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平成30年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月10日-04号

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  1. 滋賀県議会 2018-12-10
    平成30年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月10日-04号


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    平成30年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月10日-04号平成30年11月定例会議(第16号〜第22号)  平成30年11月定例会議会議録(第19号)                                       平成30年12月10日(月曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第4号                                         平成30年12月10日(月)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第149号から議第186号まで(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)ほか37件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(42名)    1番   桑  野     仁       2番   周  防  清  二    3番   村  島  茂  男       4番   加  藤  誠  一    5番   竹  村     健       6番   海  東  英  和    7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       11番   藤  井  三 恵 子
       12番   杉  本  敏  隆       13番   節  木  三 千 代    14番   駒  井  千  代       15番   山  本     正    16番   大  橋  通  伸       17番   冨  波  義  明    18番   井  阪  尚  司       19番   木  沢  成  人    20番   中  村  才 次 郎       21番   佐  藤  健  司    22番   目  片  信  悟       23番   有  村  國  俊    24番   大  野  和 三 郎       25番   岩  佐  弘  明    26番   山  本  進  一       27番   富  田  博  明    28番   細  江  正  人       30番   生  田  邦  夫    31番   川  島  隆  二       32番   奥  村  芳  正    33番   野  田  藤  雄       34番   西  村  久  子    35番   佐  野  高  典       36番   家  森  茂  樹    37番   吉  田  清  一       38番   粉  川  清  美    39番   成  田  政  隆       40番   九  里     学    41番   清  水  鉄  次       43番   柴  田  智 恵 美    44番   今  江  政  彦       45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(1名)    29番   高  木  健  三            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長代理    大  井     豊               人事委員会委員長代理      桂        賢               公安委員会委員長        堀  井  と よ み               代表監査委員代理        平  岡  彰  信               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             由  布  和 嘉 子               総合政策部長          福  永  忠  克               総務部長            藤  本  武  司               県民生活部長          浅  見  孝  円               琵琶湖環境部長         廣  脇  正  機               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        江  島  宏  治               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          川  浦  雅  彦               会計管理者           青  木  幸  一               企業庁長            桂  田  俊  夫               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            廣  瀬  年  昭               議事課長            山  本  昌  男               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(川島隆二) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(川島隆二) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  選挙管理委員会世古正委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として大井豊委員が、また、人事委員会西原節子委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として桂賢委員が、また、北川正雄代表監査委員が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として平岡彰信監査委員が、それぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(川島隆二) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第149号から議第186号まで(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)ほか37件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(川島隆二) 日程第1、議第149号から議第186号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、6番海東英和議員の発言を許します。 ◆6番(海東英和議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  それでは、通告に従いまして、一般質問させていただきます。  けさも一段と冷え込みがきつく、先般、答弁協議で、実家のお父さんのことを思いましたと言ってくださる方があって、やっぱりみんな心配してはるのやなという思いを持ちました。  それでは、第1問、ヒートショック対策の推進についてを御質問申し上げます。  寒くなると、ヒートショックと思われる死亡事故や、脳梗塞や心筋梗塞がふえると言われています。「みんなの介護ニュース」では、年間で1万人以上のヒートショックによる死亡者数があるとの報告もあり、一般的な考え方ですと、100分の1県の滋賀県では100人ぐらいの方がやっぱり死亡者数があるのではないかと思われるところですが、高齢者の室内の死亡者数の4分の1を占めるとも言われています。  先日も消費者庁から、11月26日のいい風呂の日に合わせて、入浴中の事故を予防するために注意喚起がされています。そもそも、ヒートショックとはどのようなことをいうんでしょうか。健康医療福祉部長にお尋ねします。  (資料掲示)あと、お手元に、死因といいますか、死亡原因とか溺死者数の推移、それから、ざっくりとですけれど、現在の交通事故死者数と浴槽内での溺死者数など、お手元に資料を置いておりますので、御参照いただきたいと存じます。 ○議長(川島隆二) 6番海東英和議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  ヒートショックとは、温度の急激な変化によりまして血圧が上がったり下がったり大きく変動することで、心筋梗塞や脳卒中といった血管の病気などを引き起こす健康被害のことと言われております。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)引き続き健康医療福祉部長にお尋ねします。  全国的に、ヒートショックの手がかりに溺死者数を見る方法がとられていることが多いようです。お手元にありますように、東京都の溺死者数の月別分布がよく引用されますので御紹介しますと、12月から2月の寒い時期に溺死者が顕著に多くなる傾向が確認でき、気温や室温との因果関係が認められるようです。(資料掲示)滋賀県はヒートショックによる浴室事故が多いと聞きますが、どういう状況でしょうか。この東京都の推移、参考にしてください。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  本県でのヒートショックによる浴室事故という統計はございませんが、参考といたしまして、議員配付の資料にもございますが、人口動態統計の死因別の浴槽内での溺死および溺水数は、平成29年は36人、そして過去10年間で最も多い年が平成26年の91人となっておりますが、人口10万人当たりの数では全国とほぼ同水準となっているものと承知しております。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)ここで、警察本部からいただいた検視件数を取り上げたいと思います。平成28年は1,417件、平成29年は1,638件も御出動いただいていることを知り、お働きに感謝いたします。  (資料掲示)そこで、東京都の溺死者数のグラフと同じ傾向が確認できると思います。つまり、気温や室温との関係を認めることができると思います。そして、検視数の約17%が浴槽内であると伺いました。お風呂場の浴槽の中で水を飲んでいる御遺体は溺死、水を飲んでいない御遺体と洗い場で亡くなっている御遺体は、浴室内でありますが入浴時の事故死であり、死因と思われる脳卒中、脳血管疾患や心臓病、心疾患などの病名で分類され、溺死にはカウントされないとのことです。  直近の平成29年は、浴槽内溺死が60件、浴槽内での死亡件数約100件、そして洗い場での死亡が約10件で、170件と伺いました。年と年度がちょっとずれるので、数字が少しずれます。平成28年は約160件であり、これにトイレや脱衣場での死亡を加えると、かなりの数に上ります。これらはヒートショックが関係する場合が少なくないと思われますが、そう考えてよいでしょうか。健康医療福祉部長に御答弁をお願いします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  お尋ねの浴室に関する件数は死亡場所の数でございますので、ヒートショックによる死亡数というのは明らかではございませんが、入浴中の事故は温度差が大きくなる冬季に多いという統計もございますことから、ヒートショックが関係している場合があるというふうに考えております。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)そうして考えますと、全国統計と同じように、滋賀県もヒートショックによる死者数は交通事故死者数よりも多い可能性があります。県民の生命を守る責務を考えると、交通事故を減らす体制や熱心さに劣らないヒートショック予防に対する体制と取り組みが必要と思われます。  また、ヒートショック事故で一命を取りとめても後遺症が残り、後遺症のグラフも御参照ください、御本人の御苦労とともに、医療や介護のお世話になることが多いことは周知の事実です。  ヒートショック予防は、県民の幸せな暮らしに貢献するだけでなく、医療費や介護費用の削減、警察の検視や救急の出動の負担の軽減など、財政的にも人的負担の面からも好ましい効果が期待されます。健康長寿をさらに増進したい滋賀県にとって、財政面でも一押しの政策になるのではないでしょうか。ヒートショック対策を重要な政策テーマとすることへの知事の御見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  ヒートショック対策を行うことにより、心疾患や脳血管疾患の発症を減らすことが期待できるほか、特に脳血管疾患につきましては、御指摘いただいたように、救命できても後遺症が残ることがあることなどから、ヒートショックの予防は大切であると考えております。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)引き続き知事にお尋ねします。  ヒートショック事故を減らす政策は、ソフト面の予防知識の普及啓発と、ハード面の住宅の断熱力を高めヒートショックが起こりにくい住環境を整えていく政策が必要と思いますが、知事はこの冬を迎えるに際し、まず、どのような啓発が必要とお考えですか。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来御議論をいただいているようなことを、しっかりと皆様方に広く知っていただくことが重要だと思います。  ヒートショック事故を減らすために、県民の皆様に、特にヒートショックを起こしやすい高齢者の皆様に、ヒートショックに関しての知識を身につけていただき、可能な範囲で予防対策をとっていただけるような啓発に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)ぜひ、まず啓発の部門でも知事に先頭に立っていただきたいとお願いを申し上げます。  ヒートショック予防の知識をより多くの県民にお知らせし、特に冬場の正しい生活知識を持っていただくように働きかけることができると思いますが、現状ではまだ滋賀プラスワンにも取り上げられておらず、ホームページに掲載されているにとどまり、高齢者の目に届く啓発は市町任せになっているように思われます。県として、どのような啓発が効果的で、できると思われますか。健康医療福祉部長にお尋ねします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  県民の皆様への啓発につきましては、多様な方法で周知を行うことが効果的であると考えておりまして、県のホームページをさらに充実することや、しらしがメールの配信を実施しておりますほか、滋賀プラスワンにも掲載の準備を行っているところでございます。  さらには、高齢者等の要配慮者の方に対しましては、家庭訪問する機会が多くございます訪問看護ステーション介護保険事業所を通じまして、チラシを作成し配付して啓発を行いますほか、民生委員の皆様に対しましても、ヒートショックについて地域の皆様にお知らせができるよう、チラシを配付したいと考えております。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)ぜひ、あらゆる手段を使って、例えば老人クラブ連合会の皆さんにも大いに啓発にも御協力いただくと効果があると思いますし、やっぱりホームページやしらしがメールではお年寄りに行かないこともありますので、御配慮をお願いしたいと思います。  さて、チラシの作成も今言ってくださいましたが、それはいつ実行されますか。健康医療福祉部長にお尋ねします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  チラシにつきましては今月中にお配りすることといたしておりますし、滋賀プラスワンにつきましては、1・2月号にヒートショックの記事を掲載いたしたいと考えております。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)大変レスポンスのよい対応に感謝いたします。  続きまして、学校の冷房問題で、教室の適温がことしの4月に17度から28度に改正されたことは本議場でも取り上げられました。個人住宅の室温についても、健康と密接に関係すると言われています。健康寿命を伸ばす一つの重要な要素であると思いますが、健康と室温の関係について、健康医療福祉の面からどのように考えておられますか。健康医療福祉部長にお尋ねします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。
     国土交通省の支援を受けて平成26年度から行われております住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する調査の中間報告が出ておりまして、その中間報告では、1つには、室温の低い家に住む人ほど起床時の血圧が高くなる確率が高いこと、また、動脈硬化指数と心電図異常所見が有意に多いこと、さらには、起床時の室温の低下による血圧上昇の影響は高齢者ほど大きいことなどの知見が得られつつあるとされておりまして、健康と室温の関係は一定認められるのではないかと考えております。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)ありがとうございます。  近年、住宅改造の助成が空き家対策が主力になったと伺っています。滋賀県の住宅関係の新築、リフォームの助成、減税制度等には、ヒートショックや断熱、温度差改善などに資するものはどのようなものがあるでしょうか。土木交通部長にお尋ねします。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) (登壇)お答えします。  本県においては、ヒートショック対策としての助成制度はございませんが、子育て世帯が空き家バンクを通じて空き家を取得し改修した場合に補助を行う制度において、断熱、温度差改善に資する改修工事も一部対象となっております。  なお、国においては、高断熱住宅の新築や断熱リフォームに対する補助、所得税の減税等の費用面の支援策が講じられているところでございます。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)まず、住宅断熱政策の必要性について、滋賀県の住環境を明らかにしたいと思います。  朝の部屋の温度という統計資料で全国統計があるんですが、寒いほうから1番は長野県で8.8度、2位から4位が、不思議なんですが、九州の大分、宮崎、佐賀の県で、滋賀県は実は5番目であります。寒い朝の部屋の温度9.9度という起床時室温であります。北海道や青森は住宅の暖房が完備されていると考えられ、ヒートショック事故も少ないようです。  暖房のとり方の統計も、滋賀県は、布団の中であったか対策をするという、布団の中あったか対策の統計を見ますと、その分野で、湯たんぽとあんかの比率が全国で2位、電気毛布は9位と、布団の中を温める生活の傾向が明らかで、室内温度差が高い住生活の傾向を見ることができます。  朝は血圧も高くなることをあわせて考えると、お風呂以外でもヒートショックの起こりやすい県であり、特に対策が必要と思うが、どうでしょうか。健康医療福祉部長の御見解を求めます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  詳細な統計がございませんため、当県がヒートショックが起こりやすい県であるかどうかということはわかりませんが、一般的にヒートショックの原因は寒暖差であることから、入浴の場合に限らず、起床時など日常生活で危険性が高い場合があると考えられますので、対策を進めていくことは必要であると考えております。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)2016年から2025年滋賀県住生活基本計画では、バリアフリー化や住宅の長寿化に並んで住宅の省エネルギー化の推進という施策目標があり、住宅の省エネ、節電(スマート・エコハウス)の普及促進や既存住宅の省エネリフォームの促進が上げられ、県民の意識啓発に、住宅の省エネルギー性能等のラベリング等による見える化に取り組むとあります。具体的にはどういう取り組みでしょうか。土木交通部長にお尋ねします。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) お答えします。  住宅の省エネルギー性能等のラベリングの仕組みについては、消費者がすぐれた住宅を選択しやすいように、また、販売事業者等により性能の高い住宅の開発、販売が促進されるよう、住宅の性能を第三者機関等が評価し、住宅等に表示するものでございます。代表的なものに、建築物省エネルギー性能表示制度──BELSや省エネ基準適合認定マーク制度などがあります。県は、これら見える化の仕組みを周知し、エネルギー性能の高い住宅の普及を促進するものであります。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)それらの普及進捗状況について、土木交通部長にお尋ねします。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) お答えします。  ラベリングによる見える化の取り組みの進捗状況ですが、先ほど御紹介いたしましたBELSを例に挙げますと、現時点で、平成28年4月からですが、既に1,100件余りの活用事例がございます。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)ありがとうございます。新築等に関してはかなり進んでいるのかなということを思いました。  資料にも今度は御提示しておりますように、滋賀県住生活基本計画で、住民の住宅の各要素に対する不満率、平成25年時点の資料をまとめたものでありますが、高齢者への配慮、冷暖房への省エネルギー対応、住宅の断熱性や気密性への不満が大きいことが示されています。これらの声に応える政策の取り組み状況はどうでしょうか。土木交通部長にお尋ねします。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) お答えします。  住宅の断熱性や気密性、冷暖房などの省エネルギー対応、高齢者などへの配慮といった住宅の不満率の高い項目への取り組みとしては、現在、県民、事業者を対象とするさまざまなセミナーや研修会を通じて、住宅の高断熱化、高気密化に関する情報提供を行うとともに、住まいづくりや既存住宅のリフォーム、省エネ、断熱化等に関して、電話、面談等による相談業務を実施しているところでございます。  実績としましては、平成29年は65件ありまして、うち、電話相談が57件、面談が8件となっております。  また、湖国すまい・まちづくり推進協議会において、大工、工務店、設計者等を主な対象として住宅省エネルギー施工技術者講習会を開催し、住宅の省エネルギー化、断熱化の推進に係る技術の普及等を図っているところでございます。  県民の皆さんの不満に応えるためにも、これらの取り組みを継続するとともに、設計、施工にかかわる事業者に対して、これらの消費者側の思いが伝わるよう、より一層周知を図ってまいりたいと考えております。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)滋賀県低炭素社会づくり推進計画では、家庭からのCO2排出を抑制し、化石燃料の消費を削減するために、住宅の断熱性を高める有効性をうたっています。省エネ住宅等の取り組みをわざわざ項を起こして、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの普及促進を明記しています。エネルギー政策の観点から、このヒートショック対策に対する取り組み状況はどうでしょうか。県民生活部長にお尋ねします。 ◎県民生活部長(浅見孝円) (登壇)お答えをいたします。  省エネや再エネによります年間のエネルギー収支をゼロにすることを目指した住宅、いわゆるネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの普及を見据えまして、本県ではこれまで、スマート・エコハウス普及促進事業といたしまして、個人用既築住宅向けに太陽光発電や高効率給湯器、蓄電池等の設置に対して助成をしておりまして、昨年度は1,014件の支援を行ったところでございます。  また、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの新築に関しましては、国の補助金の活用を御案内をしておりまして、昨年度においては、県内での戸建て新築住宅のうち、3.7%に当たります158件の住宅に対して支援がなされたものと承知してございます。  このほか、持続可能な新しいエネルギー社会に向けた県内の取り組み事例を動画で製作、配信をいたします「しがエネルギームーブメント!」におきましても高気密、高断熱な住宅の先進事例を取り上げておりまして、この動画の上映会やセミナー等で、住宅の断熱性能の向上が省エネルギーはもとより、ヒートショック予防など住む人の健康面での安全、安心にもつながることをお知らせしているところでございます。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)さらに、しがエネルギービジョンと滋賀県低炭素社会づくり推進計画では、全くおんなじ文章の表記で、「省エネルギーのみならず、ヒートショック予防など居住者の健康維持につながるスマートウエルネス住宅(健康・省エネ住宅)に関して、断熱性能の向上など省エネリフォームの前後での居住者の健康状態の変化に関する調査検証や普及啓発等に係る民間レベルの取組を情報収集し、その普及を図ります」とあります。このことへの取り組み状況はどうでしょうか。土木交通部長にお尋ねします。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) お答えします。  議員御指摘のスマートウエルネス住宅の調査に関しましては、現在、平成30年までの5年間で、国内の民間法人が国の支援を受けて、住宅の断熱化や居住者の血圧などの健康に与える影響について実証研究に取り組まれているところであり、本県としましても、逐次、経過情報の収集を行っておるところでございます。  ことし1月の中間報告によりますと、平成28年度までの調査を受けて、室温の低い家に住む人ほど起床時の血圧が高血圧となる確率が高く、動脈硬化指数と心電図異常所見が有意に多い、断熱改修後に起床時の血圧が有意に低下などの知見が得られつつあると書いております。  今後、研究成果がまとめられ、エビデンスが確立された際には、県内の事業者、消費者への周知、普及を検討してまいりたいと考えております。  また、普及啓発に係る取り組みにつきましても、情報収集の上、先ほど県民生活部長から答弁のあった「しがエネルギームーブメント!」にて、現在、健康・省エネ住宅の普及に資する動画を配信しているところでございます。  今後も、有用かつ信頼性が担保された情報につきましては、さまざまな媒体を織りまぜて普及を図ってまいりたいと考えております。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)今の、エビデンスが確認された際にはとかいうことでは、消費者庁などははっきりと室温のこと、血圧のこと、ヒートショックのことを打ち出して、ヒートショック減らしましょうと言うてるわけですし、一番住宅政策にかかわる、そしてまたエネルギー政策にかかわる部署がもうちょっと積極的に、自分の親が心配やという感覚で、もっと前のめりで情報収集をし、また政策に反映させてほしいとお願い申し上げます。  湖国すまい・まちづくり推進協議会では、毎年度、事業者向けと消費者向けにセミナーを開催されており、平成28年の住宅リフォームセミナーでは、おうちの気密化と断熱化がテーマの一つになったことがあるそうですが、今おっしゃったように、ヒートショックとの因果関係についてエビデンスが明確になってから取り組もうとの整理となり、現在は空き家対策等の政策分野に軸足が移って、ヒートショックへの取り組みで顕著なものはないということを聞きました。  県民の生命を守り、健康寿命を伸ばし、医療費、介護費を抑制し、中東などへの石油代として払う分を地元の中小企業の仕事づくりに振りかえる効果がある、そういう政策に編集することが期待されます。  県の住宅政策として、どのようなミッションを与えようとお考えになっておられますか。知事にお尋ねします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  ヒートショック予防の取り組みにつきましては、現在、県の住宅政策において明確に位置づけられていないという、そういう状況がございます。  国におきましても、先ほど来お取り上げいただき答弁もさせていただいておりますように、住宅の断熱化というものが居住者の健康に与える影響を検証する調査への支援を行っている段階にございます。  県では、この調査結果も注視しつつ、今後、住宅関連事業者への周知、働きかけや消費者への普及、助成等、どのような政策が必要か、また有効か、また合理的か、研究をしてまいりたいと存じます。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)まさか研究をしていくという答弁になるとは思っていませんでした。滋賀県の計画では、用語としても県産材や地場産、自然素材等を使う滋賀らしい環境こだわり住宅、スマート・エコハウス、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、スマートウエルネス住宅などの多彩な言葉が用いられているものの、それぞれ具体的には余り進んでいないようです。  ヒートショックによる事故を減らすためにも、滋賀らしい環境こだわり、健康増進住宅政策を進めることが期待されます。全ての県民にわかる言葉に交通整理することが肝要であると思います。  目標に掲げるのは何という名の住宅なり政策であるのか。知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 御指摘のとおり、同様の趣旨といいますか、住宅のその質をあらわす言葉がエコハウスですとかスマートウエルネス住宅ですとか、それぞれの目的や経過を持ちながら多々あることも事実でございまして、政策として形づくり打ち出していくためには、その名称は県民にわかりやすい言葉で表現することが重要だと考えます。  