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令和 元年 6月定例会議(第2号〜第8号)−06月17日-02号

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  1. 滋賀県議会 2019-06-17
    令和 元年 6月定例会議(第2号〜第8号)−06月17日-02号


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    最終取得日: 2023-05-14
    令和 元年 6月定例会議(第2号〜第8号)−06月17日-02号令和 元年 6月定例会議(第2号〜第8号)                 令和元年6月定例会議会議録(第3号)                                        令和元年6月17日(月曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第2号                                         令和元年6月17日(月)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第134号から議第144号まで(令和元年度滋賀県一般会計補正予算(第1号)ほか10件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(44名)    1番   井  狩  辰  也       2番   本  田  秀  樹    3番   柴  田  清  行       4番   重  田     剛    5番   白  井  幸  則       6番   清  水  ひ と み    7番   村  上  元  庸       8番   河  井  昭  成    9番   佐  口  佳  恵       10番   小  川  泰  江
       11番   黄 野 瀬  明  子       12番   松  本  利  寛    13番   杉  本  敏  隆       14番   田  中  松 太 郎    15番   角  田  航  也       16番   塚  本  茂  樹    17番   山  本     正       18番   大  橋  通  伸    19番   駒  井  千  代       20番   中  村  才 次 郎    21番   桑  野     仁       22番   周  防  清  二    23番   海  東  英  和       24番   加  藤  誠  一    25番   竹  村     健       26番   佐  藤  健  司    27番   目  片  信  悟       28番   有  村  國  俊    29番   大  野  和 三 郎       30番   岩  佐  弘  明    31番   富  田  博  明       32番   細  江  正  人    33番   生  田  邦  夫       34番   川  島  隆  二    35番   奥  村  芳  正       36番   木  沢  成  人    37番   清  水  鉄  次       38番   冨  波  義  明    39番   江  畑  弥 八 郎       40番   成  田  政  隆    41番   九  里     学       43番   今  江  政  彦    44番   中  沢  啓  子       45番   節  木  三 千 代            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               選挙管理委員会委員長      世  古     正               人事委員会委員長        西  原  節  子               公安委員会委員長        堀  井  と よ み               代表監査委員          藤  本  武  司               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             由  布  和 嘉 子               知事公室長           水  上  敏  彦               総合企画部長          廣  脇  正  機               総務部長            江  島  宏  治               文化スポーツ部長        中  嶋     実               琵琶湖環境部長         石  河  康  久               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        森  中  高  史               農政水産部長          西  川  忠  雄               土木交通部長          川  浦  雅  彦               会計管理者           青  木  幸  一               企業庁長            桂  田  俊  夫               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            廣  瀬  年  昭               議事課長            山  本  昌  男               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(生田邦夫) これより本日の会議を開きます。  直ちに日程に入ります。    ──────────────── △議第134号から議第144号まで(令和元年度滋賀県一般会計補正予算(第1号)ほか10件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(生田邦夫) 日程第1、議第134号から議第144号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、会派代表による質疑ならびに質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、27番目片信悟議員の発言を許します。 ◆27番(目片信悟議員) (登壇、拍手)盛大な拍手、ありがとうございます。おはようございます。  まず冒頭に、先月、大津市内で発生いたしました大変痛ましい事故におきまして、2名の幼く、またとうとい命が失われましたことは痛恨のきわみであり、お亡くなりになった園児と幼い我が子を亡くされました御遺族に対しまして、心から哀悼の意を表したいと存じます。また、負傷されましたお子様や保育士の方々に対しましても、心身の御回復を心よりお祈りを申し上げます。  二度とこのような事故を起こさないよう、あらゆる点検、また検証を行うと同時に、ハード、ソフト両面から、そして何より、運転者への交通安全への意識啓発をしっかり行うよう求めておきたいと思います。  さて、4月の統一地方選を経て、新たなメンバーも加わりました。そして、令和と元号が変わった最初の定例会議に臨むに当たり、この4年間しっかりと、県民福祉の向上、そして、まさしく持続可能な社会づくり推進のため議論を深めてまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願いをいたします。  また、質問に入らせていただく前に、一言申し上げておきたいと思います。  ことしに入ってから、当局よりたび重なる不祥事や不適切な事務処理等に関する説明、おわびがたびたびございました。一体県庁は何をしているんだと言いたくなるほど、数え出したらきりがない件数が報告をされております。  計量法違反や自動車税納付通知書ふぐあい事案ホームページのお粗末な更新作業、そして2月定例会議で議決した使用料および手数料条例における金額設定の誤りなど、行政の信頼を著しく失墜させる大変憂慮すべき事態であり、まことに緊張感のない、お粗末な業務の遂行に対し、改めて行政組織をしっかりとしたガバナンスの構築をお願いするとともに、猛省を促したいと存じます。  それからもう1つ、流域治水対策であります。特に大戸川ダムにつきましては、県民の命と財産を守るという立場から勉強会を開催され、その結果、滋賀県知事として、国や下流自治体に対し早期の整備を要望されるという大英断に対しまして、高く評価をするものでございます。やれることはちゅうちょすることなく実行する、これこそが県民の命を守るということであります。  引き続き、県民福祉の向上のため、国と良好な関係を構築するために、我が会派もしっかりと支援をしてまいります。  前置きが少し長くなりましたが、それでは、自由民主党滋賀県議会議員団を代表いたしまして、知事、教育長ならびに警察本部長に質問いたします。  それでは、「変わる滋賀 続く幸せ」を推進する県庁力の最大化についてお尋ねをいたします。  まず、県庁における事務処理や業務処理において、数々の不適切な取り組み事案について問います。  先ほど指摘いたしましたが、行政機関はしっかりとしたガバナンスのもと、確実な業務遂行に当たらなければなりません。それこそが県民の信頼に応える最たるものでございます。にもかかわらず、その信頼を失墜させる事案が頻発しております。また、それは議会軽視とも受け取られる問題もございます。  知事は6月定例会議開会日の提案説明の中で、このたびの不適切な事案等に対する報告とおわびをおっしゃいましたが、行政経営方針では、事務処理の誤りや不適正な業務処理等の防止に向けて、業務遂行にはあらかじめリスクがあることを前提として、そのリスクをきちんと評価しながら、適切な対応策を講じるよう、内部統制に関する方針の策定と体制の整備をうたっております。現状、そのとおりに実行できているでしょうか。このような事態は県庁力が低下していると言わざるを得ませんが、改めて知事にその認識を伺います。  先ほども申し上げましたが、公的機関として法令遵守は当然のことであるにもかかわらず、このような事案が一体県庁においてなぜ頻発して起きるのか。また、県職員の法令遵守を推進するためのこれまでの取り組み、および不適切事案の再発防止に向けての取り組みとあわせて伺います。  そして問題が発生した場合、原因の究明と改善、それに加えて、責任の所在と責任のとり方がこれまでから少々甘いのではないかという指摘があります。おわびはされるものの、結局は頭を下げてそれで終わりということが、これまでからの県当局の姿勢でありました。  例えば使用料の金額訂正問題や私立学校の補助金返還問題などは、おわびすればそれで解決という問題ではないと考えますが、特に問題発生時の責任のとり方について、知事に見解を伺います。  次に、この令和元年度は、新たに策定されました滋賀県基本構想の初年度であります。2019年度から2030年度までを計画期間とし、基本理念に「変わる滋賀 続く幸せ」を掲げ、その推進に当たり、あわせて行政経営方針が策定をされました。  昨年度にもさまざまな議論がありましたが、改めて新年度に入り実際に動き出した今だからこそ、この基本構想推進の着実な第一歩を踏み出すために伺ってまいります。  県は今年度より、組織整備として、従来の総合政策部県民生活部を解体し、新たに知事公室、総合企画部、そして文化スポーツ部に改編をされました。  振り返りますと、平成28年度に組織改編をされ、わずか3年後に再び改編をされましたが、2月定例会議での我が会派の代表質問において、従来組織と課題と再編の狙いについて質問したところであります。  今年度も2カ月余りが経過いたしましたが、組織改編の概要も明らかになり、議員改選後初の定例会議において、とりわけ知事の政策形成に大きくかかわる知事公室と総合企画部について、組織運営の方向性について、改めて知事のお考えを伺います。  まず、知事公室について伺います。  従前の体制では何か具体的な課題があったのか、また、広報と防災危機管理に特化されたのはなぜか、また、新しい体制で何を目指し、どう取り組もうとされているのか伺います。  特に広報では先ほども申し上げましたように、ホームページの更新作業において、まことにお粗末な仕事ぶりがありました。これは組織改編以前の問題とも考えますが、組織が変わればこうした事案はなくなるのでしょうか。いま一度、知事の組織改編に対する評価も含め伺います。  次に、総合企画部について伺います。  従来の総合政策部が担ってきた県の司令塔としての役割、旗振り役としての機能は大変重要であります。しかしながら、今回の再編において所帯が大きくなり過ぎ、その機能が見えにくくなっているのではないでしょうか。企画調整課に従来の県民生活部に属した5課、さらに国際課、大学連携業務を加えてできた総合企画部は、基本構想の推進に向け、県においてどのような役割を果たそうとされているのか、知事に見解を伺います。  次に、滋賀県行政経営方針2019について伺います。  新しい基本構想で掲げる滋賀の未来の姿を念頭に、2030年に向けて目指す県庁の姿を描き、対話と共感、協働で築く県民主役の県政実現を経営理念とする滋賀県行政経営方針2019に基づく県政運営がスタートいたしました。  さきの5月招集会議において、知事は「県民サービスの向上、県財政の健全化、健康経営の実現を同時に目指す行政経営を基本的な方向とし、見える、攻め、多様性の3つの視点を基本に、県として、組織力、また県庁力を高め、スピード感を持って行政課題に的確に対応できる行政経営に取り組む」と決意を述べられました。  しかしながら、基本構想を行財政面から下支えするため滋賀県行政経営方針2019が策定されましたが、どうも行政経営という言葉だけが先行し、取り組みはまだまだ不十分と感じます。そもそも経営とはどういうものであるか、改めて知事の認識を伺います。  次に、歳入確保についてでありますが、私は常々から、県政経営も民間企業の経営も根本的には同じであると考えております。県民の満足度を高めていくためには、いかにそのための財源を確保するのかが重要であります。  入りをはかる取り組みが不十分であれば、県財政の健全化はまさに絵に描いた餅であります。歳入確保策にはさまざまな手だてがあり、思い切った合法的取り組みに活路があります。  例えば、ネーミングライツやふるさと納税は買い手が魅力を感じるものを提供しなければならないし、県有地の利活用にしても、売却か賃貸借か、または政策的に利用する部分など、その仕分けをきっちりやらなければならないと考えます。基幹的な歳入である県税や地方交付税国庫支出金の増収も含め、歳入確保に向けた知事の意気込みを伺います。  次に、資産の有効活用についてであります。  未利用地や遊休地の利活用は、売却だけでなく、貸すこともまた一計かと思います。行政ニーズや環境の変化によって将来的にその財産が必要になることもあるかもしれませんし、より好条件な取引を考えなければなりません。こうした予測に基づく資産の活用こそ、民間の知恵やノウハウも取り入れながら、長期的、戦略的に資産の有効活用を図っていく必要があると考えますが、知事の見解を伺います。  次に、私学振興について伺います。  本県の私立の幼小中高等学校には、平成30年5月時点の数字でありますが、1万3,271人の園児、児童生徒が通っています。特に、高等学校においては私立の生徒が全体の2割を超えており、近年、その割合が増加しつつあります。生徒や保護者の教育に対するニーズが多様化する中、建学の精神に基づき特色ある教育を行う私立学校が一定の評価を受けていると考えられます。  一方、国においては、我が国の未来を担う世代を育てるために、条件整備として、大学生に対する就学支援や幼児教育、保育の無償化に続き、来年度から私立高等学校生徒に対する就学支援金制度の拡充をして、支援金の増額や支給対象の拡大を行うこととしております。これにより、保護者の年収が目安として590万円未満の場合には授業料が実質無償化され、家庭の経済状況にかかわらず、幅広く教育が受けられる環境が整います。  本県では、公立、私立を問わず、滋賀の子供は滋賀で育てるを基本として、各校が特色ある教育に取り組んでおられますが、来年度から全国的に私立学校への就学について条件整備がなされる中で、公教育を担う私立学校の役割およびその財政支援の必要性について、どのように考えられるのか伺います。  また、子供たちの私立学校への就学の条件を整備するには、生徒への支援とともに、学校への支援が必要です。施設の耐震化、ICT教育環境の整備を初めとする教育改革への対応などの経費の増大は、経営努力だけではカバーできず、授業料や施設整備費の値上げにつながり、結果として生徒、保護者の負担が大きくなっています。  本年度の県予算では、学校への支援である私立学校振興補助金は、県財政が厳しい中で知事初め財政当局の御理解もあり、通信制を除く高等学校および幼稚園において、生徒、園児1人当たり1,000円増額されました。  しかしながら、前知事が断行した平成20年度の財政構造改革プログラムによる大幅な削減は、その後12年たっても回復しておらず、全国でも非常に低い水準にあります。
     この私立学校に対する振興補助金の財源である国庫補助金地方交付税の単価は安定的に増額され、高等学校においては、両者を合わせた国の財政措置額の単価は、本県の単価32万3,000円を1万3,300円上回る33万6,311円であり、その差は年々拡大しているのが実情であります。  また、先ほど申し上げた生徒に対する国の就学支援金制度の拡充により、現在、国の就学支援金に県独自で上乗せしている補助金の財源が不要となりますが、これをどう扱うかという問題も出てまいります。ちなみに、今年度の予算は2億1,287万円でございました。  滋賀の子供たちがたくましく生きる力を育む環境を整備するには、公教育を担う私立学校に対する補助を計画的に拡充していくことが必要であります。県としては、今後どのように対応していくおつもりなのか、見解を伺い、この項の質問を終わります。  次に、スポーツイベントを活用した地域振興についてお尋ねをいたします。  我が国においては、ことし開催されるラグビーワールドカップ2019を初め、来年に迫った2020年東京オリンピックパラリンピック競技大会、2021年5月に開催されるワールドマスターズゲームズ2021関西や、2024年、本県で開催を予定している国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会など、さまざまなスポーツイベントが各地で開催される予定であります。  国では、来年の東京オリンピックパラリンピックの開催を我が国が活力を取り戻す弾みとなるものとし、地方自治体と東京オリンピックの参加国や参加地域が人的、経済的、文化的交流を行うホストタウンの取り組みを通じて、地域の活性化や観光振興などを推進しています。  この取り組みでは、大会期間中の外国人観光客や選手たちの日本の伝統行事への参加や和食体験、大会終了後の選手と子供たちの文化的交流などが想定されております。  本来、スポーツは、県民の皆さんの健康づくりや体力の向上に大切な役割を果たすことはもちろん、夢や感動、活力をもたらすことのできるものであり、その環境づくりが重要であることは言うまでもないことでありますが、本県にとって、先ほど紹介した国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会まで続けて開催されるスポーツイベントは、地域の活性化に向けて絶好の好機であります。知事も平成29年6月の我が会派の代表質問において、「今後行われる各種スポーツイベントが、地域経済活性化につながるようしっかりと取り組む」と答弁されております。  一度でも本県の魅力を感じてもらえれば、人から人へとその情報は伝わり、国内外から大勢の人が集まるきっかけとなります。これらの大きなスポーツイベントを機に、国内外との交流人口を増加させ、地域の活性化につながるような戦略を持って、今こそさまざまな施策を進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。  とりわけ、地域の活性化はもとより、ビジネスにつなげていくことは重要なテーマではないでしょうか。一連のスポーツイベントを通じて将来につながるビジネスへの展開など、大会が終わった後も地域経済の活性化に寄与する施策を展開していく必要があると考えます。  特に、ワールドマスターズゲームズは開催が再来年に迫ってきており、喫緊に具体的な取り組みをしていく必要があると考えますが、どのような取り組みをされるのか伺います。  また、スポーツイベントを通じて、スポーツに対する県民の皆さんの関心を高めることも重要であり、知事は基本構想の「みんなで目指す2030年の姿」の中で、最初の「人」という項目の冒頭に、「スポーツ・運動の習慣などにより、健康的な日常生活が送られています」と掲げられています。  しかしながら、平成30年度の滋賀県スポーツ実施状況調査結果によりますと、本県の成人の週1回以上のスポーツ実施率は39.9%であり、全国実施率55.1%を大きく下回っており、県民の皆さんの実情は基本構想に描かれている姿とは差があるように感じます。  そこで、県民の皆さんがスポーツへの関心を高め、運動、スポーツ習慣の定着につなげるため、今後、知事はどのような効果的な施策を行おうとされているのか。基本的な考え方と具体的な取り組みについて伺います。  さらに、スポーツを通じた地域の活性化を推進するため、また、県民の皆さんの機運を盛り上げスポーツイベントを楽しんでいただくためにも、本県の代表の活躍が必要であり、競技力の向上の取り組みは重要であると考えます。  県では、平成26年12月に策定された滋賀県競技力向上基本計画の中で、2024年国民スポーツ大会において天皇杯獲得を目指すと表明されていますが、昨年の福井国体では本県の成績は31位であり、目標としていた20位台前半には届いておらず、少々心もとない状況で、まだまだ課題が多いのではないかと考えます。  知事は、限られた時間の中で、本県の競技力の向上に向け、今後、具体的にどのように取り組もうとされているのか。成年と少年、それぞれの種別ごとの強化策について所見を伺います。  さて、県では、第79回国民スポーツ大会、第24回全国障害者スポーツ大会開催基本方針の中で、県民総参加でつくるということを掲げられており、また、本県のスポーツ振興や県民の皆さんの健康づくりを推進する観点からも、まずは県民の皆さんに本県での大会開催を知っていただくことが重要であります。  しかしながら、昨年12月のスポーツ実施状況調査結果によると、2024年に滋賀県で国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会が開催されることを知っている方は全体の36.7%にとどまっており、我々の実感としても、県内各地域において盛り上がっているとは到底言えない状況です。  また、正式競技の会場地についても、現在未定の競技が7競技もあり、市町と関係団体との調整や会場地の内定が当初の予定よりもおくれております。こうした状況を早く改善し、各地域で大会を盛り上げていくためには、県の取り組みを充実させることはもとより、市町や関係団体の皆さんの協力が必要と考えます。  そこで、今後、県は地域における大会の盛り上がりに向けてどのように取り組もうとしているのか。また、正式競技の会場地の内定は、県外での開催も含め、どのような状況で、いつ全ての会場地が決まるのか。さらには、今後、連携が必要な市町や関係団体をどうサポートしていくのか。知事の所見を伺い、この項の質問を終わります。  次に、琵琶湖を取り巻く本県の森林づくり推進と今後の方向性についてお尋ねいたします。  昨年は、本県においても台風や集中豪雨による想定を超える強風や大雨に見舞われました。その中で、杉やヒノキの人工林では多くの倒木が発生し、広範囲にわたって被害が広がっていた状況は、本来森林が有している土砂災害の防止や水源涵養といった機能の低下を危惧するところであります。  知事も12日の提案説明の中で、「風倒木処理や放置林対策は喫緊の課題」と述べられていますが、ここ数年続いているこうした状況の中で、これから梅雨や台風のシーズを迎えるに当たり、人工林で生じた倒木について速やかな処理を講じ、本来森林が持っている機能を早急に回復する必要性があると考えますが、まずはその見解を伺います。  また、放置林対策を進めるために、ことし4月に施行された森林経営管理法において、森林の経営管理に係る森林所有者の責務が明確にされ、森林所有者による管理が困難な森林については、市町が関与して放置林対策を進めるものとされています。  こうした放置林は、先ほど述べたように、森林保全の観点から管理をおろそかにすることはできません。ところが、県内の市町においては、法に基づく制度を進めるに当たって、中心的役割を担う市町職員の十分な体制が整っていない場合が多いと仄聞をしております。県として市町への支援は不可欠なことと思いますが、今後どのような対応をとろうとしているのか伺います。  去る6月2日、令和になって初めての第70回全国植樹祭あいち2019が、天皇、皇后両陛下の御臨席のもと、愛知県森林公園で開催されました。1万人を超える参加者があり、森林に対する理解を深めるすばらしい機会になったことと拝察いたします。  一方で、令和3年の春には本県で第72回全国植樹祭が行われることとなりますが、開催地を甲賀市の鹿深夢の森を式典会場とすることを昨年10月決定され、県民にも親しみやすい行事となるよう、大会テーマやシンボルマークの選定に取り組んでおられると聞いております。  