7 配付した
参考資料 別紙のとおり
8 議事の
経過概要 別紙のとおり
議事の
経過概要
開会宣告 10時00分
1 「
琵琶湖保全再生施策に関する
計画」(原案)に対して提出された主な
意見・情報とそれらに対する
滋賀県の
考え方について
(1)
当局説明 岡田琵琶湖保全再生課長
(2)質疑、
意見等
◆
佐野高典 委員 1月17日に当
委員会で
県民参画委員会を開催し、
滋賀県
漁業協同組合連合会と
意見交換を行いました。その席上で
県漁連からは、
水位操作、
下水道、
水草の3点の問題について話があり、これについてはかねがね文書でも
県当局へ要望を出されているわけです。
下水道放流水対策について、なるほど
滋賀県は
規制値以上の強い規制をしながら
排水処理基準を設け、当然その
基準値はクリアしていることはよくわかっているのですが、今までの体験上、あるいは漁場の
環境等を見ているといろいろな
要素があって、4カ所の
下水処理場の水が悪
影響を及ぼしているということは、かねがね
指摘されているわけです。それで必要な
調査を行う旨の加筆をするという方向ですが、この間の
県民参画委員会でそれでは手ぬるいという御
指摘を受けています。
次に、22番の
水位操作についてですが、もともとこの
再生施策に関する
計画の中でも一切この問題には触れられていません。そして、県の
考え方としては、ほかの件については加筆をしますとか、例示する方向で考えていますなどとなっているのに、これだけは、御
指摘の内容については国とも情報の
共有を図っていきますと、ここでとどめてあるわけです。ということは、国との
協議はしていきますが、この
計画には
水位操作については一切触れないということであろうと思うのですが、いろいろな
意見があるけれども、
水位操作の
影響が
生態系やいろいろな問題に
影響していることを考えれば、
滋賀県としてこの問題についての
考え方を一筆加えておくべきではないのかと思います。
県民参画委員会を踏まえての
意見としてどのように考えておられるのでしょうか。
水草については、いろいろ御提言のとおり対応していただければありがたいですが、
下水道の問題と
水位操作の問題の位置づけについての
考え方を教えてください。
◎茨木
下水道課長 まず、
下水道のことについて
お答えをさせていただきます。
これまで法に基づく適切な
水質管理でありますとか、また
下水道の
放流水の
影響に関しましては、
動物プランクトンの
生態調査やアユの
忌避行動調査をやらせていただいております。今のところ
下水処理水の
影響は認められていないという
状況ですが、いろいろ御懸念もあるということで、例えば
放流先の
塩素の
濃度調査をして、そこでは
測定下限値以下の数値であることも確認しておりますが、
塩素の
注入量、これを低減、半減させながら
運転操作をしているところです。
こういった中でも、まだ
漁業関係者の方等から
残留塩素の問題や温度の問題といったことが
指摘されているのは認識をしております。これらの
指摘が具体的に例えば
放流先の限られた範囲での問題であるのか、もしくは
琵琶湖全体に対する問題であるかですとか、いま一度論点や課題を明確にさせていただいた上で、それらの論点に対しまして
研究機関の助言も得ながら必要な
調査を行って、
下水道としてすべきこと、またできることを考えていきたいと考えております。
◎
岡田 琵琶湖保全再生課長 水位操作についてのこの
計画における
考え方ですけれども、
水位操作は
委員御
指摘のとおり
琵琶湖や湖辺の
自然環境に与える
影響は考えられますけれども、
治水、
利水に与える
影響が大きく、
自然環境の側面からこの
計画に記載することはなかなか難しいと考えております。
ただ、
計画に記載しなくてもかねてから
治水、
利水、
環境の調和のとれた弾力的な
操作方法について国に要望しているところでありまして、今後ともより望ましい
水位操作の
あり方に向けまして、国と連携して取り組んでいきたいと考えているところです。
◆
佐野高典 委員 下水道の問題は、
基準値より低いということですが、
指摘のある
塩素水の問題は対応を今後も続けていただきたいと思います。
水位操作についてですが、これまでの
計画案を一年間審議してきて、おおむねこういう
計画案でよかろうということで
パブリックコメントを受けたという中で、なぜきょうになってこの問題をと思われるかもしれませんが、やはり
県民参画委員会に来られた
漁業者の方々はこれをかねがねおっしゃっているわけですね。弾力的な運用を要望しているとか、
治水、
利水が絡んでいることはよくわかっているのですが、
水位操作が
モロコやフナの
産卵に
影響があったり、
水草の
繁茂等に
影響があるという
