滋賀県議会 > 2019-02-25 >
平成31年 2月定例会議(第23号〜第31号)−02月25日-03号

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  1. 滋賀県議会 2019-02-25
    平成31年 2月定例会議(第23号〜第31号)−02月25日-03号


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    平成31年 2月定例会議(第23号〜第31号)−02月25日-03号平成31年 2月定例会議(第23号〜第31号)                 平成31年2月定例会議会議録(第25号)                                        平成31年2月25日(月曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第3号                                         平成31年2月25日(月)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第1号から議第95号まで(平成31年度滋賀県一般会計予算ほか94件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(43名)    1番   桑  野     仁       2番   周  防  清  二    3番   村  島  茂  男       4番   加  藤  誠  一    5番   竹  村     健       6番   海  東  英  和    7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       11番   藤  井  三 恵 子
       12番   杉  本  敏  隆       13番   節  木  三 千 代    14番   駒  井  千  代       15番   山  本     正    16番   大  橋  通  伸       17番   冨  波  義  明    18番   井  阪  尚  司       19番   木  沢  成  人    20番   中  村  才 次 郎       21番   佐  藤  健  司    22番   目  片  信  悟       23番   有  村  國  俊    24番   大  野  和 三 郎       25番   岩  佐  弘  明    26番   山  本  進  一       27番   富  田  博  明    28番   細  江  正  人       29番   高  木  健  三    30番   生  田  邦  夫       31番   川  島  隆  二    32番   奥  村  芳  正       33番   野  田  藤  雄    34番   西  村  久  子       35番   佐  野  高  典    36番   家  森  茂  樹       37番   吉  田  清  一    38番   粉  川  清  美       39番   成  田  政  隆    40番   九  里     学       41番   清  水  鉄  次    43番   柴  田  智 恵 美       44番   今  江  政  彦    45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長代理    辻  村     克               人事委員会委員長代理      曾  根     寛               公安委員会委員長        堀  井  と よ み               代表監査委員          北  川  正  雄               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             由  布  和 嘉 子               総合政策部長          福  永  忠  克               総務部長            藤  本  武  司               県民生活部長          浅  見  孝  円               琵琶湖環境部長         廣  脇  正  機               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        江  島  宏  治               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          川  浦  雅  彦               会計管理者           青  木  幸  一               企業庁長            桂  田  俊  夫               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            廣  瀬  年  昭               議事課長            山  本  昌  男               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(川島隆二) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(川島隆二) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  選挙管理委員会世古正委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として辻村克委員が、また、人事委員会西原節子委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として曾根寛委員がそれぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(川島隆二) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第1号から議95号まで(平成31年度滋賀県一般会計予算ほか94件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(川島隆二) 日程第1、議第1号から議第95号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は質疑ならびに一般質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次、これを許します。  まず、30番生田邦夫議員の発言を許します。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇、拍手)おはようございます。よろしくお願いいたします。  私は、2007年──平成19年に発覚した消えた年金問題を忘れることはできません。そもそもこの仕組みは、高齢者がふえてきた場合には成り立たない仕組みであり、これは国家における詐欺行為だと思います。そして、2009年──平成21年、政権交代になりました。しかし、その後に悪夢の3年間がありました。これも忘れることができません。その後、森友・加計学園、陸上自衛隊の日報の隠蔽、障害者雇用のうそっぱち、そして、公にはなくて民間企業だけへのペナルティーがありました。そして、今回の統計不正の隠蔽であります。もううんざりであります。これらを見ていると、150年たったこの国の体制が既に腐ってきていて、もはや小手先では解決できないところに来ているのではないかと思います。  国家の形が崩壊する要因はいろいろありますが、その一つに、国家が内部から腐っていく場合があります。これは民主制のあり方や国家体制の正当性にもかかわる重要な課題を含んでおります。国民が国を信用しなくなり、自分たちの今の生活を多少犠牲にしてでも変化を求めたとき、その体制は崩壊いたします。その場合、決められた一定のルールなんてものはありません。いろんな弾が、内から外から、いろんな方角から飛んでまいります。やむを得ません。先におきてを破ったのは国側ですから覚悟して事に当たらなければなりません。しかし、改革に展望が見出せないとき、虚無感からアナーキーな行動が出てくる可能性があります。これは絶対に阻止しなければなりません。  私は、啄木の詩集「ココアのひと匙」の中の1節を思い出します。我は知る、言葉奪われたる者の行いもて語らんとする心を。  届け出た中身に入らせていただきます。  信頼に足る県行政とはという大きなテーマでございます。その中で、3つございますが、まず1つ目、的を射た施策でなくてはならないというふうに思います。  例えば、景気がもう1つよくなった感覚、実感がありません。それから、人口減少、労働者不足という状況になっておりますし、やむを得ないことではございますが、働き手が少なくなった場合は外国人に頼らなければならないし、今後、今まで以上に外国の労働者が入ってまいります。その中で、県庁に寄せてもらうと、何や別世界のように思えます。ゆったりと空気が流れまして、世の中とつながってるのかなというふうに思うときもございます。必死に企業は生き残ろうとしておりますし、平成31年、平成32年に向けての準備をしておりまして、もう既に32年の外国人の枠取りをしております。そういった中で、県は何に取り組んでおられるかいうたら、よくわかりません。  いろいろお聞きしたいんですが、時間がありませんのではしょらせていただきます。  平成30年度の補正予算、それから平成31年度の当初予算がございますが、この中で、外国人労働者の滋賀県への、まあ、誘い込みと言ったら悪いんですが、ふやしていこうということに対する県の取り組む姿勢をお伺いしたいと思います。  すごいですね。前の万博の三波春夫さんの歌ではないんですが、こんにちは、こんにちはってね、世界からと言うてね。今度もすごいですね。世界から滋賀へとおっしゃいますね。その中身をお伺いします。  ここから始めさせていただきたいと思います。 ○議長(川島隆二) 30番生田邦夫議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  世界から滋賀へというテーマで私どもが申し上げ、つくっている施策はもろもろあるんですが、今回、お尋ねいただきました外国人雇用の支援になる施策について、4月から外国人の受け入れに向けて具体的に何をするのかというお尋ねと解し、その分野の取り組みについてお答えをさせていただきます。  4月から外国人材の採用を希望する企業、事業所に専門的知見を有するアドバイザーを派遣いたしまして、個々の企業等の実情に応じた、きめ細かな伴走支援を継続的に提供するため、新たに外国人材受け入れサポートセンターを設置いたします。アドバイザー5名を配置いたしまして、訪問相談に加え、窓口相談や県内各地での出張相談会外国人材採用セミナーを開催しながら、介護や農業、製造業、建設業を初め全ての業種分野の企業、事業所を対象に支援を行っていく予定でございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)いろいろとお伺いしたいということがございました。いろいろ準備しておいてくださいねというふうに言いましたが、数字を追っかけていくということはしませんというふうに約束しましたので、実は聞きたかったことだけ申し上げます。  今後5年間で日本全体へ何人、外国人が入ってこられますかとか、あるいは5年間で滋賀県へ何人来られますかと。あるいは滋賀県下のどの企業に入ってこられますかとかいうこともお伺いしたいと思いましたが、そんな時間はもうよろしいですし、もう数字はわかりました。  で、お伺いしたいことがあるんですが、多文化共生の側面から、滋賀県国際協会に設置されるというワンストップセンターですけども、これで非常に問題になって、あれ、角度が違うん違うかなと思った面がございます。例えば出産、子育て、子供の教育というふうに書いてありますが、今までよりは非常に厳しい状況の中で日本に入ってこられます。今までは家族連れで入ってこられたというところもたくさんございましたが、今後さらに厳しくなってまいりますが、今現在の子供連れで日本に来ておられる外国人が何名いるとか、日本でお産された外国人がどこの国の人が何名おられるとか、あるいは小学校に行ってる生徒が何名いるとか、中学校に行ってる生徒が何名いるとか、今申しました、その人数が、今後、技能実習生の拡大というこの仕組みに乗っかったらふえていくのか、それから、国別に見たらどうなるんかということは、見たときにね……。知事、大丈夫です、数字追っかけませんから。うちとこのまちの数字だけ言いますよ。うちとこのまちにいる外国の方で子供さんは、減りましたけども、百四、五十人。ブラジルとペルーが中心であります。湖南市のことですから聞いといてください。湖南市です。  ベトナムの方で湖南市の小学校、中学校に入ってる人は何名かいうたら2人なんですよ。日本でお産される方は何名おられるかいうたら、湖南市の場合ですが、湖南市いうても外国の方が、主にブラジルと中国の方がお産されるそうですが、そうしますと、月に2人ぐらいなんです。ベトナムの方とかいうのがお産される方は今までにおられません。さらに厳しく、今後ですよ、出産……。日本で出産ということを思って来てはる人はないんです。自分が産んだ子供がいてたとしても、自分の国に置いといて、おじいちゃん、おばあちゃんに、国に預けといて単身で日本に働きに来るんです。今までの外国人が日本に来るという形よりもさらに厳しい状況で来るんです。しかもブラジル、ペルーの人が中心ではなしに東南アジア、さらに的を絞った形で。世界から滋賀へじゃないんです。明らかに的を絞った状態で来られるんです。  そうしますとね、この国際協会に、まあ、言うて悪いですけど、投げてね、大きなことを言うてはるのが投げてしもうて、出産、子育てと書いてありますけどね、さらに学校と書いてありますけど、的、合うてるのかなと。的を射た話かなと。しかも本部に置いてるわけやなしに国際協会に投げてるんですよ。多文化共生という面からで対応しようとしてるんですよ。これは的外れやと私は思うとるんです。実際に各企業が1,200から1,300ほどの各企業、滋賀県下のほんまの零細の、中小の企業も外国人が入っとるんですよ。そこの企業が求めてるのはね、そこじゃないんじゃないかなと。直接、支援を求めてるんじゃないかなと。こういう職員をふやして、まあ、調査に行きますわとかいう話ではないと思うんですが、知事、さらに加えてですよ、多文化共生は共生でよろしいやん。しかしながら、人手が足らんという状態の中で労働力として欲しいんです。ここに対してね、県はやっぱり取り組んでほしいと思うんですが、どうでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 生田議員おっしゃったことは、私、2つとも必要だと思うんです。  受け入れる企業の皆様方、受け入れようとされる企業の皆様方に対しては、先ほども申し上げました外国人材受け入れサポートセンターをつくりながらさまざまな相談に応じる、また、待ち受けだけではなくて、実際に訪問しながらそれぞれの業種、それぞれの地域における、また、それぞれの相手国に対する受け入れ体制をサポートしていくということが必要だと思いますし、当座、それで始めたとしても、年を追うごとによって、またさまざまなニーズが出てくるでしょうから、そういったものに柔軟に、かつ機動的に対応していくということが必要だと思います。  同時に、この多文化共生の枠組みの中で、今回、総合相談ワンストップセンターというものを新たに拡充をいたしまして、相談に応じられる対応を国際協会の協力を得ながら進めていくということにさせていただいておりまして、もちろん今回の法改正に伴う日本での労働に、すぐに全ての方が御家族帯同、また出産も行われるということではないのかもしれませんけれども、例えば滋賀県の場合は現状でも2万9,000人を超える外国人の方々が住まわれているわけですので、医療の面、生活の面、教育の面等でこれからさらに支援が必要となることも十分想定されるということから、今回、こういった対応をとらせていただこうということでございまして、この両面でしっかりと支えていきたいというふうに考えております。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)3年間で縛りが解けます。そういたしますると、給料のええとこへ動くに決まっとる。隣に大阪、京都ありますやん。東には東京ありますやん。この間申しましたように、滋賀県の平均的なものは、例えばですが、月12万やったら東京は18万。そうしますと、日本においての1万はベトナムにおいては15万円であります。6万円差があったらね、日本で、15掛けたら90万か、90万ですよ。自分の国で生きてる人間が90万の差があったら何も滋賀県にいてる必要あらへん。東京へ行ったらええねん、縛るもの何もありませんから。そういうことですよ。たとえわずかな金額でもええから直接支援をお願いしたいと、各企業は、雇い入れる事業所はそれぞれ思うとるんですが、そこに関しては何も直接支援のことは言うてはらへんので、ここに対してお願いしたいと思うております。  また中身については詳しく申し上げる機会があると思いますので、この辺でこれは終わります。  それから、的を射た県行政というとこら辺から言うならば、次のところに移りますが、情報公開。知事、言うてはりましたね。今度、情報公開の条例改正がありますが、条例があろうがなかろうが、やらなあかんことは当たり前ですやん。知事もびっくりしてはりましたやん。てっきり記録はあるものと思ってましたと言うてはりましたね、どこかで。ほんで、あらへん言わはるんや。あらへんわけあらしませんやん。この大きな組織は下まで指令がおりてるわけやから、何の書類もなしに組織が動いてるわけじゃありませんやん。知事、どう思います。記録はありません、あらへんと。あるものと思ってましたというこの知事のびっくりした発言の中身はね。知事、ここでちょっと発言、お願いいたします。知事もびっくりしてはるでしょう。 ◎知事(三日月大造) 県政経営会議の議事録のことだと思います。  それで、県政経営会議は、議員も御案内のとおり、県政の主要な課題について、私以下、幹部が出席いたしまして、これは大きく3つの項目に分けて議論しています。1つは協議事項。これはいろいろな物事を、ある意味では決めていく。もう1つは論議事項。これはさまざまな課題、テーマについて、ある意味では自由に論議しながら政策形成に資していく。3つ目はその他の事項として整理しておりまして、これは主に情報共有にとどまるということでございました。  私もびっくりしたと会見等で申し上げたのは、これら3つのもの全てにおいて議事録があるものだと思っておりましたので、そういった自分自身の気持ちを吐露させていただいたところでございますが、いろいろと調べてみますと、29年度時点における取り扱いとしては、協議事項については議事録を作成し、5年間保存することとしています。論議事項とその他の事項については議事録の作成はしなかったということでございます。  こういったことでは、なかなか公文書管理という面でいかがなものかということから、今年度、平成30年4月から、論議事項、また、その他の情報共有も含めて全て議事録を作成するというルールをつくり、今、そのルールに基づく運用をさせていただいているところでございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)昔、教えていただいたのは、公文書というものはどういうものやということを教えていただきました。皆さん方の引き出しに入ってるメモ書きも公文書であります。その政策方針が決まるまでに、ああでもないか、こうでもないか、ああでもないか、こうでもないか言うた、それも公文書です。迷うてる姿も見せなきゃならんというのは、もう前々から言われております。あるはずなんです。見せたくない文章があるから、そこを黒塗りで情報公開で出してくるというほうが、知事、まだましですわ。ないというふうに言うて、開き直って、ありませんねん言うてるほうがひどいですわ。一つの方針決定する、先ほど3つの分野があるとおっしゃいましたが、そんなこと知ったこっちゃありません。そんなん、皆さん方が決められたことだけですから、わしらにとっては何も関係ありません。全てが情報公開です。今申しましたように、引き出しの中に入ってるメモ書きも公文書であります。当たり前ですやん。そんなん決まり切ってますやん。条例があるかないかとか、関係あらしませんやん。それを、皆さん方が自分の身を守るために、あらへん、あるいは黒塗りで出してくるだけですやんか。皆さんが仕えてはるのは誰に仕えてるねんな。そういうふうに言いたいですわ。  絶対にある。ないと言うて逃げんといてください。よろしいですか。この辺はもう一遍、知事、部下に徹底するようにお願いします。  答弁お願いします。 ◎知事(三日月大造) 今、多くのことをおっしゃっていただいたんですが、まず、職員が職務上つくったもの、または取得したもの、それらを組織的に用いるものとして共有したり実施機関が保有しているもの、これは全てが公文書であると整理しておりますので、そもそもそういったものが個人の引き出しに入れられているという、そういったものは、管理上、私は不適切なことだと思っておりますので、それらはきちんと整理をした上で保有するということだと思います。また、管理をするということだと思います。  と同時に、それらの公開ということにつきましては、それぞれ法やルールに基づいて、また条例に基づいて取り扱いを行っておりますが、基本、公表・公開ということになりますが、ただし非公開の情報ということで類型させていただいているものもございまして、特定の個人を識別する情報、法人等の正当な利益を害するおそれがある情報等、一定の決まりに従って非公開とさせていただくことが妥当だ、適当だという項目もございますので、こういったことを整理しながら、ただ、基本は、私どもが職務上つくり、共有する文書等は公文書であり、公開にきちんと付していくことができるよう管理することが基本という立場に立って運用等を行っていかなければならない。その旨に沿って組織内にも統一を図ってまいりたいと存じます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)私は信頼に足る県行政とは何かということで、今、的を射た施策がなされているかどうか、そして、今は、開かれた行政ということから言うならば、情報公開だということまで言いました。  信頼に足る県行政とは何かの3つ目としては、責任をとる行政であるべきやと。責任をとる行政。皆さん方は責任とりませんもん。ここの問題で言うならば、例えば新生美術館のところが中止になりましたが、実際には県に損害を与えたというとこで、もう利用するところはない、活用困難ですというところが1億9,000万円ほどあったと。それから、まあ工夫したら使えるかなというところも別にあったという話ですが、この1億9,000万円というものの損害を県に与えたという責任はどこで、知事、とろうとしておられるんですか。 ◎知事(三日月大造) 新生美術館の整備につきましては、昨年7月、一旦立ちどまらせていただいた後、これまでの整備の経緯を総括させていただいた上で、今後の対応案をお示しいたしました。  議会、委員会等、議員の皆様方にも説明させていただいておりますが、この状況に至りましたのは、推進体制や事業の進め方、事業費等、プロジェクト自体の進め方に問題があったと考えております。  その時々の状況の中で、組織としても検討し、判断し、対応してきたところでございますが、その時々の時点の見通しの甘さがあったがゆえにこういった事態に陥っております。このことはまことに申しわけなく思っているところでございます。
     この間かけてきた費用、今、議員からも御紹介いただきました費用を初め、この間、御相談に応じていただいた方々、御協力いただいた方々、御期待いただいた方々など、多大な方々に、ある意味では御心配や御心労をかけてしまった、そのことについても深くおわびをしなければならないと考えているところでございます。  こういった責任をどうとるのかということにつきましては、こういった教訓等をしっかりと踏まえて、ある意味では見直しをしっかりとし直して、整備を成就させることで責任を、ある意味では大きな責任を果たしていかなければならないと考えているところでございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)役所仕事の一つに……。お役所仕事って皮肉込めて言いますわ。お役所仕事という中に、責任をとらない、ちょっと下手した、下手というか、へましたときはほかの部署に移って、ほとぼりが冷めるまでよそに行ってると。これの繰り返しなんです。実際に実害を与えても、県の行政、お役所仕事においては責任をとらない。そういうことですやん。楽なもんですやん。民間企業で1億9,000万の損害を与えたとしたらどうなりますか。2つ、3つ首が飛ぶでしょう。責任をとらなきゃならんでしょう。1,000円、2,000円でも損害与えたら責任とらなきゃならんというのが世間の常識であります。世間の常識はこの県庁においては非常識でありますな。私から見たら非常識ですわ。実害を与えたんやから責任をとるという仕組みを確立しない限り、信頼に足る県行政とは思えません。  もう一遍言います。皆さん方の世界における常識は世間から言うたら非常識であります。1億9,000万、損害与えたんやから責任とりなさい。あんだけ、これはあかんあかん言うてたのに。  今後のことがありますから、少し時間がありますから聞きますが、長谷川祐子さんの総括の文章ありますね、おわび状というか、委員会に出てきたおわび状。それから県の総括がありますね。この違いをどういうふうに考えておられるか。すなわち今後、近代美術館の改修のところにも影響しますし、さらに言うならば、知事が言わはるところの、今後、滋賀の美というものを進めるに当たっての一つの参考の意見かなと思います。3つのジャンルを一つに表現するというのが1つにありました。一体として表現するというのがありました。3つの花束という、今回、言葉が出てきましたけどね、3つの花束って、ふざけたらあきませんわ。そんな文学的な表現でお茶を濁すというのはひきょうですわ。ですから、1つはね、難しいとは知りながら、3つのジャンルを1つのところにあらわすと。一体としてどう表現するかというのがコンセプトの一つ。それから、時代は、収蔵してある美術を、美を見せるということだけじゃなしに、そこにみんなが集まって、集って、遊んで、いう側面がこれからの美術館には求められるというふうに言うてた。この2つなんですよ。2つなんです。  しかしながら、交流館は、交流しようというところは、もう要らんと言うた。それはないよと。だから、今度、近代美術館の改修ということではあっても、その中に、時代に合うた近代美術館という形にしなきゃならんやろうけども、何もあらへん。だから、さっきの話に戻しますが、長谷川さんの言うてはる総括と行政の総括というのを比べたときに、どういうふうな今後の暗示を受けてはるのかなと。ここに対しては何もないですわな。  ちょっと時間が余りましたので、いじめになりますけども、知事、お考えを聞いておきたいと思います。 ◎知事(三日月大造) ありがとうございます。  前段お尋ねいただいた、信頼に足る行政という意味では、いかに現場のニーズに寄り添うのかということ、また、オープンな行政をつくるのかということ、さらには責任をとる姿勢、こういったことが信頼につながるんだという議員からの強い御指摘を肝に銘じながら、今後も行政運営に当たってまいりたいと思います。  その上で、この新生美術館の総括、これは私どももしましたし、顧問をお務めいただいております長谷川顧問からもいただきました。