滋賀県議会 > 2017-12-07 >
平成29年11月定例会議(第15号〜第21号)−12月07日-03号

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  1. 滋賀県議会 2017-12-07
    平成29年11月定例会議(第15号〜第21号)−12月07日-03号


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    平成29年11月定例会議(第15号〜第21号)−12月07日-03号平成29年11月定例会議(第15号〜第21号)  平成29年11月定例会議会議録(第17号)                                       平成29年12月7日(木曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第3号                                         平成29年12月7日(木)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第122号から議第138号までおよび議第140号から議第149号まで(平成29年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)ほか26件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(40名)    1番   村  島  茂  男       2番   加  藤  誠  一    3番   竹  村     健       4番   佐  藤  健  司    5番   目  片  信  悟       6番   海  東  英  和    7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       11番   藤  井  三 恵 子
       12番   杉  本  敏  隆       13番   節  木  三 千 代    14番   駒  井  千  代       15番   山  本     正    16番   大  橋  通  伸       17番   冨  波  義  明    18番   井  阪  尚  司       19番   木  沢  成  人    20番   中  村  才 次 郎       21番   有  村  國  俊    22番   大  野  和 三 郎       23番   岩  佐  弘  明    24番   山  本  進  一       25番   富  田  博  明    26番   細  江  正  人       27番   高  木  健  三    28番   生  田  邦  夫       29番   川  島  隆  二    31番   奥  村  芳  正       32番   野  田  藤  雄    33番   西  村  久  子       34番   佐  野  高  典    35番   家  森  茂  樹       36番   吉  田  清  一    39番   成  田  政  隆       40番   九  里     学    41番   清  水  鉄  次       43番   柴  田  智 恵 美    44番   今  江  政  彦       45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(2名)    10番   下  村     勳       37番   粉  川  清  美            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長代理    大  井     豊               人事委員会委員長代理      桂        賢               公安委員会委員長代理      北  村  嘉  英               代表監査委員          北  川  正  雄               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             池  永  肇  恵               総合政策部長          宮  川  正  和               総務部長            村  上  浩  世               県民生活部長          福  永  忠  克               琵琶湖環境部長         高  砂  利  夫               健康医療福祉部長        藤  本  武  司               商工観光労働部長        江  島  宏  治               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          池  口  正  晃               会計管理者           辻  井  弘  子               企業庁長            廣  瀬  年  昭               病院事業庁長          笹  田  昌  孝               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            青  木  幸  一               議事課長            入  江  建  幸               議事課参事           吉  田     亮            ──────────────────────────────   午前10時 開議 ○議長(奥村芳正) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(奥村芳正) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  議第146号から議第149号までの各議案について、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めておきましたところ、お手元に配付いたしておきました文書のとおり回答がありましたので、御報告をいたします。  次に、選挙管理委員会世古正委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として大井豊委員が、また、人事委員会西原節子委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として桂賢委員が、また、公安委員会大塚良彦委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として北村嘉英委員が、それぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(奥村芳正) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第122号から議第138号までおよび議第140号から議第149号まで(平成29年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)ほか26件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(奥村芳正) 日程第1、議第122号から議第138号までおよび議第140号から議第149号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、質疑ならびに一般質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、13番節木三千代議員の発言を許します。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  発言通告に従って一般質問を行わせていただきます。  まず、行財政改革について、知事ならびに教育長に伺います。  まず、知事に伺います。  滋賀県は、6月に今後の財政運営の基本的な考え方の中で財政収支見通しを示し、このまま何の対策も講じなければ、2018年度以降、毎年100億円以上の財源不足を生じ、2025年度には財源不足が累積で1,000億円を超えるとしています。この収支改善に向けた取り組みとして、今後、一歩踏み込んだ行財政改革を行うとともに、来年度は次期行政経営方針を検討しようとされています。  まず、一歩踏み込んだ行財政改革についてお聞きします。一歩踏み込むとは、どこに踏み込もうとされているのでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(奥村芳正) 13番節木三千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)きょうもどうぞよろしくお願いいたします。  本県では、これまでから行財政改革に不断に取り組んできたところでございますが、今後見込まれる厳しい財政状況を踏まえますと、中期的な財政収支をしっかり見通した上で、一歩踏み込んだ行財政改革に取り組んでいく必要があると認識しています。  具体的には、本年度、平成30年度に向けて、歳入歳出全般にわたりまして、全庁挙げて昨年度を上回る収支改善策の検討を行ってきているところでございまして、今後の予算編成において、さらに精査を行い、収支差の改善につなげていきたいと考えています。  また、平成31年度以降につきましては、来年2月を目途にお示ししたいと考えております収支見通しの再試算の結果をもとに、中期的な収支改善目標を定め、取り組みをさらに深化させていきたいと考えています。  その中で、まずは、歳入確保についてあらゆる可能性を検討し、一層強力に推進していくとともに、歳出におきましては、大規模事業の見直し、民間活力の活用、行政サービスの効率化、適正な定員管理、給与管理などについて検討を行い、次期行政経営方針に位置づけた上で全庁挙げて取り組みを進めてまいりたい、その意を言葉に入れたところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)具体的な御回答はなかったと思います。踏み込もうとされているのは、県民にとって切実な暮らし、福祉、教育、農業、また環境などの事業ではないでしょうか。  一歩踏み込んだ行財政改革では、既存事業の見直しで6億4,800万円の歳出削減を行おうとしています。事業にはホンモロコ資源緊急回復対策、病弱児教育、環境保全型農業などで、市町や団体から事業の継続を求める意見が出されていますが、知事はこうした意見をどのように受けとめておられるでしょうか、お聞きいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  県の施策の推進でありますとか方針の見直しに当たりましては、住民に最も近いところで行政サービスを提供する市町や、県とともに政策の推進に御尽力いただいている関係団体の皆さんの思いにも十分留意することが重要であると認識しています。このため、来年度に向けた歳出の見直しに当たりましては、この秋のうちから、その時点における検討案を市町や関係団体の皆さんに丁寧に御説明し、県の考え方をお伝えするとともに、御意見を伺ってきたところでございます。市町等からは、一部の事業について、見直しに伴う影響への配慮でありますとか、より活用しやすい制度への改善を求める御意見等をいただいているところでございまして、関係部局において改めて検討を行った上で、御意見に対する県の考え方をお示ししたところでございます。今後の予算編成過程において、こうした市町等の意向にも留意しながら、最終的な方針というものを固めてまいりたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)全体に対する御意見を見ますと、国体開催を見据えた大規模事業に必要な費用について明確にされていないものの、多額の財政負担を伴うことは明らかである、さらに財源不足が進むことを憂慮している、まずは県の財政運営上の課題は県みずからの責任により解決すべきであり、県民である市町、住民の暮らしに影響を及ぼすような市町向けの補助金削減の着手については、次期行財政経営方針についても視野に入れるのであれば、慎重に検討を尽くされたいと述べておられます。つまり、国体開催に伴う費用が財政負担になっているのだから、県みずからの責任でここは解決せよということだと思います。市町への補助金削減で県民に負担を押しつけるなということだと思いますし、今の答弁で慎重かつ丁寧な検討を行うということですけれども、受けとめて削減も含めた見直しを求めるものであります。再度知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 今答弁させていただきましたとおり、私どもで一定の考え方をお示しいたしましたが、それに対するお考え等もお聞きしているところですので、そういったものにどう応え、最終予算案にどうつくり上げていくのかということについては、よく検討したいと思います。さまざまな影響も考えられますので、いずれにしても慎重に検討しますし、丁寧に御説明をさせていただきたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)ぜひ削減については改めていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。  次に、教育長にお聞きします。  一歩踏み込んだ行財政改革で縮減するとしている学校運営費のうち、修繕費とはどのような内容なのか、お聞きいたします。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  修繕費は、窓ガラスの補修や照明機器の更新といった、各学校で施設や設備を修理、補修するための経費であります。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)修繕費は、ほかにも雨漏れ対策や配管の修繕などもあるとお聞きをしていますけれども、年間の修繕費はどのくらいでしょうか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  今年度の当初予算では、県立学校全体で約8,200万円であります。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)今年度は、さまざまな事情があって例年よりもふえたとお聞きをしています。県立の高校47校、特別支援学校15校の修繕費ということですけれども、5年間の平均ではわずかに5,400万円だとお聞きをしています。こうした限られた予算の中で、毎年各学校から寄せられる要望について、どのように対応されておられるのか、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  各学校からの修繕要望に対しまして、限られた予算の範囲内で緊急性や必要性などから優先順位を見きわめて対応しているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)一昨日、私は北大津養護学校にお伺いをいたしました。(資料掲示)築38年の老朽化している校舎は、この写真では一部ですけれども、外壁のめくれが進んでいます。渡り廊下の天井もあちこちめくれていますし、廊下の雨漏り、また、水が下の階に漏れるので、トイレ掃除は洗い流してできないトイレ、また、水が漏れるので使えない洗面所、また、ガムテープでこのように補強している便器もありました。小学部のトイレは男女共用、トイレのアコーディオンカーテンのすき間もガムテープで張りつけ、校内あちこちガムテープが活躍をしているというか、ガムテープで対応されておられました。先日行われた滋賀県の障害児学校教職員組合での県の要望の場でも、この北大津養護学校については、水圧が低くて子供の力で流せないトイレ、トイレの入り口も個室トイレもぺらぺらのカーテンで仕切っている、汚くて古いのでトイレに入れなくてトイレの指導が始められない、人権侵害とも言うべき環境ですと訴えておられます。  今、教育長の答弁でもありましたように、限られた予算の中で対応をしているという回答でしたけれども、本当に緊急の緊急のみだけになって、実際の改善は図れていないと思いますけれども、教育長はこのような状況をどのように思われますか、再度伺いたいと思います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  今議員も御紹介いただきましたように、各学校ではそれぞれいろんな状況になっております。そうしたことは、私も現場へ行ったり、あるいはお話を聞いたりして知っております。ただ、先ほども申し上げたように、予算に限りがございます。そうした中で、できるだけ優先順位などを見きわめながら、しっかりとこれからも対応してまいりたいと、こんなふうに思っております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)限られた予算の範囲で教育委員会は御努力していただいていると私は認識をしています。  知事に伺います。  一歩踏み込んだ行財政改革で、この限られた予算、修繕費、これをさらに今度1,600万円も削減をしようとされています。現場では人権侵害とも言うべき状況にあると、このような声も上がっている中で、ここをさらに削減をすべきではありません。教育条件整備に対する行政の責任を果たすべきだと考えますが、知事に見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来お取り上げいただき、私もお答えいたしておりますが、今後とも行政サービスを安定的に提供するとともに、滋賀の将来のために必要な投資というものを行っていくためには、見込まれる財源不足への対応も着実に進めていく必要があると考えています。こうした認識のもと、来年度に向けては、選択と集中の徹底とあわせて、予算積算の精査でありますとか、施設管理費など経常経費の縮減等により、全庁的に歳出の見直しを現在検討しているところでございます。  県立学校の修繕費については、先ほど来教育長から御答弁がありますように、優先順位をしっかりと見きわめた上で効率的、重点的に取り組むということにしており、限られた財源を有効に活用しながら、極力学校運営に影響が生じないよう努めてまいりたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)学校運営に支障が出ているということを私は紹介いたしました。校舎によっては、長寿命化の対象になっているところもあるんですけれども、さらに老朽化している校舎は、長寿命化の対象にならずに、やっぱり修繕が必要だと思います。この1,600万円の削減という、ここに私は知事が一歩踏み込んでされていると思いますけれども、その認識についてもう一度お伺いします。
    ◎知事(三日月大造) この間、27年度、28年度、そして今年度の29年度と、教育委員会のほうで予算措置をされている、また、全体として予算措置をさせていただいている、こういうこともございますし、来年度に向けて全体の予算をつくるために、例えば教育委員会の中で御検討されていることもあるし、そして、最終的には、今後、県全体でどう配分していくのかという、そういう議論をしていかなければなりません。いずれにしても、教育委員会の現場ともよく話をしながら、今後、予算案をつくってまいりたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)ぜひ対応を願いたいと思いますし、1,600万円の削減はやめるべきだというふうに要望しておきたいと思います。  6月県議会の杉本議員の質問に対して、財源不足の原因として、国体、全国障害者スポーツ大会に係る経費についてもその要因だと知事は答えておられます。財源不足の大きな原因はここにあると考えます。そこを放置して2019年度からの行政改革経営方針をつくろうとしておられるのではないでしょうか。一歩踏み込むところが私は間違っていると思います。踏み込むべきは、600億円を超える巨額の国体の施設整備を含む全体の開催費用であります。それなくして収支の改善ができないのではないでしょうか、再度知事に問います。 ◎知事(三日月大造) 2024年に予定されている国体についても、全国障害者スポーツ大会についても、せっかくの機会ですので、夢を持ち、前向きに捉え、必要な投資等をしっかりと行ってまいりたいと考えています。  同時に、今後見込まれる財源不足というものを踏まえますと、大規模事業全体について、事業の優先度、必要度、重要度、また、計画の熟度や後年度負担等にも十分留意しながら精査を行っていく必要があると考えています。こうした考えのもと、今お取り上げいただきました国体、全国障害者スポーツ大会の経費につきましても、これまでからできるだけ事業費の抑制を図るべく、施設に係る規模、整備方法、運営経費などについて、さまざまな観点から検討を進めてきたところでございます。今後、検討を進める中で、さらに精査を加えながら、民間活力の導入などの創意工夫も行いながら、最少の経費で最大の効果が得られるよう着実に取り組みを進め、県民総参加による大会の開催に向けてしっかりと準備に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)大規模事業の見直しをするという答弁でありましたけれども、特に国体の施設整備の彦根の主会場200億円、新県立体育館の移転新築94億円、さらに、プールなどの整備にも3分の2は県が負担をするということになっていますし、ここに一歩踏み込んで、私は見直しをすること、県民にツケを回すようなことはあってはならないと思いますし、ぜひ要望しておきたいというふうに思いますので、お願いいたします。  続いて、介護保険制度について、一問一答でまず知事にお聞きをいたします。  2017年度の県政世論調査では、家族を介護するために充実してほしい支援制度として、1、保険料や利用料の軽減、2、施設待機解消のための施設整備、3、24時間対応の在宅サービス、4、認知症の人が利用できるサービス、5、配食や送迎、見守り介護などの生活支援サービスの充実でありました。  保険料や利用料の軽減は切実です。この願いに応えて安心できる介護保険制度にするために、介護保険制度導入を機に減らした国庫負担の割合を段階的にふやすこと、利用料の負担軽減を国に求めるとともに、県としての負担軽減の対策を講ずるよう、経済的負担の軽減について知事に見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  介護保険制度は、国民の共同連帯の理念に基づき、高齢者の介護を社会全体で支え合うという社会保険制度の考え方によって成り立っており、保険料、利用料については、その負担能力に応じて公平に負担いただくものと考え、県独自の負担軽減の対策を講ずることは考えておりません。  なお、誰もが必要な介護サービスを受けられるよう、低所得の方には、従来から負担軽減の仕組みがあり、その費用を国、県、市町および事業者が負担をしております。  国に対しましては、近畿各府県とともに、低所得者に対する負担軽減について制度のあり方を検討し、必要な財源措置を講ずることを求めてきたところでございまして、引き続きこの点は要望してまいりたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)必要とするサービスがきちんと受けられるように、経済的負担の軽減を強く求めたいと思いますし、ぜひ県の計画にも反映をさせていただきたいということを要望しておきたいと思います。  次に、健康医療福祉部長にお聞きいたします。  2015年度、介護報酬のマイナス改定が行われました。2年余りたって、実際に厚労省が10月に公表した実態調査では、介護施設や事業者の大半が利益率を低下させ、経営悪化に陥っていることが明らかになりました。同省は15年度のこの介護報酬改定の影響も認めていますが、本県の影響についてお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) (登壇)お答えをいたします。  介護保険サービス施設・事業所の経営状況を把握するため、厚生労働省が実施をしております介護事業経営実態調査は、全国の事業所を対象に無作為抽出で調査をされておりまして、都道府県別の調査結果がございませんので、本県の状況については把握ができません。なお、県が指定をしております介護保険サービス事業所で、平成27年度中に廃止をされた93事業所のうち、廃止の理由を財政上継続的な運営が困難となったこととしているところが10事業所あり、同様に平成28年度では、廃止73事業所中4事業所となっております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)マイナス改定で廃止の事業所があったということだというふうに思います。  先日、介護事業所の所長さんに話を聞く機会がありました。前回のマイナス改定のときは、加算を何とか積み上げて努力をしてきたけれども、職員の一時金カットもせざるを得なかった、民間の職場ではなく、利益を上げることは難しく、なかなか昇給もさせてやれない、やりがいはあっても職員がやめていく、男性はとても家族を養っていけないと、寿退職されるとおっしゃっておられました。マイナス改定になれば人員不足に拍車をかけると話しておられます。これでは政府が言う介護離職ゼロも実現をできません。先日の佐藤議員の代表質問の答弁でも、県内でも介護職員の不足が施設運営上深刻な問題になってきていると認識を述べておられます。  しかし、財務省がまとめた今後の2018年度の政府予算編成についての建議では、財政健全化のために、医療、介護など社会保障の削減、抑制を中心項目に据えています。安倍政権のもとでの発足から5年、1兆4,600億円もの社会保障費の自然増を削減してきています。18年度はさらなる診療、介護の報酬を削減することを狙っています。介護報酬の削減は一人一人が使う介護サービスの量と質の縮減につながります。ぜひとも知事として介護報酬の削減をしないように求めていただきたいと思いますけれども、知事に見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) この介護報酬につきましては、これまでから国に対して、サービスの需給状況等の実態を十分に勘案し、制度が円滑に推進されるよう、引き続きその水準について検討を加えるとともに、必要に応じて適切に見直すよう要望してまいりました。全国知事会に設置されました高齢者認知症対策・介護人材確保プロジェクトチームを通じまして、とりわけ介護職員の処遇改善を強く求めてきたところであり、現在、報酬改定の議論が行われていると承知しておりますが、その動向を見守っているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)2015年の6月の議会で私はこの問題を取り上げました。介護報酬マイナス2.27%の大幅な引き下げについて。知事は、そのとき、必要がある場合は国に対して要望してまいりたいと、このように答えておられましたけれども、今お聞きしましても、介護職員の不足の問題や、マイナス改定による影響が県内でもあったということが確認をされています。ぜひ、報酬の、注視するのではなく、やはりマイナス改定についてはきちんとしないように、あわせて、プラス改定も含めて、私は今この時期にきちんと知事としてそのことを国に求めるべきだと、このように思いますけれども、再度伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) すいません、私の答え方がまずかったかもしれないんですけども、既に要望しておりますし、とりわけ全国知事会の中でも介護職員の不足、また、その人材の確保、そのためには介護職員の処遇改善をしなければならないということが中心課題になり、その中で取りまとめをし、政府に届けております。それを受けて今議論がなされていると思いますので、その内容をよく見ていきたいと考えています。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)報酬そのもののプラス改定を求めていただきたいということを切に要望しておきたいと思います。  財政審の建議では、今度は、介護保険の要介護1、2の人々が利用する訪問介護のうち、掃除、洗濯などの生活援助の給付外しを財政の観点から望ましいと記しています。厚労省は回数に制限を設け、来年10月から導入をしようとしていますが、全く高齢者の実態を無視したやり方です。既に要支援1、2の在宅サービスが保険給付から外されました。(資料掲示)この赤い棒グラフですけれども、要支援、要介護1、2と認定されておられる方々は実に65%と、こういう方々がこれまで受けていた介護保険の給付から外されてしまうということになります。これでは当初の介護保険の信頼そのものが、根幹が崩れかねないと、このように思うわけです。  ひとり暮らしや高齢世帯が今地域でふえる中で、訪問介護の生活援助は、その人らしく地域で暮らし続けるために必要なサービスで、1日に1回と一律に制限するなどはとてもできないと思います。冒頭述べました県政世論調査で示された在宅サービスの充実の願いに応えて、このような改悪に対して知事として今反対することを求めるものですが、見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えをいたします。  要介護1、2の状態の方で生活援助を中心に利用する方は、認定者の13%ほどいらっしゃるということなんですが、議員お示しの全ての方が生活援助の給付から外れられるわけではございませんが、要介護1、2の生活援助を介護給付の対象から地域支援事業に移行する場合におきましては、そのためのサービス提供の環境がしっかりと整うことが必要であると考えます。  また、訪問の利用回数につきましては、一定の間隔をあければ、1日に複数回、所定の報酬を算定可能であるというこの仕組み自体が必要以上のサービス提供を招きやすいとの御指摘がありますことから、生活援助中心型の訪問介護については、利用回数が通常と著しく異なるケアプランを作成する場合には、事前の届け出を要する仕組みとする方向で検討されていると承知しています。これは、一律に回数を制限するものではなく、自立支援、重度化防止の観点を重視したケアプランの作成を進めるとともに、利用回数が多くても、必要な利用者には必要なサービスを提供するための見直しであると理解しているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)厚労省の社会保障審議会介護分科会で今議論が真っ最中でありますけれども、この分科会で、認知症の人と家族の会の田部井さんからは、厚労省の実態調査でも、老老介護や独居の認知症の人が生活援助を1日朝昼晩3回受けざるを得ない状況があって、ぎりぎりにお暮らしの方もいらっしゃるということを指摘をされておられます。今、厚労省が打ち出しているのは、ケアマネジャーさんに届け出を義務づけさせるということで、実際、この自主規制が広がっていくと、1日1回で事実上の利用制限になるのではないかということで、非常にこの田部井さんは懸念をされておられます。これでは、冒頭述べました県政世論調査でも示された認知症の方が安心して利用できるサービス、この要望に対しても、ケアマネジャーに届け出を義務づけさせれば、おのずと回数が減らされていくような状況になりかねないということで、認知症の人と家族の会のほうからは厚労省にこの方針を撤回してほしいと言われています。枠組みをつくれば、実態に合わせたというふうに言われても、実際はその方向で枠組みをつくれば使われるということなので、私はぜひともこれについては反対をしていただきたいと思いますが、知事に再度伺います。 ◎知事(三日月大造) 今議員がおっしゃった、そういった厚労省の会議で団体の皆様方がそういう御懸念を示されていることは、よく私自身もお聞きしたいし、また、厚労省の中でも議論されることだと思います。いずれにしても、少し議員とは私は認識が違うんですが、先ほども答弁したように、今回のこの見直しは一律に回数を制限するものではないと承っておりますし、むしろ、そのことが自立支援や重度化防止の観点を重視するケアプランの作成を促すものであると。当然、必要な方には必要なサービスが提供されるということが原則だと思いますので、そういった旨で検討もなされ、必要な改定が行われるのではないかと承知をし、また、同時に期待もしているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)ぜひ、地域支援事業が各市町でどのような状況になっているのか、実態を把握していただきたいというふうに要望しておきたいと思います。全体の社会保障の削減の中で、財務省が打ち出している中で行われているということでありますので、給付の削減にならないようにぜひ求めておきたいと思います。  