今回の全国植樹祭では、森を守ることが琵琶湖を守るという滋賀らしさを表現するとともに、これを契機に、森、川、里、湖のつながりを意識した森に対する県民の関心を高めることが重要と考えます。  また、いまだ県民にはよく認知されているとは言えない状況の中で、植樹祭の意義を踏まえ、滋賀らしい取り組みを進め、次世代に健全で緑豊かな森林を持続的につなげていくことは、今後の大きな課題であります。  今回の植樹祭の開催に向けて、十分な準備体制のもとで広報や啓発に取り組むこと、さらなる機運を醸成していくことが望まれますが、残された準備期間において、どのように取り組まれるのか伺います。  また、前回の植樹祭が行われました金勝の森は、今も県民、市民の憩いの場として愛されていますが、鹿深夢の森は将来どう生かしていくのか、あわせて伺います。  この項の最後に、本県の森林、林業を取り巻く社会環境については、少子化や労働力人口の減少とともに、農山村地域の過疎化や高齢化、野生生物による獣害や台風等による山地災害の増加、利用可能な森林資源への期待の高まりなど、大きく変化しつつあると認識しています。こうした課題に対応するため、新しい取り組みとして滋賀もりづくりアカデミーを設立し、今後、人材育成への取り組みを強化していく方針が示されました。  こういった変化で生ずる新たな課題に対し、利用可能な森林資源の活用に向けて、今後、国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会も含めた公共建築物等における県産材の利用をどのように進めていくのか。また、森林を保全する上での人材育成や農山村の活性化をどう取り組んでいくのか、あわせて伺います。  山の知事になるという意気込みは大変すばらしいものがあります。植樹祭の理念である「森を守ることが琵琶湖を守る」を一過性の目標にすることなく、これからも持続的な形に落とし込めるようやっていかなければなりません。今後の展開に大きく我々もかかわっていくことを表明し、この項の質問を終わります。  次に、みんなでつくる健康しがの取り組みについてお尋ねします。  先日、フィットネスクラブ運営会社が発表した都道府県別ダイエット成功ランキングで、本県が見事第1位となりました。これはダイエットの成功、失敗に関する調査として初めて実施されたもので、全国の20歳から69歳の男女4,200人余りについて、ダイエットをしたことのある人のうち、ダイエットに成功した割合を都道府県別に算出をいたしました。  この結果、本県は男性が2位、女性が8位、男女合わせた総合部門では51.4%とトップになりました。特筆するべきは、ダイエットのきっかけが、「健康のために自発的に」、「健康のために医者から勧められて」と回答した割合が、他の都道府県より高くなっているということであります。  平成29年12月に公表された平成27年の都道府県別平均寿命において、男性が81.78歳で1位、女性が87.57歳で4位となる中で、健康寿命のさらなる延伸を図るため、県を挙げて、健康しがの推進に向けた土壌づくり、基盤づくりを進めてきた成果が一定あらわれた数値と言えるかもしれません。  昨年度、企業や大学、それに各種団体など多種多様な主体の連携により、県民の健康づくりの新たな活動を創出することを目指して「健康しが」共創会議が設置され、現在、参画団体数は144に上っています。目に見える具体的な取り組みがさらにふえることが期待されますが、効果的な取り組みについては県の事業に位置づけるなど、県として主体的にかかわっていくことが求められます。共創会議の活用を含めて、健康しがの推進に向けた今後の取り組みについて伺います。  特に、健康無関心層へのアプローチが重要だと考えます。この点について、これまでの取り組みを踏まえて見解を伺います。  こうした中、滋賀大学データサイエンス学部に委託するなどして県が実施した平均寿命、健康寿命の要因の調査分析結果が公表されました。循環器専門医や図書館の貸し出し冊数の多さ、また、シルバー人材センターの登録率の高さが県民の長寿につながっているとされました。  しかし、内閣府が主催した第1回日本オープンイノベーション大賞で、ことし2月に内閣総理大臣賞を受賞した、青森県の弘前大学、健康ビッグデータで、寿命革命を実現する健康未来イノベーションプロジェクトと比べると、かなり見劣りする陳腐な内容と言わざるを得ません。  弘前大学のプロジェクトは、平均寿命が日本一短い青森県の汚名を返上しようと、県民の健診などで得られた2,000項目の健康ビッグデータを分析し、研究機関や企業が連携して、およそ50種の疾患の発症予測モデルを開発、これらをもとに、疾患の早期発見につなげるとともに、健康維持や予防に効果的な製品やサービスを生み出すことを目指しています。  既に民間の投資は年間およそ3億円、経済効果は推計でおよそ242億円に上り、地域経済の活性化に貢献しているほか、男性の平均寿命の伸び率が全国3位になるなど、成果が出てきております。弘前大学のプロジェクトの成果と比較を含め、本県の健康寿命延伸のためのデータ活用事業への評価を伺います。  一方、国がこのほど取りまとめた健康寿命延伸プランでは、団塊ジュニア世代が高齢者となり、65歳以上がおよそ4,000万人とピークに達する2040年までに、健康寿命を男女ともに2016年と比較して3年以上延ばし、75歳以上とすることを目標としています。  プランでは、保険者インセンティブの強化を狙って、取り組みの一つに、国民健康保険の保険者努力支援制度を活用した生活習慣病の重症化予防が盛り込まれました。言うまでもなく、国民健康保険制度は昨年度から都道府県に単位化され、健康しがの推進に当たっては保険者の視点も欠かせません。保険者としてのどのように県民の健康づくりや健康寿命の延伸を図るのか、今後の国民健康保険制度の運営の考え方とあわせて伺います。  また、介護予防、フレイル対策では、今般の健康保険法等の改正で規定された高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施を推進するとして、介護保険の通いの場を活用しながら、令和6年度までに全市町村で展開することが明記されました。国は秋にもガイドラインを示す方向ということですが、こうした取り組みの県内における現状と県の対応について伺い、この項の質問を終わります。  次に、世界から選ばれる滋賀についてお尋ねいたします。  知事は、ことしの仕事始めに当たって、「キーワードは世界である」と述べ、「世界に開かれ、世界とつながり、世界から選ばれる滋賀県を一緒につくっていきたい」と決意を表明されました。その上で、「農林水産業、商工業、観光業、県民に所得をもたらす世界に冠たる企業が私たちにはある。これらの価値をしっかりと世界に発信していきましょう」と、職員の皆さんに呼びかけました。  初めに、今年度の施策、事業において、こうした意気込みをどのように具体化していくのか伺います。  こうした中、知事は4月24日から5日間の日程で、自民党の二階俊博幹事長を団長とする訪中団の一員として、山梨県知事、高知県知事とともに中国を訪問されました。まさに政権与党とともに歩むという強い姿勢が感じられました。  中国では、習近平国家主席との会談に同席し、一帯一路国際協力ハイレベルフォーラムに参加したほか、北京の日本大使公邸で開催された日本産品のPRイベントでは、中国のメディアや旅行会社、飲食業界の皆さんに滋賀の食材や観光の魅力をプレゼンするとともに、近江米のおにぎりや滋賀の地酒を振る舞ったということであります。  この際、二階幹事長から、「現地の皆さんに日本の食品を食べてもらって、あるいは見てもらって、理解してもらうという努力が日本側に足りないのではないか。あとは関係者の努力を待つのみです」と叱咤激励があったと報道されていますが、初めに、今回の訪中の成果について伺います。  また、知事の海外訪問は、平成26年の就任後、14回目となります。知事みずからが海外で行うトップセールスの意義と、これまでの手応えについて伺います。  PRイベントでは、県内7つの蔵元の日本酒を提供し、来場した北京の商社の幹部からは、早速、滋賀県の地酒の取り扱いをふやしたいとのオファーがあったということであります。商談の成約に期待が集まりますが、実際には、帰国後、観光振興局から滋賀県酒造組合に引き継がれただけで、これでは観光振興局に地酒振興の担当者がいる意味がないどころか、成約に向けた県のやる気が全く感じられないことに愕然としてしまいます。  昨年、我が会派は、全国でもいち早く日本酒の海外展開に取り組み、現在ではおよそ30カ国に輸出している山形県の出羽桜酒造を視察いたしました。平成28年3月に策定された本県の農畜水産物輸出戦略においても、滋賀の食をトータルで売り込むと日本酒との連携がうたわれていることを踏まえると、こうした契機に、滋賀県酒造組合と連携して、官民一体となった地酒の海外向けの戦略を策定してはどうかと考えますが、知事の見解を伺います。  国は、農林水産物の輸出額を今年度までに1兆円に引き上げる目標を掲げ、さらに輸出を拡大するために、各国との交渉と輸出審査を一元化した組織を来春にも新設する方針を明らかにいたしました。滋賀県農畜水産物輸出戦略の推進期間は来年度までとなっていますが、これまでの成果を具体的に数字で示すとともに、取り組みの評価を伺います。  来月18日には、インバウンドの促進や経済貿易促進に取り組む新たな拠点として、中国湖南省に滋賀県誘客経済促進センターが開所します。センターが設置される、長沙高新区、国際科学技術ビジネスプラットフォーム内には、既に20余りの国や地域の政府機関などが事務所を開設しており、単に湖南省だけにとどまらず、さらに幅広い国との関係構築も望まれます。  こうした中、知事は先日、これまで民間に担っていただいていた公益社団法人びわこビジターズビューローの会長に就任されました。従来、県は、観光施策全般に関する企画立案や市町等との調整は県が行うとする一方で、ビューローは、専門性を生かしながら本県のプロモーションや観光資源の開発など具体的な事業展開を担う役割を整理し、さらに、ビューローの自立性を高めるために自主財源の充実を求めてきました。知事の会長就任はこれまでの取り組みに逆行するかのように見えますが、就任の狙いをぜひお聞かせください。  本県では、姉妹都市友好提携に加えて、平成25年には台湾台南市と、平成26年にはベトナムホーチミン市、平成29年にはベトナムクアンニン省と、環境や経済分野等の協力に関する覚書を締結しております。こうした結びつきを覚書だけに終わらせることなく、2030年に輸出額を現在の5倍となる5兆円にまでふやそうとする国の動きにも呼応していくことが求められます。  地酒や農畜水産物の輸出拡大に向けた今後の県の取り組みと、世界から選ばれる滋賀を目指す知事の本気度を伺い、この項の質問を終わります。  次に、本県農業の強靱化についてお尋ねいたします。  刈り取り前の麦が風になびくこの季節、その横では植えられたみずかがみやコシヒカリ、さらには渡舟といった酒米の苗も元気に育ち、黄色と緑の美しい近江の風景をつくっています。ことしは災害にも見舞われず、秋の豊作を迎えられますようにと願うばかりであります。  昨年は台風で大きな農業被害を受けました。また、夏の暑さを災害とまで呼ぶ異常な気候状況でありましたが、昨年6月には気候変動適応法が公布され、本県もいち早く、本年1月には気候変動適応センターを立ち上げ、今後の対応を検討する体制を整備されました。  気候変動はさまざまな自然に大きな影響を及ぼすことは容易に想像できますが、我々が生きる上で絶対欠かせない食料を確保するという使命の農業は、その変動に耐え得る対策が必要であります。  去る5月13日に本県で開催された気候変動に対応する農業技術国際シンポジウムにおいて、三日月知事も、滋賀県農業は気候変動へのソリューションと題して講演されました。  そこで、まず、気候変動が及ぼす本県農業への影響について、知事はどのような見解をお持ちなのか伺います。  一方、今、国では日本農業を海外から守る視点での種苗法の改正が検討されています。農産物を品種登録すると、種苗法により登録者、育成者の販売権が保護されるものの、種苗の海外流出を食いとめる規制の不備な点を強化するものであります。新品種の開発は日進月歩であります。時間とお金をかけて開発したみずかがみや渡舟、もちろん歴史ある近江牛も滋賀の重要な地域資源であり、滋賀県で守り育てていかなければなりません。  さらに、肥料取締法の改正にも着手されたと報道されています。今の法律では、堆肥などの特殊肥料は化学肥料と混合しての販売が認められておらず、農家にとっては散布が二度手間になるほか、有用であるにもかかわらず、利用できない産業副産物を原料にできるための改正とのことであります。  本県も有機農業を推進するとしていますが、このように農業を取り巻く環境の変化に将来を見据えて対応するということを、もっと滋賀県として打ち出していかなければならないと思いますが、こうした国の動向を踏まえ、知事の見解を伺います。  さきに、ことしは災害のない年にと願いを述べましたが、5月に北海道で40度近くを記録する事態を思いますと、ことしもかなり暑い夏になりそうです。昨年の酒米の不作も夏の高温とも言われています。本県が生んだみずかがみは高温に強い品種とのことですが、開発から既に7年です。食味はもちろん重要ですが、生産者にとってつくりやすさも重要な要素であります。  また、米、麦、大豆といった主要な作物は、今後も県としてしっかりと品種の育成の選定に取り組まれると思います。本県には万木カブや日野菜など、風土が生んだ農作物もたくさんございます。本県特有の農作物の品種の保護や改良についてどのような方針をお持ちなのか、お伺いいたします。  また、人口減少や高齢化といった社会変化の中で農業の生産現場の環境を考えますと、革新的な技術の導入は避けて通れません。既に無人のトラクターや自動直進田植機は稼働しており、ドローンによる農薬等の散布も実用化され、本県でも導入されております。  昨年、政府が決めた未来投資戦略では、2025年までに農業の担い手のほぼ全てがデータを活用した農業を実践することを目標に掲げ、その必要な取り組みやその進め方を農業新技術の現場実装推進プログラムとして、去る6月7日に発表されました。  プログラムで、例えば稲作経営では、現在の収入や労働時間が新技術によってどう進化するかなどを示すとともに、技術の開発、実証、普及などをどう進めていくのか、ロードマップも作成されています。こうした国の動きの中にあって、本県農業におけるいわゆるスマート農業を初め革新的な技術の導入について、普及体制を含め、どのようなお考えか伺います。  ここまで、農業の技術面からの振興について知事の考えを伺ってまいりましたが、さまざまな技術が日々動いております。2月の我が会派代表質問で、主要農作物種子法を引き継ぐ条例を目指すということでありましたが、代わるだけの条例では時代についていけないという思いが我が会派にはございます。  令和の時代、シンポジウムでの講演や最近のさまざまな動きの中で、改めて、技術面も含めて、滋賀の農業を振興するための条例制定について、スケジュール感も含めて知事の考えを伺います。  一方、ハード面、すなわち農業農村基盤の強靱化であります。中でも急がれるのは、昨年7月の西日本豪雨で決壊が相次いだため池の対策であります。  県内には約1,600カ所のため池が存在するとのことであり、昨年、緊急点検を実施されました。今年度、令和10年度までを期間とするため池の中長期整備計画を見直しされますが、点検後の対応と計画の見直し内容について伺います。  さらに、農業用ダムや頭首工、ポンプ場などの大規模な施設から、水田に注ぐ水路に至る全ての農業水利施設を資産として捉え、施設のライフサイクルコストを低減しつつ、効率的、効果的な保全更新を図るという基本方針のもと、滋賀県独自の農業水利施設アセットマネジメントを推進しています。  残念ながら、あの民主党政権時に大幅な予算を削減したことで、大きなおくれとなってしまいました。しかし、自民党政権に復帰して農業農村整備事業関連予算も回復傾向に転じ、令和元年度当初予算では前年を大きく上回る規模の予算が確保され、ようやく民主党政権前の水準となりました。これも土地改良関係団体や知事執行部、そして農村基盤整備推進議員連盟の熱心な取り組みの結果だと思います。  本年度の国費の割り当て状況および次年度以降の予算確保も含め、今後、このアセットマネジメントの推進方針を伺い、この項の質問といたします。  次に、交通安全対策について、知事と警察本部長に伺います。  冒頭述べましたように、大津市内の痛ましい交差点事故を受け、交通量1万台以上の県管理交差点約600カ所の安全確認が実施されました。確認内容は、歩車道境界ブロックの状況、防護柵の状況、既存施設の損傷の有無、信号、横断歩道の有無、通学路の指定の有無、近年の事故発生状況、緊急対策の必要の有無などとされています。  そして、5月中に安全確認を済まされましたが、その結果はどのような状況であったのか。中でも緊急対策が必要な交差点には早急な対応が必要でありますが、どのように対処されるのか、知事に伺います。  また、交通量1万台以下の交差点での安全確認をどのように考えておられるのか。さらに、平成28年度に過去の事故発生件数等から抽出した20カ所の事故危険箇所に対して、どのような対策を行おうとしているのか、知事に伺います。  次に、警察本部長に伺います。  6月12日現在、県下の交通事故による死者は31人であり、昨年同時期より15人多く、大幅に増加傾向にあります。これは本日の新聞で若干数字が13日現在ということで変わっておりますが、こうした中、今回の事故の原因はどこにあるとお考えなのか。また、今回のように右折車両と直進車両による事故のように、歩行者が巻き込まれる事故、県下の交通事故の現状と分析について伺います。  今回の事故を受けて、事故現場の周辺の交差点36カ所の安全確認を初め、各関係機関において既に対策が動き出している状況であります。それぞれの対策がそごなく実効性ある取り組みとなるためにも、関係機関相互がしっかりと連携していただきたいと思います。  また、県警察では、小さな命を守る交通安全プロジェクトをまとめ、危険箇所対策、園児等に対する交通安全教育、保育現場周辺における啓発活動、歩行者保護に向けた交通取り締まり、道路施設の整備、ドライバー教育の充実等の項目について強力に推進していくと聞いております。  その中で、園児等に対する交通安全教育、保育現場周辺における啓発活動の項目についてですが、幼い園児に交通ルールや道路の危険性を伝えていくことが求められております。しかし、保育園が住宅街の一角にあるのか、近くに主要幹線道路がある交通が頻繁な場所にあるのか等、置かれている環境によって啓発の内容等も異なるかと考えます。具体的にどのような創意工夫を持って安全教育や啓発活動に取り組むのか、お伺いをいたします。  次に、歩行者保護に向けた交通取り締まりの項目についてであります。  安全教育や啓発といった活動は、自治体など他の行政機関とも連携して行うことは多いと思いますが、交通取り締まりに関しては警察が主体の活動となります。県警察では、これまでからも交通弱者を守るため、横断歩道を渡る歩行者の安全確保や信号違反の取り締まり等に力を入れておられるとの認識を持っております。  そこで、このプロジェクトにおいて、特段注力していく交通取り締まりは具体的にどのような活動になるのか伺います。  さらには、ドライバー教育の充実についてであります。  交通事故の原因の一つに、前をよく見ていなかったということがあると思います。今回の事故においても、一部そのような報道があったものと認識しております。車両を運転するとき、運転者は全神経を運転に集中して、決して交通事故を起こさないという運転に努めるためにも、危険予知を習慣づけ、リスク回避につなげていただきたいものであります。  そこで、こうした意識を持っていただくには、あらゆる機会に正しい知識、情報を伝え、モラルの向上を図っていくことが大切であります。一般的に運転者が受ける安全教育というのは、運転免許を取得する際の自動車教習所における教育、免許の取得時や更新時の講習と機会が限られております。優良運転者となれば更新は5年に1回です。こうした限られた機会にいかに大切なことを伝えていくか、教育の内容に工夫が要ることは明らかであります。  今回の事故を受けて、ドライバー教育の充実を推進させるということでありますが、具体的にどのようなことを行っていくのか伺います。  今後の交通安全対策は、キッズゾーンの設定や交差点のコンパクト化、ラウンドアバウト等のバリアフリーを考慮した道路施設整備、これまで以上の交通安全教育が求められ、ハード、ソフト両面からの対応が必須の状況であります。
     こうした折、事故発生直後からドライブレコーダーを装着する車がふえたそうですが、あおり運転への備えだけでなく、安全走行を自己に課していこうとするあらわれではないかとも思われます。  また、ビワイチの普及とともに、多くのサイクリストの方々をよく見かけます。安全走行で滋賀の自然を満喫してもらいたいと願っておりますが、一方、事故の危険性も増しているのではないかと心配をしております。  交通事故の危険性は、どこまでも、いつ何時でもはらんでいる現在において、県民の命を交通事故から守る決意を知事および警察本部長に伺い、この項の質問を終わります。  最後に、滋賀の教育について、知事と教育長にお尋ねいたします。  地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律が平成27年4月1日より施行され、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、迅速な危機管理体制の構築、首長との連携強化を図るとともに、地方に対する国の関与の見直しが図られてまいりました。  地方教育行政における責任の明確化が図られ、首長が直接教育長を任命することにより任命責任が明らかとなり、知事の教育行政における役割が一層重要となっております。  また、教育長は、教育委員会の会務を総理し、教育委員会を代表することとなり、第一義的な責任者が教育長であることが明確になっています。  このことを踏まえ、今回、福永氏を教育長に抜擢した理由および新教育長に期待していることについて、お伺いをいたします。  次に、知事は滋賀の教育大綱の策定に当たって、「滋賀ならではの学びを大切にしながら、子供たちの学ぶ力の向上を図り、夢と生きる力を育む教育を進めたい」と述べられています。今回、知事部局から期待されて教育長に任命されたと思いますが、教育全体への思い、教育観、そして自身のキャリアをどのように生かしていこうと考えているのか、教育長に伺います。  次に、昨年度の全国学力・学習状況調査で、小学校6年生、中学校3年生とともに全教科で全国平均に達しなかったこと、障害のある子供たち一人一人の教育的ニーズの的確な把握による学習支援の充実、老朽化による校舎等の改築や大規模改修など、県立学校の施設整備、そして、教職員が健康で生き生きと働くことができ、子供一人一人に向き合う時間を確保していくための教員の働き方改革など、まだまだ多くの課題が残されております。  そこで、滋賀県の教育現状をどのように認識しておられるのか、また、それをどのように解決していこうとしているのか、その認識と解決に向けた決意を、教育長に伺います。  2020年度には小学校において新学習指導要領が全面実施となり、グローバル化や人工知能、AIなどの技術革新が急速に進む中で、子供たちには、みずから課題を見つけ、みずから学び、みずから考え、みずから判断して行動し、よりよい社会や人生を切り開く力が求められ、また、教育課程全体や各教科などの学びを通じて、何ができるようになるのかという観点から、知識および技能、思考力、判断力、表現力など、学びに向かう力、人間性などの3つの柱からなる資質、能力を、総合的にバランスよく育んでいくことになります。  小学校ではプログラミング教育が必修化、中学校ではプログラミングに関する内容の充実、高等学校では、全ての生徒がプログラミングのほか、ネットワークやデータベースの基礎について学習していくことになります。そして、外国語教育としてグローバルな視野で活躍するために必要な資質、能力を育んでいくことになります。  2020年度から実施される大学入学共通テストにおいては、国立大学が英語の国際指標──CEFRでのA1以上、またはA2以上を出願資格とするなど、民間試験の活用方針変更の動きもあります。  そうした中で、今後、新学習指導要領の実施に向けて、どのように学校教育の改善、充実を図っていこうと考えているのか教育長に伺い、自由民主党滋賀県議会議員団を代表しての質問といたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(生田邦夫) 27番目片信悟議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)自由民主党滋賀県議会議員団を代表されての目片議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。  まず、「変わる滋賀 続く幸せ」を推進する県庁力の最大化について、こちらは11点御質問いただきました。  1点目、不適切な事務処理が相次いでいる事態への認識についてでございます。  昨年度来、子メーターに関する計量法違反事案を初め、不適切な事務処理に係る公表が相次いでいることについては、憂慮すべき事態であると認識しています。このような状況が今後も続くようなこととなれば、県民の皆様の県政への信頼を失いかねないことから、再発防止に向けて、組織を挙げて取り組んでまいる所存でございます。  2点目、それでは、不適切な事務処理の発生原因、従来の法令遵守の取り組みおよび再発防止に向けた取り組みについてでございますが、それぞれの事案を分析いたしますと、業務の習熟度や経験値など職員個人の要素と、職場におけるコミュニケーションや引き継ぎのあり方など組織運営上の要素の双方が複合的に絡んでいると認識しています。  