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平成30年 7月定例会議(第2号〜第8号)−07月25日-02号

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  1. 滋賀県議会 2018-07-25
    平成30年 7月定例会議(第2号〜第8号)−07月25日-02号


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    平成30年 7月定例会議(第2号〜第8号)−07月25日-02号平成30年 7月定例会議(第2号〜第8号)                平成30年7月定例会議会議録(第3号)                                       平成30年7月25日(水曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第2号                                         平成30年7月25日(水)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第89号から議第99号まで(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第2号)ほか10件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(43名)    1番   桑  野     仁       2番   周  防  清  二    3番   村  島  茂  男       4番   加  藤  誠  一    5番   竹  村     健       6番   海  東  英  和    7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       11番   藤  井  三 恵 子
       12番   杉  本  敏  隆       13番   節  木  三 千 代    14番   駒  井  千  代       15番   山  本     正    16番   大  橋  通  伸       17番   冨  波  義  明    18番   井  阪  尚  司       19番   木  沢  成  人    20番   中  村  才 次 郎       21番   佐  藤  健  司    22番   目  片  信  悟       23番   有  村  國  俊    24番   大  野  和 三 郎       25番   岩  佐  弘  明    26番   山  本  進  一       27番   富  田  博  明    28番   細  江  正  人       29番   高  木  健  三    30番   生  田  邦  夫       31番   川  島  隆  二    32番   奥  村  芳  正       33番   野  田  藤  雄    34番   西  村  久  子       35番   佐  野  高  典    36番   家  森  茂  樹       37番   吉  田  清  一    38番   粉  川  清  美       39番   成  田  政  隆    40番   九  里     学       41番   清  水  鉄  次    43番   柴  田  智 恵 美       44番   今  江  政  彦    45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(1名)    10番   下  村     勳            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長      世  古     正               人事委員会委員長        西  原  節  子               公安委員会委員長代理      大  塚  良  彦               代表監査委員          北  川  正  雄               副知事             西  嶋  栄  治               総合政策部長          福  永  忠  克               総務部長            藤  本  武  司               県民生活部長          浅  見  孝  円               琵琶湖環境部長         廣  脇  正  機               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        江  島  宏  治               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          川  浦  雅  彦               会計管理者           青  木  幸  一               企業庁長            桂  田  俊  夫               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            廣  瀬  年  昭               議事課長            山  本  昌  男               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(川島隆二) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(川島隆二) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  公安委員会堀井とよみ委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として大塚良彦委員が出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(川島隆二) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第89号から議第99号まで(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第2号)ほか10件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(川島隆二) 日程第1、議第89号から議第99号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、会派代表による質疑ならびに質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、23番有村國俊議員の発言を許します。 ◆23番(有村國俊議員) (登壇、拍手)6月18日から7月上旬にかけて、地震、竜巻、豪雨、大きな災害が連続して発生し、県内におきましてもさまざまな被害が生じました。これらの災害により、とうとい命を失われた方々と御遺族に対しまして深く哀悼の意を表します。また、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。  自由民主党滋賀県議会議員団を代表して質問を行います。なお、教育長、県警察本部長に答弁を求める以外は、全て知事に答弁を求めます。よろしくお願いいたします。  まず、6月24日執行の滋賀県知事選挙におきまして、三日月知事におかれましては、はえある2期目の御当選まことにおめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。引き続き、滋賀県民の負託に応える知事として御期待申し上げます。ともに一緒に頑張ってまいりましょう。  それでは、最初に、知事選挙を終えてお尋ねいたします。  私たち自由民主党滋賀県議会議員団を初め、多くの関係者も、今回、知事選挙で精いっぱい力を合わせて努力したところであります。また、本県の知事選挙としては初めて18歳以上の若者が選挙権を行使した選挙でありました。投票率は、残念ながら、前回の知事選挙から10ポイント近く低い40.62%にとどまりました。この投票率を含め、今回の選挙結果についてどのように受けとめておられるか伺います。  次に、知事は、1期目の基本構想において、みんなで新しい豊かさをつくろうと呼びかけられ、さまざまな施策を実施されましたが、急速な時代の変化の中で新しい課題も次々生まれてきています。今回の選挙戦を通じて、多くの県民の皆様からさまざまな御意見や御要望を候補者として真摯に耳を傾けられたと承知しています。選挙期間中、知事は、琵琶湖新時代へ、健康しがをつくろうと訴えてこられました。知事に再選された今、これからの4年間、県政を進めるに当たり、どのような心構えで臨まれるか伺います。  また、県民の皆様は、多発する災害や犯罪、高齢社会、経済の急速な変化に不安を持たれていると思います。こうした課題への対応は待ったなしと考えますが、県民の幸せや安全、安心、滋賀県のさらなる発展のために早急に取り組む必要があると考えておられる施策を伺います。  次に、大規模災害への対応についてお尋ねします。  去る6月18日、大阪北部を震源とする最大震度6弱の地震が発生し、大津市においても最大震度5弱を観測するなど、阪神・淡路大震災以来の大きな地震となりました。また、29日には、米原市において風速65メーターもの竜巻が発生し、家屋の損壊を初め、大きな被害が出ました。さらには、7月上旬に、西日本を中心に梅雨前線の影響による大雨によって観測史上最大の降雨量を記録し、これによって多数の犠牲者を出す未曽有の災害が発生しました。このような現状を踏まえ、改めて県民の安全、安心のためには、本県としてどのように取り組んでいくのかが重要であります。大阪北部地震が発生したとき、当日の午前8時に災害警戒本部を設置され、被害情報の収集等、その対応に当たられたわけですが、その対応と課題について伺います。  こうした地震災害において、東日本大震災の際にも指摘がありましたが、交通インフラの復旧が大きな課題として挙がっています。今回、地震の影響により、公共交通、とりわけ鉄道は、終日運転を見合わせるなど大きな混乱が生じました。その一方で、鉄道の運休等により、自動車での移動に切りかえる方々が増加した影響で、各地の道路が渋滞するなど、市民生活にも大きな影響が出たと考えられます。今後、大規模地震が発生した場合、交通に与えるダメージは大変大きいものと想定されますが、その対応と対策について見解を伺います。  ことし2月に、政府の地震調査委員会は、南海トラフ地震が今後30年以内に発生する確率を現在の70から80%に引き上げると発表しました。6月に土木学会が発表したデータによりますと、南海トラフ地震発生から20年間の経済的な被害が、最悪の場合、1,410兆円に達するとの試算も出され、加えて、本県においては、琵琶湖西岸断層帯による直下型地震の発生も懸念され、大きな被害が想定されることから、その対策強化はもはや待ったなしと考えます。また、地球温暖化による気候変動に伴い、巨大台風の発生や集中豪雨などが多発し、西日本豪雨災害のように河川の氾濫や土砂災害が激甚化しています。  このように、大規模災害や複合災害のリスクは近年非常に高まってきており、こうした現状を踏まえ、防災対策についてどのように取り組まれるか伺います。  また、西日本豪雨災害に見られるような水害、土砂災害による甚大な被害が県内においても発生することが予想されますが、どのような対応が考えられるか伺います。  今日、大規模災害時には、行政による公助だけでなく、住民による自助、共助は言わずもがなであります。それをより充実、強化することが肝要であります。そのためには、地域防災力の強化を図ることが必要であると考えますが、人口減少や少子高齢化の進展とともに地域コミュニティーが弱体化しており、地域防災力の低下が懸念されています。  そこで、こうした状況の中で、住民による自助、共助による地域防災力の向上について、いかに取り組まれるか伺います。  県民の生命と財産を守ることは、知事が目指す健康しがを実現するための大前提であり、まさしく知事の使命であると考えます。激甚化する災害から県民の生命と財産を守ることに対する決意を伺います。  次に、本県の財政運営のあり方についてお尋ねします。  平成30年2月に再試算された今後の財政収支見通しでは、2026年度には累計で900億円を超える財源不足が見込まれるとしています。こうした財政状況にあって、本県の有する財産をいかに効率的に運用していくかということがこれまで以上に重要となっています。  地方財政法においても、その第8条で、地方公共団体の財産は、常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に応じて最も効率的にこれを運用しなければならないと規定されています。  こうした観点から、まず、本県のモーターボート競走事業については、近年、一般会計への繰出金は増加しているものの、平成29年度は、400億円程度の予算規模に対して、繰出金は4億円程度にとどまっています。滋賀県モーターボート競走事業の設置等に関する条例には、モーターボート競走事業は、県が実施する施策に必要な財源を確保することを目的とすると規定されています。また、モーターボート競走法には、モーターボート競走は地方財政の改善を図るために行うと規定されています。  そこで、本県のモーターボート競走事業は、公営ギャンブルに対する価値観も変わってきている中で、こうした条例や法律に規定されている目的を十分に果たしていると考えておられるか伺います。  次に、本県の公の施設について見ると、公の施設では、民間の能力を活用し、住民サービスの向上と経費の削減等を図ることを目的として指定管理者制度が導入されており、平成30年4月1日現在で40の施設で採用されています。そして、指定管理期間全体の指定管理料の合計は約170億円となっています。指定管理者は、各事業者の提示額以外の要素も踏まえて決定されることから、最低額を提示した事業者以外に決定されることもあります。そして、全40施設における指定管理者提示額最低提示額との差額は、指定管理期間全体の合計で約2億1,800万円に上っています。  さらに、県立大学に見てみると、県立大学の土地の面積は約32万5,000平方メートルあり、その固定資産台帳価格は約58億3,000万円となっていますが、そのうち低利用地は面積で約2万1,000平方メートルあり、固定資産台帳価格で約3億3,000万にも上っています。  さきにも述べましたが、地方財政法では、地方公共団体の財産は、その所有の目的に応じて最も効率的に運用しなければならないとされています。そこで、この地方財政法の規定の観点から、指定管理者制度で管理されている施設や県立大学の土地も含めて、県の財産が最も効率的に運用されていると明言できますか、伺います。  また、本県の普通財産となっている土地は、固定資産評価額をもとに算定した金額で合計426億7,000万円にも上っています。今後ますます人口減少が進むことが見込まれる本県にあって、滋賀県という行政庁はもっとスリムにならなければならないと考えますが、今後の普通財産のあり方、その処分の必要性も含めて伺います。  次に、本県の入札制度のあり方についてですが、建設工事等における総合評価方式の入札では、指定管理者制度の場合と同様に、落札価格と最低応札価格との間に差が生じる場合があり、その差額の合計は平成29年度で約7,400万円に上っています。また、下水道処理施設の整備工事や施設管理委託一般競争入札では、1者しか応札がなかったものが少なくありません。平成29年度では、工事で44件中18件の40.9%が委託で、39件中23件の59%が1者の応札でした。こうした状況を見ると、本県の入札制度やその運用には、競争の原理や、最少の経費で最大の効果を上げなければならないという地方自治法第2条第14項の観点から問題があると考えますが、見解を伺います。  次に、本県の予算編成、査定のあり方についてです。  本県の直近10年の経常収支比率を見てみますと、おおむね90%から95%程度で推移しています。例えば、平成28年度は96%、平成29年度は95.5%と見込まれています。この比率と100%との差は、平成28年度では4%、額でいうと130億1,600万円、平成29年度では4.5%、額でいうと146億8,700万円になります。この100%との差額について、直近10年分を合計すると約1,890億円になります。  最少の経費で最大の効果を上げなければならないとの地方自治法第2条第14項の規定や、歳入予算は、法令その他契約の定めるところに従い、適切かつ厳正にその確保に努めるとともに、歳出予算は、その目的を達成するため、最も経済的かつ効果的に執行しなければならないとの本県財務規則第18条の規定がしっかりと遵守されていれば、このように経常収支比率が95%前後ということにはならないはずであります。  経常収支比率がこのような数値になるのは、予算の編成、査定に問題があるのではないかと考えます。また、国からの補助金の取り扱いについても、内示の時期に応じて適宜補正予算として計上するなど、柔軟な予算編成を行うべきではないかと考えますが、こうした予算の編成、査定のあり方について見解を伺います。  知事は、平成27年11月定例会議において、「行財政改革を断行する際に聖域を設けてはならない」、「県内の経済、事業者が元気にならなければ、税収、財源は確保できない」と答弁されています。また、地方自治法第208条第2項では、各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもってこれに充てなければならないと規定されています。  そこで、こうした観点も踏まえ、これまで述べてこられた本県の財産管理・運用、入札制度、予算の編成、査定なども含めて、本県の財政運営のあり方について、聖域を設けることなく、必要な見直しを行うべきと考えますが、見解を伺います。  次に、新生美術館の整備についてお尋ねします。  新生美術館の整備については、昨年8月の建築工事入札不調を受け、昨年10月には再入札を目指して検討され、入札参加要件の見直しや設計の一部見直し案を出されました。設計の一部見直しの整備案は、エントランスアプローチの整備や講堂の改修取りやめ、さらに、情報交流棟の建築を取りやめるなどでありましたが、これは、基本計画に基づき、新生美術館の顔として必要であると当局が強く主張してきたものをみずから取り下げるものであり、設計変更の域を超えているものと言わざるを得ません。また、これまで何年もかけて、有識者や県民の皆様と一緒に議論を積み重ね、つくり上げてきたものを、短期間かつ県庁内部の協議だけで決められたことは、到底納得できるものではないなど、我々自民党県議団内からも厳しい意見が出されました。  その後、県においては、昨年度中に再入札を行わないこととし、美術館本体工事費47億円の遵守に努めるとともに、有識者等から意見を聴取しながら設計見直し案を検討されました。ことし2月、設計等の見直しの方向性を示され、先月末より、その方向性に基づいた設計の見直しの考え方について外部有識者等から意見聴取されていると聞き及んでいます。入札不調から1年がたとうとしていますが、いまだに整備の見通しが立っていません。このような事態をどのように考えておられるか伺います。また、外部有識者等からの意見聴取ではどのような意見があったか伺います。  我々としては、以前から指摘しているように、平成29年3月の新生美術館の整備に関する決議を受け、知事が答弁されていた美術館本体工事費の47億円遵守は大変厳しいのではないかと危惧しています。こうした課題に対応するためには、いつまでも新生美術館基本計画に拘泥することなく考える必要があります。とりわけ、現下の建築業界における労務単価や資材価格の動向も踏まえ、今、このまま新生美術館の整備を進めることについてどのように認識しておられるか、また、今後の進め方についてどのように考えておられるか伺います。  次に、琵琶湖再生における林業の役割についてお尋ねします。  知事は、1期4年において、現場主義を実践するとして、県内の、とりわけ山間部の集落で居住生活されました。先般の選挙期間中も、居住体験をされた朽木、余呉、永源寺等へわざわざ足を運ばれ、懐かしい思い出とともに、その体験から、次の4年間は山を守ると懸命に訴えられたと聞いています。  今回の西日本豪雨による山からの濁流を報道等で見た方々は、どのような気持ちを持たれたでしょうか。知事が、地域の特性や魅力、過疎や地域交通等の暮らしの課題を確かめられ、県政運営に生かすことは、その地域の方々にとって大変心強いことですし、地元の期待感も大きなものがあります。ですから、期待を裏切らない施策、課題に応え得る具体的な施策を実践してこそ、知事が居住体験された大きな意義があると思います。
