7
会議に付した事件
別紙次第書のとおり
8 配付した
参考資料 別紙のとおり
9
議事の
経過概要 別紙のとおり
議事の
経過概要
開会宣告 14時00分
《
農政水産部所管分》
1 本県における
豚コレラの
防疫対応について
(1)
当局説明 渡辺畜産課長、
安田自然環境保全課長
(2)質疑、
意見等
◆
佐野高典 委員 発生から逐一
報告をいただいていますので、大体の概略はわかっています。
先ほど説明では触れられなかったのですが、
愛知県
豊田市の
養豚場は、1月の下旬
あたりには豚の食欲がなくなった、あるいは流産する豚がたびたび見受けられ、
豚コレラに
感染している
可能性があるという
状況にもかかわらず、
滋賀県を初め長野県、大阪府等に
子豚を出荷したことから他府県に広がってきました。
豊田市の
家畜農家の
責任は結構重いと思います。
近江八幡市の
家畜農家には全然罪はないのです。そんなことを知らないで
子豚をいつもどおり導入されて、そして
豚コレラがわかって700頭近い豚が全て殺処分されました。この
家畜農家がこれから豚の
飼養等に対する熱意がなくなるのではないかという心配がまずあります。
親豚はもう100キログラムを超えて、これからいよいよ出荷しようかという豚も殺処分されました。
炭酸ガスで殺処分される
トラックにキーキー鳴いて、なかなか行かなかったという
報道に接すると、何とも言えない悲しい気持ちになったのです。国が
手当金を5分の4、そして
特別手当金を
評価額の5分の1ということで、100%補助されるということですけれども、豚については100%
補償されても、
家畜農家のこれからの
経営面には、どういう
手当てをするのですか。
◎
渡辺 畜産課長 まず
1つ目の
愛知県の
農場での
対応ですが、
愛知県では、
農場から様子がおかしいという
情報が入りましたのが、2月4日と聞いております。今回は、それよりも以前にさかのぼって関連する豚が出荷されているところがないかということで、疫学的な
調査の中でこの5府県へ出荷していることがわかりました。
愛知県の
農場でも、
豚コレラが
岐阜県で
発生しているという
状況の中で、いち早く県に通報したと承知をしております。その中で、今回のような
状況になったことに対して、豚が全国、広域的に流通している
状況の中ではこういうこともあるのかなと思います。ただ、
滋賀県としましては、その段階ではわからなかったということで、特に
子豚が来たことに対する
農場の
責任について何か言えるものではないのではないかと考えております。
それから、
近江八幡市の
農場につきましては、確かにそういうことがわからずに来てしまい、全く
責任のない中でこういう
状況に至ったということです。ここの
農場は
衛生管理区域をつくって、
衛生基準もしっかりとやっていただいていた
農場です。今回こういうことになり、豚が全部いなくなってしまったのですが、
経営者の方とお話していると、
制限が解除されれば、また
経営を再開したいという思いを持っておられます。
それに対して、国の
手当てで、殺処分された
豚等に対しての
補償は5分の1と5分の4で5分の5
手当てがされます。
ただ、
制限中の28日間につきましては、
経営ができないということで、
従業員もおられますし、その
経営維持に対しては国におきまして、
支援融資という枠組みもあります。
それから、
互助基金といいまして、
経営再開に向けた
基金があります。それに対してもここの
経営主はしっかりと入っておられまして、
経営再開に向けて前向きに進めていけると思っております。
ただ、県としましても、
融資の具体的な申請の仕方などのお手伝いをさせていただく、あるいは、無
利子ではありませんので、
農家の
負担が少しでも軽減できるように、
利子など、県としての
支援も考えていかなければいけないと思っています。
◆
佐野高典 委員 おおむね2日間かかって、寝ずにやってくれた
職員方には、
大変御苦労さまだったと思っています。迅速に殺処分して埋却して拡散しなくてよかったと思うのですが、
県内で何カ所の
養豚場があるのか知りませんけれども、ほかの
養豚場はかなり離れていて、
病気や
豚コレラ等が
発生するようなことは極めて少ないのですか。
◎
渡辺 畜産課長 資料の4ページにも書かせていただきましたけれども、
県内の
養豚農家は5戸6