これまでの法令遵守の取り組みといたしましては、各職場におけるOJTや各種業務研修を実施するとともに、不適切な事案が発生した場合には、コンプライアンス委員会において情報共有や再発防止策の検討を実施してきたところでございます。  不適切な事務処理の再発防止に向けましては、いま一度、県民の負託に応え、適切に公務を遂行するという原点に立ち返り、私ども幹部を初め、職員一人一人が緊張感を持って基本動作を徹底するとともに、組織といたしましても、業務の改善や職員の育成、風通しのよい職場づくりに一層努めるなど、県民から信頼される県政の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。  3点目、問題発生時の責任のとり方についてでございます。  これまでから、違法性や職員の過失の度合いが大きく、県に大きな損害を与えた事案については、結果の重大性に応じてその責任を問うてきたところでございます。  一方で、不適切な事務処理によって生じた結果について公表すること、原因を究明すること、本来あるべき姿に是正すること、そして再発防止策を講じること、これらにしっかりと取り組むことで責任を果たしてまいりたいと考えています。  4点目、知事公室の組織体制についてでございますが、近年、これまで経験したことがない異常気象とも言える状況により、本県も被害や影響を受ける豪雨などが頻発しております。こうした災害等から県民の生命、身体および財産を守っていくためには、災害発生時はもとより、復旧など事後対策を含めた諸対応について、スピード感や柔軟性、機動性を一層高める必要があると考えています。  また、経済のグローバル化が加速する中で、世界とのつながりを意識しながら、本県の魅力発信や各種広報業務を行う場面においても、同様の課題を感じたところでございます。  このような課題に対する組織面からの対応といたしまして、防災危機管理と広報に特化した知事公室を設置したところでございます。  知事公室は、災害等の危機管理事案や事故等に関する情報を適時的確に私に報告するとともに、私からの指示等をその背景なども含めて速やかに庁内に伝える、また、県内外に県政情報や本県の魅力を効果的に発信していくこととしています。このような役割をしっかりと担うことができる知事公室となるよう、私と職員の思いを一にしてまいりたいと存じます。  次に、組織改編に対する評価についてでございますが、県ホームページのふぐあいにつきましては、現在も解消には至っておらず、多くの皆様に大変な御不便をおかけしており、改めておわび申し上げます。  今回の事案は、知事公室の設置という組織改編だけで発生を防ぐことができるものではない、いわば、議員も御指摘いただきましたが、組織改編以前の問題と私も考えています。  この事案につきましても、先ほど申し上げた複数の要素が絡んで発生したものと認識しており、特に組織運営上の要素がより大きな影響を与えたものと考えております。  管理監督者を初め、職員一人一人がいま一度基本に立ち返り、緊張感を持って職務に取り組むとともに、県民目線に立った組織運営や、コミュニケーションが円滑で風通しのよい組織づくりにより一層努めてまいります。  知事公室の設置から2カ月余りが過ぎました。その間に、大津市大萱で園児を巻き込んだ大変痛ましい交通事故が発生いたしましたが、その事故に際して、複数部局からの情報等を知事公室で整理した上で適時的確に私に報告があり、また、私からの指示は知事公室を通じて速やかに周知され、関係部局が緊急対応を行ったところです。  また、令和への改元記念につきましても、知事公室を中心に、琵琶湖環境部などの関係部局が取り組みの検討を進め、先般、その一つとして、「伐る!から始める『びわこ令和の森づくり』プロジェクト」を始めたところでございます。  しかし、まだまだ課題も多くあると思っておりますので、今後もスピードや柔軟性、機動性が求められる場面、あるいは政策的な判断等を行う場面において、知事公室を基点に、適時適切に全庁的対応を進めていくことができるよう努めてまいりたいと存じます。  続いて、総合企画部の役割についてでございます。  今回の組織改編では、全庁の司令塔、旗振り役としての総合力、企画力、推進力を高めることを狙いとして総合企画部を設置したところです。このため、総合企画部は、「変わる滋賀 続く幸せ」を基本理念に、今年度からスタートする基本構想をしっかりと牽引することと、その推進に向けた各部局の取り組みを下支えすることの2つの役割を担ってまいります。  まず、基本構想の牽引役といたしましては、部局間連携を図りながら、その進行管理を着実に行いつつ、常に状況の変化を機敏に捉え、必要な施策を企画立案していくこととあわせて、県民の皆様に対しましては、基本構想への理解を深めていただき、一緒に取り組んでいただく機運を高めてまいりたいと存じます。  また、基本構想の推進に向けた各部局の下支えといたしましては、世界とつながる取り組みの支援、県民との協働や連携の推進、多文化共生や人権尊重の社会づくり、産官学連携によるデータやICTの活用などといった各分野の具体的な施策を構築、実施するための基盤となる取り組みを進めてまいります。  滋賀県が今直面している未知の変化にひるむことなく、時代に合わせてしなやかに変わり続けるためにも、まずは県庁が変わる必要があると考えます。総合企画部が変わる県政を進め、支える役割を果たすことによって県庁全体の組織力を高め、基本構想を着実に推進してまいりたいと考えています。  7点目、経営に対する認識でございますが、行政における経営とは、県が有する資源の質や価値を守り高め、最大限活用しながら行政課題に的確に対応し、成果を上げていくことにあると考えています。  とりわけ、県の厳しい財政状況を踏まえ、収支改善にも取り組んでいる中、基本構想の着実な推進や直面する行政課題に的確に対応していくためには、歳入確保や資産活用の取り組みは極めて重要であると認識しています。  こうした認識のもと、去る3月に滋賀県行政経営方針2019を策定したところでございますが、本方針では、見える、攻め、多様性の3つの視点を経営の基本的な視点とし、職員一人一人がよって立つ行動指針として示すとともに、「ヒト」、「モノ」、「財源」、「情報」の経営資源ごとに整理分類し、具体的な取り組みを位置づけたところでございます。  8点目、歳入確保についてでございますが、財政収支見通しで見込んでおります多額の財源不足に対応するためには、収支改善に向けた歳入歳出両面からの取り組み、とりわけ歳入確保について一層の取り組み強化が不可欠であると考えています。  これまでから、基幹的な歳入である税や交付税の増収に向けて国に積極的に働きかけてきたところであり、地方消費税の清算基準や法人課税の偏在是正において、本県の提案に沿った形で見直しがなされるなど、一定の成果があらわれてきているところでございます。  引き続き、こうした制度面からの増収対策にしっかりと取り組むとともに、産業振興や地域経済の活性化による県税収入の安定確保にも努めてまいります。  また、国費につきましても、機会を捉えて国への提案、要望を積極的に行ってまいりました結果、例えば、補助土木公共事業の当初配分額はこの4年間で約1.9倍に増加しているほか、多額の経費を要する日野川の河川改修事業が個別採択されるなど、本県の取り組みが前向きに評価されている面もあると感じています。  引き続き、手を緩めることなく、各種施策に対する財政支援、財源確保を国にしっかり働きかけてまいります。  未利用地や施設などの県有資産につきましては、民間からの意見や助言を積極的に取り入れ、売却や貸し付け等の有効活用を促進する仕組みづくりを進めてまいります。  また、寄附や広告、ネーミングライツなどの自主財源につきましても、発信や提案を工夫、強化いたし、増収につなげてまいります。特に滋賀応援寄附につきましては対象を拡大したところであり、全庁挙げて情報発信に努め、寄附の一層の拡大に取り組んでまいります。  このように、今後とも県のあらゆる経営資源を活用した歳入確保に、私みずからもセールスマンとなりながら、しっかり取り組んでまいる所存でございます。  9点目、資産の有効活用についてでございますが、将来的な行政ニーズや環境変化などの長期的な見通しを踏まえて、県有資産の有効活用を考えていくことは大変重要であると認識しています。  これまで不要不急の未利用土地につきましては、厳しい県財政の状況を鑑みて、売却に向けた手続を積極的に進めているところでございますが、県有財産活用検討会議も活用しながら、その有効活用にも取り組んできたところです。  また、行政経営方針2019におきましては、県の有する資産について、サウンディング型調査等の積極的な活用を進めることとしており、この夏にも民間と連携した情報交換の場として、仮称でございますが、県有資産活用の広場を設けたいと考えているところです。こうした官民連携の場などを積極的に活用し、民間の知恵やノウハウを取り入れながら、資産の有効活用に努めてまいります。  10点目、私立学校の役割と財政支援の必要性についてでございます。  私立学校は独自の建学精神に基づき、個性豊かな教育を展開され、県民に多彩な教育機会を提供いただいており、公立学校とともに、公教育の一翼を担う重要な役割を果たしていただいていると認識しています。  これまでより、私学の自主性を尊重しつつ、学校経営の健全化、教育条件の維持向上、保護者負担の軽減について、厳しい財政状況の中にあって、必要な支援を維持してきたと考えております。  11点目、私立学校に対する補助の計画的な拡充の必要性等についてでございますが、これまでに学校経営の健全化事業として、私立学校振興補助金を3年連続増額させていただいたところでございます。また、高等学校の保護者負担軽減事業につきましては、国基準の世帯収入250万円以下を上回る収入350万円以下の世帯にまで授業料無償化の対象を拡大して、助成させていただいているところです。  議員御指摘のとおり、令和2年4月から国において私立高等学校等就学支援金制度が改正され、私立高等学校等の授業料無償化の上限額が引き上げられる予定でございます。この制度改正にあわせて、本県における私立学校に対する補助につきましても、国の制度改正の趣旨や他府県の対応状況も見据えながら、さらなる私学振興の方策について検討してまいりたいと存じます。  大きな2項目め、スポーツイベントを活用した地域振興について、こちらは5点御質問いただきました。  1点目、地域の活性化につながる施策をどう進めるのかということについてでございますが、大型スポーツイベントが継続して開催されるこの数年は、スポーツの多様な価値を発信し、スポーツで滋賀を元気にする絶好の機会であると認識しており、県内外から多くの参加者や観戦者を呼び込み、またそれを受け入れ、もてなす環境づくりにしっかりと取り組みたいと考えています。  ことし9月に開催されますラグビーワールドカップ2019では、公認チームが県内で宿泊される予定であり、キャンプ地である大津市が、参加国チームとの交流や都市イメージの発信に取り組むこととされていることから、県としても協力してまいります。  また、東京オリンピックパラリンピックでは、県と5つの市でホストタウン登録を行い、うち3市は事前合宿を予定されております。ホストタウンでは、参加国の子供たちと文化交流を進めるほか、地元特産品等の新たな販路の拡大を計画している市もあり、文化、経済の幅広い分野での取り組みを情報発信し、県全体の活性化につなげていきたいと考えています。  さらに、来年5月に本県で開催される東京オリ・パラの聖火リレーでは、全ての市町を走行するよう計画させていただいたところであり、多くの方々に参画いただきながら、各地で開催される特色あるイベントを通じて地域の活力が高まるよう、積極的に支援してまいります。  こうした取り組みの成果を踏まえて、2024年開催の国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会で県内を盛り上げるため、市町や関係団体と連携し、計画的に準備を進めているところでございます。  スポーツイベント終了後も、県内各地でシンボルスポーツが根づくとともに、文化や経済面でさまざまな交流が続くことなどにより、地域の活性化につながるよう戦略的に取り組んでまいりたいと存じます。  2点目、ワールドマスターズゲームズに向けた取り組みについてでございます。  過去の大会では、開催期間中の選手の平均滞在日数は国内選手で9.4日、国外選手で15.8日となっているそうでございまして、また、組織委員会では大会開催に係る全国的な経済波及効果を1,461億円と算出されているということでございます。この大きなチャンスを座して待つだけではなく、大阪や京都、神戸といった大都市圏にも負けないよう、大会参加者に滋賀の魅力をPRし、まずは、本県開催競技の参加者目標数でございます約9,000人の方に、本県に来ていただけるよう努めてまいりたいと存じます。  また、この大会では、参加者に加え、その2倍の家族やパートナーが開催地を訪れるとのデータもありますことから、できるだけ多くの方々に滋賀に泊まっていただき、食を楽しんでいただき、特産品を買っていただき、県内各地をめぐっていただくことで、本県経済の活性化につなげていきたいと考えています。  このため、現在、庁内のスポーツ部局と観光部局が連携し、観光事業者とも情報を共有しながら、大会参加者に向けた特別な滋賀を楽しむ観光プランの開発に取り組んでいるところであり、開催市におきましても、経済団体や観光団体等が参画したおもてなし体制の構築を進めているところでございます。  このワールドマスターズゲームズでの取り組みが一過性に終わることなく、大会後も繰り返し滋賀を訪れていただく契機となるよう、また、スポーツツーリズムが定着することで、地域経済の活性化につながるよう取り組んでまいりたいと存じます。  3点目、運動、スポーツ習慣の定着につなげる取り組みについてでございますが、滋賀県では週1回以上の運動スポーツ実施率が全国平均を下回っており、特に働き盛りの世代や女性にその傾向が顕著でありますことから、身近な場所での運動機会の提供や、習慣化のきっかけづくりが必要であると認識しています。  このため、まずは今後開催される大規模なスポーツ大会などを通じて、スポーツの魅力を発信するとともに、スポーツの健康面での効果やイベント情報等を積極的に県民の皆様にお知らせし、運動、スポーツ習慣の定着に向けたきっかけとしてまいりたいと存じます。  また、今年度から新たな取り組みといたしまして、県内のスポーツクラブや大学、企業等が持つ人材や設備、ノウハウを活用させていただき、例えば、ショッピングのついでにスポーツを楽しむ取り組みや、大学の研究成果を活用した運動プログラムの開発など、県民の皆様が運動、スポーツに気軽に参加できる機会づくりを進めることとしています。  これらの取り組みを通じまして、県民の皆様の運動、スポーツの実施率が向上し、人生100年時代を見据えた健康しがの推進につながるよう努めてまいります。  次に、4点目、本県の競技力向上に向けた取り組みについてでございます。  2024年の国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会に向け、滋賀県競技力向上対策本部では、開催までの10年間を準備期、充実期、躍進期に区分いたしまして、計画的に競技力の向上に取り組んでいるところです。  充実期に当たる今年度は、20位台前半への進出を目標に、まず成年種別では、団体種別での獲得得点拡大を目指し、企業、大学、クラブチーム等が所属選手の強化に取り組んでいただけるよう、しっかりと支援してまいりたいと存じます。  あわせまして、さらなる選手層の充実を目指し、この4月より取り組んでおりますアスリートの職業紹介所──SHIGAアスリートナビを活用し、県内企業の皆様に優秀な選手を雇用していただけるよう取り組みを進めているところです。  また、少年種別におきましては、県内の高等学校の強化拠点校を昨年度の27校59部から31校80部に拡充いたしまして、これら拠点校に優秀な指導者を派遣することで、昨年度以上の飛躍につなげていきたいと取り組んでいます。  加えまして、開催年に少年種別の中心となりますターゲットエイジ層に対しまして、発達段階に応じた競技力の向上に取り組み、5年後の選手層の充実を見据え、計画的な育成を行っているところです。  こうした取り組みを通じ、成年、少年それぞれの種別において、戦略的に競技力の底上げを行うとともに、選手層の拡大を図ることで、滋賀で開催する2024年の国民スポーツ大会での天皇杯獲得を目指してまいりたいと存じます。  5点目、国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会に向けた地域の盛り上げ等の取り組みについてでございます。  地域における盛り上がりを高めていくためには、まずは県民の皆様に両大会を身近なものと感じていただくことが重要であり、それぞれお住まいの市町で、大会においてどのような競技が行われるのかを知っていただく必要があると認識しています。そのため、県内各地で行われるイベント等での啓発活動に加え、滋賀県ゆかりのアスリートを活用した広報や、県内のプロスポーツチームの試合会場での広報、公共交通機関を活用した広報掲示などにより、より一層両大会を周知していきたいと考えています。  次に、国民スポーツ大会正式競技の内定状況についてでございますが、現在、一部種目のみが内定している3競技を含め、33競技の会場地選定を終えているところです。残る7競技のうち、ライフル射撃のセンター・ファイア・ピストル以外の種目、自転車のトラックレースおよび馬術につきましては県外開催を基本とし、その他の競技については県内で開催する方針で調整を進めているところです。いずれの競技も、今年度中に選定できるよう取り組んでまいります。  市町や関係団体のサポートにつきましては、今年度から市町と、スポーツ、観光、宿泊、教育などの関係団体で組織いたします市町準備委員会の設置に向けた取り組みが始まっており、その取り組みが円滑に進められるよう、県としても積極的に情報提供や助言を行ってまいります。  また、市町や関係団体とも連携しながら、例えば花いっぱい運動や挨拶運動などの県民運動を早期に実施していくことにより、県民総参加のもとで両大会を盛り上げていけるよう取り組んでまいります。  次に、森林づくりの推進につきまして、5点御質問いただきました。  まず1点目、人工林での倒木の処理についてでございます。  昨年の台風21号により、主に大津市から高島市、長浜市において、87カ所、約75ヘクタールの倒木被害を確認しております。森林の管理は森林所有者の務めでありますことから、所有者が風倒木の処理を行うこととなりますが、木が根株ごと倒れた場合など土砂流出防止機能が低下している森林につきましては、県から所有者に積極的に働きかけるとともに、負担が軽減されるよう支援を行ってきているところです。  また、公社林および県営林につきましても、早急に処理できるよう取り組んでいるところです。  被害を確認している森林のうち、30カ所については既に倒木整理が実施され、20カ所については今後倒木整理が予定されております。一方で、所有者の森林への関心の薄れや経済的理由等から対応ができていない箇所もございます。  今後も、放置されている森林につきましては、引き続き所有者への働きかけを行うとともに、国に対して制度の拡充等について要望を継続して行っていき、森林の公益的機能の回復を図ってまいります。  2点目、森林経営管理法に基づく制度を進める市町への支援についてでございますが、この制度では放置林対策の主体が市町とされたことから、当該業務を担う市町職員の役割が重要となりますが、担当職員の専門的な知識や技術が十分ではないというのが現状でございます。  放置林対策につきましては、過疎化や高齢化などによる境界の不明確化など多くの課題があり、市町のみで対応するのは困難でございます。また、市町から得られた所有者情報は、県の森林・林業施策推進のための基礎資料ともなりますので、県も市町と一体となって取り組む必要がございます。このため、本県では、県内の全ての市町と森林組合を構成員とする滋賀県森林整備協議会を5月に設立したところでございます。今後は、この協議会を通じて技術情報や問題意識を共有し、課題解決に向けて協力してまいります。  あわせまして、協議会の取り組みが円滑に進むように、県が有する森林情報を積極的に提供するとともに、森林情報アドバイザーを設けて、境界明確化を行うべき箇所の優先順位や作業の進め方等について、市町に助言することとしております。  さらに、さきに開校した滋賀もりづくりアカデミーにおきましては、市町職員が森林整備の方針を立て、業務の発注ができるよう専門的な教育を行ってまいります。ちなみに、学長は石河琵琶湖環境部長でございます。よろしく御指導のほどお願いいたします。  これらの取り組みを通して、放置林対策が適正に推進されるよう、市町を支援してまいります。
     3点目、全国植樹祭の開催に向けたさらなる機運醸成への取り組みについてでございますが、去る6月2日に愛知県で開催された第70回全国植樹祭には、県から西嶋副知事を初め関係者が参加し、また議長にも御参加いただき、調査を行っていただきました。改めて、2年後の本県での開催に向けて、県全体での機運醸成が重要であると感じています。  そのため、まず1つ目として、昨年度に引き続き苗木のホームステイを、また、今年度は新たに苗木のスクールステイを行います。さらに、SNS等さまざまな手段で広報に努めてまいります。  2つ目といたしまして、継続的かつ広く盛り上げていくために、県内全市町で県民に植樹や間伐などを行っていただくビワイチ森づくり事業を展開するとともに、1年前イベントや200日前、100日前といったカウントダウンイベントを実施する予定です。また、企業や個人に広く協賛を求める中でも、大会の趣旨をアピールしていきたいと存じます。  3つ目といたしまして、大会行事でも活躍が期待される緑の少年団のさらなる育成と、大会に合わせて開催される林業後継者大会を通じた林業の担い手の育成、確保にも力を入れてまいります。  こうした県民総ぐるみの活動を展開した上で、令和3年春には、碧く輝くびわ湖と健全で緑豊かな森林を次代へ持続的に引き継いでいくことの重要性を広くアピールする大会を実施したいと存じます。そして、大会が終わった後もこうした意識を引き継いでいけるよう、参加者の心にいつまでも印象深く残るような大会にしてまいりたいと存じます。  4点目、鹿深夢の森についてでございます。  鹿深夢の森を所有する甲賀市は、全国植樹祭を契機に、メーン会場となるこの施設を森林林業の重要性の意識づけや緑化の意識向上につながるレガシーにしたいと考えられているところでございます。県といたしましても、この地が大会の基本理念を広く長く後世に伝えるとともに、森林林業や山村に対する意識醸成と県産材の利用促進、将来を見据えた持続可能な森林づくりなど、やまの健康のシンボルとなることを期待しています。  お手植え、お手まきを初めとした記念植樹地の活用については、県民の皆さんが直接木に触れ、森林について考える機会をふやすなど、広く親しまれるよう、今後、甲賀市とともに考えてまいりたいと存じます。  5点目、公共建築物等における県産材の利用についてでございますが、本県は平成24年2月に公共建築物における滋賀県産木材の利用方針を定め、県立学校などで木造化、木質化を図り、平成29年度には薬業技術振興センターでCLTを活用するなど、県産材の利用を進めております。  また、市町において、昨年度は多賀町の中央公民館が木造で建設され、本年度は甲賀市の信楽地域市民センターや東近江市の(仮称)市立永源寺幼児園ではCLTが活用されており、県も経費の助成や木材供給の情報提供などの支援を行っているところです。  今後も、国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会を含む公共建築物等において、できる限り県産材の利用を図るとともに、県内中小製材所の連携等により、県産材製品の安定供給体制の整備に取り組んでまいります。  続いて、人材育成や農山村の活性化への取り組みについてでございますが、石河琵琶湖環境部長を学長といたします滋賀もりづくりアカデミーにおいては、来年度から始める新規就業者コースでは、林業に携わりながら地域で生きるための他のなりわいにも取り組む暮らし方を学び、やまの健康に資する人づくりを目指してまいりたいと考えています。  また、本年度から始めておりますやまの健康推進プロジェクトにより、農山村の価値や魅力に焦点を当て、地域の幅広い資源を生かしたなりわいづくりや経済循環に向けた取り組みを県が応援することで、農山村の活性化を図るモデルをつくり、その後、県内に波及させていきたいと考えています。  このように、森林の保全を行うに当たっての基盤となる人づくりと農山村の活性化について、中長期的な視点を持って取り組んでまいりたいと存じます。  大きな4項目め、健康しがの取り組みにつきまして、こちらは5点いただきました。  1点目、健康しがの今後の取り組みについてでございますが、現在、健康いきいき21−健康しが推進プラン−に基づきまして、健康寿命の延伸を目指し、運動や栄養、生活習慣病の発症予防などの健康な人づくりの取り組みを進めるとともに、ふだんの暮らしの中でおのずと健康的な生活を送ることができる環境づくり、いわゆる健康なまちづくりをさまざまな主体の連携のもと進めているところです。  具体的には、昨年10月に「健康しが」共創会議を設置いたしまして、企業や大学、市町などに幅広く呼びかけ、現在144の団体の参画を得て、3回の情報交換やテーマを設定した議論を行ってきたところです。  その結果、例えば異なる業種の企業が協力して子供向けの健康教室を開催したり、生命保険会社と病院が、県民向け啓発イベントにおいて健康測定と医師のアドバイスが受けられるブースを共同で設置するといった連携事例が生まれています。  今年度は、健康経営の推進、観光、運動、食と交流といった参画団体の関心ごとに分科会方式で議論を深め、具体的な活動の創出につなげるとともに、県としても主体的にかかわり、活動を支援してまいりたいと存じます。  