3問目に移ります。  国民健康保険について、一問一答で知事ならびに健康医療福祉部長にお聞きいたします。  2018年4月から国民健康保険の運営が国保都道府県化されるのに伴い、滋賀県では医療費水準を反映しない国保料・税統一化を示し、保険料軽減のため市町が独自に実施している法定外繰り入れについては、平成35年までに段階的に解消する方針です。11月28日に、日本共産党県議会議員団と同地方議員団は、三日月知事宛てで、住民の健康と命を守る社会保障としての国保制度を堅持するため、国民健康保険料、保険税の統一化を撤回し、設定に当たっては市町の裁量に委ねることを要望いたしました。  まず、健康医療福祉部長に伺います。  滋賀県のように、いわば保険料・税の統一化を掲げている都道府県はどこでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  保険料水準の統一に向けて、国保の事業費納付金の算定に当たり、医療費水準を反映しないとしておりますのは、滋賀県のほか、大阪府、奈良県、広島県の3府県と伺っているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)全国で4府県にとどまっているということです。  滋賀県が示した平成24年度1人当たりの保険料の試算状況では、県内19市町中11市町が平成28年度と比べて保険料が上がることが示されています。例えば大津市の場合、所得水準が高いということで、今回の試算で保険料は4.36%値上げになりました。しかし、実際の保険料加入者の8割近くが所得200万未満であり、保険料・税の統一化は結果として低所得者の負担がふえることにつながるのではないかと考えますが、健康医療福祉部長にお聞きいたします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  保険料水準を統一するしないにかかわらず、事業費納付金制度の導入によりまして、市町によって保険料が上がるところと下がるところが出ることになります。保険料が上がるところにおきましては、所得のいかんにかかわらず、保険料が増加することになるということでございます。  なお、今回の国保改革に伴いまして、国庫負担金などの公費が全国約3,400億円規模で拡充をされますことから、保険料負担の軽減が一定図れるものと認識をしております。このうちの1,700億円は、低所得者の保険料軽減の充実および低所得者の多い市町村への支援策として、平成27年度から実施をされております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)激変緩和策として国庫が入るということだというふうに思いますけれども、平成35年までに一般会計からの繰り入れを解消していくということでは、その後の低所得者に対する負担も大きくなるというふうに思いますし、負担割合としては低所得者の負担がふえるということを私は指摘しておきたいと思います。  保険者は、市町村、特別区に県が加わったからといっても、市町によって住民の状況、年齢層、所得層、健康状態が違い、また、医療機関の整備状況や予防活動も違いがあります。統一化はそうした実情を無視するものであります。市町間に生じる国保料の差を強引に統一すれば負担増につながります。佐賀県では、市町から懸念が続出し、10年程度で一本化するとしていた案を期限を定めないと修正せざるを得なくなっています。このような国民健康保険料・税統一化は撤回することを求めるものですが、部長に見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  県としては、被保険者の負担の公平化を実現するために、平成36年度以降のできるだけ早い時期に、同じ所得、家族構成であれば、県内のどこに住んでいても同じ保険料となる保険料水準の統一を目指しているところでございます。これは、市町と協議の上、国民健康保険運営方針に記載したものであり、撤回することはできません。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)運営方針の案の策定の段階で、市町からも、保険料が統一化になれば医療水準も同じようにちゃんとしてくれるんだなということで医療水準の引き上げも求めておられますけど、そこは私は定かではないというふうに思います。撤回をするように改めて求めておきたいと思います。  6月議会で私の質問に答えて、新制度のもとでも保険料決定は市町が判断していくと答弁されておられます。法定外繰り入れについても、新制度のもとでも市町において判断されるものと答えておられます。要するに市町の裁量に委ねるということだと思いますけれども、確認をしておきたいと思います。部長に答弁を伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  議員御指摘のとおり、6月定例会議におきまして、保険料の決定や市町の国保特別会計への法定外繰入金につきましては、新制度のもとでも市町において判断されるものであると答弁をしたところでございます。ただし、県と市町で協議の上に、8月31日に国民健康保険運営方針を策定をいたしました。この方針につきましては、国民健康保険法第82条の2第8項に、市町村は、都道府県国民健康保険運営方針を踏まえた国民健康保険の事務の実施に努めるものとするというふうに規定をされてございますので、市町はこれを踏まえて対応いただくことになるものと認識をいたしております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)議場でこれも確認をしていますけれども、運営方針はあくまでも技術的助言であるということでは、法的拘束力を持つものではないということを申し上げたいと思います。  先日、私は大津市の国保運営協議会を傍聴いたしましたけれども、委員からも、一般会計で負担をしてもいいのではないか、これまでどおり94%の収納率が果たして保てるのかということでは意見が出ていました。私は、こうした市町の状況をしっかりと見ながら、やはり市町の裁量に委ねるということを基本にしていただきたいということを要望しておきたいと思います。  引き続き健康医療福祉部長にお聞きいたします。  保険料・税負担軽減のために、県独自の財政支援を行って、保険料の値上げがされないように強く求めるものですが、見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  県は、厳しい財政状況の中で、県民の命と健康を守るため、年間100億円を超える負担を行いながら、国保の財政基盤を支えております。来年度からの都道府県単位化におきましても、これまでと同様に県の一般会計から負担を行う仕組みとされているところでございます。まずは限られた財源の中で安定的に制度を運用することが肝要であると考えているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)100億円余りを負担しているということでありますが、これは負担割合に基づく義務的な部分で、私が求めているのは、県独自の財政支援を求めますと、限られた財源の中でということで、1問目の行財政改革の議論にかかわってくるんですけれども、私は、命と健康を守るために、やはり独自の支援を、保険料を絶対に上げないように、その支援をしていただきたいということを要望しておきたいというふうに思います。  部長にお聞きいたします。  今日の国保財政の危機的要因は、国の財政措置が減らされていることであり、段階的に補助率を戻すように県として国に働きかけることを求めるものですが、見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  県としては、国保の財政基盤の安定化に向けまして、国に対して国庫負担率の引き上げ等、さまざまな財政支援策を講じるよう求めてきたところでありまして、引き続き要望してまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)ぜひ補助率を戻すように引き続き働きかけを強めていただきたいと思います。  知事に伺います。  そもそも国民健康保険は、国保法第1条で掲げているように、国保は憲法25条で規定する生存権を保障する社会保障の根幹をなすものであります。国民皆保険制度として国民の命と健康を守るためのものであります。その立場で立って、来年からのこの国保事業を行われるように強く求めるものですが、見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 県といたしましては、国保法の趣旨を踏まえて国民健康保険の運営をしていくこと、これは当然のことであると考えています。国民健康保険は、医療保険制度の基盤として、県民の暮らしを支えるセーフティーネットとしての役割を果たしており、制度の安定運営は県に求められる重要な責務であると考えます。今後も国に対し、財政基盤の安定化に向けての支援を求めてまいる所存でありますし、県といたしましては、今回の制度改革を、将来に向かって県民のための医療保険制度を再構築するための第一歩としていきたいと考えているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)ならば統一化は撤回をすべきだということを改めて私は求めておきたいというふうに思います。  最後に、子供の医療費の助成について、知事に分割でお聞きをいたします。  兵庫県保険医協会が「口から見える貧困 健康格差の解消をめざして」という本を発行されました。同保険医協会は、ことし3月の1カ月間に、県内の全小中高、特別支援学校に対して、1、学校歯科検診で要治療と診断された子供がきちんと治療を受けているか、2、口腔崩壊、これは虫歯が10本以上ある、また、歯の根しか残っていないような未処置歯が何本もあるそしゃくが困難な状況のことをいいますが、口腔崩壊と言われる重度の口腔疾患の子供がどのくらいいるのかの調査を行い、治療を受けていないと思われる子供が65%に上り、口腔崩壊の状態の子供がいる学校は35%に上ることが判明し、その背景とその解決に向けて10の提案を行っています。  同保険医協会では、口腔崩壊はなぜ起こるのか、アンケート調査の結果で、1つは、知識、関心がなく虫歯が軽視されていること、2つは、お金がなく幾らかかるか心配、3つは、時間がない、治療に連れていけないことなどを挙げています。提言の中では、高校生が虫歯の放置、口腔崩壊者が多いことから、対策は急務で、高校生までの医療費無料化を求めています。  今回注目すべきは、この結果は兵庫県に限らず、大阪、山口、三重、宮城、岩手、長野県の各保険医協会の同様の調査でも、小中学校の要受診者の割合はほぼ30%台で、そのうち未受診者の割合は40から50%台、小中学校で口腔崩壊状態の子供のいる学校の割合は30から50%台であるなど、全国的にも同様の傾向が明らかになったと述べていることであります。  口腔の健康は、子供の心身の成長、発達に大きな影響を及ぼします。滋賀県でも、各学校、市町でさまざまな取り組みが行われていますが、市町によって、学年によっても違いはありますけれども、永久歯の処置完了者率は40から60%にとどまっています。健康に格差を生まないよう、経済的負担の軽減で治療を促進することも求められていると思います。せめて中学校までの医療費の無料化をこの面でも県として拡充することを強く求めるものですが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 平成28年の4月から、県の制度として自己負担、所得制限を撤廃することで、これは市町と連携しながら就学前の子供の医療費完全無料化を実施させていただいております。中学校卒業までの対象年齢の拡大にという御提案、御要望でございますが、この点につきましては、医師の疲弊、医療費の増嵩、県の財政状況等から総合的に勘案される必要があると考えます。したがって、まずは限られた医療資源、財源の中で、現行の対象年齢での制度を安定的に維持させていただき、安心して子育てできる環境づくりに努めていくことが重要であると考えているところでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)聞いたこととかみ合いませんけれども、高島市では、中学校卒業まで今医療費が無料化になって、永久歯処置完了者がこの数年で、小学校6年生で70.9%、中学1年生では58.8%と、3年間で10から20%前進をしています。さまざまな要因はあるんですけれども、しかし、地元の歯科医師の方々からは、やっぱり医療費助成が拡充されたことが大きな原因だというふうに話されておられます。国保の保険料は統一化を推進されるということであれば、全ての市町で公平な医療サービスが受けられるようにすべきだと私は思いますが、再度知事に伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 議員の御指摘は承りたいと思います。しかし、一方で、昨年度から、議会にもお認めいただいて、まず小学校に入るまでは県内全てで統一しようということで制度をつくらせていただいたところでございますので、まずはこれを安定的に運用し、所期の目的を達していくということが大事だと思いますので、その点を心がけて取り組んでいきたいと考えています。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)子どもの権利条約の24条にも、子供の医療や健康を受ける権利がしっかりと掲げられています。日本は締結国でありますし、そういう立場に立って、地方自治体が、やはり学童期、また小学校、中学校の時代にきちんと歯を治す、そのための、さまざまな事由はありますけれども、やはり経済的負担の軽減で行政が後押しをして、県内どこでも等しく医療水準がされるように強く求めてこの質問を終わりたいと思います。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、13番節木三千代議員の質問を終了いたします。  次に、40番九里学議員の発言を許します。 ◆40番(九里学議員) (登壇、拍手)それでは、よろしくお願いいたします。  さきの代表質問を受けて、(仮称)森林環境税について、全て知事にお伺いをします。  政府与党は、地球温暖化防止や国土保全のため、森林の間伐や林業機械の導入、作業道の整備など森林整備の財源を賄うことを目的に、1人当たり1,000円を個人住民税に上乗せし徴収する森林環境税を創設する方針を固め、18年度税制改正大綱に盛り込むとされています。  森林環境税は、個人住民税を納めている約6,200万人が対象となり、年間約620億円の税収を、森林面積に応じ、原則市町村に配分することとされています。  導入時期は、復興特別税の徴収が終了した後の平成24年度からとする方針を固めたとの報道もありましたが、一方で、特定目的に使う税金だけに、毎年入ってくる税収をその年内で使い切ろうとする思惑から使途の拡大が懸念をされています。思い出されるのは、道路特定財源のことです。ガソリン税の使い道が拡大し、国民の批判を招いた道路特定財源。その反省を糧として、将来一般財源化されないか、あるいは無駄遣いの温床になりかねないか、今回の森林環境税についても県民お一人お一人が国がどんなスキームを確立するのか注視をする必要性があります。  国の考え方では、森林環境税の対象となる森林は、自発的な取り組みが見込めない森林や、自然的条件から見て経済ベースでの森林管理が困難な森林、ならびに森林所有者からの寄附を受けた森林が対象とされていますが、そこで、県として対象となる森林を現時点でどのように把握をされているか、まず伺います。  2005年の農林業センサスでは、本県不在村者の面積は、県内の個人所有の森林面積14万3,324ヘクタールのうち2万5,208ヘクタールであり、割合として17.6%を占めています。また、本県において地籍調査が完了しているのは、喫緊の調査で、平成24年度末、県土全体の13.1%にすぎず、林地においては実に1.4%しか進んでいない状況にあります。  率直に申し上げ、境界等の不明な放置林を整備することは、本県にとって、この数字から見ても大変困難な課題と言わざるを得ません。私は、境界に関する問題の解決や法的、財政的支援をすることがまず先決ではないかというふうに考えます。こうした実情を直視し、森林環境税創設に係るメリットや必要性、そして、課題を踏まえた上での本県のスタンスについて伺います。  平成18年度から本県で始まった琵琶湖森林づくり県民税は、県民ならびに県内に事業等を有する法人から、個人1人当たり年額800円、法人で年額2,200円から8万8,000円を納税をいただいてきました。森林環境税が今回導入されることに伴い、既存の県民税との使途の重複解消含め、県民の理解と負担感への解消、配慮をどう県として構築をされていくおつもりなのか、お伺いをしたいと思います。  これまで全国37府県等で既に導入済みである自治体独自の税と森林環境税とのすみ分けが必要であると思います。一例を挙げますと、神奈川県横浜市民は、既に市の横浜みどり税、個人住民税900円に、神奈川県が課せられる水源環境税、個人住民税300円プラス所得割0.025%に加え、今回の国の森林環境税が導入されれば、市民1人当たり、国、県、そして市の三重の課税ともなります。新たな森林環境税の導入に当たっては、県内市町との調整が非常に重要で肝要だと私自身考えますが、知事の所見を問います。  現在、県における超過課税との関係は今は曖昧ですが、使途の範囲や使い道を明確化し、拡大防止を図ることが必要不可欠です。森林環境税は国税として徴収され、原則市町へ譲渡する仕組みとされていますが、導入に際し、県内の中山間地における納税者、住民への理解醸成、とりわけ森林のない都心部の住民理解を進めることは大切です。森林のない地域住民の理解を得るため、森林環境教育にも使うなど柔軟な工夫を凝らしてはどうかと考えますが、県として告知方法をどう進め、いかに県民の理解を図るのか、お伺いをしたいと思います。  ここで、お手元、机上にお配りしている資料をごらんをいただければありがたいと思います。  (資料掲示)これは、林野庁で実施をされました市町村主体の森林整備の具体策(案)に関するアンケート結果であります。これを見ていただきますと、市町の間でも導入に当たりさまざまな意見や温度差があることが理解していただけると思います。とりわけ市町にとっては、事業実施体制の確保、技術的な支援、充実は喫緊の課題だと、この表の左下の円グラフを見ていただいてもわかると思います。  そこで、県として、市町が感じておられるこうした課題をどのように把握し、市町自身こうした課題を解決するため税をどのように活用したいと考えておられるのか、そのことを承知しているのか、お伺いをしたいと思います。  ことし7月、全国知事会から国に出されました地方税財源の確保・充実等に関する提言や、去る9月末から10月にかけて国に提出をされました大津市、甲賀市、そして栗東市の各市議会や多賀町議会の森林環境税に関する意見書を見ても、新税導入に当たり自治体間に温度差があるように読み取れます。担い手確保を含め、人的、体制整備の構築、財源確保など、市町を支援する都道府県への配慮も実務を行っていく上で非常に重要だと考えます。  そこで、県や県内19市町が森林環境税の情報を迅速に把握、共有し、税導入を機に林業専門職員を全ての市町に配置をしてはどうかと私は考えますが、県内19市町の林業担当専門職員の現状についてお伺いをしたいと思います。  いずれにせよ、新税導入に伴う市町の事務量の増大ははかり知れません。国、県がアドバイザーなどを市町に派遣をしていくことも一考願えればというふうに考えます。  今回の森林環境税の導入は、国の歳出改革以前に新税を手っ取り早く導入していくといったそんたくが見え隠れします。森林整備を進めることは一定理解をしますが、森林保全の重要性と税負担の必要性の国民理解がまず第一義であり、そこには税の負担と受益の均衡化、いわゆるバランスが前提とならなければなりません。農地バンク、いわゆる中間管理機構設立期、機構集積が余り進まなかったように、今回の新税導入により県内の放置山林が森林バンク化しないよう、県民にとって真に実りのある林業振興策となることを望み、この項の質問を終わります。 ○議長(奥村芳正) 40番九里学議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)森林環境税について7点御質問いただきました。
     まず1点目、森林環境税の使途の対象となる森林についてでございますが、総務省に設置されました森林吸収源対策税制に関する検討会、こちらが11月に取りまとめた報告書によりますと、森林所有者による自発的な施業が見込めない人工林を森林環境税の使途の対象とされていることから、森林法に基づく森林経営計画が樹立されていない人工林が対象となり得るものと考えています。  なお、現時点で森林経営計画が樹立されていない人工林は、全体の約89%、約6万3,000ヘクタールございますが、森林経営計画につきましては、平成32年度に全体の60%を樹立する目標を掲げており、これが達成されますと、残り40%、約2万8,000ヘクタールの人工林が原則対象となると想定されているところでございます。  2点目、本県のスタンスについてでございます。  議員御指摘のとおり、現在、所有者が森林の所在地に在住しない、いわゆる不在村化や、所有者、境界の不明確化など、人の手入れが行き届いていない森林が顕在化しており、森林が有する地球温暖化防止機能、災害防止機能、水源涵養機能等の喪失につながりかねない状況であり、森林整備は喫緊の課題であると認識しています。  本県におきましては、現在も国庫補助金や琵琶湖森林づくり県民税などを活用し、森林における境界の明確化等の課題の解決に取り組んでいるところでございますが、森林所有者の自発的な施業に委ねるのみではなく、行政がさらに一歩踏み込んで森林管理を行うことで困難な私有林の整備を進めていく必要があると考えます。そのためには、その財源として森林環境税の創設が必要であると考えているところでございます。  あわせまして、今後、所有者に近い市町の役割の強化を図っていくことが必要であり、これに伴う業務量の増加も含め、森林整備の推進のための条件を整備することが重要でありますことから、新たな森林管理システムの構築にあわせて、県といたしましても各森林整備事務所単位で市町との連携の強化を図ってまいりたいと存じます。  こうした取り組みを進めながら、森林環境税と琵琶湖森林づくり県民税との整合性に十分留意しつつ、これらを財源とした琵琶湖の保全再生に資する森林づくりを着実に実施できるよう準備してまいりたいと存じます。  3点目、県民の理解と負担感への配慮についてでございますが、現在、本県では、琵琶湖森林づくり県民税について、環境林の整備、間伐材の利用促進、里山のリニューアル等の環境を重視した森林づくり、ならびに、森林づくりの活動支援、森林環境学習やまのこ等の県民協働による森林づくりに要する施策に充当させていただいているところです。  一方、国において検討が進められている森林環境税については、基本的に、その使途を市町村が行う森林整備に関する施策や、それを担う人材の育成、確保に関する費用等とした上で、使途の具体的な範囲や都道府県への譲与について、さらに議論が深められているところと承知しています。  今後の国における検討によっては、琵琶湖森林づくり県民税事業として実施している環境林整備事業の間伐と一部重複する可能性がありますが、引き続き、森林環境税の創設とあわせて検討が進められている新たな森林管理システムにおいて、国、都道府県、市町村の役割分担の明確化が図られるよう、独自課税している府県とも連携しながら国に求めてまいりたいと存じます。  いずれにいたしましても、森林環境税や新たな森林管理システムの検討状況を注視し、今後の本県の琵琶湖森林づくり県民税事業の運用に当たって必要な整合を図るよう留意していくとともに、県内市町とも連携を図りながら、本県の森林整備の必要性や事業の実施状況を県民の皆さんにわかりやすく説明することにより、県民の皆さんの御理解が得られるよう努めてまいりたいと存じます。  4点目、県内市町との調整についてでございます。  森林環境税導入に当たりましては、森林環境税を財源とする森林づくりと、本県の琵琶湖森林づくり県民税を財源とする森林づくりとの運用の整合に留意していく必要がありますことから、必要に応じて議員御提案のような県と市町との協議、調整の場の設置についても検討してまいりたいと存じます。  5点目、告知方法や県民理解についてでございます。  新たな森林環境税は、地球温暖化対策を初め、琵琶湖の保全再生にも貢献するものであり、その意義や重要性については、国や市町とともに県民の皆さんにしっかり周知していく必要があると認識しています。  本県におきましては、毎年、広報誌「県政プラスワン」などを活用して、琵琶湖森林づくり県民税の使途や森林づくり事業の内容について具体的に説明し、御理解をいただけるよう努めているところでございます。また、おおむね5年ごとに行っております琵琶湖森林づくり基本計画の見直しに際しましては、森林づくりの必要性等について御理解いただけるよう、県下各地においてタウンミーティング等を開催するなどしてきているところでございます。こうした取り組みにより、今後、新たな税による取り組みと琵琶湖森林づくり県民税による取り組みが相まって、これまで以上に琵琶湖の保全再生に資する森林づくりが促進されることを県民の皆さんに御理解いただけるよう、丁寧に説明してまいりたいと存じます。  6点目、市町は税をどう活用したいと考えているのかということについてでございますが、市町が感じている課題について、林野庁によるアンケートとあわせて各市町への個別の聞き取りなどにより把握を行ったところでございます。それらによりますと、市町では、森林整備を進める上で森林所有者が森林経営に無関心であること、また、境界や所有者の特定が困難であること、森林整備の担い手が不足していることなどを主な課題とされておられます。こうした課題を解決するため、市町は、森林整備を行うに当たって事前に必要となる所有者情報の確認、境界の確定、意向調査などに要する費用や林業事業体等の担い手への支援などに森林環境税を活用したいと考えていらっしゃると承知しており、検討会の報告書においてもこのような使途が位置づけられているところでございます。  7点目、県内市町の林業担当職員の現状についてでございますが、現在、県から派遣をしている1町を除きましては、市町において林業担当部署に林業担当専門職員を配置している事例はございません。しかしながら、今後、市町を主体とした新たな森林管理システムによる森林整備を推進していく上で、専門的な技術職員を配置していくことは重要な課題となります。このため、国において、既に今年度より地域林政アドバイザー制度が創設され、市町が森林林業に関して知識や経験を有する者を雇用することや、技術者が所属する法人等に事務を委託することにより、市町の体制支援を図ることとされているところです。県といたしましても、この制度を活用した体制強化がなされるよう、技術者情報の提供や人材育成のための研修などにより、市町の取り組みを支援していきたいと考えております。 ◆40番(九里学議員) (登壇)ありがとうございます。今も知事のほうからお答えいただきましたように、こうした林業の専門職員が非常に手薄であるという状況を踏まえた上で、森林整備事務所なり、そうした市町との連携をきちっととっていただきながら、この税の部分について県としても対応をお願いしたいなというふうに思います。  1点だけちょっと再質問をさせていただきたいと思います。  一昨日ですか、新聞報道がございました。国のほうで、全国の自治体に森林整備を加速化してもらうために、この森林環境税に先立ち、19年度から年数百億円を自治体に配分をするという報道があったわけなんですが、国がこうした徴収をした後、地方譲与税として、森林面積に応じて19年度から先行分も譲与税として配分するという部分で、原資となる税金がない中、とりあえず国税を繰り入れ、特別会計のほうに借り入れで賄うという部分で、5年後の新税創設、24年度からあるということなんですが、それを返済に回すためとの対策というふうに報道されているんですが、私は、これは将来の貯金というか、そういう財源を当てにしながら借金をするような見方もできるのではないかなと、まだこれだけ、今も答弁ありましたように、県民理解が進んでいない中、こういう部分がどうかなというふうに感じています。  そこで、今の答弁でもありましたように、さまざまな地方に課題がある中、こうした国の動き、新税創設に先行して配分をすることに対する知事の見解だけ聞かせていただきたいなというふうに思います。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来お取り上げいただき議論しているように、この森林整備は大変重要な課題でございますし、喫緊の課題もあると思います。そしてまた、一般論として、都道府県や市町村に必要な財源というものが国から措置されるということについては望ましいものであると考えますが、この報道の内容に関しましては、私も報道には接しておりますが、現在、与党税制調査会における税制改正プロセスの中で議論、検討されているものでありますので、さらに、この議論の結果は平成30年度税制改正等において結論が出されると承知をしております。この時点では、そのことを待ち、今、報道に対してコメントするのは差し控えさせていただきたいと存じます。結論が出た際には、県として必要な対策がとれるよう準備してまいりたいと存じます。 ◆40番(九里学議員) (登壇)それでは、次に移らさせていただきたいと思います。  我が会派、本年2月議会と今議会代表質問答弁、冨波議員からの代表質問がありましたが、それを踏まえ、私自身、この1年間現場で調査をしたことをもとに、県立学校における施設整備状況について、以下、一問一答で全て教育長さんのほうにお伺いしたいと思います。  まず、机上のほうに配付をさせていただいています。ちょっと前後がホッチキスが逆になったようなんですが、その部分をごらんをいただきたいと思います。  (資料掲示)これは、本年の7月1日現在教育委員会調査結果で、県立47高校全教室中、どれぐらいの教室に空調設備が整備をされているかという資料でございます。普通教室1,064教室に対し整備されているのが490教室で、設置率は46.1%、特別教室に至っては、1,561教室に対し整備されているのが676教室で、設置率43.3%、合わせても2,625教室中1,163教室で、設置率は44.3%、全体の過半数に届いていないという統計的な数字が出ています。  別に、ちょっと日程が3カ月さかのぼってしまうんですが、ことしの4月1日、文部科学省の全国調査によりますと、現在、空調設備の設置率は全国平均で49.6%あり、滋賀県の設置率40.0%は全国平均より低く、全国の都道府県で第36位という順番になっています。都道府県別で見ますと、全国1位は、気温の関係もあると思うんですが、沖縄県の84.9%、2位は滋賀県のお隣、京都府の79.0%、3位は東京都の77.7%であります。近畿2府4県では、設置率が、上位から先ほど申し上げました京都の79%、和歌山県63.5%、大阪府59.7%、奈良県48.7%、兵庫県44.4%となっており、本県では近畿2府4県の中で最低の設置率という現状があります。  県立高校のうち、普通教室に一つも設置されていない学校は、ごらんのように47校中23校と約半分あり、生徒の学習意欲、教育水準の向上、そういった面からも、同じ県立学校でも教育環境面に不公平感があるのではないかということが否めないと思います。  そこで、これまで県費負担で空調設備を整備をしてきた学校や教室は、どのような方針でこれまで教育委員会として整備をされてきたか、まず教育長にお伺いをしたいと思います。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えいたします。  これまで県立高校で県費により空調設備の整備を行ってまいりました教室は、電子機器や書物の維持管理のために必要となります情報処理室や視聴覚室、図書室のほか、教育相談室や進路指導室等でございます。また、通信制課程におけます夏期のカリキュラムへの対応など、特別な事情のある学校につきましては、普通教室の一部にも整備してきたところでございます。 ◆40番(九里学議員) (登壇)特別な事情があるというか、コンピューターの関係とか、そういったもろもろのところについているということなんですが、この本会議においても、まずは県教育委員会として耐震工事を先に優先するんだということを再三述べられてきました。さきの代表質問の答弁でもありましたように、28年度末の耐震化率が県立高校で97%、特別支援学校で100%済み、今年度、新校の長浜北と長浜北星の耐震改修が済めば、全ての県立学校において耐震改修が完了するという状況があります。そこで、次には、やはり空調設備整備に着手するべきだと私は考えます。  平成25年度以降、県費での対応を待てずというか、待たずに、PTAや同窓会、あるいは教育の振興会などが私費により新たに空調設備を設置された学校が、この5年間で全47校中16校ある調査がわかりました。  