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平成30年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月07日-03号

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  1. 滋賀県議会 2018-12-07
    平成30年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月07日-03号


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    平成30年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月07日-03号平成30年11月定例会議(第16号〜第22号)  平成30年11月定例会議会議録(第18号)                                       平成30年12月7日(金曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第3号                                         平成30年12月7日(金)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第149号から議第186号まで(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)ほか37件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(42名)    1番   桑  野     仁       2番   周  防  清  二    3番   村  島  茂  男       4番   加  藤  誠  一    5番   竹  村     健       6番   海  東  英  和    7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       11番   藤  井  三 恵 子
       12番   杉  本  敏  隆       13番   節  木  三 千 代    14番   駒  井  千  代       15番   山  本     正    16番   大  橋  通  伸       17番   冨  波  義  明    18番   井  阪  尚  司       19番   木  沢  成  人    20番   中  村  才 次 郎       21番   佐  藤  健  司    22番   目  片  信  悟       23番   有  村  國  俊    24番   大  野  和 三 郎       25番   岩  佐  弘  明    26番   山  本  進  一       27番   富  田  博  明    28番   細  江  正  人       30番   生  田  邦  夫    31番   川  島  隆  二       32番   奥  村  芳  正    33番   野  田  藤  雄       34番   西  村  久  子    35番   佐  野  高  典       36番   家  森  茂  樹    37番   吉  田  清  一       38番   粉  川  清  美    39番   成  田  政  隆       40番   九  里     学    41番   清  水  鉄  次       43番   柴  田  智 恵 美    44番   今  江  政  彦       45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(1名)    29番   高  木  健  三            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長代理    辻  村     克               人事委員会委員長        西  原  節  子               公安委員会委員長        堀  井  と よ み               代表監査委員代理        平  岡  彰  信               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             由  布  和 嘉 子               総合政策部長          福  永  忠  克               総務部長            藤  本  武  司               県民生活部長          浅  見  孝  円               琵琶湖環境部長         廣  脇  正  機               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        江  島  宏  治               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          川  浦  雅  彦               会計管理者           青  木  幸  一               企業庁長            桂  田  俊  夫               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            廣  瀬  年  昭               議事課長            山  本  昌  男               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(川島隆二) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(川島隆二) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  地方自治法の規定に基づき、出納検査報告書が提出されましたので、別途送付いたしておきました。  次に、議第185号議案および議第186号議案について、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めておきましたところ、お手元に配付いたしておきました文書のとおり回答がありましたので、御報告いたします。  次に、選挙管理委員会世古正委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として辻村克委員が、また、北川正雄代表監査委員が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として平岡彰信監査委員が、それぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(川島隆二) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第149号から議第186号まで(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)ほか37件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(川島隆二) 日程第1、議第149号から議第186号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、質疑ならびに一般質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、13番節木三千代議員の発言を許します。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  それでは、1番バッター、質問させていただきたいと思います。  まず、県民の命と安全を守ることについて、分割で知事に全てお聞きします。  11月14日、陸上自衛隊饗庭野演習場で、訓練中の陸上自衛隊部隊が発射した迫撃砲弾が場外着弾し、破片で民間車両が損傷するという重大な事件が発生しました。私は、翌日の15日に現地に行き、市民団体の皆さんと高島市、また、今津駐屯地への申し入れ行動にも参加をしました。車両が破損された場所は、国道303号線のすぐ横で、大型車両が行き来する場所でもあり、人的被害がなかったのは奇跡的であります。  2015年7月にも、饗庭野演習場では、実弾訓練中に12.7ミリ重機関銃が着弾し、民家を直撃し、2階の瓦屋根と天井を貫通し、破損するという事故を起こしており、饗庭野演習場における実弾訓練の危険性を示したのではないでしょうか。  日本共産党県議会議員団は、11月16日、三日月知事に対して、国、防衛省に抗議をするとともに、7点にわたって要望しました。  今回の事故の原因は、陸上幕僚長は人的ミスが有力と言っていますが、そもそも、東西8キロ、南北5キロメートルという非常に狭い演習場内での、射程距離の長くなっている実弾演習が行われていることが危険だということを認識していただきたいと考えます。  使われた81ミリ迫撃砲L16の最大射程距離は約5.5キロで、以前使用していた迫撃砲より2キロメートル以上も飛び、砲弾が演習場外に飛ぶ可能性も高くなっています。より危険が増していると考えます。  そこで、知事に4点伺います。  1点目は、実弾訓練の危険性についての知事の認識についてお聞きします。  2点目、今回の訓練では、最初の3発のうち、車両を破損させた3発目以外の2発も国道からわずか200メートルの距離に着弾をしています。今回だけでなく、これまで饗庭野演習場内でどのような実弾訓練をしているのか、内容を詳細に県として求めるべきだと考えますが、見解を伺います。  3点目ですが、元自民党町議の中村助信さんは、「ここいらはいつ何どき飛んでくるかわからない。このままびくびくしていなければならず、安住できません。自民党であろうが、共産党であろうが、命にはかえられない。実弾訓練はやめてもらわなあかん。気軽に住めるようにしてほしい」と話しておられます。  303号線は、県管理の一般国道であり、県として通行車両の安全を守る責任があります。繰り返される事故に迫撃砲弾だけでなく、再発防止策は全ての実弾演習の中止をすることではないかと考えますが、知事に見解を伺います。  また、そのような中で、陸上自衛隊の平成30年度主要演習において、中部方面隊が2019年1月から3月の間に2週間程度の演習を行うと発表されており、饗庭野演習場での日米合同演習が行われる危険性が高まっています。今回実施される訓練はMVオスプレイを使った訓練になります。2013年9月16日に陸上自衛隊饗庭野演習場で米海兵隊の垂直離着陸機MVオスプレイを使った国内初の日米合同演習が行われ、滋賀県や高島市の要請を無視して、市役所や駅の上空を飛行するなど、米軍との戦争の訓練が優先されました。北朝鮮と韓国の間では、対話により、朝鮮半島の非核化、平和の激動が行っている中で、歴史上初めて米朝首脳会談が行われ、日韓合同演習も取りやめられています。まして、このような実弾訓練による事故が起こっている中で、県民の命と安全を守るため、日米合同訓練は中止することを求め、オスプレイの飛来についても反対をしていただきたいと考えますが、知事に見解を伺います。 ○議長(川島隆二) 13番節木三千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)県民の命と安全を守ることについて、4点御質問をいただきました。順次お答えいたします。  1点目、実弾訓練の危険性についてということでございますが、実弾訓練は、殺傷能力のある実弾を射撃するため、一歩間違えれば、人の生命、財産に危害を及ぼす危険性がございます。だからこそ、当然、安全確保の措置が徹底された上で行われるべきものと認識をしているところでございます。  2点目、実弾訓練の内容を県として詳細に求めるべきではないかとの御質問についてでございますが、実弾訓練が開始される前には、自衛隊から高島市に事前連絡があり、市から地域住民へホームページや防災無線で伝達されていると承知をしております。今回の事案を受けまして、現在、防衛省に対して、原因究明、再発防止に向けた具体的な安全対策の構築、高島市および本県への迅速、確実な連絡の徹底について文書で要請しており、その報告があり次第、地元高島市と連携して必要な対応を考えてまいりたいと存じます。  3点目、実弾訓練の中止についてでございますが、事案発生後、直ちに高島市長が今津駐屯地に対して、口頭で全ての実弾射撃訓練の中止を申し入れられ、さきの11月16日には、県からも防衛省に対し、県民の命と暮らしを守る立場から、同様の実弾訓練中止についても文書で申し入れ、現在中止されているところでございます。まずは、防衛省からの原因究明の結果および今後の再発防止策の報告を受けた上で、高島市と連携して必要な対応を考えてまいりたいと存じます。  4点目、日米合同訓練とオスプレイの飛来についてでございますが、日米共同訓練につきましては、防衛省近畿中部防衛局から本年度の第4四半期──来年1月から3月に、中部方面隊において実施予定との情報を本年4月にいただいておりますが、現在のところ、饗庭野演習場で行われるかどうかは不明でございます。防衛政策は国の専管事項であり、日米共同訓練の実施は、日米両国政府が決定される事項ではございますが、県民の安全と日常生活に支障を来すことのないよう、引き続き情報収集に努めてまいりたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)実弾訓練の内容についてなんですけれども、高島市に連絡があるのは、どういうものを使って、いつするかという点では、情報提供がされています。しかし、何発使って、結果どういう状況だったのかという、そういう詳細なところは情報が提供されていないというわけであります。今回、3発目が迫撃砲弾、着弾をして、民間車両を破損するという事故がありましたけれども、1発目、2発目についても、これ、車両の破損がなかったら、果たしてきちんと報告されていたのかどうかというのは非常に疑問に持つところです。ですから、どんな訓練がされているのか、私は詳細に、こういう事故が起こったのですから、やはり情報提供を求めていただきたいと思うんですが、その点について再問したいと思います。 ◎知事(三日月大造) いずれにいたしましても、今回、まず何が起こったのか、そして、なぜ起こったのか、それらを起こさないようにするためにどういう対策を講じられるのかということを調査の上、報告いただくよう求めておりますので、そういった報告を受けて、今後の対応を高島市とよく協議してまいりたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)実弾訓練のその武器の中身、また、その回数そのものも非常に多く、また強力になっていると聞いていますので、詳細を、ぜひ、日ごろどういう訓練がされているのかということを県としてもしっかりと求めていただきたいということを求めたいと思いますので、よろしくお願いします。  次に、来年度の予算編成について一問一答でお聞きします。  日本共産党滋賀県議会県議団は、11月22日に2019年度予算編成について重点政策要望を知事に提出、県民が主人公の県政を求め、県民の命と暮らしを守る予算を要望しました。要望書は、安倍政権の暴走に追随せず、憲法と平和、暮らしを守ることや、県財政を圧迫する国体施設整備は削減し、県民の暮らし、福祉を削る行財政改革は撤回すること、暮らし、福祉、教育優先の予算へと重点配分をすること、地域経済の主役である中小企業を応援し、農林水産業の振興を図ること、災害対策など105項目で、各団体や県民の皆さんからの要望をまとめたものであります。引き続き要求実現に向けて全力を挙げています。  それでは、一問一答で、知事ならびに総務部長、健康医療福祉部長、教育長にお聞きします。  まず、知事にお伺いします。来年度の予算編成に向けての基本姿勢についてお聞きします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  次期基本構想次期行政経営方針の計画期間の初年度となります平成31年度は、次期基本構想の基本理念でございます未来へ幸せが続く滋賀の実現に向け、世界を視野に、未来を見据えた新年度予算を県民志向を第一にしっかりつくり上げてまいりたいと考えています。同時に、そのための施策、事業を着実に推進していくためには、今後見込まれます巨額の財源不足に計画的に対応し、財政の持続性、安定性を高めていくことも重要であると認識しています。  新年度の予算編成に当たりましては、直面する行政課題への対応はもとより、未来への投資と財政の健全化の双方に資する最適な予算案をしっかり議論、検討してまいりたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)次期基本構想次期行政経営方針に基づいて予算編成をされるということですが、この次期行政経営方針について聞いていきたいと思います。  11月27日、2026年までに839億円の財源不足が見込まれるとし、今後4年間の財政改善目標を盛り込んだ行政経営方針案が示されました。839億円の財源不足はなぜ生じるのか、総務部長にお聞きします。 ◎総務部長(藤本武司) (登壇)お答えいたします。  財源不足が生じております主な要因といたしましては、社会保障関係費等の義務的経費が増加を続ける中で、これまで地方の一般財源総額が据え置かれてきており、今後も大幅な増加が見込めないこと、また、国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会等の大規模事業や公共施設の老朽化対策等の方針決定などの要因によりまして、本県財政は厳しい局面を迎えているものと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)839億円の財源不足の主な原因を今お聞きしましたけれども、私は、国体関係、総額は511億円ですが、そこが大きな財源不足の原因だと考えます。では、どのように財源不足を解消するのか、総務部長にお聞きします。 ◎総務部長(藤本武司) お答えいたします。  現在お示しをしております収支改善の取り組み案におきましては、来年度以降の4年間、単年度平均で、歳入で約10億円、歳出で約15億円の収支改善に取り組むこととしております。
     歳入面では、資産の売却、貸し付けで約8億円、モーターボート競走事業会計など他会計からの繰入金の増額で約1億5,000万円見込んでおりますほか、寄附や協賛、ネーミングライツ等で取り組みの充実、強化を図ることとしております。  また、歳出面では、市町に対する交付税措置の拡充や、国の新たな制度の活用、当初予定しておりました事業の終期の到来などを踏まえました補助金の見直しで約6億円、施設の管理運営費など委託料の削減で約2億円、内部管理経費の節減で約5億円の削減等を見込んでいるところでございます。  こうした収支改善の取り組みのほか、基幹的な歳入であります県税や地方交付税、国庫支出金の確保に向けまして、引き続きしっかり取り組むとともに、財源調整的な基金や県債の活用も図りながら、財源不足の解消、各年度の収支均衡に努めていくこととしております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)今回の経営方針案は、4年間の収支改善に取り組むということですけれども、839億円、8年間ということでありますので、あと4年、さらなる県民に負担を強いることになるというふうに私は指摘しておきたいと思います。  補助金や交付金の大幅な減額に踏み込み、なお足らない分は、今お話がありましたように、県債の発行や基金の取り崩しで乗り切るというふうにしていますけれども、補助金や交付金の削減は、各市町のほかに幅広い分野での事業に及んでいます。市町、関係団体にどのように説明をされてこられたのか、総務部長にお聞きします。 ◎総務部長(藤本武司) お答えをいたします。  市町の皆さんに対しましては、10月中旬に収支改善の検討状況につきまして全体説明の場を設け、見直しの考え方等を御説明するとともに、意見照会を行ったところでございます。また、見直しによる影響が大きいと思われる事業等につきましては、県の担当課から市町や関係団体に対して個別に説明を行い、意見交換をするなど、現場レベルでも丁寧に対応をしてきたところでございます。  今後、市町や関係団体の皆さんからいただきました御意見も踏まえまして、予算編成過程において引き続き検討を行い、新年度予算とあわせて説明責任を果たしてまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)説明をしてきたということでありますけれども、後で述べますけれども、子ども食堂の補助の廃止や市町の自治交付金の削減など県民にかかわる事業で、4年後には、平成34年度に582項目、24億円の廃止、縮小をされようとしています。先に削減ありきで、県からいただいた資料の中でも、市町、関係団体から存続を求める声が寄せられていると思います。この点について総務部長の認識を問いたいと思います。再問します。 ◎総務部長(藤本武司) お答えをいたします。  今ほどお答えしましたように、これまでも市町、関係団体に対しまして、県のこうした状況を御説明を申し上げ、また、各市町、団体等からも御意見を頂戴するなど、意見交換をしてまいったところでございます。こうした御意見、さまざま踏まえまして、これから予算編成過程において引き続き検討を行って、最終的には新年度予算とあわせて説明責任を果たしていきたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)説明責任ではなく、やはりしっかりと声を受けとめて見直しを図っていただきたいというふうに思います。  削減、廃止の対象になっている、今回3つの事業についてお聞きします。  まず、自治振興交付金です。これまでの役割について総務部長にお聞きします。 ◎総務部長(藤本武司) お答えいたします。  自治振興交付金につきましては、地方分権が進展する中、地域の実情に応じて市町が自主的に事業を選択して実施できるよう、平成21年度に市町向けの県単独補助金を統合いたしまして交付金化したものでございます。このうち、選択事業においては、県が市町ごとに設ける算入限度額の範囲内で、市町が対象事業から必要と判断するものを自由に選択し、事業の重点化を図ることが可能となっております。  また、申請等に係る手続の簡素化を図っておりまして、県と市町双方におきまして事務の効率化が図られているところでございます。  さらに、平成27年度からは、人口減少対策の取り組みを支援するため、若者がとどまる、外から移り住むの趣旨に沿いまして、市町から自由に事業を御提案、御活用いただける提案事業を創設してきたところでございます。  これによりまして、市町の地域の実情に応じた自主的、弾力的な施策の展開が図られるとともに、市町の地域特性や課題に応じた創意と工夫のある施策展開や相互連携が図られてきたところと認識しております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)市町がどういうまちづくりをしていくのかという点と、県としてもどのように支援をしていくかという点で、自治振興交付金のメニューとしてつくってこられたというふうに思うんです。  今回のこの見直しの内容について、総務部長にお聞きします。 ◎総務部長(藤本武司) お答えをいたします。  今回、自治振興交付金の50の選択事業のうち、3つの事業については近年事業実績がないことから、また、1事業については国が財源措置を行いましたことから、これら4事業を廃止する方向で見直しを進めているところでございます。  このうち、国が財源措置を行った障害児保育推進事業につきましては、地方交付税措置の拡充によりまして、障害児と保育士がおおむね2対1で配置をされております実態に即した額が市町の一般財源として明確に措置されましたことから廃止することとしたものでございます。  一方、近年、自治振興交付金の事業実績額と交付額に乖離が生じておりまして、市町から予算額の確保について御要望をいただいておりました経緯もありますことから、障害児保育推進事業の算入額全額を減額するのではなく、廃止する事業以外の継続する事業について、全体として実績に見合う予算額の確保に向けて検討をしているところでございます。  また、障害児保育につきましては、10月の市町への説明会開催後に市町から支援継続の御意見もいただいていることから、交付税措置との整理、切り分けをした上で、新年度の予算編成において、県として必要な支援について検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)今御説明がありました障害児保育推進事業に対しての自治振興交付金は、これまで全体として幾ら交付されていたのか、お聞きします。 ◎総務部長(藤本武司) 約2億円でございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)今回の見直しで、障害児保育推進事業のこの2億円は自治振興交付金からなくすということだというふうに思います。これは大きな削減だというふうに思うんです。交付税措置で拡充がされるということでありますけれども、国の方針では、普通交付税額は同水準で今後推移をしていくと、ふえないというのが国の方針であります。市町からは、普通交付税と特定財源のある交付金とはそもそも性質が違うという意見も出ていますし、この事業で、この2億円ものこれまでの財源が各市町で確保されるというふうにお考えなのか、交付金と交付税、違うと思うんですが、その点について総務部長に再度お聞きします。 ◎総務部長(藤本武司) お答えをいたします。  普通交付税の総額につきましては、市税等の収入の増加が主な要因で減少している状況でございますが、地方の財源を示す一般財源総額では前年度より増加をしているところでございます。また、普通交付税は、地方公共団体が一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障しようとするものでありまして、国が一定のルールに基づいて、地方公共団体の財政需要を合理的に測定をしているものでございます。  今回、障害児保育に係ります普通交付税措置の見直しにつきましては、地方からの声を受けて、厚生労働省が総務省に対して強く働きかけた結果、市町村の財源措置が実情に即して拡充されたものでありまして、障害児の受け入れに当たって必要となる保育士の配置に係る経費が明確に措置されたところであり、事業の廃止については市町の理解が得られるものと考えております。具体的な額で申しますと、これまで国レベルでは約400億円が今度800億円の措置になったと。一方、滋賀県では約4.7億円が27.2億円という形で措置をされるということでありまして、市町においては障害児保育に必要な、ほぼ保育士の人件費に充当されていると思いますけれども、これまで障害児の保育園における措置の状況、それから、人口によって配分されておりましたのを、実際に受け入れた障害児の数によって交付税の算定が行われるというふうに変わりましたことから、滋賀県においては大きな充実が図られているというふうに考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)交付税と交付金の違いについては、今、御答弁なかったというふうに思います。障害児保育事業については、障害児そのものの発達診断も各市町によって差があります。今回のこの交付税措置によって、各市町での財政状況によって、さらに私は格差が開くというふうに思います。県として障害児保育施策の後退につながるものではないかと考えるものであります。今回の障害児保育事業の継続を求めるとともに、自治振興交付金そのものは、今回、5,000万の削減だけにとどめたということですが、そこは応えられるように増額をすべきだと思いますけれども、再度総務部長にお聞きします。 ◎総務部長(藤本武司) お答えをいたします。  今回、ほぼ2億円充当されておりました自治振興交付金を、5,000万円見直しとして削減をするということでありますけれども、その他の部分に関しましては、先ほど答弁いたしましたように、これまでに充当できていない事業の充実部分に充てる、また、足りなかった、その予算が十分確保できなかった部分の財源として活用していくという方向で見直しをしてまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)ぜひ継続を求めたいと思います。  次に、淡海子ども食堂普及推進事業費補助金について、事業の内容について健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  淡海子ども食堂は、しんどさを抱える子供を初め、地域の子供たちに、食事の提供や勉強、遊びを通じまして、地域がかかわっていこうという取り組みでございまして、住民グループや自治会、NPO、社会福祉法人などさまざまな主体によって行われておりまして、子供だけでなく親や地域の人々がお互いにつながっていく場となっているところでございます。  このような場を全県に展開していくために、県としましては、平成28年度から今年度までの3年間、滋賀県社会福祉協議会を通じまして、子ども食堂を開設する団体に対しまして、立ち上げ支援として実施をしてまいったところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)立ち上げられるときに20万、2年目に10万、3年目に10万という事業だと思いますが、この3年間の経過についてお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  県では、みんなで淡海子ども食堂をつくろう!応援事業といたしまして、3年間実施をしてまいりました。その事業の中で、先ほど申し上げました子ども食堂の開設経費の助成を初めとしまして、開設準備講座などの開催に取り組んできたところでございます。淡海子ども食堂の実施箇所数につきましては、平成27年度末が16カ所でございましたが、平成28年度末で62カ所、平成29年度末で95カ所、平成30年12月現在におきまして、この事業として目標といたしておりました100カ所を超えまして106カ所に広がっているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)この補助金があって、子ども食堂の取り組みの団体がふえまして、全国でも人口比ではトップと言われるような実績があるというふうに思います。この子ども食堂をさらに300カ所と広げたいというのが取り組んでおられる方々の思いであります。そういうときにこの補助金の廃止というのはどうかというふうに見直しを求めたいと思うんですが、この3年間取り組んでこられて、検証して引き続き継続することが必要だと思うんですが、その検証そのものについてどのように考えておられるのか、お聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) すいません、検証ということでよろしかったですか。淡海子ども食堂につきましては、先ほど答弁いたしましたように、立ち上がり経費といたしまして、議員も御紹介いただいたとおり、1年目に20万、2年目、3年目に10万円ずつということで、その後は自主的にやっていただくということで補助を続けてまいりましたし、準備講座とか交流会も続けながら、淡海子ども食堂を広げていきたいということで、先ほど申し上げましたとおり、箇所数も広がってきたところでございます。