滋賀県議会 2016-06-09
平成28年 6月定例会議(第2号〜第8号)−06月09日-03号
平成28年 6月定例会議(第2号〜第8号)−06月09日-03号平成28年 6月定例会議(第2号〜第8号)
平成28年6月
定例会議会議録(第4号)
平成28年6月9日(木曜日)
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議事日程 第3号
平成28年6月9日(木)
午 前 10 時 開 議
第1 議第103号から議第113号までおよび諮第1号(平成28年度滋賀県
一般会計補正予算(第1号)ほか11件)の各議案に対する質疑ならびに質問
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本日の会議に付した事件
第1 日程第1の件
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会議に出席した議員(43名)
1番 村 島 茂 男 2番 加 藤 誠 一
3番 竹 村 健 4番 佐 藤 健 司
5番 目 片 信 悟 6番 海 東 英 和
7番 田 中 松 太 郎 8番 角 田 航 也
9番 塚 本 茂 樹 10番 下 村 勳
11番 藤 井 三 恵 子 12番 杉 本 敏 隆
13番 節 木 三 千 代 14番 駒 井 千 代
15番 山 本 正 16番 大 橋 通 伸
17番 冨 波 義 明 18番 井 阪 尚 司
19番 木 沢 成 人 20番 中 村 才 次 郎
21番 有 村 國 俊 22番 大 野 和 三 郎
23番 岩 佐 弘 明 24番 山 本 進 一
25番 富 田 博 明 26番 細 江 正 人
27番 高 木 健 三 28番 生 田 邦 夫
29番 川 島 隆 二 30番 小 寺 裕 雄
31番 奥 村 芳 正 32番 野 田 藤 雄
33番 西 村 久 子 34番 佐 野 高 典
35番 家 森 茂 樹 36番 吉 田 清 一
37番 粉 川 清 美 39番 成 田 政 隆
40番 九 里 学 41番 清 水 鉄 次
43番 柴 田 智 恵 美 44番 今 江 政 彦
45番 中 沢 啓 子
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会議に欠席した議員(なし)
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会議に出席した説明員
知事 三 日 月 大 造
選挙管理委員会委員長代理 大 井 豊
人事委員会委員長代理 桂 賢
公安委員会委員長代理 大 塚 良 彦
代表監査委員 北 川 正 雄
副知事 西 嶋 栄 治
副知事 池 永 肇 恵
総合政策部長 宮 川 正 和
総務部長 日 爪 泰 則
県民生活部長 拾 井 泰 彦
琵琶湖環境部長 村 上 浩 世
健康医療福祉部長 藤 本 武 司
商工観光労働部長 福 永 忠 克
農政水産部長 高 橋 滝 治 郎
土木交通部長 桑 山 勝 則
会計管理者 大 谷 雅 代
企業庁長 高 砂 利 夫
病院事業庁長 笹 田 昌 孝
教育長 青 木 洋
警察本部長 渡 邊 国 佳
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議場に出席した事務局職員
事務局長 丸 尾 勉
議事課長 入 江 建 幸
議事課課長補佐 吉 田 亮
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午前10時 開議
○議長(野田藤雄) これより本日の会議を開きます。
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△諸般の報告
○議長(野田藤雄) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。
選挙管理委員会世古正委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として大井豊委員が、また、
人事委員会益川教雄委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として桂賢委員が、また、
公安委員会小林徹委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として
大塚良彦委員がそれぞれ出席されておりますので、御了承願います。
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○議長(野田藤雄) これより日程に入ります。
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△議第103号から議第113号までおよび諮第1号(平成28年度滋賀県
一般会計補正予算(第1号)ほか11件)の各議案に対する質疑ならびに質問
○議長(野田藤雄) 日程第1、議第103号から議第113号までおよび諮第1号の各議案に対する質疑ならびに質問を行います。
本日は、質疑ならびに一般質問であります。
発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。
まず、20番
中村才次郎議員の発言を許します。
◆20番(
中村才次郎議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。
公明党滋賀県議団の中村才次郎でございます。
トップバッターということで若干緊張しておりますが、どうかよろしくお願いいたします。
まず、このたびの平成28年熊本地震で亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、負傷された方々を初め、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。また、いまだ多くの方々が避難所生活をされており、一日も早い復興を願っております。
今回の熊本地震では、最初に本震と思われた14日21時26分に起こった震度7の前震に続き、16日1時25分にまたも震度7、
マグニチュード7.3の本震が起こるという前例のない地震となりました。
マグニチュード6.5以上の地震の後に、さらに大きな地震が発生するのは、地震観測が日本において開始された1885年以降で初めてのケースであり、また、一連の地震活動において震度7が2回観測されるのも初めてのことでした。
14日の地震は
日奈久断層帯北端部の活動、また、16日未明の地震は布田川断層帯の活動で、この隣接する2つの断層帯が連動し、発生しました。いわゆる連動型地震と見られています。
今回の地震では、前震によってダメージを受けた建物が本震によって倒壊するというケースが多かったと聞きます。反面、前震によって避難された方が多かったため、倒壊した建物の下敷きになって亡くなられた方が少なかったとも言われています。それでも、亡くなられた方は69人、負傷者は1,600人以上に上りました。また、多くの住居が全壊または半壊し、宇土市役所を初め、公共の建物も被害に遭いました。
御承知のとおり、我が滋賀県にも多くの活断層が走っております。このようなことを考えると、いつ大きな地震が起きても不思議ではありません。代表的な活断層だけでも、
琵琶湖西岸断層、頓宮断層、花折断層、
鈴鹿西麓断層、
鈴鹿東麓断層などがあります。特に
琵琶湖西岸断層のうち北部については、今後30年の間に地震が発生する可能性が高いというグループに分類されています。もし
琵琶湖西岸断層帯の北部が動くとすると、
マグニチュード7.1程度の地震が発生すると推定され、南部が動いた場合には
マグニチュード7.5程度の地震が発生、北部と南部が同時に活動した場合には
マグニチュード7.8程度の地震が発生すると推定されています。また、熊本地震で2つの断層が動いたことを考えると、滋賀県においても、
琵琶湖西岸断層とその西側を並走する花折断層の2つは、地下では一つの震源断層に収れんされていると考えられており、これが連動する可能性は十分にあります。それが数年後なのか、何十年後か、まだまだもっと先かはわかりませんが、そのための準備はしておかなくてはなりません。
いざというときのために、
危機管理センターが本年完成し、供用が始まりました。県の施設の耐震化について伺ったところ、医療機関では100%、
社会福祉施設では98%、また、学校関係では87%でした。87%の県立の学校も29年度には耐震化が終了される予定です。以上のようなことを踏まえて5点質問をさせていただきます。
まず1点目に、私立学校の耐震化についてです。
私立学校の中には避難所に指定されているところもあります。公立の学校の耐震化は29年度をもってほぼ完成しますが、現在、私立学校の耐震化は84%です。残りの16%の未耐震の私立の学校、内訳は、幼稚園4園、小学校1校、中学校2校、高校5校となっております。この耐震化について、県ではどのような対応を考えておられるのでしょうか、総務部長に伺います。
2点目に、住宅の
耐震シェルターについてです。
今回の熊本地震でも、亡くなられた方の多くが倒壊した住宅の下敷きによるものでした。滋賀県では木造住宅等への
耐震シェルターの普及の事業に取り組んでおり、設置に関しては1戸当たり20万円の支援措置が設けられております。しかし、近年では利用率が大変低く、本年度準備されている予算もたったの5戸分、100万だけです。旧耐震基準の住宅に対する対策が県民の命を守る上で大変重要と考えます。今回の地震で、我が家にシェルターの設置を検討する家庭もふえると考えられ、また、普及も進めていかなくてはならないと考えますが、その対応について、
総合政策部長に伺います。
3点目に、いざというときの支援物資の輸送についてです。
熊本地震での大きな教訓の一つとして、救援物資の輸送体制、連携がうまくいかなかった点が挙げられます。国や他府県からの救援物資は、熊本県へは届いたにもかかわらず、必要とされる方々まですぐには届きませんでした。滋賀県でも、こうした支援物資の輸送を迅速に行うための対策と計画が必要と考えますが、現在の計画と今後の見通しについて、
総合政策部長に伺います。
4点目ですが、福祉避難所の設置とその人材の確保です。
今回の震災でも問題になったのが、体の不自由な高齢者や障害者、妊産婦の方といった災害弱者と言われる方の避難所での過ごし方でした。熊本地震では、そうした人たちを優先的に受け入れる
福祉避難所の機能が
スタッフ不足などを理由に十分に発揮されませんでした。滋賀県では19市町全てに
福祉避難所が指定されていますが、ただでさえ人材不足の福祉施設で避難者の方を受け入れるということは困難をきわめると思います。また、滋賀県では、被災した市町をまたいで避難していただくために、
広域福祉避難所を、
特別養護老人ホームなどを中心に27カ所と提携を結んでいます。しかし、こうした避難所でも
スタッフ不足が考えられます。熊本地震で被災した自治体では、現在、災害弱者の受け入れ可能な
福祉避難所を少しでもふやそうと、スタッフの確保に全力を挙げています。このような教訓を生かし、早急にスタッフをそろえるために、例えば、看護師や介護福祉士などの資格を持ちながら、現在、その職についていない潜在有資格者に協力してもらうなどが必要だと思います。また、被災地外からのスタッフの派遣体制を強化することも大切です。そのような体制を事前に準備しておく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
健康医療福祉部長に伺います。
最後、5点目の質問は、
エコノミー症候群の対策についてです。
今回の震災でも、車中泊を重ねた方々が、
静脈血栓塞栓症または
ロングフライト血栓症にかかられました。この血栓症は、いわゆる
エコノミークラス症候群のことです。これに対応するために、例えば名古屋市では、同症候群による死亡者を出した中越地震の教訓を生かし、
地域防災計画に同症候群の対策を定めることにしました。これを受け、市は、
避難所運営マニュアルに注意喚起を掲載し、昨年度から
災害救助用毛布、18万4,600枚あるそうですけれども、この袋に注意の呼びかけと発生を防ぐ注意事項を記載しました。滋賀県もこうした取り組みを行い、少しでも
エコノミー症候群になられることを防ぐ対策をされてはいかがでしょうか。同じく
総合政策部長に伺います。
○議長(野田藤雄) 20番
中村才次郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎
総合政策部長(宮川正和) (登壇)私にいただきました3点の御質問にお答えをいたします。
まず、2点目の
耐震シェルターについてでございます。
本県では、木造住宅の耐震化を補完する取り組みとして、自宅への
耐震シェルターの設置に対し、市町が補助する場合、当該市町に1戸当たり最大20万円の補助金を交付しておりますが、議員おっしゃいましたように、本事業の利用率は少し低調でございまして、県民への周知が課題となっているところでございます。今後とも、県のホームページや広報誌、広報番組等を通じて、制度の周知を図るとともに、市町においても本事業に積極的に取り組んでいただきますよう、働きかけを積極的に行ってまいりたいと考えております。
次に、3点目の支援物資の輸送についての御質問でございます。
東日本大震災を初めとする過去の大規模災害の教訓から、本県では、全国に先駆けて、平成25年3月に
全国物流ネットワーク協会、滋賀県
トラック協会、そして滋賀県倉庫協会と災害時応援協定を締結いたしました。この協定に基づきまして、現在の計画では、災害時には、県内各所にある民間倉庫を物流拠点として活用し、物流のプロが支援物資の搬入、搬出、在庫管理などの拠点運営を行うことといたしております。また、県と
民間物流事業者が連携して輸送調整所を設置しまして、どのように支援物資を要請するか、供給するか、こういう手順を災害時
支援物資物流マニュアルとして定めているところでございます。
今後の見通しとしては、輸送調整所の運営訓練や避難所への物資を輸送する実働訓練を重ねて実施し、災害時に避難所へ必要な支援物資を円滑、迅速、そして確実に輸送できるよう、体制を構築できるよう努めてまいりたいと思っております。
次に、5点目の避難所での
エコノミークラス症候群の予防対策でございます。
災害時の避難所運営は市町が担っていただくこととなっておりまして、そのマニュアルの中に既に予防対策を織り込んでおります市町が現在も幾つかございます。今後、実際に災害が起きたときには、さまざまな媒体を活用して、被災者の皆さんに
エコノミークラス症候群の予防に関する情報が確実に伝わるよう、市町と連携して取り組むことといたします。
また、平時から、県民の皆さんに向けまして、災害への備えについてのさまざまな啓発を行っているところでありますので、今回の熊本地震を教訓といたしまして、
エコノミークラス症候群の予防について、これまで以上に情報提供に努めてまいりたいと、このように考えております。
◎総務部長(日爪泰則) (登壇)私にいただきました1点目の私立学校の耐震化についてお答えをいたします。
学校で学ぶ児童生徒等の安全のために、私立学校の耐震化は早急に対応しなければならない極めて重要な課題と認識してございます。
そこで、これまで県では、説明会等を通じまして、耐震化の重要性を周知いたしますとともに、
国庫補助制度に県の補助金を上乗せするなどいたしまして、私立学校の耐震化を促進してまいりました。昨年度には3校において耐震化がなされたところでございます。また、今年度におきましても1校において取り組みが進められておりまして、来年度には2校が耐震化を予定されているところでございます。
今後におきましても、毎年実施してございます学校訪問などあらゆる機会を捉えまして、学校に対して耐震の緊急性、重要性を御理解いただきますとともに、補助制度等の活用について、丁寧に相談に応じるなど、一日も早く耐震化への取り組みが進みますよう努めてまいりたいと考えてございます。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) (登壇)福祉避難所の設置とその人材の確保についてお答えをいたします。
現在、本県では、全ての市町において計444カ所の施設が福祉避難所として指定されており、その約8割が福祉施設となっております。しかしながら、災害発生時には、福祉避難所の建物や職員自身の被災などにより、
福祉避難所が開けなかったり、人手不足になることが懸念をされます。こうしたことから、県では、関係団体の協力を得ながら、
広域福祉避難所のさらなる設置とともに、現在、
社会福祉士会および
介護福祉士会と締結しております人的支援の協定先をふやしてまいりたいと考えております。
ただ、これらの対策だけでは、いざというときに必要な人材の確保は難しいことから、
ボランティア体験事業を通じて、専門的なスキルを必要としない支援ができる人材の育成に努めてまいりますとともに、議員から御提案のございました、いわゆる潜在有資格者や被災地外からの応援につきましても、平素から看護協会や
介護福祉士会と連携をして、災害時の協力を呼びかけ、人材確保に努めてまいる所存でございます。
◆20番(
中村才次郎議員) (登壇)明確な御答弁ありがとうございました。
総務部長に1点だけ再質問をさせていただきます。
国の補助に対して、県でも上乗せの形で補助を行っていると、こういう御答弁でございましたけれども、これは何年までになっているのか、ずっと継続してやっていただけるのか、お聞きしたいというふうに思います。
◎総務部長(日爪泰則) 再質問にお答えいたします。
議員がおっしゃっておられますのは、改築、耐震に係るものだというふうに承知しております。これの制度につきましては、国のほうにおきまして、平成28年度、本年度までという形で期限つきで、今、制度化をされてございます。その制度に私ども県の補助金も上乗せをさせていただいているという形でございます。
ただ、今、国のほうにおきましても、そういう一応期限つきではございますが、それの延長等につきましても今議論をされているところでございますし、そういう私立学校の全国の組織でもそういった要望もされているところでございますので、それをしっかりと注視しながら、私どもとしても対応を考えていきたいと思っております。
◆20番(
中村才次郎議員) (登壇)新聞記事で読ませていただいたんですけれども、大阪府でもこの補助の施策を継続してやっていくことを決めたと、このような記事が載っておりました。どうか、国がやめたからすぐ県もやめるというのではなくて、そしてまた、今年度中に私立学校の耐震化が進むように働きかけをよろしくお願いしたいと、このように思います。地震に限らず、いつ起きるかわからない災害に対して十分な備えをしておくということは、普段の生活の中ではなかなかできないことでございます。自助、共助、公助の3つがよく言われますが、県民の命を守る上で最後のとりでになっていく部分が公助の部分であるというふうに思います。そのことをお願いしまして次の質問に移らせていただきたいと思います。
2問目は、発達障害のある児童生徒の
教育相談体制について質問をさせていただきます。
国では、
発達障害者支援法を10年ぶりに見直しまして、5月25日に改正法が成立しました。一人一人の特性に応じ、学校で個別計画をつくったり、事業主に雇用の確保を求めたりするなど、教育、就労の支援充実が柱になっています。
さて、近年では、発達障害と診断される子供や生徒の数が年々増加してきていると言われています。少し古いデータになりますけれども、文科省が2012年に行った全国の
公立小中学校の5万人を対象にした調査結果では、発達障害の可能性のあるとされた児童生徒の割合は6.5%となっています。1クラスにすると、2人程度が発達障害の傾向があるということになります。これは、通常学級に通う児童生徒を対象としているため、知的障害等があり
特別支援学級に通っている児童生徒は省かれた数字になっています。
発達障害への理解が深まり、過去ならば、扱いにくい子とか、やんちゃな子、落ちつきのない子などと言われていた子供たちが、医学の進歩とともにチェックの対象に入ったとも考えられ、統計上の人数がふえているのではないかと言われています。
私も、教員時代に、発達障害やその傾向にある子供の学級担任をしておりました。
インクルーシブ教育が推進されておりますけれども、発達障害のある子供が普通学級の中で学習し生活していくというのは、大変困難を伴います。私は、
特別支援学級の担任を4年間させていただきましたので、そのときの経験が発達障害のある子供たちへの指導に大変役に立ったと思っております。こうした経験を積む以前に発達障害のある子供を担任していれば、学級崩壊につながった可能性もあったのではないかというふうに思います。
文科省が、
特別支援教育のための教職員など、加配定数の一部を基礎定数に振りかえることで、教職員を安定的に確保することにしたという記事を目にしました。先ほど申し上げましたように、一般でも認識が深まったことにより、これまで特別な配慮をされなかった子供たちが、発達障害という明確な診断が下されるようになったことは、決して悪いことではなく、一人一人の個性に応じた教育につながると確信いたします。
以下、3点、教育長に質問をさせていただきます。
滋賀県の高等学校への進学率が98%であることから、多くの
特別支援教育を必要とする生徒も高校に進学していることになります。しかし、高等学校には
特別支援学級がありませんので、これまで障害のある生徒に配慮した教育は大変薄かったのではないかというふうに思います。
まず、1点目の質問です。
県立高等学校には、発達障害のある生徒はどれぐらい在籍しているのか把握されているでしょうか。また、されているのなら、およそ何%の生徒が在籍しているのでしょうか。
2点目です。
県立の高校においても、発達障害のある生徒や体に障害のある生徒に特別支援員を配置することが必要です。現在、伺ったところ、県下では7名の支援員が7つの高校に配置されていると聞きましたが、生活の介助と学習支援に当たっておられます。しかし、この発達障害のある生徒に対しては、とても十分な体制とは思えません。この体制をどのように強化していかれるのでしょうか。
3点目です。
発達障害のあるさまざまな子供たちや保護者が相談に訪れるのが、県の総合教育センターにある
特別支援教育相談です。先日、訪問し、お話を聞かせていただきました。相談員は、3人の嘱託職員が多い方で月に14日間勤務し、シフトを組んでおられます。平均すると、1日に1人または2人で業務につかれていることになります。対象は、保幼小中高全ての年代の子供たちです。相談の時間は1時間程度。また、電話がかかってくると、電話での相談では長い場合は2時間もかかるそうです。滋賀県全体の教育相談をしていただいているにしては余りにも人数が少ないと考えます。また、高校生専門の相談員がおられないとも聞いています。
大津市の発達支援センターでもお話を伺ってきました。まだ立ち上がって2年目ということで、今のところ中学生までが対象になっています。そうすると、高校生になった皆さんが頼られるのは、総合教育センターの教育相談が中心になります。
そこで、相談に来られる方のニーズに応えられるように、総合教育センターの相談員の人数をふやし、あわせて、高校生の相談に対応できる相談員の充実が必要と考えますが、いかがでしょうか。
次に、
健康医療福祉部長に2点お伺いいたします。
今回の改正法で、乳幼児期から高齢期までライフステージに応じた支援を切れ目なく行うことが盛り込まれました。発達障害などのある方が相談に行かれる場所として、県の総合教育センター以外に滋賀県発達障害者支援センターが草津と米原の2カ所にあります。ここを訪れる方も成人された方を中心に右肩上がりにふえ、昨年度は延べ人数が4,395人に上りました。7名の相談支援員の方が乳幼児から成人の方までの相談に乗っておられます。これからもふえると考えられる相談者の個々に応じた適切な対応をするために、7名の相談員では少ないと考えます。
各市町に設置されている発達支援センターでは、全国から注目される湖南市のように、一人一人のサポートファイルをつくり、保幼小中高から成人になるまで、一貫して発達障害のある方をサポートしていく体制が整っているところまであります。また、中学校から高校への引き継ぎがうまく機能しています。しかし、まだサポートセンターさえ設置されていない市町もあります。その差が大きいのが今の滋賀県の現状です。各市町での相談システムが確立していけば、県への相談も減少していくのではないでしょうか。
質問1点目ですが、滋賀県発達障害者支援センターがこれからどのような役割を担っていかれるのか、その展望をお聞かせ願いたいと思います。
2点目に、幼年期から成人までのサポートをしっかり行えるよう、各市町に発達支援センターを設置する必要があると考えますが、県としてはどう対応していかれるのでしょうか。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) 私にいただきました2点の御質問にお答えをいたします。
まず、県の発達障害者支援センターが担う役割についてでございます。
県発達障害者支援センターでは、当事者やその御家族に対して、家庭生活、学校生活や福祉サービス、就労に関する相談に直接応じますとともに、学校や障害福祉サービス事業所等に出向いての専門的な助言を行っております。加えて、支援のキーパーソンとなります障害福祉サービス事業所職員を対象に、発達障害についての理解や援助の仕方についての体系的な研修を行い、専門的な人材を養成し、身近な地域における支援の充実に取り組んでまいりました。
今後は、研修カリキュラムの工夫などによりまして、市町の発達支援センターや働き・暮らし応援センターなども含めた幅広い機関の専門的人材の育成や専門的助言に重点を置いた取り組みを進め、可能な限り身近な地域で必要な支援が受けられるような環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、市町での発達支援センターの設置についてでございますが、発達障害に関する相談につきましては、全ての市町で実施をされております。うち17の市町では、発達支援室やセンターの名称を用いた専門部署が設置をされております。しかしながら、市町によりましては支援対象が学齢期までに限定されるなど、成人期も含めた切れ目のない支援が受けられるまでには至っておりません。