どういった名前でそういった取り組みを進めていくのかということにつきましては、先ほど、研究するということを申し上げましたが、この中で、この過程で、しっかりと考えてまいりたいと存じます。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)考えてまいりたいという結論で御答弁いただくとは思ってませんでした。  滋賀県から健康寿命の日本一を取り戻すという意識が上乗せされているかはわかりませんが、ある先進県では、個人住宅への助成制度とあわせ、県民に住宅の高断熱リフォームをする際、石油や電気代のランニングコストの減少で断熱リフォーム工事が何年でペイでき、お得であるかの判断材料をちゃんと資料として提供でき、保証できる事業者の養成を図り、成果を上げています。  滋賀県独自の高断熱住宅を普及する新築、リフォーム制度なりを具体的な三方よし以上の政策を編集していただくように、政策を期待せずにはおれません。改めて、ヒートショックによる事故死を減らし、健康寿命を延伸し、豊かで健康な滋賀ライフを送るために、どのような政策に統合し、どのような切り口から政策を推進していくお考えでしょうか。そのKPIをどのように設定するおつもりですか。知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) ヒートショックに関するリスク等については、庁内で情報共有した上で、県民の皆様方ともそういった情報等を共有しながら、多面的に対策を講じていく必要があると考えております。  現段階でどう政策を統合し、どのような切り口で推進していくのか、また、その政策のKPIをどうするのかということにつきましては、現在、具体的なものを持ち合わせておりません。先ほど来、答えておりますように、それぞれの関係者と連携して取り組みを進めていく中で考えていきたいというふうに思います。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)考えていくということですが、考えていくことのプロジェクトリーダーというか、まとめ役は誰にそれを任そうと考えておられますか。知事にお尋ねします。 ◎知事(三日月大造) それもあわせて考えます。健康もあれば住宅政策もございますし、さまざまな観点から捉える必要があると思いますので、どの部署、誰をリーダーにするのかということについても、あわせて考えなければならないと存じます。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)締めくくりに、いつまでにそれをしてくださいますかというか、いつするんですかという質問を用意してたんですが、それも考えるということなんで、今でしょうと言いたかったんですけど、古いので。  ちょっと、ほんなら要望をします。  まず、平成30年度淡海環境保全財団のスマート・エコハウスの普及促進事業補助金におきましては、いわゆる、スマート・エコ製品、省エネ製品の導入で補助金の対象のところに、断熱の壁とか家の断熱性能を高めるという項目がありません。ですから、省エネ製品を購入とセットになっている要件の窓断熱の内装窓とか外装窓の交換とかいう補助金が使えません。  ですから、まず、淡海環境保全財団に任しているスマート・エコハウスの補助金を家の断熱に使えるように早急に御検討いただいて、来年度はぜひ断熱に、リフォームに、お年寄りが使えるように、ちょっと御研究いただきたいと思います。  それから、知事は山の知事になるとおっしゃっているんで、県産木材の助成利用が低調って、この間、大きく新聞に載ってましたが、この県産利用、県産材、いわゆる、例えば木のサッシはアルミサッシよりも1,000倍近く断熱効果があるということがエビデンスで出ています。滋賀県にも木製サッシをつくっている業者があるというふうに教えていただきました。  例えば、この淡海の家推進事業などで木製サッシを大いに普及して、断熱窓を滋賀県内にふやせば、この幾つかの政策が効果的に動き出すんじゃないかと思います。こういう御検討はぜひ年度内にしていただいて、来年度のスタートに間に合わせていただきたいというふうに思いますし、いわゆる新しい森を生かすという意味で、県産材を生かす分野でも、このヒートショック対策というのは大変有効で役に立つ政策として柱になると思うんですが、このことについて、知事はどういう御感想をお持ちですか、お尋ねします。 ◎知事(三日月大造) まず、大きなテーマで、県産材を使いながらさまざまな木材需要に応えていく、そのための流通や、そのための加工を促進していく、このことは大変重要であると思います。  また、同時に、このヒートショック対策に絡めて、さまざまな住宅政策の観点からどういう取り組みをしていけばいいのかということについては、今、国でもいろんな検証作業をされておりますが、県としても、とり得る施策を考えてまいりたいと思います。  省エネでありますとか健康、さまざまな政策目的を実現もしくは推進していくために、個人の住宅に、それは新築であれ改修、リフォームであれ、どのような公的な補助を入れていくのかということにつきましては、その財源がどう工面できるのか、また、その効果がどう発現していくのか、また、公私の区別をどう整理するのかといったことから一定の整理も必要ではないかと思いますので、そういった点も含め、このヒートショック対策に絡めて住宅政策をどのように構築していくのかということについては、よく検討していきたいと存じます。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)これは要望の要望ですが、答弁を書く方の熱意が足りないんじゃないか。県民の命を政策で救える分野なんですよ。まず、知事がいわゆる啓発の先頭に立っていただくというのはお金も要らんし、至るところでこのことを取り上げていただくことで、何人か命を救われる方が出るかもしれない。大いに知事初め副知事、皆さんの力によってこのことを知らしめていただきたいし、そして、個人の住宅に公私の財源の、これは3メートル沈むおうちを200万補助してあげるとかね、いわゆる政策的にしっかり効果があるとしたらできるということは県が示しておられるし、今まででも個人住宅に柱100本あげるとかしているわけですから、要はやる気になったら幾らでも整理のつくことですので、これはやっぱり積極的にやってほしいし。  財政の方にも申し上げたいのは、このことをすると医療費や介護費が下がる可能性がある。そして、その費用は何も県が財政出動しなくても、個人の方のリフォームが、リフォームしたほうがランニングは安くなるよという算定を県の機関か何かがちゃんと出せるようにしたら、どっかの先進県のように、民間でも進んでいくんですよ。だから、本当にもっと親身になって、自分のお父さんやお母さんがヒートショックで倒れないように、ぜひとも積極的に考えていただきたいということをお伝えして、次の質問に移ります。  次は分割でお願いします。  滋賀県基本構想の人口減少二極化対策についてお尋ねします。  まず1つ目、滋賀県基本構想の策定状況説明書を拝見し、4ページの7行目、二極化という言葉が表現がとても重要な言葉と思いました。人口減少は全国にややおくれて進むとして、楽観的なトーンの中、その進みぐあいは二極化するとしておられます。この表現の背景となったデータはどのようなものでしょうか。  2つ目、二極化していく滋賀県を「4 みんなで目指す2030年の姿」で描いておられますが、夢のような未来像と、人口減少の著しいもう一極の未来像は考えないようにされているのではないでしょうか。  3つ目、後段にデータを重視した政策立案の考え方が示されています。極めて賢明でリアルな事実認識のもとで、予測可能な未来はしっかりと見据える真剣味が必要ではないでしょうか。  4つ目、その政策の方向性は、誰もが暮らしやすいコンパクトなまちづくりしか見えてこず、人口減少地域には政策が見えてきません。地域の自治や福祉、環境や農林水産業を守る地域の営みには、コンパクト化だけではそぐわないと思います。この矛盾のままでは絵に描いた餅になるのでないでしょうか。  5つ目、むしろIoTやAIなど新しい技術でコンパクトにできない暮らしを積極的に補完をする政策を研究、実施する強い意思が必要なのではないでしょうか。  6つ目、リアルな現実をしっかりと見据えて、立ち向かう姿勢を見せていただきたいと思います。この段階で実施計画に委ねるのは無責任と思いますが、知事は、どのように基本構想を最終的に取りまとめようとされているのかを伺います。  7つ目、お隣の京都府も中心部と周辺部の格差が課題となっていますが、海の京都、山の京都、お茶の京都など、全府域に政策を及ぼそうとする意図が明確に示され、先般の近畿の府県議会議員研修会では、京都府議会議員の方が誇らしげにこの政策の成果を語っておられました。  滋賀県は県民の1人当たりの所得や人口の増加の推移、大学の多さなど、よい面に安心し、その陰でひたひたと進むもう一極の体力低下に政策的意欲が示されていないのではないでしょうか。  高校の全県一区の影響も、いま一度、目を向ける必要があると存じます。均衡ある県土の発展という県政方針は聞けなくなり、選択と集中が部門ごとに実行され、それぞれの地域が役割を果たし合う県内のバランスが失われてきていると思います。このことについて、最初のころに七つ星と地域の個性が活かされる政策を掲げておられた知事の、県下それぞれの地域の発展を支援する具体的政策について、どのようにお考えかをお尋ねいたします。 ◎知事(三日月大造) この項目では5点の御質問をいただきました。  まず1点目、二極化のデータについてでございますが、データの出典は国立社会保障・人口問題研究所の日本の地域別将来推計人口、これは2018年推計でございますが、こちらでございます。  これによりますと、2015年から2030年の間に、県全体では2.9%の人口減少が見込まれます中、草津市、守山市、栗東市、愛荘町の4市町では人口増加が見込まれるということでございます。一方で、長浜市、高島市、米原市、日野町、竜王町、甲良町、多賀町の7市町では、1割以上の大幅な人口減少が見込まれるということでございます。  このように、地域ごとに異なる人口動向の状況を二極化と表現させていただいているものでございます。  2点目、人口減少の著しい地域の未来像についてでございますが、2030年の滋賀の目指す姿を考えるに当たりましては、その前提として、これから滋賀が直面するリスクをしっかりと認識することが重要であると考えます。  新たな基本構想の策定におきましては、地域コミュニティーの弱体化やさまざまな分野の人材不足、生活や交通の利便性の低下など、人口減少や高齢化によるリスクにつきまして2030年の展望の中で整理いたしまして、さまざまな団体や市町の皆様の御意見なども伺いながら、人口減少地域も含めた目指すべき2030年の姿を描こうとしているところでございます。  3点目、人口減少地域における政策についてでございますが、全ての居住者を市街地に集約して、周辺部や農村部を切り捨てるということでは決してなく、コンパクトなまちづくりとあわせて、地域の生活に欠かすことのできない地域公共交通を再構築するなど、それぞれの地域をネットワークでつなぐことで、地域の生活を維持することが大切であると考えております。  こうしたことから、新たな基本構想では、コンパクトなまちづくりとあわせて、地域を支える新たな交通の仕組みづくりなどのネットワークの構築を目指そうとしているところでございます。  4点目、リアルな現実をどう捉えるのかということでございますが、人口減少地域が抱える課題はさまざまでありますことから、新たな基本構想の中には、そのための政策の大きな方向性について書かせていただこうとしているところでございます。  特に、第4次産業革命と呼ばれる技術革新が従来にないスピードで進むことから、こうした地域における課題に対しましても、議員御提案のとおり、IoTやAIなどの新しい技術の活用も必要であると考えております。  具体的には、自動運転等の新しい移動手段の導入に向けた取り組みでありますとか、スマート農業、林業、水産業の推進、遠隔医療技術などによる医療人材不足への対応などを基本構想に盛り込もうとしているところでございます。  5点目、それぞれの地域を支援する具体的政策についてでございますが、私自身も知事就任後、決して十分ではございませんが、湖北や高島などで居住させていただきながら県内各地を周り、県民の皆さんと意見交換を重ねつつ、今後の地域のあり方について考えてきたところでございます。  そのような中におきまして、空き家や荒れた土地の増加、人が入らなくなった山の管理や地域の交通手段の確保など、地域ごとにさまざまな課題があることは、一定十分承知をさせていただいているところでございます。  一方で、固有の歴史、文化や豊かな自然、大学等の知的資源の集積など、それぞれの地域の強みもあることも承知しております。  人口増加が予測される地域と人口減少が進行する地域、それぞれに課題や特性がございまして、それらに応じた取り組みを展開することが重要だと考えております。  健康しがとして掲げさせていただいた政策は、そういった地域の実情を踏まえ打ち出したものであり、市町とも連携しながら推進してまいりたいと考えております。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)リスクを見える化するという話があったんですが、人口減少というのはある意味でもリスクですが、これは事実であり、進行する現実であります。それに対してどうするかという人たちのアプローチ、営み、これがちゃんとうまいこといくのか、もしくはプランが正しく事実認識をして、何らかの希望の光が差すような政策をしようとしているのか。ここに運用においてうまいこといくかいかんかとかリスクというものがあって、人口が減るということをリスクにしてしまったらいけないんじゃないかなと思いますが、このことをどう思われますか。  それから、IoTやAIを生かすということでさらっと書いておられますが、遠隔医療診断技術とかいうても、現在行われているものでも、そういう人口減少地域とのやりとりがないんですよ。建前はいいんです。年間何件あるというて、一遍調べてもらったんです。そういう人口減少地域の病院との診断技術のやりとりしましたか。あるはずや言うたら、なかったんです。どうしても後回しになる。  だから、そういうところに関しては、例えば滋賀県はNPOの組織率が日本一高いし、スマホの保有率も高いし、例えばヒートショックで取り上げても、国から出ている対策は、家族にお風呂に入ると声をかけて入りなさいってあるんです。でも、家族のいない人多いじゃないですか。ほんならスマホで、お風呂入るわピー、上がったら、上がったよピーとか、無料のラインのサービスを使って誰かとやりとりをするとか、何かいろんなことが滋賀県は提案できるし実行できると思うんです。そういうことを親身になって考えていただく。  だから、この基本構想というものにもっと愛があるというか、いろんなことをやっぱり知事なりに担当者にも御指示をいただいて、そして、温かみと現実をしっかり見据えたリアルな基本構想をおつくりいただきたいということを要望いたします。御答弁いただけたら幸いですが。 ◎知事(三日月大造) 議員、そういう思いを持って、この間、基本構想の原案等をつくり、お示しをさせていただいているつもりでございます。
     審議会におきましても、それぞれの地域、それぞれの分野で、まさにリアルに、悩みながらも活動されている方々の御意見等も頂戴しながらこの間つくってまいりましたし、また、今、御指摘いただきましたIoT、AIをどう活用するのかということにつきましても、今、医療現場、介護の現場、例えばデジタル化、ネットワーク化を進めていこうということでありますとか、在宅訪問される医療チームの皆様方はそういったデジタルモバイルのツールを使いながら、さまざまな対応をしていただいております。  しかし、これから先はもっとそういった取り組みを広げていかなければならないし、充実させていかなければならないという観点で、この基本構想を描き、具体の取り組みをつくっていきたいと考えております。  ある意味、人口減少をどう捉えるのかということについてはさまざまな見解がございますが、一定のリスクはリスクとして、しっかりと我々県民が理解した上で対応をとっていく必要があるだろうということから、記載、記述をさせていただいているということでございます。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)リスクと思ってないわけじゃないんですよ。県は言われなかったけど、2018年に1割以上減る地域がある。2045年度に35%人口の減るとこがあるって、もう既に県は特別委員会で出しているじゃないですか。本気で考えてくださいということをお願いして、次の質問をさしていただきます。  第3期滋賀県教育基本計画について。  教育振興基本計画の2ページに、「本計画で取り扱う教育は、家庭教育、学校教育、社会教育に、場所、時期にかかわらない各個人の生涯学習を含みます」とあります。滋賀県における社会教育と生涯学習の使い分けはどうされていますか。  2番目、この文章は実に明快に、家庭教育、学校教育、社会教育は、場所、時期にかかわるということを暗に示していると思います。特に社会教育は、人格の完成に向かう年齢的な段階別の学びの必要性を示していると思いますが、いかがでしょうか。  3つ目、さて、本計画で社会教育ならびに青年教育に関する記述が抜け落ちていると思うのですが、学校教育を終え、社会人として青年期を迎えた若者の教育こそ国をつくると言われ、学校教育にない青年同士の共同学習などが地域のリーダーを育ててきたと思います。  生涯学習という概念で、いつでも、どこでも、誰でもが賛美されてきましたが、人生の幾つかのステージでしておくべき経験や学びがあるのではないでしょうか。通過儀礼などの発達の段階における必要な学びもあると思います。このことについてどうお考えですか。  4つ目、若者たちの中で起こる今日的な課題を若者集団で解決していくことに期待し、若者が試行錯誤して育っていく場面を与えることが大人たちの役割ではないでしょうか。  大学生らに滋賀県に残ってもらう予算は効果がなかなか実感できませんが、滋賀を選んだ若者に大いなる学びの機会を提供するほうが意味があると思います。若者の出会いの予算、働き・暮らし応援と言いながら、業者に委託したり外部に資金が流れ、結局、滋賀の若者が活動する予算は年々減少し、場面も極端に減っていると思われませんか。  5つ目、この教育振興計画の策定において、滋賀県の青年教育や社会教育と生涯学習の違いをしっかりと議論し、滋賀を担う人材を育て得る計画になることを再検討していただきたいと訴え、御質問を申し上げた次第であります。  あと、学校教育でも、先生が教え、知識量、記憶力を競う時代から、生きる力というものは考える力を養成することであるというふうに聞いたことがあります。関西だけでなく、関東や九州でも取り上げられているお笑いを切り口に、言語能力やプレゼン能力、ユーモアや発想力、笑いの仕組みを学ぶなど高度な学習に編集し、そしてまたチームで取り組む授業を実行するなど、子供たちが食いついてくる学びの方法が検討され実行されていますが、滋賀県はどうでしょうか。  次、7つ目、びわ湖ホールがあります。ホールの子事業もあります。10億円近い予算も投入しています。世間では生きる力を育てる音楽教育などの研究レポートも公開されていますが、滋賀県は音楽の力を子供たちの学習や情緒の安定、記憶力の活性化、協力の感動の実感など、多様な教育効果をテーマに、音楽の積極的活用をもっと検討されておられませんか。  子供たちは、お笑いや音楽やダンスが大好きです。無理やり机に張りつかせて学ばせなくても、外国語と歌で出会うなど、効果的な学習の方法が教育の未来を語る際にもっと顔を出してもいいのではないでしょうか。教育長にお尋ねします。 ◎教育長(青木洋) (登壇)第3期滋賀県教育振興基本計画についていただきました7点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の滋賀における社会教育と生涯学習の使い分けについてお答えをいたします。  社会教育は、学校教育を除き、主に青少年や成人に対して行われる組織的な教育活動であります。一方、生涯学習は、学校教育、家庭教育、社会教育のほか、文化活動、スポーツ活動などさまざまな場や機会において行うあらゆる学習のことと整理をしております。  次に、2点目の社会教育は人格の完成に向かう年齢的な段階別の学びの必要性を示しているかどうかについてお答えをいたします。  学校外の組織的な教育活動全般を指す社会教育は、青年期、壮年期、高齢期など年齢的な段階に応じたニーズや課題に対応する多様な学びの必要性が示されているものと認識をしております。  次に、3点目の本計画において人生幾つかのステージでしておくべき経験や学びの必要性についてお答えをいたします。  本計画では、人生100年を見据え、学校を卒業した後の学びが重要であるとともに、地域への誇りや愛着を育み、地域とのつながりや連携を図りながら、さまざまなステージにおいて、人と人、人と地域がともに生きることが大切であるというふうにしております。こうしたことから、議員御指摘の人生の幾つかのステージでしておくべき経験や学びも大変重要であるものと認識をしております。  次に、4点目の若者たちが試行錯誤して育っていく場面を与えることの必要性、また、若者が活動する予算等についてお答えをいたします。  若者たちが地域における学びの場やさまざまな活動の中で試行錯誤をして育っていくことは、意味があるものと考えております。  また、若者が活動する予算が減少しているかどうかにつきましては、関連する事業が多岐にわたっており一概には申し上げられませんが、価値観の多様化や地域とのつながりの希薄化、仕事での多忙などを背景に、そのような活動に参画する若者の数は減少していることは認識をしているところでございます。  こういった現状も踏まえながら、どのような方法により地域における学びの場や活動に対して若者の参画を促していくかにつきまして、関係部局とともに、しっかりと考えてまいりたいと思っております。  次に、5点目の本県の青年教育や社会教育と生涯学習の違いをしっかりと議論をし、滋賀を担う人材を育てる計画にすべきという点についてお答えをいたします。  本計画は、サブテーマを「人生100年を見据えた『共に生きる』滋賀の教育」としております。学校を卒業した後の学びを重要視しているところでもございます。  そうした中、議員御指摘の青年教育や社会教育の重要性についてしっかりと認識をし、必要な取り組みが進められるよう、関係部局はもちろんのこと、市町や各種団体の皆さんと連携、協働して、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。  次に、6点目の子供たちが食いついてくる学びの方法が本計画でも計画されているのかについてお答えをいたします。  議員御指摘の子供たちが食いついてくる学びは、学校教育において大切なことであると認識をしております。  県内のある小学校では、コミュニティFM局に依頼をし、総合的な学習の時間で、ふなずしづくりなどの郷土料理についての学習の成果を、自分たちの声で地域の皆さんに番組で紹介をいたしました。昨年度はこの小学校の子供たちが県庁にも発表に来られ、知事がふなずしを試食し、また、私も応援メッセージを送らせていただいたところでございます。  また、県内のある中学校では、生徒が落語家になりきってペアで英語落語を演じ、子供たちが生き生きと英語を学びました。これらの学習は、まさに子供たちが楽しみながら言語能力やプレゼン能力などを育むことにつながるものと考えております。  こうしましたことから、本計画におきましても、確かな学力を育むための取り組みの一つとして、コミュニケーション能力の育成や子供たちの興味関心と実生活を関連づけた学習などをしっかりと推進してまいりたいと考えております。  最後に、本県の教育に音楽の積極的活用を検討しているかについてお答えをいたします。  音楽に関する積極的な活用につきましては、議員も御承知のとおり、ホールの子の事業はもちろんのこと、小中学校へびわ湖ホール声楽アンサンブルが直接出向く学校巡回公演やふれあい音楽教室の授業を実施をすることで、参加した子供たちは質の高い音楽に触れ、感動体験や本物体験を味わっているところでございます。  また、ある幼稚園では、読み聞かせで親しんだ本をもとに、自分たちでストーリーを考え、好きな歌を入れて劇をつくっていく活動をしたり、また、ある小学校では、ワークショップとして手影絵や演技、ダンスと歌の練習をした後、プロの劇団の方と一緒に公演に参加する学習をしたりもしていると聞いているところでございます。  このように、音楽を初め質の高い文化芸術に触れ、豊かな心や感性を育むことは大変意義のあるものと考えており、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)ぜひ、そのエピソードみたいな話がいっぱいあるのはいいと思うんですが、滋賀県のやっぱりカリキュラムというか、教育の方法としてしっかり検討して、それを強みとして大いに展開するぐらいの御検討をいただきたいと思いますし、ホールの子の事業は、遠隔地の子供たちは旅費の負担が当事者に発生するので来られないですよね。そこへ声楽アンサンブルが行って公演をされるというのは、違うと思うんです。びわ湖ホールに来てもらうというんやったら、やっぱりびわ湖ホールに滋賀県内どこの小学校に行ってても、どこの中学校に行ってても、政策としてするんであれば、同じ条件で来られるようにやっぱり徹底をして推進していただきたいと思います。  これで終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、6番海東英和議員の質問を終了いたします。  次に、32番奥村芳正議員の発言を許します。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇、拍手)それでは、質問に入る前に、少し時間をいただきたいと思います。  ことし7月末から三日月知事2期目の御就任をされ、5カ月がたち、定例会議も3回目を迎えました。知事1期目の就任当初は、この議場で何度も、一緒に頑張りましょうとか、一緒にやりましょうの前向きな発言が、最近、聞かれなくなったような気がするのは私だけではないような気がいたします。決して発言の回数はカウントいたしませんので、ぜひとも納得のいく提案には、一緒にやりましょうとか、前向きな姿勢で御回答くださることをお願いを申し上げ、行政経営方針について、一問一答でお願いをいたします。  本県では、知事2期目の就任に当たり、新たな行政経営方針を策定されようとしております。去る11月に行財政・働き方改革特別委員会などでお示しいただいております滋賀県行政経営方針2019(原案)では、財政収支見通しについて、2026年度までに各年度で62億から109億円、累計で839億円の大きな財源不足が見込まれております。また、今後、超高齢社会の進展が見込まれる中で、社会保障関係費が本県でも増大するとともに、2024年に本県で開催される国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会の関連経費、公共施設の老朽化対策などに対応する必要があります。このため、歳入と歳出の両面から収支改善の取り組み計画を進めて、財源不足の縮減を図っていくとされております。  県はこれまでも行財政改革に取り組み、10年以上にわたって、事業費の削減や職員の給与カット、人員削減に取り組んでこられました。  そこで、今までの県で実施してこられた行財政改革の総括について、知事にお伺いをいたします。 ○議長(川島隆二) 32番奥村芳正議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  平成8年度から約20年間にわたり行財政改革に取り組み、総合地方機関の廃止等の組織機構の見直しやアウトソーシングの導入等による業務改善、1,000人を超える定数削減などを行ってまいりました。また、歳出につきましても厳しい見直しを行い、500億円を超える事業費を削減するとともに、異例の措置といたしまして、200億円を超える職員給与の削減も行ってまいりました。  このような取り組みの結果、全国的に見てもスリムな組織体制になるとともに、財源調整的な基金残高は平成29年度末で236億円確保するなど、量的な面で一定の成果があったと考えております。  一方で、県庁力最大化に向けて職員のさらなる意識改革が必要ではないか、また、経営理念に掲げる県民主役の県政の実現に向けて、さらに県庁をオープンにしていく必要があるのではないかと考えており、それらを踏まえ、現在、次期行政経営方針を策定しているところでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)みずからの身を削って改革に取り組んでこられたことは一定評価をしているところであります。ただし、人員削減においては、県職員の長時間労働が問題となることにも、現在、県の中心を担うべき40歳前後の職員数が少なくなり、人員不足を補うため、現在、採用をふやしておられます。その結果、若い人材の育成について新たに課題が生じていると仄聞をしております。  また、一時的な給与カットならいざ知らず、長年に続く給与カットも職員の士気に少なからずも影響を及ぼしていることも懸念されるところであります。このため、もう少し先を見据えた経営というものが必要となっております。  特に近年は、全国的に働き方改革が叫ばれるとともに、知事みずから健康経営を打ち出し、未来へのともしびをともす行政経営方針原案にも記載されているところであります。  そこで、財源不足の中で、未来へのともしびをともす健康経営の考え方について、知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  厳しい財政状況にありましても、基本構想で描いた目指す2030年の姿の実現に向けて、今後も複雑化、多様化する行政需要に応えていくためには、単に残業を減らすだけではなく、職員がやりがいを持って前向きに仕事をするとともに、財政の健全化を達成するという、あえて二兎を追うことが必要であると考えております。  県庁における健康経営におきましては、職員の健康を重視しながら、人材育成や職員間の活発なコミュニケーションを通じて、風通しのよい健康的な組織風土の醸成を図ることとしておりまして、次期行政経営方針原案におきましても、健康経営を実践する県庁を目指す姿として位置づけようとしているところでございます。  人こそが最大の経営資源であり、健康経営の理念を職員と共有し、心身ともに健やかで、やりがいを持って前向きに楽しく働ける環境を一緒につくっていくことで、県としての組織力、県庁力アップにつなげ、県民サービスのさらなる向上を目指してまいりたいと存じます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)一方で、今年度、人事委員会勧告どおりに、給与月額、勤勉手当などを引き上げる提案をされました。人事委員会から給与が上がる勧告が出されること自体は、県内経済が上向きの証拠にもなることから喜ばしいことでありますが、一方、財源不足の中で勧告どおりに給与を引き上げることは、事業費の削減をしようとしている中で、県民に対して説明がなかなか難しいのではないかと思います。