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平成30年 9月定例会議(第9号〜第15号)−09月21日-02号

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  1. 滋賀県議会 2018-09-21
    平成30年 9月定例会議(第9号〜第15号)−09月21日-02号


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    平成30年 9月定例会議(第9号〜第15号)−09月21日-02号平成30年 9月定例会議(第9号〜第15号)                 平成30年9月定例会議会議録(第10号)                                       平成30年9月21日(金曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第2号                                         平成30年9月21日(金)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第134号(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第7号))(知事提出)  第2 議第110号から議第132号までおよび議第134号(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか23件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件  第2 日程第2の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(43名)    1番   桑  野     仁       2番   周  防  清  二    3番   村  島  茂  男       4番   加  藤  誠  一    5番   竹  村     健       6番   海  東  英  和
       7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       11番   藤  井  三 恵 子    12番   杉  本  敏  隆       13番   節  木  三 千 代    14番   駒  井  千  代       15番   山  本     正    16番   大  橋  通  伸       17番   冨  波  義  明    18番   井  阪  尚  司       19番   木  沢  成  人    20番   中  村  才 次 郎       21番   佐  藤  健  司    22番   目  片  信  悟       23番   有  村  國  俊    24番   大  野  和 三 郎       25番   岩  佐  弘  明    26番   山  本  進  一       27番   富  田  博  明    28番   細  江  正  人       29番   高  木  健  三    30番   生  田  邦  夫       31番   川  島  隆  二    32番   奥  村  芳  正       33番   野  田  藤  雄    34番   西  村  久  子       35番   佐  野  高  典    36番   家  森  茂  樹       37番   吉  田  清  一    38番   粉  川  清  美       39番   成  田  政  隆    40番   九  里     学       41番   清  水  鉄  次    43番   柴  田  智 恵 美       44番   今  江  政  彦    45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長      世  古     正               人事委員会委員長        西  原  節  子               公安委員会委員長        堀  井  と よ み               代表監査委員代理        平  岡  彰  信               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             由  布  和 嘉 子               総合政策部長          福  永  忠  克               総務部長            藤  本  武  司               県民生活部長          浅  見  孝  円               琵琶湖環境部長         廣  脇  正  機               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        江  島  宏  治               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          川  浦  雅  彦               会計管理者           青  木  幸  一               企業庁長            桂  田  俊  夫               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            廣  瀬  年  昭               議事課長            山  本  昌  男               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(川島隆二) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △下村勳議員の逝去について報告ならびに表弔 ○議長(川島隆二) 日程に入るに先立ち、この際、御報告をいたします。  下村勳議員には、去る9月19日、御逝去されました。まことに哀悼痛惜のきわみであります。よって、同議員の御冥福を祈り、黙祷いたしたいと思います。  御起立願います。    〔全員 起立〕  黙祷。    〔黙 祷〕  黙祷を終わります。  御着席願います。  この際、25番岩佐弘明議員から発言を求められておりますので、これを許します。 ◆25番(岩佐弘明議員) (登壇)追悼の辞。  ただいま、議長から御報告がありましたように、下村勳議員には、去る9月19日、61年の生涯を閉じられました。余りにも突然の出来事であり、まことに哀悼痛惜の念を禁じ得ないところであります。ここに議員各位の御同意を得まして、滋賀県議会を代表して、御遺影を前に、ありし日の故人をしのびつつ、謹んで哀悼の言葉を述べさせていただきたいと存じます。  故下村勳議員は、平成19年10月に守山市議会議員として当選されて以来、守山市の発展と住民福祉の向上に日々尽力されました。私も市議会の場で議論を交えたことや市内各地での行事に同席させていただきましたこと、今となっては懐かしくしのばれます。  また、この間、実体験に基づく教育、福祉行政への思いは熱く重いものを持ちながら、守山市議会の副議長を初めとした要職を歴任していただき、守山市の発展に大きく貢献されたところであります。  平成27年4月には滋賀県政発展のため滋賀県議会議員選挙に出馬され、地域住民の大いなる支持を集めて、見事当選されました。県議会においては、環境・農水常任委員会、総務・政策・企業常任委員会地方創生特別委員会決算特別委員会予算特別委員会の各委員として多様な案件に真摯に向き合われ、長年培われた豊富な経験と卓越した識見をもって審議に参画されました。  また、昨年度は琵琶湖環境対策特別委員会委員長、この4月からは文教・警察常任委員会委員長の要職にもついていただきました。これからますますの活躍が大いに期待されていただけに、突然帰らぬ人となられたことは、まことに痛惜のきわみであります。  生前のあなたは、その温厚篤実な話ぶり、細やかな気配りや気さくな人柄は、多くの方々に深く敬愛されておられました。ありがとう、下村勳議員。生者必滅は世の定めと申しますが、志半ばにして惜しむべき春秋を残しての急逝に、御本人の無念さはもとより、御遺族、地元住民の方々の御心痛を推察申し上げるとき、お慰めの言葉も見つかりません。  しかしながら、あなたが残された数々の業績は、地元住民のみならず、県民等しくたたえるところでございます。お疲れさまでした。どうぞ、今はごゆっくりお休みください。残された我々も、あなたの御遺志を受け継ぎ、県民福祉の向上、県勢発展と地方自治の進展に向け、微力ながら全力を尽くしてまいることをお誓い申し上げます。  ここに、あなたの御冥福を心からお祈りいたしますとともに、御遺族の前途と滋賀県のますますの発展にとわの御加護を賜らんことを祈念し、議会を代表しての追悼の言葉といたします。  平成30年9月21日  滋賀県議会代表 岩佐弘明    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(川島隆二) 次に、諸般の報告をいたします。  北川正雄代表監査委員が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として平岡彰信監査委員が出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(川島隆二) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第134号(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第7号))(知事提出) ○議長(川島隆二) 日程第1、議第134号議案を議題といたします。  これより、上程議案に対する提出者の説明を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)議案の説明をいたします前に、一言申し上げます。  去る9月19日御逝去されました故下村勳議員に対しまして、執行部を代表いたしまして、謹んで哀悼の意をささげたいと存じます。心から御冥福をお祈り申し上げます。  さまざまなことが去来いたしますが、ここでは、御生前の県政に対する数々の御貢献に対しまして、改めて深く感謝申し上げる次第でございます。  それでは、ただいま提出いたしました議案につきまして御説明申し上げます。  議第134号は一般会計の補正予算でございます。  今般、支払い事務の審査において源泉所得税の徴収漏れが見つかり、改めて全庁で自己点検を実施しました結果、4所属で合わせて14件の徴収漏れ、22件の納付おくれが判明いたしました。このため、国に納付すべき不足していた源泉所得税ならびに延滞税および不納付加算税を計上するものでございます。  今回の事例は、本来、源泉徴収の対象とするべきところを事業主の名称や支出科目から誤認したことが原因であり、研修等を通じた職員への周知徹底、また支出審査等の強化や指導徹底するなど、再発防止に向けて全庁で取り組み、信頼回復に努めてまいります。  以上、何とぞよろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。 ○議長(川島隆二) 以上で、提出者の説明は終わりました。    ──────────────── △議第110号から議第132号までおよび議第134号(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか23件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(川島隆二) 日程第2、議第110号から議第132号までおよび議第134号の各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、会派代表による質疑ならびに質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、22番目片信悟議員の発言を許します。 ◆22番(目片信悟議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  冒頭に、私からも、この滋賀県議会で一緒に仕事をさせていただき、また、昨年度は同じ委員会で仕事をさせていただきました下村勳議員の御逝去を悼み、謹んで哀悼の誠をささげたいと存じます。どうか安らかにお眠りください。お疲れさまでした。
     それでは、自由民主党滋賀県議会議員団を代表いたしまして、知事、教育長、また警察本部長に質問をいたします。どうか誠意ある御答弁をよろしくお願いを申し上げます。  まず、質問に入らせていただく前に、ことしの夏は異常とも言うべき酷暑、猛暑で、連日、全国各地で40度を超える気温を記録し、熱中症等で病院へ搬送される方が後を絶たず、亡くなられる方も決して少なくありませんでした。こうした気象状況の中、県立学校のエアコン設備設置については、県は、7月定例会議において各議員から早急にエアコン設備設置について前倒しするよう要望が相次ぎましたが、かたくなにエアコン設置は当初の予定どおりとの答弁を繰り返されました。  しかしながら、7月定例会議最終日に、我が会派より早急にエアコン設置を行うよう緊急申し入れをさせていただいた結果、当初の予定を大幅に前倒しされ、来年夏までに全ての県立学校に間に合うよう、今定例会議初日エアコン設備設置関連補正予算を上程され、議決されました。我が会派の申し入れに対し知事が英断されましたことに心から敬意と感謝を申し上げますとともに、きっと滋賀の子供たちも喜んでおられることだと思います。  また、9月4日には近畿地方を直撃し多くの被害をもたらした台風21号、9月6日には北海道において観測史上初めて震度7を記録した北海道胆振東部地震など、今月に入っても日本列島を震撼させたこれらの大災害が発生し、多くの人命が失われました。ここに、お亡くなりになった方々に対しまして心から哀悼の意を表しますとともに、また、被災された皆様に対しましてもお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧、復興をお祈りをいたします。  それにしても、近年の日本列島は予想や想定をはるかに超えた大災害が頻発しています。また、先ほども申し上げましたが、今夏の猛暑はもはや災害と言えるほど、非常に暑い日が続きました。  また、ことし7月から8月にかけては計16個もの台風が発生し、8月だけを見ても9個、これは昭和42年、平成6年に次いで、台風資料が整備された昭和26年以降では最多の個数となっております。8月23日には、台風20号の襲来により本県でも被害が確認されました。  このように、近年、予想や想像もできないほどの甚大な被害をもたらす大災害が、いつ、どこで起きてもおかしくない状況の中で、本県におきましても、その対策について万全を期すことを強く求めるものであります。  こうした中、先日、地域の住民の方からこのようなお話をいただきました。以前から懸念していたとのことでしたが、その地域の氏神様が鎮座される森が保安林に指定されており、もちろん手を加えることはできないわけですが、台風が来るたびに県当局に対し倒木の危険性があるので伐採させてほしいと要望したけれども、手を加えてはだめと、毎回そのような返答で、その結果、今回の台風で神社の木が倒れ、周辺に被害をもたらしたとのことでありました。一体何のための保安林規制なのか、地域住民に被害を与えるための規制なのかと、ひどく御立腹でありました。いま一度、防災、減災とは何かを県当局にはしっかりと考えていただきたいものであります。どうぞよろしくお願いをいたします。  それでは、質問に入らせていただきます。  まず初めに、新たな滋賀県基本構想の策定についてお尋ねをいたします。  知事は、平成27年3月に滋賀県基本構想「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀」を策定され、7つの重点政策のもと、人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略、いわゆる19のプロジェクトを持って県政の推進に当たってこられました。  現基本構想が今年度をもって計画期間を満了することから、県では次期基本構想の検討を進めておられますが、まずは、現基本構想において目指していたことが実際どれだけ実現できたのか、そして、それが県民にとって実感できるものであったのか、また、どういった課題が残っているのかなど、しっかり把握し、そして認識する必要があります。まず、現基本構想の総括であります。知事の見解を伺います。  また、本格的な人口減少、超高齢社会と言われて久しい今日ですが、これに伴い、さまざまな課題、問題が各界各層から指摘されています。既に本県も人口減少局面に入っており、悠長に構えていては手おくれになります。特に、中山間地域における事業の担い手の高齢化や中小企業の事業承継問題などは深刻な状況であります。また、人生100年時代の到来とも言われており、生涯現役的な考え方も必要になってくることも考えられます。新たな基本構想を検討する上で、時代の潮流や、また課題、加えて県民ニーズをどのように捉え反映されるのか、見解を伺います。  また、次期基本構想は2019年から2030年と、12年にわたり県政のバイブルとして策定されるわけですが、やはり県民一人一人があるべき滋賀の姿が想像できるものでなければならないと考えます。  先ほども申し上げたように、さまざまな課題、また、その時々の時代背景なども踏まえながら、2030年の滋賀の姿をわかりやすく端的に県民に説明することが重要でありますが、県としてどのように描こうとしているのか伺います。  次に、次期基本構想は、2030年に向けた大変長期にわたる構想であります。今現在におきましても財政の健全化は待ったなしの状況であり、以前から申し上げているとおり、行財政改革は一般会計だけでなく特別会計など全てを視野に入れ、聖域を設けずに取り組んでいかなければなりません。例えばモーターボート競走事業では、昨年度一般会計への繰り出しを4億円行っていますが、この額を繰り出しではなく、約37億円ある起債残高の償還に充てるなどして平成34年度までに全額償還すれば、現在の償還計画よりも利子の支払いを約1億3,000万円減少させることができます。  また、土地開発公社の保有する土地につきましても、いまだ造成されていないものも少なくない状況でありますし、企業誘致につきましても、生産年齢人口がさらに減少していくことを踏まえれば、一時的な金銭的助成といったやり方は見直していく必要があると考えます。  少子化とそれに伴う生産年齢人口の減少が進む中で、子育て支援の充実にも取り組む必要があります。総務省の調査によりますと、本県において出産、育児を理由に離職した人数は、平成28年10月から1年間で約2,600人と推計されています。こうした離職を減らすためには、工業団地やショッピングモール等における企業内保育所に対して積極的に支援を行うなど、誰もが安心して働きながら子育てができるようになる取り組みが必要であります。  また、この出産、育児により離職された方が離職されなければ得たであろう年収合計額は約93億円、それに伴う個人県民税への影響額は約1億5,600万円と試算されますが、出産、育児による離職を減らすことができれば、こうした経済的な損失が回避できるとともに、人手不足の解消にもつながります。  また、超高齢社会において、健康寿命の延伸は医療費の削減、ひいては近年増加が続いている扶助費の抑制にもつながるものであり、大変重要な取り組みです。前病院事業庁長が掲げられた健康生活未来都市構想は、2040年を目標到達時期として体と心の健康を目指すものでありますが、この考え方は次期基本構想にも生かすことができるものと考えます。  また、2016年から目標到達時期である2040年までの25年間に必要な投資額は約570億円、それによる医療費削減効果は約800億円と試算されているところですが、次期基本構想の計画期間である2030年に合わせて、その取り組みを10年前倒しした場合の試算も行う必要があるでしょう。  そのほかにも、2024年には本県において国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会が開催されます。近年の異常気象なども鑑みて、防災、減災対策も進めなければなりません。加えて、将来この滋賀県を担ってもらう子供たちの教育など着実に進め、結果を残していかなければなりません。  そこでまず、最初の4年間に何をどのように取り組むのかが大変重要になってくると思いますが、知事はどのような政策に力を入れていかれるのか伺います。  この項の最後に、県民との協働というものについて伺います。  現在においても、さまざまな場面で県民との協働は実際行われておりますが、今まで以上にこれからの時代は重要になってくると考えられます。  人口減少、超高齢社会にあっては、これまで地域で担ってやってきたことがもう地域で担えなくなる、ひょっとしたら、住民生活を支える各種民間サービスが縮小されるかもしれないといった事情が来ないとも限りません。これまで行政として当然のごとく行ってきたさまざまなサービスが将来どのようになっていくのか、また、どのようにしていくのか、しっかり考える必要があります。  そうした中、今後ますますあらゆる機関や団体との連携協力が欠かせないと考えますが、本県としてどのように進めていかれるのか、見解を伺います。  次に、国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会の準備についてお尋ねをいたします。  2024年開催の国体に向けて、主会場の整備を始めなければならない時期に来ています。その主会場は県立彦根総合運動場の敷地を拡張して再整備するもので、敷地拡張を前提にした構想については、主会場選定の段階から懸念されておりました。  しかしながら、国体開催準備委員会は、彦根市から、民有地の取得について主会場の整備スケジュールに決しておくれを生じないよう、県と協力して対処することを確約するとの回答を受けて、主会場を彦根に決定されました。現在、その用地交渉が難航し、スケジュールにおくれが生じていますが、今後、彦根市との連携をどのようにとりながら進めていこうと考えているのか、お伺いをいたします。  あわせて、リミットを決め、無理なようであれば別の方策も考えるべきとも思いますが、用地取得について具体的なスケジュールをお示しください。  また、その用地取得は昨年度末に完了する予定でありましたが、交渉が難航して基礎工事や地盤対策工事が進まず、スケジュールが半年近くもおくれています。このような状況を踏まえ、知事は会場用地の収用に言及されましたが、国民スポーツ大会障害者スポーツ大会という、まさに本県にとって最大のイベントの主要な舞台となる主会場を収用で整備することは避けるべきであり、このような手法は国民スポーツ大会という晴れ舞台には全くふさわしくないと考えますが、知事はどのように考え、そして取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  また、主会場の施設整備であるサブグラウンドナイター設備についてでありますが、今夏の状況を鑑みると、日中を避け、暑さ対策や仕事を終えての社会人の利用など、日が暮れて暑さがやわらぐ夜間のニーズが大変大きいことを考えると、ナイター設備の設置は不可欠と考えます。サブグラウンドの夜間利用への対応として、ナイター設備についてどのようにお考えか、お伺いをいたします。  次に、6年後に迫った国民スポーツ大会障害者スポーツ大会において、それぞれの地域で具体的な取り組みを進めるためには会場の決定が重要になってまいりますが、現在の選定状況と今後の見通しについてお伺いをいたします。  また、先般の財政見通しにおいて、両スポーツ大会の関連経費として全体で511億円を見込まれていますが、このうち開催経費と市町の施設整備に係る補助については、現時点では先進県の平均額とされております。これらの経費について一層の精査が必要と考えますが、どのように取り組んでいくのか伺います。  この項の最後に、国民スポーツ大会障害者スポーツ大会を通じて本県にどのような効果を期待されているのか。あわせて、両大会の成功に向けて知事の意気込みを伺います。  次に、環境総合計画の推進についてお尋ねをいたします。  猛暑続きの中、このたび、県は県立学校のエアコン整備の前倒しを決断されました。これは教育環境の改善というより、異常な気象から学生の命を守るという意味も込めて、その対応を評価するものであります。この異常な暑さは、地球温暖化への対応の変化にもあらわれています。例年なら、右を向いても左を見ても節電、節電、エアコンは設定温度28度を守ろうと呼びかけていましたが、ことしはさすがに節電という言葉を聞かなかった夏であります。それだけ異常な気象でした。これも環境の変化でありますが、その環境の保全というものは、まさに人間の生存があってのものであります。  こうした中、現在、本県の環境総合計画の改定が検討されております。現滋賀県環境総合計画は、環境を取り巻く状況の変化や東日本大震災を契機として、県民などが環境に対する問題意識の変化を踏まえつつ、目指すべき将来の姿を、恵み豊かな環境と命への共感を育む社会として実現されるものであります。  そして、サブテーマとして、「子や孫の世代まで幸せや豊かさを実感できる安全・安心な環境の創造」とした計画となっております。  そこで、この計画の目指すべき将来の姿は現時点ではどれだけの姿が見えてきたのか、お伺いをいたします。  ところで、現行の県環境総合計画には3つの基本目標があります。