こういうことを踏まえて、どう考えているのかということについてでございますが、やはり基本にあるのは、私どもが持っている、また、お預かりをしている、こういった収蔵品、美術の作品をしっかりと大事に収蔵しながら、それらをより多くの方々に展示をし、鑑賞していただく、楽しんでいただく、ある意味では学びや遊びにも御活用いただく、こういったことじゃないかなというふうに思っておりますので、その意味において、今回の新生美術館は一回立ちどまらせていただくということに陥っておりますが、県立の近代美術館については、これ以上、休館を長引かせるわけにはいかないということから、老朽化対策を講じた上で、再来年度に開館できるよう準備を進めてまいりたいというふうに思っております。  この近代美術館の再開館後は、保有をしております現代、近代の美術作品と加えて、滋賀の美の一つであるアール・ブリュットの展示を行っていきたいと考えております。  もう1つ、私どもが大事にしよう、展示もしようと考えておりました文化財等につきましては、これは琵琶湖文化館のあり方、こういったものも改めて再検討し、今持っております基本計画についても見直しの作業をすることによって、その後、どう収蔵、また管理、展示していくのかということについて、一定お時間をいただいた上で練り直した上で、県民の皆様方にお示しをさせていただきたいと考えております。  いずれにいたしましても、こういった美の滋賀が誇りますさまざまな資源をしっかりと大切に守りながら発信していく、展示をしていく、こういったことに努力してまいりたいと存じます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)ちょっとだけ聞いていただきたいんですが、ちょっと漏れました。外国人が、日本に仕事に来られた方がお産されるということについては、それはそれなりに日本としてはサポートしていかなきゃならんと思います。その部分は、せんでもええと言うてるわけじゃないんです。必要だと思います。しかしながら、今現在、日本においてどういう形でお産するときにリスクがあるかと言われてる中でね、日本人のお産が非常に問題であると。分けてありますのは、ハイリスクの出産というのがあります。要するに育児に対して不安を持ってる人、それから若い人の出産、それから体重が非常に軽い子のお産、それから早産ですね、それから、1人じゃなしに双子、三つ子の子、それからシングルで子供さんを産まはる人、それから、今まで全然、産婦人科に受診したことのないお産、いきなりお産やという人、それから、精神的に若干鬱的な症状になっておられる方、そして、外国人が日本においてお産されるという形であります。ここに対して、やっぱりすべきやと。  例えばですよ、日本人で、保険料を払えないために保険証を持ってない人がお産に来る。そしたらね、普通、基本的には直接支払いとして42万ありますやん。42万、保険に入ってたら。しかしながら、保険に入ってはらへん人はお金がないんです、何も42万の支援金は出ませんので。だから、保険に入れなくて、もう生活ぎりぎりのところにいる若い子たちがお産、これに直面してると。ここのほうが大事やということは頭のどこかに入れておいてください。  まとめにかかりますが、知事の所信表明と、それから代表質問で……。(発言する者あり)すんません。踊ってる言葉を言います。踊ってる言葉ね。具体的、先行的、切れ目のない、きめ細かな、主体的、計画的、戦略的、重点的、適切に、適応力、安定化、共有、徹底的に、総合力、的確に、緊急的、積極的、適宜的確に、連携、一体、一丸、しなやかに、活性化、攻めの視点、スピード感、柔軟性、機動性、風通しのよい、意欲・能力を高める、持続可能、迅速化、部局横断的、企画力、推進力、幸せが続く、合理的、全庁的、相互に補完、適正に、一元的、資質の向上、深く掘り下げる、効率的。この言葉がね、知事の所信表明と2会派の代表質問でね、知事、踊っとる。踊ってるんですわ。修飾語か形容詞か何や知りませんけど、この言葉がずっと踊っとる。修飾語というのは修飾語ですやん。ということは、逆説的に言うならば、現実はそうはなってへんということをみずから証明したことですやん。こんだけ修飾語、踊ってる文章。この話を聞いてる担当の人たち、文章を書くとき気つけなはれや。こんだけね、歯が浮きますわ。と思います。  信頼に足る行政とは、さっきから言いました、的を射た施策、確実に、おくれることなくそれを実行するということ、これが必要であります。それから、信頼に足る行政の2つ目としては徹底した情報公開、それができてません。隠してばっかりですやん。今後、出てきますよ。損害賠償請求が出てくるでしょう。監査委員会に出てくるでしょう。その後、裁判でしょう。またしょうもないことしな……。しょうもない言うたらあかんわ。しなきゃならんと思います。それから、実害を与えたときは責任をとるということ。これでもって信頼に足る県行政だと思ってます。  実際はね、知事、目標も数値化してませんやん。ただただ何やらの窓口をつくりましたとか、今度の補正予算でも、部屋つくりました、それから、家具入れます、備品入れます、さらにホームページをつくりますとかいう形の補正予算ですやんか。具体的に何するんや言うたら、人数ふやして、滋賀県下を回って、みんなの聞き取りしますという話だけですやんか。具体的にこういう形を目標にしてまして、ここまでしますと、ここまでできなかったら責任とりますというような話は1つもないですやん。これではね、やっぱりいつまでたっても県の行政というものは変わらないんじゃないかなと思います。  知事、憎たらしいことばかり言うてますけども、知事は、最終的には知事が目的じゃないでしょう。もっとごっついことを考えてはるでしょう。これで終わるという政治家ではないでしょう。と思いますよ。  知事、一言お願いしますわ。もう終わりますから、だから、知事の返事聞いて、あ、よっしゃ、応援しようと思うか、このやろうと思うかですね。知事、ちょっと一言お願いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) たくさんの、例えば答弁や提案説明で言葉を並べてるじゃないかということで、いろいろとつなげて申し上げたつもりなんですが、改めて、そこだけを取り出して紹介していただくと、随分言ってたんだなというふうに思いまして、大事なことは、言ったことがきちんとそのとおりなることでありますし、時々なってないとすれば、こういった議会等で御指摘もいただいて、それらをしっかりと踏まえて、またさらに改善をしていくということが大事だと思います。  そういった行政に対する、議会に対する信頼の基礎になるのは、やはりニーズやデータに基づく施策になっているのかということであるとか、そういったつくった資料や情報がきちんとオープンに共有されているのかということ、また、言いっ放しで終わって、何か責任もうやむやのまま見過ごされているのではないかというふうに思われないことが肝要だと思いますので、きょういただいた御指摘、まだまだ掘り下げて伺わなければならないようなこともあるのかもしれませんが、私だけではなくて、しっかりと県庁内で、それぞれつかさつかさの人間がきちんと共有しながら体現できるように努めてまいりたいと思いますので、どうぞ、今後ともよろしく御指導のほど、お願いいたします。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)もう終わりますが、先ほど言いました、お役所仕事と世間からは言います。お役所仕事ね。要するに、まあ、言い方悪いけど、皆さんは住民との窓口にかかわりませんからあれですけども、たらい回しね。それから縦割り、無駄、しゃくし定規、いう話ですわな。で、責任とらへん。責任が及ばない、いう形でありまして、まあ、皮肉交えて言います。結構なこっちゃなということを言うておきます。昔からことわざにあります。知らしめず、よらしむべしか。本来の意味とは違うかもわかりませんが、もう一遍言います、皮肉込めて。知らしめず、よらしめるべしかな。  みんな頑張ってや。知事以下、皆さん方に申し上げますわ。頑張らな、滋賀県、ようならんですよ。よろしくお願いしたいと思います。終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、30番生田邦夫議員の質問を終了いたします。  次に、23番有村國俊議員の発言を許します。 ◆23番(有村國俊議員) (登壇、拍手)それでは、安土城の復元に向けた取り組みについて、全て知事にお願いします。  私は歴史が大好きです。明治維新だけではありません。443年の時を経て、往時の夢とロマンを現実のものとするタイミングがやってまいりました。全国的に想像以上に手応えのある安土城復元のために、地元議員として地域の皆様と、本腰を入れて、各方面の関係者と復元の方向性、方法を検討し、諸課題を乗り越えて、目的達成のために全力で邁進したいと決意しております。  さて、安土城の築城は織田信長公が武田勝頼を長篠の合戦で討ち破った翌年の天正4年──1576年に始まります。築城に当たっては、畿内、東海、北陸から多くの人夫を徴発し、当代最高の技術を持つ職人たちが動員されました。  安土城は、戦闘を目的とした城ではなく、天下人の城となるべく、当時の文化の粋を集め、まさに政治的支配に重点を置いた、見せる要素が強い城郭だったようです。  築城開始から3年後の天正7年──1579年に豪壮華麗な天守の安土城が完成いたしました。ところが、3年後の天正10年──1582年に本能寺の変で信長公が亡くなられると、安土城は明智光秀の手に渡り、その光秀が羽柴秀吉に敗れた直後に天主、本丸は焼失してしまいました。それでも、安土城は天下を象徴する城として、秀吉の庇護のもとに、信長公の息子、信雄や孫の三法師が入城を果たしました。しかし、これもまた3年後の天正13年──1585年に小牧・長久手の戦いで信雄が秀吉に屈し、織田家の天下は終えんを迎え、安土城はその役目を終えました。その後、信長公が生前に安土城内に建立した総見寺様が、菩提を弔いながら、現在も城郭を守り続けておられます。  さて、安土城の姿は、当時、来日していた宣教師ルイス・フロイスによってヨーロッパにも伝えられ、1736年にパリで出版されたシャルルヴォアの「日本の歴史」に城下の図が描かれるなど、広く世界に知られた城です。  一方、信長公は安土城の築城と同時に安土城下町の整備にも着手しました。ここでは、御承知のとおり、特別な資格や権利がなくとも、誰もが自由に商業活動を行うことができることをうたった楽市楽座が行われたことで有名です。このように安土には、当時、多くの人が集まり、さながら京をしのぐ首都のようなにぎわいを見せたことが宣教師の記録に書かれています。  安土城跡は信長公の天下統一への思いを感じられる城跡として人々を引きつける魅力があり、安土城跡を核とした地域の活性化についても大いなる可能性を秘めているということが言えると思います。  さて、本県が平成31年度から取り組みを始めようとされる「幻の安土城」復元プロジェクトは大いに期待しております。このプロジェクトで、かつて信長公が天下統一の拠点とした安土のにぎわいを復活させ、地域の活性化につなげていきたいと思います。  安土城の復元というのは大変夢のある事業だと思います。しばしば安土城跡に立ちますと、信長公の天下統一への思いを感じ取ることができます。将来、幻の安土城を、実際、目にすることができれば、そうした思いを国民の皆様もより一層実感できるのではないでしょうか。  ところで、安土城跡が廃城となってから安土城に関する情報がほとんど失われてしまったので、安土城を復元しようという試みがこれまで幾度も取り上げられてきましたが、その都度、現地が特別史跡であること、復元の根拠となる史料がほとんどないことから、復元は困難であるとして立ち消えになっています。  こうした中で、知事がこの難事業に挑もうとすることは大変に勇気あることだと思いますし、だからこそ、このプロジェクトを立ち上げるに至ったお考えをお尋ねします。  「幻の安土城」復元プロジェクトにどのような効果を持たせるかも大きなポイントです。安土城が復元されることで文化的にも経済的にもさまざまな効果が期待できると思うからです。それだけの可能性を持ったプロジェクトですので、安土城を核とした地域の活性化につなげていきたいと考えております。その意味で、このプロジェクトが安土という地域にどのような活力をもたらすのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  この復元プロジェクトは2026年の築城450年をターゲットイヤーとする長期的なものでありますが、プロジェクトの最終目標を地域の活性化に置くならば、地域の方々や企業にも深くかかわっていただき、多くの人の手で取り組むプロジェクトに拡大していけたらと思います。幅広い人々がかかわることで、プロジェクトの内容はもちろん、プロジェクトの目標である地域の活性化にも豊かな結果をもたらすものと考えるからです。  現在、全国各地で史跡や城跡を活用したまちづくりとして、住民や地元企業が参画し、地元自治体と協働で行う取り組みがふえているように聞いております。今回のプロジェクトについても、官民さまざまな立場から多くの人が参加することで、その可能性はさらに大きく広がるものと考えております。このプロジェクトを地元住民や企業とどのようにかかわりながら進めていくのか、お考えをお聞かせください。 ○議長(川島隆二) 23番有村國俊議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)安土城の復元に向けた取り組みについて3点、御質問いただきました。  まず1点目、この「幻の安土城」復元プロジェクトを立ち上げようと思ったきっかけ等につきましてでございますが、今も御指摘いただきましたように、いまだ多くの謎に包まれている、織田信長が築いた安土城の真の姿を知りたい、見てみたいと思ったことがきっかけでございますが、地元、安土、近江八幡の皆様方、また、文化、経済等さまざまな分野の方々から復元に向けた多くの御期待や御要望等もいただくこととなりました。こうした思いを知事として形にしてみようと考えるに至ったところでございます。  折しも大河ドラマを初め、さまざまな観光ブーム等でこういった戦国時代にスポットライトが当てられる、そういう時期でもあるのではないか、今がそういったときに適しているのではないかと考えたことも1つでございます。  このプロジェクトでは、多くの人々に御参画いただいて、その中でたくさんの知恵を集め、広く意見を聞きながら、みんなで幻の安土城の復元の方向性や方法を考えていきたいと考えております。  この復元にはさまざまな形が考えられますが、復元された安土城の姿を多くの人に見ていただき、安土城が持っているすばらしい価値と魅力を、まずは地域の人や県民に再認識していただき、それを日本全国に、さらには世界に発信していきたいと考えております。  2点目、こうした「幻の安土城」復元プロジェクトが安土にもたらしてくる活力についてでございますが、まずはこのプロジェクトに多くの人が参画し、復元の方向性や方法について議論することで人々の関心が安土に集まり、信長が選んだ安土への注目度が今まで以上に増すことが期待できます。このプロジェクトを経て、何らかの形で安土城を復元するとすれば、安土城の歴史遺産、観光資源としての価値はさらに高まり、安土城に魅力を感じる人たちやロマンを求める人たちがたくさん安土に集まり、議員がおっしゃっているような安土のにぎわいを取り戻していくことにもつながっていくと考えております。結果、安土城が滋賀の観光文化スポットのランドマークとなり、県内外はもとより、世界から安土を訪れる人がふえ、これまで以上に滋賀の観光振興に大きく貢献し、地域の活性化にもつながると考えております。そういう過程を経て、世界から選ばれる滋賀というものをつくっていければと考えているところでございます。  3点目、「幻の安土城」復元プロジェクトと地元住民、企業とのかかわり方についてでございます。  このプロジェクトは、安土城の実態を解明するための学術的な調査研究、復元していこうとする機運の醸成やその実現のための経済的な支援など、さまざまな分野からの参画が必要不可欠であると考えます。まずは復元をしていこうとする機運を盛り上げるために、地元住民の皆様や企業の方々等にこのプロジェクトに積極的にかかわっていただき、知恵とアイデアを出していこう、出し合っていこう、また、まとめていこうと考えているところでございます。 ◆23番(有村國俊議員) (登壇)どうもありがとうございました。  政治は夢を語るもの、先ほどの生田議員じゃありませんが、実現するものと考えておりまして、さきにも述べましたが、往時の夢とロマンを県民の皆さんと実現しようとされる事業ですし、ぜひ、ともに頑張っていきたいと思います。  私の目標は、全国あるいは世界から浄財を募って、きちんとした形に仕上げていきたいと思っておりますが、それはまたこれからの話でもありますので、きょうはそのことについてはちょっと横に置いて、続けます。  今回のプロジェクトにつきましては、信長公が当時の第226代ローマ教皇グレゴリウス13世、1572年〜1585年在位に、天正遣欧使節が1585年3月13日の謁見時に献上したとされる安土山屏風の調査にかかわられた方々からの情報収集や、再度、安土山屏風の探索を始めるに当たって関連する調査方法等の検討についても開始されると伺っております。  このたびのプロジェクトを進めていく過程において、現在の第266代フランシスコローマ教皇やバチカン市国の美術関係者に滋賀県にお越しいただき、安土山屏風探索の機運を伝えることができ、探索の糸口が見つかれば、今回のプロジェクトの推進に、より一層、弾みがつくのではないかと提案したいと思いますので、できましたら、また今後の打ち合わせ等に参加させていただきたいというお願いでございます。  再質問を1つさせていただきます。  「幻の安土城」復元プロジェクトが長く続く安土の活性化へとつなげていくためには、若い世代、特に子供たちに関心を持ってもらい、将来の安土を盛り上げる担い手に育ってもらいたい、滋賀を盛り上げる担い手に育ってもらいたいと期待しております。  そこで、知事は、私たちの最も大切な子供たちに、安土城を初めとした歴史、文化に関心を持ってもらうためにどのようにしたいとお考えであるか、お聞かせください。 ◎知事(三日月大造) 今回お取り上げいただいた安土城を初め、滋賀県には数多くの文化財がございます。これらは等しく地域の宝として保存、活用されていくべきであると考えます。  これまでも博物館、資料館、図書館などの地域の文化施設においては、特に子供たちに地域の歴史や文化を知ってもらうため、現地見学でありますとか体験教室など、さまざまな普及活動が行われてまいりました。  今後、さらに各施設が連携し、子供たちに地域の歴史、文化にもっと興味を持ってもらえるように、この「幻の安土城」復元プロジェクトも絡めながら、さらに取り組みを強化してまいりたいと存じます。 ◆23番(有村國俊議員) (登壇)歴史に、先ほど知事がおっしゃったロマンがあるのは、後世の人々が、何々だったら、あるいは何々していればを想像するのが、その醍醐味が、また将来に伝わっていくものと私は思っております。  信長公が光秀に討たれなければ恐らく安土が日本の首都になっているわけで、現在の東京都の反映が西の湖や琵琶湖とともにここにあるのかなと思います。そんなことを想像するだけでも、歴史好きの私にとってはとても楽しくなります。  安土城の復元については、三日月知事はよくぞおっしゃったと私は思っています。私も力を合わせてやり抜きたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。  それでは、次の質問に移らさせていただきます。  滋賀県における渋滞解消に向けた取り組みについて、全て土木交通部長にお願いします。  昨年11月定例会議において質問させていただきましたが、県におかれては、大津湖南幹線を初め、計画された必要な道路整備を着実に進めていただいており、感謝を申し上げたいと思います。また、中部湖東幹線についても、去る2月12日に県の都市計画審議会において都市計画の変更が審議されたところであり、事業化に向け、着実に手続が進められていることに安堵しております。  ところで、昨年7月定例会議の代表質問の折に申し上げましたとおり、本県では都市部を中心に渋滞が発生し、日常生活はもとより観光や企業活動を阻害しているときもあります。  私の住む近江八幡市周辺の国道8号でも慢性的な渋滞が発生しており、中でも六枚橋交差点や西横関交差点は以前から著しい渋滞が発生するポイントであります。このうち六枚橋交差点では、長らく改良工事が実施されていましたが、平成29年の3月に国道と県道の工事が完了し、右折レーンが設置していただきました。ついては、この六枚橋交差点改良工事の効果と、未着手である西横関交差点の渋滞対策について伺います。  交通渋滞は本県全体の社会的損失に直結します。国土交通省の資料によりますと、我が国における年間1人当たりの渋滞損失時間は約40時間とも試算されています。  本県では、今年度からアクションプログラム2018に基づく道路整備がスタートしましたが、渋滞緩和にどのように取り組んでいかれるか、アクションプログラムへの位置づけも含めて伺います。  さて、渋滞の解消に向け、推進いただいているハード整備ですが、計画の立案から調査、設計、地元調整、用地買収、工事等、完成までには多くの時間、並々ならぬ労力を要するため、きょう言って、あす、すぐに効果があらわれるものではありません。しかし、だからといって、事業完成までの間、ただ渋滞を我慢するわけにもいかないので、何かよい対策はないものだろうかと思います。  三重県内の東名阪自動車道ですが、新名神を亀山ジャンクションから東名阪に入り、名古屋方面に向けて走ると、鈴鹿インターチェンジの手前で路側に連続的に設置されている反射板からチカチカ、チカチカと光が出ています。御存じの方もいらっしゃると思います。これは、NEXCO中日本によるドライブ・アシスト・ライトというもので、渋滞が発生しますと反射板に設置されたLEDライトが作動し、点滅することで前方の渋滞の発生を警告したり、ライトが一定の速度で光の流れをつくることで渋滞内での低速誘導や速度回復を促す高速での誘導など、状況に応じて光の速さに合わせた走行を促す新しい渋滞対策の仕組みだそうです。このような対策を一般道路にそのまま適用するのは難しいと思いますが、渋滞の要因に、私たちドライバーの運転の仕方という視点もあることに気づきました。このような新しい手法の渋滞対策は、また土木交通部でお考えいただければ幸いです。  ところで、滋賀県の自動車保有台数を調べてみましたところ、約90万台でした。これは県民のおよそ3人に2台を保有しているもので、全国の2人に1台と比較しても高い水準です。免許を取得している人に限ると、滋賀県は1人1台保有している計算となり、本県の自動車への依存がかなり高いことがわかります。本県南部地域を中心に、依然として人口が伸びていることを考えますと、今後も交通量は確実にふえると見込まれます。  こうしたことを考えますと、渋滞対策としては、ハード整備はもちろん、先ほどお話ししたドライバーの運転の仕方といった視点に加えて、我々一人一人が車をどう使うのかというところまで考えなければ問題の解決は難しいのではないかなというふうに感じています。  そこで、改めて、県で取り組まれているモビリティーマネジメントに着目します。このモビリティーマネジメント、略してMMと称される取り組みは、賢い車の使い方を呼びかけ、エコ通勤やそれらを促す活動ですが、渋滞対策はもちろん、自動車利用を控えることによる交通事故の抑制、排ガス等の抑制による温暖化防止、車利用から公共交通利用に転換することで生まれる時間の有効利用や健康増進、さらに、車にかかる維持管理費用を抑えることによる経済負担の抑制など、さまざまなメリットが多いです。そして、この取り組みを進めるために、一人一人の心に訴え、意識改革を図っていくことができればと考えております。  ついては、さまざまな領域に効果があり、意識改革を促していくモビリティーマネジメント施策について、本県ではどのように取り組んでいこうとされるか、伺います。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) (登壇)渋滞解消に向けた取り組みについて3点の質問にお答えします。  まず、1点目の六枚橋交差点改良工事の効果と未着手である西横関交差点の渋滞対策についてですが、まず、六枚橋交差点の改良工事につきましては、国が国道8号に新たに右折レーンと歩道を設置されたことにあわせ、交差する県道近江八幡竜王線の右折レーンを県が設置するものでございました。議員御指摘のとおり、平成29年3月に完成しております。  この工事により、国道8号の彦根側に70メートル、草津側に60メートルの右折レーンが設置されました。また、県道にも右折レーン40メートルを設置したことで、交差点で右折待ちをする車両により発生した渋滞が改善され、円滑に交通が流れるようになりました。特に草津向きの交通の流れがスムーズになり、朝夕の通勤時の平均速度は、完成前の平成28年9月から11月までの約19キロから完成後の平成29年の9月から11月までの約28キロへと上昇し、データからも交差点改良による効果を確認することができております。  また、六枚橋交差点に西方向から接続する市道上田出町線にも昨年10月に右折レーンが設置され、周辺住民の皆様からは渋滞が一層改善されたとの声を伺っております。さらに、交差点の信号機には右折矢印が新たに設置され、年度内に運用される予定であり、さらなる渋滞緩和が期待されるところでございます。  次に、西横関交差点についてでございますが、今年度、国道8号の右折レーンを延伸する工事が新規事業化されたところでありまして、あわせて、交差する国道477号についても県事業として右折レーンを設置することとしました。  現在、国と県がそれぞれで道路構造の設計を実施しておりまして、来年度以降、用地測量、調査等を進め、今後とも国と連携して早期の事業完成に向けて取り組んでまいります。  2点目、渋滞緩和の取り組みとアクションプログラムへの位置づけについてでございますが、渋滞緩和のため、集中する交通に対して道路の容量をふやす道路の拡幅やバイパス整備、ポイント的な対策である交差点改良などの道路整備を進めているところでございます。しかし、議員御指摘のとおり、残念ながら依然として県内各地で慢性的な渋滞が発生しております。  このため、本県の道路の基本方針である滋賀県道路整備マスタープランでは、4つの政策目標の一つに県内産業の活性化と地域文化の交流を掲げ、その中で、円滑な人や物の流れを実現するため、交通渋滞の解消を図り、産業活動の活性化を支援するとして、積極的に渋滞対策を推進する方針を示しております。このマスタープランに基づく実行計画であるアクションプログラムを昨年度に見直す中で、各土木事務所単位で行った地域ワーキングにおいても、地域の皆様から渋滞に関する数多くの御意見、御要望をいただいております。最終的に取りまとめられた地域の声には、議員の地元である近江八幡地域を初め、4地域で交通渋滞の緩和を図る道路整備の必要性が盛り込まれたところでございます。  アクションプログラムにおいて事業箇所を選定する際にも、著しい渋滞を緩和できる整備、渋滞対策に関する計画への位置づけなど、渋滞緩和に資するものを加点項目とし、地域ワーキングでの御意見もさらに加点評価の項目として反映させ、事業箇所の評価を行ったところでございます。  また、国、県、NEXCO、警察等関係機関から成る滋賀県渋滞対策協議会では、平成13年から渋滞に関する課題を継続的に把握、共有しているところでございます。協議会では、交通実態データに基づき、国道から県道、市町道まで県内の主要な渋滞箇所を特定し、ハード、ソフトの両面から対策の検討を行っております。この検討の中で、県がハード整備により渋滞緩和を図る方針とした箇所のうち、今回のアクションプログラムでは21カ所を位置づけているところでございます。このように、渋滞緩和に資する箇所をアクションプログラムに位置づけ、事業の優先度を定めて、積極的、計画的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  3点目のモビリティーマネジメント施策についてでございますが、本県では移動に自動車が利用される割合が5割を超えておりますことから、道路整備等のハード対策のみならず、ソフト対策としてモビリティーマネジメント施策を積極的に行い、一人一人が、過度な自動車の利用が渋滞や環境悪化を招くことを意識し、交通行動を見直すことが必要だと考えております。  このため、具体的な取り組みといたしまして、自動車中心の移動から鉄道やバスなどの公共交通や徒歩、自転車など環境に優しい交通手段への転換を促すエコ交通を進める取り組みを行っております。  まずは滋賀県庁みずからが平成27年2月にエコ通勤優良事業所の認証を取得し、エコ通勤を実践することを宣言して、県内の行政機関や企業、事業所等に対し、エコ通勤の取り組みを進めていただくよう、さまざまな機会を通じて積極的に働きかけを行っているところでございます。  また、交通事業者、市町と連携しながら、小学校等に出向き、実際にバスを使用して、乗り方や公共交通のマナーなど、交通環境学習に取り組んでおるところでございます。実施数につきましては、平成28年度は4校、189名、29年度は14校、803名、今年度は18校、1,461名と年々増加させており、今後も積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  さらに、中高生、大学生、高齢者などに対しましても、幅広くモビリティーマネジメント施策を展開し、一人一人が交通に対して高い意識を持ち、渋滞を少しでも減らしていける社会を目指してまいりたいと考えておるところでございます。 ◆23番(有村國俊議員) (登壇)部長のほうから、渋滞解消も積極的に取り組んでいくと。  そのためには財源が必要でありまして、関係者の皆様が、本当に来年度、道路予算も、河川もそうですけれども、土木交通部の予算も大幅にアップできるように頑張ってこられた結果、それで積極的に、また活動できるということでもあるので、その双方向で、また頑張っていただきたいというふうに思っております。  きょうは400年前の話もしましたし、今日の話もしましたけれども、いずれ将来、交通の渋滞という言葉そのもの自体が、それはどういう意味ですかみたいな、渋滞が全く発生しないような時代がいつかやってくるかもしれませんね。  ハード事業もやっていらっしゃるし、ソフト事業も、あるいは個人でできる車の使い方というのもおっしゃっていただいたし、意識改革も、心のどこかでフックになって、くっくっとフックになると。その意識改革はすぐに変更できる、やる気になると、積極的に。そういうような思いも、今、聞かさせていただいて、県民みんなで早速取り組むことができる渋滞解消の知恵をぜひ出していければいいなというふうに思っております。  土木交通部におかれましては、引き続き、新しい取り組みをさらに考案していただきながら、全国に先駆けて発信していただきたい。本県の交通、そういったネットワークのやり方も含めて、ぜひ、その辺をよろしくお願いしたいし、応援をしたいなというふうに思っております。  これで終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、23番有村國俊議員の質問を終了いたします。  次に、13番節木三千代議員の発言を許します。