我々は給与を引き上げることに反対ではないものの、その考え方について知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 人事委員会の給与勧告は、職員の労働基本権制約、労働基本権が制約されている代償措置として、職員に対し社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保する機能を有するものであり、基本的に尊重すべきものであると考えております。  給与勧告どおり実施することで職員に適正な処遇を確保することになり、職員の士気の高揚、労使関係の安定はもとより、有為の人材の確保にも資するものと認識しております。  一方で、県として厳しい財政状況を踏まえた取り組みを進めている中で、人事委員会勧告の実施に伴う財政運営への影響も見きわめつつ、これらを総合的に勘案して人事委員会勧告どおり実施させていただくこととし、今回、提案をさせていただいているところでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)次に、事業費の削減は、市町や各種団体の財政のみならず、県内経済に影響を及ぼすことも事実であります。実際、この20年で東京一極集中が進み、地方経済は疲弊しておりました。このため、政府は平成26年度から地方創生の取り組みを実施しておりますが、アベノミクス効果が地方にも少しずつ行き渡り、活力を取り戻しつつあります。そのような中で、事業費の削減はその取り組みに水を差すことも懸念されます。  そこで、事業費の削減と、それに伴う県内経済への影響について、知事の考えをお伺いします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  収支改善の検討に当たりましては、県内経済への影響を考慮し、将来の歳入確保につながる施策や県単独で行う公共事業などについて、一定配慮しながら検討を進めてきたところでございます。  現在お示ししております収支改善の取り組み内容は多岐にわたりますため、県内経済への影響を具体的に申し上げるのは困難でございますが、事業活動に対する支援の見直しなども一部含まれるため、県経済に与える影響は皆無とは言えないと考えております。  こうした見直しの影響を最小化し、県経済のさらなる発展を図る観点から、新年度予算編成におきましては、農林水産業の振興や中小企業の活性化、産業を支える人材の育成確保など、各種の産業振興施策をしっかりと検討してまいりたいと存じます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)次に、経営方針原案と同時並行で、具体的に収支改善の検討も進めておられます。歳出の分野では、補助金、委託料、内部事務費、公社、事業団等に対する支出の削減などにより、4年間で一般財源ベースで11から18億円を削減するとしております。具体的には、市町関係では自治振興交付金や地域子育て支援事業費補助金、環境保全型農業直接支払交付金などが見直し対象となっております。  地方分権改革を進める中で、市町の自主性、自立性を尊重することは重要でありますが、一方で、県からの補助金のカットは市町財政にとって影響を及ぼすことも事実であり、市町を補完していくことも求められております。  見直し案には市町の意見が掲載されていますが、今回の事業費見直しをするに当たって、市町とどのように調整してきたのか、総務部長にお伺いをいたします。 ◎総務部長(藤本武司) (登壇)お答えいたします。  市町の皆さんに対しましては、10月中旬に収支改善の検討状況について全体説明の場を設け、見直しの考え方等を御説明するとともに、意見照会を行ったところでございます。  また、見直しによる影響が大きいと思われる事業等につきましては、県の担当課から市町や関係団体に対して個別に説明を行い、意見交換するなど、現場レベルでも丁寧に対応をしてまいりました。  11月下旬には、いただいた御意見を踏まえまして、関係部局において改めて検討を行いました上で、御意見に対する県の考え方を回答いたしたところでございます。  予算編成の中でも引き続き検討をし、新年度予算案とあわせて内容を確定していくこととなりますが、今後とも県の見直し内容に御理解が得られますよう、丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)ぜひとも、市町との連携が前提となりますので、丁寧な御説明をお願いしたいと思います。  市町との連携は9月定例会議でも質問をさせていただきましたが、より連携を図っていただき、双方にとってよりよい解決方法を見つけ出していただきたいと思います。  また、市町だけでなく、商工関係や農林水産関係、教育関係などのさまざまな分野の団体がかかわっている補助金について見直しを行っておられますが、団体については、補助金の縮小が市町よりもさらに影響を及ぼすことが懸念されます。  地方創生の取り組みは産官学民一丸で取り組む必要があり、各団体の取り組みは地方創生にとって重要な位置づけでありますが、団体との見直し案の調整状況について、総務部長にお伺いをいたします。 ◎総務部長(藤本武司) お答えをいたします。  今回の収支改善の取り組みの中には関係団体に対する財政支出の見直しなども一部含まれておりますが、特に見直しによる影響が大きいと思われるものにつきましては、早い段階から関係団体と意見交換や調整を行ってまいりました。  また、収支改善の検討状況を市町に説明をいたしました10月中旬以降、関係団体に対しましても個別に県の見直しの考え方を御説明し、理解が得られるよう、丁寧に対応をしてまいったところでございます。  こうした結果、現時点におきましては、各団体の皆様におおむね御理解をいただけているものと認識をしておりますが、なお調整が必要なものにつきましては、予算編成過程におきまして引き続き検討をし、新年度予算案とあわせまして、最終的な見直し内容を固めてまいりたいと考えております。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)我々自由民主党県議団といたしましても、知事選が終わってから、団体等の要望活動をお受けしたり、8月下旬には各市町も回らさせていただきました。来年度に御要望いただいた事業等は数多くありまして、かなりの財源を当て込まな対応できないというようなことも十分我々は感じております。  そんな中でございますので、しっかりとした市町あるいは団体との関係を良好にしていくためにも、しっかりとした対応をしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  歳出カットは今までもこれからも各方面に多大な影響を及ぼします。このため、歳出カットだけでは限界があり、歳入をふやす努力が必要不可欠であります。  歳入確保の取り組みを見ていますと、年間10億円弱の増収を確保されているとのことでありますが、歳出カットと比較して、若干努力が足りないように感じます。このうち資産の売却益は幾らでしょうか。総務部長にお伺いをいたします。 ◎総務部長(藤本武司) お答えをいたします。  資産の売却につきましては、平成31年度からの4年間で23件の売却額約30億円、単年度平均で約7億5,000万円の歳入を見込んでいるところでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)収入増の大半が資産売却とのことであります。県有地などや施設などを単純に売却し一時的な現金にかえるのではなく、有効利用をして、持続的に金をもうけることが必要だと考えております。また、民間活力を生かすPFI、PPPなどの取り組みが必要であります。  なかなか一朝一夕ではよい取り組みを行うのは難しいと思いますが、人口減少で経済の先細りが予測される中で、検討を加速する必要があります。これからの歳入確保に係る意気込みについて、知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 今後見込まれます厳しい財政状況に対応していくためには、歳入確保の取り組み強化が不可欠であると認識しており、県税の増収、地方交付税の総額確保、拡充に向けた取り組みはもとより、さらなる自主財源の確保に取り組んでまいる所存でございます。  次期行政経営方針の原案におきまして、資産につきましては、民間活力の活用につながるサウンディング型の調査を積極的に導入し、有効活用を進め、歳入確保に取り組むこととしているところでございます。  加えまして、寄附の獲得やネーミングライツの活用、さまざまな媒体や施設を活用した広告募集の展開など、県の経営資源を活用したあらゆる歳入の可能性を検討していくとともに、私みずからもセールスマンとなり、全庁挙げて取り組みを進めてまいりたいと存じます。ぜひお力添えのほど、よろしくお願いいたします。一緒に頑張りましょう。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)そこで発言されると思いませんでしたけれども。  国との連携については9月定例会議で質問をさせていただきましたので今回は質問しませんが、国との連携による交付金などの確保は重要になっており、三日月知事や西嶋、由布両副知事に期待をしているところであります。  また、佐藤議員や木沢議員も質問されていたように、寄附制度の活用などにもしっかりと取り組んでいただくなど、あらゆる手段で歳入確保の努力が必要であります。それは、ただいまの答弁でもしっかりと取り組むとのことでありましたので、取り組みをぜひ進めていただきたいと思います。
     ただし、根本は、魅力ある滋賀県をつくり、生産年齢人口増加を図るとともに、県内の経済をよくして税収アップを図ることが一番であります。もちろん効率のよい経営は重要で、その点ではスクラップ・アンド・ビルドをしっかりとしていただきたいと思いますが、前の行財政改革のときのように、歳出カットばかりを行って、県の経済が落ち込み悪循環になることはあってはなりません。広報を削り過ぎて滋賀県のブランド力を落とす、人員削減を行い過ぎて生産効率が悪い組織体制になる。一番最たるものが、新幹線新駅をもったいないでとめて、その後の経済効果と税収がなくなることにあらわれていると思います。財源不足の中で今後を見きわめる力が2期目の三日月知事に問われていると思いますが、知事の所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) これからの時代は、これまで経験したことのないことも起こり得る、そういう時代だと認識しています。  今、税収に見られるような景気経済の状況は、おかげさまでいい方向にもあると思いますが、しかし、県民の皆様方の生活がどうなのか、中小企業を初めとする企業の皆様方の経営状況がどうなのか、こういったこともしっかりと見ていかなければなりませんし、東京オリ・パラに向けて活況を呈しているような経済状況も、世界のこの大国の通商交渉等の状況で、一瞬にして、一日にして大きく経済状況が変動するという、こういったリスクも想定しなければならないでしょう。  その意味で、滋賀県経済もしなやかな経済状況をしっかりとつくっておくということが大事でしょうし、まさに日本の真ん中にあって、おかげさまで交通状況も便利なこの地の利をしっかりと生かしていく、また伸ばしていく、さらには人材の力をしっかりと高めていく、こういったことには、限られた財源の中ではございますが、しっかりと措置するところを措置しながら、将来にも希望の持てる、そういった滋賀県をつくるために頑張ってまいりたいと存じますので、今後ともよろしくお願いいたします。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)行政経営方針は県の経営方針ではありますが、県民の共有ビジョンである基本構想以上に各方面に影響を及ぼすものであります。理念にも記載されております対話と共感、協働で築く県民主役の県政の実現のために、各方面にしっかりと連携した取り組みをお願いを申し上げまして、この項の質問を終わります。  次に、マイクロプラスチック対策について、一問一答でお願いをいたします。  近年、マイクロプラスチックと呼ばれる微細なプラスチック類が海洋に流出し、海洋生態系に影響を及ぼすなどの懸念が世界的に高まっており、その対策が喫緊の課題となっております。  また、京都大学の研究グループの調査によると、海洋だけでなく、琵琶湖にもマイクロプラスチックの存在が明らかになっているところであります。木沢議員も9月定例会議において質問されておりましたが、その答弁を聞いておりますと、少し危機感が薄いような気がいたします。  過去の一部報道等を見ておりますと、琵琶湖のマイクロプラスチックの状況は、観測地点によっては日本近海の約2.7倍であるとの情報でもありましたが、琵琶湖におけるマイクロプラスチックの現在どのような状況か、県が把握している情報について、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) (登壇)お答えいたします。  京都大学の研究グループが2016年6月に琵琶湖において調査したところによりますと、南湖沖合では水1立方メートル当たり平均2.6個のマイクロプラスチックが検出されております。また、北湖では水1立方メートル当たり平均0.57個のマイクロプラスチックが検出されているということでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)次に、現在、琵琶湖に存在するマイクロプラスチックを全て除去することは技術的に可能でしょうか。琵琶湖環境部長にお伺いいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えをいたします。  マイクロプラスチックは極めて細かい粒子であること、琵琶湖の水や底泥から北湖、南湖いずれにおいても検出されており、琵琶湖全域に拡散していると考えられることから、自然環境中から全てを除去することは困難であると考えております。  こうしたことから、今後、マイクロプラスチックの環境中への排出を抑制することが重要だと認識をしております。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)琵琶湖の汚泥を取り除くのも難しいことでありますが、マイクロプラスチックの除去はさらに難しいことがわかります。マイクロプラスチック自体の有害性はないとのことでありますが、しかしながら、一説によるとプラスチックは有害化学物質を吸収する性質があると言われており、汚染が進んだ海域においては食物連鎖に取り込まれ、海洋生態系に影響を及ぼすとも言われております。  9月定例会議の答弁により、現状では琵琶湖においてマイクロプラスチックによって懸念される生物への影響は確認されていないとのことでありますが、マイクロプラスチックをこれ以上ふやさない努力をしないままでは、本県は環境後進県に戻ってしまいます。このため、一刻も早い対策を講ずる必要があると考えます。  国では、平成30年6月に、いわゆる海岸漂着物処理推進法が議員立法により改正されました。同法では、マイクロプラスチック対策として、海岸漂着物などであるプラスチック類の円滑な処理および廃プラスチック類の排出抑制、再生利用などによる廃プラスチック類の減量や、その他適正な処理が図られるよう十分配慮されたものでなければならない旨を規定しております。  また、事業者は、通常の用法によって従った使用の後に、河川その他の公共の水域または海域に排出される製品へのマイクロプラスチックの使用の抑制に努めるとともに、廃プラスチック類の排出が抑制されるよう努めなければならない旨を規定しておるところであります。  さらに政府は、最近の科学的見地および国際的動向を勘案し、海域におけるマイクロプラスチックの抑制のための施策のあり方について、速やかに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる旨を規定しております。  海岸漂着物処理推進法は、その名のとおり、海岸漂着物を対象にした法律でありますが、マイクロプラスチックを抑制することは当然本県でも行う必要があります。  そこで、この法律の改正を受けて、県としてマイクロプラスチックの抑制取り組みをどのように加速されようとされるのか、知事にお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) この法律ならびにこの法律の改正、これは海岸、海中だけなんでしょうか。湖岸や湖中もぜひ含めなければならないなと思いながら、勉強させていただいているところでございます。  今回のこの海岸漂着物処理推進法の改正では、おっしゃったとおり、マイクロプラスチック等の問題が重要となってきたことを踏まえまして、リデュース、リユース、リサイクルのいわゆる3Rの推進による海岸漂着物の発生抑制等について追加されたところでございます。  本県におきましては、マイクロプラスチックの発生源の一つと考えられますプラスチックごみの発生抑制に向けて、レジ袋削減の取り組みに関する協定により、レジ袋の無料配布の中止や辞退の呼びかけなどを進め、無料配布を中止した店舗における辞退率は、これは平成29年度末で89.6%となってございます。  また、ごみの散乱防止に関する条例に基づきまして、びわ湖の日を初めとする環境美化活動に取り組むとともに、環境美化監視員等による監視パトロールや啓発活動などを通じて、河川等へのごみの流出防止に努めてきたところでございます。  今後、琵琶湖のマイクロプラスチックの抑制を進めるためには、プラスチックごみの発生源など、その実態をより詳細に把握した上で、ターゲットを絞り、効果的な対策を講じていくことが必要だと考えております。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)県民の大半は、歯磨き粉や洗顔フォームなどにマイクロプラスチックが入っており、それが琵琶湖の汚染につながることを認識していないのではないかと思います。また、プラスチックごみがマイクロプラスチックとなり、さらに琵琶湖のプラスチックごみ自体が近年減っていないことを、県民の皆様は知らないのではないでしょうか。法律改正が行われ、今こそ県民の皆様にマイクロプラスチックの問題を知ってもらうチャンスの時期だと考えております。  現在、琵琶湖に影響がないことは正しく伝えなければなりません。ただし、今は影響がないということ、取り組みを先送りしてしまう方がいらっしゃるかもしれません。しかし、環境意識が高い滋賀県民なので、この問題を認識することで正しい行動を起こしていただけるものと思っております。  レジ袋削減の取り組みももう一歩進めたものにしないといけませんが、単純にプラスチック削減の啓発を行っても、正直、広報はそれほどできていない。効果が薄いのではないかと思っております。例えばマスコミなどとも勉強会を開くなど、マスコミにも正しく認識してもらい、連携するなどの工夫が必要だと思います。  そこで、抑制取り組みの中でも、県民への正しい情報の伝達、広報について、知事の所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) おっしゃるように、県民の皆様方に正しく情報、また、状況をお知らせすることは肝要と存じます。また、そのために必要なデータ等をしっかりと集積しながら、科学的知見にも基づいた広報、伝達が必要だと思いますので、そういった仕組みを整えていくことが重要ではないかと考えております。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)琵琶湖は県の6分の1の面積を占めるほど大きいですが、海と比較するとその貯水量は本当に小さく、汚染には最大限の注意を払わなければなりません。  プラスチックは事業者が経済活動を行う際に多量に使用されるものと認識しており、事業者がその使用を抑制しなければ、その効果は薄れてしまいます。  滋賀県では、琵琶湖のマイクロプラスチックをこれ以上ふやさないためには、プラスチックそのものの使用を事業者に対して禁止することが可能か、研究してもよいと考えておりますが、知事の所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来やりとりさせていただいておりますように、マイクロプラスチックの抑制にはプラスチックの製品をできるだけ使わないということが有効でございますが、現実として、プラスチックはさまざまな事業活動等に幅広く使われているという、こういうことがございます。  このマイクロプラスチックの原因となっておりますプラスチックがどのような事業活動に起因するものが多いのかは、現時点、明らかでないことや、コストや利便性、さらには衛生面などから、代替品によることが困難な場合もあることなどを考慮いたしますと、今すぐに、この事業者というのをどこまで含めるかというのは大いに議論しなければなりませんが、事業者に対してプラスチックの使用を禁止することは困難ではないかと考えております。  こうしたことから、使用を禁止するよりも、3Rの推進により使用を削減することや、バイオマスプラスチックなどの代替品の導入などを進めることが現実的であると考えているところでございます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)さきにもお話をいたしましたが、海岸漂着物処理推進法において、政府がマイクロプラスチックの抑制の施策のあり方を検討し、その対策を講じるとされております。  昨年、国立環境研究所琵琶湖分室を誘致したところですが、琵琶湖におけるマイクロプラスチックの問題について、環境省ならびに国立環境研究所など研究機関とどのように連携しようとされるのか、知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 環境省におきましては、大学等と連携して、マイクロプラスチックのモニタリングの手法の開発ですとか海洋生態系への影響評価などに取り組まれており、また、京都大学を初めとする研究機関においては、琵琶湖における実態などについてさらに研究が進められているところと承知をしております。  県といたしましては、環境省のモニタリング手法の開発を受けて、琵琶湖におけるモニタリングに生かすとともに、国立環境研究所琵琶湖分室のネットワークを通じまして最新の研究成果を得ながら、琵琶湖における必要な対策を検討していきたいと考えているところです。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)「琵琶湖のマイクロプラスチック問題については県で主体的に対応することが重要と認識している」と琵琶湖環境部長が答弁をされているところであります。  しかしながら、プラスチックごみの種類の把握は県単独で行うとのことでしたが、そのほかは研究を進めている大学や研究機関へ情報提供や連携などにとどまっており、この問題に対する主体的に取り組む姿勢が見えなかったのが私の印象です。  また、知事は昨年から、SDGsを中心に据えて施策を実践されるとのことでありました。正直、SDGsの具体的な取り組みが見えてこなかったところであります。  しかし、そのSDGsでは、そのターゲットの一つとして、「2025年までに海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」が掲げられております。マイクロプラスチックの抑制はSDGsの具体的な実践につながることとなります。  滋賀県は、かつて、琵琶湖の汚染を食いとめるため、石けん運動が民間の女性を中心として起こり、行政、企業が追随して取り組みを実践し、経済と環境を両立したモデルをつくり上げてきました。マイクロプラスチックは琵琶湖にとって再び重大な問題となってしまう可能性があります。産官学民が連携して、その抑制モデルを先駆けてつくり上げ世界に示していくことが、環境先進県として滋賀県の地位を不動にできるものと考えております。  例えば、行政では抑制に向けた条例制定を行う、業者はマイクロプラスチックを使用しないなど、より厳しい制限をみずからに課す。そして、県民は琵琶湖が汚染する前に、石けん運動のようなムーブメントを起こせないかと考えております。  そこで、産官学民が連携したマイクロプラスチック抑制モデルの構築について、知事の所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) 議員御指摘のとおり、マイクロプラスチック発生抑制の取り組みはSDGsの具体的な実践にもつながるものであり、産学官民の連携による取り組みが必要であります。  事業者には、マイクロプラスチックの使用の抑制や廃プラスチック類の排出抑制に関する取り組みが、また、研究機関には、先ほども述べたような知見の集積と技術の開発が求められております。  さらには、行政には、わかりやすい情報提供に努めるとともに、実態を踏まえた効果的な発生抑制策をつくり進めることが、また県民には、正しい知識をもとに、レジ袋の辞退など身近な取り組みを着実に進めることが、それぞれ求められていると捉えております。  琵琶湖の富栄養化防止の取り組みは、住民の主導による石けん運動が大きなきっかけとなりまして、産学官を巻き込んだ大きなムーブメントとなり、日本で初めての窒素、リンを規制する条例制定にもつながり、世界の湖沼環境保全のモデルともなりました。  本県が環境行政のトップランナーとも言われるもととなりましたこうした産学官民それぞれの意欲的な取り組みと連携を基盤といたしまして、今回お取り上げいただいたマイクロプラスチックの問題につきましても、効果的な枠組みを構築してまいりたいと存じます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)繰り返しになりますが、琵琶湖が汚染されてからでは大変遅いと、このように思います。  アメリカ、イギリスは、製品に対して、マイクロプラスチックの中にありますマイクロビーズの使用を禁じる法律が既に施行されております。したがって、欧米でビジネスを行う日本企業も対応を迫られていると予測されることから、マイクロビーズに対する企業への理解は得やすいと考えます。  さきの木沢議員に対する琵琶湖環境部長の答弁は、調査研究、今後検討と、先送り感が否めない答弁でありました。調査研究ももちろん必要でありますが、問題は明らかであり、他の国では実践しているのですから、この問題について産官学民が話し合う場をつくり、早く実践に移すことが重要だと考えますが、再度、知事の考えをお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 最後に御提案のあった、そういった話し合いの場をどう持つのか、また、さらに具体的で必要かつ有効な対策を講じていくのか。ぜひ今回の御質問も機に、さらに部内、庁内でも検討をさせていただき、これは広く県民の皆様方の意識や行動によるところも大変大きゅうございますので、しっかりと県民の皆様方にそういったテーマを投げかけてまいりたいと存じます。 ◆32番(奥村芳正議員) (登壇)ぜひとも、最後、ここで言ってほしかったんです。やはりこういったこと、もう起きてから、発生してから防ごうとする努力をするよりも、未然に、何でも事前に対応する。これ、多くの、冨波議員も木沢議員も、そして私と3人連続でこういったことを問うて、県の考え方、対応を伺っているところでございます。  ぜひとも一緒に、このことについて県民の皆さんを巻き込んで対策を講じていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、32番奥村芳正議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午前11時49分 休憩    ────────────────   午後1時 開議 ○副議長(生田邦夫) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、45番中沢啓子議員の発言を許します。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従い、4項目の質問をさせていただきます。  まず、滋賀の農業と健康しがについて、以下、お伺いをいたします。  先日、スポーツ選手の摂食障害の影響などが報道されていました。食を大切にすることが健康につながります。甲子園に出場した彦根東高校の野球部が、食事の改善に取り組んでいたことも注目をされています。  先日開催された滋賀の食から健康を考えるフォーラムは、多くの方が興味を持って参加されていました。その中で紹介されていた羽生結弦選手などメダリストを支えた勝ち飯、何を食べるかではなく何のために食べるか、朝御飯を食べることで体のリズムができ、3食しっかり食べ、運動することが大切と話されていました。  オリ・パラや国体・全スポに向けスポーツへの関心が高まるこの時期に、このように食から健康を考えることは、健康しがの実現につながるよいイベントだと思います。今後のさらなる取り組みについて、知事にお伺いをいたします。  その食のもととなる農業の安全を支えることも大切です。種子法の廃止に伴い、文字で残してほしいと要望したところ、本年3月27日に滋賀県水稲、麦類および大豆の種子供給に係る基本要綱を策定し、これまでと同様に、優良種子の生産と安定供給に取り組んでいただいていることに感謝申し上げます。  先日の我が会派の代表質問に、「引き続き、この基本要綱に基づき、優良種子の安定生産をしっかり進めることとしており、現時点では条例制定の必要性はないと考えておりますが、生産現場や他府県の状況等を踏まえながら、今後も、本県農業の一層の発展に向けてどのように対応していくべきか、検討を進めてまいりたい」と答弁をされました。  しかしながら、他府県の状況を見てみますと、4県は条例化され、4道県は策定中、2県で検討中と仄聞をしています。また、生産者や関係団体の方々からも、条例化の御要望もお伺いをいたしております。今後のことが不安で後継者問題にもなっていく、ぜひ条例化して守ってほしいという切実なお言葉もお伺いしました。  現在、世界農業遺産への登録を目指されていますが、今まで開発してこられた大切な種子は県が責任を持って守られるとのこと。健康のベースは食、その食のもととなる農業を確実に守り振興していくために、生産現場や他府県の状況等を踏まえながら、滋賀の農業の一層の発展に向けて、どのように検討を進めていこうとされているのか、知事のお考えをお伺いいたします。 ○副議長(生田邦夫) 45番中沢啓子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)滋賀の農業と健康しがについて、2点御質問いただきました。  まず1点目、今後のさらなる取り組みについてでございますが、食と健康は切り離せないものであり、議員御指摘のとおり、食から健康を考えることは非常に重要な視点だと認識しています。  また、県内には環境こだわり農産物など安全、安心でおいしい食材があり、これらを活用した食を通じた健康づくりを進めることが大切だと考えています。  そのため、現在、スポーツ栄養学等にかかわりのある県内4大学で構成される環びわ湖スポーツ栄養交流会を中心に、県内ホテル等にも御協力をいただきながら、塩分をふやすことなく、本県の課題である野菜不足を県産野菜でしっかりととることができるメニューを滋賀めしと名づけ、レシピを考案いただいているところでございます。  