指摘は以前からしているわけです。
法律に対して
滋賀県としてこういうことでという
計画ですから、確かに県からすれば
治水、
利水等のいろいろな問題があって、書きぶりが難しいでしょうが、一行も触れないというのはいかがなものかと思います。それはそれでほかの点で考えていきます、
弾力的運用をしていきますというのは言葉としては良いのですが、なぜこれが触れられないのですかというのが
県民参画委員会での強い
意見なのです。だからそれが
パブリックコメントにも出てきているということです。ほかの件については加筆しますなどとなっているのに、ここだけは情報の
共有を図っていきますとなっていますが、これは何も触れないということですよね。それではちょっと誠意がないのではないでしょうか。我々も県の
考え方としては
水位操作の問題は
一定入れるべきだろうと思いますが。
◎
岡田 琵琶湖保全再生課長 水位操作につきましては、これまでから
審議会の場などでも
漁連さんから御
意見もいただいておりますし、いろいろな場面でも御
意見をいただいてまいりました。また、そのことにつきましては、国とも
協議もしながら記載については検討をしてきたところです。もともとの
法律で
治水、
利水が
対象となっていないのでなかなか記載することが難しいわけですが、そうした御
意見もいただいてまいりましたので、この原案ですと6ページの
②水産資源の適切な保存および管理のイ、
在来魚の
産卵条件に即した
増殖環境の
あり方の検討という、この一文のところに
水位操作が
在来魚の
産卵に与える
影響などについて
増殖環境の
あり方を検討するという思いを県としては込めているつもりです。
◆
佐野高典 委員 今、どこを指してそう言われたのですか。6ページですか。
○
山本進一 委員長 6ページの②番のイですね。
◎
岡田 琵琶湖保全再生課長 ②のイのところです。中段より少し上のところです。
◆
佐野高典 委員 おっしゃることはよくわかりますが、
産卵条件や、
平成6年の低
水位のときから
水草が異常繁茂してきたことは今までから何度も言っていますよね。確かに
産卵条件に即した
増殖環境の
あり方を検討する根本には、
水位操作が大きく災いしているから、量を
一定調整しながら
生態系に配慮した
放流を
国土交通省近畿地方整備局がしているわけです。それはある程度評価はできますが、
在来魚の
産卵条件や
水草への
影響を考えると、
保全再生計画という名がついている限りはやっぱり
水位操作についてもどこかで一行入れておかないことにはぐあいが悪いのではないかということなのです。確かに県としては検討するということで良いのですけど、どういう文言になるかはわかりませんが、国に提出する
計画の中に
水位操作についての一行をやっぱり入れるべきでしょうということです。
◎野崎
流域政策局副局長
繰り返しの
お答えになるのですが、先般から申しておりますように、
洗堰は
琵琶湖、あるいは下流の淀川のための
治水、
利水のための施設ということです。
一方、
琵琶湖保全再生法につきましては、一義的には
琵琶湖の
環境保全、
再生を目的としておりまして、
治水、
利水を
対象としていないという
状況がございます。
こういう
状況でありまして、
水位操作につきましては
琵琶湖再生法の中で既存の枠組みの中で対応するということで、それを前提として今回
法律として成立されたものという認識です。
そういうことから、
水位操作の記述については控えさせていただきたいということです。たびたび御議論いただいて十分わかってはいるのですが、どうか控えさせていただくということで御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
◆
佐野高典 委員 この
計画そのものが
治水、
利水に触れないということはよく理解しています。だからそれには触れなくてもよいのです。
在来魚の
産卵や
水草の面から考えると、
琵琶湖環境科学研究センターもその辺のことは言っていますし、こうして
パブリックコメントに出てきている問題でもあり、あるいは
県民参画委員会でもこのような
意見が強く言われているのですから、こういう面から
水位操作については考えていかなければならないといったことを県は真摯に考えるべきではないのかということです。県の立場でこれに触れたくないというのはわからないことはないですが、やっぱりそれも根本の
一つですから、
琵琶湖保全再生法のあらゆる問題に関連していると思います。
◎
岡田 琵琶湖保全再生課長 繰り返しになりますけれども、
水位操作は
環境面だけではなくて、どうしても
治水、
利水と切り離せないものになっておりますので、なかなか
環境の側面だけを切り取ってこの
計画の中に位置づけるということは難しく、いろいろと
