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平成29年 2月14日琵琶湖保全再生対策特別委員会-02月14日-01号

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  1. 滋賀県議会 2017-02-14
    平成29年 2月14日琵琶湖保全再生対策特別委員会-02月14日-01号


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    平成29年 2月14日琵琶湖保全再生対策特別委員会-02月14日-01号平成29年 2月14日琵琶湖保全再生対策特別委員会           琵琶湖保全再生対策特別委員会 会議要録                                開会 10時00分 1 開催日時      平成29年2月14日(火)                                閉会 11時11分 2 開催場所      第一委員会室 3 出席した委員    山本(進)委員長、下村副委員長             佐藤委員山本(正)委員中村委員有村委員、             西村委員佐野委員清水委員中沢委員 4 出席した説明員   村上琵琶湖環境部長および関係職員 5 事務局職員     高木副参事、仲井副主幹、大谷主幹 6 会議に付した事件  別紙次第書のとおり
    7 配付した参考資料  別紙のとおり 8 議事の経過概要   別紙のとおり                  議事の経過概要 開会宣告  10時00分 1 「琵琶湖保全再生施策に関する計画」(原案)に対して提出された主な意見・情報とそれらに対する滋賀県の考え方について (1)当局説明  岡田琵琶湖保全再生課長 (2)質疑、意見等佐野高典 委員  1月17日に当委員会県民参画委員会を開催し、滋賀漁業協同組合連合会意見交換を行いました。その席上で県漁連からは、水位操作下水道水草の3点の問題について話があり、これについてはかねがね文書でも県当局へ要望を出されているわけです。  下水道放流水対策について、なるほど滋賀県は規制値以上の強い規制をしながら排水処理基準を設け、当然その基準値はクリアしていることはよくわかっているのですが、今までの体験上、あるいは漁場の環境等を見ているといろいろな要素があって、4カ所の下水処理場の水が悪影響を及ぼしているということは、かねがね指摘されているわけです。それで必要な調査を行う旨の加筆をするという方向ですが、この間の県民参画委員会でそれでは手ぬるいという御指摘を受けています。  次に、22番の水位操作についてですが、もともとこの再生施策に関する計画の中でも一切この問題には触れられていません。そして、県の考え方としては、ほかの件については加筆をしますとか、例示する方向で考えていますなどとなっているのに、これだけは、御指摘の内容については国とも情報の共有を図っていきますと、ここでとどめてあるわけです。ということは、国との協議はしていきますが、この計画には水位操作については一切触れないということであろうと思うのですが、いろいろな意見があるけれども、水位操作影響生態系やいろいろな問題に影響していることを考えれば、滋賀県としてこの問題についての考え方を一筆加えておくべきではないのかと思います。県民参画委員会を踏まえての意見としてどのように考えておられるのでしょうか。 水草については、いろいろ御提言のとおり対応していただければありがたいですが、下水道の問題と水位操作の問題の位置づけについての考え方を教えてください。 ◎茨木 下水道課長  まず、下水道のことについてお答えをさせていただきます。  これまで法に基づく適切な水質管理でありますとか、また下水道放流水影響に関しましては、動物プランクトン生態調査やアユの忌避行動調査をやらせていただいております。今のところ下水処理水影響は認められていないという状況ですが、いろいろ御懸念もあるということで、例えば放流先塩素濃度調査をして、そこでは測定下限値以下の数値であることも確認しておりますが、塩素注入量、これを低減、半減させながら運転操作をしているところです。  こういった中でも、まだ漁業関係者の方等から残留塩素の問題や温度の問題といったことが指摘されているのは認識をしております。これらの指摘が具体的に例えば放流先の限られた範囲での問題であるのか、もしくは琵琶湖全体に対する問題であるかですとか、いま一度論点や課題を明確にさせていただいた上で、それらの論点に対しまして研究機関の助言も得ながら必要な調査を行って、下水道としてすべきこと、またできることを考えていきたいと考えております。 ◎岡田 琵琶湖保全再生課長  水位操作についてのこの計画における考え方ですけれども、水位操作委員指摘のとおり琵琶湖や湖辺の自然環境に与える影響は考えられますけれども、治水利水に与える影響が大きく、自然環境の側面からこの計画に記載することはなかなか難しいと考えております。  ただ、計画に記載しなくてもかねてから治水利水環境の調和のとれた弾力的な操作方法について国に要望しているところでありまして、今後ともより望ましい水位操作あり方に向けまして、国と連携して取り組んでいきたいと考えているところです。 ◆佐野高典 委員  下水道の問題は、基準値より低いということですが、指摘のある塩素水の問題は対応を今後も続けていただきたいと思います。水位操作についてですが、これまでの計画案を一年間審議してきて、おおむねこういう計画案でよかろうということでパブリックコメントを受けたという中で、なぜきょうになってこの問題をと思われるかもしれませんが、やはり県民参画委員会に来られた漁業者の方々はこれをかねがねおっしゃっているわけですね。弾力的な運用を要望しているとか、治水利水が絡んでいることはよくわかっているのですが、水位操作モロコやフナの産卵影響があったり、水草繁茂等影響があるという指摘は以前からしているわけです。法律に対して滋賀県としてこういうことでという計画ですから、確かに県からすれば治水利水等のいろいろな問題があって、書きぶりが難しいでしょうが、一行も触れないというのはいかがなものかと思います。それはそれでほかの点で考えていきます、弾力的運用をしていきますというのは言葉としては良いのですが、なぜこれが触れられないのですかというのが県民参画委員会での強い意見なのです。だからそれがパブリックコメントにも出てきているということです。ほかの件については加筆しますなどとなっているのに、ここだけは情報の共有を図っていきますとなっていますが、これは何も触れないということですよね。それではちょっと誠意がないのではないでしょうか。我々も県の考え方としては水位操作の問題は一定入れるべきだろうと思いますが。 ◎岡田 琵琶湖保全再生課長  水位操作につきましては、これまでから審議会の場などでも漁連さんから御意見もいただいておりますし、いろいろな場面でも御意見をいただいてまいりました。また、そのことにつきましては、国とも協議もしながら記載については検討をしてきたところです。もともとの法律治水利水対象となっていないのでなかなか記載することが難しいわけですが、そうした御意見もいただいてまいりましたので、この原案ですと6ページの②水産資源の適切な保存および管理のイ、在来魚産卵条件に即した増殖環境あり方の検討という、この一文のところに水位操作在来魚産卵に与える影響などについて増殖環境あり方を検討するという思いを県としては込めているつもりです。 ◆佐野高典 委員  今、どこを指してそう言われたのですか。6ページですか。 ○山本進一 委員長  6ページの②番のイですね。 ◎岡田 琵琶湖保全再生課長  ②のイのところです。中段より少し上のところです。 ◆佐野高典 委員  おっしゃることはよくわかりますが、産卵条件や、平成6年の低水位のときから水草が異常繁茂してきたことは今までから何度も言っていますよね。確かに産卵条件に即した増殖環境あり方を検討する根本には、水位操作が大きく災いしているから、量を一定調整しながら生態系に配慮した放流国土交通省近畿地方整備局がしているわけです。それはある程度評価はできますが、在来魚産卵条件水草への影響を考えると、保全再生計画という名がついている限りはやっぱり水位操作についてもどこかで一行入れておかないことにはぐあいが悪いのではないかということなのです。確かに県としては検討するということで良いのですけど、どういう文言になるかはわかりませんが、国に提出する計画の中に水位操作についての一行をやっぱり入れるべきでしょうということです。 ◎野崎 流域政策局副局長  繰り返しお答えになるのですが、先般から申しておりますように、洗堰琵琶湖、あるいは下流の淀川のための治水利水のための施設ということです。  一方、琵琶湖保全再生法につきましては、一義的には琵琶湖環境保全再生を目的としておりまして、治水利水対象としていないという状況がございます。  こういう状況でありまして、水位操作につきましては琵琶湖再生法の中で既存の枠組みの中で対応するということで、それを前提として今回法律として成立されたものという認識です。  そういうことから、水位操作の記述については控えさせていただきたいということです。たびたび御議論いただいて十分わかってはいるのですが、どうか控えさせていただくということで御理解賜りますようよろしくお願いいたします。 ◆佐野高典 委員  この計画そのもの治水利水に触れないということはよく理解しています。