地球温暖化が急速に進む中、快適な教育環境で高校生活を過ごしたいんだという願い、そういった権利は、生徒さん、教師の皆さん方、あるいは保護者の皆様方にとって当たり前の権利ではないかというふうに私は考えます。  文科省の教室等の環境に係る学校衛生基準によると、人間の生理的負担上、教室の温度は10度以上30度以下が望ましいとされており、生理的・心理的負担をかけない、その温度は冬で18度から20度、夏季、夏で20度から30度とされておりますが、私自身調査をした中では、夏季では35度、窓際の教室で冬では3度から2度あることが判明をしました。入学した高校によって教育環境にこうした差があるようなことがあってはならないと思います。高校の3年間、暑さ寒さを我慢し、修行僧のごとく勉学に励まなければならない子供たちの身になっていただきたいと思います。  5年計画で空調計画を整備すると、以前、教育長は議会答弁されました。私立高校との同等程度の環境確保や生徒の県外流出に歯どめをするためにも、非常に低い学力を少しでも向上さすためにも、スピード感を持ってやってはどうかと思います。  そこで、新年度予算編成に向かわれるこの時期、今後どのように空調設備の整備を進めようとされるのか、教育長の前向きな答弁をお願いをします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  県立学校におけます空調設備の整備につきましては、さきの2月議会でも申し上げましたとおり、今年度から5年をめどとして、全ての県立学校の普通教室等に順次整備をしていきたいと、そんなふうに考えております。 ◆40番(九里学議員) (登壇)これだけ熱弁を振るっても、状況調査、統計的なことを入れても5年かかるということに非常に残念な思いはしますが、ぜひ少しでも47都道府県の部分も鑑みながらお願いをしたいなというふうに思います。それが願いだというふうに思います。  次に、県立学校のバリアフリー化について伺います。  昨年度、県や市町が受けた障害者や家族、関係者からの相談は43件あり、そのうち学校のエレベーター設置要望など合理的配慮の不提供によるものが31件、多機能トイレの整備を求めるといった環境整備に関するものも5件あったと仄聞をしています。県や市町が受けた相談のうち、県立学校の施設整備に関する相談はそのうち幾つあったのか、どのように把握されているか、教育長にお伺いをしたいと思います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  県立学校の施設整備に関する相談は2件あったというふうに承知をしております。 ◆40番(九里学議員) (登壇)2件が多いか少ないか、それぞれ考えるところではありますが、その当事者にとってどうかという視点も必要だというふうに思います。  障害者差別解消に伴う条例制定作業が滋賀県では本格化をされていると仄聞をしています。相談体制の強化、制度構築は喫緊の課題だと指摘をしたいと思います。相談の内容としては、進学を希望する県立高校の設備整備に関する要望が多いですし、我が会派の角田議員も再三ある一つの学校を指摘しておられましたが、エレベーター設置の有無は進路選択に当たって重要な要素になると、そうした対象の方はあるというふうに思われます。  本年9月1日現在エレベーターの設置状況は、県立高校47校中、調査によりますと、既に設置済みの高校、膳所、石山、大津商業、彦根東、彦根翔西館、長浜北星、玉川、湖南農業、石部、能登川、米原、安曇川、大津清陵の13校であります。そして、今年度設置予定、新校の長浜北を入れても14校と、全高校全体の29.7%、3割にも達していません。さらに特筆すべきは、ここが重要なんですが、先ほど2件というお話があったんですが、特別支援学校においても、盲学校、北大津、長浜、野洲、八日市、草津、三雲、甲良、新旭、そして長浜北星高等の各養護学校10校は既に設置がされています。しかし、平屋建ての守山養護学校を除いても、私の地元の栗東市にあります聾話学校、鳥居本、甲南高等、愛知高等の4校はいまだに未設置の状況であります。こうした未整備の学校については早急に整備を進めるべきだと考えますが、県立学校のエレベーター設置についての教育長の今後の方針について問いたいと思います。 ◎教育長(青木洋) お答えいたします。  これまでも答弁させていただいたとおりでございますが、全ての学校への設置が望ましいとは考えておりますが、現在の財政状況等を勘案いたしますと、エレベーターが未設置の学校に直ちに単独で全て設置することは困難であるというふうに考えております。 ◆40番(九里学議員) (登壇)先ほどの空調も一緒なんですが、そうした差なり、直ちにという財政的な部分はわかるんですが、その辺の公平感というか、その辺をどう考えておられるのかなということは申し上げておきたいと思います。知事自身言われるSDGsの理念、あるいは、社会的に弱い立場の人を守るんだと、そうした尊厳を守るんだと、ノーマライゼーションの観点から改善をすべきだというふうに思います。  恐れ入ります、もう一枚の資料を、机上に置いている、ごらんいただけたらありがたいなと思います。  (資料掲示)次に、障害者用トイレ整備についてお伺いをします。  障害者用トイレは、学校間で利用できる便器数にばらつきがあります。一覧の右から4つ目の段を上下に見ていただけたらありがたいなと思います。多いところでは10個以上の障害者用便器がある学校もあれば、教室棟や実習棟等の生徒が利用しやすい場所にはない学校もあります。このように、学校の間で差が見受けられますが、生徒が使いやすい場所に整備すべきだと私は考えています。身障者用トイレ整備の今後についてどのように対応されるのか、教育長にお伺いをしたいと思います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  県立高校におけます身体障害者用のトイレにつきましては、職員用トイレの中に併設されているものなどを含めますと、現在、全ての学校に1カ所以上設置をされております。身体障害者用のトイレの整備につきましては、これまでから、だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり条例、あるいは高等学校施設整備指針等に基づき整備をしているところでございますが、実習棟など校舎が複数ある場合など、学校の状況に異なる点がございますことから、必要に応じて耐震工事等の大規模改修時に合わせて整備を行ってきたところでございます。今後も引き続きまして、各学校における実態をしっかりと踏まえながら対応を検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆40番(九里学議員) (登壇)非常に客観的というか、余り情熱、思いが伝わらない答弁やなと思うんですが、学習の場であり生活の場であるはずの学校で、こうした学校間で身障者用トイレの整備状況に差があるということは、私はやっぱり問題ではないかなというふうに思います。これだけ自然災害がふえてきた、大規模災害時としての避難所としての役割も一定担わなければならない、そうした防災面から考えても、県立学校における身障者のトイレについては、もっと、1カ所あればいいんだということだけではなくて、さらに進めて整備すべきだというふうに考えますが、先ほどの空調もそうです。エレベーター、バリアフリーもそうです。もう少し前向きな答えがいただけないかなと思うんですが、教育長、お伺いします。 ◎教育長(青木洋) お答えいたします。  今議員の御指摘の学校に係ります施設設備、これはどれも非常に大切な、あるいは早急に整備するものというふうには私も認識をしております。ただ、一方で、先ほど来申しておりますように、予算というのも限りがございます。そうしたことから、何を優先してやるべきなのかと、あるいは、やる際には、どういうようなやり方をすればより効果的、効率的にできるのかと、そうしたことをしっかり見きわめながら今後も対応していきたいというふうに考えております。 ◆40番(九里学議員) (登壇)費用対効果のことはわかるんですが、財政的な部分はわかるんですが、やはり現場の声をもう少し大事にしていただきたいなというふうに思います。  最後に、トイレの洋式化について問います。  先般の代表質問でもございました学校トイレの洋式化を推進する議員ネットワークの調査によりますと、ことし4月1日時点、都道府県立の高校の洋式化率が全国平均で35.8%にとどまっていることがわかりました。この数字は、文科省が調査した昨年4月1日時点の公立小学校の平均洋式化率44.3%と比較をすると7.5ポイント下回っており、全国的に小中学校に比べて県立高校の洋式化がおくれているということが実証されました。  また、他府県の高校の洋式化率と比較しますと、都道府県立高校の洋式化率は、全国的には岐阜県が一番進んでいまして62.4%、香川県が57.6%、沖縄県が56.6%の順に高く、(資料掲示)すいません、先ほどの一覧表を見ていただけたら、右下の数値のとおり、本県の洋式化率は28.6%と、全国順位でこれは40位という下位にあると、そして、全国平均よりも10.0ポイントも低いことがわかりました。  公立小学校の改修費用については文科省の国庫補助対象とされているにもかかわらず、県立高校は対象外になっている現状があります。近年のライフスタイルを鑑みたとき、こうした国の制度的な問題もあるというふうに思いますが、(資料掲示)そこで、さっきのこの2段、3段を見ていただきたいと思います。一覧表の右から2つ目、右から3つ目を見ていただけたらありがたいと思います。  ことし6月時点で、県立高校46校中、全ての大便器の合計数は2,474個、うち洋式トイレは707個、28.5%、男女比の便器数、先般もありました和洋式便器数にも学校ごとに縦のラインを見ていただいたら非常に差があります。開きがあります。また、県立高校洋式化率でも、今年度新設される長浜北高校は64個中54個、非常に新設、たくさん入れていただいて、84.37%が洋式トイレなんですが、それはおいておいても、守山48個中37、77.08、彦根東65個中50個、76.92、長浜北星68個中51、75%と、70%以上の洋式化の学校がある一方、長浜農業の高校では47個中2個、4.25%、甲西高校39個中2個、5.12%、国際情報高校65個中5個、7.69%と、学校の洋式トイレが実に8%を切っている状況があり、同じ県立高校でも72.83%、そういった差があることがわかりました。今年度末、新設校ができますと、長浜北の、80%以上のポイント差が全日制の県立高校でも開くという実態が浮き彫りになりました。  大規模校の場合、洋式化への費用は非常に莫大であり、これまで耐震化が優先されたことは、先ほどの教育長の答弁でもございましたように、また、財政的な部分、そうした部分でも否めませんが、今の子供は和式トイレになれておらず、特にクラブ活動、体育会系のクラブをしたときのけがや事故後の生徒の対応からしても、高齢者や障害者はもとより社会全体のライフスタイルの変化が洋式化になっている中、保健衛生面、節水環境面、長期改修費用節約面、さらには先ほど申し上げました防災面からも、トイレの洋式化へとかじを切ることは県教育委員会として非常に急務だというふうに思います。  そこで、教育長のこの洋式化に対する対応、今後どのようにこの数字を鑑みていただき、考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  洋式化等のトイレの改修につきましては、これまで耐震改修、あるいは高校再編などの大規模な改修工事等にあわせて進めてきたところでございます。しかしながら、今議員も御指摘のとおり、生活様式の変化、あるいは小中学校におけますトイレ改修の進捗などから、県立学校においても老朽化や洋式化に対応したトイレの改修は喫緊の課題であるというふうに認識をしております。そうしましたことから、現在、各学校におけるトイレの状況を調査しておりまして、今後、この調査の結果を踏まえながら、どのように対応していくのか検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆40番(九里学議員) (登壇)ありがとうございます。18分間で初めて前向きな答弁をいただきまして、そうなんです。そうした現場の先生方や生徒さんたち、エレベーターの角田議員が再三言われている部分もそうなんですが、空調の部分、バリアフリーの部分、そして今のトイレの部分、日々生活をされる、そこに学校におられる時間の長い方は、そういうことが大事だと、きめ細かい対応をしてほしいんだという声をこの1年間いただいてまいりました。非常に全県的にも財政的に国体があります。全国障害者スポーツ大会があります。また、新生美術館があります。さまざまな要望、先ほど来の福祉教育の部分もあると思います。しかし、未来ある子供たちのために、教育環境の充実、そうしたものをきっちりと予算をつけていく部分にも光を当てることが教育委員会として非常に大事だというふうに思います。そのことを強く申し上げ、最後に教育長のこうした学校施設に対する思いについてお答えをいただきたいと思います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  各種の学校の設備につきましては、やっぱり子供たちが過ごしやすい、そういう環境の中で一生懸命勉強、あるいはクラブ活動等に励んでいただきたい、そんなふうに思っております。そうしたことから、できるだけそういうようなものもしっかりと整備をしていきたいと思っておりますが、一方で、やはりさまざまな状況、条件もございます。そんなことを総合的に勘案しながら、これからもしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆40番(九里学議員) 終わります。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、40番九里学議員の質問を終了いたします。  次に、2番加藤誠一議員の発言を許します。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇、拍手)いましばらくおつき合いをお願いします。  早々、危機管理につきまして質問をさせていただきます。  今議会、知事の提案説明の初めであります。北朝鮮のミサイル発射に対して、「緊張度を上げて、対応に万全を期す」と述べられました。心強い言葉であります。ミサイルに対する対応に万全の、具体的なその対応について一度伺ってみたいと思いましたが、このミサイルについてはまたの機会にいたします。  当然、足元の台風被害に対しましても対策に万全を期すとされました。被害への対策ですから、今議会の開会日に災害復旧予算が即日可決され、一刻も早い復旧をお願いするものであります。ただ、災害復旧は被害の発生後の事後対策であります。被害を減らすには、発生までの対応、発生までの対策をいかに早く行うかということは申し上げるまでもありません。そして、そのこと、すなわち被害を減らすための対応こそ、まずは万全を期すべきであります。  ところが、洗堰の全閉という事態におきましては、提案説明ではその他の出来事として述べられました。しかも、ミサイルには万全と言いながら、水害から県民の生命、財産を守る責任ある知事が、全閉操作について、「極力回避していただく」、また、「全閉時の情報発信など国に協議する」との発言には少し耳を疑ってしまいました。「全閉操作が琵琶湖の水位上昇をもたらし、沿岸部での浸水被害などが懸念される」とも述べられました。ならば、まずはこれこそ万全を期す対応を求めるべきではないでしょうか。  この洗堰全閉のとき、知事はフランスに出張中でございました。御苦労さまでございました。当然、リアルタイムで情報を受け、災害警戒本部に対し指示をされたと思います。  琵琶湖の水位上昇が4年前、実に77センチを超え、あの甚大な被害となりました。もっとも4年前は前の知事ではございましたが、後に述べます内水排除が稼働しましたし、下水道への影響からの二次的な被害も、その原因を突き詰めると、やはり琵琶湖の水位上昇に行き当たります。今回の経過を振り返りますと、危機管理的にももっと早く行動を起こすべきではないか、本当に警戒することに危機感があるのか、こんなことを疑問に思った次第でありますので質問をさせていただいたわけであります。  災害対策基本法は、昭和34年の伊勢湾台風を契機として制定をされました。その基本法の中で、災害発生、またはそのおそれがある場合には、総合的かつ有効に災害応急対策等を実施するため、都道府県にも対策本部を設置するとされております。平成28年に開館をいたしました滋賀県危機管理センターの設置および管理に関する条例第2条にも、「災害その他の県民の生命、身体または財産に重大な被害が生じ、または生じるおそれがある緊急の事態への対処および当該事態の発生の防止」とあります。生じるおそれがある緊急事態への対処およびその発生の防止、まさに危機管理はそれに当たる対応であります。  そこで、以下、危機管理という点から、全て危機管理センターの運営を担当される総合政策部長に伺ってまいります。  まず、危機管理センターの業務にあります災害その他の県民の生命、身体または財産に重大な被害が生じるおそれがある緊急の事態の判断をするのは、誰がどのように行うこととなっているのでしょうか、総合政策部長にお伺いをいたします。 ○議長(奥村芳正) 2番加藤誠一議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎総合政策部長(宮川正和) (登壇)お答えをいたします。  御質問の趣旨に即して、風水害等の自然災害についてお答えをいたします。  重大な被害が生じるおそれがある緊急の事態かどうかの判断は、事象や予想される緊急性に応じて、知事あるいは副知事が行うものでございます。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)ところで、危機管理センター開館から1年半、間もなく2年でありますけれども、部長は危機管理の要諦とはどのようにお考えでしょうか、お伺いします。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  私は、危機管理に当たって最も重要なことは、被害の最小化を図るため、常に最悪の事態を想定しながら、しっかりと体制を整え、正確に状況を把握した上で、対応について的確な意思決定を行うことであるというふうに理解をしております。また、空振りを恐れることなく、先手先手の対応を行うことが肝要であると、このように考えております。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)結果として、今回、大きな被害をもたらしました台風21号でありますが、接近に伴いまして災害警戒本部を設置されたということですが、今回はどのような判断のもとにいつ立ち上げられたのか、お伺いいたします。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  台風の最接近に備え、事前防災行動計画、タイムラインでございますが、それを作成し、全庁で共有をいたしておりました。台風の発生時から、彦根地方気象台と常に連携をしながら、台風の大きさや強さ、進路について情報収集に努めたところでございます。前線の影響によりまして、台風の接近前から相当量の降雨がございましたし、台風が23日の0時から3時までの間に本県に最接近する見込みで、県内に災害が発生することが予想されましたので、西嶋副知事の判断により、10月22日の14時に災害警戒本部を設置をいたしました。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)念のために確認でございますが、災害警戒本部は、先ほど言いました重大な被害が生じるおそれがある緊急の事態の発生の防止、あるいは、それに対応するということを思っての立ち上げと理解してよろしいでしょうか。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  そのとおりでございます。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)そうしますと、ちょっと時系列に見てみますと、大体県全域に警戒が出たときのような雰囲気でありますけれども、例えば、22日の14時に県は立ち上げましたけれども、実はその前に12時には甲賀市さんで立ち上がっております。さらに、22日の9時には竜王町が立ち上げておられまして、これは日野川の関係だと思います。さらに、22日の7時には愛荘町が設置をされております。その前、22日の10時にはほぼ全域に大雨の警報が出ているわけでございますが、どうもこの14時というのは遅いのではないか。これは、滋賀県としてもそうですが、警戒本部への情報、先ほど的確な情報で対応するというときに、既に関係の県内の市やら町は立ち上がっているわけでございますが、もう少し早くてもいいような判断をすべきではないかと思うんですが、部長の見解をお伺いします。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えいたします。
     災害警戒本部の前段階で幾つかの警戒の体制をとっておりますので、総合的な状況を判断してこの時点で立ち上げをいたしたものでございます。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)ここで、ちょっと時間がもったいないんですけど、先ほどの警戒本部、やっぱり先ほど部長がおっしゃいました危機管理の要諦からいいますと、やはりあの感覚からいいますと、もちろんその情報があるかと思いますけれども、本部にあることによって情報が集中するということを考えますと、もう少し早くてもよかったのではないかと私は思っております。  次にですが、この台風に伴っての豪雨、4年ぶりに実行に移されました洗堰の全閉ですが、当然、このことにつきまして、県にとりましては重大な被害が生じるおそれのある緊急事態と理解をしたいと思いますが、部長の見解をお伺いします。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  危機管理の観点から、私もそのように理解をしております。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)警戒対策本部の初めの会議が、聞いておりますと22日の17時に開催されたと伺っております。このとき、天ヶ瀬ダムの流入量は既に毎秒500トンを超えていたようです。対策本部が設置されたのが先ほど14時、このときでも370でありましたから、当然、この水位を見ますと、上昇し続けているというのは明らかであります。警戒対策本部ではこの時点からさまざまな当然想定をされていたと思うんですけども、最悪の洗堰全閉がされる予兆というのはどのような形で読み取るということにしておられるのでしょうか、お伺いいたします。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  洗堰の事前の放流量変更通知から予兆を基本的には確認をいたします。洗堰の全閉操作の基準となる天ヶ瀬ダムの流入量についても、国土交通省のホームページ等で把握をしております。あわせて、琵琶湖の水位につきましては、琵琶湖に流入する河川の水位、それから予測雨量等をもとに、6時間先までも予測をできる土木防災情報システムによって把握をしているところでございます。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)6時間先まで見られる、そういうシステムがあるわけでございます。初めて知ったわけでございますが。  洗堰が制限される情報、あるいは今回の全閉に関する情報、この連絡は、操作元の琵琶湖河川事務所から県、市などに対しまして、どこにどのような方法で、どのようなタイミングで行われることになっているのか、お伺いいたします。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  瀬田川洗堰操作細則に基づきまして、県、大津市、大津警察署、それから水資源機構琵琶湖開発総合管理所に対しまして、ファクシミリで操作開始の約1時間前に通知されることになっております。それから、県民等への周知は、琵琶湖河川事務所のホームページや琵琶湖河川事務所および瀬田川に設置されている電光掲示板等でお知らせすることになっておりますし、現地ではサイレンによる警報等が作動すると、こういうふうな形になってございます。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)こういうことでずっと来ておるんですが、聞いておりまして、市に対しましては大津市がありましたけれども、このまた後に言うんですけども、琵琶湖の水位に影響することが全域に懸念されるというて、これは提案説明にも知事の発言にもございました。そういうことを知事、県が思っているんであれば、これ、県が受けたときに、関係市町へ直接やっぱり県から知らせるという手だてがないんでしょうか。ちょっとこれは不思議というか、えっというちょっと思いもしました。今おっしゃったことが全てだという前提でございますけれども、ということをちょっと思ったわけであります。  次に、改めて聞きますけれども、放流の制限ですが、始まったのは22日の22時、10時ぐらいだというふうに聞いているんですけれども、全閉という事態になる、もう全閉しますよという、最後ファクスですが、キャッチしたのは何時でしょうか。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  まず、22日の午後10時に、琵琶湖河川事務所から洗堰の放流量が毎秒200立方メートルから毎秒50立方メートルに変更される通知がございました。その後、23日の午前0時55分に、琵琶湖河川事務所から流域政策局に洗堰放流量が全閉をされるということで通知がございまして、その旨、災害警戒本部内で本部長である副知事に伝達がされたところでございます。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)0時55分にあったということでございます。これも情報でございますが、洗堰全閉の回避を要請するということを、このようにされたということですが、これが22日の23時というふうに前の情報で聞いております。このとき、天ヶ瀬ダムの流入量は既に毎秒833トンなんですね。すなわち、もうこの時点で、22日の23時で840トンに近くなっているという、これはもう明らかにわかっているわけであります。これが22日の23時なんです。ところが、先ほど、閉めるというのは0時55分でありますけれども、危機管理上、やはりこの全閉を回避の要請、なぜもっと早くされないのかなと、できないのかなという思いがしたんですが、いかがでしょうか。 ◎総合政策部長(宮川正和) 少し経緯を申し上げます。回避の文書を県から琵琶湖河川事務所長に文書を手渡したのは22時40分ごろでございます。これは、22時に琵琶湖河川事務所から、先ほど申し上げましたが、放流量の変更の通知がございましたので、県のほうで天ヶ瀬ダムの流入量も見た上で、速やかに近畿地方整備局宛てに全閉回避の要請が必要だということを考えて、そのようなタイミングで措置をとったものだと私は理解しております。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)実は、今回、危機管理的に取り上げましたのは、そういう待っている情報だけでいいのかという、そこが、もう少しやっぱり情報を取りに行くような話ではないのかという思いであります。例えば、氾濫危険水位に達した川と時間、これを見てみますと、例えば大戸川も20時50分に達しているわけですね。少なくとも例えばこの時点でそういう行動を本来はとるべきではないかというのが思いなんです。ファクスを受けて減らしますよというんじゃなくて、滋賀県的に考えたら、そういうことは考えられるはずなんです。その先を読めば、やはり滋賀県内の河川、例えばその後、日野川では21時40分です。姉川も22時にはもう警戒水位に達しているわけですね。そういう全体からの判断というのをこれからやっぱりしていくべきではないかと思った次第であります。これはもう私の思いでございますので、またそういうこともぜひ考えてほしい。  それから、今回の要請でございますが、誰がどのような方法で行われたのでしょうか、お伺いします。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをします。  具体的に申し上げますと、県の土木交通部職員が琵琶湖河川事務所長に全閉回避の要請文書を手渡しました。そのほか、土木交通部長から近畿地方整備局の河川部長に対して電話で回避要請を行っております。さらに、知事の意向もありまして、西嶋副知事から近畿地方整備局長へ電話で要請を行ったものでございます。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)洗堰の全閉という事態が、先ほど御質問して言われました、重大な被害が生じるおそれのある緊急事態、こういうふうに理解したわけであります。知事はフランスにおられましたけれども、知事みずから電話をすることも可能だと思うんですね。いや、それは、滋賀県民にとってどんだけやっぱりこの状況が問題かということは、やはり知事みずからが知らせるべきだということも踏まえまして、これは、でないと、先ほど土木職員が所長に持っていったという話でしたけども、それが役不足とかの話はいいんですけれども、これは県の姿勢だと思います。危機感に対する重さであります。そのことをやはり思いますと、これは滋賀県は全閉を軽く見ているん違うかなと思われがちではないかというふうに感じたわけであります。  そのこともそうですけども、本来のやっぱり全閉にならない形のことをもっと協議をするという、具体的にやっぱり詰めていくという話も大事ではないかと思います。災害警戒本部が洗堰全閉の情報を受けました。事務所に遺憾の意の表明をして、放流再開の要請もされたということでありますけれども、このときの放流の要請といいますのは、もう閉まっているわけですから、事後の話しかならないわけです。危機管理的には、今度は閉鎖されて起こるであろう想定への対策、これがそのときにとられなければならない警戒対策本部ではないかと思うんですけれども、どこにどのような対策をそのときにとられたのか、お伺いいたします。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  議員おっしゃいましたように、全閉操作に対して遺憾である、速やかに放流を再開すると、こういうふうなことを先方に伝えて文書を渡しておりますけども、一方、警戒本部全体ではどうなのかというお問い合わせだと思うんですけれども、これは、率直に申し上げて、全体で対応が十分できなかったというのが私の見るところでございまして、本当に率直に申し上げますが、このことは危機管理を担当する総合政策部として今後に大きな課題を残したと思っております。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)そうおっしゃっていただくとありがたい反面、えっと思った。それはいいんです。確かにおっしゃるとおりなんです。これはやっぱり提案説明に知事がおっしゃいました。全閉操作が琵琶湖の水位上昇をもたらし、沿岸部での浸水被害などが懸念されると、こう述べられているんです。ただ、私は懸念ではないと思うんですね、これは。懸念ではない。これは想定すべきなんです。想定されるから頑張るというのが危機管理の先ほどの話ではないかと。これは指摘をしておきます。  河川事務所は全閉が1時間半ぐらいで終わったよと、こんな報道を読みました。これは、しかも1センチ未満という話もありました。要は、これは何が言いたいかと、そんなに影響はなかったよと、こういうことを言いたいのかもわかりませんけれども、これは結果であります。放流再開の要請をされているわけですから、そのときに警戒本部では、危機管理上、全閉される時間というのをどのぐらいを想定されていたか、あるいは想定されてなかったのか、あわせてお伺いしたいと思います。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  土木交通部と、それから警戒本部の本部長であります西嶋副知事との間でその推測をいたしておりまして、観測される雨量、あるいは天ヶ瀬ダムへの流入量への変化等から判断をして、具体的な時間は少し私は聞いておりませんけれども、長時間に及ぶものではないというふうな推測をしておったところでございます。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)事前通告しておりませんので、なぜ長時間に及ぶものではないと判断したか聞きたいわけでございますが、やっぱり危機管理というのは、今みたいに自然災害、やっぱり水の関係は、それで、今おっしゃったやつではっきりそれが言えるんでしたら、はっきり言うたほうがいいです。長時間に及ばないというのを、それもはっきり言うのが危機管理です。今回思ったのは、4年前、あれはどんだけ閉鎖したか。もう言いますけれども、12時間継続されているんですね、あのときに。