農場です。それから、10キロメートル
圏内には1軒の
養豚場があります。
ただ、今回は、
近江八幡市のこの
農場で
発生したのではなく、
先ほど説明させていただいたとおり、
疑似患畜という位置づけで、
発生した
農場から
子豚が来ていたという疫学の
関連農場ということで、この半径10キロメートルにつきましても、
移動制限や、
通常の
防疫措置は必要ないということです。
ただ、1月31日に
子豚が導入されてきており、その
子豚も
家畜保健衛生所の検査で
陽性が出ておりました。この10キロメートル
圏内も汚染されている
可能性がないとは言えないので、28日間はここを通行する
車両の
消毒を徹底するという
対応をしています。
ほかの
農場につきましても、直ちに異常がないかを
確認して、
疑似患畜発生農場との交差も全部
確認させていただいておりまして、今のところ異常はないという
報告をいただいております。
◆
佐野高典 委員 最後にしますが、たまたま
愛知県
豊田市から
子豚を導入した
近江八幡市の
養豚場が
感染したということですけれども、今、
県内の
養豚農家5戸6
農場は、
豊田市、あるいは最初の
発生地の
岐阜県
あたりから
子豚は全然入れていないのですか。
◎
渡辺 畜産課長 農家戸数が少ないので、全部その
あたりも
調査、聞き取りをさせていただいております。特に、
県内の
養豚場は
繁殖、
肥育一貫で、みずから
繁殖豚を持っておられて、そこで
子豚を生ませて、肥育する
農場がありまして、
県外から購入するところは
当該農場とほかにもう1軒あるだけです。その
導入元につきましても、ここの
農場はたまたま
愛知県でしたけれども、ほかのところは違うところですので、今後につきましては、
当該農場も
経営再開に当たっては、
導入元を
愛知県ではなくて、違うところにかえたいという意向も聞いております。
◆
九里学 委員 まず、県の
職員および
協会等の
方々に、御尽力いただいたことに感謝申し上げたいと思います。
今後が大切だと思うのです。
鳥インフルエンザや、狂牛病もそうですが、
対応が大事なのです。そういうときに
消費者の方も含めて
養豚業界、
畜産業界、もっと広く言えば、
食品業界全体に
豚肉がこういうことになって大変だということにならないように、4ページに書いてもらっていますように、
風評被害はもちろんのこと市場には出ない、また、人体には影響がないことを早く確実に、そして正確に伝えることが大事だと思いますので、ぜひその辺をお願いしたいと思います。こういう世の中ですので、SNSなどで間違った
情報が広がってしまうことのないように、
スピード感を持って、あらゆる
業界、
県民、さらには国民の
方々にまで、きょうもマスコミの方も来られていますが、ぜひ確実にお願いしたいと思っております。
◎
渡辺 畜産課長 風評被害につきましては、
養豚農家の
皆さん方からもお話を聞かせていただいております。
本部員会議開催のときにも、毎回、
知事から食べても大丈夫ですということは
情報として発信していますし、ホームページにも
知事のメッセージという形で
県民の
皆さんに
お知らせをしております。
さらには、食の安全を言っていただきましたけれども、
滋賀県産の
豚肉は、こんなにいいものがありますよと、食の安全はもちろんですけれども、さらに積極的に
滋賀県産の
豚肉をPRしていくよう、しっかりと発信していきたいと考えております。
◆
冨波義明 委員 お疲れさまでした。
2つお聞きしたいのですけれども、私
たちが気がつかない
課題が
手続上であったら、上げていただきたいのです。なかったらないで結構ですけれども、ここに書いていることは、こうやりましたということですから、
課題が私
たちにはわかりません。
対応されていた方に少しここがまずかったのではないか、できていなかったのではないか、あるいは、今後これはこうしたほうがよいというような
課題が
幾つかあると思うのです。それをまずお聞かせ願いたいと思います。
2つ目ですけれども、
豚コレラウイルスを持っている
野生イノシシは、その
ウイルスを持ったら死んでいくということですよね。それを調べることしかできないわけです。どの
イノシシが
ウイルスを持っているから、それを捕まえるということはできないということです。つまり、死んでいった
イノシシに
