ、この引き下げを実現する、ここに県が熱心に取り組むべきではないかと思いますけれども、知事に見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) まず、全国知事会として正式に1兆円の投入というものを求めているわけではないと、そういった事実はないということをまず申し上げた上で、お答えをいたします。  県としては、全国知事会を通じて、将来にわたって持続可能な医療保険制度の安定的運営を図るため、国の財政責任のもと、医療保険制度の改革等を着実に行うとともに、国保に対する国定率負担の引き上げ等さまざまな財政支援の方策を講じるよう要望を行っているところでございまして、今後も全国知事会を通じて、こうした要望をしっかりと行ってまいりたいと考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)公費1兆円の投入は、2014年に協会けんぽ並み負担率にすることを政府与党に求めているということをきちんと確認をしておきたいというふうに思うんです。  最後の質問ですけれども、国保財政に責任を置く県が一般会計から独自の繰り入れを行って、各市町の納付金を引き下げて保険料を引き下げる、県民の命と暮らしを守るために、県としての役割を果たすことを強く求めますけれども、知事に見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 県としての責任を果たしてまいりたいと思います。役割もしっかりと担いたいと思いますが、しかし、大前提として、そもそも国保は我が国の医療保険制度を支える基盤として国がスキームをつくっているものでございまして、国として財政基盤の確立を図っていただくことが必要だと考えます。  県といたしましては、健康しがの実現に向けさまざまな対策に取り組むことにより、県民の健康な暮らしを実現していきたい、そして、そのことが結果的に医療費の適正化や保険料の増加抑制につながる好循環を生み出すことで、国民保険制度をしっかりと守っていきたいと考えているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)健康しがと言われるならば、冒頭述べましたこうした実態にしっかりと目を向けて、保険料を引き下げる、そうした立場に立っていただきたいというふうに思います。  一般会計からの繰り入れについては、2月の予算委員会の私の質問に対して、健康医療福祉部長は、制度としては不可能ではないと答えておられますが、なぜこれができないのか。一般会計からの繰り入れができないのか、されないのか。再度聞きたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 先ほど部長が答弁したとおり、各市町の保険料は、その決定は市町の事務ですし、市町の判断で行われることになります。しかし、決算補填目的の法定外繰り入れについて、これも市町が行うことです。  しかし、県は運営方針で、市町と協議をした上で決めた運営方針で、決算補填目的の法定外繰り入れについては2023年度までに段階的に解消していこうということを決めているわけでございます。当然、市町それぞれの御判断あるでしょうけれども、そういった大きな方向性を実現するために、御努力いただいているものと認識しております。  したがって、絶対的に総体的に保険料が重いということについては、国のさまざまな定率負担の引き上げ等により、しっかりと解消に向けて我々も声を上げながら努力をしていきたいと思いますので、今後とも、こういった努力を積み重ねてまいりたいと存じます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)高い国保料を引き下げるために保険者努力支援制度の交付金を枠内でふやしたとて、本当に下がらないと思うんです。やはり1兆円の公費投入をしっかりと求めていただきたいというふうに思います。次に質問は移ります。  次に、障害児者の暮らしの場について、一問一答で、まず健康医療福祉部長にお聞きします。  昨年4月に、強度行動障害のある**在住の**さん御夫婦の長男**さん一家の様子がテレビで報道されました。昨年の春まで野洲養護学校の寄宿舎で過ごされていた**さんは、普通に眠れていました。卒業後、自宅では壁や天井を繰り返したたいたり、あざができるほどの自分の体をつねったりすることがありました。  強度行動障害について、まず健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  強度行動障害につきましては、他害や自傷行為などが通常考えられない頻度と形式で出現する状態像を示しておりまして、その統一的な基準はございませんが、例えば、国や県の報酬の加算におきましては、生活介護事業所などの利用に先立ち、お一人お一人に対して行います支援の必要性をはかる調査の中で、自傷行為やパニック行動などを点数化する項目、いわゆる行動関連項目の点数でその基準を定めておりまして、国では10点以上、県では15点以上を加算の対象としているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)**さん夫妻は県内外の施設を当たられましたが、人手をとられる、圏域内の人が優先との理由で入所を断られました。毎晩4時間、近所に配慮してドライブ好きの長男さんを乗せて走る。お母さんの**さんは、「**も娘もどちらもかわいくて、いとおしい。でも、毎日しんどくて体がもたない。本当に困っている」と話されていました。  この**さんの報道を通して、県内の養護学校に通う生徒の保護者や関係者の方からも、他人事ではないと支援の形の模索が始まりました。2018年10月21日には、保護者、関係者の皆さんが中心になって、障害者が社会の一員として安心して暮らし続けられる地域社会の実現を目指す、障害児者の暮らしの場を考える会が結成されました。  障害の重い方や強度行動障害の方の滋賀での暮らしの場の確保は喫緊の課題でありますが、その認識について、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  障害のある人が地域で安心して暮らすことができるよう、住まいの場の確保等を進めることは重要であり、喫緊の課題であります。特に、重度心身障害児者や強度行動障害の方が地域生活を継続できる基盤の充実等につきましては、障害者プランにおきましても重点施策として位置づけをいたしております。  暮らしの場の整備につきましては、施設整備補助において、グループホームの整備を優先採択するものの一つとしております。また、強度行動障害の方を受け入れるための改修等に対しましては、県単独で補助をするなど、取り組みを行っているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)取り組みまで述べていただきましたけれども、喫緊の課題であります。  ことしに入っても5月の14日に、知的障害のある****さんの孫**さんが石川県の施設で暮らさざるを得なくなっている現状がテレビで報道されました。最愛の孫**さんを、**さんは入所して8年間、一日も早く県内の施設に入れてもらえることを毎日願っていると話しておられます。  74歳の**さんの祖父の運転で6時半に石川県の施設へ、何度か休憩を挟みながら、4時間かけて2カ月に1回の面会に行っておられます。74歳の祖父の**さんがいつまでも運転ができるわけではありません。  私もテレビを見させていただきましたけれども、家族との別れのときに、帰り際、家に連れて帰ってもらいたいけれども、僕は帰れないとわかっている**さんの何とも言えない寂しそうな顔、私は忘れることができません。**さんのように県外で暮らさざるを得ない障害のある方の状況を、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  県内の入所施設の利用ができず、やむを得ず県外の入所施設に入所しておられる方がおられることは承知をいたしておりまして、平成30年度末現在で、県外の入所施設に入所されておられます方は158名となっているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)年々ふえています。遠い方では北海道、長崎県など18府県に及んでいます。このような状況について、今、**さんの御家族を紹介しましたけども、どのように思われているのか、再度、部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 県内で暮らすことを望んでおられる方が県外の施設に入らざるを得ないという状況は、まことに遺憾であるというふうに思っております。願いがかなうように、例えば県内でのグループホームの整備を進めるなど、施策を着実に進めていく必要があると改めて考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)同会では、県外で暮らさざるを得ない障害者が毎年ふえていく中で、県内の10市町における知的障害者の暮らしの場を求める声の状況について調査をされました。ことし1月末現在で、合計で608人が入所施設やグループホームを希望されておられることがわかりました。県としてはこの状況をつかんでおられるのでしょうか、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  県全体の数字については把握はできておりませんが、県内施設に入所を希望しているのに入所ができない、グループホームの数が足りていない等の現状を、関係団体の方や市町等の懇談の場を通じて聞いてはおります。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)懇談の場で聞いているということでありますが、その人その人の状況がどうであるのか、把握をすべきだというふうに思います。そして、その人その人にどのような環境が必要なのか、このことをしっかりと把握することで、地域の課題、それぞれの課題が明らかになってくるというふうに思いますけれども、再度、県としてしっかりと把握をされるべきだというふうに思いますが、部長に問います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 各地域、市町におきまして、障害をお持ちの方、グループホームの入所を望んでおられる方に対する調整は、市町が中心になって行っていただいていると理解しております。  市町において把握の仕方もさまざまでありますし、また、障害者の方の場合、直ちに入りたいのか、あるいは親が高齢になったいずれ先に入りたいのか、いろんな事情もあろうかと思います。いろんなケースがございますので、なかなか県内の数字を一律に直ちに把握するというのは難しい状況ではございますが、それぞれの実態につきましては、市町の意見、お考え等も通しながら、いろいろと把握はしてまいりたいと考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)把握していただきたいというふうに思います。  会の調査を見ても608人、今すぐ、将来、いろいろありますけれども、しかし、障害者の暮らしの場が絶対数として不足をしているというふうに考えますが、その認識について、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  県障害者プランにおきましては、各市町における必要なサービスの見込み量の積み上げによりまして、各サービスの整備目標としております。これが県全体で必要とされているサービス量と認識をいたしておりまして、暮らしの場としてのグループホームにつきましては、平成30年度に1,311人分の見込み量を計上しておりますが、平成30年度末現在で1,253人分の整備と、目標には達しておらず、不足している状態にあるというふうには認識しております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)不足しているということであります。  滋賀県障害者プランに掲げておられる障害のある人が望む地域生活を実現するための施策として、主要施策の方向性を示しています。ともに暮らすで掲げておられる4つの主な施策が推進されなければなりませんが、4つの主な施策について、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  ともに暮らすとは、障害者プランの主要施策の5つの方向、ともに暮らす、ともに学ぶ、ともに働く、ともに活動する共生のまちづくり、このうちの一つとして位置づけをしております。  具体の施策といたしましては、地域における住まいの場の確保、2つ目に、入所施設から地域生活への移行と地域で生活し続けるための支援、3つ目に、入所施設や住まいの場における障害の特性に応じたサービスの充実、そして4つ目に、生涯を通じ一貫した支援体制の構築、この大きく4点を掲げているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)これらの施策が推進されなければなりません。  では、障害福祉サービスの提供体制として、障害のある方が望む地域生活を実現するための施策を3項目挙げておられますが、その進捗状況について、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  議員の言っていただきましたとおり、3つの目標を掲げております。  1つは、福祉施設の入所者のうち地域生活に移行する者の人数でございまして、平成30年度から32年度の累積で45人という目標を掲げておりますが、平成30年度の実績は、現段階の集計では4人となっております。これに関しましては、昨年度、入所施設からの地域移行等に向けた方策等の検討を関係者で行ったところでございまして、今後、地域での取り組みにつなげていきたいと考えております。  2つ目は、県外福祉施設入所者のうち県内で生活を実現する者の人数でございますが、平成30年度から32年度の累積で14人という目標に対しまして、平成30年度の実績は、現段階の集計ではゼロ人ということでございます。先ほども申し上げましたとおり、今後、グループホームの整備を進めることで、実現に向けて努めてまいりたいと思っております。  3つ目は、県立施設を除く県内障害者支援施設における入所定員数でございますが、これにつきましては、目標である平成28年度末定員数999人の維持、これは現在維持しているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)地域生活に移行するということとか県外から県内の生活を実現するというところでは、本当に目標が全然達成できてないというか、進んでないということがわかりました。  毎年のグループホームの整備状況について、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  グループホームの整備につきましては、平成29年度に2件、平成30年度に3件の補助を行っておりまして、合計69人の定員増を図ったところでございますが、平成30年度末現在で定員数は1,253名となっておりまして、プランの整備目標1,311人分に対して、95.6%の整備率にとどまっております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)今、部長から説明がありましたけれども、要望に対して、県としてどれだけの枠取りをして、結果、国庫補助としてどれだけのグループホームができたのかということを、答弁の協議でもさせていただいたんですが、3年間の状況について、再度、グループホームの整備状況についてお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  平成29年度につきましては4件の要望をいただいておりましたが、国庫協議に至ったのは2件でありまして、ただ、その2件とも採択をいただいております。  平成30年度につきましては9件の要望をいただいたうち、3件を国庫協議いたしまして、3件とも採択をいただきました。  平成31年度の整備事業分については、7件の要望に対して、国庫協議へ上げたのは1件でございましたが、残念ながら採択はいただいていないというところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)3年間見ましても、要望に対して国庫協議に県が全部協議をされているというわけではないというふうに思いますが、これはどうしてでしょうか。健康医療福祉部長にお聞きします。
    健康医療福祉部長(川崎辰己) この施設整備に関しましては、国につきましても、予算の枠といいますか、限りがございます。滋賀県に割り当てられる額というのは例年の推移から見込めるわけでございまして、要望額、要望いただいた全ての件数を国庫協議で採択いただくのは非常に難しいと判断しております。  したがいまして、採択が可能な件数を見きわめまして、県で予算計上いたしまして、国庫協議をいたしているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)少なくとも、国の事情はありますけれども、要望に対して、県としてしっかりと予算枠を確保して国庫の補助を求めるべきだと思うんですが、もう一度お聞かせください。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 我々といたしましてもグループホームの整備は進めたいということで、できるだけ多くの協議に上げたいという気持ちは持っておりますが、先ほど申し上げましたとおり、国の予算にも限りがございますので、県の予算計上に当たりましても、やはりその適切な見込みを立てた上で予算計上いたした上で、国庫協議をしているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)県の予算枠も大いに関係するというふうに思います。ここを改めるべきだというふうに思います。  滋賀県は入所施設が他の都道府県と比べても、全国平均で100とすれば65%ということでは、グループホームの利用率が非常に高くなっていますけれども、先ほど来質問してきましたように追いつかない。県外入所が年々ふえているのが今の滋賀の実態であります。  グループホームを地域で確保するために、国庫補助対象だけでなく、県としてもやはり整備の支援を進めるべきではないかと考えますが、健康医療福祉部長にお聞きいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  先ほど来申し上げておりますとおり、暮らしの場としてのグループホームの整備につきましては、国庫整備補助金を活用して実施をいたしておりますことから、まずは国における予算の確保につきまして、継続的に要望を行っております。  県といたしましては、重症心身障害者の受け入れのためのホームの整備に対する上乗せ補助、あるいは強度行動障害者の受け入れのための改修に対する県単独の補助制度を実施しておりまして、今年度より、新たに強度行動障害の方を受け入れていただくためのホームの創設に対する上乗せ補助等は実施をいたしているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)上乗せ補助については存じています。しかし、かつて福祉先進県と言われたこの滋賀県では、県単独の補助で全国に先駆けてグループホームをふやしてきて、それを国の制度として定着をさせてきたという、そういう歴史があります。私は滋賀が今そういう役割を果たすべきだというふうに考えるものです。  次に、人材の確保についてお聞きします。  強度行動障害の方の支援には、専門性を持った人材の育成と資質の向上が求められています。現在行っている強度行動障害支援者養成事業について、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  強度行動障害のある方につきましては、障害特性の理解に基づく適切な支援を受けることによりまして、強度行動障害が低減し安定した生活を送ることができるとされておりまして、適切な知識や技法を身につけた人材を養成することは非常に重要と考えております。  そのため、強度行動障害支援従事者養成研修を実施いたしまして、支援の基本等を習得するための基礎研修や支援計画を作成できる人材を養成するための実践研修を通じて、人材の育成に努めているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)この研修の定員数に対しての応募の状況について、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  平成30年度の研修の実施状況でございますが、基礎研修につきましては3回実施いたしまして、合計180人の定員に対しまして465人の応募がありまして、最終242人の方に受講をいただいております。  実践研修につきましては2回の実施で、合計定員120人に対しまして131人の応募がございまして、最終的には101人の方に受講いただいております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)昨年度は定員に対して2.5倍の申し込みがあったということであります。県は、この研修費は資料代の2,000円ということでありますが、民間の事業所を受けざるを得ないような状況になっていまして、受講料はそれでは5万円もかかるということであります。  県として、この研修の定員をふやして、機会をふやすことを求めるものですが、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  例年定員を上回る申し込みの方がおられまして、受講機会の確保が十分でないということは認識をいたしております。  このため、昨年度は基礎研修の年間開催回数を2回から3回にふやしまして、受講定員も140人から180人にするなど、拡大に努めてまいりました。  しかしながら、研修の実施に当たりましては、研修の講師といたしまして協力をお願いできる人材も実は限られているという課題もございまして、なかなかさらなる研修定員を大幅にふやすということは難しい状況にございます。  昨年度は研修回数をふやしましたほか、応募状況を見まして、研修計画時に設定した定員を上回る人数について受講決定を行っておりまして、今後も少しでも多くの方に受講いただけるよう、できる限りの工夫はしてまいりたいと考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)研修を受けて加算がつくということと、専門的な知識が必要ということでありますので、しっかりと人材を確保して、研修の機会をふやしていただくことを求めたいと思います。  次に、自治振興交付金のメニューとして、強度行動障害者グループホームの運営事業も対象になっていますが、この事業の内容について、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  グループホームにおきまして行動関連項目15点以上の強度行動障害の方を受け入れまして、さらに、支援員の加配を行っている事業所に対し、市町とともに支援を行っているものでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)各市町における本事業はどのくらい取り組まれているのか、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  平成29年度から自治振興交付金で制度化をいたしましたが、先ほど申し上げた行動関連項目点数15点以上の利用者を2名以上受け入れるという算定基準を満たす事業所がなかったということもございまして、昨年度までの交付実績はゼロ件となっております。  今年度より、市町等からの要望を設けまして、行動関連項目点数15点以上の利用者の数を2人から1人に減らすなど算定基準の緩和を行いましたところ、複数の市町から交付申請の予定があるというふうに伺っております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)自治振興交付金のメニューの一つということで、安定した財源として確保するように、単独の補助金としてこの事業をすることを求めるものですが、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  強度行動障害のある方の受け入れをしているグループホームの支援につきましては、先ほど申し上げましたとおり、自治振興交付金において実施をしておりますが、一方で、生活介護事業所における強度行動障害のある方への支援につきましては、市町と共同で実施をいたしております重度障害者地域包括支援事業として行っているところでございます。  グループホームにおける強度行動障害者への支援事業についても、重度障害者地域包括支援事業に位置づけまして、補助事業としていくかどうか等につきましては、財源の問題も含めまして、今後、市町の意見を聞いてまいりたいと考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)財源を確保していただいて、単独の補助事業として改善を図られたいというふうに思います。  先日、二十歳になる自閉症の息子さんと暮らすシングルマザーのAさんにお話を聞きました。6時に会社から帰り、3時間、息子さんとドライブ、9時に晩御飯を食べて寝かし、それから家事をこなす毎日、息子さんは睡眠が浅いので3時には起きてしまう、お母さんは睡眠時間が毎日3時間から4時間が続いているというのです。  