計画改定を前に、このうち、低炭素化など環境への負荷が少ない安全で快適な社会の実現と、琵琶湖環境の再生と継承に関連して、幾つか確認を含めて質問をいたします。  まず、低炭素化など環境への負荷が少ない安全で快適な社会の実現に関しては、滋賀県低炭素社会づくりの推進に関する条例に基づく取り組みがありますが、その中には、県内事業者の自主的な取り組みを促すとともに、低炭素社会づくりに向けた機運を高めるものとして事業者行動計画書制度があります。まず、この事業者行動計画書制度の効果は総合計画推進上どのようにあらわれてきているのか、お伺いをいたします。  そして、この計画書の提出については、提出事業所とする要件を設定していますが、要件に該当しない事業者であっても任意に計画書を提出できるとなっております。また、その提出事業所は県のホームページでも確認できます。  県立総合病院も一つの事業所として計画書を提出していますが、ならば県内最大のサービス業である滋賀県庁という事業所も提出すべきではないでしょうか。そのことが県内事業所の機運を上げることになると考えますが、いかがでしょうか。環境計画改定を進めている現在、環境保全に対して県が率先して行動するという姿勢を示すべきと思いますが、知事の考えを伺います。  いわんや、さきの障害者雇用の水増しのように、行政機関はみずからに甘いと言われないためにも、率先して計画書を公表してはと考えます。  そして、琵琶湖環境の再生と継承については、琵琶湖保全再生計画を軸に取り組むことになるものと考えます。琵琶湖の再生は、法に基づく県の計画をしっかり実現することがまず重要であります。計画2年目のことし、びわ湖の日──7月1日から山の日──8月11日にかけて、びわ活なるキャンペーンの取り組みが打ち出されました。県民みんなが盛り上げて、琵琶湖再生の意義を意識づける点で一定評価するものでありますが、改めて、今回のびわ活の取り組み、その意図するところと取り組みの評価、ならびに反省点をどのように分析し、来年度の方向性をどのようにお考えか伺います。  先ほども申し上げましたが、環境保全は人間の生存から生まれるものであり、県民や事業所挙げて取り組む、すなわちゼロエミッションという考え方が重要であります。そして、滋賀県が一事業所として率先して取り組む姿勢こそが大切であります。にもかかわらず、大変残念な事案が発生いたしました。  湖南中部浄化センターの汚泥焼却灰から廃棄物処理法の基準値を超えるセレンが検出され、しかも焼却灰が甲賀市にあります県の最終処分場──クリーンセンター滋賀に埋め立てられたとのことであります。既にその対応はなされておりますが、クリーンセンターを管理する環境事業公社の理事長である知事に関連して伺っておきます。  今回のこうしたあってはならないことが起こった原因はどこにあったと分析されているのでしょうか。あわせて、県として、また公社として、それぞれ今後の対策について、そのお考えを伺います。  また、こうした中、湖南中部浄化センター等、今後、汚泥処理プラントなど施設の更新を検討する時期に来ています。聞くところによりますと、下水汚泥の有効利用に関しては日々技術が進歩しているとのことですが、これから取り組んでいく施設更新に当たってはどのような方向性を持って進められるのか、具体的にそのお考えを伺います。  幾つか環境保全の視点で指摘しながら問いかけましたが、環境総合計画改定に当たり、現計画から見える次なるステージの課題をどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  滋賀県には数多くの計画がありますが、事、環境に関する計画というのは単に理想ではいけません。県民が納得し、誰もが意識づけられることが重要であります。  最後に、次期環境総合計画の策定への知事の思いを伺って、この項の質問といたします。  次に、障害者施策についてお尋ねをいたします。  障害者施策については、障害の有無によって分け隔てられることなく、誰もがお互いに人格と個性を尊重し、支え合って共生する社会を実現することが重要であります。このため、障害者基本法に基づき、障害者基本計画に即して障害者の自立および社会参加の支援など、施策を総合的かつ計画的に推進するとともに、積極的な広報啓発活動を進めていく必要があります。  また、障害者差別解消法が平成28年4月に施行されましたが、その運用の実効性を高めていくため、広く社会全体にその取り組みを働きかけていかなければなりません。  そこで、初めに、障害者雇用についてお尋ねをいたします。  障害者雇用率制度については、昭和35年度に身体障害者を対象として本制度が導入されて以来、昭和62年度には知的障害者、平成18年度には精神障害者が対象に加わり、法定雇用率も順次引き上げられております。平成30年度には、民間企業においては2%が2.2%に、国および地方公共団体の法定雇用率が2.3%から2.5%に、教育委員会の法定雇用率が2.2%から2.4%に引き上げられました。  民間企業においても障害者雇用に関する積極的な取り組みが展開される中、県は事業主としてこれまでどのように障害者雇用に取り組んできたのか。現在の障害者雇用者数や雇用率の状況とあわせてお伺いをいたします。  また、障害者雇用促進法において、国や地方公共団体には民間企業より高い法定雇用率が定められており、公共団体には障害者雇用に率先して取り組むことが求められていますが、多数の省庁や地方公共団体において厚生労働省から示されているガイドラインに基づく取り扱いがなされておらず、国においては雇用者数の約半数が水増しであったという報道がなされています。  滋賀県においても、対象となる職員が障害者手帳を所持しているかどうか適切に把握できていなかったとのことでありますが、今回、拡大を図っていくべき障害者雇用の人数が誤っていたことはまことに遺憾であります。なぜそのようなことが起きたのか、あわせて、再発防止に向けての取り組みと、今後どのように障害者雇用に取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  また、平成29年6月1日現在における県内企業の実雇用率は2.13%と法定雇用率2%を達成しており、達成企業の割合は60.7%と、全国平均である50%を上回るものの、4割近い企業が未達成であり、この4月からはさらに法定雇用率が段階的に引き上げられます。  民間企業では常用雇用労働者数が100人を超える事業主に対し、障害者雇用納付金制度の申告が義務づけられていますが、障害者雇用には奨励金や調整金等があるものの、未達成分には重税のようなペナルティーが課せられています。このような中、県内企業の障害者雇用をさらに促進するため、県において今後どのように取り組んでいこうとしているのか、お伺いをいたします。  次に、障害者差別解消法の実効性の補完などを盛り込んだ共生社会づくりを目指すための条例についてお尋ねをいたします。  障害のある人に対する差別がなく、多様な価値観を認め合い、相互に人格と個性を尊重し合う共生社会の実現は県民共通の願いであり、その実現のためには、滋賀で大切にされてきた福祉の思想が県民に受け継がれ、福祉の実践が広がることが大切であると考えます。知事も同様の考えのもと、条例を整備していくことが必要と認識し、昨年度、滋賀県社会福祉審議会に条例の骨格づくりを諮問されました。ことし6月には答申がなされ、現在、県民に条例検討に参画いただくために、タウンミーティングを実施していると仄聞しています。  そこで、本条例に対し県民の皆さんはどのように捉えているのか、タウンミーティングやさまざまな意見交換の場の状況についてお伺いをいたします。  答申では、誰もが障害を理由とする差別を行わないと規定するとされています。新たに義務が課せられる県民や、その中でも特に事業者の理解を得ることが重要と考えますが、どのように進めていかれるのか、お伺いをいたします。  また、答申では、当事者間における建設的な対話による相互理解が重要として、専門相談員や地域アドボケーターなど、差別に関する相談や解決の体制整備が提言されております。相談を寄せる一人一人の置かれている状況を踏まえ、差別の解消に向けたさまざまな相談に対応していく必要があると考えますが、具体的にどのような体制整備をしようとしているのか。また、こうした体制を実際に有効に機能させるためにどのような取り組みを考えているのか、あわせてお伺いをいたします。  平成29年2月定例会議における我が会派の代表質問に対し、知事は、「福祉の思想を条例として県民の皆さんが共有することは有意義であり、どのように盛り込み、滋賀らしい条例とすればよいのか検討を進める」と答弁されていますが、具体的に条例にどのように盛り込むのか、そして滋賀で大切にされてきた福祉の思想を反映した条例を制定することでどのような社会を目指されるのか、その決意を伺います。  次に、中小企業の人材確保育成についてお尋ねをいたします。  本県の人口は、2013年ごろをピークに減少局面にあると考えられます。年少人口は2015年の約20万4,000人から2030年には約17万7,000人に、生産年齢人口は、2015年の約86万7,000人から2030年には約80万1,000人に減少すると見込まれております。  こうした状況を受け、昨年12月の我が会派の代表質問において、県内の人材不足の状況についてお伺いをしたところ、知事は、「人口減少を迎える中、県内における人材不足は一層厳しい状況となっており、地域の持続的な発展につなげていくためには、県内企業における人材の確保育成は重要な課題であると認識している」と答弁されたところであります。県内企業からは人手不足や人材確保が難しいとの声が多く聞かれる状況が続いていますが、本県の人材不足の状況をどのように認識されているのか、お伺いをいたします。  県内大学生の県内企業就職率は約1割と大変低調であり、大学卒業後の就職時期である20歳から24歳世代の転出超過が続いている状況となっております。新規大学卒業者の3年以内離職率も全国で約3割と高い水準となっており、より多くの若者に地元で就職し定着してもらうことが必要であると考えます。  また、少子高齢化が進行する中、県内企業が将来にわたって必要な人材を確実に確保していくためには、若者に加え、女性や高齢者など多様な人材に地域経済の担い手として活躍していただく必要があると考えますが、中小企業の人材確保に向けた課題についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  また一方で、中小企業の廃業に伴う雇用の創出も大きな課題になると考えます。中小企業、小規模事業者の事業承継について、近畿経済産業局が昨年10月に公表しているレポートを拝見しておりますと、全国で今後10年の間に70歳を超える中小企業、小規模事業者の経営者が約245万人となり、そのうち約半数の127万人が後継者未定で、このまま現状を放置すると、中小企業、小規模事業者廃業の急増により、2025年ごろまでの約10年間の累計で約650万人の雇用が失われるおそれがあると試算されております。  企業のほとんどを中小企業、小規模事業者が占める本県にあっては、事業承継が円滑に進まないと、はかり知れない影響があると思われます。中小企業、小規模事業者の事業承継が円滑に進まないと想定した場合、本県における雇用にどのような影響があると推計されているのか、お伺いをいたします。  本県の中小企業の数は県内企業の99.8%、従業者数も全体の80%を占めております。中小企業は地域の経済や社会の担い手として大変重要な役割を果たしており、滋賀の経済や社会が今後も持続的に発展していくためには、その主役である中小企業の活性化が不可欠であります。地域を支える中小企業の人材確保に向けた課題や廃業に伴う課題に対して、今後どのような取り組みを推進していくのか、その決意をお伺いをいたします。  次に、畜産における近江ブランド力向上についてお尋ねをいたします。  台風21号は本県の農林水産業に大きな被害をもたらしました。台風ということから、とりわけ、農業ハウスや畜舎などの農業施設の被害は、これまでにない大きなものでありました。保険や共済といわず、農業再建に行政もしっかりと手を差し伸べてこそ、滋賀県の農業振興が図られるものと考えます。まず、今回の台風における本県農業への被害の概要と、再建農家への支援の基本的な考え方をお伺いをいたします。  さて、本県の畜産業は、農業経営体数に占める経営体数こそ1%程度でありますが、平成28年の本県の農業産出額633億円のうち、畜産業は何と115億円と18%を占めています。間違いなく畜産は滋賀県において主要な農業であります。酪農こそ平成に入り飼育頭数は3分の1になっていますが、肉用牛は平成に入って安定した頭数を維持しており、29年は増加傾向に転じています。  そこで、知事に伺いますが、社会構造の変化を踏まえたおおむね20年先の本県の畜産業を、今日までの滋賀の畜産業の歴史からどのように描いておられるのでしょうか。  畜産の中でも、まずは近江のブランドを担う和牛肉牛の生産であります。現在、県内で育てられている和牛の80%以上は、子牛を九州など県外から仕入れられています。しかし、子牛価格の高騰から、また品質や肥育農家の収益向上のため、県は子牛の県内生産頭数の増大を目指してキャトル・ステーションを整備されました。去る7月18日に竣工し、いよいよスタートであります。  そこで、お伺いをいたします。知事はキャトル・ステーションの竣工において、生産拡大に向けて農家が利用したいと思える施設にすると述べられたと報道されていましたが、そもそも、この施設は農家の期待があったからこそ整備されたのではないでしょうか。利用したいと思える施設とはどのような施設運営を考えておられるのか、お伺いをいたします。  ブランド近江牛となる黒毛和種の肥育牛の頭数は、平成20年の1万116頭から平成26年は1万2,165頭と微増傾向にありました。また、繁殖雌牛の飼育頭数は、平成20年の1,097頭から平成26年には1,200頭と若干増加していますが、ほぼ横ばいで推移しています。このキャトル・ステーションの運営においては、数値目標が重要だと考えます。それは、農家所得向上を確実なものにするというための目標を農家に示すべきということであります。具体的にキャトル・ステーション整備においてどのような数値目標を設定されたのでしょうか。また、肥育農家が子牛の確保に係る経費はどの程度軽減されるのか、お伺いをいたします。  一方、生産とともに重要なことが有利な販売戦略であります。近江牛は歴史と伝統を誇る日本最初のブランド牛と言われます。今さら申し上げるまでもありませんが、日本三大和牛の一角にも数えられている近江牛、ただ、調査によれば、神戸牛、松阪牛にブランド力で負けているとも言われています。近年は全国的に自称ブランド牛が乱立しており、そういう意味でも産地間競争はますます厳しくなってくるものと考えられます。  知事も先頭に立って近江牛のPRに余念がないと思われますが、さて、近江牛のブランド水準は現在どのようなレベルにあるとお考えか。その考えが県としてこの施策の基本となることからも、あえて知事に伺います。  ところで、近江牛のブランド・販売戦略が平成28年3月に策定されています。平成32年を目標とした戦略には目指すべき姿が示されていますが、1、ブランド戦略、2、PR・販売戦略、3、生産戦略、それぞれの姿に対して、平成30年度はどのようなところまで進んできているのでしょうか、お伺いをいたします。  また、1つ気になることがあります。地理的表示、いわゆるGIという保護制度への登録と、その後であります。  昨年12月15日に近江牛も地理的表示に登録されました。登録団体の滋賀県畜産振興協会会長が知事への報告として、ほかの産地との競争に負けないよう、海外への発信を強化したいと意気込んだとのことでありますが、既に半年以上が経過しています。しかし、いまだにGI、近江牛のシールが張られたものを小売店などにおいても目にしたことがありません。  日本農業新聞の情報ですが、知事のコメントにあった、登録を機に、より一層の伝統の継承、安全、安心で高品質な近江牛の生産、販売につなげていけるよう努めることを踏まえ、霜降り度合いが高く、脂の口溶けがよいという、まさに近江牛のブランドと言える認証制度構築を生産者団体が知事に求めたということであります。  そこで、地理的表示──GI登録後の現状は大変に気になるところであります。せっかく登録されたのなら一刻も早く運用すべきですが、認証制度の見通しをお伺いいたします。  そして、この際、GIがもたらす近江牛ブランド向上についての考えを、改めて知事にお伺いをいたします。  また、近江といえば、近江牛とともに近江しゃもがあります。近江しゃもは平成5年に県畜産技術振興センターで生まれた鶏で、歯ごたえ、風味とうまみが特徴と一時期大きな報道もあったのですが、養鶏の生産羽数は現在横ばい状態にあります。近江牛に並ぶ本件畜産のブランドとなるよう、県として積極的な振興が必要ではないでしょうか。近江しゃもの現状と課題、そして、今後どのような将来性が考えられ、県としてどのように振興しようとしておられるのか、お伺いをいたします。  キャトル・ステーションやGI登録は畜産振興のためのツールであり、これらを整備したからといって伸びるものではありません。要はどのような戦略で効果を上げていくかであります。畜産における近江ブランドの向上、すなわち本県の畜産振興における知事の意気込みと、その意気込みを来年度予算にどのように反映しようとされるのか、そのお考えをお伺いをいたします。  次に、本県の地域公共交通についてお尋ねをいたします。  近江鉄道は県内5市5町にまたがる59.5キロメートルにわたる路線で、湖北、湖東、東近江、甲賀地域を結ぶ広域的な幹線交通として、住民の生活にとって重要な路線であります。その鉄道も開業から120年がたち、駅舎はもとより施設の老朽化が進み、それらのメンテナンス費用も増大し、鉄道事業において恒常的な赤字が続いております。  国や県、沿線市町には、これまでから施設、設備整備に係る経費を補助してきたものの、安全対策や施設の維持管理などに多くの経費を要することから、昨年12月に、鉄道経営を近江鉄道単独で維持するのは困難であるとの新聞報道がなされました。  これまでから維持存続に向けてさまざまな取り組みがなされ、今年度より県では地域鉄道ネットワーク検討調査に着手をされ、8月20日付の人事異動で、地域公共交通担当の管理監を設置するとともに、交通戦略課長を専任化し組織体制を強化されましたが、新たな組織体制を整備後、近江鉄道のあり方に係る検討状況はどうなっているのか、お伺いをいたします。  この新体制のもと、平成31年度中の法定協議会設置に向けて本格的な検討を進める上で、沿線地域の住民や利用者などの意見や要望も踏まえ、沿線地域が主体となって議論を行う必要があると考えます。そのことから、この問題を検討する上でどのような課題があると考え、今後、県としてどのようにその課題を解決していこうとしているのか、お伺いをいたします。
     また、近江鉄道の問題が単に交通ネットワークの維持存続にとどまらず、次の時代を見据え、鉄道が持つさまざまな効果や価値を生かした地域の維持活性化のモデルを目指し、県がリーダーシップを発揮して、さらに前面に出していくことが求められていると考えます。この際、検討スケジュールと県の取り組み姿勢についてお伺いをいたします。  続いて、地域公共交通の維持確保についてでありますが、地域交通ネットワークの最適化に向けて、市町と事業者が連携し、路線バスの利便性向上に現在も取り組んでいるところであります。  しかしながら、駅ロータリーの混雑や周辺道路の渋滞などによりバスの速達性、定時性が損なわれ、駅ではバス待ちの行列が発生し、乗るのにも、また乗ってからも多くの時間がかかってしまうといった事象も発生している地域がある一方で、中山間地域や鉄道の駅から離れた地域など人口が減少局面となっている地域においては、交通空白地域にならないよう、コミュニティバスやデマンドタクシーが運行されております。  このように、県内のバス交通については、人口が集積する地域と人口が減少局面となっている地域によって、バスの運営に係る取り組みが異なっておりますが、それぞれの地域の実情に合わせたバス交通をどのように考えているのか、お伺いをいたします。  また、今後、人口減少、少子高齢化社会が進展していく中で、人々の生活が営まれる地域において、その移動手段を確保していく必要があります。特に、公共交通機関として地域を結ぶ路線バスについて、不採算路線をどのように維持していくのか。運転手不足により運行できないといった問題などバスを取り巻く厳しい環境においても、地域のまちづくりと一体となった公共交通が維持されていくことが必要だと思います。県として、市町への支援をどのように考えているのか。  あわせて、地域の大切な交通手段であるバスを維持活性化していくため、利用促進など持続可能なバス運行に向けて県はどのような取り組みを行っているのか、お伺いをいたします。  この項の最後に、今注目されている自動運転についてでありますが、2020年のオリンピック開催時には自動運転車が運行され、2025年には完全実用化されることになっております。自動運転はその期待も大きく、それが導入されることにより、運転手不足の解消や自動車に関する考え方など、社会的な価値が大きく変わるきっかけになることが予想されており、新たな移動革命をもたらすものと考えられています。自動運転が導入されることで社会的にどのような効果があると考えているのか、お伺いをいたします。  県内では、昨年11月に東近江の道の駅「奥永源寺渓流の郷」において実証実験が実施され、今年度には大津市でも行われるなど、全国各地において実証実験が行われております。これらを踏まえ、県として今後どのように自動運転に関する施策に取り組まれるのかが大変重要になってまいります。  加えて、社会的に影響の大きい自動運転技術は、これから進展する第4次産業革命のコアとなる技術革新の一つとして位置づけられております。今後、県は公共交通において自動運転技術をどのように生かそうと考えておられるのか、お伺いをいたします。  次に、滋賀の教育施策について、知事、そして教育長にお尋ねをいたします。  まず、滋賀の子供たちの学力向上についてであります。  ことし4月に実施されました全国学力・学習状況調査の結果が7月末に公表され、滋賀県は5年連続で、小中学校とも全ての科目の平均正答率が全国平均を下回る状況でありました。小学校は5科目中3科目が、中学校は1科目が47都道府県で最下位となってしまいました。毎年いつも下位であり、どんどん悪い結果に陥っております。滋賀の子供たちは一体どうなってしまうのか。一体何が原因なのか。一向に改善しない理由は何なのか。全国学力・学習状況調査の結果が毎年下位の滋賀県は、余りにもイメージが悪過ぎると言わざるを得ません。  一方で、県内では少しでも学力が高そうな地域を探し求め、あるいは県外校を選択するために、家族まるごと転居するといった家庭もあると仄聞をいたします。  こうした状況の中、全国学力・学習状況調査の厳しい結果を受け、7月定例会議において、子供たちが確かな学力を身につけるためのより一層の取り組みを求める決議が可決され、課題を的確に把握し、改善すべき点を明らかにするとともに、市町教育委員会および各学校との連携を強め、子供たちが確かな学力を身につけるため、より一層の取り組みを進めるよう強く求めたところであります。  県教育委員会では、調査結果の分析を進め、課題を明確にしながら、改善方策について検討の段階であるとは思いますが、現時点においていかに危機感を持っておられるのか、子供たちの確かな学力向上を図るためいかに取り組むか、知事、そして教育長にそれぞれお伺いをいたします。  次に、第3期滋賀県教育振興基本計画についてであります。  去る5月24日から4回にわたり滋賀県教育振興基本計画審議会が開催され、第3期の滋賀県教育振興基本計画の策定に向けて議論が進められ、9月14日に答申が出されたところであります。  そこでまず、審議会においてこの答申を出されるに当たりどのような議論がなされてきたのか、教育長に伺います。  計画の基本目標は「未来を拓く心豊かでたくましい人づくり」とされており、第1期計画、そして第2期計画から引き継ぐ形となっております。これは、どんな時代であっても教育が不易の取り組みであることをあらわしているものと考えます。一方、サブテーマは、「人生100年を見据えた『共に生きる』滋賀の教育」であり、第2期計画の「学び合い支え合う『共に育つ』滋賀の教育」から大きく変えられているところであります。今回の答申を受け、第3期のサブテーマについて教育長はどのように感じておられるのか、お伺いをいたします。  また、今回の計画では、滋賀の教育で大切にしたい視点として、本県に豊富にある歴史などを生かした滋賀ならではの学び、滋賀ゆかりの先人の言葉や心などを学びに生かしていくこととされている点が大きな特徴であります。滋賀ならではの学びとはどのような学びであるのか、また、なぜそうした学びを大切にしていこうとされるのか、答申に対する教育長の考えをお伺いをいたします。  今後5年間に実施する施策の方向性と主な取り組みとしては、3つの柱立てをし、それぞれの柱を相互に連携させて施策の総合的な推進を図るとされております。  そうした中、柱の1つ目である「子ども一人ひとりの個性を大切にし、生きる力を育む」では、まず、確かな学力を育むことを位置づけられ、そのための主な取り組みについては12項目が掲げられております。この取り組みについて、確かな学力を育むことに対する県の意気込みを感じますし、大いに期待するところであります。  サブテーマである「人生100年を見据えた『共に生きる』滋賀の教育」との関連からも、生涯にわたり学び続ける力の基盤となる確かな学力をしっかりと育んでいくことが最も大切であると考えるところであります。  この項の最後に、第3期滋賀県教育振興基本計画に基づき、計画期間である今後5年間においてはどのようなことに重点を置いて確かな学力を育んでいこうとされるのか、教育長にお伺いをいたします。  それでは、最後に、犯罪の起きにくい社会づくりと交通事故の抑止に向けた対策について、知事、そして警察本部長にお尋ねをいたします。  県下における刑法犯認知件数は、平成14年の3万2,183件をピークに以降大幅に減少しており、平成29年では約4分の1となる8,737件まで減少しています。