     一昨年、琵琶湖保全再生計画を策定し、琵琶湖と、その水源となる森林を守り生かしていく政策を進める中、2021年に第72回全国植樹祭が滋賀県で開催されることが内定しました。植樹祭を通じて、本県の魅力とともに、琵琶湖と森林とのつながりを生かした取り組みを全国に発信するよい機会であると思います。改めて、琵琶湖保全再生施策を定めた計画も2年目を迎える中で、知事の琵琶湖を取り囲む山に関して伺ってまいりたいと思います。  初めに、本県の山について、どのように感じてこられたか、そして、選挙期間中訴えてこられた山を守るということの思いを伺います。  梅雨が明けましたが、昨今の気象は想定できないことばかりであります。米原での竜巻はまさにまさかでありました。本県においても、何でも起こり得るという恐怖を県民が目の当たりにしました。そして、200人以上もの方々が犠牲となった西日本豪雨では、想像を絶する山間部の崩壊等、自然の脅威に震撼しました。  琵琶湖保全再生計画における琵琶湖の再生のための水源の涵養に関する事項においては、災害に強い森林づくりのための治山事業や森林整備事業等を推進するとあります。豪雨による山林崩壊をどのように調査し、手だてを打つのか、その対策を含め、治山、森林整備、すなわち山を治めるためにこれらをどのように進めようとされるか伺います。  国においては、いわゆる森林環境税森林環境譲与税を創設するとしています。創設は、温室ガス排出削減や、災害防止を図るための財源確保が制度設計の趣旨でありますが、これに先立ち、去る5月には、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図る森林経営管理法が成立しました。この中では、森林所有者が経営管理を行うことができない場合、市町が林業経営者に再委託、または、みずから経営管理を行うなど、新たな森林経営管理システムを構築するとしており、ますます林業、山の管理に市町という地方自治体の役割が一段と高くなっていることが想像できます。そこで、こうした国の動きをどのように捉えておられるか伺います。  一方、本県においては、琵琶湖森林づくり条例を踏まえた琵琶湖森林づくり事業に展開する費用に充てるため、平成18年度より県民の皆様に琵琶湖森林づくり県民税を御負担いただいています。今年度から健康をキーワードに県政運営をお考えですが、この琵琶湖森林づくり事業では、早くから、健康な森林をつくるとして、陽光差し込む健康な森林づくり事業などを進めてこられました。そこで、この琵琶湖森林づくり県民税を財源としたこれまでの事業によって、滋賀の森林はどれだけ健康が保たれてきたか伺います。  また、今後、国の森林環境譲与税制度による事業が始まるとき、非常に重要となる森林境界の明確化は、目標に対してどれだけ進捗されたか伺います。  山にしっかり取り組むためには、市町を初めとする関係団体の活動にも明るい展望を持っていただけることが大切です。琵琶湖に流れ込む命の水を育む滋賀の山々がますます健康が維持できる取り組みを進めなければなりませんが、琵琶湖再生という本県だからこそ取り組まなければならない山の役割と林業の役割について伺います。  次に、健康しがの推進についてお尋ねします。  昨年度来、平均寿命や健康寿命の現状について、厚生労働省や東京大学からその数値が発表されたところです。それによりますと、昨年12月に厚生労働省から発表された平成27年の平均寿命は、男性は81.78歳で全国1位、女性は87.57歳で全国4位となっており、厚生労働省から本年発表された健康寿命については、国民生活基礎調査から算出する平成28年の健康寿命は、男性は72.3歳で全国16位、女性は74.07歳で全国42位、介護保険の要介護度から算出する平成28年の健康寿命については、男性は80.39歳で全国2位、女性は84.4歳で全国3位となっています。また、東京大学から昨年7月に発表された数値によると、平均寿命は、男性は81.7歳、女性は87.7歳、健康寿命で男性は73歳、女性は77.5歳、平均寿命、健康寿命とも男女で全国1位となっています。  これらの発表に応じて、マスコミが報道されたことから、県民の皆様の間でも健康への関心が高まっていると考えられます。本県においても、滋賀大学に委託して、平均寿命や健康寿命に係る長寿要因を分析され、生活習慣や生活環境が関連していることがさきに発表されたところです。このような中で、平均寿命と健康寿命の本県の現状についてどのように評価され、また、課題は何と認識されておられるか伺います。  平均寿命や健康寿命の延伸に向けた取り組みについては、機を逸することなく進める必要がある一方で、一朝一夕に効果が出るものでもありません。計画的に進めていくことが重要であると考えます。  本県が昨年度末に改定した「健康いきいき21─健康しが推進プラン─(第2次)」においては、健康寿命の延伸および平均寿命と健康寿命の差を縮小することを目標に掲げ、健康な人づくりや健康なまちづくりを柱にした取り組みを進めるとともに、みんなでつくる健康しがの取り組みとして、企業やNPO、大学等の多様な主体が連携し、自発的な取り組みにより県民の健康づくりのための活動を創出することとされています。このプランを受けて、健康しがの推進や健康寿命の延伸に向けて、今後どのような取り組みをされるか伺います。  健康は、県民一人一人が豊かな生活を送る上で基盤となるものであります。県民が健康で生き生きと生活を続けることができれば、人生が潤いのあるものになることはもとより、県全体の活力を生み出すことにもつながると思います。また、介護や医療費など社会保障経費の伸びを抑制し、県財政への好影響も期待できるのではないでしょうか。  今後、「健康いきいき21─健康しが推進プラン─(第2次)」に基づく取り組みを推進することにより、具体的にどのような効果を見込み、それにより今後どのような社会を目指すのか伺います。  子供から高齢者まで、全ての人がいつまでもその人らしく活躍し、本人を取り巻く地域や社会の支えにより、心身の健康が保たれ、また増進されることは、県民全ての願いであります。知事として、県民の願いに応え、健康しがをつくるためにどのような決意を持って臨まれるか伺います。  次に、本県の観光振興についてお尋ねします。  いよいよ再来年に迫った東京オリンピック・パラリンピックを前に、インバウンドは引き続き好調であり、平成29年の訪日外国人旅行者数は2,869万人と、5年連続で過去最高を更新しました。また、地域資源を最大限に活用し、効果的、効率的な集客を図り、稼げる観光地域づくりを推進するための地域のかじ取り役となる法人──日本版DMOも全国各地で登録が進められ、現在、本県の2法人を含め70法人が登録を受けたところであります。  こうした中、平成29年の本県への延べ観光入り込み客数は5,226万人、宿泊者数は387万人と、調査開始以来の最高値を記録しました。三日月県政の2期目においても、観光地域づくりをより一層推進し、交流人口の増加による経済効果の拡大を図ることが重要と考えます。  まず、延べ観光入り込み客数や宿泊者数は過去最高を記録したところでありますが、本県の観光を取り巻く現状と課題をどのように認識されているか伺います。  次に、観光施策の推進について、本県では、平成27年に「琵琶湖とその水辺景観−祈りと暮らしの水遺産」が日本遺産に認定されたことを受け、これを生かした観光振興に取り組まれてきました。今年度の追加認定により、琵琶湖を囲む10市全てで構成されることになり、ストーリーが厚みを増したところであります。また、本県への来訪促進のため、昨年実施した「日本遺産滋賀・びわ湖水の文化ぐるっと博」の成果を受け継ぎ、今月15日からは、今年度の観光キャンペーン「虹色の旅へ。滋賀・びわ湖」が始まったところです。そこで、本キャンペーンの狙いおよび目標を、先般開催されたオープニングイベントの状況とあわせて伺います。  一方、自転車道や矢羽型マークの道路環境の整備も進み、サポートステーションなどの周辺施設も充実しつつあり、愛好者も急増しています自転車によるビワイチですが、観光キャンペーンの中では、この盛り上がりを生かしたいところです。そのことから、ビワイチにも力を入れて、湖周だけでなく内陸部を周遊するビワイチ・プラスの取り組みもさらに加速するべきですが、お考えを伺います。  さて、県内でも屈指の観光地の一つである国宝彦根城は、世界文化遺産登録に向けて、平成4年の暫定リストに登録以来、彦根市において取り組みを進めてこられました。去る5月28日には、世界文化遺産にふさわしいまちづくりに向け、官民一体となって取り組むため、「彦根城世界遺産登録 意見交換・応援1000人委員会」が設立されたところであります。まずは、何よりも彦根城の世界的普遍的価値が認められ、世界文化遺産登録を受けることが大前提となります。そこで、選挙公約に挙げておられた世界文化遺産登録は、何年度を目途に登録を受けられるようにしたいと考えておられるか伺います。  一方、彦根城が世界文化遺産に登録された暁には、他府県の事例を見ても、文化財と周辺の景観や環境の保全が図られるとともに、本県の観光振興にも大きく寄与するものと考えますが、このことについて所見を伺います。  本県においても、2019年度をスタートとする新たな観光振興指針を策定されようとしていますが、これまでの課題も踏まえ、観光振興にかける決意を伺います。  次に、滋賀ならではの農業振興についてお尋ねします。  夏の日差しに青々と育つ水田がまぶしく光るきょうこのごろであります。選挙期間中、知事も県内を走り、溝切りの話をされていました。おいしい近江米を食卓に届けるため、農業にいそしむ皆様は、暑さにも負けず、大切に育てられていることを感じられたと思います。  米政策も、平成30年産米から、作付面積が政府の配分から自主的な作付へと大きく転換がなされました。しかし、このことは、TPPのような日本農業への影響というよりも、需要に応じた生産を生産者みずからが考えようとするもので、知事が会長を務めておられる近江米振興協会がことし3月に策定された近江米生産・流通ビジョンの副題にあるマーケットインを強く意識した米づくりへの転換そのものだと思います。  一方、この近江米振興協会のビジョンに先立ち、国の食料・農業・農村基本計画を受けて、おおむね10年先の滋賀県の農業の姿を描き、平成28年から32年の5カ年における本県農業の方針とする農業・水産業基本計画が策定されています。当然、この計画を念頭に、選挙期間中、訴えられたと思いますが、とりわけ知事が農村部で必ず口にされていたオーガニック農業、いわゆる有機農業を推進するという方針ですが、なぜか2年前に策定した滋賀県農業・水産業基本計画には、オーガニックはもとより、有機という言葉さえも出てこないですし、記載もされていません。10年先の本県農業の姿に、有機、オーガニックが県の計画にはないということであります。御承知のように、有機農業については、平成18年に有機農業の推進に関する法律が制定されており、国においては、26年度の方針で、32年度までに面積シェアを倍増して1%にする目標のもとで支援策を進めています。  法律に基づく本県の有機農業推進計画は策定されてはいましたが、計画では、実践する農業者への支援であり、積極的な計画に感じられない、滋賀県農業の柱ではなかったようです。ただ、県の農業・水産業基本計画の策定と時期同じくして改定された計画には、環境保全型農業直接支払交付金を活用して有機農業の取り組みを拡大するとされています。  そこで、知事選挙で訴えてこられたオーガニック農業が、平成28年に策定された滋賀県農業・水産業基本計画になぜ位置づけられなかったか伺います。  この際、あえて申し上げますが、環境こだわり農業、農産物については、平成15年に制定された滋賀県環境こだわり農業推進条例に基づくものであって、環境こだわり農業とは、化学合成農薬および化学肥料の使用量がこれまでの慣行量を半分程度に下回っている農業であります。堆肥、その他有機質資材を適正に使用し、農業排水を適正に管理し、その他、環境との調和に配慮した措置を講じて対象作物を栽培するもの。環境こだわり農産物とは、知事の認証を受けた農産物であります。  一方、有機農業は、化学的に合成された肥料および農薬を使用しないこと、ならびに、遺伝子組み換えを利用しないことを基本に、生産において環境への負荷をできる限り低減する方法で行われる農業で、有機農産物は、いわゆる有機JASマークで証明される農産物であります。  このように、明らかに環境こだわり農業とオーガニック農業は違います。有機農業でつくられた食品は、普通の食品と比べると、一般的に有機農業でつくられているもののほうが安全性の高い食品だと言われています。だからこそ消費者は価格面で割高であっても受け入れられるわけですが、本県では、現在、どれほどの有機農業に取り組まれているのでしょうか。また、今後、オーガニック農業、有機農業を本県としてどの程度推進されるのか、作物生産面積の目標を伺います。  さて、環境こだわり農業は、平成15年の条例で滋賀県ならではの取り組みとして始まり、既に15年が経過しています。今では、国の環境保全型農業の直接支払交付金制度を活用してと言えば聞こえはよいのですが、本県が取り組むべき琵琶湖への水質的環境への配慮が国の基準の一般的取り組みとされないことに、滋賀県ならではの環境こだわりというものがかなり薄らいできていることが残念でなりません。取り組み面積が一番であっても、国の交付金制度での環境こだわり農産物を他府県産と差別化を図ることは難しいのではないかと思いますが、他府県との差別化を図る観点から、滋賀ならではの環境こだわり農業の方針についてお考えを伺います。  また、環境こだわりの深化としてオーガニック農業を推進するならば、この際、環境こだわり農業推進条例も改正し、オーガニック、有機栽培によって食の安全にもこだわるとして、滋賀県環境・安全こだわり農業推進条例とすべきではないでしょうか、伺います。  一方、有機農業という栽培にかかる労力を考えますと、生産現場の高齢化という課題がより大きくなります。また、法人化も一定進んではいますが、その法人を構成する者が高齢化するということは目に見えています。本県の、とりわけ水田農業の生産性を高めるために、有機農業に取り組む10年後の経営体をどのように描いておられるか、また、そのための育成について、あわせて伺います。  環境こだわりを知事は自然の健康に位置づけられていますが、化学肥料や農薬の使用量削減をいま一歩進め、より有機に近い安心できる農産物として売り出すことで、人の健康にも再掲するぐらいの、さらに10年先を見据えた、攻める本県ならではの人の健康に貢献する農業をどのように描いておられるか伺います。  次に、本県の社会資本整備についてお尋ねします。  現在、インフラ整備は、これまで経済成長を支えてきたシステムや社会構造の改革を図り、限られた公共投資により、いかに効率よく社会資本を整備するかが喫緊の課題となっています。また、高度経済成長期に整備された既存インフラは、更新の時期を迎え、さらには頻発、激甚化する災害、地球環境の保全も大きな問題となっており、インフラの長寿命化や強靱化を進めるとともに、環境に配慮した社会資本整備のあり方を考えなければなりません。社会資本を取り巻く状況は、防災、減災のためのインフラ整備と災害時における対応が課題であり、本県においても、琵琶湖西岸断層帯による直下型地震、台風や集中豪雨による河川の氾濫、土砂災害のおそれも予想されます。それゆえ、河川や道路の社会資本整備は待ったなしの状況であります。  そのような中、知事は、社会の健康を支える県土づくりを目標としてインフラ整備を掲げていますが、今後の社会資本整備をいかに進めていかれるか伺います。  また、社会資本整備を進める上で、公共事業予算を安定的、持続的に確保する必要があります。そのことから、交付金事業や国直轄事業の本県への配分の結果について、いかに受けとめておられるか伺います。  本県は、名神・新名神高速道や北陸自動車道の主要な高速道路が通過し、また、新名神高速道路の大津─城陽間が工事着工され、直轄国道初め、幹線道路網の整備は進んでいます。その一方で、都市部を中心に依然として渋滞対策への要望は強く、人口減少を見据えた地域の状況や課題に応じた道路事業、子供やお年寄りなど交通弱者への交通安全対策、さらに、老朽化の進む道路施策の維持管理や長寿命化、そして、近年の気候変動に伴い頻発・激甚化する災害に備えた道路網の強靱化など、さまざまなニーズが求められています。  しかしながら、車両の急増に道路整備が追いつかず、県内各地で交通混雑・渋滞が慢性化しています。特に南部地域の幹線道路では、多くの箇所で慢性的な渋滞が発生し、日常生活はもとより、観光や企業活動を大きく阻害しています。  このような状況を踏まえ、今後、どのような方針のもと、道路整備を進めていかれるか伺います。  また、道路整備を進めていく上で必要不可欠な国からの交付金等をいかに多く獲得するかが問われています。知事になられた平成26年度は、直轄国道の整備率は、全国平均の65.8%に対し、本県は34%と低迷し、全国平均からもほど遠い全国46位という状況でありました。国庫の内示額は年々増加しているものの、まだまだ道路事業はおくれているのは誰もが認めるところです。この現状を受け、道路整備に必要な予算の獲得に向け、どのように取り組んでいかれるか伺います。  先般の西日本を中心に記録的な大雨となった西日本豪雨では、豪雨による土砂崩れや河川の氾濫が各地で相次ぎ、多くの犠牲者、行方不明者が出ました。さらに、JRの多くの路線で運転を見合わせるなど、交通網も混乱し、市民生活を直撃、企業活動にも支障が出ました。1年前の九州北部豪雨のように、積乱雲が同じ場所で次々に発生する線状降水帯が形成されたと見られ、近年頻発している豪雨現象は地球温暖化も一因とされています。そんな私たちが経験したことがない大雨がいつどこで降ってもおかしくない状況にあることを私たちは認識すべきと思います。  このような状況を受け、本県の河川整備の現状をどのように捉えておられるか、また、現在の河川整備5ヶ年計画は着実に進めておられるか伺います。  今回の豪雨災害について、知事は、「同じ雨が降れば、滋賀県も同じ被害が起こり得る」と述べておられます。そのことからも、スピード感を持って河川改修を進めなければなりません。そのための財源をいかに確保されるか伺います。  また、地球温暖化で降雨量がふえることにより、一級河川で洪水が起きる確率がどの程度上がるかを国土交通省が試算したところ、21世紀末には平均4倍になることがわかり、その結果を受けて、堤防やダムが現在のままなら甚大な被害が出るおそれがあるとして、河川整備計画を見直す検討を始めました。これらを踏まえて、次期河川整備5ヶ年計画を策定するに当たり、これからどのように河川整備を進めていかれるか伺います。  次に、本県の目指す教育についてお尋ねします。  知事は、今回の選挙に当たり、3つの健康のうち、人の健康では「生きる力、学ぶ力で“いきいき人生100年”」をキャッチフレーズとして大きく掲げられました。その中で、生きる力、学ぶ力に関する政策のトップには、学びの質を高める取組を位置づけられ、1つ目に指導力や読解力の向上による学力向上、2つ目に体験活動と教科の連動による持続可能な生き方を学ぶ取組、3つ目に学校教育環境の充実などを主要施策として、県民の皆様に訴えてこられたところです。県民の皆様から本県の教育についての思いをどのように受けとめ、いかに取り組んでいかれるか伺います。  知事は、今年度、子供たちの夢と生きる力を育み、生涯を通じての学びを推進するため、滋賀の教育大綱の策定に向けて、総合教育会議の場で教育委員の皆様と議論を進めておられます。教育大綱は、本県の教育に関する総合的な施策について、その目標や施策の根本となる方針を定めるものであり、教育委員との総合教育会議における協議を経て知事が定めるものとされています。その意味で、教育大綱は、知事の目指す教育のあり方そのものを知事が広く県民の皆様に明確に示さなければならないものと考えます。滋賀の教育大綱の策定に向けて、どのように進めていかれるか伺います。  次期学習指導要領は、小学校では平成32年度、中学校では平成33年度からの全面実施に向けて、既にことし4月から新学習指導要領への移行期間に入っています。その新しい学習指導要領では、育成すべき資質・能力として、生きて働く知識・技能の習得、未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成、そして、学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性等の涵養を3つの柱として、これを一体で育成する方針を明確にされています。これは、生涯にわたって必要とされる力を育てていくということで資質・能力と整理され、主体的・対話的で深い学びはそのための手法とされています。  さらに、国は、こうした新学習指導要領の趣旨を踏まえた指導の改善、充実に乗り出すため、全国学力調査についても、来年度からは、知識と活用を一体的に問う形で、つまり従来のA問題とB問題を統合する方針とのことであります。これに対応するためには、教師の役割も、知識、技能の伝達から、学ぶための組織づくりや学びを構成することへの転換が求められています。  これからは、先生がどう教えるかではなく、子供たちがいかに学ぶかも考えなければなりません。このような状況を踏まえ、本県の子供たちの学力向上をどのように進めていかれるか、教育長に伺います。  高等学校の新学習指導要領も、小中学校に続いて、ことし3月30日付で告示され、平成34年度から年次進行で実施される予定です。新学習指導要領では、一人一人の生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら持続可能な社会のつくり手となるような教育を進めることが示されています。また、平成29年度の総合教育会議では、子どもたちの多様な個性を社会全体で育む滋賀の教育に向けて取り組むことが示されたところです。  このような状況を踏まえ、本県の高等学校においても具体的な取り組みを進めていくことが求められるところです。  例えば、グローバル社会で活躍する人材の育成を目指した国際バカロレアが導入に向けて準備が進められていますが、これも多様な個性を育む教育の一つであると考えます。今後、本県の高等学校において、国際バカロレアを初めとしたさまざまな取り組みを通して、どのような人材を育てていかれるか、教育長に伺います。  次に、県民の安全、安心に向けた警察活動の強化について、全て警察本部長にお尋ねします。  県下の治安情勢は、6月末現在、刑法犯認知件数が前年同期に比べマイナス546件の3,902件と、依然として減少傾向を維持する一方、昨年来、増加傾向にあった交通事故死者数も前年同期に比べマイナス2人の16人と、ここに来てようやく減少に転じたことは、県、市町、県警察を初め、各地域のボランティアの皆様が、これら抑止活動に日々精力的に取り組んでいただいているおかげであります。また、県警察におかれては、3月、守山市内で発生した死体遺棄事件など、県民が不安に感じる事件等を地道な捜査によってしっかりと検挙していただいていることは、何より県民の安心感の確保に大いに寄与するものと考えます。  県民の安全、安心な暮らしを守るため、今後も、県警察には最大限の御努力を期待するとともに、全ての県民が事件、事故に不安を感じることなく、安心して毎日の生活が送れるよう、我々会派としても警察力の強化に引き続き努めていきたいと考えています。  いまだ警察官1人当たりの負担率が高い本県では、警察力の強化として、特に警察官の増員が必要です。県警察、知事部局、県議会が連携の上、それぞれの立場から、国に対し、本県の現状等をしっかりと訴え続けることで増員を実現していきたいと思います。  ところで、5月、新潟市内において、下校途中の児童が殺害される、まことに痛ましく、決して許すことのできない事件が発生しました。そして、これを受け、国では、登下校時の子供の安全確保に関する関係閣僚会議が開かれ、通学路の点検や危険箇所の警戒、防犯カメラの設置支援や見守り活動の活性化等を内容とする登下校防犯プランの方針が取りまとめられました。  本県においても、登下校中に児童生徒が不審者に声をかけられたり、つきまとわれるなど、一歩間違えば重大な事件に発展しかねない事案が依然として発生しています。そこでまず、本県における子供を狙った犯罪や、その前兆事案の現状を伺います。  児童の安全を守るには、警察、学校を初め、県、市町等の関係機関が一層に連携を密にしながら、これまでの取り組みを強化し、進化させていく必要があります。さらに、これに加え、日々、地域の目として重要な役割を果たしていただいているボランティアの皆様の活動をさらに促進するための支援や、より効果的な見守り活動のあり方等についても検討し、実践していく必要があります。児童を見守るボランティア活動の現状を踏まえ、今後、県警察として、これらボランティア活動をどのように支援し促進されるのか伺います。  なお、通学路等における児童の安全を脅かすのは犯罪だけではありません。交通事故からもその身を守らなければなりません。関係機関が連携の上、交通上の危険箇所の点検や改修に取り組むほか、児童の安全な通学、通行を守るための横断歩道や標識等の点検、整備についても、通学路の安全対策としてしっかり対応していただきたいと思います。  また、交通事故に関しては、高齢ドライバーによる交通事故をいかに防止するかも重要な課題であります。高齢社会が進展する中では、高齢ドライバーによるアクセスとブレーキの踏み間違い、高速道路の逆走による事故、認知症が疑われる事故等の増加が危惧されます。  県警察では、今年度、全国警察で初めてオブジェという運転技能を測定できる機器を導入し、運転に不安を感じる高齢ドライバーに、ふだん使用する自動車を運転してもらいながら、交差点への進入速度や安全確認、アクセルとブレーキ操作のタイミング等を測定の上、評価されることで、運転能力の低下を自覚してもらう取り組みを開始されたと聞きました。