ウイルスがいないかどうかを調べることによって、
豚コレラで死んだ
イノシシがいないということは、結局、
自然界には
豚コレラウイルスを持った
イノシシはいないという攻め方で安全を
確認していくわけですよね。その2点についてお尋ねします。
◎
渡辺 畜産課長 今回の
防疫対応に係る
手続上の
課題がなかったかということです。今回は、迅速な
対応ということで、資材の調達、それから人の動員、いろいろなことを短時間の間にやらなければいけないということで、
幾つか
課題はあったのですけれども、
手続としましては、
事前に
関係団体の
皆さんと協定を結んでいたこと、それから、
訓練等で実際に参画もいただいており、実際の
動きも
事前に
平常時から
情報共有をしていたことで、
手続的には24時間連絡がつく
担当者の個人の携帯の番号まで
情報共有していましたので、ここら辺につきましては、迅速に行えたと思います。
ただ、実際、
現場で動くに当たりましては、
混乱の中でやっていたこともありまして、本庁、
現場事務所、あるいは現地で正確な
情報の伝達がうまくいかなかったという
課題もあります。
さらには、
発生農場で
作業従事者が1クール80人で行っていただいたのですけれども、その80人の方に
効率よく
作業していただくための
指揮命令がなかなか機能しなかったかなという、
作業上の
課題はあるかと思いますが、
事務手続につきましては、おかげさまで
混乱なく行っていると感じております。
◎
安田 自然環境保全課長 2点目の
イノシシの
調査ですけれども、基本的にこの
調査は、
野生の
イノシシの間でどれぐらい
豚コレラウイルスが広がっているかをきちんと把握して、もし
感染が
確認されれば、その周辺の
養豚農家にはしっかりと注意をすることで、もちろん基本的にはかかった
イノシシは死にますので、死んでいる
イノシシをきちんと全県的に
調査をして、
感染していないかを
調査をするということが
1つです。
それから、もう
1つ、もちろんその
イノシシが仮に
豚コレラにかかっていた場合も、死なずに生きている
期間が少しはあります。例えば
岐阜県とか
愛知県では、
感染した
イノシシが
養豚場に近づいて豚にうつしてしまうことも、
感染経路の
1つとして疑われています。今回、10キロメートル
圏内で新たに
捕獲した
イノシシも
調査をするのは、仮に
感染した
イノシシがいる場合に、
周囲の
農場や、
周囲の
イノシシも含めて、
感染拡大をしていかないようにきちんととって、調べています。もし、
感染している場合には、どの範囲にいるのかをきちんと把握をするという趣旨でやっているものです。
◆
冨波義明 委員 先ほどの
1つの
課題としては、
被害を受けられた
養豚農家へのその他の
補償の部分、そして今言っていただいた
指揮命令等の
課題があるということですので、今後しっかりと生かしていただきたいと思います。
それから、
豚コレラウイルスにかかった
イノシシが死んでいくまでの
期間はどのぐらいあるのですか。あるいはひょっとしたら抗体を持った
イノシシが今後出てくるかもしれないと、私
たち素人的にはそういうことを心配するわけですが、今回こういうことがありましたので、そういう研究が必要かどうかも含めて
対応をお願いしたいと思います。
◆
田中松太郎 委員 大変素早い
対応をとっていただきましてありがとうございます。まず1点目ですけれども、
愛知県の
農場から
近江八幡市に出荷されるときの
搬送車両は、
愛知県の
農場を出られる時点で十分に
平常時から
消毒であるとか、そういう
対応をとられていたのかという点が1点です。
要は、その
車両自体が拡散させている
可能性も考えられますが、どこかに立ち寄ったのか、あるいは直接来られたのか、どういう
ルートで入ってきたのですか。
次に、31日に導入されてから6日までの
対策本部が立ち上がるまでの間、今度は
近江八幡市の
農場での
平常時の
消毒体制であるとか、そこでのいろいろな
出入りです。
車両も含めて、人の
出入りとかどういう
動きがあったのか、どこまで把握されているのかを少し教えていただきたいと思います。
◎
渡辺 畜産課長 まず、
愛知県の
農場での
車両の
消毒の
状況ですが、基本的に
畜産農家全部そうなのですけれども、
飼養衛生管理基準に基づき、その中で
衛生管理区域を設けてそこに
