滋賀県議会 > 2018-08-01 >
平成30年 7月定例会議(第2号〜第8号)−08月01日-05号

  • 周術期(/)
ツイート シェア
  1. 滋賀県議会 2018-08-01
    平成30年 7月定例会議(第2号〜第8号)−08月01日-05号


    取得元: 滋賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    平成30年 7月定例会議(第2号〜第8号)−08月01日-05号平成30年 7月定例会議(第2号〜第8号)                平成30年7月定例会議会議録(第6号)                                       平成30年8月1日(水曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第5号                                         平成30年8月1日(水)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第89号から議第99号まで(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第2号)ほか10件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(43名)    1番   桑  野     仁       2番     防  清  二    3番   村  島  茂  男       4番   加  藤  誠  一    5番   竹  村     健       6番   海  東  英  和    7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       11番   藤  井  三 恵 子
       12番   杉  本  敏  隆       13番   節  木  三 千 代    14番   駒  井  千  代       15番   山  本     正    16番   大  橋  通  伸       17番   冨  波  義  明    18番   井  阪  尚  司       19番   木  沢  成  人    20番   中  村  才 次 郎       21番   佐  藤  健  司    22番   目  片  信  悟       23番   有  村  國  俊    24番   大  野  和 三 郎       25番   岩  佐  弘  明    26番   山  本  進  一       27番   富  田  博  明    28番   細  江  正  人       29番   高  木  健  三    30番   生  田  邦  夫       31番   川  島  隆  二    32番   奥  村  芳  正       33番   野  田  藤  雄    34番   西  村  久  子       35番   佐  野  高  典    36番   家  森  茂  樹       37番   吉  田  清  一    38番   粉  川  清  美       39番   成  田  政  隆    40番   九  里     学       41番   清  水  鉄  次    43番   柴  田  智 恵 美       44番   今  江  政  彦    45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(1名)    10番   下  村     勳            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長      世  古     正               人事委員会委員長代理      桂        賢               公安委員会委員長代理      北  村  嘉  英               代表監査委員          北  川  正  雄               副知事             西  嶋  栄  治               総合政策部長          福  永  忠  克               総務部長            藤  本  武  司               県民生活部長          浅  見  孝  円               琵琶湖環境部長         廣  脇  正  機               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        江  島  宏  治               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          川  浦  雅  彦               会計管理者           青  木  幸  一               企業庁長            桂  田  俊  夫               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            廣  瀬  年  昭               議事課長            山  本  昌  男               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(川島隆二) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(川島隆二) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  人事委員会西原節子委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として桂賢委員が、また、公安委員会堀井とよみ委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として北村嘉英委員がそれぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(川島隆二) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第89号から議第99号まで(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第2号)ほか10件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(川島隆二) 日程第1、議第89号から議第99号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、21番佐藤健司議員の発言を許します。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。それでは、発言通告に従いまして、県警察本部の運営に関して知事ならびに警察本部長に一問一答でお尋ねをいたします。  ことし4月、彦根市内の交番で当時19歳の警察官が同僚の警察官を勤務中に拳銃で殺害した事件は、警察にとって前代未聞の不祥事となるとともに、県内外に大きな衝撃を与えました。  先月19日には、西嶋副知事も出席され、お亡くなりになった警察官の警察葬が営まれたということで、改めて心からお悔やみを申し上げます。  この事件で殺人と銃刀法違反の罪で逮捕、起訴された当時19歳の警察官は、既に懲戒免職にはなっていますが、去年4月に採用され、ことし1月末に警察学校を卒業、3カ月間の職場実習のため彦根警察署に配属され、勤務していた交番には、殺害された同僚警察官とともに3月末に配属されたばかりだったと仄聞しています。  詳しい動機など事件の詳細を明らかにすることは、今後の裁判での審議に委ねますが、今回の事件を単に個人的な要因で引き起こされたものとするのではなく、警察の組織のあり方や新人警察官の教育などをしっかりと検証し、今後の対策に生かしていくことが求められます。  多くの県民を不安に陥れ、警察への信頼を揺るがした今回の事件をどのように受けとめているのか、初めに知事にお伺いをいたします。 ○議長(川島隆二) 21番佐藤健司議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  まず、今回の事件で亡くなられた被害者、御遺族に対し、改めて心からお悔やみ申し上げます。  この事件は、地域の安全を守るべき警察官が貸与をされた拳銃で同僚をあやめるという、あってはならない事案であり、地域住民の皆様、県民の皆様に多大の不安を与えたことを大変重く受けとめております。  私からは、事件の翌日の朝、警察本部長に直接電話いたし、全容の解明とともに、組織の再点検と対策を要請したところでございます。  警察本部からは、現在、研修のあり方の検討など必要な取り組みを進めているとの報告を受けており、今後の対策についてもしっかり確認してまいりたいと存じます。  警察本部におかれては、職員一人一人が今回の事件を厳粛に受けとめ、職務を誠実に執行することにより、信頼の回復に最善を尽くされ、県民の期待に応えていただきたいと考えているところでございます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)次に、滋賀県警察本部のトップとして、今回の事件をどのように受けとめているのか、警察本部長にお尋ねをいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) (登壇)お答えいたします。  本県の現職警察官が職務上貸与された拳銃を使用して同僚を殺害し、逃走するという重大な事案を起こし、地域住民の方々に大きな不安を与えましたことは、極めて遺憾であり、被害者、御遺族はもとより、県議会を初め、地域住民の皆様、県民の皆様に改めて深くおわび申し上げます。  今回の事案につきましては、極めて特異なものと認識しておりますが、県警察といたしましては、大変深刻に受けとめているところでございます。  現在、捜査等の過程で明らかとなった事実なども踏まえながら、採用あるいは採用後の研修のあり方などについて研修を進めております。  今後も引き続き、職員がそれぞれの持ち場で職務を誠実に執行することを通じ、県民の安全、安心の確保に一層力を尽くすとともに、県民の期待と信頼に応えられる規律高い組織づくりにさらに取り組んでまいる所存でございます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)先ほどの知事の答弁にもありましたけれども、知事は、警察本部長に全容の解明と組織としての再点検を要請したということです。同様の事件を防ぐ観点から、事件後の警察本部の対応について、警察本部長にお伺いをいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  先ほども申し上げましたとおり、今回の事案につきましては、極めて特異なものと認識しておりますが、県警察といたしましては大変深刻に受けとめているところでございます。  今回の事件の発生を受けまして、4月16日には規律の振粛とそれぞれの持ち場で職務を誠実に執行することにより治安回復に最善を尽くし、県民の信頼に応えるよう全職員に対し指示したほか、5月31日には臨時警察署長会議を開催し、警察活動の着実な推進、職員の士気高揚等について指示したところであります。  また、採用試験の面接官に対する研修や警察学校における臨床心理士によりますメンタルヘルス教養など、既に取り組みを始めているものもございますが、現在、採用および採用後の研修のあり方などについて検討を進めているところでございます。  そのほか、今回の事案が職員の士気に与える影響は少なくないと考えておりまして、職場での討議や若手警察官の相談窓口の充実にも取り組んでおります。  今後も引き続き、県民の期待と信頼に応えられる規律高い組織づくりに取り組んでまいります。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)今の答弁でも触れていただいたんですけれども、特に新人警察官の職場実習中の事件だけに、警察学校、教養の課程における取り組みが何よりも重要だと考えています。  私自身、5年前の県議会で初任科生の退職率が高いことを捉えて、当時の福本本部長に、採用時において警察官としての適性をより的確に評価する仕組みが必要ではないかとただし、対応を求めております。  これに対して、当時の福本本部長は、「警察官の場合、採用後、早い時期にやめる者が結構いるわけですが、やめた原因は、警察学校での厳しい訓練あるいは学校卒業後の現場での痛烈な体験などを通じて、自分の適性に疑問を感じたという者が多いのが特徴だと思っている。適性を現在の試験システムだけで把握するには一定の限界があることも否定できないが、本県警察はそういった中にあっても、幾多の修羅場をくぐり抜けた捜査官を面接官として起用し、全国でも最多となる4種類の適性検査を行うなど、人物重視の方針のもとで、少しでも多面的な見きわめをするよう努力している」と答弁されています。  この答弁を読み返しながら、今となっては複雑な思いにとらわれますが、今後、これまで以上に慎重に警察官としての資質を見きわめ、育成していかなければならないことは言うまでもありません。  事件を受けた警察学校教養課程における取り組みについて、警察本部長にお伺いをいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  警察学校では、警察の責務を十分に自覚させ、執行力を身につけさせて職務に当たらせることを目的として、厳しい中にも愛情を持って教養を行っているところでございます。  今回の事件につきましては、特異なものと認識しておりますが、これまでの捜査や今後の公判廷で明らかになった事柄などを踏まえまして、採用後の研修のあり方について、さらに検討を進めてまいります。  なお、当面の措置といたしまして、警察学校における臨床心理士によるメンタルヘルス教養の実施や、学生に対する相談窓口の周知徹底を図りましたほか、初任科終了後の実習先となります警察署と警察学校の間で、実習生に関する情報共有を密にし、本人の資質に沿った指導、教養がなされるような仕組みづくりを図っているところでございます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)ありがとうございます。ぜひ取り組みを進めていただきたいと思います。  警察官が貸与されている拳銃については、自殺を初め、不適正な使用を防ぐため、拳銃を適正に使用できないおそれのある警察官を早期に把握し、取扱責任者に保管させる措置が規定されています。  対象は、本人の能力、性格、言動、勤務状況、勤務環境、人間関係、家族関係等を総合的に検討した結果、精神に何らかの変調を来したり、精神的に不安定な状態にあると認められる者となっていますが、こうした状態になくても、過去には本県でも拳銃の点検中に誤射し、警察署の建物の外に飛んだ弾がいまだに見つかっていないような事案なども起きています。  拳銃の適正な取り扱いに係る本県の取り組みの現状について、警察本部長にお伺いをいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。
     拳銃の取り扱いに関しましては、警察官職務執行法および国家公安委員会規則であります警察官等けん銃使用及び取扱い規範において厳格な運用等が定められているところでございます。  本県におきましては、これらの関係法令に基づきまして、拳銃が適正に取り扱われるよう、指導、教養等をさらに徹底しているところでございます。  なお、拳銃の点検につきましては、専門の教養を受講いたしました指導者のもとで、取り扱う中で事故等のないよう細心の注意を払って実施しているところでございまして、今後とも事故防止の徹底を図ってまいりたいと考えております。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)今、御答弁いただいたんですけれども、再問をさせていただきたいと思います。  先ほどから極めて特異な例と何回も繰り返しておられる彦根のような事件は論外としても、やはり、職場実習中、特に未成年者への貸与に当たっては、自殺を初めとする不適正な使用を防ぐために、通常よりもきめ細かい対応が求められるのではないかなと思っております。  何かその点で検討するお考えがないのか、改めて警察本部長にお伺いします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  拳銃の取り扱いにつきましては、未成年であるか否かにかかわらず、極めて厳重な運用をするということが基本であろうと考えております。  したがいまして、未成年者であろうがなかろうが、そういった取り扱いに係る事故などがないように、そこはしっかりと指導するということをさらに徹底してまいるということだと思います。  これまでの事故に関しましても、基本の不徹底によります誤射等が見られるところでございますので、こういったことがないように、細かな原因等を改めて見直して、教養などを徹底してまいる所存でございます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)ぜひ教養の徹底をお願いしたいと思います。  こうした中、ことし6月には富山市の交番で警察官が刺殺され、奪われた拳銃によって近くの小学校にいた警備員が殺害されるという事件が発生しました。警察官に貸与された拳銃の適正な取り扱いもさることながら、殺傷能力の高い凶器となり得る拳銃を犯罪者の手に渡さない対策の強化も喫緊の課題と言えます。  富山市の交番襲撃事件を受けた本県における対策について、警察本部長にお伺いいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  今回の富山県での交番襲撃事件につきましては、現在、富山県警において事案の解明に向け捜査中でありまして、詳細は承知しておりませんが、事案の重大性に鑑みまして、緊張感を持って職務に当たること、実践的な逮捕訓練を推進すること、交番等への襲撃を想定した訓練を実施することなどを即日指示したところでございます。  また、交番通用口で発生したことなどを踏まえまして、改めて、先ほど申し上げました取り組みの徹底について指示するとともに、交番等施設、装備資機材等につきまして緊急点検を実施したところでございます。  現在、緊急点検の結果に基づきまして、通用口の外部を確認できる設備の整備を検討しているとともに、引き続き各種訓練等を通じて、同種事件の防止に努めてまいりたいと考えております。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)富山市の事件では、犯人の男は近くの小学校に侵入し、駆けつけた警察官に拳銃で撃たれて、ようやく取り押さえられました。  彦根市の事件でも、拳銃を所持したままパトカーで逃走し、身柄を確保するまでにおよそ6時間を要しました。幸い拳銃を使用した惨事が広がることはありませんでしたが、事件の際の地域への注意喚起の対応をどのように評価されているのか、警察本部長にお伺いします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  県警察におきましては、事件発生の第一報を受けまして、必要な事案内容の確認などを済ませた後、速やかにマスメディアを通じまして事件発生の広報をするとともに、事件発生地を管轄する彦根警察署や、周辺の計8警察署におきまして、順次電話、ファクス、メールなどによりまして、管轄する市町に事件発生の情報提供を行い、各市町の情報伝達手段を利用して、地域住民への情報発信をしていただいたほか、犯人が逃走していると思われる地域におきましては、パトカーでのマイク広報を行うなどして、注意喚起を実施したところでございます。  また、翌朝の学校安全対策といたしまして、県の教育委員会事務局担当職員を通じまして、事件発生現場付近の市町教育委員会に対しまして、休校等を含めた児童生徒の安全確保のための対応を図っていただくようお願いしたものでございます。  県警察といたしましては、事件認知後、できる範囲で速やかに関係市町や学校関係者への情報提供を行ったものと考えておりますけれども、情報提供のあり方につきましては、事件や事案によってまちまちでございますので、今後とも事件等の実態に即した迅速かつ正確な情報提供につきまして、不断の努力をしてまいりたいと考えております。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)今、今後の取り組みについても御答弁をいただいたんですけれども、去年4月からは、住民の安全確保につなげようと、インターネット検索事業者でありますヤフーと連携して、犯人の逃走といった緊急に注意喚起すべき情報を提供するようになったと聞いています。将来的には防犯カメラ画像を活用して、犯人の逃走方向を予測し、特定の地域に広報することなども考えられるかもしれません。  今後もいつ、どこで凶悪事件が発生するかわかりません。ややもすると、警察は、事件捜査を優先しがちなのではないかなという印象も持っておりますけれども、住民の立場に立った迅速、的確な情報提供を求める声は全ての県民に共通するものです。  事件発生時などにおける地域への注意喚起の今後の取り組みについて、改めて警察本部長にお伺いをいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  先ほども申し上げましたが、これまでも県警察におきましては、凶悪事件等が発生いたしますと、犯罪発生情報や必要な防犯情報につきまして、パトカーでの巡回やマスメディアを通じた広報、警察署と管内の市町との間で締結しております協定等に基づく各市町への情報提供等を通じて、地域住民の方々への周知を図り、注意喚起をしてきております。  また、議員御指摘のインターネット検索事業者のヤフー株式会社のYahoo!防災速報を活用した情報配信サービスにつきましても、同社と協定を締結し、平成29年4月から緊急性の高い犯罪発生情報や、児童に対する声かけ等の前兆事案等の情報について利用を始め、県民の方々への注意喚起に活用させていただいているところでございます。  凶悪事件等が発生した際には、地域住民の方々にいち早く犯罪発生情報等を提供して注意喚起すると。このことにつきましては、連続した被害の発生を未然に防ぐとともに、治安に係る地域住民の方々の安心感を醸成するために極めて重要でありますので、県警察といたしましては、今後とも引き続き県民の皆様に適時適切に犯罪情報等の提供を行うための努力を継続してまいりたいと考えております。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)御答弁ありがとうございます。県警察本部の今後の取り組みに期待して、この項の質問を終わらせていただきます。  次に、看護政策に関して、健康医療福祉部長に一問一答でお尋ねをいたします。  医療・介護人材の不足が依然深刻だと言われていますが、介護福祉士のように絶対的に数が不足している職種もあれば、医師のように単にふやすことから地域による偏在を解消する対策に移行している職種もあり、人材の確保、定着に向けてはそれぞれの職種が置かれている状況に応じて、これまで以上にきめ細かく取り組みを進めていく必要があると考えています。  こうした中、看護職員の就業者数は、平成28年度末時点で看護師1万3,348人を初め、保健師、助産師、准看護師を含めて1万6,300人余りとなり、平成22年度と比較して1,700人余り増加しています。  平成27年度を最後に、いまだに新たな看護職員の需要見通しは示されていませんが、この点を踏まえて、本県の看護職員の需給についての認識を健康医療福祉部長にお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  平成23年から平成27年までの県の第7次看護職員需給見通しにおきまして、常勤換算後の数字ではございますが、平成26年の需要見通しは1万4,158人であるのに対しまして、同年の供給実績は1万3,896人でございまして、見通しの98.1%が充足しているという状況でございます。  ただし、地域や病院、訪問看護ステーションなどの就業場所によっては、一定の偏在が認められると思っております。  平成28年度以降の需要と供給の見通しにつきましては、国における検討が大幅におくれているという事情もございまして、県としても見通しをお示しできておりませんが、議員御指摘のとおり、県内の看護職員の数につきましては、着実に増加をしておりまして、常勤換算後の数字ではございますが、平成28年の供給実績は1万4,265人となっておりまして、平成26年から369人増加しております。近々国におきます需給推計に係る検討が再開されると聞いておりますので、国が今後示す算定方法等に基づきまして、県としても需給見通しを出していきたいと考えております。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)98.1%が充足しているという御答弁でした。  ただ、県内における看護師の養成に目を向けると、准看課程を除き、昨年度まで3つの大学と10の専修学校で担っていたものが、今年度、近江八幡市立看護専門学校と市立大津市民病院付属看護専門学校が募集を停止した結果、学年定員は昨年度より80人減少し、700人を割り込みました。  こうした本県の看護師養成所の現状について、健康医療福祉部長の見解をお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  近江八幡市立看護専門学校と市立大津市民病院付属看護専門学校の2校の募集停止につきましては、今までも県内養成所の入学者の定員割れが続いていること、あるいは、現在、県外からの就業も含めて、就業者数は一定確保できているということから、直ちには本県の看護師確保に影響を及ぼすことはないと考えております。  ただし、平成30年の県内養成所の入学状況を見てみますと、募集停止した定員分の志願者が県内のほかの3年制養成所に流れることはなく、県全体の定員充足率は横ばいであったところでございます。  そのため、来年以降の入学状況も十分注視し、今後も影響を及ぼすことがないかについて、しっかり確認をしてまいりたいと思っております。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)今の答弁でも触れられていましたけども、そうした背景には、18歳人口が減少する中で、志望者の大学志向が高まっていることがあります。実際、今年度だけでも県内の3年課程の専修学校のうち、半数が定員割れとなっています。その上で、近年、京阪神を初め、近隣府県で看護大学や看護学科が相次いで開設され、その数はこの9年間で実に28に上っています。  近隣府県における看護大学、看護学部の増加による本県の看護師養成や確保への影響について、健康医療福祉部長の見解をお伺いします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  看護職員を目指して県内外の養成所に進学いたしました本県の高校生は、平成23年の468人から、平成30年度は635人となりまして、1.4倍に増加をいたしております。  一方、議員御指摘のとおり、県内の大学以外の3年制の看護師養成所は、定員割れが続いている状況でございます。  そのため、志願者の大学志向が高まっているということもあり、近隣府県の看護大学、看護学部の増加が本県の養成所の入学者確保に一定の影響を与えているものと考えております。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)定員割れ以外にも、県内の養成所はさまざまな課題を抱えています。中でも県外の大学の影響などもあって、実習施設の確保が困難になっている状況は看過できません。  先日も、堅田看護専門学校を訪問し、教員の皆さんと意見交換をしましたが、実習先が40にも上り、学生にも教員にも大きな負担となっていると悩んでおられました。また、実習の謝金の問題や、実習において大学が優先されるとの声もありました。また、施設が老朽化し、教育環境の確保がままならない施設が多いのも厳しい現実です。  県として、こうした養成所が抱える課題に主体的に取り組んでいく必要があると考えますが、健康医療福祉部長の見解をお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  養成所が実習施設の確保や施設の老朽化に苦労されているということは、県としても承知をいたしております。  そのため、実習施設の確保につきましては、病院の看護管理者や新人教育担当者等を集めました会議等におきまして、県内養成所の実習を積極的に受け入れていただくよう毎年要請をいたしております。  また、滋賀県看護師等養成所運営費補助金におきまして、養成所が実習施設にお支払いになる謝金につきましても助成を行っているところでございます。  施設の老朽化につきましては、地域医療介護総合確保基金を活用いたしまして、在宅医療等に関する教育環境向上のための施設・設備整備に要する経費に対して助成をいたしているところでございます。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)今、答弁いただきましたけど、やはり、実習先の確保というのは本当に厳しい状況だと思っています。今、要請をしているということでしたけども、要請だけでは、やはり、ままならない、もう少し主体的に県として取り組みを進めていただきたいと要望しておきたいと思います。  一方、県は、設置者として総合保健専門学校、看護専門学校、そして県立大学人間看護学科で看護師などの養成に当たっています。県立大学については、滋賀県看護協会ならびに滋賀県看護連盟から、県内学生の推薦定員増加を求める要望が出されています。総合保健専門学校については、平成26年9月の県議会において施設の老朽化を指摘し、年次的な整備計画の策定や運営形態の検討を求めたのに対し、三日月知事から県立の養成所として果たすべき役割とあり方について検討するとの答弁はありましたが、その後、定員が40人減らされただけで、知事も現場へ行っていただきましたけれども、具体的な進展は全く見られません。  改めて県が設置する養成所の今後のあり方について、健康医療福祉部長の見解をお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  今、お話がありましたとおり、平成26年度に県立養成所のあり方について検討を行いました。