また、平成30年8月末現在では5,247件と、昨年同月比でマイナス754件となっております。  滋賀県では、「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり条例の制定により、県警察を初め、県、市町、県民、事業者が一丸となった犯罪抑止活動を展開していただいており、安全、安心で良好な治安に向けての取り組みは着実に前進しているものと感じております。  しかしながら、県内湖南地域では殺人、死体遺棄事件など凶悪事件の発生や、県内各地では児童に対する声かけ事案や女性を対象とする性犯罪が発生するなど、県民に不安を与える犯罪はいまだに後を絶ちません。  こうした中、県警察では、昼夜を分かたず、また寝食を忘れ日夜犯罪と戦っておられますが、いろいろな事件、事故に関するニュース等を見るにつけ、これまでの県民からの協力や情報提供に加え、今や、防犯カメラ画像が犯人検挙や事件検挙につながるケースが多くなってきているように感じます。  このように、一たび犯罪が発生した場合には防犯カメラ映像は犯罪捜査に有効であるだけでなく、地域の各所に防犯カメラが設置されていれば、犯罪の未然防止という地域の安全、安心の醸成にも非常に効果的ではないかと考えられます。  県警察では、これまでに県予算による防犯カメラの設置のほか、平成26年から平成28年にかけて、県内の企業から寄贈を受けられた数百台の防犯カメラを地域見守りカメラとして、自治会、自主防犯活動団体などへ無償で貸し出していると聞いておりますし、そのほかにも、市町等による駅周辺や道路沿い等公共の場所への防犯カメラの設置、また、事業者による各種店舗での防犯カメラの設置が今も進められております。  そこで、現在における県内の防犯カメラの設置状況等についてお伺いをいたします。  また、全ての県民が安心して暮らせる犯罪の起きにくい社会づくりのためには、県、市町とのさらなる連携による地域防犯意識の促進が求められるところでありますが、県内での防犯カメラの設置拡大は、先ほども申し上げたとおり、地域の安全、安心の醸成や県民の防犯意識の向上に大きく寄与するものではないかと思います。今後も引き続き、県内における防犯カメラの増設に向けた取り組みが必要であると考えますが、県警察としての取り組み方針についてお伺いをいたします。  次に、台風21号の被害で近畿地方でも広範囲に停電が発生し、県内でも停電の影響で県民の生活に不自由を強いられることになりました。これらの停電により近畿各地で多くの信号機が滅灯しましたが、滋賀県内においても約200基の信号機が滅灯したことにより、県内各所において渋滞が発生し、県民の生活に大きな影響が出ました。そのため、多くの警察官が交差点での交通整理に従事したと仄聞しております。  大規模な災害時には広範囲にわたる停電が想定されます。そのような状況において、信号機によらない交差点の交通整理として、ラウンドアバウトと呼ばれる信号機のない円形の交差点が災害発生時には非常に有効ではないかと考えられます。  そこで、災害発生時におけるラウンドアバウトの交通整理能力についてどのように認識しておられるのか、お伺いをいたします。  また、それ以外にラウンドアバウトの効果としてどのようなものがあるのか、あわせて、警察としてどのようにラウンドアバウトに取り組もうとされているのか、お伺いをいたします。  次に、交差点を整備していく道路管理者の立場として、このラウンドアバウトについて知事はどのように認識されているのか、お伺いをいたします。  また、ラウンドアバウトの導入に向けてどのように取り組もうとされているのか、お伺いをいたします。  以上、県政課題各般にわたりお伺いをしてまいりました。特に自然災害に対する被害を防ぐ、また、被害を最小限に抑えるなどその準備、また、一たび大きな災害が発生した際の行政としての迅速な対応など、日ごろからの意識や備えがいざというとき大変重要になってまいります。  今定例会議でも、知事が冒頭から陳謝される場面、しかも、以前にも同じ内容において謝罪された内容もありました。より緊張感を持って県政運営に当たってくださいますよう改めて申し上げ、質問を終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 22番目片信悟議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)自由民主党滋賀県議会議員団を代表されての御質問、大きく9項目賜りましたが、前段、まず8項目について順次お答えをさせていただきます。  まず1点目、次期基本構想について5点賜りました。  1点目、現基本構想の総括についてでございますが、現在の基本構想は、「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀〜みんなでつくろう!新しい豊かさ〜」を基本理念として、7つの重点政策を展開してまいりました。  滋賀・びわ湖ブランドの発信につきましては、観光入り込み客数の増加でありますとか情報発信拠点「ここ滋賀」の整備など、また、活力ある県土づくりと安全、安心社会の実現につきましては、道路、河川インフラの整備や犯罪件数の減少など、県民が実感できる具体的な成果がおかげさまで得られてきているところでございます。  一方、文化やスポーツに対する県民の満足度向上に向けた取り組みですとか、高齢化が進む中、介護人材の確保に係る取り組みなどは道半ばの状況であると捉えております。  これまでの4年間で、全ての人が将来も持続的に実感できる新しい豊かさの実現に向けた一歩を踏み出すことができているのではないかと考えており、しっかりと課題も認識しながら、次の基本構想につなげてまいりたいと存じます。  2点目、時代の潮流や課題、県民のニーズの反映ということについてでございますが、潮流と課題につきましては、次期滋賀県基本構想の計画期間としております2030年までを展望いたしますと、人口減少、超高齢社会が進み、本県でも国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますれば、2015年に約141万3,000人であった人口が、2030年には約137万2,000人まで減少する見込みでございます。これにより地域のつながりの希薄化や産業の弱体化等が懸念され、また、人生100年時代と言われる長寿の時代が到来し、経済面や健康面、社会とのつながり等について不安を持たれる方がますますふえていくのではないかと考えております。  一方で、第4次産業革命と言われる飛躍的な技術革新が、産業、労働、生活などあらゆる物事を大きく変えていくと予測されます。  県民ニーズの把握の面では、まず、今回の基本構想審議会は多様な分野の第一線で活躍いただいている幅広い年代の方で構成されており、現場目線、県民目線での幅広い御意見をいただき、次期基本構想について御議論いただいているところでございます。  加えまして、昨年度から各分野の団体や大学生などの多様な主体と意見交換を行い、また、基本構想の骨子案の段階でも、県民の皆様から滋賀の強みや地域資源の活用など、さまざまな御意見を頂戴したところでございます。  今後の県民政策コメントにおきましても多くの御意見を頂戴することを期待いたしており、基本構想の策定において、時代の潮流と課題、県民のニーズをしっかりと反映させてまいりたいと存じます。  3点目、2030年の滋賀の姿についてでございますが、次期基本構想では、未来に幸せが続く滋賀のため、人、経済、社会、環境の4つの柱で、みんなで目指す2030年の姿を描いてまいりたいと考えております。  それぞれの主な内容でございますが、人につきましては、自分らしく、体も心も健やかで、より柔軟なライフコースが選択できる生き方を、経済につきましては、第4次産業革命への対応やグローバルな経営視点、多様な人材の活用、育成などによる新たな価値を生み出す産業が創出されている姿を、社会につきましては、道路や公共交通などの社会インフラや地域コミュニティーなどの多様な社会基盤が持続可能な形で生活や産業を支えている姿を、そして環境につきましては、全ての人や企業などが環境に配慮した活動を行い、琵琶湖を初めとする自然環境からの恵みがあふれている姿を、それぞれ目指してまいりたいと考えています。  これらにより、これまで世界が経験したことがないような大きな変化の中にあっても、時代に合わせて柔軟に変わり続け、経済、社会、環境のバランスがとれ、将来世代も含めて、一人一人が幸せを感じることができる滋賀をみんなの力でつくりたいと考えています。  4点目、では、最初の4年間どのような政策に力を入れるのかということでございますが、最初の4年間は、基本構想の目指す2030年の姿の実現に向けた重要な期間であり、健康しがの取り組みを通じて、持続的な滋賀づくりの礎を築いてまいりたいと考えています。  具体的には、人生100年時代を見据えた予防とケアを重視した人の健康づくりや、生涯現役で自分らしく活躍できる社会づくりに向けた環境整備、文化とスポーツで人生を豊かにする取り組み、第4次産業革命に対応した成長産業の創出や中小企業を初めとした県内の産業を支える人材の確保、高齢化が進む中でも、誰もが移動や交流がしやすく日常生活が送りやすい地域とするための地域公共交通の仕組みづくり、山や琵琶湖を初めとした自然環境の保全活用や、温暖化等地球規模での環境変化への対応などに取り組んでまいりたいと考えております。  5点目、あらゆる機関や団体との連携協力についてでございます。  人口減少、超高齢社会におきましては、地域コミュニティーの弱体化などにより、これまでの仕組みでは地域社会の維持が困難になることが想定されます。そうした中、県民一人一人が幸せを感じることができる滋賀を実現するためには、民間の力を初め、滋賀のあらゆる主体の力を出し合うことが必要であると考えます。  次期基本構想の実現に当たりましては、さまざまな主体との連携協力をより一層進めるとともに、NPO、民間企業、大学等、相互の新しい協力関係を構築する役割を果たしてまいりたいと考えております。  大きな2項目め、国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会の準備等につきまして、7点御質問いただきました。  1点目、主会場の用地交渉に関する彦根市との連携についてでございますが、主会場の用地買収につきましては、現在、民有地の全地権者49人のうち、8人の方との契約が締結できていないところでございます。この未契約の地権者の皆様と早期に契約を締結できるよう、引き続き粘り強く丁寧に交渉を行ってまいる所存でございます。  彦根市との連携につきましては、これまでも地権者の皆様を訪問する際には県と市の職員が一緒に訪問をし、地権者の方が代替地を希望される際には、彦根市で御対応いただいているところでございます。  また、交渉が難航している地権者の方々には、去る9月11日に西嶋副知事と大久保市長が直接訪問し、改めて用地の提供をお願いさせていただいたところです。私も先日、市長と面談いたしまして、県と市が連携し、この難局を打開できるよう、一層の取り組みを強く申し入れたところでございます。  2点目、具体的なスケジュールについてでございますが、用地取得については、これまでから丁寧に説明をしながら理解を求めていくという方針で取り組んでおり、今後もそのような姿勢が基本であると考えております。  しかしながら、国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会の開催に向けスケジュールが厳しい状況にあることから、一つの目安として、この11月中には地権者の皆様から御理解、御協力が得られるよう取り組んでまいりたいと存じます。  3点目、主会場の収用についてでございますが、(仮称)彦根総合運動公園は、国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会の主会場として、地域の皆様の御理解をいただいて整備することが何より重要と考えており、両大会に間に合うよう全力を挙げて交渉を進めているところです。引き続き地元彦根市と連携を密にし、早期に契約をいただけるよう取り組んでいく所存です。  御指摘のとおり、主会場整備は地域の御理解、御協力を得ることが最重要であり、収用につきましてはできる限り避けるべきであると考えており、そうならないように最後の局面までしっかりと努力を重ねてまいりたいと存じます。  4点目、サブグラウンドの夜間利用についてでございますが、サブグラウンドである第三種陸上競技場のナイター設備につきましては、平成28年9月に取りまとめました公園整備基本設計において、経費面や景観等への配慮から整備しないこととしたところでございます。  夜間の利用については、第一種陸上競技場の活用のほか、彦根市で再整備される彦根市金亀公園の多目的グラウンドを利用していただくなどで対応してまいりたいと存じます。  彦根市の再整備基本計画では、夜間照明を備えた多目的運動場を2面整備されることとされており、2面のうち1面はサッカー等での利用を中心としたもので、もう一面はソフトボールや少年野球に対応したものと伺っており、今後、彦根市と協議し、夜間利用の役割分担についても検討してまいりたいと存じます。  5点目、会場の選定状況と今後の見通しについてでございますが、国民スポーツ大会につきましては、ことし6月に新たに追加された種目を含め、水泳、ビーチバレーボール、トランポリン、自転車、馬術、ライフル射撃、ラグビーフットボール、ボウリングの会場地が現時点決まっていないところでございます。  これらの競技につきましては、できる限り県内で開催できるよう、開催可能な施設を有する市町と協議を行うとともに、施設の状況等から県内で開催が難しい競技については、県外開催に向けた調整を進めているところでございます。  次に、全国障害者スポーツ大会につきましては、全14競技のうち、国民スポーツ大会と共通する12競技は同じ会場での開催を基本として、市町と協議を行っているところです。その他、フライングディスクとボッチャにつきましては、市町と競技団体に対する開催意向調査をもとに調整を進めることとしております。  両大会の開催準備を円滑に進め、大会に向けた機運醸成を図るためにも、できる限り早期に会場地を選定することが望ましいと考えており、今年度中に選定できるよう調整を進めてまいりたいと存じます。  6点目、両大会の開催経費等についてでございますが、8月に公表いたしました今後の財政収支見通しでは、先催県の平均額として、開催経費を約67億円、市町の競技施設整備に係る補助を約19億円と試算しているところです。  まず、開催経費につきましては、現在、開催準備委員会において、広報県民運動、輸送、交通、宿泊、衛生など各分野の方針や基本計画を審議いただいており、今後、こうした基本計画等に基づき、具体的な事業内容の検討を進めていただくこととしております。そして、事業内容の検討が進んだ段階で業務ごとに必要となる経費を精査し、その都度お示しできるよう努めてまいりたいと存じます。  次に、市町の施設整備補助に係る経費につきましては、各市町において、中央競技団体による正規視察の結果などを踏まえ施設の整備を検討していただくことになりますが、改修に要する経費を抑制できるよう、施設基準の弾力的な運用などについて中央競技団体と協議してまいりたいと存じます。  7点目、両大会による効果と成功に向けた意気込みについてでございますが、両大会は次の世代を担う人育てや、活力に満ちた真心通い合う郷土づくり、全国から滋賀を訪れる多くの人との交流の絶好の機会になるものと認識しております。両大会の開催を契機といたしまして、健康、体力の保持増進や競技力向上にとどまらず、県民の連帯感の醸成、地域経済の活性化、さらには障害への理解促進などを進めてまいりたいと考えております。  そして、両大会を成功させ、こうした取り組みが滋賀の新たな時代の創造につながるレガシーとして定着するよう、今後とも私自身が先頭に立って、県民や市町、競技団体、経済界等の皆さんとともに、取り組みを進めてまいりたいと存じます。  大きな3項目め、環境総合計画の推進につきまして、こちらは8点御質問いただきました。  まず1点目、第4次計画の目指すべき姿についてでございますが、平成26年に策定いたしました第4次計画では、目指すべき将来像を、「めぐみ豊かな環境といのちへの共感を育む社会」の実現〜子や孫の世代まで幸せや豊かさを実感できる安全・安心な環境の創造〜としたところでございます。この将来像を実現すべく、第4次計画では3つの基本目標のもと取り組みを進めてまいりました。  まず、基本目標1の環境の未来を拓く『人』・『地域』の創造につきましては、環境学習活動への支援などを進めた結果、県民や事業者による環境保全の取り組みが一定広がりを見せてきております。  次に、基本目標2の琵琶湖環境の再生と継承につきましては、汚濁負荷の削減が進む一方で、在来魚介類の漁獲量の減少や水草の大量繁茂などが見られ、また、山では鹿による森林の植生被害が起こるなど、生態系のバランスが変化しつつあります。  また、基本目標3の低炭素化など環境への負荷が少ない安全で快適な社会の実現につきましては、本県の温室効果ガスの総排出量は減少するとともに、環境汚染物質の排出量も抑制されてきております。  このように基本目標ごとに一定の成果が見られており、これを目指すべき将来像に照らしてみますと、環境への学びと行動が進み、命への共感が育まれるとともに、環境汚染物質の排出量も抑制されるなど、安全、安心な環境の姿が一定見えつつあるものと認識しています。  その一方で、在来魚介類や森林資源などの自然の恵みの保全再生はまだ十分な成果が上がっておらず、生態系の問題は複雑化、多様化していることからも、これまでの取り組みに加え、新たな視点での取り組みが必要だと考えております。  2点目、事業者行動計画書制度の効果についてでございますが、この制度は、一定規模以上の事業者等について、事業者行動計画を策定し、温室効果ガス削減の取り組みやその実績を報告いただき、県が公表することにより、自社における削減や他社の削減に貢献する製品、サービスの提供などの取り組みを促すものでございます。本年4月1日現在、県内405事業所がこの計画書を提出していただいており、県域の二酸化炭素排出量の約6割を占める産業部門、業務部門の対策の重要な柱となっております。  産業および業務部門の2015年度の二酸化炭素排出量は、基準年度である2013年度比9.0%減、エネルギー使用量は11.7%減といずれも低下傾向にあり、この制度が第4次計画の目標の一つである「低炭素化など環境への負荷が少ない安全で快適な社会の実現」に寄与してきたものと考えております。  3点目、県庁もこの計画書を提出すべきではないかということについてでございますが、県におきましては、湖南中部浄化センターや滋賀県立総合病院等7事業所がこの制度の対象となる事業所に該当しており、事業者行動計画書の作成と毎年度の実績報告を行っております。  なお、県庁の本庁につきましては、条例の規定する一定規模以上の事業所に該当しないことから、事業者行動計画書の作成は行っていないのが現状でございます。  一方、県では、みずからが環境に配慮した行動を率先して取り組むため、平成10年度に環境にやさしい県庁率先行動計画──グリーンオフィス滋賀を策定し、その中で温室効果ガス削減のための省エネルギーや省資源の取り組みを推進し、その実績を公表してまいりました。  しかし、御指摘のように、県がみずから事業者行動計画書を作成することはこの制度のさらなる普及につながると考えられるため、来年度から、県庁の本庁についてもこの制度による任意提出事業者として、計画の提出と実績の報告を行ってまいりたいと存じます。  4点目、びわ活についてでございますが、びわ活では、より多くの方々がそれぞれのライフスタイルに合った方法で琵琶湖にかかわっていただくことにより、琵琶湖を守る行動へとつながるよう、びわ湖の日から山の日までを重点期間とし、多様な主体と連携して、琵琶湖にかかわるさまざまな体験イベント、活動等にいざなう施策を展開したところでございます。  主な取り組みといたしまして、琵琶湖にかかわる体験イベント等をまとめた「この夏!びわ活!ガイドブック」を発行し、県内の小中学生に配布するなど、家族ぐるみでのびわ活を促進してまいりました。  また、企業や団体等と連携いたしましたびわ活発表会・交流会や、一般県民向けのびわ活フェスティバル、びわ湖の日連続講座などを開催し、参加の促進に努めてまいりました。  このような取り組みを行いましたところ、県民の方からは、琵琶湖をもっと知りたくなったでありますとか、ガイドブック掲載団体からは、参加申し込みにつながったなどの一定の反響があったところでございます。  また、琵琶湖博物館の7、8月の来館者数が昨年と比べ約7,800人、第27回草津水産まつりでも約400名の増加となるなど、琵琶湖へのいざないをこれまで以上に図れたのではないかと思っているところでございます。  その一方で、琵琶湖に面した地域と面していない地域との間でガイドブックの掲載情報数に差があるなど、山から湖のつながりを意識し、県全体で取り組むびわ活の考え方は十分に伝わらなかったのではないか等、課題が残ったと認識しております。
     このため、次年度以降は、さらに琵琶湖と森、川、里とのつながりを意識したみんなでびわ活の取り組みが進むよう、企業、団体、NPO、市町等との連携を深め、よりプログラムの充実を図ってまいりたいと存じます。  5点目、湖南中部浄化センターの汚泥焼却灰から基準値を超えるセレンが検出されたことについてでございます。  法令の基準値を守ることができず、県民の皆様の信頼を損なう事態を起こしてしまったことに対し、心よりおわびを申し上げます。  まず、原因についてでございますが、浄化センターでは、焼却灰に含まれるセレンが水に溶け出さないよう消石灰を添加しておりましたが、ことし4月以降、汚泥の焼却効率を上げるため、脱水機の運転方法を変更し焼却灰の発生量が増加したにもかかわらず、消石灰の量を変更しなかったことから、セレンの溶出量が基準値を超過したものでございます。県と委託業者の間で、脱水機の運転方法の変更について十分な確認ができていなかったことが原因であると考えております。  また、クリーンセンター滋賀では、焼却灰等の搬入時に抜き打ちによるセレン等の溶出量を検査しておりましたが、今回はこの検査対象から外れていたため、発見できなかったものでございます。  これを受けた今後の対策といたしましては、県の全ての浄化センターにおいて、焼却灰を含む全ての産業廃棄物の処理について総点検を行うとともに、汚泥処理施設の運転管理マニュアルを見直し、県職員と委託業者の双方に対してコンプライアンス研修を実施いたしました。  また、クリーンセンター滋賀では、焼却灰等の搬入者全てに対して、搬入物の性状確認を徹底するよう要請するとともに、抜き打ちによる溶出量検査の回数を倍増させていただいております。  今後とも、県、クリーンセンター滋賀双方においてこうした再発防止策を着実に進め、信頼の回復に努めてまいりたいと存じます。  6点目、汚泥処理施設の施設更新に当たっての方向性についてでございますが、本県では、現在、焼却や溶融等により汚泥を処理しておりますが、下水汚泥の処理技術は御指摘のとおり年々進化しており、さまざまな新技術が開発されております。現在、県におきましても、国の支援を受けて、民間企業とともに汚泥からのリン回収技術について研究を行っておるところです。  また、国におきましては、平成27年5月の下水道法改正により、下水汚泥を燃料または肥料として再生利用することが努力義務化されたところです。  こうした中で、本県における今後の汚泥処理方式の基本的な考え方につきましては、ことし3月の滋賀県下水道審議会資源エネルギー新技術部会において示された中間取りまとめにおいて、炭などの燃料化、発酵させてメタンガスを発生させる昇華などの方式が選択肢とされております。  こうしたことを踏まえまして、平成37年度に供用開始を予定しております湖南中部浄化センターの3号炉の次期汚泥処理方式につきましては、同部会で御議論いただき、今年度中に結論を得たいと考えております。  県といたしましては、地域の貴重な資源である下水汚泥を有効利用できる方式を採用することにより、地域における資源循環の構築に貢献してまいりたいと存じます。  7点目、現計画から見える次のステージの課題についてでございますが、先ほど申し上げたように、これまでの取り組みにより環境への負荷は一定削減されてきておりますが、その一方で、生態系の課題が大きくなってきていると認識しています。  これまでの滋賀の環境施策は、人口がふえ、開発が進む中で、いかに人間活動による環境への負荷を抑制していくかということを基本に取り組んでまいりました。しかしながら、2030年を目標とする次期計画期間におきましては、本県においてもいよいよ本格的な人口減少が進み、特に中山間地などにおいては、むしろ人の手が入らなくなることによって、例えば獣害の増加や森林の多面的機能の劣化などが進むことが懸念されます。  また、琵琶湖におきましても、在来魚の生息環境の問題など、複雑化、多様化する生態系の課題がますます重要になってくると考えられます。  こうしたことから、今回の環境総合計画の改定に当たりましては、これまでのいかに環境への負荷を抑制するかという視点に加えて、いかに適切に環境にかかわるかという、より広い視点に立って、新たな施策の方向性を示す必要があると考えております。  8点目、次期環境総合計画策定への私の思いについてでございますが、さきに述べました、いかに適切に環境にかかわるかという施策を進めるに当たりましては、県民や事業者の皆さんの経済社会活動のあり方と一体的に考えていく必要があり、これは環境が持続可能な経済社会活動の基盤であるというSDGsに示された考え方にも合致するものであります。  私たちは、生態系自然界における循環のもとで生み出される自然の恵みや地域資源を経済社会活動において適切に活用すると同時に、環境に配慮した行動や環境保全に貢献する商品やサービスを通じて、環境への負荷の削減や環境への投資を進めていく必要があります。森・川・里・海のつながりの中で、この環境と経済社会活動をつなぐ健全な循環を実現することによって、持続可能な社会を目指してまいりたいと存じます。  