Aさんは、子供と一緒に暮らしていくためには、1カ月に1回か2回、ショートステイを利用して支えてほしいと話しておられました。しかし、今、あいていないのが現状であります。なぜあきがないのか、その理由について、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  障害者プランで定めますショートステイの必要なサービス量につきましては、平成30年度に917人分としておりますが、現在、平成30年度末現在では601人分と、目標に達していない状況でございます。  また、施設入所待機者が長期間にわたってショートステイを使用されますロングショートですとか、事業所の人員不足による利用制限を行っているところもあるということでございまして、全ての利用者ニーズに対応できていない状況であるということは、当事者団体や関係者からも聞いております。  状況の改善に向けましては、障害者プランの中で、各市町または各福祉圏域に少なくとも1カ所整備することとしております障害者への緊急時の相談や、ショートステイ等による受け入れ対応を行います地域生活支援拠点の整備、あるいはグループホーム等へのショートステイの併設を進めることによりまして、受け皿の拡大に努めてまいりたいと考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)今お話がありましたように、ショートステイでも結果的には年単位で、長い人では7年というのをお聞きしていますけど、長期のショートステイ、いわゆるロングショートになっている利用者がたくさんいらっしゃいます。入所を待っておられるということであります。  必要数、実際は整備できていないということははっきりしているわけですから、それに見合うだけの整備をするために、ここは予算をやっぱり県として確保すべきだというふうに思いますけれども、その点について、部長に見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 先ほど、今後整備を進めてまいりたいと申し上げました地域生活支援拠点事業、これにつきましても、国庫補助の採択に当たっては優先的に申請をしていくというものと位置づけております。  先ほど申し上げましたとおり、県としては、まずは国の補助制度、これを活用しながら、できるだけ多くの補助をいただけるよう努力して、整備を進めてまいりたいと考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)要望はあるけれども、国庫補助の対象として絞られる、また、県の予算の枠組みとしても絞られるというのが今の状況だというふうに思います。見合うだけの整備をするための予算をしっかりと確保していただくということを強く求めたいというふうに思います。  最後に、知事に伺います。  保護者、関係者が会を結成、運動を展開しなければならない状況であります。滋賀県は、故糸賀一雄氏を初め、先駆者たちの貢献で近江学園の開設、重症心身障害児を受けとめるびわこ学園を設立し、全国に先駆けた障害者福祉が展開をされ、滋賀には障害者の発達が保障されると移り住んでこられたという歴史があります。  しかし、今、障害者が158人、北海道、長崎県など他府県の施設に依存をして暮らしているというのが、今の滋賀の現状であります。  障害者福祉施策が長い間前提としてきた家族介護から脱却し、必要な支援を受けながら、障害者がこの滋賀で、住みなれた地域で安心して暮らせるよう、暮らしの場が求められていると思います。知事の所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  誰でも基本的人権を享有し、その尊厳にふさわしい生活をする権利があります。障害のある方ももちろんのことでございます。  また、県の障害者プランでは、障害のある方がみずから望む生活を送ることができるよう、みんなで一緒に働き、みんなとまちで生きるという基本理念を掲げておりますし、県では今、誰ひとり取り残さないというSDGsの思想も踏まえた施策を展開しているところでございます。  当然、住まいにつきましても、誰とどこで生活するのかということにつきまして、みずからの意思で選択する機会が確保されなければなりませんけれども、先ほど来るるお取り上げいただき、ただしていただいたように、実際にはサービスが障害者プランに定める必要な見込み量に達していない、みずからが望む暮らしの場を県内で選択できない等の状況があるということを認識しております。  こうした暮らしの場についての必要なニーズに応えられるよう、グループホームや地域生活支援拠点の整備を引き続き進めるとともに、施設入所者の地域移行の促進による県内の既存の入所施設機能の活用に努めてまいる所存でありますし、支援者の養成研修でありますとか、さまざまな補助制度のあり方、財源確保につきましても、きょうお取り上げいただいたことを改めてそしゃくしながら、今後の方向性について、よく検討してまいりたいと存じます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)きょう質問をするに当たりまして、保護者の皆さん、また、支えておられる事業所の皆さんにも、私はたくさんお話を聞いてまいりました。また、きょう、私の質問をインターネットやまた議場でも見ていただいているというふうに思います。しっかりとやはり予算の枠取りもして、実際にプランに達していない、この基盤整備が達していないということをしっかりと受けとめて、その県政運営をしていただきたいということを改めて要望をしておきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。  続きまして、3問目、救急医療体制について、分割で知事にお聞きします。  滋賀県は、滋賀県保健医療計画に基づいて、小児医師の不足や医療の高度化などを理由に小児救急医療に関する圏域を見直し、今の7つの医療圏域から4つのブロックとした二次救急医療体制として、高度小児救急機関、基幹小児救急医療機関、小児救急医療機関の3つに来年4月に再編しようとしています。  基幹小児救急機関を充実されることは必要ですが、一方で、再編によって小児救急医療機関となる市立大津市民病院、高島市民病院、公立甲賀病院、彦根市立病院では、通常時間帯の救急、これまでからの診察している患者の救急対応には応じるものの、休日、夜間における救急については、原則受け入れないとするものであります。  特に甲賀医療圏域では、小児人口10万当たり小児科医師が60.6人と、県平均の110.9人の半分近くで、県内7圏域の中では最も小児科医が少ない状況であります。そういう中で、公立甲賀病院は甲賀圏域の中で重要な役割を担っており、休日、夜間では2,229人が受診しています。それだけに、この再編が実施されれば、休日、夜間は栗東の済生会病院に行かなくてはならないため、地域医療が後退するとの不安の声が上がっています。  6月6日の第2回滋賀県小児救急医療体制検討部会の資料によれば、滋賀県医師会会員からは、全般な意見としては、主に大津市や湖南医療圏域の先生からは、現在の小児医師数や患者数などを考慮する集約化は事態の趨勢であり理解できる、仕方ないという意見がある一方で、東近江、甲賀、彦根などからは、小児救急患者のほとんどは軽症とはいえ、その中に真の救急患者さんの受診抑制が起こらないか、基幹小児救急までの移動に30分以上かかる地域もあり心配です、との懸念の声が寄せられています。  今行われています甲賀市議会でも、6月議会、地域の実情に応じた小児救急医療体制の確保を求める意見書が厚生文教常任委員会の委員がそろって賛成をされ、近く採択をされる見込みであります。  こうした関係者や住民の心配の声を、知事はどのように受けとめられておられるのか。それぞれのブロックごとに進められようとしていますが、再編ありきではなく、小児科医の確保など積極的な役割を果たすことを求めるものですが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 小児救急医療体制につきまして、2点御質問をいただきました。  現場で懸命に尽力されておられる医師初め従事者の皆様方に心を寄せながら、お答えをさせていただきたいと存じます。  まず1点目、関係者等の声の受けとめについてでございますが、本県の小児救急医療体制につきましては、二次保健医療圏内での二次救急医療体制の維持が困難になっておることから、平成30年3月に策定いたしました第7期滋賀県保健医療計画で、1つは、周産期医療ブロックと整合性をとった4ブロック化、もう1つは、日本小児学会の示す医療機関の区分を参考にした再編を推進することとしております。  この再編に当たりまして、ことし1月とこの6月に、小児救急医療を担う病院、医師会、病院協会、消防機関から構成される検討部会を開催いたしましたところ、再編の必要性については一定御理解を得られておりますが、実施するに当たりましては、議員御紹介の御意見のほか、集約後の4ブロックの小児救急医療機関の患者増加が予想されるが対応できるのかなど、さまざまな課題があることや、県民の理解を得るための啓発が必要だとの御意見等があったことを伺っております。  4ブロック化の実施に当たりましては、さまざまな課題、県民への啓発等について、一つ一つ丁寧に対応してまいりたいと存じます。  次に、2点目、県が積極的な役割を果たすことについてでございますが、小児救急医療体制の再編につきましては、保健医療圏ごとに状況が異なりますことから、集約化するブロックごとに検討する場を設け、県の調整のもと、一律的な対応ではなく、ブロックの実情に応じた対応を模索し、円滑な再編を進めていきたいと考えております。  また、働き方改革法の施行等により、医師不足が拡大し、小児救急医療体制の維持がますます困難となってくるものと想定されます。小児科医の確保につきましては、昨年7月の医療法の改正に伴い、県で今年度中に医師確保計画を新たに策定いたしますが、全体計画のほか、小児科につきましては、集約化が前提となる個別計画を策定する予定でございます。  これら計画に基づき小児科医の確保を図るとともに、小児救急医療体制の再編を進めることで、本県の小児救急医療体制の維持に努めてまいりたいと存じます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)集約化によって子供の命が脅かされるという心配の声がたくさん出ておりますので、その声をしっかりと受けとめていただきたいと思います。  最後に、助産施設について、健康医療福祉部長に分割でお聞きします。  滋賀県には7病院が助産施設として指定されています。児童福祉法のもとで、妊婦に対して安全で衛生的な出産を確保し、新生児の福祉を図るための入院、助産の実施が適正に行われることを目的に、経済的理由により入院、助産を受けることができない妊婦に対して、負担軽減のための助産制度を受けることができます。大津市内では大津市民病院が唯一の助産施設として指定され、多いときには年間28人が制度を受けています。  安全な入院、助産のために、妊婦検診からの継続的なかかわりが必要ですが、休止によって栗東市の済生会病院まで行かなければなりません。県としても、妊婦や子供の命を守るため、大津市の助産施設の確保の状況を把握し、役割が果たせるように求めるものですが、健康医療福祉部長の見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  助産施設は保健上の必要があるにもかかわらず、経済的な理由により病院で出産することが困難な妊婦に対しまして、安心して出産できるための施設でございまして、できるだけ身近な地域で利用できることが大切であると考えております。  また、助産施設は利用者の居住市町にかかわらず利用されますことから、大津市民病院の分娩の取り扱い休止は、大津市以外の方にも影響が及ぶものと考えております。  こうした中、大津市では6月の市議会におきまして、新たな助産施設の認可に向けて関係機関へ働きかけると答弁されていると承知をいたしておりまして、県としても、引き続き状況把握に努めてまいりたいと考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)大津市外の方も大津市内の助産施設を利用されるということでは、県の役割も大きいというふうに思います。情報の把握だけではなく、役割を果たせるように求めておきたいと思います。  質問は終わります。(拍手) ○議長(生田邦夫) 以上で、45番節木三千代議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午前11時48分 休憩    ────────────────   午後0時59分 開議 ○議長(生田邦夫) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、1番井狩辰也議員の発言を許します。 ◆1番(井狩辰也議員) (登壇、拍手)こんにちは。新人の井狩辰也です。私のほうから、空き家対策について一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  新聞やテレビでも報道されておりますが、地元の野洲市におきまして、空き家になったマンションが老朽化し、崩壊する危険性が高くなっております。このマンションは交通量が多い道路に面しており、大きな台風が来ると通行に支障が出ることも懸念されます。このため、一刻も早い撤去を望んでいるところがありますが、撤去費用に数千万円かかることや、集合住宅で所有権者が多いことから全ての所有者の意見がまとまらず、調整に時間がかかっており、いまだ撤去に至っておりません。  野洲市では、現在、撤去に向けて行政代執行などの調整を行っているところでありますが、今後、人口減少や超高齢化社会が進展する中で、このような空き家の問題はますます顕在化してくると考えております。まずは、空き家が増加することに対する県の課題について、どのように整理されておられるか、知事に伺います。  2014年11月に制定された空家対策特別措置法によって、各市町村は空き家等に関する対策の実施主体として位置づけられ、助言、指導、勧告、命令ができることになりました。各市町村の権限が与えられたと同時に、努力義務も定めています。空き家対策を進めていく上で、各市町村で空き家の正確な位置や状態をしっかりとつかんでいく必要があります。  空き家対策措置法の第11条には、「市町村は、空き家に関するデータベースの整備、その他空き家等に関する正確な情報を把握するために、必要な措置を講ずるよう努めるものとする」とあります。各市町の、その他空き家に対する実態把握とデータベースの構築状況を、土木交通部長に伺います。  本県の空き家の流通促進、有効活用の取り組みとして、市町単位で運営する空き家バンクがあります。優良な住宅が空き家となり利用されないことは地域にとっても損失であり、利用されない住宅はどんどん傷んでいき、結果として周囲に被害を及ぼすことにもなります。各市町における空き家バンクの設置状況とこれまでの成果、今後、県としてどのように支援していくのか、土木交通部長に伺います。  空き家の流通促進のためには、民間との連携が必要となります。平成27年度、滋賀県建築士会と滋賀県宅地建物取引業協会が主体となって、滋賀県空き家管理等基盤強化推進協議会が設立されました。この団体は空き家バンクに助言や支援をされており、本年5月末までに、一般の方からの200件の空き家無料相談をされています。
     県は今後、滋賀県空き家管理等基盤強化推進協議会との連携について、どのように取り組んでいかれるのか、土木交通部長に伺います。  本県においても、滋賀県子育て世帯空き家リノベーション事業費補助金の事業をされておられます。この事業の要綱にある第1条の趣旨には、「子育て世帯に対して空き家バンクを通じた既存住宅の取得を支援することにより、子育て世帯の定住による地域コミュニティーの活性化および既存住宅の流通促進を図るため」とあります。この事業を通して、若い世代の定住と地域の活性化、その結果として空き家の流通促進につなげていくことであります。  滋賀県子育て世帯空き家リノベーション事業のこれまでの成果と、その成果に対する評価を土木交通部長に伺います。  次に、空家対策特別措置法に基づいて、各自治体は特定空き家の除却処分を代執行できることとなっております。傾いた老朽化した家屋、散乱したごみが敷地外にはみ出した家屋、古い空き家など、倒壊のおそれが高い、衛生上著しく有害な特定空き家は、高齢化が一段と進む中、今後ますます増加していくと考えられます。  国の調査によりますと、代執行、略式代執行に踏み切った事例は2015年度以降118件あり、15年度が9件、16年度が37件、17年度が52件、18年度の半年間で20件となっております。  この代執行は、所有者に修繕や除却を求めるものであり、最後の手段と位置づけられます。所有者が反対する中、私有財産である空き家を強制撤去すれば、訴訟のリスクも抱えることになります。所有者がわからない略式代執行のケースもあり、さまざまなケースが想定されます。  東近江市においても、所有者が死亡後に空き家となり、約4年間、管理不全状態が継続した建物について、相続人全員の相続放棄を確認し、敷地内の草木等の除去の略式代執行が実施されました。  この東近江市の事例は、財産管理制度を活用して除去費用を回収されておられますが、一方で、岐阜県瑞浪市の事例では、築年数の古い2棟の建物を除却処分。所有者である法人が解散をしており、土地に対しても抵当権者が多く、費用回収が困難な事例もあります。  空家対策特別措置法の全面施行後2年間について、代執行を実施した37自治体の48件の事例のうち、撤去費用を全額回収できたのは1割程度の5件にとどまり、逆に自治体が全額負担したケースは13件あるとの報道もあります。  こうした現状を踏まえ、高齢化、少子化が進展する中で、管理、維持ができない空き家がふえ、特定空き家となり、今後ますます代執行の件数もふえていくのではないかと懸念されます。  ちなみに、県下の特定空き家等の件数は、本年3月末時点で96件となっております。  香川県においては、老朽危険空き家除去支援事業として、市町の老朽空き家の除去に対して補助を出されており、行政代執行もその中に含まれています。本県においても、一定の基準を設けて、各市町が行う代執行に対して財政上の支援を行うべきと考えます。  また、空家対策特別措置法の第15条にも、「国及び都道府県は、市町村が行う空家等対策計画に基づく空家等に関する対策の適切かつ円滑な実施に資するため、空き家等に関する対策の実施に要する費用に対する補助、地方交付税の拡充その他の必要な財政上の措置を講ずるものとする」とあります。各市町が行う代執行に対する財政上の支援についての所見を、土木交通部長に伺います。  先ほども申し上げましたが、特定空き家は、倒壊したり不審者浸入や放火、不法投棄の危険性が増すなど、周囲に悪影響を与えます。空き家の所有者が不明だったり、近くにいなかったりして、事実上放置されたままの建物です。放置された空き家は大変危険であります。特に放火の原因や、たまり場になり、犯罪の温床や突発的な事件につながる可能性が考えられます。  特定空き家に対しては当然ですが、特定空き家に指定されない空き家に対しても、安全対策や防犯対策が課題になっています。  群馬県においては、昨年12月に空き家1棟が全焼しました。その後、立て続けに3件の空き家の連続不審火がありました。空き家を狙った放火事件と考えられています。  また、昨年、愛媛県の今治市の刑務所施設から受刑者が逃げ出し、広島県尾道市の向島の空き家に16日間隠れていた事件がございました。空き家に受刑者が忍び込んでいるという指摘は当初からあったとのことでしたが、捜査員は所有者の許可なく家屋に立ち入ることができず、空き家の捜索は大半が外からの目視になったとのことでした。  福井県においては、昨年、住民の意見を警察活動に反映させる福井署協議会の会合において、住民側から、空き家対策が安全で安心な社会の実現に大きくかかわっていると指摘されており、福井署は住民の要望を受けた形で、市から提供された空き家の情報に独自の情報を加えて状況を把握するとのことでした。  特に福井署は、昨年開催された福井国体、全国障害者スポーツ大会のテロ対策としても、警備計画などに空き家の情報を反映されたとのことでした。  本県における空き家への放火、空き家へのたまり場、また、不審者の侵入などの生活安全上の防犯の観点から、どのように対策をとられているのか、警察本部長にお伺いいたします。  最後に、本県の空き家対策の取り組みを見ておりますと、空き家の流通促進を進める一方で、空き家発生の予防がまだまだ不十分ではないかと考えます。空き家予備群、日本経済新聞で65歳以上のみの世帯が暮らす住宅と定義されていますが、この空き家予備群が将来的に空き家につながっていくことが予想されます。65歳以上の高齢者が子供などの世帯と同居していない場合、所有者が高齢者施設に入った段階や死亡した段階で空き家になるケースは多いと考えられます。  今、空き家対策として、特定空き家やその他の空き家の対策がクローズアップされておりますが、空き家になる前、もしくは空き家になった早期の時点で、何らかの対処をしていくことが今後重要だと考えます。空き家予備群の対策こそが、空き家問題の根本的な解決につながっていきます。  2025年に団塊の世代が75歳以上になります。今後10年から30年のうちに、同時多発的に空き家が発生する可能性が高いと言えます。今ある空き家をどう対処していくのかということも大事ですが、今後、空き家対策として、空き家発生の予防の観点からも取り組んでいく必要があると考えます。空き家発生の予防の観点から、今後の県の対策について、知事に伺います。 ○議長(生田邦夫) 1番井狩辰也議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)空き家対策について8問の御質問のうち、私には2問賜りました。  1点目、空き家が増加することに対する県の認識、課題ということについてでございますが、平成30年度に実施されました住宅・土地統計調査によりますと、滋賀県の空き家戸数は約8万1,000戸と、前回の平成25年度の調査に比べ約3,000戸の増加となっております。  空き家の増加は、老朽化による倒壊や不審者の侵入、放火による火災など防災、防犯上の問題、また、ごみの不法投棄等による悪臭や野生動物がすみつくことによる衛生上の問題、景観の悪化、地域イメージの低下等のほか、地域コミュニティーの弱体化や地域活力の低下にもつながると考えております。  このため、県といたしましては、市町や関係団体等に支援を行い、空き家について早期の流通促進と発生抑制を図る必要があると認識しております。  2点目、空き家発生の予防の観点から、今後の県の対策についてでございます。  空き家の発生の主な要因といたしましては、所有者の死亡、入院、施設入所等がきっかけになることが多いと捉えており、事前に自分の家の今後のことを考えるきっかけづくりが、空き家の発生や予防をする上で重要な取り組みであると考えております。  このため、その一つの方法として、相続セミナー等との連携や、老人福祉施設等への出前相談会等の実施を検討しているところでございます。  また、本年度、滋賀県空き家対策検討調査において、地域の特性等に応じた空き家対策を検討しており、その中で、より具体的かつ効果的な発生予防対策についても検討してまいりたいと存じます。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) (登壇)空き家対策についての8問の御質問のうち、私にいただいた5点の質問についてお答えさせていただきます。  まず1点目、各市町のその他空き家に対する実態把握とデータベースの構築についてですが、平成31年4月1日時点の空き家対策に係る取り組みの実施状況について、市町に調査を行いました。その結果、空き家の把握調査を実施しているのは18市町、うちデータベースを構築しているのは13市町との回答があったところでございます。  2点目の空き家バンクに関してですが、各市町の空き家バンクの設置状況について、現時点において15市町で設置されているところでございます。平成26年度から平成30年度までの間で、空き家バンクに登録されたのは788件、うち成約に至ったのが306件と、市場で流通していなかった空き家の活用に一定つながったものと認識しているところでございます。  しかしながら、まだ活用に至ってない空き家も多数ございますことから、県としましては、市町と連絡調整会議の場を活用し、担当者間の情報交換や空き家バンクの運営のノウハウの共有を進め、空き家バンクの登録件数や成約件数の増加につながりますよう、各市町を支援してまいりたいと考えております。  3点目、滋賀県空き家管理等基盤強化推進協議会との連携についてでございますが、県と協議会の間で、平成29年4月に、滋賀県における空き家の流通促進および適正管理に関する協定を締結しているところでございます。本協定に基づいて、空き家の所有者に対する相談窓口の設置、専門家の派遣による市町の空き家バンクに対する技術的支援、空き家の有効活用や適正管理に関する意識啓発等について御協議いただいているところでございます。  これらの取り組みに加え、今後、県、市町、協議会において合同研修会を開催するなど、連携をさらに強化し、空き家対策を進めてまいりたいと思います。  4点目、滋賀県子育て空き家リノベーション事業についてでございます。  