総合保健専門学校は県全体および県立病院の、そして看護専門学校は湖北・湖東地域の看護師確保のため、また、両校とも中小医療機関や在宅医療のリーダー的役割を担う看護師を養成するということを目的としていくこととしました。  両校の卒業生の県内定着率につきましては、平成29年度までの5年平均で89.2%と非常に高く、この間に600人もの県内に就業する看護職員を輩出しているなど、本県の看護職員確保に重要な役割を現在担っていただいております。  しかしながら、先ほど申し上げましたとおり、県内の2つの養成所が募集を停止したこと、志願者の大学志向が高まっていること、近隣府県における看護大学、看護学部が増加していることなど、状況は変化しております。また、総合保健専門学校の施設老朽化といった課題もございます。  つきましては、看護職員の需給推計を踏まえ、今後、看護職員確保対策を総合的に検討していくこととしておりますので、その中におきまして、県立の養成所が果たすべき役割につきましても改めて考えてまいりたいと思っております。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)こうした中、国は、ことし4月に看護基礎教育検討会を立ち上げ、現在の教育実態を踏まえた将来的な看護基礎教育の内容について、具体的な検討に着手されました。  看護師については、教育カリキュラムの拡充がうたわれ、将来的には看護基礎教育の延長に伴って、養成が4年制大学へ移行することは避けて通れないのではないかと考えています。  滋賀県保健医療計画には、看護基礎教育のカリキュラム改正などにより、今後の県内の看護職員養成数に変化を及ぼすことが予測されますと記載されているだけで、何らの対策は示されていませんが、県外養成所の状況を踏まえて、本県における養成、新卒の確保の将来像をお示しください。健康医療福祉部長、お願いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  先ほどお答えいたしましたとおり、今後、看護職員確保対策を総合的に検討することといたしておりまして、その中で本県における養成、新卒の確保の将来像につきましても、議員御指摘の国の行います看護基礎教育の検討内容も踏まえ、お示ししていきたいと考えております。  なお、現段階では県内養成所卒業生の多くが県内に就業している現状を踏まえまして、まずは中高生に対して出前講座や進学説明会等により、看護職の魅力を直接伝えることで、県内養成所への進学を積極的に促進し、入学定員割れを解消してまいりたいと考えております。  また、加えまして、滋賀県看護職員等修学資金等の活用や、就職先である医療機関等のさらなる魅力を発信することなどによりまして、県内養成所の卒業生の県内定着率をさらに高めるとともに、県外養成所の卒業生についても県内就業を促してまいりたいと考えております。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)おおむね今の御答弁は、今後検討するということだったんだと思います。  ちょっと改めてお伺いをしたいと思います。滋賀県看護協会によると、ことし4月の県内57病院の新卒看護職就業者は674人、このうち、県外養成所の卒業者は177人で、年々増加しているということです。  先ほど申し上げたように、看護基礎教育の拡充の方向性の中で、3年制が中心の現在の県内の養成所の状況で、看護職員を将来どの程度賄えるのかなと非常に懸念しております。  今後検討するということでしたけれども、しからば、県外の養成所へどの程度依存するつもりなのか、改めて健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  平成29年度におきまして、県内3年制の養成所の卒業生の県内定着率は89.6%と非常に高くなっております。本県の看護職員確保のために果たす役割は、大きいものがございます。  また、県内の子供たちが県内で学ぶ機会を確保するためにも、今後とも県内養成にしっかり取り組んでいく必要があると考えております。  一方、先ほど来話に出ておりますとおり、県内の3年制養成所では定員割れが続くなど課題もございます。国の行います看護基礎教育の検討や、4年制大学志向の高まりなど、今後の動きを踏まえながら、看護師養成所の方向性を見定めまして、県内外からどのような形で看護師を確保していくのかについて検討してまいりたいと思っております。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)いずれにしても、看護師の確保、定着のみならず、資質向上の取り組みが必須だと思っております。確かに現在も新人看護職員の研修だけでなく、新人看護職員の支援者や看護管理者に対する研修なども支援されていますが、多様化する医療ニーズに対応できる専門性の高い看護師の育成を図る観点からも、積極的に看護技術を向上させようとする個々の取り組みへの支援を充実させるべきではないかと考えています。  今年度も、認定看護師育成事業として、当初予算に400万円が計上されているほか、がんや認知症の認定を支援する事業にも取り組んではいただいております。しかし、例えば特定行為研修の修了看護師を見ると、いまだに県内で11人にとどまっているのが現状です。  先日、東近江敬愛病院で、意識障害や寝たきり患者への生活行動回復を目指すNICDという看護技術に関する勉強会に、我が会派の西村久子議員と加藤誠一議員とともに参加してまいりました。  学会認定ということではありますが、少しでも患者さんの在宅復帰に結びつけようと、病院を挙げてこの看護技術に取り組む姿勢には頭が下がりました。  現在、対象となっていない認定を含めて、認定看護師育成事業の拡充やこうした取り組みへの支援について、健康医療福祉部長の見解をお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  多様化、高度化する医療ニーズや地域包括ケア推進のため、質の高い看護の提供を行う高度な専門性を有する看護職員がますます求められております。  そのため、特定行為を行うことができる看護師や日本看護協会が認定いたします在宅医療等に関連する分野における認定看護師の育成を重点的に推進しております。  全国的に評価が確立されております日本看護協会の認定制度につきまして、取得を推進しているところでございまして、現時点においては、それ以外の認定制度を対象に加えるということは考えておりません。  ただし、それ以外の形で、例えば滋賀県看護協会と連携して実施しております研修事業の中で、議員御紹介のNICDについてもテーマに取り上げて、認知度の向上を図るというような何らかの支援ができないか、検討してまいりたいと考えております。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)今、前向きに取り組むという御答弁をいただきました。ぜひ、こういった現場の士気を上げるための支援というのを、やっぱり、しっかりしていかなければ、看護技術の向上、そして、資質の向上にはつながらないと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。  1点再問をしたいと思っています。  看護師の資質向上を図る上では、勤務先である病院などの協力が欠かせないことはもちろん、財源の問題が避けて通れません。  平成23年度に2億円を積み立てて、滋賀県在宅医療福祉看護職員確保対策基金を設けましたが、既に今年度末の残高見込みは6,600万円余りとなり、今年度並みに取り崩すとすれば、あと2年で底をつきます。  改めて基金を活用した支援を含め、今後の基金のあり方について、健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  ただいま御指摘いただきましたとおり、今年度末の基金残高見込みが6,600万円余りということでございまして、今年度当初予算ベースでありましたら、あと2年程度ということになります。
     この基金は、在宅医療福祉を担う看護職員の養成確保を図るための貴重な財源であると認識しておりますが、今後の基金のあり方につきましては今後の予算編成の過程において検討してまいりたいと考えております。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)一方で、訪問看護ステーションを初め、また、介護福祉施設で働く看護職員も少なくありません。看護師資格を持つケアマネジャーもいます。まさに多職種連携による地域包括ケアの中で、医療と介護のつなぎ役となり得る看護職員の重要性は増していると考えています。  地域包括ケア構築の取り組みの推進に当たって、看護職員を担い手としてどのように位置づけ、役割を果たしてもらおうとするのか、健康医療福祉部長の見解をお伺いします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  医療や介護が必要となっても、地域で自分らしい暮らしが少しでも長く続けられるよう、さまざまな職種や機関がかかわる地域包括ケアシステムの構築を進めているところでございますが、看護職は医療面における多職種連携のかなめであると認識をいたしております。  具体的にはケアマネジャーと連携した入退院支援、あるいは、在宅療養者に対する医学的な視点からのサポート、さらには介護施設における医療的ケアやみとりの支援などのほか、多職種がかかわるさまざまな場面において医療的な視点から支援をマネジメントしていただくことが大きな役割と考えております。  また、支援を受けられる方が大切にしておられる暮らしと医療の双方を理解しているということが看護職の強みでございまして、この強みを生かし、地域で暮らし続けるための医療について判断し、調整していただくということを期待しております。 ◆21番(佐藤健司議員) (登壇)これは私見なんですけれども、病院の看護師もどんどん地域に出て、在宅看護を学びながら、地域包括ケアを支える人材となることが求められる時期に来ているのではないかなと思っています。  しかし、訪問看護師の確保、育成は、訪問看護ステーションが抱える不安定な経営や厳しい職場環境といった課題の解消と表裏一体です。訪問看護ステーションの体制や機能の強化を含め、訪問看護師の確保、育成についての今後の取り組みを健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  県では、滋賀県ナースセンターや滋賀県看護協会が設置する訪問看護支援センターにおきまして、事業所の機能強化に向けた支援や人材確保、育成のための取り組みを行っております。  具体的には、全国の先進的な事業所の職員を招きまして、運営管理や看護実践に関する指導、助言を行い、訪問看護ステーションの機能強化に努めております。  また、人材の確保、育成につきましては、再就業に向けた研修会、コーディネーター設置による就職相談、現場での実践力やマネジメント力を向上するための階層別研修、訪問看護認定看護師の資格取得支援を行っております。  さらに、在宅での生活を見据えた退院支援が行えるよう、病院の看護師が訪問看護師に同行するという取り組みも行っているところでございます。  今後ともこうした取り組みを通じまして、看護職同士の連携を深め、訪問看護に対する理解の浸透を図りながら、訪問看護ステーションの機能強化と人材の確保、育成を推進してまいりたいと考えております。 ◆21番(佐藤健司議員) 終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、21番佐藤健司議員の質問を終了いたします。  次に、8番角田航也議員の発言を許します。 ◆8番(角田航也議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、6月29日に米原市で発生しました竜巻災害について、分割方式で全て知事に伺います。  滋賀県において竜巻は、確かな記録が残る1991年以降、昨年までの間に1度しか観測されておらず、今回の竜巻は予期せぬ上に、風速65メートルと、近畿でも観測史上最強クラスの威力を持つものでした。現時点で8名の方がけがをされ、半壊6軒を含む120軒の家屋と28軒のその他の建物が一部損壊などの被害を受けました。  被害に遭われた皆様には心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早く穏やかな以前の生活を取り戻されますことをお祈り申し上げます。  先日、我が会派の代表質問に対して御答弁いただきましたように、今回の竜巻被害に対し、県は補正予算により県立伊吹高校や県立きゃんせの森の復旧に早速取り組んでいただいているところでございます。素早い対応に感謝を申し上げますとともに、一日も早く従前のように利用ができるようお願い申し上げます。  他方で、今なお生活再建が進まず、苦しんでおられる方がいらっしゃいます。つい先日も、竜巻による被害が大きかった米原市朝日地区を訪れましたが、まだ屋根がブルーシートで覆われている家が何軒もありました。  被災者に寄り添った生活再建の支援策も大変重要ではないかと思いますが、さきの御答弁では、被災者への生活再建支援については、現在進められている被害認定の調査結果を踏まえ、被災者支援に係る対応を関係者と協議、検討するとの抽象的なお答えでしたので、この点についてもう少し踏み込んだお答えを期待して質問をさせていただきます。  確かに被害認定の調査が終わっていない段階で具体的な支援策を述べられるのは困難かもしれませんが、発災後1カ月がたち、調査もある一定区切りがついたところで、被災者の皆さんを勇気づける意味においても、支援のあり方、考え方について、知事に伺いたいと思います。  国の被災者生活再建支援制度については、対象となる自然災害の要件が1つの市町村に10世帯以上の住宅全壊被害が発生した場合となっており、今回の米原の竜巻災害については全壊住宅がなく、今の国の仕組みでは適用は困難です。  こうした国の制度では支援されない被害に対応する恒久制度として、平成25年の台風18号災害をきっかけに制度化されたのが滋賀県被災者生活再建支援制度ということですが、その適用条件は、県内で5世帯以上の住宅に全壊被害が発生したとき、または、知事と被災市町長の協議により特に必要と認めたときとされています。  全国的に見て都道府県独自の恒久的な支援制度を設けているのは31道府県で、内容的に見ても、本県のように支給額が国の制度と同額で、さらに国の制度にはない半壊まで支援の対象としているのは少数にとどまり、本県は被災者生活再建支援制度が充実しているほうと言えます。  もっともこの制度を平成28年4月に開始されてから一度も適用はなく、今回の米原市の竜巻災害についても現段階では半壊世帯が6世帯と、先ほどの適用条件の1つ目には該当せず、適用されるかどうかは、2つ目の知事と被災市町長の協議により特に必要と認められるかにかかっていると思われます。  そこで、1つ目の質問ですが、本県の被災者生活再建支援制度の適用条件に5世帯以上の全壊被害という数の下限が設けられている理由と、知事と被災市町長の協議により特に必要と認めたときという条件が設けられた理由および具体例について伺います。  本制度の趣旨を見ますと、滋賀県内において自然災害により生活基盤に著しい被害を受けた県民に対し、その生活の再建を支援し、もって県民の生活の安定と被災地域の速やかな復興に資することを目的とするとあります。  たとえ1世帯であっても、思わぬ自然災害で生活基盤に著しい被害を受けた場合、その生活再建を支援しない理由はないと思います。  現に家を失った方の立場に立つと、ほかに何軒全壊や半壊した家があるかで支援されるかどうかが決まるのは理不尽ではないでしょうか。ましてや、今回の竜巻のような、どこで起きるか予測困難な自然災害で局所的に甚大な被害が発生する災害については、県民の生活再建への不安も大きく、個別の事情等も勘案しながら、たとえ1世帯であっても大きな被害に遭われたら、協議により特に必要と認めたときという条件を柔軟に解釈し、県の支援制度を適用すべきではないかと考えます。  例えば福島県、栃木県、埼玉県、山梨県、大分県では、1世帯でも全壊等の被害が発生した場合には適用するとされています。また、制度適用の前提としまして、米原市は被災者の方へ支援する意向を示されています。  これらを踏まえまして、今回の米原市の竜巻災害に本県独自の被災者生活再建支援制度を適用されるのかどうかと、その理由をお尋ねします。  被害認定の調査が未確定で、米原市長との協議前の段階で適用の有無の判断が難しい場合は、先ほどの具体例に照らし、今回の竜巻災害が特に必要と認められる災害に当たり得るのかについての知事の見通し、考え方をお示しください。  そもそも竜巻とは、発達した積乱雲に伴う強い上昇気流によって発生する激しい渦巻きで、台風や寒冷前線、低気圧など積乱雲が発生しやすい気象条件に伴って発生しやすく、日本では特に台風シーズンの9月、10月に多く確認されています。  また、比較的沿岸部や平野部で発生しやすいというデータがありますが、温帯低気圧による竜巻や局所的な豪雨による竜巻は、日本全国、季節を問わずどこででも起こり得るそうです。  竜巻のほかにも、積乱雲から吹き下ろす下降気流が地表に衝突して水平に吹き出す激しい突風──ダウンバーストや、積乱雲の下で形成された冷たくて重い空気の塊がその重みにより温かくて軽い空気の側に流れ出すことによって発生するガストフロントと呼ばれる激しい突風による被害が国内でも確認されております。  さらに、ことし4月に大分県中津市で発生した突然の山崩れのように、地震や大雨によらない突然の山崩れ、地割れ、陥没等、局地的な自然災害があります。  現在の生活再建支援制度では、地震を初め、台風、豪雨による浸水、土砂災害等、比較的頻度が高く、被害が広範囲にわたる災害を想定して制度設計されているように思われます。  そこで、世帯数の要件を緩和するなど、竜巻のような局地的な自然災害も想定に入れた制度に修正すべきと考えますが、今後の生活再建支援制度のあり方について、知事の御所見を伺います。  次に、竜巻災害に対する今後の一般的な対策について、幾つかの質問をいたします。  今回の米原市で発生した竜巻は、風の強さを示す日本版改良藤田スケールによりますと、6段階中、強いほうから4番目のJEF2に該当し、木造の住宅において上部構造の変形に伴い、壁がゆがんだり、ひび割れがし、また、鉄骨づくりの倉庫において屋根ふき材が浮き上がったり、飛散し、広葉樹の幹が倒れたりするレベルの威力でした。  この竜巻が発生したのは、6月29日の午後1時40分ごろから45分ごろと見られますが、この日、彦根地方気象台より竜巻注意情報の第1号が午後1時51分に出され、しらしがメールにてほぼ同時刻に登録者に自動送信されました。  県民の皆さんの中には御存じない方もいらっしゃるかもしれませんので、簡単に説明しますと、しらしがメールとは、防災、防犯等の身の回りの危険に関する情報をあらかじめユーザー登録することで、手持ちの携帯電話やパソコンに電子メールで配信されるしらせる滋賀情報サービスの略称です。  他方、Jアラート、こちらは弾道ミサイル情報、津波情報、緊急地震速報等、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を人工衛星を用いて国すなわち内閣官房、気象庁から消防庁を経由して、市区町村の同報系の防災行政無線等を自動起動することにより、国から住民まで緊急情報を瞬時に伝達するシステムのことですが、こちらによる米原市の防災アプリからの竜巻注意情報を受信したのは、午後1時53分でした。  いずれにしましても、竜巻発生より10分以上おくれての注意情報の到達だったことになります。  どちらも気象庁の発表がそもそもの竜巻発生の後であったため、情報伝達システムそのものに問題があったわけではありません。竜巻発生前に予測できるような予測精度の向上を図るほかありません。このように、竜巻注意情報には予測精度の問題、すなわち正確性という点に難点があります。  竜巻などの突風は、規模が小さく、レーダーなどの観測機器で直接実態を捉えることが困難で、竜巻発生確度ナウキャストと呼ばれる、竜巻の発生確率の度合いを10キロメートル四方単位で解析し、その1時間後までの予測を行い、10分ごとに更新する気象庁のサービスもありますが、発生確度1で、その的中率1から7%、発生確度2でも的中率7から14%程度と、竜巻の発生を確実に予測することは、現時点での技術では難しいと言えます。  竜巻予測精度向上に向けた技術開発を国に要望しつつ、住民からの竜巻の目撃情報も取り入れた、より確度の高い竜巻注意情報をSNSなども活用しながら、一人でも多くの県民に迅速に伝達するシステム、例えばスマートフォンアプリの開発等も考えられてもよいのではないでしょうか。  また、東日本大震災後、防災意識の高まりから、防災情報メールの登録件数が飛躍的に増加したと仄聞しております。先ほどのしらしがメールに登録されている方は、7月末現在で5万7,687人です。正確性を上げるのと同時に、一人でも多くの県民の皆さんにかけがえのない命を守るための情報が広く行き渡るよう、しらしがメールの登録者をふやす取り組みも必要ではないかと思います。  このように、竜巻注意情報については、その正確性や、多くの人に届いているかという点で課題がありますが、今後、県民に対する正確な防災情報の伝達についてどのように取り組んでいかれるのか伺います。  次に、竜巻災害に対する啓発についてですが、これまでほとんどなじみがなかった竜巻に対し、いざというとき、いかに対処し、どのように命を守る行動をとるべきか、今回の災害を機に周知する必要があると考えます。  竜巻の兆候としましては、黒い雲が急速に大きくなって、雷が鳴り、急に冷たい風が吹いたりするといいます。そして、竜巻が発生した際には、屋外の場合は、頑丈な建物に避難する、屋内の場合は、窓やカーテンをしめ、1階の窓のない部屋に移動し、身を小さくして頭を守るといった行動が命を守る行動となります。  こういった情報を学校向け、一般の方向けにわかりやすく提供し、県民の皆さんへ竜巻に対する知識と竜巻からの身の守り方を広く知っていただくことが、人的被害を最小限に抑えることにつながると考えます。  また、家屋損壊等による経済的な損失に備え、竜巻被害もカバーする火災保険等に加入することの重要性についても、あわせて啓発する必要があろうかと思います。  以上を踏まえまして、今後、竜巻災害に対する啓発について、どのように取り組んでいかれるのか伺います。  最後に、県の地域防災計画と竜巻対策について伺います。  県の地域防災計画は、台風や豪雨災害、震災、原子力災害等を念頭に策定されており、竜巻のような局所的な災害は想定外と思われます。  しかし、地球温暖化の影響か、異常気象が頻発する昨今、今後も県内で大きな竜巻が発生するやもしれません。平成25年に2度の竜巻災害が起きた埼玉県では、地域防災計画に竜巻の項が追加されました。計画に盛り込むことで、竜巻に対する防災意識の向上にもつながります。  また、今回の竜巻では、伊吹高校のガラスが割れたり、きゃんせの森の木が民家へ倒れたりしました。予想を超える竜巻の威力で、全ての公共物の安全対策を今回の竜巻の威力に耐え得るものにするのは困難ではあります。  しかし、つい先日も台風が異常なルートで日本を通過したところですが、近年上陸する台風がふえ、各地で大きな被害が発生しています。台風シーズンを控え、いま一度県立学校や県立施設の点検等、強風に対する安全確認が必要ではないでしょうか。  加えて、今回竜巻被害に遭った地域近くの小学校では、強い雨が降っていたこともあり、児童の下校を見合わせておられた結果、幸い児童が竜巻に巻き込まれずに済みました。こうした賢明な判断が迷わずなされ得るよう、各学校の防災マニュアルに竜巻発生時の対応についても項目を追加されることも必要ではないかと考えます。  これらを踏まえまして、竜巻への対応策を地域防災計画に盛り込むことの適否も含め、今回の竜巻災害から得られた教訓と、今後も起こり得ることを前提に、今後いかに竜巻対策に取り組まれ、県民の暮らしの安全と安心を守っていかれるのか、最後に意気込みをお聞かせください。 ○議長(川島隆二) 8番角田航也議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)私に賜りました6つの質問にお答えをいたします。  被災から1カ月が経過いたしましたが、被災された方々に私からもお見舞いを申し上げたいと存じます。  まず、1点目、本県の被災者生活再建支援制度の適用条件が設けられた理由およびその具体例についてでございますが、本県の被災者生活再建支援制度の目的は、自然災害によって生活基盤となる住宅に著しい被害を受けた地域において、被災者が可能な限り早期に安定した生活を再建することにより、地域コミュニティーの崩壊を防止し、もって地域の維持発展を図ることでございます。  相互扶助の観点から、国の制度の対象とならない一定の規模以上の災害について、公費により支援することも必要と考え、恒久制度としての本県独自の被災者生活再建支援制度を平成28年度に創設したところでございます。  その対象となる災害につきましては、他府県の制度を研究いたしました結果、一定規模以上の被害が生じた災害を対象とすべきと考え、県内で5世帯以上の住宅に全壊の被害が生じたときとの適用要件を設定したところでございます。  また、知事と被災市町長の協議により特に必要と認めたときとの条件を設けた理由につきましては、県内で5世帯以上の住宅が全壊した災害とおおむね同規模程度の災害についても対応できるよう設けたものでございます。  具体例といたしまして、災害救助法施行令では半壊2世帯、床上浸水3世帯をもってそれぞれ全壊1世帯とみなすことから、半壊10世帯、床上浸水15世帯以上としております。  また、局地的な被害に対応できるよう、1つの市町において3世帯以上の住宅が全壊した災害なども協議の対象としているところでございます。  2点目、今回の米原市の竜巻災害に本県独自の被災者生活再建支援制度を適用するのかどうかと、その理由についてでございますが、昨日の米原市長の会見におきましては、半壊被害が6世帯に達したとの発表があったと承知をしております。  県の制度におきましては、1、1つの市町で全壊3世帯を対象としており、それと同規模程度の災害としては、半壊の場合は6世帯も協議の対象となり得るケースと考えられます。  3点目、今後の生活再建支援制度のあり方についてでございますが、現在の被災者生活再建支援制度は、地震や台風等の広範囲に及ぶ大規模災害を想定した制度でございます。しかしながら、近年ではゲリラ豪雨や竜巻のような局地的な災害が全国各地で発生しております。  また、国の制度が適用される大規模な災害であっても支援の対象とならない世帯が数多く発生するなど、制度の運用と支援対象の間に制度上のゆがみがあるとの意見が多く寄せられるようになってきています。  このようなゆがみを解消するため、国の制度については、先日の全国知事会におきましても支給対象の拡大等について検討を行う旨の申し合わせが行われたところです。  一方、他府県の独自制度には、1世帯の被害でも適用する場合には対象となる被害を国の制度と同様に全壊や大規模半壊に限定するものでありますとか、本県のように、一定規模以上の災害に適用する場合には半壊や床上浸水についても対象にしているものがあり、それぞれの府県の抱える事情を踏まえて制定された制度であると理解しています。  本県の被災者生活再建支援制度の今後のあり方につきましては、国制度の見直しの動きや他府県の制度も参考にしながら、今回のような局地的な災害に対してどうあるべきか、市町とともに検討してまいりたいと存じます。  4点目、今後の防災情報の伝達についてでございますが、本県では、御紹介いただきましたしらせる滋賀情報サービスによるメールサービス、いわゆるしらしがメールを通じて、ユーザー登録者を対象に防災、防犯等の身の回りに関する情報を電子メールでお知らせしているところでございます。  竜巻注意報につきましては、在住する市町を対象に発表された場合、登録者に送信されるよう初期設定されております。  今後もしらしがメールの登録者の拡大に努めるとともに、テレビやインターネット、緊急速報メールなど多様な主体による多様な手段により、県民の皆さんにいち早く防災情報を伝えられるよう取り組みを進めてまいりたいと存じます。  5点目、竜巻災害に対する啓発の取り組みについてでございますが、竜巻に対する備えの周知については、毎年、株式会社エフエム滋賀が小学生およびその家族を対象に、家族で読めるやさしい防災ハンドブックを作成し、防災の日である9月1日の前後に各小学校に配布しており、本県もその作成に協力しております。  今年度は、6月18日に発生した大阪北部を震源とする地震、また、お取り上げいただきました同月29日に発生した米原市の竜巻災害、また、7月5日から8日にかけて西日本を襲った平成30年7月豪雨災害について特集記事を掲載する予定と伺っております。  その他、毎月1回、一般県民を対象に県危機管理センターにおいて開催しております防災カフェでも議論するなど、あらゆる機会を通じて竜巻災害について啓発してまいりたいと存じます。  最後6点目、今後いかに竜巻対策を講じ、県民の暮らしの安全と安心を守る体制を構築するのかということについてでございますが、昨年の台風21号の教訓を踏まえ、ことし3月に県地域防災計画風水害編に風害への対応を追加したところでございます。  竜巻に対する対応策については、本県においては大規模な竜巻被害がなかったことから、同計画は竜巻被害対策について特に記載しておりません。今回、本県において竜巻被害が生じたことから、他府県の地域防災計画も参考に、その対応について研究したいと存じます。  議員御紹介の小学校や伊吹高校では、下校時刻を繰り下げ、生徒を校舎内に待機させる措置をとったことで生徒に人的被害が生じなかったと伺っております。竜巻対応時においては、頑丈な建物の中に避難することが有効であることを改めて認識したところでございます。  今後の竜巻対策については、情報伝達をしっかりと行うとともに、竜巻発生時の避難行動について県民の皆さんに理解していただくよう、啓発に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆8番(角田航也議員) (登壇)ありがとうございます。  再質問をしようかと思ったんですけども、はっきりと協議の対象になり得ると、2つ目の質問のところで米原市の竜巻災害が県の生活再建支援制度の特に必要と認められる災害に当たり得るということで理解をさせていただきましたので、再質問はいたしません。  先ほど知事もおっしゃいましたとおり、米原市長は、きのうの記者会見で、竜巻被災者の支援に前向きでいらっしゃいますので、ぜひ一日も早く協議をしていただき、県の生活再建支援制度の初適用の決定をしていただきたいと思います。  今回、竜巻の被害があった地域は、非常に地域の人の結びつきの強い、日ごろから共助の精神の強い地域でした。そのため、災害のあった翌朝から地域の方総出で畑や家の周りの復旧作業が進められ、消防団の皆さんや地元の高校生などの協力もあって、被害が大きかったにもかかわらず、予想以上に早く片づけられた印象です。  こうした共助の精神は、これからも大事にしていかなければなりませんが、個人や地域の力だけでは賄い切れない場合もあるかと思います。こうした場合には、ぜひ積極的に被災者に寄り添っていただきたいと思います。  誰一人取り残さない県政の推進と全ての人に居場所と出番がある真の共生社会の実現に向け、2目も引き続きお願いしたいと思います。  以上で質問を終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、8番角田航也議員の質問を終了いたします。  次に、6番海東英和議員の発言を許します。