そう考えますと、やっぱりあのときに12時間あったということは片隅に置きながら、やっぱり今回の対応もしていくべきではないかと思った次第であります。  それで、次に行きますけども、結局、知事の緊急要請を持っていっても聞き入れてもらえなかったというわけでありますけれども、危機管理上、管理センターを担当される部長としては、こういった事態をどういうふうに今思っておられるでしょうか、お伺いします。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  洗堰の全閉操作は、瀬田川洗堰操作規則に基づいて国土交通省において行われているものでございますが、そうではありますが、県の危機管理上、やはり重大な事案であるというふうに私は考えます。このため、知事から要請を行っているところでございますし、全閉操作を極力回避するよう、引き続き国に対し本県の立場を強く申し入れていくことが必要だと考えております。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)極力というのが残念であります。それはできるだけという話でしょうけれども、姿勢としては、危機管理上、何としてでもとめてくれという熱い思いを持たないと危機管理にはならないというふうに思います。  これはまたちょっと嫌らしい、嫌らしいと言ったらあれなんですが、ちょっと質問なんですけど、原発再稼働、これは知事は容認できない環境にあるという話をされました。洗堰全閉がされるというこのこと、これは災害警戒本部として容認できる環境なのでしょうか、部長、お伺いいたします。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  洗堰の全閉操作につきましては、県の危機管理上、重大な事案でありまして、極力回避されるべきものというふうに私は思います。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)はっきり容認できる環境なのか、容認できないと思っておられるのか、それで結構です。部長としてで結構です。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをします。  その質問にはなかなかぴったりとした言葉が思いつかないんですけれども、先ほど答弁申し上げましたとおり、規則があり、ルールにのっとった操作をされていますが、そうではあっても、県の危機管理上、重大な事案であるというふうに私は思っております。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)原発再稼働もそうですよね。ちゃんとやると言うてはりますねん。でも、それでも知事は容認できんとおっしゃっているんです。今はその逆で、今度はもっとほんまは言わなあかん。規則上、全閉するかもわからないと。容認できないと私は思うんですよ、立場上。なぜそれをやらないか。そこはやっぱり危機管理の要諦からいいますと、ちょっとこれは問題だと思いますけど、ちょっと時間もないので次に行ってみたいと思うんですけれども、これはやっぱり何回も申し上げますけれども、全閉操作について、極力とか国に協議する、それは実際に国に対してそういう話ですけど、県民に対してですね。先ほどのあの提案説明は県民に対してなんです、今。それはおかしいなと思います。  全閉操作の解消はこれからも当然であります。滋賀県民にとって重要な情報は、琵琶湖の水位の変化、やっぱりここに行き着くわけであります。琵琶湖の水位上昇は、琵琶湖への流入河川の排水に支障を来し、それを強制的に排水するという施設があるわけで、これがいわゆる内水排除であります。この内水排除の施設ならびに非内水排除の施設、この管理者と施設の数は現在何基あるんでしょうか、お伺いします。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  内水排除施設のうち、水資源機構琵琶湖開発総合管理所が管理する排水機場が14カ所、水門、樋門が69カ所、県が管理する樋門は3カ所ございます。それから、非内水排除施設のうち、水資源琵琶湖開発総合管理所が管理する水門、樋門は68カ所、県が管理する樋門は3カ所でございます。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)大変多くの施設があるわけです。これらがやっぱりうまいこと稼働するかどうかというのが、危機管理上、そこへ結びつけていく、遅滞なくこれが稼働するように持っていくのが危機管理であり、まさに危機管理センターの役目ではないかと、こんな思いをしたわけでありますが、ちなみに、それぞれの内水排除の区域面積と非内水排除の区域面積、これがどのぐらいあるのか、ちょっと確認のために質問させていただきます。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  内水排除区域面積は1,263ヘクタール、それから、非内水排除区域面積は146ヘクタールでございます。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)全部で1,400ヘクタールぐらいありますけれども、この区域の農地、あるいは宅地、いろんな施設がありますけれども、これを守るという意識を持った対応を今後もお願いしたいと、こんな思いであります。  洗堰が全閉にならずとも、全閉は関係なしに、内水排除に向けての対策を検討をするという基準というのが、琵琶湖の基準水位でプラス30センチであります。過去、平成16年、このときにはプラス34センチでも排水機場が運転をされております。25年の台風18号、これは77センチ。あのときも大変干拓地等が水没して、あのときは大中の牛がもうあかんかと、こんな状況になったと記憶しておりますが、今回の水位も64センチまで上がっております。こういうことから考えますと、琵琶湖の水位が30センチを超えるということをもって、やはり重大な被害が生じるおそれがある緊急の事態という認識を持った対応をしていくべきだというふうに思うんですけれども、部長の見解をお伺いします。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  議員おっしゃいますように、30センチメートルを超えるということは、農地等に浸水被害が発生することが警戒されるわけでございまして、まさに危機管理上、そのように考えるべきであると私も理解を今しております。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)その30センチを実は超えたのが、たまたまかもわかりませんけど、洗堰が全閉されている時間帯なんですね。そういうことで、警戒本部も洗堰のほうでやいやい言うてますけども、片や水位のほうも30センチを超えているということで、本来このときに30センチを超えたことに対しての行動、先ほどとちょっとダブってしまいますので、もう部長の答弁がありましたので、これはちょっと先ほどの答弁と重なりますので、この答弁を求めることはちょっと飛ばします。  そういう30センチを超えた段階で対応していくということをこれから具体的な話でやっていっていただきたいと思うんですけれども、今度はその後なんですね。警戒本部を23日の19時に、これは解散がされております。ところが、このときの琵琶湖の水位、実はまだ61センチもあるんですね。天ヶ瀬ダムの流入量もまだ816毎秒ありました。なぜこのときに、しかも、このときから実は内水排除の施設の稼働が始まろうとしているんです。なぜこのタイミングで警戒本部が解散されるのか。余りにもちょっと危機管理上、早かったん違うかなと思うんですけども、この状況をどのように部長は思われますか。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  少しこれも事情を申し上げますが、災害警戒本部は、このとき、気象警報の状況、あるいは河川の水位の状況、あるいは県内の避難勧告等が全て解除されておりました。それから、県内市町の災害本部組織が全て廃止をされました。そうしたことを踏まえて23日の19時をもって廃止をしたところでありますが、議員おっしゃるように、実は、実際はその後、住家の一部損壊でありますとか、河川、道路等の公共土木施設、それから農業生産施設、学校等の被害、こうしたことも明らかになってきておりまして、その中で、危機管理上、どういうふうな対応が必要であったのかというのは、これも私自身は課題であったと思っておりまして、今後、そういう応急対応をどこまでするか、あるいはその後に対策をどうしていくか、どういう組織で対応していくのがいいのか、こういうことはしっかり検証していかないといけないと、こう思っております。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)ぜひ検証いただきたいと。内水排除、始まったら、もうそんで終わりじゃないんですね。実は、場合によっては、それはその樋門が故障するかもわからない、電気がストップするかもわからない、そこまで考えるのがやっぱり危機管理で、警戒対策本部としては持っていただきたいと、こんな思いで申し上げたところでございます。  改めて、治水なんですが、琵琶湖の管理者は知事さんでございまして、先ほど内水排除、非内水排除の施設、それぞれ機構と滋賀県、あるということでございましたけれども、改めて、この琵琶湖の治水全体それぞれが、治水対策を行う上で誰がどのような役割で責任を持っているのかということをちょっとここで明らかにしていただければと思います。 ◎総合政策部長(宮川正和) 私の所管します危機管理という観点から主に申し上げないといけないと思うんですけれども、琵琶湖の洪水調節施設の操作については、先ほど議員おっしゃいましたように、近畿地方整備局の琵琶湖河川事務所、あるいは水資源機構および県においてそれぞれが所管をしているところでございますけれども、おっしゃっていただいている危機管理の観点からすれば、必要な情報を迅速かつ正確に収集をして、沿岸の市町初め、関係機関にしっかりと伝達をする、そういった総合的な取り組みをするのは県の危機管理が行う仕事であると、こういうふうに思っております。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)はい、ありがとうございました。個別に聞いて、最後、そうかなということを聞こうと思ったんですが、ちょうど部長がおっしゃっていただいて、そういう総合的なキーマンになるところがやっぱり滋賀県の警戒本部であってほしいなと、こんな思いであります。  ある市長が、琵琶湖の水位が上昇しているということから、県の土木に洗堰全閉を回避するように言えよという電話を入れたと。ところが、そのとき既にもう全閉に向けた情報が県には入っていたと。まさにこれは今もうおっしゃっていただいたので、この質問をうだうだ言うのはちょっとやめますけれども、やっぱり基礎的自治体への一刻も早い情報、これがやっぱり滋賀県全体の危機管理につながるということを改めて私も今回思いました。今回の洗堰全閉における情報の伝達、あるいは内水排除の完了までについて、危機管理上、本当に問題はなかったのか、全体として時間軸で検証して課題を明らかに今回しておくべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  これまで答弁申し上げましたとおり、幾つかの課題があったと私自身も認識をしておりまして、例えば、洗堰の全閉操作における情報伝達はどういうふうにあるべきなのかと、こういったことも含めて、あるいは、琵琶湖の水位をどういうふうに見て対策を打っていくとか、そういうことをおっしゃったように時間軸でしっかり押さえまして、土木交通部あるいは関係部局と連携をしながら検証して今後の対策に生かしてまいりたいと思います。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)くどいようでございますけれども、竜王の祖父川へ流れる新川が破堤をしまして、知事も行っていただきました。その祖父川は日野川の影響をどうしても受けてしまいます。さらに、やっぱりその日野川というのが最終的には琵琶湖の影響を受けている、こういうことはもう今さらなんですけれども、今回、工業用の油が流れ出た。その会社も実はやっぱり被害者であろうと私は思います。この社長さんにあるところでお出会いしました。23日の午前2時半ごろまでは会社におられたようであります。ところが、このときもう既に洗堰、全閉になっているんですよね。そう考えますと、やっぱり、その後、竜王町長も出会ってしゃべってたんですけども、いや、全閉の話は後から聞いたんやという話でありました。やっぱりいろんな情報が早く県下に伝わる、もう少し、先ほど、あれば、その社長も待機をしていたかもわからないと。これも可能性だけですから、あんまりはっきりと言えませんけれども、そういうことで、今回の新川の破堤につきましても、危機管理上の課題として整理をしていただきたいということを求めておきたいとこれは思います。  地震あるいはそうした急な災害に対する地震が起こった後、あるいは、いろんな起こった後の防災訓練というのは、それぞれ各地域、滋賀県で行っております。それはそれでいいと思います。今回のような台風が近づいてくる、明らかにそういうふうな近づいてくるとわかっているというところの危機管理上の伝達でありますとか、対応でありますとか、過去の状況を踏まえましたそういった形のやっぱり訓練というのも重要でないかという思いはしました。滋賀県だけでこれはやっても、先ほど部長おっしゃいましたように、キーマンとなる滋賀県が国、機構、市町というところの連携をもって治水が保たれるとあれば、危機管理上のそうした皆さんを集めた形の危機管理、これも必要ではないかと思うんですけれども、センターの中でやられるのかわかりませんが、このことについて部長のお考えをお聞きしたいと思います。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  大変な重要な提案だと受けとめさせていただきました。琵琶湖の水位上昇を想定した関係市町あるいは関係機関への伝達訓練と、関係者の連携による訓練の実施に向けて検討をさせていただきたいと思います。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)もう最後のほうでありますけれども、これからも全閉規則の解消を求めていくと、これは滋賀県の重要な姿勢であると思います。しかし、今申しましたように、解消までの間、やはり危機管理的に対応をどうしてもしなければならないという状況ですから、危機管理センターとしては今後どのような方針で臨まれていくのか、部長の考えをお伺いします。 ◎総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。  冒頭、議員から危機管理のあり方の御質問を受けて申し上げましたけれども、そうしたことを実行に移していくということがまず第一に大事でありまして、今回の教訓を踏まえますと、差し当たって少なくとも2点のことはすぐ改善をしないといけないと思っています。1つは、やっぱり危機管理センター、あるいは本部というものが核となって、琵琶湖の洗堰の放流量の変更とか琵琶湖の水位、そうした関係部局全体に通じる情報をしっかりと収集して提供していくということ、それにあわせて沿岸の市町とか関係機関とも伝達、連絡をとるということが1つ。それから、もう1つは、やはり中心を担う警戒本部なり、あるいは、もう少し災害がありますと対策本部というのが立ち上がりますが、そういうところのより機動的、実効的な運用をどうしたらやっていけるかと、こういうことに心を砕いていきたいと思っております。その後の検証も踏まえて、もう少し課題として捉えているところには必要な対策をとっていきたいと、こう考えております。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)最後に提案をしようと思ったんですけど、最後、もう部長、2つ目のことでございますのでくどくど申し上げませんが、警戒本部は、私ももとおりましたけれども、今、副知事さんをトップに幹事課長になっていると思うんですけど、やはり部としての情報を集めるときには、もう少しやっぱり次長級とか、そこら辺がならないとなかなか情報が一つに集まりにくいのではないかと、こんな思いをしました。  それと、もう1つは、部長が所管されております危機管理センターの管理局がありますけれども、今、最少の人数だと思います。そのときに、やっぱり緊急のときから考えますと、例えば、危機だけのための兼務をやっぱり広げておいてすぐに集める体制とか、いろんな方法があると思いますので、ぜひそこら辺はお考えをいただきたいと思います。  この後、西村議員からも具体的な対応の質問があるわけでございますけれども、ぜひとも危機管理は、部長がおっしゃいました危機管理的に考えた上での各部長の答弁を期待をしながら終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、2番加藤誠一議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時27分 休憩    ────────────────   午後1時30分 開議 ○議長(奥村芳正) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、20番中村才次郎議員の発言を許します。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇、拍手)通告に従いまして3項目の質問をさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。  まず初めに、発達障害のある生徒の高校での指導について質問をさせていただきます。  一般に、発達障害とは、自閉症スペクトラム障害、略してASDともいいます。また、注意欠如多動性障害、略してADHDなど全てを含めた言葉でありまして、発達障害とは幾つもの疾患の総称になります。さらに、ある一つの疾患について名称が幾つもあることや、時代によって呼び方も変化してきた経緯があります。例えば、以前はアスペルガー症候群という名称がよく使われました。このアスペルガーという名前ですけれども、現在は余り使われなくなりまして、ASDに含まれる、その一部であるというようなことになっています。こういったことから発達障害という疾患をわかりにくくしているものと考えられます。  発達障害は成人になってから発症するものではありません。そして、悪い面ばかりが話題になりますけれども、発達障害のある人の中には、サヴァン症候群といって特異な才能を持った人がたくさんおられます。例えば、明治維新の立役者になった一人の大村益次郎、「マッチ売りの少女」や「人魚姫」の作者のアンデルセン、「不思議の国のアリス」の作者のルイス・キャロルなどが本の中で紹介されておりますし、また、エジソンやアインシュタインなどもそうではなかったかと言われております。  自閉症スペクトラムの主な症状は、コミュニケーション、対人関係の持続的な欠陥と、限定される反復的な行動、興味、活動です。対人関係に障害が見られるとともに、強いこだわりの症状を示します。ADHDとは、多動・衝動性と不注意を主な症状とする疾患であり、落ちつきなさと注意・集中力の障害が見られます。  文部科学省により行われた2012年の全国の公立小中学校の調査では、約5万人が発達障害の可能性があるとされました。その児童生徒の割合は6.5%でした。1クラスに2人程度は発達障害の傾向があるということになります。小学校で私が担任をして受け持った児童の中にも、じっとしていられず、教室の中を動き回ったり衝動的な行動をとったりする子供が何人かいました。少なからず普通学級の中には発達障害のある児童生徒がいるわけです。小学校、中学校では、こうした児童生徒に対して個別の教育支援計画を立て、記録も残しながら指導に当たっていきます。そして、支援員の先生に入っていただいたり、個別の指導を受けたりします。また、通級指導といって、別室での指導を受けたり、こうした障害に対して専門の先生がおられる他校へ通ったりしながら学習に取り組んでいきます。  今回の質問は、中学校を卒業し、高校に通うようになった生徒に絞って質問をさせていただきます。  中学校までは支援を受けながら学習に取り組んできた生徒が、高校へ入学できたのはいいものの、学習についていくことができずに悩んだり退学したりするケースもあるものと考えられます。こうした発達障害のある生徒に適切な指導をし、学習に取り組ませることが将来に大きく影響すると思うのです。  質問ですが、まず最初、平成26年度から3カ年で、全ての県立高校へ大学教授や臨床心理士等の専門家を派遣し、発達障害がある生徒の具体的な支援方法を教員に身につけてもらう体制という施策を組まれたはずですが、この3カ年の成果について教育長に伺います。 ○議長(奥村芳正) 20番中村才次郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えいたします。  専門家の派遣により、教員に対し発達障害についての基本的知識や特別支援教育の概要を学ぶ研修を実施をしたり、支援を必要とする生徒の理解を深めるための指導、助言などを行ってきたところでございます。こうしたことにより、教員の特別支援教育に係る指導力を向上することができたものと考えております。  また、専門家を交えたケース会議を実施をすることにより、生徒の実態や個々のニーズに応じたきめ細かな指導が進むなど、各学校の課題に応じた指導が行えたものと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ありがとうございます。高校でもそういった取り組みをしていただいて、徐々に発達障害の生徒さんたちへの指導がなされているということは前向きに捉えさせていただきたいなというふうに思います。  平成27年度における特別な支援を必要とする生徒は、全体の3%、人数でいうと約960名であったと昨年の6月の議会で御答弁がありましたけれども、平成29年はどのような人数であったか、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  各県立高校に設置をされております特別支援教育にかかわる校内委員会等で把握いたしました特別な教育的支援の必要な生徒数は、ことし9月1日現在で、県全体で1,338名となっております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)27年度が960人、そして、今年度1,338名と。かなりふえているという感じを受けますし、また、そういった理解も深まっているんだなというふうに思います。  こうした特別な支援を必要とする生徒、高校ですけれども、生徒さんに対して、どのような支援や対応をされているのでしょうか、教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。
     全ての県立高等学校に特別支援教育を進める上で中心的な役割を果たします特別支援教育コーディネーターを配置をし、先ほども申し上げました校内委員会を設置をして、組織的な支援体制を構築しております。このような支援体制の中で、個々の生徒の状況や教育的ニーズを把握し、学習を初めとする高校生活における具体的な支援の方法について検討し、一人一人に適切な支援を行うことに努めているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ありがとうございます。そのお答えでも、また発達障害の生徒さんへの指導が進んでいるものというふうに受けとめることができました。  それで、通常学級に通いながら別室で授業を受ける通級指導というのがございますけれども、これについて、文部科学省は、平成30年度、来年度になりますけれども、来年度から高校の教育課程に加えるというふうに示しました。全国で40都道府県に導入が検討されていますけれども、文科省に問い合わせたところ、うれしいことに滋賀県も含まれていると聞いております。また、県立愛知高等学校では、モデル校の指定を受け、4年間研究が進められてきました。来年度は具体的にどのような通級指導の方法をとっていく予定か、現状でのお考えについて教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  文部科学省が平成26年度から実施をしております通級指導に係る研究指定事業を愛知高等学校において実施をし、通級指導の研究を4年間継続をしてまいりました。愛知高等学校におけます研究の中では、在籍する生徒に対して、他の人とのかかわり方や自分の特性を理解することなどを学ぶ自立活動の指導を行っております。本県高等学校での通級指導の導入につきましては、現在、この研究の成果を踏まえて検討しているところではありますが、国の制度設計が今後どのように整備されるかを見きわめながら対応してまいりたいというふうに考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)再問をさせていただきたいというふうに思います。  愛知高等学校では、今そうやってモデル事業をやっておられる。で、来年度から国での方針も出た。ということは、来年度、ほかの学校でも通級指導の指導が始まるのかどうか、お教え願いたいというふうに思います。教育長、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  今議員御指摘のとおり、制度的には一応来年度からというふうになっておりますが、ただ、まだ文部科学省のほうで、例えばですが、教員配置をどうするかとか、具体的なまだその制度設計が我々には示されておりません。それを今詳細にというか、注視をしておるところでございます。  また、来年度以降どうするかということなんですが、今申しましたように、4年間、愛知高等学校で研究事業を進めてまいりました。ただ、これを実際やるためには、そういう専門的知識を持った教員等が当然必要でございますので、すぐに県下広く広げるのは事実上難しいかなというふうには現時点で思っております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)すぐに全ての学校でというふうには夢にも思っておりませんけれども、できるだけ早く一校でもふえることを望みたいなというふうに思います。  そういった全ての生徒が通級指導を受けられるまでには、まだまだ先になると思いますけれども、できるだけ早く実現することを望みます。通級指導が受けられる生徒、そうでない生徒にかかわらず、個別の教育支援計画、記録などをもとにした中学校から高校への情報の伝達がしっかり行われているのかどうか、大切なことだというふうに思うんですけれども、教員が生徒の発達障害について理解しているかどうかで大きな差が生まれると思います。湖南市であるとか竜王町など一部の市町では、中学校から高校への個別の教育支援計画や記録の伝達がしっかりできていると聞いていますが、県全体としての現状について教育長に伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  昨年度の中学校での個別の教育支援計画の作成率は約6割程度でありました。一方、高校での作成率が4割に満たないという現状でもありました。県外や私立高校への進学者を考慮いたしましても、特別な教育的支援の必要な生徒の中学校から高校へ個別支援計画の伝達については課題があるものと考えております。  そこで、本年度より、特別支援教育にかかわります専門的知識を有する指導者を県立高校15校に定期的に継続して派遣をし、個別の教育支援計画等の作成に関する指導、助言を行っております。この巡回指導員の派遣により、高校での個別の教育支援計画の作成率が徐々に高まってきておりまして、今年度の作成率は約5割となったところであります。  今後も、中学校から高校、また、高校から進学先へと継続した支援が行われる体制を構築できるよう、また、高校と地域の福祉関係機関等との連携が進むよう、個別の教育支援計画の作成と活用に取り組み、切れ目のない支援を進めてまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)この個別の教育支援計画というのは非常に大切なものだというふうに思います。それがちゃんと引き継いでいかれるかどうかというのは、その子の将来を決めると言ってもいいものだというふうに思うのです。取り組みもきちんと進めていただいていて、4割からことしは5割にふえたということで、大変うれしく思いますけれども、けれども5割ですので、これがやっぱり100%になるように、一人も取り残さないというようなことになりますように取り組みをお願いしたいなというふうに思います。要望でございます。  視点を変えさせていただきまして、この項目の最後の質問を健康医療福祉部長にさせていただきます。  平成28年度中に、つまり昨年度中ですけれども、発達障害者支援地域協議会を設置し、乳幼児から成人期に至るまでの一貫した支援を行うことができる仕組みづくりに取り組んでいるはずですけれども、その成果について伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) (登壇)お答えをいたします。  県では、発達障害者を支援する関係機関の情報共有と切れ目ない支援体制の構築を目指して、当事者団体、学識経験者、医療、保健、福祉、教育、労働等の関係機関、そして、市町で構成する滋賀県発達障害者支援地域協議会をことし1月に設置をいたしました。今年度は、この協議会を2回開催をし、高校、大学を巡回して、学校の進路担当者に対し、発達障害者の特性に配慮した進路指導についての助言を行う県のモデル事業や、各関係機関が実施する取り組み、切れ目のない支援の実現方策について情報共有や意見交換を行いました。委員からは、在学中からの福祉と教育の連携や、学校卒業後の支援情報の引き継ぎの充実が必要といった意見、教育と福祉等の連携の好事例を共有することで、互いの役割や現場での具体的な対応の方法を学ぶことができるのではないかといった意見があったところでございます。こうした意見を踏まえまして、今後の協議会において、好事例をさらに収集、整理をし、例えば事例集を作成して市町に活用を提案するなど、具体的方策の検討を進めてまいりたいと存じます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)教育と福祉とやっぱりきちんと連携していただくということは大変大切なことだというふうに思いますので、よりまた一層進みますように要望させていただきたいというふうに思います。来年度からの通級指導も含めまして、発達障害のある生徒が高校でしっかり学ぶことができ、また、大学へ進む、社会人になってもらうという教育がしっかり進むことを、また、福祉の面からも進むことをお願いいたしまして、この項の質問を終わらせていただきたいというふうに思います。  それでは、次の質問に移らせていただきます。  2問目は、障害のある方の入所施設についてでございます。  本県では、滋賀県障害者プランを平成27年に立て、計画期間は平成32年度までの6年間としています。また、その中にある重点政策と障害者福祉サービスの提供体制の確保等に関する事項、この2つは平成30年度から新しい計画がつくられます。全ての人が生き生きと活躍し、居場所と出番を実感できる共生社会を目指して計画が進められていますが、本県における障害のある方は、平成28年度末で、身体障害者手帳を持っておられる方が5万3,679人、知的障害のある方が持たれる療育手帳の交付者が1万3,080人、また、精神障害者保健福祉手帳の交付者が9,024人となっており、また、難病患者の方も1万636人おられます。これは、平成23年度と比べますと、身体障害者が1.05倍、知的障害者が1.21倍、精神障害者が1.49倍と、その人数は年々多くなってきているのが現状です。  先日、障害のあるお子さんをお持ちのお母さんから御相談をお受けいたしました。このお母さん、がんにかかられまして、現在、懸命に治療を行っておられます。抗がん剤の治療などを受けられるときには、その息子さんなんですけれども、近くの入所施設にショートステイでお子さんを預けながらの入院治療です。もし私がいなくなったら、この子を預かってもらうところはあるのでしょうかと、もしできることなら、早く入所施設に入れ、がんの治療に専念したいのですという切実な内容でした。  また、昨年になりますけれども、重度の障害のあるお子さんを持っておられるお母さんとお話しする機会があり、この方も、「私が元気なうちはいいが、年々年をとっていきます。世話ができなくなったらと思うと不安でしようがありません」と語っておられました。  現在、国としては、障害者の入所施設はふやすことは余りせず、できるだけ地域で、また家庭で暮らせるようにという方針であり、入所施設を新しく建てる場合の補助金等は全く出していません。しかし、地域で障害のある方々がともに暮らせるというグループホームについては、市町によっては補助金を出しているところもあり、また、県としても施設整備補助金を出し、ふやしていく方向です。  先ほど言いました例のように、どうしても入所施設に入らなくてはいけなくなった方をどう救っていけばよいのか、真剣に考えていかなければいけないというふうに思います。