さらに、食品関連企業とも連携し、滋賀めしのレシピを一般の方から募集するなど、さまざまな滋賀めしのレシピを集めているところであり、今後、家庭や外食、学食、社食などで活用いただけるようPRしてまいりたいと存じます。  また、御紹介いただきましたが、彦根東高校野球部が、部活動の中で近江米とバランスのとれた食事をしっかりと食べ甲子園で活躍された事例のように、スポーツを行う上でも食は重要であると考えております。  今後、国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会の開催などスポーツの機運が盛り上がるこの時期を捉え、地元産農畜水産物を生かした食を健康、そしてスポーツにもしっかりと結びつけ、食を通じた健康しがの推進に取り組んでまいりたいと存じます。  2点目、主要農作物種子生産について、本県農業の発展に向けてどのように検討を進めるのかということについてでございますが、議員御指摘のとおり、食を支える農業を振興していく上で、その根本となる水稲、麦類、大豆の良質な種子を維持し、安定的に生産していくことは何よりも大切であると考えております。  このため、県では、主要農作物種子法廃止後の今年度におきましても、奨励品種決定のための調査や、原種、原々種の生産、種子の審査等の業務をこれまでどおり実施しているところであり、今後も引き続きしっかりと取り組むことといたしております。  農業者の皆さんが安心して農業に取り組むことができる環境づくりが何よりも大切であるという視点から、生産現場の皆さんのお声を聞き、他府県の状況をつぶさに研究しながら、本県農業の一層の発展に向けて県としてどう対応すべきか、検討してまいりたいと存じます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)ありがとうございます。ぜひしっかりと前に進めていっていただきたいと思います。  次に、洋式トイレについてお伺いをいたします。  日本は、2019年にラグビーワールドカップ、2020年にオリ・パラ、2021年にワールドマスターズゲームズ2021関西、そして2025年に万博と国際イベントが続き、多くの外国人の方々をお迎えいたします。訪日外国人にとって和式トイレは未知の存在だそうで、外国人旅行者のストレスにもつながっていると言われています。  観光庁の28年度の観光地の公衆トイレの調査では、2万4,524基ある大便器のうち、約42%の1万181基がまだ和式トイレという状況です。国では本年10月17日に国際観光の振興を図るための基本方針を策定され、この中でも、3本柱の1本にストレスフリーで快適に旅行ができる環境整備が位置づけられ、トイレの洋式化等が掲げられております。滋賀県でも外国人観光客のおもてなしとして、滋賀の観光地のトイレの洋式化を推進すべきと考えますが、今後の取り組みをお伺いいたします。  また、観光庁では本年10月17日に、急増する個人手配型の外国人観光旅客にも対応した受け入れ環境整備のために、外国人観光客利便増進措置に関する基準の施行及びガイドラインを公表され、多言語による情報提供、Wi−Fi利用環境の整備、トイレの洋式化等、公共交通事業者等が今後達成すべきと考えられるサービス水準を明確化されました。  座便式の水洗便所、いわゆる洋式トイレの設置では、旅客施設および車両等の便所に設置する便器は、原則として座便式のものとすることという基準が記されています。JRなど公共交通機関のトイレの洋式化は、外国人観光客だけなく、高齢者の方々にとっても大切です。特に滋賀では、2024年国体・全スポで多くの来訪者を迎えます。とりわけJRの駅のトイレの洋式化について、知事のお考えをお伺いいたします。  あるトイレメーカーによると、日本人も洋式派がふえているといい、便器の出荷数も、昭和52年に洋式が和式を上回り、平成27年の和式の出荷量は全体の1%未満にまで減少しているとのことです。使い勝手だけでなく、衛生面でも洋式のほうが清掃時に床に菌が広がりにくいという利点があると言われています。  また、大規模災害のときには体育館が避難所になるという、足が痛いという高齢者の方々にとってもトイレの洋式化が必要になります。また、トイレの数は男女比が1対3が適当とも言われています。小中学校の洋式化については市町が取り組んでこられ、40.6%と仄聞をしています。  では、県立高校はどうでしょう。県立高校のトイレの洋式化や、同時に数も今後検討すべきと考えますが、教育長に現状と今後の取り組みをお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) トイレの洋式化、洋式トイレについて3点御質問いただきました。私には2点賜りました。  1点目、滋賀の観光地のトイレの洋式化の取り組みについてでございますが、平成29年度に観光庁が行われました訪日外国人旅行者へのアンケート調査において、旅行中困ったこととして、トイレの利用、場所、設備という項目が5.8%ございまして、観光地のトイレの洋式化も課題の一つであると認識しています。  一口に観光地のトイレといいましても、事業者が設置されているものから公的なものまでさまざまでございまして、それぞれの管理者が、利用環境向上の一環で洋式化も進めているところでございます。  今後とも、アメニティーの向上に向けた重要な取り組みの一つとして、事業者や市町等とともに取り組みを進めてまいりたいと存じます。
     JRの駅のトイレの洋式化についてでございますが、JRのトイレにつきましては、現在、順次洋式化が進められており、滋賀県内では約半数の駅で完了していると伺っております。  駅のトイレの洋式化は、公共交通機関の利用者ニーズに対応し、利便性を高めるためにも重要なことの一つと考えられますことから、できる限り早期に対応いただくよう、さまざまな機会を通じてJRに要望してまいりたいと存じます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)洋式トイレについての御質問のうち、県立高校のトイレに関する御質問にお答えをいたします。  まず、県立高校のトイレの現状についてでありますが、平成29年6月現在で洋式化率は28.6%となっており、県内の小中学校と比べるとトイレの洋式化が進んでいない状況となっております。  こうしましたことから、県立高校のトイレ整備につきましては、生徒の学習環境の改善を図るため、今後、順次、老朽化や洋式化への対応を進めていくこととしており、今年度は県立高校3校の整備に着手をしたところであります。  また、整備に当たっては、学校生活の中で生徒が日常的に使用する普通教室のある棟において、原則洋式化を図りますとともに、生徒の数に比べて便器の数が不足している場合は空き教室を活用したり、また、便器の配置を工夫するなど、トイレの増設も行ってまいりたいと考えております。  一方、議員御指摘のとおり、県立高校は大規模災害時には地域住民の避難所になる可能性もありますことから、学校関係者だけでなく、高齢者や障害のある方など避難される方の利用も見据えますとともに、多様性にも配慮しながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)知事に1つだけ再問を。  トイレの洋式化、今まで言われてましたけれども、なかなか、今おっしゃったように、事業者のものであるとかさまざまなことでできなかったんですが、国自身もインバウンドを進めていくと。特に、これからまだまだふえるインバウンドの方々のためにも、しっかりそれは進めていかないといけないということでこういうガイドライン等が出てますし、それは旅客業のJRさんにも、こういうような形でわざわざ1つガイドラインができているというこのタイミングですので、本年10月17日に正式に出されているものですので、ぜひこの機を捉えてしっかりと、国の補助ということも当然あるでしょうし、前向きに進めていくということで考えてよろしいでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 大きな方向性は先ほどお答えしたように、それぞれみんな力を合わせて取り組みを進めていくということだと思います。  先般、中国に参りました折にも、最新の高速鉄道に乗りますと、中国には中国のスタイルがあるんだなということも感じるような形体もございましたし、それぞれの国々でトイレの事情は異なると思いますが、総体的には衛生的で快適なトイレ環境を整える、できればさまざまな方々に対応できる和式のものよりも、洋式化を進めていくという、こういう流れであろうかと思いますので、ぜひ取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。  次に、教育の格差をなくすことについて、以下、お伺いをいたします。  学校は地域の宝。県下各地に高校があり、全ての高校が魅力と活力のある学校づくりを進め、生徒が多様な選択肢の中で受験をし、生徒みずからが興味、関心や進路希望等に応じて学習し、学校生活を通して自己実現ができるよう、魅力と活力のある学校づくりの実現が求められます。  残念ながら、南への志向が強い傾向や、人気校や定員割れする学校があるのが現状です。どの高校も魅力と活力のある学校づくりに取り組み、地域間での格差をなくすことが求められますが、現状をどう捉え、今後どのように取り組もうとされているのか、教育長にお伺いをいたします。  次に、私立高校についてですが、公教育の一翼を担う私学、生徒の選択肢の多様性の確保にはなくてはならない学校です。また、私学があることによって、行きたい学校の受験にチャレンジしたり、万が一、受験に失敗したときも救われている生徒もいることと思います。  公立と私立の1人当たりの公費支出額の割合は10対3と、公立と私学間で大きな格差があります。生徒の多様な選択肢を確保するためには、私学を選ぶ生徒にもしっかりとした支援をするべきと考えます。授業料無償化の基準額は35万8,000円で、5年前から変わっておらず、実情を反映していないとのことです。施設整備についても、全県立高校に空調が入れば、私立高校の空調についても支援の対象になると考えます。  私学の補助については今後検討が必要と考えますが、公教育の一翼を担う私学の役割と、私学助成のうち施設整備費についての保護者負担軽減や授業料無償化の基準額の引き上げについての考えを知事にお伺いいたします。  公教育の一翼を担う学校の運営は安定的であることが求められます。現在、私学には学校運営のための補助金がありますが、入学定員の20%を超えると5%カットのペナルティーが科せられます。確かに教育の質を考えれば、定員を常に大幅に超えることはよくないことかもしれませんが、補助金を5%カットするより、教員の数をふやすなど教育の質の向上につなげるべきと考えます。  また、今後、私学の教育の無償化等の要因を考えれば、どれだけ辞退されるかは今までの傾向が参考にならない可能性もあります。公教育の一翼を担う私学の安定的経営を考えれば、この入学定員20%での5%カットについても検討すべきと考えますが、知事の考えをお伺いいたします。  義務教育を担う市町教育委員会は、子供たちの育ちの基礎となる大切な時期の教育を担っておられます。現場では同じように子供たちのための教育に取り組んでいただいていると思いますが、残念ながら、市の教育委員会と町の教育委員会では自治体の財政力にも差があり、規模的にも大きな差があることから、人員不足などが言われています。  県内のどこに住んでいても、児童生徒の教育の質の向上を考えれば、県としても町の教育委員会を支えることが求められています。市町の教育委員会を支え、県内で等しく教育を受けられるようにしなければならないと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 教育の格差をなくすことについてというテーマで、私には大きく3点御質問いただきました。  まず1点目、私学の役割と私学助成についてでございますが、私学は独自の建学精神に基づき個性豊かな教育を展開され、県民に多彩な教育機会を提供いただいており、公立学校とともに、公教育の一翼を担う重要な役割を果たしていただいていると認識しております。  そうした認識のもと、県は私学の自主性を尊重しつつ、学校法人に対し人件費等の経常経費の支援を行うとともに、保護者に対し授業料負担の軽減措置を実施しているところでございます。  まず、施設整備費につきましては、各私学はそれぞれ特色を出すため設置者として独自に取り組まれていると承知しており、県といたしましては、限られた財源の中で、耐震改築について国の補助事業を活用し助成を行っているところでございます。  また、特別修学補助金の拡充につきましては、国基準の世帯収入250万円以下を上回る収入350万円以下の世帯にまで授業料無償化の対象を拡大して助成していることもございまして、厳しい財政状況の中ではございますが、まずは現行制度をしっかりと維持したいと考えているところでございます。  続いて2点目、私学の募集定員の超過についてでございます。  募集定員を超過する生徒を受け入れられた場合、生徒にとって教育環境が低下する懸念がありますことから、学校法人に対して5%の私学振興補助金の減額を行うことにより、適切な募集定員の管理を促してきたところでございます。  一方で、学校法人からは、こうした補助金の減額措置により質の高い教育環境の維持に深刻な影響をもたらすことから、廃止を求められる御要望を受けているところでございます。  こうした中で、私学における教育環境の充実を図る観点から、どのようなあり方が適切なのか、その方策を検討してまいりたいと存じます。  最後3点目、県内で等しく教育を受けられることについてでございますが、子供たちは次の時代を担う社会の宝であり、県内のどこに住んでいても等しく教育を受けられる環境を整えることが重要であると認識しております。このため、県と市町の教育委員会が力を合わせ、協力しながら、それぞれの役割に応じて教育行政を進めることが大切であると考えているところでございます。  また、県と市町は対等であるとの考えのもと、それぞれの立場を尊重し、必要に応じて支援を行うなど、引き続き、誰もが県内で等しく学べる教育環境となるよう努めてまいりたいと存じます。 ◎教育長(青木洋) 教育の格差についての御質問のうち、高校間格差をなくすための取り組みについてお答えをいたします。  本県では、平成24年12月に策定をいたしました県立高校再編計画に基づき、全ての県立高校において魅力と活力ある学校づくりに取り組んでいるところでございますが、議員御指摘のとおり、出願倍率が比較的高い学校がある一方で、定員に満たない学校もあることは認識をしております。こうした中、県教育委員会では、各校の一層の魅力化や特色化につながる取り組みを進めているところでございます。  例えば、今年度から学びの変革推進プロジェクトにより、高島、安曇川、長浜北、河瀬、水口東の県立5校におきまして、タブレット端末などICTを活用して授業改善を行うモデル校として、新たな教育実践に取り組んでおります。  また、虎姫高校では、これからの社会において必要とされる地域を支える人材や、グローバル社会において活躍する人材を育成するため、2020年度の国際バカロレア導入に向けた取り組みも進めているところでございます。  今後も引き続き、こうした取り組みを初めとする各校の教育内容の充実や環境整備などに努め、地元はもとより、広く他の地域の中学生がこの学校で学びたいという思いになる魅力ある学校づくりを進めてまいりたいと考えております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、現状でということでしたので、また今後、さまざまな状況の中で考えていただきたいと思います。  次に、外国人労働者や家族と人権について、一問一答でお伺いをしたいと思います。  本日──2018年12月10日、世界人権宣言は採択から70周年を迎えました。世界人権宣言は、全ての人間が生まれながらに基本的人権を持っているということを初めて公式に認めた宣言です。  この宣言の中には自由権と社会権がともにうたわれています。自由権として、身体の自由、拷問、奴隷の禁止、思想や表現の自由、参政権など、社会権として、教育を受ける権利や労働者が団結する権利、人間らしい生活をする権利などが含まれています。地球上の誰一人取り残さないということを目指して、2015年に国連サミットで採択された持続可能な開発目標──SDGsも世界人権宣言をその基礎の一つとしています。  まず、外国人労働者やその家族にとっても人権は大切だと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) きょうは世界人権デーということでございます。人権とは、生まれながらに全ての人が持っているさまざまな自由や権利の総称でございまして、人が人らしく尊厳を持ち、幸せに生きていくために必要な権利であり、全ての人間に対し同じように保障されなければならないものであります。私は、この人権と多様性を尊重する滋賀県をつくることが県政の基軸であると考えております。  70年前に採択された世界人権宣言でうたわれる基本的人権は、国籍にかかわらず、全ての人間が生まれながらに持っているものであり、大切なものであると考えているところでございます。昨日開催されました人権尊重と部落解放をめざす県民のつどいにおいても、その旨、参加者の皆さんに改めて広めることをお伝えさせていただいたところでございます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)知事にお伺いいたします。  県では平成27年4月に滋賀県多文化共生推進プランの改正がされています。非常にすばらしいプランだと思います。外国人労働者の家族や多文化共生について、県の役割を知事にお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えします。  本県では平成27年4月に滋賀県多文化共生推進プラン改訂版を策定いたしました。その中で、広域的な課題への対応、市町レベルでは対応が困難な分野の補完、先導的な取り組み、さまざまな主体が連携して取り組むことができる仕組みづくりなどを推進するとしております。  また、滋賀県で暮らす外国人労働者やその家族が、日本人と同様に基本的人権が保障され、生活者として安心して働き暮らすための行政サービスをしっかりと享受できるような支援や、環境の整備に努めることも重要であると考えております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)知事にお伺いいたします。  現在、技能実習生について、失踪の67%が最低賃金割れ、長時間労働、妊娠を理由に強制帰国や中絶例、そして原発事故処理関連作業への従事など、過酷な実態が日々報道されています。滋賀ではこのようなことがないことを願っています。外国人労働者の現状の課題は何だとお考えでしょうか、お伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) まずベースにあるのは、普遍的に、国籍にかかわらず、人権をしっかりと尊重するということだと思います。  その上に、外国人労働者は一般に、日本語や日本の労働慣行に関する知識が乏しいことなどから、事業主による労働基準関係法令の遵守でありますとか適正な雇用管理など、外国人労働者が日本で安心して働き、その能力を十分に発揮する環境を確保する必要があります。  また、滋賀労働局が発表いたしました県内事業所の外国人雇用状況では、平成29年10月末時点で、本県の外国人労働者1万5,621人のうち、約半数の48.3%が派遣等の就労形態で働かれていることから、外国人労働者の雇用の安定を図ることも重要な課題であると考えているところです。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)知事にお伺いいたします。  このような課題がある中で、国では8日未明に入管法の改正が成立しました。今後5年間で約34万人の外国人労働者を増加しようとしています。単純労働にも外国人の就労を可能とすると言われている今回の改正は、製造業の多い滋賀には大きな影響があると考えますが、今回の入管法改正は滋賀にどのような影響があると予測されておりますでしょうか、お伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 改めて、短期的なこと、長期的なことを今分析を進めているところでございますが、現時点において、一定の専門性、技能を有し即戦力となる外国人材の受け入れが拡大することにより、人材不足が深刻化している製造業を初めとする県内企業の人材確保や、さまざまな福祉施設等の人材の確保も含めて、地域の持続的な発展につながるものと考えています。  一方、地域で暮らす外国人の増加が見込まれますことから、買い物や医療などの生活支援、防災等の生活情報の共有、地域住民との共生のあり方などが今まで以上に大きな課題となってくるものと考えます。  また、将来的には御家族の帯同が認められるケースも想定されますことから、子供たちの学習支援など、教育面のサポートもさらに必要となってくると捉えているところでございます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)知事にお伺いいたします。  今おっしゃっていただきましたけれども、外国人労働者の暮らしと教育についての課題をどのように把握されておりますでしょうか、お伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えをいたします。  これ、国際交流協会など、外国人住民に接する機会の多い県内市町ですとか、また、今申し上げた地域の国際交流協会などとの意見交換などを通して、課題の把握に努めているところでございます。  例えば滋賀県国際協会の外国人相談窓口では、平成29年度698件の相談を受けており、そのうち生活に係る相談が262件、教育に係る相談が130件などとなっております。その相談内容は、言葉や制度の違いにより生ずるものから人権にかかわるものや、日本人と同様に子育てに関する悩みや消費生活のトラブルなど多岐にわたっており、複雑化しているものと認識しております。  また、この教育についての課題ということの全てのお答えになっておりませんので、少し教育委員会等ともこういった課題等共有できるように、把握に努めたいと存じます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)ここからは、次に指名するまで教育長にお伺いいたします。今おっしゃっていただいた教育の件に関して、お伺いをしたいと思います。  滋賀県内の外国にルーツを持つ等支援を必要とする子供たちは、平成29年5月では、小学生が747名、中学生が303名、高校生が71名おられます。それ以外にも、日本国籍を持つ日本語の支援の必要な児童生徒も約100名おられると聞いております。この児童生徒の現状についてお伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  県内に在籍をいたします日本語指導が必要な外国人児童生徒等は、平成30年5月1日付の調査では、県内の公立学校に1,365名在籍をしており、年々増加する傾向にあります。  また、来日したときの年齢がさまざまであり、母語や文化、生活習慣などの多様化も見られるところでございます。  さらに、急な家庭事情により、年度途中に日本語が全く話せない状況で転入してくるという事例も少なくないのが現状であります。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)教育長、もう少し現状を教えていただきたいんですけど、平成22年に質問させていただいたときに、今おっしゃっていた受験時の特別な配慮の対象として、来日6年までということと辞書の持ち込み等というのを許可していただけるということで、それを現実化していただいたことには感謝しております。おかげさまで、昨年度の外国帰国生徒等に対する配慮は、18名の方に対して行われたということで聞いております。  入学した県立高校の生徒の全日制と定時制の在籍の人数であったりとか、高校の卒業の割合であったりとか、県立高校における外国にルーツを持つ生徒の現状をお伺いしたいと思います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  平成30年5月1日付ではありますが、全日制に10名、定時制に48名ということになっております。  また、高校に入学をした日本語指導が必要な外国人児童生徒のうち、卒業いたします生徒の割合は、学校あるいは年度によってさまざまではございますが、おおむね3割から5割程度というふうになっております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)子供たちは親の都合で日本に来た子供たちだと思います。世界人権宣言の26条には、「教育を受ける権利があります」と明記をされています。そして日本は、外国人がその保護する子を公立の義務教育諸学校に就学させることを希望する場合には無償で受け入れており、教科書の無償貸与や就学援助を含め、日本人と同一の教育を受ける機会を保障しているとする子どもの権利条約を批准しています。  日常の日本語が話せていれば大丈夫ということではなく、教育を受けるには学習言語の習得が必要となります。小4の壁と言われるようですが、小学校4年生になると抽象的な言葉が多用されるようになり、日常会話の言語では対応できなくなると言われています。学習言語の視点で支援をすることが大切だと考えます。  さらに、外国の子供たちにとっては、10歳ぐらいが言語が自然に習得される脳の働きが終わる言葉の臨界期と言われているようです。10歳を超えて来た子供には、きちんとした指導をしなければ覚えられないと仄聞をしています。  将来を担う子供たちを育てていることを考えれば、外国をルーツに持つ子供等も大人になって自立できるように成長すること、貧困の連鎖にならないことが教育の持つ役割だと考えます。この人権の視点に立って、外国をルーツに持つ支援を必要とする子供たちの支援への課題をお伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  日本語指導が必要な外国人児童生徒等は、言語や生活習慣の違いから、日本での学校生活への適応や日本語での授業を理解することが困難な状況が見受けられます。  そのため、各学校におきましては、日本語指導担当教員や母語支援員等が個別に日本語指導や生活適応指導等を行ったり、授業の中で学習言語について説明する等の支援を行ったりしております。さらに、母語による保護者への支援も行っているところでございます。  しかしながら、こうした取り組みはまだ十分とは言えない状況であります。また、担当教員だけでなく、全ての教員が情報を共有して、子供一人一人に応じた適切な支援をしていくことも必要であると考えておるところでございます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)それでは、今回の入管法改正によって、滋賀県内の教育等にどのような影響があると予測されているか、お伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案の成立に伴いまして、本県におきましても、今後、日本語指導が必要な外国人児童生徒数が増加するものと想定をされます。  子供たちの教育を保障するためにも、多言語での支援や日本語指導を進めるための指導体制の充実を図ることが必要であると考えております。  また、言語のみならず、異なる文化や生活習慣、価値観を認め合いながら、ともに学び合える学習環境の構築がますます求められてくるものと考えているところでもございます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)さまざまな課題がありますが、まずは、来日して学校に来たときに、母語を話せる人と一緒に面談をして必要事項を確認して、それに応じた支援をすることが大切だと考えています。  例えば、アレルギーなどで食べられないものがあるかどうか、持病がないか、そして宗教的、文化的配慮が必要なことがないか、家庭内言語が何か、経済的にどうか。学習面では、日本のカリキュラムとは一緒とは限らないので、現在までどのような学習をしてきて、どこの学習が終わっていないのか。例えば小学生であれば、整数、分数、小数の足し算、引き算、掛け算、割り算を習っているかなど。また、日本語は、話せる、聞ける、読める、書けるがどのくらいできるのか。そのあたりを面談で、先ほど言ってたみたいに、母語が話せる人と一緒にいろいろな情報を聞き取って、支援の計画を立てることが大切だと思います。  また、サポートに必要なもの、辞書やリライト教材などを用意することも求められます。母語と日本語を支え、そして支援する人材が必要ということは言うまでもありません。  また、県としては、高いハードルを超えて高校に入学してきた生徒を日常的にも支援して、自立できるように学びを助けることが必要と考えます。いいモデルをつくって、子供たちに希望を持てる社会にしていくことが望まれているのではないでしょうか。  先ほどの高校生の卒業割合3割から4割というのは非常に残念な結果だと思います。その子たちにとっては、多分、受験というのは非常に高いハードルだと思いますので、そのような中で入学した子供たち、その子たちがしっかりと卒業できるような環境整備も求められると思います。県教育委員会として、今後どのような対応をしていこうとされるのか、お伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  日本に来て間もない小中学校の外国人児童生徒等が日本での生活に円滑に適応するためにも、初期指導体制の充実を図ることは大変重要であると考えております。そのため、県内では3市において日本語初期指導教室を開設をしておりまして、県教育委員会といたしましても支援をしているところでございます。  また、高等学校におきましては、将来、社会で自立した生活を送ることができるよう、しっかりとした学力をつけていくことが必要であり、そのために母語の通訳ができる支援員の派遣や、教員の加配による支援を行っているところであります。  今後は、先進的な指導方法や教材についてどの学校においても共有されるよう、教員研修を推進いたしますとともに、地域人材等の協力を得ながら、支援の充実を図ってまいりたいと考えております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)教育長、今、今後の取り組みについてお伺いしましたけれども、特に初期指導体制が大事だというお話をしていただきました。
