滋賀県議会 > 2018-12-04 >
平成30年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月04日-02号

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  1. 滋賀県議会 2018-12-04
    平成30年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月04日-02号


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    平成30年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月04日-02号平成30年11月定例会議(第16号〜第22号)  平成30年11月定例会議会議録(第17号)                                       平成30年12月4日(火曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第2号                                         平成30年12月4日(火)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第177号から議第186号まで(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第11号)ほか9件)(知事提出)  第2 議第149号から議第186号まで(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)ほか37件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件  第2 日程第2の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(41名)    1番   桑  野     仁       2番   周  防  清  二    3番   村  島  茂  男       4番   加  藤  誠  一    5番   竹  村     健       6番   海  東  英  和
       7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       11番   藤  井  三 恵 子    12番   杉  本  敏  隆       13番   節  木  三 千 代    14番   駒  井  千  代       15番   山  本     正    16番   大  橋  通  伸       17番   冨  波  義  明    18番   井  阪  尚  司       19番   木  沢  成  人    20番   中  村  才 次 郎       21番   佐  藤  健  司    22番   目  片  信  悟       23番   有  村  國  俊    24番   大  野  和 三 郎       25番   岩  佐  弘  明    26番   山  本  進  一       27番   富  田  博  明    28番   細  江  正  人       30番   生  田  邦  夫    31番   川  島  隆  二       32番   奥  村  芳  正    33番   野  田  藤  雄       34番   西  村  久  子    36番   家  森  茂  樹       37番   吉  田  清  一    38番   粉  川  清  美       39番   成  田  政  隆    40番   九  里     学       41番   清  水  鉄  次    43番   柴  田  智 恵 美       44番   今  江  政  彦    45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(2名)    29番   高  木  健  三       35番   佐  野  高  典            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長      世  古     正               人事委員会委員長        西  原  節  子               公安委員会委員長        堀  井  と よ み               代表監査委員代理        平  岡  彰  信               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             由  布  和 嘉 子               総合政策部長          福  永  忠  克               総務部長            藤  本  武  司               県民生活部長          浅  見  孝  円               琵琶湖環境部長         廣  脇  正  機               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        江  島  宏  治               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          川  浦  雅  彦               会計管理者           青  木  幸  一               企業庁長            桂  田  俊  夫               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            廣  瀬  年  昭               議事課長            山  本  昌  男               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(川島隆二) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(川島隆二) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  地方自治法の規定に基づき、監査結果報告書が提出されましたので、別途送付いたしておきました。  次に、北川正雄代表監査委員が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として平岡彰信監査委員が出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(川島隆二) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第177号から議第186号まで(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第11号)ほか9件)(知事提出) ○議長(川島隆二) 日程第1、議第177号から議第186号までの各議案を一括議題といたします。  これより、上程議案に対する提出者の説明を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)ただいま提出いたしました議案の概要につきまして御説明申し上げます。  議第177号から議第186号までは、いずれも給与改定に係るものでございまして、去る10月18日に人事委員会から職員の給与等に関する勧告を受けましたことなどから、これを踏まえ、予算の補正および条例の改正を行おうとするものでございます。  まず、予算の補正に関してでございますが、議第177号は一般会計予算について、議第178号および議第179号は特別会計予算について、また、議第180号から議第183号までは企業会計予算について、それぞれ所要の調整を行おうとするものでございます。  議第184号から議第186号までは条例案件でございます。議第184号は、特別職の期末手当の支給割合を改定しようとするものでございます。議第185号および議第186号は、職員および公立学校職員の給料月額および勤勉手当の支給割合等を改定しようとするものでございます。  以上、何とぞよろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。 ○議長(川島隆二) 以上で、提出者の説明は終わりました。    ──────────────── △議第149号から議第186号まで(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第10号)ほか37件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(川島隆二) 日程第2、議第149号から議第186号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、会派代表による質疑ならびに質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、24番大野和三郎議員の発言を許します。 ◆24番(大野和三郎議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  早速でありますが、自由民主党滋賀県議団を代表いたしまして質問をします。  さて、早いもので2018年もあと1カ月を切り、世間も来年に向けての準備などで慌ただしくなってきました。この1年を振り返って、ことしもまたさまざまな出来事がありました。2月には平昌オリンピック・パラリンピックが開催され、日本の選手たちが大活躍し、7月のサッカーワールドカップロシア大会では日本チームが決勝トーナメントに進出するなど、うれしいニュースがあった反面、7月の西日本豪雨では甚大な被害が発生し、多くの人命が失われるなど悲惨な状況でありました。また、大阪北部地震北海道胆振東部地震、台風21号など、地震や台風による被害もしかりであります。こうした自然災害をとめることはできませんが、被害を最小限に抑える努力は必要であります。改めて、行政の果たす役割が非常に大きいことを突きつけられた思いがいたします。  また、先般、高島市にある陸上自衛隊饗庭野演習場で行われた訓練の中で、迫撃砲弾発射訓練において、着弾地点が演習場内ではあったものの、演習場外の一般車両に被害を及ぼす事案が発生したことはあってはならない事故であり、改めて、再発防止を徹底するよう関係者に求めておきたいと思います。  それでは、質問に移ります。  最初に、広域行政について知事に問います。  平成22年12月に、本県を含む関西の2府5県からなる全国初の広域連合が関西広域連合として設立されました。当初、関西広域連合は、分権型社会の実現、関西全体の広域行政を担う責任主体づくり、国の地方支分部局の事務の受け皿づくりの3つの柱を目標に、「関西から新時代をつくる」と高々に宣言されておりました。  あれからちょうど8年が経過しようとしていますが、最近の関西広域連合の動きを見ておりますと、国出先機関の丸ごと移管は、当時の民主党政権時に法案が閣議決定されましたが、今は宙に浮いた状態のままで、全く実現する見込みはありません。  また、国からの権限移譲などの地方分権の取り組みについても、提案募集制度によりほんのわずかの権限移譲が行われているだけで、当初の目的の一つである分権型社会の実現と言えるほどの成果が上がったとは到底言えません。  三日月知事は、知事就任以降、積極的に関西広域連合委員会にも出席され、熱心に取り組んでおられますが、こうした現状を踏まえると、関西広域連合が何のために設立され、どのような成果を上げてきたのか、あるいは今後存続する意味があるのか、疑問に思えてきます。他府県の顔色をうかがうことなく、本音でお答えいただきたいと思いますが、まず、関西広域連合の存在意義について、どのように考えておられるのか、知事に所見を問います。  また、8年前に関西広域連合が設立される際、本県が広域連合に参加するときから現在に至るまで、本議会においても活発な議論が行われ、これまでに3度にわたり附帯決議が付された経過があります。  例えば平成22年10月の広域行政・行財政対策特別委員会の附帯決議では、受益が中心部に偏ることなく、各府県の参加と個性を生かし、関西圏全体の発展に資する施策および事業を展開することといった指摘や、平成28年3月の附帯決議では、関西広域連合の事務は基本的には7分野の広域事務に限定されており、企画調整事務は例外的なもので、7分野の広域事務の範囲を超える事務を安易に企画調整事務として処理することは認められないことや、7分野の広域事務の範囲を逸脱することのないよう強く求めることなどが指摘されていました。  そうした経緯があるにもかかわらず、関西広域連合は、設立以来、徐々に事務事業を拡大してきており、平成30年度には、本県から本部事務局に部長級を含め5名の県職員を派遣するとともに、総額1億8,100万円余りの負担金予算を計上されています。その内訳は、1億3,100万円が広域医療分野ドクターヘリ事業でありますが、それ以外の事業で約5,000万円が支出されています。  これまで8年間、本県が関西広域連合に参加したことで、職員の派遣や負担金として支出した金額に見合う成果として具体的にどのような成果があり、また、どのような課題があったと知事は考えておられるのか。滋賀県から評価した関西広域連合の総括について、答弁を求めます。  また、関西広域連合では、これまで企画調整事務の名のもとに、7分野の広域事務の範囲を超えて、会議の中で議論が行われたり、提言などが発表されたりするなど、企画調整事務が拡大傾向にあると言わざるを得ない状況であります。  現在、本県は全分野に参加していますが、本県にとってメリットが少ない分野事務や企画調整事務には時には参加しないと明確に意思表示し、全ての分野ではなく、メリットのある分野にだけ参加するという方針に転換することも検討すべきであると考えます。  そこで、知事は今後、部分参加の可否も含め、関西広域連合への参加について、どのような方針で臨もうと考えておられるのか、所見を問います。  本県では、関西広域連合に参加する一方で、中部圏や北陸圏との広域連携も積極的に推進してこられました。先ほど申し上げた平成22年10月の附帯決議で、関西広域連合の設立後も、引き続き福井県、岐阜県、三重県との連携を深め、近畿圏、中部圏、北陸圏の結節点という地理的優位性を生かした施策を一層推進することという指摘を踏まえ、平成24年10月に、中部圏や北陸圏における広域連携に係る重点的に取り組む方向性を示す広域連携推進の指針を策定されました。そして、今は、平成27年6月に改定された指針に基づき、連携施策を推進しておられるところであります。  そこで、あえて、近ごろほとんど耳にしなくなりました北陸新幹線について問いたいと思います。  現在の状況は、当初の計画を3年前倒しして、2022年度の開業に向け、急ピッチで金沢−敦賀間の工事が進められています。北陸新幹線敦賀以西のルートにつきましては、本県はもとより、関西広域連合においても当初は米原ルートを推進しておりましたが、さまざまな要因から、結果的に小浜ルートに決定されました。このことを今さら蒸し返しても仕方がありません。現時点で本県にとって最も重要なのは、並行在来線の問題であります。  敦賀−大阪間の整備に伴い、湖西線が並行在来線に指定され、経営分離されるというようなことはあってはなりません。敦賀までの工事のめどがかなり立ってきたこの時期にこそ、本県の立場を強く主張し続けなければなりません。  ところが、11月末に関西広域連合関西経済連合会等が合同で実施した北陸新幹線の整備促進に関する要請文の中に、湖西線を並行在来線としないように求める内容が含まれていなかったと聞いております。同日に行われた関西広域連合としての要望書には、本県のスタンスに沿った内容が含まれていることも聞いておりますが、この問題について、今後も県内に並行在来線は存在しないという本県の主張を貫いていく覚悟はあるのか問います。  この項の最後に、関西広域連合や中部圏等の連携に絡み、以前、国においても議論がありました首都機能移転問題について、見解を問います。  権限移譲等ももちろん重要ですが、今後、地震など大規模な自然災害が首都圏において発生する確率が高い中、現状の一極集中体制のままで本当に大丈夫かと危惧するものであります。再び、関西から首都のバックアップ機能の充実をしっかり図る必要があることから、その声を上げてはと考えますが、知事の見解を問います。  次に、平成31年度予算編成方針について、知事に問います。  平成31年度当初予算の編成作業が進んでいると思います。次期基本構想に基づき新たに一歩を踏み出す年度、すなわち知事にとって再選後のスタートの予算編成であります。財政状況の認識では、一般財源の総額は大幅な伸びは期待できない、一方、社会保障など義務的経費は増加し、加えて、国民スポーツ大会など大規模事業による財政出動は避けられない。そうした中で、将来を見据えて財政運営を行うとされています。
     その上で、予算編成の基本方針は、県民福祉向上に資する行政サービスを今後も安定的に提供していくためには、持続可能な財政基盤の確立が不可欠であり、財政収支見通しを踏まえた収支改善の取り組みを歳入歳出両面から着実に進めると、財政の重要性が改めて示されています。要するに、財政は厳しいが、収支改善で行政サービスは安定的に提供するとのことでありますが、そこで、まず財政の定義について知事に問います。  加えて、改善とは悪いところを改めてよくすることですが、収支改善は何を改善する方針か問います。  さらに、2,758億円、この数字は今年度当初の特別会計予算額であります。国民健康保険事業が新たに加わったものの、一般会計が5,369億円ですから、実に一般会計の2分の1相当の大きな規模の特別会計となっています。  特別会計そのもの地方自治法第209条で特別会計も認められていますが、国の特別会計については、特別会計に関する法律において、国がみずから実施することが不可欠であるものを除き、国以外のものに移管されるとともに、経済社会情勢の変化に的確に対応しつつ、最も効果的かつ効率的に実施させることなどが基本理念として定められており、本県の特別会計においても、国の特別会計同様に、こうした基本理念のもとで予算化していると思います。  しかし、人口減少が進行する中で、滋賀県という行政庁も今後スリム化の必要があります。そこで、特別会計の今後のあり方について、その見直しも含めて、知事の姿勢を問います。  次に、県債について問います。  財政法第4条では、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入をもって、その財源としなければならない」と定義されており、地方財政法第5条では、「地方公共団体の歳出は、地方債以外の歳入をもって、その財源としなければならない」と規定されています。  これらの規定は、地方債等を歳出の財源とするのは例外的であることを示したものですが、本県の平成30年度当初予算では、一般会計の歳入に占める県債の割合は約14%に上っています。また、残高は年々増加しており、平成30年度末には約1兆981億円に達する見込みとなっています。  そこで、平成31年度当初予算の編成に当たって、さらなる県債の発行抑制、残高減少に向けて、どのように対応されるのか問います。  さきに特別会計について問いましたが、企業会計のうち、モーターボート競走事業についてであります。  当該事業については、土地と建物の簿価は合計で約60億円、予算規模は約400億円にも及びますが、本場での売り上げは全体の約11%にすぎず、一般会計への繰出金も4億円にとどまっています。このような状況や公営ギャンブルに対する価値観が変化してきていることを踏まえると、モーターボート競走事業をまさに将来を見越して、よりスリムに、身軽にしていく必要があると考えます。  さきの我が会派の代表質問でも指摘しましたが、例えば繰出金4億円を繰り出すのではなく、約37億円もある起債残高への償還に充てるなどして平成34年度までに全額償還すれば、起債残高が早期にゼロとなるだけではなく、現在の償還計画よりも利子の支払いを約1億3,000万円減少させることができます。また、スリム化をすることで、現在18人いる職員の定数減少にもつながります。  まず、現在のモーターボート競走事業を最少の経費で最大の効果を上げるように努めなければならないという地方自治法第2条第14項の規定を遵守できていると明言できますか。また、スリム化に対する具体的な知事の見解を問います。  次に、県立大学の運営でありますが、大学の土地は約32万5,000平方メートルありますが、そのうち約2万1,000平方メートルの用地は、利用においてもっと活用されなければなりません。例えば、PFI等民間資本を活用しての学生寮を設置することで、学生の通学時間が短縮され負担軽減になるとともに、経済面でも消費が増加するなど、地域経済の活性化にも資することが期待できます。また、学生同士のキャンパス内でのコミュニケーションはもちろん、地域の皆様とのコミュニケーションにも資するものであります。  秋田県にある公立大学、国際教養大学では、大学の敷地内に学生寮と学生宿舎を設けており、学生の約89%がこれらの施設で生活しているという例もあります。また、この大学では、学生寮を設ける意義として、同世代の学生と共同生活を行うことで、社会性やたくましさ、さらには学生同士等で力を合わせて問題を解決する能力を身につけられるということも挙げておられます。  また、国の財政難で研究費が不足するなどで、いかにして外部資金を獲得するかが全国的にも大きな課題であります。山形大学では、大学と企業の橋渡しをする人材を確保し、大学と企業という組織対組織の大型連携を目指すなど産学連携の強化で、企業から受け入れる共同研究費は過去5年間で約4倍に増加されています。予算編成上、財源不足への対応はアイデア勝負であります。  県立大学も外部資金の獲得には努力をしているとは思いますが、今ほど申し上げたPFI等民間資本を活用しての学生寮の設置といった方策や山形大学の事例なども踏まえた、もっと視野を広げた取り組みが必要と考えますが、知事の所見を問います。  また、県立大学の設置は県政伸展のための投資であります。こうした観点から、県立大学における運営のあり方について、あわせて問います。  人口減少、超高齢社会の進展により人口構造が変われば、それに伴って産業構造も変わってきます。現在、臨時国会でも、外国人労働者受け入れ拡大に向けた新たな在留資格を創設する出入国管理及び難民認定法の改正案の審議が進められていますが、まずは国内の労働者確保であります。総務省の調査によりますと、本県において出産、育児を理由に離職した人数は、平成28年10月からの1年間で約2,600人と推計されております。この出産、育児による離職を減らすことができれば、本県の人材不足の解消につながるはずであります。  また、出産、育児により離職された方が離職しなければ得たであろう年収の合計額は約93億円、それに伴う個人県民税への影響額は約1億5,600万円と試算されます。すなわち、離職を減らすことで経済的な損失も回避できるということであります。  そこで、工業団地やショッピングモール等における企業内保育所に対して積極的に支援を行うなど、若いお父さんやお母さんが働きながら安心して子育てができるよう、県としても積極的な取り組みをすることが重要と考えますが、知事の見解を問います。  今回は財政を少し見方を変えて質問しましたが、以前、知事は、「行財政改革を断行する際に聖域は設けてはならない」と答弁されています。ただ、これまでの取り組みなどを見ておりますと、どうも言葉だけで終わっている感が否めません。  そこで、この項の最後に、改めて、行財政改革に対する知事の本気度を問います。  なお、9月定例会議の我が会派の代表質問でも、モーターボート競走事業における繰上償還や企業内保育所に対する支援などの政策提案を行いましたが、具体的な答弁が一切なかったことはまことに遺憾のきわみでありますが、行政庁の長として適切な対応、取り組みがなされることを期待しながら、次の質問に移ります。  