    ◆13番(節木三千代議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして質問をいたします。  まず、県民の命と安全を守ることについて、全て知事に一問一答でお聞きいたします。  昨年11月14日に高島市饗庭野演習場では81ミリ迫撃砲弾が国道付近に着弾し、民家の車を破損するという被害が発生しました。一時中断されていた訓練が再開をされ、住民の不安が上がっていましたが、この2月の4日から15日まで、饗庭野演習場では日米共同訓練がMV−22オスプレイ参加のもとで行われています。訓練は2月8日、一部公開されましたが、米海兵隊約40名と陸上自衛隊約60人が市街地戦闘訓練を実施、日米両軍が激しい銃撃戦で市街地の敵を掃討する軍事訓練が行われ、防衛ではなく、まさに憲法違反の軍事訓練であることは明白であります。  自衛隊と米軍との共同使用が認められている饗庭野演習場を持つ滋賀県の知事としての対応についてお聞きいたします。  1点目は、昨年7月27日に全国知事会が米軍基地負担に関する提言をされています。在日米軍に特権的な地位を与えている協定に対して、全国知事会としての抜本見直しを求めた提言、意味は極めて大きいと考えます。まず、主な提言の内容についてお聞きします。 ○議長(川島隆二) 13番節木三千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  今回の提言は、米軍基地負担に関する提言でございまして、1つは、米軍機による低空飛行訓練等については、国の責任で騒音測定器をふやすなど、必要な実態調査を行うとともに、訓練ルートや訓練が行われる時期について速やかな事前情報提供を必ず行い、関係自治体や地域住民の不安を払拭した上で実施されるよう十分な配慮を行うことという項目を初め、2、日米地位協定の抜本的見直し、3、米軍人等による事件、事故に対する実効的な防止策、飛行場周辺住民の実質的な負担軽減、4、基地の整理、縮小、返還の促進、この4つの提言がなされたところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)全会一致で採択された、今、知事が述べられました提言は、住民の命と安全を守る上で、自治体の長としての責務であり、独立国としての当然の要求だと考えます。しかし、今回の共同訓練では、実際、離発着時刻の情報以外は一切、オスプレイの飛行ルートは明らかにされませんでした。また、日米共同訓練の参加機とは別に、4日に大津市の中央学区地域上空を4機、オスプレイが飛行したことが確認をされています。午前10時50分、11時、11時9分、11時23分に各機を目撃、同オスプレイが三重県明野駐屯地を離陸したのは11時38分と同45分で、(資料掲示)この写真にあるように、滋賀民報社の社屋でオスプレイが確認をされています。6日にオスプレイを目撃した大津市の芝川淳さんも「住宅地の上を堂々と飛ぶなんて許せない」と怒りを寄せられています。7日に、夜の6時58分にも私の家の外で大きな爆音がし、慌てて飛び出しますと、大津赤十字病院の上空にオスプレイと思われる飛行物体が確認をされ、大津市や高島市などの関係自治体でも20件の問い合わせがありました。米軍が関係自治体上空を自治体に通報もせずに、市街地の上空を我が物顔で飛ぶ実態に強い憤りを持つものです。  今回の日米共同訓練ならびにオスプレイの飛来についての知事の対応についてお聞きをいたします。 ◎知事(三日月大造) 防衛政策は国の専管事項でございます。日米共同訓練の実施は日米両国政府の緊密な協力関係により実施されたものでございます。  訓練実施の際には、これまでから防衛省近畿中部防衛局に対し、県民の安全と地域の住民の日常生活に支障を来さないよう、また、必要な情報を関係機関等に迅速、確実に提供するよう繰り返し要請してきたところでございます。  今回の訓練実施に際しましても、私としてはこれまで同様の要請が必要と判断いたしまして、防災危機管理監に指示し、1月21日に知事名で近畿中部防衛局に対し要請を行ったところでございます。  その際、訓練に伴うオスプレイの飛来につきましては、訓練ルートの明示および市街地や観光地の上空を避けるよう口頭要請したところでございます。オスプレイの飛来について、近畿中部防衛局からは、三重県の明野駐屯地および饗庭野演習場でのオスプレイの発着の機数、時刻について連絡は受けましたが、飛行ルートは明らかにされなかったので、監視等による情報収集等を行ったところでございます。  訓練期間中の2月8日には近畿中部防衛局に対し、オスプレイが大津市市街地上空を飛行したことが事実とすればまことに遺憾であり、今後、飛行ルートを明らかにし、市街地上空を避けて飛行するとともに、安全管理に万全を期していただきたい旨、防災危機管理監に口頭で要請させたところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)何度か口頭で要請をされてこられたんですが、いまだルートも明らかにされないということであります。  政府は、こうした要請に対して、米軍の運用にかかわることで承知していないということを繰り返してきたというふうに思います。しかし、2月22日に日本共産党の穀田恵二衆議院議員が、米軍機が日本の上空を自由勝手に飛び回り、どこを飛んでいるか明らかにしていない問題を予算委員会で取り上げています。米軍の飛行計画や臨時の訓練区域などを非公表とする日米合同委員会の覚書、密約があったことをこの予算委員会で暴露しています。外務大臣も国土交通大臣も認め、米軍の運用にかかわることで、これまで県が要請しても、承知していないと逃げてきたことが予算委員会で偽りであったということが裏づけられたと思います。こうした政府の対応は、憲法よりも日米地位協定を上に置くもので、許せないと思います。  こうしたことも踏まえて、前段で述べられました知事会の抜本見直しを求めた立場を堅持して、知事として政府に強く求めていただきたいと思いますが、見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) お取り上げいただきました全国知事会の提言は、米軍基地負担に関する提言ではございますが、今後とも訓練の実施に当たりましては、県民の安全と日常生活に支障を来すことのないよう、国に対して、機会を捉えて、必要な要請等を行ってまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)ぜひ、全国知事会で提言された立場を堅持していただいて、県民の命と安全を守る知事として対応していただきたいと思います。  昨日は沖縄で県民投票が行われ、辺野古の海の埋め立て承認に対する反対が7割を超えるという結果となりました。民意や地方自治を踏みにじるような安倍政権に対して、やはり滋賀県の知事としても、今のこの日米地位協定の抜本見直しを求めた立場で、引き続き強く求めていただきたいということを要望しておきたいというふうに思います。  次に、質問いたします。児童虐待防止の対策について、一問一答でお聞きをします。  親から虐待を受けた子供の命が失われる悲劇がまたもや起きてしまいました。千葉県野田市で犠牲になった小学4年生の女児は、父親の暴力を訴えるSOSを発信していただけに、なぜ命が救えなかったのか、悔やんでも悔やみ切れません。  児童虐待防止法の制定から20年近く経過する中、政府、自治体の対策がとられつつあるものの、依然として多くの子供が虐待被害に遭い、小さな命が奪われている現実は余りにも深刻です。  今回のケースも、関係機関の情報共有や連携のあり方などを含め、掘り下げた検証と原因究明を行い、再発防止に向けて関係者が議論をし、改めるべき点は正していくことが不可欠であります。悲劇を断ち切るため、各分野での真剣な取り組みが急務となっていますが、悲惨な事件を二度と繰り返さないことを願い、何よりも子供の命を守ることを願い、本県の取り組みについて、一問一答で、以下、しばらく健康医療福祉部長にお聞きをいたします。  まず、県子ども家庭相談センターに寄せられる虐待相談件数など主な状況についてお聞きいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  平成29年度におけます県内3カ所の子ども家庭相談センターの児童虐待に関する相談件数は1,980件でありまして、前年度比で25件減少し、1.2%の減少率となりましたものの、19市町の児童虐待に関する相談件数を合わせますと6,392件となりまして、前年度比で330件増加し、5.4%の増加率となっているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)前年度と比較しまして、県全体としては増加をしているということであります。  県子ども家庭相談センターの児童福祉司が抱えるケースはどのくらいなのか、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  平成29年度の児童虐待に関する相談件数は、先ほど申し上げましたとおり1,980件でございまして、平成29年度の児童福祉司の数39名で割りますと、児童福祉司1人当たり約50ケースを持っているということになります。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)国は児童福祉司1人が受け持つ相談事案は約40件程度と目安にしています。40件でも、専門家から見れば、諸外国と比べて大変負担が重いと指摘をされています。50ケースということでは、本当に現場の御苦労がうかがえると思います。  実際には病休や産休、育休など、政府の閣議決定による児童福祉司の配置ではまだまだ足りない現状ではないかと思います。現在の児童福祉司の配置状況について健康医療福祉部長にお聞きいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  平成30年度の国の配置標準は31名となっておりますが、それに対しまして、2月現在、児童福祉司は42名配置をいたしております。ただ、うち4名が育休中、1名が病休中、1名が休職中という状況でございます。  育休中の4人につきましては、児童福祉司を採用するなどして対応いたしているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)6名が病休、産休、育休ということで、補充も若干されておられるようですが、お聞きしていると、まだそのまま穴があいた状態であるということもお聞きをしています。4年間で、国としては2,000人の配置ということで、今後、対応されるということでありますけれども、私は、今の欠員の状況を見ても、大幅な増員が必要だというふうに思いますけれども、大幅な増員が必要だという点について、再度、部長にお聞きしたいと思うんですが。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  児童相談所、子ども家庭相談センターの職員の数につきましては、今、議員も御紹介いただきましたとおり、昨年、児童虐待防止対策体制総合強化プラン──新プランというものが示されております。そちらで約2,000人程度を今後4年間で増員するという計画になっております。また、この2月に、そのうちの半数を1年目に前倒しして実施するという関係閣僚会議での決定も受けております。これらプランに沿いまして、着実に県としても体制が強化できるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)今後、新年度は子ども家庭相談センター関連で14名配置されるとお聞きをしていますが、子ども家庭相談センターおよび一時保護所の人材確保の見通しについて健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  来年度の一時保護所の開設も含みます子ども家庭相談センター関連に必要な14人の増員に関しましては、社会福祉職の採用や追加募集を行うなど、確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)現場の声をお聞きしていますと、なかなか児童福祉司、確保ができないという状況があるとともに、すぐに専門性を持つ人材を確保してほしいというのも現場の声であります。  児童福祉司の仕事は、子供の保護、家族のケアを含めた関係構築など複雑多岐にわたり、専門的な技術や豊富な経験が欠かせません。増員とともに、育成することも同時に求められていますけれども、その取り組みについて健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  子ども家庭相談センターの業務は専門的な知識、経験を必要としますことから、児童福祉司を育成していくということは非常に大切なことだと考えております。新たに児童福祉司を発令した職員に対しましては、法定研修のほか、子ども家庭相談センターにおいて新任研修を実施しております。児童虐待に関する基礎知識の習得や現場における対応力の向上に努めているところでございます。  また、2年目以降の職員に対しましては、職員の経験年数に応じた体系的な研修によりまして、法的対応あるいは性的虐待対応など専門的な対応等について、必要な時期に確実にスキルを取得できるように努めているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)次の質問と関連するんですけれども、家族とのあつれきや個人のプライバシーに踏み込むことも避けられない、こういう仕事の内容から、困難とストレスを抱える職員さんも少なくありません。子供の安全と命に向き合う職員がやりがいを持って長く働けるような、今、研修、るる述べられましたけれども、長く働けるような職場環境の改善が不可欠と考えますが、その取り組みについてお聞きいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  子供の安全と命を守ることを第一に現場に向き合っている児童福祉司が活力を持って日々の業務を行うことができるような職場環境を整えるということは大切だと思っております。  各子ども家庭相談センターにおきましては、児童福祉司が孤立し、問題を抱え込み、疲弊することがないように、ケースに対する支援方針は所内で決定して共有するほか、経験豊富な職員が同行いたしまして支援に当たるなど、チームで支え合う体制を整えているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)冒頭、児童福祉司さん1人が50ケース持たれているという現状があります。経験のあるスーパーバイザーと言われる方が中心になって支えていく、相談に乗っていくというのが本来の姿でありますけれども、なかなか、スーパーバイザーの方も困難なケースを持たなければならない、そういう状況もあるというふうに思います。そういう点でも、県政の最優先課題として、何よりも子供の命を守る、そういう対策を今後も強めていただきたいというふうに思います。  この項の最後に、何よりも子供の命を守ることを最優先に、児童虐待の防止に向けての知事の決意をお聞きいたします。 ◎知事(三日月大造) 子供への虐待は子供の人権を著しく侵害するものであり、子供の心身の成長や人格の形成に重大な影響を与えるものであり、決して許されるものではありません。今回の事件を踏まえ、改めて子ども家庭相談センターにおける取り組みの確認を行っているところでございます。  さらに、大津・高島子ども家庭相談センターの一時保護所を開設するなどの体制強化を図ってまいりますので、市町、警察等との連携を密にして、虐待ケースにちゅうちょなく介入し、子供を安全に確保できる体制づくりを進めてまいります。  子供の命が失われるような悲惨な事件を二度と繰り返すことがないよう、何があっても子供の命を守るという強い覚悟を持って、先ほど来、健康医療福祉部長が答弁いたしました体制整備等を含め、今後の児童虐待防止対策にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)これは最後に要望しておきたいというふうに思います。  今回は児童福祉司の増員、人材の育成を中心に質問させていただきましたけれども、虐待への対応は早期発見が重要な鍵を握ります。虐待のサインに気づける大切な場所である学校での教員の多忙化なども丁寧な対応を拒んでいる要因になっていると思います。教員の増員も急務だと思います。また、学校、保育所、病院、児童相談所、保健所など、個々の専門機関の体制の強化と連携を強化する、全ての職員が子供の視点に立つ専門性を身につけるために、国や自治体が総力を挙げることを強く求めていきたいと思います。  次に質問していきます。  それでは、3問目ですけれども、子ども食堂について一問一答でお聞きします。  滋賀県は子供の貧困対策を推進するとして2016年から淡海子ども食堂普及推進事業費補助金を創設されました。現在の取り組み状況について健康医療福祉部長にお聞きいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  県では、平成28年度から今年度までの3年間、滋賀県社会福祉協議会を通じまして、子ども食堂を開設する団体に対し、開設経費の助成あるいは開設準備講座等の開催に取り組んできたところでございます。  淡海子ども食堂の実施箇所数は平成27年度末では16カ所でございましたが、平成28年度末で62カ所、平成29年度末で95カ所、この平成31年1月末現在では115カ所に広がってきたところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)この補助金によって取り組みが大きく広がってきたということだと思います。  滋賀県行政経営方針の中で、来年度から補助をなくそうとされていますが、今後の子ども食堂に対する県の取り組みをどのようにしていくのか、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  淡海子ども食堂は、当初の3年間のこの広がりを踏まえまして、今後、子供を真ん中に置いた地域づくりを支える応援団をふやしていく取り組みを進めていきたいと考えております。  このため、企業や団体、個人の皆様から子ども食堂への物資の提供や寄附、人的支援などを広く募る公私協働の取り組みでございます子どもの笑顔はぐくみプロジェクトに対しまして、県としても今年度、3,000万円の助成を行ったところでございます。このプロジェクトにおきまして、物資や寄附など民間の支援を子ども食堂に届けるほか、今後も開設準備講座や交流会を開催するなど、淡海子ども食堂の開設、運営を支援できるよう、関係の皆様とともに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)私はこの間、子ども食堂に取り組んでおられる団体の皆さんとお話をしてきました。3年間取り組んでようやく課題を抱えた子供たちとつながることができた、進路相談を誰にもできないで悩んでいた中学生が話をしてくれた、朝御飯は食べられない、給食も喉を通らない、子ども食堂の日ではないけれども駆け込んでくる子供に温かいうどんを差し出す、子ども食堂が居場所になった、父子家庭のお父さんと、最近、道で出会ったらようやく挨拶を交わすことができてほっとしたなど、こうした地域の取り組みが子供を守っています。子供を支えています。孤立するひとり親家庭を助けています。これからも継続していこうと思うと資金が必要なんです。食材の調達には大変苦慮されておられます。でも、やっぱりこの事業をやめるわけにはいかないとお話しされておられます。今、答弁ありましたけれども、直接の補助、継続していくための支援を求めるものですが、部長に、再度、お聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  ただいまお答えいたしましたとおり、また、議員の御指摘もありましたとおり、子ども食堂の取り組み、本当に地域の中で多くの方に支えられ、子供たちの居場所や、あるいは地域の皆様の交流の場として機能していると考えております。県としても、この取り組みを一段と進める必要はあると思っております。  ただ、今後は、やはり多くの方に支えていただく、そういう応援団をふやしていくということの取り組みをしていきたいということで、先ほどお答えいたしましたとおり、子どもの笑顔はぐくみプロジェクト、こちらに県としても助成を行うとともに、皆様と、このプロジェクトが有意義なものになるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)多くの人に支えていただきながら、子ども食堂が、今、広がっているというのは承知をしています。その上で、県としてどうするかということが強く求められていると思うんです。  取り組みをさらに広げるには、補助金をなくすのではなく、継続することが必要ではないかと思いますが、知事にお聞きをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) この子ども食堂、大変重要な役割をそれぞれの地域において果たしてくれてきていると思っています。これは子供たちに対してもそうですし、そこでかかわり合う大人の皆様方に対してもいろんな効果がある場所だということも伺っております。  県として3年間実施してきた子ども食堂の立ち上げ支援については今年度で終了いたしますが、先ほど部長が答弁しましたとおり、多くの人に支えていただく、ある意味ではかかわっていただく、企業や団体、個人の公私協働の取り組みである子どもの笑顔はぐくみプロジェクトを通じて、皆様とともに、今後も子ども食堂への支援は続けてまいりたいと考えているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)3年前にこの事業を立ち上げられたときの県の説明資料では、子供の貧困対策の推進として、現状と課題として挙げられたのが、子供の居場所となる淡海子ども食堂は、その時点では年内に11カ所でしたけれども、子供が徒歩や自転車で通える範囲には行き渡っていないということでありました。今、まだ行き渡っていない状況だというふうに思います。この課題が解決されていない中で補助金をなくすべきではないと思いますが、再度、知事に問いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) おっしゃるように、おかげさまでこれまで115カ所まで広がってきましたけれども、まだまだ地域によってはそういった施設、食堂が必要な地域もあるでしょうし、さらにそういった設置を検討されている方々もいらっしゃいます。この取り組みを通じて、高齢者の方もボランティアの皆さんも、もちろん保護者の皆さんも、いろんな方々がかかわっていただいて、地域の子供たちをみずから育て、支えていく、支え合っていくという、こういうことを進めていく必要があると思いますので、繰り返しになりますが、いろんな方がかかわり合う、この子どもの笑顔はぐくみプロジェクトを通じて、今後ともこういった取り組みを支援していく、ある意味では広がりもつくっていかなければなりませんし、持続可能な経営モデルを一緒につくっていく、こういったことも必要ではないかと思いますので、今後も県もかかわり続けますので、引き続き、子ども食堂の取り組みを充実させていきたいと思います。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)直接の支援の補助金をなくすということについて、継続すべきだということを知事に申し上げているわけで、かかわりを全部、手を引くとかいうことを私は言っていません。課題が解決されていない、徒歩や自転車で通える範囲には行き渡っていないという認識のもとに、この立ち上げの支援として補助金を創設されたわけで、この課題がまだ残されているでしょうと私は知事に聞いているわけなんです。  全国一広がった滋賀県の子ども食堂、数少ない滋賀県としての独自の子どもの貧困対策としてのこの補助の取り組みをなぜやめるのかということなんです。わずか1,000万円のこの補助を、課題が解決していないのにやめていいのかという点なんですが、その点について、もう一回、知事に聞きたいと思います。 ◎知事(三日月大造) もともと子ども食堂の立ち上げを支援するという取り組みは3年間で1つの目標を定めてやってきましたし、県が、直接、補助をする、そのことによって立ち上げを支援する、このことも大変重要でありますが、みんなで支え合っていくという、こういう枠組みをつくっていくことも制度の持続性からしても必要であろうということから、今回、もともと持っていた県の直接補助による立ち上げ支援は今年度で終了と。この間、同時に立ち上げてきたはぐくみプロジェクトで、運営でありますとか、さらに広げていく立ち上げについても今後とも支援を行っていこうということでございますので、こういった枠組みを、ある意味では滋賀モデルとしてしっかりと確立しながら、今後の子ども食堂を応援していきたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)ぜひ、今、子ども食堂に取り組んでおられる皆さんの声を聞いていただきたいと思うんです。  県は立ち上げだけを支援して、はしごを外すのかとの声も寄せられています。農家のない地域では野菜の提供は望めない。事業所のない地域では寄附もなかなか大変。無料、また安く食事を子供たちに提供していくには、やはり直接の支援が必要だと皆さんおっしゃっておられます。全国一広がった子ども食堂を、今後、持続させていくためにも、県としての支援を強く求めるものですが、知事に見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 考え方等、方針については先ほどお答えしたとおりなんですけれども、議員も御指摘いただいたように、こういった子ども食堂の果たす役割の重要性は私も共有をしています。それらを地域の皆様方、さまざまな方々と一緒にかかわり支え合っていく仕組みづくりも同時に必要であるという観点から、先ほど来御紹介しております子どもの笑顔はぐくみプロジェクトを通じて支援を行ってまいります。  こういったプロジェクトの中に、例えば地域包括連携協定を締結している企業に対する呼びかけでありますとか、農業者との連携による地域食材の活用等々、ある意味では農業体験も含めて、取り組みの支援の輪を広げていく、例えばその仲介役に県がしっかりと役割を果たしていく、こういったことも可能だし、必要であると思っておりますので、そういう役割をしっかりと果たしてまいりたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)滋賀県として、地方自治体としてどうするのかということが私は問われていると思うんです。みんなでするということではなく、県として、子供の貧困対策をどうするのかということで、最大限、地域の皆さんの取り組みを支援するということで、一旦立ち上げた事業をなくしていくというのに多くの皆さんから批判の声が寄せられています。  さきの質問で、児童虐待の防止について知事の決意もお聞かせいただきました。子供の居場所としての子ども食堂、児童虐待の早期発見としても、命を守る取り組みとしても、子ども食堂は大事だということを私は関係の皆さんからもお聞きをしてきたんです。  行政としてできる限りの支援をする。1,000万円です。国体には511億円。子ども食堂は1,000万円。ここがなぜ出せないのか。私は本当に強い憤りを持つものです。引き続き、この補助金を継続することを強く求めておきたいというふうに思います。  最後に、特別支援学校の修繕について、分割で教育長にお聞きをします。  昨年10月、八日市養護学校で天井のつり下げフックが折れて、つるしていたブランコから子供が落ちてけがをするという事故がありました。事故の原因についてお聞きをいたします。教育長にお聞きします。  (資料掲示)写真にありますように、各養護学校にはこうしたつり具フックが3から4個、設置をされている学校が多くあって、ブランコやハンモックなどをつるして、授業の一環として、また、遊びの一環として使用されていました。設置教室数と設置フック数について、教育長にお聞きをいたします。  現在、全ての使用が禁止をされていますけれども、子供たちからは「いつになったらブランコが使えるの」という声が保護者や関係者に寄せられているとお聞きをしています。現在のこのフックの点検状況と今後の安全対策について教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) (登壇)特別支援学校の修繕についての3点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の事故の原因についてであります。  特別支援学校におきましては、学習教材やコミュニケーションツールとして、つり下げ式の教具を教室に設置をしておりますが、議員御指摘のとおり、昨年10月に、生徒がブランコのように遊んでいたところ、教具をつり下げるためのフックが天井から外れて落下するという事故が発生いたしました。  その原因につきまして、複数の専門機関に分析を依頼いたしましたところ、今回のケースは金属疲労によるものと考えられるとの報告を受けたところであります。  次に、2点目のフックの設置数についてお答えをいたします。  特別支援学校におけるつり下げフックの設置数につきましては、平成31年2月現在、11校におきまして279教室、1,668個となっております。