これまで、県では、先進事例を学び、各市町間の情報共有を行う市町発達支援センター等連絡協議会を開催するなど、市町での体制充実に向けた取り組みを行ってきたところであります。今後も、より的確な相談支援が行えるよう、内容の充実を図ってまいりたいと考えております。
また、本県におきましても、このたびの法改正を受け、保健、医療、福祉、教育、労働など幅広い関係者の連携強化や市町の実情に応じた支援体制の整備について協議を行います発達障害者支援地域協議会を設置し、乳幼児期から成人期までの一貫した支援を行うことができる仕組みづくりに向けて取り組みを進めてまいります。
◎教育長(青木洋) (登壇)発達障害のある児童生徒の
教育相談体制に関する御質問のうち、私にいただいた3点の御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の
県立高等学校における発達障害のある生徒の在籍数についてであります。
県教育委員会では、
特別支援教育が開始をされた平成19年度以降、校内委員会により、発達障害などによって特別な支援を必要とすると判断された生徒数の調査を行っております。その調査によりますと、平成27年度の
県立高等学校において特別な支援を必要とする生徒は、全生徒の約3%となっております。
次に、2点目の
県立高等学校における発達障害のある生徒への支援の体制強化についてお答えをいたします。
県立高等学校への
特別支援教育支援員の配置については、昨年度の3名から、先ほど議員御質問の中でお触れいただいたように、今年度は7名へと拡充したところであります。また、平成26年度から3カ年で、全ての
県立高等学校へ、大学教授や臨床心理士等の専門家を派遣し、発達障害のある生徒への具体的な支援方法を指導するなど、個々の教員の力量を高め、高等学校全体として発達障害のある生徒への支援体制を強化できるよう取り組んでおります。
一方、国においては、この5月に、教育再生実行会議において、支援員の配置促進などが提言されたところであり、今後、こうした国の動向も注視しながらしっかりと対応してまいりたいと考えております。
3点目の総合教育センターの相談員の充実についてであります。
現在、センターの相談員は、小学校、中学校で
特別支援学級を担任した経験のある者と臨床心理士の計3名で
特別支援教育の相談を行っております。これら相談員は、それぞれ発達障害に関して専門的な知識および豊富な経験を有する者の中から任用しており、高等学校の現場の把握にも努めながら、相談に対応するとともに、必要に応じて、学校はもとより、医療機関や市町の発達支援センターなどと連携を図っております。さらに、センターでは、
特別支援教育に係る研修を開講し、教員の資質、指導力の向上を図ることで、学校における相談体制の充実に努めております。今後も、総合教育センターにおける相談件数の状況等も踏まえながら、児童生徒の一人一人に応じた助言や支援につながるよう、相談体制の確保に努めてまいりたいと考えております。
◆20番(
中村才次郎議員) (登壇)
健康医療福祉部長に伺いたいというふうに思います。
先ほどおっしゃっていただきました発達障害者支援地域協議会を発足するという御答弁をいただきました。この協議会が各市町で発達支援システムを構築していくことに大きな役割を果たすのではないかと、大きな期待を持たせていただきました。具体的には、本年度中に発足するのか、また、構成メンバーも、先ほど少しおっしゃっていただきましたけれども、どのように考えているのか、わかれば再度お聞きしたいというふうに思います。
教育長にも質問させていただきたいというふうに思います。
県立高校には約3%の生徒が在籍しているというお答えをいただきました。1クラスにすると1名程度の発達障害のお子さんがいると、生徒さんがおられるということになります。これは、県立高校に通学している生徒の数に対して、決して少ない人数ではないと思いますし、国のほうでも特別支援員の充実を言っているというふうに思いますけれども、御答弁では体制をしっかりつくっていくというものです。これから支援員の人数もふやしていくということで、3名から7名にふやしたという、そういう御答弁でございましたけれども、よりたくさんの支援員の方が必要になってくるのではないかというふうに思います。今後の見通しについて、わかれば教えていただきたいというふうに思います。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) 再質問にお答えをいたします。
発達障害者の支援地域協議会につきましては、今回の法改正で位置づけをされた協議会でございまして、支援体制の課題を共有したり連携の緊密化を図るということで、支援体制の整備を進めるための協議のための組織だというふうに理解をいたしております。現在、県の発達障害者支援センターは、個別の相談がかなり多く寄せられておりますが、そのうち約半分は、障害についての種別というか、診断がまだされていないというような方も結構多うございまして、結局、入り口部分の相談支援を県の発達障害者支援センターが担うというような実態がございます。本来ですと、これを市町の発達支援センターで分担いただくことで、専門的な助言ですとか、専門的人材に対する研修の支援ですかとか、本来の県の発達支援センターの役割を担っていくことができるというふうに考えるわけでございます。したがいまして、発達支援の関係で支援を行います、先ほど申しました保健、医療、福祉、教育、労働、そういう分野にかかわる関係者を広く集めて、こうした課題を共有し、今後の支援体制について協議を進めてまいるということで考えております。具体的には、まだメンバー等までは詳細定めておりませんが、速やかに協議を進めまして、年度内、できるだけ早いタイミングで設置をしてまいりたいと考えております。
◎教育長(青木洋) お答えいたします。
特別支援教育の支援員についてですが、先ほどもお答えいたしましたように、現在7名で対応しております。これは、特に必要性の高い学校に配置をしておるということですが、必ずしもこれで十分ということではないとは思います。ただ、一定限度もございますので、今申しましたように、必要性の高いところからというふうにやっております。
また、先ほどの答弁で申しましたように、今、国のほうについても、これについてはしっかり認識をされておりまして、その充実について、今、方向性を検討されているということですので、これにしっかりと見守っていきたいというのがございますし、また、現場のほうでは、この支援員が行き届かないところにつきましては、例えば事業を分割で行うとか、あるいは、チームティーチング、複数の教員で対応する、さらには、
特別支援学級あるいは出身中学校との連携により対応すると、さまざまなことに取り組んでおりますので、こうしたことを総合的に組み合わせることによってしっかり対応していきたいと、そんなふうに考えております。
◆20番(
中村才次郎議員) (登壇)ありがとうございます。発達障害のある子供たちを早期に見つけ、そして、その後、幼年期から成人期まで切れ目のないサポートをしていく、そういう体制を各市町につくっていただけるということが大切だというふうに思います。特に、保幼から小学校へ、また、中学校から高校への連携が大切だというふうに日ごろから感じております。教育委員会と健康医療福祉部が連携を密にとっていただき、こうした子供たちが自分の能力を伸ばして立派に成長していけるよう願っております。
私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(野田藤雄) 以上で、20番
中村才次郎議員の質問を終了いたします。
次に、28番生田邦夫議員の発言を許します。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇、拍手)28番の生田でございます。
傍聴席の皆様、遠路お越しいただきまして、まことにありがとうございます。電車で来られた方、無事お着きになりましたでしょうか。自家用車で来られた方、無事駐車するところがございましたでしょうか。バスで来られた方、議会の玄関に、ここですけど、バスをとめられて、3月の16日とは違いまして、きちっとバスとめるとこを議会事務局が確保してくれました。まことにありがたい話でございまして、ゆっくりと落ちついて質問に入らせていただけると、ありがたいと思っております。
それでは、通告に基づきまして始めます。
実は、26年に2回質問させていただきましたが、いまだによくわかりません。
1つ目でございますが、介護保険診療報酬でございます。これが地域によって違うということがわかりました。その世界に仕事させてもろてる一人としまして、知ったのはつい最近でございました。まことに勉強不足でございまして、お恥ずかしい話でございますが、
健康医療福祉部長、もう一遍、この地域加算があるということについて説明をお願いいたします。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) (登壇)お答えいたします。
介護報酬につきましては、人件費や物件費等を勘案して定められてございます。その中で、地域ごとの人件費の地域差を調整するために、地域別、サービス別に1単位当たりの単価を割り増しするという地域区分の仕組みが設けられているところでございます。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)もう少し詳しくお願いします、部長。要するに、国家公務員の働く職場があるところについては、この介護報酬の中で地域加算をするという、この仕組みだったと思いますが、間違いございませんでしょうか。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
先ほど申しましたように、人件費の地域差を調整するということを勘案するに当たりまして、民間の従事者の賃金、これを反映したものとするために、その根拠として、国家公務員が地域ごとに官署があるところで勤務をしております。その国家公務員の職員について、人事院が調査をして、人事院規則によって、その地域の物価等を勘案して一定の割り増しをするというような制度をもとにして、この地域区分というのを定めているということでございます。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)もう一遍聞きます。国家公務員の働く職場があるところについては、介護報酬においては加算の点数があるけども、国家公務員の働く職場がないところについては、介護報酬のところにおいての加算はないと、これが原則やと、そう思いますが、違いますでしょうか。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
直近で申しますと、27年度の介護報酬の会計におきましても、民間事業者の賃金水準を基礎とした賃金指数に基づいて設定するという、この原則に立って客観的な地域区分を設定するという観点から、公務員、これは、介護保険の場合は国家公務員または地方公務員の地域手当の設定に準拠する見直しを行うということがされました。この公務員の地域手当の設定がない地域につきましては、その他の地域ということでゼロ%という設定を原則としておりますが、隣接する地域の実情を踏まえまして、公務員の地域手当の設定がある地域について、複数隣接する地域区分のうち低い区分、例えば6%地域と10%の地域に隣接をしておれば、その6%の地域に準拠をする。その6%から本来のその他のゼロという、6からゼロというその範囲内の区分を、市町、つまり保険者において設定が選択できるというふうな仕組みとされたところでございます。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)部長、後でちょっとすんません。
ちょっとだけ、総務部長、お願いします。この国家公務員の地域手当というものの仕組みはどうなっているか、これ、ちょっとお願いをいたします。
◎総務部長(日爪泰則) (登壇)国家公務員の地域手当についてでございます。これは、地域ごとの民間賃金水準を公務員給与に適切に反映するよう、主に民間賃金の高い地域に勤務いたします職員の給与水準の調整を図るために支給されている手当でございます。支給地域につきましては、国の官署が所在いたします市町村のうち、主として民間賃金の高い地域について、1級地から7級地までに区分して指定をされているところでございます。
滋賀県内の支給地域でございますが、8つの市でございまして、大津市、それから草津市、栗東市が5級地でございます。それから、彦根市、守山市、甲賀市が6級地、長浜市、東近江市が7級地となってございます。
◆28番(生田邦夫議員) (資料掲示、登壇)前に出しました国家公務員の地域手当の滋賀県下の地図でございます。もう1つは全国版でございます。国家公務員の地域手当の支給地域でございます。実は、今の説明ではどうしても合点がいかんところが出てきまして、実は、私どもが住んでいますとこの湖南市が、実は、調整区域の中において、7級地、3%のこの地域に入ったんですね。これが今の説明の中からはどうしても合点がいかんのです。すんません、かみ砕いてお願いいたします。
◎総務部長(日爪泰則) お答えいたします。
人事院の勧告では、今申しました8つの市に地域手当が一応適用されるという形になってございますが、湖南市につきましては、国の官署のない地域でございますが、総務省が定めております指定基準を満たすということで3%の支給という形になってございます。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)総務部長、湖南市以外は、国家公務員の働く場所が、働く職場が全部ありますか、ありませんか。
◎総務部長(日爪泰則) 先ほど申しました8市、それから、湖南市以外にも国家公務員の働く方がいらっしゃいます。ただ、この地域手当の支給対象となります考え方といたしまして、賃金指数が10カ年平均で93.0以上の地域というふうな条件もございますし、また、人口が5万人以上の市という形で設定をされるというふうな制度でございますので、その関係でいわゆる地域手当が支給されていないというケースがございます。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)国家公務員がいらっしゃるというのと、国家公務員が働く職場があるというのは違うと思います。その原則は、国家公務員の働く職場があるということを原則に始まったと思うんですが、最近は、今部長がおっしゃったように、国家公務員がそのまちにいてる割合が何%かによって決めるという基準も加味して考えるという形になってきたのではないでしょうか。
◎総務部長(日爪泰則) お答えいたします。
基本は、国家公務員の勤務、要するに官署がある地域という形でございまして、その地域におきまして、その地域における人口とか、あるいは、その地域における賃金指数、それに応じまして賃金手当が決まってございます。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)すんません、よくわからへんのですわ、言われても。ちょっとだけまた後戻りするかもわかりませんが、前に進みます。
(資料掲示)要するに、平成12年から介護保険のこれが始まったわけですが、実は、ここにパネルで出てますように、介護保険の平成27年度に改正されました。先ほど申しましたように、私がここで質問させてもうたときは、平成26年の8月1日、平成26年の12月の17日で、この新しい改正する前だったんですね。実は、ありがたいことに、湖南市、ついたんです、3%。何で湖南市、ついたんでしょうか。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
先ほどお答えをしましたように、27年の介護報酬改定においては、公務員、従来は国家公務員とされておりましたが、国家公務員または地方公務員の地域手当の設定に準拠する見直しを行うということで、湖南市につきましては、総務省において、その地域手当の支給地域として定められたということを受けて設定がなされたというふうに承知をしております。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)
健康医療福祉部長、お願いいたします。
実は、その前ついてたところが、高島市、多賀町、米原市がついてたんです。その前の段階ではね。そこが今回の改正でつかなくなった。ゼロ。さっきもおっしゃいますけども、滋賀県の県の職員さんたち、地域手当って一律ですわね。今、7.5%で一律じゃないですか。どこでも同じ率で地域手当がなされているんじゃないですか。余計なことを言うてますけど。この前と、今回あかんようになってゼロでゼロ査定された、この今申しましたところ、これはどういうふうに解釈したらよろしいんでしょうか。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
27年度の介護報酬の改定によりまして、御指摘のように、高島市、米原市、多賀町の3市町が従前の区分よりも下位に位置づけをされました。これによって、基本はゼロということでございますが、先ほど答弁をさせていただきましたように、隣接する地域の実情を踏まえて、複数隣接する地域区分がある場合に、その低い区分から本来のゼロまでの範囲内で、その区分を市町村が選択をできるというふうにされ、高島市の場合ですと大津市と長浜市に隣接をするわけでありますので、そのうちの低いほうですので、長浜市のパーセント、3%ですね。それとゼロ%、この間で、高島市がゼロ%という選択をされたということでゼロになった。同様に、米原市、多賀町においてもゼロという選択をされたということを承知しております。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)ごめんなさい、大津は10%で長浜は3%です。低いほうに合わそうと思ったら3じゃないですか。
○議長(野田藤雄) 生田議員、答弁者は。
◆28番(生田邦夫議員) 健福の部長、お願いします。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) 繰り返しの御答弁で恐縮でございますが、複数隣接する場合に、そのうち、隣接する地域区分のうち低い区分、つまり、今の場合ですと長浜市の3%、これと、本来、高島市の地域、その他ということでゼロ、この3からゼロまでの範囲内の区分を高島市において選択できるようになったということを踏まえて、高島市においてゼロとされたということでございます。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)部長、これは、それぞれの市町村が自分たち何%にするかというのを選択できる仕組みなんですか。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) そのとおりでございます。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)国家公務員のところ、白くなっている、それから、介護保険のところ、白くなっているところ、そういたしますると、近江八幡は、これは挟まれているんですが、ずっと真っ白けなんです。地元の近江八幡はゼロを希望しておられるかというたら、そうじゃない。しかしながら、ゼロなんです。これはどういうふうに解釈したらよろしいんでしょうか。
○議長(野田藤雄) 答弁者は。
◆28番(生田邦夫議員) 健福の部長で。しばらく健福で。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
近江八幡市の場合は、東近江市が3%という設定がされてございますが、隣接している市町で設定されているのはこの東近江市のみということになりまして、複数隣接というルールに該当しませんので、その選択が働かないということになります。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)ここで時間をとられるのはかなわんのですけど、近江八幡は、隣接するのは野洲と隣接してますやん。違いますか。
○議長(野田藤雄) 答弁者を。
◆28番(生田邦夫議員) 健福の部長で。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
国家公務員の地域手当、先生お示しいただきましたその地図で、近江八幡市が隣接しているところで国家公務員または地方公務員の地域手当が設定されているのは東近江市のみということで、1市しか隣接していないという中での判断というか、どう取り扱うかということになりますので、複数隣接ではございませんので、低いほうからゼロまでの範囲で選択するというところが働かないということでございます。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)もう少しお伺いしたいんですが、ちょっと待ってくださいね。頭ごちゃごちゃになってきました。
実は、この仕組み自体、健福の部長さん、この仕組み、介護保険というのは、同じサービスを同じように受けたら同じような負担であるというのを原則に始まったと思っているんですが、その裏に、実は始まったと同時にこの地域加算がされてた。私、先ほど申しましたが、知らなんだ。恥ずかしい話ですが。この仕組みでやっていて、しかも変わっていくんです。先ほどおっしゃったように、国家公務員の地域手当の現状と介護保険の地域の加算のこれが違うんです。本来はこれを基本にしますというふうに言うていながら、実際に介護保険における地域区分というものが違うんです。いつの間やら違うし、しかも、先ほど申しましたように、多賀町、それから米原市、高島はついてたのが、今度はゼロ。そして、わからんですけど、湖南市、わずかとは言いながらつきました。これがころころころころ変わっていくと。この仕組みについて、
健康医療福祉部長、どう思われますか。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
介護報酬につきましては、先生御指摘のとおり、全国統一したルールで設定をされているものでございますが、その報酬自体は、人件費等を、介護の場合ですとウエートが高いわけでございますけれども、勘案して設定をするということになるわけでございまして、その人件費を、地域差を考慮する上で、例えば、東京、大阪のようなそういう大都市とそうでないような地域、その中で、民間の賃金がどうなのか、その水準とふさわしい水準を、その地域の事業を行う人の介護報酬の基礎として設定をすべきと、こういうことが国の審議会において議論された上で、大臣告示がされて定められているというふうに理解をしております。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)後で医療のところにおいての話がさらに出てくると思いますが、ここのこの介護保険の仕組みというものは、日本全国津々浦々、同じサービスを受けたときには、同じ自己負担、保険者も納得する、それから利用者も納得するという形であって、この地域における加算があって、例えば、今おっしゃったように、東京でサービスを受けるのと、この滋賀県でサービスを受けるのと違う。滋賀県の中においても、大津でサービスを受けるのと、また、私どもの田舎で受けるのとまた違うと。これが本来の介護保険というものの仕組みの基礎であるんでしょうか。部長はどういうふうにお考えになりますか。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) サービス提供を受ける側からいうと、どこの地域においても同質のサービスが等しく受けられるということで、この介護保険の制度というのは成立をしているというふうに理解をしております。一方で、介護報酬そのものは事業者に対する報酬なわけでもございますので、事業者が事業を営む上で必要となるコストに見合う報酬にする必要があるということでありまして、そのコストの中でもウエートの高い人件費について、地域の実情をどう反映するのかということを議論された結果、設けられた仕組みであるというふうに理解をしております。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)物事の考え方として、同一のサービスを受けた場合は、住んでる地域によって負担が変わるということはおかしいやろと、これが原則やと思っています。それから、点数ですね。1点につき10円という計算を、これを地域によって変えるということは、保険者の負担も変わっていく。公平性とか平等性とか、保険というものの仕組みということからいうならば、これを、今言われた物価とか人件費が高いとこ、安いとこという形でここに入れてくるということ自体は、この保険制度そのものの根幹から違うんじゃないかなと。それは別のところに置いて考えるべきものであって、それが保険というものの仕組みじゃないでしょうか。私はそれを原則にして始まったんだと思っていたんですが、私の考えは違いました。物価とか人件費とかいうもので考えてという形を言われる限りは、それやったら日本全国で一番物価の高いとこはどこやねんなと、その一番物価の高いとこと、今現在言うてる東京23区、特別区というのが物価が一番高いとこかよというたら違うやんかと。一番高いとこは違いますやん。東京の特別23区が一番物価が高いわけじゃありませんやん。合わない。無理やと。ここにこじつけてすること自体が私は無理やと思っとるんです。もう一遍、健福の部長さん、この仕組みをそれはそれなりに正当化して、滋賀県の部長さんとして、これはそれなりに理屈としても合うてるという仕組みやとして考えておられるのか、いや、これはちょっと無理があるなと思っているのか、どっちでしょうか。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