次に、国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会の準備状況について、知事に問います。  各競技地の選定については、これまでに主会場の決定が平成26年5月26日に行われ、平成27年8月の第1次内定に始まり、第2次、第3次と内定され、平成30年5月21日に第4次の内定がされて、33競技の会場地が決まりました。第4次内定ができなかった水泳、自転車、馬術、ライフル射撃、ラグビーフットボール、ボウリングの6競技と、平成30年6月に日本スポーツ協会国民体育大会委員会で追加開催が決定されましたオープンウオータースイミング、ビーチバレーボール、トランポリンの3種目については、平成30年度中に調整を行うとしています。  また、国民スポーツ大会公開競技の7競技と全国障害者スポーツ大会の14競技についても、今年度中に調整を行うとしていますが、現段階での調整状況と今後の対応について問います。  次に、最も懸念されている主会場の用地問題についてですが、もともと、彦根総合運動公園を主会場として活用するためには運動場の敷地拡張を行う必要があり、そのことが選定の条件でもありました。また、それを進める上で最も大切なことは、施設整備を行うことに対する周辺住民の合意形成であり、スポーツ大会を成功させるための絶対的な条件でもあります。そのことから、主会場の選定に係る確認事項について彦根市に確認して、その回答書も平成26年5月26日に受け取っています。  その回答とは裏腹に、確約するとした約束事が守られていない状況にあり、主会場の用地問題で手間取り、施設整備におくれが生じ危機的な状況となっています。この現状を鑑みて、収用にも言及されていますが、改めて、用地問題をどのように対処されるのか。あわせて、大会開催に向けて、主会場はもとより、その他の競技施設の整備が進められていますが、そのスケジュールについて問います。  また、主会場整備に伴い廃止される県立スイミングセンターの代替えとなるプール整備については、市町との連携により施設整備するという方針のもと、新たに市民プールを整備する草津市に財政支援を行うとされました。今後、草津市において新たなプールの整備が進められていくことになりますが、県営プール廃止に伴い、本県の水泳競技の活動拠点であった県立スイミングセンターの代替え施設としての機能継承について問います。  この項の最後に、本県にとって最大のイベントである国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会の開催に向けて、さまざまな課題がある中、両大会を成功に導くための知事の決意について問います。  次に、林業の担い手育成と木材利用について、知事に問います。  先般、知事は、琵琶湖をよりよくするため、人の豊かさ、幸せをつくるためにも、源流である山の健康を保ち、整え、高めるため、山の知事となり、徹底的に山の施策を充実させるとして、森林はもとより、農業や新たな仕事おこしなど、部局横断による施策推進のため、「やまの健康」推進プロジェクトチームを設置され、力強くスタートされたところであります。  一方、戦後の拡大造林によって全国で人工林が造成されましたが、木材価格の低迷に伴う生産量の低下や第2次産業による高度経済成長などを背景に、林業は衰退してきました。このような経過から、森林所有者の林業経営への意欲が低下し、従事者の減少などと相まって、森林、林業を支える山村の衰退に深く影響しています。  全国的に林業従事者の高齢化と減少傾向が続く中で、本県においても平成18年度の424人から平成28年度の240人へと、この10年間で半減していると聞いております。また、年齢構成も50歳以上が半数を占めており、労働力の減少と高齢化が同時に進行していると聞いております。このようなことから、減少傾向の林業従事者に対して、新規参入者をふやしていくことが必要かと思いますが、県として、いかなる対策を講じるつもりなのか問います。  また、今後、伐採など整備すべき森林が増加する中で、限られた人数でそれらに対応していくため、林業従事者の技術の向上が必要と考えますが、県として、どのような対策を講じていくつもりか問います。  本県の木材利用について問います。  本県の森林は県土の2分の1を占め、琵琶湖の重要な水源であるとともに、環境の保全や土砂災害の防止など、多面的な機能を発揮することで重要な役割を果たしています。また、森林資源は年々蓄積量が増加し、戦後、造林された人工林の約半数が利用期に達しています。これらの森林から木材を生産し流通させていくことが、森林資源の循環利用につながるものと考えられます。  本県では、滋賀県森林組合連合会、木材流通センターを核とした県産材の流通体制の整備に取り組まれていますが、県産材の流通の現状と課題、今後の取り組みについて問います。  生産された木材は加工され、それらを製材品として流通させる体制が必要であります。加工に際しては製材等の木材産業がかかわっており、近隣府県には大規模な製材工場が立地していますが、木材の地産地消や地域経済の活性化の観点から、地域の木材産業の振興が必要であると考えます。  そこで、県内の加工事業体について、どのような状況にあるのか、今後の取り組みも含めて見解を問います。  製材品は主に住宅や公共施設などの建築物に多く使われますが、県産材の利用拡大を図っていくには、県みずからが公共建築物の木造化、木質化などに努めることも重要であります。  そこで、本県では国体・全国障害者スポーツ大会や公共施設の建てかえ等を控えている状況にあり、国産木材の需要創出等を目指して設けられた全国知事会の国産木材活用プロジェクトチームに、本県としても参加されたと聞いております。そこで、本県の公共施設における県産材利用の現状と課題、今後の方策について見解を問います。  一方、木材の利用については、来年度から譲与が予定されている森林環境譲与税の使途の一つとされており、県内の市町でもその活用の検討が始まっていると思われます。  さきの9月定例会議において、我が会派の野田議員の質問に対し、譲与税創設の趣旨を踏まえた県民税事業の見直しの考え方を答弁されましたが、今回の譲与税の導入を機会に市町や県民に対して県民税の使途をわかりやすく伝える必要があると考えます。使途の説明について、今後、どのような対応をお考えか問います。  この項の最後に、滋賀の森林づくりについて問います。  適正な森林整備を行いながら森林資源の循環利用を進めることが、林業の活性化、成長産業化の実現につながっていくものと考えられ、健全な琵琶湖の水源林として、次の世代に引き継いでいく責任が我々にはあります。そこで、人の暮らしや経済と自然が調和したやまの健康を目指す、山の知事としてのその決意を問います。  次に、地域包括ケアシステムを支える医療福祉人材について、知事に問います。  滋賀県の人口は、平成27年をピークに減少局面を迎え、平成30年7月現在、65歳以上の人口は約35万8,000人で、高齢化率は25.6%であります。今後、65歳以上の人口は2045年ころまで増加し、75歳以上の人口においては2055年ごろまで増加すると予測されています。いわゆる団塊の世代が全て75歳以上となる2025年が間近に迫り、ひとり暮らし高齢者や高齢夫婦世帯が増加し、認知症高齢者もふえ続け、医療ニーズの高い高齢者の増加が見込まれる中で、医療や介護、介護予防、住まいおよび日常生活にわたるさまざまな支援を包括的に確保する地域包括ケアの一層の推進が求められています。こうした中、本県における地域包括ケアシステムの現状と課題について認識を問います。  また、少子高齢社会、人口減少社会という現状から将来を考えるとき、地域での暮らしを支えている人をどうするのか。すなわち、地域包括システムを支える人材である医師や看護師、介護職員などの医療福祉人材の確保や育成、定着に向けた取り組みが大変重要であります。  とりわけ介護職員については、平成25年の約1万6,500人から平成29年の約1万9,200人へと約2,700人増加しているものの、本県における平成29年の介護分野の有効求人倍率は、全産業の平均が1.19倍であるのに対し3倍と高く、また、離職率も全産業平均の12.8%に対して16.4%と高い状況にあります。国の需給推計では、現状のまま推移すれば、2025年には本県で約3,400人の不足が見込まれ、医療福祉人材の中でも特に介護人材の確保は喫緊の課題となっているところであります。この介護人材の確保の取り組み状況と今後の対応について問います。  そして、医療的なケアを必要とする高齢者が住みなれた地域で暮らし続けるためには、住宅で療養できる体制づくりが必要であります。県の地域医療構想によると、在宅における医療需要は2013年から2025年にかけて1.5倍になると推計されており、これを担う医師や看護師の確保も重要な課題であります。そこで、在宅医療を担う医師や訪問看護師の確保や育成の取り組み状況について問います。  さらに、在宅での暮らしを支えるためには、24時間での対応や住宅でのみとりなど、多様なサービスの提供をするための体制づくりが必要であります。在宅医療を支える体制づくりをどのように進めるのか問います。  この項の最後に、こうした医療福祉人材の確保や専門職による支援の体制づくりとあわせ、今後は、高齢者のみならず、障害のある人や子育て家庭、生活に困窮している人など、地域で支援を必要とする人たち誰もがお互いに暮らしを支えられるように、地域包括支援システムの一層の深化が求められているのではないかと考えます。  そのためには、これまで支援の仕組みの中心となっていた専門職と、住民を初めとした地域のさまざまな主体としての関係づくりが大切であると考えますが、こうした視点も含め、これからの地域包括ケアシステムをどのように深化させ、どんな社会を目指そうとしているのか問います。  次に、本県の産業振興における新たなイノベーションの創出に向けて、知事に問います。  まず、さきの自民党総裁選において安倍首相が3選を果たし、これまでのアベノミクスを通じて、例えば企業収益が過去最高を記録、就業者数が5年連続で増加するなど、日本経済は大きく改善しています。しかしながら、中小企業目線では実感がないといった声も聞こえます。現在の県内企業の景況感について、どのように認識されているのか問います。  本県では、平成27年3月に滋賀県産業振興ビジョンを、計画期間を10年間として、何を強みとして、どのような産業やビジネスモデルを成長のエンジンとして振興し、さらに、県内での経済循環をどのように促進していくのかといった視点を持って策定されました。本ビジョンは、イノベーションの連続により新たなビジネスモデルが次々と展開されている姿など、5つの目指す姿が示され、県は、その時々の経済社会情勢の変化等に柔軟に対応しながら、計画的に産業振興施策を進めるとされています。そのためには、県内企業による新たなイノベーションの創出に向けた取り組みを活発に展開することが何より重要と思われます。  本県の現状については、先日発表されました平成29年度の経済産業の状況のモニタリング結果によりますと、例えば特許出願件数では、平成28年度の1,037件から平成29年1,128件と増加しております。また、国の戦略的基盤技術高度化支援事業の採択件数は、平成26年度から毎年5件以上の採択が続き、全国でも上位を占めており、本県企業が技術開発に熱心に取り組んでいる姿が垣間見えます。  さらに、企業訪問によるヒアリング結果では、新たな価値を創造できる基盤づくりの調整等の声が聞かれているところであります。  御承知のとおり、本県は県内総生産に占める製造業の割合が35.4%と高く、また、高度な先端技術を有するさまざまな分野の大企業のマザー工場や研究所、さらには、理工系を初め、バイオ、環境科学、医療等、多彩な学部を有する大学が多数立地しています。このような本県の強み、ポテンシャルを生かしたイノベーションの創出を通じ、県内企業の育成に向けた取り組みが期待されるところであります。こうした中、本県の新たなイノベーションの創出に向けた取り組み状況とその課題について、知事に問います。  ところで、現在の滋賀県基本構想が2018年度末に終了することから、県では新しい基本構想の策定が進められています。この新しい基本構想の原案では、基本構想は、みんなの力を合わせて滋賀の未来をつくっていくための将来ビジョンであり、県は、その実現に向け一緒に取り組みを進め、経済、社会、環境のバランスを図るとされています。  その中で、経済面では、2030年の姿を「未来を拓く新たな価値を生み出す産業」として、環境や社会への配慮、AI、ロボット技術、データ活用など第4次産業革命への対応、それを通じたSociety5.0の実現を目指し、滋賀の成長を支える多様な産業と雇用を創出されるとしています。  以上のような考えに基づき新しい滋賀県基本構想の策定が進められていると承知していますが、イノベーションの創出を含め、今後どのように産業振興に取り組んでいこうとしているのか問います。  次に、環境こだわり農業のさらなる推進について、知事に問います。  ことしは全国で自然災害が相次いで発生し、特に9月の台風21号では、最大瞬間風速が彦根で46.2メートルを観測するなど、本県でも多くの被害が発生しました。とりわけ、農業施設では4,393カ所でビニールハウスが倒壊するなどの被害を受け、平成以降、最大の被害となりました。被災現場ではようやく少しずつ復旧作業が進んできたところでありますが、農業者の皆さんは先行きに大きな不安を感じられているところであります。  我が会派では、農業者の皆さんの営農継続に向けた意欲を喚起できるよう、再建のための支援対策の実施について農業団体とともに知事に要望しましたところ、現場の思いに寄り添い、本議会の補正予算案として、国の支援と併用した新たな県独自の支援策を打ち出されましたことを高く評価しております。  さて、県では、琵琶湖の保全を図るとともに、安全で安心な農産物を消費者に供給するため、環境こだわり農業を本県農政の柱に位置づけて推進してこられました。平成13年度に環境こだわり農産物認証制度を創設し、15年度に環境こだわり農業推進条例を制定、翌16年度には全国に先駆けて環境農業直接支払制度を導入されました。平成19年度からは本県の先進的な取り組みを取り入れる形で国の制度が開始され、その制度も活用しながら環境こだわり農業の取り組みを拡大し、取り組み面積は6年連続で日本一と聞いています。  まず、これまでの15年以上にわたる環境こだわり農業に取り組みの成果、また、その中で見えてきた課題について問います。  環境こだわり農業の支援策である環境保全型農業直接支払交付金については、平成28年、29年度と2年連続で国の交付金が不足しましたが、県では国費の不足分を補填し、設定単価どおりの支払いを実施されました。今年度は全国的に取り組みが伸びず、必要額が配分される見込みと聞いていますが、制度が不安定では農業者の皆さんは安心して取り組むことができません。現在、国において交付金の制度見直しが検討されているとのことでありますが、今後の見通しについて問います。  また、先般、県から示されました収支改善の取り組みでは、環境保全型農業直接支払交付金は縮小とされていますが、具体的にどのように考えているのか問います。  交付金縮小という案を聞いて、市町や農業団体からは、環境こだわり農業推進の根幹にかかわる問題で、琵琶湖を守る環境こだわり農業が後退するのではないかという声が多く出されています。米政策の見直しにより激化が予測される産地間競争へ対応するためにも、環境こだわり農業を核とした特色ある米づくりを進めていくことはますます重要となってきています。  そうした中、県では今年度、環境こだわり農業推進基本計画の見直しを進められていますが、どのような内容にされようとしているのか問います。  この項の最後に、県財政が厳しい中で、農業者の皆さんが意欲を持って環境こだわり農業に取り組んでいただき、環境こだわり農業の持続的な発展を図っていくため、環境こだわり農業を今後どのように推進されようとしているのか、知事の決意を問います。  次に、みどりとみずべの将来ビジョンについて、知事に問います。  琵琶湖を国民的資産として位置づけた琵琶湖保全再生法が制定され、それを受けて、本県では平成29年3月に策定した琵琶湖保全再生計画において、琵琶湖を守ることと活かすことの好循環の推進を重点事項として掲げています。  これまで琵琶湖やその周辺においては、自然環境や景観の保全を行う、守るを中心に施策を進めてきました。その一方で、多くの恵みを与えてくれる琵琶湖本来の価値のさらなる活用も求められているところであります。琵琶湖に潜在するさまざまな価値を生かし、広く国民に享受されることは、文化振興に寄与し、かつ新たな地域振興につながることから、今年度、保全を尊重しつつ利活用を図るための考え方を整理し、バランスのとれた保全、利活用の推進につなげていくためのみどりとみずべの将来ビジョン策定に向けて検討されています。  将来ビジョンの構成イメージは、市町のビジョンの共有、連携により、琵琶湖から享受する恵みを活用した持続可能な地域振興、観光振興へつなげるため、湖辺域でのエリア区分を保全、利用、活用として、保全エリアは、琵琶湖特有の自然環境や歴史的、文化的景観に配慮し、人工的改変を加えないエリア、利用エリアは、自然的景観に配慮し、景観の眺望、生態系の観察に供するエリア、そして活用エリアは、市街地近郊や水辺へのアクセスが容易など、多くの人たちに利用されるエリアとされています。特に活用エリアでは、民間活力の導入を図るため、河川占用許可対象を拡大した制度の利用やPark−PFI導入などの考え方を整理し、方向性が検討されています。  それに加え、琵琶湖辺の保全、利活用に関する県民の意向調査では、公園内や湖岸緑地の自然景観を眺めて憩える施設やカフェ、レストラン、売店などの飲食施設の要望が高く、充実してほしい施設として上がっています。こういったことを踏まえ、ビジョンに取り組む中で現状と課題をどのように捉えているのか、認識を問います。  これまでから本県は琵琶湖を生かした魅力度アップに取り組まれてきましたが、先般、民間シンクタンクのブランド総合研究所が行った地域ブランド調査が公表され、都道府県別魅力度ランキングにおいて、滋賀県は前年度の全国28位から38位と大きく落ち込み、全国で最大の下げ幅となり、しかも、首都圏の情報発信拠点の「ここ滋賀」が1周年を迎え、これからという時期に残念な結果となりました。  今回のランキングの低下は、本県の魅力発信が十分な効果を上げていないことのあらわれではないかと考えますが、大きく低下した現状をどのように考えているのか問います。  この魅力度の低下を受けて、琵琶湖の風景や四季を楽しめるようにするのはもちろん、各部局一丸となって、国民資産である琵琶湖が持つさまざまな価値を生かし、魅力度アップにつなげていくべきと考えますが、県として何に主眼を置いて取り組んでいこうと考えているのか問います。  この項の最後に、現在、観光振興にも資する琵琶湖の価値を生かしたまちづくり推進のためのビジョンの策定に取り組まれていますが、湖辺の将来像をどのように描かれるのか、見解を問います。  最後に、教員の指導力向上について、教育長に問います。  今年度の全国学力・学習状況調査の結果、滋賀県では5年連続で小中学校とも全ての科目の平均正答率が全国平均を下回る状況であり、これを受けて、7月定例会議では、子供たちが確かな学力を身につけるためのより一層の取り組みを求める決議が可決されたところであります。県当局に対し、調査結果を精緻に分析すること等により課題を的確に把握し、改善すべき点を明らかにした上で、市町教育委員会および各学校と連携を強め、学力向上のため一層の取り組みを進めるよう強く求めたところであります。  先日、我が会派の研修で秋田県に赴きました。総合教育センターでの教育研修の現場や小学校での授業を参観させていただきました。  秋田県の探求型授業は次の4点、学習の見通しを持つ、自分の考えを持つ、ペア、グループ、学級で話し合う、学習内容や学習方法を振り返るといったプロセスを基本とするものです。先生の教え方、子供たちが学ぶ態度や集中力は見事であり、一貫した指導方法を確立されていること、その継続の上での蓄積が結果につながっているのではないかと感じたところであります。  常々、私は、早寝早起き、朝御飯、生活のリズムは全ての基本と申し上げていますが、確かな学力をつけるためには学校の組織的、継続的な取り組みが必要と考えますが、本県の学校現場の状況はどうなっているか、どんな課題があるのか問います。  9月定例会議において、知事は子供たちの確かな学力向上を図るためにいかに取り組むかについて、「子供たちの学力を伸ばしていくには教員の指導力の向上が重要であり、指導方法等の教員研修を充実させるほか、管理職を初めとする教員の意識の向上を図る取り組みが必要だ」と答弁され、教員の指導力や意識の向上と、そのための教員研修の充実に言及されています。  子供たちに確かな学力をつけるためには、教員の資質や指導力が大きな鍵を握っていると思いますが、そもそも滋賀県はどのような教員を育てようとしているのか問います。  また、教育長は同じ9月定例会議において、「確かな学力を育むためには、まずは基礎的、基本的な知識、技能の定着を図ることが大切であり、子供一人一人の学習状況を的確に把握した上で、授業や家庭学習を充実させ、学習習慣等を身につけさせることが必要である」と答弁されています。  秋田県における学力向上の取り組みに、全国学力・学習状況調査とは別に、秋田県学習状況調査、高校入試を一体として捉えた検証改善サイクルが実施されています。  かいつまんで紹介しますと、4月に全国学力・学習状況調査について各校で自己採点、5月に集計・分析システムの提供、各校の課題の把握、6月に秋田県の1次分析結果の提供と課題の把握、夏に全国学力・学習状況の結果発表を受け、客観的分析、方策の明確化をされています。最大の特徴は、12月に秋田県学習状況調査を実施して、県の課題の改善状況を把握されています。これらの取り組みを参考に、本県においても実施するとすればどのような取り組みが可能か、教育長の見解を問います。  秋田県の教員育成は、教職員一人一人のキャリアステージに応じた総合的、体系的な研究を推進されています。それは4段階に分けて、第1ステージを初任から3年目の実践的指導力習得期、第2ステージを4年目から10年目の実践的指導力向上期、第3ステージを実践的指導力充実期、第4ステージを教職経験活用・発展期、学校経営推進・充実期として、学校教育の諸課題に適切に対応するために必要な力量を高める研修をされております。  学校教育目標等を組織的に実現するために必要なマネジメント力を身につける研修を基本方針として、初任者研修から始まり、採用3年目研修、6年目研修、8年目研修、11年目研修など14もの研修を設定して、学び続ける秋田の教師として、秋田の未来と教育を支える人材の育成を明確に打ち出しておられました。  このように、指導方法や技術等の教員の指導力を高めることが重要だと考えますが、本県の教員研修等はどのように取り組んでこられたのか。また、今後どのように取り組んでいかれるのか問います。  一方、本県の学校現場では、ベテラン教員の大量退職に伴う大量採用により、若い教員がここ数年急激にふえています。経験不足により教育の質が下がっているのではないかと心配するところであります。今後の滋賀県の教育を担っていくのは若い教員であり、子供たちの学力向上も含め、教育の質を維持、向上させていくためには若手教員の育成が急務だと思いますが、若手教員の育成や養成をどのように図っていくのか問います。  若手であってもベテランであっても、教員が子供たちのために質の高い教育を提供するためには、深い教育的愛情、豊かな人間性と社会性をベースに持ち、専門的な指導力を身につけ、やりがいを持って教育に携わっていただきたいと願うところであります。  県教育委員会では、子供たちの夢と生きる力を育むため、教育の質を高めていくことを目標に掲げながら、教員が子供一人一人と向き合う時間を確保することを大きなテーマに、学校における働き方改革を進められていますが、子供たちに確かな学力をつけるためには、教員が授業やその準備等に集中し、健康で生き生きと勤務する環境が必要であると考えます。  最後に、教員の指導力向上を下支えする環境づくりについて、どのように進められるか問います。