地域において、さまざまな人が、地域の子供たちをみずから支えるということで、さまざまな取り組みを進めていただいているというふうに認識しておりまして、非常に有意義な取り組みであるというふうに考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)106カ所ということで、さらなるやはり取り組みを地域でやりたいという思いがある中で、それに応える補助金の継続が必要だというふうに思うんです。  3年前から子ども食堂を取り組んでこられた晴嵐みんなの食堂でのNPO法人CASNの理事長の谷口久美子さんに先日お話をお聞きしました。谷口さんは、本当に食べ物がなく、子ども食堂に出会って学校に行けるようになった子供さんもおられると、水道もとまる、家に49円しかない、この子供さんのSOSを子ども食堂に来ておられたから受けとめることができて、地域の皆さんで支援をして命がつながったというケースもあるとおっしゃっておられました。  今、子供たちの貧困の実態、食べるものがなくて、これはほかの地域ですけども、髪の毛も食べていたという実態も私は聞いてまいりました。地域のネットワークを広げようという支援が、今、本当に必要だと。その中で、子ども食堂で孤立するひとり親家庭、特にひとり親家庭を救ったというお話をお聞きして、本当に大事だと思います。生活保護や児童扶養手当の制度があってもそこに行き着かない、そのすき間を埋めるのが子ども食堂や地域のさまざまな取り組みだというふうにおっしゃっておられました。私は、この声にしっかりと応えるべきだと思うんです。  来年度から、この事業、補助金を廃止されようとしていますけれども、今、子供の貧困に対して、県がさらなる支援が私は必要だと思うんです。こういうときに廃止することはあってはならないというふうに思います。健康医療福祉部長に再度お聞きします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  淡海子ども食堂につきましては、当初のこの3年間の広がりを踏まえまして、今後は、子供を真ん中に置いた地域づくりを支える応援団をふやしていく取り組みを進めていきたいというふうに考えております。このため、昨年8月に立ち上げました企業、団体、個人の方から、子ども食堂などへの物資の提供、寄附、人的支援などを広く募る公私協働の取り組みであります子どもの笑顔はぐくみプロジェクトにつきまして、県といたしましても、今年度、3,000万円の助成を行ったところでございます。  今後につきましては、相変わらずその子ども食堂の支援は続けたいと考えておりまして、このプロジェクトにおきまして、物資、寄附など民間の支援を子ども食堂に届けますほか、先ほど申し上げました開設準備講座、あるいは交流会を開催するなど、淡海子ども食堂の開設、運営を支援できるよう、関係の皆様とともに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)300カ所必要だということで取り組みをされておられる、その思いにぜひ応えていただきたいと思います。この補助金があったからこそ106カ所まで広がったわけですし、そこを削るようなことがあってはならないと強く主張したいと思います。  3つ目は、学ぶ力向上支援事業補助金の事業の内容について、教育長にお聞きします。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えいたします。  御質問の補助金は、町における教育水準の維持向上を図るため、町教育委員会が、授業改善や新学習指導要領の全面実施に向けた取り組み等を行うため教育職員を配置した場合に、それに要する経費の一部を補助しているものでございます。なお、期間につきましては、平成28年度から平成30年度までの3年間に限り補助することとしております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)6町に500万の補助金を出されていました。今回の方針での廃止に対する6町の意見について、教育長にお聞きします。 ◎教育長(青木洋) お答えいたします。  6町からは、町は、特に教育課題に指導的立場から的確に対応できる経験を有する教育職員の確保が難しいこと、また財源的にも大変厳しいことから、引き続き支援を継続してほしいとの御要望をいただいているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)継続を求めておられるという御意見を、教育長が今言われたと思うんですが、その点について、やはり町としての財政規模が小さいところで、500万のこの人件費の補助というのは、直接教育を受ける子供たちにかかわる大変大事な補助金だというふうに思います。その点では継続を求めたいと思いますけれども、教育長の見解を伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えいたします。  この事業は、当初、平成29年度までの事業でありましたが、町からの御要望や、学ぶ力向上滋賀プランの終期が平成30年度まであったことなどから、平成30年度までの1年間に限り終期を延長し、事業を継続してきたものでございます。こうしたことから、今回、この事業は、終期の到来により終了していきたいと考えているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)むしろ恒久的にこの補助金を続けてほしいというのが6町の町長さんの思いであります。期限が来たからというのではなく、この補助金での成果があると、これを無慈悲に切ってしまうのかということをおっしゃっておられました。ぜひ町民に直接かかわるこの500万円の削減は見直しを求めたいというふうに思います。  私は、次期滋賀県行政経営方針原案の案が公表されてから、さまざまな団体の皆さんにお話を聞いてきました。農協中央会、県の森林組合、県漁連、県の病院協会、商工会議所、また大津赤十字病院など、事業の縮小、廃止の対象となる皆さんの声は本当に切実でありました。なぜ削減しなければならないのかという思いと同時に、やはり国体の500億円は巨額過ぎるのではないかという思いもあった団体もありました。私はそのことをしっかりと受けとめていただきたいと思います。  知事に伺います。今回の3つの事業を私は挙げさせていただきましたけれども、ほかの事業におきましても、縮小や廃止について、市町、関係団体から声を聞いておられると思いますが、どのように受けとめておられるでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 県の施策の推進ですとか方針の見直しに当たりましては、住民に最も近いところで行政サービスを提供していただいている市町や、県とともに政策の推進に御尽力いただいております関係団体の皆さんの思いにも十分留意することが重要であると認識しています。  今回、市町等からは、一部の事業につきまして、現行制度の維持ですとか見直しに伴う影響への配慮、年度途中のやむを得ない事業費の増加への対応等について御意見をいただいたところでございまして、関係部局において改めて検討を行いました上で、御意見に対する県の考え方をお示ししたところでございます。今後の予算編成過程におきまして、こうした市町等の意向にも留意しながら、引き続き検討を行い、最終的な方針を固めてまいりたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)今回の方針原案は、先ほど3つの事業を紹介しましたけれども、県としての役割がどうか、県としての役割を放棄するものではないかと思います。いっときの小遣い稼ぎではなく、あらゆる分野での削減は、将来に私は禍根を残すものであると考えます。市町との信頼関係を壊すものであります。撤回を求めるとともに、財源不足の大きな原因になっている国体に名をかりた大型施設整備こそ削減をし、県民の暮らし・福祉優先の予算へと重点配分することを強く求めるものですが、知事に見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 今回の収支改善の検討に当たりましては、県民の皆様の暮らしや産業活動に極力影響が出ないよう、まず、歳入確保に向けてあらゆる可能性を検討し、全庁挙げて増収に取り組むよう指示するとともに、国スポ大会、障スポ──全スポ大会に向けた施設整備など大規模事業につきましても、聖域とすることなく見直し、精査の対象としてきたところでございます。これらの施設整備につきましては、両大会の開催はもとより、県民の皆様の健康づくりやスポーツの振興、さらには地域の活性化などに必要不可欠な投資であると認識しており、県民の皆さんから末長く愛着を持って御利用いただける施設となるよう、引き続き事業費の抑制に最大限努めながら着実に整備を進めてまいりたいと存じます。その上で、新年度に向けましては、将来への責任を果たすため、収支改善にも着実に取り組みながら、次期基本構想の基本理念でございます未来へ幸せが続く滋賀に資する予算をしっかりつくり上げてまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)知事は、新生美術館においては、工事費が47億円を超えることが判明をしたということで、一旦立ちどまって、喫緊の課題、老朽化の対応ですけれども、優先して取り組むという判断をされたわけです。国体施設整備についても、県の財政状況を見ても、このまま進めてもいいのか、8年後に839億円もの財源不足が生じるという見通しの中で進めてよいのかが問われていると思います。主会場整備で200億円、新県立体育館で90億円、草津市立プールで65億円、ここにこそメスを入れるべきだと考えますが、再度伺います。 ◎知事(三日月大造) 将来に向けての、また、さまざまな大会等に向けての必要な施設整備は、きちんと計画をつくり、予算を確保した上で、未来への投資としてしっかりとさせていただきたいと考えております。しかし、そうした大きな事業につきましても、削れるところはしっかりと削りながら、必要最小限の施設整備を、これは大会のことだけではなくて、県民の皆様方の健康づくりやさまざまな対応にも資する施設として整備をさせていただくと、これは、ある意味、未来への責任でもあるというふうに考えております。  同時に、それぞれの年度において、必要な施策にかける予算というものも、これも当然、さまざまな検討をした上ではございますけれども、措置するべきものは措置をさせていただいて、県民の皆様方の生活に支障がないようにしていくということも必要だと思いますので、それらの両輪をしっかりと回していけるように、次年度についても予算編成を行ってまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)福祉や暮らし、産業にかかわる部分に大なたを振るうような行財政経営計画については撤回を求めたいと思います。  3つ目の質問です。私学助成の拡充を求めて、全て知事に伺います。  私学は、憲法が保障する公教育の一つであるとともに、建学の精神や独自の教育理念によって、多様な教育を求める国民の要求に応える、かけがえのない役割があります。私学の果たす役割について、知事の認識をお聞きします。  私立高校の学費負担は、公立との格差も大きく、その改善は焦眉の課題であります。私立高校の学費は、就学支援金分を差し引いても、県平均で初年度納付金において年額62万8,000円、入学金を差し引いても年額47万8,000円と高額な負担となります。一方、滋賀県の場合では、生徒1人当たりにかかる教育費の公費負担は、公立と私立を比べますと、私立は3割程度と低い水準であります。  また、高校生1人当たりの経常経費を見ても、国の財政措置額は今年度33万1,806円になったにもかかわらず、滋賀県では、今や国の財政措置よりも1万円近く低い32万2,000円となって、都道府県平均では43位から44位まで後退する事態にもなっています。  また、授業料直接助成は、国の無償化の制度が始まった平成26年度から授業料平均額35万8,000円のままになっています。経常費助成が低く抑えられているため、やむなく授業料を引き上げざるを得なくなっており、授業料平均は37万1,000円と、1万3,000円の開きが出て負担がふえています。  12月3日に、滋賀の私学助成をすすめる会では、教育費負担の公私間の格差をなくし、子供たちに行き届いた教育をと署名に取り組まれ、11万4,316筆の署名を知事に提出されました。陳情書にあるように、保護者の学費負担を軽減するため、滋賀県の私立学校等特別修学補助金の支給対象を小学校、中学校に拡大し、同時に高等学校の支給額の増額を求めるものですが、知事に見解を伺います。  また、経常経費の助成を引き上げることについても求めるものですが、知事に見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 私学助成の拡充につきまして、こちらは3点御質問いただきました。  1点目、私学の果たす役割についてでございますが、私立学校は、独自の建学精神に基づき、個性豊かな教育を展開され、県民に多彩な教育機会を提供いただいており、公立学校とともに公教育の一翼を担う重要な役割を果たしていただいていると認識しております。  2点目、私立高等学校等特別修学補助金についてでございますが、小学校、中学校への拡大につきましては、現在、国の私立小中学校等に通う児童生徒への経済的支援に関する実証事業を行っており、国の検証結果や効果を見きわめたいと存じます。  また、高等学校への支給額の増額につきましては、しっかりと本県の現行制度を維持していくとともに、2020年度から国の私立高等学校への無償化の動き、こちらのほうもあるということですので、こちらを注視してまいりたいと存じます。  3点目、私立学校への経常費助成につきましては、全国平均や近畿府県平均と比較し低位にあることは承知しており、平成29年度、今年度と補助単価の引き上げに努めてきたところでございます。私立学校の公教育に果たす重要な役割等を踏まえ、財政状況が非常に厳しい中ではございますが、今後とも必要な検討を行ってまいりたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)再問します。  検討するということでありましたけれども、国基準よりも財政措置が下回っているということであります。そこは、きちっと交付税措置もされていますので、国庫補助金等、きちんとその交付税措置されている分は足して、せめて国基準まで高校生1人当たりの経常経費の助成をしてほしいと、これも当たり前の要求であります。今、私立高校に通っておられる生徒さんが8,000人いらっしゃるんですけれども、1万円のこの差があるということで、8,000万はやっぱり必要ですけれども、これは国で財政措置されています、交付税と補助金で。ここは県としてきちんと、せめてそこはされることを私は求めたいと思います。  高校卒業時に、もう既に奨学金を借りて、借金を抱えて高校を卒業して、さらに大学で学びたいという子供さんもたくさんいらっしゃるわけなんです。知事も私学の果たす役割については自覚しておられるというふうに思いますし、そういう点でも、私は、この経常経費については全国最低、44番目ですから本当に最低レベルです。そこはやはり前向きな検討を再度求めたいと思いますが、再問します。 ◎知事(三日月大造) それを言われると大変つろうございます。おっしゃるとおり、これは私学助成に対する国の財源措置との関係ということでございます。県では、経常経費の補助以外に、私立学校の職員の福利厚生を実施している団体への助成のほか、特別修学補助金などとあわせまして、国の財源措置に相当する支援を行っているところでございます。先ほど来強く御主張いただいております私学助成の引き上げにつきましては、公教育の一翼を担っていただいているという私学の役割の重要性を踏まえ、しっかりと必要な検討を行ってまいりたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)ぜひよろしくお願いしたいと思います。  最後の質問です。JR湖西線の駅エレベーターの設置について、知事にお伺いいたします。  JR湖西線の蓬莱以北の5つの駅については、依然としてエレベーターなどのバリアフリー化は未整備の状況であります。(資料掲示)これは県の資料でありますけれども、移動等円滑化の促進に関する基本方針の改正によって、エレベーターの設置基準は、1日当たりの平均利用客数は5,000人以上から3,000人以上へと変更はされましたが、しかし、人口減少が続く地域では3,000人以上満たしていない状況が続いており、エレベーター設置の見通しが立たない湖西地域では、蓬莱から北小松までの5つの駅と、高島地域でも近江中庄、マキノ、永原、塩津とありますけれども、なかなか立たない状況があります。  日本共産党は大津市内で、今、市民アンケートに取り組んでいますけれども、公共交通の充実を望む声がたくさん寄せられ、特に旧志賀町域ではJR湖西線の駅エレベーターの設置を願う声がたくさん寄せられています。この8月21日に、滋賀県の日本共産党地方議員団は政府交渉を行い、その際にも、国土交通省に対して、この地域に暮らす住民にとってはJR湖西線が唯一の公共交通機関であり、通院や買い物といった日常生活にもJR和邇駅までの移動が必要になっている。高架駅であるため、高齢者や障害者の社会参加という観点からもエレベーターの整備は喫緊の課題となっている。地域住民の交通権を保障するため、基準の変更とあわせてJRに強く働きかけられるよう求めました。  国土交通省は、3,000人未満の場合は、地域の実情を鑑み、自治体とJRが整備内容と財政負担については、まず検討することが必要との回答でした。特に比良駅では、1日の乗降客が2015年、2016年度は3,000人を超えて、ようやくエレベーター設置に向けて整備の協議がJRと始められていたのですけれども、2017年には乗降客が2,944人と56人下回ったために、一旦今協議がとまっているという状況で、期待しておられた地域の皆さんは本当に落胆をされておられます。  高架駅は、ここにもありますように、建物3階半に相当する長い階段と、55段あるところもありますけれども、高齢者、障害者、妊婦さんはとても利用できないという状況があります。基準の見直しを国に求めるとともに、駅エレベーターの設置を早急に県としても求めていただきたいと思いますが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 湖西線のバリアフリー化につきましては、湖西線利便性向上プロジェクトの一つの柱といたしまして、強風対策や利用促進などとあわせて就任当初から積極的に取り組んできたところでございます。1日当たりの平均利用客数が3,000人未満の駅でありましても、湖西線のように高架等の高所に設置された鉄軌道駅につきましては、国の方針に基づくバリアフリー化の対象に追加するよう、これまでから政府提案等の機会を捉えて国に強く要望してきているところでございます。本年11月の政府提案におきましても、国土交通省に対し、直接私から要望させていただいたところでございまして、今後も沿線市やJR西日本と連携しながら、比良駅を初めとする湖西線の駅のバリアフリー化がさらに進むよう、強い思いで取り組んでまいりたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)強く要望していただきたいと思いますし、踏み込んだ支援も実際必要になってくるのではないかと思いますけれども、早急に駅エレベーターの設置が進むように重ねてお願いをし、質問を終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、13番節木三千代議員の質問を終了いたします。  次に、30番生田邦夫議員の発言を許します。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇、拍手)30番の生田でございます。
     国会は、12月10日で終わるということで、きょうが山かなと注目して見ております。御存じのごとく、入管法の改正の問題が、恐らくきょう、参議院で最終的に可決されるのではないかなというふうに思っております。国会の話をお伺いしますると、国会議員さんも本当はどこに問題があるかということは御承知の上で質問するほうも答えるほうもやっておられまして、現場におけるほんまの厳しさというものをどこまで承知しておられるのかなと、非常に情けないような気持ちで国会を見ております。と申しますのは、新しい外国人を日本に来てもうて仕事をするというこの法案は、もう既に可決されるということを前提に、来年の4月から始まるということを前提にそれぞれの現場においては進んでおりまして、これを通さなかったらとんでもないことになると、それだけの思いを現場では持っております。  実は、私、病院で仕事をしていますときに、診断書をとりに来られる方がおられます。一時期は南アメリカのほうからの人が非常に多うございましたが、明らかにアジア系の人が通訳を連れてこられます。明らかに東南アジアでございます。その人たちが以前とは違うのは、非常に日本語を勉強しよう、日本語をできるだけ把握したいという気持ちがよう出ておりまして、意気込みはあるなというふうに思っております。それから、まちに出まして国道沿いの店に行きますると、私、医者からはとめられておるんですけども、ポテトが好きですので買いに行きますと、昔に比べて塩味は薄くなりましたけども、そしたら、マイクのところで外国人が言わはります。お金を払うところも外国人であります。品物をいただくところも外国人であります。うどん屋さんに行きましても、うどん屋さんのレジのところにおいては、ちょっと危なっかしいけども、つり銭もちょっと間違わはるときもあるんですけど、それでも外国人。それから、ほかの店も外国人。夜のコンビニに行きますると、ほとんど外国人でございます。もはやこの国は、外国人を入れるとか入れないとかいうレベルの話ではなしに、明らかに250万人ほどの外国人がおられて、その半数が現実に日本において働いておられるこの現実、これがなかったら日本の経済も持たないというところになっていると、もうもはや入れる入れないという国会の話ではなしに、重箱の隅をつつくような話はもういいかげんにしてほしいという思いでございます。いろいろ問題はあると思います。新しいこの法がいろいろ不備があるということは承知の上で、実は介護の現場においてからの意見を申し上げたいと思います。  届けております質問に合わせまして始めさせていただきます。特に介護現場における外国人労働者の現状についてでございます。  いろんな形で外国人が働いておられますが、その1つ目、EPAルートからの実績についてお教え願いたいと思います。 ○議長(川島隆二) 30番生田邦夫議員の質問に対する当局の答弁を求めます。  その前に、答弁者はどなたでしょうか。 ◆30番(生田邦夫議員) 全て知事にお願いいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  EPAルート、すなわち2国間の経済連携協定による介護福祉士候補者の受け入れの実績、現在、我が国は、インドネシア、フィリピン、ベトナム、こちらと二国間協定を締結しているということでございますが、全国では、平成21年度の制度開始後、平成29年度までで3,529名、県内では先月末日までに8名でございまして、さらに今月1名の受け入れが予定されているということでございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)実績のところで今知事が説明いただきましたが、滋賀県においては3カ所かな。今、8名とおっしゃいましたね。ということかなと。思ったほど介護の現場には入ってきておられないという実感だと思います。  それでは、2つ目のとこでございますが、技能実習生からの実績について御説明いただきたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 介護現場における技能実習生の受け入れ、こちらは、昨年11月に対象職種へ介護職種が追加され、ことし11月末までの介護保険サービス事業所での受け入れ決定者は、全国で286名、県内では16名となってございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)EPAのルートからと技能実習生のルートから、今説明を受けたんですけども、先ほどは8名、今度は16名。あれっと皆さんは思ってはると思うんです。えらい少ないやんかと思っておられると思います。  それでは、3つ目の留学生からの数字をお教え願いたいと思います。  すんません、飛ばしました。申しわけございません。定住外国人からの実績、3つ目のとこを先にお願いいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  定住外国人全体の就労実績は把握しておりませんが、平成27年度から県が実施してまいりました定住外国人を対象とした介護職員初任者研修を通じ介護現場に就労した人は、平成29年度までに14名いらっしゃいます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)正直申しまして、これもね、ほんまに正確な数字はつかめてないと思います。つかめないんですね。  4つ目に行きますが、先ほど申しました留学生からの実績について御説明願います。 ◎知事(三日月大造) 昨年9月の入国管理法の改正により、留学生は、介護福祉士養成施設を卒業し、介護福祉士資格を取得することにより国内の就労が可能になったところでございまして、日本介護福祉士養成施設協会によれば、今年度に介護福祉士養成施設に入学した留学生は全国で1,142名、県内では9名でございました。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)桁が違うほど少ないですね。特に地方に行けば行くほど少ない。これで、あんだけわーわー言うてる割には、介護の世界に技能実習生の新しい制度が導入されたとして、それで滋賀県に果たして何人来てくれるんやなという思いが皆さんあると思います。ほんまにこれでいけるんかなと。2025年目指して、滋賀県もいろいろ数字を把握しておられますが、もう桁が2つほど違う人数足らない。ロボットを入れる、いろいろなことを手尽くしても、やっぱりロボットの技術もまだまだ伸びませんし、無理やと。ロボットを入れるというふうに言うても高うつくと。人はいない、日本人はいない。外国人に頼ろうとして、新しい制度、この技能実習生、介護の現場に導入させてもらうとしても、必死の思いで準備してても、正直申しましてね、これは大変やなと。誰かが言うごとく、中身のない仕組みですわ。認めますわ。全くまだ中身がわからない。省令で決めていこうと言うてはるけど、わからない。特に語学の問題が、N4という形で例えばベトナムは送り出すわけなんですけども、N4の日本語がマスターできるというレベルで、それやったら使い物になるかと。使い物という言い方は悪いですね。現場で仕事ができるかいうたら、なかなか。しかも、日本に来て1年間でN3のレベルまでしなきゃならんとなってきたときに、果たして1年間現場で仕事しながら、さらにレベルアップ、日本語ができるか。これがレベルアップできなかったら帰らなきゃならんというこの仕組みも非常に厳しくて、送り出す側においてもちゅうちょすると思います。この仕組みは、確かに成功するかどうか、非常に難しいと思います。でも、やらざるを得ないし、現場においては、この制度に乗っかってもう既に動き出して、やらざるを得ないというところに追い込まれておりまして、非常にしんどい思いをしております。  5番目に参ります。平成31年度の国の予算要求、概算要求のとこに出てました外国人介護人材受入整備事業、質問項目5番目でございますが、国が考えているこの事業、費用等、その中身についてお教え願いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 国において平成31年度の予算要求されている外国人介護人材受入整備事業とは、今後増加が見込まれる外国人介護人材の受け入れ環境を整備するため、都道府県が実施主体となり、事業者が外国人介護人材に対して行う日本語や介護分野の専門知識の学習支援に必要となる経費、具体的には日本語学校への通学費用や学習資材の購入費用などに対し、定額の助成を行う事業となっております。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)知事、幾ら予算を考えておられるか、金額もお教え願いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 国の概算要求額は12億9,955万円と承知しております。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)今のこの仕組みは、今申しました新しい技能実習制度のこの制度に乗っかっての13億近くの金の予算だと思いますが、ほんまを言いますと、先ほど来言うてますように、1、2、3、4、EPAルート、それから技能実習生、それから定住外国人、それから留学生、この全てにわたって同じように、この日本語というものを勉強するに当たって、幅広くさらに予算もふやしてしてもらいたいというのがお願いなんです。この辺だけ、知事、頭の隅っこに入れといてもらえませんでしょうか。国に要望していただくときに、この技能実習生のとこだけじゃなしに、幅広くこの外国人の日本語教育のところに使うという仕組みに変えてもらえたらありがたいというふうにお願いしてもらえたらありがたいと。ちょっと頭の隅っこに入れといていただけますでしょうか。 ◎知事(三日月大造) ちゃんと頭にも心にも入れました。この事業は、先ほど申し上げたように、外国人材、とりわけ介護人材の受け入れ環境を整備するということが目的なんですけれども、現時点では対象となる雇用形態は示されていないということでございます。伺いますと、EPAにより介護福祉士候補者を受け入れた事業者ですとか、留学生を受け入れた介護福祉士養成施設に対しては、既に助成制度が用意されているということでございまして、先ほど来お取り上げいただいているこの事業は主に技能実習生が対象になると想定されているということですが、そういうお声については、私自身も承り、心と頭の中にしっかりと入れておきたいと思います。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)実はベトナムへ行ってきまして、国立病院と民間病院と、それから日本語学校の学校を2つほど見てまいりました。面接してきまして、来年日本に来られる人、この方、この方、この方、この方をお願いしたいという形を言うてまいりまして、もちろん、その人が向こうのベトナムにおいてN4のレベルの日本語がパスしなければ、言葉は悪いんですけど、補欠として言うといた人にかわるという形になります。それが日本に来られまして、ビザの関係で日本に申請しても4カ月ほどかかります。4カ月ほどかかって日本に来られて、日本に到着されて、さらにそこから2カ月、言葉と現場の訓練をいたしますから、大体半年ぐらいたつとそれぞれの現場に入らはります。こういう仕組みになっております。  ただし、その人が、みんなが言わはるのは、不安なところを言うておられます。不安なところ。日本語が覚えられて、その日本語のレベルで日本の社会に通じるかどうか不安であると。それから、生活面のことですが、事業所からきちんとサポートが受けられ、日本社会に適応できるかどうか、これが2つ目の不安。3つ目の不安は、例えば介護という概念というか感覚が、自分たちの国においては、まだ国自体が若いので、ないと。だから、本当は、技能実習制度というものが、例えば数年間日本でマスターして、それが国に帰って、それを国の介護というものに応用して国の発展に貢献するという仕組みやという建前がございますね、この仕組み。これはあんまり大きい声で言うたらあかんですけども、ちょっとつくりごとですね。