滋賀県議会 > 2018-02-20 >
平成30年 2月定例会議(第22号〜第30号)−02月20日-02号

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  1. 滋賀県議会 2018-02-20
    平成30年 2月定例会議(第22号〜第30号)−02月20日-02号


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    平成30年 2月定例会議(第22号〜第30号)−02月20日-02号平成30年 2月定例会議(第22号〜第30号)                平成30年2月定例会議会議録(第23号)                                       平成30年2月20日(火曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第2号                                         平成30年2月20日(火)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第1号から議第53号まで(平成30年度滋賀県一般会計予算ほか52件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(41名)    1番   村  島  茂  男       2番   加  藤  誠  一    3番   竹  村     健       4番   佐  藤  健  司    5番   目  片  信  悟       6番   海  東  英  和    7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       10番   下  村     勳
       11番   藤  井  三 恵 子       12番   杉  本  敏  隆    13番   節  木  三 千 代       14番   駒  井  千  代    15番   山  本     正       16番   大  橋  通  伸    17番   冨  波  義  明       18番   井  阪  尚  司    19番   木  沢  成  人       20番   中  村  才 次 郎    21番   有  村  國  俊       22番   大  野  和 三 郎    23番   岩  佐  弘  明       24番   山  本  進  一    25番   富  田  博  明       26番   細  江  正  人    27番   高  木  健  三       28番   生  田  邦  夫    29番   川  島  隆  二       31番   奥  村  芳  正    32番   野  田  藤  雄       33番   西  村  久  子    34番   佐  野  高  典       35番   家  森  茂  樹    36番   吉  田  清  一       39番   成  田  政  隆    40番   九  里     学       41番   清  水  鉄  次    43番   柴  田  智 恵 美       44番   今  江  政  彦    45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(1名)    37番   粉  川  清  美            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長      世  古     正               人事委員会委員長        西  原  節  子               公安委員会委員長代理      北  村  嘉  英               代表監査委員          北  川  正  雄               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             池  永  肇  恵               総合政策部長          宮  川  正  和               総務部長            村  上  浩  世               県民生活部長          福  永  忠  克               琵琶湖環境部長         高  砂  利  夫               健康医療福祉部長        藤  本  武  司               商工観光労働部長        江  島  宏  治               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          池  口  正  晃               会計管理者           辻  井  弘  子               企業庁長            廣  瀬  年  昭               病院事業庁長          笹  田  昌  孝               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            青  木  幸  一               議事課長            入  江  建  幸               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(奥村芳正) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(奥村芳正) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  議第25号、議第26号および議第43号の各議案について、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めておきましたところ、お手元に配付いたしておきました文書のとおり回答がありましたので、御報告いたします。  次に、公安委員会大塚良彦委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として北村嘉英委員が出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(奥村芳正) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第1号から議第53号まで(平成30年度滋賀県一般会計予算ほか52件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(奥村芳正) 日程第1、議第1号から議第53号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、会派代表による質疑ならびに質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、25番富田博明議員の発言を許します。 ◆25番(富田博明議員) (登壇、拍手)おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、自由民主党滋賀県議会議員団を代表いたしまして、各項目について質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  ことしも大変雪の多い冬になりました。隣の福井県では平年の12倍を超える記録的な大雪になりましたが、雪害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。立春も過ぎ、暦の上では春ですが、県内でもまだまだ厳しい寒さが続いています。早く春が来ることをお祈りをいたします。  また、冬といえば冬季オリンピック、4年に1度の世界の冬のスポーツの祭典が、2月9日から25日までの17日間、大韓民国平昌で開催されています。92の国、地域から2,925名の参加のもと102種目の競技が行われていますが、日本選手の活躍に期待するものであります。  さて、話は変わりますが、安倍総理は年頭の記者会見でこう述べられています。「ことしは明治維新から150年の節目に当たります。明治国家建設の大きな原動力となった日本国初代の内閣総理大臣伊藤博文さんは、あらゆる日本人が持てる力を結集し近代化を一気に推し進め、独立を守り抜き、国難とも言うべき危機を克服してきました。今、日本は少子化という国難とも呼ぶべき危機に直面しています。しかし、全ての日本人にチャンスあふれる一億活躍社会をつくり上げることができれば、日本の輝かしい未来を切り開くことができます。5年間のアベノミクスによって、生産年齢人口が390万人減少した中でも、雇用は逆に185万人ふえています。有効求人倍率も、北海道から沖縄まで47全ての都道府県で1倍を超えています。このことは高度成長期にも実現でき得なかったことです」と。  また、「えとのいぬにあやかって私も声なき声にしっかりと耳を傾けて、これまで以上に感覚を研ぎ澄ませて、我が国の進むべき道をしっかりと見定めながら、国民の皆様とともに、新しい国づくりを力強く前に進めていく決意であります」と結びに述べられています。  我が滋賀県においても、有効求人倍率は1.39倍、税収も5.8%の伸びであり、日本銀行京都支店発表金融経済概況では、個人消費は持ち直し、設備投資は着実に増加している、滋賀県の景気は拡大しているとしています。これはまさにアベノミクスの恩恵です。  それでは質問に入らせていただきますが、全て知事にお尋ねをいたします。  まず最初に、知事の政治姿勢についてお伺いをします。  今さら申し上げることはありませんが、地方自治法に、「知事は、当該普通地方公共団体を統括し、これを代表する」と定め、そのための知事の権限は、予算の編成権、地方税の創設も含む賦課権、人事権、また議会の解散権などなど、大きな権限を有しています。それだけ責任も大きいということであります。憲法や地方自治法に定められた大きな権限のある知事として就任され、間もなく任期を迎えられます。振り返って、知事という職務、この4年間の素直な感想をお伺いします。  滋賀県を統一する知事は1人です。前知事の後継者ということで就任されましたが、時代も大きく変わり、日々新しいことが生まれている中で、三日月知事の独自の色で県民の負託に応えるべきであります。  平成30年度予算も含めて、これまで三日月知事が編成された予算を見ましても、前知事時代に始まった施策も多くありますが、社会情勢の時代の変革からも、やはり見直すべき課題、改めるべき施策も多く散見されます。知事は2期目出馬の決意をされ、次期基本構想に向けた検討も始まっているようですが、前県政から引き継がれた課題もこなしながら、今後、どのような姿勢で臨まれるのか、お伺いをいたします。  次に、平成30年度当初予算についてお尋ねします。  今期定例会議で、一般会計で5,369億2,000万円、前年度に比べて26億2,000万円の増、率にして0.5%増の平成30年度予算案が上程されました。しっかりと議論してまいりたいと思います。  ちょうど1年前の本会議において、県議会は財政規律の堅持と透明性の確保を求めて決議を行いました。この決議を受けて、知事は昨年6月、未確定要素がある中でも、毎年100億円を超える財源不足となる収支見通しを示されました。今般、再試算後の収支見通しを明らかにされましたが、びわ湖ホールの改修や草津市が整備するプールの負担、全国植樹祭など、総額100億円を超えるであろう案件については粗い試算で収支への影響を示すことにとどまっていることから、今後変更があれば随時明らかにされることを求めておきます。  今回示された見通しは、内閣府から新たに公表された中長期の経済財政試算などからの見通しとされ、財源不足の見込み額も前回試算からは少なくなってはいるものの、それでも平均毎年100億円余りの財源不足が見込まれています。  一方、その財源不足の対応については、基金のほか、行政改革推進債の活用を前提にイメージが示されていますが、この県債の償還には交付税措置はないとされており、その先への不安が残ります。  さらに、基金を取り崩しても毎年20億円程度の収支改善が必要であるとされていますが、県民福祉の向上という県行政の使命、社会保障など私たちの生活に直結する予算への影響など、今後も県民への説明責任が常に問われます。  そこでまず、今回再試算された財政収支見通しから本県の財政事情というものをどのように認識され、知事として、将来の財政運営をどのように展望されているのか、お伺いをいたします。  こうした多額の財政不足がはっきりする中、昨年10月から平成30年度予算の編成作業が進められてきたところであります。予算編成方針にもありましたように、平成30年度が現在の基本構想と行政経営方針の最終年度という一方、今後の財政運営の基本的な考え方に取り組む初年度とされています。すなわち、30年度は中長期的な観点からの財政健全化への一歩を踏み出す年になります。  そこで、今回のような、これまで以上の財政出動の抑制等に取り組む初年度といい、片や県の計画最終年と積極的で着実な成果が問われるという、いわば相反する視点の中で選択と集中が必要であったと思いますが、知事は予算編成段階でどのような指示を出された予算となっているのか、お伺いをいたします。  これまでからの財政運営でも、まず歳出の削減を図り、それでも不足する財源は基金の取り崩し、そして県債で対応してきたわけでありますが、これだけの財源不足には、今後の経済変動などを考えると、今までのような感覚での対応では先行きが大変危惧されます。そもそも財政の健全化の基本は、「入るをはかりて出ずるを制す」にあるはずです。改めて、知事の財政健全化を図る基本的な姿勢と、その健全化への道筋の考えをお示しください。  入る、すなわち歳入であります。一歩踏み込んだ行財政改革として、歳入確保対策の強力な推進とされていますし、編成方針では、その一つに、地方創生の推進方針などを受けて、国の施策や制度の活用に留意するとされていました。こうした方針にあって、平成30年度当初予算は、前年に比べて財源的に国費はどのように見込んでおられるのでしょうか。また、国の新たな制度はどれほど活用する30年度予算となっているのか、お伺いをいたします。  ところで、最近よく知事の挨拶に出てくる琵琶湖新時代という言葉やSDGsというフレーズ、しかし、現在の県基本構想にはその言葉は全くありません。琵琶湖新時代は、琵琶湖再生法の制定もあってか、滋賀には琵琶湖を真ん中に置いた共生社会というモデルがあることを職員へのメッセージとして発し、その視点、姿勢としてSDGsに取り組むと昨年の年頭の挨拶にあったと記憶をしています。そこまでなら、基本構想を推進する上で職員への位置づけ、手段、手法の一つとし一定理解はできるものでありますが、30年度当初予算を見ますと、SDGsそのものが目的化されているような事業や取り組みとなっているように思われてなりません。職員や県民に言葉を浸透するのではなく、既存事業の推進の中でその理念を浸透させるべきです。  滋賀には、三方よしの精神、「この子らを世の光に」という思想に貫かれた福祉の実績があります。さらには、石けん運動に始まる県民の自発的な活動などなど、本県が先人から受け継ぐ取り組みは、まさにSDGsの理念を先取りする考えや行動ではないのでしょうか、お伺いします。  そして、予算編成に当たっては、こうした滋賀県で生まれ、きょうまで継がれてきた滋賀の根底に流れる考え方や行動こそを予算に生かすべきではないでしょうか、考え方をお伺いします。  次に、エネルギー政策についてお尋ねします。  国は現在、経済産業大臣の諮問機関である総合資源エネルギー調査会の分科会において、有識者を中心に、エネルギー政策の基本方針を定めるエネルギー基本計画の改定に向けた見直し作業を進めています。本県は平成28年3月にしがエネルギービジョンを策定し、同時に、国に対して、原発に依存しないエネルギー社会の構築を踏まえたエネルギーミックス──電源構成を検討することなど、現行の第4次エネルギー基本計画の見直しを繰り返し求めてきました。  新年度、知事はエビデンスに基づく政策形成にかかわる新規事業に取り組むようですが、大切な視点だと思います。改めて、国のエネルギー政策への評価とともに、知事の考える我が国の電源構成と、その構成で安定した電力提供体制を構築できる根拠をお示しください。  平成28年度の推計の電源構成は、石炭や石油、LNG等の火力が83%、再生可能エネルギーが15%、原子力が2%となっています。節電の定着や省エネの推進、原子力発電所の再稼働により節電要請の必要なレベルには至ってないものの、燃料費やFIT賦課金の増加等による電力コストの増大や、火力発電所の割合増加によりCO2排出量の増加といった新たな課題が顕在化しています。  現在の状況は、結果的に知事の言う原発に依存しないエネルギー社会に限りなく近い姿を示しており、これを理想の姿とするならば、本県としても、電力コストの増大やCO2排出量の増加といった課題に対して、責任を持って解決策を示す必要があります。国にエネルギー基本計画の見直しを求めることも踏まえて、また、御都合主義のエネルギービジョンではないことを証明するためにも、こうした課題への解決策を明確にお示しください。  しがエネルギービジョンには、エネルギーを減らす、創る、賢く使う、3つの取り組みを支えるの4つの基本方針のもと、8つの重点プロジェクトが掲げられています。重点プロジェクトの半分は、再生可能エネルギーの総合推進、小水力利用促進バイオマス利用促進エネルギー自治推進といったエネルギーをつくる取り組みですが、現実には本県の電気の自給率は約1%にすぎません。費用対効果の視点は当然意識していると思いますが、今年度3億5,000万円の予算が投じられているこれらの取り組みで、実際に得られた発電量と発電コストをお聞かせください。  言うまでもなく、エネルギー政策は県だけで解決できるものではありません。国や市町、さらには地域の重層的な連携の視点で対応を図るとともに、行政だけでなく、県民や民間事業者の取り組みが不可欠となってきます。  県では、来月、多様な主体の参画を得て滋賀地域エネルギーコンソーシアムを立ち上げるということですが、新たな取り組みが生まれる場として期待はしたいと思います。しかし、現状は、県民総ぐるみでビジョンの推進を図ると意気込む割には、県民や民間事業者が先頭に立ってビジョンを推進しているようには感じられません。  自然や景観への影響を及ぼし各地で問題が生じている太陽光発電の導入にとどまり、知事が言う地域主導によるエネルギーシフトに向けたローカルイノベーションも看板倒れです。これまでの成果をあわせて、市町や県民、民間事業者それぞれのエネルギービジョンに基づいた取り組みを知事はどう評価しているのか、お伺いをいたします。  エネルギービジョンでは、原発に依存しない社会と同時に、環境への負荷が少ない持続可能な低炭素社会を構築するとうたっています。これまでも議論のあったところですが、昨年度末に改定された低炭素社会づくりの推進計画では、CO2排出量の削減目標を、2030年度において2013年度比、国の26%よりも低い23%減の水準を目指すとされました。本来であれば環境先進県の矜持で国よりも高い目標を掲げるべきものが、逆に低くなっていることについて、これまでの議会で知事は、原発や化石燃料を再生可能エネルギーに置きかえていく過渡にすぎず、将来的に脱炭素を目指すことに変わりはないと強弁しています。であればなおのこと、知事の考える国全体のエネルギーミックスで問題がないという根拠をお示しいただかなければ、詭弁としか言いようがありません。  低炭素社会づくりの推進条例に、いまだに2030年度に1990年度比50%削減、つまりCO2を673万トンしか排出しないと明記していることを含めて、エネルギービジョンとの整合についての見解と、2030年におけるエネルギービジョンの基本目標とCO2排出量の削減目標の達成の見通しをお聞かせください。  また、適切な時期に低炭素社会づくりの推進条例やエネルギービジョンを見直す考えはないか、お伺いします。  あえて問いませんが、知事はどちらか一方を上位として考えてはいないとはしますが、やはり県民の代表で構成される県議会において可決された条例に基づく推進計画の数値目標を、議決事件にもなっていないエネルギービジョンを前提に恣意的にゆがめるのは、やはり二元代表制の趣旨からも問題だということを指摘させていただきます。
     次に、琵琶湖の保全再生に向けた琵琶湖活用の推進についてお尋ねします。  平成27年9月に施行された琵琶湖の保全及び再生に関する法律に基づき、本県では昨年3月に琵琶湖保全再生施策に関する計画を策定されました。計画では、琵琶湖と人とのよりよい共生関係の形成を目指し、琵琶湖を守ることと活かすこととの好循環を推進していくとのことでありますが、正直なところ、具体的なイメージを持ちにくく、わかりにくいと言わざるを得ません。  そこでまず、このキーワードとされている活かすことと守ることの言葉自体、ややもすると互いに相対立するような単語と捉えられますが、琵琶湖の活用がどのように琵琶湖を守ることにつながっていくのか、お伺いします。  次に、一口に活用と言ってもさまざまな活用が想定されますが、そもそも、ここで言う琵琶湖活用とはどのような意味なのか、どのような活用を想定しているのか、お伺いします。  次に、琵琶湖にかかわるステークホルダーの方々の力をおかりし、検討会議を重ねてこられ、(仮称)琵琶湖保全に向けた活用のあり方を検討されているようでありますが、琵琶湖の活用は、あり方を策定することが目的ではなく、このあり方をもとに具体的な施策を打っていくことが目的となるはずです。  さらには、市町や下流府県市、琵琶湖を実際に利用していただく関係者の方々らの幅広い共感と連携も必要不可欠なことから、できるだけ具体的で、誰しもがイメージしていただけるような絵姿が必要であると考えます。あり方の策定を見据え、具体的にどのように取り組んでいくのか、お伺いします。  次に、琵琶湖保全再生法に係る施策を推進していくに当たっては、継続的な財源確保が必須となります。下流県からの協力や国の特別な支援など、既存の枠組みから一歩踏み出した財源確保の方針についてお伺いをいたします。  次に、琵琶湖の活用を推進することは、琵琶湖に少なからずも負荷をかけることは否めません。現時点においても、土日ともなれば、県内だけでなく県外からも魚釣りや水上バイク、ボートを初め、レジャー目的で大勢の方々が湖上に出ておられます。知事は平成29年11月14日の首長会議において、琵琶湖のレジャー客を対象に、受益者負担の考えのもと、有料化を検討される旨の発言をされたと仄聞していますが、改めて認識をお伺いします。  知事は、平成29年2月の定例会議における我が会派の代表質問に対し、「琵琶湖を中心とした自然や人々のつながりを大切にしながら、行政、民間企業・団体、県民の皆さんの協働により、琵琶湖の価値を学び、再発見し、磨き上げることで、世界一魅力的な湖を目指し、そのために、琵琶湖の魅力を高め、活かす取り組みを展開することを琵琶湖新時代とする」と答弁しておられますが、今回検討を進める琵琶湖の活用は、知事の言う琵琶湖新時代とどのようにかかわっていくのか、お伺いいたします。  次に、一億総活躍社会の実現に向けてお尋ねします。  平成24年12月に第2次安倍内閣が発足し、5年が経過しました。この間、アベノミクスの効果により名目GDPは過去最高となり、企業収益は過去最高水準となるなど、雇用情勢も大きく改善してきました。この経済の成長軌道を確かなものとし、持続可能な経済成長をなし遂げるための鍵は、我が国の構造的な問題である少子高齢化への対応であります。  このため、国では、女性が輝く社会、お年寄りも若者も、障害者や難病のある方も、誰もが生きがいを感じ、その能力を思う存分発揮することができる一億総活躍社会の実現を目指し、希望を生み出す強い経済、夢をつむぐ子育て支援、そして、安心につながる社会保障の新・三本の矢として、さまざまな取り組みが進められております。  こうした中、まずは、2つ目の矢である夢をつむぐ子育て支援についてお尋ねします。  平成24年8月に、いわゆる子ども・子育て関連3法が成立し、幼児期に学校教育、保育、地域の子供・子育て支援を総合的に推進する仕組みが整えられてきました。平成27年度からは、関連3法に基づき子ども・子育て支援新制度が本格的にスタートし、消費税財源の確保により、幼児教育、保育、地域の子供・子育て支援の質と量の拡充が進められております。  そこで、新制度発足から3年目を経過するに当たり、本県におけるその成果と課題についてお伺いをいたします。  