     知事、教育長、それぞれ再質問の必要のない答弁を期待し、代表質問とします。終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 24番大野和三郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)賜りました代表質問、私には8項目いただきましたので、順次お答えをさせていただきます。  まず、広域行政に係る5点の御質問にお答えいたします。  1点目、関西広域連合の存在意義についてでございますが、例えば、地方分権の推進を初めとする制度の提案や各種要望について国や経済界と交渉していく場面においては、本県単独で行うよりも広域自治体である関西広域連合として臨むほうが、交渉力が高まり効果が期待できるものと考えております。  また、大規模な商談会や海外トッププロモーションなどにつきましても、本県単独よりも関西広域連合において規模を生かした取り組みを行うことにより、大きなチャンスが得られるものと考えております。  このように、本県では他の自治体等との連携だけでなく、関西広域連合の一員としての立場を生かすことにより、効果的な交渉や主張を行う手段や機会を確保しており、広域的な課題等を解決する上で、関西広域連合は本県にとって重要であり、意義があると考えております。  2点目の関西広域連合の総括についてでございますが、具体的な成果といたしまして、まず、広域防災分野では、広域的な応援・受援体制を確立できたことがございますが、東日本大震災や熊本地震等の際には、カウンターパート方式による支援を実践することで高い評価を得たところでございます。  また、広域医療分野では、関西広域連合でドクターヘリ7機を一体的に運用することで、京滋ヘリが出動中であっても、他のヘリに応援を求めることにより二重、三重のセーフティネットを構築することができたことが成果として上げられます。  広域環境保全分野におきましても、広域で実施いたしましたカワウの生息調査結果に基づく対策が一定功を奏し、県内のカワウの生息数は、ピーク時の約3万8,000羽から約6,600羽にまで減少したことなど、7つの広域事務については一定の成果が上がっていると捉えています。  一方、設立当初から目指しておりました国からの権限移譲や国出先機関の丸ごと移管などは実現しておらず、また、関西広域連合の一般的な認知度は決して高いとは言えないことなどの課題があると認識しています。こうした課題につきましては、今後、関西広域連合において、どのように取り組んでいくのか、しっかりと議論してまいりたいと存じます。  3点目、関西広域連合の取り組みへの参加の方針についてでございますが、まず、現在の7分野の広域事務はどれも重要で、本県にとっても成果が上がっていると考えております。  また、関西広域連合企画調整事務につきましては、府県単位では取り組めない広域的課題について、新たに検討したり調整したりする段階のものであり、社会情勢の変化に対応していくためにも必要なものだと考えています。  こうしたことから、たちまち部分参加を検討する状況ではないと考えており、引き続き、関西広域連合の取り組みに本県の意向を反映できるようしっかりと主張するとともに、構成団体間の合意形成を図りながら、県益、県民益の確保に向け取り組んでまいりたいと存じます。  4点目、並行在来線についてでございますが、県内の在来線は、京阪神と一体となった交通ネットワークを形成する幹線交通として重要な役割を果たしており、本県にとって欠くことのできない公共交通の核であることから、敦賀−大阪間の新幹線整備に伴う並行在来線は存在しないとの主張は堅持してまいります。  今後も関西広域連合などと一致団結し、政府・与党に対し、あらゆる機会を捉えて強く主張をしてまいります。  5点目、首都のバックアップ機能の充実についてでございますが、議員御指摘のとおり、加速を続ける東京一極集中の是正のみならず、大災害等への対応力の強化の観点から、首都機能をバックアップする構造を構築することは急務であると考えています。  また、本県を含む関西は、首都圏と同時に被災する可能性が低い上、国の地方機関や企業、大学等も集積し、交通輸送手段や情報通信機能が充実しており、首都のバックアップ機能を担う圏域としてふさわしいと考えています。  このため、関西広域連合におきましては、毎年、国の予算編成等に対する提案の中で、国土の双眼構造の構築として、首都機能バックアップ構造の構築、政府関係機関の関西への移転など、政策提案を実施してきたところでございます。  今後は、私といたしましても、関西広域連合における首都機能バックアップに係る取り組みを一層推進し、経済界等とも連携しながら、国土の双眼構造の実現に向け努めてまいります。  大きな2項目め、平成31年度当初予算編成について、こちらは9問御質問をいただきました。  まず1点目、財政の定義についてでございますが、財政とは、国や地方公共団体が行う経済活動の総体と捉えております。具体的には、予算の編成、執行を通じて、県民や企業の皆さんに納めていただく税等を財源として、社会保障や教育等の行政サービスの提供、道路などの社会基盤の整備等を行い、もって住民福祉の向上を図ることと理解しております。  2点目、収支改善における改善の意味合いでございますが、2026年度までの累計で839億円もの財源不足が見込まれる中、今まで以上に収入をふやし、支出を精査することで、収支の均衡や将来に向けた基金残高の確保を図り、持続的、安定的な県政運営につなげていく必要があると認識しており、そのための取り組みを進めようとするものでございます。  次期行政経営方針の期間中におきましては、地域経済の活性化による県税収入の安定確保のほか、国からの財源獲得に向けた積極的な提案、要望、さらには、新たな発想や創意工夫による独自財源の確保など、歳入環境の充実改善に向けた取り組みをしっかり進めてまいります。  また、歳出面におきましても、最少の経費で最大の効果が上がるよう、経済性、効率性等の観点から必要な見直し、改善を不断に行うとともに、施策、事業を立案し、執行する職員のコスト意識の向上にも努めてまいりたいと存じます。  こうした取り組みを通じて、次期基本構想に掲げる施策、事業の着実な推進や、さまざまな行政課題に適時適切に対応できる持続可能な財政基盤の確立を図ってまいる所存であります。  3点目、特別会計の今後のあり方についてでございますが、本県では現在13の特別会計を設けており、そのうち、法律に基づくものが4会計、条例に基づくものが9会計となっております。  また、設置目的に着目いたしますと、市町振興資金貸付事業など資金の貸し付けに係るものが6会計、流域下水道事業など事業に係るものが3会計、公債管理特別会計など公債費の償還に係るものが2会計、さらに、収入証紙特別会計など特定の経費に係るものが2会計となっております。  特別会計の設置に当たりましては、事業の内容に鑑み、特定の歳入をもって特定の歳出に充て、一般の歳入歳出と区分して経理する必要があるか否かという観点から必要性を判断しているところでございます。  特別会計は、区分経理することにより歳入と歳出の関係がわかりやすくなる反面、予算の統一的な経理が行われない、あるいは予算全体が見えにくくなるといった点から、単一予算主義の例外をなすものとされており、その設置は真に必要な場合に限定すべきものと認識しています。  また、議員から御紹介のあった国の特別会計同様、例えば貸付金に対するニーズの低下など、事業を取り巻く状況に変化があった場合には、一般会計への移行も含めて、的確に対応していく必要があると考えております。  こうした観点から、現在設置しております13の特別会計を固定的に考えるのではなく、毎年度の予算編成等を通じて、その必要性等を不断に検証してまいりたいと存じます。  4点目、平成31年度当初予算編成における県債の発行抑制等の対応についてでございますが、本県では、これまでから臨時財政対策債を除きます実質的な県債残高の縮減に努めてきており、平成30年度末時点の6,200億円という目標に対し、平成29年度末時点で6,256億円まで縮減を図ってきているところでございます。  一方、将来を見通しますと、国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会に向けた施設整備や、近年頻発いたしますさまざまな災害への対応、さらには、現在国で議論されております国土強靱化等に係る補正予算への対応など、今後は投資的経費の増加が見込まれるところでございます。  また、厳しい財政状況を踏まえますと、財源調整的な県債の活用も一定念頭に置く必要があり、これまでのように県債残高を確実に減らしていくことは必ずしも容易ではない状況にあるものと認識しています。  こうした厳しい状況にはございますが、財政の持続性、安定性を維持し、硬直化を招かないためには、義務的経費となる公債費を極力抑えることが望ましく、引き続き、県債残高の抑制にしっかり取り組んでいく必要があると考えています。  これまでから大規模事業を中心に経費の縮減に努めてきたところではございますが、新年度予算の編成に当たりましては、もう一段の精査が図れないかさらに検討するとともに、財源調整的な県債の発行につきましても、基金とのバランスに留意しながら、適切な規模となるよう検討してまいりたいと存じます。  5点目、モーターボート競走事業についてでございます。  最少の経費で最大の効果という原則につきましては、モーターボート競走事業においても常に念頭に置き、経営の基本であります企業の経済性を発揮し、効率的な運営に努めているところでございます。  そうした中で、競走事業経営のスリム化を図っていくことは重要な視点であると認識しており、議員御指摘の企業債の早期償還に努めて、将来の負担を減らし利息軽減を図ることも、そのための有効な取り組みと考えております。  一方で、モーターボート競走事業は県が実施する施策に必要な財源を確保することを目的として行うものであり、一般会計への繰り出しを行うことは、今後の収支改善の取り組みを進めていく上でも必要なものと考えております。  こうしたことから、企業債の縮減につきましては、償還と繰り出しの両者の最適なあり方を考慮しながら、まずは企業債の借りかえを見直すなどして早期償還に努めることにより、利息軽減を図ってまいります。その上で、繰り上げ償還につきましては、収益の状況を踏まえ、可能な範囲でできる限り利息軽減につながる返済方法を、金融機関とも調整しながら検討してまいります。  また、あわせまして、例えば委託できる業務はアウトソーシングを積極的に検討するなど、事業全体のスリム化に努め、本来の目的である公益の増進を図ってまいります。  6点目、県立大学の運営に関する取り組みについてでございます。  県では、今年度から始まりました第3期中期目標で、持続的、発展的に大学が経営できるよう、外部資金の積極的な獲得に努め財政基盤の強化に取り組むほか、大学資産の効果的、効率的な活用を図るよう県立大学にお示ししております。  県立大学では、これまでから文部科学省の競争的資金や企業等からの受託・共同研究費の獲得に積極的に取り組まれ、平成29年度は約4億円の外部研究資金を獲得されたところでございます。  こうした中で、企業との共同・受託研究について拡充を図るため、企業と大学との橋渡しや研究活動のマネジメント等を行う専門部署を設置し、必要な人材を配置するなど、産学連携組織の強化が検討されております。  また、大学施設等の活用につきましては、用地の一部をコンビニエンスストアや保育園に貸し出ししているほか、施設についても試験会場に貸し出すなど財源確保に積極的に取り組まれており、さらに今後、日本人学生も入居できる留学生宿舎を、民間資金を活用して大学敷地内に整備することが検討されているところでございます。  県といたしましては、県立大学の活性化や特色ある研究分野を進めるために、独自財源の確保がより一層必要になると考えており、他大学や公共団体等のさまざまな団体のすぐれた取り組みを取り入れるよう促してまいりたいと存じます。  7点目、県政伸展の観点から大学運営のあり方に関する御質問についてでございますが、県立大学は開学以来、地域に根差し、地域に学び、地域に貢献する大学として、地域とのつながりを強めながら実践的な教育の充実に取り組まれてまいりました。  県ではこの理念を踏まえまして、第3期中期目標においても、県立大学に対して、地域人材の育成や地域課題の解決に向けた取り組み、産学官連携などを強化し、地域貢献のリーディングモデルとなることを基本姿勢の一つとして求めているところでございます。  こうした中で、県立大学におきましては、例えば産学連携の拠点として、水環境やICTといったさまざまな分野の研究に企業や他大学等と連携しながら精力的に取り組むなど、研究成果の社会還元に努めておられるところでございます。  また、地元就職率の向上に向けて、経済団体や県内大学とも連携しながら、中期インターンシップの導入や地元企業を学ぶ授業を開講するなどの取り組みも進められております。  県といたしましては、県立大学のこうした取り組みが滋賀県の地域活性化や持続可能な発展につながるよう、大学と議論しながら効果的な支援を行ってまいりたいと存じます。  次に、8点目、若い父親や母親が働きながら安心して子育てができる取り組みについてでございますが、議員御指摘のとおり、出産、育児による離職を防ぎ、子育てをしながら働き続けられる環境を整備していくことは、本県の人材不足の解消にもつながると考えております。  また、企業が持続的に操業していただくためにも、子育て環境の充実を図ることはとても重要だと捉えております。  そこでワーク・ライフ・バランスの推進や女性の継続就労に向けたセミナーの実施、また、育児休業等の両立支援制度の企業への啓発などにより、従業員が働きながら子育てができる環境づくりに努めているところでございます。  また、県も市町とともに保育所等の整備を進めておりますが、企業が従業員のために保育施設を設置することも可能であり、整備費用と運営費の助成が認可施設とほぼ同水準で受けられる企業主導型保育事業の制度について、周知に努めているところでございます。  今後は、現行の取り組みの周知や啓発とあわせまして、企業における子育て世代の育児と仕事の両立支援に向けたニーズの調査を行い、働きながら安心して子育てできる環境整備のより一層の推進に努めてまいりたいと存じます。  この項目の最後9点目、行財政改革に対する本気度についてでございますが、次期行政経営方針におきましては、これまでから申し上げておりますとおり、特別会計も含めて、聖域を設けることなく検討の対象にしております。  また、検討の段階から、ともに滋賀の自治を担う市町に対して説明を行い、意見を伺った上で県の原案を取りまとめ、現在、県民政策コメント制度に基づき、県民の皆様からの意見等を募集しているところでございます。今後、いただいた意見等を踏まえ、よりよい内容のものにしてまいりたいと存じます。  私も、議員が懸念されておりますように、行財政改革を初めとする行政経営の取り組みが言葉だけのもので終わってはいけないと考えております。そこで、この方針に掲げる目指す県庁の姿の実現に向け、具体的な取り組み内容やスケジュール、目標を明記した実施計画もあわせて策定することとしており、現在、その案の作成を進めているところでございます。  この実施計画をロードマップといたしまして、県民の皆様にお示しするとともに、その目標達成に向けて、私自身が先頭に立ち、全庁一丸となって取り組んでまいりたいと存じます。  大きな3項目め、2024年に開催いたします国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会の準備状況について、こちらは4点御質問賜りました。  1点目、現段階での会場地の調整状況等についてでございますが、国民スポーツ大会の正式競技につきまして、これまで内定に至っていない6競技およびこの6月に追加されることになった3競技、合わせて9競技のうち2競技につきましては、競技団体、市町との調整が整っているところでございます。  その他の7競技につきましては引き続き内定に向けて調整を進めており、そのうち、自転車のトラック競技、馬術およびライフル射撃につきましては、県内施設の状況等から、県外開催を基本に競技団体および開催候補施設と調整を行っているところです。なお、馬術につきましては開催を検討されている市町がございまして、その状況を注視してまいりたいと存じます。  また、国民スポーツ大会の公開競技につきましては、7競技のうち4競技が競技団体、市町との調整が整っているところであり、残る3競技の調整を引き続き進めているところです。  次に、全国障害者スポーツ大会の正式競技につきましては、国民スポーツ大会と同じ会場で開催することを原則に競技団体、市町との調整を行っており、全14競技のうち、5競技については調整が整っているところでございます。  県といたしましては、できる限り今年度内を目途に調整を行い、来年度の開催準備委員会常任委員会において内定できるよう進めてまいりたいと存じます。  2点目、主会場の用地問題と主会場を含めた競技施設の整備スケジュールについてでございますが、9月定例会議でお答えしたとおり、11月中を一つの目安として、彦根市とともに、地権者の方々に対して精力的に交渉に取り組んできたところでございます。  その結果、工事を急ぐ必要がある公園東側の第3種陸上競技場整備のための事業用地につきましては、おかげさまで契約のめどがつきましたことから、来年度中に公園基盤工事に着手できるよう準備を進めてまいりたいと存じます。  それ以外の未買収の事業用地の取得につきましては、収用手続に入ることも視野に入れながら、彦根市とともに地権者の方との交渉を引き続き行い、御理解がいただけるよう努力を続け、両大会の前年に開催されますリハーサル大会に向け、施設が整備できるよう着実に取り組みを進めてまいりたいと存じます。  その他の主な競技施設のうち、PFI方式により実施することとしている新県立体育館の整備につきましては、2022年12月の供用開始を目指して、本年9月末に入札公告を行い、現在、来年6月の事業者決定に向けて手続等を進めているところです。  また、プールの整備につきましては、草津市において、PFI方式を採用した上で、2020年6月に事業者との契約締結、2023年8月の供用開始を計画されているところです。  本県といたしましては、着実に事業が進められるよう、本年8月に草津市との間で締結いたしました基本協定に基づき、財政支援を実施してまいる所存でございます。  3点目、県立スイミングセンターの代替施設としての機能継承についてでございます。  県立スイミングセンターは、公認プールとして大規模な大会が開催されていただけでなく、県内競技者の練習拠点として活用されるなど、水泳競技の普及や競技力向上に向けて重要な機能を担ってきたところでございます。加えまして、県民の皆様の健康づくりの推進に向け、水泳教室の開催などを通じ、身近に水泳を楽しめる環境を提供してきたところです。  本県といたしましては、(仮称)草津市立プールにおきまして県立スイミングセンターの機能がしっかりと継承され、広く県民の皆様にとって利用しやすいプールとなるよう、引き続き、草津市と緊密に連携協力を図りながら取り組んでまいる所存でございます。  4点目、両大会を成功に導くための決意についてでございますが、平成25年7月に日本体育協会から本県での国体──国民体育大会開催内々定をいただいて以来、会場地の選定や施設整備、競技力向上等の取り組みを計画的に進めているところでございます。  来年度はいよいよ日本スポーツ協会の国民体育大会開催基準要項に基づきます開催申請書を提出し、開催内定をいただく大きな節目の年となるところです。この内定を機に、今年度募集いたしました両大会の愛称、スローガンを活用いたしまして、広報活動や寄附募集などさまざまな取り組みを展開し、県民の皆様へのさらなる周知、機運醸成に努め、開催準備をより一層本格化させてまいりたいと考えています。  今後も、引き続き私自身が先頭に立ちまして、さまざまな課題を克服するとともに、県民や市町、関係団体、経済界等の皆様としっかりと連携協力しながら、両大会を成功に導くことにより、スポーツの力で滋賀を一層元気にし、健康しがの実現につなげていけるよう取り組んでまいる所存でございます。  続きまして、大きな4項目め、林業の担い手育成と木材利用についてでございます。  1点目、林業の新規参入者をふやすための対策についてでございますが、新規参入者の確保につきましては、林業労働力確保支援センターにおいて、就業希望者に対する講習会や就業相談、情報提供を行っておりますほか、ながはま森林マッチングセンターにおきましては、林業等の試験的就業や移住のあっせんなどを行っております。  また、新規参入された方には、就業後3年間は、熟練技術者により林業技術の向上を支援する「緑の雇用」現場技術者育成対策事業などを通じまして、就業の定着に努めているところです。  一方で、今後、素材生産量の増加への対応や放置林対策、災害等による風倒木処理など、現在の林業就業者の人員では対応できない状況が生じてきております。このため、新規就業希望者に対して、林業機械の取り扱いや労働安全などの基礎的な知識と技術について、座学と現場での実習を組み合わせた学習の機会を提供する研修機関の設置など、新たな仕組みを構築したいと考えております。この新たな仕組みと林業労働力確保支援センターによる就業先のあっせんとを組み合わせ、より一層の新規参入者の確保に努めていきたいと存じます。  2点目、林業従事者の技術向上対策についてでございますが、県ではこれまで、森林組合等の森林施業プランナーや作業員に対しまして、間伐における集約化や林業機械の効率的な使い方、また、伐採した木材の適正な仕分けなどの技術について現場における研修を行うなどにより、その向上に努めてきたところです。  こうした取り組みによる結果、素材生産量の増大につながったものと考えておりますが、一方で、本県の労働生産性は全国平均を下回っており、また、実際に施業を行う作業班に技術レベルの差があるなど、さらなる技術の向上が必要であると考えられます。  このため、人材育成に向けた新たな仕組みの構築の中で、これまでの研修内容を見直し、例えば実際の現場において、作業班を単位として適切な伐採や集材技術の選択方法を習得させるなどにより、技術の向上に努めてまいりたいと存じます。  3点目、県産材の流通の現状と課題、今後の取り組みについてでございますが、本県では、東近江市にございます滋賀県森林組合連合会木材流通センターが核となりまして、生産された木材や情報を集約し、県内外の製材工場との協定に基づく直送取引により、県産材の安定供給に取り組んでまいりました。その結果、木材流通センターの取り扱い量は、開設当初、平成24年度は約1万立方メートルでございましたが、平成29年度は約4万立方メートルと増加してきております。  近年、伐採量とともに伐採箇所も増加しておりますことから、伐採地の周辺において、山から切り出された木材を規格、品質ごとに仕分け、その在庫管理を行うとともに、大型トレーラーに積みかえて県内外の製材工場へ配送ができる中継地となります、中間土場の確保が課題となっております。木材流通センターと連携いたしまして、こうした中間土場の確保と運営を支援することにより、技術コストを低減し、県産材の取引量の安定とさらなる増大を図っていきたいと存じます。  4点目、県内の加工事業体の状況と今後の取り組みについてでございますが、本県の加工事業体数は、平成29年度末現在で131業者でございますが、ほとんどが中小規模の製材所であり、また、近年、減少傾向にございます。このため、大型の公共建築物等において大量の製材品が必要とされる場合には、必要な量と品質の製材品を加工、供給する体制ができていないという状況にございます。  また、こうしたニーズに対応して安定的に製材品の加工、供給を行うためには、木材乾燥機の整備が不可欠でございますが、これを保有する本県の加工事業体は5社のみとなっております。  こうしたことから、中小の製材所が地域ごとに協業化することによって、連携した加工、供給体制を整備する取り組みについて支援を進めており、29年度は1カ所、今年度はさらに1カ所において実施しております。  また、大型の製材加工施設や木材乾燥機等の機械の導入につきましても、これらの設備へのニーズや製材品の需給状況、さらには費用対効果などを見きわめつつ、国の補助制度等の活用も含め、支援を進めてまいりたいと存じます。  5点目、本県の公共施設における県産材利用についてでございますが、本県では、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律に基づき、平成24年2月に公共建築物における滋賀県産木材の利用方針を定め、また、庁内に滋賀県木材利用連絡会議を設け、関係部局が連携して、県の公共建築物における県産材の利用促進を図っているところです。  この利用方針を定めた平成24年度以降、例えば彦根東高等学校特別教室ですとか滋賀県立大学共通講義棟、農業技術振興センターICT農業研究棟や県内警察署の駐在所などの木造化でありますとか、薬業技術振興センターや県立学校などの内装の木質化に県産材を使用しています。  しかし、先ほども申し上げたとおり、特に大型の建築物の場合には必要な量と品質の製材品の確保が難しいことや、他の工法と比べて価格が割高となることなどが課題となっております。このため、さきに述べました加工、供給体制の整備に取り組むとともに、琵琶湖森林づくり県民税も活用しながら、可能な限り県産材の利用を図ってまいりたいと存じます。  国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会に向けた施設整備におきましても県産材の活用を図ることとしておりますほか、今後予定されます公共施設の整備においても、利用方針に基づき、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。  6点目、県民税の使途の説明についてでございます。  琵琶湖森林づくり県民税の使途につきましては、これまでも広報誌やリーフレット、イベントなどを通じて広く県民の皆さんへお伝えしており、また、市町や関係団体へは担当者会議などにおいて説明してまいりました。
