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平成30年 2月定例会議(第22号〜第30号)−02月27日-05号

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  1. 滋賀県議会 2018-02-27
    平成30年 2月定例会議(第22号〜第30号)−02月27日-05号


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    平成30年 2月定例会議(第22号〜第30号)−02月27日-05号平成30年 2月定例会議(第22号〜第30号)                平成30年2月定例会議会議録(第26号)                                       平成30年2月27日(火曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第5号                                         平成30年2月27日(火)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第1号から議第53号まで(平成30年度滋賀県一般会計予算ほか52件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(40名)    1番   村  島  茂  男       2番   加  藤  誠  一    3番   竹  村     健       4番   佐  藤  健  司    5番   目  片  信  悟       6番   海  東  英  和    7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       10番   下  村     勳
       11番   藤  井  三 恵 子       12番   杉  本  敏  隆    13番   節  木  三 千 代       14番   駒  井  千  代    15番   山  本     正       16番   大  橋  通  伸    17番   冨  波  義  明       18番   井  阪  尚  司    19番   木  沢  成  人       21番   有  村  國  俊    22番   大  野  和 三 郎       23番   岩  佐  弘  明    24番   山  本  進  一       25番   富  田  博  明    26番   細  江  正  人       27番   高  木  健  三    28番   生  田  邦  夫       29番   川  島  隆  二    31番   奥  村  芳  正       32番   野  田  藤  雄    33番   西  村  久  子       34番   佐  野  高  典    35番   家  森  茂  樹       36番   吉  田  清  一    39番   成  田  政  隆       40番   九  里     学    41番   清  水  鉄  次       43番   柴  田  智 恵 美    44番   今  江  政  彦       45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(2名)    20番   中  村  才 次 郎       37番   粉  川  清  美            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長      世  古     正               人事委員会委員長代理      桂        賢               公安委員会委員長代理      堀  井  と よ み               代表監査委員          北  川  正  雄               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             池  永  肇  恵               総合政策部長          宮  川  正  和               総務部長            村  上  浩  世               県民生活部長          福  永  忠  克               琵琶湖環境部長         高  砂  利  夫               健康医療福祉部長        藤  本  武  司               商工観光労働部長        江  島  宏  治               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          池  口  正  晃               会計管理者           辻  井  弘  子               企業庁長            廣  瀬  年  昭               病院事業庁長          笹  田  昌  孝               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            青  木  幸  一               議事課長            入  江  建  幸               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(奥村芳正) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(奥村芳正) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  人事委員会西原節子委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として桂賢委員が、また、公安委員会大塚良彦委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として堀井とよみ委員が、それぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(奥村芳正) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第1号から議第53号まで(平成30年度滋賀県一般会計予算ほか52件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(奥村芳正) 日程第1、議第1号から議第53号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次、これを許します。  まず、24番山本進一議員の発言を許します。 ◆24番(山本進一議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  今、控え室を出る前に、家森代表のほうから、おまえは見えないから台を置いたほうがええんと違うかと言われたんですけども、吉田先生のほうから、前に嘉田さんが「台を置く」と言ったら、「それはあかん」と俺は言うたんやからだめやと言われましたので。  前置きはそれぐらいにしまして、一般質問3日目のトップバッターで、この後の生田先生の前座として、通告に従いまして、先般の我が会派の代表質問のエネルギー政策の答弁を受けて、一問一答にて、関係する部署であります県民生活部長琵琶湖環境部長、そして、知事にお尋ねします。  本県は平成28年3月にしがエネルギービジョンを策定し、その翌年の平成29年3月に、それを踏まえて低炭素社会づくり推進計画を改定しました。  国は、COP21で採択されたパリ協定を踏まえ、国連に提出した日本の約束草案に基づき、2016年5月に地球温暖化対策計画を閣議決定し、日本の温室効果ガス削減の中期目標として、2030年度に2013年度比26%の削減を掲げられました。  それを受けて、推進計画の改定で国の計画で示した削減目標より低い23%の削減を掲げられ、環境先進県としての誇りもなく、恥じることなく簡単に目標値を変えられました。その改定が物議を醸した同時期に、滋賀県は47都道府県で最初にSDGsを県政に取り込むことを宣言し、SDGsに取り組むモデル自治体に手を挙げました。そして、平成30年度予算編成の基本方針に、SDGsの視点に基づく施策構築をうたい、SDGsの17の目標をもとに既存の仕組みや枠組みについても必要な見直しに取り組むことが明記されています。また、国の施策および予算に関する提案、要望書のトップページには、SDGsを活用して世界の国々と共通の目標の達成を目指し、本県の取り組みを深化させ、世界が抱える課題の解決に貢献すると表明されております。  これらを念頭に置いて、低炭素社会づくりの推進と、それに密接にかかわるエネルギービジョンや、その施策構築のベースとなるSDGsを踏まえて質問をいたします。  その前に、エネルギー政策の根幹である本県の電力事情を簡単に説明します。  エネルギー政策温暖化対策のベースとなる電力事情は、平成28年度の都道府県別発電実績の電力量は1億4,900万キロワット時で、比率にして0.016%で全国最低の規模であります。片や、電力需要実績の需要量は132億4,000万キロワット時で、全国23番の高い位置にあります。高い位置にあって多くの電力を使っていて、電気をほとんどつくらず、多くの電気を使用していますので、電気の自給率は1%となり、これも全国最低という状況にあります。これらを踏まえて質問をさせていただきます。  まず初めに、本県の考える電源構成についてお尋ねします。  国のエネルギー政策であるエネルギー基本計画は、2030年度時点で原発に20から22%依存する電源構成が示されています。原発に依存しないエネルギー社会の構築をうたっている本県は、原発にかわる代替案を示すことなく、ただ単に原発分をそれ以外の電源に割り振ってつくったものが本県の考える電源構成であります。  平成28年推計の電源構成は、石炭、石油、天然ガスの火力発電が83%、再エネが7.8%、水力7.5%、原発は1.7%となっています。この状況は、本県の言う原発に依存しないエネルギー社会に限りなく近い姿で、これを理想とするなら、CO2排出量が増加することを証明しているのではないでしょうか。  そのような中、脱炭素にすぐれた原発をゼロにして、化石燃料を原料とする火力発電を国の電源構成より13%もふやし、CO2排出量を増加させる火力発電が全体の7割を占める構成となっています。この電源構成で温暖化対策が図れるのかと思いますし、これで低炭素社会ができるのかと言いたくもなります。  この取り繕った電源構成でのCO2排出削減は無理があり、そのために削減目標値を下げたと思いますが、環境をつかさどる部署が化石燃料の消費増大につながる電源構成にした理由について、琵琶湖環境部長にお伺いします。 ○議長(奥村芳正) 24番山本進一議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎琵琶湖環境部長(高砂利夫) (登壇)お答えをいたします。  滋賀県低炭素社会づくり推進計画は、国の温暖化対策計画で示されました対策、施策のほか、県の産業構造や地域特性、独自の取り組み等を考慮いたしました削減効果を算出いたしました上で、しがエネルギービジョンで示します原発に依存しない新しいエネルギー社会が国全体で実現した姿を想定した電源構成に基づき、設定をしたものでございます。  その中で、削減目標で想定をいたしました電源構成につきましては、議員、御質問にございました御指摘のとおり、国が示します電源構成におけます原発相当分を石炭や再生可能エネルギー等の他の電源に振りかえることで算定をしたものでございます。  こうした電源構成といたしましたのは、当部といたしましても、低炭素社会の実現と原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現がいずれも県民の皆さんの生活の安全、安心の観点から極めて重要な課題であり、双方が満たされた社会を目指していくことが重要と認識していることによるものでございます。 ◆24番(山本進一議員) (登壇)今、ゼロにするために全てそれに合わせるという、理想を想定した電源構成に合わせると。行政は、やっぱり現実を捉えて政策を打っていくのが本来だと思うんですけども、それであれば、温暖化に対するCO2排出を少なくするというのが本来なんですから、火力発電をふやすというのはもってのほかやと思うんです。特に石炭とかああいうのをふやして。国よりもふやすって、どうも滋賀県は、先ほど言いましたけど、1%の自給率しかないんですよ。ほとんど、ほぼ100%、外から電気を賄ってもらっている。それであれば国の電源構成に全く近いことになるのに、なぜそれを、できもしないのにCO2をふやすほうのことにやるのかというのがわからない。それで、もしそこまで言うのであれば、原発に頼らないでCO2をふやさないと言うのであれば、それにかわる、排出ゼロの再生可能エネルギーか、その電源をふやすのだったら僕はわかります。だから、そこをよう考えて、今、原発も、これは時間軸で徐々になくなっていきます。だから、今あるやつ、これも規制委員会が認めて安全基準を満たしたやつでしか、今、稼働もできませんので、それについては、やっぱり稼働して、徐々になくして、それまでの間に新しい技術を研究されて、またそれ以上のものができてくると思いますので、やっぱり現実を物語って電源構成をしないで、勝手に決めたら、ちょっとこれはぐあい悪いのと違うかなと。まず、頭に入れておいてほしいのは、滋賀県はつくる電力が全国最低のレベルですので、全く国の電源構成に近い中に入ってますので、それに基づいてどう部長はお考えになりますか。再質問させていただきます。 ◎琵琶湖環境部長(高砂利夫) お答えをいたします。  議員、今の御質問につきましては、電源構成を想定する際に、例えば再生可能エネルギーのほうでそちらをふやしていくと。火力なり、そうしたところで一定程度ふやしていくというよりは、そちらがあればまだわかるのだがという御質問かというぐあいに存じます。  推進計画で示しました電源構成につきましては、原発の稼働がない状況を想定いたしました場合に、再生可能エネルギーの構成部分が現状の割合、また、国が示す電源構成よりも一定程度促進され、増加すると仮定して算出をいたしたシミュレーションでございまして、全てを再生可能エネルギーのほうで振りかえるという形で設定しているものではございません。  そうした意味で、このシミュレーションでは、国が示します電源構成と比べて、例えば石炭ですと4%増の30%、石油が1%増の4%等、あるいは再生可能エネルギーが約8%増の31%あるものと算定して、そうした形で設定をいたしましたシミュレーションでございます。 ◆24番(山本進一議員) (登壇)苦しい答弁になるかと思いますけど、どない今のふやす分を再生可能エネルギーでするというのはもう無理がありますし、それでなくてもふやしてます、今の滋賀県の計画より。ふやして31%に持っていってます。それをまた、化石燃料の分を再生可能エネルギーでというのは、これ、まず不可能だと思います。  そういったことで、無理で、わかってるのに、それを持っていかなければならないというのは僕はよくわからないんですけど、やっぱり滋賀県は環境先進県という、昔からそれを誇りにしてやってきたのに、その誇りまで捨てて、環境政策が逆の方向に向いているというのが、やっぱりこれは情けないなと思ってますので、それをちょっとつけ加えまして、次の質問に移らさせていただきます。  安定した電力供給体制についてということで、先般の代表質問で、基幹電源を確保し、安定的な電力供給を整えるのは国の責務であり、県はこれを構成する根拠を示す立場にないと答弁されておられます。それであれば、国のエネルギー政策に口を挟む必要はなく、国に合わせればいいのではないでしょうか。  そうした中、原発でつくる電気は嫌で、化石燃料でつくる電気もだめといった子供じみた政策とも言える原発に依存しない社会と化石燃料に依存しない社会の両方を同時に満たすとする現実を顧みない自分の都合に合わせた政策を国に提案すべきでないと思いますが、その見解を県民生活部長にお伺いします。 ◎県民生活部長(福永忠克) (登壇)お答えいたします。  琵琶湖とその集水域であります山林を預かる滋賀県にとりまして、原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現は大切な理念でございまして、原発に依存しない新しいエネルギー社会の構築は本県として国に提案していくべき課題であると認識をいたしております。  これまで国に対しましては、原発に相当程度依存する現在のエネルギー政策をできるだけ早い時期に転換することを繰り返し求めてきたところであり、今後とも提案すべきことは提案をしてまいりたいと考えております。 ◆24番(山本進一議員) (登壇)僕はこんなことを国に提案することは格好悪いというふうに思います。要するに電源の構成、先ほども言ってますように、国がやることなんで、県がどうのこうのできる、まして当県は自給率を含めて最低の部類でありますので、ほぼ全て賄ってもらっているのであれば、もうそれは国の政策に合わせるしかしようがないというのに、一番問題なのは、別に原発に依存しない、これはいいんですよ。それと同時に、化石燃料にも依存しない社会、これは相反することで、これ、今も証明されてますけど、これからまた質問の中にも入ってきますけども、今、88%は火力発電で賄ってもらってます。ほぼ原発ゼロに近い。だから、CO2はふえてます。そういうことも、現実、もうあらわれてわかっているのであればね、原発に依存しない社会をつくるために、こういう研究して、こういうふうにしていってという、すぐにはできませんから、そういうことならわかるけど、これを同時に満たすというのは無理があるので、そこらを国に対してまともに言っているということは、僕は相手方からしたら何考えてるねんというような捉え方になるんではないかなと思っているんです。  国が示す電源構成は、エネルギーの安定供給や経済効率性、環境適合性などを総合的に勘案して策定しておられますので、それを無視して、自分の都合に合わせてやること自体、僕はちょっと、これはいかがなものかなと思ってますので、このことについてやっぱりもうちょっと考えて、原発をなくしていく、これはいいと思いますけどね、そこのことをもうちょっとしっかり、周りから見て、何考えてるねんと言われんように、やっぱり政策を打っていかなだめなんかなと思ってますので、ぜひ、よろしくお願いしたいなと思ってます。  それでね、この安定供給で、ちょっときのうの夕刊見たときに出てきたのがね、今、電力需給調整が大変なんですよ。というのは、再生可能エネルギーがどんどんふえてきて、要するに一定に出せないから、太陽光も風力も、天候によって変動しますんで、それの需給調整をしなくてはだめなんですね。これは365日24時間体制でやってますんで、いっときたりも欠かしたら停電しますんで、安定した電気を送るためには周波数を一定にしなくてはだめだと。こういうのがあって、電気というのは、つくる電気と消費する電気をイコールに、一緒に合わさなあかんと。これが難しいところなんですね。だから、そういうことを、今、大変なんで、これをやってる人、新聞見てたらね、頭を悩ましてるというようなことで、本当に苦労されて、今こうして日本は何もせんでも電気がつくような、空気みたいな存在に思ってますけど、日本は島国ですんで自給率は、自分でつくらなあかんということ、100%にしなくては、よそからは賄えない。ドイツなんかは大陸でつながってますので、どこからでも賄ってもらえますんでね、そういうことは言えますけど、そういう状況も考えて、やっぱり政策を打ってほしいなと思います。  それでは、次に進まさせていただきます。  CO2の増加についてでありますけども、今、国の、先ほども言いましたけども、発電電力量に占める火力発電の比率は、平成28年度時点で83%あります。その現実がある中、国のエネルギー基本計画の見直しを繰り返し求めていることや、御都合主義のエネルギービジョンじゃないことを証明するためにも、CO2排出量の増加に対する解決策を明確に示してほしいと代表質問で聞いたところ、その答弁で、再生可能エネルギーの最大限の導入と、省エネルギーの徹底した取り組みが重要であるとし、地域レベルで取り組み可能な施策を着実に推進していくと答えられているんですけども、この答弁は、再エネや省エネの取り組みといったCO2の削減の抑制に対する当たり前の施策でありまして、そんなことは聞いてないんです。今問うているのは、地域レベルの話ではなく、国の電源構成の見直しを求め、その電源構成を否定しているエネルギービジョンのもとで、このCO2排出量の増加に対する解決策を示してほしいと言っているのでありますから、再度、お聞きしたいと思います。この解決策について琵琶湖環境部長にお伺いします。 ◎琵琶湖環境部長(高砂利夫) お答えいたします。  国全体の電源構成により影響を受けます削減部分、また、省エネ等の取り組みによる削減部分、大きく申しまして、CO2の削減対策はそうした2つ、2種類と申しますか、ございます。その中の、まず、国全体の電源構成による影響を受ける削減部分につきましては、想定してございます電源構成中に原発を含まないために排出係数は国の排出係数より大きくなりまして、削減割合は国よりも低くなります。これは議員御指摘のとおりでございます。  そうした一方で、削減目標のうちもう1つの構成要素でございます省エネ等の取り組みによる削減部分につきましては、基本的に国の地球温暖化対策計画で記載をされてございます省エネ等の対策や施策によります削減効果をベースとしながらも、本県の産業構造や地域特性等を考慮いたしまして、またさらに、本県独自の削減取り組みの上乗せをしていく、そうした設定をさせていただいておりまして、こうした部分を含めて、国の削減目標の考え方と比べまして必ずしも劣っているものではないというぐあいに考えてございまして、推進計画の取り組みに努めてまいりたいというぐあいに存じております。 ◆24番(山本進一議員) (登壇)毎回同じ答えなんですね。僕が聞いてるのは、そんなことはもう当たり前で、再エネも省エネも、これは今やらなければ絶対だめなので、どこの都道府県も一生懸命やっておられます。これは当たり前の話です。そうやなくて、国に対して見直しを求めてるということに対して、そこを答えてほしいねんけども、いつもちょっとはぐらかされて、多分これは答えられないからだと思うんですけどね、そこをやっぱりちょっと認識していただきたいなと思います。  それでは、次の質問に移ります。
     エネルギーをつくる取り組みで得られた電力量についてということで、本県でつくる電力量は平成28年度ベースで1億4,900万キロワット時で、そのほとんどが関西電力の従来から稼働している13の小水力発電でつくった1億1,800万キロワットの電力で、あと残りの20%に当たる3,100万キロワット時がエネルギーをつくる取り組みで得られた電力量であります。  今、本県が進める再エネ導入目標は、2030年時点で154.1万キロワットで、そのうちの148.9万キロワットの97%が太陽光で、大きく偏った導入計画となっております。本県の太陽光発電の平成28年度発電実績は2,600万キロワット時で、都道府県別ランキングでは40番の位置にあります。また、太陽光と風力を足した自然エネルギーでの発電実績は44番となっていて、下位にとどまっています。  ちなみに、発電実績電力量が本県に次いで少ない佐賀県ですけども、これは7億100万キロワット時で、本県の4.7倍の電力をつくっておられますし、水力で4億1,000万キロワット時、風力と太陽光で9,300万キロワット時をつくって、本県と比べて水力で3.4倍、自然エネルギーで3.6倍の電力をつくっておられます。  本県は、エネルギーをつくる取り組みの成果として太陽光発電の普及率の高さなどを挙げておられますが、今申しました現実をどのように捉えているのか、県民生活部長にお伺いします。 ◎県民生活部長(福永忠克) お答えいたします。  御質問のデータにつきましては、資源エネルギー庁の電力調査統計から議員が引用されたものと考えております。この統計につきましては、1万キロワットを超える大規模な発電設備を所有する発電事業者の実績を取りまとめたものと認識をいたしております。  一方で、資源エネルギー庁の固定価格買い取り制度──FITの公表データでは、住宅用太陽光発電など本県に多い中小規模の発電設備も含めますと、平成24年のFIT開始以降の累積導入量は、全国で本県は中位クラス、真ん中に位置しておるところでございます。  県といたしましては、しがエネルギービジョンに基づきまして、再生可能エネルギーの導入促進、また、省エネルギー、節電の推進など、地域レベルで取り組む再生可能エネルギーの政策を今後も着実に推進してまいりたいと考えております。 ◆24番(山本進一議員) (登壇)太陽光とか再生可能エネルギーを僕は否定は全然してませんし、もっともっとやるべきやと。小さい電気もつくっていくべきやし。これからの住宅は大体、多く、屋根にそれが設置されていく。これはほっといてでもできていくと思います。ただ、電力量というのは大きい電力量が出てますので、我が県はいろんなところでやっぱりお世話に、賄ってもらってるんですから、そのことを頭に置いてやっていかんとぐあい悪いなと。  それで、中身をちょっと言いますと、本県の28年度の都道府県別の電力需要実績、使うほうですね、需要実績は132億4,000万キロワット時で、これは全国23位なんですよ、使うほうは。つくってるのは全国最低ですけども、使うほうは23位です。特別高圧だけを見ると、これは低圧じゃない、家庭じゃない、産業が使う特別高圧の電力需要だけで見ると58億2,000万キロワット時の電気を使っておられるんですけども、これは全国13位なんですよ。これは、本県が内陸工業県でトップクラスにあって、工場等産業の需要が多いことをあらわしているんです。低圧については、これ、人口が多いほどふえますので、人口の多い都道府県が上位に来るのは必然のことでありますけども、特別高圧の需要実績が大きいことは産業が発展していることを物語っているんです。  このことから、電力自給率1%で電気をつくらず、たくさんの電気を賄ってもらって恩恵を受けていることが一目瞭然でわかると思います。つくらずして、理想をもとにした計画では、提案や要望をしても相手にされないと思いますので、本県の現状を踏まえて対応してほしいと思います。これは申し添えておきます。  続きまして、次に移りたいと思います。  次に、エネルギー政策の成果についてであります。  エネルギーをつくる面での成果を、この間の代表質問でありますけども、答弁されておりますけども、本県の再生可能エネルギーの発電設備は、御存じのようにほとんどが太陽光発電でありまして、風力、地熱を含んだ自然エネルギーでつくる新エネルギー発電実績、先ほども言いましたけど、全国で44番であります。  この新エネルギー発電のランキングで見ると、最下位にあるのが東京なんです、東京都。1,700万キロワット時で、うちが2,600キロワットですので、それよりも少ない1,700万キロワット時の最下位であるんですけども、水力で1億4,000万キロワット時、火力発電で87億キロワット時の電気をつくっておられるんです。その次に低い、これは富山県なんですけども、富山県が、太陽光は2,000キロワット時なんです。うちが2,600やから、これも低いんですね。でも、46番の位置にあるんですけども、水力発電では全国で1位で88億キロワットつくっておられます。総電力量の発電実績を見てみると、全国1位の千葉県は1,039億キロワット時の電力をつくり、この発電量は本県の700倍に相当するもので、同じ近畿の兵庫県は全国4位で575億キロワットの電力をつくっておられます。自給率は、それぞれ290%と148%となっていて、本県の1%とは桁違いの大きさであります。  ちなみに、大都市で人口の一番多い東京都ですら自給率は11%あります。この現実を踏まえて、本県のエネルギーの実情をどのように捉えているのか、県民生活部長にお聞きいたします。 ◎県民生活部長(福永忠克) お答え申し上げます。  