これは本当によい取り組みと思います。しかしながら、高齢ドライバーの中には、家庭の事情や地域の公共交通機関等の問題から、どうしてもみずから自動車を運転しなければならない方もおられます。自己の運転技能の低下を自覚してもらい、運転技能の改善や運転免許証の自主返納を進めていくことは言わずもがなですが、自動車等の運転中に出くわすさまざまな危険をしっかりと認識してもらい、適切な回避処置等を講じてもらうことも事故防止の観点からは重要ではないかと考えます。  高齢ドライバーによる交通事故の現状と、その防止に向けた高齢ドライバー対策をどのように推進されるか伺います。  最後に、本格的な夏場を迎え、台風等による風水害も懸念されます。万一災害が発生すれば、県、市町においては、受援体制を速やかに確立し、支援、提供を受けた人的・物的資源の適切かつ効果的な運用に努める必要があります。一方、県警察においては、消防、自衛隊等とともに、現場において避難や救出・救助活動に当たることになりますが、まさに、これら活動のいかんが県民の生命や安全に直結することになります。  過去の教訓からも、発生を想定した事前の体制整備と、訓練、資機材の整備等がその成否を分けることは明らかです。既に県警察では取り組みを進められているものと思いますが、災害に備えた体制整備と能力向上等のための取り組みを伺います。  さらに、災害時の人命救助活動においては、発災から72時間以内が生存のリミットと言われています。迅速な救助活動に向けた他府県警察からの受援のあり方を伺い、質問を終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 23番有村國俊議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)自由民主党滋賀県議会議員団を代表され、大きく11項目、私には10項目賜りました。順次お答えをさせていただきます。  まず、知事選挙を終えての3点の御質問にお答えいたします。  1点目、選挙結果の受けとめについてでございますが、今回の選挙におきまして、御支援をいただき、お声を寄せていただきました皆様方に心から感謝を申し上げます。結果として、県民の皆さんから多くの御支持をいただくことができ、前回を上回る37万7,132人の方に票を賜ったことは、率直にうれしく、心強く感じております。この御負託に応えられる県政をしっかりと進めてまいりたいと存じます。  一方で、御指摘のように、投票率が40.62%と前回投票率50.15%を大きく下回っている状況は、真摯に受けとめなければならないと考えております。今回は本県の知事選挙として初めて18歳以上の若者が選挙権を行使した選挙でございましたが、そういった若者を初め、より多くの方々が滋賀県政や地域の課題に関心を持っていただけるよう取り組みを進めてまいりたいと存じます。  2点目、4年間の県政を進めるに当たっての心構えについてでございますが、今回の選挙で県内をくまなく回り、本県は自然、水の恵みが豊かな瑞穂の国であることを改めて実感いたしました。この豊かな自然を持続させていくためには、まずは地域が健康であることが重要との思いを強くし、人の健康、社会の健康、自然の健康を柱とする健康しがということを申し上げてまいりました。一方で、病気と闘われている方々や障害のある方々、また御高齢の方々、過疎化が進む地域の方々などからは、自分は健康しがの土台づくりに参加できるのだろうかという不安のお声も多くいただいたところでございます。  健康しがは県民みんなでつくり上げていくものであり、県民の皆様を初め、市町や国、関係団体とも協力しながら、ともに考え、進めてまいる所存でございます。  2期目は真価を問われる4年になると受けとめております。自律と自制の念を新たにし、県民の皆様との対話を重ね、共感を広げ、1期目とは異なる緊張感と使命感を持って県政運営に当たってまいりたいと存じます。  3点目、早急に取り組む必要がある施策についてでございますが、昨今の災害発生状況に鑑み、次世代に向けた防災、減災のためのインフラ整備や、地域防災力の向上については喫緊の課題と考えており、地震防災プランや原子力災害対策を着実に進めるとともに、ハード、ソフト両面の流域治水、土砂災害対策の充実などにも取り組んでまいりたいと存じます。完全に防ぐことが難しい災害にどのように向き合い備えていくのか、大きな課題ではございますが、不断に災害対応能力を高めてまいりたいと存じます。  また、人口減少が確実に進行する中で、まさに大切なのは人の力であり、産業や医療福祉を初め、さまざまな分野における人材の確保、育成に今後さらに力を入れるとともに、各分野の連携により相乗効果を生み出し、滋賀のさらなる活力へとつなげてまいりたいと存じます。  さらには、本県がこうした取り組みを着実に進めていくための前提として、財政の健全化が必要であり、全庁挙げて取り組んでまいる所存であります。  大きな2項目め、大規模災害への対応に関しましては、6点御質問をいただきました。  1点目、大阪北部地震に対する県の対応と課題についてでございますが、県では、地震発生直後の6月18日午前8時に西嶋副知事を本部長とする災害警戒本部を設置し、午前9時30分に第1回災害警戒本部員会議を開催したところでございます。その後も6月25日まで定期的に7回開催し、被害状況や今後の地震、気象情報等を共有したところです。この間、県民の皆さんに対し、随時、知事メッセージを発出し、今後の地震や大雨に対する注意を呼びかけたところです。  また、大阪府で学校のブロック塀の下敷きになった児童が亡くなるという事故が発生し、ブロック塀の安全性の確保が課題となりました。このため、県立施設や県立学校のブロック塀の緊急点検を実施いたしまして、この結果、危険性の高いブロック塀について、速やかに撤去等の対策を講じることとしたところでございます。また、市町の教育委員会に対しましても、学校におけるブロック塀の点検と安全確保について通知したところです。  さらに、鉄道が長時間にわたり運休したことによる帰宅困難者への対応が課題であったと認識しているところでございます。  2点目、交通に与える大きなダメージへの対応と対策についてでございますが、大阪北部地震の際には、ライフライン等の被害情報、鉄道等の公共交通機関や道路通行規制等の情報について、県のホームページや防災ポータルサイトを通して随時提供を行いました。公共交通機関の運転見合わせに伴いまして大規模渋滞が生じたことから、今後、その影響を少なくするため、県のホームページ等を通じて道路や列車の運行情報の提供に引き続き努めてまいります。  また、各事業者において、災害の規模や程度に応じ、業務継続計画に基づいて出勤する人数を調整するなどの取り組みの啓発も必要であると認識しているところでございます。  さらに、今回の地震で課題になった帰宅困難者対策につきまして、地域防災計画に基づき、帰宅困難者への情報提供、徒歩による帰宅者への支援等の着実な実施に向け、各市町や関係機関と協議してまいりたいと存じます。  3点目、大規模災害や複合災害に対する防災対策の取り組みについてでございますが、昨年度には、これまでの地震対策の取り組みを継承し、全国各地で発生した過去の大規模災害等を教訓に、今後3年間で重点的に取り組むハード、ソフト両面の地震対策として、滋賀県地震防災プランを策定したところでございます。このプランに基づくハード対策を着実に実施するとともに、新たな取り組みとして、今年度、大規模地震災害時に、国や他府県からの支援を効率的に受け入れるための受援体制・マニュアルの整備を進め、今後3年間で市町の受援計画の策定について支援をしてまいります。あわせまして、このプランの取り組みについては、地震だけでなく、今回の豪雨のような他の自然災害への対応にも生かしてまいります。  また、複合災害への対応につきましては、毎年9月に実施しております滋賀県総合防災訓練におきまして、地震、風水害、土砂災害等の複合災害を想定した訓練を実施しているところです。今後、これらの災害や原子力災害を含め、地域特性に応じた発生可能性が高い複合災害を想定した訓練内容となるよう努めるとともに、結果を踏まえて、県民の安全、安心のための防災対策の見直しを行ってまいりたいと存じます。  4点目、発生が予想される西日本豪雨災害のような甚大な被害に対する対応についてでございますが、砂防堰堤や河川の着実な整備とあわせて、土砂災害や浸水に対するリスク情報をしっかりと県民の皆様に周知することや、地域の避難体制整備への支援など、引き続きハード・ソフト対策を総合的に進め、減災に努めてまいります。  5点目、住民による自助、共助による地域防災力の向上の取り組みについてでございますが、御指摘のとおり、行政の公助だけでなく、住民による自助、共助を充実、強化することは極めて重要でございます。  その取り組みの1つ目として、日ごろから住民の皆さんの防災意識を高めるための、まずは自分たちの住む地域の危険度を認識することが大切であり、浸水被害を示した地先の安全度マップや土砂災害警戒区域などのリスク情報を住民の皆さんによりわかりやすくお知らせする工夫を県のホームページなどで早急に行い、住民みずからが身を守る行動につなげるよう啓発に努めてまいります。  2つ目は、地域の防災リーダーとなる人材の育成、具体的には、防災士等、各市町の地域の自主防災組織のリーダーとなる人材の育成を支援してまいります。  3つ目といたしましては、市町と連携いたしまして、防災組織の充実、強化を進め、具体的には、消防団応援の店の拡充や全国女性消防団活性化大会の本県での開催など、消防団の充実、強化のための支援策を実施してまいります。人口減少・少子高齢社会では、防災分野において、女性や高齢者がみずから地域で活動していくことが重要であるため、特に女性の参加を促進する取り組みについて検討をしてまいりたいと存じます。  6点目、激甚化する災害から県民の生命と財産を守る知事としての決意についてでございますが、大規模地震や風水害等による災害に備えるには、防災への意識を高め、知識を深め、組織を整備することが肝要であると考えます。そのための自助、共助、公助の取り組みを推進し、ソフト、ハード両面の対策を強化してまいります。  全国各地で大規模な災害が頻発する中、まずは、全ての県民の生命を守るという強い思いのもと、県の使命を果たすため、災害対策について不断の見直しを行うとともに、市町と連携し、防災、減災に向けた取り組みを一層進めてまいる所存でございます。
     財政運営のあり方については、6点御質問を賜りました。  まず1点目、モーターボート競走事業についてでございますが、全国のボートレースの売り上げは、平成3年度をピークに減少したものの、平成25年度以降は回復傾向にございまして、びわこボートレース場につきましても同様の傾向となっており、昨年度の売り上げは対前年度比113.2%の約393億円で、4億円を一般会計に繰り出したところでございます。一般会計への繰出金を確保することにより県財政に貢献するという公営競技の使命を果たし続けるため、現中期経営計画において、平成27年度から31年度までの5カ年で4億円の繰り出しを目標としたのに対し、平成29年度までの3年間で9億円の繰り出しを達成しており、条例や法律に規定されている目的を一定果たしていると考えています。  公営競技を取り巻く環境は、ファンの高齢化やレジャーの多様化等により、本場来場者数は年々減少しており、厳しい状況であると認識しているところです。こうした中で、売り上げの約半分を占めます電話投票による売り上げは年々増加しており、20代から40代の若い世代が利用者の6割強を占めております。今後、引き続き、電話投票の売り上げ向上とあわせまして、多額の売り上げが見込めるビッグレースの誘致や魅力あるレース場づくり、観光事業者と連携した誘客に努め、本場への来場促進に取り組むことにより収益確保を図ってまいりたいと存じます。  2点目、県の財産の効率的な運用についてでございますが、県有施設につきましては、これまで、社会情勢の変化や地域における施設の充足状況、県の役割の変化等を踏まえ、そのあり方について継続的に見直しを行い、廃止も含めた量的な最適化に努めてきたところでございます。また、存続する施設につきましても、サービス水準の向上や安定的な管理、経費の縮減などの視点から、指定管理者制度や業務のアウトソーシングなど、民間活力の積極的な活用を進めることにより効率的な管理運営を行ってきたところでございます。  さらに、例えば県立大学におきましては、低利用地をコンビニエンスストアや保育園に貸し出すなど、資産の有効活用に努めているところです。今年度、施設用地の利用状況について調査分析を行うこととしており、その結果も踏まえ、資産の効果的、効率的な活用について大学とともに議論していきたいと考えています。  今後も、地方財政法の規定の趣旨や県民ニーズを踏まえ、滋賀県公共施設等マネジメント基本方針に基づき、県有施設の質、量の両面から最適化を図っていくとともに、これらを含めた県有財産について、効果的かつ効率的な活用を行ってまいります。  3点目、今後の普通財産のあり方、その処分の必要性についてでございます。  将来にわたって利用計画のない県の普通財産については、これまでから、不要資産の圧縮、いわゆるスリム化の観点から計画的な売却に努めているところです。しかしながら、立地条件等により土地利用ニーズが低い物件も多くなってきておることから、売却が困難になってきているところです。今後も、財源不足が見込まれる中、売却手続に必要な条件整備を図りながら、歳入確保の観点からも積極的に売却を進めてまいります。また、売却困難な財産につきましても、貸し付けを検討するなど、普通財産の有効活用に向けた取り組みに努めてまいります。  4点目、入札制度やその運用についてでございますが、総合評価方式につきましては、価格その他の要素を総合的に判断して、発注者にとって最も有利な申し込みをした者を落札者とする落札決定方式で、平成11年に地方自治法施行令の改正により導入されたものでございます。その後、公共工事における品質確保のため、公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる品確法が平成17年に施行されたことに伴い、導入が促進された入札制度でございます。本県におきましても、価格および品質が総合的にすぐれた内容の契約により、公共工事等の品質を確保するとともに、ダンピングの防止を目的に平成18年度より実施してまいりました。  議員御指摘のとおり、総合評価方式においては、落札価格と最低応札価格が逆転することもあり、運用については慎重に行っていく必要があると認識しています。このため、運用につきましては、これまでからも適宜見直しを行っており、今後も、国や他府県の取り組みを参考とし、業界とも意見交換しながら、工事難易度等による総合評価方式の適否も含め、よりよい入札制度となるよう検討してまいります。  次に、1者応札についてでございますが、本県においては原則一般競争入札としており、入札参加資格を有し、意欲のある者全てが応札可能としておりますが、議員御指摘のとおり、1者応札となっている工事や施設管理委託も見られます。競争性を高めるためには、入札参加資格要件の緩和や、発注規模、発注時期等のさらなる工夫が必要であると考えており、国や他府県の取り組みも参考にしながら、より適切な入札制度となるよう努めてまいります。  5点目、予算編成や査定のあり方についてです。  予算編成におきましては、見積もりから最終決定に至る一連の編成過程の中で、事業の目的達成や効果発現を図る上で手法が最適かどうか、経済性や効率性の面から問題はないか、過去の実績や不用額の状況から見て経費積算は適切かといった観点から精査、査定を行っているところです。  また、国庫補助事業の予算計上につきましては、歳入の状況も踏まえて、その年度に実施する事業費の総額を当初予算で計上し、県議会の審議に付すとともに、予算をもとに国に要望を行い、国から配分があり次第、早期に事業着手することとしています。  なお、予算計上に当たりましては、国の予算措置の状況や重点分野の考え方、過去の内示状況等を踏まえて、適切に見積もるよう心がけているところです。加えまして、執行段階におきましては、事業採択に向けて、国への提案、要望を適時適切に行い、国費の獲得に努めるとともに、不用額が確定した場合には、早期に減額補正し、当該年度や次年度以降の財源として有効に活用することとしています。  今後、財政状況が厳しさを増す中、財政の硬直化を招かないよう、これまで以上に予算の適切な計上や不用額の縮減に努めてまいります。  6点目、本県の財政運営のあり方、見直しの考え方についてでございますが、本県財政は、社会保障関係費の増加や大規模事業の実施等に伴い、今後、厳しい局面が見込まれており、財政の健全化に向けて不断に行財政改革を進める必要があると考えています。  今後の収支改善の取り組みにおきましては、まず、歳入確保の充実、強化に特に力を注いでまいりたいと考えます。県内経済の活性化等による県税収入の確保や、国への積極的な働きかけによる国庫支出金や交付税の増収のほか、本県独自の財源確保に向けて、施設等の有効活用や行政需要を踏まえた費用負担のあり方など、あらゆる可能性について検討を行ってまいります。  歳出面におきましては、個々の施策、事業について、費用対効果をしっかり見きわめ、制度の存廃も含めた抜本的な見直しを検討するほか、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化等を図ることにより財源不足の縮減につなげてまいります。  また、今回御指摘のございましたモーターボート競走事業のあり方や、施設財産の効率的な運用や処分、入札制度や予算査定の見直しについては、いずれも持続可能な財政基盤の確立を図る上で大変重要な視点であると認識しており、それぞれの実情、課題を見きわめ、御答弁申し上げた方針等に沿って検討、対応してまいります。  その上で、厳しい中にありましても、健康しがの取り組みの具体化や、次期基本構想に掲げる政策の推進、また、未来への投資等にしっかり対応することで、滋賀を元気にし、県民福祉の一層の向上や将来の発展につなげてまいりたいと存じます。  続きまして、新生美術館の整備につきまして、4点の御質問にお答えいたします。  まず1点目、入札不落から1年がたとうとしているが、整備の見通しが立っていない事態をどう考えているのかということについてでございますが、昨年8月、入札が不落になって以降、建築工事の再入札に向けた設計見直しを行うべく、議会にも御報告し、また、有識者への意見聴取等も進め、さまざまな観点から見直し内容を検討してきたところでございます。しかしながら、結果として、今日なお整備のめどが立てられておらず、貴重な文化財の寄託者の皆様に御心配をいただいていることや、すぐれた美術作品を鑑賞いただく機会を提供できていないことなど、御期待いただいてきた県民や関係者の皆様に大変申しわけなく思っているところでございます。  2点目、外部有識者等からの意見についてでございますが、外部有識者等への意見聴取は6月末から行ってまいりました。新生美術館整備推進専門家会議とみんなで創る美術館円卓会議の2つの会議を公開で開催したほか、文化財関係者や近代美術館関係者等に意見を伺ってまいりました。皆様からは、新生美術館は仏教美術の展示から地域に開かれたアートセンター機能まで幅広くカバーしようとする新しいタイプの美術館であるということですとか、美術館はまちのイメージを変える目玉となれる施設であるといった御意見や、一番のポイントは琵琶湖文化館収蔵品の保管、収蔵であるといった御意見、また、重要な要素を選択し、優先順位をつける作業が必要など、さまざまな御意見をいただいたところでございます。  3点目、このまま新生美術館の整備を進めることについてでございます。  意見聴取を踏まえ、かつ、本体工事費47億円を遵守すべく、設計の見直し案の検討を重ねてまいりましたが、2年後の東京オリンピック・パラリンピックを控えて、建設単価が高どまりすると想定される中、県民や関係者の皆様の御期待に応える形で新生美術館の整備を行うためには、47億円におさめることができないと判断するに至りました。このため、入札不落以来進めてまいりました見直し案による新生美術館の整備は一旦立ちどまらせていただきます。このように表明することは、私としても大変重く苦しい決断であり、県民や関係者の皆様にまことに申しわけなく、おわび申し上げます。  4点目、しからば今後の進め方についてどのように考えているのかということについてでございますが、新生美術館の整備は一旦立ちどまるものの、近代美術館の施設・設備の狭隘化、老朽化や、琵琶湖文化館の機能継承は喫緊の課題であると認識しています。今後は、この喫緊の課題への対応を優先して取り組むこととし、その内容や進め方等につきましては、できるだけ早くお示ししたいと考えております。  大きな5項目め、琵琶湖再生における林業の役割に関する6点の御質問についてお答えいたします。  1点目、山を守るということの思いについてでございますが、平成27年2月の長浜市木之本町を最初に、高島市安曇川町、甲賀市土山町、高島市朽木、米原市大久保、東近江市奥永源寺、そして先日の多賀町と、7カ所、計9回、山村での知事短期居住を行ってまいりました。この間、住民の皆さんと触れ合う中で、木材単価が低迷し、林業経営が成り立たない現状や、所有者の森林への関心も薄れ、手入れ不足の森林がふえているといった実態をお聞きしてきたところでございます。また、林業になりわいとしての魅力が失われたことから、働き手が都市部へ流出して、人口が減って高齢化が進んでおり、山村に活気がなくなっているようにも感じてきております。さらに、人が山に入らなくなったため、猿や鹿が人を恐れなくなり、これらが頻繁に集落や里山に出没し、農林業や生活への被害も深刻になっているとのことでございました。  一方で、利用期を迎えた豊かな森林資源や、子供たちが生き生きと戯れる水の流れなど、山の恵み、また、それらを生かすことの可能性を感じることができ、また、林業を希望してふるさとにUターンしてきた若者や、新たな木工製品を開発している人、また、獣害に遭いにくい作物を育てるなど、前向きに取り組む人たちにも会うことができました。  山を守るということは、山に手を入れて森林を保全しながら再び林業を活性化させることはもちろんでありますが、あわせて、地域の資源を活用し、また、新たな人の力と知恵も取り入れながら、山村そのものを元気にすることが不可欠であると改めて感じているところでございます。  2点目、山を治めるために今後どのように取り組むのかということについてでございますが、治山事業は、山地災害発生の危険度が高く、人家等の保全対象が近接している箇所において、ダムや山腹工といった治山施設の設置と間伐等の森林整備とをあわせて行っています。特に近年、土石流が渓流沿いの樹木を巻き込んで流れ出す流木災害が問題となっておりますことから、本県では、危険性が高い41カ所について、平成32年度までに緊急的に流木対策に取り組むこととしております。また、豪雨等があった場合には、山地災害の発生状況や治山施設の異常の有無について、県、市町の職員のほか、各森林整備事務所に配置している水源林保全巡視員も協力して調査を実施し、二次災害の防止や早期の機能回復の観点から、順次その復旧に取り組んでおります。  山は、恵みを与えてくれる一方で、災いをもたらすこともあることを肝に銘じ、山を恐れる気持ちを大切にしながら山を治めることに努めてまいります。  