     今回、県民税事業の見直しは、シカ食害に伴う表土流出などの新たな課題への対応や、全国植樹祭を契機とした森林づくりへの県民参加の一層の促進、さらに、森林、林業、山村の一体的な振興などの新たなニーズに応えるために行おうとするものであり、こうした県民税の使途について、よりわかりやすく伝える必要があると考えております。  このため、森林環境譲与税との関係も含めて、県民税の使途をより理解していただけるように、県民の皆さんに向けてはリーフレットなどによってわかりやすく説明するとともに、市町や関係団体に対しましては、補助金等に関するガイドラインを策定していきたいと存じます。  さらに、森林環境税および森林環境譲与税の法案が次期通常国会へ提出される見込みでありますことから、この内容を確認した上で、琵琶湖森林づくり県民税条例の改正も視野に、税の使途をより明確に示せるよう、対応を検討してまいりたいと存じます。  7点目、山の知事としての決意についてでございますが、山の健康を目指すということは、森林の保全、林業の振興、山村の活性化を一体的に図ろうとするものであり、このためには、林業関係者だけでなく、商工業関係者や住民、NPO、行政など幅広い参画をいただき、また、山村部にとどまらず、都市部との交流も視野に入れて施策を進めることが必要であります。  このため、現在、やまの健康推進プロジェクトチームにおきまして、林業の振興はもちろん、地域資源を生かした特産品の開発、新たなビジネスの導入、都市部との交流人口の拡大、移住の促進など、幅広く施策を検討しているところでございます。  今後は、市町や関係者の意見も聞きながら、こうした取り組みを進めていこうとするモデル地域を設定し、その支援を行うとともに、その成果と課題を踏まえて、他の地域への展開を検討してまいります。  人々の暮らしや経済活動と環境保全とが両立した山の健康を目指し、さらには琵琶湖を初めとする自然の健康につなげられるよう、山の知事として精いっぱい取り組んでまいりたいと存じます。御指導のほど、よろしくお願いいたします。  続きまして、大きな5点目、地域包括ケアシステムを支える医療福祉人材についてでございます。こちらは5点御質問賜りました。  1点目、地域包括ケアシステムの現状と課題についてでございます。  県では、地域包括ケアシステムの目指す姿を、保健、医療、福祉のサービスが一体的に提供される、いわゆる医療福祉という言葉に込め、地域の医療福祉人材の確保や多職種連携の仕組みづくりを推進してきたところでございます。  現在では、東近江圏域の三方よし研究会や大津圏域の多職種研究会など、各圏域や地域において約50の多職種によるネットワークが生まれ、顔の見える関係づくりが進められております。  こうした関係性を生かしながら、市町では地域包括支援センターが中心となり、専門職だけでなく、民生委員なども参加した地域ケア会議により支援の検討を行い、地域の実情に合わせた在宅での暮らしを支える地域包括ケアシステムの体制が整いつつあります。  しかしながら、一部の市町では多職種連携を進めるための専門人材の確保に課題があるほか、住民も参画した地域づくりについては各市町において今後も推進する必要がありますことから、県といたしましては、市町支援の一層の強化が必要であると認識しております。  2点目、介護人材の確保の取り組み状況等でございますが、現在の取り組み状況といたしまして、人材の確保につきましては、就業相談や雇用のマッチング支援、合同就職説明会の開催のほか、多様な人材を確保するため、定住外国人や障害のある人への研修と就業の支援、介護福祉士修学資金の外国人への貸し付け対象の拡大、介護未経験者向けの入門研修などの取り組みを行っているところです。  人材の育成につきましては、事業所が行われる新人職員の育成支援や各種研修の受講に対する助成、介護リーダーを養成するための研修などの取り組みを行っております。  人材の定着につきましては、職場の環境改善に向けたセミナーの開催や、国の処遇改善加算の取得に向けた社会保険労務士の派遣による給与規程等の整備の指導のほか、働きやすい職場づくりと介護職場のイメージアップを図るための事業者登録制度も開始したところでございます。  しかしながら、介護人材を取り巻く環境は今後も厳しい状況が予想されますことから、外国人労働者受け入れ拡大や処遇改善等の国の動向も注視しながら、幅広い人材を確保するための取り組みを進めるほか、職員のキャリアに応じた資質や能力の育成、地域の事業所が共同して行う人材確保の取り組みへの支援などについて、市町や事業所、養成施設等の関係者の御意見もお聞きし進めてまいりたいと存じます。  3点目、在宅医療を担う医師や訪問看護師の確保や育成についてでございますが、医師につきましては、県医師会と共催で実施しております在宅医療セミナーによる訪問診療への動機づけや、在宅医療を始めようとする医師の訪問診療の同行体験、総合診療医の育成プログラムへの支援などに取り組み、24時間の往診体制を整えている在宅療養支援診療所は2012年度から5年間で38カ所増加し、2020年度目標であります170カ所に対し、昨年度末には141カ所となっております。  訪問看護師につきましては、滋賀県ナースセンターにコーディネーターを配置し就職相談を行うとともに、滋賀県看護協会が設置しておられます訪問看護支援センターでは、現場での実践力やマネジメント力を向上するための階層別研修の実施や、訪問看護認定看護師の資格取得支援を行っていただいており、2012年度から5年間で151人増加し、2020年度目標662人に対し、昨年度には608人となっております。  4点目、在宅療養を支える体制づくりについてでございますが、在宅療養を担う人材の確保につきましては、先ほど申し上げたとおり、徐々に進んではいるものの、在宅療養支援診療所と訪問看護ステーションの両方が置かれている日常生活圏域は、県内89圏域のうち約6割の52圏域でありますことから、こうした地域資源の拡充にも努めてまいります。  さらに、在宅療養のさまざまなニーズに対応するためには、医師や看護師だけでなく、薬剤師やリハビリテーション専門職、ケアマネジャーなどの多職種が連携し、顔の見える関係を築き、医師や看護師とともにチームで支える体制づくりが重要だと考えます。  そのため、県といたしまして、医療や介護等の多職種が一堂に会し、チームケアや生活支援に必要な技術を学ぶための研修会の開催を支援し、専門職の育成を進めるとともに、市町に対しては医療福祉推進のアドバイザー派遣を行ったり、医療や介護に係る各種データに基づく地域分析の研修会を実施し、多職種連携や地域づくりを推進する職員の育成を支援してまいります。  今後とも、こうした取り組みを通じまして、多職種や多機関、そして市町と一緒になりながら、滋賀の在宅療養の体制づくりを進めてまいります。  5点目、地域包括ケアシステムの深化を進める観点と目指す社会についてでございますが、地域包括ケアシステムは、これまで主に高齢者を対象に、医師や看護師、介護職員等の専門職を中心とした支援の仕組みとして進められてまいりました。  こうした中、県内では、高齢者だけではなく、障害者や子供など、地域でさまざまな課題を抱えながら暮らす人に対し、あったかほーむ等の居場所づくりや買い物等の移動支援、子ども食堂などが住民やNPO等のさまざまな主体により取り組まれており、地域の支え合いが滋賀の福祉の文化として根づいていると考えております。  今後は、本県のこうしたすばらしい特徴を生かし、高齢者、障害者、児童など既存の制度の枠にとらわれることなく、必要な人に必要な支援を行うこと、そして、住民が支え手や受け手という関係を超え、互いに支え、支えられる関係を築いていくこと、こうした点を大切にしながら、地域包括ケアシステムの深化を図ってまいりたいと存じます。  こうした深化に向けた取り組みを通じまして、地域で支援が必要な人の暮らしを専門職や地域の住民が重層的に支え、全ての人に居場所と出番のある共生社会を目指してまいりたいと存じます。  続いて、本県の産業振興における新たなイノベーションの創出について、こちらは3問賜りました。  1点目、県内企業の景況感についてでございますが、県が実施しております景況調査によりますれば、平成30年度第2四半期の県全体の業況DIはマイナス3.8となっており、原油価格の上昇や人材不足に伴うコスト増などから、業況を厳しく見ておられる企業も多いものと認識しています。  米中貿易摩擦など海外情勢に不透明感が見られることや、来年10月には消費税率の引き上げが予定されており、県内企業に与える影響等、今後の動向を引き続き注意深く見ていく必要があると考えております。  また、同じく景況調査によれば、直面する経営上の問題といたしまして、ニーズの変化への対応や需要の停滞などを挙げられている企業も多く、市場環境が大きく変化する中、多様化する顧客ニーズを的確に捉え、新たな収益機会につなげるためのイノベーションを創出していくことが重要になってくるものと考えております。  2点目、新たなイノベーションの創出に向けた取り組み状況と課題についてでございますが、イノベーションの芽を育てるため、産官学金のコンソーシアムであります滋賀テックプランターによります研究開発型ものづくりベンチャーの発掘育成や、しがニュービジネスプランコンテストの開催などに取り組んできたところです。  また、イノベーションが絶え間なく生み出される環境が必要なことから、製品の高付加価値化や技術の高度化を促進する支援、工業技術センターによる技術相談や共同研究、地域未来投資促進法に基づく事業計画の承認による新たな事業の創出などに取り組んでいるところです。  こうした中、滋賀での創業が促進される環境を整えることを初め、引き続きイノベーションの芽を発掘し、そうした芽を着実に事業化につなげていくことや、ICT、IoT等の先端技術を活用した新たな取り組みの強化、大学や産業支援プラザ、工業技術センターとの連携促進など、イノベーションを生み出すための一層の取り組みが必要であると認識しています。  3点目、今後どのように産業振興に取り組んでいくのかということについてでございますが、本県の産業振興に関する政策の目指す方向につきましては、2030年の目指すべき姿からのバックキャスティングにより策定される次期基本構想において、先端技術等の活用による成長市場・分野を意識した産業創出、転換などを柱に検討を進めているところです。  次期基本構想における、未来を拓く新たな価値を生み出す産業の創出を目指すため、SDGsの達成につながる産業の振興など、世界の社会的課題解決に貢献するイノベーションの創出に取り組むほか、例えば、自動化のかなめとなりますセンサーなどのデバイス分野、セルロースナノファイバーなどの新たな機能性材料分野等にも着目し、従来の発想にとらわれない製品やサービスを生み出していくことが重要であると認識しています。  また、モノづくりとサービス産業の連携や融合についての検討や、ICTを活用したスマート農業などの取り組みを推進する必要があると認識しています。  今後、滋賀県産業振興ビジョンの改定に向けまして、産業振興の基本的方向等についてしっかりと議論し、効果的かつ着実に施策の展開に取り組んでまいる所存でございます。  大きな7項目め、環境こだわり農業のさらなる推進について、こちらは5点賜りました。  1点目、この環境こだわり農業の取り組みの成果、その中で見えてきた課題についてでございますが、本県の環境こだわり農業は、2003年に全国に先駆け条例を制定し、以来、本県農業の核としてこの取り組みを推進してきたところでございます。  2017年度には環境こだわり農産物の栽培面積は全国一の大面積1万5,609ヘクタールとなり、水稲では県内の作付面積の45%にまで拡大してまいりました。特に、全量が環境こだわり農産物でありますみずかがみは、県内はもとより京阪神の消費者の方々からも評価をいただいており、全国的に米の消費が減少する中で、さらなる作付拡大を求められているところでございます。  また、環境こだわり農業の取り組みにより、県内における化学合成農薬の使用量は、取り組み前と比較いたしまして2015年には約40%削減し、琵琶湖への農業に由来する窒素の負荷も同じく約18%削減するなど、琵琶湖の水質保全にも大きく寄与してきたのではないかと考えているところです。  一方、課題といたしましては、環境こだわり農産物は大変な手間をかけて育てられた、より安全で安心な農産物であるにもかかわらず、例えば、通常の栽培と同程度の価格で扱われる事例が多いことですとか、環境こだわり農産物としての仕分けや表示がされずに流通しているものが多いこと、また、このため本年においても県民の認知度が45.7%と低い状況であることなど流通上の課題がございまして、農業者の所得向上につながっていないものが多く、取り組みも頭打ちとなるなど、将来に向けてはこうした流通上の課題を早急に解決する必要があると考えております。  2点目、国における交付金の制度見直しの見通しについてでございますが、現在、国の第三者委員会において交付金制度の検証が行われているところであり、本年9月にまとめられた中間年評価では、本県で約6,000ヘクタールの取り組みがございます緩効性肥料の利用および長期中干しの実施について、緩効性肥料の利用の部分が地球温暖化防止効果が低いと評価されたところでございます。  今後、2020年度から開始されます第2期に向けて、来年3月に骨子が示され、6月には最終評価が行われると聞いております。  国に対しましては、これまでから、本県の環境こだわり農業の取り組みは国民的資産である琵琶湖に対する水質保全効果が高い取り組みを行っているものであるといった本県の実情を伝え、理解を求めてきたところであり、先月も農林水産大臣に直接お会いし、緩効性肥料の利用および長期中干しの実施の継続と安定的な制度運営について、改めて要望させていただいたところです。  しかしながら、地域特認取組につきましては、これまでから縮小の方向で検討が進められており、特に地球温暖化防止の効果が低いと評価された緩効性肥料の利用に関する取り組みなどについては、2020年度からの単価引き下げ等の見直しは避けられないものと考えております。  3点目、収支改善の取り組みに対する具体的な考えについてでございますが、収支改善の取り組みでは、国の制度見直しを見据え、2020年度から麦、大豆、飼料作物等を地域特認取組の対象外とする方向で検討するとともに、一部の取り組みの単価引き下げを見込んだ見直し案をお示ししたところでございます。  こうした見直し案に対し、地域特認取組で1,232ヘクタールの取り組みがあります大豆につきまして、複数の市町から支援の継続を求める御意見をいただいているところです。  しかしながら、麦、大豆につきましては、環境こだわり農産物の認証基準であります化学合成農薬、化学肥料の使用量を通常の5割以下に削減するために必要な掛かり増し経費につきましては、10アール当たり500円程度と少額でございます。このため、国が求める生物多様性保全や地球温暖化防止に効果のある取り組みにとらわれず、琵琶湖の環境保全を主眼とする環境こだわり農業を実践するのであれば、交付金による支援の必要性は低いと考えております。  その一方で、農家所得の向上に向けた流通対策が必要と考えており、一般栽培の大豆と区分されずに流通している環境こだわり栽培の大豆について、仕分けを行い差別化を図るなど、有利販売に向けた取り組みが具体化するよう、関係団体とともに市場調査などを進め検討しているところです。  また、地域特認取組で105ヘクタールの取り組みがございます飼料作物につきましては、畜産農家と水稲栽培農家の連携が基本でありますことから、全国共通取り組みであります堆肥の利用の取り組みへの移行を進めていきたいと考えております。  4点目、新たな環境こだわり農業推進基本計画の内容についてでございます。  昨年度から環境こだわり農業審議会や県議会、市町、農業団体の皆さんの御意見をお聞きし、見直し作業を進め、今般、計画の原案を取りまとめたところでございます。  その中では、重点施策として、これまでから進めてきた環境保全型農業直接支払交付金の活用や生産技術の普及などにより生産拡大を進める施策に加えて、1、課題となっております環境こだわり農産物の有利販売、流通拡大に向けた取り組みに力を入れること、2、消費者ニーズが高まりつつあるオーガニック農業等を環境こだわり農業の象徴的な取り組みとして推進することを、新たに重点施策に位置づけたところでございます。  具体的には、米では、特に環境こだわり農産物として5,000ヘクタールを超える広い面積で生産が行われておりますコシヒカリにつきまして、生産現場で確実に仕分けを行うとともに、新たに環境こだわり米コシヒカリの統一的なパッケージを作成しPRを充実するなど、他府県にはまねのできない滋賀ならではの販売戦略を展開いたします。  野菜におきましては、例えば、県内の複数の地区で取り組みが進められているニンジンなどの品目を重点推進品目として定め、県域でまとめて量販店等に販売したり、統一的なPRを行うなどの取り組みを推進いたします。  また、オーガニック米につきましては、滋賀のオーガニック近江米として県域でロットをまとめ、首都圏などで売り出せるよう、生産体制の構築や販路開拓を進めます。また、お茶では、海外での市場開拓を念頭に、オーガニック茶の生産拡大に取り組みますなど、農業団体や市町と連携協力を図りながら、環境こだわり農産物のブランド力と農家所得の向上に取り組んでまいりたいと考えております。  5点目、環境こだわり農業の今後の推進に対する決意についてでございます。  琵琶湖保全再生法、SDGsや世界農業遺産の取り組みを進める中で、琵琶湖等の環境保全や生物多様性保全に寄与する持続可能な農業をしっかりと進めていかなければならないと認識しています。  これまでは面積拡大を図るなど生産対策が主体でございましたが、今後は、持続可能な環境こだわり農業が将来にわたって定着するよう、環境こだわり農産物のブランド力の向上、さらに、その先にありますオーガニック農業を象徴的な取り組みとして推進することが必要であると考えております。  こうした取り組みは、消費者が求める安全で安心な農産物の供給ニーズにお応えするものであり、米の産地間競争への対応や農業者の所得向上にもつながるものと考えております。  環境こだわり農業は、本県にとって、また、国民的資産である琵琶湖を初めとする美しい自然環境を次代に引き継いでいくためにもなくてはならない取り組みであり、農業者が環境こだわり農業に誇りを持って取り組んでいただけるよう、市町、関係団体と連携しながら、力強く推進してまいる所存でございます。  私に賜りました最後8点目、みどりとみずべの将来ビジョンについて、こちらは4点御質問いただきました。  1点目の現状と課題についてでございますが、これまで、琵琶湖やその周辺においては自然環境や景観の保全を中心に取り組みを進めてまいりました。その結果、地域によっては都市化の中で湖辺の風景が変貌しているところがあるものの、琵琶湖の豊かな生態系や生物多様性、広がりとつながりのある湖国ならではの風景が一定守られてまいりました。その一方で、これらのすばらしい自然に触れ、景観を楽しめる場を十分に設けられていなかったものと認識しています。  近年は、琵琶湖の資源を活用したイベントの実施やオープンカフェの設置など、多様な利用者ニーズに対応したにぎわい創出の要請も高まってきているところでございます。  今後、湖辺域の保全や利活用に対する思いや考えがさまざまございます中、県内市町を含む関係者間でバランスのとれた保全と利活用のあり方について十分議論し、共通認識を構築していくことが課題であると認識しております。  2点目、魅力度ランキングが大きく低下した現状をどう捉えているのかということについてございますが、今回、残念ながら魅力度ランキングは下がりましたが、魅力度の点数そのものは昨年の13.4から13.9に少しではございますが上昇し、ランキングが始まった平成21年以降、最高の点数となっております。認知度ランキングにおきましても、昨年の26位から20位に順位を上げてきているところでございます。  また、海、山、川、湖などの地理的名称の認知度ランキングにおきましては、滋賀県は北海道に次いで第2位となっており、琵琶湖の認知度も高いと推察されます。  こうしたことから、滋賀県や琵琶湖は一定認知されておりますものの、琵琶湖を初めとする美しい自然環境や豊かな歴史、文化、特産品などの多彩な魅力を十分伝え切れていない状況だと考えております。あわせまして、個別商品、サービスの付加価値や競争力を高めていく必要があると考えます。  今後は、市町、事業者等の皆さんと地域資源の魅力を高めるとともに、「ここ滋賀」での発信やSNS等を活用した滋賀ファンづくり、効果的な広報活動等の充実を図りながら、本県のさらなる魅力の向上、発信に努めてまいりたいと存じます。  3点目、何に主眼を置いて取り組んでいくのかということについてでございますが、湖辺域において自然を保全するエリアや利活用を図るエリアを設定し、各エリアに期待する役割について検討してまいりたいと存じます。  エリアの設定に当たりましては、湖辺域における市町の思いや取り組みを十分に把握し、地域の特性に配慮すること、琵琶湖全体としてのバランスのとれた配置を行うことなどを念頭に、県内市町を含む関係者間で連携して取り組んでいくこととしたいと存じます。  4点目、湖辺の将来像をどのように描くのかということについてでございますが、自然の恵みを生かしながら琵琶湖と人々とのかかわりをふやしていくことを念頭に、琵琶湖の価値を最大限に活用できるよう、エリアを設定していきたいと考えております。  例えば保全エリアでは、条例等による規制だけでなく、自然環境や景観の保全再生に関する活動に多くの人がかかわることを通じて、これらの保全再生を図っていきたいと存じます。  利用エリアにおきましては、できる限り現在の自然環境を生かし、琵琶湖ならではの雄大な景色も眺めながら散策や休憩を行うなど、誰もが湖岸の空間や風景を体感し、気軽に楽しんでいただけるものとしていきたいと存じます。  活用エリアにおきましては、積極的に民間活力の導入を検討するなど、さまざまな主体の知見やノウハウを生かしながら、集客施設の立地等を目指し、にぎわいを創出していきたいと存じます。  これらのことにより、県内や近畿のみならず遠方からも来県をいただき、本県の魅力度の向上や、観光客など交流人口の拡大にもつなげてまいりたいと考えているところでございます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)教員の指導力向上についての6点の質問にお答えをいたします。  まず、1点目の本県の学校現場の状況と課題についてであります。  社会の変化に伴い、教育課題は複雑化、多様化をしており、学校の担う役割と教職員の負担については大きなものとなっております。  こうした中にあって、教員の年齢構成の面からは、ベテラン教員の大量退職に伴う若手教員の増加と中堅層が極端に少ない不均衡な状況が続く状況にあり、若手教員の育成やベテラン教員の指導技術の継承が課題となっておりますが、学校現場ではまだまだ個々の教員の力量に頼っている状況があります。  そのため、各学校においては、管理職の強いリーダーシップのもと、学力向上のために全ての教員が力量を高め、その能力を発揮していけるような校内組織づくりをしていく必要があるとも考えております。  さらに、各学校での課題解決のため、学年、教科を超えて教員全員が同じ目標を持って、粘り強い取り組みを行う必要があるとも考えております。  あわせまして、子供一人一人に確かな学力をつけるためには授業に集中できる態度等が欠かせないことから、その土台となります基本的な生活習慣について、地域や家庭と連携をしながら定着を図ることが重要であると考えております。  次に、2点目の滋賀県がどのような教員を育てようとしているのかについてお答えをいたします。  本県では、公立学校教員人材育成基本方針において、目指す教員像として、教育者としての使命感と責任感、教育的愛情を持っている人、柔軟性と創造性を備え専門的指導力を持っている人、そして、明朗で豊かな人間性と社会性を持っている人としております。  また、あわせまして、求められる基本的な力として、授業力、生徒指導力、学級経営力、そして組織対応力を挙げております。  変化の激しいこれからの社会においては、特に時代の流れや社会の動きを敏感に感じ取り、子供たちにどのような力をつけるべきかを的確に捉えた上で、質の高い授業を提供できる、そうした指導力を持つ教員が求められてきます。  時代の先を見据えて、今、子供たちに何が必要か、何を指導すべきかを理解し、それらの要請に応えていくためにも、常に学び続ける姿勢を持ち続ける教員を育ててまいりたいと考えております。  次に、3点目の秋田県の取り組みを参考に、本県においても実施をするとすればどのような取り組みが可能かについてお答えをいたします。  秋田県では、全国学力・学習状況調査以外にも秋田県独自の学習状況調査を活用し、年間を通して継続的に学力向上に向けた検証改善サイクルを実施をされております。また、こうした取り組みが全県的にどの学校においても組織的かつ継続的に行われていることが特徴であると捉えております。  本県におきましても、全国学力・学習状況調査に加えまして、子供たちの学習状況を詳細に把握するための本県独自のテスト問題を2学期末から3学期にかけて実施をし、全県的な結果と傾向について示しているところでございます。  しかしながら、こうしたテスト問題の結果をもとに、子供一人一人のつまずきに応じて適切に指導すること、また、明らかになった課題について次年度の取り組みに生かすことなどが不十分であったと認識をしております。  こうしたことから、本県におきましても、秋田県のようにこうした結果をより有効に活用すること、そして、その取り組みを全県的な取り組みとして進めてまいりたいと考えておるところでございます。  次に、4点目の教員研修等の取り組みについてお答えをいたします。  本県におきましては、平成26年3月に策定をいたしました滋賀県公立学校教員人材育成基本方針に基づき、研修体系を確立し、自律的に学び続ける教員を支援してまいりました。  また、昨年度、新たに滋賀県教員のキャリアステージにおける人材育成指標を策定をし、新学習指導要領に対応した研修も含め、教員一人一人のキャリアステージに応じた総合的、体系的な研修を実施をしております。  一方、学校現場からは、子供一人一人の学習状況に対応した授業づくりやいじめや不登校への対応、学ぶ集団としての学校・学級づくりのための研修が求められております。  また、市町教育委員会からは、道徳教育や特別支援教育、情報教育等へ対応するための研修も求められているところでございます。
