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平成31年 2月定例会議(第23号〜第31号)−02月27日-05号

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  1. 滋賀県議会 2019-02-27
    平成31年 2月定例会議(第23号〜第31号)−02月27日-05号


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    平成31年 2月定例会議(第23号〜第31号)−02月27日-05号平成31年 2月定例会議(第23号〜第31号)                 平成31年2月定例会議会議録(第27号)                                        平成31年2月27日(水曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第5号                                         平成31年2月27日(水)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第1号から議第95号まで(平成31年度滋賀県一般会計予算ほか94件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件  追加 会議録署名議員の補充指名            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(43名)    1番   桑  野     仁       2番   周  防  清  二    3番   村  島  茂  男       4番   加  藤  誠  一    5番   竹  村     健       6番   海  東  英  和    7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也
       9番   塚  本  茂  樹       11番   藤  井  三 恵 子    12番   杉  本  敏  隆       13番   節  木  三 千 代    14番   駒  井  千  代       15番   山  本     正    16番   大  橋  通  伸       17番   冨  波  義  明    18番   井  阪  尚  司       19番   木  沢  成  人    20番   中  村  才 次 郎       21番   佐  藤  健  司    22番   目  片  信  悟       23番   有  村  國  俊    24番   大  野  和 三 郎       25番   岩  佐  弘  明    26番   山  本  進  一       27番   富  田  博  明    28番   細  江  正  人       29番   高  木  健  三    30番   生  田  邦  夫       31番   川  島  隆  二    32番   奥  村  芳  正       33番   野  田  藤  雄    34番   西  村  久  子       35番   佐  野  高  典    36番   家  森  茂  樹       37番   吉  田  清  一    38番   粉  川  清  美       39番   成  田  政  隆    40番   九  里     学       41番   清  水  鉄  次    43番   柴  田  智 恵 美       44番   今  江  政  彦    45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長代理    大  井     豊               人事委員会委員長        西  原  節  子               公安委員会委員長代理      大  塚  良  彦               代表監査委員代理        平  岡  彰  信               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             由  布  和 嘉 子               総合政策部長          福  永  忠  克               総務部長            藤  本  武  司               県民生活部長          浅  見  孝  円               琵琶湖環境部長         廣  脇  正  機               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        江  島  宏  治               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          川  浦  雅  彦               会計管理者           青  木  幸  一               企業庁長            桂  田  俊  夫               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            廣  瀬  年  昭               議事課長            山  本  昌  男               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(川島隆二) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(川島隆二) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  選挙管理委員会世古正委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として大井豊委員が、また、公安委員会堀井とよみ委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として大塚良彦委員が、また、北川正雄代表監査委員が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として平岡彰信監査委員が、それぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(川島隆二) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第1号から議第95号まで(平成31年度滋賀県一般会計予算ほか94件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(川島隆二) 日程第1、議第1号から議第95号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、18番井阪尚司議員の発言を許します。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。きょう1番の登壇をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  少子高齢化と人口減少が地域社会の大きな課題になっております。これに対して、地域創生に向けたさまざまな提案がされていますけれども、中山間地域での成功事例は余り聞きません。  私は、滋賀の地域創生には5つのポイントがあると思っております。1つ目、地域公共交通の確保、2、地域の文化資源の発掘と地域創生に結びつく利活用、3、ITやAIを駆使したイノベーションによる未来社会の創造、4、社会全体の組織や個人が内発的に行動し、連携して夢を実現する力、5、愛和に満ちたチャレンジ教育の創造などが重要なテーマになってこようかと思います。  今回の質問は、地域の文化資源の発掘と利活用、そして、イノベーションによる未来社会の創造にかかわってのeスポーツについて取り上げます。  知事は、就任当初、一緒にやりましょうと県民に呼びかけられました。私は、県民、市民協働の概念を具体化するものとして注目してまいりましたが、何が具体化されたかについては今まだ模索しているところであります。琵琶湖新時代もありました。SDGsも滋賀県は自治体としていち早く取り組まれて、さまざまな施策の中に位置づけられて進められています。次に、健康しがを打ち出されましたが、インパクトが強い健康をキーワードに4つの健康を呼びかけられ、予算の中にもその具体化が見受けられます。また、森の知事になるともおっしゃいました。滋賀県には豊かな森林があり、自然保護や産業としての森の役割、森林文化、水源としての機能など、森林の役割を再考し、保全と活用への意気込みを感じているところであります。失礼しました、山の知事でございました。循環エネルギーとして木質バイオマスの広がりも期待できますことから、私も一般質問で木質バイオマスエネルギーについて質問をさせていただきました。そして、本年正月に安土城復元プロジェクトを提唱されました。文化財を生かした地域づくりへのきっかけを呼びかけられただけではなくて、県民と夢を共有する未来志向への機運を盛り上げるものとして期待しているものです。  このように見ていきますと、一緒にやりましょうでは県民協働へのメッセージ、SDGsは誰ひとり取り残さない地域づくり、健康しがでは人、社会、自然の健全な姿の再構築、山の知事では森林の役割の再発見と資源の活用、安土城復元プロジェクトでは文化資本を生かした夢の共有化を提唱されてきたと思うところです。  提案されてきたことは、具体化するために施策に盛り込まれ、予算化されるものもありました。私は、これらの提案によって、滋賀がどのように変わり、滋賀ならではの持続社会がどのように構築されるのか、さらに、これらの提案で地域資源の再評価と見える化がどのように進んで、裾野がどのように広がっていくのかに注目をしております。特に、安土城復元プロジェクトについては、これをきっかけに、滋賀の文化財の再発見と地域に眠っている里山、里野、里湖の記憶や人物などの歴史資料に値する文化資本が、これからの滋賀の地域づくりに生かされることが重要だと思っています。そして、これが文化政策に生きてくるには、その考え方と具体化へのプロセスが見通せなければなりません。このことに関して、私は2つの論点に注目しています。  1つは、2017年12月に内閣官房、文化庁が出しました文化経済戦略、この中で、文化は経済成長を加速化する原動力にもなる重要な資産として位置づけているということです。この中で、「人口減少社会が到来し、特に地方においては、過疎化や少子高齢化の影響等により、地域コミュニティーの衰退と文化の担い手不足が指摘されている。昨今の経済情勢などからも、地域の文化を支える基盤の脆弱化に対する危機感が広がっていることから、文化への投資を充実させていくためにも、文化が生み出す価値や社会への波及効果を、こうした諸課題の改善や解決につなげていくことが重要である」と述べています。  もう1つ注目すべき方の話があります。経済学者のジョン・ラスキンという方であります。少しわかりにくいかもしれませんが、このラスキンが「固有価値の再発見と文化資本の経営論」で文化資本について述べています。自然の固有性、地域社会の固有性、人として力量、これを整理して文化資本を位置づけているところであります。このラスキンによりますと、固有価値は、対象そのものが持つ価値に加えて、人間が地域性を持った価値として位置づけていくことが大事だと、評価する内在的な性格を有しているものとの見解を持っています。これに対して、文化経済学者の池上惇氏は、ラスキンがいう文化資本論は、固有価値を人間発達の文脈で再構築して、現在のインフラストラクチャー、つまり人間のコミュニケーションを担う社会の共同資産の総体だと、そういう捉え方をされまして、「これは重要なポイントだ。過去のコミュニケーションのストックを継承しながら、人間と自然、そして地域社会のコミュニケーションを担う社会的装置、社会システムの重要な一契機である」と述べられています。  このように、今、地域固有の文化をどのように地域づくりに生かすかについて、政策を実現するには、対象となるヒト・モノ・コトの価値をどのように見出して、それを政策に組み立てるか、これには人の感性と魂が入っているかどうかが問われているような気がします。  以下、3つの文化資本の利活用について、全て知事に伺います。  まず、記憶文化への見える化に取り組んでいます、ふるさと絵屏風、以前にも紹介させていただきました。年々、絵屏風づくりに取り組まれている地域がふえています。先日、あいこうか市民ホールで絵屏風フォーラムを実施しましたが、甲賀市や草津、安土、大津など、県内各地から15の絵屏風が集まっていただいて、絵屏風親類さながらの盛況でありました。このふるさと絵屏風づくりは、古老の脳裏に刻まれている昔の記憶を可視化するプロセスを重視して、形として絵屏風に表現するものです。これは地域固有の記憶文化として歴史資料に値するものであると考えております。また、回想法に生かせることから脳の活性化が期待でき、ヘルスプロモーション、つまり人として健康、長生きができる、それに非常に貢献できるとして、健康しがを具体化するものとして注目しています。さらに、昔と今の暮らしや自然、生き物、エネルギーの変遷、子供の遊びなどの違いなどが見てとれまして、環境学習やエコツーリズムへの応用も可能です。  そこで、1、滋賀県の文化政策に位置づけられないか、2、回想法の効果やヘルスプロモーションとして福祉政策に位置づけられないか、その可能性について伺います。3、絵屏風は、ここに描かれた自然と共生する滋賀の暮らしを体験するツーリズムのきっかけにもなると考えています。見解を伺います。  2つ目に、朝ドラ「スカーレット」の撮影が始まります。ドラマは、焼き物の里信楽の女性陶芸家を主人公となる作品ですが、陶芸文化を広げることやアール・ブリュットへの深まり、誘客などによる観光による地域活性化などが期待されており、人の文化資本を生かした地域づくりに弾みがつくと注目されます。半年間のドラマとはいえ、この効果を滋賀県内にどのように波及させるのかが課題になってきます。  そこで、1、多くの観光客が信楽を訪問されるものと期待します。この機に信楽を訪れた方に県内各地をめぐっていただく取り組みも市町と連携して進めることが重要だと考えます。また、信楽高原鐵道、JR草津線、近江鉄道の利用者増にもつながると思いますが、どのように取り組んでいくのか、考えを伺います。  2、日野にある旧鎌掛小学校がしゃくなげ學校として保存活用されており、滋賀ロケーションオフィスの紹介によりロケ地にもなっています。先日もしゃくなげ學校を訪問しましたが、平日でも全国からの訪問客があり、コスプレ撮影等が行われていました。今回、信楽が朝ドラのロケ地になることにより、全国から数多くの方が訪れると予想されるところです。このたびの朝ドラ「スカーレット」は、全国だけではなく、海外の視聴者が見ることにもなり、信楽への注目度ははかり知れません。特に、信楽を陶芸の聖地として訪問する若者もあると思いますが、観光拠点の一つとして、陶芸の森での取り組みをどのように充実していくのか、考えを伺います。  さらに、県内の陶芸文化の醸成のためには、陶芸の森の窯業試験場や美術館との連携、県内各地の陶芸家ネットワークがより重要になってくると考えます。今後、国内外の研修生や体験活動の充実をどのように図り、県内の陶芸文化をどのように振興していくのか、考えを伺います。  3つ目です。安土城復元プロジェクト事業は、期限のない夢を形にする作業であり、できることから取り組むことで県民との思いが共有できるものと思います。しかし、いずれかは復元してほしいと願っています。  参考に、韓国扶余には400年以上続いた百済王朝がありました。厳密には、ソウル近辺で400年、それから扶余に移って400年ということになっていますが、この扶余での400年、日本とのつながりが深く、特に滋賀とのつながりには注目するものがあります。百済の滅亡後、日本に亡命してきた皇族や政府高官たちによって、その能力が大和政権に生かされたとも言われています。韓国政府と忠清南道の行政は、ほとんど建物が残っていなかったところに大型予算を投入して、都の主な多くの建物を復元しています。百済文化団地とも呼ばれ、その効果もあって観光客が多く訪れ、大きなホテルも進出してにぎわっているとのことであります。  安土城復元プロジェクトは、夢も大きく、長期間にわたるビッグプロジェクトになりますが、復元に向けて、知事の思いと、どのようなアイデアで実現しようとされるのか、お考えをお伺いいたします。 ○議長(川島隆二) 18番井阪尚司議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)文化資本を生かした地域活性化につきまして、7点御質問いただきました。  1点目、ふるさと絵屏風の文化政策への位置づけの可能性についてでございます。  本県では、平成28年3月に策定いたしました第2次滋賀県文化振興基本方針の3つの柱の一つに、県民の主体的な文化活動の促進を掲げ、地域社会への参加促進、コミュニティーの形成にも大きな役割を果たす文化活動を推進してきているところでございます。地域において継承されてきた文化的資産を可視化し、人々の間で共有、継承し、未来の地域づくりにも生かしていくふるさと絵屏風の取り組みは、まさにこの方針の柱に沿った大変意義深い取り組みだと考えております。このようなすばらしい取り組みを、県としてもホームページや文化情報紙に掲載し、情報発信することで、より多くの方々に知っていただき、さまざまな場で県民の皆様の主体的な取り組みが展開されるよう応援してまいりたいと存じます。  2点目、福祉政策への位置づけの可能性についてでございますが、高島市や東近江市、甲賀市において、ふるさと絵屏風づくりや、絵屏風を活用してふるさとの思い出を語り継ぐ取り組みが行われており、高齢者が集まることにより孤立防止につながったり、子供を初め地域の人々が高齢者に学ぶ世代間交流、世代交流の場づくりにつながるなど、地域づくりに資する活動として実践されているものと考えております。  また、ふるさと絵屏風は、高齢者の脳裏に刻まれている昔の記憶をひもとくことで作成されるものでございますが、このような昔のことを回想しながら人生を振り返り再確認する、いわゆる回想法は脳の活性化にもつながる効果があると言われております。  各市町においては、地域の実情に応じ、さまざまな方法で世代間交流等の地域づくりや介護・認知症予防、健康づくり等の取り組みが進められており、県としても、今後、ふるさと絵屏風づくりがこうした取り組みの参考としていただけるよう、市町と情報共有を図りながら、県民の皆さんの健康づくりに向けた環境整備に努めてまいりたいと存じます。  3点目、こうしたふるさと絵屏風が観光のきっかけになるのかということについてでございますが、次期観光振興指針であります「健康しが」ツーリズムビジョン2022では、宿泊滞在型観光を推進するための9つの戦略の一つに「くらし・文化に触れるプログラムやスポーツ・アクティビティで魅せる」を位置づけており、美しく懐かしい風土のもと、滋賀ならではの生活文化を観光素材として、地域での生活体験に関心の高い旅行者に向けて発信し、宿泊や長期滞在につなげていくこととしております。  昔の生活や風景を再現した絵屏風は、そこで描かれている暮らしやなりわい、祭りといった体験と組み合わせることなどで、滋賀ならではのツーリズムを展開できる可能性を秘めた観光素材であると考えております。そのためにも、まずはそれぞれの市町や関係団体、住民の皆様が連携していただき、それらを観光資源として磨き上げ、受け入れ体制を整えていただくことが重要と考えており、そうした積極的な取り組みを県としても広域的な情報発信などにより支援してまいりたいと存じます。  4点目、鉄道の利用につながる観光の取り組みについてでございますが、連続テレビ小説スカーレット」は、女性陶芸家が信楽を舞台に繰り広げる物語を描いたものであり、全国から信楽が注目されることから、ドラマの発信力を活用し、多くの方に信楽はもちろん県内各地に訪問していただけるよう取り組むことが重要だと考えております。そのため、各市町等とも連携して、ドラマのロケ地や焼き物の里めぐり、ドラマのタイトルである「スカーレット」にちなんだ緋色にまつわる県内の魅力的な観光資源の発信などに取り組んでまいります。  また、同時期に放映されますNHK大河ドラマ「麒麟がくる」におきましても、戦国をテーマとした観光キャンペーンを展開することとしており、この好機を最大限に生かすことができるよう、さまざまな魅力を結びつけ、誘客効果を県内に広く波及させてまいりたいと存じます。  併せて、交通事業者等とも連携し、わかりやすい鉄道アクセスの案内や、鉄道でめぐりやすいモデルルートの紹介、沿線のイベント情報の発信等を行うことによって、JR草津線、信楽高原鐵道、近江鉄道等の利用者の増加にもつなげてまいりたいと存じます。  5点目、観光拠点の一つとしての陶芸の森での取り組みをどのように充実させるのかということについてでございますが、今も申し上げた連続テレビ小説スカーレット」の放映は、陶器産業の振興と陶芸文化の向上を目的とする陶芸の森にとっても千載一遇のチャンスであり、国内外からの多様な観光客を陶芸の町信楽へいざなう取り組みを充実させていきたいと考えております。具体的には、これまでから開催しております展覧会や陶器市などのさまざまな企画催事に加え、ドラマの主人公のように信楽で活躍する女性陶芸家の作品展や写真展、講演会を開催する予定であります。また、ドラマの舞台となります伝統的な信楽焼の工房を見学できる親子やきもの体験講座の開催や、薪窯を体験する一般向けの陶芸制作講座の拡充などにより、観光拠点としての魅力を高め、これまで以上に幅広い信楽焼ファンの獲得に努めていきたいと考えています。  さらに、「スカーレット」放映の翌年度には、陶芸の森が開設30周年を迎えること、また、甲賀市において日本六古窯サミットの開催が予定されておりますことから、ドラマの効果を一過性のものに終わらせることなく、今後の誘客にもつなげられるよう取り組んでまいります。  6点目、国内外の研修生や体験活動の充実をどのように図り、県内の陶芸文化をどのように振興していくのかということについてございますが、陶芸の森が毎年国内外から研修作家を受け入れ、創作の場を提供しているアーティスト・イン・レジデンス事業におきましては、地元陶芸家との交流を活発化させる取り組みを行っているところでございますが、ドラマ放映をきっかけに訪れた観光客にも創作スタジオを公開いたしまして、滞在アーティストによるレクチャーやワークショップを開催するなど、来園者とアーティストとの交流を図る機会を充実させていきたいと考えています。  また、子供たちが土という素材を用いて物をつくる喜びや感動を体感できるつちっこプログラムにおきましては、地元陶芸家やボランティア等との協働により、本物の陶芸文化に触れる機会を提供しているところでございますが、ドラマに関連した作陶技法を取り入れるなど、参加者に魅力的な体験プログラムにしていきたいと存じます。  こうした取り組みなどを、信楽窯業技術試験場、美術館などとも密接に連携して行い、信楽焼のみならず膳所焼、湖東焼、近江下田焼など、ほかの焼き物も含めた県内の陶芸文化のより一層の振興を図るとともに、地域活性化につなげてまいりたいと存じます。  最後、7点目、幻の安土城復元に向けての思い、どのようなアイデアで実現しようとするのかということについてでございますが、いまだ多くの謎に包まれている安土城の真の姿を知りたい、見てみたいという思いを多くの人々と共有し、実現したいと考え、「幻の安土城」復元プロジェクトに取り組むことといたしました。安土城の復元にはさまざまな形が考えられますが、このプロジェクトを通して、地元近江八幡の皆様を初め、安土城復元に向けて御提言をいただいている経済団体の方々や、安土城復元に向けて夢を抱いていらっしゃる皆様等と一緒に議論を重ね、また知恵を出し合い、どのような形で復元を行うことができるのかを皆様と一緒に考え、何らかの形で安土城を復元すべく努力をしてまいりたいと存じます。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)ありがとうございます。  1つ目の絵屏風につきましては、ちょっと焦っています。というのは、お聞きする対象の方々が80ぐらいの方々なんですね。ちょうど3世代で同居されていた世代の方々で、今、核家族化が進んでいて、つまり昔のことが伝わっていないんです、家庭で。ですから、それを何とか記録にとどめて、自分の生まれたふるさとはこういうところなんだと、そこをやっぱり大事にするには、今のうちにお聞きするしかないと思っております。
     それから、「スカーレット」なんですが、あるいは大河ドラマもそうですけども、これだけ大きなものが内外に発信されますと、滋賀のいいものも同時にのっけることができる。やっぱり知事おっしゃったように、これはいいチャンスですので、ぜひ広がりのある施策をお願いしたいと思います。  安土城につきましては、やっぱり夢があります。人間、夢を持つことが大事だな、それが共有できることが一つの大きな力になってくるなというふうに思っているところです。これを機会に、もちろん誘客もそうなんですけども、県内に広がっている城郭等々への見直し、あるいはそれを生かす施策をお願いしたいと思います。  次の質問に移らせていただきます。eスポーツについてでございます。eスポーツの大会を国体に関係づけて開催することについて、全て知事にお伺いいたします。  今、オリンピック種目に将来eスポーツを取り入れることが検討され、話題になっているところであります。eスポーツとはエレクトロニック・スポーツの略で、電子機器を用いて行うスポーツですが、日本ではテレビゲームと混同され、普及がおくれていると言われています。世界では、2007年にアジア室内競技大会でeスポーツが正式種目になっており、2011年に第1回eスポーツジャパンカップが開催されています。ようやく日本でも注目されるようになってきましたが、既に滋賀県内にはこのeスポーツのソフト開発に携わっている若者がいます。日本のソフト会社に籍を置きながら、海外へソフト開発指導に行っています。また、学校の中にはeスポーツを学べるコースを設けているところもあると仄聞します。  eスポーツは、昨年、インドネシアのジャカルタで開催されたアジア競技大会では、デモンストレーション競技に位置づけられ、6つの種目が実施されました。このうち、サッカーのウイニングイレブンでは、日本代表が金メダルを獲得する活躍を見せてくれたところであります。そして、2022年に中国杭州で開催されるアジア競技大会では正式競技になるとされたところです。残念ながらパリオリンピック競技大会での採用は見送られる見通しと聞いていますが、若い世代からの支持を背景に、eスポーツをめぐってさまざまな議論がなされています。  こうした流れを受けて、昨年2月に日本eスポーツ連合が発足し、eスポーツの普及に向けた取り組みが進められています。1月末に千葉幕張メッセで2日間開催されましたイベントでは、会場来場者数8万4,214人、ネットでの来場者数459万4,715人と発表されるなど、eスポーツが非常に注目を集めているところです。  こうしたことを踏まえた上で、2024年に滋賀で開催する国民スポーツ大会において、eスポーツの大会を関係づけることで、国民スポーツ大会の認知度向上や大会の機運をより一層盛り上げていくことにつながるのではないかと考えますが、このことに関連して、次の2点について知事の考えを伺います。  1つ目、ことし、国体を開催される茨城県では、国体開催期間中にeスポーツ大会を開催すると伺っていますが、これまでに開催された国民体育大会、国民スポーツ大会におけるeスポーツ大会の開催状況と、今後開催される各県での検討状況はどうかをお伺いいたします。  2つ目に、2024年に本県で開催する国民スポーツ大会に関係づけて、eスポーツをどのように位置づけて活用しようとされるのか、その考えをお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 国民体育大会、国民スポーツ大会におけるeスポーツ大会の開催について、2点御質問をいただきました。  まず、1点目のこれまでの開催状況、今後開催される各県での検討状況でございますが、国民体育大会では、開催基準要項に基づきまして、スポーツ文化や開催県の郷土文化等をテーマとした文化プログラムを実施することとされており、一昨年開催の愛媛国体および昨年開催の福井国体におきましては、野球のeスポーツ大会を文化プログラムに位置づけて開催されたところでございます。ことし開催の茨城国体においても、サッカーやモータースポーツ、パズルゲームのeスポーツ大会を文化プログラムに位置づけて開催されると伺っております。なお、来年以降の開催県については、現時点では未定と伺っております。  2点目、本県の国民スポーツ大会におけるeスポーツの活用についてでございますが、議員も御指摘いただいたように、eスポーツは若い世代を中心に注目を集めており、これを実施することは、大会の認知度や機運を大いに高めることにつながると認識しています。また、そうしたことに加えまして、eスポーツは、年齢や性別、障害のあるなしにかかわらず参加できることや、スポーツへの関心を高めることにもつながることから、今後、内容や実施方法等について検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)ありがとうございました。本当に未知の分野でございますので、一体何に位置づけるのかというのは難しいかもしれません。しかし、プログラミング学習も必須になってきますので、そういった我々の知らない社会が広がっていく、ぜひ滋賀国体でもeスポーツ関連が位置づけられますことを願って質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、18番井阪尚司議員の質問を終了いたします。  次に、25番岩佐弘明議員の発言を許します。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇、拍手)本日2番目に登壇させていただきました。通告に従いまして早速質問に入らせていただきます。  南湖は、魚のゆりかごと言われるように、さまざまな水生植物の産卵や生育に適している水域です。従前は、ホンモロコの主要産卵場であるとともに、砂地にはセタシジミなどの二枚貝が豊富に生息していました。そして、最近では、ホンモロコやニゴロブナのゆりかご水田や稚魚の放流、さらには北湖への移動経路を確保するため、赤野井湾沖で85ヘクタール、湾内で10ヘクタールの水草根こそぎ刈り取りが実施され、琵琶湖大橋方面まで伸びております。