地域区分の設定の仕方が、今のように市町ごとで設定をするという考え方が実情に適しているのかどうかということで考えますと、例えば、滋賀県内、これだけのエリアの中で、一つ一つの市町ごとにそれだけ大きな違いがあるのかというふうに考えますと、やや、もうちょっと広域で考えてもいいのではないかというふうに感じる部分はございますが、制度として、今現在、保険者が市町であるということ、それから、その市町ごとに保険料の設定、これはもちろん報酬だけの面ではありませんけれども、介護サービスの提供にかかわって、その地域ごとに保険料をどう設定するのかということを市町ごとに設定するという仕組みでこの介護保険が今成り立っている以上、何らかの調整の仕方、これは配分の仕方でもありますけれども、調整の仕方の問題であるというふうに理解をしております。したがいまして、国において、審議会でこの介護報酬の審議をされる中でも、同様の意見は委員のほうから出されているという情報も私も知っておりますけれども、例えば、介護人材確保で、近隣自治体との均衡を考慮して、地域の実情を踏まえて、市町村域を超えたより広域的な範囲において設定可能になるようにすべきと、こういう意見が出ているということも承知をいたしております。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)この地域の加算の点数によって、大体滋賀県下においてのそれぞれの標準的な社会福祉法人の年間の収入が幾らぐらいふえるか、あるいは東京と比べてどうなのかという資料はお持ちでしょうか、お持ちでないでしょうか。
○議長(野田藤雄) 答弁者を言ってくださいね。
◆28番(生田邦夫議員) 健福の部長さんで。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
地域区分において、その影響額が幾らかという御質問かと存じますが、しっかりとそれをはじいた統計というのがございません。ただ、介護給付費の給付額から機械的に推計をいたしますと、27年の報酬改定前のデータしか今ございませんので、この26年度におきまして推計をいたしますと、県内で約12億円が地域区分の設定による上乗せ分というふうに把握をいたしております。それから、27年の改定を、この26をベースに、その率の部分だけ改定の影響を反映したというふうにして機械的に試算をいたしますと、滋賀県全体としては8億円加算がされるというふうに推計をいたしているところでございます。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)ありがとうございました。
もう1つお伺いします。介護保険報酬の地域加算のところ、パネルの中にありますが、実は、ここに書いてあります。地域区分は、地域間における人件費の差を勘案し、地域間の介護保険費用の配分方法を調整するためのものであるため、財政的に増減を生じさせないようにすること、括弧書きとして財政中立が原則であると書いてございます。この財政中立という意味をわかりやすくお願いしたいと思います。部長、お願いします。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) 財政中立ということでございますが、地域区分の設定地域がどんどんふえることによって、その上乗せ分として支払われる報酬額がどんどんふえるということでは、介護保険の財政としては回らないということを前提に、総額は固定をした上で、どこかの地域が膨らめば、どこかの地域が減る、つまり、地域区分による支払いの総額自体は、一定額、一定の割合の範囲内ということでございます。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)要するに、大枠は変わらないと。その中で、言い方は悪いんですけど、ふえたとこあったら減ったとこあるやんかと、それで調整しているんやとおっしゃいました。枠を決められた中で、この地域加算というものが、その枠よりも上にさらにはみ出して、上のとこで加算するわけじゃなしに、この大枠は変わらないのやということの御答弁やったと思います。ということは、必要以上に下げたとこがあるわけや。帳尻を合わせてるけども、どっかふえてたらどっか減ってるわけです。いろいろがさがさがさがさしてはるとこはありますけども、おまえとこ何%、おまえとこ何%、ああ、よかったのう、あかなんだのうとかいう話になってしまう。仲間内同士で、おまえとこ何ぼや、何ぼやという話で、これを片づけるという話じゃなしに、我々はこの枠をどんと下げたんやと、下げて、この枠の中からは崩さないというのが国のやり方であって、それをいかにも加算しているような顔をしてはるけれども、先ほどおっしゃいましたね、枠は変わらへんのやと。しゃあないやんかと、それで辛抱せえやと、おまえ、仲間内でけんかしとけやという話に尽きるんじゃないでしょうか。部長、もう一遍お願いいたします。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
介護報酬の財源構成については一定のルールで成り立っておりますので、その財源の範囲内において、この地域区分による報酬の算定というのも、あくまで配分方法の調整として一定の範囲内で行うということで、全体の財源構成に影響を及ぼさないというところから考えられている仕組みと承知をいたしております。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)知事、お願いします。
要するに、全体として毎年1兆円ずつふえていくのをできるだけ抑えなあかんという気持ちはようわかるんですけども、だっと下げといて、いかにもプラスしてやったでというような顔をしながら、いや、枠の中やというのは、正直申しまして非常にしんどいんです。知事は、ずっと知事じゃなしに、やっぱりこの国を動かされる政治家の一人としてなられると、さらに進まれるというふうに思います。この話を聞いていて、こういう保険の仕組みというものに対してどうするんやと。滋賀県の知事として、そして一人の政治家として、これを改善しなきゃならんのか、いや、これはもう受け入れなしゃあないのか、どういうふうに判断されますか、一言お願いいたします。
◎知事(三日月大造) (登壇)ありがとうございます。大事な問題をお取り上げいただき、私も昨日以来、関心を持って勉強させていただいているんですけど、改めて。
一言でとおっしゃいましたが、ちょっと一言で語れないところもあるので、二、三申し上げたいと思いますが、介護保険は、2000年に創設されたときに、議員御承知のとおり、介護というもの、そういう社会的なサービスを民間の事業者の参入によってどう賄っていくのかということで創設されたと承知をしております。当然、民間事業者の参入ということですから、経営努力もあれば、また、さまざまな改善努力もあるということだと思います。
そういう中で、今、この介護保険報酬というものが、その時々の公務員の給与、すなわち地域手当によって、これに準拠して決められているという現状ですね。これには私は正当性はあると思っています。一定の正当性はあるが、全ての人が納得するだけの納得性という意味で課題があると承知をしておりまして、だからこそ、御紹介いただきましたように、平成27年の改定のときにもさまざまな改善が行われておりますし、その前にも、この国家公務員の地域手当のあり方も、以前は調整手当というものが地域手当に変わってきたというようなこともございます。
財政中立といえば、ふえるところもあれば減ったところもある、これは私は一定仕方ないと思っています。総額を一定抑えた上で、相対比較の中で、給与に基づき、また、さまざまな実態に基づき変わっていくということは、これは一定私は仕方のないことだと思っていますが、なお、この県内においても、白い地域と紫の地域、黄色の地域、さまざまな差があるという、このことをどう見るかということについては、今回改定されたことがどう影響しているのかというのを少し見てみたいと思っています。
当然、この介護保険報酬というものが変われば、働く人の給与は上がる面がありますが、これに基づき、加入されている方の保険料も上がったり下がったりしますので、こういうことがどう影響するのか、また、法人の皆さんの経営にも影響が出てきますので、そこがどう見るのかというような課題がありますので、今回の改定を受けて、どうそれぞれの地域で影響しているのかということについて、少し県内法人等に細かくヒアリング等をしながら、調査しながら、今後の改定にまたしっかりと意見を申し上げていきたいと考えております。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)医療のところに行かせてください。
診療所とか病院の窓口で払う診療報酬のとこですが、正直申しまして、この診療報酬の中に、実は介護保険の仕組みが始まるよりも先に地域加算が入ってるということを全く知りませんでした。この中で、地域加算が医療の診療報酬の中に入ってるということを御存じだった方というのは、ほんのわずかじゃないかなと思っています。何でこの世界まで、医療の世界にまで何で地域加算やねんというのは思います。この仕組みについて、実はよくわかりませんので、すんません、漠っとした話で悪いんですが、
健康医療福祉部長、この医療の診療報酬における地域加算の仕組みを御説明願います。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
診療報酬におけます地域加算は、医業経営における地域差に配慮するために設けられているということでございまして、国家公務員一般職の地域手当に関して人事院規則で定める地域および当該地域に準ずる地域に所在する保険医療機関に対しまして、入院基本料などの加算として算定できる仕組みとなっているものでございます。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)今おっしゃいましたように、外来部門は加算はないんです。入院のとこだけ加算があるんですね。これは何ででしょうか。
○議長(野田藤雄) 答弁者は部長ですか。
◆28番(生田邦夫議員) はい。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) 申しわけありません。そこまでは承知しておりません。
◆28番(生田邦夫議員) (資料掲示、登壇)そこに出しました滋賀県下の診療報酬の地域加算でございます。先ほど話がありましたが、近江八幡出身の方、まことに申しわけございませんが、ここも白字でございます。ようわかりません。全国の地域加算の一覧表はこれでございます。今、
健康医療福祉部長にお尋ねして、はっきりとした御回答はなかったんですが、何ゆえに、外来部門じゃなしに、入院基本料と、それから特定入院料、それからもう1つ、短期滞在型、何か書いてありますわ。この部分だけに加算してると。しかも、ここのところも、実は国家公務員の働く職場があるかないかということをまず基本にしてると。ここもかよと。介護だけじゃなしに、さかのぼって言うなら、医療のところ、これも国家公務員の地域区分かと。しかも、それよりも、ぴたっと合わないんですね。合わないんです。合わないし、今、部長もおっしゃったように、何で入院のとこだけ加算してんのかと、これもよくわかりません。わかりません。そんなん正当な理由って、説明する話なんか一つもないと思います。わからへん。これも今回知りました。実は、知りまして、これもお恥ずかしいんですけども、湖南市で仕事をしてます私から見たら、湖南市、初めてこのところについた。ついて初めて、えっ、何の点数やったんやという話をして初めてわかりました。そこから調べてみましたら、これも国家公務員の働く職場があるかないかということを基準にして考えていると。また、先ほどおっしゃったように、何か隣接する地域はどうやこうやとかいう、まあ、わけのわからんへ理屈こねてはると、これが現状でございます。滋賀県下におけるこの影響というものがどういう形で出てるんでしょうか。調べておられたら、健福の部長さん、お願いいたします。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) 医療診療報酬の地域加算の支給の総額はどうかという御質問かと存じますが、私どもで把握できますデータで、国民健康保険と後期高齢者医療制度について、この支給額を滋賀県国民健康保険団体連合会に確認させていただきましたところ、ことしの3月診療分、28年3月診療分では、この地域加算の額が780万円余りとなってございます。機械的に年間額を推計いたしますと、約9,400万円ほどになるかというふうに見込まれます。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)すんません、
病院事業庁長、笹田先生、お願いします。
私、つい最近知ったということを言いましたが、先生は十分前から御承知だったでしょうか。
◎
病院事業庁長(笹田昌孝) (登壇)ただいまいただきました御質問ですが、私自身は、今、この地域加算、医療における地域加算という名称は聞いて知っておりました。しかし、きょう、いろいろ学ばせていただいたその仕組みですとか歴史だとか、そういう点について、正直、十分承知し、今後、これ自体がどういうふうな位置づけになるのかということについても、これからまだまだ勉強せんといかんなというのが正直なところでございます。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)笹田先生、県立3病院は、年間、この地域加算で幾らぐらい入っていますか、金額的に。
◎
病院事業庁長(笹田昌孝) 実際の数字を御報告申し上げます。この平成27年度の実績でございますが、県立は3病院ございますので、成人病センターから申し上げます。平成27年度は738万円、28年度は602万円、少し下がっております。小児保健医療センターは、27年度が166万円、28年度、これは見込み額でございますが137万円、精神医療センターにおきましては、平成27年度が242万円、平成28年度が246万円、3病院合わせまして、平成27年度が1,146万円が平成28年度は985万円となっております。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)先生、28年度というのは見込みでしょうか。
◎
病院事業庁長(笹田昌孝) おっしゃるとおり、いずれも、今、私は言葉が足らなかったかと思いますが、27年度は実績でございますが、28年度は現在見込み額でございます。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)この仕組みでいきますと、同一の医療サービスを受けても、住んでいる地域によって患者負担が違うと。それから、診療報酬、点数が高いところ、地域においては、保険者の負担もふえてると。これは間違いないと思うんですが、先生、どうでしょうか。
◎
病院事業庁長(笹田昌孝) 今おっしゃるとおり、金額でいきますと、この加算ということの影響として、診療を受けられた患者さんに対する入院患者さんの基本料でございますが、入院された患者さんにおいてはその影響が出てまいります。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)特に医療のところにおられる先生にお伺いしますが、戦後の日本で、国民皆保険制度というものを日本はとって、この制度、仕組みによっていろんな恩恵をよくしたと思います。それが、要するに、同一の医療サービスを、日本全国どこにおいても個人負担も同じで同じサービスを受けられるというこの保険の仕組みが、今日の国を支える一つであったと私は思っております。これは間違いなく、長寿社会を迎えたどうやこうやというんじゃなしに、この戦後の日本国というものを支える一つの基礎であったと私は思っております。その中において、何年からかわからんですが、その中に、国家公務員の地域手当に準じて、それとあと、いろいろ形は変わってきたとはいいながら、国家公務員の働く職場があるかどうかによっていろんなランクづけをされてきたと。それが、外来の部門じゃなしに入院のところだけ、すっと潜らすようにこの仕組みを入れ込んできた。私、勉強不足で知らなかったんですが、先生もちょっとそれはそれなりにと。だから、そういう面からいうと、これはずっと、先ほど言いましたように、介護保険の仕組みが始まるまで、それよりも早いと、古いとお伺いしております。この仕組みがこれでええのかどうか、率直に先生のお考えを伺いたいと思います。
◎
病院事業庁長(笹田昌孝) まず最初に、同じ仕事につきます者として、先生のおっしゃる、医療というのが、全ての人がどこにおいても同質の医療を受けることが大原則である、これは、私は、世界において、日本のこの皆保険制度、冠たるもんだということで、これは非常に大事な制度だと、そのように理解しております。その点に関しては全く異論ございません。
ただ、この制度を実際それでは維持運用していくためには、その地域によって医療を提供する側が同質の運営をする必要が出てまいります。先ほどから説明ございますように、人件費というものを一つ考えてみますと、その同質の医療を提供するために、地域によって、ややそういう影響がある場合に、同質の医療を提供できる人材を捻出する、医療の提供者の側をそういう形で勘案する、そうして最終的に同質の医療を提供する、これも私は必要な視点ではないかと、そのように理解しておりました。ただし、この結果として、同じ医療をそれでは受ける側の方が地域によって違うという、そういう影響も出てまいります。このような影響をいかに小さくしながら、ぜひ、先生がおっしゃるように、全国どこにおいても同じ質の医療を同じ負担でもって受けられるように近づけていくという努力は私は必要じゃないかと、そのように理解しております。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)知事、お願いしたいと思います。
医業経営における地域差に配慮する観点から設けられているものでありますと書いてあるんですね。医業経営における地域差に配慮する、要するに、物価とか人件費とかいうことを考えて差をつけましたと。さらに基礎になるのは、国家公務員の働く職場があるかどうかということから始まった、そういうふうに間違いないと思います。しかしながら、私は、人件費がどうやこうやとか、物価がどうやこうやとかいう話は別の要素であろうと。それはそれなりに考えなきゃならんけども、この介護保険というもの、この仕組みの基礎に考えなきゃならんけども、この診療報酬の中に、あるいは患者さんの負担、それから、その地域の保険者の負担というものを考えるというところに、さっと、すっとと言っていいんでしょうか、入れ込んでおくというのには、余りにもやり方としては、ごめんなさい、言い方悪いんですけど、何かきれいじゃないと。別のところで考えるべきだろうと。先ほど申しました。ここも全体の医療費が毎年1億ずつ伸びていくのはかなわんと、抑えなきゃならん、抑えなきゃならんという形で、国はいろんな仕組みをつくっています。結局のところ、これも同じでありまして、一見優しいように国はやっているように見えるんですが、その実、厳しい状況になっております。これが実態でございまして、先ほど申しました、患者負担がふえる、地域によって違う、それから保険者の負担が高くなると、この現実は何ぼへ理屈こねたって変わらないと思っています。ここを何とかしないことには、この平等性とか正当性とか合理性とかいう問題に関しては、やっぱりクエスチョンがつきますと思うんですが、知事はどうでしょうか。
◎知事(三日月大造) 私、きょう、生田先生の御質問で、るる御指摘いただいて、御主張いただいて、クエスチョンがつくというのは私も共有します。医療者の大家であられる先生が初めて知ったと御謙遜されるぐらい、非常に複雑な制度になっていると思います。おっしゃるように、医療や介護という公的なサービスは皆保険制度等によって一律に担保されている、なのに、こういう報酬のところが地域によって差がある、おかしいじゃないかというのは、私はおかしい面もあるなと思うんです。ただ、そういう公的なサービスを、民間にも入っていただいて、経営、運用、維持、改善していくために、苦心惨たんの末、こういう制度を導入されてきたのが今なのかなというふうに理解をしています。いみじくも議員が、それはそれなりに考えなきゃならんのだがとおっしゃった、そのそれなりに考えなきゃならん、そういったところに、この国家公務員の地域手当というものを準拠する形で報酬というものが決められてきたのかなと思います。
今回、医療にしても介護にしてもそうです。介護は、27年度、28年度、29年度、3カ年で今の報酬体系がございますし、御案内のとおり、診療報酬については、28年度、29年度、すなわち、今度、平成30年度が同時改定の時期を迎えます。当然、高齢化の進展ぐあい、また、医療、介護、法人、病院等々の経営状況と、また、市町の財政状況というものも変化するでしょうから、そういった折に、こういった御疑問なり、また、地域間のいろんな御意見をどう調整するのかということについて、先ほども私は答弁しましたけれども、少し地域内のいろんな実態等をつまびらかに把握しながら、国ともよくよく議論をしていきたいというふうに考えております。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)まとめて申しますと、介護報酬のところも医療の報酬のところも、加算されるその基礎には、国家公務員というものの働く職場というものを考えながらやっておられる。それを基準という形で、何も疑問に、まあ、疑問にも思われたかもわかりませんが、それをずっと基礎に今日までこの仕組みをやってこられたということに対しては、正直申しまして憤りを感じます。違うやろと。物価というものだけを考慮する、それやったらわかります。私は、国家公務員の給与の決め方についても、人事院あるいは人事委員会の決め方についても、現実の我々の肌感覚とは違うと思っております。どこの部分、民間の給料のどこをとるかによって変わってきますから、どこまで行ってもぴたっと皆さん方と合う議論はできないかもわかりません。しかしながら、その私どもが持っている感覚が、公務員の皆さん方の感覚、さらに国家公務員の皆さん方、それから、この国を牛耳っている人たちの考え方と我々の感覚は、多少なりとも大きく、多少なりと違いますね、大きく変わると思います。それを、ずっと何の疑いもなく、何が問題やねん、何が問題やねんという形で今日まで来てるということの、その心の中が私は怖いと思っております、まずは。
それと、いつまでたってもこういう仕組みをいろんなところにおいてやられてるということに対しては、私は、地方が力を持つという意味からいうならば、かなり強力に国に対して意見を言わなきゃならん。県は、先ほど話がありましたけども、必死の思いはありません。火の粉はかかってませんもん、皆さん方には。現場にいる者たちは、必死の思いで、何ぼになるかな、何ぼになるかなという形を計算しております。まことに悲壮な思いして現在おります。それに比べると、県の職員さんたちも非常に涼しい顔であります。我々は、国家公務員に準じてどうやこうやとかいう話はもう堪忍してほしい。もういいかげんにしてほしい。これを正すことが地方自治だと、地方分権だと思います。何も難しいことはありません。これこそ我々が自立するという形の方向の一つだろうと思いますので、何とぞ県の皆さん方も、機会あるごとに、事あるごとに、国に対しては物を申しながら、県下のいろんな事業所において気張ってる者たちに対しては、そこそこ温かい目で見守りと、どうやってこいつら生きていきよんのかなという手助けをお願いしたいと思っております。
いろいろ申しまして、若干自分のところに入り込み過ぎたかなと思うんですが、ここに含まれてる問題は、人を平等に扱ってほしいと、公正さというものを保ってほしいという思いでやらせていただきました。何か皆さんに残ればいいかなと思いますけども、これで終わらせていただきます。
最後に、知事、まとめて何か一言、頑張ってやるでと、国に物申したるでと。大きなテーマではありますけど、そうじゃなしに、どうやねんなという思いがあります。どうでしょう。一言お願いします。
◎知事(三日月大造) 御指名でありますので。
生田先生、自分の中に入り込まれたと今おっしゃいましたけども、決してそうじゃなくて、我々も含めて、また、傍聴された方も含めて、へえー、そうなっていたのかということを改めて知る機会になったと思います。したがって、非常に今回の御質問で我々も大いに学ばせていただきました。
おっしゃったように、国が決めたこと、決めてきたことが全て正しいとは思っていません。したがって、県としてもしっかりと、現場の方の努力だとか切迫感、また緊迫感、これは、単価一つによって経営が大きく変わったり、また、保険料1円2円変わることによって、それぞれの方の生活が大きく変わるということを、我々もしっかりとつかみながら、国に対して言うべきことを言っていくということだと思いますので、今回のお取り上げいただいた介護、医療の診療報酬体系につきましても、30年度の改定に向けて、しっかりと現場の皆様方のお声をつかんで届けていきたいと思いますので、またお力添えのほうをよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
◆28番(生田邦夫議員) (登壇)ありがとうございました。(拍手)
○議長(野田藤雄) 以上で、28番生田邦夫議員の質問を終了いたします。
しばらく休憩いたします。
午前11時46分 休憩
────────────────
午後0時59分 開議
○議長(野田藤雄) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
次に、2番加藤誠一議員の発言を許します。
◆2番(加藤誠一議員) (登壇、拍手)それでは、早速でございますが、観光振興につきまして質問をさせていただきます。
先月、平成28年版の観光白書が国会のほうに報告をされました。その白書は、平成27年度観光の状況と平成28年度観光の施策から構成をされております。今回の白書では、全世界の国際旅行者数が2030年には18億人に達すると予想される中で、そのテーマを「成長する世界の旅行市場を我が国の活力に」、副題として「『世界が訪れたくなる日本』への飛躍」を掲げられました。
また、日本の観光でありますが、平成27年の延べ宿泊者数は5億545万人で、前年比6.7%の増と、初めて5億人を突破し、そのうち日本人延べ宿泊者数は4億3,908万人で、前年比2.4%の増加であります。一方、外国人の延べ宿泊者数は、実に前年比48.1%の増で6,637万人とのことでありました。