     こうしたことから、授業力の向上を研修の重点目標としながら、現場のニーズに対応できる研修内容の組みかえや、指導主事が積極的に学校現場や市町教育委員会に出向き、喫緊の学校現場の課題を解決したり、新たな教育課題に対応したりするための研修の充実に努め、子供たち一人一人の夢と生きる力を育む教員を育成してまいりたいと考えております。  次に、5点目の若手教員の育成や養成についてお答えをいたします。  今ほども申し上げました滋賀県教員のキャリアステージにおける人材育成指標では、教職1年目から3年目までを第1ステージと位置づけ、学級、教科担当としての実践力を磨き、教員としての基礎を固める段階としております。この教員としての基礎を固め実践力を育成するために、学校での勤務により日々経験を積むことはもちろん、研修による教員の育成も重要であると考えております。そこで、初任者研修、教職2年次研修、教職3年次研修を若手教員研修として設定をし、実践的指導力の向上を図っております。  また、自律的に学び続ける教員を支援するために、校内におけるOJTを推進することで若手教員と中堅、ベテラン教員との交流を活性化をし、授業の技術や学校運営のノウハウが円滑に継承されるよう取り組みを進めております。  一方、採用前段階の取り組みといたしましては、滋賀の教師塾を開講し、大学生等を対象に、実践的指導力を身につけることなどを目的とした各種講座を実施をしております。  さらに、昨年度から、採用内定者を対象とした滋賀若鮎教職インターンシップを実施をしております。昨年度は小学校教員と養護教員が対象でありましたが、今年度は中学校教員も加え、採用内定者のうち大学新卒または大学院を修了する者のうち希望者を対象に、5日間以上、学校現場でインターンシップで取り組むこととしております。教職経験のない内定者が採用前に現場で職場体験を行うことで、4月からスムーズに教壇に立てるよう支援をしてまいりたいと考えております。  最後に、教員の指導力向上を下支えする環境づくりについてお答えをいたします。  子供たちの確かな学力をつけるためには、教員が誇りや情熱を持ち続け、授業や授業準備等に集中し、健康で生き生きと勤務することができる環境をつくらなければならないと考えております。  授業改善を初めとする教育の質の確保、向上や教員自身の自己研さんの充実の観点からも、学校現場における働き方改革を早急に進めていく必要があると考えております。  現在、昨年度末に策定をいたしました学校における働き方改革取組方針と改革取組計画に基づきまして、さまざまな取り組みを推進をしております。  具体的には、教職員の勤務時間管理や学校内での業務改善の進め方等の研修を実施をいたしますとともに、教員の業務負担を減らすためのスクールサポートスタッフや部活動指導員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー配置事業等の人的支援のほか、コミュニティ・スクール設置等の家庭や地域の力を学校に生かす取り組みなどを進めております。  また、現在、働き方改革に関する教職員の意識調査も進めており、超過勤務時間の調査とあわせて、結果を分析、取り組みの評価を実施をし、現場に届く効果的な取り組みにつなげてまいりたいと考えております。  今後も、県教育委員会と市町教育委員会との連携を強め、働き方改革市町連絡会議の開催等を通じまして各市町の取り組みについて情報共有を図るほか、市町、学校におけます働き方改革の課題等について検討していくなど、県教育委員会と市町教育委員会、そして学校現場が一体となって取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆24番(大野和三郎議員) (登壇)知事に3点、教育長に1点、確認をしておきたいと思いますが。  まず、財政の定義、御説明いただいたんですが、つまるところ、国家および普通地方公共団体が行う経済活動。何を申し上げたいかと申しますと、先ほど代表質問の中でも触れましたように、厳しい財政見通し、したがって、収支改善ということなんですが、メスの入れるところを間違えてはいけないということ。もちろん、無駄の削減、これは行わなければ。具体例を挙げましたら、例えば商工会、商工連合会等々の活動と、あわせて環境こだわり農業、メスを入れるところを間違えて、地域の経済や環境こだわり農業が後退するようなことがあってはならないので、その辺のところを、経済活動ですから投資をしないとリターン、これもあり得ませんから、その辺のところ、重ねてですが、メスの入れるところを間違えないように、御高配をいただきたいと思います。  いま一点は、これも厳しい財政状況の中で、常日ごろから選択と集中。今まででしたらハード事業のA、Bいずれか。でも、今はそういう時代ではなくて、ハードかソフト、いずれを選択するかだと思います。これも先ほど触れましたが、介護士、看護師さん等々のいわゆる人材育成ですね。  例えば、滋賀県は道路網の整備が進んでいて利便が高いということと、いま一点は、琵琶湖、いわゆる工業用水が豊富なので、助成制度を設けなくても、いわゆる営業さえすれば一定の企業の誘致はできる。したがって、8億も10億も企業誘致等で投資をするんではなくて、人材の育成と加えて、これも先ほど申し上げましたが、若いお父さん、お母さんが働きながら子育てができる、そういった環境、保育所も含めて。それをより一層、暮らし安心滋賀を他府県に先駆けてアナウンスする。つまり、行政庁の長としての姿勢を確認しておきたいと思います。  いま一点は、モーターボート競走事業なんですが、これは、10年後、20年後においても県民の負担とはならないと明言できますか。その3点について御説明いただきたいと思います。  教育長についてですが、これもいつも申し上げていることですが、やっぱり早寝早起き、朝御飯。朝食の摂取率ですね。朝食の摂取率と子供たちの学力との因果関係、その辺、調査、分析されたことがあるのかないのか。また、なければどうされるのか。あればどんな分析されているのか、その辺のところ。  あわせてですが、朝食の摂取率。義務教育、つまり、市町が設置している小学校が221校でしたか。朝食の摂取率、これを私は公表すべきである。朝食の摂取率を市町の教育委員会、また設置者と協議しながら、私は公表すべきであると。そのことで、冒頭申し上げました学力との因果関係が明らかになるのではないかなと思います。  いま一点は、学ぶ力、これも大切なんですが、朝御飯、朝食をとらない子供が、午前中4時間、等しく授業に集中できるか。決してそうではないと思います。さらに加えて、読書を奨励することで、学ぶ力ももちろん大切なんですが、みずから考える力、これを育んでいくこと、これが最も大切なことだと思います。その辺のところ、再々質問の必要のないように期待しながら、再質問。 ◎知事(三日月大造) (登壇)主に財政の点で、私に3点御質問いただきました。  1点目は、厳しい財政状況の中で収支改善するが、そのメスの入れどころ、削減するところを間違えないようにというのは大変大事な御指摘だと思いますので、しっかりと、ここをこのように削減しようと思うその理由はこうだ、その代替策としてはこうだというようなことをきちんと御説明の上、全体として結果として経済活動や投資、生産活動にマイナスの影響が及ばないように取り組みを進めてまいります。  また、2点目に賜りました選択と集中という議論の中で、企業誘致にかける投資等をその他の子育て支援策や両立支援策に回すべきではないかという御指摘も先ほどの御質問の中で賜りました。一定働く場所の確保ということも必要です。と同時に、議員も御指摘いただきましたように、そういった企業等にもお取り組みいただいて、企業内保育所等で子育てと仕事の両立支援を図っていくという、このこともとても重要だと思いますので、それいった企業等にもこういった制度があるということをしっかりと周知しながら、取り組みが広がるように、さらに努力をしてまいりたいと存じます。  また、3点目に、モーターボート競走事業につきましては、先ほどもお答えいたしましたとおり、この事業にも最少の経費で最大の効果が得られるというのは大原則でございますので、まずそれをしっかりと徹底するということと同時に、おかげさまでお客様等にいただきます収益につきましては、年度年度の繰り出しにも大きく貢献していただいておりますが、トータルとして長い目で見て繰り上げ償還等利息の軽減につながるという、こういった事業経営はとても重要だと思いますので、先ほどもお答えしたとおり、可能な範囲で、できる限り利息軽減につながる返済方法を、これは金融機関もありますので、よく協議、調整しながら検討を重ねてまいり、もって長期的に持続可能なモーターボート競走事業になるように、努力を重ねてまいりたいと存じます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)再質問にお答えをいたします。  まず、朝食と学力の関係についてでございます。すいません、私自身ちょっと確認したことございません。帰りまして、県として調査したかどうかいうのは確認をさせていただきたいと思います。  2点目の朝食の摂取率の公表でございます。  議員御承知のとおり、市町のほうでまず調査をされております。そうしたことから、この公表につきまして、しっかりと市町と協議をしながら、できる方向で検討していきたいと思っております。  また、最後3点目、読書などでみずから考えることが重要であるという議員の御指摘、私も全くそのとおりだと思っております。そうしたことから、今後、子供たちがそういう力をつけていくよう、しっかりと頑張っていきたいと考えております。 ○議長(川島隆二) しばらく休憩いたします。   午後0時19分 休憩    ────────────────   午後1時20分 開議 ○議長(川島隆二) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、9番塚本茂樹議員の発言を許します。 ◆9番(塚本茂樹議員) (登壇、拍手)チームしが 県議団の塚本でございます。よろしくお願いいたします。  次期滋賀県基本構想の基本理念では、時代とともに変化する価値観にひるむことなく、しなやかに、柔軟に時代に合わせて変わり続け、将来世代も含めた誰もが新しい豊かさを感じながら、一人一人が尊重され、自分らしく生きることができる「未来へと幸せが続く滋賀」をみんなの力でつくります、となっています。キーワードは幸せです。  本年3月に、国連とその関係機関が世界幸福度報告書2018を発表しました。世界幸福度ランキングでは、1人当たりの国内総生産や社会的支援、健康寿命、社会的自由、寛容さ、汚職の頻度などを指標に分析して積算されています。  1位はフィンランド、2位はノルウェー、3位以下はデンマーク、アイスランド、スイス、オランダ、カナダ、ニュージーランド、スウェーデン、オーストラリアと、上位10位には北欧諸国がランキングされています。主要国では、アメリカは18位、ドイツ15位、イギリス19位、フランス23位、イタリア47位となっています。お隣の韓国は57位、ロシアは59位、中国は86位でした。日本は54位で、先進7カ国で最低になっています。ただ、あくまでも主観の調査であり、各国の文化や精神、宗教的な背景もあるので、参考程度であろうと思っています。  次に、国内に目を向けますと、一般財団法人日本総合研究所がまとめた2018年版の都道府県別の幸福度ランキングがあります。これは1人当たりの県民所得といった基本指標に加え、健康、文化、仕事、生活、教育の5つの分野別指標を分析し積算されています。  福井県が2016年度版に続き3回連続で1位、2位は東京、3位は長野、4位石川、5位富山の順で、北陸3県は全て上位に名を連ねています。滋賀県は総合で9位です。指標別では、基本指標で5位、5つの分野別指標では、健康1位、文化12位、仕事16位、生活6位、教育42位となっています。総合1位になった福井県の西川知事は、「幸福度を向上させるための政策をさらに高いレベルで追求する」とコメントを出しております。  幸福度の世界ランキングと都道府県別のランキングを紹介しましたが、そもそも、幸福や幸せの感じ方は一人一人の価値観により異なるものでございます。ランキングを上げるということより、大切なことは、一人一人が幸せだと感じるためには何が大切かということを追求することではないでしょうか。未来へと幸せが膨らむ滋賀の実現に向けて、皆さん、ともに頑張りましょう。  それでは、チームしが 県議団を代表して質問をいたします。  まず初めに、新年度予算編成について、知事に伺います。  新年度予算編成に当たっては、次期基本構想に掲げる未来へと幸せが続く滋賀の実現に向けた取り組みの推進と、持続可能な財政基盤の確立を基本方針に掲げています。現在、各部局において、施策の優先順位を厳しく見きわめ、選択と集中の一層の徹底を図り、見積もりが進められております。  新年度は、現在策定中の次期滋賀県基本構想と次期滋賀県行政経営方針に基づき、新たな施策展開と行政経営に向けた第一歩を踏み出す重要な年度であり、三日月県政2期目の最初の予算編成となりますが、2030年を見据え、重要となる新年度予算編成に知事の思いをどのように埋め込もうとされておられるのか、お伺いします。  新年度予算編成では、効果的な施策構築に向けた予算の仕組みとして、4つの特別枠を設けて、重点化特別枠と健康経営枠の2つの特別枠を新規に設定されております。この2つの特別枠を設けた狙いは何か伺います。  本年8月に公表された今後の財政収支見通しでは、2026年度までの累積で839億円の財源不足が見込まれています。歳出面においては、社会保障関係費など県の裁量がききにくい義務的な経費の増加が見込まれているほか、国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会に向けた施設整備を初めとする大規模事業に伴う多額の財政需要に対応していく必要があります。  次期滋賀県行政経営方針で示されている県民サービスの向上、県財政の健全化、健康経営の実現に向けた取り組みについては、県民のより近い位置で寄り添いながら行政サービスを実施している市町の協力や理解は不可欠です。今後、未来へと幸せが続く滋賀の実現に向け、市町に対して説明責任をどのように果たしていこうとされているのか伺い、次の質問に移ります。  次に、「文化とスポーツの力」を活かした元気な滋賀の創造について、知事に伺います。  夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀を基本理念とする滋賀県基本構想に基づき、全ての県民が日常的に文化とスポーツを楽しめる元気あふれる滋賀をつくり、その魅力を新しい豊かさとして広く発信することで県民の誇りづくりと地域活性化を図るため、新しい滋賀の魅力をつくる文化・スポーツ戦略が2015年3月に策定されました。  この戦略を、基本構想の重点施策「文化とスポーツの力」を活かした元気な滋賀の創造の実現に向け、2024年までの10年間に県として戦略的に取り組む施策の指針と位置づけております。  その戦略的に取り組む施策の一つ、新生美術館について、2017年8月、美術館本体工事が入札不落となり、知事は新生美術館のプロジェクトを進めることについて、一旦立ちどまるとの判断をされました。2年後の東京オリンピック・パラリンピックを控え、建設単価が高どまりすると想定される中で、施設整備費の上限である47億円以内におさめることができないこと、また、県民の皆様に御理解いただくための説明や取り組みが十分ではなかったということを踏まえての判断ということでした。  そして、今定例会議の知事提案説明において、新生美術館整備の今後の進め方についての方針が示され、まずは、近代美術館の施設の設備の老朽化対策を行い2021年度の開館を目指すこと、2008年から閉館している琵琶湖文化館については機能継承のあり方について検討していくとし、美の滋賀の拠点となる新生美術館は時間がかかっても実現していきたいと表明されました。  また、議会後の報道各社の取材において、美の滋賀の表現を1カ所で表現することを断念したとの知事のコメントが報道されており、事実上、琵琶湖文化館の機能継承をする神と仏の美については、美術館から切り離すことが明らかになりました。  また、知事は報道各社の取材に対し、本体工事47億円の上限については、計画の見直しにあわせて、金額も練り直すともコメントされました。47億円におさまるのであれば練り直す必要はありませんので、多額の費用を要することを想定してのコメントであると考えます。47億円におさまらないことに起因する新たな代替案が、今後の費用の見通しが全く立たない点、また、既に設計費に約1億8,000万円を投じている点も含めて見解を伺います。  今回の知事提案説明においては、近代美術館、琵琶湖文化館の方針については触れられましたが、アール・ブリュットについては特に説明がありませんでした。喫緊の課題について対応するとのことでしたので、アール・ブリュットについては優先度が低いのかもしれません。新生美術館基本計画策定の背景には、神と仏の美、近代・現代美術、アール・ブリュットの3つの柱をコンセプトに、美の滋賀の拠点として1カ所に整備するという発想から今日に至っておりますが、そもそも美の滋賀の考え方が誕生した背景には、滋賀県全体を美術館として捉え、その中から3つの柱が誕生した経緯があります。  今回、新生美術館基本計画を見直すとのことですが、同じ場所で一体的に整備しないことも可能性として考えられるのであれば、新生美術館基本計画を見直すという発想ではなく、これまでの経緯、反省等も十分に踏まえ、この計画を軸とした美の滋賀基本計画として新たに作成し、それぞれの神と仏の美、近代・現代美術、アール・ブリュットの3つのあり方についてそれぞれ検討していくほうが、柔軟な対応が可能になるのではと考えます。  滋賀県全体を美術館と捉える発想の中で、神と仏の美、近代・現代美術、アール・ブリュットを柱とする美の滋賀のそれぞれの可能性を最大限に引き出せる環境の整備が必要と考えますが、見解を伺います。  また、新しい滋賀の魅力をつくる文化・スポーツ戦略の施策の一つ、第79回国民スポーツ大会と第24回全国障害者スポーツ大会の成功に向けた準備について、主会場となる(仮称)彦根総合運動公園の用地取得が難航していると聞いております。現在の(仮称)彦根総合運動公園の用地取得状況と今後の見通しについてお伺いします。  滋賀県基本構想に掲げる7つの重点施策の一つ、重点施策6の「文化とスポーツの力」を活かした元気な滋賀の創造の進捗状況を見てみると、文化やスポーツを楽しめるまちづくりに満足している県民の割合は、目標50%に対し、2014年度32.9%、2015年度30.9%、2016年度27.9%、2017年度24.5%と年々減少しており、かつ目標値の半分にも満たない状況です。  また、1年間に文化創作活動を行ったことのある県民の割合も、目標75%に対し、2014年度は75.7%だったものの、2017年では70.1%と、こちらも年々減少してきており、成人の週1回以上のスポーツ実施率も全国平均を上回る目標に対して大きく下回っており、障害者スポーツ県大会およびスペシャルスポーツカーニバルの参加人数も、目標2,000人とするものの、2013年の計画策定時の1,527人から毎年下回っております。これらはいずれも達成度0%で、他の重点施策の指標と比較しても著しく低い状況となっています。ハード整備の問題のみならず、重点施策に掲げた各指標においても成果が上がっていない、文化・スポーツ施策の現状について見解を伺います。  10年間の計画である新しい滋賀の魅力をつくる文化・スポーツ戦略もことしで4年目ですが、既に美術館の件を初め、中身に狂いが生じてきております。これまでの新しい滋賀の魅力をつくる文化・スポーツ戦略を初め、文化・スポーツ施策の今後についてお伺いします。  次に、滋賀県の環境行政について、知事に伺います。  10月に世界湖沼会議が「人と湖沼の共生、持続可能な生態系サービスを目指して」をテーマに、茨城県で開催されました。日本では人口減少が進む一方で、世界ではアフリカを中心に人口増加が続いています。国連の世界人口予測2017年版によると、地球の総人口は現在の75億5,000万人から2030年には85億5,100万人に達し、2055年には100億人を突破するとされています。  このような世界人口の増加による生態系の公益的機能のバランスの確保と近年の気候変動に起因する自然災害のリスクから、水の問題は喫緊の課題となっています。  湖沼会議では、人間が比較的使いやすい淡水のうち約90%が湖沼にあることに鑑み、国連を初め世界の水を議論する場において、湖沼を主要課題として位置づけられるよう訴えることが確認されました。今回は、前日に学生会議が開催され、滋賀県からは小中高それぞれに参加を得ました。特にポスターセッションでは、他県の子供たちを初め、環境活動に取り組む方や専門家からの質問や助言を受け、次世代を担う若者にとってみずからの活動に刺激となったのではないでしょうか。  