3点目、新たな森林経営管理システムなど国の動きについてでございますが、平成31年4月から始まります新たなシステムでは、まず、森林所有者の経営管理の責務を明確化した上で、森林所有者みずからが経営管理できない場合、市町が主体となって森林所有者林業経営者をつなぐ仕組みが創設され、また、市町にその財源として森林環境譲与税が配分されることとされました。このことにより、本県においても問題となっている手入れ不足の森林の整備に大きく寄与するものと期待しているところです。この新たな仕組みによる森林の経営管理と、これまで琵琶湖森林づくり県民税で行ってまいりました森林づくりが相まって、琵琶湖を取り巻く森林の多面的機能の向上がより一層図られると期待しているところです。一方で、この新たなシステムを推進していく上で、実際の森林整備を担う人材の確保と育成や、市町における実施体制の整備などが大きな課題となってくるものと認識しているところです。  4点目、琵琶湖森林づくり県民税により、森林はどれだけ健康が保たれてきたのかということについてでございますが、これまで本県では、琵琶湖森林づくり県民税を活用いたしまして、環境重視や県民協働といった新たな視点に立った森林づくりを進めてまいりました。  その中で、まず、環境重視の森林づくりでは、手入れが進まない人工林の針葉樹と広葉樹が入りまじった環境林への誘導などが進み、また、県民協働の森林づくりでは、地域住民等による里山の整備や森林環境学習やまのこによる人づくりも進んできております。しかしながら、利用や手入れが十分でない森林が多く残されていることや、鹿食害により森林の土砂が流出するといった新たな問題が生じていることなど、山の健康に向けてはまだまだ課題が残っていると認識しております。  5点目、境界明確化についてでございます。  適切な森林整備には、その基礎となる境界明確化は非常に重要であり、これまでから琵琶湖森林づくり県民税や国の交付金事業により取り組んでまいりました。取り組みに当たりましては、個人所有林の約8万4,000ヘクタールのうち、木材生産による収益が見込める7,000ヘクタールを当面の目標として優先的に進めておりますが、平成29年度末の実施済み面積は約3,000ヘクタール強となってございまして、その進捗率は44%にとどまっております。今後は、森林環境譲与税も活用しながら、市町とも連携して境界明確化を強力に進めてまいりたいと存じます。  この項目の最後、山の役割と林業の役割についてでございますが、言うまでもなく、県土の2分の1を占め、琵琶湖の上流部を取り巻く森林は、水源涵養機能はもちろんのこと、生物多様性の保全など、琵琶湖の再生に大きな役割を果たしていると考えます。林業は、この森林資源を有効に活用し、森林に人の手を入れることで、その多面的機能を発揮させるとともに、なりわいとして、そこに住む人々の暮らしを支え、山村を活性化する役割を果たしております。  新たな森林経営管理システムにより、さらに重要な役割を担うこととなる市町や森林組合などの林業事業体等と連携し、林業の成長産業化により森林を生かす取り組みを進め、さらに、都市部との交流や地域資源を生かした産業興しなどにより山村の活性化を図り、これがさらに森林を守る取り組みにつながるといった健全な循環を目指してまいりたいと存じます。こうしたことによって、森林と山村に活力が戻り、関係者が展望を持って取り組めるようになるものと期待しており、これが山の健康、さらには琵琶湖を初めとする自然の健康につながるものと考えております。  大きな6項目め、健康しがの推進について、こちらは4点御質問を賜りました。  1点目、平均寿命と健康寿命の現状と課題ということについてでございますが、議員御指摘のとおり、厚生労働省が発表した平均寿命や要介護度から見た健康寿命、また、東京大学が発表した平均寿命および健康寿命は、男女とも全国順位は上位となっております。特に厚生労働省発表の平均寿命については、男性が今回初めて全国1位となったことはもちろんのこと、女性の平均寿命が、平成22年の数値と比較して、全国平均では0.66歳の伸びであるのに対しまして、滋賀県では0.88歳と伸びたことにより、全国順位が12位から4位へと大きく上昇したことも評価したいと存じます。  このことは、県民の皆さんが、減塩、塩を減らすことや、バランスのとれた食事、運動や禁煙など、生活習慣の改善に取り組まれたこと、健康推進員などボランティアの方々が野菜の摂取活動などに地道に取り組まれてきたこと、医療関係者の御尽力により、県内の医療水準が向上し、がんや脳血管疾患の死亡率や周産期死亡率が低下してきていること、あわせて、全ての市町が健康増進計画を策定し、健康づくりに鋭意取り組んでいただいていることなどなどが功を奏し、このような結果が出ていると認識しています。  ただし、健康上の問題で日常生活に影響があるかどうかを問う国民生活基礎調査に基づく健康寿命につきましては、全国順位が高いとは言えず、今後、いかに県民の皆さんの健康感を高め、生き生きと生活していただくかが課題であります。  また、先日公表した要因分析結果では、平均寿命、健康寿命には禁煙やスポーツなどの生活習慣と関連性があることがわかりましたが、その生活習慣には、高齢単身者が少ないなど生活環境が関連することが認められたことから、生活環境の観点も含めて県民の健康づくりを考えていくことが重要であると認識しています。  2点目、健康しがの推進、健康寿命の延伸に向けた今後の取り組みについてでございますが、昨年度、健康しが推進プランを改定いたしまして、数値目標の達成状況も見きわめながら、健康寿命の延伸と健康格差の縮小に向けて計画的に推進することとしております。  プランでは、健康な人づくりとして、例えば、喫煙率を減少するため、喫煙による健康影響に関する情報提供を行うなど健康増進に係る取り組みや、糖尿病有病者の割合を増加させないよう健診受診率の向上を図るなど、生活習慣病の発症防止や重症化予防の取り組みを行うこととしています。  また、健康なまちづくりといたしましては、改正健康増進法の規定も踏まえて、飲食店や量販店などでの受動喫煙対策を行うほか、企業における健康経営や健康づくりが積極的に推進されるよう、セミナーを開催するなど支援を行うこととしています。  また、今年度は、新たに企業等の参画も得まして、「健康しが」共創会議を設置し、文化、スポーツ、観光、食など幅広い分野において、多様な主体の連携のもと、県民の健康づくりのための新たな活動の創出に向けた取り組みを開始したところです。先週の21日には、その周知を図るためキックオフイベントを開催し、私自身が県民の皆さんと一緒になって健康しがをつくっていこうと宣言させていただきましたほか、末成由美さんと麻倉ケイトさんに健康しが大使に御就任いただき、今後の御協力をお願いしたところでございます。当日は、出展団体のブースには多くの方が訪れていただき、県民の皆さんの健康への関心の高さがうかがえたところでございます。今年度を健康しがの推進に向けた土壌づくり、基盤づくりの年と位置づけ、今後の持続可能な動きに結びつけていきたいと考えています。  3点目、健康しが推進プランに基づく取り組みによる効果や目指す社会についてでございますが、健康しが推進プランの取り組みを計画的に実施することにより、健康づくりのための基盤となる生活環境の整備や、健康づくりに向けた機運の向上を図り、そして、県民の皆さんに健康を意識して行動していただくことを目指してまいります。具体的には、健康に配慮した食事を提供する飲食店をふやし、ボランティア活動やスポーツに取り組みやすい環境づくりなどを進めるとともに、県民の皆さんには、運動習慣やバランスのとれた食事の摂取などの生活習慣を身につけ、主体的に健康を維持増進していただくことで、生活の質の維持向上が図られ、生きがいや楽しさ、豊かさを実感していただくという効果を期待しています。こうした取り組みにより、健康寿命が延伸し、平均寿命との差が縮小すること、さらには、将来の社会保障経費に係る財政負担の抑制につなげ、その財源を活用して、社会の健康、自然の健康も含めた健康しがの実現を目指してまいりたいと存じます。  この項目の最後、4点目、健康しがをつくるために知事としての決意ということでございますが、今回の知事選挙を通して、病気と闘われている方や障害のある方、また御高齢の方、さらに過疎化に悩まれる地域の方々などから、そもそも自分がこの健康しがの取り組みに参加できるのだろうか、できているのだろうかという不安のお声を数多くいただいたことは、開会日に所信の一端として述べさせていただきました。  健康しがの取り組みは、滋賀に暮らす我々も含めた方々が、誰も取り残されることなく、ともにその歩みに参加するとともに、県民の皆さんを初め、多様な主体の協力のもと、一緒に考え、進めてまいりたいと考えています。こうした視点を大切にしながら、健康しがを旗印に取り組みを進め、全ての人が幾つになっても心身とも健やかに、その人らしく活躍し、ともに支え合う共生社会の実現を目指し、全力で取り組んでまいる所存でございます。  大きな7項目め、本県の観光振興について、こちらは6点賜りました。  まず、現状と課題についてでございます。  現状につきましては、議員御指摘のとおり、平成29年の延べ観光入り込み客数および宿泊客数がいずれも過去最高となったところであり、これは、日本遺産やビワイチ、近江牛を初めとした食、さらには映画のロケ地といったコンテンツを活用し、本県ならではのツーリズムに取り組んできた結果でもあると考えています。一方で、課題といたしましては、延べ観光入り込み客数に比べて宿泊客数の伸びが低いこと、自然、歴史、食、文化といった本県の観光の魅力が国内外に十分認知されていないこと、また、地域での受け入れ環境が十分整っていないことなどがあると認識しています。  2点目、観光キャンペーンについてでございます。  滋賀県観光キャンペーンにつきましては、「虹色の旅へ。滋賀・びわ湖」、こちらにつきましては、昨年度に開催いたしました「日本遺産滋賀・びわ湖水の文化ぐるっと博」の経験も生かし、市町、観光団体、事業者とともに、観光素材の開発や磨き上げ、おもてなし体制の整備などを進め、観光振興を通じた地域活性化を促進しようとするものでございます。  去る7月15日、16日には、米原駅東口でオープニングイベントを開催し、滋賀の多様な魅力を体験できるマルシェや、キャンペーンナビゲーターの西川貴教さんがデザインされたラッピング電車の出発式を行うなど、約9,000人の方々に御来場いただき、盛況の中で開幕したところでございます。  本キャンペーンにおきましては、地域の皆様とともに展開する300を超えるまちめぐりや体験プログラムといった地域観光プログラムに加えまして、観光パスポートやフォトコンテストといった周遊企画、ラッピング電車を活用した食の企画電車の運行、イナズマロックフェスでのイベントの展開や記念切手の発行など、話題性を持った観光情報を発信し、平成30年の延べ観光入り込み客数5,300万人、観光消費額1,800億円の目標達成に向けてしっかりと取り組みを進めてまいりたいと存じます。  3点目、ビワイチ・プラスについてでございます。  琵琶湖岸を自転車で一周するビワイチ体験者数は、平成28年の7万2,000人から平成29年には9万5,000人と大きな伸びを見せているところです。さらに、湖岸だけではなく、内陸部を自転車で周遊いただき、本県の奥深い魅力を体感いただくため、ビワイチ・プラスの推進は大変重要であると認識しています。現在、ビワイチコースのほか、「古道をゆく」でありますとか、安土城跡を含めた「歴史遺産の道」等のテーマに沿って地域を周遊する8つのビワイチ・プラスコースを選定いたしまして発信しているところです。これらのコースで周遊し切れない魅力的なスポットがまだまだ数多くあり、また、いわゆるサイクリストだけではなく、女性や家族連れといった幅広い層にもゆっくり楽しんでいただくことも重要であると考えます。  そこで、今年度は、市町や事業者とともに現在のコースのブラッシュアップのほか、新たなコースの検討などを進め、昨年度策定したビワイチ推進総合ビジョンで目指す姿といたしました県全体の活性化に向けて、さらに取り組んでまいりたいと存じます。  4点目、彦根城についてでございます。  世界文化遺産登録は何年度をめどに受けられるのかということについてでございますが、世界遺産は、世界的価値を持つ遺産を人類共有のものとして未来に向かって保存し、引き継ぐことを目的に登録されるものであると承知しています。彦根城も、その価値が認められ、平成4年に日本政府の暫定一覧表に記載されたところです。  現在、彦根市においては、推薦書原案の骨子づくりに取り組んでおられ、歴史的な都市景観の保全への取り組みや、登録応援のための1000人委員会の発足など、市民の機運の高まり、登録に向けての準備が着々と進められていると伺っております。  県といたしましても、平成26年度から彦根市へ専門職員を派遣し、世界的な普遍的価値の証明など、推薦書原案の完成に向けて、文化庁と協議を進めながら、彦根市に対し、意見交換やアドバイスを行うなど、登録推薦を目指し、支援を続けているところです。今後とも、課題を一つずつ乗り越えて、彦根市が目指されている平成36年に登録が実現できるよう、引き続き彦根市と協力しながら進めてまいります。  5点目、彦根城が世界遺産に登録された場合の観光振興への所見についてでございますが、過去に世界遺産に登録された文化遺産の事例では、例えば、富岡製糸場と絹産業遺産群の場合、登録された平成26年の来訪者数は前年の約4倍、石見銀山遺跡とその文化的景観の場合、登録された平成19年の来訪者数は前年の約1.8倍となるなど、大きな効果があると認識しています。これらの事例を見ても、議員御指摘のとおり、彦根城が世界遺産に登録された場合、インバウンドを含め、相当の誘客効果が期待され、観光振興にも大きく寄与するものと考えます。そして、登録後も継続的に観光客に来ていただけるよう、周辺の市町やDMOとも連携しながら、不断に観光資源を磨き上げ、それを効果的に発信していく取り組みがさらなる観光振興のためには不可欠であると考えております。  この項目の最後、観光振興にかける決意でございますが、先ほど来お答えしておりますとおり、宿泊客数の伸びが低いこと、本県の観光の魅力が十分まだ認知されていないこと、地域での受け入れ環境が十分整っていないことが課題であると認識しています。そのため、滞在時間を延ばし、宿泊をして楽しんでいただくための取り組みでありますとか、地域でのおもてなし意識の向上が必要であると考えています。こうしたことから、ビワイチやウオータースポーツなどの豊かな自然環境を生かした体験型観光、比叡山延暦寺や彦根城などの本県の豊富な歴史遺産を生かしたツーリズム、近江牛、湖魚、近江の地酒などの食の魅力向上と発信による誘客などに取り組むとともに、滋賀といえば健康長寿というイメージができつつあるこの機会に、滋賀の暮らしそのものを体験いただく滞在型観光などにより観光振興を図ってまいりたいと考えています。  観光は地方創生の核となる県政の重要な柱であるとの認識のもと、今年度改定いたします観光振興指針につきましては、滋賀らしい戦略的な指針となるよう検討を進め、観光振興により交流人口の拡大と県内の観光消費額の増大につなげるとともに、地域の方々がその地域の魅力を再発見し、誇りと地元への愛着を新たにすることを通じ、活力ある地域社会を実現してまいりたいと存じます。  続きまして、滋賀ならではの農業振興につきまして、6点御質問をいただきました。  まず1点目、オーガニック農業を滋賀県農業・水産業基本計画に位置づけなかったことについてでございますが、オーガニック農業につきましては、当時、水稲の機械除草など省力的かつ安定的に収量が得られる技術の確立が十分ではなく、取り組み意欲のある農業者も一部にとどまっており、面的な広がりが期待できなかったこと、また、環境こだわり農業の取り組みについて、水稲での作付割合を50%とする目標に向けて、さらなる取り組み拡大に重点を置く方針としたこと、この2点から、その時点では時期尚早と判断したものでございます。  しからば、2点目、本県のオーガニック農業の現状と将来の目標についてでございますが、本県において、平成29年度に環境保全型農業直接支払の対象となりましたオーガニック農業の取り組み面積は487ヘクタールで、その内訳は、水稲が247ヘクタール、ソバが192ヘクタール、野菜が24ヘクタール、茶が7ヘクタール、その他が17ヘクタールとなっております。  今後は、オーガニック農業における需要が見込め、安定生産技術が確立しつつある水稲と茶についてまず推進することとし、生産技術の開発と普及を図るとともに、有機JASの認証取得を進め、関係団体と連携して新たな販路開拓を図っていきたいと考えています。具体的には、水稲では、近年、大手量販店でのオーガニック農産物のニーズが高まり、今後、大口の需要も見込まれることから、全国に先立ち、関係団体と連携し、県域規模での新たな販売ルートを確立するなど、滋賀のオーガニック米としての市場開拓を進めてまいります。また、茶につきましては、国内での需要が縮小傾向にある中で、オーガニックを求める海外も含めた販路開拓を進め、生産拡大につなげてまいりたいと存じます。  こうしたことにより、5年後には現状の2倍程度の取り組み面積に拡大し、特に水稲では、将来的にオーガニック農業で取り組み面積が日本一となるレベルを目指したいと考えております。具体的な目標数値および推進施策については、今年度に改定を進めております環境こだわり農業推進基本計画において、環境こだわり農業審議会や県議会等の御意見をお聞きしながら定めてまいりたいと存じます。  3点目、滋賀ならではの環境こだわり農業の方針についてでございますが、本県の環境こだわり農業の特徴は、本県の基幹作物である水稲を中心に全国一の大面積で取り組んでいること、また、琵琶湖の環境を守る取り組みであることであると考えています。一方で、みずかがみを除きますと、環境こだわり米としての流通は一部に限られるという課題がございます。このため、具体的には、水稲につきまして、引き続き家庭用の環境こだわり米の生産を拡大するとともに、関係団体と連携しながら環境こだわり米としての流通を拡大し、消費者がスーパー等で買い求める家庭向けの近江米について、おおむね全量が環境こだわり米となることを目指して取り組んでまいります。  また、琵琶湖保全再生法におきまして、国民的資産として位置づけられた近畿1,450万人の水源である琵琶湖の環境を守る取り組みであることをPRするなど、他産地にはまねのできない取り組みを進め、流通拡大、有利販売に向けた取り組みを強化してまいります。  あわせまして、滋賀ならではの象徴的な取り組みとしてオーガニック農業を推進し、先ほども申し上げたように、まずは水稲と茶において、県や関係団体が一丸となって新たな生産・流通対策を進め、本県の環境こだわり農産物全体のブランド力の向上を図ってまいります。  4点目、滋賀県環境・安全こだわり農業推進条例にすべきではとの御質問についてお答えいたします。  今あります滋賀県環境こだわり農業推進条例におきましては、第1条に掲げる目的におきまして、環境こだわり農業の推進に関し、琵琶湖を初めとする環境保全に資するほか、より安全で安心な農作物を消費者に供給することを目的として定めており、オーガニック農業の推進についても本条例の趣旨に沿うものと考えております。  このオーガニック農業に取り組む経営体の将来像とその育成についてでございますが、本県の水田農業につきましては、県が定めている農業経営基盤の強化の促進に関する基本方針におきまして、例えば、個別経営では、約30ヘクタールといった大規模な経営体などの担い手により本県の農地の7割を担うことを目標としております。オーガニック農業につきましても、こうした大規模な経営体が経営の一部門として取り入れられることを想定しております。水稲を主体とする30ヘクタールの経営体の場合、最新の乗用型の水田除草機を用いることで、4から5ヘクタールをオーガニック農業に切りかえることが可能となり、これにより100万円程度の所得向上が見込めるものと考えております。育成に関しましては、本年2月に開催いたしましたオーガニック農業の研修会や、今年度、県内6カ所で開催いたしました水稲の乗用型水田除草機の現地実演会には多くの御参加があり、農業者の皆さんの関心が高まっていることも感じております。  今後とも、こうしたオーガニック農業に関心を持つ農業者を対象とする研修会などを開催し、安定生産技術の普及を進めるとともに、関係団体と連携し、販路開拓をあわせて行い、マーケットインに基づく作付を進めることで経営体の育成の加速化を図ってまいりたいと存じます。  6点目、滋賀ならではの人の健康に貢献する農業をどのように描いていくのかということについてでございますが、農業は食を通じて健康を支えるもので、とりわけ本県の環境こだわり農業は、より安全で安心な農作物を供給することで人の健康にも貢献するものであると認識しています。このため、環境こだわり農業の取り組み面積を一層拡大するとともに、オーガニック農業や、とりわけ水稲では、オーガニック農業に近い殺虫・殺菌剤を使用しない栽培や、本県独自の魚のゆりかご水田など、琵琶湖等の環境を保全しつつ、より安全、安心で付加価値を高める取り組みを進めてまいります。  こうした生産者の取り組みを基本に、健康しがを支える本県産農産物を「健康長寿日本一の滋賀育ち」をキーワードとして県内外に届け、その価値を認めていただくことで、人の健康にも貢献する持続可能な農業として発展するよう取り組んでまいりたいと存じます。  大きな9項目め、社会資本整備について、7点御質問賜りました。  まず、今後の社会資本整備についてでございますが、県民の皆さんの生命、財産や安全、安心な暮らしを守るとともに、地域の活性化を支える社会資本整備は、社会の健康を維持していくためにも私は極めて重要であると考えています。そうしたことから、社会経済情勢の変化や国の施策等の動向を注視しながら、財源をしっかりと確保し、次世代に向けたインフラの整備をスピード感を持って着実に推進してまいりたいと存じます。  2点目、交付金事業や国直轄事業の配分結果等についてでございますが、本県への国土交通省所管交付金事業について、今年度の当初配分額は事業費ベースで約240億円、前年度に対して約7億円の増額となりました。また、国直轄事業についても前年度を上回る配分となり、大変ありがたい結果となっております。これまで、議員の皆様を初め、県選出国会議員の方々など、関係者の皆様にも御支援をいただき、こうした結果を得られていることについて感謝しているところでございます。しかしながら、道路や河川などの社会資本整備について、県民の皆様からの御要望も含め、まだまだ整備が必要な状況であると認識しています。引き続き、説明資料を工夫し、タイミングよく要望活動を行うことで、国の予算などの財源を積極的に確保し、効果的で効率的な事業執行に努め、県民の皆様の御期待に応えられるよう精いっぱい取り組んでまいりたいと存じます。  3点目、今後の道路整備についてでございます。  この3月に見直しました道路整備アクションプログラムでは、道路を取り巻く近年の情勢の変化を踏まえ、議員に御指摘いただいた渋滞対策や人口減少等、地域の課題に応じた整備、交通安全対策、長寿命化、強靱化などの内容を盛り込んだところでございます。この見直しの過程では、地域の皆様からいただきました多くの御意見、御要望をできる限り反映するように努め、どこにどんな道路がいつまでに必要かとの観点から計画を策定したところです。今後は、この計画をもとに、新たな道路の建設、災害に強く強靱な道路整備、施設の維持管理等を計画的、持続的かつ効率的にしっかりと進めてまいります。  4点目、予算獲得に向けた取り組みについてでございますが、道路整備につきましては、これまでから、補助事業の予算拡大と、単独道路改築事業費、道路補修費の増額に努めてきたところでございます。