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平成31年予算特別委員会−03月05日-03号

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  1. 滋賀県議会 2019-03-05
    平成31年予算特別委員会−03月05日-03号


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    最終取得日: 2023-05-14
    平成31年予算特別委員会−03月05日-03号平成31年予算特別委員会  予算特別委員会 会議録                                開会 10時00分 1 開催日時      平成31年3月5日(火)                                閉会 14時08分                         (休憩 11時48分〜12時59分) 2 開催場所      議場 3 出席した委員    野田委員長、成田副委員長             桑野委員、周防委員、村島委員、加藤委員、竹村委員、             海東委員、田中委員、角田委員、塚本委員、藤井委員、             杉本委員、節木委員、駒井委員、山本(正)委員、大橋委員、             冨波委員、井阪委員、木沢委員、中村委員、佐藤委員、             目片委員、有村委員、大野委員、岩佐委員、山本(進)委員、             富田委員、細江委員、奥村委員、西村委員、佐野委員、             家森委員、吉田委員、粉川委員、九里委員、清水委員、
                柴田委員、今江委員、中沢委員(欠席:高木委員) 4 委員外議員     生田副議長 5 出席した説明員   三日月知事、西嶋副知事、由布副知事、福永総合政策部長、             藤本総務部長浅見県民生活部長廣脇琵琶湖環境部長、             川崎健康医療福祉部長江島商工観光労働部長、             高橋農政水産部長川浦土木交通部長青木会計管理者、             桂田企業庁長宮川病院事業庁長青木教育長、             鎌田警察本部長および関係職員 6 事務局職員     西出議会事務局次長山本議事課長吉田議事課参事 7 会議に付した事件  別紙次第書のとおり 8 配付した参考資料  別紙のとおり 9 議事の経過概要   別紙のとおり                  議事の経過概要 開会宣告  10時00分 1 議第1号から議第17号まで(平成31年度滋賀県一般会計予算ほか16件) ○野田藤雄 委員長  ただいまから予算特別委員会を開会いたします。  本日の日程は、お手元に配付しております次第のとおりであります。  本委員会に付託されました議第1号から議第17号までの17議案を一括議題といたします。  きのうに引き続き、全体質疑を行います。  発言通告書が提出されておりますので、順次発言を許します。  まず、富田博明委員、待機席へお願いします。  それでは、富田博明委員の発言を許します。 ◆富田博明 委員  「スカーレット」および「麒麟がくる」に関連する予算について、部局別予算の概要126ページ、新規事業スカーレット放映を生かした信楽焼おもてなし発信事業240万円について、139ページ、同じく新規事業スカーレット放映を生かした滋賀の魅力発信事業、1,860万円について、138ページ、同じく新規事業で、重点事業の「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」観光PR推進事業、1億300万円の関連3事業についてお尋ねをいたします。  ことし、9月30日から放映されるNHK連続テレビ小説のタイトル「スカーレット」は、既に皆さん御承知のとおり、陶芸作品にあらわれる理想の色の一つであり、植物の茜の根を原料とする茜染めの一種で、最も明るいあかね色を緋色といい、熱く燃えるような人生につながるとしたタイトルとなっております。  その陶芸のまち、信楽の女性陶芸家が主人公の物語であり、信楽や信楽焼が毎朝、全国、いや世界に発信されることは、地元選出議員の一人として大変喜んでいるところであります。  ドラマの中では、窯やつくり方、特色などを詳しく紹介されることが予想されることから、ドラマ放映をきっかけとして、信楽の地を多くの方に訪れていただけることと胸を踊らせています。  この千載一遇のチャンスに、その誘客効果を信楽から全県に広げること、また、信楽焼を初めとする県内の焼き物振興に生かす取り組みが重要と考えます。  甲賀市では、この機会を絶好のチャンスと捉え、この1月にロケーション推進室を立ち上げ、信楽焼や忍者、東海道の水口宿など、観光を初めとして広く一体的に産業振興を進めることとしてされています。  また、来年の大河ドラマ「麒麟がくる」も戦国の舞台として、豊富な歴史資産を有する滋賀県を、全国は無論、世界に発信する、またとない機会であります。  こうして、NHKの2つの大きなドラマが同時期に滋賀県が舞台となり、放映されるのは、いまだかつてなく、他府県でも恐らく例がないと思われます。これは映像作成の誘致、支援組織として県と市町とが共同で設立した、滋賀ロケーションオフィスのこれまでの活動の成果でもあろうと思います。今回のこの2つのドラマでの活躍についても大いに期待をしているところでございます。  そこで以下、この2つのドラマに関連する予算についてお尋ねをいたします。  まず、信楽焼の振興に関してですが、スカーレット放映を生かした信楽焼おもてなし発信事業において、NHK連続テレビ小説スカーレット」の放映をきっかけとして、観光に訪れた方などに対して、信楽焼の魅力を発信し、陶芸の森へ誘客につなげるとともに、信楽焼の購買や、認知度の向上を図るとされております。  陶芸の森などへの誘客促進策については、既に答弁があったところでありますが、スカーレット放映が契機として、これからの陶芸の森への誘客を信楽の町中へ導き、信楽焼など地場産品の購入や、知名度の向上に結びつけることが重要だと考えておりますが、どのように考えておられるのか、商工観光労働部長にお伺いをいたします。 ◎江島 商工観光労働部長  スカーレット放映を生かした信楽焼おもてなし発信事業では、ドラマ放映をきっかけに信楽を訪れる観光客に、信楽の観光拠点の一つである陶芸の森において、ドラマの主人公のように信楽で活躍する女性陶芸家の作品展や、講演会、ドラマにも登場する薪窯を見学できる親子やきもの体験講座などを開催する予定としております。  合わせて、陶芸の森が信楽の町中に開設しております地域交流拠点FUJIKIにおいても、女性陶芸家の作品や陶器のまち信楽の写真展を開催する予定としておりまして、陶芸の森でこれらの取り組みを案内することにより、陶芸の森を訪れる観光客を、窯元が集まる信楽の町中へと誘ってまいりたいと考えております。  さらに、地元甲賀市が観光協会信楽焼振興協議会等と今月末に立ち上げる(仮称)スカーレットを応援する連絡協議会とも連携する中で、しがらき駅前陶器市を初めとする即売イベント等への誘客を図るなど、地場産品の購買促進と認知度向上に関係者と力を合わせて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆富田博明 委員  次に、観光誘客の促進についてでありますが、スカーレット放映を生かした滋賀の魅力発信事業において、NHK連続テレビ小説スカーレットの放映を好機として、ドラマに関連づける県内各地の魅力を全国に発信し、認知度、魅力度の向上を図ることとともに、その効果を県内全域に広く波及させ、誘客促進や県産品の振興を図るとされているところです。  県内全域にどう波及されるかがポイントと考えますが、どのように展開しようとされるのか、商工観光労働部長にお伺いします。 ◎江島 商工観光労働部長  答弁を辻井商工観光労働部理事に委任いたします。 ◎辻井 商工観光労働部理事  ドラマ放映により注目を集める信楽はもとより、県内のさまざまな焼き物やロケ地めぐり、タイトルの「スカーレット」にちなんだ緋色にまつわる観光資源の発信など、各市町等とも連携して、県内のさまざまな魅力をドラマに関連づけて結びつけ、県内周遊につなげてまいります。さらに、土産品開発による県産品の振興など、ドラマの放映効果が県全体に波及するよう、着実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆富田博明 委員  ドラマ放映の効果を、まず信楽を基点に、全県に普及させることは大変大事なことだというふうに思っております。  逆にこのことが、また信楽への誘客の推進力にもなると考えております。地域経済の波及と合わせて、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  次に、「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」観光PR推進事業でありますが、この事業は来年の大河ドラマ「麒麟がくる」の放映に合わせ、戦国をテーマとした観光キャンペーンを展開し、滋賀県の戦国を中心とした魅力を発信、PRし、観光誘客につなげようとするものとのことですが、昨年度また今年度等実施されてきた観光キャンペーン、「日本遺産 滋賀・びわ湖 水の文化ぐるっと博」や、大型観光キャンペーン、「虹色の旅へ。滋賀・びわ湖」での成果などを踏まえ、どのように今後展開しようとされるのか、商工観光労働部長にお伺いをいたします。 ◎江島 商工観光労働部長  答弁を辻井商工観光労働部理事に委任いたします。 ◎辻井 商工観光労働部理事  「琵琶湖とその水辺景観」が日本遺産に認定された平成27年度以降、市町や観光協会とともに積極的に観光素材を磨き上げてまいりました。  昨年度の「日本遺産 滋賀・びわ湖 水の文化ぐるっと博」では123プログラム、今年度の「虹色の旅へ。滋賀・びわ湖」では380プログラムが地域の魅力を体験できる観光プログラムとして造成され、これらを観光キャンペーンとして一体的に展開できたことが成果であると認識しております。  平成31年度以降は、将来にわたって持続的に展開できるよう、プログラムブラッシュアップと定着化を図る期間と考えており、これまでのキャンペーンで得た参加者の声を踏まえ、満足度の向上を図り、再び訪れていただけるよう観光地としての魅力を高めてまいりたいと考えております。 ◆富田博明 委員  よろしくお願いしたいと思います。  大河ドラマの放映に伴う県のキャンペーンとしては、大河ドラマ第50作、平成23年の江〜姫たちの戦国〜以来のことと思います。  前回の大河ドラマ放映の際のキャンペーンも踏まえて、今後需要は展開されていくものと考えますが、前回の大河ドラマキャンペーンから、どのような教訓を得て、どんな戦略で臨もうとしておられるのか、商工観光労働部長にお伺いをいたします。 ◎江島 商工観光労働部長  本県が舞台となりました、平成23年の大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」におきましては、全市町とともに評議会を設置し、PRツールの作成や旅行商品の造成、PRキャラバン隊の派遣等を行いました。  その結果、観光入り込み客数は4,736万人と、当時の過去最高を記録しましたが、観光入り込み客数はドラマゆかりの地の一部へ集中し、また翌年度には大きく落ち込むなど、その効果が一過性のものとなったところであります。  こうしたことから、今回の観光キャンペーンにおきましては、ドラマに関連する地域だけでなく、例えば各地ゆかりの武将や戦国の舞台となった史跡等をめぐるツアーや、当時の食事の再現メニューの提供など、戦国をテーマとする観光素材を発信することで、放映効果を県内各地に波及させたいと考えております。  また、市町や観光協会が造成する着地型ツアーに、県がしっかりと誘客を図るなど、近年の観光キャンペーンで培ってきた役割分担や、連携体制を着実に生かし、魅力的な地域観光プログラムを提供することで、ドラマの効果を持続的なものにしてまいりたいと考えております。 ◆富田博明 委員  やはり県全体に広がる取り組みが必要かなというふうに思いますが、県庁内のこのプロジェクトチームと、そして今言われました市町、そして関係団体から構成する協議会等が、車の両輪のように推進していくことが必要であると思いますし、オールフォー滋賀でやはり盛り上げることによって、大きな成果が得られるのではないかと、御期待を申し上げるところでございます。  全国でも観光立県を標榜されて久しくなりますけれども、滋賀県においても観光立県を推進することを宣言することや、観光振興を進める上での基本的な方針、行動計画、観光地の魅力向上の取り組みなどを規定する条例制定も必要ではないかと考えております。国内外からの交流人口を拡大し、地域経済の活性化につなげ、観光産業が滋賀県の経済を牽引する作業として大きな力を発揮すると考えています。  また、地域における観光地域づくりを通じて、誇りと愛着を持って活力の満ちた地域社会が実現されると思われる、この観光立県を目指して、知事のリーダーシップに御期待を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○野田藤雄 委員長  以上で富田博明委員の質疑を終了します。  しばらくそのままでお待ちください。  次に、加藤誠一委員、待機席へお願いします。  それでは、加藤誠一委員の発言を許します。 ◆加藤誠一 委員  早速でございますが、質疑をさせていただきます。  一般会計総額5,415億円余りの予算が上程をされました。それぞれの事業には目的があります。それに至る政策協議の議論があったと思います。今に始まったわけではございませんが、バックデータなど、現状分析に始まり、将来予測や展望など、大なり小なり、これも今までからやってきたわけでございますが、実はきのう初めて見たのですが、行政経営方針、今、案でございますが、つくられております。  この行政経営方針、基本的な考え方の2つ目に、進取でオープンな県庁を目指そうと、その中の3つ目に、客観的な証拠に基づき検討を行うなど、データを重視して施策を立案すると。実はこのことを質問をベースにおきまして、きのうも聞いておりましたら、これがいわゆる証拠に基づく政策立案、いわゆるEBPM推進事業のことだということを確認しましたので、くどくど申し上げないという状況の中で入りたいと思いますけれども、部局別予算で40ページでございますが、まさに証拠に基づく政策立案推進事業、544万4,000円がございます。内閣府の取り組みの状況を見ますと、政府の企画立案を、その場限りのエピソードや、単に感情に頼るのではなく、政策目的を明確化し、政策効果の測定に必要な関連を持つ情報やデータ、エビデンスに基づくものとするということでございまして、まさにそうでございます。  ここからしばらく知事に質疑をさせていただきます。  まず、この今の証拠に基づく政策立案推進事業ですが、ことしから始まっております。この推進事業費につきまして、本年度の取り組みを踏まえて、来年度の取り組み内容をお伺いいたします。 ◎三日月 知事  本事業は、滋賀大学データサイエンス学部と連携いたしまして、データを活用した政策立案の手法やデータ収集、分析に関する知識、技術を職員が学びながら、課題解決等をモデル的に行うことで、これまで経験等に頼っていた施策立案のプロセスに、EBPM、すなわち、証拠に基づく政策立案を取り入れるため、今年度から国の資金を活用して実施しているものでございます。  今年度は、庁内への周知も含めて対象事業を募集いたしまして、滋賀県における女性の年代別労働力率、いわゆるM字カーブの落ち込みの要因分析等をテーマとして選定し、取り組んでいるところでございます。  現在、取りまとめを行っているところでございますが、30歳代女性の労働力率の落ち込みについて、その要因を絞り込むとともに、どの要因を改善することが労働力率の向上に最も効果的なのか、統計的手法を用いて分析しているところでございます。  来年度は、本格的な人口減少社会を見据えて、地域の将来推計人口をより詳細に分析するなど、顕在化する社会インフラ等の課題解決をテーマとして事業に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆加藤誠一 委員  そうした大きな事業はそうでございますが、全てにおきましてなかなかそこまで事業を分析することは難しいかもわかりませんが、そういう姿勢で全てにおいてやっていくということが大事だと思いますが、そこで例えば今のこの証拠に基づく政策立案、544万4,000円、予算が伴っておりますので、ならばこの事業を必要とする証拠というのはどんなことなのでしょうか。 ◎三日月 知事  近年、ICTが急速に進展いたしまして、オープンデータビッグデータの利活用がビジネスの分野で進む中、行政におきましても、データに裏打ちされた政策立案が求められています。