南湖を豊かな漁場に再生させる精力的な取り組みが実施されているところです。  そして、赤野井湾でホンモロコの標識魚の放流により、北湖での生存率の上昇傾向を確認しています。また、赤野井湾内の比較的広範囲でまとまった産卵があり、付近のエリでは徐々にホンモロコの漁獲がふえつつあるとの報告がされています。  こうした中、南湖東岸沖、志那漁港沖でございますが、そこには広大な砂地に深いくぼ地が多数形成されると伺っています。このくぼ地は、琵琶湖総合開発にかかわる砂利採取によるものと思われますが、まず、こうしたくぼ地をどのように認知したのか、お伺いいたします。 ○議長(川島隆二) 25番岩佐弘明議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) (登壇)お答えいたします。  南湖の東岸域は、かつて砂地が広がりセタシジミの好漁場でありましたが、昭和40年ごろから平成21年度まで骨材供給のための湖中砂利採取が行われてきました。砂利採取による湖底地形の変化がセタシジミなどの生物に及ぼしている影響を評価するため、平成19年に水産試験場、琵琶湖博物館および琵琶湖環境科学研究センターが共同研究として、草津市の志那町から下物町にかけて、魚群探知機を用いた湖底形状の調査や水質、底質、底生生物の生息状況調査を実施をいたしました。この調査によりまして、南湖東岸の広い範囲にわたって多数のくぼ地が存在することを確認したところでございます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは、今の答弁で多数存在しておるということでございますが、その現状はどのようになっているのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  南湖東岸の通常の水深は2メートルから4メートルでありますが、調査によりまして、水深6メートルから7メートルのくぼ地が148カ所、水深7メートルから8メートルのくぼ地が68カ所、水深8メートルから9メートルのくぼ地が26カ所、水深9メートルから10メートルのくぼ地が14カ所、そして水深10メートル以上のくぼ地が10カ所、合計しますと266カ所のくぼ地を確認しておりまして、最も深いくぼ地では水深が12.5メートルに達していました。現在でも、魚群探知機で多くのくぼ地が確認されていますことから、くぼ地の状況に変化はないと思われます。  これらのくぼ地の総容量は、およそ230万立方メートルに達しておりまして、平成20年以降、県が9万8,300メートル、独立行政法人水資源機構が3万7,400立方メートルの合計13万5,700立方メートルを埋め戻ししておりますが、これはくぼ地全体の約6%にとどまっているという状況でございます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)今の266カ所のうちに、最大水深12.5メーターというところでございますけども、こうした湖底にくぼ地がありますが、どのような影響を及ぼしているのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  水産試験場が平成19年の6月から9月にかけて調査を行いましたところ、水深6メートル以上のくぼ地の底付近では、夏には貧酸素や無酸素状態となり、窒素やリンなどの濃度が高くなるとともに、硫化物イオンが検出されるなど水質の悪化が見られております。特に、水深10メートル以上のくぼ地の底では、調査期間中の長期間にわたって無酸素状態が継続していることを確認しました。このため、これらくぼ地の底では、湖底に生息する底生生物の生息には適さない環境条件となっていると考えております。  また、近年の琵琶湖環境科学研究センターの水質調査で確認している南湖における底層の溶存酸素量の急激な変化について、貧酸素水塊の頻繁な移動によるものと懸念しており、そのさまざまな起源、つまり発生源の一つとしてくぼ地を想定しておりますが、詳細についての知見は得られていない状況でございます。  さらに、くぼ地が多数点在することによりまして、水草の根こそぎ刈り取りができないため、湖底環境の改善が進まないことや、漁場として利用できないなどの弊害も大きいと考えております。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございました。  現在存在するくぼ地で、環境的に大変憂慮すべき状態であるというような報告があったわけでございますけれども、今は志那漁港沖の件をちょっとお聞きしましたけども、南湖では、また骨材採集によってこういったくぼ地が発生したということですけども、志那漁港沖以外でもこういったものがあるのではないかなと心配をしております。例えば、帰帆島、これは多分琵琶湖の土を、湖底から土砂をしゅんせつされて島をつくられたと思いますし、また、私の住んでおります木浜においても、ゴルフ場があるわけですけども、あそこも沖のところからしゅんせつして埋め立てされたのではないかなと思いますけども、この志那漁港沖以外にもこういったくぼ地があるのか調査されておるのか、お尋ねいたします。農政水産部長、よろしくお願いします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えします。  今申し上げました地点以外にくぼ地があるかどうかという御質問でございます。くぼ地があることは確認しておりますが、詳細な調査につきましては、先ほど申し上げましたように、平成19年度に水産試験場等が共同研究したところについて実施したのみでございまして、それ以外の部分につきましては、そういう調査については、詳しくは調査を実施しておらないという状況でございます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)先ほども申しましたように、深いくぼ地は答弁で無酸素状態であるというようなことですので、ほかにもこういったくぼ地があるのではないかなと私は心配しておりますので、また調査なりしていただければありがたいなと思います。これは要望とさせていただきます。  また、先ほど、平成23年から27年にかけて9万8,300立米の埋め戻し、県がされて、そして、水資源機構さんのほうでも埋め戻しをされたと聞いているんですけども、この県が埋め戻しをした土砂、砂利は、どこから搬入または入手されたものなのでしょうか、農政水産部長、お尋ねいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  埋め戻しは、土木交通部が、金勝川のほか、日野川の河川改修工事などで発生した土砂を活用して実施をし、その後、埋め戻した湖底に対しまして、当部が永源寺ダムに堆積した砂や河川のしゅんせつの砂を活用して覆砂を行ったところでございます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)河川の土砂を埋め戻しに使ったということでございますね。先ほども、このくぼ地総体積は230万立米というような報告があったわけでございますけども、それで、今まで県、水資源機構さんのほうで6%の埋め戻しやということで、これから埋め戻しをするならば、またされると思うんですけども、多くの土砂が必要と思います。これまで、河川で堆積した土砂をしゅんせつしてほしいといった要望がたくさんあったと思うんですが、そのときに、なかなかその土砂をどこへ持っていくんやろうなというようなことで土木の方は心配されていた部分もあるんですけれども、今のお話を聞いていますと、ちゃんと捨てる場所といいますか、それを活用できる場所というのはしっかりとあるということでございますので、これから地域から河川での掘削をと言われたときには、そういったところに積極的に利用していただきたいと思うんですけども、その辺の検討といいますか、土木との調整といいますか、どのように今後していただけるのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  土砂の質にもよりますが、河川での掘削土砂を埋め戻しに利用することは可能であるというふうに考えております。  なお、湖底環境の改善につきましては、広大な面積に多数存在するくぼ地を解消することが目的でございまして、土砂を投入する埋め戻しだけではなく、湖底をならして平坦化することなども含め、簡便かつ低コストで効果的に実施できる手法も幅広く検討していく必要があるというふうに考えております。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございます。先ほども申しましたけども、これで河川の掘削も少しはスピード感が高まるのではないかなと思いますので、土木交通部長、よろしくお願い申し上げます。  次に、烏丸半島のハスの枯渇についてお伺いいたします。  南湖東岸の誘客地でありました烏丸半島のハスが、数年前、28年からですが、姿を消して話題になっております。その後、その枯渇の原因を解明しようといろいろと調査がされてきましたが、どのような調査がされてきたのか、琵琶湖環境部長にお伺いいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) (登壇)お答えいたします。  平成28年度、ハスが枯渇した直後に、県と草津市の協働で実施した潜水調査を初め、草津市が平成30年度にかけて実施したハス群落再生の可能性に関する基礎調査およびハス群落再生の実証実験において、ハス枯渇の原因究明に向けた調査が行われております。この基礎調査といたしましては、ハスが枯渇した現場の泥質や水質等の生育環境について調査が行われております。また、実証調査としては、ハスが枯渇した現場や実験室において、ハスの地下茎の移植実験が行われております。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)いろいろと調査研究をされていることですけども、そういった結果、枯渇の要因はつかめたのでしょうか、琵琶湖環境部長、お尋ねいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  さきに述べました草津市による基礎調査によりますと、枯渇の要因は、湖底における地下茎の生育環境の変化にあり、ハスの枯死体の堆積、メタンガスの増加による湖底の貧酸素化、底泥中の粘土分の減少などにより地下茎の生育が困難になったものとの結果であったとお聞きしております。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)大変な湖底環境だなというようなことを察するわけでございますが、ハスの再生を研究されてきたとも聞いておりますけども、今後、この地でのハスの再生の可能性はあるのでしょうか、琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  先ほどの草津市の基礎調査によりますと、ハスの枯死体およびメタンガスが減少し、湖底における粘土分が多くなるなど、生育環境が復元されることでハスの再生は可能であるけれども、このためには長い年月を要するとされているところでございます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)ハスが枯渇して、私は逆にヨシがすごく気になるといいますか、目立つといいますか、そんな状況を感じておるんですけども、このヨシ帯の生育面積、私は拡大しているように感じているんですけども、ヨシの生育面積に変化はあったのでしょうか、琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  赤野井湾のヨシの生育につきましては、ハスが繁茂していた平成24年度から年に1回、定点調査を実施し、ヨシ群落の状況を植生概要図に記録をしております。ハスの枯渇前後の平成27年度と平成29年度の植生概要図を比較いたしましたところ、大きな変化は認められておりません。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)見通しがよくなったということで、ヨシの面積がふえたかなと錯覚をしたのかなと今思いますけれども、でも、先ほど、逆に減ってなくてよかったなと思っておるんですけども、あそこはヨシ群落保全地域でありますので、先ほどの湖底環境の中で、ヨシにもそういった枯渇の要因になってくるのではないなと、そのように思うわけですけども、今の烏丸半島の湖底環境で、ヨシの生育には、これまでは影響なかったんですけれども、この先どのような影響が出るとお考えなのか、琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  先ほどもお答え申し上げましたように、湖底における粘土分が多くなる、あるいはハスの枯死体によるメタンガスが減少する、このようなことがうまくいきましたらハスの再生は可能であると思っておりますけれども、この状況を見きわめていく必要があるというぐあいに考えてございます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)先ほども少し申し述べましたように、この地域はヨシ群落の保全条例で保全区域と指定されています。ハスも含めてなんですけども、ヨシのこれからの育成を考えたときに、やっぱり湖底の改善といいますか、烏丸半島内の湖底の改善も必要ではないかなと考えますけども、行う予定等、また検討をしていただけるのか、琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  ヨシ群落の再生につきましては、地域特性に配慮し、自然の回復力をできるだけ生かして事業を進めることが必要と考えております。このため、赤野井湾におけます今後の底質の状況の変化を見ながら、湖底改善を行うかどうかも含めて、関係市や地元住民団体等と連携して、この水域に適したヨシ群落の保全のあり方を検討してまいりたいと考えてございます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは、烏丸半島内の湖底については状況を見ていこうということでございますけども、その横といいますか、赤野井湾のことについてお聞きしたいんですけども、平成4年から10年にかけて、赤野井湾内でしゅんせつプラス覆砂、これが行われましたけども、どのような理由で行われたのか、農政水産部長にお尋ねいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  赤野井湾におけるしゅんせつおよび覆砂は、平成4年度から平成10年度にかけて実施をしておりまして、湖底を深さ30センチメートルまでしゅんせつし、その後に20センチメートルの厚さで覆砂をしております。年間おおむね2ヘクタールから3ヘクタールで、合計18ヘクタールの湖底において実施をいたしました。その理由は、富栄養化の進行を防ぐため、湖底の泥から湖水中に溶出してくる負荷を削減して、漁場機能の回復を推進し、水産業の振興を図るために実施したものでございます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)しゅんせつ、覆砂によって漁場環境の改善が行われたということでございますけども、どのような効果といいますか、変化があったのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  しゅんせつと覆砂が終了した平成10年度以降、水産試験場がモニタリングを実施しております。まず、事業の実施により湖底からの負荷が少なくなっているかを平成17年度にかけて調べましたところ、覆砂した湖底は覆砂していない湖底と比べて有機物が少なく、富栄養化が抑えられているものと考えられました。また、現在でも、覆砂した湖底は覆砂していない湖底に比べてシジミが多いことを確認しているところでございます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございます。今までの答弁からすると、現状の湖底状況も把握されているというように察するわけでございますけれども、もう少し現状の赤野井湾内の湖底状況を御報告いただきたいなと思います。農政水産部長、よろしくお願いいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  水産試験場によるモニタリングの結果では、覆砂した湖底では現在まで砂の厚みに大きな変化はなく、先ほど御答弁させていただきましたように、覆砂していない湖底と比べて、現在でもシジミが多く生息していることを確認しております。また、覆砂した湖底では年々泥が堆積しているという状況ではなく、年により変動がありますものの、平均しますとおおむね2センチ程度の堆積で推移しており、現在も泥が余りたまっていないということを確認しているところでございます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございます。今の報告で少しは安堵させていただきました。  その中で、赤野井湾にシジミが生息しているということでございますけども、このシジミ、以前はたくさん漁獲されていたというふうに聞いているんですけれども、現在のシジミの漁獲量というのはどのようになっているのでしょうか、農政水産部長、お伺いいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  赤野井湾では、平成の初めごろまで、地元の漁業者の方々が、主にじょれんと呼ばれる湖底の貝をかき取る漁具でシジミを漁獲されておられましたが、現在はシジミ漁は行われておりません。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)平成17年の調査でシジミが確認されておると。それ以降、シジミ等も生育していると思うんですけれども、今、漁獲されていないというのはどういう理由なんでしょうか。やっぱりシジミがそんなにいないということのあらわれなんでしょうか。ちょっとその辺、もう一度農政水産部長にお尋ねいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  以前漁獲されていたときのシジミの生息密度に比べて、この事業によりまして覆砂した地域は、ほかの地域に比べてシジミ量がふえてきているという調査結果はありますが、覆砂地域は赤野井湾の全体の面積に比べますと大体10%少しぐらいの面積でございます。赤野井湾全体の湖底環境の改善がどうかというところで、十分漁獲に足る生息量に戻っていないというのが現状かなと思っています。ただ、今現在、水産の多面的機能という国の事業を活用して、地域の方々が湖底の耕うん等の取り組みもしていただいておりますので、今後、それによって湖底環境が改善するということを期待していきたいというふうに考えております。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)今も報告があったように、以前にしゅんせつ、覆砂したところは、赤野井湾全体からしたらごくわずかやということで、漁獲して、そこで漁を行うというところまでいかないということやと思うんですね、現状は。じゃあ、もっとその赤野井湾でしゅんせつして覆砂をすれば、シジミ、セタシジミになるのか、ほかのシジミになるのか、ちょっと私は存じておりませんけども、シジミの漁獲、漁として成り立つのではないかと思うんですけども、その辺のことについては農政水産部長はどのようにお考えなのでしょうか、お尋ねいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  先ほども少し触れましたが、赤野井湾では、平成25年度から、国の水産多面的機能発揮対策交付金を活用しまして、地元の漁業者の方々を中心に、湖底と、あるいはヨシ帯内のごみの除去に取り組んでいただいています。これらの取り組みの中では、シジミ漁で使うマングワという漁具を用いられて実施されておりまして、それによって湖底を耕うんする効果があるというふうに考えています。そういった取り組みを通じまして、今後、シジミ等の魚介類が回復しやすい環境につながっていくのではないかということを期待しておるところでございます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)しつこいようですけども、先ほど、しゅんせつ、覆砂したところはそんなに、現状ずっとそのままになっておるということでございますけども、それ以外のところは、じゃあ、どうなんですか。それ以外のところは、今言われたように、ごみを取ってるとか云々とかいうことですけども、じゃあ、それ以外のところもしゅんせつ、覆砂をすれば、シジミ漁の復活というのがあり得ると思いますが、農政水産部長のお考えをお尋ねいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  これまでお答えいたしましたとおり、漁業者の方々を中心に、覆砂区域以外のところでもマングワ等の漁具を用いて湖底を耕うんするというようなことも取り組まれておられます。また、赤野井湾におきましては、近年ではホンモロコ等の回復、産卵も見られるという環境条件の好転しているという兆しもございますので、赤野井湾の生息環境の状況を今後十分注視していって、また必要な対応を考えていきたいというふうに考えています。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございます。最終的に必要な対応を考えていっていただけるということで、今後期待します。知事、またしっかりと見ててくださいね。よろしくお願いいたします。  そういった中で、今の答弁の中で、湖底ごみの除去作業を地域の方にしていただいているということでございますけども、そういったごみの状況というのはどういうものであったのか、琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  昨年の6月9日に、地元のNPO、自治会、漁業関係者などを中心とする赤野井湾再生プロジェクトの主催によりまして、湖岸に近いところを中心に湖底ごみの回収が行われたということでございます。ごみは湖底に何層にも堆積しており、さまざまなプラスチックごみを中心に約680キログラムの湖底ごみが回収されたと伺っております。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございます。今の湖底ごみの状況と、以前、琵琶湖環境部のほうで漂着ごみの調査をされたと思うんですけれども、その辺のところとごみの割合、その辺はどうなのでしょうか。やっぱり漂着ごみと同じような状況が湖底ごみにもあったのか、その辺の割合について琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  以前に湖岸の漂着ごみを調査した一つの調査によりますと、多くのごみのほとんどが木や竹であったと、残りのものについてのうち約36%程度がプラスチックごみであったという結果が一部ございます。今回の赤野井湾でのごみの回収作業につきまして、具体的にどのような程度までごみを分析されているのかは承知をしておりませんけれども、御報告によりますと、さまざまなプラスチックごみが中心であったということをお聞きしておりまして、ちょっと単純に比較はできませんけれども、そのような状況とお聞きをしております。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)今も報告がありましたように、流木とか、そういった有機物については、ごみはごみでありますけれども、長い時間をかければ自然に戻るということでございますけども、やっぱり散在性ごみである空き缶とか発泡スチロールやレジ袋、この辺のところは湖底に大変悪い影響を及ぼしているのではないかなと思っております。漂着ごみでも同じことだと思うんですが、こういったプラスチックごみの流入を阻止することが重要と思われますし、また、こういったビニール類はマイクロプラスチックの要因となりますので、よろしくお願いしたいといいますか、こうした散在性ごみへの対応を今後どのように取り組んでいくのか、琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  本県では、ごみの散乱防止に関する条例に基づきまして、びわ湖の日を初めとする環境美化活動に取り組むとともに、環境美化監視員による監視パトロールや啓発活動などを通じて、琵琶湖や河川へのごみの流入防止に努めているところでございます。  このほか、マイクロプラスチックの発生源の一つと考えられるプラスチックごみの発生抑制に向けましては、レジ袋削減の取組に関する協定により、レジ袋の無料配布の中止や辞退の呼びかけを進めておりまして、無料配布を中止した店舗における辞退率は平成29年度末で89.6%になっているところであります。  今後とも、こうした散在性ごみ対策を着実に進めるとともに、プラスチックごみにつきましては、来年度から琵琶湖におけるプラスチックごみの実態調査を実施いたしまして、その結果を踏まえて、より効果的な排出削減対策を関係団体や業界と連携して進めてまいりたいと考えております。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)先日、ちょっと新聞記事で、レジ袋が全ての店舗で有料化になるというような記事を見させていただきました。これも1つ抑制をしていくと、ごみ抑制につながるのかなと思いますけども、片や容器包装のリサイクルの推進というのも本県で取り組んでおりますけども、具体的にどのような取り組みをされているのか、琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  容器包装リサイクル法に基づきまして、容器包装につきましては、適切に消費者のほうが分別をしていただき、それを市町村が回収する、それをまた事業者によって再生などを行うというような仕組みになっておりまして、本県でもそのような取り組みをそれぞれしているところでございます。
    ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)今後の取り組みに期待をしたいと思います。  今年度から、所信でも知事のほうが述べられていますように、南湖の湖底環境改善に取り組むということを明記されました。大変な230万立米というくぼ地も見据えながら湖底改善に取り組まれるということだと思うんですけども、琵琶湖の保全再生に関する法律に基づく琵琶湖保全再生施策に関する計画には、どのようにこの南湖の湖底改善というものが位置づけられているのか、農政水産部長にお尋ねいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  南湖湖底環境の改善につきましては、琵琶湖保全再生施策に関する計画の生態系の保全および再生に関する事項の中で、琵琶湖南湖において、シジミ漁場や在来魚の産卵繁殖場の再生を図るため、水草の除去や底泥の除去とあわせ、湖底の耕うんや平坦化、砂地の造成などを推進すると位置づけているところでございます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございます。琵琶湖保全再生施策に関する法律の中で位置づけられているということは、ある面、心強いといいますか、うれしいことだなと思っておりますので、鋭意取り組みを進めていただきたいんですけども、今回、南湖の湖底改善事業の目標を水質の改善と湖底生物の回復とうたっておられます。水質に関しては、これまで水素イオン濃度──pH、化学的酸素要求量──COD、溶存酸素量──DO等で表記をされておりましたけども、新たな指標が設定されているとも聞きますが、現状はいかがでしょうか、琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  pHやCODなどの従来の水質に関する環境基準は、表層水に対して設定されておりまして、湖底における水生生物の生息環境を直接的に評価するものではございませんでした。このような中、平成28年3月に国において、水域の底層を利用する水生生物にとって、その個体群を維持する上で良好な水質であるかという観点から、湖底付近の溶存酸素量、すなわち底層DOが新たに環境基準に追加されたということでございます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございます。新たな指標も得て、本当に琵琶湖がといいますか、生態系が回復する、そんな水質を目標に取り組んでいただきたいなと思っておりますが、この南湖の湖底改善による水質の改善、新たな指標に基づいてどのような目標を立てておられるのか、琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  本事業では、くぼ地内部の貧酸素水塊が原因となって、底生生物の生息に悪影響を及ぼすことがない水質の達成を目標としておりまして、指標には、現在まだ具体的な基準の設定はされておりませんけれども、底層DOの環境基準を用いることを考えております。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございます。  事業の目的のもう1つに、シジミ等の湖底生物の回復もありますけども、この湖底生物の回復については、琵琶湖環境部長はどのように目標を設定されているのか、お尋ねいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  南湖湖底環境改善では、底層DOなどの水質改善と相まって、南湖湖底をシジミを初めとした多様な底生生物が生息し、繁殖する場に再生することを通じて、豊かな生態系の回復、維持の実現を目標としたいと考えております。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは、先ほど赤野井湾内ではちょっとシジミ漁獲量のことをお尋ねさせてもらったんですけども、この南湖においてのシジミ漁について、どのように取り組んでいくといいますか、目標を設定されているのか、農政水産部長にお尋ねいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  琵琶湖南湖のおおむね300ヘクタールの広大な水域に多くのくぼ地が点在しており、長期的な取り組みとして、この水域に平たんな砂地を回復させたいと考えているところです。現段階ではまだ明確な目標値は設定しておりませんが、例えば、シジミの漁獲量がおおむね200トン近くあった平成前半の砂地1ヘクタール当たりの漁獲量をもとに試算をしますと、300ヘクタールの砂地の回復で、できれば将来的には約30トン程度の漁獲ができるものと期待をしているところでございます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございます。今、農政水産部長が申されました、そういった目標に近づけていくには、やっぱり精力的な南湖の湖底改善事業というのが必要になってくると思うんですけども、この改善事業の今後の見通しについて知事にお尋ねいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)先ほど来お取り上げいただき、やりとりをしていただきましたように、琵琶湖南湖のおおむね300ヘクタールの広大な水域に多くのくぼ地が点在しており、効果的に湖底環境の改善を進めるには、知見の収集、課題や関連情報の共有を図りつつ、事業の実施に向けた道筋を確立する必要があると考えております。  このため、まずは、これまで関係する琵琶湖環境部、農政水産部および土木交通部の3部局で協議を重ねてきた実務者検討会を改めて、今年度中に南湖湖底環境改善検討会として立ち上げ、国などの外部有識者から技術的助言をいただきながら、南湖湖底改善の事業化に向けた取り組みをしっかりと進めてまいりたいと存じます。  また、これまで県とともに一部で埋め戻しを実施していただきました独立行政法人水資源機構琵琶湖開発総合管理所にも、検討会の参加ならびに湖底環境改善への取り組みについて御協力をお願いしたいと考えているところでございます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございます。南湖の湖底改善事業を本格的に取り組んでいくぞというような、そんなスタートに31年がなるのかなと思います。  私は、これまで南湖周辺の環境の件でいろいろと質問させていただいてきましたけども、侵略的水生水草でありますオオバナミズキンバイ、これについてはまだ大群落が散見されるわけでございますけども、地域の方々の日常的な監視業務によりまして、おかげさまで一番最初に見つかった赤野井湾では今はオオバナミズキンバイを見かけることはないんですけども、こういった日常監視業務によって撲滅への足がかりがちょっとつかめたのかなと思っております。今後は、湖底改善事業、先ほども見通しを立てていただきましたけども、これが南湖の最重要課題であるということでございますので、ここで再度、先ほどは事務方がつくられた答弁だと思いますけども、南湖をよく御存じの知事から、湖底改善にかける決意といいますか、意気込みをぜひともお聞かせいただきたく存じます。知事、よろしくお願いいたします。 ◎知事(三日月大造) 先週末も公務の合間に湖岸を走っておりまして、赤野井湾を見たときに、数年前と異なる状況が確認できて、おかげさまでございますが、議員初め関係者の地域の皆様方のお取り組みのおかげさまで、こういう状態をつくり出すことができるんだなということを確認させていただいたところでございます。  また、先ほど来、部長答弁させていただいておりましたが、琵琶湖の再生には、この保全再生施策に関する計画にも位置づけておりますが、南湖の再生というものが必要不可欠であり、そのためには湖底環境の改善が必要だということでございます。この湖底環境、例えばハスの枯渇、ごみの問題、さらにはくぼ地の問題、さまざまありますが、一定これまでの取り組みによりわかってきたことは、埋め戻しと覆砂、これは耕うんや平坦化、さらには砂地の造成、そういったことによって一定生態系を回復させることができるということも確認をできておりますので、このことにより、湖底環境の改善によって、セタシジミやホンモロコの水産資源を初め、豊かな生態系への回復に何としてもつなげていきたいと考えております。この南湖において、今も申し上げたシジミ漁が復活していけば、シジミを捕獲する、例えばマングワと呼ばれる漁具で湖底を耕うんすることにつながり、漁労活動により良好な湖底環境が持続的に保全されるという、そういう効果も期待できるのではないかと思います。  先般、おかげさまで、日本農業遺産の認定と世界農業遺産への認定申請に係る承認を受けました。これは、森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システムの中核の一つである伝統的な琵琶湖漁業を、世界的に衰退している内水面漁業を保全するモデルとして発信していくためにも、私は南湖の再生は重要であると認識しております。これは長期にわたる取り組みになると思います。やり方によっては費用もかかる取り組みだと推察されます。南湖がかつてのように魚のゆりかごとして再生し、次の世代に健全な姿で引き継いでいくことができるよう、まずは湖底環境改善の事業化に向けた取り組みをしっかりと進めてまいりたいと思いますので、よろしくお力添えを賜ればと存じます。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございます。長い時間と経費がかかるということでございます。南湖の湖底改善というのは、琵琶湖全体に及ぼすというか、好影響を及ぼす要因でもあると私は思っておりますので。知事、初めて言います。一緒にやりましょう。よろしくお願いします。終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、25番岩佐弘明議員の質問を終了いたします。  次に、21番佐藤健司議員の発言を許します。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇、拍手)それでは、発言通告に従いまして、治水政策に関して、分割質問で全て知事にお尋ねをいたします。本日の一般質問では、後ほど西村久子議員が同じ問題を取り上げますが、私が前座を務めさせていただきます。  ちょうど1年前のこの場でも知事と治水政策に関して議論しましたが、この間も、西日本豪雨による災害を初め、全国で大雨による河川の氾濫や土砂災害などが相次ぎました。  昨年の県議会2月定例会議で、知事は、本県の治水政策の最大の焦点である大戸川ダムについて、それまでかたくなに河川整備計画に位置づける必要はないとしていたものを、「ダムの必要性、緊急性について、河川整備計画に本体工事をどう位置づけるかを含め、県として勉強会をスタートする」と述べ、方針を大きく転換するとともに、昨年11月には初めてダムの建設予定地である大津市の大鳥居集落の跡地を視察されました。そもそも流域治水の推進に関する条例では、知事は、洪水による河川の氾濫を防ぐため、その管理する河川の整備を行うものであると明確に規定され、その手段として、河道の拡幅、堤防の設置、河床の掘削、ダムを含む洪水調節の機能を有する施設の設置等の対策を計画的かつ効果的に組み合わせて行うこととされています。本県においても、災害が頻発する中、1期4年を経て2期目を迎えられた知事の治水に対する考えがどのように変わったのか、初めにお伺いをいたします。  また、私も同行しておりましたが、大鳥居集落の跡地では、「長年にわたって御心配をおかけし、おわびしたい。現場を見て、しっかりと皆さんの思いを受けとめた」と述べておられました。住民の皆さんの思いをどのように受けとめたのか、改めて発言の真意をお聞かせください。  大戸川ダムをめぐっては、今年度、ダムが大戸川流域に与える治水効果や影響を検証する勉強会が設置され、学識経験者を交えて多角的な議論が進められています。昨年12月に開催された2回目の勉強会では、精緻なシミュレーションによってダムが大戸川の氾濫を抑制することが明確に示されましたが、現時点における勉強会での議論について所感をお聞かせください。勉強会は、来月末に3回目が開催され、一定の結論が導き出されるということですが、県としてどのように取りまとめるつもりなのか、お伺いをいたします。  知事は、「この勉強会の成果をもって下流府県や国に本県の立場を説明する」と繰り返し述べておられます。下流府県、特に京都府は、昨年4月に就任した西脇知事も、大戸川ダムについては、京都府域への治水効果や費用負担等の課題があり、現時点ではダムの緊急性は低く、中上流の河川改修の進捗とその影響を検証しながら、その実施についてはさらに検討を行う必要があるとした平成20年の京都府の技術検討会の評価に変わりはないとの立場を崩していません。今後、下流府県にどのように働きかけていくのか、知事のお考えをお伺いをいたします。  一方で、国は、淀川水系河川整備計画が策定されてからおおむね10年が経過するのを受けて、先月、淀川水系における中上流部の河川改修の進捗状況と影響検証にかかる委員会を設置しました。実際に、宇治川の天ヶ瀬ダムの再開発事業の完了や川上ダムの完成が近づくとともに、懸案だった阪神なんば線の淀川の鉄橋のかけかえも着工するなど、着実に事業進捗が図られていることが背景にあります。こうした国の動きを県としてどのように受けとめているのか、お伺いをいたします。  大戸川ダム建設事業も例外ではなく、本体工事は凍結されたままですが、関連工事である県道大津信楽線のつけかえ工事は着実に進み、県施工区間は今年度中には完成する見込みとなっています。国の施工区間の完成のめどとあわせて、県施工区間の供用に向けた取り組みの状況をお伺いをいたします。  国の委員会による検証の結果、淀川水系において、さらなる河川整備が必要であるとなれば、流域委員会による学識経験者からの意見聴取や関係住民からの意見聴取といった河川整備計画の変更の手続に移っていきます。もちろんその際には関係府県知事からの意見聴取も行われることになります。いずれにしても、下流府県や国に対応する上では、大戸川ダムの必要性について、本県の立場を速やかに明確にする必要があると考えます。これまで知事は、大戸川ダムについては、河川改修の進捗状況を確認して国が判断するものという姿勢に終始していましたが、勉強会の成果や近年の災害を踏まえて、県としての方針をいつまでに出すのか、お伺いをいたします。  ここで、平成20年10月29日に地元で開催された建設促進決起大会における決議文を朗読したいと思います。  「近年、各地で局所的豪雨による河川氾濫が相次いでおり、当流域においても治水対策の一層の必要性かつ緊急性は増しています。  過去40年間、国や流域府県は、私どもの強い要望に対して、河川改修をした場合、豪雨時に宇治川や淀川があふれる危険性があることを理由に、大戸川ダム建設まで抜本的治水対策は待ってほしいということで、事業化や日常管理が行われませんでした。  このために、私どもは、京都、大阪の下流域の方の立場に立って、筆舌に尽くせない苦労をし、ダム水没地となる水没地住民が集団移転まで行うなどダム建設に協力をしてきました。まさに宇治川や淀川の治水は、私どもの日々の苦労の上に立ったものなのです。  私ども住民は、当然ながら、府県知事は、行政の責任において治水対策を行う立場から、きっとよい治世をしていただけるものと期待をしておりました。しかしながら、大戸川流域住民を守る立場の地元滋賀県の知事でさえ考え方は二転三転として定まらず、日を追うごとに私たちの思いと反対に向かっています。  この地に住み、大戸川の氾濫による甚大な被害を受け、また水没地の移転の苦労を経験した流域住民は、ダム以外の選択の方法がないことを深く感じています。  知事には任期があり、今だけのことを考えて任期満了することができますが、私たちはダム建設の結果が出ない限り、過去を引きずり、あす起こるかもしれない洪水の不安と闘っていかなければなりません。  知事がかわったから、今までのことはどうでもよいことと判断され、知事意見を提出されることは、昭和43年の予備調査開始以来、平成元年滋賀県議会9月定例会で国の建設基本計画案に計画推進の議決をされ、国に知事意見を提出されるなど、この40年間の行政の姿勢と住民の人生の重み、ならびに治水問題のために生涯を捧げ、今は亡くなった多くのみたまを裏切る行為であります。  これらのことを踏まえ、私たち流域住民は、大戸川ダムの建設が早期に図られるよう決議します。」  この後、住民の皆さんの不安は現実のものとなり、平成25年の台風18号によって大戸川流域には大きな被害が出ました。知事は、この決議文を、今このとき、どのような思いで聞いてくださいましたでしょうか。これ以上の先送りは決して許されません。国の検証の結果をいたずらに待つことなく、本県として大戸川ダム本体工事を河川整備計画に位置づける必要があるとの方針を打ち出すことを強く求めます。  住民の生命と財産を守る知事として、河川管理者たる知事として、大戸川の治水に対してどのような決意で臨むのかお伺いして、この項の質問を終わります。 ○議長(川島隆二) 21番佐藤健司議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)治水政策について9点御質問をいただきました。  1点目、治水に対する私の考え方についてでございますが、就任以来、どのような洪水にあっても人命が失われることを避け、生活再建が困難な被害を避けるため、しがの流域治水を実践してきたところでございます。あわせて、国が進める水防災意識社会の再構築にも取り組み、大規模氾濫減災協議会を設立し、減災に向けた取り組みを進めているところでございます。  そのような中で、昨年も西日本の広い範囲で長時間雨が降り続き、堤防が決壊して多数の方が命を落とされるなど、近年、雨の降り方が変化し、想定を超える浸水被害が多発しております。今後も、気候変動の影響により、水害のさらなる頻発化、激甚化が懸念されており、改めてハード、ソフト両面からの治水対策の重要性をより認識しているところでございます。  今後は、ソフト対策として、重点地区での浸水警戒区域の指定の取り組みを加速させることや、住民みずからが切迫感を持って避難行動を起こすための情報提供の工夫、充実などを行ってまいります。  また、ハード対策として、第2期河川整備5ヶ年計画の策定を行うとともに、減災・防災、国土強靱化のための3か年緊急対策による特別の予算措置により、必要な河川改修を着実に進め、治水安全度を高めてまいりたいと存じます。  2点目、大鳥居の視察の際の発言の真意についてでございますが、大戸川の水源地域である大鳥居地区を訪問させていただき、地元の皆様からは率直かつ具体的な御意見を賜りました。もっと早く私自身は伺うべきだったと思っております。皆さんの思いは、淀川の下流住民のために移転したにもかかわらず、集落跡地が長年放置されており、大戸川ダムを早く着工してほしいということを私自身は重く受け取ったところでございます。  3点目、現時点における勉強会での議論についてでございますが、昨年末に勉強会を行い、1つ目のテーマである大戸川流域に与える治水効果の検証については、最新の知見に基づく科学的な手法により解析を行い、学識者の皆様に御議論をいただきました。この勉強会では、客観的かつ具体的な浸水時間や氾濫面積等のデータも示しながらダムの効果や課題を確認することができたことから、その検証結果は大変有意義なものとなったと考えております。  4点目、3回目の勉強会について、県としてどのように取りまとめていくのかということについてでございますが、年度内に3回目の勉強会を開催し、2つ目のテーマであります瀬田川洗堰操作に与える影響の検証を行い、2回目で行いました大戸川流域に与える治水効果の検証の結果とあわせまして、県として、大戸川ダムに関して正しい政策判断ができるように、大戸川ダムが県内に与える効果と影響を取りまとめていきたいと考えております。  5点目、今後、下流府県にどのように働きかけていくのかということについてでございますが、3回の勉強会の検証結果を踏まえまして、県の治水安全度を上げるために何がベストなのか、下流府県といかに協力関係を構築していくのかなどの検討と判断をしてまいりたいと存じます。その上で県の立場を国や下流府県に対してしっかりと説明してまいりたいと存じます。  6点目、国の動きを県としてどのように受けとめているのかということについてでございますが、本県といたしましても、これまで国に、淀川中上流部の河川改修の進捗による影響の検証の早期実施を要望してきたところであり、国において河川改修の効果や現状の治水安全度などの技術的な評価や検証が進められることは大変ありがたいと考えております。  7点目、県道大津信楽線の国施工区間の完成のめどと供用に向けた取り組み状況についてでございますが、まず、つけかえ県道大津信楽線の国施工区間の工事については、国土交通省近畿地方整備局が、本年1月18日開催の淀川水系における中上流部の河川改修の進捗状況と影響検証にかかる委員会において、2021年度完成を目標に推進することを明らかにされたところでございます。議員御指摘のように、つけかえ県道大津信楽線の県施工区間につきましては、今年度中に完成する見込みであり、3月末に先行して供用開始する方向で現在準備を進めているところでございます。  8点目、県としての方針をいつまでに出すのかということについてでございますが、第3回勉強会において、大戸川ダムが県内に与える効果と影響を取りまとめ、その後、国の検証委員会の動向も注視し、できるだけ早期に県としての判断をしてまいりたいと存じます。  9点目、大戸川治水に対してどのような決意で臨むのかということについてでございますが、平成25年台風18号や西日本豪雨などによる甚大な被害や雨の降り方の変化を目の当たりにし、地域の方々はますます不安を感じられたことと察するところでございます。私自身も今まで以上に河川整備の必要性を強く感じているところであり、ソフト、ハード両面から大戸川治水対策に全力を挙げてまいりたいと存じます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)御答弁ありがとうございます。ちょっと2点ほど再問させてください。  1点目については、確かに、勉強会の取りまとめがなされていない段階で、先ほどのできるだけ早期に判断を示したいという御答弁以上のものはいただけないのかもしれませんけれども、やはり先ほど答弁にもあったように、雨の降り方が変わり、水害の頻発化、激甚化というのは、これは本県のみならず日本全体に言えることだと思います。そういった中で、先ほどのできるだけ早期に判断を示したいということでしたけれども、そうなると、ちょっと1点確認をさせていただきたいのは、大戸川ダムを河川整備計画に位置づける必要はないとした平成20年の4府県知事合意は一定見直すことになるという理解をしていいのかどうか、その点をちょっと改めてお伺いをしたいと思います。  それともう1点、つけかえ県道大津信楽線の県施工区間の供用ということで御答弁をいただきました。供用に当たって地元から非常に懸念の声が出ております。これまで県は、用地買収の難航など、長年にわたる地元との交渉の過程で、新たにつけかえ県道が交差する箇所には信号機を設置するというふうにしてこられました。今になって、県警察本部の意向で設置は難しいと手のひらを返したような説明をしているそうです。これは、平成30年度末という県施工区間の目標にしっかりと地元も応えて、ようやく供用ということになるんですけれども、こういう地元と信頼関係を損なうような対応について善処をお願いしたいと思いますけれども、この点について知事の見解をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 2点目にいただきました件につきましては、私も十分聞けておりませんでしたので、確認の上、どのような対応ができるのか検討いたします。先ほど申し上げた3月末に向けて準備をしているといいますのは、そういったことも含めて協議、準備をさせていただいておりますので、善処させていただきたいと存じます。  1点目にいただきました河川整備計画の変更についての考え方についてでございますが、議員もよくよく御理解いただいておりますとおり、現在、勉強会を開催し、2回目まで参りました。年度内に3回目を開催させていただく予定でございます。その中で、大戸川治水に係る、今回洗堰のことを議論いたしますので、大戸川のみならず、琵琶湖を含めて県内全域にどういう影響、効果を持ち得るのかということにも議論が及ぶでしょう。そういった一定の検証結果をもとに判断をした上で国や下流府県に申し上げていきたいと思いますので、その時点までしばしお時間をいただければと存じます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)御答弁ありがとうございます。しばし時間をということでしたけれども、この後、西村久子議員がまたこの点について質疑をさせていただくと思いますので、またあわせてよろしくお願いいたします。  それでは、次の質問に移ります。次に、小児保健医療センターの再整備に関して、分割質問で知事、教育長ならびに病院事業庁長にお尋ねをいたします。  小児保健医療センターに関しては、県議会に初当選した平成23年度に厚生・産業常任委員会で将来構想検討委員会のあり方について議論して以来、幾度となく一般質問でも取り上げ、整備を求めてきました。ようやく新年度当初予算に設計費用が計上されたことを、もっと早くできなかったのかと正直思いつつも、率直に評価したいと思います。  しかし、当初から指摘しているように、単に老朽化した病棟などを建てかえるだけでは、時代の要請に応えたものになるとは言えません。再整備される小児保健医療センターが、本県の医療福祉政策の中でどのような役割を果たしていこうとするのか、改めて知事にお伺いいたします。  新年度から、いよいよ小児保健医療センター、療育部、守山養護学校が一体的に設計に着手をされます。確かに今年度も、小児保健医療センターでは、内部の建設委員会において設計に向けた施設の検討などが行われてきましたが、センター、療育部、養護学校それぞれに、患者さんやその家族、児童生徒といった利用者の視点を設計に反映させる必要があると考えます。この点について、今後の対応とともに知事の見解をお伺いをいたします。  療育部については、利用実態に合わせるとして、整備に先立ち定員が現在の70人から30人に変更されます。今後、支援が必要となる児童数やニーズをどのように見込み整備を進めるのか、知事にお伺いをいたします。  特に、保護者や学校関係者から別棟での整備を強く求められていた守山養護学校については、こうした声を受けて、病院とは独立した形で整備が進められることになりました。整備に当たっては、現在の守山養護学校が抱える課題をしっかりと把握して解決するとともに、将来を見据えて教育環境と機能の充実を図るものでなければならないと考えますが、教育長の見解をお伺いします。  小児保健医療センターの機能再構築に当たっては、小児患者にさらなる高度医療を提供するとともに、小児から成人まで切れ目のない医療を提供するために、総合病院と統合を図るとされています。とはいうものの、現時点で将来の新病院の姿が明確に示されているとは言えません。現在の第四次県立病院中期計画の計画期間は2020年度までとされており、次期中期計画を策定する中で俎上に上げていくことは必須ですが、場合によっては病床数の変更など総合病院のあり方も問われることになると考えます。どのように具体化を図っていくのか、今後の取り組みについて病院事業庁長にお伺いをいたします。  一方、現時点で示されている整備スケジュールでは、新年度から2020年度にかけて基本設計、実施設計、2021年度から建築工事に着手し、2024年1月に供用開始とされています。隣接する総合病院を稼働しながら工事を進めなければならないなど困難が伴うことは十分理解しますが、現在の小児保健医療センターの老朽化に鑑みれば、整備スケジュールを少しでも前倒しすることを検討する必要があるのではないでしょうか。病院事業庁長の見解をお伺いをいたします。  概算事業費は、小児保健医療センターだけでおよそ84億円とされています。病院事業庁の中でも、総合病院の経営は減価償却のピークが過ぎ、さまざまな経営改善の取り組みがされているものの、厳しい状況が続いています。小児保健医療センターの再整備が病院事業庁の経営に与える影響をどのように分析されているのか、統合のメリットを含めて病院事業庁長にお伺いをいたします。  単に小児保健医療センターという一医療機関の再整備にとどまらず、健康しがを標榜する本県の新たな医療、保育、療育、福祉サービスの拠点をつくるという強い決意で、部局の枠を超え、総力を結集して事業に当たっていただくことを求めてこの項の質問を終わります。 ◎知事(三日月大造) 小児保健医療センターの再整備に係る御質問をいただきました。私には3点でございます。  1点目、県の医療福祉政策の中で果たしていく役割についてでございますが、今定例会議で提案させていただいております新たな滋賀県基本構想案の県の政策の方向は16本で構成されています。その1つに社会全体で子どもを育む環境の整備を掲げておりまして、今回の再整備はその実現に向けて重要な役割を担うものと位置づけております。小児保健医療センター、療育部、守山養護学校の一体的整備により、治療の困難な病気がある子供たちが医療、福祉、教育を一体的に受けられる環境の向上を図るとともに、小児保健医療センターは、総合病院との統合により、さらなる高度医療の提供に加え、小児から成人まで切れ目ない医療を提供することとしております。今後とも時代の要請に応じて、小児保健医療センターは、主に難治・慢性疾患の子供を対象とした医療、保健、療育、福祉サービスの県の中核機関として、その役割を果たしていく所存でございます。  2点目、利用者の視点を設計に反映させることについてでございます。  これまで、それぞれの施設を利用される方々などを対象とした説明会を検討状況に応じて開催するなど、丁寧に議論を積み重ねてまいりました。また、議員を初め多くの方々からさまざまな御意見もいただいたところでございます。そうした場で、小児保健医療センターが総合病院に吸収されるのではなく独立した建物が必要だということ、また、守山養護学校と病院は別棟にしてほしいといった御意見などをいただき、可能な限り基本計画に反映してきたところでございます。今後の施設設計に当たりましても、利用される方々にとってよりよい施設となるよう、その視点を反映させることが重要だと考えており、引き続きさまざまな機会を通じて御意見をお聞きしながら進めてまいりたいと存じます。  3点目、療育部の整備についてでございますが、本県における療育部を含む児童発達支援事業の利用者は、平成24年10月には1,045人でございましたが、平成30年10月には1,288人となり、療育支援が必要な児童は増加傾向にあると考えております。こうした中で、療育部は、医療的ケアが必要な重症心身障害児等を対象に、医療機関の併設の事業所でしかできない医療、保健、福祉の専門職のチームによる総合療育を行っております。一方、地域の児童発達支援事業所数は、過去6年間で約3倍となっておりまして、さらに、療育部による専門職の派遣等により、地域での重度の障害児の受け入れを拡大してきたところでございます。  療育部の利用に当たりましては、支給決定を行う市町と療育部が連携し、一人一人の児童に対する専門的支援のニーズを見きわめ、総合療育が必要な通所回数や期間を適切に設定しており、平成24年度以降、契約児童数では60名前後、1日当たりの利用児童数では30名前後で推移しており、将来も現状と同程度で推移していくものと見込んで整備を進める所存でございます。  今後も、医療技術の進歩等を背景といたしまして、重度の障害児の増加が見込まれますが、現在の枠組みであります療育部による総合療育と、身近な地域の児童発達支援事業所の日々の療育支援の専門性向上に努めることにより、今後のニーズに応えていきたいと考えております。 ◎病院事業庁長(宮川正和) (登壇)私にいただきました3点の御質問にお答えをいたします。  1点目、総合病院との統合に向けた今後の取り組みについてでありますが、本年度は、看護、検査、薬剤等の部門ごとに、統合による課題の洗い出しや設計に向けた施設内容の検討など、予備的な検討を進めてまいりました。また、関係部局と設計方針の検討を進めてきたところでございます。  こうした検討を踏まえまして、御質問にありましたように、そもそもどういう病院像を目指すのかという理念の構築、共有がまず必要でありまして、また、その上で幾つかの具体的な点について詰めを急ぐ必要があると考えております。その主な項目は、1つには医療技術部門や事務局の組織の一体化、2つには病院での医療安全や感染防止等の各種委員会の統合、そして、3点目に診察券の統一や患者情報の共有化等のシステムの一元化でございます。そういうふうに認識をいたします。  具体的な手順といたしましては、これらの項目ごとに関係職員でワーキングチームを設置するなど集中的な議論を重ねるとともに、施設を利用される方々や滋賀県立病院経営協議会などの意見も伺ってまいりたいと思います。これらの検討、意見聴取をもとに、私および両病院長等の幹部職員で構成する会議等においてしっかりと意思決定を行い、関係職員で共有しながら実行に移してまいりたいと思います。あわせて、施設整備に関しましては、来年度から関係部局が連携して設計を進めることとしておりまして、病院事業庁において、そのための体制を整備してまいりたいと考えております。  2点目の整備スケジュールの前倒しについてでありますが、センターの再整備予定地には、現在使われてはおりませんが、総合病院の東館というところがありまして、来年度から解体工事に着手することといたしておりますので、この工事にはアスベスト除去あるいは汚染土壌調査等も必要となりまして、2021年9月ごろまでかかる計画となっております。その解体工事の終了後、時を置かず建築工事に着手をいたしますけれども、建築工事期間は、各種システムの統合や機器整備等も含め、約2年間程度必要と見込んでおりまして、現在の整備スケジュールを想定したところでございます。病院事業庁としてもなるべく早く供用開始をしたいと願うものでありますけれども、このような事情でございますので御理解を賜りたいと存じます。  それから、3点目の病院事業庁の経営に与える影響についてでございます。  基本計画の策定時に再整備に係る収益、費用両面の影響を織り込んで、病院事業庁全体の収支試算を行っております。再整備直後の2024年度は、減価償却が対前年費で約5億円増加するといったような要因もございまして、再整備後1年目あるいは2年目は経常損失が発生するものと見込んでおります。  一方で、診療科の充実、あるいは重症患者や高度な術後管理を必要とする患者などの受け入れ能力が上がりますので、3病院全体で病床利用率を85%台の水準まで入院患者の増加が見込めるというふうに思っております。また、新しい施設や機能により入院単価の増額も見込んでおりまして、加えて維持管理経費の削減や企業債償還に係る支払利息の低減など、開設3年後の2026年度には収支均衡が図れるというふうに分析をしております。  ただ、この試算を現実のものとするためには、医師の確保や地域連携の強化、あるいは総合病院との統合メリットの最大化といったことに取り組んで、着実に成果を上げることが不可欠だと思っております。関係職員一丸となって取り組む所存でございます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)小児保健医療センターの再整備についての御質問のうち、私にいただきました守山養護学校の教育環境と機能の充実についてお答えをいたします。  守山養護学校の移転に当たりましては、まずは病院とは別棟とすることで入院生活と学校生活の環境を明確に分けることといたしました。また、必要に応じて校庭に出て自然に触れるなどの動線を考慮して、平屋の建物とすることを現在考えております。  現在の守山養護学校におきましては、会議室や教材の保管場所に不足があることや、ベッドに寝た状態でのストレッチャーを使った移動には廊下が狭いこと等の課題があると認識をしております。今回の移転を機に、こうした課題に対する改善を図ってまいりたいと考えております。  今後も引き続き学校の意見等もしっかりと聞きながら、入院中の児童生徒にとって生き生きと学びやすく機能的な学校となるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)ありがとうございます。今、利用者の視点を設計に反映させる必要があるというとことに関しては、意見をしっかりと聞いていただけるということで御答弁いただきました。いずれにしても、使い勝手のいい、そして皆さんに喜ばれるものにしていくためには、やはりしっかりと利用者の皆さんの御意見を聞いていただきたいなと。今まで大枠の議論であったので、そういった要望の聞き方でよかったのかもしれませんけれども、これからはそれぞれに、例えば駐車場から建物への動線がどうであるとか、非常に細かいことが要求をされてくると思いますので、その点、これからの整備の中で御配慮いただければと思います。整備スケジュールについては、前倒しはなかなか難しいということでしたけれども、スケジュールというのを意識しながら進めていただきたいと。
