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平成28年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月02日-02号

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  1. 滋賀県議会 2016-12-02
    平成28年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月02日-02号


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    平成28年11月定例会議(第16号〜第22号)−12月02日-02号平成28年11月定例会議(第16号〜第22号)  平成28年11月定例会議会議録(第17号)                                       平成28年12月2日(金曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第2号                                         平成28年12月2日(金)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第166号から議第175号まで(平成28年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか9件)(知事提出)  第2 議第149号から議第175号まで(平成28年度滋賀県一般会計補正予算(第4号)ほか26件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件  第2 日程第2の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(43名)    1番   村  島  茂  男       2番   加  藤  誠  一    3番   竹  村     健       4番   佐  藤  健  司    5番   目  片  信  悟       6番   海  東  英  和
       7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       10番   下  村     勳    11番   藤  井  三 恵 子       12番   杉  本  敏  隆    13番   節  木  三 千 代       14番   駒  井  千  代    15番   山  本     正       16番   大  橋  通  伸    17番   冨  波  義  明       18番   井  阪  尚  司    19番   木  沢  成  人       20番   中  村  才 次 郎    21番   有  村  國  俊       22番   大  野  和 三 郎    23番   岩  佐  弘  明       24番   山  本  進  一    25番   富  田  博  明       26番   細  江  正  人    27番   高  木  健  三       28番   生  田  邦  夫    29番   川  島  隆  二       30番   小  寺  裕  雄    31番   奥  村  芳  正       32番   野  田  藤  雄    33番   西  村  久  子       34番   佐  野  高  典    35番   家  森  茂  樹       36番   吉  田  清  一    37番   粉  川  清  美       39番   成  田  政  隆    40番   九  里     学       41番   清  水  鉄  次    43番   柴  田  智 恵 美       44番   今  江  政  彦    45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長      世  古     正               人事委員会委員長        益  川  教  雄               公安委員会委員長代理      堀  井  と よ み               代表監査委員          北  川  正  雄               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             池  永  肇  恵               総合政策部長          宮  川  正  和               総務部長            日  爪  泰  則               県民生活部長          拾  井  泰  彦               琵琶湖環境部長         村  上  浩  世               健康医療福祉部長        藤  本  武  司               商工観光労働部長        福  永  忠  克               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          桑  山  勝  則               会計管理者           大  谷  雅  代               企業庁長            高  砂  利  夫               病院事業庁長          笹  田  昌  孝               警察本部長           渡  邊  国  佳            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            丸  尾     勉               議事課長            入  江  建  幸               議事課課長補佐         吉  田     亮            ──────────────────────────────   午前10時 開議 ○議長(野田藤雄) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(野田藤雄) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  地方自治法の規定に基づき、出納検査報告書が提出されましたので、別途送付いたしておきました。  次に、議第153号議案について、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めておきましたところ、お手元に配付いたしておきました文書のとおり、回答がありましたので、御報告いたします。  次に、公安委員会小林徹委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として堀井とよみ委員が出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(野田藤雄) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第166号から議第175号まで(平成28年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか9件)(知事提出) ○議長(野田藤雄) 日程第1、議第166号から議第175号までの各議案を一括議題といたします。  これより、上程議案に対する提出者の説明を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)議員の皆様方、おはようございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。  それでは、ただいま提出いたしました議案につきまして御説明申し上げます。  議第166号から議第175号までは、いずれも給与改定に係るものでございまして、去る10月17日に人事委員会から職員の給与等に関する勧告を受けましたことなどから、これを踏まえ、予算の補正および条例の改正を行おうとするものでございます。  まず、予算の補正に関してでございますが、議第166号は一般会計予算を、議第167号および議第168号は特別会計予算を、また議第169号から議第171号までは企業会計予算について、それぞれ所要の調整を行おうとするものでございます。  議第172号から議第175号までは、条例案件でございます。議第172号は、特別職の期末手当の支給割合を改定しようとするものでございます。議第173号および議第175号は、職員および公立学校職員の給料月額および勤勉手当の支給割合等を改定しようとするものでございます。議第174号は、病院事業職員の扶養手当の支給範囲を見直そうとするものでございます。  以上、何とぞよろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。 ○議長(野田藤雄) 以上で提出者の説明は終わりました。    ──────────────── △議第149号から議第175号まで(平成28年度滋賀県一般会計補正予算(第4号)ほか26件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(野田藤雄) 日程第2、議第149号から議第175号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、会派代表による質疑ならびに質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、23番岩佐弘明議員の発言を許します。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。自由民主党滋賀県議会議員団の岩佐弘明でございます。11月定例会議に当たり、会派を代表して質問をいたします。  アメリカの大統領選挙は、世紀の大接戦が展開され、イギリスのEU離脱同様、大方の予想とは異なる結果となりました。来年1月20日に就任するドナルド・トランプ氏は、政治家経験も軍歴もない初めてのアメリカ大統領であり、外交、安全保障への認識は未知数です。  そこで、安倍総理は一国の指導者として良好な関係を築くため、いち早くアメリカを訪問し、次期大統領と会談を行いました。会談は非公開でしたが、安倍総理からは、「次期大統領は信頼できる指導者だと確信した」と述べ、次期大統領からは、「友好関係の始まりとなったことをうれしく思う」との報道があるなど、両者の信頼関係の構築が始まりました。  また、ロシアとの関係も進展が期待できる局面に入ろうとしています。安倍総理からは、「平和条約の問題も含めた考えを深めていき、交渉を前進させたい」との発言があり、経済協力とともに、領土問題の解決につなげてもらいたいものです。  本県では、北方領土返還要求運動県民会議の議長職を県会議長が歴代務め、返還要求運動を積極的に展開してきています。本議会としても、12月15日からの山口県長門市で予定されている安倍総理とプーチン・ロシア大統領との会談は、活発的な政治的対話が期待されます。そして、日露の友好関係を深める新しいアプローチの進展により、北方領土返還の悲願がかなうことを念じています。  また、国内におきましては、5年9カ月前の恐怖がよみがえる地震が福島県沖で発生しました。そして、マグニチュード7.4の地震は、福島、宮城両県などの沿岸に最大1メートルを超える津波をもたらしました。東日本大震災の記憶から、避難を呼びかけ、迅速に行動した住民も多く、教訓が生きたとの声がある一方、高台などを目指す車の停滞も繰り返されるとともに、被災地ですら防災意識が薄れつつある実態も浮き彫りになりました。  2011年の震災後、東北の太平洋側に津波警報が出たのは3回で、注意報は13回にも上ります。経験の蓄積がスムーズな対応に結びつく反面、人によっては、なれが生じている可能性があります。いま一度、防災への備えと構えを再点検し、常日ごろから防災意識を高めることの必要性を感じるきょうこのごろであります。  それでは、知事、教育長と警察本部長に質問いたします。  まず最初に、平成29年度予算編成を見据え、地方創生について県の考え方をお尋ねします。  今、世間では地方創生、地方創生と叫ばれて久しいですが、そう簡単に地方が活性化し元気になる方策があるわけではありません。来年度の予算編成を前に、それぞれの自治体も本県同様にあの手この手と知恵を絞り、地方創生推進交付金地方創生拠点整備交付金などの財源の確保のため、戦略を立てていると思われます。  問題は、交付金をどれだけ確保するかも大事ですが、計画した事業のよしあしが地方の活性化につながることから、どのような中身にするのかが大変重要になってくると思います。本県におきましても、既に地方創生推進交付金については、第1回申請で2事業を、また第2回申請では4事業を出されています。  そこで、このような取り組みによって具体的にどのような地方創生が図れるのか。求めている成果について伺います。  次に、地方創生拠点整備交付金について、国は900億円の予算を計上しています。本県でも日本橋に新たな首都圏情報発信拠点整備事業を計画し、現在、事業者の募集からプレゼン、事業者決定のプロセスを踏んでおられます。ここに至るまでに県議会においてもさまざまな議論がありましたが、忘れてならないのは、これまでの首都圏における取り組みの検証です。これは、新たに始める事業にとっても大変重要なことであります。  先日、県民の方が有楽町の「ゆめぷらざ滋賀」を訪問されたときの話です。入店されて愕然とされたそうです。店内に3名の職員がおられたそうですが、うち2人の女性は「いらっしゃいませ」の声をかけることもなく、ひたすら同僚とおしゃべり。もう一人の男性職員は下を向いてパソコンいじり。おまけに商品はほこりだらけ。商品陳列はめちゃくちゃ。「一度お忍びで行ってみろ」と、烈火のごとくお叱りを受けました。このときがたまたまだったかもしれませんが、一事が万事このような対応は非常に残念だと考えます。  このような状況で、本県が取り組んでいる「ゆめぷらざ滋賀」、また「ちゃばら」の存在により、これまで本当に滋賀のイメージが向上したのでしょうか。また、県に対し来場者から苦情の一つもなかったのでしょうか。このような状況と、これまでの費用対効果について伺います。  そして、今後、新たな拠点が整備完成した後に、この2つの施設はどうなるのか。スケジュールも含めお伺いいたします。  次に、地方創生応援税制について伺います。  いわゆる企業版ふるさと納税と言われるものですが、新たな財源確保として注目されています。肝心なのは、どれだけの企業から、どのくらい寄附をしていただくことができるかということであります。ややもすると、寄附をしてもらえそうな企業等に合った計画を立てがちになりますが、やはり、寄附したくなる、また寄附したくなるような計画を立てることで、広く理解が得られ、寄附が集まるのではないでしょうか。  寄附を募ることができるためには、地方再生計画を立てる必要があります。本県では、「滋賀体感」首都圏プロモーション事業地方再生計画申請事業として国に提出されましたが、今後、この地方創生応援税制を利用するについての方向性と、その目標をどこに置いているのか、見解を伺います。  次に、地方創生の観点から、関西広域連合との整合性について伺います。  関西から新時代をつくるとして、7府県が結集し、平成22年に関西広域連合が設立されました。防災や観光など7分野からスタートし、さらには国の出先機関の受け皿として、国からの事務、権限の移譲を目指すとされましたが、設立当初と現在では少し事情が変わってきたように感じます。  特に前知事は、この関西広域連合の設立、加入によってバラ色の地方自治が実現できるかのごとく前のめりになられ、いざ運営が進むにつれて、うん、何か少し違うぞということも見え始めてきました。ここは本県の県民益に照らし、関西広域連合への加入によって県益に寄与したのか、冷静に分析、検証する必要があると考えます。  確かに、ドクターヘリの運航や広域獣害被害対策、また資格試験や免許交付など一定の効果はあるものの、ここに来て、大きな政策については各府県の利益がぶつかる形となってあらわれてきました。  リニア新幹線北陸新幹線ルート選定にあっては、本来、関西広域連合の目的からするとどうなのか。また、負担している拠出金との費用対効果など、あらゆる視点から検証し、いま一度、再考すべきと考えます。
     例えば北陸新幹線ルートの選定では、平成25年3月に、関西広域連合として米原ルート案が最も優位であると提案するとの取り組み方針を機関決定されていました。言うまでもなく、米原ルートは、本県のみならず関西全体に、投資に見合う事業として位置づけられてきました。にもかかわらず、米原ルートを留保するとともに、連合メンバーからは個々に我田引水の主張がされている現状は、広域行政全体の信頼を失うゆゆしき事態であります。  ことしじゅうにルートが決定される運びですが、一部報道では、小浜・京都ルートに決定などということも取り沙汰されています。地方負担については、さきの連合委員会で、受益の度合いに応じて関西全体で取り組んでいく基本的な考えのもと、ルート決定後、再確認すると仄聞しています。  そこで、万が一でも米原ルートが外れ、県民の受益が見込めない他のルートとなった場合、本県の負担についてどのようにお考えなのか、見解を伺います。  地方創生を考えた場合、今申し上げました新幹線ルート問題と同様、琵琶湖の再生についても、関西広域連合としての他府県のスタンスが見えてきません。琵琶湖の環境保全についても、国や本県だけが考える問題でなく、受益がある下流域を含む関西全体として捉える課題であります。  しかしながら、関西広域連合が策定した関西創生戦略において、琵琶湖に関する記述が見当たりません。琵琶湖から受ける恩恵は関西全体に及んでおり、その財政負担を求めていくことは当然であります。また、関西広域連合にはその責務を果たす義務があると思いますが、見解を伺います。  そして、こうした大きな政策課題に対し、本県の主張がしっかり取り入れられてこそ、県民益が確保され、県民から期待される関西広域連合となるのではないでしょうか。県民の期待が得られないままとどまる必要はないと考えますが、関西広域連合からの脱退も含め、見解を伺います。  次に、平成29年度における県政経営のあり方についてお尋ねします。  去る11月16日、17日に、衆参両議院とも憲法審査会が、それぞれ1年5カ月ぶり、9カ月ぶりに再開されました。憲法制定、すなわち戦後70年という言葉から、はや1年が経過し、ますます昭和という時代が遠くになっていくなと思われる県民も多いのではないでしょうか。  昨年、戦後70年の大きな節目と言われましたが、知事にとって70年目の節目は、実は来年、平成29年であると思われたことはありませんか。官選であった知事から公選による初代知事は服部岩吉知事で、1947年4月12日から始まりました。そして三日月知事は9代目であり、公選知事の歴史としては来年、平成29年が70年となります。  この間の県政は、戦後日本の復興、高度経済成長、成熟社会など、国と同様に、それぞれの時代に、それぞれ歴史に残る大きな政策がありました。また、政策の方向転換による混乱で停滞した時期もありました。よくも悪くも、それぞれ足跡を残されてきました。そして、今、局面は人口減少、高齢化による社会システムの見直しなど、滋賀県に限らず、どの地方公共団体も同じ新たな時代の壁を乗り越えようとしています。  現在、国でも県でも新年度予算の編成作業が進められていますが、公選知事70年目の節目にめぐり合われる知事として、ぜひとも未来に語れるすばらしい足跡を残していただきたいと思うのであります。  そこで、初めに、公選知事70年目の予算編成に当たって特別な思いがあろうと思いますが、お聞かせください。あえて申し上げますが、予算編成方針を伺っているのではありません。  夢や希望に満ちた豊かさは、それぞれ県民、私たち個人も追い求めています。三日月知事の求められる滋賀県の夢とは何でしょうか。滋賀県の希望とは何でしょうか。あわせて、県民が思い描けるような具体的な夢、希望をお示しください。  ところで、知事が就任された年の9月、全国知事会の「知事は語る」に投稿された中で、「3つの理念を柱に、『人と地域がキラリと輝く七つ星の滋賀』として、いきる、うごく、はたらく、つくる、まもる、そなえる、ひろげるの7つの分野で施策を推進します」と。これは選挙公約にもあったと思いますが、平成29年度は基本構想3年目となりますので、あえて伺いますが、この7つの分野それぞれにおいて、何に一番力を入れているのか、県民の皆様にお示しください。  また、3つの理念のうち、今回はその一つであります「びわ湖や自然と共に生き、全ての人に居場所と出番がある『共生社会滋賀』をつくる」とされていることに関して、直面する課題から伺いたいと思います。  本年9月27日、安倍総理出席のもと、第1回の働き方改革実現会議が開催されました。総理は、1、同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善、1、賃金引き上げと労働生産性の向上、1、時間外労働の上限規制のあり方など長時間労働の是正、1、雇用吸収力の高い産業への転職、再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題、1、テレワーク、副業、兼業といった柔軟な働き方など、9点のポイントに整理されて発言されています。  こうした国の動きがある中、知事も女性や若者、高齢者、障害のある方など、あらゆる人がそれぞれの持つ能力を生かし働くことができる環境をつくることにより、全員参加型の安心と安全の社会を築くとされています。  そこで、こうした社会をともに築くためにも、有識者を交えた具体的な推進協議の場を検討されてはと思いますが、いかがお考えでしょうか、伺います。  先ほど述べましたように、時間外労働の上限規制のあり方など長時間労働の是正があります。非常に残念ですが、今回、労働基準監督署の是正勧告を受けた滋賀県をブラック企業と比喩する報道もありました。知事は、イクボス宣言をした県として極めて遺憾だとされましたし、組織体制を含め、職員の働き方改善を進めると言われました。  滋賀県職員の平成27年度の総時間外勤務は57万8,182時間であり、時間外勤務をした職員の一人当たりの月平均は18.3時間です。さらに、最長職員は実績時間数、年1,396時間という状態であります。時間外勤務は、緊急時や時間的余裕のないときなどはともかく、管理職や上長の的確な業務分担や適切な時間配分等の甘さから、時間外を許してしまっているのではないかと思われます。  また、今回再募集している県職員上級試験は、来年度の再任用職員の採用が当初の予定より少なかったとはいえ、通常募集の定員割れという過去にない事態に伴うものであります。そして、再募集において、過剰労働の実態が優秀な職員の募集を妨げていることとなればゆゆしき事態でもあります。我が会派は、今こそ知事の力強いリーダーシップが必要だと思います。どうも今まで何かにつけ知事はおおむね前向きでありますが、対話という盾によって、最後は一緒にやりましょうと、少なからず期待感は残ります。  今回の是正勧告は内部管理の問題であり、一緒にやるようなことではなく、知事、あなたが責任を持って解決すべきことなのです。責任者は副知事でも総務部長でもありません。県政経営者の知事がリーダーシップを持って今すぐ解決すべきことだと思いますが、いかがでしょうか。  時間外労働の上限規制のあり方など長時間労働の是正は、まず県という組織が見本となって行動しない限り、県内の企業や県民からは県政運営に理解もいただけないのではないでしょうか。知事の今回の事案に対する解決方策と対応をお示しください。  また、これに関連して、職員の出退管理のあり方があります。そもそも今回の時間外勤務問題も、現在の出退管理のあり方に問題があると思います。これも内部管理の問題です。先進事例はたくさんあります。経営者である知事の改善に向けた明確な方針を伺います。  今、ダブルケアが大きな社会問題になっています。横浜国立大学の相馬直子准教授によってつくられた概念で、広義では、家族や親族と密接な関係における複数のケアの関係、狭義では、育児と介護、介護と孫支援など、少子高齢化におけるケアの複合化、多重化の問題であります。  内閣府では、第4次男女共同参画基本計画に基づき、育児と介護の負担を同時に担う、いわゆるダブルケア問題についての調査結果を公表しました。その結果、未就学児の育児を担う者が約1,000万人いる中で、育児と介護を同時に担う者は約25万人と推計しています。平均年齢は男女とも40歳前後で、30から40歳代だけで8割を占めています。  平成27年度決算から見ても、育児と介護それぞれの政策があり、その成果もそれぞれの取り組みの概要と実績がまとめられています。問題点は、子育て支援と介護は窓口が異なる点で、ダブルケアの苦境に行政の目が届きづらいということです。  そこで、新たなダブルケア問題を知事はどのように思っておられるのでしょうか。  そして、この問題は10年、20年後の人口構造、社会構造の変化の中で、今から取り組む重要な政策課題であり、県政経営にも影響を与えそうです。ダブルケアという新たな社会的リスクには、子育て支援と高齢者介護支援を融合させた家族支援が必要となってきます。例えば、保育園や特別養護老人ホームへの入所等を1つの世帯の課題として対応することや、精神的、体力的、時間的、経済的と複合的な課題に寄り添いながら支援するダブルケアマネジャーの存在が求められます。  そこで、ダブルケア対策として、人的支援への積極的な先行投資について考えを伺います。  会社の経営者は、企業の価値を増大させ、事業の存続のため、選択可能な施策の企画立案と実行の責任を担っておられます。いわば知事は滋賀県政の経営者ですから、滋賀県という価値をいかに増大させるか。もちろん地方公共団体ですから、県民の福祉の向上という価値であります。平成29年度における県民福祉の向上を高めるための県政経営のあり方について、予算編成も含めて、そのお考えを伺います。  次に、低炭素社会づくり推進についてお尋ねします。  