こうしたことから、成長する世界の旅行市場で、力強いインバウンド需要を我が国の成長戦略、地方創生の礎とすることが重要との考えも示されました。
その上で、質の高い観光資源づくり、観光産業の国際競争力の強化、そして、全ての旅行者が快適に観光を満喫できる環境の整備などについて、課題を整理し、我が国が目指す方向性も示されています。
もっとも、平成28年度に講じる施策は、ことし3月末に政府がまとめた「明日の日本を支える観光ビジョン −世界が訪れたくなる日本へ−」の具現化であります。このビジョンでは、訪日外国人の目標を、従来の2020年に2,000万人、30年に3,000万人から、20年には4,000万人、そして、30年には6,000万人へと倍増の上積みがされまして、インバウンドに力が入った目標となっております。
ただ、訪日外国人旅行客数が急増した原因は、やはり円安による日本での物、サービスを安く買え、多くの人が日本に来やすくなったこと、経済成長でアジア各国の所得が上昇し、海外旅行ができる層が拡大したこと、さらには、ビザの緩和など外国人旅行客の受け入れ拡大政策によるものだと思っております。いずれも、経済状況や国家規模の規制緩和を含む、これはマクロ的な観光増加の要因がありますが、まさに、これが政府、国の役割であろうと思いますし、こうした動きの中でそれぞれの地方がどのような施策を講じるのかであります。
翻って、本県の観光振興も平成26年に策定された観光交流指針によって推進をし、その指針のアクションプランが今年度も策定をされました。知事は、昨年、国の方針は訪日外国人の取り組みに偏重ぎみとの認識も示される中、本県は同時に国内観光にも力を入れるとのことでございました。まずは、3月末に国がまとめた明日の日本を支える観光ビジョンをどのように捉えておられるのでしょうか。そして、県の観光指針との整合性や、今後どのような方針で臨まれるのか、知事にお伺いをいたします。
今申し上げましたビジョンでありますが、この平成28年度の国の施策の中の一つに、世界水準のDMOの形成・育成というのがあります。このDMOは、デスティネーション・マーケティング/マネジメント・オーガニゼーションの略でございますが、御承知のように、このDMOは、観光地経営の視点に立った観光地づくりのかじ取り役として、多様な関係者と協働しながら戦略を策定し、それを着実に実施する調整機能を備えた法人と解されています。
一方、県の平成28年度アクションプランにも、地域におけるDMO形成・確立とありますし、昨年度には、滋賀県の日本版DMO候補法人として、びわこビジターズビューローを登録されました。端的に言いますと、ビジターズビューローを滋賀県の観光マーケティング、マネジメントを担う機関にするということでもあります。着地型観光の成功には、地域がみずからの手でマーケティングやPR、そして品質管理や資源管理などのマネジメントを行う必要があることから、DMOとして活躍するビューローに大いに期待をしたいと思っております。国は、DMOの世界水準化と言っておりますけれども、まずは、滋賀県における広域DMO法人として、しっかりと運営される組織になっていただきたいと思います。
そこで、びわこビジターズビューローは、DMOとして、現状はどのような水準なのでしょうか、伺います。既に日本版DMO形成・確立計画も提出をされております。その中で、自律的・継続的運営のための計画がございまして、その5項目から成る資金確保の見込みと、いつごろには自律的・継続的DMOとして、その力が発揮されるのでしょうか、お伺いをいたします。さらに、組織、体制等には課題はないのでしょうか。あれば、来年度に向けてどのようにお考えか、このDMOに関しては全て
商工観光労働部長にお伺いをいたします。
ところで、県の観光交流振興指針のアクションプランを毎年度明確にすることにつきましては、観光関係者等に対しまして情報や施策を共有するということでも当然でありますけれども、ただ、長期的な視点で対策、対応という点、検討はされているようでございますけれども、なかなか読み取れません。
そこで、提案でありますが、JRと協働で実施する大型キャンペーン、中でもデスティネーションキャンペーンに手を挙げてはどうでしょうか。これには準備期間が必要であります。そのため、既に平成30年度までは取り組む地方公共団体が決まっているようであります。国体などと同じように、手を挙げてすぐ来年できるというようなキャンペーンではありません。過去、本県も平成11年1月から3月の期間で取り組んだ実績もありますし、御承知のように、実施地域によって差はありますが、地域経済への確実に大きな効果をもたらしております。本来、こうしたことも、先ほどのDMOが主体的に取り組むことが望ましいとは思いますが、国体でありますとか、いろんな県政の長期的な動き、予算面も含め、やはりここは滋賀県が方針を決めないと動かないのではないかと思います。経済効果や長期的な県政の動きの視点に立った本県のデスティネーションキャンペーンに対する考え、今後の取り組みにつきまして知事にお伺いをいたします。
この長期的な視点といえば、昨年質問いたしました安土城の復元であります。これはとてつもなく長期なものでありますが、知事は、民間の方々のお知恵とお力をおかりして、このアイデアを観光振興にどう生かすのか研究したいということでありました。知事も御承知のように、ことしの1月ですが、NPO法人として安土城再建を夢見る会が設立をされました。この団体は、安土城の再建を目指すこともそうでありますが、滋賀の国際的な観光交流都市の形成に寄与するとの目的で活動をされております。
ところで、東京オリンピックが2020年に開かれますが、それまでに江戸城の天守閣を再建しようというプロジェクトが、これもまたNPO主導で盛り上がりを見せているということを知事は御存じでしょうか。実現すれば世界最大級の木造建築物になる見通しとのことで、世界中から観光客を呼び込むなど、経済効果が年間1,000億円を超えるとの試算もあるそうです。皇居の一角に再建しようと動いているのは、江戸城天守を再建する会という団体であります。再建を目指しているのは、1657年に江戸のまちの大半を焼いた明暦の大火で消失する前の天守閣でありまして、パリの凱旋門、ロンドンの時計台、ニューヨークの自由の女神のように世界に認知される名所を東京にもつくりたいとの考えがきっかけだったそうであります。その再建する会は、菅官房長官、当時の太田国交大臣にも面接をして実現を訴えられたそうでございますが、ただ、さまざまな規制をクリアしなければならないこともありまして、超党派の議員連盟の話もあるやに聞いております。私もぜひ頑張ってほしいと思いますが、既に一極集中の東京でも今もってこのような夢を追っております。地方創生のためには東京に負けない夢を持つことも必要ではないかと改めて思った次第であります。
確かに、こうした事例からも、民間でしかできない活動もありますが、一方、観光振興を掲げる県としても、ともに活動できることがあろうかと思いますし、活動しやすい環境づくりの支援も可能ではないかと思います。
そこで、知事に伺いますが、安土城に関しても民間のNPO法人が立ち上がりました。まずは、このNPOが立ち上がったことについて、どのように思っておられるのか、また、NPO法人との連携、支援など、どのようにお考えでしょうか、お伺いをいたします。
昨年12月であります。元滋賀県知事の武村正義さんの著作集「ムーミン・ハウスの窓から」という本が発行されました。知事も読まれたかどうかわかりませんが、この中に、過去に紙上「時事放談」として、これは平成22年4月に掲載されておりますが、安土城の復元というのと安土城の屏風探しという執筆部分が掲載をされております。要約いたしますと、初めの安土城の復元のところは、歴史の復元をドイツから学ばれた武村さんが、日本の歴史を代表するような建造物を公共事業として復元していこうと主張され、その代表格の一つが安土城とおっしゃっていますし、次の安土城の屏風探しについては、武村さんが知事のとき、本気で復元を考え、合理的な証明に必要な、ローマ法王に献上されたとする屏風の調査のためにローマに調査チームを派遣したこと。結果、法王庁の地図の間の廊下に飾られていたところまでの記録がわかったが、ここでとまってしまっているので、ぜひ屏風探しをこれからも続けてほしいし、国を初め、イタリアの関係者の一層の協力も仰いでいきたいというような投稿がなされております。
さきに申し上げましたけれども、民間は民間としての動きもありますが、一方、観光振興を掲げる県として何をされるのか、これまでの研究の状況、今紹介をいたしましたが、武村元知事の時事放談への投稿も踏まえ、いま一度、知事の安土城再建についての考えと今後の取り組みについてお伺いをいたしまして質問といたします。
○議長(野田藤雄) 2番加藤誠一議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)加藤議員、どうぞよろしくお願いいたします。
観光振興について、5点御質問をいただき、うち、私に対しては4点いただきました。
まず1点目、国のビジョンに対する認識、県の観光振興との整合性、今後の方針ということでございますが、2006年に私も同僚議員とともに観光立国推進基本法の制定にかかわらせていただいたんですけれども、その2006年には訪日外国人の数が700万人超でした。2013年に1,000万人を超え、そして、昨年、1,900万人を超え、当初、2020年と言っていた2,000万人がもうすぐというところでございますので、ここに来て大きく日本の観光というものが花開いてきたなということを実感しております。
ことし3月30日に国が策定いたしました明日の日本を支える観光ビジョンというものにつきましては、議員も御指摘のとおり、国の役割として、国家規模での規制や制度の見直し等による観光産業の国際競争力強化のための施策に力を入れているものと認識、理解をしております。
本県としては、観光交流振興指針の戦略に基づきまして、観光客の9割を占める国内観光客の誘客に力を入れるのと同時に、あわせて、外国人宿泊者数が平成27年は前年に比べて倍増している、この機会を生かしまして、多言語のガイドブックやウエブサイトで本県の周遊に役立つ情報提供を行うことにより、訪日外国人の方に、宿泊だけじゃなく、本県を周遊してもらえるように取り組んでいくことといたしております。あわせまして、さらなる外国人旅行者の誘客のためには、本県の認知度向上が必要でありますことから、広域連携の枠組みも活用し、より積極的に滋賀の魅力の発信に努めていくことといたしております。
2点目に、いわゆるJRのデスティネーションキャンペーン、DCの誘致ということについてでございますが、JRグループ6社が全国的に観光プロモーションを展開するデスティネーションキャンペーンは、大きな経済効果が見込まれ、その意義は大きいと認識しております。私も、JR社員のころに、ちょうど滋賀のDCキャンペーンがございましたので、広島の地から滋賀にお客様にということを社員としても取り組んでいたことを思い出します。
本県の観光振興における現下の状況は、「琵琶湖とその水辺景観−祈りと暮らしの水遺産」が日本遺産に認定され、ビワイチが全国的にも注目を集めるなど、本県の認知度を向上させ、滋賀ならではのツーリズムを展開する私は好機であると捉えています。
一方、このJR6社によるデスティネーションキャンペーンの実施に当たりましては、議員も御指摘いただきましたが、着地型観光でありますとかおもてなし環境の充実など、受け入れ環境の整備に向けて、一定の準備期間が必要でございます。
そこで、まず、DCキャンペーンに向けては話をしつつ、まずJR西日本やその他交通事業者と連携して、平成30年度に「虹色の旅へ。滋賀びわ湖」をテーマに大型観光キャンペーンの実施を計画しております。大型観光キャンペーンです。これはJRによるDCキャンペーンとはまた別のものでございまして、受け入れ環境の整備に向けて、県内各市町とともに観光素材の掘り起こし、磨き上げに取り組んでいるところでございます。
JR6社によるデスティネーションキャンペーンにつきましては、この大型観光キャンペーンの結果を検証いたしまして、平成36年度の滋賀国体の開催を見据え、最も適切な時期に実施できるよう、中長期的な視野から誘致を目指して取り組みを進めてまいりたいと存じます。
3点目に、安土城復元に向けたNPO法人の立ち上げについてでございます。
NPO法人安土城再建を夢見る会の理事長に、私も4月、直接お目にかかりまして、15年後の安土城築城450年までに再建を果たすんだという大変壮大なお話を伺いました。その後、観光と文化財の担当がこのNPO法人の活動状況や課題をお聞きするなど、現在、意見交換をさせていただいているところです。引き続き、一緒に話をしながら情報共有を図ってまいりたいと存じます。
その安土城再建に向けて、考え、今後の取り組みということでございますが、前回も答弁させていただいたように、大変夢のあるプロジェクトで、国内外の御関心や御興味を持たれる、そういった方々も多いと思います。現地での再建には、そもそも建築当時の設計図と絵図等の資料が必要であると認識しています。県では、安土城跡の調査整備事業において、安土城の復元に関する資料についても調査を進めてまいりましたが、現時点では建築された当時の設計図や絵図等の資料の発見にまでは至っていないということでございますし、もし仮にそういった設計図や絵図というものが見つかったとしても、その再建には莫大な経費が必要だということもございます。したがいまして、安土城の再建というものは、観光資源としては大変有効なものであると考えますが、実際に再建するというのは非常に困難であるというふうにも認識しています。仮に、安土城再建の可能性があるといたしましても、相当の時間がかかりますことから、まずは現状の特別史跡、安土城跡や県立安土城考古博物館、こういったものをしっかりと観光素材としてより活用できるよう取り組みを進めてまいりたいと存じます。そうしたことも考えるために、今週末、私自身もこの安土城考古博物館に伺いまして、現地の方々と意見交換をしてまいりたいと考えております。
◎
商工観光労働部長(福永忠克) (登壇)びわこビジターズビューローのDMOに関する御質問にお答えをさせていただきます。
日本版DMOにつきましては、地域の多様な関係者を巻き込みつつ、科学的アプローチを取り入れた観光地域づくりを行うかじ取り役とされているところでございます。
びわこビジターズビューローにつきましては、観光事業者、物産関係者を初め、いろいろな分野の多くの関係者を会員として抱えます公益法人でありますこと、また、これまでから継続的に本県観光に係りますプロモーションに取り組んできた、こういった強みを生かしまして、本年の2月26日に、1回目の登録といたしまして、全国で地域DMOを11件登録されましたが、そのうちの一つとしてDMO候補団体に登録されたところでございます。
この登録を踏まえまして、まずは先ほど申しました科学的アプローチを取り入れるための体制整備、これが重要でございますので、この5月1日にデータ収集、分析等の専門人材をビューロー内に配置したところでございます。これによりまして、日本版DMOの要件でございます科学的アプローチをまずはスタートできたことから、今後はマーケティング、これを充実させ、あわせまして安定的な資金の確保などにも取り組みまして、地方創生総合戦略の期間、平成31年でございますが、これをめどに滋賀県における観光づくりのかじ取り役となれる体制づくりに取り組んでいかなければならないと考えているところでございます。
なお、組織につきましては、今年度から県とびわこビジターズビューローとの役割分担の一層の明確化を図るために、県から新たに6名の職員を派遣するなどによりビューローの体制強化を図ったところでございます。今後は、より高い専門性を蓄積いたしまして、継続的に能力を発揮するために、中核となるプロパー職員の育成、これに力を注いでいく必要があると認識しているところでございます。
◆2番(加藤誠一議員) (登壇)ありがとうございました。
1点だけでございますが、安土城の関係。もちろん、知事が答弁されたのは、当然そういう感じやと思うんですが、1つだけ、紹介しましたけれども、かつて武村知事が一定のところまで探したけれどというところで、そこまでは突き詰めたと、その先がどうかというところでとまっているんですけども、やはり今、知事がおっしゃったように、こういう再建に向けた、まず1丁目1番地であります絵図でありますとか、そういうものを探すというのが非常に重要でありますし、それがないとその先に進めないというのも事実だと私も思いますが、武村知事がああいう状況で終わっていらっしゃいますけれども、三日月知事は、せっかく夢のある話だとおっしゃるのであれば、この屏風探しですね。この先、どういう姿勢で、全くもう関知しなくて探すつもりはないのか、いや、せっかくならやっぱり探す何かの、これは別に県が汗をかくとか、民間の方もいっぱいありますけれども、屏風探しについてどうお考えか、1つだけお伺いしたいと思います。
◎知事(三日月大造) 屏風探しの糸口を探りたいと思います。そもそも、この武村先生の御著書にも、問題は、その屏風がその後どこにしまわれたのか、あるいは誰が持ち去ったのか、調査はそこでとまってしまったと。その次ですね。当時は、法王が逝去すると、その法王を支えていた有力者が献上品を持ち去っていたとも言われているということで、もう既にそこにない可能性もあるということなので、少しどうやったら探す糸口が見つけられるのかということをちょっと研究してみたいと思います。
◆2番(加藤誠一議員) (登壇)糸口を探すということは、屏風を探す姿勢なんですけど、見つけられたらええなと、ぜひ。別に糸口もいろんな考え方がありますが、これは手段ですよね。手段はいろんなのを考えてもらったらいいんですけども、知事としても夢のあるアイデアだということであれば、せめてこの滋賀県が探す意思を持たないと誰も探してくれないと思います、まずは。少なくとも、滋賀県にあったお城を何とかする、何とかしたいという思い、先ほどNPOも立ち上がりましたけれども、そうした方の夢を、夢に終わるかどうかわかりませんけれども、まずはその1丁目1番地の屏風探しについて、今の知事の答弁では、糸口を探すなんて、まあ、探す方向だろうと思うんですけども、より積極的に探されるつもりなのか、いやいや、そうでないのか、そこをもう一回だけ教えてください。
◎知事(三日月大造) 長年行政経験をされた議員ですから、よくよく御存じのとおり、やはりもう知事が行政でやるんだということになると、やっぱり相当組織も動きますし、組織が動けば費用もかかると。その費用、組織を動かすに足るだけの価値があるものなのか、また、可能性があるものなのか、やっぱりよく確かめた上で物事を動かしていく必要があると思いますので、それを動かす価値、可能性があるものかどうかということをよくよく見きわめた上で最終的には決定したいと思います。
◆2番(加藤誠一議員) (登壇)いや、おっしゃることはわかるんです。ただ、その行政は、私も言うてましたように、別に行政がお金を出して、そういうものじゃなくて、これは文化財の一つになるかもわからんということも含めまして、やっぱりそういうことを探すと、皆さんにお願いするということだと思うんですけども、できれば見つかればこしたことないですよね。皆さん、そう思っていらっしゃるでしょう。ただ、そのときに、知事が、先ほどの糸口でありますけども、糸口を見つけて、できるならば出てくるように、皆さんのお力をかりてでも、先ほど民間の力とおっしゃってましたけども、そういう方向で民間の力をかりてでもやっていきたいと思っていらっしゃるかということを聞きたいんです。探すことに対して、民間の力、いろんな力もかりて、かりてというのは、別にそれをかりるさかいいうて、常にそういう、何ていいますか、事業にするとか、そういうものではないんですけれども、そういう知事も、できたら見つけたいなと思っていらっしゃるという部分があれば、ああ、そうかということで、これはいろんな県人会を含めて、ああ、ほんならという意識があるじゃないですか。せめてそういう思いをお持ちになっていただけませんかという話なんですけど。わかりますか。いや、知事がその糸口を探すということは、結局、積極的に、積極的と言うといかにもあれなんですけども、そこまでの積極的じゃなくてもいいんですけども、要は、何ていいますか、屏風を探すという、できたら探してみたいという、せめて、もう全く探すつもりはないのかという話なんですよね。糸口を見つけるというのは、探す意思もないのかなという部分にも聞こえるんですね。すんません、と私は思うんですが、もう一回だけ、そこだけちょっと。
◎知事(三日月大造) 議員、これ、ぜひちょっとまたじっくり議論しませんか。いや、ここで今、議場でこういう御提起いただいて、私は、前から申し上げているように、大変夢のある、そういうプロジェクトだと思いますし、行政や知事だけではできないので、民間の方のお知恵やお力もかりてできればいいなと思っています。
私がぜひ屏風探しをする糸口を探りたいと言ったのは、もちろん前向きな表現と受けとめていただければいいと思います。私自身の限られた時間、もしくは行政の組織の限られたマンパワーを動かすに足るプロジェクトかどうかということも含めて、皆さんで知恵を出していきたいと思います。
◆2番(加藤誠一議員) (登壇)わかりました。前向きな姿勢ではあるということがわかりましたので、とりあえずこれで今回は終わっておきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(野田藤雄) 以上で、2番加藤誠一議員の質問を終了いたします。
次に、11番藤井三恵子議員の発言を許します。
◆11番(藤井三恵子議員) (登壇、拍手)日本共産党の藤井三恵子でございます。
今回、一般質問、3点に大きく分かれまして質問をさせていただきます。
まず第1点目は、原発・防災対策について、一問一答制による質問をさせていただきます。
ことし4月14日、熊本を襲った地震災害から50日を経過した中、改めて多くのとうとい命をなくされ、また、被災をされた皆さんに対しまして、哀悼の意を表明するとともに、心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
さて、早急な復興を望むものでありますが、多くの皆さん、本当に今回の熊本地震、皆さんも御承知のように、最大震度7の地震、相次ぐ余震、過去にない2度にわたる大きな揺れにより多くの被害が出ました。想定外という言葉が多く報道されましたけれども、それから約2カ月が経過した中で、住宅、建物被害は約7万棟に上り、従来の耐震基準は通用せず、耐震補強を終えた学校や施設の避難所も被害に遭い、結局全部が入れず、車中での生活が余儀なくされた被災者が多かったというのも大きな被害につながったと思います。現地では、そうした中で、被災者の健康維持も命も脅かされ、いつまた大きな地震に遭うのではないかと心配な毎日を暮らしておられます。仮設住宅の整備のおくれや農林水産業の被害、また、仕事の問題も深刻な課題となっております。
そこで、滋賀県からも震災ボランティアなど派遣をされ、支援を強めていただいております。また、こうした結果を受けて、滋賀県においても他人事ではない、南海トラフや活断層が多く走っている状況のもとで、滋賀においての災害予防、大災害が起こった場合の応急救援対策、復旧復興対策などの
地域防災計画の充実が求められています。滋賀県では、平成27年3月に最近の計画をネットにアップされておりますけれども、最新状況からの見直しを図る必要があるのではないかと考えます。
そこで、第1点目の質問ですが、この熊本地震を受けて、滋賀県としても、最大限、被災者の安全を守る対応を計画を入れるべきだと考えますが、県の見解を伺います。
総合政策部長の答弁をお願いいたします。
○議長(野田藤雄) 11番藤井三恵子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎
総合政策部長(宮川正和) (登壇)
地域防災計画につきましては、これまでも、社会情勢の変化に応じて、また、最新の知見を取り入れながら、不断に計画の見直しを行ってまいりました。今回の熊本地震に関連いたしまして、現時点で、現地で支援活動に携わった職員の経験、あるいは各種の報道、こういった情報から課題の洗い出しを行っているところでございます。今後、さらに課題を精査しまして、市町とともに十分意見交換をしながら必要な見直しを行ってまいりたいと考えております。
◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)ありがとうございます。あらゆる角度での防災対策が本当に必要だと思います。
先日、新聞記事に、ことし2月に調査をされた防災に関するアンケートでは、住んでいる地域で今後30年以内に大災害が発生する可能性が高いと答えられたパーセントが載っておりました。太平洋側では住民の70%以上に対して、日本海側では50%未満が多くて、滋賀県はその間の50から70%という状況です。熊本地震以降はさらにふえていると予想されておりますけれども、いま一度、住民に対して危機管理の意識づけが大事だと考えます。
また、備蓄に関しても、全国の都道府県と政令市20を含めて、公的備蓄は3日分程度が3分の1、21自治体で、滋賀では2日分というふうに6つの自治体に入っておりました。1日というのもまたあったわけですけれども、本当に先日来お話を伺っていますと、3日分ぐらいは備蓄をという話を聞いていたので、その記事を見ても、しっかり住民の安全を守るというところと、熊本県での長い被災をされた方々の状況も踏まえて改善を求めておきたいと思います。
それでは、次の第2問目なんですけれども、広域での対応連携協定を県はおっしゃっておりますけれども、その対応マニュアルは確立をされているのか、
総合政策部長にお伺いをいたします。
◎
総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。
南海トラフ地震等の大規模広域災害等の災害時の県域を超えた対応につきましては、関西広域連合において、関西防災・減災プラン、あるいは関西広域応援・受援実施要綱などによりまして、発災時の初動対応の手順が定められております。また、中部9県1市広域災害時等応援連絡協議会では、応援受援県のカウンターパートがあらかじめ定められております。