その後、国においては、平成29年6月に新たに子育て安心プランが策定され、保育の受け皿確保や保育人材確保を初めとする6つのパッケージが示されました。さらに同年12月8日には、閣議決定された新しい経済政策パッケージの中で、子育て支援に関しては、広く国民が利用している3歳から5歳までの全ての子供たちの教育、保育に係る費用を無償化し、さらに、ゼロ歳から2歳児についても、当面は住民税非課税世帯を対象として無償化を進めることとされました。  また、待機児童の解消に向けて、さきに発表された子育て安心プランの早期実現のため、プランを前倒しし、平成32年度末までに32万人の受け皿整備を行おうとされています。特に、待機児童の解消に向けて国では子ども・子育て支援法の改正を行い、今国会での成立と4月1日の施行を目指す方向であります。  本改正では、都道府県が(仮称)待機児童対策協議会を設置し、市区町村の保育所整備計画の精査、2つ目に、広域利用のための市区町村間の利用調整、3つ目に、必要な保育士の確保・育成策などを話し合うというものです。  このように、一億総活躍社会の実現に向けて国を挙げて新しい経済政策パッケージを進めようとする中で、県にとってもタイムリーな施策であると思いますが、今後どのように取り組みを進めていくかをお伺いします。  子ども・子育て支援新制度においては、待機児童の解決に向けた受け皿整備を進める量的拡充と保育士の処遇改善や研修の充実を進める質の向上を、いわば車の両輪として取り組むこととされています。この両輪を進めるに当たっては、まずは、その担い手である保育人材の確保が喫緊の課題であると考えます。  待機児童の解消に向け保育所の整備を進める各市町からは、保育人材が集まらないとの声も聞こえてくるわけでありますが、本県における保育人材の確保の現状と今後の取り組みについてお伺いをします。  一方で、子供たちの地域での暮らしについては、社会的孤立の問題や身近な生活課題に対する支援の必要が明らかになってきました。例えば、家庭での養護に問題があり食事が十分にとれていない、あるいは学校に行きづらくなるなど、現行の支援制度の枠組みでは対応が困難な、いわゆる制度のはざまの問題も指摘されています。  こうした状況を踏まえ、国では地域共生社会の実現を掲げ、公的支援のあり方を縦割りから丸ごとへと転換していくこと、我が事、丸ごとの地域づくりを育む仕組みへと転換していくことを目指し、そのための改革も進められております。こうした中、本県では、地域で子供を育むという点からどのように取り組みを進めていこうとされているのか、お伺いをいたします。  昨年12月、各都道府県の平均寿命が厚生労働省から発表されました。滋賀県は、男性が81.78歳で全国1位、女性が87.57歳で第4位でした。週刊誌などでも本県の長寿の要因について大きく取り上げられるなど、まことに喜ばしいことですが、長生きだけでなく、いつまでも健康で生き生きと活躍できる社会こそが理想であります。  一億総活躍社会では、高齢者も含めて、誰もが生きがいを感じられる社会の実現を目指すものであり、昨年9月には、安倍総理を議長として人生100年時代構想会議の第1回の会議が開催されました。ここに議員の一人として招かれた人的資源管理論の世界的権威であるリンダ・グラットン教授は、今、日本に生まれる子供のうち半分が100歳以上まで生きると予測されておられます。65歳で退職したとして、その後、100歳まで35年もあります。近ごろの高齢者の体力年齢は以前より若く、活動への意欲も高いことから、70代、80代まで活躍できる社会を目指すべきという考え方には大いに賛同するものであります。  こうした高齢者の活躍の場という観点では、単に就労だけではなく、例えば、先ほどお尋ねした地域で子供を育む取り組みにかかわっていただくことにより、高齢者の持つ知識や経験、意欲が地域の支え合いの活動の推進にもつながり、大事な視点と考えます。本県としても一億総活躍社会の実現を目指す中で、高齢者の活躍に向けてどのように取り組むのか、お伺いをいたします。  次に、次代に向けた滋賀の産業振興についてお尋ねします。  内閣府2月14日発表の日本経済の状況を見ますと、GDPが8四半期連続プラスで、日経平均株価がバブル崩壊後の最高値を更新するなど改善が進んでいます。また、先月発表された月例経済報告でも景気は緩やかに回復していると上方修正されるなど、アベノミクスの効果が順調に広がりを見せているものと考えられます。  本県に目を向けましても、景気拡大の裾野は広がりつつあると考えられますが、業種や企業規模によっては、まだ厳しい状況に置かれているとの声も聞かれるところであります。本県経済の活性化のためには、地域の経済や社会の担い手である中小企業を含めた県全体の産業振興を図っていくことが必要だと考えますが、県内企業の景況感、とりわけ中小企業の現在の景況感についてどのように認識されているのか、まずお伺いします。  国では中長期的な成長を実現するために、第4次産業革命の技術革新を産業や社会生活に取り入れることにより、さまざまな社会課題を解決するソサエティ5.0を実施することとしています。IoTやロボット、そして人工知能など、こうした生産性を劇的に押し上げるイノベーションが世界を変えようとしており、生産性革命を我が国がリードすることこそ、次なる成長戦略の最大の柱であります。  一方、地方に目を向けてみますと、これまで地域経済を支えてきたのはそれぞれの地域の中小企業ですが、これらの事業者にも変革の大波が押し寄せています。本県においても、中小企業が第4次産業革命の流れに対応していけるよう、適切に支援していくことが重要であります。  そこで、本県として、地域経済を牽引する新たなイノベーションの創出に向けて、どのように中小企業の支援に取り組んでいこうとされているのか、お伺いします。  また、国では、昨年7月に地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律──地域未来投資促進法が施行され、予算や税制、金融による支援措置などの政策資源を投入し、地域の資源や特色、強みを生かした事業を創出していこうとする新たな制度がスタートしました。イノベーションを起こし加速させていくためには、こうした国の支援策を効果的に活用していくことが重要と考えます。県では、この地域未来投資促進法に関して、どのような狙いで計画を策定し、どう取り組みを進めていこうとされるのか、お伺いします。  さきにも述べましたが、雇用情勢を見ますと、有効求人倍率はバブル期以後での最高水準である1.39倍となっています。こうした状況の中で、滋賀の産業を支える中小、小規模企業は深刻な人材不足に直面しております。これまで県では、県外大学との就職支援協定の締結などにより、若者が県内企業へ就職することにつながるように支援の取り組みを進めておられますが、少子高齢化の一層の進展などにより、今後ますます地域の産業を担う労働力が不足していくことが懸念されます。より多くの若者が地元で就職し、滋賀の産業を支える人材として育ち定着することが大切であると考えますが、若手人材の育成確保に向けて、どのような課題があり、今後どう取り組んでいこうとされているのか、お伺いをします。  次に、事業承継についてお尋ねいたします。  経営者の高齢化が進む中、中小企業、小規模事業者の事業承継が大きな課題となっています。国によりますと、今後10年間で平均退職年齢である70歳を超える中小企業、小規模事業者の経営者は全国で約245万人、うち、約半数の127万人が後継者未定の状況であります。この状況を放置しますと、中小企業、小規模事業者の廃業の急増により、2025年ごろまでの10年間累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性があるとされています。  後継者が未定である127万人という数字は日本企業全体の3分の1に相当するものであり、本県においても、県内全企業の99%を占める中小企業、小規模事業者の廃業により、雇用が失われるとともに、県経済に影響していくことが危惧されます。2017年度版中小企業白書によりますと、本県企業の廃業率は4.9%と全国一高く、開業率の4.3%を上回る状況です。  また、東京商工リサーチの調査によれば、滋賀県の2016年の女性社長の数は、全国と同様、過去最多になり、その要因として、少子化に伴う後継者不足で、娘に社長を譲るケースもふえているようだなどと報道されています。  事業承継はまさに待ったなしの課題であり、我が会派からは資金枠の創設など知事に申し入れてまいりました。他県でもさまざまな取り組みをされていると聞いておりますが、本県独自の取り組みが必要ですが、制度融資など、県として事業承継支援にどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  次に、環境こだわり農業と稼げる米づくりについてお尋ねします。  いよいよ本年度から、国の農政改革の柱の一つとして米政策の見直しがスタートすることになりました。これまで半世紀近くにわたり続けられてきた主食用米の生産調整が大きく見直され、平成30年産米からは国は生産数量目標などの配分は行わず、農業者や産地の主体的な判断により、需要に応じた生産、販売が行えるよう転換していくこととなります。  水田率が全国第2位と高く、米と麦、大豆主体の水田農業が営まれている本県としては、農業者の皆さんの不安を解消し、農業経営の安定を図るために、この米政策の見直しに適切な対応が必要であります。  そこでまず、全国における平成30年産米の生産調整の動向についてお伺いします。  次に、本県においては麦や大豆の共同作業を通じて形成された集落営農組織も多く、今後の生産調整のあり方が本県農業のあり方にも影響すると考えられますが、生産調整について具体的にどのような取り組みを進めていかれるのか、また、農業者の皆さんの受けとめはどうなのか、お伺いします。  次に、本県は平成28年の農業産出額の636億円のうち、米が348億円、実に55%を占めており、近江米は本県農業の基幹作物であることは言うまでもなく、その施策の中核として環境こだわり農業を推進してきましたが、平成30年度からは国の制度見直しが行われ、複数取り組みへの支援の廃止、国際水準GAPの要件化、全国共通取り組みへの優先配分がされることが決まり、環境こだわり農業の後退が懸念されています。  特に、本県の取り組みの9割を占める地域特認取組については必要枠が配分されるか危惧されるところであり、安心して環境こだわり農業に取り組めるような状況ではありません。今春の作付準備も進められている中で、平成30年度産米に対する本県の支援はどのようにされるのか、お伺いします。  さらに厳しい制度見直しが行われると聞いておりますが、全国のトップランナーとして環境こだわり農業を推進し、世界農業遺産の認定を目指している本県として、今後、環境こだわり農業をどのように推進していくのか、お伺いをいたします。  次に、米政策の見直しにより、今後、産地間競争が一層激しくなるものと想定される中で、売れる米づくりが一層重要になってきますが、昨年本県が実施した近江米の流通状況調査の結果をもとに、近江米振興協議会において、今後の近江米の生産、流通の方向性を示すビジョンづくりを進められていると仄聞していますが、策定のポイントと具体的な内容についてお伺いをいたします。  最後に、米づくりが継続的に稼げるものであるかどうかについて、農家にとっては大変重要な視点であると考えます。稼げなければ継続した米の再生産はできませんし、後継者も育ちません。今般の米政策の見直しを見据え、稼げる水田農業への確立に向けて、県として今後どのように取り組んでいくのか、お伺いします。  次に、治水政策についてお尋ねします。  本県における治水政策を振り返りますと、前知事のもとで、平成24年3月に滋賀県流域治水基本方針を策定、その後、平成25年の県議会9月定例会に流域治水の推進に関する条例案が提案されたものの、2度にわたる継続審議を経て、翌年の2月定例会で撤回に至るなど、まさにけんけんがくがくの議論が繰り広げられてきました。結果的に、我が会派と協議の上、修正された新たな条例案が提案し直され、同議会で可決されました。  我が会派は、河川改修のみに対応するには限界があるという現実を踏まえて、ハードである川の中の対策を基本的対策としつつも、川の外の対策であるソフト対策を連携させて水害による被害を減じようとする総合的な治水の方向性は理解できるとして、条例に賛成をしました。  基本方針で前知事は、「ここは県民の皆さんの暮らしの舞台の視点から、積み上げる治水政策が示されています。ここから想定外を想定外と言わない治水の一歩が始まります」と誇らしげに文章を寄せています。実際には、基本方針が策定された翌年、平成25年には、台風18号災害により高島市の鴨川や栗東市の金勝川の堤防が決壊し氾濫、大津市や甲賀市の大戸川流域で広い範囲が浸水したのを初め、昨年も相次ぐ台風により県内各地で水害による大きな被害が出ました。  こうした被害も想定されていたのでしょうか。基本方針の策定から丸6年、知事は滋賀県の為政者として、想定外を想定外と言わない治水の歩みが着実に進んでいると、県民の皆さんに胸を張って言えるのでしょうか、見解をお伺いします。  本県は平成15年から25年までの10年間、年平均の水害被害が全国最少を誇っていました。今となっては悪い冗談ですが、企業誘致推進室が作成した本県の魅力をPRするパンフレットにも水害被害が全国最少であることを掲げ、近畿の他の府県よりも自然災害は少ないとうたっていました。ちなみに、このパンフレットは昨年、人知れず改正され、水害を初め自然災害が少ないという記載は削除されています。  一方、水害被害が全国最少だった期間の河川整備予算を見ると、単独河川改良事業費と補助河川改修事業費を合わせた額は、平成23年度にはピークだった平成8年度の162億円の実に2割、わずか34億円まで落ち込みました。維持補修等に充てる単独河川環境保全費も、平成22年度にはわずか9億円となっていました。  確かに、雨の降り方が局地化、集中化、激甚化するといった気象の変化もあるものの、全国最少だった水害被害がなぜ毎年のように発生し、災害復旧に多額の予算を捻出しなければならないようになったのか。基幹的対策である川の中の対策をなおざりにしてきたツケが回ってきたのではないかと考えますが、見解をお伺いします。  こうした中、さきの県議会では、我が会派を初め複数の会派から提案された県益を最優先する河川政策の推進を求める決議が賛成多数で可決されました。決議では、地域住民や県内の市町から大戸川ダム建設を求める声が上がる中で、準備工事であるつけかえ県道大津信楽線の早期完成とともに、大戸川ダム本体工事の一日も早い着工を国や下流府県に働きかけることは知事に課せられた責務であるとして、淀川水系河川整備計画に大戸川ダム本体工事を位置づける必要はないとした4府県知事合意の撤回に向けた措置を講ずることを求めています。この決議をどのように受けとめているか、お伺いします。あわせて、決議を受けた今後の対応をお示しください。  特に淀川水系河川整備計画では、おおむね30年を計画期間とするものの、平成21年3月の策定から既に10年が経過しています。その後の水害被害に鑑み、常に変化する河川の状況に的確に対応するためにも、中上流部の河川改修の推進状況を検証するとともに早急な計画の変更が必要だと考えますが、淀川水系河川整備計画の変更の必要について、お考えをお伺いします。  流域治水条例に基づく浸水警戒区域の指定が進まない等課題はあるものの、本県は、計画規模を超える洪水を含め、どのような洪水があっても命を守り、壊滅的な被害を防ぐ治水対策を目指すとしています。しかしながら、土砂災害対策においては、平成25年の台風18号により栗東市で崖崩れが発生して犠牲者が出るなど、ひとたび発生すると人命被害に直結するにもかかわらず、取り組みがおくれていると言わざるを得ません。  現在、県内の土砂災害のおそれのある4,910カ所について基礎調査を実施して、平成30年度末までに全ての区域指定を終えるとしていますが、基礎調査の結果、さらに区域指定をしなければならない箇所がふえるとともに、肝心の整備率は2割そこそこにとどまっています。  新年度予算案の砂防関係公共事業費において、我が会派の増額の要求に応じて、単独通常砂防事業費と砂防維持補修費合わせて1億円を上積みされたことは大いに評価しますが、ハード、ソフト一体で総合的に対応を進める点は共通でありながら、片や治水対策においては、計画規模を超える洪水を含め、どのような洪水があっても命を守るとしながら、土砂災害対策においてはそのことを明確にしないことは、県民の立場から納得できるものではありません。この点についての見解とともに、土砂災害対策施設の整備率向上に向けた今後の取り組みをお伺いします。  次に、学力向上についてお尋ねします。  昨年3月に、幼稚園、小学校、中学校の新しい学習指導要領が国から示されました。また、この3月には高等学校の学習指導要領改訂も予定されていると聞き及んでいます。およそ10年ぶりの改訂であり、小学校は平成32年から、中学校は平成33年から、高校は平成34年から改正された内容が順次実施されるようになり、また、平成32年より大学入試も変わるということで、まさに教育改革真っただ中という状況を全国の学校が迎えようとしています。  ご存じのように、我が国の教育は、国が学校の教育内容やカリキュラムを学習指導要綱として定め、学習指導要領に則した教科書を使って一定水準の教育が行われています。以前の改正では、いわゆるゆとり教育の導入など、教える知識の量を増減させることが焦点でした。それが、今回は知識を使う力を身につけることが教育の目的に加わりました。思考力、判断力、表現力など、社会に出てから必要とされる力を学校でも教えようという狙いです。このような学習については、既にその方法について県教育委員会で研究を進められ、学校の授業を改善する重要な視点として示されております。  しかしながら、新しい学習指導要領が示され学校の授業が大きく変わろうとしている中で、必要とされる基礎的な学力が子供たち一人一人に身についているのかという不安を感じざるを得ません。そのことは全国学力・学習状況調査の結果から示されています。子供たちの学力が全国レベルに達していないことを改めて認識しなければなりません。  また、先日公表された全国体力・運動能力等調査の結果では、本県の小学校5年生の体力合計点は男女とも全国平均値を下回っており、学力との相関関係もあるのではないかと懸念しているところです。毎年、下位にランクされ、今年度は小学校で全国との差がさらに開くという状況を考えると、滋賀の子供たちはこの教育改革の中でしっかりと学べるのか、将来は大丈夫なのかと思う県民も少なくないと思います。知事はリーダーとして、もっと危機感を持って学力向上に取り組むべきではないでしょうか。  現行の学ぶ力向上滋賀プランは、来年度に4年目の最終年度を迎えることになりますが、これまでの経過や結果からは、今後も計画的に学力向上に取り組まなければならないことは明らかであると考えます。このプランに基づいて一人一人の学ぶ力を高めることにより、本県全体の学力向上を図っていくとされてきましたが、知事は、この間の全国学力・学習状況調査の結果をどのように受けとめ、学力向上につなげていこうと考えておられるのか、まずお伺いします。  さらに、現行プランが終了した後、平成31年度以降学力向上についてどのように取り組んでいこうとされるのか、決意のほどをお伺いします。  また、新年度の予算編成においては、教員の資質向上についてのものが多く見られ、子供たちの学力向上に直接かかわる施策に弱さが見られるように思います。例えば、子供の生きる力を育むきめ細やかな教育環境の整備を見ましても、目標に達していないのが現状です。また、学校現場からは、学力向上の成果を上げるためには、教員の加配による指導体制の充実や市町と連携した取り組みが大切であると聞き及んでいます。  これまでの施策で十分な成果が得られてないことを考えますと、子供たちの学力や学習状況をもっと正確に把握して、これまでの教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図る予算とすることが重要であると考えます。このような状況を踏まえて、学力向上に向けて、平成30年度予算においてどのようなことを重点に置いて取り組んでいこうとされるのか、お伺いをします。  次に、教員の働き方改革に関連してお尋ねします。  県教育委員会では、去る1月31日に学校における働き方改革取組方針を策定され、今議会にこれに関係する予算案を提案されております。教員の長時間勤務を改善していくことは言うまでもなく必要なことであり、その方向性は我々も賛同するものであります。教員の働き方改革をしっかりと進め子供一人一人と向き合う時間を確保することと、本県教育の大きな課題である学力向上および競技力向上を図ること、この2つをいかにして両立させていくか、本県にとってはこのことが最も肝要ではないかと考えるところであります。今後、この実現に向けてどのように取り組んでいこうとされるのか、お伺いします。  次に、安全、安心のための警察力の充実、強化についてお尋ねをいたします。  昨年の県下の刑法犯認知件数は8,737件と、平成26年から4年連続の減少となりました。特殊詐欺の増加など治安上の課題はまだまだありますが、指標上からは、明らかに県下の治安情勢が大きく改善してきたとうかがわれます。このように犯罪が減少に転じたのは、くしくも三日月知事が就任された平成26年からです。知事が就任される以前は、県政は厳しい財政事情等もあり、いわゆる箱物凍結の方針のもと、警察署や交番、駐在所の更新整備は遅々として進まず、長らく未耐震の老朽化した施設がそのまま放置されてきました。  しかしながら、東日本大震災でのあの余りにも大きな被害を目の当たりにしたことで、現行の耐震基準を満たさない、老朽化著しい警察施設についての計画的な更新整備がようやく始まりました。  また、当時は既に当県の警察官1人当たりの人口負担や業務負担が全国1位であったにもかかわらず、警察官とともに警察活動を担ってきた県警察の一般職員を職員削減方針のもとに数多く削減してきました。  ところで、知事は平成26年、自身のマニフェストに、安全・安心社会の実現として、警察など災害拠点となる施設の耐震化推進と機能向上、警察力向上による安心社会の強化を掲げて知事選に当選されました。そして、これまでの警察署や交番、駐在所の更新整備計画に基づきしっかりと整備を進められ、また、警察職員の増員に関しても、国等にしっかりと県下の実情を訴え、警察力の強化に努めてこられことはよく承知しております。  その成果が、近江八幡警察署や甲賀警察署の新庁舎建設、35カ所の交番、駐在所の建てかえ、さらには、増員率全国2位となった平成27年度から3年間の警察官39人の増員、道路交通法改正に伴う一般職員の増員などであります。  しかしながら、今も警察官1人当たりの人口負担率等が高い現状など、大きな改善は見られず、老朽化が進む警察施設も今まだ多数存在するなど、これで十分だと決して言えないのも事実であります。県民の安全、安心な暮らしを守っていくには、警察力の充実、強化が何よりも重要であります。  そして、警察力の充実、強化には、警察官の増員を初めとする県警察の人的基盤の充実が必要であります。来年度は警察官の増員はありませんが、今年度に引き続いて、一般職員を増員する滋賀県地方警察官職員の定員に関する条例の一部を改正する条例案が上程されたことは、以前のような警察職員の削減ありきといった方針に逆戻りすることなく、今後も警察力の強化にしっかりと取り組んでいこうという知事の強い意思のあらわれだと解したいと思います。  そこでまず、今後の警察力強化のための警察官の適正配置に向けた増員について、見解をお伺いします。  次に、県内では今後厳しい財政事情が予想されているところ、一方では、国体の開催等に向けて数多くの施設整備をし、また改修していかなければなりません。しかしながら、そうした間にも、県民の安全、安心に直結する警察施設の老朽化はさらに進んでまいります。警察署や交番、駐在所の警察施設が県民にとっての安全、安心のよりどころであり、災害時には救出救助活動の拠点となる極めて重要な施設であるという認識に、知事も決して反対はされないと思います。  自然災害はいつどこで発生するかわからず、その被害も昨今は甚大化しているように思われます。また、昨年の台風被害を見てもわかりますように、災害が当県を避けて通ってくれることは決してありません。だからこそ、前もっての事前の対策、つまり計画的な更新整備が必要となってくるのであります。  加えて、老朽化した交番、駐在所には相談室等の警察活動に必要な施設がないといった問題もあると伺っています。財政事情が厳しいからといって、県民の安心、安全、さらには生命にかかわる重要な施設であるはずの警察施設の更新を後回しし、大きな災害が発生するや、慌てて更新計画を策定するなどといった、以前の県政の誤った轍を踏むようなことがないよう、知事に強く訴えをいたします。  県民の安心、安全を確保し平穏な暮らしを守るためには、警察力の充実、強化に向けた警察施設の計画的な更新整備も重要であると考えており、さきの議会では警察本部長に警察施設の整備に向けた決意をお尋ねしたところでありますが、そこで、今回は知事に、警察署や交番、駐在所等の警察施設に係る今後の計画的整備について見解をお伺いをいたします。  次に、県民の安全、安心な暮らしを事件から守るには、「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり条例にうたわれているとおり、県民一人一人がみずからの安全を守る意識を高めることに、警察も含め、県、市町、県民、事業者等が連携、協働していくことが重要であり、このような関係機関が協働して行う地域防犯活動は警察力を側面から支えることとなり、ひいては警察力の充実、強化につながるものではないかと考えます。  昨今、犯罪総数が減少しているとはいえ、特殊詐欺やサイバー犯罪のような犯罪の質的変化に加え、県内では地域の防犯を支える防犯ボランティアの高齢化が進んでおり、将来に防犯活動が鈍化すると危惧されています。  しかしながら、こうした中にあっても、条例に明記されているとおり、知事には将来を見据えた基本方針をしっかりと定めていただき、知事を先頭に、県、市町、警察、県民、事業者等の連携した効果的な取り組みをさらに進めていただきたいと考えております。  そこで、最後に、現在の犯罪情勢を後戻りさせることなく、また、誰もが取り残されることのない、県民誰もが安全、安心に暮らせる滋賀県をつくり上げていく決意を、県行政のトップである知事にお伺いをいたします。  以上、自由民主党滋賀県議会議員団の代表質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(奥村芳正) 25番富田博明議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)自由民主党滋賀県議会議員団からの代表質問、大きく10項目いただきました。順次お答えをさせていただきます。  まず初めに、政治姿勢につきまして、2点御質問をいただきました。  1点目、4年間の感想ということについてでございますが、知事就任後、現場の皆さんとの対話を重ね、職員とともに地域課題の解決に取り組む中で、知事としての自覚を深めるとともに、幅広い分野にかかわる総合行政の難しさと可能性を実感しているところでございます。  一方で、県単独でできることには限りがございまして、県行政の推進には国や市町との連携や県民の皆さんとの協働が大変重要だと感じており、私としては、これまで特に意を用いてきたところでございます。  また、頻発する自然災害など県民の皆さんの安全、安心の確保のため、365日24時間、気の抜けない緊張感を感じながら職務に取り組んできたところでございます。  県政全般にわたります大きな権限とそれに伴う重い責任を負っていることを常に自覚しつつ、県庁組織のトップに立ち、職員とともに汗を流し、県議会の皆さんと議論しながら取り組んできた、自分で申し上げるのも何ですけれども、充実した4年間だったと感じているところでございます。  次に、2点目、今後の姿勢についてでございますが、県政を引き継ぎ、私自身、まさに私自身がさまざまな課題に向き合い、どう判断していくかが何よりも問われると考え、よいと思う政策は継承し、足らざる部分は補い、改めていくというスタンスで臨んでおります。  この4年間、自分の持っている力や経験をもとに、対話、共感、協働、そして現場主義を貫き、全身全霊を傾け、知事としての職務を遂行してまいりました。