第3次滋賀県環境総合計画の中で、本県の温室効果ガス排出量を、2030年には1990年度比50%削減とされている社会の実現を掲げられています。そして、この目標の実現に向け、2011年3月に滋賀県低炭素社会づくりの推進に関する条例を制定しました。そして、それに基づき、2030年の低炭素社会の実現を目指して、総合的かつ計画的な施策展開に向け、2013年3月、滋賀県低炭素社会づくり推進計画が策定されました。  しかしながら、2011年の東日本大震災以降、原発の休止に伴い火力発電の割合が上昇した影響で、温室効果ガス排出量の大幅な削減が難しい状況にあります。議会でも達成の可能性に疑問の声が出ていましたが、これまで削減目標を変えずにきました。そして、本年9月に、国の新たな目標設定や県内の温室効果ガス排出量の増加傾向などから判断して、これまでの削減目標を見直された改定推進計画の骨子が示されました。  さらに、目標値が2つ示されたことから物議を醸し、その後、内容を修正して、再度、改定案が提示されました。この物議の根底には、しがエネルギービジョンを踏まえた改定にあります。それは、エネルギービジョンの基本理念である原発に依存しない社会と低炭素社会の実現、つまり化石燃料に依存しない社会を同時に満たすことが掲げられていることによることからです。しかし、エネルギービジョンと滋賀県低炭素社会づくり推進計画の相反する政策について、どのように考えているのか、まずお伺いします。  また、本県の掲げる原発に依存しない社会とは化石燃料に依存する社会のことであり、CO2排出をふやし、地球温暖化対策に逆行することになります。そこで、CO2排出を抑制するため、再生可能エネルギーの利活用の拡充を図ろうとしていますが、本県が年間に供給を受けている大きな電力を全て賄うことは現実的ではありません。  そこで、数億キロワット時を超える大きな電力を化石燃料に頼らないで、何をもってつくるのか、お伺いします。  そして、本県の温室効果ガス排出量の削減目標について、基準年度や目標年は国に合わせていますが、削減値は国の電源構成に不確定要素が大きいことから参考値とされています。その根拠についてお伺いします。  また、削減目標を設定するに当たって、本県独自の電源構成を示されていますが、本県独自の電源構成を示す以上、県としてそれを実現する責任が発生すると考えます。この素案には具体策が示されていませんが、具体的にどうやって実現するつもりなのか、お聞かせ願います。  改定する低炭素社会づくり推進計画は、地球温暖化の防止に資することを目的に、地方自治体が制定した法規である条例に基づいて制定されていますが、その条例より上位にエネルギービジョンを位置づけておられるようですが、その見解をお伺いします。  最後に、本県の条例の本旨を曲げてまで推進計画を作成することは県行政のガバナンスを軽視するものであり、知事のガバメント、独断専行の何物でもないと考えます。整合性を図るのであれば、エネルギービジョンを見直すことが本来の姿ではないでしょうか。このことについて見解をお伺いします。  次に、琵琶湖の水産資源の回復についてお尋ねします。  先月20日に東京日比谷公園で開催された第4回Fish−1グランプリのプライドフィッシュ料理コンテストにおいて、滋賀県漁業協同組合連合会が出品された天然ビワマスの親子丼が見事グランプリに輝きました。まさに琵琶湖の幸のすばらしさが全国に評価された結果であり、大変喜ばしいことであります。  現在の琵琶湖は、ヨシ帯や砂地の減少、在来魚介類に食害を及ぼす外来魚やカワウの異常繁殖、水草の繁茂などの課題が山積しています。そして、琵琶湖の漁獲量は、昭和30年代初期には1万トンあったものが、近年では外来魚を除くと1,000トンを切る状況にあります。県では漁獲量の回復を目指してさまざまな施策を講じておられます。しかし、減少しつつあった外来魚の生息量が平成26年から増加に転じるなど、漁場環境はますます厳しさを増しております。  本年4月には、国が琵琶湖の保全及び再生に関する法律の規定に基づき琵琶湖の保全再生に関する基本方針を定め、現在、県においては、その方針に基づき計画の策定が進められています。県議会においても、琵琶湖保全再生対策特別委員会を立ち上げ、琵琶湖の保全再生に向けた取り組みがしっかりと計画に盛り込まれるよう審議しているところです。  この法律には、国や関係地方公共団体が講ずべき施策として、ヨシ群落など湖辺の自然環境の保全再生、水草除去など湖底の底質の保全や改善、外来魚やカワウなどの被害の防止に関する事項が規定されています。さらに、法第16条には、「水産資源の適切な保存及び管理」として、種苗放流や漁場の整備保全に関する内容も盛り込まれています。琵琶湖漁業の再生にまたとない好機と考えますが、琵琶湖漁業の現状をどのように認識され、水産資源の回復に向けてどのような施策を進めていこうとしているのか伺います。  なお、昨日、アユの特別採捕が始まり、事前調査では資源が多いと期待を持たせました。初日ということで大変大きな期待をしていましたが、氷魚は例年の6分の1の1.16トンであったということであります。要因は産卵期がおくれたと分析していますが、不漁の年の平成24年統計の1.9トンよりも大幅に減少していることは、大変憂慮すべき事態であります。水質、プランクトンなど、その原因を調査することを強く望んでおきます。  次に、琵琶湖のさまざまな課題の多くは南湖に集中しています。南湖は琵琶湖の魚にとってゆりかごと言え、在来魚介類に重要な産卵や繁殖の場であり、琵琶湖全体の資源を支えるとともに、漁が盛んに行われていました。しかし、現在では水草が南湖湖底の大半を覆い、湖流を停滞させ、湖底の泥化や低酸素化が進み、漁場環境は壊滅的な状態となっています。  琵琶湖の水質、資源の回復には、とりわけ南湖の再生が重要と考えますが、琵琶湖漁業と南湖について、知事の考えを伺います。  一方、農林水産省の農業センサスによると、琵琶湖の漁業就業者数は、昭和43年には2,926人であったものが、平成25年には687人と4分の1に減少し、さらに高齢化も進んでいます。また、長年にわたる漁獲の低迷や核家族化などにより食文化の継承が難しくなるなど、現在、県民の食卓に湖魚が並ぶ機会が減っています。  このように、水産資源を回復させるだけでなく、漁業の担い手確保や湖魚の流通促進なども待ったなしの状況にあります。  そこで、県として、担い手対策や消費拡大に直結するような流通対策を具体的にどうしようとされているのか伺います。  本県特徴の琵琶湖が健全であるかどうかの極めて重要な指標の一つとして、琵琶湖固有種を主とする在来魚介類が豊かであること、そして、これらを対象とする漁業活動が活発に行われていることであると考えます。  これは単に本県の水産業の振興ということだけでなく、コアユやホンモロコ、セタシジミ、そしてふなずしなど琵琶湖固有の水産物が、全国、世界に誇れるものとして観光や食品産業を初めさまざまな産業に貢献し、地域の活性化など地方創生に大きく寄与するということでもあります。  こうしたことからも、本県にとって琵琶湖漁業は非常に重要であると考えますが、この項目の最後に、琵琶湖漁業の再生に向けての知事の決意を伺います。  次に、森林の成長産業化に向けた取り組みについてお尋ねします。  本県県土の2分の1を占める森林は、資源の涵養や県土の保全、生物多様性の保全や林産物の供給など、多面的で重要な役割を果たしていることは周知の事実です。また、琵琶湖の保全及び再生に関する法律においても、森林の整備や保全、環境と調和のとれた産業振興などが規定されて、その重要性について改めて認識したところです。  戦後植林され、長期にわたり育成段階にあったスギやヒノキの人工林の多くが収穫可能な樹齢を迎えつつある中で、本県の森林づくりを効果的に継続していくために、なりわいとしての側面を重視した取り組みと述べておられます。  ところが、現実には、素材原価については、ピークであった昭和55年と比べ、スギは3割、ヒノキは2割近くまで下落し、県内の森林資源が十分利用されず、適切な手入れがされないまま放置されている森林も見られます。また、水源涵養を初めとした森林の多面的機能の発揮への影響も懸念されている状況です。森林所有者の多くが山に目を向け、森林経営に意欲を持って取り組めるよう、木材と同時にお金も循環する仕組みが必要であると考えます。  そこで、本県の林業を取り巻く課題をどのように捉えているのか伺います。  次に、国においては、平成28年6月に、経済財政運営の改革と基本方針2016、いわゆる骨太の方針を閣議決定されました。基本方針では、豊富な森林資源を循環利用しつつ、地方創生にもつながる直交集成板──CLTや、鉄の5倍の強度、5分の1の重量と言われるCNFなどの新たな木材需要の創出、県産材の安定的、効率的な供給体制の構築等を推進することとされ、林業を成長産業として振興していくことが示されました。  本県においても、新たに琵琶湖森林づくり基本計画を実行するための具体的な行動計画として、しがの森林成長産業化アクションプランの今年度中の策定に向けた取り組みをされていると仄聞しています。  そこで、これまでとは違う新たな方向性や目指す姿があるのか、本プランにおいてはそれをどのように打ち出そうとしているのか伺います。  本県の素材生産量は、国の統計資料によれば、平成27年では5万4,000立方メートルで、全国でも42番目の生産量にとどまっています。  先日、滋賀県森林・林業・林産業活性化促進地方議員連盟において、甲賀市内で建設が進む県内初のCLTを活用した事務所棟を視察しました。CLTは直交集成板という新しい木造建築資材であり、全国的に新たな木材需要の創出が可能であると期待されています。建物は、木が持つ優しい風合いと堅牢さ、重厚さを兼ねあわせ持ち、改めて木造建築物のよさを実感しました。こうした取り組みを今後さらに進め、新たな木材の需要の創出を図りながら、県産材の利用を拡大していくことが極めて重要だと考えます。  そこで、今後、県産材の生産、加工、流通体制の整備や利用拡大に向け、どのような取り組みを進めていこうとしているのか伺います。  山村地域の振興や定住対策などを推進する上でも、林業にかかわる人々の存在が大切です。しかし、現状の林業従事者数で林業成長産業化を進めることができるのでしょうか。  永源寺森林組合で働き始めた森林女子や、ながはま森林マッチングセンターの活動など、今後、森林への就業や山村地域への定住を希望する方々があらわれるような情報提供をする必要があるのではないかと考えます。こうしたことも含め、林業の成長産業化に向けて、その担い手となる人材の確保、育成をどのように取り組んでいくのか伺います。  さて、これらのことを踏まえて改めて林業を産業としていくためには、県産材の生産、流通、加工、利用を通して採算が確保され、経済の仕組みとして成り立っていくことが重要です。林業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にありますが、今後、本県の林業を産業としてしっかり位置づけていくために、どのようにお考えなのか伺います。  この項の初めに述べましたが、琵琶湖の水源、ひいては近畿1,450万人の生命のもととなる滋賀の森林保全は、琵琶湖の保全及び再生に関する法律の実効性をより高めるためにも非常に重要であり、かつ将来にわたって続けていかなければならない、いわば本県の宿命でもあります。そして、そのためには、まず、改めて県民全てが森林保全や緑化推進の意識を高めることが求められています。  折しも、先般、本県の森林林業にかかわる団体や緑化推進団体から、次なる全国植樹祭開催を県として検討されたいという要望を、我が会派ならびに滋賀県議会の森林・林業・林産業活性化推進地方議員連盟にいただきました。  知事も御存じのように、国土緑化運動の中核をなす行事が全国植樹祭であります。昭和25年以来、国民の森林に対する愛情を培うことを目的に毎年開催され、本県も1975年に第26回大会を開催しています。我が会派としても、いわゆる琵琶湖再生法の県計画策定をもって、県民の緑化意識の高揚のためにも、この機に本県にとっては2巡目となる全国植樹祭の開催誘致を表明すべきと考えますが、知事の考えを伺います。  次に、がん対策の推進についてお尋ねします。  生涯で2人に1人ががんにかかる時代になるとともに、診断や治療の進歩により、がんは不治の病から長くつき合う慢性疾患に変わってきています。滋賀県地域がん登録によりますと、本県においてがんと診断されている人は、平成20年、1年間で6,400人であったものが、平成25年には8,371人と毎年増加しています。  また、がんは重要な健康問題であるとともに、患者や家族の生活への影響も大きく、家庭や社会にとって大きな問題となっています。  こうした中、滋賀県では平成20年度から、滋賀県がん対策推進計画に基づき施策が行われています。そして、この計画を一層強力に推進するため、平成25年12月には、議員提案による滋賀県がん対策の推進に関する条例が公布、施行され、これを契機に、平成26年度にはがん対策推進基金が造成されました。  その後、平成27年12月に国において、がん対策加速化プランが策定されました。プランの柱は、がんの予防と早期発見のために、避けられるがんを防ぐこと、がんとの共生のために、就労支援や緩和ケアなどを含む包括的な支援により、がんとともに生きることを可能とする社会を構築することなどとなっています。  これを受けて、現在、がん対策基本法の一部改正の準備が進められており、さらに、この法改正を受けて、国はがん対策推進基本方針に反映させる模様です。こうした一連の経過と背景を踏まえ、次年度には滋賀県においてもがん対策推進計画の改定が予定されると聞き及んでいます。  国立がん研究センター対策情報センター統計によると、本県の75歳未満年齢の死亡者は、平成17年から平成25年の改善率では全国1位の18.4%でありますが、死亡率は若干増加していると聞いています。  国のがん対策加速化プランに基づくがん対策推進基本計画においては、平成19年から10年間で死亡者を20%削減する全体目標を掲げられています。しかし、このままの状況では国では目標達成が難しいとの予測があり、我々としても危機感を抱いています。  がんの予防に向けた生活習慣の改善、早期発見に向けたがん検診の受診率の向上など、重要性が増してくるものと考えます。  そこで、目標達成に向けた今後の取り組みの方向性について伺います。  次に、がん対策推進の施策を円滑に推進するため、がん対策推進基金が造成され、必要な財源1億円が確保されました。そして、造成から3年、この間どのように活用されているのか。また、今後、法の方向性について伺います。  次に、思春期や若年成人世代のがん医療に向け、妊よう性温存治療があります。本県では全国に先駆け県助成制度を今年度から創設し、経済的支援や研究会を開催されていますが、今後の展望について伺います。  さらに、がん医療については、県立成人病センターが都道府県がん診療連携拠点病院として厚生労働大臣の指定を受けています。拠点病院では、地域がん診療連携拠点病院に対する診療支援、医療従事者に対する研修の実施など、県内のがん医療のコーディネーターの役割を担うとされています。  そこで、どのようにその役割を果たし、がんの治療、研究を推進しようとしているのか、今後の展望について伺います。  がんの罹患率は年齢を経るごとに増加していき、特に50から60歳以降に急激に増加していきますが、がんに罹患すると就労の継続が厳しい状況にあります。そして、がん患者の生活の質の維持向上や、がん患者と家族を支える社会の構築が求められ、がんとの共生に向けた今後の展望が問われています。  「滋賀県がんと向き合う週間」の一環として、来年2月12日に、コラボしが21にて、滋賀県がん対策推進議員連盟主催によるがんフォーラムの開催が予定されています。県議会としても、がんとの共生に向けた取り組みを行っている中、がん患者が、「がんになったら働けない」、「職場が理解してくれない」などと精神的、社会的なつらさを感じている現状を聞くこともあり、今後、がん患者に対する労働支援など、どのような取り組みを行うのか伺います。  次に、インターンシップの推進についてお尋ねします。  本県の人口も減少局面に入る中、労働力の確保が課題となっているのは周知のとおりであり、県内で暮らし働く人をふやしていくことが求められています。特に県内で生まれ育った若者の労働力確保は、県内産業の未来を開くためには不可欠なものであります。  平成27年度において、県内の高校卒業後、就職している学生は2割弱であり、大学等へ進学しているのは7割以上となっています。また、県内大学生のうち、1割程度しか県内民間企業に就職していない状況です。人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略における産業人材育成・確保プロジェクトのKPIでは、平成31年度に県内大学生の県内企業への就職率12.1%となっており、この評価指標を達成する必要があります。  若者が自己の可能性を信じ、首都圏を中心に大都市を目指し、県外へと羽ばたいていくことは大切であります。しかし、県内にもすばらしい中小企業が数多くあり、自己の可能性を発揮できる居場所にめぐり合えるよう、県内での挑戦を願うものです。  また、厚生労働省のデータによると、大学新卒者のうち、3割程度が3年以内に離職している状況にあります。  そこで、最初に、これまでにもインターンシップの取り組みにより企業の人材確保を促進する働きかけがあったことと推察しますが、このたびの滋賀インターンシップ推進協議会が設立された経緯や協議会が果たす役割、また、どのような取り組みを実施されようとしているのか伺います。  次に、若者の大企業志向の影響を受け、中小企業の人材確保が困難となっています。とりわけ小規模企業の人材確保が深刻であるのに反して、インターンシップへの関心が低い現状となっています。  県内企業に対するインターンシップに関するアンケート調査では、これまでにインターンシップを実施しなかった理由として、「受け入れ方がわからない」や「人手不足で受け入れる体制が整っていない」などとなっています。また、これまでにインターンシップの実績がないと今後も実施しない割合が高くなっています。  こうした状況を踏まえ、インターンシップの実施に向け、中小企業を初め小規模企業に対し、どのような支援を考えているのか伺います。  産業人材の育成確保には、若者の県内での定着や大都市からの回帰を図る必要があります。協議会は大学生を対象としていますが、幼少期からふるさと滋賀を知ってもらうとともに、県内で暮らし働くことの価値を引き出せるような取り組みが重要だと考えます。  学校教育においては、社会的、職業的自立を目指すキャリア教育の推進に向け、公立中学生2年生全員が実際に職場体験する中学生チャレンジウィーク事業や、県立高等学校キャリア形成支援事業などが実施されています。  また、職業観、就労観を育むきっかけづくりを図るため、小学生から中学1年生の児童生徒を対象に、さまざまな職業を紹介し、実際の仕事を体験する「仕事チャレンジフェスタ」を開催しています。
     そこで、これらの取り組みをキャリアパスの一環と捉え、インターンシップの推進につなげていくとともに、ふるさと滋賀で暮らし働くという、未来のライフプラン構築をしていくことが重要であると考えますが、見解を伺います。  次に、これからの道路整備についてお尋ねします。  土木交通行政を取り巻く環境は、ここ近年、地球温暖化の影響から、大規模な水害や土砂災害が頻繁に激甚化し、高度経済成長期に集中的に整備された既存インフラの老朽化が進行しています。このような現状から、国においては、国土強靱化の取り組みや地方創生を進めるため、成長を支える基盤整備など来年度予算案が策定されているところです。  次年度、土木交通部は、国の方針とこれまでの本県の取り組みを踏まえ、地域の活力を支える県土基盤や災害に強い県土づくりを、また、社会インフラの戦略的維持管理を柱に重点的な取り組みを進めようとしています。  このような中、平成27年度から道路整備にかかわる繰り越しが多くあります。また、平成28年度当初の国からの社会資本整備交付金などの配分事業費が前年度より大幅にふえています。加えて、10月の国の補正に伴い配分事業費がさらにふえることとなりましたが、事業費の執行の現状と今後の対応についてお伺いします。  また、本県の来年に向けた国の施策および予算に関する提案、要望の中で、道路予算枠の拡大を掲げられていますが、予算をつけてくれと言っておきながら予算の執行がおぼつかないようでは、もう予算をつける必要はないと思われるのではないかと危惧しています。このことについて、どのように考えているのかお伺いします。  次に、その道路について、滋賀県は計画的な道路整備を行うため、道路整備の基本方針である滋賀県道路整備マスタープランを策定しています。そして、そのマスタープランに基づく具体的な10年間の道路整備計画として、滋賀県道路整備アクションプログラムもあわせて策定してきました。第2次道路整備マスタープランとともに、アクションプログラム2013も来年29年で5カ年が経過します。  これまでから、本県の道路整備は、道路整備アクションプログラムに基づき選択と集中による重点化を図り、地域に真に必要な道路を優先して進められてきました。一方、アクションプログラムの事業実施路線での進捗に温度差が見受けられますが、期限内の完了を履行してもらいたいものです。このことについて、どのように考えているのかお伺いします。  また、道路整備については、さきに公表された県政世論調査の結果や市町からの不満や要望は依然として強くある中、アクションプログラムの見直しを来年度に迎えます。  そこで、県民や市町の声を反映した道路整備を今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。  加えて、平成26年3月に道路維持修繕に関する省令・告示が制定され、それを受けて、7月の道路法施行規則改正により、橋梁やトンネル等を初めとする大型道路施設の5年ごとの点検が義務づけられました。  本県では、橋長15メーター以上の橋梁846橋、15メートル未満の橋梁1,280橋を管理していますが、高度経済成長期および琵琶湖総合開発事業時において集中的に建設してきました。それゆえ、これから後、橋梁の老朽化が一気に進行するなど、膨大な道路施設の長寿命化修繕が必要になります。この橋梁等道路施設の長寿命化を今後の道路整備でどのように取り扱っていくのかお伺いします。  次に、教育を支える人材の育成について、教育長にお尋ねします。  教育は国家百年の計でありますが、本県の人口もいよいよ減少局面を迎え少子化が進行している今日において、一人一人が可能な限り力を発揮し、自分の人生を切り開いていくことができる、本県教育の充実をさらに進めていくことが求められます。  また、時代が大きく変化し、未来を予測することが難しくなっていることから、1億総活躍社会の実現、地方創生の推進に向けて、創造力に富んだ人材の育成が必要です。子供たちが学校での学びを社会と関連づけて理解し、社会が求める力、資質を身につけていくことができる主体的、能動的な学びを実現する必要があります。学校や教職員が果たす役割が大変重要であることは言うまでもありません。  特に学校教育をめぐるさまざまな課題への対応のため、すぐれた資質、能力を備えた魅力ある教員が必要とされます。そして、次代を担う子供たちを育てるために、新たな学びを支える教員の確保、育成と、教員が学べる環境づくりが求められています。  そこで、まず教員の人材育成についてであります。  教員の採用にあっては全国的な傾向でもありますが、本県ではベテラン教員の大量退職に加え、他県に比べ児童数の減少が緩やかなこともあって、多くの新規採用を必要としているところです。また、本県の小中学校教員の年齢構成は中堅層が極端に少なく、不均衡な教員年齢構成となることがうかがえます。  そこで、優秀な人材を確保するためにも、質の高い教員希望者をより多く受験してもらうとともに、他府県への流出を防ぐなど、採用試験の受験者確保が喫緊の課題となっています。教員志望者への魅力発信や採用方法の充実など、人材確保のための今までの取り組み成果について伺います。  さらに、経験が少ない若手職員であっても、学校現場での実践的指導力が不可欠であり、増加している若手教員の育成、資質向上が求められます。  いじめ、不登校や貧困問題への対応、保護者からの相談への対応など、学校教育現場を取り巻く環境が複雑化、多様化する中で、教師力を高めていかなければなりません。  そこで、若手教員の育成方針、フォロー体制について伺います。  次に、こうした中、中央教育審議会からの答申を見越し、学習指導要領の改訂作業が進められています。また、主体的、対話的で深い学び、アクティブ・ラーニングの視点から、授業改善に向け実践研究校での取り組みが行われています。周知の時間も限られている中で、若手教員からベテラン教員まで、全ての教員が次期学習指導要領に対応していくことが求められます。次期学習指導要領の実施に向けた教員の資質向上の方策について伺います。  この項の最後に、日本の教育の特徴の一つとして、教科指導にとどまらず、知育、徳育、体育、食育をバランスよく育む日本型の教育が掲げられています。こうした強みを継続させる必要がある一方、教員の長時間勤務やメンタルヘルス対策への改善が求められています。  教員を取り巻く環境が複雑化、多様化する中、先ほど申し上げました学習指導要領の改訂の動向を踏まえた授業改善に取り組む時間や、子供と向き合う時間の確保、充実、教員一人一人の心身の健康を維持していく必要があります。  そこで、持続可能性の観点からも地域全体で取り組んでいく必要があります。「教育は人なり」と言われ、どんなに社会が変化しても技術が進歩しても、子供の力を育む教員の資質、能力に負うところが極めて大きいと言えます。次世代を担う子供たちの源となる教員が、情熱や誇りを持ち続けていけるよう、その職責と使命に専念できるよう、環境を整えることが必要です。  一方、こうした取り組みをいかに進めようとも、教員に求められる役割は極めて大きいものがあります。そして、現状維持の発想ではない、教員みずからも常に学び続け、力量を高めていかなければなりません。本県が育成しようとしている教員像について伺います。  最後に、高齢運転者の交通事故防止対策について、知事および警察本部長にお尋ねします。  まず、警察本部長にお伺いします。  この10月28日朝、神奈川県横浜市内で、軽トラックを運転した高齢運転者87歳が、集団登校中の児童の列に突っ込みました。また、11月10日午後には、栃木県下野市内で乗用車を運転した高齢者84歳が病院の玄関付近に突っ込むなど、全国で高齢運転者の事故が散見されます。  