     本県におきましても、これまでから翌年度に向けた施策構築に当たりましては、課題や施策の根拠となるデータや情報等を充実させ、それに基づき施策を構築するよう留意して取り組んできたところでございます。  しかしながら、どのようにデータを分析し、課題を抽出し、施策として構築していくのかといったEBPMの手法を、具体的な政策形成のプロセスとして組み込むまでには、十分至っていなかったことから、この事業を実施しているところでございます。 ◆加藤誠一 委員  一つ飛ばします。  そうしますとことしの予算編成でございますが、全てそのEBPM、100%とは申しませんけれども、そういう視点で今年度の予算をこの政策立案をされてきたと、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。 ◎三日月 知事  そのつもりです。新たな施策立案や、実施いたしました施策の効果検証に当たりましては、EBPMの視点に立った客観的な分析が重要であると考えておりまして、今年度の予算編成におきましても、施策構築や予算編成の方針に、的確な評価や分析の実施、課題や施策の根拠となるデータや情報等に基づく検討について明記し、意識して取り組んできたところであります。  例えば「健康しが」関連では、昨年度実施した健康寿命に係る要因分析や、過去の調査において明らかになりました野菜の摂取量の不足や若い世代の運動習慣に課題があることをもとに、県産野菜がたくさん食べられる滋賀ならではの食、滋賀めしの創造や、地域資源を活用したウオーキング事業などに新たに取り組むこととしたところでございます。  また、地域公共交通の関係では、来年度、公共交通の維持・確保に要する経営資源の実態把握や、公共交通のサービス水準や価値、地域にもたらす効果についての評価を行うこととしており、今後、これらの情報を踏まえまして、地域公共交通のあり方を検討することとしております。  これらデータ等に基づく施策構築につきましては、まだまだ試行錯誤の段階でございまして、全ての事業で十分取り組めているとは言えないことから、今後とも、一層推進していく必要があると考えているところでございます。 ◆加藤誠一 委員  以後、幾つかの事業を取り上げまして、そのEBPM的にどういうデータなのか、あるいは目的なのかをちょっと幾つかお聞きしたいと思います。  今、富田委員が取り上げられました、観光振興費新規事業、「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」観光PR推進事業部局別予算の138ページです。  これは先ほど、答弁聞いておりましたら、「江」のときは4,736万人だったけれども、一部の市への集中でありますとか、一過性であったという、そういった教訓があったということでございますが、今回この事業につきましての政策目的をどこにおいておられるか、お伺いします。 ◎三日月 知事  観光誘客による交流人口の拡大と、観光消費の増加により、地域の活性化につなげることを目的としております。 ◆加藤誠一 委員  観光交流人口、すなわち滋賀県への観光客の入り込み客数的なもののデータも使われていたのではないかと思うのですけれども、これは私の思いで申し上げますので、違うのではあれば別の視点でお願いしたいのですが、その効果測定の数値、私は観光客入り込み客数の増加ではないかと思うのですね。やっぱり1億300万円使って、結果何だと、先ほど「江」のときは4,736万人来たというのはやっぱりあらわれておりますけれども、そうしますと一般質問のときになかなか経済効果を、具体的な数値では難しいと、確かにそうかもわかりませんが、今言われましたように、「江」のときは4,736万人だったわけで、一般質問でもそのときの経済効果が144億円と推測すると答弁されておりました。  今回の「麒麟がくる」でございますけれども、その「麒麟がくる」の放映で、観光客の入り込み客数を過去のデータから、どの程度やっぱり増加に結びつけたいというような目標を持っておられるのかどうか、そこをお伺いさせてもらいたいと思います。知事、お願いします。 ◎三日月 知事  正直に率直に申し上げて、現時点で「麟麟がくる」という番組の放映自体の入り込み客の増加数、この目標が定められているわけではございません。今、具体の事業等を組み立てている、また市町や観光協会とつくっている段階ですので、その後に何か目標を持って取り組んでいくことになるのではないかと思います。  ただ一方、同時並行で進めております次期観光振興指針であります「『健康しが』ツーリズムビジョン2022」、こちらでは県全体の延べ観光入り込み客数を、これは「麟麟がくる」の放映効果も一定見込んだ上で2022年に6,000万人にすることを目標に観光施策を展開することとしておりますので、この目標を、例えば2019年には5,500万人、2020年には5,700万人と、着実にこの放映効果等も生かしながらふやしていきたいと考えているところでございます。 ◆加藤誠一 委員  わかりました。そういう数字がバックにあるということは非常にやっぱりわかりやすいと思います。  経済効果につきましては推測難しいという話がありましたので、次のやつも飛ばします。ただ、今回のその事業の説明を見ておりますと、その先に、将来的にディスティネーションキャンペーンの誘致につなげたいという話が、そこまでは書いておられましたので、あえて聞きますけれども、滋賀県も平成の初めに一度ディスティネーションキャンペーンをやっております。  例えば時代は変わりますけれども、少なくとも今回そこまで書かれているのでしたら、そのディスティネーションキャンペーンの誘致した場合の、そうした観光客の入り込みがどんなくらいにやっぱり予想されているのかなというくらいは議論の中でされたかどうか、それも含めてお伺いしたいと思います。知事にお願いします。 ◎三日月 知事  議論はしてるのですが、まだまだおぼろげで十分ではないのです。ちなみに近年、このデスティネーションキャンペーンをやられたところで、数が取れているところと比較して検討しているのですが、平成28年4月から6月に行われた岡山の「晴れの国おかやまデスティネーションキャンペーン」、こちらでは、観光入り込み客数が前年比10.5%、数にして約30万人の増というものでございました。  その翌年、平成29年9月から12月に山口県で行われた「維新の風がいざなう。おもしろき国山口」、こちらでは、観光入り込み客数が対前年比7.7%、数にして約75万人の増と推計されているところでございます。  こういうもので、仮にこういったキャンペーンの開催により観光入り込み客数が前年同月比で9%ほどふえるといたしますと、本県観光のトップシーズンである、この7月から9月に実施したと仮定しますと、130万人以上の増というものが推計されるところでございます。 ◆加藤誠一 委員  まさにそうした過去のいろいろな状況、これが政策立案の客観的な証拠に基づく検討の一つになるのではないかと思いましたので、あえて聞いたわけでございます。これからもそうした視点で、幅広い議論につなげる中で、キャンペーンのほうを検討いただければと思います。  次に、ちょっと視点が変わりまして、健康福祉部、それから農政水産部、教育委員会で、健康福祉部の部局別は94ページ、障害福祉サービス事業所の農業技術向上支援事業というものがございます。  また、農政水産部の145ページには、農福連携推進事業がございます。さらに教育委員会では、これは新規項目ですが、農福連携推進に係る就農支援モデル事業、これが215ページにございますが、これを見ますとどれも障害者の方と農業を結びつけるという事業のようでございます。  ただ、こうした場合の政策立案、これは部局別ですけれども、相手は障害者の方、あるいは農業者の方、お一人なのですね。ところがそれぞれの部でこういう事業があるというときに、いわゆるEBPMの視点からきますと、やっぱり大きくは政策目的は同じになるのかなという気がするのですが、そこら辺はどういうふうにおいておられるかというのを聞きたいと思います。知事、よろしくお願いします。 ◎三日月 知事  まず1つ、農業分野では働き手の不足、そして障害福祉、教育分野には、障害のある人の働く場の確保や収入の向上といったそれぞれの課題がございます。それらを結びつけることで解決できる可能性が示されておりますものの、十分に展開が図れていないという課題がございます。  御質問の3つの事業につきましては、こうした課題、反面可能性を共有しながら農業と福祉の連携による共生社会の実現という同じ目的に向かって、それぞれの立場から取り組みを進めるものでございます。 ◆加藤誠一 委員  それは大きくは、そういう目的とわかりました。中身の事業それぞれを見ますと少しずつは違いますのであると思いますが、違うという前提で、先ほどのEBPMの視点からすれば、それぞれの事業の、最後だけにしておきます。証拠まで聞いていると長くなりますので、3つの事業の政策における数値目標的なものがあれば、やはり事業は違いますから、それぞれの事業に数値目標があれば、これは4点目でございますけれども、お伺いしたいと思います。知事にお願いします。 ◎三日月 知事  農政水産部の農福連携推進事業では、農業者と福祉事業所との農作業受委託のマッチング件数10件を目標としています。健康医療福祉部の障害福祉サービス事業所の農業技術向上支援事業では、滋賀県障害者プランの工賃向上の指標でございます、就労継続支援B型事業所における一人当たりの平均工賃の月額が3万円以上となる事業所が、2020年度で30%に達することを目標としております。  教育委員会の農福連携推進に係る就農支援モデル事業におきましては、就農・農業教育マネジャーを設置することで、特別支援学校と農業従事者が相互に理解し合えるようにし、あわせて生徒が農業に関する具体的な知識、技能を身につけられるようにすることで、こちらではちょっと目標が大きいのですが、今より一人でも多く、農業分野で活躍できる人材を育てることを目標と伺っているところでございます。 ◆加藤誠一 委員  それぞれの部で、それぞれの事業で違いますけれども、農業者、それから障害者の方を対象にするということで、事業実施に当たりましては連携しながらでございますけれども、相手方といいますか、障害者の方、あるいは農業者の方にとってわかりやすい組み立ての中で事業を実施していただくことを望んで、ここでは終わっておきます。  最後のほうでございますけれども、ここから女性の活躍に関する事業の関係でございますので、由布副知事にお願いしたいと思います。  商工観光労働部の部局別予算136ページに働く場における女性活躍推進事業とあります。働く女性自身の意欲、資質向上を図るセミナーの開催等でございますが、この事業をEBPMの視点で行えば、政策目的は何になっているのでしょうか。 ◎由布 副知事  本県における女性の働き方につきましては、平成29年の就業構造基本調査の結果によりますと、いわゆるM字カーブの谷の深さは5.7ポイントと、従前より改善はしておりますものの、結婚、出産、育児のために離職される女性がまだ多くおられるという状況となっております。  また、管理職におけます女性の比率も上昇傾向にはございますが、14.8%と、女性の活躍が十分には進んでいない状況にあると考えられます。  このようなことから、本県では就業後間もない女性や、結婚、出産などのライフイベントを迎えた女性の継続就労とキャリアアップ、そして女性管理職やリーダーを目指す女性の養成に向けた支援が必要であると考えております。  そのために働く場における女性活躍推進事業では、企業で働く女性を対象にいたしまして、将来を見据えた自身のキャリアビジョンについて考えていただいたり、また、育児休業後の職場復帰等の不安解消のためのセミナーの他、リーダーに必要なスキルなどを身につけていただくことを目的とするセミナーを実施する予定でございます。  こうした事業の実施によりまして、M字カーブの解消、女性の継続就労とキャリアアップ、管理職の女性比率の向上を目指すことを目的としております。 ◆加藤誠一 委員  幾つか目標を言っていただきまして、実はその次の質問が、施策効果を測定する情報やデータは何ですかと聞こうと思ったのですが、合わせて今いろいろな情報もいただきましたので、そういうM字カーブでありますとか、いろいろなもの、そういったバックデータが幾つかあるようでございますので、ぜひともそういったことを含めまして、よりよい政策のためのデータ等を活躍をいただきたいと、ここはこうしておきます。  もう一つは、山本委員の一般質問のときに、副知事の答弁であった部分なのですが、副知事御就任以来、ちょっと幾つかありまして、最後のほうです。仕事と家庭を両立しながら企業で働いておられる方々、また農業に従事されている方々など、多くの女性の皆様とお目にかかり、滋賀の女性のパワーや、熱い思いを身にしみて感じているところでございますというくだりが実はございまして、農業に従事をされている方といろいろとお話をされているのだと、こんな思いがしましたので、ちょっとここで農業の関係で今のEBPM視点でお伺いしたいのですが、部局別予算農政水産部、150ページに女性農業者ネットワーク強化支援事業というものがございまして、これは農業等生活の両立等を解決し、女性農業者の確保と定着を図るとしておられます。  農業と生活の両立を図るということは、先ほど商工観光労働部の事業のように、女性自身の意欲、あるいは資質向上につながるというようなイメージも持ちまして、よく似た話ではないかなと思うわけでございますが、あえて女性農業者ネットワーク強化支援事業ですね。この政策目的は何を述べているか、簡潔にお答えいただければありがたいです。 ◎由布 副知事  本県では、毎年100名の新規就農者を確保、育成することを目標に取り組んでおりまして、概ね達成できております。しかしその中に占める女性の割合は過去3年間平均では、13%と低く、またさらに女性の就農3年後の定着率も57%と男性よりも低いという現状にございます。  これまで、女性農業者の方は数が少なくて、また各地に散らばっておられ、交流の場が少ないことで、課題や悩みを抱えていても相談する相手が近くにいないという現状にございました。  このため、新規就農者や、女性の就農希望者、先輩女性農業者の交流の場を広げていただいて広域的なネットワークを強化するとともに、先輩農業者から実際に現場で学ぶ親密なネットワークの強化を支援しながら、女性新規就農者の拡大とその定着を図ることを目的としています。 ◆加藤誠一 委員  今、新規就農者100名のうち13%くらいが女性だという話でございましたけれども、これも今回の事業の政策効果を測定する情報やデータになるかと思います。合わせて御答弁いただいたみたいなのですけれども、その情報の中に先ほど副知事の身にしみた女性パワーというものを感じられましたが、そういうことも今回の政策立案の中に入っておられるのか、ひとつお伺いします。 ◎由布 副知事  先日、しが農業女子100人プロジェクトの若手女性農業者の方々とお話をする機会をいただきました。皆さん、農業に大きな魅力を感じておられまして就農されて、現在、目標を明確に持って楽しく農業に取り組んでおられる様子を身にしみて感じられたところでございます。  