本事業は、議員に紹介いただいた子育て世帯の定住促進に加え、空き家バンクの周知、空き家バンクの運用経験の蓄積等を目的とするモデル事業として、平成29年度から実施してきたところでございます。  これまでの活用実績は1件でしたが、本事業を運用するためには市町において空き家バンクを設置する必要があり、新たに5市町において設置が進むなど、県内空き家流通の基盤整備に寄与したと評価しているところでございます。  5点目、各市町が行う代執行に対する財政上の支援についてでございますが、空き家の除却に関しては所有者の責任で行われるべきであり、仮に代執行した場合の費用につきましては、所有者が負担すべきものと考えておるところでございます。  しかしながら、所有者が不明であるなど代執行の費用が回収できない場合もございますから、市町への財政上の支援に関しては、議員御紹介の香川県を含め、他府県の状況や県内の代執行の状況等を十分調査し、今後研究してまいりたいと考えております。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) (登壇)空き家への防犯対策についてお答えいたします。  空き家につきまして、放火や正当な理由なく侵入する等の刑事法令に触れる行為が認められる場合におきましては、捜査を行い、検挙などの措置を講じるのはもちろんのこと、近隣住民の方々から管理が十分ではなく不安である旨の相談があるなど、防犯の観点から必要があれば、警察官による警戒や近隣住民への注意喚起を行ったり、所有者等による適切な管理を促すべく、市町への情報提供をするなどの対応をとっているところでございます。 ◆1番(井狩辰也議員) (登壇)それでは、再質問をさせていただきます。  滋賀県子育て世帯空き家リノベーション事業のこれまでの成果とその成果に対する評価ということで、1件ということをおっしゃいました。その中で、空き家バンクを登録されることについて、そのことは5市ふえたということで評価できるということなんです。この事業自体、まだ1件の成約ということなんですけれど、今後、この1件というのは余りにも少ないなと思っておりますので、どのようにふやしていかれるのかということについて、1点お伺いしたいと思います。  それと、除却処分についての費用につきまして、香川県の例、全国の事例を参考にしながら、研究というお言葉を使われたんですけれど、この研究、私としては、やはり実施に向けて財政的な支援というのは今後必要になってこようかと思います。  というのも、現在、8万1,000戸の空き家があるということ、ますます今後ふえていくと思いますので、滋賀県全体の課題として、各市町の課題として捉えていただきたいと思っておりますし、除却処分自体は本当に、今見ていますと、長浜35件で、高島17件で、96件のうち大体偏っている数字にはなるんですけれど、空き家対策自体は県全体の除却処分、特に各市町に財政的な負担を求めるのではなくて、やはり県でも、ある一定の財政的な支援を実施をしていただきたいと思っておりますし、研究というのはどういった言葉で使われたのかわからないんですけれど、実施に向けてぜひ進めていきたいと思っておりますので、改めてそのあたりの御見解をお願いしたいと思います。土木交通部長にお伺いいたします。  続きまして、警察本部長にお尋ねをいたします。  日ごろから、生活安全上で空き家も捜索、あと、通報があれば捜索、捜査員の方が行かれて調査されておられるということなんですけれど、各市町において空き家のデータベースの構築の有無について、先ほども土木交通部長がおっしゃいましたけれど、空き家のデータベース、各市町、つくられているところもありますし、また、空き家自体に対しては調査をされておられるところがほとんどの市町だという御返答があったんですけれど、各市町において空き家のデータベースの構築の有無については、されているところ、されていないところ、さまざまな対応をされておられますが、実態把握調査はほとんどの市町で実施をされておられます。  また、本県の各署におかれましても、日ごろから生活安全の観点から、それぞれの管内をパトロールされ、独自の空き家情報も蓄積されておられると考えます。  広島県では、昨年4月に愛媛県の受刑者が刑務所を脱走し、広島県の空き家に潜伏した事件を受け、その後、広島県警察本部より各市町に対して、空き家の位置情報について警察署と情報共有を行うよう通知がされました。  広島県内の警察署では、市町からの空き家の位置情報をもとにパトロールを行い、状態が悪くなっている空き家の情報や新しい空き家の情報を市町に提供しているところでございます。  本県においても、署として市と連携をとりながら、各市町の空き家情報と署で把握をしている空き家の情報の共有を行い、防犯対策を進めていくべきと考えますけれど、警察本部長の所見を伺います。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) まず、私に再質問いただきました1点目のリノベーションを今後どのように広げていくのかという問題ですが、1件で非常に少ないんですが、それで得た経験といたしまして、取得しようとしている方にどのようにアプローチしていくのか、また、その方といかに会話をして成約に持っていくのかということが重要で、市町の役割が非常に大きいと考えています。  今後につきましては、より今まで以上に連携を踏まえまして、市町の空き家バンクの設置数が15市町とかなり進んできましたので、そういう場も活用しながら、リノベーションの事業の展開を図っていきたいと考えているところでございます。  それから、2点目ですが、代執行に関して補填をしていく件でございます。  所有者が判明している代執行につきまして補助をしていくということにつきましては、ある意味、香川県で全国一つされておりますが、非常に先進的な事例だと考えているところでございます。  しかしながら、本来は所有者から費用を徴収すべきということを考えますと、補助する際に、どのタイミングでどういう条件でしていくのかということで、制度設計上、非常に難しい面を抱えていると考えているところでございます。そのあたりについて十分香川県のヒアリングも行いながら、今後考えていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  県内におきましては、安全で安心なまちづくりを促進するため、各警察署とその管内の市町との間で協定を結び、防犯等の目的のため、必要な情報について双方で共有することとなっておりますところ、これらの協定などに基づいて、先ほど御説明申し上げました、空き家等に関する情報提供がなされているところでございます。  また、空き家に特化するものといたしましては、市町が設置した空き家対策推進協議会がございまして、一部の警察署においても参加しているところであります。空き家に係ります防犯上の対応に関する市町との連携につきましては、これらの枠組みを有効に活用して対応してまいりたいと考えております。 ◆1番(井狩辰也議員) (登壇)行政代執行、相当ハードルが高いと今おっしゃったということなんですけど、では、略式代執行についてはどのようにお考えなのかということをお伺いさせていただきたいと思います。  略式代執行につきまして、行政代執行というのは所有者がわかっているということ、略式代執行自体は所有者がわからない代執行ですので、その点につきまして、県として補助をしていくのかどうか、お伺いさせていただきたいと思います。土木交通部長にお伺いします。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) 所有者がわからない略式代執行についてですが、今、全国で香川県以外に、群馬、福井、岐阜で制度化されているところでございます。これにつきましては、議員も御存じだと思うんですけども、国の補助制度もございます。その辺をどういうふうに組み合わせてやっていただけるのか、今言いました香川も含め、4府県の状況も調べながら、今後、検討していきたいと思っております。 ◆1番(井狩辰也議員) 終わります。(拍手) ○議長(生田邦夫) 以上で、1番井狩辰也議員の質問を終了いたします。  次に、13番杉本敏隆議員の発言を許します。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇、拍手)私は、まず最初に、大戸川ダムについて質問をいたします。  私は昨年4月の招集会議のこの場において、大戸川ダムに関する勉強会の補正予算に対して反対討論に立ち、勉強会の目的は、4知事合意の撤回、大戸川ダム建設推進への方針転換の理由づけにあると指摘をしました。事態はこの指摘が全く正しかったことを示しています。  知事が方針転換の御旗の錦にされている勉強会なるものは、河川管理者の言うことを追認したり、ダムを容認する学者ばかりを集めて、わずか3回、初めから結論ありきでありました。この進め方に、知事が言う県民の生命や財産を守るためとは別の意図を感じるのは、テレビ報道もありましたが、私だけではないと思います。本来、勉強会なり検証は、いろんな意見を持つ人を集め真剣に議論を戦わせてこそ、真理に迫る成果を出すことができると思います。  さて、知事の方針転換を大英断との評価がありましたが、私は歴史の流れに逆行するものだと考えております。(「人それぞれやなあ」)それは歴史が証明すると思います。この問題にかかわって、以下、環境と治水の問題で質問をいたします。  まず、ダムが環境に及ぼす影響について、どのような認識を持っておられるのか、知事にお尋ねします。  以下、答弁は全て知事にお願いします。 ○議長(生田邦夫) 13番杉本敏隆議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  環境への影響につきましては、ダムの置かれている位置や形式によって異なりますが、一般論として、ダムは地形を大きく改変し、景観や貯水する範囲の自然環境に影響を及ぼすものと認識しています。  また、河川がダムにより不連続となり、生物の移動が困難になること、下流への土砂供給が絶たれること、貯水による水質悪化などが懸念されますが、大戸川ダムで採用を予定されている流水型ダムでは、これらの影響は比較的少ないと言われていると承知しております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)その流水型ダム、穴あきダムをなぜ採用されるのか、お尋ねします。 ◎知事(三日月大造) なぜと言われましても、私どもが採用するというよりも、国の事業でるる検討の結果、このような型のダムを現時点で採用していると承知をしているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)それは、これまでのダムが環境に大きな影響を及ぼすから、穴あきダムを採用するというふうになっているというふうに私は理解しております。  そのダムの環境への悪化の社会的批判をかわすための穴あきダムなんですけども、国内で本格的な穴あきダムは島根県の益田川ダムが最初でしたが、島根県が公表した環境調査でも、アユの遡上が阻害されている、また、土砂の一部は流れずにたまる、こういうことが公表をされております。  ちなみに、穴あきダムについて言うならば大きな欠陥がありまして、1つは、特に洪水が連続して間隔をおいて起こる場合に、放流量が少ないから、最初の洪水を処理し切れないうちに次の大雨が降って大洪水になったら、一気に河川の流量がふえて水害を大きくする。それから、もう1つは、大変な豪雨になれば山腹崩壊をし、大量の土砂や岩石、流木が流れて穴が詰まってしまう、こういう問題が懸念をされております。  今、ダムに頼らない治水の転換期だというふうに言われておりますけども、京都大学名誉教授で元京大防災研究所の今本博健さんは、こういう転換期に穴あきダムをつくることは歴史的愚行であるというふうに指摘をされております。  いずれにしても、今回の勉強会でこの環境問題について全く検証をされていない。不十分な検証だったというふうに思います。  次に、国土交通省近畿地方整備局が2016年2月、大戸川ダムは他の治水対策案と比較して最も有利であるという検証結果を提示したときに、三日月知事は、「4府県合意を見直す必要はない。ダムに一定の治水効果はあるが、大戸川についてはダムで全ての浸水を防げるわけではない。水系全体でつくるかつくらないかを判断する。その中で凍結という状況は変わっていない」と発言をされています。ところが、今般、3年前と違ってダム推進に方針転換をした、その根拠がどこにあるのか、詳しい答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) 議員も御案内のとおり、近年、全国各地で毎年のように豪雨が発生しています。浸水被害も多発しており、本県においても、平成25年および平成29年に瀬田川洗堰の全閉操作が行われる等、これまで経験していないような大きな洪水に対する備えの重要性が認識されてきているところです。  先行して進めていた大戸川の河川改修もおかげさまで完了するめどが見え、さらに治水安全度を上げる次の段階を検討する時期に来てもおります。このような中、県議会から平成29年12月に、県益を最優先する河川政策の推進を求める決議が出されたところです。  このような状況等を踏まえ、平成30年5月に勉強会を設置いたしまして検証を行いました結果、これまでに経験した計画規模と同程度の洪水や計画規模を超える洪水に対しましても、大戸川ダムに一定の治水効果が期待できることがわかったところです。  以上のことから、滋賀県として大戸川ダムの必要性を感じるに至り、大戸川ダム本体工事の早期整備を望むと表明させていただいたものでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)今おっしゃいました一定の治水効果があるようなんですけども、大戸川ダムをつくって、大戸川流域の洪水を完全に防ぐことはできないわけですね。確認をいたします。 ◎知事(三日月大造) 議員御指摘のとおり、ダムをつくったからといって、我々は4つのパターンで検証いたしました。既に県内、大戸川流域に落ちた平成25年の雨に加えて、西日本豪雨、関東豪雨、そして九州豪雨、こういったものを当て込んでみても、今想定されている大戸川のダムの容量でいけば、その容量を超えて降る雨もあるということもわかったところでございます。  しかしながら、一定そのダムでとめることによって、ためることができることによって、その浸水の氾濫時間をおくらせることができるというような効果も確認されましたことから、それらのことを総合的に勘案し、大戸川流域にとっても治水効果があり、そして洗堰の全閉操作に与える影響等も確認できたということを判断させていただき、ダムの必要性について表明させていただいたところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)そこが私と判断の分かれ目といいますか。今おっしゃったように、このダム見直しのきっかけが、近年想定を超える豪雨が相次いでいると、だから勉強会をやって、大戸川の治水効果についても勉強するということだったんですよね。  ところが、その勉強会の結論でもあるように、大幅な想定を超える豪雨には避難時間を稼げるだけだというふうな結論があって、ダムがあっても想定外の洪水では浸水被害が防げないということが明らかになっているんですよね。だから、想定を超える豪雨が頻発するからダムによる大戸川流域の治水を検証するとしながら、想定を超える豪雨が来ればダムで洪水を防げないことが明らかになっている、なのにダム推進に方針転換する、これは道理が通ってないんじゃないですか。答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) 議員、お言葉でございますが、おっしゃるように、想定を超えて、そのダムの容量を超えて雨が降り流域に流れた場合、その流れ込んだ分そのまま流していかなければならないという意味において、容量を超えればダムの貯水効果を超えた流量が下流に流れてしまう、もって、ダムがあるからといって全ての浸水被害を、また氾濫を防ぐことができないというのは一面当たっておりますが、しかし、ダムをつくることによって、それでもない場合に比べて浸水、氾濫を抑えることができたり、仮にそのような状態になったとしても、その時間をおくらせる、または短くするといったようなことで効果が確認できるということでございますし、その容量を超えた大雨以外のパターンで見てみますと、多くの場合、その氾濫を防ぐことができるというようなことも確認できましたので、県民の生命、財産を守るという立場にある知事としては、やはりこの県内の流域に及ぼす効果を踏まえた上で、その必要性について表明をさせていただきました。  もちろん、ハードだけではなくてソフトと組み合わせることによって、いかに逃げていただくのか、また、周辺の住まい方を考え変えていただくのか、こういったこともあわせて、ダムだけに頼らない流域治水というものは引き続きしっかりと進めてまいりたいと考えているところです。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)5問ありますので、この論戦はまた別のとこでやりたいと思います。  次に行きますけども、なぜダムで完璧に洪水が防げないのにダムに行き着くのかと。それはこれまでの河川整備の方針が全て治水安全度を、基本高水量──基本高水ですね、これに基づいて作成するところから来ていると思います。しかし、河道を流れる量が計画高水量を上回る分をダムで補うという考え方は、近年の頻発する想定を上回る豪雨には対応できないということが明らかになっています。
     昨年の西日本豪雨のとき、岡山県真備町で小田川の堤防が決壊し、多くの人の命が奪われました。2015年の茨城県常総市の鬼怒川でも、堤防が決壊によって犠牲者が出ました。人が亡くなる洪水というのは、堤防が決壊して一気に水が流れ出すことによります。  だから、人命を守るためには、堤防が破壊されて水がどんと流れるのを防ぐことがイの一番でなければならないと思います。想定を超える豪雨にはダムは効果は小さいし、場合によっては全く効果がありません。逆に、ダムがあったがために水害がひどくなった事例が数多くあります。ゆえに、ダムはその第一のツール、人の命を守ることが最優先という治水の第一のツールにはなり得ないというふうに私は思っております。  いかなる洪水に対しても住民の命と財産を守るという治水の使命を果たすためには、想定した基本高水量に基づくダム整備という限界に来ている河川整備の方針を転換して、越水破堤を防ぐ堤防補強、洪水のエネルギーを分散させる総合的な対策など、河川整備の考え方を抜本的に見直す転換が必要だというふうに私は思います。  今、世界を見ても、脱ダムからダム撤去の流れが広がっています。また、今るる述べましたように、地球温暖化による気候変動のもとで、基本高水量に基づく治水のあり方を抜本的に変えなければ、想定外の豪雨に対応できないとなっています。こういう点について、知事はどのように所見を持っておられるのか、お伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 議員は今、御質問の中で、ダムという施設の治水効果を全否定するかのような表現でただしていただきましたけれども、私は、この4府県知事合意でもかつてそうであったように、例えばダムというもの、また大戸川ダムというものが持つ洪水調節機能、これを認めるものでございますし、もって住民の生命を守る施設となり得ると考えているところでございます。  平成24年に策定した流域治水基本方針にも示されているように、どのような洪水にありましても、人命が失われることを避け、生活再建が困難となる被害を避けることというのは大変重要であると考えています。  御指摘のとおり、河川改修やダムなどの川の中の対策だけでは、想定を超える洪水は防ぎ切れるとは考えておりません。一方で、避難体制の構築や家屋のかさ上げを促進するなどの川の外の対策だけでも、被害を防ぎ切ることができるとは考えておりません。  このため、県民の皆様の生命と財産を一緒に守っていく、また守らせていただく立場からは、これらのあらゆる手段を講じて被害を最小限に抑えていくことが重要であると強く認識しておりまして、その観点から、ダムの持つ洪水調節機能を有効に活用することは必要な手段の一つと考えているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)私はダムは全否定しているわけではないですけども、基本高水量を超える豪雨に対してはダムは効果がないということを言っているのであります。(発言する者あり)ちょっと時間がないんで、次行きますけども。  堤防が決壊しないいうことがやっぱり一番大事だと思うんですよ。徐々にあふれる場合には避難もできるし、大きな被害は出ないということがあると思います。  結論としまして、結局、ダムをつくれば何か安全になるいう錯覚いいますか、ダム神話からやっぱり目覚めて、ダムに頼らない治水に行くべきだということを主張して、次の質問に行きます。  次に、住倉安土元気園について質問をいたします。  昨年の9月議会で、近江八幡市での障害者施設整備について、職住分離の原則を踏みにじる、同一敷地内にグループホームと障害者の作業所施設をつくる問題について取り上げました。この施設は住倉安土元気園として4月1日から開設をされましたが、現在の通所者および入所者の実態について説明を求めます。  以下、指名をしない場合は、健康医療福祉部長に答弁をお願いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  住倉安土元気園につきましては、住まいの場であるグループホーム、日中活動の場である生活介護事業所、就労継続支援B型事業所の運営を行っておられます。  それぞれの施設の利用者につきましては、6月18日現在で、グループホームの定員が30名に対して16名、生活介護事業所が定員20名に対して12名、就労継続支援B型事業所が定員20名に対して4名となっております。  なお、グループホームの入居者16名のうち、15名の方が隣接する通所事業所を利用されております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)ちょっとびっくりしたんですけども、もう一回確認しますよ。16人のグループホームの入所者のうち、15人は同じ敷地内の生活介護やB型に就労されているんですか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) はい、そのとおりでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)16分の15いうことは94%なんですけども、同一敷地内で生活が完結している。全くこれ職住分離の原則が守られていないと思いますが、この点についてどのように認識されていますか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  隣接事業所を利用しておられる15名の方のうち、13名の方は事業所所在地であります近江八幡市以外の方でありまして、それまで利用しておられた事業所が遠方で送迎利用ができないことなどによりまして、本人の意思で隣接事業所を選択されたというふうに聞いております。残り2名の方は市内の利用者でございますが、同様に御本人の御意思により隣接事業所を利用されたと聞いておりまして、他の事業所の利用も含めた選択肢の中から、御本人が選択された結果であるというふうに考えております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)そういうことが起こるから、これまで滋賀県は同じ敷地内にグループホームと作業所の併設は認めてこなかったんですよ。だから、そういう懸念があるからいうことで、去年の9月議会で、ここで、こういう施設整備のあり方を認める約2億円の国、県の補助金を出したわけですけども、それがいいのかいうことを私は質問したわけですよ。  そのときにどういう答弁をされているかいうと、部長は、そういう職住分離に違反する懸念ですね、「県の懸念に対しましては、市のほうから、グループホームにつきましては、市内で入居を希望しておられる50歳を超えられた親亡き後の住まいを必要とされる方などを対象といたしまして、通所事業所については、今後、養護学校を卒業する方などを対象とすることなど、両施設を一体で利用する計画ではないという御説明を受けております」と答弁されました。開所2カ月でこんなにも計画と違うことが行われているんですけども、どのような指導監督をされているのか、お尋ねをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  住倉安土元気園につきましては、平成31年──ことしの4月1日に開設をいたしました新規の事業所でございます。通常、県といたしましては、新規の事業所につきましては、事業開始後6カ月から1年半の間に、現地に職員が出向きまして書類の確認、聞き取り等の実地調査を行うこととしておりまして、今後、住倉安土元気園についても同様の形で検査指導等を行っていく予定でございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)滋賀県で初めてこういう施設整備を認めて、開所2カ月でこんなひどいことになっているのに、半年後でないと指導監督に入らないと。これはもってのほかじゃないですか。直ちに現地へ行って、この問題はしっかり指導監督すべきではないですか。