     これまで先人が築いてこられた滋賀をよりよい地域にしていくため、不断の努力を積み重ね、次の時代にふさわしい滋賀をつくっていくことが知事の責務であることを自覚し、覚悟を持って職責を担ってまいりたいと存じております。  続きまして、平成30年度当初予算案につきまして、6点御質問いただきました。  1点目、本県の財政事情の認識と財政運営の展望についてでございますが、今回の財政収支見通しの再試算におきましては、景気回復による県税収入の増加や内閣府の試算等の影響に加えまして、昨年夏以降、全庁的に収支改善の取り組みを進めてきたことなどから、財源不足額は前回の試算から約200億円縮小したところでございます。  しかしながら、依然として累積では900億円を超える財源不足が見込まれる厳しい状況に変わりはなく、今後の経済情勢の変化による県税収入の減少や金利上昇による公債費の増嵩のリスク、地方の一般財源総額等に係る国の動向にも十分留意する必要があると認識しています。  こうした状況を踏まえまして、今後の財政運営におきましては、見込まれる社会保障関係経費や国体等の大規模事業などの財政需要の高まりにしっかり対処しつつ、滋賀の未来を見据えた諸施策を着実に展開していくため、これまで以上に財政規律に留意し、行財政運営の持続可能性を高めていくことが必要だと考えております。  2点目、しからば予算編成段階における選択と集中の取り組みについてでございますが、平成30年度は基本構想および行政経営方針の計画期間の最終年度であり、これまでの取り組みを土台として、確実に成果を上げる重要な年であると認識しています。  このため、平成30年度に向けた施策構築におきましては、新たに総合戦略未来枠を設け、基本構想推進のエンジンとなります総合戦略のKPI達成に向けた総仕上げや、滋賀の将来を形づくるための必要な芽出しにつながる事業を中心に検討を行うよう指示し、最終的に総合戦略の19プロジェクトに係る予算として、409事業、約662億円を当初予算案に盛り込んだところでございます。  あわせまして、昨年6月に公表した財政収支見通しに基づきまして、市町や関係団体の皆さんとも丁寧に対話しながら、一歩踏み込んだ行財政改革の検討を進めるよう指示いたしまして、夏以降、具体の取り組みを進めてきたところでございます。  この中では、歳入確保対策のさらなる推進や大規模事業の精査とあわせまして、選択と集中の観点から既存事業の見直しにも取り組み、最終的に歳入歳出合わせて約16億円の収支改善を図ったところでございます。  このように、平成30年度に向けましては、財政規律にも配慮しつつ、基本構想および総合戦略の着実な推進、とりわけ県民の皆様の関心が高い健康をキーワードに、人、自然、社会の3つの健康を重視した予算をめり張りある形で編成できたものと考えております。  3点目、財政健全化の姿勢と道筋についてでございます。  県の財政基盤を健全な形で保ち、今後とも県政を安定的に維持発展させていくためには、行財政改革に真摯に向き合い、財政健全化に向けた収支改善の取り組みを着実に実施する必要があると認識しているところでございます。  今般お示しいたしました財政収支見通しの再試算におきましては、財源不足額を踏まえた現時点での概算といたしまして、基金残高にも留意いたしますと、当面、2019年度に20億円程度以上、加えて、2023年度に20億円程度以上の収支改善の取り組みが必要と試算したところでございます。  こうした中、まずは今回の試算結果を念頭に置きながら、歳入確保についてあらゆる可能性を検討し一層強力に推進していくとともに、歳出面では、大規模事業や既存事業の見直し、精査のほか、民間活力の活用、行政サービスの効率化、適正な定員管理、給与管理などについて検討を行ってまいりたいと存じます。  その上で、夏にかけての国の地方財政に対する議論の動向や経済情勢の変化等にも十分留意しつつ、財政収支見通しを改めて試算した上で、中期的な収支改善目標と具体の取り組み内容をまとめた次期行政経営方針案を、次年度の半ばごろにお示しできるよう取り組む所存でございます。  こうした行財政改革の取り組みの積み重ねにより、滋賀の将来を支える持続可能な財政基盤の確立につなげてまいりたいと存じます。  4点目、国費の活用についてでございます。  平成30年度当初予算案における一般会計の国庫支出金につきましては、総額573億6,000万円余と見込んでおり、このうち、大宗を占める義務教育費国庫負担金は0.6億円増の191億円、公共事業に係る国庫支出金は2.4億円増の161億円を見込んでいるところでございます。  一方、総額で見ますと前年度比約5億円の減となっておりますが、これは国民健康保険財政安定化基金について平成30年度から県が財政運営の主体となることに伴いまして、財政基盤の強化のため、前年度の平成29年度において国からの支援が大幅に増額されたこと等により、新年度は前年度比約13億円の減となった影響によるものでございます。  また、今年度、本県が国に政策提案を行いまして国で新たに制度化されたものといたしましては、琵琶湖の保全再生につながる林業成長産業化総合対策のほか、学校現場における教職員の働き方改革や再犯防止の推進に向けた取り組みなどがございまして、こうした制度を活用し、当初予算案に反映させていただいたところでございます。  これらも含めまして、本県が抱えるさまざまな課題に的確に対応していくため、国の予算や政策の動向について情報収集を行うとともに、国に対し提案、要望を行うなど、引き続き、国の制度を最大限活用できるよう全庁挙げて取り組んでまいりたいと存じます。  5点目、先人から受け継ぐ取り組みとSDGsについてでございます。  近江商人の三方よしの精神、糸賀一雄先生の「この子らを世の光に」という思想に貫かれた福祉の実践、さらには、石けん運動など先人から脈々と受け継いできた滋賀の精神は、まさにSDGsの理念に通ずるものと考えております。  環境こだわり農業や子ども食堂、水環境ビジネスなどを初め、本県がこれまで進めてきた取り組みは、世界に先んじたものであると自負しているところでございます。  6点目、こうした滋賀の根底に流れる考えや行動を予算に生かすことについてでございますが、今ほどもお答えさせていただきましたとおり、三方よしの精神や「この子らを世の光に」の思想など、滋賀で培われ全国にも誇るべき取り組みを県の施策に生かしていくことは大変重要な視点であると認識しています。これまでの県政運営におきましてもこうした思いは引き継がれてきたところであり、福祉や環境など幅広い分野、施策で滋賀の先進性や地域性が息づいているものと考えております。  平成30年度に向けましては、SDGsの視点で、世界とつながる形で県の施策を改めて見詰め直したところであり、この取り組みを通じて、こうした先人の取り組みを再認識し、さらなる磨き上げにもつなげることができたのではないかと考えております。  また、平成30年度当初予算編成におきましては、協働枠を引き続き設定いたしまして、NPOや企業等との連携強化を図る中で、さまざまな主体と課題や思いを共有しながら施策構築に取り組んできたところでございます。  今後とも、滋賀ならではの取り組みを県の施策、事業に埋め込み、その推進を図る中で、取り組みの伝承や新たな価値の創造につなげてまいりたいと存じます。  続きまして、大きな3点目、エネルギー政策について、6点御質問をいただきました。  1点目、国のエネルギー政策への評価等についてでございます。  エネルギー政策につきましては、国が中長期的な展望を持って安全性や安定性の視点から検討、実施されることが基本であり、さまざまな課題がある中で国として御努力されていることは認識しております。  しかし、現行のエネルギー基本計画においては原発依存度を可能な限り低減させるとの方針が掲げられておりますものの、2030年時点において、原発に相当程度依存する電源構成が示されているところでございます。  私といたしましては、将来を見据えた場合、原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現に向けて、こうした電源構成を含む現在のエネルギー政策をできるだけ早い時期に転換していくべきと考えており、国において新たな電源構成を示す旨、繰り返し政府に要望しているところでございます。  もとより、基幹電源を確保し安定的な電力供給体制を整えることは国の責務であり、本県としてはこれを構築する根拠をお示しする立場にございませんが、琵琶湖とその集水域である山林を預かる本県といたしましては、原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現に向けて、地域レベルで取り組み可能なエネルギー政策を幅広く推進し、分散型電源の比率を高めていくことにより、安定した電力供給体制の構築に寄与してまいりたいと考えているところでございます。  2点目、電力コストやCO2排出量の増加への解決策についてでございます。  御質問のとおり、近年、燃料費やFIT賦課金の増加等による電力コストの増大でありますとか、火力発電によるCO2排出量の増加といった課題があることは承知いたしております。  国におきましては、火力発電による燃料費の増大等に対しては、LNGを国際的にも高い価格で調達している現状を共同調達による交渉力の強化等を通じて是正していくこと、また、FIT賦課金に関しましては、新たに導入された入札制度などの対策を通じて、再生可能エネルギーの導入と国民負担の抑制の両立を図ることとされております。  このような課題認識のもとで、本県といたしましても、再生可能エネルギーの最大限の導入を図るとともに、電力コストとCO2排出量の削減に同時に寄与する省エネルギーにも徹底して取り組んでいくことが極めて重要であると認識しています。こうした取り組みにつきましては、国とも歩調を合わせながら、地域レベルで取り組み可能な施策を今後とも着実に推進してまいりたいと存じます。  3点目、エネルギーをつくる取り組みでの発電量と発電コストについてでございます。  今年度の主なエネルギー関連予算約3億5,000万円のうち、エネルギーをつくる取り組みでございます家庭および事業者向けの設備補助事業と、農村地域再生可能エネルギー施設整備事業の予算執行見込み額約7,700万円について申し上げます。  今年度事業のため、実績ベースではなく現時点での想定ベースの数値となりますが、合計で年間発電量は167万キロワットアワーとなります。また、稼働年数を考慮いたしましたキロワットアワー当たりの発電コストは、全体事業費ベースでは16.9円、県予算ベースでは、全体事業費の一部を補助していることもあり2.3円と算定できます。  4点目、これまでの成果や民間の取り組みの評価についてでございますが、御指摘のとおり、ビジョンを推進していくためには、県のみならず、県民や事業者、各種団体など、さまざまな主体が総ぐるみとなって取り組みを進めていくことが重要であります。  これまでの成果といたしましては、例えばエネルギーをつくる面では、再生可能エネルギー発電設備の導入量が昨年度末時点で61.4万キロワットと、5年前と比べて8.4倍に増加しており、住宅用太陽光発電につきましては、普及率が全国第6位となっているところでございます。  また、官民連携による姉川ダム水力発電が今年度当初に稼動したことに加えまして、さまざまな主体によるバイオマス発電、熱利用、廃棄物発電、小水力発電のほか、市民共同発電など地域に根差した特色ある取り組みも広がっており、こうした市町や民間レベルの取り組みを大変心強く感じているところでございます。  このほか、エネルギーを減らす、賢く使うといった分野を含めて、現在も県内各地でさまざまな事業が展開、検討されているところであり、今後とも県といたしましては、さまざまな主体と連携協力しながら、こうした取り組みを県民総ぐるみで推進してまいりたいと存じます。  5点目の条例とビジョンとの整合、ビジョンとCO2削減の目標達成の見通しについてでございます。  条例で定めます低炭素社会とビジョンで定めております原発に依存しない社会の実現は、ともに乗り越えていくべき大きな課題であると認識しており、双方が満たされた社会の実現を目指していくべきものと考えております。  条例制定時における目標を示した前文は事実経過としてそのまま残し、その上で温室効果ガスをできるだけ削減する方向で、推進計画において具体的な削減目標を示したところでございます。この目標値は国の目標と比べて低いものの、将来的には脱炭素社会を目指すことに変わりはございません。  また、目標達成の見通しにつきましては、昨年度末時点での再生可能エネルギー発電設備の導入量は、ビジョンの2030年導入目標の約40%の水準に達しております。2015年度の温室効果ガス排出実態では、電気の排出係数の低下に加え、省エネや節電行動の広がりにより、2013年度比で7.8%減となったところでございます。  双方ともいまだ道半ばでございますが、今後とも中長期的な目標の達成に向けて、省エネルギー、節電の推進や、再生可能エネルギーの導入促進などの施策を着実に推進してまいる所存でございます。  6点目、低炭素社会づくり推進条例とビジョンの見直しについてでございます。  条例は本県が目指す低炭素社会の実現に向けた大きな方向性を示すものであり、これに基づくさまざまな取り組みを通じて、将来的には脱炭素社会を目指してまいるものでございます。  条例の見直しにつきましては現時点では考えておりませんが、今後、県民の意識や社会経済情勢の推移等を勘案し、必要があれば適切な措置を検討してまいりたいと存じます。  また、平成28年3月に策定いたしましたしがエネルギービジョンにつきましては、計画期間を平成32年度までとしているところでございます。現時点ではこれを見直すことは考えておりませんが、今後の社会経済情勢の変化等も勘案しながら、必要な時期に見直しを検討してまいりたいと存じます。  大きな4項目め、琵琶湖活用の推進に関しては、6点御質問をいただきました。  1点目、琵琶湖の活用がどのように琵琶湖を守っていくことにつながっていくのかということについてでございますが、琵琶湖保全再生計画では、琵琶湖を守ることと活かすことの好循環をさらに推進することを計画の重点取り組みと位置づけております。  現在、琵琶湖活用につきましては、議員の御質問にもございました琵琶湖活用推進検討会議や市町、さらには琵琶湖にかかわる方などからも御意見を伺いながら、(仮称)琵琶湖保全再生に向けた活用のあり方の検討を進めているところでございます。  活用のあり方検討におきましては、琵琶湖の活用が保全再生に結びつくような社会的、経済的な循環を生み出すことを目指しております。そのためには、琵琶湖やそれを囲む自然本来の恵みを大切にいただきながら生かすことで、琵琶湖を身近な存在として関心を高め、琵琶湖にかかわり、保全再生に向けて行動できる人材をふやしていくことが重要であります。  また、琵琶湖などの魅力を楽しむ人々がふえることにより収益が増加し、その経済的な効果を保全再生の推進につなげることが不可欠であると考えます。  2点目、琵琶湖活用の意味およびどのような活用を想定しているのかということについてでございますが、活用のあり方検討におけます活用とは、琵琶湖に高い負荷をかけることなく琵琶湖を守り育て、次の世代によりよい琵琶湖を引き継いでいくため、琵琶湖からの恵みを大切にいただきながら活用することを想定しております。  具体的には、大きく3つの視点から活用推進を考えております。1つ目に、活用の前提といたしまして、琵琶湖の持つ多様な魅力や価値を正しく知ること、2つ目に、琵琶湖の体験、情報発信、多様な主体の交流といった琵琶湖にかかわる機会をつくること、3つ目に、琵琶湖の活用推進に向けた環境づくりや環境負荷の抑制など、活用を続ける仕組みをつくることでございます。  特に、このうちのかかわる機会につきましては、ビワイチや湖上スポーツ、湖魚食文化など琵琶湖を楽しむこと、森、川、里、湖を舞台としたエコツーリズムや体験型の環境学習など琵琶湖に学ぶこと、そして、企業やNPO、大学など多様な主体の連携により琵琶湖でつながることという3つの切り口から、重点的に取り組んでまいりたいと考えております。  3点目、活用のあり方の策定を見据え、具体的にどのように取り組んでいくのかということについてでございますが、活用のあり方検討におきましては、多様な主体がそれぞれの立場から琵琶湖とのかかわりを深め、保全再生の推進に向けた循環を創出する、すなわち活かす人が守る人となる好循環の創出を目指す姿としております。  この姿の実現に向けまして、議員御指摘のとおり、多様な主体の共感や連携を得ながら推進することが重要であると考えます。そのため、次年度は琵琶湖活用のプラットフォームといたしまして、経済団体や関連団体、大学等で構成いたします(仮称)琵琶湖活用推進会議を立ち上げまして、構成委員間の新たなネットワークの形成や連携を促進することで、琵琶湖とかかわりを持つ人や琵琶湖とかかわる機会をふやしていきたいと存じます。  また、下流府県の方々との連携協力も重要でありますことから、琵琶湖保全再生推進協議会や関西広域連合の場、さらには、びわ湖の日の活動推進などを通じて、下流域の方々にも琵琶湖の価値に共感、連携していただけるよう努めてまいりたいと存じます。  4点目、既存の枠組みから一歩踏み込んだ財源確保についてでございます。  これまでも財源確保に向け、政府提案、要望活動や主務省との実務的な意見交換会を開催するなど、国に対し粘り強く働きかけてきたところでございます。  次年度の政府予算案に反映されたものといたしまして、琵琶湖での水質や生態系に関する調査、検討を行う琵琶湖保全再生等推進費を3,900万円に増額いただいたことや、林業の成長産業化に向けて、川上から川下までの取り組みを総合的に支援する新規事業が創設されたことなどが挙げられます。  一方で、現行の琵琶湖保全再生法には国の財政措置に関する具体的な規定などが盛り込まれていないことから、財源確保に向けて継続的な努力を行っていく必要があると考えております。  今後とも、政府提案、要望活動などあらゆる機会を捉え、さらなる予算確保に向けた国への働きかけを強めるとともに、琵琶湖保全再生推進協議会や幹事会の場などを通じ国や下流府県市と課題共有や意見交換を一層推進し、保全再生に向けた連携を強化してまいりたいと存じます。  5点目、琵琶湖レジャー有料化の検討に係る認識についてでございます。  活用が広がることは、琵琶湖からさまざまな利益を得ることや琵琶湖環境への負荷を増大させることにもつながることから、保全再生に向けて、琵琶湖を利用する方々とその負担を分かち合うことが重要であると考えております。  負担の形態につきましては、有料化という形のほかにも、例えば、湖岸の清掃やオオバナミズキンバイの駆除に取り組んでいただくことなど、活用に伴う負荷の軽減や琵琶湖が直面する環境課題の解決に貢献いただくことも一つの形と考えているところです。また同時に、負担を求めることで琵琶湖から人を遠ざけることにつながりかねないことにも留意する必要があると考えます。このため、活用のあり方検討におきましては、適切な負担のあり方を整理し、幅広く検討することを盛り込んでいるところです。  そこで、次年度は、今年度実施している国内外の地域資源活用の先進事例調査結果や過去の検討経過もしっかりと踏まえ、琵琶湖にかかわる方々からさまざまな御意見を伺いながら、負担のあり方等について具体的に整理してまいりたいと存じます。  その上で、琵琶湖を活用いただく方々にどのような協力を求めることができるのか、どうすれば負担を適切に分かち合うことが可能なのか、慎重かつ丁寧に議論を進めてまいりたいと存じます。  この項目の最後、琵琶湖の活用は琵琶湖新時代とどのようにかかわってくるのかということについてでございますが、昨年は、御案内のとおり、琵琶湖周航の歌の誕生から100年、淡水赤潮の発生から40年、そして、琵琶湖保全再生計画の初年という節目の年でありました。  このため、行政、民間企業・団体、県民等の協働により世界一魅力的な湖を目指し、琵琶湖の魅力を高め、活かす取り組みを幅広く展開することを琵琶湖新時代として発信する旨、平成29年の新年の挨拶で述べ、また、同年2月のこの定例会議において答弁させていただいたところでございます。  近年のライフスタイルや産業構造の変化により、県民の暮らしと琵琶湖とのかかわりが希薄となっている中、琵琶湖の保全再生を進めるには、琵琶湖の持つ魅力や可能性を引き出し、人と琵琶湖とのかかわりを深めていくことが必要であります。  そのためにも、まずは琵琶湖の価値や魅力をしっかりと発信することで正しく知っていただく、そして、琵琶湖とのかかわりを取り戻し、多様な主体の連携のもと、望ましい活用を推進することで保全再生につなげる。すなわち、琵琶湖を活かす人が琵琶湖を守る人となる好循環を創出することを目指してまいりたいと考えています。  このような好循環を創出し推進することにより、琵琶湖新時代と呼ぶにふさわしい暮らしと琵琶湖との新しい関係を築き、県民の皆さんとともに、滋賀の未来を切り開いてまいりたいと考えているところでございます。  次に、5項目め、一億総活躍社会の実現に向けた5点の御質問にお答えいたします。  1点目、子ども・子育て支援新制度の3年経過後の成果と課題についてでございます。  新制度の発足に伴い、地域の実情に応じた子育て支援が可能となったことで、主に3つの点で成果があったと捉えております。  1つ目に、幼稚園と保育所の機能をあわせ持つ認定こども園の普及が進み、この3年間で63カ所設置されました。