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  1. 滋賀県議会 2017-06-14
    平成29年 6月14日環境・農水常任委員会−06月14日-01号


    取得元: 滋賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    平成29年 6月14日環境農水常任委員会−06月14日-01号平成29年 6月14日環境農水常任委員会              環境農水常任委員会 会議要録                                開会 10時00分 1 開催日時      平成29年6月14日(水)                                閉会 12時05分                         (休憩 11時21分〜11時24分) 2 開催場所      第三委員会室 3 出席した委員    清水委員長、竹村副委員長             海東委員井阪委員中村委員小寺委員、             西村委員家森委員中沢委員 4 出席した説明員   高砂琵琶湖環境部長高橋農政水産部長および関係職員 5 事務局職員     川内主査小森主査
    6 会議に付した事件  別紙次第書のとおり 7 配付した参考資料  別紙のとおり 8 議事の経過概要   別紙のとおり                  議事の経過概要 開会宣告  10時00分 《農政水産部所管分》 1 「世界農業遺産認定に向けた取組について (1)当局説明  岡田農政課長 (2)質疑意見等中村才次郎 委員  滋賀県の遺産的な営みでのアピール点に3点挙げていただいていますけれども、えり漁湖魚とふなずしとあり、受けるインパクト農業というよりも漁業という感じがしてしまうのです。もっと滋賀農業を深くアピールするような点を考えなければいけないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ◎岡田 農政課長  確かに御指摘のとおり、今は漁業部分が少し前面に出た印象になっております。これはどうしても遺産的な営みを考えたときに、えり漁ですと1,000年ぐらいの歴史がありますので、そういったことになっております。一方で、魚のゆりか水田につきましては、現在もおこなっており、昔から自然と魚が水田に上がって農業を営まれていたこともありますので、農業部分についても、このストーリー性を書いていく中で、現代的な取り組みとして環境こだわり農業などにも触れていくことにもしております。遺産的な部分としては少し漁業部分が色濃く出る部分はあるかもしれませんが、ストーリー全体としては当然農業についても触れていきたいと考えております。 ◆中村才次郎 委員  ぜひ検討をお願いしたいと思います。 ◆海東英和 委員  今の部分の中で2点。いわゆる生きもの田んぼという名前で、生き物調査をしながら水田をやっていたことがあるのですけど、絶滅危惧種B類ナゴヤダルマガエルとか、スジシマドジョウがたくさん復活して、周り田んぼにもどんどん広がっていった事例があります。魚のゆりか水田は、琵琶湖の水と一緒になって魚が上がってくるということだけど、やっぱり環境と調和した農業によって絶滅危惧種が復活した事例インパクトがあると思います。滋賀県の中にはそういった現場が幾つもあると思うので、しっかりと掌握してPRの材料にしていただきたいというのが1点。この前も触れたかもしれないですが、140万人が近代的な生活をしつつ琵琶湖の水を飲める状態をずっと保てているのは、いわゆる持続可能な発展というか、本当に世界のお手本になる暮らしぶりがここにあるのではないかということ。それに農業が大きな部分を占めていて、努力目標は持ちつつ、農業排水濁水が余り琵琶湖に入らないように、さらにこれから工夫していくことも、この全体のシステムをもうちょっと強調したら、世界農業遺産にとってすごくPRポイントになるのではないかと思いますので、検討を要望します。 ◎岡田 農政課長  最初の御指摘をいただいたとおり、琵琶湖固有種もありますし、また、非常に貴重な動物等が、今、琵琶湖の周辺でもふえつつあることもあります。この世界農業遺産においては、やっぱり生態系を守っていくことが非常に大事なポイントとなりますので、そうした点についても触れていきたいと思っております。  また、この琵琶湖周り、これだけの人口が住んでいながら、これだけの環境が守られているところが、日本、特に滋賀県にとってのアピールポイントだとは思っております。そうした点が世界に貢献する部分もあると思いますので、御指摘いただいた点も踏まえまして、今後の検討とさせていただきたいと思います。 ◆井阪尚司 委員  先ほどほかの委員から出されている意見と全く一緒です。確かに滋賀を売り込むのはこの三つのポイントインパクトが強いのですけども、一応、農業遺産というものを目指しておられるのだったら、水の循環システムはやっぱり滋賀県独自だと思うのです。この閉鎖水域の中でそのシステムを持っていることは大きいことだと思います。森から湖のことをもうちょっとアピールする。  それから、生物の多様性固有種関係一つポイントだと思うのです。そうしてくると農業生活文化関係がやっぱり出てきます。集約していってこのポイントで勝負するのだという意気込みはわかるのですけども、ベースとなるところをもう少し農業分野から切り込んでほしいと思います。意見でいいです。 ◎岡田 農政課長  世界的重要性の中にも地域の伝統的な知識システムや、文化、価値観社会組織ということを書いていくようになっております。  今、委員指摘のような点はこうした点ともかかわってくると思いますので、申請内容を考えていく上で、検討してまいりたいと思います。 ◆西村久子 委員  ちょっと視点が違うかもわからないのですけど、遺産というと古いものばかり思います。滋賀県の農業形態は言われるようなことでそれは理解しますけれども、それを今もずっとやっているわけではなくて、新しい方法として琵琶湖総合開発土地改良事業をやって、ころっと農業形態が変わりました。