何十年か先にはベトナムも介護という問題になるでしょうが、それは50年とか60年とか先の話でありまして、この仕組みはちょっとうそかましとんな、うそつきやと小さい声で申しておきます。でも、それでも日本に来て仕事をするという意欲は非常に強いです。  それから、あの国は仏教国です。社会主義国家とはいいながら、7割ぐらいは仏教ですので、お年寄りを大事にするというのは、日本においてはもう廃れてしもたと思っておるんですけど、あの国は年寄りを大事にします。ですから、介護という感覚ではなしに、入院期間が終わったら、もう全部家に帰りますという形であります。これが3つ目の、介護という概念がないので、その辺きちっと自分たちが理解できるかどうかということに対する不安を言うておられます。  それから、もう1つ、4つ目。これが大事なことなんですが、給与のことで、雇用契約上の賃金がきちっと支払われるかどうかということに対する不安を言うておられます。この4つであります、4つ。給料の問題を言わはります。もう明らかに仕送りして、田舎に送って、おじいちゃん、おばあちゃん、それによって生活をちょっと向上さすという形に使うという思いでありまして、これは私どもが田舎から集団就職でまちに出たときの昭和何十年かのあの昔とよう似てまして、ガッツあります。  もう1つ言うならば、世界で一番強いアメリカ軍に勝った国でございます。地下トンネルで耐えて耐えてベトナム戦争に勝った国の子供さんたち。やっぱりすごいなというガッツはありますし、ただ、何が問題なんやと、何が必要とされますかというふうに質問されたときに、ハートとガッツや言いました、私。あればええと。日本語なんてのは、そんなん、難しい言葉で言うんじゃなしに、平たくわかりやすく説明したら理解されますので。  私、だから、もう1つ問題発言しますと、日本にN4で来られてN3のレベルが達成できなかったら1年で帰すという制度ね、知事、やめるように、多少語学に問題あっても、現場でそこそこそれなりに気持ちがあって、ハートがあって、ガッツがあって、介護の現場で働ける人やったら、そんな帰さんように、この法律か、省令というんですかね、ちょっと細工してもらいたいというぐらいの思いなんですよ。だから、今、日本ではもう忘れてしもたようなガッツ、それから根性、持久力はありますので、その辺のことをちょっとまたお願いしたいと思います。  それで、きょうニュース見てたら、千葉県の森田知事が、ベトナムの日本語学校、きょうテレビ出てはりましたね。地域間競争ですわ。もう中身のないこの法律ですから、それぞれの県でどういうふうにこの中身をつくっていくかということが問われてると思います。滋賀県としても、言葉は悪いんですけれども、何やら研修はどうやこうやとか、何かシンポジウムが何やかんやしたとか、何か相談システムをつくったとか、何やかんやとかいう話じゃなしに、具体的にこの県のほうで国の事業の不備なところをサポートする、これを補うという形を何でもええから考えていただきたい。そうすると、滋賀県は考えてるでと、滋賀県行ったら、おお、ほかの県よりはちょっとええでという雰囲気を、少しでもええからつくっていただけたらと思いますので、御検討いただけないでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 何らかの検討をしなければならないと思います。議員おっしゃったように、大変喫緊の課題であり、ある意味では現実を直視しながら、現場の実態にも応じた対応が必要だと思いますし、将来を見通しながらの人材の確保、これを、法律で認められる範囲内でございますが、多国籍でどう担っていくのか、担っていただくのかということだと思います。ただ、実態が、例えば教育はどうしていくのか、また、生活面でどう一緒に暮らしていくのか、その方々が何か医療等でお困りになったときに、これまたどう対応していくのかなどなど、まだまだ、法律案は審議されておりますが、実態がよく私たちにわかっていない、伝えられていない面もございますので、今後、国においてもこういった対応等を検討されると思いますが、鋭意取り組まれると思いますが、県といたしましても、国際協会ですとか市町とも連携図りながら、相談支援や生活情報の提供など各種取り組みを行ってますが、さらに介護分野においても、滋賀に定着して、介護の仕事にも希望と誇りを持って働き続けていただけるように、事業者団体、また養成施設等、関係者の御意見もお聞きしながら、どのような環境整備が必要なのか、しっかりと考え、取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)ありがとうございます。実際には、外国人を雇用するという側から言いますると、決して安上がりではありません。正直言うて、例えば介護のいろんなトレーニング、訓練するのに1人つけなきゃならん。それから、生活のところで面倒を見なきゃならんという形をつけなきゃならん。最低限、それぞれのところに2人つけなきゃならん。宿舎も工面しなきゃならん。いろんなことを言いますると、日本の方を雇用するよりは割高になります。それから、給料においても、こんだけのものを保障させてもらいますと。日本人と変わりませんので。もうほんまに、安上がりというふうな発想では、もうこの外国人雇用ということは難しいというふうに思っておりますし、それはもう時代やと思っております。それでも、人が日本人はおられません。特に、ほんまに介護の現場というのは、もう今の現在の状況を維持することすら人数そろいません。ですから、悲壮な思いでおりますので、どうぞお願いしたいと思います。  次のとこへ行きます。  2つ目でございます。新生美術館のとこでございます。お願い申し上げます。  この間の新聞記事で、知事、長谷川顧問を切るという──言葉悪いですか──もう年度末で長い間ありがとうございましたという形をとるというふうに新聞記事が書いてありますが、知事、そういうふうになさるんでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 今回の一連の見直し等を検討させていただき、そして、先般の提案説明でも、議会、もって県民の皆様方に、当面の方向性等、お話をさせていただきました。そういう中にあって、私から長谷川顧問に対しましては、顧問の委嘱は今年度で区切りをつけたいと申し上げさせていただいているところでございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)長谷川顧問に、かなりこの数年間、お願いしていた部分があると思います。それは、アール・ブリュットを含めて、1カ所で3つのジャンルを一体として表現するということに対する理論武装の部分で、非常にお願いしていた部分があると思います。ばらばらで表現するのではなしに、この3つを1カ所で表現するということに対する理論づけに対してお願いしていた部分があると思います。滋賀全体を美術館にするという発想、これはそれなりの発想ですが、しかしながら違ったと思います。コンセプト、枠組みは、1カ所でこの難しい3つのジャンルを1つとして表現するという、一体として表現するという形であったというふうに思います。これについては、長谷川顧問と、もう一人は、専門家の中に、保坂さんですか、このお二人が精神的に、あるいは理論づけにおいて、理論武装の部分であったというふうに思います。あとの人はアウトサイダーアートという、アール・ブリュットのところについては若干畑違いでございました。この中心的な人を切るということについては、アール・ブリュットはもう一体として表現するということから外れると、それから、文化財のところについても別のとこで考えると、一からやり直すと。知事、説明しておられるのは、すんません、変なこと言うて悪いけど、何となしに未練たらしいんです。新聞記者に説明しておられる姿を見ても。これで長谷川さん切ったら、もうこの新生美術館の構想は一切なし、改めて一からスタートすると。別の場所で、文化財も別、アール・ブリュットも別、そういうことですね。違いますやろか。 ◎知事(三日月大造) 私の考えはそうではありません。まず、申し上げておりますのは、この間、新生美術館のプロジェクトを進めてまいりましたが、入札不落等さまざまな事態がございました。また、全体事業を行っていく金額につきまして、私どもで設定した金額、上限、こういったものを守れない、そういう事態にもなりましたし、その後、さまざまな対応を検討してまいりましたけれども、環境の変化等もございましたし、文化財を所有していらっしゃる方々からの御要望、御提案等も再度いただいたというようなこともございました。こういったことを受けて、大変申しわけなく思うんですが、一旦立ちどまらせていただいた上で、今後の対応方針等を、この間、数カ月検討してきたところでございます。  大きな柱は、休館させていただいておりますが、今ある既存の美術館、こちらについては機能を老朽化対策等で向上させていただき、できるだけ早く再開館をさせていただくということと同時に、琵琶湖文化館でお預かりしているこの文化財、こういったものをしっかりと機能を継承していく、こういったことを当面の課題として対応させていただくということでございます。その既存館を老朽化対策等で改修し、機能を向上した上で再開館する、こちらにおいては、所有をさせていただいております近代、現代の美術品とあわせて、アール・ブリュットについても展示、表現をさせていただきたいと考えているところでございます。しかし、文化財につきましては、先ほど来お話申し上げておりますように、文化館をどうするのか、また、収蔵展示するならどういう施設で行うのがいいのか、こちらについては少し時間をかけさせていただいた上で、内容等、基本計画を見直しする中で、皆様方に再度お示しをさせていただきたいと考えております。  いずれにいたしましても、もともと近代美術館で所有をしております近代、現代の美術、そして、新しく生まれてまいりましたアール・ブリュットの美術、さらには、昔から長く私どもが持っております神と仏の美、こういったものを一体的に滋賀県内で表現をしていくということについてはしっかりと持って、皆様方に計画の中でお示しすることができないだろうかということを考えております。  しかし、一体的に、あの場所だけで新生美術館として、長谷川顧問のお言葉をかりれば、3つの花束を一体的に表現するという、そういう表現で目指してきたこのプロジェクトについては断念せざるを得ないという状況でございますので、世界を代表されるキュレーターでいらっしゃいますが、これ以上、このプロジェクトで御助言を賜る環境にはないということを判断させていただき、今年度で一区切りさせていただこうということを、まことに申しわけないことなんですけれども、お伝えをさせていただいたということでございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)知事、私はね、非常に単純な人間ですから、よくわからん。近代美術館の改修をするということは、展示場はふえない。ふえない中においてアール・ブリュットも展示すると。そういうコンセプトではなかった。明らかに、今まで収蔵してきたところの近代美術館の作品と、要するに仏像、それからアール・ブリュットを常設という形で展示しながら、どう表現するかというところにこの難しさがあったと思っています。何月の何日から何月の何日まではこのアール・ブリュットを展示する、あるいはまた仏像を展示するという、そういう形の展示の方法ではなかった。それは違ったと思います。だからこそ言うてて、増築もしよう、新生美術館という形にしようというふうに言うたんですから、今の御説明は少し違う。ほんなんやったら、最初から47億の計画なんか全然なかってもよかったじゃないですか。だから、ちょっともう一遍説明してください。私にはよくわからない。  1カ所のところで一体として展示する、展示というよりも表現するというところの難しさがあって、それをやりますという形をずっと言い続けてこられた、ここ数年。だからこそ、難しいで、難しいでというふうに言うてたのに、案の定。しかもですよ、結局は自分たちの夢を、言い方悪いですが10億で。47億よりも上でしたかね、10億ほど。10億という金をけちったがゆえに夢をなくすんですよ。10億で片づくんやったら、どっからか取ってきなはれな、ほかのところから。共産党に味方するわけじゃないけども、10億けちって、国体の準備でね、節約したら、10億をこっちへ回せますもん。10億ちゅうのは大金ですけども、10億の金のために滋賀県の夢というものをなしにするというのには余りにも。ほんなんやったら、民間から10億の寄附募ったらよろしいやん。そういうもんじゃないですか。皆さん方は、10億をけちったがゆえに滋賀県の夢をパーにしたんや。10億ぐらいは工面しなはれ。何を言うてはりますやら。何ぼの金、動かしておられますねんな。こんなもんできますやん。そこが問題ですやん。夢ちゅうものは夢ですやん。しかしながら、無理してでも実現さすという方向で行かな。結局ばらばらですやん。もとに戻って、わけのわからん説明されますやん。ほんで改修やって。ここの総括の中で言うておられる最初からできなかった理由は、我々が最初から言うてた理由ばっかりやし。とどのつまり、つい最近こんなこと言い出すという必要も何もない、私はそう思いますし。知事、本音のところで、もうこれ、断念しなしゃあないですやん。言葉は、知事は、いや、断念したわけじゃない、断念したわけじゃない言うて。しかしながら、先ほど来言うてますやん。  これ、もう1つ聞きますわ、方向変えて。SANNAの設計図はどうされますの。お教えください。1億8,000万、どうされます。 ◎知事(三日月大造) 近代美術館に老朽化対策を行った後で、どのような機能向上を図っていくのかということを検討することになりますので、現在のSANNAの設計を活用することは難しいと考えているところでございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)非常に授業料としては高くつきました。非常に1億8,000万、高うついた授業料ですね。一旦現場工事にかかるでしょう。改修という形でね、リニューアルで。そしてね、機械が入るでしょう。終わるでしょう。それならば、その次に合わせて隣に増築工事しようかいうてね、そんなエネルギー出ません。やるときは一発、全部、現場においては。それが費用も安く上がる。そういうもんですわ。やる気になったときに一気にやらんことには、そんなん絶対エネルギー出てきませんし、値切りもできませんで。それが仕事ですわ。  この責任をとるという、一応、挫折と言うたら悪いですけど、まあ、とにかく、この時点において、知事、この1億8,000万、授業料、これ、どなたが払わはるんですかね。誰か責任とらはるんでしょうか、知事。 ◎知事(三日月大造) まず、先ほど来いただいている御指摘、また、さまざまなある意味での御指導は甘受したいと存じます。大きな夢を持って進めてきたプロジェクトですし、私ども県民が有しております3つの美を、近代美術館を改修する形で、庭園と一体的に回遊できる形で表現しようということで、この間つくってまいりましたが、確かに金額的なこともございますが、さまざま、それらを融合してやるということならではの苦しみ等があったことも事実ですし、既存館を改修することもあわせてやるということが、十分金額内で想定できていなかったということもございますし、総括で一部お示ししておりますように、さまざまな世界的な観点から御指南いただくことに、十分体制を整えて、県民の皆様方に御理解をいただけるという、そういう形で対応できてこなかった。また、この間、さまざまな環境が変わる中で、文化財を所有される方々の思いも、また新たな形で私どものところに届けられる、こういう事態になりました。  このことを総合的に判断いたしまして、もちろん、金額をより高いレベルで措置していただくことをお願いし、進める方法もございましたが、これからより長く、また広く県民の皆様方や外からの皆様方にもお楽しみいただける、豊かさを感じていただける、そういう施設やプロジェクトにしていく必要があるだろうということで、一旦立ちどまった上で、しかし、もともとあったもの、そして持たせていただいているものを長く休んで、さらにもっと休館を続けるということは、これはまた逆の意味からも、県民の皆様方にこれ以上は休むことは許されないだろうということから、既存館の再開館と、そして基本計画の見直しという形で、今の美術館の機能の向上と琵琶湖文化館の機能の継承というものを改めて行わせていただきたいということをここで判断させていただいたところでございます。  おっしゃったように、こうした一定の時間と費用をかけてきたものがとまるということについては、大変大きな責任が伴うと思います。また、費用もかけてきたものが十分活用されないという、こういったことがございます。こういったことを踏まえて、今後、今申し上げた、今ある美術館をリニューアルの上、再開館することと、そして、長い目で見て、持っているものをきちんと表現させていただく、この新たな基本計画をつくらせていただくということで責任を果たさせていただければと考えているところでございます。 ◆30番(生田邦夫議員) (登壇)しんどいですな。しんどいですわな。ただ、県民に御理解いただけなかったということでは私はないと思ってます。誰もね、知事、ずっとこの間、新生美術館のところを何とかみんなでええもんをつくろう、つくろうと思ってやってきて、それは憎たらしいことも言うてきましたけども、ええものをつくりたいし、後々50年、100年耐えられるものをつくってほしいと。それが多少金額が張り込まなあかん──張り込まなあかんって田舎言葉ですね──ちょっとぜいたくにやるかもわからんという思いはあっても、それはやっぱり耐えられるものをつくりたいし、京都、大阪、その隣という滋賀県の中においても、美術館すごいなと、それから、人も集まれるな、時代に即した美術館にしようというふうに言うて、若者が集まり、子供が集まり、それがリピーターとして繰り返してまた集まってくれるという遊びの場としての美術館という形の要素も取り入れてやっていこうというふうに言うてた夢が失われた。私は、47億ということにキャップをかぶせたのは私どもではないし、皆さん方が47億で絶対やりますというふうに自分で自分の首を絞めたんですから。ただ、あのときに、ちょっと悪いけども、もうちょっと張り込んで、もうちょっと金使うし、我慢してくれへんかな、そのかわり、ここは我慢しまっせという話があったら、私、とことん反対はしませんでした。  この事業はこれで終わるという形でございますし、もう知事の答弁は求めませんけども、もうこれで近代美術館のリニューアルということに限るということでございますので、今後は、新生美術館におられたメンバーは、全部この事業から退いていただいて、現在の近代美術館の館長以下が主役になって当然やられるもんやと思います。なおかつ新生美術館で責任とらない人が今度の近代美術館のところに主役として加わってはおかしいと思いますし、近代美術館の館長中心にさらにしてもらうしかないやろうと、それが筋論だと思っておりますし、それが反省、批判に耐え得る方法だと思っております。その辺をお忘れにならないようにしていただきたい。同じメンバーがまた出てきたらあきまへんで。反省したことになりませんので。よろしくお願いしておきます。  終わります。議長、ありがとうございました。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、30番生田邦夫議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午前11時51分 休憩    ────────────────   午後1時 開議 ○議長(川島隆二) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、39番成田政隆議員の発言を許します。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇、拍手)それでは、午後一番、よろしくお願いいたします。  先日、認知症と見られる父親を高速道路のパーキングエリアに置き去りにしたとして、娘が保護責任者遺棄容疑で逮捕されました。介護に疲れた、自分が面倒を見るより、警察に保護してもらい、施設に入るほうがいいと思ったとの報道を聞き、こういった事態を防ぐことはできなかったのかと、何とも言えない思いであります。このほかにも介護疲れを原因とする事件も多く発生しております。  また、警察庁の統計では、介護、看病疲れによる自殺は、2015年に243人、16年に251人、17年に206人となっております。  認知症は、85歳以上においては約40%、65歳以上は15%が罹患すると言われております。認知症は特別の病気ではなく、病気に伴い誰もがなり得ることを認識しなければなりません。認知症に自分がなったから、家族がなったから孤立し苦しむ社会から、認知症の人の意思が尊重され、また、家族も安心して住みなれた地域で自分らしく暮らし続けられる社会になればとの思いで、認知症対策と健康しがについて、知事、健康医療福祉部長、警察本部長に伺います。  多摩大学ルール形成戦略研究所の試算によると、認知症高齢者は、2012年の厚労省の推計462万人から、2018年には552万人、2025年には667万人と増加する試算がされています。医療・介護給付費も、2018年の医療費2兆円、介護費6.8兆円から、2025年には医療費2.4兆円、介護費8.3兆円と、2兆円以上増加すると試算されています。また、厚生労働省において、介護人材の需給見込みが2025年245万となるのに対し、現状推移の場合、介護人材供給は215万人にとどまり、需給ギャップが30万人生じる可能性があるとされています。また、若年性認知症においても、厚労省の補助金事業の調査によると3.78万人と推計され、働き盛りの年齢層でも認知症の増加が懸念されています。  そこで、滋賀県内の認知症の現状と課題について、健康医療福祉部長に伺います。  また、昨日のしらしがメールに、行方不明高齢者に係る情報提供のお願いが入ってきましたが、近年、認知症にかかわる社会問題に関して、認知症起因の行方不明者や交通事故の増加などが年々ふえてきております。今後、団塊世代の高齢化により、その問題はさらに大きくなると予測され、しっかりと対策を行っていかなければなりません。  そこで、認知症起因の行方不明者の発生状況について、警察本部長に伺います。  また、アクセルとブレーキの踏み間違いや自動車専用道路における逆走など、認知機能低下による重大事故も増加しております。大阪や福井などでは、軽微な事故を起こした高齢者らにドライブレコーダーを貸し出し、映像を分析し、安全運転を教える取り組みも行われておりますが、高齢ドライバーへの交通事故対策は急務であると言えます。2017年3月、警察庁が認知機能検査で早期発見を進めた結果、今後、認知症のおそれのドライバーが約7,000人に上ることが判明しました。そんな中、75歳以上のドライバーが免許更新の際に義務づけられている認知機能検査において、富山県では検査待ちが2カ月を超えていると報道がされていました。  そこで、県内の認知機能検査の状況と免許自主返納の状況について、警察本部長に伺います。  認知症における課題や認知症起因の社会問題が大きくなる中で、認知症の改善および発症を防ぐ薬は、現時点においてまだ開発段階にあります。認知症高齢者が劇的な増加が予測されている中、認知症発症の遅延策、軽度認知障害対策について注目がされています。軽度認知障害──MCIのフェーズにおいては、適切な治療、予防をすることで認知機能が回復されると言われております。MCIから認知症に症状が進展する人の割合は年平均で10%、また、5年間で約40%の人が認知症へのステージが進行すると言われており、MCIの段階で認知機能低下との因果関係が深いとされている生活習慣病等の対策を行うことで認知症機能の改善が図れることが検証されています。  そのためにも、MCI検査の普及促進による早期発見、予防により認知機能の低下、抑制していくことが重要であります。また、自身の健康状態を知ってもらうとともに、脳卒中や心疾患、糖尿病を初めとする生活習慣病の対策や、アルコール依存、不健康な食生活、ストレスや不安、鬱病、社会的孤立など、多岐にわたるリスク要因の解消を行うことや、定期的な身体運動、趣味を持つことなどによる心身のコントロールを行うことにより、認知症の発生を抑制することができると言われております。  認知症の発症をおくらせる軽度認知障害対策により、認知症高齢者数を40%削減することができたならば、認知症高齢者は2025年に約670万人の想定から400万人程度まで抑制できることになり、医療費、介護費の削減、介護人材不足の解消にもつながると言えます。  そこで、軽度認知障害対策の推進について、健康医療福祉部長に伺います。  次に、認知症フレンドリー社会について、知事に伺います。  イギリスのアルツハイマー病協会では、報告書の中に、認知症フレンドリーコミュニティーについて、認知症の人が高い意欲を持ち、自信を感じ、意味があると思える活動に貢献、参加できるとわかっている、そうした環境であると定義しております。一方、日本は認知症対処社会と言われ、認知症の人の暮らしづらさや生活全体には着目されず、認知症によって引き起こされる課題に対処していく考え方が持たれてきました。  認知症になったとしても、いきなり全てがわからなくなる、できなくなるわけではなく、少しずつわからないこと、できないことはふえていくものの、診断後何年たっても、まだわかること、できることはたくさんあると言われております。だからこそ、認知症の人たちが、介護施設や家に閉じたものではなく、地域に外出し、活動できる場を提供するとともに、認知症サポーターの養成や認知症カフェの拡充等を含め、地域全体で認知症に対する正しい理解を広めていくことが重要であると言えます。  例えば、若年性認知症の方を初め、認知症になっても働きたい人は継続して就労できるように支援していくことや、自動車の運転免許を自主返納しても心配なく外出できるための公共交通網の整備、公共交通機関の利用の乗降時におけるヘルプカードの導入、金融機関等におけるサポート体制や、県下全域で訪問理容・美容サービスが行われるなど、認知症になっても尊厳が保たれ幸せに暮らせていける社会こそ、SDGsにおける全ての人に健康と福祉を、住み続けられるまちづくりをの目標を達成できるとともに、人生100年時代と言われる長寿社会の中で、新たな豊かさを感じながら、一人一人が尊重され、自分らしく生きることができると考えます。  そこで、認知症について、県民や企業、団体等が正しく理解し、必要に応じて支援が行われるとともに、認知症になっても安心して暮らし続けられる地域となる認知症フレンドリー社会の構築について、知事の所見を伺います。  平成28年9月にG7保健大臣会合が開催され、認知症対策を盛り込んだ神戸宣言が採択されました。神戸市では、それを踏まえ、予防および早期介入、事故の救済および予防、治療および介護の提供、地域の力を豊かにしていくことの4本の柱の神戸市認知症の人にやさしいまちづくり条例を本年4月に策定され、さらに、今月5日、11月市議会において、認知症の高齢者などが絡む事故やトラブルを想定し、被害者および患者や監督責任を負った家族など加害側を救済する仕組みと、認知症診断への助成を行うため、市民税年400円を上乗せする改正案が可決しました。また、愛知県においても、条例制定に向け、ワーキンググループを設置し、議論が行われていると仄聞します。  9月定例会議の粉川議員の一般質問において、条例を定めず、レイカディア滋賀高齢者福祉プランの一つの柱として、認知症の人や家族等に優しい地域づくりを行っていくとの答弁がありました。2050年に65歳以上の5人に1人が認知症になると見込まれるとともに、認知症にかかわる社会問題が増大していく中で、認知症施策推進総合戦略──新オレンジプランを補完する認知症対策に特化した施策を、県民や事業者、認知症患者とともにつくっていく必要があると考えます。  そこで、認知症対策のさらなる推進に向けた知事の考えを伺います。  この項の最後に、認知症予防も含め、誰もが健康でいられる健康しが施策の推進について、知事に伺います。  国土交通省では、個人単位の行動データをもとに人の動きをシミュレーションし、施策実施の効果を予測した上で、施設の配置や空間形成、交通施策を検討する計画手法、スマート・プランニングの取り組みを行っておられます。実際に、携帯電話のGPSデータ等を活用し、高齢者が健康のためにも歩いて暮らせるように、一度に歩ける距離を考慮して福祉施設の最適配置の検討等に関し想定をされておられます。  第2回未来創造セミナー「未来を創るひとの健幸づくり〜IoTが創るみらいのカラダ・健康〜」において、ヘルスケア領域におけるウエアラブル血圧計やモバイル心電図の技術を活用した脳・心血管疾患の発症ゼロに向けた取り組みや、センシングデータの活用の報告がなされました。  また、大津市や草津市など10の市町と3団体において、モバイルスタンプラリーやバーチャルウオークラリー、各種健診の受診や健康に関する目標達成で、健康ポイントをためることのできる健康推進アプリ「BIWA−TEKU(ビワテク)」を行われております。  近年、心拍センサーや加速度センサー、位置情報センサー等が組み込まれたウエアラブルデバイスや健康アプリの活用により、利用者の健康管理を行うとともに、健康情報や位置情報のビッグデータを集めることができます。また、これらのデータ分析により、健康を阻害するリスクの回避を初めとする医療・福祉対策が行われたり、さらには、公共交通網の整備やグラウンドゴルフ等の行える公園、体操やカラオケなど趣味の活動が行える施設や福祉施設など、高齢者が行動するに当たって配慮されることになったりなど、いつまでも元気に外に出歩き、活躍できるまちづくりが行える時代が来ると考えます。  そこで、企業や大学との連携を図りながら、Society5.0の時代を見据え、IoTの活用を図り、生涯を通じ、体と心の健康が保たれる滋賀を構築していかなければなりませんが、健康しがの施策の推進に向けた知事の思いを伺い、この項の質問を終わります。 ○議長(川島隆二) 39番成田政隆議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)認知症対策と健康しがに関する御質問のうち、私には3点賜りました。  1点目、認知症フレンドリー社会の構築についてでございますが、議員御指摘のとおり、認知症は誰もがかかわる可能性のある身近な病気であり、一人一人が我が事として捉え、社会で支える仕組みづくりが重要であると考えます。  そのため、県といたしましても、企業や団体と協定を結び、認知症高齢者の見守り活動や、認知症サポーターの養成を進めるとともに、若年認知症の人ができる限りその能力を生かし働き続けられるよう、企業への出前講座を実施しております。また、認知症になっても孤立することなく地域で交流できるよう、認知症カフェの取り組みや、地域で安心して暮らせるよう、地域住民による見守りの体制づくりを進めております。  こうした取り組みを通じ、認知症になっても、みずからの力を発揮して生きがいを持ち、地域の人たちと交わりながら暮らすことができる居場所と出番のある社会を目指してまいりたいと存じます。  2点目、認知症施策のさらなる推進についてでございますが、本県では、レイカディア滋賀高齢者福祉プランにおきまして、認知症の人や家族等にやさしい地域づくりを大きな柱の一つに掲げ、重点的に施策を推進しているところでございます。  こうした中、議員から御指摘のありました全国の自治体における取り組みも承知しているところでございますが、認知症対策は、他の疾患対策のように、治療や予防だけではなく、判断能力が不十分な人の権利を守るための成年後見制度の取り組みや、若年認知症の人が持っている能力をしっかりと生かすことができるよう、就労支援の取り組みも必要なことから、今後はこうした点にも力点を置き、認知症施策の総合的な推進に努めてまいりたいと存じます。  3点目、Society5.0の時代を見据えた健康しが施策の推進ということについてでございますが、本年3月に策定いたしました滋賀県ICT推進戦略におきまして、健康・医療・介護分野でのICTの活用を掲げており、そこでは、切れ目のない診療や重複検査、投薬のない診療等につながる医療情報連携ネットワークシステムの構築支援や、自身の健康管理にも役立てていただけるよう、電子お薬手帳による服薬情報の活用に向けた将来性の検証等を支援することとしております。