    ◆6番(海東英和議員) (登壇、拍手)6番海東英和でございます。通告に従いまして、早速質問をさせていただきます。  まず、県立高校の空調設備の設置を急ぐ責任についてであります。  想定外の熱波が日本を覆うようになりました。命にかかわる暑さとの表現もたびたび耳にするこのごろです。冷房は、ぜいたく品から健康で文化的生活に欠かせない設備となりました。県が県立高校の空調整備を決断されたことに拍手を送ったのもつかの間、この夏の異常な暑さにたじろいでいます。雨なども線状降水帯が異常な降雨量をもたらし、気象台の観測史上例を見ない気候が繰り返されています。日本は亜熱帯になったのでしょうか。  さて、県立高校の設置者は、良好な教育環境を整える責務があります。文科省からの平成30年4月2日付の通知は、教室の温度基準を17度以上28度以下に見直したことを伝え、留意事項に学校の設置者の責務についての項を立て、あえて必要な措置を講ずるよう努められたいとしています。命にかかわる暑さ対策が急務として突きつけられています。状況が激変したと認識する必要があります。  けさの天気予報では、異常気象長期警戒情報として警告が発せられておりました。  現在、滋賀の県立高校では46校3万899人が学んでいます。空調設置率は49.5%ということであります。同じ授業料なのに、冷房完備の教室で学ぶ高校生と、顎から汗を滴らせ、椅子に座ってもパンツの中まで汗だくで、不快な環境の中で勉強している高校生とがあります。学習環境格差、著しい不公平を少しでも早く改善するように、未整備となる22校の1万3,780人の高校生を思い、親身になって考える責任が我々にあると存じます。  エアコンの未整備の学校に通う全ての生徒、保護者、教職員の切なる願いが知事と教育長、そして、県庁、議会の皆様に届くように願い、質問をいたします。  県立高校の空調整備は、5年の整備計画の2年目で、特別支援学校の併設校を設置していくと聞いています。整備の方法も、リース方式を前提とし、対象校を示し、個別の高校ごとに主にガスか電気かなど、技術的提案を公募し、8月に業者から提案を審査して、請負業者を決定すると伺いました。  いろいろ御努力いただいている内容をお聞きしつつ、県庁の生真面目さが事を複雑にしていることもあるのではという思いも湧いてきました。  今年度の予算の成果は、残念なことに来年の夏からしか発現しません。待っている人の気持ちとは乖離が大きいです。ぜひとも前年度から準備して春先に契約し、夏に間に合わせるようにしていただければ、来年度予算分で来年の夏に喜ぶ生徒がおよそ7,000人近く生まれると思います。ぜひ執行方法を工夫され、改善してください。そして、一歩進め、4年度目の事業を3年度目に前倒しで実施できれば、県立高校全てにおおむねエアコンが整備できることになります。  知事から今年度中に残りの22校全ての県立高校に空調を入れる準備をし、来年度開始と同時に動き出し、夏には涼しく勉強できるようにするとミッションが発せられたとしたら、10カ月で準備ができると私なりに整理し、質問申し上げたく存じます。  早期整備への克服課題は5つ、1、財源、2、担当者の人的体制、3、丁寧な業者選定がもたらす事務繁忙、4、静寂な教育環境への配慮による工事期間の長期化、5、関係者の心のブレーキ、この5つが立ちふさがる壁であると思います。  まず、1番目の財源ですが、藤井議員への答弁であと46億円必要と回答されました。これは既に支出を予定している金額であり、外枠にふえる話ではないと思います。前倒しの対象予算も、井阪議員の質問から絞り込むと、ポイントは、4年目で整備をする未整備校を3年目に実施する費用の手当てができるかということになると思います。  凍結で一旦宙に浮く美術館の47億円が気になりますが、それはさておき、大型事業の見直しや、全庁挙げてあらゆる工夫をして、さらに寄附金やふるさと納税なども動員して、前倒し実施の分の予算の捻出は可能なのではないでしょうか。  ふるさと納税を獲得している県の2017年の例をひもときますと、佐賀県6億6,900万円、熊本県4億9,400万円、長野県3億7,700万円、鳥取県2億500万円などがあり、210万円の滋賀県には大いなる可能性と努力の余地があります。  全ての高校に早期にエアコンを整備したいと知事が先頭に立って寄附を呼びかけられたら、一大ムーブメントになると私は確信します。  造林公社への返済やRDエンジニアリングの処理費など、後始末の予算が全体を圧迫していることが重たいですが、若者の願いに応える生きたお金の使い方に、予算の使い方に意味があり、夢があります。  また、29年度決算で税収が72億円増となったことも報告を受けています。  財源は、4年目整備予定の約10校、約10億円の前倒し分の1年間のやりくりがテーマでできるのではないでしょうか。知事にお伺いします。  2番目の人的課題は、知事の意思によって幾らでも配置ができると思います。また、空調工事を発注する学校数がふえても、共通することが多い業務なので、比例して人員増は要らないとも承りました。  新生美術館の優秀な人材にも期待が向きます。  また、角度を変えると、本業務は法令に基づき、公務員、県庁職員の正職員さんがしなければならない仕事ではありません。民間に委ねても実施できる内容のものです。  ほかにも柔軟な執行方法が考えられます。例えば土木事務所が県下各地で重要な仕事をされています。設備や工事の発注は得意とされており、恐れながら、教育委員会の方よりも建築や電気設備、そして、入札業務などに精通した職員がたくさんいらっしゃいます。県自身が教育委員会職員で執行することを責務とするゆえ、みずからを縛り、ボトルネックをつくっています。人的な問題は、解決が可能と思料します。知事、いかがでしょうか。  3の入札業者選定も、教育委員会で全てを一括して入札しなくとも、現場の高校ごとに入札する方法も可能です。聞くところ、おおむね1校当たり1億円が目安とのことですが、学校ごとに発注、入札、契約してよいとしたら一気に進むのではないでしょうか。  文科省の基準で教室の広さはおおむね同じであろうことから、1教室当たりの標準的工事額等の目安は持てると思いますし、その範囲内であったら認めたらいいのではないでしょうか。全ての県立高校には事務長を初め県職員が人事配置されています。その支払い、返済は、県が履行するのですから、何ら問題なく事業が進捗できると考えます。  先行して冷房整備がされている高校は、多くが後援会やPTAが冷房設置を進めてこられたのであり、実施する力がそれぞれの高校現場にあることは立証されており、有力な方法です。  答弁協議で、現行の方法でも、数がふえても十分にこの方法でも対応できるとの感触も得ていますが、県教委が抱え込み過ぎ、壁を厚くしていることはないでしょうか。これは教育長にお伺いします。  4の工事のタイミングですが、一番長い夏休みは業者選定審査で、工事は計画されていません。土、日、祝日、冬休み、春休みの期間しか工事できない前提では長期化します。静かさに100点満点を目指し過ぎだと思います。一日でも早くつけてほしい学校に調整を委ねれば、先生方、生徒とともに協力が得られ、最も早いものに収れんするでしょう。夜間工事はしないと先決めせず、柔軟な対応を現場の校長先生に委ねればよいと思います。  工事スケジュールの短縮は業者も喜びます。根本的に電源工事と冷房機の設置工事であり、足場が必要としても、事前に過大な制約をかけ過ぎではないでしょうか。教育長、いかがですか。  5つ目の心のブレーキという点は、5年計画でよいと一度決めたので、心が固着してしまう懸念です。  冷房のきいたところで仕事をしていては、困難している高校生の気持ちは実感できませんし、3年で卒業する高校生の親たちの、ことし、たった今つけてやってほしいとの切なる願いと未整備への憤りの気持ちが伝わりません。自分たちの時代は冷房がなかったと思う人は、心にサイドブレーキがかかっています。  プロジェクトXではありませんが、やると目標を掲げたら、そうなるように動き出し、知恵が出ます。何らかの理由で無理と思うと、思考が停止し、解決には動き出しません。  何も月にロケットを打ち上げよと言っているわけではありません。できないレクチャーを受けると、できない思考が頭を占領してしまいます。  高校生の声が耳に届きませんか。まだ10カ月もあります。1万3,000人の喜ぶ政策を選択することができます。  空調整備の有無も、高校間格差を助長している可能性もあります。文科省もエアコンが学習効果を上げるとの視点から、02年度から小中学校への設置補助を設けました。高校の個性化とともに、公平な学習環境の実現に対して責任があります。  知事も教育長もこの暑さの中、同じ授業料で、冷房の中で勉強できている高校生と、暑い中で扇風機さえない高校の格差に心を痛めておられると思います。  全ての高校に行き渡るまで教育委員会の冷房をとめるべきかどうか、ディベートするとよいと思います。  予算がないを常套句に不感症になっていませんか。できることをできないことにしていませんか。防災や命の問題になってきた冷房の整備をテーマに、学校設置者として早める決断をしていただくきっかけにと御質問申し上げました。  BBCを通して多くの高校生も注目すると思います。教育長には猛暑、文科省通知を受けての2度目の御英断を期待しています。  知事が予算に対し過大な内容の新生美術館の事業を立ちどまると英断されたことに賛意を示し、過酷な暑さに鑑み、若者に夢のある滋賀県政を実行するために、空調整備を予定より早める御英断を期待し、県の責任について、知事の御所見をお伺いします。 ○議長(川島隆二) 6番海東英和議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)県立高校の空調設備の設置について、私には3点御質問賜りました。  まず、1点目、財源確保についてでございますが、財政収支見通しの中でお示ししておりますとおり、本県財政は、今後決して楽観できない厳しい局面を迎えると認識しております。  見込まれる財源不足に対応するため、既に収支改善の検討に着手しており、御指摘のあった寄附金を初め、歳入全般について充実、強化の方策を検討しておりますほか、大規模事業についても経費の縮減に向けて必要な精査を行っているところでございます。  今後、これらの取り組みに加え、既存事業の見直しについても検討することとしており、まずは、歳入確保や大規模事業の精査、事務の効率化等にしっかり取り組むことで、既存事業の見直し額をできる限り縮減し、県民サービスに与える影響を最小化してまいりたいと存じます。  また、このように財政的に厳しい状況にありましても、県立学校の空調設備の整備を初め、必要な投資については、財政負担の平準化に留意しながら、計画どおりしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  2点目、人的課題についてでございますが、空調設備の整備に当たりましては、現在、教育委員会事務局に必要な人員を配置し、日々の作業を進めてもらっております。  今後とも業務の質と量の両面を十分勘案の上、必要な体制を整えていく考えではございますが、これまでから行っている教育委員会事務局への建築職の配置や、部局横断による技術的支援のもと、効率的かつ効果的に業務を推進してまいりたいと存じます。  3点目、県の責任についてでございますが、県立学校における空調設備につきましては、近年の酷暑に鑑み、学習環境の改善を図るため、県事業として実施する決断をいたしまして、平成29年度からの5年間で整備に着手することとしたところでございます。  少しでも早く快適な教育環境で授業を受けられるよう、残り3年で全ての県立学校への整備に着手し、取り組んでいるところであり、最終年度は、おおむね全ての普通教室に空調設備が完了している学校に対し不足分を補う工事を予定しておりますことから、普通教室等に空調設備が未設置の県立高校に対しては、平成31年度、平成32年度の2カ年で整備に着手することとしております。  厳しい財政状況の中ではございますが、県立学校の空調設備につきましては、計画をおくらせることなく、しっかり対応していくことが県の責任であると考えますことから、計画どおり着実に空調整備を進めてまいりたいと存じます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)県立高校の空調設備の設置についての御質問のうち、私にいただきました2点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の業者選定についてであります。  県立学校の空調設備につきましては、多額の経費を要することから、5年計画の中で効率的かつ効果的に整備を進めていく必要があると考えております。  業者選定に当たりましては、学校が単独で発注するよりも複数校をまとめて発注するほうがスケールメリットが働き、整備費用を抑えることができること、また、プロポーザル方式で発注することにより事業者のノウハウが活用できること、あわせて地域経済の活性化も重要であると考えておりますことから、県内企業が参画しやすいような発注単位とすることなどから、教育委員会事務局で一括して発注をしているところでございます。  さらには、平成29年度、平成30年度と教育委員会事務局で空調整備の発注業務を行っており、一定ノウハウの蓄積も進んでおりますことから、これまでどおり教育委員会事務局で執行を続けるほうが効率的であるというふうに考えております。  次に、2点目の工事期間の制約についてお答えをいたします。  空調設備の整備につきましては、原則として生徒の学習に影響が出ない土曜日、日曜日、祝日、また、学校の冬休みや春休みの午前8時半から午後5時までに実施をすることとしております。  状況に応じまして平日の放課後の時間帯に工事が可能な場合もありますことから、契約後に各学校と業者が調整をし、学校運営に支障のない範囲で、また、地元等にも十分配慮した上で、工事実施日を決定しているところでございます。  こうしましたことから、工事期間等につきまして、教育委員会事務局、学校、いずれの場合の執行においても同じようになるというふうに考えております。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)再問させていただきます。  計画を早められないかということについて、知事は計画どおりやるというお答えですが、これを争点にしているわけでございまして、工夫ができないかということの議論を議会にさせていただいているわけであります。  1つ漏れていたのが、平成31年度、いわゆる来年度予算でするものを来年度の夏の暑くなる前に完了できないかということも盛り込んで質問したと思うんですが、それは技術的に可能でしょうか。  まさにそれができれば、残りの32年度に約10校残るわけで、その分について既に予算措置も考えられている分を前倒しでする、利息とは言わんですけれども、その分の予算の手当てぐらいできるだろうという発想から申し上げているわけでございます。  知事は、文科省通知は知事宛てにもなっているのを御存じですか。それをどのように受けとめておられますか、お読みになりましたか。  それから、こんな声を高校生から聞きました。いつの間にかぼーっとしてしまって、重要なことなのに集中できない。例えば模試も冷房のある教室とない教室で受けているのはハンデがあり過ぎる。これを積み重ね、進路を判定されるのは余りにも悔しいとか、模試のときに汗で試験用紙が腕にひっついて、試験用紙が濡れて字が書けないんだという話もありました。  設置者として、学習環境の格差の放置、また、文科省の指針の28度以下を提供できていない責任について、知事はどう思われますか、再度お尋ねします。  そして、この28度以下の学習環境が必要だと思ったら、イベントのようにリース会社から電源機械と冷風機を教室に入れることは知事の御判断で可能です。  22の未整備校の1万3,780人にどのように、やっぱり、メッセージを送るか、励ますかということが大事だと思います。  私もリース会社から教室ごとに冷風機をレンタルして、28度以下の学習環境を保障する責務があると最初考えました。そして、電源が要るので、工業系や総合学科の学校は電力に余力があるんちゃうかなとか、いろいろ考えてみたんです。しかし、32年度分を前倒しにできたら、そんな難しいことを考えなくて済むんです。  教育委員会の事務方は、大分やり方もなれてきたので、現行の方法で、少し人的にバックアップしてもらえれば、やり切ることができるというニュアンスも私に返してくれています。  現在の担当者が、大変教育委員会頑張っておられることも知りましたので、教育長からはおねぎらいをいただきたいと思うんですが、やっぱり、執行者としてもう一度ゆっくり、しっかり考えてほしい。きょう結論をいただけるとは思っておりませんが、再考、熟考することをぜひ御検討いただきたいと思います。  そして、資金に関して、目的が明確であるならば、ファンドレイザーを雇用して、そして、寄附金を獲得するという方法もありますし、今あるお金で足りないというこの滋賀県庁の独特の風土というものに一石を投じることができるのではないでしょうか。  何人の方が使われるかわからない高いところから水の中へ飛び込むプールの話もありますが、やっぱり、この前倒しについて、設置者の責任として御検討いただきたいと再度御質問を申し上げます。 ◎知事(三日月大造) 再質問にお答えをいたします。  答えそのものは、私が先ほど申し上げた、計画どおりやらせていただくということなんですけれども、それぞれ年度年度に今計画を立てておりますので、その計画を、その年度で決められた事業はその年度内にできるだけ早く完結できるようにしっかりと取り組みをするということだと思いますし、もちろん空調設備のこともあるんですが、トイレの整備など、この間いろんな御指摘を受け、この間整備できてなかったことも含めて現在取り組みを進めているところでございますので、そのあまたある財政需要の中で、この学校の空調設備の整備についてもしっかりと計画どおり進められるように行っていきたいと思います。  また、一部ファンドレイジング等、柔軟なやり方もということもございますが、もちろんそういったことになじむ事業等については、そういったことも試行しながら行ってまいりたいと思いますし、今回のこの空調設備の整備については、現在立てている計画のとおり、これを執行するのも私はある意味では責任があると思っておりますので、しっかりと行ってまいりたいと思います。  また、冷風機のことにつきましては、議員も御質問されながら一部言及いただいておりましたが、かかる費用との見合いの中で、こういったものをリースの上、設置をするということは困難だと考えているところでございます。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)私は、プールをするためにもぜひ前倒しで高校生に冷房を入れてくれと言っておりますので、ぜひ応援をお願いしたいと思います。  改めて、知事にもう一度聞かせてください。計画どおりということですが、計画を立てたときにこの暑さは想像しておられましたか。状況が変わった、状況が変わったら対応を変えるというのが世の中の当たり前のことじゃないでしょうか、再度お伺いします。 ◎知事(三日月大造) 平成28年度に立てた平成29年度からの5年間で、それぞれ未設置、未整備であった学校に対して整備をするという計画に基づいて実施をしていくということでありますし、もちろん計画を立てたときに想定してなかったことがあったとしても、この計画を遵守して整備ができるように取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)知事、どうされたんですか。知事の真心、やる気、行動力、今こそよいほうに向かって発揮していただくことを県民は熱望しています。ぜひとも教育長と再検討され、財政のレクチャーもあったとは思いますが、美術館のよき英断、立ちどまるという英断、これはこれでよき結論を得るために、どうぞ再考をお願いして、私は次の質問をさせていただきたいと思います。断ってしまわないでください。高校生がほんまにもう待っているんです。汗を落として、タオル何枚も高校へ持っていっているんです。まだできてない高校を申し上げますね。堅田高校、北大津高校、瀬田工業高校、彦根工業高校、長浜農業高校、八幡高校、八幡工業高校、八幡商業高校、八日市高校、八日市南高校、湖南農業高校、栗東高校、甲西高校、水口高校、水口東はいってますが、信楽高校、日野高校、能登川高校、伊香高校、高島高校、安曇川高校、大津清陵高等学校、大津清陵高校の馬場分校ですか。みんな待っています。そして、これは知事ならできることです。御検討を再度要請いたします。  済みません、時間がないので、次に、災害時対応の改善についてを御質問します。  今回の大阪北部地震、米原市を襲った竜巻、西日本を襲った豪雨の被災者の皆さんに謹んでお見舞いと、とうとい命が失われたことに悲しみはいかばかりかと拝察し、哀悼の誠をささげます。  さて、本年3月に滋賀県災害警戒本部のメンバー構成や運用等が見直されました。今回の大阪北部地震では機敏な対応をされた旨、報告を受けています。見直し改善された効果がどのような場面にあらわれたかお聞かせください。また、課題は、どんな点が見つかったでしょうか。  学校のブロック塀も速やかに調査されたことはよき御判断と存じます。通学路のブロック塀は、どのように点検、対応をされる計画でしょうか。  今回の大阪北部地震は、教訓に満ちていると思います。JRの点検業務に当たる人たちも出勤ができず、再開まで大変時間がかかりました。県庁職員さんも電車に閉じ込められたり、県庁に到達するのに御苦労された方がたくさんおられたと拝察します。安否確認等も初めてされたのではないでしょうか。臨時職員さんに安否確認が行き届かなかったという声も耳にしましたが、どうでしたか。  ある県庁に向かっていた職員さんは、トンネルの中で地震が起こり、JR琵琶湖線が緊急停止し、2時間半閉じ込められたままだったと伺いました。帰宅時間になっても電車は復旧していなかったので、いわゆる一時帰宅難民の当事者にもなられたと思います。  今回の地震と大雨による公共交通機関運休時の県庁職員さんの経験が集約され、組織の教訓として生かされるように願っています。それらの内容について、わかっていることがあれば教えてください。  そして、このことについては、どうでしょうか。親たちが出勤も帰宅もできない状況となったとき、子供たちが学校にいる時間帯で災害の発生や警報等が発令された場合に、家族に迎えに来させることが常態になっていないでしょうか。 ○議長(川島隆二) 海東議員に申し上げます。今おっしゃっている質問、それぞれ答弁者を指名してください。 ◆6番(海東英和議員) はい。最初のところの防災のところが総合政策部長であります。そして、これから教育にかかわる部分は教育長、そして人事にかかわる部分は総務部長にお願いすることに、よろしくお願いします。  地震も大雨も竜巻も、竜巻はさらに想像を超えますが、一般の民家より耐震力のある学校は、地域で一番信頼できる安全な建物です。安心のとりでと言えます。もっとも、親も帰宅手段が絶たれている場合、子供を責任持って保護していただけると安心と思うのですが、どうでしょうか。どんなときも学校へ子供を迎えに行くこと、保護者引き渡しが当然で、子供を学校で保護することが想定されていないように思いますが、危険な場合、親が迎えに来られない場合、子供が学校に残ることを妨げるようなルールがあるのでしょうか。  帰宅困難でなくとも、医療や介護の現場を支える方々、子供を迎えに行けない状況が想定されます。消防団員もそうですし、公務員の皆さん、警察や自衛隊、消防職員さんも同じです。大災害になったら、学校が避難所にもなります。そこまでいかないまでも、地域の安心のとりでとなる心構えで対応を御準備いただきたいと思うのです。  先生に押しつけようとは思っていません。地域でお世話する人と役割を考えておくことを提案したいです。子供を帰らせる対応と、安全のために学校にとどめ置くことの両方のマニュアルが必要であると考えますが、どうでしょうか。  子供たちを待機させ、場合によっては宿泊させる場合の対応方法、物資の調達をしっかり考えておくことは意義があると思いますが、現状はどうでしょうか。  地域で危険な家に帰れというのは、熊本の教訓とも関連すると思いますが、最悪の場合の想定が足りないと思います。災害級の大雨の予報が出て、電車が既にとまっているのに、遠い高校へ安全な方法で登校できる人はせよとか、わざわざ行ったのに、間もなく休校にするので帰宅せよとかいうことが今回はふくそうしたように聞いています。発令の内容やタイミングも一考の余地があると思います。  災害の対応について、僣越な物言いで恐縮ですが、県立高校も市町の小中学校も含め、学校の都合より生徒の安全第一で対応が貫徹するよう、改めて学校の災害対応の改善を御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いします。 ◎総合政策部長(福永忠克) (登壇)私にいただきました災害警戒本部の見直しについてお答えをさせていただきます。  平成29年、台風第21号の教訓を踏まえまして、部局全体に係る被害状況等を把握し、迅速、的確な判断を行うため、各部局の次長を本部長とする、また、廃止を本部長が判断するなど、本年3月に本部体制の見直しを行ったところでございます。
     今回の大阪北部地震に際しましては、地震発生直後の6月18日午前8時に西嶋副知事を本部長とする災害警戒本部を設置し、同日午前9時30分に第1回本部員会議を開催したところでございます。  その後も、余震の状況等も踏まえ、6月25日まで定期的に7回の本部員会議を開催いたしました。  この間、情報収集はもとより、ブロック塀等の安全点検や、被災地への支援等、全庁にわたって緊急に対応が必要な取り組みについて情報共有し、次長による大局的な協議調整を行うことができたと考えております。  今回の地震に対しましては、初動対応も含め災害警戒本部の運営については、特に大きな問題はなかったものと考えております。 ◎総務部長(藤本武司) (登壇)私にいただきました2点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の大阪北部地震発生時における県庁職員の安否確認の状況でございますが、滋賀県地域防災計画におきましては、震度5弱以上の地震発生時、職員はみずからの安否を所属に報告することとされておりまして、安否確認システムを利用した報告のほか、システムに登録されていない臨時的任用職員等につきましては、電話やメールにより報告することとされております。  安否確認システムを利用した報告は、平成26年度にシステムを構築して以来、今回の大阪北部地震が初めて稼働する機会となりましたが、所属の情報が更新されていない職員がいるなど、課題も明らかになりましたことから、今回の地震を教訓に、改めて通知を発出し、地震発生時における職員の安否確認と報告方法等について徹底を図ったところでございます。  次に、2点目の大阪北部地震や大雨による公共交通機関運休時の県庁職員の経験から教訓とすべき内容についてということでございます。  大阪北部地震が発生しました6月18日は、JR琵琶湖線等が22時までに運転を再開をいたしましたため、帰宅できないという職員はいなかったと思われますが、帰宅時間が深夜にずれ込んだ職員もおりました。  また、大雨により、あらかじめJR各線の終日運休が予告をされておりました7月6日につきましては、災害対応のため、多くの職員が、ふだんJR等を利用している職員が、自家用車で県庁に登庁した職員も多くおりましたため、交通渋滞が発生するとともに、周辺の駐車場が満車となり、駐車場所の確保に苦労する職員が相次ぐなどの課題が明らかになったところでございます。  これらの経験を教訓といたしまして、公共交通機関の運休時における駐車場所の確保等について、現在検討をしているところでございます。 ◎教育長(青木洋) 災害時対応力の改善についての御質問のうち、私にいただきました4点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の通学等の安全点検についてでありますが、国が定めました登下校防犯プランに従い、現在、文部科学省からの通知を受け、市町教育委員会において、防犯の観点による通学路の緊急合同点検を警察や地域ボランティアとも連携をし、9月末までをめどに実施をしていただいているところでございます。  県教育委員会といたしましては、この合同点検にあわせて、防災の観点から、ブロック塀などの危険箇所についても点検をしていただくよう依頼をしたところでございます。  この点検により見つかりました危険箇所への対応につきましては、まずは市町において、各学校で子供や地域の見守りボランティアへの注意喚起や、通学路の見直しなどの対策を実施していただきますとともに、ブロック塀など民間所有の危険箇所への対策について、どういった対応が可能なのかも含め、市町教育委員会や関係機関、部局とも情報交換や協議を進めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の学校に子供が残ることを妨げる決まり事があるかとの御質問についてお答えをいたします。  災害発生時の緊急時に安全を確保するため、子供を学校にとどめ置くことを妨げる決まり事といったものはないものと認識をしております。  次に、3点目の子供を自宅に帰らせる場合と学校にとどめ置く場合の両方のマニュアルが必要ではないか、さらに、子供を学校に宿泊させる場合の対応について、お答えをいたします。  学校では、原則といたしまして、災害発生時には児童生徒の安否を確認した後、状況を見て保護者へ引き渡しをし、下校させることとしております。  しかし、通学路や家庭、地域の被災状況により、下校させることが危険であると判断した場合は、校舎内に緊急、一時的に待機させることとなります。  さらに、校舎内に待機させることが長時間に及ぶようであれば、必要に応じて市町防災担当課、消防、警察等への支援を要請することになります。  また、学校自体が被災するなど校内が危険である場合には、避難場所に誘導することとなります。  議員御指摘のさまざまな想定につきましては、学校防災マニュアルに書き込まれているところでございます。  