出入りする人、物、あるいは
車両については、必ず
消毒をすることが決められております。
県内の
養豚農家はもちろんですけれども、この
愛知県の
農場でもきちんとやっておられたという
確認はできていないですが、やっておられたのではないかと考えております。
それから、
車両の
通行ルートについて、
確認はできておりませんけれども、
通常、
農場を出るとき、こちらの
農場へ来たときには
消毒をすることになっておりますので、
通行ルートでどうであったかについては、申しわけないですけれども、お答えはしかねるのですが、出るとき入るときにきちんと
消毒はできている
状況です。
近江八幡市のこの
農場ももちろん
消毒用の装置がきちんとありますので、そこで
消毒をして車や人の
出入りはしっかりしていたという
状況です。
◆
田中松太郎 委員 確かに、理論的にはそういうことですが、そもそも
岐阜県からどうやって
愛知県に
感染したのかが明確にわかっていない中で、例えば仕入れをされている飼料の業者が一緒であったという
共通点がわかっていて、もしかすると
車両に付着して
感染したのではないかという憶測も言われています。そういうことがもし成り立つのであれば、今とっておられる
消毒の
体制が十分でないという
可能性も当然考えられます。十分でない
状況で、
トラックがある
ルートを走って
滋賀県に入ってきて、途中
山間部も当然ありますので、その辺で
ウイルスが拡散していれば
野生の
イノシシに拡散する
可能性も否定はできません。そういう
状況で今どんどん
拡大している現状もあります。ですから、そこにもう少し
疑いの目を持って、何事もなければいいのですけれども、やはり
可能性としてはゼロではないのかなという
疑いもあるのではないでしょうか。我々も
山間部に住んでいますので、恐らくその辺を通過してこられているのではないかと思います。念のために
確認だけはとっていただいて、
野生の
イノシシの
状況がどうなのかにも少し目を向けていただきたいということで、よろしくお願いします。
◎
渡辺 畜産課長 今、国では、今回のこの
感染の
拡大、あるいは
岐阜県での
状況、それから疫学的な
状況ということで、専門的なチームも入った中で検証しているところですので、そこも含めて今言っていただいたことについてもまた改めて
確認をしていきたいと思っております。
◆
海東英和 委員 総延長3,700メートルの柵はつくるのですか。
◎
渡辺 畜産課長 イノシシがこれだけ
岐阜県でも
陽性が
確認されているということで、早急にこの
防護柵は設置をしていかなければいけないと考えております。
◆
海東英和 委員 早急にとは、今回のこのようなことがあった直後ですから、それこそ緊急的にされることに合意が得られると思うのですけれども、どれぐらいの日程で考えておられるのですか。
◎
渡辺 畜産課長 今、
防護柵につきましては、早急にと考えているのですけれども、3,700メートルと非常に距離が長く、こういう
状況の中で
農家への
負担もかなりありますので、県としても一定の
支援をさせていただく必要があると考えております。県も
支援させていただいた中で、できればすぐにでもやっていきたいと考えております。
◆
海東英和 委員 極めて
責任感のあるお考えで、すぐにでもしたいということは大事だと思います。例えば
知事が
本部長として、大英断ですぐにやれという号令が必要なのだろうと思うし、
岐阜県を
中心とした
イノシシの
豚コレラが
拡大している
可能性があるわけです。山に近い
農家から緊急的にどんどんやるとか、早く決めて、先ほどおっしゃっていた補正とか、
予備費など、何でもやれるときにやってしまわないといけないと思います。
あと、
外国では
ワクチンを打って予防していると聞くのですけれども、それにはいろいろな
体制の問題とか弊害もあると聞いたのですが、そういうことについても今後検討される
可能性はあるのですか。
◎
渡辺 畜産課長 まず、
防護柵ですけれども、これは
本部員会議の中でも、
本部長である
知事から早急にやるようにという
指示を受けておりまして、
関係部局と調整の上、県もしっかりと
支援した中で、できるだけ早く進めたいと考えています。
それから、
ワクチンにつきましては、国が検討をしている
状況です。豚に対する
ワクチンではなくて、
野生イノシシに対する