本県においても、昨年12月20日午後、大津市南郷の店舗駐車場で、高齢運転者72歳が運転する軽トラックが暴走し、買い物客ら9人がはねられ負傷する事故の発生がありました。  こうした中、先月15日には、総理大臣官邸で高齢運転者による交通事故防止対策に関する関係閣僚会議が開催されました。安倍総理からは、これまでの高齢運転者対策に加え、認知症対策を強化した道路交通法が来年3月に改正されるのに当たり、円滑な施行に万全を期すよう、また、自動車の運転に不安を感じる高齢者の移動手段の確保など、社会全体で高齢者の生活を支える体制の整備を着実に進めたい、そして、喫緊の課題に一丸となって取り組むよう指示がなされました。  滋賀県においては、先般、平成28年4月から平成32年度までの5年間を計画期間とする第10次滋賀県交通安全計画が策定され、引き続き人命の尊重の理念のもと、陸上交通にかかわる県民の安全と安心を確保し、究極的には交通事故のない滋賀を目指すこととしています。とりわけ、超高齢化社会の到来を迎え、高齢運転者の交通事故対策が課題となっています。  そこでまず、現在の県内の高齢運転者の交通事故発生状況を伺います。  また、来年3月からは、75歳以上の高齢運転者で認知機能が低下した場合に行いやすい一定の違反行為をしたときは、臨時認知機能検査を行うこととなります。そして、臨時検査の結果、認知機能が低下しているおそれがあると判断された高齢者に対しては、臨時高齢者講習が実施されます。講習は、個別指導により認知機能の低下を自覚させ、本人の状況に応じた安全な運転行動を指導するものです。  さらに、認知症のおそれがあるとみなされた場合は、医師の診断書が必要となることがあります。これらは道路交通法によるものですが、本県独自の高齢運転者の事故の未然防止に向けた対策等について所見を伺います。  県内の高齢運転者が加害者になる事故が増加しないためにも、高齢運転者の事故抑止に向け、運転免許証の自主返納が推進されています。しかしながら、その一方で、公共交通機関が少ない地域では車両が生活に欠かせないことから、高齢者の運転免許証の自主返納は、移動手段を確保する対策を行う必要があります。  さらに、車両やバイクの運転は高齢者の生きがいや尊厳にもつながります。現在、滋賀県警が取り組んでおられる自主返納高齢者支援制度について、現状と今後の対策についてのお考えを伺います。  最後に、知事にお尋ねいたします。  運転免許証自主返納者への支援は全国各地に広がっています。本県においても、運転免許証自主返納サポート制度に企業や団体の多くが御協力いただいています。また、市町においても交通機関等の援助支援が行われています。今後も、県として、市町とともに共同で支援を拡充していく方向にあると思いますが、高齢者の移動手段の確保など、社会全体で高齢者の生活を支える体制の整備について所見を伺います。  また、今後、一層高齢化が進展することを鑑み、高齢者による交通事故は増加するものと思います。我が会派の川島議員も前知事に、自動安全ブレーキの必要性に伴い、システムの導入に向けて制度確立を提案されておられました。残念ながら、「その受益なり利益は購入者にある」と受け入れてもらえませんでしたが、もし、あのときの制度確立がされていれば全国初という話題性もあったでしょうし、これほどまでの高齢運転者の事故多発を未然に防げたのではないでしょうか。  過去の話ではありません。今後もふえ続けるであろう高齢運転者事故の対策として有効な衝突事故防止装置への支援など、県としての施策をどうお考えなのか伺い、代表質問を終えます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(野田藤雄) 23番岩佐弘明議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)岩佐議員、どうぞよろしくお願いいたします。  私には大きく9問いただいたうち、まず前半、順次お答えをさせていただきます。  1点目、地方創生について、6点御質問いただきました。  まず1つ目、地方創生推進交付金を活用した取り組みにより求める成果についてでございます。  地方創生推進交付金は、複数年度にわたる地域再生計画の作成を通じて、地方公共団体が安定的かつ継続的に事業に取り組むための仕組みとして、本年4月に創設されました。  本県といたしましても、この仕組みを最大限活用し、3年から5年の中期を見据えた滋賀ならではの施策を展開することにより、人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略に掲げますプロジェクトの着実な推進を図ることとしているところでございます。  今年度におきましては、滋賀ならではの特色あるツーリズムの展開や観光地滋賀の認知度向上により、本県への来訪につながるTHE近江・魅力満載プロジェクトや、イノベーション推進のための環境整備や農林水産業の成長産業化などを通じて、本県産業の創出、振興を図る滋賀ローカルイノベーションプロジェクトなどの取り組みを推進しております。  これらの取り組みを通じて、宿泊者数や観光消費額の増加、新設事業所数の増加などの具体の成果に着実に結びつけ、働く力、つくる力、稼ぐ力の向上を図ることにより、人口減少の流れを押しとどめ、豊かな滋賀を築いてまいりたいと存じます。  2点目、「ゆめぷらざ滋賀」、「ちゃばら」の状況、費用対効果、今後の対応についてでございます。  「ゆめぷらざ滋賀」では、びわこビジターズビューローに委託して、来訪者への情報提供、在京関係者との連携、旅行会社、マスコミへの営業活動、その他観光物産情報の発信、物産販売を行っております。  例えば、年間約50日、延べ150回程度、旅行会社を訪問し、関係の維持、強化が図られているとともに、昨年度は雑誌などに取り上げられた件数が12件あるなど、本県への誘客やイメージアップに向けて、東京の拠点を有効に活用できているものと認識しています。  また、「ちゃばら」につきましては、首都圏情報発信拠点の先行展開として展開させていただいておりますが、昨年9月の開店から1年間で約1,962万円を売り上げ、利用客も定着しつつあるなど、物産販売を通じた本県の魅力の発信につながっているところでございます。  このほかにも、日本百貨店によるプロモーションの一環として、著名なタレントに滋賀を紹介していただくイベントを開催したり、全国ネットのラジオ番組に私自身が出演をいたしまして滋賀をPRする機会をつくっていただいたりするなど、本県のイメージの向上に一定寄与しているものと考えます。  なお、議員御指摘のように、「ゆめぷらざ滋賀」で不愉快な思いをされた方がおられたとすれば大変残念であります。これまでも、そうした指摘があった際には接遇研修を実施するなど、職員を指導してきたところでございますが、今後さらに、びわこビジターズビューローを通じて強く指導してまいりたいと存じます。  また、今後の対応でございますが、「ゆめぷらざ滋賀」につきましては、新たな拠点の開設に合わせて閉店することとし、「ちゃばら」につきましては、契約期限の平成30年6月末まで継続する予定でございます。  3点目、今後の地方創生応援税制の活用の方向性とその目標についてであります。  企業の御協力のもと、地方創生の取り組みを推進する本制度について、本県としても積極的に活用していくことが重要であると考えます。  このような認識のもと、県内に立地いたします県外に本社を持たれる企業や包括連携協定を締結いただいている企業、県にゆかりのある企業など約200社に対しまして、アンケートによる意向確認を行いますとともに、20社を超える企業訪問を通じて、制度の周知や御寄附の依頼を行ってきたところでございます。こうした取り組みの結果、「滋賀体感」首都圏プロモーション事業に対し、企業から御寄附の申し出をいただいたところでございます。  今後については、各部局連携のもと、企業の皆さんが応援したいと思っていただけるような魅力ある施策立案を行うとともに、費用対効果に留意しつつ、直接企業に出向き事業の内容を丁寧に説明することなどにより、できるだけ多くの御寄附を実現することを目標に、一層の取り組みを進めてまいりたいと存じます。  4点目、北陸新幹線についてでございます。  本県におきましては、歴史的にも米原をかなめとした交通網が発達し、現在でも近畿、北陸、中部の結節点として米原は重要な役割を果たしているところでございます。引き続きそうした役割を担っていくためにも、米原ルートの実現に向け努力を続けているところであり、御質問の中にありました仮定のお話にはお答えできません。いずれの場合にも、最少の費用で最大の効果が得られるよう、取り組みを進めてまいりたいと存じます。  5点目、琵琶湖政策に係る関西広域連合の責務についてでございます。  現行規約上、関西広域連合には、構成府県市に対し財政負担を求めていく、また、その調整を行うという責務はないと認識しています。  平成26年7月に設置された琵琶湖・淀川流域対策に係る研究会において11回の研究会が行われ、平成28年9月に、琵琶湖、淀川流域が抱えるさまざまな課題について整理され、報告がなされました。  今後は、広域連合として優先的に取り組む内容を絞り込み、具体的な解決策の検討を進めることとしており、上下流の相互理解を深めるよう、努力をしてまいりたいと存じます。  6点目、関西広域連合への参画に関する見解についてでございます。  関西広域連合は、関西全体の広域行政を担う責任主体として、府県域を超える広域課題に積極的に対応し、地方分権の突破口を開くため開設された団体であります。議員御指摘のとおり、ドクターヘリの共同運航や広域での獣害対策など、個々の自治体では対応できなかった府県域を超える課題解決に一定の成果が出ており、これらの点からも、広域連合の取り組みが県民益の確保につながっていると考えております。  広域連合が国や関係機関とも連携しながら、さらに実効性の高い広域行政の責任主体となるように、引き続き県民益を確保するため、積極的に参画してまいりたいと存じます。  第2問目、平成29年度における県政経営のあり方について、こちらでは9点御質問いただきました。  まず1点目、公選知事70年目の予算編成に当たっての思いについてでございます。  来年は公選知事70年目の節目ということで、長い歴史の重みを感慨深く受けとめているところであり、本県の発展のために尽力してこられた先人の御努力に、改めて敬意を表したいと存じます。  2年間、知事という重責を務めさせていただいた中で感じますのは、人口減少社会の到来という歴史的転換点に、さまざまな力と誇るべき歴史のある滋賀県知事として県政を担わせていただいているということでございます。そのような使命感のもと、次世代への責任を自覚しながら、「新しい豊かさ」を実感できる滋賀づくりをさらに進めてまいりたいと存じます。  2点目、滋賀県の夢とは何か、滋賀県の希望とは何かという御質問についてでございます。  人口減少が進み、日本の社会全体が成熟期を迎えた今だからこそ、お祭りや観音文化など、派手ではないが本物を育んできた地域の文化力、琵琶湖を初めとする豊かな自然とともに営まれてきた人々の暮らしぶりなど、ともすれば見過ごしがちであった滋賀のよさを改めて見直すことが重要であると認識しています。  そのような滋賀のよさを最大限に生かすことで、県民の皆さん一人一人が心の豊かさを実感しながら、成熟した暮らしを楽しむことのできる社会を実現することが滋賀県の夢、希望であり、県民の皆さんの夢や希望につながるものと考えております。  そのような思いを込めて、滋賀県基本構想では5つの目指す姿を掲げております。具体的には、「互いに支え合い、誰もが自らの能力を発揮し活躍する社会」、「誇りと活力に満ちた社会」、「美しい琵琶湖を大切にする、豊かな自然と共生する社会」、「暮らしと産業を支える基盤が整い、人やものが行き交う社会」、そして、「将来への不安を安心に変え、安全、安心に暮らせる社会」を目指しているところでございます。  今後とも、こうした社会の実現に向けて、県民の皆さんと思いを共有し、取り組みを進めてまいる所存であります。  3点目、私の政策提案集にある7つの分野それぞれにおいて、何に一番力を入れているのかという御質問に対してでございます。  まず、1つ目の「いきる」におきましては、子育て支援や子供たちの学ぶ力の向上、健康寿命の延伸や在宅医療、文化、スポーツの推進などに力を入れております。  2つ目の「うごく」につきましては、交通ネットワークの充実に力を入れており、道路整備による利便性の向上、地域の公共交通の維持や活性化、北陸新幹線米原ルートの実現などに、引き続き努力をしてまいりたいと存じます。  3つ目の「はたらく」につきましては、若者のキャリア教育の充実や女性活躍の推進、働き方改革などに力を入れており、誰もがみずからの能力を発揮し、ともに働く協働社会の実現を目指してまいります。  4つ目の「つくる」につきましては、中小企業、小規模事業者の支援や魅力ある農山漁村づくりのほか、新しいエネルギー社会の実現等に力を入れております。  5つ目の「まもる」につきましては、水草除去や水源林の保全など琵琶湖を守る取り組みに力を入れており、今後は、遊びや学びなどの要素を加えた、琵琶湖を生かす取り組みも推進してまいりたいと存じます。  6つ目の「そなえる」につきましては、安全、安心なまちづくりに力を入れており、河川整備と治山対策の計画的推進や地域コミュニティの維持活性化による防災・防犯力の向上を図っていきたいと考えています。  最後、7つ目の「ひろげる」につきましては、首都圏への情報発信やビワイチ観光の促進など、滋賀の素材や魅力の磨き上げに力を注いでいるところです。  今後も、こうした取り組みにより、「人と地域がキラリと輝く7つ星の滋賀」の実現に向けて取り組みを進めてまいる所存でございます。御協力、御指導、よろしくお願いいたします。  4つ目の働くことができる環境をつくることにより、全員参加型の構築に向けた協議の場の設置に向けた見解についてでございます。  女性や若者、高齢者、障害のある方など、あらゆる人がそれぞれの持つ能力を生かし働くことができる環境をつくっていくためには、多様な主体が緊密に連携していくことが重要であります。このため、これまでから雇用を取り巻く問題について、県、滋賀労働局、連合滋賀、滋賀経済産業協会で構成します雇用推進行労使会議チャレンジしがを設置し、4者の連携協力による取り組みを進めているところです。  このチャレンジしがの取り組みといたしまして、本年7月から、働き方改革について、官民連携で施策の実施、検討を行うための専門部会であります滋賀県働き方改革推進ワーキングチームを設置し、金融機関や大学関係者からも御意見をいただいているところです。  また、昨年、総合戦略を策定し、働き方を含めた施策を推進していくために、団体等の関係者や有識者を交えた、人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり推進協議会を設置したところでございます。  今後とも、このような場を活用することにより具体的な検討を進め、全ての人に居場所と出番がある共生社会・滋賀の実現を目指してまいりたいと存じます。  5点目、長時間勤務の状況に対する解決方針と対応についてでございます。  勤務は正規の勤務時間に集中して行い、その時間内に終了することが基本であり、時間外勤務は、やむを得ず行う臨時、緊急のものであります。しかしながら、複雑化する行政課題や多様な行政ニーズに対応するため、管理職員が部下の長時間勤務を認めざるを得ないという状況もあるんではないかと考えます。  今般、2つの地方機関において、36協定違反として労働基準監督署の是正勧告を受けたことや、昨年度において年間1,000時間を超える時間外勤務を行った職員が20人に上るなど、現在の状況を大変重く受けとめているところでございます。  このような状況に対しまして、改めて、私自身がリーダーシップを発揮して、強い気持ちで解決に向け取り組む必要があると認識しております。具体的には、働き方改革を一層推進することにより、全ての職員が意識改革を行い、忙しい同僚を率先して助けるなど、チームで仕事をする職場づくりを推進してまいりたいと考えます。  特に、管理職員に対しましては、これまで以上に部下の業務について責任を持ってマネジメントすることとし、時間外勤務を命じる際には、詳細な内容の把握と具体的な指示を行うよう徹底し、時間外勤務の縮減を目指してまいります。  また、人員体制の面からは、各職場の業務の実態を量的、質的な面から把握し、県庁全体で適正な人員配置を一層進めてまいりたいと存じます。
     まずはこうした取り組みを実践することにより、県の職場から異常な長時間勤務がなくなり、職員のワーク・ライフ・バランスが実現するよう、全力で取り組んでまいる所存であります。  次に、6点目、出退勤管理の状況に対する改善方針についてでございます。  本県の職員の出退勤については、上司による現認または自己申告制によって管理しております。具体的には、始業時に朝礼を行い、係長が部下の出勤および当日の業務内容の確認を行い、勤務時間の終了時に行う終礼において進捗状況の確認を行っております。  その際、係長は業務の進捗状況を踏まえ、部下との対話の中で、時間外勤務を行う必要性でありますとか、業務内容、終了予定時刻等について精査した上で、係内の協力体制を十分考慮し時間外勤務を命令し、翌日の朝礼時に、前日の時間外勤務の従事状況を確認しております。  今後も、この朝礼、終礼を各所属において徹底し、適正な出退勤管理に努めてまいります。  7点目のダブルケア問題についてであります。  現役世代は晩婚化、晩産化の傾向にあり、結果として、1人の人や1つの世帯が同時期に介護と育児の両方に直面するというダブルケア問題がふえてきております。厚生労働省の調査結果では、40歳以上の男女45.4%、約半数の人がダブルケア問題を身近な問題として回答されておられます。  これまでから、施設、保育所の入所に当たって複数の福祉ニーズを抱える人に対しては、家族の介護、育児の状況も考慮しているところでありますが、ダブルケア問題の実態については十分把握できていない現状がございます。  しかしながら、今後こうした対象者がふえると見込まれる中では、必要なサービスを的確に組み合わせて提供するなど、分野横断的な取り組みが必要であると考えます。こうした中で、滋賀の縁創造実践センターでは、分野や団体の枠を超えた横つなぎにより、公私協働で、生きづらさを抱えた家族を丸ごと支えるという取り組みも実践されているところです。  本県といたしましても、各市町とともにダブルケアの実態を把握するとともに、複合するニーズを抱える人や家族に対し、適切な福祉サービスを提供する仕組みや地域で支え合えるネットワークづくりについて、市町と一緒に考えてまいりたいと存じます。  8点目、そのダブルケア対策としての人的資本への積極的な先行投資についてです。  多様化、複合化する福祉ニーズを抱える人たちを世帯として包括的に支援することは、議員御指摘のとおり、今後求められる大切な視点であると考えます。例えば、介護者との接触の機会の多い市町の地域包括支援センター職員や介護支援専門員、訪問介護員等が、支援を必要とする高齢者だけでなく、介護者や家族の状況にも目を配り、その家族の状況に応じた適切な支援へつなげる取り組みが重要であります。  こうしたことから、県といたしましても、市町や関係団体と協議しながら、子育てや在宅医療福祉にかかわる専門職が、当事者やその家族を真ん中に置いて、その人のニーズに適したサービスをトータルにコーディネートできるよう、研修等を通じて人材の育成に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。  9点目、平成29年度における県民福祉の向上を進めるための県政経営のあり方についてでございます。  私は県政をお預かりする知事として、時代の潮流を的確に捉え、長期的な視点に立つとともに、県民の皆様の貴重な税金により事業を行っているということを強く意識し、最少の経費で最大の効果を上げることができるよう、県政経営に当たらねばならないと考えているところです。  平成29年度に向けましては、「新しい豊かさ」を具現化し、県民の皆様に実感していただけるよう、特に若者の希望の創造、国内外から人や物を呼び込む新たな価値の創造、発信、誰もが健康で活躍する社会づくり、琵琶湖や山と人々の暮らしとのつながりの再生という4つの視点に重点を置きつつ、施策を展開していくこととしています。  また、こうした施策を効果的に展開していくためには、国や市町を初め、NPOや企業、大学などの多様な主体との連携強化や協働の取り組みを積極的に進めるとともに、部局間の連携による横つなぎにより、県庁力を最大限に発揮していくことが重要であると認識しています。  同時に、施策を着実に実施していくためには、安定的で持続可能な財政基盤を確立することが重要であり、基礎となる財源の確保を初め、財政健全化に向けた取り組みを進めていく必要があると考えております。  予算編成につきましても、こうした考え方を編成方針に盛り込み施策の具体化を図ることとしており、県民福祉の向上に向け、県民の皆様の御期待に応えることができるよう、しっかりと取り組んでまいる所存であります。  大きな3点目、低炭素社会づくり推進計画について、6点御質問いただきました。  まず1点目、滋賀県低炭素社会づくり推進計画としがエネルギービジョンとの関係についてであります。  低炭素社会づくり推進計画は、地球温暖化の問題が地球規模で深刻かつ不可逆的な影響をもたらすものであるとの認識のもと、化石燃料に依存しない社会経済構造の確立により、豊かな県民生活および経済の持続的な成長を実現しつつ、温室効果ガスができる限り削減された低炭素社会の実現を目指すものであります。  また、しがエネルギービジョンは、東日本大震災および原子力発電所の事故の経験を踏まえて、原発に依存しない新しいエネルギー社会の構築に向けた長期的、総合的かつ計画的なエネルギー政策を推進するための指針として策定したものでございます。  この低炭素社会の実現と原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現は、いずれも県民生活の安心、安全の観点から極めて重要な課題であり、双方が満たされた社会を目指していくことが重要であると認識しています。  こうした認識のもと、今回の計画改定に当たりましては、原発に依存しない新しいエネルギー社会を踏まえながら、今世紀後半に温室効果ガスの排出と吸収の均衡を図る脱炭素社会を目指しつつ、その一里塚として、2030年度の低炭素社会の実現に向けて取り組むこととしたところでございます。  2点目、100億キロワット時を超える電力を何をもってつくるのかとの御質問についてでございます。  エネルギー政策につきましては、国が中長期的な展望を持って検討、実施されることが基本であり、基幹電源を確保し、安定的な電力供給体制を整えることが国の責務でございますが、地方自治体としても、地域レベルで取り組み可能なエネルギー政策を幅広く推進していくことが求められます。  こうしたことを踏まえまして、しがエネルギービジョンの基本目標、これは2030年度でございますが、1つは電力消費量の削減、これは2014年度比10%の削減、再生可能エネルギーの導入目標、これは約154万キロワット、天然ガスコージェネレーション、燃料電池導入目標につきましては、40万キロワットとして掲げているところでございます。  これら3つの基本目標を統合いたしますと、2030年度における電力供給量132.5億キロワットアワーのうち、再生可能エネルギーと天然ガスコージェネレーション、燃料電池で31.1%を賄うこととなり、残る68.9%は、なお大規模電源、これは県外から供給される電源に依存することとなります。  このように、ビジョンは再生可能エネルギー等の県内で供給される分散型電源により必要な電力を全て賄うというものではなく、東日本大震災前に依存してきた原発由来の電力量相当分を確保することを目指すものでございます。  3点目の参考値についての御質問でございます。  削減目標値につきましては、さきの県議会でいただいた御意見も踏まえ、骨子案でお示しした幅を持たせた目標ではなく、2030年度において2013年度比23%減の水準を目指すこととさせていただいたところでございます。この削減目標は、目標年度において、国の地球温暖化対策計画で示された対策、施策のほか、県の産業構造や地域特性、独自の取り組み等を考慮した削減効果を算出した上で、しがエネルギービジョンで示します原発に依存しない新しいエネルギー社会が実現した姿を想定した電源構成に基づき設定したものでございます。  なお、目標年度における国全体の電源構成につきましては、原発の稼働状況や再生可能エネルギーの普及状況など不確定要素が大きく、これに応じて、電気の二酸化炭素排出係数の影響による温室効果ガス削減量が変動し得ることに留意し、国の地球温暖化対策計画における電源構成に基づき算定した29%を参考値として付記させていただいているものでございます。  4点目、しがエネルギービジョンで示す原発に依存しない新しいエネルギー社会が実現した姿を想定した電源構成の実現についてでございます。  今回の削減目標で想定した電源構成は、国のエネルギーミックスにおける原発相当部分を、石炭や再生可能エネルギー等の他の電源に振り分けることで算定しております。原発につきましては、原発そのものに大きな不安を抱かれ、司法の場も含めてさまざまな議論がなされている中、再稼働が進んでいないことに加え、使用済み核燃料の処理問題など、さまざまな課題を抱えています。  こうしたことから、今回の削減目標の設定に当たりましては、しがエネルギービジョンで示す原発に依存しない新しいエネルギー社会が実現した姿を想定した電源構成に基づき設定したところでございます。  本県といたしましては、再生可能エネルギー導入等、しがエネルギービジョンに基づく8つの重点プロジェクトを着実に進めることで、滋賀からローカルイノベーションを起こしていくとともに、国に対して、原発に相当程度依存する現在のエネルギー政策を転換することを引き続き求めていく所存であります。  5点目、エネルギービジョンの位置づけについてでございます。  目標年度における国全体の電源構成については不確定要素が大きいことから、骨子案では目標値に幅を持たせたところでございますが、さきの県議会でいただいた御意見も踏まえ、今回の素案では1点に絞り、23%と設定させていただいたところです。  