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平成31年 3月13日琵琶湖対策特別委員会−03月13日-01号
平成31年 3月13日行財政・働き方改革特別委員会−03月13日-01号

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  1. 滋賀県議会 2019-03-13
    平成31年 3月13日琵琶湖対策特別委員会−03月13日-01号


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    平成31年 3月13日琵琶湖対策特別委員会−03月13日-01号平成31年 3月13日琵琶湖対策特別委員会             琵琶湖対策特別委員会 会議要録                                開会 10時00分 1 開催日時      平成31年3月13日(火)                                閉会 11時53分 2 開催場所      第一委員会室 3 出席した委員    加藤委員長、中沢副委員長             杉本委員駒井委員木沢委員中村委員、             佐藤委員山本委員西村委員成田委員 4 出席した説明員   廣脇琵琶湖環境部長および関係職員 5 事務局職員     澤村主幹鈎主査目野副主幹 6 会議に付した事件  別紙次第書のとおり
    7 配付した参考資料  別紙のとおり 8 議事の経過概要   別紙のとおり                  議事の経過概要 開会宣告  10時00分 1 琵琶湖保全再生施策に関する計画関連事業予算について (1)当局説明  中村琵琶湖保全再生課長小松琵琶湖環境部理事 (2)質疑、意見等駒井千代 委員  水草対策技術開発支援事業を続けて行かれるわけですが、堆肥については一つでき上がりました。ほかの研究についてはどのようなことが今進められているのか確認をさせてください。  環境省環境大臣政務官や水・大気環境局長琵琶湖視察いただきましたが、その中で、どのようなことを理解され、どういうことが進みそうなのかについて、結果とこれからの展望をもう少し詳しく説明してください。 ◎小松 琵琶湖環境部理事  水草対策技術開発支援事業については、予算額は500万円で、水草だけをターゲットにしていましたが、平成29年度からオオバナミズキンバイ除去方法なども含めて支援をしています。利用につきましては、堆肥だけではなく、メタン発酵など、さまざまな利用方法が挙がってきており、その中から見込みがあるものを採択します。オオバナミズキンバイ除去方法なども新しい視点で応募があり、その辺も支援し、除去と利用の両輪で技術支援を続けたいと考えています。 ◎中村 琵琶湖保全再生課長  笹川環境大臣政務官田中水大気環境局長琵琶湖視察では、オオバナミズキンバイ等被害状況等を実際に駆除も交えて見ていただきました。  こうした国との協力が必要な事業につきまして、しっかりと現状を把握いただいて、今後につないでいくことが一点です。田中水大気環境局長視察では、琵琶湖環境科学研究センターで、TOC研究状況について説明し、連携協力を築いていくことをお話させていただきました。  さらには、現在、県の課題になっている南湖湖底環境の実態を確認いただき、これが湖底の低酸素の状況につながっていることを説明しました。 ◆駒井千代 委員  水草対策技術開発支援事業の今後の企業との連携ですけれども、次年度下水道関連事業での水草研究水草対策技術開発支援事業ともうまくリンクしながら進むのかを確認したいと思います。  TOCについては政府要望で何年も挙げていると思いますが、環境省から琵琶湖環境科学研究センター琵琶湖視察に来ていただいたので、この要望が実現に進むよう期待したいと思います。 ◎田本 下水道課長  来年度下水道バイオマス循環プロジェクトで、水草や食品の廃棄物浄化槽等の汚泥など、県内にあるいろいろなバイオマス下水道汚泥処理と混合処理し、より効率的に下水汚泥の処理ができないかについての検討を始めたいと考えています。  