     2点要望しておきますけども、1点だけ再質問させください。病院事業庁長からこれからの統合の進め方について御答弁をいただいたんですけれども、私も最初この問題を取り上げたときは、あくまで小児保健医療センターの老朽化した病棟の建てかえということのみを想定して最初の議論をスタートさせていただきました。皆さん、そうであったのだろうと思います。ここに来て、総合病院との統合という話の中で、先ほども部門ごとにこれから準備を進めますということでしたけれども、よくよく考えれば考えるほど、この総合病院と小児保健医療センターの統合というのは、部門ごとの統合とか一体化とか、そういう話ではなくて、それこそ新しい病院を1つつくるぐらいのエネルギーをかけないと本当にいい病院にならないのではないかなと。先ほども一つの例として挙げましたけども、総合病院自体も今の本当に病床数でいいのであろうかという議論があります。そういった中で、統合の中でどういうふうにこの総合病院のあり方も見出していくのか。いずれにしても、今のその部門ごとのやり方とか、そういう話ではなくて、やっぱり、先ほども御答弁にありましたけど、どんな病院を目指すんだという、その新病院の像をもっと県民の皆さんにも我々にもお示しをいただかなければ、設計は設計として進めていただくんでしょうけれども、ちょっとそこら辺が非常に弱いのではないかなと。ここが本当のこの再整備の肝の部分ではないかなと思っているので、もう一度、どうやってそこを打ち出していただき、また病院内でも理念を共有していただけるのか、そこはもう少し自信を持って御答弁をいただきたいと思いますので、再度よろしくお願いいたします。 ◎病院事業庁長(宮川正和) お答えをいたします。  議員おっしゃるように、そもそも2つの病院が1つになって新しい病院ができ上がるということですので、この点について、本当に職員全体で、あるいは幹部の強いリーダーシップでもって議論していかないといけないと思っています。県立病院の使命は、県民の皆さんに望ましい健康を創生するために、高度医療、全県型医療、そして将来医療の構築と実践に向けて取り組んでいくことであるというふうに思っておりますけれども、今回の統合によってどのような医療の質と量を目指すのか、これは本当に部門ごとの、予備的な検討は行いましたけれども、そういうことも踏まえてですけれども、特に、もう少し高い位置で議論をして、しかも、それは使っていただく県民の皆さん、それから議会のほうにもいろいろ御相談を申し上げて、しっかりとした将来像をつくって、同時に個々の統合の手続を踏みながら進めていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。 ◆21番(佐藤健司議員) 終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、21番佐藤健司議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時5分 休憩    ────────────────   午後1時9分 開議 ○副議長(生田邦夫) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、39番成田政隆議員の発言を許します。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇、拍手)それでは、午後一番、よろしくお願いいたします。  それでは、通告に従い、子供の貧困対策について、知事、健康医療福祉部長、教育長に一問一答で質問いたします。よろしくお願いいたします。  子供の貧困は、近年、日本が抱える社会問題の一つとして人々の意識に定着してきております。2013年6月に子どもの貧困対策の推進に関する法律が成立し、翌14年8月には子供の貧困対策に関する大綱が閣議決定されました。そして、全国各地でさまざまな施策を精力的に実施した結果、相対的貧困という捉え方が国民に広がり、また、25の指標も改善してきております。  そもそも、子どもの貧困対策の推進に関する法律において、国および地方公共団体は、就学の援助、学資の援助などの教育に関する支援、子供および保護者の生活の支援はもとより、保護者の就業訓練などの就労支援、また、各種手当の支給等の経済的支援といった総合的な施策により、子供の貧困の連鎖を断ち切ることとされております。  今定例会議でも、田中議員や節木議員も質問されましたが、子ども食堂を初め、さまざまな取り組みや施策がとられ、子供の貧困対策として子供へのサポート体制が進んできております。一方で、親の貧困問題、労働者の貧困対策が十分にとられていないために、根本的な解決が図られていないのが現実です。日本において、ワーキングプアの問題を解決していかなければ、子供の貧困の解決には結びつかないと言えます。  平成25年の一般質問において、子供の貧困対策について質問いたしましたが、これまで滋賀県においては、子どもの貧困対策推進計画として平成27年3月に策定された滋賀県淡海子ども・若者プランを位置づけ、就労支援、生活支援、経済的支援、教育支援の4つの柱で取り組みを進めてこられました。  そこで、これまでの子供の貧困対策の取り組みの成果について健康医療福祉部長にお伺いいたします。 ○副議長(生田邦夫) 39番成田政隆議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  県では、子供の貧困対策として、淡海子ども・若者プランに基づきまして、就労支援、生活支援、経済的支援、教育支援、この4つの柱で取り組みを進めてまいりました。  まず、就労支援につきましては、母子家庭等就業・自立支援センターにおけます支援を行いまして、直近5年間で累計800人の就労につながりましたほか、ひとり親家庭での資格取得の支援を行う自立支援給付金事業などを行ってきたところでございます。それらの取り組みもございまして、プランの数値目標である母子家庭の母の正社員での就業率は、プラン策定時の39.7%から3.7ポイント改善し、平成30年度では43.4%となったところでございます。  生活支援につきましては、ひとり親家庭日常生活支援事業としまして、家事援助や子育て支援を必要とする家庭に家庭生活支援員派遣を平成29年度は134件行いましたほか、淡海子ども食堂への支援を行い、県内に115カ所が開設されるなど、取り組みを進めてまいりました。  経済的支援につきましては、ひとり親家庭への福祉医療費助成や児童扶養手当の給付などを行いまして、家計の負担軽減につなげてきたところでございます。  最後に、教育支援につきましては、生活困窮世帯を対象とした学習支援事業や、生活保護世帯の小中学生への教育扶助、また高校生への就学費用の支援などを行ったところでございますが、プランの数値目標である生活保護世帯の高校進学率は、ここ数年横ばいの状態でありまして、平成29年度は92.2%となっているところでございます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)ありがとうございます。就労支援、生活支援、経済的支援、教育支援の4つの柱で取り組みを進めて、それぞれ成果が出てきていると言われましたが、それら成果も踏まえ、子供の貧困の実態はどのように変化してきているのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  いわゆる子供の貧困率そのものは、全国数値のみ発表されているところでございますが、本県で代替的に把握をいたしております生活保護の教育扶助を受給している小中学生と、経済的な事情から学用品の援助を受けている小中学生の合計人数の児童数全体に占める率につきましては12.4%となっておりまして、平成24年度の12.3%からほぼ横ばいという状況でございます。また、今年度実施いたしましたひとり親家庭生活実態調査によりますと、正社員の就業率、あるいは収入の状況は改善はされてきておりますが、依然として非正規雇用が多くなっておりまして、子ども若者審議会では、親の長時間労働やダブルワークなどによりまして、夜間、子供だけで過ごす時間が長くなっているのではないかといった御意見も伺っているところでございます。このような状況を踏まえまして、引き続き苦しい状況に置かれている子供たちや保護者への支援を行っていく必要があると認識いたしております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)ただいま横ばいということでございますので、引き続きさまざまな取り組みをしていかなければならないと感じたところでございます。  それでは、それぞれ各項目に関して質問していきたいと思います。  まず、就学の援助、学資の援助などの教育に関する支援に関連して質問いたします。  子どもの貧困対策センターである公益財団法人あすのばは、昨年6月に子どもの生活と声1500人アンケート最終報告を発表されました。そこでは、あすのば入学・新生活応援給付金を届けた小学生から大学生世代までの子供と保護者に協力をお願いされ、全国1,500人以上の声を集められました。調査結果では、あすのば入学・新生活応援給付金に関して、役立ったと回答した割合は、保護者が98.5%、子供が98%であり、その理由として、入学、新生活の前、直後にもらえること、返さなくていいことが挙げられておられます。また、給付金は使い道が限られていないことから、制服の購入に充てられたことが最も多く、学用品や靴、体操服等、多様な経済的ニーズに活用されていました。最もニーズの高かった制服は、高校の新生活において入学式当日から着用する必需品であります。だからこそ、購入に当たっては負担が大きくなり過ぎてはいけないと考えます。実際に奈良県においては、例えば価格差が大きくなりやすい女子の冬服一式で比べると、最も安い2万4,400円から5万2,900円と2倍以上に価格の違いがあります。鳥取においても、約6万5,000円から約3万5,000円との価格の違いがあります。  そこで、県内の公立高等学校の制服の購入金額はどれぐらいなのか、特に、主として男性用、女性用の制服のそれぞれの金額が、高いところ、低いところ、それぞれどれぐらいの金額がかかっているのか、価格の違いについて教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えいたします。  主として男子向けの制服につきましては、高いところで約5万7,000円、安いところで約2万円となっております。また、主として女子向けの制服につきましては、高いところで約5万5,000円、安いところで約1万6,000円となっております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)ありがとうございます。男性で5万7,000円と2万円、女性で5万5,000円と1万6,000円ということで、2倍以上の開きがあるということで、やっぱり選ぶ学校によってそれだけの価格差があるということは、やっぱりこれから是正のほうも進めていかなければならないと考えております。そういった中で、制服等の購入金額是正に向けた取り組みについて伺いたいと思います。  全国の中では、購入金額の是正措置を10県が取り組んでおられます。群馬県では、学校教育活動に伴い購入する物品等、制服、実習着、運動着、副教材等に係る学校の関与のあり方に関する基本的な考え方を定めた指針として、学校教育活動に伴い生徒が購入する物品等に関する取扱指針に基づき、適切な処理に努められておられます。奈良県においても、平成29年5月に学校指定物品の取扱に関するガイドラインを策定し、各学校にはガイドラインに即した学校指定物品の決定を促しているとともに、制服代各校比較一覧表を各校へ提供し、金額の差を示すとともに、校長会を通して学校指定物品検討委員会において適切な契約期間を設けることを伝え、適正な価格となるようにしておられます。  そこで、県立高等学校の制服等の価格や調達方法における指針等について、滋賀県では現状どのようになっているのか、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  県教育委員会におきましては、教育活動を円滑に行うため、各学校があらかじめ生徒や保護者から徴収する学校預かり金等の適正な事務処理のための指針として、学校徴収金の取扱に関するガイドラインを定めておりまして、この中で制服等の学校指定物品の調達方法についても定めているところでございます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)それでは、制服購入金額を抑えるために、それらガイドラインがどういった効果を果たしているのか、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  当ガイドラインにおきまして、制服等の調達に当たっては、見積もり合わせ等により業者の選定を行うこととしておりまして、原則として価格競争により業者を選定することを定めております。また、生徒、保護者へのアンケートを参考に決定した企画案をもとに、業者からのプレゼンテーション等を実施し、総合的な判断により業者を決定した場合には、保護者等に経過を明確に説明しなければならないと定めております。当ガイドラインに基づきまして、引き続き、各学校において過度な負担が生じないよう、適正な調達に努めてまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)ありがとうございます。まだまだ2倍以上の価格差があるので、各それぞれの学校においてもこれだけ差があるということも認識していただきながら、その是正に向けてさらに取り組みを進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  また、他県においては、制服のリサイクルやPTAバザーでの販売、また、卒業生から制服を寄贈してもらったりということで、それを入学生に貸与している県もあります。ぜひともそういった取り組みも各学校に紹介しながら、新生活に生徒が困らないような取り組みを進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、入学時に必要な経費の情報提供について伺います。  高校授業料無償化の制度が2014年4月より新しくなり、高等学校等就学支援金制度となりました。旧制度では、公立高校に通う生徒は無条件に授業料が無償でありましたが、現在は市町村民税所得割額、道府県民税所得割額の合計額が50万7,000円、年収910万円程度未満の世帯の授業料が無償であります。しかし、高等学校等就学支援金制度により授業料が無償になったとしても、実際には入学時には、先ほど取り上げた制服や、そのほかにも教科書、副教材、体育用品、実習服、PTAや生徒会、学年費、実習教材費、部活動・クラブ活動等振興費、研修旅行積立金など、多くの経費が生じております。  それら経費に関して、どれぐらいかかっているのかについて、例えば鳥取県では、全日制課程、定時制課程の各高校別に、それぞれ入学時に必要となる経費ならびに在学中に必要な経費を一覧表としてホームページ上に上げられております。実際に高校に通うに当たってどれぐらいの費用が必要なのかをあらかじめ把握することにより、保護者はさまざまな準備ができるのではないかと考えます。  そこで、入学時に必要な経費等の情報提供を行っていく必要があると考えますが、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  各高校で必要となります経費につきましては、各高校のホームページや学校案内に概算を示したり、中学生、保護者に対して行います学校説明会や体験入学の際にお伝えをしたりしております。また、合格発表後に行いますオリエンテーションにおきまして、必要となる経費について、さらに詳しく説明をしているところでございます。今後とも、高校進学に当たりまして必要な金額の情報について、議員が御紹介いただきましたような他府県の事例も参考にしながら、よりわかりやすく提供する方法を研究してまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)ありがとうございます。実際にいろいろ調べてみたけど、なかなかわかりにくい状況でもありましたので、それがわかりやすく把握できるような形で取り組みを進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  経費等一定の情報があれば、就学に向けての準備、段取りができると言えます。もちろん、希望する高校の経費等の合計金額が高いからといって、高校の受験を断念することはあってはならないと言えます。そのためにも、子供たちが望む学校に行くことができるように、経済的支援についても同時に行っていかなければなりません。  そこで、経済的支援について伺います。現在、経済的な理由により高等学校等での修学が困難な生徒に対して奨学資金の貸与を滋賀県奨学資金により行われておりますが、まず、滋賀県奨学資金の貸与の状況は近年どのようになっているのか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  平成27年度から今年度までの4年間における滋賀県奨学資金の貸与の状況についてでありますが、貸与者数が平成27年度は694人、平成28年度は608人、平成29年度は515人、そして今年度──平成30年度は413人で、近年減少傾向にあり、ピーク時の平成21年度、22年度の1,086人に比べ、大きく減少しているところでございます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)多分、高校の無償化、また、その後の制度によって、平成21年、22年のピークから下がってきていると思いますが、また、近年減少傾向にあるというところでございますが、現在413人の生徒が滋賀県奨学資金の制度を活用されているということでございます。実際に貸与されるのは4月末ごろ、または5月末ごろであります。  先ほど、あすのば入学・新生活応援給付金の事例を紹介いたしましたが、実際に入学、新生活の前後に給付されることが保護者にとって役立ったという理由として挙げられたのが40.1%が選択されており、大変評価されていることを考えると、滋賀県奨学資金制度においても、実際、必要な時期に貸与できていない状況があるのではないかと考えます。  そこで、滋賀県奨学資金の制度を利用される際の課題がどのようなものがあるのか、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  議員御指摘の貸し付け時期の問題等もございますが、現時点におけます奨学資金に係る大きな課題といたしましては、滞納額が年々増加をしておりまして、公平性の確保といった意味からも、この未収金の回収が課題であるというふうに考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)それでは、それら課題への対策について、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  対策といたしまして、まずは未収金が発生しないよう細かく債権管理や催告を行っております。そうした上で、未収金の回収につきましては、総務部と連携をしながら訴訟を前提とした徴収を行うなど、債権回収の徹底を図っているところでございます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)恐らくいろいろと事情があってお借りになられている部分もたくさんあるかと思います。そういった部分において、いろいろと訴訟を前提にというところではなく、やっぱりこういった問題、課題が根本的に何があるのかということを考えながら取り組みを進めていかないといけないと思いますので、さまざまな部分で、やっぱり貧困対策というところで、しっかりと高校を卒業し、そして就労にまでつなげていっていただけるような取り組みを進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  また、先ほどちょっと前段のところの課題の中でありましたが、貸し付け時期の問題でございますが、平成26年の粉川議員の質問にも取り上げられておられましたが、神奈川県では奨学金貸付制度があり、高校入試の願書と同時に奨学生予約採用申込書や世帯の生計に関する資料を学校を通して教育長宛てに提出し、教育委員会で審査され、その後、予約採用者とされた者で短期臨時奨学金を必要とする者は、合格通知書の写し等を提出し、3月中に貸し付けを受けることになります。そして、入学前に貸し付けを受けた短期臨時奨学金は、進学後最初に交付される高等学校奨学金と相殺されるという制度で、毎年約200人前後が利用されているとのことです。この取り組みを応用すれば、前年度をまたぐことが難しければ、事前審査を行うなどして、4月上旬、入学式までに貸与することが可能ではないかと考えますが、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  議員御紹介の神奈川県の制度につきましては、神奈川県におけます県立高校の合格発表が2月下旬に行われておりますことから、申請書類提出後の審査あるいは事務処理など、年度末までに完了することが可能となっているところでございます。  しかしながら、本県におきましては、合格発表が3月中旬でありますことから、会計年度や事務処理期間等の関係から、どうしても新年度での対応とならざるを得ない状況にございます。そうした中で、できるだけ多くの希望者に可能な限り早期に貸与できるよう努めておりまして、4月末に貸与を行っているところでございます。引き続きまして、必要な方に早期に貸与できるよう、他府県の事例も研究をしながら、事務手続の簡素化あるいは合理化などにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)4月下旬に貸与されるということで、その間にほかのいろいろな給付金等々を利用しながら、借りて、また返してということで、結構それで苦労されている方々のお話も聞きますので、ぜひともそこの事務作業、行政内の事務的な部分だったら、できるだけ短縮される形で入学式までにお金が貸与できるような仕組みができないかと思いますので、ぜひとも他府県の事例等も参考にしながら取り組みを進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、学習支援事業について、健康医療福祉部長に伺います。  平成26年2月定例会において、貧困の連鎖を断ち切るために、高校への進学、卒業を通じて安定した職業に結びつける子供の教育支援の取り組みである埼玉県のアスポート事業の事例を紹介し、貧困の連鎖を断ち切るために教育へのサポート体制を充実していく必要性を議論させていただきました。その後、滋賀県においても子供の学習支援事業を継続的に取り組まれているところであります。  先般、特別養護老人ホームを子供の居場所として活用する動きに関し、新聞報道がされていましたが、地域のボランティアと連携しながら、学習支援や食事提供など、すばらしい取り組みも行われております。このほかにも、学習面や生活面など、困難を抱えた子供たちが自立していくための支えられる仕組み、学習支援や子供の居場所づくりなど多岐にわたった活動が広がっております。  そこで、県内における子供の学習支援事業の状況について、どのように広がっているのか、これまでの成果も含め、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  子供の学習支援事業はさまざまな形で実施をいたしておりますが、生活困窮世帯の子供に対する学習支援は、主に生活困窮者自立支援法に基づいて実施をしているところでございまして、具体的には、公民館などで学生ボランティアや教員OBなどがスタッフとして一人一人に寄り添いながら学校の勉強の復習や学習の習慣づけなどを行っているところでございます。  本県の実施状況につきましては、事業開始当初の平成27年度は、福祉事務所のある14自治体のうち9自治体でございましたが、今年度は13自治体まで広がっておりまして、全国の実施率約59%と比較しても取り組みは着実に進んでいるものと考えております。昨年度の利用状況といたしましては、12自治体、25カ所の活動拠点に、小学校1年生の子供から高校を中退した子供まで299名が参加しており、そのうち中学3年生の高等学校等の進学率は87名中83名で95.4%となっております。  この事業を利用した子供からは、わからない、教えてと言えるようになった、大学生ボランティアのお兄さん、お姉さんみたいになりたいなど、肯定的な変化が見られておりまして、引き続き、家庭環境に課題を抱える子供の学習の機会を適切に提供してまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)子供の貧困をなくしていくためにも、諦めというところで、できるだけそういった経験を少なくしていくことも非常に重要でありますので、こういった学習支援の取り組みによって前向きに考えてくれる子供たちがふえているということはすごくありがたい事業でもありますので、引き続き取り組みを推進していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  また、学習支援とあわせて学習拠点の整備も必要不可欠であると考えます。近年、ショッピングモールのフードコートや飲食店、さらには明日都浜大津などの公共施設のフリースペース等で夜遅くまで学習している生徒の姿をよく見かけます。学校や通っている子供は塾等の自習室でも学習はできるものの、県内には自習ができない図書館も多くあるなど、放課後や夏休み等に落ちついて学習できる拠点が足りていないように感じます。学習意欲を持つ子供たちにみずから学ぼうとする場を提供していくことは非常に重要であると考えます。  豊橋市では、中高生の居場所づくりを目的とした学習支援カフェ、自習室&カフェtalkをオープンされました。子供たちは今、疲れてるのじゃないのか、授業が終わって部活で疲れて家に帰っても、両親は仕事で帰宅が遅く、ひとりぼっちだったり、また、逆に小さな兄弟がいて勉強に集中できないとか、落ちつける部屋がないとか、気の合う友達と一緒に勉強したいけど、なかなか場所がないなど、そんな中高生たちのためにカフェ風の自習室をつくられています。  また、昨年11月には、移動可能なトレーラーハウスを用いた自習室、Study Campが新宿に設置され、机と自由に使える教材やコピー機などを用意し、小学4年生から中学3年生の自分の意思で申請書に記入した人を対象に、無償の自習室を設計し提供することで、教育格差の本質にアプローチをされています。  市町においては、公民館等、公共施設の空きスペースの有効利用として、夏休みに学習室として開放しているケースがあり、滋賀県としても、県有施設の会議室等の空き時間に学習スペースとして開放したりすることができないかと考えます。  そこで、さまざまな事情から学校に行きにくくなったり、複雑な家庭環境があったりなど、厳しい状況を抱えている子供たちが落ちついて学べる場、学習拠点の整備等、居場所をつくっていく必要があると考えますが、知事に考えを伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)家庭の中に安らぎがないなど、さまざまな事情で厳しい学習環境を抱えている子供たちの学べる場の確保や居場所づくりは大切なことであると認識しています。  県も支援しております子どもの笑顔はぐくみプロジェクトでは、しんどさを抱えている子供が安心して過ごせる夜の居場所としてフリースペースの取り組みを進め、現在県内に11カ所開設されておりますほか、県内115カ所に広がる子ども食堂も、食事や遊びだけでなく、子供たちが学べる場として活用されております。  さらに、市町においては、先ほど部長が申し上げました生活困窮者対策として、学習支援事業のほか、ひとり親家庭等の子供を対象に学習支援や居場所づくり事業に取り組んでいらっしゃいます。  子供たちが落ちついて学べる場につきましては、本来、家庭で学習環境が整うことが望ましいと考えます。しかし、それが難しい場合は、より子供たちの身近なところにあるのが望ましく、議員御指摘のとおり、一部の市町では、公民館等の公共施設を長期休暇中に開放する取り組みもありますことから、そうした取り組みが他の地域にも広がっていくよう、関係機関や市町にも機会を捉えて呼びかけてまいりたいと存じます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)加えて、ぜひとも、もし可能ならば、県の持っているさまざまな施設においても開放できないかなと考えます。例えばG−NETであったりとか危機管理センター、ピアザ淡海等々、いろいろ指定管理とかさまざまな縛りはあるとは思うんですが、そういった場所で、恐らくいろいろな規約上の問題とか、定まった課題はいろいろあると思いますが、それらはやっぱり知恵を出しながら、そういった部分を解消しながら、少しでもそういった居場所ができればなと思っておりますので、ぜひとも御検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、家庭環境の支援について、教育長に伺います。  子供の状態を把握し支援していくに当たっては、学校現場での対応は何よりも重要であります。教育相談の充実のために、福祉の専門家として、生徒児童のニーズを把握し、関係機関との連携を通じた支援を行えるよう、スクールソーシャルワーカーの配置や、心理に関する専門的な知見を有するスクールカウンセラーの配置が、これまでも滋賀県において国に先駆けて導入を進めてこられ、学校の現場のニーズに合わせながら施策をとり行っていただいております。いじめ対応や不登校児童への対応など、児童生徒や保護者の抱える悩みに真摯に向き合っていただいておりますことに感謝いたします。  子供および保護者の生活の支援、家庭への支援を行っていくに当たっては、特にスクールソーシャルワーカーの役割は非常に大きいと言えます。そこで、スクールソーシャルワーカーの配置による効果について教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  スクールソーシャルワーカーを配置をいたしました学校では、平成29年度の長期欠席者の在籍率が前年度に比べ減少をしております。また、市町教育委員会からの報告によれば、スクールソーシャルワーカーの助言を得つつ、背景に貧困があり、無気力になっている子供の支援方法を検討する中で、学校や家庭が福祉事務所、家庭児童相談室と連携できる体制を構築することができた等の評価もいただいているところでございます。こうしたことから、スクールソーシャルワーカーを配置することによって、子供たちや家庭への支援に効果を発揮しているものと認識をしております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)子供たちや家庭にとって効果があるということですが、やっぱり教員とスクールソーシャルワーカー、また、地域の民間団体やケースワーカーなど福祉機関と情報を共有しながら、さまざまな課題の解決に向けて取り組みをさらに進めていただきたいと思います。  そこで、スクールソーシャルワーカーの今後期待する役割について、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  スクールソーシャルワーカーには、さまざまな課題を抱えた児童生徒を取り巻く環境の改善のための支援として、面談やケース会議での助言、学校や家庭を福祉機関等へつなぐなどの役割を担っていただいております。また、スクールソーシャルワーカーの活動を通して、教員が福祉的な支援の方法を学ぶことで、子供が抱える課題を捉える力や改善のための対策を考える力を高めるように努めております。今後も、厳しい環境に置かれた子供たちを支援するため、スクールソーシャルワーカー活用事業の拡充に努め、福祉機関等との連携を強化をいたしますとともに、教員のさらなる資質向上を図ることで、子供たちが安心して学校に行ける環境を整えてまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)ありがとうございます。さまざまな形でスクールソーシャルワーカーが教育と福祉の現場においてつないでいただいているというお話でございましたが、そういった中で支援が進んでいく中、子供の貧困から、やはり親の貧困、さらに労働者の貧困、ワーキングプアへと課題が進展していくことになります。根本的な解決をしていかなければならない貧困の連鎖を断ち切ること、子供の貧困問題の解決にはつながらないと言えます。しっかりと子供の貧困を解消していくためにも、ひとり親世帯であっても二人親世帯であっても、お父さんやお母さんが怠けているわけでもなく、ちゃんと働いているのに、なぜ子供を満足に食べさせることができないような状態が生まれるのかをしっかりと分析しながら施策を講じていかなければなりません。  そこで、子供の貧困とワーキングプアの関係は密接にかかわりがあり、子供の貧困対策として、子育て、教育、福祉だけでなく、保護者の就労支援までしっかりと位置づけて、部局間連携のもとで支援を行っていかなければならないと言えますが、知事に考えを伺います。
    ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  淡海子ども・若者プランにおきましては、子供の貧困対策の柱の一つとして保護者に対する就労支援を掲げているところであり、保護者の安定就労は非常に重要であると認識しています。  働きたくても働けない等の相談に対し、生活困窮者自立支援事業として、県や市が設置いたします相談窓口において、専門の支援員が就労準備や就労訓練も含めて一人一人の支援プランを作成し、ハローワーク等の専門機関と連携しながら解決に向けた支援を行っているところです。  また、福祉部局と労働部局の一体的な取り組みといたしまして、滋賀マザーズジョブステーション内に設置しております母子家庭等就業・自立支援センターにおいて、ハローワークと連携し、就業相談から求人情報の提供、さらには収入安定のための転職相談などの就労支援をワンストップで実施しておりますほか、医療事務やパソコン講座などの就業支援講習会を開催しているところです。  あわせまして、派遣労働者などのいわゆる非正規労働者が安定的な就労へとつながるよう、国のキャリアアップ助成金制度や、有期労働契約が通算5年を超えた労働者が無期労働契約に転換できる無期転換ルールなどについて、労働広報誌「滋賀労働」などを通じて県内企業への周知に努めているところです。  これらの関係部局や関係機関、市町等と連携した就労支援を今後とも引き続き行い、さまざまな課題を抱える保護者に寄り添いながら就労を支援し、子供の貧困の解消につなげてまいりたいと存じます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)ありがとうございます。  それでは、次に、夜間中学について伺います。  平成28年12月に教育機会確保法が成立、平成30年6月の第3期教育振興基本計画の閣議決定において、夜間中学の設置、充実に向けた取り組みが進み始めています。夜間中学は、義務教育未修了者に加え、外国籍の者、入学希望既卒者、不登校となっている学齢生徒等、多様な生徒を受け入れる重要な役割から、全ての都道府県に少なくとも1つ設置されるよう促進するとされています。今後、外国人労働者の受け入れ拡大も視野に入れ、政府は2022年度までに全都道府県への夜間中学設置を目指す方針を固め、日本語教育支援員の配置等、外国人生徒の支援の強化も検討されていると仄聞します。  今後、子供の貧困問題をこれ以上複雑・深刻化していかないためにも、夜間中学が一つの外国人向けの教育機会を広げる受け皿にもなり得るのではないかと考えます。これまでも、滋賀県においても夜間中学に関して議論がなされてきておりますが、国の方針や外国人材の受け入れ等、状況の変化が生じてきました。そこで改めて、夜間中学の整備についてどのように考えているのか、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  県教育委員会では、平成28年度に外部有識者等から成る検討会議を設け、ニーズ調査や県外視察等を行いましたが、設置を進める状況にはないという報告を受けております。今年度もニーズ調査を行いましたところ、市町教育委員会からは設置に関する明確なニーズはございませんでしたが、過去に不登校であった方など、学習や生活の支援を必要とする方がおられるという状況も判明をしてまいりました。  こうしたことから、県教育委員会といたしましては、国の動向も踏まえ、まずは、より正確なニーズを把握できるよう、また、支援が必要な方に適切な支援が行き届くよう、市町教育委員会と連携をしながら継続して取り組んでまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)不登校やさまざまな課題を抱える子、フリースクール等々も今、大分ふえてきている中ではございますが、さまざまな視点で教育機会、やっぱり付与していかなければならないと思いますし、また、外国人材におかれましても、言語を多分学ぶだけならば、県内でも多数行われている日本語教室や識字教室等で十分可能であると思いますが、そこから義務教育を受ける機会を提供していくには、やはり夜間中学が必要となってきます。改めて、市町ともニーズを把握していただくとともに、夜間中学、場合によっては自主夜間中学の整備という形もあるかと思いますので、そういった部分も県としてもぜひとも協力していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、これまで子供の貧困に対してさまざまな視点から議論させていただきましたが、現在、子供の貧困対策に関する大綱の改定に向け、内閣府の子供の貧困対策に関する有識者会議において議論がなされております。そこでの議論の中で、新たな視点として、切れ目ない支援、地方自治体間の取り組み格差への対応、支援が届いていない、または届きにくい子供、家庭への支援、子供の貧困に対する社会の理解の促進、分野ごとの視点、大綱の形式等、生まれてから子供に入るまでの時期、特に乳幼児期からの支援は、今後特に重点を置くべきことや、確実に支援を届けるための相談支援体制やアウトリーチの充実、施策対象を関連施策とともに有機的に連携しながら幅広く捉えた取り組み、支援をしていく中で企業にもっと入っていただき、国全体で子供を応援するという雰囲気の形成、地方では両親が働いても貧困ということもあることなど、新たな視点も取り入れられようとされております。  また、有識者会議では、NPO法人こどもソーシャルワークセンターの取り組みを幸重理事長から報告されました。ある程度子供たちが安心できると感じる居場所と行政と民間の居場所が連携する夕刻を支える夜の居場所づくりのモデル事業として、トワイライトステイを2014年から行われておられます。こういった取り組みが県内にも広がっていくとともに、制度として後押ししていくことも重要であります。  子ども食堂やトワイライトステイ、学習支援事業など、県内でもさまざまな取り組みや、また、子供の貧困に関する大綱の改定、新たな視点等、国における子供の貧困対策の方向性も含めながら、滋賀県においても、誰ひとり取り残さないためにも、子供の貧困対策をさらに推し進めていく必要があると考えます。  最後に、子供の貧困対策にかける知事の思いをお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 全ての子供たちが、生まれ育った環境によって希望する進路を諦めることなく、子供が持っている能力や可能性を最大限伸ばすことができるよう、その環境づくりに社会全体で取り組むことが重要であると考えております。そのために、議員御指摘の国の子供の貧困対策に関する大綱の改定に向けた議論や、居場所づくりのモデル的な取り組みなども踏まえながら、来年度の淡海子ども・若者プランの改定の中で、専門家や関係者を交えて議論し、必要な支援が必要な子供に届くよう進めてまいりたいと存じます。  貧困対策はSDGsの17の目標のうちの一つとして位置づけられており、福祉や教育、就労に関係する部局がしっかりと連携し、住民、企業、NPOなどさまざまな主体の協力を得ながら、貧困が連鎖せず生まれ育った環境により子供の将来が左右されない社会をつくることで、子供の笑顔があふれる滋賀を目指してまいりたいと存じます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)ありがとうございます。ただいま滋賀県淡海子ども・若者プランの改定のお話も出ましたが、現場で子供たちのために頑張っておられる方々とともに、行政一体となって貧困の連鎖を断ち切るために、子供たちの笑顔のために頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、質問を終わります。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、39番成田政隆議員の質問を終了いたします。  次に、34番西村久子議員の発言を許します。 ◆34番(西村久子議員) (登壇、拍手)今期定例会議、私は3問質問させていただきます。  まず、議第67号滋賀県学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案について、知事、教育長、人事委員会委員長に一問一答でお願いをいたします。  今期提案された議第67号については、その説明において、国の義務教育費国庫負担金の最高限度額の算定方法が見直されることに伴い、教育特殊業務手当の額の改定を行うため、滋賀県学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正するとあります。改正の概要については、部活動指導業務に従事した場合に支給する手当額等を改定し、平成31年4月1日施行するとして、具体的には、現行4時間程度従事した場合3,600円を3時間程度従事した場合2,700円とし、現行900円のマイナスとされたものであります。部活動に対する国の補助金が変わりましたから、滋賀県においてはそれ以上出しませんということのようです。  まず、教育長からお聞きします。平成29年度において、滋賀県において部活動指導業務に従事した場合に支給された特殊勤務手当の費用総額は幾らでしたか。 ○副議長(生田邦夫) 34番西村久子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  平成29年度に部活動指導業務に係る教員特殊業務手当として支給いたしました金額は、約5億3,400万円であります。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)皆さん御承知いただいているとおり、滋賀県においては、2024年、第79回国民スポーツ大会・第24回障害者スポーツ大会の開催が予定され、県民挙げてその愛称・スローガン選定に沸いている今日であり、もちろん開催県として、選手の活躍に県民は大きな期待を寄せ、競技力向上に一層の磨きが必要と奮闘中であることは言うまでもありません。そんな時期において、若い世代がスポーツに関心を示し、身体的な伸びの著しいこの義務教育期間において、部活に対するいわば制限条例には大きな異論を感じるところであります。  国の義務教育費国庫負担金の最高限度額の算定方法が見直されることに伴いとありますが、国はなぜ見直されるのか、続けて教育長、お願いします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  平成30年3月にスポーツ庁が策定をいたしました運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインにおきまして、週休日の活動時間を3時間程度にするとの基準が示されたことを受けて見直しをするものであると国から説明があったものでございます。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)国に付随して見直しを行わない場合、何が想定されますか。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  国からの義務教育費国庫負担金につきましては、今回の見直し後の最高限度額の算定方法が適用されるため、県の一般財源による支出がふえることとなります。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)特に部活に燃える生徒たちの期待に応えられない体制をしくことに大きな疑問を感じるものですが、先生、生徒、保護者の現時点での反応を問います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  今回の改正条例案につきまして、学校現場からは、今までの部活動指導が4時間に満たないと手当が支給されなかったが、それが解消されるのはありがたいという御意見、一方で、部活動指導に4時間以上かかっている場合があり、実質手当額の引き下げに当たるといった意見を伺っているところでございます。  なお、今回の改正条例案につきましては、教員の勤務条件であります特殊勤務手当の額の改正にかかわるものでありますので、生徒あるいは保護者からの意見は聞いておりません。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)消極的な先生のお話も聞けてびっくりしております。先生からは、犠牲を払いながらも誇りを持ってやっているのにモチベーションが下がる、あるいは、お金ではないんです、認めてもらっていないことにショックでプライドを傷つけられた、あるいは保護者では、先生のやる気が低下するのでは、そして、さきの冨波議員の質問にも、関係者の声として「競技力の低下を懸念」と答弁されていました。  次に行きます。部活の時間的制約について特別な理由があるのでしょうか。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  部活動において活動時間や休養日等の基準を設けて、合理的でかつ効率的、効果的な活動を行うことにより、成長期にある生徒が運動、食事、休養および睡眠のバランスのとれた生活を送ることができるようにすると国のガイドラインに示されているところでございます。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)部活動を3時間を超えてすることは害になるのか、お聞きします。 ◎教育長(青木洋) お答えいたします。  国のガイドラインにおきまして、トレーニング効果を得るには、適切な休養が必要であり、過度な練習はスポーツ障害等のリスクを高め、体力、運動能力の向上につながらないものであると示されているところでもございます。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)今のお答えの中には過度なってありましたけれども、走り続ける4時間ではないはずなんですよね。  次に行きますね。部活においては、学校管轄内において部活競技に秀でた才能を持つ人を採用してとの方向性も示されていますが、県下各地域くまなく該当する適任指導者が得られる保証はありません。生徒たちがスポーツに向き合う初段階の指導力は、学校の先生の存在は秀でたものがあると信じています。特に秀でた技量や才能を持つ指導者のおられるところは、当然この方法がいいでしょう。しかし、信頼し切った学校の先生、情熱に燃える先生の叱咤激励は、これこそ教育の真髄でしょう。  先生は、労働者でなく、聖職であると信じています。物を生産する労働生産性は人育てには該当しないでしょう。先生と生徒の心の通い合いが後々の人生に大きな影響を及ぼすものだと思います。生徒は先生を選ぶことはできません。でも、燃える心を持った人に出会いたいと思っていると考えられませんか。その機会をなくしてしまう方向性は異論を唱えるべきだと考えます。  もちろん、体力的に適応できない先生において、配慮されるべきであり、それを理由に阻害されるものではありません。一様に働き方改革で縛ることは、人を育てる先生冥利に尽きるという言葉からしても、教師になろうと思われた先生方の熱意に反するものだと思うのです。教えを受けた先生の心に励まされ、その後の人生に果敢に立ち向かっていく人が生まれるのだと思います。先生方にもその取り組みについては選択の余地があってもいいと考えます。どこから考えても3時間で対外試合が終わるとは考えられません。3時間程度と表現のあることについて、どう理解すればいいのでしょうか。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  今回の条例にあります3時間程度、これは3時間以上であれば2,700円を支給するということでございます。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)対外試合も想定する中に、部活指導はおおむね3時間とすることに対する生徒や保護者の理解をどう掌握されましたか。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  国のガイドラインを通知するに当たりまして、中学校や所管する市町教育委員会には意見を聞きながら県の方針を策定をしてまいりました。また、既に方針を策定した市町や学校では、保護者向けの説明会を実施をし、直接説明をされたり、文書やホームページ等で周知もされております。  保護者の皆さんからは、朝練習は残してほしかった、子供たちがやりたいだけできないのか等の意見があったものの、親子で触れ合う時間がふえた、子供のゆとりの時間がふえた等の意見が聞かれ、おおむね好意的に受けとめられたものと聞いております。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)非常に偏った受けとめ方だと思います。  今までどおり支給されたいと願うなら、この部分についての1時間程度の900円が必要になると考えていいのですか。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  単純に手当額単価で考えますと、議員御指摘のとおり、その差900円分が追加で必要になるというものでございます。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)その場合、県下全域の額はいかほどと算出されていますか。無理な制約はかけない中で、今までのように手当を考えるなら、幾らの経費が必要になるか教えてください。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  今ほど答弁させていただきましたとおり、1回当たり900円分が追加で必要になりますので、平成29年度の部活指導業務に係ります当該手当の支給回数をベースに考えますと、約1億5,000万円の経費が必要となります。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)先生の働き方改革を考える中で、地域におられる競技に堪能な方を招請するということは、先生に依存するでなく、地域に頼りなさいということですか。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  部活動は、これまで長年、教員の熱意──熱い思いに支えられて指導されてきたところでございますが、学校によりましては、専門的な指導ができる教員が不足するなど、運営上の課題も生じてきております。こうしたことから、専門的な知識、技能を持たない教員が顧問の場合に、その顧問の精神的な負担の軽減を図りますとともに、効率的、効果的な指導による生徒の意欲や技術の向上を図るため、地域の人材を活用し、部活動指導員として、その配置を進めているところでございます。今後もこのような取り組みを充実させ、地域と連携をしながら部活動の活性化に努めてまいりたいと考えております。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)それには幾ら必要になりますか。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。国が示されている基準で算定をいたしますと、1時間1,600円の報酬、年間210時間の勤務となりますことから、部活動指導員1人当たりは年間33万6,000円の経費が必要となります。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)33万6,000円掛ける人数分ということになるんですけれども、その金額、トータル的なものは、今までと比べてどんとふえていますか。冨波議員の質問に際し、配置指導員は今までの18人から、確か新年度は46人予定とお答えになっていたように思います。だとすると、この数字が多いと見るか少ないと見るかですが、口では先生の働き方改革と言いながら、今までのように先生の頑張りに期待されているのではと思います。国スポ等を控え、県が競技力向上を必死の思いで目指すこの時期に、さあ、頑張るぞの気合いがそがれる教育配慮は納得しがたいものがあります。  そこで、滋賀県人事委員会委員長にお聞きします。2月20日、代表質問日、本会議場で配付された本条例案に対する意見について、「この条例案は、義務教育費国庫負担金の最高限度額の算定方法が見直されることに伴い、教員特殊業務手当の額を改定しようとするものであり、適当なものと認めますが、改正に当たっては、部活動指導の実情や手当受給者への影響にも十分配意する必要があるものと考えます」と述べておられます。適当と言いながら配意を求められるということはどういう意味なのか、お聞きします。 ◎人事委員会委員長(西原節子) (登壇)お答えいたします。  今回の手当額の改定は、これまでから当該手当の根拠としている義務教育費国庫負担金の最高限度額の算定方法が見直されることに伴うものであり、また、見直しの理由には、運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインなどを踏まえ、教員への過度な負担の是正といった観点も含まれていることから、適当なものと判断したところです。  一方で、部活動指導の実情を踏まえますと、場合によっては指導時間が短縮されないまま手当額が減額される懸念もあることから、改定に当たっては、このような点にも十分配意いただく必要があるのではないかと考えているところでございます。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)十分に配意する必要があるとお述べになっておられます。配意した結果、じゃ、こういったものの別の条件をつける、あるいは現在の内容を置きかえることもいたし方ないと考えられるのか、お聞きします。 ◎人事委員会委員長(西原節子) お答えいたします。  今回の条例案に対する意見は、人事行政の専門・中立機関として当委員会における意見を述べさせていただいたものであり、お尋ねの件については議会において最終的に御判断いただくものと考えております。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)議会において最終判断というような御示唆をいただきました。  それでは、滋賀県がこの時期に消極的な方針を示されることに、どうしても私たちは納得できないんです。今回、国に追随しない特殊勤務手当を条例制定したとしても許されるなら、せめて国スポ等開催までは現行条例で進むべきだと考えますが、教育長の決断を問います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  ことし1月25日に出されました中央教育審議会の答申の中で、いわゆる長時間に及んでいる部活動について、改めて、スポーツ庁が策定をいたしました運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン、あるいは文化庁が作成をいたしました文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン、こうしたものを踏まえて適切な活動時間や休養日の設定を行うようにとされているところでございます。このことから、成長期にある生徒が運動や休養等のバランスのとれた生活が送れるよう、生徒にとって望ましいスポーツ環境を構築するために、活動のあり方、あるいは活動の時間をしっかり見直していく必要があるものと考えております。  これまで教員の熱い思いによって支えられてきました部活動でありますが、今後、できるだけ短い時間に効率的、効果的な活動をしていただくことによって、子供たちがバランスのとれた発達ができるようにいたしますとともに、部活動のあり方を含め、教員の働き方改革が進むよう、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。今回、こうした考えのもと、条例の改正を提案させていただいたところでございます。御理解をいただきたいと思います。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)なかなか理解できないんですけれども、同様に知事にお聞きします。人事委員会委員長の意見を踏まえても配意を必要と考えられませんか。知事の決断をお願いいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  人事委員会委員長名での本条例案に対する意見の申し出につきましては、先ほど人事委員会委員長から答弁がありましたように、部活動指導の実情を踏まえると、場合によっては指導時間が短縮されないまま手当額が減額される懸念もあることから、改定に当たっては、このような点にも十分配意する必要があるものと理解をしております。まさにそうしたことを受け、先ほど教育長も答弁したものと存じます。  今回の条例改正を、部活動のあり方を見詰め直し、成長期にある生徒が運動や休養等のバランスのとれた生活が送れるよう、生徒にとって望ましいスポーツ環境を構築するとともに、学校における働き方改革を推進するさらなる機会にしていただきたいと、していきたいと考えているところでございます。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)滋賀県は今、国体を控えているんです。その状況は少しも反映されてない、掌握されていない。それをもってどうするという意見は聞かれなかったと思っております。先ほど委員会の委員長さんお話しでございました、議会が決めることですと言われましたけれども、後、また竹村議員のほうで頑張っていただきますので、委ねたいと思います。  次の問題に移らせていただきます。  環境こだわり農業を継続するために、農政水産部長に分割でお願いします。  滋賀県は環境こだわり農業日本一と自負してきたものがあるが、近年になって、環境こだわり、もうやめるという農業者の声をよく聞きます。とれないもん、苦労して栽培しても収量が上がらない、そんなに高くも売れないし、1俵多くとればそれでとんとん、実際はもっととることができるし、やっぱりとれなきゃ魅力がないと言うのです。  毎年秋になると本年の作柄指数が発表されます。直近の平成30年度の作況指数はいかがでしたか。  私の近辺では、県内でも有数の大規模経営農家の多いところですが、この中から何人かに昨秋のとれ目について聞いてみました。出穂後の台風の影響もあって、悪いとは予想していたが、これほどまでとは思わなかった。我が家においては農業に従事して30年たつが、ことしが一番きつかった。ことしは頑張って管理してきたので期待していたのだがと肩を落とし、もみがさは確かに今までになく多かった。しかし、二番米がわんさと出て、ぎゃふんだったとのこと。同様に、規模に応じて昨年に比べ耕作面積は20から200ヘクタールで500万円の減収、1,000万円、五、六千万円の減収と信じられないほどの不作でした。反にして2万円から2万5,000円と、その減収は面積が大きくなるほど拡大していました。もみの重量はあるものの黒ずんで、くず米キロ70円では話にならない。共済の対象にもならないしと惨状を耳にしたところです。  滋賀県内、地域の特徴もあろうとは思いますが、作況指数と現状の乖離をどう承知しておられますか。  減収の原因は台風だけでしょうか。考えられることはありませんか。近年、国や県が推奨されてきた米、麦、大豆等の基幹作物の収穫量が、転作の始まったころ、技術や機械等も未熟であったころよりもぐんと落ちている実感があります。原因は、使う機械の大型化により底盤ができてしまったか、地力が落ちたのかと考えます。  以前、秋、収穫の終わった農地に一斉に土壌改良剤が積み上げられて、機械散布が盛んに行われていましたが、最近はその光景を見かけなくなっています。土づくり技術が土壌改良剤に限られるものではありませんが、以前と比べるとその状況は閑散としています。  琵琶湖に流れ込む大小さまざまな河川の中で、土木に対して堆積土砂の除去を要望される声は各地にあります。中には、しゅんせつの必要は認めても、除去した泥の置き場がなくて作業に取りかかれないところもあります。もちろん、除去した泥の置き場も、賃借料を払って作業を進めることになるんですが、それならば、農地の一部を堆積場として置かせていただき、その農家の必要とする客土として活用していただくことがよいと思います。近辺にしゅんせつしてほしい一級河川は、毎年の要望に山積しています。土木と農政が共同して取り組まれてはと考えます。  河床にたまった泥をもう一度農地に戻す客土の効果は過去の実績で確認済みであり、昔々より滋賀に根づいた環境こだわり農業の本来の姿と考えるのです。  水田農業の収量は、自然災害に左右されることはもちろん大きな要因ではありますが、地力によって根張りがよくなることにより、災害に負けない根性稲を自然が育ててくれると思います。