次に、緊急時に子供が学校に宿泊する場合の対応についてでありますが、保健室や集会室など、宿泊所として利用可能な場所を確認をしておくこと、また、物資の支援を受けられるよう防災担当部局等と連携体制を築いておくことなど、学校の状況に応じた対応を想定しておくことが重要であるというふうに考えております。  最後、4点目の学校の災害対策の見直しについてお答えをいたします。  学校防災マニュアルは、災害発生時のさまざまな状況を想定をし、子供の安全確保を最優先に考えた安全対策を明確にし、全教職員の共通理解を図り、迅速かつ適正に避難行動が実践できることを求め、作成をしております。  さらに県教育委員会といたしましては、各学校において計画的に避難訓練を実施し、マニュアルの内容を検証し、必要に応じた見直しや改定を加えるよう指導をしておるところでございます。  今後とも、議員御指摘のとおり、実際に発生をした災害や被害状況から多くのことを学び、さまざまな状況を十分に想定をした上で、より実用的な学校防災マニュアルの整備に努めますとともに、地域の力もかりながら、子供たちの安全を第一に考えた対応となるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(川島隆二) 海東議員に申し上げます。質問に対する答弁者をわかりやすく指名願います。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)失礼しました。  ぜひ、学校の存在というのは地域の安心のとりでであると思いますので、そのことも十分留意して見直しをし、改善を続けていただきたいと要望いたします。  では、次、3つ目の国道161号の可能性と課題改善についてを質問します。  ちょっと前後入れかわりますが、まず、土木交通部長にお尋ねします。  県民の方に聞かれます。わしが死ぬまでにできるんか。バイパスのことです。ずばり県は、白鬚神社付近をいつごろ完成させようとお考えなのでしょうか。バイパスとか道路というのは、全線が完成しないと効果は発揮されないと思います。  国道161号の小松拡幅から白髭神社の前後については、前回定例会議で清水議員が質問されましたが、県は明快なお答えに至りませんでした。いまだにルートと方法が国と合意できていないようです。先が見えてきたでしょうか。当初の琵琶湖へ張り出し4車線の整備計画を県が認めないことから、計画変更せざるを得なくなったという流れであり、国の立場をおもんぱかると、県は、直轄国道とはいえ、早急にルートを合意いただけるように誠実にお願いを重ね、汗をかく責任があると思います。京都新聞が先んじて報道しましたが、ことし2月の議会以降の状況はどうなっているでしょうか。  次に、これも土木交通部長にお尋ねします。  白髭神社前は、県下一危険と言われて久しいです。カラー舗装になり、注意喚起はされていますが、日本遺産で立ち寄る人がふえ、ビワイチの自転車も言わずもがなで、危険度は増しています。横断者に急停車、急減速する車両に後続車が急ブレーキを踏んだり、追突する事故が減らないようです。  道も琵琶湖の上も真っ当な安全対策がされないのに、県は広報でPRし過ぎではないかと怒っておられる方もいらっしゃいます。危険箇所での右折禁止を誘導するなど、さらなる安全対策が必要と考えますが、県の考えをお尋ねします。  次に、これも土木交通部長にお尋ねします。  また、国道161号ルートの関連で、敦賀─高島間において新たなトンネルの可能性を調査する動きが福井県敦賀市にあり、予算も計上されていると聞きます。県は、どの程度把握をしておられるでしょうか。  ここからは総合政策部長にお尋ねします。  福井県とはインバウンド誘客を初めとする広域的な観光連携の取り組みや、平成28年度から福井県・滋賀県知事懇談会が開催されるなど、緊密な連携関係の構築が図られようとしていると聞き及んでおります。  今後、北陸新幹線敦賀駅開業や、サンダーバード、はるかの運行、敦賀港とウラジオストク航路の計画など、広域連携の視点で、福井と滋賀の隣接県知事の一層の対話が必要と思いますが、どのようなニュアンスでしょうか。今後、広域的な事業を手がけていくためには、まずは事務レベルでの福井県との政策検討機関の設置が必要だと思います。広域連携を所管されている総合政策部長にお尋ねします。 ◎総合政策部長(福永忠克) 私にいただきました福井県との広域連携についての2点の御質問にお答えいたします。  まず、福井県知事との対話についてでございますが、平成28年秋に福井県との知事懇談会を再開し、以後、毎年1回両県で交互に知事懇談会を開催しております。  また、近畿ブロック知事会議や中部圏知事会議、先日も行われましたが、全国知事会議においても、同席した際には親しく意見交換をする機会があり、知事同士、緊密な対話をされているものと考えております。  また、昨年7月からは、福井県知事が世話役を務められている自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワークに本県も新たに参加をし、地域の共通する課題に対応する取り組みも共同で行っているところでございます。  平成23年度以降、残念ながら職員レベルの研究会しかない時代もございましたが、現在は、両県知事の間で、さまざまな機会を通じて緊密な対話が継続して行われているものと認識をしております。  次に、事務レベルでの政策検討機関の設置についてでございますが、福井県との知事懇談会では、鉄道、道路のアクセスの向上、敦賀港の利用促進など基盤整備、また広域観光の促進、さらに原子力防災対策の連携などが話し合われまして、毎年、合意した内容について合意事項としているところでございます。  その合意事項につきましては、直ちに両県でしっかりと対応を進めており、その進捗状況につきましても、毎年の知事懇談会で報告し、共有をしているところでございます。  今、お答えをいたしました知事同士の懇談から、広域連携担当部局同士の連携、また、個別の事業担当部局同士の取り組みに至るまで、政策を検討する仕組みは一定できているものと考えており、議員御指摘の広域的な構想につきましては、今後、広域連携担当部局においてしっかりと検討してまいりたいと考えております。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) (登壇)国道161号の可能性と課題改善について、私にいただいた4点の御質問にお答えします。  まず1点目、白鬚神社付近の完成時期についてでございます。  白鬚神社付近を含む小松拡幅事業については、一日も早く完成していただけるよう、この5月と7月に国土交通省、財務省に要望を行ったところでもあります。  現時点では、計画案が定まっておりませんので、残念ながら完成時期をお示しすることはできませんが、事業を進めている隣接の北小松工区に引き続き、白髭神社についても、おくれることなく進めていただくよう、これまで以上に国に働きかけてまいります。  次に2点目、白鬚神社前後の道路計画についてでございます。  国には白髭神社付近の最適な道路計画を検討していただけるようお願いしているところですが、残念ながら、まだ定まっていないのが現状でございます。  県といたしましては、どのような計画が最良となるのか、今後とも国と緊密に連携し、一緒に考えてまいりたいと考えております。  なお、計画案が定まれば、県が行う都市計画変更の手続を速やかに進めるなど、県といたしましても、できる限り早く着手していただけるよう努力してまいりたいと考えております。  3点目、白鬚神社付近のさらなる交通安全対策についてお答えします。  白鬚神社付近の安全対策については、これまでから国において、警察、市、県など関係機関や学識経験者から意見をお聞きしながら、さまざまな安全対策を実施され、交通の安全確保に努めていただいたところでございます。  一方で、近年の来訪者の増加により、議員の御指摘のような交通安全上の課題が生じていることも認識しております。  引き続き、ビワイチ利用者や地域住民の声を国にお伝えするなどして、より実効性のある対策が講じられるよう、引き続きお願いしてまいりたいと考えております。  最後に4点目、敦賀─高島間の新たなトンネルについてです。  敦賀市がホームページで公表されている地方創生の取り組みの中で、トンネル整備についても触れられておりますが、詳しい内容までは承知しておりません。今後、情報収集を進めてまいりたいと考えています。 ◆6番(海東英和議員) (登壇)敦賀との交流の拡大ということについては、これからの課題でもありますし、大いに関心を持って御研究、御検討をいただきたいと思います。  安全対策につきましては、県も、地元の市もそうですが、やっぱり、観光振興ということで広くPRすることによって、大変遠いところからも車で訪ねてこられ、うろうろと見ながら、急に、駐車場に入りたいがために右折をしようと、とまられると。あそこは結構高速で車が走っていますので、その車が混乱を引き起こすということがたびたびございます。  そしてまた、北行きに関しても、白髭ビーチがこの夏、新たなアトラクションをたくさん入れられて、白髭神社前を通過して、北向きに2車線になって、さあスピードが出たところの追い越し車線に停止車両があるという状況がこれからも頻繁に起こっていきますので、いっそのこと通過していただいて、ちょっと遠回りになりますが、迂回をして、安全にそれぞれ御利用いただく。右折をしないように誘導するような政策も可能ではないかと思いますので、どうか御検討をいただきますようにお願い申し上げ、そして、改めて子供たちの現状を把握していただいて、最初の質問ですが、丁寧な御検討をしていただくように要望いたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、6番海東英和議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時3分 休憩    ────────────────   午後0時59分 開議 ○副議長(生田邦夫) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、22番目片信悟議員の発言を許します。 ◆22番(目片信悟議員) (登壇、拍手)生田副議長のお許しをいただきましたので、早速ですが、発言通告に従いまして、健康しがの構築に向けて、社会の健康という観点から、再犯防止の推進、更生保護への理解と地方自治体の役割について伺ってまいります。  人生というのはわからないもので、私も保護司さんのお世話になることはあっても、保護司となって人のお世話をするということになるとは夢にも思っておりませんでした。(発言する者あり)はい、ありがとうございます。  なぜこういう取り組みに、私自身も興味を持って取り組みをさせていただいたかというと、実は、刑務所受刑者1人当たり、年間幾らのコストがかかっているかということをお聞きをしたときに、1人約300万円から400万円、刑務所に入っておられる方にかかるコストがそれだけかかっているということをお聞きして、こういう皆さん方が社会で活躍をいただくことによって、被害になられる方も減りますし、逆に、そうしたコストも軽減をされる。これはいいことだらけではないかというふうに思ったところから、こういう取り組みに私自身、一つのライフワークとして取り組みをさせていただいておるところでございます。  また、三日月知事におかれましては、初当選をされて以来、この再犯防止の推進、また、更生保護の取り組みについて、格段の理解を持って取り組んでこられたと私自身は評価をさせていただいております。  また、今議会開会冒頭での所信表明におきましても、人口減少、また、超高齢社会の迎える中で、全ての人に居場所と出番がある、共生社会づくりに向けた取り組みを進める、具体的には誰一人取り残さない社会の実現を目指し、多様な交流の場や居場所の創出、再犯防止の推進などに取り組むと明言をされました。大変心強く思います。  あわせて、犯罪被害者の方に対するケア、さまざまなサポートにも熱心に取り組まれ、被害者の心身の傷が少しでも癒やされますよう、さらなる取り組みをお願いするものでございます。  私は、こうした犯罪による被害者が少しでも減少するように、極端に言えば、ゼロにしなければ社会が健康であるとは言えないと思います。そして、そのためにも、罪を犯す人間をなくす、初犯であれ再犯であれ、一人でも多く犯罪に手を染める人間を減らしていくことが重要であると考えます。すなわち、加害者が存在しなければ、被害者も存在しないということであります。  こうした状況の中、本県では、再犯防止推進法に基づき滋賀県再犯防止推進計画、以下、推進計画といいますが、これの策定に向け準備が始まりました。  既に県社会福祉審議会では推進計画を検討する専門分科会が設置をされ、11月までに計画案をまとめる方針が確認されたと仄聞をしております。  まず、この推進計画を策定するに当たり、県の方向性、また考え方をお伺いをいたします。 ○副議長(生田邦夫) 目片議員に、質問に対する答弁者をお願いします。 ◆22番(目片信悟議員) 全て知事にお願いします。 ○副議長(生田邦夫) 22番目片信悟議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  保護司として昼夜、愛と情熱を持って御尽力いただいております目片議員から評価をいただいて、大変恐縮しております。  今般、再犯防止推進法において、都道府県および市町村は、地方再犯防止推進計画を策定することが努力義務として定められたところでございますが、本県といたしましては、再犯防止を総合的に推進することにより、県民が犯罪による被害を受けることのないよう、安全で安心して暮らせる地域社会づくりを積極的に進める必要があると考え、今年度内の計画策定を目指すこととしております。  現在、御紹介いただいたように、社会福祉審議会で滋賀県再犯防止推進計画の素案について調査、審議が始まったところでございますが、基本方針といたしましては、関係機関との緊密な連携による再犯防止施策の総合的な推進、また、刑事司法手続のあらゆる段階での切れ目のない支援、3つ目といたしまして、再犯防止の取り組みの広報など、県民の関心と理解を醸成することなどをその基本方針として、今後、検討を進めていただくこととしているところでございます。 ◆22番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございます。  今年度中の策定に向けてということでございますが、平成28年の本県のデータでは、再犯者率が50.3%と大変高い数値になっております。全国平均が48.7%ということでありますから、平均より高い数値が本県では再犯者率があるということでございますが、この計画策定によって、具体的にどのような取り組みを、先ほどもちらっと3つほどいただきましたけれども、さらに具体的にどのような取り組みをされようとするのか、見解をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  先ほど申し上げました社会福祉審議会再犯防止推進計画検討専門分科会におきまして、5点、柱を持って審議をいただく予定でございます。  1点目、刑事司法手続を終了した人が、地域の支援サービスを円滑に受けられるよう、国、民間団体等との連携を強化すること。  2点目といたしまして、仕事についていない人、住居の確保ができない人の再犯リスクが高いということから、就労や住居を確保すること。  3点目といたしまして、高齢や障害、依存症等の方については、福祉的支援があれば再犯に至らないケースもあるとのことから、保健・医療・福祉サービスの利用を促進すること。
     4点目といたしまして、非行の防止と、少年鑑別所などと連携した就学支援を実施すること。  最後、5つ目は、保護司、更生保護ボランティア等の民間協力者の活動と広報、啓発活動を推進すること。この5つを柱といたしまして、今後、審議をいただく予定でございます。 ◆22番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございます。  今、5点の方向性、具体的な取り組みということで、これから審議をいただくということでありますが、今もお話がありました、例えば福祉的な分野でいきますと、最近、高齢者の犯罪というのが非常に大きな問題としてクローズアップされてきました。  また、加えて、障害がある人についても、残念ながら検挙される事案が見受けられます。  まず、高齢者が起こす犯罪の状況というものが、今現状どうなっているのかお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 警察庁の統計によりますと、平成28年の全国の刑法犯の検挙人員のうち、65歳以上の高齢者の割合が約2割ありまして、本県の統計においても65歳以上の高齢者の割合が同様に約2割ということでございます。  また、検挙された65歳以上の高齢者の主な罪名でございますが、これは全国、滋賀県ともに万引きなどの窃盗犯が最も多く、その割合は全国が約7割、本県は約8割ということでございます。  こうした人たちの中には、家族や職を失ったことをきっかけに、地域社会から孤立してしまったり、経済的に困窮したりして追い込まれた末に万引きをする人や、認知症の方で周りの人がそのことに気づかないため、万引きなどの罪に問われることがあるとお聞きしているところでございます。 ◆22番(目片信悟議員) (登壇)それでは、続いてですが、障害のある人が犯罪にかかわっている実情というのはどのようになっているのかお伺いをいたしたいと思います。  実は、まだ、私も対象者を持ったときに、発達障害で御苦労された方を持った経験がございますけれども、非常にデリケートなところで難しい対応を迫られる場面がありました。そういったことも含めて、障害のある方が犯罪にかかわっているということの現状がどうなっているのか、改めてお聞きをしたいというふうに思います。 ◎知事(三日月大造) 正直、現状では、障害のある人による犯罪の統計データはないというのが実情でございます。  ただ、実態をいろいろと聞いてみますと、障害のある人の中には、家族などサポートする人が入院であるとか死別などで、周りからいなくなられたときに、何か困ったことが発生しても相談の方法がわからず、生活が行き詰まり、事件を起こしてしまう人がいるということであったり、刑を終えて刑務所から出所された後、自立が困難な事情があるにもかかわらず、本人が福祉的支援を希望されなかったことから生活が困窮して、再び罪を犯してしまう人がいるということもお聞きしているところでございます。 ◆22番(目片信悟議員) (登壇)そういった状況の中で、そういったことは、今回の推進計画策定以前からある、そういった課題だというふうに思うんですが、そういったそれぞれの部分について、再犯防止に向けて、具体的に何か取り組んでおられるのかお伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 本県では平成21年度から、刑務所から出所後、地域で生活する場所等がない高齢者または障害のある人について、出所後、速やかに福祉サービス等を受けられるよう支援をする地域生活定着支援センター事業、いわゆる出口支援というのを実施しているところです。  また、平成28年度からは、取り調べ段階にある高齢者または障害のある人について、検察庁などの司法機関と福祉の関係機関等が連携してサポート等を行い、その人にとって最善の処遇を行い、地域で立ち直りを支援する刑事手続段階における高齢者・障害者入り口支援事業を実施しているところでございます。 ◆22番(目片信悟議員) (登壇)それでは、平成21年からさまざま出口支援、入り口支援ということで取り組んでおられる結果、改善されているのか、そのあたりの評価というのをどういうふうにお考えか、お伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  例えばさきの答弁で後段にお答えいたしました入り口支援事業の実績といたしまして、平成28年度から2年間の新規相談件数は68件であり、そのうち対象者が不起訴処分または執行猶予等になられたため、自宅やアパート、老人ホームなど地域生活の場所を確保したケースは36件ということでございました。  対象者が円滑に地域生活を継続できるよう、例えば在宅の方への見守りや、施設入所の場合は施設職員への助言等、さまざまなサポートを実施することで、生活環境等の改善が一定図れたものと認識しているところでございます。 ◆22番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございます。  また、障害者差別解消法の実効性の補完などを盛り込んだ共生社会づくりを目指すための条例の骨格が、県社会福祉審議会から答申がありました。  障害があるというだけでなく、それに加えて犯罪歴があった場合、社会の受けとめ方はどうでしょうか。より厳しい目で見られるのは容易に想像できますが、この条例案においては、このような人たちにはどのようにかかわっていくのか、そのあたりの考え方をお伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 条例案については、現在検討中なんですけれども、議員御指摘のとおり、障害があることに加え、犯罪歴がある方については、例えば住まい、住居を探すときや就職時などに深刻な差別を受ける可能性、場合があると認識しております。  共生社会づくりを目指すための条例のもと、そうした差別にしっかりと対応できるようにすることが必要だと考えており、地域生活定着支援センターなど関係機関と連携しながら、実効性のある相談体制をつくってまいる所存でございます。 ◆22番(目片信悟議員) (登壇)これまでからの検挙者数から見ると、初犯、再犯ともに減少傾向にあるということは、関係機関および関係者の並々ならぬ努力のたまものであり、引き続き活発な活動を期待したいと思いますが、加害者がいるということは、どこかで涙している被害者が存在するということを私たちは決して忘れてはならないというふうに思います。  そしてまた、この再犯防止の推進において、私なりにいろいろと考えてみました。  まず、なぜ罪を犯すのか。生活に困窮をしたから盗みをした、人間関係がうまくいかないから暴力を振るった、欲が出てきたから人をだました、単純に身勝手なわがままな動機、それぞれさまざまな要因というものがあると思うのですが、それは人の数ほどあるのかもしれません。そこで、こうした要因を一つ一つ潰していくことで再犯防止につなげることが重要であると考えます。  まずは、仕事であります。働くことで収入を得ることはもちろん、生きがいというものが芽生えるはずです。本県も保護観察対象者を直接雇用されるなど、積極的にかかわってこられました。  まず、県内の市町にも働きかける上で、県が今以上に積極的な姿勢を見せることが必要と思いますが、再度直接雇用に向けた取り組みについてどうか、どのようにお考えか、見解を伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  県といたしましては、平成26年度に大津保護観察所と協定を締結いたしまして、これは議員のお力添えもあって、これまでに1名の方を臨時的任用職員として直接雇用させていただきました。  その後も、大津保護観察所と年数回、情報共有、意見交換の場を持つなど調整を図っておりますが、現状といたしましては、保護観察対象者とのマッチングがなかなか成立せず、再度の雇用には至っていないということでございます。  今後も引き続き、大津保護観察所を初め関係機関と情報共有、意見交換の機会をふやすなど、これまで以上に緊密に連携いたしまして、保護観察対象者の直接雇用ならびに就労支援に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆22番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございます。  民間は、絶えず協力雇用主の皆さん方は、そういった取り組みを常日ごろからされているというのが現状であります。  そういったことも踏まえて、県当局におかれましても、さまざまな事情の中で難しい側面もあるでしょうが、そういった取り組みに向けての連携協力を改めて要請をしておきたいというふうに思います。  そして次に、医療、健康であります。体の調子が悪いと満足に生活もできなければ、仕事にも支障を来します。そういった中で、特に薬物依存については、細心の注意が必要であります。  取り締まり検挙後の立ち直りに向けた対策はどうなっているのか、お聞きをさせていただきます。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  薬物依存症者が回復し、社会復帰するためには、医療機関における治療と、治療の継続と回復に向けた本人や家族への相談対応や福祉サービス等の支援を行っていくことが必要でございます。  治療につきましては、精神医療センターにおいて依存症専門の治療回復プログラムを実施しており、平成29年度には大津保護観察所から保護観察対象者を5人受け入れたところでございます。  また、精神保健福祉センターや保健所では、本人や家族からの相談に対応するほか、関係者を対象とした薬物に関する知識等について学ぶセミナーを開催しており、自助グループや障害福祉サービス事業所と連携しながら、回復に向けて支援を行っているところでございます。 ◆22番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございました。それだけ御丁寧に答弁いただいて、次の質問は飛ばさせていただきます。  こうした取り組みをこれまでから関係機関がそれぞれかかわってこられましたけれども、これからの時代は、地方自治体を中心に関係機関が集まり、独自性を持ちながら、その実情に合った取り組みをする必要があると思います。  滋賀県におきましては、合計9つの保護司会で組織されておりますが、うち7つの保護司会では、更生保護サポートセンターが開所をされており、残り2つの保護司会においても今年度中の開所に向けて、保護司会から基礎自治体に対し、自治体が管理する建物において占有場所の無償貸与の協力要請がなされているようであります。  地域における更生保護サポートセンターでは、保護司が担当している対象者やその家族との面談の場として利用したり、前歴を承知の上で雇用してくださる協力雇用主の開拓、また、地域における他機関との連携など、保護司の諸活動の拠点機能としての役割、そして、地域の実情に応じた犯罪・非行防止活動の拠点という面をあわせ持つなど、安全、安心な地域社会づくりのため、更生保護サポートセンターに大きな期待が寄せられているところでございます。  一方で、地域における更生保護サポートセンターの運営は、処遇活動を行う保護司が兼任しているため、おのずとマンパワーの制限を受けることになります。  加えて保護司には給与の支給がなく、活動費用の全部または一部の実費弁償にとどまるなど、予算上においても制約を受けております。  そうした中、平成30年度から法務省が地域再犯防止推進モデル事業を開始をいたしました。これは、国と地方公共団体が連携し取り組む事業と仄聞しておりますが、本県は本事業について、どのように受けとめ、どう対応していくのか、見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  地域再犯防止モデル事業、こちらは、国と地方公共団体が連携して効果的に再犯防止対策を推進するために非常に有意義であると考え、今年度から始まったこの事業に本県も応募したところでございます。  今般、本県の提案が国のモデル事業として、おかげさまで採択されたということでございますので、先ほど申し上げましたこれまでの取り組みに加えまして、1つは、本県の計画策定や今後の施策検討に必要な実態調査と、もう1つは、雇用主や医療関係者等の理解と協力を進める再犯防止地域支援員設置事業などに新たに取り組んでいこうとしているところでございます。 ◆22番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございます。  今も申し上げましたけど、保護司の皆さんとかそういった皆さん方は、ほぼボランティアでそういった活動に取り組んでおられる、ややもすると持ち出して活動をせなあかんというようなところもございます。  そういうことができるのは、やっぱり、社会をよくしたい、少しでも明るい社会を築きたいと、そういった思いのあらわれということで、それぞれ、議場にも中村議員も保護司さんになっていただきましたので、これからますます御活躍をいただくんだというふうに思うんですけれども、やっぱり、そうした皆さん方の力が再犯防止であれ、また、その立ち直りにさまざまその力が発揮されるのかなというふうに思うんです。  知事も先ほどから答弁の中で、やっぱり、さまざまな機関が連携をしながら情報を共有して、みんなで取り組んでいきましょうという旨の御答弁、県の方針も含めてされてまいりました。しかしながら、そういったことをそれぞれがばらばらにやっていては、なかなかうまく機能しないというのが実際のところじゃないのかなというふうに思っております。  先ほどサポートセンターのお話もさせていただきましたけども、それぞれの地域においては、そういう形できめ細かにそういった活動、対応をされておるんですけれども、やはり、私は滋賀県として、こういった保護司による、保護司会によるサポートセンターとは別に、県レベルで更生保護センターの設立というのは本当に重要な役割をこれから担っていくのかなというふうに思っております。  先ほども申し上げましたけれども、犯罪や非行につながる要因、いわば社会の健康を阻害する要因をなくすために、将来的には県が主導して再犯防止など更生保護に取り組む滋賀県保護司会連合会、また、滋賀県更生保護事業協会、そしてまた、滋賀県就労支援事業者機構などの民間団体が平素から支援にかかわる情報を共有するとともに、一人一人に応じた具体的な支援の実現に向けた連携、協議の場となる滋賀県更生保護センターの設立を目指すということは、大変実効性があり、肝要かと考えますが、更生保護に大変理解のある知事の見解をここで伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 議員御指摘のとおり、一人一人の状況や課題に応じた具体的な支援の実現に向けた連携でありますとか、そのための協議は重要であると認識しています。  そのためには、就労、住居、福祉、医療などさまざまな分野での連携が必要であり、包括的な支援体制の構築が求められているところです。  そこで、県といたしましては、今回のモデル事業において、関係機関や団体が一堂に集まって再犯防止の取り組みに関する実施状況、課題の把握、対策の検討を行う滋賀県再犯防止推進会議の設置を予定しております。  こうした場を活用して、今後どのような支援ができるのか、また必要なのか、具体的な支援のあり方等について、さまざまな関係者の御意見を伺ってまいりたいと存じます。 ◆22番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございます。そうした地域との連携というのは、非常にこれから重要になってくると思います。  例えば保護観察所、国の機関というのは非常に大き過ぎて、例えば滋賀県とか大津市とか、地域で活動している者にとっては、そういった大きな流れの中での活動というのはあるんですが、地域それぞれでいろいろとやっていくと、地域の実情、課題というのが当然あります。そういったことを共有できたり、また、そういったケースがともに学べるような場面というのが、その会議も含めてですけれども、組織立ってそういうことができるというのは、非常に有益であるというふうに思いますので、引き続き、そういったことも含めて検討、また推進をお願いしたいと思いますし、特に、先ほども申し上げました、それぞれの団体さん、非常に苦労をされています。例えば雇用主さんなんかでも、やっぱり、リスクをとって、そういった雇用をしてくださっている。また、保護司さんは、日常の生活の中で、御家庭の中でそういったことを受け入れながら、対象者との面談をこなしたり、いろんな相談に乗ってやっていただいている。そういったことを考えますと、やっぱり、そういった民間のマンパワーだけに頼っているというよりは、地域として、地域ということであれば、県であれ市町であれ、そういった方、行政がどういうふうにかかわっていただくのかというのが非常に重要になってくると思いますので、このあたり、再犯防止に向けての取り組みをさらに進めていくよう要望いたしたいと思います。  最後に、実は、自民党本部からもこの再犯防止の推進に向けて、我々県議団にも要請がございました。  1点目に再犯防止推進計画の策定、これはただいま県がこれから取り組んでいただく部分であります。そして、2点目に保護司活動の支援強化。3点目に就労確保のための支援強化。これは直接雇用、また、入札優遇の措置でありますけれども、おかげさまで本県は、おおむねそういった要請について既に取り組んでおるところでございます。  あと1点、そうした再犯防止の推進に向けての議員連盟をというようなこともありますので、これについては、我々議会の側がこれからしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。  ただ1つ気がかりになってくるのが、市町の取り組みであります。  特に、就労に至るまで、生活保護の受給や医療面などのサポート、また各種手続など、基礎自治体の役割というのは非常に大きいものがございます。ここでつまずきますと、後々に大きな影響を及ぼすとも考えられます。  県として行き過ぎた指導はできないにしても、再犯防止の推進は健康しが、特に社会の健康に大きくかかわってくると思いますけれども、今後、市町との連携について具体的にどのようなお考えがあるのか、お伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 今回の計画策定を契機といたしまして、罪を償って立ち直ろうとする人を社会から排除したり、孤立させないよう、ある意味では温かく見守り、また応援し、一緒に頑張っていこうという理解の輪が県全体に広がるよう、県民の皆さんにしっかりと訴えていく所存でございます。  こうした県民の皆さんに理解を求める取り組み、また、立ち直ろうとする人の日々の生活を継続的に支援していくためには、議員御指摘のとおり、住民により身近なサービスを提供している市町に対して期待するところが大きゅうございます。  再犯防止推進法におきまして、市町村においても地方再犯防止推進計画を策定する努力義務がありますことから、本県といたしましては、計画策定に関する必要な情報提供を行うとともに、市町における再犯防止の取り組みが促進されるよう、しっかりと支援をしてまいりたいと思いますので、引き続きお力添えよろしくお願いいたします。 ◆22番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございました。  実は、私も対象者を持っているときに、夜中の2時、3時に電話がかかってくるんですね、ちょっと来てくださいと。そういう、人によっては、誰かにかかわりたいと、そういう人たちも中にはいらっしゃると思うんです。そういった意味で、行政であれ保護司であれ、雇用主さんも含めて団体であれ、さまざまな立場の人がそうした方々に寄り添うことによって、これから一人でも再犯につながるそういった犯罪に手を染める人が減らしていけるということは、すなわちは被害者がなくなるということにもなりますので、ぜひとも今以上の強力な取り組み、推進をお願いしたいと思いますし、国が突出してもあかんし、県が突出してもあかんし、市が突出してもあかん。みんなが同じような気持ちで取り組んでもらうということが一番大事だと思いますので、そのあたり、先ほど申された連携、しっかりと御期待をしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  終わります。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、22番目片信悟議員の質問を終了いたします。  次に、45番中沢啓子議員の発言を許します。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、3項目について質問させていただきます。  異常気温の農業、水産業の影響について、以下、お伺いいたします。  先日来、命にかかわる危険な暑さが続いています。23日には、埼玉県熊谷市では41.1度を観測し、国内の最高気温は5年ぶりに更新しました。7月中旬の平均気温は、近畿地方はプラス3.4度と1961年の統計開始以来、7月中旬としては最も高くなりました。熱中症の症状で病院に救急搬送された人が、速報値で16日から22日の1週間で2万2,647人、2008年の統計開始から最多となりました。  農林水産分野の救急搬送者も330人と、ことし最多となったということ、気温が高い時間帯での農作業を避けることや、小まめな休息と水分補給の徹底、高齢者は1人で農作業をしないなどの対策をして、熱中症にお気をつけいただきたいと思います。  滋賀でも35度を超える猛暑日は、7月で大津で連続12日、東近江で11日、彦根で10日、最高気温が東近江で38.6度、報道によると80年代の10年間で、猛暑日は大津市で20日、東近江市で1日、彦根市ではゼロだったそうです。  また、降水量は、7月5日に朽木平良で276ミリ、柳ヶ瀬で256ミリを記録しましたが、7月9日から17日間、ほぼ雨が降っていません。  気象庁は、少なくとも8月上旬までは高温が続くとして、7月23日夕方に異例の臨時記者会見を開いた同庁の竹川予報官は、命に危険が生じる暑さが続き、災害という認識だ、水分と塩分を補給し、健康管理に十分注意してほしいと訴えられました。  豪雨や渇水だけなく、このような異常気象は、自然を相手にしている農業や水産業にとっては、自然災害と言えるのではないかと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  報道によると、全国でこの猛暑で稲も夏ばてぎみ、今一番心配なのは田んぼの水温だといいます。おいしいお米をつくるためには27度以下が理想的だそうですが、36.4度、もうぬるま湯になってきてしまっています。見た目の品質、米粒の大きさ、出荷する際の等級に響いてくるのではという声もあります。  みずかがみは、温暖化に対応した品種として開発されたと伺っています。ただ、稲は、穂ばらみから出穂、開花は最も水を要する時期であり、この時期には土壌中の水分が不足しないようにと言われています。稲に対してこの異常気象の影響はないのでしょうか、農政水産部長にお伺いをいたします。  近畿の中で、滋賀の農業の経営の特徴を見てみると、平成27年の農業センサスによると、5ヘクタール以上の経営体が近畿27%、滋賀53%と最も高くなっています。市町村別ランキングでも彦根市70%、野洲市63%と、上位15市町に10市町が入っています。  また、10ヘクタール以上の水稲を栽培する経営体の割合が、近畿の平均は17%ですが、滋賀は31%と最も高くなっています。前回の22年から8ポイント上昇しており、農業経営の規模が拡大していることが見られます。市町村別ランキングでも、彦根市53%、米原市44%など、上位10市町に8市町が入っています。  今後は、大規模個別経営、集落営農法人等の担い手への農地集積が一層進むと考えられます。  このような猛暑日が続く中、特に大規模経営においては、高温化への備えが必要と考えますが、その具体的な取り組みについて、農政水産部長にお伺いいたします。  また、滋賀県は、野菜や花卉など園芸栽培も進めておられますが、このような異常気象の影響と対策について、あわせて農政水産部長にお伺いをいたします。  また、異常気象にかかわっては、琵琶湖への影響も気になるところです。滋賀県低炭素社会づくり推進計画の中で、県内の平均気温等の推移の項目で、滋賀県の平均気温は、統計期間1894年から2015年の100年当たり1.3度の割合で上昇しています。  琵琶湖環境科学研究センターのデータによると、琵琶湖表層の水温も気温と同様に上昇傾向にあり、30年間で約1度の上昇が見られますと明記されています。  ことしは、7月26日の水面の最高温度は、琵琶湖大橋で32.5度、美保ヶ崎で33.2度となっています。  猛暑日が続く中、水質に影響が出れば、水産業への影響もあるのではないかと危惧をしています。今回の高温という異常気象の琵琶湖の環境への影響について、琵琶湖環境部長にお伺いします。  また、水産業への影響と対応について、農政水産部長にお伺いいたします。 ○副議長(生田邦夫) 45番中沢啓子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
    ◎知事(三日月大造) (登壇)異常気象の農業、水産業への影響ということで賜りました6点の御質問のうち、私には1点いただきました。  これは、7月の異常気象は自然災害と言えるのではないかという御指摘でございますが、7月中旬以降の記録的な高温に加え、降雨もほとんどない状況が続いてまいりましたが、今後もこういう状況が続けば、農業、水産業にとっても自然災害と言えるぐらい大きな影響が懸念されると認識しています。  将来の日本の気候につきましては、国の報告書、気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート2018によりますと、気候変動により、日本においては将来、真夏日の日数は増加すると予測されているほか、大雨による降水量が増加する一方、無降水日も増加すると予測されております。  農業、水産業は、自然の生態系を利用して私たちの暮らしに不可欠な食料を生産する産業であり、こうした気候変動の影響を最も受けやすい産業だと認識しています。  今後、本県農業、水産業の持続的な発展を図るため、気候変動に適応できる生産技術や品種の改良、普及などに取り組んでまいります。 ◎琵琶湖環境部長(廣脇正機) (登壇)異常気象の農業、水産業への影響についての6点の質問のうち、私にいただきました今回の高温という異常気象の琵琶湖の環境への影響について、お答えをいたします。  琵琶湖環境科学研究センターが7月17日に行った定期調査によりますと、琵琶湖水温は、表層から水深20メートルまでの浅いところでは、過去10年の同じ時期での最大値程度の高温となっておりましたが、北湖の30メートルより深いところでは、例年と同程度の状況でございました。  水質につきましては、環境基準項目であるCODや、その他の水質項目について、いずれも例年と同程度となっております。また、実際に採水調査の現場でも特段の異変を確認はしておりません。  また、植物プランクトンにつきましては、種類としても、これまでから観測されているものであり、量としても例年並みの状況となっております。  このように現時点では、特に異変は見られませんが、琵琶湖の植物プランクトンや水質などの環境は、従前からも、大雨や台風、あるいは少雨などの気象条件により影響されております。  今後、気候変動による気象への影響も考えられることから、琵琶湖の環境モニタリングを継続して行い、その状況を注視してまいりたいと考えております。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) (登壇)異常気象の農業、水産業への影響について、私にいただきました4点の御質問のうち、まず、1点目、稲に対する異常気象の影響についてお答えいたします。  稲は、穂が出てから長期間にわたって高温にさらされますと、稲自体を維持しようとして、より多くの養分を消費してしまい、実りに必要となる養分をもみに十分送ることができなくなります。  このような場合、米粒の全体あるいは一部分が白く濁る未熟粒が発生しやすくなり、品質の低下が懸念されるところです。  また、このまま高温が続きますと、平年よりも成熟が早まることが想定され、刈りおくれた場合に、米粒にひびが入る胴割粒の発生が心配されます。  このため、県では7月20日に高温少雨に伴う農作物管理に関する技術対策を発表し、この中で、水稲については適正な水管理と適期収穫の徹底について情報提供をしたところでございます。  さらに、7月25日には異常高温に関する緊急の担当者会議を開催し、品質低下を軽減し、かつ、食味に影響を与えない範囲での追肥の実施について、関係団体と連携しながら必要に応じて生産者に呼びかけることとしたところでございます。  2点目の大規模経営における高温化への備えについてお答えいたします。  水田作につきましては、例えばみずかがみのように、高温でも収量、品質に影響の少ない水稲品種の開発や普及、水稲栽培における夏場の適正な水管理、高温時の生育に応じた施肥体系など安定生産技術の普及指導を実施しているところです。  また、施肥や防除など、農作業の省力化を図る乗用の高性能機械の導入や、水稲栽培における水管理の遠隔操作やドローンを活用した省力防除など、いわゆるスマート農業は、高温時の作業負担の軽減を図る上でも有効と考えております。  今後も、水田経営の大規模化は進展していくことから、高温時の作業の効率化とあわせて、高温に強いみずかがみの作付拡大や作の分散、収量、品質の低下を軽減させる栽培管理技術の導入を促進してまいります。  こうした技術や機械の導入に当たりましては、国の経営体育成支援事業等の活用を図るほか、現場におきましては、県の普及指導員による指導、支援をしっかりと行ってまいりたいと考えております。  3点目の野菜や花卉など園芸栽培への異常気象の影響と対応についてお答えいたします。  園芸作物につきましては、1つに肥料の吸収が悪くなることによる生育の障害、2つ目に日射量の増大や温度上昇による実の割れや色づきの不良、3つ目に地温の上昇による発芽の不良などによりまして、収量や品質が低下するといった影響が懸念されます。  また、菊では、花の咲く時期がおくれることで、お盆などの需要に出荷が間に合わないなどの影響も心配されるところです。  高温対策として、施設栽培では、施設内の気温や地温の上昇を抑えるため、1つには日よけのための遮光資材の設置、2つ目には水を霧状に噴霧しながら送風する冷房装置の導入などが、また、路地栽培では、施設栽培同様、地温の上昇を抑えるとともに土壌水分の管理を適切に行うため、1つには土の表面を覆うマルチング資材の利用、2つ目にスプリンクラーによる散水などが重要であると考えております。  このため、先ほど申し上げました高温、少雨に関する技術情報の中において、野菜や花卉などの園芸作物についても、高温対策のポイントについて情報提供を行ったところでございます。  今後も生産者団体等と連携し、普及指導員による収量や品質の低下を軽減させる技術の普及、定着とともに、高温に対応した品種の選定導入、さらにはICTを活用したハウスの導入を推進してまいります。  また、これらの技術の導入に当たりましては、国の強い農業づくり交付金における気候変動等によるリスク軽減対策の取り組みメニューの活用や、県の力強いしが型園芸産地育成支援事業により支援してまいりたいと考えております。  最後に4点目の、高温という異常気象の水産業への影響と対応についてお答えいたします。  琵琶湖の表層水温は、水産試験場が彦根港から安曇川河口に至る5地点で毎月1回行っている琵琶湖定点定期観測のことし7月10日の調査結果では26.1度Cであり、平年値より1.2度C高い状況でございます。  また、アユの不漁原因解明に伴い実施しています7月23日の同様の調査では30.2度Cと、琵琶湖の表層水温が最も高い8月の平年値よりも高く推移しておりますが、琵琶湖は広くて、また深く、魚は生息に適した水温の水深に移動するため、大きな影響はないと考えているところでございます。  今回の猛暑に関し、漁業関係者への聞き取りでは、琵琶湖漁業、河川漁業および養殖業のいずれにおいても高温による影響はないと聞いているところでございます。  しかし、気温の高い状態がアユの産卵シーズンである秋まで続けば、河川水温が産卵に適する水温まで下がらなかったり、産卵場が干上がるなど、アユの産卵がおくれ、資源へ影響することも懸念されます。  現時点において、高温による水産業への影響は認められませんが、今後も引き続き、琵琶湖の水温とともにアユやビワマスなどの水産資源のモニタリングをしっかりと行い、高温による影響を注視してまいりたいと考えております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)ありがとうございます。  これからもまだ暑い時期が続きそうだということで予報も出ておりますので、しっかりと注視していっていただきたいと思います。  次に、多様なエネルギーについて、以下、知事にお伺いいたします。  私たちは、東日本大震災および原子力発電所の事故を契機として、エネルギー問題は、国だけではなく国民一人一人が向き合う課題となりました。  世界では、太陽光や風力などの再生可能エネルギーが化石燃料に取ってかわる脱炭素化や、規模が小さい発電設備を蓄電池などと組み合わせ、効率よく地産地消する分散化など、エネルギーの供給や使い方に構造的な変化が起きつつあります。  本県でも原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現に向けてとして、しがエネルギービジョンを平成28年に策定されました。  今回の選挙で、知事の政策提案集でも、原発に依存しない新しいエネルギー社会づくりの項目で、スマートエネルギータウンの推進、下水熱や水素エネルギーの活用、脱炭素社会に向けた取り組みなどが掲げられています。  これからの地域づくりは、電気、ガス、熱等の多様なエネルギーの地域での生成、利用システムの構築や活用によって、地域特性を生かした総合エネルギー効率の向上によるスマートコミュニティーの確立が大切だと考えますが、知事の御所見を伺います。  このためには、エネルギーを見える化して使う、エネルギーの節約にも役立つ、地域によるエネルギー管理システムとして、住宅向けHEMS、商用ビル向けBEMS、工場向けFEMS、それを含んだ地域全体向けCEMSの確立が求められます。また、風力、太陽光あるいはバイオマス等の自然エネルギーを用いた分散型発電の活用の手法として、最近、マイクログリッドという概念が注目されています。  このマイクログリッドというのは、分散型電源と負荷を持つ小規模系統で、複数の電源および熱源がIT関連技術を使って一括管理され、既存の電力会社の系統から独立して運転可能なオンサイト型電力供給システムで、通常は、既存の電力系統と1点で連携されて運用される地域内融通型電力供給システムと言われています。  再生可能エネルギーとメーン電源の最適マッチングシステムによる地域の最適マイクログリッドシステムの開発や活用も検討していくことが求められると考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。  また、EU諸国では、エネルギーの自給政策および水素エネルギー利用までの現実的解決策として、有機廃棄物や廃棄農産物、汚水などからバイオメタンを生成する工場が多数立ち上がっています。  バイオメタンガスは、都市ガスとして使用するためには純化させるコストが高く、現時点では純度に依存しない自動車燃料として使っています。  現在、EUでは、急速に天然ガスへのシフトが進んでおり、世界で既に約2,500万台以上の天然ガス自動車が走行しています。  日本では天然ガス自動車がまだ普及していないので、滋賀県がリーダーシップをとり、天然ガスを使った公共交通やごみ収集車などに活用していく方向が世界的な流れからも有効と考えられ、滋賀県の先端的イメージアップとなると考えます。  単に燃料コストが削減できるだけではなく、世界保健機構──WHOが発がん性があると認定した粒子状汚染物質PM、人体にも影響する大気汚染源となる窒素酸化物NOXが大幅に削減できるので、県として健康しがをうたい上げていくためにも有効だと思います。  あわせて、AIを活用した高度道路活用システム等が考えられます。さまざまな経費をかけて下水を処理するサイクルから有用なエネルギーを再生することが可能になっており、下水、汚泥、家畜ふん尿の活用や、生ごみ、農産物、魚処理工場などのごみ、バイオマスを活用した小規模用のバイオメタンプラント開発により処理に加えて環境によい燃料として活用できることになります。  例えば神戸市では、木質系と食品製造系の地域バイオマスを下水汚泥と集約してメタン発酵し、地産地消型の再生可能エネルギー供給拠点化を図り、自動車用燃料や約2,000世帯相当の都市ガスへの供給により、ほぼ100%有効活用されています。  汚水処理場からのメタン生成と圧縮技術および地域天然ガスバスによる自給自足の交通システム構築という展開も考えられます。  EUでは天然ガストラック、バスに移行しており、1回の充填で1,500キロの走行可能なLNGトレーラーが走っており、昨年6月に高圧ガス燃料容器が国内でも国際基準で使用可能となるよう規制緩和されたことを受けて、日本でも東京─大阪間で商用走行するようです。  天然ガスは、熱量当たりのCO2排出量、NOX排出量が化石燃料の中で最も低く、温暖化対策、健康対策としても重要視されています。さらに、天然ガスの車に汚泥によるメタン発酵した燃料を使用することで、CO2削減量を9割カットする換算になると仄聞をしています。  運輸部門の燃料の多様化とあわせて、下水汚泥のエネルギーへの利活用については検討に値すると考えますが、知事の考えをお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 多様なエネルギーということで3点御質問いただきました。  まず、1点目、スマートコミュニティーに関してでございますが、議員御指摘のとおり、脱炭素化に向けた地産地消型のエネルギー社会づくりを進めていく上では、地域の資源を活用して多様なエネルギーを生み出すとともに、それを一定のコミュニティーの中で融通しながら無駄なく活用する、いわゆるエネルギーの面的利用の取り組みを推進していくことが求められます。  平成28年3月に策定いたしましたしがエネルギービジョンにおきましても、8つの重点プロジェクトの一つにスマートコミュニティー推進プロジェクトを位置づけております。  これまでに琵琶湖の水草や野菜残渣等の未利用資源を有効利用し、バイオガス化や液肥利用を図る琵琶湖里湖循環プロジェクトに係る事業化可能性調査など、地域におけるモデル的な取り組みを支援しているところでございます。  今後ともエネルギー事業者や関連企業、市町などさまざまな主体と連携協力しながら、環境負荷やエネルギーコストの低減、エネルギーセキュリティーの向上につながる、地域の特性に応じたエネルギー利用の最適化に向けた取り組みを支援してまいる所存でございます。  2点目、マイクログリッドシステムについてでございますが、マイクログリッドシステムについては、再生可能エネルギーやコージェネレーション等の分散型電源を用いつつ、IoTや畜電池等の技術を活用したエネルギーマネジメントシステムを通じて、小規模なエリア内で電力需給を総合的に管理していく取り組みであると理解をしています。  このような取り組みは、平常時におけるエネルギー利用の最適化や、非常時におけるエネルギーセキュリティーの確保の観点からも重要なものであると認識しています。  こうした次世代型の電力需給システムについては、スマートコミュニティーを推進していく上でも重要であり、エネルギー事業者や関連企業、市町などさまざまな主体とともに、中長期を見据えながら、その実現に向けて引き続き可能性を追求してまいりたいと存じます。  3点目、運輸部門の燃料の多様化と下水汚泥の利活用についてでございますが、温暖化対策の推進に当たりまして、本県の二酸化炭素排出量のうち2割を占める運輸部門における排出削減は、重要な課題であると考えています。  本県におきましても、滋賀県低炭素社会づくり推進計画におきまして、燃料電池自動車──FCV、電気自動車──EV、プラグインハイブリット車──PHV等の次世代自動車のほか、特に事業者については、ハイブリット車、天然ガス自動車等の多様なエネルギー効率がすぐれた自動車の導入を促進することとしております。  一方、下水汚泥は、エネルギー利用の面でも大きなポテンシャルを有しており、国においても平成27年5月の下水道法改正により、下水汚泥を燃料等として再生利用することが努力義務化されたところでございます。  本県におきましても、平成27年度から湖西浄化センターで下水汚泥の固形燃料化事業を開始するとともに、平成29年3月に見直しを行いました滋賀県下水道中期ビジョンにおきましても、固形燃料化やバイオガス利用など下水汚泥のエネルギーへの利活用について検討、推進することを盛り込んでいるところでございます。  今後、汚泥処理施設の更新にあわせて、最新の知見を踏まえ、バイオガス利用を初めとする下水汚泥のエネルギーへの利活用について取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)ありがとうございます。ぜひとも、さまざまな課題もあるかと思いますけれども、先を見通してしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。  次に、地震等の災害時における情報共有、避難所など学校の対応についてお伺いをいたします。  先月18日に大阪北部を震源とする地震が発生し、ブロック塀が倒れて登校中の小学生の命が奪われました。心からお悔やみを申し上げますとともに、被災者の皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。  大阪北部地震ではJRなど公共交通がとまり、通学、通勤の皆さんは車内に数時間閉じ込められることとなり、その後、電車をおりてトンネルの中や線路上を歩くなどという状況になりました。県庁でも8時半の始業時には53%、終業時に82%という職員の参集状況だったとお聞きしています。  では、全県1区となった高校では、教職員の参集状況、生徒の登校状況はどのような状況だったのでしょうか。  また、高校など学校の安全確保のために、学校安全計画が作成されています。地震等の災害時の対応は、学校で判断をされることとなります。高校では、電車通学の生徒も多く、大阪北部地震の発生時間が7時58分だったということで、既に登校している生徒、電車の中で足どめされた生徒、自転車や徒歩で通学してきた生徒など、さまざまな状況だったと思います。また、高校の対応も始業時間を繰り下げたり、終業時間を繰り上げるなどさまざまな対応をとられてきたことと思います。  豪雨時は、ある程度事前の対応をとることが考えられますが、地震やテロ等は事前に知ることができず、現場での臨機応変な対応が求められます。学校としては、安否確認や授業の対応の判断、生徒や保護者への情報提供などが必要となると考えます。  まず、今回の大阪北部地震においての高校の状況と対応を教育長にお伺いいたします。  今回の地震では、ブロック塀が倒れて、登校中の小学生が犠牲になったこともあり、保護者の皆様は不安になられた方が多くおられたのではないかと思います。保護者の方々と安心の共有が、学校と保護者の皆さんとの信頼にもつながると思います。  小中学校から保護者の皆さんへのお子さんの安否や授業等の日程の変更についての連絡など情報共有はどのような状況でしたでしょうか、教育長にお伺いいたします。  また、JR琵琶湖線の運転再開が21時以降ということもあり、県立大学でも帰れなくなった学生さんに対応されたと仄聞しております。生徒等への帰宅への支援や帰宅困難者に対しての対応も今後考えておくべき項目になったと思います。  琵琶湖西岸断層帯北部での地震発生確率は1.3%と予測されています。今回は、震源地が大阪であっても、このような大きな影響がありました。今回の課題や教訓を生かして、もしもに備えることが大切だと思います。災害時の対応について、今回の課題や教訓をどのように捉え、今後に生かそうとされているのでしょうか、教育長にお伺いをいたします。  また、南海・東南海地震では、今後30年間の発生確率が70%から80%に上がりました。滋賀県でも大きな被害が出る可能性もあります。その上、太平洋沿岸の被害を考えれば、後方支援も求められることと思います。避難所の国際基準──スフィア基準があることを御存じでしょうか。  2年前の熊本地震では、建物の倒壊など地震の直接の影響で亡くなった50人の実に4倍以上の211人の方が災害関連死と認定されました。このうち、避難所の生活や車中泊を経験した人が少なくとも95人、全体の45%おられるとのことです。  災害を生き延びた後に身を寄せる避難所で命を落とすという深刻な事実。平成28年4月の内閣府の避難所運営ガイドラインでは、被災者にとって正しい支援とは、被災者が安定した状況で尊厳をもって生存し回復するためにあるべき人道的対応、実現すべき状況とはどのようなものか、この国際的なプロジェクトで人道憲章の枠組みに基づき、生命を守るための主要な分野における最低限満たされるべき基準をスフィア・ハンドブックにまとめています。今後の我が国の避難所の質の向上を考えるとき、参考にすべき国際基準となりますと書かれています。例えば避難所の女性トイレは男性の3倍必要、トイレの数は20人に1つ必要、1人当たりのスペースは最低3.5平方メートル確保することなど、避難所の最低基準が定められています。徳島県では、平成29年に避難所運営マニュアルにソフィア基準を盛り込まれました。  避難所は、高齢者、障害者、幼児や女性など、さまざまな事情がある人に配慮した運営が求められます。配慮が必要な人が安心して避難生活をできるよう、スフィア基準を活用すべきと考えますが、知事の御意見をお伺いいたします。  滋賀の現状は、まず、避難所として公民館や小学校の体育館が開設されて、次に中学校体育館が開設されるというところが多いかと思います。高校の体育館も避難所に指定されているところが多くありますが、実際には開設されていないことが多いのではないでしょうか。学校にいるときに地震や原発事故が発生すれば、生徒自身が学校へ避難するという状況も可能性があるでしょう。避難指示の人数を見れば、高校の避難所開設も現実感を持って備えるべきと考えますが、教育長のお考えをお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 地震等の災害時における情報共有、避難所など学校の対応について5点御質問いただきましたが、私には1点、避難所の運営にスフィア基準を活用することについてでございますが、避難所の運営につきましては、市町が中心になって対応されるものでございますが、過去の大規模災害時に一部の避難所において高齢者、障害のある人、女性への配慮が不十分などの課題があったと承知をしております。  議員御紹介のスフィア基準は、戦争や災害などにより避難を余儀なくされた人たちの安全と権利保護のため、NGO等が策定した国際的に利用されている基準であり、人道対応に関する最低限の基準を定めているものと承知をしております。  我が国における避難所のあり方を見直し、高齢者、障害のある人、妊娠している人、乳幼児など、さまざまな事情がある人に配慮した避難所運営について考える上で、活用できる部分は多いと考えています。  今般、県では、近年の災害の教訓を踏まえて改定された国のガイドラインや、高齢者、障害のある人など当事者への聞き取り調査等を踏まえ、さらに、この御紹介いただいたスフィア基準を初め、最新の知見も反映した、誰もが安心して利用できるための避難所チェック13項目というものを作成いたしました。  今後、このチェックリストを市町にお示しし、活用いただくことで、誰もが安心して過ごせる避難所となるよう努めてまいりたいと存じます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)災害時の学校の対応についての御質問のうち、私にいただきました4点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の高等学校での状況と対応についてお答えをいたします。  今回の大阪北部地震の発生当日、平常どおりに授業を行った学校は14校ありました。一方、通学時間に公共交通機関が大きく乱れましたことから、始業時刻をおくらせる措置を20校で、また、終業時刻を早める措置を21校でとるなど、適切に対応したところであります。なお、定時制高等学校におきましては、3校において臨時休校の措置をとったところであります。  加えまして、生徒の安否や所在を確認するために、登校していない生徒に対し、学校から電話やメールで連絡をとったり、保護者の皆さんに確認したりするなどの対応もとったところでございます。  また、始業・終業時刻の変更や、公共交通機関の状況、生徒への安全指導などについて、生徒や保護者の皆さんに対しましてメール配信、ホームページを利用した情報提供なども行ったところでございます。  次に、2点目の小学校、中学校から保護者の皆さんへの情報共有の状況についてお答えをいたします。  今回の地震の発生に際し、終業時刻を早める等の措置を行った小学校や中学校におきましても、保護者の皆さんにメール配信や電話にて緊急連絡を行ったところであります。  また、教育委員会におきまして実施をいたしました市町への調査によりますと、児童生徒が無事学校に登校していることを保護者の皆さんにメール配信をした学校は、小学校で約65%、中学校で約42%となっております。