意見交換してくる中で、
先ほど申しましたとおり6ページの
水産資源の適切な保存および管理のところで
増殖環境の
あり方の検討としまして、その
増殖環境というところにそうした県としての思いを込めて表現をさせていただいているところです。
◆
佐野高典 委員 最後にしますが、
増殖環境の
あり方に含むというけれども、どのようにそれを含んでくるのですか。
◎澤田
水産課長 ここで記述しております
増殖環境についてです。
洗堰の
操作によりまして
琵琶湖の
水位が
操作されております。現在のところ
洪水期におけます6月15日にはマイナス20センチメートルにするという
操作をされまして、それ以前の直前の
水位操作について、フナとかコイは、
一定の
水位があって、
一定のまとまった降雨がありますと大
産卵が起こるというのは、
国土交通省が調べた結果などで明らかでして、雨が降ることと
水位が少し上がる、それと
産卵が起こるという相関が明らかになっておりますので、そういう場合はできるだけ
水位を高く維持するという弾力的な
操作をされておられます。これはこれで
一定効果があろうかと思っております。
ただ、柳の根っことかに
産卵して、
水位が下がることによって卵が干からびてしまう
影響の大きな魚種、
ホンモロコにつきましては、今申しましたような雨とか
水位が少し上がったとかそういうこととの明らかな相関が見られません。
洗堰の
琵琶湖河川事務所もどういう
タイミングで
ホンモロコが
産卵するのかがわかれば、その時点で
水位を維持するという
操作ができるのですがそれがわからないということです。これにつきましては
水産試験場でどういう
タイミングで
産卵が起こるのかをしっかりと詳しく
調査をいたしまして、その結果を
琵琶湖河川事務所にお伝えして、その
タイミングがわかればそれに合わせてできるだけ
水位を高く維持していただくという
操作をお願いしようということでこの中に盛り込んでいるところです。
◆
山本正 委員 私も同じようなところでひっかかったのですが、
水位操作に関しての
意見になりますが、
マザーレイク21の
計画をもってしても、あるいは今までの県の知見や
施策をもってしても、
水質改善とか
水産資源の減少とかは
平成七、八年ごろから悪くなる方向にあります。
水産資源については一部回復もあるといえども、以前にもここでお話をさせていただきましたが、極端にこの20年来悪くなってきています。
そういった中で、今度この
計画をつくっていくに当たって、
水位操作についてそれは
治水、
利水のものであるから書き込めないというのはちょっと違うような気がするのです。
あるいは、もし
治水、
利水との
関係で
水位操作が直接書き込めないのならば、
水質改善とか
水産資源の減少が悪化してきた
原因の中の
一つとして、
下水道の
放流水、
温暖化も
関係あるかもしれませんが、
水草、
外来植物の繁茂、
外来動物などがどれもこれもわからないことがまだあるから悪化の一途をたどっています。だからこそ
調査研究が必要なのだということで、
水位操作のことも
調査研究の中には明記すべきではないかなと思います。
水位操作により想定できる
影響、あるいは想定できる
メカニズムの解明についての
調査研究がまだ必要なのではないかということが書き込めないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
◎
岡田 琵琶湖保全再生課長 御
指摘のとおり
琵琶湖につきましてはまだわからない課題も多く、単純に何か
一つさわったから
琵琶湖がよくなるというものではなくて、複雑にいろいろな問題が絡み合っていると考えております。
水位の
関係につきましては、例えば
先ほども
水産課長が申しますとおり、
ホンモロコの
産卵との
関係につきましてはこれからも検討するということですし、また、今の
琵琶湖の
生態系に何が起きているのかにつきましては、
環境省など国の予算もいただきながら来年度以降
調査研究することとしておりますので、
水位操作という言葉を今ここには書いておりませんけれども、
琵琶湖の
保全再生、
生態系の回復に向けたさまざまな
調査につきましては、この
計画に基づいて実施するとしているところです。
◆
山本正 委員 水位操作はどうしても書けないということなんですね。
◎
岡田 琵琶湖保全再生課長 先ほど来申しましたとおり、
治水と
利水をこの
法律が
対象としていない中で、
水位操作という文言をここの
計画に書き込むことがなかなか難しいと考えております。
◆
山本正 委員 水位操作がどうこうということではなくて、
調査研究をしていく
対象として
水位操作をということであり、この
操作という言葉が悪いんでしたら
水位についてはどうですか。