下水処理場の施設がどんどん老朽化し、今後、改築しなくてはいけない中でより効率的な方法を採用することで、低コスト化効率化につなげることが第一ですが、御指摘いただきましたように、県内にあるバイオマスをより有効に使っていくことで地域社会にも貢献していきたいということも主眼です。  水草につきましては、琵琶湖環境部で所管していますので、しっかり関係課連携し、情報を共有しながら進めていきたいと考えています。 ◆西村久子 委員  有用微生物入り有機特殊肥料については、いいものをつくっていただいたと思います。農政水産部でこれをどう評価されるのか聞きたいと思います。結構な値段だと思います。わずかな量でこれだけの値段をつけるのは、それだけ効果があると期待します。その効果として連作障害を回避できるようなことが書いてあります。本当にこれだけの微量で毎年つくり続けることができれば、すばらしいものだと思います。試しておられますか。 ◎平井 食のブランド推進課長  この堆肥につきましては、委員が御指摘のように、まだまだ農業活用するには高価なものです。農業試験場では分析をまだしていないと承知しているところです。 ◆西村久子 委員  残念です。それでは広まりません。確実に効果があれば、私も使いたいと思います。使った結果、連作が可能になれば、県内特産物がふえる方法として、育苗時だけでもこれを使います。今の答えを聞くと、一般的に使われるのはもう少し時間がかかる感じがします。ぜひ、結果を出してください。 ◎小松 琵琶湖環境部理事  例えば、鉢植えの花が枯れてしまった場合は、その土も捨ててしまうのですが、枯れた花を抜いた後に、もう一回この菌をまぜると、また、その土が復活するので、土の不法投棄などにも十分効果があります。  もう一つは、抗菌作用がありまして、オリーブなどにも効くということで、小豆島では実証されています。ほかの作物などにもどれだけ効果があるかは、今後、株式会社明豊建設が頑張っていただけると思っています。 ◆西村久子 委員  微生物がふえ続けると書いてありますが、何かを添加するのですか。自然の中で、自然発生した微生物ですか。その正体が知りたいと思います。 ◎小松 琵琶湖環境部理事  水草をとってきて、積んでおいて、そこにある一定の菌を入れて大きいビニールでふたをして、その中で発酵させています。そうすると、微生物がどんどん増殖して、この中に有用な菌が入り込みます。それを土に入れますと、その微生物が繁殖して植物に効果があるもので、普通の堆肥ではなく、微生物効果で植物に栄養が行き渡るものになっています。  普通の堆肥に比べて効果があるのでこの値段をつけておられます。 ◆西村久子 委員  農家が微生物を入れた堆肥的なものを自分でつくります。それはもとの菌を入れるのですが、そこがネックになっています。それがこれでできるのであれば、重宝して広げられると思うので、頑張っていただきたいと思います。 ◆杉本敏隆 委員  水産資源の回復について、最近の全体の漁獲量はどのように推移しているのですか。  それから、魚種ごとにどのような魚がふえているのか。あるいは、どういう魚が大幅に減っているのか。そういうデータはありますか。 ◎澤田 農政水産部技監  農林水産省の最新の漁獲統計が1カ月ほど前に出ました。これは平成29年1月から12月の漁獲統計です。これによりますと、外来魚を除く琵琶湖での漁獲量は713トンです。平成28年は947トンでしたので、約230トン近く減っている状況です。アユの不漁が影響していると考えています。  魚種別に見ると、ニゴロブナ直近で56トンの漁獲量でした。ニゴロブナはかつてフナ全体で500トンぐらいの漁獲量でしたが、30年ほど前から急激に減少し、平成9年にはニゴロブナ漁獲量は18トンまで減りました。これが過去最低ですが、そこから少しずつふえて、直近は56トンで、去年よりも少しふえてきています。また、ホンモロコ平成29年の漁獲量は19トンでした。ホンモロコもかつては、200トンから300トンの漁獲がありましたけれども、30年ほど前から急激に減少しました。平成16年の漁獲量が5トンで過去最低となり、それが19トンまでだんだん回復してきている状況です。ニゴロブナホンモロコにつきましては、少しずつではありますけれども、いろいろな取り組み効果が出て増加傾向にあると考えています。  