東日本大震災や今回の熊本地震においても、これらのマニュアルに即して、現地の要請に応じて迅速、適切な対応がなされたものと受けとめております。
◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)ありがとうございます。
今もちょっと触れられましたけれども、3点目の質問ですが、先日、5月25日の新聞に載っておりました、海上保安庁が南海トラフのひずみが蓄積をしていると発表されたという記事を見ましたけれども、その中で、滋賀県にもひずみがあり、直下型地震への対応など、防災対策が求められているということです。県は南海トラフ地震や直下型地震に対しての対応についてどのように検討されているのか、
総合政策部長にお伺いをいたします。
◎
総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。
本県では、
東日本大震災の教訓や社会状況の変化等を反映して、平成24年度から平成25年度にかけて、南海トラフ地震および県内の主要な5つの活断層について、地震被害想定を見直し、公表をいたしました。この被害想定に基づき、
地域防災計画の修正や地震防災プログラム、物資の備蓄等各種対策について見直しを行っておりますし、また、実災害を想定した訓練を実施しているところでございます。
◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)今、具体的な防災計画にのっとって見直しを図りながら進めていただくということでお話があったんですけれども、4点目の質問ですが、その中で、今も触れられました防災計画の中での要配慮者対策の福祉避難所、これが設置とありますけれども、さきの代表質問の中でも知事が答弁をされています、市町の指定されている444カ所の福祉避難所がもし仮に使用できなくなった場合に、広域の
福祉避難所の使用がそのとき求められると思います。その場合の連絡体制等はどうなっているのか、
健康医療福祉部長さんに答弁をお願いいたします。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) (登壇)お答えをいたします。
地震等の発生時におきまして、市町の
福祉避難所が施設自体の被災や施設職員の被災等により使用できなくなった場合などには、県は、被災市町からの要請に基づき、要配慮者の人数や心身の状況等を勘案し、受入先となる
広域福祉避難所の検討、調整を行いまして、市町へ連絡をすることとしております。こうしたことから、迅速かつ円滑な要配慮者の移送、受け入れが可能となるよう、市町においては、日ごろから
福祉避難所となっている施設等との連絡体制を定期的に確認いただくよう改めて周知をしていくとともに、県においても、市町や
広域福祉避難所との連絡体制について、定期的な点検、確認に努めてまいりたいと考えております。
◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)午前中の質問でもありましたけれども、本当にそうした体制で連絡調整されて、市町が第一義的に防災の拠点、
広域福祉避難所ですか、そこで守られるということでありますけれども、熊本の地震のときにでも、その福祉の避難所に行ったけれども入れなかったとか、対応できなかったとかいう事例もありますし、実際、444カ所というのは全て見れるわけではないので、しっかりそういう連携を強めていただきたいなというふうに思っております。
5月26日に開かれました総合交通・防災対策特別委員会でいただきました総合政策部企画調整課の資料の中には、滋賀県の国土強靱化地域計画素案の中に要配慮者対策の推進とあります。支援体制の充実を図るため、
広域福祉避難所の設置に向けた
社会福祉施設等との協定締結や避難支援関係者等の協議を進めるというふうに書いておりました。対応されるところは違うと思いますけれども、こうした中で連携が必要だというふうに思っておりますし、今後も随時、そういう過去の熊本の経験も含めて、実際、人的な配置も言われていましたけれども、そういう連携強化を図っていただきたいなというふうに思っております。
次に移ります。
また、さきの地震災害から、滋賀県は、隣接する福井の原発災害にも備えることが強く求められております。福島第一原発事故から5年と3カ月が経過しようとしておりますけれども、3つの原子炉で核燃料が溶け落ち、3つの原子炉建屋が爆発して、大量の放射性物資が放出されました。全国には、10万人近い住民が今も避難生活を送られております。福島第一原発そのものも汚染水対策が難航するなど、今なお事故の収束が行えない中で、鹿児島県の川内原発や福井の高浜原発を再稼働、そして、福島の事故を忘れたかのように、政府は原発に固執した新規制基準なるものを持ち出して、さらに40年を過ぎた危険な原発を再稼働しようとしています。しかし、原発が事故後、全てとまった中で、私たちは約2年間、日本の電力需要は原発なしで賄っておりました。さらには、省エネ、再生可能エネルギー化が進み、通年では稼働原発ゼロだった2014年度のエネルギー起源のCO2排出量は前年比3.6%の減少であったことから、電力需要や温暖化対策でも原発に頼る必要がなかったことは事実で証明をされております。安倍政権が進める原発再稼働には何の道理もないということが明らかではないでしょうか。
そこで、5点目の質問でありますが、福井の高浜原発3、4号機の再稼働について、住民訴訟が起き、3月9日の大津地方裁判所で運転の差しどめ仮処分決定が出されたのも、皆さん御存じのとおりです。その結果、3月10日に関西電力は運転中の高浜原発3号機の発送電を停止しました。また、4号機は、トラブルがあって運転を見合わせております。大津地裁の司法の判断で運転中の原発が停止をしたというのは史上初めてのことであります。この結果についての受けとめ、知事の見解を伺いたいと思います。
◎知事(三日月大造) (登壇)藤井議員、どうぞよろしくお願いいたします。
今お尋ねの大津地裁の決定では、福島第一原発事故の教訓を踏まえた過酷事故対策や、緊急時の対応方法、基準地震動策定に関する問題点などについて説明が尽くされていないとされており、原子力発電所の安全性確保に重きを置いた決定であると受けとめているところでございます。
◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)今、知事がおっしゃられましたように、そういう状況のもとで、今、滋賀県内の脱原発の運動も大きく広がっております。また、福島事故から5年が経過をした中で、いまだに復興されずに、放射能対策も不十分なまま、収束も見えない中で国と東電は個人補償も打ち切ろうとしております。被災者の皆さんからは、これ以上の危険な原発は動かさないでと、全国各地で運動も広がっておりますし、それは当然だというふうに思います。
そうした中で、6点目の質問ですけれども、5月に開かれた滋賀県原子力安全対策協議会、原子力防災専門会議の合同会議を傍聴させていただきました。その中で、説明では、高浜原発1、2号機の新規制基準に適合すれば再稼働可能だという説明をされたと思います。全く司法の判断や現状を無視した原発に固執した態度だと考えます。関西電力は、新規制基準を満たせば、原子力は安価で安定的供給できるエネルギーだとして再稼働を進めようとしています。以前にも述べましたように、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、安全とは言えない新規制基準だと、国民を守る立場から、これは安全とは言えないというふうにおっしゃっていたと思いますが、その基準に適合したからといって安全は保てないと思います。また、使用済み核燃料の再処理、最終処分場の処分地が決まらない中で、危険な原発再稼働はやめるべきという態度表明を知事として表明していただきたいと思いますけれども、御見解を知事に伺います。
◎知事(三日月大造) お答えをいたします。
万が一の際に、その影響を受ける可能性のある本県として、琵琶湖を初めとする、その集水域の山々をお預かりしている本県として、実効性ある多重防護体制の構築が必要不可欠であると申し上げておりまして、その実効性ある多重防護体制の構築は道半ばであると。あわせまして、使用済み核燃料の処理や廃炉に向けた対策など、いわゆる原子力の静脈部分が未整備のままであるということでございまして、国全体として原子力政策についての根本的な議論や解決策が見えない現状においては、再稼働を容認できる環境にはないと申し上げているところでございまして、その考えに変わりはございません。
原子力発電所の稼働、非稼働にかかわらず、国および原子力事業者に対し、国民、県民に不安が残る現状を重く受けとめ、万全な安全対策を講ずるとともに、地域になお残る懸念に対して誠意と責任を持って対応されることを引き続き粘り強く求めてまいりたいと存じます。
◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)ありがとうございます。繰り返し知事の表明されている内容は変わっていないということで確認をさせていただきましたが、6月1日付の新聞には、運転開始から40年を超えたこの関西電力高浜1、2号機について、運転審査をして、7月には、その点検後、延長稼働が進められる手続が許可が出れば、20年延長するというようなことを載せられております。そうした中で、そもそも高浜原発3、4号機を動かす際に、1、2号機はもう使わないという条件で進められたということで国会での議論もあったというふうに聞いておりますし、その内容をほごにして再稼働を進めるというのは大問題だと思います。また、司法の判断も無視した中での、先ほども言いましたけども、申請はあり得ないと。滋賀県は、さきの協議の中で、関西電力と今後も含めた安全協議を締結するということで、さらに情報の中身についても県民に示していただきながら、しっかりと今知事がおっしゃったような態度を表明していただきたいというふうに思っております。
7点目の質問に入らせていただきます。
屋内退避についてでありますが、先日、滋賀県知事が、5月24日、政府へ「屋内退避が最適であるのか研究を」という題名で記事に載っておりました。この屋内退避についての見解と、これを踏まえた避難計画、変更されていないかどうか、今、問題になっておりますので、この点について、今後の計画も含め、放射性被曝のことを考えた中での避難計画が必要と思いますので、知事の見解を伺いたいと思います。
◎知事(三日月大造) 現在の本県の
地域防災計画原子力災害対策編では、原子力災害への防護対策として、まずは屋内退避を実施することといたしております。しかし、今回の熊本地震では、議員からも御指摘いただいたように、同一地域で震度7の地震が続きましたし、その後も大規模な余震が繰り返し発生したことから、被災された方が建物内にとどまることに懸念を抱かれ、屋外で過ごされる方が大変多くいらっしゃったということがございます。こうした経験等から、まず屋内退避を実施するという現在のこの避難の仕組みが、大規模地震との複合災害時にも最適であるのか、これは国とともに研究を行うことが必要であると考えまして、先般、国にも政策提案をさせていただいたところでございます。
◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)やっぱり実際に、今おっしゃられたように、熊本での事態も含めて検討していかないといけないというふうに思いますし、体験をされた、福島の被災をされた方々のお話も伺ったんですけれども、やっぱりそれが安全だといって国やら東電から言われてやっていたけれども、結局、放射能被害があったということで、子供さんたちの健康被害もあってるということをおっしゃっておられましたし、やっぱり今、見定めてしっかり改善をしていくということと、初動の、先ほど説明ありましたけれども、やっぱり住民を避難させていくというところの体制というのは十分考えていただきたいなというように思っております。
次に入ります。8点目の質問です。
福島原発事故による放射能汚染で外遊び等ができないお子さんたちに支援活動をする団体などへ、県は活動補助金ということで募集をされておりましたが、活動団体への支援の現状はいかがなものか、今の現状を踏まえて知事にお伺いをいたします。
◎知事(三日月大造) お答えいたします。
本県、滋賀県では、平成26年度から、放射性物資の影響から屋外で安心して遊べない子供たちを対象に、民間団体の皆さんが行うキャンプですとか県民の皆さんとの交流活動を支援してきておりまして、これまでに約200人の子供たちの受け入れを行っていただいているところでございます。本事業につきましては、本県の豊かな自然を生かした体験活動を通じて、被災した子供たちと県民の皆様との交流を積極的に推進するものでありまして、本年度も3団体への支援を予定しているところであります。
◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)ありがとうございます。滋賀の本当に自然豊かなところでのやっぱり子供さんたちが遊べる環境というのを整備いただいて、その活動を支援されている団体への補助をいただいているということに、本当に温かい思いをしているんですけれども、しかし、現状は、本当に全国に避難されている方々の中では、家族が本当に離散されたりというような事態も起きているということで、5年経過した中で、本当に先ほども言いましたように健康被害とかも出てきてますし、改めてそういう体制で連携していただきまして、全国でのそういう支援活動というのは、国が本当はちゃんとしなくてはいけないんですけれども、そういう滋賀でやっていただいているということに、さらに拡大していただいて支援をいただきたいなというふうに思っております。
先日、福島からの被災をされた方のお話を直接聞かせていただいたんですけれども、やはり子供の安全を第一に考えて、悩んだ末に、お父さんは現地でお仕事があるから福島から出られないと。しかし、子供の病気や症状から、これ以上ひどくなっては困るということで、お母さんとお子さんが違うところに避難をされたというお話を聞いたんですけれども、そういった御家族がすごく多いということも中に聞いております。現状を踏まえた中で、さらに結びつきというか、そういう団体とも連携して対応を求めておきたいなというふうに思っております。
次の大きな2点目の質問に入らせていただきます。
子供の医療費無料化拡充についてお伺いをいたします。
今年度、県民の要望の高かった就学前の子供の医療費無料化について改善がされました。よって、これまでの負担額の半分を県が負担することによって、市町の負担が軽減をされたわけですけれども、そこで、県内の市町では、少子化対策などの施策として子供の医療費無料化の対象年齢が拡大をされています。10月から日野町と東近江市で中学校卒業までの年齢拡充がされるというふうになっておりまして、全体で通院では小学校卒業までが2市、中学校卒業までが9市町となっていると。全体の自治体の半数に広がっております。
さきの質問でも明らかになりましたが、近畿圏内の府県でも実施率がおくれた滋賀県として、医療費無料化の拡充については県としても前進をさらに進めていただきたいと考えております。子育てをする家庭の経済力によって治療ができず、手おくれというようなことがないように、せめて中学校、義務教育が終了するまで拡充を求めていきたいと思いますけれども、滋賀県の見解を
健康医療福祉部長にお伺いいたします。
すいません、2点目。また、地方自治体が独自に医療費無料化を進めているところも全国で広がっております。しかし、そうした自治体に対して、本来、国の責任で子供たちを守らないといけないのに、医療費無料化を進めている自治体に対して、国民健康保険事業の特別会計への国庫補助金の削減などペナルティーを課していることが明らかになっています。これに対して、地方から問題ありと意見書が提出をされています。今後も引き続き、県民要求の高いこの子育て支援策に対する医療費無料化の拡充について、滋賀県は今後の運動も含めて進めていただきたいと思いますが、
健康医療福祉部長の見解を伺います。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) 子供の医療費無料化拡充についての2点の御質問にお答えします。
1点目の義務教育が終わるまでの拡充についてでございます。
本年4月から、県の制度として自己負担や所得制限を撤廃することで、就学前の子供の医療費完全無料化を実施いたしたところでございます。
御質問の中学校卒業までの対象年齢の拡大につきましては、さきの2月定例会議において知事から答弁しましたように、医師の疲弊、医療費の増嵩、県の財政状況等から総合的に勘案される必要がございます。まずは、今回、制度を拡充し、整えたということで、限られた医療資源、財源の中で、安全、安心な小児医療提供体制を確保しながら、現行の対象年齢での制度を安定的に維持していくことが重要であると考えております。
次に、2点目の国民健康保険のペナルティーに対する県の見解でございます。
子供の医療費助成に対するペナルティーに関しましては、昨年、県議会からも見直しを求める意見書を提出いただきました。さらに、今月2日に閣議決定されましたニッポン一億総活躍プランにおきまして、子どもの医療制度の在り方等に関する検討会での取りまとめを踏まえ、国民健康保険の減額調整措置について、見直しを含め検討し、年末までに結論を得ると明記をされたところでございます。県といたしましては、国の動向を注視いたしますとともに、子供の医療費助成に対する減額調整措置の廃止について、引き続き全国知事会等を通じて国に求めてまいりたいと考えております。
◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)2月定例会議でも言われましたが、やっぱり市町に努力していただいて、医療費無料化は、子供たちはやっぱり大事だということで守っていただいているし、小さい、とりわけ身近な市町のところでは本当にそれの要望が高いということで、前進させていただいている県内の状況も踏まえて、県ともやっぱり協力、共存の中で、この子供たちの健康維持、そして増進するためにも、医療費の無料化というのを、近畿圏内では進んでいるわけでありますから、滋賀県も、財政ということではなくて、しっかりこれを担保をして前に進めていただきたいなというふうに思っております。
あと、国保のペナルティーに関しては、国保新聞にも載っておりましたけども、いろんな御意見があるというのは知っているんですが、今後、統一化を図られて、県としての国保会計を見ていくという方向にあるわけで、その点でもやっぱりしっかりと国に対しての意見も上げていただき、知事会だけではなくて、行政からも担当部署からも声を上げていただけたらなというふうに思っております。今後もよろしくお願いいたします。
次に、大きな3点目の質問をさせていただきます。
県営住宅の整備計画についてお伺いをいたします。
ことし、政府は、2006年に施行した住生活基本法に基づく国民の住生活の安定の確保及び向上に関する基本的な計画についての見直しが閣議決定をされました。2016年度から2025年度までの10カ年計画で進められます。この見直し計画の中で、これまで入っていました公営住宅のあり方、考え方といたしまして、住宅困窮者が多様化する中で、住生活の分野において、憲法25条の趣旨を具体化されるよう、公平かつ的確な住宅セーフティーネットの確保を図っていくことが求められるということを趣旨として大事にされてきたところであります。今、不安定雇用や貧困格差が大きく広がり、住宅の面でも困窮している世帯がふえております。そうした中で、私たちの周辺でも公営住宅に入れないという声をたくさん聞きます。しかし、この間、全国調査の中では、2006年から2013年の8年間で公営住宅は2万8,122戸減り、UR賃貸住宅は2万214戸と公社賃貸住宅が2,703戸、合わせて5万1,039戸も減っているというふうに書いておりました。滋賀県においても、昭和40年代ぐらいに建てられた公営住宅が多くあると思いますが、耐震性なども問題になっているのではないでしょうか。今後、公共施設のマネジメント、長寿命化の計画も含めて検討される中で、高齢者や障害者の方々も心配なく生活できる居住環境の改善が求められていると思います。今後の滋賀県の整備計画についてどのようにお考えになっているのか、
土木交通部長にお伺いをいたします。
◎
土木交通部長(桑山勝則) (登壇)県営住宅の整備計画についての御質問にお答えいたします。
県では、これまでから、誰もが安心して暮らせるセーフティーネットの再構築というものを目指しまして、県営住宅の計画的な整備に取り組んできたところでございます。平成28年4月現在、2,967戸を管理しておりますが、耐震性につきましては、耐震診断および耐震改修を完了しており、全ての県営住宅で耐震性能を満たしております。議員御指摘のとおり、母子家庭、あるいは障害者世帯、高齢者世帯は、滋賀県におきましても年々増加してきており、こうした方々への対応も県営住宅の重要な役割であるというふうに認識してございます。
今後の県営住宅の整備につきましては、居住性向上、あるいは安全性確保の改修により長寿命化を図りつつ、快適でゆとりと潤いのある住環境の整備を進めてまいります。また、真に県営住宅を必要とする県民の方々が困らないよう、適正な住宅ストックの確保にも努めてまいります。
◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)ありがとうございます。本当に今の時期、大変な思いで暮らしていらっしゃる方がふえておりますし、そうした中で、市町の住宅とあわせて、公営住宅というところで、県営住宅の担う今言われましたような角度で重要性が高まっているというふうに思っております。先ほど述べましたように、全国の調査では8年間の中で5万1,039戸も減っているということでありますが、滋賀県の状況は、今後も見据えた中で、どのようにその点では計画をされているんでしょうか、お伺いをいたします。
◎
土木交通部長(桑山勝則) 再質問にお答えいたします。
今後の管理戸数でございますけれども、耐用年数を経過した住宅につきましては、地域のニーズ、あるいは応募倍率などから、建てかえ、あるいは用途廃止の判定を行います。今後の人口減少も踏まえまして、管理戸数につきましては減少傾向で推移していくことというふうにしておりますが、需要のないところは削減し、需要のあるところにつきましては更新していくといった適切な県営住宅の配置に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
◆11番(藤井三恵子議員) (登壇)意見として述べさせていただきたいんですけど、ニーズがないというところで、どういうところがあるのかというのがあるんですが、ニーズがないからといってどんどん廃止していけば、そこがまた過疎につながっていくということもありまして、やっぱり住宅というのは人が集まりますし、またそこで文化ができますし、いろんな角度でやっぱり重要性があるというふうに思います。私が住んでいる草津でも、たくさんお住みになっていらっしゃいますが、地域によっては減っている部分もあるというようなことでお聞きをしております。
先日、この防災の関係で見ましたら、避難をされた方が公営住宅に入るというのは1世帯だったというようなことが書いてあったんですけど、本当にそういう方も含めて、今、住居がないという震災に遭われた方も、そこの現地で建てかえられたらいいんですけれども、できないということもお聞きしておりますし、そういった形でやっぱり公営住宅というのは大事だなというふうに改めて思っているわけで、今後に向けて整備計画を進められる中で、そういうところも踏まえた検討をいただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。(拍手)
○議長(野田藤雄) 以上で、11番藤井三恵子議員の質問を終了いたします。
次に、5番目片信悟議員の発言を許します。
◆5番(目片信悟議員) (登壇、拍手)それでは、早速でありますけれども、発言通告書に従いまして、分割方式で全て知事に伺ってまいります。よろしくお願いをいたします。
先日、サイクリストの中でも評判のしまなみ海道にマイ自転車を積んで行ってまいりました。御存じのように、しまなみ海道は、向島、因島、生口島、大三島、伯方島、大島等の島を9つの橋でつなぎ、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ大変風光明媚な快適な道であります。
しまなみ海道の愛称で親しまれているこの道路は、地元の皆さんの利用はもとより、観光客、特に自転車で走行される方も非常に多く、今や自転車の聖地と言われています。平日であったにもかかわらず、ロードスポーツバイクからママチャリ、また、自転車通学の学生さんにも出会いました。特に観光目的で走っておられる方の多さに驚いた次第であります。
しまなみ海道の詳細につきましては、昨年9月に成田議員のほうから詳しい説明がありましたので、ここではあえて申しませんが、ビワイチもうかうかしてられないなという印象を受けました。しかしながら、ここに来て私は、何となくですけれども、ビワイチについて昨年当たりから少し潮目が変わってきたような気がします。これは、やはりこれまでの議会においての多くの議員の皆様方から、ビワイチイコール自転車という認識のもと、サイクルツーリズムの重要性をさまざまな角度から議論してきた結果であり、その集大成として、滋賀県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例、以下、自転車条例と言いますが、成立につながったのではないでしょうか。
ただ、それを今後どう本県における自転車利用につなげていくか、ハード面、ソフト面それぞれ課題もあろうかと思いますけれども、まさしくこれからが正念場と言ってもいいのではないでしょうか。自転車は、観光、健康、そして、まさしく環境にとって、私たち人間社会にとってこれほどよいものはないと思っております。毎回毎回しつこいと自分でも思いますが、提案も含めて知事に伺ってまいります。