マザーレイク21
計画からどれだけ変わっているのか、今までの
調査研究やいろいろな
施策によって得られた知見でどういうことをしてきたのかという中から、今回この
計画においてどこが変わるのか、国に物を申すだけの話になっているのか、あるいはよりよくして国の大きなバックアップを期待して、さらに今までのことを精いっぱい入れていかなければならない
計画だと思います。そういった中でさっき言ったように
琵琶湖の
環境がどんどん悪くなってきていて、考えられる
原因のうちの
一つに
水位があるというのはみんな思っているわけです。ただ、その
影響がはっきりしないというのも確かですので、はっきりしないからこそそのことをどうやってこれからここに盛り込んで
調査研究していくのかということを申し上げているわけです。もちろん下水の
放流水とかそういったこともわからないですし、わかっていることはもうわかっているので当然
影響がないと言い切っておられますが、でも実際はこういうことがあるのだから、わからない部分についてはまだこれから
調査研究を進めていくということでしょう。それなら
水位だって書くべきではないのですか。その
あたりはどうでしょうか。
◎石河
琵琶湖環境部次長 今いろいろ御
意見いただいております。
先ほどから申し上げていますように、
水位というのは
治水、
利水に
関係し、
環境の面から
水位を考えるにしてもそこはトレードオフの
関係がありますので、どうしても
治水、
利水に
影響せざるを得ないということで、やはりこの
法律の
たてつけからすると
水位を書くのはなかなか難しいということが
一つございます。
それから、7ページの4に
調査研究に関する事項と掲げておりまして、
琵琶湖の
水質や
生態系に関する継続的な監視、
調査を行うことを書いております。
この
調査研究というのは、
琵琶湖の
環境はまだまだわからないことがたくさんありますので非常に重要なことです。この
計画の中でも重要視しております。
琵琶湖の
水質なり
生態系に
影響するものには、物すごく多くの項目がございます。もちろん
水位も
一つの重要な
要素でありますが、
要素が余りにも多いのでそれを個別に書くということになると、なかなか
計画としては難しいことになります。ですから個別に書くのではなくて、いろいろな
要素を考えて
水質、
生態系を全体的に
調査研究していく、そういう
考え方で記述しておりますので、御理解をいただければと思います。
◆
山本正 委員 書けないという理由は何かほかにあるのでしょうけれども、
治水、
利水との兼ね合いでどちらが
優先順位かという問題があるのなら、なおさらそれは誰もが納得できる中でやっていかなければならないと思います。もう
意見にとどめさせていただきますが、その
あたりも頭をひねって何かを考えていかなければならないのではないかと思います。
水位については、書いていないがどこかで見てとってしているということではなくて、やっぱり明記することによっていろいろなことが派生すると思います。
治水、
利水が確かに大事だということはよくわかりますが、平素において
治水、
利水のためにこの
琵琶湖の
環境を悪くされているのであればやっぱり問題ですし、だからそういうことも考えた上でこの
計画の中には何らかの形で
水位のことを、
操作が入らなくても結構ですので、その
メカニズムの
解明等を何か書き込んでいただけるとありがたいと思います。これは
意見としてです。
◆
西村久子 委員 頑張って
佐野委員や
山本委員が言ってくださいました。同感でございます。というのは、やっぱりそういった
原因があって、今、
琵琶湖がおかしくなったと私は思っているのです。
一つには、
浜崖の問題もあります。これに関しても
治水、
利水の
関係を言われて、ここには該当しませんといったことは最初の段階でお聞きしておりました。しかし、
琵琶湖の
状況が変わったのは確かにあの
水位の
状況があってから変わりました。そんなに古い昔に
浜崖が大々的にあっちでもこっちでも起こったということは聞いてはこなかったし、その
原因が定かではなく、
調査しながらでもまだわからない
状況にあります。そして、現実に浜が欠けていって困っている人もあります。資料2の5ページの最後に
パブコメで出されているのですが、
湖岸提に対する望ましい湖辺の実現に向けて
養浜事業箇所をフィールドとして、生物の回復のための
研究をしますということで挙げられているけれども、もともとの
原因はというと、やっぱり
琵琶湖の
水位にかかわってくると思います。起こる時期もさまざまですけれども、やっぱりその
原因は
水位に
関係していると私は思うので、入れられないと言われてもそこは
滋賀県としては入れてほしい。
例えばここに