これにより定員に余裕のある幼稚園は認定こども園へ移行し、保育機能を加えることにより待機児童の解消につながり、また、子供たちが減少している地域では移行により一定規模の集団が確保でき、教育と保育の両方の提供が可能となりました。  2つ目に、定員が20人未満の小規模保育や家庭で保育する家庭的保育などの小規模な事業が法定化され、既存の建物や地域の子育て支援人材を活用し、現在、68事業所で取り組まれており、待機児童が多いゼロ歳から2歳児の受け皿確保につながっております。  3つ目に、子育て支援拠点事業や乳児全戸訪問事業、一時預かり事業等、13の事業が地域子ども・子育て支援事業として法定化され、家庭での子育て支援の拡充につながっております。  こうした中にありましても、待機児童数は本年度当初において356人でございまして、依然として解消されておらず、過去3年間でも同様の状況が続いており、この解消に向けた対策は喫緊の課題であると考えております。  2点目、(仮称)待機児童対策協議会の設置についてでございますが、保育の実施主体であります市町が待機児童の解消に向けさまざまな取り組みを進めているにもかかわらず、いまだ解消されていない現状を踏まえ、県といたしましても、これまでの市町での取り組みに加え、広域的な支援に取り組む必要があると考えております。  議員御指摘の(仮称)待機児童対策協議会につきましては、現在、改正法案が国会に上程中であり、その詳細は十分明らかになっておりませんが、県といたしましては、市町や保育事業者等の御意見をお聞きしながら、来年度できるだけ早い時期の協議会設置に向け検討を行いたいと考えております。  各市町の現状や課題についての情報共有や、市町間で利用調整を行う場合のルールづくりなどの課題を整理しながら、待機児童の解消に向けた広域的支援にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  3点目の本県における保育人材の確保の現状と今後の取り組みについてでございます。  県内における保育士の有効求人倍率は、平成29年10月時点で2.33と需給が逼迫しており、多くの人材が求められている状況です。こうした中、県では、保育士・保育所支援センターにおきまして、保育人材バンクによる潜在保育士の就職あっせんを行っており、センターを設置した平成25年度から平成28年度までの4年間で、198人が保育所に就労されたところでございます。  また、保育士修学資金の貸し付けによりまして、平成25年度から平成28年度までの4年間で603人に貸し付けを行い、このうち、養成校の卒業生393人の約8割に当たる295人が県内の保育所へ就労されました。  さらに、昨年度から開始いたしました潜在保育士の確保に向けた就職準備金や保育料に対する貸し付けにより、これまでに97人の保育人材を確保することができております。  こうしたことも踏まえまして、引き続き国に対して保育士のさらなる処遇改善を働きかけるとともに、県といたしましても、保育士・保育所支援センターによる就労支援や保育士修学資金および潜在保育士の再就職支援のための貸し付け事業を実施し、さらなる保育人材の確保に努めてまいります。  4点目、地域で子供を育むという点からの取り組みについてでございますが、滋賀の子供たちは次の社会の大切な担い手であり、また、私たちに明るさや喜びをもたらしてくれる大切な存在でございます。全ての子供が地域で孤立することのないよう見守り、育むという視点は大変重要であると考えます。  こうしたことから、本県では、滋賀の縁創造実践センターと協働いたしまして、遊べる・学べる淡海子ども食堂の取り組みを進めてきたところであり、生きづらさやしんどさを抱える子供だけでなく、地域の子供たちの居場所として、これまで県内87カ所に広がってきているところでございます。  また、昨年8月には、私も発起人の1人となりまして、企業や団体、個人等にスポンサーになっていただくことを呼びかけ、子供を真ん中に置いた地域づくりを進める子どもの笑顔はぐくみプロジェクトが、滋賀県社会福祉協議会を事務局として立ち上げられたところでございます。このプロジェクトでは、淡海子ども食堂を安定的に継続するための支援や児童養護施設等を退所した子供の居場所づくり、また、そのサポートをしていただく企業の開拓などに取り組むこととされております。  こうした取り組みは、地域の力で子供を育み、誰一人取り残さない社会につながるものであり、県といたしましても、来年度予算案でお願いしておりますはぐくみ基金への助成を通じて、県内のどこでも子供を真ん中に置いた地域づくりが進むよう、公私協働で取り組んでまいりたいと存じます。  この項目の最後、高齢者の活躍についてでございますが、高齢者の方にそれぞれ役割を持って活躍いただくことは、その方にとって自分らしい暮らしを送るための生きがいや健康づくりにつながり、また、今後人口減少が見込まれる中にあって、本県の地域活力を維持向上させていくために重要なことであると考えています。
     本県ではこれまでから、老人クラブの地域貢献活動への支援でありますとか、レイカディア大学の学生、卒業生による地域活動の促進、自主活動グループの立ち上げ支援、情報誌やホームページによる情報提供などにより、高齢者の活躍促進に取り組んできたところでございます。その結果、本県の高齢者のボランティア活動率は全国1位であり、先ほどの子ども食堂においても、担い手として多くの高齢者の方にかかわっていただいております。  そして、平成30年度には、さまざまな人が支え合うお互い様の地域づくり推進事業におきまして、農業、環境、地域文化などの多分野とつながりながら、地域支え合いを行う実践者の養成等を進めていく所存でございます。  これら事業を通じまして、地域づくりの観点で高齢者の活躍を期待するとともに、誰もが年齢や障害の有無にかかわらず居場所と出番があり、支え、支えられ、さまざまに活躍いただける、まさに一億総活躍の社会づくりを進めてまいりたいと存じます。  次に、次代に向けた滋賀の産業振興について、5点御質問いただきました。  まず初め、1点目に、県内企業の景況感について御質問いただきました。  県が実施しております企業調査によれば、平成29年度第3四半期の県全体の業況DIはプラス5.7と4四半期連続で改善しており、消費税増税前の駆け込み需要が見られた平成25年度第4四半期以来のプラスとなるなど、人材不足への懸念はありますものの、県内企業の景況感は改善しつつあるものと認識しています。  企業規模別では、中小企業の業況DIが平成29年度第3四半期に前期までのマイナスからプラスに転じており、中小企業の景況感においても改善の動きが見られるところでございます。  また、景気の回復により法人二税の増収が見込まれるとともに、就業面におきましても有効求人倍率や完全失業率が改善し、女性や高齢者の就業者数も増加するなど、明るい材料がふえてきていると認識しています。  これらは、これまでの国の経済対策の効果が県内経済にもあらわれつつあることに加えまして、制度融資や企業立地助成を初め、マザーズジョブステーションやシニアジョブステーションの運営、観光振興などの県の諸政策も一定寄与しているものと認識しております。  2点目、新たなイノベーションの創出に向けた支援についてでございますが、県内中小企業が地域間競争で優位性を保っていくためには、第4次産業革命の流れを積極的に取り入れるとともに、地域の特性を生かした成長性の高い分野の競争力強化を図るための支援策を講じていくことが必要不可欠であると認識しています。  そこで、県では今年度よりIoT推進ラボを立ち上げ、農業、観光や製造業などの現場関係者とIoT関連事業者との交流の場の提供や、プロジェクト構築の支援を通じて、新たなIoTビジネスの創出を推進しているところでございます。  平成30年度からは、地域未来投資支援コーディネート事業といたしまして、健康医療機器やバイオなど本県の特性を生かした成長性の高い分野を中心に、県内のものづくり中小企業と大学あるいは大手企業等とのマッチングや、プロジェクトチームの立ち上げ支援などを充実、強化する予定でございます。  また、中小企業の若手イノベーション人材創出事業といたしまして、県内製造業の若手設計者を対象に、異分野、異業種連携による商品企画、マーケティングなど、事業全体をプロデュースできる人材の育成プログラムにも新たに取り組む予定でございます。  さらに、将来を見据えて社会的課題をイノベーションにより解決するビジネスモデルの創出に向けて、経済界、金融機関等とともに、仮称でございますが、滋賀SDGsイノベーションハブの設置にも取り組んでいきます。  こうした施策を企業の積極的な投資に結びつけることにより、企業の新製品、新事業の開発や生産性革命に向けた取り組みを加速し、地域経済を牽引する新たなイノベーションの創出を目指してまいりたいと存じます。  3点目、地域未来投資促進法に基づく基本計画の策定の狙い、今後の取り組みについてでございます。  地域未来投資促進法は、地域の稼ぐ力を高め、地域経済の好循環の実現を目指していく上で有効な仕組みであり、県では県内全市町との協働により、県域を対象区域とする基本計画を策定し、先月24日に、おかげさまで国の同意を得たところでございます。  その狙いは、本県の特性を生かし、一つは成長ものづくり分野、第2に医療・ヘルスケア分野、第3に環境・エネルギー分野、第4に第4次産業革命関連分野、第5に観光・スポーツ分野のこの5分野におきまして、本県経済や雇用に大きな波及効果をもたらす事業の創出を図っていくことにあり、計画では、平成34年度末までの5カ年で計50件の地域経済牽引事業を創出し、合計で32億円余の付加価値を生み出すことを目標としているところでございます。  本計画の取り組みを進めるに当たりましては、国、市町、経済団体や金融機関等と緊密に連携し、企業の皆さんが国の支援策を活用し設備投資等に積極的に取り組んでいただけるよう、制度の周知はもとより、企業の投資計画の作成段階から十分な相談体制を整えながら、支援に努めてまいりたいと存じます。  また、県におきましても、さきに述べたように、平成30年度当初予算案に地域未来投資支援コーディネート事業を計上するなど、企業のニーズを踏まえた事業環境の整備に努めてまいる所存でございます。  4点目、若手人材の育成確保に向けての課題と取り組みについてでございます。  平成27年度に実施いたしました滋賀県および京阪神地域の大学生に対するアンケートによりますと、県内企業を全く知らない学生が54%を占めており、県内企業の魅力が十分伝わっていないということ、また、採用後の人材育成に対する中小企業の負担が大きいことに加えまして、新規大学卒業者の卒業後3年以内の離職率が約3割と高いことが課題であると認識しているところでございます。  このため、若者への県内企業の魅力の発信につきましては、企業情報サイトや企業PR冊子に加え、ツイッターによる県内高校卒業時からの就職情報等の発信を行うとともに、インターンシップの推進や合同企業説明会の開催、県外大学との協定に基づく就職支援の拡充に取り組んでまいりたいと存じます。  また、企業における人材育成につきましては、その充実が企業の魅力向上、ひいては定着率の向上にもつながることから、新たに県内中小企業が行う若手従業員の人材育成に対する助成制度を設けるなど、若者が滋賀の企業を選択し定着いただけるよう、福祉や農業などの分野を含め、働くなら滋賀の環境を整えてまいりたいと存じます。  さらに、若者の就労支援を行うおうみ若者未来サポートセンターの支援機能の強化に向けた検討を始めるとともに、滋賀マザーズジョブステーションやシニアジョブステーション滋賀における女性や高齢者に対するきめ細かな就労支援を行うことにより、滋賀の産業を支える人材の育成確保を推進してまいりたいと存じます。  この項目の最後、事業承継支援の取り組みについてでございます。  企業経営者の高齢化や後継者不足等により事業承継が緊急かつ最重要な課題となる中、経営者みずからが事業承継の必要性を認識し、早期かつ計画的に取り組むことが重要であり、それぞれの企業の状況に応じて切れ目ない支援を展開していく必要があるものと認識しています。  このため、商工会、商工会議所や金融機関を初めとする関係機関、団体とネットワークを構築し、今後5年間を集中取り組み期間と定め、一体的な支援体制のもと、滋賀ならではの事業承継の推進を図ってまいりたいと存じます。具体的には、事業承継診断や事業承継セミナーによる情報提供、専門家派遣等を通じたきめ細かな支援などにより、事業承継に向けた準備を促してまいりたいと存じます。  また、県がかねてより要望してまいりました事業承継に係る相続税、贈与税の納税猶予などについて、おかげさまで平成30年度から抜本的な改正がなされる予定であり、その認定等については県が行うことから、制度について一層の周知に努めてまいりたいと存じます。  さらに、県の中小企業振興資金におきましても、平成30年度から新たに事業承継枠を設け、事業用資産の取得等に必要な資金を最優遇金利である年1.0%で融資する制度を設けたいと考えております。  加えまして、県内企業が民間人材市場を通じて後継者を確保する場合に、企業が負担する経費の一部に対して助成する仕組みを新たに設けたいと考えています。  今後とも、販路開拓や新事業展開等の成長発展に向けた支援や事業承継への支援を加速させ、地域の経済や社会の担い手である中小企業、小規模企業の活性化を初め、産業振興に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  環境こだわり農業と稼げる米づくりについて、ここでは6点御質問いただきました。  まず1点目、全国における平成30年産米の生産調整の動向についてでございます。  農林水産省が本年1月17日に公表した資料によりますと、東京都と大阪府を除く45道府県において、これまでの主食用米の生産数量目標にかえて、農業再生協議会などから、目安となる生産量などが地域に提示されております。  各道府県ごとの取り組みにつきましては、新聞報道によりますと、平成29年産よりも増産する数量を提示されたのが12道県、減産する数量を提示したのが8県、従来とは異なる指標に変更され比較できないのが3府県、残る22県において平成29年産と同じ生産量が示されているところでございます。こうしたことから、全国的に見ますと、おおむね前年と同程度の生産調整が実施されるものと認識しています。  2点目、生産調整の具体的取り組みと農業者の皆さんの受けとめについてでございます。  本県では、県や農業団体等で構成いたします滋賀県農業再生協議会におきまして、平成30年産の主食用米の生産目標を平成29年産と同じ15万7,032トン、面積にいたしまして3万315ヘクタールに設定し、市町農業再生協議会ごとの生産目標が提示されたところでございます。  また、農業団体等から複数年の生産目標を提示するよう要望がありましたことから、平成31年、平成32年産についても、参考値として同様に提示されたところです。  この生産目標をもとに、県としても市町やJA等とともに、需要に応じた主食用米の生産と団地化による麦や大豆等の生産をしっかりと維持拡大していただくこと、そして、麦や大豆の作付が適さない地域においては飼料用米などの非主食用米の作付を行っていただくことなどを、農業者の皆さんに強く呼びかけているところでございます。  農業者の皆さんの受けとめといたしましては、市町農業再生協議会への聞き取りによりますと、主食用米の生産調整の必要性についておおむね御理解が得られ、これまでと同様の取り組みが行われる見込みであり、既に作付が終了した平成30年産の麦の面積もほぼ前年並みと伺っているところでございます。  3点目、平成30年産米に対する環境こだわり農業の支援についてでございます。  環境保全型農業直接支払交付金の国の平成30年度予算案は5,000万円増額されましたものの、全国共通取り組みへの予算配分を優先する方針が示されており、全国の状況によりましては、本県で多い地域特認取組は予算が不足する可能性が高いのではないかと危惧しています。このため、国に対しまして、予算配分に当たりましてこれまでの実施状況を十分に考慮いただくよう、今後も要請を続けてまいりたいと存じます。  また、農業者の皆さんには制度が大きく変わる中で引き続き安心して取り組んでいただくことが大切なことから、平成30年度につきましては事前にお示しした単価でお支払いできるよう、市町と連携しながら、県として責任を持って対処してまいりたいと存じます。  4点目、その後も含めた今後の環境こだわり農業の推進についてでございますが、国においては、平成31年度以降、地域特認の絞り込み、単価や補助率引き下げといったさらなる見直しを検討されております。このため、本県で取り組み実績が多く環境保全効果の高い地域特認取組が今後とも対象となるよう、引き続き要望してまいります。  その上で、国の制度改正を踏まえ、全国共通取り組みや国で認められた地域特認取組へできるだけスムーズに移行し、これまで琵琶湖への負担削減に貢献してきた環境こだわり農業が後退しないよう取り組んでまいりたいと存じます。  なお、国費不足分の県費による補填は、平成31年度以降は行わない方向で考えております。  今後も、全国のトップランナーとして環境こだわり農業の取り組みを引き続き維持拡大できるよう、まずは需要が高まっているみずかがみの生産拡大に加え、プレミアムみずかがみや環境こだわり米コシヒカリ、魚のゆりかご水田米の有利販売など、付加価値向上に向けた取り組みを強化してまいります。  さらに、今年度、環境こだわり農業の深化に向けて、農薬、化学肥料を使用しないオーガニック農業の可能性を検討してきたところでございます。  生産面では、技術体系のめどが立ち、栽培研修会には想定を超える多くの生産者に御参加いただくなど関心の高さを感じたところであり、流通販売面においても、オーガニック米に対する一定の消費者ニーズが確認できたところでございます。  そこで、来年度から、オーガニック栽培技術の普及、販路開拓、ブランド化に向けた本格的な取り組みを始めることとし、琵琶湖を抱える滋賀ならではの象徴的な取り組みとして全国に発信することで、環境こだわり農業のブランド力向上につなげたいと考えております。  琵琶湖と共生する環境こだわり農業は、現在進めている世界農業遺産の認定申請においても、現代的な取り組みとして重要なものであると考えております。  今後、この環境こだわり農業が本県農業のスタンダードとなるよう、生産、流通、消費のさまざまな場面における施策を力強く推進してまいりたいと存じます。  5点目、現在、近江米振興協会で策定を進めている近江米の生産・流通ビジョンについてでございます。  策定の主なポイントとしては4点ございます。1点目は、近江米の生産をマーケットインを強く意識したものに転換すること、2点目、需要の拡大に努めるとともに、卸売業者等が求める米の情報を把握し、農業者に作付提案などによってしっかりと伝えること、3点目、農業者の皆さんは求められる米を契約栽培によりしっかりと生産し、安定、継続した供給を行っていただくこと、4点目、こうした取り組みを関係者が一体となって推進することで、今後とも農業者の所得の維持確保を図ることでございます。  そして、目標といたしまして、全国の主食用米の需要量に占める近江米のシェアを引き上げることと、主食用米の契約栽培率を高めることを目指すこととしております。具体的な内容といたしましては、主な品種ごとに、家庭用、業務用としての生産量の方向、そして用途に応じた栽培方法を提示してまいります。  例えば、家庭用といたしましては、卸売業者等から強いニーズがあるみずかがみや、生産量が最も多いコシヒカリで環境こだわり栽培など特色ある米づくりを推進し、また、近年、全国的にニーズが高まっております業務用といたしましては、キヌヒカリ、秋の詩などで多種栽培も推進するといった方向を示すこととしております。あわせまして、県内や京阪神、首都圏など、地域に応じたPR戦略等も定めることとしております。  このようなビジョンは今回初めて策定するものであり、近江米の生産や流通にかかわる者全てが今後の目指す方向を共有し、その達成に向けて一丸となって取り組んでまいりたいと存じます。  6点目、稼げる水田農業の確立に向けた取り組みについてでございますが、稼げる水田農業のためには、単位面積当たりの売り上げを高めるとともに、生産コストを削減することが必要であります。  まず、水田農業の中核であります近江米につきましては、今般策定するビジョンに基づきまして、契約栽培により安定取引を確保しつつ、家庭用については、オーガニック米を初め、琵琶湖を守る環境こだわり米の取り組みを積極的にPRするなど、ブランド力の向上による有利販売を進め、業務用については、多種栽培を進め、単位面積当たりの売り上げの向上を目指してまいります。  麦や大豆につきましては、新品種の導入や肥料の施用方法の改善など、新たな技術の普及支援などにより品質や収量の向上を図ります。  さらに、需要の高まりに対応し、水田野菜などの園芸品目の導入など、経営の複合化による収益力向上に向けて、きめ細かな支援、指導に努めてまいります。  一方、生産コストを削減するため、農業生産の基盤であります農業水利施設の保全、更新を初め、農地の担い手への集積、集約化や圃場の大区画化、汎用化の推進、さらには高性能農業機械施設の導入に対しても支援を行ってまいりたいと存じます。  こうした取り組みを推進し、米を主体としつつ、麦、大豆に野菜等を組み入れた水田フル活用による稼げる水田農業を確立し、滋賀の農業を健全な姿で次の世代に引き継いでまいりたいと存じます。  次に、大きな8項目め、治水政策について、5点御質問をいただきました。  1点目の治水の歩みが着実に進んでいるのかということについてでございますが、気候変動による局地的な豪雨が頻発する中、どのような洪水にあっても人命を守り、壊滅的な被害を防ぐことを目標に、ハードである川の中の対策を基幹的対策とし、川の外の対策であるソフト対策も連携させて被害を減じる流域治水の取り組みを進めてきたところでございます。  川の中の対策につきましては、平成26年度に策定いたしました河川整備5ヶ年計画に基づき、平成28年度末までに17.6キロメートルの区間で工事を着手し、このうち9.3キロメートルの区間で、天井川の切り下げや河床の掘削などの整備を完了させてきたところでございます。  また、川の外の対策につきましては、国の施策である水防災意識社会の再構築への取り組みとも連携を図りつつ、これまで34の重点地区で図上訓練や危険箇所の現地確認などによる避難体制の整備、避難勧告等の判断基準を整備、浸水警戒区域の指定による安全な住まい方への転換など、流域治水の取り組みを進めてきたところでございます。  近年、県内各地で水害による甚大な被害が出ていることをしっかりと受けとめ、また、これまでの重点地区での取り組みを踏まえて、県内の整備水準の向上を図るため、治水の基幹的対策である河川改修や維持管理を今後も計画的かつ着実に進めてまいるとともに、避難体制の整備などソフト対策も着実に進めてまいりたいと存じます。  2点目、川の中の対策についてでございます。  議員御指摘のとおり、災害が少ないと言われる本県におきましても昨年の台風21号により新川が破堤するなど、ここ数年、台風被害等が多く発生しています。  先ほどお答えしたとおり、これまでもハード整備を行ってきたところでございますが、対策について、より加速化すべきという声を常々いただいており、県民の皆様の安全、安心にかかわる川の中の対策について、その重要性を一層強く感じているところでございます。  このことから、少しでも早期に治水効果が発現できるよう今まで以上に国へ要望するなど、必要な予算の確保に努めるとともに、次の河川整備5ヶ年計画を平成30年度に策定し、着実に河川整備を進めてまいりたいと存じます。  3点目、さきの県議会での決議についてでございます。  決議は重く受けとめております。県民の生命と財産を守る河川整備をしっかりと推進してまいたいと存じます。  国が淀川の中上流部の河川改修の進捗とその影響を検証することとしておりますが、それだけでなく、大戸川ダムの効果や影響について検証するため、滋賀県として自発的に勉強会をスタートさせたいと考えています。その成果は、判断材料の一つとして、また、国や下流府県に本県の立場等を説明するツールとして活用してまいりたいと存じます。  4府県知事合意後、10年が経過しようとしています。その間、淀川本川およびその上流の宇治川、瀬田川、桂川、木津川の河川整備は一定進んできたと認識しています。  一方、平成25年の台風18号、昨年の台風21号に象徴されるように、近年の雨の降り方や災害発生の頻度は変化しております。瀬田川洗堰においても2度の全閉操作が行われたところでございます。これらの災害も教訓としながら、地域の声にも耳を傾け、勉強会での検証結果も踏まえ、4府県知事合意についても必要な見直しができるよう努めてまいりたいと存じます。  4点目、淀川水系河川整備計画の変更の必要性についてでございますが、近年の災害が頻発する状況などから、大戸川ダムの必要性、緊急性について県として意見が言えるよう、国が行う淀川中上流部の河川改修の進捗とその影響の検証が早期に示されるべく、働きかけてまいりたいと存じます。  