先ほども申し上げたとおり、低炭素社会の実現と原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現はいずれも重要な課題であり、双方が満たされた社会を目指していくことが重要であると認識しており、どちらか一方を上位と考えたものではございません。  国の地球温暖化対策計画における電源構成に基づき算出される削減目標と比べて、今回の県の削減目標は幾分低くなるため、低炭素社会づくりの視点が不十分に見えるかもしれませんが、あくまで原発や化石燃料を再生可能エネルギーに置きかえていく過渡期の姿にすぎず、将来的には脱炭素を目指すことに変わりはないと考えております。  6点目、しがエネルギービジョンの扱いについてでございます。  ビジョンは、電力消費量の削減に取り組むとともに、再生可能エネルギーや天然ガスコージェネレーションなどの導入促進など、地域レベルでの取り組みにより分散型電源の比率を高め、東日本大震災前に依存してきた原発由来の電力量相当分を確保することを目指すことを趣旨として策定したものでございます。  こうした地域レベルでの取り組み可能なエネルギー政策を推進するための指針として策定したビジョンにおいては、大規模電源の構成割合を明示することはなじまないものと考えており、これを見直すことは想定しておりません。  原発に依存しない社会と低炭素社会の実現は、ともに乗り越えていくべき大きな課題であるとの認識のもと、こうした社会の実現に同時に寄与する省エネルギー、節電の推進や再生可能エネルギーの導入促進など、地域レベルで取り組み可能な施策を今後とも着実に推進してまいりたいと存じます。  大きな4点目にいただきました琵琶湖の水産資源の回復について、4点御質問いただきました。  まず1点目、琵琶湖漁業の現状と水産資源の回復に向けての施策についてでございます。  外来魚を除きます琵琶湖漁業の漁獲量は、昭和30年代初期の1万トンから平成25年の871トンまで、長年にわたり減少傾向を続けてきましたが、平成27年には概数値で979トンとやや回復し、下げどまり感はあるものの依然低い水準であり、琵琶湖漁業は危機的な状況であるものと認識しています。水産資源の回復は県政の重要課題であります。滋賀県農業・水産業基本計画では、目標年度の平成32年度の漁獲量を1,600トンとしているところです。  県では、水産資源を回復させるため、重要魚介類の種苗放流、ヨシ帯や砂地など産卵繁殖場の整備、外来魚やカワウの捕獲などに取り組んでおりまして、ニゴロブナやホンモロコの漁獲に回復の兆しが見られるものの、本格的な回復にはいまだ至っておりません。  そのため、引き続きこれらの取り組みを着実に推進するとともに、特に、これまで減少傾向にありました外来魚の生息量が平成26年以降増加に転じており、これらを減らすための対策の強化が必要であると考えます。  また、水産資源の減少要因を解明するため、琵琶湖環境研究推進機構により、プランクトンなど餌環境の視点などの研究を実施し、最終年度であります今年度には研究成果を一定取りまとめ、施策に生かしていく予定であります。  水産資源の回復に必要な取り組みを現在策定中の琵琶湖保全再生計画にもしっかりと盛り込むとともに、来年度予定されております国立環境研究所の本県への一部機能移転も踏まえ、国に対して連携、支援を求めてまいりたいと存じます。  また、御指摘いただきましたアユ資源の状況につきましては、私どもも速報として把握いたしております。確かに初日は例年より少なかったということでございますが、産卵調査では一定数がございましたので、もうしばし状況を注視し、必要な対応をとってまいりたいと存じます。  2点目の南湖の再生についてでございます。  議員御指摘のとおり、かつて南湖は琵琶湖の魚にとってゆりかごと言える重要な産卵、繁殖の場でありましたが、現在、水草の大量繁茂など漁場環境の著しい悪化により、その機能が失われ、水産資源の回復を阻害する大きな課題であると認識しています。  県では、これまでから部局連携して、南湖の水草対策に取り組んできたところでございます。さらに、都市再生プロジェクトに基づき、国や独立行政法人水資源機構とともに南湖の再生に取り組み、平成19年度から窪地の埋め戻しや砂地造成などを実施してきましたが、南湖の抜本的な再生にはいまだ至っておりません。  このような中、県では水産資源の回復のために、平成26年度から赤野井湾を最重要拠点として、水草除去、外来魚駆除、種苗放流などの取り組みを集中的に実施しているところです。  その結果、赤野井湾に放流したホンモロコ稚魚が北湖で漁獲されるとともに、赤野井湾での産卵も確認されるなどの成果が見られつつございます。このような成果を南湖全体に広げ、水産資源を含め、琵琶湖生態系の回復につなげることが必要不可欠であります。  そのため、琵琶湖環境部、農政水産部および土木交通部などの関係部局が、これまでの取り組みの検証と課題解決のための検討会を立ち上げ、南湖の再生に向けた取り組みを進める所存でございます。  あわせまして、南湖の環境改善に向けた取り組みを琵琶湖保全再生計画に位置づけ、国に対しましても、一層連携、支援を要請してまいる所存でございます。  3点目、担い手対策と流通対策についてでございます。  担い手対策につきましては、今年度、滋賀県漁業協同組合連合会に就業希望者の相談窓口となります、しがの漁業技術研修センターを設置するとともに、琵琶湖漁業を詳しく紹介する専用のホームページを開設いたしました。  また、来年3月までに6名の研修生を受け入れ、漁業者のもとで操業体験をしていただく試行的な取り組みを行い、来年度からは年間26名の体験研修を本格的に実施する予定です。これらの取り組みをしっかりと運用し、滋賀県農業・水産業基本計画の目標としております平成32年度までの新規漁業就業者数10人を確保してまいりたいと存じます。  次に、流通対策につきましては、議員からも御紹介いただきましたが、Fish−1グランプリでビワマスの親子丼が最高評価をいただいたように、湖魚のおいしさを広く知っていただき、食べていただける仕組みが必要であると考えます。  そこで、代表的な湖魚である琵琶湖八珍の活用を旅館、飲食店等に働きかけているところでございまして、コース料理や旅行企画への取り込みなど、事業者独自の活用が広がりつつございます。  さらに、湖魚の魅力を知っていただくには、子供のころの食体験が重要であると考えまして、今年度、学校給食に12万食余りの湖魚を提供しており、コアユやビワマスを食べた児童の7割以上は、「おいしかった」との感想をいただいているところです。  これらの取り組みを引き続き推進するとともに、湖魚のイメージを刷新するようなメニューの開発や、来年度整備される首都圏情報発信拠点を活用した湖魚の魅力のPRなど、消費拡大につながる対策を講じてまいりたいと存じます。  4点目、琵琶湖漁業の再生に向けての決意についてでございます。  議員御指摘いただいたように、琵琶湖の水産物はコアユやビワマス、ニゴロブナなど、滋賀ならではのすぐれた特産品として、水産業を初め多くの産業を支えています。湖魚は、食を通じて県民と琵琶湖とのつながりを深めるほか、ふなずしやえび豆などに代表されるように、水産業と農業が結びついた独自の食文化も形成してきました。この食文化は、世界農業遺産の認定を目指す上で重要な要素であると考えます。  また、かつて海外でも高い評価を得て、最盛期には40億円もの生産額を誇っていた琵琶湖の真珠「ビワパール」は、30年ほど前から低迷を続けてまいりましたが、近年、生産量に回復の兆しが見られ始め、生産者や販売業者による新たな事業展開が始まるなど、復活への期待が高まりつつあります。  このように、琵琶湖漁業は他の地域に見られない独自性を有し、地方創生に大きく貢献するものであり、本県にとって欠くことができない極めて重要な産業です。そのため、水産資源を一刻も早く回復させるとともに、担い手の確保や消費拡大を着実に進め、本格的な琵琶湖漁業の再生を強力に進める決意であります。  琵琶湖保全再生法により国民的資産と位置づけられた琵琶湖の価値を、琵琶湖漁業を通じて全国に示し、本県の活性化につなげてまいりたいと考えます。  大きな5項目め、林業の成長産業化に向けた取り組みについて、6点御質問いただきました。  まず1点目、本県の林業を取り巻く課題についてでございます。  本県の森林資源が成熟期を迎え、その多くが利用段階に移行する中、これらの資源を有効に利用するとともに、琵琶湖をお預かりする本県ならではの林業成長産業化を図っていく絶好の機会が訪れていると考えます。その実現に当たりましては、木材の生産から加工、流通、利用に至るいわゆる川上、川中から川下の各段階において、課題も多いものと認識しています。  具体的には、例えば川上におきましては、施業集約化のおくれや伐採、再造林が進まないことにより、安定的な木材生産や森林の適切な更新ができていないということ。川中におきましては、木材利用のニーズに対応した加工、流通体制が未確立であることや、本県の強みである交通アクセスのよさが生かされていないこと。川下におきましては、合板、集成材などの大口需要に依存しており、県内の住宅や公共施設などで利用される仕組みが確立されていないことなどでございます。  また、林業、木材産業に関する専門的な知識を持った人材が不足していること、さらには、国民的資産と位置づけられた琵琶湖の保全再生の観点を重視した森林整備や、木材生産のための方策が確立されていないことなども課題であると認識しています。  このような課題の解決に向けまして、本県はもとより、さまざまな主体とともに取り組みを進めるための具体的な行動計画として、しがの林業成長産業化アクションプランの策定を現在進めているところでございます。  2点目、しがの林業成長産業化アクションプランが打ち出そうとする新たな方向性等についてでございます。  まず、今回のプランでは、目指す姿として、「山を生かし、水源を育み、地域を元気にするしがの林業・木材産業の実現」を位置づけております。すなわち、人工林を中心に本格的な収穫期を迎えている本県の森林資源を生かしながら、植える、育てる、使う、植えるの循環サイクルそのものである林業、木材産業をなりわいとして活性化していくことにより、地域振興に貢献するとともに、琵琶湖の水源林の持続的な保全を実現していくことを目指しています。  そのためには、新たな方向性といたしまして、1つ、これまでの間伐を中心とした育成段階から、収穫、利用を目指した森林資源の利用段階への移行、2つ、県外大型工場への流通利用のみならず、地域で生産された木材が地域で利用される仕組みの構築、3つ、しがの林業成長産業化を実現できる自立した人材の育成、4つ、豊かな森林を初めとする自然資源の再発掘による森林山村地域の創造、5つ、琵琶湖保全再生法の理念を実現できる体系的な水源林整備などを掲げ、これらの実現に向けた取り組みを進めようと考えております。  3点目、今後の県産材の生産、加工、流通体制の整備や利用拡大に向けた取り組みについてです。  まず、生産体制の整備につきましては、ことし7月に高島市朽木で短期居住をさせていただいた際、林業に携わる皆さんからも喫緊の課題として承りました森林境界の明確化、これに取り組んでいく必要があると考えます。  また、生産性向上に向け、林内路網の整備や一層の機械化などを進めるとともに、伐採と再造林の一体的な施業に取り組み、森林資源の循環利用を図ってまいります。  次に、加工、流通体制の整備につきましては、県産材の需給情報を共有化するシステムを構築するとともに、地域内循環の促進に向け、原木市場や製材工場等が連携し、県産材が地域の建築物等に積極的に活用される仕組みづくりに取り組んでまいります。  また、交通アクセスに恵まれた本県の強みを生かし、県外の大口需要者へ原木を安定供給する物流システムの整備に向けた取り組み等を支援してまいります。  さらに、県産材の利用拡大につきましては、住宅や公共建築物等への利用を一層推進していくとともに、多様な用途への活用が期待される、議員も御紹介いただきましたCLTの普及利用や木質バイオマス利用の促進、木育の推進など、新たな木材需要の創出に向けた取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えます。  4点目、担い手となる人材の確保、育成についてです。  本県の林業従事者数は、平成17年度の478名から平成27年度249名と、この10年間で約半減いたしておりますが、50歳未満の従事者の割合は29%から47%に増加し、一定若返りの傾向も見られます。  このような中で、まず、新規就業者の確保につきましては、これまでからの林業労働力確保支援センターにおける情報提供や就業相談を行うとともに、本年10月に開設いたしました、ながはま森林マッチングセンターの活用などを通じて、山村地域と都市部のニーズをワンストップでつなぎ、新たな交流や移住、定住、就業機会の創出などを図ってまいりたいと考えます。  次に、林業従事者の育成につきましては、研修プログラムの体系的な構築を図りながら、川上から川下までの全ての段階において、専門性の高い技術者の育成を図っていきたいと考えています。  具体的には、川上におきましては、引き続き森林施業プランナーの育成を図るとともに、施業の機械化に対応できる作業員の技術や資格の取得を支援します。さらに、川中、川下においても、新たに技術研修等の開催、幅広い人材の交流、情報の共有化などを図り、県産材の流通、加工分野で、需要者の多様なニーズに対応できる高度な知見を持つ人材の育成に取り組んでまいります。  今後、このような取り組みを進めるとともに、林業、木材産業の成長産業化を図り、就労の場としての魅力を高めることで、さらなる人材確保、育成につなげる好循環を創出してまいります。  5点目、本県の林業を産業としてしっかりと位置づけていくためにどのように考えるのかということについてでございますが、本県の林業は、戦後の植林から長期にわたり育てることを中心に取り組む必要がございましたが、ようやく木材を収穫し、林業としての収益を上げていく段階になってきたと認識しています。  一方、近年の国内における林業、木材産業の動向を見ますと、これまでの住宅分野や公共建築物のみならず、CLTやセルロースナノファイバーなど新たな木材利用の可能性を広げる製品の開発、利用が促進されています。また、木質バイオマスのエネルギー利用や海外への原木輸出など、さまざまな取り組みが進められているところであり、ビジネスチャンスも広がりつつございます。  こうした中で、本県の林業が今後とも産業としてしっかり位置づけられていくためには、議員御指摘のとおり、利用期に達した森林資源の活用を図りながら、川上から川中、川下に至る人やお金の流れが活発になることが重要であると考えます。  このことを踏まえ、これまで申し上げてきた施策を着実に推進し、本県林業の成長産業化を実現することが、ひいては国民的資産であります琵琶湖の保全再生につながるものであり、関係団体を初めさまざまな主体との連携を図り、力を合わせながら精いっぱい取り組んでまいりたいと存じます。  6点目、全国植樹祭の開催招致についてでございます。  先月16日に、公営財団法人滋賀県緑化推進会、滋賀県森林組合連合会、滋賀県林業協会および滋賀県木材協会の連名で、県に対しても全国植樹祭をぜひ招致されたいとの御要望がございました。全国植樹祭は、天皇、皇后両陛下御臨席のもとに開催される国民的行事であり、本県では昭和50年に栗東市の金勝山で開催してから41年が経過したところでございます。  全国植樹祭の開催は、さきにお答えしたしがの林業成長産業化に向けたさまざまな取り組みをより多くの方々に発信するとともに、琵琶湖保全再生法に基づく森林の整備保全を県民総ぐるみで推進していく上においても絶好の機会となることなど、招致する意義は大きいと考えます。
     一方で、全国植樹祭は開催規模が大きく、経費や体制面での十分な準備が必要となるほか、全国から多くの方をお迎えする行事でもありますことから、県民挙げての歓迎と協力も必要となってまいります。  そこで、県議会を初め市町、経済界および各種団体など、幅広く県民の皆様の御意見を伺いながら詳細を詰めていく必要があると考えておりますが、本県といたしましては、開催地が決まっていない平成33年春の招致を目指すこととし、具体的な検討をスタートさせたいと考えます。  続きまして、がん対策の推進について、5点の質問にお答えをいたします。  まず、1点目のがん対策推進計画の目標達成に向けた今後の取り組みの方向性についてでございます。  本県のがん対策推進計画では、75歳未満の年齢調整死亡率を10年間で20%以上減少することを目標に掲げております。この死亡率は、平成18年には79.6でございましたが、その後の取り組みにより、平成26年には71.9とおかげさまで減少傾向にあり、全国よりも低く推移しておりますものの、現在のところ、目標の20%減少には達しておりません。  今後、死亡率の減少を加速させるためには、食生活や禁煙など、がんの予防のための生活習慣の改善とともに、がん検診の受診率の向上による早期発見が非常に重要であります。そこで、がんは早期発見なら助かる、休日や夜間の検診も受けられるといった啓発と、検診対象者への個別勧奨に市町とともに取り組んでいるところでございます。  今後も、さまざまな機会を通じ、検診対象者への丁寧な情報提供やがん検診の正しい理解を促進し、受診率を高めることによって、がんの早期発見、早期治療につなげ、目標の20%減少を目指して、引き続き重点的に取り組んでまいります。  がん対策推進基金の活用策、今後の方向性についてでございます。  がん対策推進基金は、がん対策推進条例の理念にのっとり、県民の主体的な取り組みを促進するために、県内の患者団体やNPO等の民間の自主事業の取り組み支援に活用しております。今年度は11団体14事業に補助を行っており、例えば、大学生によるがん啓発のチャリティイベント「リレー・フォー・ライフ」、患者会による「がん患者力向上講座」、小児がん患者と親の会による交流サロンやキャンプ、NPOによる休日、夜間の相談窓口の開設、乳がん啓発のピンクリボン運動に取り組まれています。  こうした取り組みにより、県民の自主的な活動が県内各地に広がり、多くの参加者を得て、県民目線、患者目線で効果的な啓発や交流が実施されていると認識しています。  今後の方向性につきましては、これまでの啓発や患者の相談支援に加えまして、例えば、治療に伴う脱毛など外見の悩みに対するアピアランス支援など、患者の生活の質が向上し、社会参加につながるような新たな取り組みに活用できないか、検討してまいりたいと存じます。  3点目、妊よう性温存治療の県助成制度の今後の展望についてです。  まず、県助成制度の状況でございますが、今年度24人の見込みに対しまして、11月末までに5人の申請がございました。国立がん研究センターの患者調査によりますと、若いがん患者の約6割は妊よう性温存という治療があることを知らないという現状がございます。  がん患者が妊よう性温存の治療を受けるためには、まず、がん診療を行う病院において、患者、家族へ適切に説明されることが重要でありますことから、県では、今年度、助成制度の開始と同時に、医療従事者を対象に13病院で研修を行い、約900人の参加がございました。  参加した医療従事者の多くが、「温存治療の必要な対象者、治療方法、紹介のタイミングなどが理解できた」とされており、患者の状態に応じた適切な説明がなされ、今後、医療費助成の活用が進むものと考えます。  今後も、子供を望む若いがん患者の思いがかない、希望を持ってがん治療に臨めるよう、支援を継続してまいりたいと存じます。  都道府県がん診療連携拠点病院としての成人病センターの役割および今後の展望についてでございます。  御指摘のとおり、高齢化に伴い、がん患者はますます増加し、2人に1人ががんになると言われる今日、がんになっても住みなれた地域で適切ながん診療を受けることができる社会の構築が求められています。このため、成人病センターでは、各地域におけるがん診療体制の構築に向けて、拠点病院、医療関係団体、患者団体などで構成する滋賀県がん診療連携協議会の運営を通して支援をしてまいりました。  協議会では、緩和ケアやがん看護、がん相談に関する研修、臨床研究や治験に関する情報共有、地域における医療機関の協力連携体制の構築、がん登録の分析、評価などを進めてきたところです。あわせて、全県のがん診療を支援するため、遠隔病理診断ネットワークの構築や全県型医療情報ネットワークの支援などを進めてまいりました。  また、がん治療のみならず、脱毛など外見の悩みに対するアピアランス支援や就労支援といったがん相談にも力を入れてまいりました。今回の新病棟開棟により、がん相談支援センターの充実を図ったところであり、一層患者支援に取り組んでまいりたいと考えます。  今後は、体だけでなく、こうした心のケアについても各地域での取り組みが一層進むよう引き続き支援し、県内のどこに住んでいても、それぞれの地域で適切ながん診療が受けられるよう、取り組みを進めてまいります。  5点目、がん患者に対する就労支援など、どのような取り組みを行うのかということについてでございますが、がん対策推進議員連盟の皆様には継続的にがんフォーラムを開催していただき、がんの理解促進に積極的に取り組んでいただいております。心から感謝を申し上げます。  がん患者が就労するためには、治療や体力に合った働き方ができるよう、本人へのきめ細かな相談対応と職場側の理解に基づく受け入れ体制の調整が必要であり、県と関係機関において、本人の支援だけでなく、職場向けの支援に取り組んでおります。  例えば成人病センターにおいては、ハローワークによる出張就職相談や社会保険労務士による相談を実施しております。一方、職場に対しましては、医療保険者による研修会、産業保健総合支援センターによる出張相談などが実施されております。  今後も、がんに関する正しい理解の促進に向け、引き続き、県のホームページや広報誌「滋賀労働」等を通じて、がん患者の就労に関する情報提供、啓発を行ってまいります。あわせまして、経済団体における研修にも取り入れていただき、連携を図ってまいりたいと存じます。  また、職場のみならず、社会全体の理解を進めるため、県では小中高等学校においてがん教育を実施しており、将来を担う子供たちが命の大切さや生きる意味を学ぶことは、患者と家族を支える社会をつくるための大きな力になると考えます。  これらの取り組みを通して、病気や障害のあるなしにかかわらず、さまざまな立場や生き方を認め合う社会をつくってまいりたいと存じます。  インターンシップの推進について、3点御質問いただきました。  1点目、滋賀インターンシップ推進協議会の取り組み等についてです。  これまで本県におけるインターンシップは、各大学や各府県のインターンシップ協議会、民間事業者を通じて実施されてきたところであり、県域のインターンシップを実施する組織がありませんでした。また、人口減少社会への変化が進む中、学生の大企業への就職志向や県内企業の認知度不足から、県内の大学に通う学生の県内企業への就職率は約1割と低く、若者世代の人口流出に歯どめをかけることが重要な課題の一つとなっています。  このため、本県では、去る10月25日に、産業界、県内外の大学、労働団体、行政の合わせて27団体で構成する滋賀インターンシップ推進協議会を立ち上げたところでございます。  本協議会において、県内外の学生の県内企業への理解を深めるとともに、学生のキャリア形成に資する県域のインターンシップとなるよう意見交換を重ね、県内企業でのインターンシップのさらなる普及拡大を図ってまいる所存であります。  今後、来年2月から3月にかけて試行的にインターンシップを実施し、その成果を検証することといたしております。  2点目、このインターンシップの実施に向け、中小企業等に対しどのような支援を行うのかということについてでございますが、今年度、本県が実施した県内企業に対するインターンシップに関するアンケート調査によりますと、回答企業の56%でインターンシップの実施実績がなく、企業規模が小さくなるにつれ実施率が下がる傾向にございます。  また、過去にインターンシップを実施しなかった理由として、「受け入れ方がわからない」ことや「人手不足により実施できない」と回答した企業が多うございました。  このような状況を踏まえまして、若年層の採用を初め、人材採用に関してさまざまな悩みを持つ中小企業や小規模企業の人材確保を支援する相談窓口の開設や企業訪問により、合同企業説明会等の参加や求人票作成、企業PR方法に関するアドバイスなど、採用活動に必要な支援を行っているところです。  また、受け入れ方がわからず実施をちゅうちょされている企業に対して、インターンシップの実施方法やプログラムづくりなどの支援を行うことといたしております。  3点目、このインターンシップをふるさと滋賀で暮らし働くことにつなげていくことについてでございます。  若者が滋賀で暮らし働きたいと考えるようになるためには、地域において体験を積み重ねることで、地域への理解を深め、愛着を高めていくことが大切であると考えます。  このため、議員が御紹介いただいたとおり、中学生チャレンジウィークなど、子供たちが自分が暮らしている地域を知り、地域に貢献でき活躍できる自分を知る取り組みでありますとか、ふるさと滋賀への愛着を高める取り組み、地域の企業の御協力のもと実施しております「しごとチャレンジフェスタ」などの施策を推進しています。  発達段階に応じた地域でのさまざまな体験を積み重ねてきた学生が、将来のライフプランを見据えた大きな分岐点である時期に県内企業等の魅力を体感し、地域のことをより深く理解することにより、滋賀で暮らし働くきっかけになるよう、インターンシップの推進に、充実にさらに注力をしてまいりたいと存じます。  次に、これからの道路整備につきまして、5点御質問をいただきました。  まず1点目、事業費の執行の現状と今後の対応についてです。  年度当初から80%前倒し発注の目標を掲げ、部内での応援体制の充実、建設技術センターへの積算業務の委託、現場監督業務の外部委託等を行いながら、道路事業の推進に鋭意取り組んでまいりました。  その結果、11月末現在、繰り越し予算につきましてはほぼ100%契約が完了し、現年予算、今年度の予算につきましては約7割の発注を行ったところでございます。  今後は補正予算もございます。年度末に向け大変厳しい状況ではございますが、これまで以上に業務を効率的に進められるよう、さらに工夫、努力をしてまいりたいと存じます。  2点目、予算の執行につきましては、さきにお答えいたしましたとおり、今年度は繰り越し、当初予算、補正と例年に比べ多くの事業費となっており、厳しい状況の中、進捗に努めているところです。来年度につきましても、必要な事業を計画的に実施すべく予算枠の拡大を要望しているところでもあり、確実に執行できるよう、しっかりと対応してまいります。  