それから、セタシジミ平成29年の漁獲量は53トンでした。平成23年は22トンで過去最低漁獲量となりましたが、直近の10年では50トンから60トン程度で横ばいだと考えています。ただ、昨年の台風で漁場がかなり荒れ、南湖状況もまだ悪いため、セタシジミ漁獲状況資源状況は、非常に厳しい状況ですので、しっかりと取り組んでいく必要があると考えています。アユにつきましては、平成29年は279トン、その前年が461トンで、その大きな減少が漁獲量全体の減少に影響していると考えています。アユ、あるいは、特に増殖等はしていませんけれども、スジエビなども漁獲量の多い魚種で、変動が大きいと認識しています。 ◆杉本敏隆 委員  漁獲量全体で713トンは過去最低だと思います。水産業基本計画では、1,600トンの目標となっていますが、それに照らしてこの水産資源の回復の取り組みでそこへ到達できるのですか。 ◎澤田 農政水産部技監  農業水産業基本計画目標値については、委員に御指摘いただきましたように、到達は非常に困難だと考えています。特に漁獲量が多く、また琵琶湖漁業にとって一番重要な魚種アユ漁獲量資源が近年大きく変動し、それが大きな要因になっていると考えています。  ただ、アユ資源一定回復してきたら、1,000トン近くの漁獲が見込める魚種でもありますので、しっかりと資源の安定を図っていきたいと考えています。 ◆西村久子 委員  平成31年度琵琶湖保全再生施策関連事業予算は21億円ふえています。期待をしているのですが、目玉となる事業を教えてください。 ◎中村 琵琶湖保全再生課長  まず、琵琶湖を守る取り組みでは、南湖湖底環境改善事業が目玉になる事業だと思います。課題が大きく顕在化してきているのが南湖で、この湖底環境の改善が今後重要な課題となってくると思っています。  それから、琵琶湖を活かす取り組みでは、やはり知事も山の知事と言っておられましたが、やまの健康推進プロジェクトが挙げられると思います。  それから、琵琶湖を支える取り組みでは、調査研究事業の中の琵琶湖におけるプラスチックごみ問題調査検討事業が挙げられると思います。世界的な動きの中でプラスチックごみの問題がクローズアップされてきています。琵琶湖からこうしたことを発信していくことも、非常に重要であると考えています。 ◆西村久子 委員  資料には、琵琶湖保全再生施策関連事業の増額の主な要因として、県営農地防災事業県営かんがい排水事業等公共工事と書いています。国の防災減災国土強靭化のための予算が追加されたことは聞いていますが、その部分についての主な工事を教えてください。 ◎由谷 耕地課長  県営かんがい排水事業農地防災事業に関しては、今年度予算では土地改良公共事業は約55億円ですが、平成31年度予算は国の臨時特別措置活用して74億円に増額しました。その予算活用して、事業を進めていく予定です。対象地域は、基本的には県内全般で、琵琶湖は当然ですが、県内全域の水が琵琶湖に入っていくことから水源の改良等に貢献できるようしっかり事業の推進を図っていきたいと考えています。 ◆山本進一 委員  予算は前年よりも21億円ふえて本当にいいことですが、特に琵琶湖を活かす取り組みの中で、林業、農業、漁業、産業も観光もあり、支援や振興など、いろいろな予算を使っていますけれども、これが返ってくるような形をとらないと、出すばかりでいつまでも支援していてもだめです。やはり成果を把握して進めていかないといけないと思います。ひとり立ちできるような形をつくっていくことが本来の使命だと思います。 ◎島戸 環境政策課長  商工観光労働部とも連携し、一日も早く明確な成果が出るようにと思っています。有用微生物入り有機特殊肥料については、一部商品化にも結びつきつつありますので、しっかり取り組みたいと思っています。 ◆中村才次郎 委員  在来魚については先ほど説明がありましたが、外来魚についても、ブルーギルが物すごく小型化している、また、ブラックバスなどの数も減っているのではないかということも、琵琶湖近辺に住んでいる人から聞きます。大局的に琵琶湖環境は変わってきているのでしょうか。どう捉えておられますか。 ◎小松 琵琶湖環境部理事  琵琶湖の全循環はおくれている状況です。