さらに、健康、医療、介護、社会環境等のデータを分析しながら、生活習慣病等の発症、重症化予防に取り組むなど、庁内の部局横断をもとより、さまざまな主体とともに健康しがをつくり、生かし、県民一人一人が生き生きと暮らせるように取り組みを推進してまいりたいと存じます。  2点目、健康無関心層へのアプローチについてでございますが、議員御指摘のとおり、さらなる健康寿命の延伸に向けては、若い世代を中心とした健康無関心層への働きかけが重要です。本県ではこれまでから、健康推進員や食育推進ボランティアなどによる若年層も含めた地域住民を対象とした活動や、職域への働きかけなどにより啓発を行ってまいりました。  昨年度からは健康しがの推進を掲げ、県民向け啓発イベント健康しがマルシェを量販店で開催し、家族連れなどに呼びかけたほか、ポータルサイト等を通じて広く発信し、健康意識の醸成を図るよう努めてきたところでございます。  さらには、特別に健康づくりを意識しなくとも、おのずと健康的な生活が送られるよう、食やスポーツ、趣味、生きがいなど、人々の暮らしに溶け込んだ働きかけを行うことが、健康無関心層を含む全ての県民の健康づくりに重要ではないかと考えます。  そこで、今年度、新たに地元の魅力発見健康しがツーリズム事業を実施いたします。この事業は、県内の自然などの観光資源と食や運動の体験など、健康づくりに関する地域資源を組み合わせて、周遊来訪コースとして魅力的に発信しようとするものであり、健康推進アプリ「BIWA−TEKU」を活用するなど、県民が楽しみながら健康づくりに取り組める仕組みづくりとしたいと考えています。  また、きづいてつなぐ20歳からの健康づくり事業といたしまして、学生や子育て世代を対象に、大学や就職セミナー会場や量販店に専門職が出向いて健康チェックや生活習慣の助言を行うこととしており、このような取り組みを通じて、健康に関心が向かいづらいとされる層への働きかけを行ってまいりたいと存じます。  3点目、データ活用事業への評価についてでございます。  議員お示しの弘前大学のプロジェクトは、生活習慣病等の予防方法の開発に向けて、14年間にわたり蓄積された弘前市岩木地区の延べ2万人以上の健診受診者、全2,000項目以上に及ぶデータの分析に取り組まれたものと承知しています。  その分析結果は、プロジェクトに参画する企業において、疾病予防のための食事指導プログラムに利用されるなど、34の取り組みの展開という成果につなげられていらっしゃるということでございまして、今後、市民の疾病予防の効果が期待されるとのことでございます。  一方、本県の取り組みは、平均寿命および客観的指標による健康寿命が上位にある要因を探るため、県民の健康や暮らしに関する各種データを用いて統計学的に分析したものでございます。弘前大学のプロジェクトとは調査目的と取り扱うデータが異なりますため、成果について単純な比較は難しいものでございますが、生活環境や住みよさと寿命との関係がデータ上明確になったことは、本県が推進する健康なまちづくりの重要性の根拠として大切な示唆を与えてくれるもので、この点は評価できるのではないかと考えています。  引き続き、県民の健康や暮らしに関するデータの調査分析を行うとともに、分析した結果をわかりやすい形で発信し、「健康しが」共創会議の参画団体を中心とする企業、団体とも共有し、それぞれの立場で県民の健康づくりにつながる取り組みに活用していただくことで、健康しがの実現につなげてまいりたいと存じます。  4点目、国保の保険者としてどのように県民の健康づくり等を図るかについてでございますが、被保険者の健康管理は保険者の果たすべき重要な機能の一つでございます。そのため、生活習慣病の発症、重症化を予防する取り組みなどを進めること、そして、その取り組みをデータ活用により効果的に行うこと、こうしたことを市町とともに行っているところでございます。  生活習慣病の予防では、まずは特定健診の受診率向上を図ることとし、未受診者への受診勧奨に、個人の特性に合わせたメッセージを送付する手法に効果があると認められることから、今年度はこうした好事例を全県的に横展開できるよう、市町と検討を進めているところです。  また、重症化予防につきましては、平成30年3月に策定いたしました糖尿病性腎症重症化予防プログラムに基づいて、保険者や医療機関等の従事者が適切な受診勧奨や保健指導が行えるよう、県は研修等により支援しているところです。  データ活用では、県も市町とともにデータヘルス計画を策定し、共通の目標を定めて計画を推進しておりますほか、県は市町の計画推進を支援するため、重点課題とする虚血性心疾患や糖尿病性腎症等4疾患と関連性の高い要因などの健診医療データを見える化して、市町に提供しているところでございます。  こうした取り組みにより、県内のどこに住んでいても健康的な生活を送れること、そして結果的に医療費の適正化につながる、そういう好循環のシステムづくりに努め、いざというときに安心して医療を受けられる国保制度を持続可能なものとするよう、しっかりと運営してまいりたいと存じます。  5点目、高齢者の保健事業と介護予防等についてでございます。  まず、県内の現状といたしましては、東近江市において、新たに後期高齢者となられた方を対象に、健康教室を関係各課が連携して行う後期高齢者ウエルカム事業など、先駆的に取り組まれているところです。  また、県内の介護予防の取り組みとして、全ての市町において、高齢者に身近な集会所などを活用して1,446カ所の通いの場を設置し、運動や趣味活動などを実施しておりますが、その中でも9つの市におきましては、通いの場に保健師などの医療専門職を派遣し、健康相談や体力測定を実施するなど、介護予防と健康づくりやフレイル対策を行っておられるところです。  県といたしましては、このような好事例を研修の場で取り上げるなど横展開を図るとともに、地域の課題に応じた取り組みが進むよう、国保および後期高齢者の健診医療データと介護データをもとに、要介護状態に至る要因や背景に係る市町ごとの特徴等を分析した情報の提供を予定しているところでございます。  さらに、市町がより効果的に事業を実施するため、特に支援が必要な対象者の特定や事業評価などを一体的に行えるよう、データ活用に係る研修など必要な支援を行ってまいりたいと存じます。  このような取り組みを通じまして、幾つになっても心身ともに健やかに、その人らしく活躍し、ともに支え合う健康しがを実現してまいりたいと存じます。  次に、大きな5項目め、世界から選ばれる滋賀についてでございます。  まず1点目、今年度の施策や事業における意気込み等についてでございますが、組織面では、ことし4月に総合企画部に国際課を設置いたしまして、各部局の世界とつながる取り組みの支援や、世界に開かれた多文化共生社会づくりを着実に推進することとしたところです。  具体的な取り組みといたしましては、ジェトロ滋賀の専門的知見やネットワークを活用し、環境・水ビジネス、地場産業、農畜水産物などを中心に、各企業等のニーズに合わせた伴走型支援を行っているところです。  例えば、近年、近江牛の輸出量が増加しているタイと、平成29年に和牛の輸出が可能となりました台湾におきまして、プロモーション活動や商談会を行うなど、本県が誇る農畜水産物の魅力発信と販路開拓を行う予定です。  また、JICAの事業を活用した国際プロジェクトの創出や技術協力のほか、企業等が海外で実施する市場調査、見本市出展等に対し支援を行う予定です。  さらに、インバウンド観光では、2020年東京オリンピックパラリンピックワールドマスターズゲームズ2021関西等を契機に、増大する訪日観光客の本県への誘致を積極的に進めてまいります。このため、首都圏における情報発信拠点「ここ滋賀」に加え、世界的な観光都市である京都からの誘客を図る「そこ滋賀」プロジェクトを今月13日にスタートさせたところです。  このように、世界の市場を視野に入れたさまざまな取り組みを通じて、滋賀県の魅力や強みを世界に発信し、世界から選ばれる滋賀を実現してまいる所存です。  2点目、今回の訪中の成果についてでございます。  今回の訪中は、本県が湖南省と35年にわたって進めてきた友好交流の取り組みを日中の地域間交流のモデルとして発信するとともに、さらなる交流の発展、深化につなげる機会と考え、参加させていただくこととしたものでございます。  現地では、中国首脳の一帯一路構想や日中の青少年交流にかける強い意気込みを感じるとともに、デジタル技術の急速な普及、浸透による社会の大きな変化などを目の当たりにし、中国と一歩進んだ新しい関係を構築すべき時期に来ていることを実感いたしました。  今回の訪中の成果でございますが、1点目は、昨年の世界大学ランキングでアジアトップの22位となった清華大学の幹部と今後の青少年交流などの推進について意見交換をすることができたことでございます。  今後、県内大学との学生交流や県内企業との産学連携など、清華大学との具体的な交流プロジェクトの可能性を探っていきたいと考えています。  2点目は、在中国日本大使館と日本政府観光局共催のイベントにおいて、近江米、地酒といった滋賀の食や観光の魅力を発信する機会に恵まれ、多くの現地メディアや人気ブロガーに取り上げていただき、メディアや貿易会社などと新たなネットワークを築くことができたことでございます。  これをきっかけといたしまして、7月に開設いたします滋賀県誘客経済促進センターも活用しながら、滋賀県産品の輸出やインバウンド観光客の一層の誘致などにつなげてまいりたいと考えています。  3点目、トップセールスにつきまして。  まず、意義についてでございますが、トップみずからが訪れ滋賀の魅力を伝えることで、こちら側の熱意と本気度を示すことができるということがあると存じます。さらに、トップが直接出向くことにより、相手方もトップクラスの幹部が対応されることとなり、決定権や影響力を持つ相手と直接対話が可能となりますことから、滋賀の観光や食などを売り込むための有効な手段と認識しています。  手応えにつきましては、トップセールスを契機に、例えば、契約に向けた商談が重ねられ、近江牛などの輸出量がふえたり、新たなツアーが造成され観光客がふえるなどの手応え、効果等を感じているところでございます。  4点目、官民一体となりました地酒の海外向けの戦略策定についてでございますが、郷土の財産である地酒の普及を促進するため、平成28年に議員御提案により、近江の地酒でもてなし、その普及を促進する条例を制定いただき、近江の地酒もてなし普及促進協議会や滋賀県酒造組合が行う県内での普及促進イベントへの支援や、首都圏での情報発信イベントの開催、「ここ滋賀」SHIGA’s BARでの地酒の提供などを通じ、この間、PRに努めてまいりました。  国税庁統計調査によりますれば、清酒の販売数量は全国的に年々減少傾向が続いております。一方、海外への輸出数量は年々増加しており、本県は全国平均を上回る状況にございます。  これまでは海外展開の取り組みは各蔵元単位でなされてまいりましたが、現在、滋賀県酒造組合として、滋賀の地酒の成長戦略の策定に取り組まれているということでございます。その中に、重点項目の一つとして、海外向けの戦略について位置づけられる予定と伺っています。  県といたしましては、今回中国に開設いたします滋賀県誘客経済促進センターも活用し、販路拡大を図るとともに、滋賀県酒造組合の成長戦略の策定を積極的に支援してまいります。  5点目、農畜水産物輸出戦略についてでございます。  滋賀県農畜水産物輸出戦略では、近江牛、近江の茶、近江米の3品目を重点品目に定めるとともに、品目ごとに重点国やチャレンジ国、さらには目標値を定め、輸出を促進しているところです。  その成果といたしまして、平成26年度と比較して昨年度の輸出実績では、近江牛は440頭が779頭に、近江の茶では0.4トンが2.9トンに、近江米では140トンが330トンとそれぞれ大幅に増加しているとのことでございます。  中でも、近江米は目標値の300トンを既に超えており、さらに増加する見込みであると伺っており、また、近江牛においても、本年度中に目標とする800頭を達成できるものと見込んでいるそうでございます。  評価につきましては、これまで私が現地に直接出向いて行うトップセールスを初めとするプロモーション活動、商談会、バイヤーの招聘や相談活動等を展開し、輸出支援を行ってきたところです。  これらを契機に、農家みずからが現地に販売拠点を開設する事例や、組織的に取り組む事例があらわれており、新たに輸出に取り組む農家のすそ野も広がってきていることから、輸出戦略が目指す世界に誇るべき本県食材の魅力発信や、海外での需要促進と販路拡大にしっかりとつながっているものと認識しております。  6点目、びわこビジターズビューロー会長就任についてでございます。  これまで滋賀の観光は、佐藤前会長のもとで民間に引っ張っていただき、民間の方々を先頭に、強力に御牽引いただきました。このことに敬意と感謝を申し上げます。  このような中で、来年の東京オリンピックパラリンピックや再来年のワールドマスターズ関西など、今後数年はゴールデンスポーツイヤーズにあります。その上、滋賀県を舞台とした「スカーレット」や「麒麟がくる」が放送されるという天の時もございます。  また、世界文化遺産比叡山延暦寺を初めとする豊富な歴史的、文化的資産や、琵琶湖を中心とする豊かな自然や景観など地の利もございます。  この天の時や地の利をしっかりと生かしていくため、人と人とがつながることで人の輪をより広げ、観光の総合力をさらに高めていくことが今まさに必要であると考えています。このため、今期、びわこビジターズビューローの会長を務めさせていただくことといたしました。  会長として、また滋賀県知事として、民間と行政のそれぞれの力を最大限発揮できるように、官民の境を超えて多くの人が連携することで、滋賀の観光を盛り上げていきたいと考えています。  7点目、世界から選ばれる滋賀を目指す本気度等についてでございますが、まず、地酒につきましては、先ほど答弁いたしましたとおり、滋賀県酒造組合が取り組む成長戦略の策定を支援するとともに、海外展開のモデルとなる企業の取り組みを支援してまいります。  また、農畜水産物につきましては、平成28年3月に策定いたしました滋賀県農畜水産物輸出戦略に基づき、品目ごとにターゲットとする国を明確にするとともに、ジェトロ滋賀など関係機関と連携しながら、近江牛や近江の茶など、歴史と伝統を持ち、高品質でおいしい、世界に誇れる品質の魅力発信と販路拡大に引き続き取り組んでまいります。  ことしの年頭に、「世界に開かれ、世界とつながり、世界から選ばれる滋賀をつくろう」と申し上げたところであります。私は、滋賀県は世界一住み心地がよく、幸せなところだと感じており、滋賀県に住んでいる人や訪れる人、一人でも多くの皆さんにそう感じていただける滋賀の実現に向けて、皆さんと一緒に、滋賀県が持っているもの、取り組んできたことをしっかりと磨き、世界に発信をしてまいりたいと考えているところでございます。  続いて6点目、本県農業の強靱化についてでございます。  まず、その中の1つ目、気候変動が及ぼす本県農業への影響についてでございますが、農業は、自然の生態系を利用して私たちの暮らしに不可欠な食料を生産する産業であり、地球温暖化を初めとする気候変動の影響を最も受けやすい産業であると認識しています。  将来、真夏日の日数や大雨による降水量が増加すると予測されるほか、勢力の強い台風の接近なども考えられ、農作物の収量、品質の低下や農業用ビニールハウスの倒壊など、気候変動が農業へ及ぼす影響は、今後ますます大きくなるのではないかと懸念しています。  今後、本県農業の持続的な発展を図るため、気候変動リスクに適応できる生産技術や品種の開発、普及などに取り組んでまいります。  2点目、農業を取り巻く環境変化への対応についてでございます。  農業就業人口の減少や気候変動、米政策改革に伴う産地間競争の激化など、本県農業を取り巻く情勢がこれまでになく大きく変化していると認識しています。また、国におきましては、議員から御指摘いただきましたとおり、生産コストの削減や土づくりの観点からの肥料制度の見直しや、品種に係る育成者権の保護を強化するための種苗法の改正が検討されるほか、さらには、気候変動への適応の総合的な推進等が法的に位置づけられるなどの動きが見られるところです。  多様な農業者が意欲と誇りを持って農業生産に取り組むことができるよう、こうした情勢変化や国の動向に的確に対応しながら、高い生産性を生み出す技術の開発や普及を進めてまいります。  3点目、本県特有の農作物の品種の保護や改良についての方針でございますが、県では、滋賀の気候風土に合ったみずかがみに続く水稲品種の育成に取り組んでいるところであり、引き続き、高温に強く、食味や外観品質にすぐれ、病害等のリスクに強い新たな水稲品種の育成を進めてまいります。  また、近年、県内で作付が増加しているイチゴについても、県独自品種の育成に力を注いでいるところです。こうした新品種は、種苗法に基づく品種登録を行い、知的財産の保護に努めてまいります。  一方、万木カブや日野菜などの本県特有の農作物についても、遺伝資源の保存に努めるとともに、今後とも良質な種子が確保され、これらの農作物が県内外に広く供給されるよう、普及活動を通じて技術指導や産地の育成支援を行ってまいります。  4点目、スマート農業を初め、革新的な技術導入についてでございますが、スマート農業の導入は、生産性の向上や労働力の削減だけでなく、熟練農業者の技術伝承や地域農業の次世代への継承につなげるために重要であると認識しています。  先日、国から公表されました農業新技術の現場実装推進プログラムにおきましては、スマート農業技術について、「知る」「試す」「導入する」といった現場における実践までの推進方策が示されているところです。  本県におきましても、昨年度から、スマート農業に係る民間企業や県内大学、関係団体の協力を得て、しがのスマート農業推進協力隊を設立し、フォーラムや実演会等により、「知る」取り組みを進めているところです。  さらに、本年度からは国の実証事業を活用し、県と農業法人、民間企業、県内大学がグループを組み、大規模水田農業における水稲、小麦やキャベツでの省力かつ高収益なスマート農業一貫技術体系の実証を行う「試す」取り組みを始めたところです。  今後も、推進協力隊や関係機関と連携した情報提供を進めるとともに、普及指導員を中心に、農業者のニーズや経営状況に応じたスマート農業技術を「導入する」取り組みを支援してまいります。  5点目、技術面も含めて、滋賀の農業を振興するための条例制定についてでございますが、農産物の安定生産や生産性の向上、品質の改善などを通じて、本県農業を取り巻く大きな環境変化に対応し、本県農業の持続的発展を目指すものとしたいと考えています。  例えば、滋賀の気候風土に合った品種の育成や普及、育成した品種の権利保護、種子の安定供給、気候変動への対応、スマート農業などの革新的技術の体系化等を盛り込むことを検討してまいりたいと考えています。  このため、まずは農政水産部内に検討協議会を設置し、論点整理を行った上で、有識者や消費者を含め、広く県民の皆さんの御意見を伺ってまいります。  今後検討を進めていく上では、節目ごとに県議会に検討状況を報告させていただきながら、来年度中に条例案を県議会へ提案できるよう取り組んでまいります。  6点目、ため池の緊急点検後の対応等についてでございますが、昨年度実施いたしました緊急点検では、全ため池の約3割に当たります407カ所で変状が確認されましたことから、老朽化対策の早急な対応の必要性を再確認いたしました。  このため、県、市町、土地改良区等で構成する滋賀県農業水利施設アセットマネジメント推進協議会で、ソフト対策とハード対策を組み合わせ、効率的に防災、減災対策を推進する滋賀県ため池中長期整備計画を本年3月に策定したところです。  この計画に基づき、本年度の当初予算では、ため池の改修、補強工事を初め、ハザードマップの作成および耐震調査、廃池などの防災、減災対策を約80カ所で講じることとしています。  一方、昨年11月に国から重要水防ため池の新たな選定基準が示され、市町と調整し再選定いたしました結果、本年5月末時点で459カ所から450カ所になったところでございます。さらに、本年4月に農業用ため池の管理及び保全に関する法律が制定され、ため池の所有者や管理者、市町、県等の役割分担が明確化されたところでございます。
     本計画につきましては、このようなため池を取り巻く情勢に適応したものにするため、国の考え方や法律を踏まえた内容の見直しを行い、より一層効果的な防災、減災対策の推進に努めてまいります。  7点目、今後のアセットマネジメントの推進についてでございます。  本年度は、農業の競争力強化や農村地域の防災、減災、国土強靱化を着実に進めるため、国の3か年緊急対策の活用も念頭に、前年度比約20億円増となります74億円の土地改良公共事業予算を措置しているところでございます。この当初予算に対しまして、国費の充足率は前年度比3ポイント増の95%となり、県予算の増額措置が考慮された手厚い割り当てをいただいたところです。この予算を適切に執行し、事業効果を早期に発現させることが重要と考えており、市町や関係団体と連携して取り組んでまいりたいと存じます。  その上で、令和2年度以降も引き続き地域のニーズを的確に反映するために、必要な県予算を適切に措置していくとともに、関係する議員の皆様の御協力もいただきながら、私自身も先頭に立って、国に対しても予算の確保を働きかけてまいりたいと存じます。  なお、農業水利施設アセットマネジメント中長期計画につきましては、今年度末に見直しを行い、施設の機能診断調査の進展や近年の災害リスクの増大を踏まえた耐震対策の反映などを行う予定であり、計画の充実を図りつつ、重点施策である農業水利施設アセットマネジメントを着実に推進してまいりたいと存じます。  7項目め、交通安全対策についてでございます。私には3点御質問いただきました。  まず、お答えする前に、5月8日の事故によりお亡くなりになられた園児と御遺族に対しまして心から哀悼の誠をささげるとともに、負傷された方々の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。  まず1点目、交差点の安全確認結果と緊急対策が必要な交差点での対処についてでございますが、572カ所の交差点で安全確認を行いました。そうしましたところ、交差点に防護柵が設置されていない箇所が約430カ所ございました。これらにつきましては、歩行者の交通量や通学路の指定の有無等利用実態を踏まえて、防護柵の設置などの必要性について検討を進めており、まとまり次第、速やかに対応いたします。  また、区画線が薄くなっている箇所や車道と歩道を分ける歩車道境界ブロックが損傷しているなど、補修が必要な箇所が約300カ所ありましたため、緊急度が高いものから順次対応しており、できるだけ早く完了するよう努めてまいります。  2点目、交通量1万台以下の交差点の安全確認等についてでございますが、安全確認につきましては、現在、交通量にかかわらず各市町で実施しております通学路や、今回事故を受けて大津市で実施されております園外活動等における危険箇所等の安全点検に、県も道路管理者として参加をし、一緒に確認をしています。  今後、園児等の安全確保について全国で一斉点検を実施する予定と聞いており、この点検に道路管理者として参加をし、一緒に確認を行ってまいります。  事故危険箇所は、平成28年度に死傷事故率の高い箇所を国において指定されたもので、県管理道路では20カ所が指定されております。現在までに公安委員会と連携いたしまして、8カ所で事故発生要因を分析し、対策案を確定いたしました。このうち3カ所で交差点改良等の対策工事を完了したところです。今年度は、対策案が確定している5カ所の対策工事と、残り12カ所の分析、検討を進める予定でございます。  県民の命を交通事故から守る決意でございますが、本年は交通事故死者数が大幅に増加しており、また、6月8日から13日にかけて3件の死亡事故が立て続けに発生しましたことから、14日に交通死亡事故多発警報を発令し、テレビ放送や街頭での啓発などにより、県民の安全意識を喚起しているところでございます。  5月8日に発生した事故や昨今の状況を踏まえ、既に実施しております交差点の安全確認等に加え、さらに何をすべきか、もっとできることはないかを常に考え、ハード、ソフト両面から交通事故防止に向けた取り組みをしっかりと進めてまいります。  県民の命を守ることは県の重要な使命であるとの認識のもと、これ以上交通事故により悲しい思いをする人を出さないよう全力で取り組んでまいる覚悟であり、警察初め関係機関とも連携し、それぞれの取り組みのレベルを一層引き上げてまいりたいと存じます。議員各位にも格別の御支援、御協力をお願いし、前半の答弁とさせていただきます。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) (登壇)交通安全施策について、5点質問をいただきました。  先月8日に大津市大萱の交差点で発生した交通事故につきましては、大変痛ましく、この場をおかりして、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げたく存じます。  それでは、1点目の今回の事故の原因と歩行者が巻き込まれる交通事故の現状等についてお答えいたします。  今般の事故の原因につきましては、今後の公判を控えておりますので詳細については差し控えさせていただきますが、事故の当事者である車両のドライバーが、交差点を通行する際に対向車両の動静に注意すべき等の基本的な注意義務を怠っていたことによるものと考えております。  次に、歩行者が巻き込まれる交通事故につきましては、本年は5月末現在で186件発生し、死者数は14人、負傷者数は194人を数えております。発生件数、負傷者数とも前年に比べると減少しておりますが、死者数につきましては10人の増加となっております。  