     最後に、3点目のフックの点検状況と今後の安全対策についてお答えをいたします。  八日市養護学校での事故発生後は、つり下げフックを有する全ての特別支援学校におきまして、直ちに使用禁止の措置をとり、安全の確保を図ったところであります。  今回、破断をいたしましたフックにつきましては金属疲労が原因と考えられるとの報告を受けましたが、その他、既に設置をされているフックにつきましては、金属疲労しているかどうかを確認する検査は困難であるというふうに聞いております。  このため、今後の対策といたしましては、フックを補強することにより安全確保を図ってまいりたいと考えておりますが、まずは各学校で形状の異なるフックの状況を専門業者と調査をし、補強方法等の確認を行いますとともに、運用面での改善も必要であると認識をしており、実効性のある対策がとれるよう、学校の意見もしっかりと聞きながら、安全対策を講じてまいりたいと考えております。  さらに、今ほど申し上げましたフックの補強に当たりましては、学校の意見や現場調査を踏まえまして整備を進めることといたしますが、先ほどもお答えいたしましたように、各学校に設置をされているフックの数は非常に多くございますことから、まずは授業で使用するものを優先的に整備をしていくこととし、その他の箇所につきましては、必要に応じて、順次、対応してまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)要望をしておきたいというふうに思います。  今、教育長からも答弁がありましたように、279の教室でつり下げのフックが1,668と非常に数が多いということであります。同時に、このつり下げフックというのは特別支援学校施設整備指針で、知的障害に対応した施設における自立活動教室等の中で、身体の動きに関する指導のための室・空間として……。省略しますけれども、天井つりとして設置できると。非常に、教材としても必要だということも位置づけられています。安全対策は万全にとっていただくと同時に、今、学校現場の声も聞いてということでありましたので、何よりも直接かかわっておられる教師の皆さんの声をしっかりと聞いていただいて対応していただくということを求めて、質問を終わりたいと思います。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、13番節木三千代議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時2分 休憩    ────────────────   午後1時 開議 ○議長(川島隆二) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、17番冨波義明議員の発言を許します。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従い、運動部活動に係るガイドラインと働き方改革について、分割方式で質問をいたします。  中央教育審議会──以下、中教審と言いますが、は去る1月25日、公立高校教員の残業の上限を、原則、月に45時間、年360時間以内と定めた文部科学省──以下、文科省とします、の指針遵守に向けた働き方改革の方針をまとめ、文部科学大臣に答申をいたしました。  今回の答申では、タイムカードの記録を徹底するとともに、教育の業務内容を整理し、これまで自発的とされてきた部活動指導を勤務に位置づけた上で、活動時間の短縮や外部指導員の委託による教員の勤務負担の軽減、さらには、年単位の変形労働時間制も導入することとしています。  教員の働き方改革は従来の学校のあり方の大転換を図るものであり、学校の業務改善と教員の働き方の意識改革を推進することで、子供を初め教員、保護者、地域、全ての人にとって魅力ある学校、職場づくりを具現化しようとするものですが、学校を、学びたい、学ばせたい、そして、働きたい場所にすることは私たちに課せられた大きな使命でもあります。  この中教審の答申に先立ち、スポーツ庁は昨年──平成30年3月の19日、運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインの策定及び運動部活動の適切な運営に係る取組の徹底について──以下、ガイドラインと言います、を策定し、全国各都道府県教育委員会等に通知をしたところです。  そこで、昨年度から本県でも取り組まれてきたガイドラインの周知とその実施状況を中心に、教員の働き方改革と部活動のあり方、さらには青少年のスポーツ振興について、以下、総務部長ならびに県民生活部長および教育長に伺います。  まず、学校における部活動の課題について教育長に伺います。  今回のガイドラインの前文の中では、少子化の進展や社会、経済の変化等により、教育等にかかわる課題が複雑化、多様化し、学校や教師だけで解決することができない課題が山積していること、特に運動部活動に関しては、従前同様の体制ではもはや維持することが難しくなり、学校や地域によっては存続の危機にもある、将来において全国の子供たちが各自のニーズに合ったスポーツ活動を行うことができ、生涯スポーツに親しむ基盤として運動部活動を持続可能なものとするためには、運動部活動のあり方の抜本的な改革に取り組む必要があると述べられています。  そこで、まず、学校における運動部活動の現状と課題をどのように捉まえているのか、教育長に伺います。  次に、スポーツ庁の運動部活動ガイドラインに関して、以下9点からお伺いします。  今回、スポーツ庁はガイドラインに実効性を持たせるために、全国の自治体教育委員会や公立学校、学校法人等に具体的な数値目標を明記した、学校の運動部活動に係る活動方針──以下、活動方針と言いますが、これを策定することを求めています。  今回、スポーツ庁でガイドラインが策定された趣旨について教育長に伺います。  そもそもガイドラインとは指針であり、法令や学習指導要領と違い、法的な拘束力や強制力のない紳士協定、いわば約束事と理解をしていますが、今回、スポーツ庁は自治体教育委員会や学校に対し、活動方針の作成を依頼という形で通知したと仄聞しております。  スポーツ庁から自治体教育委員会等に依頼された活動方針の策定について、教育委員会はどのような理念のもとで県下の自治体教育委員会ならびに学校に通知されたのか、教育長に伺います。  今回のガイドラインでは、知、徳、体のバランスのとれた生きる力を育むことを目的として、スポーツを楽しむことで運動習慣の確立等を図り、生涯にわたる豊かなスポーツライフを実現するための資質、能力を育成することを目指し、生徒に望ましいスポーツ環境を構築することとしています。こうしたガイドラインの基本的な考え方は、学校の種類や設置者の違いにかかわらず該当するものであり、国公立、私立、全ての学校の生徒が対象となるものです。本県の学校法人、私立学校に対する活動方針策定の通知の取り組みと現状について総務部長に伺います。  スポーツ庁の発表では、現在、全国各地の自治体教育委員会の約6割が国のガイドラインに基づいた活動方針を作成されたと仄聞しています。県教育委員会では、昨年7月に国のガイドラインに基づいた部活動の指導についてを策定されていますが、県下各市町教育委員会や各学校における活動計画の作成状況について教育長に伺います。  今回のガイドラインでは、適切な休養日の設定の取り組みとして、平日、休日の活動時間や休養日の設定などの基準が示されています。  その主な内容としては、1つ、学期中は週に2日、平日は1日、土、日はどちらか1日、この週2日以上の休養日を設け、週末の大会等に参加した場合には休養日を他の日に振りかえること。2番目、長期休業中の休養日も学期中に準じて扱い、オフシーズンも設けること。3番目、1日の活動時間は、長くとも平日は2時間程度、休みの日は3時間程度とすることなどが挙げられます。  スポーツ庁としては、スポーツ医・科学の研究等を踏まえて、活動時間や休養日等に関する基準を示し、これに基づき、適切な活動を行うことにより、成長期にある生徒がバランスのとれた生活を送るとともに、みずからのニーズに合ったスポーツ活動を行うことを期待しているとのことですが、このような一方的な基準の設定や一律的な総量制限に対しては、学校現場から戸惑いの声が上がっていると仄聞しています。  また、そもそも部活動の平日、休日の活動時間や休養日の設定──以下、これは部活動の総量規制といいます、は生徒のための基準なのか、あるいは教員の働き方のための制限なのかわからないとの疑問の声も上がっているところです。  今回のガイドラインで示された活動時間や休養日等の数値目標設定の目的と根拠について教育長に伺います。  学校における部活動の総量規制は、成長期にある生徒の体力や運動能力の向上、競技上のけがや事故など安全性の観点だけではなく、部員数や活動場所、天候の問題から生じる活動時間不足の観点、高い志を持つ生徒の競技力向上のための活動時間の確保、また、平素は十分に活動時間が与えられない部員のための活動時間の保障、さらには生徒指導上の観点などなど、さまざまな教育上の観点から考えていかなければなりません。  また、高校は中学校に比べて学校間の均一性という点でかなりの差もあることから、活動時間や休養日をどの学校でも一律にすることは、競技力向上の観点や生徒指導上の観点からも現実ではないと考えております。  部活動の活動時間や休養日の基準は学校や地域の実情に合わせ、弾力的に設定することが必要だと考えますが、教育長に伺います。  これまでも運動部活動に従事する学校の教員や部活指導員の多くは、スポーツ医・科学の見地から、トレーニング効果を得るためには適切な休養が必要なこと、過度な練習はスポーツ障害のリスクを高め、体力と運動能力の向上につながらないことを正しく理解した上で、生徒とコミュニケーションを図りながら活動時間や休養日を設定してきました。しかし、今回のガイドラインでは、学校や地域の実態に即した弾力的な裁量が認められず、一律的な基準が設定され、総量規制がかけられました。県教育委員会は、このガイドラインの通知に先立ち、県内のスポーツ団体や関係者との協議をどのように行い、そのときどのような意見が出たのか、教育長に伺います。  今回のガイドラインの最後には、競技団体は、競技普及の観点から運動部活動や思春期のスポーツ活動が適切に行われるために必要な協力を行うとともに、競技力向上の観点から各地の将来有望なアスリートとしてすぐれた資質を有する生徒を本格的な育成・強化コースへ導くことができるよう、発掘、育成の仕組みの確立に向けて取り組む必要があるとしています。  部活動の時間や休養日が一律的に総量抑制される中で、競技団体におけるアスリートの発掘や育成にどのように取り組むのか、県民生活部長に伺います。  平成28年の政府の働き方改革において、教員の長時間労働の是正が指摘されたことを受け、文科省は平成29年度から学校教育法施行規則の一部を改正し、中学校におけるスポーツ、文化、科学等の教育活動に係る技術的な指導に従事する学校職員として部活動指導員の配置を定めました。今回のガイドラインでも、学校の設置者は各学校の生徒や教師の数、部活動指導者の配置状況や校務分担の実態等を踏まえ、部活動指導者──以下、指導者と言いますが、これを積極的に任用し、学校に配置するとして、指導員の積極的な活用を掲げています。  そこで、本県における指導員配置の現状について教育長に伺います。  この項の最後に、今議会に上程されました議第67号滋賀県学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案について伺います。  本県の公立学校教員が週休日等に部活動指導に従事した場合に支払われる手当については、滋賀県学校職員の特殊勤務手当に関する条例──以下、特勤手当条例と言いますが、において定められており、その額は、業務に従事した日1日につき3,600円と規定されています。この特勤手当は、教員給与と同様、国が都道府県に補助する仕組みとなっており、実施に当たっては都道府県条例の改正が必要となります。ちなみにこの特勤手当は、平成29年度に、1日につき4時間程度、3,000円から3,600円に改正されたばかりであります。この特勤手当の改正案が今議会に上程されており、その内容は、現行の1日4時間程度で3,600円の手当額を1日3時間程度で2,700円に変更するというものです。今議会に上程されている特勤手当条例の改正理由について教育長に伺います。 ○議長(川島隆二) 17番冨波義明議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎総務部長(藤本武司) (登壇)運動部活動に係るガイドラインと働き方改革のうち、本県の私立学校に対する通知の取り組みと現状についてお答えをいたします。  昨年3月、スポーツ庁からの通知を受けまして、県では同月22日付で、学校法人、私立中学校・高等学校・中等教育学校に対して、学校の運動部活動に係る活動方針を策定し、公表するよう周知をしたところでございます。  これに基づいて、現在、中学校等で7校中4校で、また、高等学校等で12校のうち部活動を行っている11校中5校で活動方針を策定している状況でございます。  未策定の学校につきましても、平成31年度中に策定すると伺っておりまして、引き続き、必要な情報提供や支援を行うこととしております。 ◎県民生活部長(浅見孝円) (登壇)運動部活動に係るガイドラインと働き方改革についての御質問のうち、競技団体によるアスリートの発掘や育成についての御質問にお答えを申し上げます。  アスリートの発掘、育成や競技力の向上において、競技団体の役割は非常に重要であると認識しておりまして、現在、多くの競技団体では小中学生を対象に競技体験会などを開催し、競技に取り組むきっかけづくりと選手発掘を行っているところでございます。  このような取り組みによりまして発掘した将来性豊かな選手に対して、競技団体はそれぞれの年代に応じた強化プログラムに沿って育成、強化を図っているところでございます。  県といたしましては、競技団体が学校と連携して行う強化事業が効率的、効果的に実施できるよう支援するなど、2024年の国民スポーツ大会に向けまして、競技力の高い選手の育成、強化に着実に取り組んでまいりたいと存じます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)運動部活動に係るガイドラインと働き方改革についての御質問のうち、私にいただきました9点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の学校における運動部活動の現状と課題についてお答えをいたします。  運動部活動は学校教育の一環として行われ、生徒の生きる力の育成、豊かな学校生活の実現に大変有意義なものと考えております。  そこで、まず、県内の運動部活動の現状についてでありますが、今年度の運動部活動の生徒の加入数と加入率は、中学校では2万6,793人で68.3%、全日制の県立高等学校では1万9,497人で50.5%であり、競技数としては、中学校は21競技、高等学校は38競技となっております。  次に、運動部活動の課題ですが、小規模校であるなど学校によりまして、部員が集まらない、あるいは専門的な指導ができる教員が不足するなど、運営上の課題も生じてきております。また、部活動指導が教職員の長時間勤務の要因の一つとなっていることも課題であると考えております。  次に、2点目のスポーツ庁が策定をいたしましたガイドラインの趣旨についてお答えをいたします。  昨年3月、国において策定をされた運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインにおいて、その趣旨として、生徒にとって望ましいスポーツ環境を構築するという立場に立ち、運動部活動が、1、バランスのとれた心身の成長と学校生活を送ることができるようにすること、2、合理的でかつ効率的、効果的に取り組むこと、3、指導、運営に係る体制を構築することといったことを重視して、地域、学校、競技種目等に応じた多様な形で最適に実施することを目指すものとされております。  3点目のガイドラインをどのような理念のもとで通知したかについてお答えをいたします。  部活動は生徒の心身の健全な育成と豊かな人間性の形成を図る上で重要な教育活動であると認識をしております。  今般の国のガイドラインを受け、部活動が今後も持続可能なものとなるよう、活動時間および休養日の設定も含め、そのあり方を改めて示す必要があることから、平成30年7月に、部活動の指導についてとして県の方針を定め、市町教育委員会および県立学校に通知をしたところであります。  4点目の市町教育委員会や各学校の活動方針の作成状況についてお答えをいたします。  本年1月末日現在で6市町の教育委員会が国のガイドラインに基づく運動部活動の方針を策定しており、今年度中には全ての市町で運動部活動の方針を策定する予定と伺っております。  また、公立の中学校、特別支援学校の中等部におきましては104校中75校で、県立の高等学校、特別支援学校の高等部におきましては59校中32校で策定をしておりますが、県立学校におきましては、今年度中には全ての学校で運動部活動の方針を策定するよう指導しているところでございます。  次、5点目の活動時間や休養日等の数値目標設定の目的と根拠についてお答えをいたします。  まず、設定の目的ですが、国のガイドラインにおいて、部活動において活動時間や休養日等の基準を設け、合理的でかつ効率的、効果的な活動を行うことにより、成長期にある生徒が運動、食事、休養および睡眠のバランスのとれた生活を送ることができるようにすると示されているところでございます。  次に、設定の根拠ですが、国の運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議での議論の過程において、公益財団法人日本スポーツ協会によるスポーツ医・科学の観点からのジュニア期におけるスポーツ活動時間について等のスポーツ医・科学の研究を踏まえ、基準が示されたものと承知をしております。  6点目の学校や地域の実情に合わせて活動時間や休養日の基準を弾力的に設定することについてお答えをいたします。  生徒にとって望ましいスポーツ環境を構築する観点から、今回のガイドラインで示された運動部活動の活動時間および休養日の基準が基本になるものと考えております。  そうした中で、例えば休養日の扱いでは、週末に大会参加等で活動した場合は休養日を他の日に振りかえる、あるいは休養日および活動時間等の設定については定期試験前後の一定期間等、運動部共通、学校全体、市区町村共通の部活動休養日を設けることや、週間、月間、年間単位での活動頻度・時間の目安を定めることも考えられるとガイドラインには示されているところであります。  次、7点目の関係団体や関係者との協議についてお答えをいたします。  関係団体との協議についてでありますが、全ての公立中学校、県立学校の校長や顧問に対するアンケート調査を実施をいたしますとともに、市町教育委員会、さらに中学校体育連盟、高等学校体育連盟の意見をお伺いしてきたところであります。  市町や関係団体からは、部活動における活動時間や休養日の設定が必要との意見がある一方で、競技力の低下を懸念する意見も見られたところでございます。  8点目の部活動指導員の配置についてお答えをいたします。  今年度は中学校で運動部18名、文化部2名の合わせて20名を配置をしております。  最後、9点目の特殊勤務手当条例の改正についてお答えをいたします。  滋賀県学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、スポーツ庁が運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインにおいて週休日等における活動時間を3時間程度とされたことを踏まえ、国の義務教育費国庫負担金の最高限度額の算定方法が見直されることに対応しようとするものであります。  具体的には、従来、週休日等において部活動指導業務に4時間程度従事した場合に3,600円を支給するとされていたところ、平成31年4月から、3時間程度従事した場合に2,700円を支給すると見直されることから、部活動指導業務に係る教員特殊業務手当の額の改定を行おうとするものであります。  本県では、当該手当の手当額あるいは支給要件につきましてはこれまでから国の義務教育費国庫負担金の最高限度額の算定方法と同様としてきたところであり、今回につきましても、こうした経過を踏まえまして、手当額等の改定を行おうとするものであります。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)ありがとうございました。  今おっしゃられたガイドラインの理念というのはよくわかるんです。また、それが働き方改革に大きく関連しているということもよく理解はできるんですけども、かつて現場にいた者として、あるいはまた、現場からの、今、私の耳に届いておりますことから言いますと、余りにも一方的で一律的で、現場の実情とはかけ離れたものじゃないだろうかという声が1つあります。また、このようなことをやっていった場合に、ひょっとしたら違う問題が出てくるんじゃないだろうかという観点がありますので、今お答えいただいた中で幾つかちょっと再質問させていただきます。  まず、本県での私立学校への取り組みについてお尋ねをしましたんですけども、今回、この国のガイドラインに基づいて各学校でさまざまな基準をつくっていくんですけども、その中で、公立学校と私立学校の間に活動時間の差、これが大きな差が出てきた場合には、中学校で一生懸命、高い志を持ってやっているスポーツ選手が県外の私立へ流れたりするようなことにはならないだろうか、あるいは、本県では県立学校で強化指定校やスポーツ推薦などを制度でやっておられますけども、それへの影響はないだろうかなど、このようなことに対する疑問の声も聞いております。さらに懸念されることは、学校における部活動の総量規制によって練習不足だと感じる生徒が出た場合に、それが民間のスポーツ教室や塾、野球塾ですとかサッカー塾とかいうのがあるんですけども、学校で練習できない時間、そちらへ行ったり、あるいはスポーツジムでこの時間を補おうとするようなことが起こらないだろうかということの心配があります。このような公立・私立学校間での部活動時間や休養日の違いが子供たちの活動意欲や進学希望に大きな影響を与えるのではないかと考えますが、教育長に伺います。  2つ目です。部活動の時間等の一律的な総量抑制の中でのアスリートの発掘、育成の取り組みに関してであります。  今言いました再質問と同様の観点から、部活動の一律的な総量抑制により、今後、本県の青少年の競技力の向上が停滞したり、有力選手の県外流出が生じるなど、本県のスポーツ振興に大きな影響が出ることを懸念しています。このようなことについて、再度、県民生活部長にお伺いします。  3問目ですけれども、部活動指導員の配置について、今、御答弁いただきました。  答弁によりますと、運動部で18名、文化部で2名、合計20名ということでしたんですけども、県下99中学校がある中で、運動部18名というのは余りにも少ないのではないかと考えます。指導員の配置が少ない理由について、教育長に伺います。  4点目ですけども、最後の特勤手当条例改正の理由に関連してお伺いをいたします。  今回の特勤手当条例の改正は、今おっしゃっていただきましたように、国の義務教育国庫負担金の最高限度額算定方式の見直しに伴うもの、また、これに伴い、国のガイドラインで示された週休日等の活動時間の基準である1日3時間との整合性を図ったものだと御答弁をいただきました。  しかし、本県の場合、県教育委員会が昨年1月に策定されました、学校における働き方改革の取り組み方針で、週休日等の活動時間を、中学校、高校ともに、昨年1月段階ではおおむね4時間以内とされていましたが、同年3月に通知されました、ガイドラインの策定と運動部活動の適切な運営に係る取り組みの徹底、この中では、今後、特勤手当支給の時間区分の見直しの可能性のあることが触れられていました。しかし、同年7月、去年の7月に通知されました部活動の指導についての中では、中学校における週休日等の活動時間はおおむね3時間以内と、これは変更されたんですけれども、高校ではそのまま、おおむね4時間以内とされています。  今般の特勤手当条例の改正の根拠が国のガイドラインで示された週休日の活動時間、おおむね3時間に基づくものであるとするならば、本県の高校における活動時間、おおむね4時間以内の基準とは整合性がとれないと考えますが、教育長に伺います。 ◎県民生活部長(浅見孝円) 私にいただきました、ガイドラインの適用になることで練習不足になったり、あるいは選手の県外流出等々の影響が出るのではないかということでの御質問でございますが、ガイドラインに基づく取り組みによりまして、学校運動部の活動に変化がございましても、競技団体と学校がしっかりと連携をしまして、2024年の国民スポーツ大会に向けまして、将来性豊かな選手の発掘、強化を行い、県内において競技力向上が図られますよう、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 ◎教育長(青木洋) 私には3点、再質問をいただきました。  まず、1点目の公立と私立の取り組みの差によって格差といいますか、そういったものが生じないかという御質問でございます。  今回の国のガイドラインは、先ほど議員も質問の中でお触れいただきましたように、その対象が公立、国立、私立と、いわゆる全ての学校を対象にしております。そうした中で、今後、設置者あるいは学校がこのガイドラインに沿って適切な対応をされるものというふうに思っておりますので、その中で差が生じるのかどうかというのは、また今後、見ていく必要があるのかなというふうに思っております。  また、2点目の部活動指導員です。  先ほどお答えいたしましたように、全体で20人、運動部では18名ということでございます。これは、基本的には市町の希望に沿って置いているものでございますが、その中で1つは、この指導員というのは、もちろん技術的な指導というのは大事でございますが、一方で、例えば生徒指導とか、学校の部活動は学校の中でやっておりますので、そういういわゆる教育的な面についての指導もできる人材が必要ということで、各市町、考えておられます。そういう人材がなかなか見つからなかったというようなことも、今年度、18名という結果に至っておるところでございます。  なお、来年度につきましては、同じように各市町から要望をとりまして、現在、運動部では42名、文化部では4名の合わせて46名の予定をしているところでございます。