去年は結構早目に循環が起こって水草も余り生えていなかった状況が続いたのですが、平成26年、平成27年はかなり水草が生えて、外来魚も多い状況でした。最近、水草が大分減少して、外来魚関係はまだ実証はされていませんが、水草の下でブルーギルがたくさん釣れる状況がある中で、水草がどんどん減ってくると、ブルーギルなどの産卵や生育の場所がなくってしまうのではないかと思います。プランクトンも大量に発生すると、光を遮断して、水草の繁茂に影響します。水草の繁茂が魚の増減にもつながります。琵琶湖は、いろいろな要素が影響しながらそれぞれの現象としてあらわれてきている状況ですので、一概に今どうなのかということは言えませんが、これは長期的に見ていかなければならないと思っています。  対策として水草の刈り取りや稚魚の放流、ヨシを植えるなど、いろいろな対策をとっていますけれども、今までは飲み水としての水質が主でしたが、生態系保全のための水質についても、生態系を意識しながら、調査研究を進めたいと考えています。  水、ヨシ、水草など、さまざまな生態系保全対策と、気候変動の影響にも対応できる予防的な措置になってくるのではないかと思っています。  ですから、急に効果があらわれる施策は余り考えられないのですが、費用効果も考えながら、今の取り組みを少しでも工夫し、効果的な対策をとっていくことが必要ではないかと思っています。琵琶湖は毎年、いろいろな様相を見せますので、そうしたことにも対応ができるように、国立環境研究所とも協力しながら研究し、漁業振興にも取り組んでいきたいと思います。 2 琵琶湖保全再生に向けた活用負担あり方について (1)当局説明  中村琵琶湖保全再生課長 (2)質疑、意見等成田政隆 委員  市町とのかかわり、また、小学校中学校高等学校を含めて教育委員会のかかわりがどうなっているのか伺います。例えば、こどもエコクラブ等で活動されているところや、稚魚の放流や清掃等の活動をされているところもあると思いますが、小学校中学校などとどのような連携をしているのか伺います。 ◎中村 琵琶湖保全再生課長  市町との関係では、有料化の部分が問題になってくると思っています。入域料等につきましては、自然再生を図っていく際に、その地域を守る目的であれば、法的に入域料を徴収することができます。平成26年に地域自然資産法が制定され、特定の場所を保全していくことを目的に計画をつくり、入域料を徴収することが可能となっています。そういった場所があれば情報を提供して、市町で入域料を徴収することも考えられると思いますので、情報を共有しながら進めていきたいと思います。  エコクラブや稚魚の放流等教育委員会との連携については、エコスクール事業を実施しています。また、琵琶湖博物館環境学習センターを設置しています。サポーターズネットワークを通じても情報をいただき、その情報を庁内で共有し、学校との連携を図っていきたいと考えています。 ◆成田政隆 委員  県と市町連携して取り組むことによって、それぞれの活動も積極的になっていくと思います。  学校との連携については、どうしても高等学校に関しては、活動がとまっていて、特に琵琶湖にかかわる環境教育もなかなか難しいので、積極的にアプローチしていく中で琵琶湖のすばらしさなどが引き継いでいける取り組みを進めていただきたいと思います。 ◆佐藤健司 委員  琵琶湖活用にかかる負担あり方検討は非常に重要なことで、今まで知事が何回か言及された下流府県負担もやはり加味していかなければいけないと思いますが、この資料には全く載っていません。今までも議会で、検討する旨の答弁をされていましたが、どうしてこの資料に書いていないのかを教えてください。  また、課税については、税制審議会設置予定ということですが、平成31年度に諮問されるのか、その次の年になるのかはわかりませんけれども、税制審議会に委ねると、やはり税の専門家による議論ですので、そこに偏ってしまうのではないかなと思います。さまざまな負担あり方を考える上で、アドバイスを求めるのであれば別ですけれども、そこに諮問するということは、何らかの課税制度方向性がある程度定まってしまうので、本当にそういうやり方だけでいいのかと思います。公共交通なども知らないうちに税制審議会にかけることになっているし、本当にその辺の整理ができているのか教えてください。  