特徴的な点は、大津の事故のような未就学児ではないものの、徒歩で登下校中の小中学生が交通事故に遭われて負傷した数が11人に上り、昨年と比べますと7人の増加となるなど、児童生徒が生活圏において被害に遭われるものが目立っております。  続きまして、2点目の小さな命を守る交通安全プロジェクトにおける安全教育や啓発活動への取り組みについてお答えいたします。  園児等に対する交通安全教育につきましては、幼児の特性や園の立地条件、園外保育で利用される道路状況を踏まえ、園児やその保護者に対しては、道路の安全利用に必要な知識の習得に向けた教育を実施し、保育士に対しては、交通事故事例や園外保育経路の危険箇所を具体的に教示するなどしているところでございます。  また、保育現場周辺における啓発活動につきましては、関係機関、団体と連携し、園外保育の現場周辺およびそれらの路線を利用するドライバーやその地域の方々を対象に、園児が園外保育時に通行する経路であることを周知するとともに、交通弱者保護に向けた思いやり運転の励行、具体的には、スピードを控える、横断歩道は歩行者優先を徹底するなどを呼びかけているところでございます。  続きまして、3点目の本プロジェクトにおける交通指導取り締まりの重点についてお答えいたします。  交通指導取り締まりにつきましては、可能な限り警察官を動員し、交通監視活動や警ら活動を強化するほか、信号無視、一時停止違反、横断歩行者等妨害など、交差点事故に直結する違反について重点を置いて行っております。  特に、園外保育現場の周辺などにおきましては、可搬式速度違反自動取り締まり装置、通称可搬式オービスを活用するなどして、通過車両の速度抑制を図っているところでございます。  続きまして、4点目の本プロジェクトにおけるドライバー教育についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、ドライバー教育の主たる場としては、自動車教習所における教習や免許証更新時講習が挙げられるところ、県警察といたしましては、今回の交通事故を受け、交差点を右折する際の注意点を事故事例を具体的に示しながら説明するよう、これら講習等の実施機関であります自動車教習所等に指導するなどしたところでございます。  また、運転免許センターにおきましては、過去に発生いたしました重大な交通事故現場の写真や御遺族の手記を展示するなど、来庁された方々に交通事故の悲惨さを実感していただくことにより、交通安全意識のさらなる高揚を図っているところでございます。  続きまして、5点目の県民の命を交通事故から守る決意ということでございます。  県内におきましては、本年に入り、園児等が巻き込まれる交通事故や名神高速道路における多重衝突事故が相次いで発生するなど、昨日までに34人ものとうとい人命が交通事故により失われ、死者の増加数は全国でワーストになるなど、交通事故情勢は極めて深刻であると認識しております。  こうした情勢を踏まえまして、県警といたしましては、関係機関、団体やボランティアの方々と連携し、まずは、先般策定いたしました小さな命を守る交通安全プロジェクトを着実に進めていくとともに、同プロジェクトの射程におさまらない高齢者等の交通弱者対策としてこれまでも行ってきております思いやりゾーン等の各種対策を徹底してまいります。  加えまして、これらの活動の礎となる横断歩道や信号機等の交通安全施設の整備につきましても計画的に進めていくなど、悲惨な交通事故の被害に遭う県民の方が一人でも少なくなるよう、組織の総力を挙げて、交通事故抑止対策に取り組んでまいります。 ◎知事(三日月大造) (登壇)滋賀の教育につきましての御質問のうち、私には1点、新教育長の抜擢理由や期待についてでございますが、教育長は、教育委員会の代表者であられるとともに、事務局を指揮監督いたします。まさに教育行政の責任者であると位置づけられています。  本県の教育行政におきましては、学ぶ力の向上、いじめや不登校の問題など課題に直面している子供たちへの支援、教員の働き方改革など多くの課題があり、福永教育長のリーダーシップのもと、一丸となって取り組んでほしいと考えておりますし、期待しています。  福永教育長は、行政経験も豊富であられ、とりわけ市町の行財政運営の支援に長く携わっておられたことから、市町教育委員会と県教育委員会との連携をより密にできるものと考えています。  また、商工観光労働部長として、本県の産業人材の育成、多文化共生の推進に御尽力いただくとともに、昨年度は総合政策部長として、滋賀の教育大綱策定の議論も踏まえた滋賀県基本構想の取りまとめを担っていただきました。  こうした経験を有する福永教育長とともに、保護者や地域の方を初め、県民の皆様が教育行政に対して寄せるニーズ、期待にしっかりと応えてまいる所存でございます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)今ほど、知事の答弁におきまして、私に対する期待を聞かせていただいたところでございます。教育長としまして、知事の期待に応えられるよう、目標に向かい全力で邁進してまいります。  それでは、私にいただきました3点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の教育全体に対する思い等についてでございますが、私は昭和57年に滋賀県職員として奉職し、以来37年間、さまざまな経験を経て、このたび教育長を拝命いたしました。これまでの経験を生かし、令和最初の教育長としての重責を担い、誠心誠意みずからの職責を全うしていく所存でございます。  私の教育に対する思いについてでございますが、私たちは今、過去にないスピードで変化する社会の中で生きております。このような社会の中で、これからの未来を担う子供たちが、たくましく、そして自立して生きていける、そういった力を身につける教育を行うことが、私たち教育委員会の大きな使命であると考えております。  同時に、県の基本構想にも掲げられておりますが、今後の長寿社会におきまして、ますます健康という視点が重要になるものと考えており、未来を担う子供たちが、心も、そして体も健康で、しっかりと学んでいける、そうした環境整備を推進していくことも大変重要であると考えております。  これらの取り組みを行うに当たりましては、県内のそれぞれの地域が抱える課題をしっかりと認識する必要がありますが、幸い、私はこれまでの行政経験の中で、特に市町振興について長く担ってまいりましたので、この経験も十分に生かし、市町教育委員会や市町の皆さんとしっかり意見交換を行いながら、滋賀のさまざまな地域における課題を共有し、滋賀の子供たちのための教育行政の推進にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。  次に、2点目の滋賀の教育に対する現状認識と解決に向けた決意についてお答えいたします。  本県教育を取り巻く課題は大変多くあると私も認識をいたしております。中でも、社会情勢の変化にたくましくしなやかに対応していくためには、子供たちの学力の向上でありますとか健康、また、日々子供たちに向き合う先生方の働き方改革について、喫緊に取り組む必要があると考えておるところでございます。  具体的には、知事と思いを共有しながら、滋賀の教育大綱に基づき進めていくこととなりますが、学力の向上におきましては、読み解く力を育成することにより、子供たちの確かな学力を育んでまいります。  また、子供たちの健康につきましては、食べることは健康の基盤であり、食育を通じ、食べ物への感謝の気持ちの育成も含め、取り組みを推進したいと考えているところでございます。  あわせまして、ソフト面、ハード面、両面において教育環境の整備を進めることにより、子供たちの学びをサポートしてまいります。  さらには、教職員の働き方改革につきましては、青木前教育長の働き方改革の取り組みを私もしっかりと引き継ぎながら、新たに取り組めることがないか早急に検討を進め、着実に成果を上げてまいりたいと考えております。  このような取り組みを着実に推進することにより、誰一人取り残さない滋賀の教育を目指したいと考えておりますが、これらの課題解決に向けましては、教育委員会事務局職員が一丸となって取り組むこと、また、知事部局や市町教育委員会ともしっかり連携することが大切でございます。私みずからができるだけ現場に赴き、学校現場、地域の声、また関係者の声など、さまざまな人の声を直接聞きながら、滋賀の教育大綱の基本目標であります「未来を拓く心豊かでたくましい人づくり」を推進してまいる所存でございます。  最後に、新学習指導要領の実施に向けて、どのように学校教育の改善、充実を図っていくのかについてお答えをいたします。  新学習指導要領では、これからの時代に柔軟に対応できる力が求められており、3つの柱からなる資質、能力を総合的にバランスよく育んでいくことが示されております。  3つの柱のうち、まず、知識および技能の習得に関しましては、滋賀の子供たち一人一人のつまずきに着目して、わかった、できたという実感を持てるようにすることが重要であります。そのため、それぞれの学校の状況に応じた取り組みが進められますように、研修会を定期的に開催したり、指導主事等による学校訪問を行ったりするなど、今後も継続的に取り組んでまいります。  次に、思考力、判断力、表現力等の育成に関しましては、例えば論理的な思考力を育むため、小学校でのプログラミングの体験、中学校での情報通信ネットワークを利用したプログラミング学習、そして、高等学校でのプログラミングを活用した問題の発見、解決を行う授業等、それぞれの段階に応じた授業ができるよう研修会を実施するなど、その支援に取り組んでまいります。  そして、3つ目の学びに向かう力、人間性等の涵養に関しましては、これまでからも本県におきましては、学ぶ力として、子供たちの生活習慣の定着等に向けてその育成に取り組んできたところであり、引き続き、この点に力を入れて進めてまいりたいと考えております。  また、新学習指導要領で小学校において教科として導入されます英語教育に関しましては、グローバルな視点を持って活躍する人材を育てるため、小中高が連携し、実践的な英語によるコミュニケーションを図る機会を充実させているところでございます。  あわせまして、大学入学共通テストでは、聞くこと、読むこと、話すこと、書くことの4技能を適切に評価することが求められており、高等学校におきましては、英語で情報や考えなどを的確に理解したり、適切に表現したり、伝え合ったりする力を養うことを目指した授業改善を進めているところでございます。  新学習指導要領の確実な実施に向けては、滋賀の子供たち一人一人の資質、能力を伸ばせるよう、全ての教職員が学習指導要領の内容を十分に理解し、指導の改善を図ることが重要でありますことから、今後も学校教育の改善、充実に引き続き努めてまいります。 ○議長(生田邦夫) しばらく休憩いたします。   午後0時14分 休憩    ────────────────   午後1時15分 開議 ○議長(生田邦夫) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、44番中沢啓子議員の発言を許します。 ◆44番(中沢啓子議員) (登壇、拍手)チームしが 県議団を代表して質問いたします。  まず初めに、交通事故や虐待で犠牲になられた方々の御冥福と負傷された皆様の一日も早い回復をお祈りいたします。  現代は人生100年時代と言われています。国は、百年安心の年金を掲げていたにもかかわらず、金融庁の審議会の報告書では、厚生労働省のデータをもとに、夫婦の老後資金は年金だけでは2,000万円不足すると試算されています。100年後でも絶対大丈夫というのはうそだったのかという国民の怒りの声や、野党からも声が上がり、麻生金融担当相は報告書の受け取りの拒否を表明されました。受け取られなくても、その現実が変わるわけではありません。さらに政府や年金への信頼が揺らぎ、不安はおさまりません。  その上、この試算には、老人ホームなどの介護費用や住宅リフォーム費用など、特別な支出は含まれていません。実質的に百年安心の年金とならない限り、国民は安心することはできません。長生きすることが不安にならずに、幸せと感じられる社会保障制度を願うものです。  一方、滋賀県では、超高齢社会に向け、人生100年ワクワク検討事業について部会を設置し、調査、検討を始められましたし、滋賀の教育大綱では、人生100年を見据えた「共に生きる滋賀の教育」を掲げておられます。  人口減少が始まり超少子高齢社会へと向かう中、元気な滋賀、格差社会の是正、災害や環境破壊などに対する新しい答えが求められています。  三日月知事も、今だけ、ものだけ、お金だけ、自分だけでなく、将来も持続的に全ての人が感じられる新しい豊かさを掲げてこられ、基本構想では、さらに進化させ、「変わる滋賀 続く幸せ」を目指されています。  次の時代を担う子供たち、子供を産み育てる支援をするとともに、子供が安心して育つ環境を整備することはとても大切です。子供たちが生きる力を身につけて、新しい時代を創造し、ともに生きる社会を構築できるよう取り組んでいきたいと思っています。  私たちチームしが 県議団は、命と暮らしを守り、全ての人に居場所と出番のある共生社会を目指して、力を一つに頑張ってまいります。  私たちは、東日本大震災を初め、さまざまな災害が起こるたびに、ハードだけでは命は守り切れないということを学んできました。その中で、命を守る政策として、ハードだけでなく、ソフトの政策を組み合わせて、流域治水政策を進めてきました。  まず初めに、大戸川ダム事業について知事に伺います。  知事は4月16日の定例会見で、「大戸川ダムは必要。早期整備を国に求める」と述べ、建設を容認する方針を表明しました。現在、大戸川ダムについては、2008年の4知事合意により事業は凍結されています。このたびの知事の政策判断は、本県が行った専門家との3回の勉強会の検証結果により、ダムに一定の治水効果が認められたというのが理由です。  そもそも大戸川ダムに一定の治水効果があることは凍結時点でも認められており、勉強会で検証するまでもないと考えていますが、近年の気候変動による雨の降り方も10年前と比べて変わってきていることも踏まえ、勉強会での検証については、我が会派としても一定評価はしています。  しかしながら、勉強会では県がデータを示して説明し、専門家が意見を述べる形で、ダム建設を前提にした議論に見え、異論を示す識者が参加していない勉強会に違和感を感じました。もっと多角的な視点からの議論が必要であったのではないでしょうか。  県政の重要課題の一つでもある大戸川ダム事業について、議会への丁寧な説明がなされないまま、4月16日に政策判断をされた知事の政治姿勢には甚だ遺憾であり、なぜ拙速な政治判断をされたのか、また、ダム建設に緊急性があるのか、知事の本意を伺います。  次に、下流府県への説明について伺います。  大戸川ダムを建設するに当たっての総事業費は1,080億円です。そのうち本県の負担額は8億円で、大阪府の負担額は187億円、京都府は129億円です。事業を進める上で両府の理解が重要となりますが、現段階では両府とも慎重な姿勢です。  今回の3回の勉強会では、大戸川ダムが下流府県に与える効果を検証されているわけではありません。そのような中で、大戸川ダムの必要性を両府に対し、どのように説明し、理解を求めていこうとされているのか伺います。  次に、大戸川ダム整備後の琵琶湖水位への影響について伺います。  このたびの検証結果では、大戸川ダムを整備した場合でも、琵琶湖のピーク水位を抑えることは限定的で、瀬田川鹿跳渓谷の河川改修を行わなければ、効果は上がらないことが示されました。  あるケースでは、瀬田川洗堰の全閉時間は短縮しても、水位が高いままの時間がかえって長くなる結果もあります。琵琶湖水位への影響を考えれば、まずは瀬田川鹿跳渓谷の河川改修を優先するほうが本県全体の治水を考えても有益と考えますが、見解を伺います。  次に、大戸川ダム整備後の大戸川流域での浸水被害について伺います。  このたびの検証結果からは、大戸川ダムが建設されても、大戸川流域の浸水被害は全て解消されるわけではないことが示されました。本県では、全国に先駆けて、ダムだけに頼らない流域治水に取り組んでいます。流域治水における「そなえる」「とどめる」対策を最優先すべきであると考えますが、見解を伺います。  この項の最後に、大戸川ダム事業推進に向けては、下流両府県の理解にあわせて、淀川水系河川整備計画の見直しも必要です。  国土交通省は既に大戸川ダムの事業継続を決定しており、近畿地方整備局の有識者会議はダムをめぐる検証結果を近くまとめると仄聞をしております。いずれにしても、相当の年月を要すると考えます。  2003年にダムは原則建設しないと提言した淀川水系流域委員会では、治水のほか、環境、まちづくりなど多様な分野の専門家、市民が加わり、情報公開を徹底し、400回を超える委員会を開催し議論を進めました。専門家にとどまらない住民参加の議論が再度必要であると考えます。  あわせて、自然災害も多発している現況も踏まえ、防災、減災のあり方を根本から考え直す時期ではないかと考えます。多角的な視点での議論の場の設置を提案しますが、見解を伺い、次の質問に移ります。  次に、健康経営の実現について、知事に伺います。  「変わる滋賀 続く幸せ」を基本理念に、2030年の展望を描く滋賀県基本構想の計画初年度である令和元年度がスタートしました。本県の人口は既に減少局面に突入しています。総人口は減少しても、高齢者人口の増加は当面続くことから、社会保障関係の行政需要の増加も当面続きます。  また、国スポ等の大規模事業に係る経費や社会保障関係費の増加などにより、2026年度までの財政収支見通しの試算結果では、累積で959億円の財源が不足するとの見込みです。  さらに、急速なICTの進歩への対応、人生100年時代への対応、個人の価値観の多様化、女性、高齢者、障害者などの社会参加の拡大、経済のグローバル化などによる外国人との多文化共生の必要性など、県が対応すべき行政需要は複雑化、多様化しています。  このような中、滋賀県基本構想の着実な推進を行財政面から下支えするため、県の行政経営に関する基本的な考え方を示した滋賀県行政経営方針2019が策定されました。  具体的には、持続可能な滋賀を支える県庁、進取でオープンな県庁、市町とともに自治を担う県庁、スマートでしなやかな県庁、健康経営を実践する県庁という5つの目指す県庁の姿を明らかにし、その実現に向けて実施計画も示されました。  基本的な方向性は、県民サービスの向上、県財政の健全化、健康経営の実現につながる三方よしの行政経営を目指す。基本理念を「対話と共感、協働で築く県民主役の県政の実現のために」とし、健全な危機感とスピード感を持って取り組みを進めるとされていますが、危機感をどのように捉え、行政経営にどのように生かしていくのか伺います。
     次に、持続可能な滋賀を支える県庁の取り組みとして、財政健全化が挙げられます。財政健全化に向けた取り組みは喫緊かつ重要な課題であると考えますが、収支改善に向け財源をいかにふやすか、また、限られた財源をいかに効果的に活用するかという観点から、歳入歳出面にわたり取り組みが重要と考えます。  滋賀県行政経営方針2019の実施計画において、歳入面では、県税収入の安定確保と貸付金等の未収債権の徴収、受益者負担の適正化、県有資産の売却・利活用、ネーミングライツの活用など、自主財源拡充により4年間で41億円を確保すること。また、歳出面では、選択と集中の一層の徹底を図り、最少の経費で最大の効果が上がるよう必要な見直しを行うことで、政策的経費等について、各年度10から17億円の見直しを行うこととしています。歳入歳出両面にわたる具体的な取り組みを伺います。  次に、健康経営を実践する県庁の取り組みとして、県庁職員の働き方改革が挙げられます。  2018年5月に滋賀県庁健康経営宣言を行い、従来の働き方改革の取り組みを進化させ、県庁の健康経営に取り組むとし、人こそが最大の経営資源であるということが健康経営の原点とされています。  1995年度に滋賀県行政改革大綱を策定以降、効果的、効率的な組織機構の整備、業務改善などの行政システム改革や定数削減に取り組んできた結果、2017年度の本県の一般行政部門の職員数は、全国の都道府県の中で6番目に少ない状況となりました。これは人口類似県17県の中では最も少なく、人口1万人当たりの職員数でも、人口類似県17県の中で3番目に少ないという状況になっています。  現在県が抱える課題として、児童福祉司や土木技術者等の人員不足が挙げられます。特に普通建設事業については、昨年度2月補正予算および今定例会議でも補正予算において多額の予算が計上されていることからも、人員不足の中での事業の執行体制を心配しています。複雑化、多様化する行政需要に対応する職員の定数は適正であるのか、最近頻発している不適切な事務処理が人員不足に起因しているのではないかと心配をしていますが、見解を伺い、次の質問に移ります。  次に、琵琶湖を取り巻く課題について、知事に伺います。  まず、琵琶湖の深呼吸について伺います。  ことしは暖冬の影響により、酸素を含む表層の水が冷えて湖底に行き渡る現象、全層循環、いわゆる琵琶湖の深呼吸が、1979年に観測を開始して以降、初めて確認できない事態となりました。  この琵琶湖の深呼吸は生態系の維持に欠かせないものであり、表層水が水深約80メートルまでしか到達しなかったとされ、県は5月20日に水深90メートルの第一湖盆における水質の調査を行い、湖底に生息する生物の影響についての結果を発表されました。  そこで、今季の琵琶湖の全層循環が起こらない状況が、琵琶湖の生態系にどのような影響を及ぼしているのか伺います。  あわせて、近年の気候変動の影響により、今後も継続的に全層循環が起こらない可能性もあり、生態系も含め、琵琶湖への影響を経年的に注視しなければならないと考えますが、今後の琵琶湖の観測体制の強化についての考えを伺います。  次に、琵琶湖の生態系について伺います。  南湖の水草状況は、これまでの根こそぎ除去や表層刈り取りなどの取り組みにより、水草刈り取り除去量は減少してきています。加えて、昨年の台風21号の影響により、7割が流失したとされています。  また、侵略的外来水生植物オオバナミズキンバイ等に関しても、これまで、NPOや学生等多くの皆様の御協力のもと、懸命な対策に取り組まれ、生育面積は縮減してきております。しかし、近江八幡の西の湖で初めて確認されるなど、高島や長浜も含め、滋賀県全域に群落が拡散し続けている状況にあります。  また、ブラックバスやブルーギル等外来魚については、駆除量が急激に減少しており、そもそも生息量が減少しているのではないかと示唆をされています。  しかし、議会の中でも取り上げられ、故下村議員も現場で苦闘されたミシシッピアカミミガメや、琵琶湖での捕獲尾数が急増し、今年度予算化され集中的な駆除を行っているチャネルキャットフィッシュ、さらには、膳所城跡公園など湖岸の公園や県内各地の河川で多数の目撃情報があり、護岸欠損を引き起こすとともに、農作物への影響も大きいと言われるヌートリアなど、多様化する新たな外来種にも対応していく必要があります。  一方、琵琶湖のアユの数については、本年5月の魚群数は424群で、不漁であった平成29年の38倍、昨年の2.4倍となり、平年と同じレベルになったと魚群調査結果が出ています。  アユに関しては一定の回復があったものの、在来魚介類の状況は依然として不安定な状況にあり、ブラックバスやブルーギル等の減少傾向も勘案すると、魚介類にとって琵琶湖は生息しにくい環境に変わっているものではないかと考えます。  そこで、在来種の保護や外来種対策の強化等、琵琶湖の生態系を守っていくための今後の対策について伺います。  次に、琵琶湖の環境と農業について伺います。  農業は琵琶湖の環境に大きな影響を与えます。日本農業遺産に認定され、環境こだわり農業や水産業を中心として、今後、世界農業遺産の認定に向けて取り組んでおられるところと思います。  一方、県では、種子を守り、農業を振興する条例の策定に向けて取り組んでおられます。今後、条例策定に向け、琵琶湖の環境に配慮しながら農業を振興していくことが望まれると思いますが、琵琶湖の環境と農業についての知事のお考えを伺います。  次に、琵琶湖の保全および再生について伺います。  琵琶湖の保全及び再生に関する法律が2015年9月28日に公布、施行され、それに基づき、2017年3月に琵琶湖保全再生施策に関する計画が本県においても策定され、「守る」「活かす」「支える」の3つを重点項目に据え、琵琶湖と人とのよりよい共生関係を築き、健全でにぎわいのある琵琶湖を未来に引き継いでいこうと取り組みを進められているところですが、これまでの法律や計画に基づく琵琶湖の保全および再生に向けた取り組みの成果について伺います。  あわせて、前段の生態系に関する課題だけでなく、気候変動やマイクロプラスチック問題等さまざまな課題が複雑、深化していく中で、国民的資産に位置づけられた琵琶湖の保全再生に向け、国と連携をとりながら、恵み豊かな琵琶湖として次世代に引き継ぐ取り組みを進めていかなければならないと言えますが、どのように考えているのか伺います。  この項の最後に、びわ湖の日について伺います。  知事は、琵琶湖の環境保全への意識を高めようと、滋賀県がびわ湖の日と定めた7月1日を休日にすると2017年7月に構想を掲げられました。その後、報道各社も大きく取り上げるとともに、経済界を初め、休日化に対するさまざまな議論を行われました。また、県民への意識調査では、びわ湖の日を休日にすることについて、賛成が52%、反対が29.9%と、賛成が大きく上回った結果も報告されています。  この構想によって、琵琶湖に関心を持っていただき、より多くの方々が琵琶湖にかかわっていただくための一つの契機につながったかもしれませんが、多くの方を巻き込んで議論を行ったからには、その後どのようになったのかを報告していく必要があります。  そこで、構想を掲げてから2年が経過していますが、びわ湖の日を休日にとの議論は現状どのようになっているのか伺い、次の質問に移ります。  次に、子ども政策について、知事に伺います。  