しかしながら、お話を伺いますと就農当初は、身近に若手の女性農業者がおられなかったということで、相談もできずに、さまざまな悩みや苦労もおありになったというふうなお話でございました。  そうした中で、例えば東近江市の女性農業者の方で、牛乳を使ったジェラートの加工ですとか農家レストランなど6次産業化に早くから取り組まれるとともに、女性農業委員として地域の方針決定の場においても活躍されているモデル的な事例もあると伺っています。  国の調査によりますと、女性が経営参画をしている農業経営体は、収益力が向上する傾向がございまして、園芸作物の導入ですとか6次産業化などに取り組み、女性が中心的な役割を果たしておられる事例も生まれてきております。  このため、来年度から実施する予定としておりますこの事業を通じまして、女性の新規就農者の育成をはじめとして、女性農業者の確保・育成に取り組んでまいりたいと思っております。  農業、農村の活性化には、特に生活者や消費者の目線を持ってアイデア豊富な女性の活躍というものは欠かせないものと考えておりまして、このような地域のリーダー的な存在として、地域農業を牽引できるような女性の農業者が数多く輩出するよう努めてまいりたいと思っております。 ◆加藤誠一 委員  女性農業者への熱い思い、ありがとうございました。  ところで今、実は農業就業人口の約半分が女性というデータがあるのですけれども、今回の事業の女性農業者ネットワーク強化事業と書いています。この女性農業者、今回はどういうふうに定義をされていらっしゃいますか。 ◎由布 副知事  本事業におきまして女性農業者とは、主としてこれから新規に就農しようとしている女性の方々、また、就農後まだ日が浅い女性農業者を対象と考えておりまして、加えて地域のリーダー的な女性農業者などにもかかわってもらうことを考えております。 ◆加藤誠一 委員  新規就農者、それから新規就農して日が浅い方、あるいは既に過去からリーダーをされている農業者ということでございました。  しかし、半分が女性だということを頭におきながら、またいろいろな政策に取り組んでいただければと思いますが、ところが先ほど商工観光労働部に聞きました。  女性活躍推進課が商工観光労働部にあるのですが、農業・農村を担うその半分を占める女性の活躍ですね。これは政策立案に必要な実態とかいうのはどういう形で把握されているのでしょうか。お願いいたします。 ◎由布 副知事  県では、県内6カ所の農業農村振興事務所の普及指導員が、日々、女性農業者のさまざまな活動を支援しておりまして、その活動の中で実態を把握しておるところでございます。  また、昨年度から実施しております女性の農業者団体等と県との協働事業の中で、若手女性農業者で組織されました、先ほど答弁いたしました「しが農業女子100人プロジェクト」の会員の方々から就農までの課題ですとか仲間づくりなどについてさまざまな御意見等を伺っているところでございます。  さらには、県内の農業・農村女性の団体であります滋賀県生活研究グループ協議会、湖国女性農業・推進委員協議会等からも御意見をいただくとともに、6次産業化研修など女性農業者対象の各種研修会の参加者へのアンケート調査などで実態把握を行い、政策検討に生かしておるところでございます。 ◆加藤誠一 委員  もう一つだけお聞きしたいのですが、男女共同参画推進本部がございまして、CARAT滋賀・女性・元気プロジェクトということで推進されております。  この中で3つの視点で重点化をしようということで、一番最後にさまざまな場面での能力発揮に向けた視点というものがあるのですが、今せっかく女性農業者に対して熱い思いを語っていただいたのですけれども、さまざまな場面での能力発揮に向けた支援というのを、この女性農業者に対してどのようにお考えか、お伺いします。 ◎由布 副知事  ただいま御指摘いただきましたとおり、県では、CARAT滋賀・女性・元気プロジェクトの中で、様々な場面での能力発揮に向けた支援に取り組んでいるところでございます。  農業分野につきましては、新規就農された女性に対しまして、農産物の栽培では、普及指導員による技術習得のための支援ですとか、また、農産物の加工や農家レストランなど6次産業化の取り組みに対しては、プランナーの派遣などによるアドバイスを行っているところでございます。  このほか、最近就農された女性農業者の事例紹介ですとか、また、女性ならではの結婚、出産、子育ての悩みに先輩女性農業者が答える内容を掲載いたしました農業女子就農ガイドブックですとか、また、「耕す女子しが」といったホームページを作成しまして、女性の新規就農に役立つ情報提供を行っているところです。  また、来年度から実施したいと考えております本事業の中でも、交流会の開催ですとか先輩女性農業者の現場での直接指導などのネットワークの強化を支援することとしております。  今後も、引き続きこうした取り組みを継続いたしまして、意欲ある女性の新規就農者等をサポートしていきたいと考えております。 ◆加藤誠一 委員  細かい話になります。一つだけ、例えば今、農業委員会とか、農業に関していろいろな団体があります。そういった公的、あるいは委員会等に女性の就任の率ですね。どの程度に今なっておられるか、もし調査があれば教えてください。 ◎由布 副知事  市町の農業委員では、国の目標が平成32年に30%でありますところ、平成30年の全国の状況が11.8%、それに対しまして、本県の状況は13.4%となっているところでございます。ちなみに、JAさんの役員ですと、国の目標が平成32年に15%であるところ、平成29年の全国の現状が7.7%、本県の状況は、10.6%という状況でございます。 ◆加藤誠一 委員  結構高いのですね。わかりました。  最後になりますけれども、この女性農業者、最後になってしまいましたので、この活躍に対して由布副知事はいつまでおいでいただけるかわかりませんが、何か目標をお持ちでしたら、最後にお聞きして終わりたいと思います。
    ◎由布 副知事  女性農業者の方々、皆様非常にエネルギーに満ちて、かつ、新しいことに取り組んでおられて非常にすばらしいなと思います。私も非常にエネルギーをいただいておるところでございます。  また、女性の方々は、生活者や消費者の目線を持って、アイデア豊富ということは、これは、農業界のみならず他の産業でも言われているところでございまして、このようなアイデアや目線を持った女性の方々が地域のリーダー的な存在として、地域農業を牽引していただけるように、こういった方々がたくさん輩出いただけるように努めてまいりたいと思っております。 ◆加藤誠一 委員  最初に戻りまして、行政経営方針、新しいスタートをするのに客観的な証拠に基づき検討を行うなど、データを重視した施策を立案すると書いておりますので、いろいろなデータを使われまして、よりよい政策を、立案をこれからもしていただくことを御期待申し上げまして終わります。ありがとうございました。 ○野田藤雄 委員長  以上で加藤誠一委員の質疑を終了します。  しばらくそのままでお待ちください。  次に、海東英和委員、待機席へお願いします。  それでは、海東英和委員の発言を許します。 ◆海東英和 委員  それでは、まず読書政策の推進についてをお尋ねします。  滋賀県は読書先進県であり、熱心県であると思います。平成31年度予算において、知事は読書政策をどのような狙いで持って掲げられたのかをお伺いします。 ◎三日月 知事  人生100年時代と言われておりますので、こういう時代を生きていくに当たりまして、生涯楽しく学び続けることが今後ますます重要になると捉えています。  また、情報化が急速に進んでいる今だからこそ改めてじっくりと書を読む、読書することが大事であると考えたところでございます。読書は本を通して、新しい世界や知識に出会うこと、作品に込められた作者の思いに触れることなどで深い感動を得たり、自分とは異なる考えを知り、みずからの考えが変わるなど、人の成長にとって必要な経験を積めるものだと捉えております。  また、このような読書を通じて培われた読みとく力というものは、確かな学力や豊かな人間関係を育む基礎ともなることから、今回重要な施策の一つと位置づけて、これまで以上に力を入れて取り組みたいと考えたところでございます。 ◆海東英和 委員  これまで以上に力を入れてということで、共感いたします。  知事は3年なり5年後にどのようになっていることを目指されますか。 ◎三日月 知事  読書につきましては、自分の興味、関心に基づき、楽しみながら行うことが最も大切であると考えておりまして、子供から大人まで、日々の生活の中で楽しく読書する習慣が身についている方、読書が好きだという方が1人でもふえるように願っているところでございます。  そのためにも、小さな頃から家庭、地域、学校のさまざまな場で、子供たちのすぐそばに本のある環境を整えるとともに、子供たちが読書の楽しさを知る機会をふやすことが必要であると考えます。  多くの子供たちが、これまで以上に家で本を読んだ感想を聞いてもらってうれしかったという体験をしたり、子供たちにとって最も身近な図書館である学校図書館が行きたくなる場所になり、大好きな一冊を見つけることができたといった経験をして、ひいては、県全体で子供も大人も読書に親しむ機会がふえていること、ふえていくことを目指すものでございます。 ◆海東英和 委員  それでは、そのビジョンを実現するために、どのような戦略で具体的な施策を組み合わせて実行されるのか、知事に問います。 ◎三日月 知事  読書につきましては、これまでからの取り組みに加えまして、今回、就学前からの家庭における読み聞かせの普及、子供にとって最も身近な図書館である学校図書館や市町立図書館への支援の充実などに、力を入れて取り組みたいと考えています。  また、これらの取り組みを進めるに当たりましては、家庭における親子読書に関する啓発資料や学校図書館のリニューアルに関するマニュアルの作成、提供などを行うとともに、研修の実施や指導、助言、先進的事例の紹介などを通じて、子供読書にかかわる方々と密接な連携を図ってまいりたいと思います。 ◆海東英和 委員  ぜひ推進をしていただきたいと思いますが、特にちょっと申し上げますと、市町立図書館の充実等については、市町の図書館活動というのは、大変熱心に充実してやられている場合が多く、県よりも熱心であったり、現場とも力を合わせて、よい成功事例を持っておられるところも多いので、市町の主体性というか、そこを徹底して大事に尊重して、横からの応援というか、後ろからの応援というか、しっかりそこらの位置、力関係というか、県がばっと言って市町が従わなければならないような政策は御注意いただきたいと思います。  次に、例えば図書費の財源が少ないとよく聞きます。  そこで、森林環境譲与税や、びわ湖森林づくり県民税などで、山や森に親しむ絵本や、書籍、DVD等を購入してしかるべきところに配置したり、森林に関するテーマで楽しむ事業を提供すれば、税の目的にも沿って、確実に子供たちや現場に届き、山に関心を持ち、応援する人がふえると思います。  ぜひ、幾つかの、周りからもこの読書の活動を応援することが盛り上がると思いますが、知事、いかがでしょうか。 ◎三日月 知事  絵本や書籍などにふれることや森林に関するテーマで楽しむ事業を行うことを通じて、山や森林に親しむ意識を醸成することは、森林づくりへの理解や関心を高め、新たな参画を促進する上で有効であり、こうした取り組みが県民の協働による森林づくりに寄与することと考えています。  議員御提案いただきました、国による森林環境譲与税につきましては、その創設の趣旨に基づき、本県では、森林経営管理法の規定に基づき市や町が実施する施策の支援等に充てることとしており、図書館における図書の購入などは、この趣旨になじまないのではないかと考えます。  一方、平成18年度から本県で導入しております琵琶湖森林づくり県民税につきましては、その趣旨の一つでもございます、県民協働による森林づくりに資するものでありますことから、県民税を活用することについて、検討していきたいと存じます。 ◆海東英和 委員  市町の主体性でお使いいただくことだと思いますが、例えば今森光彦さんの映像詩里山の3番目でしたか、雑木林の豊かさ、森林の豊かさを見事に描いておられます。でも5,000円くらいするのでなかなか買えません。  例えばそういうものを、この税を使って、市町にもっと子供たちに見てもらえるようにするとか、まさに山の知事にとってのすばらしい政策になると思うので、ぜひまた引き続き、盛り上がるように検討いただきたいと思います。  それでは、教育等の内容について、教育長にお尋ねします。  知事の掲げられた読書と、これまでにも取り組んでこられた学ぶ力の育成、読解力の向上を教育委員会施策として、どのような形にかみ砕き、具体化されるのかを問います。 ◎青木 教育長  読書は、子供たちにとって豊かな語彙を獲得し、多くの知識にふれ、情緒や豊かな想像力を育むもので読みとく力や学ぶ力の向上に重要なものと捉えており、先ほど知事も答弁いたしましたように、読書に関する取り組みに一層力を入れてまいりたいと考えております。  具体的には、学校図書館の活用による、じっくりと読書に親しむ習慣づくり、あるいは、読書に対する興味・関心を高める読み聞かせ、またブックトークなどの取り組みを進めてまいりたいと考えております。  このような取り組みにより、子供たちが、いろいろな言葉や考え方に接することで、語彙がふえ、読みとく力が向上いたしますとともに、物事に対する興味・関心や学習意欲が高まることで、学ぶ力が向上するものと考えております。 ◆海東英和 委員  予算書では、新規重点化特別枠事業として、読書や読解力などについて、6つの事業、1,717万円が計上されていますが、その読書の施策のトータルの成果をどのように評価して推進していくのでしょうか。教育長にお尋ねします。 ◎青木 教育長  読書に関します施策のトータルとしての成果につきまして、直接、あるいは一つの指標で図ることは難しい面もあると考えております。  このため、まずは就学前からの読書啓発の実施状況、あるいは学校図書館の環境の改善状況などを指標として注視をしながら進めてまいりたいと考えております。  あわせまして、子供たちの学ぶ力がどれくらい向上しているか、あるいは日常的な読書習慣が身についている子供、読書が好きだといった子供がどれくらいふえているかなどにつきまして、目標数値に対しての達成度を見ていくことにより、評価をしてまいりたいと考えております。 ◆海東英和 委員  目標数値があって、達成度を図っていくということですと、その目標数値はやはり公開をしていただきたいなと思います。  というよりも、今おっしゃった内容は、実は市町で既に熱心に取り組まれている内容がたくさん取り組まれています。ですから、そういうのを邪魔しないようにすることも大事かと思います。  建設的な立場で申し上げたいと思いますが、例えばテレビで子供たちが日本語の美しい調べにのせて俳句や短歌、百人一首を楽しんだり、論語や宮沢賢治の雨ニモマケズをにこにこと朗唱する場面が紹介されることがあります。  滋賀県のこの読みとく力が向上する、ほかの学校でも見習いたいような取り組みの例を紹介してください。 ◎青木 教育長  県内のある小学校では、自分のお気に入りの本を友達に紹介するため、伝えたいことのポイントを読みとき整理をし、要旨をまとめて、本の紹介シートを作成する学習に取り組んでおります。  また別の小学校では、学級会だけではなくて算数の授業におきまして、やりとりを通して相手の考えを読みとき、自分の考えと比べ相違点を明らかにし、よりよい考えを導き出す活動などを行っております。  今後、こうした実践例を参考に読みとく力の育成に向け、より効果的な指導法を研究してまいりたいと考えております。 ◆海東英和 委員  なかなか横展開が難しそうな事例のような気がしますのですが、約10年前、マキノ南小学校の卒業式にお邪魔したら、卒業生11人ですが、全員が百人一首を全て覚えて、誇らしげに卒業される姿に立ち会いました。この担任の先生は熱心な取り組みで結構知られている先生だったようです。  このすばらしい取り組みは、県教委に報告が届き、ちゃんと生かされたのでしょうか。教育長にお伺いいたします。 ◎青木 教育長  約10年前のことでありますので、マキノ南小学校で行われたそのような取り組みについて、県教育委員会に報告があったかどうかというのは定かではございませんが、現在、マキノ南小学校以外の小中学校におきましても、百人一首などを覚える取り組みが行われていると聞いております。  こうした取り組みを行うことは、語彙をふやしたり、日本語の美しい表現やリズムを身につけることにつながるものと考えております。 ◆海東英和 委員  滋賀県は、ちはやふるの聖地でもありますので、やっぱりそういうことをもっと追い風にして頑張ってほしいなと思います。他府県、他の区市町村の実践事例で参考になるものもあると思います。  例えば世田谷区が特区をとられまして、日本語教育特区で実践された読書の取り組みを、滋賀県はどのように評価しておられるでしょうか。教育長にお尋ねします。 ◎青木 教育長  世田谷区の教科、「日本語」の取り組みにつきましては、平成29年3月に世田谷区の検証・検討委員会の報告書が出されておりまして、これを拝見いたしますと、語彙力や読解力の育成に効果があるものというふうに捉えております。 ◆海東英和 委員  私はここの取り組みのエキスにちょっと感激しているのですが、書けない漢字でもどんどん声に出して読んでいくと、子供たちの読解力は成長するとのエビデンスをもとに組み立てられた教育であると伺っております。  文科省の指導要領の制約で、特に小学校低学年では学年ごとに書けるように教える漢字の枠にしばられて、子供の吸収力の高い時期にふれる漢字の数が圧倒的に少ないと憂う声もあります。  滋賀県はこのことについて、どうお考えですか。 ◎青木 教育長  学習指導要領では、各学年で指導する漢字が示されておりまして、その要領に基づいて読んだり書いたりできるように指導することを基本としております。  その上で、今、議員が御紹介いただきました、音読ということではございませんが、例えば、図鑑、あるいは新聞を教材にした学習を積極的に行い、学習指導要領に示されていない漢字につきましても、自分で調べたり、振り仮名を用いたり、補足したりしながら指導しているところでもございます。 ◆海東英和 委員  私がここで問いかけているコアな部分というのは、例えば小学校1年生の日本語の教科書は「やせ蛙負けるな一茶これにあり」とか「我ときて遊べや親のない雀」とかいうのを、小学校1年生がみんなで声を合わせて読むんですね。ただ、今までだと痩せる、蛙、負ける、茶とか、遊ぶとか、親とか、雀とかいう漢字は1年生で書けるように教えないので、扱うことをしなかった句ですね。だけれども、こういうことをどんどん子供たちは吸収するので、まず読めるようにみんなで読む楽しい体験をしようということを繰り返して、1年に35時間、いわゆる道徳というか、生活の時間の中で教材として取り組まれた実践事例であって、これはいじめとか、虐待とか、そういうことについても効果のあるアプローチではないかなと思いますので、どうか引き続き御検討いただいて、よいところは滋賀県に取り入れていただくように提案を申し上げたいと思います。  読みとく力は、学力・学習状況調査の肝でもありますが、字やグラフや他者とのやりとりから読みとくなどと、だんだん話が難しくなっていって、評価も難しいと思います。もっとわかりやすい言い方で示すということについて、教育長、どうお考えですか。 ◎青木 教育長  全国学力・学習状況調査の結果からは、問題を正確に理解できていない児童生徒がみられますことから、文章を正確に読みとき理解する力の育成に取り組むことが重要であるというふうに考えております。  また、子供たちには、思いやりをもって人とかかわり合い、相手をよりよく理解をし、自分の思いや考えを伝える力も身につけてほしいと考えており、相手の考えや意図を読みとき理解する力の育成は重要であるというふうに考えております。  こうしたことから、この読みとく力を身につけることは、単に学校教育だけにとどまらず、社会に出てからも必要になるものというふうに考えております。  こうした読みとく力につきましては、全国学力・学習状況調査の結果、あるいは本県独自の質問紙調査の回答状況をもとにしっかりと評価をし、力がついていくよう頑張ってまいりたいというふうに考えております。 ◆海東英和 委員  頑張っていただくのは大変結構だと思うのですが、どういう頑張り方をするかということがとても大事だと思いまして、大変僭越ですが、何をするかという政策って大事だと思うのです。子供たちが受け手でなく、主体者になる、子供たちに本当に楽しい読書体験の量を提供することが私は必要ではないかなと思います。その方法論をどうするかという議論ばかりが何か政策になっているような気がするのであります。  予算説明では、環境整備や、周りの人の研修、応援する人たちの研修が主で、子供自身の実践の事業が予算上は大変薄く、額も少なく、あるいは見えにくくなっていると思います。靴の上から足をかいているような気がします。  市町とよき協力をしていただいて、二の矢、三の矢と、やっぱりこの読書の充実を目指して、いろいろな課題について解決していく政策を練り上げて、展開されるように期待をします。  そしてまた、教員の皆さんの給与費が1,112億円ですね。1万2,274人の方に、県のいわゆる人件費としての予算が見られているわけですから、その方たちがどのような取り組みをやっぱり心を合わせてしていただくかによって、大きな大きな成果も出ると思います。  今、例えばですが、教員のそういうことに対する調査費用や旅費等も不十分であるという声をたくさん聞きます。しっかりと志の高いリーダーとなる教員の方に、予算も投資をすべきだと思いますし、また別の面では琵琶湖ハンドブックなど、もっともっと活用してもらうようにお願いをしていったらいいと思います。実りある取り組みになるように、かつて滋賀県は読書量全国1位でした。今はその座を陥落しております。ですから、いっそ読書量日本一を取り戻すなど、わかりやすい目標で県民とともに読書県を再生するというのが楽しそうにも思うのですが、改めて期待を込めて知事に御所見をお伺いします。 ◎三日月 知事  お一人お一人の方、また全ての方が読書で豊かな人生を歩まれる、また広く深い学びを極めていかれる、そのために環境をしっかりと整備する、とりわけ子供たちに早い段階から書や字に親しむ、そういう取り組みを展開していきたいと思います。  そのことが、ひいては学力向上や、また周りの人たちとの豊かな人間関係につながっていく、そのことを「読みとく力」という形で表現をさせていただいております。  そういう取り組みの、よりわかりやすさをしっかりとつくっていくということと同時に、議員が御指摘いただきました、市町のさまざまな先進的な取り組みをしっかりとサポートする県図書館行政であるべきだということは私もそのとおりだと思っておりまして、昨年度つくりました図書館のビジョンにおいてもそういった市政を明確にさせていただいているところでございますし、私自身も毎年行っております公共図書館協議会の皆様との意見交換の中でさまざまな施策等について学ばせていただいているところでございます。  県内でも、新しい図書館を開館させられたり、電子書籍の貸し出しを始められたり、またいろいろなバリアフリーな観点から取り組みを展開されていることもございますし、県内どこにいらっしゃっても、手に取りたい本は県内の図書館ネットワークの中でお届けするというサービスを行っていることもございます。  こういった施策を、より充実させる形で、引き続き研究や、また取り組みを積み重ねてまいりたいというふうに思います。  一人でも多くの県民が、特別な一冊に出会いながら、時間を忘れて読書に没頭できる、そんな環境整備に引き続き取り組んでまいりたいと存じます。
    ◆海東英和 委員  例えば、読書県静岡というタイトルを静岡県は掲げておられたり、子供読書県島根とかいうのもあるのですね。日本一だったら滋賀県も何かもっとはっきり言ってほしいなということを最後申し上げたので、知事は冷房のときも最初はちょっと難しいと言っていたけれども、最後はみんなの期待に答えてすばらしい御決断をいただきましたし、ぜひともどんどんと応援していく政策として明らかにしていっていただきたいと思います。  ちょっと蛇足ですが、卒業式に3月1日行かせていただいたら、いろいろ課題があって、応援をお願いしている安曇川高校の卒業生の杢本さんという方が、読書感想文のコンクールで文部大臣賞を受けておられて、卒業式にプリントが配られましたがすばらしいものでした。  それで母校の高島高校には別件で寄ったら、ビブリオバトルで、滋賀県で1、2位をとって、全国大会でも最後の選考の7人に残ったという安達さんという子が卒業したという話も聞きました。そういう目立たない学校でもいっぱいそういう事例があるので、どうか滋賀県の読書活動というのに大いなる夢を持って取り組んでいただきたいし、その効果が最も発揮される乳幼児から小学校低学年については、ぜひさらなる御検討と実践をお願いしたいと思います。  それでは、琵琶湖総合保全対策費の南湖湖底環境改善に向けた影響調査についてを質問します。  南湖のくぼ地5カ所で5ポイントずつ、計25ポイントで無酸素、無酸素水塊の移動に関して、溶存酸素などについて調査をすると説明を受けましたが、杉本議員の一般質問の答弁で、掘削量が南湖268万立方メートルに対して、北湖の3つのエリアでも284万立方メートルであることが明らかにされました。  私の地元、新旭浜でも遠浅の湖底に大きなアリ地獄のようなくぼ地がたくさんあります。どれだけ掘り出されたか知りませんでしたが、南湖の半分に迫る量の126万立方メートルも新旭エリアから採取されていたことに驚きました。  たくさんのくぼ地は漁業者に限らず知られており、透明度が高いときは航空写真でも写ります。この新旭エリアはヨシの増殖事業をされているとおり、ヨシ群落保全条例で指定された保全すべき3つのヨシ群落の1つであり、周辺はコイ、ホンモロコ、アユなどの産卵地で、シジミもたくさんとれたところであります。  先ほど紹介した今森光彦さんの、映像詩里山2の舞台となった場所です。湖底環境の悪化の心配は、南湖も北湖も同じであります。北湖のダメージにどう向き合うのか、琵琶湖全体を保全する責務のある、琵琶湖環境部長はどう考えておられますか、お伺いいたします。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  答弁を小松琵琶湖環境部理事に委任いたします。 ◎小松 琵琶湖環境部理事  これまで南湖において行いました底層の溶存酸素量調査で見られた急激な濃度変化は、貧酸素水塊の頻繁な移動によるものと懸念しておりまして、その発生源の一つとしてくぼ地を想定しているところでございます。  北湖にもくぼ地が存在いたしますことから、北湖も南湖と同様の事象が生じている可能性がございますが、南湖では平成29年度から連続的な水質調査を7カ所で行っており、データが蓄積されていますことから、まずは南湖において調査を実施し、得られた知見を北湖にも生かしてまいりたいと考えております。 ◆海東英和 委員  この350万円でまず南湖をしっかり調査していただいて、そこでのエビデンスを琵琶湖全体の保全にどうか生かしていただくような政策展開をお願いしたいと思います。終わります。 ○野田藤雄 委員長  以上で海東英和委員の質疑を終了します。  しばらくそのままでお待ちください。  次に、節木三千代委員、待機席へお願いいたします。  それでは、節木三千代委員の発言を許します。 ◆節木三千代 委員  まず、最初に国民健康保険事業特別会計について、部局別資料は111ページです。  2018年度から国保制度の都道府県単位化がスタートいたしました。2019年度は2年目になります。  国保の問題については11月県議会で杉本議員が質問をいたしましたが、再度確認をしておきたいと思います。国民健康保険が抱える構造的問題についての知事の認識について、確認をしておきたいと思います。 ◎三日月 知事  国民健康保険制度は、被保険者の年齢構成が高く、医療費水準が高くなっている一方、所得水準が低いため、保険料負担が重くなるという構造的な課題を抱えていると認識しています。  平成30年4月より都道府県単位化されましたため、県は財政運営の責任主体として、安定的な財政運営や効率的な事業の確保に努め、制度の安定化に努めてまいる所存でございます。 ◆節木三千代 委員  構造的課題を抱えているという制度になっています。  以前、本会議で大津市で保険料が高くて払えなくて、治療がおくれてお亡くなりになった痛ましいケースも取り上げてきましたけれども、こういう現状を認識して、新年度の国保行政に当たっていただきたいと要望しておきたいと思います。  県内の滞納状況について、健康医療福祉部長にお聞きいたします。 ◎川崎 健康医療福祉部長  滞納しておられる世帯数は、平成30年6月1日現在で、県内の国保加入世帯であります17万7,071世帯のうち、2万1,766世帯、割合にして12.3%となっております。 ◆節木三千代 委員  1割を超える世帯が滞納をされておられるということです。短期被保険証と資格証明書の発行はこれまでお聞きしていますと、合わせて約9,350世帯に及ぶと聞いています。高い国保料を引き下げていくことが新年度予算でも求められているというふうに思います。  国保料と協会けんぽの保険料ではどのくらいの違いがあるのか。健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎川崎 健康医療福祉部長  国の資料によりますと、平成27年度の数値になりますが、加入者一人当たりの平均保険料は、協会けんぽが10万9,000円であるのに対しまして、国保では8万4,000円になっておりますが、所得に対する保険料の負担割合で見ますと、協会けんぽの7.6%に対しまして、国保は10.0%と高くなってございます。 ◆節木三千代 委員  保険料を引き下げていく取り組みについて続けて質問をさせていただきたいというふうに思います。  今、お聞きしましたけれど、大津市のほうで見ますと、国保の負担率はさらに高くて、14%というふうにもお聞きをしています。実際、大津市の場合は、給与年収で400万円の4人家族で、国保料は39万5,740円。協会けんぽ、同じ収入では19万6,800円ですから、国保料は協会けんぽの2倍と、大津市の場合はなっています。  そこで改めて、新年度予算を進めるに当たって、2つのことを国に求めていただきたいというふうに思います。  1つは国保のこの構造的問題を解決するには、公費投入しかないように思います。協会けんぽ並の保険料に引き上げる、全国知事会で1兆円規模の公費負担を政府に求めていますが、新年度の予算案に当たっても国に求めていただきたい。健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎川崎 健康医療福祉部長  国に対しましては、全国知事会を通じまして、将来にわたって持続可能な医療保険制度の安定的運営を図るため、国の財政責任のもと、医療保険制度の改革等を着実に行うとともに、国保に対する国定率負担の引き上げ等さまざまな財政支援の方策を講じるよう要望を行っているところでございます。  県独自での要望に関しましては、国民健康保険という全国制度に関することでございますので、全都道府県に共通する課題であるということから、県単独で行うよりも、全都道府県が一丸となって要望していくことが効果的でございますので、全国知事会等を通じまして要望を行っているところでございます。 ◆節木三千代 委員  国保が協会けんぽ並の被用者保険と比べても著しく高くなる原因は、国保しかない均等割、平等割という保険料の算定であります。医療保険の公平性から2つ目、ぜひ保険料を引き下げるために国の改善の要望を、均等割、平等割についてはぜひなくしていく方向で改善の要望を、新年度の予算に当たって求めていただきたいと思いますが、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎川崎 健康医療福祉部長  国保におきましては、全ての被保険者が等しく保険給付を受ける権利がございます。