資料には、利水に対する一定負担と書いてあります。水利権をもっている企業などに負担を上乗せしていくことは、私の持論ですが、今はどれぐらいの企業琵琶湖水利権をもってどういった形でやっているのか、実情を教えてください。  今いただいているものをしっかり将来に担保していくこと、守りも大事だと思うのですが、例えば、琵琶湖疏水感謝金京都市から毎年2億3,000万円をいただいているけれども、法的根拠は全くありません。せっかく琵琶湖活用にかかる負担あり方検討するのであれば、何年間に一回話し合って、今回も払ってもらえてよかったということではなくて、法的根拠までいかないとしても、この負担あり方の中で根拠を求めていく取り組みもしていただきたいと思いますが、そういったところまで検討しているのか教えてください。 ◎中村 琵琶湖保全再生課長  下流府県負担につきましては、琵琶湖活用に伴う負担あり方類型化し、課題方向性整理しています。委員御指摘のように、下流府県負担につきましては、非常に重要な問題だと思っています。  下流府県負担を求めていくためには、その前提として、下流府県理解増進が何よりも大切であると考えています。平成31年3月15日に下流府県の皆さんに集まっていただいて、琵琶湖連携協力に向けた議論をしたいと思っています。下流府県負担を求めていく上で法的な根拠をしっかりとつくっていく必要があると考えていますが、水利用根拠に求めていくことは、既に下流府県水道用水にかかる費用負担していただいていることもありますので難しいところもあります。  今後は、琵琶湖生態系サービスをどう評価し、その価値化をどうしていくのかの検討が必要であると考えています。次年度になりますが、有識者等意見も聞きながら、そうしたことも含めて整理し、理屈づけというか、根拠づけを考えていきたいと思っています。 ◎白井 琵琶湖政策課長  琵琶湖疏水感謝金につきましては、現在のところ、この利用負担あり方の中では考えていません。京都市と10年に1回、契約の更新がありますので、その場において意見交換をし、取り決めをしている状況です。
    中村 琵琶湖保全再生課長  税制審議会につきましては、まずは整理をし、次年度に、有識者意見を聞かせていただきたいと思っています。現在の課題を把握した上で、制度的に可能であれば、税制審議会等に諮っていきたいと思っていまして、そのまま税制審議会ではなく、有識者あるいは関係者等からしっかりと意見を聞いて整理をし、制度を組み立てた上で税制審議会へと諮っていく段取りを考えています。 ◎伊吹 流域政策局河川港湾室長  琵琶湖にかかわる利水者関係ですけれども、具体的にどれぐらいの量があるかの数字を今は持ち合わせていません。今後、この費用負担あり方の中でそうしたところも整理したいと考えています。あとで御報告させていただきたいと思います。 ◆佐藤健司 委員  いろいろと質問しましたが、非常に多角的な検討が必要で、資料には、琵琶湖活用にかかる負担あり方類型化および課題整理と書いてあるけれども、それ以外にもいろいろなことがあると思います。どうせまた議論して結論が出ないと思うので、何も言いませんが、このようなまとめ方有識者の話を聞いて、できるかできないかの意見を聞きながら、少しだけ次に進むのであれば、議論のための議論であってゴールがありません。だから、少なくともある程度のターゲットを絞っていただく必要があると思っているのですが、今の答弁を聞いていると絞っていないようです。今の答弁で一番ひっかかったのは、琵琶湖疏水感謝金で、10年に1回京都市と話し合って、その場合で意見交換して決めているのはいいけれども、そこに根拠を求めなかったら、次の更新のときに、こんなものは法的根拠ありませんと言われたらなくなってしまいます。京都市にはあれだけの受益がありながら、滋賀県はこの2億3,000万円を求められません。一方では、少額寄附も含めて何百円の負担をこれからつくっていくと言っています。そこの公平性の問題をしっかりと考えないと、新しい負担をしてもらうことはいいけれども、一方で今負担していただいているものすら根拠が薄弱でどうなるかわからないのでは、余りに公平を欠くのではないかと思います。ましてや、県民からいただくのです。