改めて御答弁申し上げますが、御質問のデータにつきましては1万キロワットを超える大規模な発電設備を所有する発電事業者の実績を取りまとめられたものと認識をしておりまして、その内訳は、火力発電所が約9割、残りはほぼ水力発電でございます。  このような大規模な発電設備につきましては、それぞれに異なりますエネルギー源の特徴を踏まえつつ、それぞれの地域特性あるいはポテンシャルに応じまして立地が進められてきたものと理解をしておるところでございます。  こうした現状を踏まえ、県といたしましては、県内における発電量をできる限り向上させるため、ビジョンに基づきまして、地域レベルで取り組み可能なエネルギー政策を引き続き着実に推進してまいりたいと考えております。 ◆24番(山本進一議員) (登壇)何回も言うように、一番小さいけど、総計で、今これ、ずっと出てるんでありますから、そういう言いわけはやめたほうがいいと思うんです。今さっき言ったように、滋賀県は産業界が発展してね、この小さい県が13位の位置で電気を使っておられるんです。そのおかげで滋賀県は法人二税も個人県民税もふえているわけですやん。これは企業が元気ですからふえているわけ。これは何やと言うたら、やっぱり内陸製造県で、物をつくって、売って、それで稼いでいる、その恩恵を受けてるのが滋賀県なんですよ。そこをよう考えていただきたいなと思います。  僕が思うのは、滋賀県は立地上、電力をつくれるような場所じゃない、内陸部ですんで。隣の岐阜県は水力がすごいですから、何百万キロワット時とつくっておりますけども、滋賀県は大きい河川もないんで、これは無理なんで、違う方向の貢献を考えたらどうなんですかと僕はいつも言ってるんです。  というのはね、僕のこの仕事ですけども、送電線をやってるんです。送電線は日本でこの滋賀県と静岡県がほぼ全部、送電線の修繕とかをやってて、特に北陸あたりから大阪に電気を送る送電線は滋賀県を通ってるんですね。そういうことで貢献もしておりますので、そういうこととか、新しいエネルギーの研究を滋賀県に誘致するとか、そういうことで返していく、これも1つやと思うんですよ。立地で、できないのに、たくさんつくれないのに、そんな無理してもしようがない。できることをやったらいいと思います。そういう形の貢献の方法もありますので、もうちょっと考えて、言いわけばかりするようなことはもうやめて、現実を捉えてやっていただきたいと思います。  次に移ります。  次に、推進条例とビジョンとの整合についてということで、低炭素づくり推進計画は温室効果ガスを削減することが目的であります。そのことから、温室効果ガス排出量の95%を占める二酸化炭素──CO2の削減を最優先すべきことで、これは必然的に、化石燃料を使う火力発電に頼らないようにすることになると思います。脱炭素にすぐれた原発に依存しないことは、現状からして火力発電に頼らざるを得ないことは誰もが認めることですし、原発が停止している今日の状況からしてもわかります。石炭、石油、天然ガスの化石燃料を使うことはCO2を多く排出することにつながり、原発ゼロのエネルギービジョンと低炭素社会づくり計画は相反する政策であることは明白であります。そのビジョンをもとにした推進計画ではCO2排出抑制につながらず、国や世界が求める温暖化対策の強化は図れないと考えますが、そのことについての見解を琵琶湖環境部長にお伺いします。 ◎琵琶湖環境部長(高砂利夫) お答えをいたします。  推進計画におきましては、今世紀後半に温室効果ガスの人為的排出と吸収の均衡が達成された社会を目指します。その一里塚として、2030年度の低炭素社会の実現に向けて取り組んでいるところでございます。  2015年度におけます滋賀県域からの温室効果ガスの排出の実態でございますが、2013年度比で7.8%減少、この中には排出係数の影響による分も含めてでございますけれども、減少しているところでございまして、一定、順調に推移しているところでございます。  今後とも県民の皆さん、事業者の皆さん、その他関係者の連携および協働のもとに、さまざまな分野におけます取り組みを総合的に行っていく、そうした中で、低炭素社会の実現を目指してまいりたいと存じております。 ◆24番(山本進一議員) (登壇)というのは、低炭素社会づくり、厳しいもんが、今のこの電源構成はもう無理があるのは承知、皆さん、知っておられると思うんですけども、そういったことをわかっているのであれば、もうちょっと考えてほしいなと思います。  時間もありません。次に移ります。  7番のビジョンとCO2削減目標の達成についてということで質問させていただきます。  CO2削減目標の達成見通しの、この間の代表質問での質問に、「推進計画の目標値は国の目標と比べて低いものの、将来的には脱炭素を目指すことに変わりはない」と答弁されましたが、これはぼやけた真剣味のない答弁であると私は思います。このような不明朗な人を食ったような答弁はいかがなものかなと思っております。  「国の目標より低いものの」というのは「国の目標に比べてわずかに低いだけで、これくらいのこと」といって軽く見ているように感じます。また、「将来的には」というところは「いつかはわからないが」といった曖昧な言い回しで、「目指すことに変わりはない」というのは「変わらないのだからとやかく言うな」と言っているような高飛車な答弁だと思います。  推進計画には目標年と目標値を明確に示しておられますので、その見通しについて聞いているのでありますから、そのことについてお聞きをしているのでありますから、再度、お聞きしたいと思います。どのようにして削減していくのか、琵琶湖環境部長にお伺いします。 ◎琵琶湖環境部長(高砂利夫) お答えをいたします。  推進計画におきまして、今世紀後半に、温室効果ガスの人為的排出と吸収の均衡が達成された社会を目指す、その一里塚として、2030年度の低炭素社会の実現に向けて取り組んでいくこととしているところでございます。  この推進計画におきましては、産業部門、業務部門、家庭部門、そして運輸部門、それぞれにおきまして対策数値指標を設定いたしまして、その指標により進行管理をしていくこととしております。  具体的な県の取り組みといたしましては、産業・業務部門では滋賀県低炭素社会づくり推進条例に基づきます事業者行動計画書制度を引き続き推進してまいりますことや、家庭部門におきましては、地球温暖化防止活動推進センターなど関係機関と連携して行います、うちエコ診断の取り組みの実施、次世代を担う子供たちを対象といたしました地球温暖化に対する自由研究講座など、精いっぱいの努力をしてまいりたいと存じております。  さらには、県民、事業者、その他の関係者の連携および協働のもとに、さまざまな分野におけます取り組みを総合的に行うことによりまして、低炭素社会の実現を目指してまいりたいと存じております。 ◆24番(山本進一議員) (登壇)次の質問、ちょっとしたいんですけど、時間がもうないようですので飛ばさせていただいて、最後の知事にお聞きする質問に移らさせていただきます。  低炭素づくり推進計画の見直しについてであります。  昨年10月に世界気象機関──WMOは、地球温暖化に及ぼす影響が最も大きいとされる二酸化炭素──CO2の大気中の世界平均濃度が2016年に403.3ppmとなり、過去最高を更新したことを発表されました。それとともに、2015年より年間として過去最大の増加となり上昇がとまらない状態で、WMOは、急速な濃度上昇は気象システムに前例のない変化をもたらし、地球環境と経済に甚大な悪影響を与えると警告し、各国に温暖化対策の枠組み──パリ協定の履行など、一層の温室効果ガス削減が求められています。  そういった状況の中で、本県の温室効果ガスの削減目標が国より低いことについて知事はどのように考えているのか、お伺いします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  世界気象機関──WMOが2016年の二酸化炭素の世界平均濃度、こちらが1984年の解析開始以来の連続最高記録を更新したと発表したことは私も認識しています。  そうした中で、低炭素社会の実現は喫緊の課題であると考えておりますが、同時に、先ほど来お取り上げいただいております原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現も重要な課題であり、双方が満たされた社会を目指していくことが重要であると認識しています。  県の温室効果ガスの削減目標は、国が示す電源構成に基づき算出される削減目標と比べて低くなりますため、低炭素社会づくりの視点が不十分に見えるかもしれません。しかしながら、あくまで原発や化石燃料を再生可能エネルギーに置きかえていく過渡期の姿であり、最終的には脱炭素社会を目指すことに変わりはございません。  議員御指摘のとおり、世界気象機関──WMOの発表も踏まえて、より一層の努力を積み重ねてまいりたいと存じます。 ◆24番(山本進一議員) (登壇)知事、本県はSDGsモデル自治体に手を挙げられました。その視点で既存の仕組みや枠組みも見直しに取り組むとされています。  先ほど申しました、本県に次いで低い佐賀県では、見直しを進めている地球温暖化対策にSDGsの考えを反映させた改定案を示されました。これは、温室効果ガスを2030年までに、うちと一緒ですけども、2013年度比27%の目標を掲げております。国の目標値よりも1%高い目標を掲げられております。また、本県が取り込んでいるSDGs13の目標に、気候変動およびその影響を軽減するため緊急対策を講じることがうたわれております。改定される佐賀県の事例でもありますように、変える場合は目標を高く設定するのが私は通例だと思います。  このようなことから、SDGsモデル自治体として、その視点に基づいて低炭素づくり推進計画の削減目標の見直しを考えるつもりはあるのか、知事にお伺い、最後にいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  脱炭素社会を目指す推進計画と持続可能な社会を目指すSDGsの取り組みは基本的方向性が合致するものであり、直ちに見直すことは考えておりません。  ただ、推進計画は、その中で、世界や国の関連する動向の大きな変化により計画の内容の変更が必要となった場合には見直すこととしているところでございます。今後、県民の意識や社会経済情勢の推移等を勘案いたしまして、必要があれば適切な措置を検討してまいりたいと存じます。 ◆24番(山本進一議員) (登壇)本県がSDGsのモデル自治体と、そこまで言っているのであれば、佐賀県ですら国の目標より1%高い設定をされている、本県は環境先進県と言ってるのに3%も低い23%というのは、やっぱり僕は格好悪いんじゃないかなと思ってますので、ぜひともSDGsの視点に立って見直しを図っていただけたらなと思いますので、要望として、知事に伝えて質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、24番山本進一議員の質問を終了いたします。  次に、28番生田邦夫議員の発言を許します。 ◆28番(生田邦夫議員) (登壇、拍手)28番の生田でございます。よろしくお願いいたします。  傍聴席の皆さん、ようこそお越しいただきました。ただいまから始めます。答弁は全て知事にお願いいたします。  最近よく人生100年時代と言います。1963年──昭和38年、100歳以上の方はわずか153人でした。それが、2016年──平成28年には6万5,692人になりました。そして、2050年には何と100歳以上の方は70万人を超えるそうでございます。  日本の人口は、その昔、誰が数えたかは知りませんが、弥生時代は59万人、西暦701年、大宝律令のときは610万人、鎌倉時代は600万人、1600年、関ケ原のときは1,700万人、江戸時代の1716年、享保の改革のときは3,128万人、そして、今から150年前の1868年、明治維新のときは3,330万人だったそうです。そして、大正、昭和と、一時期、ある事情で減少はしましたが、しかし、増加し続けました。そして、日本の人口のピークは、どうやら2008年──平成20年だったようで、1億2,808万人のようであります。それが、少子・超高齢・多死の時代に入り、次第に減少しております。2050年には1億59万人、そして、2055年にはついに1億人を割り込みます。2075年には7,808万人となり、2100年には6,241万人になりそうであるという予想がございます。  私は、実は生活習慣病を4つほど持っております。この病気をなだめて、すかして、だましてだましてつき合っていますが、もうじきにあの世に参らせていただきます。だから、この世がどうなろうと知ったことではないわいなという気持ちは少しはありますが、でも、やっぱり気になります。  この地球上で、全ての生き物の中で、どういう生き方をして、どういう死に方をするか、自分自身で決められるのは人間だけであります。本当にありがたい話であります。  少し話が長くなりました。それでは質問に入ります。  届けておりますテーマ、人生100年時代とそのサポート体制についてです。  1つ目、死亡状況の変遷についてです。(資料掲示)資料を2つほど出しておりますので、ごらんください。  1つ目は厚労省から出ている平成24年から28年までの滋賀県の場所別死亡状況です。それから、2つ目ですが、実は滋賀県警からもらいました過去5年間の検視取り扱い状況でございます。この2つです。  この2つのデータから何が読み取れるでしょうか、御答弁を願います。 ○議長(奥村芳正) 28番生田邦夫議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  場所別死亡状況、こちらでは、死亡の総数は少しずつふえております。微増しています。そういう中で、病院でお亡くなりになる方、死亡される方が約4分の3、そして、自宅、この自宅には、いわゆる自宅のほか、グループホーム、サービスつき高齢者向け住宅も含む形で統計されているようでございますが、その死亡は15%前後と、この5年に大きな変化はございませんが、一方、老人ホーム、こちらには養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホームおよび有料老人ホームを含んでおりますが、こちらでの死亡の割合は一貫して増加傾向にある、そういう状況だと認識しています。  また、もう1つ、検視の取り扱い状況におきましては、自殺の取り扱い数は減少傾向にございますが、病死等につきましては、年によって増減ありますものの、平成29年につきましては、これまでと比べて増加している状況にあると認識しております。 ◆28番(生田邦夫議員) (登壇)今回の質問をするに当たり、事前の打ち合わせで、「私は厚生・産業常任委員会に所属しているのだから、ルール上、本会議で健康医療福祉部長に直接質問はできない。だから、申しわけないが、知事に聞く形をとります。しかし、担当の健康医療福祉部の方たちは真剣にこの2つの資料を分析し、知事の答弁書の準備をしといてくださいよ」と申し上げました。そして、今の知事の答弁であります。これは、滋賀県の行政、精いっぱいの分析と解釈しておきます。  知事といえども、医療、介護、福祉の世界は理解しづらいと思います。ですから、わからへんこと、わからんことは後ろにおられる部長に振ってください。何も恥ではありません。  私は、まず、資料1つ目の場所別死亡状況を次のように分析いたします。  知事からの分析がありましたが、滋賀県の死亡者数は少しずつ増加しています。1万2,500人少しであります。滋賀県の人口を減らさないでおこうとしたときには、この1万2,500人、これくらいが必要であろうと。それから、2つ目、病院と診療所での死亡者数は、国は減らそうとしておりますが、全体では77%前後で減っていません。3つ目、自宅での死亡者数は1,800人、自宅での死亡者数は少ないんですね。1,800人前後で、全然増加しておりません。知事が言われるように、むしろ減少しております。介護老人保健施設、老健でございますが、ここでの死亡者数は非常に少ない。ここは最期を迎える場所にはなっておらないというふうに言えます。5番目、先ほどおっしゃいましたが、老人ホームでの死亡者数は増加しております。しかし、老人ホームとは何かということをさらに分析する必要がございます。それから6つ目、分類で施設外の自宅とございますが、その中にはグループホーム、ナーシングホーム、サービスつき高齢者住宅などの施設的在宅場所が含まれております。実際は在宅という形ですが、施設と恐らく変わらないんじゃないかなという思いの場所がございます。これはさらに分析する必要があると思います。  知事、この私の1から6の分析に対して何か御異論ございますでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 生田先生、大変勉強になりました。ぜひ、今後の質疑の中で、さらに教えていただければと思います。 ◆28番(生田邦夫議員) (登壇)私、子供の時分は、田舎にじいさんとおやじさんと私ら兄弟がおりました。大体、死に際は家で、枕元にみんなが集まってきて、よぼよぼの開業した先生がよちよちよちと来まして、ほんで、「ああ、もう年やな、もう寿命やな」言うて、「おお、みんな、それぞれ口のところへガーゼで水、ちょっと浸してやれや」と言われて、「あ、御臨終ですな」と言われて、それで。だから、息がとまるところも知っておりますという状態でありました。それが、だんだんだんだん病院で死ぬようになりました。  昔は、昭和26年は自宅で死ぬのが、死ぬと言うたらあかんねんね、亡くなるのが82から83%で、このとき病院で亡くなる方は9.1%ぐらいだった。今と逆なんです。それが、大体、この統計を見ましても、2009年から10年ぐらいでしょうね、病院で8割ぐらいになってしまった。こういう状態であります。家で亡くなる方、病院で亡くなる方が大体50%、50%ぐらいになったのは昭和52年ごろであります。  言葉は悪いですけど、家でも死ねたんです、家族に囲まれて。ほんで、子供らも「あ、息とまるってこういうもんやな」ということを見たんです。だから、受け入れられるということもあったんですが、最近はそんなことない。こういう時代になってて、まあ何とか在宅に返せとは言うてるけれども、ここ数年、見てても、家で死ぬというのは非常に、ごめんなさい、言い方悪いです、恵まれた方だけというふうに解釈いたします。  それから、その次に、2つ目の資料ですが、過去5年間の検視取り扱い状況を次のように私は見ます。  その前に、本部長に申し上げます。  実は検視の件数がふえてきておりまして、検視のチームが3つから4つにされたと思います。一番すごい日は、検視が1日に15件ございます。ことしに入りましても最高で14件。彼らのチームが走る距離が1日に600キロから700キロ走ります。こういう状態になっております。結構厳しいです。厳しいですよ。  私、冗談に「おまえら、家へ帰れよ。表札変わるでよ」って言うような状態になるほどきばっておりますので、それなりの評価をお願いしたいと思います。  で、こういうふうに分析します。  知事も言われましたが、検視の取り扱い件数は平成27年、28年、減ってますが、29年は確かに増加しております。ことしも増加しております。それから、おっしゃったように自殺の人は減りました。それから、病死者の検視がふえております。それから、知事のもとには細かいデータも出したんですが、検視は年齢とともに検視の件数がふえているというふうに思います。それからもう1つ、男性に申し上げますが、検視になるのは女性よりも男性が圧倒的に多いです。息がとまるときに、そばに誰もいてくれへんという時代がもう既に来ております。いや、ほんまです。後でまた分析した話をさせてもらいますが。  検視がふえてきている理由、これはどういうふうに見ておられますかな。検視の件数がふえてきている。社会的な背景というものがあると思うんです。これについて、もしも、こういうふうにわしらやったら分析してるんやと、行政の担当の方、分析、今ここで結構ですから、1つ、2つ理由が考えられるものがあればお教え願いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) こういった検視等の対応に当たっていただいているスタッフや関係者の皆様方にも敬意を表したいと思います。  今ありました病死等の検視が増加した要因、こちらは総じて不明なんですけれども、今考えておりますのは、高齢単独世帯の増加でありますとか地域の人間関係が希薄化していることなどが背景として考えられるのではないかと捉えているところでございます。 ◆28番(生田邦夫議員) (登壇)次にお聞きしようということまで知事が答えてしまいはったのであれですけども、私も、実はひとり身世帯というんでしょうか、人数は減っていきますけど、世帯数はずっと、日本もふえます。お年寄り夫婦の2人の世帯、老々でやっておられる。もう1つ、際どい言葉で申し上げますと、認々で生きておられる。認々というのは認知の認。おじいちゃん認知、おばあちゃん認知、2人がどう会話してはるのかわからんような夫婦もあります。そういう夫婦がふえてきていると。  もう1つは、やっぱり男は社会とのつながりが非常に女性に比べて薄い。思いませんか。近所とつき合ってますか、男。合ってないでしょう、気ままな人生歩んでいるだけじゃないですかね。だから、女性に比べると、家族の中でのつながりが男性は女性に比べて少ない。子供、寄ってきてくれますか。孫、寄ってきてくれますか。いやいや、私のことと違いますよ。私は大丈夫ですよ。ということと、世間の、近所とのつき合いが非常に女性に比べて男性が少ない。これが私、絶対に、息がとまるときにという原因だと思うんですが、知事もそう思いませんか。 ◎知事(三日月大造) そういうことも影響して、お1人でお亡くなりになる方がふえているという、その議員の御認識は私も共有いたしますし、自身もそうならないように努力したいと思います。 ◆28番(生田邦夫議員) (登壇)ちょっと角度を変えてお伺いします。  亡くなられたとき、医師が書く診断書には死亡診断書と死体検案書がございます。亡くなったときに、2つあるんですよ、どっちかです。焼いてもらうまでには絶対に医師の診断書が必要なんですけど、どっちかです。死亡診断書か死体検案書でありますが、この違いは、わかりますやろうか。先ほど部長に、知事から振られたら答えてやと言うたので、何とかお願いできたらと思います。 ◎知事(三日月大造) お許しいただければ、答弁を健康医療福祉部長に委任させていただきたいと存じます。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) (登壇)お答えをいたします。  死亡診断書と死体検案書の違いでございますが、医師は、みずからの医療管理下にある患者が生前に診療していた傷病に関連して死亡したと認める場合には死亡診断書を、それ以外の場合には死体検案書を交付することとされております。 ◆28番(生田邦夫議員) (登壇)そうしますと、今おっしゃったように、死亡診断書はどういう場合に、どこで誰によって書かれるか。今おっしゃったように、病院で亡くなって、施設の中で亡くなって、それぞれ主治医がいてたら、これは死亡診断書でいいわけですね。
    ◎知事(三日月大造) 先ほどの部長の答弁によれば、死亡診断書は亡くなられた場所で医師が書かれるということですので、亡くなられた場所に医師がいらっしゃれば、また、その症状が確認できれば書かれるというものだと思います。 ◆28番(生田邦夫議員) (登壇)死体検案書の場合の話に移りますが、病院の中からほとんど死体検案書という形は出てきません。これは納得いくと思います。それぞれの主治医がおられるわけやし、病気もはっきりして、その流れの中で亡くなっていくわけですから、病院とか施設の中は主治医がいてるということからするならば、死体検案書に回るということはほとんど、いろいろありますけど、ほとんどないというふうに思っていいんじゃないでしょうか。この辺は、思いというか、そういう仕組みだと。死亡診断書と死体検案書を大体分けて考えること、あるいはどういう場合に誰が書くか、どういうことで書くかということについても、今申しましたことで理解はいいと思うんですが、確認をさせてもらいます。 ◎知事(三日月大造) おっしゃったように、病院では死体検案書というものよりも死亡診断書が書かれる割合が高いという、その御認識は私もそのとおりだと思います。 ◆28番(生田邦夫議員) (登壇)くどいようですが、死亡診断書の場合は、(資料掲示)ここで資料に載っておりますが、資料の1のところの、施設内の中の病院、診療所、それから老健施設、老人ホームからは死亡診断書として出てまいります。主治医がはっきりしておりますし、ずっと診ておりますし。そうしますと、死体検案書として出てくる死体の検案をしなきゃならんという場合はどこかというたら施設外であります。施設外であるというふうに思うんですが、そういう大ざっぱな分け方でいいんじゃないかなと思っておるんですが、皆さんはどう思われますか。済みません、知事。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来の答弁、やりとりからいたしますれば、大きく言って、死体検案書というものが出される割合が高いのは、おっしゃったように施設外からだと認識しています。 ◆28番(生田邦夫議員) (登壇)済んません。よろしいでしょうか。  そうしますと、在宅でずっと診てはると。かかりつけの医者がいてると。その方がたまたま亡くなられたときにそばに誰もいてくれてなかったと。ずっと診てるんですよ、かかりつけ医がいるわけです。在宅で帰っておられる方は、ここで数字で言いますると、家で亡くなりはる、(資料掲示)資料1のところですが、例えば平成28年のところでしたら、施設外のところ、1,750と251を足すと2,000近い、2,001ですかね。そして、そこのところの、今度は検視の28年のとこを見ていただきますと、1,417。平成28年です。そうしますると、2,001人、検視に回っている数、施設外で亡くなっている方ですね、施設外で亡くなっている方が2,000人ちょっと。それで、そこのところを見ますると、1,400人ぐらいが検視に回っておるんです。今、後ろから声がございました、7割。7割の方が検視に回っておるんです。それぞれ主治医がおられて、かかりつけ医がおられて、皆さんが言うところの訪問看護ステーション、24時間対応、何やら何やら何やら、在宅の支援の診療所の先生方も動いてて、本当は24時間以内でなかったとしても、連続しておられて、外傷とかそれ以外のものが考えられなかったら、24時間超えてても死亡診断書で済ますことが、今、法律的には可能です。可能ですが、検視に回ってくるんです。それで検視の件数がふえてきているんです。先ほど言いました、検視の中で病死の部分がふえている理由なんです。ここから言えることは、明らかに主治医がおられても、最後はその先生方は死亡診断書を書いてない。もう一遍言います。書いてはらへん。こう言い切ってもいいんじゃないでしょうか。どうでしょうか。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  おっしゃるとおり、御自宅等にいらっしゃる方は、亡くなられたときに、常にその場にかかりつけの医師の方がいらっしゃる状況にない方が多い。その場合、たとえその後24時間以内に来られて、症状等が変わらなければ死亡診断書は書けるという医師法があるようでございますが、済みません、釈迦に説法でございますが、しかし、そうじゃない方も大勢いらっしゃるので、こうやって亡くなられたのは死亡診断書を書けない、したがって検視に回さざるを得ない方が大勢いらっしゃる現実というのはあるんだと思います。 ◆28番(生田邦夫議員) (登壇)原因としては、その人の周りに家族がいてない。先ほど来言うてますように、息がとまるときに誰もいてくれてないということが1つ。しかしながら、それであっても、ほとんどの方は病気を抱えて、病気と仲ようつき合いながら生きておられます、在宅のところで。そうしますると、その人たちにとっては神様のようにかかりつけの医者がいてる。亡くなって、来られて、検視の場面にしたら、そこのお薬手帳とか主治医が誰やというのがわかるんですよ。わかるんですけども、電話したって、連絡したって誰も出てこないんです。24時間の訪問看護ステーションが動いてるように見えますけれども、実際に電話したって誰も来ないんです。これが現実なんです。話をもとに、どうしたらええかというところに持っていきますが、実際には検視というものに本当は立ち会わなきゃならんところの医師会の先生方は、検視という場面、あるいは死体検案書、死亡診断書でいけるんですけども、それを書いておられる先生は非常に少ない。だから、先ほど言いました、7割になる。