また、現在施工中の県道大津信楽線のつけかえ工事に続く新たな準備工事の着手に向けては、河川整備計画の変更が必要であると認識しております。  5点目、土砂災害対策における私の見解でございますが、議員御指摘のとおり、近年は集中豪雨が頻発化し、平成25年の台風18号では栗東市において土砂災害によりとうとい命が失われ、また、平成26年の広島県においても甚大な土砂災害被害が発生しており、県民の命を守るために土砂災害対策はとても重要であると認識しております。  これまで土砂災害警戒区域等の指定を進めてきたところでございますが、平成15年公表の土砂災害危険箇所の指定が来年度には完了することから、今後はハード対策にもより力を入れて土砂災害対策に取り組んでまいりたいと存じます。  土砂災害対策施設の整備率向上に向けた今後の取り組みについてでございますが、命を守ることを最優先に、要配慮者利用施設や避難所など緊急性の高いところから重点的かつ計画的に施設整備を行うとともに、整備のための調査や準備をしっかりと進めてまいりたいと存じます。  続きまして、学力向上について、4点御質問をいただきました。  まず1点目、全国学力・学習状況調査の結果をどのように受けとめて学力向上につなげていこうと考えているのかということについてでございますが、知識・技能、思考力・判断力・表現力、そして主体的に学習に取り組む態度の3つの要素からなります学力を向上するためには、まず、学力の基礎となる学ぶ力の向上が肝要であると考えます。  その実現には、学校を初め教育にかかわる全ての人が協力して取り組むことが必要であるとの考えから、県教育委員会と連携のもと、平成27年度より、学ぶ力向上滋賀プランに基づき取り組みを進めてきたところでございます。  しかしながら、近年の学力調査からは一定の成果が見られるものの、基礎的、基本的な知識を身につけることや自分の考えを適切な根拠をもとに述べることに課題が見られること、また、学習状況調査からは、放課後や家での時間の使い方等について依然として課題があることがわかりました。私はこれらの結果を重く受けとめており、しっかりと活用、また対応していくことが必要であると考えております。  こうしたことから、現在、全国学力・学習状況調査結果について、滋賀大学と連携し詳細な分析を行っているところであり、その中間報告では、自校の課題、自分の学校の課題を学校全体で共有できていないこと、学習規律の指導が徹底されていないこと、指導力向上のための校内での研修が少ないことなどが挙げられております。  今後も、分析を進める中で見えてきた課題の解決に向けて、大学や民間教育機関等の外部の知見も活用しながら、教育委員会と連携して、子供たちの確かな学力の向上につながるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  2点目、平成31年度以降の学力向上についてどのように取り組んでいくのかということについてでございますが、私は、これからの時代を生きる子供たちには、自立と共生に向けて主体性や社会性を育む教育が大切であると考えます。  このことから、これまで、学ぶ力向上滋賀プランをもとに、学校や県・市町教育委員会が一体となり、学ぶ力の向上に向けて取り組んできたところでございます。こうした取り組みにより、みずから進んで挑戦する力、やり抜くことができる力の向上などに一定の成果がありました。しかしながら、学力調査においては、さきに述べたとおり、自分の考えを適切な根拠をもとに述べることなどに課題が見られたところでございます。  学力・学習状況調査等の分析により、まずは、教育にかかわる全ての者が現状や課題を共有し、見えてきた課題解決に向けて施策の重点化を図ること、そして、実行した結果についてしっかりと検証し、深掘りして改善を図ることが必要であります。これらの検証と改善のサイクルをしっかりと機能させることにより、子供たちの確かな学力の向上に向けた実効性のある取り組みを進めるなど、今後、教育委員会と連携し、新たなプランの策定も視野に入れながら取り組む所存でございます。  3点目、学力向上に向けて、平成30年度予算においてどのようなことに重点を置いて取り組んでいこうとするのかということについてでございますが、学力向上に向けましては、全体の傾向や平均的な見方だけでなく、子供たち一人一人の学力や学習状況をより詳細に把握することが必要であると考えます。  そのためには、県教育委員会として、まずは専科教員や少人数指導教員などの拡充による学校の指導体制の充実に努めることとしております。また、退職教員の豊かな経験を活用して、子供たちへの補習や発展的な学習支援、および若手教員の指導力向上に取り組む所存でございます。  加えまして、大学や民間教育機関の調査分析力や知見を生かし、課題を明確にした授業改善と効果的な家庭学習を進めることで、学校と家庭が連携して子供たちの学力向上と学習習慣の定着、生活習慣の改善を目指すこととしており、このための予算をお願いしているところでございます。  さらには、県教育委員会では、学校の取り組みを改善するための指導、支援が十分に行えるよう事務局の指導体制の充実を図り、市町教育委員会とも連携しながら、しっかりと進めていくことを確認したところでございます。  最後に、4点目、子供一人一人と向き合う時間を確保することと、学力向上および競技力向上との両立についででございます。  教員の働き方改革の目的は、まずは、何より教員が健康で生き生きと働き、誇りや情熱を持ち続け、学習指導や生徒指導に集中できるよう、学校におけるこれまでの働き方や教員が担う業務を見直し、児童生徒一人一人と向き合うことのできる時間を十分に確保することにございます。  まず学習面においては、業務の見直しやスクールサポートスタッフの配置などを進め、教員みずからがより専門性を高め、教材研究や授業改善に専念できる時間を生み出すとともに、教員研修の内容の充実や現場で活用しやすい教材などの学習情報の整備等を進めるなど、教員の支援を充実することによって子供たちの学力向上に努めてまいります。  また、部活動におきましては、外部指導者の活用により専門的技術の向上を図るとともに、顧問等が大学や競技団体から科学的な指導方法や指導技術を学ぶ研修会を実施するなど、これまで以上に効率的で質の高い指導を行い、競技力の向上にもつなげてまいりたいと考えます。
     今後は、今般教育委員会が策定した学校における働き方改革取組方針に基づきまして、県教育委員会とともに市町教育委員会と連携し、保護者や地域の理解や協力を得て取り組みを進めてまいります。  その取り組みの結果を常に検証、分析し、明らかになりました課題に対しましては丁寧に対応していくことで、働き方改革が教育の質を高め、子供たちの夢と生きる力を育むことにつながると考えております。  大きな項目の最後、安全、安心のための警察力の充実、強化について、3点御質問いただきました。  1点目、警察官の適正配置に向けた増員についてでございます。  警察力の強化等によって、県民の暮らしや経済活動の土台となる安全で安心な社会を実現していくことは行政の使命であります。議員御指摘のとおり、警察官1人当たりの人口負担や業務負担が全国平均を大きく上回る本県におきまして、警察力を強化するには警察官の増員による体制整備が不可欠であると認識しています。  ところで、警察官の定員は、各都道府県の人口や治安情勢等に基づく政令基準に従い条例で定めることとされており、増員には国への働きかけによる政令基準の改正が必要となります。これまでも、毎年、春と秋の2回、国への政策提案を行っており、私や副知事が直接警察庁長官等と面会して警察官の増員を強く訴え、平成27年度から3カ年で、全国2位の増員率となる計39人の増員をおかげさまでいただいたところでございます。  また、昨年度のこととなりますが、全国知事会議や近畿ブロック知事会において、改正道路交通法に係ります高齢運転者対策のため、私みずからも警察の体制強化の必要性を各知事に説明の上、知事会の提言書に取りまとめ、警察庁等に要望させていただいたところでございます。  引き続き、県議会の皆様を初め県警察ともしっかりと連携しながら、国に対して本県の現状を繰り返し丁寧に説明し、一人でも多くの警察官の増員が図られるよう強く求めてまいる所存であります。  2点目、警察施設における今後の計画的整備についてでございます。  警察署等の整備につきましては、移転新築整備が完了した近江八幡警察署、甲賀警察署に続き、今年度から草津警察署の建てかえ整備を進めており、年間を通じて県民の皆様が多数利用される運転免許センターにつきましても、昨年度からの5カ年計画で整備を進めているところでございます。  一方で、大津北、高島、木之本、彦根の4警察署は、築後40年以上経過による老朽化に加え、職員の増加による狭隘化や警察活動上必要な留置場、事件対策室、相談室等が不十分な状況にあると認識しています。  また、交番、駐在所につきましては今年度で全ての施設が現在耐震基準を満たすこととなりますが、このほかにも、御紹介のございましたとおり、老朽化が進んだり、相談室や来庁者用のトイレがない施設が多数あることは承知しております。  私といたしましては、警察施設は県民の安全、安心、さらには生命、財産を守るため必要不可欠な施設であると十分認識しており、警察施設の計画的な整備について、間断の生じることのないよう最大限努力をしてまいる所存でございます。  最後、3点目、県民の誰もが安全、安心に暮らせる滋賀県をつくり上げていく決意についてでございますが、平成15年4月に「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり条例を施行し、犯罪のない安全、安心な滋賀の実現に向け、県、警察、市町、県民、事業者等が一体となった総ぐるみ運動を推進してきたところでございます。  その結果、平成29年の刑法犯認知件数は昭和36年以降最も少ない8,737件となったところであり、これは県民の皆様との地道な活動のおかげさまであると感謝しているところでございます。  しかしながら、平成29年は特殊詐欺被害が件数、被害額とも平成28年より増加いたしましたほか、防犯ボランティアの高齢化が進み持続性が課題となっているなど、引き続き気を緩めることなく防犯活動に取り組んでいく必要がございます。  このため、今月開催いたしました「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり実践県民会議総会におきましては、平成30年の犯罪抑止につきましては、アンダー8,000件という高い目標に設定させていただいたところでございます。  また、県民の体感治安に直ちに影響する特殊詐欺や子供や女性を対象とする犯罪、住宅に侵入する窃盗犯罪の3つを重点的に抑止するなどの活動方針を、市町、県民、事業者等の皆様と確認、共有したところでございます。  地域社会が変化し、新たな犯罪の手口も発生する中で、地域に根差した防犯活動は今後ますます重要となってくるものと考えており、警察、市町、県民、そして事業者等の皆様と同じ目標、方針を共有し、安全、安心の滋賀県を築いていくため、私自身も先頭に立って取り組んでまいる所存でございます。 ○議長(奥村芳正) しばらく休憩いたします。   午後0時12分 休憩    ────────────────   午後1時14分 開議 ○議長(奥村芳正) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、16番大橋通伸議員の発言を許します。 ◆16番(大橋通伸議員) (登壇、拍手)この冬はかつてない寒波が到来しました。大雪の被害に遭われた県内外各地の皆様に心からお見舞い申し上げます。  チームしが 県議団を代表して質問します。  三日月知事にとって1期目の仕上げとなる年度当初予算が示されました。骨格予算でなく、知事就任以来の思いが詰まった覚悟と突破力を込めた本格予算と、私たちチームしが 県議団は受けとめています。  三日月知事誕生後に策定された今の滋賀県基本構想のうち、平成27年度から平成30年度を計画期間とする重点政策編は来年度が最終年度であり、その成果を期待するとともに、私たちチームしが 県議団も、この基本構想が実を結ぶよう力を尽くす決意です。  平成31年度からの次期基本構想については、その準備に着手され、これまでの理念と政策を1期4年で終わらせないとする三日月知事の並々ならぬ意思を感じ取っています。  私たちチームしが 県議団は、時代の潮流と民意を見きわめるとともに、今の基本構想の達成状況の検証の上に立ち、新たな課題に対しては、三日月知事が知事選挙初挑戦のときに公約として示された政策提案集の理念のもと、三日月知事は引き続きその責任を果たすべきと考えます。  三日月知事の政治理念、政策提案集にうたう「人の力を活かし、命を守り、草の根自治の滋賀を発展させる」という政治理念は、全ての人に居場所と出番がある共生社会の実現、また、自分の豊かさだけでなく、今の豊かさだけでなく、物の豊かさだけでもない、「新しい豊かさの創造」という表現で、行く先々でも標榜されてきました。県民の多くに共感の輪は広がってきていると感じています。  滋賀県の未来をつくるためのこうした三日月知事の立ち位置はこれからも揺るぎないものと、開会日の出馬表明からも確信できますし、このたびの新年度予算には未来への投資となる事業が幾つも織り込まれており、政策提案集にうたった施策が着実に具体化しています。対話と共感、そして協働を掲げ、中山間地居住など、県民の声を聞きに出向く三日月知事の姿勢に、県民の多くは大きな期待を寄せています。政治と日々の暮らしは地続きです。県民の県政への関心を高め、県民の政治参加を促す点においても、三日月知事の行動力は評価できます。  また、滋賀県に根づき、滋賀県が育んできた文化、伝統、産業などを県民の誇りに押し上げるだけでなく、県外、国外への積極的な発信で本県の認知度の向上に力を注いできた点は評価できるところです。例えば教育会館の問題の対応について、その指導力に不満を残すものの、国会議員の経験を生かした政府への働きかけや、前任の知事から引き継がれた課題への柔軟な対応も一定評価します。  さらに、三日月知事が琵琶湖新時代宣言に寄せた思い、飲水思源、水を飲んだとき、その源を思うという政治思想に裏打ちされた琵琶湖と森林とのつながり、琵琶湖と暮らしとのつながりを捉えた施策の推進などは、持続可能な社会を目指すことが重視されている今だからこそ、三日月知事の発信がその輝きを放っています。  さらにまた、知事として最もその責務を負うべき財政規律については、プライマリーバランス──基礎的財政収支を任期の4年間、連続の黒字にする最低限の責任を果たしてきたことも評価するものです。  今般、次期知事選挙への出馬を表明されました。私たちチームしが 県議団は、その決断に対し、三日月知事を誕生させたいきさつもあり、その表明に希望をつないでいます。  質問に入ります。  まず初めに、新年度予算について、知事に伺います。  知事につかれて、はや3年半となりました。今回の予算編成は、これまでの取り組みの4年間の集大成と理解しています。以下、どのような考えで予算編成をされたのかお尋ねします。  まず、今後数年間にわたって予想される財源不足や大きな財政負担を伴う国体の施設整備、県立学校のトイレ改修等がある中で、新年度の予算編成において、プライマリーバランスの黒字維持に向けてどのように取り組んだのか伺います。  また、限られた財源の中、総花の予算編成が許されない状況にあって、スクラップ・アンド・ビルドが不可欠であると考えます。このことについて、どのような方針のもとに予算編成を進められたのか伺います。  今日の県政の状況を見ますと幅広い分野にわたって多くの課題が山積していますが、その課題解決のプロセスにおいて、三日月カラーが明確に示されることが重要です。その方向性を示すのが計画期間の最終年を迎える基本構想ですが、この中の三日月県政の重要なキーワード、「新しい豊かさの実現」は私たちも大いに期待を寄せています。このことがしっかりと反映した予算編成となったのか伺います。  昨年6月、今後10年間の財源不足の見通しが発表されたのですが、少子高齢化や人口減少が進む中、県民にとっては10年後にも安全、安心、そして真の豊かさを感じることができる県の姿が見えてくることが重要です。健康しがをテーマにした予算編成の中で、文字どおりの期待の持てる予算編成となったのか伺います。  次期基本構想に向けては既に着手されていますが、2030年を展望し、その計画期間を12年間としています。知事は次期基本構想にどんな思いや願いを埋め込もうとしているのか伺います。  国や県の施策に共通する課題として、現役世代に対する施策が十分でないという印象を持っています。全ての世代に光が当たる、そして全ての人が助け合える社会のあり方や生活保障の担保が重要と考えます。こうした要請に応えることができる予算編成となったのか伺います。  これ以降の質問は、前回の知事選挙のときに三日月知事御本人が公約としてまとめた三日月大造政策提案集「人と地域がキラリと輝く7つ星の滋賀」の柱立てに沿ったものとします。質問の項目も政策提案集から引用したものです。  私たちチームしが 県議団として独自に政策提案集の達成度を評価しましたので、その結果を踏まえて知事に質問します。  まず、「命と暮らしを共に支えあう社会」について、知事に伺います。  人口減少、少子高齢化社会にあって、私たちはこれからの人材に注目しました。子育て支援においては、誕生期のサポートとして、産科医や助産師の増員など安心できる出産環境の整備が大切です。また、子供の育ちのため、待機児童の解消など保育の量・質の拡充や虐待防止、放課後児童クラブの支援拡充も大切です。  政策提案集を受け、基本構想では、子供を安心して産み育てるための切れ目のない支援を重点施策として掲げておられます。これらの施策は一定進んではいますが、やはり課題は人材です。産科医や助産師、また、保育所や認定こども園を支える保育士、子ども家庭相談センターの児童福祉士などの不足が大きな問題となってきています。  そこで、知事がうたう子育て環境日本一の滋賀に向けた人材確保の課題に対し、これまで3年半の総括と今後の取り組みについて伺います。  医療福祉の分野では、健康寿命日本一の滋賀を目指して、健康づくりや予防医療を初め、医療福祉の充実に積極的に取り組んでこられました。厚生労働省の調査では、滋賀県の男性の平均寿命は81.78歳で、長寿日本一に躍り出ました。女性は87.57歳で全国4位、平成28年社会生活基本調査では、本県は学習・自己啓発・訓練の年間行動者率は39.9%で全国5位、旅行・行楽は77.6%で全国5位、スポーツは71.6%で全国4位、ボランティア活動は33.9%で全国1位、これらの主体的な行動や社会とのつながりも長寿日本一に寄与していると考えられます。このような結果をどのように受けとめ、今後さらに健康寿命を伸ばすためにどのような取り組みをしようとしているのか伺います。  知事は、基本構想で、地域を支える医療福祉・在宅看取りの推進を重点施策に位置づけられておられます。今年度は、健康や医療、福祉にかかわる11の計画の策定や改定に取り組まれています。知事は、在宅医療を支える医師、看護師など専門職の人材確保育成を図るとともに、在宅医療、介護連携を図るための体制整備など、医療と福祉が一体となって県民を支える滋賀の医療福祉の実現を目指しておられます。そのためには、これらを支える人材の確保が何よりも重要です。  国では介護離職ゼロを掲げていますが、介護の人材不足は深刻で、滋賀の医療福祉の実現も厳しい状況にあります。知事の目指す滋賀の医療福祉を支える人材の現状と課題、そして人材確保に向けた今後の取り組みを伺います。  次に、スポーツと文化の10年について、知事に伺います。  まず、2024年の第79回国民体育大会、第24回全国障害者スポーツ大会の開催に向けてです。  知事は政策提案集の中で、国体、全国障害者スポーツ大会に向けた6つの理念を掲げられています。1つ目に、滋賀をスポーツで元気にする国体、2つ目に、滋賀の若者や女性が主体的にかかわる国体、3つ目に、県民総参加でつくり、滋賀の力を伸ばす国体、4つ目に、滋賀の魅力を再発見し、地域の活性化やビジネスにつなげる国体、5つ目に、滋賀の子が滋賀で育ち滋賀で活躍する国体、6つ目に、滋賀の未来に負担を残さない国体とされ、これらの理念を生かし、施設整備と人材育成などに積極的に取り組むとしています。これらの理念に照らし、現在までの国体、全国障害者スポーツ大会に向けた取り組みの進捗と今後の展望について伺います。  次に、スポーツの推進について伺います。  県民の皆さんが身近にスポーツを楽しめる環境づくりや健康づくりができる環境整備は重要であり、これまでにもさまざまな取り組みがなされてきました。また、知事はプロスポーツの支援にも力を入れてこられ、昨年の3月、滋賀レイクスターズの公認ブースターにも就任されました。知事みずからが県民にわかりやすい形で旗振り役をしていただくことは頼もしい限りであり、今後の挑戦にもさらなる期待をするところです。これまでのプロスポーツ支援に関する取り組みなどその成果について、また、今後の取り組みについて伺います。  次に、文化の振興について伺います。  平成28年11月定例会議の我が会派の代表質問において、文化の国体と言われる国民文化祭の誘致の検討について伺ったところです。これまでに開催県の現地調査や各市町への聞き取り調査等を実施されました。  国民文化祭の開催は、多くの方々の文化活動への参加意欲を喚起するとともに、新たな文化の創造を促し、本県の地域文化の発展と魅力発信に寄与する一方で、県および市町等の財政負担および人的負担を考慮すると、十分な準備期間が必要であると聞いています。  しかしながら、東京オリンピック・パラリンピックや本県で国体、全国障害者スポーツ大会が開催されるこの機会に文化の振興も図り、県内外の方々が文化を通じた交流を深められるように取り組むことは、とても重要であると考えます。  滋賀県には多様で特色のある文化的遺産、資源が豊富にあります。滋賀ならではの文化を生かして、スポーツの推進と絡めてどのように取り組みを推進していくのか、その検討状況と今後の方向性について伺います。  次に、「夢と生きる力」を育む教育の推進について、知事に伺います。  まず、きめ細やかな教育の推進について伺います。  知事は政策提案集の中で、きめ細やかな教育の推進の具体策の一つに、小中学校での少人数学級の実現と、さらなる少人数化の検討を挙げておられます。今春からの新学習指導要領の実施に当たり、小学校では、新たな学びの実現を達成する授業形態の導入とプログラミング教育が必修化されます。また、5、6年生には正式教科「外国語」が導入されるなど、子供たちが受ける教育の量はさらに増加し、これに伴い教員の負担も著しく増加します。  このような状況の中、知事が掲げられた本県の小中学校での少人数学級編制の達成状況、あわせて、さらなる少人数化に向けた今後の取り組みをどのように進めるのか伺います。  本県では、「未来を開く心豊かでたくましい人づくり〜学び合い支え会う『共に育つ』滋賀の教育」を基本目標に、平成26年度から30年度までの5カ年計画として第2期滋賀県教育振興計画を策定し、学ぶ力向上滋賀プランのもとで学力向上に取り組んでこられたところです。  知事は、全国学力・学習状況調査の結果が公表された際、本県と他府県との比較や順位づけが行われたり優劣が論じられたりすることについては、一貫して、学力とは競争ではなく学ぶ力の育成を目指すと表明してこられました。私たちも、教育とは点数学力の向上に特化した学びではなく、人格形成を目指して行われるものと考えておりますので、知事の意見に賛同します。  学ぶ力向上滋賀プランに、知事の目指す「夢と生きる力」の育成がどのように反映されたのか。あわせて、今後、新学習指導要領の要諦である主体的、対話的で深い学びをどのように推進していくのか伺います。  次に、教職員の資質と処遇の改善について伺います。  政策提案集には、きめ細やかな教育を推進するためには教職員の資質向上と処遇の改善が不可欠であるとしています。教育への高い使命感と強い責任感、そして深い教育的愛情を持つ人材を確保するための教員採用試験や、資質向上に向けた教員研修の改革はどのように行われ、どのような成果が得られたのか伺います。  この項の最後に、教育行政改革への対応について伺います。  平成27年4月に総合教育会議が設置されました。知事は平成26年7月議会で、総合教育会議を設置する意義について、「教育における課題などが協議調整され、総合教育会議のもと、教育委員会との意思疎通を図りながら、教育における諸課題やあるべき姿を共有し、今後の教育における目標や方針を示す大綱を策定する」と表明されています。  総合教育会議が開催され丸3年がたちますが、この会議に対して知事が掲げた理念は十分に反映されたのでしょうか。また、どのような成果が得られたのか伺います。あわせて、どのような課題が明らかになり、今後どのように取り組んでいこうとされるのか伺います。  