委員がこうしてそろっていますけれども、大多数が入れてくれという
意見であるとなった場合はどうなるんですか。それでもだめと言われるのですか。だめと言われるのは国が認めませんよということになるのか、その
あたりを聞かせてください。だめならだめでもやっぱり違いますよということを言っていくのが
滋賀県の立場だと思うのです。
◎
村上 琵琶湖環境部長 この
委員会はもとより各方面の皆様から今の御議論は何度も何度も賜っていて、私どもここにいる皆同じ
気持ちで、どのような形で仕上げていけばいいのかと考えてきました。
いただいている御
意見につきましては、国とも真摯に
協議をしてきていまして、その結果、ぎりぎりの表現で
先ほど申し上げた
増殖環境の
あり方を検討すると書かせていただいております。
この
計画も非常に大切なのですけれども、まずやっていくその県の姿勢が大切だと私は思いますので、その姿勢については今この場の皆
共有をしております。その上でその
施策を進めていくために、この
計画にどのように位置づけるのが、共感、共存、
共有の大きな理念のもとで進められていくのかということが大切だと思いまして、今、国との
協議を踏まえますとこのような形で整理をするのがベストだろうという判断をしてこう書いております。
県の
計画ですのでどのような内容にしようとまずは県の
気持ちがありますから、絶対書けないのかと言われれば書くことはできると思いますが、国の
法律の
たてつけですとか、国との
協議が義務づけされているということを踏まえまして、共感、共存、
共有という大きな理念を進めていくためにどうすればいいかということをあわせて考えましたところで、このような案で今できないかと模索していることを御理解いただければと思います。
◆
佐野高典 委員 今、部長はそういう答弁をされていますが、県がつくっている
計画原案の中で、趣旨のところの
いの一番に、
治水上または
利水上重要な役割を担っているのみならずとありますね。ですからこれは、
治水、
利水に触れる以上に多数の
固有種が存在する等豊かな
生態系を有し、と書いてあるということです。しかしその
琵琶湖においてはアオコ、
在来魚介類の減少、
水草の繁茂など、
生態系あるいは
魚介類に対する
影響が著しく大きいのが
水位操作です。だから
県漁連がいつも言っているように、瀬田川の
洗堰の
操作規則をすぐに直せということではありません。ただ、
石河次長の話はありましたが、
治水、
利水にはもう触れなくてもよろしいでしょう。そうではなく、
生態系の分野、あるいは
魚介類の分野に絞って考え、やはり
滋賀県の立場として
水位操作の
一定の文言を入れておくべきであろうということです。それについてはほかの面で言っているということであっても、
計画の趣旨で言っていることからすれば、諸般のいろいろな問題の根源はここにあるのですよということを一筆加筆すべきであろうというのは、
先ほど西村委員や
山本委員が言われているのと一緒だと思います。常々一番
琵琶湖にかかわっている
県漁連が先日の
県民参画委員会でもこの点を
いの一番におっしゃるのはそこなのですよ。諸般の根源はここにあるという体験に基づいたことをおっしゃっているのですから、やはりその辺は考慮すべきであろうということです。
治水、
利水の面はちょっと置いておいて、一番初めにそう書いてあるでしょう。
◎
村上 琵琶湖環境部長 御説明、御
指摘を胸に刻んで
最終案を仕上げていきたいと存じます。
ただ、私どもの
気持ちもございますけれども、
法律の
たてつけですとか、また、たくさんの
関係者もいらっしゃいますので、そことの絡みもよく考えながら、
記述ぶり、ないしは
パブリックコメントに対する
考え方の整理を進めて皆様の御理解がいただけるよう努力をしてまいります。
◆
佐野高典 委員 今後のスケジュールとして、3月14日または15日に
特別委員会を開く予定ですので、その席までには回答をいただければと思います。そこで
最終案をもう決めるのでしょう。
◎
村上 琵琶湖環境部長 来月のときには
最終案をお示しし、また、
パブリックコメントも本日はごく数の多かったものの一部についての
考え方をまとめているだけでございます。いただいた全部の
意見に対する
考え方をもっとしっかりとした形でまとめていきたいと存じます。
書きぶりについても、県の
考え方についても、もう少しブラッシュアップしてお示ししたいと存じます。
ただ、この問題は非常に難しく、
関係者も多く、また思いも多々でございますので、よく国とも話をしながらどのような形で
最終案をつくるのか考えさせていただければと存じます。
○
山本進一 委員長 多くの
委員を含めて、また部長も県の姿勢が大事だと言っているので、もう一回ちょっと検討していただいて、いろいろと条件等あると思いますけれども、検討をよろしくお願いいたします。