     それと、3点目の特殊勤務手当のいわゆる3時間というのと働き方改革等の高校の4時間との矛盾が生じているのではないかというお話でございます。  先ほど申しましたように、今回、これはやっぱり生徒の、バランスのとれた生活が送れるようにということ、あるいは教員の働き方改革というようなことで、こういう二面を持ってこういったものが取り組みを進められているというふうに承知をしておるところでございます。  そういう中で、4時間、3時間なんですが、議員も御承知のとおり、4時間以内ということで、4時間をしていただきたいということではなくて、より短い時間で効率的、効果的な練習をすることによって成果を上げていただきたいということで4時間以内というふうにしておりますので、手当の3時間程度ということとそごがあるというふうには思っていないところでございます。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)今の教育長の御答弁、最後の答弁について、済みません、再々質問させていただきます。  今、そういうふうにおっしゃっていただいてね、働き方改革の観点はわかるんですけども、やっぱりこの制度は現場の実態とは随分かけ離れているように思います。  現場の実態としては、週休日などに部活動指導をしている教員の大半はほとんど4時間以上を費やしております。前にも私、議会でも質問しましたんですけど、物理的に時間が要る競技もありますよね。野球なんかはもう、1日出たらほぼ8時間、普通の日と同じような勤務をしているわけです。その中で4時間でと決まっているから、別にそれに異議は唱えず、一生懸命やっているというのが学校の先生の現場の実情です。  そもそもこの指導時間とは部活動の正味の活動時間をいうのか、私たちは相手の学校さんを迎えるために行っている、その時間から入れたら、それこそ10時間を超えてくるわけなんで、ちょっと実態がわかりません。後始末などの時間もこれに含まれているのかさえ、ちょっと不明な状況です。  そういうこともお考えをいただいて、これは情に訴えるわけではないんですけどもね、それはそれとして、やっぱりここのところだけはさわらずに、ほかの、教員の定数ですとかさまざまな面をさわらないといけないと思うんですけども、それに先立って、心情の部分ですね、今回の特勤手当の改正案が現場の教員の現状と相当乖離していると考えますが、教育長の所見を伺います。 ◎教育長(青木洋) 再々質問にお答えをいたします。  今、議員御紹介いただきましたように、現場では教員、本当に熱心に子供たち、生徒たちのために、それこそ休日を返上して頑張っていただいていることには私も敬意を表しているところでございます。  そうした中、今回、国のほうでスポーツ庁、あるいは先ほど議員も御紹介いただきました中央教育審議会の、これは1月ですか、ことしの1月にありました。この答申の中でも、いわゆる長時間に及んでいる部活動について、改めて、スポーツ庁が策定をしたガイドラインあるいは文化庁が策定をいたしましたガイドライン、こうしたものを踏まえて、適切な活動時間や休養日を設けるようにという、そういう答申もされているところでございます。  議員おっしゃいますように、今まで本当に一生懸命といいますか、時間を忘れ、やっていただいたところですが、そうした中に、今、課題として上がってきているのは、やはり1つは教員の働き方改革をどうするんだろうという問題でございます。また、先ほど紹介もさせていただきましたが、生徒の発達ということから考えた場合、医・科学的な根拠から3時間程度ではないのか、そういう議論もされている中で、今までは今までとして、今後、こうしたことを基準にしながら、やっぱり活動のあり方、あるいは活動の時間、そういったものもしっかり見直していく必要があるのかなというふうに思っておりますので、確かに今時点でいうと、現場とこの手当の3時間ということに差がないとは申しませんが、今後、極力、そうしたものがないように、時間が短い中で効率的な活動をしていただくことによって子供たちがバランスのとれた発達をするよう、また、先生の働き方改革が進むよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)ありがとうございました。  国づくりは人づくりである、国家百年の計とよく言われますが、日本政府も採択しているILOのユネスコの教員の地位に関する勧告では「教員の労働条件は教員がその職業的任務に専念できるものでなければならない」、また、「教員は価値ある専門家であり、教員の仕事は教員の時間と労力が浪費されないように組織され、援助されなければならない」とうたわれております。このたびのスポーツ庁のガイドラインに基づく部活動の基準が子供たちの健康問題に矮小化されることなく、また、教員の働き方改革の問題を単なる労働問題に矮小化することなく、あくまでも教育問題として、我が国の将来を担う子供たちに何が最善なのかという視点で考えなければならないと思います。  県教育委員会におかれましては、働き方改革は教員が専門性を発揮し、教育の質を確保し、向上させるための課題として捉えていただき、対応していただきたいと要望します。  なお、この問題につきましては、この後もほかの議員から質問があると伺っておりますので、この続きはそちらにお任せをして、次の質問に移ります。  次に、前立腺がん小線源治療に関する患者会からの要望への対応についてお伺いをいたします。  この件については既にテレビや新聞などで報道されており、また、現在、司法の場で係争中の案件でもありますので、議会での質問に対する御答弁は難しいということは十分に認識した上で、あえて患者の皆様の悲痛な声を本会議でお伝えすべきと考え、今般、質問させていただくことになったということをまずもってお断りをさせていただきます。  また、以下の内容については、どちらか一方に偏った内容になることのないように、可能な限り客観的な事実についてまとめさせていただいたつもりです。  そこで、本質問は特定医師に関する観点ではなく、2013年に本県で公布、施行されました滋賀県がん対策の推進に関する条例──以下、がん条例といいますが、が国民の皆様の利益に資するものとして運用されているかどうかという観点から、以下、健康医療福祉部長にお伺いします。  さて、前立腺がんは男性が罹患するがんで、胃がん、大腸がん、肺がんと同様に罹患率の高いがんの一つだと言われています。その最先端治療の一つに前立腺がん小線源治療があります。この治療法は米国マウントサイナイ医科大学のネルソン・ストーン教授が開発したもので、滋賀医科大学附属病院──以下、滋賀医大病院といいますが、の特任教授、O医師がこれを習得して、さらに改良を加え、みずからOメソッドと命名し、滋賀医科大学で治療を行っておられると聞いております。  O医師によりますと、これまで1,200人以上もの前立腺がん患者に小線源治療を行い、そのうち高リスク前立腺がんであっても非再発率、5年根治率のことですが、95%以上という非常に信頼性の高い治療を実施されてきたとのことです。  滋賀医大のホームページによりますと、O医師の前立腺がん小線源治療学講座は、研究、教育を主な目的として最大5年間の期間限定で設置されている寄附講座であり、その雇用期間は2019年12月末、本年末日までとされています。ただし、手術を受けられた方の術後の経過観察期間が必要との判断から、手術実施を2019年──本年6月末日までとし、本年12月末日まではその経過観察期間とされています。  このため、900名を超える患者の方々は、滋賀医大前立腺がん小線源治療患者会──以下、患者会と称しますが、を結成し、2018年──昨年の8月8日に滋賀県知事宛てに滋賀医大病院におけるO医師の前立腺がん小線源治療の継続を求める要望書──以下、要望書、を提出されました。  提出されました要望書では、がん条例の第3条で、県が患者団体と相互に連携を図ることをうたっていること、同第11条で、がん医療にかかわる専門性の高い知識および技能を有する医師が確保されるよう必要な施策を講じるものとすると定めていること、同第12条では、がん患者の求めに応じて、先進的ながん治療が早期かつ適切に提供されるために必要な情報提供、助言、その他の支援を講じることが定められていること、さらには、第18条で、県は患者団体が行うがん対策に係る活動を促進するために必要な支援を行うように努めるとしていることを根拠として、滋賀県知事に次の2項目について要望をされています。  1点目は、滋賀医大および滋賀医大病院は、現在、同病院で行われているO医師の前立腺がん小線源治療による手術を2019年6月末で終了させ、同年末をもって前立腺がん小線源治療講座を閉鎖しようとしているが、滋賀県知事として、滋賀医大がこの方針を撤回し、O医師による同治療を継続することを、がん条例第4条、保健医療福祉関係者は、基本理念にのっとり、がんの予防および早期発見の推進ならびにがん患者に必要な介護の提供に努めるとともに、がん患者の意向を十分尊重した良質ながん医療の提供に努めなければならないとの記述に基づき、滋賀医大および同病院に強く要望すること。2点目は、がん条例第4条に基づき、滋賀県として必要な調査を行い、適切に対応し、患者会にその経過や結果について、適宜、説明すること、以上2点を要望されています。  この要望書は昨年8月に提出されたものであり、既にこれに関するニュースはテレビや新聞などでも報道されているところですが、冒頭にも触れましたように、私の知人を含め、多くの患者の方々から、知事ならびに県当局に対して強い支援を求める声が寄せられているところです。  そこで、改めて、患者会から提出された要望書に対する県当局の対応について、以下2点から健康医療福祉部長にお伺いします。  1点目、要望にもあるように、がん条例では、がん医療従事者の確保やがん医療提供体制の整備等について規定されているが、これについて県の考えをお伺いします。  2点目、今回のがん患者の要望を受けて、県としてどのような対応をしているのか、健康医療福祉部長にお伺いします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)前立腺がん小線源治療に関する患者会からの要望への対応につきまして2点の質問をいただきました。  1点目の滋賀県がん条例で規定されているがん医療従事者の確保やがん医療提供体制の整備についてでございます。  県といたしましては、滋賀県がん対策の推進に関する条例や滋賀県がん対策推進計画にありますとおり、がん患者の方が、居住する地域にかかわらず、等しく科学的知見に基づく適切ながん医療を受けられることが重要だと考えております。  県内では、国が定めます指針の要件を満たす6カ所のがん診療連携拠点病院と1カ所の地域がん診療病院が国により指定されておりまして、これらの病院では5大がんとそれぞれの病院が専門とするがんにつきまして、手術、放射線療法、薬物療法を効果的に組み合わせた集学的治療と緩和ケアを提供する体制を整えまして、がん患者の状態に応じた適切な治療を提供いただいております。  また、これらの国が指定する病院とは別に、県として、独自に6カ所のがん診療連携支援病院を指定いたしまして、先ほどのがん診療連携拠点病院と連携しながら、専門的ながん医療の提供を行っているところでございます。  これらのがんの指定病院におきましては、医師、看護師、薬剤師、診療放射線技師などの専門的な医療従事者の人員配置が求められておりまして、こうした医療提供体制を維持していただけるよう、県といたしましても運営費の補助を行っているところでございます。  加えて、がんの指定病院にはその他の医療機関の医療従事者に対する研修を行っていただくという役割もございまして、県内の医療従事者向けに最新のがん医療に関する研修を行っていただいているところでございます。  2点目の患者会の要望を受けての県としての対応についてでございます。  議員からお話のありましたとおり、昨年8月8日、患者会からの要望を受けまして、9月6日に滋賀医科大学に対しまして、滋賀県がん対策の推進に関する条例に基づき、患者の皆様のお考えをお聞きしながら県内の医療関係者の皆様と良質な医療の提供に努めていくという県の考え方を説明した上で、滋賀医科大学の状況を確認したところでございます。滋賀医科大学附属病院では、前立腺がん治療についての医療提供体制は引き続き確保していくということでございました。  県としては、医療機関とともにがん医療の質の向上、医療提供体制の確保に努めているところでございますが、医師個人を特定した医療提供体制の確保要請は困難であるというふうに考えております。  要望されました患者会の代表の方に対しましては、9月27日に滋賀医科大学の状況と県の考え方を説明したところでございますが、引き続き、状況を注視してまいりたいと考えております。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)ありがとうございました。  今も述べられましたように、滋賀医大病院は特定機能病院であり、地域がん診療連携拠点病院、あるいは滋賀県がん診療連携拠点病院の指定を受けておられまして、良質で適正な医療を国民に提供する義務があるというふうに理解をしております。また、滋賀県がん診療高度中核拠点病院の指定も受けられておりまして、がん診療における高度先進医療を提供するとともに、医師等の人材支援、人材育成の中核を担うともされています。  こうした滋賀医大病院の社会的な責務に照らし合わせましても、また、今も述べられましたように、滋賀県は2018年度予算で年間1億8,000万余の運営費補助を滋賀医大に支出していることからも、滋賀県当局の適正な指導が今以上に必要じゃないかというふうに思います。  すいません、再度なんですけども、今後、滋賀医大病院、今、注視しているというところで終わられましたんですけども、滋賀医大および滋賀医大病院に対する今後の県当局の対応について、再度、お伺いしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  滋賀医科大学に対しましては、がんの中核病院ということで、必要な医療提供体制を整えていただき、県民の皆様に医療を提供いただくよう、その機能を果たしていただくことを要請したいと思っておりますが、今回のこの件に関しましては、先ほど申し上げましたとおり、医師個人を特定いたしまして治療の提供体制を求めるということは県としては困難だと思っております。  ただ、現在、係争中でもございますので、状況については十分に把握してまいりたいと思っております。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)冒頭にも言いましたんですけど、司法の場で、今、係争中のことですのでね、なかなか難しい問題はあると思います。しかし、毎日のように私のほうにいろんな声も寄せられております。  去る2月の14日、小雪の舞い散るとても寒い日でしたんですけども、患者会の方々14名は滋賀医大病院前の敷地外歩道で、O医師による小線源治療の継続を求める初めてのスタンディング行動をされたそうです。患者会の皆さんがこの治療継続を求める本気度を示す行動だったかと思いますけれども、この活動の列に、まだその病院に入院されている患者さん1人もパジャマのまま飛び入りで参加されたことをお聞きし、ちょっと低体温症で倒れられたそうなんですけども、その話をお聞きしたときに、胸が締めつけられるような思いになりました。また、この患者会の滋賀医大病院におけるO医師による治療継続を求める署名は、現在、2万7,000筆を超えているとも聞いております。  今も申されましたように粛々と、県としてはその範囲でやるということなんですけれども、病院と患者側双方の主張が折り合わないことから、現在は司法の場に委ねられている案件ですけれども、県当局におかれましては、患者ファーストの立場から、この問題が早期に解決されるように、滋賀県がん条例の本旨を十分に踏まえまして、丁寧な対応を患者会宛てしていただきますように心から要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、17番冨波義明議員の質問を終了いたします。  次に、32番奥村芳正議員の発言を許します。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。  児童虐待は、皆様御存じのとおり、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の4つに分類をされております。  全国の児童相談所に寄せられる相談件数も年々増加しておりまして、平成11年、児童虐待防止法施行前から今日まで、約6倍にも及ぶというふうにお聞きしているところでありまして、毎年、多くの事件が発生しておりますが、去る1月に千葉県野田市で児童が虐待を受けて自宅で死亡する事件がまたも発生いたしました。この件については、報道によると、主に虐待を行っていた父親だけではなく、学校や行政の対応にも問題があり、その対応によっては死亡を防ぐことができたかもしれないとも言われております。  政府では、今回の事件を受けて、児童虐待防止対策の強化策を実施し、その一つとして、児童相談所の在宅指導中のケースや小中学校で虐待が疑われるケースについて、1カ月以内に緊急安全確認をするとしております。  一方、本県でも児童虐待の相談件数は年々増加し、昨年度は6,392件で、前年度で330件増加し、5.4%の増加率となっております。また、過去においても、高島市や湖南市、大津市で死亡事件が発生しています。  このようなことからも、千葉県野田市の事件は決して対岸の火事ではなく、本県なりに分析する必要があると思っていますが、今回の野田市行政の対応についてどのような課題があったと考えておられますか、知事にお伺いをいたします。 ○議長(川島隆二) 32番奥村芳正議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  千葉県野田市の事件につきましては、具体的な課題につきましては今後の検証結果を待たなければなりませんが、各種報道によりますと、1つは、子供がSOSを発したアンケートを、保護者の威圧的な態度に屈してしまい、当地の教育委員会がそのコピーを渡してしまったこと、2つ目といたしまして、虐待のリスクが高まっていると判断していたにもかかわらず、児童相談所が一時保護を解除し、その後の必要な見守りをしなかったこと、3つ目といたしましては、児童相談所は児童からの手紙が父親により書かされた可能性を認識していたにもかかわらず、児童を親族宅から自宅に戻してしまったことなどが指摘されております。  客観的な事実を知り得ているわけではございませんが、不当な要求に対する組織的な対応でありますとか、状況に応じた正確な判断ができていなかったことが課題であると認識しており、組織的に情報を共有し、的確に判断することですとか、関係機関等と連携して、迅速に対応することの重要性を改めて認識したところでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)ただいまの答弁にもありましたように、今回の問題の一つとして、父親持参の児童の手紙について、父親に書かされている可能性が高いという認識を児童相談所がしていたにもかかわらず、児童を親族宅から自宅に戻す判断をしたことが過ちであったと報道されています。  しかしながら、本人の意思や置かれている状況など、総合的かつ高度な判断が求められており、そのような判断をするためには日ごろから子供や保護者の状況について把握していることが重要だと思います。  そこで、本県の各子ども家庭相談センターでこのような事案が起こった場合、センターとしてどのような体制で状況を把握し、判断しているのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  県の子ども家庭相談センターでは、子供の一時保護を行う場合や、一時保護を解除して在宅支援に切りかえる場合には必ず所長等の幹部職員や各係長、担当児童福祉司などによる緊急受理会議や援助方針会議を開催いたしまして、子供の置かれた状況やリスク等を総合的に判断し、対応方針を決定しているところでございます。  具体的には、これらの会議においては、通告による情報やその後の子供の面接等で確認できた内容、市町や学校等から収集した情報などをもとに心理職員や保健師、警察からの派遣職員等による専門的な意見も踏まえ、一時保護やその解除、在宅指導への方針変更などを決定いたしております。  また、在宅指導に方針を変更する際には、あらかじめ市町や学校等と個別ケース検討会議を開催いたしまして、センターが保護者と合意した家庭復帰後の約束事項や、地域における今後の見守り体制等について確認、共有するとともに、家庭復帰後に虐待が再発してしまったような場合には、ちゅうちょなく、再度、一時保護を行っているところでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)我が県ではそういった対応をしていただいているということで少し安堵をするんですが、既に千葉県ではこんな事件が起こってしまった。既に千葉県でもそんなマニュアル等もあったであろうことながらこんなことが起きたということは、やっぱりいろんな関係当事者が自分自身、責任感を持って個々の事案に対応していく、それが何よりも大切であろうなと、こんなことを思って伺わさせていただきました。  また、実際に家庭の事情のことを詳しく知っているのは担当職員であり、その担当職員の経験、能力によってセンターにおける情報把握や事案ごとの判断も変わってくることもあり得ると考えています。しかし、人事異動などにより、経験が少ない職員が担当する場合もあると仄聞しておりますが、職員の資質向上はどのように図っておられるのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  新たに児童福祉司を発令した職員に対しましては、法定研修や独自の新任研修等を着実に実施いたしまして、児童虐待に関する基礎知識の習得や現場における対応力の向上に努めております。また、2年目以降の職員に関しましては、今年度より職員の経験年数に応じた体系的な研修となるようにプログラムを見直しまして、法的対応、性的虐待対応など専門的な対応等については必要な時期に確実にスキルを取得できるようにしております。  さらに、各センターでは、児童、家庭の支援の方針を所内で決定し、共有するほか、経験豊富な職員が同行して児童や保護者の支援に当たるなど、チームで支えながらOJTに努め、職員を育成する体制をとっているところでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)迅速に対応していただいているところでございますが、以前、ある児童相談センターに監査で訪問させていただいたときがございました。本当に職員の数が足らんというか、相談件数が多くて、もう振り分けしても振り分けしてもさばき切れない、このような現状があるというふうにお聞きしたところでありまして、これは人的な支援、そしてまた、体制づくりをしっかりと事に当たっていかなくてはならないな、そんな思いで伺うと同時に、持ち帰って、このことについてしっかりと対応せなあかんということを報告書の中にも述べさせていただいたことを記憶しております。  今後とも、そうしたこと、滋賀県でもそんなことが、もう飽和状態になりつつあるということ、しっかりとこれからも対応していってほしいなと思うと同時に、このふえ続ける相談件数でありますが、児童福祉司の負担がふえるということは先ほど節木議員からも指摘があったとおりでございまして、政府は2022年度までに児童福祉司を2,020人程度増員し、そのうち約半数を2019年度に実施するとしております。  来年度に向けて、本県における子ども家庭相談センターなどの体制強化についてどのように図られようとしているのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  来年度に向けましては、4月に開設をいたします大津・高島子ども家庭相談センターの一時保護所に必要な人員を確保し、あわせて、平成30年12月18日に策定されました国の児童虐待防止対策体制総合強化プラン、いわゆる新プランに基づきまして、児童福祉司4人の増員を予定しているところでございます。  また、今月8日、先ほど議員から御紹介のありました、関係閣僚会議において決定されました児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策のさらなる徹底・強化についてで示されました新プランの児童福祉司2,020人程度の増員のうち約半数の1,070人程度を来年度に前倒しして確保するということにつきましては、今後の国からの通知等に基づきまして、適切に対応していきたいと考えております。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)ぜひとも適切に対応していただきたいと思っております。  今回の事件は、児童が学校で答えたアンケートがきっかけで保護されましたが、その後、学校から事務を引き継いだ市教育委員会が、父親の圧力に屈して、秘匿すべきアンケートを手渡してしまったことがその後の児童の不信を招くとともに父親の虐待をエスカレートさせたのではないかと報道されています。  今回は児童のケースでありましたが、いじめであっても、秘密を漏らさないことが事態をエスカレートさせないために重要なのは当然であります。しかしながら、この当たり前のことが今回できなかったのは、教育委員会だけで対応してしまったことが問題の一つであり、児童相談所や警察などと連携して対応していれば父親の威圧的な態度に対しても冷静な対応ができたのではないかと考えています。  また、虐待のさまざまな状況を把握するためには日ごろから各機関との連携は欠かすことができませんが、市町の虐待に対する相談機関、学校、教育委員会、警察など各機関との連携は本県においてどのように図られているのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  本県におきましては、全ての市町に設置をされております要保護児童対策地域協議会におきまして、福祉、保健、医療、教育、警察などの関係機関が参画して、虐待事案の全てのケースにおいて一つ一つの個別ケースに応じた適切な子供の保護や家庭に対する支援方針、役割分担など、個別ケースの検討を行っているところでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)一方、大阪府ではスクールロイヤーを導入されておられます。これは、学校へ弁護士に来てもらい、いじめの解決、教員による子供への体罰や不適切な言動の問題、そして、保護者からの不当なクレームなどの問題への法的な見地からの対応をしてもらう制度であります。  今回の事件を受けて、文部科学大臣がこのスクールロイヤーの配置を進めていきたいという考えを示されたと報道されておりますが、本県におけるスクールロイヤーの導入について知事の所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) 県の教育委員会では、県立学校や市町立学校に対して保護者からの不当な要求、いじめや子供の命にかかわる事案、児童虐待等、学校だけで解決が困難な事案について弁護士に相談できる制度を設けております。  また、各市町においても、4つの市町教育委員会において定期的な弁護士相談を実施されており、その他の市町では、各市町の顧問弁護士に相談するなどされていると伺っております。  文部科学省では、いじめ防止等対策のためのスクールロイヤー活用に関する調査研究事業を実施されており、今年度は大阪府を初め5つの府県で実施されております。  引き続き、現行のこうした相談体制を充実させ、学校への支援に努めるとともに、国の動向等についても注視してまいりたいと存じます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)ただいま答弁をいただいたスクールロイヤー制度、これは今の答弁にもございましたように、大変、学校現場にとりましたら大切な制度というか、弁護士相談を受けるなどする対応を、やっぱりこれからの社会、教師、現場だけで対応するんじゃなく、そうした専門的な指導を受けて、事保護者対応など、地域への対応などをする必要がある事案が最近ふえているように私も思いますので、ぜひとも前向きにこの制度を導入するということを検討いただきたいなと、こんな思いでございます。  ただいま答弁いただいたのは教育現場での制度でありましたが、児童相談センターでの弁護士相談の対応状況について知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 本県では、全ての子ども家庭相談センターにおいて、3カ所ございますが、毎月1回、弁護士に相談に応じてもらっておるほか、随時の連絡相談体制を整えているところでございます。  多くの虐待事案を抱えるセンターにとっては、司法手続や個々の困難なケースに関する法的な問題について、弁護士から適切な御助言、御指導を得られることは非常に心強く、子供の最善の利益を確保するためにも不可欠であると考えているところでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)既に取り組んでいただいているということでございますので、一層充実した取り組みを要望しておきたいと思います。  次に、子供の見守りは行政だけでは限界があり、地域全体で見守る必要があると考えております。人間関係が希薄になりやすい都市部などでは課題も多いかもしれません。しかし、例えば地域との関係機関のネットワークづくりや地域との情報交換をしやすくなるために、担当者からふだんから地域と顔の見える関係づくりを進めるなど、取り組みはさまざまあると思いますが、地域との連携の取り組みについて健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。