     さらに、保護者の皆さんに安心していただくために、終業時刻に変更がないということを配信した学校もあったと聞いております。  次に、3点目の課題や教訓についてお答えをいたします。  今回の地震では、次の2点が課題があったものというふうに考えております。  1つ目は、学校から生徒に対する情報発信であります。特に、通学範囲が広域である高等学校におきまして、公共交通機関がストップしたことにより、学校からはメールやホームページにより発信を行いましたが、メール配信の登録をしていない生徒、あるいは、ホームページを見に行かなかった生徒に情報が届かなかったという事実があったと確認をしております。  こうしたことから、生徒や保護者の皆さんに学校からのメール配信やホームページといった情報発信の必要性を理解してもらい、特にメール配信における情報発信の仕組みについて、さらに整えていく必要があるというふうに考えております。  2つ目は、児童生徒自身の災害への対応力を高めることであります。  今回のように電車に閉じ込められるなどの非常時には、保護者の皆さん、あるいは、学校にみずからの状況を伝えることや、公共交通機関の関係者を初めとする周囲の大人などに救援を求めることなど、緊急時にとるべき心構えや対応について、発達段階に応じて、あらかじめ指導しておく必要があると考えております。  今後も市町教育委員会や関係機関と連携をし、さまざまな想定のもと、いつ、どこで起こるかわからない災害にしっかりと備えてまいりたいと考えております。  最後、4点目の高校の避難所開設に向けての備えについてお答えをいたします。  本県では、現在まで高等学校が避難所として開設されたことはありませんが、議員御指摘のとおり、大規模な災害が発生した際には、高等学校が避難所として開設されることを想定しておくことは当然のことというふうに考えております。  これまで避難所の開設におきましては、研修会等で扱ってきたところですが、昨年実施をいたしました校長を対象とした研修会において、土砂災害によって実際に学校を避難所として開設をされました広島市の学校から校長先生に来ていただきまして、避難所の開設についての具体的な課題、行政や地域との連携のあり方、また、学校再開に向けた準備等について、実際の体験に基づいた話をしていただくなど、教職員の意識の向上に向けて努力もしているところでございます。  今後とも、学校と市町の防災担当部局との連携を深めていきますとともに、避難所の開設を含め、いつ起こるかわからない災害に緊張感を持って備えてまいりたいというふうに考えております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)ありがとうございます。少し再質問をさせていただきたいと思います。  1つは、教育長がお話しいただきましたメールの部分に関しましては、できるだけしっかりと活用していただくということが大事かなと思っています。少し聞いたところによると、メールの登録が30%台というところもあったということを仄聞しておりますし、災害のときには電話はなかなかつながらなくなると、もっとすごい災害のときにはほとんどつながらなくなるというふうな状況のときに、やはり、メールであったりとかSNSというものが非常に活用されたという今までの災害の中での経験がありますので、ぜひそこの部分は、しっかりと備えるという部分においても、していただくことが大事じゃないかなと思っています。  保護者の方々にとっても、そのときに学校がやっているのかやってないのか、もしくは迎えに行かないといけないのか、もしくは、先ほど海東議員もおっしゃっていましたけれども、迎えに行きたいけれども行けないという状況もあるでしょうし、さまざまな状況のときに、どのような形で安否を確認する、もしくは、それをしっかりと情報共有するということの体制を整えておくというのは、平常時に、今のこういう課題のあったときにしっかりと取り組んでおくということが大事じゃないかなと思いますので、それに関して、再度お答えいただきたいということと、それと、先ほどその課題や教訓の中で、生徒のほうでホームページを見に行かなかったというお話もあったかと思いますが、私がお伺いしましたところ、メール配信されたところは30校、ホームページを更新されてどうだということを書かれているのは26校ということでお伺いをしています。  電車が動くかどうかであるとか、現状がどうかということは、テレビやさまざまな交通機関のところに問い合わせればわかると思いますが、授業がどうなったか、例えば帰ってくださいというか、1講で終わりですよとか、いやいや平常授業をやっていますよということというのは、高校が発信されなければ、高校生が見に行ったところで、わからないという状況になりますので、そのあたりもしっかりと高校として対応していただくようにしていただきたいと思います。  そのような今回の課題に関して、私は、今後すべきことがあると思っているんですが、その件に関して、教育長にお伺いしたいと思います。  それともう1点、先ほどスフィア基準をしっかりと捉えて、また、最新の見地も捉えて対応していただくということ、非常にありがたいと思います。  昨日の塚本議員のお答えの中でも、避難勧告の場合はすぐに避難してください、避難指示の場合は緊急ということで、今まで避難してない人は必ず避難してくださいというような形に指示をしていくというお話がありました。  今までの数を見ていますと、やはり、かなりの数の避難勧告、避難指示が出ていると思います。そう考えたときに、さまざま今後、さらに今までよりも備えないといけないことがたくさんあるのではないかなと思っています。  例えばトイレの問題にしてみれば、今でも洋式化ということは取り組んでいただいていると思うんですが、高齢者の方がいち早く行かれるとするならば、高齢者の方々は、やはり、和式はなかなか使えない。先ほども言っていましたように、やはり、女性の方が多い。女性の方のほうがトイレはたくさん要るというのが現状としてあります。  すぐにトイレの数をふやすということはできないにしても、やはり、トイレに行きたくないから水をできるだけ飲まない、飲まないのでエコノミー症候群になりやすくなるとか、それとか、この酷暑の時期で、もしも避難所が開設ということになりましたら、熱中症という危険もふえてくると思います。そのときに、やはり、具体的に避難所のトイレというのは非常に大事な一つの要因になると思いますので、平常時に、先ほどスフィア基準もしっかりと検討したということを言っていただいていますので、仮設であるとか、さまざまなことをどうしていくかということも考えて、ぜひ今後の活用にしていただきたいと思うので、その1点に関して再質問させていただきたいと思います。 ◎知事(三日月大造) まさに議員がおっしゃったように、平常時から備えておこうと、また、これまでの災害を教訓に、いろいろと御苦労された事例だとか、なくて困られたことなども集めて、これ、県で全てというわけにいきませんので、市町や自治会の皆様方などとも連携しながら点検していこうということで、スフィア基準も参考にさせていただきながら、チェック13項目というものを、ちょうど御質問を受けるからつくっていたわけではなくて、ずっと検討の上、できて、今般、皆様方にお渡しできるということですので、こういうチェックに基づいて点検をし、必要な改善が計画的に行われ、いざというときに本当の意味で役に立つ避難所がつくれるよう、皆さんと力を合わせて取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  まず、議員御指摘いただきましたように、災害時にメールの配信というのは、非常に有効な手段だというふうに私も考えております。学校のほうでいろいろ努力もしておりますが、ただ、このメールの登録するというのは、あくまでも任意でございまして、強制できるものではございません。しかし、この重要性をしっかりと生徒あるいは保護者の皆さんに理解をしていただいて、できるだけ、理想としては全ての者に登録していただくよう努力していきたいなと思っています。  また、学校からの情報の発信です。おっしゃるとおり、一般的な情報はいろんなところから入りますが、学校の授業をやるやらないとか、そういったことは学校でしか発信ができません。そういったことで、今後より一層、適時適切、特に適時、やっぱり、必要なときに必要な情報を流すというのは大切だと思っておりますので、今後しっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。 ◆45番(中沢啓子議員) (登壇)ありがとうございます。  思わぬところで思わぬことが起こるのが災害だと思いますので、ぜひともさまざまなことに心を配ってやっていただきたいと思います。  それとあわせて、現場の方は非常に大変な思いをしてやっていただいていると思いますので、ぜひ現場の方に寄り添った形でしっかりと支援をしていくという形で取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございました。終わります。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、45番中沢啓子議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後2時23分 休憩    ────────────────   午後2時44分 開議 ○副議長(生田邦夫) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、7番田中松太郎議員の発言を許します。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、県民向けスマートフォンアプリについて質問をさせていただきます。  滋賀県ICT推進戦略が本年3月に策定されました。本格的な人口減少社会が到来し、IoT、AI等による第4次産業革命が進行する中、ICTやデータを諸課題の解決や新たな価値の創造に向けた有効な手段として積極的に活用することで、ICTの進歩に的確に対応しながら、県民、企業、大学、各種団体、行政等の多様な主体がICTおよびデータの利活用について方向性を共有し、それぞれの役割を果たしつつ、緊密な連携を図り、5つの重点戦略、ICTでつくる、ICTで守る、ICTで変える、ICTで育てる、ICTを支えるに基づき、施策を推進することとしています。  このうち、戦略に基づき県が取り組む施策を具体化し、着実に進めていくため、各施策における事業の内容や目標等を明らかにした平成30年度版滋賀県ICT推進戦略実施計画が5月に策定されました。この滋賀県ICT推進戦略実施計画では、5つの重点戦略に今年度60の事業が計画されているところです。  さて、総務省のデータによりますと、個人のスマートフォンの保有率は平成23年に全国で14.6%であったのが、平成28年には56.8%と、5年間で約4倍に増加しています。  また、総務省の平成26年全国消費実態調査によりますと、滋賀県におけるスマートフォンの世帯普及率は66.2%で全国1位となっております。最近では、小中学生もスマートフォンを保有する時代となっており、まさに1人1台情報通信端末を持ち歩く時代となってまいりました。  この爆発的なスマートフォンの普及に合わせ、同時に爆発的にふえたのがさまざまなスマートフォンアプリです。  アプリとは、スマートフォンやタブレットに入れて使えるさまざまなソフトウエアのことで、正式にはアプリケーションと呼びます。ゲームやメール、音楽プレーヤーといったソフトウエアのことを意味します。もともとはパソコンの世界から生み出された言葉ですが、スマートフォンの登場をきっかけに、アプリという言葉が一般的なものとなりました。  スマートフォンの普及の背景には、さまざまなアプリが開発されたことで、ビジネスのみならず、主婦や学生、子供からお年寄りまで多様なニーズに対応できるようになったことが大きな要因の一つです。  こうした背景を受け、近年では、全国の自治体においても住民向けのスマートフォンアプリの導入が加速化しております。  滋賀県内の各自治体においても、子育て応援アプリやごみカレンダーアプリなど、住民サービス向上に向けたさまざまなアプリが導入され始めています。  そこで、滋賀県が提供するスマートフォンアプリの現状について、県民生活部長にお伺いします。  先日の台風12号を初め、西日本豪雨災害や大阪北部地震など自然災害が多発しております。自然災害を初め、防災に関するICTの活用についても、滋賀県ICT推進戦略の重点戦略、ICTで守るに位置づけられております。  西日本豪雨災害では、雨の音で防災スピーカーの避難指示が聞き取れなかったり、また、家庭の防災無線も、就寝時は別の部屋にいるため避難指示が聞こえなかったり、就寝時に補聴器を外していて防災無線が聞き取れなかった方など、避難指示の情報そのものが正確に伝わっていなかった問題も明らかになってまいりました。  防災情報の発信にはあらゆる手段で行う必要があり、耳が不自由な方にはファクスで情報提供されている事例もありました。  一方、大阪府北部地震の際は、電話がつながりにくくなる中、大手通信会社などが加盟する無線LANビジネス推進連絡会が大阪府全域で災害時無料公衆Wi−Fiファイブゼロジャパンを発動したことによって、大阪府全域に設置された各キャリアのWi−Fiスポットが無料で利用でき、スマートフォンのLINEやSNSが通信手段として威力を発揮しました。  こうした防災の観点からも、多くの方が常に携帯しているスマートフォンとスマートフォンアプリは、その有効性が注目されています。  滋賀県では、メールの登録者に対して避難情報や雨量情報などの気象情報、災害警戒情報、犯罪情報などが配信されるしらしがメールがあるほか、インターネットの防災ポータルサイトにはさまざまな県内の防災情報が集約されており、最近ではスマートフォンからでも随分と見やすくなりましたが、このような防災情報も、滋賀県版防災アプリなどのスマートフォンアプリがあれば、GPSの位置情報や登録者情報をもとにきめ細やかな情報配信を音や表示で表示するプッシュ通知で配信が行えます。  こうした機能を有効的に活用することで、有事の際により多くの県民の方々の生命を守ると同時に、安全と安心を提供することが可能になります。  また、防災だけでなく、健康しがを掲げる本県において、県民一人一人のパーソナルデータに最適な健康情報を提供していく上では、健康しがアプリなどがあれば、一方的に情報発信する健康しがサイトや健康しがポータルサイトとは全く利用価値が異なってくるため、その活用次第では、より県民の皆様の健康増進や平均寿命、健康寿命の延伸につながることに大きな期待ができます。  このほかにも、ICTの推進をしていく上で今後さまざまなスマートフォンアプリの導入が期待されます。もちろん、アプリの場合は、ウエブサイトと異なり、アンドロイド端末用、iPhone端末用などそれぞれに用意する必要があり、また、各OSのバージョンアップが早いため、運用コストがかかるなどの問題点もありますが、スマートフォンアプリのメリット、デメリットなど特徴をどのように捉え、今後どのように活用していこうと考えておられるのか、県民生活部長にお伺いします。  滋賀県ICT推進戦略の各重点戦略を進めていく上で、各分野において今後それぞれにスマートフォンアプリを導入されることも予想されます。  例えば本県では2024年に滋賀国体の開催を控えておりますが、近年の国体開催県はそれぞれ国体用アプリを導入しており、昨年の愛媛県の国体では、国体史上初の参加型スポーツ応援アプリを導入、本年開催の福井県の国体も国体応援アプリを導入されています。  また、平成28年に既に国体開催を終えられた岩手県の国体でも、国体応援アプリを導入されていましたが、国体終了後、翌年の7月には国体応援アプリまちサポいわてと復興情報発信アプリe!いわて等を統合し、復興に邁進する岩手県の今の姿を伝えるとともに、観光、食、スポーツ情報に加え、定住、医療・福祉、道路、文化など、さまざまなど情報提供を行う新たなまちサポいわてを岩手県の方、また、岩手県を訪れる方に向けたアプリとしてリニューアルをされました。これまで県がホームページを通じて発信されていた情報を初め、岩手県の情報を全てアプリに集約し、県民の皆様や観光客の皆様により身近に感じとっていただける環境を構築されています。  現在、滋賀県のホームページによる情報発信は、県庁内のそれぞれの所属や業務ごとに独立したホームページを開設するのではなく、CMS──コンテンツマネジメントシステムを使用した滋賀県ホームページに集約されています。CMSを使用することで、それぞれの所属や業務ごとにきめ細やかな、また柔軟な情報発信が可能となる環境が構築されています。  今後、スマートフォンアプリ等を活用した情報発信を検討していく上で、それぞれの所属において予算化し、それぞれにアプリを提供するよりも、本県のホームページの運用と同様に、全庁型のスマートフォンアプリのプラットフォームを構築し、運用するほうが、結果的に低コストで、かつ、県民の皆様にも1つのアプリで完結するほうがわかりやすいのではないかと考えますが、本県における全庁型のスマートフォンアプリプラットフォームの導入の検討について、県民生活部長の見解をお伺いします。  ICTの活用について、とりわけスマートフォンを活用したICTの推進については、県がアプリやコンテンツを提供していくことも重要ですが、民間事業者によって開発されたアプリの活用や、ニュースアプリで地域のニュースを入手したり、防災アプリで地域の防災情報を入手したり、LINEなどのSNSが災害時の通信手段として活用できたりといった活用そのものの情報提供を行っていくこともICT利活用の普及促進につながるものと考えます。  また、本年度の滋賀県ICT推進戦略実施計画の中では、ICTリテラシーに関する事業は、中学生を対象としたスマートフォン、SNSを使用する上での人権についてが中心となっております。  子供からお年寄りまで広く県民の皆さんに対し、情報格差が生まれないために、インターネット上にあふれるさまざまな情報の中から、あるいはスマートフォンのさまざまなアプリの中から、それぞれが必要とされている情報を正確に入手できる能力を高めていただけるような支援を通じて、ICT利活用の裾野を広げていくことも必要です。  広く県民の皆さんにICT利活用の普及を進めていくための取り組みについて、県民生活部長にお伺いします。  埼玉県では、県民向けのスマートフォンアプリ「ポケットブックまいたま」を平成28年にリリースされました。「毎日の埼玉県の情報をあなたのポケットに」をコンセプトとして、楽しく役立つ情報が満載で、県内のイベント情報やグルメ情報などの楽しい情報をライフスタイルに合わせてお届けしており、県施設、県事業の協力店舗で使えるクーポンやプレゼントなどのお得情報が簡単にチェックできます。  また、いざというときにも安心の地震情報や避難情報など災害時の緊急情報をプッシュでお知らせします。さらに、近くの事件、事故が一目でわかるマップ情報、防犯ブザー機能や夜間の救急情報などもあって、安心のアプリとなっております。  一方、滋賀県においては、アプリではありませんが、滋賀県統計協会が販売している滋賀県民手帳が人気です。毎年約1万冊販売される60年以上続くベストセラーで、1冊税込み600円、現在2019年版の予約を受け付け中で、ちなみに2018年版は7月から半額の300円で販売されています。  人気の秘密は、単なる手帳としての使いやすさだけでなく、さまざまな県の統計データや暮らしに役立つ情報が掲載されているのが特徴で、県内施設の利用料金割引パスポートにもなる便利な手帳です。  個人的には紙の手帳は持たず、今はスマートフォンの手帳アプリでスケジュール管理をしておりますので、滋賀県民手帳はあいにく使っておりませんが、滋賀県民手帳がスマートフォンアプリになって登場すれば、非常に興味があります。  少し話題がそれましたが、さまざまなアプリが提供されている中で、ほとんど人気のないアプリも数多くあり、自治体が提供するアプリにおいても例外ではありません。県民の皆さんの視点に立って、多くの方々に求められる、多くの方々に喜んでいただけるサービスを提供していく必要があると考えます。  県民目線、利用者目線の視点でつくられている県民手帳での成功例は、アプリの作成のみならず、今後行政サービスのICT化を進めるに当たり、大変参考になると思われます。  県民向けスマートフォンアプリの活用を初めとするICTを活用した行政サービスの提供に向けて、知事の見解を伺います。 ○副議長(生田邦夫) 7番田中松太郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)県民向けスマートフォンアプリについて、私には最後、本県におけるICTを活用した行政サービスの提供に向けた見解ということで1問賜りました。  本年3月に策定いたしました滋賀県ICT推進戦略では、ICTやデータを諸課題の解決や新たな価値の創造に向けた有効な手段として積極的に活用することとしています。このため、県民満足度の高い行政サービスを効率的に提供していくためには、県民の皆さんのニーズを的確に捉えて、ホームページ、メール、SNS、アプリ等のさまざまなICTから最適な手法を選択していくことが重要と考えております。  このうち、スマートフォンアプリにつきましては、現在、本県で提供しているアプリは2つにとどまっておりますが、本県におけるスマートフォンの世帯普及率が御紹介いただいたように全国第1位という国の調査結果もあり、その利活用に対する県民の皆さんの意識の高さもうかがえることから、行政サービスの提供手段や県民とのコミュニケーションツールとして有効であり、さらなる活用が必要であると認識しています。  平成31年度に向けた県の情報システムの構築に当たっては、スマートフォンアプリ等を活用した情報発信手法の多様化を進めることとしたところであり、今後、県民の皆様への情報提供やコミュニケーションのツールとして、スマートフォンアプリをどのように活用するのか、部局横断的に検討を進めてまいりたいと存じます。 ◎県民生活部長(浅見孝円) (登壇)県民向けスマートフォンアプリについての御質問のうち、私にいただいた4点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の滋賀県が提供するスマートフォンアプリの現状についてでございますが、知事から御答弁申し上げましたように、県ではスマートフォンアプリを現在2つ提供してございます。  まず、1つ目は、平成28年度から提供している子育て支援アプリのハグナビしがで、県内の幼稚園、保育所、地域子育て支援拠点の子育て関連情報、子育て応援事業の協賛事業所の情報や県内の避難所情報を掲載してございます。  2つ目は、ことし4月から提供しているビワイチサイクリングナビでございまして、ビワイチに参加されるサイクリストはもとより、広く観光客や旅行者の皆様に対して、お薦めのコースや周辺の施設の紹介に加えまして、ルートプランニングやホテルの検索など、利用者が快適にサイクリングを楽しめるさまざまな機能を備えているアプリでございます。  2点目のスマートフォンアプリの特徴をどう捉え、今後どのように活用していくかでございますが、スマートフォンアプリには従来インターネットのウエブサイトと異なるさまざまなメリットやデメリットがあると認識してございます。  まず、メリットですが、プッシュ型通知の機能により情報の更新をスマートフォンの画面にメッセージで表示できるなど、ウエブサイトに比べ情報の即時提供という面ですぐれていると考えております。  また、スマートフォンの位置情報と連動させることで、利用者の現在地に応じた情報提供が可能であるほか、アプリの機能は通信環境の影響を受けることが少なく、移動中であっても途切れずに利用することができるというメリットがございます。  一方、デメリットでございますが、議員からも御指摘いただいたところでありますが、提供側にとってアプリの開発には、より専門的な技術や経験が必要である上、スマートフォンのOS──オペレーションシステムごとにつくり分ける必要がありますなど、開発や運用のコストがウエブサイトに比べ高額となるのが一般的と思われます。  スマートフォンアプリにつきましては、機能面の優位性や費用対効果を十分に勘案し、ウエブサイトでは難しいサービスの提供や、利用者の利便性がより高くなると見込まれる分野の活用を検討することが必要であると考えているところでございます。  3点目の全庁型スマートフォンプラットフォームの導入検討についてでございます。  先ほど申し上げたハグナビしがのように、定型化された情報の提供を主目的としたアプリの場合、全庁で1つのプラットフォームをつくり、各分野の情報を一覧的に掲載する方式が利用者にとって使いやすく、また、コストも抑制できる可能性があるということは、議員御指摘のとおりでございます。  一方、ビワイチサイクリングナビなど定型的な情報だけではなく、利用者が作成したルートを地図上に表示したり、利用者の移動記録を保存できるようなアプリの場合は、位置情報など複数の機能を組み合わせた仕組みが必要となることから、プラットフォーム型にはなじみにくく、自由度の高い独立方式とすることにより、さまざまなサービスを効果的に提供することができるものと考えます。  このように、スマートフォンアプリプラットフォームの導入につきましては、アプリの目的や特性を踏まえた検討が必要になるものと考えますが、御紹介のあった先行事例も参考にしながら、県民の皆様にとって使いやすく、コストパフォーマンスにすぐれた手法について、研究してまいりたいと存じます。  最後に、4点目のICT利活用の普及を進めていくための取り組みについてでございます。  本年3月に策定をいたしました滋賀県ICT推進戦略では、全ての県民にICT、データの利活用を広げていくことを基本方針の一つとしてございます。  利活用を広めていくためには、民間の開発したアプリ等を含む先進的なサービスや取り組み事例についての情報を収集し、県民の皆様に発信していくことが重要であると考えておりまして、例えば企業、大学、自治体など産官学の連携組織であります滋賀県地域情報化推進会議の事業として、これまでからICT利活用プレゼンテーション会やICTやデータの利活用に係る講演会を開催し、ICT利活用の促進に努めているところでございます。  また、利活用を広げていくこととあわせまして、ICTリテラシーの向上も重要でございます。現在、中学校の技術・家庭や高校の情報の授業で行われていると承知しておりますし、また、人権啓発の場面などにおいて、リテラシー向上を目的とした取り組みを行っているところでございます。  今後とも関係部局で構成する情報化推進庁内連絡会議での情報共有や、市町との連携も図りながら、世代各層に合わせました利活用を広げていく取り組みや、情報リテラシー向上の取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。  ICT推進戦略、3月に策定されまして、その実施計画がこの5月に策定されたということで、年度の途中でもありますので、この60のそれぞれの事業を見ていますと、どうしても今年度進んでいる中の事業のICTに関連するものをかき集めていただいたようなそんな印象も強く受けているんですけれども、実は、今回、このICT自体が非常に守備範囲広い中で、皆さんに一番身近なスマートフォンを切り口として、そこからスマートフォン、AI、ICTと質問を深めていこうかなと、当初そういう予定でありましたけれども、この取っかかりのスマートフォンアプリというテーマで打ち合わせを始めた中で、既にこれだけでも課題が多く山積しているなというところに直面をいたしました。  このスマートフォンアプリそのものの調達も含めて、これはやっぱり歴史が余り浅い部分もありまして、先行事例とか少ない部分もありますし、本県においては、今2つということで、既にできている部分に関しては言及いたしませんが、今後これを開発していく中で、それぞれ各部局から予算を取って、それぞれがつくっていってという手法で進めていくと、これ、ばらばらにアプリが乱立する可能性もあるなと。  例えば先ほどもお話ししました防災、皆さんの、県民の命にかかわる情報配信をするシステムと、一過性のイベントの開催のためにつくられたアプリとで、そこにかかっている予算が全然違っていて、どっちのほうが重要なんやというようなことにも今後なりかねない可能性もありますし、県民の命を守るためにアプリでの通知がいいのか、LINEがいいのか、メールがいいのか、これについてはどうしていくのかというルールそのものが、まだちょっと存在してなくて、先ほども部局を超えて、また検討していくということでしたけれども、やっぱり、そういうところの整理がまだまだこれからなのかなということを今回改めて実感させていただいた部分がございます。