また、前回開催地のインドネシア政府関係者、タイ、そして次回開催予定地のメキシコの研究者や環境NGOの方が滋賀県を訪問され、フィールドワーク、市民環境活動団体との意見交換などが開催され、お互いにとって大変実りのあるものであったと考えています。  琵琶湖の保全及び再生に関する法律の施行から3年を経て、久々の日本開催でもある世界湖沼会議において、滋賀県として今回の参加の成果をどのように捉え、次につなげていこうとされているのか伺います。  次に、湖沼会議の期間中、茨城県、滋賀県、長野県、鳥取県、島根県の5県で、湖沼水環境保全に関する自治体連携の設立を宣言されました。三日月知事も茨城県知事らと会談され、特定外来水生植物であるオオバナミズキンバイやシジミといった漁業問題など、湖沼における共通の課題についても認識されたことと存じます。日本各地には多数の湖沼が存在しますが、今回の自治体連携設立に至った経緯と今後の方向性について伺います。  また、湖沼会議では、地球環境の変動と湖沼の未来と題し基調講演がありました。日本でも年平均気温が100年当たり約1.19度の割合で上昇していますが、気候変動への適応が求められるところです。特に、2015年のCOP21でパリ協定が採択され、気候変動に対する緩和策と適応策を2軸として、低炭素社会、将来的には脱炭素社会の構築が求められることとなりました。  滋賀県でも低炭素社会づくり推進計画を2011年度に策定、2016年度には改定され、2030年度において、温室効果ガスの削減目標を2013年度比23%減の水準を目指すとされています。温室効果ガスの排出を抑制する緩和策としては部門別削減対策をとっており、直近の2020年度の削減目標達成に向けて、現在取り組みを進めています。  運輸部門においては、二酸化炭素排出量は横ばいであるものの、その9割が自動車による排出であり、滋賀県では自動車の保有台数は増加傾向にあります。欧州の中には、2040年までにディーゼル車、ガソリン車から電気自動車への転換を宣言されるなど、現行の車社会の転換が一層促されます。  また、滋賀県、関西広域連合では、電気自動車のスタンド設置などを進めてきました。水環境が複雑化し自然災害の頻発している中、自然や人間社会のあり方を調整する適応策では、農業分野で暑さに強いみずかがみの開発などを進めてこられました。これら現状を踏まえ、低炭素社会に向けた取り組みについての温暖化対策の現状と今後の課題、特に力を入れていくべき点について伺い、次の質問に移ります。  次に、障害者施策について、知事ならびに教育長に伺います。  まず、強度行動障害児者について、知事に伺います。  強度行動障害というのは、厳密には知的障害や自閉症、統合失調症といった医学的な診断によるものではなく、行政や福祉の中で使われているものとされています。強度行動障害の原因としては、重度の知的障害や自閉症スペクトラムのある人に発生することが多く、障害の特性に合わない環境によって起こります。  また、強度行動障害の症状には、かみつきや頭突きなどの他傷行為や自傷行為、破壊行為が通常考えられない頻度と形であらわれるために、特別な支援が必要となります。家庭においては、通常の育て方をして、かなりの養育努力があっても、著しい困難が続くことになります。  滋賀県障害者プランにおいては、できるだけ家庭でという方針になっていますが、この強度行動障害については、なかなか家庭での対応が困難な場合が多く、専門的な知見や体制のある施設への入所に頼らざるを得ない実態があります。県内における強度行動障害児者の実態について見解を伺います。  また、強度行動障害児者を抱えておられる家庭においては、御本人はもとより、御家族も大変厳しい日常生活を強いられているだけでなく、両親がいなくなった後の不安は、はかり知れないほど大きいものがあります。他県にあるこの障害に特化した施設では、御本人の症状や家族の状況に応じて必要なときに入所できます。強度行動障害という特性に対応できる環境が整った施設の存在こそがその解決につながり、安心を得られるものです。  しかし、今のところ県内にはこの障害に対応した施設はなく、やむなく県外の施設を長年にわたって利用されている家庭もあると聞いています。他県に見られるような施設を実現するためには、設置運営主体となる民間への強力な支援など、県が率先して解決に動くべきと考えます。強度行動障害者の受け入れ状況と、この障害に対応する適切な施設を設けること、ならびに人材育成について見解を伺います。  自宅、入所施設、グループホーム、病院など、症状や状態によってその対応に大きな違いがあるのも、強度行動障害児者の状況の特徴です。この障害については、できるだけ地域でという県の改正障害者プランの目標達成は、現状を見る限り難しいと考えますが、仮に自宅や地域で見るとすれば、緊急時の対応も考えていく必要があります。さまざまな居住の場における支援方法は異なりますが、まずは専門的な相談体制やアドバイスが必要であることには違いありません。県は誰一人取り残さない社会、全ての人に居場所と出番のある共生社会を目指していますが、多様な居住の場における強度行動障害児者に対する生活支援について、県の考えをお伺いします。  次に、発達障害がある生徒への支援について伺います。  1985年第4回ユネスコ国際成人教育会議において、学習権に関する会議宣言が表明され、学習権は人間の生存において不可欠な手段であると述べられており、生存権、労働権、参政権などの他の基本的人権保障の前提をなす意味で、学習権が人権中の人権と言われるゆえんが明瞭に説かれています。  発達障害のある生徒にとって学習の機会をみずから選択できる環境をつくることは重要で、これまでもふえ続ける制度に対して、個別の指導計画や教育支援計画をつくられてこられた経緯があることは承知しております。  間もなく2019年高等学校入学のための審査となる試験が行われます。昨年の発達障害児の進路状況、特別支援教育に係る実態調査で、2017年度の中学校3年生で発達障害により特別な教育的支援を受ける必要があると校内委員会において判断された生徒数は、全生徒数1万3,228人に対して1,064人で、割合は8.04%、また、その3年生が高等学校に入学した2018年度の公立高等学校第1学年の生徒数は、全生徒数1万54人に対して485人で、4.82%の割合でありました。他の進路を決定された生徒もいると推察しますが、これらの状況をどのように捉えているのか、教育長に伺います。  また、高等学校入学者選抜に対する受験上の配慮については、さきの決算特別委員会で配慮の内容について答弁がありましたが、配慮を必要とされる発達障害のある生徒に対して、受験時の配慮の内容は当事者にとって十分であるとお考えなのか、教育長にお伺いします。  次に、障害者の学びと福祉サービスについて伺います。  我が会派では、ことし7月に、障害者総合支援法に基づく自立訓練(生活訓練)と就労移行支援事業を組み合わせた多機能型事業所で、福祉サービスを大学に見立てたゆたかカレッジのカレッジ早稲田を訪問してきました。  そこの代表の方が、「ここは、特別支援学校高等部の卒業生が社会に巣立つ前に、4年間かけてしっかりと人間発達を目指す学びの場として位置づけています。卒業を迎えるころには、入学時のとげとげしさや投げやりな態度はなくなり、誰からも愛される、穏やかでとても好感の持てる若者に変身していきます」と御挨拶されていました。  学習ペースが遅い、集団生活が苦手な生徒など、教育行政が決めた学校教育の機関や仕組みの中で学べるはずのものが学べない生徒が、決められた学齢期を過ぎると社会に出ていかなければならないことに悔しい思いをしているのではないかと思います。  本県では、障害のある生徒の雇用創出や就労支援に力を入れてこられました。高等学校や特別支援学校高等部卒業の時期が過ぎても学び続けることが大切だと考えますが、教育長の見解をお伺いします。  また、先ほど事例紹介した障害福祉サービス等を活用した学びの場の創出について、知事に見解を伺います。  次に、障害者雇用について、知事に伺います。  本年4月から障害者の法定雇用率が引き上げられ、算定基礎に精神障害者が加えられ、今後、段階的に法定雇用率が引き上げられます。このような中、国や本県を含む多くの自治体で障害者雇用の算定に不適切な事例があったことは、雇用統計の信頼を揺るがす事態であり、まことに遺憾であります。  先般、厚生・産業常任委員会の県外行政調査で、精神障害者の雇用促進と職場定着に向けての取り組みについて、福岡県に本社のある医療経営コンサルタントや保険調剤等を事業内容としている総合メディカル株式会社を視察してまいりました。  同社では、1998年に外部から紹介を受け障害のある方を初めて採用し、2012年からは社員数の増加と法定雇用率の引き上げに伴って、さらなる雇用拡大に向け、障害者雇用と職場定着を図る専門部署をつくり、現在に至っております。  総合メディカル株式会社での障害者の働き方は、大きく2つの形態があります。一つは、各部署で他の社員と同様の業務を行う部署配属、もう1つが、部署社員50名中、障害のある社員が46名所属している業務支援グループへの配属です。この業務支援グループの設立においては、障害のある方の就労支援に携わった経験のある方などを社内公募や社外から新たに採用し、専門知識を取り入れながらサポート体制を構築され、現在は、障害のある社員6名を含む9名がジョブコーチとして、細分化された業務のスケジュール管理や業務指導、職場定着のための面談など、障害のある各スタッフのサポートを行っています。  同グループの業務内容は、患者満足度調査等のアンケート集計、データ入力、請求書のチェック、契約書のファイリング、郵便の仕分け、各薬局店舗へ販促物等の発送、薬局店舗の清掃などです。これらは社内の他部署から切り出された業務の一部を受託したもので、これによって本来の業務担当者の負担が大きく減り、切り出された業務の効率化や残業の削減、さらには、企画業務により力を入れることができるようになったことによる質の向上に貢献しています。
     また、これらの業務のほかに、印鑑、名刺、社員証などの製作、今まで外注していた仕事を内製化することによって、大幅なコストダウンが実現した成果もあるとのことです。  総合メディカル株式会社では、障害の有無にかかわらず、社員は仕事を通じて会社に貢献し、対価としてお給料がもらえて自立でき、そして仕事にやりがいを感じ、そういう関係になって初めて、本当の意味での雇用になると考えています。  そのためには、障害に先入観を持たず、一人一人と向き合い、本人の得意不得意を知る必要があり、社員全員が戦力となれるよう、その人に合った業務や必要な配慮を検討することが大切だと担当の方はおっしゃっておられました。  福祉先進県を標榜している本県において、障害者雇用の算定に不適切な事例があったことを真摯に受けとめ、県庁における業務の切り出しや内製化など、障害のある方に合った業務や必要な配慮を検討し、障害者雇用の促進に向けた取り組みを積極的に進める必要があると考えますが、見解を伺います。  また、率先して障害者雇用に取り組むべき本県において不適切な事例があったことで、県内企業における障害者雇用の取り組みを後退させてはならないと考えます。幸い、2017年6月1日現在の県内企業の実雇用率は2.13%と、法定雇用率2.0%を上回っています。  しかし、4割近い企業が未達成であり、さらにことしの4月から法定雇用率が2.2%に引き上げられたところですが、これらの状況を踏まえ、県内企業での障害者雇用のさらなる促進に向けてどのような取り組みを推進されるのか伺い、次の質問に移ります。  次に、滋賀の情報発信について、知事に伺います。  ブランド総合研究所が行う今年度の地域ブランド調査における滋賀県の魅力度は、前年28位から、ことしは38位となり、全国最大の下げ幅となりました。滋賀の潜在的な魅力が消費者に評価されるように、滋賀の情報発信をさらに進めていかなければなりません。  特に、滋賀県における情報発信拠点「ここ滋賀」がオープンして1年経過した中で、この調査結果が出たことを真摯に受けとめなければなりません。「ここ滋賀」は、昨年10月29日にオープンし、ことし9月には予想より3カ月早く50万人を突破しました。来館者数は順調に推移している一方で、売り上げは上半期においては7,716万円と、年度末の目標の1億7,900万の半分に届いてない状況にあります。  そこで、滋賀県の情報発信拠点「ここ滋賀」がオープンして1年となりますが、情報発信拠点としての評価について、知事に伺います。  「ここ滋賀」に関しては、ただ単に拠点における来館者数や売り上げだけで見るのではなく、そこから出てくるさまざまな経済効果、経済波及効果についても評価していかなければなりません。現在、「ここ滋賀」ショッピングサイトも立ち上げられたとのことですが、「ここ滋賀」をきっかけとして、滋賀の産品に関してどれだけの販路拡大に寄与したのか、どれだけの方が滋賀に関心を持ち滋賀に来られているのかなど、分析しなければなりません。  そこで、経済効果や経済波及効果を初めとした、情報発信拠点「ここ滋賀」の設置による効果について、どのように捉えているのか伺います。  次に、海外戦略について伺います。  ことしはミシガン州や湖南省など友好提携の周年事業も行われ、あわせて、香港や台湾など海外との連携協力に関して精力的に行われております。また、このたび中国湖南省において、観光誘客経済事務所の設置も準備されていると仄聞しております。  今後、国内だけでなく海外にも目を向け、観光や経済分野においてさらなる交流も必要であると言えますが、湖南省、香港、台湾だけでなく、これまで以上にベトナムとの友好関係を強化したり、また、急速に経済発展を遂げているインドなどにも注目し、滋賀との経済連携を図っていかなければならないといえます。ジェトロ滋賀が開設し1年を経過した中で、さらに連携協力しながら国際ビジネス展開を行っていかなければなりません。  そこで、これまでの海外に向けた施策の成果と今後の海外への情報発信、さらには経済連携に関する戦略について、どのように考えているのか伺います。  この項の最後に、「健康しが」ツーリズムビジョン2022について伺います。  滋賀は、琵琶湖を初めとする豊かな自然や景観、豊富な歴史、文化的遺産などの強みを備えています。2017年の滋賀県観光入込客数は3年連続で最多を更新しました。一方、大阪、京都、奈良を初め、全国的に訪日外国人観光客が増加している中で、滋賀の外国人観光客数は6年ぶりに減少しております。  このたび、2025年の国際博覧会の開催地が大阪市に決まりました。テーマは、医療や健康を中心とした、いのち輝く未来社会のデザインとされており、2,800万人の来場を想定されております。この機会を逃してはならないと考えます。  そこで、滋賀県観光交流振興指針の取り組みの経過や昨今の経済社会の情勢の変化を踏まえ、「健康しが」ツーリズムビジョン2022として指針を改定しようとされていますが、健康しがをどのように発信し、宿泊滞在型観光に結びつけていくのか伺います。  あわせて、大阪万博に対しどのような期待を持ち、県内への誘客に向けどのように発信していくのか伺い、次の質問に移ります。  次に、これからの滋賀の農林水産振興について、知事に伺います。  12月末のTPP発効を間近に控え、また、ことしはたび重なる自然災害に見舞われる中で各地で農業被害が拡大するなど、農畜産業を取り巻く環境は大変厳しい状況にあります。  また、琵琶湖の保全再生については、法施行後の効果がいまだ明確に見えない状況の中で、アユやセタシジミなど琵琶湖の固有種を将来に向けてしっかり守れるのか、滋賀の水産業に従事されている皆さんは大きな不安を感じておられます。  滋賀県は厳しい財政事情の中ではありますが、後継者の育成を含め、農林水産業振興のために今やるべきことをやらねば将来に禍根を残すことになります。この点について、以下、具体的な取り組みや決意について伺います。  初めに、12月末に発効されるTPPや今後行われるアメリカとの2国間のTAG、EU諸国とのEPAなどが滋賀県の農畜産業に与える影響について伺います。  このことについては、国の試算に頼るのではなく、県独自にどのような影響があるのか試算をすることが必要です。先般、高島市の宝牧場が、全国優良経営体表彰の6次産業化部門で本県で初めて農林水産大臣賞を受賞されました。こうした現場での努力がしっかり報われるように、県としても滋賀の農畜産業の振興に全力を注がねばなりません。  TPPに対する県の対応方針が2016年3月に示されていますが、TPPなどの滋賀での影響をしっかり把握した上で、新年度予算での対応を含め、今後、具体的にどのように取り組んでいかれるのか伺います。  次に、主要農作物種子法の廃止に伴う滋賀県農業への影響について伺います。  これまでの種子法により、各都道府県の公的研究機関が品種改良を行いながら品質の確保されたおいしい米の品種が開発され、安価で安定的に生産者に供給してきました。しかしながら、政府は、この種子法が種子の品質が安定してきたことと民間企業の品種開発意欲を阻害しているという理由で廃止しました。  このことにより、今後、海外も含め、大資本企業が参入して種子の利益を支配するようなことになれば、供給不安や価格高騰、遺伝子組みかえなど、農業の不安は、また消費者の不安は増大し、滋賀県農業にも大きな影響が及ぶことが予想されます。県としても、当面廃止された種子法の趣旨を踏まえた県独自の条例を制定し対応すべきと考えますが、お考えを伺います。  次に、環境こだわり農業について伺います。  環境こだわり農業への直接支払交付金制度については、滋賀県独自の取り組みが国において制度化されるなど、本県ではこれまで主導的に取り組んできた経緯がありますが、今般、国では大幅にこうした制度の見直しを検討されていると聞いております。  琵琶湖を抱える本県にとって、この取り組みによる湖沼の水質保全に農業が果たす役割は大きいと考えますが、環境こだわり農業の交付金の予算確保や今後の制度拡充について、国への働きかけとあわせて、県独自の対応について決意を伺います。  次に、琵琶湖保全再生に向けた取り組みが進められていますが、アユ資源の回復について、ことしは新聞報道では豊漁期待と報じられておりますが、これまでの危機的状況が続いている中で、滋賀の漁業関係者は将来に対して大きな不安を抱えています。  また、琵琶湖の水位操作による生物生育環境への影響についても依然深刻な状態が続いています。伝統ある琵琶湖の漁業を将来にしっかり引き継いでいくためにも確実な保全再生を進めていかなければなりませんが、外来種の駆除など、当面する課題への対応に追われているのが現状であります。  今後の具体的な取り組みについては、目標達成年次を明確にしながら、琵琶湖の水産資源の回復がしっかりと目に見える形で行われることが重要と考えますが、このことについて、現状認識と取り組みへの決意をお伺いします。  次に、農地の基盤整備について伺います。  農業の多面的な機能については大きなものがありますが、これらの機能を守りつつ滋賀の農業を発展させるためには、農業農村整備事業の積極的な推進が必要です。とりわけ、干拓地においては施設の老朽化が進む中で農家の負担も増大しており、早急な対応が求められています。  また、近年、地震や風水害など自然災害が多発する中で、ため池など農業水利施設に対する防災、減災対策も極めて重要となってまいります。これらの課題に向けて、農業農村整備事業の推進についてどのように取り組まれるのか考えを伺い、次の質問に移ります。  次に、命と地域を守る施策について、知事に伺います。  初めに、力強い経済成長を支える道路整備について伺います。  本年3月の道路法等の一部改正により、物流上、特に重要な道路区間を国土交通大臣が重要物流道路に指定する制度が創設されました。その区間では、国際海上コンテナ車など超大型車両に対応して道路構造を強化することに加え、災害時での地方道での救援ルート確保や復旧などを国や自治会にかわって行えるようにしました。  重要物流道路の指定については、高規格幹線道路を初め地域高規格道路、直轄国道、空港、港湾など物流拠点にアクセスする一般道などから選定し、幾つかの道路を指定できるよう調査、検討し、来年3月までに指定を行い、必要であれば来年度に追加を行う見込みです。本県においても、関係行政機関からなる滋賀県幹線道路協議会を設立し、選定に向けた検討を進めていると仄聞しております。  この道路法の一部改正については、背景に2016年4月の熊本地震で災害時の緊急輸送道路での災害が多発したため、被災地への支援物資の円滑な輸送が困難になった状況を踏まえたものです。今後、物流の効率化による生産性の向上を図る道路整備や、異常気象などでも容易に寸断することのない道路整備の重要性は一段と高まってまいります。  そこで、2019年度に向けた国に対しての政策提案要望にもあります力強い経済成長を支える道路整備に対して、このたびの道路法の一部改正を本県の道路整備にどのように生かしていこうとされているのかお伺いします。  また、滋賀県道路アクションプログラムに示された道路整備を、国の道路整備の方向性に連動し戦略的に推進していこうとされていくのか、お伺いをいたします。  次に、適切なリスク情報の公表について伺います。  2018年7月豪雨では、大規模広域豪雨による災害が同時多発かつ広域的に発生し、甚大な被害となりました。このような施設能力を上回る災害が発生する中で、いかに人命を守るか、被害の要因を精緻に分析し、今後の対応に生かしていかなければなりません。特に、今般の水災害において、住民の主体的な避難が十分行われず、逃げおくれによる多大な人的被害が発生したことを重く受けとめなければなりません。  7月の西日本豪雨で大きな被害を受けた広島、岡山、愛媛3県の住民計900人を対象としたNPO法人環境防災総合政策研究機構が実施したアンケートによると、高齢になるほど自分が安全な場所に住んでいると考え、避難しない傾向が高いとのことです。  アンケート調査では今回の豪雨で避難したかどうか尋ねたところ、20から39歳の35%が、自宅の2階に逃げるなどの垂直避難を含めて何らかの避難行動をとったが、60歳以上では14%でした。また、災害情報や周辺の状況を考慮せず避難を考えなかったという人は、20から39歳で18%だったのに対し、60歳以上では40%でした。避難に消極的な人に理由を聞くと、「災害の危険性がないところに住んでいるから」と答えた人の割合が、60歳以上で5割を超え、20から39歳では2割程度でした。  高齢者ほど同じ場所に長く住んで災害に遭わなかったという経験則から安全神話を持ちやすいと見られており、同機構の作間敦主任研究員は、そもそも避難するという選択肢を持っていない高齢者も多い、家族や友人、地域が一体となって意識改革を進めていくことが重要だと指摘しています。  このようなアンケート結果からも、住民みずからの避難行動につながる災害に対する危機感を共有するため、リスクの認知や、その前提である適切なリスク情報の公表をしっかり進めていくことが大切であります。  リスクの認知については、単にリスク情報を公表、周知するだけでは十分な認知が期待できないことから、出前講座や住民ワーキングなどによる直接的な対話を行うことや、我が家の避難カードなどを活用するなど、これまでから進めている水害に強い地域づくりの取り組みを進めていくことが、地道ではあるが着実に地域住民のリスクの認知が図れ、住民みずからの避難行動につながると考えます。今後の国の委員会での検討結果も反映し、これらの取り組みを着実に進めていただきたいと考えます。  一方、リスク情報として、本県では全国に先駆けて内水も考慮した画期的なリスク情報として、地先の安全度マップがあります。公表からしばらくたつことから、最新の土地利用や河川改修状況等を反映した内容に更新する必要があります。流域治水条例第8条では、おおむね5年ごとに更新するとされており、市町のハザードマップの更新にも関係することから速やかな更新が待たれるところでありますが、地先の安全度マップの現在の更新状況と今後の見込みについて伺い、次の質問に移ります。  次に、県立学校施設の防災、減災対策について、教育長に伺います。  ことし8月23日夜遅くから24日未明にかけて台風20号が接近、9月4日昼過ぎから夕方にかけて台風21号が最接近、9月30日夕方から深夜にかけて台風24号が最接近と、1カ月余りに暴風を伴う大雨を降らした3つの台風は、県内各地の広い範囲において、農林水産業や個人住宅等に大きな被害の爪跡を残す結果となりました。  