被保険者全体の相互扶助で支えられているところでございます。  そのため、受益に対する保険料負担といたしまして、被保険者1人当たりに係る均等割、および1世帯当たりにかかる平等割があるものと認識をいたしております。  ただし、これらにつきましては、所得や世帯員数等に応じました軽減措置が設けられておりまして、低所得者に対する配慮がなされているものでございます。  なお、子供に係る均等割につきましては、子供の数が多いほどその世帯の均等割の保険料負担が増加することとなり、子育て世帯の経済的負担が大きくなっております。  そのため、少子化対策の観点から、また医療保険制度間の公平性を図るためにも、全国知事会等を通じまして、見直しを実施するよう要望いたしております。 ◆節木三千代 委員  均等割と平等割で徴収されている保険料額がちょうど1兆円ですので、こういう点からも1兆円を投入すれば2つの均等割、平等割をなくして、所得に応じた保険料により近くなるというふうに思います。  次に、2019年の国民健康保険の算定の基礎となる、1人当たりの標準保険料額が示されていますが、今年度と比べてどうなのかお聞きいたします。 ◎川崎 健康医療福祉部長  平成31年度の県平均の一人当たり標準保険料は、年額で14万2,799円でございまして、これは平成30年度と比較いたしまして1万1,782円、率にして8.99%の増加となっております。  前年度と比較して、標準保険料が上がっているのが18市町、下がっているのが1町ということでございます。 ◆節木三千代 委員  前年度よりも18市町で高い標準保険料額が示されているということでありますが、保険料の算定の中で、医療費の伸びを2.7%にしていますが、全国的には1.7%となっています。  医療費が多く見積もれば全体として納付金にも大きな影響をもたらしますけれども、この点について見直しを求めるものですが、健康医療福祉部長にお聞きいたします。 ◎川崎 健康医療福祉部長  医療費の伸びにつきましては、国は平成31年度予算計上に当たりまして、1人当たりの医療費の伸びを1.7%と見込んでいるとお聞きをしております。  一方、本県の医療費の推計につきましては、国が示した推計方法をもとにしまして、本県のこれまでの動向を踏まえ、適正に算定した結果2.7%となったものでございまして、この数値で予算を計上いたしているところでございます。 ◆節木三千代 委員  この点について、少し後でふれますけれども、平成30年12月28日、去年の暮れですけれども、厚生労働省が国民健康保険特別会計予算編成に当たっての留意事項の一部改正を通知を出しています。  この中で、補正の要否を検討しつつ、市町村との合意を得た額にするとされています。実際、市町の担当者会議の中で、県が医療費の伸びについて、2.7%示されたことについて、市町の担当課の中では、ある市町の担当者からもなかなかこの点については納得できないというような声もお聞きをしています。  また、大津市では2月15日の国保運営協議会で、モデル世帯所得200万円で県の示した保険料額をもとに、何と10.5%もの引き上げ。38万9,984円もの保険料を示しています。所得に対して2割もの保険料になっています。私はこういう状況を見まして、本当に十分な市町とのやりとりを、この通知をもとにされてこられたのか、健康医療福祉部長にお聞きいたします。 ◎川崎 健康医療福祉部長  標準保険料率の算定に当たりましては、県や全市町等で構成をいたします、滋賀県国民健康保険市町連携会議におきまして、昨年9月から4回にわたり議論を行ってまいりました。  例えば医療費の推計に当たりましては、市長の意見も踏まえまして、70歳以上の被保険者に係る医療費単価について、必要な補正を行うこととするなど、市町と十分に議論を重ねてきたと考えております。 ◆節木三千代 委員  市町と十分な議論を重ねてきたと言われていますけれども、実際この12月18日の厚生労働省の予算編成に当たっての留意事項の一部改正についてはファイル送信は各市町にされていても、実際はなかなかその中まで読み込んでいなかったというような各市町の状況もお聞きをしています。  そういった点でもこの各市町との合意の点や、また高い国保料そのまま示しているような市町があるという点では、この厚生労働省の通知の内容が生かされていないというふうに考えます。その点では、各市町と十分なやりとりをしていただきたいというふうに思うわけです。  続いて、新年度の予算については、県としての一般財源の投入、つまり独自の繰り入れがどうなっているのかお聞きをいたします。 ◎川崎 健康医療福祉部長  県独自の一般財源の投入状況という意味で申し上げれば、国民健康保険給付対策費補助金といたしまして、福祉医療の実施に伴う定率国庫負担金の減額分に対しまして市町に助成を行っております。平成31年度予算案では1億7,328万8千円を計上しているところでございます。 ◆節木三千代 委員  高い国保料を引き下げるための繰り入れはされていないというふうに思うわけなのです。  先ほど紹介をされました12月28日の厚生労働省のこの予算編成に当たっての留意事項の中には、市町の繰り入れや基金の積み立てを活用して保険料が高くならないようにというような中身も書かれています。  これは市町だけでなく、県としても保険料が高くならないように保険料を引き下げるために、一般会計からの繰り入れを行うことが求められているというふうに思いますけれども、知事に問いたいと思います。 ◎三日月 知事  まず、昨年12月28日の厚生労働省から発出されました文書についてお取り上げいただきました。この中に「繰入金」とありますのは、これは担当課をして厚生労働省に確認いたしましたところ「繰越金」の誤りであるとの回答を得ているところでございます。  そもそも国保は、我が国の医療保険制度を支える基盤でございます。したがって国がスキームをつくっているものであり、国として財政基盤の確立を図っていただくことが必要だと考えてます。  県として、「健康しが」の実現に向け、さまざまな対策に取り組むことにより、県民の健康な暮らしを実現していきたいと存じます。そして、そのことが結果的に医療費の適正化や保険料の増加抑制につながる好循環を生み出すことで、国民健康保険制度をしっかりと守ってまいりたい、持続可能なものとしていきたいと考えております。 ◆節木三千代 委員  この通知の繰入金や基金を活用してというところの繰入金のところは、きちっと文章で訂正がされたものが届いているとは私は担当課からは確認をしておりません。通知では繰入金ということになっていますし、現に今各市町で国保の予算の議論がされていますけれども、基金を使うと、合わせて繰入金を使っての保険料の引き下げも、本当に市町のほうではされているところも多々あるというふうに思うわけなのです。  県の一般会計から国保特別会計への繰り入れを行うことによって、市町の納付金の引き下げが図られると、それが構造的問題を解決する上で大事だと私は強く思うわけなのです。  県としての公費の投入は制度的にはできると思いますが、その点について、知事に確認をしたいと思います。 ◎三日月 知事  今の通知の誤り等の課題につきましては、担当課から確認の上、改めて説明をさせていただきます。市町においては、今後、繰越金や基金を活用して保険料を決定されていくことになります。本県においては、決算補填目的の法定外繰り入れにつきましては、2023年までに段階的に解消することを、これは市町とも協議の上、県国保運営方針に記載したところでございまして、平成29年度以降、決算補填目的の法定外繰り入れを行っている市町はありません。いずれにいたしましても、きちんとした財政運営を行っていけるように取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◆節木三千代 委員  今、知事にお聞きしたのは公費購入ができますねということ。独自繰り入れが保険料を引き下げるために、納付金が下がるために独自の繰り入れはできますねということを聞いたので、ちょっとそこだけを確認させてください。 ◎三日月 知事  答弁を健康医療福祉部長に委任いたします。 ◎川崎 健康医療福祉部長  制度として不可能ではないと認識をしておりますが、先ほど知事が答弁いたしましたとおり、国保の財政運営に関しましては、国全体でスキームをつくり、支えていくものだと考えておりますので、国において必要な対応がなされるよう要望してまいりたいと考えております。
    ◆節木三千代 委員  財政主体である県が国保事業について構造的問題がある中で、やはり県としても公費の投入を強く求めたいというふうに思います。  次に、医療的ケア児童生徒の通学に係る保護者支援研究事業について、部局別予算概要の214ページですけれども、教育長に全てお聞きをいたします。  予算は171万円ですが、現在保護者の送迎で養護学校に通学している医療的ケアが必要な子供たちは何人おられるでしょうか。教育長にお聞きいたします。 ◎青木 教育長  平成30年5月1日現在で、県立特別支援学校に通う医療的ケアが必要な児童生徒のうち、登下校時に常時保護者が送迎される児童生徒数は65名となっております。 ◆節木三千代 委員  保護者の方の送迎によって子供たちの学ぶ権利が保証されている状況だというふうに思います。  これまでの取り組みについて、教育長にお聞きいたします。 ◎青木 教育長  今年度は、これまで実証研究を実施できていない市町を中心に、4市町において計8名を対象に進めております。市町や訪問看護ステーション、移動支援を行う福祉事業所の協力をいただきながら実施をしており、既に予定した10回の送迎を終了された方もおられます。  また一方、実施市町において、地域の実情に応じた実施方法などを検討するための実務者会議を順次開催をしております。会議では、実証研究の実施状況や関係機関との連携状況とそれらの成果、課題について、また児童生徒の個別の状況等について、保護者を含め実際に実証研究にかかわる方の御意見等をお聞きをしているところでございます。 ◆節木三千代 委員  対象となる児童生徒がおられる市町で、まだ未実施の市町があります。大津市もその一つなのですけれども、何が課題なのか再度お聞きをいたします。 ◎青木 教育長  未実施の市町につきましては、従来から協議をさせていただいているところでございますが、市町からの意見は、研究事業は1年限りの事業であるため、本格実施に向けた制度の形を明らかにし、見通しが持てるようにする必要があるのではないかと、そういった御意見をいただいているところでございます。 ◆節木三千代 委員  御答弁あったそのとおりだというふうに思います。制度の見通しが持てない中でなかなか実証研究に参加しづらいという状況があるというふうに思います。  平成32年以降、できるだけ早い時期に本格実施をするとされていますけれども、こうした状況を踏まえて、新年度の取り組みについて教育長にお伺いいたします。 ◎青木 教育長  来年度の実証研究につきましては、未実施の市町において、実証研究が実施をできるよう協議を進めてまいりますとともに「医療的ケア児童生徒の通学に係る保護者支援研究会議」を開催をし、事業の本格実施に向けた議論の取りまとめを行ってまいりたいと考えております。 ◆節木三千代 委員  先ほど教育長が答弁されました、1年限りなので制度の見通しがなかなかもてない中で参加しづらいという点について、この新年度の取り組みはどのようにされるのか伺いたいと思います。 ◎青木 教育長  先ほども申し上げましたように、本格的実施に向けての議論をしっかりと進めていきたいと思っております。その中で私どもといたしましても、その制度が持続性のあるものという事を大前提にしておりますので、そういった点、しっかり議論をしてまいりたいと考えております。 ◆節木三千代 委員  持続性のあるものということで、次の質問に入るのですけれども、その前にもう一つ再問をしたいというふうに思います。  保護者送迎を余儀なくされておられる保護者の方にとって、このどのように実証研究がされているのかという情報がなかなか届かないというのがあります。大津市で保護者の方が送迎されておられる方いらっしゃるのですけれども、一体どうなっているのかということが情報として、ないというふうにおっしゃっておられます。  これは予算は伴わないし、学校を通じて情報提供をぜひ新年度の予算取り組みに当たって、学校長を通じて情報提供を保護者の方に、対象となっている保護者の方に情報提供をしていただきたいと思いますが、再度伺いたいと思います。 ◎青木 教育長  議員御指摘のとおり、対象の方についてどういうような、議論が今進められているのかというのを御存じいただくのは大変重要なことと考えております。  学校を通してという形になるのか、少し検討はさせていただきますが、いずれにいたしましても、今どういうようなことで議論が進んでいるかというのは、必要な人に手元に届くよう研究をしてまいりたいと考えております。 ◆節木三千代 委員  ぜひよろしくお願いいたします。  滋賀県の医療的ケアの必要な児童生徒の通学にかかる保護者支援研究事業は、6年目になりますけれども、あくまで保護者支援、保護者の負担軽減という事業になっています。  設置者である県の責任で全ての子供たちの学ぶ権利を補償するために、通学補償という考えで新年度は取り組むべきと考えますが、教育長に見解を伺います。 ◎青木 教育長  障害のあるなしにかかわらず、学ぶことは全ての子供たちにとって必要なことと考えております。一方で、これまでから申し上げてきました通り学校への通学につきましては、通学方法、手段まで全てを学校設置者が「保障する義務」につきましては、法令上の規定もなく、児童生徒の通学につきましては保護者が子供に対して持つ一般的な保護責任の範囲であるというふうに考えております。  しかしながら、児童生徒の送迎において、保護者の方が大変な思いをしておられる実態もありますことから、こうした保護者の負担軽減という、これまでの実証研究の考えをもとに、取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆節木三千代 委員  答弁はこれまでと変わらないのですが、実は大阪府では2019年から介護タクシーに看護師が同乗する仕組みで、約2,500万円を計上しています。モデル実施を経て、21年度には本格運用を目指すというふうにしています。通学途上で医療的ケアが必要なために利用できない児童生徒のための体勢を整備する、今も教育長が言われましたけれども、学習機会を保証する、この学習の機会を保証するという立場で実施をされるというふうに思います。  一方、県内でも甲賀市で市独自に予算を計上されて、支援事業の補助もことし行われています。実証研究に参加された市町がこうした施策を行う、その背景にはやっぱり県の教育委員会が踏み出そうとしない、その保護者支援にとどまっているというところにあるというふうに思います。養護学校の設置者の責務として通学補償という立場で、1日も早く実行してほしいと思いますが、再度教育長の答弁を求めます。 ◎青木 教育長  私ども県教育委員会といたしましては、先ほども答弁いたしましたように、この事業、通学については、一般的な保護者の責任という範囲であると考えております。  そうした中、先ほど申し上げましたように、保護者の方が大変御苦労をいただきながら、子供たちの送迎をしていただいております。こうした保護者の方の負担が少しでも軽減できるよう、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆節木三千代 委員  終わります。 ○野田藤雄 委員長  以上で節木三千代委員の質疑を終了します。  しばらく休憩します。 休憩宣告  11時48分 再開宣告  12時59分 ○野田藤雄 委員長  休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。  次に、大橋通伸委員、待機席へお願いします。  それでは、大橋通伸委員の発言を許します。 ◆大橋通伸 委員  大きく2項目について質疑をさせていただきます。  いずれも今後中長期で取り組む必要のある息の長い取り組みであるとともに、本県ならびに全世界がその歩みをとめてはならない事業であります。  