ワクチン接種を検討されておりますが、なかなか今まで国内で
ワクチンを利用した事例がないということで、
外国で使用したときの
状況、費用対効果、そういうものを今、農林水産省で検討している
状況です。
◆
海東英和 委員 知事から既に
指示が出ているのであれば、ぜひ早くやっていただきたいです。段取りはついているのかと思うのですけれども、前に朽木で山が崩れて国道を閉鎖して、緊急で橋をかけないといけないことがあったときに、入札とかもしていられないので、とにかく
現場を進めてくれ、後から金は支払うというようにやったことがあるのです。
緊急性について
部長を
中心になるべく早く防護できるように、引き続き御努力をいただきたいと思います。
◆
高木健三 委員 一旦、
豚コレラにかかればなかなか治らないので、大がかりです。そういう中で、
近江八幡市の
豚コレラが、2月8日で落ち着きました。最近テレビを見ていましたら、
田原市で新たに何カ所か出ているという
報道でしたがどういう
状況ですか。
◎
渡辺 畜産課長 愛知県での
発生状況です。
田原市につきましては、
愛知県での2例目の
発生で、そこは
養豚団地の中でありました。今回、いろいろなものの
動きの中で疫学的に、例えば
堆肥場、
事務所や
家畜所が同じであったりということで、
養豚団地の
農場主の
皆さんがいろいろなところで交差している
可能性があり、今回は
愛知県のその
養豚団地全てを
関連農場と位置づけて、約1万2,000頭の豚全てを
疑似患畜として殺処分をすることを決定されたと聞いております。
◆
高木健三 委員 ある程度それだけ長く続いているということは、やはり
危機管理が甘いということなのですか。
◎
渡辺 畜産課長 今回、この
豚コレラという
病気の
感染力、あるいは
養豚農家が密集している
状況の中で、
愛知県でもきちんとやっていると思っておりますけれども、これだけどんどん広がっている中で、
防疫作業は封じ込めが大事でありますので、
愛知県としては国と協議をしてそういう
判断をされたと思っております。
◆
加藤誠一 委員 今回、埋却は
畜産技術振興センターでした。恐らく受け入れるところはなかなかないと思います。県が
処理をしたので誰も文句は言いませんが、今後もこういう
考え方はあるのですか。
◎
渡辺 畜産課長 埋却地につきましては、今回、
日野町の
畜産技術振興センター、
県有施設に埋却したわけですけれども、この
発生農場で700頭の豚を埋却するには
場所がなかなか難しかったということ。それから、掘削したときは同じ
農場が所有している豚舎がほかにあったのですけれども、そこは掘削すると水が出てくるとか、物理的に難しい
状況が考えられました。この700頭を殺処分して72時間以内に埋却するという
迅速性を考慮しまして、
県有地での埋却が必要であると
判断をさせていただきました。この
県有地につきましては、
近江八幡市から
日野町まで運ぶ
ルートに
養豚農家はないこと、埋却した後
県有施設ですので、毎日きちんと監視ができること、それから、地元の町の理解を得られたことから、
日野町での埋却になりました。
今後、万一こういう
病気がまた
発生した場合には、埋却が非常に大きな
課題になってくると思っております。今、
鳥インフルエンザが
発生した場合に、それぞれどこに埋却するかという埋
却候補地の選定については、1戸1戸の
農家でやらせていただいているところですけれども、今後、
養豚農家、それから
口蹄疫等の
発生も想定して、牛の
飼養農家につきましても1戸1戸、埋
却候補地を
平常時からしっかりと決めていかなければいけないと考えております。
◆
加藤誠一 委員 イノシシについて
確認だけですけれども、3月17日まではとったらだめだと
指定されています。これは県が
指定したのですか。
◎
安田 自然環境保全課長 指定猟法禁止区域は、
都道府県知事が
指定するということで県が
指定をしました。ここでは、銃器とわなによる
捕獲を禁止するということで、
狩猟期間中に狩猟される方にはこの
区域内では
捕獲をしないでくださいという
お知らせをしました。
あとは、
市町の
事業の中で、
農作物被害を防止するための
有害捕獲をされていて、そちらは引き続き
市町の
事業としてやっていただいております。
◆
加藤誠一 委員 市町で
農作物被害のための