     子供の見守りには、議員のおっしゃるとおり、地域の力が必要であると考えております。住民に身近な市町では、民生委員、児童委員などとのつながりにより、地域の声が届くような関係を保っていくことが非常に大切であると考えております。  県としましても、先ほどの各市町の要保護児童対策地域協議会を通じまして、子供が所属する学校や保育所、民間の施設・団体等と連携を深めますとともに、一人でも多くの県民の皆様に児童虐待防止の取り組みへの理解と協力を求めるため、オレンジリボンキャンペーンによる地域住民や学生等に対する啓発を進めてまいりたいと考えております。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)子供を守る地域ネットワークづくりなど、連携強化に取り組む姿勢は大切だと思っておりますので、今後とも御尽力いただけたらと思います。  我が国は、世界の中で体罰に対する意識がおくれているとも言われており、少子高齢化が一層進展していく中で、誰もが安心して子育てできる環境づくりが必要となってまいります。また、虐待については、深刻化する前に早期発見、早期対応、これも大変必要な取り組みであるというふうに認識をしております。  虐待事案が発生した場合は、子供の命を守ることを最優先に考え、さまざまな対応を尽くしていかなくてはなりません。午前中の締めくくりの答弁と重なりますが、虐待防止対策に対する知事の決意を改めてお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 平成31年──ことしの2月14日付の国の通知、児童相談所において在宅指導している虐待ケースの緊急安全確認についてに基づきまして、対象児童の緊急安全確認の方法について確認するとともに、改めて、子ども家庭相談センターにおいて一時保護の解除等の方針について確認を行ったところでございます。  さらに、大津・高島子ども家庭相談センターの一時保護所を4月に開設させていただくほか、3カ所の子ども家庭相談センターで児童福祉司等の増員ですとか資質向上に努めるなどの体制強化を図ってまいります。また、市町、警察等との連携を密にして、虐待ケースにちゅうちょなく介入し、子供を安全に確保できる体制づくりを進めてまいります。  現場では職員が、日夜、頑張ってくれています。大変厳しい状況もあると聞いておりますが、みんなで力を合わせて、必要な体制強化を進めながら、千葉県野田市で起きたような悲惨な事件を二度と繰り返すことがないよう、何があっても子供の命を守るという強い覚悟を持って、今後の児童虐待防止対策にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)ぜひとも積極的な取り組み、子供の命を守るということを第一義に取り組んでいただきたい。私もこの児童虐待という言葉なりに、この野田市の事件を受けて、オレンジリボンもしっかりとつけて、取り組みをやっぱり訴えていく一人でありたいなと、こんな思いでございますので、ぜひともこの問題についても一緒に取り組みたいと思っております。  次に、マザーレイク滋賀応援寄附制度の改正およびふるさと納税制度について、知事、総合政策部長県民生活部長に一問一答でお伺いをいたします。  今期定例会で、マザーレイク滋賀応援寄附条例の一部を改正する条例案が上程されています。改正の趣旨は、平成20年にマザーレイク滋賀応援寄附条例を制定し、琵琶湖と歴史的文化資産の2分野の寄附について基金への受け入れをしてきたが、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会や琵琶湖博物館など、その他の寄附金も基金へ受け入れられるようにするとのことであります。  まず、これまでのマザーレイク滋賀応援寄附制度の概要について総合政策部長に伺います。 ◎総合政策部長(福永忠克) (登壇)お答えいたします。  現在のマザーレイク滋賀応援寄附制度は、国のふるさと納税制度の開始にあわせまして、本県において寄附の促進に向けた環境整備を図るために、平成20年にマザーレイク滋賀応援寄附条例を制定し、滋賀の特徴であります琵琶湖と歴史的文化的資産の2分野に関して寄附を募っているものでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)次に、マザーレイク滋賀応援寄附の過去3年間の実績額について総合政策部長に伺います。 ◎総合政策部長(福永忠克) お答えいたします。  平成27年度は23名の個人と79の法人等から、合わせまして102件、1,778万796円を、平成28年度は22名の個人と80の法人等から、合わせまして102件、1,532万9,560円を、また、平成29年度は31名の個人と84の法人等から、合わせまして115件、1,321万5,331円の御寄附をいただいたところでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)喫緊では少し減りつつあるというような答弁と理解させていただきます。  なぜマザーレイク滋賀応援寄附の金額が減少してきたのか、その原因について分析されているのか、総合政策部長に伺います。 ◎総合政策部長(福永忠克) お答えいたします。  個人の寄附額は増加をしているものの、法人等の寄附額が減少している状況でございます。  法人等からの寄附額につきましては企業の経営状況等にもよるものと考えておりますが、企業の皆様からは、使途をもっと具体化できないかとの御指摘もいただいているところでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)その使途については後ほどまた触れさせていただきたいと思います。  次に、現在、受け入れられているその他の寄附額の昨年度の実績額について総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(福永忠克) お答えいたします。  まず、第79回国民体育大会・第24回全国障害者スポーツ大会に係ります寄附につきましては3,042万4,002円、また、琵琶湖博物館リニューアルに係る寄附につきましては2,128万7,093円、学習船うみのこ新船建造に係る寄附につきましては415万3,632円を、さらに、ヨシ群落保全事業などその他の寄附につきましては1,310万3,300円の御寄附をいただいたところでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)ふるさと納税制度については各自治体が過剰な返礼品競争や高額納税者ほど有利になる税制面での不公平さなどの課題が生じているところであり、これを受けて、総務省がルールの厳格化をされる予定であります。  特に大阪府泉佐野市は、地元の特産品ではない肉や米、季節のフルーツ、果てはビール券など、過剰な返戻品で2017年度は135億円の納税額を受けており、少々やり過ぎの感はなきにしもあらずであります。  しかしながら、泉佐野市は財政健全化団体にも指定されていたところ、財政健全化プランの一環としてふるさと納税制度の仕組みを利用し、努力して歳入を確保し、財政健全化団体を抜け出した、その姿勢については見習うべきところもあると考えております。  報道等でも泉佐野市の取り組みについて、法律に違反しているわけではなく、後出しじゃんけんで悪者扱いにするのはおかしいとする意見もありますが、知事は泉佐野市の取り組みについて、個人的にどう思われますか、お伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)すべてを把握しているわけではないんですけど、ふるさと納税の仕組みの中で、返礼品を工夫されながら納税を集められる、その御努力については私も一定の敬意を表したいと思います。  ただ、返礼品が過度に競争し合う状況でありますとか、当該地のものだけではないものが必要以上に配られ、それを求められる納税者の意思が反映され過ぎる制度のありようというのは、一定、改善をしなければならないのではないかなと思いますので、本県といたしましても、いい意味で滋賀県の取り組みを御理解いただいて、よし、応援しよう、この滋賀県の取り組みに納税者の意思を示していこうと思っていただけるような、そういう取り組みをこれからもつくっていきたいなというふうに思っているところです。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)私は今年度、一般質問で歳入の取り組みを拡大するようお願いをしてきたところでありますが、今回の条例改正を契機として、どのように制度を見直し、寄附金の総額をふやそうとされているのか、知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 先ほども担当部長から説明いたしましたが、今回の条例改正によって、琵琶湖、歴史的文化的資産以外の寄附も基金に受け入れられるようにいたします。今後、寄附者にとってわかりやすくなるよう、情報発信や窓口の一元化、具体的な使途のメニュー化をすることによって、より多くの方に滋賀の取り組みに共感し、応援していただけるよう取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)次に、地方創生応援税制、いわゆる企業版ふるさと納税については、2016年から制度化され、地方公共団体が行う地方創生の取り組みに対して、いわゆる県外企業が寄附する場合に税制控除の優遇措置が受けられる制度であります。  そこで、企業版ふるさと納税制度を利用した本県への寄附状況について総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(福永忠克) お答えいたします。  企業版ふるさと納税制度は、議員からも御紹介がございましたように、国から計画認定を受けた事業を対象に、県外企業から寄附をいただく制度でございます。初年度であります2016年度は、首都圏における本県の魅力発信や販路拡大のための環境整備を図る事業に対して2社──2つの企業から合計で110万円、2017年度は、前年度の事業を含めて、琵琶湖博物館のリニューアルなど4事業に対しまして13社から合計620万7,000円の御寄附をいただいたところでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)一方で、近年、本県と企業との包括的連携協定を数多く締結されておられますが、そのうち県外企業と協定を締結しているのは何社か、県民生活部長に伺います。 ◎県民生活部長(浅見孝円) (登壇)お答えいたします。  これまで22の企業と包括連携協定を締結してまいりましたが、そのうち県外企業は20社でございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)22の企業のうちの20社が県外企業ということで、企業が本県と包括的連携協定をする、そのメリットは何とお考えか、県民生活部長にお伺いをいたします。 ◎県民生活部長(浅見孝円) お答えをいたします。  包括的連携協定の締結によります企業のメリットといたしましては、県と連携して取り組むことによります企業の認知度やイメージの向上が図られますほか、県産品を活用した御当地商品の開発など、県内での新たなビジネスチャンスの開拓にもつながるものと考えているところでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)包括的連携協定に基づき、県外企業と協働して具体的な事業を行っている例はありますでしょうか、県民生活部長に伺います。 ◎県民生活部長(浅見孝円) お答えをいたします。  具体例といたしまして、滋賀県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例によりまして、平成28年10月から、自転車の利用者に自転車保険への加入が義務づけられましたが、このことへの対応といたしまして、東京海上日動火災保険株式会社、株式会社ローソンとの提携をさせていただいて、それぞれの強みを生かして、保険会社による商品の開発や、コンビニエンスストアでの手軽な加入手続など、自転車保険への加入促進を図る取り組みがございます。  また、カゴメ株式会社との連携によりまして、滋賀の食材を使った滋賀めしのメニューコンテストを開催いたしまして、県産野菜の消費拡大や健康しがの推進を図る取り組みがございます。  さらに、がんなどの生活習慣病の予防に関するノウハウをお持ちの第一生命保険株式会社との連携によりまして、がん予防をテーマとしたセミナーを開催するなどの健康寿命の延伸に資する取り組みなどがございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)ただいま県民生活部長から御答弁いただきました。そのうち、企業版ふるさと納税制度を利用した寄附を財源とする事業はどのくらいあるのか、総合政策部長に伺います。 ◎総合政策部長(福永忠克) お答えいたします。  包括的連携協定に基づきまして実施した事業で企業版ふるさと納税制度を利用したものは、現時点ではございません。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)企業版ふるさと納税制度については寄附企業への経済的な見返りが禁止となっておりますが、税額控除の優遇措置のほか、企業のCSRの取り組みをアピールできる、まさに三方よしであり、本県の風土に合う制度だと考えます。  当制度は2019年度までとなっておるところでありますが、延長に向けて、引き続き議論するとされているほか、企業や地方公共団体からの意見を踏まえ、寄附払い込み時期の弾力化や基金への積み立て要件の緩和、地方創生関係交付金と併用する地方自治体へのインセンティブの付与など、運用改善が図られているところであります。  包括的連携協定を締結している企業であれば、事業化に向けた協議もよりしやすくなると考えますが、企業版ふるさと納税制度を利用したさらなるプロジェクトの検討について知事の所見をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 地方創生の取り組みは、行政だけでなく、民間企業や関係団体などさまざまな主体との協力で進めていくことが重要でございます。中でも民間企業の役割は非常に大きく、これまでから県行政のさまざまな分野において、地域の活性化や県民サービスの向上に資する取り組みにおいて御協力をいただいているところでございます。  また、企業版ふるさと納税制度は、企業が地域を元気にする取り組みを応援するという趣旨のもと進められているものであり、議員からも御紹介いただいたように、企業においてはCSRの取り組みのアピール、県においては歳入確保だけでなく、協働の視点からも有効な制度でございます。  昨年行いました本県からの提案も踏まえ、平成31年度──来年度には国の運用改善が予定されております。こういったことを受けまして、既に県と包括的連携協定を締結している企業や本県にゆかりのある企業などとの幅広いつながりを生かしまして、企業版ふるさと納税制度を活用したプロジェクトを積極的に検討し、また、導入促進できるよう努めてまいりたいと存じます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)今、地方創生の取り組みについて、国を挙げて取り組んでいるところでありますが、まだ道半ばで、東京一極集中の是正には至っておらず、地方税についても東京のひとり勝ちの状況であります。そのような中で、地方はもがき苦しみながら地域の活性化策を考えているわけであります。  先ほども言いましたように、泉佐野市の取り組みは賛否両論ありますが、もちろん総務省との関係性の中で、そのまま取り組みをまねるべきとは言っておりません。ただし、何としてでも財政難を解決するため、今ある制度の中で最善を尽くして歳入をふやそうという姿勢は見習うべきところだと思います。  また、さきの児童虐待の問題もそうですが、あらゆる課題について、県だけで、または行政だけで解決できる時代はとうの昔に終わっております。国や市町であったり、また、企業や地域であったり、時にはマスコミであったり、そして議会であったり、あらゆるところの力を結集して解決していかなくてはなりません。  今、企業版ふるさと納税の制度を質問したのも、行政だけでは煮詰まってアイデアが出てこない中で、企業の知恵もおかりし、今ある制度を最大限利用して状況を打開していくことが重要であり、そのための努力は惜しんではいけないと考えているからでありますが、その点、知事の所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 私は、今まとめておっしゃったことは全く同感であります。地方創生しかり、きょうお取り上げいただいたさまざまな課題、それらを、行政のみならず、いろんな方の御協力をいただきながら、さらに、その御協力いただく過程で、いろんなお知恵といいますか、もっとやり方に工夫、改善の余地があるのではないか、そういったことを行政当局に与えていただくという観点からも積極的に対話をしていくことが重要だと思いますので、努めて行っていきたいと思いますし、最後にお取り上げいただいた企業版ふるさと納税の活用、さらにはマザーレイク滋賀応援寄附、これらについてもしっかりとさまざまな拡大をしながら情報発信をし、協力を求めていきたいと思いますので、どうぞ今後ともお力添えを賜れれば幸いでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)ただいま取り上げましたマザーレイク滋賀応援寄附条例は、表題も新たに、滋賀応援寄附条例とされ、幅広く滋賀を応援する制度とされますので、我々もどんどんと応援していきたい、こんな思いでございます。  いつも言っておりますが、知事にとって我々は敵ではありませんので、どんどん利用してもらったら結構でございます。滋賀の未来のために、来期もぜひ一緒に頑張りましょう。質問を終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、32番奥村芳正議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後2時36分 休憩    ────────────────   午後2時59分 開議 ○議長(川島隆二) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、45番中沢啓子議員の発言を許します。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、2項目の質問をさせていただきたいと思います。  まずは、虐待の対応と社会的養護について、以下、一問一答形式で質問いたします。指定のないときは全て健康医療福祉部長に答弁をお願いしたいと思います。  連日、各地での虐待事件の報道がなされています。このような悲しい事件が起こらないよう願うものです。チームしが 県議団の代表質問で、知事は「悲惨な事件を二度と繰り返すことがないよう、何があっても子供の命を守るという強い覚悟を持って今後の児童虐待防止対策にしっかり取り組んでまいりたい」と決意を述べていただきました。  滋賀では、県職員、県庁走友会やさざなみ学園の職員の皆さんなど、県民の皆さんと一緒にオレンジリボン隊としてさまざまなイベントで啓発されたり、NPO法人子どもの虐待防止ネットワーク・しがの皆さんも虐待防止に取り組んでいただいております。  虐待は体だけでなく、心にも大きな傷を残します。その対応も子供たちの成長にとっては大切です。啓発や子育て支援に取り組み、さらに未然防止の取り組みを進めることが必要だと思います。  滋賀県の児童相談所である子ども家庭相談センターでの平成29年度の養護相談に占める虐待件数は2,105件、市町の相談件数と合計すると6,392件となっています。滋賀の虐待の状況を、まず、お伺いをいたします。 ○議長(川島隆二) 45番中沢啓子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  平成29年度におけます県内3カ所の子ども家庭相談センターと19市町での児童虐待に関する相談件数は、ただいま議員から御紹介いただきましたとおり6,392件でありまして、前年度比で330件増加し、5.4%の増加率となっております。  虐待種別では、どなる、暴言を浴びせるなどの心理的虐待が2,304件で全体の36%、年齢別では、小学生以下が4,807件で全体の75%、主な虐待者は実母が4,117件で全体の64%となっております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)虐待の対応について、教育長にお伺いいたします。  今回の千葉での事件は、学校や教育委員会の対応に課題があったことは明らかです。平成29年度、滋賀県の虐待相談件数の6,392件のうち小学生が2,449件で、3歳から学齢前が1,229件、ゼロ歳から3歳が1,129件、中学校では981件となっています。小学生、中学生が全体の54%、3歳から学齢前を合わせると73%となります。  これらの状況を見てみますと、学校等および教育委員会での発見と対応は非常に大切と考えます。滋賀の学校等および教育委員会での虐待の対応についてお伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  学校におきましては、児童生徒の日常的な観察により、その心身の状況を把握できますことから、児童虐待を発見しやすい立場にあります。こうしたことから、日ごろから早期発見に努めるとともに、虐待が疑われる場合には、児童虐待の防止等に関する法律により、児童相談所または市町の福祉事務局に通告しなければならないこととなっております。さらに、通告後も通告先や警察等と連携をし、児童生徒の支援に努めているところでございます。  県教育委員会といたしましては、児童虐待対応教員を各学校に位置づけ、他の教員とともに早期発見やその支援に努めております。また、研修を通じて教員の感性を高めるなど、資質向上を図っているところでもございます。  さらに、先日の千葉県野田市の小学4年生女児死亡事件を受け、教職員の責務や法にのっとった適切かつ毅然とした対応を行うこと、また、児童虐待防止に係る研修を実施することなどを各市町教育委員会および県立学校に通知をしたところでございます。  県教育委員会といたしましては、今後とも子供の命を守ることを第一に考え、児童虐待への対応に努めてまいりたいと考えております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)今おっしゃったように、日常の観察というのは、やっぱり学校でできるものだと思いますし、子供のことを中心にした教育ということを考えれば、家で不安なことや心配なことがあれば、当然、授業や学習には集中できません。子供をよく見れば虐待に気がつくという可能性が高いと思います。ただ、通報は、今、学校よりも警察からのほうが多いというような現状になっておりますし、何よりも先生自体が子どもの虐待防止ネットワーク・しがさんに参加するとか、いろいろな形で、現場のこともしっかりと学びに行ったりとかして意識改革して、虐待防止も仕事の一つとして認識していただいて、虐待防止の感性を磨いていくことをお願いしておきたいと思います。  次に、健康医療福祉部長にお願いします。  (資料掲示)先ほど来出ておりますが、滋賀の子ども家庭相談センターの状況ですけれども、グラフをごらんください。滋賀の子ども家庭相談センターの養護相談は、平成25年度の1,918件から、平成29年度の2,626件と増加し、そのうちの虐待ケースは1,324件から2,105件で約6割も増加し、養護件数に占める虐待ケースの割合は69%から80%に増加をしています。また、その背景となるDV等の対応など、全ての相談受け付け件数は4,492件から5,428件と、4年で20%も増加をしています。  このような状況を支える人材の勤続年数は、平成29年4月1日の国の統計結果では、児童福祉司で5年未満が57%、児童心理司は5年未満が48%ということになっております。  滋賀での状況はどのような形でしょうか。滋賀の子ども家庭相談センターの状況をどのように捉えておらえるのか、お伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  県の子ども家庭相談センターでは、2月現在、児童福祉司は36人が勤務をいたしておりますが、うち勤続年数が5年未満の職員は21人で58.3%でございます。児童心理司につきましては16人が勤務をいたしておりまして、うち勤続年数が5年未満の職員は8人で50.0%となっておりまして、全国と同様の勤続年数の状況にあると認識をいたしております。5年未満職員の割合が高いことにつきましては、近年、子ども家庭相談センターの体制の充実を図る中で、新規採用の職員の割合が相対的に高まったこともあると考えております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)そうやって、働かれた方の、そのまま継続してしっかりとした経験と知識が積み上がるような職場環境であってほしいと願っています。いっとき、なかなか定着しないということもありましたので、やっぱり子ども家庭相談センターの体制というのは非常に大事だと思っています。  子ども家庭相談センターにおいて、虐待の対応として緊急に親子を離すときと、親子関係を再構築しようとする役割を同じ人が担当せざるを得ず、加害者になった保護者等との信頼関係を築くのが非常に厳しいと以前から言われています。また、再虐待の防止には、加害者の更生に取り組むことも大切だと考えます。  平成28年10月施行の児童虐待防止法では、措置を解除した後に、より深刻な虐待が発生するケースも見られるとして、継続的なフォローを行う必要があると明記されています。そのためにも、児童相談所の体制強化、専門性向上による保護者への継続的な指導等の実施が求められています。相談件数の増加と人員のバランスを考えると困難な状況だと考えます。子ども家庭相談センターの体制強化について、今後の対応をお伺いいたします。