入所施設やグループホームに入所してもらうには、やはりその施設数がもっと要ると思うのです。以上のようなことから質問に入らせていただきます。  まず、県内には24カ所の入所施設があります。この中には、子供のための近江学園や信楽学園も入っています。現在、入所を希望しておられる方が、待機されておられる方が相当数おられると思いますが、この点についてどのように認識をされているのか、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  施設への入所希望者が一定数おられるということは、市町や関係団体から聞いているところでございます。入所希望の理由につきましては、本人の障害特性や高齢化によるもの、将来の不安から家族が希望されるものなど、さまざまあるものと認識をしております。入所希望者の中でも、在宅サービスやグループホーム等を活用することができる方は、地域で継続して生活できるよう支援を行い、重い強度行動障害など、真に入所支援が必要な方については、入所施設で支援をしていく必要があるというふうに考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)正確な人数とかはわからないというふうに思うんですけれども、そういった方々がおられるということを認識し、しっかりみんなが知っていていただきたいなと、このように思います。  県内のグループホームの整備量は、平成29年11月1日現在157カ所で、定員1,227名となっています。この整備量に対する見解を健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  グループホームの整備につきましては、障害者プランにおける平成29年度末までに1,345人分の整備を行うという目標に対しまして、議員御指摘のように、平成29年11月1日現在の整備量は1,227人分、整備率は91.2%となっておりまして、十分に整備ができているとは言えない状況にあると認識しております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)しつこいようですが、ちょっと再質問させていただきますけれども、今お答えあったように、1,995名に対して1,227名であるということなんですけれども、この人数について、もう少し、健康医療福祉部長、どのように考えておられるか、お聞きしたいというふうに思います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  先ほどお答えしましたように、グループホームの整備の状況は91.2%ということで、まだ十分な整備ができていないということでございます。グループホームを含む施設整備につきましては、国の補助金を活用して進めておりますので、国の予算の制約を受け、なかなか計画どおりに整備を行いにくいという状況にございます。そのほかにも、支援者の確保が難しくなっているという施設の状況や、また、スプリンクラー設置や建築基準法による用途変更が必要となる場合には、費用の捻出、あるいは家主との調整が必要となるといった事情がございまして、こうしたことが要因として施設整備がなかなか進んでいないというふうに認識をしているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)このプランに沿った目標にどうか近づけるように進めていただきたいというふうに思いますし、私たちも一生懸命この援助をしていきたいというか、協力していきたいというふうに思いますので、どうかよろしくお願いいたします。  県内の入所施設やグループホームに入れない方、先ほども何人かおられるというふうにおっしゃっていただきましたけれども、この方々が県外の施設に入所しておられるという事実があります。この人数、健康医療福祉部長にお聞きします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  県外の入所施設に入所されている方は、平成28年度末現在で146名となっております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)滋賀県内のそういう入所施設に入れずに待っておられる方が146名おられるというお答えでしたけれども、この人数に対して、健康医療福祉部長、どのような見解を持っておられるかをお聞かせ願いたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  県外施設の入所者につきまして、できれば県内の施設に移行していただくというのが望ましいと思います。現行、障害者プランの目標にもこのように掲げており、重要な課題であると捉えております。この課題の解決に向けましては、まずは現在の県内の施設入所者の方を地域生活へ移行していただく、こうした取り組みが必要であるというふうに考えております。障害者プランの改定を進める中で、県と市町が連携して取り組めるように、各市町が定めた施設入所者の地域移行の目標人数を県で積み上げまして、市町と共有するなどの検討を進めているところでございます。  また、次期プラン計画の期間中の目標実現に向けまして、障害者自立支援協議会などの場で、市町や関係者とともにその実現方策について考え、連携して取り組んでまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)どうか市町としっかりと協議をしていただきまして、この点についても進めていただきたいというふうに思います。  先ほど私が話させていただきました例で話させていただきました親子の方のように、緊急の入所が必要となった障害者の方の対応について、健康医療福祉部長にその見解を、どうすればいいか、お聞きします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  緊急対応が必要な障害児者に対しましては、ナイトケアのサービスや短期入所等を組み合わせて提供できるよう市町が決定することで対応しているところでございます。また、緊急時、こうして迅速に対応するために、必要に応じて市町、相談支援事業所、施設が、緊急時の役割分担や本人のサービス体験利用などについて、地域自立支援協議会等であらかじめ調整を行っているところでございます。県としましては、強度行動障害など専門的な支援が必要な方について、発達障害者支援センター等の専門機関による助言を行うことで、市町や事業所に対する支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)主にやっていただくのは市や町になるというふうに思いますけれども、県としてもしっかりと取り組んでいただいて、こういった場合、本当に困っておられる方がおられるということが現実ですので、どうか進めていただきたいというふうに思います。どうかよろしくお願いいたします。  それでは、最後の質問に移らせていただきます。  最後は、県庁職員へのテレワークの導入についてです。  ブラック企業、教員の過重労働などの問題が取り沙汰され、働き方を変えていかなくてはいけないという、いわゆる働き方改革が叫ばれています。その解決の一つの方法として、テレワークという働き方に注目をいたしまして、2016年の2月議会で、また、本年の2月議会でも、県庁で働く職員の方にテレワークを導入すべきだと提案、質問をさせていただきました。そして、2016年度から早速実証実験を始めていただき、本年度からは在宅勤務型のテレワークの本格実施が始まりました。サテライト型のテレワークについては、今、実証実験が行われている途中でございます。  さて、全国に目をやると、テレワークを県庁職員に導入している都道府県もふえ、先日、行財政・働き方改革特別委員会で行政調査をさせていただきました鳥取県でも、既にこのテレワークが行われています。しかし、利用者は延べ人数で17名というのが現状でした。  ことしから国ではテレワーク・デイという日を設定しました。これは、2020年の東京五輪・パラリンピックの開会式に当たる7月24日をテレワーク・デイと命名し、2020年までの毎年、この日に全国の企業などにテレワークを実施するように呼びかけています。オリンピックの開会式の日の交通渋滞を緩和する目的だけではなく、柔軟な働き方を広げる契機にしたいという国の考えからできたものです。その結果、ことしのテレワーク・デイには全国で922の企業の登録件数があり、6万3,000人が参加したと言われています。テレワーク・デイを行った企業の感想として、約5割以上が業務効率の向上、約8割がワーク・ライフ・バランスの向上を実感したといいます。また、営業職の5割が1時間以上の移動、待機の無駄を削減、また、コピー用紙の消費量が5割以上減ったという、こういった結果も言われております。テレワークの実施者が多かったエリアの駅では、この日、最大で1割の乗客の減少が見られたそうです。  こう言うと、いいことずくめですけれども、課題も多く指摘されています。適した業務とそうでない業務があり、不公平感がある、つまり、参加したくてもできない職種があるということです。また、7月24日は、もう当たり前のことですけれども、夏休み中であるために、子供さんが家にいまして、一緒にいる自宅では業務効率が落ちたと。また、パソコンの設定に手間取り、必要な資料も手元になく不便であった等の課題が挙げられました。  さて、本県庁においては、冒頭に言わせていただいたとおり、昨年度に実証実験を行っていただき、本年度より在宅型のテレワークを実施するという、大変スピード感のある対応で導入をしていただきました。本年度の実施状況をもう少し詳しく言いますと、在宅勤務が11月末時点では19名、延べ人数では48人が実施されております。サテライトオフィスについては、既に本庁で実施されており、また、彦根において、10月から12月の間、今ですけれども、実証実験が行われています。ウエブ会議も10月末時点で70回実施されています。このように、滋賀県庁でテレワークを導入したことから、各市町や企業への広がりが出てくることが期待されるところです。  質問に入らせていただきますけれども、在宅勤務を本年度から本格実施していただいたことを高く評価しますが、テレワークの導入が働き方改革の推進にどの程度役立っているか、知事に見解を伺います。  在宅勤務は11月末時点で19人が実施されていますが、どのような職種、内容の勤務が多く、19人という人数についてどう思われるか、また、テレワーク導入の効果や課題、今後の進め方について、総務部長に見解を伺います。  企業にも広がりつつあるテレワークですが、滋賀県内の企業にはどれくらい普及しているのか、商工観光労働部長に伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)テレワークについて3点御質問いただいたうち、私には1点目、県庁の働き方改革の推進にどの程度役立っているのかということについてでございますが、県民サービスのさらなる向上を図るためには、生産性の高い働き方の推進と、職員のワーク・ライフ・バランスを実現させることが不可欠であるとの考えのもと、現在、全庁挙げて働き方改革に取り組んでいます。  在宅勤務やサテライトオフィス勤務を含めたテレワーク、これは、育児や介護など時間や勤務場所に制約のある職員が、個々の事情に応じた働き方が可能となるよう環境を整えるものであり、働き方改革の推進に大きく寄与すると考えていることから、取り組めることから順次、制度の導入を進めているところでございます。  テレワークを導入した結果として、少しずつではございますが、利用者は増加しており、効率的な業務遂行につながったとか、育児や介護の時間が確保できたといった効果が出ているとの報告を受けています。  今後、育児や介護など時間等に制約を抱える職員を初め、必要な職員が必要なときに気兼ねなく制度を活用できるよう、さらに使いやすい制度に向けた環境整備を進めるとともに、職員に制度の周知を十分図るなど、改善に努めてまいりたいと考えております。 ◎総務部長(村上浩世) (登壇)テレワークについての御質問のうち、2点目の御質問にお答えいたします。  本年4月から本格実施している在宅勤務を利用した19名の内訳としては、18名が本庁勤務の行政職、1名が地方機関勤務の保健師となっており、在宅勤務の際に会議資料の作成やデータ入力、会議録の作成などの業務を行っております。4月から6月までの3カ月の在宅勤務の利用者は3名でございましたが、その後、現在まで、さらに16名の職員が利用しており、少しずつではあるが一歩一歩広がりを見せているものと認識しております。  実際に利用した職員からの聞き取りなどによりますと、在宅勤務の効果としては、1つに、通勤時間の削減により育児や介護のための私生活の時間が確保できた、2つに、限られた時間で成果を出そうと意識することで業務効率が向上したといった意見がございました。  一方で、在宅勤務を行う上での課題としては、1つに、在宅勤務に適した仕事を準備することや書類の電子化など事前準備が必要であること、あるいは、2つに、職場からは、ほかの職員の負担増や、在宅勤務における業務の把握、成果の評価が難しいといった声も聞いており、制度定着に向けては課題があることも認識しております。  こうした効果や課題を踏まえて、今後は、書類等の電子化や制度への理解を深める取り組みを着実に進めるとともに、職員に実際の活用例や効果などをわかりやすく周知することで、必要とする職員が必要なときに活用できるよう、テレワーク制度の推進に努めてまいります。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) (登壇)テレワークについて、私にいただきました3点目の県内企業への普及についての質問にお答えいたします。  総務省が常用雇用者規模100人以上の全国の企業を対象に行いました平成28年通信利用動向調査によりますと、「テレワークを導入している」と回答した企業は13.3%であり、その導入形態としては、複数回答で、モバイルワークが63.7%、在宅勤務が22.2%、サテライトオフィス勤務が13.8%となっております。  また、県内企業の状況でありますが、県が平成28年6月末現在で実施しました労働条件実態調査によれば、この調査は常用雇用者規模10人以上の事業者を対象としたものですが、「テレワークを導入している」と回答した企業は3.9%であり、その導入形態としては、複数回答で、在宅勤務が70%、サテライトオフィス勤務が25%、モバイルワークが20%となっております。  本県のテレワークの導入状況は、全国に比べて低い状況にありますが、テレワークは、働き方改革につながり、生産性の向上にも資することから、先進的に取り組んでおられる企業の状況を紹介するなど、県内企業への普及に努めてまいりたいと存じます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ありがとうございます。再質問はいたしません。最後、感想だけ言わせてください。  知事がおっしゃいましたお言葉の中で、気兼ねなく使える制度にしていくということが非常に大事だというふうに思うんですね。キーワードではないかという、働き方改革全体に対する何かキーワードになるような感じがいたします。これからもそういうところを大切にしていただいて、県庁での職員の方々の働き方が見本になるように進めていただきたいというふうに思いました。  また、企業への普及も少ないという、この原因、この前、私は全然違うことでちょっと調べさせていただきましたら、滋賀県内の99.8%が中小企業であるということを知りまして、ちょっとびっくりしたんでございますけれども、やはり大企業とかであれば進めやすい、また、IT企業であるとか、そういうのやったら進めやすいということがあるというふうに思うんですけれども、やっぱり製造業の多いこの滋賀県ではなかなか難しいことだというふうに思いますけれども、またそういったテレワークなども含めた働き方改革が進んでいくように希望をいたします。働き方改革については、また違う角度で質問させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、20番中村才次郎議員の質問を終了いたします。  次に、39番成田政隆議員の発言を許します。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、2項目について質問をいたします。  初めに、交通政策について、知事ならびに土木交通部長にお伺いいたします。  知事は、提案説明において、SDGsについて、持続可能な社会をつくっていくために、国内外のモデルとなる取り組みの創出を目指し、その実現に向け、4つの視点に沿って取り組みを進めようとされています。  特に健康について、平均寿命、健康寿命が日本一になっているものの、その差の縮小には至っていない現状の中、その縮小を目指し、若いころからの予防を重視した健康づくりに取り組むとされています。  世界保健機関の世界の健康を害する危険要因を分析した報告書において、2004年時点の調査ではありますが、世界の死亡や医療負担の要因となる疾患の上位は、上から高血圧、喫煙、高血糖、運動不足、過体重、肥満、高コレステロールとなっており、運動不足の解消によってリスクを減ずることができるとされています。  近年、交通政策は、観光面、環境面はもちろんのこと、健康面にも大きく貢献するとされています。先般、東洋大学で行われたくらしの足全国フォーラムに参加しました。筑波大学大学院の久野教授の基調講演において、高齢社会で公共交通を入れない健康政策はあり得ない、歩くことは連続性でなくトータルが重要とされました。これまで20分以上の連続した運動が必要とされていた理論は、科学的根拠から、歩くことは足し算と考えてよいとされ、細切れに歩いたとしても、また、1週間のうちで歩ける日に多く歩いたとしても有効であるとの研究成果が報告されました。実際に、e−wellnessのデータベースから、年間平均1日当たりの歩数と医療費の相関関係は、例えば55歳では5,000歩未満が9万9,781円に対し、9,000歩以上が9万1,177円、65歳で24万9,854円、19万1,250円、75歳で39万9,927円、34万1,324円と、それぞれ5万円近く医療費の差が出ておりました。  運動不足を起因とする生活習慣病や認知症など、高齢社会の課題が深刻化していく中で、介護や医療の課題を解消できる施策として、歩いて暮らせるまちづくり、公共交通を軸としたまちづくりが注視されてきております。  滋賀県は、琵琶湖を中心に、山々に囲まれた豊かな自然環境、加えて、歴史、文化にあふれた地域でもあり、さまざまな目的を持って楽しめる地域であります。スマートウエルネスシティ、ウオーカブルシティとして、欧州に近いコンパクトで公共交通を整備した地域づくりを創出しやすい環境にあるのではないかと考えます。  そこで、公共交通を軸とした歩いて暮らせるまちづくりにシフトしていく必要があると考えますが、知事に所見を伺います。  現在、公共交通、私鉄やバスの路線を初め、公共交通事業者の経営が苦しい状況にあります。自家用車に頼ってしまうがゆえ、乗降客が減り、公共交通の路線やダイヤがどんどん縮小されていく、また、縮小されるがゆえに、自家用車にますます頼ってしまうという悪循環に陥っています。  フランスにおいて、モータリゼーション化に伴って、1960年代にほとんどの都市で路線が剥がされました。しかし、1970年代以降、交通渋滞、環境汚染、都心の空洞化などの車社会の弊害が顕著になり、1980年代に再び大型公共交通の都心への導入検討が始まり、90年代から各都市でLRT整備が進み、その結果、地方都市がにぎわいを取り戻しました。  今後、高齢社会が進んでいき、免許返納者がふえていく中で、将来どれだけの公共交通が残っているのか懸念されるところであります。滋賀県の人口減少が始まりかけた今だからこそ、攻めの姿勢で将来に残せる公共交通の整備が必要でないかと考えます。特に、瀬田や南草津、びわこ文化公園都市周辺は、人口がいまだ増加している地域でもあります。高校や大学、病院など、レールボーナスと言われる公共交通の採算性を担保する施設があり、加えて、今後、新生美術館や県立体育館などを整備されます。かつてはモノレール構想もあったと言われておりますが、今後の地域の活性化のためにも、JR瀬田駅、南草津駅等をつなぐLRT構想の取り組みを、上下分離の手法により、公共政策として進めていくことが必要でないかと考えます。  そこで、京阪電車の延伸や新たなるLRT路線、BRTの導入、加えてフィーダーバスとの接続など、攻めの公共交通の整備を行っていく必要があると考えますが、知事に所見を伺います。  次に、既存路線の活性化について伺います。  湖西線に関しては、並行在来線の課題はあるものの、現状の中で、風対策やダイヤの改善等、さらなる利便性向上に向けた取り組みを進めていかなければなりません。また、私鉄の京阪電車や近江鉄道、三セクの信楽高原鐵道を初めとする鉄道、さらには江若、京阪、近江などさまざまなバス路線等、既存の公共交通の路線についても守っていかなければなりません。さらなる利便性の向上のためにも、交通系ICカードが県内どの公共交通機関に乗っても使用できることや、バスロケーションシステムの拡充、また、わかりやすいバス路線図なども必要であります。加えて、京丹後市における上限200円バスによる乗降客数増加の取り組み、また、来年から、東京両国駅から房総半島へ自転車をそのまま搭載できるサイクルラックを有するB.B.BASE──BOSO BICYCLE BASEが運行されますが、自転車旅行のための列車の導入、また、外国人誘客に向けた仕掛けづくり等により、既存路線にさらに人が乗ってもらえるような活性策も必要であると考えます。  そこで、既存路線の活性化に向けた取り組みについて、土木交通部長に伺います。  次に、人材確保策について伺います。  先般の台風21号の影響により、湖西線はコンクリート製の柱が倒壊したため運休となりました。JRの懸命な復旧作業により、2日後の24日の始発から、多少のトラブルはあったものの、運転が再開されました。しかしながら、復旧に向けた情報が不十分であったため、また、代替輸送が行われなかったために、湖西線の利用者は困惑されておられました。代替輸送については、運行するだけのバスの確保、とりわけ運転手の確保ができなかったと仄聞しておりますが、それだけバスの運転手については人材不足が深刻な問題となっております。これまでも本会議において何度か人材確保策に関して質問をしてまいりましたが、この問題は年々深刻化してきております。民間事業者任せにするのではなく、公共の交通としての人材をしっかりと確保するために施策を講じていく必要があると考えますが、土木交通部長に伺います。  次に、公共交通にかかわる財源の確保について伺います。
     国においても、道路に関しては潤沢な予算が措置されている一方で、公共交通に関しては、空気を運んでどうするのだ等言われ、公費投入の割合が極めて少なく、交通事業者の努力、責任が問われている状況にあるのが現状であります。本来、公共交通は、交通弱者である子供や高齢者、障害者にとっては必要不可欠なものであり、財源を確保しながら守っていかなければならないと考えます。  フランスにおいても、交通法典において定められている交通権、市民の誰もが公共交通機関を使って都市にアクセスすることができる権利や、市民が自由にアクセスできる都市空間の実現のため、交通税というフランス独自の目的税を活用した持続可能な都市交通政策を展開されております。  そこで、交通税や基金の造成など、公共交通にかかわる財源の確保策が必要であると考えますが、知事に所見を伺います。  最後に、交通に関する条例について伺います。  2月定例会議の代表質問において、「来年度は有識者を中心とした検討組織を新たに設置し、条例の方向性や骨子について集中的に検討を行ってまいりたいと考えております」と答弁されました。これまでも質問してまいりましたが、誰もが必要なときに必要な場所へ移動できる環境を整え、交通弱者を意識した県民に交通を保障する権利──交通権を滋賀県に位置づけるとともに、行政、交通事業者、NPO、地域団体も含めた民間との役割を新たに構築し、公共交通を守っていく必要があると考えます。  そこで、滋賀県交通基本条例の制定に向けた検討状況について知事に伺い、この項の質問を終わります。 ○議長(奥村芳正) 39番成田政隆議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)交通政策について6点御質問をいただきました。私には4点の御質問でございます。  まず1点目、公共交通を軸とした歩いて暮らせるまちづくりにシフトしていく必要性についてでございますが、本県の健康増進計画であります「健康いきいき21─健康しが推進プラン─」におきまして、健康寿命の延伸をさらに図っていく上で、歩くことは最も基礎的な身体活動であると位置づけているところです。国が平成29年3月に策定しました、まちづくりにおける健康増進効果を把握するための歩行量(歩数)調査のガイドラインにおきましても、歩くことが医療費抑制効果につながることが数値で示されているところでございます。  今後、人口減少、超高齢化社会に対応したまちづくりの目指すべき方向性としては、意図しなくても自然に歩いてしまうような健康増進の仕組みづくりが大事であると考えます。そのため、公共交通を軸とした歩いて暮らせるまちづくりを進めることは必要であり、都市機能の集約化や歩行者空間の整備、商店街等の活性化によるまちのにぎわいの創出に向け、市町や事業者等とともに公共交通のさらなる充実に取り組んでまいりたいと存じます。  2点目、京阪線の延伸、新たなLRT路線、BRTの導入など、攻めの公共交通の整備を行っていくことの必要性についてお尋ねいただきました。  議員御指摘のフランスにおきましては、交通渋滞対策を含む環境面や都市の活性化、まちの景観整備、さらに健康面からもすぐれた効果があることから、新型路面交通としてLRTの整備が進み、今や人口が10万人台の都市を含む28都市で導入されていると伺っています。  国内におきましては、富山市がLRTを含むさまざまな交通政策を複合的に行うことで、今や交通まちづくりのモデル都市とされており、栃木県の宇都宮市においても、2022年の開業を目指してLRT路線の整備が進められているということでございます。  本県におきましては、人口増加が顕著な大津湖南地域において、これまでからLRT等の新交通システムの導入可能性について検討を続けているところでございます。今後も利用者視点に立った公共交通のサービス向上は必要だと思いますが、同時に、1キロメートル当たりの整備費用が20から30億と言われているLRTの場合、その投資に対する社会的便益を十分に考慮することが必要だと考えます。  また、現在、当該地域の大学や周辺地域を結ぶ新たなバス路線を設定した社会実験を実施しております。その中で、検討地域の交通需要の把握に努めているところでございます。  人口減少と少子高齢化という社会的構造が変化していく中、高校、大学、病院、体育館、美術館などの施設の集積が進むびわこ文化公園都市周辺地域のポテンシャルを生かし、持続可能な発展を促すための手段の一つとして、よりサービスレベルの高い公共交通のあり方について検討していくことは必要であると考えております。  3点目、交通税や基金の造成など、公共交通にかかわる財源の確保策についてでございます。  私が先日訪問いたしましたフランスのナント市の公共交通は、高い運行頻度に加えて、バスと路面電車の運賃共通化や、まちと調和されたデザインの案内表示など、誰にとってもわかりやすく、使いやすいサービスが提供されていました。  議員御指摘のとおり、フランスにおいては、このような公共交通ネットワークを整備するため、交通税という独自の目的税があり、ナント市においては、年間約191億円の税収を運行費に充当するとともに、一部を基金化し、将来の大規模な設備投資のための財源として確保していると伺ったところでございます。フランスと日本では法制度や地方行政組織が異なりますが、本県においても、フランスと同様に、行政が主体となってサービスレベルの高い公共交通体型を整備し運営するのであれば、一定の財政負担を要するものと認識しています。  今後、利用者のさらなる減少による運賃収入の減少などが想定される中で、中山間地域に加え、都市部においても、必要とされる公共交通サービスや、公共交通の確保に係る費用負担や財源のあり方などについて、議論、研究してまいりたいと存じます。  最後に、4点目、滋賀県交通基本条例の策定に関する御質問でございます。  誰もが必要なときに必要な場所へ移動できる環境を整えることは、交通分野にとどまらず、先ほど来御議論がありますように、まちづくりや健康、福祉等のさまざまな分野に効果を及ぼすものであり、地域社会の活力維持と活性化にも大変重要であると認識しています。また、世界規模における自動運転技術の進展や、地域における住民主体による「ささえあい交通」の実施、スーパー等の送迎サービスの提供など、今後の地域公共交通のあり方を変える可能性のある新たな動きが生まれつつあるところだと認識しています。  今年度は、昨年度の協議会、中間取りまとめをもとに、検討項目の絞り込みや議論の深度化を図るとともに、地域における移動手段の確保策や高齢者の移動状況の実態等に関するアンケート調査もあわせて行いながら、新たな地域公共交通のあり方の方向性を探っているところです。  大津湖南地域においては、県と地域の6市が連携いたしまして、持続可能な公共交通ネットワークの再構築を図ることを目的に、地域公共交通網形成計画を今年度中に策定することを目指して検討を進めています。  今後は、議論の進展や社会情勢、さらには県民や議員の皆様の御意見もお伺いしながら、それぞれの地域の実情に応じた、本県にふさわしい持続可能な地域公共交通の維持確保に向けた新たなスキームや、それを実現するため、公共交通の条例制定も視野に入れ、さらに議論と検討を深めてまいりたいと存じます。 ◎土木交通部長(池口正晃) (登壇)私に対する2点の御質問についてお答え申し上げます。  1点目、既存路線の活性化に向けた取り組みについてでございますが、公共交通の利用者増加に向けた仕組みづくりを行っていくことは、利用者の利便性向上や交通事業者の収益改善にとどまらず、まちににぎわいをもたらし、地域の活性化にもつながるものと認識しております。  本県では、公共交通の利用環境の改善に向け、バスロケーションシステムの導入促進や、JR等におけるICカードのエリア拡大に向けた働きかけなどを行ってきたところでございます。引き続き、さまざまな公共交通機関を円滑に組み合わせて利用できる継ぎ目のないシームレスな交通体系の実現に向けて、交通事業者に働きかけていくとともに、市町や関係機関とも議論を深めてまいりたいと考えております。  2点目、公共交通の人材確保策の必要性についてでございます。  バス運転手につきましては、労働時間が全産業平均に比べ長い一方で賃金水準が低いこと等から、全国的にその労働力不足が深刻化しておりまして、人材確保の取り組みが必要と認識しております。こうした中、県といたしましても、毎年9月に行われます「バスの日まつりinびわこ」におきまして、県バス協会やバス事業者と協働いたしまして、公共交通機関の利用促進啓発に加えましてバスの魅力発信を行っているというところでございます。今後、パートタイム運転手など柔軟な勤務形態を導入したり、女性運転手の積極的な採用、働きやすい環境づくりを進めていくため、市町や交通事業者、関係機関とも議論を深めてまいりたい、このように考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)公共交通に係るさまざまな科学技術の進歩も今進んでおります。例えば、今、ICカードを使われておりますが、いずれはQRコードを使っていろいろとあっちこっちに行けるんじゃないかという話も出ております。そうなると、価格もどんどん安くなっていって、さらに利便性も高まっていくのではないかという話も出てきております。新しい知見等々も含めながらも、やっぱり車に頼らなくても、交通弱者がどこにでも行きたいときに行けるような、そんな滋賀にしていくためにしっかりと基盤を整備していく、そして、そのために条例をしっかりと交通権を担保していくために取り組みを進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、次の質問に移ります。  9月定例会議では自殺対策について質問を行いましたが、先般、中学生の自死があり、防ぐことができなかったのかと心を痛めております。100歳近くまで元気に生き、天寿を全うされる方もおられます。残念ながら、この世に誕生することもなく、おなかの中で亡くなり、戸籍にも残らない、流産してしまうケースもあります。また、突然発症した病気、交通事故、さまざまな形で人は死を迎えます。命がある限り、必ず死はやってまいります。  中でも、がんは、生涯のうち約2人に1人ががんに罹患し、約3人に1人が亡くなると推計され、本県においても、平成28年全死亡者の約3割ががんで亡くなられております。検診を行い、また、予防していても見つかりにくい部位がゆえに発見がされにくいケースもあります。一日も早く全てのがん患者が無事に治療を終えられ、元気に活躍することを願うものです。  