次に、「全ての人に居場所と出番のある共生社会」について、知事に伺います。  知事は政策提案集で、障害のある人もない人も尊重され、「共に暮らし、共に学び、共に働く」環境づくりを推進すると提案されています。その考えは、まさに私たちが目指す、一人一人がかけがえのない個人として尊重され、多様性を認めつつ、互いに支え合い、全ての人に居場所と出番のある、強くてしなやかなともに生きる社会の実現と同じです。  本県では、特別支援教育に係る在籍数は、平成20年度と平成29年度を比較すると、特別支援学校在籍数は約1.4倍、小中特別支援学級在籍数は約1.9倍、通常の学級に在籍する者の数は約2倍と急増しています。特に小学校、中学校の通常の学級に在籍する発達障害等特別の支援を必要とする児童生徒の割合は、5.14%から11.27%へと著しく増加しています。  滋賀のめざす特別支援教育ビジョン実施プランは平成28年3月に策定され、インクルーシブ教育の実現が期待されています。ここでは、目指す姿を、「障害のある子どもも障害のない子どもも、地域で共に生きていくために必要となる社会生活能力を身に付け、社会的・職業的に自立し社会参加できる」と描いています。そのためには、障害の早期発見、早期対応、就労支援まで、ライフステージに応じた切れ目のない支援が求められますが、現在の課題と今後の取り組みを伺います。  現在、滋賀県障害者プランが改定中ですが、県内企業で雇用される障害者数は8年連続で過去最多を更新し、障害者実雇用率は2.13%と全国18位であり、一定評価するものです。平成30年4月1日から、障害者の法定雇用率が民間企業で2%から2.2%へ、国地方公共団体等で2.3%から2.5%に引き上げられます。さらに、一般就労の定着に向けた取り組みの充実も必要になってきます。  このような動きの中にあって、精神障害者の就労には課題があることも忘れてはなりません。障害者の暮らしを支える就労についての現状と今後の取り組みについて伺います。  また、重複障害である盲聾者の方々の支援拠点の整備も必要と考えます。三重苦の少女、奇跡の人と称されるヘレンケラーが1937年に滋賀県を訪れてから80年、SDGsの「誰一人取り残さない」という理念の実現を私たちは望んでいます。  私たちの会派は、先日、東京盲聾者支援センターを視察し、本県のこれからの課題である支援拠点の整備とその効果について調査してきました。盲聾者の方々の支援拠点の整備について、知事の考えを伺います。  現在、県では障害者差別解消のための条例が検討されています。平成28年4月に障害者差別解消法が施行されましたが、残念ながら、当事者や関係団体の方々の声を聞くと、例えば、住宅を借りることや交通機関の利用等、さまざまな場面でまだまだ障害者差別が現実にあることが見えてきます。  障害者差別の解消のための条例を制定し、その実効性を確保するための義務の強化や対象範囲の拡大など、全ての人に居場所と出番を保障し、障害児者の支援が充実されることが望まれます。県として障害者差別の解消に向け条例を策定することで、その実効性をどのように確保しようとされているのか、知事の決意を伺います。  次に、新しい公共交通の推進について、知事に伺います。  知事就任後3年半の間、精力的に交通政策に取り組んでこられました。鉄道については、湖西線防風柵の追加整備や信楽高原鐵道の全面復旧、駅のバリアフリー化、ICカード利用エリア拡大の決定等、目に見えて安全性や利便性が向上し、観光誘客にも直結する施策を進めてこられました。  また、道路についても、スマートインターチェンジの増設に向けた取り組みや道路アクションプログラムに基づく計画的な道路整備の推進、ビワイチ環境整備の促進など、安全性と利便性の向上を着実に図ってこられました。  人口減少・超高齢社会を迎える中、近江鉄道を初めとするローカル鉄道の活性化等、それぞれの地域のそれぞれの課題に対応した公共交通のあり方を検討し、推進していく必要があります。  知事は、これまでの3年半の交通政策をどのように総括され、これからの滋賀の新しい公共交通のあり方をどのように考えておられるのか伺います。  次に、物流ネットワークについて伺います。  本県は日本のほぼ中央に位置し、中京圏、北陸圏、関西圏の結節点にあることから交通の要衝としての優位性があり、内部工業県として発展してきました。しかし、まだまだ地の利を最大限生かし切れていないのではないでしょうか。日本海と太平洋の港湾にも近く、本県のポテンシャルは高く、滋賀のものづくりをさらに発展させる上でも、物流ネットワークのさらなる整備促進ならびにそれを生かした企業誘致が必要であると考えます。これらを踏まえ、今後の物流ネットワークの課題と展望について所見を伺います。  次に、「みんなの力を活かす協働社会」について、知事に伺います。  女性の活躍を支援する中で、特に知事はイクメン・イクボス政策の推進、発展に取り組んでこられました。知事を初め管理職、また県内の企業においてもイクボス宣言を行い、さまざまな啓発も行っていただいています。  最近では働き方改革が盛んに言われる中、国内の状況を見ますと、男性の育児参画は少しずつ浸透しており、育児時間もわずかながら増加傾向にありますが、家事関連時間の男性負担は依然低く、女性が大部分を担っています。平成29年度版の男女共同参画白書によりますと、国際比較で、6歳未満の子供を持つ夫婦の欧米諸国の夫の1人当たりの家事・育児関連時間は、スウェーデン、ノルウェー、ドイツでは3時間以上、アメリカ、イギリス、フランスでは2時間30分以上ですが、日本は約1時間となっています。  政府は、6歳未満の子を持つ夫の家事・育児関連時間を2020年に2時間30分にする数値目標を掲げていますが、達成目標には課題が山積しており、家事、育児に加え、介護を支える家族の負担に応えていかねばなりません。本県における男性の家事、育児および介護への参画のためのイクボスを初めとしたワーク・ライフ・バランスの推進による成果と今後の取り組みについて伺います。  次に、「ものづくりで元気な滋賀を」について、知事に質問します。  まず、中小企業の海外進出支援について伺います。
     昨年7月にオープンしたジェトロ滋賀も半年が過ぎました。グローバル化が進む中で、県内事業者の海外進出のニーズも高まりつつあります。ジェトロ滋賀の現状について伺います。  知事はこれまで、海外へのセールスを積極的に取り組んでこられました。商工観光労働部のほか、農政水産部においても、海外展開のさまざまな取り組みを行っていただいています。また、各市町においても、海外へのプロモーション等を行っていただいています。観光誘客も含め、海外進出のきっかけとなる各国との人脈が広がりつつあり、中小企業にとっても大きなビジネスチャンスです。知事就任後からこれまでの海外進出や海外展開における成果と今後について伺います。  次に、農林業の振興について、知事に伺います。  まず、環境こだわり農業の取り組みについてです。  全国的に環境保全型農業が進んでいる中、本県では全国に先駆け、環境こだわり米を中心とする環境こだわり農業を推進し、琵琶湖への負荷を極力減らし、安全で安心な農作物を生産してこられました。県がこれまで取り組んできた環境こだわり農業の進捗状況と成果、ならびに環境保全型農業直接支払交付金への対応も含めた今後の戦略について伺います。  次に、森林の保全と活用について伺います。  森林環境譲与税については、市町村が主体となって実施する間伐等の森林整備の費用に充てられることになっていますが、市町村が計画的に森林整備を実施するためには、森林法の森林計画制度にのっとり、市町村森林整備計画に基づいた取り組みが必要となってきます。市町村森林整備計画を策定するに当たり、市町への支援等、今後の取り組みの見通しについて伺います。  木材センター等を利用した「滋賀の木」利活用の推進について伺います。  本県では、木材生産者、木材加工者、販売事業者および設計・建築業者等の関係業種の連携のもとに、県産材の普及拡大をさらに推進するという観点から、地元の木材を地元で活用する木の香る淡海の家推進事業が展開され、産地証明された県産材である琵琶湖材を使用した場合には補助金も出されてきました。林業における雇用創出、人材育成、販売流通の促進、県産材の普及拡大の観点から、木材流通センターなどを利用した「滋賀の木」利活用の推進に琵琶湖森林づくり県民税を活用して取り組まれているところですが、この取り組みの進捗状況と今後の課題について伺います。  次に、「豊かな琵琶湖を次世代に」について、知事に伺います。  知事は、平成30年度に向けて健康に主眼を置くとして、1に健康、2に健康、3にも健康、そして、人だけでなく、自然や社会に対しても健康というフレーズを使って言及されています。悠久の歴史を育む琵琶湖は、滋賀県民にとってまさに宝物です。自然環境はもとより、生態系としての価値、暮らしを支える価値などを健全に生かし、豊かな琵琶湖の健康を守り、次世代につなげていかなければなりません。  そこでまず、水産資源の減少について伺います。中でも、原因を特定できず、かつてないほど悪い状況となっているアユの不漁を初め、琵琶湖における水産資源の減少は進行するばかりです。生態系の均衡が崩れているのではないかという懸念、固有種の絶滅に対する危機感など、昨年は琵琶湖保全再生計画ができてその回復が期待されているところですが、何としても私たちの琵琶湖を守り、水産資源の回復を図っていかなければなりません。水産資源の減少に対する原因究明や対策を今後どのように進めようとされているのか、国立環境研究所琵琶湖分室との連携とあわせて伺います。  次に、生態系の維持と環境保全について伺います。  琵琶湖の健康という意味では、オオバナミズキンバイなどの侵略的外来植物は言うまでもなく大敵です。過去数年間、多額の予算を投じ工夫を凝らし、その生育面積は縮減傾向とのことですが、依然として予断を許さない状況です。  また、ブラックバスやブルーギルなど有害外来魚の捕食による生態系の影響が懸念される中、その対策は今後も大きな課題です。こうした外来種の脅威に対して、今後も実効を上げる予算を投入していかなければならないことについての見解を伺います。また、今後の取り組みについて伺います。  次に、琵琶湖の好循環を生み出す取り組みについて伺います。  平成29年3月に策定された琵琶湖保全再生計画では、その中で、琵琶湖の保全再生に向けた守る取り組みと並んで、琵琶湖を活かす取り組み、そしてそれらに支える取り組みを加えて、好循環させることによって琵琶湖と人とのよりよい共生の関係をつくっていくとされております。今後さらなる琵琶湖の保全再生に向けた成果が期待されるところです。  知事が政策提案集で提唱された「豊かな琵琶湖を次世代に」に加えて、このたび表明された琵琶湖の健康という観点から、琵琶湖を守る、活かす、支えるの循環の推進に向けた今後の取り組みへの展望を伺います。  次に、安全・安心社会の実現について、知事に伺います。  今年度、県内では台風5号や台風21号など多くの台風が通過したり接近したりし、大雨や暴風雨による甚大な被害が発生しました。三日月知事以下、県職員は、県民の命と財産、暮らしを守るため、その都度、迅速的確に対処されたと評価します。また、一昨年の熊本地震のように、県外の大規模災害に対しては、人的、物的の両面にわたり被災地に寄り添った支援に尽くされました。数々の自然災害を経験するたび、自然の摂理や脅威は人間の努力や願いに合わせてくれないことを私たちは思い知らされました。  本県は、水害から人命を守ることを最優先する流域治水の推進に関する条例を平成26年3月に策定しました。どのような洪水にあっても命を守る流域治水として、国のモデルともなりました。平成27年12月に策定された水防災意識社会再構築ビジョンがまさにこれです。そこには、「施設の能力には限界があり、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するものへと意識変革し、社会全体で洪水に備える必要がある」と明言されています。ハード・ソフト対策を一体的、計画的に推進するという国の考え方が示されました。  水害が頻発する近年にあって、また国の動きにも照らして、万が一の洪水に備えたダムだけに頼らない流域治水を推進することについて、知事の見解を伺います。  地震災害にあっては、その都度、私たちの社会構造の弱点を一気に表面化させてきました。本県にあっても、琵琶湖西岸断層帯を初めとし、地震の震源域を幾つも抱えており、いつ何どき甚大な地震被害に見舞われるかわかりません。  この間の公共施設の耐震化については、その進捗を評価するところですが、こうした状況下にあって、全国各地で発生した過去の大規模災害を教訓として、今後重点的に取り組む地震対策の考え方やスケジュールを示す滋賀県地震防災プランが、この3月に策定される予定となっています。このプランの目玉は、受援──応援の受け入れ、受援体制の構築です。この受援が注目されるようになったのは、応援の受け入れをめぐり混乱する被災自治体が相次いだからでした。  一たび大規模地震が発生すれば、自治体の業務はたちどころに膨大になるばかりでなく、自治体職員も被災し、行政機能が麻痺することを熊本地震への支援を通し学びました。受援計画の策定は急務であります。これまでの地震に係る防災対策の課題と、県と市町とが一体となった本県の受援体制の構築に寄せる知事の思いを伺います。  次に、原発に依存しない新しいエネルギー社会について、知事に伺います。  2011年の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故を契機に、原発そのものやエネルギー供給体制のあり方が大きな課題となり、知見や情報が飛躍的に社会全体で共有されてきました。そして、その議論の中で明らかになったことは多くあります。  例えば、原発事故によってその安全神話は崩壊し、原発は人類にはコントロールのできない極めて危険なものであること。例えば、放射性廃棄物の処理の見通しが立たない中での原発推進は次世代への無責任なツケを残し、原発はクリーンという言葉が空虚となったこと。例えば、実効性のある避難計画はいまだにできていない現状にあること。例えば、再稼働における新規制基準はより厳格となったものの、クリアしたからといって事故がないと断言できるものではないと審査する側の責任者が明言していること。例えば、原発事故から7年が過ぎようとしている現在でも約5万人もの避難者がいることなど、原発事故は決して収束してはいません。被害者はいまだに悲惨な現実に置かれています。  このように原発の安全神話や信頼性が崩れたことから、多くの国民に原発に対する不安や不信感は強く、将来的には原発に依存しない新しいエネルギー社会に転換されていくことは必至であり、かつて、安全、安い、クリーンと言われた原発のイメージはもはや崩れています。  知事は2014年の知事選挙において、前知事が提唱されていた卒原発の考えを政策提案集に掲載され、できるだけ早く原発から卒業し、安全かつ確実な廃炉対策と原発に依存しない新しいエネルギー社会の確立を国に対して求めています。また、県として創意工夫と努力を結集し、新しいエネルギー社会に向けての合意形成と丁寧な取り組みを着実に進めてこられました。  知事は、2016年の本県のエネルギー施策の指針とも言えるしがエネルギービジョンの策定においても、原発に依存しない新しいエネルギー社会の構築を鮮明に打ち出されたところです。滋賀県知事として、原発に依存しない新しいエネルギー社会の構築に向けての取り組みや国への提言について、これまでの総括を伺います。  安倍政権は、前回の選挙公約において原発依存度を低減としていながらも、実際にはエネルギー基本計画で原発をベースロード電源と位置づけ、2030年度の原発比率を20から22%に設定し、新規制基準に適合した場合は再稼働を進めていくとしました。また、日本の原発を海外へ輸出しようとしております。選挙公約と矛盾したエネルギー政策を推し進めているのが安倍政権です。  しかし、三日月知事においては、選挙公約でもある政策提案集において卒原発をうたい、県民から負託を受けられ、卒原発の姿勢を貫いてこられました。多くの県民の思いや願いに応え次期の4年間も視野に入れるなら、今後も公約と矛盾することなく、卒原発を推進していく政策の展開をさらに推し進めるべきであると考えます。卒原発に向けたさらなる取り組みについて今後どのように推進していこうとしているのか、知事の考えを伺います。  最後に、「ようこそ滋賀へ」について、知事に伺います。  知事はみずから、歴史文化遺産や豊かな自然の宝庫である滋賀の文化、芸術、伝統、魅力、特産物を売り込むセールスマンとして、国内外を問わず積極的にPR活動をされ、滋賀の認知度向上と観光誘客に力を注がれるなど、観光政策にも熱心に取り組まれてこられました。  昨年10月に東京の日本橋にオープンした体験型の「ここ滋賀」の開設により、首都圏での滋賀ブランドの発信機能に大いに期待したいところです。  本県は地の利を生かした周遊観光客の取り込みが可能であり、滋賀の歴史、文化、自然、グルメなど観光素材に磨きをかけ、農家民泊、湖上スポーツ、スキーなど、滋賀ならではの体験型のプログラムを充実させるなどして滋賀の魅力を最大限引き出せば、観光入り込み客数、宿泊者数および観光消費額を大きくふやすことができると考えます。  今年度展開されています「日本遺産滋賀・びわ湖水の文化ぐるっと博」を含めたこれまでの3年半の観光政策の総括と、観光立県滋賀を目指し、観光入り込み客数、宿泊者数および観光消費額の増額をどのように図られるのか。来年度に予定されている大型観光キャンペーンにも触れながら、今後の観光政策の戦略と施策について伺います。  次に、ビワイチについてお尋ねします。  これまでの知事の積極的な推進によりビワイチブランドは浸透し、海外からの来訪者もふえております。米原駅サイクルステーションの整備や路面表示によるルート案内等、自転車利用環境の整備に加え、観光ルートマップの作成や観光情報発信など、ハード、ソフト両面からの環境づくりが功を奏したと言えます。  また、琵琶湖一周のビワイチから、全県域の観光を楽しめるビワイチ・プラスも推進を始められ、ビワイチブランドのさらなる強化と発展を図られています。  来月にはビワイチ推進総合ビジョンも策定されると仄聞していますが、ビワイチ・プラスを今後さらに磨きをかけブランド化するには、各市町との連携、県民を挙げての機運醸成やおもてなしの体制が必要です。  今後、知事は、ビワイチおよびビワイチ・プラスをいかに磨き上げ、ブランドとして定着を図り、観光誘客につなげていくのか。市町との連携、受け入れ体制の整備を含め、今後の戦略と施策について伺い、質問を終わります。(拍手) ○議長(奥村芳正) 16番大橋通伸議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)チームしが 県議団を代表されての代表質問、大きく12項目いただきました。順次お答えをさせていただきます。  新年度予算について、6点御質問いただきました。  1点目のプライマリーバランスについてでございますが、今後、県政を取り巻くさまざまな課題に対応していく上で、持続可能な財政基盤の確立を図ることは大変重要であり、今回の予算編成におきましても、財政の持続性を高めることに意を用いてきたところでございます。  このような中、財政の中長期的な持続可能性をあらわすプライマリーバランスにつきましては、おかげさまで5年連続で黒字を維持し、財政規律にも配慮した予算案とすることができたところでございます。  そのための取り組みといたしまして、歳入面では、景気回復などによる県税収入の増加によるところが大きゅうございますが、国の経済対策に呼応した取り組みのほか、中小企業の活性化推進や滋賀の観光素材の磨き上げなどの本県におけるさまざまな施策の実施により、各種指標に改善、向上が見られるなど、これらも県税収入の増加に一定寄与したものと考えているところでございます。  また、歳出面におきましては、昨年の夏以降、全庁で進めてまいりました収支改善の取り組みを初め、予算編成過程においても限られた財源を効果的に配分する観点から、事業全般について、その必要性や効果を十分議論、検証しながら精査を行ってきたところでございます。これら取り組みの結果、プライマリーバランスの黒字を維持することができたものと認識しています。  2点目、予算編成におけるスクラップ・アンド・ビルドの方針についてでございますが、スクラップの観点では、昨年の6月に公表いたしました財政収支見通しを踏まえまして、予算編成に先駆けて、夏以降、収支改善に向けた検討を進めてきたところでございます。  この中では、歳出削減の検討の視点の一つに、選択と集中の徹底および事業効果を踏まえた抜本的見直しを掲げ、県民ニーズやこれまでの実績等を踏まえて事業の必要性や妥当性を検証し、必要な見直しを行ってまいりました。  一方、ビルドの観点では、基本構想の最終年度に向けて、総合戦略のKPIの達成に向けた総仕上げや、滋賀の将来を形づくるための必要な芽出しを行うため、新たに総合戦略未来枠を設け、4つの視点として、第1に、だれもが健康で、活躍する社会づくり、第2に、若者の希望を叶える社会づくり、第3に、新たな価値の創造・発信、第4に、琵琶湖や山と人々の暮らしとのつながりの再生を重視する方向を掲げながら、施策構築や予算編成に取り組んできたところでございます。  このように、平成30年度に向けましては、厳しい財政状況にありましても限られた財源を有効に活用しながら、めり張りある予算となるよう意を用いてきたところでございます。  3点目、新しい豊かさの実現の予算への反映についてでございますが、これまで基本構想に基づき、今だけ、物だけ、自分だけではない滋賀らしい新しい豊かさを追求するため、さまざまな施策を展開してまいりました。こうした中、健康は真の豊かさを目指していく上において欠くことができないものであり、県民の皆様が末長く健やかに暮らし、自然や社会も将来にわたって健全な滋賀を築いていくことが重要だと考えております。  平成30年度におきましては、健康しがをキーワードに、県民一人一人が輝ける健やかな滋賀の実現を目指す、人の健康、琵琶湖を守り、活かす、支える自然の健康、そして県民の暮らしを支える安全、安心を確保しつつ、ICTやデータの活用によりイノベーションを創出する社会の健康の3つの健康を柱に据えた予算編成とし、新しい豊かさの具現化を図ろうとしているところでございます。  4点目、予算への期待感についてでございますが、今年度の県民世論調査において、「豊かさを実感する上で大切なもの」とお聞きしたところ、答えられた方の7割が「健康」と答えられたところであり、そうした県民の皆さんの声に応えるものとしたところでございます。  具体的には、人の健康におきましては、さらなる健康寿命の延伸につなげるため、さまざまな予防や食、スポーツ、文化など幅広い分野で取り組みを推進し、施策を有機的に連携させることにより相乗効果も生み出してまいりたいと考えています。  自然の健康におきましては、琵琶湖をより豊かな状態で次の世代に引き継げるよう、在来魚介類の回復や水草や侵略的外来水生植物への対応など、守る取り組みに活かす、支える取り組みを加えて、琵琶湖の保全再生を図ってまいりたいと存じます。  社会の健康では、将来にわたって誰もが安心して暮らせるよう、公共インフラの整備や防災、減災対策、県民の皆様の暮らしを守る施策にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  さらに、こうした政策を今後とも着実に実施できるよう、一歩踏み込んだ行財政改革の取り組みを通じて財政の健全化もしっかり図りながら、将来にわたって県民の皆様が安全、安心に暮らし、真の豊かさを実感いただけるよう取り組んでまいる所存でございます。  5点目、次期基本構想に向けた思いについてでございます。  人口減少・少子高齢社会のさらなる進展、いわゆる団塊の世代が全て後期高齢者となる2025年問題、第4次産業革命など、社会の変化のスピードが加速する中で、また、国民体育大会、全国障害者スポーツ大会の開催、リニア開通なども見据え、2030年という中長期の展望と滋賀ならではの視座を持って、県政のビジョンを描いていきたいと考えています。  本県には、古来、琵琶湖を初めとする自然の中でその恵みを大切にいただきながら、人が人とともに世界とのかかわりの中で育んできた力がございます。次期基本構想に向けましては、この滋賀の力を大事にしながら、どの時代においても大切なのは一人一人の人であるとの思いのもと、滋賀の将来を担う人に焦点を当てて、豊かさや幸せを全ての県民が実感できる、真に持続可能な滋賀を皆さんとともにつくってまいりたい、そういう思いを基本構想の中に盛り込んでいきたいと考えています。  6点目の全ての世代に光が当たり、助け合える社会のあり方に応える予算となったのかという御質問についてでございますが、人口減少や少子高齢社会の進行、所得格差の拡大など、今日の社会を取り巻く課題は一朝一夕に解決できるものではなく、今後も深刻化することが懸念されているところです。  