捕獲をしているところもあるわけですね。次のページの
資料を見ると、禁止しながら、まだとっているので、
確認しました。
◆
高木健三 委員 埋却されるということは、普通4メートル掘ります。
運搬は
フレコンバッグに入れて運ぶのは便利ですけれども、袋ごと埋めておられます。
フレコンバッグはなかなか土の中で腐らないのです。腐らない中で豚が中にいっぱいいるわけです。そうなると、落とすときに袋からあけて豚を埋却したら早く腐っていいと思うのですけれども、その辺はどうですか。
◎
渡辺 畜産課長 埋却方法につきましては、
委員のおっしゃっていただいたように、3年間掘削をしないでそのまま自然に土に返して
処理をすることが基本的な
考え方ですけれども、今回は
運搬したということで、
運搬中の
汚染物品になりますので、それを広げないという配慮と、
作業の
効率性を考えて
フレコンバッグでの埋却になりました。
◆
高木健三 委員 ある程度時間がたつと溶けてしまうのですか。3年たったらミイラ化するというか、骨だけになるのですか。
◎
渡辺 畜産課長 先にいろいろなところ、
岐阜県でも埋却
作業を9月から進めておりますし、その前に
口蹄疫で宮崎県でも豚の埋却もありました。そこではいろいろな
課題が出てきて、埋却した
場所によっては中のものがどんどんと腐熟して土が陥没してしまったり、上の
覆土が少ないとそこを
野生の
動物が掘り返してしまったりという問題も出てきていると聞いております。今回そういうことがないように4メートル掘削して2メートルの
覆土をして
野生動物が掘り返さないようにきちんとして、周りには
電柵、さらに外に
防護柵をつくって
野生動物が入らないようにします。
県有施設ですので、県の
職員が毎日それを監視するという
体制で地域の
皆さん、あるいは
養豚場が
日野町内にもありますので、
皆さんに迷惑がかからないようにしっかりと3年間監視していく
体制でおります。
○杉本敏隆 副
委員長 今回の場合は、侵入
ルートがはっきりわかっているのですけれども、去年、
岐阜県で
豚コレラが
発生して、ずっと
愛知県のほうに広がっているのですが、これは
野生の
イノシシが媒介の原因になっているということはあるのですか。
◎
安田 自然環境保全課長 まだ国も、
岐阜県、
愛知県の
農場が、
野生の
イノシシが原因だとか豚同士の移動が原因だとか、はっきりとした原因は確定をされていません。
ただ、
野生イノシシが媒介をする
可能性は指摘をされていまして、現に
岐阜県や
愛知県では、多くの
野生イノシシが
豚コレラに
感染していることは
確認されておりますので、それも
感染源の
1つになるということで、
岐阜県、
愛知県などでは積極的に
イノシシの
捕獲等もして、数も減らしながら
感染しているか、していないか、どれぐらいの範囲まで
感染しているかを
確認されている
状況です。
○杉本敏隆 副
委員長 近江八幡市に入ったのは1週間後にわかって、すぐに処分されているので、
イノシシによる媒介は多分ないと思うのですけれども、この
調査区域が
近江八幡市から半径10キロメートル以内になっているので、そういうことを考えると、むしろ
岐阜県との県境の米原市で
捕獲された
イノシシの
調査をする必要があるのではないかと思うのですが、そこら辺はいかがですか。
◎
安田 自然環境保全課長 岐阜県での
野生イノシシの
感染状況ですけれども、毎日、
岐阜県が
報道発表されています。今のところ
岐阜県内では、昨日時点で759頭中145頭の
イノシシが
陽性です。一番
滋賀県寄りのところでは、
岐阜市、山県市で
陽性の
イノシシが発見されています。直線距離では
滋賀県境まで大体30キロ離れたところでは
感染が
確認されていないということです。この
感染の広がり方を我々も毎日チェックをしておりまして、
滋賀県寄りに近づいてきたときにはきちんと調べていく必要があると思っています。
◆
田中松太郎 委員 先ほど殺処分された後、
フレコンバッグで
被害拡大を防ぐために
運搬されたと言われたのですが、結局、搬入のときは、先ほど
消毒して出荷していると言われていましたけれども、
感染した生きた豚を運んでいることは想定されていない中でのマニュアルで、密閉された
トラックではありません。それは
感染していない豚を
運搬するための
消毒のマニュアルで、出荷時も、入荷時もそうですけれども、その間、密閉されていない