さきの提案説明において、知事のがん対策についての思いを、さらに我が会派の代表質問の答弁においても、がんの予防、がん医療の充実、がんとの共生、これからを支える基盤の整備により、県民が、がんを知り、がんを予防し、がんになっても納得した医療、支援が切れ目なく受けられ、自分らしく暮らせる滋賀を目指してを基本理念にした滋賀県がん対策推進計画の改定について述べられました。私も以前にも一般質問で取り上げましたが、改めて、若年がんに関連して、一問一答で質問してまいりたいと思います。  まず、小児がんに関して伺います。  現在、15歳までのがんである小児がんに、全国で年間2,000人から2,500人が発症されております。うち、血液腫瘍と脳・脊髄腫瘍を含めた固形腫瘍の割合がほぼ半数の割合となっております。  そこで、県内の小児がん患者数の推移について、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) (登壇)お答えいたします。  本県の小児がん患者の状況でございますが、地域がん登録のデータで見ますと、平成21年から平成25年では、年間20人前後が新たに登録されております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)先ほど、年間20人前後という答弁がありましたが、小児がん患者のうち約40%の子供は、全国に15カ所ある小児がん拠点病院、また、2カ所の小児がん中央機関にて治療を受けております。現在、県内には小児がんの指定医療機関がなく、近畿ブロックの小児がん診療連携拠点病院とのネットワーク化により、子供たちのがんの状況を見ながら、連携協力、均てん化がなされていると仄聞します。  そこで、小児がん患者の療養の現状と拠点病院との連携について、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  小児慢性特定疾病受給者の医療機関登録状況から見ますと、複数の医療機関を登録されている場合が多いのですが、約9割は県内の医療機関を受診されており、そのうち6割は滋賀医科大学医学部附属病院を受診されております。  一方で、小児がん拠点病院であります京都大学医学部附属病院や京都府立医科大学附属病院を2割強の方が受診をされており、多くのケースで県内医療機関と協力、連携して医療が提供されている状況でございます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)国では、現在、第3期がん対策推進基本計画を踏まえ、3年以内に小児がん拠点病院とがん診療連携拠点病院等の整備指針の見直しを表明されており、来年度に小児がん拠点病院の指定要件の見直しの検討、整備方針を発出され、平成31年度4月には、その整備指針のもとで小児がん拠点病院の指定が行われようとされております。先ほど6割が滋賀医大というお話もありましたが、やっぱり県内においてしっかりとした小児がんの拠点になる病院ができれば、より皆さんが安心しますし、また、特に県の北部の方々が京都まで行ってしまうと、かなりの負担がかかってくると思います。そういった中で、今後、滋賀県においても、小児がん患者への負担軽減のためにも、県内における小児がん拠点病院の設置に向けた検討を始めるべきだと考えますが、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  国におきましては、小児がん拠点病院の指定要件の見直しに向けまして、今後検討を行うこととされております。その中では、「脳腫瘍のように標準的治療が確立しておらず、診療を集約化すべきがん種と、標準的治療が確立しており、一定程度の診療の均てん化が可能ながん種とを整理し、状況を把握した上で、均てん化が可能ながん種や、必ずしも高度の専門性を必要としない病態については、拠点病院以外の地域の連携病院においても診療が可能な体制を構築することについて検討を行う」というふうにされております。県といたしましては、こうした国の動向を注視しながら、今後、望ましい小児がん診療の提供体制の構築を目指していきたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)子供たちにできるだけ負担のないような取り組みを進めていただきたいと思います。  次に、小児がんに携わる看護師について伺います。  小児看護やがん看護に関する専門的な知識および技能を有する専門看護師または認定看護師を配置していることが望ましいと、小児がん拠点病院の指定要件として挙げられております。指定の有無にかかわらず、専門性のある看護師は必要であると考えますが、配置に向け、研修参加体制を整備すべきと考えますが、健康医療福祉部長にお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  県内のがん認定看護師は31名、また、がん看護専門看護師は8名おられ、そのほとんどががん診療拠点病院に配置されております。がん診療拠点病院におきましては、成人だけでなく小児がんも含めて全てのがん患者の相談支援を行っているところでございます。  小児がん患者の約6割が受診している滋賀医科大学医学部附属病院においては、がん看護専門看護師が中心に小児がんの対応を行っております。  県としましては、がん診療支援病院に対しまして、がん認定看護師の資格取得のための受講支援を行っているところでございます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)専門性を持った看護師が一人でもふえることを望まれておりますので、よろしくお願いいたします。  次に、AYA世代のがん対策について伺います。  AYA世代──アドレッセント・アンド・ヤング・アダルト世代、すなわち思春期世代と若年成人世代のがん患者に関して、国の第3期がん計画においても、AYA世代に発症するがんについては、その診療体制が定まっておらず、また、小児と成人領域のはざまで患者が適切な治療が受けられないおそれがあるとされております。実際、AYA世代の中でも、25歳未満では希少がんが多く、25歳以上では子宮がん、乳がん、消化器がんが増加、造血器腫瘍については小児がんと同じで白血病とリンパ腫が多いとされております。  そういった中でも、多くの診療科にまたがる多様ながん種であり、いわゆる希少種であったり、成人に多いがんでありながらも、がん種の中では希少な年齢層がゆえに、診療数が少なく、医療従事者がAYA世代がん患者の支援に関する知識や経験が蓄積されにくいとされております。一方で、サバイバーシップに関連したさまざまなニーズが存在し、患者ごとのニーズは個別性が高いとされております。  そこで、AYA世代におけるがんの課題をどのように認識し、切れ目ない診療体制を整えようとされているのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  滋賀県では、10歳代は約10名、20歳代、30歳代で約200名の方ががんに罹患されている状況でございます。本県のAYA世代におけるがんの診療体制に係る課題につきましては、議員からさまざま御指摘をいただきましたが、これまでがん対策推進協議会においても議論されたことがございません。十分な実態把握ができていない状況でございます。今後、がん対策推進協議会やがん診療連携協議会で議論をしてまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)次に、AYA世代の療養環境について伺います。  療養環境については、同世代の患者の不在やウエブ環境、食事、消灯時間など、若者世代がゆえに困っている課題が多くあります。ティーンズルームやネット環境等の整備等、AYA世代の支援が必要であります。また、若い世代にがんに罹患することにより、精神的にも大きな影響を及ぼしており、それに対するサポートや特殊な緩和ケアの対応についても必要であり、AYA世代の診療拠点を滋賀にも整備していく必要があると考えます。  そこで、AYA世代がん患者の療養環境充実のための支援について、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  AYA世代のがん患者は、それぞれの年代の特徴に応じまして、就学、就労、生殖機能等の状況が異なり、また、個人差もあって、個々の状況に応じた多様なニーズがあるものと認識をしております。国の小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会におきましても、ウエブ環境、食事、消灯時間など、議員御指摘のような療養環境に関する課題も指摘されておりますが、本県では、一医療機関当たりのAYA世代のがん患者の数は少なく、こうしたニーズへの対応は難しいのではないかと考えているところでございます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)少ないからこそしっかりと手だてをしていく必要があるのではないかなと考えておりますので、そういった部分で、やっぱりきめ細やかな部分で、特に小児がんのほうでは、滋賀医大のほう、御協力いただきながらやっておりますので、そういったところの医療機関とも相談しながら進めていただければなと思いますので、よろしくお願いします。  がん患者の中には、治療を行っているものの、残念ながら根治困難ながん患者もおります。AYA世代がん患者の多くが、「がんが根治困難な場合は自宅で過ごしたい」とアンケートに回答しております。しかし、40歳未満があるがゆえに、現状の制度では介護保険の利用ができないなど、在宅療養サービスが十分に得られない状況であります。  そこで、制度のはざまに置かれているAYA世代の終末期において、在宅療養サービスを行うなど、AYA世代の終末期に関する支援について、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  平成28年には15歳から39歳で28名の方ががんで亡くなっておられますが、これらの患者の終末期がどのような状況であったのかという実態は把握しておりません。県としましては、今後、がん診療拠点病院や保健所等とともに実態把握に努め、どのような支援が必要か検討してまいりたいと存じます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)28名ということで、実態がなかなか後から追いかけて把握が難しいケースもあるかと思いますが、やっぱりそういった困られた方々がどのように暮らしていたのか、それが次の施策にどう生かされるかというのが非常に大事だと思いますので、ぜひとも実態把握しながら新たな施策を構築していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、教育支援について知事に伺います。  小中学生の教育支援については、文部科学省の通知により改善しているものの、高校生に対する教育支援のニーズに対しては充足されていないとされています。実際、入院中において、何らかの教育の場の提供が必要であり、あわせて単位認定基準の検討も必要であると言えます。在学中の児童生徒がさまざまな病気で長期に入院療養した際も同様でありますが、充実した教育支援を行っていく必要があると思いますが、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  教育委員会によりますれば、入院中の高校生の支援については、その生徒が在籍する高校の教員が病院に出向いて、課題のプリント等でそれぞれの学校の授業の進度に合った学習ができるよう指導していただいたり、退院後も放課後や長期休業中に個別に指導するなどして支援を行っていると聞いています。入院中の高校生に対しては、安心して療養できるよう配慮しながら支援を行っていく必要があると考えているところでございます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)教育支援に関しては、病気療養中であるからこそ、やっぱり勉強に学問に集中できることが一種の気晴らしにもつながっていくと思いますので、しっかりとしたサポート体制を整えていただきたいと思います。  次に、就労支援について商工観光労働部長に伺います。  AYA世代のがん患者の9割近くが就労を希望しております。一方、本人のがんの開示は、雇用に当たり不当な扱いを受ける可能性があるのではと危惧されておられます。また、職業訓練のニーズが充足しておらず、理解のある就労支援の相談窓口の必要性もあると言われております。就労支援に関しては、AYA世代だけではなく、離職したがん患者の再就職についても現状厳しい状況にあると言えますが、がん患者の就労支援について商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) (登壇)お答えいたします。  がん患者が就労するためには、治療内容や体力に合わせた働き方ができるよう、きめ細かな相談支援が重要と考えております。  県では、滋賀県がん対策推進協議会の中に、事業所や関係団体、がん患者等を構成員とするがん患者就労支援専門部会を設置し、成人病センターにおいてハローワークの出張就職相談や社会保険労務士による専門相談を行っているほか、各地域拠点病院等のがん相談支援センターにおきましても、就労に関する相談や情報提供を実施しているところであります。  国におきましては、ことし3月に閣議決定されました働き方改革実行計画に治療と職業生活の両立を盛り込むとともに、今年度から障害者雇用安定助成金に「障害・治療と仕事の両立支援制度助成コース」を設け、がん等の病気を抱える労働者の病状や治療内容に応じた休暇や在宅勤務等の制度を導入する企業を支援することとされたところです。  県としましても、国等の動向を注視しつつ、専門部会での連携を深めながら、AYA世代を初めとするがん患者の就労支援の充実に向けて取り組んでまいりたいと存じます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)ただいま、就労する際に対してお伺いしましたが、次に、がんを告知された際にやるべきこととして、一般的に、「慌てて仕事をやめなくていい」、「職場に働き方を相談する」が挙げられております。がんになっても離職をしないためにも、また、就職を希望しているがん患者にとっても、企業への理解は重要であると考えます。企業へのがんに対する正しい認識、理解に対する取り組みについて、商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  がん患者の中には、働く意欲や能力があっても、治療と仕事の両立に対する職場の理解が不十分であるため、就労の継続や職場復帰が困難になる場合も少なくないことから、がんに対する職場の正しい理解を促進することが重要と認識しております。このため、がん患者就労支援専門部会では、がん患者および事業主向けの啓発リーフレットや相談先一覧を作成するなどの啓発や情報提供を行っております。  また、がんに関する情報を一元的に集めたホームページ「がん情報しが」において、がん患者の就労に関する事業所の取り組み事例を掲載するとともに、事業所向けの県の広報紙「滋賀労働」でも、労働者が体調に応じて働き続けられるよう事業主の配慮を促す記事を掲載するなど、がん患者の就労に関する情報提供等を行っております。  さらに、県内企業の人材確保のためのポータルサイト「こようナビ」におきましても、事業所の好事例や国助成金制度に関する情報発信を行うなど、引き続き労働局やハローワークなどの関係機関と連携して、企業のがんに対する正しい認識、理解を促進し、がん患者が治療と仕事を両立しながら働くことができるよう、支援に努めてまいります。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)本当に病気になったら、もう理解がなければすぐにやめなければならない、場合によってはやめさせたりというケースもあると思いますので、しっかりと療養すれば復活できるんだというところをしっかり企業に認識していただく必要があると思いますので、引き続き取り組みをよろしくお願いいたします。  次に、経済的支援について伺います。  AYA世代のがん患者の親の多くがまだ40代前後の世代であり、収入に余裕があるとは言えません。また、若い世代であるがゆえに、民間の医療保険にこちらの患者のほうが入っていないケースも多く、高額療養費制度や生活福祉資金貸付制度はあるものの、高額ながん医療を続けるには経済的負担が大き過ぎるとされております。そういった中で、療養に係る経済的支援を行っていく必要があると考えますが、知事に所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) 医療費助成等の経済的支援についてでございますが、お取り上げいただいているAYA世代に限ってこうした支援を行うことについて、国においても議論されておらず、現在のところ、県においても考えておりません。県としては、高額療養費制度などの情報がしっかりと提供できるよう、相談支援体制や情報提供の充実に努めてまいりたいと存じます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)国においても、現在、経済的支援に関しても大きな課題として認識され、議論されているところでございますので、その動向を踏まえてやっていただきたいなと思います。どうしても財政的、経済的な困窮から治療が続けられない、それによって病気が悪化する、そういったケースのないようにぜひとも研究を深めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、がんの妊孕性温存について伺います。  滋賀県においては、全国に先駆け、滋賀県がん患者妊孕性温存治療助成事業を行い、精子、卵子、受精卵、卵巣組織等の採取、凍結保存に係る保険適用外経費の一部を助成されております。平成28年度においては、9人の申請があり、今年度も現在1人から申請が出ていると仄聞します。  制度の利用状況を見ると、卵巣組織の凍結を利用されると費用が50万から60万と高額となり、未成年者を含めた女性の多くが卵巣組織の凍結を希望されている中、利用の実態に即した助成金額の傾斜が必要であるのではないかと考えます。  また、現在、県内各地の病院、医師の御協力のもと、患者に対し周知をされておりますが、がんに罹患した戸惑いの中、仕組み、制度を十分理解できる状況にあるかどうか疑っていかなければなりません。冷静になった際に制度を改めて見てもらえるように、各病院において患者に配布できるリーフレットを作成するなど、より多くの患者が適切に制度を知ってもらう必要があると考えます。  そこで、がん妊孕性温存に向けた制度の充実に向けて、どのように考えているのか、健康医療福祉部長に伺います。
    健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  平成28年度から行っておりますがん妊孕性温存治療助成事業の助成金額につきましては、標準的治療であります卵子凍結と精子凍結にかかる費用の約2分の1の額というふうにしておるところでございます。がん治療に伴い、妊孕性が低下するおそれのあるがん患者に対して、がん治療前に妊孕性温存治療を行うことで、将来子供を持つことの可能性を残せることの情報提供を確実に行う体制を、滋賀がん・生殖医療ネットワークとがん診療連携協議会とともに検討をしているところでございます。その中で、インフォームド・コンセントの場面等で活用できる治療や相談窓口についてのリーフレットの作成を予定しておりまして、妊孕性温存治療と助成制度の周知を図ってまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)本当に困った方々が的確にこの制度が利用できるように、引き続き取り組みをしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  やっぱり助成費のほうですが、現在、上限20万ということでやっておりますが、やっぱ50万から60万かかってしまう際に大きな負担となっておりますので、後発の今年度から京都府のほうも助成費制度をされておりますが、30万ということで取り組みを進められております。金額を競うわけではないんですが、やっぱりそういった現状に即した形で、実態に即した形で助成制度ができるように引き続き検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  また、現在、医師による妊孕性温存情報と心理支援の提供は、医師の外来診療を圧迫し、経済的損失が非常に大きくなっていることが明らかになっております。そこで、がん告知後早期から看護師による患者サポートが重要であり、がん医療にも生殖医療にも精通したがん・生殖医療専門ナースの育成等を考える必要性があると言えます。  そこで、看護師やがん・生殖医療専門心理士等も含め、がん・生殖医療にかかわるヘルスケアプロバイダーの育成について、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  本県におきましては、がん妊孕性温存治療に関する情報提供と相談支援は、がん治療医とがん相談支援に従事する看護師などが行っております。このため、医師と相談支援従事者に対する研修の充実に努めているところでございます。平成28年度には、がん診療連携拠点病院とがん診療連携支援病院の職員に対しまして、妊孕性温存に関する研修会を実施し、938名が受講されたところでございます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)それでは、次に、骨髄ドナー登録について伺います。  小児がん、AYA世代のがんに共通して多いがんとして、白血病を含む血液腫瘍があります。現在、白血病などで苦しむ患者を救おうと、骨髄や末梢血幹細胞の提供を希望して骨髄バンクドナー登録をしている人は現在約48万人おられるものの、ドナー登録は減少傾向にあり、また、取り消し者数は増加傾向にあります。滋賀県においても多くの方が御協力いただいておりますが、一人でも多くの患者が一日でも早く骨髄や末梢血幹細胞を受けられるように、骨髄ドナー登録の維持拡大をしていくための取り組みを進めていかなければなりません。  そこで、骨髄ドナー登録に向けた現状の取り組みについて、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  保健所に骨髄ドナー登録窓口を設置しておりますほか、赤十字血液センターや市町と連携して、献血とあわせて登録会を実施するとともに街頭啓発などに取り組んでいるところでございます。登録会においてドナー登録について説明する説明員を確保するため、平成27年度からボランティア団体と連携し、滋賀県レイカディア大学においてこの説明員募集会を実施したところ、これまでに8名の説明員を確保をしたところでございます。これに伴いまして、登録会の回数を対前年でほぼ2倍の110回にふやすことで、平成28年度の新規ドナー登録者数は747人と、対前年で約4倍にふやすことができました。引き続き、説明員の確保に努めまして、ドナー登録者の増加を図ってまいりたいと考えております。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)747人で4倍ということで、大変心強い答弁をいただきました。こちら、747人ということですが、若年層へのドナーリクルートが重要であると言われておりますが、若年者のドナー登録の取り組みについて健康医療福祉部長にお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  ドナー登録は18歳以上の方からできますことから、大学における登録会の開催に取り組んでおります。平成28年度には、県内の大学で17回の登録会を行いまして、258名の登録があったところでございます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)ただいま、県内についてのドナー登録について伺いましたが、実情を見ると、平成28年度において、ドナーコーディネートを開始した2万7,128件のうち1万7,415件が初期段階で終了しております。そのうち、既往歴等、健康上の理由が32%、健康理由以外においては、都合がつかない41%、連絡とれず35%、家族の同意なし10%となっております。職場や家族の理解を得ながら、ドナー登録への提供意思の維持のために働きかけを進めていかなければなりません。実際にドナー候補に選ばれると、検査や骨髄液採取のため、一般的に3泊4日の入院が必要で、仕事を持つドナーが提供を断念するケースが多いとされています。現在、ドナーが検査や入院等で仕事を休業した場合の補償は一部の自治体や企業で行われております。  兵庫県においては、今年度より、ドナー登録および骨髄等を提供しやすい環境づくりを推進する企業を支援し、ドナー休暇制度の導入を行われております。滋賀県においても、ドナー提供を断念するケースを減らし、一人でも多くの命が救われるために、ドナーが骨髄等の提供に伴う入院、通院、打ち合わせ等のために休業する場合の助成制度を創設すべきだと考えますが、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  ドナーの方々が提供に至らなかった理由、また、ドナーが求める支援、これはさまざまだと承知しておりますので、それらをしっかりと把握、分析した上で、国において総合的に施策を推進されることが基本であると考えており、現在、そういった趣旨の要望を全国の都道府県が連携して国に対して行っているところでございます。  議員御指摘の休業する場合等の助成については、現時点において県が実施する段階ではないと考えているところでございます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)現在、各市町村、また都道府県の中でも、国がなかなか動かない中なので、独自に制度を創設している地域もたくさんございます。そういった中で、昨年、仲間が35歳で亡くなりました。白血球の型が適合したのが4名いたのですが、結局、残念ながら、そのドナーの皆さんは、仕事等々の都合によりドナー休暇をとれずに断念せざるを得なかった現状がございます。もし、これのうち、助成制度等、休業補償の助成制度があれば、一人でも御協力いただけたのじゃないかなと思うと、本当に地域からやっぱり制度を創設していくこともすごく大切ではないかと考えます。一人でもやっぱり命を救うために、そういった制度、必要だと考えますが、改めて知事にお伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) さまざまな事情の中で、そういう制度があれば助かった命もあるという議員の御指摘は受けとめたいと思います。  骨髄の提供者に対する支援として、官公庁や大手企業等で既に導入されているドナー休暇制度、県内のより多くの企業等において導入されるよう、まずはこの普及を図っているところです。ことし10月には、県・市町健康医療福祉担当部課長会議の場におきまして、各市町に対し、地元企業におけるドナー休暇制度導入に向けた検討について働きかけていただくよう協力をお願いしたところでございます。また、11月には、滋賀経団連と行政との連絡調整会議の場におきまして、企業のドナー休暇制度導入に向けた検討をお願いする資料を配付いたしまして、会員企業等への働きかけについて協力を依頼いたしました。これまでから機会を捉えてドナー休暇制度の導入について働きかけているところでございますが、今後も引き続きこうした啓発に努めてまいりたいと存じます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)啓発だけでなく、やっぱり県として、しっかりとその企業を後支えするような仕組みがあってこそ企業は動くのではないかなと考えます。改めて取り組みしていただきたいと考えますが、知事にお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 繰り返しの答弁で恐縮でございますが、現時点では、そうした骨髄移植推進のための普及啓発、また、骨髄提供希望者の登録の促進、企業等に対する骨髄ドナー休暇制度の創設の働きかけ等にしっかりと取り組みながら、こうした制度等、理解を深めるとともに、助かる命が助けられるような、そういった取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)実際に実態を見ていただきながら、必要であれば、制度創設、望むものでございますので、引き続き御検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、相談体制の充実について知事に伺います。  小児がん患者、AYA世代のがん患者については、他の世代に比べ患者数が少なく、疾患構成も多様であるため、情報提供や相談体制の経験が蓄積されにくいとされています。そういった中で、ピアサポーターの役割は大きく、また、病院内における医師や看護師、相談支援センター、また、患者サロンの役割も大きいと言えます。  先日、東京の豊洲にあるマギーズ東京に伺いました。そこでは、がんになった人とその家族や友人など、がんに影響を受けている全ての人が、戸惑い、孤独なとき、気軽に訪れて安心して話せる、また、自分の力を取り戻せるサポートもあるがんケアリングセンターであり、伺った日も、Eテレのほうでテレビ報道された影響もあり、多くの方が訪れておられました。  県内においては、全てのがん患者、その家族、介護者、友人ならびに一般市民が利用できる場所として、NPO法人淡海かいつぶりセンターが瀬田駅のそばに拠点を構えられ、よりよく生きるための生活支援をし、地域社会の福祉の向上を図り、広く公益に貢献することを目的として、心理的、社会的支援および情報を提供する事業を行っておられます。AYA世代に対しても、8月から集いを始められ、継続的に行われております。より多くの方に知ってもらい、交流の橋渡しになればと思います。  NPO法人淡海かいつぶりセンターを初め、多くの関係者、関係団体の支援のもと、がんに影響を受ける人に対する相談体制を充実させていかなければなりませんが、今後の相談体制の充実に向けた取り組みについて知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) NPO法人淡海かいつぶりセンターは、病院外でのがん患者や家族の皆様の相談の場、患者団体の集まりの場として平成27年3月に開設されたところでございます。病院外の施設で休日夜間利用できるということのため、小児・AYA世代を初め、がん患者家族の相談支援、患者同士の交流の場として、AYA世代の集いや小児がん患者団体の活動支援を行っていらっしゃるということでございます。  県では、これまで、滋賀県がん対策推進基金を通じて、かいつぶりセンターの活動を支援してまいりましたが、今後も、医療機関や患者団体等と連携し、かいつぶりセンターの相談支援体制が充実されるよう、周知や活動支援を図ってまいりたい、行ってまいりたいと存じます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)それでは、最後に、滋賀県がん対策推進計画について伺います。  小児がん、AYA世代のがんについては、がんの予防や検診による早期発見が難しいとされています。また、先ほど述べたように、症例も少ないため、制度のはざまでさまざまな困難を抱えやすい状況にあるといえます。だからこそ、滋賀県がん対策推進計画においてしっかりと位置づけ、きめ細やかな対策を講じていかなければなりません。最後に、滋賀県がん対策推進計画の策定にかける知事の思いを伺います。 ◎知事(三日月大造) この間、お取り上げいただき、るる御指摘いただいたとおり、がんは死因の第1位であり、今後、高齢化が進む中で、ますます罹患する人が増加し、また、早期発見や医療の進歩により、不治の病から長くつき合う病になり、就学や就労、生活の質の向上など、がん患者の個別の状況に応じた支援が求められるようになってきていると認識しています。  こうしたことから、次期がん対策推進計画におきましては、がんの予防やがん医療の充実とともに、がんとの共生として、小児がんやAYA世代から高齢者までライフステージに応じて、社会経済的な課題を踏まえたがん対策に取り組むこととしているところです。誰一人取り残さない社会の実現に向けて、がん患者が尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築を目指して取り組んでまいる、そのための計画を策定してまいる所存でございます。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇)一人でも多くのがん患者が治療を終え、社会に元気に活躍できる、そういった滋賀県になるようによろしくお願いして質問を終わります。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、39番成田政隆議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後3時14分 休憩    ────────────────   午後3時35分 開議 ○議長(奥村芳正) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  次に、33番西村久子議員の発言を許します。 ◆33番(西村久子議員) (登壇、拍手)今期定例会議、洗堰全閉操作と内水排除について、一問一答でお尋ねをさせていただきます。  台風5号、21号と、ことしは時ならぬ時期に予想しがたいコースで相次いで台風が来襲、我が県を初め、全国に大きな被害をもたらしました。被災されました皆様に心からお見舞いを申し上げ、一日も早い復興をお祈り申し上げます。  琵琶湖周辺に住む住民の心情として、こうした被害がどうすれば少しでも減らせるのか、そんな願いのもとに考えていただきたい、その一心でこの質問を取り上げました。琵琶湖というダムの中で忍従を強いられた滋賀県において、被害を軽減することは本当にかなわなかったのか、改めて検証したいと思います。特に台風21号は、近年まれなる大被害を及ぼしました。改めて滋賀県内における被害の全容について滋賀県知事にお聞きします。 ○議長(奥村芳正) 33番西村久子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  今回の台風の被害の全容についてでございますが、人的被害は、軽症の方が4名、住家被害は半壊1棟、一部損壊349棟、床上浸水8棟、床下浸水67棟、非住家被害は全半壊合わせて16棟でございます。  県管理の公共土木施設の被害は、道路ののり面崩壊等で108カ所、河川の護岸欠損等で132カ所、砂防の落石防護柵損傷等で18カ所、湖岸緑地の施設欠損で3カ所でございます。  農業の被害につきましては、被害面積2,163ヘクタール、ビニールハウスの全壊やビニールの破損等で1,879カ所、農地の冠水や水路ののり面崩壊等で226カ所ございました。水産業の被害は、水産施設の一部破損等で38カ所でございました。  森林被害につきましては、山腹崩壊や土砂流出等で28カ所、林道の路肩欠損やのり面崩壊等で185カ所、造林の風倒木が38.4ヘクタールございました。  公立学校施設については101校で被害、文化財32件の被害も発生したところでございます。  また、鉄道の運休や大規模停電等も発生し、県民生活等に大きな影響を与えたところでございます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)雨が降り、強烈な風が吹きつけることによって、さまざまな被害が起きるのは当然でありますが、琵琶湖を抱えることによって起きる災害は滋賀の特徴であろうと思います。琵琶湖が増水したことによって起きたと想定される被害はいかほどであると認識されているか、知事に重ねてお聞きします。 ◎知事(三日月大造) 今回の台風21号は、琵琶湖流域の平均降雨量、こちらが降り始めから224ミリとなり、琵琶湖の水位も、10月21日午前6時時点でマイナス19センチであったものが、25日午前10時の時点でプラス64センチとなりました。琵琶湖の水位が上昇いたしますと、琵琶湖沿岸部の低地で浸水被害が発生いたします。琵琶湖の高水位は、広範囲にかつ長期間続きますことから、県民生活に大きな影響を及ぼします。  今回の台風21号の琵琶湖岸での被害といたしましては、強風と波浪による湖岸緑地の流出、湖岸での倒木など、大きな被害があったところでございます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)琵琶湖が増水したことによって起きる被害というのは、今言われただけではないと思います。極端に言います。日野川の新川、あのあたり一帯、弓削の一帯が水没した、それも原因じゃないんですか。そういったものも含まれていますか。お話の中にはなかったと思います。 ◎知事(三日月大造) 今申し上げましたように、琵琶湖の水位は最大プラス64センチメートルまで上昇いたしました。お取り上げいただいた竜王町弓削一帯、こちらは河口から11キロメートルほど離れたところ、標高にいたしまして約100メートル、琵琶湖水位より15メートル程度高いことから、今回の琵琶湖水位の影響を受ける区域ではないと考えているところでございます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)次に進めますが、そういう認識でいらっしゃるからこそ滋賀の治水政策が変なんだと思います。  3番目に行きます。  下流の安全を確保するために、いわばダム的存在を押しつけられている本県ですが、滋賀県知事はいかが受けとめておられますか。 ◎知事(三日月大造) 淀川水系が大雨に見舞われますと、まず、木津川、桂川などの流量がふえ、淀川本川の水位が高くなり、その後、琵琶湖の水位が高くなってくるという、こういう状況がございます。  瀬田川洗堰操作規則におきましては、天ヶ瀬ダムが洪水調節を行う場合は、瀬田川洗堰の放流制限、全閉を行い、一時的に琵琶湖の洪水を貯留することとなっています。そして、下流の水位が下がってきたら、瀬田川洗堰から琵琶湖の水位を下げるための後期放流が行われることとなっています。  こうした淀川水系においては、上流、下流の理解、協力関係のもと、互いの治水安全度が確保されるものであると理解しています。しかしながら、現在の状況を見ますと、琵琶湖水位をいち早く低下させる対策が不十分であると考えており、琵琶湖沿岸部における浸水被害を回避するためには、琵琶湖の水位上昇を少しでも抑制すること、また、上昇した琵琶湖の水位を速やかに低下させることが重要であると考えております。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)琵琶湖の水位を下げる方策が不十分であるとの認識をお示しいただきました。それだけでもちょっと進んだかなと思います。  4番目、琵琶湖の水位が上昇すると、水没する琵琶湖周辺地域を洪水から守るために、瀬田川洗堰と内水排除の水門操作が滋賀の治水をつかさどる手だてとして重要と考えますが、知事はいかがですか。 ◎知事(三日月大造) 琵琶湖の高水時には、洗堰を全開、もしくは最大限放流させること、このことは琵琶湖水位を早く低下させるために重要だと考えています。また、洪水期の瀬田川洗堰による水位操作は、梅雨や台風の大雨に備えるために、琵琶湖の水位をあらかじめマイナス20センチないしはマイナス30センチに下げておくことにより、琵琶湖の水位上昇を抑制し、湖岸の浸水被害の軽減を図るものと考えています。さらに、今もお取り上げいただきました水資源機構による水門操作、内水排除のポンプの運転も、浸水被害を軽減するためには重要なものであると考えています。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)さきの加藤議員の洗堰の全閉に関して質問がございました。いろいろ重なるところもありますので、少々割愛させていただきます。次の質問、5番、6番は割愛いたします。  7番目、その判断は誰がされました、これは、洗堰全閉操作の回避を国に向けて要請されたのはどなたでしょうかというお尋ねを土木交通部長にさせていただいております。お答えはいただいているわけですけれども、ここ、こだわるところでもありますので、改めてお聞きします。 ◎土木交通部長(池口正晃) (登壇)お答え申し上げます。  全閉回避の要請文の発出は、私が判断させていただきました。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)本部長ではないんですね。提案説明では、全閉操作は琵琶湖の水位上昇を伴い、沿岸部での浸水害が懸念されることから、全閉操作を極力回避していただくため、国に対して要請を行ってまいりましたが、実施を免れなかったため、全閉された後、早期の放流再開を求める緊急要請を行ったところですとの説明がありました。行ってまいりましたとあるのは、今回つくった文書、あるいは緊急にではなく、前々、常々要請しているという、そういった意味ですか。  それでは、お尋ねさせていただきます。要請の行動は誰がどのように行われたのでしょうか、お聞きします。土木交通部長、お願いします。 ◎土木交通部長(池口正晃) お答え申し上げます。  琵琶湖河川事務所のほうから、放流量のほうのファクスが、放流量が下がるというようなファクスもいただきまして、また、ちょっと先ほどの総合政策部長の話とダブるんですが、10時の段階で瀬田川の天ヶ瀬ダムの流入量の数値も上がってきたということで、そこで何かこうちゃんと発出しないといけないということをその場で私が判断させていただいたというのが実態でございます。(発言する者あり)失礼いたしました。その私の判断のもと、土木交通部がそこで文書を作成いたしまして、それで、土木交通部の職員がそれを琵琶湖河川事務所に持って、それを提出するとともに、その要請を口頭でもさせていただいたということでございます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)これに関しては後々また触れさせていただきます。  次の質問ですが、要請したにもかかわらず、洗堰全閉実施を免れなかったことについて、知事はどうお感じになりましたか。これは、知事が当時、現場におられるものとばっかり私は思っておりました。そのときの気持ちを聞いたものですが、知事は不在、いたし方ない事情でございましたので、切迫した中でのお気持ちはお聞きすることができませんけれども、いつか情報を入れられたときにお考えになったこと、思いつかれたことをお話しください。 ◎知事(三日月大造) 私は、この情報は出張先のフランス、ナントで受けました。西嶋副知事と連絡をとり合いながら、この全閉操作を検討されている旨聞きましたので、その回避を要請すること、このことを私からも指示をいたしましたし、その後、残念ながら全閉されたということでしたので、早期に放流再開を要請する旨、改めて指示をさせていただきました。  いずれにいたしましても、この全閉操作は琵琶湖沿岸部の浸水被害を助長いたします。県民生活にも多大な影響を及ぼすものでありますので、極力回避していただくよう要請をいたしましたが、結果的に全閉されたことはまことに残念に思うところでございます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)全閉になって、滋賀県がどのような状態になるということは、知事もよくよく御承知いただいていた、理解されていたと私は受け取らせていただきました。  次に、甚大な被害の想定はされたと考えますが、今回の被害実態と比較していかがだったでしょうか、土木交通部長に聞きます。 ◎土木交通部長(池口正晃) お答え申し上げます。  事前の気象台からの情報によりますと、ことし8月の台風5号よりも勢力が強いと、また、前線の影響で降雨時間が長くなるといった、そういった情報がございました。そういったことから、台風5号よりも大きな被害が出るという可能性があるというふうに当時考えておりました。  で、実態だったんですけども、道路、河川、砂防、公園という土木の交通施設の被害額で台風5号と比較いたしましたところ、約2倍といった、こういった被害額になりまして、例えば、具体の琵琶湖岸の被害といたしましては、湖岸緑地の流失や、それから、緑地内での数多くの倒木が発生したと、350本あったと聞いておりますけど、そういった大きな被害になっているところでございます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)一定の被害はお認めいただいていますけれども、今回、激甚災害の認定を受けながら、もうちょっとこれ、認識甘いんじゃないんですか。意外です。被害は過去30年で最大と発表されていますのに、また、今回の災害復旧に必要な予算額は34億5,000万、そして、今議会冒頭では復旧費を28億8,000万を議決したところでございます。水門操作に対する申し立てを判断される立場に、判断しましたって先ほどお答え、判断される立場におられる土木交通部長に聞いたわけであって、ということは、県全体を対策される、そういった判断をされた方という意味なんですが、被害は、土木関係でなく、全体としてどう感じられたかという認識を尋ねたものです。それでも今の認識でしかないわけですか。湖岸一帯の浸水、農業被害一帯を含めての判断です。 ◎土木交通部長(池口正晃) 今、土木交通部ということで、土木のほうの関係の被害を申し上げたところなんですけども、今回、こういった質問をいただくということでお伺いしましたところ、農地においても、湖岸の近くで浸水もあったというような話はお伺いさせていただきまして、被害があったという認識でございます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)それでは、ここからなんですけれども、滋賀については、非常につらい話なんですが、現在の洗堰操作の基準はどうなっていますか、土木交通部長にお聞きします。しっかり聞いておきたいと思います。 ◎土木交通部長(池口正晃) お答え申し上げます。  瀬田川洗堰操作規則では、琵琶湖の水位を洪水期間の6月16日から8月31日までをマイナス20センチ、9月1日から10月15日まではマイナス30センチを制限水位と定めまして、洪水期ではない期間、非洪水期間は常時満水位プラス30センチとしているところでございます。  また、下流淀川の洪水流量の低減のために、天ヶ瀬ダムの流入量が840トンを超えている間は瀬田川洗堰を全閉するということになっているところでございます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)結局のところ、厳しい基準があって、その規則は絶対的なものであるという認識であろうと思います。その上に立って続けて質問を行いたいと思います。  明治38年、瀬田川旧洗堰が築造され、昭和36年現在の洗堰が築造され、操作を行うことになった後も、操作規則が制定されないまま、上流である我々滋賀県と下流大阪、京都府および河川管理者としての国との間に操作をめぐって混乱が続いてきました。  昭和41年7月、近畿地方整備局より滋賀県に対して、操作規則の具体案を内示されたところ、県議会総合開発特別委員会水政小委員会の審議結果として、瀬田川洗堰操作規則に知事の操作同意意見等の重要な規定がないことに対して、洗堰が国、すなわち建設省によって一方的になされることになる等の反対意見が伝えられ、懸案事項として残ったと示されております。  洗堰は、過去、幾度となく洪水時に全閉され、その都度、操作をめぐって上下流の利害が絡んで混乱、昭和47年7月、洪水時の全閉操作では、深夜にもかかわらず、直ちに全閉操作をやめるよう、滋賀県知事が近畿地整局局長に、また、滋賀県幹部職員が琵琶湖工事事務所所長に詰めかけ、抗議がなされております。  過去の議会や知事、幹部職員の対応を三日月知事はどう思われますか。
    ◎知事(三日月大造) 先ほど来お取り上げいただき、また、私自身も答弁させていただいているとおり、この上流、下流、琵琶湖と淀川水系の中で、大変ある意味では厳しい水をめぐる闘いが繰り広げられてきたというふうに認識しています。昭和36年に現在の洗堰が改築によりつくられました。その後の昭和39年には河川法が改正されて、水門、堰等については操作規則を定めなければならないということになっていたにもかかわらず、定められなかった。これはいろんな事情があったと承知をしておりますが、かなり厳しいやりとりがあったと。その後、琵琶湖総合開発もあり、その後に、平成4年に現在の操作規則が設定されたということでございます。  その中で、議員が御紹介いただいた昭和41年の議会の対応でありますとか、また、昭和47年の当時の知事の御対応、また、滋賀県幹部職員の対応については、いずれの場合も、琵琶湖の水位上昇が琵琶湖沿岸部に浸水被害を発生させる、もって県民生活に大きな影響を及ぼすことに強い危機感を持って対応されたことであると受けとめさせていただいております。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)強い危機感を持って対応されたことであろうと思いますに比べて、今の対応はどうですか。 ◎知事(三日月大造) 私どもも、この問題についても、大変大きな問題であり、また、県民生活にも大きな影響を与える課題だと捉えておりますので、その所存で対応しているところでございます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)操作基準があってできないことは承知しておりますけれども、この対応について、右往左往する滋賀県の実態というものはずっと変わらない状況で、これからも続くと思います。過去の対応と比較して、今の知事の答弁は、割り切ったというような、果たして本当に私たちの思いをわかっていてもらえるのかな、そんな思いでございます。もっと全閉操作に対しては、過去も今も悲壮感を持って当たっていただきたい、何とかしてクリアしていただきたい、そんな願いでございます。  全閉された後、早期の放流再開を求める緊急要請を行ったと説明されていますが、今回までの幾度となく繰り返されてきた洪水時の全閉時間の中では1時間半という最短であったことは、県の行動が評価されたということでしょうか。短時間での全閉解除を知事はどう評価されますか。 ◎知事(三日月大造) まず、事実関係といたしまして、今回、10月23日の午前1時52分から3時30分までの約1時間半にわたって全閉されました。この全閉されたことは、御案内のとおり規則によるものですが、その規則は、天ヶ瀬ダムへの流入量で判断される。したがって、雨の降り方や、また、その時間がどれだけ続いたかということも影響するものではございますし、私どもの要請等も一部聞き入れていただいたのかもしれませんが、いずれにしても、短時間であったとはいえ、全閉されたことはまことに残念であるという気持ちを抱いております。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)解除されたことに対して、要請したことが効果があったかどうかを聞いているんです。 ◎知事(三日月大造) 要請したことだけでこの全閉が回避された、もしくは、失礼いたしました、放流が再開されたというふうには受けとめておりません。規則に従って、規則にのっとって、見られる流量等で判断されるものでございますので。ただ、滋賀県がそういう気持ちを持って要請していることは受けとめていただいたと思いますが、私は別のところで判断されたものではないかと考えています。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)私の質問自体がならんことを言っているんだとは理解しています。でも、やっぱり県民として、ここは知事に頑張ってもらいたい思いがあって、厳しいことを言わせていただきます。  規則どおりにやられたんだろう、別のところでというのは、その規則に合った操作がされたという、ただそれだけにすぎないというような、でも、心情的にほっておけないから要請したんだよというところであろうかと思いますけれども、やっぱり要請するからには岩をも通す、そんな強い信念で頑張っていただきたいと思います。でないと、水につかっている我々はそこしか頼るとこがないんですから、ぜひともお願いしたいと思います。  全閉してわずかに0.4ミリ。0.4ミリですよ。1ミリのまだ下、半分以下、どうして計測されたかわからないほど、1時間半で下流が安全になったとは考えにくいのに解除されたとなると、全閉しなくてもよかったのではないかなとも思います。洗堰を全閉されて、たまる一方の琵琶湖の状態、平成25年9月台風では、流入量は秒速6,000トンと記録されています。1時間半に制止した水でもはかれないほど、わずか0.4ミリの増水量は、琵琶湖周辺の河川からの水が琵琶湖の満水によって流れ込まなかっただけではないですか。この段階で既に湖辺一帯の農地は浸水が広がっていることが予想できます。こう考えると、洗堰全閉は滋賀県にとってとても重大な問題であります。おのずと要請の力の入れ方も変わると思いますが、知事、いかがですか、お聞きします。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来答弁させていただいておりますとおり、滋賀県にとって大変重要な課題でありますし、閉められたことによる影響を、もちろん閉められないようにするということと同時に、閉められたことに伴う影響ができるだけ最小限になるということのために動くということが大切だと思います。  先ほど御紹介いただいたとおり、大変琵琶湖は広いので、また、下流が狭いので、かつ都市部も広がっているので、流量を琵琶湖の面積で割り戻せば大変小さな高さになるということでもって、今回のこういう水位規則などがあり、上下流の治水対策というのがあるんだと一定理解はいたしますが、しかし、滋賀県にとっての影響をしっかりと下流府県や国に、ある意味では厳しく、ある意味では粘り強く伝えていくことが肝要だと存じます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)操作基準がある以上、いたし方ないこととはいいながら、我々は心情に訴えるしかないと思います。そういった段階で、全閉の前に、放流量の最大が300トンが200トンに、そして50トンにと減らされてきた、その段階からもう用心して、やっぱり要請を開始していただく、そういうことが必要だと思うんです。  提案説明の台風に関する最後に、今後の対応として、これまでから要望してきた天ヶ瀬ダムの再開発、宇治川の改修などについて、引き続き事業の適切な進捗が図られるよう求めていくとともに、全閉された際の情報発信など、国と協議していきたいと説明がありました。このこれまで要望してきた天ヶ瀬ダムの再開発、宇治川の改修などの「など」の中には、大戸川ダム建設推進は含まれているのでしょうか、知事にお聞きします。 ◎知事(三日月大造) まず、御質問の中で冒頭おっしゃった、もっと早くからそういう流量をつかんで動くべきではないかということは、先ほど加藤議員と総合政策部長のやりとりの中でもありましたように、我々は、課題を残し、今後に教訓にしなければならない課題だと受けとめています。  これまで要望してきましたのは、琵琶湖の水位低下に大きく影響いたします瀬田川、宇治川の改修および天ヶ瀬ダム再開発事業、これを捉えて申し上げているところでございます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)「など」ですから、お考えいただけませんか。お考えいただけませんか、大戸川ダム推進。知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 大戸川ダムという施設が大戸川流域に与える効果は一定あると思います。また、甲賀市、大津市等からも大戸川ダム整備の要望を受けております。国においては、大戸川ダムを含む案が優位であるという検証結果が示され、実施時期は検討されていると承知をしています。一方、国の方針にもありますように、大戸川ダムは淀川下流の治水対策が主な目的とされているところでございまして、下流府も応分の負担をしながら、全体的にどう考えていくのかという視点が必要であると考えます。滋賀県といたしましては、近年の豪雨の状況もよく見きわめ、県の治水安全度を上げるために何がベストなのか、下流府県といかに協力関係を構築していくのか、国による中上流部の河川改修の進捗状況とその影響の検証も踏まえて協議、判断してまいりたいと存じます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)そのとおりには私は素直に理解できないんです。琵琶湖の水は洗堰から出るんです。洗堰、瀬田川は、その上流にはやっぱり大戸川があるわけなんです。そこの水が堰もなく流れ込んだら、琵琶湖、そこでストップしてくださいとならざるを得んじゃないですか。どうですか。 ◎知事(三日月大造) 洗堰は、琵琶湖の水をどう下流に流すのかという堰でありますし、その下流の合流地点で大戸川から水が流れ込んでくる、そして、その流れ込んでくる水は、天ヶ瀬ダムを通じて、さらに下流にどう影響を与えるのか、そこには木津川、そして桂川が流れ込んでくるということの中で、この淀川の全体の治水を考えられている、そして、より天ヶ瀬ダムが再開発され、より下流に水が流れやすくなったときに、天ヶ瀬ダムよりも上流から流れ込む量を抑えるという目的のためにこの大戸川ダムがあるということで先ほど私が申し上げたところでございますので、それぞれ効果、目的がある、かつ、先ほど答弁させていただいたように、この大戸川ダムというものが、大戸川の合流地点までの治水に効果があるということもございますので、こういったことの中で、どう協議し、判断していくのかという課題だと受けとめています。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)知事の考え方には、そうですかとはなかなか言いがたい。やっぱり私は、琵琶湖の水を流すためには、影響を及ぼす天ヶ瀬、あるいはその支流に対して流れ込む水の量をセーブしなきゃならない。そのためだけに知事は大戸川ダムがあると言われますけども、琵琶湖の水を流すためにも、よそからの水が入ってもらったら困るわけなんですよ。わかっていただけませんか。滋賀の洪水の危険を少しでも低くしたい県民の悲痛な願いは、どうしてこれ、知事にわかってもらえないのかなと不思議に思います。  ダムの効果を否定しないと言われてきた三日月知事でありますけれども、知事のお答えは今また振り出しに戻ってしまいました。変だなと思います。まことに遺憾なことですけれども、滋賀の水害を憂え得ない、どこの知事ですか、そんな思いを持ちます。ひどい言い方かもしれませんけれども、琵琶湖は洗堰でせかれたダムに変わっているんです。上流からは水流れ込んで、琵琶湖、あとは内水排除の面でも触れますけれども、そこにどんどんどんどんため込んでいくわけですよね。少しでも早く流したいんです。流したいためには、大戸川の水が満水してて、そして、天ヶ瀬ダムもいっぱいでという状況では流すことができない。じゃ、せめて滋賀県の上流部、東の山のほうから流れ出てくるのをちょっとストップしてくださいよ、その分、少しでも琵琶湖の水、下げさせてくださいよと、そこをおわかりいただけないんですか。 ◎知事(三日月大造) まず、先ほど来答弁させていただいておりますとおり、琵琶湖、そのさらに上流の河川で雨が降り、琵琶湖の水位が上がる、そして、下流の状況を考えて洗堰の操作が行われ、さらに琵琶湖の水位が上がる、この影響を最小限に食いとめるという使命が私たちにあるということは、私も思っていますし、また、議員からのある意味切実なるお声もしっかりと承りたいと思います。  その上で、全閉操作との関係でこの大戸川のダムのことを言われるとすれば、そこは、そのダムがあれば、つくれば全閉が回避されるということは、これは今、国の中でもそういう理解、見解にはなっていないと考えています。ただ、繰り返し申し上げているとおり、この大戸川のダムという設備が大戸川の瀬田川の合流地点までの治水対策に一定の効果があるということはありますので、かつ、この国の直轄ダムを、下流府県との関係で、今行っている改修状況の効果も見きわめながらどうつくっていくのかということについては、今、実施時期を検討されているということですので、滋賀県としても、よくその進捗状況等を確かめながら下流府県とも国とも協議をしていくということを申し上げております。(発言する者あり) ◆33番(西村久子議員) (登壇)応援団が入っていますけれども、それぞれの意見の相違というところですかね。でも、国がそういった解釈をしているとおっしゃいましたけれども、国がしても、滋賀県は違う解釈できるわけなんですよ。滋賀県知事として解釈を改めていただきたい、そのようにお願いしたいと思います。  我が会派代表質問の冒頭に、佐藤議員からも、滋賀の流域治水見直しにおけるダムに対する4府県知事合意の撤回について、会派の総意でもって決議の旨、語気鋭く要請されたところでもあります。  滋賀県の治水にあっては、瀬田川洗堰の全閉操作はまさに致命的であります。平成4年3月に瀬田川洗堰操作規則が制定された際、建設大臣が当時関係する府県知事に意見聴取を行った際、滋賀県知事以外の知事からは意見はなかったものの、当時の稲葉滋賀県知事からは、琵琶湖の洪水時には、瀬田川洗堰を全開することを原則とし、宇治川、淀川の洪水防御のため、やむを得ず全閉もしくは制限放流する場合は、その時間を最小限にとどめられたいこと、琵琶湖治水事業の効果が十分に発揮されるよう、洗堰下流の瀬田川、宇治川および淀川の改修ならびに大戸川ダム建設事業、ここにも書いていますよ。天ヶ瀬ダム再開発事業を精力的に進められたいこと、洗堰操作に関して、毎年定期的に、また、必要に応じて随時滋賀県と意見交換する機会を設けられたいこと等が意見として提出されております。これらの意見提出が今日の国の対応となっているとお考えですか、知事にお聞きします。 ◎知事(三日月大造) この洗堰の操作規則が制定される際に、当時の稲葉知事から、琵琶湖の洪水時には全開することを原則とし、全閉もしくは制限放流する場合は最小限にとどめられたいという意見を出されたこと、それにより操作規則にこの基本的な考え方が反映された、こういうことは理解をしています。今回、その操作規則に基づいて、結果的に全閉に至りましたが、仮に天ヶ瀬ダム再開発事業ができていたらと考えれば、そういう意味では大変残念にも思うところでございます。  また、琵琶湖治水事業の効果が発揮されるよう、瀬田川、宇治川および淀川の改修ならびに大戸川ダム建設事業、天ヶ瀬ダム再開発事業を進められたいという意見を受け、現在、瀬田川、宇治川の改修および天ヶ瀬ダム再開発事業を実施していただいていると理解しています。ただ、先ほど来答弁しておりますように、大戸川ダムについては、国が策定した河川整備計画において、その整備手順として、中上流部の河川改修の進捗状況とその影響を検証しながら整備時期を検討するとされているところでございます。  また、洗堰操作に関して、意見交換する機会を設けられたいという意見については、この意見書をきっかけに意見交換が始まり、毎年、国と県とで開催をさせていただいているところでございます。(発言する者あり) ◆33番(西村久子議員) (登壇)私から言います。  国は凍結中、それを口実にされましたよ。凍結に至った過程には、4府県知事合意の配慮にあると考えるんです。そうではないですか。いかがですか。 ◎知事(三日月大造) 当然、そういう経緯もあると思います。ただ、私も当時、そのことにかかわっていましたけれども、全国的に当時の国の直轄ダム、これは水資源機構のダムも含めて、そのまま進めるのか、とめるのか、また、容量を変えるのかという、こういう検証過程にもございましたので、その中にこの大戸川ダムも入っているということでございます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)ちょっと時間のほうが追ってまいったんですけども、肝心なとこなんです。当然の経緯ありということでございますのですが、嘉田知事時代に既に国のそういったものが変えられたと受けとめておられるのなら、こうした意見書の要望は時代とともに変えられると理解されてのことであり、今まで決まっていたわけなんですよね。大戸川ダムも推進しますよというような方向でいっていたのを変えられたわけなんですから、治水政策として。じゃ、変えられたのなら、今回もまだ変えられる可能性は残っていると思うんです。これ、へ理屈ですか。私、当然いけると思っております。川の中の対策に力点を置いた政策に転換しなければ被害を減らせない現実は、川の中だけじゃなくて、これはダムも含んでおりますけれども、そうしたハードの部分もやっていかないことには被害を減らせない現実、今回明らかになりました。どこから見ても納得できるところであって、この際、滋賀県の考え方を政策転換して、ダム必要論に変えることも可能であると思うんです。4府県知事合意撤回に至らずとも、そこまでいかなくても、三日月滋賀県知事において、せめて今の滋賀県知事として大戸川ダムの必要を言明していただきたいと思うのですが、知事、いかがでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来答弁させていただいておりますように、ダムという施設の持つ治水効果を私は否定しているものではございません。かつ、この大戸川ダムがいろんな変遷の中で今日あるということも理解をしています。また、私が知事になって以降、国の検証作業が進められて、ダムを含む案が有利であるという、そういう結果も示されているところでございます。こういう施設をどうこれから下流府県と、また、国とも協議しながら、するのかしないのか、するとしたらいつするのかということについては、よく協議をせにゃならんと思うんです。当然、繰り返し答弁させていただいておりますように、中上流部の改修を現在進めておりますので、その効果をどう見るのか、それらをどう私たちで共有するのかということもございますし、ダムという施設が、もちろんその府県内だけに効果をもたらすという理屈であれば、それは県営ダムや、また違う整備主体でということにもなりかねない、そこをよく上下流の理解や協力関係の中でどう治水対策を行っていくのかということだと理解をいたしておりますので、先ほど来答弁させていただいておりますように、よく現在行われている改修状況を確認しながら、下流府県、国と協議してまいりたいと存じます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)ダムを否定していないということは再三おっしゃられてございます。