特に台風21号は、彦根市を初め7カ所において観測史上最大の瞬間風速を記録するなど、昨年10月の台風22号に続き、暴風雨の脅威を目の当たりにすることとなりました。  そして、災害復旧にかかわる事業の補正予算が今定例会議においても提案されていますが、県内の学校施設においても多くの被害を受けたとお聞きしております。まず、被害の状況と生徒への影響について伺います。  地球温暖化がもたらす海水温の上昇は台風の大型化につながり、大きな勢力を保ったままの台風が今後も夏から秋にかけて襲来すると言われております。今回の被害の実態を教訓として、学校施設においても暴風雨に対する防災、減災の観点からの対策を考えていかなければならないと考えます。  大雨や台風は地震災害のように突然襲ってくるものではなく、いつ、どこで、どのくらいの規模のものがやってくるかなど、ある程度予測することができます。その点からも事前の危機管理の点検、準備が重要であると考えます。  また、台風の風を伴う雨は建物の思わぬところから水が入り、建物そのものにダメージを与えてしまうことや電気系統の漏電被害が予想できます。また、建物の屋上に設置されている防水設備の老朽化や防水シートの経年劣化による防水効果の低下が雨漏り被害につながっているようでもあります。  今回の被害を受けている箇所の早期の復旧に向けてしっかり取り組んでいただくと同時に、今後の大雨や台風への対応として、事前の点検、準備、早い段階での修繕など、風水害に対する対応策についてどのように考えておられるのかお伺いします。  今回、ガラスの破損や倒木、枝折れの被害も多く報告されています。人的被害がなかったことは幸いでしたが、風が吹き荒れ、剥がれたものなどが空中を高く舞いながら飛んでいくさまが多く見られ、木々も強い風に大きく揺れ動いて、二次的被害が起きるのではないかといった状況でもありました。  国の方針により、阪神大震災以降、防災意識の向上、耐震化強化のための学校施設の改修が始まり、東日本大震災以降、その取り組みが加速しました。現在、構造体の耐震化は2018年の時点で公立小中学校の99.2%まで進捗していますが、窓ガラスなどの非構造部材については、まだ40%程度しか改修されてないと報告されています。  また、ことし発生した大阪北部を震源とする地震で、ブロック塀倒壊により登校中の女子児童のとうとい命を奪うこととなった災害を受けて、ブロック塀の点検、修繕、撤去の取り組みが現在行われています。  国においては、限られた予算で安全面や機能面の改善を図る施策として、学校を建てかえるのではなく、改修して使い続ける長寿命化改修が進められています。子供の命を守ることを第一に、これからも学校に求められる安全、安心、そしてリスクマネジメントを意識しながらの対応が重要ではないかと考えますが、防災、減災について見解を伺い、全ての質問を終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 9番塚本茂樹議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)チームしが 県議団を代表されての塚本議員からの御質問にお答えをいたします。私には大きく7項目いただきました。前半、まず4項目めまでをお答えさせていただきます。  まず、新年度予算編成について、こちらは3点いただきました。  新年度予算編成の私の思いについてでございますが、平成31年度は、次期基本構想と次期行政経営方針に基づき、新たな施策展開と行政経営に向けて取り組む初年度として、予算編成では次期基本構想の基本理念である「未来へ幸せが続く滋賀」の実現に向け、着実な一歩が踏み出せるように意を用いてまいりたいと存じます。具体的には、健康寿命延伸のための取り組みや、琵琶湖を守ることにつながる森林や山村を生かす取り組みなど、健康しがにつながる施策をさらに重点的に取り組んでまいりたいと考えています。  同時に、こうした取り組みの着実な推進を図り、県民福祉向上に資する行政サービスを今後も安定的に提供していくためには、持続可能な財政基盤の確立が不可欠であり、財政健全化に向けた取り組みを歳入歳出両面から着実に進めていくことが重要と認識しています。このため、新年度予算編成に当たりましては、特に5つの視点を大切に取り組んでまいりたいと存じます。  1点目、一人一人の命と人権、防犯、防災、安全、安心、健やかさ、その人らしさを重視すること、2点目に、琵琶湖、その源流である山、自然の生態系サービスを守ること、3点目に、活力、発信力、持続力を高めること、4点目に、未来と世界をしっかり展望すること、5点目に、県庁の組織の経営でございます。  こうした点を意識しながら、県民の皆様の御期待に応えられる施策、予算、そして組織をつくり上げることで、世界を視野に未来を見据えた新年度予算となるよう、しっかりと取り組んでまいる所存でございます。  2点目、特別枠を設けた狙いについてでございますが、まず、重点化特別枠につきましては、2030年を見据えて、未来を切り開くための布石は必要不可欠との認識のもと、世界がこれまで経験したことのない変化にひるむことなくチャンスと捉え、次期基本構想に基づく新たな施策展開に向けた取り組みを着実に進めていくため、特別枠を設定したものでございます。  また、健康経営枠につきましては、さらなる県民サービスの向上に向けて、限られた人員の中で効果的に県民ニーズに対応しつつ、長時間労働の解消を図るため、健康経営の実践に資する取り組みをさらに進めていくことを狙いに設定したものでございます。  こうした特別枠を設定することにより、厳しい財政状況にありましても、将来世代を含めた誰もが幸せに暮らせる滋賀をつくるため、必要な投資をしっかり行ってまいりたいと存じます。  3点目、市町に対する説明責任についてでございますが、これまでから行政経営に当たり、住民に最も身近な基礎自治体である市町との関係を重要視してまいりました。次期滋賀県行政経営方針原案では、目指す県庁の5つの姿の一つに、市町とともに自治を担う県庁を掲げ、市町との連携をより一層大切にするという県の姿勢を改めて明確にしているところでございます。  次期行政経営方針や収支改善の取り組みにつきましては、検討段階のものを市町に説明し、意見照会を行うとともに、見直しによる影響が大きいと思われる事業につきましては、個別に県の担当課から市町の担当課に説明し、現場レベルでも丁寧に対応してきているところでございます。  今後、市町からいただいた御意見等や現在実施中の県民政策コメントによる御意見等を踏まえ、次期行政経営方針案の作成過程や予算編成過程において引き続き検討し、説明責任を果たしてまいりたいと存じます。  次に、「文化とスポーツの力」を活かした元気な滋賀の創造について、こちらは5点御質問賜りました。  1点目の新生美術館の新たな代替案の費用の見通し、また、既に設計費を投じている点も含めての見解についてでございますが、新生美術館の整備につきましては、近代美術館の老朽化対策を先行し、2021年度早期の再開館を目指したいと考えておりますが、老朽化対策に必要な事業費については現在精査しているところでございます。  また、老朽化対策と並行して行います基本計画の見直しで検討いたします近代美術館の機能向上と琵琶湖文化館の機能継承についての事業費は、現時点で未定でございます。  こうしたことから、美の滋賀の拠点となる美術館整備に要する総事業費につきましては現時点でお答えすることはできませんが、今後検討いたします基本計画の見直しにおいて整備内容を明らかにし、お示しさせていただきたいと考えております。  また、今回の方針変更に伴い、設計を初め、これまで多くの時間と経費を費やしてきた美術館の整備を改めて検討する事態に至ったことは、率直に反省し、おわび申し上げたいと存じます。  2点目、美の滋賀の可能性を最大限に引き出せる環境の整備についてでございますが、神と仏の美、近代・現代美術、アール・ブリュットという滋賀ならではの美を中心に、その魅力を発信し美の滋賀の拠点となる美術館は、時間がかかっても必ず実現したいと考えております。  3つの美をどのように表現するかについては、改めて美の滋賀の考え方を確認しつつ、その可能性をどのように広げていくのか、しっかりと検討してまいりたいと存じます。その中で、3つの美の魅力に触れる機会や場を提供する美術館、美を通じて創造活動の現場や暮らしの場とつながる美術館、そのような県民の皆様に誇りを感じていただける美術館をつくることにより、私に課せられた大きな責任を果たしてまいる所存でございます。  3点目、(仮称)彦根総合運動公園の用地取得の状況、今後の見通しについてでございますが、彦根市とともに、地権者の方々に対して精力的に交渉に取り組んでまいりました結果、工事を急ぐ必要がございます公園東側の第3種陸上競技場整備のための事業用地については、おかげさまで契約のめどがついたところでございます。  それ以外の未買収の事業用地の取得につきましては、収用手続に入ることも視野に入れながら、彦根市とともに地権者の方との交渉を引き続き行い、御理解がいただけるよう努力を続け、両大会の前年に開催されるリハーサル大会に向け施設が整備できるよう、着実に取り組みを進めてまいりたいと存じます。  4点目、文化・スポーツ施策の現状についての見解でございますが、これまで基本構想および新しい滋賀の魅力をつくる文化・スポーツ戦略により、「文化とスポーツの力」を活かした元気な滋賀づくりに取り組んできたところでございます。  この4年間においては、例えば東京オリンピック・パラリンピックに向けたホストタウンとして5つの市が登録され、このうち2つの市では事前合宿の誘致にまでつながっているところでございます。また、今年度から新たにスタートいたしました近江の春びわ湖クラシック音楽祭におきましては、4万人近くの来場者があり、滋賀らしい文化イベントとして大きく成長する手応えを感じているところでございます。  さらに、東京2020参画プログラムなどの文化プログラムの登録数やスポーツボランティアへの登録者数が着実にふえてきているなど、施策や事業の成果が出ているものも多くあると認識しています。  個々の事業で見れば一定の成果が上がっているものや、参加者、関係者の皆様から御評価をいただいているものもございますが、これらが必ずしも文化、スポーツへの満足度や実際の行動に結びついていないという課題がございます。こうした課題が御指摘のあった低い達成率や達成度としてあらわれておりますことから、文化・スポーツ施策について、今後も一層の努力が必要であると認識しているところでございます。  それでは、新しい滋賀の魅力をつくる文化・スポーツ戦略を初め、文化、スポーツの今後についてでございますが、今後、東京2020オリンピック・パラリンピック、ワールドマスターズゲームズ2021関西、2024年の国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会などの大きなイベントが開催され、また、先般、2025年国際博覧会の大阪・関西での開催も決定したところでございます。  これらの催しによって、県民の皆様が文化やスポーツに親しむ機会や、本県を訪れる多くの方々が文化、スポーツを初めとする滋賀の魅力を感じる機会がふえることになると考えています。こうした機会を生かして、国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会はもとより、東京オリンピックの聖火リレーや、気軽に芸術文化に親しめる近江の春びわ湖クラシック音楽祭など、多くの方々が文化やスポーツに親しめるような取り組みを進めてまいりたいと存じます。  新たな基本構想には、スポーツや文化芸術等の活動に取り組むことができる環境の整備など、自分らしく活躍できる社会づくりを県の政策の方向性の一つとして定めることとしており、新しい滋賀の魅力をつくる文化・スポーツ戦略の趣旨を盛り込んでいるところでございます。  新たな基本構想の目指す姿の実現に向け、全ての県民の皆様に文化、スポーツをする、見る、支える機会を提供することにより、文化とスポーツの力で滋賀が元気になる、そうした健康しがをみんなでつくれるよう、力いっぱい取り組んでまいりたいと存じます。  大きな3項目め、滋賀の環境行政について、こちらは3点御質問いただきました。  まず1点目、第17回世界湖沼会議の成果と今後についてでございますが、今回の世界湖沼会議は、平成13年に本年で開催して以来17年ぶりの国内開催であり、本県からは行政や川島議長を初め議会関係者、研究者、学生、県民、NPO、企業などを含む100名を超える御参加がございました。  会議では、湖沼の水質や生態系保全から水産や観光利用に至るまで、幅広い議題についての分科会などが開催され、さまざまな国や組織から多様な主体が参加し、活発な議論が行われたところでございます。
     私からは、開会式で、湖沼を守ることは世界の水を守ることであり、会議への参加者が連携して世界の人々に湖沼の重要性を伝えていくことを呼びかけ、このことは会議の成果文書でもございます霞ヶ浦宣言にも盛り込まれたところでございます。  本県からは琵琶湖の保全で培った先進的な環境技術や取り組みを発信するとともに、国内外の事例発表などからさまざまな発見や学びを得られたことも大きな成果であり、自分たちの取り組みを新たな視点で捉える機会になったとの声も聞いているところです。  次回の第18回世界湖沼会議は2020年にメキシコで開催されることとなっており、また、翌年の3月にはセネガルで第9回世界水フォーラムが開催される予定と伺っております。2020年は、SDGsのターゲット6.6に定める「湖沼を含む水に関連する生態系の保護・回復を行う」の目標年でもあり、これらに向けて琵琶湖の保全に一層取り組むとともに、国内外の湖沼を有する地域や国連などの国際機関と連携いたしまして、世界の湖沼保全に貢献してまいりたいと存じます。  2点目、自治体連携設立の経緯と今後の方向性についてでございますが、私たちがお預かりしている琵琶湖では、近年、在来魚介類の減少や水草の大量繁茂など生態系の課題が顕在化しておりますが、同様の課題に直面している湖沼を有する自治体と連携することにより、より効果的な課題の解決につながることが期待できると考えています。  このため、本年4月に、私から、湖沼水質保全特別措置法に基づく指定湖沼のうち天然湖沼を有する各県に連携を呼びかけ、趣旨に賛同する5県の知事が発起人となり、世界湖沼会議の場において湖沼水環境保全に関する自治体連携を立ち上げたものでございます。  世界湖沼会議では、この自治体連携のスタートといたしまして、シジミの住める湖沼環境を目指した自治体の取り組みをテーマにワークショップを開催し、各湖沼が抱える課題等の事例紹介と今後の取り組みの方向性について意見交換を行いました。  今後は、各湖沼の先進的な取り組みの知見の共有や共同調査の実施等により、それぞれの湖沼における施策の充実を図るとともに、参加自治体が協力して、国や世界に向けてこれらの取り組みの発信や政策の提言などを目指してまいりたいと存じます。  3点目、低炭素社会に向けた取り組みについてでございますが、本県では、低炭素社会づくり推進計画において今世紀後半の脱炭素社会を目指し、2030年度の低炭素社会の実現に向けて取り組んでおり、2015年度の温室効果ガス総排出量は基準年度である2013年度比7.8%減と、順調に削減が進んでいるところです。  しかし、産業分野からの排出量は大きく削減が進んでおりますものの、本県の産業構造の特性から総排出量の約半分を占めていることや、世帯数や大規模店舗の増加等により、家庭、業務部門における削減がなかなか進まないこと等が課題となっております。  このため、産業、業務部門におきましては、事業者みずからの排出削減を進めるための事業者行動計画書制度や、CO2削減に貢献する製品、サービス等の普及拡大を目指す滋賀発低炭素ブランド制度に積極的に取り組むとともに、家庭部門につきましては、うちエコ診断や省エネ、節電に係る普及啓発を進めるなど、気候変動の緩和策に引き続き取り組んでまいりたいと存じます。  さらに、気候変動の適応策につきましても、今月1日に施行された気候変動適応法に基づき、地域における気候変動の影響と適応に関する情報の分析、提供等を行う拠点でございます地域気候変動適応センターをできるだけ早く設置いたしまして、本県への気候変動影響評価と対策の検討を進め、次期の低炭素社会づくり推進計画の改定につなげてまいりたいと存じます。  低炭素社会づくりへの取り組みは新たなビジネスチャンスにもつながり、ひいては環境、社会、経済の統合的向上にも寄与するという考え方のもと、今後も緩和策と適応策をともに積極的に取り組んでまいる所存でございます。  前半の最後、大きな4項目め、障害者施策につきまして、私には6点御質問をいただきました。  亡くなられた下村議員御生前の原稿にも基づく御質問と伺っております。思いを寄せ、お答えをさせていただきます。  1点目の県内における強度行動障害児者の実態についてでございますが、強度行動障害については、議員の御質問にもありましたとおり、他害──他の人への害や自傷行為──自分を傷つける行為等が通常考えられない頻度と形式で出現する状態像を示しておりますが、その統一的な基準はございません。例えば国や県の報酬の加算におきましては、生活介護事業所などの利用に先立ち、一人一人に対して行う支援の必要性をはかる調査の中で、自傷行為やパニック行動などを点数化する項目、いわゆる行動関連項目の点数でその基準を定めておりますが、国では10点以上、県では15点以上を加算の対象としているところでございます。  また、就労支援サービスの利用者は調査が不要とされており、さらに障害児では同種の調査がないことから、行動障害のある方の正確な人数を把握することは困難でございます。  一方、強度行動障害の方の家庭での実態につきましては、例えば、本人がドライブがお好きで、車に乗っている間は落ちついているので、保護者が夜中に長時間ドライブに連れていかれるなどから、保護者が十分な休養、睡眠がとれないということでありますとか、母親だけでは本人の支援が難しく、父親が一緒に支援する時間をつくるために転職をされたでありますとか、本人が落ちついているように見えても突然の飛び出しなどの行動に出たりされたりするので、保護者として気を抜くときがないなどの厳しい状況にあると伺っており、支援の充実が必要であると認識しているところでございます。  2点目、強度行動障害児者の施設等への受け入れの状況と対応できる施設の設置ならびに人材育成についてでございますが、まず、施設等の受け入れ状況につきましては、事業者や関係団体からは、行動関連項目15点以上の人が入所施設では入所者の3割を占める施設があることや、県内グループホーム全体では約50名おられることを伺っております。また、生活介護事業所につきましては、283名が利用されている状況にございます。  次に、対応できる施設についてでございますが、生活介護事業所やグループホームにおいて、新設や既存を問わず、強度行動障害者を受け入れる事業所をふやしていく必要があると認識しており、個人に合ったスペースの確保等、一人一人の状態に合わせた事業所内の環境整備に補助を行うとともに、職員をより多く配置できるよう、市町とともに運営費の補助を行うことで受け入れ促進を図っているところでございます。  また、入所施設においては定員に空きがなく、議員御指摘のとおり、県外施設を利用される方もありますことから、新たな利用者の受け入れを可能にするため、入所施設から地域生活への移行の具体的方策等を明らかにする検討会議を設け、市町や入所施設、障害福祉サービス事業所、相談支援事業所等とともに検討を進めているところでございます。  さらに、人材育成につきましては、強度行動障害者に関する支援の専門性の向上が重要でありますことから、県で支援者養成研修を実施するとともに、臨床心理士や大学教員などで構成される専門家チームが生活介護事業所を巡回し、支援計画の作成支援や対応方法の助言を行う事業を実施しているところであり、引き続き、こうした取り組みを進めてまいりたいと存じます。  3点目、生活支援についてでございますが、人は誰でも基本的人権を共有し、その尊厳にふさわしい生活をする権利があり、強度行動障害の方についても同様でございます。住まいについても、どこで誰と生活するかについてみずからの意思で選択する機会が確保されなければならないのですが、実際にはサービスや支援者が十分でなく地域生活を選択できないということでありますとか、厳しい状況の中で家庭で支えるしかない等の状況があると認識しており、その状況を変えていかなければならないと考えております。  地域での生活を望む強度行動障害の方への支援としては、例えばグループホームにおいて、個々の強度行動障害の方の特性に合わせた生活動線の工夫等により、生活環境を整えて生活を安定させる取り組みが始まっており、こうした事業所による実践を市町とともに支えているところでございます。  さらに今後は、緊急時に対応できる短期入所、相談体制の充実や、親亡き後に備えたグループホームなどの体験の場が必要であり、これらの機能をあわせ持つ地域生活支援拠点の整備が重要と認識し、各市町と県の障害者プラン、計画の共通目標として、地域生活支援拠点の整備量を掲げており、目標達成に向けて市町とともに取り組んでまいりたいと存じます。  県といたしましては、先ほど申し上げた入所施設の機能活用に向けた取り組みに加えまして、こうした取り組みを着実に進めることで、強度行動障害のある方がみずから望む生活を送ることができるよう、県障害者プランに掲げております「みんなでいっしょに働き、みんなとまちで生きる」という基本理念のもと、誰一人取り残さない社会を目指してしっかりと取り組み、結果を出してまいりたいと存じます。  4点目、障害福祉サービス等を利用した学びの場の創出についてでございますが、障害福祉サービス等を活用した取り組みにつきましては全国的にも試行錯誤の段階でございますが、議員御紹介の障害福祉サービス事業所の事例と類似した取り組みに関しては、県内においても幾つかの事業所で行われております。  例えば、知的障害のある人が卒業後も学び続ける場として、自立訓練事業2年と就労移行支援事業2年を組み合わせた4年間で、授業形式による国語、算数、英語などの教科学習、本人の主体的な活動を大切にしたサークル活動や大学のゼミへの参加などを実施しているところがございます。  障害の有無にかかわらず、学校教育を終えた人が生涯にわたり学びを一層深め、さまざまな経験を積むことは、その後の人生を豊かにするために大切なことと認識しています。  先ほど申し上げた障害福祉サービス事業所の取り組み等を必要に応じて地域の自立支援協議会などに紹介するとともに、現在文部科学省で進められている学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議の検討状況も参考にしながら、障害のある人が生涯にわたり学び続けるためのさまざまな学びの機会の創出に向けて、本県においてどのような取り組みができるのか考えてまいりたいと存じます。  5点目、県庁における障害者雇用の促進に向けた取り組みについてでございます。  本県におきましては、平成4年度から身体障害者を対象とした採用試験を継続的に実施しており、庁内における障害を有する職員の職域の拡大に努めているところでございます。清掃業務や郵便の仕分けなどの定型的な業務については外部委託を進めているところでございますが、今年度からは、知的障害者および精神障害者を非常勤職員として雇用し、民間企業等での就労につなげていくチャレンジ雇用の取り組みを開始したところでございます。  チャレンジ雇用職員については、主に事務補助業務に従事していただいているところでございますが、配属先所属において、各職員の障害の特性に配慮しながら業務を指示するなど、丁寧な対応に努めているところでございます。  こうした取り組みを進める中で、庁内の情報共有を図り、職員の意識改革を進めるとともに、庁外の関係機関の御意見も伺いながら、県庁における障害を有する職員の職域の拡大について検討し、今後の障害者雇用の拡大につなげてまいりたいと考えているところでございます。  6点目、県内企業での障害者雇用促進の取り組みについてでございますが、昨年6月1日現在では39.3%の企業が法定雇用率未達成であり、また、本年4月からその率が引き上げられるなど、これまでより一層、障害者雇用を推進する必要があると認識しております。このため、滋賀労働局とも連携しながら、全庁挙げて障害者雇用関連施策を総合的かつ効果的に進めているところでございます。  