     特に、部局を超えていく中で、ICT推進戦略の中では、情報政策のところに全て集中させて、そこで進めていくようなことが実は書かれてあるんですけれども、ただ、一方で戦略が先に進んでおりますけれども、それに対する組織体制であるとか、そういったところがまだ追いついてないなと。  例えばここに人的資源、予算をつけて、例えばそこに5人の人をつけて、ある一定の予算を確保して、そこで仕組み自体を構築すれば、そのことによって業務の効率化、50人分の仕事あるいは100人分の仕事が自動化できたりとか、あるいは、その人件費が削減できたりとか、通信コストが削減できたりとか、広報紙が削減できたりとか、そこで投資した投資効果が大きく変わってきます。  これ、今、第4次産業革命という、大きく変わろうとする転換期に、県がこのICT戦略をどう進めていくのかというその手法も含めて、ここで間違った方向に進んでいくと、後々大変なことになるなということを改めて実感した中で、今回あえてこのスマートフォンアプリについて、どういう見解なのかというのをお伺いした中で、まだまだその辺の調整ができてないなというところが改めて浮き彫りになってきたかなというところを感じております。  そういうことも踏まえて、知事に再度、今後のICTを活用した行政サービスの提供に向けての知事の見解を質問させていただきたいのと、それから、県民生活部長には、ICTリテラシーについて、今、中学生にSNSを使った人権の問題について取り上げていただいておる。これは60の中の唯一の事業でありますけれども、これ申しわけないですが、私に言わせたら、これはICTの推進というよりは、日常における単なる人権教育をたまたまSNSを使っているだけということで、進めるのであるならば、子供たちがICTを活用しながら、どうやって人権のことを学ぶか、そういうコンテンツをスマホ向けにどうやって提供していくか。あるいは、今、大津市で始まっていますけれども、大人とか友達に相談できない相談事をふだん使っているLINEを使って、LINEの相談口でどう相談するかと、そういう環境を整備したりということがICTの活用になってくると思います。  この質問の項でも少し触れましたけれども、既存のアプリとかサービスを使いながら、その活用方法を皆さんに周知徹底していくということに関しては、すぐにでも取り組めることかなと思いますし、まずはそれを広く県民の皆さんに進める前に、我々も含めて、県庁内で職員さんも含めてどう実践していくかという取り組みもすぐにできることかと思いますが、そのあたりも含めて、県民生活部長に再度質問させていただきたいと思います。 ◎知事(三日月大造) ありがとうございます。  端的にお答えするとすれば、滋賀県ICT推進戦略をつくりましたので、その戦略に基づいて、このスマートフォンアプリを活用した行政サービスというものもぜひ施行できるように、広げていけるようによく検討したいと思います。その検討の際には、今も御指摘いただいたように、それぞればらばらで、それぞれでやっていいのかと。それぞれでやっていい部分と、統合して束ねてやったほうが効率的なものと、また、それぞれのICTのツールについても、それぞれあって、最適な手法を選択したり、費用対効果で比較検討をしたりということも重要でしょうから、ぜひそのあたりのことを、きょう御指摘いただいたようなことも踏まえて、来年度の施策構築等にぜひ生かしていきたいと思います。  いずれにいたしましても、私たちが想像している以上に、このスマートフォンを使って情報を入手される方、とりわけ先般の災害時などもそういった事例がたくさんございましたし、子供たちも多く使って、家族のやりとりもこのスマートフォンになっている。いろんな決済なども、納税の手段もスマートフォンになっていることからすれば、もちろんセキュリティーの関連はございますが、行政サービスももっとプッシュ型で、位置情報と連携した、さらには移動中でも利用可能なものにするということは時代の流れだと思いますので、よく検討し、おくれないようにしていきたいと思います。 ◎県民生活部長(浅見孝円) 御質問は、ICTリテラシーを事業にもっと生かしていくためには、まず、職員の実践、職員のスキルを上げていく必要があるのではないかという御質問だと思います。  おっしゃるとおりだと思います。職員が例えばスマートフォンアプリの活用を進めていこうとする場合には、そのアプリのメリット、デメリット、あるいは活用事例などを施策につなげていくに当たっての基本的な知識とかスキルを身につける必要があるというふうに考えてございます。  従来の職員向けのIT研修といたしましては、エクセルとかパワーポイントなどのビジネスソフトの基礎的な活用方法が主なものでございました。  ただ、今年度から新たに職員向けにAIの活用講座というのを実施する予定でございます。これにはAIの機能の基本的な理解や、それから、他の自治体での活用事例の紹介、受講者に自分たちの仕事でどういうふうに役立てられるかというようなことをみずからで考えてもらうようなそういうメニューで研修をしたいというふうに考えてございます。  今後とも、職員がスマートフォンアプリを初めとするさまざまなICT技術を適切に事業に活用できるような研修を導入しまして、研修の充実を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。  先日、常任委員会の視察で、農業大学校のほうで本県のICT推進の一つのスマート農業の現場も見させていただきました。大変先進的な事例を見させていただきましたけども、1つ残念だったのが、Wi−Fi環境がないためにスマートフォンに対応していないという、非常に残念な思いをしました。そういった細かいところも含めて、今後のICTの推進、滋賀県の誇れる推進が進む、取り組みの進みますことをお願い申し上げ、次の項の質問に移らせていただきます。  次に、選挙の厳正な管理執行と投票率向上に向けた取り組みについて、一問一答で質問をさせていただきます。  2月定例会議の一般質問におきまして、第48回衆議院議員総選挙小選挙区滋賀4区の開票における不適切集計についての質問をさせていただきました。  このときの質問では、甲賀市選挙管理委員会の事案を踏まえ、今後の再発防止策等の対応をどのようにとっていくのかという質問に対し、選挙管理委員会委員長からは、警察による捜査中の案件であること、また、甲賀市による事実調査や検証に時間を要することから、明確な答弁はいただけませんでした。  そこで改めて甲賀市選挙管理委員会の開票における不適切集計のその後の事実関係について、選挙管理委員会委員長に伺います。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) (登壇)お答えさせていただきます。  甲賀市選挙管理委員会では、第三者委員会であります甲賀市選挙事務不適正処理再発防止委員会を3月22日に設置するとともに、当時の開票事務従事者に対する弁護士による聞き取り調査を実施するなど、検証と再発防止策の検討に取り組まれてきたところであります。  その中で明らかにされた事実関係や問題点を幾つか申し上げます。  まず、投票所から搬入された投票箱の保管場所について、従前は開票作業を行う同じ室内でありましたが、さきの総選挙では、小選挙区、比例代表、国民審査、市議選の4種類の選挙となったことから、スペースが確保できず、初めて別室や廊下に保管されたことにより、作業の動線が複雑で、全体を見通せないレイアウトになったこと。  2つ目には、投票箱を開票台まで運び、投票用紙を取り出す役割分担について、誰がどの投票箱を担当するのかが不明確な上、空箱の確認も不十分であったこと。  3つ目は、空箱を保管する別室の配置レイアウトや確認手順が定められていなかったこと。  4つ目には、未使用の投票用紙が封緘されない状況で開票作業を行う同じ室内に保管されていたことなどでございます。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)6月24日には滋賀県知事選挙、滋賀県議会議員補欠選挙の投開票が行われましたが、滋賀県知事選挙、滋賀県議会議員補欠選挙における不正再発防止の取り組みについて、選挙管理委員会委員長にお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えいたします。  県選挙管理委員会では、甲賀市の事案を受けて、まず、県内の各市町選挙管理委員会に対し、2月14日には開票事務の再点検と法令遵守の徹底等を、また、4月19日には選挙事務に対する意識改革と事務ミスの防止対策の徹底、事務の再点検を内容とする通知を行いまして、選挙の厳正な管理執行と信頼確保に全力を尽くすよう要請してまいりました。  そして、知事選挙および県議会議員補欠選挙に向けて、これらの再発防止策が確実に進められるよう、4月26日に甲賀市の第三者委員会の委員長であり、全国で発生した選挙事務の不正事案に関して豊富な知見をお持ちの小島勇人氏を招いて、市町選挙管理委員会の委員長、委員、事務局職員を対象とした選挙管理執行に関する研修会を実施したところであります。  また、5月10日には市町選挙管理委員会委員長・書記長・担当者会議を、5月31日には投開票事務市町打ち合わせ会を開催し、開票事務について、過誤が発生し得る余地や不正が混入し得る余地がないかという観点から、留意事項を説明し、改めて事務を点検するよう要請するとともに、疑義や質問等が発生した際の相談、連絡体制等についても確認を行いました。  その間、甲賀市選挙管理委員会では、検証とともに、知事選挙に向けて、開票事務テキストが見直され、今回問題となった指揮命令系統や担当業務の明確化、複数の目による確認体制などの改善が図られたところであります。  また、不測の事態が発生した際に冷静な対応ができるよう、選挙事務危機管理マニュアルや、ミス発生事例集を整備したほか、白票が不正に使用されないために管理を徹底する白票の取り扱いマニュアルを策定し、これが確実に機能するよう、開票事務に従事する全職員を対象に研修会を実施し、投開票日の前日にはリハーサルを行うなどして、入念な対策がとられたところであります。  そういった甲賀市選挙管理委員会の対応を受け、県選挙管理委員会では、各市町選挙管理委員会に対しまして、甲賀市における再発防止策の検討状況や各市町選挙管理委員会の開票事務マニュアルなど参考情報を提供し、再発防止を徹底してまいりました。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)いろいろと再発防止策をお取り組みいただきましてありがとうございます。県の選管としてもしっかりと各市町に呼びかけをしていただいた様子、いろいろとありがとうございます。  そこで、滋賀県知事選挙、滋賀県議会議員補欠選挙の投票日の周知や投票参加を呼びかけるために、6月15日金曜日から21日木曜日までの7日間、選挙行こっCAR──カーというのは車のカー──啓発キャラバンを実施されました。  「投票行く人、ゴイゴイスー!!」というキャッチフレーズで、地元滋賀県愛荘町出身の吉本お笑いコンビ、ダイアンが起用されました。  投票箱に票を投じるダイアンが、すごいを意味する持ちネタのギャグ、「ゴイゴイスー」に絡め、「投票行く人、ゴイゴイスー!!」のポスターや看板を製作、複数の媒体で統一的なイメージを発信するメディアミックスの手法を取り入れ、各市町庁舎や鉄道駅、大学などにポスター約1万5,000枚を張るほか、テレビやラジオのCM放送、インターネット広告、300カ所以上のコンビニや飲食店のレジ画面にも表示させるという啓発を行われました。  また、ダイアンの写真の入ったピンク色のラッピングカー選挙行こっCARが県内の大学、道の駅、商業施設等に立ち寄り、各所で選挙をPRし、イベントの様子をSNSで発信するとともに、イベントに参加した若年層に対してもSNSでの拡散呼びかけをされました。  今回の選挙行こっCAR啓発キャラバンの実施結果について、選挙管理委員会委員長にお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えいたします。  選挙行こっCAR啓発キャラバンでは、議員御指摘のとおり、6月15日から21日までの間で、県内を約548キロメートル走行し、投票日の周知に努めたところでございます。  その間、9つの大学、短期大学、6つの商業施設、4つの道の駅に立ち寄り、啓発物品であるうちわ、ステッカーの配布を行うとともに、延べ563名の方にダイアンさんの看板を活用した写真撮影に参加をいただいたところであります。  これにより、インターネットによる啓発において、ツイートの閲覧回数であるインプレッション数が約4万件になるなど、SNSでの拡散等において大きな効果が見られたところでもあります。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。  インプレッションが4万件ということで、私、この取り組み、県がやる取り組みとしてはかなりとがったキャッチフレーズで、恐らく賛否両論いろいろあったかと思うんですけど、個人的にはすごくよかったなと思っています。  今のこのインプレッションも、先ほどのICT推進戦略でも非常に参考にしていただきたい部分が多くあるんですが、これ、計画としてかなり緻密に実施されている部分があって、実際インターネットのSNSの仕掛けも含めて、成功事例じゃないかなというふうに思っています、啓発で告知したという点に関しては。  実際、これ、当日、ダイアンの津田さんのツイッターも見させていただきましたけれども、6月15日のツイッターには、滋賀県のうぉーたんがツイートしています。ラッピングカーの「スタートしました」というツイートをリツイートされていまして、あと、投票日の6月24日には、ダイアンの津田さん自身が滋賀県知事選挙投票行ってくださいねとツイートされています。そこは、何で投票行く人ゴイゴイスーとつぶやかないねんと突っ込みたかったんですが、そこは心の中にとどめておきましたけれども、ご自身もそうやって積極的にPRしていただいたことも、SNSでのそういったインプレッションの数字の増加にもつながったのかなというふうに感じております。  選挙があるということのPRに関しては、非常に効果的な取り組みであったかなと思うんですが、今回のこの啓発に対して、前回、2014年の3人の新人が争いました滋賀県知事選挙に関しましては、投票率が50.15%、2010年知事選から11ポイント以上下回る状況でございました。  今回は、前回選挙と異なる構図ではあるものの、前回投票率50.15%に対し、今回40.62%の投票率となりましたが、この投票率について、選挙管理委員会委員長の見解をお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えいたします。  県選挙管理委員会といたしましては、今回の知事選挙では、若者を中心に精いっぱい啓発に努めてまいりましたが、結果として過去2番目に低い投票率となったことは、まことに残念至極であります。  この結果を真摯に受けとめ、今後も投票率向上に向けた取り組みを一層進めてまいりたいと考えております。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)2016年の参院選、昨年秋の衆院選において、特に若者の投票率の低下傾向が見られ、今後も若者の投票率低下が懸念されます。  前回の滋賀県知事選挙において、特に20代の投票率が30.19%と各年代で最も低い結果でしたが、今回の選挙においてはどうであったのか、選挙管理委員会委員長にお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えします。  今回の選挙におきましても、20歳代の投票率は各年代で最も低く、23.24%でありました。  なお、18歳、19歳の投票率は26.64%で、その次に低く、最も高かったのは70歳代で60.49%でありました。  改めて若年層への啓発の重要性を痛感したところであります。選挙が行われることを周知するため、選挙時啓発はもとより、日ごろからの継続的な取り組みである常時啓発について、より一層力を入れてまいる必要があると考えるところであります。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)今回の啓発キャンペーンは、若者にターゲットを絞り、人気お笑いコンビを起用し、さまざまなメディアを活用したメディアミックス、街頭啓発活動も加え、かなり効果的な啓発が行われたものと思います。  一方、この事業には多額の費用もつぎ込まれています。今回の啓発事業2,800万円の費用対効果について、選挙管理委員会委員長にお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えいたします。  今回の啓発事業費2,800万円のうち、県が主体となって行う啓発事業が2,300万円、市町が実施する啓発事業に対する交付金が500万でありました。県主体の啓発事業では、本県出身のタレントであるダイアンさんを起用し、複数の各種媒体を組み合わせて、統一したイメージでメッセージを発信するメディアミックス型の啓発を行いました。  具体的にはテレビ、ラジオ、新聞、インターネット、ポスターによる啓発、コンビニ、ファミリーレストランのレジ画面、啓発看板、選挙行こっCARの啓発時において統一性のあるデザイン、メッセージによる認知度の向上を図ったところであります。  その結果、新聞、テレビの報道で多く取り上げられるとともに、ユーチューブの動画再生回数が18万回を超えるなど、投票日の周知に効果があったものと認識をしております。  また、県内全市町においては、交付金を活用し、広報車による巡回啓発や啓発資材の作成等に取り組まれたところでありまして、地域の実情に応じた効果的な啓発がなされたものと考えております。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。  効果的な啓発がなされたという選挙管理委員会委員長の御答弁もございました。私も実際いろんなところで今回の啓発を目にしたり耳にしたりしました。若者にターゲットを絞って、結果として若者の投票率、低い結果ではありましたが、このキャンペーン自体は非常によかったのではないかなというふうに思っております。  そこで、この滋賀県選挙管理委員会が平成29年度に県内の高校2年生1万3,096人を対象に行った選挙に関するアンケートの結果では、政治に関心があるのかの問いに対し、51%が関心がないと回答しています。さらに、関心があるは39%で、前年度の41%より低下しています。  また、有権者になれば選挙に行こうと思っているのかの問いに対し、さきの質問で政治に関心があると答えた生徒は、選挙に行こうとは思わないと回答しているのが9%であるのに対し、政治に関心がないと答えた生徒は、選挙に行こうとは思わないと回答しているのが32%に上り、政治に対する関心が低いほど、投票に対する意欲が低い傾向が読み取れます。  県内の高校2年生に実施した選挙に関するアンケート結果について、選挙管理委員会委員長の見解をお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えいたします。  選挙に関するアンケート調査は、高校生に政治や選挙に関心を持っていただくことを大きな目的として、滋賀県独自の取り組みとして、平成17年度から実施しているものでございます。  従来は高校3年生を対象に実施しておりましたが、選挙権年齢の引き下げを受けて、平成27年度からは18歳になる前の高校2年生を対象に変更して実施しております。  アンケートの結果につきましては、政治や選挙に関する授業などに活用していただけるよう、教育委員会や各高校に提供しているほか、報道機関にも資料提供をしております。  その中で、ただいま議員が御紹介をいただきましたとおり、政治に関心がないと回答した者が過半数を占めておりますことは、まことに残念なことであります。  一方で、政治に関心があると答えた高校生のうち、投票に行こうと思うと答えた者が約86%であったことを考えますと、政治に対する関心を持つことによって、投票への意欲が高まるものと期待できます。  そして、有権者となって最初の選挙において投票を経験すれば、その後の継続的な投票行動につながり、今後の若年層の投票率の向上にも期待が持てるのではないかと考えます。  県選挙管理委員会といたしましては、引き続いてさまざまな機会を捕まえて、教育委員会や市町選挙管理委員会などと連携をしながら、高校生を初めとして若いうちから政治や選挙に関心が高まるよう取り組んでまいります。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。  それでは、同じ質問ですが、県内の高校2年生に実施した選挙に関するアンケート結果について、教育長の見解をお伺いします。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  アンケート結果によりますと、議員御紹介いただきましたように、政治に関心があるかとの質問に、約51%の高校生が関心がないと答えております。  また、アンケート結果の分析では、政治に対する関心が高いほど、投票に対する意欲も高いということが示されております。  こうしたことから、各高校では、生徒が政治への関心を高めるよう、例えばホームルームや生徒会などにおける自治活動を通して、身近な問題について、自分たちで意思決定をすることの大切さに気づかせ、自分たちの意思を政治に反映させることの意義を理解させるようにしております。  このような取り組みをさらに進めていくことで、生徒が政治や社会の問題を自分の問題として捉え、主体的に参画する意識を持つことができるようになり、投票への意欲も高まるものと考えているところでございます。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)これまで有権者になる前の学校教育においては、政治や選挙の仕組みは教えても、政治的、社会的に対立する問題を取り上げ、関心を持たせたり、判断力を養成する教育はほとんど行われていませんでした。学校においては、公民としての資質を育む指導を行うことが求められており、現実の具体的政治事象を取り扱うことにより、高校生の政治的教育を育成することが求められると考えますが、教育長の見解を伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  議員御指摘のとおり、現実の具体的政治事象を取り扱うことで、高校生の政治的教養を高めることは重要であると考えております。  こうしたことから、本県で作成をいたしました主権者教育副読本のガイドラインにおきまして、模擬議会や模擬請願など、実践的な学習活動の中で、現実の具体的政治事象を取り扱うことで、現実社会の諸課題について公正に判断する力や、現実社会に参画している意識の育成を図ることを求めております。  学校によりましては、例えば成人年齢の引き下げや高校教育の無償化など、実際の社会において問題となっているテーマを設定し、討論をさせたりしているところもございます。  今後も学校におきましては、対立する見解を、例えば複数の新聞等を用いて紹介するなど、偏った取り扱いとならないよう留意し、政治的中立性を確保しながら、生徒が有権者として政治について具体的なイメージを持てるような取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。  滋賀県選挙管理委員会では、県内の小学校高学年、中学校の児童生徒の皆さんを対象に、選挙の意義や重要性などを学習していただくことを目的として、選挙の話や模擬投票を行う明るい選挙出前講座を実施されています。選挙の投票年齢引き下げに伴い、近年では高校生もその対象として実施をされているようですが、明るい選挙出前講座の実施状況について、選挙管理委員会委員長にお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えいたします。  明るい選挙出前講座につきましては、今後有権者となる若者に選挙管理委員会が直接働きかけることのできる大変有効な取り組みであると考えております。  出前講座の実施に当たっては、実際の投票箱や記載台等を用いて模擬投票を行うこともあり、市町選挙管理委員会とともに実施しているところであります。  実施状況といたしましては、小中高校、特別支援学校を合わせての数字でありますが、平成27年は11校で、うち高校は1校、28年度は12校で、うち高校は6校、平成29年度は衆議院議員の解散に伴う総選挙の執行のため、5校となり、うち高校が2校でありました。  学校行事や授業との兼ね合い、事前打ち合わせの時間、また、選挙事務の合間を縫っての実施であること等を考慮いたしますと、実施回数に一定の制約がありますが、県選挙管理委員会としては積極的に出前講座を実施していきたいと考えているところであります。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)特に若い世代に政治に関心を持ってもらえるように、明るい選挙出前講座の実施は、できれば全ての高校で実施するべきではないかと考えます。