まず、このたびの自転車条例制定以降、その後の進捗について伺います。
次に、先日、守山市で88歳の女性が自転車で横断歩道を走行中に自動車と接触し、頭を打ち亡くなられるという痛ましい事故が発生しました。高齢者のヘルメット着用については、自転車条例では、家族が注意喚起をするという努力義務として位置づけられておりますが、高齢者のヘルメット着用を促進する必要があると考えますが、見解を伺います。
あわせて、万が一に備え、保険への加入促進を図る必要があると考えますが、その促進策について所見を伺います。
また、先日、台湾自転車メーカーの会長が来県され、知事とともにサイクリングを楽しまれ、ビワイチは自転車の聖地となる可能性があるとの発言があったと報道されましたが、一方で、さらなる安全対策、これは自転車道の整備だと思いますけれども、それが必要との発言があったと仄聞しております。県北部のトンネル内や自転車歩行者道のない箇所も決して少なくありません。また、あわせて、湖周道路も管理する県として今後どのように取り組むのか、ロードマップも含めお示しください。
次に、観光・経済振興の視点においてお尋ねします。
ビワイチにより多くのインバウンドも含めた観光客の来訪が予想されますが、それに対応するためには、県のみならず琵琶湖沿岸市との連携は欠かせません。観光ルートの開発や飲食、また、名産名物品などの情報提供など、おもてなしは重要と考えますが、関係市町との連携についてどのように取り組まれるのか、伺います。
また、ビワイチの日というものを策定し、卒業や成人になった記念にビワイチに挑戦するとか、ビワイチの日に県民総参加を目標に湖岸道路においてビワイチを楽しむ、また、ツール・ド・ジャパンが日本でも開催され、堺ステージや京都ステージなど活況を呈しているとも仄聞をいたします。交通規制等の問題も十分クリアできると考えますが、こうしたイベントなど、世界に向けた情報発信につながろうかと思いますけれども、見解を伺います。
次に、昨年度、私も主張いたしました自転車によるビワイチの拠点づくりについて、今年度においては一気に進捗が図られるような勢いを感じます。ようやく県もビワイチイコール自転車という認識を持っていただけたのかなと。平成23年に取り上げた際には、県内周遊観光全体をビワイチ、それをブランドにしようといった方向性でしたが、大方のビワイチの印象、イメージが琵琶湖一周、自転車ということを理解していただけたようでうれしく思います。また、守山など湖南4市、彦根や米原においても、今後、拠点づくりとその充実に向けた取り組みが進んでおります。となりますと、大津や湖西方面は今後どうなっていくのか、大変気になるところです。
私は、まず、ぐるっとびわ湖サイクルラインの起終点となっております瀬田唐橋の中の島について、このまま放っておくのは大変もったいないような気がいたします。特に唐橋の東詰は、自転車走行と歩行者、また車両から見ても、交通の面から考えて大変多くの課題もあります。もちろん唐橋西詰もしかりです。そこで、ぐるっとびわ湖サイクルラインの起終点となっている瀬田唐橋中の島が県内各地の周遊拠点となっていないのか、伺います。あわせて、日本三大名橋と言われる瀬田唐橋周辺について、何らかの整備を行うことで大きな拠点になると考えますが、見解を伺います。
また、それぞれの拠点に来られるまでの交通手段も考慮しなければなりません。鉄道で輪行される方、また自走して来られる方、そして車で来られる方などさまざまです。特に、車に積んで来られる人や車で来てレンタサイクルを借りられる人にとっては、駐車場の問題は非常に重要です。それぞれの拠点において、駐車場の確保についてどのようにお考えか、見解を伺います。
先日、自転車利用促進議員連盟の総会において当局より示された「ビワイチ観光+サイクルツーリズムの推進」の資料では、7カ所の拠点からそれぞれ放射線状に県内観光周遊ができるような構想が描かれておりました。示されたマップでは県域全体が示されておらず、例えば甲賀や長浜などはイラスト等で隠されており、隠された地域は関係ないのかと議員連盟の総会でも御指摘を受けました。矢印で示すことはイメージとしては理解できますが、矢印に示された地域に限定しているかのような印象を与えます。
先日お邪魔したしまなみ海道において、以前、成田議員は今治から尾道まで走破されたかと思うのですが、私は、今治から大島、そして伯方島を周遊し、今治に戻るコースを走りました。それでも約四十数キロあったと思います。これは、来島海峡大橋のそばにサンライズ糸山という宿泊もできる拠点、ここでもレンタサイクルがあるのですが、そこに車をとめて自転車をおろした関係で戻ってくる必要があったからです。それでも、たとえ四十数キロであってもこの上ない満足感がありました。
今年度、本格的にルート選定に着手されるとのことですが、私のしまなみでの実感を申し上げますと、ここに来て琵琶湖一周、ビワイチの認知度は大変大きなものになっていますので、ここからはビワイチプラス周遊ルートの整備が経済効果を波及させるためにも大変重要になってくると思います。しまなみ海道では、先ほども申し上げたとおり、島々を渡りながら進むコースですが、それぞれの島において見どころ、食べどころなどが満載であることから、単に走るだけではもったいないと思わせるところがあります。もちろん、それぞれの島のガイドブックには、ふらっと立ち寄らせたくなるような案内が記載されており、その土地の名産や名物も楽しめます。
つまり、しまなみ海道の場合、きょうはこの島までとか、今回はこの島まで行って、次回はここからスタートしようというように、途中の島で走ることをやめてもリタイヤした感がありません。実際に私が今治で自転車をおろしていると、新居浜から来られた方が、滋賀ですか、ビワイチですねと声をかけてくださり、私はきょうは大島まで行って帰ります、次は伯方島から大三島にとおっしゃっておりました。
このように、ビワイチにおいても、県が既にお考えのように、それぞれの拠点から完結できるルートの選定をいち早く行うことが、さらなるビワイチバリューが上がるというものです。例えば、中の島を拠点に信楽から甲賀を回り、また唐橋に戻るルートで約80キロ、また、そのまま甲賀から湖南市を抜けて琵琶湖大橋東詰へ行っても同様の距離だと思います。早急にこうした完結できる県内観光地を結ぶ周遊コース選定を行うべきと考えますが、時期も含め見解を伺います。
いずれにいたしましても、ビワイチ振興には県、県警察、市町の連携が不可欠であり、また、議会や県民総ぐるみで盛り上げなければなりません。まさしく知事のリーダーシップ次第であります。
最後に、知事の意気込み、覚悟のほどがあればお伺いをいたします。
○議長(野田藤雄) 5番目片信悟議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)目片議員、どうぞよろしくお願いいたします。
ビワイチと本県経済・観光振興および自転車の安全利用について11点御質問をいただきました。いずれも向いている方向は同じですので、ぜひ一緒にやっていきたいというふうに思っています。
まず1点目、自転車条例制定後の進捗についてでございますが、自転車条例の内容をわかりやすくしたチラシやポスターを作成、配布し、市町を通じて自治会や学校への配布および公共施設への掲示等を行うとともに、条例施行後すぐに大津合同庁舎に横断幕を張り出すほか、マスメディアを利用した広報や県のホームページと県の広報誌「滋賀プラスワン」5月6月号への掲載を行ってきたところであります。
また、条例への取り組みが県民総ぐるみの運動となるよう、滋賀県交通対策協議会で定めます毎月1日の自転車安全利用日に合わせまして、同協議会の推進機関、団体などと連携し、4月1日にはJR石山駅前で、5月2日は石山高校前で、6月1日は堅田の大型量販店前で自転車条例の施行についての街頭啓発を行ったところです。
2点目、高齢者のヘルメット装着の促進についてでございます。
高齢者が自転車を利用中に交通事故に遭われた際、とっさの回避行動がとれず頭部を負傷する交通事故が多く発生しておりますことから、議員御指摘のとおり、高齢者のヘルメット装着を促進することは大変重要なことであります。こうしたことから、条例に規定されております自転車安全利用指導員が各地域で自転車交通安全教室を行い、高齢者とその家族の方に対してヘルメット装着の重要性を説明して奨励してまいります。
3点目に、万が一に備えた保険への加入促進策についてでございます。
自転車損害賠償保険等への加入義務に焦点を当てたチラシとポスターを作成し、市町を通じて自治会や公共施設に配布する予定であります。その自転車損害賠償保険の選択の一つとして、滋賀県交通安全協会の協力で、滋賀のけんみん自転車保険制度を創設していただき、6月1日から募集が開始されたところです。この保険制度は、年間保険掛金が1,000円からでございまして、年齢制限がなく、同居の家族全員が補償の対象となり補償額が1億円と、安価で内容も充実した保険制度になり、加入しやすいものとなっていると存じます。
4点目、安全対策にどのように取り組むのかということでございます。
ビワイチにつきましては、参加者が年間5万人以上になってきました。そういう中、安全対策の重要性は十分認識しておりまして、例えば、この議会でも御指摘いただき実施いたしましたが、矢羽根については、昨年度、約3キロ整備をいたしまして、今年度は湖北の山越え部を中心に約20キロ、次年度以降も継続的な整備を予定いたしております。加えまして、注意喚起の標識整備でありますとか、距離や目的地の路面標示など、利用者の安全性や利便性をさらに高める取り組みを行ってまいります。
議員御指摘のとおり、自転車歩行者道がないなど危険な箇所につきましては中長期的な対応が必要と考えておりまして、路肩の拡幅、緑地の有効活用など効果的な整備手法について、ロードマップも含めて検討してまいりたいと存じます。また、歩行者と自転車が混在する箇所では、歩行者の安全対策についても順次実施してまいります。
5点目、関係市町との連携についてでございます。
観光ルートの開発やおもてなし環境の整備等については、議員も御指摘いただきましたが、県、市町、交通事業者、関係団体等から成る滋賀プラス・サイクル推進協議会において取り組みの検討を進めており、この中で沿岸市、それぞれの市との連携を図ってまいりたいと存じます。
また、人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略の滋賀の素材・魅力磨き上げプロジェクトに位置づけております地方創生加速化交付金事業、自転車による琵琶湖一周「ビワイチ」による“体験型観光ネックレス”創造事業におきましては、大津市、守山市、高島市、米原市の4市と、サイクルステーションなどの環境整備や地域の魅力づくりなどの取り組みを行っているところでございまして、こういう取り組みを行っていけるよう、さらに取り組みを進めてまいります。
6点目に、イベントなどによる世界に向けた情報発信についてでございますが、スポーツイベントといたしましては、琵琶湖一周ロングライドを平成24年から開催しておりまして、この3月、第5回大会、私も途中まで参加いたしましたけれども、2,000人を超える参加で大変盛況でありました。
また、例えば、先日、台湾ジャイアント社の劉会長が来県され、私、守山市長などとともにビワイチを体験していただきました。その模様が先日発売された「週刊東洋経済」にも掲載されるなど、早速、その様子をネット等も含めて全世界に発信していただいており、大変大きな効果があると考えております。
卒業、成人などの記念日ビワイチの呼びかけでありますとか、完走された方への認定証の発行など、さまざまな取り組みも試行しながら、ビワイチを広く発信し、ブランドイメージを向上させるため、引き続きさまざまな手段を組み合わせて発信してまいります。
7点目、瀬田唐橋中の島についてでございます。
議員御指摘のとおり、現在、瀬田唐橋は、ぐるっとびわ湖サイクルラインの起終点とさせていただいておるところでございますが、今の現状が周遊の拠点になり得ているかといいますと、まだまだそういう状況にはないと率直に見ているところであります。
そしたら、その唐橋周辺に何らかの整備を行うことで大きな拠点となるのではないかという御指摘でございますが、唐橋周辺には、石山寺を初め、さまざまな観光資源が数多くございます。今後、何らかの手を加えることで、重要な一つの周遊拠点となり得る可能性を大いに秘めていると考えております。今後、地元大津市の意向も十分確認しながら、その可能性について考えてまいりたいと思いますので、お力添えよろしくお願いいたします。
9点目、駐車場の確保についてでございます。
議員御指摘のとおり、車で来られる方の駐車場の確保についても重要であります。例えば、レンタサイクルの拠点の一つであります守山のジャイアントストアでは、ラフォーレ琵琶湖と連携し、駐車場を確保、案内されておられます。今後、このような駐車場の確保については、レンタサイクルや周遊拠点の整備にあわせて、関係市町や事業者などとも連携し、利用者のニーズや実態に応じた対応の検討、調整を図ってまいりたいと存じます。
10点目、県内観光地を結ぶ周遊コースについてでございます。
サイクルツーリズムを琵琶湖沿岸のぐるっとびわ湖サイクルラインのみならず県内各地に広げていくことは、滋賀の魅力を体感していただく点においても極めて重要であります。ビワイチから各地域の周遊コースを結ぶことで、1周200キロのビワイチだけでなく、楽しみ方を選んでいただくための仕掛けにもなります。ことし秋のサイクリングシーズンに間に合うように、県内各圏域に自転車で訪れるにふさわしいコースを提案してまいりたいと存じます。あわせて、琵琶湖ならではということでいえば、船を利用したショートカットを含め、こういったコースも可能性があると思いますので、あわせて検討し、提案をしてまいります。
最後に、ビワイチ振興への意気込み、覚悟についてでございますが、先日来県された台湾ジャイアント社の劉会長は、健康、環境、経済の面で自転車が社会に貢献する自転車新文化を提唱されておられ、73歳で台湾一周1,000キロの、日本語の漢字でいって「環島」、中国語で「ファンダオ」をされました。この理念と、日常生活に自転車を取り入れようというプラスサイクルの考え方を合わせまして、ビワイチを「環湖新文化」「ホァン フゥ シン ウェン ファ」、中国語でこう表現されるそうですが、として推進し、また広報、発信もしてまいりたいと考えております。
ビワイチは、まさに新しい豊かさというものを実感できる、そういう極めて貴重な観光資源であると考えておりまして、議会でも議連を立ち上げていただいたということでございますので、ぜひ議員の皆さんや県民の皆さんとともに力を合わせて、まさに新しい文化をつくる意気込みで積極的に取り組んでまいりたいと存じますので、今後ともよろしくお願いいたします。
◆5番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございます。
3点再質問をさせていただきます。
まず1点目なんですけど、道路整備も含めた今後の整備のあり方なんですけど、私は、自前の財源だけを当てにしてそういうことを推し進めるのではなくて、県には珍しく特定の企業と組まはったなと思って私は感心してたんですけれども、そういった企業さんが幾つもあったら、先ほど言いました例えばジャイアントがそういうふうに進出をしてこられたと。例えば自転車の部品メーカーもあります。いろんなそういったメーカーがそれぞれの拠点のスポンサーになっていただいて、例えば今のサイクルライン、サイクルライン自体の名前も僕は気に入らんのですけど、もうそろそろ名前を変えていただきたいなと思うんですけどね。例えば、ビワイチロードとか何とかいうて、一周結んでいただいたその区間区間でそういったメーカーさんのネーミングライツをしていくとか、例えば守山から近江八幡まではジャイアントロードですと、近江八幡から彦根まではシマノロードですとかね。ごめんなさい、特定の会社名を出していいのかどうかわかりませんけど。そういったことに興味のあって、いろんなメーカーさんが賛同できるような、そういったネーミングライツ的な発想というのを考えて、そこで少しでも整備にかかる費用を集めることができる、そういった、県が公費でやるんじゃなくて、先ほども加藤議員もいろいろおっしゃったけど、やっぱり民間のそういった力をどういうふうに引き出していくのか、そういうことの工夫が要るのではないのかなと。自転車メーカーも部品メーカーも山盛りあります。そこの中で、やっぱりジャイアントさんが興味を示さはったんやったら、ほかのメーカーはなぜ示してくれはらへんのか、示してるんだけれども、そのルートがないのかどうかわかりませんけれども、そういったところもちょっと今後視野に入れながら琵琶湖一周を結んでいくみたいな発想があってもいいのかなと、そういった費用を整備に充てていくというような考え方、例えば看板一つでもそうだと思いますし、そういうふうなことを考えたらどうかと思うんですけども、そこの見解をお伺いしたいというのが1点。
それから、ビワイチの日とかそういったものは、やっぱりインパクトの問題で、ロングライドも確かに長年続けてはります。長年というのか、数年続けてはります。でも、ロングライドって、どこでもやってはるんですわ、各地でいろんな形でロングライドって。というと、確かにそれが情報発信の一つの方法としてはいいかもわかりませんけど、もっとインパクトがあるようなものというので、先ほどツール・ド・ジャパンというような、これは日本で年に1回開催されて、それももう限られた場所でしか今後開催しないというような方向らしいので、こういうようなものを引っ張ってきてやっていただくということも、それこそ世界のトップの方も来られるというふうにもお伺いしておりますし、そういった発想で周知をする、広告費をかけずに周知をしていくという方法も考えてはどうかというふうに思いますので、もう一度見解をお願いしたいと思います。
それから、唐橋なんですけど、唐橋は、琵琶湖のほうばっかり向いていても、もちろんビワイチの起終点という、サイクルラインの起終点なんですけど、これね、後ろというのか、京都のほうからも来られる方もあるし、京都のほうへ向いて行かれる方、例えば、あのまま422をずっと行かれて宇治川ラインから宇治のほうへ抜けていかれたり、また、422をそのまま行って信楽へ抜けていかれたり、精華町のほうへ行かれたりというのも多いんです。1回、暇ではないでしょうけど、走ってみてください、あの道を。そしたら、たくさんの自転車が行き交うと。ですから、当然、唐橋から北向いて行く部分と南向いて行く部分というところを私はちょっと想定して、そこを一つの拠点に考えられないかという発想なんですね。ですから、当然、県内でぐるっと完結する部分も、それから、京都を含めたそういったところに、京都や信楽とかそういうところを含めた周遊というのを見てると非常に多いという、それはもう各地それぞれの拠点から、県内各地いろいろあると思うんですけれども、そういったことの研究のために、ぜひ唐橋は一つの大きな拠点になり得るのではないかという提案をさせていただいているので、もう一度そのあたりも踏まえて見解をよろしくお願いしたいと思います。
◎知事(三日月大造) 3点再質問をいただきました。
いずれにしても、本当に大きな可能性を秘めた、まだまだこれから伸びる余地のある、そういう観光素材でありますし、私はサイクリングを含めてツールだと思います。したがって、ぜひ、今御提案いただいたことも含めて、県でも検討していきたいと思いますし、民間の方と協力してさまざまな取り組みが進められるようにしていきたいと思います。道路整備等々、案内標示も含めてなんですけど、ぜひそういう民間の方々と連携してというのは、お伺いしていてそうだなと思いましたので、少しどういう方策があるか、内部でもさらに研究をしていきたいと思います。
ビワイチの日のインパクトも含めて、ツール・ド・ジャパンですね。これも、道路を自転車専用で走らせることにどれだけ理解がいただけるのかということもあるんでしょうけど、今後の可能性として、ぜひみんなで議論をしたいと思います。
また、唐橋が、おっしゃったように、琵琶湖のほうを向いてだけではなく下流を向いてコースもつくれるんじゃないかというのは、私もそのとおりだと思います。事実、車で走っていても、自転車で走行される方も大勢いらっしゃいますので、かく言う私も、まだ琵琶湖一周、自転車でしたことありませんので……。(発言する者あり)いや、そうなんです。ぜひそれを、ちょっと近く私自身が全部を走ってみて、どれぐらい大変なのか、また、どれぐらい楽しいのかということも実感したいと思いますし、
土木交通部長は走りましたけど、このひな壇にいる我々も、教育長は走られましたかね。
議長は走られたということですけど、ぜひ実際楽しんでみて、ジャイアントの会長は73歳にして初めて台湾を一周されたということですので、ぜひ我々自身が1回楽しんでみて、そして、一緒に課題を見出し、改善に向けて努力をしていくという取り組みを、さらに私自身も旗振り役になって頑張ってやっていきたいと思います。
◆5番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございました。議連で走行会も企画いたしますので、その際にビワイチ、琵琶湖一周、ちょっとその節にはぜひともよろしくお願いしたいと思います。これはまたおいおいに議論をさせていただきたいと思います。
それでは、2点目、続きましてですが、多様な子育て支援と少子化問題の取り組みについて、一問一答で伺ってまいります。
大変古い話になりますが、子育て支援という、こういうことの質問を考えたときに、ふと以前に思い出したのが、平成23年度から取り組まれたほっと
安心子育て支援事業と、嘉田前知事の肝いりの施策が予算化をされ執行されました。その効果についてさまざまな疑問もあり、その後も県当局とは議論をさせていただきました。この事業については、平成23年度予算審議されている折からさまざまな議論があったというふうに仄聞もしております。これは、先ほどのお話じゃないですけれども、施策を構築する際に、さまざまな検討をされるのと同時に、終わった後にどういうことやったかという検証も含めて、以下、伺ってまいりたいというふうに思います。
当時は、児童虐待防止の目的として、一時預かりという形で、しかも、年に2枚のクーポンを使って子供を預け、保護者がリフレッシュをするという県の主張に、私は、効果は限定的であり、当時、予算額が約5,000万円だったというふうに記憶しておりますけれども、費用対効果に大きな疑問があると申し上げてまいりました。それよりも、地域で活動している子育てサークルや子育て広場の運営費を補助する県独自の基金や、また、制度を設けるなど、絶えず地域でそうした親子に寄り添える活動をしている団体などを支援することのほうが効果は高いのではないかというふうに思っていたもんですから、再三再四、当局に進言しましたが、子育て支援行政は第一義的には市町の役割と一蹴され、保育所を建てるための補助金などの施策を粛々と執行している状況に、県が県民のために行う子育て支援策とは何だろうと、今も釈然としないというところが実のところであります。
そこで、まず検証です。さきの代表質問においても、警察本部長から、児童虐待問題は警察としても大変大きな問題と捉えている旨の発言もありました。児童虐待防止の観点からモデル事業として4年間続けられたほっと
安心子育て支援事業について、利用実績などの数字も含め、その成果を
健康医療福祉部長に伺います。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) (登壇)お答えをいたします。
ほっと
安心子育て支援事業につきましては、平成23年度から26年度まで実施をし、その利用者数は7つの市町で1,370人、利用率は13.9%でございました。この事業により一時預かり事業の利用促進を図ることとしていたところでございますが、事業開始前の平成22年度と26年度の一時預かり事業の利用者数を比較いたしますと、ほっと
安心子育て支援事業を実施しなかった12市町の利用者数の合計が約1.2倍の増加であるのに対しまして、実施をされた7つの市町の利用者数の合計は約1.7倍増加しておりまして、一定、一時預かり事業の利用促進が図られたものと認識をしております。
◆5番(目片信悟議員) (登壇)また、その結果、児童虐待件数は減少したのか、
健康医療福祉部長にお伺いします。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
ほっと
安心子育て支援事業は、保護者に一時預かり事業の無料券を配布することによりまして、その利用を促進するとともに、保護者の育児に対する不安感や負担感を軽減し、児童虐待の未然防止につなげることとしていたところでございます。児童虐待の相談件数は、平成22年度と26年度を比較いたしますと約2倍にふえてございます。このほっと
安心子育て支援事業がどの程度児童虐待の未然防止や虐待件数の減少に効果があったのかということを検証することは難しいと考えております。
◆5番(目片信悟議員) (登壇)それでは、次に、この事業を実施した結果、どのような課題があったのか、
健康医療福祉部長に伺います。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
利用者や施設へのアンケート調査によりますと、利用者は、予約制が基本であるため、急な申し込みに対応してもらえない、あるいは、施設から遠方の家庭は利用しにくいといった声があり、施設からは、事業のための保育士の確保が難しいという声をいただいたところでございます。こうした声からは、利用ニーズに応えるためには、身近な場所での実施や安定的な実施体制を確保するための財政支援が課題であったと認識をしております。
◆5番(目片信悟議員) (登壇)今、いろいろと数字の上でお話をいただいたんですけど、先ほども議論がありましたけど、施策を構築する前に、さっきの屏風の話じゃないですけど、いろいろと検討してやると言って、これを評価するかしないかという判断なんですよね、今の数字を含めて。さっき部長もおっしゃったように、虐待に効果があったかどうかわからないって、これは虐待防止を目的にやるというふうな話で始められたというふうに私は当時の議論を思い返しているんですけど、やっぱりそれに対して、どういう実質、間接的か直接的かわかりませんけれども、効果があったのかどうかということが明確にならないということに、まして利用率が13.9%というのが果たして正しかったのかどうかということの反省を踏まえて、次、その課題も含めて、そういうことについて、その後の施策にどのように生かしたのか、具体の施策について