さらにまた、この2つの事業は始めるに遅過ぎることはない事業であるとの認識のもと質疑いたします。  まず、部局別予算の概要66ページほかに、総額4,820万円を計上された「やまの健康」プロジェクトについて質疑します。  この項の最初に山の知事を宣言され、短期移住生活10回を体験されてこられた知事に伺います。知事に御就任されて、この方、知事の中で膨らんできたであろう森林、山村の窮状を打開していくに当たって、このプロジェクトにかける知事の思いを伺います。 ◎三日月 知事  知事にならせていただいた後の平成27年2月。委員にもお越しいただきましたけれども、長浜市木之本町を最初に、高島市安曇川町、甲賀市土山町、高島市の朽木、米原市大久保、東近江市奥永源寺、多賀町、そしてことし1月の高島市マキノと8カ所、合計10回の短期居住を行い、山村での生活を体験してまいりました。  まず、何より文化に感じ入りました。水源の重要性改めて感じました。交通の不便さというものも実感、実体験いたしました。それぞれの地域の皆さんと意見交換する中では、木材価格が低迷し、林業経営が成り立たない現状ですとか、所有者の森林への関心も薄れ、手入れ不足の森林がふえているといった実態がよく聞かれました。  また、林業になりわいとしての魅力が失われ、働き手が都市部に流出して、人口が減って高齢化が進んだことで、山村に活気がなくなり、周りから取り残されていくように感じている方もおられました。  一方で、利用期を迎えた豊かな森林資源や、清らかな水の流れ、山菜やキノコといった山の恵み、山の神の文化、オコナイ、文化財など、山の持つ可能性も感じることができました。  このように、課題はありますものの、可能性を伸ばすことで、山はもっと元気にできるのではないだろうかと、子供や孫の世代が山と親しみ、かかわることができる姿を実現できるのではないかと考え、「やまの健康」に取り組むことを決意したところでございます。 ◆大橋通伸 委員  山の知事宣言を歓迎し、質問を続けさせていただきます。  去る12月28日には、多賀町に対する聞き取り調査を、1月8日には高島市マキノ町での聞き取り調査をされました。そこで明らかになったことを琵琶湖環境部長に伺います。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  まず、多賀町に対する聞き取り調査では活性化のために何か取り組みたいが、具体的な方法が見つからないといったことや人口減少対策に資するよう空き家も活用したいと考えているが、実際入居者に提供できる物件は多くないといった声が聞かれたというようなことでございます。  また、高島市マキノ町では、地域の課題は複合的であり、大学のゼミや外国人なども受け入れて交流を進めながら、多様な主体によって取り組む必要があるといったことや、地域に入って掘り起こすことで、資源は見つかるといった声があったとのことでございます。  こうした声をお聞きしておりますと、このように地域では、活性化に取り組みたいという思いはございますけれども、いかに具体化するのかというのが、課題と感じておられるということとか、一方で地域の魅力を再発見し、生かすことはまだ可能性があるのではないか、ということを感じたところでございます。 ◆大橋通伸 委員  意欲のある集落をモデル地域として指定し、支援するとありますが、一口に意欲といっても実に多様と存じます。意欲のある集落の選考方法を琵琶湖環境部長に問います。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  モデル地域は、市町もともに支援をしていただくという必要がございますため、市町を通じて公募したいと考えております。  応募がございました地域につきましては、その思いを十分お聞きして選考していきたいというぐあいに考えております。 ◆大橋通伸 委員  片やしぼんでいく集落、縮んでいく集落、意欲のある集落と対をなす、あえて言うならば意欲のない集落にはどう対応していく、琵琶湖環境部長に問います。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  来年度予定しております「やまの健康」に関する構想の策定と合わせまして、シンポジウムの開催や、県内外の先進的な取り組みを広く知っていただくことで「やまの健康」に向けて取り組んでいただく県全体の機運の醸成を図っていきたいというぐあいに考えております。  また、モデル地域における取り組みをこうした機会にあわせて情報発信することで、新たな地域にも取り組んでいただけるように働きかけてまいりたいと考えております。 ◆大橋通伸 委員  活動のモデルとなる地域リーダーの発掘、育成について琵琶湖環境部長に問います。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  モデル地域での取り組みには、その牽引役となる地域のリーダーが不可欠であることは言うまでもないと思っております。市町や既存の活動団体などからお話を伺う中で、地域の実情をよく御存じで、前向きに取り組んでおられるような方につきまして、ぜひ御参画をいただくように働きかけていきたいというぐあいに考えております。  また、本事業の中で、地域づくりについて知識や経験のある方をアドバイザーとして派遣をしたり、他府県の先進事例などを見ていただく機会などを設けることで、こうしたリーダーの方をサポートしてまいりたいというぐあいに考えております。 ◆大橋通伸 委員  山と農のにぎわい創出に向けて、多様な主体との協働活動をうたっていますが、それぞれの主体にはこの事業の推進に向けて何を期待していますか。農政水産部長に伺います。 ◎高橋 農政水産部長  農山村では、人口の減少、高齢化の進行によりまして、地域コミュニティーの弱体化や農地等を保全する労働力の不足、また所得向上につながる可能性がある豊かな地域資源が十分に活用されていないという課題がございます。  そこで、協働活動に参加していただく多様な主体には、それぞれの立場から知恵や労働力などの提供をお願いし、地域資源の魅力を発掘、そしてともに活用していただき、元気で健康な農山村の地域づくりに貢献していただくことを期待をしております。  こうした取り組みは既に県内では始まっておりまして、先般、2月8日に知事を立会人としまして、中山間地域の4つの集落等において、企業や大学、社会福祉法人といった多様な主体と3カ年にわたる協働活動についての協定締結式が行われたところでございます。  企業は耕作放棄地の再生などによる棚田の保全や地域農産物の販売、大学は都市農村交流の企画や地域農産物のブランド化とPR、そして社会福祉法人は農福連携による農作業の協働活動や夏祭り等の地域行事への参画など、集落等との協働活動に取り組まれることになりました。  県といたしましては、農山村における豊かな地域資源を活用した、このような多様な主体との協働活動を支援することによりまして、「やまの健康」を推進してまいりたいと考えております。
    ◆大橋通伸 委員  既に協定等始まっているとお伺いしました。進展を期待しとうございます。  さて、私はコミュニティービジネスの振興に関心を寄せています。このことについては実験的な支援とありますが、どんなロールモデルがあるのか、商工観光労働部長、お示し願います。 ◎江島 商工観光労働部長  まず県内のロールモデルの事例として、例えば奥永源寺地域において栽培される政所茶を絶やすことなく引き継ぎ、地域の活性化につなげるため、生産者や移住者などが一緒になって、販路開拓や加工商品の開発に取り組まれるとともに、産地をめぐるツアーの開催などが展開されているところであります。  また、他府県の事例となりますが、島根県雲南市では、人口減少に危機感を持った100人を超える住民などの出資により、法人が設立され、商工会、行政と連携を図りながら、民間主導の経営で農産物の加工やコミュニティーバスの運行といった事業に取り組まれ、50人を超える雇用、4億円もの売り上げが維持されているとお聞きしております。  こうした事例のように、山村地域において、地域課題をビジネスの手法を用いて解決する取り組み、いわゆるコミュニティービジネスの観点から、地域の住民が安定した仕事や収入を確保しながら住み続けられるよう、新たな取り組みを支援してまいりたいと考えております。 ◆大橋通伸 委員  県の目いっぱいの支援を期待申し上げます。  移住体験機会の創出について、他府県と比して実績が低い本県のこれからの対応策について総務部長に問います。 ◎藤本 総務部長  本県では、今年度より市町や県内企業と連携をし、若者や子育て世代を対象として、移住希望者が本県での暮らしと仕事を体験できるつながる滋賀移住体験プランを活用した移住体験機会の創出に取り組んでいるところでございます。  プランでの訪問先は、人口減少対策として移住施策に取り組む市町から選定をしておりまして、西浅井ジビエグランプリへの参加、また米原市曲谷地区における地元交流、豊郷の伝統産業や東近江の製造業への企業訪問など、各地域の魅力を体験できるプランを実施したところであります。  今年度は20組23名の方にプランに参加をいただき、75%の方から滋賀県に移住したい、移住の候補地に入れたいとの感想をいただいたほか、2組5名の方が実際に本県へ移住されるなど成果につながっているところであります。  また、参加者の体験談をしがレポ!としてウェブ上で発信することにより、住民には気がつきにくい本県の魅力ある暮らしぶりについて情報の発信に努めたところでございます。  来年度におきましては、さらに多くの移住希望者に参加いただけるよう、各市町の移住体験イベントと連携するなど、引き続き魅力的なプランの充実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆大橋通伸 委員  挑戦しただけのことはあるなというふうに受けとめさせていただきました。  次に、空き家の流通促進の中の子育て世帯への改修支援に係る市町との役割分担について、土木交通部長に伺います。 ◎川浦 土木交通部長  この事業は、県内全域を対象に、空き家バンクを通じて空き家を取得し、改修した子育て世帯に対し、改修費の一部を市町が補助する場合に、50万円を上限として、県が該当市町に補助するものでございます。  本事業の実施に当たりましては、市町は空き家バンクを設置し、空き家所有者に対して登録の働きかけを行うとともに、子育て世帯の方を地域住民に紹介し地域に溶け込みやすくするなど、直接的な対応を行います。  県は、空き家バンクを支援する専門家団体に対して補助するほか、県内共通のパンフレットを作成し、子育て支援施設に設置いただくなど制度の周知を主に図っていくこととしております。 ◆大橋通伸 委員  ことしから始まった事業かと思いますが、大いに進めていただきたいと思います。  新たな森林経営管理制度のもとで、担い手づくりは、これまでの担い手づくりとどう違うのか、琵琶湖環境部長に伺います。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  本年4月から施行される新たな森林経営管理制度のもとでは、市町が主体となって放置林対策を進めることになり、これまでの市町村森林整備計画の策定などの事務に加えて、今後は実際に市町村が森林整備の事業を実施することが求められてまいります。  これまで県では、市町の職員に対しましては、森林法などの法令や計画制度など、森林行政の初任者向けの研修に取り組んでまいりました。  今後はこれに加えまして、実際に現地において地形、地質や、立ち木の生育状況などの諸条件をもとに、森林所有者の意向を踏まえて整備方針を立て、整備業務の発注までできるようなスキルを身につけていただくための研修を、新たに設けるフォレストアカデミーにおいて実施してまいりたいと考えております。 ◆大橋通伸 委員  違いがわかりました。林業の新規就業者をふやし、世代交代を進めていくことが必要になってきますが、林業に意欲、関心を持つ人であっても、そうした人を就業に結びつけていくのは並大抵ではないと拝察します。  新規就業者を呼び込むために、どんな方策をお考えか、琵琶湖環境部長に問います。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  これまでから、ハローワークのほか、林業労働力の確保の促進に関する法律に基づき設置されている林業労働力確保支援センターにおきまして、就職情報の提供や、近畿2府2県による合同就職相談会、全国森林組合連合会主催の就業相談会などにより、新規就業希望者への情報提供を進めてまいりました。  また、希望者に対しましては、現地で林業を体験していただく就業支援講習を行うなどにより、新規就業者の確保に努めてきたところであります。また、ながはま森林マッチングセンターにおきましては、林業への試験的就業や、移住の斡旋を行っております。  今後はさらに、移住相談とあわせて情報提供を行うなどより広く関心がある方に届くような方策を考えてまいりたいというふうに考えております。 ◆大橋通伸 委員  ぜひとも精力的に進めていただきたいと思います。  次に、部局別予算の概要59ページに1,180万円を計上された、気候変動適応推進事業について質疑します。  私が住まう湖北では、雪が降らないこの冬にまつわる話題が事欠きません。いろいろなところでこの雪の少ない冬、どんな影響が今後出るか、こんな話題が持ち切りです。  本日、某新聞にも取り上げられています。まず、気候変動への適応について、これまで温暖化対策課を中心に取り組んでこられた成果と知見をお示しください。琵琶湖環境部長、お願いします。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  平成28年度の滋賀県低炭素社会づくり推進計画の改定に当たりまして、環境省の協力を得まして滋賀県における気候変動影響評価等のとりまとめを行いまして、その結果、本県では今後の約100年間で年平均気温がさらに約2.9度上昇すると見込まれることや、これに伴って自然環境、産業、生活などに幅広い影響が見込まれることが示されております。  これを受けて、改定計画では、国の気候変動適応計画で想定されておりました7分野を対象として、当面実施すべき施策を適応策として位置づけたところでございます。  この中で、例えば農業分野では、高温耐熱性にすぐれた水稲品種みずかがみの作付拡大、健康分野では、熱中症への注意喚起や、商業施設や博物館などと連携したクールシェアの呼びかけなどを位置づけ、実施をしてきているところでございます。 ◆大橋通伸 委員  気候変動の影響を回避、軽減するビジネスにどんな期待を寄せているか、琵琶湖環境部長に伺います。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  気候変動適応法では、新たに気候変動適応に資する事業活動の促進を図るという観点が明記され、適応をビジネス機会として捉え、適応を促進する製品、サービスの展開を進めていくことが求められていおります。  本県にも、木材チップを使用したアスファルト舗装により、ヒートアイランド化を低減する技術など、こうしたビジネスに既に取り組まれている事業者もございます。  適応ビジネスの分野は、農業、防災、水資源など幅広く、こうした技術、製品、サービスを有する事業者が本県から多数生まれることで、温暖化対策にとどまらず、新たな産業振興や本県のイメージアップにもつながると期待しております。 ◆大橋通伸 委員  どんな機会を捉え、どんな発信をし、県民ぐるみの取り組みとしようとしているか、琵琶湖環境部長に伺います。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  気候変動の影響の現状や課題につきましては、滋賀県地球温暖化防止活動推進センターと連携しながら、県民や事業者の皆さんから、ワークショップやうちエコ診断など、さまざまな機会を捉えて情報収集を行い、適応策の検討に反映していきたいと考えております。  