だからそれには触れなくてもよいのです。在来魚産卵水草の面から考えると、琵琶湖環境科学研究センターもその辺のことは言っていますし、こうしてパブリックコメントに出てきている問題でもあり、あるいは県民参画委員会でもこのような意見が強く言われているのですから、こういう面から水位操作については考えていかなければならないといったことを県は真摯に考えるべきではないのかということです。県の立場でこれに触れたくないというのはわからないことはないですが、やっぱりそれも根本の一つですから、琵琶湖保全再生法のあらゆる問題に関連していると思います。 ◎岡田 琵琶湖保全再生課長  繰り返しになりますけれども、水位操作環境面だけではなくて、どうしても治水利水と切り離せないものになっておりますので、なかなか環境の側面だけを切り取ってこの計画の中に位置づけるということは難しく、いろいろと意見交換してくる中で、先ほど申しましたとおり6ページの水産資源の適切な保存および管理のところで増殖環境あり方の検討としまして、その増殖環境というところにそうした県としての思いを込めて表現をさせていただいているところです。 ◆佐野高典 委員  最後にしますが、増殖環境あり方に含むというけれども、どのようにそれを含んでくるのですか。 ◎澤田 水産課長  ここで記述しております増殖環境についてです。洗堰操作によりまして琵琶湖水位操作されております。現在のところ洪水期におけます6月15日にはマイナス20センチメートルにするという操作をされまして、それ以前の直前の水位操作について、フナとかコイは、一定水位があって、一定のまとまった降雨がありますと大産卵が起こるというのは、国土交通省が調べた結果などで明らかでして、雨が降ることと水位が少し上がる、それと産卵が起こるという相関が明らかになっておりますので、そういう場合はできるだけ水位を高く維持するという弾力的な操作をされておられます。これはこれで一定効果があろうかと思っております。  ただ、柳の根っことかに産卵して、水位が下がることによって卵が干からびてしまう影響の大きな魚種、ホンモロコにつきましては、今申しましたような雨とか水位が少し上がったとかそういうこととの明らかな相関が見られません。洗堰琵琶湖河川事務所もどういうタイミングホンモロコ産卵するのかがわかれば、その時点で水位を維持するという操作ができるのですがそれがわからないということです。これにつきましては水産試験場でどういうタイミング産卵が起こるのかをしっかりと詳しく調査をいたしまして、その結果を琵琶湖河川事務所にお伝えして、そのタイミングがわかればそれに合わせてできるだけ水位を高く維持していただくという操作をお願いしようということでこの中に盛り込んでいるところです。 ◆山本正 委員  私も同じようなところでひっかかったのですが、水位操作に関しての意見になりますが、マザーレイク21の計画をもってしても、あるいは今までの県の知見や施策をもってしても、水質改善とか水産資源の減少とかは平成七、八年ごろから悪くなる方向にあります。水産資源については一部回復もあるといえども、以前にもここでお話をさせていただきましたが、極端にこの20年来悪くなってきています。  そういった中で、今度この計画をつくっていくに当たって、水位操作についてそれは治水利水のものであるから書き込めないというのはちょっと違うような気がするのです。  あるいは、もし治水利水との関係水位操作が直接書き込めないのならば、水質改善とか水産資源の減少が悪化してきた原因の中の一つとして、下水道放流水温暖化関係あるかもしれませんが、水草外来植物の繁茂、外来動物などがどれもこれもわからないことがまだあるから悪化の一途をたどっています。だからこそ調査研究が必要なのだということで、水位操作のことも調査研究の中には明記すべきではないかなと思います。水位操作により想定できる影響、あるいは想定できるメカニズムの解明についての調査研究がまだ必要なのではないかということが書き込めないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。 ◎岡田 琵琶湖保全再生課長  御指摘のとおり琵琶湖につきましてはまだわからない課題も多く、単純に何か一つさわったから琵琶湖がよくなるというものではなくて、複雑にいろいろな問題が絡み合っていると考えております。  水位関係につきましては、例えば先ほど水産課長が申しますとおり、ホンモロコ産卵との関係につきましてはこれからも検討するということですし、また、今の琵琶湖生態系に何が起きているのかにつきましては、環境省など国の予算もいただきながら来年度以降調査研究することとしておりますので、水位操作という言葉を今ここには書いておりませんけれども、琵琶湖保全再生生態系の回復に向けたさまざまな調査につきましては、この計画に基づいて実施するとしているところです。 ◆山本正 委員  水位操作はどうしても書けないということなんですね。 ◎岡田 琵琶湖保全再生課長  先ほど来申しましたとおり、治水利水をこの法律対象としていない中で、水位操作という文言をここの計画に書き込むことがなかなか難しいと考えております。 ◆山本正 委員  水位操作がどうこうということではなくて、調査研究をしていく対象として水位操作をということであり、この操作という言葉が悪いんでしたら水位についてはどうですか。マザーレイク21計画からどれだけ変わっているのか、今までの調査研究やいろいろな施策によって得られた知見でどういうことをしてきたのかという中から、今回この計画においてどこが変わるのか、国に物を申すだけの話になっているのか、あるいはよりよくして国の大きなバックアップを期待して、さらに今までのことを精いっぱい入れていかなければならない計画だと思います。そういった中でさっき言ったように琵琶湖環境がどんどん悪くなってきていて、考えられる原因のうちの一つ水位があるというのはみんな思っているわけです。ただ、その影響がはっきりしないというのも確かですので、はっきりしないからこそそのことをどうやってこれからここに盛り込んで調査研究していくのかということを申し上げているわけです。もちろん下水の放流水とかそういったこともわからないですし、わかっていることはもうわかっているので当然影響がないと言い切っておられますが、でも実際はこういうことがあるのだから、わからない部分についてはまだこれから調査研究を進めていくということでしょう。それなら水位だって書くべきではないのですか。そのあたりはどうでしょうか。 ◎石河 琵琶湖環境部次長  今いろいろ御意見いただいております。先ほどから申し上げていますように、水位というのは治水利水関係し、環境の面から水位を考えるにしてもそこはトレードオフの関係がありますので、どうしても治水利水影響せざるを得ないということで、やはりこの法律たてつけからすると水位を書くのはなかなか難しいということが一つございます。  それから、7ページの4に調査研究に関する事項と掲げておりまして、琵琶湖水質生態系に関する継続的な監視、調査を行うことを書いております。  この調査研究というのは、琵琶湖環境はまだまだわからないことがたくさんありますので非常に重要なことです。この計画の中でも重要視しております。琵琶湖水質なり生態系影響するものには、物すごく多くの項目がございます。もちろん水位一つの重要な要素でありますが、要素が余りにも多いのでそれを個別に書くということになると、なかなか計画としては難しいことになります。ですから個別に書くのではなくて、いろいろな要素を考えて水質生態系を全体的に調査研究していく、そういう考え方で記述しておりますので、御理解をいただければと思います。 ◆山本正 委員  書けないという理由は何かほかにあるのでしょうけれども、治水利水との兼ね合いでどちらが優先順位かという問題があるのなら、なおさらそれは誰もが納得できる中でやっていかなければならないと思います。もう意見にとどめさせていただきますが、そのあたりも頭をひねって何かを考えていかなければならないのではないかと思います。水位については、書いていないがどこかで見てとってしているということではなくて、やっぱり明記することによっていろいろなことが派生すると思います。治水利水が確かに大事だということはよくわかりますが、平素において治水利水のためにこの琵琶湖環境を悪くされているのであればやっぱり問題ですし、だからそういうことも考えた上でこの計画の中には何らかの形で水位のことを、操作が入らなくても結構ですので、そのメカニズム解明等を何か書き込んでいただけるとありがたいと思います。これは意見としてです。 ◆西村久子 委員  頑張って佐野委員山本委員が言ってくださいました。同感でございます。というのは、やっぱりそういった原因があって、今、琵琶湖がおかしくなったと私は思っているのです。  一つには、浜崖の問題もあります。これに関しても治水利水関係を言われて、ここには該当しませんといったことは最初の段階でお聞きしておりました。しかし、琵琶湖状況が変わったのは確かにあの水位状況があってから変わりました。そんなに古い昔に浜崖が大々的にあっちでもこっちでも起こったということは聞いてはこなかったし、その原因が定かではなく、調査しながらでもまだわからない状況にあります。そして、現実に浜が欠けていって困っている人もあります。資料2の5ページの最後にパブコメで出されているのですが、湖岸提に対する望ましい湖辺の実現に向けて養浜事業箇所をフィールドとして、生物の回復のための研究をしますということで挙げられているけれども、もともとの原因はというと、やっぱり琵琶湖水位にかかわってくると思います。