それが検視で、警察のチームはふやさざるを得ないし、1日700キロも走らなきゃならんし、1日15件の検視もやらなきゃならんという事態になっておるというふうにも1つの原因としては解釈できるのではないかと。御賛同いただけますやろうか、解釈に、どうでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 先生、私は、全くそういうかかりつけ医の先生方が死亡診断書を書かれていないとおっしゃったら、少しそこはそうじゃない事例もあるのではないか、患者の方々や御家族の希望をかなえる形で、例えば緊急で「先生、来てください」というときにも動いていただいている先生方、亡くなられたときに死亡診断書を書いていただいている方々も大勢いらっしゃいますので、そういったこともあります。  しかし、一方で、なかなか連絡がつかなかったり、また、症状がわからない状態でお亡くなりになっていた場合に検視に回さざるを得ない、検視のスタッフチームが動かざるを得ない、これからますます多死社会、多くの方が亡くなられる時代にあって、そういう状況がふえていくのではないかという、こういう状況認識は私も共有したいと思います。 ◆28番(生田邦夫議員) (登壇)ちょっと筋書きを変えます。  知事、今の話はいただけません。何でやというたら、主治医、かかりつけ医というのは連絡がとれるようにしておくというのが義務です。訪問看護ステーションはいかなる場合があっても義務があって、連絡とれて、どういう状態であったかということを検視の場面に説明しに来る義務がございます。それをしてないということは許されない。それを許さないためにチームプレーという形をやっているんやと、この間、知事はおっしゃったじゃないですか。自分の私的な理由があってできない場合は、それは我々の業界においては許されません。人の死というものは厳粛でありますし、それに対応する責任があります。そのために点数をいただいておるんでしょう。ほとんど出てきません。連絡とっても出ません。やむを得ないから家族も連絡とりますが、動きません。これが現実でありますので、肩を持たはって弁護しはって、医師会の先生方を、私も医師会のメンバーですけども、私は医師会から嫌われてるようでございますけども、でも、しかしながら、その現場で検視のチームと四六時中動いている人間から見たら、ええかげんにしいやと。ええとこだけ食って、点数だけもろうて、何しとんねんなという思いがします。それが今現在の、何か仕組みかなというふうに思うんです。  もう一遍、知事、何とかしませんか、これ。 ◎知事(三日月大造) 議員、まず1つ、私の言葉足らず、また、認識不足を訂正させてください。  それは、おっしゃったように、人の最期や、また死というものは極めて厳粛で、また大事なものであるがゆえに、もちろんすぐに先生が駆けつけられない場合にもチームやスタッフで、それぞれの地域ごとにそれらをカバーしようという体制をとり、御努力されていることがございますので、そういう体制で最期をおみとりいただいているということがあると思います。  ただ一方で、もう1つ、これからお1人でいらっしゃったり、どう亡くなられたのかがわからないような状況が多数出てくる、また、それらが十分、今とろうとしている、つくろうとしている体制、ネットワーク、チームの中でカバーできないのではないかという、そういう懸念、また、現実にできてないのではないかという、そういう御指摘、その現場実態に基づく御指摘はしっかりと受けとめながら、より、そういう体制をとるためにどうしたらいいのかということを一緒に考えてまいりたいと思います。 ◆28番(生田邦夫議員) (登壇)先ほどちょっと皮肉まじりで申し上げましたが、知事は2月20日の大橋議員の代表質問の答えとして言うておられます。「24時間往診可能な医者がいる在宅療養支援診療所が、現在、142カ所になりました。訪問看護ステーションは常勤換算で607人になりました。さらに充実させていきます」と書いてあります。  診療所の指定をもろうたり、24時間対応の訪問看護ステーションの指定をとることが目的ではないです。実際に動けよというふうに思います。  それから、人員不足、人手不足でありますが、2025年には3,400人ほど介護職員が少なくなると。ほんで、「今後につきましては、シニア層、障害者、外国人など多様な人材の参入促進に向けた研修を行います」とか書いてあります。  知事、中身は何ですねな、言い方は悪いけども。現実には動いてない。お題目だけですやん。  で、国の方針でありますが、今度、国の方針が4月の診療報酬、それと介護報酬の中であらわれております。1つ目は、「身近なかかりつけ医の機能を強化して、入院中心から地域医療へ転換を目指します」とずっと言い続けてて、できてへんねん。できてへんから、またさらにけつをたたくんかと。それから、介護サービスと連携して生活を支える医療へ転換する。家へ帰れと言うてますねん。それから、7対1の看護体制を減らします。急性期のところの7対1の病棟を減らしていきまっせと。病院の収入が減ることを覚悟しなさいと言うとるんです。それから、病院へのフリーアクセスを制限すると。紹介状のない患者さんに対しては割り増し料金をもらいまっせと言うとるんです。病院からは追い出して、地域に帰そうとしてますが、地域の受け皿が、今言いましたように、動いてない。動いてないし、そんなもん、動かへん。  ほんで、こういうふうに医者に言うております、国はね。さまざまな疾病を診療できる、継続的に診れる医者をつくります。だから、実際言うたら、しますと言うてるのは、今現在はできてへんから、これからしますと言うとるんです。ずっと言い続けてるけど、できへん。  休日、夜間の往診を担える医者をつくります。うそっぱち。誰もしてませんやん。診療所と住宅が別ですやん。ほかのまちに住んでますやん。電話したって出ませんやん。来ませんて。できてへんことを言うてもあかん。  それから、複数の診療所が連携して24時間対応を行います。できへんと言うてるねん。できへんし。うちとこのまちもあるんですよ。医者がね、在宅医療安心ネットワークってあるんです。主治医が行けへんかったときは、チームを組んで、その者がかわりに行きます。ふざけたらあかん。自分の患者さんですわ。1年間に何人ありますか。診に行けよ。自分の私的なことを全部キャンセルして行けよと。これが当たり前でしょう。その覚悟を持って開業したんでしょう。そういう指導をしな。行けへんから、チーム組んで行っとくれ。この指導は、この方向は間違うてる。何かの縁でその人の死に際に立ち会うんやから、行けよと。そういう教育をしてくださいや、県も。できてへんもん。  それから、在宅で老人ホームでの最期のみとりをしますと。最期のところを病院に運ぶなと。家でもみとりをせえと。老人ホームでもみとりをせえと。特に在宅でみとりせえと。してへん言うてるねん。これが国なんですよ。  県も同じこと言うてますやん。県のやろうとしてるのは、在宅医療において24時間往診可能な医者がいる在宅療養支援診療所をふやしますとか、看護婦を養成しますとか、それから、すごいなと思ってるのは、20歳前後の看護師で経験のない看護婦に同行して教えますと。二十そこそこの者が人生を歩んできたおじいちゃん、おばあちゃんのそばにおって、それと対等に、それをみとるということの仕事をそんなに簡単にできるかよ。看護協会に言うたら看護協会からも怒られました。医師会からも怒られるし、看護協会からも怒られるし。でも、しかしながら、違うんじゃないかねと。古いと言われました。やじが飛びました、この話をしたときね、あるところで。あんたは古いと言われましたけど。  この崩れた社会、きずなが非常に薄れてきた社会、まず、夫婦のきずな、言うたら問題発言やけど、うちとこは大丈夫ですけど、それから親子のきずな、地域とのきずな、薄れてきた中においてどうするんやという話になると思います。  時間来てしもうたわ、しもた、しゃべり過ぎた。ストーリー考えてきたんです。  それと、国が言ってる方針、県が言ってる方針、市町が言うてる方針も同じでありまして、私から言うたらね、働き方改革やて、ふざけたらあかんでよと。そんなんは、大事なところは認めますけども、ある世界においたら、そんなん、働き方改革と違うところで仕事してるんや、また、しなきゃならんのやと。それがこの社会を守るところにおける大事な部分でもあるんやということを思うとるんです。 ○議長(奥村芳正) 生田議員に申し上げます。発言が超過いたしましたので、簡潔に。 ◆28番(生田邦夫議員) (登壇)済んません。知事、知事は制限ないですから、ちょっと最後に一言。  ちょっとそういう古いやつもおって、そういう方向での指導をするのもまた必要やというふうに思ってるんですが、一言お願いします。 ◎知事(三日月大造) どこから申し上げていいかわからないんですけど、まさに24時間365日、白衣を着られたり、聴診器を持たれて地域医療を担っていただいている生田先生から、現場実態に基づく、また、それぞれの患者さんのいろんな実態に基づくお話をいただきました。  総じて言えば、その現場実態と目指す姿とをどうつなげていくのかということが大きな課題だと思いますので、きょう伺えなかったことも含めて、さらに我々、専門スタッフと、よく伺いながら、今後の体制づくりに生かしていきたいと思います。  ただ1点、全く動いていない、動かへんと決めつけられてしまうと、現場で御尽力いただいている方々、また、お聞きいただいている多くの方々に、大丈夫かいなと思われると思いますので、少し、状況だけお話しさせていただければ、在宅療養支援診療所、こちらは多くの関係者の御尽力もあって、平成25年度末、こちらでは104カ所だったのが、現在、142カ所ございますし、そういった方々が往診されている件数、こちらは、平成25年8,728件が平成29年には1万2,335件、その中で、自宅でのみとりの件数というものが、平成25年の467件から平成29年の626件と、ある意味では増加する傾向にございます。  チームをつくりながら、先生方もその使命を果たさんと一生懸命、日夜、御奔走、御尽力いただいている。しかし、まだまだ足りないところがあると思いますので、きょういただいたことも含めて、さらにこの滋賀の地域医療体制をどう構築していけばいいのか、しっかりと一緒に考えてまいりたいと思いますので、今後とも御指導のほど、よろしくお願いいたします。 ◆28番(生田邦夫議員) ありがとうございました。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、28番生田邦夫議員の質問を終了いたします。  次に、17番冨波義明議員の発言を許します。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇、拍手)私は、湖南市のお隣、野洲市選出の冨波でございます。たくさんの方がおられますので少々緊張しておりますが、通告に従いまして、胃がんリスク検診の推進について、一問一答で質問をさせていただきます。  よかったら、どうぞ、お座りになって。  知事は、去る2月定例会議の冒頭の挨拶で、健康しがの構築をキーワードに、人と自然と社会の健康の3つの健康を取り上げられ、特に人の健康については、心と体の健康を創出するために予防の取り組みを積極的に進めたいと述べられました。  本県は、2016年度、都道府県別平均寿命の統計で、男性は1位、女性4位と全国でも上位にランクされる健康県となり、滋賀県民の食生活や暮らし方が脚光を浴びておりますが、知事は、これを受け、県民の健康長寿への関心が高まりを見せる今こそ、誰もが健康的に暮らしていくために、病気の発症を未然に防ぎ、また、病気などの重症化を防ぐという疾病予防の取り組みを進めたいと表明されたところです。  健康寿命で全国最上位にランクインした本県ですが、国立がん研究センターの統計では、がんによる75歳未満年齢調整死亡率でも、男女とも2010年から2015年には少ないほうから5番以内、2016年度も7番にランクされています。  滋賀県では、平成20年12月に滋賀県がん対策推進計画を策定して、がん対策を総合的かつ計画的に推進してこられましたが、がんにかからないようにする努力は健康寿命を延ばすための努力でもあります。  そこで、私は今回の質問では、がんの早期予防の観点から、胃がんリスク検診の推進について、幾つかの提案もまじえながら、知事ならびに健康医療福祉部長、および教育長に質問させていただきます。  まず、本県の胃がんの状況について伺います。  胃がんは胃の壁の最も内側にある粘膜の細胞が何らかの原因でがん細胞となり、無秩序に増殖を繰り返すがんのことですが、胃がん検診などで見つけられるその大きさになるまでは何年もかかると言われています。  そこで、まず、本県で実施されている胃がん検診の実施状況について健康医療福祉部長に伺います。 ○議長(奥村芳正) 17番冨波義明議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) (登壇)お答えをいたします。  本県における胃がん検診は、市町が行う健康増進法に基づく検診、2つ目に、事業所が従業員を対象に福利厚生事業の一環として行う検診、3つ目に、保険者が保健事業として行う検診、4つ目に、県民がみずからの健康管理として受診する検診といった4つの機会がございます。  平成28年度の国民生活基礎調査によりますと、滋賀県の胃がん検診の受診率は37.1%でありまして、全国の38.4%よりも低い状況でございます。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)ただいま、全国38.4%、本県では37.1%という数字でございましたんですけども、超高齢化社会を迎えた我が国で、男性の2人に1人、女性の3人に1人の割合で、今後の生涯のうち、がんに罹患する可能性があると言われていますが、その割には、この胃がん検診を初めとするがん検診の受診率は非常に低いように思います。  そこで、これまで以上に、がん検診あるいは胃がん検診の受診を勧める広報啓発活動が重要だと考えますが、本県の広報啓発活動の状況について健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  市町では、広報誌による啓発を行いますとともに、個人に対して受診勧奨のはがきの送付や、電話による個別勧奨、再勧奨等を行っております。また、県としては、包括連携協定等の締結を行った企業を通じまして、受診勧奨のリーフレットの配付を行いますとともに、商業施設でのイベント開催や講演会でのブース設置をがん患者や関係団体とともに行うなど、受診率向上の啓発活動を行っております。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)おっしゃられましたように、企業ですとか事業所、あるいはそういう職場への啓発は随分行き届いて、率も上がっていると思います。  本県では、2013年の12月に滋賀県がん対策推進条例、以下、がん条例と申しますが、が制定され、その第2章でがんの予防および早期発見の推進がうたわれております。がん検診の受診を促進するための施策を講じる県の仕組みについて、この中で記載がされております。県下各自治体で行われるがん検診ですね、地域の、これは企業に比べては非常に少ないと思いますし、また、高齢者や専業主婦などの方はこの地域の検診をよりどころにされております。この滋賀県のがん条例にのっとり、ぜひ、さらなるがん検診の受診の広報、啓発に努めていただきたいと思います。  次に、本県のがんの罹患状況と死亡数について健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) 胃がんの罹患状況でよろしゅうございますでしょうか。 ◆17番(冨波義明議員) はい。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) 失礼しました。平成25年の地域がん登録での罹患数でございますが、男性が925名、女性が436名で、60歳以上が男女ともに9割近くを占めております。また、平成27年の胃がんによる死亡数は、男性が314名、女性が185名で、男女ともに60歳代以上が9割以上を占め、高齢になるほど多い状況となってございます。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)圧倒的に60歳以上の方ということでございますし、男性に多いということでございます。ここでは胃がんに限って聞いております。  次に、本県の胃がんのこれまでの死亡の傾向と今後の推移予測について健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  胃がんの人口10万対の年齢調整死亡率は、男性は平成9年の28.3から平成28年には14.5に、また、女性についても同様に10.7から5.9にそれぞれ減少しておりまして、この傾向が今後も続くものと考えております。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)死亡者数は減少傾向にある、しかし、高齢社会を迎えて、罹患ですとか発見するのはふえている、こういう状況だと思います。  厚生労働省の統計によりますと、胃がんはほかのほとんどのがんと同様に、加齢に伴い、年齢を経るに伴い発症するリスクが高くなる疾病ですが、さまざまな要因が複雑に絡み合い発症する疾病でもございます。  そこで、胃がんを発症させる主たる要因について健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  主たる要因としましては、1つは塩分の多い食品のとり過ぎ、2つ目に、野菜、果物の摂取不足などの食生活習慣、3つ目に喫煙、4つ目にヘリコバクターピロリ菌の感染による慢性胃炎などがございます。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)ただいま、主たる要因、4つ挙げていただいたんですけれども、胃がんの原因は、もう既に御承知かと思いますけども、今から34年前、たった34年前ですけども、1982年にオーストラリア人医師によって発見されましたヘリコバクターピロリ菌、以降、ピロリ菌と申し上げますけれども、これが最も大きいというふうに聞き及んでいます。  この菌ですけども、胃の中の菌については、強い胃酸の中では菌はすめないとそれまではされてきまして、胃炎ですとか十二指腸潰瘍、また、胃がんに対しても、その原因はちょっとわからなかったんですけども、このピロリ菌の発見により胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性萎縮性胃炎など、胃の疾病に関する考え方は一変したと、かかりつけのお医者さんから伺ったところです。  そこで、本県のピロリ菌検査の状況について伺います。まず、ピロリ菌について、その特徴と感染経路について健康医療福祉部長にお伺いします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  ピロリ菌の特徴でございますが、今ほど議員から御紹介がございましたように、胃の粘膜に生息する細菌で、胃酸の中でも生存することができるという特徴がございます。  感染経路は家庭内感染が主で、親が口に入れたものを子供に与えるなどにより経口感染することが多いと言われております。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)ただいまの感染経路についての経口感染、口から口へうつるという、これ、大事なポイントかと思います。  国立がんセンターの資料によりますと、我が国は先進国の中では韓国と並んでこのピロリ菌の感染率が高く、胃がん罹患者が極めて多い国だそうです。  近年は上下水道の普及などでピロリ菌の保菌者は減少してきていますが、我が国が発展途上だった時代に育った、現在、50歳以上の日本人では約70%から80%がピロリ菌に感染しているとされており、その患者総数は、中高年を中心として約3,500万人とも聞いております。  そこで、県内のピロリ菌の感染状況について健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  本県におけますピロリ菌感染の状況については、データを持ち合わせておらず、把握をしておりません。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)ピロリ菌感染の状況の把握というのは大変大事なポイントなんですけども。  ピロリ菌の感染経路、先ほど経口感染がポイントだと言いましたんですけども、これはちょっと後ほど詳しくお尋ねをさせていただきます。  世界保健機構──WHO、以下、WHOと申しますが、の国際がん研究機関は、2014年、胃がんの80%以上はピロリ菌が原因と断定し、各国に除菌の対策の検討を進めるという報告書を発表されています。  そこで、ピロリ菌患者が胃がんを発症するリスクについて健康医療福祉部長にお伺いします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  我が国におけるピロリ菌感染者の胃がん発症リスクは、感染されていない未感染者の15倍以上という研究報告がございます。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)ピロリ菌は、一度感染すると、除菌をしない限り胃の中にすみ続け、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、そして慢性萎縮性胃炎などを引き起こしますが、この中の特に慢性萎縮性胃炎は胃がんの誘因となる大事なポイントでございます。ピロリ菌に感染している者が必ずがんになるというわけではありませんが、胃がんの早期予防のために、ピロリ菌感染の有無を検査することは極めて有効な手段と言えます。  そこで、ピロリ菌感染について、その検査の目的と内容について健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  ピロリ菌の感染の有無を調べることで胃がん発症リスクを一定評価することができ、一般的には血液や尿による抗体検査、尿素呼気検査、便による抗原検査などがございます。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)ピロリ菌検査の効果が一定と言われたところは若干ひっかかるんですけども。  それではちょっともとへ戻りまして、ピロリ菌検査と胃がん検査の違いについて健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  ピロリ菌検査はピロリ菌に感染しているかどうかを調べるもので、ペプシノゲン検査と組み合わせて層別化することによりまして、一定の胃がんの発症リスクをはかろうとするものでございます。
     一方、胃がん検診は、がんを発見し、がんによる死亡率を減少させることを目的に実施されているものでございます。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)がん検診はがんの組織そのもの、がんリスクというのはそれを誘引するリスクを見つけるもの、こういうことでございますね。今回のテーマがそこですので、改めてお尋ねをさせていただきました。  そこで、県下19市町のピロリ菌検査の取り組み状況について健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  大津市が平成24年度から胃がんリスク検診、胃の健康度検査として、節目年齢の人を対象に血液検査によるピロリ菌検査を行っております。また、多賀町では、平成28年度から40歳以上の人に検査費用の自己負担分の一部を助成しております。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)先に、京都市の取り組みを聞こうと思ったんですが、今、大津市の取り組みについて聞いていただきましたので、1つ飛ばしまして、大津市の取り組みについてちょっとお尋ねをしたいと思います。  (資料掲示)お手元にお配りした資料をごらんください。  これは、大津市が行っておられます胃の健康度調査という名前でやっておられますリスク検診の申込書の裏側です。それをコピーしたものでございます。  大津市では、胃がんのリスク検診として、いろんな方法があるんですけど、大津市さんは血液を採取して、ピロリ菌の抗体を測定する血清へリコバクター・ピロリ菌抗体価検査、これでピロリ菌の有無を調べることと、もう1つは、胃の炎症や萎縮度を調べる血清ペプシノゲン検査を行っておられます。この2つを組み合わせすることによって胃がんへのリスクを判定されているわけです。この方法は、今おっしゃられましたように、胃がんリスク層別化検診、以下、ABC検診と呼ばせていただきます。表にもありますように、ピロリ菌も胃の萎縮も陰性である場合、何もないということですね、その場合はA群といいます。ピロリ菌がいるか、あるいは胃の萎縮があるか、どちらかがある場合はB、Cになるんですけど、一まとめにして、これをBといいます。そして、ピロリ菌もいる、しかも胃の萎縮も見られるという場合はC、こういう判定をするわけです。ですからABC判定といわれるわけです。Cの場合にはピロリ菌もいて、なおかつ胃の萎縮も見られるわけですから、これは非常に胃がんの可能性が高いということでございますから、これは内視鏡、胃カメラによる精密検査が必要とされております。  そこで、このような大津市の取り組みについて、本県としてどのように考えておられるのか、健康医療福祉部長の所見を伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  大津市においては、胃の健康度検査としてピロリ菌検査を実施されております。胃がんのリスクの高い人を早期に発見し、早期に医療につなげ、胃がんの死亡率を減少させることを目的に実施されているものと承知をしております。これは、胃がんの発症リスクの軽減と、胃がん検診の受診につなげようとするものと理解をしております。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)先ほど胃がん検診と胃がんリスク検診はどう違うのかというふうに質問させていただきましたように、まさに今、お答えの中にもあったように、大津市が実施をされておられます胃がんリスク検診は、大津市が行われる胃がん検診の受診率が約2%と非常に低いこと、その危機感から、これをカバーする1つの方法として、胃がん検診じゃないけども、そのリスクを調べようということで始められていることです。これは、今も言いましたように、がん検診への意識向上を図ろう、そういう観点で事業化されたものですけれども、2017年の受診率は約10.6%、2%のがん検診に比べると高いということですね。  胃がんのリスクを、全ての市民を対象にして、これは5歳刻みで、その対象年齢の方に案内を出して、支援をしますよ、助成を出しますよというような形で5年ごとに出されているわけですね。最初の、例えば41歳のときに受けられなかったら、次は46歳のときに再度行く。それでも受けられなかったら、今度はもう5年後に行くというふうにして、あまねくその網をかけていこうという取り組みです。しかし、これは案外、手軽に安価にできるわけですけれども、この大津市の取り組みは行政としての強い意思と責任を感じております。  私は野洲市民でございますが、あるいは滋賀県下19市町の市民の感情としては、滋賀県民として、命と健康にかかわるこのような行政施策が県下各市町の間で差があるのはいかがなものかと感じています。  そこで、現在、大津市さんが独自に取り組まれている胃がんリスクの検診のこのような取り組みを県が支援して全県的な事業にしてはどうかと考えますが、健康医療福祉部長の所見を伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  市町が行う対策型検診としてのがん検診は、集団における死亡率減少効果が証明されたがん検診について、国が策定をしましたがん予防重点教育およびがん検診実施のための指針に基づいて行うこととしているところでございます。  現時点では、国の検討会で、胃がんリスク検診については死亡率減少効果を示すエビデンスが十分ではないため、さらなる検証が必要とされているところでありまして、県としましては、今後の検証結果や国の動向を注視してまいりたいと考えているところでございます。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)本県では国のがん検診の指針に従う。ピロリ菌検査は死亡減少効果を示す証拠が不十分である、有効性が確立していないというような、今、エビデンスの問題もおっしゃいました。