この目標の実現に向けては、石けん運動や環境を意識した事業活動などに主体的に取り組んできた県民、NPO、事業者、研究者などの皆さんとの協働を大切にし、その幅広い参画を得ながら、環境面における健康しがをつくり上げてまいりたいと存じます。  次に、障害者施策に関する7点の御質問でございます。  1点目、県の事業主としての障害者雇用の取り組みについてでございます。  知事部局におきましては、平成4年度から毎年度、身体障害者を対象とする採用試験を行っており、平成30年度までの採用人数は累計42人となっています。また、平成30年度からは、知的障害者および精神障害者を非常勤職員として雇用し、民間企業等での就労につなげていくチャレンジ雇用の取り組みを開始したところです。平成30年6月現在、障害を有する職員63人が病院事業庁を含む44所属で勤務しており、雇用率は2.52%となっております。  教育委員会におきましては、障害者を対象とする事務職員や教員、非常勤職員の採用を行っています。平成30年6月現在、障害を有する職員138人が市町立小中学を含む89の所属で勤務されており、雇用率は2.06%でございます。  警察本部におきましては、障害者を対象とする事務職員の採用を行っています。平成30年6月現在、障害を有する職員7人が5つの所属で勤務しており、雇用率は2.99%となっております。  2点目、今回の障害者雇用率の対象となる職員を適切に把握できていなかった件についてでございます。  平成30年6月1日現在の障害者の雇用状況の報告に際し、手帳を所持していない職員が、知事部局で5名、教育委員会で19名含まれておりました。県の取りまとめる基礎的資料や障害者雇用の姿勢に対する信頼を損ねるものであり、大変重く受けとめているところでございます。これは、厚生労働省の定めるガイドラインにおいて、対象者の確認に当たっては手帳を現認するよう求められていることへの認識が不足していたことによるものでございます。  今後は、こういったことのないよう、今回の調査で得られた情報をもとに、ガイドラインに基づく情報の確認、更新を徹底してまいります。  あわせまして、障害のある人もない人もともに働くことができるよう、障害を有する職員が活躍できる職域を拡大するとともに、チャレンジ雇用の一層の活用など、障害者雇用の拡大に向けて全庁挙げて取り組んでまいりたいと存じます。  なお、教育委員会におきましては、法定雇用率が未達成でありますため、教育委員会事務局や県立学校等におけるさらなる職域の拡大などについて、私からも強く働きかけてまいりたいと存じます。  3点目、障害者雇用をさらに促進するための取り組みについてでございますが、率先して障害者雇用に取り組むべき国および地方自治体において不適切な取り扱いがあったことで、これまで多くの障害者や支援機関、企業のたゆまぬ努力のもと、着実に推し進められてきた障害者雇用を後退させてはならないと考えます。  障害のある人もない人もともに能力を生かし、互いに協力し合い一緒に働いていく、そういった雇用をさらに広げていく。これはとても大切なことであり、県におきましては、私が本部長を務めております滋賀県障害者雇用対策本部を設置し、滋賀労働局とも連携しながら、全庁挙げて障害者雇用関連施策を総合的かつ効果的に進めてまいる所存であります。  また、企業や経済団体に対しましても、法定雇用率の達成はもとより、ともに働く従業員の理解促進や、個々の障害の特性に配慮した柔軟な働き方など、障害者が安心して働き続けられる職場環境づくりも含め、引き続き、障害者雇用に積極的に取り組んでいただくことを強く要請してまいりたいと存じます。  次に、4点目、共生社会づくりを目指すための条例についてでございますが、条例の実効性を確保するためには、できるだけ多くの方々に条例の必要性や目的、内容などについて御理解を得ながら検討を進めることが重要であり、県民の皆さんと一緒に共生社会づくりを目指すこの条例に関しましては、特にその過程を大切にして進めているところでございます。  具体的には、県内7カ所で条例の制定に向けて県民の御意見を伺うタウンミーティングを現在開催中でございます。また、市町や障害者自立支援協議会、さらには当事者団体や経済団体に対して、条例答申の説明や意見交換を実施しております。  タウンミーティングでは、障害のある人に対する意識を変えていくことが重要ですとか、条例の名称については、障害者差別解消法を補完することが見えるものとしてほしいでありますとか、条例をつくることがゴールではなく、活用が大切などのさまざまな御意見をいただいており、条例に対する大きな期待を実感しているところでございます。  また、この条例の核とも言える相談体制に関して、専門相談員や地域アドボケーターへの御期待の声や、市町の相談窓口、他の専門相談機関との連携の必要性など、具体的な御意見も頂戴しております。そうした御意見も踏まえながら、条例案の作成と相談体制の制度設計等を、現在、鋭意検討しているところでございます。  5点目、県民や事業者の理解の促進についてでございます。  昨年度の滋賀県社会福祉審議会の御議論では、障害者差別のない滋賀県をつくっていくのであれば対象は全ての県民であるべきなどの御意見があり、事業者に対する合理的配慮の義務づけと、個人なども条例の対象とする必要性が答申に盛り込まれたものでございます。  県といたしまして、全ての県民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指すという観点から、答申を尊重し、県民全体で障害者差別の解消に取り組むことができるようにする必要があると認識しています。  そのためにも、県民の皆さん、特に事業者の皆さんがさまざまな障害のある方に適切に配慮し、対応していただけるよう、次の2点の取り組みが必要であると考えています。  1点目は、お店での対応など、具体的な事例を使ったわかりやすい質疑応答集の作成や出前講座の実施などによる理解の促進、2点目は、例えば負担が重過ぎない合理的配慮の範囲について、県民や事業者の皆さんがその判断に迷われた際などに、気軽に相談に応じられる体制の整備でございます。  こうした取り組みを通じまして、県民や事業者の皆さんの対応を後押しするとともに、子供のころから障害のある人と接する機会をふやすなど、障害者理解にも息長く取り組むことで、障害のある人への適切な配慮がなされる滋賀を目指してまいりたいと存じます。  6点目、差別解消に向けた具体的な体制整備についてでございますが、答申に盛り込まれております具体的な差別事案の相談に応じ、建設的対話を促し、事案の解決を先導する役割を担う専門相談員と、障害者の意思表明を支援し専門相談員につなぐ役割を担う地域アドボケーターについては、この条例の実効性の核となる機能であり、しっかりと制度設計をしていく必要があるものと認識しています。  特に、タウンミーティング等でも期待する意見が多い地域アドボケーターにつきましては、審議会での御議論を踏まえ、例えば障害者の声を代弁できる識見と熱意のある人を、市町や障害者自立支援協議会、当事者団体などの御意見をいただきながら、福祉圏域ごとに配置することで地域の実情に応じた体制整備ができないか。現在、その詳細について検討を行っているところです。  専門相談員と地域アドボケーター、さらには市町の相談窓口やその他の専門相談機関が有機的に連携して対応するとともに、障害者相談員や民生委員など地域で実践をされている方々の御協力も得られるよう研修を行うなど、障害者差別の解消が早期に図られるよう、実効性ある仕組みをつくってまいりたいと存じます。  この項の最後に、福祉の思想をどのように盛り込み、どのような社会を目指すのかということについてでございますが、滋賀では、糸賀一雄先生ら先人の理念が大切にされてきており、今後、福祉関係者だけでなく、県民にこの理念を一層浸透させていくことが必要であると考えています。  滋賀の福祉の思想は、障害者や社会的に不利な立場に置かれた人に寄り添い、その人の目線で社会を見ることによって社会による障壁を明らかにし、取り除く実践をしていくことと認識しています。  障害の社会モデルという考え方の普及や地域アドボケーターの設置などは、滋賀の福祉の思想を具現化するものであり、条例にしっかり盛り込むとともに、条例制定までの各段階や施行後も息長く繰り返し啓発することで、県民に浸透するよう取り組んでまいります。  また、福祉関係者が改めて先人の実践と理念を学び、障害者差別に限らず、今日的福祉課題の解決に挑戦することを期待しております。  福祉のありようは社会を映す鏡であると言われます。この条例の制定を契機といたしまして、県民、事業者、関係者などがそれぞれの立場や役割に応じた福祉の実践を行いながら、互いに共感と連帯、そして協働することによって、全ての人に居場所と出番がある共生社会が実現されるよう取り組んでまいりたいと存じます。  大きな5項目め、中小企業の人材確保育成について、こちらは4点賜りました。  1点目、本県の人材不足の状況についてでございますが、本県の有効求人倍率は直近の平成30年7月で1.42倍と、前月と比べまして0.03ポイント上昇しており、昨年6月以降、14カ月連続で1.3倍以上の高い水準で推移しております。  また、本県が四半期ごとに実施しております景況調査によりますと、雇用の水準が「過剰」と答えた事業所の割合から「不足」と答えた事業所の割合を引いた雇用の水準DIでは、平成30年4月から6月期におきましてマイナス37.2となっており、不足感が強い状況が続いております。  さらに、この6月に一般社団法人滋賀経済産業協会が会員企業を対象に実施された経営実態調査におきましても、採用について、「難しい」、「極めて難しい」と回答された企業が全体の78%を占めており、人材確保が大変難しい状況にあることがうかがえます。  今後も生産年齢人口の減少が見込まれ、県内産業を担う人材不足が深刻化されることが懸念されることから、将来の滋賀を支える人材の確保育成に向けた取り組みはますます重要になっていると認識しております。  2点目、そうした中、人材確保に向けた課題についてでございますが、住民基本台帳人口移動報告によりますと、本県の20から24歳における転出超過は、平成27年1,578人でございましたが、平成29年には1,091人と縮小傾向にありますものの、依然として転出超過が続いており、大学生を初めとする若年層における県内企業の認知度向上や就職時におけるミスマッチの解消を図る必要があると考えています。  また、女性につきましては、平成29年の就業構造基本調査の結果によりますと、いわゆるM字カーブの谷の深さは5.7ポイントと、平成24年の前回調査と比べて2.5ポイント改善はしておりますものの、結婚や出産、育児のため離職される方が依然として多くおられる状況となっております。  一方、25歳から44歳の無職の女性のうち、約6割、約2万6,000人が就労を希望されており、こうした就労ニーズに的確に対応していく必要があると考えます。  さらに、本県では全国におくれて高齢化が進展いたしますものの、高齢者数は、平成27年、約34万1,000人であったところから、平成42年には約39万4,000人に急増することが見込まれており、高年齢者の就労を促進することも大変重要でございます。  加えまして、求職者が希望し、企業のニーズにも応じた技能習得の機会を提供することや、中小企業に対して、人材確保に役立つ的確な助言やサポートを提供していくことも必要であると考えております。  3点目、事業承継についてでございます。  進まない場合の本県の雇用への影響について、近畿経済産業局の昨年10月のレポートによりますと、事業承継が円滑に進まない場合、関西では今後10年間で約118万人の雇用と約4兆円のGDPが失われると試算されております。国と同様の手法を用いて本県への影響を推計いたしますと、今後10年間で約4万3,000人の雇用と約1,400億円の県内総生産が失われるおそれがあるものと試算をしております。  平成26年経済センサスの本県における従業者数が約35万人であることを鑑みると、この数値は雇用の面でも、また、優良技術の伝承や地域経済の持続的発展の面においても大変深刻な影響があることをあらわしており、事業承継は早急に官民が連携して取り組むべき課題であると認識しています。  4点目、人材確保に向けた課題や廃業に伴う課題に対する今後の取り組みについてでございますが、若者に地元で就職し定着してもらうための取り組みとして、企業情報サイトの充実やインターンシップの普及拡大などにより、県内企業の魅力発信や企業と学生とのマッチング支援を一層充実してまいります。  また、若者の就労支援を行っておりますおうみ若者未来サポートセンターにおける専門のアドバイザーの配置、求職者や企業のニーズに応じた高等技術専門校の訓練科の再編など、企業の人材確保支援の充実に向けた検討も進めてまいりたいと存じます。  さらに、女性や高齢者につきましては、滋賀マザーズジョブステーションの利用者のさらなる拡大に向けた取り組みや、人手不足の企業と即戦力の高齢者との合同企業説明会の開催などにより、女性や高齢者の活躍を推進してまいりたいと存じます。  事業承継につきましては、本年5月に立ち上げた滋賀県事業承継ネットワークを中心に、7月から事業承継診断に取り組んでおり、8月には事業承継ホームページを開設したところでございます。  今後は、中小企業の支援ニーズに対し、金融機関等の外部専門機関への取り次ぎや、税理士を初めとする士業専門家に関する情報の共有、支援施策情報の充実などにより、具体的な支援を展開してまいります。  今後とも、本県の経済や社会の担い手として重要な役割を果たしておられる中小企業の皆様の願いや思いに寄り添いながら、関係団体等と連携し、多様な人材の確保育成や円滑な事業承継の推進に精いっぱい取り組んでまいる所存でございます。  大きな6項目め、畜産における近江ブランド力向上について、こちらは9点御質問賜りました。  まず1点目、台風による農業被害の概要と支援の基本的な考え方についてでございます。  今回の台風21号による農業施設の被害は平成以降では最大となっており、県内全域にわたり大きな被害が発生しております。農業施設につきましては、9月14日現在で、ビニールハウスの全壊、半壊、ビニールの破損や畜舎、鶏舎、堆肥舎等の屋根の一部損壊など計3,859カ所、被害額は約15億1,200万円となっております。  また、果樹の落下など農作物の被害が約95ヘクタール、えりの損壊や漁船の沈没など水産関係の被害が123カ所と把握しております。  次に、支援の基本的な考え方についてでございますが、農業者の生産意欲の回復や産地の維持を図ることが何よりも大切であると考えており、農業施設や農作物の災害対策は、農業共済制度の活用を基本としながらも、今回の被害状況や生産者、農業団体等から届いているお声も踏まえながら、県としてどういった支援が可能か検討をしているところでございます。  また、国に対しましては、被災農業者向け経営体育成支援事業などの実施について、9月12日には西嶋副知事が、一昨日には農政水産部長が重ねて要望を行っております。  あわせまして、技術的な課題といたしまして、台風が通過した翌日には各農業農村振興事務所に技術対策に関する相談窓口を設置するとともに、普及指導員が農業者を回りまして、被害の実情に応じた相談等に当たっているところでございます。  2点目、20年先の本県畜産業をどのように描いているのかということについてでございますが、持続可能な循環型社会への構造変化を踏まえ、単に畜産物の生産のみならず、他産業とかかわりながら、地域に根差し、地域の活性化につながる畜産業を目指してまいります。  具体的には、家畜ふん堆肥を有機肥料として農地に還元することで環境こだわり農業をさらに推し進めるとともに、環境こだわり栽培の県産稲わらを牛の餌として給与することによる安全、安心な畜産物の生産を通じて、滋賀ならではの環境にこだわった資源循環社会の一翼を担っている姿、さらには、トップブランドである近江牛を活用した観光の振興や、牛乳、乳製品などの畜産物を利用した6次産業化、さらには、命をいただく産業としての食育への貢献などを通じて、人が集まる元気な地域づくりの核となる畜産業を描いているところでございます。  3点目、キャトル・ステーションについてでございます。  キャトル・ステーションは、県内で優良な和牛子牛の生産頭数をふやす目的で整備させていただいたものであり、運営に当たりましては、酪農経営とも連携いたしまして、乳用牛への受精卵移植技術の活用による和牛子牛の生産を進めることとしております。  運営に当たりましては、哺乳ロボットや自動給餌機などの先進的な保育育成技術の活用により、省力化と効率化を図ってまいります。  キャトル・ステーションは、肉用牛経営におきましては県産和牛子牛の安定確保、酪農経営におきましては和牛子牛の生産による収益向上など、肉用牛生産農家、酪農家ともにメリットのある施設として運営を行ってまいりたいと存じます。  しからば、そのキャトル・ステーションにおける数値目標、また、経費の削減にどのような効果があるのかということについてでございますが、1年間の和牛胚の供給は1,300個、和牛子牛の飼養頭数は500頭を目標数値としております。  経費の削減についてでございますが、キャトル・ステーションで生産される和牛子牛は、県内家畜市場における取引を想定しております。平成29年度の和牛子牛の平均取引価格は、県内家畜市場は約57万円、全国平均は約77万円であり、1頭当たり20万円程度の価格差となっております。キャトル・ステーションで生産する500頭で試算をいたしますと、県全体でおよそ1億円の子牛購入経費の軽減となり、県内の肥育農家75戸に対し、1戸当たり換算では平均約130万円の軽減となります。  さらに、県内で和牛子牛を確保することにより、県外から購入する場合に比べ、子牛への輸送ストレス軽減に加え、子牛の輸送費や旅費の軽減も見込まれるところでございます。  5点目、近江牛のブランド水準のレベルについてでございますが、議員御指摘のとおり、近江牛は日本三大和牛の一角を担い、日本最古のブランド牛でございます。品質におきましても、脂肪交雑、いわゆる牛肉の霜降り度合いにすぐれ、不飽和脂肪酸の一つでありますオレイン酸含有量も高く、他のブランド牛には負けないレベルにあると認識しています。  また、枝肉取引価格につきましては、滋賀食肉市場においては東京食肉市場や京都食肉市場に比べて高値で取引されており、近江牛ブランドに対して高い評価をいただいていると認識しています。  しかし、一方で、例えば平成29年9月に日本政策金融公庫が公表されました平成29年度上半期消費動向調査のブランド牛の認知度調査におきましては、松阪牛、神戸牛、米沢牛、飛弾牛に次ぐ5番目の認知度でございました。近江牛は三大和牛の一つでありますものの、残念ながら、現在の消費者への認知度は相対的に低くなっているのではないかと考えられますことから、さらなる知名度向上に向けた取り組みを進めることが必要であると考えます。  6点目、「近江牛」ブランド・販売戦略の進捗状況についてでございますが、この戦略につきましては、学識経験者の御助言のもと、関係団体の皆さんとの意見交換を重ねて策定いたしました。ブランド戦略におきましては、地理的表示、いわゆるGI登録を目指すとしており、平成29年12月に一般社団法人滋賀県畜産振興協会が生産者団体として登録されたところでございます。  PR・販売戦略におきましては、東京での霜降り牛肉をイメージしたラッピングバスの運行や、訪日外国人向け旅行予約サイトで近江牛特集ページの開設によるインバウンドの拡大など、県内外、さらには海外へ向けた魅力の発信に取り組んでいるところです。その結果、旅行予約サイトを開設した平成30年1月から3月までの3カ月間で、このサイトを通じた県内71の宿泊施設の予約泊数は対前年比で219%と増加していると伺っております。  生産戦略につきましては、安定した生産基盤の確立を目指し、キャトル・ステーションの整備や和牛繁殖雌牛の増頭など、地域内一貫生産体制の構築に取り組むとともに、畜産クラスター事業を推進し、増頭支援にも取り組んでいるところです。  その結果、戦略策定時の平成27年度と比較し、平成29年度は和牛繁殖雌牛は1,724頭となりまして452頭増加、近江牛は1万3,458頭となりまして、1,640頭増加したところでございます。  7点目、認証整備の見通しと地理的表示──GIについてでございますが、近江牛は長い歴史とすぐれた品質といった社会的特性、そして地域と結びついた生産が評価され、GI登録されたところでございます。全国で300以上ある銘柄牛の中で、GI登録されたものは、現在、8銘柄でございます。  近江牛は2つの団体が独自認証制度を持つなど、歴史のある近江牛特有の課題があり、地理的表示──GIの運用を踏まえた新たな認証の仕組みについて、県が主導して関係団体と検討を現在重ねているところでございます。  その新たな認証制度をGIと一体的に運用することを通じて、真の近江牛ブランドとして信頼を得られるよう、準備期間を含め今年度内に整備し、来年度からの運用開始に向けて、現在、調整を図っているところでございます。  地理的表示──GIは、産地と品質が結びついたブランドとしての国のお墨つきを得た産品であり、消費者への安心確保、販売拡大につながり得るものでございます。  また、海外においても相手国が認めることでGI産品として保護されることとなり、平成29年12月にはEUとのEPA協定の枠組みにおいて、GI相互保護リストの産品の一つとして近江牛が掲載されたところであり、国内外でのさらなるブランド力向上にもつながると考えております。  8点目、近江しゃもについてでございますが、近江しゃもの年間生産羽数は、おおむね3万5,000羽前後で推移しております。しかし、生産農家戸数が限られており、飼養羽数の増加が進んでいないことが課題でございます。  一方、現在開催しております首都圏での滋賀食材メニューフェアにおいて、新たに近江しゃもを使ったレストランがあるなど、さらなる市場拡大の可能性は大きいと認識しております。
     また、近江しゃもを生産、流通する事業者で構成されます近江しゃも普及推進協議会では、県産飼料用米の活用による飼料の地産地消の推進など、滋賀県の特性を生かしたさらなる高付加価値化に取り組まれております。  県といたしましても、品質の高い種卵の供給による近江しゃもの安定生産および飼料用米の給与技術支援、さらには協議会と一体となったPRにより、近江しゃもの振興を図ってまいります。  この項目の最後、畜産振興における意気込み、来年度予算への反映についてでございますが、滋賀の畜産物、特に近江牛は先人のたゆまぬ御努力により築き上げられてきた本県を代表するブランドであり、しっかりと守り育て、次世代に引き継いでいかなければならない貴重な県民の財産であると認識しています。その他の畜産物についても、6次産業化や観光振興など、地域の活性化に寄与する大切な食材でもございます。  さらに、牛肉や鶏肉などの畜産物はアミノ酸バランスのすぐれた良質なたんぱく質が豊富に含まれており、また、安全、安心な県産牛乳は学校給食で毎日飲まれ、子供たちの健康の維持や身体の発達、体力の向上に貢献しております。  このように、畜産物は健康しがを支え、私たちの日常の生活を豊かにするものでございます。その命をいただくことで私たちの生活があることに感謝しつつ、20年先の本県の畜産業を見据え、より一層の発展に向けて取り組みを進めてまいります。  来年度予算の編成に当たりましては、生産者に寄り添い、現場のニーズを酌み取りながら、本県畜産業の振興に向けた必要な措置をしっかりと講じてまいりたいと考えているところでございます。  続いて、大きな7項目め、地域公共交通について。  まず1点目、近江鉄道のあり方に係る検討状況でございますが、現在、沿線市町や近江鉄道から資料の提供を受けながら、近江鉄道の現状および将来分析、まちづくり等への影響調査、費用シミュレーション等を行っているところです。その結果を今年度中に取りまとめ、平成31年度に設置する予定の法定協議会において、地域にとって望ましい地域公共交通の姿を示すマスタープランと、それを実現するための実施計画の策定の資料として活用してまいりたいと存じます。  では、2点目、どのような課題があるのか、どう克服しようとしているのか。  近江鉄道線は5市5町にまたがっておりますが、線区により運行頻度や利用客数、また地理的条件などが異なることから、市町によって現状認識や近江鉄道の経営問題に対する考え方に温度差があることが第1の課題であります。そうした中で、地域における将来のまちづくりとも密接に関連する近江鉄道のあり方について、20年、30年先の沿線市町の将来像を見据えながら、地域、行政、交通事業者がいかにして合意形成を図っていくのかが第2の課題であると認識しています。  このため、有識者等に指導、助言を仰ぐとともに、利用者、沿線住民、学校、事業所などから幅広く御意見を伺いながら、近江鉄道線の維持存続の方策だけでなく、サービスレベルや利便性の向上策、費用負担のあり方、さらには地域社会に与える影響などさまざまな視点で議論を行うことで、課題を克服してまいりたいと存じます。  3点目、検討スケジュール、県の取り組み姿勢についてです。  まずは、来月初旬に、県、市町、近江鉄道の部課長級職員により、今後の進め方について議論するための会議を開催することとしており、そこでの議論を踏まえて、年内には法定協議会設置に向けた準備調整会議を立ち上げてまいりたいと存じます。  準備調整会議において、来年度のなるべく早い時期に将来の地域にふさわしい近江鉄道線の基本的方向性を取りまとめ、平成31年度中に法定協議会を設置する予定でございます。  その後、この法定協議会において、基本的方向性を踏まえマスタープランである地域公共交通網形成計画、およびそれを実現するための鉄道事業再構築実施計画を順次策定し、事業構造の転換に向けて取り組む予定としております。  地域公共交通は地域住民の安全、安心な生活や産業を支える大切な社会基盤であり、健康しがを実現する上で最も重要な取り組みの一つと考えているところであり、近江鉄道の課題解決に向け、県のリーダーシップのもと議論を行ってまいる所存でございます。  