また、体制につきましても十分に検討してまいりたいと存じます。  3点目、道路整備アクションプログラムの事業進捗につきまして、議員御指摘のとおり、道路整備アクションプログラムの事業実施路線には、順調に進捗している箇所がある一方で、用地交渉が難航するなど事業がおくれている箇所もあり、路線により進捗に差があるのも事実でございます。  今後は、事業効果を早期に発現できるよう努めるとともに、道路整備アクションプログラムの中間年度に当たります来年度には、各路線の進捗状況も踏まえ、市町ともよく協議し、必要な見直しを行い、計画的な事業実施に努めてまいります。  そうした中、4点目、県民や市町の声を反映した道路整備につきましては、アクションプログラムの見直しに当たりましては、先ほども申し上げましたとおり、まずは全市町に対し、地域が抱える課題や県の道路政策について広く御意見を伺うことにいたしております。  さらに、各土木事務所、支所ごとに地域ワーキングを立ち上げ、有識者を初め、地域の道路利用者や公募委員、警察、市町の職員など、さまざまな立場の皆様から課題を踏まえた今後の道路整備について御意見をいただき、提言として取りまとめる予定でございます。  来年度の新たなアクションプログラム策定に当たりましては、これらの取り組みに加えまして、県政世論調査の結果や各種団体の要望状況を踏まえるなど、より県民や市町の切実な声が反映され、地域の課題解決に資する事業がしっかりと位置づけられるよう努めてまいりたいと存じます。  最後、5点目、橋梁等の道路施設の長寿命化につきまして、橋梁の長寿命化対策など適切な管理計画に基づいた計画的な維持管理について、平成25年度から運用しております滋賀県道路整備アクションプログラム2013に位置づけ、道路施設の適切な維持管理に取り組んでいるところです。  今後、議員御指摘の道路法施行規則改正により、橋梁以外にも、トンネル、横断歩道橋などの定期点検が義務化されたことから、このことにつきましても次期アクションプログラムにしっかりと反映し、なお一層、道路施設の長寿命化対策に取り組むことで、信頼性の高い道路を目指してまいりたいと存じます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)教育を支える人材の育成についての4点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の人材確保のためのこれまでの取り組み成果についてお答えをいたします。  すぐれた教員の確保は大変重要な課題であると認識をしており、採用に当たっては、これまでから、大学推薦制度の導入、受験年齢の引き上げ、経験を考慮した選考試験など、改善に取り組んできたところであります。  今年度はさらに第1次試験の日程を前倒しし、他府県との併願を可能にするとともに、「あなたの夢を滋賀で輝かせる」をキャッチフレーズに、新たに作成をした教員募集リーフレットを配布し、多くの大学を訪問して、丁寧に本県教育の魅力を伝えてきたところであります。  こうした結果、本年度の教員採用試験の総志願者は、昨年度に比べ616人、29%の大幅な増加となり、取り組みの成果が出たものと考えております。  特に他府県出身者が増加をしており、豊かな自然や歴史と文化を生かした本県の教育に魅力を感じて志願してくれたものと分析をしております。  また、平成19年度から滋賀の教師塾を開設し、教員を目指す人材の育成に取り組んでおります。昨年度までで1,293人が学び、そのうち839人が本県教員として採用されており、教師塾で学んだことを実践に生かすとともに、卒塾生相互間のネットワークを生かしながら、切磋琢磨して成長してくれております。  さらに教師塾では、平成26年度から、県内の高校生に教職の魅力ややりがいを知ってもらうための取り組みも始めております。卒業生である現職教員と生徒との交流を通して、高校生に関心や憧れを持ってもらい、教職を目指す人材の裾野を広げようとするものであります。  今後も、本県の教育を担う優秀な人材を得るため、引き続き教員養成のための工夫や採用選考試験の改善に努めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の若手教員の育成方策、フォロー体制についてお答えをいたします。  まず、若手教員の育成方策についてですが、教員の成長の原点は学校現場にあることから、意識的、計画的なOJTが重要であると考えており、県内の全公立学校でのOJT推進リーダーを校内組織に位置づけ、日々の実践を通じて人材の育成に努めているところであります。  さらに、本年度から学校が大学や総合教育センターと連携をして、校内でのOJTや研修のより効果的な手法などを研究し、若手教員の授業力や生徒指導力などの向上を図る「SHIGA若鮎プラン」の取り組みを始めたところであります。  次に、若手教員のフォロー体制についてですが、学校においては、管理職がリーダーシップを発揮し、安心して教育活動に打ち込める学校環境づくりに努めております。若手教員が直面する悩みなどをベテラン教員がじっくりと聞き、相談しやすい雰囲気をつくること、保護者対応や生徒指導対応には学年主任などが一緒になって組織的に対応することなど、教員同士が支え合う体制づくりを進めております。  また、教員だけでは解決できないさまざまな課題については、現在、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家や地域の人材の力を得ながら対応しており、若手教員にとっても、不安を取り除く大きな要素となっております。  そうした専門家や加配教員の配置のさらなる充実を図るため、チームとしての学校を推進する体制の整備を強く国へ要望しているところであります。こうした点も含め、さまざまな取り組みを進め、本県教育を担う若い人材をしっかりとしたフォロー体制のもとで育成していく所存であります。  次に、3点目の次期学習指導要領の実施に向けた教員の指導力向上の方策についてお答えをいたします。  次期学習指導要領の目指すところは、学習の内容と方法の両方を重視し、学びを質的に改善することであり、その手法として、子供たちが主体的に友達との対話を通して深い学びを実現するアクティブ・ラーニングの視点を生かした授業づくりが求められております。  そうしたことから、県教育委員会においては、学校訪問による授業改善への指導助言や、指導力の高い教員の授業公開等により、県全体の教員の指導力向上に努めております。  また、県総合教育センターにおいても、校内研修の企画力、運営力を高める研修や、教科の指導力を高める研修の充実も図っております。  さらに、小学校英語科の新設に向けては、採用時から英語免許状を持つ小学校教員の確保に努めるとともに、現職教員の英語免許状取得の推進や国の研修への派遣等により、中核を担う教員の育成にも取り組んでおります。  今後は、こうした取り組みに加え、管理職が文部科学省の担当者から直接学習指導要領の講義を受けて、自校の教育改善に取り組むことや、国と共催をいたします次世代型教育推進セミナーに教員が参加をして、授業演習や講義をもとに指導法の改善を図ることなどにより、次期学習指導要領の円滑な実施に向けた教員の実践的な指導力向上に取り組んでいきたいと考えております。  最後に、本県が育成しようとする教員像についてお答えをいたします。  教員は、子供たちの将来に大きな影響を与える存在であります。自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研さんに励み、その職責の遂行に努めなければなりません。専門的、実践的指導力を持つことはもちろんですが、何よりも常に子供に寄り添える深い愛情と確固たる信念を持ち、人間力にあふれ、子供たちが憧れる存在であり続けなければならないと考えております。  「未来を拓く心豊かでたくましい人づくり」が本県の教育の基本目標であります。郷土への愛着と誇りを持って「滋賀の将来を支えてくれる人」、「百年先の滋賀をつくる人」を育てるという気概を持って、教職員一同、取り組みたいと思っております。  一方で、教員がこうした情熱と誇りを持ち続けるためには、教員自身が心身ともに健全で働ける学校環境をつくることも必要だと考えております。子供たちと向き合う時間をさらに確保するためにも、引き続き現場の業務改善に取り組むとともに、今後は、地域や保護者の皆さんの協力を得ながら、学校業務のあり方について考えていくことが必要であるというふうに思っております。  教員には、高い志と強い信念を持って、本県の将来を担う子供たちを育ててほしいと思うと同時に、子供たちから尊敬され、信頼され、子供たちの心に残る先生であってほしいと思っております。 ◎知事(三日月大造) (登壇)最後の項目でいただきました高齢運転者の交通事故防止策について、私に賜りました2点の御質問にお答えいたします。  1点目、高齢者の移動手段の確保など、社会全体で高齢者の生活を支える体制の整備についてでございますが、運転免許証を自主返納された高齢者への移動支援策については、関係市町と連携いたしまして、鉄道利用促進の観点からICOCAカードを配布することや、地域のコミュニティバスやデマンドタクシー等の回数券を1回に限り無料交付しているところでございます。  また、複数市町にまたがる幹線バス路線を初め、コミュニティバスやデマンドタクシー、公共交通の利用が困難な交通空白地におけるデマンドタクシー、さらに、地域で立ち上げた協議会による社会実験など、それぞれの運行に必要な支援を行うことで、地域における移動手段の確保に努めているところです。  さらに、県内市町では、平成18年の道路運送法改正以降、社会福祉協議会やNPO等が担い手となって、通院時等に利用できる福祉有償運送サービスが進められているところでございます。  高齢になっても安心して暮らせる地域づくりを進めていくことが重要でありまして、高齢者の方々が必要なときに安心して移動できるよう、市町とも連携しながら取り組みを進めてまいりたいと存じます。  2点目に、衝突事故防止装置への支援等、県の施策についていただきました。  高齢社会の進展により、本県でも全交通事故に占める高齢運転者の割合は年々増加傾向にございます。こうした中、衝突事故防止装置については、交通事故の防止に一定の効果があると認識します。  現在は、各自動車メーカー等による技術開発の進歩により、自動安全ブレーキのほか、車線のはみ出しを防止する車線逸脱防止支援システム、車間距離を一定に保ち低速走行を行う装置など、ドライバーの安全運転を支援するシステムは高度化するとともに、これらを搭載した自動車数も年々増加しているところでございます。  議員御提案の衝突事故防止装置への支援につきましては、今後の技術開発やシステム搭載車の普及率等の動向を注視しながら、高齢者の交通事故防止に向け、ドライバーに対する直接的な支援がいいのかも含め、さまざまな観点から、交通安全の関係機関ならびに交通事業者などとの議論を深めてまいりたいと存じます。 ◎警察本部長(渡邊国佳) (登壇)私にいただきました高齢運転者の交通事故防止対策に関して、3点お答えさせていただきます。  1点目の滋賀県内の高齢運転者の交通事故発生状況についてお答えします。  県内では、昨年発生しました人身事故5,879件のうち、65歳以上のドライバーが第1当事者となる事故は902件、構成率、割合でありますが、これは15.3%でありまして、10年前の構成率に比べますと約5割の増加となっております。このうち、75歳以上のドライバーが第1当事者となる事故は320件で、その構成率は5.4%であり、やはり10年前の構成率に比べると約9割の増加となっております。  同じ数字をことしで見てみますと、ことしの10月末現在で見てみますと、4,265件の人身事故、これは昨年同期比で10%以上減少している中で、高齢65歳以上のドライバーが第1当事者となる事故は、ほぼ横ばいの728件、構成率は17.1%であります。75歳以上のドライバーが第1当事者となる事故は250件で、その構成率は5.9%と、昨年末に比べいずれも増加しております。  2点目、高齢運転者の事故の未然防止に向けた本県としての対策などについてお答えします。  議員御指摘いただいた改正道路交通法の円滑な施行に向けまして、知事部局や医師会等の御協力をいただきながら、その諸準備を進めているところであります。  その上で、高齢運転者の事故未然防止対策は、加齢による認知機能や身体機能の衰えが自動車の運転に及ぼす影響を認識していただくことが重要と考え、県警察では諸対策に取り組んでおります。  主な対策を3つ御説明いたしますと、その一つは、交通安全教育の推進であります。現在、県下全域で各老人クラブ団体の長を高齢者の交通安全推進役に委嘱し、地域の各種行事を利用した交通安全教室を行うとともに、運転適性診断車を使用した参加、体験、実践型の交通安全教室を実施するなどして、高齢者の交通安全意識の高揚を図り、あわせて、加齢による各種機能の低下も自覚していただいた上での安全運転の指導に努めているところです。  2つ目は、訪問活動による交通安全指導であります。警察が行っております巡回連絡に加えまして、交通ボランティアとの連携による高齢者宅訪問活動を強化し、運転に不安を抱く高齢者やその家族への指導助言に努めております。  3つ目は、民間団体等からの提案による協働事業の推進であります。現在、自動車教習所等から、高齢者自身に運転技能等を自覚していただく安全教育事業を提案いただいているところでありまして、今後、関係者の御協力をいただき、高齢運転者の交通事故防止につなげていきたいと考えているところであります。
     3つ目の、現在、県警察が取り組んでいる自主返納高齢支援制度についての現状と今後の対策についてお答えします。  運転免許証の自主返納制度につきましては、身体機能の低下等により運転に不安を抱く高齢運転者が運転免許証を返納しやすい社会環境を構築して、運転免許の自主返納を促進するものであり、平成23年9月から実施しております。  滋賀県内において運転免許証を自主返納された高齢者は、平成22年の170人から平成27年には2,861人と大幅に増加しており、今後さらに増加するものと見込まれます。  県警察では、自治体、企業、各種団体の協力を得て、自主返納された高齢者を対象に、路線バス、タクシー等の料金割引を受けることができる各種優遇制度の拡充に取り組んでおり、御協力いただいている事業所数は、10月末現在で、支援制度開始時の約2倍に当たる325の事業所に至っております。  先ほど知事からも答弁がございましたけども、今後とも、返納された高齢者の方々の移動手段の確保等を図っていくことが重要な課題であり、関係機関と連携を強化して、支援制度のさらなる拡充に努めてまいります。 ○議長(野田藤雄) しばらく休憩いたします。   午後0時17分 休憩    ────────────────   午後1時14分 開議 ○議長(野田藤雄) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、9番塚本茂樹議員の発言を許します。 ◆9番(塚本茂樹議員) (登壇、拍手)ことしも残りわずかとなりました。財団法人日本漢字能力検定協会が実施している、その年をイメージした漢字一字を日本全国から公募し、応募総数の中から多かった漢字を、毎年12月12日の漢字の日に、清水寺において「今年の漢字」として発表しています。皆さんもことしを振り返って、いろいろとイメージする漢字があると思いますが、どんな漢字を思い浮かべますでしょうか。2016年を振り返ったとき、やはりことしもよい年だったなと思えるような漢字が選ばれることを期待し、チームしが 県議団を代表し、一字一句、思いを込めて質問いたします。  まず初めに、平成29年度予算編成について、知事にお伺いします。  平成29年度は、滋賀県基本構想と滋賀県行政経営方針の計画期間の後半となる3年目を迎え、これまでの取り組みを土台として具体的な成果が求められる重要な年度とし、平成29年度当初予算編成方針を打ち立てておられます。予算を編成するに当たり、今年度の施策の進捗状況ならびに平成27年度の決算結果を受けて行っていくこととなります。  さきの決算特別委員会において、今江議員の総括質疑にもありましたが、基本構想実施計画の事業目標のうち73.2%で目標を達成、行政経営方針に基づき、財政調整基金312億円の確保とともに、県債残高についても6,298億円まで縮減されたところですが、臨時財政対策債を含めた県債残高は1兆640億円余りとなっています。  そこで、平成27年度決算や今年度の施策の執行状況も踏まえ、来年度予算編成を行おうとされているのか、お伺いします。  また、滋賀県基本構想の計画期間の後半であり、昨年策定した人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略も含め、施策を推進しております。将来に向かっていくために、どのような滋賀を目指していくのか。その上で、来年度はどういった位置づけなのかを考え、課題を抽出し、予算に反映していく必要があると考えます。  実際に予算編成のポイントとして、社会経済情勢の変化等を踏まえた戦略的な施策構築の中で、特に重点を置く視点を4つ挙げられておりますが、どういった考えに基づき取り組もうとされているのか、知事の基本的な考え方をお伺いします。  次に、市町との連携について伺います。  来年度予算編成に当たり、市町と意見交換を行ってきましたが、依然として各市町における課題は多く、要望は多岐にわたっています。三日月県政になってから、県民待望の乳幼児福祉医療費助成事業の拡大も行われるなど、市町の区別なく一定のサービスが行われることは評価したいと思います。  県財政と同様に、市町の財政状況も厳しい中だからこそ、市町との連携をさらに強化しながら、県民の行政サービスの向上を図っていく必要があると考えますが、市町とのさらなる連携についてお伺いします。  財政の健全化のためには、県税収入の確保や国からの財源獲得、外部資金の導入等、歳入増に向けた取り組みが不可欠です。また、近年、過敏な競争下にあるふるさと納税や新たに制度化された企業版ふるさと納税、現在3件しか実績が上げられていないネーミングライツへのさらなる取り組み、経産省、厚労省も注視しているソーシャル・インパクト・ボンド、市民の応援による施策の展開が可能なガバメント・クラウド・ファンディング、裁量権が自治体に与えられている法定外新税など新たな手法も取り入れ、多くの応援者をつくりながら施策を行っていく必要がありますが、歳入確保に向けた取り組みについてお伺いします。  また、これまでも何度も質問をしておりますが、財政的な課題、歳出面について伺います。  平成29年度予算編成方針においても、社会保障関係費などの義務的経費の増加や、国体開催に向けた施設整備を初めとする大規模事業、公共施設等の老朽化対策などの財政需要に対応していくこととなり、歳入歳出両面から将来を見据えた財政運営が求められるとされていますが、当然、県民生活に影響を及ぼしてはならないと考えます。  限られた財源の中、基本構想に基づく施策の効果的な展開を図るために、スクラップ・アンド・ビルド、選択と集中をどのように行い、財政の健全化に努めていくのか伺い、次の質問に移ります。  次に、人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略の評価について、知事に伺います。  昨年10月、人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略が策定され、1年が経過し、その進捗状況が9月に発表されました。  この総合戦略は、滋賀県基本構想の重点施策を推進するためのエンジンとして位置づけられ、人口減少局面に入った本県において、人口減少を食いとめながら、滋賀の強みを伸ばし、生かすことによって、豊かな滋賀を築いていくことを目的とされています。  また、今後、目指すべき豊かな滋賀の将来像を実現するために19のプロジェクトが展開され、「訪れるなら滋賀」、「住むなら滋賀」、「働くなら滋賀」、「子育てするなら滋賀」、「幸せな最期を迎えるなら滋賀」と思っていただけるような豊かな滋賀づくりを目標とされています。  そして、各プロジェクトには重要業績評価指数、いわゆるKPIが44設けられており、平成27年度の進捗状況は、20%未満が10、20〜40%未満が16、40〜60%未満が7、60〜80%未満が1、80%以上が1、集計中9との結果が発表されました。また、各プロジェクトの合計298事業、443の年度目標が設定されておりますが、322が達成、117が未達成、4つが集計中との結果でした。  そこで、総合戦略の中で重点的、優先的に取り組むとされる人口減少に歯どめをかけるという大きな目標に向かって前進が見られるのか、総合戦略全体の進捗状況について所見を伺います。  一方、本県の現状は、依然として20代前半の若者の県外転出が著しく、この年代の転出を抑えることが社会減の抑制に、ひいては人口減少に歯どめをかけることができると考えます。  総合戦略では、県内大学生の県内企業就職率2%アップを目標に、人材確保と雇用の創出のため幾つかの事業を立ち上げ取り組まれていますが、1,000人以上の転出超過が年々拡大する中、20代前半の若者の働く場所と住み続けたいと思う魅力づくりを行い、若者の県内における就職者数の増加につながる政策誘導をさらに行っていく必要があると考えます。  そこで、今後、若者の人口流出を食いとめるなど、さらに施策を重点化していくことが重要であると考えますが、総合戦略を推進するに当たり、どのような政策誘導を図られるのかをお伺いし、次の質問に移ります。  次に、働き方改革について、知事ならびに教育長に伺います。  「大好きで大切なお母さん、さようなら、ありがとう。人生も仕事も全てがつらいです。お母さん、自分を責めないでね。最高のお母さんだから」、これは昨年12月に大手広告代理店の新入社員だった高橋まつりさんがみずからの命を絶った日の朝に、母親に送ったメールです。  高橋まつりさんが過労自殺した問題で、母の幸美さんが11月9日の厚労省主催の過労死等防止対策推進シンポジウムに出席し、その心中を語られました。まつりさんの母親は、「命より大切な仕事はありません。この瞬間にも同じことが起きているかもしれません。娘のように苦しんでいる人がいるかもしれません。過労死、過労自殺は偶然起きるものではありません。いつ起きてもおかしくない状況で、起こるべくして起きているのです」と語り、長時間労働の末の悲劇を二度と繰り返してはいけないと、再発防止を訴えられました。  長時間労働が社会問題となる中で、本県でも、複数の県土木事務所が労使協定で定めた上限を超える時間外勤務をさせていたとして、彦根労働基準監督署から是正勧告、改善指導を受けていたことが明らかになりました。  11月2日、三日月知事が記者会見で、滋賀県職員の中に時間外勤務が年間1,000時間を超えている職員が20人いた、また、今年度も9月末時点で、職員一人当たり時間外勤務が昨年同期より5.1%ふえている状況であることなどを明らかにしました。  そこで、県庁内での時間外勤務について質問します。  時間外勤務の縮減は、職員の心身の健康や公務効率の向上に資するのみならず、ワーク・ライフ・バランスや人材確保、女性活躍の観点から極めて重要な課題であり、強くその実現が求められています。  また、学校現場においても、教員の子供と向き合う時間の確保や教育環境の充実にもつながるものであると考えますが、労働基準法第36条第1項に規定する協定の遵守状況について、また、県庁内における長時間労働がなぜなくならないのか、その理由と今後の時間外勤務の適正化について、知事ならびに教育長にそれぞれお伺いします。  次に、ワーク・ライフ・バランスの推進について質問します。  職員一人一人がやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、ライフステージに応じた家庭生活や地域生活を充実させることができる環境を整えることは、職員の意欲を向上させ、公務能率の向上に資することはもとより、有為な人材の確保の観点からも重要であると考えます。  本県においても、職員が働きながら育児や介護といった家庭責任を果たすことができる環境整備を一層進めていくことが重要であると考えますが、滋賀県下の企業と県庁内でのワーク・ライフ・バランスの取り組み状況について、知事ならびに教育長にお伺いします。  次に、ハラスメントの防止について質問します。  職場におけるハラスメントは、人権や働く権利を侵害する行為であるとともに、職場環境を悪化させ、ひいては職員の心身の健康に悪影響を及ぼす要因となるもので、その防止は重要な課題です。  県庁内では、これまで、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントの防止に関する指針に基づき取り組みが進められておりますが、その取り組み状況と成果について、知事にお伺いします。  また、民間では来年1月から、妊娠、出産、育児休業、介護休業等の取得等を理由とする上司、同僚による就業環境を害する行為、いわゆるマタハラ等を防止するための措置を講ずることが事業主に義務づけられることになりました。マタハラ等の防止について、県庁においても、民間における措置内容を踏まえ、指針の策定等、適切に防止策を講じていく必要があると考えますが、県の取り組みについて知事にお伺いをします。  この項の最後に、公契約条例の制定について質問します。  地方自治体が発注する公共工事や委託業務などで働く労働者の賃金、労働条件の最低条件を設ける公契約条例の制定の重要性を、我が会派から幾度か提案してまいりましたが、残念ながら制定には至っておりません。  公契約条例は、公契約の対象となった事業所で働く労働者の賃金水準を確保する役割だけでなく、具体的に今回の広告代理店の事件に即していえば、県は、過労死を起こした企業とは、一定期間公契約の締結が許されないということや、県は、一定の労働基準法違反を繰り返した使用者とは、一定期間公契約の締結が許されないなどとする条項を盛り込んだ条例とすれば、過労死以外にも、長時間労働の削減や女性活躍、障害者の雇用促進などの施策実現にも寄与するものと考えますが、労働基準法等の遵法精神が生かされる公契約条例の制定について知事の所見を伺い、次の質問に移ります。  次に、しがエネルギービジョンについて、知事に伺います。  本県では、エネルギーをめぐる新たな状況変化に的確に対応しながら、原発に依存しない新しいエネルギー社会の構築に向けた指針として、平成28年3月、しがエネルギービジョンを策定されました。  