     それで、文部科学省の平成26年1月の学校教育法施行規則の一部を改正する省令等の施行についての通知では、「義務教育での特別の教育課程による日本語指導は、校長の責任のもと判断され、日本語の能力に応じた特別の指導に係る授業時間は、年間10単位時間から280単位時間までを標準とすること」と記されています。  現状では、非常勤講師の小中学校への派遣は、例えば2人以上在籍の場合だと1週間2日以内4時間以内、そして、例えば5人以上9人までの在籍では1週間3日以内6時間以内と決まっています。例えば6人でも言語がばらばら、例えばブラジル人、そしてまたベトナム人の方、中国人の方ということで言語がばらばらで、また学年もばらばらであれば、一緒に対応するということがやっぱりできないんですね。そうすると、1人当たり1週間1時間ぐらいしか対応ができないということになるんじゃないかと思います。この中に先ほどおっしゃっていた初期対応の必要な児童がいれば、さらに時間は足らなくなると思います。  子供たちの将来を考えれば、この初期の児童生徒の状況や能力に応じたきめ細やかな指導は大きな効果を出すと思います。何もわからずに教室に座ってる時間というのは本当に子供たちにとっては苦痛になると思いますので、初期の段階でしっかりと言語対応ができるようになれば、その子たちも伸びていくということが考えられると思います。  また、高校の現状を先ほどお伺いしました。高いハードルを超えて高校に入学した生徒です。外国にルーツを持つ等の支援を必要とする生徒は、高校で今までとは全く違う環境で学習することになると思います。地域の小学校、中学校に行っていると、ずっとなれた同級生がいるんですけれども、高校になるとやはり環境は変わります。その最初に面談をして、やっぱり必要となる母語の話せる人、もしくは日本語がしっかりと優しく通訳のできる方ということで、必要となる支援をせめてやっぱり1年ぐらいとか初期だけでもしてあげることで、卒業して自立していくことになる可能性が高くなるんじゃないかなと思います。  先ほどおっしゃっていた外国人児童生徒ハートフル支援事業というのは、生徒に対して大体2回ぐらいで、保護者の懇談会、面談等で、外国人児童生徒とその保護者対応として、先生との間で話をするというときに派遣をされるというお話をお伺いしました。また、ベトナムの通訳をされる方が今いらっしゃらないということで、そこはなかなか大変だというお話も聞いております。  この外国にルーツを持つ生徒の状況をやっぱりちゃんと調査をして、少しでもできる支援を考えていただきたいと思いますが、今後の取り組みについて教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  日本に来て間もない外国人児童生徒等につきましては、受け入れ時の状況を適切に判断するため、各校の日本語指導担当者や市の教育者により面談を実施をしていただいているところでございます。  また、各高等学校では、必要な生徒に対して個別に日本語の指導をしておりますし、日本語の指導が必要な生徒数が特に多い高校におきましては、独自に日本語という科目を設けて指導もしております。  県教育委員会といたしましては、今後もこうした取り組みを進めますとともに、日本語指導が必要な児童生徒が将来自立できるよう、しっかりとその状況を把握し、それに対応していくため、各地域の実践事例を県内全域で共有し、担当者の力量をより一層高めていくとともに、必要な人的支援が充実いたしますよう国へ対して要望するなど、一人一人に応じたよりよい教育環境の整備や支援の充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)現場を受け持っておられる市町さんは本当に頑張っておられると思います。ぜひ県としてもしっかりと支援していただいて、また、先ほども申しましたけれども、初期の対応というのがすごく大事だと思いますので、その時点で母語のわかる方を、単純に平均して週に何時間入れるということではなくて、初期のときにどれだけ充実して入れて支えて、その人たちが適応できるかということを支援していけるような体制づくり、それと、さまざまな支援というのを考えていただきたいと思います。  それでは、知事にお伺いいたします。  現状でも、技能実習生の問題や外国にルーツを持つ子供たちの教育の支援の不足など、多くの課題があると考えております。今回の入管法改正で、日本の国の労働力の不足を補ってもらうために外国から約34万人に働きに来てもらい、一定要件が整えば定住も可能となるということですが、既に衆議院で強行採決され、この8日未明に成立したと報道されていました。来年4月1日から施行に向けて動き出しています。  現在までに、現場を担う地方自治体との十分な協議の場はあったのでしょうか。国は、現状でも多くの課題のある外国人労働者の受け入れ体制や、外国にルーツを持つ子供たちの支援についてどのように対応しようとされているのか。受け入れ体制の整備は、国としてさらなる地方自治体への財政的、そしてまた人的支援が求められていると考えます。国の対応について、県の見解をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 県といたしましては、本年8月に行いました全国知事会の提言を通じて、新たに受け入れる外国人材および在留外国人への日本語教育や、安心して働き暮らしていくための支援など、多文化共生社会の実現に向け、国が責任を持って取り組むよう強く要請しているところでございます。  また、国におきましては、法務省が中心となって、関係省庁と有識者で構成する外国人材の受入・共生のための総合的対応策検討会を設置され、9月以降、4回にわたり検討を実施されているとのことでございます。このうち第3回検討会において、全国知事会がヒアリングを受けたと承知をしております。  今後とも、国会等では今年度中にさまざまな課題等もさらにまた出されて、国会等をもって国民に報告をされるということも承っておりますので、国の動向等も注視しながら、必要な要請を行っていくと同時に、県としても必要な対応をしっかりと検討してまいりたいと存じます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)この入管法の改正の成立を受けて、報道の中でも市町さんの声が出てました。国が外国人労働者の生活支援を自治体に押しつけてきたと、厳しく非難されているという声も載っておりました。知事の挙げておられるSDGsの17の目標の中で、質の高い教育をみんなに、そして全ての人々に包括的かつ公平で質の高い教育を提供して、生涯学習の機会を促進するという目標もあります。  子供たちの教育の支援、子供たちが自立できるよう、持てる能力を生かせるように支援すること、労働者自身も日本語を学び就労して、人として適正な環境で働き人間らしく生活できることなど、人権が尊重される受け入れ体制の整備が求められると考えています。  知事に、人権に根差した受け入れ体制の整備についてどのようにお考えか、お伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  人権、また、多様性を尊重するという立場で多文化共生に対する意識啓発を行いながら、偏見や差別のない社会の構築を図ることが重要だと考えます。  また、国籍や言語の違いだけではなく、異なる生活習慣や文化、価値観を認め合いながら、共生できる環境の充実を図り、子供たちの教育を保障する教育環境のさらなる充実を図ることが必要であると考えております。  まず、法の改正、制定の前に、現実がどうであるのかということをしっかりと直視する必要があると考えますし、その上で、さらに多くの外国籍の方々が日本に来て、住み、働き、学ばれるということが想定されることを踏まえて、どのような対応を講じていくのか、このことが求められているんだと思います。  県といたしましては、雇用や暮らし、教育など幅広い観点から、具体的に現実的で総合的な検討を進めようとしているところでございまして、今後、今行っていることに加えて、かえてどのような対応が必要なのか、県としてできること、これをしっかりと行っていきたいと存じます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)現場を持っていただいている市町さんとともに、しっかりと人権に根差した受入態勢をつくっていただきたいと思います。異なる文化を認め合えるということは、来られた外国人の方だけではなくて、今ここに住む私たち日本人にとっても、すごくいい環境になると私は思っています。  そのためにも、しっかりとこの4月1日、これからまだまだ社会が変わっていくであろうというこのときに、滋賀としてそういう態勢を整えていく。現実的で具体的な態勢を期待しております。よろしくお願いいたします。  これで質問を終わります。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、45番中沢啓子議員の質問を終了いたします。  次に、11番藤井三恵子議員の発言を許します。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇、拍手)日本共産党の県議団藤井三恵子、ことし最後の質問、一般質問をさせていただきます。  通告をいたしました2点の大きな質問に対しまして、その前に、活動報告させていただきたいと思います。  11月29日、議会開会日に饗庭野演習場における迫撃砲弾の着弾事案の再発防止等を求める決議案が上げられましたが、私は去る8日に、高島市饗庭野の演習場周辺住民とともに、住民の命を守り、自衛隊の実弾演習に反対する饗庭野の集会に参加をいたしてまいりました。  当日、午後から開催をされていましたが、寒い中、全体で350名を超える参加がありました。今回起きた自衛隊迫撃砲の射撃訓練中の事件について、真相究明と抗議の声を上げようとアピールをされております。  2015年7月、実弾演習による民家の被害、今回は国道303号線道路脇に弾丸が着撃し、住民車両に飛び散った破片で窓ガラスが割れた被害、威力からしても本当に怖い思いをして、一歩間違えば人命被害の危険も高く、一刻も早くこうした狭いところでの演習はやめるべきだというふうに、現地に行き再確認をいたしました。 ○副議長(生田邦夫) 藤井議員、入りましょうか、本題に。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)そうした平和を求めて、本日、質問に立たせていただいております。  それでは、通告に従いまして、今回、大きく2点質問をさせていただきます。  まず初めに、草津市立(仮称)プール整備についてであります。9月議会での質問に引き続きではありますが、角度を変えて質問を行いますので、よろしく御答弁いただきたいと思います。  昨年、2017年10月6日に、県立スイミングセンターの建てかえ機能を担うプール整備を草津市に決定をされて、約1年経過をいたしました。そして、この間、滋賀県と草津市の協議を交わし、協定書も結んで、来年度に向けて、草津市西大路地先の野村総合運動公園の横に、競技用の温水プールの建設計画が進められようとしています。  この整備については、草津市民の中でもまだまだ知られていないのが現状で、いろんな方にお話をしていますが、総額100億円をかけて整備をするプール、その整備費の3分の2は県が財政負担を行い、国体までに施設整備費だけで総額511億円かかるという。びっくりをされる方、また、多くの方は、そんなお金があるのならと、福祉や暮らしの予算に使ってほしいという声が大半であります。  今、県民の暮らしは、所得はふえないのに、年金や介護保険、医療費などの負担が重くなっています。そこに消費税の増税など困るという方が多い中、財政運営についても厳しい目があります。  また、滋賀県は8月に示した財政収支見通しの中で、2026年、8年後に839億の財源不足が生じると明らかにされ、今後4年間での343億円の財政改善目標を入れた行財政経営方針案が示されました。中身を見れば、補助事業など、先ほどもたくさんの議員が指摘をされておりますけれども、582項目削減、縮小しようとする提案がされております。  さきの節木三千代議員の質問にも答弁をされていますが、「大会に向けての必要な施設整備は、きちんと計画をつくり、予算を確保した上で、未来の投資としてしっかりとさせていただきたい」と知事は言われました。また、「大きな事業についても、削るところはしっかりと削りながら、必要最小限の施設整備をさせていただく」とも言われております。「県民の皆様方の生活に支障がないようにしていくことも必要だ」とも言われました。  いろいろ言われているんですけれども、結局、建設費が多くかかるから、その分、財政見通しを立てて、補助金なども見直し削減するという、県民負担を求めているのではないでしょうか。どんどん予算が膨れ上がっているのが滋賀県の整備状況ではないかと考えます。よって、これまで主張してきましたように、全国知事会決議に基づき、なるべく国体は簡素効率化を基本にして行い、県民に負担をかけないようにすべきだと指摘をするものです。  先日、そうした中で、我が県議団の9月定例会議の報告を見られた方から、県の約100億円のプール整備計画について問題ありと指摘をされています。  11月18日付の滋賀民報の報道の中で、年収500万円の若いサラリーマンが億ションのマンションを買おうとしているようなもの、そんなお金があるのなら学校教育の充実に充てるべき、国体競技開催期間は2週間か3週間のためにこんな施設は要りません、と主張されています。その友人たちからも、愛媛みたいに仮設で十分とか、無駄に税金使ってまで豪華な室内プールは要りませんと。ほかの水泳選手からも懸念の御意見が紹介されていました。  そして最後に、同紙面の報道では、県で2億円以上の維持管理費には反対です、私の意見に対する各議員さんの御意見をお聞きしたい、と記事に書かれております。今後の運営に注目をされていると思うんです。  こうした専門家からの御意見も踏まえ、総額100億円にも及ぶ温水プールの施設整備は、県民の思いとはかけ離れた豪華なものです。今回の財源不足で多くの補助金カットをするくらいなら、こうした開発こそ見直すべきだと考えますが、知事の所見を伺います。 ○副議長(生田邦夫) 11番藤井三恵子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  草津市が計画されている施設内容等につきましては、水泳競技者の活動拠点や健康づくりの推進など、県立スイミングセンターが担っていた機能を継承する施設としてふさわしいものと考えているところでございます。  その建設費につきましても、各団体の整備実績や物価上昇などを踏まえて試算されたものであり、県としては、過大なものではないと認識しております。  また、草津市におきましては、整備手法といたしまして、財政負担の軽減や平準化等が期待できるPFI方式を採用されるなど、建設費を含めた事業費の抑制に努めておられるところでございます。  今後も草津市と緊密な連携、協力を図りながら、最少の経費で最大の効果が得られるよう、取り組みを進めてまいる所存でございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)今、知事は、物価上昇とかいろんなことを鑑みて市は計画をされているということでお話しございました。いろんな角度で考えたんだけれども、今、まさにコンサルなどからの指摘も計画の中に入っていると思うんですが、そうした箱もの、巨額を投じてで本当にいいのかというのがいろんな方から言われていまして、それを受けて先日12月7日、草津市議会におきまして、我が党の久保秋雄議員がこのプール整備の事業費について質問をされております。  草津市は概算の整備費が99億9,000万円としておりますけれども、この答弁の中で、今言われました標準の規模のものだというふうに言われているんですけども、その後、大阪万博開催が決定をされたことから、多少の工事費の上昇が想定され、極端な事例が発生するかもしれない、現在、3%物価上昇での対応で検討しているけれども、上がるかもしれないとしています。  その時点で、県としましては負担割合が3分の2というふうに決めておられますので、さらに負担がふえるんではないかなというふうに思うんですが、この点については、上がっても3分の2というのを比率として負担をしていくのか、ほかの事業については見直しなのか、金額が多額だからということで、先日も御答弁もありました美術館などの見直しもあったわけなんですけども、その点で知事の所見を再度お伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 基本は、議員、私どもといたしましては、この間交わしております草津市との基本協定書に基づく対応を、また、財政支援に関する覚書に基づく対応をとってまいりたいと思います。  なお、経済状況等がどう変わるのかということは、大きく小さく、また、上に変わることもあれば下に変わることもございますので、そういったことはあったとしても、基本的にはこの協定書、覚書に基づく対応をとっていくということだと考えております。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)大きなお金だと思います。前回、指摘もさせていただきましたけれども、飛び込み台を入れるか入れないかで大きくこの金額も変わってくるというふうに思うんです。何が何でも競技用のプールと、そして飛び込み台を彦根のところをなくしたということで草津に持ってこられるということなんですけれども、本当にこの飛び込み台の競技をされている人口も今現在少なくて、草津市内および県内の飛び込み競技の人口というのが示されてたんですけども、そのことも含めて今後どうなっていくのかなという不安材料もありますし、草津市内で水泳のクラブ活動をされている人数についても示されているんですけども、これから広がっていくということであればあれなんですけども、今現状はそうした現実に見て、しっかりと対応するべきだというふうに思っております。  その点で次の質問に入りますけども、この現状からしても、今後の運営について本当に国体後維持できるのかという心配の声が上がっています。  草津市は10月の1カ月間、パブリックコメントの募集をかけ、市民に御意見を聞かれましたが、十分周知徹底がされたとは言えないものでありまして、また、草津市は市民の健康づくりの拠点施設にするというふうに言われております。近年、スイミング、ジムなどに通われている方もおいでにはなりますけれども、近隣の民間のスポーツジムも経営に影響するのではないかという声も聞かれております。  こうした点からも、今後どのように進めていかれるのか、県民生活部長にお伺いをさせていただきたいと思います。 ◎県民生活部長(浅見孝円) (登壇)お答えをいたします。  (仮称)草津市立プールの計画地の周辺には商業施設や宿泊施設などが立地してございまして、草津市においては、今後、こうした施設を含めて、各方面と調整を図りながら、施設の整備、運営を図っていかれるものと認識してございます。  本県といたしまして、これまで県立のスイミングセンターが担ってきた機能をしっかりと受け継いでいただいて、草津市立プールが円滑に整備、運営され、広く県民の皆さんに末長く利用していただける施設になりますよう、市と一層緊密に連携、協力しながら、整備に取り組んでまいる所存でございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)今、緊密にということで、後ろのほうからも草津のことちゃうんかという御意見もあったんですけれども、しかしながら、財政負担としては、先ほども言いましたように3分の2、県の、県民の税金が使われるわけでありまして、より幅広い方に御利用をというお話もあるんですけども、実際、開催されている国体に使われた後の整備されたプールなども見ても、調整期間とか何だかんだかとあって、結局、市民に本当に利用できるのかというのも含めて、協議十分進めていただくという中身だというふうに思うんです。その点で、私どもは身の丈に合ったものをということを言っていまして、県議団としまして、多くの県民にしわ寄せをする大型開発ではなく、身の丈に合ったものにということで、今後も含めて、この点は、一旦、多くの予算をかける施設でありますので、一旦、一から見直しをすべきだと強く求めて、この項の質問を終わらせていただきます。  次に、教育政策について、一問一答で教育長にお願いをしたいと思います。  子供たちに行き届いた教育をしようと、毎日、現場の先生方は御苦労をいただいています。こうした中、昨年、滋賀県の教育現場では、長時間過密労働による過労死ラインを超える労働時間について、働いたその中身についても明るみになって、我が会派としましてもこれまで改善を求めてきたところでございます。  さらに、来年度の予算要望については、教育環境の改善を求めて、知事に要望書を11月22日に提出をさせていただきました。そこで、幾つか今議会に質問をさせていただきます。  全国の文科省の調査によれば、1週間の勤務時間が60時間以上の割合が、小学校で33.4%、中学校で57.7%となっており、さらなる教員の働く環境改善が求められております。滋賀県も来年度の国への予算要望事項の中で、小中学校全学年35人学級を充実させるために、教員加配の強化を求めておられます。  日本共産党はこうした実態を前にして、教職員をふやし異常な長時間労働の是正を、学校をよりよい教育の場にという提言を11月9日に発表しました。この提言のもとで、幾つか質問をさせていただきたいと思うんです。  異常な長時間労働の原因を、3つの根本問題として指摘をされています。  1つは、国が教員をふやさないため、授業の負担がふえたということであります。  (資料掲示)お手元の図表1をごらんください。ちょっと見にくいんですけれども、1980年に週6日制でありました小学校では5,785時間、6年間で時間数あります。中学3年生では3,150時間、これが2002年になりまして週5日制となりました。先生の勤務日数は17%減少しましたが、2002年の総授業時間を見ると、小学生6年間で5,367時間、中学校では3年間で2,940時間と、7%しか減らされなかったということであります。  こうして、ゆとり教育はだめだとして、2011年、7年前に脱ゆとりを提唱し、授業時間をふやしました。するとどうでしょうか。どんどんついていけない子がふえて、また、小学5、6年生では外国語活動が入り、その分、ほかの教科が薄れてしまいました。  そして、再来年──2020年からは、1980年と40年経過しているんですけれども、時間数は小学校で同じ時間に戻り、さらに、小学3年生から外国語活動、小学5年生からは英語科が追加をされます。  そうして、問題の2つ目なんですが、格差と貧困の広がりで学校の抱える課題がふえた上、全国学力テスト、また教員免許更新制などが、上からの教育改革として拍車をかけました。  3つ目には、公立学校の教員が法律で例外的に残業代ゼロとされた働き方をしていることが挙げられております。  そして、その解決のために4つの提案を行っています。  1つに、小中学校の教員定数を10年間で10万人ふやす。1日の5ないし6コマもの受け持ち授業を、ちょっと資料はないんですけれど、(資料掲示)ごめんなさい、ちょっと見にくい資料でございますが、6コマの授業の場合は、先生方も朝8時から4時半まで勤務をされて、6コマですから6時間目まであります。すると、休憩時間は25分しかありません。そして、4コマを目安に減らすということで、小学校では週20コマ、中学校では週18コマとなります。  そして、このところを4コマにすれば2時間、余裕の時間ができるということで、教師の皆さんは次の日の準備だとか子供たちの対応とかいうゆとりができるということです。  そして、全国で9万人ですから、午前中の議論にもございましたけれども、人口比ですれば100分の1ということで、滋賀県では900人ぐらいになるんですかね、教師の改善がされるということを提案しております。  2つ目に、学校の業務削減をすること。国と自治体の教育改革の削減、中止とともに、学校現場での削減を進めることです。  3つ目に、働くルールの確立を図ること。残業代を支払うようにして、残業時間の上限を設け、労働時間をしっかりと把握を行うこと。  4つに、公立、私立ともに非正規教員の正規化と待遇の改善を進めるということ、提案をしております。  そこで、教員定数の拡大についてお伺いをいたします。  教職員定数の拡大については、先ほどの考えでいきますと、滋賀県の中で定数をふやして充実をさせていく必要があると思うんですが、どれだけの教員が必要と考えられますか。教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  小中学校における教職員定数は、国の義務標準法にのっとり措置をしております。こうした中で、本県では、35人学級編制につきまして、国の加配措置を活用しながら県の単独措置も加え、平成27年度から小中学校全学年で実施をしております。  また、いじめや不登校を初めとする今日的教育課題への対応の加配教員につきましても、各小中学校の実態を踏まえ、これまでから配置の拡充に努めてきたところでございます。  何人かという、今、総数的になかなか申し上げづらいところはございますが、まずは、やはり国において全ての学年で35人学級編制のための定数改善が行われることが必要と思っており、引き続きまして要望してまいりたいと考えております。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)実際、今、滋賀県は全学年に35人学級ということで教員を配置されているというふうに聞いておるんですけれども、しかしながら、多岐にわたって先ほどもいろんな課題があるということが明らかになっている中で、独自の加配教員が必要だなというふうに思っているんですけども、少人数指導をするための拡充も現場ではすごく求められているんですが、この県単独での加配の増員の考えについてはどのようにお考えなのか、再度、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  今ほども申し上げましたように、本県では平成27年度から県単独措置を加え、小中学校全学年で35人学級編制を実施をしております。このことによりまして県内の小中学校では、きめ細かな指導による学習意欲の向上やいじめ等の生徒指導課題の解決等、児童生徒の指導に成果を上げていただいていると認識をしております。  そのような中、少人数指導につきましては、この35人学級と少人数指導、どのようにしていくか、さまざまな御意見もございます。  ただ、我々といたしましても、これまでから国に対しまして要望もしておりまして、今後は、まず、この加配の拡充につきまして、引き続きしっかりと国へ要望してまいりたいと考えております。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)今、現状、平成29年度の実績では、小学校では307人、中学校では234人、加配の教員数がいらっしゃるというふうに資料でお示しされているんですけれども、これを本当に正規化もして、しっかりと対応を求めておきたいなというふうに思っております。  次に、新学習指導要領においての英語、外国語の教員の加配ですね。先ほども外国語の方の指導をというのがございましたけれども、その加配を求めることについてどのようにお考えなのか、お伺いをします。
    ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  平成32年度には小学校において新学習指導要領が全面実施をされます。本県では、小学校英語教育の導入への対応のために、英語専科指導教員を国の加配に県単独措置を加えまして、平成29年度には全市町に19名、さらに今年度は32名の配置を行っているところでございます。  新学習指導要領の円滑な実施に向けまして、今後とも英語専科指導のさらなる充実のため、英語担当教員の加配充実につきまして、国に対して引き続き要望してまいりたいと考えております。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)今、19名と32名ということで徐々にふえてはいるんですけれども、しかしながら、先ほども言いましたように、大変な過密に、時間がふえて先生方は大変だというふうに思うんです。準備だけでも大変で、今、まさに英語を担当されている派遣されている先生にお話を聞きますと、本当にかけ持ちで、いろんなところを回っているというような状態で、ないよりかはましだけれども、しっかり、処遇というか、先生方の置かれている状況も改善が必要ではないかなというふうに思っております。  各学校にお一人いると全学年行かれるとかいう配慮ができるんですけれども、市で1人とか、そういう学校をかけ持ちをされているような状況もあるというふうにお聞きしておりますので、その点でも加配の充実を図っていただきたいというふうに思います。  次の質問ですが、特別支援学級についての定数についてお伺いをいたします。  特別支援学級においての学級定数は現在8人というふうにお聞きしておりますけれども、今後、重複障害のあるお子さんもふえている実態からも、対応が多岐にわたり、改善が求められております。こうしたとき、県として、今後の計画としてどのように対応されようとしているのか、お伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  議員が今御紹介いただきましたように、特別支援学級の学級編制基準につきましては、現在、義務標準法にのっとって、1学級8人の編制となっております。  本県では県独自の措置といたしまして、1学級当たり7人以上の学級には、複数での指導ができるよう非常勤講師を配置し、この時間数について、今年度からは週18時間に拡充をしたところでございます。  こうした中、学級編制基準の引き下げにつきましては、これまでから県といたしましても国へ要望しているところでございます。  あわせまして、小中学校における実態を踏まえ、重度の障害のある児童生徒に対する加配措置についても、国に今、要望しているところでございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)ぜひとも、本当に教育予算少ないということは節木議員も指摘をされたんですけれども、国にということを重々要望されているのは知っているんですが、さらに県としてもそういうフォローを進めていただきたいと。拡充をされていることは評価するんですけれども、定数を7人というふうにおっしゃったんですが、それをもっと引き下げて対応を求めておきたいというふうに思いますし、私ども予算要望でも、しっかり4人で一クラスという、定数を改善せよというふうに要望もさせていただいているわけで、その見直しを図っていただきたいというふうに思います。  次のスクールソーシャルワーカーの活用事業についてお伺いをいたします。  先ほどもございました、いじめなどの対策強化というところで、教員以外の子供たちの心に寄り添えるスクールカウンセラーさんやソーシャルワーカーさんの活用事業が重要だと考えます。さらに、そうした専門家の判断、支援が教職員の方々の負担軽減にもつながると思うんです。  スクールソーシャルワーカーさんを活用された事業について、支援体制の強化を、充実を図っていただきたいと思っているんですが、その点についての見解を伺います。 ○副議長(生田邦夫) この項目は全て教育長ですね。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  福祉の機関などと連携をして、児童生徒が過ごしやすい環境づくりを担うスクールソーシャルワーカーを全市町の拠点校に配置をいたしますとともに、拠点校以外の学校にも派遣できるよう体制を整えてまいりました。さらに、その配置時間を増加をして、支援の拡充も図っているところでございます。  スクールソーシャルワーカーを配置した学校では、長期欠席者の在籍率が減少いたしますとともに、関係機関との連携や家庭訪問を行うことで家庭環境が改善され、児童の表情が和らぐといった好ましい変化が見られたという報告なども受けております。このようなスクールソーシャルワーカーの活動は、また教職員の負担軽減にもつながるものというふうに思っております。  今後も、本事業のさらなる充実に向けて努力してまいりたいと考えております。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)充実をさせていただいているということで評価するんですけれども、まさに本当にいろんな御相談もあるというふうに思うんです。そういったことを含めて、放課後、子供さんが帰られた後、保護者の方と対応したり各関係機関にも走ったりというようなことで、先生方がそのことだけで時間を費やすということであれば、本当に子供たちに向き合う時間が減ってしまうということになりますし、こういったソーシャルワーカーさんや支援をされるカウンセラーさんなどの充実は、本当に待たれているなというふうに思っています。ぜひとも充実をさらに進めていただきたいと思います。  最後に、6番目ですが、働き方改革の充実についてお伺いをいたします。  1990年、一番最初にお話しさせていただきましたが、学校指導要領によって多くの時間差がだんだん変わってきている状況の背景の中で、不登校やいじめの問題など学校を取り巻く環境課題が大きく変わり、教師の負担もふえております。そこで、不要不急の業務を見直し、中止をしていくことが大事だと考えます。  現場の話し合いに基づく業務の削減をしていき、子供と接する時間をふやし、教育の中身を改善する、部活動の負担軽減化など改善をされたという報道も一部ございますけれども、その後、変化はあったのか、お伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  現在、働き方改革につきましては、昨年度末に制定をいたしました学校における働き方改革取組方針と取組計画、これに基づきまして、さまざまな取り組みを推進しております。  具体的には、学校内での業務改善の進め方等の研修の実施、あるいは教員の業務負担を減らすためのスクール・サポート・スタッフや部活動指導員等の人的支援、また、コミュニティ・スクール設置等の家庭や地域の力を学校に生かす取り組みなどを進めております。  取り組みの結果、小中学校のスクール・サポート・スタッフの配置校では、教員1人当たり、1カ月につき約7時間の削減効果が、また、中学校の部活動指導員の配置校につきましては、1部活動当たりですが、1カ月につき約18時間の削減効果が出ております。  また、現在、働き方改革に関する教職員の意識調査も実施をしており、超過勤務の状況とあわせて結果を分析、取り組みの評価を実施をし、現場に届く効果的な取り組みにつなげてまいりたいと考えております。  今後も、県教育委員会と市町教育委員会、そして学校現場が一体となって取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)ありがとうございます。本当にいろんな取り組みをして少しでも先生方の負担を軽くし、子供たちに寄り添える教育、滋賀の教育というのを大事にしていただきたいというふうに思うんです。  今、いろんな多岐にわたってサポート体制を少し進めていただいております。その内容充実をさせていただきたいと思いますのとあわせて、先日、これ、意見ですけれども、来年度予算編成時期に当たって、多くの教員の願いが出されております。厚生労働省の過労死白書、2018年10月30日発表された中で、過重労働防止に必要な取り組みとして、教員の皆さん、今、意識調査ということをおっしゃったんですけれども、教員の増員を求めておられるのが78.5%、2番目に、行事の見直し54.4%、過半数を占めています。3番目に、教員のコミュニケーションの円滑化43.1%となっております。  根本的に教員の定数をふやし、若い教員からベテランの教員まで、本当に計画的に指導力をアップするためにも、連携した改善が求められるというふうに思います。  そういった点で、本日、日本共産党の提言も含めて、教員の置かれている現状、そしてその背景にある問題、それを解消するためにはどう対策を打つのか、今後に向けて、滋賀県の取り組みも含めて質問をさせていただきました。充実を求めて、この点について質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。 ○副議長(生田邦夫) 以上で、11番藤井三恵子議員の質問を終了いたします。  次に、38番粉川清美議員の発言を許します。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇、拍手)通告をしております3項目について質問いたします。  まず1項目め、びわ湖材、滋賀県産木材の利用促進について、一問一答方式で質問します。  知事は、山の健康や森林政策の推進に力を入れると表明され、琵琶湖保全や森林整備への県民の関心が高まっていることを感じています。私は期待とともに、県が平成21年度から集中して取り組んだ森林政策、林業振興事業を今思い浮かべております。  国は平成21年度から、地域の創意工夫を生かし、木材の需要拡大、安定的、効率的な地域材の生産・供給体制の構築、および持続的な林業経営の確立に向けた総合的な対策を緊急に支援するため、森林整備加速化・林業再生交付金事業を実施、滋賀県でも平成21年度から28年度まで、森林整備加速化・林業再生基金事業として約32億円をかけて取り組んできました。  当時、県は、川上対策として、間伐、路網整備、高性能林業機械の導入、川中対策として、木材加工流通施設等整備や流通経費に対する支援、また、川下対策としては、地域材を使用した公共施設への助成等が実施できることから、森林、林業の課題解決に向け、これらの事業に総合的、計画的に取り組みたいと、その方向性を示していました。  また、その重要性から、議会も森林整備加速化・林業再生基金事業の延長および充実を求める意見書を提出するなど取り組んでまいりました。32億円をかけて取り組んできた森林整備加速化・林業再生基金事業の成果や課題を検証して、次に生かすことが重要だと考えます。  まず1点目に、川上から川中、川下などの分野で取り組んできた8年間の実績および事業の検証について、知事にお聞きします。 ○副議長(生田邦夫) 38番粉川清美議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  8年間にわたります本事業の主な実績といたしましては、川上では、約1,900ヘクタールの間伐を実施するとともに、このための高性能林業機械24台の導入や、約12キロメートルの路網の整備を行いました。川中におきましては、県森林組合連合会の木材流通センターを初め、木材加工施設や乾燥機など27施設を整備いたしました。川下では、市町や社会福祉施設など17の木造施設を整備いたしました。  これらによりまして、本県の素材生産量は事業実施前の3万2,000立方メートルから平成29年には8万8,000立方メートルに増加するとともに、木材流通センターの平成29年度の取り扱い量は約4万立方メートルとなっております。こうしたことから、基金事業の目的でありました木材の需要拡大、安定的、効率的な生産、供給体制の構築などに大きく寄与したものと考えております。  これらの成果を踏まえ、引き続き林業の成長産業化を推進するとともに、あわせて、森林の公益的機能の維持と山村の活性化に一体的に取り組み、山の健康を目指してまいりたいと存じます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)県の課題の解決に向けて取り組んでこられたわけですけども、びわ湖材、県産材の需要に現在生産が追いついていないという現実を、知事はどのように考えられるでしょうか、お聞きします。 ◎知事(三日月大造) 今御指摘いただきましたように、これから切りごろを迎えてくる木材を使って、どのように加工し、使える状態に持っていくのかという体制、対策とともに、いざ需要が高まってきたときに、県産材、びわ湖材をしっかりと一定の量とともに一定の質を確保しながら出していく、そういう体制が極めて重要だということも改めて再認識されているところでございますので、そういったことに応えうる体制を、今後の取り組みの中でしっかりと進めていかなければならないと考えているところでございます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)2点目です。  2010年10月に施行された公共建築物等木材利用促進法に基づく基本方針では、従来の建築物の非木造化を転換し、国が建てる低層の公共建築物は、原則、全て木造化することなどを規定しています。  滋賀県においても、この国の基本方針に沿って、公共建築物への木造利用の方針を定めて取り組んできました。その取り組みの成果などについて、琵琶湖環境部長に伺います。  まず、公共建築物の木造率についてお聞きします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) (登壇)お答えをいたします。  本県内の公共建築物の木造率は、平成28年度に着工された建築物について見ますと、延べ床面積ベースで全国平均11.7%に対しまして21.7%となっております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)そのうち、びわ湖材、県産材の利用率について、琵琶湖環境部長に伺います。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) 申しわけございません。今、手元のほうにその資料を持っておりません。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)公共建築物の木造化とともに、やはりびわ湖材、県産材の利用を進めていくということでございますので、現状をしっかりと調査し把握し、今後に取り組む方向性をきちっと示していただきたいと思っております。  次に、新しい木材として注目をされておりますCLTについて、林野庁と国交省は、2014年11月に共同で作成、公表した、CLTの普及に向けた工程表──ロードマップに基づき実用化を促してきましたが、滋賀県のびわ湖材を加工したCLTの活用状況について、琵琶湖環境部長に伺います。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えをいたします。  びわ湖材を加工したCLTの活用状況でございますが、公共建築物では、平成29年に建築した県薬業技術振興センターの屋内の壁に利用しているほか、現在建築中の甲賀市信楽地域市民センターの屋根と壁にも利用されることになっております。  また、民間では、甲賀市の企業の事務所におきまして、建築材全てに利用されている例がございます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)国も具体的な工程表を示すなど取り組んでおりますので、ぜひ県としても国同様、具体的に計画的に推進をしていただくように要望しておきたいと思います。  次、3点目です。ことし8月に変更された公共建築物における滋賀県産木材の利用方針についてです。  滋賀県産木材の利用拡大に向けた取り組みでは、大きく、滋賀県の取り組み、市町や市町以外の公共建築物、県民の木材利用の促進に分けて取り組みを明記しています。  そこで、まず1点目に、滋賀県の取り組みについてです。  琵琶湖森林づくり基本計画の基本指標である平成32年度の県産木材の素材生産量12万立方メートルの達成を目指して、公共建築物、公共工事、物品、木質資源の有効活用など、積極的な木材の利用を図るとしていますが、利用方針を実効性あるものにするための取り組みが重要だと思います。  例えば高知県では、県有施設は原則基準内施設100%木材化を目標にするなど具体的な目標を掲げ、また、各部局ごとの取り組みに係る数値目標などを設定し、県みずからが率先実行して県産材利用を推進する行動計画を定め、各部局の目標と毎年の進行管理を実施しています。  一方滋賀県では、今後、国体、全国障害者スポーツ大会の開催に向けて整備する陸上競技場や体育館といった施設においても、県産材を活用する方針を示していますので、積極的に取り組むという曖昧な目標ではなく、着実な推進に向けて、県産材利用推進に向けた目標や行動計画を策定することが必要と考えますが、琵琶湖環境部長に伺います。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えをいたします。  本県では、公共建築物における滋賀県産木材の利用方針に基づき、琵琶湖森林づくり県民税も活用しながら、公共建築物について可能な限り県産材の活用を図るとともに、特に大型の公共建築物の建築に必要な量と品質の製材品の確保が図れるよう、供給体制の整備にも取り組んでいるところでございます。  議員御提案の県産材の利用目標や行動計画につきましては、来年度着手を予定しております次期琵琶湖森林づくり基本計画の策定検討におきまして、どのような目標設定が可能か、滋賀県木材利用連絡会議において、関係部局とともに検討してまいりたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)ぜひ具体的な目標とか行動計画を立てて、そしてまた、県では庁内の連絡協議会などを設置して全庁的に取り組む体制も構築がされておりますので、ぜひ、この積極的に取り組むとか、なるべく頑張って取り組もうとかいう、そういった曖昧な表現ではなく、きちんとした目標や行動計画の策定をぜひお願いをしておきたいと思います。  それじゃ、2点目に、市町等の木材の利用の促進についてです。  市町の木材利用の方針が平成28年10月に県内全ての市町で策定されたことから、より一層連携して取り組むとしています。  また、市町以外のものが整備する公共建築物について、方針の趣旨を踏まえて勧奨するとしていますが、具体的にどのように推進をするのか、琵琶湖環境部長に伺います。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  市町の公共建築物や社会福祉施設などの建築物につきましては、琵琶湖森林づくり県民税を活用して木造化や木質化を支援しているほか、国の補助対象となるものについては、採択に向けた技術的な助言を行うなどの支援を行っておりまして、今後もこれらの取り組みによりまして、県産材の利用の促進を図ってまいりたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)続いて3点目です。県民の木材利用の促進についてです。  県の利用方針の中で、木材の優位性や木材の利用の意義について県民の理解を深めるため、各種イベントや広報媒体の活用を図るなど、県民の木材利用の促進を明記していますが、広報や県民ニーズとの乖離など、現実はまだまだ課題が多いと感じています。  県民にびわ湖材を活用していただくための制度、木の香る淡海の家推進事業について、以下、全て琵琶湖環境部長に伺います。  (資料掲示)これはびわ湖材を活用した助成制度、木の香る淡海の家推進事業、新築や耐震改修、リフォームなどへの支援制度が紹介されているポスターです。  びわ湖材を活用した助成制度、今、ポスターを御紹介しましたが、木の香る淡海の家推進事業の実績についてお聞きします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  平成16年度から実施しております木の香る淡海の家推進事業では、平成29年度までに新築1,247戸について助成を行ってきておりまして、また、平成20年度から開始した耐震改修については5戸、平成29年度から開始した内装木質化は2戸の助成を行っております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)今、実績を御紹介いただきましたが、中でも利用の少ない耐震改修やリフォームなど内装木質化助成制度は、毎年、予算を削減しています。事業の重要性から考え、実績が少ないから予算を削るというのではなく、どうすればより多くの県民にびわ湖材を活用してもらえるかが重要と思うのですが、琵琶湖環境部長の見解を伺います。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  議員御指摘のように、できるだけこの制度を有効に活用していただくということが大変大事だと思っておりまして、今後とも活用の推進に努めてまいりたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)より今後活用されるように工夫をしていただきたいんですけど、例えばこのポスターを見ますと、平成30年度──ことしの募集期間は平成30年4月2日から11月30日、先着順で、募集期間内であっても予算に達した時点で受付終了となっています。11月以降、翌年3月までの間に制度を使いたい人は全く対象外となります。  また、募集戸数を減らしておいて、それ以上は希望があっても応じないというのは、びわ湖材推進の観点から疑問が残ります。期間設定や受付など、制度を見直すべきではないでしょうか。琵琶湖環境部長の見解を伺います。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  平成30年度のこの木の香る淡海の家事業につきましては、11月現在の申請状況では、新築120戸に対しまして115戸の申請が来ております。  募集期間は、議員御指摘のように、平成30年12月21日までなってございます。  期間の設定等につきましては、できるだけたくさん利用していただけるように考えていくべきだと思っておりますし、一方で、予算の適正な執行のために一定の予算の整理期間も必要ということもございますので、今後とも両面を考えながら、より使いやすい形になりますように検討していきたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)今、部長、12月21日までと制度の募集期間をおっしゃいましたが、ホームページでは期間を延長しますというふうに広報されていますが、このポスターでは11月30日までというふうに募集期間がなっているわけですね。だから、このポスターだけを見た人にとったら、もうそこで終わりということになりますので、ぜひわかりやすい広報にも努めてほしいと思っています。  この制度の中で、耐震改修に対する助成制度についてお聞きします。  びわ湖材を無償提供していますが、10年間の実績が5戸。なぜ利用されないのか、どのように考えておられますか。琵琶湖環境部長に伺います。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えをいたします。
     耐震改修のための助成制度につきましては、施主の申請に基づきまして、製材品を現物支給することとしております。このため、工務店がみずからの責任で材料を調達できないといったことや、施主にとってみると申請手続が煩雑であるといったような声をお聞きしておりまして、これらが制度の利用が進まない要因の一つではないかと考えているところでございます。  これらの御意見も踏まえまして、より使いやすくなるように、制度の改善を検討してまいりたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)今、部長から現物支給についての指摘があり、改善する、検討するというお返事でしたが、例えば、この制度は耐震改修は申請者が建築主ですね。ほかの住宅新築やリフォームは、申請者が大工さんとか工務店など事業主となっています。  どちらにしても、自分が材料をもらって耐震改修するわけではないので、できればこの申請方針方法についても、ほかの制度とそろえて、わかりやすく見直すべきではないかと考えますが、琵琶湖環境部長に伺います。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  今の耐震改修のことにつきましては、現在、施主に対しまして、県で行っております県産材利用耐震改修モデル事業で割増補助を行っていることがございまして、これとの関連で、その使途を明確にするために施主に対する現物支給ということになっているわけでございますが、これにつきましても、より使いやすい方法になるように検討してまいりたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)次に、リフォームなど内装木質化の助成制度についてですが、この制度は昨年度からスタートしました。予算枠25件に対して2件となっていて、ほとんど利用されていません。リフォームする住宅は多いと思いますが、なぜ利用されないのか、どのように考えておられますか。琵琶湖環境部長に伺います。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  内装木質化のための助成制度につきましては平成29年度から開始したものでございますが、施主はもちろん、工務店などに対する制度の周知がまだまだ十分ではないのではないかということが一つの要因ではないかと思っております。  このため、工務店などに対しまして、びわ湖材を利用した内装化の施工事例集を作成するなどによりまして、制度の周知に一層取り組んでまいりたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)県民の方から貴重な御意見をいただきました。この木の香る淡海の家推進事業を活用したリフォームを工務店に頼んだが、その希望がかなわなかったということです。  このポスターにも掲載されていますが、びわ湖材を活用したリフォームの助成は、使用量1立方メートル当たり3,000円とポスターに書いてあります。工務店から、1立方メーター当たり3,000円では申請の手間がかかるだけ、やめたほうがよいと言われて、助成制度の活用を諦めたというものです。  正しくは、1立方メートルではなく、1平方メートル当たり3,000円補助というのが正しい制度です。間違った情報提供のせいで利用が進まないとは考えられませんか。琵琶湖環境部長、いかがでしょうか。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えをいたします。  まず、このチラシにつきまして間違いがありましたことについては、正しい情報をお伝えできず、まことに申しわけございませんでした。  このポスターは、県産木材活用推進協議会が作成をし、4月中旬ごろに配布をしたものでございますが、5月ごろに誤植に気づきまして、配布先に修正を依頼をしているものでございます。これが十分行き届かなかった可能性があるということにつきまして、反省をしております。  今後このようなことがないように、十分チェックも徹底し、正確な情報提供に努めてまいりたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)今、部長から修正を指示したということを聞いて安心をしました。担当課と話してるときにはそういうことをおっしゃらなかったので、指摘をされても、間違いは間違いとして誰にでもあることなんですが、間違い以上に問題なのが県の対応だなと思ったわけです。指摘されたのにポスターを直さないで、ずっと半年間、張り続けているということに、県の熱意がどうなのだろうかって感じたんですが、修正を指示していただいたということで、そこはほっと安心をしたということです。正しい情報で皆さんにお示しをするというのが原則ですので、今後、よろしくお願いいたします。  最後に、これからは特に県民ニーズに合った対応が重要と考えています。例えば、これも県民の方からのお声なんですが、びわ湖材を活用して床暖房を希望したが、地元業者から床暖に使えるびわ湖材はないとの返事。理由は、床暖に使用する木材は床暖用に乾燥することが必要だが、滋賀県にその機械がないとのこと。床暖などは現実に新築でもリフォームでも多く取り入れられています。ぜひびわ湖材についても活用できる取り組みが重要と考えますが、琵琶湖環境部長に伺います。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えをいたします。  床暖房に使用する木材のための木材乾燥機につきましては、本県では中小製材所が多く単独で所有することが困難でございますが、中小の製材所が地域ごとに協業化をすることによりまして導入を進めることについても、検討をしていきたいと考えております。  さらに、今後の乾燥機整備のニーズや製材品の需給状況、さらに費用対効果などを見きわめながら、国の補助制度の活用も含めまして、乾燥機の整備やその支援のあり方についても検討していきたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)本日午前中にも、ヒートショック対策として、リフォームなどに木製サッシの採用など提案がありました。琵琶湖森林づくり県民税を活用したびわ湖材の活用を進めるには、琵琶湖保全や森林保全に協力したいという県民の思いや、また現場のニーズに応えることが重要だと考えます。  知事が進めようとされている山の健康や林業振興などは、県民の理解を得て、県民と一緒に進めることが成功の鍵を握ると考えますので、木の香る淡海の家推進事業などにつきましても広く活用されるように、県民目線の制度に改善されますことを強く要望し、この項の質問を終わります。  次に、2項目めの発達障害者への支援について、一問一答方式で、全て健康医療福祉部長に質問します。  発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害のことを言います。発達障害の原因ははっきりしていませんが、脳機能のトラブルと推定されており、育て方や家庭環境によって引き起こされるものではありません。早期発見と、その人の特性に合わせた適切な支援が大切です。  平成28年の発達障害者支援法の改正により、発達障害の疑いの段階から継続的な相談や早期発見、早期支援、さらには家族などを含めた身近な地域でのきめ細やかな支援の充実等、切れ目ない支援体制の構築が求められています。また、本人や家族の方からは、より専門的な指導、障害者や家族に寄り添う支援、また、地域社会や職場など社会全体での支援の充実が求められています。  1点目に、支援する人、指導者の育成についてです。  発達障害支援について、国や県など支援する人を育てる研修などが実施されていますが、まず、この国の研修の受講状況について、部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  本県からの国の研修の受講状況につきましては、国立障害者リハビリテーションセンター学院で行われております、発達障害者地域支援マネジャーを対象とする研修などを、過去3年間で10名の方が受講しておられます。  また、国立精神・神経医療研究センターで行われます医師を対象とする研修を、平成28年度、29年度で各1名が受講し、今年度も1名がこれから受講する予定となっております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)それでは、次に、県が行うかかりつけ医発達障害対応力向上研修の講師養成についてお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  県では、かかりつけ医が発達障害への対応力を高めていただくための研修会を実施いたしております。その研修の講師は、先ほど答弁いたしました国立精神・神経医療研究センターで行われます発達障害支援医学研修を受講された医師の方に担っていただいているところでございます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)次に、応用行動分析学──ABAに基づく療育について、厚労省では、県の発達障害者支援センター職員、地域支援マネジャー、市町村の巡回支援専門員を対象に研修を実施しているが、平成30年度からは研修内容に応用行動分析学──ABAを追加したと聞いています。国の研修への参加や市町への研修など、県の取り組みについてお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  ただいま議員から御質問いただきましたとおり、国立障害者リハビリテーション研修センターが実施いたします保育所等に巡回支援を行います市町の巡回支援専門員等を対象にした研修会に、今年度から応用行動分析学の内容が盛り込まれたところでございます。  今年度は県内からこの研修会への参加はございませんでして、また、県においても、この応用行動分析学について、市町を対象とする研修は実施はいたしておりません。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)応用行動分析学──ABAなどの専門性を高める研修は大変重要だと思うのですが、このような、先ほど、国、県の研修等も御説明いただきました現状を踏まえて、今後どのような取り組みが必要と考えておられますか、お聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  発達障害者支援に従事いただいております医師、保育士、相談員等の専門性や支援技術の向上は大変重要でございます。新しい知見を支援の現場に生かしていくためにも、引き続き、国の研修などに積極的に県内の支援関係者に参加いただけるよう、研修の周知などに努めてまいりたいと考えております。  また、県としても、研修者が得た知見を生かして、県内の関係者にお伝えできるような形をとっていければと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)次に、保護者、家庭への支援についてです。  発達障害と認定された子供を育てる保護者への支援の取り組みについて、1点目に、ペアレントメンター養成等事業についてです。この研修などの取り組みと人材育成の状況についてお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  県内の市町では、ペアレントメンター養成研修に派遣を行っておられるところもございます。現在のところ、県としては人材育成、活動支援等は行っていないところです。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)このペアレントメンター養成事業につきましては、平成23年に県で実施をしていたが、メンターの活動に至らなかったという課題を聞いております。今後、この課題解決なども含めて、研修は県が実施をし、また、実際には相談窓口は市町等になりますので、そういう連携も大切だと思っています。  特に、この研修は県が実施することが私は大変重要だと考えているんですが、今後、このペアレントメンター養成事業については、県としてどのように考えておられますか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  発達障害者の御家族の支援を充実していくためにも、県としても、やはりペアレントメンターの養成ができればと考えております。メンターの養成研修や活動支援等について、検討いたしているところでございます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)よろしくお願いします。  