しかし、全国的にはこの事業に取り組まれている自治体が全国各地に出てきております。ぜひ、県が支援する全県的な事業として取り組んでいただきますよう、お願いをしておきます。  次に、この検診が終わった後、陽性である、つまりピロリ菌に感染しているということがわかった場合に対する除菌治療の状況についてお伺いします。  ピロリ菌検査でピロリ菌の感染が確認された場合、胃がんを引き起こす主原因であるピロリ菌を除菌する必要があります。もちろんピロリ菌感染者が必ず胃がんを発症するわけではありませんが、胃がん患者の90%以上はピロリ菌感染者だとする科学的、医学的な見地がある以上、ピロリ菌の除去治療体制を整えることは急務だと思います。  そこで、ピロリ菌除菌治療について、除菌治療の目的と内容について健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  ピロリ菌感染による慢性胃炎が、将来、胃がん発症をもたらす原因となりますことから、ピロリ菌の除菌治療により将来の胃がん発症リスクを低下させることが目的とされております。  その除菌治療の内容は、一定期間、抗生物質等の薬を服用して行われております。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)この除菌治療ですけれども、ピロリ菌を除去する、除菌すれば胃がんの発生を大量に抑制できるということは実は以前からわかっておりましたんですが、ピロリ菌の除菌治療は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、さらには早期胃がんの治療後など、症状が相当進んだ状態でなければ保険診療が認められていませんでした。しかし、厚生労働省では2014年、つい五、六年前ですけども、胃がん撲滅を目的として内視鏡検査、カメラですね、などで慢性胃炎や十二指腸潰瘍、胃潰瘍などと診断された人に対してはピロリ菌感染の有無、いるということがわかれば、ピロリ菌の除菌治療に保険診療の適用を認めることとなりました。  このような医療制度の大きなもとで、県下19市町のピロリ菌除菌治療の取り組みについて、どうなっているのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  県内各市町では除菌治療への助成の取り組みは行われておりません。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)という現状でございます。  ここ数年の間に全国の自治体でピロリ菌除菌治療に対する助成事業が次々と始められております。これは、2014年にWHOがピロリ菌の除菌で胃がんの発症リスクは30から40%減少できる、胃がん対策ではピロリ菌除去に重点を置くべきであると発表したことが大きいと聞き及んでおります。  胃がん予防対策を推進するために、2016年度から医療保険を適用したピロリ菌の除菌治療に対して自己負担の一部を助成する事業が山梨県で始まりました。また、京都府でも山梨県のこの取り組みにならい、2017年度からピロリ菌除菌治療助成事業を始められています。  いずれの府県でも、健康診断や人間ドックなどで内視鏡検査によるピロリ菌の感染、これは疑いも含めますが、と判断された人に対しては除菌治療費の一部を助成し、ピロリ菌の除菌治療を促す制度でございます。このような全国各地自治体の取り組みを踏まえ、本県としてピロリ菌除菌治療の助成事業についてどのように考えているのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  ピロリ菌の除菌治療につきましては、議員から御紹介がございましたように、保険適用がされております。治療に伴う胃がんの発症リスクの減少などのメリットと、服薬によります副作用の発症リスクなどのデメリットの情報を正しく理解をし、主治医の説明のもとに、本人の選択によって実施すべきものと考えておりまして、助成事業については考えておりません。  国の検討会におきましても、ピロリ菌の除菌の効果について、さらなる治験の収集が必要とされているところでございます。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)先ほどもそうでしたし、何かにつけてちょっと待って見定めるという、ちょっと二の足を踏んだような対策で、そこに今回は切り込みをさせていただいているつもりです。  今回の私の質問は、胃がんリスク検査の推進でございますので、つまりピロリ菌を見つけるところまでの推進ということで尋ねていますので、その後のピロリ菌の除菌は、胃がんリスクが判明した後のいわば治療の部分ですから、ここは要望にとどめさせていただきますが、ピロリ菌の除菌治療についても、ぜひ、県の支援に基づき、全県的な取り組みにしていただきたいとお願いをしておきます。  次に、高校生に対するピロリ菌検査の実施についてお伺いします。  先ほど来申し上げていますように、ここ数年の間に全国的にピロリ菌を若いうちに除去することを目的として、中学生や高校生を対象にしたピロリ菌検査を導入する自治体がふえてきました。  まず、高校における定期健康診断の目的と検査内容について教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  生徒の定期健康診断は、学校教育法および学校保健安全法の規定に基づいて行われるもので、生徒が学校生活を送るに当たり支障があるかどうかについて、疾病の有無を判断し、健康状態を把握するという役割と、学校における健康課題を明らかにして健康教育に役立てるという大きく2つの役割がございます。  検査の項目は、学校保健安全法施行規則に規定された項目について実施をすることとなっておりまして、身長、体重の測定や心電図検査、尿検査などの項目検査が決められ、その項目ごとに実施をする学年が決められているところでございます。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)学校でのピロリ菌検査の導入については実は大きな壁がございまして、今もおっしゃられましたように、「ケンシン」と一口で言いましても、健康の健を書く診断と、検査の検を書く検査とがありまして、今わざわざお尋ねをさせていただきましたのは、定期健康診断というのは、実は病気を見つけるためにやる検診ではないんですね。健康状態を調べる。ですから、ここにピロリ菌の検査を入れるということは大きなハードルがあるという観点で、ちょっとお尋ねをさせていただきました。  そこで、定期健康診断の1つの項目には検尿というのがあるわけですが、この検尿を利用いたしまして、ピロリ菌検査をここで行ってはどうかと考えますが、ピロリ菌検査を入れることについて、学校保健安全法との関連について教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  ピロリ菌検査など学校保健安全法施行規則に規定された項目以外を学校の判断で加えて実施する場合には、設置者および学校の責任で、その実施の目的と義務づけでないことを明示し、保護者等に周知をした上で、理解と同意を得て実施することとなります。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)先ほども申しました、既にもうたくさんの自治体でやられているわけなんです。今おっしゃいましたそういう御答弁のもとで、理解のもとで、例えば京都市なんかもやられていますけども、学校によって違うんだと。うちは定期健康診断の検尿の残尿を使ってやるんだというところもあれば、やっぱりそれはちょっと位置づけが違うので、別に検尿しようというようなことで対応されている学校もあるというふうに考えました。  それでは次に、そのような問題以外にもピロリ菌検査を、例えば中学校、高校生に導入することにより発生する課題について教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  生徒に与える心理的な影響として、ピロリ菌の除菌の方法や治療にかかる期間、治療薬による副作用への不安が考えられます。  また、不安のある生徒や保護者からの検査にかかわる相談が学校にあった場合、専門的な内容となるため、対応する教員の検査に対する理解も必要となってまいります。  さらに、希望調査の配付、回収や尿検査の事前準備、さらには結果の通知など、学校の負担になることも懸念をされております。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)思春期に当たる高校生への精神的、あるいは教育的な配慮のもとで行われることはもちろん、保護者への十分な説明と理解のもとで行われなければならないと思います。  例えば生徒や保護者に配付するピロリ菌検査の同意書とともに、その折に、ピロリ菌の検査や除菌をする目的、意図を書いたパンフレットなどを作成し、配付することなど、罹患リスクを早期に発見すること、予防することの重要性などをこれによって周知し、理解を求めること、これも大切な教育活動の一環だと考えます。  それでは、高校生に対するがん教育、これの推進の観点から教育長の所見を伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  がん教育の具体的な内容として、がんの症状がなくてもがん検診を定期的に受けることが重要であること、多くのがんは早期発見により治る可能性が高くなること、こういったことを学んでおります。  高校生でのピロリ菌検査につきましては、現在、実施をされている他府県の状況を見てみますと、まだ研究事業の一環として実施をされているところもございます。今後、それらの検証結果や国の動向等を注視してまいりたいと考えております。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)私も高校現場でがんの授業もしたことがございますが、なかなか子供たちには効果がないというんですか、自分のこととして捉まえてくれないところがあります。  ピロリ菌検査を行うことは、思春期という多感な時期に、がんに罹患するのではないかという不安や精神ストレスを生じさせるものですが、それ以上に、先ほども申しましたように、2人に1人が何らかのがんを今後経験する、そういう超高齢化社会に生きる一員として、がんの罹患リスクを早期に発見すること、がんを早期に予防すること、その1つとして胃がんリスクを調べてはどうかということを提案しております。大切なことは、生徒のがんリスクをどのように的確に捉まえ、そして、がんに対する知識、意識を育むのかということになるというふうに思います。  それでは、次に、もう少し幅を広げまして、AYA世代に対するピロリ菌の実施についてお伺いをいたします。 ○議長(奥村芳正) 答弁者は。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)済みません、こちらのほうは健康医療福祉部長にお伺いします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  AYA世代に対する胃がん対策の現状でございますが、がん検診、医療の提供、相談支援や情報提供を行っております。市町の行います対策型検診としての胃がん検診は40歳以上が対象でありますため、AYA世代に対しては実施しておりません。しかし、一部の職場検診では、検診方法や対象年齢はさまざまでございますが、AYA世代を対象として実施されていると聞いております。  胃がん治療は、全ての二次保健医療圏域で集学的治療が受けられるよう体制整備がされております。また、AYA世代のがん対策につきましては、それぞれの年代の特徴に応じて就学、就労、生殖機能の状況が異なり、また、個人差もあって、個々の状況に応じたさまざまなニーズがあるといった特徴がありますため、AYA世代のがん患者サロンの拡大や妊よう性温存治療の相談支援、また、情報提供の充実を図っているところでございます。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)済みません、失礼をいたしました。ただいま、健康医療福祉部長に高校生のピロリ菌検査をするに当たっての必要性、効果、安全性の観点からお尋ねをさせていただいたところです。  ちなみに、これの先駆的な県としましては佐賀県がございます。佐賀県は、都道府県で初めて中学生にピロリ菌検査を導入されました。佐賀県ではピロリ菌を除去する投薬治療が15歳から可能になるため、本人と保護者の同意を得た中学校3年生、約9,000人を対象にピロリ菌検査ならびに除菌治療事業を実施をされています。検査は佐賀大学医学部小児科に委託をしてされておりまして、これらの検査費、除菌治療費は全額、県費負担でされています。2016年には対象となった県内約8,900人のうち80%に当たります約7,100人がこの検査を受け、このうち3.4%、247人が陽性だと報告をされています。  また、京都府でも、若者の将来の胃がんの発症リスクを抑制することを目的として、昨年度から京都府立医科大学と連携して、県内の全高校1年生を対象にピロリ菌検査と除菌を支援する高校生ピロリ菌検査支援事業を、こども胃がん予防ピロリ菌根絶事業と位置づけて実施をされておられます。  そこで、これら全国各地の自治体で中高生に対するピロリ菌検査が実施されているわけですけれども、このことについて健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  全国では、2府県と40の市町で実施されていると承知をしております。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)兵庫県篠山市、北海道日高町でしたかね、あたりもそういうふうにお聞きをしております。  ピロリ菌の早期発見、早期治療の必要性、がん教育推進の観点から、高校1年生に対するピロリ菌検査事業を導入することについて、医療の立場から、その意義について健康医療福祉部長に見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  市町が行います対策型検診としてのがん検診は、集団における死亡率減少効果が証明されたがん検診について、国の指針に基づいて行うこととしているところでありまして、議員御提案の高校1年生に対するピロリ菌検査事業でございますが、国の検討会において、現時点ではピロリ菌検査については死亡率減少効果を示すエビデンスがないため、さらなる検証が必要とされております。  先ほども御答弁させていただきましたけれども、県としては国による検証結果やその動向を注視してまいりたいと考えているところでございます。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)よろしくお願いします。  私は、高校生に対してピロリ菌検査を実施して、陽性ならばすぐ除菌治療を行うことを提案しているのではございません。生徒がみずからの、今の自分の胃がんのリスクの現状を知ること、これを医学的、科学的に知っておくことが重要だということですね。仮に陽性と判定されたり、感染していると判断されましても、次に除菌治療に進むかどうかは、これは生徒の体調ですとか、胃の調子ですとか、あるいは精神的な状況も考慮しつつ、お医者さんとの相談で、その都度、決めたらいいわけですね。「二十になってからやるわ」でもいいわけです。  検査は手軽で費用も安く、がん予防の効果が高いこと、高校生の段階で、早い段階でピロリ菌を除去できればがんのリスクを相当減らせることや、保護者、生徒のがん予防への意識も高まることなどから、この取り組みは今後、全国各地の自治体に広がっていくことが推測されます。これら先進県の状況も把握いたしまして、本県でも、まずは子供たちの健康と命を守る子供ファーストの姿勢で取り組んでいただきますよう、お願いいたします。  続いて、先ほど言いましたんですけど、AYA世代とは、今の中学生、高校生もこの世代に入るんですけども、小児期と成人期の間に当たる15歳から39歳の思春期、若者・青年時代を指す医学用語でございます。このAYA世代のがん患者に対する医療や診察実態の解明が大変重要な対策として、近年、挙げられています。  本県のAYA世代に対する胃がん対策の現状について健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) 済みません、先ほど御答弁をさせていただいたんですけれども。もう一度。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)結構です。  AYA世代に中高生が入っていたので、先ほど確かに入っていたなと思ったんですけども。  それでは次に、本県のAYA世代へのピロリ菌検査の啓発活動について健康医療福祉部長にお伺いします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  滋賀県がん対策推進計画では、がんと関係する感染症について情報提供を行うことを目標に掲げております。  AYA世代に対する啓発につきましては、ピロリ菌と胃がんの関係について正しい知識を持ち、例えば子供に口移しで食事を与えないなどの行動がとれるようになることで、ピロリ菌感染を次世代に持ち越さないようにすることができると考えております。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)先ほども言いましたんですけど、下水道などが整備されまして衛生状態がよくなったことで、中高生のピロリ菌感染は大体5%以下、18歳から二十でも10%、我々の小さいときに比べたら非常に低くなっているわけですね。  しかし、その原因としては、先ほども言いました、感染経路としては経口感染、口から口へが非常に多いということですから、若いお母さんに対するこの事業を行うということは大変意義があるというふうに思います。  本県でも、AYA世代に対するピロリ菌検査の事業の導入を目指して、まずは検討を始められたらと考えますが、健康医療福祉部長の所見を伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  AYA世代に対するピロリ菌検査の導入でございますけれども、先ほどもお答えしましたとおり、国の研究による検証結果やその動向を踏まえまして、判断するのが適当と考えております。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)子育て世代を対象にして、今、きちんとそこのところをとめておくということは、次の世代にピロリ菌をつながらないようにするためにも非常に重要かと思います。  これを一生懸命やれば、将来はピロリ菌の検査なんて必要なくなるわけですよね、子供たちのそこがなくなっていけば。ピロリ菌というのはどんどん少なくなってきていますよね。次の世代になぜうつるのかといったら、お母さんの経口、お母さんの子育ての段階でうつるということが多いわけで、そこをとめれば、お母さんのピロリ菌をなくせば子供たちにうつらない。もっと感染率は低くなるという、こういう理屈です。これは、今後のピロリ菌の助成事業を減らすことにもなりますし、将来的な医療費の抑制にもつながることだと考えます。  それでは、最後に、本県のがん予防対策の推進についてお伺いします。
     今回の質問の冒頭に、知事の疾病予防の取り組みが重要と表明されたことを挙げさせていただきました。その上で、今回は胃がんの早期予防対策として、全国各地の自治体で始まっているピロリ菌検査について紹介をさせていただきながら、本県の胃がんリスク検診の必要性を訴えてまいりました。胃がんリスクの早期導入は、健康しがの目玉と言うべき人の健康を守る疾病予防の観点、また、子育て滋賀構築の観点からも極めて意義のある施策だと考えます。  そこで、知事は胃がんリスク検診を含む本県のがん予防対策のあるべき姿をどのように認識をされているのでしょうか、お伺いします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)議員御指摘の胃がんリスク検診につきましては、先ほど来、部長がお答えしておりますが、現在、国においてその有効性についての検討が行われているところでございまして、その検証結果を注視してまいりたいと存じます。  現在策定しております第3期滋賀県がん対策推進計画におきましては、がん予防の具体的施策といたしまして、喫煙対策や食生活、生活習慣の見直し、がんと関係する感染症対策と知識の普及を、がん早期発見につきましては、がん検診の受診率向上や制度管理の維持、向上等に取り組むこととしているところでございます。  県民が正しい知識を持ち、みずからの健康を守る行動がとれることががん予防においては重要と認識しているところでございまして、滋賀県のがんポータルサイト、がん情報しがの活用や、がん診療拠点病院等による健康講座を開催するなど、あらゆる機会を通じて啓発の充実を図ってまいりたいと考えています。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)最後に1つ、知事の本音をお尋ねしたいと思います。本音といいますか、私どもの県民感情として、先ほども大津市と各市町の違いも申し上げました。京都府と滋賀県、お隣同士で非常にかかわり合いの深い県でございます。  今回、胃がんリスク検診の推進という観点からさまざまな事例を紹介をさせていただきましたが、京都府ではあんしん医療強化事業、あるいは、こども胃がん予防ピロリ菌根絶事業と銘打って思い切った施策を講じられています。  滋賀県の子供たちもたくさん京都府内の高校に進学をしております。ところが、この制度が違いますと、滋賀県内の高校に通う子供と京都府の高校に通う滋賀県の子供の健康対策に違いが出てまいりますね。1つの家庭で、お姉ちゃんは京都へ行って、何かピロリ菌のことについても、お母さんになったり、あるいは将来、子供にうつしたらあかんからというので、一生懸命、教育も受け、学習も受け、リスクの勉強もさせてもらって、実際やってる。滋賀県では何もしてはらへんで。1つの家庭でそんな事態が起こることは、ちょっとこれ、県民感情としてもまずいのじゃないかなというふうに思います。  昨日は西村久子議員のほうから女性特有の疾病についての対策、あるいは学校での啓発、リスクの学習、教育の重要性についてお話がありましたが、私もそれは同感でございます。  そこで、最後に、特に本県でも高校生へのピロリ菌検査、これは県費ということで県立高校を考えています。京都では高校1年生の私学、市立、府立を含めず、どの生徒にもこれの対象にしています。ただし、ちょっとまだ周知ができてなくて、学校単位で判断をされているらしいんです。希望する学校もまだ15校ほどですので、周知ができていないので、今年度は周知に努めるということでございました。  このような中高生に対する、本県は高校生に対するピロリ菌検査をすることに向けて、知事、まずは検討を担当部局に指示されたらいかがかと思いますが、知事の率直な、正直なお気持ちをお聞かせください。 ◎知事(三日月大造) 高校生に対するピロリ菌検査の導入につきましては、先ほど来、部長が答弁させていただいておりますが、現在の高校生のピロリ菌感染率は5%という状況でございまして、この割合は年々減少傾向にあるということでございます。この年代を対象としたピロリ菌検査の必要性は必ずしも高いとは言えない状況でありますことから、国の研究、検討結果を待って判断させていただくのが適当であると考えているところでございます。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)SDGsの理念ということをいつもおっしゃられますよね。誰一人として取り残さない。5%が多いか少ないか。やっぱり100から200いるわけですから、その子たちが何も知らないまま、知らされないまま二十になり、あるいは結婚して子育てをした折に、また次の世代へ継いでいくというのは、これは根絶にはつながりませんよね。根絶しようという強い意思を今お伺いしたわけで、たちまち来年からせえと言っているわけじゃないんです。他府県の事例を見ながらね、しっかりと対応していただきたいというふうに思います。  今回、私がこの質問をさせていただきましたのは、実は県庁職員で同級生のM君というのが土木関係でいたんですけども、56歳で胃がんで亡くしました。そのとき、自分の無知と、それから無念を感じたことがありましてね、いつかはこれを質問したいというふうに思っておりました。なかなかタイミングが合わなかったんですけども、昨今の社会情勢を鑑みたら、今がベストタイムだったのかなというふうに思います。  知事初め、県庁職員の皆さんの英知と決断の上に、いち早く県民への胃がんリスク検診が推進されますことを期待いたしまして、私の質問とします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、17番冨波義明議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時24分 休憩    ────────────────   午後1時29分 開議 ○副議長(川島隆二) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、19番木沢成人議員の発言を許します。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇、拍手)それでは、発言通告に従いまして、交通安全対策について一問一答方式で知事ならびに警察本部長にお伺いをいたします。  昨年秋の11月9日、朝日新聞に掲載された「私の視点」が話題となりました。  イギリス出身で日本在住の名城大学准教授、マーク・リバック氏が、日本における横断歩道のルールについて、御自身の体験をもとに問題提起されたものであります。  同新聞からの引用によるその要旨はというと、「日本では信号機のない横断歩道では歩行者がいても車はとまらない。私の母国イギリスやオーストラリアでは車は必ずとまる。日本の道路交通法でも歩行者優先で車の停止が定められている。歩行者と車の間には日本人特有のあうんの呼吸があって、その中でいつ渡るか決めているようだ。ただ、外国人は、日本人は親切で礼儀正しいと信じているので、車がとまると思い込み、事故に遭う人が出かねない。この問題に取り組んでほしい」というものであります。  近年のインバウンド人口の増加や東京オリンピック・パラリンピックによるさらなる交流人口の増加を見据えての提言でもありますが、外国人に限らず、横断歩道での安全対策を含めた交通安全対策は本県においても県民が安全、安心のもとにその地域で暮らし続けていけるための大変重要な課題であると思います。  車利用は私たちの生活における利便性を向上させ、また、経済成長、発展にも大きく寄与するものでありますが、一方で、人の命という何事にもかえがたい価値を大きく棄損する可能性を同時に有しております。これらの価値のバランスをいかにとり、持続可能な社会を実現していくかということが、社会の高齢化もますます進む中で、今まで以上に求められていると思います。  こうした視点のもと、過去の本会議における議論も参考にしながら、以下、伺ってまいります。  初めに、警察本部長にお伺いをいたします。  県警発表による平成29年中の各種交通事故発生状況の中で、歩行者事故は発生件数483件、前年比プラス4件、同死者数は17人で前年比プラス3人、同負傷者数は496人で前年比プラス6人となっております。このうち横断歩道歩行中によるものの事故はどのくらいの割合でしょうか。 ○副議長(川島隆二) 19番木沢成人議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) (登壇)お答えいたします。  平成29年の歩行者事故のうち、横断歩道を横断中の歩行者が被害に遭われた事故の件数は148件、死者数は7人、負傷者数は146人でありまして、発生件数および負傷者数は約3割、死者数にありましては約4割を占めております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)ありがとうございます。  それでは、今申し上げた同事故の死傷者の年齢、性別等で特徴はありますでしょうか。警察本部長にお伺いをいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  横断歩道を横断中の事故による死者につきましては、全7人のうち5人が65歳以上の高齢者で、約7割を占めております。