起こる時期もさまざまですけれども、やっぱりその原因水位関係していると私は思うので、入れられないと言われてもそこは滋賀県としては入れてほしい。  例えばここに委員がこうしてそろっていますけれども、大多数が入れてくれという意見であるとなった場合はどうなるんですか。それでもだめと言われるのですか。だめと言われるのは国が認めませんよということになるのか、そのあたりを聞かせてください。だめならだめでもやっぱり違いますよということを言っていくのが滋賀県の立場だと思うのです。 ◎村上 琵琶湖環境部長  この委員会はもとより各方面の皆様から今の御議論は何度も何度も賜っていて、私どもここにいる皆同じ気持ちで、どのような形で仕上げていけばいいのかと考えてきました。  いただいている御意見につきましては、国とも真摯に協議をしてきていまして、その結果、ぎりぎりの表現で先ほど申し上げた増殖環境あり方を検討すると書かせていただいております。  この計画も非常に大切なのですけれども、まずやっていくその県の姿勢が大切だと私は思いますので、その姿勢については今この場の皆共有をしております。その上でその施策を進めていくために、この計画にどのように位置づけるのが、共感、共存、共有の大きな理念のもとで進められていくのかということが大切だと思いまして、今、国との協議を踏まえますとこのような形で整理をするのがベストだろうという判断をしてこう書いております。  県の計画ですのでどのような内容にしようとまずは県の気持ちがありますから、絶対書けないのかと言われれば書くことはできると思いますが、国の法律たてつけですとか、国との協議が義務づけされているということを踏まえまして、共感、共存、共有という大きな理念を進めていくためにどうすればいいかということをあわせて考えましたところで、このような案で今できないかと模索していることを御理解いただければと思います。 ◆佐野高典 委員  今、部長はそういう答弁をされていますが、県がつくっている計画原案の中で、趣旨のところのいの一番に、治水上または利水上重要な役割を担っているのみならずとありますね。ですからこれは、治水利水に触れる以上に多数の固有種が存在する等豊かな生態系を有し、と書いてあるということです。しかしその琵琶湖においてはアオコ、在来魚介類の減少、水草の繁茂など、生態系あるいは魚介類に対する影響が著しく大きいのが水位操作です。だから県漁連がいつも言っているように、瀬田川の洗堰操作規則をすぐに直せということではありません。ただ、石河次長の話はありましたが、治水利水にはもう触れなくてもよろしいでしょう。そうではなく、生態系の分野、あるいは魚介類の分野に絞って考え、やはり滋賀県の立場として水位操作一定の文言を入れておくべきであろうということです。それについてはほかの面で言っているということであっても、計画の趣旨で言っていることからすれば、諸般のいろいろな問題の根源はここにあるのですよということを一筆加筆すべきであろうというのは、先ほど西村委員山本委員が言われているのと一緒だと思います。常々一番琵琶湖にかかわっている県漁連が先日の県民参画委員会でもこの点をいの一番におっしゃるのはそこなのですよ。諸般の根源はここにあるという体験に基づいたことをおっしゃっているのですから、やはりその辺は考慮すべきであろうということです。  治水利水の面はちょっと置いておいて、一番初めにそう書いてあるでしょう。 ◎村上 琵琶湖環境部長  御説明、御指摘を胸に刻んで最終案を仕上げていきたいと存じます。  ただ、私どもの気持ちもございますけれども、法律たてつけですとか、また、たくさんの関係者もいらっしゃいますので、そことの絡みもよく考えながら、記述ぶり、ないしはパブリックコメントに対する考え方の整理を進めて皆様の御理解がいただけるよう努力をしてまいります。 ◆佐野高典 委員  今後のスケジュールとして、3月14日または15日に特別委員会を開く予定ですので、その席までには回答をいただければと思います。そこで最終案をもう決めるのでしょう。 ◎村上 琵琶湖環境部長  来月のときには最終案をお示しし、また、パブリックコメントも本日はごく数の多かったものの一部についての考え方をまとめているだけでございます。いただいた全部の意見に対する考え方をもっとしっかりとした形でまとめていきたいと存じます。  書きぶりについても、県の考え方についても、もう少しブラッシュアップしてお示ししたいと存じます。  ただ、この問題は非常に難しく、関係者も多く、また思いも多々でございますので、よく国とも話をしながらどのような形で最終案をつくるのか考えさせていただければと存じます。 ○山本進一 委員長  多くの委員を含めて、また部長も県の姿勢が大事だと言っているので、もう一回ちょっと検討していただいて、いろいろと条件等あると思いますけれども、検討をよろしくお願いいたします。 ◆佐野高典 委員  国と相談しながらっておかしいですね。滋賀県の計画をつくるのにどうして国と相談するのでしょう。 ◆中沢啓子 委員  この間、県民参画委員会の中でアオコの話をされていました。追いさで漁をされているところもアオコが出ているという話だったのですが、この計画の中では最初の趣旨のところにアオコが言葉としては出ているのですが、実質の計画の中ではアオコはどの部分で対応されることになるのでしょうか。 ◎岡田 琵琶湖保全再生課長  アオコという言葉は使っていないのですが、例えば2ページの(1)水質の汚濁の防止および改善に関する事項の④その他対策のところに、下から二つ目のぽつですけれども、現状の把握や新たな課題の早期発見など、水質監視について、体制の整備や必要な分析機器の維持、更新などを行い、継続的な調査を実施するとしておりまして、こうした中でアオコなどの調査を実施すると考えております。
    ◆中沢啓子 委員  調査をして対応が求められる、もしくは解明をしてアオコが出ないようにするということが望まれていると思います。私もちゃんと調べていませんが、アオコの問題に関しては食物連鎖が切れているのではないかという話をされていたような気もしたので、気になっていますが、調査だけで終わる話ではないのかなと思うのですが。 ◎石河 琵琶湖環境部次長  アオコは植物プランクトンの発生によるものですから、いろいろな水質状況の結果によるものです。ですから、この2ページの(1)水質の汚濁の防止および改善に関する事項、まずここに掲げているいろいろな施策によって水質の改善対策を進める、その結果、アオコの発生がなくなるということになります。  今申し上げましたのは、そうした水質状況の結果、アオコの発生状況などは先ほど言った項目で継続的に調査、監視していくという体系になっているということです。  ですから、対策としてはここに掲げておりますいろいろな施策をやっていくということになります。 ◆中沢啓子 委員  ということは、アオコが発生しないような環境をつくっていくということがこの中に書かれているという読み取りでいいわけですね。 ◎石河 琵琶湖環境部次長  そう考えていただいて結構です。 ○下村勲 副委員長  ヨシ群落の保全および再生のことですけれども、ヨシ帯を造成していくことは重要なことだと認識していますが、琵琶湖にはかなりいろいろな漂着物といいますか、ごみが河川を通じても入ってきます。ヨシ帯にそういう浮遊物、特にペットボトルとか発泡スチロール、木片、竹、そういうものがいっぱい入っているのです。造成するのはいいのですが、それを管理していくことがこれから特に大事ではないかと思います。このことは景観にも影響しますし、魚の産卵にも影響すると思いますので、この3ページのアのところ、造成・再生を推進するとありますが、そこは造成・再生・管理を推進するといったことも重要ではないかなと思います。ぜひその管理の部分を加筆していただければと思うのですがいかがでしょうか。 ◎小松 琵琶湖環境部技監  ヨシにつきましては、造成に加えて管理ということで、刈り取りとかもボランティアの方々にやっていただきまして、そのときにごみも出ますのでその処理につきましてもしっかり取っていただくということも含めて、ヨシの管理につきましてはやらせていただいておりますので、その部分は御指摘の方向で考えさせていただきたいと思います。 ○下村勲 副委員長  当然、そういう活動でボランティアの皆さんの力も得ながらなんですが、全てのヨシ帯がそのようなボランティアの皆さんによってできているかといえばそうではないと思うのです。ごみが本当にそのヨシ帯の中に入っていけばもう出ないわけですよ。だからやっぱりそこをしっかり管理して、きれいな状態で保全していくというのがすごく大事なことだと思いますので、ぜひともよろしくお願いします。 ◎小松 琵琶湖環境部技監  もともとヨシ群落の保全に関する条例をつくった当初のときに、実際にヨシ帯に入って管理してみたときに、やっぱりごみがすごく多いということがあったみたいです。  それで、今までヨシを守っていくとか管理するということはどこの県でもやったことがなく、ヨシ帯に入っていったときの気づきとして、確かにヨシそのものもですが、今まで捨てられていたごみの処理にも目をつけていかなければならないということがあったとそのときに聞きました。  そういう意味で、委員がおっしゃるようにヨシとそういった不法投棄されたものなどをセットでしっかりやっていかなければならないと思っています。 ◆佐藤健司 委員  直接パブコメとは関係ないのですが、ブラッシュアップをこれからされるという中で、ちょっと1点だけ気になるので指摘したいと思います。  原案の5ページのところに生物多様性の保全・保護の推進という項目をつくっていただいていますが、保全と保護というのは同じように見えて若干違うのですけれども、どう使い分けをしてわざわざ保全・保護と書いてあるのでしょうか。  これは、保全再生計画なので保全という言葉は多く出てくるのですけれど、保護というのはあんまり出てきません。実は保全と保護は似てるようで違っていて、両方推進するというのは多分相反するところも出てこようかと思うのですが、こういうところをもっとブラッシュアップしてください。毎回文言のことで申しわけないですが、細かい点で気になるところが多々あるのですけど、これが一番気になりますので教えてください。 ◎岡田 琵琶湖保全再生課長  ここの保全と保護を明確に使い分けて記載ができているかというと、ちょっと今答えを持ち合わせておりません。改めましてここの文言の意味を調べまして、修正すべき場合は修正してまいりたいと考えております。 ◆佐藤健司 委員  保全というとある程度は管理しながら、手を入れながら守っていく。保護というともう一切守っていくということになるのではないかなと思います。その辺は法律用語として、行政用語としてどういう使い分けをされているのかわかりませんが、ちょっと違うのではないかなと思うのでお願いをしたいと思います。  それ以外にも、防除と駆除の使い分けだとかいろいろありますが、細かい点はまた1カ月かけてブラッシュアップしていただけたらと思います。 ◆清水鉄次 委員  佐藤委員のちょっと関連なんですけど、⑤です。昨年近江八幡の上下水道でにおいが臭いということでいろいろ問題になりまして、それは地球温暖化で水温が上がってどうのこうのという話がありました。ことしは雪が多くて水温も下がって、琵琶湖の循環があると思うのですけれど、今後の基本的な流れとしては温暖化ということを考えると、水温が上がるという前提のもとで生態系がどうなるのかということが非常に気になるので、ここをこういう文章よりもう少し踏み込んだ言葉がないかなと思うのですが。やっぱりこれはこれからの計画なので、すこしその点を一回検討してもらえないかと思います。もう少し踏み込んで、保全、保護するにはもっといろいろなことをやっていかないといけないと、そういうことにならないかなということを一つ感じました。これは意見です。  それと、もう一つ先ほどから出ていたのですが、漁業関係者の皆さんから下水道水質は問題があるのではないかという要望は以前からずっと聞いておりました。ようやく塩素の減少等で答弁もいただいたんですけれど、ちょっと対応が遅かったような気がするのですが、今後も塩素を半減したら解決するのだという考え方ではなくて、やはり検査をしながら、漁業関係者の皆さんにも情報を公表しながら進めていただきたいと思います。現実問題としては魚は減っていますので、それは原因がはっきりとつかめないというか、こうだということがないらしいという答弁をいただいていますけれど、そういった現実について、どうしてかということをやっぱり一緒になって考えていただければということをお願いしたいと思います。 ◎小松 琵琶湖環境部技監  清水委員からは去年近江八幡のあたりで水道にかび臭がしたこと、また、先ほど中沢委員からもアオコが発生した等の御指摘がありました。  また、全循環が去年は3月14日で結構遅くなったということで、ただ、ことしは1月26日に循環はしましたので、去年とことしでは大分違ってきております。  そこに気候変動という委員の御指摘もございましたが、そういったことは全て関連しているという印象を私は去年受けておりました。  特に全循環が結構おくれたことで、窒素が表層に行き渡らなくなりまして、結局、それで増殖速度の速いウログレナが大量に発生しました。赤潮まではいかなかったのですが、そうしますとやっぱり北湖の濁りが出てきまして、太陽が届かない。南湖も同じようになかなか届かないということになりますと、水草は光を求めて大きくなるのですけれども、それで水草が成長しないということになります。そうすると、結局プランクトンがたくさん出てしまって、最終的にアオコとかそういったものにつながってきたのではないかと思っております。  水草が少なく、それと同時にハスも少なくなってきておりますし、水草とプランクトンの間にどこまで関係があるかわかりませんが、近江八幡の西の湖などでオシラトリアなどにおいを発生させるプランクトンがかなり発生したということです。そしてミクラステリアスという大きなプランクトン、今も結構多いのですが、それが動物プランクトンにも食べられないような大きなもので、結局今のアユの不漁につながっているということかなと思っています。  