    健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  来年度に向けましては、4月に開設いたします大津・高島子ども家庭相談センターの一時保護所に必要な人員を確保しますとともに、あわせて、平成30年──昨年12月18日に策定されました国の児童虐待防止対策体制総合強化プラン──新プランに基づきまして、児童福祉司4人の増員を予定しております。  また、今月8日の関係閣僚会議において決定されました児童虐待防止対策強化に向けた緊急総合対策の更なる徹底・強化についてで示されました新プランの児童福祉司2,020人程度の増員のうち約半数の1,070人程度を来年度に前倒しして確保するということにつきましては、今後の国からの通知に基づきまして、適切に対応してまいりたいと思っております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)人員確保のほうが大変かと思います。しっかりと現場に人が入っていただけるような形でお願いしたいと思います。  次に、一時保護について、今回の事件で安易に分離する風潮になることを少し不安を感じています。分離する統一した判断基準が必要とも思っています。また、一時保護所が利用できなかったことがあるとのお話もお聞きしておりますし、緊急対応ができることが求められていると思います。  滋賀での一時保護所の平均在所日数は28.3日で、全国平均30.1日より少し短い状況ですが、最長はどれぐらいあるのか、気になるところです。  一時保護所では、児童の安全を守るために外出も制限され、学校に通うこともできず、学習のおくれや、友達とも会えず寂しい思いをしているのではないかと思うと、一時保護所の環境など、保護体制の充実が求められます。  平成29年4月1日現在では、1カ所で、一時保護所の個別対応のために環境改善が図られていない状況で、今後、改善予定となっていました。子供が暮らす場として、保護体制の充実など改善が求められると考えますが、一時保護所についてどのようにお考えか、お伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  一時保護は、児童福祉法第33条に基づき、子供の安全を迅速に確保し、適切な保護を図るために行うものでありまして、虐待を受けた子供などの最善の利益を守るために行われるべきと考えております。  一時的に保護した子供は虐待を受けた子供や発達障害のある子供などさまざまでございまして、各職員が専門性を発揮して個別ケアに努めておりますほか、保護所内の部屋割りを工夫して、個室化を行ったり、あるいは学科指導員の配置による個々の学力に応じた学習指導を行うなど、できる限り子供の適切な処遇に努めているところでございます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)まだできていないこともあるということもちょっとお伺いしておりますので、今後しっかりと改善をしていただくようにお願いしたいと思います。  滋賀県では民間企業での虐待事件であるサン・グループ事件があり、国家賠償訴訟で、平成15年、画期的な判決が出されています。  青木佳史弁護士は、「この事件は使用者の虐待が認定され、県立障害者入所施設には、退所先が適切な環境であるのか、事前調査の義務と、退所後も生活の定着を確認する法的義務があることを認め、これを怠ったことの賠償責任を認めました。福祉事務所と障害福祉課には、相談の過程から虐待を疑う情報を得ながら対応しなかった場合には違法となる場合があるとしました。さらに、労働基準監督署には、従業員らから救済を求める手紙を受け取りながら無視して権限を行使しなかった責任が断罪され、職業安定所も雇用定着指導を実施せず、使用者の言動を妄信した責任が認められました」と記されています。このサン・グループの事件を過去のこととして済ますことなく、いま一度、この事件を振り返ることも大切だと感じています。  虐待には障害が要因となることもあります。国では平成24年に障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律が施行されて6年になりますが、虐待防止対策は進んだのでしょうか。  障害者虐待防止法では、各都道府県に障害者権利擁護センターの機能も果たすように規定されています。  平成29年度の調査によると、養護者による被虐待者は72人、その被虐待者の年齢は二十から29歳が29.2%、30歳から39歳が22.2%、40歳から49歳が16.7%、50歳から59歳が15.3%と二十以上が約95%となっており、被虐待者と虐待者を一度も分離していない事例が61%という状況になっております。  滋賀では施設での虐待が16件、使用者による虐待については件数は公表されていませんが、労働局で対応されるとのことです。厚生労働省の公表では、使用者による障害者虐待が認定されたのは、平成29年度で全国で597事業所、人数は前年比34.6%増の1,308人という状況です。滋賀の障害者への虐待への対応や課題など、障害者への虐待についてお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  平成29年度に通報、相談のありました件数は、養護者虐待と施設従事者等による虐待を合わせまして、合計で192件、そのうち虐待と認定された件数は88件となっておりまして、過去5年では最多となっております。  養護者虐待と認定されました72件への対応につきましては、保護のため分離を行った事例が23件、分離をしていない事例が44件、その他が5件となっておりまして、分離をしていない事例に対しましては、養護者への指導・助言、再発防止のための定期的な見守り、障害福祉サービス等利用計画の見直しなど、市町により対応がなされているところでございます。  また、施設従事者等による虐待16件につきましては、市町や県で事実確認を行いまして、再発防止のための体制整備や研修の徹底など、施設への指導等を行っております。  養護者虐待の件数は増加傾向にございまして、昨年度、過去最多となっていることは深刻に受けとめております。その発生要因である、虐待者が虐待と認識していないこと、あるいは虐待に関する知識や情報の不足、あるいは介護疲れなどの解消に向けまして、養護者の意識を向上すること、福祉サービスを適時適切に受けていただくことが大切であると認識しております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)なかなか難しい課題もあるかと思いますけれども、やはり養護者の方を支えていくということも大切なことだと思いますので、分離がそれだけされてないということは、そこをしっかりと押さえていくというのが大事だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  障害者施設である滋賀県立近江学園に暮らす子供たちの6割弱が子ども家庭相談センターによる措置入所児童です。この子たちは、お正月も家に帰れずに寂しい思いをすることとなります。また、成人になった後に行く場所が必要となりますが、県外の施設に行かざるを得ない卒業者もいたとお聞きをしています。  そもそも地域で障害者を支える資源は人材も施設も足りていないのではないかと感じていますし、市町によって差があるのではないかとも危惧をするところです。  虐待経験のある障害者の今後の対応をどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  近江学園では、過去3年間に47名が卒園をいたしております。そのうち虐待による措置児童は11名でございまして、その卒園先は、9名の方がグループホームまたは成人の入所施設に入っておられまして、2名の方が家庭へということになっております。  グループホーム等へ移行するに当たりましては、円滑な支援の引き継ぎが行われますよう、近江学園では、入園が決定した時点から、将来の卒園に向けて定期的に子ども家庭相談センターや市町、学校、地域の関係者等と会議を開催し、児童の情報の共有等に努めているところでございます。しかしながら、受け皿となるグループホーム等が不足しているということなどもございまして、進路先の決定に時間を要するケースがあるのも事実でございます。  こうしたことから、グループホーム等の整備を進めますとともに、切れ目のない支援に向けまして、一人一人の児童に応じた支援を確実に関係者間で引き継ぐための会議の開催ですとか、地域障害者自立支援協議会による関係機関の連携を一層進めるための支援を行うことで、今後とも虐待経験のある障害児者の支援に努めてまいりたいと考えております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)障害者だけではなく、全ての虐待の相談があった後、それぞれの状況に応じて適切な対応が求められると思います。また、その後、適切な支援につなぐことや、継続的に観察することも大切かと感じます。  虐待児童のその後の処遇などの状況についてお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  虐待の相談や通告により、一時保護や施設入所措置等を行った子供たちが家庭に戻る場合には、必ず事前に、その後の対応について市町の要保護児童対策地域協議会において個別ケース検討会議を行っております。  会議におきましては、子ども家庭相談センターによる調査結果や保護者に対する指導等の内容について、市町や学校、園等の関係機関と共有いたしますとともに、その後の役割分担や虐待再発時の対応等をあらかじめ定めた上で、センターを含めた関係者による定期的な訪問、面接などの継続的な見守りと、各市町の在宅支援サービスによる家庭支援を行っているところでございます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)再発防止の部分というのはすごく大事だと思いますので、訪問して面接できないときには、面接できるまで何度もすぐに行くということであったりとか、しっかりとそういうふうな対応をしていただきたいと思っています。  社会的養護についてですが、社会的養護とは、子供の最善の利益のために社会全体で子供を育むことを理念として、保護者のない児童や、虐待など、保護者に監護させることが適当でない児童を公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うこととされています。平成27年4月に、滋賀県の家庭的養護推進に係る方針の計画に従い、取り組まれていると思いますが、滋賀の社会的養護の状況をお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  県では、平成23年7月に国から示されました社会的養護の課題と将来像、あるいはその後の国通知等を踏まえまして、平成27年度からの15年間を計画期間といたします滋賀県の家庭的養護推進にかかる方策を定め、施設の地域分散化、多機能化等とあわせまして、より家庭的な環境のもとで特定の大人との安定的な養育が期待できる里親委託の推進に取り組んでいるところでございます。  国の目標数値は、2029年度末におきまして、社会的養護全体に占める子供の入所割合を、施設、グループホーム、里親でそれぞれ3分の1ずつとなるよう求めておりますが、県の状況は、現時点では施設が52%、グループホームが13%、里親が35%となっているところでございます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)では、児童養護施設等の役割を伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  児童養護施設等につきましては、情緒や行動上の特性から、家庭や里親委託では養育が困難な子供たちや、あるいは専門的なケア等を必要とする子供の入所先として重要な役割を担っていただいているものと認識しております。  加えまして、さきに申し上げました滋賀県の家庭的養護推進にかかる方策におきましても、児童養護施設等は子供の養育の専門機関として、地域の一般家庭の養育支援のほか、里親を訪問相談等により支援する里親支援機関として位置づけておりまして、社会的養護の重要な担い手であると考えております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)現代では虐待などさまざまな課題があり、社会的養護は子供の成長を考えたときにとても大切だと思っています。  まず、全国的に見ると滋賀は少ないと言われる児童養護施設等の状況をお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  本県では、乳児院が1カ所、児童養護施設が4カ所ございまして、平成29年10月1日現在の本県の20歳未満の人口が約27万人でございますので、施設定員が合計224人となっておりまして、人口1万人当たりの定員の数が約8.2人となっております。一方、平成29年10月1日現在の全国の二十未満の人口は約2,159万人おられまして、施設定員の合計が3万6,500人となっておりまして、この二十未満の人口1万人当たりの定員数が約16.9人となっております。滋賀県は、全国と比較すると施設定員数は少ないほうであると認識しております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)児童養護施設なんですけれども、最近は児童養護施設は子ども相談センターから措置された児童のみが暮らしていますが、暫定定員、もしくはそれに近い人数になっている施設が多いということをお聞きしました。  滋賀の児童養護施設は、数が少ないにもかかわらず、定員に満たない状況にある要因をどのようにお考えなのかなと思っています。私としては、ちょっと考えてみたんですけども、その要因を考えると、難しい児童、今おっしゃってた里親とかでは困難だったりとか、そういう難しい児童が1人措置されるだけで施設が荒れたりとか、その結果、新たな児童を措置できないという状況も見受けられるという声もお伺いしています。困難な児童は里親養育で、先ほどおっしゃったようになかなか難しく、施設措置にならざるを得ないと思っています。人数だけでなく、困難な児童を受け入れるためには、当然、手厚い体制が必要となります。困難な児童を受け入れて、充実した体制が必要になるというのに、施設が荒れて、新たな措置がされなくなり、暫定定員となり、予算もカットされて施設の運営が厳しくなるということになれば本末転倒の状況になると思っています。  県下の虐待児童は増加の一途をたどっています。虐待児の対応は難しい状況も考えられますので、そのとき、即に受け入れられる体制を整えていくことが大切です。でなければ、施設の方々が燃え尽きてしまったり、やめざるを得ない状況にもつながり、施設の養護の許容力が下がってしまうのではないかと危惧をしています。  養護施設の役割を考えれば、県としてしっかりと支援することが必要と考えますが、県としての対応をお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  児童養護施設に関しましては、ただいま議員からお話ありましたとおり、一般的には情緒・行動上の課題があり、専門的なケアが必要な子供たちを受け入れていただいております。そのため、子供と職員、あるいは子供同士のトラブルなど、日常生活にさまざまな困難を抱えながら子供の養育に当たっていただいているというふうにお聞きをいたしております。  こうした業務の困難さに応えるということで、平成29年度より、社会的養護処遇改善加算という制度がありまして、児童養護施設等の職員に対する処遇改善の取り組みによって担い手の確保、育成に努めていただいております。  また、県といたしましても、障害児の受け入れをいただいている施設への職員の配置等につきまして、児童養護施設等運営費補助金を設けまして、1人から、あるいは3人の常勤職員を加配することができる支援制度を設けております。各施設において御利用いただいているところでございます。  また、困難なケースに関しましては、子ども家庭相談センターの職員によります施設訪問、あるいはケース検討会議の開催による子供の養育状況のモニタリングを行うとともに、子供の状態が悪化した場合には、新たな処遇方針が定まるまでの間、センターにおいて一時保護を行うなどしているところでございまして、今後とも子供の状況の変化に応じたきめ細かな対応に努めてまいりたいと考えております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)国では、先ほどおっしゃった里親の割合をふやす方向性が出ています。難しい案件もふえているのではないかと懸念をしています。児童養護施設等で、里親が連携して対等な立場で支援することが求められ、里親連合会での自主的な研修会などの支援をすることも必要だと思っています。また、里親さんには虐待の未然防止のためにも活躍していただくことが期待をされます。  先ほどおっしゃっていたとおり、全国平均と比べたときに、児童養護施設の1万人当たりが8人ということで、全国の半分だということがありますので、施設自体は、さらに頑張っていただかないと里親さんにも負荷がかかりますし、やはり社会で養護していくということがなかなか難しくなっていくと思いますので、里親さんと児童養護施設等との関係をどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  児童養護施設等も里親も、ともに措置児童の受け入れ先であるところでございますが、先ほど申し上げましたとおり、特に児童養護施設等は、その専門性を生かして、里親の支援機関として位置づけを行っているところでございます。  具体的には、県の委託補助によりまして、児童養護施設等は里親家庭の訪問や里親の養育トレーニングなどを行っていただくとともに、地域の里親家庭のスーパーバイザーとしての役割を担っていただいているところでございます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)さらには、児童養護施設等を出た後の対応が脆弱だというお声もお伺いしています。市町の連携や、施設職員や関係機関等と連携して、役割分担をして支援をし、自立へとつなぐことや、その後のアフターケアが大切だと思います。現場の関係者が一緒に改善策を見出していく場も必要と考えます。滋賀県の社会的養護の課題をお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  ただいま御指摘いただきましたとおり、里親や児童養護施設等を退所した子供のアフターケアにつきましては、退所後も引き続き、自立に向けた支援が必要な場合もあると認識しております。  このため、県としましては、退所前から事業所等の協力を得まして、社会体験活動の機会をふやしたり、関係団体の協力を得て、退所後の居場所づくりや生活相談の窓口を設けるなど、地域のさまざまな社会資源と連携した支援の取り組みを各施設等とともに進めているところでございます。  加えまして、社会的養護では、できる限り家庭的な環境のもとで特定の大人と継続的で安定した養育をいただくということが大切であることから、より家庭に近い環境である小規模な施設への移行の促進、また、より多くの人間関係の中で子供が学び、育つよう、施設の地域分散化を進め、里親を支援したり一時保護の児童を受け入れる等の、施設の多機能化を進めていくことも課題であると考えております。  入所している多くの子供は、虐待を受けて心に傷を負っていたり障害があるなど、個別の課題を抱えていることから、子供を受け入れる施設、里親には一人一人の状況に応じた適切なケアができる高い専門性や関係機関との連携が求められていると認識しております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)施設を出た後のことに関しては、今おっしゃっていただいたようなことが全てきちんとできていれば困らないんですけれども、なかなかできてないというのが現状だということを聞いております。  また、なれた施設からさまざまな課題を抱えた子供たちが出ていくということを考えれば、本当に地域に出たときにどれぐらいアフターケアができるかというのはその子たちが自立できるかどうかにかかっていると思いますので、その脆弱な部分をしっかりとつないでいっていただきたいと。そのためにもしっかり、地域とつながるだけではなくて、県としてもそこはやっていっていただきたいと思っています。  知事に伺います。  知事は今議会の提案説明で、「切れ目のない子育て支援と社会的養護の環境整備など、誰もが安心して子供を産み育て、子供が健やかに育つ社会づくりが求められる体制の充実を図っており、地域を含めた関係者の皆様としっかり連携しながら子供を被害から守り、育ちを支える取り組みを進めてまいります」と述べられました。  国では、新しい社会的養育ビジョンが平成29年8月に作成され、計画期間を2020年から10年間とする、各都道府県の実情に応じた滋賀県社会的養育推進計画を策定し、取り組みを強化することとされています。あわせて、平成27年に策定された滋賀県児童虐待防止計画が平成31年度に最終年度となり、連携して計画を立てることが求められると考えます。今後の取り組みについてお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  今も御紹介いただきましたが、国が示した新しい社会的養育ビジョンにおきましては、各都道府県に対して、平成31年度中に社会的養育推進計画の策定が求められているところでございます。次年度、滋賀県子ども若者審議会におきまして検討組織を立ち上げ、児童虐待防止計画との整合性も図りながら、児童養護施設や里親等の関係者とともに具体的な検討を行う予定でございます。  この計画の策定に当たりましては、子供が家庭的な環境の中で養育されるのは子供の成長にとって最も自然なことであるという考えのもと、1つ目といたしまして、子供が家庭において健やかに養育されるよう保護者を支援することを原則とした上で、2つ目、家庭における養育が困難な場合は里親委託を進め、3つ目、それが適当でない場合は児童養護施設等において良好な家庭的環境で養育されるよう必要な措置を講じていく、もって、滋賀の社会的養育を推進していけるよう努めてまいりたいと存じます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)計画をつくるときに、ぜひ、現場の方々の声もしっかりと聞いていただいて、寄り添う気持ちで、県としてしっかり支えていくという計画をつくっていただきたいと思います。  知事に決意をお伺いしたいと思います。  知事には、ぜひとも虐待を受けて悲しい思いをする人がいなくなるよう取り組んでいただきたいと思います。それを実現していくためには、その対応とその後の処遇、それらを支える人々への支援など、関係者が離職したり潰れたりしないように体制強化が大切だと思っております。そのためには人も予算も必要です。虐待がなくなるよう、また、虐待対応や社会的養護を支える人々を県としてしっかり支えられるよう、誰一人取り残さないというSDGsを掲げる知事に決意をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) きょうもお取り上げいただき、また、るる、関係部長、教育長等々、質疑をしていただきましたが、県といたしましては、国の児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策を踏まえた子ども家庭相談センターの体制強化および職員の資質向上、2つ目といたしまして、里親委託の推進や施設の機能強化による虐待を受けた子供等の支援体制の充実、これは施設等を退所した後のアフターケア、フォローも含めてということでございます。3つ目といたしましては、市町の子育て支援施策との緊密な連携による虐待の未然防止や子供の健やかな成長に向けた取り組みの徹底など、あらゆる手だてを講じてまいる所存でございます。  県が率先して取り組んでいるSDGsの理念、誰一人取り残さないという、こういった考え方のもと、何があっても子供の命を守る、また、全ての子供が自分らしく成長できるよう、強い覚悟を持って、今後の児童虐待防止対策や社会的養育のさらなる充実にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)来年度、策定される計画にその思いが反映されることを願っています。  次に、種子を守り、滋賀の農業を振興する条例の制定について、分割形式で知事および農政水産部長に、以下、お伺いをいたします。  伝統的な漁業や農業、独自の食文化を育んできた森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システムがこの2月15日に国連食糧農業機関が認定する世界農業遺産への申請を決めるとともに、国内版の日本農業遺産に認定されたこと、心からお喜び申し上げます。これからは、世界農業遺産の認定に向け、さらに盛り上げていっていただきたいと思います。  「食べることは生きること」との言葉もお聞きしました。その食のもととなる種子は滋賀の大切な資産です。私たちの会派ではかねてより、主要農作物種子法の廃止に伴い、滋賀県独自で優良な種子を永続的に安定に生産し、供給し、農業者の方々が安定して農業生産ができるよう条例を制定する必要があると主張し、11月議会で質問し、知事にも政策提案をしてきました。また、関係団体より条例制定など永続的な取り組みの御要望もいただいています。  先日の代表質問で、主要種子対策について、今後、条例の制定に向けて取り組みを始めたいと知事からの答弁をお聞きしました。条例制定に向けて、県に寄せられた関係団体の要望の内容はどのようなものだったのでしょうか。また、主要農作物種子法の廃止に伴う最新の他府県の取り組み状況はいかがでしょうか。  11月議会において知事は、生産現場や他府県の状況を踏まえながら、今後の本県農業の一層の発展に向けてどのように対応していくべきか検討を進めると答弁されましたが、その後、どのような検討をしてこられたのか、農政水産部長にお伺いいたします。  優良な種子の生産と農業者への安定供給は健康のベースである食のもととなるものです。種子法の廃止によって種子価格の高騰や遺伝子組みかえ種子などの懸念もありましたが、条例では、そのような県民の不安を払拭するため、種子生産対策とともに種子生産に対する県民の理解促進を盛り込むことが重要であり、ブランド化にもつながることと考えます。農政水産部長のお考えをお伺いいたします。  滋賀県ではこれまで、温暖化を懸念し、夏の高温に強い品種として、10年かけてみずかがみを開発されました。そのおかげで、みずかがみは食味ランキングで3年連続の特A評価を受けました。  ほかにも、平成27年産が特Aの評価を受けた秋の詩や、酒米の滋賀渡船6号、和菓子を支える最高級品種のブランド餅米の滋賀羽二重糯など、滋賀県発祥のさまざまな品種が開発されてきました。  気候変動への対応とともに、国際化、担い手減少、政策の転換など、大きく変化する農業生産の環境において、農業経営の安定が図れる生産性の高い、例えば環境こだわり農業の深化に向けた、農薬散布が少なくても栽培できる品種や、大規模農家の労力集中を回避できる収穫時期の長い良食味の品種などの開発が望まれています。  このような滋賀ならではの品種や技術の開発を、これまで以上に積極的に取り組みを進めるとともに、育成した品種の権利保護が必要と思います。これらの方針を盛り込むべきと考えますが、農政水産部長のお考えをお伺いいたします。  新たな品種を開発するには長い期間がかかります。それを考えるときに、農業の振興を考えれば、食や農業の10年先を考えて、必要となる品種の開発をする先見性が大事になります。また、その開発には、かけ合わせなども考えると、多様な品種も必要ですし、その育成の技術も大切になります。種子を守り、その安定生産に向けた環境整備、種子生産に係る予算や人員の確保は農業の将来を左右するとも言えますが、種子を守り、滋賀の農業の振興について知事のお考えをお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 種子を守り、滋賀の農業を振興する条例の制定について賜りました4点の質問のうち、私には1点いただきました。  品種の開発と種子生産に向けた環境整備ならびに予算や人員の確保についてでございますが、議員御指摘のとおり、本県農業の振興を図る上では、先見性を持った品種の開発を初め、原種の生産や種子の審査などによる優良種子の生産と安定供給など、一連の取り組みが重要であると認識しています。  中でも新たな品種開発につきましては、議員も御指摘いただきましたが、みずかがみの育成に10年を要しておりますことからも、先を見通した長期にわたる研究が求められます。  このため、滋賀の気候風土に合ったすぐれた品種の開発に向けては、その取り組みに携わる研究者の資質向上や所要の施設整備、国や大学等との共同研究など、環境の整備が必要であると考えます。  こうした品種開発から種子の生産に至るまでの予算や人員の確保は本県農業の持続的発展にとって大事なことであると考えており、今後、こうした視点も持ちながら、条例制定に向け、検討を進めてまいりたいと存じます。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) (登壇)種子を守り、滋賀の農業を振興する条例の制定についての私に対します3点の質問にお答えをいたします。