変わったけれども、昔のいいところを何とかして維持していきたいと工夫している、その部分をやっぱり評価してもらわなければ。  新しい農業のやり方でも、環境に配慮していますというところをPRしていく、今の形をどこかで評価してもらわないと農家はやっていかれないのです。昔のままのこの形態だけを評価してもらって、その評価が商品にオンされてくるかというと、そういうわけではない。努力の部分を評価してもらう表現をどこかに入れてほしいと思います。 ◎岡田 農政課長  世界農業遺産は歴史的な部分もさることながら、現代的な重要性も重要ですので、昔のことを守る、その守るために新たな取り組みをしていくことも大事になってまいります。そうした点につきましても、これから検討してまいりたいと思っております。 ◆西村久子 委員  つけ加えて言うなら、その魚のゆりか水田でも、本当は昔から琵琶湖の周辺は沼がいっぱいあって、雨が降ったらその水が上がってきて、周り農地が全部水に沈んでしまった。水に沈んでしまうと魚が行き来できる状態になるので、田んぼの中で卵を産んだりしていたけれど、今は全然違います。逆水を入れてやっているのだから、田んぼと水と琵琶湖とは全部区分されているので、昔の原風景を入れるのならそういった表現も入れてほしいと思います。今、水路で堰をつくって魚が上がってくるということをしています。その前はこんな状態だったことを知る人は少ないと思います。そんな昔に戻ることはもうできないけれども、それを今に伝えたところを評価されたらいいと思いますので、お願いします。 ◆小寺裕雄 委員  過去に説明を聞いたのかもしれませんが、2番の世界農業遺産認定効果に1、2、3などによる地域経済活性化が期待されるから、地域経済活性化が目的と言ってしまうとそれまでだと思うのですけども、滋賀県の場合は、そもそも世界農業遺産認定されて何を目指したいのですか。 ◎岡田 農政課長  一つには、昔ながらの漁業が今、非常に危機的な状態にありますので、認定を契機に守っていくことが大事だと思っております。  また、自分たちのやっていることが世界的な視点で認められることで、地域の人々に誇りや自信などを取り戻していただくことが大事ではないかと思っております。 ◆小寺裕雄 委員  例に書いてあるような、能登の里山里海、それからトキと共生する佐渡の里山の中身は余りにも有名なので、知っていますが、2番で言えばたしかトキ絶滅寸前で、非常にきれいな田んぼにいるドジョウなどを食べるので、環境的にすばらしい状態にしなくてはいけない。  だから、おいしいお米をよりおいしくつくることによって、通常の倍や3倍の価格でもお米が売れるから農家はもうかる。トキも保護されて、生存が維持されるイメージだったと思います。湖魚の伝統的な漁業が守られたり、魚のゆりか水田を知ってもらって、世界農業遺産認定を通じて世間一般消費者や、皆さんにその仕組みを聞いていただいたときに、高くてもトキの命を守るのだったらその米を食べないといけないと思って買う人が出てきたりということと同じように、琵琶湖の水辺の景観や絶滅寸前固有種が復活する、あるいは琵琶湖の水がきれいになることで魚のゆりか水田米を一割五分増しぐらいで買ってもらえるようなことを、考えていかなくてはいけないと思うのです。そこまでにはまだ全然行く段階ではないから、まずは認定をとらないといけないのだけれど、そういったイメージをどの辺まで何か考えておられるのですか。 ◎岡田 農政課長  まだ具体的にどこまでということは考えられていません。これから申請以外にも活用保全計画アクションプランをまとめていく必要がありますので、これらを検討していく中で、地域で取り組まれている方々とも意見交換をしながら、世界農業遺産を通じてブランド化なり、価値を上げていくことについても具体的に検討してまいりたいと思っております。 ◆家森茂樹 委員  2年後に申請して、認定の見込みはどの程度だと思っていますか。 ◎岡田 農政課長  先ほど世界農業遺産認定の一覧をお示ししましたけれども、日本と中国とで約半分を占めていますので、日本や中国にとってはかなりハードルが上がってきていると思っております。  ただ、先ほど申しました五つの認定基準につきましては、滋賀県の持つさまざまな漁業の仕組み、農業での取り組み、また、文化などを勘案していくと、認定基準はクリアできるのではないかと思っております。 ◆家森茂樹 委員  先ほど小寺委員が言われたけれど、滋賀県がこの認定を受けることによって出てくる効果や具体的に期待できることは、方々で言われているのですか。 ◎岡田 農政課長  まだ具体的にどこまでの効果がという話には行きついておりません。これからの課題だと思っております。  ただ、先行事例を見ますと、資料にありますような効果も言われておりますので、我々もこれと同様の効果が得られるように、皆様方一緒になって努力をしていく必要があると思っております。  まずは、やはり世界農業遺産認知度を上げていくことが大事だと思っております。 ◆家森茂樹 委員  ほかがどういう効果を上げているというのは、それはそれでいいのです。和歌山のみなべでも随分観光客がふえてきているという話も聞きます。滋賀県が認定されたらどうなるのかです。実際に農業者はこんなこと思っていない。行政は一生懸命になっているけど、認定されたら「本当にそれはいいことだ、もっと一生懸命こだわり農業をやろう」といった意欲になかなかつながっていかないと思います。  逆に、これ以上濁水を流すなと言われて、「こんなものしていられない」となります。私たちは精いっぱい浅水を打って、濁水を流さないようにしているのですが、それでも春先の琵琶湖の河口を見たらこれはひどいなと思います。でも、やはり上流にいるものは、できるだけ流さないようにしようと思いながら農業をして、それでも怒られているのですが、もっと厳しくなるのだったら、大変なことになります。  そうしたら、それに対応して県は何か施策をしてくれるのかと。絶対流れないようにプールをつくって、そこからもう一度循環かんがいできるようなポンプを据えて、調整池をつくってくれるのかと。そこまでやってくれるのだったら協力させてもらうけれども。  