基本理念では、長期的な視点から、現世代はもとより、将来世代も持続的に実感できる「新しい豊かさ」をエネルギーの分野から実現するため、原発に依存せず、社会、環境、経済の各方面からの要求をも同時に満たすとされています。持続可能な新しいエネルギー社会を創造し、地域主導によるエネルギーシフトに向けたローカルイノベーションを創出することは、大変重要な視点です。  まず、環境の側面について、地球温暖化を防止する観点から、化石燃料にできるだけ依存しない社会構造、産業構造への転換を図り、環境への負荷が少ない持続可能な低炭素社会を構築するとしています。  また、滋賀県低炭素社会づくり推進計画の改定素案によりますと、国の地球温暖化対策計画で記載されている「2030年までに2013年度比で26%削減する」との目標に対し、滋賀県域の温室効果ガス排出量の削減目標は、「2030年度において、2013年度比23%減の水準を目指す」とされています。  滋賀県の地域特性やしがエネルギービジョンの取り組み等を考慮し、削減効果を算出しています。国の目標より低い目標値の設定について一部批判が出ておりますが、原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現という壮大なビジョンに加え、社会、環境、経済の各側面からの要求をも同時に満たすという目標は、滋賀県が全国に先駆けて挑戦するローカルイノベーションの創出です。大変重要な視点で、必ずなし遂げるべき課題でもあり、我が会派としては大いに賛同するものです。  そこで、環境の側面における地球温暖化を防止する観点からのしがエネルギービジョンの取り組みについて、知事の決意をお聞かせください。  次に、経済からの側面についてですが、本県は、エネルギーコスト──化石燃料費として多額の資金を国外の資源国へと流出しています。その金額は約3,000億円と試算され、県内の主要産業の生産額に匹敵する規模になります。  これからの時代、地域資源を活用してエネルギーをつくり出すとともに、エネルギー消費そのものを抑制することにより、資金流出を可能な限り抑え、地域内資金循環による地域経済の活性化や雇用の創出を図っていくことが求められています。自然エネルギーは地域のものとする観点から、自然エネルギーが地域固有の資源とし、地域の発展に資するように活用することが重要であります。  加えて、地域の自然エネルギーの活用に当たっては、持続性のある活用法に努め、公平性および他者への影響に十分配慮することが重要であり、経済の側面でのしがエネルギービジョンにおいて、自然エネルギーは地域のものとする視点を強調すべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。  次に、しがエネルギービジョンでは、再生可能エネルギーの導入目標として、2020年度の短期目標を113万キロワット、2030年度の長期目標を154万キロワットとしています。2014年の導入量37.9万キロワットを基準として、2020年は約3倍、2030年は約4倍の導入目標であり、特に住宅用太陽光発電は、2014年の導入量13.7万キロワットを基準とし、2030年は約5倍の67.2万キロワットとする導入目標となっています。  2012年7月から固定買い取り価格制度──FIT開始後は、特に事業用太陽光発電が急速に拡大導入され、現時点では順調に累積導入量は増加していますが、今後、段階的な買い取り価格の引き下げやメガソーラー設置による森林破壊や景観阻害など、太陽光発電事業を取り巻く環境は厳しいものがあり、先行きは不透明で、導入目標達成に向けては大胆な政策誘導が必要と考えます。  そこで、再生可能エネルギーの導入目標達成に向けて、住宅用太陽光発電、特に既築住宅への設備導入促進について、固定買い取り価格制度に頼ることのない県独自の導入支援策について、また、環境や景観に配慮した事業用太陽光発電のあり方についてお伺いし、次の質問に移ります。  次に、滋賀の文化振興について、知事に伺います。  現在、滋賀県には24の市町文化協会または地域別文化団体があり、各協会を構成する単位団体の総数は約1,000団体、会員総数は約1万8,000人、また、主な県域の文化団体は27団体、その構成団体の総数は約400団体、会員総数は約5,300人と、多くの県民が多様な文化活動を行っています。  本年6月に実施された第49回滋賀県政世論調査では、文化とスポーツを楽しめるまちづくりの県民満足度は、前年度から3ポイント低下しております。また、県政モニターアンケートによると、文化創作活動や芸術文化鑑賞の割合が目標値より低いなどの課題が挙げられています。  平成36年度──2024年度までに県として戦略的に取り組む施策の指針として、平成27年3月に新しい滋賀の魅力をつくる文化・スポーツ戦略が策定され、また、本年3月には、「滋賀の文化力を高め、発信することで地域が元気になっていく姿」を5年後の基本目標とした第2次滋賀県文化振興基本方針が示されました。  この基本方針の基本目標である「滋賀の文化力を高め、発信することで地域が元気になっていく姿」を実現するために、3つの文化振興施策の柱および9つの重点施策が定められています。特に、1つ目の柱である文化プログラムの推進による文化的資産の活用・発信については、滋賀のイメージを高め、多くの方が滋賀を訪れる機会を創出することを目的としています。  そこで、2020年東京オリンピック・パラリンピックにおける文化プログラムの推進状況、およびアール・ブリュットの総合的な振興についての取り組みを県としてどのように行っていくのかお伺いします。  次に、全国各地で国民一般の行っている各種の文化活動を全国規模で発表し、国民の文化活動への参加の機運を高め、新しい芸術文化の創造を促すことを狙いとし、我が国最大の文化の祭典である国民文化祭が開催されています。今年度は10月29日から、あす12月3日までの36日間、愛知県で第31回国民文化祭・あいち2016が開催されています。  また、12月11日から3日間、障害のある方の芸術および文化活動への参加を通じて、障害のある方の生活を豊かにするとともに、国民への理解と認識を深め、自立と社会参加の促進に寄与することを目的に、第16回全国障害者芸術・文化祭あいち大会が開催されます。  お隣、京都府では、平成23年に第26回国民文化祭・京都2011が開催され、観客数434万人、出演者数5万7,000人、直接効果、第1次・第2次間接効果を含めた経済波及効果は約411億円、雇用効果は約3,900人、開催費──投資額に対する経済効果の倍率、いわゆる費用対効果は約24倍であるとの調査結果が公表されております。  本県では、昨年、第39回全国高等学校総合文化祭「2015滋賀びわこ総文」が開催されました。本県の持つ自然や歴史、文化等の魅力を、全国から集まった高校生や教職員、観客者の方々に実感していただいたすばらしい大会になりました。また、経済波及効果は16億8,000万円と報告されています。何より、企画運営を担った高校生実行委員会を初め、関係者の皆様の経験は、ある意味レガシーとして、今後の芸術文化活動で生かされるものと期待しております。  そこで、滋賀の魅力を最大限発信できる機会である国民文化祭の開催を県民挙げて取り組むことにより、文化力の向上はもとより、経済波及効果も期待できると考えますが、我が国最大の文化の祭典、文化の国体と言われる国民文化祭の本県誘致を提案しますが、知事の所見をお伺いします。  滋賀の文化については、今後数年間で新生美術館の整備や琵琶湖博物館のリニューアルが完成するなど、文化基盤が充実します。文化は、人の感性や創造力を育み、人々に元気を与え、地域社会を活性化させ、魅力ある社会づくりを推進する力を持っていると考えますが、この項の最後に、知事は文化というものをどのように捉えておられるのかお伺いし、次の質問に移ります。  次に、農水産業の振興について、知事に伺います。  農林水産業などの第1次産業は、高度経済成長期を境に衰退が始まり、担い手不足や高齢化が進み、本県のみならず、全国的な社会問題になっています。しかし、豊かな国土を生かして農林水産業を振興していくことは、その就業者の生活を支えるだけでなく、自然環境や景観を維持保全していく有効な手だてでもあります。  本県では他府県に先駆け、平成13年から環境こだわり米を中心とする環境こだわり農業を推進してきました。琵琶湖への負荷を極力減らし、安心で安全な農産物として厳しい栽培基準をクリアして、環境こだわり農産物として滋賀県が認証し、販売されています。この間、JAを初めとする農業関係団体や生産者の協力と努力が結実し、一定の成果をおさめてきました。  国においても、平成19年度から、農業者等が実施する化学肥料、化学合成農薬を原則5割以上低減する取り組みに支援を開始し、23年度からは、5割低減とあわせて行う地球温暖化防止や生物多様性保全に効果の高い営農活動に取り組む場合に支援するようにされ、環境保全型農業直接支払交付金の全国の実施面積は平成27年度で7万4,000ヘクタールとなってきており、滋賀県から全国へと取り組みが進んできているところです。  そこで、まず、環境こだわり米の県内における水稲作付面積に対する割合の推移と、今後の展開について伺います。  また、全国的に環境保全型農業が進んでいる中、滋賀県では、琵琶湖とともに育まれてきた滋賀独自の農林水産業と文化、景観、生物多様性を全国に発信し、県全域での世界農業遺産認定を目指しております。今後、オリンピックやパラリンピックを控え、世界から訪れる選手や関係者たちが安心して食べていただける世界基準を意識した生産体制も進め、滋賀だからこそ行える環境への意識と食の安心、安全の立場から、農産物の優位性を図っていく必要があると考えますが、その計画や可能性について所見を伺います。  本県においては、農業就業人口は大幅に減少しているものの、農業を主に従事している基幹的農業従事者数はここ5年間で963人ふえており、これは全国トップの増加数です。若い世代の新規就業者もふえており、平均年齢も2015年には67.5歳と、2010年の68.4歳から若干ではありますが若返っております。全国平均では依然として高齢化が進んでいる中、明るい兆候が見られます。また、しが農業女子100人プロジェクトを行うなどの新たな取り組みも進められているところです。  農業基盤のない新規参入者は、イチゴやトマトなどの換金価値が高い農産物に偏っているのが特徴であり、一方、就職就農者や自営就農者は、水稲を中心とした経営体に就職あるいは自営就農することが多い実態となっています。これら若い世代が担う農業経営を安定させることが、滋賀の農業の未来を考える上で肝要であると考えます。  そこで、本県農業の将来を展望するとき、若い世代の担い手が今後もふえ続けていくための総合的な農業施策を打ち出していくことが重要と考えますが、その必要性と施策について、現時点での取り組みをお伺いします。  6次産業化は、農林水産業の活性を図る重要な施策です。それを目指す農林水産業者は総合化事業計画を作成し、農林水産大臣が認定すれば、さまざまな支援策が用意されています。生産するだけではなく、加工や販売、流通、管理を一体的に推進していく必要があり、事業展開のためには相当の資金と人材が必要と思われます。  滋賀県は京阪神の大消費地に近隣することから、地の利を生かして6次産業化を進め、進展させる下地があります。2016年1月時点での滋賀県の認定件数は68件と全国7位です。  また、6次産業化を進めていくには、新たな食文化をつくっていく努力も必要です。今までの滋賀の伝統的な食品、例えばふなずしや漬物、地酒などの販売を広げていくことだけにとどまらず、新たな商品を積極的に開発し、流通、販売していくことに加え、農林水産業者だけではなく、商工、観光、医療、福祉等の事業者と連携が必要ではないでしょうか。  そこで、本県農業の活性化を図る上で、6次産業化の振興は、新たな事業の創造と、それを県内はもとより国内外に販路開拓し、広げていく施策が必要と考えますが、本県としての今後の施策をお示しください。  また、先月20日に日比谷公園で開催された水産物のPRイベント、第4回Fish−1グランプリのプライドフィッシュ料理コンテストで、滋賀県漁業協同組合連合会青年会が出展した天然ビワマスの親子丼がグランプリを獲得する明るい話題がありました。  しかしながら、水産業においては、農業に比べてかなり立ちおくれているように思いますが、将来の6次産業化を見据えて、湖魚の流通、消費拡大をどのように進めようとされているのか伺い、次の質問に移ります。  次に、医療福祉拠点について、知事にお伺いします。  滋賀県では、昭和57年にびわこ文化公園都市基本計画を策定しました。現在、びわこ文化公園都市には、文化関連施設3、医療・福祉関連施設13、大学および研究施設4、県立学校2、県営都市公園と県立アイスアリーナが立地するなど、多様な資源が集積しています。  計画策定から30年がたち、平成24年にびわこ文化公園都市将来ビジョンが策定されました。この地域は、特に知的資源の集積と福祉・医療拠点の集積を強みとし、滋賀の医療福祉の拠点を担っています。  さらに、平成23年の県政モニターアンケートでは、将来期待する機能や役割について、高度専門的な医療の拠点や高度専門的な福祉の拠点を挙げている回答が多いとの結果でした。  また、県では、5,000人規模の新県立体育館を核としたスポーツ・健康づくり拠点に向けた施設整備検討懇話会が開催され、近隣の3大学とのスポーツ・健康づくりの連携検討がなされています。その中でも、栄養学やリハビリなど専門分野での知見を生かした連携、とりわけ滋賀医科大学からは、専門医の医療ネットワークを生かしたスポーツリハビリ対策の提供など、医療福祉のさらなる進展に向けた取り組みについて議論がなされております。  そこで、知事として、命と健康を支える医療や福祉拠点として、びわこ文化公園都市の目指す姿をどのようにお考えかお伺いします。あわせて、新県立体育館を核としたスポーツ・健康づくり拠点をびわこ文化公園都市に設置されようとする意義についてお伺いします。  一方、県は、医療福祉拠点として県庁周辺を利活用する方針を出し、在宅医療福祉を推進するための医療福祉センター機能と医療福祉関係の人材育成機能の2つの機能を付与しようとしています。  団塊の世代が75歳になる2025年以降は、医療、介護などの需要が大きくなり、看護師、介護士に加えて、リハビリ関係の作業療法士等の人材不足も課題となり、その解決策として医療福祉拠点が必要であることは理解をしています。
     しかし、これまでもびわこ文化公園都市において医療福祉拠点を設置してきた中で、どのように連携をしていくのか。また、リハビリ専門職を養成する大学を設置するに当たっては、京阪神からすぐの立地、さらには体育館やグラウンド等も設置されず、カリキュラムが全て大津で行えるかどうかわからないサテライト校とのことです。  また、これまでも看護師においては、近隣都市での職場環境や給与面での待遇などを理由に、大学卒の看護師の約半数は他府県に就職している状況から見ても、そこに通う学生が滋賀県に愛着を持ち、最終的に県内各地に就職してくれるか懸念するところであります。  そこで、医療福祉拠点について、びわこ文化公園都市と県庁周辺の役割や機能をそれぞれどのように考え、連携するのかお伺いします。あわせて、リハビリ専門職の人材養成機能を県庁周辺に設置する意義と課題、その対応について、どのように考えておられるのかお伺いをします。  また、拠点整備に当たっては、対象区域に滋賀県教育会館があります。滋賀県教育会館は、国民教育の向上、発展、健全な学校教育の確立の拠点を目指し、昭和8年に昭和天皇の御大典記念事業として、当時の伊藤武彦知事が会長であった滋賀県教育会と滋賀県神職会が県から土地を借り、県費5万円と寄附による経費20万円をもって建築されました。  途中、これまでの間、昭和33年に猛火に遭い焼失したものの、小中校長会や教職員組合の毎月の拠出金、教育会からの寄附、滋賀県からの暖房器具一式の寄贈などにより、昭和35年に再建され、また、平成20年には約2億5,000万円を投じ耐震工事を完了されたところでございます。これまで83年間という長きにわたって、滋賀の教育の拠点として滋賀県教育会館は重要な役割を担ってきました。  そこで、これまでの滋賀県教育会館が、県庁周辺における教育の拠点として滋賀の教育に果たしてきた役割をどのようにお考えか、所見をお伺いします。  近年、子供の貧困の問題、児童虐待の問題、無国籍者の問題など、子供を取り巻く環境は日々深刻化してきています。特に子供の居場所づくりにおいては、学習のさまざまな支援も含め、これから社会で活躍する子供たちに教育的な側面からもサポートを行っていき、未来につなげていかなければなりません。その中で、福祉と教育の連携も重要であり、教育の拠点もまた県庁周辺に必要な施設であることは明らかです。  今後、医療福祉の拠点が整備される中で、教育との連携も視野に入れる必要があり、これまで以上に重要な役割となる教育の拠点整備についても、県が責任を持って対応される必要があると考えます。  県として、知事を先頭に、県庁周辺について全庁的に医療福祉、さらには教育の拠点整備について前を向いて考える必要があると考えますが、知事の所見をお伺いし、次の質問に移ります。  次に、多文化共生について、知事ならびに教育長に伺います。  社会、経済のグローバル化、人口減少、高齢化が進むなど、私たちを取り巻く社会環境は大きく変化しています。先般のアメリカ合衆国大統領選挙では、女性や民族的、人種的、宗教的マイノリティーズが苦境に陥り、アメリカの分断がなされるということが言われ、また、欧米では移民問題が取り沙汰されるなど、今まさに多文化共生の理念が問われる時期ではないでしょうか。  日本国内でも、既にさまざまな国籍の方が研修、実習、留学、ビジネス、結婚などで滞在、居住されており、多文化共生は国際交流だけでなく、既に生活の問題となっています。  滋賀県では、日本人住民と外国人住民がともに、多文化共生、国籍や民族などの異なる人々が互いの文化的違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員としてともに生きていく社会づくりを推進し、一人一人の多様性が認められ、誰にとっても暮らしやすい豊かで活力に満ちた魅力ある社会の実現を目指すため、昨年4月より、滋賀県多文化共生推進プラン5カ年計画がスタートしています。  その中では、言語の壁を低くするコミュニケーション支援、生活上の障害を取り除く生活支援、心の溝を埋める多文化共生の地域づくりの行動目標のもと取り組まれていますが、現在、滋賀県での多文化共生はどのような状況と捉え、今後どのような点に取り組むことが重要であると考えているのか、知事にお伺いをします。  滋賀県には現在、外国籍の定住外国人が昨年の調査では2万3,833人在住し、また、学校基本調査によると、滋賀県内の学校に通う外国人児童生徒は、平成27年で1,342人とされています。もっとも、帰国子女、2世、3世など外国にルーツを持つ子供たちにおいては、その実態が十分に把握されておらず、ほとんどの子供たちが県内の学校に通って学んでいます。  ことし3月に文部科学省が、公立学校に通う日本語能力が十分でない児童生徒への教育について、平成26年度の調査結果を公表し、日本語指導が必要な児童生徒はこの10年で1.6倍、その約2割が日本語指導を受けることができないとされています。滋賀県では、平成26年で971人、日本国籍の児童生徒が89人となっており、特に小学校での増加が顕著となっています。  そのような中、学校現場において今最も憂慮されているのは、生活言語と学習言語の違いを理解した上での日本語指導の重要性です。会話ができ文字が読めても、文字の意味合いがわからないため、学力を身につけることができていない状況にあるというのが現実です。  現在、ポルトガル語や、最近ふえているタガログ語といった母語の話せる支援員の派遣事業、母語による保護者サポート活動、教員の加配、非常勤講師の派遣を実施していますが、文部科学省の調査でも、全国的に加配人員が少ないなどの事情により、対応が十分でないとの指摘がされています。  地域間格差があるとも言われる中で、行政サービスの平準化、どの子もたくましく生きる力を育む滋賀をつくっていくためにも、滋賀県で日本語指導が必要な外国人児童生徒の教育環境の整備を充実させるべきでありますが、現状と課題、今後の見通しについて、教育長にお伺いします。  今後、2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピック、2021年関西ワールドマスターズゲームズの開催が予定されています。訪日外国人のさらなる増加が見込まれる中、関西広域連合では、平成24年度検討を踏まえ、関西全域を対象とする観光案内表示ガイドラインを策定しましたが、外国人も含め、ピクトグラムなど、誰にとってもわかりやすい表示が求められております。  また、熊本地震の発災時には、熊本市国際交流振興事業団が運営する災害多言語支援センターに外国人旅行客が殺到し、熊本から避難したいと交通に関する情報が求められ、在住者からは、地震は今後どうなるのか、家が壊れたらどうすればよいのかといった問い合わせが相次いだとのことでした。  また、奈良県では、外国人観光客のための拠点施設、奈良県猿沢インを外国人専用の避難所として活用する方向で検討が進むなど、災害時における対応も重要です。  そこで、外国人も含め誰にとってもわかりやすい表示を、各部署の連携のもとどのように進めていかれるのか。また、災害時の外国人への支援について、どのように考えているのか知事に伺い、次の質問に移ります。  次に、北陸新幹線について、知事に伺います。  北陸新幹線敦賀以西ルートが今月中にも与党検討委員会で最終決定されようとしています。米原ルートか小浜・京都ルートか、はたまた舞鶴ルートか、各関係自治体の綱引きも熱を帯び、連日のようにマスコミによる関連報道もある中、過日、国土交通省による概算事業費、需要見込みなどの調査結果が発表されました。  それによりますと、米原ルートは概算建設費約5,900億円、建設工期10年、費用対便益2.2という結果でした。それに対し、小浜・京都ルートは、概算建設費約2兆700億円、建設工期15年、費用対便益1.1、また、舞鶴ルートは、それぞれ、約2兆5,000億円、15年、0.7という結果でした。  9月に発表された本県独自の調査結果と比較すると、概算建設費においては、どのルートも国の試算のほうが1.5倍ほど高く見積もられ、費用対効果も、県試算では、米原ルートが1.60、小浜・京都ルートが0.54、舞鶴ルートが0.18であったのに対し、国試算のほうが大きな値となっております。  これらを含め、国の調査結果全体について知事はどのように受けとめ、県試算との数値の違いをいかに分析しておられるのか伺います。  県議会でもさきの9月定例会議において、北陸新幹線の敦賀以西の整備において、米原ルートの実現を求める決議が可決しました。また、地元経済団体を中心に結成された北陸新幹線米原ルート実現促進期成同盟会による国土交通大臣や与党検討委員会委員への要望活動を初め、米原ルート実現に向けたさまざまな働きかけや連携が県内外で続いております。  米原ルートは、国の試算でも最も建設費が安く、早く完成し、費用対効果が大きいという結果が出た中で、改めて米原ルートの合理性が明らかとなったわけですが、最終決定には、いわゆる政治力や政策的配慮といった数値にはあらわれない要素が加味されることがあり、合理性だけでは決め手に欠けると考えます。  そこで、最終局面、米原ルート実現に向け知事はいかに取り組んでいかれるのか、その意気込みを伺い、次の質問に移ります。  最後に、いじめについて、教育長にお伺いします。  「ばいきんあつかいされて、ほうしゃのうだとおもっていつもつらかった」「いままでなんかいも死のうとおもった。でも、しんさいでいっぱい死んだから、つらいけどぼくはいきるときめた」。これは東京電力福島第一原発事故で福島県から横浜市に自主避難した中学1年生の男子生徒が、多くの子供たちに少しでも励みになればと公開した手記の一文でございます。  男子生徒は、小学校2年生だった平成23年8月に福島から横浜の市立の小学校に転入しましたが、同級生から名前に「菌」をつけて呼ばれたり、暴力を振るわれたりするいじめを受け、一時的に不登校になり、5年のときには「賠償金をもらっているだろう」と因縁をつけられ、暴力行為から逃れるために、約150万円の現金を持ち出したとされています。  両親は、「金品の授受がわかった時点で、いじめ防止対策推進法に基づいて、重大事案であると学校や市教委に相談したが、全く取り合ってもらえなかった」と、横浜市教委などの対応のまずさを強調されております。依然として各地でおさまることのないいじめ問題に対して、強い憤りを覚えるとともに、私たち大人の責任を痛感するところであります。  滋賀県では、大津市の中学2年生の自殺を機に、平成24年8月、いじめから子どもを守るための対策本部を設置、その後、平成25年9月には、いじめ防止対策推進法が施行、平成26年3月に滋賀県いじめ防止基本方針を定め、さまざまな取り組みを行ってきたところです。  滋賀県における平成27年度のいじめの総認知件数は2,633件で、前年度から1,136件ふえています。また、いじめの発見のきっかけも、学級担任の発見がふえているとともに、いじめの解消状況が92.1%と、前年度の89.7%から向上しています。  そこで、滋賀県における5年間のいじめに対する取り組みの成果と課題について伺います。  いじめ防止対策推進法の施行3年をめどに、現場の状況を踏まえて、法改正を含め必要な措置を講じると明記されておりましたが、この10月に、国のいじめ防止対策協議会は文部科学省への提言をまとめました。  その中身としては、都道府県によっていじめの認知数に大きな差があることから、いじめの定義の解釈の明確化を図ることや、重要事態の定義が不明確であり、重大事態として扱われないケースがあることから、重大事態の調査の進め方についてのガイドラインの作成を検討されています。  また、学校現場には、学校におけるいじめ防止等のための基本的な方針を定めることが義務づけられており、国の基本方針の中には、策定に対し児童生徒の意見を取り入れるなど、児童生徒の主体的かつ積極的な参加、自主的に行うものに対する支援がうたわれています。  そこで、児童生徒の主体的、自主的な取り組みに対する支援についてのこれまでの取り組みと、今後の展開について伺います。  いじめ問題は、今の社会のありようと深くかかわっています。今の学校教育は、人材育成機関であることを迫られ、学力競争を強いられています。