4点目、地域の実情に合わせたバス交通についてでございます。  人口集積地域におけるバス交通は、鉄道駅へのアクセスや地域内移動を支える交通機関としてサービスを充実させていくことが重要であり、速達性、定時性の確保やバリアフリー対策など快適性の向上、バスロケーションシステムなどの情報提供ツールの充実について、交通事業者が積極的に取り組めるよう支援してまいりたいと考えております。  一方で、人口減少地域におきましては、日常生活に必要不可欠な移動手段を維持確保することが重要でありますことから、県、市町、交通事業者が連携し、路線バスやコミュニティバス、デマンドタクシー等、あらゆる移動手段を組み合わせた地域公共交通ネットワークの構築に取り組んでまいりたいと考えております。  また、全県的にバスの運転者不足が課題となっており、バスの運行本数の維持のため、市町や交通事業者、国等と連携し、運転者確保に向けた取り組みに注力してまいりたいと存じます。  5点目、こうしたバス交通、バス運行への支援等の取り組みについてでございますが、県全体の地域公共交通ネットワークを確保する観点から、住民にとって身近で大切な交通手段であるコミュニティバスを維持するために、県として、その運営主体である市町を支援すべきであると考えております。  このため、持続可能なバス運行に向けた取り組みとして、運行経費に係る財政的支援を行うとともに、市町やバス事業者、関係機関と連携して、さまざまな利用促進等の取り組みを行っているところでございます。  具体的には、夏休みに路線バスを使って琵琶湖を1周する「路線バスでビワイチ!」や、バスに親しんでもらうための「バスの日まつりinびわ湖」などのイベント、また、バス通勤を促進するため、100円で乗車できるワンコインエコパス制度を実施しているところです。  さらに、過度な車依存から公共交通へシフトするエコ交通の取り組みを県内の企業や団体等に啓発するとともに、これまでに19の小学校等を訪問し、バスの大切さや乗り方を知ってもらう出前講座を実施し、今後とも継続していきたいと考えているところでございます。  6点目、自動運転の導入による社会的効果についてでございますが、国の自動運転戦略本部会議の資料によれば、自動運転の社会的効果として、高齢者の移動手段の確保、ドライバーの負担軽減、運転者のミスに起因する事故の防止等があるとされております。  一方で、導入に当たりましては、自動運転システムの安全性の確保や、事故発生時における責任の所在などに係る法整備などの課題が指摘されているところでございます。  7点目、公共交通において自動運転技術をどのように生かそうとしているのかということについてでございますが、人口減少、少子高齢社会において地域公共交通ネットワークを維持していく上で、自動運転技術は有効な手段の一つとして活用できると考えております。海外では既に導入されているところもあり、また、我が国でも現在多くの地域で実証実験が行われていることから、国、市町、大学、交通事業者など関係機関との連携を深めながら、アンテナを高く情報収集に努め、県内における活用の可能性等について積極的に研究を行ってまいりたいと存じます。  前段の最後、滋賀の教育施策について、私には、確かな学力の向上を図るためいかに取り組むのかということについてでございますが、これまでから、生きる力の一つの要素であります確かな学力の向上を図るため、教育委員会と連携しながら取り組みを進めてきたところでございます。  こうした中、今回の調査結果を受け、これまでの取り組みを検証、改善しながら、より一層しっかりと学力の向上を図っていかなければならないと認識したところでございます。  まずは、子供たち一人一人の学力や学習状況をより詳細に把握し、課題がどこにあるのか、どのように対応すればよいのかを明確にして取り組むことが大切であると考えます。こうしたことから、今回の調査結果において、子供たちのつまずきがどこにあるのかを把握し、その対応策について市町と共有し取り組みを進めております。  さらに、今後、これまで行ってこなかった経年変化の詳細な分析なども進め、学力の向上により効果的な取り組みを明らかにして、その対応を考えていきたいと存じます。  また、子供たちの学力を伸ばしていくためには教員の指導力の向上が重要であり、指導方法等の教員研修を充実させるほか、管理職を初めとする教員の意識の向上を図る取り組みについても、教育委員会と協議を行っているところでございます。  これらの取り組みにより子供たちの学力の向上を着実に図っていけるよう、教育委員会としっかりと連携しながら取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)滋賀の教育施策について、私にいただきました5点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の学力・学習状況調査に対する受けとめと、確かな学力の向上を図るためいかに取り組むかについてお答えいたします。  今回の調査結果につきましてはしっかりと受けとめ、子供一人一人の理解を深めるための対策を、県教育委員会と市町教育委員会、さらには各学校が一体となって取り組んでいかなければならない状況であると認識をしております。  そうしたことから、まず、2学期からの取り組みに生かせるよう、先月には市町の担当者にお集まりをいただき、今回の調査結果から見えてきた子供たちのつまずき、そして、それに対する有効な指導方法等を重点取り組みとしてお示しをし、意見交換を行ったところでございます。  その上で、今月には担当課において市町教育委員会への訪問を実施し、各市町の具体的な取り組み事項について詳細にお聞きをし、それぞれの市町において有効な取り組みが行われるよう助言等も行ってきたところでございます。  また、今後、各学校において、子供一人一人のつまずきに対して、単に担任だけ、あるいは調査のある教科担当だけでなく、全ての教員が子供の課題や取り組みについて共通理解をし、的確な指導を行うなど、学校が一体となって取り組みを進めるよう指導してまいりたいと考えております。  こうした取り組みは、県教育委員会と市町教育委員会とが認識を共有し、連携をして進めることが重要であると考えておりますことから、来月には私自身も市町教育長と直接意見交換をする場を設けるなど、子供たちの確かな学力の向上にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、2点目の第3期滋賀県教育振興基本計画に係る審議会での議論についてお答えをいたします。  審議会では、まず、本県教育をめぐる現状や現計画の評価について議論が行われ、子供の学力・学習状況や家庭、地域との連携、生涯学習のあり方等について多くの課題があることから、次期計画ではこれらの課題に重点的に取り組むべきとされたところでございます。  また、審議過程の中で、社会情勢の変化や本県教育の置かれている現状等から、一人一人の個性を大切にした学びが必要、人生100年を生き抜いていくにはともに生きないと豊かになれない、地域への愛着が必要で、滋賀らしい教育をどう織り込むかなど、意見が出されたところでございます。  これらを踏まえ、審議会では、一人一人の個性に応じた学び、人生100年、共に生きる、滋賀らしさをキーワードに、基本目標につきましては、第1期、第2期と同じく、「未来を拓く心豊かでたくましい人づくり」を踏襲し、サブテーマにつきましては、「人生100年を見据えた『共に生きる』滋賀の教育」とされ、SDGsの視点も踏まえながら教育施策の総合的な推進を図ることとされ、知事へ答申されたところであります。  次に、3点目のサブテーマに対する私の考えについてお答えをいたします。  人生100年という時間軸で考えますと、サブテーマにあります、共に生きることは、豊かな人生を送る上で大変重要になる言葉であると考えております。  では、何とともに生きるのかということでありますが、私は社会情勢の変化や長寿命化などを踏まえますと、まず人と人であると考えております。価値観の多様化が今後ますます進んでいく社会にあっては、これまで以上に、人と人との関係においてそれぞれの違いや存在を認めることが大切であるというふうに考えております。  同時に、より豊かな人生を送るためには、こうした人と人のつながりだけではなく、人と自然、人と地域などがつながることも大切であると考えており、これらとともに生きることが、個人だけではなく、社会全体の豊かさにつながるものと考えております。  また、家庭教育、学校教育はもちろんのこと、仕事についてからも、あるいは仕事を離れてからも、これまで以上に学び続けることが大切であり、その学びが自分だけではなく社会への貢献につながることが重要であるというふうに考えております。  次に、4点目の答申で示された滋賀ならではの学びに対しての私の考えについてお答えをいたします。  答申にもありますように、本県には一人一人を大切にする心や三方よしの考えにある公の心、また、琵琶湖とともに生き自然を大切にする心など、これまで先人たちから引き継いできた近江の心があります。  滋賀ならではの学びは、こうした近江の心の継承や豊かな自然、多彩な歴史文化、また、地域との協働連携などを通じて地域に誇りと愛着を持ち、主体的に地域の課題を解決しようとする力を育むための学びであるというふうに考えております。  言い方を変えれば、滋賀ならではの学びは、滋賀に住みたい、いつか滋賀に戻ってきたいといった滋賀のファンをふやし、自分だけではなく、広く社会に貢献できる人づくりを行うとの思いが込められたものと考えております。  近年、人口減少、少子高齢化、生活様式の変化などにより地域との関係が希薄になっていますことから、これまで以上にこの学びを推進し、郷土への愛着を深めていくことが必要であるというふうに考えております。  最後に、今後5年間にどのようなことに重点を置いて確かな学力を育んでいくかについてお答えをいたします。  確かな学力を育むためには、まずは基礎的、基本的な知識、技能の定着を図ることが大切であり、子供一人一人の学習状況を的確に把握した上で、授業や家庭学習を充実させ、学習習慣等を身につけさせることが必要であるというふうに考えております。  また、文章や情報を正確に読み解いたり、相手の言葉や表情等から考えや意図を読み解いたりする、読み解く力を育むことが重要であると考えております。そのため、授業での取り組みに加え、読み聞かせや読んだ本の紹介をする活動などを取り入れるなど、子供たちの読書習慣の定着を図る取り組みも進めてまいりたいというふうに考えております。  さらに、子供一人一人の学習状況を学校全体で共有し指導に生かすとともに、幼稚園と小学校、あるいは小学校と中学校といった校種間においても、教員が相互に授業参観をしたり情報交換をしたりするなど、緊密な連携を推進してまいりたいと考えております。こうした取り組みを進めることにより、子供一人一人の確かな学力を育んでまいりたいと考えております。 ◎知事(三日月大造) (登壇)最後に1点、犯罪の起きにくい社会づくりと交通事故の抑止に向けた対策について、私には2点賜りました。  ラウンドアバウトについての認識でございますが、ラウンドアバウトは信号機のない一方通行の円形の交差点であり、近年、我が国においても注目され、現在、全国で約80カ所、本県でも1カ所が設置されております。  このラウンドアバウトは、その形状から、交差点に進入する車は確実に速度を落とし、出会い頭事故の防止に大きな効果があり、また、信号機がないため、議員御指摘のとおり、災害による停電時に滅灯等影響がなく機能するものであると認識しております。  では、このラウンドアバウト導入に向けどのように取り組んでいくのかということについてでございますが、交差点に流入する1日の交通量が1万台未満であることなど、国が示すラウンドアバウトの適用条件を満たす場合には、警察、市町、地元等の関係者と連携を図りながら、導入に向けて積極的に取り組んでまいりたいと存じます。  なお、県内において、現在、彦根市、草津市、東近江市、米原市、日野町の5つの市町で7カ所の事業を実施中でございます。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) (登壇)犯罪の起きにくい社会づくりと交通事故の抑止に向けた対策についてお答えいたします。  まず、1点目の県内の防犯カメラの設置状況等についてでございます。  本年8月末現在、警察で把握しております県内の防犯カメラ設置台数は約3万台で、その内訳は、金融機関、コンビニエンスストア、量販店等の集客施設約2万1,300台、学校、駅、公営駐輪場等の公共施設約2,400台、マンション等居住空間約2,800台、街頭に設置されたもの約1,100台などでございます。  このうち、防犯ボランティア団体や自治会等の地域住民が自主的に設置、管理している街頭防犯カメラとして約620台を把握しておりますが、その多くは県や市の支援を受けて設置されたものでございまして、そのうち500台は、平成26年から平成28年の3年間にわたり県内企業から県に寄附していただき、無償で自治会等に貸し付けているものでございます。  このほか、県警察としては、地域見守りカメラ設置促進事業として、平成24年、25年に防犯カメラ設置に要する経費を支援するための補助金を予算化し、県内の6地域に合計30台を設置していただくとともに、平成28年には50台、29年には5台を予算化して購入し、要望のあった自治会等に無償で貸し付けているところでございます。  続きまして、2点目の県内の防犯カメラ増設に向けた県警察としての取り組み方針についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、防犯カメラにつきましては、被害の未然防止や犯罪発生時の的確な対応に有効であることから、地域の安全、安心を確保するための手段として大きな役割を果たしているものと認識しております。  県警察としては、引き続き県や市町等と連携し、地域住民や事業所の方々に対し、防犯カメラの有効性について御理解をいただくための啓発活動や、適正かつ効果的な設置管理のために必要な情報提供、助言を行うなどの支援を行っていくとともに、これまで県警察として予算措置した防犯カメラの設置場所や活用状況等の詳細な分析や、自治会等からの要望を踏まえつつ、今後の取り組みについてさらに検討してまいりたいと考えております。  続きまして、3点目の災害発生時におけるラウンドアバウトの交通整理能力についてでございます。  先ほどの知事答弁でもございましたように、ラウンドアバウトは信号機のない交差点であることから、仮に災害により停電が起こったとしても、滅灯した信号機の機能を回復させるための補助電力や警察官等の交通整理を必要とせず、平常時とほぼ同様の運用が期待できるものと考えております。  最後に、ラウンドアバウトを導入した場合に期待される効果と警察としての取り組みについてでございます。  ラウンドアバウトを導入した場合、進入する車両が直進により交差点を通過することができない構造となっていますことから、出会い頭の事故が減少する、進入速度が大幅に抑制されることで事故が起きた場合の重篤度が軽減される、信号の待ち時間の解消により交通の流れが円滑になるなどの効果が期待されております。  県警察といたしましては、今ほど申し上げた導入によります効果が強く期待される交差点におきまして、道路管理者と連携しながら積極的に導入を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(川島隆二) しばらく休憩いたします。   午後0時31分 休憩    ────────────────   午後1時29分 開議 ○議長(川島隆二) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、18番井阪尚司議員の発言を許します。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇、拍手)私たちチームしが 県議団の仲間でありました下村勳議員がお亡くなりになり、悲しみをこらえられません。下村議員の御冥福をお祈りしますとともに、御家族、御親戚、御親族にお悔やみを申し上げる次第でございます。  下村議員は特別支援教育のオーソリティーとして、一人一人に寄り添う教育を実践されてこられ、滋賀県の子供たちや学校の教育の環境整備に御尽力されました。私たちは下村議員の情熱と遺志を受け継ぎ、滋賀の発展のために尽くしてまいりたいと思います。  また、本年は全国各地で台風、地震、竜巻、熱中症等で災害が続いています。お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された方々にお見舞い申し上げ、一日も早い復旧をお祈りいたします。  実は、本日のチームしが 県議団の代表質問は下村議員が登壇される予定でありました。それだけに私も気持ちが込み上げて、詰まる場面もあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。  それでは、悲しみを乗り越えて、会派を代表して9項目について質問してまいります。  初めに、平成30年台風第21号による被害について、知事に伺います。  近畿地方に大きな被害をもたらした台風21号は、本県においても、9月4日に最接近し、最大瞬間風速毎秒46.2メートルを記録した彦根市を初め、県下7カ所で観測史上最大の風速となるなど猛威を奮い、県内各地に大きな爪跡を残しました。  人的被害としては、大変悲しいことに東近江市で建物の倒壊や飛来物による死亡者2名、重症者7名、軽症者50名と発表され、県内全域で、屋根瓦が飛ぶ、テラス屋根やカーポートが飛ばされるなど、家屋にも多くの被害が出ています。  また、倒木による道路の通行どめは35区間、9つの集落が約2日間孤立し、河川においても数多くの被害が出ています。  また、農業では、昨年の台風被害の傷が癒えない中、ビニールハウスなど農業施設の被害は過去最大となり、水産業や林業においても深刻な被害が出ています。加えて、三井寺や彦根城など文化財に、また、重要文化的景観に選定されている高島市海津地区にも大きな被害が出ているところです。  そこで、農林水産業等1次産業の被害を初め、県内の被害状況と今後の支援策について伺います。  あわせて、今回は、県は各市町から報告を受け被害状況の把握に努められたものの、各市町からの報告には大きな差があったようです。県内の被害状況の把握における課題と今後の対応について伺います。  今回の大型化した台風により、地球温暖化の影響による気候変動がより鮮明になってきました。今夏の危険な暑さ、各地で多発する豪雨、一昔前までは見られなかった竜巻の発生、そして台風の大型化、これらはもはや異常気象ではなく、これからの滋賀県の気候として受け入れていかなければなりません。  そして、今後、そこから発生すると予測される災害としては、豪雨による河川氾濫や土砂災害、台風や竜巻などの暴風による災害はますます規模が大きくなり、ふえていくと容易に想像がつきます。  今回の台風21号の大きな被害を教訓として、本県における今後の災害の認識を改める必要が出てきたと考えます。台風や竜巻などの暴風災害そのものが変わりつつある中で、想定外を想定内にする必要がありますが、県民の命や生活を守るために、どのような取り組みを進め防災力の向上に努められるのか、見解を伺い、次の質問に移ります。  次に、将来を見据えた県政運営について、知事に伺います。  平成30年度は滋賀県基本構想の計画期間の最終年度となり、先般、次期基本構想骨子案が示されたところです。平成27年度に策定された基本構想の基本理念は、「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀〜みんなでつくろう!新しい豊かさ〜」でした。基本構想策定に当たり、知事は、「歴史や文化、豊かな自然に恵まれ、進取の精神が現在まで引き継がれてきた滋賀だからこそ、その強みを生かし、県民の皆さんとともに次の時代を支える新しい価値観の創造に挑戦していきたい。そしてこの挑戦を日本全国に発信してまいります」と述べられました。
     そこで、計画期間最終年度に当たり、「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀」の実現にどの程度前進したと考えておられるのか伺います。あわせて、基本構想実施計画の事業目標の達成度についても伺います。  次に、計画期間の最終年度となる滋賀県行政経営方針について伺います。  本県では、平成7年度に滋賀県行政改革大綱を策定以降、7次にわたる方針を策定し、効果的、効率的な組織機構の整備、業務改善などの行政システム改革や定員削減などの行政改革に取り組んできました。  財政健全化については、国の三位一体の改革や経済情勢の悪化に伴う影響などにより、毎年度、多額の財政不足が見込まれたことから、平成9年度に財政構造改革の指針を策定し、収支改善と持続可能な財政基盤の確立に向け、歳入歳出両面からの対応に全庁挙げて取り組んできました。  一方、人口減少への対応を初め、異常気象による自然災害の発生、琵琶湖流域の生態系や在宅医療、介護連携などに関する課題、急速に進む公共施設等の老朽化の問題など、さまざまな行政課題に直面しています。  こうした不可避の課題を乗り越えていくため、平成27年度には滋賀県行政経営方針を策定し、経営理念には、「対話、共感、協働で築く県民主役の県政の実現」を掲げ、攻め、見える、前向きの3つの基本的な視点のもと、基本構想に掲げる施策の展開を行財政面で下支えし、「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀」の実現に向け、取り組みを推進してきました。  そこで、これまで取り組んできた滋賀県行政経営方針をどのように総括し、現時点での県行政を取り巻く課題についてどのように捉えておられるのか伺います。  また、現在策定中の次期基本構想は、計画期間を12年とし、次期行政経営方針も12年後を見据えた上での4年間の計画としております。2030年に向けて本県のあるべき姿や目指す県庁の姿をどのように捉え、それぞれ計画を策定しようとしておられるのか伺います。  次に、財政健全化の推進について伺います。  8月に財政健全化に向けた取り組みの収支見通しが示されました。現時点での本県の財政状況は決して楽観できないとの認識のもと、財政運営を行う必要があります。また、財政健全化や弾力化を示す経常収支比率は、平成29年度95.5%と前年度より0.5ポイント改善しておりますが、依然として財政は硬直化していると考えられます。  県税収入に地方交付税などを合わせた一般財源総額の伸びが期待できない中、社会保障関係費などの義務的経費の増加や国スポ開催に向けた施設整備を初めとする大規模事業、公共施設等の老朽化対策などの財政需要に的確に対応していく必要があると考えますが、将来を見据えた財政健全化の推進についての考えを伺います。  この項の最後に、新年度予算編成について伺います。  昨年度の予算編成については、2つの基本方針に6項目のポイントを掲げ、自分の豊かさだけでなく、今の豊かさだけでなく、ものの豊かさだけでもない、みんなが将来も持続的に実感できる心の豊かさであり、それぞれの豊かさが互いにつながり調和していくという新しい豊かさを具現化すべく、特に社会経済情勢の変化等を踏まえた戦略的な施策構築の4つの視点を重点的に取り組んでこられましたが、新年度予算編成にどのような姿勢で臨まれるのか伺い、次の質問に移ります。  次に、平成31年度の執行体制について、知事ならびに由布副知事に伺います。  由布副知事は、滋賀県では3人目の女性副知事として、先月20日付で着任されてから1カ月がたちました。京都市の御出身で、子供のころ琵琶湖に訪れたという思い出があり、本県に親しみと親近感を持っておられる副知事は、旧総理府に入庁され、内閣府では男女共同参画社会基本法の制定にかかわり、さらに女性の社会進出、少子化対策にかかわる施策に取り組まれたとお聞きしています。  同時に、今回、地方自治体での勤務が初めてと伺いました。不安もあろうかと思いますが、県民の皆さんの暮らしに近い地方行政で、まず現場に足を運び、現状をしっかりと見ていただき、県民の皆さんとの対話を重ねることで、県民の皆さんの幸せ、真の豊かさを実感していただくための政策構築やその推進のために、今までのキャリアで培われた力を発揮していただきたいと思います。  そこで、副知事として、今後、滋賀県政に取り組むその決意について、副知事にお伺いします。  このたび、世界フォーラムが発表した2017年版の各国の社会進出における男女格差を示す指標のジェンダーギャップの指数の報告書では、日本は世界144カ国中114位で、過去最低を記録した2016年の111位よりさらに順位を落としました。  また、分野ごとの評価の内訳を見ますと、経済分野の幹部、管理職での男女比は14.2%、世界平均は32%で、116位と特に低いことがわかりました。  先日の新聞報道では、昨年10月時点の就業構造基本調査で、県内の育児中の女性の就業率が2012年の前回調査時から13.9%伸びて、全国の上昇幅を上回り、大きな課題であった子育て時期の就業率が大きく減少する点が一定改善したとありました。とはいえ、本県においても女性が働き続けるための環境は、女性の社会進出が叫ばれて久しい昨今、まだまだ厳しい現状が続いています。  庁内においても、平成28年度から30年度までを計画期間とする女性職員の活躍推進のための取組方針を策定し、女性職員も男性職員とともに生き生きと活躍できる県庁を目指して取り組みが進められていますが、本県の課題の一つである働き方改革を進める上で、男女共同参画、女性活躍の視点は大変重要であります。  国で男女共同参画社会への政策推進に尽力されてこられた副知事には、ぜひ、これまでの御自身の経験と現実を踏まえた発信を期待するところでございますが、本県の女性活躍推進を含めた働き方改革をどのように進めていこうと考えておられるのか、副知事にお伺いします。  次に、三日月知事の2期目に当たり、治水政策や原発事故などへの災害対策、国民スポーツ大会関連や新生美術館などの施設整備、農地の集積やブランド化など大きな転換期を迎える農業政策、人口減少対策など数多くの県政課題がある中で、庁内で横断的に施策を推進するために、総合政策部の強化、特に滋賀の将来を見据えた計画の策定などを行う企画部門の強化が必要であると考えます。  