負傷者につきましては、全146人のうち45人が65歳以上の高齢者で、約3割を占めており、死者、負傷者のいずれにも高齢者が高い割合を占めているのが特徴でございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)死者、それから、けがを負われた方ともども65歳以上の高齢者の方がかなりの割合ということをお示しいただきました。  よく事故の場合に、当たりどころとか、受け身とか、そういうことも言葉として出てくるんですけども、やはり高齢の方でありますと、身体的、本日も午前中、健康についての議論もありましたけれども、そういうところの部分で、やはりさまざまな機能が低下してくると、当然、今、数字に出ているように、そういったところにもつながるのかなと思うんですけれども。  そういう中で、道路交通法第38条では横断歩道等において歩行者等の優先が定められているところですが、今伺いました歩行者事故の原因のうちに、特に車両運転者の過失として顕著な特徴があればお示しをいただけますでしょうか。警察本部長にお伺いをいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  横断歩道歩行中の事故における車両運転者の過失といたしましては、前をよく見ていなかったことや安全確認を怠ったことが多くなっておりまして、この2つで約9割を占めております。これらの過失によりまして横断歩行者の発見がおくれれば、高速度で衝突することとなり、被害が大きくなることが考えられることから、これらを引き起こさないような取り締まりが重要であると認識しているところでございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)前方不注意、周りをよく見ていなかったことがそのほとんどであるという中で事故が起きているということなんですけれども、その前方をよく見ていなかったというところで、今、本部長の御答弁の中にもありましたけれども、低速で走っていれば、ちょっとその判断、確認というのがおくれた場合でも、運転者側としても、まだ回避の可能性がよりあるということだと思いますし、歩行者側に立ってみると、歩行者も、要は危険な車の確認がおくれたときに、車のスピードが遅いと、より回避の可能性というか、回避にかけられる時間、わずかな時間かもしれませんけれども、それがあるということなので、前方不注意で事故が起こっているんですけども、その中に、今おっしゃっていただいた速度の問題というのがあるんだろうと思います。  先ほどもちょっと当たりどころというようなことも申し上げましたけれども、当然、低速でも当たりどころが悪ければ、先ほど出ていた高齢者の方や小さなお子さん、体が弱い方ですと亡くなる場合もあるでしょうが、やっぱり車のスピード、運動エネルギーが大きい状態でぶつかると、当然、その衝撃というか、破壊のエネルギーが大きいわけですから、重大事故につながるということは容易に推察されますし、そのことをもってさまざまな規制がかけられていると思うんですけれども。  そういう中で、県警さんとしては、当然、こうした違反行為に対する取り締まりを実施し、事故の抑制に努めていただいているところであると思うわけですけれども、横断歩行者妨害検挙の取り組みについて、近年の推移についても言及し、お答えを願えるでしょうか、警察本部長にお伺いいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  警察といたしましては、横断歩行者妨害の取り締まりにつきまして、通学路や生活道路等、歩行者事故の発生が危惧される場所におきまして重点的に取り組んでいるところでありまして、平成29年中における横断歩行者妨害の検挙件数は665件でありまして、一昨年の443件に比べ約1.5倍に増加している状況にございます。  今後も、歩行者事故の減少に向けまして、交通実態や交通事故の発生状況および住民の方々からの要望も踏まえ、地域の実情に沿った横断歩行者妨害の取り締まり活動に取り組んでまいる所存でございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)地域の実情とか地域住民の皆様からの要望ということで、そういうところを重点に取り締まっていただいているということなんですけども、当然、件数がふえているという中で、今申し上げた、地域からの声であったりとかその地域の実情を鑑みたときに、その危険性が目立つということもあってこういう件数につながっているのかなと思うんですけれども。  その中で、先ほど道路交通法第38条についても述べさせていただいたんですけれども、一定の割合で法令に対する認識不足、理解不足の車両運転者がいると思うわけでありますけれども、まずは、その割合というものを極力ゼロにする対策も求められていくと思います。そういう対策について、今後、どう取り組んでいくのか、警察本部長にお伺いいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  警察といたしましては、車両運転者の横断歩道における交通ルール遵守の徹底と交通マナーの向上を図る必要があるとの認識のもと、運転免許証の更新時講習や各警察署で実施している交通安全教育などの充実、悪質な交通違反の検挙などを進めてきておりまして、今後ともこれらの取り組みを強力に推進してまいる所存でございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)当然、免許を取得するときの教習所での教習であったりとか、その試験を含めて、交通ルール、マナー、法令というのは認識しているという前提なんですけども、そういう中でも、そもそも法令というのを認識しているのかどうかと思うような運転者がいるということを、私なんかもふだん走っていて、いろんなところを見させていただいたり、また、歩行者の立場でいろんなところを歩いても感じるわけで、そういうことも含めて、冒頭のイギリス人の方も提起されたのかなと思っております。  それで、さきに述べました朝日新聞では、教授の投書がなされて以降、その反響が大きかったということで、「横断歩道、止まらない?」と題して、運転者側、それから歩行者側、それぞれの立場からのさまざまな意見についてデジタルアンケートを実施されて、それをもとに掲載し、また、各種の統計調査の結果もあわせて、この問題を検証されておりました。  その中でも言及があったわけなんですけれども、昨年の8月から9月にかけまして、JAF──一般社団法人日本自動車連盟による実態調査が実施をされました。全国の各都道府県2カ所ずつ、全国合計94カ所における信号機の設置されていない横断歩道において、JAFの調査員が同横断歩道を通過する車両1万251台を調査したところ、歩行者が渡ろうとする場面で一時停止した車両はわずか867台。これは率にいたしますと8.5%という結果でございました。  とまらないという原因につきましては、さきに述べました法令の理解不足も含めてさまざま考えられるわけでございますけれども、私も一運転者として、日々、さまざまな道路を通行して感じるのは、そもそも横断歩道の表示の白線が摩耗によりかすれていたりとか消えているということも多く、また、周囲の表示と差異が非常に小さくて認知がしにくいという点もあるのではないかということでございます。  そのような中、近年、横断歩道の白線内をカラー化したものも見受けられるようになりました。これにはどのような効果が期待できるものなのでしょうか、警察本部長にお伺いいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  横断歩道の白線と白線の間に緑色などの線を入れ、カラー化することによりまして、白線だけの横断歩道よりも運転者が横断歩道の存在を認識しやすくなるとされておりまして、実際に横断歩道のカラー化を実施している警察署が平成26年に行ったアンケートにおいても、「よく目立つ」などの結果が出ているところであります。  なお、このようなカラーリングにつきましては、全国的に通学路等において、横断歩道のほかにも歩行者用の路側帯などに使用されているところでございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)より目立って認識しやすいということなんですけども。  今もちょっと触れたんですけども、そもそも横断歩道なり、その周辺の補助表示が認識しにくいという問題なんですが、ちょうど私、地元でお世話になっております、ふだん仲よくさせていただいている駐在所。そして、そのお巡りさんがいらっしゃるんですけども、ちょうどそこの駐在所の前に県道が走っているんですね。その駐在所がある側にずっと歩道が設置されているんですけども、県道を渡って反対側が住宅地になっていまして、そこから子供さんを含めて多くの方がその横断歩道を渡って歩道側に来て、歩道をずっと歩いていくというような構造になっているんですけども、ちょうど今申し上げた駐在所のまさに前の横断歩道が、横断歩道の原型をとどめていないというか、ゼブラがほとんどなくなってしまって、しかも県道自体のセンターラインもかなり色がなくなってしまっていて、当然、横断歩道ですので青の標識がありますですよね。その指示標識自体は、もちろん柱について立っているのでわかるんですけども、運転者からしたら、ほとんど見えないというような状況が実際ございまして、ですので、ちょっとそういうことも含めて質問させていただいているんですが、今、説明いただきましたカラー舗装を含めた法定外表示等については、これは設置の指針があるというふうに仄聞をしております。  都道府県独自の新たな表示を考案、設置する場合というのはいかなる手続を必要とするのか、警察本部長にお伺いをいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  法定外表示は道路交通法施行規則等に定められたもの以外の看板表示等で、交通の安全と円滑を図るために設置するものをいい、お尋ねのような都道府県独自で考案した法定外表示につきましては、歩行者および車両等の運転者が一見してその意味するところが理解できるものであることや、まちづくり計画等との整合を図り、周辺環境と調和させること等に留意した上で設置することが可能となっております。  この場合におきましては、事前に滋賀県公安委員会や警察庁へ報告をした上で試験設置し、その効果測定を行った後、改めて警察庁と協議することで設置することができることとなっているものでございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)たまに京都市内を車で走っておりますと、京都も非常に細い道がたくさんあって、一方通行がかなりあるんですけども、先ほど本部長がおっしゃっていただいたように、いわゆるグリーンベルト、歩行者用のカラー舗装化みたいなところの中で、滋賀県なんかですと、その緑が目立つんですけども、今もちょっとまちづくりということがありましたけども、京都市さんの中ですと、周囲の景観に調和したような、茶色といいますか、薄い茶系の色で統一されていて、これはどういうものなのかなということも思って、その指針等、法定外表示のところを調べさせていただいたんですけども、いずれにしても、そういうものがしっかりと車両運転者なり、また歩行者にも認識されないと、なかなかその効果というのが期待できないかなと思って、この質問をずっとさせていただいているんですが。  今、信号機のない横断歩道のことを取り上げているんですけども、信号機のないところですと、そこの手前に、横断歩道がありますよということで、その設置を予告する意味で「横断歩道または自転車横断帯あり」という表示、これはいわゆるひし形マーク、ダイヤマークというのが横断歩道の手前50メートル、それから同30メートルの2カ所に、今、設置をされています。  ところが、これも2013年に警視庁が運転免許更新者に対して実施した調査によりますと、回答者の7割以上が「意味を知らない」と回答したとされております。さきの道路交通法第38条の認知度と含めて、そもそも表示の意味を知らないことによりとまらないとか、あるいはとまれないというような現実も一定あるということにも留意したいなと思います。  車両運転者の認識不足への課題にどのように対応されるのか、警察本部長にお伺いをいたします。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) お答えいたします。  ダイヤマークは「横断歩道または自転車横断帯あり」を示す法定路面標示でありますが、議員御指摘のとおり、その意味を知らない運転者が少なからず存在することから、運転免許の更新時講習等の機会を通じて啓発を行うとともに、通学路等におきましては、横断歩道の手前に「横断歩道あり」「横断者注意」などの法定外表示を路面に書き、運転者の進路前方に横断歩道があることがわかるような対策を講じてきております。  今後とも、これらの取り組みを推進し、車両運転者の認識不足による事故を1件でも多く減らすように努力してまいります。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)今申し上げた警視庁さんによる調査ですと、7割以上が「意味を知らない」という回答。先ほど言及しましたJAFのアンケート調査でも同じような問いをされているんですけども、こちらは、逆に7割ぐらいが「知っている」というような回答なんですね。ただ、その回答というか、問いの仕方を見ますと、ひし形マーク、いわゆるダイヤマークは信号機のない横断歩道がありますよという意味ですがというふうな前提をつけて問われているんですね。ですから、そこの部分はそういう前提で回答されているんで、今、7割は知っているというのがJAFのあれは出ているんですけども、片方で、今、7割以上が知らないということもありますので、その間ぐらいのところに実態があるのかなと思うんですけども、それでも、実際そういう方が少なからずいるということはあるということでございまして、それにプラスして、次の質問に行くんですけども、知事に。  ひし形マーク自体が認識されていない。いわゆる50メートル、30メートル、先ほども出ましたように、手前で2回表示しているというのは、2回に分けて、ある意味、減速を促して、スピードダウンして、まずは注意しなさいよと。歩行者がいたときはちゃんと通してあげなさいよ、とまりなさいよということで、2段階の段階を追ってそういう予告がなされているんですけども、そのひし形マーク自体もほとんど消えかかっているというところが結構あるんですよ。ひし形マークがまずない。それから、横断歩道自体のゼブラがほとんどないと。指示標識はもちろん、先ほど申し上げたように、青い三角形のあのマークが道路の左側に立っていますんで、そこを見たらわかるやないかということもありますけども、ただ、運転者の運転している目線からすると、やっぱり路面標示というのが一番、位置的には見やすいわけですから、そういうものがないと、とまるにもとまれないということが実態としてあるということで、これ、ずっと聞かせていただいているんですけども。  そこで、道路管理者でもあり、滋賀県交通対策協議会の会長でもある知事にお伺いをいたします。  今ほども言及したんですけれども、ふだん県管理の国道、それから県道を走行していても、その路面の摩耗が非常に激しくて、路面標示が非常に確認しづらい、今も申し上げましたが、センターライン、それから横断歩道等を数多く目にすることがございます。  適切な修繕、維持が行われていないことも運転者の違反行為に一定つながっているのではないかと危惧するところでございます。  そこで、路面標示の維持管理は計画的に実行されているのか、知事にお伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)交通量が多い幹線道路や交差点付近、除雪作業が行われる箇所では路面標示の摩耗が早くなります。こうした箇所では舗装損傷も早くなりますことから、通常パトロールにおいて路面標示や舗装状況を把握し、摩耗の著しい箇所から、順次、対応しているところでございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)午前中もエネルギーの議論の中で言及がありましたけども、滋賀県は全国有数の内陸の工業県であると。第二次産業の県内総生産に占める割合が非常に高いと。ものづくりの県であると。当然、そういう企業なり会社に従事されている県民の割合も高いということだと思います。したがって、一般に産業活動に従事する大型車両も数多く走っていると。  その一方で、警察本部長さんも言及いただきましたけど、産業用道路と生活道路のすみ分けというのが十分にできていないこともあるので、当然、大型車両なりそういう産業用の車両が身近な生活圏の中に数多く走っているということがこれまでもずっとあったと思うんですね。それで、最近になりますと、さらに、私が住まいさせていただいている近くといいますか、東近江市内においても、例えばスマートインターが設置されたりとか、国道421号の関係でいきますと、三重県のほうに抜けるトンネルができたということの、そういう社会資本がさらに整備されて、よりそういう、また産業系の車も数多く走るようになったと。そういうことのストック効果で工場がふえたりとか新たに企業が来たりと、もちろんプラス面があるので、それはそれでいいんですけども、でも、そういうことの中で、生活者とのすみ分けであったりとか、そういう部分が調和がうまくできてないのかなと。当然、今までのペースで維持管理は一定されていると思うんですけども、そういうペースも、今申し上げたようにストック効果がどんどん出てくることによって追いついていないのではないか。予算1つとっても、従来の年間の予算、そこに追いついていないぐらいの部分が出てきているのではないかと。だから、皆さん意識されるのは、直していただいても、またすぐ傷むじゃないかと。何か道が本当に汚いというか、走りにくいというのを感じられているんですけども、そういう中で、今、基本的にそういう修繕をやっていただいているのはよくわかるんですけども、一般社団法人交通工学研究会監修の全国事例集、また、平成29年12月に国土交通省の道路局がまとめられました通学路・生活道路の安全確保に向けた道路管理者による対策実施事例というのがございまして、そういうのを見ていますと、全国各地でさまざまな対策が実施されて、工夫された法定外表示の使用もその1つとして挙がっております。  県内でも、先ほど述べましたように、カラー舗装化された横断歩道を目にするようにもなりましたし、先ほど申し上げた法定外表示の部分で、ひし形マークの手前に、また「横断者あり」とか「横断歩道あり」というような、よりわかりやすい表示をしていただいているようなところも見受けられます。  しかしながら、例えば色1つとっても、カラーの選択においても、先ほど緑というのが出ましたけど、場所によってはベンガラ色を使っていたりとか黄色いのがあったりとか、統一感に欠ける印象もありますし、今申し上げた補足の表示についてもまちまちで統一感に欠け、むしろそのことが車両運転者にもわかりづらいという1つではないかなと思います。  市町とも連携しながら統一性を持った表示等を設置すべきであり、その際に視認性の向上に向けてさらなる工夫、改善を図るべきと考えるわけですが、知事の御所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 横断歩道のカラー化など、法定外路面標示につきましては、主に通学路を中心に、市町や警察と連携し、対応しているところです。  色につきましては、先ほど警察本部長の御答弁でもありましたとおり、通学路のグリーンベルトの緑を基本とし、沿線まちづくり計画や周辺環境との調和に配慮しつつ決定することとしています。  議員御指摘のとおり、ドライバー、運転者が間違った認識を持たないよう、一定の統一感を持って対応してまいりたいと考えています。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)次の11番の質問に行く前に、先ほどのデジタルアンケート、朝日新聞の「横断歩道、止まらない?」という記事の中に、松浦常夫実践女子大学教授、交通心理学という御専門の先生のコメントがちょっと載っているんですけども、「車優先の意識を変えよう」というタイトルなんですが、「横断歩道を渡ろうとする歩行者がいるのにとまらないのは明確な道路交通法違反です。ルールを守るはずの日本人が法律を無視して平気なのは不思議です」と、教授の感想としては。「心理学では守るべきルールを命令的規範、実際にみんながとっている行動を記述的規範といいます。日本人は後者を大事にする傾向があります。信号機のない横断歩道の場合、車はとまらないが記述的規範になっています。背景に道路は車優先という意識があります。欧米には車も歩行者も自転車も交通参加者として同じ権利があるという意識が根づいています。日本もこの意識に変えていかなければなりません。1つには、町なかで車のスピードを抑えるようにすること。以前と比べれば随分スローになっていますが、より歩行者らに配慮するようにするのです。スピードが出ていなければ横断歩道でとまる心理的抵抗も低くなります」と。これも先ほどちょっと警察本部長にも話させていただきました。  デジタルアンケートの中にいろいろな方からの提案があって、その中に、「横断歩道を目立たせるということは歩行者が使う道路という意味合いを強めます。それには標識をはっきりさせることも有効です。飲酒運転が減ったのは、厳罰のほか、社会的関心の高まりもあったからです。横断歩道の場合、とまらない車をシラミ潰しに取り締まるのも、全ての横断歩道に信号機をつけるのも現実的ではありません。とまる重要性を改めて知らしめることができれば、それが記述的規範に変わっていきます。歩行者が巻き込まれた5万件余りの」、これは全国ですね、「事故のうち信号機のない横断歩道で起きたのは1割弱。車がとまれば、この数は確実に劇的に減ります」というコメントをされています。  同じそこの記事の中に一般読者さんからのコメントも載っているんですけども、例えば神奈川県の50代の女性が「日本人は一律で皆が守る決まりやマナーはきちんと守る。例えば駅のホームで並んで電車を待つとか、皆がやっているから自分もという感じで。でも、その都度、臨機応変に自分で決めなければならず、かつ何かしらの損を伴うものは守らない。電車内でお年寄りに席を譲るとか、横断歩道でも皆とまっていないし、急いでいるし、自分だけとまるのは損だと思っている」と。そんなことも日本の特徴としてあるんじゃないかということをこういうことで言われているんですけども。  11番の質問に入らせていただきますけれども、本県が自治体レベルで推進を図っていくとされています、今議会でもさまざまな分野で取り上げていただいていますけれども、国連の持続可能な開発目標──SDGsの17の目標、ゴールのうちの目標3「全ての人に健康と福祉を」におきましては、その目標を達成するための13のターゲットが示されております。  その1つ、ターゲット3.6では、2020年までに世界の道路交通事故による死傷者を、2010年の死傷者をもとに10年間で半減させることが示されております。  冒頭申し上げましたように、外国人から信号機のない横断歩道でのルールやマナーのあり方を指摘されている中、そして、本県でも、冒頭お聞きしましたけども、少なからず死傷事故が発生し続けている状況を鑑み、信号機のない横断歩道における交通安全の取り組みをより実施していくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 議員御指摘の、信号のない横断歩道での交通事故の発生状況を見ますと、平成29年中は55件発生し、死傷者数は56人、そのうち4人の方が亡くなられているという状況であり、過去3年間の状況についても同様の傾向にございます。  このような交通事故は、ほとんどのケースで加害者側となる運転者に一方的な責任のある痛ましい事故でございまして、被害者の方はもとより、御家族、御遺族の方々の心情に思いを致せば、こうしたことが日々繰り返されているということは非常に悲しい事態だと感じています。  県民の生命、財産を守ることが行政の最大の責務であるということから、私もこのような悲惨な事故を1件でもなくすこと、減らすことが知事としての使命であると常日ごろから考えています。  議員から御紹介いただきましたSDGsの交通事故死傷者の削減目標は、我が国の掲げております、2008年を基準年とし、2020年までに交通事故死者数を半減させる目標と方向性は同じであり、この目標に基づき、本県におきましても平成28年からの第10次滋賀県交通安全基本計画を策定し、交通事故の削減に取り組んでいるところでございます。  議員御指摘の、信号機のない横断歩道での交通事故防止の視点は、この第10次滋賀県交通安全基本計画の目標を達成するためにも重要な視点であると考えるところでございます。