去る6月1日に将来世代応援知事同盟サミットinしがが滋賀県で開催されました。この日本創生のための将来世代応援知事同盟は、人口減少社会に立ち向かうトップランナーを目指す17県の知事が団結し、若い世代が地方で暮らし、結婚し、子供を産み育てることができる社会の実現に向けた支援を充実するとともに、政策を国へ提案し、社会全体で将来世代を支援する仕組みを構築することを目的とされています。  参加された各県では、さまざまな取り組みがなされていました。子供の育ちを支援するとともに、全ての家庭への子育て支援が大切だと考えています。  例えば広島県では、フィンランドの切れ目のない支援を行うための地域拠点を参考にした、ひろしま版ネウボラを始め、地域全体で全ての子育て家庭を見守り、サポートする体制をつくることを目指されています。  また、鳥取県では、ゼロ歳児の在宅育児への現金3万円などの支援をし、全ての子育て家庭を支援することで、保育園へ入園圧力の軽減にもつながったとの話もされていました。  また、長野県は、自然活動をする子供たちは自己肯定感が強く、生きる力につながるとして、信州型自然保育認定制度をつくり支援をされています。滋賀県でも行われている森のようちえんの取り組みの支援等も重要と考えています。  さまざまな取り組みを進めるためには、人も予算も投入し、次世代に投資することが大切と考えます。知事は、サミット主催県の知事として「しが声明」も宣言されましたが、今後どのような取り組みを進めていこうとされているのか伺います。  次に、この秋から実施に向けて準備されている幼児教育・保育の無償化について伺います。  これまでも取り上げてきた内容ですが、実施時期が迫る中、制度の詳細が決まったところであり、その準備が進められていると認識しています。  国と地方の財源の負担割合の問題や少子化対策の色合いが濃く、就学前の教育、保育の質の面では低下の懸念が払拭されないなど、課題も多いと認識していますが、制度の目的を達成できるよう、滋賀県においても十分な準備をしておく必要があります。残された時間はわずかですので、しっかりとした対応を行い、万全を期して、幼児教育、保育の提供が行われるようにという思いを込めて、以下、お伺いします。  まず、待機児童の解消に至らない状況での幼児教育・保育の無償化の制度の実施について伺います。  本制度の実施により、保育園の利用者の増加が予測され、待機児童がふえることが懸念されます。滋賀県としても保育ニーズの増加が見込まれるとされていることから、現在取り組んでいる以上の待機児童解消に向けた対策が必要になると考えます。  また、待機児童や在宅で育児をする世帯など、今回の無償化の対象にならない子育て世代もあり、公平性を踏まえた支援が必要ではないかと考えます。  そこで、現在の県内の待機児童の動向を踏まえ、今回の幼児教育・保育の無償化が待機児童に与える影響について伺います。  次に、保育士確保への影響について伺います。  保育園については、定員をふやしたものの、保育士が確保できずに、定員まで受け入れることができない保育園が存在しており、待機児童解消に至らない原因の一つと言えます。  また、今回の幼児教育の無償化は保育士の負担増につながり、それが保育士の確保の妨げになっているのではないかという指摘があります。  そこで、入所定員に対する保育士の充足に向けて、保育士の処遇改善が最も有効であると考えますが、これまでの保育士確保に向けた取り組みと今後の展望について伺います。  次に、認可外保育施設について伺います。  今回の無償化では認可外保育施設も無償化の対象となります。幼児教育、保育の受け皿として機能している反面、教育、保育の質や安全面において課題のある施設も少なからず存在し、県および権限を移譲されている市町では、これまでも認可外保育施設の指導監督に取り組んでおられますが、よりきめ細やかな対応が必要になると考えます。  保育の質、安全性の維持向上のためには、まず、各施設の状況を適切に把握し、必要ならば適切なアクションをし、そしてフォローアップをするという作業を回し続ける必要があると考えます。  また、認可外保育施設の無償化は5年間の経過措置とされており、この間の認可外保育施設の保育の質、安全性の向上のための取り組みが重要であると考えますが、その具体的な方法について伺います。  次に、市町の状況について伺います。  幼児教育、保育の提供の主体である市町は、この制度の中でも大きな役割を担います。今回の無償化の対応で、各市町の事務負担が増加していると考えますが、制度の中では各市町をサポートすることが県の役割として示されていることを踏まえ、これまで以上に市町との連携、市町の状況把握は重要であると言えます。県として把握している各市町の準備の状況と、県としての市町に対するサポートのあり方について伺います。  この制度の実施によって、各市町、県の業務量の増加が予測されますので、増加する業務量の想定と、その対応に必要な体制についても、あわせて伺います。  次に、児童虐待に向けて、以下、伺います。  去る5月6日、札幌市で母親と交際相手の男から暴行を受けた2歳女児が、意識不明の状態で病院に運ばれた後、衰弱死をするという痛ましい事件が発生しました。愛される存在として生まれ、一生を愛に包まれて暮らせるようにと願われる、何の罪もない子供たちが虐待の果てに命を奪われる理不尽を思うと、今さらながら、関係機関や行政が担う責務は極めて大きいと言わざるを得ません。  2018年3月の東京都目黒区における5歳女児の虐待死事件や本年1月の千葉県野田市における10歳女児の虐待死事件を受けて、政府は2月8日の閣僚会議において、児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策のさらなる徹底、強化について決定されました。これにより、児童福祉司2,020人程度の増加のうち、約半数の1,070人程度を来年度に前倒しして確保することとなりました。  また、本年5月28日にも、児童虐待の防止強化を目指し、しつけの際の体罰禁止を明記する児童虐待防止法ならびに児童福祉法の改正法が衆議院本会議で可決され、今国会での成立の見込みとなりました。  同時に、政令で定める基準に沿った児童福祉司の配置の必要性の明確化、子供の転居に伴う児童相談所間の引き継ぎの徹底、虐待をした保護者への再発防止プログラム実施などの努力義務についても、与野党合意が成立したと報じられています。  本県でも、2015年3月に、「子ども・子育て環境日本一の滋賀を目指して」をスローガンとした淡海子ども・若者プランが策定されています。  そこで、本県の児童虐待防止施策の現状と課題、そして今後の取り組みについて、以下全て、知事にお伺いします。  改正法を踏まえ、本県における近年の児童虐待の現状と課題をどのように捉えているのか伺います。  次に、子ども家庭相談センターの体制、機能強化について伺います。  まず、児童福祉司や関係職員の確保について伺います。  児童福祉司の業務は、罵声を浴び、身体的な侵襲や訴訟を提起されるおそれを感じるなど、非常に精神的負荷が大きい業務であろうと思います。滋賀県においては、児童福祉司1人当たり約50ケースを担当されている中、経験豊富な児童福祉司の人数は全体の約4割程度であり、ベテラン職員は厳しい通常業務に加え、後輩を指導する役割も果たしておられます。  また、一時保護所においては、嘱託職員の募集をしても応募がないと仄聞しております。責務の重さと厳しい勤務状況を反映し、なり手不足が深刻な問題となっており、職場環境の改善や社会的地位向上に向けた対策が必要と思われます。  本県では、2016年4月1日に大津・高島子ども家庭相談センターを開設し、本年4月1日には、親から虐待を受けた子供たちをかくまう一時保護所を新規に開設するなど、機能強化を図られていることはすばらしい取り組みですが、なおさら人員の確保が重要課題となると思われます。  児童福祉司のなり手の増加、確保に向けて、また、離職防止にもつながるよう、職員に対する職場環境の改善について、どのように認識され取り組んでいるのか伺います。  子ども家庭相談センターへの専門家配置に向けた取り組みについて伺います。  本年2月議会では、児童虐待に関する質問への答弁で、「虐待ケースにちゅうちょなく介入する」という表現が見受けられました。児童虐待防止に向けてちゅうちょなく介入するには、弁護士、医師、保健師などの必要な専門職の方々や、教育委員会、福祉部局、警察と連携することや、警察官の子ども家庭相談センターへの出向や女性警察官の増員と人員配置など、多種多様な関連機関が連携することは極めて重要な施策だと考えます。  本県においては、県内全ての子ども家庭相談センターに現役の警察官が配置されており、これは他府県に先駆けたすばらしい対策だと感じております。  さらに、児童虐待防止を進めるには、児童心理司、弁護士、医師、保健師、スーパーバイザーといった専門家との連携も重要であると思われます。特に児童心理司については、昭和から平成の初めごろまで、児童心理司が相談業務の窓口として保護者に対応し、児童心理司が心理職として専門的に子供のケアをペアで行っていくという体制がとられていたところ、現状、全く人数が足りていないと仄聞をしております。  また、児童福祉法改正法案においては、児童相談所が法的権限をためらわずに行使して子供を守るには、日常的に弁護士がかかわる体制が必要であるとされ、2022年4月から義務化の方針と聞き及んでいます。  現在、本県では、現行の児童福祉法の定めに従い、子ども家庭相談センターにおいて、弁護士であれば月1回4時間、小児科医、精神科医といった専門家にも週1回、学習といった頻度で来ていただいておりますが、もう一段の充実が望ましいとの声も聞いております。  児童心理司、弁護士、医師、保健師、スーパーバイザーなどの必要な専門職の配置をいち早く進めていくことは、1人50ケースを抱える現場職員の後押しとなり、虐待防止につながると考えます。  本県における現場の職員がちゅうちょなく介入できる具体的な取り組みや、専門家の配置の現状と今後の取り組みについて伺います。  次に、児童虐待の早期発見、早期対応について伺います。  まず、啓発と周知についてですが、虐待を早期発見するためには、虐待とはどのような状況を指すのかを徹底して周知したり、通報に対する心理的ハードルを下げたりするなど、より一層の啓発と周知が必要です。  一例ですが、児童相談所全国共通ダイヤル189番という有効なシステムがありますが、匿名で行えること、今年度の通話料無料化に向けての取り組みなど、内容面どころか、189番の存在なども含めて、余り知られていません。  学校にアンケートを提出していた千葉県野田市の10歳女子の虐待死のケースなど、児童が一定年齢に至っているケースでは、虐待の防止につながることも見込まれ、一層の徹底した周知に向けた取り組みが必要であると考えます。  周知、啓発についてもですが、それ以外の場面でも、教育委員会、保育園、幼稚園、医師などとの連携が重要です。虐待がいち早く通報されるための啓発と周知などを初めとする虐待の早期発見、早期対応に向けた施策、および教育委員会や市町との連携について伺います。  最後に、今回の法改正を受け、さらなる虐待対応と防止に向けた知事の決意を伺います。  次に、改正出入国管理法施行を受けての外国人材の受け入れと共生のための支援について、知事ならびに教育長に伺います。  この4月1日、外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が施行されました。この法律は、新たな在留資格、特定技能を創設し、介護や外食業、農業、建設など14の分野において、一定の技能を有する外国人労働者が就労することを可能にしたものです。これまで高度な専門性を有する外国人材に限り認めてきた就労在留資格を大幅に拡大するものであり、政策の一大転換と言えるものです。  しかし、政府が成立を急いだため、国会での審議が十分尽くされたとは言いがたく、施策の実行に必要な国、自治体、企業、NPOなどの役割分担と、それに見合った実施体制、財政的裏づけについても具体策に乏しく、地方自治体や地域において混乱が懸念されるといった問題が当初から指摘されていました。  実際に新制度を具体的に示したガイドラインが、受け入れ機関や登録支援機関に対し公表されたのは、新制度スタートまで2週間を切る3月20日でした。そのガイドラインでも明確ではない部分があり、受け入れ側も労働者側も混乱が続いているのが現状です。  そのような中、滋賀県では、地方創生交付金を活用し、外国人材受入サポートセンターを全国に先駆けて4月からスタートさせました。社会保険労務士や行政書士など専門性の高い相談員が窓口相談や訪問相談に対応し、企業、事業所にきめ細やかな支援を提供するとされていますが、さきに述べましたように、国自体の方策が定まらない中、試行錯誤をしていることが推察されます。  現状の課題認識や国との連携の状況、また、今後、センターを核とした外国人材受け入れの体制の展望について、知事に伺います。  次に、多文化共生の取り組みについて伺います。  滋賀県においては、2018年12月末現在で外国人人口は2万9,263人に上り、前年比10.3%増と増加傾向が続いており、また、ベトナムやインドネシア国籍の方が急増するなど、多国籍化も進んでいます。  外国人居住者が多い地域を中心に既にさまざまな課題が顕在化しており、試行錯誤しながらの対策が市町やNPOなどを主体に進められているところですが、今回の法改正により、課題の深刻化や多様化、複雑化がさらに進むことは確実です。  外国人材を単なる労働力とするのではなく、日本社会をともに支えてくれるパートナーとするために、多文化共生の取り組みがより一層重要になると考えられます。  外国人の生活支援ワンストップサービスの拠点として、この4月から、しが外国人相談センターがスタートしました。相談窓口の体制強化や多言語対応の充実を図るとされていますが、現状の利用状況や課題、市町等との連携状況、また、安定的、継続的な運営のための方策について、知事に伺います。  また、本県の公立小中学校における日本語指導が必要な外国人児童生徒数も平成30年には計1,173人と4年連続増加しており、今回の法改正を受けて、外国人児童生徒に対するきめ細やかな支援がより一層必要になると考えられます。  本来、法改正とあわせて国が責任を持って制度設計と予算措置をするのが第一義ではありますが、さきに述べましたように、国の方針が定まるのを待っていては後手後手に回ってしまう可能性があります。他府県に先んじて外国人材受入サポートセンターやしが外国人相談センターを設置したように、滋賀県として必要な施策を積極的に講じることが必要です。外国人児童生徒への支援体制のさらなる推進について、まずは知事に考えを伺います。  あわせて、具体的な対策について教育長に伺い、次の質問に移ります。  次に、交通事故から命を守る取り組みについて、知事ならびに警察本部長に伺います。  大津市大萱6丁目交差点交通事故から、はや1カ月以上が過ぎました。しかし、その悲しみはうせることはありません。改めて、園児2名の方の御冥福と、負傷された方の一日も早い回復を心よりお祈りしますとともに、御遺族の皆様、関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。  滋賀県では、この痛ましい事故を受けて、県管理交差点約600カ所の安全確認を初め、歩行者保護対策、園児等に対する交通安全教育などに取り組まれています。また、園児等の交通安全確保に関する緊急提案、要望を国に提出されました。
     まずは、この痛ましい事故を受けての知事ならびに警察本部長の所感をお伺いいたします。  また、事故現場の対策状況と県管理交差点の安全確認の状況、あわせて、今後の対策としての県管理交差点約600カ所以外の交差点の対応についても、知事ならびに警察本部長に伺います。  大津市大萱6丁目交差点交通事故を踏まえて、国に先立ち、県は就学前児童の安全確保について通知文書を発出されたと仄聞しております。その目的と内容、今後の県としての対応について、知事に伺います。  次に、私たちチームしが 県議団では、先日、子供たちがかかわる交通事故を行政と地域の方々の地道な取り組みによって50件から14件、約3割にまで大幅に減少された大阪府箕面市への調査に行かせていただきました。その箕面市の取り組みも踏まえた質問をいたします。  調査させていただきました箕面市の状況です。何と40年も前から、危険箇所、問題箇所の点検活動をされており、近年では、青少年指導員や一般の市民の方など含めて、例年、約1,000人が点検活動に参加されています。そして7,800万円もの予算をつけて、年間500カ所以上改善されています。その中には、車道を縮小し、歩道の拡張工事をされた事例もありました。まさに歩行者保護の観点が徹底されています。  また、多くの点検項目を客観的指標で優先度ランクをつけて、公平かつ迅速に対策が講じられていることも特筆されます。まさに、市民、住民、関係団体、行政、警察の連携で、地道な活動の積み重ねが子供たちの命を守っていることを痛感いたしました。  箕面市のように、8月に要望、11月中旬中間報告、3月最終報告と、迅速な対応の実行が事故件数の縮減の結果につながっていると考えます。  滋賀県も、2012年の亀岡の事故を受けて、通学等の緊急点検を実施されてきました。既に7年以上が経過していますが、いまだ対応が完了していないと仄聞をしています。現段階でどのような状況になっているのか、知事に伺います。  この箕面市の事例は市町の取り組みのケースですが、子供たちの命を守るためには、今後、市町との連携も含めて、滋賀県としてどのような役割を果たすべきなのか、知事の所見をお伺いいたします。  日本では、全ての交通事故死亡者のうち、歩行中の事故による死者の割合が2016年で35%と最多を占め、交通事故の国際比較で、主な欧米諸国に比べて2倍以上になっています。日本の交通事故の現状と特色、そして滋賀県の状況について、知事に伺います。  次に、高齢ドライバーによる交通死亡事故が多発しています。全国の交通事故発生件数は過去最悪を記録した2004年から年々減少していますが、65歳以上の高齢ドライバーの事故の件数は10年前の約1.1倍、75歳以上に限ると約1.3倍と増加傾向にあります。リスクを抱えながら運転を続ける高齢ドライバーは、これからもさらにふえ続けます。2020年には65歳以上の運転免許保有者は2,000万人以上になると予測されており、車を運転する人の4人に1人が高齢ドライバーになるのです。  先日、全国で後を絶たない高齢ドライバーによる事故を受けて、東京都の小池知事は、急な加速や誤った発進を防ぐための装置を車に取りつける費用を補助する考えを明らかにしました。  滋賀県においても免許証返納の取り組みもされていますが、公共交通の不便な地方ではかなり難しい状況です。東京都のように、滋賀県でも加速や誤った発進を防ぐための装置を車に取りつける費用の補助を検討してはどうかと考えますが、その他の対応策も含め、知事の所見を伺います。  この項の最後に、重大交通事故の発生の裏には、これまでの道路整備に対する考え方が車優先ではないかとの声をよく聞きます。道路整備における歩行者保護の考え方について、道路行政をつかさどる国土交通副大臣を経験されている知事に伺い、次の質問に移ります。  次に、本県の教育行政の基本的な考え方について、知事ならびに教育長に伺います。  我が国の教育委員会制度は、2014年6月、約60年ぶりとなる大改革が行われ、翌年4月から地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律が施行されています。これにより、教育への権限と責任の一体化を明確にすることを目的として、従来の教育委員長と教育長を一本化した新教育長を置くとされ、また、4年任期の首長が、最低でもその任期中に1回は教育長を任命することができるよう、4年であった教育長の任期が3年と改正されました。  そもそも自治体は首長だけが民意を反映しているのではなく、私たち議員もまた民意を得て教育行政の責任の一端を担っており、首長と議員の二元代表制のもと、両者でチェック・アンド・バランスが重要であり、新教育長の選任に当たって、議会も教育長の選任に対する権限と責任を有するものです。  そこで、まず、このたび新教育長を任命された知事の思いと期待について伺います。  次に、新しく教育長に就任された福永教育長に、教育理念や本県教育の諸課題に対するお考えを伺います。  本年4月に新教育長として就任された福永教育長は、就任直後の記者会見で、本県教育の課題として、学力の問題と障害がある子供たちへの支援、2点を挙げられました。また、特に取り組みたい本県の教育施策として、読み解く力の育成、食育の推進、そして教員の働き方改革の実践の3点を挙げられました。  これらの具体的な内容については以下伺ってまいりますが、まずは、このたび本県教育を担うトップリーダーに就任された福永新教育長に、教育行政を進められるに当たっての抱負を伺います。  教育長が記者会見で本県の教育施策の課題とされた2点について伺います。  教育にかかわる課題は、学校運営や教育課程、そして教員の働き方改革、また、学校の施設や設備など、ハード、ソフト両面にわたり多種多様な課題が山積していますが、あまたある教育課題の中から、あえてこの2点を課題として挙げられた教育長の思いについて伺います。  次に、教育長が今後特に取り組みたいとされた具体的な教育施策3点、それぞれについて伺います。  まず1点目に、滋賀県教育大綱に盛り込まれた読み解く力の育成について伺います。  本県では、今年度から、今後5年間の本県教育の方針とその施策の体系を示す第3期滋賀県教育振興基本計画と一体的に策定された大綱が施行されますが、この中に読み解く力の育成が掲げられています。  知事は大綱の冒頭で読み解く力の重要性を述べられており、大綱の中にも、確かな学力を育む項に、読み解く力の育成が記載されています。  これを受け、教育長も記者会見で、「まずは、個々の基礎的、基本的な知識、技能の定着を図ることと、読み解く力の育成に力を入れていく。読み解く力を育むことにより、これまで以上に、確かな学力を身につけるだけなく、相手をよりよく理解し、自分の思いや考えをきちんと発信し、そして活躍できる人を育てていきたい」と述べられています。  去る5月30日に開催された第1回総合教育会議でも、読み解く力が議題とされたと仄聞していますが、一方、読み解く力については、まだまだ教育関係者や保護者に十分な周知と理解が得られていないのではないかと感じられます。  そこで、本県の児童生徒の学力向上対策として、読み解く力の育成を掲げられた経緯と意図、あわせて、読み解く力を育成するための具体的な取り組み内容について伺います。  2点目に、健康しがを支える食育の推進について伺います。  近年、滋賀県は日本有数の長寿国として脚光を浴びており、今年度の県予算でも健康しがを掲げて、人の健康、社会の健康、自然の健康の3分野からさまざまな取り組みが進められています。  教育委員会でも、健康というキーワードは非常に大切であるとし、特に未来を担う子供たちが心も体も健康で、しっかりと学んでいくための土台となる人の健康を育む教育環境を整備していくことが教育委員会としての責務であるとされています。  教育長も記者会見では個人的な見解としながら、「食べることは健康の基盤であるとの観点から、いわゆる食育のさらなる推進に取り組んでいきたい」と述べられていますが、教育長が思い描かれる児童生徒に対する食育の具体的な取り組み内容について伺います。  3点目に、教員の働き方改革の実践について伺います。  働き方改革は、教員のみならず、国民的な課題として取り組むべき喫緊の課題です。教育長は教員の働き方改革について、「教員一人一人が元気に、そして笑顔で子供たちに向き合い、子供たちの話を聞ける時間を確保するためにも働き方改革は非常に大切である。スクールサポートスタッフや部活動指導員などを配置することにより、教員が子供たちに向き合える時間を確保する具体的な取り組みを進めたい」と述べられました。  教員の働き方改革については、現在、教員の長時間勤務の改善が進められているところですが、働き方改革の核心は、教員業務の精選や見直し、部活動の位置づけといった教育活動の抜本的な改善だと考えます。教育長が取り組もうとされている働き方改革の具体的な方策について伺い、チームしが 県議団を代表しての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(生田邦夫) 44番中沢啓子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)チームしが 県議団を代表されての中沢議員の御質問にお答えをさせていただきます。大きく7項目、3回に分けてお答えをさせていただきます。  まず1点目、大戸川ダム事業について、こちらは5点御質問いただきました。  1点目、私の判断とダム建設の緊急性についてでございますが、近年、全国各地で想定を超える豪雨が頻発しております。本県においても、平成25年台風18号では、全国初の大雨特別警報が発令される豪雨となり、大戸川周辺でも浸水被害が発生しています。大戸川では、ダムに先行し河川改修を進めてきており、既に7割が完成し、次の段階を検討する時期に来ております。  こうした状況の中、平成29年11月議会で県益を最優先する河川政策の推進を求める決議を受け、昨年5月から本年3月にかけて、3回の勉強会を開催させていただきました。その勉強会の結果を総括し、ダムの必要性が認められたので、県民の皆様の生命や財産を守らせていただく立場から、できるだけ早くお伝えしたいと考え、4月16日に表明いたしました。  また、ダム建設の緊急性につきましても、近年の想定を超える豪雨の頻発や大戸川で進めている河川改修の状況を踏まえますと、さらなる治水安全度の向上が必要であり、ダム建設の緊急性が高いと判断したところでございます。  