世界農業遺産という言葉は浸透してきたかもしれないけれども、本当に認定されるとみんなが「これは滋賀県の農業の誇りだ」というところまではなかなか行ってないように思います。土地改良支部研修会でもなかなかそこまで結びついていない。まずは認定ですと言ったって、やはり目に見える形のこういった効果を期待できますというものがないと、なかなか機運が盛り上がっていかないような気がします。水をかけるようで済みません。 ◎高橋 農政水産部長  委員の皆様がおっしゃるとおり、名前だけ知ってもらっても意味がない。なぜこれをやろうとしているのかという意味を皆様方に御理解していただいた上で、やっていく必要があるという気持ちになってもらうことが本当に先決だと思っています。  先行事例でもこういったふうにブランド化されて、値打ちが上がってきています。滋賀県にもこういう環境こだわり農業取り組み日本一で50%近くもやってもらっておりますし、あるいは、ゆりか水田米という特別な取り組みブランド価値を、まだまだ我々のPR不足もあって十分全国的に認知されていない部分があります。  今年度から「ここ滋賀」などのいろいろな発信拠点を活用しながら、どんどんPRに取り組んでいきたいと思っております。滋賀の持っているすばらしさを、農業遺産取り組みを通じてもっと多くの方にPRして、それによって収入が上がる。あるいは、観光客に来ていただいて、いろいろな体験をしてもらって滋賀のよさを体感してもらう取り組みで、滋賀の経済といいますか地域活性化につなげていきたいというような効果もあわせて説明していって、今、県だけではなくJA、漁連、土地改良団体連合等さまざまな団体と一緒になって準備委員会をつくっておりますが、そういった団体の皆さん一緒になりながら県民の皆さんにこの意味合いをしっかりと伝えていって、この取り組みを進めてまいりたいと思います。 2 農地中間管理事業について (1)当局説明  須田農政水産部技監 (2)質疑意見等西村久子 委員  報告を受けたことには何にも異論はないのですけども、集積したことによって面積が大きくなります。規模が大きくなるものだから、機械がどんどん大きく重量級になります。道を広げたりしないと、そこまで行きつけないのですよ。ある県の河川では、護岸が重量級のものが通ることによって飛び出すという事象が出てきていて、大変なことになっています。工事をする折に基準をもう少し考えないといけない。これからの工事はということで、土木交通部にもお願いしているのだけれども、農家自体がたちまちそこまで行けないのはどうしたらいいですか。 ◎須田 農政水産部技監  委員おっしゃるとおり、規模拡大することによって、機械がかなり大型化して、農道がちょっと入りにくいところがあるとか、場合によっては少し沈んできていることなどがあります。 ◆西村久子 委員  農道は、田んぼなのでやわらかいですね。 ◎須田 農政水産部技監  そういった話は聞いております。中間管理事業につきましては、当然、土地改良サイドとも連携してやっておりますので、そういった情報を密にして、何とか通行者妨害とならない形にしていきたいと思います。機械大型化によって新たな課題が出てきていることは認識しています。 ◆西村久子 委員  それで、農地を借り受けたところで耕作はするのですが、農業をする者は、その部分の道を広げることはいとわないのです。でも、地主の了解が本当に得られるかというと、そこはやっぱり疑問があります。将来的に「持ち主は私です」と言われると、そこを広げてしまうことは考えてしまいます。その辺をまたお考えいただきたいと思います。 ◎須田 農政水産部技監  これまで規模拡大という形を実現してきた中で、新たな課題が出てきたので、そういったことも含めて検討させていただきたいと思います。 ◆小寺裕雄 委員  もともと、これは国の事業を県でしてもらっているので、文句を言っても仕方がないところが多々あるのですけれど、この制度滋賀県で乗れたところや、これを機に法人化したところでは、思わぬ形でお金がたくさんいただけて喜んでもらったところもあるので、それはよかったと思うのですけど、全国的に見れば順位が悪いというのは、農家農地に対する執着心が強いがために、結果的に集約が全国的に進まなかったことがあったり、本来目指している農地バンクイメージ中間管理機構がしていることは、もう一つ考えたものとは違うようになっているのではないかというイメージが非常に強いのです。  そもそも強い農業を目指すために、農地を集約して規模拡大、経営の合理化をやったのだけれども、平成30年以降にどうなるのか。これから出てくる農地をどうやってこの制度集約化していくかがとても大事で本当にしなくてはいけないのに、近隣で聞いていると、予算面システム的にも農家の方からは「この制度はどうなのだ」という声が聞こえてくるのです。今まで、特に平成26年、27年はよかったのですが、平成29年、来年、再来年と続いていくと、この制度目的どおりの役割を十分果たしていくことになるのですか。 ◎須田 農政水産部技監  委員おっしゃるとおりで、当初の平成26年と27年には助成金もかなりありました。また、対象も毎年若干変わってきています。平成28年、29年につきましては、同じシステムの中で進めさせていただこうというものです。  最初と比べて、かなり手薄になってきた中で、これからどうするのかですけれども、一つには農業委員会制度が変わってきます。その中で農地利用最適化推進委員を大体100ヘクタール単位に一人ぐらいの割合で農業委員会の中に置くということです。  以前に比べたらお金がかかるかもしれませんけれども、そういった方々が実際に現場情報を収集し、そこに中間管理機構地域マネジャーも入ると。実際、担い手の方についても分散しているよりは集めたほうが効率もいいです。自分の土地なので、誰々だったらいいけど、誰々だったら嫌だといったところが確かにあったと思うのですけれども、だんだん若い方になってくると、とりあえず誰かに預けたらいいということになってくるかもしれませんし、現場意見農業委員会のそういった方々も含めながら情報収集し、そこに、法人化に向けてどうしたらいいのかについては普及指導員の技術な面も入りながら、一体的に進めていかざるを得ないのではないかと思っております。 ◆小寺裕雄 委員  いずれにしても、担い手というか生産者は減る傾向になっていかざるを得ない現実があるので、いかに集約化を図るかがとても大事だと思うのです。だから、今ちょうど制度ができたと言われましたので、本当に何とか制度を活用して集約に向けてもらえればと思いますので、頑張ってください。 3 アユの漁獲・資源状況について (1)当局説明  澤田農政水産部技監 (2)質疑意見等中沢啓子 委員  なかなか大変なことなのでしっかりと原因究明を進めていただきたいと思うのですが、その際、水産試験場琵琶湖環境科学研究センター国立環境研究所琵琶湖分室でのすみ分けや連携を上手にやっていただきたいと思うのですけど、その辺はどのような感じでお考えでしょうか。