     また、全国的な動きといたしまして、本年5月に施行されました、いわゆる次世代医療基盤法におきましては、ICTを活用して収集した医療や健診に係るビッグデータを匿名加工した後、研究や新薬の開発に利活用することを可能にしていることから、今後の最適な医療の提供や健康づくりに資するものであると考えます。  このように、ビッグデータや、さらにIoT、AIなどの新たな技術は、社会や経済に変革をもたらし、新たなサービスや価値の創出のみならず、さまざまな課題解決にもつながる可能性がありますことから、認知症予防を初めとする健康しが施策の推進におきましても、これらを活用してエビデンスに基づいた取り組みを推進することが有効であります。  つきましては、本年10月に設置いたしました「健康しが」共創会議の場も活用し、企業、大学、NPO、市や町等、さまざまな主体と連携を図りながら、次世代を見据えた取り組みを推進してまいりたいと存じます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)認知症対策と健康しがに関する質問のうち、私にいただきました2点の御質問にお答えをいたします。  1点目の認知症の現状と課題についてでございます。  本県におけます認知症の現状につきましては、国の推計によりますと、2015年は約5万4,000人でございましたが、2025年には約7万人になるとされておりまして、全国と同様に、65歳以上の方、約5人に1人の方が認知症になると見込まれております。また、65歳未満で発症いたします若年認知症の方は、2016年におきまして約360人おられると推計されております。  このように、多くの人が認知症になったりかかわったりしていく中、認知症に対する県民の皆様の理解はまだまだ不十分と考えておりまして、まずは県民の皆様に対し、認知症に関する正しい知識の普及が必要であると考えております。  また、認知症の疑いがあるにもかかわらず、医療機関へ受診をしておられない方もおられますことから、早期発見、早期対応の観点から、医療等の専門機関へつなぐ仕組みづくりも求められていると考えております。  さらに、病院等の現場では、他の疾患と認知症をあわせ持っておられる患者さんも多くおられますことから、医療や介護従事者の認知症に対する対応力、これを向上していく取り組みも必要であります。  また、若年認知症の方は、家計を支えておられる方が多く、生活を維持していくための就労の場の確保も必要と考えており、今後はこうした課題に対する取り組みを着実に進めまして、認知症になっても安心して暮らせる地域をつくっていくことが大切と考えております。  2点目の軽度認知障害対策の推進についてでございます。  議員御指摘のとおり、認知症はできるだけ早期に発見し、対応を行うことによりまして、その後の進行をおくらせることにつながりますことから、特に軽度認知障害の段階での対策は大変重要と考えております。そのため、県では、早期に認知障害を発見し対応するため、日ごろから高齢者とかかわる機会の多い診療所の医師や歯科医師、薬剤師等の専門職に対しまして、認知症の兆候や病気の特性を学んでいただく研修会を実施いたしております。  また、市町におきましては、住民を対象とした啓発イベントや、物忘れ相談などでタッチパネルやチェックリストを用いたスクリーニングも行われているところでございます。  受診によりまして軽度認知障害と診断された方に対しましては、軽度認知症等の専門相談窓口といたしまして、滋賀県軽度認知症サポートセンターを設置いたしまして、軽度認知症の方やその御家族に対する相談支援や交流会の実施、さらには病気の理解やその対応について学ぶ教室を開催いたしております。  また、一部の市町におきましては、軽度認知障害の方を対象とした個別指導の取り組みも行われているところでございます。  今後は、こうした取り組みの一層の推進に努めまして、認知症の早期発見と早期対応に努めてまいりたいと考えております。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) (登壇)認知症対策と健康しがにつきまして、私には2点質問をいただきました。  まず、1点目の認知症に起因する行方不明の近年の発生状況についてお答えいたします。  警察が届け出を受理いたしました認知症または認知症の疑いがある65歳以上の高齢者の行方不明者数についてでありますが、平成27年が113人、平成28年が129人、平成29年が151人、本年は、10月末現在の数字ではありますが、161人となっておりまして、年々増加傾向にあると言えようかと存じます。  続きまして、2点目の県内の認知機能検査の状況と運転免許証の自主返納者数の推移ということでございます。  75歳以上の高齢者につきましては、運転免許証の有効期間満了日の6カ月以内に認知機能検査を受けることが義務づけられておりますが、本県においては、検査を予約制としておりまして、有効期間満了日までに検査を受けられないような事態は発生しておりません。  県内において、この認知機能検査を受けられた高齢者のうち、認知症のおそれありと判断された方は、平成29年中は、これらの方への医師の診断が義務づけられました3月以降の数値ということでございますが、561人でございまして、そのうち運転免許証の自主返納された方は250人、医師に認知症と診断されて運転免許の取り消しをされた方は22人となっております。  本年は、10月末現在でありますが、認知症のおそれありと判定された方は508人で、そのうち自主返納された方は276人、医師に認知症と診断されて運転免許の取り消しをされた方は34人となっております。  また、認知機能検査の結果をきっかけとするのみならず、身体機能の低下などを理由に自動車の運転をやめる際には、運転免許証の自主返納をすることができますが、その数の推移につきましては、65歳以上の高齢者については、平成28年が3,343人、平成29年が4,334人、本年は、10月末現在でございますが、3,875人となっておりまして、これも増加傾向にあると言えようかと存じます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)ありがとうございます。行方不明者数も増加していく中で、やっぱりそういった部分で、多くの方々が見守れるような仕組み、多分、先ほどウエアラブル端末とか言っておりましたが、そこにGPS機能が備わっていれば、多分、認知症になられてからはつけるのを嫌がられると思いますが、健康の管理のためにずっと使い続けていると、それをつけるもんやという認識の中で、つけることに対してのいろいろな拒否感がないと思います。そういった中で、GPSが備わっているのをずっとつけ続けることによって、いざ認知症になってからも、それがどこにいるかわかるような見守りの仕組みにへとつながっていくのかなと感じておりますので、ぜひとも新たな知見等々も活用しながら施策の推進を図っていただきたいと思いますので、また大阪万博に向けて、そういった部分が県として新たな取り組みとして推進されているよということが発信できるように頑張っていただきたいなと思っております。  また、先ほど本部長の方からも免許返納のお話もございましたが、やっぱり心配されているのは、返納した後に、移動手段等々大丈夫か、交通弱者にならないかというところもございますので、やっぱり交通弱者が出ないようなまちづくり、交通体系を整えていくことも重要であると思いますので、そういった部分も施策の推進に取り組んでいただきたいと思います。  それでは、次に、高大接続改革について、全て教育長に伺います。  近年、グローバル化の進展、技術革新、国内における生産年齢人口の急減などに伴い、予見の困難な時代の中で新たな価値を創造していく力を育てることが必要とされています。そして、高大接続改革において、高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜を通じて、学力の3要素である知識、技能の確実な習得、思考力、判断力、表現力、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を着実に育成、評価する、3者の一体的な改革を進めることが極めて重要であるとし、これらの改革に向けての取り組みが進められております。  その一環として、大学入試センター試験が2020年1月の2019年度実施を最後に廃止され、翌年2020年度から新しい共通テスト、大学入学共通テストに移行します。その際に、文部科学省は国語と数学に記述式問題を導入する方針を打ち出しております。現在の1年生から大学入学共通テストに移行しますが、大学入学共通テストの対策について、どのような取り組みが進められているのか、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  県教育委員会では、平成28年度から県内全ての高校を対象とした「学びの変革」セミナーを開催し、大学で必要となる知識および技能や、思考力、判断力、表現力等の育成を目指すための授業改善の方法について、教員への研修を実施をしております。  また、本年8月には、2020年度から実施をされます大学入学共通テストにおいて記述式問題が導入されることを見据え、生徒の論理的思考力や記述力を高めるとともに、大学と連携をした教員向けの研修も実施をしているところでございます。  さらに、本年11月に実施をされました大学入学共通テストの導入に向けた試行調査、いわゆるプレテストに、県立高等学校から12校、952名の生徒が参加をし、記述式を含んだ試験問題を体験をいたしました。  今後も、大学入学共通テストを含め、大学入学者選抜改革の動向を注視をいたしますとともに、情報収集に努め、しっかりと対応してまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)ありがとうございます。  また、先日、情報科が必修化された2003年度以降、情報科の教員採用試験が行われていないとの報道がありました。大学入学共通テストにおいて、情報を出題の教科に加える検討が始まっていると聞いておりますが、情報科の教員の状況も含め、指導の現状について伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  本県の教員採用試験におきましては、情報科単独での採用はしておりませんが、他教科で採用した教員の中に情報の免許をあわせ持つ教員がおります。こうした教員を各学校に配置するなどして、必履修科目である情報の授業を適切に実施をしております。現時点におきまして、大学入学共通テストにおいて、情報の科目がどのように取り扱われるかはまだ示されておりませんが、今後の大学入試センターからの情報も注視をしながらしっかりと対応してまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)英語は、2020年度から2023年度までは大学入試センターが作問し、共通テストとして実施する試験と、民間の資格・検定試験の両方が用意され、各大学はいずれか、または双方を利用できることとなっております。そして、4年の移行期間を経て共通テストでの実施を取りやめ、2024年度からは国が認定した民間試験に一本化する考えを示しております。  そこで、現在、英語の民間試験対策について、どのような取り組みを行っておられるのか伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  民間の英語資格・検定試験では、聞くこと、読むこと、話すこと、書くことの力が測定をされ、4技能をバランスよく伸ばすことが必要でございます。その中で、特に、話すこと、書くことにより表現する力の育成が求められております。そのため、英語教員を対象とした研修や授業研究会において、英語で表現する力を伸ばす授業モデルを示すことなどで、話すことや書くことを主とした活動をより多く取り入れた授業への改善を図っております。  また、各学校においては、民間の英語資格・検定試験の受験を生徒に推奨したり、放課後等に受験者を対象とした講座を開いたりもしております。さらに、今年度は、全日制44校のうち35校が自校を受験会場として実施をするなど、生徒が受験しやすいようにしているところでございます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)大きく制度が変わっていく中で、生徒たちがやっぱり学びの成果が発揮できるような形になるように、引き続きよろしくお願いしたいと思います。  次に、eポートフォリオについて伺います。  平成30年度文部科学省大学入学者選抜改革推進委託事業、主体性等分野として、関西学院大学が代表校となり、国立、私立の7大学で、高大接続改革で重視する学力の3要素にかかわって、主体性を適切に評価するため、教育委員会や高校と連携し、主体性等の評価尺度・基準の開発、高校段階でのeポートフォリオとweb出願ポータルサイトとの連携システムの構築を進められています。その取り組みの一つとして、2017年10月に高大接続ポータルサイトJAPAN e−Portfolioを開発し、全国の高等学校において無料で使えるように整備されたところです。  JAPAN e−Portfolioは、高校生が学校の授業や行事、部活動などでの学びや、自身で取得した資格、検定、学校以外の活動成果を記録でき、また、自分の活動成果や学びを振り返ることができるなど、主体的活動等に関する情報を蓄積する機能と、その蓄積した学びのデータを利用し、大学にその情報を提供することによって出願できる機能が備えられています。実際に来年度入学試験において活用する大学は11大学あり、また、入学者選抜に係るデータとして活用、参考、参照として活用、統計データとして活用する大学を含めると、国公立で21校、私立で89校の110校が11月末現在でJAPAN e−Portfolioの参画を表明しており、今後も参加大学の増加が想定されます。  そこで、現在の滋賀県内の高等学校におけるeポートフォリオの対応状況がどのようになっているのか伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  県内の高等学校には、eポートフォリオを利用し、生徒みずからが自分の学びのプロセスや気づき等を記録するなど、従来教員が行っていた記録とは違った形で生徒の学びの成果を蓄積している学校があります。  一方で、eポートフォリオを大学入試において活用する大学はまだ少なく、生徒の学びの成果を大学へデータ提供するという形で利用している県内の高等学校は、私立を含めて、ないのが現状であります。  なお、eポートフォリオを利用していない学校につきましては、生徒の学びの成果を校内で電子データで蓄積をしたり、紙に記録をして蓄積をしたりしているところでございます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)他県におけるeポートフォリオの取り組みについては、現在、埼玉県において、東京大学、理化学研究所と連携を行い、埼玉県独自のアプリを開発し、来年1月より希望する公立高校で実証実験を開始されようとしておられます。また、長野県においては、プロポーザルでシステム開発・提供する業者を選定し、Classi株式会社、株式会社システムディと連携し、11校88クラスの新1年生3,513名に実証実験がなされております。  来年度、文部科学省において、大学入学者選抜改革推進委託事業として、電子調査書の普及と、一般選抜において調査書を効果的に評価できる環境整備および新学習指導要領における調査書も踏まえた評価のあり方に係る調査研究も行われると仄聞します。  また、近年、就職活動においてもeポートフォリオの活用が始まっております。これまでの履歴や性格的傾向等、潜在能力を可視化することによって、適職を発見、紹介することができるとされています。  さきにも述べたように、JAPAN e−Portfolioの参加大学がふえていく中で、eポートフォリオを活用する大学に挑戦する生徒の機会を損なってはならないとも言えます。また、今後、就職活動においても重要な位置づけも予測されることからも、滋賀県においても、eポートフォリオについて、どのように活用していくかなど、方針を定め、取り組んでいくべきだと考えますが、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  議員御指摘のとおり、現在、国におきましては、eポートフォリオとインターネットを使った大学入試の出願システムの構築に係る調査研究が行われており、入試に際してeポートフォリオの利用を高等学校に求める大学は今後ふえてくるものと思われます。  県内の高等学校におきましては、現在5校がeポートフォリオを使用しているという状況でありますが、今後、eポートフォリオを使用する高等学校がふえると予想されることから、国の調査研究の動向を見据えながら、本県としてもeポートフォリオの活用方針について検討してまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)現在5校ということですが、今後、やっぱり全校でできるようになると、多くの生徒たちが、さまざまな経験等々をしっかりと蓄積した形で、それを先の社会に向かうまでの間も利活用できると思いますので、ぜひとも取り組みを進めていただきたいと思います。  しかしながら、eポートフォリオを活用するに当たっての課題も存在しております。県内においては、先般、立命館守山高校にて、eポートフォリオを活用したICT教育の効果に関し、ICT公開授業研究会が行われ、eポートフォリオ活用によるさまざまな効果が報告されました。しかしながら、eポートフォリオの取り組みを進めるに当たっては課題もあります。eポートフォリオを推進していくための先生の正しい理解、また、全ての学校で全ての生徒に対応できるだけのインフラが整っているのか、生徒が帰宅後にできるかなど、多くの課題も存在しています。それらを払拭していく必要もあり、そのためには学校のICT環境の整備が必須であると言えます。  まず、学校における教員の理解について伺います。  eポートフォリオを利用するに当たっては、ICTを導入すると不要なトラブルが起こるのではないか、教員の負担がふえるのではないかなど、多くの懸念がされています。しかしながら、適切な指導のもとでeポートフォリオを作成することによって、例えば指導要録の作成に活用すれば、生徒の活動の1年の総括においても先生の負担を軽減することにもつながります。また、高大接続改革フォーラムでは、推薦入試における推薦書の記入が、2014年では3校であったのに対し、2018年には36校と大きくふえたとの学校の事例報告とともに、推薦書の記述においてeポートフォリオの活用が担任の負担の軽減に大きく寄与しているお話もありました。  こうした事例も含め、さまざまな不安解消に向け、eポートフォリオの推進に当たっては、学校、先生の正しい理解が必要でありますが、理解を深めるための取り組みについてどのように考えているのか伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  eポートフォリオについては、県内各高等学校の研究主任等の教員を対象とした「学びの変革」セミナーにおいて、研修内容の一つとして取り上げたところであります。また、校長協会や高等学校等教育研究会の進学部会の研修においても、校長や関係機関と情報交換を行っております。  県教育委員会といたしましては、今後もeポートフォリオについての研修を実施をいたしますとともに、最新の情報を把握し提供することにより、教員がさらにその理解を深めていくよう努めてまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)正しい理解、また、そういった部分の研修が先生の負担の軽減にもつながると思いますので、ぜひとも取り組みを進めていただきたいと思います。  次に、ICT環境の充実について伺います。  eポートフォリオの利用をしていくためには、全ての生徒がアクセスできる環境を整備していかなければなりません。日々の学習記録、振り返りの記録や行事の振り返り、そして、蓄積された記録の中から、1年を振り返り、学びを再評価し、1年の総括をまとめていくなど、積極的な活用が必要であります。これらは紙版のポートフォリオでもできますが、先ほど述べたように大学入試や調査書の形態が変わってきている中で、効率的ではないと言えます。また、eポートフォリオを生徒のカルテとして活用することにより、多面的、総合的な評価が行え、効果的な指導も可能となってきます。  平成26年の調査において、滋賀県はスマホの普及率66.2%と全国1位であり、また、ノートパソコンの普及率も全国1位であるものの、全ての生徒が家庭においてスマホやノートパソコン等によりeポートフォリオを活用できるとは限りません。その対策のためにも、できれば携帯会社や家電量販店などスマートフォンを販売している事業者と協定を結ぶなど、廃棄されるスマホ等を寄贈してもらい、社協やNPOを窓口にし、全ての生徒にスマートフォンが行き渡るように貸与できないか、そういった部分が取り組みができることによって、家庭におけるeポートフォリオの取り組みがさらに推進できるのではないかと考えます。  また、学校においても、eポートフォリオを活用できるだけの環境整備のためには、パソコンやタブレット等の配備や個人所有のスマホの活用のためのWi−Fiの設置などを行っていく必要があると考えます。  そこで、全ての生徒がeポートフォリオに取り組むための環境整備について、現状の公立高等学校のICT環境の現状も含め、お伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  まず、県立高等学校の教育用コンピューターの整備状況についてでありますが、教育用コンピューター1台当たりの生徒数は5.9人であり、全国平均の4.6人を下回っております。また、県立学校におけます普通教室の無線LAN整備率は16.8%であり、全国平均の22.5%を下回っておるところでございます。  こうした現状を踏まえ、今後、普通教室等への無線LAN環境の整備を進め、eポートフォリオが利活用できるようなICT環境の整備に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)ありがとうございます。やっぱりICT環境の充実によって、学びの場もさらに提供できるとともに、現在、英語の授業でスカイプの取り組みを行っている事例もありますので、そういった部分にも貢献できると思いますので、整備をぜひとも進めていただきたいと思います。  しかしながら、eポートフォリオの取り組みを行っている学校においては、ICT機器の利用の際には、使用ルールを事前にしっかり決められております。これは、学校の備品を使用するケースも、個人所有のスマホ等を使うケースにおいても、利用ルールを明確化していくことが重要であります。ICT利用に際しては、さまざまな犯罪に巻き込まれないための知識も改めて確認していく必要があります。  そこで、公立高等学校において、学校備品のタブレットや生徒が所有するスマホ等を利用する際のルールが設置されている学校はどれくらいあるのか、お伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  現在、県立高等学校におきましては、生徒が所有するスマホ等を校内ネットワークに接続することは、コンピューターウイルスの侵入等の危険があることから認めておりません。したがいまして、生徒が所有するスマホ等を校内ネットワークで利用するルールを設置している学校はございません。  一方、学校備品のタブレットの使用につきましては、授業等でタブレットを利用する際、学習活動に関係のないサイトの閲覧を禁止する等のルールを各校が定めて利用しているところでございます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)ありがとうございます。恐らく今後、eポートフォリオの使用に際して、例えば講演等々を聞いたときに、生徒が一斉にその感想等々を書き込もうというときには、やっぱり個人所有のものも使っていく場合も出てくるのかなと考えております。そういった場合にちゃんとしたルールを決めていくことが必要ではないかなと思っております。学校でしっかりとルールを事前に決めていくことが重要であり、現在取り組みを行われている学校においては、ICT機器の利用の際には使用ルールを事前に決めておられます。  現状ルールのない状況の中で、しっかりeポートフォリオを活用するに当たっても、新たにルールを整備していく必要があると考えますが、ルールづくりにおいて、生徒とともにつくっていくことが重要でありますが、今後の対応について伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  今後、生徒が校内ネットワークに接続するための環境整備が進めば、生徒の個人所有のスマホを無線LANに接続して授業等で使用することについても可能となることが予想されます。そうしたことから、議員御指摘のとおり、今後、使用に関してのルールをつくっていく必要があると考えております。その際に生徒にかかわらせることは、生徒にルールの必要性をしっかりと理解させ、主体的に守る意識を持つことにつながりますことから、大切であると考えております。今後、そうした認識のもと、必要に応じルールづくりを進めてまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)ある学校では、ルールを決めて、例えば1人、そのルールを破ったときには、そのフロアの全Wi−Fiをストップさせる、2回目、それを守らなかったら、それぞれロッカーに保管する、それでも守らなければ、3回目はもう、朝、登校してから帰宅まで学校が保管するという形で、いろいろルールを設定されている学校もあります。そういった形で、みんなで決めたルールをみんなで守っていくような形にしていけば、やっぱりしっかり認識しながら生徒たちも行動を起こしていただけると思いますので、ぜひともルールづくりに際しても生徒の力を引き出していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  eポートフォリオの活用は、課題はあるものの、効果は非常に大きいと言えます。今後、公平性、客観性から、多元的な評価に対する妥当性、信頼性の入試へと受験の形態も大きく変わっていく中で、ただ単に知識、技能を習得するだけでなく、eポートフォリオを活用し、創造力、問題解決力、コミュニケーション力、思考力など、多面的、多角的な視点で、学びがどのように進化していくかを見ることができるようになり、メタ認知、自身の認知的な動きを一段上から理解したりコントロールしたりすることができるようになり、生徒は、学びの振り返りを通じ、さらに成長することができ得ると言えます。  高大接続において、eポートフォリオを活用することで、7年間を通しての見通しを持ち、粘り強く振り返りながら主体的に学び続けることができ、さらに蓄積された多量のeポートフォリオを用いることで、高校から大学までの7年間を通した進歩の状況や、よい点、その先の可能性まで見える化できるようになると言えます。変化が激しい現代社会だからこそ、人が生涯にわたって物を学んでいくということを考え、成長しながら、既存の枠組みにとらわれない新しい時代に向かって、知識、技能、思考力、判断力、表現力、主体的に学習に取り組む態度を培っていくことが大切であります。  最後に、高大接続改革が進む中、未来を担う生徒たちに、卒業までにどのような学習の行動と成果を期待するのか、教育長に思いを伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  社会が急激に変化する中、生徒たちには、新学習指導要領の中で重視をされている主体的、対話的で深い学びを通して、答えのない困難な課題にも積極的に立ち向かい、解決を図るような力を育てることが重要であると考えております。そのため、eポートフォリオを初めとしたさまざまなツールを有効に活用して、生徒が高校時代のさまざまな活動の中で取り組んだことを振り返り、成長を確かめながら自分の力としていくことが大切であると考えております。  今後とも、未来社会を担う生徒が、みずからの考えをしっかりと持ち、たくましく生きる力を身につけていくことができるよう、滋賀の教育を進めてまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) 終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、39番成田政隆議員の質問を終了いたします。  次に、14番駒井千代議員の発言を許します。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇、拍手)通告に従いまして、一問一答でラムサールびわっこ大使事業についてお伺いをいたします。  10月に茨城県で開催された世界湖沼会議では、学生会議が実施をされ、滋賀県から、TANAKAMIこども環境クラブが素敵な琵琶湖の水辺をアピールする方法について、ラムサールびわっこ大使が当該事業について、守山中学・高等学校が守山市におけるホタル再生プロジェクトについて発表し、ディスカッションでは、小中高それぞれの部門で参加をされました。  さらに、ポスターセッションでは、TANAKAMIこども環境クラブが「琵琶湖や地域の水辺の生き物調べ」ならびに「琵琶湖・淀川流域・田上地区のメダカ事情〜池・川・田んぼに生息するメダカのDNA鑑定を通して〜」を、瀬田工業高等学校が「学校周辺の琵琶湖と河川の水質調査」を、そして、守山中学・高等学校が「琵琶湖由来の水草堆肥を用いて育てた農産物の価値に関する研究」を発表されました。私自身も、会場を行き来しながら、各学生会議のディスカッションを傍聴したり、ポスターセッション会場では、質疑応答の様子などを拝見し、意見交換をいたしました。特に水草堆肥の件は、諸課題についてよく検討されており、今後、より企業等との協働が進むことを期待いたします。  また、先般、環境省などが主催する全国野生生物保護実績発表大会が開催をされ、親子向けの自然体験教室やイチモンジタナゴの繁殖などの活動を報告した滋賀県の市民団体ぼてじゃこトラストが同省自然環境局長賞に選ばれ、改めて滋賀県民が活発に環境活動をされていることを感じました。