◆
佐野高典 委員 国と相談しながらっておかしいですね。
滋賀県の
計画をつくるのにどうして国と相談するのでしょう。
◆中沢啓子
委員 この間、
県民参画委員会の中でアオコの話をされていました。追いさで漁をされているところもアオコが出ているという話だったのですが、この
計画の中では最初の趣旨のところにアオコが言葉としては出ているのですが、実質の
計画の中ではアオコはどの部分で対応されることになるのでしょうか。
◎
岡田 琵琶湖保全再生課長 アオコという言葉は使っていないのですが、例えば2ページの(1)
水質の汚濁の防止および改善に関する事項の④その他対策のところに、下から二つ目のぽつですけれども、現状の把握や新たな課題の早期発見など、
水質監視について、体制の整備や必要な分析機器の維持、更新などを行い、継続的な
調査を実施するとしておりまして、こうした中でアオコなどの
調査を実施すると考えております。
◆中沢啓子
委員 調査をして対応が求められる、もしくは解明をしてアオコが出ないようにするということが望まれていると思います。私もちゃんと調べていませんが、アオコの問題に関しては食物連鎖が切れているのではないかという話をされていたような気もしたので、気になっていますが、
調査だけで終わる話ではないのかなと思うのですが。
◎石河
琵琶湖環境部次長 アオコは植物プランクトンの発生によるものですから、いろいろな
水質の
状況の結果によるものです。ですから、この2ページの(1)
水質の汚濁の防止および改善に関する事項、まずここに掲げているいろいろな
施策によって
水質の改善対策を進める、その結果、アオコの発生がなくなるということになります。
今申し上げましたのは、そうした
水質の
状況の結果、アオコの発生
状況などは
先ほど言った項目で継続的に
調査、監視していくという体系になっているということです。
ですから、対策としてはここに掲げておりますいろいろな
施策をやっていくということになります。
◆中沢啓子
委員 ということは、アオコが発生しないような
環境をつくっていくということがこの中に書かれているという読み取りでいいわけですね。
◎石河
琵琶湖環境部次長 そう考えていただいて結構です。
○下村勲 副
委員長 ヨシ群落の保全および
再生のことですけれども、ヨシ帯を造成していくことは重要なことだと認識していますが、
琵琶湖にはかなりいろいろな漂着物といいますか、ごみが河川を通じても入ってきます。ヨシ帯にそういう浮遊物、特にペットボトルとか発泡スチロール、木片、竹、そういうものがいっぱい入っているのです。造成するのはいいのですが、それを管理していくことがこれから特に大事ではないかと思います。このことは景観にも
影響しますし、魚の
産卵にも
影響すると思いますので、この3ページのアのところ、造成・
再生を推進するとありますが、そこは造成・
再生・管理を推進するといったことも重要ではないかなと思います。ぜひその管理の部分を加筆していただければと思うのですがいかがでしょうか。
◎小松
琵琶湖環境部技監 ヨシにつきましては、造成に加えて管理ということで、刈り取りとかもボランティアの方々にやっていただきまして、そのときにごみも出ますのでその処理につきましてもしっかり取っていただくということも含めて、ヨシの管理につきましてはやらせていただいておりますので、その部分は御
指摘の方向で考えさせていただきたいと思います。
○下村勲 副
委員長 当然、そういう活動でボランティアの皆さんの力も得ながらなんですが、全てのヨシ帯がそのようなボランティアの皆さんによってできているかといえばそうではないと思うのです。ごみが本当にそのヨシ帯の中に入っていけばもう出ないわけですよ。だからやっぱりそこをしっかり管理して、きれいな状態で保全していくというのがすごく大事なことだと思いますので、ぜひともよろしくお願いします。
◎小松
琵琶湖環境部技監 もともとヨシ群落の保全に関する条例をつくった当初のときに、実際にヨシ帯に入って管理してみたときに、やっぱりごみがすごく多いということがあったみたいです。
それで、今までヨシを守っていくとか管理するということはどこの県でもやったことがなく、ヨシ帯に入っていったときの気づきとして、確かにヨシそのものもですが、今まで捨てられていたごみの処理にも目をつけていかなければならないということがあったとそのときに聞きました。
そういう意味で、
委員がおっしゃるようにヨシとそういった不法投棄されたものなどをセットでしっかりやっていかなければならないと思っています。
◆佐藤健司
委員 直接
パブコメとは
関係ないのですが、ブラッシュアップをこれからされるという中で、ちょっと1点だけ気になるので