本当にそうだとしたら、この4府県知事合意、口火を切るのは滋賀県ですよ、そこのところは認識の中にしっかりとおさめておいていただきたいし、実行に移していただきたいと思います。  今回の台風は、琵琶湖増水により、実に大きな被害をもたらしました。私の近く、彦根梨で有名な荒神山周辺では、その後、長期にわたり湛水が続き、梨園経営者から水が少しも引かずに周辺から入り込んでいると電話が入ったのは10月25日のことでありました。既に発生より3日目、その後の対応においても、時期外れのため循環ポンプの受電契約期間が過ぎていたため、再受電にさらに1日のおくれがあり、結果として長期の湛水を余儀なくされております。樹木においては、他の軟弱野菜とは違って、比較的水に対して強いと考えられますが、農政に聞き合わせたところ、樹勢への影響は否めないとのことであります。  そこでお聞きします。  次の16番は割愛します。聞いておりますので。  17番に行きます。続けて同じ質問。水資源機構による内水排除のポンプの稼働について、条件を聞きます。土木交通部長、お願いします。 ◎土木交通部長(池口正晃) お答え申し上げます。  内水排除ポンプ稼働の仕組みについてですけども、まずは、大雨が降ると内陸側の河川の水位上昇を始めますが、琵琶湖の水位が内陸側より低くて、河川の水が琵琶湖に流れている間は、ポンプを動かさずに水門等はあけたままになっている状態です。さらに降雨が続き、琵琶湖の水位が上がると、琵琶湖に注ぐ河川の水の勢いが弱まってきまして、琵琶湖の水が徐々に逆流してくるおそれがあるということになりますので、ポンプを運転して水門等を閉めるということになっております。  琵琶湖の水が下流へ逆流を始めますと、水門を全閉してポンプを稼働させ、河川の水を琵琶湖へ強制的にくみ出すこととしております。河川の水位の状況を見ながら、ポンプを動かし続け、やがて琵琶湖の水位が河川よりも下がって逆流の心配がなくなりますと、水門をあけてポンプの運転を停止すると、こういった仕組みになってございます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)尋ねながら申し上げるのも申しわけないんですけれども、内陸部が30センチ、3ヘクタール以上とか、そんな規約もあるそうでございます。でも、常識で考えて、30センチの水がついて、想定してくださいよ。傷みませんか。そんなことわかっていただきたいと思います。  続けて、土木交通部長に、内水排除のポンプ稼働の条件は聞いたね。すいません。  稼働要請はされましたか。これは知事にお聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) この時点において、琵琶湖岸において大きな浸水被害が発生したとの報告を受けておりませんでしたので、私からこのような要請は行っておりません。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)土木交通部長のその判断はいかがでしたか。 ◎土木交通部長(池口正晃) お答え申し上げます。  部としては、内水排除ポンプが稼働しているという情報は水資源機構から入っていたんですけども、琵琶湖岸において大きな浸水被害が発生したという報告を受けていなかったということから、特に要請を当方から行っておりませんでした。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)稼働していると言われましたよね。稼働していない段階でされましたかという意味の尋ねをさせていただいていたんです。まあ、いいです。  農政水産部長、判断はいかがでしたか。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) (登壇)お答えいたします。  内水排除ポンプは、浸水被害を最小限にできるよう、内陸側の河川等の状況、琵琶湖の水位の状況および現場の状況に基づき、水資源機構琵琶湖開発総合管理所長の判断により稼動されるものと理解をしているところです。また、今回は、琵琶湖岸の内水排除ポンプが設置されている内水排除地域において、特に大きな浸水被害が発生したという報告は受けていなかったところでございます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)稼働要請の段階では、それは被害がなかったでしょう。してほしいという願いの段階では。使って被害が出てからでは遅いやないですか。もうそうなることが想定された段階で、やっぱり農家の者は早く水引いてほしい、そんな切なる願いを持っていることをぜひ理解していただきたいと思うんです。水没し、胸かきむしられる思いの野菜や農家に対し、せめて農政担当部には心寄せていただきたく思います。  稼働開始をもっと早くに実施することはできないのか、土木交通部長にお聞きします。 ◎土木交通部長(池口正晃) お答え申し上げます。  内水排除ポンプは、内陸側の河川等の状況、琵琶湖の水位の状況、雨量等のデータおよび現場の状況に基づきまして、また、効率性も踏まえた上で、水資源機構琵琶湖開発総合管理所長の判断によりまして稼働されるものと理解しておりますけども、今後は、水資源機構と連携いたしまして、琵琶湖の水位が上昇したときの湖辺域の浸水状況などの情報に基づきまして、適切な操作ということについて協議してまいりたいというふうに考えております。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)ぜひ協議していただきたいと思います。どこも操作基準があって、そのとおりにやっているんですよという、それも仕方ないと思いますけれども、協議して少しでも早く実施することできるようにお願いしたい。  作物体系においては、水稲から転作で畑作へと変わってきています。滋賀県においても水田フル活用で園芸作物を奨励している今日でもあります。内水排除ポンプは、湛水を回避するための施設でなく、湛水時間を短縮するための施設として説明されています。そして、おまけに、最高水位低減量はわずかですとの説明が水資源機構琵琶湖開発総合管理所ホームページに加筆されています。こんなばかげた話ありますか。  農政水産部長にお聞きします。滋賀の農政を担当する部長として、これで辛抱できますか。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  田畑への湛水につきましては、特に台風シーズンにおいては、秋冬野菜の生育期間と重なりますことから、生育への影響が懸念されるところです。今後は、少しでも浸水被害を抑えられるよう、今ほど土木交通部長が申し上げました協議について、当部としても連携して取り組んでまいりたいと考えております。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)もっと憤慨していただけるのかと思いましたけど、残念です。  琵琶湖開発事業による治水は、一時的な農地浸水が前提となっていることは承知していますし、農地の多面的機能の中に水田によるダム化があることも、農地の効用として主張してきたところでもあります。しかし、湛水が余りにも長期過ぎます。これからの農業生産においては乾田化が必要だと、多額の経費を投入して暗渠排水事業を実施し、推進してきました。しかし、暗渠の排水口が水没したままで数日を看過することは絶対あってはならないことです。浸水被害回避、軽減対策と言いながら、瀬田川洗堰の放流制限により、超過洪水を琵琶湖で引き受けざるを得ないとされていることは、我々にとって大きな課題です。  知事、これは滋賀県民として耐えがたいことであって、大きな矛盾であると考えます。今も琵琶湖開発事業等、国へ働きかけは、先年、稲葉知事が平成4年の洗堰操作規則制定時に建設大臣宛てに出された意見具申に値するものだと思います。その当時の聴取に当たる意見交換の現状はいかがでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 今御紹介いただきました平成4年当時、知事から、洗堰操作に関し、意見交換する機会を設けられたいと意見具申をしておられます。これについては、毎年、滋賀県と近畿地方整備局および琵琶湖河川事務所とで意見交換を開催しているところです。その場では、年々によって話題、課題も違うようですが、年間の瀬田川洗堰の放流実績を初め、琵琶湖の高水位による湖辺への影響、また渇水の状況、天ヶ瀬ダムの再開発や瀬田川の改修の促進、環境に配慮した弾力的な水位操作などについて意見交換を行ってきております。  今回の全閉を受けまして、湖辺への影響や、今議員からるる切実なる窮状も訴えいただきました。さらに、この全閉解消の前提であります後期放流対策の事業の促進も、こういった意見交換の場で強く訴えてまいりたいと存じます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)毎年定期的に開いているという、そんなお話でございました。「時々により違うようですが」とおっしゃられたことを思うと、知事は出席されていないんですか。どなたが出られているんですか、お聞きします。知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) この意見交換会については、意見交換会規約というものがございまして、この中に、この会は近畿地方整備局、滋賀県の担当部局で構成するということが規定されておりまして、近畿地方整備局からは河川部の河川部長以下御担当の方が、また、滋賀県からは土木交通部長以下担当の者が出席させていただいているところです。あと、琵琶湖環境部長もあわせて出席させていただいております。失礼いたしました。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)治水は、土木あるいは琵環に限らず、被害の影響を受けるのは農家もあるわけです。農政水産部長はどうして出していただけないんですか。 ○議長(奥村芳正) 答弁者を。 ◆33番(西村久子議員) 知事、お願いします。 ◎知事(三日月大造) 申しわけございません。これまでの意見交換会は、今申し上げた規約にのっとって、そういう構成で行われております。ただ、議員から言われたように、農水のこの被害についてどう考えるんだ、また、この会議の場では、魚の産卵状況のことなども話題、課題にして議論をしてきたこともございます。今後、この意見交換会の構成のあり方については、国ともよく協議をしてまいりたいと思いますし、先ほど来お取り上げいただいておりますように、内水排除の課題等もあるということであれば、水資源機構等ともやはりしっかりと議論する、そういう場が必要ではないかと考え、このたびの御指摘も踏まえながら検証し、また、国ともよく協議をしてまいりたいと存じます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)被害に遭って困るのは県民なんです。その立場をしょっちゅうしょっちゅう言ってもらわなきゃ困りますよ。環境問題だとか、耳ざわりのいいことばっかり課題にしてもらったんでは。こんな被害に遭っているんです、こんな被害を受けているんですと、やっぱりしっかりと訴えていただきたい、そして、どうしたらいいんだというところで考えていただきたいと思うので、本来だったら、じゃ、今度開かれた折には何を主張していただけますか、知事、お願いします。知事ではないんですか。出席されている方は土木交通部長ですか。出席していただく、規約に載っている委員さん、どういう要望を今度開かれた折にはしようと思っていただいていますか。 ○議長(奥村芳正) 土木交通部長でよろしいですか。 ◆33番(西村久子議員) はい。 ◎土木交通部長(池口正晃) ことしは台風もたくさん参りましたし、それから、いろいろ琵琶湖湖辺に関するこういった被害もあり、こういったときに、やっぱり実際近々にあったときに、どういったことがあったということを話すことは非常に重要だと思いますので、もう一回、県の中でどういった被害があったということをきっちりまとめた上で、その被害の内容、または、議員御指摘のどういうふうに我々が被害をこうむって苦労しているのかといったことも、その会議の中でお話をしたいというふうに思っています。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)操作基準を決める折には、前の知事は一生懸命していただいた状況が書類の上からもわかります。ということですから、ぜひとも滋賀県知事みずからが乗り込んで、いろんなもの、トータルとした視点から、滋賀県はこんな状況にあるんだ、こんだけの被害が起きているんだ、こんな矛盾があるんですよって。水につかって当然ですよっていうのを丸々のむ、まあ、見返りがどんな大きなものがあったか、それもあるとは思いますけれども、やっぱりそんな理不尽なことはないと思います。そういうことを今度は知事が行って頑張って主張していただきたいと思います。  琵琶湖周辺住民にあっては、内水排除ポンプの稼働をもっと早くに開始していただきたいと願っています。内水排除ポンプ操作基準の見直しについて、国への要望をどうお考えになりますか、土木交通部長に聞きます。 ◎土木交通部長(池口正晃) 内水排除ポンプを管理するのは水資源機構ということでございますので、まずは水資源機構と連携いたしまして、琵琶湖の水位が上昇したときに、湖辺域の浸水状況などの情報に基づいた適切な操作について協議してまいりたいというふうに思っております。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)ぜひお願いします。  同じ質問を農政水産部長に聞きます。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  私どもとしましても、少しでも浸水被害を抑えられるよう、今ほど土木交通部長が申しました協議において、しっかりと連携して取り組んでまいりたいと考えております。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)ちょっと提案を込めてさせていただきたいと思います。激しい風雨の中、しかも、夜間なら、見回っていただく方、御苦労ではありますが、状況が本当に掌握できるでしょうか。道と排水の見きわめがつかないのに無理だと思います。もちろん車も動かない。当事者だからこそ状況がわかるのであって、こうしたことから稼働要請の声を聞きとめていただく方策をお考えいただきたいと思います。洗堰も内水排除も、それぞれの操作基準を決める際には滋賀県知事の意見を聞くことが絶対条件であったわけですから、畑作推進等、状況が変わって、県においても既に課題として注視している今だからこそ、農政水産部長には被害を受ける立場からここで声大にして訴えていただきたいのです。よろしくお願いしたいと思います。  しかし、一定の堰をつくり、強制的に水を排除するのですから、琵琶湖の増水は著しくなることは避けられないと思います。今回の台風による琵琶湖岸の浜崖けや倒木は惨たんたるものでした。各地の湖岸緑地公園のみならず、至るところで強風による高波で砂浜が洗われ、無残にも根が露出して倒れた樹木ははかり知れません。こうした浜崖けによって琵琶湖の形が変わってしまうのではないかと思われるくらいですが、こうした湖岸の松並木等は、過去、明治の大洪水を経験して、砂の流出を防ぐ意味においても植樹されたと先人から聞いています。200日を超える長期にわたった明治の大洪水は、人々の暮らしを直撃し、多くの人が海外に移住されています。今なお、我々の地域には、ここまで水につかったという石標柱が中心部に残っています。背丈に並ぶその浸水を考えるとき、改めて水の怖さを考えざるを得ません。  今回の災害復旧で、倒木の除去等、対応が記されていますが、倒木の後への植樹はお考えになっていますか、琵琶湖環境部長に聞きます。 ◎琵琶湖環境部長(高砂利夫) (登壇)お答えをいたします。  台風21号による暴風によりまして、琵琶湖周辺の自然公園園地におきましては、近江八幡市の岡山園地や高島市の鴨川勝野園地等で一部風倒木の被害を受けましたことから、その倒木処理のための経費を今定例会議の補正予算でお願いをいたし、お認めをいただいたところでございます。幸い、今回の湖岸の自然公園施設内での倒木につきましては、比較的小規模でありまして、例えば、一定の範囲で集中的に被害を受け、周辺の植生から考えて改めての植樹を要するといったようなものではなく、倒木によりまして自然公園施設としての機能そのものに支障は生じていないと認識しております。このため、早期に倒木の処理を行いまして、園地を支障なく利用していただけますよう、復旧を急ぎたいと考えているところでございます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)付近住民の好意で、松の種をまき、育苗、そして定植、育樹と努力していただいている奇特な方もおいでです。どこがというのではなく、広く啓発し、琵琶湖景観上からも自然な緑が再生することを願うものです。削られた砂浜に木が根づくまでには、それなりの護岸整備や砂浜の造成等も必要です。そうした復旧が施されても、なお私たち滋賀の暮らしには、こんな災害がいつ起こるかわからない状況にあることを念頭に、少しでも被害が軽減できるよう、英知を働かせていただくことを願っています。  最後に、滋賀県知事に、下流の治水のために被害をかぶらざるを得ない滋賀県において、流域治水を大上段に振りかざすばかりでなく、河川そのものに対する対策を重視していただけるよう願い、期待して見解を求めるものです。 ◎知事(三日月大造) 議員にも理解いただいておりますように、この流域治水対策として、河川そのものへの対策がまず重要であることは言うまでもございません。さらに河川改修の対応をしっかりと行いつつ、この河川整備の計画規模を超える洪水への備えも含めて、ハード、ソフト両面でこの治水対策を進めていくということが大事だと思っておりますし、この間、御指摘、御質問をいただいて、改めて、土地利用が変わってきている、また、雨の降り方も変わってきている、河川の流れ方も変わってきている、こういう変化を捉えて、この治水対策をさらに今後どう進めていくのかということについては、今回の災害も教訓としながら、よく考え、また、改めるべきを改めてまいりたいと存じます。 ◆33番(西村久子議員) (登壇)ありがとうございました。激甚指定を受けるほどの被害を受けているのに、琵琶湖の形が変わるほど荒れたのに、ダムだけに頼らない治水政策に傾倒し、減災の考えを基本に置いておられますけれども、治水は災害予防を優先に置く必要があります。おわかりいただけると思いますが、その上での減災対策なんです。そういったところをよく御理解いただきたいと思います。下流から見れば琵琶湖はダム、その琵琶湖に住む我々にも、流れ込む水を制御する堰をつくってもらいたい、それ、すなわちダムであります。非常に厳しいですけれども、やっぱりダム、必要だと思うんですね。おわかりいただきたいと思います。どうしてこの言葉を言ってもらえないのかな。滋賀県の知事としたら、当然、水没するのはわかっているのに、下流のことばっかりを、最初の段階から、この操作基準を決める折から、それを心配していろんな注文つけてこられたわけなんですよ。それなのに、いつのころからか、いつはもうはっきりしてますけれども、ころっと変えられた。じゃ、変えられたのなら、今度、もう一度変えたらええじゃないですか。ぜひお考えいただきたい。私の質問では知事の考えを変えていただくことは残念ながらできませんでしたけれども、次に治水に関して質問していただく方に期待して、委ねて私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、33番西村久子議員の質問を終了いたします。  最後に、43番柴田智恵美議員の発言を許します。 ◆43番(柴田智恵美議員) (登壇、拍手)一般質問第1日目、最後の質問をさせていただきます。もうしばらくおつき合い願いたいと思います。  まず、草津養護学校に見る障害のある子供たちの学ぶ環境について、全て教育長に伺います。
     平成28年3月に、インクルーシブ教育システム構築に向けて、本県の特別支援教育のめざす姿を掲げ、特別支援教育を推進するための取り組みを実施計画として取りまとめた滋賀のめざす特別支援教育ビジョン実施プランがあります。このプランには、平成28年度から30年度においては、研究・モデル事業の実施とした導入期、平成31年度から32年度は、拠点地域での実施とした定着期、平成33年度から37年度は、県全体に広げていくとした拡大期として、10年先を見据えた取り組みであります。来年度は、研究・モデル事業の実施の最終年度で、定着期へとつなぐ大事な時期でもあります。  また、この実施プランは、平成26年3月策定の第2期滋賀県教育振興基本計画ならびに平成28年3月策定の滋賀のめざす特別支援教育ビジョン基本ビジョンに基づき、中長的な視点に立ったものであるとも示されています。  この実施プランにおいては、現状と課題、取り組みの方向性と各校園等の将来の姿を踏まえて具体の取り組みがまとめられています。このプランが示す方向に順調に向かうことを願う一人として質問をさせていただきたいと思います。  先般、草津養護学校に通う児童生徒の保護者の方からお話をお聞きする機会があり、あわせて、現場を見させていただくために草津養護学校を訪問させていただきました。そこでは、保護者の皆様、学校関係者の皆様に現状を伺い、意見交換をさせていただきましたが、今回初めてでない私にとって、以前からの課題がなかなか解決するに至っていないと感じたところであります。  草津養護学校は、今から26年前の平成3年4月に開校し、その当時の児童生徒数は103名で、現在は365名と、開校当時の約3.5倍と大きく増加していることや、当初の県の予想されていた児童生徒数を上回る現状であることをお聞きしました。  まず、来年度、入学を予定されている児童生徒数から全校の児童生徒数はどれくらいになるのか、県内全体の状況も含めて、今後の推移について伺います。  開校から今日までの間、児童生徒数の増加に対応するために教室もふやしてきたと思います。と同時に、1クラス当たりの児童生徒数もふやさざるを得ない状況もあったのではないかと思いますが、児童生徒の様子に影響が出ていないか心配するところです。どのような状況であるのか、伺います。  また、児童生徒1人に対する教員数は、開校時、そして、10年前の平成19年と比較してどのような状況になっているのか、さらに、支援が必要な生徒側から見た教員の配置の状況は現状で充足しているのか、伺います。  次に、給食についてですが、調理に当たる人員は、栄養士1名、調理師1名、非常勤の炊事担当7名です。支援を必要とする児童生徒の特別食や再調理を考えるなど、煩雑な業務をこなしていくための人員体制の充実はこれからも重要と考えます。  一方で、現在の調理施設の機能では、児童生徒数の増加に伴い、一部の教職員に対して、児童生徒と同じ給食を提供することができない状況にあるとお聞きしました。現在の調理施設の機能は、既に限界を超えているのではないかと思いますが、現状について伺います。  次に、開校して26年になります学校は、児童生徒の増加とともに増築してきた経緯がありますが、建物の老朽化がかなり進んでいる状態にあるともお聞きしました。これまでの間、箇所によっては適切な修繕も行われてきたことと思いますが、教室のドアやパーティションなどは、壊れては修理を繰り返す状況であることを伺いました。短期的な応急処置の修理でその場を何とかしのいでいることを推察しましたが、長期的な予防保全維持の観点から、小さなことも見過ごさずに現状を把握していただき、計画的な修繕に適切につないでいくべきと考えますが、見解を伺います。  学校に通う児童生徒にとってもう1つの楽しみは、お友だちと遊ぶということであると同時に、外の空気や自然、土に触れながら、楽しい遊具を使っての遊びの体験によって学ぶことも多くあると思います。児童生徒数の増加により、校舎が増築され、学校内の運動場などが狭隘化してしまっていますが、子供たちが自由に過ごす遊び場の確保、遊具について、どのようになっているのか、現状と対策について伺います。  1人のお母さんが、「うちの子は重複して障害があり、寿命は短いかもしれない、これから先のことを考えると胸が苦しい、全て親が介助している。歩ければいいのに、呼吸が少しでも楽であればいいのに、もう少し笑顔が見れたらいいのに、しかし、最初から諦めていることも多い、行き場がない。我が子を受け入れてくれるのは唯一養護学校だけ、だからこそ、そこでの子供らしい生活を望んでいる」と話されたことが私の心に突き刺さりました。地域にも受け入れ体制がないことも話されていました。保護者にとって、まさに学校に通う子供の姿が、ともに生きる力になっていると感じました。  さて、通学する児童生徒のために、学校には通学用のバスが10台あります。前庭に7台、校舎内に3台待機しています。朝の通学は、300名ほどの児童生徒が利用しているようです。特に帰りの時間帯は、バスのほかに、お迎えの自家用車、支援団体のお迎えのワゴン車等で50台以上、そして定期バスがあり、大きな混雑が30分以上毎日続いている状況の中、先生方が安全確保のために細心の注意を図りながら、緊張感の中で交通整理をしている様子を拝見しました。  また、一方で、校舎隣接の進入道路の急カーブのところでは、学校に通ずる1本しかない道であるにもかかわらず、大型車両が通行する際は、対向車とすれ違うことができない状況となるため、先生が旗を持って合図しながらの車の誘導の大変さも目の当たりにしました。  この様子を見させていただいたとき、これは、火災や災害発生時の避難など、有事の際、大混乱につながる可能性があるのではないか、また、起きてはいけませんが、この道を塞いでしまうような車両の事故等の発生があれば、たちまち通行不可能になることが予測でき、通行が遮断されたときの代替の道がないことに大きな不安を感じました。安心の道があるということ、それは、子供たちが安心、安全な中で学ぶことができる大事な基盤の一つであると思います。  また、隣のびわこ学園の駐車場を、送迎車等の順番待ち、転回場所に利用していますが、苦情も出ていることや、雨の日の車いすの乗降は、かっぱをかけて待っているだけでもずぶぬれになってしまうなど、屋根のない場所での乗降についても大変な状況であるとお話を伺いました。今のところ大きな事故が起こっていないにしても、今のままでよいとはとても思えません。これまでの経験から、小さなヒヤリハットを出し合い、バスや自家用車、人の動線を研究し、早急な対応を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。見解を伺い、この質問を終わります。 ○議長(奥村芳正) 43番柴田智恵美議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)草津養護学校の学ぶ環境についての7点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の来年度の草津養護学校と県内全体の児童生徒数の推移についてであります。  草津養護学校の来年度の児童生徒数は、今年度と比較いたしまして若干増加するものというふうに見込んでおり、今後も数年は増加傾向が続くと考えております。また、県内特別支援学校全体の児童生徒数は、増加している学校がある一方、横ばいや減少している学校もあります。知肢併置の特別支援学校8校では、増加の著しい湖南地域の学校を含めて3校は今後も増加いたしますが、ほかの5校は減少するものと予測しておるところでございます。  次に、2点目の在籍人数と教室環境の状況についてお答えをいたします。  草津養護学校は、今年度5月1日現在365名の在籍であり、児童生徒数は近年著しく増加をしております。こうしたこともあり、増加への対応として、平成13年の増築に加え、平成23年に普通教室を9教室増築をしたり、特別教室を普通教室に転用することで対応しております。  また、各クラスの在籍人数は3名から10名としております。これは、児童生徒の発達の段階や障害の特性等の状況に応じて編成をしているものであります。  次に、3点目の草津養護学校の教員数についてお答えをいたします。  開校時の平成3年度は65名で、児童生徒1人当たり0.63人、10年前の平成19年度は152人で0.63人であり、今年度は191人で0.52人となっております。特別支援学校の教員数は、定数に関する法律に基づき、児童生徒の障害に応じた学級数により算出しているものであり、充足しているものと認識をしております。  次に、4点目の調理施設の現状についてお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、草津養護学校の調理施設は、提供できる食数に限りがありますことから、現在、管理職や事務職員を初め、一部の教職員に給食を提供できていない状況があります。しかしながら、小学部低学年では、全ての教員が児童と同じ給食をとり、また、他の学年におきましても、児童生徒の実態に応じて給食指導を適切に行えるよう、必要な教員が児童生徒と同じメニューの給食をとっており、給食指導等に支障が出ないよう進めているところでございます。  次に、5点目の設備に係る計画的な修繕についてお答えをいたします。  これまでから、小規模な設備の修繕に当たっては、学校におきまして、限られた予算の中で、必要性あるいは緊急性等を勘案しながら随時対応を行っているところでございます。しかしながら、修繕を繰り返し行っているものがある場合は、御指摘のように、新しい設備等に取りかえた方が効率的なものもありますことから、修繕を行う場合にあっては、どういう対応が一番効率的なのか、現状をしっかりと確認をしながら対応してまいりたいと考えております。  次に、6点目の安全に遊べる遊び場等の確保についてお答えをいたします。  校舎増築により、屋外での活動場所は狭くなりましたが、中庭、体育館、運動場などを遊び場として有効に活用をしております。また、子供の安全を確保するために、敷地内の死角になる箇所にカーブミラー等を設置をし、校舎周りも安全な遊び場となるよう努めているところでございます。今後も、児童生徒が安全に遊べる場の確保に向けて検討していきたいというふうに考えております。  最後に、7点目の送迎時の安全確保等についてお答えをいたします。  議員も触れていただいたとおり、登下校時には、交通混雑の発生や、雨の日の対応に苦慮するなど、課題がいろいろあると承知をしております。現在、登下校時の安全確保につきましては、職員による交通整理や時間差による登下校の実施など、危機回避に最善の注意を払っております。しかしながら、議員の御指摘も踏まえ、さまざまな課題に対しまして、一つ一つできることを検討して、安全確保に努め、子供たちにとってよりよい環境となるよう、具体的な対策をさらに一層検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆43番(柴田智恵美議員) (登壇)私がお訪ねして、保護者の方と、それから教職員の学校関係者の方とも一緒にお話をさせていただき、そこで出たいろんな課題も含めて、今回、教育委員会側からどのような見方をしているかということも含めて質問をさせていただきました。いろんな状況がうかがい知れるんですけれども、やはり現状というのは、結構その中にはかなり大きな課題もあろうかと思います。きょうは、本当は現状についてのいろんな対応策も含めてという思いがあったんですが、なかなか敷地も限られておりますし、それから、いろんな面で予算も含めて厳しい状況かと思いますが、やはり現状イコール課題だという認識をしていただいているというのは、きょう、私のほうで確認できましたので、私としてはもう再質問をなしとしたいと思います。  今、学校に通っている子供たち、インクルーシブ教育を進めていくとはいうものの、今、学校に通っている子供たちは、まさに今の環境の中で過ごしているんですね。ここで学びや体験なんか、それから、置かれている状況、環境が大きく子供たちの成長にかかわっているということをしっかりと意識していただきまして、子供の目線で大人が見て感じて、そして、これからも学ぶ環境として、どういう環境の整備をしていくのがいいのかということをしっかりと考えていただく中で、今後も、一つでも課題解決につながるように、対応策を皆さんの中で練っていただきたいと思いますし、今回、これ以上触れませんでした道路の問題も、今後、そういう意味では、福祉避難所にもなっているようでございますので、1本しかないというのが、本当にそれでいいのかということも含めて御検討いただくようにお願いをして質問を終わります。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、43番柴田智恵美議員の質問を終了いたします。  以上で本日の質疑ならびに質問を終わります。  明8日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後5時2分 散会    ────────────────...