また、きめ細やかな災害対策や基盤整備が求められる中で、地方行政機関の組織のあり方についても検討しなければならない時期に来ていると考えます。  この2点を踏まえて、平成31年度の組織、執行体制について、知事の考えをお尋ねします。  既に来年度に向けての職員採用試験も始まっています。来年度以降、定員管理についてどのような考えで臨むのか。とりわけ2024年の国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会開催に向けては当然増員が必要になってきますが、どの部署も余裕がある状況ではありません。また、土木や農政の部門においては技術職員が不足し、災害復旧を含め、土木工事の進捗などにも影響が出ているように仄聞しています。  あわせて、各所属においても業務量に見合った適切な人員配置が当然求められる中で、長期的な視点で定員管理や適正な人員配置を考えなければなりませんが、このことにどのように取り組まれるのか、知事にお尋ねします。  働き方改革などを含めて、県民サービス向上のために職員の持つ力を最大限生かす県庁力の強化が喫緊の課題です。しかし、働き方改革については、その方向性や目的を見誤ると、サービス残業がふえるなど職員にかえって負担を強いたり、士気低下につながる懸念もあります。  また、数年前から実施されている人事評価制度は、職員のやる気を喚起できるというメリットが期待される一方、制度が公平公正に運用されるものになっていないと、かえってモチベーションは下がってしまいます。現在の人事評価制度について、双方向で判断する、可能な限り複数の職員で客観的に評価するなど、公平公正な仕組みが担保されているのか、現在の人事評価制度に関して知事の考えを伺います。  県庁組織の多くの分野で、臨時、非常勤職員が雇用されています。臨時的な業務などを除いては当然正規職員で対応することが原則ですが、2017年5月の地方公務員法等の改正で創設されることになった会計年度任用職員については、予算措置を含めて前向きに検討すべき課題です。  この制度は地方自治体に勤務する臨時、非常勤職員の処遇改善を目的に創設されるものですが、制度の導入により、現在雇用されている臨時、非常勤職員に不利益を生じさせることはあってはなりません。関係条例の整備や予算措置などについて、今後どのようなスケジュールで進めていくのか、現場のニーズの把握など新制度にどのように対応していくのか、このことを踏まえて、知事の考えをお尋ねします。  この項の最後に、障害者雇用についてお尋ねします。  障害者雇用については、本県においても、障害者手帳を持たない職員24名を不適切に算定していたことがわかり、先日、知事は会見で謝罪されました。国や多くの自治体で同様の取り扱いが判明し、障害者団体からの抗議もありましたが、何より就労による自立を目指している障害者や御家族の方々は大変悲しい思いをされたと思います。  あわせて、このことが民間企業における障害者雇用にも悪影響を及ぼすのではないかと懸念されます。再発防止策として手続的なことが国や自治体において検討されているようですが、該当職員のプライバシーなどに配慮しながら、障害者雇用率制度の本来の目的達成に向けての真摯な議論が必要です。  そして、障害者の程度や種類にかかわらず、障害者の就労の機会を得られる職場環境を整備することが急務と考えます。とりわけ視覚障害者や聴覚障害、あるいは知的障害や精神障害がある人が公共サービスの部門で働ける環境整備のため、県としてすべきことは多くあると考えます。本県を含めて、全国的に教育委員会部局での雇用率が達成できていないことも大きな課題となっています。  こうしたことを踏まえて、今後、滋賀県として障害者雇用の推進にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねし、次の質問に移ります。  次に、Society5.0の実現に向けた取り組みについて知事に伺います。  平成28年に、政府は第5期科学技術基本計画においてSociety5.0を提唱されました。狩猟社会のSociety1.0、農耕社会のSociety2.0、工業社会のSociety3.0、情報社会のSociety4.0に続く、新たな社会をイノベーションによって生み出すもので、仮想空間と現実空間を高度に融合させたシステムにより実現する社会をSociety5.0と提唱されています。  IoTで全ての人とモノがつながり、さまざまな知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。また、人口知能、いわゆるAIにより必要な情報が必要なときに提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます。  政府は平成30年6月、Society5.0、データ駆動型社会への変革に向けて、未来投資戦略2018を閣議決定しました。IoT、ビッグデータ、AI、ロボットなどの第4次産業革命の技術革新を取り込み、Society5.0を本格的に実現するため、各種の施策の実施を図りつつ、これまでの取り組みの再構築、新たな仕組みの導入を図るとされています。  一方、本県においては、平成36年度までの10年を計画期間とし、平成27年3月に滋賀県産業振興ビジョンを策定しました。「世界にはばたく成長エンジンと地域経済循環の絆で形づくる“滋賀発の産業・雇用”の創造」を基本理念とし、重点的に5つのイノベーションに取り組むとされています。このビジョンは、滋賀県基本構想に基づく部門別計画の一つでもありますが、現在、次期基本構想が検討されているところでもあり、今後の整合性についても検討が必要です。  現行の産業振興ビジョンでは、水・エネルギー・環境、医療・健康・福祉、高度モノづくり、ふるさと魅力向上、商い・おもてなしの5つの切り口からのイノベーションの創出に重点的に取り組むとしていますが、Society5.0の実現に向けて、今後どのように産業振興を図っていくのか伺います。  平成28年12月に官民データ活用推進基本法が成立し、データ流通環境の整備や行政手続のオンライン利用の原則化など、官民データの活用に資する各種施策の推進が政府の取り組みとして義務づけられました。平成29年5月には、同法および高度情報通信ネットワーク社会形成基本法に基づく取り組みを具体化するものとして、世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画が策定されています。  特に、計画の重点分野の一つである電子行政分野における取り組みについては、平成29年5月にデジタルガバメント推進方針が策定され、国民、事業者の利便性向上に重点を置き、行政のあり方そのものをデジタル前提で見直すこととされています。これらの実現に向け、デジタルガバメント実行計画が本年1月に策定され、7月に改定されました。  本県においては、滋賀県ICT推進戦略が国が進める官民データ活用推進計画にも位置づけられています。  未来投資戦略2018の中で、Society5.0の実現に向けて今後取り組む重点分野の「行政」、「インフラ」関連プロジェクトでは、国民生活やビジネスを取り巻くデジタル環境が大幅に変化する中、旧態依然としたアナログ行政から決別し、行政のあらゆるサービスを最初から最後までデジタルで完結させる、紙からデータへの原則のもと、公的個人認証システムの普及と利便性向上により、さまざまなライフイベントや事業活動をめぐる行政手続等において、国民や企業が直面する時間、手間やコストを大幅に軽減し、デジタル時代に即した組織、サービスとしていくことで、世界最先端のデジタル社会の基盤を整備するとされています。本県における行政のデジタルガバメントの推進について、現在どのような状況にあるのか、また、今後の取り組みについて伺います。  公共データの活用推進、すなわちオープンデータの推進により、行政の透明性、信頼性の向上、国民参加、官民協働の推進、経済の活性化、行政の効率化が三位一体で進むことが期待されております。本県においても、滋賀県ホームページ上で滋賀県オープンデータカタログとして、本県の公開するオープンデータが一覧で掲載されています。  日本政府データカタログサイトでは、「機械判読に適したデータ形式を、営利目的も含めた二次利用が可能な利用ルールで公開するオープンデータの取り組みを推進しています」と記載されています。ここで言う機械判読の定義は、PCなどで表示や閲覧できる方法のことと解釈でき、本県においてはエクセル形式、PDF形式での公開を行っていますが、企業がシステムでデータ活用を行うとすると、データそのものが欲しい場合が多く、これらのフォーマットではとても扱いにくくなります。大津市では、データごとにCSVなどのフラットデータのみならず、RDF、JSON、XLSなど、可能な限り利用者にとって扱いやすい形式でデータ公開を行っておられます。  また、その利用に関するライセンス表記についても、本県においては独自の表記になっておりますが、多くの自治体では国際的非営利組織のプロジェクト──クリエーティブ・コモンズ・ライセンス、通称CCライセンスを採用されています。  CCライセンスとはインターネット時代のための新しい著作権ルールで、ライセンス表記がマークで表示されているため、多くの方に視覚的に直感的にライセンス条件がわかるようになっており、世界的に主流となっています。本県のオープンデータの現状と今後のあり方、特にライセンスと公開データのあり方について伺います。  Society5.0の実現に向けたICT関連への投資は他の投資とは異なり、将来的にコストや人件費削減、働き方改革につながるなど、今後の厳しい財政への対応をしていく上で大きなメリットがあります。本県の今後の財政見通しにおいても、これらの投資とその投資効果をしっかりと見据えていくことが必要です。  そのためにも、ICTに精通した職員や新たなイノベーションに対して意欲のある職員や専門家などを交えたプロジェクトチームを発足するなど、組織改編も含め、全庁的にSociety5.0の実現に向けて取り組むための主導的な役割を果たす体制づくりが必要と考えますが、見解を伺い、次の質問に移ります。  次に、滋賀の食の安全、安心とブランドについて、知事に伺います。  健康しがを進めていくには、私たちの身体をつくるもとである食について安心、安全の確保もなされる必要があります。滋賀県食の安全・安心推進条例では、食の安全、安心の確保は、県民の健康の保護が最も重要であるという認識のもとに、危害の未然防止とその仕組みに対する信頼確保を旨として、県民、関係事業者、県の相互理解と協力を促進し、供給から消費に関する全ての工程で関係者が措置を講じるよう、平成21年に策定されました。  全国ではこれまで、ブランド振興による産地を初めとする偽装や食品流通での不正など、消費者の選ぶ権利がないがしろにされた事案が発生してきました。TPP参加などによる海外からの輸入品や、外食・中食嗜好の強まりによる加工品の多様化は、今後ますます私たちの食に影響を与えると思われます。  また、ことしのような暑い日が続きますと、食中毒の注意喚起が頻繁にされておりますが、関係事業者のみならず、消費者への啓発がより重要となってきます。  条例制定後の10年近くを振り返り、県民の食の安全、安心の推進がどれだけ図られたと言えるのでしょうか。食の安全・安心推進計画の成果と課題解決に向けて、今後の展望を伺います。  本県では早くから、県民の食の安全とともに、琵琶湖を守るため、環境こだわり農業を進めてきました。昨今は「食べることで琵琶湖を守る」というキャッチフレーズで、県内のみならず、淀川水域である京阪神でも評価をいただくようになっています。  このように環境こだわり農業を進めてきましたが、県では、さらに環境こだわり農業の深化として、本年度改定中の推進基本計画の中に、新たにオーガニック農業を位置づけようとされています。  オーガニック農業は手間がかかるため、依然として兼業農家も多い本県農業において、安心とおいしさを担保するオーガニック農業をどれだけ進めることができるのか。また、今年度は首都圏での商談会や大都市圏の百貨店や専門店などでのテスト販売などを予定されていますが、流通が十分に確保されているとは言えず、どのように確保していくのかについて課題があります。  オーガニック製品は通常よりも高価格で取引され、より安全でおいしい食を求める消費者の選択で国内でも広がりを見せており、また、このたびのミシガン州と滋賀県の茶業者とのマッチングのように、海外での需要に対しても、国際水準──GAPとともに進めるべき方向にあると思われます。  水稲では、平成29年度で247ヘクタールの取り組みを、10年かけて1,000ヘクタールで日本一を目指すとされていますが、オーガニック農業を滋賀のブランドとしてどのように育てていくのか、生産の拡大や流通に向けた課題をどのように乗り越えていくのか伺います。  滋賀県食のブランドとして大切にしているものの一つが近江牛です。今では北海道を抜いて1軒当たりの飼育頭数が全国1位となり、県内の肉用牛の産出額は、平成25年の54億円から28年は65億円と伸びています。日本三大和牛の一つと言われながら、神戸牛、松阪牛ほど知名度がなかった近江牛ですが、訪日外国人の増加や日本の和牛の販路開拓が進み、海外でも徐々に知名度が上がっています。  平成29年度の滋賀食肉センターを経由しての近江牛の海外輸出量は、昨年秋に解禁となり出荷量が著しく伸びている台湾の2万2,953キログラムを筆頭に、シンガポール、タイ、フィリピン、さらにはベトナムとアジアを中心に計4万9,620キログラムで、県外で屠畜された分も含めますと相当数の近江牛が輸出されており、今後はドバイなどハラル対応も考慮しつつ、海外へ幅広く輸出されることが想定されます。  一方、子牛価格の高騰で繁殖・肥育一貫経営を進めるも、すぐには繁殖や子牛を育てる技術が追いつかない状況も続いてきました。そこで、滋賀県として乳用牛への受精卵移植技術を活用し、酪農振興もあわせた地域内一貫生産体制強化のため、滋賀県畜産技術振興センター内に子牛を育てるキャトル・ステーションの整備を新たに計画し、このたび完成したところです。  7月に竣工して以来、なかなか計画した頭数の子牛が集まっていないとも聞いております。また、県内での和牛子牛の生産を進めるためにも、受精卵移植に携わる技術者の育成や技術向上が欠かせません。こうした課題を踏まえ、地域内一貫生産を進めるため、その拠点であるキャトル・ステーションをどのように運営し、近江牛のブランド力向上につなげていくのか伺い、次の質問に移ります。  次に、流域治水政策について、知事に伺います。  平成30年7月豪雨の初動対応を検証する政府の作業チームの初会合が先月31日に開催され、避難所の状況把握や救援物資の輸送、住まいの確保や自治体への支援、4つの分野での課題や問題点を洗い出し、10月初めにも報告を取りまとめることを確認しました。この会合の中で菅官房長官は、「200人を超えるとうとい命が失われたことを重く受けとめ、学ぶべきことは全て学び、以後の対応に生かすことが極めて重要だ」と述べられました。  また、政府は、有識者らが中心となって、気象庁の防災気象情報と自治体の避難情報の連携のあり方などについて検討を進め、年内にも提言をまとめることとなっています。我が会派でも、平成30年7月豪雨を目の当たりにし、先般、水害多発時代の治水対策はどうあるべきかをテーマに特別勉強会を開催し、滋賀の流域治水政策をより強力に進める必要があると再認識したところです。  そこで、滋賀県流域治水の推進に関する条例が制定され4年になりますが、条例第13条浸水警戒区域の指定等について、課題を整理し質問いたします。  現在、担当課には、地先の安全度マップにより、200年確率で浸水深が3メートル以上となる浸水リスクの高い地区約50地区を対象に、「そなえる」対策とともに、浸水警戒区域の指定に向けた取り組みを進めていただいております。  条例上の浸水警戒区域の指定には、災害に強い住民ワーキンググループの開催、災害履歴調査、まち歩き、避難計画の検討、住民説明会など、プロセスに多くの時間も必要です。また、区域指定に消極的な地域もあり、区域指定の目標50地区にはほど遠い状況にあります。当局の努力は承知しておりますが、この現状は明確なリスクをそのままの状態にしていることになり、氾濫原管理者としての責任を問われるのではないかと危惧するところでもあります。  例えば、耐震基準は区域指定されておらず、地域ごとの予算進度に合わせた対策が義務づけられています。  浸水警戒区域の指定をせずにリスクに応じた対策を求めることができるよう、助成制度の運用変更等ができないか検討すべきであると考えますが、見解を伺います。  そもそも水害危険箇所と言われる地域は水がたまりやすいので、一般的に優良地域であったり、生態的価値が高い地域であったりします。特に未開発のエリアでは、生物保護の観点も加えた区域指定も必要ではないかと考えます。環境保全が区域指定の理由に加わると、危険というマイナスイメージばかりにならず、田んぼのブランド化などにもつながり、受け入れやすいのではないでしょうか。これはまさに基本構想でうたっているグリーンインフラや、最近注目されているEco−DRRの考え方そのものです。米国では保護すべき湿地帯と水害危険箇所の多くが重なっていて、両面から開発規制しています。環境保全の観点を加えた浸水警戒区域指定について見解を伺います。  この項の最後に、既存建築物のない水害危険箇所での区域指定について伺います。  流域治水政策の本来の目的は、水害危険箇所で危険を知らされぬまま無防備に暮らす人々をふやさないことにあります。本来の目的を達成するためには、既存建築物のない未開発の水害危険箇所の区域指定も同時に進めるべきであると考えますが、見解を伺い、次の質問に移ります。  次に、交通政策について、知事に伺います。  次期基本構想では、目指す2030年の姿の柱に、「人 自分らしい未来を描ける健やかな生き方」が掲げられています。生涯を通じ、誰もが年齢、性別、病気、障害の有無にかかわらず、自分らしく、体も心も健やかな生活が送れる社会を築くためにも、核となるのは公共交通であると考えます。そのためにも、誰もが必要なときに必要な場所へ移動できる環境を整え、交通弱者を意識した県民に交通を保障する権利──交通権を位置づけることは何よりも重要であります。また、知事は、厳しい経営状況にある公共交通を守るためにも、負担を分担する交通税についても言及されております。  そこで、これまでの我が会派の代表質問でも滋賀県交通基本条例の早期制定の必要性を述べておりますが、公共交通を守っていくためにどのような交通政策の取り組みを進めていくのか、滋賀県交通基本条例の制定に向けた検討状況もあわせて伺います。  次に、誰にも優しい公共交通の整備について伺います。  近年、障害者の社会進出が進んでいますが、一方で、公共交通を利用する際の障壁が多く残っております。  特に、視覚障害者によるホームからの転落事故は今なお減少しない状況にあります。ホームドアの設置には原則1日10万人以上の利用者が必要とされるため、現在、県内の駅舎においてホームドアが設置されているところはいまだありません。また、駅舎におけるエレベーターの設置等も、乗降客数が伸びない中、進んでいないのが現状であります。  そのような中、新潟市では生活交通のバリアフリー化が行われ、バリアレス縁石の導入を初め、バリアフリーの推進、デジタルサイネージの導入によるバスの利用環境整備や利便性の向上を図り、誰もが移動しやすい交通環境の実現に向けて取り組みを進めています。  そこで、鉄道におけるホームドア設置などによる転落防止策や、駅舎やバスの乗降におけるバリアフリー化、利便性の向上を施策メニューとして設置するなどにより、誰にも優しい交通体系を確保する必要があると考えますが、県のさらなる取り組みの推進について伺います。  次に、本県の交通にかかわる課題について伺います。  まず、鉄道について伺います。  これまでも、信楽高原鐵道は、鉄道事業再構築実施計画を策定し、平成25年度から公有民営方式による上下分離により運行を開始し、移行後、5年連続で黒字を達成しております。観光事業者との連携による定期外利用者が増加している一方で、学生利用者等定期利用者の減少が進んでいる状況にあります。  また、近江鉄道に関しても、隧道や橋梁など老朽化した施設への多額の設備投資を初め、さまざまな課題が出てきており、現在、近江鉄道線のあり方にかかわる検討がなされています。今年度は、一般社団法人地域公共交通総合研究所に調査依頼をかけた地域鉄道ネットワーク検討調査事業が行われています。  これまで地域のため、県民のために貢献してきた鉄道をいかにして守っていくか。さらには、これまでもびわこ京阪奈線の議論もありますが、生活や観光を意識しながら大きなビジョンを掲げ、いかにまちづくりを行っていくかを考えていかなければならないと言えます。  あわせて、インバウンドを初めとする観光需要の高まりから、鉄道を活用した積極的な戦略も講じていかなければなりません。これまで忍者列車等も行ってきましたが、房総半島におけるB.B.BASEや愛媛県まで運行しているサイクルトレインしまなみ号など、自転車による観光需要に期待した取り組みも進んでいる中で、新たな観光列車の導入の検討など、今後の中で鉄道を生かしていくことも重要であると考えます。  そこで、鉄道を守り生かした施策展開についてどのように考えているのか伺います。  次に、県内の公共交通において、鉄道とともに核となるバス交通について伺います。  現在、交通の集中等により発生する各種の問題を解決するとともに、将来的な人口減少による負の影響を緩和するため、大津湖南エリア地域公共交通網形成計画が策定されようとしています。また、地方部では少子超高齢化と労働力人口の流出に伴う過疎化の進行、輸送人口の減少に伴いバス路線を維持することが困難になるなど、バス交通の課題は地域それぞれの課題が複雑化、深刻化してきています。  特に、以前から指摘してきましたが、運転者不足の状況はさらに悪化してきており、公共交通としてのバス路線維持にも大きな影響があり、今後、交通体系の崩壊につながると言えます。  現在、自動運転等の新技術の導入検討も進められていますが、一般道を含む自動運転ついて、高度運転自動化──レベル4については2025年、完全運転自動化──レベル5については2030年となっており、運転者不足の悪循環を解消するためにはまだまだ時間がかかります。  そこで、永久的問題になりつつある運転者不足の解消に向けた取り組みをどのように進めていき、交通ネットワークの中核を担うバス交通の路線維持拡大を図っていくのか伺い、次の質問に伺います。  今年は全国学力・学習状況調査の結果が例年より早く公表されました。近年、好評の声に押されて、結果が公にされると序列化に目が行き、上位を目指せと順位競争が始まり、ついにことし、教員の給料に差をつけるとの発言まで出てきて驚きを隠せません。教育は知、徳、体で語られることが多く、それぞれのデータが出るたびに、調査結果の比較で点取りに一喜一憂しているのは子供より大人のほうであるかもしれません。  知事は5月5日付の時事通信社のトップインタビューの中で、「1人が100歩進むより、100人が一歩進む県政を実現したい」、全国学力・学習状況調査に関し、「学力テスト対策をやみくもに講じるのは違う」と指摘した上で、「子供がわかる喜びを感じられ、本当の学びにつながる対策を教育委員会と検討したい」と強調されています。まさに一人一人を生かした創造的な滋賀の教育をつくる決意と受けとめました。  そこで、以下、滋賀の教育について、知事ならびに教育長に伺います。