部長の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 本件については、できるだけ早く、検査指導を実施していきたいと考えております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)知事にもお尋ねをいたします。  知事も昨年の9月議会、この場で、「住まいの場であるグループホームと日中活動の場である通所事業所を同一敷地内に整備することにつきましては、利用者本人の意思が尊重されずに敷地内で生活が完結してしまい、地域との交流の機会が失われるような運営がなされる懸念があることから、この整備案件についても、これまでと同様、そうした懸念を伝えてきた」と。「この事業者は、通所施設の利用者とグループホームの入居者を分ける計画も出されていたということでございますので、今回は、同一敷地内での整備に対する懸念への対応を確認した上で事務手続を進めた」「累次にわたり事業者に伝えてきた懸念というものがしっかりと改善されたり、また、それぞれの活動の場所が保障されるということとして貫かれるように、私どももしっかり事業者に対して指導監督してまいりたい」と答弁されています。どう指導監査されるんですか。知事にお尋ねいたします。 ◎知事(三日月大造) 今も答弁を引用する形で御紹介いただきましたけれども、住まいの場であるグループホームと日中活動の場である通所事業所を同一敷地内で運営することにつきましては、利用者本人の意思が尊重されずに敷地内で生活が完結してしまい、地域との交流の機会が失われるような懸念があることにつきましては、これまでから伝えてきております。  一方、施設の指定基準におきましては、グループホームと通所事業所を同一敷地内で運営すること、また、そういった場合に同一敷地内のグループホームから通所事業所を利用することに対しても、禁じられているものではございません。  現状の利用者につきましては、その障害特性や入居前の地域性などにより利用する事業所を選択されているものとは考えておりますが、本人の御意思が尊重されずに敷地内で生活が完結することがないよう、確認を行うとともに、必要に応じて支給決定を行う市町と情報を共有しながら、利用者の意思が尊重されるよう指導監督を行ってまいりたいと存じます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)一般論を聞いているんではなしに、今現実に4月1日から開所されて2カ月余りがたって、94%の方が同一敷地内で生活が完結してしまっていると。こういう事態が生まれているのに、どう、今、指導監督されるのか聞いているんですよ。 ◎知事(三日月大造) 先ほど部長も答弁いたしましたように、もう少し状況を見させてくださいよ。そして、それぞれの入居者の方の御意思等も勘案しながら、もちろん、その前にどこにお住みになっていらっしゃったのかというようなことなども状況を見ながら、現在の状況があるということだと思いますので。  しかしながら、今も答弁し、部長も先ほど答弁いたしましたように、当該市ともよく情報を共有しながら、今後もこういった傾向が続くのか続かないのか、内容はどうなのかという確認もさせていただくなど、適切な指導監督を行ってまいりたいと存じます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)前も指摘しましたけども、この職住分離の原則というのは、その大もとは障害者権利条約にあると思います。折しも、この4月1日というのは、滋賀県が障害者差別のない共生社会づくり条例を施行された日なんですよ。そのときにこんなにひどいことが行われているということは、やっぱり直ちに指導監督して是正させるべきだと。  さらにつけ加えて言うならば、定員が30人なのにまだ16人しか入られていないと。先ほど、グループホームが足りないという話がありましたけども、せっかく2億円も補助を出して有効に生かされていないということについても、きちんと指導されるべきだというふうに思います。また半年後にこの問題を取り上げたいと思います。  次に、公選法とポスターの問題について質問をいたします。  都道府県議会議員選挙に係るポスターの掲示場について、公職選挙法はどのように規定していますか。  以下、答弁は全て選挙管理委員会委員長にお願いをいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) (登壇)お答えいたします。  公職選挙法では、都道府県議会議員の選挙におけるポスターの掲示場は、条例で定めるところにより設置することができるとされており、本県においても、滋賀県議会議員選挙におけるポスター掲示場の設置に関する条例により定められ、設置に関する事務は市町選挙管理委員会が行うものとされているところであります。  設置するポスター掲示場の総数については、1投票区につき5カ所以上10カ所以内において算定することとされ、投票区ごとの選挙人名簿の登録者数および面積に応じた数が政令により定められておるところであります。  なお、市町の選挙管理委員会は、投票区の区域、地勢、交通等の特別の事情がある場合には、あらかじめ県選挙管理委員会と協議の上、政令で定められたその総数を減ずることができるとされており、本県の各市町においても、ポスター掲示場は地域の実情に応じた数を設置しているところであります。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)私は一昨年の12月の議会だったと思うんですけども、この公選法違反の政治活動用ポスターの問題を取り上げました。直近の県議選でも、私の選挙区では公選法違反のポスターが選挙中も張りめぐらされ、有権者のひんしゅくを買っていました。この文書図画違反について、事前に県選管から警告がなされたと思いますが、その中で告示日中に撤去されなかったものは撤去命令がされるものと思います。  そのうち、長浜市選挙区における事前の警告および選挙中……。済みません。ちょっともとへ戻ります。委員長、済みません。3番目へ行ってしまいましたので、2番目へ戻ります。  近年、公営ポスターの掲示場が少なくなっていると思います。その数はどのように推移しているのか。県全体および長浜市選挙区の状況について伺います。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えいたします。間違わんといてください。  ポスターの掲示場の設置数は、県全体で、平成23年の県議会議員一般選挙においては5,210カ所、平成31年の一般選挙においては4,821カ所でありました。  なお、長浜市選挙区については、平成23年が656カ所、平成31年は492カ所でありました。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)8年間で県全体では5,210から4,821で、389カ所、93%になっております。長浜市では656から492で164も減らされていると。実に4分の3になっているわけです、75%に。長浜市の自治会の数というのは大体420余りですので、1自治会において1カ所くらいしかポスター掲示場がないというふうな状況に今なっております。  そこで、済みません、3番目へ行きますけども、一昨年の議会で公選法違反の政治活動用ポスターの問題を取り上げましたけども、この県議選でも長浜市選挙区では公選法違反のポスターが選挙中も張りめぐらされて、有権者のひんしゅくを買っていました。  この文書図画違反については、事前に県選管から警告が出され、また、告示日後にも残っていたら撤去命令が出されると思うんですけども、長浜市選挙区における事前の警告および選挙中の撤去命令の状況について、撤去命令の枚数が最も多かった候補者と少なかった候補者がどうであったかを含めて、説明を求めます。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えいたします。  政党等の政治活動用ポスター、いわゆる2連ポスターにつきましては、公職選挙法第201条の14の規定により、告示日のうちに撤去しなければならないと定められております。  県選挙管理委員会は、告示日に先立ちまして、事前に立候補予定者等に対し、3月11日付で撤去されるよう警告の通知を行ったところで、長浜選挙区では、合計2,938枚の2連ポスターについて通知を行ったところであります。  告示日の翌日以降は、長浜市選挙管理委員会が4月2日付で、1,433枚の2連ポスターについて撤去命令を行ったところでございます。  なお、撤去命令の枚数が最も多かった候補者への事前の警告は596枚で、そのうち撤去命令が450枚、最も少なかった候補者への事前の警告は400枚で、そのうち撤去命令が42枚でありました。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)一番少なかったのは私ですけども。これ、結局、総数でいうと約半数が警告を受けたけども、選挙に入っても外さなかったと。この撤去命令が出されて、各事務所に届いたのが4月の3日なんですよ。選挙が始まったのが3月の29日。29、30、31、1日、2日、3日、実に選挙期間中9日間のうち6日間は、この1,433枚のポスターが張られていたと。これは掲示板の数の3倍、4倍なんですよ。  当然、掲示板の数に合わせてみんながポスターを張るわけではないんで、地域を重点を決めてポスター張るわけだから、1自治会に1枚しか掲示板がないのに、そこに50枚も60枚も個人の候補者のポスターが張られていると。こんなことで選挙の公正が保たれているのかということが問題だというふうに思います。こういう著しく選挙の公正をゆがめているという問題に対しては、やっぱり機敏に対応をすべきだというふうに思います。  そして、本来、議員というのは率先して法令を守る立場にあるのに、議員になるときに堂々と法令違反をしていていいのか、こんなことが許される地域でいいのかということが問われていると思います。間近に参議院選挙も控えており、公正な選挙のための努力が必要だと考えますが、今後の対応について所見を求めます。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えいたします。  県選挙管理委員会では、違反ポスターに限らず、選挙が行われる際には、立候補予定者に対しまして説明会等において、公職選挙法を初めとする関係法規を遵守し、秩序ある公正な活動を強く要望するとともに、県選挙管理委員会、県警察本部、大津地方検察庁の3者による共同声明を発しているところであります。  今後とも、県選挙管理委員会といたしましては、市町選挙管理委員会や警察など関係機関と密に連携をし、選挙が公正かつ厳正に行われるよう期してまいりたいと思います。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)私は掲示場の数は多いほどいいと思いますけども、選挙の公正をきっちり保つということは非常に大事なことで、ぜひしっかりとやっていただきたいというふうに思います。  次に、県立高校の日本語指導が必要な外国人生徒について、全て教育長にお尋ねをいたします。  先日の代表質問への答弁に、教育長は、「現在、県内に在籍する日本語指導が必要な外国人児童生徒の数は増加する傾向にあり、こうした子供たちも安心して学ぶことができる教育環境の整備や、そのための指導体制のさらなる充実をはかることが重要であると考えている」と言われました。  県立高校におけるこの問題の対応について質問をするんですけども、まず、県立高校において日本語指導が必要な外国人生徒数は最近どのようになっていますか、お尋ねをいたします。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えをいたします。  日本語指導が必要な外国人生徒につきまして、県立学校におきましては、平成30年度につきましては全体で58名でございまして、最も多い学校では26名が在籍をしておりました。  その前年の平成29年度におきましては全体で71名でございまして、最も多い学校では32名が在籍をしていたところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)先日、長浜北星高校の定時制にお邪魔をしまして、ちょっとお話を伺ってきたんですけども、ここの1学年は7人の日本語指導が必要な外国人生徒がおられまして、ポルトガル語が5人、フィリピンのタガログ語が2人というふうな状況で、先生も大変苦労をされておられました。  そこで、ハートフル支援員というそうですけども、保護者との懇談などの手助けをする支援員をどのように確保、配置されているのか、お尋ねをいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  各学校におきまして実施いたします保護者懇談会などにおきまして、外国人生徒とその保護者と母語により円滑なコミュニケーションを図ることが大切でございます。そのために、必要な知識、また経験をお持ちの方を支援員として委嘱をさせていただいております。  今年度につきましては、中国語、ポルトガル語、タガログ語、スペイン語、韓国・朝鮮語の支援員を合わせて28名委嘱いたしまして、県立学校からの申請に応じまして、随時、各学校に派遣をしているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)北星の定時制も大変苦労されていたんですけども、日本に来たばかりの生徒がいる高校では、先生が生徒とのコミュニケーションをとるのに大変苦労をされています。この点について、どのような支援をされているのか、お尋ねをいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  日本語指導が必要な外国人生徒に対しましては、授業以外の時間を活用いたしまして個別に日本語を指導している学校や、また、独自に日本語という科目を開設し、生徒個々の能力に応じた指導の充実を図っている学校がございます。  こうした取り組みを支援するため、県教育委員会としましては、教員の加配を行いますとともに、該当する生徒が多く在籍いたします学校の取り組みを他の学校と共有できる、そういった機会を設けているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)もうちょっと答弁あるんかと思ったんですけども。  北星の定時制高校では、授業が始まる前の1時間、日本語の指導をされていて、今、加配された教員が日本語の指導をされていました。  どういう教材を使っているのか見せてもらったんですけども、イラストはあるんですけども、全部日本語なんですよ、要するに教科書が。私たちも英語を習うときに、当然、日本語と英語があって初めて理解できるんであって、日本語だけの教科書を日本語が全くわからない子に渡しても、幾らイラストがあっても教材としては活用しにくいと。これ北星高校の先生が独自に探しにいって調達されたそうですけども、そういう母語と日本語が記入してあって、わかりやすい、やっぱり教材を教育委員会としても整備する必要があると。  それから、もう1つは、コミュニケーションがなかなか大変いうことで、今、あちこちでポケトークという自動翻訳機が活用されていますけども、北星高校も1台、何とか調達、工面されたそうですけども、これは県の教育委員会がしっかり予算組んで、やっぱり外国人生徒が多いとこには、先生が日常的にきちっとコミュニケーションとれるように、このポケトークを何台か配備をすると。そんなに予算かかるわけではないんで、ぜひやっていただきたいと思います。  また、ハートフル支援員も28人、しかもそれも片手間でやっておられる状況なんで、もっと充実する必要があると思います。そういう面で支援を強めることが必要だと思いますけども、部長の答弁を求めます。 ◎教育長(福永忠克) お答えをさせていただきます。  外国人生徒が在籍いたします各学校におきましては、教員と生徒がしっかりと意思疎通を図ること、これが一番大切だと考えております。そのためには、日本語の指導の充実を図ること、これが大変重要でございます。  今後も、まずは支援員の派遣、そして教員の加配による支援、これを継続的に行っていくとともに、議員から御指摘のございました自動翻訳機、ポケトーク等の自動翻訳機の導入に向けて、県立学校でどのように使えばいいのかという研究をまずはしっかり進めていきたいと思っております。  また、生徒一人一人で、そのニーズや状況が多種多様でございます。この一人一人のニーズや状況、これをしっかりと見据えて日本語指導の方法、そして日本語指導の教材について取り組む必要があると考えておりますので、各種の研修を通じまして教員の方々の資質の向上が図れるように、また、いい教材を勉強できるように、そういった機会を設けてまいりたいと考えておるところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)よろしくお願いいたします。  最後に、ニゴロブナの不漁についてお尋ねをいたします。  これまで、ニゴロブナの増殖やふなずしの講習会の実施など、県の水産課がリードをして、関係者の努力でニゴロブナの安定した価格と販路の拡張で、漁業者の所得向上がここ何年か図られてきました。ところが、昨年からニゴロブナの漁獲が減り、ことしは昨年以上に不漁となり、この間広がった塩切りぶなやふなずしの需要に応えられないという状況に今なっています。  まずお尋ねしますが、この間、ニゴロブナの増殖対策について、その効果とあわせて説明をしてください。答弁は全て知事にお願いをいたします。 ◎知事(三日月大造) ニゴロブナの増殖対策といたしまして、過去5年間の平均で、全長120ミリまで飼育した種苗約100万尾を琵琶湖へ放流するとともに、水田で育成した全長20ミリの種苗約1,000万尾を琵琶湖へ流下させたところでございます。  また、産卵繁殖場となります水ヨシ帯の造成や外来魚の駆除などを実施しておりますほか、漁業者の皆様には、サイズが小さいものや卵を持たない時期の商品価値の低いニゴロブナの漁獲を自粛する、資源管理にも取り組んでいただいているところでございます。  これらの取り組みにより、ニゴロブナの漁獲は過去最低であった平成9年の18トンから、最新のデータでございます平成29年には56トンに増加してきているところでございますが、水産試験場による漁業者からの聞き取り調査によりますと、昨年からことしにかけて漁獲が低迷している状況を把握しているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)いつからかはわかりませんけども、ここ10年くらいは、今おっしゃったように大体1,000万尾から1,300万尾ぐらいの稚魚をいろんな形で放流して、琵琶湖のニゴロブナをふやしてきていると。その成果があらわれて18トンから59トンにまでふえたと。  過去のデータを見ると、これはニゴロブナだけではありませんけども、1980年代の初頭にはフナだけで900トンの漁獲がありました。今の全漁獲量と匹敵するぐらいの漁獲があったんで、ふえたといっても知れているんですけども、こういう放流や栽培漁業の成果が出て、この間、一定、漁業者の所得向上に貢献してきたと。
     それが、この間ずっと10年来同じような放流をやってきているのに、なぜ去年からことしにかけて、こんなに不漁になっているのか。その原因について、どのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。 ◎知事(三日月大造) 議員のほうがよく御存じだと思うんですけど、漁獲されるニゴロブナは3歳から5歳のものが主であるということだそうですが、水産試験場の調査では、ことしの漁獲シーズンに、3歳と4歳であった平成26年と平成27年生まれの生息尾数が特に少なかったことが確認されており、そのことが影響しているのではないかと考えているところでございます。  その要因といたしましては、全長が約20ミリから約80ミリになるまでのニゴロブナが生き残る割合と、オオクチバス幼魚の生息量との間に相関が見られますことから、オオクチバス幼魚による食害が影響したのではないかと分析しているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)ということは、26年、27年にその稚魚がかなり食害に遭ったいうことだと思うんですけど、来年以降はもとへ戻るいうような観測でよろしいんですか。 ◎知事(三日月大造) お許しいただければ、農政水産部長に答弁を委任させていただいてよろしいでしょうか。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えをいたします。  ニゴロブナのゼロ歳魚の資源尾数の調査によりますと、先ほど知事から答弁しました26年、27年のところは非常に少ないという結果が出ておりますが、現在把握しておりますところでは、28年、さらに29年は、この26、7に比較いたしまして多くの尾数があるということを確認している状況でございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)外来魚そのものが減っているんですけども、単に外来魚だけの影響だけではないということも考えられるのではないかと。水草が減っているいうことも一因にあるのじゃないかなというふうにも思いますけども、ぜひ研究を深めていただきたいと思います。  最後に、全体として漁獲量が落ち込んでいるんですけども、農業・水産業基本計画では、来年度までに琵琶湖漁業の漁獲量を1,600トンに回復すると、平成29年で800トン余りだと思うんですけども、としていますけれども、今のような不安定なアユの資源やセタシジミの不漁、ニゴロブナの不漁などの現状を見ると、この目標は達成不可能だと思われます。  しかし、どう目標に近づくのか、努力と対策が必要だと思いますけども、知事の所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 平成28年に策定いたしました滋賀県農業・水産業基本計画におきましては、令和2年の漁獲量として、漁業が盛んに行われていた平成の初めごろのおおむね半分程度である1,600トンの目標を掲げたところでございます。  この目標達成のため、種苗放流や産卵繁殖場の整備、外来魚駆除などを実施してまいりましたが、平成29年の記録的なアユの不漁もございまして、漁獲量は平成29年の統計で713トンでございます。計画策定時に基準といたしました平成25年の871トンからも減少しており、目標達成は大変厳しい状況であると認識しています。  このような現状でございますが、ことしのアユ資源は平年並みと見込まれますとともに、ホンモロコは南湖で産卵の増加が見られること、加えて、来年度にセタシジミの稚貝放流量を倍増させていただきますほか、現在実施しております種苗放流などの取り組みを着実に継続することを通じまして、漁獲量の増加に結びつけていきたいと考えているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)私、1970年代の初めごろから漁師をしたんですけども、その当時は大体年間6,400トンぐらいありました。それが今700トンから800トンいうことで、実に8分の1くらいに落ち込んでおります。  こういう深刻な今の現状に対して、やっぱり試験研究をもっと強めることと、いかに回復するためにどのような努力をするかいうことをいろいろと工夫していただいて、ぜひ努力していただきたいということを要望して、終わります。(拍手) ○議長(生田邦夫) 以上で、13番杉本敏隆議員の質問を終了いたします。  次に、6番清水ひとみ議員の発言を許します。 ◆6番(清水ひとみ議員) (登壇、拍手)それでは、あらかじめ通告してあります3項目について質問させていただきます。  1項目めは、交通事故の未然防止で安全、安心の滋賀を築くことについてお伺いいたします。  5月8日の大津市大萱6丁目交差点での交通事故およびその後県内で続けて起こっている事故でお亡くなりになった方々に心よりお悔やみを申し上げるとともに、今なお治療中の方々に心よりお見舞いを申し上げます。  5月8日の事故は地元でもあり、地域の皆様から多くの声をお聞きし、公明党滋賀県議団から、5月9日、交通安全対策の強化を求める緊急要望書を知事に提出いたしました。保育園児や幼稚園児の通園および園外での活動中の安全対策、自動車の右左折による事故防止のための信号システムの改善、歩行者を守るためのガードレールや金属製ポールなどの設置、そして、歩行者安全第一の運転ルールやマナーの徹底などを要望いたしましたが、進捗状況について、知事にお伺いいたします。  あわせて、石井国土交通大臣に直接要望に行かれたとお聞きしましたが、その内容と結果についても知事にお伺いします。  幼い命が突然失われた深い悲しみは、言葉で言いあらわすことができません。地域の皆様から、事故への驚き、悲しみ、苦しみの声をお聞きする中、二度と繰り返してはならないとの決意を私自身も強く持ちました。幼い子たちの生きたあかしを、今後、滋賀から交通事故未然防止への県民意識変革に取り組むことで示していかなくてはならないと考えます。  事故後に、知事は県民の皆さんへのメッセージを発表され、緊急の安全対策工事にも取り組んでいますが、一過性の安全対策であってはならないと考えます。私たちは、このたびの事故を忘れない、風化させないとの強い気持ちを持ち続けていきたいと思います。  そこで、2点目として、今後、県民の命を守る継続的な交通事故未然防止の取り組みについて、知事のお考えをお伺いします。  次に、アクセルとブレーキの踏み間違いや高速道路の逆走など、高齢者の交通事故の報道が相次いでいます。  