◎
中村 琵琶湖保全再生課長 税制審議会につきましては、まずは
整理をし、次
年度に、
有識者の
意見を聞かせていただきたいと思っています。現在の
課題を把握した上で、制度的に可能であれば、
税制審議会等に諮っていきたいと思っていまして、そのまま
税制審議会ではなく、
有識者あるいは
関係者等からしっかりと
意見を聞いて
整理をし、制度を組み立てた上で
税制審議会へと諮っていく段取りを考えています。
◎伊吹
流域政策局河川・
港湾室長 琵琶湖にかかわる
利水者の
関係ですけれども、具体的にどれぐらいの量があるかの数字を今は持ち合わせていません。今後、この
費用負担の
あり方の中でそうしたところも
整理したいと考えています。あとで御報告させていただきたいと思います。
◆
佐藤健司 委員 いろいろと質問しましたが、非常に多角的な
検討が必要で、
資料には、
琵琶湖の
活用にかかる
負担の
あり方の
類型化および
課題整理と書いてあるけれども、それ以外にもいろいろなことがあると思います。どうせまた
議論して結論が出ないと思うので、何も言いませんが、このような
まとめ方で
有識者の話を聞いて、できるかできないかの
意見を聞きながら、少しだけ次に進むのであれば、
議論のための
議論であってゴールがありません。だから、少なくともある程度の
ターゲットを絞っていただく必要があると思っているのですが、今の答弁を聞いていると絞っていないようです。今の答弁で一番ひっかかったのは、
琵琶湖疏水の
感謝金で、10年に1回
京都市と話し合って、その場合で
意見交換して決めているのはいいけれども、そこに
根拠を求めなかったら、次の更新のときに、こんなものは
法的根拠ありませんと言われたらなくなってしまいます。
京都市にはあれだけの受益がありながら、滋賀県はこの2億3,000万円を求められません。一方では、
少額寄附も含めて何百円の
負担をこれからつくっていくと言っています。そこの
公平性の問題をしっかりと考えないと、新しい
負担をしてもらうことはいいけれども、一方で今
負担していただいているものすら
根拠が薄弱でどうなるかわからないのでは、余りに公平を欠くのではないかと思います。ましてや、県民からいただくのです。
京都市は
利水者ではありません。
水利権をもつ
企業に
負担を上乗せすることが法的に可能かどうかだけ、後学のために教えてください。
◎伊吹
流域政策局河川・
港湾室長 法的に可能かどうかについては、
検討した上で確認させていただきたいと思います。
◎廣脇
琵琶湖環境部長 年度当初の
琵琶湖対策特別委員会の際にも絞り込みをきっちりすることを御指摘いただいて、それを目指してこういう
整理をしてきました。
委員が御指摘いただいた
下流府県との
関係ですけれども、
利活用の
関係者として、
利水者、
住民行政を
検討してきました。その典型的な例が
下流府県の
利水者ですが、現在、
利水については、既に一応
一定の理由があります。
一つは、
河川法に基づく
河川占用料ですが、これは公共の水道などについては基本的に徴収されないルールがそもそもあります。それ以外については、
琵琶湖総合開発をはじめとする
河川開発、いわゆる新しく
水資源開発をする場合には、それについての
開発費用と
維持管理費用がかかります。現在も
琵琶湖開発の40立方メートル分については、毎年
下流府県の
利水者からの
負担金が、
環境面の
維持管理などの一部に使われています。
ただ、
京都市からの
琵琶湖疏水の
感謝金については、昔は発電という名目であったのが、その後、
感謝金になりました。これも水道ですから、原則としてお金をとることはありません。一方で、大阪府や
京都府は、新しく開発された
水利権にはお金を払っています。昔からずっととっている
京都市にはありません。その中で、こういう言い方が適切かどうかはわかりませんが、ある意味で、知恵として生まれたのが
感謝金制度ではないかと思っています。払う
根拠がないけれども、
水源管理を
琵琶湖でしてくれていることについて、
京都市が感謝しようという名目というか、気持ちを具体的にこういう形であらわしていただいているのだと思っています。ですから、
法的根拠のない中で、
上下流の
連携の
一つの知恵として考えることもできるのではないかと思っています。
税制審議会につきましては、課税に絞り込むのであれば、
税制審議会に諮るということです。例えば、区域を限った
料金徴収はどうなのか、あるいは、伊吹山での
協力金はどうなのかなど、
税制審議会に諮らない手法もあります。
下流府県と公式に
議論する場において、
県内ではこういう
議論があることもお知らせしながら、
意見も伺っていきたいと思っています。
◆
佐藤健司 委員 そんなことは百も承知で言っているのですが、特に
琵琶湖疏水の
感謝金で、
水利用に対する
負担だけではなくて、
生態系サービスを維持していることも含めて、それを
価値化して、さらに、その部分について
負担を求めていく
議論をしているのではないのですか。そうであれば
京都市の
水利権が古いか古くないかは別にして、2億3,000万円の金額でこれだけの水を