     さて、第四次滋賀県環境総合計画は今年度が最終年度であり、現在、第五次滋賀県環境総合計画の策定に向けて取り組まれていますが、現計画の3本の基本目標の第一に掲げられているのは「環境の未来を拓く「人」・「地域」の創造」であり、次期第五次環境総合計画でも4つの柱の一つとして、持続可能な社会を支える学びと暮らしの定着として、人材育成に引き続き取り組む予定となっております。  具体的には、2020年度までの第3次滋賀県環境学習推進計画の中で人育て・人育ちについて進められているわけでありますが、今日における環境活動に取り組む人材育成の状況について、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ○議長(川島隆二) 14番駒井千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) (登壇)お答えをいたします。  県では、第三次滋賀県環境学習推進計画に基づき、幼少期から成人まで、生涯にわたって段階的、継続的に環境学習を推進しております。例えば、小中高生を対象とするエコ・スクール事業では、草津市立渋川小学校の児童が、「食べることで琵琶湖を守る」をテーマに滋賀の郷土料理を学び、地域に発信した取り組みが、生物多様性アクション大賞2017の特別賞──SDGs賞を受賞するなど、全国的に高い評価を受けております。  また、主に県外出身の大学生を対象とした琵琶湖体験の機会提供事業では、湖上体験のほか、地域での環境保全活動を行っている方々との交流の機会を設けており、これをきっかけとして、みずからが環境保全活動団体に参画する学生も見られます。  一方で、環境学習事業を評価する環境学習等推進協議会においては、事業への参加者の固定化、活動者の高齢化や後継者不足といった課題も指摘されているところでございます。  今後、学校と地域との交流や世代間の交流を図るなどによりまして、関係者が協力してこれらの課題の解決に取り組んでいきたいと考えております。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)ただいま部長がおっしゃったように、いろいろ大学生や小学生等の取り組みが進んでいるわけですが、一方で、やはりより多くの方にどう知っていただくかということが必要だと思いますし、びわ湖の日プロジェクトでびわ活等も始まりまして、より多くの環境活動が目に見える形になって知っていただく形になりますので、より広く参加を募る体制づくりに向けて取り組んでいただきたいと思います。  第21回国連気候変動枠組条約締約国会議、通称COP21の報告会では、その内容だけではなく、会議のときにNGOを初めとする環境活動団体が世界中から集まり、活発に意見交換されたことにも注目を受けています。  2004年策定の新滋賀県環境総合計画では、「あなたとつくる“環境滋賀モデル”〜琵琶湖から世界へ〜」を計画目標とされておりました。先般の世界湖沼会議でも、県内各地の団体に分科会で発表いただきましたが、会議の宣言として、湖沼を水問題の主要課題として位置づけられるよう訴えていくことが確認をされたところです。滋賀から世界へ、世界から滋賀へ、そのためにも環境活動団体と協働した取り組みが欠かせないと思います。  先ほど部長もおっしゃったように、一方で、環境活動団体の方からは、高齢化で次世代が育たないと活動がなくなってしまう懸念も伺っております。  そこで、今後、環境活動を行うためのさらなる若手リーダー育成のサポートも必要と考えますが、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  議員御指摘のとおり、環境団体が事業を継続していく上で、次の世代のさらなる参画が重要であると認識しております。このため、活動団体と将来を担う世代との交流の促進や、高校生や大学生などへの環境学習サポートを行っております。  世代間の交流では、国際ボランティア学生協会──IVUSAとの共催により、大学生がオオバナミズキンバイの駆除等の経験を小学生に対して伝えるびわ湖大勉強会を開催いたしました。  環境学習サポートでは、スーパーサイエンスハイスクールのプログラムとして、琵琶湖の保全をテーマに提言を目指した学習活動に取り組んでおられる膳所高校を中心とした県内7校に対しまして、課題解決に向けた施策構築の手法などについてアドバイスを行ったところでございます。  また、琵琶湖博物館環境学習センターでは、県内5大学の環境サークルが活動事例の共有などを行う情報交流会を実施しておりまして、今年度、新たに高校生との交流も予定しているところでございます。  こうした活動により、若い世代の育成のサポートを進めてまいりたいと考えております。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)部長おっしゃったように、各地でそういった取り組みは少しずつ進んでいるんですけれども、ただ、やっぱり学生ですと卒業していきますし、そういった意味で、地域の団体の方がイベント疲れする面もありまして、大事なのは、その活動が今後もずっとどういうふうに続いていくかという観点から、どういう形を残していくのかということが必要であると思いますので、そういった点につきましても改善を重ねながら、活動がしっかりと続いていくように、これからもよろしくお願いいたします。  さて、2年前、インドネシアで開催されました世界湖沼会議にラムサールびわっこ大使が参加したことを受け、次世代の環境リーダー育成について議会質問をさせていただいたところです。  今回の会議にラムサールびわっこ大使も参加されたわけですが、今年度のラムサールびわっこ大使事業はどのような内容でされているのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えをいたします。  ラムサールびわっこ大使事業は、環境保全の核となる次世代のリーダーを育成することを目的とした事業で、本年度は、小学校5、6年生の8人を大使に任命いたしました。びわっこ大使には、滋賀県の環境保全活動や湖魚を使った料理について、3回の事前学習会で学んでもらうとともに、昨年度に引き続き、過去のびわっこ大使経験者らとの世代間交流を実施いたしました。  その上で、世界湖沼会議において、事前学習会で学んだことを発表するとともに、茨城県の子供たちと「自然のめぐみ」をテーマにしたディスカッションを行いました。また、霞ヶ浦で湖上遊覧船に乗り、風を利用した帆引き船など、琵琶湖と違った環境や文化を体験してもらったところでございます。参加した大使からは、琵琶湖も霞ヶ浦も湖のことをしっかり学び、好きになることが大切だといった意見や、来年もまたびわっこ大使になりたいといった声を聞いております。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)今年度、このような内容でされているわけなんですけれども、やはり県内でもフィールドワークをされた後にかなりディスカッションもされておりまして、それはかなり活発に、もう通常の授業以上の時間を使ってされるほどであったということですので、やはりこういったフィールドワークをして、その後にやっぱりディスカッションして、どうあるべきなのか、どうであったのかということをしっかりと進める内容であるというのはいいと思います。  今部長がおっしゃったように、昨年ラムサールびわっこ大使事業発足から10年を迎えておりますが、これまでに参加した子供たちの交流事業、今年度も、今先ほどおっしゃいましたが、昨年度と続けまして世代間プログラムを実施されたところであります。そこで、この世代間交流プログラムの成果について、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  世代間交流プログラムは、びわっこ大使同士のつながりを深め、次世代のリーダーを育成することを目的に、昨年度から年1回開催しておりまして、本年度は、世界湖沼会議への派遣の前に、ことしのびわっこ大使8名と大使経験者9名の参加により開催いたしました。  本年度の世代間交流プログラムでは、大使経験者による当時の体験談や、その後取り組んでいる環境保全に関する活動についての発表をもとに意見交換を行ったほか、参加者全員で琵琶湖博物館で学習したり、湖魚料理をつくるなどの活動を行いました。  こうした活動を通じまして、ことしの大使にとって、世界湖沼会議への出席に向けた準備ともなり、また、大使経験者が引き続き環境保全活動に取り組む姿は、自分の今後の活動への意欲を高めることにもなったと考えております。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)人材育成というものは、すぐに効果が出るものではないんですけれども、だからこそ、このかつて経験された人がどのようになっているのか、また、環境について学ばれて、大学で勉強されている方もいらっしゃいますので、そうした方を見ることが、少しキャリアプログラムといいますか、そういったことにもつながりますし、また、経験した人が過去を振り返ってどういったアドバイスができるのか、そしてまた、それが支えていく好循環を期待したいと思います。  さて、ラムサールびわっこ大使は小学5、6年生を対象としていますが、小学校では、あおい琵琶湖をテキストとして、琵琶湖を初め幅広く環境について学び、エコ・スクール事業などを実施されておりますが、小学校高学年における環境学習の狙いについて、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  小学校における環境学習では、環境に対する豊かな感受性を育成すること、環境に関する見方や考え方を育成すること、そして、環境に働きかける実践力を育成することを主な狙いとしております。こういった狙いを実現するため、県内全ての学校で環境教育全体計画を作成し、さまざまな教科等の授業において、環境について学習を進めております。  加えまして、本県では、うみのこ、やまのこ、たんぼのこ等での体験活動を通じて、自然とのつながりやかかわりに関心を持ち、主体的に行動できる力の育成に重点を置いた取り組みも進めているところでございます。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)今、教育長もおっしゃいましたけど、小学校5年生時には、何といってもフローティングスクールうみのこの学習があるわけであります。こちらは国内外から注目されており、今年度から新船での運航となりました。それに伴い、ICT機器などの整備もされ、より深い今の時代に合わせた環境学習機能を持つようになりましたが、今年度からのうみのこでの学びの状況について、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  びわ湖フローティングスクールにおきまして、新船就航に伴いまして、これまでの決められた同じプログラムを全員が学ぶ学習形態から、児童みずからが課題を設定をして主体的に学ぶ学習形態へと転換を図ることにより、環境に主体的にかかわる力や、みずから課題を持ち、協働して解決に取り組む力を培い、新しい時代を切り開く力を育成するなど、これまで以上に環境学習の充実を目指しているところであります。  その際には、新船で新たに搭載されましたICT機器を有効に活用して学習を進めております。例えば、タブレット端末による調べ学習や水中カメラによる湖底観察を行ったり、また、デジタル生物顕微鏡でプランクトン観察をして、そのデータを学校に持ち帰り、学びを深めたりするなどの活動を行っているところでございます。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)このように、うみのこの学習につきましても、やはり10年前から比べて、今言われるアクティブ・ラーニングの方向に非常に学びが変わってきているわけですけれども、ラムサールびわっこ大使事業は、リーダー育成ですから、これらの環境学習を前提に、より深く能動的な学びが求められると思っております。  琵琶湖の石けん運動は、1977年に植物プランクトンが琵琶湖に異常繁殖し、赤潮が発生したことに端を発します。今では、アユや外来魚であるブラックバス、ブルーギルについて、餌であるプランクトンの変化についても指摘がされているところです。  9月のミシガン州との交流50周年事業への参加の折には、川島議長を初め私たち議員団は、フィールドワークとしてRobert B. Annis Water Resources Instituteへ寄せていただき、湖を管理する州政府関係者であり、また、ブラジルでの世界水フォーラムでの湖沼セッションにともに参加いただいたジョン・W・アラン氏初め関係者より、植物プランクトンと動物プランクトンのバランスの問題や外来魚の問題、木材産業での一方で湖底に沈んだ木材の引き上げを初めとする環境問題の現状と課題、対策について話を伺いました。  また、琵琶湖博物館では、先般のリニューアルでプランクトンにも焦点を当てられているところですが、プランクトンの調査は、湖魚を初めとする生態系の相違や背景となる人間のライフスタイルを学ぶことにもつながります。  また、滋賀県では、複雑化、多様化する環境課題解決のための琵琶湖環境研究推進機構が設置されており、行政部局と試験研究機関が一堂に会するとともに、水環境ビジネスネットワークを中心に環境関連企業も立地しています。  次期第五次環境総合計画でも、自然、環境、社会の持続可能なつながりについて記載予定ですが、改めてリーダー育成としてのラムサールびわっこ大使事業について、どのような内容であるべきか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  議員御指摘のように、本県には、行政だけでなく、さまざまな研究機関や住民、NPOなどに環境に関する豊富な経験や知識がありまして、また、世界湖沼会議や姉妹交流などを通じて、環境保全に関する国内外とのネットワークも豊富でございます。ラムサールびわっこ大使事業におきましても、こうした本県の強みを生かしながらリーダー育成を図ることが望ましいと考えております。  このため、例えば、水産試験場や琵琶湖博物館の専門家の話を聞いたり、琵琶湖での漁体験を通じて、琵琶湖を初めとする環境に関するより深い知識を得ていただくとともに、学習や体験したことをさまざまな場において国内外の子供たちに伝えたり、意見交換をするということを通じて、将来の環境保全活動のリーダーとしての意識を高め、活動につなげられるような内容としていきたいと考えております。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)ぜひ、滋賀県のこういった研究機関や専門家とのつながりがより深い学びにつながっていきますので、そういったより進んだアクティブ・ラーニングがこのラムサール事業でされるようによろしくお願いいたします。  さて、次に、ラムサールびわっこ大使は、事業の名のとおり、大使としての役割があります。まず、対外的には、琵琶湖について広く発信をする役割を担っております。これまで、インドネシアや中国、茨城県での世界湖沼会議や、タイ、熊本県でのKODOMO湿地交流などで、本県の環境問題の取り組みなどを紹介してきました。確かに大会で多くの方に伝えることも重要ではありますが、同年代の子供たちへの発表と質疑応答など、双方向のやりとりができる場を設けることも重要と考えています。  そこで、対外的な大使としての役割について、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  びわっこ大使には、琵琶湖とともに育まれてきた本県の生活文化や環境問題への取り組みを国内外のさまざまな交流の場で発信するとともに、交流を通じて学んだことを持ち帰り、県内に伝え、生かすという役割があると考えております。  対外的な活動としましては、ことしの世界湖沼会議の学生会議では、研究取り組み発表で自分たちの取り組みを発表するとともに、ディスカッションでは、茨城県の小学生と、琵琶湖と霞ヶ浦それぞれが抱える環境問題や、解決に向けた取り組みについて議論をいたしました。  このように、たくさんの人の前での発表と、双方向での深い議論との両方の経験を積むことで、大使としての役割を果たせるような力をつけてもらえるようにしていきたいと考えてございます。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)私も今会議におけるディスカッションを拝見しましたところ、やはり活発に手も挙がっていましたし、そういった発表ができたと思うんです。ただ、2年前に、このインドネシアのときに申し上げたのは、やはり県内での先ほどのフィールドワークのディスカッションが重要だということと、それを踏まえた上で海外に行った上で、みずから発表したことに対して、いろんな琵琶湖への質問にどう答えているかということを、ディスカッション、アクティブ・ラーニングのもう少し深めるということをしていただきたいという話がありましたので、今回はちょっとパネルディスカッションでも何組かが出ている中での発言だったので、ちょっと子供たちにも物足りなかったのかなという思いもありますし、もっとラムサールびわっこ大使だと別の場で深いディスカッションのやりとりができるようになってきたのではないかなというふうに思っています。  一方では、対内的には、取り組んだ活動内容や気づきについて、県内に発信をする役割も担っているところです。ラムサールびわっこ大使事業は、これまで述べましたように、すばらしい事業だとは思うんですが、まだまだ知られていないのが現状であります。対内的な大使としての役割について、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  さきに述べましたように、びわっこ大使には、対外的な交流を通じて学んだことを県内に持ち帰り、伝え、生かすという役割があると考えております。このため、これまでマザーレイクフォーラムびわコミ会議やILEC30周年記念シンポジウムにおいて活動報告を行ってきましたほか、ことしは淡海こどもエコクラブ活動交流会にも参加し、事前学習会で学んだことや世界湖沼会議で体験したことを発表する予定としております。  今後とも、こうした活動を発信する場を充実するほか、特に同世代の子供たちに本事業をより広く知ってもらい、次のびわっこ大使への参加につながるような機会を設けるように考えてまいりたいと考えております。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)ぜひよろしくお願いします。  さて、これまで細かくラムサールびわっこ大使事業について質問をしてまいりましたが、10年を経て、今後どうしていくべきか。年度ごとに内容が大きく左右されるのはいかがなものかという思いもあります。  私なりの考えを申し上げますと、県内でのフィールドワークやディスカッションを踏まえ、アジアを中心とした国でのプランクトンや水質、魚調査などのフィールドワークを通して、琵琶湖との相違点や水環境の課題を考えてみる。同時に、同年代の子供たちに琵琶湖モデルを伝え、意見交換をし、それらを県民へと伝えることを事業の基礎としてはどうかと考えます。  ただ、前提として、何よりも現地とのやりとりが課題になってくると思います。そこで、4月に先般茨城県の世界湖沼会議にも参加をされ、琵琶湖、滋賀県へも訪問いただいたチチョル先生とタクポーン先生にお世話になりまして、タイ、チェンマイにて環境学習の調査に寄せていただきました。タイでは以前、ラムサールびわっこ大使事業でお世話になっており、関係の継続と大学にて実施されている小学生から大学生までの環境学習内容についての確認をいたしました。  こちらタイのチェンマイ現地では、川の合流付近で泡立っている部分があるんですけれども、実は、これはコンビニエンスストアなどで販売されている洗剤の使用によるところが大きく、このことはかつての琵琶湖を想起されるものであります。住民の環境意識を上げることや、学校での環境学習もまだまだこれからということで、子供たちの派遣についても協力をいただくことができるということでありました。  また、11月の湖南省における水環境フォーラムでは、「マザーレイクを洞庭湖に!」のもと、JICA事業を通じて環境人材の育成に取り組んでいる状況も報告をされたところであります。  アジアでは、人口増加やライフスタイルの変化による水環境への負荷があり、環境学習の必要、人材の育成が言われておりますが、滋賀県は、友好交流や水環境ビジネスを初めとする覚書締結によって台湾やベトナムとの関係を築いていますし、県立大学も大学連携でネットワークを築いております。このような関係を生かしながら派遣事業を進めたらどうかと考えますが、今後のラムサールびわっこ大使事業をどのように進めていかれるのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) お答えいたします。  本県と関係のあるアジア各国へびわっこ大使を派遣することは、議員御指摘のように、琵琶湖と大きく異なる社会や文化を背景とした水環境を学ぶことにより、自分たちの環境について改めて考える貴重な機会になると考えております。  一方で、国外へ子供たちを派遣することにつきましては、発表や意見交換ができる適当な会議があるかや、意見交換できる同世代の相手方との調整、さらには、子供たちの時間や体力などの面での負担といった課題もございます。  また、国内におきましても、それぞれの湖沼に特徴があり、環境保全にかかわる課題がありますことから、派遣交流による成果は期待できると考えております。  この事業の大きな意味である、子供たちが発表し、意見交換を深められる機会を提供することを基本といたしまして、国内外のさまざまな国際会議の開催予定などを踏まえまして、派遣先を検討してまいりたいと考えております。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)会議というのも重要なんですけれども、私も今回、いつも思うことなんですけれども、このネットワークというのが、例えば先ほどのタイの先生と行った湖沼会議に関しましては、琵琶湖環境部の中でも琵琶湖政策課がネットワークを持っておりまして、自然環境ではないんですね。そのことと、タイや台湾、ベトナム等になりますと、ここは商工観光労働部がネットワークを持っておりまして、琵琶湖環境部とは別のネットワークになっているということなんですね。なので、やはり海外に行くには、安全面もそうなんですけど、それ以上に現地との細かい関係性を事前にやっぱり持っていることが重要となっておりまして、大会があったとしても、そこの大会先との連携が最初に築き上げてないと、なかなかやっぱり大変なところはあると思うのです。だからこそ、こういったせっかく滋賀県にはネットワークがあるのですから、そういったネットワークを生かして、子供たちに幅広い経験をしていただくよう取り組んでいただきたいと思います。  これまで、教育長には小学校高学年の学び、そして、琵琶湖環境部長にはラムサールびわっこ大使事業の内容について議論を進めてまいりました。知事は、これまでも「滋賀から世界へ、世界から滋賀へ」のメッセージを発せられ、滋賀県としても環境、観光、産業などのネットワークを広げ、特に、海外との若者交流についても言及されてきたところであります。私は、ラムサールびわっこ大使を、先ほど申し上げたように、アジアの国々を中心に派遣し、琵琶湖モデルを発信するとともに、将来的には、海外の子供たちが環境学習に琵琶湖を訪れ、環境学習をするなら琵琶湖へと、滋賀県が環境学習のアジアの拠点となるようにつなげていくべきではないかと考えます。知事として、このラムサールびわっこ大使事業の今後をどのように考えていらっしゃるのか、見解をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)ありがとうございます。  ラムサールびわっこ大使事業を先ほど来お取り上げいただき、また、やりとりしていただいておりますように、子供たちがみずから考え、学び合うという体験を通じて、環境保全活動の核となる次世代のリーダーを育てていくという大変重要な事業だと考えております。これまでの大使経験者の中には、環境教育に従事したいという思いを持った学生や、既に環境保全団体で活躍している子供がいると聞いておりまして、この事業の成果があったものと考えておりますし、ことしの世界湖沼会議において、私もびわっこ大使たちと短い時間でしたけども交流させていただき、自分たちが学習し発表したことを生き生きと話す姿にとても心強く感じたところでございます。  御提案の本県と関係を深めているアジアの国々に派遣することも貴重な機会になると考えますが、国内外にかかわらず、さまざまな場で本県の環境保全についてみずからの言葉で発表し、また、その地域の子供たちを初め、さまざまな人々と交流する中で学ぶことは、環境リーダーの育成に大きな力となるものと考えております。国内で開催される国際会議や、海外から県内への訪問者の受け入れの機会など、海外の人たちとも交流できるさまざまな場を利用することによって、また、つくることによって、子供たちが国際的な視野を持った未来の環境を担うリーダーとして育つとともに、滋賀県が、琵琶湖が環境学習の場、フィールドとして世界に広く知られるようになることを期待しながら、また、それを目指しながら、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)環境学習の拠点となるように展望もおっしゃっていただいたわけなんですが、なかなかその受け入れ体制というものも今後整えていく必要があると思います。しかしながら、もう既に中国のほうからも現実に来て環境学習をされている方もいらっしゃいますし、私も、インバウンド観光を取り組む中で、親子で来られて、子供だけを預かって、数日、こういったフィールドワークであるとか文化交流とか、そういったようなことを学ぶ場を提供してほしい、そういったプログラムをつくってほしいというお話も伺っているところですので、ぜひこのことは、滋賀ならではの観光にもつながっていきますし、そして、前回のインドネシア、バリでいうところの環境と観光というテーマにもやっぱりつながっていきますので、そこをしっかりと考えていただきたいと思っています。  国内でも、もちろんいろいろな違いというのはあると思うんですけど、アジアの国というのは、やはりどうしても日本のほうが環境対策等も進んでいるところがあって、しかも、その琵琶湖モデル、琵琶湖の石けん運動は、もう今の子にとったら歴史の教科書の一節でしかないんですね。私たちは当たり前のように言っていますけれども、もうそれは既に、この今の琵琶湖を見る限り、昔のそのことというのは、なかなか気づくといいますか、教科書で習うことであって、今、アジアの国を見ることが、かつての滋賀県が、そして日本が進もうとした、まさにその原点を見ることができる。そういった意味でも、このアジアの国というのは非常に重要な今ターニングポイントになってきているのかなというふうに思っています。そういった意味でアジアの国というふうに申し上げましたので、もう一度ちょっとその点について、知事としての見解をよろしくお願いいたします。 ◎知事(三日月大造) まず、日本最大の湖で、世界有数の古代湖で、固有の生態系を持っている琵琶湖というところが、日本だけではなくて、世界、とりわけアジアの国々の将来世代にとっても大変重要な環境学習の場であるということは、私も認識を共有いたします。とりわけ滋賀県は、そういった高度成長期のさまざまな課題を乗り越えて、石けん運動等で琵琶湖をきれいに保つ努力をしてきた。今、アジアの国々は、ちょうど成長期にあって、ある意味では環境問題を抱えながら成長しようとしている、そういったところをまさに見ることによって、自然環境と共生する持続可能な経済発展モデルを次の世代にしっかりと埋め込むことができるという、そういうことも私は大変重要なテーマだと思います。  ですから、ぜひ、ベトナムもそうですし、中国もそうですけれども、これまでつくってきた関係をもとに、まさに、時には部局を超えて、そういった交流活動なり学習活動を共有し合う場をこれからもしっかりとつくっていきたいと思いますし、そういったフィールドモデルとして琵琶湖があるんだ、滋賀県があるんだということを、できるだけ多言語でしっかりと表現できるように、これからも取り組みをさらに充実させていきたいというふうに思いますので、また今後ともお力添えをいただければと存じます。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)ありがとうございます。高校生であれば、最先端の技術を学ぶ、いわばヨーロッパとかアメリカとかがベストなところもあると思うんですね。しかしながら、やはりこの琵琶湖の原点、環境の原点という学びにおいて、この小学校5、6年生のときにリーダー育成として何を学ぶか、どう感受性を高めるか、そういった視点から考えていただきたいということで、いろいろ体制もあると思いますので、着実にそういった点を、10年超えて将来を見据えてこの事業を取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございます。  終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、14番駒井千代議員の質問を終了いたします。  次に、19番木沢成人議員の発言を許します。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、大きく2項目について質問をいたします。  初めに、次期行政経営方針について、全て総務部長にお伺いをいたします。  去る11月27日開催の県議会行財政・働き方改革特別委員会において、次期行政経営方針である滋賀県行政経営方針2019原案が示されました。次期滋賀県基本構想の着実な推進を行財政面から下支えするため、県の行政経営に関する基本的な考え方を示すものとの位置づけのもとに、基本構想の最終年度である2030年度を見据えた上で、基本構想実施計画が12年間を4年ごとの3期に分け策定されることを踏まえ、2019年度から2022年度の4年間を取り組み期間と定めています。そして、この方針の基本的な方向性としては、県民サービスの向上、県財政の健全化、健康経営の実現につながる三方よしの行政経営を目指すものとされているところです。  原案では、行政経営の基本的な考え方の項において、「対話と共感、協働で築く県民主役の県政の実現のために」を経営理念とし、その理念のもと、職員一人一人がよって立つ行動指針として、3つの経営の基本的視点である、見えるの視点、攻めの視点、多様性の視点が掲げられ、さらに、これらに基づき、具体的な取り組みを進めるに当たって、ヒト、人材・組織・体制・事務等に関すること、モノ、公の施設に関すること、財源、収支改善等に関すること、情報、情報収集・活用・公開等に関することの4つの視座が示されているところです。  このうち、視座1、ヒトに基づく取り組み項目および取り組み方針の具体について、以下質問をいたします。  取り組み項目、組織の基盤となる多様な人材の確保の中では、複雑化、多様化する行政需要に対応するため、業務量に応じた職員数を確保するとともに、組織の基盤となる多様な人材の確保に努めるとの記載があります。災害対応等を含め、業務量が慢性的に増加している等の現状を見る中で、いかに業務量に応じた適切な人材確保に向け取り組みを進めていくのか、お伺いをいたします。  昨今は、特に技術人材に関し、本県のみならず、民間企業等においても確保が難しいと仄聞しているところであります。公の仕事の魅力をより発信するとともに、今まで以上に人材を養成する教育機関等との早期の連携策が重要と考えますが、このことに対する所見をお伺いいたします。  事務(広域自治)の取り組み項目、権限移譲・規制緩和や事務の共同化の推進の中では、具体的な取り組み事項として、これまで実施している県税と市町税徴収業務の共同実施の継続とともに、建設工事等入札参加資格審査について、効率化とサービス向上を図るため、共同化を検討の旨、記載があります。申請側である事業者においても、人手不足等により業務の効率化が求められている中、この事案については早期の実施を求めるものですが、具体的な取り組みについてお伺いをいたします。  次に、事務の推進・改善における取り組み項目、協働・連携の更なる推進の中では、地域課題の解決に向けて、県民を初めとする多様な主体との協働や企業等との包括的連携協定による連携をさらに推進するとともに、民間資金を活用した官民連携により課題を解決するソーシャル・インパクト・ボンドの手法を取り入れていく旨、記載されているところです。このうち、ソーシャル・インパクト・ボンド──SIBとも略されます。これは、行政サービスを民間企業やNPO等に委託し、個人を含む民間の資金提供者から調達した資金をもとに事業を行い、事業があらかじめ合意に達した場合のみ、行政から資金提供者に報酬が支払われる仕組みですが、このSIBについては、現在、東近江市におきまして、公益財団法人東近江三方よし基金が同手法を活用し、中間的就労支援事業やコミュニティビジネススタートアップ事業、子育て支援事業等を支援してきているところであります。  県外に目を向けると、特に医療・福祉分野での同手法の活用が試行されつつあります。例えば、八王子市や広島県では大腸がん検診事業において、また、神戸市においては糖尿病性腎症重症化予防事業において同手法が活用されているところであります。同手法の導入検討の際に必要なデータが比較的整備されているのが医療・福祉分野であるのがその理由でもあります。  そこで、特に健康しがを抱える本県としても、県内市町との連携のもとに、医療・福祉分野における同手法の活用が期待されるところでありますが、具体的にどのような分野のどのような施策、事業において、ソーシャル・インパクト・ボンドの手法を取り入れようとされているのか、お伺いいたします。  同項目においては、積極的に寄附を取り入れ、県民との協働を推進していく旨、記載があり、このことにつきましては、内容や趣旨の伝え方、発信手法、返礼等を一層工夫するとも記載されているところであります。本県における寄附金の額については、全国的に最下位レベルであり、中身のある積極的な取り組みが望まれるところですが、具体的にどのような工夫をされるのか、お伺いいたします。  事務の推進・改善における取り組み項目、ICTの活用による事務の効率化や県民サービスの向上では、AIやRPAを初めとするICTを活用した自動化の推進が掲げられております。ここで述べられておりますRPAとは、ロボット・プロセス・オートメーションの略称で、ロボット技術による業務プロセスの自動化を意味します。2015年ごろから欧米を中心にこの言葉が使われ始め、近年では、ホワイトカラーの事務作業を効率化できる有力な手法として国内外で導入する企業もふえ、それに伴い成果が上がっていると仄聞しております。現状では、業務判断が単純な定型かつ大量に発生する業務等に適しているとされ、自治体業務においても親和性が高いと言われております。  茨城県つくば市では、民間のNTTデータ社等とともに、RPA活用による働き方改革に自治体の中で先駆けて取り組んでおられ、検証期間において、市民税課で年間約79.2%の工数の削減、市民窓口課で年間約83.5%の工数の削減見込みとの結果を得られたところであります。市町村のみならず、国においては総務省の事務作業、近隣では大阪府や京都府でも活用が進められつつあります。