     もちろん、地力をつけるために土壌改良剤散布を推進することも必要ではありますし、手早く地力を上げる方法であります。米産地として、気象状況に左右されない生産を行える土づくりを推進し、病害に負けず丈夫で食味のよい米の安定的な生産を上げるために、ケイ酸を含む土壌改良剤投入経費の一部を支給されている岩手県花巻の例もあります。  農地が個人の所有物でなく預かり物であること、大規模経営で効率化に徹し、ITを活用し、土壌や作物の生育状態から不足している肥料分を分析して対応する。いかにも合理的ではあるものの、大自然との共同作業である農業生産本来の姿、土に対する愛着の度合いが企業化、大型機械化によって大きくさま変わりしている現在、もう一度昔の取り組み方を今に生かす方法を考えればと提案するものです。農政水産部長の見解を求めます。  自然の健康は、足りないものを施し続けるだけでは維持できません。新しい問題を生み出します。自然の循環の中で改善できるなら、試す効果はあると判断するのです。全国一の取り組みを自負する滋賀の環境こだわり農業。ぜひ若手経営者にも継続して取り組んでいただけることを願い、水環境を落とさず満足できる収量確保に向け、土を大切にする取り組みへの支援を提案して質問するものです。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) (登壇)環境こだわり農業を継続するために、についての3点の質問にお答えをいたします。  1点目の平成30年産の作況指数についてであります。  農林水産省から公表されました平成30年産水稲の全国の作況指数は、98のやや不良となっています。本県産については、99の平年並みと公表されたところでございます。  2点目の作況指数と現状の乖離ならびに減収の原因についてでございます。  平成30年産の作柄については、農家の皆さんが実感された収量と平年並みと公表された作況指数との間に少なからず乖離があると聞いているところです。その乖離につきましては、国が公表する作況指数は、1.8ミリメートル以上のふるい目で選別した米を対象としているのに対しまして、県内の農家の多くは1.85ミリメートル以上のふるい目を使用されるケースが多いことから、議員御指摘のくず米が多く発生した昨年の場合、その差が影響しているものと考えられます。  次に、減収した原因についてですが、たび重なる台風の接近により、もみが実らないこと、いわゆる不稔や倒伏が発生したことのほか、7月の平均気温が平年に比べて3℃も高かったこと、9月の日照時間が平年の53%にとどまり、低温と降雨が続いたことなどで、もみの充実が不十分になったものと考えております。  また、異常とも言える気象条件となった昨年において、土づくり肥料を施用しなかったコシヒカリやキヌヒカリの収量は、施用した場合に比べて、10アール当たりで9キログラムから16キログラム低下しているデータもあり、議員御指摘の土づくりも収量に影響しているのではないかと考えております。  3点目の土づくりのための昔の取り組み方を今に生かす方法についての御提案でございます。  地域の農業者の方々が川さらいをして、その土を農地で利用するといった取り組みがかつては行われていたと聞いております。まさに自然循環を生かした取り組みであると思います。しかしながら、化学肥料が利用されるようになってからは、こうした取り組みは徐々に見られなくなったところでございます。昔から稲は地力でつくるものと言われるように、先人の知恵に学び、土づくりを行うことは、農業生産の基本であり、とても大切なことと考えております。  このため、これまでの稲わらのすき込みや土づくり資材利用の普及啓発、また、環境保全型農業直接支払交付金の全国共通取り組みであるレンゲなどの作付や堆肥の利用の促進などといった取り組みに加えまして、来年度から新たに家畜ふん堆肥の供給者と需要者とのマッチングや、散布請負者の情報整備による利用の促進、また、農業技術振興センターにおける水田地力窒素の簡易分析による有機物の施用や施肥の効率化、レンゲなどの緑肥活用技術の体系化を進めることとしております。こうした取り組みによりまして、水田の地力を高め、気象変動にも対応できる米づくりを推進してまいりたいと考えております。  議員から御指摘のありました土を大切にするという精神を次の世代にしっかりと引き継ぎ、環境こだわり農業を初めとする本県農業の持続的発展につなげてまいりたいと考えております。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)ありがとうございます。  米の選別、185でふるうという話でしたけれども、一般的には今19ですよね。品質は落とさないほうがいいと思います。  それから、ヘドロを客土としてどうですかという提案ですけども、きのうも高木議員が西の湖の話を出しておられました。そして、私も、やっぱり川に田んぼから流れ出たものが、その川に、ちっさな排水に落ちて、それがちょっと基幹的な排水路に落ちるんだから、それをもう一遍使うということは非常に有効な手段だと思うんですね。ところが、いろんなものが入ってるから危ないよと言われるけれども、じゃあ、そういうふだんの川に危険なものが入っているのを認めながら琵琶湖に流しているのは何ですかというようなことが、ちょっと文句として言いたくなります。また土木と一緒になって御検討いただけたらと思っております。  次に、ダムの話に移りたいと思います。  大戸川ダムについては、午前中、佐藤議員がかみそりのような視点で緻密な質問をしていただきました。理路整然としていたので、私から何を言おうかしらと思うようなところですけれども、私からは情に訴えて大戸川ダムの建設を求めたいと思います。  水害から暮らしを守るために大戸川ダム建設を求めて、知事、土木交通部長、農政水産部長に分割でお尋ねをいたします。  背丈まで残る明治の洪水標、これは私の住む町内に今も残っている明治29年の洪水跡を示したかるたの読み札です。町内の中心にあるお寺のつり鐘堂横に明治29年9月と彫り込まれた石柱が現存し、近隣にも同様の石柱が当時を思い起こさせます。土地の先人からは、琵琶湖岸に松を植えたのは、琵琶湖に堤防らしきものをつくるため、明治の大洪水が契機になっている。余りの洪水のため、もうここには住めないとアメリカに移住した人が湖岸一帯には多く出た。明治29年9月に琵琶湖流域で発生した洪水は、記録によると、琵琶湖湖辺にあるほとんどの地域が浸水し、その期間は極めて長期にわたったとされています。この大洪水は、9月3日から12日の10日間に1,008ミリメートル、後、数字が出てきますが彦根の気象台です、という滋賀県の年間降雨量の約1,900ミリの半分以上に匹敵する雨が降り、特に7日は1日で597ミリという大豪雨によるものです。これらの記述は、国土交通省近畿地方整備局琵琶湖河川事務所の瀬田川洗堰から引用したものです。  こうした状況から、琵琶湖湖辺域に住む人々は、琵琶湖に流れ込む水を抑えることや、琵琶湖から流れ出る水をスムースに流すことで琵琶湖の増水を防ぐことが、治水の至上命題として語り継がれてきたと思っています。このことについて、知事、御理解いただけますか。  当時記録されている1日597ミリという降雨は、温暖化の著しくなった現在では線状降水帯という呼び名でどこにでも起こり得る気象状況で、近年、各地で大災害を起こしています。  こうした観点から、多賀町水谷に建設予定だった県営ダムや国の丹生ダムの中止、そして今なお課題を残している大戸川ダム建設凍結はいたたまれないものでした。私の近在でたびたび決壊を繰り返した宇曽川は、宇曽川ダムができてからその災害から逃れることができました。平成2年に愛知川決壊を最後に大きな河川被害は起きておりません。にもかかわらず、琵琶湖の増水による水害は、平成25年の台風18号、平成29年台風21号、さらに昨年の7月豪雨と相次いで発生しています。  ここで土木交通部長に聞きます。これら近々に起きた水害について、琵琶湖流域の降雨量、琵琶湖の最高水位、洗堰の操作状況、河川や琵琶湖周辺の状況についてお示しください。  続いて、農政水産部長に聞きます。同様に水害による農作物の被害状況はどうでしたか。また、被害面積の大きかった平成29年台風21号では、琵琶湖周辺のどの地域において農作物の浸水被害が大きかったか把握されていますか。  瀬田川洗堰操作は国の専権事項であり、琵琶湖の増水による被害対応策として講じられている内水排除についても十分な効果を示すには至っていません。前段の農業に対する質問でも取り上げていますが、昨年の水害による影響は近年にない大被害を起こしています。琵琶湖を介在して起こる水害に対し、泣いてきた湖辺住民は、なすすべがある間は、たとえ3センチでも5センチでも10センチでも琵琶湖の増水を抑えてほしいと、水につかる時間を1時間でも半時間でも短くしてほしいと願っています。滋賀の農業において、米だけに頼らない収益を上げる方法として、麦、大豆、その他野菜の作付が奨励されていますが、いかに土地改良の暗渠排水が施されても、今日の水害に対しては無力です。厳しい気象条件に耐えながら収穫を夢見て汗を流しても徒労に終わります。琵琶湖総合開発によって干害から逃れた今、農家は残る水害からの脱却をいちずに願っています。  今、滋賀県においては、国が本体工事を凍結している大戸川ダムの県内の治水効果を検証する勉強会が実施され、年度内には大戸川ダムの琵琶湖や洗堰操作に与える影響を検証するとされています。知事に今日までの検証結果を伺います。  国においては、平成21年3月、淀川水系河川整備計画策定後、近年の降雨状況、社会経済状況、あるいは治水政策の変化の地域からも検証を求める要望が寄せられ、現在、淀川水系における河川整備の進捗状況とその影響検証にかかる委員会を設置、河川整備計画に記載の中上流部の河川改修の進捗状況とその影響について、これまでの事業進捗およびその影響の検証を実施に向けて進められています。過去において、ボタンのかけ違いとしてしか断じ得ない、それも滋賀県から言い出しての大戸川ダム凍結の合意について、どう覆していくのか、下流でも受け入れられるような状況を理詰めで積み上げてこなければならないと思います。  三日月知事は、県の勉強会後の記者の質問に、大きな洪水に対してもダムにより一定被害を軽減することが確認できた、一方、ダムがあれば全て安全というわけではないことも再認識できたと、ダム建設の是非については曖昧な態度を示しておられます。少しでも、少しでも被害を少なくしたいと願う県民の願いを受けとめない言葉に今後の展開を危ぶむところです。  さまざまの検証の末に、淀川水系河川整備計画の変更には関係府県知事からの意見聴取が必要です。過去の大きな借りを持ちながらではありますが、三日月知事には滋賀を代表して何としても頑張っていただかねばなりません。今日まで知事は、この大戸川ダムに対する個人的な見解は一切述べておられません。ダムがあれば全て安全でないという嘉田知事継承の流域治水を大きく評価されているようにも感じるのです。国においても、相次ぐ災害の発生により、国土強靱化に向けての事業推進を鮮明にされました。防ぎ得ない災害の起きることも当然あるでしょう。しかし、為政者なら、少しでも可能性を求めて被害を抑える手だてを講ずることに努めるべきです。  知事に聞きます。検証結果を尊重する中で、流れに従うだけでなく、みずからの強い判断で流れを牽引していただけるよう、知事に頼る以外にすべない県民に向け、知事の大戸川ダム建設に向けての見解を求め、質問を終わります。 ◎知事(三日月大造) 水害から暮らしを守るためにということで、私には3点御質問いただきました。  まず1点目、琵琶湖の増水を防ぐことについてでございますが、琵琶湖に直接流入する河川は、一級河川だけでも117河川あり、流出する河川は瀬田川の1河川だけでございます。琵琶湖流域に大雨が降れば、琵琶湖からの流出量より琵琶湖への流入量のほうが桁違いに多くなり、琵琶湖の水位も上昇することになります。  そういった特性があるからでしょう。議員からも御紹介いただきました稲枝北小学校創立100周年を記念したふるさと稲村かるた、こういった先人の皆様方が過去の水害の惨禍を後世に残すための知恵をさまざまいただいているところでございます。  平成29年の台風21号などの大雨の際には、琵琶湖の水位上昇により、湖辺周辺等において浸水が発生し、地域住民の皆様には大変な御苦労と御心配をおかけしているところでございます。こうした浸水被害を回避するためには、琵琶湖の水位上昇を少しでも抑制すること、上昇した琵琶湖の水位を速やかに低下させることが重要であると認識しています。  2点目、大戸川ダムの県内治水効果を検証する勉強会での今日までの検証結果についてでございますが、昨年末に第2回の勉強会を開催いたしました。1つ目のテーマである大戸川流域に与える治水効果の検証を行いました。その結果、大戸川ダムを整備することで、これまで大戸川流域で発生した最大の洪水である平成25年台風18号については、大戸川の氾濫を抑制できること、さらに、近年、全国各地で発生いたしました大雨を大戸川流域に当てはめシュミレーションいたしました結果、平成29年九州北部豪雨や平成30年西日本豪雨については、浸水の範囲や深さが低減できること、また、平成27年関東・東北豪雨につきましては、浸水の範囲や深さは低減できないものの、ダムで一定とどめることで氾濫を遅らせ、避難の時間を確保できることなど、一定の効果があることがわかりました。一方、ダムが整備されても、支川や水路の氾濫によりリスクが残ることや、異常洪水時防災操作による浸水範囲の急激な拡大に対してソフト対策が必要となることが明らかとなりました。  3点目、大戸川ダムについての見解でございますが、近年、全国各地で想定を超える豪雨が発生し、とうとい人命や貴重な財産が奪われる災害が頻発しております。また、大戸川の河川改修も一定進んできたこともあり、大戸川ダムが県内に与える影響について検証するため、勉強会を立ち上げさせていただきました。この勉強会では、先ほど答弁いたしました大戸川流域に与える治水効果のほかに、瀬田川洗堰操作に与える影響を検証することといたしており、年度内に検証結果がまとめられるよう鋭意作業を進めてきているところでございます。これら勉強会の結果を踏まえまして、県としての考え方を整理し、今まで苦労されている皆様の思いもあわせて、また、未来を生きる人々のことも考えて、滋賀県の知事として県の立場をしっかりと国や下流府県へ説明してまいりたいと存じます。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) 水害から暮らしを守るためについての私に対する1点の御質問にお答えいたします。  水害による農作物の被害状況等でございますが、県内全域の浸水による農作物被害状況は、平成25年台風18号では、被害面積1,455ヘクタールで被害額約5億6,000万円、平成29年台風21号では、1,549ヘクタールで約1億7,000万円、昨年7月の豪雨では、350ヘクタールで約6,000万円でございました。また、平成29年台風21号による浸水被害では、彦根市南部の稲枝地域や野洲市から草津市にかけての琵琶湖周辺において大きな被害があったところでございます。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) (登壇)私にいただきました近々に起きた水害に関する状況についてお答えいたします。  まず、平成25年9月15日から16日にかけての台風18号では、琵琶湖流域平均の降雨量は約278ミリでございまして、琵琶湖の水位は最大プラス77センチまで上昇したところでございます。その間、瀬田川洗堰は、天ヶ瀬ダムへの流入量増加に伴う洪水調節の実施により、9月16日2時30分から14時30分の約12時間全閉されました。河川や琵琶湖周辺の状況につきましては、76河川で被害があり、特に栗東市の金勝川、高島市の鴨川では堤防の一部が決壊するなどの被害が発生いたしました。  次に、平成29年10月20日から23日にかけての台風21号では、琵琶湖流域平均の降雨量は約252ミリで、琵琶湖水位はプラス64センチまで上昇しました。その間、瀬田川洗堰は10月23日2時から3時30分の約1時間半、全閉されました。河川や琵琶湖周辺の状況につきましては、24河川で被害があり、竜王町の中津井川、新川流域で内水氾濫が発生し、新川では堤防の一部が決壊するなどの被害が発生いたしました。また、彦根市大藪浜や大津市和邇南浜での湖岸緑地の一部が流出するなどの被害も発生しております。  最後に、平成30年7月5日から8日にかけての7月豪雨では、琵琶湖流域平均の降雨量は約280ミリでございまして、琵琶湖水位は最大プラス77センチまで上昇したところでございます。その間、瀬田川洗堰は、下流の洪水防御のため放流を制限されたものの、全閉には至っておりません。河川や琵琶湖周辺の状況につきましては、15河川で被害があり、高島市や近江八幡市では琵琶湖や内湖の沿岸で宅地への浸水被害が確認されたところでございます。 ◆34番(西村久子議員) (登壇)琵琶湖の増水位77センチ、64センチであっても、それぞれ10センチぐらいの開きがあっても全閉操作はされるということなんです。いや、もう聞かないから心配せんと聞いといてください。ところが、昨年の7月には、77センチあったけれども全閉に至らなかったということなんです。そのときの状況によるということはよく承知しております。でも、琵琶湖の増水が何センチになったら、どのあたりが水がついてくるな、そこで農家は苦しんでいるな、作物は生きづらくなって水の中におぼおぼしているんだなということを担当部の皆さんが頭の中にちゃんとインプットしといてもらわんと困ると思うんですね。内水排除の方法もちゃんと講じられているわけなんです。ところが、その効果をあらわすためには、何センチまで上がった、もう危ないよ、じゃあ、彦根市さん、準備しなさいよと言ってもらわないことには、ポンプが常設してないところにおいては持ってこんなんわけですよ。そして、洪水期が外れて、もう干害のポンプを使わない時期になってくると、電源が切っているわけなんですね。さあ、ポンプ、排水かけてくださいって土地改良に言ったところで、電源が切っていますから1日半ゆとり下さい、そんなのんきな状況を農家に強いるということは非常に残酷ですよ。そしたら、前もってこの景色眺めて、このくらいの雨はここに降るだろうなと思ったら、前もって連絡を入れて対応していただくのが親切というものであって、担当部の責任じゃないかと思うんです。いろんな協議会の中にも担当部として御参加して意見言ってくださいということは、そういうことが配慮してもらいたいから言ってきたわけであって、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  知事さんに関しましては、私は今期で引退させていただきます。気力、体力、知力ともに、もうよぼよぼの状態になりました。最後の質問としてこのダム問題を取り上げさせていただいたんですけれども、琵琶湖に流れ込む水をどうしてとめるか。芹谷ダムもそうでした、丹生ダムもそうでした、北川ダムもそうでした。そういう願いを農家は持っていたわけなんです。浸水に泣いてきたところは、ダムに対するそういった、こういう役割を果たしてくれるんだという思いを持っていたわけなんです。それが全部だめになってしまったそういう悲惨さ。そして、早くスムースに流れ出てほしいなと思うけれども、下流の意向もありまして思うようにはいきません。そんな中でも、そんな中でも、1センチでも5ミリでもいい、早く水を落としてほしい、水位を下げてほしい、願うのは無理な願いではないと思うんです。大戸川ダムに容量として蓄えていただける水をそこでとめていただいたら、理屈としては、下流の状況もありますけれども、時によっては琵琶湖の水をその分流すこと、早く流すことはできると思うんです。1時間でも半時間でも早く水害から逃れたい、そんな思いを持つ湖辺住民の声として精いっぱい届けた私であったと思います。  もう一度言います。少しでも効果があるのなら、大戸川にため込んだ水を、その容量分を琵琶湖の水を流すことに御理解がいただきたい。今度は滋賀県の知事として、このはらはらした思いを持って生活している我々の意を十分に酌んでいただいて、滋賀県知事として下流府県に説明をしていただきたいと思っております。  本当にいろいろとお世話になりましてありがとうございました。精いっぱい質問させていただいたこの12年間、やっぱりダムの話が一番きつかったなと思っています。そして、結果が言ってもらえないことに非常に悔しい思いをしております。あとの議員の皆さんに託して、どうぞよろしくお願いしたいと思います。お世話になりました。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、34番西村久子議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後2時45分 休憩    ────────────────   午後3時4分 開議 ○副議長(生田邦夫) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、11番藤井三恵子議員の発言を許します。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇、拍手)今期定例会議、3つの大きなテーマで質問をさせていただきます。  第1点目は、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の施設整備費についてであります。  先日、主会場であります彦根の整備費200億円の予算が示された以降、大きく問われておりますこの主会場の現地放映をされておりましたテレビ報道を見て、多くの皆さんが注目をされております。そうした中で、すごい立派なものが建つんですねと、県外からも私にも何人かの方々が声をいただきました。また、周辺土地取得にもめどが立ち、整備をするという新聞報道もございました。予算の点では、周辺の都市公園の整備にも大きな開発予算をかけて、これまでで約27億円予算が使われようとしております。  日本共産党は、ことし、草津市内の全戸に市民アンケートをお配りし、先日、調査をまとめをすることができました。質問項目の中に、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の開催のための施設整備費などに総額500億円を超える予算が使われようとしていることについて、市民が知られているのか伺いました。すると、返答の中に、集計の結果では、やむを得ないが11.63%、見直すべきが69.77%、そして、わからないが15.7%でした。未記入は2.9%。中間報告でありますので、まだ回収が全部済んでおりません。今後も引き続き調査をしますが、その結果を受けますと、認める方よりも見直すべきだという方が6倍多くなっています。こうした結果を踏まえても、私は見直すべきだというふうに思うんですが、現段階での彦根主会場整備計画について見直す考えがないのか、再度知事にお尋ねをいたします。よろしくお願いいたします。 ○副議長(生田邦夫) 11番藤井三恵子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  第1種陸上競技場を含みます(仮称)彦根総合運動公園の整備につきましては、2024年の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の開催はもとより、将来のスポーツ振興、スポーツを通じた健康増進や地域の活性化のため、真に必要な事業と認識しております。今後も、県民の皆様に御利用いただけるよう丁寧に御説明を申し上げながら、2023年のリハーサル大会に向けて必要な整備を終えるべく、効率的な予算執行に努めながら着実に事業を進めてまいる所存でございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会は、先ほども言いました事業費総額500億円を超えるということで、県民にとって大きな負担となると考えますが、その財源の内訳についても、先日のテレビ報道では、国から5億円、寄附が1億円、その他地元自治体の負担であるというようにグラフを示されて説明がありました。その財源について、県はどのように財源確保をし、整備をされようとしているのか、知事にお尋ねをいたします。 ◎知事(三日月大造) こうした大規模事業を実施するに当たりましては、事業費の抑制とともに、その財源をいかに確保していくかということが大変重要であると認識しています。こうした認識のもと、まずは社会資本整備総合交付金を初めとする国の資金や独立行政法人日本スポーツ振興センターの助成金といった財源を最大限求めていくこととしております。あわせまして、将来にわたり末永く県民の皆様に御利用いただく施設を整備させていただきますことから、世代間負担の公平性の観点に立ち、県債の活用を図ってまいります。このほか、寄附金につきましても、先催県に比べ、早くから取り組みを開始いたし、これまで多額の御厚志をいただいておりますが、引き続き企業や個人に御協力をお願いしてまいりたいと考えています。  今後も、あらゆる機会を捉え、国等に対し支援を求めるとともに、交付税措置のある有利な県債を可能な限り活用するなど、本県財政の負担軽減に向け、精いっぱい努めてまいる所存でございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)今申し上げましたように、いろんな財源を示されたわけなんですけれども、いろいろ説明をこの間受けてきたわけなんですが、建設費についての内訳等を国に要望してというお話なんですけれども、財源が示されたということに対して、県民の皆さん、それを見て、ああ、そうなんかということで、ほとんど地元負担だというように認識をされているというふうに思うんですが、その点について、どのあたりでこうだということをもっとわかりやすく説明を、再度お願いしたいと思うんですけれども、よろしくお願いいたします。 ◎知事(三日月大造) どのあたりでこうだという部分は、今も申し上げたとおり、全体の財源をなるべく抑制しながら、なお必要なものを確保するということが大事だと考えます。その際には国の資金もしっかりと確保しようということで、社会資本整備交付金を初め、さまざまな助成金をいただくべく努力をしてまいります。それがまだ何割だということが決められているわけでもありませんし、どこまでいただけるのかということも、現時点、申し上げることができません。かつ、私ども今生きている県民が利用するということにあわせまして、将来世代も一定使えるということから、県債の活用も図りながら財源調達をしていきたいと考えておりますし、寄附金につきましても早くから始めておりますので、できるだけ多くの方々にいただけるようにしていきたいと考えております。また、県債につきましても、交付税措置のある有利な県債というものを可能な限り活用しながら、本県財政の負担軽減に努めてまいりたいということでございますので、現時点でそういった財源の割合をここでお示しすることは少し難しいのではないかと考えているところでございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)そうした中で、いろんな仕組みをつくって、いろんなところに要請をしてお金も集めるということなんですけども、費用が大きなお金になります。この間ずっと言ってきたんですけれども、国民スポーツ大会に際しての2003年の全国知事会の緊急決議を受けて、簡素、効率化の流れの中で進めてこられた中、滋賀県においてはどんと予算が大きく膨れ上がるということで注目されているわけですね。テレビ報道でもコメンテーターの方がすごい立派なものだということで発言もされておられましたし、そういったところで、あちこちで今これからマスコミを通じても報道があるというふうに思うんですけれども、その点で、8年後には829億円の税源不足を生じるということで、県は経営方針を立てられて、収支改善だと言いながら県民の暮らしや福祉の予算を約10億円削減されるということであります。こうしたやり方が本当にいいのかというところが、今、県民の皆さんから批判の声や、また心配の声が出てるというふうに思います。本来の地方自治の趣旨から外れ、役割をしっかりと進めていくという逆行する流れの中で放棄したものではないかというふうに私は思うんですが、県民が納得をされる身の丈に合った国民スポーツ大会にすべきだということで、県はこれまで費用負担の件については、軽減措置努力をどのようにされてこられたのか、県民生活部長にお伺いをいたします。 ◎県民生活部長(浅見孝円) (登壇)お答えをいたします。  大会開催に向けましての施設整備につきましては、可能な限り事業費の抑制を図るべく、施設内容や整備手法をさまざまな視点から検討いたしまして、最少の経費で最大の効果が得られるよう整備を進めてきたところでございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)最小の費用で最大の効果ということで、いろんな点で検討されているということなんですけれども、4点目の新県立体育館の整備についてでありますが、ことし、PFI方式による新県立体育館の整備の計画、これをするために募集をかけて来年度事業の設定を図るとされ、4億6,901万4,000円の計上をされておられます。日本共産党県議団は、これまで、今ある体育館の有効活用をしながら、現地建てかえなども含めて検討し、総額90億円を超える整備計画については見直しを図るべきだと主張してきました。