利用できること自体がある意味で新しい
水利権をとったところからすると、格安どころか、破格の
値段です。片方は何十億円も
負担してもらって、さらに、
生態系サービスなどの新しい価値を説明して、そこに対する
負担を求めていく
議論をしているのに、
京都市の場合は知恵ですから、安くていいですと言われてしまったら、
京都市に対する
生態系サービスなどの新しい価値はどうなるのですか。こうして
琵琶湖の水質をみんなで守っていることを、
水利用のみならず、
生態系サービスなどを説明して
負担を求めていくことを言っているのに、
京都市だけは蚊帳の外で、昔の人の知恵ですから、今のままでいいですと言われたら、新しい
負担は求められません。
公平性の問題でしっかりと
議論していただきたいということを言っているのです。ここで部長と
議論しても前に進みませんので、
意見にしておきます。
◆木沢成人
委員 佐藤委員の
議論とも関連するのですけれども、滋賀県の
環境こだわり
農業の持続性を考えたときに、
環境こだわり
農業が果たしている多面的機能の分のコストに対する
負担と受益者の受益をどうしていくのかを本会議を含めていろいろなところで
議論しているのですが、その辺のこともこの枠組みの中で
議論していただけるような形になっていくのですか。
◎
中村 琵琶湖保全再生課長 下流域と
議論をしていく際、
琵琶湖淀川流域における
生態系サービスの評価手法の中に
環境こだわり
農業も項目の中に入れながら、話していくことになります。ただ、先ほど申しましたように、
生態系サービスについては、どのように評価し、どのように
価値化していくのかは、非常に難しい問題で、さまざまな場面で
議論されているのですが、まだ確立されていません。しかしながら、我々としましては、
琵琶湖の
生態系サービスに着目しながら、下流域も一緒になって
議論し、単に
利水治水だけではなく、もう少し大きな
生態系サービスが必要であると思っています。
生態系サービスの中には供給サービスや調整サービスなどがありますので、その中でしっかりと
議論をしていくことになると思っています。
◆木沢成人
委員 環境こだわり
農業につきましては、
琵琶湖の保全及び再生に関する法律が施行され、
琵琶湖を国民的に意識してもらう形ができたことはいいとしても、例えば、東
京都民の方が私たちが
琵琶湖の周辺で一生懸命
農業をしてその
環境を守っていることを意識できるかというと、直接的にはなかなか難しいと思います。国は生物多様性と地球温暖化防止が二つの大きな柱で共通メニューになっています。その中で
知事特認や水質保全などの独自メニューをなんとか入れてもらえるように国にお願いをしていただいていることはよくわかります。滋賀県でも今
EBPMなどを全庁で取り組んでおられます。そうすると、
環境こだわり
農業でも、例えば、県の一般財源で、
環境こだわり
農業の多面的機能がどれだけ定量的に経済価値があって、その対価としてこれだけの年間
予算を使っていることが確立していないので、そのことを明示していかないと
負担を求めるのは難しいと思います。定量的に外部コストを経済的価値として出して、関西広域連合の中で
議論して、制度をつくっていかないとなかなか難しいと思います。
県内でも、これからは、一番グレードの高いところは有機
農業をされます。2番目に
環境こだわり
農業があります。一方で観光
農業をやっておられる方もたくさんおられます。それは禁止されていません。
農業者間でもそこの
負担や受益でいろいろな差異が出てくるわけです。世界
農業遺産を目指していくことになったら、その中で
農業者の人でも、フリーライダーになる人もいるわけです。非農家の方も受益に対して、フリーライダーになる人もどんどん出てくると思いますし、この枠組みの中でしっかりとした
議論をしていただかいといけないと思います。
◎平井 食の
ブランド推進課長 環境保全型
農業直接支払い制度につきましては、あくまでも、国の制度に対する県独自の
負担です。全国の
公平性の中で、
知事特認で国に対して要望していく中で進めたいと思っていますし、
下流府県への
負担等につきましては、
琵琶湖環境部で
生態系サービスの
価値化の
負担について
検討を進めていますので、そういった中で
連携しながら、
検討も進めていければと考えています。
3 内水排除流域における被害軽減
対策について
(1)
当局説明 伊藤
農政水産部分技監
(2)質疑、
意見等
◆
西村久子 委員 長年困ってきたことがやっと取り上げてもらえた、まだその段階です。随分長い年月がかかりました。ところが、農家自体はもう戸数が減っています。大規模経営
企業体はあっても
意見を出す人が減っています。今までは個々に
意見などを言ったけれども、その数が少なくなり、力が弱くなりました。みずから
負担する力が弱ってお金が出せない
状況で、新しく土地改良区で
事業を提案されてもできない現状があります。ところが、実態を見てもらったら、