    澤田 農政水産部技監  原因究明のすみ分けでは、まず、水産試験場は大きく言いますと魚側になります。アユの現在の資源状況をしっかり把握すること、過去のサンプルの調査、データの解析等を主にやってまいります。  今、報告いたしましたが、今回のアユの成長が悪い背景といたしましては、餌が少なかったのではないかということが一つ大きく考えられますので、琵琶湖水質関係、特に餌関係琵琶湖環境科学研究センターで解析、検討をしていきます。それらを合わせることによって大きな原因を解明していこうと考えております。国立環境研究所につきましては、こういったところを情報共有させていただきながらアドバイスをいただく形の分担をしているところです。 ◆中沢啓子 委員  国立環境研究所の本体に行かせていただいたときに、当然、珪藻類とかいろいろな情報をお持ちなので、いろいろな状況が出てきたときに情報共有しながらしっかりと分析していただきたいですし、すみ分けるのとあわせて、ぜひ連携していただきたいと思います。  去年の産卵の状況が、9月の中旬で2倍くらいのピークになっていて、それ以降が全然というところだったので、ことしはさらに親アユが少ないとのことなので、放流されるのだと思います。ピーク自体も先ほどの話だと小さいので、おくれるかもしれないということでした。  気候との関係等もやはり大きいのではないかと気にしておりまして、去年は雪が多くて、多分例年よりもたくさん降ったと思うのです。そういったことや、今後の気候変動等もあると思うので、またしっかりと検討いただけたらと思います。 ◎澤田 農政水産部技監  昨年は産卵量トータルで平年の2倍以上ありましたけれども、今、委員指摘のとおり産卵時期が平年よりも遅い時期に集中したといった結果になっています。アユは秋に主に琵琶湖から河川に遡上して産卵します。昨年の場合は9月20日ぐらいまで雨が降らず、川に水がない状況が続いておりまして、9月20日前後に大雨が降り出水しましたので、そこで一気に産卵した状況です。  したがいまして、気象条件に大きく左右されるところはやむを得ないと考えております。  ただ、そこで何か人為的に資源を維持するためにコントロールできることとなりますと、やはり人工河川を使いまして早期に産卵させてふ化させる、それを資源底支えとしてしっかり確保することが必要ということで、今回取り組ませていただいております。 ◆家森茂樹 委員  私は山の中の人間ですので余り知らなかったのですが、我が会派の佐野議員にお話では、「鮮魚もさることながら、さきほど説明いただいた活魚の全国への河川放流用、これがことしはとんでもないことになって、全国的に影響を及ぼしていた。そこで、もう来年から琵琶湖には頼っていられない、という流れになるのが怖い」と聞きました。その辺の対策はなかなかとりにくいのかわからないけれども、そういった現状と対策なりがあればお聞かせいただけるでしょうか。 ◎澤田 農政水産部技監  今、御指摘いただいたとおりです。琵琶湖アユは主に河川放流用、川の友釣り種苗として海のアユに比べて追いが強いことで、友釣りでは非常に好まれる特徴があります。  また、養殖用種苗としても琵琶湖アユは、自画自賛になるかもしれませんけれど、海のアユに比べましても姿形が美しくて、うろこが細かくて、見た目もきれいで、食べておいしいということで、養殖用種苗としても非常にいいという特徴があります。  こういった中で、かつて昭和60年前後は、琵琶湖アユ苗活アユは、全国シェアの6割ぐらいを占めていましたけれども、その後、冷水病が蔓延したり、他府県では琵琶湖アユも大事だが自分のところのアユもふやしていこうといった動き等が相まってシェアが落ち、現在琵琶湖アユシェアは20%ぐらいまで落ちてきております。  ただ、やはり河川友釣りでは琵琶湖アユがいいといった意見が少しずつ出てまいりまして、他府県漁業協同組合の中でも琵琶湖アユをまた放流しようといった動きが少しずつ出てきていたところです。  そういった中で、今回種苗が不良で足りないことは非常に大きなダメージだと思っております。  その対策ですけれども、今回10トンの人工河川での追加放流をすることによって、確実に12月からの漁獲を確保するという一つ対策を打ち出し、情報発信させていただくことで、来年度滋賀県は大丈夫だろうかというところについて、早いうちにアピールさせていただけたのではないかとありがたく思っているところです。  冷水病の話もありますけれども、それは県内の養殖業者の方々が薬を使って治す、あるいは水温を一定期間高い水温にして治す。そういったことにより、冷水病に強いアユをつくる技術を独自にお持ちになっておりまして、今、琵琶湖アユは県外に出荷するときには冷水病に強いアユという取り組みをされておられますので、その点はもう大丈夫だと思っております。  ただ、資源をしっかり確保することを、滋賀県としても情報発信していくことで、大きな対策にしたいと考えております。 ◆西村久子 委員  最近になってですけれども、川尻にカワウが群れているのです。狙うとしたら、今アユだと思うのですけれども。 ◎澤田 農政水産部技監  アユの可能性はあると思っております。今も報告させていただきましたように、アユの体型は小さいですけれども、5月になりまして急に湖岸に近寄ってきているという状況です。  