補助事業では、本県の地域の課題を踏まえ、国の重点施策を十分に見きわめながら、要望箇所の整備効果をわかりやすい資料により訴えてきたところです。今後も引き続き、本県道路整備の必要性や効果を、地元や利用者の切実なお声とともに、具体的なデータを示しながら予算の獲得に努力してまいります。  5点目、河川整備の現状と河川整備5ヶ年計画についてでございますが、まず、現在の河川整備5ヶ年計画の進捗状況につきましては、最終年度となる今年度末で、完了区間延長が目標14キロメートルに対して目標を上回る14.4キロメートルとなる見込みでございます。  次に、河川整備の現状についてでございますが、本県には、破堤すると甚大な被害が発生する天井川が全国の約4割に当たる81河川も存在します。気候変動による局地的な豪雨が頻発する中、天井川の切り下げや河床の掘削などの整備を進めておりますが、まだまだ十分とは言えない状況であり、これまで以上にハード対策を充実していく必要があると認識しています。  6点目、その財源の確保についてでございますが、少しでも早期に治水効果を発現するためには予算の確保が最も重要だと考えており、これまでも補助事業の予算拡大の要望でありますとか単独河川改良事業費の増額を行ってまいりました。今後も引き続き、本県の地域事情や熱意を国にも伝え、河川改修予算の拡大に向けて要望するなど一層努力してまいります。  7点目、今後の河川整備についてでございますが、今月初めに西日本を襲った平成30年7月豪雨において、各地で観測史上最大の降雨量を記録したように、近年、雨の降り方が大きく変わってきていると感じています。本県においても、昨年の台風21号の豪雨により、日野川の支川である新川が破堤し、甚大な被害が発生したところでございます。このような浸水被害を未然に防止するためには、日野川や安曇川、姉川、高時川など、氾濫リスクの高い河川の改修事業をしっかりと進めていく必要があると認識しています。  今後の河川整備については、破堤すると甚大な被害となる天井川の切り下げや堤防補強など、必要な河川改修を計画的かつ着実にスピード感を持って進めていくこととし、リスク情報の周知など、ソフト対策とあわせて行うことで、災害に強い安全、安心な県土づくりに取り組んでまいります。  私に賜りました大きな項目の最後、本県の目指す教育につきまして、私には2問御質問をいただきました。  まず1点目、県民の皆様の教育についての思いをどのように選挙期間中受けとめてきたのかということについてでございますが、今回の選挙でさまざまな場所に出向かせていただき、直接県民の皆様から滋賀の教育に関しても多くの御意見をいただいたところです。その中で、例えば、基礎学力を上げてほしい、もっと学校教育を充実してほしいとの御意見や、自然に親しむなど滋賀ならではの教育を進めてほしい、学校だけでなく、家庭、地域全体で子供を育てていこうなどの御意見、また、人口減少・超高齢社会では、これまで以上に人とのつながりや助け合いが必要となるので、単に勉強だけを教えるのではなく、他人を思いやる心を育ててほしいなどの御意見もいただいたところです。教育環境につきましても、空調設備の整備が進んでいないとの御意見や、学校施設・設備の老朽化対策にしっかり取り組んでほしいなどの御意見をいただいたところです。これら県民の皆様からいただいた御意見を重く受けとめながら、次期教育大綱では必要な施策をしっかりと織り込めるよう努力してまいります。  2点目、この滋賀の教育大綱の策定についてでございますが、今回の選挙を通じて、私は改めて、人は人の中で人となるとの思いを強くしたところです。その中で、まずは一人一人の基礎的、基本的な知識、技能を身につけることが大切であり、同時に、多様な社会の変化に柔軟に対応でき、人とのつながりを大切にした人づくりが必要であると感じており、それぞれの個性に寄り添いながら、豊かな人生を送るための礎となる生きる力、学ぶ力をしっかりと身につけ、ともに生きるという考えを大切にしながら人づくりを進めたいと考えています。  また、人生100年時代の到来を迎える中で、誰もが各ステージにおいて学び続けられるよう、次期教育大綱では、具体的に何に取り組む必要があるのかをしっかりと議論してまいりたいと考えています。  あわせまして、未来を担う子供たちには、発達段階に応じ、自然や歴史、文化に触れながら、豊かな人間性、琵琶湖や自然の大切さ、さらには、ふるさと滋賀を思う心を育むことにより、滋賀のすばらしさをしっかりと受け継いでもらいたいと考えています。  引き続き、議員の皆様を初め、県民の皆様から御意見を頂戴し、できるだけ具体的に施策や方向性等をお示ししながら、これからの滋賀の目指す教育についてわかりやすくお伝えできるよう、次期教育大綱の策定を行う所存でございます。
     ぜひ多項目にわたり御指導よろしくお願いいたします。 ◎教育長(青木洋) (登壇)本県が目指す教育についての4点の御質問のうち、私にいただきました2点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の本県の子供たちの学力向上をどのように進めていくかについてであります。  今年度から小中学校で移行期間に入りました新学習指導要領では、さまざまな社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開いていくため、基礎的、基本的な知識および技能を確実に習得させるなどの従来の取り組みに加えて、これらを活用して課題を解決する力の育成が一層求められております。  また、昨年度の全国学力・学習状況調査の結果からは、基礎的、基本的な知識が身についていないことや、文章の趣旨や問われていることを把握する力、自分の考えを適切な根拠をもとに説明する力に課題が見られます。  こうしたことに対応するため、まずは、授業の中で、子供たち一人一人がつまずいたところを振り返りながら問題を解くことで、基礎的、基本的な知識、技能の定着を図る取り組みを進めます。また、子供たちの読み解く力や新たな課題にも対応できる力をつけるような授業を教員がデザインし、実践できるように取り組んでまいります。加えて、子供たち一人一人の学習の状況に応じて、補習や発展的な学習の支援についても進めていきたいと考えております。  こうした取り組みを推進していくために、今年度が最終年度であります学ぶ力向上滋賀プラン、これの後継プランの策定を検討し、本県の教職員が一体となって取り組んでいけるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の本県の高等学校においてどのような人材を育てていくかについてお答えをいたします。  子供たちには、いつの時代にあっても、みずからの考えをしっかりと持ち、たくましく生きる力をつけていってほしいと願っております。このような力をつけるために、各高等学校ではさまざまな取り組みを進めていくこととしております。  例えば、来年度から実施をされます総合的な探究の時間においては、職業や自己の進路に関する課題、あるいは、国際理解や環境といった現代的な諸課題まで、幅広いテーマから、みずからが課題を設定し、学んだ知識、技能に結びつけたり、生徒が互いに考えを出し合ったりしながら課題を解決する力の育成に努めます。  また、デュアルシステムやインターンシップ等の地域の企業と連携をして実施することで、実践的な学びを深める取り組みなどを含め、系統的なキャリア教育を推進するとともに、広く海外に目を向けるため、海外でのインターンシップの実施に向けても現在準備を進めているところであります。  さらに、御質問にありました国際バカロレアを導入することにより、グローバルな視点を大切にして、コミュニケーション能力やみずからの考えを発信することができる力等を育成してまいりたいと考えております。  このような学びの機会を通して、これからの社会において必要とされる地域を支える人材やグローバル社会において活躍する人材を育成してまいりたいと考えております。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) (登壇)県民の安全、安心に向けた警察活動の強化についての御質問にお答えいたします。  まず、第1点目の県下における子供を狙った犯罪や、その前兆事案の現状についてでございます。  小学生以下の子供が被害者となる暴行等の身体的な犯罪につきましては、本年6月末では10件を認知しておりますが、登下校時におけるものはございません。小学生以下の子供を対象とした声かけやつきまとい等の前兆事案につきましては、平成21年以降、増加傾向にあり、本年6月末では昨年同期並みの168件を認知している状況にございます。その内訳は、声かけが46件、つきまといが38件、容姿撮影が38件、不審者情報が27件等となっており、下校時間帯となります15時から18時に全体の約7割が集中している状況にございます。  続きまして、2点目の児童を見守るボランティア活動の現状を踏まえた今後の活動支援促進についてお答えいたします。  当県におきましては、平成9年から、通学路等における安全、安心確保のために、地域住民の方の中から子ども安全リーダーを警察署長より委嘱し、登下校時の見守り活動を行っていただいております。また、「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり条例が制定された平成15年以降、各地域で自主防犯団体が設立され、青色回転灯パトロール車による見守り活動や、中高生等若い世代による防犯活動が活発に行われております。こうした防犯ボランティアの方々は、昨年末現在で、県内では271団体、約2万人に上っております。  県警といたしましては、防犯ボランティアの方々の活動は地域の安全基盤となるものと認識しておりまして、これまでもさまざまな形で支援してきておりますが、今後とも、活動時に着用していただくベストや腕章等、活動時における事故等に対する保険料、活動報償費等、装備資機材や金銭面での支援のほか、緊急事案の発生時には、タイムリーな不審者情報の提供等の支援も継続して行っていくことなどにより、防犯ボランティアの皆様が安心して、また、やりがいを持って活動していただけるよう努めてまいりたいと考えております。  続きまして、3点目の高齢ドライバーの交通事故に関してお答えいたします。  昨年、県内の交通事故発生件数は4,876件で、そのうち65歳以上の高齢ドライバーが第1当事者の事故は859件、全事故に占める構成率は17.6%であり、10年前と比べ、発生件数こそ減少しているものの、構成率は約6.1%上昇しており、本年に入ってもこの傾向は続いております。  高齢ドライバー事故は、出会い頭や追突によるものが多く、前方不注意、指定場所一時不停止、信号無視など、認知機能や身体機能の衰えに起因するものが目立っており、こうした現状を踏まえますと、高齢ドライバーの事故防止には、加齢による認知機能等の衰えが運転に影響を及ぼすことを御本人に認識していただくことが重要であると考えております。  そこで、議員御指摘の運転技能自動評価システム、通称オブジェや、高齢ドライバーに向けたKYTという危険予測能力を高めるトレーニング機器を今年度から導入したほか、県内複数の自動車教習所における参加型のシルバー・ドライバーズ教習の開催、滋賀県自動車販売協会と連携した安全運転サポートカーの普及促進を図るとともに、臨時認知機能検査の導入等を図った改正道路交通法の適切な運用に努めているところでございます。  また、こうした取り組みに加えまして、自主的に免許を返納された高齢ドライバーがバス運賃の割引サービスを受けられるようにするなど、社会全体による高齢者の安全対策を進めております。  今後とも、関係機関、団体との連携を図りまして、これらの対策を継続的に推進し、高齢ドライバーの事故防止を図ってまいる所存でございます。  続きまして、4点目の災害に備えた体制整備と能力向上等のための取り組みについてお答えいたします。  県警察では、平成23年3月に発生いたしました東日本大震災を初め、その後発生しました県内外における各種災害から得た教訓を踏まえ、いかなる災害にも対応できるよう、県警察の災害警備計画等を随時見直し、運用しているところでございます。  また、災害発生時に、迅速、的確に被災者の救出、救助等の活動を行うため、機動隊員を中心といたしまして、近畿管区警察局が整備した訓練施設を利用するなどして、より災害現場に即した環境で高度な技術を習得しているほか、県や消防等の防災関係機関と合同で相互の連携をより深めるための訓練を行っております。さらに、災害現場活動に不可欠な装備資機材につきましても、災害現場に出動した機動隊員等の生の声を参考にして順次整備を行っております。加えまして、各警察署等のレベルにおきましても、こうした防災関連機関との合同訓練、災害用装備資機材の習熟訓練など、実践的な訓練を継続的に実施しているところでございます。  今後とも、いかなる災害にも迅速、的確に対応できるよう、防災関係機関と緊密な連携をとりながら、さらなる体制の整備、対処能力の向上、装備資機材の充実等を図ってまいりたいと考えております。  最後、5点目の迅速な救助活動に向けた他府県警察からの受援のあり方についてお答えいたします。  県内で大規模な災害が発生した場合には、警察法60条に基づき、平成24年5月に全国約1万人の警察職員で編成された即応部隊である警察災害派遣隊から、警察庁と調整の上、県内の被災状況に応じ、発生直後より必要な人員等が派遣され、速やかに救出、救助に当たる仕組みが確立されているところでございます。なお、派遣されました即応部隊は、食料や飲料水等の補給等につきまして、被災地警察の支援を受けることなく、おおむね3日から1週間、自活できる能力を有してございます。  今次、西日本豪雨での災害におきましても、愛媛、広島、岡山県に対し、本県機動隊員等も含め、全国から延べ約1万人のこの警察災害派遣隊が発災直後から現地に入り、行方不明者の捜索等の救出救助活動に懸命に当たっているところでございます。  この全国警察の警察災害派遣隊では、いつ、いかなる場合で災害が発生しても、迅速、的確に出動できるよう、日々、訓練を初め、さまざまな体制整備を図っております。県警察といたしましては、今後も、この適時適切な警察災害派遣隊の受援派遣等を通じ、地震や水害を初めとするさまざまな災害から県民の安全、安心な暮らしを守ってまいる所存でございます。 ○議長(川島隆二) しばらく休憩いたします。   午後0時11分 休憩    ────────────────   午後1時9分 開議 ○議長(川島隆二) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、43番柴田智恵美議員の発言を許します。 ◆43番(柴田智恵美議員) (登壇、拍手)チームしがを代表しまして質問をさせていただきます。  まず、先月、大阪北部を震源とし発生した地震、本県米原市を襲った竜巻、今月に入って西日本など広い範囲における記録的な豪雨と、自然の猛威は容赦なく私たちの大切なものを奪いました。13名の行方不明の方々の捜索も現在行われています。この豪雨災害では、15府県、224名ものとうとい命がお亡くなりになりました。御冥福をお祈り申し上げます。そして、被害に遭われました皆様、今なお避難生活を余儀なくされておられます皆様にお見舞い申し上げますとともに、一日も早く穏やかな以前の生活を取り戻されることをお祈り申し上げます。  豪雨の後は、全国4地点で40度を超える記録的な気温となり、県内においても、現在も35度以上の猛暑日が続き、熱帯夜で寝苦しい日々が続いております。同時に、熱中症で救急搬送の件数が多くなっており、先日は熱中症に起因してお亡くなりになるなど、異常で危険な日々が続いておりますので、体調管理はしっかりとしていただきますようお願いいたします。  さて、後になりましたが、三日月知事におかれましては、2期目の御当選まことにおめでとうございます。「真価が問われる4年となる。1期目とは異なる緊張感と使命感を持って、より偏りのない、より開かれた県政をつくっていく」と、みずからを律する言葉でありました。その一言一言、私たちの心にもしっかり刻まれております。今後の4年間も、多くの県民の皆様の幸せ、安心、安全のために、粉骨砕身、心休む間もないと思いますが、県民の皆様の暮らしの現場を初めとする全ての現場に心を向けて頑張っていただきますようお願いいたします。ともに頑張ってまいりましょう。  今回の知事選挙は、投票率40.62%と過去2番目の低さとなり、その感想を求められた知事は、「誠実に受けとめる。県政に関心を持ってもらえる取り組みが必要」と述べられていました。とはいえ、得票数は37万7,132票、得票率は83%で、県民の皆様から大きな期待とともに負託を受けられた知事であります。先日20日に2期目をスタートされました知事に、これからの県政運営について伺います。  昨年実施された第50回滋賀県政世論調査で、「あなたが豊かさを実感する上で大切なものは何ですか」の問いに対し、70%の方が「健康」と答えていたことをしっかり受けとめた知事は、「みんなでつくろう!健康しが」を掲げて、人の健康、自然の健康、社会の健康の3つの柱を中心に、今後4年間の施策を知事選挙の公約として提案されています。  また、知事は、選挙戦を、より多くの県民の方々と対話ができる、また、地域を訪ねることができるよい機会と捉えておられました。時にはノートにメモをとりながら県内を駆けめぐった選挙戦であったと思います。限られた期間の中で県内各地を回り、風を肌で感じ、そして、多くの方々との出会いの中で、新たな発見や心に残る印象深いことがあったと思います。改めて、今回の選挙を通じて、どのような県政課題を感じ取ったのか、2期目にどのような思いで臨まれるのか伺います。  次に、ことし5月、滋賀県庁健康経営宣言のもとに、県庁における健康経営計画が示されたところであります。その考え方として、「県民サービスの向上に向けて、人こそが最大の経営資源であるとの認識のもと、全ての職員が能力や個性を最大限発揮することにより、県庁の組織としての力を高めていくことが求められます。滋賀県庁では、職員の能力や個性の発揮には、職員の健康の維持増進が欠かせないとの考え方に基づき、職員が元気で生き生きとやりがいを持って働くことができる職場の環境づくりに取り組みます」とあります。  県行政のトップであります知事は、その権力も強く大きいものがあります。だからこそ、県庁で一生懸命に仕事をしていただいている職員の皆さんの現場の声にも真摯に耳を傾ける姿勢を今後も示しながら、まさに人の健康を掲げる知事として、これらの宣言のもとに計画を進めるために、知事の知と情のバランスがとれたリーダーシップが重要と考えますが、4年の経験を積まれた知事の県民サービス向上に向けた組織力、県庁力アップについての考えを伺います。  次に、社会の健康の中に持続可能な行財政基盤の構築を掲げられていましたが、社会を映し出す鏡と言われる財政を健全に運営することは言うまでもありません。  一方、本年2月に示された財政収支見通しの再試算では、このまま何もしなければ、平成30年度以降、毎年度100億円前後の財源不足が生じ、平成38年度までの財源不足の累積が900億円を超える厳しい状況にあると報告されていました。  また、このような本県の今後見込まれる厳しい財政状況を踏まえた一歩踏み込んだ行財政改革を含め、今後の行政経営の基本的な考え方とそのための具体的な取り組みを示すことを目的とした次期行政経営方針が、来年3月策定を目途に検討が進められているところであります。  同時に、平成28年3月に策定された公共施設等マネジメント基本方針に係る建築物、インフラ施設、公営企業施設の長寿命化、老朽化対策、計画的な更新、改修や、6年後に迫る国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会等の施設整備など、知事2期目は大型公共投資が続き、計画が形になっていきますが、厳しい財政運営を迫られている中でのこれらの取り組みについては、県民の皆様に理解していただけるように、説明責任を果たしながら、計画的に事業を推進していくことで、それらを次の時代に残し、引き継ぐことが重要と考えます。と同時に、県民の皆様が真の豊かさを実感できるようにつなげていかなければならないと考えますが、改めて、厳しい財政運営について、その対応をどのように考えているのか伺います。  この項の最後に、懸案の新生美術館について伺います。  新生美術館については、入札不落を受け、近代美術館と琵琶湖文化館の課題への対応の必要性、美の滋賀づくりの具体的な展開への期待、県民ギャラリーの拡大や情報交流、アメニティー機能の充実など、新生美術館基本計画のコンセプトの実現を目指しつつ、外部有識者等から意見聴取結果を踏まえ、民間資金を活用した交流、レストラン棟の整備の検討、現講堂のギャラリー併用が可能となるよう改修する等、設計の見直しをしようとされています。これまでも、公開承認施設の問題や財政的な課題も含め、当初の実施設計からたび重なる設計変更により、箱を意識するがゆえに、大きくコンセプトも中身も衰退化しており、本当にこのまま進めることにより、多くの来場者が来ていただける美術館になるのか、また、多くの予算をかけるだけの施設になるのかどうか疑問であります。  本来、近代美術館の現在所有している収蔵品の価値を生かすとともに、歴史的にも価値の高い琵琶湖文化館の仏教美術、近年、国内外から注目をされ、生の芸術を創出しているアール・ブリュットなど、3つのコンセプトを発展させていくことが重要で、県内外の多くの人にその魅力を発信していかなければなりません。そのためにも、さまざまな課題を踏まえて、優先順位をつけてしっかりと進めていくべきであると考えますが、今後の新生美術館の整備のあり方について伺い、次の質問に移ります。  次に、災害対策について、知事に伺います。  平成30年7月豪雨災害では、西日本を中心に多くの地域で河川の氾濫や浸水害、土砂災害が発生し、亡くなられた方が200名を超える甚大な災害となり、平成に入ってからの豪雨災害としては初めて死亡者数が100名を超えました。また、昭和にさかのぼっても、1982年に300名近い死亡者、行方不明者を出した昭和57年7月豪雨の長崎大水害以降、最悪の被害となっています。  今回、我が会派からも4名、災害ボランティアとして復旧作業の手伝いに行かれ、さま変わりしたまちの様子に言葉を失いながらも、被害に遭われた方々のお役に少しでも立ちたいと、酷暑の中での大変な作業をしてこられました。  その中の岡山県倉敷市真備町では、高梁川の支流の小田川と、その支流の高馬川の堤防が決壊し、真備町の4分の1に当たる1,200ヘクタールが冠水しました。この地域は、倉敷市が公表している洪水・土砂災害ハザードマップでも、100年確率降雨で浸水深は5メートル以上の浸水想定区域でした。  改めて、河川等の流水を流下させる能力を超える洪水にあっても県民の生命を守り、甚大な被害を回避するためには、川の中で水を安全に「ながす」基幹的対策に加え、川の外での対策、すなわち雨水を「ためる」対策、被害を最小限に「とどめる」対策、水害に「そなえる」対策を組み合わせた滋賀の流域治水を実践することが重要であると考えますが、このたびの平成30年7月豪雨災害を受けて、本県が進めている流域治水政策の評価と、今後いかに滋賀の流域治水を推進されるのか伺います。  次に、国土交通省は、2017年9月に発生した九州北部豪雨を過去最大級の流木災害と発表しました。近年、土砂災害と同時に、流木による災害が多く発生しており、このたびの平成30年7月豪雨災害でも、山林の土砂災害が発生し、そこから出た流木が深刻な被害を引き起こしました。