また、温暖化の影響予測や適応策の検討結果を踏まえまして、県民向けのシンポジウムや、学校や各自治会向けの出前講座などを通じて、県民一人一人が家庭や学校で必要な適応策に取り組んでいただけるよう、発信してまいりたいと考えております。 ◆大橋通伸 委員  本県の地域特性を踏まえた気候変動影響の評価とありますが、その中での地域特性とは何か、その具体を示してください。琵琶湖環境部長、お願いします。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  本県には、琵琶湖を中心に農地や市街地が広がり、その周りを山々が取り囲み、北部は降雪の多い日本海側気候であり、南部は比較的温暖な太平洋側気候となっております。  土地利用としましては、南部は都市化が進み、北部は農山村が多いという特性があり、また産業構造のうち、工業では第2次産業の占める割合が高く、製造業が多く立地しており、農業では、農地のうち水田率が約90%以上という高い比率を持っているという特徴がございます。  このような自然的、社会的特性から、気象災害や健康影響だけでなく、琵琶湖の環境や生態系、あるいは農林水産業への影響についても県民の関心が高くなっていることから、こうした視点を踏まえまして、気候変動影響評価等を進めてまいりたいと考えております。 ◆大橋通伸 委員  琵琶湖や農林水産業への影響についても、県民の関心が高いとありますが、担当課にはどんな声が届いているのでしょうか。琵琶湖環境部長に伺います。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  今年度、実施いたしました地球温暖化に関するアンケートの結果によりますと、地球温暖化に伴う影響への不安として、災害を挙げられた方が7割、農作物への影響を挙げられた方が5割を初め、次いで、健康、琵琶湖の環境への影響を挙げられた方が多くなっています。  また、平成27年度に大津市内で実施した気候変動影響事例探しのワークショップでは、花の開花時期が早まったなどの動植物の変化とかエアコンの使用が多くなったといった生活への影響が事例として挙げられております。  引き続き、こうした県民からの温暖化の影響や課題に関する情報を収集し、これを踏まえて、影響評価のあり方や適応策のあり方を検討してまいりたいと考えております。 ◆大橋通伸 委員  気候変動適応法では、各都道府県に地域気候変動適応計画を策定するよう求められています。本県では既に滋賀県低炭素社会づくり推進計画を策定していますが、今後はこの2つの計画をどのように位置づけ、温暖化対策を進めるのか、琵琶湖環境部長に問います。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  本県では、滋賀県低炭素社会づくりの推進に関する条例に基づく推進計画および地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく地方公共団体実行計画として、平成23年度に滋賀県低炭素社会づくり推進計画を策定しております。  2021年度に予定しております、次回のこの計画の改定に当たりましては、今後の適応策の検討結果を盛り込みまして、本計画を気候変動適応法に基づく地域気候変動適応計画としても位置づけてまいりたいと考えております。 ◆大橋通伸 委員  質疑を終わります。 ○野田藤雄 委員長  以上で大橋通伸委員の質疑を終了します。  しばらくそのままでお待ちください。  次に、佐野高典委員、待機席へお願いします。  それでは、佐野高典委員の発言を許します。 ◆佐野高典 委員  それでは琵琶湖保全再生計画に関する予算について質疑をします。  平成27年9月に琵琶湖の保全及び再生に関する法律が交付をされまして、この琵琶湖も国民的資産として位置づけされたところでございます。  その後、国のほうでは基本方針が示されまして、本県では平成29年の3月に4年間の計画期間とする琵琶湖保全再生施策に関する計画を策定し、琵琶湖の保全と再生に取り組んでいただいているところでございます。  今回、一般質問でも我が会派の岩佐議員から、南湖の湖底改善についての質問がございました。  知事は長期にわたる取り組みにはなるけれども、南湖が魚のゆりかごとして再生できるよう進めていきたいというような力強い御答弁をいただいたところでございました。  杉本委員からもきのうは琵琶湖漁業の復活でありますとか、あるいは環境の改善について質問をされていますが、私は琵琶湖主義という政治スローガンを掲げながら今日まで政治活動をしておりますので、元祖琵琶湖議員として質疑をさせていただきたいと思います。  まず最初に、部局別予算の概要57ページでありますが、水草刈取事業についてお尋ねをいたします。  平成6年の大渇水以降、水草が大量に繁茂しておりまして、漁業や生活環境に大きな影響が出ております。  今日まで漁業者初め関係の皆さん方に御協力いただきながら、精力的な駆除作業をしていただいております。その年の気候にもよりますけれども、そういった努力によって水草はここ数年やや減少傾向であります。新年度予算水草刈り取りや、根こそぎ除去、またそれを再生有効利用するための予算が、約2億3,700万円計上されておりますけれども、特に根こそぎ除去について琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  答弁を小松理事に委任いたします。 ◎小松 琵琶湖環境部理事  近年、水草の繁茂は減少傾向にありますが、平成24年には一旦減少した水草が、平成26年に大量繁茂した例もあり、新年度につきましても引き続き関係者の皆さんと連携しながら対策を講じてまいりたいと考えております。  具体的には、刈り取り船を使用した表層刈り取りにより、船舶の航行障害や腐敗臭の軽減など、生活環境を守ってまいります。  また、漁船と貝曳き漁具を使った根こそぎ除去により、水草の繁茂面積を減らし、生態系の回復を図ってまいります。特に、根こそぎ除去につきましては、モニタリングにより水草の生育状況を把握しながら、漁業者の皆さんの協力のもと、南湖の中央部や水草の密集部などで集中的に実施してまいりたいと考えております。  刈り取り除去した水草の有効利用につきましては、堆肥化を行い、広く県民に配布し、琵琶湖と人の暮らしのつながりを取り戻す取り組みを進めてまいります。  平成28年度に開始した企業などが行う水草の繁茂抑制や新たな有効利用方法の技術開発などへの支援は、これまでの成果としまして、明豊建設が本年1月に初めて、水草を堆肥化した製品を販売するとの成果を得ておりまして、さらなる水草の活用に向けて支援を継続してまいります。  さらに、平成29年度から実施しておりますマリーナなどの体験施設の水草除去につきましても、引き続き支援を行ってまいりたいと考えております。
    ◆佐野高典 委員  そういった技術開発支援等によって、新たな商品化が図られてきたと、こういうことでありますが、今までの研究であったり、技術開発というのは相当進んでいるわけでありますけれども、それが商品として流通しなければ成り立たないわけでありますから、その辺の支援についてはどのように考えておられるのか、もう一度お尋ねいたします。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  答弁を小松理事に委任いたします。 ◎小松 琵琶湖環境部理事  技術支援につきましては、引き続き民間の方々のいろいろな水草を利用して、さまざまな形で有効利用するという取り組みを前向きに進めるために、支援をしていきたいと考えております。  最終的には、環境ビジネスにつながるような形で支援をしてまいりたいと思います。 ◆佐野高典 委員  今、理事から話がございましたように、多少減少していると、こういうことでございますが、腐敗した水草が湖底に堆積して、酸素を供給しないというような悪影響、弊害もあることは明白でございますが、事業を継続していくことが大変必要であろう、琵琶湖の環境改善につながるであろうというふうに思う1人でありますけれども、今後どのように考えておられるのか、琵琶湖環境部長にお尋ねをいたします。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  答弁を小松理事に委任いたします。 ◎小松 琵琶湖環境部理事  水草の根こそぎ除去は、平成23年度から南湖におきまして、漁船と貝曳き漁具を使い、漁業者の皆さんの協力を得ながら、実施しているところでございます。  水草の生育状況に合わせて春季、秋季、冬季と年間3回実施しておりまして、特に冬季には、湖底に堆積している枯死した水草をできるだけ除去するよう努めているところでございます。  根こそぎ除去の効果もあり、近年、水草の繁茂は減少傾向にあります。また、水草の根こそぎ除去を複数年実施した水域では、貧酸素区域が減少し、これまで確認できなかったシジミの稚貝が復活している水域もあり、湖底環境の改善につながっているところでございます。  今後も引き続き、漁業者の皆さん等と連携しながら、継続した除去を進めてまいりたいと考えております。 ◆佐野高典 委員  それでは次に、ヨシ群落保全事業についてお尋ねをいたします。  この事業も長年実施をしていただいているところでございますが、ヨシ群落が持つ多様な機能が発揮できるように、2,100万円余りの予算が計上されています。  一方では、農政水産部の水産基盤整備事業におけるヨシ帯の造成も計上されているわけでありますけれども、琵琶湖環境部におけるこの保全とはどのような事業を行おうとしているのか、琵琶湖環境部長にお尋ねをいたします。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  答弁を小松理事に委任いたします。 ◎小松 琵琶湖環境部理事  琵琶湖環境部におけるヨシ群落の保全は、ヨシ群落保全基本計画に基づき、ヨシ群落の良好な状態を保全し、適切な維持管理の実施を通じて、ヨシ群落の健全な育成を図ることとしております。  具体的には、失われたヨシ群落を再生するための生育環境の造成、健全なヨシ群落育成のためのヨシ刈り取りやヨシ保全活動団体への支援、そして、ヨシなど抽水植物群落の衰退の原因となる巨木化した柳類の伐採等を行う維持管理の事業を考えております。  柳類は、ヨシ群落の一部であり、魚類の産卵の場はもちろん野鳥のすみかとなるなど、湖岸の生態系の中で重要な役割を担っておりますが、一方で巨木化するとヨシなど抽水植物群落の衰退の原因になります。  このため、野鳥や魚類に利活用される柳の機能について、専門家の意見も聞きながら、柳の伐採も必要に応じて行ってまいりたいと思っております。 ◆佐野高典 委員  巨木化した柳がヨシにも悪影響を及ぼしているというのは理解しているのですが、柳は一方では魚の産卵にはもってこいというような木でもございますので、その辺は慎重に対応いただきたいというふうに思っております。  次に、琵琶湖森林づくりについて、琵琶湖環境部長にお尋ねをいたします。  部局別予算の65ページであります。琵琶湖を守ることと生かすことの好循環を目指して、林業の成長産業化を図る取り組みがされ、みんなの森づくり活動支援事業に790万円の予算が計上されています。  水源涵養を図る上からも大事な事業でありますが、県漁連でも漁師と一緒に野洲の山に木を植えようという取り組みがもう相当長い間進められています。  このような事業にこそ支援をしていくべきではないのかなというふうには思うのですが、みんなの森づくり活動支援事業についての考え方を、琵琶湖環境部長に問います。 ◎廣脇 琵琶湖環境部長  みんなの森づくり活動支援事業は、県民の皆さんが森林づくりに積極的に参画いただけるよう、地域の団体等が行う下刈りや間伐などの森林づくり活動に対して支援を行っているものでございます。  委員御指摘の漁師と一緒に野洲の山に木を植えようの取り組みは、漁業者と地元の子供たちや団体等が琵琶湖の水源である森林の植栽などを行っておられ、森、川、里、湖をつなぐすばらしい活動だと伺っており、本事業の対象にも当たるものと考えております。  また、2021年度に開催する第72回全国植樹祭に向けまして、その機運の醸成を図るため、来年度から市町や団体等の森林づくり活動を支援する全国植樹祭県民総ぐるみプロジェクト事業を開始したいと考えておりまして、これも含めまして、森づくりへの参加をさらに呼びかけまいりたいと考えております。 ◆佐野高典 委員  こういった水源の涵養のためにも、奥山の森づくりも大切でありますし、こういった里山でみんなが一緒になって木を育てていこうというような機運も大事であろうと思いますが、やっぱりこの里山でも鹿の獣害の被害がかなりあるようでございますので、その辺にも十分配慮をしながら、この事業を進めていってほしいというふうに思っております。  次に、農政水産部長に尋ねます。  まずは、有害外来魚ゼロ作戦事業、部局予算の159ページでございますが、これも長い間、駆除事業が続けられてまいりました。  きのうも算定基準等についての質問がございましたが、私は50円よりも100円上がったほうが、それはありがたいのですが、財政上の問題もございますから、そんな無理は言えないというような思いをいたしております。  しかし、この事業を開始したころには、大変、そのバスにしてもブルーギルにしても、寸法が、サイズが大きい、しかしとり続けることによってだんだん小型化してくると、こういうようなことでございます。その上にこれもその年の天候状況等によって変わってくるわけでありますが、駆除量が減少しているということで、来年度も110トンというような数量になっておりますけれども、現状どのように把握をされているのか、農政水産部長に尋ねます。 ◎高橋 農政水産部長  オオクチバスやブルーギルといった外来魚は、漁業者の方々を中心とする駆除により、その生息量は平成19年の2,138トンから直近の平成29年には722トンにまで減少してきました。  一方で、近年、外来魚の駆除量は、委員御指摘のように気象条件や水草の繁茂状況などにより変動する状況も見られているところでございます。  このような中、今年度は当初から駆除量がこれまでになく少なく、昨年の9月補正で年間駆除計画量を当初の250トンから85トンに下方修正したところでございます。  この2月27日現在での駆除量は79.6トンにとどまっておりまして、これはこれまで外来魚の8割を占めていましたブルーギルの捕獲量が少ないことや、捕獲魚は小型の1歳魚が大部分を占め、大型の2歳魚以上のものが極めて少ないことによるものと考えております。  この原因を解明するため、現在、昨年9月補正で御承認いただきましたブルーギル生息実態調査を実施をし、水産試験場、水産課、県漁連で検討会を立ち上げ、通常、捕獲が行われない場所も含めて、計画的に琵琶湖全域で調査をしておりますが、これまでのところ、特に南湖では全域でブルーギルの捕獲量が極めて少ないという結果が得られております。 調査はまだ途中でありますが、このような調査結果やこれまでの外来魚の駆除状況、推定生息量の推移から考えますと、現在、琵琶湖におけるブルーギルの生息状況は大きな変化が起こっているものと考えているところでございます。 ◆佐野高典 委員  駆除にもいろいろな方法があるわけでありますが、いわゆるふ化した当時のブラックバス、浮いてきますから、網ですくうとか、あるいはショッカーボートというような駆除方法も最近では開発されております。  ただ、そのショッカーボートの場合は、在来魚への影響ということを漁業者は大変心配されているわけでありますが、その辺は在来魚に対する影響というのはないものかどうか、農政水産部長にお尋ねいたします。 ◎高橋 農政水産部長  答弁を農政水産部澤田技監に委任します。 ◎澤田 農政水産部技監  電気ショッカーボートの使用につきましては水産試験場におきまして、これまで実際に現場で電気を使用する条件を再現いたしまして、ニゴロブナあるいはホンモロコの卵や稚魚、成魚のほか、電気の影響を受けやすい大型のコイ等の影響を調べた結果がございます。  それによりますと、電気を流さない無処理のものと比べまして魚の生残率や成長などに差がなく、電気ショッカーボートが在来魚に及ばす影響はほとんどないものと考えております。  