6月4日に内閣府の調査が発表されていましたが、その60歳以上を対象に実施された調査で、回答した80歳以上の4人に1人が車を運転しているとの結果が出ました。電車やバスといった公共交通機関が限られ、車は買い物や通院などに欠かせない生活の足となっていることが裏づけられた形です。  警察庁が発表した運転免許統計によると、平成30年の全国の運転免許保持者数は約8,230万人、そのうち全体の13.7%に当たる約1,130万人が70歳以上のドライバーで、平成30年は、そのうち約37万6,000人が自主返納をされたそうです。  滋賀県においては、平成30年は13万4,678人が70歳以上のドライバーで、そのうち4,304人の方が自主返納されています。確かに自主返納も一つの安全対策ではありますが、安全な運転をされている高齢者にまで、免許の自主返納という圧力がかかってしまっているのではないかと考えます。  国立長寿医療研究センターによると、運転をやめた人は、やめなかった人よりも要介護状態になる確率が8倍近く高いとのデータがあるそうです。これらのことからも、免許返納後も元気に活動するための交通機関をどうしていくのか。このことを各地域の実情に合わせた見通しがある上での免許証の返納促進でないといけないと考えます。  本県におきましては、平成29年度に人口減少を見据えた公共交通のあり方検討はされましたが、日常生活を維持するための公共交通のあり方をさらにきめ細かく検討し、一日も早く具体的に実行に移していくことが必要だと考えます。  知事は、目指す滋賀県政として、健康しがと常々言われています。小さな子供から高齢者まで、安心して暮らせてこそ健康しがです。  3点目として、滋賀県の現状から、高齢者を初め、地域での日常生活を保障するための公共交通の将来設計について、知事の決意をお伺いします。  以上で1項目めの質問を終わります。 ○議長(生田邦夫) 6番清水ひとみ議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)交通安全対策について、3点御質問いただきました。  1点目、緊急要望書の進捗状況、国土交通大臣への要望についてでございますが、まず、緊急要望書の1項目め、保育園児や幼稚園児の通園および園外での活動中の安全対策につきましては、園外保育等の重要性を踏まえつつ、日常的に利用する散歩の経路について、危険性の有無や交通量等を確認の上、児童の安全確保に努めていただくことを要請するため、事故後、速やかに市町や保育所等に注意喚起文書を発出したところです。  現在、保育所等における各市町の対応状況や対策を進める上での課題について集約を行っており、その集約結果を市町間で情報共有するとともに、必要に応じて国へ要望を行ってまいります。  2つ目、自動車の右左折による事故防止のための信号システムの改善につきましては、信号の視認性を向上させるため、警察が事故交差点を含め、信号灯器のLED化を推進しているところでございます。  3つ目、ガードレールや金属製ポールなどの設置につきましては、事故交差点では防護柵の設置等を6月16日に完了したところでございます。また、交通量の多い交差点を対象に安全確認を行い、現在、歩行者交通量や通学路指定の有無等の利用実態を踏まえまして、対策の検討を進めているところでございます。  4つ目、運転ルールやマナーの徹底につきましては、5月10日に県民宛ての知事メッセージを発出し、その後、警察等と共同での街頭啓発、テレビなどのマスメディアを活用した啓発を実施いたしましたほか、高齢者交通安全指導員養成講座や幼児指導者研修会で、今回の事故を踏まえた内容の研修を実施したところでございます。  次に、国土交通大臣への要望につきましては、私からは、県が行う交差点の安全確認結果に基づく対策への財政的な支援、園児等の移動経路などにおける今後の交通安全対策に関する支援の強化、特別の予算の確保についてお願いしたところでございます。大臣からは、関係閣僚会議において内閣総理大臣から対策の指示があった旨、御紹介いただき、しっかりと対策するとの前向きな御回答をいただいたところです。  その後、御案内のとおり、6月18日に第2回関係閣僚会議において、未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策として具体的な取り組みが決定されたところであり、要望の内容を速やかに反映いただいたものと考えているところでございます。  次に、2点目、県民の命を守る継続的な交通事故未然防止の取り組みについてでございますが、県民の命を守ることは県の重要な使命であるとの認識のもと、ハード、ソフト両面で交通安全対策に全力で取り組んでまいる覚悟でございます。  これまで取り組んでまいりました歩道整備、交差点改良などの道路交通環境の整備、研修会の開催、交通安全運動や各種イベントによる啓発、また、警察等で行っていただいておりますが、免許更新時等の講習での重点教育など、今後、それぞれの取り組みレベルを一層引き上げて実施してまいります。  特に、子供を交通事故の被害から守るための移動経路の安全確保および高齢者の安全運転対策に重点的に取り組んでまいります。  3点目、公共交通の将来設計についてでございますが、本県では、運転免許保有者のうち高齢者の占める割合、運転免許証の返納件数ともに増加傾向にございます。少子高齢社会において地域の活力を維持活性化するためには、地域の実情に合った新しい公共交通の仕組みづくりが必要であると認識しています。  このため、バス、タクシー等の利便性向上、自動運転を初め新たな技術やシステムの活用、公共交通を社会全体で支える費用負担のあり方等について検討してまいります。  その一環といたしまして、定額料金制度の導入を目的とした市町、大学、交通事業者等との連携によるバス乗り放題の社会実験など、バスの利用促進とビジネスモデルの構築に向け、より実践的な取り組みを継続的に実施してまいります。  さらに、次世代を担う子供たちが公共交通を身近に感じ、自発的に利用するための意識づけを図ることを目的に、小学校等でのモビリティ・マネジメント教育のより一層の充実にも努めてまいります。  誰もが行きたい場所へ行くことができ、生き生きと暮らしていけるよう、県、市町、交通事業者、県民が連携して公共交通の仕組みを検討し、次の世代へとつなげることができる滋賀モデルを構築してまいりたいと考えております。 ◆6番(清水ひとみ議員) (登壇)御答弁ありがとうございました。再問をさせていただきます。  まず、要望に関して、いろいろ進めていただきましてありがとうございます。その中で1点なんですけども、まずは、交通量の多い交差点からということが先日来からずっと繰り返されていて、このことがすごく私自身ひっかかっているというか、今回の大萱の事故に関しましても、起こってからすぐに警察のほうに尋ねましたら、過去5年間で非常に実際に事故の量というのは少なかったところであるということをお聞きいたしました。  そういうことを聞いたときに、やはり交通量が多いことだけにこだわらず、まさかに備える、まさかこんなところでということに備えることについてのちょっとお考えをお聞きしたいと思います。それが1点。  そして2点目は、ハード、ソフト両方、レベルを上げて取り組んでいただくということで非常に頼もしい限りなんですけれども、その中でも、特にこういったことが薄れないように、継続的な取り組みと言わしていただいたのは、やはり薄れないように、皆、誰もが取り組んでいくということが大切だと思うので、それはどのようなチェック方法を考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。  最後1点、新しい定額料金制であるとか滋賀モデルということで、非常に力強い御意見いただきました。  私も先日、大津湖南地域の交通施策に関する研究発表大会、聞きに行かせていただきまして、あっ、こんなふうに取り組んでくださるんだなというのはよくわかったんですけれども、ただ、目途として具体的な取り組みをやはり始めていかないと、なかなか、いろんな研究は進んでいると思うんですけれども、知事の中で、1つ、例えば国体のころを目指すとか、何か目標点ございましたら、ぜひ教えていただきたいと思います。以上です。 ◎知事(三日月大造) まず1点目、交通量の多い交差点だけでいいのかということだと受け取らせていただいたんですが、まず、今回、悲しくもああいった事故が起こった当該交差点、ここの対策を講じました。そして、ほかにも危ない箇所があるのではないか、それはもちろんいろんな種別で分類することが必要なんですけれども、まずは、交通量が多いゆえに発生確率も高いであろうということから、県管理の交通量の多い交差点をまず対象とさせていただきました。  しかし、従来から事故が発生して対策を講じなければいけない箇所もございますし、これは順次やってきていますが、かつ、この交通量には満たないけれども、危険箇所として指摘されているような箇所等も、これは市町やその他の場所においてもあろうかと思いますので、こういったこと等につきましても、今回、さまざま市や町とともに共有しながら、今後どのような対策を講じていけばいいのか、また、どんなスケジュールでそれらをやっていけばいいのか、国においても一定財政措置等も検討されているようでございますので、そういったものも見ながら、できるだけ早く必要な対応がとれるように努めてまいりたいと存じます。  また、2つ目は、啓発活動等で今回の事故のそういった記憶が薄れないようにという、こういったことがございました。  おっしゃるように、こういった悲しい事故を教訓にして対策をとることは大変重要だと思います。それぞれの場面、それぞれの機会などに、今回起こった幼い子供の命が奪われてしまった、一瞬にして奪われてしまった、奪われると思ってなかったのに亡くなってしまったという、こういった状況をしっかりと皆さんに知っていただいた上で、安全運転や注意などをしていただくように呼びかけていく、このことは大変重要だと思います。  したがって、先ほど申し上げましたさまざまな研修機会やさまざまなイベント等で、こういったことを、できるだけ被害者等を傷つけない形でいろんなものに配慮しながら、お知らせをしてまいりたいと考えているところでございます。  また、公共交通のさまざまな取り組みをどの時期を目指してやるんだ。これはさまざま状況があると思うんです。例えば、御視察いただいた大津湖南地域はまだ当面人口がふえる、比較的多くのツールがあり人が乗られるという、そういうところの公共交通、また、山間部や人が少なかったり高齢化が進んでいたり過疎化が進んでいるという地域での公共交通、さまざまございますので、やはり公共交通というのは生活交通であるとすれば、日々の、また、できるだけ早く対応、対策が必要な、そういった課題ではないかなと認識しています。  ただ、一方で、県、市町、そして交通事業者、利用者、さまざまな主体があるがゆえに、一定のやはり合意形成なくして物事が進まない。何か一方的に強制的に決めればそれで動くかというとそういうものでもない。かつ、いろんな技術の進展、規制改革が計画されているという、こういう状況もございます。  しかし、できるだけ早くこういったものが県内においても試行されたり、社会実験されたり、本格的な制度として導入されるよう取り組みを加速化させていきたいと思っておりますので、そういう意味でも、社会実験などは積極的に行っていこうと取り組んでいるところでございます。ぜひ、こういった点から、また引き続きよろしく御指導、御支援賜れれば幸いでございます。 ◆6番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、次の質問に移ります。  2項目めは、母子手帳について、健康医療福祉部長にお伺いします。  1942年に、戦時下での母子の健康保持のため、妊産婦手帳が誕生しました。昨年は、1948年に妊産婦手帳から母と子の記録を一冊の手帳にまとめるという母子手帳になってから、70年の節目の年でした。終戦直後の貧困と物資不足の時期に、母と子の命を守り、食糧配給の記録としても活用された母子手帳が、今では世界40以上の国や地域に広がり、誰ひとり取り残さない持続可能な開発目標、SDGsを目指した活動に貢献しています。  母子手帳は、1991年から交付事務が都道府県から市区町村に移譲され、各自治体により、名称やデザインを初め中身についても、一生の健康記録ができるようにしたり、独自の工夫を凝らしたものもふえてきました。また、最近では、電子母子手帳アプリの導入も市町によってはされています。  あるお母さんから、県内で転居後、第2子を出産され、上の子の母子手帳とはサイズも中身も違い、2人目の子供の母子手帳のほうが使いやすいとお聞きしました。  そこで、本県として、県内市町による母子手帳の拡充についての把握や情報交換はどのようにされているのか、お伺いします。  2点目、低出生体重児の育児支援のための手帳についてお伺いします。  早産などにより2,500グラム未満で生まれた子を低出生体重児と言います。厚生労働省の発表によると、2017年に生まれた低出生体重児は8万9,353人、滋賀県では1,095人です。年間の出生数の1割近くに上ります。この20年間で出生数は減少していますが、低出生体重児の割合は増加しています。もちろん小さく生まれても元気に育つ赤ちゃんが多いですが、若いお父さん、お母さんとしては子育ての不安は大きいものです。  2016年に開催された第10回母子手帳国際会議の中で、「低出生体重児の子供を持つ親にとって母子手帳は残酷だった」とのスピーチがあったそうです。というのも、母子手帳の中にある乳児身体発育曲線は1キログラムスタートで、小さく生まれた乳児の記録はできないからです。私もある方から、3人の子供がいるけれど、最初の子供は低体重で生まれ、母子手帳に記入もできず、悲しく、すごく不安だったと、当時を振り返ってのお話をお聞きしました。  そこで、不安の中で育児を始める親御さんの支援のため、静岡県は低出生体重児向けの母子手帳「しずおかリトルベビーハンドブック」、熊本県では「リトルエンジェル手帳」、長野県では「たいせつなきみ」を作成されました。どれも医療機関と連携したすばらしい手帳です。静岡県では、赤ちゃんの成長を実感し、成長をうれしく思える手帳、地域で成長を見守ることができる手帳として作成されたとお聞きし、すばらしいと思っています。  不安な中で育児を始める親御さんのために、成長記録や通院記録など、低出生体重児のため現在の母子手帳には記入できない赤ちゃんの手帳は、長野県や静岡県のように滋賀県でもぜひとも一括して作成し、育児支援につなげていくべきだと考えますが、見解をお伺いします。  3点目、ダウン症児の育児支援の手帳についてお伺いします。  愛知県におきましては、本年、全国の自治体で初めて、ダウン症の赤ちゃんを持つ保護者に安心と励ましを送る手帳、子育て手帳「+Happyしあわせのたね」の配布を始めました。この手帳は、愛知県内に在住のダウン症の子を持つ保護者の方が中心となって、母子健康手帳を補完する手帳として作成され、成長に個人差のあるダウン症児の発育や発達を記録するためのページのほか、先輩ママやパパからのメッセージなどが掲載され、育児不安の解消にも役立つものになっています。  滋賀県においても、ダウン症の赤ちゃんの成長に合わせた手帳の作成をぜひともしていただき、子育て支援につなげていくべきだと考えますが、見解をお伺いします。  以上で2項目めの質問を終わります。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)母子健康手帳について、3点の御質問をいただきました。  1点目の母子手帳の拡充などについての県の取り組みについてでございます。  母子健康手帳は、基本的には妊産婦と就学前の子供の健康記録を目的としたものでございます。現在、大津市ではそのサイズを一回り大きく変更しておられますほか、県内の10の市町において、独自に小学校入学以降も身長・体重測定の結果や予防接種、歯科健診結果を記録するための追加記録欄を設けられるなど、健康記録を継続して管理できるような取り組みが行われているということを、市町への調査により県も承知をいたしております。  また、県では市町の担当者会議におきまして、母子健康手帳の効果的な活用等について情報提供も行っているところでございます。  今後は、国におきまして乳幼児健診や予防接種等の母子保健情報の利活用を推進するために、マイナポータルを活用いたしまして、みずから子供時代の健診、予防接種等の情報を閲覧できる仕組みを来年6月から運用することを目指しておられますことから、それらの動向も踏まえながら、母子健康手帳の活用や、あるいはICT化につきまして、必要な情報交換を市町等と行ってまいりたいと考えております。  2点目の低出生体重児のための手帳についてでございます。  低出生体重児支援といたしましては、議員から御紹介のありましたとおり、静岡県や熊本県、長野県で独自に専用手帳の発行などに取り組まれていると承知いたしております。  また、県内の市町におきましては、東近江市さんが小さく生まれた赤ちゃんの育て方のパンフレットを作成され、新生児訪問のときに活用しておられるほか、大津市におかれましても昨年度から、低出生体重児の身体計測の記録ができる様式について検討を進めておられるとお聞きをしております。  現在の母子健康手帳を活用しにくい1,000グラム未満のお子様が、平成29年では23人お生まれになっておられます。他県の例なども参考にしながら、まず、どのような対応ができるのか、県内市町と意見交換をしてまいりたいと思っております。  3点目のダウン症の赤ちゃんの手帳についてでございます。  議員から御紹介のありましたとおり、愛知県ではダウン症のお子様を持つ保護者のために、福祉制度の紹介や先輩ママやパパからのメッセージが掲載されております手帳を配布しておられることは承知しております。愛知県で配布されております手帳は日本ダウン症協会が作成されたものでありまして、同協会から取り寄せることができますほか、ホームページからダウンロードすることもできるようになっております。  また、県内全市町の状況を把握しているわけでございませんが、一部の市町では、住民から相談がある場合に、その手帳を紹介しておられるとお聞きしております。  県立小児保健医療センターの療育部で実施をしております教室でもその手帳を活用されておられ、育児不安の解消につながっているとお聞きをいたしておりますことから、その有用性につきましては、市町や関係機関に広くお知らせをしてまいりたいと考えております。 ◆6番(清水ひとみ議員) (登壇)御答弁ありがとうございます。少し再問させていただきます。  母子手帳は市町が配布をするんですけれども、10年に1度、厚生労働省の改訂があって、それは一番初めのできた年から、母子手帳になってからではなくて、その一番初めの手帳から10年刻みでおおむねされているようなので、今度されるのが、2012年にあったので、その10年後、間もなく、あと二、三年でされると思うんですけれども、そのときに、かなりやはりこの10年で子供さんの体格とかも変わっていますし、また、アレルギーの子供さんがふえたりとか、いろいろなことがあるので変わってくると思うんですけれども、この母子手帳というのは本当に子育ての第一歩、妊婦のときから本当におなかの中で赤ちゃんを育てながらということなので、その配布とか作成実態が市町であったとしても、滋賀県として、滋賀県の子供たちの子育て支援、ネウボラということもよく言われていますので、その第一歩として本当にリーダーシップをとっていただきたいなと思います。  何か今お聞きをしていると、必要な情報交換をしていくとか、どのような対応ができるか意見交換をという、ちょっと一歩下がったような感じがするので、滋賀県の子供たちがおなかの中にいるときから本当に幸せに育ってくれるように、そういうふうに、もう少し前に出てぜひ進めていただきたいと思うんですけれども、もう一度、見解お聞かせください。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  議員のほうからただいま御指摘ありましたように、まず何よりも、滋賀県内でこれから出産を控えておられる方あるいは子育てをしておられる方、安心して健やかな子育てができるということを我々いつもまず第一に目指して、念頭に置きながら、ただ、市町で取り組んでおられることもあります。情報交換、いろいろ市町との意見交換というのはまず必要だとは思っておりますが、気持ちとしては、やはり県内の皆さんの健やかな子育てというものを第一に進めるという強い気持ちを持ちまして、いろいろと事業検討に当たっていきたいと考えております。 ◆6番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございました。
     次の質問に移ります。  3項目めは、未来を拓く全ての子供の保育と教育についてお伺いします。  幼児教育、保育の段階で、日本では幼児の5%が幼稚園にも保育園にも通っていない現実があり、ことしの10月から実施される幼児教育・保育の無償化により、全ての子供に、読み書きだけではなく、集団の中で人と接し、感情を上手に使って能動性を引き出す幼児教育・保育が受けられるようにと願っております。  中でも外国人の認可外保育施設の今後について、多くの御心配の声をお聞きしています。本来なら認可保育所や幼稚園に通園できればいいのですが、保護者の多くが非正規雇用で安定しないゆえに、日本への渡航費用の返済などのために長時間労働もやむを得ない状況があると、5月に愛荘町のコレジオ・サンタナ学園にお伺いしてお聞きしました。サンタナ学園では、市町を超えて、早い子供は朝5時からこの保育施設で過ごしていることがわかりました。  本県においては、今年度、子ども・青少年局内に子育て支援室が設置され、本年3月末の数字ですが、県内に107ある認可外保育施設を立入調査し、安全な保育環境を提供できるよう資質向上に努め、さらには、5年間の経過措置期間中に、幼児教育・保育の無償化の対象となる指導監督基準を満たすよう指導を行うとお聞きしました。  外国人の認可外保育施設においては、認可施設を目指すといっても、配置基準を満たす保育士の育成など大変難しいという現状があります。しかし、滋賀で生まれ滋賀で育つ外国人の子供たちのことを思うと、外国人保育施設の継続運営は必要不可欠だと考えます。  そこで、5年間の経過措置期間で外国人の認可外保育施設が課題を乗り越えていけるよう、伴走型の支援が必要だと考えますが、健康医療福祉部長の見解をお伺いします。  2点目、発達障害児への支援についてお伺いします。  本県において、平成29年の特別支援教育に係る実態調査の結果、通常の学級における発達障害等の児童生徒在籍割合が11.27%と全国に比べて高く、年々増加していることがわかりました。あわせて、通常の学級における児童生徒の支援の状況は、学級担任による支援、配慮が91.7%と、チームティーチングと呼ばれる複数指導や少人数指導による支援や、特別支援学級への通級による指導をはるかに上回る状況であることがわかりました。  そこで、教員の発達障害に対する理解促進と専門性の向上、通常の学級における発達障害等による学びにくさのある児童生徒への効果的な指導方法の確立が必要であり、本年度新規事業として、学びにくさのある子供への指導充実事業に取り組まれることは高く評価し、大いに期待するところです。  そこで、この事業の中でぜひとも先駆けて取り組んでいただきたいことが、目標の一つに掲げておられる授業のユニバーサルデザイン化などにより、わかりやすい授業への改善を目指すことです。  一昨年度、読み書き困難を伴うディスレクシアである中学生の保護者の方から、県立高校の受験時における合理的配慮の御相談を受け、県教育委員会と受験高校との話し合いの結果、無事、受験することができました。  しかし、この文字の読み書きに困難を伴う学習障害は、ただ単に字を大きくするだけでは本人の読みにくさは変わらず、行間や文字のフォントに配慮が必要だと言われています。入試のときのみならず、大切なのは日々の授業であることは今さら言うまでもないことです。  今年度、全国に先駆け、奈良県教育委員会と生駒市でユニバーサルデザイン──UDフォントを導入されました。本県においては、学びにくさのある子供への指導充実事業も始まるのですから、ぜひともユニバーサルデザインフォントを導入し、子供への支援につなげてほしいと考えますが、教育長の見解をお伺いします。  3点目、夜間中学の開設についてお伺いします。  夜間中学の設置については、これまで公明党滋賀県議団といたしまして、平成27年12月議会で夜間中学の整備と拡充を求める意見書の提出、平成29年2月定例会議で、粉川清美前議員から夜間中学などの就学機会の提供について質問してきました。  本県におきましては、平成28年度に滋賀県中学校夜間学級の設置に関する検討会を立ち上げ、調査研究を進められた結果、特に中学校夜間学級のニーズがあると回答した市町がなく、現時点では中学校夜間学級の設置を進める状況にはなく、地域の実情に応じた教育支援の充実が望まれると結論を出されました。  しかしながら、昨年──平成30年12月には、外国人材の受け入れを拡大する改正出入国管理法の成立を受け、政府が受入れ・共生のための総合的対応策を決定し、この中でも、日本語教育などの充実へ夜間中学の設置促進が明記されました。文部科学省は、2016年に成立した教育機会確保法によって、各都道府県に最低でも1校は設置されるように促進しています。  義務教育の未就学者は少なくとも約12万8,000人もいると推定されていますが、そのうち夜間中学に通っている人は2017年度で1,687人にとどまっており、今のところ、ボランティア団体などが運営する自主夜間中学が民間の側から教育機会の確保を支えている状況です。  