梅雨に入りましたけども、特に今、雨が少なくまだ川の水が少ないので、湖岸に寄ってきたアユが川に遡上しようとして湖岸近くで群れているところをカワウが狙っていることも十分考えられると思います。 ◆西村久子 委員  もう少ないのだから食べないでいてくれと思うのですけど。 ◆小寺裕雄 委員  とりあえずことしは乗り切ったとして、来年以降はどうなるのですかという率直な疑問を持ちます。  というのは、以前も減ったときに戻るのに数年何かかかったという記憶があるのです。人の懐を心配するわけではないのですが、たしか2億円の融資で1,000万円限度というのがあったでしょう。中身は知りませんけど、利息があろうがなかろうが返さなくてはいけない原資は、当然、漁業者であれば、とれた魚を売った金で返すことを思えば、今はたちまちそれでしのげるのかわからないけれど、来年以降もとれなかったら余計に悲惨なことになってきます。そんなこと言われてもと思うけど、どうなのですか。 ◎澤田 農政水産部技監  大変難しいところだとは思っております。放流自体は追加放流することによって琵琶湖アユの子供をたくさん流すことは人為的に可能です。そのアユ琵琶湖に流れた後、上手に育ってくれるかどうか、あるいはちゃんと生き延びてくれるかどうかは正直申して琵琶湖の生産力に頼るところしかないのですけども、まず、なぜことしこのようなことが起こったかという原因をしっかりと早急に把握することが必要だと考えております。  あと、これまでの経過を見ますと、早い時期、9月中に産卵してふ化したアユにつきましては、このようなことは余りなかったと考えております。去年は10月にふ化して琵琶湖に流れたアユ、これが一時期にかなり集中しましたので、そのときに琵琶湖のそのアユが食べる餌環境にミスマッチが起こっていた可能性もありますので、かなり特異的な現象ではないかと思っておりますけども、やはり原因をしっかり突きとめる必要があると思っております。  対策としては、やはり人工河川を上手に活用して資源を確保していくことだと考えております。 ◆中村才次郎 委員  基本的なことを聞いて申しわけないのですが、8トンから10トンを追加するのですね。8トンから10トンではなく、8トンに10トンを追加することで、18トン放流されるのですね。物すごく大幅な増になっているのですけど、これはどういうところから10トンという数が出てきたのですか。 ◎澤田 農政水産部技監  通常の8トンに10トン追加して18トン。その考え方ですけれども、この8トンと10トンを合わせまして18トン分は、全て9月中に産卵させて9月中にふ化させたいと考えております。  12月1日から始まるアユ漁で、初日からしっかり確保するためには、9月中にほとんどふ化している必要があります。これは水産試験場等の調査結果で、12月に漁獲されるアユはほとんど全て9月中にふ化したものであり、10月を過ぎてからふ化したものは、12月1日の時点ではまだ成長していないので入ってこないのです。  ことしは、12月からの量が非常に不漁でございましたので、今、家森委員に御指摘いただきましたように、全国に配給するアユ苗の不足も生じたところですので、12月のアユをしっかり確保したいところです。  そこで通常の8トンで計算しますと量が足りないと。大体12月に毎年全国に配給する量、あるいは県内の養殖業者も必要とする分として20トンぐらいの注文量があります。少なくとも注文量を確保する必要がある生きたアユです。  それプラス12月はヒウオの釜揚げの時期でもありますので、鮮魚としても漁獲されます。大体その平均をとりますと、35トンから37トンの漁獲が必要になってきます。  通常の8トンですと恐らく十数トンぐらいしか確保できない計算になります。18トンにすることにより、37トン程度の漁獲が見込めるのではないかということで、12月のアユの漁獲を確保するために計算した結果、18トンの計画とさせていただいたところです。 ◆家森茂樹 委員  実はきょうの新聞に県議がぼやきと書いてあるのだけれども、私はぼやいたつもりはなく、知事に正式に申し入れたつもりです。予算措置はルールがあるのだし、不可能であればいたし方ないと思うのだけれども、やはり何らかの工夫をしていただくのは必要だと思うのです。これは、財政サイドがもう少し気を使わないといけなかったと思っているのですけれども、農政水産部に限らない話で、ぜひこの通年議会を十分に活用していただき、漁業者に一刻も早く安心していただける手法をぜひお願いしておきます。 ◎高橋 農政水産部長  本来ですとこの資源対策につきましても、あらかじめ議会に説明させていただいて審議していただくのが本意だと思っています。  しかしながら、今回の資源対策につきましては、資源分析を水産試験場で、5月の状況を見ながらどうするかをぎりぎりまで検討してきて、5月の終わりになりました。  一方で、今、技監が申し上げたように、9月中に何とか産ませて流下しようとしますと、5月中にアユを確保しなくてはいけないといった制約もありまして、今回、どうしても既決予算の中で執行をせざるを得なくなり、こういった形になってしまいました。  本来ですと通年議会ですので、議会にしっかり御説明をして、了解をいただいてするのが本意ですので、今後につきましては、十分調整しながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えています。 ◆家森茂樹 委員  今の議会の体制は、最低1週間、3日もあったらできると思いますので、十分考慮しておいてください。 ◆海東英和 委員  地元なのに知らないので教えてほしいのですが、この安曇川の人工河川の施設能力からして8トンがプラス10トンになることで能力的に問題がないのかと、今までこれだけ多量に実行したことがあるのかと、人的な体制の補強は要らないのかについて聞かせてください。 ◎澤田 農政水産部技監  安曇川の人工河川は13区画ありまして、1区画に2トンの親魚を放流することができ、最大26トンまで一度に親魚を入れて産卵させることが可能です。  昭和59年ごろから本格稼働しておりますけれども、かつては今回よりも多くの親魚を入れた実績がありますので、能力的には十分大丈夫です。  