広島県坂町小屋浦地区では、大量の流木などが橋付近で詰まり、行き場のなくなった土石流が周りの住宅街にあふれ出ました。また、広島県府中町の榎川では、天候が回復していたにもかかわらず、大量の木や土砂などが橋にひっかかっていたことで、周辺の住宅街に予期せぬ濁流が流れ込みました。  このような被害を踏まえますと、森林の対策は大変重要であり、豪雨が発生した場合に、流木の量をできるだけ抑える対策を講じる必要があると考えますが、流木対策と、災害に強い森林をつくるため、今後の森林づくりについてどのように推進していくのか伺います。  この項の最後に、米原市の竜巻災害についてお伺いします。  先月29日、米原市内において、近畿では観測史上最強クラスの竜巻と見られる突風が発生し、ドライブレコーダーに残された住宅の屋根などが飛ばされる映像が何度もニュースで報じられ、自然の破壊力のすさまじさを改めて思い知ったところです。被害の全容は調査中ということで、まだ確定はしておりませんが、現時点で8名の方がけがをされ、140軒の住宅などが一部損壊などの被害を受け、さらにビニールハウスの損壊などの農業被害、県立伊吹高校への被害や県立のきゃんせの森の120本の倒木の被害等、局所的ではありますが、地域の皆さんにとって、人的、物的、精神的な被害は相当なものであったと思われます。今なお生活再建に向け苦労されている途上であります。  県立高校はもちろんのこと、県立きゃんせの森は、県民の皆さんの憩いの場であり、子供たちが木に親しむ貴重な場所ですので、ぜひとも早く利用できるように復旧を望むところです。同時に、被災された方に寄り添った生活再建の支援策も大変重要ではないかと思いますが、今回の竜巻被害に対する対応策と、今後の生活再建支援のあり方について伺い、次の質問に移ります。  次に、働き方改革について、知事に伺います。  去る6月29日、延長された国会において、安倍政権が最重要と位置づけた働き方改革関連法が、十分な審議を経ず、多くの懸念と課題を残したまま、与党である自民、公明などの賛成多数で可決、成立しました。47項目にもおよぶ附帯決議があったことが、法としての不備を示し、議論が尽くされていないことを物語るものです。  その中には、高収入の一部専門職を労働時間規制から外すとした高度プロフェッショナル制度があります。労働者団体や過労死御遺族から多くの懸念や強い反対の声が示されました。厚生労働省の労働裁量制答弁をめぐっては、データの捏造までが問題となったにもかかわらず、高度プロフェッショナル制度は創設されることになってしまいました。4年前に成立した過労死防止法と矛盾していることは明らかです。長時間労働を助長し、過労死をふやすことになると懸念する過労死遺族の会や労働者団体の反対の声も届きませんでした。同じ理由から、十分な審議を求める野党に対しても応じませんでした。今後、対象となる収入や職種の枠が緩んでいくことが十分予測できるだけに、これまで長時間労働を是正しようとしてきた労働関連の法や省令が逆行していくのではないかと多方面から心配する声が上がっています。  一方、滋賀県庁においては、一昨年、年間1,000時間を超える時間外労働をしている職員が20名に上るということが発覚し、問題となりました。その後、遅滞なく働き方改革、長時間労働解消のための検討チームが立ち上げられ、働き方改革として、1つに業務の見直しと人員配置の適正化、2つに仕事の効率化、3つにマネジメントの強化および人材育成、そして4つに働きやすい環境の整備という4本の柱を定めるとともに、早急に着手する緊急行動を決定され、取り組みを始められています。その後、1年余りが経過している中で、平成29年度の成果と今後のさらなる取り組みについて伺います。  次に、県内企業の働き方改革の取り組み推進について伺います。  知事は、2期目の県政に臨むに当たって、人の健康、自然の健康、そして社会の健康を目指すとして、健康しがをトップスローガンとして打ち出されています。人の健康という意味において、働き方改革は大きなウエートを占めることになります。  県では、平成19年度から滋賀県ワーク・ライフ・バランス推進企業登録制度を実施され、企業が自主的にワーク・ライフ・バランスの実現を図っていくように、実に10年以上、必要な職場環境や労働条件の整備を促してこられました。また、25年度からは、県の取り組みによる中小企業ワーク・ライフ・バランス対応経営推進員による企業訪問や啓発、情報発信を実施されてきています。登録企業数は平成30年3月末現在で919件に上るということですが、その取り組みは宣言であり申告制であって、実態がどうなっているのか、見える化が図られていません。  働く人の健康向上という意味で、県内企業全体のどれくらいに、また、全労働者数のどれくらいに、働き方改革としてワーク・ライフ・バランスの取り組みや長時間労働の是正に効果があったと考えているのか伺います。  次に、庁内働き方改革の4本柱の一つに掲げられている働きやすい環境の整備について、パワハラ、セクハラ、マタハラなど、職場でのハラスメント防止、あるいは女性活躍という視点から伺います。  男女雇用機会均等法の第11条や育児・介護休業法の第25条には、セクシャルハラスメントの防止、妊娠、出産等に関するハラスメントの防止について、それぞれの定義や事業主が行うべき防止措置が規定されています。方針の周知啓発、相談体制の整備、事後の適切な対応がその主たるものですが、セクハラを受けた際の対応としては、63.4%の方が我慢をし、事業主が設置した相談窓口を利用した人はわずか3.1%にすぎないと、その後の課題も浮き彫りになっています。  また、女性活躍推進法においても、トップの意識改革や働き方改革を進め、男女ともに働きやすい職場を目指すとされています。まだ記憶に新しい財務省の福田事務次官の女性記者に対するセクハラ問題では、財務省トップの麻生大臣が、名乗り出ない限りセクハラを事実と認定できない、だったらすぐに男の記者にかえればいいだけじゃないか、ネタがもらえるかもと思ってついていったんだろうと、それがどうした、訴える女性側の自己責任じゃないかと言わんばかりの対応でした。また、パワーハラスメントの事例としては、豊田前衆議院議員の秘書に対する罵声が繰り返し報道され、与党幹部の「こんなことは男性議員なら普通にあることだ」とのコメントも衝撃でした。政権の中枢である大臣や国会議員、省の官僚幹部ですら、その意識の低さ、欠如が許されていることに驚きを禁じ得ません。日本社会のハラスメントに対する意識改革は、まだまだはるか遠いと感じているところです。  セクハラを初め、ハラスメントが働き方改革や女性活躍推進の大きな障壁になっていることは明らかですが、庁内および県内企業のハラスメント対策の課題と解決についての見解を伺い、次の質問に移ります。  次に、第五次滋賀県環境総合計画について知事に伺います。  滋賀県において、滋賀県環境基本条例第12条に基づき、環境の保全に関する施策を総合的、計画的に推進するため、環境総合計画を策定されてこられました。平成26年度から30年度までは、第四次計画として、「めぐみ豊かな環境といのちへの共感を育む社会の実現〜子や孫の世代まで幸せや豊かさを実感できる安全・安心な環境の創造〜」を目指すべき将来像として掲げ、取り組みを進めてこられました。  まず、第四次計画までの評価について伺います。  このたび、第四次の計画期間が終了すること、近年の自然災害の多発を初めとする自然を取り巻く環境の変化、持続可能な開発目標──SDGsやパリ協定、琵琶湖の保全及び再生に関する法律の策定、施行など、4年間に環境を取り巻く課題が大きく変貌を遂げたことにより、現在、環境審議会を初め、第五次計画の策定に向けた議論が進められております。  そこでは、次期計画期間は12年となっておりますが、SDGsの示す2030年に向け、目指すべき環境の姿が連動しているのか、4年の中でさえ変化が大きい環境政策の中で、12年後の環境問題を想像、想定できるのかなど、懸念するところもあります。  見直し、改定等、しっかりと社会のニーズに対応でき、PDCAサイクルにより、継続的改善が果たされ、時代のニーズに即した計画にしていくことが必要であると考えます。そこで、第五次滋賀県環境総合計画の策定にかける思いについて伺います。  次に、施策の方向について伺います。  2030年の滋賀の環境を見通し、二つの循環、三つの共生、守る・活かす・支える、協働の4つの視点を通し、施策展開されようとしています。そして、施策の方向性として、1つ、琵琶湖を初めとする環境の保全再生と自然の恵みの活用、2つ、気候変動への対応・環境負荷の低減、3つ、持続可能性を支える社会づくり、人育て、4つ、国際的な協調と協力といった4つの施策の柱の10の分野ごとに定めようとされています。  さきの知事選において、知事は、各地で森林政策を訴えてこられました。琵琶湖の水源を守るために、源流である森林への取り組みも重要であり、将来の環境リスクや災害リスクを勘案するならば、滋賀の山への政策、森林政策について、滋賀県環境総合計画において、環境の側面からしっかりと方向性を定めていく必要があると考えます。  そこで、環境を取り巻く変化に対応するとともに、さまざまな課題の解消に向けた今後の施策の方向性についてのお考えを伺い、次の質問に移ります。  次に、SDGsとグリーン購入について、知事に伺います。  2017年1月に、都道府県では全国初となるSDGs推進の宣言をして以来、約1年半が経過しました。その間、県内の経済界、銀行、大学などでもSDGsへの取り組みが広がり、徐々に関心は高まりつつあります。また、滋賀県の施策においても、SDGs推進に関する内容が盛り込まれ、県としての取り組みの姿勢も示しているところです。  一方、県庁内におけるSDGsの取り組み、とりわけ各部局における職員レベルでの取り組み、自分たちが普段から取り組むことができることについての現状を見てみると、なかなか進んでいないように見受けられます。2019年以降の滋賀県基本構想にもSDGsを反映していきたいと、SDGsの宣言をしたときから知事もそのようにおっしゃっておられますが、まずは県職員のSDGsに対する意識の向上と日常的な取り組みを徹底していく必要があると考えます。  滋賀県がSDGsの宣言を行ってから、今日まで県職員に対してどのような啓発を行ってきたのか、また、職員一人一人がどのような行動をとっているのか伺います。  去る6月15日、内閣府地方創生推進事務局の記者発表において、SDGs未来都市29都市と自治体SDGsモデル事業10事業の選定についての発表が行われました。SDGs未来都市については、29都市のうち、都道府県での選定は北海道、神奈川県、長野県、広島県が選定されており、また、自治体SDGsモデル事業10事業のうち、都道府県では神奈川県が選定されています。全国の都道府県に先駆けて滋賀県がSDGs推進の宣言をしたにもかかわらず、具体の取り組みについては全国の自治体から大きくおくれをとっている感も否めません。  SDGs未来都市29都市の選定と自治体SDGsモデル事業10事業の選定を踏まえ、滋賀県のSDGsに対する取り組み状況をどのように評価されるのか伺います。  県内の経済界を初め、各関係機関等にSDGsの取り組みについての浸透が徐々に図られつつあることは先ほど申し上げましたが、広く県民に浸透しているかというと、そこはまだまだ今後の努力が必要と考えます。一方、国連広報センターにおいては、国民向けのSDGsに取り組むためのパンフレット等を制作されていますが、同様に滋賀県においても県民向けのSDGs啓発のパンフレット等が必要と考えますが、今後の啓発への対応について伺います。  本県では、これまでより環境先進県としてグリーン購入についての取り組みを積極的に進めてまいりました。1999年に設立されたグリーン購入ネットワークも、2013年の加入474団体をピークに近年では緩やかな減少傾向となっております。滋賀グリーン購入ネットワークの現状について伺います。  滋賀県は、これまで公共調達の指標の一つとしてグリーン購入を進めてきたところですが、まさにSDGsの理念と合致するものであります。滋賀県としてSDGsの宣言をした当初より、今後は企業のSDGsの取り組みそのものを公共調達の指標とする可能性もあるということです。グリーン購入という言葉自体は余り聞かれなくなってきたところですが、いま一度、SDGsの理念に基づき、グリーン購入の推進に力を入れ直すべきではないかと考えますが、見解をお伺いし、次の質問に移ります。  次に、中小企業の人材確保について、知事に伺います。  滋賀県中小企業家同友会が昨年8月から9月に行った人手不足に関するアンケートで、労働力不足に悩む会員企業の9割が専門性の高い人材を求めているとの結果が出ました。会員企業310社、平均社員数30名、総数9,440名からの回答によりますと、71.3%が労働力が足りていないと答えています。不足している人材の中身を見てみると、ラインスタッフの15.8%に対して技術、経理などの専門職と回答した企業が68.8%、さらに、記述で営業職等と回答した企業を含むと、今回の調査に関しては、実に89.6%の企業が、単なる人手ではなく、スキルや経験を持った人材を求めていることがわかります。つまり、メディア等で喧伝される人手不足という表現は正確とは言えないということです。90%の企業が、単なる人手ではなく、明確に経験、技能を持った人材に困っているということがわかります。  これは単に表現上の問題だけではなく、行政の支援などの上でも重要なことです。人材採用に関する行政支援はほぼハローワークに集約されていますが、今回の調査でも広告などハローワーク以外にも求人の手段を求めている企業が44%に上ります。さらに、ハローワークでは募集せず、広告のみという企業が21社あります。これは、ハローワークでは希望する人材が集まらないという現実の反映と見るべきかもしれません。特に、滋賀県中小企業の活性化の推進に関する条例は、県の責務として、勤労観および職業観の醸成、職業能力の開発の促進、就業環境の整備その他の方法により、中小企業の事業活動を担う人材の確保および育成を図ることとうたっています。7割を超える県内中小企業が悩む人材不足の問題についても県としての対応が求められています。  企業は人なりといいますが、少子高齢化により、ますます労働力人口が減少していく今後、滋賀県の地域中小企業を維持発展させていくために、経営者団体、行政、ハローワーク、メディアなどが、職業安定法の趣旨のもと、協力、協議して有効かつ長期的な対策を講じていく必要があると考えますが、見解を伺います。
     一方で、不足と答えた企業のうち、新卒採用ではなく中途採用のみで対応しようとしている企業が58.8%と過半数に上っています。スキルや経験のある人材が枯渇していますから、目先の即戦力を求める中途採用だけで今後も安定的に確保し続けるのは困難です。新卒定時採用を行い、人が定着し成長する企業づくりを着実に進めていくことも求められていますが、新卒採用に関する県の支援が中小企業のニーズにマッチしていないのも現状です。また、求職者、社員のスキルを継続的に向上させるための行政支援も重要です。制度が複雑、手続が煩雑とされる人材開発支援助成金やキャリアアップ助成金などをもっと使いやすくし、広くPRすることも大切です。  そこで、中小企業における新規採用、スキルアップ支援について見解を伺います。  なお、中小企業家同友会のアンケート調査で労働力不足と回答のあった221社中、障害者雇用をしている企業は4.5%の10社とまだまだ少ない状況で、今後、障害者や高齢者、外国人などユニバーサルな雇用をどのようにふやせるのかも課題と言えます。  そこで、この4月から障害者の法定雇用率が引き上げられたことも踏まえ、中小企業における障害者雇用の促進について伺います。  また、経営者の高齢化等により、全国でも中小企業の事業承継が喫緊の課題であり、廃業の急増で約650万人の雇用と220兆円のGDP──国内総生産が失われるおそれがあるとされています。2015年度の国の集計で、廃業率全国ワースト1位の本県では、今年度から5年間を集中取り組み期間と定め、滋賀発事業承継プロジェクトとして事業承継の促進に努めていくとされています。  その中で最も重要な取り組みの一つとして、滋賀県事業承継ネットワークが立ち上がり、事業承継診断等の実施により、ネットワーク参画機関が県内中小企業の早期、計画的な事業承継の推進に取り組んでいくこととされており、ことし5月18日には、大津市のピアザ淡海にて滋賀県事業承継ネットワークキックオフ全体会議が開催されました。この会議には多数のネットワーク参画団体が出席され、事務局から事業承継診断等、実施に係る説明や、事業承継支援に取り組まれている機関をパネラーとする事業承継フォーラムが行われました。今年度よりスタートしたばかりの滋賀発事業承継プロジェクトですが、キックオフでの反応や今後への期待等について伺い、次の質問に移ります。  次に、共生社会づくりを目指すための条例について、知事に伺います。  障害者差別解消法の実効性の補完などを盛り込んだ共生社会づくりを目指すための条例骨格案について、昨年5月19日に滋賀県社会福祉審議会に諮問され、審議会では条例検討専門分科会を設置して検討を重ねられて、本年6月5日に知事に答申されました。平成25年6月に障害者差別解消法が公布され、滋賀県でも法を補完する条例制定については、嘉田前知事時代に調査研究すると言われてから、多くの障害者関係団体からの要望がありながら制定がおくれていました。今回、ようやく骨格が答申され、県民の皆さんの期待も大きいと思います。  滋賀県は、社会福祉の父と言われる糸賀一雄先生が築いてこられた福祉の思想が今も受け継がれ、障害者福祉の分野において、全国の地方自治体をリードしてきました。今回の答申を受けて、今年度には条例を提案されると仄聞していますが、こうした県民の皆さんを初め、議論を重ねてこられた各団体の皆さんの期待に応えるとともに、その思いをしっかりとこの条例に盛り込み、全国に誇れる条例とする必要があると考えますが、知事の見解を伺います。  もう1つの課題として、この条例を制定した後、どのような体制で推進していくのかが重要です。特に、差別に関する相談および解決のための体制は、法の実効性の補完という観点から考えても、自分の意見や権利をうまく使えることのできない方のかわりに意見や権利を主張する代弁者、擁護者、いわゆる地域アドボケーターなどの人材確保など、多くの課題が考えられますが、条例の推進体制について伺います。  あわせて、この条例を活用しながら滋賀県においてどのような共生社会を目指していこうとされているのか伺います。  次に、並行して議論を続けてこられた手話言語条例の制定については、残念ながら提案に至らないようです。手話言語条例については、多くの都道府県を初め、県内の近江八幡市などの市町でも既に制定、あるいは検討がなされています。障害者差別解消のための条例と手話言語条例とは本来目的を異にするもので、今回の条例検討専門分科会でも、当事者である聴覚障害者団体の皆さんは、共生社会づくりを目指す条例には手話言語条例の趣旨を盛り込むという案にはなじまないと主張されました。手話言語条例の目的は、手話は言語であるという認識、手話の獲得、習得、普及保存など手話が使用できる環境整備、聾者と聞こえる者が共生できる地域の実現です。このように目的の違うものを一つの条例に入れ込むことにはやはり無理があると思います。今回の議論をさらに深掘りしながら、引き続き、滋賀県において手話言語条例の早期制定に向けた検討をされるべきだと考えますが、お考えを伺い、次の質問に移ります。  次に、観光振興について、知事に伺います。  平成26年1月に策定された滋賀県「観光交流」振興指針では、滋賀ならではの魅力を味わうため、来訪者との間で生まれる交流を観光交流と位置づけ、滋賀ならではの観光・三方よしを推進し、魅力ある地域づくりを目指すことを基本方針とし、毎年度、アクションプランを策定して具体的な取り組みを推進してきました。  当初の成果目標であった観光入り込み客数4,800万人、観光消費額1,640億円も、平成29年度速報値では、観光入り込み客数は5,226万人、観光消費額は1,786億円に達し、当初の目標を大きく上回っております。  一方、観光庁宿泊旅行統計調査速報値による平成29年の本県の宿泊者数は約438万人で、前年度比90.7%と減少、平成26年、27年と急増していた外国人宿泊者数も平成28年より横ばいとなり、平成29年は約38万人と、前年度比78.3%と減少に転じております。  また、本県の観光振興への予算を見てみますと、平成27年度約4.2億円、平成28年度約4.7億円、平成29年度約5.8億円、今年度予算額は約6.2億円と、国の地方創生交付金を活用しながら観光振興に大きな予算を投入しております。  観光入り込み客数、観光消費額については成果目標を上回っておりますが、本県の進める観光振興政策が本県観光産業にどのような効果をもたらしているのか、また、観光振興予算に対する費用対効果をどのように分析しておられるのか伺います。  次に、本県観光政策の実行部隊でもある公益社団法人びわこビジターズビューロー、以下ビューローといいます、についてお伺いします。  ビューローは、会員である事業者や県、市町、観光協会を初め、さまざまな主体が参加する公益社団法人としての強みを生かし、中期計画に掲げる3つの目標の達成を目指し、事業を展開しております。また、ことしの3月には日本版DMO法人に登録されたところですが、本県としてビューローに対する組織機能のあり方および組織強化についてどのようにお考えか伺います。  この項の最後に、新たな滋賀県「観光交流」振興指針の策定についてお伺いをします。  昨年10月から6月にわたって開催された、日本遺産をテーマとした「日本遺産滋賀・びわ湖水の文化ぐるっと博」では、市町と連携して、県内各地でまち歩きや体験プログラムを展開し、地域での旅行者の受け入れに取り組み、一定の成果を上げました。また、今年度は、昨年の地域観光プログラムの取り組みの成果も生かしながら、「虹色の旅へ。滋賀・びわ湖」が15日にスタートしました。観光キャンペーンを一過性のイベントに終わらせることなく、テーマ性、ストーリー性のある継続的な観光振興につなげていくことが重要であります。  また、「ここ滋賀」を活用した首都圏からの情報発信の強化により、首都圏からの誘客を図り、課題でもある認知の壁、来訪の壁、再訪の壁を打ち破り、経済波及効果や地域活性化につなげる取り組みも重要であると考えますが、平成31年度から平成34年度までの4年間を計画期間とする新たな滋賀県「観光交流」振興指針を策定するに当たり、知事の基本的な考え方、および、三日月県政2期目のスタートに向けて、本県の観光振興への意気込みを伺い、次の質問に移ります。  次に、滋賀県教育振興基本計画について、知事ならびに教育長に伺います。  教育は、時代の移り変わりとともに変わる点、変える点もあれば、変わらない、変えるべきでない点もあります。  情報化社会では、みずから情報を取捨選択する能力が、国際化が進み、AIが本格的に導入される社会では、より人としてのコミュニケーション能力、読み解く力が求められます。また、若年層の自殺率が横ばいであることに鑑みて、周囲に助けを求める力も必要であり、たくましく生きる力もその意味が変わりつつあるように感じられます。  現行の第2期教育振興基本計画は、「未来を拓く心豊かでたくましい人づくり〜学び合い支え合う『共に育つ』滋賀の教育〜」を基本目標に、自立と共生に向け、主体性、社会性を育む教育を進められてきました。今年度が最終年度となりますが、第2期教育振興基本計画の成果と課題について、そして、それを踏まえた今後の方向性について、教育長に伺います。  