     実は年末、この議場で開かれました子ども議会におきましても、欧米で生活経験のある児童議員、子供議員から同趣旨の指摘をいただいたところでございます。この記事、朝日新聞で取り上げいただいたことと同趣旨のことを問題提起されたところでございます。  通学児童の保護・誘導活動に、日々、取り組まれておられますおうみ通学路交通アドバイザーや交通安全ボランティアの方々による活動を初め、信号機のない横断歩道における事故防止に向け、関係機関・団体と連携し、なお一層の交通安全県民総ぐるみ運動の展開となるよう取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)子ども議会での提言というのは、今まで何回か子ども議会も傍聴させていただきましたけど、割と前向きに、知事、取り組んでいただく方向性を示していただいていると思いますので、当然、そういう実体験をもとに、お子さんでもそういうことを思っていらっしゃるということは、これ、本当に大事なことだと思いますので、しっかりお願いしたいなと思います。  今申し上げた信号機のない横断歩道における交通安全の取り組みなんですけれども、それを進める際に、地域住民の方々へのSDGsの理念のより一層の浸透も目的として、例えば通学路の安全対策上、特に重要で対策をより強化すべき信号機のない横断歩道、あるいは買い物等に出かけられます高齢者等の生活道路に位置し、特に重要で対策をより強化すべき、そういうような信号機のない横断歩道をSDGsのモデル横断歩道として、これまで述べた、よりわかりやすい路面標示や法定外の表示等の充実とあわせ、SDGsの理念の表示などもするなどして、交通事故防止のSDGsの浸透をより図ってはどうかと提案させていただきますが、知事の御所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 現在、県の将来ビジョンとなります次期基本構想の検討に際し、SDGsの視点を活用しているところです。  また、来年度に向けた施策構築に当たりましても、SDGsの視点で県の施策を見詰め直し、新たな施策の展開でありますとか事業創出など、さらなる磨き上げを目指してきたところであります。  議員御提案のSDGsの理念を生かしたモデル横断歩道の設置についてでございますが、交通事故防止には皆さんによく知られている道路標識や道路標示を適切に配置することが、まず有効であると考えています。そして、交通安全対策基本法に基づき設置されております滋賀県交通対策協議会においてSDGsの理念を伝えるとともに、きょう御提起いただいたことも含め、また、子ども議会で御提起いただいたことも含め、県民に浸透させていくことについてしっかり議論してまいりたいと存じます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)SDGsの目標の3番が「全ての人に健康と福祉を」ということなので、一見すると、午前中も議論がありました、そういう疾病の問題ですとか福祉というところなので、そういうところに注目が行くわけですけども、その中に、交通事故、それを減らしていくということが大事だということがうたわれているわけなんですけども、一見すると、ここの中にそういうターゲットが入っているというのはわかりにくいと思うんですね。でも、途上国の事情が中心となってそういうターゲットが入れられているのかなというふうに思いますけど、外国人の方からああいう指摘があって、しかもこの目標自体が2020年なので、交通事故者数半減というのがね、まさに東京オリンピックのタイミングみたいなときに、外国人から指摘されて、実際、国内を見渡してみると、まだまだ先進国とはいいながらこういう課題があるということは、本当にある意味、ゆゆしきことなのかなと思うわけですね。ですから、やっぱりそこの部分は、ほかの政策もそうなんですけども、SDGsの理念に基づいて県の施策をやっていこうという、その大きな志はわかるんですけども、じゃ、それがどれだけ県民一人一人に根づいていくかということを思うと、なかなか難しいし、わかりにくいのかなと。ただ、今申し上げたこの3.6のターゲットって非常にシンプルでわかりやすいじゃないですか。交通事故者数を半減しましょうと。実際、先ほど来申し上げている県の状況を見ても、そういうことがまだまだ課題としてある。だから、基本的に、法定に基づいたものとか、既存、今やっていただいていることでしっかり施策を充実させていただくのはわかるんですけども、通学路の近くの横断歩道というのは、当然のことながら、子供さんもよく渡るわけじゃないですか。だから、そういうところの教育的な効果も含めて、そういう横断歩道のところにこういうもののあわせての掲示ですとか、理念を説明した看板を置くですとか、そういうことをしっかりやって、あわせて理念も学校で教えてもらえば、さっきの子ども議会の提案にも答えることができるのではないかと思って質問させていただいたので、その辺、今申し上げた、特に重点対策に取り組まないといけない学校に近い横断歩道ですとか、そういったところでの取り組み、どうでしょうか。再度、御答弁をお願いします。 ◎知事(三日月大造) とても大切な視点だと思います。SDGsの中にも、ゴール3、ターゲット3.6のところにも2020年までの10年間に世界の交通事故による死傷者数を半減させる、もちろん全世界ですからいろんな事情等がある中ではございますが、日本においても、本県においても、横断歩道で車がとまらない中で事故、死傷者が発生しているということですから、そういったものを減らすための取り組みをSDGsの文脈も含めて、よく、先ほど申し上げた協議会等で議論、検討させていただき、必要な具体の施策に結びつけていけるよう取り組んでまいりたいと存じます。 ◆19番(木沢成人議員) 終わります。(拍手) ○副議長(川島隆二) 以上で、19番木沢成人議員の質問を終了いたします。  次に、41番清水鉄次議員の発言を許します。 ◆41番(清水鉄次議員) (登壇、拍手)それでは、初めに、2月11日に滋賀県がん対策推進議員連盟、吉田議員が代表しておられるんですけれど、主催のがんと向き合うフォーラムを高島市で開催をさせていただきました。海東県議と協力させていただきまして、大変多くの皆さんに御出席をいただき、感謝を申し上げたいと思います。  アンケート調査を見させていただきますと、ほとんどの方が、初めて来た方も多かったんですけど、聞きに来てよかったと、そして、がん検診に大変関心を持ったと、早速行ってくるという声も聞いておりまして、大変効果があったがんフォーラムだったと思います。皆さんの会費を使わさせていただきました。どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。  それでは質問に入らさせていただきます。  国道161号の事業につきまして質問させていただきます。  国道161号の整備等に関する本県議会の質問については、調査をしますと、昭和40年から平成28年までに30人の元議員の皆さんや今の議員の皆さんより50回の質問がありました。私ごとですが、昭和51年3月に私の父が質問させていただき、平成4年3月、平成8年2月に、議場におられる目片議員のお父さんの目片信様が2回、そして、高島市の大先輩の石田幸雄様が9回質問されました。また、議場におられる議員の皆さんの中では家森議員が1回、海東議員が2回、成田議員が3回、そして、佐野議員が5回も161号の質問をしてこられました。今後もよろしくお願いしたいと思います。  私自身も今回、本日、3回目の質問になります。よろしくお願いします。  高島市は、近年、人口減少を初め、社会のあり方が大きく変化しており、安定した雇用創出や高島への新しい人の流れをつくるため、魅力を高めて交流人口や定住人口の増加を図る必要があり、そのためにも、国道161号を初めとした主要幹線道路の整備が進むことが大変重要です。  国道161号は、福井県敦賀市を起点に琵琶湖西岸を横断し、滋賀県大津市で国道1号に接続する路線で、北陸地方と京阪神都市圏を最短距離で結ぶ重要な幹線道路であるとともに、琵琶湖西岸の地域開発や恵まれた自然を生かした観光道路としての役割を果たしています。しかしながら、慢性的な交通渋滞が発生しており、また、防災面においても、有事の際における車での避難道路としての役割は果たしていない状況です。  最近、国道161号の各事業の予算も増額されていますが、いまだに事業のスケジュールやルートがわからない状況で、道の駅の藤樹の里あどがわにいますと、安曇川工区がどのような状況か、また、白鬚神社方面にいますと、いつごろにどのようなルートになるのかと地元の住民の皆さんから聞かれることが以前から多い状況です。また、マキノ方面にいますと湖北バイパスのことをよく聞かれ、高島市全域から、長期化している国道161号の事業について、その進みぐあいについて大変多く聞かれます。  本年元旦の京都新聞の1面に国道161号小松拡幅事業で白鬚神社付近のルートに関する記事が掲載されました。市民におかれましては、これでようやく事業が進むのではないかと期待を膨らませておられます。  近年、白鬚神社近くの国道161号では悲惨な事故も起きています。平成24年2月11日、車4台が絡む事故で、6歳と2歳の子供を含む親子3名が犠牲になりました。家族で大津方面に買い物に行く途中の悲劇です。つい最近の2月上旬にも白鬚神社前で正面衝突事故が発生しております。  このような状況を受けて、滋賀国道事務所は対向車線を隔てるセンターポールを設置したり、路面を赤く着色して目立たせたりするなどの対策をとられました。このようにさまざまな対策をとられていますことは大変評価しておりますが、こういった状況を見ると、国道161号の整備が急務であることは明らかですが、国道161号の高島市内や周辺地域における事業の現状について土木交通部長に伺います。  平成28年6月に、地元の鵜川区の区長様を初め、白鬚神社の宮司様、地域の皆さんから白鬚神社周辺の道路計画について意見をお聞きしましたところ、早急に事業を進めてほしいという声が大勢です。  白鬚神社付近の課題として、1、交通事故による死亡事故率が県内のほかの道路と比べて高い、2、車線増減区間では、車線合流部手前での追突事故が多くを占め、白鬚神社付近や鵜川区では沿道出入り口付近での正面衝突や接触事故等による重大事故が発生しています、3、自転車利用者を対象としたビワイチに関するアンケート調査の結果では白鬚神社付近が危険であるという意見が多いといったことを聞いております。  そこで、小松拡幅の白鬚神社付近の道路計画について、先日、新聞報道もされましたが、県は現状をどのように認識しているのか、土木交通部長に伺います。  次に、小松拡幅事業は大津市北小松から高島市勝野までの全長6.5キロメートルですが、道幅が大変狭いところがあり、朝夕は混雑が発生し、トラック事故が発生すると長時間にわたり交通渋滞が起こります。市民にとりましては難所になっており、この工区を早期に開通することは大変重要です。  平成29年度国交省の当初予算では、改良工事3件、橋梁工事1件、北小松で当初予算8億円が計上されました。今回の2月補正予算でも6億円が計上されたと仄聞しております。  当初、小松拡幅の白鬚神社付近は琵琶湖岸に張り出して4車線化する計画でした。しかし、琵琶湖の保全の観点から、琵琶湖へ張り出すことは難しい状況です。また、観光面からは、ビワイチでも道幅の狭さや交通量の多さから最大の難所と呼ばれており、日本遺産の一部に認定されている白鬚神社周辺はパワースポットとしても週末を中心に観光客が急増しております。また、防災面からは、福井県内の原発事故に備えた避難経路にも設定されており、安全性確保のため、早期整備を望む声がますます強くなっております。  このようなことから、県は白鬚神社周辺の道路計画についてどのように考えているのか、今後のスケジュールとあわせて、土木交通部長に伺います。  湖西道路については、真野から坂本北、全長6.6キロメートルで、平成29年度当初予算で道路改良工事が15億円計上され、今回の2月補正予算で2億円が配分されたとのことで、各箇所で工事が進んでおり、国道161号の事業が進捗されるものと期待も膨らむところです。  また、高島市内では、教育文化施設や道の駅、大型商業施設が立地する安曇川地区の青柳交差点、藤樹神社口交差点、文化芸術会館前交差点の3カ所が事故危険区間に指定されており、前後は信号のない立体化された道路であるため、慢性的な渋滞が発生しています。湖北バイパスにおいても同様の課題を抱えており、早期整備が望まれていますが、これら湖西道路、安曇川地区交差点立体化、湖北バイパスの今後の見通しについて土木交通部長に伺います。 ○副議長(川島隆二) 41番清水鉄次議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎土木交通部長(池口正晃) (登壇)国道161号の事業についての4点の御質問にお答え申し上げます。  1点目、高島市内や周辺地域における事業の現状についてですが、現在、高島市内では湖北バイパスと安曇川地区交差点立体化を、大津市内では小松拡幅や湖西道路、真野から坂本北の各事業について、早期開通を目指して、国に事業を推進していただいているところです。  まず、湖北バイパスについては、主にマキノ町海津から西浜地先において調査設計、用地取得に取り組んでいただいております。  安曇川地区交差点立体化については、現在、立体交差の構造等について検討されていると聞いております。  小松拡幅については、現在、14工区の大津市北小松での用地取得および橋梁工事が鋭意進められており、県としても、今後ますますの工事進捗に向けた各種調整について協力をさせていただいております。  湖西道路については、苗鹿地区や仰木の里地区において拡幅工事、橋梁工事が行われており、今後も引き続き工事が進められ、早期に4車線化されることを目指し、事業を推進していただいているところでございます。  2点目、白鬚神社付近の道路計画について県は現状をどのように認識しているのかについてですが、白鬚神社は平成27年に日本遺産にも指定された観光地で、ビワイチ屈指の立ち寄りスポットでもありながら、自動車交通量が県下のビワイチルートの中で最も多く、また、その走行速度も高い危険な箇所であると認識しております。現状のままであれば、高齢者や初心者等がビワイチを敬遠し、利用客の増加が見込まれなくなる等、観光としての魅力が弱まることを危惧しているところです。  このほか、琵琶湖沖の鳥居の見物や写真撮影する道路横断者の危険性、自動車のよそ見による接触や沿道出入りによる追突等の事故の危険性が課題となっている状況でございます。  現道の交通安全対策については、滋賀県道路交通環境安全推進連絡会議の中で検討し、白鬚神社周辺から北小松集落周辺にかけて、路面標示やカラー舗装等の短期的な対策を滋賀国道事務所に実施していただいているところでございます。  3点目、白鬚神社周辺の道路計画についてどのように考えているのかについてです。  この周辺は、琵琶湖保全再生法に基づいて策定された基本方針において、文化庁より選定された重要文化的景観を初めとする琵琶湖の文化的景観の保存および整備を推進するとなっており、白鬚神社周辺の琵琶湖岸を改変することは極めて困難な状況であると認識しております。県としても、これらの課題に対応した道路整備をできるだけ早く進める必要があると考えております。現在実施中の北小松の14工区については、国体までに完成いただくよう国にお願いしているところでありまして、14工区に引き続き、おくれることなく白鬚神社周辺の13工区についても取り組んでいただけるよう、あわせてお願いをしているところでございます。  4点目、湖西道路安曇川地区交差点立体化、湖北バイパスの今後の見通しについてです。  県としては、これまで国への要望活動の都度、安曇川地区交差点立体化および湖西道路の各事業を国体までに完成いただくようお願いしているところでございます。  こういった状況の中、先ほど議員にも御紹介いただきましたように、さきの国の補正予算において、国道161号では小松拡幅に6億円、そして、湖西道路には2億円の配分がなされ、今後ますます事業推進が図られるものと期待しているところでございます。  湖北バイパスについては用地取得に取り組んでいただいているところですが、なかなか具体的なスケジュールをお示しできないところです。県民の期待にお応えできるよう、事業の早期完成に向け、県としても最大限、努力していきたいと考えております。 ◆41番(清水鉄次議員) (登壇)ただいま土木部長の答弁を聞いておりましたら、白鬚神社の状況とかビワイチの状況というのは御理解いただいていますし、小松拡幅に6億円、湖西道路に国の補正が2億円配分されたそうで、しかも小松の第14工区を県として国体までには完成を要望されておられると。大いに期待をしており、それに続けて、13工区、白鬚神社付近も取り組むという部長答弁があったと。そうなることを期待をしているわけであります。  また、県は国に対して30年度に向けた国の予算に関して、国道1号や8号、その中の1つとして161号の道路整備の提案を要望されておられると聞いております。交通の安全対策や観光振興に向けての県土木の努力は評価をしておりますが、白鬚神社道路計画のほかの工区についてを含めて、残念ながら、何ら、今、具体性がなかった答弁であるような気がします。  長年にわたりまして、高島市民の皆さんは国道161号の切実な声と思いは十分に酌んでいただきたいと考えておりますが、どのように酌み取っていただけるのか、そして、白鬚神社周辺の道路計画の見通しを示していただけない状況の中で、市民の皆様のこのお気持ちをどのように捉えておられるのか、土木交通部長にお伺いします。 ◎土木交通部長(池口正晃) お答え申し上げます。  これまでから地元、高島市を初め、各方面からの多くの御要望の声を聞いており、現在行っている道路アクションプログラム改定のワーキングでも、委員の皆様から国道161号の話がたくさん出ていたと報告を受けているところです。  県としても、高島市内における観光を初めとする関係の方々に直接ヒアリングを行い、国道161号の渋滞によるさまざまな問題点や道路整備への熱い思いを聞かせていただいているところでございます。  その思いをわかりやすく伝えるために、民間が所有する自動車の動きに関するビッグデータを活用し、観光シーズンにおける国道161号の渋滞状況と走行速度を示した図を今現在使用しているパンフレットに入れ込みまして、要望時に活用しているところでございます。  また、昨年度の大雪による渋滞で明らかになった防災機能としての脆弱さ等、高島市民にとって非常に大きな課題となっていると県も認識しているところでございます。  国への要望の際には皆様の思いをしっかりとお伝えし、高島市民の期待にお応えできるよう、事業推進のため、県としても最大限、努力してまいりたいと思います。 ◆41番(清水鉄次議員) 終わります。(拍手) ○副議長(川島隆二) 以上で、41番清水鉄次議員の質問を終了いたします。  次に、18番井阪尚司議員の発言を許します。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇、拍手)平昌オリンピックの日本選手の活躍に、テレビから目が離せませんでした。何度見ても選手の最高の競技や演技に感動します。さらに、選手のコメントも実にすばらしい。精いっぱいやって頂点に立つという信念、自分のわざや練習の自己分析と課題に向けた見通し、支えてくれた人や応援者への感謝と声援を送る人から力をもらった結果というその謙虚な姿勢など、10代、20代のしっかりした感想に驚きました。限界への挑戦に臨むプロの心境というものはそういう域に達して生まれてくるものだなと思いました。選手の爽やかな姿に、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、また、2024年の滋賀で開催される国体に夢が広がります。  湖国の選手の活躍と多くの人が来県されることで滋賀が元気になっていく、こういったことを期待して、このスポーツの祭典に向けたスポーツと文化に関する地域づくりと文化政策について、幾つかの観点から一問一答で伺ってまいります。  国は、東京オリンピックに向けた文化政策の中で文化プログラムを提案しています。そこで、文化プログラムについて、以下、県民生活部長に伺います。  国の文化プログラムにはどのような参画の仕方があるのでしょうか。 ○副議長(川島隆二) 18番井阪尚司議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎県民生活部長(福永忠克) (登壇)お答えいたします。  国等では、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けまして、日本全国での盛り上がりとレガシーの創出につなげていく東京2020参画プログラムとbeyond2020プログラムを展開されております。  東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が実施いたします東京2020参画プログラムは、国や都道府県、市町など非営利団体等が参画できる仕組みでございます。また、国の内閣官房が事務局となって実施しますbeyond2020プログラムは、非営利団体に加えまして、ノンスポンサー企業を含む営利企業などあらゆる団体が参画できる仕組みでございます。  文化イベント等を実施する団体等が、その実施に当たりまして、これらの認証を得ることで専用のロゴマークの使用や国のホームページからの情報発信等が可能となります。これらのプログラムに参画することによりまして、さまざまな団体等が東京2020大会に向けた機運の盛り上げとみずからのイベント等の発信力の強化につなげることができるものであると考えております。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)国民の皆さん、滋賀県でいえば県民の皆さんが積極的に参画していくというその盛り上がり、大変盛り上がっていくといいオリンピックになるのかなと思います。  ところで、文化プログラムの滋賀県の登録状況はいかがでしょうか。 ◎県民生活部長(福永忠克) お答えいたします。  県内で認証された事業といたしましては、本年1月末時点で東京2020参画プログラムは24件、beyond2020プログラムは109件となっております。  県では、主催事業の積極的な認証申請を行いますとともに、県内の市町や関係団体への周知に努めているところでございます。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)オリンピックまでにもう少し時間があろうかと思うんですが、国は大層な数字を打ち上げています。プログラム20万件、イベント5万件、これを滋賀県に当てはめますと、100分の1県としますと、2,000件のプログラムが必要になってくるんですが、そこまでは大変だろうかもしれませんが、せめて2020年の国体ぐらいにはそのぐらいあってもいいのかなとも思ったりはします。  本県のプログラムの取り組みの方針、どのようなものを考えておられるのか、お伺いいたします。 ◎県民生活部長(福永忠克) お答えいたします。  東京2020参画プログラムおよびbeyond2020プログラムの県内での一層の浸透を図りますとともに、ワールドマスターズゲームズ2021関西、また、平成36年──2024年の国民体育大会・全国障害者スポーツ大会の開催も見据えまして、滋賀ならではの多様で特色ある文化の魅力を文化活動の一層の活発化と地域の活性化につなげていくことが大変重要であると考えております。  このためには、県、市町、民間団体、企業の皆様、大学の皆様など、多様な主体の連携のもと、一体的かつ効果的に文化プログラムを推進していく必要がございます。文化プログラム推進の枠組みや方向性を関係者で共有いたしまして、機運の醸成を図るための取り組みの指針となります滋賀県文化プログラム取り組み方針を今年度中に作成する予定でございます。  この中では、1つ目として、文化の力を生かした創造的な地域づくり、2つ目として、文化を通じた国際交流の推進、3つ目として、文化を通じた共生社会の実現、4つ目といたしまして、未来の文化の担い手の育成の4つの取り組みの方向性を共有しながら、幅広い県民の参画促進、そして、発信力の強化などに取り組むこととしたいと考えているところでございます。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)量より質だという、そんな思いを感じ取らせていただきました。  この文化プログラム、たしかロンドンオリンピックのときに高い評価を受けた、いわゆる市民参画型がモデルになっているとお聞きしているんですが、文化プログラムが成功するには、先ほどおっしゃられた、市民あるいは企業の参画が重要でありますので、県としてどのように参画を促していくのか、お尋ねをさせていただきます。 ◎県民生活部長(福永忠克) お答えいたします。  議員御指摘のとおり、文化プログラムの推進に当たりましては、文化団体や企業等、多様な主体の参画が非常に重要であると考えております。  このため、今月、国、県、市町、教育委員会、文化施設、大学、そして、文化、経済、観光、福祉、農業などの関係団体などが集まります滋賀文化プログラム推進会議の第1回の会議を開催いたしまして、先駆的な取り組みや好事例の情報共有、そして、今後の展開等について意見交換を行ったところでございます。  今後も引き続きこのような会議を開催いたしまして、多様な主体の情報共有、そして、相乗効果の発揮を促しますとともに、来年度以降につきましては、県がbeyond2020プログラムの認証窓口となることで、県内の団体等の利便性向上を図るなど、幅広い県民の皆様の参画に向けて取り組みを展開してまいりたいと考えております。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)ありがとうございます。  これに関して、国のほうは、最初のかけ声の割にはさほど予算をつけてないのではないかと仄聞するんですが、本来、この予算は国がしっかりつけていただいて、地方自治体と予算とあわせて国民の機運を盛り上げていただく、これが理想だと思うんですが、文化プログラムに関する県の来年度の予算はどのようなものがあるでしょうか、お尋ねします。 ◎県民生活部長(福永忠克) お答えいたします。  文化プログラムの推進に向けましては、東京オリンピック・パラリンピック文化プログラム推進事業に1,118万4,000円を見込ませていただいておるところでございます。本事業では、先ほど申しました文化プログラムの推進会議の開催、また、beyond2020プログラム等の周知を行いますほか、滋賀県の未来の文化を担う子供、若者による次世代芸術フェスティバルの開催、また、外国人旅行者等を対象といたしました、英語で滋賀の文化情報を発信する情報誌の発行を行いたいと考えているところでございます。  また、暮らしの中にある美の資源を活用した地域を元気にする取り組みを支援する地域の元気創造・暮らしアート事業や、ホストタウンの枠組み等を通じ、外国のスポーツ選手や芸術家等と地域との交流を図ります東京オリンピック・パラリンピックスポーツ交流創出事業など、さまざまな事業も活用しながら文化プログラムを推進してまいりたいと考えております。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)いろいろお考えいただいて、これからまさに動き出そうという、そんな思いを持たせていただきました。  国に対しては、文化プログラムのプロジェクトにしっかり予算をつけてほしいという要望を続けていただきたいと思いますし、また、滋賀版beyond2024のいろんな取り組みが滋賀県から起こってくると、滋賀のレガシーが伝わっていくのではないかなと思ったりもします。  視点を変えます。  文化庁の京都市内への移転が決まっていることを滋賀県のチャンスとして捉えたいと思うんですが、文化庁の地域文化創生本部との連携について、以下、県民生活部長に伺います。  京都にことしから設置されました文化庁の地域文化創生本部とどのように連携しているのでしょうか。 ◎県民生活部長(福永忠克) お答えいたします。  文化庁の京都への移転に先行いたしまして、昨年4月に設置されました地域文化創生本部は、文化と観光まちづくりなどの分野を連携させた政策の推進などを担当しておられまして、これまでの文化行政の枠組みにとらわれず、新たな政策ニーズに対応した事務事業を実施する組織であると承知をいたしております。  新たな文化政策の動向をいち早くつかみ、本県の文化振興施策にも生かしていくことは重要であると考えておりまして、本県からも職員を1名派遣しますとともに、直接、打ち合わせを行う場を持つなど、適宜、情報交換を行っております。