現段階での県の考えについて、今計画されています滋賀医大前の県有地の整備計画は変わらないのか、再度お伺いをいたします。 ○副議長(生田邦夫) 当てられへんねんけど、多分……。 ◆11番(藤井三恵子議員) 書いております。すいません、県民生活部長にお願いいたします。 ◎県民生活部長(浅見孝円) お答えをいたします。  これまでから申し上げておりますとおり、新県立体育館の整備につきましては、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の開催はもとより、県民の皆様の健康づくりやスポーツの振興、さらには地域の活性化などに必要不可欠な投資であると認識しているところでございます。整備手法としてPFI方式を採用するなど、これまでから事業費の抑制を図るべく取り組んでまいりましたところでございまして、今後も2022年度の供用開始に向けまして着実に整備を進めてまいる所存でございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)また委員会でもこれは主張させていただきたいと思っておりますが、次に、(仮称)草津の市立プールの整備についてでありますが、草津の計画は、50メートルの屋内温水プール、25メーターの屋内温水プールと飛び込み台を兼用されて、2,500席の観客席の計画で整備が進められようとしています。そうした中、プールの建設についても、日本共産党草津市議会が先日行いました、草津市民に全戸にお配りをしてアンケート調査を行ったところ、建設予定を知っておられるというのが38.37%、知らないという方が58.14%、こうして知らない方がまだ多くおられる状況でした。十分説明もないまま事を進めるというのはいかがか。草津市が建てられるからというのではなくて、県も開発予算の3分の2を出すということであれば、十分草津市と協議をされて市民に周知徹底するということが大事なのではないかなというふうに思っております。  あわせて、整備についても、いろいろ検討されている中で、大丈夫かという声も出ておりますが、どのような協議をされているのか。沖縄では、24日の県民投票で7割の方が辺野古の新基地建設埋め立て反対ということを表明されましたけれども、国はそういう民意を聞かないでどんどん事を進めるというのと同じように、住民が後追いになっているというふうに思うんですが、この点で、現段階での状況も踏まえて、選定委員会の開催費用など次年度の予算化もされようとしております。県民生活部長に現段階での状況をお伺いをいたします。 ◎県民生活部長(浅見孝円) お答えをいたします。  現段階での(仮称)草津市立プールの現在での進捗状況ということでお答えをさせていただきます。  (仮称)草津市立プールの整備につきましては、現在、草津市において、用地造成などに係る設計業務に取り組まれているところでございます。あわせまして、今回の事業はPFI方式による実施を予定されておりますことから、アドバイザーの支援を受けながら、6月に予定されている要求水準書(案)などの公表に向けまして着実に取り組みを進めておられるものと承知をしております。引き続き、草津市とより一層緊密に連携協力しながら、事業が円滑に進みますよう、しっかりと取り組んでまいる所存でございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)この全てのところ、各地で今後、会場となります施設整備も含めて、改修や、いろんなところで多岐にわたってお金がかかるというふうに思いますし、前回の11月定例議会でもお話しさせてもらいましたけれども、オリンピック、パラリンピックによる資材の高騰等もあって業者さんも大変な状況の中で、これ、先ほど6月にということでありましたけれども、本当に十分練り上げられた中で推進されるというふうなところでは、なかなか市民の側からすると見えない状況でもございますので、しっかりと県と連携をしてということを市もおっしゃっておられますが、アピールも含めて弱いところだというふうに思いますし、マスコミなんかが入ると、すごく一定テレビなど見ていらっしゃる方には情報が入るんですけれども、そういったところで、先ほど言いましたように周知徹底の部分では弱いのかなというふうに思っております。今後、さらに寄附も集めてというようなお話もありましたけれど、状況も含めて、5年後ということでありますので、内容の充実を図っていただきたいなというふうに私は思っておりますので、今回、改めて再度確認をさせていただきました。  引き続き、次に大きな2点目の質問に入らせていただきます。  種子法の廃止後の農業環境の保全対策を求めることについて、一問一答方式でお願いをしたいと思います。  アメリカの巨大多国籍企業の圧力を受け、先日、種子法が廃止をされた、そんな中で、昨年4月1日から、この廃止以降、各地方自治体から、食の安全を求めて種子法にかわる条例制定を進めている自治体も生まれております。全国では、ことし1月までに衆参合わせて250を超える自治体から意見書が上げられたということです。そして、滋賀県議会におきましては、請願が上げられましたが、残念ながら不採択となっております。他府県では、これまでに5つの県で実施をされているというふうにお聞きをしておりますけれども、先日の代表質問の答弁の中で、滋賀県は14の市町の議会から県独自の条例化を進めてほしいという意見書が提出をされているということを明らかにされました。ぜひ県としても、条例の制定に向けて取り組みを始めるというふうに答弁もありましたんですが、いつごろ検討され条例化を目指されるのか伺いたいと思います。知事にお願いいたします。 ◎知事(三日月大造) 昨年11月の定例会議以降、各県の条例制定の取り組みを研究いたしまして、本県農業の一層の発展に向け、県としてどのように対応すべきか検討してきたところでございます。条例の制定に向けた取り組みにつきましては、速やかに始めていきたいと考えております。策定のスケジュールにつきましても、これから検討していくこととなりますが、農業者のほか、広く県民の皆さんの御意見を聞きながら進めていきたいと考えております。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)それで、まだこれからということでございますんですけども、県条例の制定に向けて、北海道は小豆を入れたり、長野はソバを入れたりということで、独自の守っていきたいという種子についての検討をされたというお話を伺ってるんですけれども、実際条例化をした県では、独自のこうした作物を加えたり、保護を対応をされたりという提案がなされております。滋賀県としては、どのようなものを保護し、進められようとされているのか、お伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  農業就業人口の減少、気候変動および産地間競争の激化など、本県農業を取り巻くさまざまな情勢の変化に対応していくためには、滋賀の気候風土に合った品種の育成や普及、育成した品種の権利保護、気候変動への適応や革新的技術の体系化も必要と考えているところでございます。条例の制定に向けては、こうした視点を持ちながら検討をしてまいりたいと存じます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)いろいろ検討されるということであります。各市町からの要望といたしましては、国にかわる種子保護の基準設定などの内容と、人的なことを進めてほしいということと、予算の支援を求める声が多かったというふうにお聞きをしているんですけれども、今ある仕組みをさらに条例化をすることで強化をされると言われるのか、その点について農政水産部長にお伺いをいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) (登壇)お答えいたします。  本県農業の振興を図る上で、滋賀の気候風土に合ったすぐれた品種の開発を初め、原種の生産や種子の審査などによる優良種子の生産と安定供給など、一連の取り組みが重要と考えております。そのための予算や人員の確保に努めまして、本県農業の維持発展につなげてまいりたいと考えております。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)今、これからということで、総論的なことだったというふうに思います。これまで主要農作物、稲、麦、大豆の優良な種子の生産および普及を促進するために、種子を生産する圃場の指定とか圃場審査、優良品種の開発、決定およびその品種の原種の生産、普及などを行うということが目的とされたこの主要農産物の種子法ですが、その日本の農業を支えてきた状況をさらに発展をさせていくということが大事だと思います。そういった点で、先ほどお話しさせていただきました地域に合った種子の保存と改良、安価な種子を安定的に供給するという働きをしてこられた滋賀県の農業試験場の方々に、行かせていただいて、いろいろ教えていただいたんですけれども、多くの品種改良を重ねて、滋賀に合った独自の奨励品種をつくり上げて、これまで来られたと思うんです。この目的や、継続して働ける仕組みなどを守り発展させていくということを、今後つくられる条例の中にもちゃんと位置づけて、国に新たな種子法にかわる新法の動きもありますけれども、身近な県としても、さらにこの具体化というか、滋賀独自のブランドをつくり売り出すというのであれば、さらに力を尽くす必要があると考えます。現場の意見も聞き、検討されるということでありますが、民間企業にそうした中身を売り渡すような今の国の状況を、やっぱりしっかりと意見も上げるとともに、日本の主食を守るということを、ぜひ滋賀の農業を支えるということを、条例化に向けて、意向を踏まえた中での条例化を進めていただきたいということを再度お願いし、この質問を終わらせていただきます。  次に、大きな3つ目でございます。第3期の滋賀県教育振興基本計画について、幾つか一問一答で教育長にお伺いをいたします。  2019年度の予算的な重点施策は何かということでありますが、第3期滋賀県教育振興基本計画は、2019年度から5年間の計画で提案をされています。この計画の中で、次年度はどのようなことを重点的に取り組まれようとされているのか、お伺いをいたします。全て教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  第3期滋賀県教育振興基本計画では、現在の社会情勢等を踏まえ、基本目標を「未来を拓く心豊かでたくましい人づくり」とするとともに、サブテーマといたしまして、「人生100年を見据えた『共に生きる』滋賀の教育」としております。目標達成に向け、3つの柱を設け、各種施策に取り組んでまいりますが、中でも、家庭や学校において、子供たち一人一人の学ぶ力を高めながら、基礎的、基本的な知識や技能を身につけること、また、読み解く力の育成について重点的に取り組んでまいりたいと考えております。  また、人生100年を見据えたライフサイクルを踏まえ、生涯学習に力を入れた取り組みを行いたいと考えており、特に読書に焦点を当てた取り組みをさらに推進をしてまいりたいと考えております。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)読み解く力を深めて、さらに発展をということで、読書などに力を入れるということでありますが、本当に今、子供さんたちの教育環境、多岐にわたっていろんな社会環境が変わる中で、一つ一つやっぱり守っていく教育というのが大事かというふうに思います。そういった点で、学校教育の中では、教師の働き方改革の中身について、前回11月の定例議会では質問をさせていただきましたけれども、この状況改善、働き方の長時間労働是正のために、どうこの間、改善をされてこられたのか、お伺いをいたします。教育長にお願いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  学校における働き方改革取組計画に沿いまして、調査や会議等のさらなる見直し、授業準備のための教材データバンクの充実など、学校現場の業務改善に資する取り組みを、市町教育委員会と連携のもと、丁寧に進めてまいりたいと考えております。
     県立学校におきましても、学校閉庁日の取り組みや、校務ネットを活用いたしました会議のペーパーレス化、職員の打ち合わせの削減、また、会議の効率化、退勤促進のためのチャイム等、労働時間の短縮に効果的な取り組みも報告されておりまして、これらについては情報共有を図り、各学校で実情に合わせて取り組まれるよう支援をしてまいりたいと考えております。  また、配置により削減効果が認められました小学校におけるスクール・サポート・スタッフにつきましては、配置拡充を図ってまいりたいと考えております。さらに、部活動につきましては、部活動指導員を中学校に加え、高等学校にも新たに配置をして人的支援を行うとともに、短時間で効果的、効率的な指導が行われるよう支援をしてまいりたいと考えております。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)今おっしゃられた、多岐にわたっていろんな手だてをされて学習支援をされているということで、今回、定数、県費負担教員の数、提案されておりますけれども、定数以外に、いろんな箇所的に人的配置をされて、ふやして対応するということもお聞きしているんですけれども、新学期に向けて、この体制で本当に指導内容がいっぱいある中で回っていくのかという御意見もあるんですけれども、県はどのように今後この定数、少人数学級も含めてですが、加配も含めて対応をされていくのか、先ほどとちょっと重なる部分はあるんですけれども、検討いただいているのか、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  小中学校におけます教職員配置定数は、国の義務標準法にのっとりまして配置をしておりますが、来年度、特に小学校におきまして、新学習指導要領の円滑な実施に向け、英語専科指導のさらなる充実のための加配教員や、通常学級に在籍をする特別な支援を要する児童生徒への対応のための通級指導教室の加配教員の拡充等を図ってまいりたいと考えております。  また、新たな取り組みといたしまして、県単独措置によりまして、算数・数学科において、子供一人一人の学力の底上げ等を図るため、習熟度に応じた少人数指導を行う加配教員を配置してまいりたいと考えております。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)今ちょっと触れられたんですけれども、新たに個に応じた少人数指導推進事業ということで、県単独で事業を進められるということで説明がありましたんですけども、この内容について、学力の向上を図るという説明がありましたが、どのように支援をされていかれるのか伺いたいと思います。教育長にお願いします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  本県では、国の措置に加え、県単独の措置によりまして、これまで少人数指導、あるいは35人学級編制によるきめ細かな指導を行ってまいりました。しかしながら、取り組みを進める中で、特に算数・数学におきまして、小学3年生の割り算や小数などの学習、あるいは中学1年生での文字を使った式や関数などの学習につまずきが起きやすいことがわかってまいりました。このようなつまずきを防ぎ、学んだことを確実に身につけさせるため、基本的な問題にじっくり取り組んだり、学んだことを活用する問題に取り組んだりすることなど、子供一人一人の学習状況に応じた習熟度別の指導を充実してまいりたいと考えております。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)いろんな学年によって、つまずきや、また課題が見えたということで、それに手だてをされるということで、個に応じた少人数指導推進事業ということをされるということなんですが、それにしても、なかなか先生方の労働強化の中での改善が、手だてはされていますが、まだまだ不十分というふうにも聞いております。そういった点で、さらに、先ほどお話ございました英語科に伴いまして、中学校の英語科の調査の実施ということで、全国学力・学習調査に初めて導入をされる中学校の英語の調査、とりわけスピーキングの話をするテストの実施について、各学校でパソコン教室の使用がこれは必要となって、このままではテストを受ける体制が不足する学校も出て、現場は混乱するのではないかという、ある先生から教えていただいたんですけれども、このような状況の中では、これこそ格差が生まれるんではないかなというふうに思うんですが、英語調査の現状と課題について、県教育委員会としてどのように捉えておられるのか、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  現在、中学校英語「話すこと」調査の実施に向けまして、全ての中学校で実施をできるよう、各市町教育委員会で準備や実施体制の確認をいただいているところでございます。しかしながら、実施に当たりまして、一部の市町教育委員会からコンピューターの設定等に課題があるとの報告を受けております。そのため、文部科学省が示しております実施マニュアル、こういったものをもとに、関係市町教育委員会への情報提供や助言を行っているところでございます。  さらに、今年度、県内の抽出校で実施をされました予備調査、この状況について、市町教育委員会を通して各校に伝え、当日の調査が円滑に行われるよう努めているところでございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)グローバル、世界に通じる子供たちということで、教育も英語科が導入をされて、国語の学力もというようなお話もありますけれども、中学校でそうした新たなお話をする学力がどのあたりまで来ているのかというのを調査をされるということでありますが、本当に先生方もそれに対応する状況も踏まえて大変になってくるのではないかなというふうに思います。そして、働く時間も長くなってしまうのではないかなという危惧もございます。そうした点でも、十分皆さんの状況も踏まえて、またお話も現場から聞いていただいて、全校にというところの体制が整えない場合はどうするのかということも、3年後ということで聞いておりますので、その点でも改善をするべき点についてはしっかりと対応をいただきたいなというふうに思っております。  次の質問に入ります。部活動顧問の指導体制についてでありますが、この部活動指導員の配置というのについてはどのように進めていかれるのか、お伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えいたします。  生徒の意欲や技能の向上を図りますとともに、部活動指導における教員の働き方改革を推進するため、単独で指導や生徒引率が可能な部活動指導員を、今年度は中学校で運動部18名、文化部で2名の合わせて20名を配置をしております。平成31年度につきましては、市町からの配置予定数をお聞きをし、中学校では運動部42名、文化部4名の合わせて46名、また、県立高校におきましても、新たに運動部20名、文化部7名の合わせて27名の配置を予定しているところでございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)先ほども各議員からも質問がありましたけれども、この人数で本当に部活動の推進、支援という体制が整うのかというところでは、まだまだ不十分ではないのかなというふうに思うんですが、続いて、部活動の教員へのこの活動支援の条例改正案ですけれども、第67号議案で提案をされております。特殊勤務の手当に関する条例の一部を改正する条例案、提出をされております。部活動による手当について、3,600円を2,700円に減額見直しをするという提案であります。先日の冨波議員の答弁では、金額については、義務教育費の国庫負担金の最高限度額の算定方法の見直しで、国のガイドラインで示された週休日などの活動時間、おおむね3時間に基づくものというふうに根拠を示されていますが、この根拠となっていた通達では、都道府県の裁量で検討するようにというふうにあって、一律にこの金額にすべしというふうには書かれていないということが明らかになっています。その点について現場からの異論が出されているというふうにお聞きをしているんですけれども、この改定についての見直しは、今提案されているわけでありますが、考えについて教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えいたします。  現在、学校現場では、教員の皆さんの熱意によって、それこそ休日を返上してクラブ活動の指導に当たっていただいております。そうした中、ことし1月25日に出されました中央教育審議会、この答申の中で、いわゆる長時間に及んでいる部活動について、改めてスポーツ庁が作成をいたしましたガイドライン、また、文化庁が作成をいたしましたガイドライン、こうしたものを踏まえて適切な活動時間や休養日の設定を行うようにというふうにされたところでございます。  これまで、先ほど申し上げました、熱心に部活動指導をやっていただいているところでございますが、一方で、教員の働き方改革の観点から、また、成長期にある生徒のバランスのとれた生活の実現のため、活動時間が議論をされる中、スポーツ庁等のガイドラインで示された活動時間を踏まえて、活動のあり方、あるいは活動時間をしっかり見直していく必要があるものというふうに考えております。  今後、この見直しを進めていく中で、できるだけ短時間で効率的、効果的な活動をしていただくことによって、子供たちがバランスのとれた発達ができるよう、また、教職員の働き方改革が進むよう、しっかりと取り組んでまいりたいと、そういう考えのもと今般提案をさせていただいたものでございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)先ほども西村議員が質問されておりました中身と変わりないというふうに思うんですけれども、今言いましたように、昨年の2018年12月21日、政府は、101兆4,000億円ですか、次年度の予算案が閣議決定をされたことを受けて、この予算案について、部活動の指導手当が、これまで4時間程度が3,600円から3時間程度で2,700円に減額されるということを、県教委は12月半ばになって、この組合等に、12月の半ばですよ、もう年末に示されたというふうに、それも急にということでありますから、それはそれで現場も混乱されますし、これまで対応されてきた先生方もどうしてなのかということは当たり前の理解だというふうに思うんです。働き方改革とおっしゃって、時間を短縮するというのは、もうそれは健康管理も含めて大事なことだというふうに思うんですけれども、一方で、その補助対象の上限を変えてしまうというようなことはちょっと筋違いかなというふうに思うんです。  文科省の通達運用の中で、2年目の2018年当初予算は5億円を見込まれたこの支援の金額、全国の中学では4,500人の配置を目指されたということなんですが、これは国、県、市町で3分の1の負担ということで、補助対象の上限が時給1,600円、週6時間、年間にして35週ということで指針が出されたというふうに聞いてるんですが、こうした部活動の中身についても、この手だてとして対応していただく、休日とか、平日でも週2回とかいう、各自治体によって違うそうですけれども、それに見合った最大の報酬は33万6,000円、先ほど答弁されましたけれども、その金額に当たるわけです。滋賀県におきましても、そうやってこれまで来られて、何とかやってこられたけれども、この金額を下げることによって、現場の先生方のやっぱり士気、意識も低下しますし、また、運営の中身についてもなかなか難しいのかなというふうに思うんです。その点では再考いただきたいなというふうに思うんですけれども、この提案を変えるということは先ほどの話でもないように感じるんですが、再度お願いしたいと思います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  今議員の御指摘は部活動指導員との関係もあったかと思いますが、4,500人とおっしゃいましたが、滋賀県は一般的に言いますと大体100分の1でございます。先ほど御答弁もさせていただきましたように、この指導員、中学校でいきますと来年度46名ですので、ほぼ100分の1というようなことで、これは当然、市町の希望を聞いてのということになりますので、一定措置はさせていただいているところでございます。  そういう中で、今のその手当、3,600円を2,700円というところなんですが、今申し上げておりますように、今、働き方改革が非常に叫ばれております。そういった中で、一番大きな要因、一番と言うとあれですが、大きな要因として、やはり部活動指導というのもございます。そこも見直さない限り、やはり働き方改革もなかなか進まないというのもございます。また、スポーツ庁等が言っておりますように、子供の発達ということから考えても、一定やはり時間というものを意識をした活動をしていく必要があると、こんなふうに言われております。そういうことから、我々も「部活動の指導について」という県の通知を出しております。その中もそういった時間にさせていただいておりますので、今後、できるだけ教員の皆さんの熱意は熱意として、熱意だけではこれからはやっぱり難しいのかなと。やはり教員自体の健康もあります。子供たちの健康もあります。そういうことを配慮しながら、一方で、先ほど来出ております国体というのも控えております。非常に我々も難しい、両方立てるというのは難しいなと思っておりますが、関係部局からの指導者の派遣とか、そういったこともいただきながらしっかり取り組むことによって、教員の働き方改革、あるいは子供のバランスのとれた発達と、そういったことを目指したいということを狙いに今回提案をさせていただいたものでございますので、御理解よろしくお願いしたいと思います。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)いろいろ苦慮されているというのは何となく今のお話も含めて感じますが、こういう流れの中で、本当に今問われている子供の健康、また、先生方の働き方改革の中身で提案をされている流れの中では、誰のために一番いいのかというのを考えるということと、あと、お金の面ではまた別建てで、名古屋のほうでは、講師資格を持った先生を部活動顧問ということで手当を当てて別建てでされているというようなこともある本に書いてあったんですけども、そういうふうにすみ分けをして対応するということも可能かなというふうに思っているんですが、いろいろ急に、先ほど言いましたように急に変えますよというようなことで、現場の意見も聞かないままに、国の方針をすんなり受けてというか、裁量で検討いただいても結構ですというふうに文科省もスポーツ庁も言っておられる中で、滋賀県は独自にこういうふうに減額されるということについて、どうなのかなというふうに思うんですが、再度この点については、どうお考えになっておられるのかお聞きしたいと思います。教育長にお願いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えいたします。  議員、今お触れになられたこの手当につきましては、今までから国の義務教育負担法ですか、これにのっとった金額にしてきたところでございます。特に昨年度、3,000円から3,600円と上がったということもございまして、その影響もあって、今回、2,700円というのがある意味目立つのかなというふうに思っておりますが、言いましたように、この金額というよりも、やはりそれを取り巻く状況、教員の働き方、子供たちの発達、そういったことを考えて、より短い間でより効率的に活動をするというようなことで今回提案をさせていただいだものでございますので、よろしくお願いしたいと思います。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)このことによって、減額することによって、約1億円ほど財源が減らされると、予算が減らされるということを聞いてるんですけども、お金だけではなくて、本当に何をもって指導や、競技力向上とか言われてますけど、そういうふうなことも含めて検討いただくのかというのを、現場でやっぱりしっかりと納得のいくような方向で検討いただくということが大事なのかなというふうに思っております。今回、条例で提案されていますので、議論をしたいということでこの質問を終わらせていただきますが、本当にあらゆる分野で協議をされている中身について、やっぱり現場主義って、最初、教育長になられたときにおっしゃられたと思うんです。大変な思いをされているとは思うんですけれども、そこを踏み込んで、やはり先生方や子供たちのために何がいいのかというのを再度検討をいただきたいなというふうに思います。大きく滋賀の教育を変えるこの3期の計画、それを踏まえて、先ほど言われた個別の課題について対応いただき、さらに、教育は百年の計と言われておりますけれども、どの方向に向いて子供たちを育て、教育していくかというところをしっかりと見据えた中で議論をいただきたいことを再度お願いをいたしまして、今回の質問を終わらせていただきます。  以上で終わります。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、11番藤井三恵子議員の質問を終了いたします。    ──────────────── △会議録署名議員の補充指名 ○副議長(生田邦夫) 今期定例会議の会議録署名議員のうち、24番大野和三郎議員がただいまのところ欠席でありますので、本日の会議録署名議員を1名補充指名いたしたいと思います。  会議録署名議員の補充指名の件を日程に追加いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、本日の会議録署名議員に、27番富田博明議員を補充指名いたします。    ──────────────── ○副議長(生田邦夫) 最後に、5番竹村健議員の発言を許します。 ◆5番(竹村健議員) (登壇、拍手)本日最後となりました。どうぞよろしくお願いしたいと思います。  敬愛をいたします西村久子議員が、長年にわたる議員生活の中でお取り上げをいただいておりました治水、そして農業、そして、きょうは、私がこれから取り上げさせていただきます特殊勤務手当の見直しというようなこともお取り上げいただきました。やっぱりこれは大変重いものであるというふうに私自身も思っております。既に初日に冨波議員もお取り上げをいただきました特殊勤務手当の見直しについて、少し触れさせていただきながら、私なりに、国体──国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会が5年後に迫ってきている中で、部活動をテーマに議論をさせていただきたいと思います。  まず、学校における部活動の意義をどのように認識しておられるのか、御自身の体験も踏まえながら、まず知事に伺います。 ○副議長(生田邦夫) 5番竹村健議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  私自身の体験も踏まえてということでございますが、いろいろありますが、高校時代は、新しい部を仲間とともに立ち上げ、自主的に練習に励んできたことを思い出します。また、現在、3人の子の親としては、時代の流れの中で、子それぞれの考えに寄り添うことも必要ではないかと考えております。  一般的に私の考えは、生徒の自発的な参加により行われる部活動の経験は、生徒の自主性、協調性、責任感などを育む人間形成の場として大変意義のあるものではないかと考えているところでございます。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)もうちょっと快活に知事らしく、自身の何か部活動の思い出を語っていただきたかったなというふうに思います。  同じ質問を教育長にも伺います。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  私自身も、仲間と切磋琢磨したり、あるいは大会で負けて悔しい思いをしたりと、そんなこともございました。こうした経験から、部活動は、体力あるいは技能の向上を図ることはもちろんのことですが、ルールを守ることの必要性とか重要性、また仲間づくり、あるいは顧問の先生、先輩、後輩といった人間関係、こういったものを構築するなど、生徒の生きる力の育成、あるいは豊かな学校生活の実現に大変有意義なものというふうに考えております。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)私自身、学校の勉強よりも部活等を通じて得られたものが大きく、部活動を通じて養った体力や技術はもとより、苦しい練習を耐え抜いてきた気力や、また、挨拶など礼節に至るまで、今まで生きてきた上での礎となっているということを言っても過言ではありません。特に、先輩、後輩の上下関係が厳しかったことから、今でも会派の先輩議員からの言いつけには、はい、喜んでと体が反応してしまいます。恐らく、この議場におられる中でも、部活動に在籍されていた方も多数おられるかと思いますが、部活動の意義は今さら私が申し上げるものでもないと思います。共有していただけるものと思います。  そのような中、今定例会議において、滋賀県学校職員の特殊勤務手当、先ほどからも議論がなされております。詳しい中身は触れませんけれども、そもそも休日等の練習試合など、実態としては3時間から4時間で活動がおさまっていない状況があります。このようなことからも、実質的にはやはり手当の減額となるのではないでしょうか、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  先ほど来から答弁いたしておりますように、ことしの1月25日に出されました中央教育審議会、この答申の中で、部活動につきまして、改めてスポーツ庁が作成をいたしましたガイドライン、あるいは文化庁が作成をいたしましたガイドライン、こういったものを踏まえまして、適切な活動時間、あるいは休養日の設定を行うようにとされたところでございます。  これまで教員の皆さんの熱意によって支えられてきたこの部活動指導ですが、教員の働き方改革の観点、また、成長期にあります生徒のバランスのとれた生活の実現のため、活動時間が議論される中、スポーツ庁等のガイドラインで示されました活動時間を踏まえまして、今後、活動のあり方、あるいは活動の時間をしっかりと見直していく必要があるものというふうに考えております。  議員御指摘のとおり、現時点におきましては、学校現場の実情とこの手当の支給要件であります3時間程度という従事時間には差が生じている場合もございますが、今後、国のガイドラインで示されましたように、できるだけ短い時間に効率的、効果的な活動をしていただくことによって、子供たちのバランスがとれた発達、あるいは教員の働き方改革がしっかり進むよう取り組んでまいりたいというふうに考えています。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)そのようなお答えがあるというふうに想定はしておりました。けど、実質、やはり一定手当の減額になるというふうに私は思います。  それと、私、ちょっと知らなかったんですが、実は、これは平日は手当が支給されないんですね。土曜日、日曜日、休みしか支給がされないということで、平日については先生が学校の本来の残業手当だけでやってらっしゃるというようなことを今回初めて知りました。  この条例案は、中学校だけではなく高校の部活動も対象になっているということを、先ほども聞きましたが、改めて確認のために教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  高校の教員についても対象となるものでございます。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)冨波議員もお取り上げいただきましたが、本年度の7月に滋賀県教育委員会から部活動の指導についてという、いわゆる滋賀県版ガイドラインをスポーツ庁が出されたガイドラインを踏まえて出されています。この中で、部活動の活動時間の基準が示されており、高等学校では平日はおおむね3時間以内、休みの日はおおむね4時間以内とするとされています。今回の条例案では、国の指針に基づいて、現行4時間程度従事した場合3,600円から3時間程度従事した場合2,700円に改定するものであります。県は、独自のガイドラインをつくり、高校は4時間と定めているのであれば、高校の部活動まで3時間2,700円とするのは整合性がとれていないと考えますが、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  今、国におきまして、成長期にある生徒が、運動や休養等のバランスのとれた生活が送れるよう、生徒にとって望ましいスポーツ環境を構築するという観点から、あるいは、教員の長時間勤務の大きな要因となっております部活動のあり方を含めまして、学校における働き方改革の観点からという、この2つの意味から取り組みが進められております。県教育委員会が策定をいたしました「部活動の指導について」におきましては、ただいま議員がお触れいただきましたように、4時間以内というふうにしておりますが、これは、4時間活動をしていただきたいということではなくて、より短い時間で効率的、効果的な活動をすることによって成果を上げていただきたいということで4時間以内というふうにしております。こうしたことから、手当の3時間程度ということと大きなそごあるというふうには考えていないものでございます。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)再質問します。  義務教育国庫負担金等の減額があって今回の条例改定ということであれば、百歩譲って、中学校の部活動のみを例えば対象とするのであれば、教育委員会の上程理由としてはわからなくもありませんが、高校の部活動まで2,700円とするのはどう考えても整合性がとれないと思います。再度教育長の答弁を求めます。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  時間の考え方につきましては今答弁いたしたとおりですが、加えまして、この手当につきましては、従来から国の義務教育国庫負担法に基づく手当額に合わせてきたものでございます。そういったことから、今般、3時間2,700円というふうに国のほうが改められましたので、県といたしましても、それに沿って改定をお願いしようとするものでございます。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)私から言わしたら便乗値下げかなというふうに思いますね。  国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会を5年後に控え、県を挙げてスポーツの高揚に取り組んでいるところであります。その最中の今条例案改定は、部活動にかかわる教員のモチベーション低下など水を差すことになると考えますが、教育長の見解を伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  部活動は、そもそも人間形成や自己実現の達成などの教育的意義のある活動であり、学校教育の一環として生徒の自発的な活動を教員が支えているものというふうに認識をしております。こうしたことから、これまでに比べて短い時間であっても効率的、効果的な活動が行えますように、県教育委員会といたしましては、運動部活動指導者スキルアップ事業の実施、あるいは、先ほど来申し上げております部活動指導員の一層の活用を図りますとともに、スポーツ局が実施をされております強化拠点校への優秀指導員の派遣、あるいは効率的なトレーニングのためのトレーナーの派遣、こういったものも受けながら部活動の活性化に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)水を差すことにならないですかと私は聞いたので、今の答弁ですと、そこの部分はちょっと冷や水を浴びせるようなことになるんじゃないかと私は思っているんですが、そこはどう思われますか、再質問します。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  部活動に対する教員の思いというのはいろいろございます。本当に熱心に時間も忘れて活動していただいている先生、また一方で、実は学校では全員顧問制をとっておりますので、なかなかみずから得意でない部分の中で顧問もされている先生がいらっしゃいます。そんなことでいろいろ思いがあると思います。ですから、今議員おっしゃっていただくように、非常に強い思いを持たれている先生方にとっては、なぜかという思いも確かにあると思います。そういった意味で、モチベーションが下がるといいますか、ということは否定することはございませんが、ただ、先ほど来申し上げてますように、これからやはり教員の働き方とか子供たちのバランスのある発達ということを考えると、やっぱり今までのあり方をそのまま続けていくのはどうなのかなということで、そういう意味での見直しをしていきたいという、そういった意味も込めてのものだというふうに御理解をいただければと思います。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)今回の条例案について、事前に教育委員会からスポーツ局への相談はなかったのか、県民生活部長に伺います。 ◎県民生活部長(浅見孝円) (登壇)お答えいたします。  教育委員会からは、事前にスポーツ局への相談はございませんでした。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)教育長に伺います。なぜ事前にスポーツ局に相談しなかったのですか。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  今回の改正は、公立学校職員の勤務条件の一つとしての特殊勤務手当に関するものでございまして、これまでから教育委員会において決めてきたことでございますので、今回も事前にスポーツ局への相談が必要であるとは考えていなかったところでございます。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)事前に相談がなかったことと、この条例案が上程されていることに、競技力向上の観点からどのように受けとめておられるのか、県民生活部長に伺います。 ◎県民生活部長(浅見孝円) お答えをいたします。  教員に支給する手当の金額や支給要件等の制度見直しにつきましては、教育委員会において行われるものと認識をしているところでございます。  条例案につきまして、競技力向上の観点からの受けとめでございますが、2024年の国民スポーツ大会に向けての競技力の強化に当たっては、学校の部活動に期待するところは大きく、部活動の顧問として選手の指導に当たっている教員の方々の役割は非常に重要と認識をしているところでございます。今回の条例改正で部活動をめぐる環境に変化がありましても、国民スポーツ大会で活躍が期待できる選手の競技力への影響が生じないよう、学校や競技団体等と連携をいたしまして取り組む必要があるというふうに受けとめているところでございます。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)これはもっとスポーツ局から教育委員会に怒ってもええ話やと思いますわ。  次、人事委員会の委員長さんにお尋ねしようと思っておりましたが、先ほどの西村議員の質問と全く同じでございますので、飛ばさせていただきます。  人事委員会からは、この条例案について、部活動の実情や受給者への影響に配慮するよう条例案に対する意見が示されました。私から言わせれば、言いかえたら実情と乖離している、受給者への影響が配慮がなされていないとも言えますが、このような意見が示されて、改めてどのように受けとめているのか、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  人事委員会委員長名での本条例案に対します意見の申し出につきましては、部活動指導の実情を踏まえると、場合によっては指導時間が短縮されないまま手当額が減額される懸念もあることから、改定に当たっては、このような点にも十分配意する必要があるものというふうに理解をしております。  県教育委員会といたしましては、部活動指導は教員の長時間勤務の大きな要因となっており、部活動指導のあり方を含めて、学校におけます働き方改革、これにつきましては何としても取り組まなければならない喫緊の課題であるというふうに認識をしております。  先ほども答弁いたしましたとおり、教員には本当に今まで一生懸命部活動指導をやってきていただいたところですが、課題として、教員の働き方改革への対応と、成長期にある生徒のバランスのとれた生活の実現が挙がる中で、これまではこれまでとして、今後、スポーツ庁等のガイドラインで示されました活動時間等を踏まえて、活動のあり方、あるいは活動の時間をしっかり見直していく必要があるものと考えております。  繰り返しになりますが、現時点におきましては、学校現場の実情とこの手当の支給要件である3時間程度というものとに差がないとは申しませんが、今後見直しを進める中で、できるだけ短時間で効率的、効果的な活動をしていただけるよう、県教育委員会といたしましても、精いっぱいの支援を行うことによって、人事委員会委員長の意見に応えてまいりたいと考えております。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)先ほど県民生活部長にもお尋ねをしましたが、やはり教育委員会だけで、特に今、国体を控えている時期ですから、そういうふうな今回の御判断をされたということに対して、大変私は残念です。しかも、教育委員会からスポーツ局の競技力向上とかに併任で行ってはるじゃないですか、教育委員会から何人か。僕がもしスポーツ局の担当職員やったら、すごい残念やと思いますわ。教育委員会からスポーツ局出てて、何でこんなこと事前に言ってもらえへんかったんかなという。その辺が、縦割り組織と言われて行政は久しいですけれども、大変残念なことであるなというふうに感じています。  来る2024年、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会が開催されます。国民スポーツ大会では天皇杯、皇后杯の獲得を目指していくのか、また、その理由もあわせて知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 平成26年12月に作成いたしました滋賀県競技力向上基本計画におきまして天皇杯獲得を目指すことを表明し、あわせて皇后杯についても獲得を目指すことといたしまして、県を挙げて競技力向上に取り組んでいるところでございます。こうした取り組みを通じて、選手や競技団体の競技力向上に向けた士気が高まるとともに、県民の皆様がさまざまなスポーツにチャレンジしようという機運が醸成され、ひいては、「する」スポーツの裾野の広がりや健康しがの実現にも資するものと考えております。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)再質問します。今回の条例改定が、国民スポーツ大会の天皇杯、皇后杯に向けて何かプラスの作用に働くものがあるのか、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) プラスの作用に働くことはあるのか。プラスの作用に働かせるよう努力をしていきたいと考えております。おっしゃるように、頑張っていただいている教員の皆様方の実態に即さないのではないかという部分は、きちんと説明や工夫と配慮が要ると思いますが、同時に、教員の皆様方の例えば持続可能性であるとか、その成長期にある生徒の時間の使い方の面で配慮すべきこともあろうということでありますので、ぜひプラスに作用するよう努力をしていきたいと思います。
    ◆5番(竹村健議員) (登壇)国民スポーツ大会を控えて、どう考えてもタイミングが悪過ぎる今回の条例かなというふうに私は思います。  いよいよ国民スポーツ大会に向けて、ターゲットエイジ、国民スポーツ大会にちょうど今の高校3年生になる子が、今度、中学生に進学してきます。具体的にどのような取り組みをされるのか、県民生活部長に伺います。 ◎県民生活部長(浅見孝円) お答えをいたします。  2024年に国スポの少年種別の中心となるターゲットエイジは、今年度、小学3年生から6年生の子供たちでございまして、現在15競技で計206名の選手を強化指定選手に認定をし、競技団体が中心となって育成強化に取り組んでいるところでございます。来年度から中学生となる指定選手もいますことから、中学校進学後も高い競技力を維持向上できるよう、県としても競技団体が行う強化事業に対して支援をしてまいりたいと考えております。  あわせまして、進学先の中学校に対しましては、指定選手の競技団体での活動状況などをお知らせをし、学校でも本人のモチベーションが高まるような環境づくりをお願いをしてまいりたいと存じます。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)中学校に進学し、専門的な競技に取り組むに当たって、部活動ではなく、ほかにも強化対策が用意をされているようでありますけれども、部活動と部活動以外でそれぞれメリットとデメリットがあると考えますが、どのようなことが考えられるのか、県民生活部長に伺います。 ◎県民生活部長(浅見孝円) お答えをいたします。  部活動による強化のメリットといたしましては、例えば、学校教育の一環として顧問の御指導のもと日常的に競技に取り組むことができ、経済的な負担も比較的少なく活動ができることなどがございます。デメリットとしては、進学した学校によっては希望する運動部がなかったり、部員が集まりにくいというような場合があることなどと認識をしております。  一方、競技団体やクラブチームなど部活動以外の活動による強化のメリットといたしましては、経験豊かな指導者から各年代に応じた高いレベルの指導を受けれることや、競技によっては施設や競技用具などの練習環境が整っていることなどが挙げられます。デメリットといたしましては、活動場所が遠かったり経済的な負担が大きかったりすることや、出場できる大会が制限されることなどがあると認識しております。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)ありがとうございます。  平成26年から、本県では、次世代アスリート発掘育成プロジェクトとして、県内の運動能力にすぐれた子供たちを早期に見出し、各種育成プログラムを実施することにより、全国大会、国際大会で活躍できる次世代アスリートを育成、サポートする仕組みを立ち上げ、既に5年目を迎えています。1期生から3期生の子供たちは、現在、中学校1年生から3年生になっており、将来大学や社会人で活躍が期待される世代だと認識しています。彼ら、彼女らが部活動に所属している割合はどの程度になるのでしょうか、県民生活部長に伺います。 ◎県民生活部長(浅見孝円) お答えをいたします。  今議員から御紹介をいただきました次世代アスリート発掘養成プロジェクト、いわゆる滋賀レイキッズというふうに申し上げておりますが、現在まで修了生が108名おります。そのうち81名が中学校での運動部に所属をしておりまして、その加入率は75%というふうに伺っております。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)75%が部活動で頑張っているということですが、逆に所属していない生徒は、何か例えばクラブチームであるとか、ほかの何らかの競技をされているのか、その辺は把握されていますか、県民生活部長に再質問します。 ◎県民生活部長(浅見孝円) 補足で説明をさせていただきます。  運動部活動以外のクラブチームなどで競技に取り組んでいるのは、108名のうち26名いらっしゃいます。都合、修了生108名のうち107名が、運動部活動、またはクラブチーム、もしくはその両方で競技に取り組んでいらっしゃるということでございます。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)中学生の場合、部活動がスポーツに取り組む中心的な役割を果たしているということがわかるかと思います。一方で、今もありましたように、部活動に外部指導者や、あるいは、中学校の部活動を取り巻く環境が変わる中で、中学生の年代は民間のクラブチームがあり、盛んに活動が以前からされています。このようなクラブチームや競技団体拠点にスポーツに取り組む生徒はこれからもふえていくと想定をされていますが、教育委員会として、学校以外で活躍する子供への評価はどうされるおつもりなのか、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  総合型地域スポーツクラブ、あるいはクラブチーム等でのスポーツ活動につきましても、学校におけます部活動と同様に、子供たちの健全育成に大きな役割を果たしているものと認識をしております。このようなことから、学校外で活動をしている生徒に対しましても、例えば、全校集会の場で大会前には壮行会を開催したり、あるいは大会後には競技成績を紹介するなどして、学校として応援をしているところでもございます。今後とも、こうした生徒の健やかな成長に向けて、学校としての役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会を見据えて、選手の育成は進められるのでしょうが、そもそもスポーツはトップ選手のためだけにあるものでありません。スポーツのみの成績を評価するのではなく、競技に取り組む姿勢であったり、チームをまとめる力やムードメーカーの役割を果たす選手への評価があってもいいはずです。その辺も十分御考慮いただきたいというふうに思います。  従来から中学生には野球やサッカーにおいてクラブチームが存在し、それが高校のレベルを上げてきたとも言えます。近年、本県の代表チームが全国大会において他の都道府県と比べても引けをとらず活躍しているのは、その証左でありましょう。今後は、従来からのクラブチームに加え、さまざまな競技において競技団体が主体となって選手の育成に取り組むような仕組みもでき、ますますこのような流れは加速していくと考えられます。  一方、学校生活は、言うまでもなく、授業だけではなく生徒会、学校行事や日々の掃除など多岐にわたる活動が行われています。その中でも部活動の存在は大変大きいものがあると思います。本来、部活動の目的とされているものだけではなく、時には、物事が悪い方向へ向かないよう、部活動がその抑止力として機能したり、果たしてきた役割、影響力はかなり大きいものがあるというふうに思います。  クラブチームでは大変優秀でありますが、例えば学校ではいじめに加担したり掃除をサボったりというような生徒がいます。また、スポーツができる子は元気がいい、また、よくも悪くも、その生徒の行動一つでクラスがある方向へ流れてしまうような話はよく聞く話です。でありますので、今まででしたら部活動が、私らの時代でしたら、部活動しかなかった時代というのは、一定学校の中で何か悪さをすれば、その部活動の先生に呼び出されて、おまえ、もうあしたから練習来んでええぞとかいうようなことが、学校の中で一定やんちゃな子も、ちゃんとしなあかんなというようなことで、一定のそういう抑止力が働いてたと思うんですが、クラブチームにどんどん生徒が流れていくことによって、そういうようなことの懸念が私はあるのではないかなというふうに思っています。でありますので、部活動が縮小していくことによって学校経営にほころびが出るのではないかと危機感を感じております。  そこで、学校とクラブチームなどスポーツに特化した団体、競技団体と連携を図りながら、生徒の情報交換などを行い、学校とスポーツ団体が互いにうまく組織マネジメントできるような仕組みが必要だと提案しますが、知事の考えを伺います。 ◎知事(三日月大造) 子供たちのスポーツ環境の充実という観点からは、将来的には学校とクラブチームなどが協働、融合した形で、地域のスポーツを推進する仕組みづくり、ある意味では教育を充実させる仕組みづくりが重要であると認識しています。現在も、強化指定選手の活動状況や大会等での活躍状況などについて、学校と競技団体が情報共有に努めており、今後とも、両者が連携をする中で、地域のスポーツの振興、ある意味では教育の充実を図りながら、競技力向上のみならず、生徒の人間形成や自己実現につながるよう取り組んでまいりたいと存じます。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)ここまで話を進めてきましたが、さっきから教育長がおっしゃっていることはわからなくもないんですが、やはり今の段階があると思うんですよ。私自身は、今も提案した話、知事のほうも比較的前向きなお話をいただいていると思うんですが、ただ、そういうようなことが仕組みとしてはまだまだきっちりとできていないと思いますし、そういうことにやっぱり一定時間もかかり、また、浸透していくにはさらなる時間が私はかかるというふうに思っています。当面は、まだまだ部活動を中心に中学、高校のスポーツが展開され、学校の先生が指導者として中心的な私は役割を果たしてもらわなければならないというふうに考えております。このようなことからも、今回の条例案は少し時期尚早かと考えます。改めて知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 冒頭お話をしたとおり、運動部であれ文化部であれ、部活動が果たす役割というのは、人間形成の場としても、教育的観点からしても、自己実現を達成する機会としても教育的意義は大きいと考えています。同時に、現場の先生方は頑張っていただいているんですが、その熱意にも敬意を表するんですが、部活動指導が教員の長時間勤務の大きな要因となっておりまして、部活動指導のあり方も含めて学校における働き方改革をしていかなければならない、これはある意味喫緊の課題であるというふうに思います。そのことは教育長からも答弁がございました。  今回のこういった見直しは、本県に限った課題ではなくて全国的な課題でありますことから、国の中央教育審議会でも検討されて、また、部活動のあり方についてスポーツ庁や文化庁でガイドラインが示されたものと承知をしております。こうしたことから、今回の条例改正、部活動のあり方を改めて見詰め直して、先ほど来ありますように、成長期にある生徒の過ごし方や、また、学校における働き方改革を推進するということのために資すると、資していきたいということで条例改正案を提案をさせていただきました。ただ、議員から、また、それ以外の議員からもさまざまな御意見を伺っているところでございますので、そういった考えは受けとめて、そういったことにならないように我々としては努めてまいりたいと思っているところでございます。 ◆5番(竹村健議員) (登壇)何といいますか、先生も個人差ありますし、生徒も個人差があると思うんですよ。何か先ほどから、子供らの安全のために時間が短くなって、この時間にやらなあかんねんという話もありましたけど、それは、やっぱり御飯1杯でおなかいっぱいになる子もいりゃ、3杯食べてもまだおなか減る子がいるのと一緒で、スポーツでも、1時間、2時間でやっぱりしんどい子もいるし、また、3時間、4時間やってもまだまだできる子もいると思うんですよ。どうしてもそれを型にはめてしまうと、一律何時間以下とかいう形に、行政サイドとしてはそういうふうなくくり方になってしまうと思うんですけど、そこをうまくこう見て采配するのが僕は先生の役割やと思うんですよ。だから、そこはある程度やっぱり実態に合わせて、先生が、この子は4時間やっても5時間やっても大丈夫やという子はいるんやから、その辺はやっぱりやりたい子はさせてあげる。そんだけやっぱり時間を使ってもらうんだから、やっぱり一定4時間以上の今までの3,600円というような規定も私は残しておくべきではないかなというふうに思います。  部活動の中ではさまざまな生徒が在籍しています。生まれながらに運動神経がいいスポーツにたけた生徒、一方で、うまくはないけれども、そのスポーツをやりたい、やるのが好きな生徒、家庭の事情で思うようにできない生徒もおります。また、障害を持ちながら部活動に取り組む生徒もいると思います。レギュラーで試合に出られる選手がいる一方で、補欠の選手、ベンチにも入れず裏方に回る選手やマネジャーもいます。けがをして試合に出られなかったり途中でやめたいと思う選手、人間形成がまだまだ未熟な中で、チームメートに言ってはならないことを言ったり、やってはならないことをやることもあります。まさしく部活動という器の中で人間ドラマが生まれる、その中で生徒一人一人をよい方向へ導いていただくのがまさに部活動の顧問の先生ではないでしょうか。  ここまでスポーツ系の部活動を中心に議論してきましたが、吹奏楽や書道部等、文化部の活動にも当てはまる話であり、中学、高校全ての部活動に同じようなことが言えるはずです。  私は、部活動には勉強だけでは決して得られないものを育む力があると信じてやみません。それを引き出すのは顧問の先生であり、その役割は大変とうといものがあるのではないでしょうか。滋賀県にはそのような多くのすばらしい先生がおられると信じ、私は、その先生方を応援する意味でも現在の手当を堅持するべきだと申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、5番竹村健議員の質問を終了いたします。  以上で、本日の質疑ならびに質問を終わります。  明28日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後4時31分 散会    ────────────────...