また、法定雇用率引き上げ後となる本年6月1日現在の雇用状況が今月末ごろに公表される予定と伺っており、公表後は直ちに滋賀県障害者雇用対策本部員会議を開催し、官民合わせた本県における障害者雇用の現状と課題について共通認識を図るとともに、今後の対策を協議したいと考えております。  さらに、この協議を踏まえ、本部長である私自身が経済団体を訪問し、障害者の安定的な雇用の確保と維持を強く要請してまいる所存でございます。  加えまして、障害者の希望と特性に応じた業務の切り出しや、職場環境づくり等の先進事例をまとめた啓発リーフレットの作成などにより、一人でも多くの障害者にやりがいを感じられる充実した職業生活を送っていただけるよう、県内企業における障害者雇用を促進してまいりたいと存じます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)障害者施策についての御質問のうち、私にいただきました3点の御質問にお答えをいたします。  まず1点目の、中学校で発達障害により特別な教育的支援を受ける必要があると判断された生徒の割合が県立高等学校において減少していることについてお答えをいたします。  中学校卒業後の進路として、どのような高等学校、教育課程で学ぶことがふさわしいかを、本人、保護者、担任等が十分に検討し選択することが大切であると考えております。そうした中で、県立高等学校以外の進路を選択する生徒が一定数いることが減少の要因の一つであると考えております。  また現在、発達障害のある生徒に対して、通級による指導や中学校での障害の状況に応じた指導も行っております。例えば、対人関係における対処方法や、聞いたことを記憶する弱さへの対応としてメモをとることを学ぶ等、自分に合った学び方を身につけることを進めております。こうしたことで、高等学校に進学したときには生徒の抱える困難さが軽減されてきている場合もあると考えているところでございます。  さらに、自分に合った進路選択をすることにより、高校生活では生徒自身が集団や学ぶ環境に適応し、本人の特性が障害として顕在化しにくくなる場合もあると捉えております。  今後も、高等学校において発達障害のある生徒が抱える困難さをしっかりと把握をし、中学校からの引き継ぎを十分に行い、個々の生徒に応じた適切な指導を進めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の受検時の配慮の内容についての認識についてお答えをいたします。  県立高等学校入学者選抜における発達障害がある生徒への受検上の配慮として、昨年度につきましては、個々の生徒の特性や障害の状況に応じて、別室での受検、検査問題へのルビ振り、字体やサイズと行間の変更、さらには、ヘッドホン型の耳栓の持ち込み等の配慮を行ったところであります。  いずれの受検生におきましても、在籍校から提出をされました個別の教育支援計画、個別の指導計画や医師の診断書の写し等をもとに、障害の状況や特性をさらに詳細に聞き取り、ふだんの学校生活で継続して配慮されている内容を十分に把握した上で配慮を行ったところであり、個々の生徒の特性や障害に沿った配慮が一定行えているものと認識をしております。  今後も、発達障害のある生徒に対しまして、個々に応じた受検上の配慮を行ってまいりたいと考えております。  最後に、高等学校を卒業した後の学びについてお答えをいたします。  高等学校における通級による特別な指導や特別支援学校での障害に応じた指導など、専門的な指導をより充実し、障害のある生徒たちが学校卒業後に自信を持ってみずからの力を発揮していけるようにすることが教育の大切な役割であると考えております。  また、高等学校や特別支援学校高等部卒業後の進路先としては、大学等や就労、障害福祉サービス事業所などが考えられます。また、この障害福祉サービス事業所の中には、議員が紹介いただきました就労の前段階の学びとして、社会で生きるための力をつける生活訓練と、就労支援等を行う多機能型事業所もございます。  さらに、先ほど知事が答弁で申し上げましたように、現在、文部科学省において、学校卒業後における障害者の学びの推進方策について検討会議が設置をされているところでございます。  この中では、障害福祉サービス等を活用した学びの場も重視されており、当事者のニーズを踏まえた学びに対する相談体制づくりとして、福祉等と連携をしたニーズの把握や相談対応が必要であると示されているところでございます。こうしたことから、各学校においては、多様な進路があることを踏まえた進路指導や支援がますます重要になってくるものと考えております。  県教育委員会では、県立高等学校の特別支援教育コーディネーターが、働き・暮らし応援センターや自立支援協議会、また、市町発達支援センターなどの福祉関係機関と情報共有を行う機会も設けております。これにより、支援の必要な生徒にとって高等学校卒業後の学びの場や相談先の選択肢を広げ、地元の福祉機関とつながるよう進めているところでございます。  今後も、障害のある生徒が学び続け、さまざまな場においてみずからの力を高め続けられるよう、個別の教育支援計画を活用し、関係機関と連携をした切れ目のない支援に努めてまいりたいと考えております。 ◎知事(三日月大造) 私に賜りました残り3項目にお答えをいたします。  まず、滋賀の情報発信について、4点御質問をいただきました。  1点目の情報発信拠点としての評価についてでございますが、「ここ滋賀」におきましては、開設以降、おかげさまでほぼ毎日開催しております企画催事を初め、約1,000商品を取りそろえたマーケット、滋賀の食材をふんだんに使ったレストランなどにおいて、滋賀の持つ多様な魅力を発信してきたところでございます。  特に企画催事におきましては、市町、事業者、団体等の御協力のもと、1年間で合計196回、延べ447日にわたり、食やモノづくり、歴史、文化、移住、観光などさまざまなテーマで開催し、滋賀の魅力を直接来館者に伝えることができました。  また、「ここ滋賀」を首都圏メディア等への発信の舞台として活用し、1年間でウエブやテレビ、新聞、ラジオ等に316件掲載されているところでございます。  こうした取り組みの結果、来館者アンケートにおきましては、滋賀県の魅力を感じた割合が90.6%、滋賀県に観光に行ってみたい割合が91.6%と、多くの方々に滋賀を体感いただき、「ここ滋賀」での情報発信が一定の成果を上げたと考えております。  一方で、マーケットの状況等を事業者にフィードバックする機能でありますとか、全館を効果的に使った情報発信などに課題も見えてきたところでございます。  今後は、拠点機能をさらに発揮し、課題への対応もしっかりと行いながら、さらなる滋賀の魅力発信に取り組んでまいりたいと存じます。  2点目、こうした「ここ滋賀」の効果について、どのように見ているのかということでございますが、開設1年間の効果を把握するため、来館者調査や事業者アンケート、インターネット調査などを実施いたしまして、経済効果を測定しているところでございます。  速報値でございますが、売り上げなどによる直接経済効果は2億円余、経済波及効果は4億円余、メディアへの発信などの情報効果は4億円余となり、現在では10億円を上回る効果と試算しており、堅調に推移しているものと考えております。なお、詳細については現在分析中でございます。  また、地酒の蔵元の方々からは、「ここ滋賀」ができたことで東京での新たな取引が始まったとか、お茶の生産者の方々からは、近江の茶の認知度が高まり東京からの問い合わせや注文がふえた、また、企画催事の実施事業者からは、当日は商品が完売したほか販路拡大にもつながった、などのお声もいただいており、拠点開設の効果が一定あらわれてきているのではないかと捉えております。  今後も、一層の効果の把握に努めつつ、効果がより広く波及し、事業者や県民の皆様に実感していただけるよう取り組んでまいりたいと存じます。  3点目、これまでの海外に向けた施策の成果、情報発信、今後の経済連携に関する戦略についてでございますが、米国ミシガン州や中国湖南省などの姉妹友好州省においては、友好交流を礎とし、現地の総領事館や日系企業とも連携して、県内事業者のプロモーション支援や進出支援を行ってきたところです。例えば湖南省においては、本県との友好をきっかけに平和堂様が1998年に進出をされておられます。  近年は、友好州省にとどまらず、台湾の台南市、ベトナムのホーチミン市とクアンニン省、そして香港貿易発展局と経済交流を推進する覚書を締結し、中小企業の海外展開を支援する環境を整備することにより、現地拠点の設立や環境関連のプロジェクトの実施など、具体的な事業展開につながっているところでございます。  今後の情報発信につきましては、滋賀の産業の強み、観光の魅力を知り、共感し、実際に伝えていただける海外の方をふやし、その人を介して展示会や商談会などで説得力のある発信を行うなど、工夫した取り組みを進めてまいりたいと存じます。  また、湖南省においては、来年開設を目指す事務所を拠点に、これまで以上に産業や観光の交流を進めてまいりたいと存じます。  さらに、経済連携に関する戦略につきましては、友好州省や覚書を結んでいる国とはこれまで培った関係を生かして、共同研究や高度人材の受け入れなど、企業と連携した取り組みを行ってまいります。  これに加えまして、経済成長が見込まれる国につきましては、ジェトロ滋賀やJICA等とも連携の上、企業のニーズに応じて、きめ細かに海外展開を支援してまいりたいと存じます。  4点目、健康しがをどう宿泊滞在型観光に結びつけていくのか、また、大阪万博への期待と誘客に向けた発信についてでございますが、「健康しが」ツーリズムビジョン2020につきましては、11月30日に滋賀県観光事業審議会から答申をいただき、今後、県民政策コメントなどの手続を経て、年度内の策定を予定しているところでございます。このビジョンは、健康を観光資源の核に据えるとともに、観光振興により健康しがを実現するための指針と位置づけているところでございます。  具体的には、健康長寿を支える食や暮らし、琵琶湖を初めとした豊かな自然、その豊かな自然の中で育まれた文化や歴史といった観光資源を発信するとともに、宿泊地としての魅力の向上、朝型・夜型観光の充実、おもてなしの向上などにより、宿泊滞在型観光を推進してまいりたいと存じます。  また、今後、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2021年のワールドマスターズゲームズ2021関西、2024年の国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会、そして2025年に大阪・関西での開催が決定した国際博覧会など、大型イベントが連続することとなります。  特に、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする2025年の万博は、サブテーマの一つが「多様で心身ともに健康な生き方」とされており、世界に本県の健康しがを発信する貴重な機会と考えられることから、近隣府県と連携し、国内外から多くの方に滋賀にお越しいただけるよう、効果的な発信に努めてまいりたいと存じます。  これからの滋賀の農林水産振興について、こちらは5点賜りました。  まず1点目、TPPなどの影響についてでございますが、県内の農林水産物への影響額は、TPP11では1億9,000万円から3億8,000万円、日EU・EPAでは3,000万円から6,000万円であり、最も影響の大きい牛肉については、TPP11では約1億円から2億円と試算をしているところでございます。  この影響額につきましては、国の計算方法を用いまして本県農林水産物の生産量や販売価格など独自のデータを使い算出しており、例えば牛肉につきましては、本県では、品質がよく外国産と競合しない和牛や交雑種の生産が大半を占め、競合が見込まれる乳用種の生産が少ないことを考慮して試算をしております。  このような影響を踏まえまして、新年度予算の編成に当たりましては、滋賀県農業・水産業基本計画に基づきまして、1、競争力のある担い手の確保育成や農産物の収益性向上、また、近江牛の生産基盤強化、農畜水産物の輸出の促進などの攻めの対策と、2、集落の活性化や農地の維持保全など、生産者が将来にわたって経営に取り組めるようにする守りの対策に取り組み、力強い農業の確立に向けた対策をしっかりと講じてまいりたいと存じます。  なお、日米物品貿易協定、いわゆるTAGにつきましては、早ければ1月中旬から交渉が開始されると言われており、この交渉の経過を注視してまいりたいと存じます。  2点目、主要農作物種子の生産に係る県独自の条例の制定についても御質問賜りました。  主要農作物種子法の廃止を受けて、県では、近江米の振興、水田のフル活用を図るためには、水稲、麦類、大豆の品質の高い種子の生産と安定供給が不可欠であることから、本年3月27日に滋賀県水稲、麦類および大豆の種子供給に係る基本要綱を制定し、これまでと同様に、優良種子の生産と安定供給に取り組んでいるところでございます。  引き続き、この基本要綱に基づき優良種子の安定生産をしっかり進めることとしており、現時点では条例制定の必要性はないと考えておりますが、生産現場や他府県の状況等を踏まえながら、今後も本県農業の一層の発展に向けてどのように対応していくべきか、検討を進めてまいりたいと存じます。  3点目、環境こだわり農業の交付金の予算確保、県独自の対応についてでございますが、環境保全型農業直接支払交付金につきましては、国で制度見直しが進められており、来年6月に最終評価を行い、2020年度から新たな制度が開始されると伺っております。  特に、地域特認取組につきましては、これまでから縮小の方向で検討が進められており、2020年度から一部の取り組みでの単価の引き下げ等の見直しは避けられないものと考えております。  しかしながら、本県が全国に先駆けて取り組み始め、今では全国一の大面積で取り組まれるようになっている環境こだわり農業の取り組みは、これからも琵琶湖の保全を初め、持続可能な本県農業の発展のためにはなくてはならないものと考えております。  このため、国に対しましては、これまでから本県の取り組みや実情を伝え要望しているところであり、先月も農林水産大臣に直接お出会いし、地域特認取組の継続と安定的な制度運営について改めて要望したところでございます。  また、今後は、他県にない大きなロットを生かした環境こだわり米の有利販売、流通拡大に向けた新たな取り組みなどを展開するとともに、オーガニック農業を象徴的な取り組みとして推進し、環境こだわり農産物のブランド力向上と消費拡大を図る取り組みをさらに進めていきたいと考えています。  こうした本県独自の取り組みにより、環境こだわり農業に取り組む農業者の所得向上につなげ、農業者の皆さんが琵琶湖を守る環境こだわり農業に誇りを持って取り組んでいただき、さらに取り組みが拡大するよう、力強く推進してまいる所存でございます。  4点目、琵琶湖の水産資源の回復についてでございます。  御指摘のとおり、琵琶湖の水産資源は大きく減少して漁獲量の低迷が続いており、滋賀県農業・水産業基本計画に掲げる2020年の目標漁獲量、これは1,600トンに対しまして、直近の2016年では947トンにとどまっているところでございます。漁業関係者からは常に大きな不安を抱いておられることを伺っており、極めて危機的な状況であると認識しております。  琵琶湖の最重要魚種であるアユは、水産試験場が11月に実施した琵琶湖の稚アユ生息状況調査結果が平年並みでありましたことから、今期のアユ資源は確保されていると推測しており、この12月1日から始まりましたエリ漁では、おおむね平年並みの漁獲と聞いております。  しかしながら、近年、アユの資源が非常に不安定となっていることを懸念しており、琵琶湖環境研究推進機構を中心に、国の試験研究機関や大学などの御助言もいただきながら、在来魚の餌環境などの調査研究に取り組んでいるところでございます。  一方、水位操作につきましては、水位の低下により大きな影響を受けるホンモロコにつきまして、現在、水産試験場において産卵生態の調査研究に取り組み、その経過を随時関係機関と共有し、資源回復に向けた意見交換を行っているところでございます。  喫緊の課題でございます水産資源の回復につきましては、これまでから取り組んでいる重要魚介類の種苗放流、ヨシ帯や砂地造成、湖底耕うんなどの産卵生息環境の改善、外来魚駆除などを着実にかつ効果的に実施することを通じて、水産資源や漁獲量が目に見える形で回復するよう、精いっぱい取り組んでまいりたいと存じます。  5点目、農業農村整備事業の推進についてでございます。  農業の競争力強化を図るため、担い手への農地の集積、集約化や野菜等の高収益作物の導入を促進することが重要でございます。このため、農地の区画拡大や汎用化などの整備を進めることとしています。また、排水機場等の干拓施設を含め、老朽化が進む農業水利施設につきましては、本県の農業を支える重要な施設でありますことから、滋賀県農業水利施設アセットマネジメント中長期計画に基づく保全更新対策の着実な推進が重要であると考えています。  さらに、地震や豪雨などの自然災害が多発する近年、ため池の決壊等による災害リスクが高まっておりますことから、現在、今後10年間の滋賀県ため池中長期整備計画の策定を進めているところであり、ソフト対策とハード対策を組み合わせ、計画的に防災、減災対策を進めることとしております。  今後とも、農業の多面的機能を守りつつ滋賀の農業を発展させるため、農業農村整備事業を積極的に推進してまいる所存でございます。
     最後、私には、命と地域を守る施策について、こちらは3点御質問いただきました。  1点目、道路法の一部改正をどう生かすかということについてでございますが、本県は古くから交通の要衝として発展し、現在では多くの工場が集積する日本有数のモノづくり県であります。しかし、開発のスピードに道路整備が追いつかず、慢性的な渋滞が発生し、企業活動等を阻害している状況がございます。こうした渋滞を解消し、さらなる企業立地による経済成長を促進するためには、物流ネットワークの整備が必要不可欠であると認識しています。  今回の道路法改正による重要物流道路制度は、平常時、災害時を問わない安定的な物流輸送の確保を目的に創設され、重要物流道路に指定されることにより、国際コンテナに対応した道路規格、災害時における早期の道路復旧といった道路機能の強化や、整備に当たっての重点支援が期待されるところでございます。このため、本県といたしましても、この制度を積極的に活用することで、円滑な物流ネットワークの構築につなげてまいりたいと存じます。  2点目、本県の道路整備、国の方向性に連動し戦略的に推進するのかということについてでございますが、本年3月に策定いたしました滋賀県道路整備アクションプログラムにつきましては、近年の社会情勢の変化、地域の課題やニーズ、さらには国の施策などを踏まえて見直しを行ったものでございます。  今後、国から新たな施策が示された場合には、その内容を十分に見きわめ、必要に応じアクションプログラムの見直しなど柔軟に対応しながら、国の方向性とも連動した戦略的な予算確保、効果的な事業実施に努めてまいります。  3点目、地先の安全度マップの更新状況、公表の見込みについてでございますが、地先の安全度マップは流域治水の取り組みを進めるための基礎情報であり、土地利用や気象の変化などを適切に反映させるため、おおむね5年ごとに更新するものとしています。現在のマップは、流域治水条例に基づき2014年9月1日に公表してから4年3カ月が経過し、現在、更新作業を進めているところでございます。  これまで、浸水シミュレーションプログラムの精度向上を図るとともに、宅地造成や圃場整備などによる土地の改変、河川の整備状況等、シミュレーションに用いるデータを取得したところでございます。  今後、浸水シミュレーションを実施し、2019年度内に地先の安全度マップを更新、公表する予定で、現在、準備を進めているところでございます。 ◎教育長(青木洋) 県立学校施設の防災、減災対策についての3点の御質問のうち、まず、1点目の県立学校施設における台風の被害状況と生徒への影響についてであります。  この夏に襲来いたしました台風による被害の状況についてでありますが、台風20号を初め3つの台風により、程度の大小はあるものの、多くの県立学校施設において被害が発生をいたしました。  特に台風21号につきましては、記録的な暴風雨により、例えば防球・防砂ネットの損壊、支柱やテニスフェンスの傾き、倒木、枝折れなど多くの被害が発生をしたほか、台風に伴います大雨により、多くの学校で雨漏りがあったところでございます。  次に、生徒への影響についてでありますが、こうした防球ネットやフェンスなどの損壊により、授業や部活動においてグラウンドなどの使用を制限したこと、また、ビニールハウスや温室ガラスの損壊により、農業高校における実習内容の変更や生物の生育への影響があったほか、雨漏りによる体育館の利用制限、また、土の流出によるグラウンドの利用制限などがあったところでございます。  次に、2点目の風水害への対応策についてお答えをいたします。  今回の台風により学校施設において多くの被害が発生をいたしますとともに、グラウンドのテントが敷地外に飛散し、道路の通行の妨げになった事例も発生をしておりまして、改めて事前の点検、備えの必要性を強く認識したところでございます。これまでから被害を最小限にするため、風に飛ばされそうな屋外にある器具の固定をしたり校舎内へ格納するなど、さまざまな対策をとってきたところでございます。  こうした中、今回の被害では窓ガラスの破損も多数見られることから、例えば教室のカーテンによる窓ガラスの飛散防止を行うなど、今後も学校挙げて減災対策に取り組むよう努めてまいりたいと考えております。  次に、学校施設のハード面の対策ですが、学校の屋上などにつきましては、定期的に法定点検の実施をしております。点検の結果、雨漏りなどの原因となっている箇所の損傷や劣化の程度が軽微な場合は、随時修繕を行っておるところでございます。  一方で、損傷や劣化の程度が激しく大規模な改修が必要な場合は、施設の老朽化の状況等を踏まえ、優先順位を見きわめながら対応しており、今後も引き続き計画的に改修をしてまいりたいと考えております。  最後、3点目の県立学校における防災、減災についての見解についてお答えをいたします。  校舎等の耐震化につきましては、既に平成29年度までに完了し、また、体育館等のつり天井の落下防止対策につきましては今年度中に完成をする見込みでありますことから、校舎等の構造体の耐震化につきましては、一定めどがついたものと考えております。  また、議員御指摘の窓ガラスなどの非構造部材への対策につきましては、平成24年度から、建築物、建築設備の法定点検にあわせまして、専門家による点検を行うとともに、国が主催をいたします学校施設の防災対策セミナーに担当職員を派遣させるなど、今後の対策の検討に必要な情報収集に努めているところでございます。  具体的な対策につきましては、これまでも必要に応じ適宜修繕などを行ってきたところでございますが、天井材や照明器具、窓ガラスなど対象部位が膨大にあり、限られた予算の中で対策が十分に進んでいない状況にあるものと認識をしております。  このため、今後対策が必要な箇所につきましては、引き続き、専門家による法定点検や学校職員による日常点検等の結果を踏まえ、劣化や損傷の程度、また、利用頻度などを総合的に勘案し、優先順位を見きわめながら対応していく必要があると考えているところでございます。  さらに、大切なことは、こうした施設の安全性の確保に加えまして、子供たちみずからが災害時の危険を回避することができるように、日ごろから防災、減災の意識の向上を図ることが重要であると考えておるところでございます。  今後とも、子供たちが安全、安心に学校生活を送れるよう、学校現場におけます防災教育の推進を図りますとともに、学校施設の防災、減災対策について、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(川島隆二) 以上で、会派代表による質疑ならびに質問を終わります。    ──────────────── △休会の議決 ○議長(川島隆二) お諮りいたします。  明5日および6日は、議案調査のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(川島隆二) 来る7日は、定刻より本会議を開き、上程議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。   午後3時9分 散会    ────────────────...