     全国学力・学習状況調査の実施要綱には、調査の目的を、「教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる、さらに、そのような取り組みを通じて、教育に関する継続的な検証、改善サイクルを確立する」と記されています。  まず、本調査によって学力の状況とその背景になっている学習状況との関係を明らかにし、それを児童生徒の学びの改善と指導方法の改善に生かすことが重要であります。本年度の学習調査結果の分析と滋賀の学習状況の課題をどのように捉えられているのか、教育長に伺います。  全国学力・学習状況調査実施要項には、特別支援学校と特別支援学級で下学年の内容などに代替して指導を受けている等の児童生徒は対象としないとなっています。しかし、調査対象になっている通常学級に籍があり支援学級に通級している児童生徒や日本語指導が必要な児童生徒については、都道府県で対応が分かれていると仄聞します。対象をどこまで入れるかによって、正答率と順位は大幅に変わることになります。  さらに、今回の調査結果を調べると、小学校の正答率は5科目合わせて全国平均が60%に対して本県は58%、中学校は全国平均63%に対して本県は61%と、その差は2%です。  また、平成29年度学校基本調査報告書によると、高等学校の進学率は全国平均98.8%に対して滋賀県は99.1%で全国9位、大学等進学率は全国平均54.7%に対して本県は55.9%で全国11位であり、学力テストの正答率だけでは学力の実力ははかれないと思われます。  また、学力調査結果が公表されて以降、他県ではテストへのなれや即効性を求めて特別な指導を行った学校が全国で44%あり、このうち73%が過去問題で指導したとの報告もあります。多くの学校では、学力調査結果とあわせて行われた児童生徒の学習状況調査結果を受けて、子供の意欲を引き出し、きめ細やかな指導と、わかる授業を行おうと授業改善を進めており、滋賀県内でも学力向上と特色ある学校づくりに取り組まれた成功事例も蓄積されてきています。  そこで、どのような取り組みで滋賀の教育の充実を図り、今まで以上に一人一人に対してきめ細やかな指導を行っていくのか、教育長の考えを伺います。  先日、議員研修で帝京大学ラグビー部の岩出雅之監督のお話を拝聴し、みずから学び成長する人材育成の視点と、コーチングのノウハウについて教授いただきました。  自己変革へのいざないと学び、喜び合える風土づくりが成長のマインドであり、自律型組織は人間的な心の成長とイノベーションを生み出す能力の開発、ならびに事態への対応力が重要である、その根源は充実感と楽しさを実感することだとの御指摘でありました。まさにエデュケーションの語源が「引き出す」であることから、教育の原点に立ち返って考えることが重要だと思いました。  この原点回帰は、昨年12月の福井県議会で福井県の教育行政の根本的見直しを求める意見書が採択された内容からも読み取ることができます。これは同年3月に起こった福井県内の中学校で生徒が自殺したことを契機に、福井県は学力日本一であることが目的化し、本来の公教育であるべき姿が見失われてきたのではないかとの指摘から、率先して新たな教育の方向性を示すべきだとの趣旨で、具体的な対策が決議されています。  今後、ビッグデータやAIの発達の進展でいかに生きるかが問われ、学習形態も大きく変わると予想されます。知識の量よりも物を使いこなすスキルや運動能力、創造力、コミュニケーション力に加え、人間性や生涯学習としての教養などが求められます。  そこで、知事がトップインタビューで述べられた、子供がわかる喜びを感じられ、本当の学びにつながる対策を教育委員会と検討したいとの思いについて、これからの社会に求められる生きる力を教育の中でどのように実現しようとされるのか、知事に考えを伺い、次の質問に移ります。  次に、警察行政について、知事ならびに警察本部長に伺います。  まず、特殊詐欺について。  滋賀県内の本年上半期においての被害総額は、前年同期比として約50%減の約1億1,500万円、認知件数は同じく45%減の51件と大幅な減少となっているところです。しかし、息子や金融機関職員を名乗るオレオレ詐欺は16件でほぼ横ばい、架空請求被害については45%減の32件と減少傾向にはあるものの、はがきを使った架空請求詐欺に関する相談は、昨年の1年間で112件だったものが、今年は半年で2,303件と急増しています。  全国的には特殊詐欺による被害件数が増加していることが警察庁から発表され、オレオレ詐欺は依然として極めて深刻な状況が続いていると指摘されています。被害件数に占める65歳以上の割合は47%で、高齢者の被害防止が引き続き課題となっていると見られます。  そこで、今年上半期における特殊詐欺被害の現状分析と今後の対応について、警察本部長の見解を伺います。  また、摘発された犯人の傾向として、10代の少年が3割近くを占め、前年と比べて倍増していることが挙げられます。そのほとんどは受け子と呼ばれる役割で、先輩や同級生から誘われ、バイト感覚で気楽に加担した例が多いと仄聞しています。  特殊詐欺で摘発される未成年者が急増していることを受け、識者は、アルバイト感覚で手を染める少年も多い、逮捕される犯罪だというメッセージを伝えていくべきだと指摘しています。また、閉塞した人間関係の中で生活しているため、自分の居場所はそこにしかないと思い、誘いを断れない少年がふえている、人口減少や急速な高齢化、SNSなどネットの普及などといった社会構造の変化に伴い、地域社会で考える以上に人間関係の希薄化が進んでいるとも指摘しています。  特殊詐欺に限らず、少年が犯罪に手を染めないように、地域社会はどうあるべきかが問われていると考えますが、知事の見解を伺います。  次に、自転車事故について伺います。  本県で議員提案により策定された自転車条例には、自転車が加害者となる事故は、主に出会い頭や猛スピードでの運転、さらには信号無視などの法令違反により発生することが想定され、他県に先んじての個人賠償保険加入の義務づけや、自転車普及指導員などが明記されました。  しかし、最近ではスマホやイヤホン、傘を差すなどのながら運転が重大な事故を誘発していることが社会問題化してきています。特に昨年12月7日の川崎市で発生した、女子学生の運転者によるながらスマホ運転による歩行者の死亡事故が象徴的であり、対策の重要性や不備を浮き彫りにしています。  最近は、スマホを片手に自転車を走らせている人をよく見かけますが、たとえ猛スピードでなくても、スマホ画面に目をやる自転車は視野が狭く、注意散漫となり、わかっていても避けることのできない高齢者などの歩行者にとって危険きわまりない恐怖となります。  このようなながらスマホ運転等による自転車が加害者となる交通安全対策について、警察本部長の考えを伺い、質問を終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 18番井阪尚司議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)チームしが 県議団の皆様方の代表質問、井阪議員の御質問にお答えをさせていただきます。3回に分けてお答えをさせていただきます。  冒頭、平成30年台風第21号による被害について、こちらは3点御質問いただきました。  このたびの台風第21号において、県内では2名の方がお亡くなりになられました。お亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして心から哀悼の意を表するとともに、負傷された方々に心からお見舞い申し上げます。  まず1点目、農林水産業等、1次産業の被害を初め県内の被害状況、今後の支援策についてでございますが、まず、農業施設の被害といたしまして、9月14日時点で、ビニールハウスの全壊、半壊、ビニールの破損や畜産関係施設の屋根の一部損壊など計3,859カ所、果樹の落下など農作物の被害が約95ヘクタール、えりの損壊や漁船の沈没など水産関係の被害が123カ所ございました。  農業では、県内の主要な施設園芸産地の大きな被害をもたらし、漁業では、えりの損壊などにより、今後、生産販売量の減少や生産意欲の減退が危惧されます。  農業施設等の災害対策は農業共済制度の活用を基本としながらも、生産者、農業団体等から届いているお声も踏まえながら、県としてどういった支援が可能か現在検討しており、国に対しましては、被災農業者向け経営体育成支援事業等の実施について、12日および19日に重ねて要望を行っております。また、普及指導員が農業者を回って技術指導に当たっているところです。  林業では、風により人工林がまとまって倒れた被害が、9月18日現在で大津市ほか5市1町で確認されており、被害面積が約45ヘクタールとなっております。今後、山腹崩壊等の二次被害の危険性の有無について詳細な調査を行い、必要な対策等を検討してまいります。  文化財の被害につきましては、9月6日現在で国および県の指定分を合わせて48件の被害がございました。今後は、被害のあった文化財を早急に復旧するために、文化財所有者に対し、国や県の補助制度を活用した支援や、文化財専門職員による修理工事等についての技術的な助言を行ってまいります。  家屋被害につきましては、9月18日現在で、住家被害が全壊1棟、半壊12棟、一部損壊1,184棟、非住家被害が989棟と報告を受けております。現在も各市町において、家屋被害の把握とともに、被害認定の調査が行われているところです。被災者への支援については、現在、各市町で進められている調査の結果を踏まえ検討してまいります。  2点目、こうした被害状況の把握における課題、今後の対応についてでございますが、県内の人的被害、物的被害の状況について、関係機関による防災情報システムへの入力情報を県と市町で情報共有しておりますが、初期の段階で各市町の住家被害の報告状況に差が生じたところでございます。災害による被害報告につきましては、基本的に国が定める災害報告取扱要領等に基づき、関係機関が行っているところです。  家屋被害のうち、全壊や半壊など被害が大きい家屋については実際に職員が現地で確認を行い、最終的にはり災証明の発行により被害を確定させますが、一部損壊につきましては、被害程度もさまざまでございまして、り災証明の申請受付数や市町職員によるパトロール等により把握しているものなど、各市町で差が生じている、違いがあると考えられます。  今後は、家屋被害の把握方法について各市町と意見交換を行い、他府県の例も参考に、どのような把握方法がよいのか検討してまいりたいと存じます。  3点目、どのような取り組みを進め防災力の向上に努めるのかということについてでございますが、昨年の台風第21号の教訓を踏まえ、ことし3月に県地域防災計画風水害編に風害への対応を追加したところでございますが、今回の台風は観測史上最大となる瞬間風速を記録するなど、暴風による大きな被害をもたらしたことから、その対応について他県の地域防災計画も参考に、さらに研究をしてまいりたいと存じます。  今回の被害の状況を見ますと、強風により転倒された方や飛来物によりけがをされた方が多いことから、暴風対応時におきましては、身の安全の確保を最優先に、不要不急な外出は控え、建物の中で避難することが有効であることを改めて認識したところでございます。  今後は、暴風に対する平時からの備えや暴風時の避難行動について、県民の皆さんに理解していただくよう啓発に取り組むとともに、自助による防災力の向上を図るとともに、災害対応について不断の見直しを行い、市町と連携し、防災、減災に向けた取り組みを一層進めてまいりたいと存じます。  大きな2項目め、将来を見据えた県政運営ということで、こちらは5点御質問いただきました。  現在の基本構想の進捗についてでございますが、現基本構想は「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀」を基本理念とし、子供の生きる力を育み、若者や女性が輝く社会の実現など、7つの重点政策を展開してまいりました。また、具体的には、基本構想実施計画において557の事業目標を設定しているところでございます。平成29年度末で、この実施計画においては、集計中を除きます7割以上の事業で目標を達成しているという状況にございます。  また、重点政策で見れば、工場や研究開発拠点の増加など滋賀の強みを生かした産業振興の分野ですとか、観光入り込み客数の増加や「ここ滋賀」による情報発信の強化など滋賀・びわ湖ブランドの発信、さらには人口1万人当たりの犯罪件数の減少など安全、安心社会の実現を初めといたしまして、具体的な成果がおかげさまであらわれているところでございます。  こうしたことから、「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀」の実現に向けて一定の前進が図られたと考えており、今年度、基本構想計画期間の最終年度として、さらなる成果の実現にしっかりと取り組んでまいります。  大きな2項目め、滋賀県行政経営方針の総括と県行政を取り巻く課題についてでございます。  まず、行政経営方針の総括についてでございますが、この行政経営方針により、平成8年度から約20年間にわたり取り組んだ量的な行財政改革の成果をしっかりと引き継いだ上で、人材や公共施設などの経営資源の最適化を図ることで、行政の質をより高めることに軸足を移した行政経営への転換を目指してきたところでございます。  具体的には、施設総量の最適化等を図る公共施設等マネジメント基本方針の策定、出資法人に経営改善を促す経営評価の実施、ネーミングライツを初めとする歳入確保策の推進など、行政の質をより高める取り組みを進めてきたところでございます。  一方で、県庁力最大化に向けましては、職員のさらなる意識改革が必要ではないか、また、経営理念に掲げる県民主役の県政の実現に向けて、さらに県庁をオープンにしていく必要があるのではないかと考えております。  次に、県行政を取り巻く課題についてでございますが、人口減少や少子高齢化、個人の価値観の多様化などを受けまして、ますます複雑化、多様化する行政需要に対応する必要があると考えます。そのためには、今後8年間で累積800億円超の財源不足を見込みます厳しい財政状況を乗り越えると同時に、財源がないからといって縮小基調になるのではなく、未来志向で果敢にチャレンジしていく必要もあると考えます。これら2つの両立は大変困難な課題でございますが、多様な人材を確保し、組織としての力を最大化するとともに、多様な主体と協働することにより、これらの課題に対応してまいりたいと存じます。  大きな3点目、2030年に向けた基本構想と行政経営方針の策定についてでございますが、次期滋賀県基本構想の計画期間としております2030年を展望いたしますと、人口減少、超高齢社会が進展し、第4次産業革命と呼ばれる飛躍的な技術革新が進むなど、世界がこれまで経験したことのない非常に大きな変化に直面すると考えられます。  こうした中にありましても、先人の知恵や経験を生かしながら、時代に合わせて柔軟に変わり続け、経済、社会、環境のバランスがとれており、将来世代も含めて、一人一人が幸せを感じられる滋賀をみんなで目指すべき2030年の滋賀と捉え、基本構想を策定してまいりたいと考えております。  次期滋賀県行政経営方針につきましては、基本構想で描きます目指すべき滋賀の姿の実現に向けて、多様な主体とともに取り組みを行う県庁においても、2030年に向けて目指す姿を描きたいと考えています。  具体的には、‘持続可能な滋賀’を支える県庁、進取でオープンな県庁、市町とともに自治を担う県庁、スマートでしなやかな県庁、健康経営を実践する県庁という5つの目指す県庁の姿を明らかにし、その実現に向けて取り組むものとして、行政経営方針を策定してまいりたいと考えております。  4点目の将来を見据えた財政健全化の取り組みについてでございます。  8月にお示しいたしました財政収支見通しにおきましては、2026年度までの累計で839億円の財源不足を見込んでおり、財政健全化に向けた取り組みが喫緊かつ重要な課題であると認識しています。  現在、来年度からの収支改善に向けて、財源をいかにふやすか、また、限られた財源をいかに効果的に活用するかという観点から、歳入歳出両面にわたる見直しを全庁的に検討しているところでございます。  具体の内容につきましては、今後、次期行政経営方針の中でお示ししていくこととなりますが、歳入面におきましては、地域経済の活性化等による県税収入の安定確保のほか、国に対し政策提案や要望をわかりやすい資料でタイミングよく行うことなどにより、地方交付税や国庫支出金等の財源確保に努めてまいります。  さらに、本県独自の財源についても、従来の発想にとらわれず、あらゆる可能性を検討し、その充実強化に向けて不断に努力をしてまいります。  その上で、歳出面におきましては、現行の施策事業の費用対効果をしっかり見きわめ、制度の存廃も含めて抜本的な見直しを検討するほか、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化等を図ることにより財源不足の縮減につなげてまいります。こうした取り組みを通じて本県財政の持続可能性を高め、未来へ展望が開ける行財政運営にしっかり取り組んでまいる所存でございます。  5点目、新年度の予算編成に向けた姿勢についてでございます。  現在、次期基本構想の策定に向けた検討を進めているところであり、平成31年度は新たな施策展開に向けた第一歩を踏み出す重要な年度であると捉えています。そのため、次期基本構想の実現に向け、自分らしく健康に生きるための環境整備、県の成長を支える多様な産業の振興など、将来世代も含めた誰もが自分らしく生きることができる未来へと幸せが続く滋賀を目指し、具体の施策構築を進めてまいりたいと存じます。  あわせまして、こうした滋賀の未来を見据えた諸施策を持続的に展開していくためには、先ほど申し上げた財政健全化に向けた取り組みを歳入歳出両面からしっかり進めていくことが重要であると考えております。  新年度予算にその内容が適切に反映できるよう、今後、県の対応方針が固まり次第、県議会や市町、関係団体等の皆さんと丁寧に議論をしてまいりたいと存じます。  財政が厳しい中にありましても決して後ろ向きになることなく、滋賀の未来づくりやさまざまな社会的課題への対応に果敢に挑戦する気概を持って、新年度予算の編成に臨んでまいる所存でございます。  大きな3項目め、平成31年度の執行体制について、こちらは7点御質問いただきました。そのうち3点目以降、私がお答えをさせていただきます。  まず、組織、執行体制についてでございますが、現行の行政経営方針のもと、簡素で効率的であるとともに、時々のさまざまな行政課題への対応や、県民ニーズに即応した行政サービスを提供できる最適な組織体制の整備に努めてきたところでございます。次年度におきましても基本的にこの考え方を踏襲しつつ、最適な組織体制の整備に意を尽くしてまいりたいと存じます。  一方で、本県においても、今後、少子高齢化、人口減少を初め社会経済情勢が大きく変化していく中で、県が行政主体として県民の皆様の御期待に応えていくためにどのような組織体制であるべきか、中長期的な視点に立った検討を加えていく時期に来ているものと存じます。  特に、部局横断的な対応が求められる課題が増加することを踏まえまして、部局連携はもとより、市町や多様な主体との適切な役割分担と連携によって仕事を進めるため、県として計画立案や調整機能をさらに強化することが求められてきているのではないかと認識しています。  また、地方行政機関につきましては、平成21年にそれまでの総合地方機関を行政分野ごとの単独事務所化して以降、大きな見直しを行ってきていないことから、各地域の将来の姿をイメージしつつ、市町との適切な役割分担などの観点も踏まえながら、そのあり方を幅広に検討していく必要があると考えております。  地方行政機関のあり方は、市町行政や地域の県民生活に大きな影響を与える可能性がありますことから、今後、幅広く御意見をお聞きし、また対話を重ねながら、丁寧に議論を進めてまいりたいと存じます。  4点目、長期的な視点での定員管理、適正な人員配置についてでございます。  本県の職員数につきましては、これまでの数次にわたる行政改革の取り組みにより、全国的に見てもスリムな状況にあると認識しています。また、特に技術系職種につきまして今後10年間で多くの職員が定年退職を迎えるため、技術の伝承が課題となってきております。  そうした中で、災害復旧を含めた公共事業への対応や国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会の開催準備など、増大する行政需要に的確に対応していくことが求められております。  このため、事務事業の不断の見直し、業務の効率化、さらには本庁と地方、部局間、所属間の人員配置のリバランスの徹底をこれまで以上に図りつつ、業務の状況を量的、質的な両面から十分勘案した適正な定員管理に、今後とも継続的に取り組んでまいる所存でございます。  あわせまして、ベテラン職員の技術や現場でのノウハウが若い世代に着実に引き継がれていくよう人材育成に力を入れるとともに、継続的に人材育成ができる体制づくりや人員配置に努めてまいりたいと存じます。  5点目、人事評価制度についてでございます。  平成28年度から導入しております人事評価制度は、地方公務員法により実施が義務づけられているもので、任用、給与、分限、人材育成といった人事管理の基礎として活用することが求められております。制度の運用に当たりましては客観性、公平性を担保することが重要だと考えており、例えば係員の場合には、みずからが立てた目標を日々の業務遂行の状況を把握している係長と共有しながら設定することとしております。  また、評価に当たりましては、その目標の達成度について、係員みずからが行った評価を係長がしっかりと聞き取りながら評価し、さらに2次評価として、所属長がより客観的な立場で必要な補正を行い、その結果を係員に面談しながら示すことにより公平性を確保しているところでございます。  これらの仕組みが実際に機能するためには、評価レベルの統一や評価者相互の円滑なコミュニケーションが重要でありますことから、引き続き研修等を通じてその徹底を図るとともに、導入から3年目を迎えますことから、課題を検証し、改善につなげてまいりたいと存じます。  こうした取り組みを通じまして、職員一人一人がみずからの強みや弱みを把握して能力開発に取り組むことにより、組織の使命や目標が達成されるとともに、職場が活性化され、ひいては県民の皆さんへのサービス向上につながるよう、今後も人事評価制度を運用してまいりたいと存じます。  6点目、会計年度任用職員制度についてでございます。  平成29年5月に公布されました地方自治法、地方公務員法等の改正法では、臨時的任用および特別職非常勤職員の任用の厳格化、一般職の非常勤職員である会計年度任用職員に関する規定の新設、会計年度任用職員に対する期末手当の支給が可能となるよう給付の規定の整備が行われており、平成32年4月に施行されます。  本県におきましても、臨時、非常勤職員が担っている業務内容を改めて点検し、今後の任用形態について、職場からの意見を十分に聞きながら検討を行っているところでございます。  平成32年4月の法施行に向けまして円滑に制度が導入できるよう、関係者の声をよく聞きながら、必要な条例の整備、検討など、しっかり準備を進めてまいりたいと存じます。  7点目、障害者雇用の推進についてでございます。  平成30年6月1日現在の障害者の雇用状況の報告に際し、手帳を所持していない職員が知事部局で5名、教育委員会で19名含まれていたことは、県の取りまとめる基礎的資料や障害者雇用の姿勢に対する信頼を損ねるものであり、大変重く受けとめております。  今後はこういったことのないよう、今回の調査で得られた情報をもとに、ガイドラインに基づく情報の確認、更新を徹底してまいります。  また、知事部局における障害者雇用の取り組みといたしましては、平成4年度から毎年度、身体障害者を対象とする採用試験を行っており、平成30年度までの採用人数は累計42人となっております。  平成30年度からは知的障害者および精神障害者を非常勤職員として雇用し、民間企業等での就労につなげていくチャレンジ雇用の取り組みを開始いたしました。  教育委員会においては、教員採用選考試験における障害種別を問わない障害者特別選考、身体障害者を対象とする小中学校事務職員採用試験の実施に加え、教育委員会事務局でのチャレンジ雇用や県立学校での農場管理、環境整備のために障害者を非常勤職員として雇用する取り組みを行ってきたところでございます。  しかしながら、教育委員会においては法定雇用率が未達成であるため、教育委員会事務局や県立学校等におけるさらなる職域の拡大などについて、私からも強く働きかけてまいりたいと存じます。  今後とも、障害のある人もない人もともに働くことができるよう、障害を有する職員が活躍できる職域を拡大するとともに、チャレンジ雇用の一層の活用など、障害者雇用の拡大に向けて全庁挙げて取り組んでまいりたいと存じます。 ◎副知事(由布和嘉子) (登壇)平成31年の執行体制につきまして、私にいただきました2点の質問にお答えいたします。  まず、1点目の滋賀県政に取り組む決意についてでございます。  8月20日に滋賀県副知事を拝命いたしまして、はや一月余りが経過いたしました。私はお隣の京都の出身でございまして、幼いころより滋賀にはなじみがあり、副知事として着任できたことを大変うれしく思うと同時に、責任の重さを痛感しております。着任以来、市町や関係団体の方々から、県内各地域の魅力や特性を伺っております。  琵琶湖を初めとする雄大な自然、豊かな歴史や暮らしに根づいた文化、近江牛や湖魚、近江のお米、茶、地酒といった豊かな食、確かな技術に基づいた産業、そして何よりも滋賀の皆様の温かさに触れ、滋賀の魅力や強みを日々実感しております。  一方で、人口減少や超高齢化、地域差などの課題も直視し、対策に知恵を絞っていかなければならないとも認識しております。  そうした中で、滋賀の魅力や強みを生かし、産業や観光の振興、女性活躍の一層の推進や子育て支援、健康経営などに特に力を尽くし、とりわけ、昨年来、健康長寿で注目を集める本県において、県民一人一人が輝ける健やかな社会を目指して、健康しがの実現に尽力してまいります。  今後とも、できる限り多くの現場を訪ね、多くの方々からお話をお伺いすることを大事にしながら、現状をしっかり把握をして、施策を推進してまいりたいと考えております。また、市町あっての県との思いで、市町とのさらなる連携にも努めてまいります。