ニーズがないということに関しては、東京都内の中学校に設置された夜間中学の校長が、「夜間中学のニーズは設置してみなければ表面化しないことが多い。ニーズがあるから設置するのではなく、設置しなければニーズを掘り起こせない」と言われており、大きく共感するところです。  さまざまな事情で義務教育を修了できなかった人を初めとして、不登校のためにほとんど小学校、中学校に通えなかった人や、本国で義務教育を修了していない外国籍の人など、今からでも学びたい、もう一度学び直したいという切実な思いに応えることができるのが夜間中学です。  さまざまな事情で学べなかった人や、もう一度学び直したいと思っている人を、一人も置き去りにしない滋賀であってほしいと思います。夜間中学の設置は、単に学ぶ場をつくるだけではなく、温かい社会をつくっていくことにつながると考えます。  本年2月、東京に続いて大阪で文部科学省の夜間中学設置推進説明会が開かれ、合わせて72自治体が参加され、滋賀県も参加されたとお聞きしています。  そこで、説明会参加後の協議などをされたのか、教育長にお聞きするとともに、滋賀県でも夜間中学の設置を進めていくべきだと考えますが、教育長の見解をお伺いします。  以上で3項目めの質問を終わります。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 子供の保育と教育についての3点の御質問のうち、私にいただきました外国人の認可外保育施設への支援についての御質問にお答えをいたします。  現在届け出をされております外国人の認可外保育施設は県内に4カ所ございます。今年度は、当該施設も含め、全ての認可外保育施設に立入調査を行いまして、国の指導監督基準を満たすよう指導助言を行うことといたしております。  特に、外国人の認可外保育施設への立入調査の実施に当たりましては、指導内容を正しく伝えますとともに、施設が抱える課題等の相談にも応じられるよう、施設関係者や市町の協力を得まして、通訳の方に同行いただくことといたしております。  また、保育内容の充実、質の向上に向けまして、今年度から認可保育所等に派遣をいたしております教育・保育指導員を認可外保育施設にも派遣し、指導助言を実施してまいります。  今後とも、施設関係や市町と協力し、施設に寄り添いながら、そして外国人保育施設の持つ課題も踏まえながら、どのような支援ができるのか、さまざまな観点からともに考えてまいりたいと思っております。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)未来を拓く全ての子供の保育と教育について、私にいただきました2点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の読みやすさへの配慮としてのユニバーサルデザインフォントを導入することについてでございますが、ただいま議員から御紹介をいただきました、学びにくさのある子供への指導充実事業につきましては、小中学校における学びにくさのある子供たちへの効果的な指導方法について、発達障害支援アドバイザーやスーパーバイザーがモデル地区に対しまして指導や助言を行い、効果的な指導事例を研究し、それを県内の他の学校に普及させていくものでございます。  全ての子供たちにとってわかりやすい授業を目指す中で、文字とともに、絵や図など視覚情報を活用するなどの読みやすさへの配慮につきましては、学びにくさのある子供への手だての一つとして大変重要であることを、本事業を通じまして発信していきたいと考えておるところでございます。  また、読みやすさに配慮することは、全ての子供たちの学びを充実させるためにも大切でございます。そのため、まずは全ての教員が子供一人一人の学びにくさについて十分理解し、子供たちにとって読みやすいものになっているかどうか、このことを意識することが必要でございます。  このように読みやすさに配慮した取り組みの一つとして、ただいま議員から御紹介のありましたユニバーサルデザインフォント──UDフォントの活用につきましても、導入されておられる他県の実例等の情報収集に努めながら、今後、県教育委員会としても研究してまいりたいと考えておるところでございます。  次に、2点目の滋賀県における夜間中学の設置についてお答えをいたします。  先ほど議員の御質問の中にございましたように、全ての人が学びたいと思う気持ち、これをしっかり受けとめることが私たちにとっても大切なことだと考えております。  夜間中学は、学び直しを希望する方や外国籍の方など多様な生徒を受け入れる役割を担っておりますことから、県教育委員会といたしまして、平成28年度および平成30年度に、そのニーズを把握するため調査を実施いたしました。それらの調査におきましては、「ニーズがある」と回答いただいた市町はございませんでしたが、ニーズの有無にあるなしの「判断ができない」と回答された市町が、平成28年度は11、平成30年度は10の市町がございました。  こうした中、ことし2月に行われました国の説明会におきましては、夜間中学設置に係るニーズ調査のガイドラインについて御説明があり、また、他府県の取り組み事例についても紹介がございました。こうした動きを受けまして、本県におきましても、他府県で既に実施されておられる調査事例等を参考に、改めてニーズ調査の対象や方法、またその規模等について検討を始めているところでございます。  今後は、こうした検討をもとに、これまでの調査でニーズの有無について「判断できない」とされた内容につきましても十分分析しながら、潜在的なニーズを一層把握できますように、市町の教育委員会や少年センターあるいは国際協会等の関係機関と連携しながら、県教育委員会として調査を進めてまいりたいと考えておるところでございます。 ◆6番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございました。再問させていただきます。  健康医療福祉部長に、外国人の保育施設に対しまして通訳の方やまた保育指導員の方をつけていただける配慮、非常にうれしく思いますが、きょうこの中で言わしていただいたのは、5年というやっぱり区切りがあって、その中で伴走型の支援をぜひともお願いをしたいというふうに言いましたので、あっという間に5年、例えば立入調査というか、いろんな御相談に行っていただけるのがそんなに何度もは難しいと思うので、この5年間、例えば文科省が2年という一つの見直しのところを言っていると思うので、そういったところに一つの何か成果を出すとか、ここまで進めていくとか、何か、今時点、5年をもう少し区切った形でのお考えがあれば、お聞かせをいただきたいと思います。  それと、教育長に2点お聞きしたいと思います。  UDフォントについては今後研究をしていくということでございましたけれども、これ実際に生駒市ではことしの2月に実験をされて、障害のあるなしにかかわらず、全ての子供たちが非常に回答しやすかった、正答率が高いという結果が出ています。  もう1つ問題なのは、自分が読み書きに困難があるという自覚をするのがある程度大きくならないとわからないので、今までは、私も教員経験ありますけれども、何かノートをとらないということが、きちんと読めてないからだというところになかなか教師の側がつながっていない、そういう課題があると思います。  ですので、研究をしていただけるのもうれしいんですけれども、いち早く例えば何かプリントでやってみるとか、そういう実際に運用する中での子供たちにプラスに働くような形でやっていただけたらと思います。  それともう1点。夜間中学については、ニーズ調査のやり方をもう一度というふうにおっしゃっていただいたんですけれども、先ほど質問の中でも言わしていただいたように、設置をしなければニーズを掘り起こせないという、実際に中学校を運営されている校長先生も言っておられますし、なかなか自分から進んでいきたいじゃなくて、心の奥底に、勉強できなかったけれども実はしたいという、その気持ちを私は大切にしていくことが必要なのではないかなと思いますので。設置をする方向で検討してくださるのか。そのニーズ調査をもう一度してくださるのも結構ですけれども、滋賀県は本当に温かい社会づくりのために、みんなが学べる夜間中学を設置する方向での調査なのか、もう一度お聞きしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  議員がおっしゃいました5年間というのは、幼児教育・保育の無償化に当たりまして、認可外保育施設については5年間は指導監督基準を満たさなくても無償化の対象となりますが、5年が経過いたしますと、基準を満たさない限り無償化の対象とならないという意味の期間だと承知しておりますが、ただ、認可外保育施設の国の指導監督基準というのは本来満たしていただくのが大原則であろうと理解しておりますので、その意味では、2年後、3年後と言わずに、直ちにでもやっぱり基準は満たしていただくという姿勢で考えたいと思っております。  ただ、5年後に満たせていないと無償化の対象から外れるという現実もございます。また、先ほど議員からも御紹介のありましたとおり、外国人の認可外保育施設は特有のいろんな事情も持っておられるということも承知いたしております。その辺も踏まえながら、やはり5年後の期間というのを一定考えながら、いろいろな支援といいましょうか、御相談をしていきたいというふうに考えております。 ◎教育長(福永忠克) 2点の再問にお答えをさせていただきます。  まず、UDフォントの件でございます。  先ほど申し上げましたように、現在は奈良県生駒市のほうで取り組みが進められておるということを、私も新聞報道ではございますが存じ上げております。新聞報道を見ますと、確かに、見やすい、わかりやすい文字を使われておるなというのは認識をいたしております。  ただ、全ての子供たちに対して、どういう学びにくさのある子供たちに対して支援していくのかというのは、子供一人一人にとってやはり対応が違ってくるということもあると思います。そういうことを含めまして、まずは今年度は学びにくさのある子供たちへのいろいろな研究を進めておりますので、その中で、このUDフォント、生駒市が実際に今年度から使われて、どういうような効果があらわれてくるのか、やはりここをまずはしっかりと見据えながら、滋賀県における導入を考えていくというステップを踏ませていただければと考えておるところでございます。  それから、2点目の夜間中学でございます。  平成22年の国勢調査における15歳以上の未就学者数、先ほど、委員から12万8,000人という全国の数字がございました。本県におきましても1,443名という数字が、平成22年の国勢調査では一つの数字として出ております。  そういった中で、先ほども申し上げましたが、どういったやはりニーズが本当にあるんだろうか、ニーズが全くないのに設置が果たして進められるだろうかという点もあろうと思います。そういった意味におきまして、まだまだ潜在している潜在的なニーズをどうしたら掘り起こせるかということで、潜在的なニーズをしっかりと把握した上で、そのニーズの状況を見据えて、次のステップに進んでいくという形をとらせていただきたいと思っております。まずはそのニーズ調査を進めさせていただきたいと考えておりますので、御理解いただきますよう、よろしくお願いをいたします。 ◆6番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。すいません、教育長、もう一度だけお願いします。  その潜在的なニーズがどれだけあるのかということなんですけれども、不登校であった子供さんたちが、例えば青年期になって実は学びたかったという、その声を発することというのは非常に難しいかなと思います。今、ひきこもりのことも課題になっていますし、社会との接点をいろんな形でつくっていくというのは、私は行政の役割の一つだと考えています。  その意味で、やはり前向きに、28年度でニーズがなかった時点で、地域の実情に応じた教育支援の充実と言われても、その後、滋賀県でこれにかわるような何かをされたということは聞いてもおりませんので、やはり本当に一人一人違ったっておっしゃいますけれども、その1人の人を救うためにも前向きに取り組んでいただきたいと思います。もう一度、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(福永忠克) 私といたしましても、やはりもう一度学びたいと思っておられる人のその思いに応えることは、先ほどの答弁でも申し上げましたが、非常に大切なことだと思っております。  それで、例えば市町で判断できないという理由の中でも、ひきこもりのケースなどにおきまして、ニーズがあるかもしれないけれども、どういうふうにしてニーズを確認したらいいのかという点もございます。そういう点も含めまして、もう少しニーズを掘り起こすのにはどういう手法でやればいいのか。ここにつきましては、市町の教育委員会だけなく、市町のそれぞれの市長、町長部局、あるいは少年センターあるいは福祉関係者、また、外国籍の子供さんについては国際協会等のさまざまな関係者とそのニーズ調査についてしっかりと検討をさせていただいて、取り組みを進めていきたいと考えております。 ◆6番(清水ひとみ議員) 終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(生田邦夫) 以上で、6番清水ひとみ議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後3時20分 休憩    ────────────────   午後3時40分 開議 ○議長(生田邦夫) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  次に、24番加藤誠一議員の発言を許します。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇、拍手)発言通告によりまして、文化財の活用について質問をさせていただきます。  きのう、久しぶりに早く帰りましたので、テレビをつけました。BSでございましたけれども、「英雄たちの選択」という番組だったんです。何かなと見ておりますと、信長はなぜ本能寺に泊まったのか、なぜ本能寺に泊まる選択をしたのかと、こういう番組でございました。  中身はともかく、きょう、文化財の話をさせていただくということで、ちょっと安土城にも触れさせていただこうと思っておりましたので、タイミングよくそんな番組だったということで、深い意味はございません。  6月といいますと信長公に関する番組が多いんですけれども、それは6月2日が織田信長の命日ということでございまして、この日に、お聞きしましたところ、知事が帰りに総見寺に寄られたということをお聞きいたしました。安土城、信長の命日に寄られたということは、大河ドラマ「麒麟がくる」も手伝ってか、また、プロジェクトがございますので、知事の熱い思いを感じたところでございます。  ところで、この議会の開会日に、滋賀県文化財保護活用大綱検討懇話会というのが開催をされております。実は、ちょうど1年前ですが、この場で一般質問で文化財保護法の改正について取り上げました。あわせて、そのときも安土城跡の質問をさせていただきましたけれども、いよいよ改正文化財保護法に基づく県の大綱が策定するという動きが出てまいりました。  次の日の新聞を見ました。委員から、保存がどう活用につながるのか説明し、活用とは何を示すのか、定義を書くべきとの意見があったというような報道もされておりました。  きょうは、総合政策部長を歴任され、知事からも非常に期待をされておられる福永氏が教育長に就任されましたので、改めて文化財保護法改正に当たって見解を伺いながら、幾つか提案も含めて、質問をさせていただこうと思います。  まず、その1年前の質問で、文化財の活用という視点から、県道整備と文化財保護の現実的な調整が必要な課題について提起をいたしました。実は、安土城跡によりまして、現在整備中の県道大津能登川長浜線の歩道が途切れるような計画になっているということを取り上げまして、活用面からどうするんだということを提案させていただきました。  当時、土木部長と当時の教育長、それぞれ課題と認識をいただきまして、お互いに連携して取り組むということでございました。今年度、知事部局に文化財活用の係もできましたので、期待をしながら、まずは土木交通部長に、その後の調整状況についてお伺いをしたいと思います。 ○議長(生田邦夫) 24番加藤誠一議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) (登壇)お答えします。  昨年度来、歩道を安土城址エリアにどのように接続させるのか、位置や構造等について、文化財担当部局と協議を進めてまいっておるところでございます。まだ成果をお示しするまでには至っておりませんが、安土城址の利活用の重要性は当部としても十分認識しており、よりよい計画となるよう、今後も引き続き文化財担当部局と連携を図り、ピッチを上げて進めてまいりたいと考えておるところでございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)現在進行形で、よろしくお願いを申し上げたいと思いますが、文化財を守るというのも県民のため、それから道路をつくるのも県民のため、そう考えますと、保護という規制の中で不便な道路ではだめですし、一方、利便性のために単純に文化財を壊すと、これも決してよいことではございません。歴史を守る事業、そして歴史をつくる事業、どういうふうに調整をするかということを思います。  加えて、もう1つお願いをしておきますと、地域の人々にとって何が最善であるか、こういう視点で、ぜひお進めをいただきたいと思います。どうか、百年の大計でございます、悔いの残らない道路整備を期待をさせていただいております。  これは教育長にお伺いさせていただきますけれども、前教育長にもお伺いした話でございますけれども、今回の文化財保護法の改正について、どんなことを考えておられるかということをお聞きしました。当時の教育長は、保存と活用の好循環を生み出していきたいと、そんな御答弁であったと思いますが、そこで、新たに就任をされました福永教育長は、今回の法改正について、どのような見解をお持ちでしょうか。改めてお伺いをいたします。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えいたします。  本県の文化財を確実に次世代に継承していくためには、文化財の保存と活用の好循環を生み出していくことが私も必要だと考えており、文化財の保存および活用に関する大綱を県教育委員会が定めることができるとした今回の法改正を契機といたしまして、より一層、文化財の保存と活用の一体的な取り組みを進めてまいりたいと考えておるところでございます。  そのため、文化財の保存および活用に関する基本的な方針を明らかにし、さまざまな取り組みを適切に進めていく上で共通の基盤となります滋賀県文化財保存活用大綱を本年度策定したいと考えておりまして、現在、その策定に向けた検討を進めているところでございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)今おっしゃったように、保存と活用の好循環ということを改めてお示しをいただきましたけれども、重要なことは保存という視点と活用という視点、それぞれを明確にやっぱりするべきであろうと。といいますのは、やっぱり文化財にかかわられる方が、それぞれが勝手に都合のよい解釈をされてしまうというのではだめではないかと、こんな思いでございます。  そこで、委員会でも出ておりました、この活用ということについて、教育長はどのようにお考えか、お伺いいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えいたします。  文化財保護法では、第1条で、その目的として、「文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もって国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献すること」と規定をしており、活用は文化財保護を図る上での重要な柱と考えております。  保存に悪影響を及ぼすような活用があってはならない一方で、適切な活用によりまして、文化財の大切さ、また文化財の魅力を多くの人々に伝え、そして多くの人々の理解を促進していくことが不可欠であるなど、文化財の活用は、次世代への文化財の継承という目的を達成するために必要なものであると考えております。  文化財の活用のあり方につきましては、有識者による大綱検討委員会におきまして、活用の範囲やその定義づけ等について検討していただいておりますので、こういった検討を進めていただきたいと考えておるところでございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ぜひとも今の教育長のお考えが大綱に反映されるように、期待をしておきたいと思います。  実は、この文化財に関しまして1年前に知事にもお伺いをさせていただきまして、このように評価をされています。地域での文化財の保存と活用がより主体的にできるようになり、県としても地域のまちづくりや文化財を生かした観光振興につながることから、高く評価しているということでございました。  大綱の策定が始まりましたけれども、加えまして、文化財活用担当の部署を今回知事部局の中にも設置をされました。  改めて、知事にここで、ちょっと前の質問と若干視点が違いますけれども、今回の法改正における都道府県の果たす役割というものをどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。