次に、家族のスキル向上支援、ペアレントトレーニングについてです。  保護者が療育を行えるように専門職の人がトレーナーで実施する事業ですが、この事業は国が県に2分の1補助をして実施をしてきましたが、平成30年度からは、市町村が実施する場合にも国が補助金を出して普及促進に努めています。県や市町の取り組み状況についてお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  市町では現在6市町で実施をされておられまして、各市町の実情に合わせて、回数等も工夫しながら実施をされているとお聞きしております。  県では、家族を対象といたしますペアレントトレーニングやその指導者の養成については、県としては行っておりません。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)県内では6市町ということでしたが、全国でも6割の自治体が実施するなど、広がってきていると聞いています。  県の支援、対応についてなんですが、身近なところでの取り組みが重要と考えますが、市町で取り組むために県はどのように取り組んでいくのか、お考えをお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  議員御指摘いただきましたとおり、このペアレントトレーニングにつきましては身近なところで取り組むことが大切と考えておりまして、市町が主体的に取り組むことが適切と思っております。  そのため、県としましては、必要に応じまして、既に取り組んでおられる市町の実施方法などを他の市町に情報提供することで、取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)3点目に、次は、ピアサポート推進事業についてです。  同じ悩みを持つ本人同士や保護者同士などの集まる場の提供や、その折の子供の一時預かりなどを実施する事業ですが、この事業の取り組み状況についてお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  ピアサポート推進事業につきましては、今年度から国の地域生活支援事業に位置づけられておりますが、県あるいは市町でも実施はいたしておりませんが、発達障害のある子供の親の会、あるいは発達障害本人の会が、ピアサポートと同様の趣旨で、サロン形式でお互いの経験を話し合うなどの活動を独自に実施をしておられまして、県としましては、障害児者地域活動推進事業費補助金により支援をいたしているところでございます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)本人や家族同士など当事者同士の連携が深まることは大変重要と思いますので、必要な制度が確実に利用されるように、また御助言などを取り組んでいただきたいと思います。  4点目に、ペアレントプログラムについてです。  この事業は、子育てに難しさを感じる保護者を対象に、子供の行動を客観的に理解する方法を学び、楽しく子育てに臨む自信を身につけることを目的としたグループプログラムで、家族のスキル向上支援事業の一つとなっています。県や市町の取り組みについてお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  県内では今年度、3市でこのペアレントプログラムを実施しておられます。県としましては、市町の担当者を対象といたしまして、国の担当者の方からの事業説明をしていただくとか、あるいは他県の先進的な実践事例を学ぶ説明会を実施し、市町における事業化を支援しているところでございます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)指導者とか、また支援者研修など、県の支援、対応についてお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  このペアレントプログラムにつきましては、市町の保育士等が容易に実践できるようにマニュアルが作成されております。また、市町において事業化されるに当たりましては、プログラムの開発にかかわった専門団体からの指導者の派遣を受けることができるようになってございます。こうしたことから、県としては、市町向けの説明会を通じまして事業化を支援してまいりたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)それでは、次に、地域での見守りの取り組みについてです。  滋賀県では、発達障害のある人が身近な地域において自立した生活が送れるよう、支援者の養成や相談支援体制の整備を図るとともに、啓発の実施により、発達障害に対する正しい理解の普及に取り組むこととしていますが、地域社会の理解や見守りの取り組みについてお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  発達障害のある方は、本人が自身の特性を理解して、周りの人が適切に配慮することで生活がしやすくなりますことから、専門的な支援とあわせて、学校あるいは職場など、身近な人が発達障害について正しく理解することが重要であると考えております。  4月2日の世界自閉症啓発デーと、それに続きます発達障害啓発週間におきまして、市町や関係機関、関係団体とともに県内各地で啓発活動を実施し、パンフレットの配布などを通じて、発達障害に対する正しい理解を広げる取り組みを行っているところでございます。  また、こうした御自身を身近に理解し、見守り、支援する人、すなわちサポーターの養成につきましては、県発達障害者支援センターが行います県民の方を対象といたします公開講座として実施をいたしておりまして、毎年、約700人の方に御参加をいただいております。  今後も、発達障害のある人や家族の生きづらさが少しでも軽減されるよう、発達障害に対する正しい理解の普及に向けて工夫を重ね、効果的な啓発を実施してまいりたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)県でも地域での見守りの取り組みが進むように研修などを取り組んでいただいておりますけれども、そういった取り組みを通じて、地域での理解や見守りが深まったと感じているというか、考えておられますか、お聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 先ほど申し上げましたとおり、県としてもいろいろな啓発に取り組んでおります。少しずつではありますが、発達障害のことを県民の皆さんも広く理解していただき、そして、その方の力をより伸ばしていけるような、そういうふうなサポートができるように、進んでいるかどうか、なかなかまだまだこれからの面もあると思いますが、引き続き努力していきたいと思っております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)この項の最後なんですが、働く場での見守りの取り組みについてです。  障害があっても、その特性を踏まえ、希望や能力、適性に応じて活躍でき、障害者とともに働くことが当たり前の社会を目指していくことが必要です。しかし、障害者がせっかく就職しても、職場に定着できずにやめてしまうケースも少なくない状況で、その理由の一つとして、障害者とともに働く従業員が障害者等に関する基礎的な知識や情報を得る機会が限られているということが指摘されています。  そこで、厚労省は2017年9月から、障害のある同僚へ声かけなどを行う精神・発達障害者しごとサポーターの養成を開始し、全国で約3万4,000人のサポーターが誕生しているとのことです。滋賀労働局でも精神・発達障害者しごとサポーター養成講座を県内6カ所で開催していますが、この参加状況や養成講座の効果などについてお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  滋賀労働局にお尋ねをいたしましたところ、精神・発達障害者しごとサポーター養成講座、昨年度は県内で3カ所、今年度は上半期に4カ所で実施されているということでありまして、企業に出向く出前講座とあわせまして、昨年度からことしの9月末までの参加者は延べ1,244人ということでございます。  また、職場での発達障害のある方への具体的な対応がよくわかった、といった講座に参加した方からの御意見や、あるいは出前講座の申し込みが前年度から倍増しているというようなこともお伺いをいたしております。  こうした取り組みによりまして、職場における発達障害に対する正しい理解を広め、誰もがやりがいを感じながら働き続けることができる職場環境づくりへの関心が高まっているのではないかと感じているところでございます。  地域で見守るサポーターと同様に、職場においても温かく見守るサポーターをふやしまして、日常生活と職場との切れ目ない見守り体制をつくることで、発達障害のある方の生活の全体の質が向上できるよう、関係の皆様と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)今、御紹介をいただきました養成講座や出前講座を受講すると精神・発達障害者しごとサポーターの認証を受けられますが、これは特別な資格制度ではなく、また、職場の中で障害者に対する特別な役割を求めるものではないとのことです。受講するとサポーターとなり、同時に、名刺に貼るサポーターというシールやストラップをいただくんですが、そこには精神・発達障害者しごとサポーターと明記されていて、このネーミングが立派過ぎて活用しにくいという意見を聞いています。  県の障害者プランでも、関係機関の連携による切れ目のない支援の強化でサポーター養成を推進することを明記していることからも、地域でも職場でもサポーターの講座を受けたサポーターを認証して、例えば認知症サポーター、オレンジリングのように、形にしてはどうでしょうか。見守りの社会づくりのために、発達障害のサポーター認証を形にして、その輪を広げる取り組みを提案するものですが、見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) ただいま、議員から、認知症サポーターと同様な形で、発達障害者のサポーターの方も認証の仕組みをつくればどうかという御提案いただきました。関係の皆様あるいは滋賀労働局の御意見も伺いながら考えてまいりたいと思います。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)ぜひ実際のサポーターさんの意見なども聞いていただき、関係機関と連携して、実際にこの見守りの地域とか職場づくりが進むような取り組みを要望しておきたいと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、最後3項目めに、被災者に寄り添った支援制度について知事に質問します。  ことしは全国で災害が多発し、被災者の生活再建が大きな課題となりました。滋賀県における被災者生活再建支援制度は、滋賀県内において自然災害により生活基盤に著しい被害を受けた県民に対し、その生活の再建を支援し、もって県民の生活の安定と被災地域の速やかな復興に資することを目的とし、市町が実施した支援事業に対して補助する制度です。  台風21号の被害は、全県域で全壊2件、大規模半壊1件、半壊17件であり、適用条件に合うことから、滋賀県はこの県の被災者生活再建支援制度の適用を決定し、補正予算でその費用を計上しています。  被害は県内6市1町であったものの、支援対象市町は彦根市、高島市、東近江市の3市で、支援を行わない長浜市、草津市、栗東市、竜王町の3市1町は補助対象外で、県の支援はありません。  私は、災害が発生し被災者になり生活再建が必要となった場合、災害の範囲や規模にかかわらず、被災者に寄り添った支援が必要と考え、以下、質問をいたします。
     1点目に、今回の対応についてです。  県の被災者生活再建支援制度は、被災者への生活再建支援を行う市町に対して補助を行う制度設計となっていて、今回は支援を行う市町と行わない市町があり、同じ被災状況でも支援制度が受けられないなど、住んでいる場所によった差が出たこと、同じ県民なのに支援に差が出ることについて、知事の見解を伺います。  2点目は、支援制度についてです。  県は国の支援制度が適用されない被害に対応するための恒久制度を創設し対応していますが、被災家屋数の基準によって県の支援制度が適用されない被災者がいることについて、知事の見解を伺います。  3点目に、今後の対応についてです。  県は国に対して、全国知事会や関西広域連合を通じて、被災者生活再建制度の見直しについて要望しています。また、平成26年11月には県単独で国に対して、制度の対象となる自然災害の基準の引き下げや同一災害による被災世帯への支援金支給の不均衡の是正など適用要件の緩和、また、制度の対象となる被災世帯を、全壊世帯、大規模半壊世帯に加え、半壊世帯および床上浸水世帯にも拡大するなど、適用対象の拡大を求めています。  その要望書の中で県は、災害による住宅全壊被害でも、被害件数と自治体の規模によって支給される場合と支給されない場合があるという不均衡が生じる状況、また、平成25年台風18号により3府県に特別警報が発表された同一災害であるにもかかわらず、被災者生活再建支援制度が適用される地域とされない地域があるという不均衡が生じていると記載しているように、まさしく現在の滋賀県被災者生活再建支援制度も県民目線からは同じ不均衡が生じています。このことについて、国に要望したことを踏まえて、知事の見解を伺います。  被災状況は同じでも、被災の規模で支援に差が出ると同じ県民に対する支援に不公平さが出ます。被災した人が1軒でも早急な生活再建は重要で、被災者は支援を必要としています。被災者に寄り添う生活再建支援が求められていると考えますが、災害の規模などに左右されない公平な被災者生活再建支援制度に改善することについて、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 被災者に寄り添った支援制度に関しまして、4点御質問いただきました。  まず1点目、被災者生活再建支援制度による支援の有無についてでございますが、生活再建の支援につきましては、各市町が地域の実情に応じて必要な支援策を講じるという観点から、市町が支援の実施主体となり再建支援を行い、県は市町の再建支援事業へ補助を行う制度となってございます。  このため、災害発生の都度、各市町において被害状況等を踏まえ再建支援の必要性を判断され、制度の活用について県に協議が行われます。  今回、台風第21号に係る被害への再建支援制度の活用について各市町に確認いたしましたところ、現時点では、彦根市、高島市および東近江市の3市において、地域へのダメージが大きく、早期に被災者への生活支援を行う必要があるものと判断され、県に協議があったものでございます。  2点目、この県の制度でも適用されない被災者がいらっしゃることについてでございますが、国の制度では支援対象にならない被災者をできるだけ救済できるよう、市町との協議のもとに、恒久制度としての県独自の被災者生活再建支援制度を平成28年に創設いたしました。  本県の被災者生活再建支援制度は、県内で5世帯以上の住宅に全壊の被害が発生したときや、知事と被災市町長の協議により特に必要と認めたときに適用されるという制度になっております。  対象となる自然災害につきましては、他府県の制度を研究いたしました結果、一定規模以上の被害が生じた災害を対象とすべきと考え、県内で5世帯以上の住宅に全壊の被害が生じたとき等の適用条件を設定しております。こうした一定の適用条件を設定したことにより、被災者であられても、この制度の適用を受けられない方がおられることは認識しております。  それでは、こういった不均衡が生じていることについて、国に要望したことを踏まえてどう考えるのかということについてでございますが、国の制度における適用要件が、市町村で10世帯、都道府県で100世帯の全壊と厳しいこと、また、適用対象が全壊および大規模半壊に限定されていることから、平成25年台風第18号災害時には本県は適用を受けられなかったということがございました。そのため、適用要件の緩和および適用対象の拡大を求めて、国に要望をいたしたものでございます。  一方、国の制度の対象とならない被害についても県単独の支援制度が必要と判断し、市町との協議を重ねた上で、平成28年6月に、一定規模以上の自然災害を対象とする支援制度を設けたところでございます。  最後に、この県の被災者生活再建支援制度の改善についてでございますが、他府県の独自制度には、1世帯から一定規模以上の災害に適用するものや、全壊や大規模半壊に限定するもの、半壊や床上浸水についても対象としているものなど、さまざまな制度が存在いたします。  本県の被災者生活再建支援制度の今後のあり方につきましては、国の制度の見直しの動きや他府県の制度も参考にしながら、市町とともに議論、検討をさせていただきたいと考えているところでございます。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)確認の意味からも、2点再問させていただきます。  1点目は、3番目に聞いたんですが、現在の滋賀県被災者生活再建支援制度も県民目線からは同じ不均衡が生じていると、認識についてはそのように感じておられるということでよろしいでしょうか。  2点目は、滋賀県の被災者支援制度は大きく2つあります。1つは、今議論をさせていただいた被災者生活再建支援制度、もう1つは、被災者に対する災害見舞金制度というのがあります。しかし、この制度も結局は条件が厳しくて、1つの市や町で全壊5軒以上となっていて、使われることはほとんどありません。  さっき、知事も他府県の状況等も触れていただきましたが、他府県では災害規模に関係なく見舞金として対応している例もあります。これらも含めまして、被災者に寄り添った支援という考え方で、県の制度を総合的に見直すことを再度要望したいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎知事(三日月大造) まず1点目、不均衡が生じていることについて、それでどう思っているんだということについてでございますが、条件のもとではございますが、この条件に適用すれば、どうしても結果的に不平等が生じてしまうという実態があることを認識しております。  その上で、災害見舞金も含めて総合的に見直すべきではないか、他府県の事例も参考にしながらということでございますが、これにつきましては先ほどもお答えいたしましたとおり、まず国の制度の見直しを我々県としても要望しています。国がどこまで見直しをしてくるのかこないのか、できるのかできないのか、こういったものを見きわめながら、それでは、できなかった部分を市町とどう役割分担をして、今般頻発いたします災害等に、各地域で出てまいります被災者にどのような制度をつくればいいのかということを、これはまさに総合的に議論の上、必要な見直しができるよう、検討を行っていかなければならないと考えております。 ◆38番(粉川清美議員) (登壇)国との連携ということをおっしゃっていただきましたので、しっかりと連携をしながら、とにかく被災者に寄り添った支援ということで、県民の皆様に御理解いただけるような支援制度となりますことを要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、38番粉川清美議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後3時33分 休憩    ────────────────   午後3時55分 開議 ○副議長(生田邦夫) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  次に、43番柴田智恵美議員の発言を許します。 ◆43番(柴田智恵美議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、2項目について質問させていただきます。  まず、小児慢性特定疾病医療費助成制度についてであります。全て健康医療福祉部長にお伺いします。  私も相談があるまでは制度について詳しくは知りませんでした。皆様にも聞きなれない制度だと思いますので、まず制度についてですが、この小児慢性特定疾病医療費助成制度は、治療が長期間にわたり、児童の健全な育成に大きな支障となる疾病について、その費用の一部を公費により負担する制度であります。  難治性のいわゆる難病については別の助成の仕組みがありますので、この仕組みは特に児童期の慢性疾患に着目して助成を行うものであります。具体的には、小児がんや慢性的な呼吸器疾患、先天性の代謝異常など、現在、16の疾患群756疾病について、18歳未満の児童を対象として治療費の助成が行われている制度であります。  また、治療を行いながら学童期を過ごすケースがふえている中で、このような制度の必要性、重要性はますます高まっていると考えます。  そうした中で、県内において児童が該当する小児慢性疾患の確定診断を18歳になるまでに受けていながら、制度利用の申請を行ったときには誕生日をわずかに過ぎていて、18歳に到達していたという理由で、申請そのものができなかった例がありました。  この制度は18歳未満の児童が対象の制度ではありますが、18歳になる時点で既に制度を利用していて、引き続き治療が必要と認められた場合は二十になるまで利用ができることとなっているだけに、わずかに申請がおくれたことで一切制度の利用ができないのは、余りにも不利益が大きいと思います。  しかも今回、18歳未満の段階で該当疾病の確定診断までなされていた状況だけに、何年も頑張って病気に立ち向かっている親子にとって、この制度そのものは何のためにあるのかと思わざるを得ない状況でもあります。まず、この制度の持つ意義についてお伺いします。  平成26年5月23日に国会で可決、成立し、5月30日に公布されました児童福祉法の一部改正に伴い、同年の12月に、小児慢性特定疾病児童等に対して提供される医療の質の確保、指定事務の円滑かつ適正な運営を期するためという内容で、厚生労働省から指定小児慢性特定疾病医療機関の指定についての通知が都道府県宛てにあり、県内では現時点において187カ所の医療施設が指定病院として指定され、あわせて、小児慢性特定疾病医療費助成制度における指定医の指定もなされているところであります。  県には、単に医師や医療機関を指定するだけでなく、制度の利用を考えている県民の方が利用しやすいような環境整備を行うことが求められていると考えますが、現状の県の取り組みについてお伺いします。  本来ならば、こうした制度の対象となることが見込まれる段階で、しっかり本人や家族に対して制度に関する必要な情報が提供されるような体制ができていなければなりません。もちろん、利用する制度について、利用者となる県民自身も当事者となった場合には、みずから情報収集に努めることも必要であると考えます。  しかしながら、そういったことを考慮したとしても、この小児慢性特定疾病医療費助成制度については、対象となる疾病そのものが極めて専門的ですし、その専門領域も多岐にわたるため、実際に診断を行う医師も、対象疾病の全容をつかむ困難さがあるのではないかと思います。  さらに、何かしら助成制度があるのではないかとみずから調べて、そのことを把握し、確実に申請を行うということを行政側が県民に求めるということは大変酷なことではないかと思いますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いします。  そして、何よりも命と隣り合わせの厳しい状況の中、病状の経過を見守る親にとって、子供に寄り添い、ともに生きることで、心身ともにいっぱいいっぱいであります。また、そこには次々と経済的、将来的不安が覆いかぶさっているわけですから、せめて経済的な不安を和らげてあげることができなかったのかと強く思います。  この制度を利用できるのは申請する日ではなく、対象となる疾病に該当したこと、その日を重視すべきではないでしょうか。今後、今回のケースのような、適切な情報提供があったならば制度を利用することができたであろう県民の方が、申請することさえもできなかったという事態が二度と起こらないよう、そして、苦しい実情を抱え、厳しい現実の中にいる県民の方に必要な支援が届くようにすることが、行政としてなすべき本来の姿ではないでしょうか。  県として、医療機関はもちろんのこと、関係者への周知を徹底することや、ITを活用した改善策の検討等を改めて求めたいと思いますが、どのような有効な対策を考えていただけるのか、お伺いします。 ○副議長(生田邦夫) 43番柴田智恵美議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)小児慢性特定疾病の医療費助成制度についての4点の御質問のうち、1点目のこの制度の持つ意義についてお答えをいたします。  小児慢性特定疾病に係る医療費助成制度は、高額な治療が長期にわたり、児童の健全育成に大きな支障となる疾患につきまして、治療にかかる費用の一部を助成することで医療費の負担軽減を図る制度でございまして、現在、大津市を除きまして、県内で約1,300人の方が利用されておられます。  治療が困難な疾患を抱え、長期にわたり闘病生活をされ心労の多い児童やその御家族にとって、本制度は経済的な負担を軽減し、必要な医療を受けられることにつながる大変意義のあるものと認識をいたしております。  2点目のこの助成制度を利用しやすくする環境整備に関する現在の県の取り組みについてでございます。  本制度につきましては、県ではホームページにおいて紹介を行っておりますほか、申請に係るリーフレットを保健所や市町、医療機関に配布をいたしております。  また、更新時には個別に通知を行いまして、申請継続に係ります御案内も行っております。  今年度は制度の対象疾病が追加される等の見直しがございましたので、改めてチラシを作成いたしまして、指定医療機関や薬局、訪問看護ステーションに対しまして、本制度について周知徹底をお願いしたところでございます。  また、養護教諭を対象とする研修会におきましても本制度の説明を行いまして、保護者の方への情報提供をお願いをいたしております。  3点目の申請を行うことを行政側が県民の皆さんに求めることについてでございます。  本制度は、議員の方からも御紹介ございましたとおり、現在756疾患が対象となっておりまして、また、年々、対象疾患数もふえております。県民の皆様が対象となる疾患であるかどうかをみずから把握して申請することは、御指摘のとおり、困難な面もございます。  一方で、本制度は法律によりまして、対象となる児童の保護者の申請に基づき支給認定をする制度となっておりますため、申請者本人またはその代理人の方に申請を行っていただく必要がございます。そのことから、対象の方が必要な情報を適時適切に得られるよう、さまざまな関係者への制度の周知徹底を行うなど、環境整備をより一層図っていく必要があると考えております。  4点目の関係者への周知徹底やITを活用した改善策についてでございます。  関係者の方への周知徹底につきましては、医療関係者はもとより、教育関係者などにも周知徹底を図りますことで、さまざまな機会を通じて、御本人や保護者が情報を得られるよう努めていきたいと考えております。  また、県民の方々の目にも触れやすいようにポスターを作成するなど、啓発方法を工夫していきたいと考えております。  ITを活用した改善策につきましては、やはり医療機関での情報提供が効果的と考えられますので、例えば電子カルテでございましたら、カルテに疾病名を記録する際に、それが小児慢性特定疾病に該当する場合はお知らせをするような機能を付与するというようなことも考えられます。  県といたしましても、医療機関における取り組み状況などを把握いたしまして、どのような対応ができるのかを含めて、関係の皆様とともに考えてまいりたいと考えております。 ◆43番(柴田智恵美議員) (登壇)御答弁ありがとうございます。今、部長からお聞きしましたように、制度の意義は大変大きいものがあります。支援を必要とする方々にとっても、その必要性、重要性、先ほど質問の中にも言わせていただきましたが、とても高いものがあります。  今回、県民の皆さんの中でそういった御相談があって、苦しみに対応できなかったこと、そして、その救済措置も何もなかったことに、とても私はこの8カ月ほど、どうしたものかと思いながら今日まできました。私はやはり行政としてもこのことは重く受けとめていただきたい。二度とこのようなことがないようにしてほしいという思いで、質問をさせていただきました。  情報提供のあり方をしっかり考えていただけるようですし、また、そうしていただきたいというふうに思います。  特に、ITの活用を視野に入れた今後どのような対応ができるのかということを関係機関とともに考えていただけるようですので、ぜひそのことをよろしくお願いしたいと思います。  ちょっと1つだけ確認をさせていただきたいんですけども、その前に、特に救済措置について、私、今回、質問にはあえて入れませんでしたけれども、今後、対応策も含めて、いろんなところでいろんな話をする中においても、万が一このようなことが起きた場合のやはり救済措置というものはあってしかるべきではないかというふうに思うので、そのことの検討もあわせて願うところでございますが、先ほど、関係のところというとこら辺は、済みませんが、ちょっと1つ確認なんですが、これは特に国の制度でもあるということで、その辺の話の部分というのは、今後のいろんな検討の中には国との関係はどのように考えておられるか、ちょっと確認をさせてください。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 議員のほうからお話のございましたケースにつきましては、私どももお話をお伺いしまして、どのような対応ができるのか、何か対応策はないのか、検討してまいりました。  その中で、当然、厚生労働省のほうにも法律の解釈等を確認をいたしまして、あるいは他府県での取り扱いが何かないか等々十分検討いたしましたが、やはりどうしても法律の制度でございまして、申請日以降でなければ医療費助成の対象にならないということが最後のネックとなりまして対応ができなかったというものであり、このようなことが起こらないように、やはり十分に必要な方に必要な情報が適時適切に届くということが大切と考えておりますので、先ほど申し上げましたとおり、さまざまな周知や関係の方といろんな対応を考えたいと思っております。  その中には当然、必要に応じて、国の厚生労働省のほうとも必要があれば御相談をしながら考えていきたいと考えております。 ◆43番(柴田智恵美議員) (登壇)ぜひ、これは本当に国の制度ですし、でも個人にとってはもう全てのことなんですね。ぜひ、このようなことを含めてなんですが、やはりそのものの病気にかかって本当に、本人はまだ児童期であって、たまたま4月生まれだったということでは、今、高校3年生だという、例を挙げさせていただいた方なんですけど、その方にとっては本当に、誕生日がどうやとか申請がどうやとかいう前に、今置かれている状況が大変厳しいものがあるということについては、やはり今後このような事例が起きた際には、もう少し厚労省との話も含めて、今後のこの制度のあり方も含めて御提案いただきながら、改善策、本当に支援を必要とする人たちにその支援が届くように改善を図っていただくように、滋賀県からしっかりと物を言っていただければというふうに思います。  