農政水産部からは当然で必要だと判断をしてもらったと思います。しかし、土木交通部から見たら、別に田んぼに水がついていても、人の命にかかわるわけはないという考え方もあったと思います。独立行政法人水
資源機構も、内水排除の水門をつくっている、対応するのはそれぞれの地域でしょうという感じです。みんながなすりつけ合いして、解決策ができてきませんでした。長年言い続けてきたこの排水路をつくることは感謝しています。なるべく
負担が少なく、そして、
効果があらわれるような方策をとってもらいたいと思います。雨がふって、
琵琶湖の水位が何センチメートルになれば水害が出るのかについては、水稲に対するものや作付している野菜に対するもの、あるいは、人家に対するものなど、いろいろな水害があります。我々の地域は人の命にかかわるほどの水害ではないけれども、やはり被害に泣いてきました。
琵琶湖は滋賀県の6分の1の面積だとしたら、周りにふった雨が
琵琶湖へ集まれば、6倍の水がたまるわけです。水害が起こるのは当たり前です。先日の新聞にも、550ミリメートル程度の雨がふれば、
琵琶湖の水位が2メートル60センチメートル上がると書いていました。こんなことは今までからわかっていたはずです。水害で泣いている人たちを見たら、力を合わせて取り組む方向を示してもらいたいし、自分のこととして、感じていただけるように、お願いしたいと思います。
◎伊藤
農政水産部技監 農家
負担については、国では農地中間管理機構関連の圃場整備以外にも、農家
負担が大幅に軽減される経営体育成基盤整備
事業が制度化されています。この
事業は基盤整備を契機としまして、担い手への農地集積集約を進める場合に、その程度において、地元に対して促進費が交付され、これを地元
負担金に充当して農家
負担を極力軽減する仕組みとなっています。南三ツ谷町地域で基盤整備をされるわけですけれども、この計画にあわせて横引き水路も整備ができる方向で市や土地改良区と協議を進めています。早期に実現されるように市や土地改良区と
連携していきたいと思います。独立行政法人水
資源機構や市に対しても、早目に
情報提供や対応していきたいと考えています。
◆
西村久子 委員 早目の対応というのは、実際、何ですか。一日前に言ってもらっても間に合いません。排水機の電源は、洪水期は入れているけれども、期間が終わると切っています。10月に雨が降ると、もう既に排水機の電源は切られていて、契約を結び直すのに2日かかると対応がおくれます。彦根市は本当にのんびりしていて、農地が冠水している状態でもポンプで水を出す対応ができません。守山市はさすがに園芸地帯だけであって、雨がふると自分のポンプだけでは足りなかったら、消防車を出してでも対応されています。そういう機敏さというか、臨機応変な対応が余りにもできていなかったのは、彦根市の農家が弱かったからとも思います。また、声を届ける力が弱かったと思って反省はしますけれども、届かなかった今日までを思うと本当にくやしい思いで、随分長い時間がかかったと思います。これだけの樋門がありながら、やはり工事期間中はこの排水機能を備えていない樋門も
活用していかないといけないわけです。これから、横引き水路が整備されても、やはり樋門は閉めるので、排水していかないといけません。水位が上がってきたら、何時間ほどで逆流が始まるかの指示をどこからか出していただきたいし、忠実に守っていただきたいと思います。
◎伊藤
農政水産部技監 平成29年台風21号で冠水被害が大きかったのは、台風時期が10月下旬で、かんがい施設の受電期間が過ぎていたことで施設を稼働できず、簡易式の排水ポンプを調達するために対応がおくれました。申しわけございませんでした。
今後はこうしたことがないように、水位の上昇を確認しながら、適切にポンプが稼働できるよう、早目に彦根市や土地改良区に対して提起していきたいと思います。
◆
西村久子 委員 暗渠排水もあわせて整備しておられます。ところが、そういう
事業を実施することによって、麦、大豆、あるいは野菜もやりなさいという転作の制約がかかってくるようです。しかし、実際こういう
状況の中で本当に水稲以外の作物をつくることが可能なのか、常識で考えてもらいたいと思います。ことしの大豆の収穫は例年の1割もありません。そのような
状況の中でみんな苦労しています。
効果が出ない
状況の中で、
事業を実施したから、転作物としてこういうものをやりなさいと義務づけられることは少し酷な話だと思いますので、お考えいただきたいと思います。
◎伊藤
農政水産部技監 農家の作付品目を県が強制することは難しいことですが、広域の農作物の浸水被害を回避するためには、例えば、麦や大豆を飼料用米に転換することや農作物の作付体系の見直しを働きかけること、土地改良
事業の実施や地盤のかさ上げ
対策、被害発生後の経営リスクを減少させるための収入保険など、地域の意向を踏まえながら、県と市や
関係団体が
議論をしながら、
連携して対応できるように考えていきたいと思います。
4
委員長報告について
2月定例会議において、最終報告を行うことが決定された。内容については、
委員長に一任された。
閉会宣告 11時53分
県政記者傍聴:NHK、
京都、毎日
一般傍聴 :なし...