     まず、1点目の関係団体の要望の内容と最新の他府県の取り組み状況、そして、11月定例議会後の検討状況でございます。  昨年4月の主要農作物種子法の廃止を受けまして、JAグループなどの関係団体からは、主要農産物種子の安定生産に向けた環境整備、種子生産に係る予算や人員を確保するための早期条例化の要望を受けたところでございます。  さらに、県内の14の市町議会からは、県が種子生産の中心的な役割を果たし、これまでどおりの行政対応を継続することに必要な予算と人員体制を恒久的に措置する観点から、主要農産物の種子生産に係る条例制定について意見書が提出されたところでございます。  また、他府県におきましては、既に兵庫県を初め5県で主要農産物の種子対策に係る条例が施行されているほか、長野県など5道県で条例制定に向けた準備が進められていると把握しております。  昨年の11月定例会議以降、他府県の条例制定の考え方や、盛り込まれる独自の項目について研究を進めてまいりました。中でも、旧種子法に規定されていた主要農産物である水稲、麦類、大豆の種子生産と供給に関する事項に加え、対象とする作物を広げるなど、県独自の取り組みを盛り込むことを検討されている長野県へ担当者を派遣し、その状況を調査するなど、本県農業の一層の発展に向け、県としてどのように対応すべきかを検討してきたところでございます。  2点目の条例に種子生産に係る県民の理解促進を盛り込むことについてでございます。  既に条例を制定されました山形県では、主要農産物の優良な種子は県民の重要な財産であるという認識のもとに、優良な種子の重要性に対する県民の理解促進を条例に盛り込まれているところでございます。  例えばみずかがみのように滋賀県独自の品種について、その種子生産と安定供給をしっかり進めることの大切さを理解してもらうことがそのブランドを高める基礎になるものと考えております。  今後、本県の農業振興を図る上では、こうした取り組みを県民の皆さんに理解いただくことが不可欠であり、議員からの御提案を参考に、検討してまいりたいと考えております。  3点目の滋賀ならではの品種や技術開発、育成品種の権利保護の方針を盛り込むことについてでございます。  議員から御指摘いただいた視点は大変重要と認識をしております。農業就業人口の減少や頻発する気候変動に対応するために、革新的技術の体系化や滋賀の気候風土に合った品種の育成が不可欠であります。また、米政策改革に伴い、激化する産地間競争の中で近江米のブランド向上を図るためには、育成した品種の権利保護も大切になると考えております。  いただいた御提案を含め、今後、農業者だけでなく、消費者の方々など県民の皆様から幅広く御意見を伺いながら、条例の制定に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)私は農業者ではないんですけれども、ただ、やはり食べる側のお母さん方からもそういう御意見を聞きます。子供に安心なものを食べさせたい、安全なものを食べさせたいということで、しっかりと滋賀で安心できるものを食べられる、そういう環境をつくっていってほしいという意見も聞いておりますし、そういう思いを持って滋賀で子育てしていただける方がふえるということも非常にいいことだと思いますので、今後、またさまざまな方の御意見を聞いて、滋賀の発展のために尽くしていただきたいと思いますし、ちょうどみずかがみのことに関しては、10年前ぐらいにミシガンのほうでそういう話をちょっとお伺いして、1℃違うとさまざまな環境が変わってくると。そのときに、農政水産部の方に、稲はどうなんですか、お米はどうなんですかということを聞いたときに、ちょうど今、生産に関して開発を始めようとしていますというお話をされていました。昨年のあのような災害級の温暖化ということもありますし、今後、どのように10年後、変わっていくかということも、人口構造も考えた中で、しっかりと農業が支えられる、そんな条例を推進していただきたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、45番中沢啓子議員の質問を終了いたします。  最後に、20番中村才次郎議員の発言を許します。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇、拍手)本日最後の質問になります。どうかよろしくお願いをいたします。  受験シーズンも追い込み期を迎え、連日、勉学に励む受験生、さまざまな思いを抱えて見守る御家族の皆さんに最大のエールを送り、県立高等学校入学者選抜、つまり高校入試について5点にわたって質問をさせていただきます。  現在、県立高校の入試は、1、推薦選抜または特色選抜、2、スポーツ・文化芸術推薦選抜、3、一般選抜の1次、そして2次とに分かれております。既に1と2の推薦、特色、スポーツ・文化芸術推薦は2月6日に行われまして、13日には発表も済みました。推薦選抜は2,446人が受検し、2,089人が合格、特色選抜は3,969人が受検し、1,189人が合格をいたしました。スポーツ・文化芸術推薦は132人が受検し、115人が合格をしました。少しこの特色選抜が、3,969人が受検し、1,189人が合格している、この数が気になります。  私が高校を受験したとき、随分昔の話になりますが、もちろん一般選抜しかございませんでした。昭和53年度入試から推薦選抜が導入され、平成18年度入試からは特色選抜が加わり、推薦か特色かを選ぶようになりました。また、スポーツ・文化芸術推薦選抜は平成29年度入試から始まったばかりです。このように、時代の変遷とともに徐々に入試の制度も変わってまいりました。  そこで、1点目の質問をさせていただきます。  一般選抜を3月6日に控えていますけれども、先日終えた推薦選抜、特色選抜、そしてスポーツ・文化芸術推薦選抜それぞれについて、改めてその特徴、また、導入の意図するところを教育長に伺います。 ○議長(川島隆二) 20番中村才次郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えいたします。  推薦選抜は、各高校が求める生徒像をあらかじめ示し、中学校長がふさわしい生徒を推薦するもので、多様な生徒の能力を評価して選抜することを目的として導入したものであります。  一方、特色選抜は、中学生が各高校の特色を十分理解し、自分の興味、関心や将来の進路を考えた上で、自分に合った、学びたい高校を主体的に選び、受検することができるようにするために導入したものであります。  また、スポーツ・文化芸術推薦選抜は、2024年に本県で行われます国民スポーツ大会の選手の育成や、2015年の全国高等学校総合文化祭の開催を通じて文化芸術活動への機運が高まったことを将来につなげるため、スポーツ活動や文化芸術活動にすぐれた実績を持つ生徒を中学校長が推薦できるように導入したものであります。  いずれの選抜につきましても、一般選抜とは異なる基準に基づき、受検生の多様な能力を多面的に評価するとともに複数の受検機会を設けるという特徴があると考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)2点目の質問でございますけれども、特色選抜について特に聞きたいというふうに思います。  試験は、口頭試問、小論文、総合問題または実技試験の中から2つ以上を各高校または学科が選んで、出願者全員が受けることになっています。  普通科では推薦選抜を選んだ学校が16校、そして、特色選抜を選んだ学校が14校でした。この特色選抜を選んだ学校では小論文と総合問題を選ぶところが多くなっています。特色という名前、先ほど御説明いただきましたけれども、名前がつけられていますけれども、各高校、また学科の特色が出せる試験になっているのか、教育長に伺いたいと思います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  今ほどお答えしましたように、特色選抜においては、中学生は各高校の特色を十分理解して出願をいたします。一方、高校は自校の特色に合致する生徒を選抜するため、各高校それぞれで作成をいたしました総合問題や小論文を出題することで生徒の選抜を行っており、一定、特色が出せるものとなっていると考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)教育現場から聞いた話もまぜてですけれども、総合問題では記述式が多く、小論文の採点と合わせると大変時間がかかると、このように聞きました。次の日が採点日になっていますけれども、それでも大変な状況らしいです。  3点目の質問も、同じく特色選抜について聞きたいというふうに思います。  先日行われた特色選抜の合格率は30.0%で、10人に3人しか合格できないという現状でございました。ちなみに、昨年は29.4%で、より低くなっています。こうした高倍率は何年にもわたって続いており、特色選抜で合格することは非常に狭き門となっています。この合格率の低さについて、私は改善すべきであるというふうに思うのですけれども、教育長に見解を伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  特色選抜につきましては、平成27年度に設置をいたしました入学者選抜方法等改善協議会におきまして、特色選抜の実施により学校の選択幅が大きく広がり、生徒が希望する学校を主体的に選択できるようになったという評価をいただいたところでございます。  一方で、議員御指摘のとおり、特色選抜では多くの不合格者が出ている状況があります。しかしながら、特色選抜に続いて実施をされる一般選抜とあわせて受検機会が複数であることで、中学生が希望する高校に主体的にチャレンジできるという面もあります。  また、多くの不合格者を出さないように、例えば特色選抜の定員枠をふやせば、その反対に、一般選抜の定員枠が減るということになり、一般選抜を受検する中学生に影響が出てくることなどが懸念をされます。  今後も、議員御指摘の点や、中学校や高等学校、市町教育委員会等からのさまざまな御意見をお聞きしながら、入学者選抜の適切なあり方について研究してまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)この多くの不合格者を出しているというところが私は気になります。事前に、このラインなら合格できるよというような、そういったものをしっかりと示すということも大事ではないかなと、そのようなことも思っておりますので、またそういったことも踏まえて検討していただきたい、このように思います。  合格率が、今も言いましたように非常に低いこと、それから、学校の現場では試験の翌日に採点が行われるそうですけれども、総合問題では記述式が大変多くて、小論文と合わせると多くの時間がかかるということにもかかわらず、合格する受検生の人数が少ないという現実、また、各校の特色、それが本当に生かされたものなのかということにも、若干、疑問を抱きます。特色選抜の見直しの必要があるのではないかと感じます。  4点目に、一般選抜について伺います。1次選抜が終わった後、2次選抜についてでございます。  2次選抜は、一般選抜で不合格になった受検生、または理由があって一般選抜を受けられなかった人に対して行われますが、試験内容は面接と作文となっており、また、一般選抜の点数が参考にされると、このようになっています。この参考にされる点数なんですけれども、1次選抜で受けた各校での採点の基準は同じなんでしょうか。若干、そこら辺が疑問に感じます。教育長の見解を伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  一般選抜の学力検査問題の採点は、県教育委員会が示した採点基準に基づき、全ての高校が同じ基準で行っているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)そういうお答えをいただけるというふうに思っておりましたけれども、不公平のないように採点をしていただきたいと、各校でしっかりとやっていただきたいと、このように思います。それをもって、また2次選抜の参考にされるということですので、よろしくお願いしたいというふうに思います。  5点目の質問をさせていただきます。  1月から3月のこの受験シーズン、インフルエンザの流行期と重なります。ことしも大流行をいたしました。不本意ながらインフルエンザにかかり、受験できない人もいると思われます。こうした、インフルエンザを含む急病にかかった人を救済するために、公立高校の入試で追試が行われる自治体が多くなってきています。  2019年、つまりことしに追試を行う都道府県は25に上りますけれども、本県ではまだ行われておりません。全国的な傾向からも、ぜひ、滋賀県でも追試を行うべきだと思いますが、教育長の見解を伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  本県では、2月の推薦・特色選抜に続き、3月に一般選抜、また、一般選抜で定員が充足しない場合に2次選抜を実施をしており、複数回の受検機会を設けているところでございます。  追検査を実施する場合であっても、現状では一般選抜の合格発表日の翌日に2次選抜の出願日が設定をされていることから、日程的に大変厳しい状況でございます。府県によって入学者選抜の方法はさまざまであり、単純に比較することは難しいと考えておりますが、議員御指摘の追検査について、既に実施をしている他府県の状況も改めて調査をし、受検機会を確保するための対応についてしっかりと研究してまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ありがとうございます。ぜひ、検討をしていただきたいと、このように思います。  昨今、幼稚園とか小学校、また、中学受験をされる子供さんもふえてきておりますけれども、まだまだ高校受験が人生の初めての試練となる生徒が大多数だというふうに思います。  受験の結果が大きな人生の岐路になるとの意気込みで挑む生徒、また、御家族も少なくありません。この受験のあり方が理にかない、そして、受験生にとって納得のいくものであることは非常に重要だというふうに思います。そういった観点からも、県立高校の受検の制度を、いま一度、見詰めていただきたいと願うところでございます。  冒頭にも述べましたけれども、今、奮闘されている受験生の皆さんが、合否にかかわらず、それぞれの希望あふれる未来に向かって力強く歩まれることを心より念願し、この項の質問を終わらせていただきたいというふうに思います。  それでは、次に、主権者教育について質問をさせていただきます。  主権者教育の重要性については、7月議会で田中議員が質問をされておりますし、以前にも多くの方が質問をされています。ことしは我々県会議員の選挙も行われる統一地方選挙が4月にあります。また、7月には参議院選挙も行われ、統一地方選と参議院選が同じ年に実施される12年に1度の亥年の選挙に当たります。この機会に、あえて質問をさせていただきたいというふうに思います。  先日、私は大学生のグループ、また、社会人の若者の男女のグループ、小さなお子さんがおられるお母さんのグループと懇談をする機会がありました。今困っていることや疑問に思っていること、また、望んでおられることなどを聞かせていただきましたけれども、さまざまなお話を聞くことができ、若者の意見を政治に反映させることの重要性を強く感じました。その声を聞いてくるのが我々議員の使命でありますけれども、若者に政治に参加してもらう重要性を強く感じました。  18歳選挙権を実現する改正公職選挙法が平成27年6月19日に公布され、1年後の平成28年6月19日に施行されてから2年半以上がたちました。この改正法により、未来の日本のあり方を決める政治について、より多くの世代の声を反映できるようになりました。  一方では、社会の形成者としての意識を醸成し、さまざまな課題に対し多面的、また多角的に自身の考えをつくる力を育むことが重要となります。そして、根拠をもって、その自分なりの考えを主張、説得する力が求められます。  このような状況を踏まえ、文部科学省では、平成27年11月9日、主権者教育の推進に関する検討チームを設置しました。  この検討チームでは、主権者教育の目的を単に政治の仕組みについて必要な知識を習得させるにとどまらず、主権者として社会の中で自立し、他者と連携、協働しながら、社会を生き抜く力や地域の課題解決を社会の構成員の一人として主体的に担うことができる力を身につけさせることとしています。  このような主権者教育を進めるに当たり、子供たちの発達段階に応じて、それぞれが構成員となる社会の範囲やかかわり方も変容していくことから、学校、家庭、地域が互いに連携、協働し、社会全体で多様な取り組みを行うことが必要です。学校や教育委員会等の地方公共団体の関係部署が積極的な役割を果たすことも重要になってきます。  このように、主権者教育の目的からすると、選挙の投票率だけでその成果をはかることはできませんが、その成果の一つの判断材料として大きな意味があると思います。  この18歳選挙権施行からの2年で、平成28年7月の参議院選挙、平成29年10月の衆議院選挙と2回の国政選挙が行われました。総務省によると、国政選挙として初めて18歳選挙権が適用された28年7月参議院選挙での全世代の平均投票率は54.7%、そして、このうち18歳は51.17%で、20代前半の33.21%を大幅に上回りました。高校などでの積極的な主権者教育の結果でもありますが、地域格差等の課題も浮き彫りになっております。  課題の一つは、50%を超える18歳の投票率に比べて、19歳の投票率は39.66%と10ポイント以上低いものでありました。進学や就職で引っ越したものの、住所変更せずに転居先での投票権を得られない人が多かったというふうに見られています。18歳で選挙を経験した高校生らが19歳になっても継続して投票に行くか、注目されます。  また、もう1つの課題に平均投票率の地域格差があります。18歳投票率のトップは東京で62.23%、最も低かった高知県は35.29%と30ポイント近くの差がありました。教育委員会や高校、各種団体の啓蒙活動状況で出た温度差だと言われています。  さて、滋賀県、我が県ですけれども、この投票率を同じく平成28年7月の参議院選挙で見てみますと、全体が56.52%、20代前半が35.70%、18歳が54.15%、19歳は47.01%、いずれの年代においても全国を上回っております。しかし、この後の2回目の国政選挙となった平成29年10月の衆議院選挙では、全体が56.32%、20代前半が35.30%、18歳が50.74%、19歳が32.34%、さらに、去年の知事選挙におきましては、全体が40.62%、20代前半が21.08%、18歳は32.62%、19歳は22.75%と、全体の投票率も下がっており、選挙の種類も違いますので一概には言えませんけれども、18歳、19歳の投票率が、選挙を重ねるに従って低下してきているということが気になります。  まず、20代前半の投票率と18歳、19歳の投票率を比べると、全ての選挙で18歳、19歳のほうが上回っており、主権者教育の効果があらわれているように思われます。政治に対しての意識向上につながっているのだというふうに感じます。公職選挙法が改正されて18歳から投票できることに決まったころは、盛んに主権者教育の重要性が叫ばれました。  総務省、文科省から「私たちが拓く日本の未来」、サブテーマとしまして「有権者として求められる力を身に付けるために」という副読本もつくられ、高校生を中心に主権者教育が進められました。副読本の中には次のような一文があります。「若者の投票率が低くなると若者の声は政治に届きにくくなってしまいます。その結果、若者に向けた政策が実現しにくくなったり、実現するのに時間を要する可能性があります」というふうに書かれてあります。  少子高齢化が進む中にあって、若者の声を政治に反映するために、投票率だけでなく、若者の政治に対する関心を高めていくことが、滋賀県、そして日本の未来にとって大変重要であるというふうに思います。  我が党では、青年局が中心になり、ボイスアクションと銘打って、2016年から簡単なアンケートを通じて皆様の声を聞き、政治に若者の声が届く取り組みを行っております。  さて、1点目の質問ですけれども、滋賀県で行われた3回の選挙における若者の投票率についてどのような感想を持たれているか、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)詳しく御紹介をいただきましてありがとうございます。  議員御指摘のとおり、選挙の種別等にもよりますが、選挙権年齢が引き下げられた当初は比較的高かった18歳を初め若者の投票率が低下傾向にあることは私も大変心配しているところでございます。新たに有権者となる若者に国や社会の問題をみずからの問題として捉えてもらい、みずから判断し、投票行動につなげてもらうことが重要だと考えます。  こうしたことから、私としても、県政を身近に感じてもらえるよう、基本構想の策定過程や「こんにちは!三日月です」での対話、県政を発信してくれる青少年広報レンジャーとの意見交換など、さまざまな機会を捉えて、積極的に若者の声を聞く取り組みに力を入れているところでございます。  将来を担う若者にみずからが主権者であるという自覚を持ってもらい、積極的に政治に参画してもらうことを期待しているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)知事みずから若者の声を聞いていただいているということに感銘をいたしました。  私、この4年間、県会議員として初めての経験をさせていただきましたけれども、どちらかというと、余り若者の意見を積極的に聞けたほうじゃなかったなというのが反省点でございまして、これからしっかりと聞いていこうというふうに、今、思っているところでございます。  それでは、2点目に、小中高で取り組まれているこの主権者教育ですけれども、その現状について教育長に伺いたいというふうに思います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  小中学校では、学習指導要領に基づき、社会科を初めとする各教科の学習や特別活動などにおいて、主権者として主体的に社会に参画しようとする資質、能力を育成するよう努めております。  また、高等学校では、公民科の授業や総合的な学習の時間などにおいて、今ほど議員が御紹介いただきました文部科学省と総務省が作成をいたしました副教材などを適切に活用し、どの生徒にも国家、社会の形成者としての資質、能力を育むことができるよう取り組んでいるところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)若干、聞くのが心配なんですけれども、3点目に、先ほど私、長々とお話をさせていただいたんですけれども、その中で、東京都と高知県のお話をさせていただきました。そういう地域間格差があるという話をさせていただきましたけれども、そういうことが滋賀県内の中でもあるのではないか、また、学校間において、そういう主権者教育に対する温度差が、また、市町間でそういうことがあるのではないかというふうに思いますけれども、教育長、どのように思われますか、聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  主権者教育に関しましては、今ほどお答えいたしましたように、いわゆる教科の学習というものをやっておりまして、これがベースになっていると思っております。こうしたベースの学習に加えまして、各校の状況に応じまして、選挙に関する出前講座とか、あるいは議場見学、こうしたものを行ったり、市町によりましては子ども議会、こうしたものを開催をしたりしているところもございます。  さらに、高等学校では、生徒自身が地域の課題を踏まえ、政策を考えて議論し、模擬投票を行っていると、こういった学校もございます。  このように各校あるいは各市町がそれぞれ特色ある取り組みを行っているところではございますが、県教育委員会といたしましては、今後もすぐれた実践事例を全県的に普及させることなどによって、どの学校においても充実した取り組みがなされるよう努力してまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)先ほど言わせていただきましたように、滋賀県の18歳の投票率、大変高かったんですね。これは誇るべきことだというふうに思うんです。それがこれからもずっと続いていきますように、主権者教育、しっかりと続けていっていただきたいなというふうに思います。  元現場にいた教師としまして、その時代時代によっていろんなやっぱり、何々教育をしましょう、何々教育をしましょうというのがあるんです。それが一過性で終わることなく、教科書にも、今回、しっかり出てきますし、副教材もしっかりできていますからそんなことはないというふうに思いますけれども、力を抜くことなく、そういった教育がしっかりとされることというのを望んでおります。  先ほども言いました。繰り返しになりますけれども、主権者教育とは、若者を選挙に行かせるためだけでも、低い投票率を上げるためだけに行う教育でもありませんけれども、ことしは主権者教育を進めていく、そういったいいチャンスでもあるというふうに思うのです。ですから、若者の投票率が少しでも上がるような取り組みを、また、主権者教育が少しでも進むような取り組みをしっかりとお願いしたいというふうに思いまして、質問を終わりたいというふうに思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、20番中村才次郎議員の質問を終了いたします。  以上で、本日の質疑ならびに質問を終わります。  明26日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後4時25分 散会    ────────────────...