     また、県内で行われます文化イベントなどへの参加や、先ほど御説明をいたしました文化プログラム推進のための会議への参画をいただくなど、滋賀の特色ある文化への理解を深めていただく場も設けておりまして、引き続き、密接に連携していきたいと考えているところでございます。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)文化庁は、移転を契機に、総合的な文化政策を推進して、新たな政策として地域資源の再評価を重視しようとしていると聞いております。  早速、同志社大学では、連携事業として平成30年度から文化プログラム講座を開設されるようでありまして、その内容は、茶道とか、あるいは西陣織とか観光など、京都ならではの地域資源を生かしたものであります。  滋賀には琵琶湖を中心とした自然と共生する生活文化があると思うんですが、この視点での文化政策について所見を伺います。 ◎県民生活部長(福永忠克) お答えいたします。  本県には、長い歴史を背景とした自然と共生する文化や、里山、棚田等の生活文化、また、祭りや食文化など、地域の中に多様で特色ある文化的資源が豊富にございます。  県におきましては、これまでから「美の滋賀」づくりの中で、例えば滋賀の行事等がおさめられた記録映像の募集、上映を通じまして、人と地域をつなぐ取り組みや、地域のクラフト・工芸の工房を開放し、体験していただくイベントなど、暮らしの中にある文化を発掘、発信する取り組みを支援してきたところでございます。  文化庁の地方文化創生本部におきましては、暮らしの文化・アートグループを設け、生活文化に関する調査研究を進められると聞いておるところでございます。本県といたしましても、こうした国の動向を踏まえまして、これまでの取り組みの蓄積を生かしながら、滋賀ならではの生活文化の魅力を再発見し、地域づくりに生かしていく取り組みを広げていきますとともに、広域的なネットワークの構築などによりまして発信力を強化し、文化活動の一層の活発化と地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)ありがとうございます。  滋賀県はまさにこの里山、里湖を初めとする地域文化の宝庫。湖国を訪問される観光客がふえてくると予想します。地域の多くの行事あるいは文化財に光を当て直して、地域の宝として多くの人に紹介していただいて、次世代につなげていただきたいと願うものであります。  そこで、地域文化財の活用について、以下、教育長にお伺いします。  文化庁は文化財の活用を打ち出していますが、県の文化財活用についてはどのように考えておられるのでしょうか。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  文化庁では、平成28年に文化財を貴重な地域観光資源として活用するためのアクションプログラムを策定されますとともに、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした文化プログラムの推進を図る中でその活用を図ることとされております。  本県におきましては、これまで文化財の指定や日本遺産への登録など、その価値や魅力を磨きつつ、観光部局とも連携をしながらさまざまな取り組みを展開し、観光振興や地域振興にも寄与してきたところでございます。  今後も引き続き、国の施策にも呼応しながら、文化財の保護はもとより、その価値や魅力を積極的に発信し、地域の誇りの醸成や活性化につなげてまいりたいと考えております。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)滋賀県内の文化財あるいは文化財的なものに光が当て直されるというのは大変歓迎するところであります。私は、中でも連綿と続きます祭りに注目しておりまして、祭りは地域の精神性が色濃く表出される文化的価値の高いものだと思っております。まさに活用の好事例ではないかなと思います。  中でもみこし、あるいは山車が繰り出される祭り、これは人々の心を1つにして地域を元気にする行事であります。地域づくりに資する文化資本とも言えると思っております。  祭りに関する県内の文化財指定、例えば国重要無形民俗文化財、あるいはユネスコ──国連教育科学文化機関の無形文化遺産登録、こういった滋賀県内の状況はいかがなものでしょうか。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  現在、国が指定をいたしました重要無形民俗文化財は県内に4件あり、指定されました順に申し上げますと、長浜曳山祭の曳山行事、近江中山の芋競べ祭、三上のずいき祭、そして、大津祭の曳山行事であります。また、ユネスコの無形文化遺産といたしましては、山・鉾・屋台行事であります長浜曳山祭の曳山行事1件が登録をされております。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)なかなかハードルの高い文化財登録とお聞きするんですが、私が住んでいます日野町、850年以上の歴史を持ちます日野祭がございます。日野曳山祭の名で県の無形民俗文化財に指定されています湖東地方最大の祭りであるんですけども、知事も何度かお見えいただいています。  16基の曳山がありまして、その華麗な装飾品の数々は日野の町衆の繁栄ぶりと文化水準の高さを伝えてきているものであります。馬見岡綿向神社とお旅どころの間をみこしを中心とした行事が渡り歩く古風な祭りであるんですけども、歴史の重みを感じさせるものであります。  この日野祭は大きく分けて3つのポイントがあります。1つは山車の彫刻のすばらしさ、2つ目は、実はこの祭ばやし、京都の都文化を参考にしたと言われております。大変にぎやかなものであります。そして、最も注目していますのは祭りの物語性であります。日野祭は、綿向神社に山車が集まるときが一番のクライマックスなんですが、実は早朝の6時過ぎに2キロほど離れたところに五社神社というところがあります。そこから稚児が歩いて綿向神社まで参ります。この稚児が到着しないと祭りが始まりません。そういった意味で、この物語性のある日野祭、長浜祭、大津祭に続いて国の重要無形文化財あるいはユネスコの無形文化遺産登録をしてほしいという地元の方の熱い願いがあるんですが、登録への手続の課題はどういったものがございますでしょうか。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  国の重要無形民俗文化財に指定されるに当たりましては、文化庁指導のもと、学術調査を実施をし、その由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なものであるなど、全国的な価値を明らかにする必要がございます。  日野曳山祭につきましては、現在、県にとって重要なものとして県指定となっておりますが、国の重要無形民俗文化財として指定されるためには、さらに調査を進め、全国的な価値を明らかにするとともに、地域を挙げて、保存活動に向けた計画を立てていただく必要があります。  また、ユネスコ無形文化遺産の登録につきましては、国の重要無形民俗文化財に指定されることが前提条件となりますことから、まずは国指定の課題を解決することが必要と考えております。  県といたしましては、今後とも地域が主体となった保存活動の動きを大事にしながら、課題の解決に向けて支援をしてまいりたいと考えております。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)住民が参画できる地域文化として祭りを取り上げさせていただきましたけれども、文化プログラムには県内の多くの行事や暮らし文化などを挙げていただければと思っております。  学校では地域学習の時間がありまして、学校での文化体験プログラムが地域文化を次の世代に引き継いでいくと、そのために、ふるさとを愛して心を豊かにする学びをつくっていると言われています。単に体験を羅列するだけではなくて、このような深い学びにつながっていくということが大事かと思います。  そこで、学校教育におけます文化体験プログラムについて、以下、教育長にお伺いします。  創造的な文化市民力を育む。このためには、学校におけます文化体験学習プログラムが重要だと思っております。学校教育において、児童生徒に対して地域文化の理解をどのように進めておられるのでしょうか、お伺いします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  地域文化への理解を進める学習につきましては、各学校においてそれぞれの地域の資源を活用した特色ある学習を行っております。  例えば小学校では、3年生および4年生の社会科で、地域の伝統や文化などについての学習を通して地域社会に対する誇りと愛情を育てるようにしております。中学校では、総合的な学習の時間に地域活性化のために取り組んでいる人から話を聞くなどして、地域の特色について学び、自分たちの地域をよくしていこうとする態度を育てるようにしております。また、高等学校では、美術の授業において、地元の陶芸家を招いて器を作成するなど、実践的な取り組みが展開されている例もあり、生徒たちが地域文化を学ぶ機会となっておりますし、特別支援学校では、高等部の作業学習で地元の伝統的な産業に携わっておられる方から専門的な技術を学んで、豊かな勤労観や職業観を育んでいるところでございます。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)学校でよりよい学びをつくっていくには、よい教材とよい指導者に恵まれることが大事だと言われております。中でも地域学習を進めるのは、指導者が地域の理解力と地域教材を開発する力、それから、プログラム化する力が不可欠だと言われているんですが、県職員の研修では、地域を知り、地域に学ぶ、いわゆる地元学習研修が毎年行われています。教員の指導力の向上に資する研修には、この地域理解、あるいは文化体験プログラムがどのように位置づけられているのか、お伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  学校におけるさまざまな活動を通して子供たちの学びを深めるためには、教員の、地域を理解し連携する力や指導に生かす感性が大切でありますことから、初任者研修の研修項目に地域の産業や文化施設の見学を位置づけ、地域理解や文化体験学習にかかわる指導力向上を図っております。  教員自身が実際に体験活動をすることを通して地域への知見を広げ、地域文化の理解を深める教育活動に生かせるようにしております。  また、県内全ての公立学校において、校務分掌に地域と学校の連携を担う教員を位置づけ、地域資源の活用やコーディネート能力の向上を図るための研修も実施をしているところでございます。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)新しい教育に向けて国の教育方針も変わってまいりました。まさに創造的な教育をするには教員のこういった地域を理解する力、また、それをプログラム化する力、そういったものが求められると思います。  国体はスポーツの祭典でありますけれども、何せ巨額を投じるだけに、あらゆる分野に波及効果が及び、地域活性化につながることが理想だと思います。特に滋賀の文化を知ってもらうことで多くの方が滋賀に足を運んでいただける、そういうことを願うものであります。  そこで、最後に知事にお伺いします。  滋賀の文化政策の構想について、特に国では東京オリンピック・パラリンピックに向けてさまざまな事業が進められていますけれども、滋賀県でも国体に向けてスポーツと文化の10年ということで準備が進んでおりますけれども、この中で、滋賀の文化政策をどう構想されているのか、知事にお尋ねをします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)文化は人々の感性や想像力を育み、人々に元気を与え、地域社会を活性化させ、魅力ある社会づくりを推進する力を持っていると思います。  今後、本県でも大きなスポーツイベントが開催されます。多くの方々の御来訪が見込まれる中、スポーツだけではなく、文化を通じて本県の魅力を発信し、交流を促進することは重要であると考えます。  基本構想で掲げます「文化とスポーツの力」を活かした元気な滋賀の創造の実現に向け、平成27年に策定いたしました新しい滋賀の魅力をつくる文化・スポーツ戦略においては、国民体育大会、全国障害者スポーツ大会が開催される平成36年──2024年の滋賀の姿といたしまして、1つは、全ての県民が日常的に文化やスポーツの、する、見る、支えるに参画すること、2つ目に、新しい滋賀の魅力となる文化やスポーツの場が定着していること、3つ目に、滋賀の文化やスポーツを楽しむ国内外からの来訪者がふえて地域が活性化すること、こういった3つを掲げており、この実現に向けて各種施策を展開しているところでございます。  この中で、滋賀が誇る歴史文化遺産の保存活用や、美の滋賀づくりの推進、琵琶湖博物館のリニューアルなどを進めるとともに、文化、スポーツ、観光まちづくり、福祉、教育、環境などの多様な関係者が一体となって、滋賀の多様で特色ある文化の価値を再認識し、魅力向上、継承、発展、創造を展開していけるよう、文化政策を推進していきたいと考えているところでございます。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)ありがとうございます。  ぜひ、日本橋の「ここ滋賀」でも展示テーマの中に、例えばこの近江の祭り、こういったものを取り上げていただいて紹介していただければと思っています。  さらに、実は創造都市ネットワーク日本にこの滋賀県が加入しております。これを生かしてほしいと願っております。また、2014年から始まっております東アジア文化都市というのがあります。これはまだ滋賀県は登録がないんですが、これは、中国、韓国を初めとする東アジア諸国との文化交流、文化都市、創造都市との施策展開の実績および今後の計画、実施される事業の内容等を考慮して選定するという、こういった内容であります。  近畿では、2016年に奈良市、2017年に京都市が選定されていますけれども、滋賀県も歴史文化や芸術、地域文化等のポテンシャルが高い県でありますので、ぜひ県が音頭を取っていただいて、東アジア文化都市に選定されるように進めてはどうかなと考えます。  これによりまして県内文化財の紹介ができて、インバウンドの誘客、あるいは経済的波及効果は大きいと考えますので、今後のこととして、これらを生かして文化観光立県・滋賀を展望していただきたいと要望させていただきます。  それでは、2つ目、SDGsの活用について、分割で質問をさせていただきます。  つい最近まで紙面をにぎわしていた言葉、ESDがあります。持続可能な開発のための教育。去年の後半に日本ESD学会ができたくらいであるんですが、今、注目されていますのはSDGs──持続可能な開発目標であります。  知事は、全国自治体に先駆けて、行政としての施策にSDGsを取り入れるとの考えを示されて、国への要望でも項目ごとにSDGsの視点を明記されたことに滋賀県としての心意気を感じるものであります。  そして、これを具体化するものとして、県はこれまで、来年度に向けた施策構築や、あるいは予算編成方針にSDGsの活用を盛り込んで、予算編成作業を進めてこられました。  そこで、来年度施策におけるSDGsの活用について、4点について質問をいたします。  1点目、初めに、来年度はSDGsを活用してどのような取り組みを進めていこうとされているのか、県民の具体的なイメージと、県民にはどのようなことを期待されているのか、知事にお伺いします。  2点目に、次年度に県大をSDGsの拠点大学にするとのことでありますが、今ある事業や活動をSDGsの視点で焼き直すだけでは見えにくいと思います。どのような事業に取り組むのか、事業推進の組織はどのようなものか、総務部長に伺います。  3点目です。次年度に次世代を担う学生へのSDGs支援が挙げられております。事業の到達点は何か、総務部長にお伺いします。  学生が提案して、賞に選ばれました村の子プロジェクトがあります。少子高齢化に悩む土山を想定した内容で、学生が短期留学して後輩に移住をつなぐ、なかなかのアイデアだと思います。県民提案型、次世代提案型のよいモデルとして私も注目しています。  このように、SDGsに取り組むには若者を初めとする県民の多様な主体とともに取り組むことが重要と考えますが、来年度以降はどのように推進していこうとされるのか、知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) SDGsの活用ということで、私には2点御質問いただきました。  まず1点目、来年度の取り組みと県民への期待ということについてでございますが、現在、県の将来ビジョンとなります次期基本構想の検討に際しましてSDGsの視点を活用しているところでございます。また、来年度に向けた施策構築に当たりましても、SDGsの視点で県の施策を見詰め直し、新たな施策の展開や事業創出など、さらなる磨き上げを目指してきたところです。  来年度予算案におきましては、具体的には環境こだわり農業におけるオーガニック農業や、琵琶湖を守る保全再生から生かす取り組みへの好循環の推進、障害のある人もない人と同様に芸術に親しむことができる環境づくりなどに取り組むこととしているところです。  社会、経済、環境が調和する持続可能な滋賀の実現を目指し、施策のブラッシュアップや新たな創造を行うことで、本県の課題に対応しつつ、強みを生かした施策展開を図ってまいりたいと存じます。  また、県民の皆さんへの期待といたしましては、広くSDGsを知り、その趣旨を御理解いただき、身近な実践に生かしていただくこと、また、既に地域活動に取り組んでおられる方には、SDGsを活用して世界を視野に入れることで、みずからの取り組みを再評価し、新たな展開につなげていただきたいと考えているところです。  2点目、来年度以降の推進ということについてでございますが、県内では立命館大学が昨年10月に学生主体のSDGs体験型イベントでございますサステーナブルウイークを開催されたほか、民間企業におきましても、SDGsを企業行動につなげ、持続可能な社会の実現に努めていくという宣言をされるなど、既に大学や経済界、NPOなどでSDGsに関連した取り組みがさまざまに始まっていると認識しています。  来年度は、これらの活動のさらなる拡大を図るため、県内大学での普及促進を初め、県民向けのワークショップ、社会的課題の解決モデルをビジネス化するための仕組みづくりなどに取り組んでまいります。  持続可能な社会の実現に向けては、県民の皆さんや企業、団体、NPO、大学などが主体的かつ継続的に地域課題を解決していくことが求められますことから、各分野の実践者がSDGsで緩やかにつながる場として、パートナーシップ構築のためのプラットホームを設置し、新たな取り組みを生む土壌づくりと、国内外のモデルとなる事業の創出につなげてまいりたいと存じます。 ◎総務部長(村上浩世) (登壇)SDGsの活用について、私にいただきました2点の御質問のうち1点目のSDGs拠点大学化に向けた県立大学の事業等についてお答えいたします。  県では、来年度から始まる県立大学の第3期中期目標として、SDGsなども見据え、世界に通じる地域発のイノベーションを試行することを基本姿勢に、教育研究や地域貢献等に取り組むよう県立大学に示したところです。  これを受けて、県立大学では教育研究にSDGsの視点を新たに取り入れて、地域に貢献できる人材の育成や輩出に取り組むこととされております。  具体的には、地域教育研究を行う地域共生センターという組織が中心となって、1つに、SDGsの視点を取り入れた地域教育プログラムの構築、2つに、学生の地域活動である近江楽座で行うSDGsの達成に向けた活動への支援、3つに、SDGsと持続可能型共生社会をテーマに、県内外の学生が交流できる全国大会の開催に取り組むことなどが予定されております。  県としましては、県立大学がSDGs拠点大学として地方創生の実現に向けた課題解決の原動力となるよう、これらの事業を支援するSDGs大学拠点化事業を新年度予算に盛り込むとともに、庁内各部局の関係する取り組みとも連携を図りながら支援を行ってまいります。  2点目の県内大学の学生に対するSDGs支援事業の到達点についてお答えいたします。  SDGsの達成を意識した活動や取り組みを進めるには、行政や企業、NPOといったさまざまな主体とのパートナーシップが不可欠であり、将来、これら主体の中核を担うこととなる現在の若者、学生の役割が重要になると考えております。しかし、SDGsに対する学生の認知度は、今年度実施した県内大学生意識調査によりますと、回答者全体の15%程度と低い状況にあることから、県では県内学生のキャンパス内でのSDGsの認知度向上やSDGs達成につながる主体的な活動を支援する県内大学SDGs普及促進支援事業を新年度予算に盛り込んだところです。  県としては、これらの取り組みにより学生のSDGsに対する理解や経験が深まることで、社会に出た学生が、それらの達成を意識した活動や取り組みを地域あるいは企業等で実践されることを期待したいと存じます。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)私もバッジをつけさせてもらっているんですが、きれいなバッジやな。ところで、という話が多いんですけども、県の広報誌「滋賀プラスワン」に紹介されてから、確かに認知度が高まったと思います。市民レベルで議論ができるようになったということは大変すばらしいことであります。  ESDが県内ではさほど盛り上がらなかったのに対して、SDGsは知事が率先して取り組む姿勢を示されたことで、誰一人取り残さないという滋賀の精神を未来につなげることができるという点で期待をさせていただいています。  主に3つの理由があります。1つは、SDGsの理念が若者や次世代育成へと広がることで、未来に向かって持続社会へつながっていくことへの期待。もう1つは、国連の理念が県行政に反映される。そういったことから、世界の願いが滋賀県でも実現されるという思いが持てたということです。最後、3点目なんですが、県民のアイデアが行政施策に取り上げられて実現されるということは住民参画型の県政につながっていく。これが新しい公共としての県政に道を開いているのではないか、そう思います。このような事例をふやしていただいて、市民のアイデアをより多く取り入れて施策に位置づけた新しい豊かさを形にしていただきたいと願っております。  次の質問に参ります。  最後の質問。ICTとデータを生かした県政について、分割で質問いたします。  知事は、さきの代表質問の答弁の中で、基本構想の新しい豊かさを実現するために、平成30年度において、人、自然の健康に加えて、ICTやデータの活用によりイノベーションを創出する社会の健康を柱に据えて予算編成すると述べられました。  これらのことを踏まえて県が策定しようとする滋賀県ICT推進戦略について、以下、質問をいたします。  1点目です。滋賀県ICT推進戦略で、何を目指して、どの分野に重点的に取り組まれるのか、県民生活部長に伺います。  活力ある地域の社会の実現には研究成果が蓄積されています大学あるいは研究機関との連携が不可欠であります。政府は、昨年6月にまち・ひと・しごと創生基本方針2017を閣議決定いたしまして、その中で地方の特色ある創生のための地方大学の振興を位置づけています。これに関して次のように述べられています。  「首長の強力なリーダーシップのもと、地域の産業ビジョンや地域における大学の役割、位置づけを明確化し、組織レベルでの持続可能な産官学連携体制の構築を推進する。その上で、地方大学が産官学の連携のもと、地域の中核的な産業の振興とその専門的人材育成等の振興計画にあって地方版総合戦略に位置づけられたものを策定する場合、モデルとなる先進的な取り組みについては、有識者の評価を得て、当該取り組みに対して重点的に支援する」と。  もう1つ言われています。「地方大学間の域内連携のみならず、地方大学と東京圏の大学や研究開発法人との連携を積極的に進める」とあります。それには、首長のリーダーシップのもとに社会資本としての大学、研究機関、企業のノウハウを生かして将来を見通した情報分析等の利活用が重要であると思います。  そこで、滋賀県ICT推進戦略の理念を実現するために産学官の連携が必要と考えますが、県の役割をどのように認識されているのか、県民生活部長に伺います。  ICTが産業や暮らしの隅々まで行き渡って新しいイノベーションを生み出すと期待されているんですが、一方で、ICTによる情報革命によって新しいスキルを求められ、学び直しに迫られております。私は、この近未来を描く姿の延長に、既に世界あるいは日本の中で動き始めています企業を中心とした自前ロケット、通称、5億円ロケットといわれるそうなんですが、これによる宇宙産業への進出があると見ております。これが実現しますと、農業ですと肥料や水の管理、トラクターやコンバインの無人作業化が常時できると言われておりますし、環境ですと、琵琶湖の水質やプランクトンの分布状況が把握できて、森林も山の状況や森林資源の状況把握が容易になると言われております。また、自動運転交通の適切な交通規制など、さまざまな動態などの情報収集とコントロールが可能になることから、近未来というのは、まさに情報によるイノベーションにより社会構造が大きく変わるものと予想されますことから、先を見通した政策を期待するものであります。  そこで、最後に、滋賀県ICT推進戦略をどのように実施していくのか、県民生活部長にお伺いします。 ◎県民生活部長(福永忠克) ICTとデータを生かした県政についての3点の御質問にお答えをいたします。  1点目の滋賀県ICT推進戦略の目指すところ、そして重点分野でございますが、ICT推進戦略は、本県のさまざまな課題を限られた資源で有効かつ効果的に解決するために、ICTおよびデータを活用する指針として、現在、策定作業を進めているところでございます。  この戦略は、県民、企業、大学、各種団体、行政等の多様な主体がICTおよびデータの利活用について方向性を共有し、連携を深めていくためのビジョンとしたいと考えているところでございます。  戦略の基本的な考え方としましては、1つに、全ての県民にICTとデータの利活用を広げていく、2つ目として、ICTとデータを活用し、限りある資源を共有、シェアする、3つ目といたしまして、多様な主体、異分野の連携によりましてICTとデータで新たな価値を創造するといった3つの方針を掲げまして、地域や行政におけます課題の解決やイノベーションの創出を目指していくところでございます。  この方針に基づきまして重点的に取り組んでいく分野といたしましては、1つに、地域、産業を再創造する、2つ目、安全、安心な生活を守る、3つ目、働き方、行政サービスを革新する、4つ目、滋賀発の人材を育成する、5つ目、ICT基盤を確立する、この5つの重点分野を設定しているところでございます。  具体的に申し上げますと、ものづくりの分野でのIoTの推進、農作業や家畜の飼育管理におけますスマート農業の推進、健康寿命延伸のためのデータ活用、医療分野の情報化、AI等を活用した働き方改革の実現など、人手不足の解消、また、新たな価値の創造に資する取り組みをそれぞれの主体と連携しながら進めていきたいと考えております。
     次に、2点目の産学官の連携におけます県の役割についてでございますが、ICT分野は技術革新のスピードが大変早いことから、議員御指摘のとおり、産学官で知識を共有し、連携することが非常に重要と認識をいたしております。  このため、本県には従来より、情報化を進めるための産学官連携の組織といたしまして滋賀県地域情報化推進会議がございまして、現在、企業が32団体、大学が4団体、そして19市町など、合計で69団体に加盟をいただいております。県はこの会議の事務局といたしまして、産学官の間で最新情報の交換が行われ、新たな連携が進むように効率的な運営に努めますとともに、大学や企業のさらなる参画を促すことにより、会員の拡大を図るなどの役割、こうした役割を果たしてまいりたいと考えております。  3点目の戦略をどのように実施していくかについてでございます。  戦略に基づき、県が取り組む施策につきましては、現在、策定しております滋賀県ICT推進戦略実施計画の中で具体的な事業内容等を明らかにしていきたいと考えております。  また、実施体制といたしましては、滋賀県情報化推進庁内連絡会議におきまして、各部局が行いますICTやデータの利活用施策を共有することで各部局間の連携を促しますとともに、効果的な事例の横展開を図りながら進行管理を行うことで、さらに効率的な事業推進を進めてまいりたいと考えております。  一方、さまざまな主体との連携におきましては、先ほど申し上げました滋賀県地域情報化推進会議をこの戦略を推進するプラットホームとして位置づけまして、県内企業や市町等にベンチャー企業等の新しい技術やサービスを紹介し、それらの団体をマッチングする機会でございますICTプレゼンテーション会の実施、また、滋賀県ICT大賞を開催をいたしまして、新たなICTとデータを活用するアイデアの創出を促すことなどを通じまして、ICTやデータの利活用が県内のさまざまな主体へ浸透するように図ってまいりたいと考えております。  このように、ICTの進歩に的確に対応しつつ、本県におけますICTとデータの利活用を推進することによりまして、県民の皆様方のクオリティー・オブ・ライフの向上、また、経済活動におけます付加価値の増加、そして、安全、安心な地域づくりなどを着実に進めることにより、本県を活力あふれた魅力ある地域としていきたいと考えておるところでございます。 ◆18番(井阪尚司議員) (登壇)ありがとうございました。着々と進めていただいている力強さを感じさせていただきました。  さまざまな推進組織やチャンスを生かして、滋賀県あるいは関西広域連合、例えば5億円ロケットなんかは関西広域連合でいいと思うんですが、24時間体制でデータがとれる。それを滋賀大のデータサイエンスで分析すると。これはすばらしいことだと思うんですが、時代をリードしていただきますことをお願いして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手) ○副議長(川島隆二) 以上で、18番井阪尚司議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後3時26分 休憩    ────────────────   午後3時49分 開議 ○副議長(川島隆二) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間を延長いたします。  最後に、11番藤井三恵子議員の発言を許します。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇、拍手)本日最後の質問者となります。通告に従いまして、大きく3点について質問をさせていただきます。  第1点目、保育体制の充実についてお願いをいたします。  先日も、母子家庭となってやむなく実家先に身を寄せ、就職活動をしたいと思っていたけれども、認可保育所を希望し申請したが、30代のお母さんが、入れなかったと相談をされました。その背景には、県内の保育待機児童数が過去最高となり、昨年、平成29年10月1日時点で、厚生労働省の定義のもと、県内の待機児童数が1,048名、前年比47名増となっています。育休中などの理由で、隠れ待機児童数として548名、前年比114名増となっております。合わせると、平成28年より161人増の1,596名で、2002年の統計からすると、15年間で5倍ほどふえております。滋賀県の資料におきますと、平成29年4月1日時点は待機児童数が356名となっています。  保育所の待機児童の増加は社会問題となって20年になろうとしています。政府は、待機児童ゼロ作戦、子ども・子育て応援プランなどと掲げてきましたが、待機児童の解消どころか、ますます深刻さは増しています。  保育所の待機児童を生み出してきたのは、民営化などの規制緩和、保育条件の基準緩和による詰め込みなど、歴代政権が保育への公的責任を投げ捨ててきたことが大きな問題となっています。  