健康医療福祉部長に伺います。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
先ほど申しました課題を踏まえまして、一時預かり事業について、1日の平均利用者数が5人未満の施設に対する保育士の配置に対する財政支援や、利用促進の取り組みの拡充などを、平成25年度に国に対し要望を行ったところでございます。そうした結果、平成26年度から、一時預かり事業の利用者数の少ない施設に対する補助金の基準額の引き上げや保育士配置の要件緩和が図られました。こうした中、県内においては、平成26年度以降で、一時預かり事業の実施施設は19カ所ふえておりまして、これは平成25年度86カ所が27年105カ所とふえておるということでございまして、身近な場所での事業の実施が進んだというふうに認識をしております。
◆5番(目片信悟議員) (登壇)今年度予算においても、保育所建設のための補助に9億円余りの財政措置をしておられます。もちろん、これは待機児童問題解消のために重要なことだと思います。反面、ゼロ歳から2歳児を持つ保護者でも、みずからの意思で保育所に預けない方も数多くおられます。それぞれ保護者によってさまざまな考え方があるということを受けとめなければならないというふうに思います。
以前、嘉田前知事は、平成25年3月での予算特別委員会の総括質疑において、南部地域の専業主婦への支援より、まず保育所入所希望のお母さんへの支援が先だとの発言をされましたが、冒頭申しましたように、子育ての考え方は多様化しており、県行政として子育てに困っている親御さんを等しくサポートするということが基本だと考えますが、その後、どのような対策がなされているのか、
健康医療福祉部長にお伺いをします。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
保育所等の施設を利用しない子育て家庭に対しましては、これまでから、地域の子育て支援拠点で行う子育て相談や親子での交流、子育ての講座などの活動、一時預かりなど、市町が行う取り組みを支援しているところでございます。さらに、県では、市町に設置をされます子育て世代包括支援センターの運営を支援し、相談支援や必要なサービスにつなぐワンストップの支援体制づくりを進めているところでございます。
◆5番(目片信悟議員) (登壇)従来から県のスタンスは、子育て支援の窓口は市町というのが大前提というふうに理解はしておりますが、しかし、というものの、市町によっては、考える保育現場への支援というものが現場ごとにやっぱり違うというふうにも思いますし、してもらいたい支援というのもいろいろあって、そこにギャップがどうしてもあったりするというふうなことも感じます。それは活動する団体によってもまたその状況が違うというふうにも思います。例えば、大津市においては、子育て支援サークルや子育て広場などは指定管理で選定されていますが、子育て支援事業に管理料を下げる目的で指定管理者制度というのは、私はいかがなものかなというふうにも思っています。私は以前から何度も申し上げてきましたが、大津市に限らず、県内で活動する団体が等しく、より充実した子育て支援事業が行えるように県独自の補助制度を設けるべきだと考えますが、知事に見解を伺います。
◎知事(三日月大造) まず、端的にお答えいたしますと、今の時代、これからの時代、子育ての支援がいかにあるべきかということについて、県がどう取り組むかということは検討したいと思います。御案内のとおり、昨年度から子ども・子育て支援新制度が始まりまして、その中では、全ての子育て家庭に対する子育て支援の充実を図ることが大きな柱の一つでございまして、子育てサービスの利用のための相談支援ですとか、一時預かりですとか、病児保育ですとか、放課後児童クラブなどの補助制度の拡充が図られています。
県としては、こうした補助制度も活用しながら、地域の実情に応じて、NPOや子育てサークルなどの多様な主体の参画を得ながら、地域の子育て支援の充実が図られるよう、市町の取り組みを支援しているというのが今の状況です。さらに、こうした国制度ではなかなか対応できない地域の子育てサークルや団体の活動に対しては、県も支援を入れて県社会福祉協議会が設置されております子ども未来基金により助成が行われているところでございますが、この基金も残高が1,600万円余りということでございますので、さらに、国の消費税の税率引き上げの延期が行われ、その財源でもって行われる予定であった、こうした子育て支援充実の取り組みがどうなるのかといった動向もよくよく注視しながら、市町や地域の皆さんの御意見も承って、県としてどのようなことを行っていくべきかということを検討してまいりたいと存じます。
◆5番(目片信悟議員) (登壇)確かに市町と現場との感覚の違い、いわゆる市町の行政と実際に現場でやっている方の感覚の違いもあるし、いろんな人間関係の中でやっているという中で、必ずしも充実した対策が市町が打てるかというとそうでもない、現実問題として。そういったことにどう対応していくのかというのは、できるだけフリーハンドの中で客観的に判断ができるような支援制度というものを考えていかないと、市町は市町でいろいろありますわ、取り組み方が。それがまた市町によって変わってしまうと、あそこはええのにここはあかんとか、またそういう評価になったりすると。そういうことが困るので、県として一律こういう支援してますよというような形ができればなと私は思っておりますので、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
それでは、次に行きます。
本県もついに人口減少という大変憂慮すべき局面に入ってまいりました。先般の報道にもありましたけれども、本県の合計特殊出生率はおかげさまで1.57と高い水準であるとはいうものの、今後、さまざまな条件の動向によっては、人口減少が加速し、特に少子化が進行する事態となった場合、保育所の定員割れなどの事態はないのか、見通しを
健康医療福祉部長に伺います。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。
市町におきましては、ニーズ調査をもとに、市町子ども・子育て支援事業計画におきまして保育の必要量を見込んでおりますが、平成29年度をピークに減少する見込みとなっておりまして、近い将来、定員の見直し等が必要となってくるということが想定されるところでございます。
◆5番(目片信悟議員) (登壇)ちょっと次の質問は飛ばさせていただきます。
今、見解にもありましたように、そういうふうな減少するというような状況になるということは、大変憂慮すべき話かなと思うんですけど、そういったものも含めて、やっぱり出生率というのを上げていかなあかんというふうにも思うんですけども、有効な対策を打って具体的に本県の出生率を上げていかなあかんというふうに思うんですけれども、どの程度の数値を目標とされるのか、1回知事に見解をお伺いします。
◎知事(三日月大造) まず、私どもが持っている目標でございますが、総合戦略の中で、現在の出生数、約1万3,000人でありますが、これを維持することを目標にしております。ただ、その産む年齢の方は特に女性も含めて減っていきますので、これは非常に大変なことだと思っています。この1万3,000人を維持する目標のために、必要な合計特殊出生率としては、平成31年に1.69を目指すこととしているところで、これらを実現すべく、8つのプロジェクトを着実に進め、特に出産、子育て、就学、就労、こういった希望をかなえると、その取り組みを応援するということで何とかこの目標を達成していきたいと考えています。
◆5番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございます。そういったことも含めて、まず結婚して子供を産むという、子供を授かるというような環境をやっぱりつくっていかなあかんというふうにも私は思うんですけれども、乳幼児の待機児童問題同様に、子供が成長してから教育にかかる費用というのは、小さいころに比べると、はるかに負担は大きくのしかかっています。私も、ついこの間までは大学生2人を抱えて、もうふらふらになっている、そんな状況ですけども、親の立場からすると、家で子供に対してお金かかるなということばっかりを言うてしまうということがあります。そういったネガティブといいますか、そういった話というのは、子供心に非常にそういうものが精神的な圧迫になって、それが結婚やとか、その先の出産、子供をもうけるということに、結婚しても何もおもしろいことないでというような、子供ができたら今度はお金かかるなというような印象をやっぱり持ってしまうと。また、大概、私の周り、だんだんと子供が大きくなればなるほど、もうどうしょうという、そんな会話しか聞こえてこない。ということは、御家庭の中でもやっぱりそういった話が出てくる。アルバイトしてくれよとか、国公立行ってやとか、そういう話についついなってしまうということが、子供に対して無意識のうちにそういったマイナスのイメージを持って、結婚しても子供ができたらこんなことになんのやというような印象につながるのじゃないのかなというふうに思います。少なくとも経済的な部分ということの負担軽減を考える必要はあると思いますけれども、高等学校や大学における負担軽減対策等について知事の見解を伺いたいと思います。
◎知事(三日月大造) 私も目片議員の少し下の世代で、今、高校生が2人、中学生が1人ですので、だんだん手がかかるところからお金がかかる世代に入ってきました。ただ、確かにかかるものはかかるんですが、そういう子供たちとのかかわり合いの中で、もっと充実したものもあるし、こんなものを目指しているんだということを言いながら、親になること、子を持つこと、子と過ごすことについて、子供たちが前向きに捉えられるような、そういう人生を僕も歩めたらいいなというふうに思っています。
そうは言いながら、この教育環境、教育にかかる負担というものが、子供を持つこと、育てることに大きな負担となったり、また、ちゅうちょ、ためらいになるということは、大変大きな要素であるというふうに思っています。
現在、経済的な負担軽減策としては、高等学校では、滋賀県奨学資金の貸与というものに加えまして、授業料無償化に相当する就学支援金、非課税世帯を対象とする奨学給付金を措置しておりますし、さらに、私立高校に対しても特別修学補助金を措置しております。大学では、日本学生支援機構等の奨学金以外に授業料の減免制度を設けているところもございまして、例えば、滋賀県立大学では、生活困窮世帯等に対して授業料の減免や入学金を免除しております。
今月2日に、政府においてニッポン一億総活躍プランが閣議決定されて、その中で、家庭の経済事情に関係なく、希望すれば誰もが大学等に進学できるよう、給付型奨学金の創設を検討、まだ検討段階ですけども検討されるということで、奨学金制度のさらなる拡充を図ることも予定されているところでございます。
県では、子育て世帯の経済負担の軽減に向けて、全国知事会等を通じて要望を行っているところでございまして、引き続き、国に対して施策の早期実施を強く求めるとともに、そうした国の動向を注視してまいりたいと思います。同時に、ただ注視する、国の制度検討を待つだけではなくて、県内の高校や大学における授業料減免ですとか奨学金の受給状況についても改めて把握をし、今後の対策の方向性について県としても鋭意検討してまいりたいと存じます。
◆5番(目片信悟議員) (登壇)家庭のあり方もいろいろ今変わっているんですね。よく出てくるのが、子供の貧困とか、また、就学支援のあり方とかということの、そういったトータルということが、だんだんと聞こえてくる話というのが、夢や希望を与えるものでないことのほうが耳に入ってくるから、どうしてもそういったことになる。これやったらひとりでいたほうが気が楽やなとか、夫婦二人でいたほうが気が楽やなというような、そういった心境にならないように、いろんなそういうセーフティーネットじゃないけれども、対策を考えていかんことには出生率も上がらないし、それこそ子供の子育ての根本、子育ての話にもならないということになってくるし、根本的に成り立たないということになってくるので、そういったことをトータルで考えていただきたいなというふうに思います。でないと、さっき高校や大学の話をしたのは、例えば、滋賀県、こんだけいい制度がありますよと言ったら、県内の子はよそへ出ていかないし、よそから来た人に対してどうかということはまた議論は別にしても、できるだけほんなら滋賀県に住もうやという人がよりふえてくるんじゃないのと。条件がいいものであればですよ。そやけど、よそと比べてどうやと、それは住宅環境にもよるとは思いますけれども、そういった子育てするにいい条件だなというふうになれば、必然的にやっぱり人がとどまってくるということは私は考えられると思うので、特に経済的な問題というのは非常にやっぱり大きな課題だというふうに思いますので、今後、県の取り組むそういったものに期待をしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
終わります。(拍手)
○議長(野田藤雄) 以上で、5番目片信悟議員の質問を終了いたします。
しばらく休憩いたします。
午後3時3分 休憩
────────────────
午後3時29分 開議
○議長(野田藤雄) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。
次に、19番木沢成人議員の発言を許します。
◆19番(木沢成人議員) (登壇、拍手)それでは、早速通告に従いまして、大きく2項目について質問をいたします。
まず初めに、近江鉄道の創立120周年記念事業につきまして、一問一答方式で全て知事にお伺いをいたします。
来る6月16日に、近江鉄道は会社創立120周年を迎えることとなります。振り返りますと、1889年──明治22年の官営による東海道線の開通におくれること数年、旧彦根藩士族でありました大東義徹を初めとする士族や、現在の沿線の近江商人などの出資により、近江鉄道株式会社がまず設立をされ、その後、1896年──明治29年6月に会社設立の認可と鉄道敷設免許がおり、工事に着手、1898年──明治31年には本線であります彦根−愛知川間が開業、1900年──明治33年には彦根−貴生川間が開業、以降、路線を拡大し、1931年──昭和6年には本線である現在の米原−貴生川間が全線開通いたしました。その後、旧八日市鉄道の吸収などにより、現在の路線網が整備されることとなりました。
地域住民の足として、そして、かつては、工業製品はもとより、江州米を主とする農産物など沿線地域のさまざまな産品輸送の手段として地域住民に愛され続けてきたのは、その通称がガチャコンとして多くの方に現在も親しまれていることからもうかがい知れます。
この会社創立から120周年に当たる本年度は、この周年を記念し、また、地域の資源を生かした地方創生の取り組みとして、国の交付金を活用した事業が、近江鉄道、米原市、彦根市、多賀町、甲良町、豊郷町、愛荘町、東近江市、近江八幡市、日野町、甲賀市の近江鉄道沿線5市5町、そして県の連携によって実施されてまいります。年度が始まり、既にこの5月には多賀町エリアや愛荘町エリアでの近江鉄道を利用した記念ハイキング事業も実施されたところでございます。
そこで、こうした周年記念事業に関し、以下伺ってまいります。
初めに、県では、昨年度、人口減少社会を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略、いわゆる滋賀県版地方創生総合戦略を策定し、今述べましたように、国の交付金も活用しながら、市町との連携のもと各種事業を実施しようとされています。今回、地方創生という大きなキーワードの中で、近江鉄道のどのような価値に着目し、それを戦略の中でどう生かそうと考えておられるのか、お伺いをいたします。
○議長(野田藤雄) 19番木沢成人議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)木沢議員、どうぞよろしくお願いいたします。
お取り上げいただいた近江鉄道は、5市5町、5つの市と5つの町を縦断する広域的な地域鉄道であります。沿線住民の通勤通学等の移動手段として重要な役割を担っていただいております。地域経済活動の基盤としてはもとより、観光需要の創出を初め、沿線地域の活性化に不可欠な社会インフラとして重要な価値を持つと認識しております。平成25年に彦根・多賀大社線、湖東近江路線、また、万葉あかね線、水口・蒲生野線という愛称をつけられておられますし、平成20年には愛知川橋梁が登録有形文化財に、また、平成25年には鳥居本の駅が登録有形文化財に指定されております。こうしたことから、近江鉄道そのものの活性化が、当該地域、ひいては本県の地方創生につながるものと考えております。
こうした中、人口減少の影響を緩和し、住みやすい安心できる滋賀の暮らしの実現に向けて、人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略においては、むしろ、これは市や町の御意見を伺って反映させる形で、交通まちづくりプロジェクトとして、市町や交通事業者と連携して、まちづくりと一体となった地域交通ネットワークの再構築に取り組んでいくこととしておりまして、とりわけ近江鉄道など地域を支える鉄道等の交通インフラの維持確保の促進に取り組んでまいりたいと考えております。
あわせまして、国の地方創生加速化交付金事業に採択されました「近江鉄道」沿線魅力再発見・創出事業を通じまして、近江鉄道の利用促進と沿線地域の活性化を図ってまいりたいと存じます。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)ありがとうございました。今、価値についても述べていただいたんですけども、ちょっと補足しますと、私鉄で一番古いのが関西でも有名な南海電鉄だそうで、こちらは近江鉄道よりもう少し古く、132年ぐらいになるんですかね、明治期から数えて。明治の時代に、文字どおり、たくさんのそういう私鉄の鉄道が引かれたわけですけれども、1906年に鉄道国有法という法律が公布されまして、そのときに数多くの私鉄鉄道が国鉄という形で買収されたということになっております。そうした以前から引かれていて、設立当時から現在も社名が変わらず存続しているという鉄道でいきますと、近江鉄道が日本一古いという鉄道だそうです。次に古いのが関東を走っている東武鉄道ということになるんですけども、まず、その日本一古い私鉄であるという価値も、これはちょっと後のほうでまた言及しますけれども、ちょっと皆さんに覚えていただきたいなと思います。
次の質問ですけども、周年記念事業の実施に当たりましては、市町の連携事業、市町の単独事業、県の単独事業が予定をされ、それぞれが相互に連関しているわけでございますが、その中で県が果たすべき役割は何かと考え、それをどのように具体的に実行されようとしているのか、お伺いをいたします。
◎知事(三日月大造) そういう古い価値を持つ近江鉄道、また、さまざまな価値を持つ近江鉄道を、沿線市町ならびにその会社と協働連携して事業を効果的に実施するために、県は旗振り役、関係団体等との調整役、そして県外への広報発信役として取り組んでまいりたいと考えております。
こうしたこともあり、去る5月19日に、当事業の実施主体として、県
土木交通部長を会長といたします近江鉄道沿線地域活性化協議会を沿線市町および近江鉄道とともに立ち上げたところでございます。当協議会には、県および沿線市町、交通関係部局と観光関係部局の双方が参画しておりまして、相互に連携して、イベント列車の運行や近江鉄道を利用した新たな観光ルートの造成など、交通、観光の両面から沿線地域の交流人口の拡大を目指した取り組みを進めていきたいと考えております。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)先ほど申し上げましたとおり、来る6月16日は、この120周年を記念して、1960年代から1980年代まで走っておりました復刻カラーの通称赤電車の出発式が彦根駅で開催され、文字どおり、一連の120周年事業がキックオフされるように仄聞をしております。これを受け、元鉄道員としての知事には、ぜひともこの120周年事業を大いに盛り上げていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
◎知事(三日月大造) 近江鉄道という会社が創立されて120周年というのは、一つの大切な大きな節目だと存じます。この事業では、年間通じて、県および沿線市町はもとより、近江鉄道においてもさまざまな事業が計画されていると承知しておりまして、元鉄道員であり、鉄道ファンの私としても大いに楽しみにしております。
そこで、6月16日の創立記念日に合わせて、今御紹介いただいた昔懐かしい通称赤電が復刻されるということでありますので、その出発式に私自身も参加し、皆様とともに創立120年をお祝いしたいと考えております。
また、秋に運行を予定いたしております地元産の農畜水産物を使った料理やデザートを車内でお楽しみいただくイベント列車「おいしが うれしが電車」は、最も期待している事業の一つでもございます。この「おいしが うれしが電車」にもできれば参加して、沿線住民の皆さんや乗客の皆さんと一緒に列車の運行を盛り上げていきたいとも考えております。ぜひ、議員におかれましても、地元沿線地域が一体となって取り組みが進められるよう、お力添え、御支援賜れればと存じます。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)当初、近江鉄道さんに確認したとき、それからまた交通戦略課と協議をしていたときに、この出発式がもう少し何かこじんまり地味に始まるような感じだというような話を聞いていたんですが、そういう形で知事も行っていただけるということで、本当にありがたいと思いますし、東近江エリアからも、地域で今いろんなことで盛り上げていただいているような方々がちょっと行っていただけるというような話も伺っておりますので、ぜひ当日、一緒に盛り上げていきたいなと思っております。
それでは、次の4番目に移らせていただきますけれども、具体的にちょっと事業のところでございます。今も言及ございましたが、周年事業に掲げられております広域連携型事業のうち、新たな広域観光ブランドの創出および魅力発信事業についてお伺いをいたします。
その構成3事業のうち、地元食材のPRと消費の促進事業では、沿線市町の地元食材を使ったプレミアムメニューを車内で提供する電車を、今御紹介いただきました「おいしが うれしが号」として限定運行されるとのことであります。地元食材のPRと、県が推進している「おいしが うれしが」ブランド食材の販売促進を図り、鉄道旅の新たな魅力と沿線地域の食の魅力を一度に味わってもらうのがその事業目的となっておりますが、そもそも、この列車はどのような乗客をターゲットにし、この事業効果が及ぶ範囲をどう捉えておられるのか、お伺いをいたします。
◎知事(三日月大造) 今御紹介いただきました現在計画しております「おいしが うれしが電車」は、県産食材の魅力の発信を通じて、県内外の方々に近江鉄道沿線地域の魅力を再発見していただくことを目的にしておりまして、主に食にこだわりのある女性や、京阪神、中京圏の観光客などをターゲットとしていきたいと考えております。こうした方々を呼び込むことで、利用者からの口コミやSNSでの発信が期待できますほか、「おいしが うれしが電車」そのものを広くメディアに取り上げていただくことで、近江鉄道とその沿線地域の魅力を発信していきたいと考えておりますし、こうした「おいしが うれしが電車」の運行を通じて、新たに沿線地域の生産者や料理店との結びつきができることも事業効果の一つであると考えているところであります。一過性のものに終わらせることがないようにしっかりと取り組んでいきたいと思います。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)今年度の運行につきましては、どちらかというと試験的というか、パイロット運行みたいなことで、今もおっしゃっていただきましたけど、来年度以降どうつなげるかと。将来的には定期運行になるようなものに持っていきたいというような事業趣旨が書いてあったと思うんですけども、ぜひその辺は本当にしっかりと取り組みを進めていただきたいと思います。
そのことに関連しまして、次の5番目なんですけれども、この事業実施に当たりましては、県、市町ともに部局の連携が必要だと思いますし、また、地域の農業者や農業団体、そして、今も言及がありましたけども、料飲事業者さんとの連携も欠かせないと思いますけれども、どのようにしてこれらの連携を図られるのか、お伺いをいたします。
◎知事(三日月大造) 御指摘のように、庁内における部局連携はもちろんのことでございますが、地域の農業者の方々、農業団体の皆様、また料飲事業者、これは飲み物をつくっていらっしゃる、地酒もそうですけれども、ビールも含めて、料飲事業者の皆様方との連携は本事業を効果的に進める上で大変大切な視点であると考えております。このため、関係市町の担当者で構成いたしますワーキンググループにおきまして、地域に根差したそういう人々や団体の情報を広く収集、また共有するとともに、生産者のネットワーク等を活用させていただいて、幅広く個性豊かな食材や特産品が提供できるように連携をつくり、また積み重ねてまいりたいと存じます。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)冒頭にも言及いたしましたけれども、まさに近江鉄道の沿線というのが滋賀県における一大農業地域だと思いますし、まさに今の特Aを取りましたみずかがみとか秋の詩にいたしましても、近江米の主要産地ということもありますし、本当に沿線にはたくさんの魅力ある食材があると思いますので、本当にその価値の発信とともに、今も申し上げた農業者さんであったり、また料飲事業者さんであったり、そこで日々事業をされている方に効果が及ぶというような形で、できるだけ多くの方の参画をいただけるような取り組みをいただきたいと思います。