     そして、外からの視点、感覚も生かして、西嶋副知事と二人三脚で三日月知事の支えとなり、滋賀県政の発展のために全力を尽くしてまいる所存でございます。  次に、2点目の本県の女性活躍推進を含めた働き方改革をどのように進めていくかという点について申し上げます。  本県が働き方改革として進める県庁における健康経営を実践していくためには、女性職員の活躍はもちろんですが、性別にかかわりなく、全ての職員が最大限の力を発揮できる職場づくりが必要であると認識しております。  本県においては、ワーク・ライフ・バランスの実現の観点から、在宅勤務やサテライトオフィスなど職場の環境整備に取り組んできておりますが、多様な働き方に対応し、育児や介護等のために時間的な制約のある職員が一層活躍できるよう、取り組みを進めてまいりたいと思っております。  取り組みを進めるに当たりましては、できる限り現場の職員の声を聞き、対話を通じて職員と課題を共有しながら、これまで国において男女共同参画社会基本法の制定など女性職員の活躍の推進にも携わってきた経験も踏まえまして、新たな視点や新たな気づきなども大切にして、心身ともに健やかで、やりがいを持って楽しく働ける環境を一緒につくってまいりたいと考えております。 ◎知事(三日月大造) (登壇)再び私の方から、第4項目めから第8項目めまでお答えをさせていただきます。  Society5.0の実現に向けた取り組みについて、こちらは4点御質問賜りました。  まず1点目、今後どのように産業振興を図っていくのかということについてでございますが、国の未来投資戦略2018では、第4次産業革命の技術革新を取り込み、Society5.0の実現を目指すとされております。  本県におきましても、人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略の次世代のための成長産業創出プロジェクトの中で、滋賀県IoT推進ラボやIoT活用イノベーション創出支援事業等に取り組んでいるところでございます。  こうした中、ICT機器の普及とともに、AI、ビッグデータ、IoTの技術革新が進むなど、本県産業を取り巻く経済社会情勢が変化してきていることから、滋賀県産業振興ビジョンを来年度改定することとしております。改定に当たりましては、今年度策定する滋賀県基本構想を踏まえ、企業や経済界、大学、市町、関係団体等の多様なお声をしっかりとお聞きし、滋賀県産業振興審議会での議論につなげてまいります。  今後、こうした議論を踏まえ、これまで重点的に取り組んできた5つのイノベーションをSociety5.0も視野に入れつつ再構築し、少子高齢化や環境保全等の社会的課題の解決に向け、産業振興の基本的方向を定め、本県経済の発展や地域の活性化に取り組んでまいりたいと存じます。  2点目、デジタルガバメントの推進についてでございます。  現在、県では、県立図書館の貸出予約、地方税申告、公共工事や物品の入札など170の手続をインターネットやスマートフォンから行えるようデジタル化することで、利用者の利便性向上に努めているところでございます。  一方、庁内につきましては、平成28年度から本庁と地方機関の間でWeb会議の本格運用を開始いたしまして、昨年度は120回開催するとともに、今年度から新たにAIの音声認識技術を用いて会議録を作成するシステムを導入することで、会議等の開催、運営、参加に係る職員の負担を大幅に軽減しているところでございます。  また、現在、AIの画像認識技術による手書き文字のデジタル化や、RPA、すなわちロボットによる業務自動化の技術を用いまして、パソコンによる大量反復のデータ入力作業を自動化する実証実験を行い、さらなる事務の省力化に取り組んでいるところでございます。  今後も、滋賀県ICT推進戦略に基づくこれらの取り組みを通じて、仕事の合理化、省力化を一層進め、行政事務の生産性を高めることで生み出した時間を新たな行政課題の解決に振り向け、県民サービスの向上につなげてまいりたいと存じます。  3点目、オープンデータの現状と今後のあり方、特にライセンスと公開データのあり方についてでございますが、県では平成27年度に公式ホームページ上に滋賀県オープンデータカタログサイトを開設し、これまでに各種統計情報や福祉子育て関連施設の情報、河川水位等の防災、安全に関する情報など、80種のデータをオープンデータとして提供しています。これらのデータの中には扱いにくいとされる形式のものが一部含まれていることから、利用者がより加工しやすいXLS等の形式で入手できるように改めてまいりたいと存じます。  今年度中には提供データを152種にまで拡大していく予定であり、その後も、必要に応じて関係機関との調整を図りながら、利用者のニーズに即したオープンデータ化をさらに進めてまいりたいと存じます。  議員御指摘のデータのライセンス表記につきましては、インターネット時代に即した視覚的、直感的な意思表示のスタイルであるクリエーティブ・コモンズ・ライセンス、いわゆるCCライセンスを採用することにより、利用者の皆さんがより広くオープンデータを活用できるよう努めてまいりたいと存じます。  4点目、全庁的にSociety5.0に向けて取り組むため、主導的な役割を果たす体制づくりについてでございますが、ICTやデータに関する技術やサービスは日進月歩であり、こうした変化に的確に対応し、庁内さらには地域におけるICTやデータの活用を効果的に進めていくため、これらの取り組みを主導する庁内の体制づくりは重要な課題であると認識しています。  このため、ICT化を推進する体制として、関係部局で構成します情報化推進庁内連絡会議を定期的に開催し、滋賀県ICT推進戦略実施計画に基づく各課の取り組みについて、調整や進捗管理を行うこととしています。  また、庁内のICT基盤である情報システムなどの整備については、各課が行う企画立案、予算措置および調達の各段階においてIT統括監等で構成される審査会を開催し、システム導入の必要性や調達内容の妥当性、コスト抑制等の観点から審査、助言を行っているところでございます。  さらには、これらの調達事務をICTの専門知識を有する情報政策課に一元化する試みを今年度から始めているところでございます。  こうした取り組みをさらに進めることにより、来るべきSociety5.0の時代を見据え、人、もの、財源、情報といった経営資源を生かし、住民サービスの向上や行政の効率化を実現する体制づくりに努めてまいりたいと存じます。  次に、滋賀県の食の安全、安心とブランドについて、こちらは3点御質問賜りました。  まず1点目、食の安全・安心推進計画の成果と今後の展望についてでございます。  現計画の成果についてでございますが、1つ目といたしまして、大規模な食中毒を想定した模擬訓練の実施、2つ目、安全な食品を製造するための衛生管理手法でありますHACCPに基づくセーフードしが認証施設の拡大、3つ目といたしまして、県民、食品関係事業者および行政の3者による食の安全、安心シンポジウムの開催など、44の具体的な取り組みを進めてきたところ、平成29年度末までの4年間で、35の取り組みにおいて目標を達成もしくはおおむね達成しているというところでございます。  また、県政モニターアンケートでは、県の取り組みを信頼していただいている県民の割合が、平成25年度67.9%から平成29年度には84.1%まで向上してきたところでございます。  課題についてでございますが、1つ目は、鶏肉の生食、生で食べることによる食中毒の多発や大規模給食施設での多数の患者発生により、人口10万人当たりの食中毒患者数が全国平均を上回ってしまっていること、2つ目といたしまして、県政モニターアンケートでは、毎年50%以上の県民の方が食品の安全性に不安を感じているという状況がございます。  これら課題の解決に向けまして、次期計画では3点、1つは、食中毒リスクの高い食品などを扱う食品営業施設に対し事故防止対策を重点的に指導すること、2つ目といたしまして、食品衛生法の改正により、全ての食品営業施設等へのHACCPに沿った衛生管理が制度化されたことから、事業者の自主的な衛生管理を支援する取り組みを一層推進すること、3つ目といたしまして、県民の皆さんが食に関心を持ち、安全な食品をみずから判断し選択できるよう、講習会等により正しい知識の普及啓発や情報発信に努めることなどを検討しております。  次期推進計画では、食の安全・安心推進条例の目的でもございます県民の健康の保護とより安心して暮らすことのできる社会の実現に向け、食の安全、安心施策の総合的な推進を図ってまいりたいと存じます。  2点目、オーガニック農業のブランド化等についてでございますが、オーガニック農業につきましては、まずは、安定生産技術が確立しつつあります水稲と茶において推進することとしており、琵琶湖を抱える滋賀ならではの象徴的な取り組みとして位置づけ、本県の環境こだわり農産物全体のブランド力向上につなげていきたいと考えています。  生産の拡大に向けましては、今後見込まれます大口の流通も視野に入れ、オーガニック農業を大規模経営の一部門として取り入れていただくことを基本に、1つ目は、栽培の手引の作成や現地実証圃の設置、研修会による技術の普及、2つ目といたしまして、有機栽培に必要な乗用型水田除草機等の導入促進、3つ目といたしまして、有機JAS認証取得に向けた現地検査員の育成や研修会の開催などを進めているところでございます。  流通対策につきましては、水稲におきましては、これまでの個別取引に加え、新たに、県単位で集約いたしまして大口で流通させる販路の開拓を進めるため、関係団体と連携いたしまして、オーガニックエキスポに出展するなどの取り組みを進めているところです。先月の商談会では、大手量販店を初め幅広い事業者より、本県の取り組みに関心を示していただいたところでございます。  また、お茶につきましては、昨年度に引き続き来月にアメリカミシガン州で商談を進めるなど、海外も含めた販路開拓に取り組んでいるところでございます。  今後、このような取り組みを一層強化するとともに、大口での流通を進めるためオーガニック専用の米袋を作成するなど、強く発信し、県や関係団体が一丸となって生産、流通の課題を克服し、オーガニック農業を大切に育ててまいりたいと存じます。  3点目、近江牛の関係でございます。  本県は和牛子牛の80%以上を県外から導入しており、近年の子牛価格の高騰が近江牛を生産する農家の経営に大きな影響を与えているところです。このため、将来にわたり近江牛の安定生産を図るために、県内での和牛子牛確保の安定化が必要であることから、キャトル・ステーション事業を進めております。キャトル・ステーションでは、本年7月の竣工から現在までに酪農家から8頭を買い上げ、畜産技術振興センターで生まれた子牛と合わせて49頭を飼養しているところです。  今後は、キャトル・ステーションでの飼養頭数500頭の目標達成に向け、受胎率を向上させて酪農家における和牛子牛の生産を拡大するとともに、和牛繁殖農家からの子牛の受け入れや将来の移植候補となる乳用後継牛の飼育など、肉用牛農家および酪農家双方の振興につながるよう、施設の有効活用を図ってまいります。  また、畜産技術振興センターにおいて、効率的な受精卵の生産や乳用牛への移植、子牛の飼養などを担う技術者等の養成や技能向上を支援するとともに、哺乳ロボットを活用した試験研究成果などを生産現場に普及することにより、和牛子牛の飼養管理の効率化、省力化につなげ、地域内一貫生産を強化してまいりたいと考えております。  キャトル・ステーションを拠点といたしまして、質の高い安全、安心な近江牛を安定生産し、定時、定量出荷することにより、県民を初め消費者の皆様の需要にお応えし、さらなる近江牛のブランド力向上を図ってまいりたいと存じます。  続きまして、流域治水政策について、こちらは3点御質問いただきました。  1点目、浸水警戒区域の指定をせずにリスクに応じた対策を求めることができるよう、助成制度の運用変更ができないかということについてでございますが、流域治水政策におきましては、浸水による人的被害を回避するため、浸水警戒区域を指定し、浸水に対し必要な対策が講じられるよう取り組みを進めているところでございます。  区域を指定することにより、リスクを周知した上で住宅等に対し建築規制により制限を行うとともに、基準に合わない既存住宅については宅地かさ上げ等に対する助成を行うことで、区域での安全な住まい方への誘導を促進するものであります。  このように区域指定は施策の根幹となっており、また、助成制度は区域指定を根拠としておりますことから、運用の変更により指定区域外の地域に対して助成することについては考えておりませんが、浸水に対して必要な対策が早期に講じられるよう、地域の一部でも合意形成が図られたところから部分的な区域指定を進めるなどいたしまして、少しでも早く安全な住まい方への誘導が図られるよう、取り組みを進めてまいりたいと存じます。  2点目、環境保全の観点を加えた浸水警戒区域指定についてでございますが、浸水警戒区域は浸水リスクが高い地域において人的被害を回避するため指定するものでありますことから、環境保全の観点を加えて浸水警戒区域の指定を行うことについては考えておりませんが、環境保全のプラスイメージを取り組みに活用することについては、今後、どのようなことができるか研究してまいりたいと存じます。  3点目、既存建築物のない未開発の水害危険箇所の区域指定を同時に進めるべきではないかということについてでございますが、現在、人命を優先することから既存住宅のある地域地区の指定を進めておりますが、議員御指摘の既存建築物のない未開発の水害危険箇所の区域におきましても、今後、市街化区域等で開発が見込まれるところにつきましては、あわせて取り組みを進めてまいりたいと考えております。  続いて、大きな7項目め、交通政策について、こちらは4点御質問いただきました。  1点目、交通政策の取り組みと滋賀県交通基本条例の制定に向けた検討状況についてでございますが、地域公共交通の維持確保に向けた今後の交通政策の取り組みにつきまして、平成28年度から2年間にわたり、有識者を中心とした人口減少を見据えた公共交通のあり方検討協議会において検討を進め、本年6月に協議会会長から提言をいただいたところでございます。  今後は、この提言を踏まえ、地域公共交通は重要な社会インフラであり、地域の活力維持活性化やまちづくり施策の一つとして充実させる必要があるとの認識のもと、新しい地域公共交通の仕組みを構築してまいりたいと考えております。  そのため、まずは、地域公共交通がもたらす社会的便益やその効果などを検証し、可視化していくこととしております。その上で、地域の実情に合った適切な移動手段の組み合わせや費用負担のあり方、財源確保策、新たな技術やシステムの導入、活用、さらには議員御提案の交通基本条例の必要性等について議論を深めてまいりたいと存じます。  2点目、誰にも優しい交通体系の確保に向けた県のさらなる取り組みについてでございますが、駅のバリアフリー化につきましては、交通バリアフリー法が施行される前の平成2年度から県独自の補助制度を設け、エレベーターや障害者用トイレの設置を促進してきたところでございます。このため、1日当たりの利用者数が3,000人以上の44駅については、40駅で整備が完了し、残り4駅となっております。  今後は、利用者数3,000人未満の駅のバリアフリー化が課題となっており、特に未整備駅が多い高架のJR湖西線につきまして、国、市町、鉄道事業者と協力しながら促進に努めてまいりたいと存じます。  また、駅のホームドア設置につきましては利用者10万人以上の駅を対象に進められておりますが、国や鉄道事業者に対して強力に働きかけ、県内の駅にも設置されるよう努めてまいりたいと存じます。  バス交通につきましては、低床バスの導入によるバリアフリー化を初め、バスロケーションシステムや連節バスの導入等、利便性向上に向けた支援に引き続き取り組んでまいります。  今後、さらなる利便性向上策といたしましては、デジタルサイネージなどの情報提供ツールの充実に向けた支援を実施していくとともに、乗りかえ検索アプリの活用や交通系ICカードの導入等、ICT技術を活用した利用環境整備に向けて関係機関と積極的に議論するなど、サービス向上を図ってまいりたいと存じます。  3点目、鉄道の関係でございます。  御承知のとおり、県内にはJR、京阪電鉄、近江鉄道、信楽高原鐵道等がございますが、人口減少、少子高齢社会の中でその維持存続が困難となることが予想される路線もあり、それらをいかにして守っていくかが大きな課題であると認識しています。  このため、御質問にありました近江鉄道につきましては、現在、地域鉄道ネットワーク検討調査事業におきまして、現状および将来分析、まちづくり等への影響調査、費用シミュレーション等を鋭意進めているところであり、今後、そのあり方について本格的な議論を行ってまいります。  また、近江鉄道線を守ることが将来のびわこ京阪奈線構想の実現に向けた布石となることも視野に、20年後、30年後のまちづくりをしっかり見据え、地域行政、交通事業者等、関係者が一体となり検討を進めてまいりたいと存じます。  さらに、観光列車の導入など鉄道が有する魅力や価値を生かした利用促進策は、利用者の増加が期待できるとともに、地域活力の維持活性化にも大変有効であると認識しており、JR草津線を走るSHINOBI─TRAINや近江鉄道のラッピング電車「虹たび号」など、県の観光プロモーション等にも引き続き積極的に活用してまいりたいと存じます。  また、発行部数が多く発信力のあるJRの広報媒体を活用して、県内の施設の魅力を発信するといった取り組みも行っており、本県の持つ鉄道ネットワークの強みを生かし、今後は、インバウンドを含め、交流人口の拡大も視野に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。  4点目、運転者不足解消に向けた取り組み、バス交通路線維持拡大についてでございますが、バスの運転者につきましては、労働時間が全産業平均に比べ長い一方、賃金水準は平均を下回っていること等から、全国的にその労働力不足が深刻化しているところでございます。本県においても運転者不足等を背景に、路線バスの減便等を余儀なくされている実態がありますことから、その解消に向けて、本年2月にはバス事業者や市町を対象とした研修会を開催したところでございます。  運転者確保に向けて先進的な取り組みを行っている事業者から、具体的な事例といたしまして、例えば、応募のきっかけをつくるための運転体験会の実施、家庭の事情等で退職した社員が復職できるキャリアリターン制度の導入、女性が働きやすい環境づくりに向けた事業所内保育施設の設置等の取り組みについて説明を受けたところであり、参加した各社では、これを参考にしながら積極的な採用活動を進めていただいていると伺っております。  引き続き、市町や交通事業者、国等と連携いたしまして、バスの日まつり等の機会を活用した業界全体のイメージアップを図るとともに、先進事例を参考にしながら、パートタイム運転者の積極的な採用や働きやすい環境づくり、若年層向けのPR活動等、職業、職種としての魅力の向上等に向けた方策について検討、実施してまいりたいと考えております。  また、バス路線の維持拡大を図っていくため、これとあわせ、市町や交通事業者、関係機関と連携しながら、バス通勤の促進や小学生等に対する出前講座の実施など利用促進策を進めるとともに、バスロケーションシステムの導入など、利用しやすい環境づくりにも努めてまいりたいと存じます。  8項目め、滋賀の教育について、私には1点御質問を賜りました。  生きる力を教育の中でどのように実現していくのかということについてでございますが、私は、夢と生きる力を育む教育の推進を重点政策の一つと捉えております。特に生きる力の一つの要素であります確かな学力を育むため、学力の基礎となる学習習慣を身につけ、学習意欲などを向上させることが大切であると考えております。この考えを反映いたしました学ぶ力向上滋賀プランに基づき、子供たち一人一人の学ぶ力の育成に教育委員会と連携して取り組んでまいりました。  今後は、さらに子供たち一人一人の学力や学習状況をより詳細に把握いたしまして、基礎的、基本的な知識、技能の定着を図るとともに、問題の意味がわからないといった読解力の不足という課題も指摘されていることから、読み解く力の育成も重点的に取り組んでまいりたいと存じます。  また、滋賀ならではのうみのこ、やまのこ、たんぼのこなどの体験活動でも豊かな人間性や人間関係を築く力を培うため、感動、本物、仲間などが実感できるよう計画的に取り組むことで、主体的に行動できる生きる力の育成を目指してまいります。  こうした取り組みを柱としながら、社会の変化に柔軟に対応し、個性を大切にしながら社会や人生をより豊かなものにしていく、そうした力を備えた人づくりを力を合わせて進めてまいりたいと存じます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)滋賀の教育についての御質問のうち、私にいただきました2点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の今年度の学力調査結果の分析と滋賀の学習状況の課題をどのように捉えているかについてお答えをいたします。  今年度の学力調査の結果につきましては、基礎的、基本的な知識、技能が定着していないことや、文書の内容を的確に読み取ったり、表やグラフから必要な情報を取り出したりする力に課題があると認識をしております。  また、これまでから学習の基本となる学びの姿勢や態度の改善に取り組んでまいりましたが、今年度の質問紙調査の結果からも、家庭での学習時間が十分でなかったり、学習に対する興味、関心が余り高くなかったりするなど、依然課題が見られます。  さらに、教員が校内外の研修や研究会に参加をし、その成果を日ごろの教育活動に反映させるといった部分にも課題が見られるところでございます。  次に、2点目のどのようにして今まで以上に一人一人に対してきめ細かな指導を行っていくかについてお答えをいたします。  今ほど申し上げました課題に対応するためにも、一人一人の課題に応じたきめ細かな指導により、子供たちにわかる喜び、できる実感を持たせ、学ぶ意欲を高めることは大切であるというふうに考えております。  これまでも少人数学級編制や少人数指導、放課後等を活用した補充学習、また、子供たちの学びを支える学級集団づくりなど、きめ細かな指導によるさまざまな取り組みを進めてまいりました。  これらの取り組みにおいて、国語や算数、数学についての勉強が好きだ、授業の内容がよくわかると回答する子供の割合がふえた事例もありますことから、このような学ぶ力の向上に成果のあった取り組みについて充実をしていきますとともに、こうした実践事例を積極的に各市町教育委員会や学校に発信をしてまいりたいと考えております。  さらに、こうした取り組みに加えまして、今後は、一人一人の子供の成長や喜びの状況、それに対しての支援の仕方や宿題の出し方について、学年や学科、校種の枠を超えて教員が情報交換をしながら子供たちに向き合うことにより、個に応じたきめ細かな指導を一層充実してまいりたいと考えております。 ◎知事(三日月大造) (登壇)警察行政についていただきました御質問のうち、私には1点、少年が犯罪に手を染めることのない地域づくりに関する質問についてお答えをいたします。  昨年、県内で検挙、補導された少年は前年比34.5%減の2,865人、うち刑法犯少年は前年比14.7%減の487人と、少年非行の件数は減少しております。  しかしながら、最近の少年非行の背景には、人間関係の希薄化により、少年が自分の居場所を見出せずに孤立化し疎外感を抱いている現状や、少年の規範意識の醸成を担ってきた家庭や地域社会の教育機能の低下などがあると認識しております。このため、少年が犯罪に巻き込まれないよう、また、加害者とならないよう、地域の中で少年を見守ることができるようにしていくことが重要だと考えております。  具体的には、自治会などの諸団体や地域住民が少年補導員や警察官の協力も得ながら地域の巡回や声かけを実施したり、地域の事業所や福祉施設が青少年立ち直り支援センター「あすくる」の就労体験プログラムの受け入れに協力するなど、非行防止や非行少年の立ち直り支援を行っております。  このような取り組みに加えまして、子供の居場所となるフリースペースや地域のさまざまな行事への参加を通じて、少年が地域の人たちと触れ合い、将来に対する夢や目標を持ち、自分の居場所を見出せる地域づくりを進めてまいりたいと存じます。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) (登壇)警察行政についてお答えいたします。  まず、本県のことし上半期における特殊詐欺被害の現状の分析と、今後どのように取り組んでいくのかについてということでございます。  議員御指摘のとおり、ことし上半期における特殊詐欺の被害件数と被害金額はともに減少しておりますが、被害者を東京や大阪におびき出すなど、手口がますます巧妙化している様子がうかがえるところでございます。  また、はがきを悪用した架空請求詐欺と息子を語るオレオレ詐欺が増加しておりまして、特に、はがきを悪用した架空請求詐欺につきましては、相談件数が前年に比べて20倍以上にも上っているという状況にございます。  県警察としては、高齢者に対する特殊詐欺被害防止教室や各種メディアを活用した積極的な広報啓発活動のほか、金融機関やコンビニエンスストア等でのお客様への注意喚起をしていただく等、関係機関・団体と連携した各種諸対策を強化して実施しております。  その結果、被害を未然に防止できた阻止率は前年同期の57.8%から66.7%に増加しており、これらの各種対策が相乗的に功を奏し、県民一人一人の特殊詐欺に対する防犯力が高まっていると評価できるものと考えております。  また、検挙のほうにも力を入れておりまして、特に検挙人員につきましては、対前年比で倍増近い21名となっているところでございます。  今後とも、検挙活動の強化とともに、これまでの各種対策を継続して推進し、県民の特殊詐欺に対する免疫力のさらなる向上を図る等、被害抑止活動を推進してまいりたいと考えております。  続きまして、自転車が加害者となる交通事故に向けた対策についてお答えいたします。  県内における自転車が加害者となる事故はここ数年横ばいの状態で、平成29年中は27件の発生となっております。そのうち携帯電話使用中または傘差し運転中の加害事故の発生はございませんが、議員御指摘のように、携帯電話を片手に運転される方、傘差し運転される方が散見されるというのも事実でございまして、平成29年中に携帯電話使用で744件、傘差しなどの片手運転で188件を指導、警告しております。  その大半が中学生、高校生、大学生でありまして、これらの年代に対しては、指導、取り締まりを初め、学校と連携し、自転車運転中の携帯電話使用の危険性、事故を起こした場合の損害賠償責任等についての教育を実施しております。  特に自転車通学を始める者が多い中学生につきましては、スタントマンが携帯電話を使用して事故を起こす場面を実演するスケアード・ストレイト技法によります交通安全教育を開催するなど、学生の心に直接訴えかける啓発活動を実施し、マナー向上の機運の醸成も図っているところでございます。  県警察といたしましては、今後ともさまざまな機会を利用した交通安全教室の開催、指導、取り締まりを強化するとともに、知事部局、教育委員会等の関係機関・団体と連携し、自転車ルールの周知や運転マナーの向上に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。
    ○議長(川島隆二) 以上で、会派代表による質疑ならびに質問を終わります。    ──────────────── △休会の議決 ○議長(川島隆二) お諮りいたします。  明22日から26日までは、議案調査等のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(川島隆二) 来る27日は、定刻より本会議を開き、上程議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。   午後3時22分 散会    ────────────────...