     本県でも、実証実験のもとに導入活用を進めるとありますが、どのような工程のもと、どのような対象業務で実施されるのか、お伺いいたします。  RPAツールも提供会社によってさまざまなタイプがあり、それに伴い、導入コストも初期およびランニングともに変化してくると思われます。県庁への導入コストをどのように考えているのか、お伺いいたします。  また、導入に当たっては、知事のトップダウンによる全庁的な取り組み指示と、それぞれの現場における課題を丁寧に分析した上でのボトムアップによる業務改善のプロセスの調和が大事になってくると考えます。総務部長の立場でどのように全体最適を図っていくのか、お伺いいたします。  運用に当たっては、必ずしも高度なICT知識が必要とはされないと仄聞しているところですが、一定のICT知識を備え、運用を統括管理する専任マネジャーは必要と思われます。人的資源をどのように配置するのか、お伺いいたします。 ○議長(川島隆二) 19番木沢成人議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎総務部長(藤本武司) (登壇)次期行政経営方針についての9点の質問にお答えをいたします。  まず1点目、業務量に応じた適切な人材確保に向けての取り組みについてでございます。  売り手市場が続く雇用情勢の中、最大の経営資源である人材の確保は喫緊の課題となっており、より多くの方に職員採用試験を受けていただけるよう、人事委員会とともに取り組んでいるところでございます。  具体的には、採用試験制度の見直しを行っておりまして、平成29年度には、行政職において、民間企業志望者にとっても受験しやすいアピール試験型の試験区分を新設いたしますとともに、福祉系職種の人材確保のため、社会福祉職の区分を新設いたしました。  今年度は、経験者採用試験の受験年齢上限を34歳から40歳に引き上げたところでございます。  また、県の職場としての魅力を伝える取り組みとして、インターンシップの受け入れ対象を県内および京都府の大学以外にも拡大をし、今年度は31人の学生を受け入れております。  このほかにも、若手職員が出身大学の学生に対して広報活動を行うリクルーター制度や、県内各大学、また、東京の「ここ滋賀」などにおける就職説明会の開催など、各種の取り組みを行っておりまして、引き続き人材確保に努めてまいりたいと考えております。  2点目の技術人材の確保に向けての教育機関等との連携策についてでございます。  県においても民間企業と同様に、技術人材の確保は課題でありまして、人材養成を担う教育機関等への働きかけは非常に重要であると考えております。特に、総合土木職につきましては、平成24年度以降、採用予定人員が確保できず、特別募集を行う状態が続いておりまして、今年度から初級試験と経験者採用試験を再開したところでございます。  これに加えまして、土木交通部においても、現場見学会や学生との座談会、また、高等専門学校の就職担当教官との意見交換を行うなど、県内および近隣府県の教育機関に対しまして積極的なリクルート活動に努めているところでございます。  また、農業職につきましては、農政水産部において、県内大学での採用試験の説明会や近隣府県の大学に対するリクルート活動に加えまして、県主催のイベントにおいて、県内大学の農学系学部と連携することで、学生に県の農業職の仕事の魅力をアピールする独自の取り組みを行っており、今後も積極的に働きかけを行い、技術人材の確保に努めてまいる所存でございます。  3点目の建設工事等入札参加資格審査の共同化の具体的な取り組みについてでございます。  建設工事等入札参加資格審査の共同化は、県、市町が個別に行っている入札参加資格審査申請の受け付けおよび審査を一括して行うことによりまして、申請者の負担の軽減と県、市町の事務の効率化を図るものでございます。  土木交通部において、今年度は県と市町の担当者間で課題の整理、検討を行っているところでございます。今後、詳細な制度設計を行いました上で、共同化に必要な申請システムの2022年度までの構築に向けて取り組んでいると聞いております。  県民サービスの向上および事務の効率化を図る観点から、共同化の早期実現が重要であると考えておりまして、総務部としても適切な進行管理に努めてまいりたいと存じます。  4点目のソーシャル・インパクト・ボンドの手法の導入についてでございますが、この手法は、より効率的な社会的課題の解決に資する官民連携手法でございますが、全国的にも導入事例が少ない取り組みであると認識をしております。  このような中、東近江市では平成28年度から先進的に取り組まれており、全国的なモデルの一つになっていると伺っております。  本県では、ことし3月開催の協働プラットフォームにおいて、県庁関係部局や東近江市、金融機関、NPO等が参加をし、滋賀県におけるソーシャル・インパクト・ボンドの普及をテーマに意見交換等が行われたところでございます。  この手法は、対話と共感、協働で築く県民主役の県政の実現のために、活用の可能性があるものと考えております。今後、協働・連携の更なる推進に向けた取り組みの一つとして、関係部局において先行事例の情報収集などに取り組んでいく中で、総務部といたしましても、行政経営の取り組みを進める観点から、連携、協力を密にしてまいりたいと考えております。  5点目の寄附獲得に向けた工夫でございますが、次期行政経営方針の原案では、寄附の獲得については、県民に共感をいただきながら、協働で事業や施設整備を進めることが重要であるため、協働・連携の更なる推進の項にも位置づけたところでございます。  寄附の獲得に当たっては、まず、共感いただきたい寄附者のイメージを設定した上で、解決すべき課題やその解決に向けたシナリオ、目指す成果をストーリーとして発信するなどの工夫が重要であると考えているところでございます。現在、歳入確保推進等に係る取り組みの一環として、寄附に関する検討会議を設けており、こうした工夫などについて検討を進めてまいります。  6点目のRPA導入に係る工程と対象業務についてでございます。  健康経営の実践の一環として、業務の効率化を図るため、今年度、RPAを活用した業務の自動化の実証実験を行いました。具体的には、RPAの導入対象にふさわしいと考えられる業務を庁内に照会し、業務プロセスが標準化されていて定型的な作業を大量に行う業務として、難病法に基づく特定医療の支給認定に係る業務を選定したところでございます。  情報政策課の職員が業務担当者へのヒアリングと自動化のプログラミングを行う形で8月から9月にかけて実施した実証実験では、職員の作業時間を7割程度削減できたということでございまして、対象業務につきましては、このような大量の申請等をシステムへ転記入力する業務を中心に選定することが効果的と考えているところでございます。  7点目、RPAの導入コストに係る考え方についてでございます。  御案内のとおり、RPAツールには、ネットワーク経由で組織全体に導入できるものや、パソコンごとに導入するものなど、さまざまなタイプがございます。対象業務を限定して始めることを意識し、実証実験ではパソコンごとに導入するタイプを選択しておりまして、基幹システムの導入などのような多額の投資が必要になるということは考えておりません。RPAの導入に当たりましては、高い効果が見込める業務から導入し、取り組みに要するコストが必要最小限となるよう留意する必要があると考えております。  8点目のRPAの導入に当たっての全体最適をどのように図っていくかということでございますが、先ほど申し上げましたとおり、RPA導入の対象業務は、業務プロセスが標準化されており、定型的な作業を大量に行う業務がふさわしく、どのような業務でも適用できるものではないと考えております。そのため、議員御指摘のとおり、RPAの導入に当たっては、どのような業務を対象にすれば最も効果的か、現場の業務担当者の意見を十分に聞く必要があると考えておりまして、総務部としても、情報政策課や対象業務の所管部局と連携を密にして進めてまいりたいと考えているところでございます。  9点目のRPAの運用に当たっての人的支援の配置の考え方でございます。  RPAの運用に当たっては、専門知識が必要であることから、職員では対応が難しいプログラミングの一部を外部専門業者に依頼する必要があると聞いております。また、RPA導入の効果が最大限に発揮できるよう、対象業務の選定や既存業務フローの見直し、効果の検証など、全体最適の観点から適切に取り組むことが求められますことから、総務部と県民生活部が連携して対応してまいりたいと考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)ありがとうございました。  ちょっと再質問を一部させていただきます。  今のRPAに関するところ、6問目から9問目のところ、ちょっとまとめた形での再質問なんですが、導入については、現在、パソコン型のものを導入されて実証実験というような形ということですけども、県庁ぐらいの大きさの組織のときに、どちらが、そのパソコン型みたいなものとサーバー型とか、あと、クラウド型みたいなのもあるというふうに伺っているんですけど、どの辺が最適なのかというのが、この辺が非常に難しいのかなと。余り細かいところの、小さく始めて大きく育てていくというのが一つのこの手法の導入の仕方かなというふうには専門書とか見てても書いているんですけども、個別個別のそういうシステム、ちっちゃなパソコン単位のシステムがいっぱい出てくると、それはそれでまた管理のコストが逆にかかってくるし、先ほど出てた人材面でも、それをどういうふうに管理していくかというのがあるので、その辺は具体的にコンサルティング的なことも含めて検討されているのかということと、それから、情報政策課の職員さん、情報政策課という課がありますので、そこは一定ICTの知識等にもたけている方がたくさんいらっしゃると思うんですけれども、先ほど申し上げたように、仕組み自体は一体もう動き出したら、それほど高度なICTの知識が要求されるわけでもなく、割と県庁内でも、先ほども技術人材の話をしましたけれども、理数系とかこういう分野に強い職員さんも多数いらっしゃると思いますので、その意味では、特定の方に知識が集中するということではなくて、外部の人材の導入の際にも、そういった知識の研修とか、基本的な部分を県庁内にまず基礎知識として水平展開していただくような土壌づくりというのも大事かなと思うんですけれども、その辺についての見解をお伺いいたします。 ◎総務部長(藤本武司) お答えをいたします。  先ほど答弁をいたしましたように、今現在、実証実験を行いましたのは、難病法に基づく申請の手続のRPA化というようなことでございまして、実際にデータを転記をするという、そういう業務が大量に、しかも定型的にあると。これを、申請書そのものをOCRで読み取って、それを自動入力していくというようなところからスタートをしたところでございます。  今後、これをどのように庁内でもっとほかの業務にも横展開していくかということでございますけれども、これにつきましては、それぞれの現場現場の状況、実情を丁寧に話を聞きながら今後詰めていくということになると考えているところでございます。  人材の話でありますけれども、今年度から情報政策課でAIに関する研修も始めるというふうに聞いておりまして、職員の育成もあわせて、そういう研修の中で、最低限必要なそういう知識等の習得も努めていくという段取りで進めていきたいと考えているところでございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)企業のほうのこの導入のスピードを伺っていますと、一部上場企業なんかでも、試験的なものを含めて、もう6割以上のそういう企業が導入して、どんどん成果を出しておられるということなので、県庁なり、この役所以外の周りの環境がどんどん進んでいったときに、県庁、何という仕事の仕方してるんだということも言われかねないと思いますので、そういう意味で、早期、小さく始めて大きく育てるような取り組みをお願いしたいと思います。  それでは、2項目めの質問に入らせていただきます。  農業振興につきまして、一問一答方式で全て知事にお伺いをいたします。さきの9月定例会議での西村議員の一般質問や今期定例会議での過日の交渉会派代表質問における議論も参考に、以下伺ってまいります。  初めに、本県の環境こだわり農業についてお伺いをいたします。  過日の代表質問におきましても両会派に取り上げられ、いろいろな意味で大きな岐路に立たされているこの制度でありますが、改めて平成13年の制度創設時に立ち返り、環境にこだわる農業を滋賀県にて推進していく意義についてお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)環境こだわり農業を推進する意義は、条例の前文や目的に規定されているとおり、大きく次の2点だと考えております。1つ目、より安全で安心な農産物を消費者に供給するとともに、環境と調和のとれた農業生産の確保を図り、もって本県の農業の健全な発展を図ること、2、こういった農業生産の取り組みにより、琵琶湖等の環境保全に資することであると認識しております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)環境こだわり農業の今後の推進に当たりましては、現在、環境こだわり農業推進基本計画(原案)が策定中でありますけれども、農業者の所得向上策について、不確実な市場、マーケットの原理に基づくことに偏り過ぎていると思います。今も知事おっしゃいましたけれども、1つは安全で安心な農産物を消費者に届けると、それをもって健全な環境調和型の農業の発展を期すると。もう1つは大きく環境保全ということをおっしゃっていただいたと思うんですけれども、もう一度この推進基本計画の策定中の中で、原点に立ち返りまして、今申し上げたその産業の振興施策であると同時に多面的機能を有する農業に着目した環境保全施策であるということをしっかりと位置づける必要があると思いますけれども、このことに対する所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  環境こだわり農業の推進は、琵琶湖保全再生法に基づく琵琶湖保全再生施策に関する計画や滋賀県環境総合計画に位置づけておりまして、産業振興施策としてだけでなく、環境保全施策としてもしっかりと位置づけているところでございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)この後のちょっと議論の前提になるので、ちょっとあらかじめしゃべっておきますけれども、知事も一橋大学で経済学をおさめられたというふうにお伺いしているので、マクロ、ミクロの一般的な理論でありますとか、そこから派生してさまざまな応用経済学の分野なんかがあるんですけれども、例えば、こういういわゆる公共の施策に関することであれば公共経済学という分野がありますし、環境に特化したところやったら環境経済学なんていう分野もあるんですけれども、いわゆるこの農業、今、多面的機能の部分をちょっと言及させていただきましたけれども、いわゆるその農業の多面的機能、基本的には農産物という、先ほども言いましたが、食料を生産するという機能のほかに、それが第一義的な産業というか、なりわいとしての基本機能ですけれども、同時に、そのことをやることで、例えば美しい景観が保全されるでありますとか、水田の場合だったら、そこに水がたまりますので、ことしみたいに大雨が降ったときに洪水調節機能を有するとか、地下水の涵養機能があるとか、で、国の今のこの制度の中でも議論されている地球温暖化防止に資するとか、生物多様性の保全とか、いろんな機能があるんですけれども、こういう機能のことを、市場の中で取引できない部分、外部性というんですけども、この経済学における外部効果の部分というのは、市場の原理に任せておけば、その中ではなかなかうまく処理されないというのが、いわゆる経済学の教科書なんかにも一般的に書いてあるんですけども、そのままだと、そういう機能に対して直接対価が支払われることがないので、そこを補う形で、その多面的機能に対する対価を税金であったりとか補助金という形で補うということが、外部経済とか外部不経済というところの議論の中でしっかり書いてあって、その中にもよく例としてこの環境とか農業ということが出てくるんですけども、そういうことに基づいて、環境施策という側面があるので、こういう制度があって、国においても日本型直接支払という制度が設けられていると思うんですけども、それに基づいて以下のちょっと議論させていただきたいんですけれども、国の環境保全型農業直接支払制度の見直しに伴って、県の制度も見直していくという方向性を示されております。そもそも、本県が独自にスタートした制度が、国においても同種の制度として採用され、他県にも広がったという経緯があります。その過程において、全国共通制度として運用するに当たり、全国共通取組に国予算の配分が重視されるようになって、滋賀県の特性であるとか、ほかの県もそうですけども、地域の特性に応じた地域特認取組は減少の方向ということで、今、議論と制度改定が進められているというふうに聞いているところです。  この点に関して、知事は、国への政策要望等におきましても、本県独自の地域特認取組の拡充について訴えていただいているところなんですけれども、2020年度の制度改定におきまして、本県のいわゆる主張が認められるべく、これまでどのように努力をされてきたのか、同じく環境保全型農業に取り組んでおられる他県との連携も含めてお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) これまでから、国に対しましては、環境こだわり農業の取り組みは国民的資産である琵琶湖に対する水質保全効果が高い取り組みを行っているものであるといった本県の実情を伝え、地域特認取組については水質保全効果等も含めて評価し、支援を継続するとともに、農業者が安心して環境こだわり農業に取り組めるよう、必要な予算の確保について、私から春と秋に直接大臣にお出会いし、政策提案を行ってまいりました。  さらに、これ以外にも、昨年度から今年度にかけて、副知事や農政水産部長、また、議会からは議長や常任委員会委員長にもお足を運んでいただき、都合12回にわたり、農林水産省、財務省への精力的な要請活動や、本県選出の国会議員、琵琶湖の環境改善を促進する議員連盟などへの働きかけも行ってきたところでございます。  また、他府県との連携した取り組みという意味においては、近畿ブロック知事会、中部圏知事会、さらには全国知事会において、本県から各都道府県に働きかけ、各知事会からの要望として取りまとめ、国へ提言を行ってきたところでございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)経緯については、そういう形で努力をいただいているということなんですけども、今、他府県との連携ということの中では、近畿のブロックであったりとか、中部圏域であったりとか、全国知事会というお話もありましたけども、環境こだわり農業のこの地域特認の取り組みというものの上位3県を見ますと、平成29年度ですが、滋賀県が44%で1万6,112ヘクタールですかね、圧倒的面積で1位、この次が北海道、これが割合としては13%で4,567ヘクタール、3位が山形県で8%、2,831ヘクタール、この3道県を足しますと65%なんですね。  これ、先ほど申し上げましたように、やっぱり国の制度で基本的にやっているところの中で、その中で地域特認なんですけども、地域特認に関しても、これだけこういうふうな偏りが一部の県にあるというところになると、国としてもなかなかこういうのは予算というのを認めづらいという現状があるのかなと。だから、全国共通取組については、先ほどの多面的機能の効果でいくと、地球温暖化防止と生物多様性の保全というのが掲げられていて、それは、例えば滋賀県でそういう農業をやっていただいている中で、CO2を減らすということを頑張っていただいていることについて、東京都の都民の方でも、いわゆる上空というか、大気はつながっているので、何となくその効果というのはイメージしやすいですけど、水質保全の部分を東京都の都民の方に理解していただこうと思っても、なかなかこれ、イメージが湧かないですよね。東京都であれば、例えば利根川の流域のそういう似ている農業とかを守るために都民も負担しないといけないんだということだとわかりやすいんですけども、そういう意味では、これが全国の取り組みになっていくと、なかなかその地域特認というのは、もともとかなりやっぱり認めにくいのかなと、国からすると。これも47都道府県に満遍なく取り組みが広がっていればいいんですけども、これだけやっぱり偏りがあるとちょっと難しいというところがあるので、そういう意味では、今申し上げたこの北海道なり山形県さん、それぞれ個別においては利害も対するところもあるかもしれませんけども、この取り組みを全体として大きくしていくとか盛り上げていこうという部分では、多分、手を握って一緒にいける部分なんかもあるかと思いますので、そういう意味では、事務方レベルでは何かつき合いとか、そういう情報交換されているということなんですけども、やっぱり知事のレベルでも、今言っているこういう環境保全型農業を本当にどうやって国内でやっていくんだということの中で、またその議論をしていただきたいなと思いますので、これはちょっと要望にしておきます。  次、4番目に行きます。  本県が現在進めている財政収支改善の取り組みの中で、環境こだわり農業が見直しとして取り上げられまして、農業者を初めとする関係者も含めて、これはどういうことだというふうに第一報が出たときに大いに議論になっております。県は、今申し上げた国の制度見直しに伴う見直しであるとの説明をされておりますが、そもそも本県に財政的な余裕があれば、国の制度変更等にかかわらず、特認取組に見られるようなさまざまな本県独自の取り組みも含めて、環境こだわり農業を維持継続、あるいはさらに発展させていきたいとお考えなのか、あるいは別の理由からこういう見直しをされているのか、その点についてお伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) これまでは、環境保全型農業直接支払交付金などの国の制度の活用を基本としながら環境こだわり農業を拡大する施策を重点的に取り組んできたところではございますが、近年、流通上の課題などがあり、その取り組みが頭打ちとなっているところです。今後、環境こだわり農業を維持、また発展させていくためには、環境保全型農業直接支払交付金による支援に加えて、環境こだわり農産物のブランド力を高めることなどにより、農業者の所得の向上を図っていく取り組みが必要であると考えております。このため、現在課題となっております環境こだわり農業の有利販売、流通拡大に向けた取り組みを重点的に進める必要があり、加えて、近年、消費者ニーズが高まりつつあるオーガニック農業についても象徴的な取り組みとして推進していきたいと考えているところでございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)流通上の課題がこれまであって、そこを何とか工夫していくということは、やれることがあればやっていったらいいと思うんですけども、今の家庭用の主力の例えばみずかがみであったりとか、コシヒカリも、今までその環境こだわりの部分が100%にならずにまぜて売られているというようなこともあったので、それはもう専門のパッケージでつくってそういう流通に乗せていくというような説明も受けましたけども、そういうことをやって、直ちに、じゃあ、市場のマーケットのメカニズムの中で、2020年度以降、農家の販売価格が上がって所得がふえるかというと、そんなことは無理だろうということは、簡単にすぐいかないだろうということをみんなおっしゃっているんですね、集落営農の方とか農業者の方としゃべっていると。先ほど申し上げたように、もともとこれ、その多面的機能の対価の部分を誰が負担するかというような話なので、それを市場の中で取り込めるかというと、先ほど言った基本理論のところからいっても、こういうことはなかなか難しいということが経済学的に言われている中で、補助金なり税の補填という仕組みが考えられてきたということがあるので、やっぱりそういうもう一度基本に立ち返って、環境コストの対価を誰が負担すべきかということをきっちり議論いただいて、その中で制度をもう一回立ち直らせていただきたいなという思いがあって今回質問しているんですけども、そのことに基づいて、次、5番目の質問なんですが、多分、財政上に余裕があれば、県としてもお金をもっと入れたいという思いがあると思うんですけども、そこの部分の悩ましいところがあるので今こういう議論があると思うんですが、今申し上げた環境こだわり農業制度の原点に立ち返り、受益者負担の原則に基づいた環境施策として財源の確保に努めてはどうかと提言をいたします。以前、政策懇談会でも申し上げたんですけれども、新たな推進計画の原案にも示されておりますとおり、環境こだわり農業が琵琶湖の水質を保全し、琵琶湖の水を利用している流域に受益をもたらしているとともに、生産物である農産物も、主に同流域の非農家である消費者に購入をされていることから、関西広域連合の枠組みの中で、構成自治体から負担金を供出いただいた上で、基金のようなものを設立して、構成自治体の環境保全型農業の取り組み面積等に応じて配分を支出する、仮称ですが、関西広域連合環境保全型農業直接支払制度のようなものを創出して、関西全体でSDGsの取り組み等ともあわせながら、持続可能な農業振興を進めてはどうかと提案するものですが、連合委員会での提言も含めて、知事の御所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 琵琶湖の保全に関する取り組みは、議員も御指摘いただいたように、近畿1,450万人に便益が及ぶものでございますので、関西広域連合で負担をお願いするという考えは、ある一面、私も共感を持ちます。しかし、環境保全型農業直接支払交付金については、既に国の制度として各府県市が実施している施策でございまして、その施策を、例えば同様の交付金というような形で関西広域連合として実施することについては、関西広域連合と府県市の役割分担の兼ね合いから、現実的にはなかなか難しいのではないかと考えます。  このため、大消費地である京都、大阪などの琵琶湖流域の多くの消費者の皆さんに、環境こだわり農産物が琵琶湖の水質保全につながる取り組みであることを、環境こだわりコシヒカリの米袋の統一パッケージやオーガニック米などによって広く発信し、購入いただくことを通じて応援いただけるようにしていきたいと考えております。  また、先ごろ、関西広域連合における特産農林水産物の消費拡大に係る学校に対する取り組みの中で、最初の事例として、京都市内の小学生に環境こだわり農業の取り組みを紹介し、みずかがみを試食いただいたということもございました。  今後も、関西広域での取り組みを通じて、本県の環境こだわり農産物のよさや意義を各府県市の皆さんに知ってもらえるような働きかけをさらに強力に展開してまいりたいと存じます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)先般も代表質問の中で関西広域連合のこれまでの取り組みの成果等の質問もあったと思うんですけども、国の出先機関の移転とか権限の移譲とかがなかなか進んでいないというような課題ということも知事のほうで答弁がありました。今、別建てでこういう制度をつくるのはなかなか難しいみたいなことで多分おっしゃっていただいたと思うんですけども、例えば、先ほど申し上げた農業なんていうのは、やっぱり地域地域で特性が違ったりとか、いろんなことがあるので、そこら辺は農水省さんも入れてだと思うんですけども、各全国の農政局単位ぐらいに、やっぱり農水省の方からも、独自予算がその地域で使えるようなということを配分してもらうような提案をいただいて、その中で、関西広域連合の仕組みと近畿の農政局が一緒になって今申し上げたような制度をつくっていくというようなことを、議論からで構わないので始めてくれませんかという思いで聞いているので、いきなりもう無理だみたいなことを言われると、今、地方分権とか、広域連合で関西からそういう分権を担っていくということを言っている中では、ちょっと残念な答弁だと思いますので、私が言ったのは一つの制度の提案なので、今申し上げたどういう形がいいかというのはそこの議論の中で出てくるものだと思いますし、今のそのCO2の削減と生物多様性以外にも、先ほど来申し上げている琵琶湖流域でいくと、それ以外のさまざまな効果もありますし、今回でいくと、夏の台風とか、今、治水の議論もしていますけども、そういうことに対する琵琶湖としての果たしている役割みたいなのを再評価してもらうということも大事なので、そういう意味で、まず議論を、例えばどうやろうということを始めていただきたいと思って聞いたので、ちょっとそういう意味で、連合委員会で何となくそんな雰囲気も含めて新しい制度をつくっていこうやと、万博も来て、そういうことをみんなでやろうということも議論されると思うので、そういうことでちょっと聞いたので、この点、ちょっと今、再度御答弁いただきたいなと思います。 ◎知事(三日月大造) 議員の御提案は、なるほど、関西の琵琶湖、水のつながりの中で、受益と、そして、それらをお互いに支え合う仕組みとして、僕は一つのアイデアとしてはいいなと思うんですけれども、それらを例えば、じゃあ、関西広域連合の中で、滋賀県が今国にそういったものを求めている状況の中で、どこに力を配分するかという中では、私は優先順位は今の段階では低いのではないかなと思っているんです。