京都市は利水者ではありません。水利権をもつ企業負担を上乗せすることが法的に可能かどうかだけ、後学のために教えてください。 ◎伊吹 流域政策局河川港湾室長  法的に可能かどうかについては、検討した上で確認させていただきたいと思います。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  年度当初の琵琶湖対策特別委員会の際にも絞り込みをきっちりすることを御指摘いただいて、それを目指してこういう整理をしてきました。  委員が御指摘いただいた下流府県との関係ですけれども、利活用関係者として、利水者住民行政検討してきました。その典型的な例が下流府県利水者ですが、現在、利水については、既に一応一定の理由があります。一つは、河川法に基づく河川占用料ですが、これは公共の水道などについては基本的に徴収されないルールがそもそもあります。それ以外については、琵琶湖総合開発をはじめとする河川開発、いわゆる新しく水資源開発をする場合には、それについての開発費用維持管理費用がかかります。現在も琵琶湖開発の40立方メートル分については、毎年下流府県利水者からの負担金が、環境面維持管理などの一部に使われています。  ただ、京都市からの琵琶湖疏水感謝金については、昔は発電という名目であったのが、その後、感謝金になりました。これも水道ですから、原則としてお金をとることはありません。一方で、大阪府や京都府は、新しく開発された水利権にはお金を払っています。昔からずっととっている京都市にはありません。その中で、こういう言い方が適切かどうかはわかりませんが、ある意味で、知恵として生まれたのが感謝金制度ではないかと思っています。払う根拠がないけれども、水源管理琵琶湖でしてくれていることについて、京都市が感謝しようという名目というか、気持ちを具体的にこういう形であらわしていただいているのだと思っています。ですから、法的根拠のない中で、上下流連携一つの知恵として考えることもできるのではないかと思っています。  税制審議会につきましては、課税に絞り込むのであれば、税制審議会に諮るということです。例えば、区域を限った料金徴収はどうなのか、あるいは、伊吹山での協力金はどうなのかなど、税制審議会に諮らない手法もあります。下流府県と公式に議論する場において、県内ではこういう議論があることもお知らせしながら、意見も伺っていきたいと思っています。 ◆佐藤健司 委員  そんなことは百も承知で言っているのですが、特に琵琶湖疏水感謝金で、水利用に対する負担だけではなくて、生態系サービスを維持していることも含めて、それを価値化して、さらに、その部分について負担を求めていく議論をしているのではないのですか。そうであれば京都市の水利権が古いか古くないかは別にして、2億3,000万円の金額でこれだけの水を利用できること自体がある意味で新しい水利権をとったところからすると、格安どころか、破格の値段です。片方は何十億円も負担してもらって、さらに、生態系サービスなどの新しい価値を説明して、そこに対する負担を求めていく議論をしているのに、京都市の場合は知恵ですから、安くていいですと言われてしまったら、京都市に対する生態系サービスなどの新しい価値はどうなるのですか。こうして琵琶湖の水質をみんなで守っていることを、水利用のみならず、生態系サービスなどを説明して負担を求めていくことを言っているのに、京都市だけは蚊帳の外で、昔の人の知恵ですから、今のままでいいですと言われたら、新しい負担は求められません。公平性の問題でしっかりと議論していただきたいということを言っているのです。ここで部長と議論しても前に進みませんので、意見にしておきます。 ◆木沢成人 委員  佐藤委員議論とも関連するのですけれども、滋賀県の環境こだわり農業の持続性を考えたときに、環境こだわり農業が果たしている多面的機能の分のコストに対する負担と受益者の受益をどうしていくのかを本会議を含めていろいろなところで議論しているのですが、その辺のこともこの枠組みの中で議論していただけるような形になっていくのですか。 ◎中村 琵琶湖保全再生課長  下流域と議論をしていく際、琵琶湖淀川流域における生態系サービスの評価手法の中に環境こだわり農業も項目の中に入れながら、話していくことになります。