2点目、大戸川ダムの必要性を下流府に対しどのように説明し、理解を求めるのかということについてでございますが、御指摘のとおり、今回の勉強会では、大戸川ダムが県内に与える効果や影響について検証したものでございます。  ダムが両府を含む淀川流域全体に与える効果につきましては、事業主体である国に対し、大戸川ダムの効果を示すように求めてまいりたいと存じます。  県内に与える効果や影響の検証結果や、これを踏まえた大戸川ダムに対する県の立場、考えについて、先般、大阪府、三重県に対し、事務方から説明させていただきました。京都府に対しましても、日程が調整でき次第、説明をさせていただく予定でございます。  大戸川ダム事業につきましては、半世紀にわたる歴史があり、既に下流のために移転された県民の方々の思いも、下流の皆様にお伝えしなければならないと考えます。また、洗堰の全閉がされることによって、大切な農地が水につかる、住宅が水に侵されるという被害にさいなまれている本県の実情をしっかりと伝えていかなければならないとも考えているところでございます。  3点目、瀬田川鹿跳渓谷の河川改修を優先することについてでございますが、御指摘のとおり、琵琶湖水位への影響のみでいえば、鹿跳渓谷の改修のほうが効果が高いと考えます。  一方、大戸川ダムは、大戸川流域における被害軽減や氾濫をおくらせる効果があり、加えて、洪水後のダムからの放流操作の工夫により、琵琶湖水位を抑える効果もございます。  どちらの事業とも早急に整備されることが有益と考えており、今後も国に対し、大戸川ダムおよび鹿跳渓谷の改修について、早期着手を求めてまいります。  4点目、流域治水における「そなえる」「とどめる」対策を最優先すべきではないかということについてでございますが、流域治水は何かを優先するのではなく、水を安全に「ながす」対策や、田や森林等で貯水する「ためる」対策、避難体制を構築する「そなえる」対策、安全な住まい方を促進する「とどめる」対策のうち、地域の実情に応じて、とり得る対策を有効に組み合わせて進めていくことが重要であると認識しています。  大戸川流域では、先ほど申し上げたとおり、「ながす」対策として、ダムに先行し河川改修を進めてまいりました。また、「そなえる」「とどめる」対策として、浸水リスクの高い10地区全てにおいて、避難計画作成支援や安全な住まい方の誘導などの取り組みを進めており、信楽町黄瀬地区においては、昨年11月に浸水警戒区域に指定させていただきました。  勉強会におきましても、内水の氾濫や降雨規模によっては大戸川からの氾濫が想定され、避難計画や非常時の情報伝達方法などの事前の対策の重要性を改めて認識したところでございます。  今後も、「ながす」「ためる」「そなえる」「とどめる」によるハード、ソフト対策を並行して取り組み、流域治水政策を一層進めてまいりたいと存じます。  5点目、多角的な視点での議論の場の設置についてでございますが、防災、減災、ハード、ソフト対策、環境、景観、まちづくり等の多角的な視点で検討することは大変重要でございます。今後、必要に応じて、事業主体である国が、治水、利水、環境等のさまざまな分野における専門家の意見や一般住民の意見を聴取していかれるものと考えています。  滋賀県といたしましても、その時々、それぞれのテーマで、滋賀県の立場をまとめ、伝えられるよう努めてまいります。  大きな2項目め、健康経営の実現について、こちらは3点いただきました。  1点目、危機感の捉え方と生かし方についてでございます。  県行政を取り巻く現状には、複雑化、多様化する行政需要や厳しい財政収支見通し、さらに、健康経営の実現などの直面する課題があり、これらに適切に対応しなければ、基本構想を下支えする行政経営は難しくなると認識しています。  こうしたことを危機感として捉え、組織内で共有し、滋賀県行政経営方針2019に示す2030年に向けて目指す5つの県庁の姿の実現に向けて、不断の改革に取り組んでいく必要がございます。絶えず、健全かつ良質な危機感を持ち続け、課題を克服することで、さらなる改革に向けたモチベーションにしながら、「変わる滋賀 変わる県庁」を実践してまいりたいと存じます。  2点目、財政健全化に向けた取り組みについてでございます。  ことし3月に公表いたしました財政収支見通しにおきましては、令和8年度までの累計で959億円の財源不足を見込んでおり、収支改善に向けた取り組みは喫緊かつ重要な課題であると認識しています。  歳入面におきましては、これまでから、税や地方交付税に係る制度改正を国に積極的に働きかけてきたところであり、地方消費税の清算基準や法人課税の偏在是正において本県の提案に沿った形で見直しがなされるなど、一定の成果があらわれてきているところです。  引き続き、こうした制度面からの増収対策にしっかり取り組むとともに、産業振興や地域経済の活性化による県税収入の安定確保にも努めてまいります。  また、行政経営方針で掲げる歳入確保の目標額41億円の達成に向けて、未利用資産の早期売却、貸し付けに努めるとともに、モーターボート競走事業の売り上げ向上やネーミングライツ、寄附の拡大に向けても知恵を絞りながら、積極的に取り組みを進めてまいります。  一方、歳出につきましては、昨年度、費用対効果の検証も行いながら、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化の観点から見直しを行ったところでございます。今後、その見直し内容を着実に実行することにより、限られた財源を効果的に活用してまいります。  本県財政は、今後とも厳しい状況が見込まれますが、財政健全化の取り組みを不断に行い、持続可能な財政基盤の確立に努めてまいる所存でございます。  3点目、職員定数についてでございます。  本県におきましては、公共事業の増加への対応、児童虐待防止対策、国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会の開催準備など、増加する行政需要に的確に対応するため、知事部局の職員定数を平成29年度に37年ぶりに10人増員して以来、3年連続で計68人増員してきているところでございます。県議会にもお認めいただきながらでございますが。  今後とも、不断の取り組みとして、事務事業の見直しや業務効率化等の徹底を図りつつ、業務の量と質の両面を十分考慮した定員管理に取り組んでいく所存であります。  また、何より一人一人の職員を大切にしていきたいと存じます。  一方で、今般の不適切な事務処理の発生は、業務の習熟度や経験値など職員個人の要素と、職場におけるコミュニケーションや引き継ぎのあり方など、組織運営上の要素の双方が複合的に絡んだものと認識しています。このため、いま一度、県民の負託に応え適切に公務を遂行するという原点に立ち返り、私たち幹部を含め、職員一人一人が緊張感を持って基本動作を徹底するとともに、組織としても、業務の改善や職員の育成、風通しのよい職場づくりに一層努めるなど、県民から信頼される県政の推進に全庁挙げて取り組んでまいる所存であります。  次に、琵琶湖を取り巻く課題につきまして、こちらは7点御質問をいただきました。  まずは、全層循環についてでございます。  全層循環が起こらなかったことで最も懸念されるのは、春から秋にかけて湖底付近の溶存酸素量が低下し、魚等の生態系に影響があらわれることでございます。この点に関して、6月3日時点で第一湖盆における湖底の溶存酸素量は1リットル当たり7ミリグラム程度であり、水生生物に影響が見られる目安でございます2ミリグラムを上回っておりますものの、例年であれば9ミリグラム程度ある溶存酸素量に比べますと低い状態にございます。  現時点では、イサザやスジエビ等の生存も確認できており、湖底の生物等に特段の影響は見られないものの、例年とは異なる状況には変わりございませんことから、引き続き、湖底の溶存酸素量や生物の様子等、琵琶湖の健康に注視してまいりたいと存じます。  2点目、今後の琵琶湖の観測体制の強化についてでございます。  今年度におきましては、湖底の溶存酸素量1リットル当たり2ミリグラムを念頭に置き、測定値の低下状況を見きわめ、早目に測定の頻度を上げることや、水中ロボットによる湖底の生物の調査を実施することなど、監視体制を強化することとしたいと存じます。  また、議員御指摘のように、気候変動等の影響により、長期的な観点では、今後琵琶湖の全層循環が確認できない状況が再び発生することも考えられます。こうしたことに備えまして、琵琶湖環境科学研究センターや水産試験場等の試験研究機関において、水中ドローンの使用などの新たな技術の導入や、より詳細なデータをとるための測定手法等を検討するとともに、国立環境研究所とも連携し、水中の溶存酸素量に影響を与える湖底の泥などに関する調査、研究を進めてまいりたいと存じます。  加えまして、湖底に生息する生物の調査を実施することにより、湖底の溶存酸素量の低下の影響に関する知見やデータの集積を検討してまいります。  3点目、琵琶湖の生態系を守るための今後の対策についてでございます。  アユやニゴロブナ、セタシジミなどの在来魚介類につきましては、漁獲の不安定な状況を踏まえ、今後とも、稚魚の放流や産卵、繁殖場の造成などに取り組んでまいります。  特にセタシジミにつきましては、水産試験場の稚貝生産施設を改修し、次年度の稚貝生産を現在の倍の2,400万個とし、北湖の主要漁場にも放流を進めてまいります。  また、中長期的な視点から、琵琶湖環境研究推進機構では、在来魚介類のにぎわい復活に向けた研究に取り組んでおります。外来種対策につきましては、生態系や農林水産業などへの影響度合いに応じた対策の優先順位づけが重要と認識しています。  オオバナミズキンバイにつきましては、今後2年程度で琵琶湖全体を管理可能な状態とするため、生育が拡大した北湖での対策強化を含め、防除を推進してまいります。  ブルーギルやオオクチバスにつきましては、検討会を設置し、より効果的、効率的な駆除方法を検討し、着実に生息量を減らしてまいるとともに、チャネルキャットフィッシュにつきましては、生息状況のモニタリングや効率的な駆除技術の開発を行い、撲滅に向けた対策を実施してまいりたいと存じます。  ヌートリアにつきましては、近年、目撃情報がふえているため、市町との情報共有などにより、まずは県内の実態把握を進めてまいります。  こうした在来魚介類の保護や外来種対策を通して、琵琶湖の恵み豊かな生態系の保全、再生を進めてまいりたいと存じます。  4点目、琵琶湖の環境と農業とのかかわりについてでございます。  本県は全国に先駆けて、環境こだわり農業に取り組んできたところでございます。国の環境保全型農業直接支払制度では全国で最大の取り組み面積となっており、引き続き、本県農業の大きな柱として進めていくこととしております。  去る2月には、こうした取り組みが評価され、琵琶湖と共生する本県の農林水産業が日本農業遺産に認定され、あわせて、世界農業遺産への申請の承認も得られたところでございます。  一方で、この春、私自身が体感したこととして、依然として田植え時期に琵琶湖への濁水の流入が目立つ河川もあり、改めて、その対応の検討に着手したところでございます。来年度にかけて、本県農業を振興するための条例の検討を行うに当たりましては、こうしたこれまでの取り組みや課題を含め、琵琶湖の保全と農業のかかわりについても議論の俎上に上げてまいる考えでございます。  5点目、法や計画に基づく取り組みの成果についてでございます。  琵琶湖の保全再生に向けましては、琵琶湖を守ることと活かすことの好循環を創出するとともに、これらを下支えする支える取り組みを含め、琵琶湖保全再生施策に関する計画に基づく施策を推進しているところです。  このうち、守る取り組みにつきましては、喫緊の課題でございます水草の刈り取り除去やオオバナミズキンバイ等侵略的外来水生植物の駆除や、巡回、監視の徹底により、これらの繁茂面積は計画の策定以降、年々減少している状況にございます。  次に、活かす取り組みにつきましては、水草のより一層の有効利用を目指し、企業に対して技術開発への支援を行ったところ、本年1月に有機肥料の商品化が実現いたしました。また、ビワイチにつきましても、情報発信と受け入れ環境の整備等を進めた結果、体験者数は着実に増加しているところでございます。  さらに、森林、林業、山村を一体的に捉え、農山村が活性化している姿の実現を目指す山の健康の取り組みなど、新たな施策をスタートさせることもできております。  調査、研究など琵琶湖を支える取り組みにつきましては、国立環境研究所琵琶湖分室等との連携による新たな共同研究の枠組みを構築するなど、体制の充実、強化を図ることができました。  こうした成果の一方で、琵琶湖を取り巻く課題は複雑化、多様化しており、未来からの預かり物である琵琶湖の恵みを将来にわたって享受できるよう、今後とも、多様な主体との連携のもと、保全再生施策をしっかりと着実に進めてまいりたいと存じます。  6点目、国との連携による取り組みの推進についてでございます。
     平成28年11月に、国の関係省庁や下流府県市で構成される法定の琵琶湖保全再生推進協議会を設置いただきました。以降、毎年、協議会あるいは幹事会が本県で開催され、関係省庁や下流府県市の幹部の方々に琵琶湖を視察いただき、琵琶湖の現状や課題について共有を図るとともに、国との連携による施策の実施状況や上下流連携の取り組み等について、意見交換を行っているところでございます。  このような中、議員御指摘のように、気候変動やマイクロプラスチックを含むプラスチックごみ問題など、世界共通の新たな課題が顕在化してきております。  また、世界においては、SDGsやパリ協定の締結、国においては地域循環共生圏を目指す環境基本計画の策定など、環境、経済、社会の統合的向上を理念とする新たな視点や考え方が世界の潮流となってきております。  琵琶湖の保全再生施策を進めていくに当たっては、こういった新たな課題や視点、考え方を踏まえつつ、国や下流府県市、さらには関西広域連合の場も活用しながら、連携による取り組みをさらに強化することが重要であると考えております。  7点目、びわ湖の日の休日化についてでございます。  びわ湖の日を休日にすることは、県民の皆さんを初め多くの方々にびわ湖の日を知っていただき、琵琶湖へ思いを寄せ、琵琶湖にかかわっていただく方策の一つとして提案させていただいたところでございます。  休日化に向けては、一昨年来、市町、経済団体、学校関係者や県政世論調査、県政モニターアンケートなどを通じて、県民の皆さんから課題などさまざまな御意見を聞かせていただいてまいりました。意見では、休日化を検討する前提として、まず、より多くの県民が琵琶湖に関心を持ち、かかわることが大切であるということや、びわ湖の日は一斉清掃のイメージが強く、多様な取り組みが必要であるなどの声が多く聞かれたところでございます。  そこで、より多くの方々に琵琶湖の魅力を感じ、かかわっていただくため、昨年度から「びわ活」をキーワードに、びわ湖の日から山の日までを重点期間とし、さまざまな体験イベントや活動等にいざなう取り組みを進めております。  平成30年度の県政モニターアンケートでは、びわ湖の日の認知度は79.7%であり、調査を始めた平成23年度と比較すると12.4ポイントの増となっております。みんなで琵琶湖を守り、活かしていくためにも、この夏もびわ活にしっかりと取り組んでいくとともに、休日化につきましては、引き続き、さまざまな方々から御意見を伺いながら、その方向性を見定めてまいりたいと存じます。  大きな4項目め、子ども政策につきまして、こちらは10点御質問いただきました。  まず、今後の取り組みについてでございます。  先日開催されました将来世代応援知事同盟サミットinしがでは、改めて、これからの時代を担う子供や若者の希望がかなう環境づくりが大変重要であると、意を新たにしたところでございます。  現在、県では、淡海子ども・若者プランに基づき、子供が生まれる前から自立するまでの切れ目ない施策を展開しているところです。例えば、地域で子供を見守り育む取り組みとして子ども食堂の普及促進支援や、子育て支援として第3子以降の保育料無料化などの施策を実施してきたところでございます。  今回のサミットでは、議員から御紹介もありましたとおり、参加県からさまざまなすばらしい取り組みが紹介されたところでございます。そのような取り組みも含め、全国の先行事例を収集するよう指示したところでございます。  今後は、そのような先行事例も参考にしつつ、子供や保護者のほか、市町や関係団体などのさまざまな方のお声を反映させ、次期淡海子ども・若者プランを策定し、これからの滋賀を担う将来世代の希望を叶えられる社会、誰一人取り残さない持続可能な社会の実現に向かって、子供政策を進めてまいりたいと存じます。  次に、2点目、今回の幼児教育・保育の無償化の影響についてでございます。  これまで、待機児童の解消を図るため、保育所等の整備に取り組んできており、本年度の保育所等の利用児童数は昨年度と比べ1,048人増加いたしましたものの、本年4月1日現在の待機児童数は速報値で460人となっており、昨年度と比べ21人増加しております。  この待機児童数の状況について、本年10月からの幼児教育・保育の無償化がどの程度影響したかについては、さまざまな要因があるため直ちに判断することは難しいと考えています。  ただし、本県における3から5歳児の就学前児童につきましては、既に99%の児童が保育所等を利用しているものの、未就園児は一定数おられ、また、ゼロから2歳児の未就園児のうち、住民税非課税世帯を10%として推計いたしますと、約2,300人が無償化の対象となります。こうしたことから、無償化の実施後、さらに保育ニーズが高まることも想定できますことから、その動向を注視してまいりたいと存じます。  3点目、保育士確保に向けた取り組み、今後の展望についてでございます。  これまで、保育人材の確保、育成、定着に向け、養成校卒業者の保育所への就労促進や潜在保育士の就業支援、現任保育士の離職防止に取り組む保育士・保育所支援センターの運営、さらには、一定の条件により返還が免除される修学資金や、潜在保育士への就職準備金の貸し付け等の支援を行ってきたところでございます。  今年度は、センターの体制強化を図るとともに、保育士有資格者バンク登録制度の創設による潜在保育士への再就職支援や、保育の魅力や特色ある保育所等の取り組みを情報発信するなど、保育人材の確保対策の一層の強化に取り組んでいるところでございます。  保育士の処遇改善につきましては、国により、平成27年度からこれまでに6%、月額約1万8,000円相当の処遇改善が図られており、また、平成29年度からは、技能、経験に応じたキャリアアップによる月額4万円の処遇改善加算が行われているところです。  ただし、本県のキャリアアップによる処遇改善加算の実施率は昨年度82.9%でありますことから、県としても、全ての保育所等において処遇改善加算が実施されるよう、指導に努めてまいりたいと存じます。  今後は、保育士の処遇改善について引き続き国に対し要望するとともに、今年度実施いたします保育士実態調査により、現状や、例えば処遇改善を初め、他県の調査では示されておりますが、それを上回る働きやすさなどのニーズの把握を行い、保育人材確保のさらなる取り組みを検討してまいりたいと存じます。  4点目、認可外保育施設の質や安全性の確保、向上のための取り組みについてでございますが、昨年度は31施設で立入調査を実施いたしました。睡眠中の乳幼児の観察や不審者対策などに関し、17施設に改善を求めたところです。本年度は全ての認可外保育施設に対し立入調査を行い、指導監督基準を満たすよう指導助言を行ってまいります。  さらに、認可外保育施設の指導監督等を行っている大津市、彦根市、草津市、東近江市と情報交換を行い、保育の質が県内均一に保たれるよう努めてまいりたいと存じます。  また、本年度は、子供のお昼寝中の無呼吸を知らせる機器の導入支援や、保育中の事故防止に関する知識、技能を習得するための研修会の開催など、安全性を確保するための取り組みを行うこととしています。  今後は、こうした取り組みを進めるとともに、市町と連携し、認可外保育施設の意向を踏まえ、認可施設への移行を支援することで、県全体の保育の質の向上に努めてまいります。  5点目の質問のうち、各市町の準備状況、県としての市町に対するサポートのあり方についてでございますが、無償化の準備状況といたしましては、各市町とも既にシステム改修には着手されておりますが、条例改正や無償化に要する予算措置については、多くの市町では9月議会で対応されると伺っています。  また、住民や事業者への手続に関する周知や申請書類の受付などは、各市町とも現在準備中で、7月には開始されると把握しています。  県におきましては、これまでから、市町担当者説明会や市長会、町村会の場で国の動向等についての情報共有を図ってきたところでございますが、法の成立後、具体的な事務について都道府県等説明会が開催されたことを受けて、市町に対して速やかにその情報の提供を行ってきたところでございます。  さらに、今月20日には、内閣府職員により市町が担う実務について制度の詳細説明を受けることとしており、今後は、こうした取り組みを通じ、各市町の抱えている個別課題を聞き取りながら、無償化が円滑に実施できるよう支援してまいります。  次に、5点目の御質問のうち、増加する業務量の想定とその対応に必要な体制についてでございますが、市町において無償化により新たに対応が必要な業務につきましては、システム改修や条例の改正、認可外保育施設等の利用者の保育認定や利用料の償還払いなど、多岐にわたっております。こうした増加する業務に対応するため、一部の市町では既に体制を強化し、取り組んでいるとお聞きしています。  県におきましては、無償化に関する県民や市町への情報提供、認可外保育施設が指導監督基準を満たすための指導強化、市町が無償化を進める上で必要なシステム改修等に対する補助、新たに無償化の対象に加えられた認可外保育施設等に関する県負担の支出などの業務が増加するため、子ども・青少年局内に子育て支援室を新たに設け、体制強化を図り、円滑な実施に努めているところでございます。  次に、6点目、児童虐待の現状と課題についてでございますが、本県の虐待相談件数は増加傾向にございます。平成24年度の相談件数は4,270件でございましたが、平成29年度は6,392件と、5年間で約5割増加しています。  虐待種別といたしましては、心理的虐待が最も多く、身体的虐待、保護の怠慢ないし拒否、いわゆるネグレクトの3種別で大部分を占めています。  中でも心理的虐待は、児童が同居している家庭における配偶者への暴力、いわゆる面前DVによる警察からの通告により増加傾向にございます。  また、市町との役割分担の中で、子ども家庭相談センターは虐待程度の重いケースを担当しており、平成24年度の相談件数は1,075件でございましたが、平成29年度は1,980件と、5年間で8割以上増加しております。  こうした状況を踏まえ、まずは子ども家庭相談センターの人員体制の強化が必要であり、国のプランに基づきますと、2022年度にはさらに10名以上の児童福祉司を増員することとなりますが、全国的にも増員が図られる中、必要な人員を確保することが課題でございます。さらに虐待事案が複雑化、困難化する中、より児童福祉司の資質の向上が必要と考えております。  7点目、児童福祉司のなり手の増加、確保と職場環境の改善についてでございます。  児童福祉司の確保に向けましては、各大学へのリクルート活動を行っておりますほか、昨年度から、子ども家庭相談センターだけでなく、多様な福祉の職場を経験できる社会福祉職の採用を開始することで、人材の確保に努めております。  また、一定資格のある経験豊富な行政職員の任用も行っているところです。  さらに、それぞれの職場におきましては、職員が疲弊することなく、希望とやりがいを持って働くことができる環境づくりが必要と認識しており、ひいては、そのことが離職防止や児童福祉司の確保につながるものと考えております。  こうしたことから、子ども家庭相談センターでは、新任研修や県が独自に構築した段階別研修を着実に実施し、職員のキャリア形成を進めるとともに、職員が孤立しないように、ケースに対する支援方針は組織で決定するほか、経験抱負な職員が支援に当たるなど、チームで支える体制を整えているところでございます。  こうした取り組みのほか、常に管理職が職員の心身の状態を把握し、必要に応じて職員の心のケアを行うために専門的な部署につなぐなど、互いに支え合いながら働くことができる職場づくりに努めてまいりたいと存じます。  8点目、現場の職員がちゅうちょなく介入できる取り組み、専門家配置の現状と今後の取り組みについてでございますが、ちゅうちょなく介入するためには、専門家の意見を踏まえ、介入の方針を適切に決定していくことが必要であり、本県では弁護士や医師から助言を得ながら、各ケースに対する支援方針を組織として決定しているところでございます。  また、介入の場面におきましては、全ての子ども家庭相談センターに配置されている現職の警察官を通じて、所轄の警察署と連携し、立入調査をスムーズに実施できる体制を整えているところです。  さらに、警察とは毎年、具体的事例を想定した立入調査や臨検、捜索に関するロールプレイなどの研修を合同で実施し、連携の一層の強化に努めています。  専門家配置の現状につきましては、各センターに、月1回4時間の相談業務を行う弁護士のほか、嘱託による精神科医、小児科医、さらには常勤の保健師を配置しているところでございますが、法改正の状況を踏まえ、今後、センターの職員がより的確に虐待事案に対応できるよう、センターにおける専門家の配置を進めてまいります。  9点目、虐待の早期発見、早期対応に向けた施策および教育委員会や市町との連携についてでございますが、社会全体で児童虐待の防止への機運を醸成するため、県では市町や民間団体とともにオレンジリボンキャンペーンを実施しておりますほか、高校や企業、地域などで出前講座を実施し、県民への啓発に取り組んでいるところです。  