そうしますと、全循環がおくれるということと、琵琶湖水草やプランクトンの関係が全体的にずっと連携しながら進んでいるということなので、そのあたりはしっかりと検討していかなければならないと思っております。  先ほどの5ページの生物多様性の保全とか保護というところにもう少しということですけれども、この計画そのものの中に、例えば7ページの調査研究に関する事項とか、在来魚産卵とか、いろいろな部分で書かれておりますけれども、そういったことを全部総合的にやっていくことで、生物多様性は保全されると考えております。  そのあたりはことしの4月から国立環境研究所も来ますので、しっかりと連携しながら、現象面で抑える、それで現象面で抑えるだけではなくて、先ほども御指摘がありましたけれども、実際に我々のできる施策につなげていきたい。施策をつなげることによって今見えている悪影響をできるだけないようにするということを目的に、この計画をしっかりと動かしていきたいと思っているところです。 ◆有村國俊 委員  ちょっと関連して現象について、大変ですね。またことしも来年もどうなるかわからないところもあるし大変だったと思います。諸事、漁業もそうですが。  そういったときに、薬注処理が大変だったと思うので人体に影響があるといけませんし、そういうことで例えば今そういった現象に対する予防策みたいなものも考えていこうかなともとれたし、いろいろ総力を結集してみんなで頑張っていただきたいと思います。意見です。 ◎小松 琵琶湖環境部技監  ありがとうございます。 ◆中村才次郎 委員  森林のところですけれども、3ページに、多面的機能を高度に発揮する多様で健全な森林へ誘導する、こうあるのですが、その前に再造林等を着実に行い、とあるのですけれども、再造林というのは杉とかヒノキとかそういう人工林の再造林を考えておられるのか、もっと自然に近い森林というか、雑木林みたいな感じのものをイメージされているのか、お聞きしたいと思います。 ◎水田 琵琶湖環境部技監  今考えているのは、人工林を考えています。戦後植えた杉、ヒノキが伐採して利用できる状況になっています。ただ、それを今は切って販売してもなかなか価格が上がらない、それからコストがかかるということで、伐採収益を所有者に返すお金が十分になく、切った後にもう一度植えようという意欲がなかなか起こってこないという問題がございます。  ただ、そうなりますと森林がいつまでも若返らないという部分もありますし、循環していかなければならないということで、やはり杉、ヒノキの人工林を循環していくということが大事だと考えています。例えば伐採と植栽を同じように一貫してやることでコストを下げて、そして植栽もやっていくといったことをモデル的にやっていきながら、再造林を進めていこうということを考えております。こちらの関連事業の中の左側の守る取り組みの中で、次世代の森創生事業というのを打ち出しておりますが、これは全てではございませんが、この事業の中でそういう再造林を推進するようなモデル的な事業を取り組んでいきたいということで、再造林について掲げさせていただいています。 ◆中村才次郎 委員  この前も質問させてもらっていますけれども、再造林をしていくための苗木を滋賀県内でも育てられているのですが、京都などの他府県から入っていることが多いのです。  それから、樹木はその土地で種をとって、そしてその土地で育てたものがやはり最適だと思うのです。ですから、できる限り県内産の苗木を進んで取り入れていく仕組みといったものを考えていくことが必要かなと思います。意見です。 ◎水田 琵琶湖環境部技監  今おっしゃっていただきましたように、適地適木という言葉がありますし、その地域で育てた苗をその地域で植えるというのが基本だと思っております。  ただ、今申し上げたように全体的に再造林が十分進んでいませんので、苗木の流通は非常に少ない状況になっております。育ててもそれを確実に使っていただけるという保証がないと、苗木生産業者もなかなか積極的に生産できないということもございまして、どうしても他府県との調整が必要になってまいります。現在そういう調整を行いながらバランスをとっているのですが、やはり滋賀県で苗木をもっと使う政策をやっていかなければなりませんし、それにはやっぱりさっき申し上げた再造林をもっと進めていくということで苗木の生産業者ももっと生産をふやしていき、そのことによって県内産が使われるということにもつながりますので、まずはそういうことをしっかりやっていきながら、滋賀県産の苗木が滋賀県でしっかり使われるという仕組みをこれからつくっていきたいと思っております。 ◆中村才次郎 委員  しっかりお願いしたいと思います。 閉会宣告  11時11分  県政記者傍聴:時事通信、京都、朝日、中日  一般傍聴  :3人...