常に人と比べられ、評価のまなざしを向けられる子供たちは、本来の学ぶことの楽しさやともに育ち合う機会を奪われ、その息苦しさや鬱憤をさまざまな形で表現します。いじめもまた、こうした構造の中で起こります。加害側の子供も、こうした構造に内在する抑圧と疎外が働いており、この社会の犠牲者の一人とも言えます。  学校の集団に身を置く子供は、時に傷つきながら、自己否定をしながら、それでも集団が持つ力の中で育っていきます。他者とのつながりを求めるがゆえのあつれきをくぐりながらも、自己を見つめ、自己を高め、自尊感情を育んでいきます。  子供の成長の営みが崩れていくことのないよう、学校教育が乗り越えなければならない本質的な問題を見定めるためには、学校、教職員はもとより、地域の協力を得ながら、多くの関係性を持って、いじめの問題解決に向けて取り組んでいく必要があると考えますが、所見を伺います。  また、いじめ問題への適切な対応とその深刻化の防止には、いじめは重大な差別事象であるという人権教育の視点からの取り組みも求められますが、教育長に所見を伺い、代表質問を終わります。(拍手) ○議長(野田藤雄) 9番塚本茂樹議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)塚本議員、どうぞよろしくお願いいたします。  大きく10問いただきました。教育長と分担しながら、順次お答えをさせていただきます。  まず1点目、平成29年度予算編成に向けては5点いただきました。  1点目、平成27年度決算を踏まえた来年度予算編成についてでございますが、平成27年度につきましては、基本構想の実現に向けて着実に第一歩を踏み出すことができたと考えておりますものの、一方で、琵琶湖流域の生態系や在宅医療、介護連携などに関する課題も明らかになってきたところでございます。  また、さきに御審議いただきました決算特別委員会におきましては、再生可能エネルギーの推進や交通基盤の整備を初めとして、各種施策について多くの御意見、御提案をいただきましたほか、決算不用額が多額に上っていることについても御指摘をいただいたところでございます。  一方、夏以降進めてまいりました政策課題協議におきましては、今年度取り組んでおります施策の執行状況やその中で見えてきた課題等を踏まえて、検討を行ってきたところです。  平成29年度の予算編成に当たりましては、こうして積み上げてきた議論をもとに、皆様方からいただきました御意見等も十分に踏まえながら、「新しい豊かさ」の具現化に向けた施策構築に全庁挙げて取り組んでまいる所存であります。  2点目に、その施策構築の中に特に重点を置く4つの視点についてでございます。  平成29年度は基本構想の折り返しの年であり、総合戦略をエンジンとしつつ、基本構想に掲げております7つの重点政策を着実に推進し、県民の皆さんが夢や希望を抱き、ともに幸せや豊かさを実感できるような、具体的な成果を出していく年であると認識しています。そうしたことから、人口減少の到来という未曽有の歴史的課題の克服に向けた取り組みを重視してまいります。  具体的には、人口減少を食いとめ人口構造を安定させるため、2020年に出生数を年1万3,000人という目標の実現に向け、社会全体で若者の希望をつくり出し、結婚、出産、子育てや就学、就労の希望をかなえると。  あわせまして、若者を初め誰もがみずからの能力を発揮して、多様な選択肢のもと安定的に働くことができる社会をつくり出し、20から24歳の社会増減を2020年にゼロの実現を目指してまいります。  さらには、避けられない人口減少の影響を緩和し、住みやすく安心できる暮らしの実現に向け、誰もが健康で地域の担い手として活躍するなど、持続可能な社会づくりを目指してまいります。  そして、人口増加時代に失われたり十分得られなかったものを取り戻すため、琵琶湖や山と人々の暮らし、人と人とのつながりに着目し、その再生を目指してまいります。  こうした考えのもと、1つは、若者の希望の創造、2つは、国内外から人や物を呼び込む新たな価値の創造、発信、3つは、誰もが健康で活躍する社会づくり、4つは、琵琶湖や山と人々の暮らしとのつながりの再生、この4つの視点に重点を置いたところでございます。  3点目、市町とのさらなる連携についてでございます。  地方創生の推進を初めとする施策の立案、実行に当たりましては、住民に最も身近な基礎自治体である市町としっかりと連携協力していくことが必要不可欠であると認識しています。  そのため、これまでから、首長会議や市長会、町村会との会議の場など、さまざまな機会を通じまして率直な意見交換を行うとともに、担当者間においても、日ごろから施策の円滑な推進に向けた連絡調整を行うなど、緊密な情報交換や意思疎通を図っているところでございます。  来年度の予算編成に向けましても、市町との連携強化をポイントの一つとして掲げており、各部局に対しましては、最前線で地域の課題に対応している市町からの意見を真摯に受けとめ、よりよい行政サービスの提供に生かしていくよう指示したところでございます。  また、県と市町の円滑な予算編成に向け、市町に関係する施策の変更の検討状況について、早い段階から市町に説明を行い、意見を伺うこととするなど、さらなる連携強化に取り組んでいるところです。  こうした取り組みを通じまして、今後とも、県と市町がしっかりと手を携え、一体感を持って施策を推進できるよう、精いっぱい努めてまいる所存であります。  4点目、歳入確保についてでございます。  複雑化、高度化する地域課題や今後見込まれる行政需要に適切に対応する上で、県税収入の確保や未利用財産の売却など、さまざまな歳入確保の取り組みは重要であると認識しています。  11月に実施いたしました国への政策提案、要望につきましては、琵琶湖の保全および再生を初め、本県の行政課題や各種施策に関し、国からの財政獲得に向けて積極的に取り組んだところでもございます。  また、ネーミングライツや各種寄附制度については、庁内に歳入確保対策プロジェクトチームを設置し、今年度、約60社の企業を訪問したところであり、引き続き、企業に対し積極的な働きかけを行ってまいります。  特に企業版ふるさと納税につきましては、別途アンケートや企業訪問を通じて、制度の周知、寄附の依頼を行ってきたところでありますが、今後は魅力ある施策立案を行うとともに、直接企業に出向き、事業内容を丁寧に説明することといたしております。  さらに、御質問にありましたソーシャル・インパクト・ボンドやガバメント・クラウド・ファンディングなどの取り組みについても、国の動向や他の自治体の先進事例も踏まえながら研究を進めてまいります。  今後も創意工夫をしながら、こうした取り組みを積極的に展開し、できるだけ多くの歳入確保につなげてまいりたいと考えております。  5点目に、財政健全化に向けたスクラップ・アンド・ビルドなどの取り組みについてでございます。  県税収入や地方交付税などを合わせた一般財源総額の伸びが期待できない中、複雑多様化する行政課題に対応していくためには、限られた財源を、県民の皆様や将来の滋賀にとって真に必要な施策に対し、重点的かつ効果的に配分していくことが重要です。  そのため、先ほど申し上げた4つの視点を念頭に置きながら、成果指標を設定し、費用対効果をしっかりと検証するとともに、施策の緊急度、重要度、効果の発現時期などを十分に見きわめ、基本構想に掲げます7つの重点政策に基づく施策を重点的かつ戦略的に進めていきます。  同時に、こうした施策の検討に当たりましては、県税収入の確保に向け、地域経済の活性化に資するものとなるよう配慮するとともに、より効率的な実施方法等を追求することで経費の精査、節減を図るなど、引き続き、財政の健全化に意を用いてまいる所存であります。  続いて、大きな2項目め、総合戦略の評価について、2点御質問いただきました。  1点目、その総合戦略全体の進捗状況についてでございます。  議員御指摘のとおり、KPIの達成状況では、初年度の目安であります20%以上の指標が25、20%未満の指標が10となったところでございます。  また、人口目標に関してでございますが、出生数については、15歳から49歳の女性人口の減少幅が大きいことなどから、平成26年の1万2,729人から、平成27年の概算値では1万2,622人に減少いたしました。一方で、合計特殊出生率につきましては、平成26年の1.53から、平成27年の概算値では1.57に上昇したところでございます。  これらにつきましては、これまで実施してきた施策の効果が一定あったものと考えており、今後、結婚、出産、子育てまでの切れ目のない支援など、総合戦略に掲げる取り組みをさらに推進していく必要があると認識しています。  また、若者の社会増減につきましては、転出超過数が、平成26年の1,364人から、平成27年の概算値では1,578人に増加しており、厳しい状況にあるものと考えています。若者の転出超過数をゼロにするという目標を掲げている中、今後、若者が希望する働く場づくりなど、目標の達成に向けて一層強力に取り組みを進めることが必要であると認識しています。  2点目、こうした中でどのような政策誘導を図っていくのかということについてでございますが、とりわけ、人口減少の流れを押しとどめ、豊かな滋賀をつくるためには、雇用創出や魅力的な地域づくりにより首都圏等への転出を抑制するとともに、県外から若者を呼び込むことが必要であると認識しています。  具体的には、地域の特性に応じて、近江の地酒や創業120周年の近江鉄道など素材の魅力を磨き上げ、交流機会の増大に結びつく産業の創出を図っていくこと。2つ目には、COC+の活用など大学等と連携した人材の確保、育成等の取り組みを推進すること。3つ目には、まちのにぎわいの創出や創造的な活動を支える環境づくりに向けて、滋賀ならではの美の魅力の発信など、文化活動やスポーツを楽しむことができる環境整備等を進めることなどを通じて、若者を初め誰もがみずからの能力を発揮して、安定的に働くことができる社会づくりを進めてまいりたいと考えています。  次に、働き方改革に関して、5点御質問をいただきました。  1点目、県庁内における長時間労働についてでございます。  知事部局では、土木事務所や健康福祉事務所等46の地方機関が36協定を締結しています。このうち、労働基準監督署から36協定に違反する時間外勤務を命じていたとして、今年度、2つの所属に対し是正勧告を受けました。このほか、5つの所属についても、人事委員会から36協定違反として是正指導を受けたところです。県の機関が法違反を指摘される事態となったことは大変重く受けとめており、再発防止を徹底したいと存じます。  県庁内の長時間勤務についてでございますが、複雑化する行政課題や多様な行政ニーズに対応するため、管理職員が部下の長時間勤務を認めざるを得ないという状況もあるのではないかと推察しています。  今後は、働き方改革を一層推進することにより、全ての職員が意識改革を行い、忙しい同僚を率先して助けるなど、チームで仕事をする職場づくりを推進してまいります。  特に、管理職員に対しましては、これまで以上に部下の業務について責任を持ってマネジメントすることとし、時間外勤務を命じる際には、詳細な内容の把握と具体的な指示を行うよう徹底し、時間外勤務の縮減を目指してまいります。  また、人員体制の面からは、各職場の業務の実態を量的、質的な面から把握し、県庁全体で適正な人員配置を一層進めてまいりたいと存じます。まずはこうした取り組みを実践することにより、県の職場から異常な長時間勤務がなくなるよう、全力で取り組んでまいる所存であります。  3点目に、滋賀県下の企業と滋賀県庁内でのワーク・ライフ・バランスの取り組み状況についてです。  まず、県下の企業につきましては、次世代育成支援対策推進法に基づきます一般事業主行動計画の労働局への届け出状況は、平成28年9月末現在、行動計画の策定義務のある常時雇用労働者101人以上の企業では、402社のうち401社が届け出を行っておられます。  計画策定が努力義務である常時雇用労働者100人以下の企業につきましては、労働局との連携による県のワーク・ライフ・バランス推進企業登録制度を実施していることから、全国で10番目に多い601社の企業が計画策定届けを提出されているところです。  また、平成27年度に県が県内1,000事業所を抽出して実施いたしました労働条件実態調査の結果によりますれば、全体の72.7%の企業において、年次有給休暇の取得促進や労働時間削減の取り組みなど、ワーク・ライフ・バランスに関する取り組みを実施されているところです。  次に、県庁内でのワーク・ライフ・バランスの推進状況につきましては、次世代育成支援対策推進法に基づきます特定事業主行動計画を策定し、長時間労働の是正、年次有給休暇や子育てに関する特別休暇の取得促進、男性職員の主体的な育児参画の促進、多様な働き方を可能とする制度の整備などに取り組んでいるところです。  また、取り組みを推進するためには管理職が果たす役割が重要でありますことから、昨年度に引き続き今年度も、私や幹部職員がイクボスとなることを宣言するとともに、イクボスシールのデザインを庁内で公募するなど、イクボスの浸透を図っているところです。  こうした取り組みのもと、男性職員の育児休業取得率が昨年度9.9%となり、平成26年度から2.7ポイント上昇し過去最高の取得率となるなど、ワーク・ライフ・バランスの実現に向け一定前進しているものと認識いたしております。さらに、10月からは在宅勤務の実証実験も開始したところでございます。
     今後とも、誰もが働きやすいワーク・ライフ・バランスが実現できる職場環境の整備が進むよう、さらに取り組みを進めてまいりたいと存じます。  5点目のハラスメントについてお答えいたします。  いずれのハラスメントについても、防止に関する指針を定めて周知するとともに、セクシャルハラスメントについては臨床心理士を、パワーハラスメントについては、労務管理の経験豊富な職員を相談員として、職員が相談できる体制を整備しております。また、昨年度と今年度の2年続けて、所属長等を対象にパワーハラスメント防止研修を実施するなど、意識啓発を図っているところです。  昨年度は、セクシャルハラスメントの相談実績はなかったものの、パワーハラスメントについては延べ7件の相談が寄せられました。それぞれの事案についてプライバシーに配慮しつつ聞き取りを実施し、事実関係を確認いたしましたが、いずれもパワーハラスメントに該当する事案ではないと確認できたところでございます。  今後も、防止に関する指針や相談窓口の周知を図り、ハラスメントの防止に努め、働きやすい職場環境づくりに引き続き取り組んでまいります。  6点目のいわゆるマタハラ等の防止策についてでございます。  職員が妊娠、出産したことや、育児や介護のための休暇制度を利用したこと等に関して、上司や同僚からハラスメントを受けることはあってはならないものであります。男女雇用機会均等法および育児介護休業法が改正されたことにより、地方公務員についても、平成29年1月1日から、いわゆるマタハラ等の防止措置を講ずることが義務づけられたところでございます。  これらの法律および国の指針に基づき、県におきましても、法の施行に合わせて防止に関する指針を定めて職員に周知し、相談窓口を設ける等、マタハラ等の防止に向けてもしっかり対応してまいりたいと存じます。  7点目の公契約条例の制定についてであります。  労働基準法等の労働関係法令を遵守し、労働者の労働基準や労働条件を確保することは事業者の責務であると認識しており、県としても、これまでから滋賀労働局と連携して、制度の周知や啓発に努めているところであります。  公契約のあり方については、本年7月に、総務部、商工観光労働部、土木交通部および会計管理局の関係5課・室の職員で構成いたします適正な労働条件確保を目的とした契約制度のあり方検討プロジェクトチームを設置いたしまして、部局横断的にさまざまな観点から検討を進めております。  これまで、さきに条例を制定された奈良県や、要綱を制定しておられる兵庫県の状況について調査をいたしまして、また、県内の市町の状況について調査も行ったところであります。  今後、労働団体や事業者などから幅広く御意見もお聞きするとともに、県が契約を締結している事業者における労働条件等の実態についても把握するなど、検討をさらに深めてまいりたいと存じます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)働き方改革に関する御質問のうち、私にいただきました2点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の労働基準法第36条に規定する協定の遵守状況および長時間労働についてであります。  教育委員会では、人事委員会から、県立学校7校の事務室において、1日の時間外勤務が協定で定める時間を超える日があったことなどから、その協定の遵守に努めるよう指導を受けたところであります。  職員の勤務条件、健康管理に責任を持つ者として、この指導を重く受けとめており、全ての県立学校に改めて、協定を遵守することや仕事の進め方の見直しなどに取り組むよう通知をしたところであります。  次に、長時間労働についてでありますが、学校現場では、社会の急激な変化に伴い、学校が抱える課題が複雑化、多様化しており、こうしたものへの対応が求められていること、また、授業準備、教材研究や部活動指導に多くの超過勤務を要しているところであります。  これらの状況を踏まえ、まずは、県が実施をしております会議や調査など57件の廃止や見直しに取り組むとともに、教員の勤務実態を的確に把握した上で、学校の業務改善や教職員の意識改革に取り組んでいるところであります。  一方、教育委員会事務局においては、各学校が抱えますさまざまな課題に対応するため、全県的な施策の検討や実施、あるいは学校指導等に多くの時間を要しておりますことから、日常の協議や会議等をこれまで以上に効率よく行うよう取り組んでいるところでございます。  今後も引き続き働き方改革に取り組み、学校現場の教員が子供たちと向き合う時間を確保するとともに、学校現場を支える教育委員会事務局においても、時間外勤務が縮減できるよう、教育委員会全体で取り組みを進めていきたいと考えております。  次に、2点目のワーク・ライフ・バランスの取り組み状況についてお答えをします。  学校現場および教育委員会事務局では、ワーク・ライフ・バランス推進のための取り組みの一つとして、イクボス宣言を初めとする管理職の働き方に対する意識改革を進め、管理職のリーダーシップによる組織マネジメントの推進に努めているところであります。  また、学校現場に向けては、さきに申し上げました取り組みに加え、教職員互助会において、市町教育委員会や学校現場の教職員などによる超過勤務の縮減に向けた検討が行われているところでございます。  県教育委員会といたしましても、今後さらに、全ての教職員の働き方に対する意識改革を促すことや、地域や保護者の皆さんからも協力を得ながら、学校業務のあり方について考えていくことが必要であるというふうに思っております。  これらの取り組みを着実に進めることで、教職員のワーク・ライフ・バランスの実現に向けた職場環境づくりに向けて、教育委員会全体でしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◎知事(三日月大造) (登壇)続いて賜りました御質問にお答えいたします。  しがエネルギービジョンに関して、3点御質問いただきました。  まず1点目、環境の側面からの取り組みを進めていく決意についてでございますが、ビジョンの基本理念におきましては、地球温暖化の進行が地球規模で深刻かつ不可逆的な影響をもたらすものであることに鑑み、新しいエネルギー社会の一つとして、環境的な側面からの持続可能な低炭素社会の構築を位置づけているところです。  この新しいエネルギー社会を進めていくための基本方針といたしまして、1つは、エネルギーを減らす取り組み、これは省エネです。2つは、エネルギーをつくる取り組み、再エネの導入促進です。エネルギーを賢く使う、効率的活用の側面です。4つ目は、これら3つの取り組みを支える関連産業の振興という側面のこの4つの柱を掲げているところでございます。  また、基本目標において、電力消費量の削減や再生可能エネルギー導入目標等を掲げ、現在、省エネルギー・節電推進プロジェクトを初めとする8つの重点プロジェクトを進めているところであり、これらはいずれも地球温暖化の防止につながるものであると考えます。  パリ協定でうたわれた今世紀後半に向けて脱炭素社会を目指した長期的な視点からの対策が求められる中で、乗り越えていくべきハードルは高いものの、原発に依存しない社会との双方が満たされた社会を見据えつつ、私自身、先頭に立って、今後とも各般の施策を着実に推進してまいりたいと考えております。  2点目に、資源エネルギーは地域のものとする視点についてでございます。  地域から流出するエネルギーコストを可能な限り抑え地域内資金循環を図っていくことは、地方創生を実現していくためにも極めて重要であり、自然エネルギーに関して申し上げれば、地域の取り組み主体により市町との連携協力のもと、地域資源を活用したエネルギーが創出され、地域に利益が還元されていくことが理想であります。  こうしたことから、ビジョンにおきましても、8つの重点プロジェクトの中にバイオマス利用促進プロジェクトを位置づけ、地域の未利用資源である木質バイオマスや家畜排泄物等を活用し、地域の課題解決や活性化につなげていく先導的なモデル地域の形成に向けた支援を講じているところです。  また、エネルギー自治推進プロジェクトでは、地域が主導するエネルギー創出に向けた取り組みを促進することとしており、これまでに、例えば御地元の湖南市においては、地域商品券を活用した市民共同発電や芋発電の実用化に向けた取り組みに対して支援をしてまいりました。  さらには、スマートコミュニティ推進プロジェクトとして、例えば、工業団地内において電気と熱を融通し合うことにより、エネルギー利用の最適化を図ることを目指した取り組みを推進しているところです。  このような地域に根差した特色ある取り組みへの支援のほか、こうした取り組みを現場の最前線で支える市町の理解促進、また、あす開催いたしますエネルギー自治推進フォーラム等による成果の見える化を通じまして、地域固有の資源を有効活用した持続可能なエネルギー社会の輪が広がっていくよう、尽力してまいります。  3点目、住宅用太陽光発電の設備導入促進および環境や景観に配慮した事業用太陽光発電に関する御質問についてです。  これまで、住宅用太陽光発電に関しましては、固定価格買取制度──FITなど国の制度によるもののほか、本県としても、既築住宅への設置に対して独自の支援策を講じてまいりました。このこともあり、平成27年度末時点での普及率では、本県は全国第5位と高い水準にございます。  近年、設置コストが低下してきたとはいえ、まだ当面はFITに依存せざるを得ない状況にあると認識しておりますが、今後、さらなる低コスト化等により、FITに依存しない自律的な導入が進んでいく時代を見据えつつ、太陽光発電単体でなく、蓄電池やHEMS等とも連携した自家消費型モデルの普及に向けて、鋭意より効果的な支援策を研究してまいります。  また、事業用太陽光発電に関しましては、近年、発電設備の急速な増加に伴い、一部に景観や自然環境等への影響が生じているケースもあると承知しています。今後とも事業用太陽光発電の導入促進を図りつつも、長期安定的な事業実施に当たりましては、その設置場所をめぐる土地利用規制の遵守や地域との共生を図っていくことが不可欠であると認識しており、先般、国への政策提案において、適切な対策を講じるよう要望もしたところでございます。  国におきましてもFITの制度改正やガイドラインの策定が予定されており、こうした動向も注視しつつ、市町とも情報共有しながら、適正な土地利用のもとで地域と共生した円滑な導入が図られるよう努めてまいります。  次に、滋賀の文化振興について、3点御質問いただきました。  1点目、本県における文化プログラムの推進状況等についてでございます。  2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた文化プログラムは、本県の特色ある文化の魅力をさらに高めるとともに、国内外への発信力の強化につながるものであり、積極的に推進していきたいと考えています。  国等においては、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が、本年10月から東京2020参画プログラムを一部先行実施されており、本県においても主体登録を行うとともに、11月23日に開催いたしました新生美術館県民フォーラムを具体的なアクションとして登録いたしました。  さらに、県独自の取り組みといたしまして、文化プログラムプレイベント、司馬遼太郎没後20年記念シンポジウム「『街道をゆく』は近江からはじまった」や「びわ湖☆アートフェスティバル」などを展開するとともに、「(仮称)滋賀文化プログラム(案)」の検討等を行ってきております。  また、先月には、改めて県内全市町の担当課と文化プログラム推進等について意見交換を行ったところであり、今後、各地域で守られてきた貴重な史跡、文化財を初め、祭りなどの伝統文化、生活文化や、県内各所で実施されるアートイベントなど、さまざまな取り組みを掘り起こし、一体的に発信していく予定でございます。  アール・ブリュットにつきましては、文化プログラムのキックオフイベントとして本年10月に文化庁が開催いたしましたスポーツ・文化・ワールド・フォーラムにおいて、澤田真一さんを初めとする本県の作家5名の作品が会場に展示され、文化庁長官や多くの来場者に鑑賞され評価されるなど、注目が高まってきております。  本県におきましては、アール・ブリュットの総合的な振興を図るため、これまでから、県内各地での作品展示や近代美術館での企画展の開催、全国ネットワークの構築などを行うとともに、アール・ブリュットを3本柱の一つとして、現在、新生美術館の整備を進めているところです。  東京オリンピック・パラリンピックに向けた文化プログラムは、滋賀のアール・ブリュットの魅力を国内外に発信するチャンスであると捉えており、アール・ブリュットを紹介する冊子や映像コンテンツの多言語化を図りますほか、海外の関係者との連携を強化し、アール・ブリュットを通した国際交流を推進するなど、今後とも積極的に取り組んでまいります。  2点目、国民文化祭の誘致についてでございます。  国民文化祭の開催は、多くの方々の文化活動への参加意欲を喚起するとともに、新たな文化の創造を促し、本県の地域文化の発展と魅力発信に寄与するものと認識しています。