むしろ、外部経済を内部化することによって、さまざまな効果や取り組みを発信することによって、今は低く抑えられている、他と同じになってしまっている価格というものを、少し上乗せする形で消費者に御協力いただくことで滋賀県内の生産者に還元していく取り組みに今まさに取り組み始めたところですので、合意形成に労力がかかることに人を配分するよりも、こういった取り組みをもっとさらに関西内に効果として発信することに力を注いでいきたいという意味で申し上げたのであって、決して金輪際そういったことを考えないということではないんですけれども、今優先すべきこととしてそういった取り組みを考えているということでございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)財政上の課題についてのもう1つは、ふるさと納税制度の活用ということを申し上げたいと思います。  返礼品競争の過熱さが議論を呼んでいるというこの制度ではあるんですけれども、そもそも返礼品としての農産物は、こういう制度に親和性があるのかなというふうに思います。制度活用は、今後県が進めようとしているオーガニック農業の振興や、水稲の新品種みずかがみや魚のゆりかご水田米等も含めた本県の環境こだわり農業のブランドイメージ向上にも資すると思います。何より、ふるさと納税制度を通じた滋賀の農産物ファンづくりは、その後のロイヤリティーの高い消費者、購入者への発展も期待できることから、大いに活用すべきと考えます。ふるさと納税制度を活用した滋賀の農業応援寄附制度の制定を提案しますが、所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) 次に御提案いただいた、ふるさと納税制度を農業振興に役立てていくという、このことは私も可能性のある取り組みだと思います。例えば、環境こだわり農業、オーガニック農業、魚のゆりかご水田など、世界農業遺産につながるようなストーリー性のある取り組みをわかりやすく発信して、全国から御寄附をいただき、環境こだわり農業に役立てるような取り組みができないか、今後検討してまいりたいと存じます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)先ほどもちょっと山形県のことを触れましたけれども、例えば山形県ですと、山形応援寄付金という制度で、施策ごとにいろいろなテーマがあるんですけれども、地域の豊かさを支え、高いブランド力で国内外に展開する農林水産業というところで、平成29年度実績ですけども、3,011万9,000円ほど寄附金を集めておられます。もちろん、それに事務コストがかかっていますので、全部が使えるお金ではないですけれども、それでもやっぱりそれだけのお金を集める努力をされているので、それは工夫で何とでもなると思いますので、またよろしくお願いします。  それでは、7問目の質問ですが、今後の滋賀の農業振興における新たな取り組みについてお伺いします。  県全体として、米、麦、大豆にプラスする形で、野菜を中心とした園芸作物の生産振興を掲げられております。環境こだわり農業の振興との関係では、例えば水菜等も主力作物の一つとして挙げられておりますが、近年、園芸作物生産で注目されるのが、水耕栽培、養液栽培であります。土を使わず、肥料や水に溶かした液──培養液により作物を栽培する方法は、土壌由来の病気や連作障害を回避するとともに、作業の省力化、低コスト化も図れ、高齢者や障害者等の就労にも役立つと期待が高まっているところであります。愛知県、静岡県、茨城県等でも盛んに取り組まれておりますが、水菜のその品目の一つであります。もともと水耕栽培の技術は、戦後、進駐軍により大津市の滋賀海軍航空隊の跡地を農場で使用したことが、その後、国内に広がっていくきっかけとなったと仄聞しており、歴史的な評価は悩ましいところではあるものの、いわば本県は全国で初めて水耕栽培が導入された地域であります。技術の改良、発展ならびに普及が他県でどんどん進んでいる中、改めて水耕栽培を初めとする養液技術に着目し、滋賀の農業振興に生かしてはと提案しますが、所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  水耕栽培などの養液栽培は、ビニールハウスやガラス温室で、作業性のよい高さの栽培ベッドにおいて、養液により肥料成分を与える栽培方法でございまして、作物の生育を安定的にコントロールできることや、露地栽培に比べ、立ったままで楽に作業が行えるのが特徴だと伺っております。  本県では、平成2年に農業技術振興センターが開発いたしました養液栽培方式の一つでございます少量土壌培地耕の普及を現在進めているところです。これらの養液栽培は、栽培管理方法がマニュアル化されており、初心者や新規就農者にも取り組みやすい栽培システムであり、少量土壌培地耕につきましては、現在、イチゴ、トマト、キュウリ栽培などにおいて、県内で340戸、33ヘクタールにおいて導入され、農家所得の向上につながっているものと考えております。  今後は、作物の生育環境を自動的に制御することにより最適な生産環境を整え、生産力の向上や安定化を図る、いわゆるICTを活用した栽培技術の研究開発にも取り組んでいくこととしており、こうした養液栽培技術を取り入れた園芸作物の振興を図ってまいりたいと考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)今も申し上げましたけれども、特に障害者の方の就農とか就労という観点で、農福連携のその辺の視点も大事に持っていただきたいなと思います。  最後に、地場産業および地場産品の振興と新たなものづくりの観点から伺います。  知事は、湖北での居住体験以降、山林振興、山間地振興に積極的発言をされるようになり、その中で、かつて湖北で盛んであった養蚕業の復活にも積極的な発言をされるようになりました。本県は、古くから、この養蚕業に基づく長浜の浜ちりめんや、綿織物である高島の高島ちぢみ、湖東地域の麻織物等、繊維業が盛んでありました。しかしながら、安い外国製原材料の浸透や化学繊維の普及により、原料生産としても、地場産業としても、全国の例に漏れず、これまで縮小傾向に遭ってきたというのが実情であります。しかしながら、ジャパンブランドの世界的評価の高まりと、大量生産、大量消費への疑問、農業分野においての環境問題への関心の高まりの中で、こうした地場産業、伝統産業と、それを支える農業への関心も高まりつつあり、その中で、全国的にも、地方創生の取り組みとも相まって、その復興を目指す動きが高まりつつあると認識しているところであります。こうした背景のもと、改めて、湖国滋賀の地場産業のブランド復興と、新たなものづくりの観点から、地場産品の原材料となる特産作物の栽培振興について取り組みを進めてはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) とても大切なことだと思います。さまざまよい御提案もいただき、前向きに受けとめたいと存じます。  例えば、お取り上げいただいた養蚕業につきましては、かつて県内で生産がありましたものの、現在は生産が衰退している状況となっておりましたが、和楽器糸や近江真綿など県内産の繭の需要が一定ありますことから、まずは、伝統的な地域の産業を支える養蚕業の復活に向けた取り組みを一歩進めようとしているものでございます。例えば、議員の御地元には、ムラサキを栽培して、さまざまな製品開発に取り組まれているという、こういう事例もございます。今後、農村地域の活性化を図っていくためにも、特産作物を生かした地場産品の振興は大切であると考えており、その原材料となる特産作物の振興について、地域や関係団体の皆さんのお声も聞きながら、その取り組みを後押ししてまいりたいと存じます。 ◆19番(木沢成人議員) 終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、19番木沢成人議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後3時18分 休憩    ────────────────   午後3時40分 開議 ○議長(川島隆二) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  次に、21番佐藤健司議員の発言を許します。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇、拍手)それでは、発言通告に従いまして、大河ドラマを通じた地域の活性化に関して、分割質問で全て知事にお尋ねをいたします。  師走を迎え、ことしのNHK大河ドラマ「西郷どん」が最終回に近づく一方、本県にもゆかりの深い戦国武将、明智光秀の生涯を描く「麒麟がくる」の放送開始がいよいよ1年後に迫ってきました。さらに、今週、来年秋からの連続テレビ小説が甲賀市を舞台にした「スカーレット」に決まったことが発表され、これらのドラマの放送による地域の盛り上がりが、期待が高まっています。  とはいえ、大河ドラマを契機に、地域の歴史や文化を全国に発信し、観光誘客などによる地域の活性化を目指しているのは本県だけではなく、競争に勝ち抜き、果実が得られるかどうか、まさに県の力量が問われています。  こうした中、他府県の状況を見ると、平成23年から光秀や娘のガラシャを大河ドラマに取り上げてもらうために活動してきた京都府、兵庫県、福井県の11の市町で組織するNHK大河ドラマ誘致推進協議会が、たちまち「麒麟がくる」推進協議会に衣がえしたのは別格としても、お隣の岐阜県でも、決定直後には大河ドラマ活用推進事業費を補正予算で組み、協議会を設立して取り組みを始めています。  一方、本県は、光秀が築いた坂本城の跡や、光秀一族の墓がある西教寺といったゆかりの地が数多くあるものの、三日月知事が「時は今 近江耕す 麒麟かな」と一句御披露いただいてから、具体的な取り組みが見えません。他府県におくれをとっているのではないかという認識はないのか、決定以降の取り組みについてお伺いをいたします。  平成23年の「江〜姫たちの戦国〜」の際には、県が事務局となり、市町や観光関連の団体などと推進協議会を設立して取り組みを行った結果、県全体で過去最高の観光入り込み客数となりました。「麒麟がくる」については、来年度、戦国をテーマにした観光キャンペーンの一部として取り組むことを検討しているようですが、大河ドラマを通じた地域活性化に向けて、今後どのような体制で進めていくのでしょうか。既に独自に「麒麟がくる」大津市観光振興協議会を立ち上げている大津市との連携のあり方とあわせて見解をお伺いをいたします。  受け入れ体制の整備も急務です。光秀が築いた坂本城は、今では当時を忍ぶものはほとんど残っていませんが、城跡の一部は湖岸緑地北大津地区として県の都市公園となっています。しかし、公園内に光秀の石像はあるとはいうものの、とても観光客を迎えるような状況ではありません。  先月、地元大津市坂本・下阪本の住民の皆さんから知事宛てに、公園のトイレの改修を求める要望書も出されたということですが、アメニティーの向上とともに、せっかく訪れた人への情報提供、例えばAR──拡張現実を活用した観光案内といったことなども検討するべきだと考えます。観光コンテンツを磨き上げる観点から、受け入れ体制の整備について見解をお伺いいたします。  先日の我が会派との政策協議会において、来年度予算に大河ドラマ枠を設けてはどうかと提案したのに対して、知事は、せっかくのタイミングであり、しっかりと生かせるように具体的な落とし込みをしたいと述べられました。来年度予算でどのように対応するつもりなのか、お伺いをしておきます。
     相次ぐNHKのドラマの決定により、本県がロケ地としてさらに注目を集めることが予想されます。ドラマの放送による一過性の活性化に終わらせないようにするためにも、今こそ、知事がことし6月の知事選挙で掲げた映像拠点の誘致の検討を具体化させる好機ではないかと考えます。映像拠点の構想の詳細をお示しいただくとともに、今後の取り組みについてお伺いして、この項の質問を終わります。 ○議長(川島隆二) 21番佐藤健司議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)大河ドラマを通じた地域活性化について、5点御質問いただきました。  まず1点目、決定以降の取り組みについてでございますが、4月にNHKより、2020年の大河ドラマが、本県にゆかりの深い戦国武将、明智光秀公が主人公となる「麒麟がくる」に決定と発表され、5月に副知事がNHKを訪問し、決定に対するお礼と積極的な協力の意思を伝えさせていただいたところでございます。  舞台となります本県への注目、関心が高まるこの機を生かし、本県の戦国を中心とした魅力を発信し、観光誘客につなげるため、10月には現行の大型観光キャンペーン推進協議会の中で、多様な主体が一丸となって大河ドラマを活用した観光施策の展開を、市町、観光協会と確認をしたところでございます。  また、6月から7回にわたり、「ここ滋賀」で明智光秀歴史セミナーを開催し、滋賀が明智光秀公ゆかりの地であることなどの首都圏における浸透を図っているところでございます。  さらに、ドラマのストーリーの中で取り上げられるだけでなく、撮影の舞台にもなるよう滋賀ロケーションオフィスを中心に撮影誘致に取り組み、10月からは県内各地で風景の撮影が始まったと伺っております。  次に、2点目、推進体制と大津市との連携ということでございますが、NHK大河ドラマの放映は、非常に高い発信力と誘客効果があり、主人公となる明智光秀公と戦国の多くの武将たちが、近江の地を舞台にさまざまな物語を繰り広げることから、本県が持つ歴史的魅力を最大限発信していくべきものと認識しております。そのため、大河ドラマ放映の効果が全市町に波及するよう、明智光秀公にかかわる他の武将も含め、戦国をテーマとした情報発信を行いたいと考えております。  その推進体制といたしましては、県、びわこビジターズビューロー、市町、観光協会、交通事業者、旅行事業者など多様な主体が参画する現在の滋賀県大型観光キャンペーン推進協議会の枠組みを引き継ぎ、全県が一丸となった新たな組織を立ち上げたいと考えております。  さらに、明智光秀公ゆかりの地が数多く残る大津市において、「麒麟がくる」大津市観光振興協議会が立ち上げられ、コンテンツ開発や受け入れ体制整備などに取り組まれているところでございますが、県といたしましては、大津市を核としたそのような取り組みが戦国というテーマで全市町と結びつき、全国に向けて発信できるよう、密接に連携してまいりたいと存じます。  3点目、受け入れ体制の整備についてでございますが、今後、大河ドラマ放映に合わせ、明智光秀公ゆかりの地を初め、県内各市町でさまざまな工夫のもと、来訪者のおもてなしについて検討が進められていくものと認識しています。来訪者へのおもてなし体制の充実は大変重要であり、これまでから市町や市町観光協会などが行う観光素材の磨き上げや受け入れ体制の整備について、積極的に支援してきたところでございます。  県といたしましては、トイレを初め、可能な限りアメニティーの向上に努めるとともに、びわこビジターズビューローと連携いたしまして、地域が磨き上げた観光コンテンツを戦国というテーマで結んだ周遊プログラムや着地型ツアー造成など、市町やさまざまな主体の取り組みをしっかりと全国の人に届けられるよう、情報発信を進めてまいりたいと存じます。  4点目、来年度予算での対応についてでございますが、限られた財政の中ではございますが、この機を逃さず、大河ドラマの話題性を生かすため、地域観光プログラムや着地型ツアーの造成、戦国をテーマに県内の周遊を促す仕掛け、全国に向けた広報、プロモーションなどの情報発信等により、観光客の滞在時間や宿泊が延びるよう、しっかり対応してまいりたいと存じます。  最後に、5点目、映像拠点の構想の詳細と今後の取り組みについてでございますが、映像やテレビなど映像産業は、撮影する際の直接的な経済効果のみならず、視覚的に地域の魅力を伝えることができる極めて発信力の高い産業であると考えます。  本県では、これまでから、滋賀ロケーションオフィスを中心に撮影の誘致、支援を行い、映画やテレビ番組など数多くのロケ実績があり、セットなどが組まれましたが、いずれも仮設でございまして、撮影終了後は破壊、廃棄され、ロケによって生じる効果も限定的であるという課題がございました。  議員御指摘のように、ドラマ放送による地域活性化が一時的なものにならないよう、今年度、本県における映像拠点の可能性について調査を行っているところでございます。この調査結果を踏まえまして、雇用や経済への波及効果を見きわめ、映像拠点の機能や立地条件などを検討した上で誘致を進めてまいりたいと存じます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)今、御答弁をいただきましたけれども、再問させていただきたいと思います。  まず1点目、放送が決定して以降の取り組み、今、るる御答弁いただきましたけども、先ほど紹介しただけでもあれだけの他府県の動きがあるという中で、現状、他府県におくれをとっているという認識がおありになるのかないのか、その点をまずお聞かせいただきたいと思います。このままでいいんだということであれば、そういう認識だというふうに理解をさせていただきたいと思います。  そして、2点目ですけれども、先ほども平成23年の「江〜姫たちの戦国〜」の際の推進協議会のあり方について御紹介をしましたが、今の御答弁ですと、あくまで全市町にわたって情報発信ができるような取り組みを進めていく、戦国をテーマにしてという中で、大河ドラマというのはあくまで一部分としての取り組み、後回しとは言いませんけれども、一部分の取り組みの中で、明智光秀公をその中に加えていくというお考えのように聞こえましたけれども、平成23年のときとの、この体制の違いについて、どのような判断でされるのか、お聞かせをいただきたいと思います。  そして、3点目ですけど、受け入れ体制についてもるる御答弁をいただきました。特に受け入れ体制というのは、これは放送開始までに整えておかなければいけないという必要があると思っています。先ほど、卑近な例で下阪本公園のトイレの整備の要望の件を紹介しましたけれども、これについては、トイレを初め、アメニティーの向上に努めるということで御答弁をいただきましたけれども、例えば、それぞれのやはり光秀ゆかりのコンテンツの磨き上げですとか、それだけではなくて、この機に新たに掘り起こすことも必要なのかなと思っています。先ほど、一例としてARによる情報提供を提案しましたけれども、受け入れ体制の整備、さまざまな取り組みが考えられると思いますけれども、ここら辺について、何をいつまでにやるおつもりなのか、御答弁をお願いしたいと思います。  以上3点、よろしくお願いします。 ◎知事(三日月大造) 他府県との比較の中で、本県の取り組みをどのように評価するのかということは、それぞれの見解があろうかと思いますが、いずれにしても、せっかく西教寺や坂本城ゆかりの明智光秀公が取り上げられるという、この機をしっかりと生かして、観光へのいざない、また、さまざまな学びの場の創出、そういったことが進められるように、やはり大津市が中心になると思いますが、県もしっかりと支えて取り組みを進めていきたいし、広げていきたいと思います。  また、県の役割としては、主に大津市さんが地元で受け入れ体制を整備される、それらを県内に波及させると同時に、県外に発信していくという役割がありますので、そういう意味で、2点目にいただきましたが、平成23年の取り組みの経験も生かして、そういったときの課題もさらに克服しながら、この機にあった体制づくりを行ってまいりたいと考えております。  また、受け入れ体制も大変重要です。そのためのハード、ソフト両面が必要だと思います。例えば、明智光秀公継承会は、ちょうど30年の歴史を持って、一定の蓄積もお持ちですので、そういったものもさらにひもときながら、まだまだ知られてなかったゆかりの地を紹介をしたり、行けなかったとしても、例えばAR等でそういったものを体験、体感していただくような、そういう仕掛けということにも可能性があると思いますので、ぜひ、すいません、いつまでに何をするということをこの場でまだ限定的に申し上げられるまで全てメニューが整っておりませんが、機を逃さないようにしっかりと取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)力強い御答弁をいただきました。ありがとうございます。機を逃さずになんです。1年後には放送始まりますので、おくれることのないように御対応いただきますようによろしくお願いいたします。  それでは、次の質問に移ります。  次に、歳入の確保に関して、一問一答でお尋ねをいたします。  先日、県内の企業から、琵琶湖の環境保全などに役立ててもらうため寄附を考えていると相談がありました。そこで、リニューアルを進めている琵琶湖博物館のサポーター制度を紹介したところ、早速、博物館の担当者がその企業を訪問して、制度について説明をいただきました。  琵琶湖博物館の寄附制度は、1口50万円以上のリニューアルサポーターと年間10万円の樹冠トレイルサポーター、水槽サポーターなどの制度があり、リニューアルサポーターの場合、博物館内に企業、団体、個人名を銘板で掲示するほか、知事や館長の感謝状の贈呈や、社内の研修会などに博物館が協力することが特典としてうたわれています。  リニューアルに当たって、平成27年度から外部資金の獲得に本格的に取り組み始め、まさに手当たり次第、職員みずから企業を訪問して寄附をお願いしているということです。  昨年度は、後ほど触れるリニューアルプロジェクトへの企業版ふるさと納税を除いても、およそ1,658万円の寄附を集め、平成27年度から29年度の3年間の累計は8,000万円余りに上っています。歳入の確保に向けた主体的な取り組みとして大いに評価するものですが、初めに琵琶湖博物館の取り組みへの評価を知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 琵琶湖博物館では、今も御紹介いただきました企業等への寄附依頼、水槽などの維持管理のためのサポーター制度、企業等を対象としたメンバーシップ制度を設けるなどにより、平成29年度実績で約2,277万円の御寄附を獲得いただいたところでございます。また、大学の会員制度でありますキャンパスメンバーシップ制度や、樹冠トレイルのサポーター制度を設け、個人向けにクラウドファンディングを活用するなど、積極的に発信もしてきたところでございます。  取り組みに当たりましては、寄附等をなさりやすいようにさまざまなメニューを用意したことや、博物館の趣旨に御賛同いただけるよう、館長や職員が重点的に企業等を訪問したことなどが功を奏したのではないかと考えているところでございます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)ちょっとこの点は再問をさせていただきます。  琵琶湖博物館の取り組み、私も率直に評価をしております。一方で、じゃ、こういう取り組みがなぜほかの部局でできないのかなという素朴な疑問も感じます。先ほども生田議員が、新生美術館整備をめぐって、寄附集めをしなかったのかという御指摘がありました。琵琶湖博物館にはできて新生美術館にはできなかった、これはどういう違いがあるのかなと。ここをしっかりと分析しないと、琵琶湖博物館を評価しただけで終わっては何も生かし切れないのかなと思っています。これが職員さんの意識の差なのか、それぞれの組織の長の資質なのか、琵琶湖博物館では成果が出て、ほかのところでは全くこういう取り組みが行われていない、この違いはどういうところにあると知事は分析をされているのか、改めてお伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) すいません、にわか分析ですと当を得ないのかもしれませんが、しかし、この琵琶湖博物館の取り組みは、とても思い入れもあり、そして志もあり、持っているものをよりよくしたいので、もっと多くの御協力をということがまさににじみ出ている、そういう取り組みではないかなと思います。その他の分野においても、滋賀県の取り組みを知ってもらって応援してもらう、また御寄附をいただくという可能性はまだまだあると思いますので、こういった事例をしっかりと参考にしながら、恐らくこの後、話題にされるであろうさまざまな取り組みについても、さらに高めていけるように努力をしたいと存じます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)非常にいいキーワードを出していただいたのかなと思います。思い入れ、志、そして、もっとよくしたいという熱意。すいません、新生美術館を引き合いに出したのが間違いでした。  そういった中で、一方、本県への寄附の主な受け皿となっているマザーレイク滋賀応援寄附金を見ると、昨年度、個人と法人を合わせても、およそ1,321万円にとどまって、琵琶湖博物館が集めた金額を大きく下回っているのが実情です。さらに、平成27年度にはおよそ1,778万円、平成28年度はおよそ1,532万円と、こう言ってはなんですが、毎年着実に減少しています。先ほども木沢議員が農業分野へのふるさと納税の活用を取り上げていましたが、琵琶湖博物館の成果も踏まえて、マザーレイク滋賀応援寄附金が伸び悩んでいることをどのように分析しているのか、総合政策部長にお伺いをいたします。 ◎総合政策部長(福永忠克) (登壇)お答えいたします。  平成29年度のマザーレイク滋賀応援寄附金の実績につきましては、個人31名の方と84の法人等から合わせて115件の御寄附をいただいたところでございます。前年度に比べますと、法人等の寄附額は減少しており、個人の寄附額は増加をしたものの、いまだ全国に比べると少ない状況でございます。法人等からの寄附額につきましては、企業の経営状況にもよるものと考えておりますが、企業の皆様からは、使途をもっと具体化できないかという御指摘もいただいているところでございます。こうした御指摘からも、今以上に寄附される方の立場に立った制度の改善が必要なのではないかと考えているところでございます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)今の御答弁で、使途をもっと具体化できないかという声が寄せられているという御答弁がありました。琵琶湖博物館のこの成果でも着目したいのは、職員さんの努力もさることながら、やはり寄附する側にとって、博物館のリニューアルや水槽の維持管理といった使途が明確であるとともに、銘板などで来館者にわかりやすくアピールできる点が評価されているのではないかなと考えています。  これに対して、現在のマザーレイク滋賀応援寄附は、寄附金を財源として実施する事業が、琵琶湖の総合保全に関する事業や琵琶湖における環境学習および体験学習に関する事業、歴史的文化的資産の保存、活用に関する事業に限定され、事業例は挙げられているものの、寄附する際に寄附金が何に使われるかさえ実は決まっていません。こうした点を課題だと認識しているのかを含めて、マザーレイク滋賀応援寄附の現状について見解を総合政策部長にお伺いをいたします。 ◎総合政策部長(福永忠克) お答えいたします。  現在の制度におきましては、琵琶湖に関する事業と歴史的文化的資産に関する事業に限り寄附を募っておりまして、寄附をいただく際に、実際の具体的な使途まではお伝えできていない状況でございます。議員御紹介の琵琶湖博物館の事例からは、募集する際に使途を明確にし、事業実施の姿をわかりやすく伝えることが大切であると改めて認識をいたしておるところでございます。全国で多くの寄附金を集めておられる自治体では、使途の明確化や選択できる事業の充実に取り組んでおられまして、地域の実情に応じて創意工夫を図り、使途を明確にされているところでございます。本県におきましても、寄附される方の多様な思いを形にしていくためには、使途を具体化し、滋賀県を応援しようと思っていただける取り組みにすることが大切だと思っておるところでございます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)これは同様の課題が企業版ふるさと納税にもあります。企業版ふるさと納税をめぐっては全国的に低迷し、昨年度の総額はおよそ24億円と、個人版のわずか0.6%にとどまっています。寄附の対象が内閣府の認定した事業に限られていることも低迷の一因だとされています。  昨年度は、琵琶湖博物館リニューアルプロジェクトに570万円余りが充てられた以外は、にぎわい創出で取り組む琵琶湖保全再生プロジェクトが30万円、「滋賀体感」首都圏プロモーション事業と滋賀で農業はじめようプロジェクトがともに10万円。実は、先ほど木沢議員がふるさと納税を農業振興に活用する御提案をされましたけれども、企業版ふるさと納税にはしっかりと滋賀で農業はじめようプロジェクトというメニューが用意をされているにもかかわらず、実は10万円。これ、事務負担を考えれば、やらないほうがましだ、そんなありさまですけれども、およそ200社に対してアンケート調査を実施しているということですが、企業版ふるさと納税の低迷についてどのように受けとめているのか、総合政策部長にお伺いをします。 ◎総合政策部長(福永忠克) お答えいたします。  本県の企業版ふるさと納税の実績につきましては、平成28年度と平成29年度の2年間で延べ15の企業から730万7,000円の御寄附を受けており、全国では15番目の寄附額となってはいるものの、多額の寄附には至っていない状況でございます。  その中でも、琵琶湖博物館リニューアルプロジェクトは、寄附金の充当先が明確であり、また、博物館内に銘板で企業名を掲載していることから、琵琶湖博物館の利用者への企業のPR効果も期待でき、10社から570万7,000円と最も多くの御寄附をいただいているところでございます。このように、寄附をする企業にわかりやすく具体的な事業内容を示すことや、県民へのPRなど企業のメリットを示すことで、寄附企業のさらなる拡大が図られるのではないかと受けとめているところでございます。  企業版ふるさと納税につきましては、企業が地域を元気にする取り組みを応援する有効な制度であり、より使いやすくなるよう国に対しても要望しているところでございまして、今後、より一層の活用を図ってまいりたいと考えております。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)企業版ふるさと納税の制度は、県でたちまち何とかするというわけにはいきませんが、少なくともマザーレイク滋賀応援寄附については、琵琶湖や歴史的文化的資産のためというような大まかな示し方ではなく、琵琶湖博物館のリニューアルのように、もっと具体的で、なおかつ寄附する側の共感を得られるような使途を示すことが肝要だと考えます。  福井県では、ふるさとの母校や県立恐竜博物館、ふくいブランド畜産物など12の具体的なプロジェクトを挙げて寄附を募っています。中には、次世代のグローバル人材を育てようと、中学生のNASA派遣といった夢のある取り組みもあります。過熱する返礼品競争とは一線を画しつつも、地域の課題解決や子供たちの未来のために本県の寄附制度をさらに改善していく必要があると考えますが、条例改正を含めた知事の見解をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 同様の問題意識を持っております。御紹介いただいた福井県などの事例を見ますと、使途を明確にし、具体的な取り組み内容を寄附者にわかりやすく伝えることが大切であると考えます。また、より多くの寄附いただく方々が滋賀の取り組みに共感し、応援していただけるような使途をふやすことも必要でありますことから、現在、琵琶湖と歴史文化的資産に限定しております現行のマザーレイク滋賀応援寄附条例、この内容等について、充実の方向で条例の改正も含め検討しているところでございます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)今検討しているということで、問題意識を共有していただいていると思っていますが、こういう取り組みというのは、もう気づいたら即行動。この条例にこういう条文があるがゆえに、いつまでもこういう具体的な使途が示せないということですので、一日も早く条例改正に向けてお取り組みをいただきたいと思います。  こうやって広く共感が得られる使途を示すことで、限られた財源の中で効果的、効率的に事業を推進することもできるのではないかと考えています。