こうした中、生きづらさやしんどさを抱える子供たちや高齢者、障害者、ひとり親家庭など、誰もが生き生きと暮らすことができる支え合いの取り組みを一層推進していくことが重要であると考えています。  県では、これまでから社会保障制度に基づく施策にしっかり取り組むとともに、淡海子ども食堂の取り組みに対する支援や若者の就労促進、障害者福祉、生活困窮者の自立支援など、生活保障にかかわるさまざまな独自施策の推進も図ってきたところでございます。  平成30年度当初予算案におきましては、こうした取り組みを継続しつつ、新たに民間企業とも協調しながら、滋賀県社会福祉協議会が設置するはぐくみ基金への助成を行うほか、ひとり親家庭の自立に向けた就労や生活等の総合的なサポート体制の構築を図るなど、さらなる充実に努めたところでございます。  今後とも、世代を問わず全ての人が輝き、互いに支え合う社会の実現を目指して、しっかり取り組みを進めてまいる所存でございます。  次に、命と暮らしをともに支え合う社会について、こちらは3点御質問いただきました。  1点目、子育て環境日本一の滋賀に向けた人材確保についてでございますが、産科医につきましては、病院の産科医確保への支援や産科医等に対する分娩手当の支給に対する支援などにより、平成28年末で116人となっております。また、助産師につきましては、修学資金の貸し付けや再就業を支援する研修などによりその確保に努め、平成28年末で478人と、2年間で17人増加したところでございます。  人口当たりの産科医数が全国平均よりも少ない中で、中堅助産師を対象とした助産実習や病院と診療所間での相互出向を通して資質向上を図り、院内助産所や助産師外来の開設につながる取り組みを進めているところであり、今後も、安全で安心なお産ができる体制の確保に引き続き取り組んでまいる所存でございます。  保育士につきましては、保育人材バンクによるあっせんや修学資金の貸し付け、潜在保育士に対する就職準備金等の貸し付けにより、平成26年度からこれまでに554人の保育人材を確保することができました。しかしながら、待機児童は依然として解消されておらず、今後もこうした取り組みの一層の推進と国への処遇改善の働きかけにより、保育人材の確保に努めてまいります。  また、児童福祉士につきましては、平成26年度から6名増員いたしまして39名とし、また、児童心理士も3名増員して16名とし、虐待対応における体制強化を図ってきたところでございます。  今後は、年々増加し続ける児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、児童福祉士の任用前研修や経験年数に応じた体系的な現任研修を実施し、職員の対応力の強化にも努めてまいる所存でございます。  2点目、健康寿命につきまして。  まず、長寿日本一の結果の受けとめについてでございますが、県民の皆様一人一人の食生活の見直しや運動など生活習慣改善の取り組みや、健康推進員の皆様の地域における地道な活動、また、7月1日びわ湖の日の一斉清掃に代表される県民の皆様の活発な地域活動と豊かな自然環境のもとで送るライフスタイルなど、過去から紡がれてきた県の歴史や文化も関係し、このような結果に結びついたのではないかと考えております。  次に、今後さらに健康寿命を延ばすための取り組みについてでございますが、議員御指摘のように、誰もが健康的に暮らしていく上では、さまざまな社会活動とのかかわりや幅広い行政分野の施策とも大いに関連することから、全庁挙げて推進していく必要があると考えております。  特に保健医療分野におきましては、健康づくりへの関心や実践者の割合が低いとされる30歳代、40歳代のいわゆる働き盛り世代に積極的に働きかけ、生活習慣の改善を促し、疾病予防、介護予防を推進してまいります。  また、健診、医療、介護や人口動態、運動、食生活など、健康に関してこれまで蓄積してきたデータを市町と共有し、予防的取り組みを全県に広げてまいりたいと存じます。  さらに、企業やNPO、地域団体、大学等の多様な主体との連携により、それぞれが持つノウハウやアイデア、サービスなどを組み合わせて健康づくりの活動を創出し、県民の健康意識の向上や健康づくりの取り組みを進めていくことにより、さらなる健康寿命の延伸に努めてまいりたいと存じます。  3点目、医療福祉の人材についてでございます。  在宅医療におきましては、24時間往診可能な医師がいる在宅療養支援診療所が現在142カ所、訪問看護師は常勤換算で平成29年10月現在607人と、いずれも年々増加してきておりますが、高齢化の進展の中で増大かつ多様化する在宅医療ニーズに対応していくためには、さらなる充実が必要であると認識しています。  今後も引き続き、在宅医療に取り組む医師の増加を目的としたセミナーの開催や、訪問看護の経験のない看護師に対する同行訪問体験などの取り組みを進め、新たに在宅医療に携わる医師や看護師等の確保育成に取り組んでまいります。  介護人材につきましては、県内の介護関係の有効求人倍率は直近で3.21倍と職業計の1.33倍を大きく上回っており、確保が非常に厳しい状況にございます。また、今般実施いたしました需給推計では、2025年時点で約3,400人の介護人材が不足する見込みとなっております。離職率も全産業と比較して高い水準にございまして、新規参入の促進とあわせて、職員の定着が重要な課題であると認識しています。  今後につきましては、シニア層、障害者、外国人など多様な人材の参入促進に向けた研修を実施するほか、若手職員の目標となるリーダー人材の育成や、業務の負担軽減を図る介護ロボットの導入支援を通じた職場環境の改善を図るなど、定着も含めた総合的な観点から人材の確保育成を図ってまいりたいと存じます。  さらに、医療と介護の専門職がお互いに連携し、在宅療養を多職種チームで支える体制の構築を市町や関係団体とともに進め、住みなれた地域で、その人らしい暮らしをできる限り続けられる社会の実現に取り組んでまいりたいと存じます。  次に、スポーツと文化の10年に関しまして、3点御質問いただきました。  1点目、国体、全国障害者スポーツ大会に向けた取り組みについてでございます。  知事就任以来、大会開催を契機に、滋賀をスポーツで元気にできるよう開催準備に取り組んでおり、おかげさまで、現在のところほぼ計画どおりに準備は進んでいるものと考えています。平成27年には、準備組織を国民体育大会滋賀県開催準備委員会から国民体育大会・全国障害者スポーツ大会滋賀県開催準備委員会に改組いたしまして、「全ての人がともに支え合う滋賀を目指す大会」を7つ目の理念として、両大会の一体感ある開催に力を注いできたところでございます。  会場となります施設につきましては、(仮称)彦根総合運動公園や新県立体育館の整備に着手し、大会の開催はもとより、将来にわたる滋賀のスポーツ振興や健康づくり、さらには地域の活性化の拠点整備にめどをつけることができたと認識しています。  また、人材の育成につきましては、子供や若者のアイデアを大会に生かすジュニアユースチームの活動、小学生を対象にアスリートの育成を目指す滋賀レイキッズや、女性アスリート育成支援などを積極的に展開してきたところであり、さらに、大会を支えるボランティア育成にも今後一層力を入れてまいりたいと存じます。  今後、平成31年5月を目途に、県民総参加による大会開催に向けた7つの理念を具現化するための開催基本構想を策定するとともに、各市町や競技団体をしっかり支えながら、私自身が先頭に立って、両大会の成功に結びつけてまいりたいと存じます。  プロスポーツ支援について御質問いただきました。  プロスポーツは、見たり応援したりすることで県民の皆さんに夢や感動を与え、地域を元気にすると考えます。私自身も滋賀レイクスターズのブースターの一員として、県民の皆様と一緒に応援させていただいており、プロスポーツの持つ力を改めて感じているところです。  現在、県といたしましては、プロバスケットボールBリーグに参戦し、大きな集客力や発信力を持っている滋賀レイクスターズのオフィシャルパートナーとして、ユニフォームにロゴを掲載して支援するとともに、アウエーゲームで本県をPRするなど、チームと連携して滋賀の魅力を発信しているところです。  さらに、プロスポーツ選手を初め本県ゆかりのトップアスリートの皆さんには、子供たちとスポーツ教室などで交流するしがスポーツ大使に就任いただいております。また、子供たちにトップレベルのスポーツを生で観戦する機会を提供する「しがスポーツの子」事業にも取り組んでいるところです。こうした取り組みが、新たなプロスポーツファンの拡大にもつながっているものと考えております。  今後も、プロスポーツの力を生かし滋賀を元気にしていくため、関係者との協働を通じて、その支援に取り組んでまいりたいと存じます。  3点目、滋賀ならではの文化を生かしたスポーツと絡めた取り組みについてでございます。  今後、本県でも大きなスポーツイベントが開催され多くの方々の御来訪が見込まれる中、スポーツだけでなく、文化を通じて本県の魅力を発信し、交流を促進することは非常に重要であると考えます。このことから、本県では、東京オリンピック・パラリンピックに向けたホストタウンの枠組み等を通じて、外国のスポーツ選手や芸術家等と地域との交流、若手芸術家等と子供たちとの交流などの事業を実施しております。
     さらに、今後は、訪日外国人旅行者を初め多くの方々に滋賀ならではの魅力ある文化を知っていただけるよう、発信力を強化していきたいと考えており、県、市町、民間団体、企業、大学など多様な主体が連携して取り組むことが重要であると考えております。このため、関係者が集まり意見交換を行う推進会議の開催や、関係者の意識の共有と機運醸成を図るための滋賀県文化プログラム取組方針の検討などを行っているところでございます。  今後、幅広い県民の皆様の御参画をいただきながら、国体、全国障害者スポーツ大会を見据えつつ、まずは2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて取り組みを進めてまいりたいと存じます。  次の項目、夢と生きる力を育む教育の推進について、こちらは4点御質問いただきました。  まず1点目、少人数学級編制の達成状況等についてでございますが、本県では小中学校の35人学級編制について、国の加配措置を活用しながら県単独の措置を加えて、平成27年度から小中学校全学年で実施できるようにしたところでございます。この35人学級をベースにしながら、少人数教育の利点を生かした授業改善に取り組んできたところであり、新学習指導要領で求められる主体的、対話的で深い学びの視点を生かした事業にも既に取り組んでいるところでございます。  35人学級編制につきましては、現場の教員が学習面、生活面において、一人一人の児童生徒をきめ細かく指導、支援できるという効果があると認識しています。  さらなる少人数化につきましては、まずは、国において全ての学年で35人学級編制のための定数改善が行われるよう政策提案しているところであり、国の動向を注視していきたいと考えております。  2点目、学ぶ力向上滋賀プランに夢と生きる力の育成がどのように反映されたのか、また、今後、主体的、対話的で深い学びをどのように推進していくのかについてでございますが、私は夢と生きる力を育む教育の推進を重点政策の一つと捉えており、生きる力の一つである確かな学力につきましては、その基盤となる学習意欲や学習習慣などの学ぶ力を育むことが大切であると考えております。その考えを教育委員会と共有し反映いたしました学ぶ力向上滋賀プランに基づきまして、子供たち一人一人の学ぶ力の育成に教育委員会と連携して取り組んできたところでございます。  次に、新学習指導要領に示されている主体的、対話的で深い学びを目指す教育につきましては、総合教育会議でもテーマに取り上げ、これまで先行して取り組んできたところでございます。  教育委員会とその成果や課題を共有する中で、目当てや振り返りを重視した授業スタイルは各学校に広がってまいりましたが、子供一人一人の学びの様子をしっかりと捉え、より深い学びへとつなげるための工夫という点では、依然として課題があると認識したところでございます。この課題の改善に向けて、授業の中での具体的な場面を取り上げ、どのように子供の学びが深まったのか、子供の姿をもとに先生方に考えていただく必要があると考えております。  こうしたことから、教育委員会の指導主事の学校訪問等によりそのような機会を確保することなどで、主体的、対話的で深い学びを推進してまいりたいと考えています。  3点目、教員採用試験、教員研修の改革についてでございます。  すぐれた教員の確保は大変重要であると認識しており、教員採用に当たりましては、教育委員会でこれまでから1次選考試験の日程の変更や大学推薦制度の導入、受験年齢の引き上げ、経験を考慮した選考などの工夫や見直しに取り組み、この2年間、教員採用試験の総志願者数も増加していると聞いています。  また、教員を志望する大学生等を対象とした滋賀の教師塾、教員採用選考試験合格者を対象とした採用内定者インターンシップや採用内定者特別研修などを実施し、採用前から若手教員の育成にも力を入れ、現場への対応能力の向上など、一定の成果を上げていると聞いています。  今後も教員の大量退職に伴う大量採用が続くと見込まれており、若手教員の育成を初め、経験年数や職務に応じた専門的知識や指導力、さまざまな課題に組織的に対応できる能力等の育成が急務となっております。  こうした状況を踏まえ、今年度新たに作成いたしました教員の教職経験年数に応じた滋賀県教員のキャリアステージにおける人材育成指標を活用し、総合教育センター等においてこの指標に基づく実効性のある研修計画を作成し、教員の資質向上を図っていくとされているところです。  また、各学校におきましては、OJTを中心とした日常業務の中での学びを大切にし、若手教員の育成に一定の成果を上げつつあります。  今後も、校内での学びと校外での研修をうまく組み合わせて、教員の資質向上に努めてもらいたいと考えているところでございます。  最後4点目、総合教育会議に掲げた理念の反映、成果等についてでございます。  私は常日ごろから、人は人の中で人となると考えており、この理念を大切にしながら、あすの滋賀を担う人を育て、人の力を十分に生かすことのできる社会となるよう、総合教育会議を開催し、毎回テーマを設定しながら議論を行っているところです。  この理念につきましては、平成27年8月に策定いたしました滋賀の教育大綱にも反映し、教育委員会とともに、対話、共感、協働を大切にしながら各種施策に取り組んでいるところです。  これらの取り組みによりまして、自己肯定観や互いのよさを認め尊重することなどの全国学力・学習状況調査における指標が向上したことや、特別支援学校で学ぶ子供たちの就職率の改善が見られるなど、一定の成果も出ているところでございます。  一方、総合教育会議の議論の中で、子供たちの多様な個性を育む滋賀の教育を目指すに当たって、教育と福祉の連携による子育て支援をどう行っていくのか、子供たちのさらなる学力の向上のために何をするべきなのか等の御意見をいただいているところでございます。  今後、これらの課題解決に向け、引き続き誠心誠意取り組んでまいる所存でございます。  大きな5項目め、全ての人に居場所と出番のある共生社会について、こちらは4点御質問いただきました。  1点目、障害の早期発見、早期対応につきましては、まず、出生時に医療機関で障害が発見されたときに市町に情報提供がされるハイリスク新生児連絡システム、また、新生児訪問や乳幼児発達相談、乳幼児健診において児童の課題を発見し、必要に応じて親子教室や児童発達支援事業等につなげていく早期療育システム、また、児童発達支援事業所の職員等が保育所や幼稚園等を訪問して支援を行う保育所等訪問支援事業など市町を中心とした仕組みがあり、県においては、専門性の向上のための従事者研修などにより、こうした取り組みを支援しているところでございます。こうした仕組みの中で、子供の障害をどのように受け入れたらよいかわからないなどの保護者の不安に丁寧に寄り添うことが大切であると考えています。不安を抱えられた保護者等に対して市町において個々に応じたきめ細やかな支援ができるよう、県としては、家族支援に関する研修などにより従事者の専門性の向上を図ることを通じて、市町の支援を行ってまいります。  また、ライフステージに応じた切れ目のない支援につきましては、学齢期においては、小中高等学校それぞれの段階でそれまでの育ちや支援を踏まえた教育を進めていくことが課題でございまして、教育と医療、福祉などの関係機関が連携し、個別の教育支援計画によって目指す姿を共有し、各段階でしっかり引き継ぎながら支援する取り組みを進めてまいります。  加えまして、高等学校段階の障害のある生徒たちにつきましては、職業的自立や自信を持って社会参加することが課題でありますことから、例えば特別支援学校におけるしがしごと検定やしがしごと応援団のように、企業や地域の力も得ながら、みずからの力を発揮できる場を広げる取り組みを進めてまいります。  現在も、これら乳幼児期から学齢期、さらにはその後に至るまで、児童の成長に応じて地域障害者自立支援協議会の中で、その子の課題に対応した医療、保健、福祉、教育、労働の関係者が集まり、各ライフステージに応じた切れ目のない支援ができるよう取り組まれているところでございますが、より一層の連携強化が図られるよう働きかけや専門的支援を行うこと等により、障害のある子が将来の見通しを持って健やかに成長していけるよう、引き続き努力を重ねてまいりたいと存じます。  2点目、障害者の就労の現状と今後の取り組みについてでございます。  平成29年6月1日現在の県内企業の障害者実雇用率は2.13%でございますが、法定雇用率未達成の企業が約4割となっており、加えて、この4月から法定雇用率の算定基礎に精神障害者が加えられることで段階的にその率が引き上げられることから、より一層障害者雇用を促進する必要があると認識しています。  県では、障害者の職業教育や職業訓練を行うとともに、各圏域に障害者働き・暮らし応援センターを設置し、障害者の生活から就労定着まで継続して支援しており、就労移行支援事業所等の職員を対象とした就労アセスメント研修や企業での現場実習を実施し、就労支援の質の向上に努めているところです。  さらに、滋賀労働局が今年度県内各地で開催している精神障害者や発達障害者を対象としたしごとサポーター養成講座などの取り組みと連携し、企業や県民の啓発に取り組んでおります。  また、平成27年4月に滋賀県障害者雇用対策本部の組織強化を行いまして、全庁横断の推進体制を整備するとともに、私みずから本部長に就任し、毎年12月に経済団体に対して障害者の一層の雇用確保を要請させていただくなど、率先して障害者雇用を推進しているところでございます。  今後は、障害者を雇用されていない企業による先進企業見学会や、障害者と企業とのマッチング機会提供などを地域の実情に合わせて実施する新たな仕組みづくりに取り組むとともに、福祉施設から一般就労への移行を進め、精神障害者も含め、障害者の就労のさらなる充実につなげてまいりたいと存じます。  3点目、盲聾者の支援拠点についてでございます。  現在、しが盲ろう者友の会の所有される建物において、県の委託事業による相談支援や生活訓練事業が実施されており、建物と事業が相まって拠点としての役割を果たしているところでございます。その建物が老朽化していることが課題となっており、来年度から当面は友の会の関係者の御尽力により、別の場所を借り受けて事業を行う見込みとなっておりますが、より安定して事業を実施できる場所が必要であると認識しています。  こうした支援拠点について近畿府県の状況を確認いたしましたところ、盲聾者の団体が賃借した施設で事業を実施している事例や、盲聾者団体とは別の団体が府県の事業を受託して実施している事例等、地域のニーズや過去からの経緯により、さまざまな形態となっていると推察されます。  このため、支援拠点は滋賀県内の盲聾者の実態や交通事情等の地域性に応じたあり方が求められると考えており、来年度、しが盲ろう者友の会が実施される実態調査について県としても協力し、盲聾者のニーズ等を把握した上で、望ましい拠点のあり方を団体の皆様とともに考えてまいりたいと存じます。  4点目、障害者差別の解消に向けた実効性の確保についてでございますが、障害者差別解消法の実効性の補完などを盛り込んだ共生社会づくりを目指すための条例につきましては、昨年5月の滋賀県社会福祉審議会に私自身が出席し、直接諮問をさせていただきました。現在、審議会内に条例検討の専門分科会を設置し、年度明けの答申に向けて検討を進めていただいているところでございます。  分科会で検討するに当たりまして、当事者団体等から実際の差別事例を募りましたところ、500件を超える事例が集まったことや、昨年実施いたしました県政モニターアンケートで、障害者差別解消法を「知らない」と答えられた方が68%もあったことなどから、実効性のある取り組みの必要性について、改めて認識を共有した上で議論が進められているところでございます。  具体的には、事業者等への合理的配慮の提供を努力義務から法的義務とすることや規制の対象を個人に拡大すること、また、専門の相談体制の整備やあっせん等を行う第三者機関の設置等について、答申に盛り込む方向になっていると伺っています。  県といたしましては、審議会から答申を受けた後に、その内容の具体化に向け条文や施策の検討を行うとともに、タウンミーティングの開催などを通じて、障害当事者や県民の皆さんにも参画いただき、ともに条例づくりを進めることにより実効性を確保していきたいと考えています。  障害のある人に対する差別の解消はもとより、多様な価値を認め合い相互に人格と個性を尊重し合う共生社会の実現は、SDGsの誰一人取り残さないという理念に通ずるものでございます。当事者の思いを大切にし、障害者差別の解消に向けた条例と条例に基づく政策の構築について、強い決意を持って取り組んでまいりたいと存じます。  次に、新しい公共交通の推進について、2点御質問をいただきました。  1点目、これまでの交通政策の総括、また、新しい公共交通のあり方についてでございます。  知事就任後の主な取り組みについて、項目は御紹介もいただきましたが、まず、湖西線の防風柵につきましては、JR西日本との包括的連携協定に基づき粘り強く協議いたしました結果、新たに志賀−比良間など4カ所、合わせて10.4キロの追加整備が決定いたしました。このことで湖西線に総延長14.5キロメートルの防風柵が整備されたところでございます。  信楽高原鐵道につきましては、平成25年9月に台風18号の被災で運休しておりましたが、上下分離を行った第三セクター鉄道では初めて国の鉄道軌道災害復旧事業費補助の認定を受け、平成26年11月29日に全面復旧したところでございます。  駅のバリアフリー化につきましては、JR膳所駅の橋上化を初め8駅での整備が完了したほか、改札でのICカード対応を議員の皆様や沿線市とともにJRへ要望してきた結果、来月17日から草津線貴生川駅以東の甲南、寺庄、甲賀、油日の4駅に、来年春には東海道線米原駅以東の醒ケ井、近江長岡、柏原の3駅でのICカード対応が決定したところでございます。  立命館大学びわこ・くさつキャンパスへの交通アクセス改善を図るため、平成28年4月に南草津駅発の連節バス2編成を導入することができました。大学、病院、文化施設等が集積するびわこ文化公園都市への公共交通利便性向上に向けた第一歩としたところでございます。  これらにより、暮らしと産業の生命線である公共交通の整備が、交通事業者を初め、市町、国等と連携し、着実に前進できたものと認識しています。  このように、公共交通の充実を図ることは県民の健康増進や交流人口の拡大等、地域活力の維持活性化に大きく寄与をするものであり、県政世論調査の結果からも県民のニーズは高く、公共交通の充実への期待は非常に大きいものと認識しております。  一方で、本県では人口増加地域と人口減少地域では異なる課題が存在しており、また、地域鉄道の維持確保や運転免許証を返納した高齢者の方々の移動手段の確保など、新たな課題への対応が必要となってきていると認識しています。  こうした中、我々が想像している以上のスピードで技術が進展している自動運転サービスの導入を初めとするAIや、ICT技術の公共交通への活用に向けた取り組みを進めるとともに、特に過疎地域においては、地域による互助を主体とする支え合い交通の展開や福祉政策との連携を図るなど、市町や交通事業者等との連携のもと、新たな移動手段の実現に向けて、積極かつ果敢にチャレンジしてまいりたいと存じます。  公共交通はあらゆる社会活動の基盤となるインフラであり、こうした取り組みを重層的に進めながら、地域の実情や実態に応じた持続可能な公共交通の充実を図り、誰もが健康で、活躍する社会づくり、健康しがの実現に向けて県民のニーズをしっかりと受けとめ、私自身が先頭に立ち、強い使命感を持って精いっぱい推進してまいりたいと存じます。  また、2点目、今後の物流ネットワークの課題と展望についても御質問いただきました。  