また、全国から数多くの観客、出演者等が来訪されることから、一定の経済波及効果も見込まれます。  議員御指摘のとおり、昨年度、本県で開かれた全国高等学校総合文化祭は、多くの高校生や教育関係者に本県の歴史文化等の魅力を実感していただく機会となるとともに、文化活動の向上に大きく寄与し、貴重なレガシーとなったと感じています。  一方で、国民文化祭の開催に当たりましては、国体と同様に、市町や文化団体等の理解と協力、機運の高まりが不可欠であり、県および市町等の財政的負担および人的負担を考慮すると、十分な準備期間が必要であります。  県といたしましても、これまでから他府県で開催された国民文化祭の現地調査等を行っておりますほか、市町とも意見交換を行っており、今後も情報を収集しながら検討してまいりたいと存じます。  3点目、文化というものをどのように捉えているのかということについてでございますが、本県は、国宝が55件、重要文化財が819件、いわゆる国指定重要文化財の件数が全国の第4位であるなど、質、量ともに誇るべき文化財を保有しているほか、琵琶湖を初めとする豊かな自然と共生してきた、暮らしの中で大切に継承されてきた祭りなどの伝統行事や衣食住にかかわる独自の生活文化が数多く息づくなど、豊富な文化的資産を有しています。  文化は、私たちに感動、精神的な安らぎや生きる喜びをもたらし、感性や想像力を育むとともに、人と人が互いに理解し尊重し合う基盤となり、経済の発展にも寄与するなど、地域社会の発展に欠かせないものであります。  今、心の豊かさや人と人とのきずなが求められる時代を迎え、文化の役割がより重みを増してきており、文化の価値を再認識し生かしていくことこそが、「新しい豊かさ」の創造につながるものと確信しています。  このような考え方に基づき、平成27年3月に策定いたしました滋賀県基本構想では「文化とスポーツの力を活かした元気な滋賀の創造」を重点政策の柱として位置づけ、滋賀の豊富な文化的資産を生かした文化による創造的な地域づくりを推進しています。  誰もが豊かさを実感できる元気な滋賀を創造するため、滋賀の文化の振興に引き続き全力を尽くしてまいりたいと存じます。  6項目めにいただきました農水産業の振興について、5点の御質問にお答えいたします。  1点目、環境こだわり米の作付面積割合の推移と今後の展開についてです。  環境こだわり米の作付面積割合は、平成13年度にスタートしてから年々拡大しており、5年目の平成17年度は12%、10年目の平成22年度には国の制度も活用して36%に拡大し、直近の27年度は43%で全国第1位になっています。  今後は、平成32年度に50%以上に拡大することを目標に、環境こだわり農業推進基本計画に基づき、環境こだわり農産物を要件とした統一パッケージにした「みずかがみ」や、魚のゆりかご水田米などの特徴的な取り組みの拡大、担い手によるまとまった取り組みの推進、取り組みやすい環境こだわり農業技術の一層の普及啓発等による生産拡大を図ってまいります。  あわせて、流通販売対策が必要かつ重要でありますことから、直売所等で環境こだわり農産物の専用コーナーの設置を進めるとともに、全国一の取り組みであることや生産者の御努力を、おいしさとともに全国に発信することで、ブランド力向上や消費拡大につなげてまいります。  2点目の世界基準を意識した生産体制や本県農産物の優位性を図る計画や可能性についてでございます。  東京オリンピック・パラリンピックでの食材調達の条件として、農産物の安全性や環境保全などを目的に、農作業の持続的な点検、改善を図る生産工程管理、いわゆるGAPの認証取得や、有機農産物の推奨などが検討されております。  こうした動向を見据え、本県としてもGAPを推進するとともに、全国のトップランナーとして、環境こだわり農業を推進してきた滋賀の強みを生かし、新たに農薬や化学肥料を使用しない有機農業など、その取り組みを深化させていく必要があると考えます。  このため、第三者が認証を行う高度なGAPの取り組みを促進するため、JAなど関係団体との推進チームによる産地への働きかけや指導者の育成を始めたところです。  また、有機農業等については、収量が不安定、需要が不透明などの課題が多くありますことから、今年度から、実践農業者や流通業者、さらには消費者への調査を進めています。本県のこれまでの環境こだわり農業の実績を踏まえると、新たな取り組みを広げる可能性は十分にあるものと考えます。  今後、世界農業遺産の認定を目指す平成31年度から、新たに有機農業等の取り組みをスタートできるよう、栽培技術や販売方策等について、生産者や関係団体等の皆さんと一緒に検討を進めてまいります。  3点目の新規就農者への総合的な施策の必要性と現時点の取り組みについてでございます。  本県は、平成21年度以降、毎年約100名の方が新たに就農されているところでございますが、今後とも本県農業を振興していくためには、新規就農者の確保は非常に重要であると認識しています。  新規就農に当たっての課題は、農地の確保、技術の習得、施設、機械の整備、所得の安定などであり、新規就農者が安定的に農業経営を営むためには、就農準備から、就農後、経営が安定するまでの段階に応じて、総合的な施策が必要であります。  具体的な施策といたしまして、農地の確保については、農地中間管理事業を活用した農地の借り入れ、技術の習得については、各農業農村振興事務所の普及指導員による技術や経営の支援、施設、機械の整備については、必要な資金を長期、無利子で借りることができる青年等就農資金の活用、所得の確保については、就農後の定着を図るための青年就農給付金の活用のほか、安定的な売り先を確保するための販路開拓などの支援を行っているところです。  今後とも、新規就農者が早期に経営安定できるよう、市町やJA等関係団体と連携を図りながら、県として総合的に施策を実施してまいります。  6次産業化に係る今後の施策についてお答えいたします。  6次産業化の振興には、まずは、ベースとなる第1次産業の農林水産業をしっかりとしたものにする必要があると考えています。その上で、議員御指摘のとおり、農林水産業者がさまざまな産業と連携し、新事業を創出していくことが重要であると認識しています。  このため、農林水産業者や商工、観光、医療、福祉等の事業者、大学、金融機関等が幅広く参画する滋賀県農林水産業新ビジネス創造研究会を新たに立ち上げ、去る11月28日の第1回研究会では約100名の皆さんの御参加をいただき、意見交換を行いました。  今後は、この研究会を基盤として、農林水産業者や事業者の皆さんの新たなサービスや商品開発などのビジネスの創造を強力に推進してまいります。  販路開拓につきましては、例えば、健康に配慮して新たに開発された商品を、医療福祉関係者等の実需者につなぐマッチング交流会の開催、次年度開設予定の首都圏情報発信拠点を最大限活用した魅力の発信、海外展開に意欲ある農林水産業者の皆さんが取り組む展示商談会への出展支援など、開発された商品の特徴や強みが生かせるような支援をさらに強化してまいります。  今後とも、農政水産部や商工観光労働部、健康医療福祉部等が一体となり、県全体で6次産業化の振興を進めてまいります。  5点目、この6次産業化を見据えた湖魚の流通、消費拡大対策についてです。  御質問にもありましたように、本県で6次産業化の総合化事業計画の認定を受けた68件のうち、水産業に係る計画は、現在のところ3件にとどまっています。水産業の6次産業化を見据えたとき、低迷している湖魚の需要を高めることが求められ、そのためには、湖魚のおいしさを広く知っていただき、食べていただける仕組みが必要であります。  そこで、代表的な湖魚である琵琶湖八珍の活用を県内の旅館、飲食店等に呼びかけており、これまでにないメニューの提供など、事業者の皆さんの工夫された取り組みも行われています。  また、子供のころから旬の湖魚のおいしさを体感していただけるよう、今年度、学校給食に12万食余りの湖魚を提供しており、児童の7割以上は「おいしかった」との感想をいただいています。さらに、親子を対象として、漁業体験と組み合わせた料理教室の開催など、湖魚を身近に感じていただける取り組みを実施しています。  これらの取り組みをより充実させるとともに、湖魚についても首都圏情報発信拠点を活用するなど、大都市での湖魚の魅力発信にも努めてまいります。  農業に続き、水産業においても6次産業化にチャレンジする機運が高まるよう、湖魚の流通、消費拡大に向けた施策をさらに強力に進めてまいる所存であります。  続きまして、医療福祉拠点について、こちらは6問御質問をいただきました。  1点目、びわこ文化公園都市の目指す姿についてであります。  昭和57年に策定いたしましたびわこ文化公園都市基本計画におきましては、緑に包まれた環境の中に、県民のための文化、医療、福祉の中核的施設群と、学術、研究、研修の基地を建設し、明るい総合的機能を有する文化の新都市の創造を目指すものでございます。  平成24年に策定いたしましたびわこ文化公園都市将来ビジョンにおきましては、目指すべき5つの将来像の一つに「いのちと健康を支える場」があり、「高度・専門的な医療サービスや福祉に関する支援を安定的に提供するエリア」「自然環境に抱かれ、癒やしと安らぎを五感で感じる健康・スポーツケアエリア」と設定しています。  将来ビジョンの基本的な考え方は、立地施設がそれぞれの機能を充実させるとともに、相互に機能を高め合う機能連携を図ることで5つの将来像を実現するというものであり、この考え方に沿って今後とも取り組みを進めてまいります。  2点目、スポーツ・健康づくり拠点をびわこ文化公園都市に設置する意義についてでございますが、現在検討しております新県立体育館を核としたスポーツ・健康づくり拠点は、既にびわこ文化公園都市に立地する施設、機関と連携しながら、県民の皆さんのスポーツ振興や健康増進に効果をもたらす拠点として、大きな意義があるものと考えています。  周辺の施設、機関との協議におきましては、アスリートの競技力向上や運動プログラムの開発、食育指導、さらに、障害者スポーツの推進などについて御提案をいただいているところであります。  3点目、びわこ文化公園都市と県庁周辺の役割や機能の連携についてでございます。  びわこ文化公園都市は、御案内のとおり、滋賀医科大学附属病院などの医療施設、滋賀県赤十字血液センターなどの医療に関連する施設、県立むれやま荘や県立障害者福祉センターなどの福祉施設などが立地しており、各利用者に対して直接医療や福祉のサービスを提供する役割や機能を有しています。  一方、県庁周辺における今回の医療福祉拠点は、在宅医療福祉を推進するための医療福祉センター機能と、人材養成機能の役割を担うものでございます。
     具体的には、医師会や歯科医師会などの医療関係団体と、介護支援専門員連絡協議会などの介護関係団体が入居し、多職種が連携して在宅医療を推進するとともに、今後不足するリハビリ専門職を中心とした医療福祉の人材養成を図るものでございます。  このように、県庁周辺の医療福祉拠点は、医療や福祉の直接的なサービス提供というよりも、サービスを提供する体制や人材などの基盤強化を目的とするものであり、びわこ文化公園都市を初めとする県内の病院や福祉施設、地域とも連携することで、広く本県の医療福祉サービスの提供体制の充実、強化が図れるものと考えます。  4点目、リハビリ専門職の人材養成機能を県庁周辺に設置する意義と課題、対応についてです。  2025年には約3,000人のリハビリ専門職が必要とされ、不足する1,600人の確保が急がれる中、県内の養成校は1校と、他府県に比較して少ない状況でございます。こうした中、利便性のよい県庁周辺地域に大学等を設置することは、大きな意義があるものと判断いたしました。  また、県庁周辺地域の将来構想における望まれる都市機能イメージにおいて、場の持つ力を承継、発展させる具体例として、県民の命を守る行政施設、関連施設や、創造的人材育成を行う教育研究機能や地域交流促進機能を挙げており、今回の医療福祉センター機能と人材養成機能は、これに合致するものであると考えます。  加えて、新たに人を集め、大津駅から県庁周辺への人通りを増加させるなど、新たににぎわいを創出するものとして、この場所での大学等の設置は、地元の大津市や大津市中心市街地活性化協議会からも大いに期待されているところでもございます。  こうしたことから、県といたしましては、対象地の問題などさまざまな解決すべき課題がございますが、関係する皆様の御理解と御協力をいただきながら、一刻も早い医療福祉拠点の整備を目指して進めてまいりたいと存じます。  5点目の滋賀県教育会館が滋賀の教育に果たしてきた役割についてでございます。  一般財団法人滋賀県教育会館は、昭和35年以来、今日に至るまで、教育関係者の教養向上、福祉増進、教育の振興発展を目的とされ、会館の管理運営や各種公益的事業に取り組まれており、民の立場から本県教育の振興にかかわっていただいていると認識しております。  6点目の県庁周辺整備についての所見でございます。  医療福祉拠点の整備に当たりまして、在宅医療福祉の推進やリハビリテーション人材の養成といった機能をより有効に発揮させるためには、教育分野とも連携していくことが重要になるものと認識しています。  このような認識に立って、今後、医療福祉拠点の整備を進めるとともに、教育会館がこれまで取り組んでこられた事業や活動を継続されるよう、県としてできる限り配慮してまいりたいと考えます。  続きまして、大きな8項目め、多文化共生について、私にいただきました2点にお答えをいたします。  まず1点目、滋賀県での多文化共生に関する状況と課題についてです。  グローバル化、ボーダーレス化が進むなど、私たちを取り巻く社会環境は大きく変化する中で、私たちは今こそ、一人一人の多様性が認められ、誰にとっても暮らしやすい、真に多文化共生の滋賀を築いていきたい、いや築かなければならない、滋賀にはそれができると考えます。  一方で、同時に、県内在住の外国人住民の方々は、言葉や文化、生活習慣の違いから、就労、教育、医療、防災など、生活する上でさまざまな課題を抱えておられ、いわゆる言葉の壁、制度の壁、心の壁により、国籍や民族などの異なる人々が互いに理解しづらい現状もございます。  このため、住民の間にあるこれらの壁を取り除き、ともに暮らしやすい社会をつくり、外国人と日本人が交流を通じて互いに理解し合える取り組みが重要であると考えます。  そこで、本県では、多言語や優しい日本語での行政、生活情報の提供、多文化共生の意識づくりに向けた啓発のほか、災害時の多言語支援の仕組みをITエンジニアとともに模索するなど、先導的な取り組みを共同して実施することで課題への対応に努めているところです。  今後は、市町や市町国際交流協会を初め、NPOや企業など、さらに多くの主体とこのような事業を創出すべく連携を図り、地域のさらなる活性化につながる多文化共生社会を目指してまいります。  2点目に、外国人も含めた、誰にとってもわかりやすい表示等についてでございます。  外国人住民や外国人観光客に必要な情報をわかりやすく提供し、安心して県内で生活、滞在していただく上で、誰にとってもわかりやすい表示の推進は欠かせません。  平成26年3月に、観光庁が観光立国実現に向けた多言語対応の改善強化のためのガイドラインを定め、統一性、一貫性を持った多言語表記のあり方が示されました。その他、御紹介いただきました関西広域連合を初め、国土地理院、経済産業省などが同様のガイドラインを定めており、本県でも、これらを踏まえた庁内統一のガイドラインを検討する必要があると考えます。  外国語だけでなく、優しい日本語や絵文字で示すピクトグラムなども活用することで、誰にとってもわかりやすい表示の推進に努めてまいりたいと考えます。  なお、現在、県におきましては、自治振興交付金に国際観光サイン整備事業をメニュー化し、英語、ハングル、中国語等の外国語表示を併記した観光案内看板を設置する市町に対する支援制度を設けています。  また、国におきましても、宿泊施設や公共交通機関における案内標識、デジタルサイネージ等の多言語表記等への補助制度がある中で、これらの制度が活用されるよう周知に努めてまいります。  災害時の外国人支援につきましては、現在登録を呼びかけております災害時外国人サポーターの制度を活用し、外国人被災者が必要としている避難所からの情報を整理、翻訳するなどの支援ができる仕組みづくりに努めてまいります。 ◎教育長(青木洋) (登壇)多文化共生についての御質問のうち、外国人児童生徒の教育環境の整備充実に関する現状と課題、今後の見通しについてお答えをいたします。  県内に在籍する日本語指導が必要な外国人児童生徒の数は増加する傾向にあり、母語や文化、生活習慣の異なる児童生徒が在籍をしております。こうしたことから、子供の多様な状況に応じた指導や支援が必要であり、指導体制や教育環境のさらなる充実を図ることが課題であると考えております。  県教育委員会では、日本語指導が必要な外国人児童生徒の在籍数が多い学校に対して、国の加配制度を活用し、日本語指導、生活指導等の対応に係る教員を、小学校21校、中学校7校に配置しております。  また、県独自の措置として、日本語指導が必要な外国人児童生徒が2名以上在籍している小中学校に、日本語指導非常勤講師の派遣をしております。  さらに、国の補助事業の活用や県単独の事業として、小学校24校、中学校9校、高等学校15校に対して、スペイン語、中国語、タガログ語、ポルトガル語などの支援員を派遣することにより、児童生徒や保護者に対して母語による支援をしているところでございます。  これらの体制整備のもと、各学校では日本指導の必要な外国人児童生徒に対して、在籍学級での学習に支援をしたり、別室で日本語の能力に応じたきめ細かな指導をしたりしているところであります。  また、教員の指導力向上のため、日本語指導を行う教員の研修会を開催し、効果を上げている学校の実践事例を紹介するなどして、指導法の工夫改善に向けて取り組んでいるところであります。  県といたしましては、これまでから、指導に当たる専任教員の拡充について国へ政策提案を行ってきたところでありますが、今般、国においても、日本語指導教員の不足している現状を鑑み、次年度予算の概算要求に担当教員の基礎定数化が盛り込まれたところであります。  今後も国の動向を注視しながら、日本語指導が必要な外国人児童生徒一人一人に応じたよりよい教育環境の整備に努めてまいりたいと考えております。 ◎知事(三日月大造) (登壇)私にいただきました最後の御質問、北陸新幹線について、2点御質問いただきました。  1点目の国の調査の受けとめ、県試算との数値の違いの分析についてでございます。  国の調査結果につきましては、本県独自試算と同様に、米原ルートが建設費が最も低廉で、最も投資効果にすぐれているとされた点では評価しているところです。  また、国の整備計画にはない米原ルートが、整備計画に定める小浜市付近を通過するルートよりも投資効果にすぐれるとされた意義は、極めて大きいと考えているところです。  県試算との相違につきましては、主に所要時間などの想定に差異があったものと考えておりまして、国の報告は、総じて停車駅が少なく、列車速度が速いことから時間短縮効果が高く、利便性の高さが利用者の大きさにつながっている可能性が高いと考えます。  一方、国の調査結果で、小浜・京都ルートの輸送密度が4万1,100人とされたことにつきましては、例えば、平成26年度の関西から北陸の鉄道利用者は1日当たり1万7,300人であること等、これまでのデータと開きがありますことから、国土交通省へ詳細の確認を行っているところです。  このように、本県が独自に試算を行ってきたことが国の調査結果について課題提起を行い、議論の深度化を可能にしてきているところでございます。  北陸新幹線の整備という国家プロジェクトの効用を最大化させるためにも、国土交通省ともしっかりと情報交換を行いながら、本県として必要な主張を行ってまいりたいと存じます。  2点目、米原ルートの実現に向け、いかに取り組んでいくのかということについてでございます。  議員から御紹介いただいたとおり、9月定例会議における米原ルートの実現を求める決議や、期成同盟会による米原ルート実現に向けたさまざまな活動等、本県一丸となって取り組みを進める中、国の調査結果で米原ルートが最も建設費が少なく、早く完成し、投資効果にすぐれるとされたことは、米原ルートの実現に向けて心強く感じているところです。  こうした中、週明け12月5日には与党検討委員会において、私自身が出席し、本県の考えを説明する予定でございます。  本県といたしましては、開業までの期間が短く、建設費が低廉で費用対効果にすぐれる米原ルートについて、改めて推奨したいと考えています。  あわせまして、ルートの選定にはあらゆる可能性の検証が必要であり、本県の独自試算でも最も投資効果にすぐれるとした米原乗り入れについても、検証すべきことを主張してまいりたいと存じます。  いよいよルート選定が大詰めを迎える中、議会の皆様を初め、市町や経済団体、そして本県選出の国会議員の皆様とも手を携え、粘り強く米原ルートの実現に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)いじめについての4点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の取り組みの成果と課題についてであります。  県教育委員会では、これまでから滋賀県いじめ防止基本方針にのっとり、子供たちが安心して学校生活を送れるよう、教職員の資質向上や子供たちが主人公となる学校づくりなどの取り組みを行ってきたところであります。  具体的には、この5年間、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置の充実を進めたり、生徒指導力向上研修を開催し、心理、福祉、司法、法律等、さまざまな角度からの研修を実施してまいりました。また、学校においては、児童会、生徒会活動等を通じて、いじめの問題を考えたり、児童、生徒同士の人間関係や仲間づくりの推進に取り組んでまいりました。  近年の調査において、いじめの認知件数は増加をしておりますが、これは教員が子供たちの小さな変化を見逃さないという意識が高まったこと、また、子供たちのいじめに対する認識が深まったことにもよるものと考えております。  一方、課題といたしましては、これまでさまざまな取り組みを行ってまいりましたが、いじめが根絶されたわけではなく、今なおいじめで悩んでいる子供がいること、また、情報機器の急激な普及に伴う生活環境の変化から、新たないじめの形として、パソコンや携帯電話等で誹謗中傷や嫌なことをされるといういじめが増加をしていることなどが挙げられます。  次に、2点目の児童生徒の自主的、主体的な取り組みに対する支援と、今後の展開についてお答えをいたします。  いじめの未然防止の観点から、児童生徒が主人公となる学校づくりを推進し、児童生徒同士がきずなを深める取り組みを充実することが重要です。また、児童生徒間でいじめをなくすための取り組みが進むよう、学級づくりや話し合い活動を充実することも重要であります。  そこで、県教育委員会といたしましては、児童生徒の主体的、自主的な取り組みに対する支援として、「絆をつむぐ学校づくり」事業に取り組んでおります。この事業では、県内各地の中学校の生徒が集う滋賀県いじめ問題生徒会サミットを開催し、各校の取り組みを発表するとともに、いじめをなくすための話し合いを行い、「いじめをなくす三か条」の提案を行いました。  また、市町においても、教員が演じた寸劇からいじめを考えたり、グループでいじめをなくすための方策を考え提言をまとめる活動や、小学生と中学生が意見を交換する取り組みなどを行っております。  さらには、挨拶運動、生徒みずからシナリオを作成した劇の上演、いじめ防止に関する啓発ビデオの作成など、創意工夫した取り組みを行う学校がふえております。  今後は、さまざまな分野において、より一層、児童生徒が主体的、自主的にかかわれるよう支援をしてまいりたいと考えております。  次に、3点目のいじめの問題の解決に向けての取り組みについてお答えをいたします。  いじめの問題は、子供の健全な成長にとって看過できない影響を及ぼす深刻な問題であり、命や人権にかかわる重大な問題です。人間として絶対に許されない行為との強い認識のもと、問題の解決に向けては、議員御指摘のとおり、学校、家庭、地域が一体となって取り組むことが必要であると考えております。  そのためにも、より多くの大人が子供の悩みや相談を受けとめることができるよう、学校と家庭、あるいは学校と地域が互いに意思疎通を図りながら連携することが重要と考えております。  こうした取り組みによって、子供を中心に据えて、社会全体で子供を見守る姿勢を大切にし、いじめの防止に努めてまいりたいと考えております。  最後に、4点目の人権教育の視点からの取り組みに対する所見についてお答えをいたします。  いじめ問題は重大な人権問題であり、その防止に向けては、子供の人権感覚を育む人権教育の取り組みが重要であると考えております。また同時に、教職員が鋭い人権感覚とともに確かな指導力を持ち、この問題に対応することが必要でもあります。  こうしたことから、子供たちには人権についての講話や、体験活動をもとに自分の思いや考えを出し合う取り組みを通じて、人権についての正しい理解と認識を深める学びの充実を図っております。  また、さまざまな活動を通して、一人一人が自分をかけがえない存在と感じる自尊感情を育み、互いのよさや違いを認め合える集団づくりの取り組みを進めております。  一方、教職員につきましては、職務や経験に応じた人権研修や主体的な学びを大切にした講座を充実させるとともに、受講者が受講した内容を校内研修に生かすことで、一人一人の人権感覚や指導力の向上を図っているところであります。  今後も、全ての子供たちが安心して生き生きとした生活を送ることができる学校づくりを進めてまいりたいと考えております。 ○議長(野田藤雄) 以上で、会派代表による質疑ならびに質問を終わります。    ──────────────── △休会の議決 ○議長(野田藤雄) お諮りいたします。  明3日から6日までは、議案調査等のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(野田藤雄) 来る7日は、定刻より本会議を開き、上程議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。   午後3時9分 散会    ────────────────...