以上で、この件については質問を終わらせていただきます。  次に、ひとり親家庭施策について、全て健康医療福祉部長にお伺いします。  平成27年3月に策定されました淡海子ども・若者プランの中の「子どもを安全・安心に生み育て、子どもの育ちを支えることができる社会環境づくり」に、「ひとり親家庭を支える」があります。  このプランは平成27年から平成31年度までの計画期間として策定され、基本目標や施策の方向性、具体的な取り組みなど、目指す姿が明確に示された計画でもあります。来年度がこの計画の最終年度となりますが、このプランの計画策定に当たっては、県は、ひとり親家庭等生活実態調査を実施し、現状把握の上、分析した結果での必要な施策が計画に盛り込まれています。現在は次期プランの計画策定に向けての取り組みもなされているところだと思います。  また、このプランの策定にあわせて実施された平成26年度ひとり親家庭生活実態調査の結果において、母子家庭は平成21年の調査に比べて1,351世帯増加して1万3,917世帯であることや、母子家庭の就労収入は年間100万円から200万円が29.9%、200万円から300万円が21.2%と滋賀県の県民所得の平均にも届かず、就労形態も正社員が39.7%で、パート、アルバイトが34.6%、正社員以外のフルタイム社員14.8%と、安定した雇用環境でない厳しい環境下で働いている姿がありました。この調査から4年が過ぎておりますが、きょう食べるお米や食料を買うお金がないと小口資金の利用が結構あるという厳しい状況は続いているとお伺いしています。  生活の糧を得るために働くことは、暮らしの大事な基盤であります。ひとり親の自立のためのニーズに応じた就業相談の充実ということで、県の取り組みとして、滋賀マザーズジョブステーション内で母子家庭等就業・自立支援センターによる就労支援が行われておりますが、これまでの相談状況と、どれだけの方が就労につながったのか、その状況についてお伺いします。  また、就業相談の際には自分自身の健康など多岐にわたる生活相談等も多いとお聞きしておりますが、現状と相談から見えてきた課題等についてお伺いします。  ことし10月、ひとり親家庭の悩みをサポートしようということで、滋賀県ひとり親家庭総合サポートセンターが開設したと新聞報道で拝見しました。社会から孤立しがちなひとり親家庭は、困り事、悩み事を抱えていながらも相談に至らず、自分1人で抱え込んでしまう傾向があります。  ぜひ、安心して相談できて、将来不安が少しでも軽くなる、そんな役割を果たしていただき、相談者の心のよりどころになることを期待するところですが、何でも相談できるセンター開設の周知について、どのように考えておられるのか、お伺いします。  さて、先般、とても気になる2つの報告をお聞きしました。  1つ目は、保険医協会との懇談の中で、子供の虫歯治療について、社会全体として虫歯になる子供が減少しているにもかかわらず、その中で虫歯になる子供がいること、その背景には、家庭での歯磨きの習慣もあるが、経済的な理由からの未受診や、治療を継続せずに途中でやめている事例があり、そのことがさらに歯の状況を悪化させていることをとても危惧しているとのお話でありました。  また2つ目は、龍谷大学の平成27年度滋賀県子どもの貧困に関する調査研究結果報告書の支援者に対するアンケートの中に、ひとり親では多くが複数の仕事を朝早くから夜遅くまでされており、特に食事について、朝抜きであったり菓子パン等で済まされていたりと、栄養状態等が劣悪なことが多いとありました。これらの報告は、成長する子供にとって、健康面からも大きな課題があると受けとめました。  ひとり親のもとで育つ子供の将来を考えると、成長とともに健康についてもしっかりとした支援を、家庭、学校、医療、福祉の連携のもとに行うことが必要でないかと思いますが、このような健康面の現状があることをどのように捉えておられるのか、お伺いします。  次期プランの策定に当たり、5年ごとにひとり親家庭の生活実態調査を実施するとあります。ことしもひとり親家庭の政策要望を拝見して感じました。現プランの計画の中に、既に取り組むべく施策として織り込まれていることばかりなのに、ひとり親家庭の生活実態はまだまだ課題が多く、プランの中での目指す姿と現実はまだまだ大きく乖離しております。  ひとり親家庭のもとには、将来の社会を担う子供の存在があります。計画だけでなく、実効性が上がるような具体的な取り組みとしてどのように進めていくのかが重要と考えますが、次期プラン策定、施策実施への思いについてお伺いします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) ひとり親家庭施策についての5点の質問にお答えをいたします。  まず、1点目の就労支援でのこれまでの相談状況と就労状況についてでございますが、県では、男女共同参画センターの滋賀マザーズジョブステーションの中に母子家庭等就業・自立支援センターを設置いたしまして、ひとり親家庭の就業支援に取り組んでいるところでございます。  このセンターにおける相談状況は、平成29年度の相談件数は1,394件、平成28年度は1,161件、直近5年間の累計では5,713件となっております。  また、就労の状況につきましては、平成29年度は113人、平成28年度は166人、直近5年間の累計では800人が、センター事業を通じて就労につながったところでございます。  次に、2点目の就労相談の現状と相談から見えてきた課題についてでございます。  議員御指摘のとおり、母子家庭等就業・自立支援センターにおけます相談内容は、就労相談に限らず、子育てや養育費についての生活相談など多岐にわたっております。  具体的な内訳といたしましては、就職に関することが54.3%、養育費等に関することが7.9%、子育てに関することが5.9%、職業訓練が4.8%、そしてその他が27.1%となっておりますが、その他の中には、健康や生活に関するさまざまな相談が含まれております。  このような相談現場の状況から、ひとり親家庭の自立を支援するためには、就労に至るまでの子育てや健康、日々の生活に関することなど、さまざまな問題を抱えておられることから、それをまず解決する必要があると認識をいたしております。  そのため、まずは身近な生活相談等について専門職が対応できる総合相談窓口といたしまして、ひとり親家庭総合サポートセンターをこの10月に開設したところでございます。具体的な解決に向けて、各市町を初め関係機関につなぎ、必要な支援を受けられるように取り組んでまいりたいと考えております。
     3点目、そのひとり親家庭総合サポートセンターの開設の周知についてでございますが、議員からも御紹介をいただきましたとおり、センターでは、ひとり親家庭の皆さんから生活に関するさまざまな御相談を受けてアドバイスを行うとともに、ひとり親家庭の相互交流や情報交換の場も提供いたしているところでございます。  センターの開設に当たりましては、新聞への掲載のほか、県のホームページ、フェイスブック、しらしがメールなど、インターネット等を活用した発信により周知も行っております。また、県が委嘱しておりますひとり親家庭福祉推進員が家庭を訪問して直接お届けをいたしますひとり親家庭サポート定期便による広報をいたしておりますほか、各市町の広報誌にも掲載をいただくなど、周知に御協力をいただいております。  今後も、県広報誌プラスワンにおきましてセンターの活動内容を広報するなど、さまざまな機会を通じて周知を図ってまいりたいと考えております。  4点目のひとり親家庭の子供の健康面の現状に関する認識についてでございます。  ひとり親家庭の就業支援や生活支援の相談活動を行う中で、議員から御指摘もいただきましたとおり、治療の必要があるにもかかわらず、経済的な理由や複数の職場で働いておられるなどの状況から治療を中断されたり、あるいはバランスのとれた食事ができていないなど、健康面で課題のあるケースがあることは承知をいたしております。  これらひとり親家庭の子供や、あるいは親御さん御自身に対する健康面での悩みや状況にも合わせて、きめ細やかな相談体制を整え、生活面での適切な助言を行うことが重要であると考えております。  現在、各福祉事務所に配置をされております母子・父子自立支援員と、各地域でひとり親家庭への訪問活動を行っておりますひとり親家庭福祉推進員が協力をいたしまして、生活相談や助言を行っておりますし、また、家庭生活支援員を派遣いたしまして家事援助等にも取り組んでいるところでございますが、健康面の課題もしっかりと捉えまして、今後とも支援体制の充実に努めてまいりたいと考えております。  最後、5点目の次期プランの策定、施策実施への思いについてでございます。  平成27年3月に策定をいたしました淡海子ども・若者プランは5年間の計画となっておりまして、次期プランの策定に向けまして、現在、県ひとり親家庭生活実態調査を実施いたしており、現状や課題の把握に努めているところでございます。  今後、子ども・若者審議会に委員や有識者によるひとり親家庭の支援に関する部会を設置いたしまして、この生活実態調査の結果分析を行いながら、専門的な検討を加える予定でおります。  この専門部会の中では、先ほど議員からも御紹介がありました平成27年度に取りまとめいたしました県の子どもの貧困に関する調査研究におけますケアの必要な家庭にアプローチして支援していくためには、多職種連携の取り組みが有効であるというような調査結果もございますので、そのようなことも考えながら、施策の実効性を高める取り組みについても検討してまいりたいと考えております。  これらの検討を踏まえまして、また、市町や議会、県民の皆さんの御意見等をお聞かせいただきまして、次年度にプランの改定を行い、少しでもひとり親家庭の皆さんに寄り添った支援ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆43番(柴田智恵美議員) (登壇)どうもありがとうございました。  ちょうどいろんな意見交換の場がございまして、その意見交換の場でさまざまにいろんな課題を伺うにつけて、なかなかプランに書かれてあるような本当に将来の姿が現実の姿になってないということをずっと感じながら、意見交換を何年も続けてきてたわけなんですけれども、やはりそういった意味では、実態としては、ひとり親家庭については取り巻く生活環境というのは本当にまだまだ厳しいということであるということからすると、ちょうどプランの改定時期といいますか、最終時期に当たり、また次期プランということで、これまでの成果等も今後しっかり検証して、また、何が必要かと、どういう支援が必要なのかという議論も今後されるかと思います。  今回質問させていただいたのは、非常にプランとしてはいい形で、いやあ、こういうふうになったらいいなという姿が描かれている、とてもそつなくきちっと計画の中にあるんですが、実際その施策が具体的に取り組みとしてつながってないんではないかというふうにちょっと若干思いましたので、今回、質問をさせていただきました。  ぜひプランの目指す姿が現実の姿になるように、そして、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることがない社会となるように私は願っておりますので、この質問をさせていただきました。ぜひ、このプランを策定するに当たっては、しっかりいろんな状況を踏まえて、ひとり親家庭の皆さん、子供たちに寄り添った支援となりますように願って、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、43番柴田智恵美議員の質問を終了いたします。  最後に、25番岩佐弘明議員の発言を許します。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇、拍手)一般質問2日目、本日最後の登壇者となりました、自由民主党滋賀県議会会議員団の岩佐弘明でございます。若干お時間をいただきたいと思います。  通告に従い、河川の維持管理について、分割にて質問をさせていただきます。  2018年も残すところあと1カ月を切りました。2018年、記録的な気象や地震による甚大な災害が相次ぎ、ことしの流行語大賞に、「災害級の暑さ」「計画運休」といった災害に関する言葉がノミネートされるほどでした。  ことしの災害の中でも、7月3日から8日にかけて、西日本や東海地方に及ぶ非常に広範囲で、かつ長時間の記録的な大雨がありました。そして、この大雨による72時間降水量は、広島で444ミリ、呉で465ミリ、愛媛県の松山で360.5ミリと観測史上1位を記録され、気象庁は合計11府県に大雨特別警報を発表しています。  長時間の豪雨により、河川の氾濫や浸水害、土砂災害が多発し、死者数が200人を超える平成最悪の豪雨災害となりました。こうした豪雨災害が本県でも発生するのではないかと思うと、本県の河川の状況が心配されます。  本県には国直轄13河川を含む一級河川が510本あり、そのうち琵琶湖に直接流入する河川は、南湖で31本、北湖86本の117本です。また、瀬田川に直接流入する河川は、洗堰上流で7本、下流6本の13本となっています。こうした本県の河川に対し、平成21年度に河川整備方針が策定されました。  整備方針では、流域面積が50平方キロ以上の河川については戦後最大級の洪水を、流域50平方キロ未満の河川については10年に1度の雨量により想定される洪水を安全に流下させることを、当面の河川整備目標としています。  そして、要改修河川約240本について被害想定を行い、想定される被害の状況により、Aランク──整備実施河川、Bランク──次期整備河川、Cランク──整備保留河川、Dランク──評価対象外河川の4ランクに分類されています。  さらに、各圏域ごとに、おおむね20年間で整備を想定する河川の区域を定めた河川整備計画があります。この河川整備計画に基づき、河川改修など計画的な河川整備を実施しています。  また、河川整備期間20年に及ばない河川については、堤防の高さと人家等の関係から氾濫時に人的被害が予測される区間において、Tランク河川として整備していくこととしています。  こうした中、今年度、各圏域の河川整備計画のうち、平成31年度から平成35年度に実施予定の事業を抽出した第2期河川整備5ヶ年計画の策定作業が行われています。  近年の雨量の状況は異常なものがあり、頻発、激甚化する局地的な豪雨に備える必要があると思いますが、河川整備計画や第2期河川整備5ヶ年計画、さらには河川維持管理計画がある中で、どのように考えておられるのか、土木交通部長に見解を伺います。  また、河川整備計画とともに、治水上の観点から河川を適切な状態に保全、回復することを目的に、平成24年4月に河川維持管理計画が策定されています。そして、河川管理を行う上で特に治水上の影響が大きい河川をア河川、治水上影響が大きい河川をイ河川、治水上の影響が比較的小さな河川をウ河川とし、それらの河川において、特に治水上の影響が大きい区間をa区間、治水上の影響が大きい区間をb区間、治水上の影響が比較的小さな区間をc区間とし、ウ河川は全ての区間をc区間としています。  河川の維持管理を適切に行うため、巡回を区間ごとに出水期前後、除草後、さらに日常点検を実施するとともに、土砂が堆積しやすい箇所を選定し断面測量も行っています。そして、こうした河川の維持管理において流下能力の7割を確保するとされています。  また、河道内樹木の伐採は、巡視点検結果や地域住民からの要望を踏まえ、緊急性の高いと判断される箇所から順次計画的に実施するとなっています。  そして、平成29年3月には、維持管理の区間区分の見直しや、a、b区間内の重点箇所が定められるなど改定がされました。  さらに、オオバナミズキンバイやナガエツルノゲイトウ等の外来水生植物の早期駆除に対する取り組みも入っており、侵略的外来水生植物の繁茂を心配していた者として感謝をいたします。  こうした維持管理計画に基づく巡視から、平成27年度には河川維持管理修繕が必要であったのが631カ所であり、平成28年度の同箇所は679カ所となっています。この679カ所のうち482カ所、約7割程度が対応されているとの報告がありますが、平成29年度の状況はいかほどか、土木交通部長に伺います。  全河川を対象に、年間を通じて建設業者と単価契約により、堆積土砂の撤去や倒木の処理など、緊急的に実施すべき箇所について対応しているとのことですが、平成29年度に対応された箇所のうちどの程度を占めているのか、土木交通部長に伺います。  冒頭述べましたように、災害が頻発する状況を受け、政府は重点インフラ機能確保について132項目の緊急点検を実施し、点検結果と対応策を重要インフラ重点点検に関する緊急関係閣僚会議で取りまとめられています。  河道の緊急点検においては、樹木の繁茂や土砂堆積により流下阻害等があり、著しい被害が生じる可能性があることが判明し、対応策を実施するとしています。本県においてもその対応に期待をしますが、現状では、近年、全国で多発している異常降雨、出水について、県民の不安は募るばかりです。  県民からは、樹木の伐採や土砂堆積のしゅんせつ等の要望が仕切りなくあり、県民の安全、安心のためにこれまで以上の対応が必要と考えますが、土木交通部長の見解を伺います。  こうした中、河川整備5ヶ年計画において、全ての河川を対象に土砂撤去、樹木伐開など、地元の意見を聞きながら、緊急性の高いところから順次実施すると明記されています。しかし、実施計画と維持管理計画に関連があるようでない、ないようである状況ではないかと思います。  そこで、第2期河川整備5ヶ年計画においては、河川整備と維持管理の関係についてどのように考えているのか、土木交通部長に所見を伺います。  次に、国管理の河川においては、地域資源の有効活用および維持管理コストの縮減を目的として、地域住民みずからが河道内の樹木を伐採する公募伐採が行われています。先般も野洲川で公募伐採が実施されている新聞記事を見受けました。本県においては、公募伐採の可能性について検討していくとのことでしたが、その後の進捗について、土木交通部長に伺います。  河川の維持管理についてお尋ねしてきましたが、ここで、琵琶湖へ注ぐ流入河川で最も長く、流域面積も広い野洲川の現状について質問します。  野洲川の河口の放水路は、2019年──来年ですが、通水40周年を迎えます。野洲川は野洲川管理事務所が管理されていますが、40年という長き時間経過により、琵琶湖の河口から4キロほど、川の真ん中に土砂が堆積し中州を形成しているとともに、樹木が欄干と同じ高さまで繁っています。このまま放置しておいてよいはずがありませんし、景観も悪いし、何より洪水の不安が募ります。恐らく同様の河川がほかにも存在しているのではないかと思われます。  地元住民の皆さんには、国や県は治水上は問題はないと回答されているようですが、このような状況を把握されているのでしょうか。また、治水上は問題ないとされていることに対する土木交通部長の見解を伺います。  河川は上流から土砂が運ばれ、河口部に堆積するのは自然の摂理であり、また、流れ着いた木々が中州で定植することは避けられないかと思いますが、だからこそ、定期的な伐開や土砂のしゅんせつが必要であると思います。  同時に、財源も要る話ですし、国の機関である琵琶湖河川事務所との協議も必要なのは承知しています。しかし、住民の不安を取り除くこと、また、ビワイチを含め滋賀県に訪れる人々が琵琶湖に注ぐ美しい河川に興じていただくためにも、河口部土砂の定期的なしゅんせつと木々の伐開が必要であり、琵琶湖河川事務所にも維持管理の強化を強くお伝えすべきと考えますが、土木交通部長の見解を伺います。  次に、野洲川河口付近に関して伺います。  ことし5月1日に守山漁業組合の要請を受け、今は亡き下村議員が、県の水産課の皆さんも御同行いただいて、野洲川河口の守山側と野洲側の琵琶湖の水深を調査されました。守山側はおよそ100センチ、野洲側はおよそ300センチであり、守山側が多く堆積しているとのことでした。夏場になるとさらに水深が浅くなり、水鳥が立っている状況が見受けられるそうです。  恐らく、台風や大雨のときに洗堰が開門され、琵琶湖の水が北から南へと流れる際に野洲川から琵琶湖に出る土砂が南に多く流される、その繰り返しによるものではないかと思われます。  こうした状況においては、平時、野洲川から流出した水の流れは河口部から北側のほうへ注いでおり、魚の習性として水の流れに逆らって遡上し、北側のエリや刺し網には魚が入り、守山側に設置しているエリや刺し網には魚が入らないといった事態が生み出されているようです。ここ数年の漁獲量を比較しても、守山漁協の漁獲量は年を追って減少しているようです。このままでは死活問題にもつながってしまう、せめて野洲川の水が満遍なく琵琶湖に注ぐようにしてほしいという守山漁協からの要望です。  野洲川河口付近の琵琶湖の土砂堆積をどのように把握されているのか、また、その対応について、土木交通部長に伺います。  また、こうした状況においては漁業にもその影響が出ているようですが、この問題を解決するためにはどのような手法があるのか、農政水産部長に伺います。 ○副議長(生田邦夫) 25番岩佐弘明議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) (登壇)河川の維持管理についての10点の御質問のうち、私に対します1点の質問にお答えをいたします。  漁業への影響についてでありますが、以前より守山漁業協同組合から、野洲川河口部に土砂が堆積し、湖の水の流れが遮断され魚が来なくなったことにより、近年、エリの漁獲量が著しく減少し、野洲川の水が満遍なく琵琶湖に注ぐようにしてほしいという要望は伺っております。県といたしましても、守山漁協の漁獲量が近年減少していることは承知をしているところでございます。  しかし、河口部の土砂堆積と漁獲量減少の因果関係を解明することは非常に困難であります。堆積した土砂を取り除くことで漁獲量が回復するかどうかは明らかではないと思っております。  県といたしましては、エリの方向や位置を変えることで漁獲量が改善することもありますため、守山漁協から漁業権漁場の位置の変更の要望があれば、柔軟に対応してまいりたいと考えているところでございます。  現在のところ、漁獲量の減少の原因解明は困難ではありますが、今後も引き続き、漁協の皆様と意見交換を行ってまいりたいと考えております。  また、土木交通部など関係機関とも情報共有を進めてまいりたいと考えております。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) (登壇)私には河川維持管理について9点の御質問をいただきました。  まず1点目、局地的な豪雨に備える必要があると思うが、河川整備計画や第2期河川整備5ヶ年計画、さらに河川維持管理計画がある中でどのように考えていくのかについてでありますが、近年、雨の降り方が変わり、暮らしや経済活動における水害リスクが増大していることも踏まえ、より積極的に河川整備を加速させるべく、現在、河川整備5ヶ年計画の見直し作業を進めるとともに、河川整備計画の変更の必要性について検討しているところでございます。  また、国においても技術検討会を新たに設置し、近年の気候変動を踏まえた治水計画の見直し方法等を検討されており、この検討会から新たな知見が得られた段階で、県の河川整備計画あるいは河川整備5ヶ年計画の見直しを検討してまいりたいと考えております。  なお、維持管理計画は、現地の状況を把握するための現場パトロールの方法や点検後の対応を含めたマニュアルであり、これに基づき、河川の状況に応じ、しっかりと維持管理計画をしてまいりたいと考えております。  次に、2点目、平成29年度の河川維持管理修繕が必要であった箇所の対応状況についてでありますが、河川維持修繕の対象箇所は656カ所であり、そのうち約75%に当たる497カ所で対策を実施済みであります。  3点目、平成29年度に対応した箇所のうち、単価契約により対応した箇所はどの程度占めているのかについてでありますが、対策を実施した497カ所のうち単価契約で対応したものは390カ所であり、約80%に当たります。  4点目、樹木の伐採や堆積土砂のしゅんせつ等を県民の安全、安心のためにこれまで以上の対応が必要と考えることについてでありますが、近年、多発している台風や豪雨を踏まえ、県民の安全、安心の確保を第一に、ここ数年、議員の皆様の御理解、御支援を得て、県単独予算として河川の維持管理予算を増額し、しゅんせつや立木伐採など河道確保を行ってきたところでございます。  あわせまして、予算確保の観点から、堆積土砂や立木の撤去を行う事業に交付金で支援いただけるよう、国に対して要望を行ってまいりました。  さらに、国主導による重要インフラの緊急点検に基づく3カ年の緊急対策には流下阻害等への対応策も含まれることから、これらも活用し、必要な事業を進めていく考えでございます。  今後も予算確保に努め、しっかり対応してまいりたいと考えております。  5点目、第2期河川整備5ヶ年計画における河川整備と維持管理の関係でありますが、河川整備5ヶ年計画は、計画的に河道改修を進めるため、比較的規模の大きな河道掘削や築堤等の河道の機能向上に資する事業を取りまとめたものであります。  土砂撤去や立木伐採等の維持管理については治水安全上不可欠であることから、河川整備5ヶ年計画の中に考え方のみを示したものであり、計画によらず、河川の状況により必要に応じて取り組んでいくものであります。  6点目、公募伐採の可能性検討のその後の進捗状況についてでありますが、公募伐採につきましては、昨年度来、他県等での実施事例を参考に検討を進めてまいりましたが、今年度、作業の安全確保の検討や土地所有者の状況を調査し、候補地として湖南市域の野洲川を選定したところでございます。今後、進入路の整備を行う予定であり、来年度に試行的に本県でも実施していこうと考えております。  7点目、野洲川河口から4キロ上流のところの状況を把握しているのか、また、治水上は問題ないとされていることについてでありますが、当該区間は御承知のとおり国管理区間でありますが、我々も野洲川が議員御指摘のような状況になっていることは把握はしております。  治水上の問題の有無につきましては、河川の状況をしっかり調査し判断するものであります。我々としては十分な調査をしておらず、治水上問題があるかどうか、一概に判断できるものではないと考えております。  8点目、琵琶湖河川事務所にも維持管理の強化を強くお伝えすべきについてでありますが、治水上や景観上の観点から、土砂撤去や樹木伐採等の維持管理は大変重要と考えておりますので、琵琶湖河川事務所には御質問の趣旨をしっかり強く伝えてまいりたいと考えております。  最後の9点目、野洲川河口付近の琵琶湖の土砂堆積をどのように把握しているのか、また、その対応についてでありますが、琵琶湖を管理する立場としましては、出水時の巡視点検等を通じ、土砂の堆積状況を常に確認しております。  現時点では、琵琶湖の治水上の観点から対策を講じるところまでは行っていないと考えますが、今後も引き続き巡視点検等を実施し、必要に応じ、農政水産部と連携しながら対応してまいりたいと考えております。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)農政水産部長にお伺いをしますが、因果関係が明らかでないということで、その後の対応については、エリについて幾つか守山漁協の方と相談をするということですけども、そういう答弁をするならば、ならばですよ、関係がないと言い切ったらどうですか。言い切れないのであれば、因果関係の追及に当たっていただきたい。そのようにまずは思いますので、御答弁いただきたいと思います。  そして、土木交通部長に2点再問させていただきますが、先ほども、維持管理に基づく巡視点検で修繕が必要な箇所ということで、27年度631カ所、28年度679カ所、29年度は656カ所ということで、それぞれその年度年度で対応していただいておるというのはうれしいんですけども、この修繕が必要な箇所が600カ所という形でずっと毎年上がってくるというのは何でなんだろうかなって思ってしまうんですが、ちょっとその辺のところで、いや、こういったところが不足しているからかなとか、いや、こういった点でもう少し積極的な取り組みがあればですね。  また、逆に言えば、巡視点検、点検がだんだん精度が上がったといいますか、少しの箇所でも、あ、これは修繕箇所に上げておこうというようなことで上がっておるのか。その辺の状況をお聞かせをいただきたいなと思いますし、また、建設業者の方と単価契約されて、75%そういった箇所を対応していただいているということなんですけども。  聞いてるところによりますと、1カ所200万までということで単価契約されているということなんですけども、この1カ所200万までという、上限額といいますか、これ、ちょっと見直してみたら、もう少し600台というのが少なくなるのではないかなと、こう思っておるんですけども、その辺のところの所見をお伺いいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  因果関係の追及をすべきではないかという再問でございますが、漁獲の影響につきまして、さまざまな要因があろうかと思っております。今件の野洲川の河口部の土砂の堆積について、因果関係があるかどうかという原因の追及についてはなかなか難しいものがあるというふうに考えておりますので、先ほど御答弁を申し上げました。  ただ、今後も一番現場の状況を知っておられる守山漁協の皆様方と十分意見交換をしながら、私も先般12月の当初に組合長ともお話をさせてもらいましたが、意見交換しながら情報の共有をしっかり進めて、また必要な相談については乗ってまいりたいというふうに考えております。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) まず、1点目です。  なぜ600カ所もたくさん毎年上がってくるのかについてでございます。  抜本的な修繕維持ができますと、箇所は議員御指摘のとおり減ってくるのかもしれませんが、限られた予算の中、必要最小限の対応等にとどまっておるために、毎年そのような箇所が上がってくる要因もあるかと考えております。このあたりについては、執行の仕方の中で今後どうしていったらいいのか。ただ、まとめて1カ所やりますと、ほかの箇所に手が回らないという難しい問題もございますので、今後、検討してまいりたいと考えております。  それともう1つは、単価契約の契約金額を200万という今制限を外したらどうかという問題でございます。  これにつきましても、確かにここの規模を上げますと発注件数も減りますし、大規模な工事も緊急に対応できるわけですけども、本来、工事につきましては、きっちり一件一件入札し業者選定を行うというルールがございますので、その辺の兼ね合いも考えながら、どのあたりが適当なのか、今後また検討してまいりたいと考えています。 ◆25番(岩佐弘明議員) 終わります。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、25番岩佐弘明議員の質問を終了いたします。  以上で本日の質疑ならびに質問を終わります。  明11日は定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後4時59分 散会    ────────────────...