トラックが
感染した60頭を積んで走っていたということは、問題ではないかと思うのです。どの
ルートを通っていたのか、どこかに車をとめた間に何かと接触しているかもわかりませんし、そこはしっかりと把握してください。そこから
感染している
可能性はやはり否定できないので、密閉されていたら問題ないのですけれども、これは少し問題だとずっと思っていて、そこをぜひしっかりと調べていただくようにお願いします。
◎
渡辺 畜産課長 60頭の
子豚の運行
ルート等をまた
確認させていただきます。
◆
冨波義明 委員 要望だけでいいです。先ほども言いましたように、今、
イノシシが悪者にされていますけれども、例えば
豚コレラがこれだけ広まって心配だと言うのだったら、小さいウリボウなんかは親と一緒に動いている場合があります。そうすると、先に
イノシシ同士でうつる
可能性のほうが私は強いように思うのです。そうすると、
野生の
イノシシが主犯だったら、
野生の
イノシシが多く死んでいくように思うのですけれども、先ほども言いましたように、そういう因果関係も含めてぜひ
調査を進めてください。
◎
安田 自然環境保全課長 イノシシは、基本的に親は単体で、そんなに大多数で移動することはありません。子供がいるうちは親子で移動することはあります。
野生イノシシの
通常の行動圏は、大体二、三キロメートル動くかどうかですので、余り何十キロメートルも大移動するようなことはありません。
資料でも説明しましたとおり、死亡した
イノシシが発見されたときには、
感染しているか、していないかをきちんとまず
確認していきたいと思います。
◆
海東英和 委員 先ほど
滋賀から30キロメートル離れたところなので、近づいてきたら手を打つという話でした。近づいてきたらどういう手を打つのか、はっきりしているのですか。
◎
安田 自然環境保全課長 基本的には、死亡した
イノシシについては、全県的に
調査をしておりますけれども、
捕獲をされた
イノシシについても、例えばサンプル的に
調査をするとか
ウイルスが
滋賀県に入ってきているか、いないかをまず
確認をすることだと思っています。
◆
海東英和 委員 そこを予見して、こうなったらこうするということをはっきりしておかないと、サンプル的にやって出た時点でアウトなわけです。どれだけ広がっているかわからないという
状況に直面するわけです。できるだけ協力者を得て、
岐阜県からも、特に
滋賀県境のサンプルについては、リアルタイムにいただくような特別な
対応に入っておくべきではないかと思います。まだ離れているし、
通常二、三キロメートルの移動ですが、この30キロメートル離れたところで
確認されたのはいつなのですか。
◎
安田 自然環境保全課長 岐阜県内で
野生の
イノシシから1例目が出たのは昨年の9月14日です。1件目の位置の
資料を今持っておりませんけれども、
岐阜県内では、一番
滋賀県に近い所では、
岐阜市や山県市、件数として
岐阜県内で多いのは各務原市、関市とか、もう少し
愛知県寄りというか、中央よりです。
◆
海東英和 委員 それが既に発見された個体であって、どこまで広がっているかはわからないので、
滋賀県側にまだ来ていないだろうという楽観的なバイアスがかかっているのは、こういう緊急事態の場合は、比較的戒めないといけないことです。だから、もし
滋賀県に迫ってきた場合は、こういう手を打つということをはっきりと相談しておいていただきたいと思いますし、先ほどおっしゃったように
フレコンバッグに入れて埋めると、いわゆる土の微生物に触れないので、簡単に腐敗や、分解をしません。これから生分解性の
フレコンバッグなどを研究すると新たな産業になるので、ぜひいろいろ御検討いただけたらと思います。
○竹村健
委員長 私からも少しコメントしたいと思います。まずもちまして今回たくさんの
職員の方、
市町の
職員の方もかかわっていただきまして、民間業者の協力もいただいて、スムーズな処置をしていただいたことに対しまして、御礼を申し上げたいと思います。御苦労さまでした。
ただ、まだ予断を許さない
状況だと思いますので、引き続きの監視、また拡散がこれ以上ないように、どうかよろしくお願いしたいと思います。
閉会宣告 15時03分
県政記者傍聴:中日、BBC、読売、時事通信、京都
一般傍聴 :3人...