     今回の法改正は、過疎化、少子高齢化などを背景に、文化財の滅失等が課題となっていることを踏まえ、社会総がかりでその継承に取り組んでいくために改正されたものと考えており、文化財を確実に次世代に継承していくために、観光やまちづくり、また、ある意味では教育など、関係する分野とより一体的に取り組みを進めていく必要があると認識しています。  全国有数の文化財を保有する本県といたしましても、市町や関係の皆さんと連携しながら文化財の価値や魅力を発信することで、県民の皆さんに積極的にかかわっていただき、世代を超えて守り伝えられてきた多様な文化財が確実に継承されるように取り組んでまいりたいと存じます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)特段今までとそんなに変わったことではないと思います。  ただ、今回、活用という部分が際立ってきましたので、もちろん文化財を継承していくということは絶対これは必要条件でございますけれども、その中で、あえて活用という部分をどうやって皆さんで考えていくか。ここにももう少し力を入れていくという方向性を、今回の大綱の中で滋賀県として見せていければなという思いを私はしております。できましたら、今の知事のお考えを含めまして、大綱に組み込まれることを願っているわけでございますが。  先ほど、教育長の答弁にもございましたけれども、適切な文化財の保護を担保した上でございますけれども、文化財保護部局、そして観光あるいは地域振興を担当する部局、この調整をしっかりと連携しながら図っていくという、その対策を大綱の中で県はやっているけれども、当然、市町でもそういうふうにやっていかなあかんよということが見えるような大綱が必要ではないかと、こう思っておりまして、活用と保存というのは相反するんじゃなくて、一緒にやるという部分でございますけれども、その本質的な価値を保存して磨く、さらに売りにする、その売りにするために、どうした保護の仕方も再度考えるという、これが循環だと思います。  ところが、今回の懇話会を見ておりましたんですけれども、活用する側の視点というのを述べる方があの中にもう少しおられたらいいんかなというちょっと印象を受けました。活用する側というのは、地域振興する側、観光する側という、そういった視点を今回の大綱にどのように反映をされていこうとしておられるのか、教育長にお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  滋賀県文化財保存活用大綱検討懇話会につきましては、今回の大綱を策定するために、13名の有識者の方からの意見聴取をさせていただく場として設けたものでございまして、去る6月12日に第1回の懇話会を開催したところでございます。  懇話会には、地域で観光振興にかかわっておられる方、そして文化財の情報発信をされておられる方、また、地域で文化財の保存継承に取り組まれておられる方、そして文化財を所有しておられる方、また、今回は防災の専門家にも入っていただき、幅広い分野の方に就任をいただいているところでございます。  文化財の活用につきましては、まず観光資源としての活用が考えられますが、それ以外にもさまざまな活用方法が考えられますことから、先日の懇話会でも活用に関するさまざまな御意見をいただいたところでございます。  今後、県教育委員会といたしましては、市町や、また、今回、知事が会長を務めることになりましたびわこビジターズビューロー、また商工団体、こういったところから御意見をしっかり伺いながら、今後の大綱策定を進めてまいりたいと考えております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)そうした形で、いろんな形で御意見を聴取をしていただきたいと思うんですけれども、しかし、今は懇話会がございますので。  これは懇話会の運営の話になりますけれども、先ほど、観光とか言われましたけど、やっぱり地域振興という部分、もう少し広い意味で意見を述べられる方というのが欲しいなという私は思いがございました。  懇話会としての段階で意見を集めるということも一つでございますので、これ以上問いませんけれども、ぜひとも幅広い意見の聴取の中で進めていただければと思います。  もう1つですね。先ほど、県の組織の話を申し上げまして、ことしは知事部局に文化スポーツの部ができまして、文化芸術振興課、その中に実は今回、文化財の活用を担当する係があるわけでございますけれども、1年前に、今回の法律で、文化財保護の行政を条例で知事も担えるというくだりがあるんですけれども、そのときに御質問したら、よく検討するとおっしゃっていまして、今回こういう体制になりました。非常に評価をしておりまして、やはり知事部局の中に活用を考えるという部分があるということはすばらしい体制になると思っておりますので、ぜひとも期待をしております。  ところで、県の策定する大綱、これは市や町が今度計画をつくるときのいわば指針的な存在になるわけでございますので。そうしますと、今度、市町が計画をつくるときに実は協議会なりをつくるという話になっていまして、その協議会には商工会でありますとか、もちろん観光関係団体、そうした方も入った協議会で検討するという、こういうスキームになっているわけでございます。  そういうことからしますと、先ほど、懇話会のメンバーがどうのとは言いませんけれども、少なくとも県として、これ、滋賀県の大綱になりますから、県の大綱時に、少なくとも関係部局、滋賀県内、県庁内の組織の商工観光労働部、文化スポーツ部あるいは土木交通部、こうした庁内の中の協議体制というのも必要でないかと思うんですが、これは教育長に、どんなお考えかお伺いをしておきます。 ◎教育長(福永忠克) お答えいたします。  文化財の保存活用につきましては他の行政分野とも密接に関連いたしますことから、関係分野と情報共有を図るなど、適切に連携を図ることが大切であると考えております。  特に文化スポーツ部につきましては、文化財の活用に関する施策構築等で密接に関係いたしますことから、骨子案の策定の段階からしっかりと連携して進めてまいりました。また、今後、商工観光労働部、また、土木交通部を初めとした関係部局ともしっかりと協議を行いながら、大綱の策定を進めてまいりたいと考えております。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ぜひこの機会に、文化財を活用とする意識を関係部局にも持っていただくというような形で進めていただければというように思います。  少し話はちょっと変わるんですが、今回の大綱は今年度中に策定されるということでございまして、その大綱に先立つという形で、昨年度でございますが、「滋賀ならではの文化財保護継承に向けて」と題した研究報告というのが教育委員会でされております。  これもこの間の資料も見せていただいたわけでございますが、この研究報告の中に、滋賀の文化財の特徴と滋賀ならではの文化財保護継承とはという記述がございまして、そこには、滋賀が歴史の表舞台であったこと、それと、その結果、文化財の数が多いこと、そして加えて、近江八幡の水郷は重要文化的景観第1号になったこと、さらに最後に、加えて、「琵琶湖とその水辺景観−祈りと暮らしの水遺産」が日本遺産第1号に認定されたということもつけ加えられておりまして、これらを含めて屈指の文化財保有県と位置づけておられました。  ここも、文化財活用担当を知事部局に置かれましたので、あえて知事に伺っておきたいと思うんですが、こうした日本遺産などにつきましては、本県としては文化財保護活用の大綱作成に当たって、どのような位置づけになればいいかなと、こんなことをお思いかどうかをちょっとお伺いしておきたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 御紹介いただきました日本遺産、こちらは地域に点在する文化財をストーリーによりパッケージ化したものでございまして、滋賀らしさを発信する上で有効だと考えています。  また、地域における人々の生活ですとか、なりわい、風土により形成された文化的景観ですとか伝統的建造物群につきましても、滋賀らしさをあらわせるものだと考えています。  大綱策定に当たりましては、活用の視点から、こうした日本遺産などの記載をすることで、書くだけじゃなくて、しっかりとした具体の活用方策を示すことによって、滋賀ならでは大綱となるのではないかと大いに期待しているところでございます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございました。そういうことだと思います。  もう1つ。ちょっとこれは質問をつくるときに迷ったんですけども、滋賀県ならではのこの大綱というところから考えまして、このほかにも、遺産と言われる認定を今しようとされているのが、琵琶湖と共生してきた滋賀の農林水産業、世界農業遺産へ認定を、これ多分していただけるんではないかと思うんですけれども、広い意味で日本遺産同様にもし世界農業遺産となれば、こういったものを本県の文化的遺産の一つとして捉まえていくべきではないかなと思うんですが、知事の考えをお伺いしておきます。 ◎知事(三日月大造) 私もそう思います。世界農業遺産および日本農業遺産は、伝統的な農林水産業と、それにかかわって育まれた文化、景観、生物多様性などが一体となった重要な農林水産業のシステムが認定されるもの、されたものでございます。  本県の琵琶湖システムは、その歴史を裏づける根拠として、古文書ですとか湖魚を用いる食文化や祭礼、昔から伝わってきた漁具など、重要な文物を含んでおります。  この農業遺産の活用につきましては、認定申請書の中に保全計画として記述いたしまして、これが認められたものでございまして、引き続き世界農業遺産の認定を目指すとともに、観光振興など、保全計画に基づく農業遺産の活用にも力を注いでまいりたいと存じます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございました。そういうことで、ぜひともそういったものが活用という面でもこれから県政の中で進んでいくことを期待をしながら、この際、大変申しわけないんですけど、もう1つだけ、遺産に絡みまして。  実は東近江市なんでございますが、木地師文化発祥の地といたしまして、東近江市の小椋谷が実は林業遺産に30年に認定をされました。最近でございますけれども。この林業遺産について、滋賀県では初めてということになってございまして、やまの知事を標榜される知事でございますので、あえて聞くわけでございますけれども、今回の認定、どのように受けとめておられるのかというのと、今申し上げましたけれども、文化的遺産の一つとしてこれも受けとめていただければと思うんですが、いかがでございましょうか。 ◎知事(三日月大造) そのように受けとめます。  今回の木地師文化発祥の地、東近江市小椋谷の林業遺産の認定は、この地域の歴史的意義が評価されたものでございます。これによって、森林資源や山村文化、そこに息づく人々の営みのすばらしさが広く発信され、再び県民の皆さんに見直されるきっかけとなることは大変喜ばしいことだと感じています。  私も、平成29年夏の奥永源寺での短期ではございましたけれども移住居住の機会に、蛭谷町や君ケ畑町を訪問させていただき、今回認定の対象となった木地師の歴史や技術を学ばせていただき、木工製品の魅力にも触れております。  現在、森林、林業、農山村を一体的に捉えた山の健康を進めているところでございまして、木工技術の継承や木材を生かした製品づくりなどの取り組みが地域で盛んになることは、まさに山の健康に通ずるものであると考えております。  このたびの認定に当たり着目された地域独自の生活様式や、それを取り巻く山合いの地域全体については、文化的遺産として貴重で有意義なものと考えており、木地師文化が継承されるよう発信していきたいと存じます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)どうもありがとうございました。  大綱につきましては少しこのままにしておきまして、後を期待しておりますけども。  実は、先ほど申し上げました文化財保護継承に向けてと題した研究報告のことを申し上げましたけど、実はこの中に、知事が進めようとされていました「幻の安土城」復元プロジェクトというのが出てまいりまして、これはさまざまな形で活用が図られていく文化財の姿をつくるという整理がされておりました。まさにそうだと思います。  実は4年前、私が初めて議会で質問に立たさせてもらったときにも、観光の中でそのことをどうでしょうかと申し上げたんですけど、確かにすぐには難しいということでございまして、私もそう思いました。  ただ、私は、幻の安土城を復元したいという知事の発言あるいはその気持ち、これ自体も実は文化財の活用の一つではないかと、こう思っておりまして、そういう意味で4年前も申し上げたんですけれども、そういう意味で、いろんな動きが出てくるということを今期待をしております。  ただ、1つ提案なんですけれども、今、安土城復元という話になりますと、どうも天守閣、あるいは城というイメージばかりなんですけれども、やはり今の安土城がありますのは、安土山があっての安土城でございますから、安土城跡ということで、山を含めまして、やっぱり着実な分をしていってはどうか。安土城跡全体に目を向けたプロジェクトというような考え方を持っていただいてはどうかと思うんですが、知事のお考えをお伺いしておきます。 ◎知事(三日月大造) 御存じのとおり、天正4年──1576年から始められた安土城の築城は安土山全域にわたっており、天守を中心に山全体を石垣で構築した城の全体構造は、城郭史においても高く評価されているところでございます。  今回の「幻の安土城」復元プロジェクトにおきましても、天守だけにとどまらず、安土城跡全体の保全を図りながら、ある意味では安土という町の価値、魅力というものもあるのかもしれませんが、まずは安土城跡全体の保全を図りながら、本質的価値を発信し、安土城への関心を高め、機運を醸成しながら、復元の方向性や方法の検討を進めてまいりたいと存じます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)やはりもちろん時間はかかりますけれども、そういったものを守ってこそ活用が図れるというふうに私は思います。しかも、やっぱりそのためには一定の時間もお金もかかりますので、そうすぐには動くものではないとは思うんですけれども。  1年前にお伺いをしたときです。ちょうど1年前です。発掘調査が途中でとまっているので、もう一度それも進める方向でどうかなという話を提案をしました。やはりいろんな関係が課題があるんで、慎重に検討していきたいという話でございましたけれども、せっかくこういう形で動いておりますんで。  実は今回の大綱の中に整理されるときに、資金確保という部分が実は出てきておりまして、これは、やはり民間の力、あるいはいろんな形で守るための資金は皆さんでという部分になるんだろうと思います。  そういうことを考えますと、例えばですけれども、一つのモデルとして、安土城復元に関しまして発掘調査をもう一遍スタートするような考え、この中で、例えばクラウドファンディングなどの、そういったことを含めながら、調査に向けて検討を少ししてもいい時期ではないかなと思うんですが、お考えをお伺いします。 ◎知事(三日月大造) この大綱策定に当たりましては、文化財保護のための資金確保の制度や仕組みづくりを検討、支援するとしております。  資金確保の方法の一つとして、クラウドファンディングというのはとても有効だと考えております。こうしたとても知名度のある、ある意味では注目度を高めることのできるこうした安土城跡調査においても活用できないか、検討してまいりたいと存じます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)もう最後のほうにしておきますけれども、知事のこの復元の発信で、民間のほうでもかなりいろんな形で動いているようでございます。これからますます民間の話も動いてこようと思いますし、地元のほうでも何か組織を立ち上げるとかいう話も聞いておりますけれども、これから、そういうプロジェクト、民間の方のお力も出てくると思うんですが、プロジェクトと民間の皆さんとの連携ですね。何か現段階でお考えがございましたら、お伺いをしておきたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 昨年まで総合政策部長を務めていただいておられた福永さんを教育長に、また、昨年までたまたま知事公室を務めてくださっていた中嶋さんを文化スポーツ部長で、昨年までたまたま秘書課長をしていてくださった**さんが文化芸術振興課長で今いててくださいますので、彼ら初め、職員やみんなと知恵を集めて、どういった方策を考えていけないのかということをよく考えていきたいと思うんです。  現在進めておりますこの「幻の安土城」復元プロジェクトでは、経済界や民間団体など復元を目指す皆様からの御意見やアイデアをお聞きいたしまして、そのことも含めて、方向性や方法を検討したいと考えております。  私が安土城復元について年始に表明させていただいて以降、さまざまな団体の方々から御連絡をいただいて、お出会いし、安土城復元に向けての思いやお考えをたくさんお聞きしているところでございます。  今後、プロジェクトを推進するに当たりましては、幅広い御意見、アイデアをいただきながら、当然、大切な文化財、史跡でございますので、大事に守りながら、そしてまだわかっていないところをしっかりと調査しながら、次の世代にもこういった資産、史跡を文化財をしっかりと引き継いでいけるよう、また多くの方に知っていただけるよう、取り組みを一歩でも二歩でも進めていきたいと考えているところでございますので、よろしくお力添えお願いしたいと存じます。 ◆24番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございました。  きょうは滋賀県の文化財保護活用大綱を取り上げさせていただきました。地域の活性化あるいは地方創生などにも非常に重要な大綱になると思います。しなければならないと思います。総合政策部長を歴任された教育長の手腕に御期待を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(生田邦夫) 以上で、24番加藤誠一議員の質問を終了いたします。  最後に、36番木沢成人議員の発言を許します。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇、拍手)さざなみ倶楽部の木沢成人でございます。  それでは、通告に従いまして、大きく2項目について質問をいたします。  初めに、再生可能エネルギーの一つとして、その普及が期待される地中熱利用について、全て知事にお伺いいたします。  このテーマについては、東日本大震災が発生し、エネルギー問題についても注目が集まった2011年──平成23年11月定例会において、当時の嘉田知事に提案型で質問したところですが、一昨日もまた大きな地震がありましたし、また、広く海外に目を向けますと、原油価格に大きく影響する中東情勢も緊張度を増しております。こうした自然環境、エネルギー問題を含む社会経済環境の変化なども踏まえ、改めて三日月知事に伺うものであります。  まず、この地中熱利用ですが、改めておさらいをしますと、地中熱利用とは、文字どおり、地中の熱エネルギーを利用するもので、原理は至ってシンプルであります。  例えば、ある地点において冬場の外気温が5度だとした場合、その土地、土地の地質条件によって多少異なりますが、地下数十メートルまでの地温は15度前後で推移し、逆に夏場の外気温が30度だとした場合、この場合でも地下の地温は15度前後で安定している。つまり、年間を通じて一定の地温を有しているという性質を利用したものであります。冬場に温かい地温を、夏場に冷たい地温を利用するという、極めて自然の摂理にかなった熱利用として、近年、改めて注目されているものであります。  歴史的に見ますと、我が国において古代縄文人が竪穴式住居で暮らしたことは、夏場、冬場のこの地中熱利用を目的としたものであると言われ、夏場での利用方法としては、日本書紀等にも記載がある地中での氷の貯蔵施設である氷室や、身近なところでは井戸水を使った食物の冷却等、トマト、スイカ等の夏野菜を冷やすのをイメージいただければと思います、が地中熱利用の代表例と言えます。  現代においては、先ほど述べた地中と外気の温度差を利用して冷暖房や給湯を行う、アクティブ方式の地中熱ヒートポンプ技術を中心に導入が進められてきたものであります。一般に利用が普及している空気を熱源とした空調設備と比べて、外気温との温度差が少ないことから、消費する電力を省力化できるとともに、室外機の排熱を大気に放出することもないことから、都市部を中心としたヒートアイランド対策にも有効とされる技術であります。  また、CO2の排出量削減の点からも有利性が示されております。  近年はこうしたアクティブ方式に加えて、空気を冷媒として、より安価に施工が可能なパッシブ方式での利用もふえてきております。これまで主にアメリカ合衆国やカナダなどの北米、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーなどの北欧諸国、スイス、ドイツ、フランスといったヨーロッパ中南部諸国で導入が進められ、一方、アジア地域においては、近年、経済発展が著しい中国においても飛躍的に導入が進められており、同国は今やアメリカ合衆国に次いで、設備容量において世界第2位の規模を誇っております。  前回も言及いたしましたが、地中熱利用促進協会資料によりますと、1950年代より住宅設備での導入が進んでおりますアメリカ合衆国においては、1995年から2000年までの5年間で、それまで4,800メガワットサーマルという設備容量で利用されていたものが、2005年には7,200メガワットサーマル、さらに2010年までの次の5年間には1万2,000メガワットサーマルまで利用が急増、さらに5年後の2015年時点でのデータでは1万7,000メガワットサーマルに迫る勢いとなっております。  この間の日本での利用については、1995年から2000年までの5年間が4メガワットサーマル、2005年までの次の5年間が変化なく4メガワットサーマル、ようやく2010年に13メガワットサーマルまで伸び、その後、2011年度にエネルギー基本計画に基づく国の補助制度の仕組みが構築されたことから、2015年時点では134メガワットサーマルまで伸びたものの、まだまだ普及はこれからという状況であります。  ちなみに、先ほど述べたように、2015年時点で、中国については、アメリカ合衆国に続き世界第2位の約1万2,000メガワットサーマルの設備容量となっております。  我が国においては、2015年──平成27年3月に、環境省による地中熱利用に当たってのガイドライン改訂版が策定され、各種補助施策とともに、引き続き普及促進が図られている状況であります。こうした背景を受けて、以下、伺います。  前回の質問における本県の地中熱利用に対する基本的な考え方に対する問いで、当時、嘉田知事は、「太陽光あるいは風などは自然状態の中で不安定であるのに対して、地中熱は季節、時間問わず安定的なエネルギーが得られるということは大きなメリットである」と述べられ、また、「今後、特に滋賀においてエネルギーの地産地消を進める上で、有効なエネルギーの一つであると認識している」とも述べられ、さらに、そのための市町や産業界、大学等との連携についての問いに対しては、「企業動向や研究機関等の研究開発状況や見通し、市町での導入事例や取り組みなどの意向など把握に努めた上で、最終需要につながる実用化を目指した検討をしていきたいと考えている」と答弁をされました。  以来、今日までこうした認識のもと、県としてどのようにその利用促進に向けての取り組みを進めてこられたのか。その検討状況を含め、お伺いいたします。  前回の質問以降、全国レベルで見ますと、本県以外にもさまざまな活用の取り組みが進展してまいりました。県内においては、甲賀市の新庁舎における地中熱利用設備の導入も注目をされるところであります。新たな活用の取り組みなど注目される取り組みを含めて、県内外の最新の地中熱活用状況について具体的にお示しください。  前回の質問で、県が率先して県有施設等への導入を検討すべきと提案させていただきましたが、その答弁の中でも、「省エネルギーの観点から、建てかえや設備更新の際の検討課題として前向きに受けとめさせていただきたいと考えております」と言及をされております。  2016年──平成28年3月に策定されました滋賀県公共施設等マネジメント基本方針でも、施設の有効活用の項で、「環境、エネルギー、福祉、産業等に関する先駆的・先進的取組のモデルや社会実験の場として、引き続き施設を有効に活用します」と記されているところであります。これらを受けた県施設等への地中熱設備の導入検討状況についてお伺いをいたします。  地中熱利用につきましては、農業分野での利用も注目をされるところであります。ビニールハウス利用等施設園芸農業においては、エネルギーコストの削減や環境負荷の低減の観点からも、地中熱利用について期待が集まるところであります。  本県においては、現在、農業の多角経営化の観点から、こうした施設園芸作物の栽培促進を進めているところでありますが、作物の収穫期間の延伸や新たな高付加価値作物の栽培において、地中熱利用も有効かと思います。  本県における環境調和型農業の新たな形の一つとして、農業分野における地中熱利用について積極的な取り組みを進めるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。  この地中熱利用につきましては、さきに述べたように、2011年度以降、国によるさまざまな補助制度が設けられておりますが、新技術の普及促進については自治体レベルでの投資も必要かと思います。  県では、ZEH──ゼッチ──ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの普及を目指し、現在、一般家庭向けのスマートエコハウス普及促進事業を展開されておりますが、この中で地中熱利用は含まれておりません。  欧米と比べて、我が国におきましては一般家庭部門での地中熱利用がまだまだ少ない状況を考えると、アクティブ方式のヒートポンプ利用型地中熱利用設備はもとより、よりコストが安価、かつ省エネルギーに資するパッシブ方式による地中熱利用設備の導入についても、環境先進県としてのインセンティブ施策を設けてはと提案しますが、御所見を伺います。  同時に、中小企業者等向けの分散型エネルギーシステム導入加速化事業についても、福祉施設等については、人に体に優しいというその直接的効果の点からも、地中熱を利用した冷暖房は有効と考えますので、より導入が促進されるようインセンティブの強化を求めるものですが、あわせて所見をお伺いいたします。 ○議長(生田邦夫) 36番木沢成人議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)地中熱利用につきまして、5点御質問いただきました。  1点目、これまでの地中熱利用の取り組みについてでございますが、議員御指摘のとおり、地中熱はエネルギーの地産地消を進める上で有効なエネルギーの一つであると認識しております。  このため、平成25年3月に策定いたしました滋賀県再生可能エネルギー振興戦略プランに続き、平成28年3月に策定いたしましたしがエネルギービジョンにおきましても、再生可能エネルギー電気と並んで、地中熱を含む再生可能エネルギー熱の利用促進を図ることとしております。  こうしたことを踏まえまして、再生可能エネルギーの導入等を関係者が連携して進める場である県市町エネルギー研究会や産学官金民によるしが地域エネルギーコンソーシアムにおきまして、地中熱利用につきましても、先進事例の紹介や導入事例の把握などを行ってまいりました。  また、平成25年度からは、中小企業者等向けの分散型エネルギーシステム導入加速化事業の中で地中熱利用設備を補助対象に盛り込んでおり、平成29年度には、大津市内の事業所における地中熱を利用した空調システムの設置について、補助を行ったところでございます。  2点目、県内外の最新の地中熱活用状況についてでございますが、県内では、議員御指摘の甲賀市新庁舎のほか、平成28年に完成いたしました守山市立守山中学校では、校舎の断熱化や琵琶湖からの風を取り入れる形状の屋根とすることとあわせて、地下に設けたクールトレンチによる地中熱の空調利用が行われております。  また、平成26年に長浜市内の椿坂トンネル等において、地下水の放熱を利用いたしました路面融雪システムが設置されるなど、官民において導入が徐々に進んでおります。  一方、県外では、東京2020オリンピック・パラリンピック施設であります武蔵野の森総合スポーツプラザのプールに地中熱利用設備が導入されたほか、有明アリーナや東京アクアティクスセンターにおいても導入が予定されているなど、さまざまな施設の冷暖房や温水プールなどにおいて利用が進められていると承知しています。  3点目、県有施設への地中熱設備の導入検討状況でございますが、これまで、建築物では琵琶湖環境科学研究センターや滋賀県立大学の人間看護学部棟を整備する際に導入いたしましたほか、インフラ施設では、椿坂トンネルを含め、県内3カ所の路面融雪システムに導入してまいりました。  危機管理センターの整備に際しては、地中熱設備の設置に必要な面積要件や経済性等を勘案し、導入を見送ったところでございます。  また、新県立体育館の整備に向けましては、自然エネルギーの利用等により、省エネルギー、省資源の実現を図り、ライフサイクルコストの低減に資する提案を求めたところでございます。