水産試験場が、近くの彦根の曽根沼におきまして電気ショッカーボートを使いまして、主にオオクチバスを対象といたしました駆除の実験をいたしましたが、ここでは在来魚が顕著に増加することを確認してございます。  今後も在来魚への影響には十分に注意を払いながら、効果的な外来魚駆除対策を進めてまいりたいと思っております。 ◆佐野高典 委員  それでは次に、多様で豊かな湖づくり推進事業費、160ページでありますが、きのうもこの問題については質問がされております。主要魚種であるアユの漁獲等についても、来年度12トンというような放流量でありますが、十二分にこれからのアユがとれるように、一つ方法を考えていただきたいと思いますが、1点昨年の産卵期にポンプが故障したというような不祥事があったわけです。  台風の影響とはいえ、一番大事なときにそういった冷水を上げるポンプが故障するというようなことがないように、十分気をつけて対応をしていただきたいというふうに思っております。  この主要魚種等については答弁は求めませんが、シジミについてお尋ねをいたします。  いわゆる固有種のセタシジミ、1990年代には200トンを超えていたというような漁獲が4分の1に減少。加えて、昨年の台風の影響で湖底が全く洗われてしまったということで、シジミ漁業者にとってはもう死活問題と、こういうようなことでございます。  補正予算で増殖拠点整備等の予算は可決しました。可決しましたが、これは即効性のある事業ではないわけであります。昨日の答弁で、今こういう施設を利用しながら、来年は1万2,000粒から2万4,000粒の稚貝を放流していきましょうというようなことでありますが、今、漁業調整規則指示で言われています18ミリ以上のシジミしか漁業者がとれないわけであります。それにはやっぱり4年程度の時間がかかるということでありますから、即効性のある施策を望むところでありますが、農政水産部長に見解を問います。 ◎高橋 農政水産部長  セタシジミの資源回復対策として、来年度は新たにセタシジミ親貝保護実証事業を実施したいと考えております。  この事業は、セタシジミが減少しました漁場の一部を当面の間禁漁区に設定いたしまして、滋賀県漁業協同組合連合会に委託し、他の漁場から集めた親貝を禁漁区に移植することによって、資源が回復することを実証しようとするものでございます。  また、学識経験者や漁業者も含めたセタシジミ資源対策検討会を立ち上げまして、事業で得られた知見や漁獲状況など最新の情報を交えて検討することによりまして、今後の早期のセタシジミ資源の回復に役立てることとしております。  これにあわせまして、琵琶湖北湖では、セタシジミの資源回復対策としましては、近年、主要漁場である沖島周辺の漁場におきましてセタシジミの稚貝を捕食するヒメタニシがふえていますことから、水産多面的機能発揮対策事業におきまして、セタシジミ漁を行っている漁業者の方々が、貝曳き網の漁具を用いてヒメタニシの駆除を行っていただいているところであり、県と国からの交付金による事業費300万円で来年度も引き続き実施したいと考えております。  さらに、先ほど委員おっしゃいましたとおり、国の地方創生拠点整備交付金の予算を活用しまして、水産試験場のセタシジミ稚貝生産施設を拡充する計画でありまして、2020年から稚貝の生産数を現状の1,200万個から2,400万個に倍増し、南湖だけでなく、これまで放流していなかった北湖の漁場にも放流する計画でございます。  移植した親貝が産んだ稚貝や、あるいは放流した稚貝が漁獲サイズに成長するには4年以上かかるところでございますが、今後も、計画的にこれらの事業を進めまして、セタシジミ資源の回復に努めてまいりたいと考えております。 ◆佐野高典 委員  漁業者も管理型漁業ということで、細かいシジミをとらないということでありますけれども、昨日も答弁で、今、滋賀県内の漁業者が687人、そのうちの高齢者がもう6割以上であろうというふうに思っておりますので、余りその長い年月をかける、時間をかけるということには待てないわけでございますので、早急にそういう対応を図っていただきたいと思います。  次に、161ページの「琵琶湖漁業再生ステップアップ」プロジェクト事業について、お尋ねをいたします。赤野井湾を重要拠点として水草除去でありますとか、あるいは外来魚の駆除、種苗放流等々進めていただきました。資源回復のために約5,000万円規模の予算が計上されています。  おかげできょうまでの御苦労が実を結びつつあって、南湖の山田漁協でもようやくホンモロコやニゴロブナがとれ出したというようなうれしい声を聞いているところでございますが、今後はやはり種苗放流でありますとか、あるいは水草の除去など、環境改善によって魚やアユや貝が戻ってくるというような、このステップアップ事業というものをまさに文字どおりアップするようにやっていただきたいわけでありますが、農政水産部長にこの事業の趣旨についてお尋ねします。 ◎高橋 農政水産部長  答弁を農政水産部澤田技監に委任をいたします。 ◎澤田 農政水産部技監  本事業は、南湖では水草除去や外来種駆除、種苗放流によりまして水産資源の回復、あるいは漁場の再生を図り、北湖では産卵繁殖場の機能改善による水産資源の増大を図ることを目的としてございます。  事業の具体的な内容としましては、主には、国の水産多面的機能発揮対策事業交付金を活用いたしまして、漁業者の方々を中心とする活動組織が琵琶湖や内湖、河川において実施される水草の根こそぎ除去、湖底や河床の耕うん、ヨシ帯などのごみの除去や電気ショッカーボートなどでの外来魚の集中駆除などを支援するもので、県から3割、国から7割の交付金によりまして、来年度は1億4,151万円の事業費で県内29の活動組織に取り組んでいただく計画としてございます。  これらの取り組みに合わせて、本プロジェクトの最重要拠点として位置づけております赤野井湾では、周辺の水田で育成したニゴロブナやホンモロコの稚魚を放流し、その効果を検証しているところでございます。  これまでのところ、赤野井湾内に放流されたホンモロコ稚魚は琵琶湖の北湖へ回遊し、その生残率は年々高くなって漁獲に貢献していることや、春には北湖から赤野井湾に戻って来て湖岸で産卵し、その子供が成長して南湖のエリで捕獲されるなど、取り組みの効果があらわれてきていると考えているところでございます。今後も琵琶湖漁業の再生が着実にステップアップしていくよう、しっかりと取り組んでまいります ◆佐野高典 委員  さすがに技監でありますから、おっしゃることに信憑性もあるし、重みもあるように思いますが、確かにおっしゃるとおりなんですね。今、山田の漁業組合長等々に聞いておりますと、取り出したフナやモロコは耳石のついていない、天然で産卵した魚が帰ってきている。  いわゆるフナやモロコは回遊性ということであります。今、御答弁の中で、国が7割、県が3割を負担しながら事業を進めていると、こういうようなことでありますし、これも1つの国の法律制定によってこういう事業が認められてきたのかなというように思っているところでございます。  まさに魚というのはそういった回遊性のある魚類でありますから、やはり南湖の復活が琵琶湖の漁業の復活につながってこようというふうに思っております。  まさに知事が申されましたように、魚のゆりかごとしてこれからも南湖の環境改善等々に取り組んでいただきますよう熱望をいたしまして、質疑を終わります。 ○野田藤雄 委員長  以上で、佐野高典委員の質疑を終了します。  しばらくそのままでお待ちください。  最後に、角田航也委員、待機席へお願いします。  それでは、角田航也委員の発言を許します。 ◆角田航也 委員  部局別予算の概要、138ページの「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」観光PR推進事業について質疑します。  午前中の質疑と重複するところがございますが、御容赦願います。  東海道、中山道、北陸道が合流する陸上交通の要衝であり、豊かな米の生産力と都に近かったことから、近江を制する者は天下を制すと言われ、近江の国、現在の本県は古代よりたびたび戦乱の舞台となってきました。  とりわけ戦国時代は織田信長、豊臣秀吉、明智光秀、浅井長政、石田三成、蒲生氏郷、藤堂高虎、大谷吉継、井伊直政など、名だたる戦国武将が近江から天下を目指し、命をかけて躍動していたのが本県であり、そうした戦国武将の夢のあとが本県には数多く残され、歴史愛好家にとってはまさにワンダーランド、憧れの地であると聞いたことがあります。  ただ、まだまだ一般の方には滋賀県が戦国ロマンの宝庫であることは知られておらず、隠れた名所旧跡、訪れてみたいと思える魅力的な場所がたくさんあり、発掘し、磨きをかけて発信すれば観光誘客につなげていける可能性を十分秘めていると考えます。
     こうした中、来年度当初予算案の観光振興推進費の4つ目に、「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」観光PR推進事業と銘打って、2020年のNHKの大河ドラマ「麒麟がくる」の放映に合わせて、戦国をテーマとした観光キャンペーンを展開し、本県の戦国を中心とした魅力を発信、PRし、観光誘客につなげるとありますが、どのようなキャンペーンをされようとしているのか、商工観光労働部長に伺います。 ◎江島 商工観光労働部長  大河ドラマの主人公の明智光秀のみならず、委員からも御紹介いただきましたように、同時代に活躍した織田信長や豊臣秀吉が居城を構え、また石田三成、京極高次、藤堂高虎、蒲生氏郷など名だたる戦国武将ゆかりの地でもあるなど、戦国に関連するさまざまなコンテンツを有するのは、本県の強みであると考えております。  これらの強みを生かすべく、キャンペーンでは、各地ゆかりの武将や戦国の舞台となった史跡等をめぐるツアーや当時の食事の再現メニューの提供、武将なりきり体験などといった地域観光プログラムの造成、また、それらを結ぶ周遊企画の展開など、大河ドラマをきっかけに本県の魅力を体験いただける内容にしてまいりたいと存じます。 ◆角田航也 委員  次に、多様な主体が一丸となって取り組むとありますが、いかなる主体とどのように取り組まれるのか、商工観光労働部長に伺います。 ◎江島 商工観光労働部長  観光は関連する分野が多く、裾野の広い産業であるだけに、本キャンペーンでは行政や観光事業者だけではなく、多様な主体が相互に連携し、本県の魅力発信、観光誘客の促進および県産品の振興などにつなげることが重要であると考えております。  こうしたことから、県、市町のほか、びわこビジターズビューロー、観光協会、交通事業者、旅行事業者など100を超える組織、団体に参画を呼びかけ、新たな協議会を3月下旬に立ち上げる準備を進めているところであります。  この協議会の中で、市町や観光協会着地型ツアーの造成、受入環境整備などを、県やびわこビジターズビューローは全国へのプロモーションや周遊企画による県内各地への誘客促進を、民間事業者はドラマにちなんだ特別プランやメニュー展開など、多様な主体がそれぞれの役割を効果的に果たせるよう、情報共有を密にして連携して取り組んでまいりたいと考えています。 ◆角田航也 委員  それでは次に、数あるお城の中でも歴史の授業で必ずふれられ、日本人なら誰でも聞いたことがあるほど有名な織田信長の居城、安土城でありますが、残念ながら本能寺の変の後、消失し、その実像はいまだはっきりせず、その解明が待ち望まれるところですが、県ではその復元について取り組みを始めようとされています。  今回のキャンペーンにおいても、当然明智光秀にかかわる安土城ですので、観光PRの一つの目玉となると思いますが、本事業と「幻の安土城」復元プロジェクトとのかかわりについて、商工観光労働部長に伺います。 ◎江島 商工観光労働部長  今回の大河ドラマ「戯麟がくる」は、明智光秀とその時代に活躍した武将たちとの群像劇を描くものと伺っておりまして、織田信長やその居城である安土城への関心は高まっていくと認識いたしております。  「幻の安土城」復元プロジェクトで取り組まれる安土城をテーマとした連続講座や特別史跡安土城跡調査整備事業の成果をまとめた映像を活用することにより、全国からの知名度向上を図るほか、地元近江八幡市が実施されます安土城跡を訪れるツアーなどを組み合わせて、織田信長や安土城を観光キャンペーンの主要なコンテンツとして発信してまいります。  このように「幻の安土城」復元プロジェクトでの取り組みや得られた成果などを観光面にも生かしつつ、戦国をテーマとした観光キャンペーンにしっかり取り組み、相乗効果を図ってまいりたいと考えております。 ◆角田航也 委員  次に、本事業の説明の中で、将来的なディスティネーションキャンペーン、以下DCと略します、の誘致につなげるとありますが、2000年1月から3月にいちにのさんしがをテーマに、一度DCが本県で実施されましたが、それ以来20年、本県で実施されておりません。  例えば2023年3月の北陸新幹線敦賀延伸も一つの大きなチャンスであり、過去にも新幹線開業に合わせて複数のエリアで連携してDCを実施した例もありますことから、本県だけの誘致が難しいようであれば、京都市や福井県と連携して誘致をすることも視野に入れるべきではと考えます。  また、JRのDCを誘致するに当たっては、本県内の観光地を今以上に魅力的なものに磨き上げ、相互につなぎ、周遊しやすい環境整備も必要になってきます。  そのためにも、JR北陸線米原敦賀間のアクセスの向上や、JRのICカードのいわゆるエリアまたぎ利用の実現の促進や、県内唯一の新幹線駅米原駅の市外の玄関口としての徹底活用、さらには米原駅東口県有地の利活用の問題もその進展がますます重要になると考えます。  こうした観光交流局内にとどまらない課題もありますが、将来的なDCの誘致実現も見据えて、来年度、「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」観光PR推進事業にかける知事の意気込みについて伺います。 ◎三日月 知事  辻井商工観光労働部理事に答弁を委任しようと思ったのですが、知事の意気込みということですので、私がお答えさせていただきます。  大河ドラマ「麟麟がくる」の放映決定は大変喜ばしいことでございます。話題性があり発信力があるドラマの放映により、本県が全国に注目され、多くの方が来訪いただけるこの機会、絶対に逃すことができないと考えております。  ドラマ放映により、滋賀の戦国にスポットが当たるこの期間中に、各地に残る、先ほど来答弁がありました、武将たちの物語をしっかりと感じとっていただき、何度も巡っていただけるようなキャンペーンを展開したいと思います。  さらに歴史を牽引役といたしまして、食、遊、癒など多彩な滋賀の魅力を体験いただけるよう、市町、観光協会、観光事業者を初め、交通事業者、農林水産事業者など多様な主体と連携して取り組みを進めてまいりたいと思います。  これによりまして、一過性のものではなく、できれば表面的なものでなく、できるだけ深い、味わい深いものにすることによって、将来にわたって効果が持続し、ひいては地域活性化につながるよう取り組んでまいりたいと思います。そのことで、次なるキャンペーン等にも結びつけていけるように頑張ってまいりたいと思います。 ◆角田航也 委員  ぜひとも大河ドラマを上手に利用していただき、歴史ロマンを満喫できるのは滋賀というブランドを築いていっていただきたいと思います。 ○野田藤雄 委員長  以上で角田航也委員の質疑を終了します。  以上で発言通告のありました質疑は終了しました。  この際、関連質疑はありませんか。  関連質疑なしと認めます。  以上で全体質疑を終了します。 2 分科会の設置について ○野田藤雄 委員長  次に、予算特別委員会設置要項に基づき、5つの分科会を設置します。来る7日および8日はお手元に配付の調査日程のとおり、分科会を開催願います。  なお、各分科会における調査項目はお手元に配付の一覧表のとおりでありますので、その所管事項に関する部分について、それぞれ調査願います。  また、調査結果につきましては、来る14日午前10時から委員会を開催し、各分科会長から報告を求めます。  以上をもちまして、本日の予算特別委員会を閉会します。 閉会宣告  14時08分...