     また、その内容についても、選挙の模擬投票も大事ですが、選挙のやり方を教えるだけでなく、やはり、政治そのものについて関心を持つような内容を検討することも重要です。  明るい選挙出前講座を初め、政治に関心を持たせる教育の機会をふやすべきと考えますが、教育長の見解をお伺いします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  小中学校の社会科や高等学校の公民科の授業では、日本国憲法の基本的な考え方、民主主義の仕組み、政治参加のあり方やその重要性などを学習しております。その上で、選挙管理委員会とも連携をしながら、明るい選挙出前講座の活用を初め、生徒が選挙の立会人を務めたり、実際の選挙公報を用いて意見交換をした後、模擬投票を行ったりするなど、生徒たちが政治をより身近で、自分とかかわりの深い問題として捉えることができるような機会を設けているところであります。  今後も社会科、公民科の授業、特別活動や総合的な学習の時間等、教育活動のさまざまな機会を捉えて、生徒が政治に関心を持ち、主体的に社会に参画する意識を育む教育を推進してまいりたいと考えております。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)県内全ての高校や、より多くの小中学校での選挙、政治に関する教育を充実させていくためには、今の現状の取り組みだけでは十分とは言えません。各市町の選挙管理委員会と各市町の教育委員会にも協力をいただきながら、小中学校、そして高校での選挙、政治に関する教育の機会をふやすべきと考えますが、選挙管理委員会委員長の見解をお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えいたします。  現在実施している出前講座も各市町選挙管理委員会に協力をいただきながら行っているところでございますが、県全体として見ますと、実施校は少なく、もっと機会をふやす工夫が必要であると考えています。  出前講座のほかにも、小中学校、高校の児童生徒に対しましては、選挙啓発用ポスター、標語等の募集といった取り組みも行っておりまして、今後もさまざまな機会を捉えて、選挙や政治への関心が高められるよう、県および市町教育委員会と連携をより一層深めていきたいと考えておるところでございます。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)それでは、同じ質問を教育長にお願いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  小中高等学校におきましては、県選挙管理委員会や市町選挙管理委員会等の御協力をいただきながら、明るい選挙推進出前講座はもとより、議場見学など体験的な学習活動を行っている学校もございます。  また、主権者教育の観点から、中学校や高等学校におきましては、生徒自身による選挙管理委員会を組織し、生徒会役員の選挙を行ったりもしております。  さらに、選挙への関心を高めるため、市町選挙管理委員会から投票箱を借りて投票を実施した例もございます。  今後ともさまざまな機会を捉えて、選挙、政治に関する教育の充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。  昨日、全国学力テストの結果が公表されまして、滋賀県も大変厳しい結果となっておりました。もちろん、この学力のほうも向上に向けてお取り組みはお願いしたいところでありますけれども、一方で、この若い方の投票率につきましても、やはり、選挙管理委員会また教育委員会あわせて、県内各市町の協力をいただきながら努力いただきますと、若い世代の投票率、全国の平均と比べて1位を目指すことも可能なことかなというふうに思っております。必ずしも1番になることが全てではありませんけれども、学力の向上とあわせて、この投票率の向上のお取り組みもぜひお願いしたいなというふうに思います。  来年4月には統一地方選挙もございます。それに向けて、まだ時間はございますので、ぜひ来年の統一地方選挙でこの若い方々の投票率も含めて、全体の投票率が向上につながるようお取り組みをいただきますことをお願い申し上げまして、質問のほうを終わらせていただきます。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、7番田中松太郎議員の質問を終了いたします。  最後に、3番村島茂男議員の発言を許します。 ◆3番(村島茂男議員) (登壇、拍手)本日最後ですので、よろしくお願いします。  先ほど、私の前で休憩かなと思っておりまして、休憩したら、皆さん帰ってきてくれるかなと心配していたんですけれども、皆さんおられますので、もう少しおつき合いをよろしくお願いします。  それでは、生田副議長のお許しを得ましたので、通告書に従い、質問させていただきます。  冒頭、再三ではありますが、このたびの地震、竜巻、豪雨、台風と、たび重なる自然災害に見舞われ、被災された方々にお悔やみ、お見舞いを申し上げますとともに、少しでも防災力を上げ、自助、共助、公助が機能できるように、今回は、関西広域連合における滋賀県としての対応と防災力の向上についてを質問させていただきます。  御存じのとおり、今年度、自民党から西村議員と私、チームしがより九里議員、大橋議員が選出されております。今年度、議長が滋賀県から選出され、御案内のとおり、我が会派の西村議員が御就任され、先日、初議会も見事に毅然とした議長としての職務をこなされました。こうしたよい時期に代表議員として参加できることを喜んでおります。そして、阪神・淡路大震災以後、今まで関西広域連合になかった試練の年であります。滋賀県議会から参加していることに自信と誇りを持って参加する所存であります。  まず、最初、全体の会議では、大阪府北部を震源とする地震の被害と対応状況について説明があり、被災地域の議員から被害の状況と今後の対応等も聞かされました。  また、子供たちの登校を守ろうと向かったやさきで被災に遭われた方の御家族の話では、うちのおじいちゃんは雨の日も風の日も、少しぐらい体調が悪くても、子供たちが通うときには、いつも見守りに立っていました、また、地震があと少しでも後に起こっていたら、たくさんの登校する子供たちが犠牲になっていたかもしれません、とのことでした。  このように、見守る側もいつ何どき自分自身が被害に遭うかわからないことが起こり得るということです。他人事ではありません。本当にすぐ近くで被災されておられる現実を受けとめ、いま一度一人一人ができることを考えなければなりません。  滋賀県では、琵琶湖西岸断層帯といった活断層もあり、地震時に県民の命を守り、速やかな救命救急、被災地への支援を可能にすることが課題であります。  先般の広島、岡山を襲った豪雨、あるいは大雪等の異常気象などによって、のり面崩壊による道路の寸断や集落の孤立等の被害が発生しております。山間部などを中心に、生活空間を結ぶネットワークの確保が課題となっています。  私も地元では防犯、防災の団体に所属しており、先日の会議で我が町も例外ではありません。日野町は綿向山、竜王山からなる扇状地で、予期想定のないような風水害を受けた場合、大規模な土石流に押し流されるようなことがないとは言えません。  町自体が即時に対応していける力をつけ、一人一人が危機感を持ち、また自治会が何をするのか、何ができるのかを考え、自助、共助の取り組みを真剣に考え直し、肝に銘じていくときが来ていると会員同士、意識を高め合いました。  今回の質問は、こうした災害も含め、関西広域連合に参入している意味、また、滋賀県としての対応と防災力の向上をどのようにしていくのかを一問一答にて全て知事に伺います。  まず1つ目、最初に、関西広域連合における滋賀県としての対応として、質問させていただきます。  先輩議員に聞いてみますと、意味があるのかと聞いてみとか、ある方は、うーんと考え込まれる。そんな返答が多く、何か温度が低いなと当初感じておりました。  しかしながら、先般の大阪北部地震の各自治体対応、ドクターヘリの有効活用、先般の議会では、大橋議員がカワウ対策について質問されました。カワウにとっては滋賀県も大阪府もありません。委員の皆さんも深くうなずきながら聞いていました。  やはり、こうした問題は、広域での対応が必要になる事例と思っておりますが、この1年間、選出議員として参加するに当たり、知事がどのように捉えているのかを知っておかなければなりません。まず、関西広域連合に参入してよかったと思う点、悪い点はないように願いたいんですけれど、知事の見解をお聞かせください。 ○副議長(生田邦夫) 3番村島茂男議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  関西広域連合は、府県域を越える広域課題に積極的に対応するため、関西全体の広域行政を担う責任主体として設立された団体でございます。  よい点、悪い点と御質問のとおりお答えするとすれば、よい点、改善してきた点とすれば、例えば広域医療分野では、関西広域連合でドクターヘリ7機を一体的に運用することで、二重、三重のセーフティーネットを構築することができてきています。また、広域環境保全分野におきましても、獣害対策が功を奏し、県内のカワウの生息数はピーク時の約3万8,000羽から約6,600羽にまで減少するなど、個々の自治体だけでは対応できなかった府県域を越える広域的な課題解決に一定の成果が上がっていると思います。  なお、例えば丸ごと移管を含めた地方分権の進展でありますとか、広域連合としての認知度が低いことなどの課題はありますものの、今のところ関西広域連合での取り組みの中で、悪い点と表現できるようなことは特にないのではないかと考えているところでございます。 ◆3番(村島茂男議員) (登壇)もう少し知事の心の中を聞きたいんですけれども、今の答弁を聞き、余り悪い点は言いにくいのかもしれません。これからもっと推し進めていくべきことと、やめたほうがよいこと、また、関西広域連合も8年目を迎えたことから、運営や事業に対して淘汰していかなければならないと思います。  この8月23日には全員協議会が開催されます。協議事項には、広域行政のあり方検討会とされているらしいです。そういったあり方検討ということで、議員同士での話し合いもあります。このことからも、知事に事前に知事の見解を、本当に思うようなことをまぜて見解を伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 広域連合の運営面についてのことでお尋ねいただいたと思うんですが、議員御指摘のとおり、関西広域連合も8年目を迎えまして、これまでの取り組みの評価が必要だと認識しています。  現在、この広域連合で事業の見直しにつなげるため、広域計画等フォローアップ委員会を設置いたしまして、第3広域計画でありますとか、関西創生戦略の評価や検証を行っているところでございます。  今後はフォローアップ委員会においてまとめられた検証結果をもとに、事業の見直し等についても検討が行われる予定であると承知をしておりまして、しっかりとまた反映をさせていきたい、いくべきだと考えております。 ◆3番(村島茂男議員) (登壇)ありがとうございます。  次に移ります。我々委員も、御存じのとおり、委員会が開かれるわけでありますが、知事同士の委員会も月に1度開催されると聞いております。その内容や府県同士の温度差があるとは思いますが、なかなかそういった内容はお聞かせいただけることがないので、知事同士の雑談も加えていただいても結構ですので、この機会にどういった会議をしているかというのをお聞かせください。 ◎知事(三日月大造) 実は、きょうも広域連合の委員会が開催されておりまして、なかなか知事、市長が、皆が全て一堂に会するというのはかなわないときもあるんですが、しかし、定期的に会い、顔を合わせながら、それぞれが対等の立場で主張すべきことを主張する、また、議論すべきことを議論する、その過程において、その結果としてさまざまな信頼関係等が醸成されてきているのではないかと思います。  また、そういったものをベースにしながら、災害対応などの場面において、迅速な意思決定により実効性の高い取り組みが行われることも、行うこともございますので、有意義な会議になっているのではないかと感じているところでございます。 ◆3番(村島茂男議員) (登壇)もう1つ聞きたいんですけども、内容的なことは、報告とかまたいただいて、逐一メールでも送ってもらっております。  今の感想を聞いて、知事同士のそういう距離感はどうなのか、また、距離感は縮まっているのかお聞かせください。 ◎知事(三日月大造) お尋ねは、人間同士の距離感という意味だと思うんですが、それは縮まっていると思います。やはり、会うことで、何度も会うことで、時にはテーマによって対立したりすることもございますが、何度も会っていくことで、直接電話で話をすること、できることもございますので、そういう意味での距離感は縮まっているのではないかと私は感じています。 ◆3番(村島茂男議員) (登壇)この質問の項の最後に質問ですけれど、先日の議会にも地震関連等も含め、いろいろと報告を受けました。今回の大阪北部地震において、関西広域連合の対応、成果、評価はどのように思っておられるのかお聞かせください。 ◎知事(三日月大造) まだ復興の過程の部分もありますので、この最終的な評価は今後ということになるのかもしれませんが、この関西広域連合では、地震発生直後、6月18日の午前7時58分に広域防災局に対策準備室を設置するとともに、9時30分に先遣隊2名を大阪府庁に派遣いたしまして、被害情報等の収集を行っております。  また、6月19日の11時には応援・受援調整室を設置いたしまして、大阪府の要請を受け、当日中にブルーシート3,000枚を高槻市と茨木市など被害の大きい8つの市に配布をいたしました。  人的支援といたしましては、先遣隊のほか、避難所支援や家屋被害認定関係、地震後の学校支援等に大阪府、寝屋川市、高槻市、茨木市、箕面市に339名を派遣したところです。本県からも県内市町と協力をいたしまして22名の職員を派遣いたしました。  その意味で、東日本大震災や熊本地震などこれまでの経験を生かしながら、的確に対応できたのではないかと評価しているところでございます。 ◆3番(村島茂男議員) (登壇)わかりました。  少し角度が変わるんですけど、次に防災力の向上についての部分で質問ですが、地域防災力向上のための各種団体との連携についてお聞きします。  県内各地域にはスクールガードや安全なまちづくり協議会、子ども安全リーダー、また、その他地域住民防犯団体等の関係団体の任意の団体がたくさんありますが、このような団体の構成員の中には、消防団のOBはもちろんのこと、中には元警察官や消防署員の方々がおられます。それぞれがリーダー的な存在で、防災関係の取り組みも実施されている方がたくさんおられます。その中には、防災士もたくさん取りにいっておられますし、活躍を期待したいところでございます。  一方で、それぞれの団体には縄張りと申しましょうか、防犯と防災を意識的に分けているような傾向もあります。やはり、こういった方にもう少し従事していただけたらなという思いから聞いているわけなんですけれど、現在、市町が教育委員会を通じ、通学路の点検を行っております。公共の物件はいいんですが、一般所有物に対しての改善指示がしにくいというのが現状のようです。当然、県や市町からの援助があればお願いもしやすいのですが、現在は補助もないわけです。  先般、大阪での被災された通学生の賠償も公金で行われていくわけですが、個人所有物での被災に遭ったなら、なかなか保険に加入していることは少なくて、大変なことになると思います。起こってから賠償に公金を使っていくなら、未然に防ぐほうに使うのが妥当だと考えます。  今後の見直しに際して改善していかなければならない個人の所有物、また、同じように空き家も厄介です。多くがほったらかしで危険な状態の物件も少なくありません。こうした場合には、やはり、先ほど申しました地元で活躍されている諸団体の方々が協力し合い、当事者と協力、協議して、改善してもらうように促してもらってはどうかと考えております。  やはり、こうした団体の方々の中には、その地域地域の有識者、また、役職を持った方が多いと思います。その方々と自治会の役員、そして、自治体との連携が大事だと考えております。その上で、改善等の協力をしていただくように促していかなければなりません。  そこで、知事として、このような人々が防犯だけでなく、防災関係の取り組みをすることについて、どのように考えておられるのか見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) とても心強いことだと思いますし、有意義なことだと思います。議員も御指摘いただいたように、それぞれの地域には防犯関係、福祉関係、教育関係、さまざまな団体がございますし、これらの団体等の活動は、地域のリーダー的な方がそのリーダーを担われていることが多いのではないかと認識しています。  地域防災力を強化していく際には、災害時におけるリーダーシップが不可欠でございまして、これらの団体も自分たちの地域は自分たちで守り育てるという点においては、ある意味、目的は共通しているのではないかなと思います。  こういった地域防災力を高めるためには、さまざまな豊富な経験を持つ人材がそれぞれの分野でのノウハウを生かしながら、幅広く防災のリーダーとなっていただくことが重要でありますことから、こういった防犯の方々も福祉の方々も、さまざまな団体の方々が防災関係団体と連携を深めていっていただくことはとても有意義なことだと思います。 ◆3番(村島茂男議員) (登壇)大変前向きな答弁、ありがとうございます。そう言っていただきたかったというのが1つありまして、やはり、どうしてもかんからかんな人と言うと語弊がありますけれど、私は防犯なんですと。ちょっと災害には私は出られないんです、私は、人ですね、悪いことをする人、いろんな人に対してはするけれど、災害に対しては私はその団体に入ってませんとか、少しかたい方がおられますので、そういった前向きな言葉をいただくと、ありがたいと思います。  また、9月には県を初め、それぞれの市町において、趣向を凝らされた防災訓練が行われます。こういった中にも率先して参加していただいて、防災意識を高めていただきたいと思いますし、県、市、町からもそのように促すようにお願いしていただきたいと思います。  次の質問に移ります。  防災に対して、県民に委ねている消防団の現状について質問します。  名称は消防団ですが、近年は野焼きの減少、また消火に際する技術、構造物の高層化などに伴い、火を消すという作業よりも消防署の車両への送水補助や交通整理、残火処理、そして広報活動が主になってきております。  そのかわりに、近年の異常気象による水防が大変多くなってきました。テレビなどの報道では、警察、消防、ひいては自衛隊の活躍を取り上げておりますが、その傍ら、やはり、人海戦術で活躍されているのが各市町任命の消防団であります。  先般の水害処理にも出向かれているたくさんのボランティアの方々も、地元では消防団に所属されている方がたくさんおられると聞きました。とても貴重な存在であります。  しかしながら、その人員確保はどこの市町も苦戦しておられます。現在、県内で条例定数を満たしているのは、日野と竜王だけで、あとは全市町、満たしていないのが現状であります。  また、この11月9日には全国女性消防団員活性化大会が滋賀県で開催されますが、聞くところによりますと、4つの町で女性消防団がまだ結成されておらず、各団の人数も少ないと聞いております。  増員は市町の役目だと言ってしまえば簡単ですが、今後どんどん欠員がふえていかないように、今のうちに真摯に受けとめ、歯どめをしていかなければなりません。大会名も活性化大会です。この減少傾向をどう捉えているのか、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) まず、お忙しい中、この消防団員として担っていただいている、最新では9,000名を超える方々に心から敬意を表したいと存じます。  県内の消防団員数、こちらは人口減少、就業形態の変化により減少傾向にございます。地域防災力の低下につながるのではないかと憂慮しているところでございます。  消防団は、地域防災の中核として欠くことのできない存在でありますことから、消防団員数を確保するため、市町や関係団体とも連携いたしまして、若者や女性、事業者などの消防団への理解を促進するとともに、消防団の知名度、イメージアップが図れるよう、県としても努めてまいりたいと存じます。 ◆3番(村島茂男議員) (登壇)ありがとうございます。  私も平成元年から18年ほど入っていたわけですけれど、私の経験上、やはり火事、林野火災、大きな火事となると100人態勢ぐらいの人員が必要になると思っております。日野町を見ますと185名なんですけれど、全員が出てもらえるわけないので、やはり、大きいときにはそのぐらい入っていただいてないと、100名がそろわんというのが現状だと思います。  そしてまた、いろんな事業所によっても、いやちょっと消防団に入ってもらうと困るんや、ほって行きよるからとか、そういうのがたくさん、日野町の場合ですけれど、ありました。その中でお願いに回って、入札のポイントを町のほうで少し上げてもらったり、いろんな入札なり物品納入のときの優遇が得られるように、少しずつですけれど、そういった協力によりまして、大分見直されたというのを聞いております。  そういった中で、やはり、県も何か入っていると、その人にというのは、後で申します消防団の応援の店なんですけれど、そういった事業所が、消防団に入ったら困るねや、ほっていきよるじゃなしに、入ってもらっている、たくさん入ってもらっていると、やはり、県からも少し事業所に対して優遇があるなといった、そういったことも考えていただければありがたいかなと思っております。  もう1つ聞きたいのは、本腰で増員を県も市町と協力して考えなければなりませんが、女性消防団も含めた増員策は考えておられるのか伺います。 ◎知事(三日月大造) 平成28年度から実施しております消防団応援の店事業、こちらの拡充に引き続き取り組むとともに、地域を挙げて消防団を応援する機運の醸成や消防団に対する理解促進を図ってまいります。  特に、女性消防団員につきましては、男性団員に比べて非常に少ない状況にございますが、女性ならではのきめ細やかな視点を生かし、火災予防の普及啓発や応急手当指導のほか、避難所支援活動など、女性消防団員が果たす役割はますます高まっていると認識しています。  今年度、議員からも御紹介いただきましたが、全国女性消防団員活性化大会、こちらを本県で開催させていただきますので、その開催に際し、積極的に女性消防団員の魅力を発信するとともに、今後、防災分野において女性の参加を促進する取り組みについても検討をしてまいりたいと存じます。 ◆3番(村島茂男議員) (登壇)そのとおりでありまして、警察官も女性の警察官が、やはり、いろんなきめ細やかな職務をしてもらっていると仄聞しておりますけれど、消防団も火を消す、水防に出ると、それだけではなくて、サポートしていただける女性消防団員というのが大変必要になってくるかなと思っております。  と言いながらも、ない4つの町に日野町が入っているんですけれど、こういった、よくタレントを使ったようなポスターが張っているんですけれど、そういうのではなくて、もっと魅力のある、今度、消防、女性の大会が滋賀県であるんですよというような、魅力のあるようなポスターをつくっていただいて、そして、4つの町、ないところに逆に集中して張っていただきたいんです。こういう大会があるけれど、うちの町も出よんのかというたら、いや、うちの町は女性消防団がないんです。そんなん聞くと、やはり、何とか女性消防団をつくってくれよというOBなり皆さんの、住民の声も出ると思いますので、その辺の大会に向けての大きな広報をしていただきたいと思います。  次は、先ほど言ってました消防団応援の店事業について質問させていただきます。  平成28年から消防団応援の店を募集して、消防団応援事業がスタートしました。当初、9市町の消防団員に対しサービスを開始し、本年6月末現在で370事業所になり、店舗数は550を超えるまでにふえたと聞いております。  消防団員の声を聞きますと、割引等の具体的なメリットが得られてうれしい、また、たくさんのお店に協力していただいてありがたい、地元の応援を受け、頑張る意欲が出ますとの、事業を取り入れている側としては大変うれしいお言葉であります。  一方、一般の方にはサービスがないせいか、県民への周知が乏しいように思いますが、今後どのように考えておられるのか伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  消防団応援の店への平成30年度末の当初目標180事業所に対しまして、平成30年7月末時点では、おかげさまで382事業所に御登録いただいているところでございます。引き続き市町や関係団体等と連携しながら、消防団応援の店の拡充に取り組んでまいるとともに、県のホームページやのぼり旗の掲示等を通して、引き続き県民の皆様方への周知にも努めてまいりたいと思います。  また、あわせまして、地元だけでなく、全国の消防団員をサービス対象とする全国消防団応援の店制度というのがあるんだそうでございまして、こちらへの登録についても、事業者に対し今後働きかけを進めてまいりたいと存じます。
    ◆3番(村島茂男議員) (登壇)全国のほうも、私も後で話そうと思っていたんですけどね。お店の方々の声は、一方は消防団に貢献しているから、喜んでもらっているからとか、いろんな充実した声を聞くわけですけれど、このように、とりわけそのお店には援助があるわけでもなく、その店が本当に自腹でといいますか、身を粉にして消防団のために応援してもらっているわけです。  また、地元しか確認しておりませんけれど、商工会に尋ねました。サービスに対して売り上げも業績も業種によってはかなり上がっているという大変喜ばしい返答をいただきました。  残念ながら、増員にはまだ目立った効果は出ておりませんが、これから少しずつ効果が出ると思います。奥さん方も消防団に入ると、こういう利点があるんですよという話をされているということも聞いておりますし、それよりか先に協力店に効果が出ているような感じです。  そこで、再質問なんですけれど、提案になるかもわかりませんけど、県内の事業所にお願いしていく、また、どんどんと全国の消防団応援の組織を取り入れてと知事も言っておられましたけれど、やはり、滋賀県のフラッグシップ「ここ滋賀」があります。「ここ滋賀」でも優遇サービスを率先してすべきだと思いますが、どう思いますか。 ◎知事(三日月大造) 御質問いただいたときから、どんなもんやろうなと思って考えていたんですけど、先ほど答弁させていただいたように、いろんな形で御貢献いただく消防団をまさにいろんな形で応援する、消防団活動の理解を促進していく、このことは大切だと思いますし、この応援の店というのを滋賀県でも広げてきているんですけど、全国で広げようという動きもありますので、この制度を利用して、逆の意味で、「ここ滋賀」の利用促進を図ることも一定有効ではないかなとも考えております。  具体的にどのようなことができるのか、どのような優遇サービスを提供することができるのかも含めて、検討を行いたいと思います。 ◆3番(村島茂男議員) (登壇)検討ということで、少し残念なんですけど、一緒にやりましょうと返ってくるかなと期待しておりましたけど。8月5日に滋賀県消防操法訓練大会、間近にあります。そのときの御挨拶の中でも「消防団の応援の店、「ここ滋賀」もやりました、皆さん来てください、消防団の皆さん」というと、あのときに2,000人、3,000人の方がいるので、経済効果がぐっとふえるかなと期待しておりますので、また今後の検討をよろしくお願いします。  最後のほうに入っていくんですけど、こういった関西広域連合の参入の府県を見ますと、滋賀、兵庫、徳島、鳥取は取り入れていますが、肝心の京都、大阪がまだですが、今後は滋賀県からも共通サービスが受けられるように、できれば団員、また家族も魅力的に感じていただけると思います。  先ほど知事がおっしゃったように、また全国消防団応援の店も滋賀県で同じころ開始されたと聞いており、まだ半分ぐらいの加入だとは聞いておりますが、店舗数は既に3,000店を超えております。いずれこの事業は全国に波及すると思いますが、今検討してと言われた部分なんですけれど、やはり、店、店によっては全国まで要らんでと。滋賀県の消防団だけ応援してるねんでというところもあると思いますので、余り大きくぽんとなってしまっても、小さな店舗は影響ありませんが、例えば鮎家さんとかああいうところになったら、鮎家の郷ですか、そういう大きいところは、全国からお客さんが来られるので、そんなことまでと思っておられるかもわかりません。  それはさておいて、私、この8月30日で、議会で私が質問させていただきます。今回、知事の意見やいろんなところを聞かせてもらったところや、また、連合での議会で参入依頼の質問も、そして提案もしていこうと思っております。  先ほど3つ目に聞きました知事同士の会議の場があると、そして、距離感も縮まったと言っておられましたので、こういった効果を上げているということを提案してもらって、知事同士でも進めていただきたいと思うんですけれど、いかがでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 知事同士が話せば全てが決まる、変わるということではないと思うんですが、ただ、おっしゃったように、関西広域連合という場でこれまで培ってきた信頼関係に基づいてさまざま必要なことを話し合っていくということは大切だと思います。  その意味で、この関西広域連合が取り組んでおります関西防災・減災プランにおいても、大規模災害発生時における消防団の広域応援の推進を支援することとしておりますので、その意味でも、関西広域連合でもそれぞれの地域防災力の向上はもとより、広域的な支援においても消防団の充実、強化は不可欠であると捉えていると思います。  全国的な消防団員が減少傾向の中で、県内だけでなく、他府県の消防団応援の店を利用することができるようになれば、県内の消防団活動に対する団員のモチベーションアップや家族の理解促進にもつながり、消防団員の確保にも一定有効ではないかなと考えます。  まずは、関西広域連合の構成団体に対して、本県での取り組み効果等を発信しながら、消防団応援の店の導入とあわせ、全国消防団応援の店制度の関西広域連合としての活用についても意見交換をしてまいりたいと存じます。 ◆3番(村島茂男議員) (登壇)今言われましたように、家族の協力というのが大変大きなもので、選挙に出るときもそうなんですけれど、奥さんがだめだと言うと、なかなか大変です。  消防団も、入るよと言うたら、我々の古い考えかもわかりませんけど、消防団ていつも寄って酒飲んでるな、火事やいうたら何もかもほって、ぽいと出ていって、家のほうが大変やで。そんな懸念されるところが、奥さんから声が出ます。  そういった中で、関西広域連合で皆さんの、みんなのそういう消防団の協力の店ができて、使えると。そしたら、まんざらでもないでと、滋賀県も使えるけど、京都へ行っても、大阪へ行っても使える、結構やでといった中で、おたくの旦那さんも入られるらしいけど、結構利点ありますよという中で、先ほど言ったように、日野町の少しの中でも経済効果が生まれているんですから、これは、やはり、関西広域連合で取り入れてもらったら、もっと滋賀県にも、滋賀県500以上店舗があります。そうしたら、大阪の人、京都の人が滋賀県へ来て、消防団の奥さんがカードを持っていたら、一遍使ってみようというのも、どんどん波及するので、いいかなと。大変すばらしい事業だと思っておりますので、私も薦めていこうと思いますので、知事同士の御支援もよろしくお願いしたいと思います。  最後、防災力向上と題しましたが、防災力向上といってもいろいろあります。ハード面、ソフト面いろんなものがあるので、一概には質問もできませんが、まず、こういう民間の応援、そして定数の確保が大事だと思います。1万人近い人が動いてくれます。それプラス、スクールガードなんか2万6,000人ぐらいいるんですね。そういった方が、スクールガード、名前のとおり、学校を守ってやる、そして、子供たちを守ってやるという人海戦術の大きな力になることこそが防災力の向上なので、人員が減っていく、右肩下がりでどんどん減っていって、歯どめもきかなくなったら、なかなか警察、消防で自治体が動いても防げないと思います。そういった意味で、今回質問させていただきました。  私の提案した応援の店、「ここ滋賀」、「ここ滋賀」だけではないと思います、びわ湖ホールや美術館、博物館もお金を取っているわけですから、そういうところでも少しでもサービスが提供できるのではないか。そしたら、やはり、ちょっと行ってみようということも出るかなと、そう思っております。  そういったことも踏まえて、最後に、私の質問、提案も含めて、関西広域連合での滋賀県としての対応と防災力向上の確保についての最後に知事のお考えをお願いします。 ◎知事(三日月大造) きょうから8月に入りましたけれども、6月、7月と立て続けに種類の異なる災害に見舞われております。県内でも、先ほど来お取り上げいただいております竜巻被害を含め、さまざまな被害が出ているところでありますので、その意味で、いつ、どのような災害が、どのような形で起こるかわからないということに備えていく必要があるということと同時に、一度災害が起これば、また、想定されている南海トラフなどの地震が起これば、本県のみならず、また想定を超える形で被害が起こるということも想定しながら、広域防災訓練等を重ねていかなければならないと思っておりますし、きょうお取り上げいただきました消防団の存在、また訓練も含めた努力、私はとうといかけがえのないものであると思っています。この週末行われる大会等でも、私自身もよく申し上げますが、この存在と努力こそが地域の住みよさや住みやすさにつながるとも思っております。ただ、いろんな課題があって、なかなか団員の確保が困難だということでありますので、先ほど来答弁しているようなさまざまな取り組みをする中で、応援をしていきたいと思いますし、むしろ、女性も男性も団員に加われるような今の組織のありようですとか、さまざまな制度というものをつくっていく必要があるのだと思いますので、ぜひ経験豊富な議員初め、この議会の中にも消防団員になっていただいている方々、大勢いらっしゃると思いますので、そういった方々の御意見等を集めていただいて、さらに我々にさまざまな御提言等を賜れれば幸いでございます。  これからもしっかりと取り組みを進めてまいりたいと思いますので、より一層のお力添えと御指導をよろしくお願いいたします。 ◆3番(村島茂男議員) (登壇)ありがとうございました。また今度、8月30日、しっかりと滋賀県のすばらしい取り組みも宣伝して、訴えて、一緒にやりましょうということを私も訴えてきます。やはり、今までの応援の店のように魅力ある施策をどんどん取り入れていただいてほしいと思います。  そして、再三になりますけれど、来年の消防の大会には知事の挨拶で、「ここ滋賀」も加入しておりますという言葉が聞けるのを期待しまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、3番村島茂男議員の質問を終了いたします。  以上で、本日の質疑ならびに質問を終わります。  明2日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後4時29分 散会    ────────────────...