とらぬタヌキの皮算用と言われそうですけれども、例えば、漠然と歴史的文化的資産の保存、活用というのではなくて、全国的に知名度の高い比叡山延暦寺の根本中堂の保存修理事業に寄附を募って、毎年およそ2,000万円を費やしている県費の一部だけでも賄うことができれば、浮いた分は既定の予算に上乗せして、ほかの文化財の修理などに活用することができると思います。  来年度の予算編成要領にもこうした考え方は一定盛り込まれていますが、さらに各部局に稼ぐという意識を植えつけ、予算の確保とメリットを実感してもらえるような工夫が求められると思います。寄附金を集めた成果を反映する実効性のある取り組みについて、知事の見解をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 来年度の予算編成に向けましては、いただいた御寄附の実績に応じて、当該部局の予算枠へ一定割合を加算する仕組みを設けるなど、積極的な取り組みを推進しているところでございます。こうした取り組みがより実効性を持つためには、議員御指摘のとおり、職員みずから稼ぎ、県民のための事業を実施するという意識を持つことが大事であると考えます。全ての事業が、それぞれの仕事がそういったことに結びつくかというと、なかなか難しい面があるんですけれども、しかし、まだまだできることがあると思いますので、今後、具体的に共感を得られる寄附の使途メニューを検討していく中で、こうした意識が根づいていくよう、しっかりと取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)ありがとうございます。  そのためにも、先ほど福井県の12のプロジェクトの一部を紹介しましたけれども、最初に知事がおっしゃっていただいた思い入れ、志、もっとよくしたい、こういったものをそれぞれの部局で、思い入れを持って、そして志があって、そしてもっとよくしたいって思うような、そして皆さんにアピールできるようなプロジェクトというものをやっぱり抽出することによって、寄附する側の皆さんにも共感していただけるのではないかなと思っておりますので、確かに成果というところも大事ですけれども、そういった事業をまたメニューに加えられるようにお取り組みをいただきたいと思います。  当然、寄附者の満足感を高める取り組みも求められると思います。寄附が役立ったという実感が得られるようにすることは当然のこととして、県の対応も満足度に影響することは言うまでもありません。マザーレイク滋賀応援寄附と企業版ふるさと納税は、ともに企画調整課が担当しますが、これは、独自に取り組む琵琶湖博物館のほか、昨年度は新たに教育委員会が学習船うみのこの新船を建造するための寄附金を募集しました。これ、それぞれがお取り組みいただくことは大変積極的だなと思うんですが、寄附する側にとっては、受け入れ窓口が幾つもあるということで、わかりにくくなるだけではなくて、例えば琵琶湖博物館のリニューアルに関して言えば、博物館に直接寄附した企業とふるさと納税を通じて寄附した企業で特典にも差が出てくるという不合理な結果が生じることになりかねないと思っています。さらに、各部局がばらばらに情報発信するのでは、効率が悪いことは自明の理です。  寄附に関するワンストップ窓口の構築について、総合政策部長にお伺いをいたします。 ◎総合政策部長(福永忠克) お答えいたします。  県に対します寄附が、寄附者にとってわかりやすく、また、寄附に際しての利便性が向上するように取り組むことは非常に大切であると考えております。こうしたことから、現在ございます複数存在する寄附制度との整合性も図りながら、情報発信、また、窓口の一元化などの検討をしてまいりたいと考えておるところでございます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)窓口を一元化していただき、しっかりと魅力のあるメニューをそろえていただく、このことによって寄附を少しでも多くしていただけるように頑張っていくという非常に前向きな御答弁だと思います。  ただ、知事、午前中の議論で、全庁挙げて増収に取り組むよう指示していると述べておられましたけれども、やはりこうした制度を改善するだけでは寄附金がふえるわけでないことは言うまでもありません。琵琶湖博物館のように足で稼ぐことはもちろんですけれども、寄附に限らず、ネーミングライツなど歳入確保の取り組みの成果は、金額の多寡だけではなく、知事を初め県職員の、先ほどからキーワードと挙げている熱意が問われるものだと思っています。今後、歳入確保に向けた取り組みをどのように進められるのか、知事にお伺いしてこの項の質問を終わりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来強調していただいておりますように、今後見込まれる厳しい財政状況に対応していくためには、歳入確保の取り組み強化が不可欠であると認識しているところでございまして、基幹的な歳入である県税の増収、地方交付税の総額確保、拡充に向けた取り組みはもとより、さらなる自主財源の確保にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  議員御指摘のとおり、寄附制度の改善や発信の強化のみならず、ネーミングライツの活用促進や、さまざまな媒体や施設などを活用した広告募集の展開など、県の有する経営資源を活用したあらゆる歳入の可能性を検討し、もちろん私みずからもセールスマンとなりながら、全庁挙げて取り組んでまいりたいと存じますので、今後とも御支援、御指導よろしくお願いいたします。 ◆21番(佐藤健司議員) 終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、21番佐藤健司議員の質問を終了いたします。  最後に、20番中村才次郎議員の発言を許します。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇、拍手)本日最後になります。大変お疲れだと思いますが、よろしくお願いいたします。  1項目めは、観光について質問をさせていただきます。  まず、地域通訳案内士についてでございます。  政府観光局が7月18日に発表した2018年上半期における訪日外国人の人数は、前年同期比15.6%増の1,589万9,000人で、6年連続の過去最高を更新しました。北海道胆振東部地震や台風21号による関西国際空港の冠水などの影響で、下半期がどうなるかはわかりませんけれども、年間3,000万人の大台に迫る勢いです。  滋賀県でもこうした外国人観光客の人数は増加していますが、2017年の統計では全国で25位となっています。今後、リピーターの観光客も増加すると言われておりますので、滋賀県においてもより多くの外国人観光客に来県してもらえることを望みます。  さて、外国人観光客の増加により通訳ガイドの人数が足りなくなったことなどから、ことしの1月4日に改正通訳案内士法が施行されました。これによりまして、通訳案内士の名称が全国通訳案内士となるほか、通訳案内士の業務独占規制が廃止され、資格を有さない方であっても、有償でお金をもらって通訳案内業務を行えるようになるなど、通訳案内士制度が大きく変わりました。この資格を有さないガイドの中で、特にその土地のことをよく知っておられる方を、都道府県や各市が地域通訳案内士として認定する制度を設けているところがございます。近いところでは、奈良県、そして和歌山県、京都市などがそうです。この京都市には、実は大津市も含まれておりまして、大津市、宇治市、京都市で一つのくくりとなっています。この新しい法律では、この地域通訳案内士制度を全国に展開していくともうたわれているところです。  滋賀県のことをよく知っている方、滋賀のすばらしさを伝えられる方を滋賀県の地域通訳案内士として認定し、活躍していただく制度をつくるべきだと考えますが、商工観光労働部長に見解を伺います。 ○議長(川島隆二) 20番中村才次郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) (登壇)お答えいたします。  通訳案内士には、全国通訳案内士と地域通訳案内士の2種類がありまして、議員お尋ねの地域通訳案内士は、各自治体が単独または共同で登録するもので、特定の地域の通訳案内業務を行うものであります。滋賀の魅力を伝えるためにも、通訳案内士が本県のことを深く理解した上で、外国人観光客にその国の言葉で案内することは効果的であると考えております。  このため、関西広域連合で実施しております全国通訳案内士の研修には、滋賀県内の観光地を訪問いただき、魅力を体感してもらうプログラムがありまして、その際には、滋賀県の観光地の見どころやタイムリーなイベントを紹介するなど、通訳案内をする際に滋賀県のよさを的確に伝える工夫を行っているところであります。また、地域通訳案内士以外でも、例えば、彦根市の観光ボランティアガイド団体では、英語やフランス語、中国語によるガイドを行っていただいており、地元ならではの視点で国宝彦根城などの名所の紹介や逸話などを通訳しながら案内していただいております。  今後、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2021年のワールドマスターズゲームズ2021関西、2025年の大阪、関西での国際博覧会などの大型イベントの開催により、インバウンドが増加し、外国人対応のニーズが高まると考えられるため、地域通訳案内士制度の導入も含め、対応を研究してまいりたいと考えています。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)地域通訳案内士の制度の研究を進めていくという御答弁をいただきましたので、ありがたいなというふうに思います。関西広域連合でとおっしゃいますと、私の考えですけれども、余りにも広過ぎるというふうに思うのです。例えば、兵庫県の方が滋賀県のことを知ってもらう、なかなかやっぱりそれは難しいことだというふうに思いますし、ぜひ滋賀県でというふうに思います。全国では、今、私が数えたところでも17の都道府県が導入をしておりますし、また、各市で、先ほども京都市の例を言いましたけれども、そういったところもございますので、ぜひ滋賀県としても地域通訳案内士の制度の導入を考えていただきたいと、このように思います。  観光について2つ目なんですけれども、くしくも佐藤議員の質問と全くかぶってしまいましたけども、しばらくお願いしたいというふうに思います。  東京オリ・パラ開催で日本がにぎわうであろう2020年、NHKの大河ドラマで、若き明智光秀を中心に描いた「麒麟がくる」が放映されることも決定しています。大河ドラマで最も人気の高い戦国時代が描かれ、今度は4Kでフル撮影されるとも報道されています。現在、朝ドラ「まんぷく」でも好評を博している長谷川博己さんの主演も決まっています。もちろん、これには織田信長、斎藤道三、今川義元、豊臣秀吉、徳川家康なども登場し、戦国初期の壮大なドラマになると期待されます。  その舞台に湖国滋賀が多く登場することが予想されます。明智光秀に縁の深い坂本城、また宇佐山城、豊臣秀吉の長浜城、もちろん信長が築いた安土城など、城跡だけでもたくさんあります。そして、これを機に、こうした歴史に関係の深い土地に見学に訪れる方もふえ、滋賀県にとって大きな誘客のチャンスであると、こういうふうに思います。  また、先日発表されましたけれども、来年秋から始まる101作目のNHK朝の連続テレビ小説は「スカーレット」という物語に決まりました。その舞台は、焼き物のふるさととして知られる甲賀市の信楽であります。滋賀県への人の流れにさらなる拍車がかかるのではないかと大いに期待をしております。  そこで、「麒麟がくる」、また、「スカーレット」の放映をもとに、滋賀の観光資源をどうアピールし、観光客の増加に結びつけるお考えか、知事に見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  先日、NHKから、甲賀市信楽町を舞台とした連続テレビ小説「スカーレット」が2019年9月末から放映されると発表され、大変喜んでおります。「スカーレット」では、信楽のまちで女性陶芸家が物をつくり出す情熱と喜びを糧に、失敗や挫折にめげずに生きていく姿を描くと伺っておりまして、日本遺産として認定されている六古窯の一つ、信楽焼や、産業が発展してきたストーリーも含め、地域の魅力を発信する絶好の機会になるものと認識しております。  また、大河ドラマ「麒麟がくる」では、主人公となる明智光秀公と戦国の多くの武将たちが、近江の地を舞台にさまざまな物語を繰り広げるということから、光秀公ゆかりの地を初め、全県的な広がりで、本県が持つ歴史的な魅力をPRできると考えております。  このように、2019年秋の連続テレビ小説から2020年の大河ドラマまで、本県を舞台としたストーリーが連続して放映されることとなります。この機を逃さぬよう、市町や関係者とともにドラマとも連動した体験型、周遊型の観光プログラムの造成を図るなど、ドラマゆかりの地を全国に発信し、宿泊滞在型観光の推進による誘客推進につなげてまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ぜひ滋賀県への観光客がふえることを願っておりますし、施策を進めていただきたいなというふうに思いますので、どうかよろしくお願いいたします。  大津市の下阪本の県有地に下阪本公園、俗に坂本城址公園があります。坂本城といえば、比叡山の焼き討ちの後、信長の命を受け明智光秀が築いたことで有名です。その城跡は、長年、天守の位置がはっきりとしていませんでしたが、1994年に琵琶湖の渇水で湖底が干上がり、湖中にあった石垣が出現して、その存在がはっきりしました。下阪本公園は、現在では、地元の方々の努力もあり、案内板や石碑などが設置されています。先日、ゆっくりと案内をしていただきながら勉強をする機会があったのですけれども、大変気になることがありました。それは、先ほどの質問にも出てまいりましたけれども、この公園内にあるトイレです。当初からそのままだと思われる旧式のトイレです。水洗でもありません。観光に訪れた方に使用していただくには非常に気おくれをするものでございました。  そこで、県営都市公園は県内に6公園あり、湖岸緑地公園を1カ所ずつ数えると、もっと多くの公園数になりますけれども、これらの公園の中にはトイレの改修が必要なところがあると思いますが、土木交通部長の見解を伺います。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) (登壇)お答えいたします。  県管理公園のトイレ施設は、議員御指摘のように、旧式のトイレや水洗でないもの、移動式のものなどが存在します。管理者として、これらトイレを含めて、公園施設を安全かつ快適に利用していただけるよう、修繕、更新、再整備を進めていくことが重要であると認識しております。限られた予算の中ではありますが、今後も公園利用者の利便向上が図れるように努めてまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)例えば、先ほど言いました下阪本公園のトイレは、この2020年のドラマに合わせまして、ぜひ改修が必要だというふうに思っています。私が見に行った日は金曜日でしたけれども、大阪から3人の方がわざわざ車に乗ってやってきておられました。大変人気があるんだなというふうに改めて思いました。予算もしっかりどうかつけていただいて、ぜひ改修していただけるように強く要望して、この項の質問を終わりたいというふうに思います。  次の項の質問に移らせていただきます。  7月県議会におきまして、土砂災害対策について質問をさせていただきました。今回は、大規模災害に備えた県の対策、方針について質問をさせていただきます。
     まだまだ傷跡の残る東日本大震災から8回目、熊本地震から3回目の冬を迎えようとしています。また、ことしは大きな災害が続いた年となりました。大阪府北部地震、西日本豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震と連続をいたしました。滋賀県においても、台風21号の風による被害、米原市の竜巻の被害などがありました。改めて日本全体が災害多発列島であることを認識させられ、本県もその例外ではないことを実感いたしました。残念ながら、自然現象そのものはとめられません。しかし、災害を防ぐ、災害に備えることはできます。防災、減災、復興を政治の主流に置いていくことの重要性、必要性がだんだん認識されてきているように思います。  地震について考えてみると、滋賀県において、ここ近年では、1909年に起きた江濃地震──姉川地震のことですけれども、それ以降、震度5を超える地震は、1944年の三重県南東沖地震、1946年の和歌山南方沖地震、1995年の阪神・淡路大震災と3回起こっています。もっとさかのぼりますと、大津市の湖西地方では、1662年、花折断層が動いた寛文地震が起き、大規模な斜面崩壊が発生して、麓の村では560人の犠牲者が出たという記録が残っております。  御存じのとおり、滋賀県には多くの断層が走っています。主なものでも、琵琶湖西岸断層、頓宮断層、花折断層、鈴鹿西麓断層、同じく鈴鹿東麓断層などであります。特に、高島市、旧マキノ町から大津市国分付近を走る琵琶湖西岸断層は、地震発生確率が大変高いと言われています。琵琶湖西岸断層全体が同時に動いた場合、マグニチュード7.8程度の地震が発生すると推定されています。また、熊本地震のように、近くにある花折断層も同時に動くということも考えられます。  もし、こうした大規模な地震が起きた場合、どうすればよいのか、その対策は急がねばなりません。  県民の方の防災意識も徐々に高まっていると感じます。私の地元の自治会でも、形ばかりの防災組織や防災計画ではなく、実際に起きたときに役に立つものをつくろうと、そして、自治会のみんなで避難訓練などをやっていこうという声が上がり、その準備に取りかかっているところです。  そこで、大規模な地震や他の災害が起きたと想定して、その対応について、今回は受援計画に絞って質問をさせていただきたいと思います。  受援計画は、平成23年の東日本大震災を教訓に必要性が指摘され、翌年、国の防災基本計画の修正で、自治体の地域防災計画などに位置づける努力規定が設けられました。防災基本計画では、応援、受援に関する連絡や要請の手順、要員の集合配置体制などを整えるものとされ、都道府県は、市町と調整し、市町の相互応援が円滑に進むように配慮すると規定されています。あくまで努めるという表現であり、必ずしも作成しなければならないというわけではありません。しかし、大規模な災害の発災直後、支援の受け入れ体制が整っていないために、ボランティアの方々が混乱するという事態や、救援物資を受け入れる計画がないことから、偏った避難所に物資が集中するといった問題が生じてきました。これは、ボランティアだけでなく、地方自治体同士の受援体制についても同じことが言えます。熊本地震や西日本豪雨でも受援体制の不備が被害の拡大につながったとの指摘もあります。  さきに述べたとおり、いつどこで災害が起きても不思議ではない状況下にあって、この受援計画を速やかに整えることは最重要だと考えます。本県でも、今年度中を目標にその策定が行われているところです。  1点目に、最初の質問になりますが、この大切な受援計画の作成の進捗状況について知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 私からも、ことし相次ぐ災害で被災された方にお見舞いを申し上げたいと存じます。また、防災・減災・強靱化対策をしっかりと進めてまいりたいと思います。  大規模災害時におきましては、本県単独で災害対応が困難な場合が予測され、国、他府県等からの人的・物的支援を円滑に受け入れるための手順や、その役割などをあらかじめ定めておくことは非常に重要です。県では、このような大規模災害に備えるため、これまでの地震対策の取り組みを継承しつつ、さらなる充実、強化を図るため、昨年度、滋賀県地震防災プランを策定し、重点的に取り組む対策として、受援体制の整備を図っているところでございます。  受援計画策定に当たりましては、学識経験者、地域防災アドバイザー、社会福祉協議会、災害応援派遣経験のある県職員、市町職員等から広く意見を聴取し、実効性のある受援体制を確立するため、検討会を設置して検討を行ったところでございます。検討会は6月と10月に開催し、現在、骨子案を作成しているところでございます。年内には各市町、関係機関へ意見照会を行った上で、1月には計画案をお示しし、今年度内には策定をしたいという思いを持って現在作業に当たっているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)もう既に骨子案もつくっていただいているということですので、ぜひすばらしい受援計画になるように、実効性のある受援計画になるように進めていただきたいというふうに思います。  それで、県の受援計画ができて、それに連動させるように、今度は各市町での受援計画を作成するという手順が、県と市町、また市町間の連携を強化することになると私は考えます。しかし、19市町のうち、実は大津市では、熊本地震の後、受援計画が既に策定されています。県と大津市の受援体制の連携がうまくいくのかどうか疑問に思います。この点について知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 先ほどもお答えいたしましたように、被災時、被災したときに他府県からの応援職員を円滑に受け入れ、応援を必要とする市町へ円滑な派遣調整を行うことは、県および市町にとって受援計画を策定することが重要でございます。県の受援計画策定に係る大津市との連携につきましては、本県の検討会に大津市の職員も御参加いただき、受援計画の内容について調整させていただいているところでございます。  大規模災害時には、市町と連携した受援体制の整備が非常に重要であり、そのためにも、まずは県がしっかりと受援計画を策定し、あわせて市町の受援計画のひな形を提示するなど、今後、市町の受援計画策定についてもしっかり支援していくこととしております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)大津市の方も県の受援計画作成のメンバーに入ってくださるということで、今、安心をいたしましたけれども、どうか、県がしっかりしたものをつくって、そして、市や町にも受援計画を立てていただけるような流れをつくっていただきたいと、このように思いますので、よろしくお願いいたします。  3つ目に、立派な受援計画ができたとしましても、机上の空論になってはいけません。より実効性の高いものにするためには、平時の訓練や研修が不可欠であると考えます。県と市町、県と各種団体との日ごろの連携や訓練、研修のあり方について、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) おっしゃいましたとおり、円滑な受援体制を確立するためには、平時から顔の見える関係づくり、また、訓練や研修等を実施し、大規模災害時に備える体制づくりが重要だと考えます。また、他の地域で起こった災害等もしっかりと教訓化して、本県の対策に盛り込むという、そういったことも不断に行っていきたいと存じます。  来年度、大津市と県において図上訓練を行いまして、市町との連携の確認、計画の点検を行う予定です。あわせまして、他の市町の受援体制整備に向けた研修等も開催する予定でございます。  また、例年、関西広域連合で実施しております広域応援の図上訓練や、県トラック協会、県倉庫協会等の物資の緊急輸送訓練等に引き続き取り組み、人的・物的支援を効率的かつ効果的に受け入れることができるよう、より実効性のある受援体制を確立してまいりたいと存じます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)知事がおっしゃいました顔の見える訓練というのは大変大切なことだというふうに思います。そのような訓練もうまく進めていただきまして、本当に大きな大規模災害が起こらないことが一番でして、それを望みますけれども、いざというときのための備えをしっかり進めていっていただきたいと、このように思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、最後の項に移らせていただきます。最後は、スクールカウンセラーについて質問をさせていただきます。  スクールカウンセラー、臨床心理士の方と学校心理士の方がおられます。ほとんどが臨床心理士の方でございまして、学校心理士は、本年10名、この滋賀県にはおられます。この臨床心理士と学校心理士の方々の仕事内容はほとんど差がないというふうに私は思いますけれども、その報酬については、臨床心理士を10とするならば、学校心理士は6と大きな差があります。学校心理士はスクールカウンセラーに準ずる者として位置づけられていることから、報酬面の差があるのだというふうに思っています。  学校心理士の皆さんは、学校で勤務をされていた方々がほとんどです。教育現場にいた経験というのは大変大きく、学校の体制もよくわかっており、子供や生徒たちの心に寄り添い、また、保護者との連携においても経験を生かすことができます。つまり、即戦力となっていただける方だというふうに思います。  子供を取り巻く学校内外での問題は多様化しています。こうした環境の中、学校のことを熟知している学校心理士のスクールカウンセラーの方々には、これからますます活躍してもらわなければなりません。そういった意味からも、待遇面での改善は大変重要だというふうに考え続けてきました。  2016年9月の議会におきまして、今述べたことと同じ内容の質問を実はさせていただいてきました。その際の教育長の御答弁は、ほとんどの都道府県が、スクールカウンセラーに位置づけられる臨床心理士は、スクールカウンセラーに準ずる者に位置づけられる学校心理士より報酬単価を高くしていると、額については全国平均額を参考に決定していると、この報酬の差を直ちに縮めることは困難であると考えると、こういったお答えでした。  ちょうどこの質問をさせていただいた直後、2016年12月に、働き方改革実現会議において同一労働同一賃金ガイドライン案が提示されました。また、本年──2018年6月には、働き方改革関連法の成立も見たところです。同一労働同一賃金は、働き方改革関連法案の柱と言える政策です。正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を解消する必要性については、多くの企業でも共通認識が形成されつつあります。このように世の中が同一労働同一賃金に向かっている中で、報酬の差が余りにも大きなことに矛盾を感じます。  1つ目の質問ですが、前回の御答弁より2年以上がたち、社会状況も変化した中で、あえて同じ質問をさせていただきます。臨床心理士と学校心理士の報酬面での余りに大きな差をどう考えておられるのか、教育長に伺います。  これまで、心理士系の代表的な資格は、臨床心理士という民間の資格でした。2017年9月15日に公認心理師法が施行され、ことし初めて国家試験が実施されました。心理の国家資格、公認心理師が誕生した背景には、クライアントの問題をさまざまな観点からチームでアプローチしていく時代に移行する中、生物学的観点を持つ医師や看護師、社会学的観点を持つ精神保健福祉士や教師などが国家資格であるのに比べ、心理学観点を持つ専門家のみ民間資格であるというアンバランスさの解消が目的でした。  先日、学校心理士の方が、今年度の公認心理師の試験を受けてきたというお話を聞きました。「大変難しかったけれども、できるだけの力を出して頑張ってきました。また、臨床心理士の方もたくさん受験しておられました。」  これから先、臨床心理士と公認心理師の立場がどうなっていくかはわかりませんが、公認心理師になられた方もスクールカウンセラーとして活躍していただくことは必要なことと考えます。  2点目に、新しく誕生する公認心理師の方をスクールカウンセラーとして採用していくのかどうか、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) (登壇)スクールカウンセラーについての2点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目のスクールカウンセラーの報酬についてお答えをいたします。  文部科学省のスクールカウンセラー等活用事業実施要領の中で、臨床心理士は、スクールカウンセラーに位置づけられ、本県では小中学校および高等学校に配置をしております。また、学校心理士は、スクールカウンセラーに準じる者に位置づけられ、小学校には単独で配置し、小中の連携強化を図るため、配置時間数を多くした中学校には臨床心理士とともに配置をしております。  その報酬についてでありますが、先ほど議員御紹介いただきましたけれども、現在も、ほとんどの都道府県がスクールカウンセラーに準じる者よりもスクールカウンセラーの報酬単価を高く設定しており、本県でもその全国平均額を参考に報酬単価を決定しております。今後も、国、他府県の動向ならびに社会情勢の変化に注視をしながら検討してまいりたいと考えております。  次に、2点目の公認心理師をスクールカウンセラーとして採用するかどうかについてお答えをいたします。  文部科学省の今年度のスクールカウンセラー等活用事業実施要領において、公認心理師はスクールカウンセラーとして位置づけられたところでございます。また、公認心理師の資格取得のための試験がことしの9月に初めて実施をされ、11月に合格発表がされたところでございます。こうした状況を踏まえまして、本県におきましても、今後、公認心理師をスクールカウンセラーとして採用してまいりたいと考えているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)1点目の質問に対するお答えに対してですけれども、どうしてもこの報酬の差は納得できないです。全国の動向を見てということもわかっておりますし、それから、学校心理士の方が準ずる者という位置づけになっていることもわかっています。それで、けれども、全国がそうだからというのではなくて、そうでない県もあるはずなんですけれども、どうか、この報酬面の差を、先ほども言いました同一労働同一賃金の面から考えても、やっぱり検討していただくということが必要やというふうに思うんですけれども、再度質問をさせていただきます。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  この単価差について、再度検討をというお話でございます。先ほど申し上げましたように、現在の報酬単価につきましては、全国の平均にほぼ並んでいるという状況でございます。一方、同一労働同一賃金というお話がありましたが、これは基本的には正規雇用と非正規雇用の間ということですので、少し今回の場合とは違うかと思いますが、ただ、先ほど答弁しましたように、臨床心理士と学校心理士、新たに公認心理師というのができてまいりました。そういう中で、それぞれどういう形で採用していくのかということもございますので、そういうことを総合的に勘案しながら、また検討していきたいと思っております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)検討していただくというふうにお答えいただきましたので、今回はこれで終わりたいというふうに思います。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、20番中村才次郎議員の質問を終了いたします。  以上で、本日の質疑ならびに質問を終わります。  明8日および9日は、県の休日のため休会であります。  来る10日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後4時52分 散会    ────────────────...