人的なところですけれども、親アユにつきましては県内の養殖業者で今飼育して確保していただいております。それを秋に放流しますので、人的な手間としてはほとんど余り変わらない、親魚の数がふえるだけですので、大きな人的な増員等は必要ないと考えております。 4 「中山間地農業ルネッサンス事業」の概要について (1)当局説明  中田農村振興課長 (2)質疑意見等海東英和 委員  効果があると思いますか。 ◎中田 農村振興課長  それぞれの中山間地域は非常に厳しい状況ですが、全国的にはいろいろなところで頑張っていっていただいておりますので、その事例を参考にこの国の制度も活用して、地域活性化していくことで活用していきたいと思っております。 ◆海東英和 委員  ちょっと質問の順番が間違った感じですが、例えば一つの例をとると、湖西線で白髭神社の辺へ差しかかる手前の左側に棚田が耕作放棄になってセイタカアワダチソウが真っ黄色になっているところがあります。ああいったところが取り組むとしたら、その地域に対してどれぐらいの費用がどういう形で出るのですか。 ◎中田 農村振興課長  内容にもよりますけれども、例えば中山間地域農業直接支払交付金を活用していただいて、毎年2万1,000円の支援ができますし、鳥獣被害防止対策の柵の設置をするときには、この総合対策交付金の整備事業が割り当てられるなど、いろいろな活用ができると考えております。 ◆海東英和 委員  獣害柵は既にできているところや会議費としてその集落に2万1,000円おりるのがマックスなのですか。既存の制度はあるわけで、それ以外にこの制度によって上乗せされるのは集落単位の会議費2万1,000円なのですか。 ◎中田 農村振興課長  先ほど説明いたしましたように、今回のルネッサンス事業で新たな制度ができましたのが推進事業です。後の部分の12の事業につきましては既存の事業でして、御指摘のように既存の事業以外にされたことは具体的にはありませんので、既存の事業を有効に活用していただくことになると思います。 ◆海東英和 委員  これのリーダーシップは市町にとってもらう感じなのですか。県はどういうポジションですか。 ◎中田 農村振興課長  振興指針にも書いてありますように、まずは市町で将来ビジョンをつくっていただく。その実現に向けて県として助言や支援をさせていただいて、この振興計画の推進に向けてともに進めさせていただきたいと思っております。 ◆海東英和 委員  要望で。この2万1,000円のために市町も地元の集落も大変な事務量が発生したりと手間が要るわけです。そういうことも十分踏まえた上で、これが役に立つところに効果的に展開されるように御配慮いただきたい。要らないとは言えないのですか。 ◎中田 農村振興課長  これを活用するかしないかは自由ですが、頑張ってやろうというところを後押しし、支援をさせていただくことで、全てがこれに取り組むということではありません。頑張っていこうというところを支援させていただく制度と考えております。 ◆海東英和 委員  県庁の職員の1日の日当に換算したら2万円ぐらいになりますでしょう。そうやって考えると、余りありがたい制度でもないような気がするし、こういうのを生かすために県は国のトンネルだけでいいのかということをぜひ御検討いただきたいと思います。 ◎中田 農村振興課長  御指摘ありがとうございます。市町と一緒に汗を流しながら地域活性化のために取り組んでまいりたいと思います。 休憩宣告  11時21分 再開宣告  11時24分 《琵琶湖環境部所管分》 5 太陽光発電事業の現状と関連する諸制度について (1)当局説明  石河琵琶湖環境部次長 (2)質疑意見等海東英和 委員  前回ちょっと発言させていただいたのですが、あの後確認をしたら、いわゆる20ヘクタール弱の大きなソーラーパネルの開発計画が今地域の同意などを得ながらされている中で、湖西漁業組合に対する説明会のときに同席させていただきました。そのときに確認した話は、1日の降水量が200ミリで県の指導をいただいて、彦根地方気象台の今津の観測所をポイントとして、調整池をつくるので濁水の心配はありませんという説明だったのです。  ただ、当該地は安曇川の水系にあって、安曇川の上流の朽木の平良で観測された降水量は、例えば前の台風のときは2日で494ミリ降っているのです。でも今津はそのときには100ミリほどしか降ってないのです。県の指導なのか、気象庁の指導かは知りませんけど、今津のポイントをもとにこの計画がされて、それで問題がないと言って通っていくのは心配です。県はあのとき、今津と言っていたけれど、やはり朽木の平良を基準にして計画を見直せということは指導ができるのですか。
    ◎奥田 森林保全課長  今の関係につきましては、土木事務所の管轄になります。私どもの林地開発許可の中で土木交通部の所管のことにつきましてはそれをクリアできていることという条件をつけていますので、最終的に審査庁は土木交通部になると考えています。  今の件でお答えさせていただきますと、滋賀県の場合、一般的には6時間の雨量として206ミリで、それに耐えうる貯水池をつくる指導をしている、その基準で貯水池はつくられていると聞いております。  今、委員おっしゃったように、2日なり3日なりの総雨量としてそれを超えているという基準はあると思います。ただ、そのブロックで見た場合にある一定の最大量をとった場合、6時間という切り口でいきますと、それを一応クリアできていると考えております。 ◆海東英和 委員  今津で考察をしなさいということと、安曇川の上流の朽木の平良を参考に考えなさいという指導のポイントが違うということを言っています。朽木はこのごろ谷筋でびっくりするほど雨が降ると現場からも声が上がっています。日量でも何百ミリという雨が降るから言っているのです。県はそのような見解でいいのですか。 ◎奥田 森林保全課長  最終的には土木交通部の判断になりますので詳しい経過はそちらになるかと思います。  私どもが承知しておりますのは、県下一般的には6時間雨量の206ミリを採用していると聞いております。