ただ、先ほど申しましたように、生態系サービスについては、どのように評価し、どのように価値化していくのかは、非常に難しい問題で、さまざまな場面で議論されているのですが、まだ確立されていません。しかしながら、我々としましては、琵琶湖生態系サービスに着目しながら、下流域も一緒になって議論し、単に利水治水だけではなく、もう少し大きな生態系サービスが必要であると思っています。生態系サービスの中には供給サービスや調整サービスなどがありますので、その中でしっかりと議論をしていくことになると思っています。 ◆木沢成人 委員  環境こだわり農業につきましては、琵琶湖の保全及び再生に関する法律が施行され、琵琶湖を国民的に意識してもらう形ができたことはいいとしても、例えば、東京都民の方が私たちが琵琶湖の周辺で一生懸命農業をしてその環境を守っていることを意識できるかというと、直接的にはなかなか難しいと思います。国は生物多様性と地球温暖化防止が二つの大きな柱で共通メニューになっています。その中で知事特認や水質保全などの独自メニューをなんとか入れてもらえるように国にお願いをしていただいていることはよくわかります。滋賀県でも今EBPMなどを全庁で取り組んでおられます。そうすると、環境こだわり農業でも、例えば、県の一般財源で、環境こだわり農業の多面的機能がどれだけ定量的に経済価値があって、その対価としてこれだけの年間予算を使っていることが確立していないので、そのことを明示していかないと負担を求めるのは難しいと思います。定量的に外部コストを経済的価値として出して、関西広域連合の中で議論して、制度をつくっていかないとなかなか難しいと思います。県内でも、これからは、一番グレードの高いところは有機農業をされます。2番目に環境こだわり農業があります。一方で観光農業をやっておられる方もたくさんおられます。それは禁止されていません。農業者間でもそこの負担や受益でいろいろな差異が出てくるわけです。世界農業遺産を目指していくことになったら、その中で農業者の人でも、フリーライダーになる人もいるわけです。非農家の方も受益に対して、フリーライダーになる人もどんどん出てくると思いますし、この枠組みの中でしっかりとした議論をしていただかいといけないと思います。 ◎平井 食のブランド推進課長  環境保全型農業直接支払い制度につきましては、あくまでも、国の制度に対する県独自の負担です。全国の公平性の中で、知事特認で国に対して要望していく中で進めたいと思っていますし、下流府県への負担等につきましては、琵琶湖環境部生態系サービス価値化負担について検討を進めていますので、そういった中で連携しながら、検討も進めていければと考えています。 3 内水排除流域における被害軽減対策について (1)当局説明  伊藤農政水産部分技監 (2)質疑、意見等西村久子 委員  長年困ってきたことがやっと取り上げてもらえた、まだその段階です。随分長い年月がかかりました。ところが、農家自体はもう戸数が減っています。大規模経営企業体はあっても意見を出す人が減っています。今までは個々に意見などを言ったけれども、その数が少なくなり、力が弱くなりました。みずから負担する力が弱ってお金が出せない状況で、新しく土地改良区で事業を提案されてもできない現状があります。ところが、実態を見てもらったら、農政水産部からは当然で必要だと判断をしてもらったと思います。しかし、土木交通部から見たら、別に田んぼに水がついていても、人の命にかかわるわけはないという考え方もあったと思います。独立行政法人水資源機構も、内水排除の水門をつくっている、対応するのはそれぞれの地域でしょうという感じです。みんながなすりつけ合いして、解決策ができてきませんでした。長年言い続けてきたこの排水路をつくることは感謝しています。なるべく負担が少なく、そして、効果があらわれるような方策をとってもらいたいと思います。雨がふって、琵琶湖の水位が何センチメートルになれば水害が出るのかについては、水稲に対するものや作付している野菜に対するもの、あるいは、人家に対するものなど、いろいろな水害があります。我々の地域は人の命にかかわるほどの水害ではないけれども、やはり被害に泣いてきました。