指摘したいと思います。
原案の5ページのところに生物多様性の保全・保護の推進という項目をつくっていただいていますが、保全と保護というのは同じように見えて若干違うのですけれども、どう使い分けをしてわざわざ保全・保護と書いてあるのでしょうか。
これは、
保全再生計画なので保全という言葉は多く出てくるのですけれど、保護というのはあんまり出てきません。実は保全と保護は似てるようで違っていて、両方推進するというのは多分相反するところも出てこようかと思うのですが、こういうところをもっとブラッシュアップしてください。毎回文言のことで申しわけないですが、細かい点で気になるところが多々あるのですけど、これが一番気になりますので教えてください。
◎
岡田 琵琶湖保全再生課長 ここの保全と保護を明確に使い分けて記載ができているかというと、ちょっと今答えを持ち合わせておりません。改めましてここの文言の意味を調べまして、修正すべき場合は修正してまいりたいと考えております。
◆佐藤健司
委員 保全というとある程度は管理しながら、手を入れながら守っていく。保護というともう一切守っていくということになるのではないかなと思います。その辺は
法律用語として、行政用語としてどういう使い分けをされているのかわかりませんが、ちょっと違うのではないかなと思うのでお願いをしたいと思います。
それ以外にも、防除と駆除の使い分けだとかいろいろありますが、細かい点はまた1カ月かけてブラッシュアップしていただけたらと思います。
◆清水鉄次
委員 佐藤委員のちょっと関連なんですけど、⑤です。昨年近江八幡の上
下水道でにおいが臭いということでいろいろ問題になりまして、それは地球
温暖化で水温が上がってどうのこうのという話がありました。ことしは雪が多くて水温も下がって、
琵琶湖の循環があると思うのですけれど、今後の基本的な流れとしては
温暖化ということを考えると、水温が上がるという前提のもとで
生態系がどうなるのかということが非常に気になるので、ここをこういう文章よりもう少し踏み込んだ言葉がないかなと思うのですが。やっぱりこれはこれからの
計画なので、すこしその点を一回検討してもらえないかと思います。もう少し踏み込んで、保全、保護するにはもっといろいろなことをやっていかないといけないと、そういうことにならないかなということを
一つ感じました。これは
意見です。
それと、もう
一つは
先ほどから出ていたのですが、
漁業関係者の皆さんから
下水道の
水質は問題があるのではないかという要望は以前からずっと聞いておりました。ようやく
塩素の減少等で答弁もいただいたんですけれど、ちょっと対応が遅かったような気がするのですが、今後も
塩素を半減したら解決するのだという
考え方ではなくて、やはり検査をしながら、
漁業関係者の皆さんにも情報を公表しながら進めていただきたいと思います。現実問題としては魚は減っていますので、それは
原因がはっきりとつかめないというか、こうだということがないらしいという答弁をいただいていますけれど、そういった現実について、どうしてかということをやっぱり一緒になって考えていただければということをお願いしたいと思います。
◎小松
琵琶湖環境部技監
清水委員からは去年近江八幡の
あたりで水道にかび臭がしたこと、また、
先ほど中沢委員からもアオコが発生した等の御
指摘がありました。
また、全循環が去年は3月14日で結構遅くなったということで、ただ、ことしは1月26日に循環はしましたので、去年とことしでは大分違ってきております。
そこに気候変動という
委員の御
指摘もございましたが、そういったことは全て関連しているという印象を私は去年受けておりました。
特に全循環が結構おくれたことで、窒素が表層に行き渡らなくなりまして、結局、それで増殖速度の速いウログレナが大量に発生しました。赤潮まではいかなかったのですが、そうしますとやっぱり北湖の濁りが出てきまして、太陽が届かない。南湖も同じようになかなか届かないということになりますと、
水草は光を求めて大きくなるのですけれども、それで
水草が成長しないということになります。そうすると、結局プランクトンがたくさん出てしまって、最終的にアオコとかそういったものにつながってきたのではないかと思っております。
水草が少なく、それと同時にハスも少なくなってきておりますし、
水草とプランクトンの間にどこまで
関係があるかわかりませんが、近江八幡の西の湖などでオシラトリアなどにおいを発生させるプランクトンがかなり発生したということです。そしてミクラステリアスという大きなプランクトン、今も結構多いのですが、それが
動物プランクトンにも食べられないような大きなもので、結局今のアユの不漁につながっているということかなと思っています。
そうしますと、全循環がおくれるということと、