中学校卒業生のほとんどが高等学校へ入学するようになった社会の変化や、複雑多様化した社会を背景にした生徒の多様化、少子高齢化による生徒数の減少の一方で、特別支援学校に在籍する児童生徒などの増加などから、滋賀県では平成13年度に県立高等学校の将来構想を検討し、また、平成20年度に県立高校のあり方を検討し、魅力的で活力ある学校づくりに取り組んできました。これまで、中高一貫教育校や総合学科高校といった新しいタイプの学校の設置とともに、普通科高校の特色化、職業学科の改編、全県一区制度、そして学校再編を進め、今日、一定の区切りを経たところです。  確かに、特色ある学校づくりという点では、農業高校、工業高校、商業高校などでは、地域とともに、産業界とともに特色ある教育が進んできています。また、普通科高校においては、スーパーグローバルハイスクールやスーパーサイエンスハイスクール事業といった国の研究指定制度なども生かしたり、全県一区による部活動の活性化によるスポーツの推進を図るなど、生徒の力を伸ばす取り組みを進めてこられました。  しかし、一方で、学校と地域のつながり、郷土愛を育む教育といった点についてはどうでしょうか。これまでの一連の改革の中で見えてきた課題と今後の魅力ある高校づくりに向け、地域と連携した高校教育のあり方を教育振興基本計画の中にどう位置づけられるのか、教育長に伺います。  滋賀県の生涯学習は、第2期滋賀県教育振興基本計画の柱の一つである「すべての人が共に育ち、社会を創る生涯学習を振興する」の考えを踏まえ、現在取り組まれています。  国の第3期教育指針基本計画では、2030年以降の社会を展望した教育政策の重点事項として、人口減少、高齢化が一層進む中で、人生100年時代を豊かに生きていくため、教育を通じて生涯にわたり一人一人の可能性とチャンスを最大化することを中心に据えて取り組むとされており、特に、これまで以上に社会教育の充実が求められるようになります。  これまで滋賀県では、地域学校協働本部やコミュニティ・スクールの推進といった学校と地域の連携体制や県立図書館と市町の図書館の連携などが進むとともに、高齢化社会におけるレイカディア大学や県立大学の近江環人地域再生学座なども多様な学びの場となっています。人生100年時代においては、従来のキャリアアップのための転職者に加え、定年退職者や出産のために離職した女性なども対象として、生涯にわたって教育と就労などを交互に行うために、成人の学びや学び直しといったリカレント教育が必要とされています。リカレント教育の推進については日本特有の課題もありますが、職業訓練のあり方や大学への社会人入学についても見直す必要が出てきています。  滋賀県における成人の学びや学び直しについて、滋賀県教育振興基本計画の枠にとどまらず、これまでをどのように捉え、今後どのように進めていこうと考えていらっしゃるのか、知事に伺い、質問を終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 43番柴田智恵美議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)チームしが 県議団を代表されての柴田議員の御質問に、私には大きく9項目賜りましたので、順次お答えをさせていただきます。  まず1つ目、2期目の県政運営については4点賜りました。  2期目への思いについてでございますが、今回の選挙で県内をくまなく回らせていただき、本県は自然、水の恵みが豊かであり、瑞穂の国であることを改めて実感いたしました。一方で、中山間地域などでは空き家や荒れた土地がふえていること、人が入らなくなった山、獣害を受けないように囲って作物をつくっていらっしゃる様子など、日々の生活に御苦労があると感じたところです。また、琵琶湖の現状に強い危機感を持ち、心配する方々が多くいらっしゃることもわかりました。  また、健康しがに対しましては、多くの御賛同をいただきましたが、自分は、御自身はその土台づくりに参加できるのだろうかという不安のお声もお聞きしたところでございます。健康しがは、県民みんなでつくり上げていくものであり、2期目に当たりましては、県民の皆様を初め、市町や国、関係団体とも協力しながら、ともに考え、進めてまいる所存です。  県民サービスの向上に向けた組織力、県庁力アップについての考えについてでございますが、昨年度、県庁における働き方改革の実現に向けて取り組んでまいりました結果、時間外勤務が縮減されるなど一定の効果がございましたが、取り組みの趣旨が職員に十分伝わっていないのではないか、また、時間管理だけの取り組みと捉えられているのではないかと感じるところも多々ございました。働き方改革は、単に残業を減らす取り組みではなく、生産性を高め、生み出された時間を使って新しいことにチャレンジしたり、家族との時間をふやしたり、みずからの学びに充てることで、さらに生産性が向上し、県民サービスの向上につながるという好循環を生み出す取り組みでございます。  このような取り組みの趣旨を共有し、職員一人一人が自分のこととして取り組んでいくため、従来の働き方改革の取り組みを進化させ、県庁の健康経営に取り組んでいくことを明らかにしたところでございます。この健康経営においては、職員の健康を重視しながら、人材育成や職員間の活発なコミュニケーションを通じて、風通しのよい健康的な組織風土の醸成を図ることとしており、今後の行政経営の理念や方針等を示す次期行政経営方針への継承を考えているところでございます。人こそが最大の経営資源であり、健康経営の理念を職員と共有し、心身ともに健やかでやりがいを持って楽しく働ける環境を一緒につくっていくことで、県としての組織力、県庁力アップにつなげ、県民サービスのさらなる向上を目指してまいりたいと存じます。  3点目、厳しい財政運営への対応についてでございますが、議員御指摘のとおり、本県財政は、社会保障関係費の増加や公共施設の老朽化への対応、また、国体を初めとするさまざまな大規模事業の実施等により、今後厳しい局面を迎えると認識しています。  こうした中、今後の財政運営に当たりましては、まずは中長期の財政収支を適切に見通し、その状況を県議会や県民の皆様と共有した上で、収支改善に向けた取り組みを着実に進めていくことが重要であると認識しています。現在、国の経済見通しの公表や大規模事業の精査の状況等を踏まえて、財政収支見通しの再試算を行うとともに、収支改善の取り組みについて庁内で検討を進めているところでございます。  今後の取り組みにおきましては、まず、歳入確保の充実、強化を強く意識し、県税や国庫支出金、交付税等の基幹的な歳入の増収に努めるとともに、本県独自の財源確保に向けて、施設等の有効活用や、行政需要を踏まえた費用負担のあり方など、あらゆる可能性を検討してまいります。  また、歳出面におきましては、個々の施策、事業について費用対効果をしっかり見きわめ、制度の存廃も含めた抜本的な見直しを検討するほか、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化等を図ることにより財源不足の縮減につなげてまいります。  その上で、厳しい中にありましても、健康しがの取り組みの具体化や、直面する課題への迅速な対応、さらには、滋賀の将来の持続的な発展を見据え、次期基本構想に掲げる施策の推進や未来への投資に適切に対応してまいりたいと存じます。  4点目、新生美術館の整備のあり方についてでございますが、昨年8月、入札が不落になって以降、本体工事費47億円を遵守すべく、有識者等への意見聴取も進め、設計の見直し内容を検討してきたところでございます。しかしながら、2年後の東京オリンピック・パラリンピックを控えて、建設単価が高どまりすると想定される中、県民や関係者の皆様の御期待に応える形で新生美術館の整備を行うためには、47億円におさめることができないと判断するに至りました。このため、入札不落以来進めてまいりました見直し案による新生美術館の整備は一旦立ちどまらせていただきます。このように表明することは、私としても大変重く苦しい決断であり、県民や関係者の皆様にまことに申しわけなく、おわび申し上げます。  一方で、近代美術館の施設設備の狭隘化、老朽化や、琵琶湖文化館の機能継承は喫緊の課題であると認識しています。今後は、この喫緊の課題への対応を優先して取り組むこととし、その内容や進め方等については、できるだけ早くお示しさせていただきたいと存じます。  大きな2項目め、災害対策について、こちらは3点御質問を賜りました。  1点目、流域治水政策の評価、今後の流域治水の推進についてでございますが、本県では、どのような洪水にあっても、命を守り、壊滅的な被害を防ぐために、流域治水基本方針や流域治水条例を制定し、取り組んでまいりました。この取り組みの中で、全国に先駆けて浸水被害を示した地先の安全度マップにより、浸水リスクを公表し、県民や事業者と広く共有するよう努めてまいりました。  しかしながら、このたびの西日本豪雨を受けて、浸水リスク情報をあらかじめ県民の皆様にお知らせし、適切なタイミングで避難していただく意識づけの重要性について改めて強く認識したところです。このため、地先の安全度マップや土砂災害警戒区域などのリスク情報を県民の皆様によりわかりやすくお知らせするため、県庁ホームページのトップ画面から直接閲覧できるような工夫を早急に行い、県民みずからが身を守る行動につなげられるよう啓発に努めてまいります。  今後も、国が進める水防災意識社会の再構築の取り組みと連携し、地域の特性に応じた滋賀の流域治水を着実に進めることで、ハード、ソフト一体となった水害に強い地域づくりを進めてまいります。  2点目、流木対策と災害に強い森林づくりについてでございます。  流木対策につきましては、平成29年度に琵琶湖の保全再生の視点に立った森林整備指針を策定し、この中で流木、流出土砂対策の視点による森林づくりを掲げ、取り組みを進めています。  まず、山腹部におきましては、間伐を進めることにより、下層植生の発達と、しっかり根が張った太い木の育成を図ることで、山腹崩壊の防止に取り組んでいます。次に、渓流部におきましては、渓流沿いにある枯れた樹木や倒木等の危険木を除去することにより、土石流が渓流沿いの樹木を巻き込んで流れ出すことを防ぐ対策に取り組んでいるところです。また、下流部におきましては、スリット式治山ダムの整備などにより、流木が発生した場合でもできる限りこれを捕捉する対策に取り組んでいるところでございます。  今後とも、こうした取り組みを着実に進めることにより、森林の多面的機能を維持し、災害に強い森林づくりを目指してまいります。  3点目、今回の竜巻被害の対応策と今後の生活再建支援のあり方についてでございますが、県では、米原市の竜巻被害への支援について、全庁的に調整するため、7月2日に支援連絡調整会議を立ち上げ、竜巻被害の情報を共有するとともに、米原市からの要望を受けて、県としてできることを検討してまいりました。  竜巻被害では、県立伊吹高校のフェンスや防球ネットの破損、県立きゃんせの森では倒木等の被害があり、これらの施設については、さきに議決をいただきました7月補正予算により、早急に復旧に取り組んでまいります。  なお、イチゴのパイプハウスの倒壊等の農業被害につきましては、営農再開に向け、普及指導員が技術指導に当たっているところでございます。  また、家屋被害につきましては、米原市から、罹災証明書の発行を早期に行うため、家屋被害認定調査業務の支援要望がございまして、県では県内各市町と調整を行ったところでございます。その結果、13市町からの応援協力を得て、現在、米原市において家屋の被害認定調査を実施しているところでございます。  被災者への生活再建支援策といたしましては、国の被災者生活再建支援法に基づく支援金の支給制度があり、また、国の支援制度適用基準に満たない一定規模以上の被害に対応するため、県独自の被災者生活再建支援制度を設けているところです。現在進められている調査結果を踏まえて、被災者支援に係る対応を関係者と協議、検討させていただきたいと存じます。  大きな3項目め、働き方改革について。  まず1点目、平成29年度の成果と今後さらなる取り組みについてでございますが、まず、時間外勤務につきましては、昨年5月に策定いたしました行動計画に基づき取り組みを進めてまいりました結果、知事部局における実績は、1人当たり月17.8時間となり、前年度比で2.7%縮減するとともに、月80時間を超える時間外勤務者数が大幅に減るなどの成果がございました。また、職員の勤務時間をより適正に管理するため、パソコンのログオン、ログオフの記録によって確認をする在庁時間管理の取り組みにつきましても、昨年度、試行を行い、この4月から全庁で取り組んでいるところでございます。  職員の取り組み姿勢につきましても、ことし1月に実施いたしました職員アンケートの結果を見ますと、職員の仕事の進め方は、おおむね改善傾向にありますほか、互いに支え合う組織風土に関する事項も高い水準にあるなど、取り組みにより一定の成果があったものと考えています。  今後のさらなる取り組みにつきましては、引き続き、不断の取り組みとして、業務の内容やプロセスの見直し、業務量そのものの削減、業務量に応じた人員配置に取り組んでいく必要があると考えています。特に、職員一人一人が業務改善の効果を実感することにより、自分のこととして業務見直しに取り組む組織風土の醸成を図ってまいりたいと存じます。  また、7月から開始いたしました勤務間インターバルの確保に向けた取り組みなど、職員の健康を重視した取り組みを展開するとともに、職員のスキルやモチベーションを高めていくため、職員が自発的に学ぶことを支援し、また、職員が学ぶことを周囲が後押しする組織風土を醸成していくことで、みずからの学びを促すための環境づくりをさらに進めてまいりたいと存じます。  次に、2点目、県内企業の働き方改革の効果についてでございますが、平成29年6月に県内の常用労働者10人以上の企業1,000社を対象として県が実施いたしました労働条件実態調査によりますと、73.5%の企業が労働時間削減や年次有給休暇取得促進などのワーク・ライフ・バランスの取り組みを実施しているところです。このうち74.6%の企業が何らかの効果があったと回答されており、具体的な効果として、「従業員の仕事への意欲が向上した」「女性従業員の定着率が向上した」「従業員の心身の健康が向上した」を挙げられた企業がそれぞれ約3割となっており、各企業のワーク・ライフ・バランスの取り組みにより、労働者に対して一定の効果が及んでいると認識しています。  また、企業情報サイト「WORKしが」におきまして、年次有給休暇の取得日数や時間外労働の時間数など、登録企業のワーク・ライフ・バランスの取り組み状況を発信できるよう改善するなど、県内企業における取り組みの見える化を図っているところです。  今後も、企業の労働者がワーク・ライフ・バランスを実現し、健康で充実して働き続けることができるよう、働き方改革の一層の推進に引き続き取り組んでまいる所存でございます。  3点目、庁内および県内企業のハラスメント対策についてでございます。  ハラスメントは、職員の人権や働く権利を侵害する許されない行為であり、職場環境を悪化させるとともに、能力発揮の機会を阻害するものでございます。  ハラスメント対策の課題といたしましては、何よりも、こうしたハラスメントそのものを発生させない環境をつくること、事案が発生した場合には、解決に向け、被害に遭った職員が相談しやすい環境をつくり、迅速かつ適切に対応することが重要であり、県庁、県内企業にとっても共通の課題であると認識しています。  まず、県庁の取り組みとして、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントの防止に関する指針等を定め、ハラスメント防止のための職員研修を実施するなど、ハラスメントを起こさせない良好な職場の環境づくりに努めています。また、県職員が相談しやすい環境をつくるため、内部の窓口として、豊富な知識、経験を有する相談員を配置していますし、加えまして、組織内では相談をちゅうちょすることも考えられますことから、滋賀弁護士会に委嘱し、外部相談窓口を設置し、職員がより安心して相談できる体制を整備しています。  県内企業の皆様に対しては、滋賀県労働広報誌「滋賀労働」による啓発や、企業の経営者、管理職等を対象にイクボスセミナーでありますとか、人事労務管理担当者や相談窓口担当者を対象にハラスメント対策に関するセミナーを実施しているところです。  また、県内企業で働く皆様に対しては、滋賀県労働相談所において、ハラスメントを含む総合的な労働相談を実施しており、必要に応じて専門的な窓口へとつなぐなど、滋賀労働局等の関係機関と連携し、支援に努めているところです。  今後も、ハラスメントに対する取り組みを、県庁はもちろんのこと、県内企業の皆様と着実に進め、男性も女性もともに生き生きとやりがいを持って働くことができる良好な職場環境づくりに努めてまいります。  大きな4項目め、第五次環境総合計画について、こちらは3点賜りました。  まず1点目、第四次計画までの評価についてでございますが、環境総合計画は、環境基本条例に基づき、平成9年に第一次の計画を策定以来、地球温暖化への対応や生物多様性の確保、さらに人育ち、人育ての視点など、新たな課題に対応して施策を見直してまいりました。平成26年に策定した第四次計画では、3つの基本目標のもと取り組みを進めており、その成果については、環境審議会で御意見を伺い、評価を行ったところです。  まず、基本目標1の環境の未来を拓く人、地域の創造につきましては、環境学習活動への支援などを進めてまいりました結果、県民や事業者による環境保全の取り組みが広がりを見せ、また、経済活動における環境負荷の低減も進んでいます。  基本目標2の琵琶湖環境の再生と継承につきましては、下水道の整備などにより汚濁負荷の削減が進み、琵琶湖や河川の水質には改善傾向が見られます。一方で、琵琶湖では在来魚介類の漁獲量の減少や水草の大量繁茂などが見られ、また、山では鹿による森林の植生被害や土砂流出が広がるなど、生態系のバランスが崩れつつあります。  基本目標3の低炭素化など環境への負荷が少ない安全で快適な社会の実現につきましては、省エネ行動の拡大などを進めてまいりました結果、温室効果ガスの総排出量は1990年度と比較して減少しています。また、一般廃棄物の排出量が減少する一方で、産業廃棄物の排出量は横ばいとなっております。  これらを総合的に見ますと、水質を初めとする環境の保全は一定進んでいる一方で、生態系などの問題は複雑化、多様化してきており、引き続き、分野を横断した総合的な視野に基づく取り組みをより一層進めていく必要があると評価したところでございます。  では、第五次環境総合計画の策定にかける思いについてでございますが、これまでの滋賀の環境施策は、人口がふえ、開発が進む中で、いかにその負荷を抑制していくかということを基本に取り組んでまいりました。しかしながら、本県においてもいよいよ本格的な人口減少と高齢化の時代を迎える中で、むしろ人の手が入らなくなることによって、森林の生態系の劣化があらわれ始めているように、環境問題はこれまでにない新たな局面を迎えることになると認識しています。こうした新たな局面に対応するためには、SDGsに示された環境、社会、経済の三側面の調和に向けて、環境における物質の健全な循環とあわせて、環境と経済、社会との間における資源や財の健全な循環が同時に実現されるという視点が必要になると考えます。  本県におきましては、在来魚介類や森林資源などの地域資源の持続的な利用に向けた取り組みを進めるとともに、これを暮らしや産業に生かすことで、社会、経済の活性化を図り、それをさらなる守る取り組みへとつなげるといった健全な循環を目指していくべきと考えます。こうした健全な循環の考え方のもと、各施策の方向性について見直し、計画の策定につなげてまいりたいと存じます。  3点目、今後の施策の方向性についてでございますが、先ほどお答えいたしました人のかかわりが減少することに伴う新たな課題があらわれつつある地域の一つが、県土の2分の1を占め、琵琶湖の水源として重要な役割を果たしている森林ではないかと考えます。森林地域では、木材価格の低迷や流通の体制の弱さから、森林資源が十分利用されず、林業が低迷しています。このため、さらに手が入らない森林がふえ、獣害被害も拡大するなどにより、森林の多面的機能と生態系のバランスが損なわれ、また、山村の生活や地域の維持も困難になってきております。  これらの課題解決に向けましては、間伐の促進や獣害対策など森林を守る取り組みと、木材の流通加工体制の整備や人材育成による森林資源を生かす取り組みを進め、さらに、都市部との交流や新たな産業おこしなどにより山村の活性化を図ることで、森林に人や金が投資されるといった循環を意識した取り組みが求められております。  こうした森林に関する施策を初め、第五次環境総合計画におきましては、1つ、琵琶湖を初めとする環境の保全再生と自然の恵みの活用、2つ、気候変動への対応・環境負荷の低減、3つ、持続可能性を支える社会づくり、人育て、4つ、国際的な協調と協力の4つの柱のもとで施策を進めていこうとしているところです。本計画におきましては、全ての柱の中で、環境、社会、経済の三側面における健全な循環を基本的な考え方として、施策の構築、見直しを進めてまいりたいと考えています。  続いて、大きな5項目め、SDGsとグリーン購入について、こちらは5点御質問を賜りました。  まず1点目、職員への啓発についてでございますが、平成29年1月の年頭に、県としてSDGsへの参画を宣言して以降、庁内での研修や勉強会を開催するとともに、次期基本構想の策定、翌年度に向けた施策構築においてSDGsの視点を活用してまいりました。  今年度は、教育分野では、県立大学においてSDGsの視点による人材育成に着手しているほか、経済分野では、経済団体等と連携して社会的課題への解決モデルをビジネス化するための仕組みづくりを進めるなど、SDGsの視点を活用した取り組みをスタートさせています。  一方で、昨年度末に係長級職員を対象に実施いたしました庁内調査におきましては、みずからの仕事が該当するSDGsの目標を理解している職員は50.7%、施策構築にSDGsを活用した職員は31.9%と、まだまだ職員に十分浸透しているとは言えない状況だと捉えています。  今後とも、研修等を通じ、職員一人一人に対する啓発を行い、SDGsの視点を生かして各分野の施策に取り組むよう努めてまいりたいと存じます。  2点目、取り組み状況の評価についてでございますが、本県では、昨年来、全国の自治体に先駆けてSDGsの視点を県政に取り入れてまいりましたが、御指摘のとおり、去る6月15日に内閣府よりSDGs未来都市29都市の選定結果が発表され、全国の自治体でもSDGsの取り組みが広がりつつあることを実感したところでございます。本県におきましても、今年度からSDGsの視点を活用した事業に取り組み始めているほか、昨年以降、シンポジウムの開催や広報誌等での情報発信などに取り組んだ結果、経済界や大学、NPOなどでSDGsに関連したさまざまな取り組みが行われているところでございます。  また、7月16日から18日まで、米国ニューヨークの国連本部において開催された国連持続可能な開発のためのハイレベル政治フォーラム閣僚級会合の会場に、地方自治体では唯一本県の取り組みを紹介するパネルが掲示されたことは、本県の取り組みが一定評価されているものと認識しています。  本県は、これまで、パートナーシップを重視しながらSDGsの取り組みを進めてきたと自負しています。SDGsの取り組みは、行政だけでなく、さまざまな立場の人々が参加し、力を合わせて実施することが重要であり、今後も、本県の特徴であるパートナーシップを大切にし、SDGsの視点を活用した取り組みが広がっていくよう尽力してまいる所存でございます。  3点目、今後の啓発への対応についてでございますが、昨年度、SDGsに係る県民の皆さんの認知度をアンケート調査いたしましたところ、「よく知っている」との回答が18.9%あった一方で、「知らない」との回答が45.3%あったところです。今年度は、県民の皆さんにSDGsをより広く知っていただくとともに、取り組みの裾野拡大を図ることを目的として、県民向けワークショップや地域の実践者交流会の開催、啓発用リーフレットの作成などに取り組むとともに、多様な主体が参画するプラットホームの設置を目指すこととしています。これらの取り組みを通じまして、SDGsのさらなる普及促進を図り、経済界や大学、NPO初め、県民の皆さんとともに持続可能な滋賀づくりに取り組んでまいる所存でございます。  4点目、滋賀グリーン購入ネットワークの現状についてでございますが、一般社団法人滋賀グリーン購入ネットワークは、県内のグリーン購入の取り組みを促進するため、県も支援しつつ、平成11年12月に設立され、現在、理事5名のうち1名に県から就任をしているところです。当該団体は、企業、行政、民間団体など正会員467団体、このうち企業は385、行政が21、団体が61となってございます。賛助団体26名で構成されているところです。  平成29年3月には、新たな活動ビジョンとして「滋賀から『グリーン経済』をつくる」を掲げ、子や孫の世代まで幸せや豊かさを実感できる安全、安心な環境の創造を、市場を通して実現することを活動目標とされ、会員の連携により、グリーン購入の実践や普及啓発、調査研究等に取り組まれております。  5点目、SDGsの理念に基づき、グリーン購入の推進に力を入れ直すべきではないかということについてでございますが、県では、グリーン購入における本県の先導的役割を自覚し、平成14年度に滋賀県グリーン購入基本方針を定め、これに基づき、環境負荷の低減に役立つ物品等を調達品目として指定するとともに、公共工事において環境負荷の少ない資材、機械の使用や工法の採用に努めるなど、グリーン購入の拡大を図ってきたところです。  グリーン購入は、環境に配慮された製品やサービスを優先的、選択的に購入する行為を介して、環境に配慮した企業活動を支持、促進することであり、SDGsの目標12、持続可能な生産消費形態を確保するに向けて大きな力になると考えています。こうしたことから、一般社団法人滋賀グリーン購入ネットワーク等とも連携しつつ、納入事業者等への協力要請、県民等への取り組み支援を含め、グリーン購入をより一層積極的に進めていきたいと存じます。