     今後も、施設整備を検討する際にはライフサイクルコストも踏まえ、地中熱の利用等も含めた効果的なエネルギー設備の導入を検討してまいりたいと存じます。  4点目、農業分野における地中熱利用についてでございますが、本県のビニールハウスなどの施設面積256ヘクタールのうち、加温管理を行っている施設は33ヘクタールに限られておりますものの、高収益作物の生産を拡大していく上では、燃料費の節減とCO2の排出削減に地中熱利用は有効であると考えます。  しかしながら、設置コストが多額であり、大規模な施設園芸での高収益作物生産でないと導入が難しいことから、現時点では、守山市の大規模な花の施設栽培の1件にとどまっているところでございます。  今後、こうした施設での地中熱利用の導入計画があれば、国庫補助事業の活用について支援を行ってまいりたいと存じます。  5点目、補助事業でのインセンティブについてでございます。議員御指摘の家庭向けのスマートエコハウス普及促進事業につきましては、導入が進みにくい既設住宅における再生可能エネルギーの導入を重点的に支援することとしておりますが、地中熱利用設備は既設住宅では導入が難しく、また比較的コストが高いため、太陽光発電等と比べてニーズが少なく、補助効果が薄いことから対象としておりません。  しかし、先ほど述べたように、地中熱はエネルギーの地産地消の上で有効であり、また、他県においては補助制度を設けている例もありますことから、今後、そのニーズや設備の価格、技術開発等の動向を注視しながら、支援の必要性などについて研究をしてまいりたいと存じます。  一方、中小企業者等向けの分散型エネルギーシステム導入加速化事業につきましては、新設の場合も含め、幅広い選択肢で再生可能エネルギー等の導入を促進するため、地中熱利用設備も補助対象としております。  さらに平成29年度からは、地域の避難所となり得る福祉施設等に対しては、補助率を通常3分の1のところ2分の1とし、また、補助限度額も地中熱利用設備の場合、200万円を300万円とするなど優遇措置を設けているところであり、この制度が活用いただけるよう、一層の周知に努めてまいりたいと存じます。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)ありがとうございました。  3点目の質問で県有施設等への地中熱設備の導入検討状況についてお伺いしたわけなんですけれども、これまでの県有施設への導入事例、検討状況を示していただいたんですけれども、この滋賀県に限らず、まだまだこの熱利用というものの認知が全国的にも行き届いてないので、先ほどもアメリカ合衆国との比較をさせていただきましたけども、利用が進んでない部分もあるのかなというふうに思っております。  そういう意味では、率先して、県の施設というのはある意味シンボルでありますし、いろんなことを進める意味でのランドマークにもなりますので、積極的な導入をいただきたいと思います。  ちょっと過去のことになりますけれども、例えば新生美術館の検討のときに、あそこも仕様書の要件の中に、こういうエネルギーに関しての仕様が入ってたんですけども、結局は御案内のとおり、SANAA事務所が事業者に認定されて、以降、紆余曲折を経て、今、新生美術館のプロジェクトについては一旦立ちどまっているという状況にはなっているんですけども、そのときでも、結果として採用されなかったほかの4社の提案なんかを見てましても、例えば次点だった青木淳建築計画事務所さん、あるいは隈研吾さんの事務所なんかは特に環境とか、滋賀県なんで水環境とかいうことを意識して、今申し上げたようなこういう熱利用の設備であったりとか自然エネルギーの利用について、本当に積極的な提案をいただいてたんですね。  そういう意味では、そういうこともあのときにもう少しエネルギーというとこら辺も本当に県を挙げて、それまでに質問させていただいていましたんで、県としてしっかり考えていただいたら違った結果にもなっただろうし、そういうことが、今、県のシンボルとして大きく宣伝もできたかなと思うと、本当にちょっと残念なので。  そういう意味で、先ほど県立体育館のことにも言及されましたが、そこについては仕様書を見させていただいたら、省エネルギーであったり自然エネルギーをしっかり入れなさいというような仕様書になっているようですけれども、やはり県としてしっかり全体としてこの問題、それから、これ低炭素社会の実現とか、そういうことにも関連するんですけども、知事が各部局にやはりしっかりと哲学を語って入れていただかないと、個別個別で部署が検討されるとなかなか検討されにくいのかなと思いますので、そういう意味で、今申し上げたような観点で、県庁組織としてのこういう再生エネルギーの利用に関しての部分をもう少ししっかりと全庁挙げて取り組んでいただきたいと思うんですけども、その辺の御所見ありましたらお聞かせ願いたいんですが。 ◎知事(三日月大造) 大変大事なお話だと思います。ぜひそういった視点も、こういった施設整備、とりわけ県有施設の施設整備に当たり、こういった省エネルギー、省資源の観点から、地中熱設備の導入等についても積極的に慫慂していきたいと存じます。  同時に、ライフサイクルコストという点もあるでしょう。また、面積要件もあれば、コストアップをどのように受忍にできるのかといったような観点もあると思います。一方でそういった制約のことも考え合わせながら、どう御理解が得れるのかといったようなことも検討しながら、総論としては積極的にこういった取り組みが進むよう、私自身もしっかりと慫慂していきたいと存じます。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)しっかりとよろしくお願いを申し上げます。  それでは、2項目めの質問に移らせていただきます。  次に、交通安全対策につきまして、一問一答方式で、知事ならびに警察本部長にお伺いをいたします。  昨年の平成30年2月定例議会におきまして、信号機のない横断歩道における交通安全対策について質問をさせていただきました。以降、さまざまな対策を講じていただいておるところでありますが、平成30年中の歩行者事故のうち、横断歩道を歩行中によるものの事故の割合はどのくらいでしょうか。警察本部長にまずお伺いいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) (登壇)お答えいたします。  平成30年中の歩行者事故のうち、横断歩道を横断中の歩行者が被害に遭われた事故の件数は135件、死者数は1人、負傷者数は139人で、発生件数および負傷者数は約3割、死者数にありましては約1割を占めているということでございます。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)今回この質問をさせていただきましたのも、さきの大津市大萱における痛ましい死傷事故なんですけどね。あれもいろいろ背景を伺っていますと、保育園の近くに信号機のない横断歩道があると。本当はそこを園児さん含めて保育士さんも渡りたいんだけれども、通行量多いし、なかなか車もとまってくれないし危ないということで、対岸の琵琶湖岸に行くのに、大きく当該事故のあった交差点のほうに迂回されて行ってらっしゃったということをお伺いしました。  そういう意味で、今回の事故の遠因でもあります、この信号機のない横断歩道における交通安全対策をよりしっかりやっていただきたいなという思いで、再度質問させていただいております。  今、死傷事故の数値を示していただきましたけれども、県警察におきましては、昨年以降、より重点的に違反行為に対する取り締まりを実施いただきまして、事故の抑制に努めていただいているところであるとは思いますが、横断歩行者妨害検挙の取り組みにつきまして、昨年以降の実績についてお答えをください。警察本部長にお伺いいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  県警察といたしましては、横断歩行者妨害の取り締まりにつきまして、通学路や生活道路等歩行者事故の発生が危惧される場所において重点的に取り組んでいるところでございまして、平成30年中における横断歩行者等妨害等の検挙件数は1,296件と、一昨年の665件に比べ約2倍に増加しているという状況にございます。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)検挙数が2倍ということで、それが今申し上げたように取り組みいただいた成果なんですけども、一方で、まだまだそれぐらいの数の車がなかなか横断歩道の前でとまらないという現実があるということだと思うんですが、昨年9月に、県警察におかれましては可搬式のオービスを導入されたということを伺っております。この可搬式オービスの導入の効果と、これからの課題につきまして、警察本部長にお伺いいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  可搬式速度違反自動取り締まり装置、通称可搬式オービスにつきましては、昨年の9月25日より運用を開始しておりまして、取り締まり場所の確保が困難であった通学路等の生活道路や、交通事故が多く発生する場所、いわゆるレッドゾーン、それから地域住民からの取り締まり要望が多い場所などにおいて、この装置を用いた取り締まりを行っているとこでございます。  その結果、本年3月末までに73件の速度違反を検挙するとともに、取り締まり路線における通行車両の平均速度の低下が認められたところであり、地域住民の方々から感謝や激励の声を多くいただいているところでございます。  他方で、この装置の有効さを聞きつけて、これを用いた取り締まりを要望される声が非常に多いところでございまして、それら全ての御要望に直ちにお応えするのは難しいという状況にございます。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)今ほど、地域からの要望が非常に多いという答弁いただきましたけれども、実際、その要望と運用できる数との乖離というのが、ざっとどのぐらいの開きがあるのか。もしわかれば教えていただきたいんですが。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  統計的にどれほどのお声を頂戴しているのかというのはとっておりませんので、ちょっと申し上げることはできないですけれども、我々のほうで運用しております装置が1台でございますので、全県下広いということを考えますと、いろいろなところから引き合いがあると、直ちにお応えするのは難しい状況なのかなというふうに考えております。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)必要な装置ということと効果があるということであれば、積極的な導入をお願いしたいと思います。  昨年の質問におきましては、横断歩道の白線、いわゆるゼブラ模様を初めとする磨耗が進みました路面標示の補修や、ドライバーからの視認性を高めるカラー舗装等の普及促進についても言及をさせていただきました。以降、対応が必要な箇所で一定かなりの整備をいただいたんですけれども、県内各地を走行しておりますと、まだまだ対応が追いついていないという感じをいたします。  今般の大津エリアにおける緊急対応もその証左であります。対応がおくれている原因につきまして、警察本部長にお伺いいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  県警察といたしましては、歩行者保護の前提となります横断歩道等の道路標示の整備は大変重要であると認識しておりますが、道路標示は補修したその日から劣化が進む性質なものでありまして、補修直後の状態を常に維持することは難しいというのが実情でございます。  県警察といたしましては、道路の安全点検や住民の方々からの要望などを踏まえ、本年度は保守に係る費用を昨年度当初予算ベースと比較して約1.5倍に増額措置して、必要な補修に努めているところでございます。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)昨年の質問でも、今出ましたところの横断歩道の白線、それから、手前に横断歩道ありということを示すダイヤマーク、菱形のマークを初めとするさまざまな路面標示の補修整備について質問させていただいたんですけども、おっしゃるとおり、引いたその日からどんどん劣化が進んでいくというのはそのとおりなんですけれども、やはり道路を走っていまして、横断歩道自体がほとんど剥げて見えない状態、それから、手前の今申し上げたダイヤマークなんかも、かすれてほとんど視認ができない状態、あわせて、例えば道路のほうにつきましても、アスファルトのぼこぼこ穴があいていたりとか、全般的に道路が乱れているというか、美しくないというのは私たちも走っていて思うんですけども、ドライバーに対して、やっぱり心理的な影響というのはかなりあると思うんですよ。  走っている道路が乱れている感じというところの中で、知らず知らずのうちに、心理的な効果の中で運転が荒くなったりということも恐らく出てくるのではないかというふうに思うので、そういう意味では、しっかりとした補修をやっていただきたいと思います。  そういう意味で、今申し上げた道路管理者とも連携しながら、しっかりと予算措置の上、横断歩道、路面標示等の維持管理を進めるべきと考えますが、警察本部長にお伺いいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  横断歩道等の道路標識に関しましては、県土木を初めとする道路管理者と毎年、事業調整会議を開催するなどし、大規模な舗装修繕等が必要な道路の整備計画を把握するとともに、路面標示等の劣化状況について認識を共有するなど、適切な修繕管理に必要な連携を図っておるところでございます。  また、道路管理者において、横断歩道のカラー化や交差点のクロスマーク等の法定外標示につきましても、御協力をいただいているといった形の連携を図っております。  今後とも、道路管理者等と連携を図りながら、横断歩道等の道路標示の計画的な整備に努めてまいりたいと考えております。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)従前から、こういったことに対する地域の皆様からの要望というのを私どもかなりの数受けているんですけども、今回、大津市の事故初め、全国的にさまざまなこういう交通事故が取り上げられている中で、一層そういう声をこの間またいただいているところでございますので、本当にしっかりとした補修、維持管理ということをお願いしておきたいと思います。  それでは、次の質問に移ります。  さきの自由民主党滋賀県議会議員団目片議員による代表質問への答弁では、計画的な信号機等の交通安全施設の整備について言及をされました。従前からの危険箇所への対応ならびに道路改良等に伴う将来的な危険箇所の交通安全施設整備について、改めて警察本部長の見解をお伺いいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  信号機等の交通安全施設の整備につきましては、道路における危険を防止するとともに、交通の円滑を図るため、信号機設置の指針や交通量、道路環境等を踏まえ、設置や改良等の必要性が高いと認められる箇所につきまして、計画的に進めてまいろうと考えております。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)信号機等に関することに関しましては、また佐藤議員が質問いただくということなので。(発言する者あり)話が出ていますよ。  それでは、ここから、あと2問なんですけども、知事にお伺いをいたしたいと思います。  ブレーキ、それから減速ということの重要性については先ほど来述べておりますように、今般の全国的ないろいろな事故を見ておりましても、重要だということが理解いただけると思います。  先般の東京都池袋における痛ましい死傷事故を初め、特に高齢のドライバーにおける事故につきましては、ブレーキとアクセルの踏み間違いによるとされる事案が多数報告をされております。安全教育の徹底ということは重要なんですけれども、高齢化に伴う身体機能の衰えや認知機能の低下に対しては、各種運転支援装置や事故防止装置の活用が有効と考えます。  将来的には、完全自動運転による配送サービスというようなものも実施される世の中になってくるのかなと思いますけれども、当面の課題として、現況の車両の安全ならびにドライバーの運転支援が必要なのではないかと考えるところであります。  さきのチームしが 県議団中沢議員の代表質問でも言及されましたとおり、今般、東京都が今申し上げたようなことに対して新たな補助制度を打ち出されました。既に本県におきましても、平成25年11月定例会におきまして、川島議員が衝突防止装置付設への補助事業の提案をされましたが、当時、嘉田知事は、受益なり利益は購入者にあるので難しいという、今思えば少し残念な答弁をされております。  また、平成28年11月定例会では、粉川議員が、自動ブレーキ等を装備した先進安全自動車──ASVの購入補助制度につきまして、香川県の事例に言及されながら、本県への導入を提案されているところであります。  痛ましい交通事故は、加害者、被害者、その家族や関係者のみならず、広く社会的な損失も大きいと思われ、その意味で、事故防止の取り組みは社会的便益の大きい事業であると考えます。  高齢化社会の進展に伴う社会施策として、さきの代表質問でも言及されました高齢ドライバーの事故防止のための安全装置普及施策について、改めて知事の所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  高齢社会の進展により、本県でも全交通事故に占める高齢運転者の割合が年々増加傾向にございます。平成30年では約18%を占めております。御提案の装置につきましては、高齢者の交通事故の防止に一定の効果があると認識しています。  また、6月18日に国が取り組むことといたしました未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策におきましても、高齢者の安全運転を支える対象のさらなる推進として、安全運転サポート車の普及および限定免許制度の検討を行うとされております。  本県での安全装置普及施策につきましては、国の動向や東京都などの取り組み、今後の技術開発などを総合的に勘案しながら、研究してまいりたいと存じます。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)先般、中日新聞の記事にも、大手のトヨタさんの車で、後づけのこういう安全運転の支援装置の車種を拡大していくという記事が出ていました。その中でも、新しい車に買いかえてもらうのがいいんだけれども、一旦乗ると、やっぱり7年、8年ぐらいは車に乗っておられるので、その買いかえの時期を待つというその時間を考えると、まずできることとして、既存の車につけられるこういう補助措置をできるだけつけていただくように勧めたいというようなコメントも載っていましたけれども。  本日も、ほかの議員さんの質問の中で、いろいろな研究という言葉が出ているんですけれども、国でありましたり東京都のそういう事例も中身を見て研究というふうに言及されましたけども、その研究という意味合いなんですが、例えば研究でも、例えば5段階やるとしたら、段階で1の研究もあれば、5段階の5というレベルの研究、実施に向けた、検討に向けての本当に手前の研究という、そういうレベルもあると思うんですけどね。  そういうことでいくと、今の研究という知事のお言葉が、どれぐらいの意味の研究ということでおっしゃったのか。その辺のところ、今の段階で答弁いただける範囲で、もう少し知事の思いとか、そういうことも含めて聞かせていただけるとありがたいのですが。 ◎知事(三日月大造) そういうランクづけをするための研究ですね。正直に言って済みません。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)施策違いますけれど、きょうもちょっとダム問題のことが出てましたけども、例えば流域治水の施策においては、個人の方の命、それから財産を守るという意味で、建築制限とのセットではありますけれども、個人宅に最大で400万円ぐらいの補助をするというような政策を一方で県は持っておられるわけですよ。先ほど来申しますこういう高齢者の事故防止の施策というのは、施策効果としては本当に高いのではないかというふうに思いますので。  そういう意味では、国の動向なり東京都がどういうことをやっていくかというのはもちろんありますけども、先ほど、ランクをつけるための研究だということをおっしゃいましたが、ランクをどの辺だということをそんな詳細に研究しなくても、ある程度実施に向けたというのは検討の段階に入れるのではないかというふうに思うんですけれども、いま一度、ちょっと知事の思いがあれば。  こんだけ滋賀県初め全国的にこういう運転事故ということが大きな課題でもありますので、もちろん国がやることは国レベルでやることは大事ですけれども、県としてどういう社会をつくっていくのかという、その辺の知事の思いも含めて、再度答弁いただけたらと思います。この質問についてはそれだけにしますので。 ◎知事(三日月大造) ちょっと時間もらえませんか。大事な問題ですし、これだけ被害が拡大していて、何とかせなあかんという国を挙げての対策が示されているときに、いたずらに時間をかけてはいけないとは思うんですが、機器がどういう開発状況にあるのか、また、どういう理屈をつくればいいのか。少し私自身もちょっと自分で得心せぬところもあるものですから、ここでの答弁は控えさせていただければと思います。  ただ、とても大事な問題ですので、どういう優先順位で、どういう理屈でこういった制度を組み立てればいいのかということも含めて、研究させていただければと存じます。 ◆36番(木沢成人議員) (登壇)知事の思いを聞かせていただきましたので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、最後の質問に移ります。  今の質問ともちょっと関係するんですけども、やっぱり衝突して、今回、歩行者というか、そういう方がはねられてああいう事故になったんですけども、じゃ、どうやってそれを軽減していくかというときに、今みたいな防止措置も必要ですし、ハード側でいろんなことの整備もしていかないといけないですけども、いわゆる衝突するときのその衝突のエネルギーというのが、運動エネルギーでいう、車なりの重さ質量と速度の自乗に比例するという式がありますけれどもね。  そういうことを見ると、1つは、車のほうの質量なりそういうものをもっとちっちゃくしていくということが今申し上げた衝突のエネルギーの軽減につながる、すなわち事故時の衝撃力を和らげるということにつながりますし、同時に、速度が極力それほど出ないような、そういう車なり移動手段に変えていくということが大事なのかなというふうに思って質問させていただきます。  先ほども言及しました完全自動運転による配送とか配車サービスというのも、そう遠くない将来にまずは都市部で実現していくのでありましょうが、当座は単身者や高齢夫婦等の方々のですね。近距離移動においては、電気エネルギーを利用したよりコンパクトかつスモールなモビリティーを普及促進したほうが、今申し上げたように、なかなか100%は防ぎ切れないという対人事故における被害の軽減においては有効ではないかと思います。  こうした超小型モビリティーの導入と、それに伴うより人に優しいまちづくりについて、知事の所見を伺い、質問を終わります。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  今お取り上げいただいた超小型モビリティーというものは、従来の自動車よりコンパクトで小回りがきいて、地域の手軽な移動手段となり得るということから、高齢化の進む住宅地におけるラストワンマイルですとか、密集地、市街地でのカーシェアリング等で有効に活用できるものと認識しています。  また、環境性能にもすぐれ、議員御指摘のとおり、対人事故における被害は従来の自動車に比べ軽減されることから、人に優しいまちづくりに資するものであると認識しています。  しかしながら、現状では、車両との事故になったときにおける安全性への不安でありますとか、多くの荷物が積めないなどの利便性への懸念、充電設備の不足などの課題といったことがあるということでございます。  このため、国においては2020年の本格的な普及を目指し、諸課題の解決に向けた検討が進められているところでございまして、県といたしましては、今後の検討状況や技術開発の動向、関連制度の整備状況等を注視してまいりたいと存じます。 ◆36番(木沢成人議員) ありがとうございます。終わります。(拍手) ○議長(生田邦夫) 以上で、36番木沢成人議員の質問を終了いたします。  以上で本日の質疑ならびに質問を終わります。  明21日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後5時1分 散会    ────────────────...