琵琶湖の
水草やプランクトンの
関係が全体的にずっと連携しながら進んでいるということなので、その
あたりはしっかりと検討していかなければならないと思っております。
先ほどの5ページの生物多様性の保全とか保護というところにもう少しということですけれども、この
計画そのものの中に、例えば7ページの
調査研究に関する事項とか、
在来魚の
産卵とか、いろいろな部分で書かれておりますけれども、そういったことを全部総合的にやっていくことで、生物多様性は保全されると考えております。
その
あたりはことしの4月から国立
環境研究所も来ますので、しっかりと連携しながら、現象面で抑える、それで現象面で抑えるだけではなくて、
先ほども御
指摘がありましたけれども、実際に我々のできる
施策につなげていきたい。
施策をつなげることによって今見えている悪
影響をできるだけないようにするということを目的に、この
計画をしっかりと動かしていきたいと思っているところです。
◆有村國俊
委員 ちょっと関連して現象について、大変ですね。またことしも来年もどうなるかわからないところもあるし大変だったと思います。諸事、漁業もそうですが。
そういったときに、薬注処理が大変だったと思うので人体に
影響があるといけませんし、そういうことで例えば今そういった現象に対する予防策みたいなものも考えていこうかなともとれたし、いろいろ総力を結集してみんなで頑張っていただきたいと思います。
意見です。
◎小松
琵琶湖環境部技監 ありがとうございます。
◆中村才次郎
委員 森林のところですけれども、3ページに、多面的機能を高度に発揮する多様で健全な森林へ誘導する、こうあるのですが、その前に再造林等を着実に行い、とあるのですけれども、再造林というのは杉とかヒノキとかそういう人工林の再造林を考えておられるのか、もっと自然に近い森林というか、雑木林みたいな感じのものをイメージされているのか、お聞きしたいと思います。
◎水田
琵琶湖環境部技監 今考えているのは、人工林を考えています。戦後植えた杉、ヒノキが伐採して利用できる
状況になっています。ただ、それを今は切って販売してもなかなか価格が上がらない、それからコストがかかるということで、伐採収益を所有者に返すお金が十分になく、切った後にもう一度植えようという意欲がなかなか起こってこないという問題がございます。
ただ、そうなりますと森林がいつまでも若返らないという部分もありますし、循環していかなければならないということで、やはり杉、ヒノキの人工林を循環していくということが大事だと考えています。例えば伐採と植栽を同じように一貫してやることでコストを下げて、そして植栽もやっていくといったことをモデル的にやっていきながら、再造林を進めていこうということを考えております。こちらの関連事業の中の左側の守る取り組みの中で、次世代の森創生事業というのを打ち出しておりますが、これは全てではございませんが、この事業の中でそういう再造林を推進するようなモデル的な事業を取り組んでいきたいということで、再造林について掲げさせていただいています。
◆中村才次郎
委員 この前も質問させてもらっていますけれども、再造林をしていくための苗木を
滋賀県内でも育てられているのですが、京都などの他府県から入っていることが多いのです。
それから、樹木はその土地で種をとって、そしてその土地で育てたものがやはり最適だと思うのです。ですから、できる限り県内産の苗木を進んで取り入れていく仕組みといったものを考えていくことが必要かなと思います。
意見です。
◎水田
琵琶湖環境部技監 今おっしゃっていただきましたように、適地適木という言葉がありますし、その地域で育てた苗をその地域で植えるというのが基本だと思っております。
ただ、今申し上げたように全体的に再造林が十分進んでいませんので、苗木の流通は非常に少ない
状況になっております。育ててもそれを確実に使っていただけるという保証がないと、苗木生産業者もなかなか積極的に生産できないということもございまして、どうしても他府県との調整が必要になってまいります。現在そういう調整を行いながらバランスをとっているのですが、やはり
滋賀県で苗木をもっと使う政策をやっていかなければなりませんし、それにはやっぱりさっき申し上げた再造林をもっと進めていくということで苗木の生産業者ももっと生産をふやしていき、そのことによって県内産が使われるということにもつながりますので、まずはそういうことをしっかりやっていきながら、
滋賀県産の苗木が
滋賀県でしっかり使われるという仕組みをこれからつくっていきたいと思っております。
◆中村才次郎
委員 しっかりお願いしたいと思います。
閉会宣告 11時11分
県政記者傍聴:時事通信、京都、朝日、中日
一般傍聴 :3人...