     続いて、大きな6項目め、中小企業の人材確保について、こちらは4点賜りました。  1点目、有効かつ長期的な対策についてでございますが、本県では、女性や若者、中高年齢者を対象としたワンストップ就労支援に当たり、県、滋賀労働局、ハローワーク、経済団体、労働者団体を構成員とする滋賀県雇用対策協定運営協議会において、利用者数等の数値目標を含む事業計画を毎年度策定し、求職者の就職促進と県内企業の人材確保の支援を行っているところです。しかしながら、県内の中小企業では人材不足が深刻な課題となっており、これらの取り組みの一層の強化が重要であると認識しています。  このため、おおむね45歳以上の中高年齢者を対象とするシニアジョブステーション滋賀におきましては、平成27年4月に大津駅前に開設後、着実に利用者がふえており、今年度からは、さらに長浜、彦根、東近江、甲賀の4つのハローワークの協力により、月1から2回の定期的な出張相談を実施し、県内全域における中高年人材の就労促進に取り組んでいるところです。  また、おうみ若者未来サポートセンターにおきましては、人材確保支援を強化するため、今年度、若者と中小企業双方のニーズを調査いたしまして、労働局やハローワーク、経済団体、大学生による委員会において、調査結果を踏まえた効果的なマッチング策を検討しているところで、来年度から早速実施していきたいと考えております。  今後は、こうした協議の場にメディアにも御参画いただきながら、関係機関、団体がより一層緊密に連携し、一丸となって中小企業の人材確保の有効かつ長期的な支援に努めてまいりたいと存じます。  2点目、中小企業における新規採用、スキルアップ支援についてでございますが、平成29年度に、滋賀県内の大学、短期大学に在学する学生を対象に実施した意識調査において、就職先の検討候補として県内の企業を幾つ知っているかとの問いに、「全く知らない」と回答した学生が48.6%を占めており、県内企業の認知度が低いこと、また、採用後の人材育成に対する中小企業の負担が大きいことに加え、新規大学卒業者の就職後3年以内の離職率が約3割と高いことが課題であると認識しています。  このため、中小企業における新規採用の支援につきましては、企業情報サイト「WORKしが」や企業PR冊子に加え、ツイッターによる県内高校卒業時からの就職情報等の発信を行うとともに、インターンシップの推進や合同企業説明会の開催、県外大学との就職支援協定の拡充により、若者に県内企業をより深く知ってもらうための取り組みを進めているところです。  また、中小企業におけるスキルアップ支援につきましては、人材育成の充実が企業の魅力向上、ひいては定着率の向上にもつながることから、今年度から新たに県内中小企業が行う若手従業員の人材育成に対する助成制度を設けたところでございます。  今後は、引き続き、県内企業の魅力を発信する取り組みや、企業と学生のマッチングを支援する取り組みを進めるとともに、県内企業における人材育成の充実を支援することや国の助成金制度を広くPRすることなどにより、中小企業における新規採用やスキルアップを支援してまいります。  3点目、中小企業における障害者雇用の促進についてでございますが、平成29年6月1日現在における従業員50人以上の民間企業789社の実雇用率は2.13%と、全国平均の1.97%および法定雇用率2.0%をともに上回るとともに、達成企業の割合も60.7%と、全国平均50.0%を大きく上回っている状況にございます。しかし、依然として4割近い企業が未達成であり、さらに、この4月から、精神障害者の雇用義務化に伴い、民間企業の法定雇用率が2.2%に引き上げられるとともに、雇用義務の対象となる事業所も従業員45.5人以上に拡大されたところであり、引き続き中小企業における障害者雇用の推進に努める必要があると考えます。  このため、本年度から地域全体で障害者雇用を支える仕組みづくりを推進することとしており、初年度となる今年度は、湖北、湖東、湖西、大津の4圏域で地域の実情に合った企業への普及啓発事業を試行的に実施し、来年度は県内7圏域全域に拡大してまいりたいと考えています。  このような取り組みを着実に進め、障害者雇用のノウハウやサポートを身近な地域で気軽に受けられる関係を構築し、中小企業が抱える不安やさまざまなハードルの解消につなげていくことで、一人でも多くの障害者が中小企業を支える人材として活躍できるようにしてまいりたいと存じます。  4点目、滋賀発事業承継プロジェクトについてでございます。  このプロジェクトは、企業経営者の高齢化や後継者不足等により事業承継が緊急かつ最重要な課題となる中、官民を挙げたさまざまな取り組みにより中小企業の事業承継を応援するために立ち上げたものでございます。その中心となる組織として、44の関係機関、団体の参画により事業承継ネットワークが設立され、去る5月18日に開催されたキックオフ会議において、参画団体がそれぞれに抱える課題や実情を共有し、連携して取り組んでいこうとする熱意を感じたところでございます。  事業承継の取り組みは、経営者の方が事業承継の重要性や必要性、緊急性について認識していただくことが第一歩であり、今後、事業承継診断による経営者の方への気づきの提供を初め、後継者の確保や資金の面など、それぞれの企業の実情に合わせた切れ目のない支援、重層的な取り組みが進められることになります。  中小企業、とりわけ小規模事業者の占める割合が全国平均よりも高い本県の実情を踏まえ、県内4ブロックのコーディネーターのもとに地域専門家をそれぞれ配置して対応することにより、滋賀らしいきめ細かい取り組みが展開されることを期待するとともに、県といたしましても、5年間を集中取り組み期間と定め、滋賀発事業承継プロジェクトとして、県内中小企業の事業承継が円滑に行われるよう一緒に取り組んでまいる所存でございます。  大きな7項目め、共生社会を目指すための条例について、こちらは4点賜りました。  1点目、全国に誇れる条例をということについてでございますが、諮問を受けて、滋賀県社会福祉審議会におきましては、答申に至るまで、当事者団体等からの6回にわたる意見の聞き取りでありますとか、団体等の御協力を得て収集した973件もの差別事例をもとに御検討いただきました。差別を受けた御本人などが思い出したくないであろう事例をあえて出していただき、そうした事例や団体等の御意見をもとに議論を重ね、取りまとめられた答申であり、多くの障害者の方々や関係者の皆さんの御期待や思いが込められたものと重く受けとめているところでございます。  答申内容には、他の都道府県の条例と比較して特徴が3点あります。1点目は、障害は社会によってつくり出され、それを取り除くのは社会の責務であるという障害の社会モデルの考え方を規定し、県民や事業者、関係者に広げようとしているということ。2点目は、自身で相談することが難しい障害者に寄り添い、相談内容を代弁するなど、障害者の権利を擁護する役割を担う地域アドボケーターという支援者を置くこと。3点目は、ひきこもりなど、障害者と同様に社会的障壁によりさまざまな生きづらさを抱えた人に対する共感や理解を前文に盛り込んでいることでございます。  答申の根底に流れるものは、障害者など社会的に不利な立場に置かれている人に徹底して寄り添うという考え方であり、こうした滋賀らしいすばらしい答申を取りまとめていただいた滋賀県社会福祉審議会の皆様に心から敬意を表したいと存じます。  この答申をしっかりと受けとめ、議員各位を初め、当事者団体はもとより、県民、事業者、市町の皆様と共有しながら、滋賀ならではの条例案をつくり上げていくことが知事としての責務であると認識しています。  条例の推進体制についてでございますが、議員御指摘のとおり、実効性ある条例にするためには、障害者差別の解消に向けた体制をいかに整えるかが重要であると認識しています。  答申におきましては、障害者差別に関する相談、解決の体制として4点が示されています。1点目は、差別の解消に向けて専門的に相談調整を行う専門相談員を設置すること。2点目は、障害者に寄り添い支援する地域アドボケーターを福祉圏域ごとに設置すること。3点目は、相談では解決しない場合に必要に応じてあっせん等を行う附属機関を設置すること。4点目は、正当な理由なくあっせんに応じない場合には勧告や公表の措置を行うことでございます。  現在、答申を踏まえて具体的な制度設計を行っているところであり、今後、7つの福祉圏別に開催いたしますタウンミーティングの場を初め、当事者団体や経済団体、関係機関等で構成いたします障害者差別解消支援地域協議会からも御意見を頂戴しながら実効性のある仕組みをつくってまいる所存でございます。  3点目、滋賀県においてどのような共生社会を目指していくのかということについてでございますが、私たちの滋賀では、「この子らを世の光に」「自覚者は責任者」の言葉に代表される糸賀一雄先生ら先人の理念が大切にされてきています。障害のある方が放つ光によって、社会の障壁という影が浮かび上がり、それに気づき自覚した人がみずから責任を持って福祉の実践をすることで社会をよりよく変えていくという考え方であると理解をしています。  目指すべき滋賀らしい共生社会とは、県民一人一人がこうした先人の理念を自分のものとし、自覚者としてその人なりの実践を行う、すなわち県民の共感と連帯、そして協働によって実現される、全ての人に居場所と出番のある社会であると考えています。  障害の社会モデルや地域アドボケーターを初め、答申で条例に盛り込むとされた内容は、糸賀先生ら先人の理念を具現化するものであり、この答申を踏まえた実効性のある条例案をつくり上げることで、滋賀らしい共生社会の理念の実現に向けた確かな一歩としてまいる所存でございます。  4点目、手話言語条例の早期制定に向けた検討についてでございますが、手話は、聞こえる人、聞こえない人双方にとってコミュニケーションを図る大切な言語、また手段であり、手話を広め、聴覚に障害のある人が不自由なく情報入手や意思疎通ができる環境を整えることが重要であると認識しています。  滋賀県ろうあ協会から平成28年度にいただいた手話言語条例を定める1万4,275筆の署名に込められた聾唖者の皆様の強い思いは重く受けとめているところでございます。手話言語の重要性や手話の普及の必要性、手話言語条例制定の意義については認識しておりますものの、今回、社会福祉審議会で出されました、手話と同様、点字、要約筆記などさまざまな意思疎通手段も大事であるとの意見も大切であると考えています。  今回の答申では、手話言語については、共生社会を目指すための条例骨格には含めず、手話言語や情報コミュニケーションに関する条例の必要性については、全県的な議論を早急にしていくことが望まれるとされているところでございます。答申を受けまして、共生社会を目指すための条例とは別に、手話言語や情報コミュニケーションに関する新たな条例について検討する必要があると認識しているところであり、今後、聾唖者、中途失聴者、難聴者、視覚障害者、盲聾者等、さまざまなコミュニケーションの手段を使う方々から丁寧に御意見をお伺いしながら、滋賀県障害者施策推進協議会において議論を深めてまいりたいと考えております。  大きな8項目め、観光振興について、こちらは3点賜りました。  1点目、予算に対する費用対効果についてでございます。  まず、観光振興政策の観光産業への効果についてでございますが、観光産業は、サービス業のほか、農林水産業や製造業などさまざまな産業と関連する裾野の広い産業であると捉えています。  観光産業への効果を示すことはなかなか困難でございますが、例えば、経済センサスの宿泊業、飲食サービス業について、平成28年と平成24年を比較しますと、事業所数は3,740事業所から4,623事業所へ、従業者数は約3万6,000人から約4万5,000人に、売上収入金額は約1,670億円から約2,119億円にいずれも増加しております。また、昨年からことしにかけて、南草津駅や彦根駅、守山駅、八日市駅周辺でホテルも新築されているところであり、観光産業に対して一定の効果をもたらしているのではないかと考えています。  観光振興予算に対する費用対効果でございますが、例えば、地域ブランド調査の魅力度におきましては、平成27年の41位から平成29年28位に上昇しており、また、宿泊業における法人事業税の調定額につきましては、平成27年約1億4,000万円から平成28年は約1億5,400万円に増加しております。さらに、ビワイチ体験者数は、平成27年の5万2,000人から平成29年約9万5,000人に増加しているところであり、いずれも観光予算による効果だけとは言い切れませんが、多方面に効果があったと考えているところでございます。  2点目、びわこビジターズビューローの組織についてでございますが、本県における観光振興の体制としては、県は、観光施策全般に関する企画立案や、国や他府県、県内市町等との連携調整を担い、観光事業者を会員とするびわこビジターズビューローは、プロモーションや観光資源の開発、受け入れ環境の整備など、具体的な事業展開を担っており、車の両輪として観光振興に取り組んでいるところです。  この役割分担を踏まえ、びわこビジターズビューローにおいては、観光施策を円滑に実施するため、旅行会社、鉄道事業者、宿泊施設などからも派遣を受け、それぞれのキャリアやネットワークを生かした専門性、機動性の向上を図っているところです。  さらに、データ分析の専門人材を専属で置いているほか、継続的、戦略的な事業展開を行うため、プロパー職員を増員するなど組織の強化を図っておられ、びわこビジターズビューローが地域の稼ぐ力を引き出す観光振興のエンジンとして県全体を牽引し、DMOとしての機能をしっかりと果たせるよう期待し、また、求めてまいりたいと存じます。  同時に、持続可能な観光振興に向けて、組織のあり方等について不断に研究を行ってまいりたいと存じます。  3点目、指針策定の基本的な考え方および2期目に向けての観光振興への意気込みについてでございますが、指針策定の基本的な考え方についてでございますが、観光は地方創生の核となる県政の重要な柱であるとの認識のもと、宿泊者数の伸び悩み、認知度不足、受け入れ環境の整備などの課題を踏まえ、滋賀らしい戦略的な指針となるよう検討を進めているところです。  2期目に当たりましては、1期目で取り組んだ地酒の振興、ビワイチの推進、日本遺産を活用したツーリズムなどの成果を踏まえ、豊かな自然環境を生かした体験型観光、豊富な歴史遺産を活用したツーリズム、食の魅力向上と発信による誘客などに加えて、滋賀の暮らしそのものを体験いただく滞在型観光など、本県の強みを生かした観光をさらに伸ばしてまいりたいと存じます。  あわせまして、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の放映、東京オリンピック・パラリンピックやワールドマスターズゲームズ2021関西といった大型スポーツイベントの開催などの機会も逃すことなく、本県の魅力を生かした誘客活動を展開することで活力ある地域社会を実現してまいりたいと存じます。  私に賜りました最後、滋賀県教育振興基本計画につきまして、私には1点賜りました。  成人の学びや学び見直しについてでございます。  本県における成人の学びや学び直しにつきましては、これまでから、団体、企業、行政等の多様な主体により、さまざまな学習機会を提供するとともに、学びの成果を活力ある地域の創生に生かす取り組みを進めてまいりました。これにより、平成29年度の県政モニターアンケートにおきましては、この1年間で何らかの学習活動を行った者の割合は約9割となるなど、県民の生涯学習への関心は高く、着実に取り組みは広がっているのではないかと認識しています。  一方、人生100年時代の到来とともに、社会状況や産業構造の劇的な変化も見込まれる中、学校を卒業して社会に出た後、改めて教育を受け、その成果を就労等に生かしていくことも必要となってくると考えられ、議員御指摘のリカレント教育の推進もとても重要であると認識しています。  これまでから、県内大学では社会人入学などに取り組まれており、例えば滋賀県立大学においては、昨年12月に文部科学省の職業実践力育成プログラムの認定を受けた近江環人地域再生学座のほか、今年度からは、高度数理、情報人材を育成するICT実践学座が新たに開講されるなど、リカレント教育を意識した取り組みが行われているところです。  また、公共職業訓練といたしましては、従前より高等技術専門校において求職者を対象とした訓練と在職者向けの技能向上セミナーを実施しており、求人ニーズ、求職者ニーズを踏まえた訓練を実施いたしております。  今後、成人の学びや学び直しについては、人生100年時代を見据え、県民がいつでもどこでも仕事や社会活動のための専門的な教育を受けることができるよう、リカレント教育の充実を含め、国や企業、教育機関等と連携して進めてまいりたいと存じます。  各種もろもろ、御指導、御支援等よろしくお願いいたします。 ◎教育長(青木洋) (登壇)滋賀県教育振興計画についての3点の御質問のうち、私にいただいた2点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の現行計画の成果と課題、今後の方向性についてであります。  第2期教育振興基本計画においては、「未来を拓く心豊かでたくましい人づくり」を基本目標に掲げ、各種施策を展開してまいりました。  まず、成果についてでありますが、施策の推進に当たっては、3つの柱の中に26の成果指標、事業目標を定め進行管理を行っており、例えば、耐震対策や家庭教育協力企業協定、「しがふぁみ」という愛称で御承知いただいていると思いますが、この締結企業、事業所数など、12の項目については、既に最終年度を待たずに目標を達成をしております。  一方、全国学力・学習状況調査での国語の授業内容がよくわかると回答した児童生徒の割合や、自分にはよいところがあると回答した児童生徒の割合など、残り14項目については、現時点で目標を達成しておらず、確かな学力を育むこと、あるいは豊かな心を育むことなどに課題があると認識をしております。  これらを踏まえ、次期教育振興基本計画においては、まずは、学びの質を高める取り組みなどを通じて、子供たちの生きる力、学ぶ力をしっかりと育んでいきたいと考えております。  あわせて、人生100年を見据え、一人一人の個性に寄り添い、それぞれの学びにどう向き合うのか、ともに生きることの大切さをどう教えるのかなどについてもしっかりと議論をしてまいりたいと考えております。  さらには、未来を担う子供たちが、滋賀の自然や歴史、文化に触れ、琵琶湖や自然の大切さ、郷土を愛する心を育むことにより、地域社会に貢献できる、そういった人づくりも進められるよう、滋賀らしさの視点にも注目をしながら次期教育振興基本計画を策定してまいりたいと考えております。  次に、2点目の地域と連携をした高校教育のあり方を計画の中にどう位置づけるかについてお答えをいたします。  地域の皆さんから、自然や文化、産業等を学ぶなど、生徒が地域についてより深く知り、将来、地域社会に貢献できる資質と能力を身につけることは、高校教育において重要であるというふうに考えております。  こうした考えのもと、例えば、長浜北高校では、生徒のまちづくりへの参画など、地域とともにある学校づくりを目指すコミュニティ・スクールの取り組みを、堅田高校では、地域の史跡や事業所などの見学を通して地域理解を深める堅田探訪の取り組みを、また、信楽高校では、地場産業に根差した学習内容での特色化や、地域を挙げての支援を得ながら活性化を図る取り組みなど、地域と連携をした取り組みを進めております。  今後も、自然や歴史、文化、また産業などの豊かな地域資源を生かし、生徒が地域の皆さんからその地域の持つよさや特色などを学び、体験したりすることで、社会に目を向け、みずからが興味や関心を持ち、みずからの考えに基づいて行動できる力などを身につけさせたいと考えております。  次期教育振興基本計画では、こうした地域とのつながりをより一層大切にし、生徒が主体性や社会性、協働性などを発揮し、地域に貢献できる人材として育ってくれるよう、そうした教育を進めていくようしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(川島隆二) 以上で、会派代表による質疑ならびに質問を終わります。    ──────────────── △休会の議決 ○議長(川島隆二) お諮りいたします。  明26日から29日までは、議案調査等のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(川島隆二) 来る30日は、定刻より本会議を開き、上程議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。   午後2時58分 散会    ────────────────...