安倍自公政権が待機児童解消として進めてきたことは、多くの父母の願いである認可保育所の増設ではなく、認可保育所よりも基準の低い、企業主導型の無認可の保育、または小規模保育を中心とした保育者の資格の基準緩和などがあります。また、保育所で働く保育士の労働条件が余りにも負担が重いことも問題です。低過ぎる保育士の配置基準の引き上げは、子供の健全な発達、行き届いた保育を保障するためにも必要であり、保育士の過重負担、長時間労働の是正改善など、環境整備も待ったなしの課題です。  政府は2018年度予算案で、32万人分の保育の受け皿を整備する子育て安心プランを2年前倒しし、208億円、当初予算に888億円などを計上して、企業主導型保育事業2万人を含め、11万5,000人分を整備するとしています。これでも約60万人分が不足をしてしまうということが明らかになり、抜本的な予算拡充が求められております。この点でも安倍政権の待機児童解消対策の破綻は明らかであり、先日の新聞報道の保育所児童待機者が県内でもふえており、さらに、数に入らない隠れ待機児童数も増加していることが大きく問われております。これは、2015年からの子ども・子育て新制度を機に厚労省が待機児童の定義を示したことから、認可保育所の入所ができず、無認可保育所など他の施設に入ったり、育休を延長した場合、実際に保育所に入れない待機児童の広域での受け入れを可能にして、市区町村の枠を越えて認可保育所入所を推進するため、都道府県が待機児童対策協議会(仮称)を設置し検討する国の改正案の動きなどにもつながっていると報道もされています。  そこで、県は待機児童に対してどのように実態把握、また、分析をされているのか、知事に答弁を求めます。 ○副議長(川島隆二) 11番藤井三恵子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  待機児童数につきましては、毎年4月1日と10月1日に行われております国の保育所等利用待機児童数調査に基づき、把握をしております。  本調査の平成27年度から平成29年度の3年間におきまして、4月は350人前後、10月は1,000人前後で、同様の状況で推移しており、10月は4月に比べ、約3倍に増加し、また、各時点とも約9割がゼロ歳児から2歳児という、そういう状況でございました。  こうした点から、今後は特に年度途中に生じる保育需要への対応や低年齢児の受け皿の一層の拡充が必要だと考えているところでございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)今、知事が示されました。本当に年度当初は、それでも多いんですけれども、途中で、やっぱりいろいろ探したけども見当たらない、また、働きたいけども入れないという方が急増するという流れがずっとつくられてきたというふうに思いますし、特にゼロ、1、2歳の低年齢児のお子さんを抱えて、本当に右往左往している保護者の方がおいでになるということが、どこでも、私どもにも相談も寄せられています。  平成28年から29年にかけて、この待機の数が1,274人ふえているということで本当に、年々、このニーズが高まっているということがこの滋賀県においても明らかになっているのではないでしょうか。  2番目の質問なんですけれども、保育士が欲しいんだけれども、保育所に入ってもらえなくて、入所が困難になっているという事例も中にあるということから、2点目、保育士の処遇や人材確保の問題で保育所の運営が困難ということを聞いておりますけれども、県下の影響についてどうなのか、教えていただきたいと思います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  本県が設置いたしております保育士・保育所支援センターにおきましては、潜在保育士の就職あっせんを行っており、センターを設置いたしました平成25年度から平成28年度までの4年間で198人が保育所に就労されたところです。  また、保育士就学資金の貸し付けによりまして、平成25年度から平成28年度までの4年間で603人に貸し付けを行い、このうち養成校の卒業生393人の約8割に当たります295人が県内の保育所へ就労されました。  さらに、昨年度から開始いたしました潜在保育士の確保に向けた就職準備金や保育料に対する貸し付けによりまして、これまでに97人の保育人材を確保することができたところでございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)4年間で603人ということで、本当になかなか急に出産で育休に入られる保育士さんもいたりとか、また、やめられたりということで、人材を確保するために職員さんも本当に大変だというお話も聞いております。そういった点でも、いろいろ仕組みをつくってサポートもしていただくということが大事だというふうに思いますし、何よりも処遇の点では、一般の、普通のお仕事をされている人件費と比べると、保育に携わられる保育士さんの処遇は10万円ぐらい低いというふうなことを聞いております。そんな点でも改善が求められているというふうに思います。  3点目は、平成30年度入所受け入れ見込み状況から待機児童解消のための整備が図られているんですけれども、市町とどのように協議を進めて計画実践をされているのか、知事に答弁をお願いします。 ◎知事(三日月大造) 県では、市町と例年9月から施設整備のための国庫補助に関する協議を行っておりまして、来年度は8つの市において20カ所の整備が計画され、これにより1,343名の定員が確保できる見込みとなっております。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)先ほど言いました1,274人ふえているということですから、そういうような整備がされましたら何とか解消ということになるんですけれども、さらにニーズは高まってということで、後追いになっているような状況だというふうに思います。潜在的に県内には6,000人ぐらい、保育所に入りたくても入れないということで統計も出ているようですので、随時、整備も促進をいただきたいというふうに思います。  4点目の質問です。待機児童ゼロを進めるために保育所整備を促進する必要があると。地域では幼稚園を改修して認定こども園化や、また、民間主導のこども園を推し進める傾向が見られます。大規模施設での子供の保育というのに課題はないのか、とりわけ子供たちの育ちに影響が出ていないか、大変心配です。このような状況の中で、保育の質の確保に向けてどのように県は取り組んでおられるのか、知事に答弁をお願いします。 ◎知事(三日月大造) 県では、保育の質を確保するため、8名の教育・保育指導員による年間延べ約500回の保育所訪問によりまして、保育士へのきめ細やかな指導、助言を行うとともに、県保育協議会等、保育団体が行う各種研修に対する支援を行ってきたところです。  また、近年、保育所に求められる役割が多様化してきております中、来年度から乳児保育や障害児保育、食育、アレルギー対応、保護者支援等の各分野でリーダー的な役割を担う職員を育成するための研修を実施したいと考えておりまして、保育の質の一層の充実に努めてまいりたいと存じます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)今、知事がお話しされましたように、多岐にわたってニーズも幅広い状況になっています。保育士さんも、ただ子供を見るというだけではなくて、その子の育ち、また、いろんな環境の変化による影響なども踏まえて対応していかなくてはいけないというふうに思います。  今回の保育所待機児童の実態、大変深刻だと思いますけれども、保育体制のあり方について、本当に毎年毎年、地域でもそういうお話があるというふうに思うんですけれども、年々、保育所の整備がされておっても追いついていないという実態があるというふうに思います。  今、淡海子ども・若者プラン、子ども・子育て環境日本一を目指してということで滋賀県は取り組んでおられますけれども、目標数値が示されておりますけれども、まだまだ到達していかないというか、現状が個々の問題についてあると思うんです。平成31年度までの年次計画をしっかりと位置づけて、その取り組み実践をさらに推進していただかなければ、子供を産み育てるという環境に本当に追いついていないというのが現状だと思います。  合計特殊出生率、県の示しておられるのは1.54ということですけれども、そういった背景が、やっぱり産むことができないという状況にもつながっていくというふうに思いますので、しっかりとその点を踏まえてさらに推進をしていただくことを求めて、この質問は終わらせていただきます。  次に、第2点目の障害者福祉施設整備のあり方についてお伺いをいたします。  滋賀県は、来年度、民間心身障害児者施設の整備予算として3カ所を挙げて提案をされています。そのうち近江八幡市の元気園跡地、(仮称)住倉安土元気園の整備計画について、先月、1月18日の民放テレビで報道がありましたけれども、その後、地域の関係団体から、今回のこの事業決定に当たって、市の公募決定先が一部の事業所に1年前から決まっていたものではないかと疑惑が出されております。県とのかかわり、これまでの経過について幾つか質問をさせていただきます。  まず、この計画地、旧元気園跡地であり、近江八幡市の市有地、9,546.04平方メートルの場所に障害児者の福祉施設を建設するという計画であります。この計画の事業選定に当たり、平成29年7月21日、事業主体となる法人を募集をされたということから始まっております。そして、募集をかけた結果、1法人からの応募しかなく、この事業所に決定したということなんですが、この間、この地域の自立支援協議会に十分な説明も打診もないまま整備計画が促進されたことについて、整備を進めることに対して問題ありと、昨年、平成29年10月18日に地域の団体から近江八幡市長宛てに要望書が提出をされています。また、地域の日中事業所連絡会が、福祉施設の整備について、東近江市とも圏域での検討があったと聞いております。  そこで、この近江八幡市の施設整備計画は、具体的なことは後ほど指摘をさせていただきますが、そもそも計画から公募に至るまでの手続に問題があると考えます。県はどのように認識し、補助対象とされたのか、知事に答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  県は、施設を整備し、運営する社会福祉法人等から協議書の提出があったものについて、指定基準に照らし、整備内容や計画の実効性等についての審査を行うものでございます。このため、今回のように、事業者の選定に当たって市が公募を行うなどの協議書提出までの手続につきましては市の責任において行われるものと考えています。  補助対象とすることにつきましては、国庫補助の整備方針が示されており、その中で、グループホームでありますとか緊急時の相談対応、受け入れや生活体験の機能を備えた地域生活支援拠点などにつきましては優先的に採択するとされているところです。また、県におきましても、整備率の低い福祉圏における整備や定員の増加が見込める整備等を優先する方針を示しております。さらに、用地や自己資金が確保できているか等の事業実施の確実性等を考慮して、協議のあった案件の審査を行っております。  平成30年度の施設整備につきましては、こうした方針に加え、当事者団体等からのグループホームの整備促進等の御要望や、県の限られた財源の効果的な活用などを総合的に勘案して、整備案件3件を選定し、予算案に計上させていただいたところでございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)平成28年9月、近江八幡市から提出をされた、先ほど協議されるという話なんですけども、事前調査の調査票に事業主体として記載をされている法人について、県はこの法人を、当然、事業主体の予定者として認識をされていたと思いますが、いかがでしょうか、知事に答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) 県としては、法人からの協議書の提出をもって施設整備計画の審査を行うこととしています。事前調査につきましては、次年度に施設整備計画が県全体でどの程度あるかなどを把握するために、市町に対し調査を行っているものでございまして、あくまで予算見積もりに当たっての参考として把握させていただいているものでございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)今、参考ということでありました。  この経過にあわせて、情報公開請求によって入手した資料によれば、平成28年10月17日に、先ほどの法人理事会で近江八幡市の対応についてという議題で書かれております。約3週間後の11月10日には、なぜか近江八幡市長が法人理事長に会いに行っております。そして、平成29年2月17日の法人理事会で近江八幡市の協議報告についてが議題となっています。その後、近江八幡市は、先ほど申し上げましたように、地元地域の自立支援協議会には十分な説明も打診もせずに、平成29年7月21日に本事業の公募を行って、8月24日に決定をされています。  こうした一連の経過から、本事業の事業主体が当該法人ありきで進められてきたのではないかと疑われているところであります。あってはならないことだと思うんですが、補助対象とするに当たって、公正公平な立場から検証が必要だと考えます。よって、予算執行は、この点でもやっぱり疑惑があるというのであれば、行わずに、真相究明をすべきだと考えますが、知事の見解を求めます。 ◎知事(三日月大造) 先ほどもお答えいたしましたとおり、県の審査は事業者から協議書の提出のあったものについて審査を行うものでございまして、今回のように事業者の選定に当たりましては、市が公募を行うなどの、協議書の提出までの手続は市の責任において行われるものと考えており、県としては、この時点で当該事案を含む3件を予算案として計上させていただいておりますので、議会でお認めいただければ執行させていただきたいと考えているところでございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)経過には不備はなかったということで知事はおっしゃっているところなんですが、この3件の中で、1点目の質問と重なるんですけれども、本事業に対する県の審査の内容は不備はなかったとおっしゃっているんですけども、法人理事会の議事録などの審査はされないのか、知事に答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来、答弁の中で用いております協議書につきましては、計画書や工事見積書、資金計画などの書類の提出を受けているところでございまして、議事録の提出までは求めていないところでございます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)やっぱり税金を、今、認められればということでありますけども、予算として組んで執行していくわけでありますから、そういったところも含めて、内容も審査をするべきではないかなと思うんです。  計画されている(仮称)住倉安土元気園はグループホームと作業所の併設施設となっております。入所の皆さんの暮らしが施設内で完結をしてしまうことが心配だという声があります。  これまで滋賀県では、地域にグループホームと作業所がそれぞれ設置をされて、障害者の皆さんが地域で住民とともに生き生きと暮らせるように実践が積み上げられてまいりました。県もそうした施設整備と運営を支援されてきたというふうに聞いています。併設施設の設置はこうした努力に逆行するものであり、再検討が必要だと思うんですが、知事の見解を求めます。 ◎知事(三日月大造) 滋賀県障害者プランにおきましては、地域でともに暮らし、ともに学び、ともに働き、ともに活動することの実現を基本目標として掲げまして、住まいや働く場など、障害のある方が自分の望む生活をみずから選び、決定できることの実現を目指しております。  本件の施設整備におきましては、住まいの場であるグループホームと日中活動の場である通所事業所を同一敷地内に整備することとされておりますが、こうした整備自体は施設の指定基準において禁じられておらず、事業所が指定基準を満たしていれば、県としては指定することが求められております。  こうしたことから、県としては、施設の運営に当たりまして、敷地内で利用者の生活が完結することがないよう、また、本人の希望に沿ったサービス選択が確保できるよう、必要に応じて事業者への指導を行うとともに、支給決定を行う市町に対しても、利用者が事業所の状況を把握した上で適切なサービス選択が確保されるよう、情報提供を行うなどの対応を行ってまいりたいと存じます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)すごくね、今、すらっと言っていただいたんですけど、当初はそうであっても、経過的に30年ですかね、その土地を無償でというところなんですけれども、その間にいろんなことが変わってくるんじゃないかという御不安の部分が出されておりますし、そういった点でも、指導、援助ということを言われましたけれども、しっかりとその点はやっぱり見ていく必要があるし、大変大規模な施設だなというふうに思っているんですけども、そういった点でも今までの積み上げが逆行するんじゃないかということの指摘があるということと、市長に対しても申し入れがされていることも含めて、検討すべきではないかなというふうに思います。この点でも問題があるというふうに指摘をしたいというふうに思います。  それで、再検討はしないということでありますので、次に移ります。  質問5で、地域の生活支援拠点施設として、この地域に、これまで計画をされていました、検討もされていたということなんですけれども、この近江八幡市の施設ができたら、その後、どうなるのかという心配も出されております。この圏域になかったということでありますけれども、今後の位置づけ、整備の計画についてどのようにお考えか、知事の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) 地域生活支援拠点の整備につきましては、障害者への緊急時の相談や受け入れ対応、親亡き後への支援の充実等のために必要でありますことから、現行の障害者プランの中で各市町または各福祉圏域に少なくとも1カ所整備する目標を掲げて取り組んでおります。  今回のような多機能の拠点施設の整備は初めての取り組みでございまして、これまでの、福祉圏域ごとに相談支援事業所を中心に入所施設や通所事業所など複数の機関が連携して取り組んできた仕組みと相まって、さらに、地域支援の取り組みに厚みが増すものとして注目しているところでございます。  県では今後とも、障害者プランに基づき、施設整備などの支援を進め、障害者の生活を地域全体で支えられるよう、引き続きしっかり取り組んでまいりたいと存じます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)今お話がありました地域生活支援拠点施設というのは、各市町または各圏域に少なくとも1カ所ということで、整備が目標を持ってされてきたということであります。確認させていただきました。  今回の近江八幡市での整備で、今後、影響が出ることはないのか心配ということがありますので、地域で支えてというお話でありましたけれども、東近江市内でも検討がされていた、事前に協議をされていたということがありますので、この点を踏まえて、ぜひ、この整備についても今後認めるべきだと考えますけれども、いかがか、県の考えについて知事の答弁をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 今、議員が御質問の中でお取り上げいただいた想定された施設が、具体、どこかというのは、私、定かではございませんが、ちなみに、平成30年度の整備案件3件の中に東近江市内の地域生活支援拠点施設機能の一部を担う予定でありますグループホームも含まれているところでございますので、地域実態等をよく承りながら整備を行ってまいりたいと存じます。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)3カ所のうちの1カ所ですね、東近江市内の状況をよく知っておられる事業団体が手を挙げられれば担っていただくように整備も考えるということで確認をさせていただきました。  意見としましては、今回、この福祉施設の整備に対して、今後もニーズの高い福祉施設の整備であります。しっかりと計画的に推進をいただくということで、福祉理念を持って当たるということが本当に求められていると思います。  地域社会で、障害があるなしにかかわらず、地域での暮らしを当たり前にするということこそノーマライゼーションを掲げた国際障害者年、また、障害者プラン策定、障害者基本法の改正などに生かされる中身だと思います。  滋賀県では、びわこミレニアム・フレームワーク、2002年開催の宣言でも、アジア太平洋障害者年にも大きな役割を果たしたという、本当に先進県だということで経緯があります。自分らしく地域で暮らすには、障害者のサービスの拡充、また、住まいの確保、医療、所得保障、雇用や社会参加、教育、権利擁護、バリアフリー、防災など生活全般の支援施策、そして、地域市民、また、家族の理解と支えが大切であるというふうに思います。  地域で生活できる体制、支援をどこが担うのか。今後もさらに福祉の地域生活支援拠点施設の意義や働きは、大変具体化が求められております。また、障害福祉施設整備やサービスにおいても目標からまだまだおくれた状況があります。これを踏まえて計画を推進していただくことが大変重要だというふうに思います。そして、今回、質問をさせていただきましたが、この疑惑というか、報道がありました状況で、本当に滋賀県がよいことで有名になればいいんですけれども、いろんなことで問題が大きく広がっていくという状況を、県がかかわっているという問題も含めて、解明もしていただき、今後の運営についても影響が出てくるというふうに思いますので、しっかりと施設整備や福祉事業を展開されることを強く求めて、この項の質問を終わらせていただきたいというふうに思います。  それでは、3点目の質問に入ります。  選挙管理委員会の運営について、選挙管理委員会委員長に分割で質問をさせていただきます。  さきの総選挙での衆院4区の開票作業で、甲賀市選挙管理委員会での投票箱未開封と、その数合わせに未使用白票を回した不正処理問題が大きく報道され、県民からの選挙体制による不信と抗議が寄せられております。  報道によると、当日、10月22日は国政選挙と市議会議員選挙も甲賀市では行われておりました。開票作業は深夜に及び、翌23日、各投票所から開票所に集められた400個の投票箱の確認を行って作業をされたとのことです。  本来、一つ一つの投票箱を確認して開錠し、開票作業をすれば、このような事態はあり得ない流れだと思います。どうしてこのような結果になったのか、さきの他の議員さんのほうからも質問がありました。改めて、結果の真相究明が必要だと思います。県選挙管理委員会としての見解はどうなのか、伺います。  そこで、衆議院小選挙区は県選挙管理委員会が責任を持つ選挙だと思いますが、なぜこのような事件が起こったのか、県選挙管理委員会として何が問題と認識をされているのか、まず初めに伺います。選挙管理委員会委員長にお願いいたします。  2点目。事件発覚後、警察による捜査も続いております。詳細な部分はその捜査結果を待ってということかもしれませんけれども、県と選挙管理委員会として、事件発覚後、甲賀市選挙管理委員会にどのような指示、確認をされたのか、また、甲賀市からはどのような報告、連絡があったのか、時系列で、わかる範囲で対応についてお答えをいただきたいと思います。  3点目。今回の事件は、甲賀市選挙管理委員会だけの特異なケースかといえば、残念ながらそうではなく、仙台市や、また、高松、よく似た不適切な事件が起こっております。問題は、県選挙管理委員会としてこうした情報を共有して、お互いに対策を講じる必要があると考えます。県選挙管理委員会は、こうした不適切な事案に対しての抑止対策について県内の選挙管理委員会に指示をしておられたのか、お伺いをいたします。  また、今回の甲賀市の事件を受けて、ことしは知事選挙もある中で、どのような対策を講じようとされているのか、あわせてお伺いをいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) (登壇)選挙管理委員会の運営について、3点の御質問にお答えをいたします。  まず最初に、衆議院小選挙区選出議員選挙は、御承知のとおり、公職選挙法第5条の規定により都道府県選挙管理委員会が管理するものと定められており、これは、管理執行の中心となるべき機関を示したものにとどまるとされております。また、開票事務については、公職選挙法第7章の規定により市町村の事務とされているところであります。  現在、この事案につきましては警察当局により捜査が進められており、甲賀市からの事実確認が難しい状況にありますが、既に明らかにされている点をもとに、何が原因であったかという観点から幾つか申し上げますと、1つには、投票所から搬入された投票箱が開票作業を行う多目的ホールとは別の場所に保管をされていた、それにより、投票箱に係る一連の作業が厳格な管理のもとに行われていたかどうか、2点目には、開票終盤において未開票の投票箱の存在が疑われた際に徹底して捜索されていたかどうか、3つ目には、未開票の投票箱が発見できなかった後の判断がどういう状況下のもとで行われたものかどうか、そういった問題点を考えられるところでございます。  次に、2点目の甲賀市選挙管理委員会への指示、確認と甲賀市選挙管理委員会からの報告、連絡についてお答えをいたします。  時系列でお答えをいたしますと、甲賀市選挙管理委員会から2月5日に開票における不適切集計があった事実およびその概要、そして、翌日に記者会見を行う旨の報告を受け、県選挙管理委員会として直ちに報道機関にその旨の資料提供を行いました。  2月6日には甲賀市選挙管理委員会から記者会見で配付する資料の提供を受けたところであります。また、発覚当初から甲賀市選挙管理委員会に対して事実の詳細について説明を求めているところでありますが、先ほど申し上げましたように、警察当局により捜査が進められておりまして、甲賀市選挙管理委員会による詳細な事実調査や検証等は捜査の区切りがついてからとされているため、県選挙管理委員会としては、現在のところ、事実確認等の対応は大変難しい状況にあると考えております。  最後に、不正防止に向けた市町選挙管理委員会に対する指示および今後の対策についてでありますが、今回の総選挙に際しましては、市町選挙管理委員会委員長、書記長、担当者会議および投開票事務市町打ち合わせ会などを開催をいたしまして、まずはこれまでの不正事案も含めて、開票は適正で確実な処理が最優先であることや、選挙への信頼を損なうことのないよう、開票における体制や個々の作業について、過誤が発生し得る余地や不正が混入し得る余地がないかどうかという観点から改めて点検を行いまして、厳正な開票を確保されたい旨をお願いしております。
     今後の対応につきましては、まず、今回の事案を受けて、各市町選挙管理委員会に対し、2月14日付で通知を発し、開票事務の再点検や法令遵守の徹底等を行い、選挙の厳正な管理執行と信頼確保に全力を尽くすよう要請したところであります。今後、二度とこのようなことが繰り返されないよう、市町選挙管理委員会とともに、開票事務の再点検を初め、再発防止に徹底して取り組み、選挙の信頼回復に努めてまいりたいと考えております。 ◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)さきの質問と同じような内容の御答弁だったというふうに思いますけれども、本当に一つ一つのことを確実にするということと、今、今後に向けてというお話がありましたけれども、今度、6月7日告示で知事選挙がまた始まるということでありますし、その時点で、大きな選挙になると、やっぱり体制も、いろんなことで協議されていくというふうに思いますけれども、しっかりと対応していただくように、早目に、いろんな問題が市町からも出てくると思いますし、対応いただくことを重ねてお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。(拍手) ○副議長(川島隆二) 以上で、11番藤井三恵子議員の質問を終了いたします。  以上で本日の質疑ならびに質問を終わります。  明28日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後4時32分 散会    ────────────────...