本県は東西交通の要衝に位置し、また、太平洋、日本海に開けた港湾にアクセスしやすい地理的優位性を有しております。同時に、製造業が集積する本県においてそのサプライチェーンを支える物流ネットワークは、ものづくりの大動脈として極めて重要な役割を担っているところでございます。  本県の物流はトラック輸送を中心としておりますが、全国的なドライバー不足を背景に、県内の製造業関係者からは長距離やピーク時の輸送に支障を来しているというお声をお聞きしており、今後、輸送能力を確保できるよう、効率化を進めることが物流ネットワークを支える上で大きな課題であると認識しています。  こうした状況を踏まえ、県では昨年度、外部有識者や関係者からなります滋賀のモノづくりを支える物流研究会を設置し、その議論をもとに、新年度当初予算案に滋賀のモノづくりを支える物流効率化推進事業を計上しているところでございます。  本事業は、関係機関と連携いたしまして、県内に立地する荷主企業や物流事業者間での情報交換やニーズのマッチングの場となるプラットフォームを構築いたしまして、県内のトラックや倉庫などの物流ストックを最大限有効に活用して、共同運送や積載率の向上等、物流の効率化、高度化に向けた取り組みを促進していくことを狙いとしております。  こうした取り組みを通じ、将来、滋賀であれば物流の心配は要らないというイメージが定着し、本県の新たな強みにつながることを展望しながら、本県の物流ネットワークの強化とともに、ものづくり企業のさらなる立地や定着、再投資を促してまいりたいと存じます。  続きまして、みんなの力を活かす協働社会について、ワーク・ライフ・バランスの成果と取り組みについて御質問いただきました。  これまでから、経済労働団体、地域団体、行政などの関係者からなります仕事と生活の調和・女性活躍推進会議しがの運営を通じて、ワーク・ライフ・バランスの推進の社会的機運の醸成や着実な実践を図ってきたところでございます。そうした中で子育てを楽しみ、自分自身も成長するイクメンをふやすため、フォトコンテストやしがパパママスクールを開催してきたところでございます。  また、私を初め県庁管理職がイクボス宣言を行うとともに、企業の経営者、管理職を対象に、イクボスの普及に向けたセミナーや研究会を実施してきたところでございます。こうした取り組みもございまして、ワーク・ライフ・バランス推進企業登録数は1月末現在で916、イクボス宣言企業登録数は132となっているところでございます。  また、国の社会生活基本調査によりますと、県内の6歳未満の子を持つ夫の家事、育児、介護等の関連時間は、平成23年の52分、こちらは全国42位だったんですが、そちらから平成28年には1時間19分、全国25位と一定改善しているところでございます。一方で、政府の目標であります2時間30分には届いていない状況でございまして、男性は仕事をし女性は家庭を守るべきといった固定的役割分担意識や、男性を中心とした長時間労働といった課題の解消が十分には進んでいないと認識しています。  こうしたことから、新年度におきましては、これまでの取り組みに加えまして、イクメン、イクボスの実践事例等を掲載した冊子の作成、配布により企業等のさらなる取り組みを促すなど、男性の家事、育児、介護への参画を初めとするワーク・ライフ・バランスのさらなる推進に取り組んでまいりたいと存じます。  大きな8項目め、「ものづくりで元気な滋賀を!」につきまして、こちらは5点御質問いただきました。  1点目、ジェトロ滋賀の現状についてでございます。  中小企業や生産者の高い御期待の中、平成29年7月に彦根商工会議所内に開設され、国内外の幅広いネットワークを生かし、きめ細かな海外展開支援に努めていただいているところでございます。  本県とジェトロ滋賀は、水環境ビジネスの推進、農畜水産物の海外販路開拓、地場産業・地場産品の海外販路開拓、外資系企業へのセールス、インバウンドの促進を重点5分野として定め、連携を図りながら県内企業等の支援を進めているところでございます。  海外市場の情報提供につきましては、平成30年1月末までに企業等向けセミナーを11回開催し、累計421人の参加を得たところでございます。また、企業等の個別事情に応じた相談は本年1月末までの累計で235件と、前年同時期のジェトロ大阪での県内企業等の相談件数と比較し約2.7倍増加と、堅調に推移しているということでございます。  さらに、県内の経済団体、生産者団体、金融機関、行政機関等による滋賀県海外展開支援推進ネットワーク会議を設置いたしまして、オール滋賀での支援体制のもと、企業や生産者等の支援を効果的に行っているところでございます。  2点目、海外進出や海外展開の成果、今後についてでございます。  「滋賀から世界へ、世界から滋賀へ」との方針のもと、積極的に展開してきております。海外では現地地方政府との良好な関係の構築が県内中小企業等の円滑な海外展開に寄与することから、友好州・省との関係を強化するとともに、海外市場の成長を本県経済の活性化につなげるべく、ベトナムホーチミン市を初め、アジア地域の地方政府と覚書を締結し、経済交流を推進してきているところでございます。  このような環境整備とジェトロ滋賀による伴走型支援等により、例えばベトナムホーチミン市へ進出を果たした企業や、中国で水処理装置の共同開発契約を締結した企業が出るなど、具体的な成果もあらわれ始めてきております。  また、県産農畜水産物の海外展開につきましては、平成27年度に滋賀県農畜水産物輸出戦略を策定し、重点品目の有望市場での販路拡大に向けた取り組みを行うとともに、東南アジアでのトッププロモーションや、アメリカミシガン州での近江の茶プロモーションなどに取り組んだところでございます。こうした取り組みにより、輸出に取り組む生産者等は平成27年度から平成29年度で約2倍の53者にふえるなど、着実に海外展開に取り組むすそ野が広がってきていると考えています。  今後、海外水環境関連企業や食品バイヤー等の招聘による商機拡大支援、近江牛など農畜水産物の重点品目や信楽焼を初め地場産業の海外販路開拓支援など、県内支援機関と連携いたしまして、中小企業や生産者等のニーズに寄り添った海外展開を支援してまいる所存であります。  さらに、来年度におきましては、友好州・省の周年事業に合わせた経済交流団の派遣など、経済界とも連携した取り組みを進めてまいりたいと存じます。  次に、環境こだわり農業の進捗状況と成果、今後の戦略についてでございます。  環境こだわり農業につきましては、本県農政の核として全国に先駆けて推進し、その取り組み面積は全国の20%を占め、5年連続で日本一となっているところでございます。  特に水稲では、全量環境こだわり栽培を条件といたしましたみずかがみが2,580ヘクタールに拡大したことなどにより、環境こだわり米の作付面積割合は、平成26年度の41%から今年度には46%にまで増加してきたところでございます。みずかがみは、平成27年産から2年連続で特A評価を受けたこともあり需要は高まっており、プレミアムみずかがみとして高い価格で販売される事例も出てきております。  一方、環境保全型農業直接支払交付金につきましては、国の交付金制度見直しにより、地域特認取組は予算が不足する可能性が高いのではないかと危惧しております。このため、国に対して引き続き必要な予算配分を要請するとともに、平成30年度につきましては事前にお示しした単価でお支払いできるよう、市町と連携しながら、県として責任を持って対処してまいります。  また、平成31年度からはさらに地域特認取組の見直しが検討されており、県といたしましても、全国共通取り組みや国で認められた地域特認取組へできるだけスムーズに移行し、これまで琵琶湖への負荷削減に貢献した環境こだわり農業が後退しないよう取り組んでまいります。  なお、国費不足分の県費による補填は、平成31年度以降は行わない方向で考えているところです。  今後も環境こだわり農業の維持拡大が図れるよう、琵琶湖を守る日本一の取り組みであることを県内外に発信するなど、付加価値向上に向けた取り組みを強化してまいります。  さらに来年度から、環境こだわり農業の深化に向け、オーガニック栽培技術の普及、販路開拓、ブランド化に向けた本格的な取り組みを始めることとし、琵琶湖を抱える滋賀ならではの象徴的な取り組みとして全国に発信することで、環境こだわり農業のブランド力向上につなげたいと考えています。こうした取り組みにより、琵琶湖と共生する環境こだわり農業が本県農業のスタンダードとなるよう一層推進してまいります。  4点目、市町への支援等、現状と今後の見通しについてでございます。  森林法に定める森林計画制度に基づき、県は森林の整備および保全の目標等の指針となる地域森林計画を策定し、市町は、伐採、造林、保育等の基準となる市町村森林整備計画を策定しております。  県は、地域森林計画の策定に当たりまして、森林の位置、保安林等の情報を表記した森林計画図と、森林所有者や林齢、樹種、材積等を記した森林簿を整備し、毎年更新して市町へ提供してきているところでございます。しかしながら、所有者不明の森林や適切な管理が行われない森林の増加により、これらの情報と現状に乖離が生じてきております。  現在、国では、森林環境税および森林環境譲与税の創設に伴い、所有者による管理が困難な森林を市町が主体となって整備する新たな森林管理システム制度が検討されているところであり、市町村森林整備計画策定の基礎データとなる森林情報の精度向上はこれまで以上に重要になると認識しています。  このため、県において森林情報を電子化したデータを今年度中に市町へ提供し、来年度は市町において課税台帳などの情報を反映し、精度向上を図ってまいりたいと存じます。  あわせまして、森林情報システムの操作に関する研修会などの技術的な支援を行い、森林整備の一層の推進に向けて市町と協力して取り組んでまいりたいと存じます。  「滋賀の木」利活用の推進についてでございます。  本県の森林は、人工林を中心にその多くが成熟期を迎えていることから、琵琶湖森林づくり県民税を活用し、琵琶湖材を使用した住宅や公共施設等の木造化、木質化の支援などに取んでいます。  この取り組みを始めた平成18年度からの実績といたしましては、住宅への支援が約1,100棟、琵琶湖材利用量は約1万2,000立方メートル、公共施設等の木造化、木質化への支援が約60施設、琵琶湖材利用量は約1,800立方メートルなどとなっております。  これらの結果、本県の素材生産量は平成28年度は7万6,000立方メートルとなり、最も少なかった平成20年、こちらは3万2,000立方メートルでございましたので約2.4倍、平成32年度の目標12万立方メートルに対して63%の進捗となり、効果が着実にあらわれてきているのではないかと捉えています。  また、雇用につきましては、平成18年度から平成28年度までの県内の林業事業体への新規就業者数は229名となり、50歳未満の占める割合は36%から51%まで増加し、若返りが一定見られるところでございます。  さらに、近年、木質バイオマス発電用のチップの需要が増加しており、これを含めて、需要に見合った県産材を安定的に供給していくことが課題となっておりますことから、木材流通センターを中心とした県産材の流通体制の強化を図るとともに、生産基盤の整備や人材育成による林業事業体の強化にも一層取り組んでまいりたいと存じます。  大きな9項目め、豊かな琵琶湖を次世代にということで、3点御質問いただきました。  1点目、水産資源の減少に対する原因究明や対策についてでございます。  議員御指摘のように、琵琶湖の水産資源は大きく減少し、危機的な状況にございます。主な減少要因といたしましては、水ヨシ帯などの産卵繁殖場の減少、外来魚やカワウによる食害、水草の大量繁茂などによる漁場環境の悪化が考えられ、現在、水ヨシ帯や砂地の造成、外来魚駆除、湖底耕うんや稚魚の放流など資源回復の取り組みを進めているところでございます。その結果、近年ではニゴロブナやホンモロコの漁獲に回復の兆しが見えてきたところでございますが、まだまだ本格的な回復に至っておりません。
     また、琵琶湖の最重要魚種でアユが昨シーズンは記録的不漁となり、その原因について、昨年5月以降は国立環境研究所琵琶湖分室にも参加いただき検討を重ねてきたところでございます。その結果、昨シーズンは通常9月中であるアユのふ化が10月以降におくれるとともに、一時期に集中したことによる密度効果などにより、著しく成長がおくれたためであるとの一定の絞り込みを行ったところであり、今後も検証を続けてまいります。  このような厳しい琵琶湖の水産資源の現状を踏まえ、ニゴロブナなどの在来魚介類の資源回復の取り組みや、アユ産卵用人工河川のより効果的な運用などを引き続きしっかりと講じてまいりたいと存じます。  また、水産資源減少の原因究明では、国立環境研究所琵琶湖分室を初めとする国の研究機関や大学などの助言もいただきながら、今後さらに、琵琶湖の栄養や水温など環境との関連を含めた広い視野での検討、検証を行い、アユを初め琵琶湖の水産資源全体の回復に向けた取り組みを推進してまいりたいと存じます。  2点目、外来種対策における実効性の確保等についてでございますが、侵略的外来水生植物や外来魚などの外来種は、琵琶湖の生態系や水産資源に大きな影響を及ぼすほか、早期に対処することが後の費用を抑えることにもつながることから、徹底した駆除対策が必要だと考えています。  オオバナミズキンバイなどの侵略的外来水生植物につきましては、大規模駆除と再生を防止するための巡回監視の徹底により、昨年度に続いて今年度も年度末の生育面積を縮減させることができる見通しでございます。  このような対策を継続し、年度初めの時点で大規模な機械駆除の必要のない管理可能な状態を、琵琶湖全域において今後3年程度で実現することを目指して取り組んでまいります。一方、琵琶湖全体を管理可能な状態に持ち込んだ後も、当面はその状態を維持するための巡回監視を継続する必要がございます。  今後とも国による対策や支援の強化を要望をいたしますほか、事業の効率化による経費の縮減に努めつつ、オオバナミズキンバイの防除において、全国のモデルとなるよう全力で取り組んでまいりたいと存じます。  ブラックバスなどの外来魚につきましては、これまでの取り組みにより、その推定生息量は平成19年の2,097トンから平成25年には988トンと着実に減少してきましたが、気象条件の影響による駆除量の低下などによりその後増加に転じ、平成26年から28年は1,150トン程度で推移しており、大変危惧しているところでございます。そのため、効果的な駆除方法を検討するとともに、国の支援強化も要望しつつ、確実に外来魚の生息量が減少するよう対策を進めてまいりたいと存じます。  この項目の最後、琵琶湖を守る、活かす、支えるの好循環の推進に向けた取り組み、また展望についてでございますが、次年度は健康しがをキーワードに、3つの健康に重点的に取り組むこととしており、このうちの一つとして自然の健康を掲げたところでございます。  琵琶湖の保全再生を健康になぞらえると、アユの不漁対策など水産資源の回復や侵略的外来動植物対策などの守る取り組みは琵琶湖の健康を保持すること、ビワイチや湖上スポーツなどの活かす取り組みは琵琶湖の健康を増進すること、また、水質や生態系に関する調査研究を初めとした支える取り組みは、琵琶湖の定期健康診断ということができるのではないでしょうか。  琵琶湖を形づくる森・川・里・湖のつながりを意識しながら、守る取り組み、活かす取り組み、支える取り組みを推進し好循環を創出する。いわば琵琶湖の血のめぐりをよくすることで、琵琶湖の健康の保持増進を図ってまいりたいと考えます。  このような好循環を創出し推進することにより、琵琶湖新時代と呼ぶにふさわしい暮らしと琵琶湖との新しい関係を築き、県民の皆さんとともに滋賀の未来を切り開いてまいりたいと考えています。  安全・安心社会の実現について、2点の御質問にお答えをいたします。  1点目、ダムだけに頼らない流域治水を推進することへの見解についてでございます。  議員御指摘のとおり、全国各地で豪雨が頻発、激甚化している中、国においては水防災意識社会の再構築への取り組みを進められているところでございます。本県におきましても、どのような洪水にあっても人命を守り、壊滅的な被害を防ぐことを目標に、ハードである川の中の対策を基幹的対策とし、川の外の対策であるソフト対策も連携させて、被害を減じる流域治水の取り組みを進めてきたところでございます。  川の中の対策につきましては、平成26年度に策定いたしました河川整備5ヶ年計画に基づき、平成28年度末までに17.6キロメートルの区間で工事を着手し、このうち9.3キロメートルの区間で天井川の切り下げや河床の掘削などの整備を完了させてきたところです。  川の外の対策につきましては、これまで34の重点地区では、図上訓練や危険箇所の現地確認などによる避難体制の整備、避難勧告等の判断基準を整備、浸水警戒区域の指定による安全な住まい方への転換など、流域治水の取り組みを進めてきたところでございます。  今後も、国の取り組みと連携を図り流域治水を推進していく必要があると考えており、ハード・ソフト対策を一体とした治水対策を着実かつ計画的に推進し、地域の安全、安心の向上に努めてまいりたいと存じます。  2点目の地震に係る防災対策の課題と受援体制の構築についてでございますが、平成28年4月の熊本地震を機に地震対策について改めて点検いたしましたところ、全国各地からの応援を効果的に活用するための計画がないこと、災害応急対策の場面で市町の職員が不足するおそれがあること、多様な避難形態を想定した被災者支援、自助、共助、公助の力のさらなる強化等の課題が明らかになったところでございます。  これらの課題に対応するため、今年度、滋賀県地震防災プランの策定を進めており、御質問の受援体制の構築については、来年度、プランに基づき県としての受援計画を策定し、人的・物的支援を受ける方法や手順、分野ごとの必要人員等について定めることとしています。加えまして、来年度から3年間で順次、市町が行う受援計画の策定を支援してまいります。  また、家屋の被害認定や罹災証明書の発行、被災建築物および宅地の応急危険度判定、災害廃棄物処理等、災害時における市町の業務についても支援してまいります。さらに、例えば、県西部で地震が発生した場合には県東部の市町が支援を行うといった、市町間カウンターパート方式による相互応援の仕組みも構築してまいりたいと考えています。  こうした取り組みに当たりまして、市町はもとより、防災関係機関、社会福祉協議会、医療・保健・福祉分野の専門団体、NPO、ボランティア団体等とも議論を重ね、災害時にはこれら多様な主体が連携して被災者に寄り添った支援を行えるようしっかりと備え、安全・安心社会を実現してまいりたいと存じます。  続きまして、11項目め、原発に依存しない新しいエネルギー社会について、こちらは2点御質問をいただきました。  まず、これまでの総括についてでございます。  ビジョンに基づき、これまで各般の取り組みを進めてまいりましたが、その成果といたしましては、再生可能エネルギー発電設備の導入量が昨年度末時点で61.4万キロワットと、5年前に比べて8.4倍に増加しており、住宅用太陽光発電については普及率が全国第6位となっております。  また、官民連携による姉川ダム水力発電が今年度当初に稼働したことに加えまして、さまざまな主体によるバイオマス発電、熱利用、廃棄物発電、小水力発電のほか、市民共同発電など地域に根差した特色ある取り組みも広がっているところでございます。  このようなエネルギーを創る取り組みのほか、減らす、賢く使うといった分野も含めて、新しいエネルギー社会の実現に向けて、ビジョンに基づく8つの重点プロジェクトが着実に進んでいるものと認識しています。  また、国に対しましては、エネルギー基本計画に掲げる「原発依存度を可能な限り低減させる」との方針に基づき、国民的議論のもとで、原発に相当程度依存する現在のエネルギー政策をできるだけ早い時期に転換することを繰り返し求めてきたところでございますが、現状ではいまだその状況には至っていないところでございます。  2点目、さらなる取り組みについてでございます。  原発に依存しない新しいエネルギー社会をできるだけ早く実現していくためには、県として、省エネルギー再生可能エネルギーなど、ビジョンに基づく政策を今後とも着実に推進、加速化してまいりたいと考えています。その際には、県内での取り組み事例の見える化を図りつつ、県民や事業者、各種団体などさまざまな主体との連携協力をより一層強化しながら、地域主導によるローカルイノベーションの創出に向けて、私自身先頭に立って尽力してまいりたいと存じます。  あわせまして、国に対しましても、国民的議論のもとで、原発に相当程度依存する現在のエネルギー政策をできるだけ早い時期に転換することを引き続き粘り強く求めてまいりたいと存じます。  大きな項目の最後、「ようこそ!滋賀へ」ということについて、2点御質問いただきました。  まず1点目、3年半の総括、今後の戦略、施策についてでございます。  就任以来、市町等とともに、滋賀の強みを生かした観光資源の磨き上げと地域での受け入れ環境の整備を進めてまいりました。とりわけ、日本遺産につきましては、平成27年の第1次認定をいただくことに取り組んでまいりました。おかげさまで第1次認定をいただいたこの機に、地域の皆様とともに、おもてなしのための準備に取り組み、その集大成として、「日本遺産滋賀・びわ湖水の文化ぐるっと博」の開催に至ったところでございます。  こうした取り組みを通じて、例えば、比叡山を訪れる観光客が大きく増加するなど観光誘客面の効果に加えまして、観光を核としたまちづくりに地域の皆様がかかわっていただく機運が高まっていることに大きな意義を感じているところでございます。また、私自身がマレーシア、タイ、ベトナム、オーストラリアを訪問し、海外からの誘客促進にも積極的に取り組んできたところでございます。  こうした取り組みの成果といたしまして、平成28年の延べ観光入り込み客数は5,077万人、観光消費額は1,735億円と過去最高を記録し、滋賀県「観光交流」振興指針の目標値を前倒しで達成することができたところでございます。  次に、観光立県滋賀を目指した戦略と施策でございますが、地域経済の活性化に結びつけるために、滞在時間を延ばし、本県で宿泊して楽しんでいただくことが重要であると考えます。このため、引き続き日本遺産の活用や海外からの誘客促進などに取り組むとともに、ことし7月から開催いたします観光キャンペーンでは、地域の皆様に御協力をいただき、220を超えるまちめぐりや体験プログラムなど豊富な地域観光プログラムを初め、滋賀に来ていただけるきっかけとなりますイベントや特別企画を集中的に展開し、観光立県滋賀を目指してまいる所存でございます。  最後、ビワイチに関する戦略と施策についてでございます。  琵琶湖をめぐるビワイチのほか、内陸部を周遊するビワイチ・プラスを推進し、県民を含め国内外の多くの方々に滋賀県の奥深い魅力に触れていただき、県全体が活性化することを目指したいと考えています。  現在策定を進めておりますビワイチ推進総合ビジョンでは、「観光、地域経済の振興につながる仕組みづくり」「サイクリングの環境づくりやルールの意識づけ」「県民自身による県内周遊」という3つの基本目標のもと、このような理想とする姿を具体的な物語としてまとめたところであり、まず、市町や民間事業者、関係団体、県民の皆様と共有し、ともに環境整備や魅力発信等に取り組んでまいりたいと存じます。  具体的には、自転車走行環境整備、サイクルサポートステーションを対象とした研修やサイクルツアーガイド養成、タクシー等と連携したレスキュー体制の構築、ルールやマナーに関する外国人向け多言語動画の作成、サイクリスト向けに情報発信を行うアプリの提供など、誰もが安全かつ快適にサイクリングができるよう、ソフト、ハード両面にわたる受け入れ環境整備を進めてまいりたいと存じます。  また、ビワイチやビワイチ・プラスの魅力を伝えるリーフレットや動画の製作、国内外でのプロモーション活動などを通じて、多くの方々にビワイチ、ビワイチ・プラスのすばらしさを発信してまいりたいと存じます。  これらの取り組みに当たりまして、来年度は新たな推進体制の検討を行い、市町を初め、民間事業者や県民の皆様と一体となった取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ○議長(奥村芳正) 以上で、会派代表による質疑ならびに質問を終わります。    ──────────────── △休会の議決 ○議長(奥村芳正) お諮りいたします。  明21日および22日は、議案調査のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(奥村芳正) 来る23日は、定刻より本会議を開き、上程議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。   午後3時3分 散会    ────────────────...