また、教育委員会との連携におきましては、県内全ての小中高等学校の児童生徒に、学校を通じて県の「こころんダイヤル」の連絡先を明記しております子供向け相談カードを配布するとともに、児童虐待対応を担当する教員が参加する連絡協議会において、虐待への対応に関する研修会を実施しているところでございます。  さらに、市町が実施いたします乳児家庭全戸訪問事業や養育支援訪問事業を支援し、虐待の発生予防と早期発見につなげているほか、市町の母子保健の窓口で、児童相談所全国共通ダイヤルであります189番をお知らせするカードを配布してもらっております。  こうした取り組みを通じ、児童虐待防止への感度を高め、子供のSOSを見逃すことなく、社会全体で子供を守る体制の強化に努めてまいります。  この項の最後、さらなる虐待対応と防止に向けた決意についてでございます。  この間るる述べてきたように、いかなる理由があろうとも、虐待により子供の命が奪われるようなことはあってはならないと考えます。現在審議中の法改正を見据え、子ども家庭相談センターの人員体制強化や職員の資質の向上、働きやすい環境づくりを進めるとともに、昨今全国で発生しております児童虐待事案について、本県に置きかえて受けとめ、関係機関との連携など、改めて本県での虐待事案への対応を確認してまいります。  さらに、発生した虐待事案への対応だけでなく、その要因を総合的に捉え、市町を初め、関係機関とともに子供や家庭に寄り添いながら、子供の最善の利益を第一優先に、児童虐待防止に対し強い覚悟を持って取り組んでまいります。  次に、外国人材の受け入れと共生のための支援について、私には3点御質問いただきました。  1点目、現状認識、国との連携、今後の外国人材受け入れ体制の展望についてでございます。  まず、現状の課題認識といたしまして、企業や経済団体からは人手不足で困っているという声を多数お聞きしており、人材確保が喫緊の課題と認識しています。  このような中、本県が企業の相談窓口として新たに開設いたしました外国人材受入サポートセンターで受け付けた相談は、4月と5月の2カ月で計70件、うち28件が訪問相談となっており、外国人材に対する県内企業や事業所のニーズは高いと考えられます。  一方、5月30日現在の特定技能の在留資格認定件数は全国で12件しかなく、制度の詳細に不明な点もあることや、受け入れ機関となる企業等の負担が大きいことなどから、特に中小・小規模事業者は様子見の状況であるのではないかと認識しています。  こうしたことから、先般、法務大臣や出入国在留管理庁長官に直接お会いいたしまして、地方での受け入れが進むよう国の取り組みをお願いし、大臣からは、本県がセンター等を通じて把握した課題や好事例を国にも情報提供してほしい旨、御要望いただいたところです。  本県といたしましては、地方の実情を国にしっかりと伝え、積極的な提言、要望を通じて連携強化を図ってまいります。また、センターの利用促進やきめ細かな相談対応に努め、大都市や大企業に外国人材が偏ることなく、県内企業や事業所が必要な人材を確保できるよう、センターを核とした外国人材受け入れ体制をしっかりと構築してまいります。  2点目、しが外国人相談センターについてでございます。  まず、利用状況についてでございますが、4月1日開設以来、4名の相談員により平日の10時から17時まで業務に当たっていただいており、5月までの2カ月間で計116件の相談があり、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語等で対応していただいたということでございます。主な相談内容は、医療や社会保険、雇用や労働、出産や子供の教育などに関するものであったということです。  こうした中で見えてきた課題といたしましては、近年急増している東南アジア国籍の方々からの相談が少ないなど、まだまだ本センターの周知が十分でないことや、社会保険などに関する相談において、専門的な知識が求められることなどが挙げられます。  次に、市町等との連携につきましては、本センターでは、ベトナム語、インドネシア語など市町の窓口で対応が困難な言語での相談や、市町の相談員や通訳者からの相談にも対応するなど、市町の機能を補完する役割を一定果たしております。  また、国関係機関につきましても、今後、県内各地域で開催を予定している出張相談会に当たりましては、大阪出入国在留管理局の職員にも協力していただくなど、連携して取り組んでいくこととしております。  本センターを安定的かつ継続的に運営していくためには、センターのより一層の周知を図るとともに、市町や関係機関との連携の強化、対応言語の充実や相談員の能力向上など、さらなる体制の充実が必要であり、このためにも、交付金や交付税措置など財政支援について、引き続き国に対して要望してまいりたいと存じます。  次に、外国人児童生徒への支援体制でございます。  誰一人取り残さないSDGsの視点のもと、誰もがみずからの個性を大切にし、多様な人と交わりながら、ともに生きる社会を実現することが重要であると考えています。  現在、県内に在籍する日本語指導が必要な外国人児童生徒の数は増加する傾向にあり、母語や文化、生活習慣の異なる児童生徒が在籍しております。こうした子供たちも安心して学ぶことができる教育環境の整備や、そのための指導体制のさらなる充実を図ることが重要であると考えております。  今後も、日本語指導が必要な外国人児童生徒一人一人に応じた教育が進められるよう、教育委員会とともに支援体制の充実に努めてまいります。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)私にいただきました外国人児童生徒への支援の具体的な対策についてお答えをいたします。  県教育委員会といたしましては、これまでも日本語指導を担当する加配教員の配置や非常勤講師の派遣、母語支援員の派遣、日本語初期指導教室の充実のための支援、担当教員対象の研修会の実施などに取り組んできたところでございます。  さらに、増加傾向にございます外国人児童生徒の受け入れ体制を整えるために、今年度から、外国人受け入れ拡大に対応した日本語指導等への支援事業を新規に立ち上げて実施しているところでございます。この事業の具体的な内容といたしましては、母語支援員の増員に加えまして、自動翻訳機を活用した支援など、各市町や各学校の状況に応じて実施をしているところでございます。  今後も、支援体制の充実に向けまして、外国人児童生徒の人数や状況も含めまして、しっかりと実態を把握し、市町教育委員会と連携を密にしながら、県教育委員会として着実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◎知事(三日月大造) (登壇)交通事故から命を守る取り組みにつきまして、こちらは7点御質問いただきました。  まず1点目、事故を受けての所感、事故現場の対策状況、安全確認の状況等についてでございますが、今回の事故を受けて、交通事故はいつでも誰の身にも起こり得るということ、そして、ほんの一瞬の気の緩み、不注意が、思いもしない重大な結果を招くことを痛感したところでございます。  そして、交差点における歩行者等の安全確保を観点とした施設整備などのハード対策や、ルール、マナーの徹底などのソフト対策の両面で何をすべきか、何ができるのか、もっとできることはないのかを常に考え、このような悲しい事故を二度と発生させないために、県を挙げて交通事故撲滅に取り組まなければならないと改めて強く認識したところでございます。  次に、事故交差点の対策状況でございますが、安全度をさらに高めるための対策として、防護柵の設置等の交差点改良工事を実施いたしまして、昨日完了したところでございます。  次に、安全確認の状況でございますが、今回の事故を受けて、572カ所の交差点で安全確認を行いました。そうしたところ、交差点に防護柵が設置されていない箇所が約430カ所ございました。これらについては、歩行者の交通量や通学路の指定の有無等の利用実態を踏まえて、防護柵の設置などの必要性について検討を進めており、まとまり次第、速やかに対応してまいります。  また、区画線が薄くなっている箇所や車道と歩道を分ける歩車道境界ブロックが損傷しているなど、補修が必要な箇所が約300カ所ありましたため、緊急度の高いものから順次対応しており、できるだけ早く完了するよう努めてまいります。  次に、安全確認を行った交差点以外につきましては、現在、交通量にかかわらず各市町で実施している通学路や、今回の事故を受けて大津市で実施している園外活動等における危険箇所等の安全点検に、県も道路管理者として参加をし、一緒に確認を行っているところです。  今後、園児等の安全確保について全国で一斉点検を実施する予定と伺っており、この点検に道路管理者として参加をし、一緒に確認を行ってまいります。  2点目、通知文書の目的と内容、通知後の県の対応についてでございます。  今回の通知文書は、事故の重大性に鑑み、改めて就学前児童の安全確保について注意喚起を行うため、事故後速やかに発出いたしました。  通知内容といたしましては、園外保育等の重要性を踏まえつつ、日常的に利用する散歩の経路について、危険性の有無や交通量等を確認の上、児童の安全確保に努めていただくことを要請いたしました。  さらに、国が策定いたしました教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドラインに基づき、日常的に発生するさまざまな事故防止のための取り組みや点検等についても、改めて周知徹底を図りました。  また、県におきましては、現在、各市町の保育所等における対応状況や対策を進める上での課題について集約を行っており、今後、さらなる安全確保に向けて、その集約結果を市町間で情報共有するとともに、必要に応じて、国へ要望を行ってまいりたいと考えています。  また、園外活動等における危険箇所等については国で全国調査が予定されており、この調査により危険箇所を把握し、関係機関とともに必要な対策を検討してまいります。  次に、3点目、通学路の緊急点検の結果、現段階の状況についてでございます。  平成24年度に各市町において実施されました緊急合同点検により、対策が必要とされた箇所については、市町教育委員会と学校、道路管理者、警察の3者が担当し、対策を実施しております。具体的な対策といたしましては、1つ目は、通学路の変更や地域ボランティア等による立ち番などのソフト面の対策。2つ目といたしましては、路肩、交差点のカラー舗装や歩道整備、横断歩道の補修などのハード面の対策。両面からの対策を進めてきたところでございます。  平成31年3月末で、歩道拡幅や交差点改良等のハード面の対策に時間を要している一部の箇所を除き、おおむね完了しているということでございます。未実施の箇所につきましては、既に着手している箇所も含め、できるだけ早く完了するよう取り組みを進めているところです。  4点目、市町との連携、県として果たすべき役割についてでございます。  子供を交通事故から守るためには、行政、教育委員会、学校、園、警察、保護者、地域等が連携して取り組む仕組みが大切であることを改めて認識しています。  県の役割といたしましては、このような取り組み体制が充実したものとなるよう、取り組み指針を示したり、有用な情報の提供、関係機関の情報交換の場を設けるなどであり、連携した取り組みの推進をリードしていく立場にあると認識しています。  来る6月28日の滋賀県子どもの安全確保に関する連絡協議会におきましては、今回の事故を受けて、各市町教育委員会の取り組み状況に関する調査をもとに意見交換を行うなど、会議の場を効果的に活用し、関係機関のより一層の円滑な連携を図ってまいります。  まずは、今実施できる施策にしっかりと取り組んでいくとともに、今後も、子供の交通安全対策についての取り組みの重点や課題、成果等を共有し、交通事故から子供を守るための取り組みの徹底を図ってまいります。
     次に、5点目、日本の交通事故の現状と特色および本県の状況についてでございますが、全国の平成30年の交通事故発生件数は43万601件、負傷者は52万5,846人と、いずれも14年連続で減少し、死者数は3,532人と昭和23年以降で最少となったところということでございます。  特色といたしましては、高齢者の人口10万人当たりの死者数が全年齢層の約2倍となっていること、また、歩行中の事故による死者のうち約71%が高齢者であることから、高齢者の交通安全対策が課題となっております。  さらに、内閣府が平成29年度に実施いたしました海外における交通安全対策に関する調査によりますれば、日本は諸外国と比べ市街地の道路を歩行中の事故による死者が多く、生活道路等での安全対策が課題とされております。  本県の状況でございますが、平成30年の交通事故発生件数は4,212件、負傷者数は5,361人と漸減傾向にございまして、死者数は39人と、昭和26年以降で最少となったところでございます。死者数39人のうち、歩行中の事故による死者が12人と約30%を占め、その12人中8人が高齢者となっており、全国と同様の傾向にございます。  本年は、発生件数および負傷者数については前年同期を下回っておりますものの、死者数につきましては6月13日時点で34人で、前年同期に比べ18人増と大幅な増加となっている状況にございます。  次に、6点目、御提案の装置への支援等、県の対応策についてでございますが、高齢社会の進展により、本県でも全交通事故に占める高齢運転者の割合は年々増加傾向にあり、平成30年では約18%を占めております。  このため、県といたしましては、高齢運転者の交通事故防止対策の一環といたしまして、交通安全指導員を養成し、現在158名の交通安全指導員が、県内各地で高齢者を対象とした交通安全教室を実施しているところでございます。  また、県交通安全女性団体連合会が中心となりまして、高齢者宅や高齢ドライバーが多く集まるサロン等を訪問し、高齢者事故の実態や反射材の配布等、具体的な指導を実施していただいているところです。  これらの研修や指導、啓発につきましては、高齢者が関係する事故の防止に資するよう、関係機関等と連携しながら、今後さらに工夫を凝らし、効果的な実施に努めてまいります。  御提案の装置につきましては、高齢者の交通事故の防止に一定の効果があると認識しており、導入促進のための支援制度につきましては、東京都などの取り組み、国における高齢者限定免許制度の検討状況、今後の技術開発などを総合的に勘案しながら、研究してまいりたいと存じます。  7点目、道路整備における歩行者保護の考え方につきまして、交通弱者である歩行者の安全対策は極めて重要であり、今後も引き続き、歩道設置や交差点改良などの交通安全施設整備を鋭意進めるとともに、歩行者が多い交差点などにおいては、必要に応じて、防護柵の設置なども考えていかなければならないと認識しています。  先ほども答弁いたしましたが、これらのハード整備にあわせて、ルール、マナーの徹底などのソフト対策に取り組むことが肝要であると考えております。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) (登壇)交通事故から命を守る取り組みについてお答えいたします。  先月8日に大津市大萱の交差点で発生した交通事故は大変痛ましく、心からのお悔やみとお見舞いを重ねて申し上げる次第でございます。  本件事故の発生を受けまして、県警察といたしましては、小さな命を守る交通安全プロジェクトと銘打ち、危険箇所対策、交通安全教室、啓発活動、交通取り締まり等を推進しているところでございます。  そのうち危険箇所対策といたしましては、事故現場における緊急点検を県土木等と合同で行い、安全性の向上を図るため、当該交差点の横断歩道等の道路標示の補修や信号灯器のLED化を行うことといたしました。  また、事故現場の周辺地域におきましても、特に日常的に子供が使用する機会の多い道路につきまして緊急に合同安全点検を実施し、保守の必要性を認めました36の交差点の道路標示や道路標識を整備することとし、さきに申し上げました事故現場における対応とあわせ、6月の補正予算案として知事部局に取りまとめをお願いしたものでございます。  さらに、今後、それ以外の地域における県の管理に係る道路の合同安全点検の結果や、市町や国の管理に係る道路につきましても、市町等と連携し実施しております点検の結果を踏まえ、保育園等の園外保育時に危険であると判断された箇所への対応のあり方を検討してまいる所存でございます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)三たび失礼いたします。  教育行政についての御質問のうち、1点目、新教育長任命に関する思いや期待についてでございますが、教育長は、教育委員会の代表者であるとともに、事務局を指揮監督するまさに教育行政の責任者であると位置づけられております。  本県の教育行政におきましては、学ぶ力の向上、いじめや不登校の問題など課題に直面している子供たちへの支援、教員の働き方改革など多くの課題があり、福永教育長のリーダーシップのもと、一丸となって取り組んでほしいと考えております。  福永教育長は行政経験が豊富であられ、とりわけ市町の行財政運営の支援に長く携わっておられたことから、市町教育委員会と県教育委員会との連携をより密にできるものと考えております。  また、商工観光労働部長として、本県の産業人材の育成、多文化共生の推進に尽力いただくとともに、昨年度は総合政策部長として、滋賀の教育大綱策定の議論も踏まえた滋賀県基本構想の取りまとめを担っていただきました。  こうした経験を有する福永教育長とともに、保護者や地域の方を初め、県民の皆様が教育行政に対して寄せるニーズ、期待にしっかりと応えてまいる所存でございます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)今ほども知事の答弁において、教育長任命に際しての知事の思いと期待を聞かさせていただきました。改めまして、教育長としての重責を果たせるよう、職務に励んでまいる所存でございます。  それでは、私にいただきました教育行政についての5点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の教育行政を進めるに当たっての抱負についてお答えをいたします。  現在、社会は過去にないスピードで変化をしております。人口減少、グローバル化等情報化の進展、急速な技術革新による新しい商品やサービスの創出など、さまざまな分野で過去に経験したことのない変化があらわれております。  こうした変革の時代に子供たちがたくましく生きていくためには、まずは基礎的、基本的な知識・技能の定着を図りますとともに、読み解く力の育成を通じて、子供たちの学ぶ力の向上に取り組んでいくことが大切であります。こうした取り組みによりまして、子供たちにぜひ学ぶ楽しさを味わってもらいたい、このように考えているところでございます。  また、県内には、いじめや虐待、貧困による教育格差の問題、不登校や外国籍の子供たち、障害のある子供たちなど、さまざまな課題に直面している子供が少なくありません。そうした子供たちを誰一人取り残さない、まさにSDGsの視点から、誰もが、食べる、学ぶ、遊ぶ、人とかかわるなど、当たり前の生活ができる環境づくりに力を入れていきたいと考えております。こうした取り組みを進めるに当たりましては、健康の視点が大変重要であると考えております。  未来を担う子供たちが、心も体も健康で、しっかり学んでいけるような環境整備にもしっかりと取り組んでまいります。  さらに、健康の視点から申し上げますと、教職員の健康も大切でございます。教員が元気に明るく子供たち一人一人と向き合うことができるよう、学校現場の働き方改革を進め、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  そして、こうした課題解決に向けましては、私自身ができるだけ現場に出向き、学校現場、市町、また地域、福祉関係者など、さまざまな人の声をしっかり聞くことを大切にしたいと考えております。現場をしっかりと捉え、教育委員会が一丸となって課題解決に取り組むことで、未来を担う心豊かな人づくりを目指してまいる所存でございます。  次に、2点目の学力の問題と障害がある子供たちへの支援を課題として挙げた思いについてお答えをさせていただきます。  過去にないスピードで変化する社会の中、これからの未来を担う子供たちがたくましく、そして自立して生きていく力をつけることが、県教育委員会の大きな役目であると考えております。  本年4月からの第3期滋賀県教育振興基本計画では、柱の一つとして、子供たち一人一人の個性を大切にし、生きる力を育むこととしております。この生きる力を滋賀の全ての子供たちが身につけるためには、学ぶ力を高め、確かな学力を育むことと、障害のある子供も持てる力を高められますよう特別支援教育を推進すること、この2つが重要であるとの思いを持っております。  確かな学力を育むことは、これからの社会の中で、全ての子供がみずから進んで課題に向き合い、よりよく解決していくためにとても大切なことだと考えております。そのため、学校、園、家庭、地域が一丸となり、子供たちの基本的な生活習慣の定着を基盤としながら、確かな学力の向上に取り組んでまいります。  さらに、障害のある子供の持てる力を高め、生活や学習上の困難を克服するための適切な指導を行うことで、一人一人の子供に応じた社会参加と自立を実現したいと考えているところでございます。  3点目の読み解く力の育成を掲げました経緯と意図、具体的な取り組み内容についてお答えいたします。  目まぐるしく変化する時代を生きるためには、さまざまな人々とのやりとりを通して、子供が自分の考えを広げたり深めたりするなど、社会に柔軟に対応できる力が必要であります。そのためには、個々の基礎的、基本的な知識・技能をもとに、文章や情報を正確に読み解き理解したり、相手の考えや思いを読み解き理解したりする読み解く力が大切でございます。  この読み解く力を育むことにより、さまざまな人の思いに気づき、受け入れるなどの感受性とコミュニケーションの力を高めながら、みずからの力を生かして活躍できる人を育てたいと考えております。  具体的な取り組み内容といたしましては、読み解く力の考え方や重要性についての共通理解と指導方法の研修、発達障害等による学びにくさのある子供たちへの指導の充実、生徒も対象とした読み解く力の向上を図るセミナーなどの開催、家庭での親子読書の啓発や学校図書館の活用促進などに取り組んでいるところでございます。  さらには、こうしたことを学校の教員のみならず、保護者や地域の方々にも御理解、御支援いただけるよう、さまざまな機会を通じて発信してまいりたいと考えております。  次に、4点目の食育の推進についてお答えをいたします。  食育、つまり食べることの大切さは、人の健康のための基盤となる重要なものだと考えております。  県教育委員会では、子供たちが基本的な生活習慣を身につけることが学習意欲や気力、体力の向上につながるという認識のもと、早寝早起き朝ごはん県民運動を展開し、フォーラムの開催やポスターコンクールの実施などの啓発活動を進めてまいりました。  また、学校では、食事の重要性、楽しさや、望ましい栄養や食事のとり方などを視点として、給食の時間や教科等において食育の推進に取り組んでまいったところでございます。  例えば、授業で朝食の大切さやバランスよく食べることなどを学んだり、給食委員会等の児童生徒が食への関心を高める活動をしたり、地域のボランティアの皆様方や健康推進員の皆様を招いて学習したりするなど、各学校において工夫を凝らした取り組みが行われております。  さらに、本県におきましては、米づくり、たんぼのこの活動やサツマイモの栽培など、学校農園を活用して農作物を育て、収穫し、調理して食べるという農業体験活動を通して、農業への関心を高め、理解を深めるとともに、収穫の喜びでありますとか食べ物を大切にする感謝の心を育てる、こうした取り組みも行っております。  今後も、健康医療福祉部や農政水産部とも連携しながら食育の取り組みを進め、子供が食の楽しさや喜びを味わいつつ、望ましい食習慣を身につけ、健やかに成長できるよう努めてまいりたいと考えております。  最後、5点目の働き方改革の具体的な方策についてお答えをいたします。  学校における働き方改革は、教員の皆さんが健康で生き生きと働き、誇りや情熱を持ち続け、学習指導や生徒指導に集中できるよう、学校におけますこれまでの働き方や業務を見直し、児童生徒一人一人と向き合うことのできる時間を十分に確保することを目的として取り組みを進めております。  今年度におきましては、平成30年3月に策定をいたしました学校における働き方改革取組計画に掲げた取り組みのうち、配置効果が確認されましたスクール・サポート・スタッフ、また、部活指導員の配置を拡充いたしますとともに、県立学校におきましては、夏季および冬季休業中の15日間を対象に学校閉庁日を設定いたしまして、年次有給休暇の取得促進を図る取り組みを行っているところでございます。  また、本年1月に学校における働き方改革に関する中央教育審議会の答申が出たところでございまして、来年度以降に向けまして、本年の働き方改革をさらに加速化させるために、どういうサポートや見直しが必要か、検討を始めているところでございます。  働き方改革につきましては、教員を目指しておられる若い学生にとりましても、大変大切な取り組みであると考えております。今後、市町教育委員会と連携しながら、現場の先生方の実感を伴う働き方改革につなげてまいりたいと考えております。 ○議長(生田邦夫) 以上で、会派代表による質疑ならびに質問を終わります。    ──────────────── △休会の議決 ○議長(生田邦夫) お諮りいたします。  明18日および19日は、議案調査のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(生田邦夫) 来る20日は、定刻より本会議を開き、上程議案に対する質疑ならびに一般質問を行います  本日はこれをもって散会いたします。   午後3時9分 散会    ────────────────...