どこの場所ということではなくて、206ミリを採用していると聞いております。  具体的に、例えば平成25年度に高島町でひどい災害を受けたときがありまして、そのときに近隣での雨量強度は6時間で139ミリと聞いております。ですから、それをクリアできるような貯水量を計画されていると考えております。 ◆家森茂樹 委員  現在の制度ということで次長から御説明をいただいて、これをクリアしたら何でもできるのだなと聞いていました。  今、海東委員もおっしゃるし、きょうの新聞にも載っていたのですけれども、20万平方メートルの山林を伐採して太陽光パネルを張って、県はエネルギービジョンで太陽光発電の推進を言っていると。そうしたら、これはいいことをしておられるのか。これは商売としてもうかるからしておられるのでしょう。私もこれの半分より多い山を持っていますけど、必死で守っているわけです。それで、現状は、山を必死で守っていたらお金が要るばかりです。本来はもう切って、次に新しく植えかえてしなくてはいけない時期に来ているけれど、それをしたらどれだけお金が要るだろうということで、仕方なく置いてある現状です。もう50年超えたらこれ以上置いてもCO2の吸収も少ないし、本来はもっと切って、使って、植えかえてしていくのだけれど、それができないのが現状です。山持ちは、それでもやはり緑を守っていこうとしているわけです。  業者は、20ヘクタール木を切って太陽光パネルを張って、これで金もうけをされるわけです。それで、県は太陽光発電を進めています、これだけの関係法令や条例をクリアしてもらったら、どうぞやってくださいと。これに県民としては納得できないと私は言いたいし、やはり山や緑、自然を守っていこうとする立場からしたら、県としてもう少し工夫する必要があるのではないのですか。こういう話をこれから議会としてもしていかないといけないと思うのです。  今の石河次長のおっしゃることは、現在の制度ですし、それはそれでわかるのですが、これをクリアされたら、これだけの降雨量を想定して調整池をつくってもらえればそれで結構ですよ。それで許可していいのだろうかというのが、普通の感覚だと思うのですよ。それに対して、これから県としてもう少しこういったことを考えていきましょうかと、そんなことはないのですか。 ◎石河 琵琶湖環境部次長  今おっしゃいますように、山を守ることは非常に大事なことです。  ただ一方で、太陽光を推進することもありますし、個人企業の経済活動の自由もあります。自然環境といかに調和させるか、その調和点を探っていくことが大事だと思っております。  それで、私どもでできますのは、所管しております個別法にきちっと適応して、できるだけ自然環境に害のない形でしていただくことをやっていくということと、いろいろな苦情等があったらきめ細かく対応することがあります。  それともう一点、大きく変わっていますのは、先ほど申し上げましたようにフィット法が大きく変わりまして、今まで単にこの施設を認定していたということを計画全体を見て適正にされるかどうかということも見て、それを確認した上で認定するということで法制度が変わりました。  それと、さらにガイドラインをつくって事前の住民の方々への説明とか、事後の維持管理とか、そういう全体の流れの中をきちっと適正にするようにとガイドラインを示されて、これにのっとって事業者がきちっとやるということで、制度も変わっております。  そういうようなことで、先ほど申し上げました、この調和点を見出すことは可能ではないかと思っております。 ◆家森茂樹 委員  この20ヘクタールは異常だという気もするのですが、それでなくても滋賀県内を通っていて、1ヘクタールの太陽光パネルが張ってある。クリーンエネルギーをつくっておられるのかは知らないけれど、あの姿は皆さん方、異常だと思わないですか。私はあれがクリーンエネルギーをつくっておられるすばらしい滋賀県の取り組みだと、皆さん方が考えておられるのなら、琵琶湖環境部の思想そのものをもう一遍考えたほうがいいと思います。  次長の立場として今言っていただいたのだけれども、これだけの規制をクリアしたら許可します、許可せざるを得ないのですということ自体が、やはり問題なので、これからもう少し何か考えていきましょうという姿勢はないのですかという話をしているのです。 ◎石河 琵琶湖環境部次長  この基準をクリアしたら許可せざるを得ないといいますのは、これは森林法で規定されていることですので、その根幹があります。そこを動かすのはなかなか難しいことだと思います。それに加えて、先ほどから申し上げていますような、きっちり適正に運営される、施行されるということをやっていくということで、より自然にも配慮した形でされるようにしていきたいと思っています。  先ほどの景観といいますか、見た目、目立つのが異常だと思わないのかの話ですけども、ガイドラインの中にはその施設を設置するところにはできるだけ木を植えるなどして目立たないようにするとか、いろいろなことにも配慮すべきだとの内容も盛り込まれておりますので、そういうようなことをきちっとやってもらってということで、できるだけ自然環境に負荷をかけないような形でされるということを求めていくことだと思っております。 ◆家森茂樹 委員  次長の立場としてはそうとしか答えられないだろうと思うので、我々サイドとしてやはり何か考えていこうということで、委員長一つ。 ○清水鉄次 委員長  はい。 ◆西村久子 委員  今度の県内行政調査の最後に荒神山山麓の太陽光発電設備施設に係る林地開発を見ます。法律的には全部クリアされているものだけれど、見ていただいて果たしてこのままでいいのかを皆さんに一遍御検討いただきたいと思います。 ◆中沢啓子 委員  少し気になるのですが、国がガイドラインを出されました。中を見たときに、「努めること」という言葉が非常に多いのです。住民に説明を適正にできるように努めることだったり、先ほどおっしゃっていた木を植えてくださいということも努めることなのか、しなければならない義務なのか。このガイドラインが出たことをもって、どう県政の中に生かしていくかの視点は、必要だと思いますので、今後また御検討いただけたらと思います。 ◆井阪尚司 委員  ちょっと基本的なことを教えてください。1ページの平成28年度の導入容量、認定容量のところで、導入容量がずっと年々ふえていくのですが、認定容量までふえて、例えば80万キロワットまでいくとしますと、滋賀県の世帯数の大体何世帯分ぐらいがこれで賄えるのかということと、この差の30万キロワットを全部太陽光に変えた場合、どれだけの面積が必要なのかを教えてください。 ○清水鉄次 委員長  答えられますか。 ◆井阪尚司 委員  なければ後ほどでも結構です。 ◎石河 琵琶湖環境部次長  済みません。今即答できませんので、後で資料を提供させていただきます。 ○清水鉄次 委員長  この件に関しましては、本日の新聞報道にもありましたし、私と海東委員との地元でもありまして、物すごく心配をしております。  先ほど家森委員がおっしゃったように、20ヘクタール弱の山の木を切って、くいを抜いたのかわかりませんが、山の安全性を落として、そこに太陽光パネルを立てる。20ヘクタール弱では遠いところからも見えると思います。もちろん湖西バイパス、駅、朽木というところも含めて、安曇川の対岸からも非常によく見えて、全く景観が変わると思います。これは現実に起きていることです。  そういう中で、どこまで市で議論されているかわかりませんけれど、景観法は市が所管ですね。今のところ森林法をクリアしているということですけれど、森林法は国の法律だと理解しています。では、先ほど海東委員がおっしゃった雨量の基準の6時間で206ミリはどこが決められるのですか。 ◎奥田 森林保全課長  これにつきましては、土木交通部河港課で開発に伴う雨水排水計画基準に基づいて計算していくとなっております。 ○清水鉄次 委員長  これは県で決められるのですね。 ◎奥田 森林保全課長  これを決めているのは河港課ですので、そのとおりだと思います。 ○清水鉄次 委員長  問題は、景観法は市の所管で、森林法は国の法律で、雨水の基準は県で決めているといった中で、森林法をクリアしたから認めると。当然、こういった状況が次から次へと滋賀県の山林に起こってくる可能性は十分あります。簡単にそれを認可することが果たしていいのかどうかと思うのです。住民の皆さんはほとんど情報を知らないので、地元説明はあったけれど、了解したとは聞いていません。きょうの新聞報道やネット報道でも相当インパクトがありますので、これから地元の皆さんがこの状況をどう理解されて、どういった声を上げていかれるのかがあります。これはやはり県として真摯に状況を掌握してほしいと思います。  そういうことで、この件に関しましてはまだまだ今後申請の可能性があるのではないかと予想されますので、十分に議論を詰めていければと思っております。  私もこれ以上の発言できませんが、もしほかに御意見等があれば。 ◆家森茂樹 委員  地元住民の理解、合意と言われていますが、自分たちの集落で業者がこういった計画をして、山を売ってくださいと言って来られたら、どれだけうれしいか。  先ほども話したけれど、山を守っているだけでお金がかかって仕方がない。この木を切って、次植えようと思ったら、また10年間お金が必要なのです。これを買うと言って来てくれたら、物すごくうれしいのです。私の近所の荒れた山では、ヘクタール単位で取引が済んでしまっています。何とか思いとどまってくれないかと地元の人に言っていたのですが、じゃあ、あなたが買ってくれるのですかと言われました。  それで、地元関係者との合意と言われるけれども、直接の地主はやっぱり売ったほうがありがたいのです。そういう現状があることも知っておいてもらいたいと思うのです。 ◎安田 自然環境保全課長  先ほど井阪委員から御質問のありました、現在滋賀県で認定されている80万キロワットが仮に稼働したときの太陽光発電の発電量や世帯数ですけれども、機械的に計算しますと、80万キロワットが1年間に生み出す電力は約8億4,000万キロワットアワー、大体一般の御家庭が月に約300キロワットアワー消費されますので、年間で3,600キロワットアワーとしますと、約23万世帯分の電力が生み出される計算になります。 ◎三和 環境政策課主席参事  面積ですが、これも一定の試算ではありますが、現在認定されているが導入されていない残りの31万キロワットに対して、おおよそ500ヘクタール程度なのではないかと思います。 ◆井阪尚司 委員  きっと、年々また数字がふえていくのですよね。そうすると、500ヘクタールがどんどん重なっていくと、滋賀県の全体の面積のどれだけが1%になるのかわからないけれども、可能性があるということですね。 ◆海東英和 委員  さっきなぜ降水量にこだわったかというと、皆さんの前にアユの案件がありました。前回も触れたけれど、安曇川人工河川濁水を上げてしまって、アユのふ化がうまくいかなかったという内容で、安曇川にオーバーフローしたら濁水が流れるわけなのです。そういうことは滋賀県が指導も何もしていないし、単に一般的な降水量基準と言うけれども、安全率がどれぐらいを見ているのかとか、地理的には高島町の降雨量と安曇川水系での谷あいの降水量は違うわけです。それなのに、今津の降雨量を基準に滋賀県が指導していることも含めて、水際のところでしっかりこの許認可の判断をする人が、滋賀県全体の影響を考えて判断してもらわないといけないと思うので、精緻に、責任感を持って取り組んでほしいと申し上げております。ほかの委員もおっしゃっていることがあるので、ぜひしっかりとした対応をこれからもう一遍し直してほしいので、検討をお願いします。 6 今年度の委員会の運営方針等について (1)質疑意見等なし (2)運営方針 「行政調査、県民参画委員会等による多面的な調査研究を実施し、活発な議論を行うとともに、必要に応じて政策提言を行うよう努める」と決定された。 (3)重点審議事項 「環境への負荷が少ない社会の実現および琵琶湖環境の再生と継承について」、「滋賀の強みを活かした農林水産業の振興と魅力ある農山漁村づくりについて」の2項目が位置づけられた。 閉会宣告  12時05分  県政記者傍聴:NHK、読売、京都、毎日、共同通信、滋賀民報  一般傍聴  :なし...