琵琶湖は滋賀県の6分の1の面積だとしたら、周りにふった雨が琵琶湖へ集まれば、6倍の水がたまるわけです。水害が起こるのは当たり前です。先日の新聞にも、550ミリメートル程度の雨がふれば、琵琶湖の水位が2メートル60センチメートル上がると書いていました。こんなことは今までからわかっていたはずです。水害で泣いている人たちを見たら、力を合わせて取り組む方向を示してもらいたいし、自分のこととして、感じていただけるように、お願いしたいと思います。 ◎伊藤 農政水産部技監  農家負担については、国では農地中間管理機構関連の圃場整備以外にも、農家負担が大幅に軽減される経営体育成基盤整備事業が制度化されています。この事業は基盤整備を契機としまして、担い手への農地集積集約を進める場合に、その程度において、地元に対して促進費が交付され、これを地元負担金に充当して農家負担を極力軽減する仕組みとなっています。南三ツ谷町地域で基盤整備をされるわけですけれども、この計画にあわせて横引き水路も整備ができる方向で市や土地改良区と協議を進めています。早期に実現されるように市や土地改良区と連携していきたいと思います。独立行政法人水資源機構や市に対しても、早目に情報提供や対応していきたいと考えています。 ◆西村久子 委員  早目の対応というのは、実際、何ですか。一日前に言ってもらっても間に合いません。排水機の電源は、洪水期は入れているけれども、期間が終わると切っています。10月に雨が降ると、もう既に排水機の電源は切られていて、契約を結び直すのに2日かかると対応がおくれます。彦根市は本当にのんびりしていて、農地が冠水している状態でもポンプで水を出す対応ができません。守山市はさすがに園芸地帯だけであって、雨がふると自分のポンプだけでは足りなかったら、消防車を出してでも対応されています。そういう機敏さというか、臨機応変な対応が余りにもできていなかったのは、彦根市の農家が弱かったからとも思います。また、声を届ける力が弱かったと思って反省はしますけれども、届かなかった今日までを思うと本当にくやしい思いで、随分長い時間がかかったと思います。これだけの樋門がありながら、やはり工事期間中はこの排水機能を備えていない樋門も活用していかないといけないわけです。これから、横引き水路が整備されても、やはり樋門は閉めるので、排水していかないといけません。水位が上がってきたら、何時間ほどで逆流が始まるかの指示をどこからか出していただきたいし、忠実に守っていただきたいと思います。 ◎伊藤 農政水産部技監  平成29年台風21号で冠水被害が大きかったのは、台風時期が10月下旬で、かんがい施設の受電期間が過ぎていたことで施設を稼働できず、簡易式の排水ポンプを調達するために対応がおくれました。申しわけございませんでした。  今後はこうしたことがないように、水位の上昇を確認しながら、適切にポンプが稼働できるよう、早目に彦根市や土地改良区に対して提起していきたいと思います。 ◆西村久子 委員  暗渠排水もあわせて整備しておられます。ところが、そういう事業を実施することによって、麦、大豆、あるいは野菜もやりなさいという転作の制約がかかってくるようです。しかし、実際こういう状況の中で本当に水稲以外の作物をつくることが可能なのか、常識で考えてもらいたいと思います。ことしの大豆の収穫は例年の1割もありません。そのような状況の中でみんな苦労しています。効果が出ない状況の中で、事業を実施したから、転作物としてこういうものをやりなさいと義務づけられることは少し酷な話だと思いますので、お考えいただきたいと思います。 ◎伊藤 農政水産部技監  農家の作付品目を県が強制することは難しいことですが、広域の農作物の浸水被害を回避するためには、例えば、麦や大豆を飼料用米に転換することや農作物の作付体系の見直しを働きかけること、土地改良事業の実施や地盤のかさ上げ対策、被害発生後の経営リスクを減少させるための収入保険など、地域の意向を踏まえながら、県と市や関係団体が議論をしながら、連携して対応できるように考えていきたいと思います。 4 委員長報告について 2月定例会議において、最終報告を行うことが決定された。内容については、委員長に一任された。 閉会宣告  11時53分  県政記者傍聴:NHK、京都、毎日  一般傍聴  :なし...