次、6番目なんですけれども、構成事業の一つ、新たな広域観光ルートの設定事業におきましては、近江鉄道沿線地域を一つの観光エリアとして、沿線市町が一体となった誘客活動を進める上で必要となる広域の観光マップを作成し、新たな観光ブランドを発信していくとされております。具体的には、沿線の観光施設としての地酒の蔵元や工場見学、寺社仏閣を巡る周遊ルートの設定をなされようとしておりますが、特に現在、地方創生の柱の一つとして注力しております、先ほども目片議員のほうから質問ございましたけれども、ビワイチサイクルツーリズムとは積極的に連動した取り組みを進めるべきと考えますが、その取り組みについてお伺いをいたします。
◎知事(三日月大造) 御指摘、御紹介がありました広域観光ルートの設定については、協議会の中に設置しております地域魅力発信ワーキンググループにおいて、沿線市町の交通、観光部局とともに地域の魅力を生かし、近江鉄道を使って沿線市町を回ってみたいと思っていただけるような周遊ルートを設定したいと考えております。
議員御提案のビワイチサイクルツーリズムとの連動につきましては、近江鉄道においては、これまでからサイクルトレインの取り組みを進めていただいておりまして、一定の実績もございますし、こうした取り組みとビワイチサイクルツーリズムとを連動させることにより周遊ルートの魅力がさらに増すものと考えております。
今後、ワーキンググループにおいて、例えばビワイチからの周遊ルートをマップに掲載することでありますとか、沿線で拠点となる駅での案内ポスターの掲載など、効果的な連携方策について議論をし、取り組んでいきたいと存じます。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)ありがとうございます。米原駅で近江鉄道さんは新幹線にも接続しておりますので、ビワイチのサイクルツーリズムの取り組みの中では、米原駅に拠点もできてくると、そういう流れにもなっています。近江鉄道さんのある意味いいところは、そういう米原もそうですし、近江八幡駅もそうですし、また貴生川駅もそうなんですけども、全部JRと接続して、そこからの乗りかえで入っていけるというところが一つの大きな利点でもあると思います。
一方で、沿線地域のそれぞれの観光資源を見ておりますと、なかなか駅から徒歩で行くにはちょっと遠い、それをまた回っていくには、現状でもバスなりルートがなかなかないというようなところもある中で、自転車でのそういうところのルートを設定して回っていくというような形をつくれれば非常に効果的、そしてまた、沿線は自然も非常に多いので、走っていても楽しいところがたくさんあるかなと思いますので、ぜひ、まさにサイクルトレインの取り組みを既に実施されているところの強みを生かしていただきたいなと思います。
それでは、次、7番目の質問に行かせていただきます。
次、県の単独事業の部分でございます。
県が主体となって進める事業にインバウンド事業が挙げられております。そもそも外国人のとっての近江鉄道の魅力とは具体的に何であると考え、どのような外国人をターゲットとしてこの事業の取り組みをされようとしているのか、お伺いをいたします。
◎知事(三日月大造) 大きく3つあるのではないかと思います。
1点目は、何といいましても、その沿線地域に、彦根、また近江八幡、日野、五個荘、貴生川含め、また多賀大社を含め、こうした日本の文化を感じられる観光施設があるということでございます。
2つ目は、議員も御指摘いただきましたが、極めて昔ながらの日本の風景、田園風景の中、ゆっくりとガチャコンガチャコンと走っていく、このワンマン車両でありますとか面影ある駅舎、こういった風景というのも近江鉄道の魅力です。
また、昨年度、近江鉄道グループさんが本県に台湾の旅行会社10社を招待された際には、車両内で食事やお酒が楽しめる企画電車が非常に珍しく好評であったと伺っております。こういったことは、ビア電含め、地酒電車含め、いろんな取り組みをされているこの近江鉄道ならではの取り組みとして非常にいい訴求効果があるのではないかと考えているところです。
近年、訪日外国人の多くがアジア圏からの観光客で占められておりますし、特に台湾からの観光客が一番多いという状況もございますので、本事業においては、ターゲットを主に台湾とさせていただき、本年11月に台湾で開催される国際旅行博においても、イベント電車や沿線地域のPR活動を行うとともに、魅力的な旅行商品の造成にもつなげていきたいと考えております。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)現在、滋賀県に訪れておられる外国人の国別を見ますと、圧倒的に知事もおっしゃっているように台湾の方が多い。それから中国とかその辺が続いてくるかと思いますけど、もちろん一義的にまずその辺の方々をターゲットにするというのは非常に大事な取り組みかなと思います。
一方で、例えばお隣の京都とかと比べたときに、ヨーロッパですとかアメリカ等の欧米からの旅行客というのは、大体半分ぐらいの数字なんですかね、パーセンテージ的に見たら。そういう状況だと思うんですけども、先ほどから申し上げています歴史的な古い近江鉄道自体の歴史であるとか、その辺の長年の事業の中で培われてきたいろいろなものであったりとか、そこの資産というのを見たときに、欧米の方々って、非常に逆にこういう古い鉄道とかをこよなく愛するといいますか、そういうのを大事にする文化を持っておられる方が結構いらっしゃいます。実際、現在でも、例えば愛知川のところのあそこの橋なんていうのは、昔、ロンドンの英国の会社からつくったものを輸入して、それがまだかかっているというような状況なんですけども、彦根に置いてある機関車なんかも、昔、それはもともとは国鉄が輸入したものですけど、今から90年前ぐらいのGEでつくられた、そういう古いものがまだ現在残っていると、そんな多分つながりとかもありますし、そういう価値というのは非常に好きな方はいらっしゃると思いますので、台湾は台湾で非常にいい取り組みだと思うんですけども、1つ、そういう欧米というのもまたターゲットにしていただけるといいのかなと思いますので、これはまた、まず事業をやっての次のステップということでお願いしたいと思います。
それで、次、8番目なんですけれども、事業全体の趣旨、目的の説明の中に、住民との連携という言葉、記載がございました。間もなく、まさに来週120周年を迎えるものの、現在のところ、この沿線の各地域の住民さんが、この地方創生事業に積極的にかかわり、120周年を文字どおり沿線住民で盛り上げ、地域活性化につなげていこうという機運の醸成には至っていないのかなというふうに思われます。観光振興やブランディングに欠かせない情報発信ということ一つとりましても、沿線には、冒頭申し上げたとおり、近江鉄道を愛し、その価値をさまざまな形で表現、内外に発信されている住民さんも少なからずいらっしゃいますし、また、まさに日々鉄道を利用している高校生なども、その価値の発信には欠かせない存在であるとも言えます。こうした沿線住民、ファンの方々を巻き込む仕組みづくりが一層必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。
◎知事(三日月大造) 沿線住民、また、通学等で利用する高校生を初めとした沿線住民の皆様方の理解と協力は、私も大変重要であると考えております。この線区には、フジテックさんもそうですし、京セラさんもそうですが、まさに駅名にもなる工場、事業場がある、そういうところでございますので、こういった方々を含めて協力関係をつくっていくということも大事だと思いますし、ことしは近江鉄道という会社ができて120年ですが、御案内のとおり、再来年、2018年には彦根から愛知川まで開業して120年、そのまた次には、2020年には彦根から貴生川まで開業して120年ということですので、こういう節目をずっと戦略的にうまく活用しながら沿線住民の皆様方とともに盛り上げていく、そういった取り組みを進めていきたいと思います。
そういうこともありまして、今度発行いたします滋賀プラスワン特集記事の掲載に、この近江鉄道120周年というものを取り上げて、沿線の魅力ですとか、また、日ごろ、駅の清掃美化ですとか利用促進活動に御尽力いただいている方々のさらなる連携ですとか協力というものも求めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、ことしだけで終わらせるのではなく、少しずっと継続的に、かつ戦略的に取り組みが進められるようにしていきたいと思います。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)この周年事業以外にも、通常、びわこ京阪奈線の取り組みで、沿線の市町、それから、今も言及いただきましたけども住民の方々、さまざまな取り組みいただいている方に参画いただきながら、期成同盟会もやっていると思うんですけども、今、私、高校生ということを言及させていただいたのは、やはり昨年の全国の総文祭を見させていただいて、あそこでやっぱり高校生の底力というか、いろんな意味での企画力であったり発信力であったり表現力であったりというのをすごいなということを実感いたしました。まさに今、18歳選挙権ということが一方で議論されているんですけども、もちろん選挙への投票ということもあるんですけども、いわゆるそういう県政に参画するというような権利といいますか、そういうことも大きな意味での参政権ということだと思いますので、今やっているこういう事業は、もう未来世代に向かってのまさに地方創生の事業だと思いますので、そこに高校生ぐらいの方であればどんどん入っていただいて、いろんなことの事業なり企画なりに入っていただくような、そういう仕組みをしていくということが大事かなと思って申し上げましたので、そういうことをできるだけできるような取り組みをまた協議会のほうでお願いしたいのと、今回の、ちょっと後で防災のほうでも言及するんですが、熊本地震のときに、JR九州さんの九州新幹線が開通したときのいわゆる動画が非常に話題になったんですけども、九州新幹線が開通するときに、沿線の方々がみんな沿線で出迎えて手を振って、そういうことで迎えたということを一つのコンテンツにして発信するようなことをやられていたと思うんですけども、先ほどの赤電車なんかでも、やっぱり出発式が始まって、それから沿線を走っていくときに、例えば沿線住民の保育園の園児さんでもいいですし、地域の方々がそれが走っているところをみんなで迎えて、それを一つの県が発信するというところが大きく県の事業であるならば、そういったことを一つのコンテンツとして国内外にも発信するような、そんなことですとか、いろんなことをできると思うんですけども、そういったこともやっぱりもう少しいろんな方が参画しないとアイデアも出てこないと思いますので、推進協議会にいろいろ県民さんなり住民さんのアイデアが入るような仕組みをしっかりつくっていただきたいと思うんですけど、再度、ちょっとその辺の仕組みづくりというのを御答弁いただけないですか。
◎知事(三日月大造) 向いている方向は全く同じです。これまでの県と近江鉄道のかかわりは、もちろんいろんな支援方策等もありましたが、しかし、もっとやれることがあったんじゃないかなというのが私の印象です。したがって、地方創生の取り組み、また、会社創設120年のこの節目以降、この近江鉄道をどうやったら活性化していけるのかということに、これは5市5町がまたがるわけですから、県内にとっても非常に重要な交通機関でございますので、市町や関係団体と連携しながら取り組みを進めていきたいと思います。
その際に、今も御紹介がありましたように、例えば高校生の力を生かしていくということでありますとか、写真愛好家の方なんかたくさん来られてますので、そういう写真を撮っていただき、また、それらを競い合う、PRする、そんな取り組みもできるでしょうし、大学の鉄研──鉄道研究会なんかも非常に力を持って、奥深く探求しながらいろんな取り組みをしていただいてますし、この沿線地域は、代表的なそういった企業だけではなくて、例えば彦根仏壇だとか、近江上布だとか、地酒もそうですけど、そういう地場産の産地でもございますし、もちろん近江米の主要な産地であるということからすると、そういったものと連動させた取り組みというのはまだまだ私は可能性があると思っています。もちろん県だけでできることではありませんが、しっかりと、冒頭申し上げたように、旗振り役、調整役、発信役として頑張っていきたいと思いますので、ぜひ御支援方よろしくお願いいたします。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)それでは、この項の最後の質問なんですが、先ほど来、知事も言及いただいていますように、120周年記念事業を一過性のイベントに終わらせることなく、恒常的な近江鉄道および沿線地域の活性化につなげるためには、冒頭申し上げた近江鉄道とその沿線の持つ価値を県内外の多くの方が再認識していただくことが必要であります。沿線地域の彦根藩や近江商人の歴史、あるいは精神、哲学とその遺産、そして、産業遺産、近代化遺産として近江鉄道が所有する数多くの歴史的資源は、そのストーリー性とともに十分に日本遺産認定を目指せる価値を持つものと私は考えます。今申し上げたことを含めて、今後のさらなる地域活性化への知事の思いについてお伺いいたします。
◎知事(三日月大造) 先ほど来、るる申し上げてきたとおり、この近江鉄道の活性化をもって地域の活性化にかける思いというのは、元鉄道員だから、元鉄道運転士だからというわけではありませんけど、相当なものを持って私自身も取り組みをさせていただいているつもりですし、今後もしていきたいと思っております。
今しがた御紹介いただいたように、沿線地域には、近江商人を初め、非常に歴史と独自の文化を持った地域がたくさんございますし、それらが米原、彦根、近江八幡、貴生川、JR主要幹線とつながる形で33の駅が地域にあるということでございます。伊勢神宮の親に当たられる多賀大社がその近江鉄道でつながっているということもございますので、そういった地域の振興も含めて、ぜひ市町とも連動した取り組みをしていきたいと思います。ややもすれば、鉄道会社というのが、人が少なくなってきた、収入も減ってきた、保全費用にお金もかかるということで、負のネガティブスパイラルに陥りがちだったところを、何とかいろんないい価値のあるものを持っているんだ、みんなに認めてもらえるんだという、プラスのそういったスパイラルに持っていけるように頑張っていきたいと思っております。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)ありがとうございます。最初に申し上げたとおり、歴史的に見るとまさに日本一であると、日本一の古さという、そこの部分を強調いただきながら120周年の一連事業を進めていただくようにお願い申し上げまして次の質問に移らせていただきます。
次に、防災教育につきまして、一問一答方式で教育長および
総合政策部長にお伺いをいたします。
さきの熊本地震の発災を受けて、現在、県ではさまざまな課題と教訓について検証を進めているところですが、日ごろからの備えという意味において、防災教育について教育長を中心にお伺いいたします。
県教育委員会では、滋賀県学校防災の手引きを作成され、幼稚園から高等学校、特別支援学校まで、各発達段階に応じた児童生徒への防災教育を進められているところですが、小学校以上の基本目標の設定におきまして、
琵琶湖西岸断層帯地震、東南海・南海地震等への備えが大切であることへの理解が掲げられております。県内で発生する地震を例示したものとも理解できますが、湖東、湖北地域におきましては、この地域に活断層の存在が確認され、その発災が予測されている大きな地震がございますけれども、それらの地震について過小評価されていないか危惧もされます。地域ごとに具体的な目標設定がなされているのか、もしなされていないのならば、具体的な目標設定をすべきと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。
◎教育長(青木洋) (登壇)お答えいたします。
滋賀県学校防災の手引きにつきましては、学校での防災教育の充実を図るとともに、実効性のある学校防災マニュアルを作成するための資料として、県下統一のものとして基本的な内容を取りまとめ作成したものであります。基本目標には、滋賀県で想定される代表的な地震等を例示として掲載しているものであり、各学校において、それぞれの実情を踏まえた学校防災マニュアルを作成していただいております。作成したマニュアルに基づき、各学校において、地域ごとの活断層の情報やそれぞれ個々の事情に応じた内容を児童生徒に伝え、防災教育を進めているところであります。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)今の地震は例示だということですけども、湖西と湖南地域ということで2つあるのであれば、あと2つぐらい、湖北と湖東ということでいえば、柳ケ瀬・関ケ原断層帯の地震と鈴鹿西縁断層帯ぐらいの地震を記載いただいても、別にそれぐらい問題ないと思うんです。それぐらいやっぱり各地域ぐらいのことを書いていただくと、常時目にする機会も多いので、やっぱり我々が住んでいる湖東地域であったり湖北地域の人も日々意識することがあると思いますので、またもし見直すというようなことがあれば、ちょっと1回考えていただきたいなと思います。
次に行きます。
防災教育につきましては、主として学校教育について展開されるとされ、その指導内容について、学校においては、効果的な防災教育のあり方を研究し、地域の実態に即した防災教育を、各教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間等の教育活動全体を通じて実践することが求められるとされております。地域の実態に即したとなると、それぞれの地域の現場の教員の方にも相当な防災知識のレベルが要求されると思いますが、どのように地域の実態に即した教員研修をされているのか、教育長にお伺いいたします。
◎教育長(青木洋) お答えいたします。
教員を対象とした研修といたしまして、まず、学校防災教育コーディネーター講習会、これを開催し、防災情報マップの活用方法や、平成25年台風18号の被害の地域による違い、また、小学校の実践事例について研修を行っております。さらに、各市町ごとに学校防災教育コーディネーターを対象とした連絡会議等を開催し、地域の実態をよく知る住民、消防署、地方気象台等との連携を図る取り組みを推進しているところであります。
今後、教職員がより一層地域の実態に即した防災教育を実施できるように、継続して研修会を開催いたしますとともに、具体的な資料や実践校の事例も情報提供しながら、教職員の能力向上を図ってまいりたいと考えております。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)次に行きます。
現場の教員の方々を支えるためには、また、学校の防災教育の充実のためには、地域事情に精通した地域住民や地域の防災機関、団体等の協力が欠かせません。具体的に、地域の学校単位レベルにおいて、どのように今申し上げた関係者との連携を図りながら実践的な防災教育をされているのか、教育長にお伺いいたします。
◎教育長(青木洋) お答えいたします。
学校では、主に消防署員や市町の防災担当課職員などに学校防災教育アドバイザーとして依頼をし、防災教育や避難訓練の計画を行う学校防災委員会に参加をいただいているところであります。また、緊急地震速報システムを利用した避難訓練や、避難訓練後の保護者への引き渡し訓練を行ったりもしております。さらに、地域の総合防災訓練や避難所開設訓練に参加している学校もあります。
さらに、防災の授業では、消防署や地方気象台の職員の方を講師にお招きし、地域で予想される地震や台風などについて教えていただいたり、保護者や学校支援ボランティアなど地域住民の皆さんとの連携のもと、子供たちみずからが防災マップづくりを行ったりもしております。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)今答弁いただいたような形でやっていただいているとは思うんですけども、多分、個別の学校単位で見ていきますと、その辺も多分、かなり温度差というか、濃淡があるのかなというように思いますので、先ほど申し上げたように、なかなか学校の先生に全てをもちろん要求することはできませんし、それだけの時間と、また知識、経験というのもなかなかないと思いますので、もう少し本当に地域の方々なり、私も消防団に入らせていただいてますけど、いろんな人を使うという取り組みを双方から積極的にできるような形でお願いしたいと思っております。
それで、そういう観点で、次、
総合政策部長にお伺いをいたしますけれども、今申し上げた一連のことの充実のためには、知事部局からの積極的な応援、あるいは働きかけが必要かと思うわけですけども、
総合政策部長の御所見をお伺いいたします。
◎
総合政策部長(宮川正和) (登壇)お答えをいたします。
知事部局におきましては、消防団の活動紹介などを盛り込んだ防災学習指導者用のガイドを作成し、教育委員会を通じて各小学校に配布をいたしております。また、先ほど教育長から答弁ございましたが、各消防本部に対して、学校防災教育アドバイザーとして協力するよう要請をしているところでございます。今後も連携を図っていくことが重要だと考えておりまして、学校防災教育コーディネーター講習会などの機会を通じて、地域事情に精通した地域防災アドバイザーや防災に関する人材あるいは情報の提供を積極的に各学校に行ってまいりたいと、こういうふうに思っておりまして、学校現場からの御意見もしっかり聞きながら積極的に応援をしてまいりたいと、こう思っております。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)ありがとうございます。
人的な支援でありますとか、今おっしゃっていただいた情報の面での支援ということの中で、これは学校現場だけに限らず、県民一般にも言えるんですけれども、
危機管理センターもできて、そういう中で、より今おっしゃっているようなことを一般向けも含めて充実させていかれると思うんですけれども、今まででも、例えば防災の専門の方の講演会をするでありますとか、何かの防災のシンポジウムします、勉強会しますというような催しが多々あるんですけども、やっぱりそういうところに参加できる人数って限られますし、特定の人にしか伝わらないと。ただ、その内容的には非常に大事といいますか、中身の濃いことをたくさんやっておられると思うんですけども、そういうものを、例えば本当に動画の配信でもいいですし、DVDに焼いていただいてもいいんですけども、何かそういう形で本当に全県にもっと行き渡るような取り組みもさらにしていただきたいですし、その中で、今、学校現場にもそういうものをもっと充実して出していただきたいと思うんですけども、その辺の今後の方向性について、再度ちょっと御答弁いただけますでしょうか。
◎
総合政策部長(宮川正和) お答えをいたします。
確かに学校現場に限らず、地域防災力を上げていくためには、県民のお一人お一人、あるいはその地域地域の取り組みを上げていくことが必要だと思っておりますので、いろんな情報を県内くまなく届けられるように対応してまいりたいと、こう思っております。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)昨夜も、私も消防団でポンプ操法大会に向けて11時前ぐらいまで訓練していたんですけども、先ほどちょっと教育長に言わなかったんですけど、ことし、新入団員で小学校の先生の方が1人入ってくれまして、3月に卒団された方にも中学校の数学の先生がいらっしゃったんですけども、今、私どもの地域だと運動会とかいろいろ開催されて、練習もなかなか来れない中で、今、頑張ってやっていただいています。地域の方面隊でのちょっと講習会というか、披露会みたいなのが7月にありますので、そこでその先生、指揮者をやっていただいているんですけども、小型ポンプ操法の、そういう姿もしっかりと記録に残して、先生のそういう頑張る姿でもありますし、まさにちょっと実践的な一つの教材にもなるかなと思ってますので、それはその学校でまた使えるような形のちょっと保存版のDVDをつくろうとは思っているんですけども、そういうことも一つなんですけど、いろんな形で地域の人間で協力できることがありますので、またその辺をお願いしたいと思うんですけども。
5番目の次の質問なんですが、この手引きを全体拝見させていただいておりますと、手引き自体が、今はちょうど熊本の震災もありますので、地震災害ということには備えないといけないのはわかるんですが、地震災害に偏り過ぎてまして、水害を含めたほかの災害への対応が防災の手引き全般を見ると少し弱いのかなというふうに思われます。もう少しバランスのとれた形にするという意味での見直しが必要と考えるわけですが、教育長の御所見をお伺いいたします。
◎教育長(青木洋) お答えいたします。
この手引きは、
東日本大震災の教訓を生かし、学校での防災教育の充実を図るための資料として作成をされましたことから、議員御指摘のとおり、地震を想定した防災教育や防災訓練が中心となっております。そこで、ほかの災害対策につきましては、現在、次のような指導をしております。
まず、水害への対策では、教職員研修会において滋賀県防災情報マップを紹介することで、学校所在地の水害のリスク情報をそれぞれの学校が取得し、学校防災マニュアルに反映するように指導をしております。
また、原子力災害対策では、発災後の具体的な行動を例示した対応の流れを作成し、研修会で周知をしましたところ、関係市の学校では各学校の事情に応じた基本対応を明示した資料も作成されたところであります。
現在、こうした取り組みを進めておりますが、今後、水害を含めた他の災害について、改めて学校現場、市町教育委員会、また関係機関などの御意見もお聞きをしながら対応を考えていきたいと考えております。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)次、6番目の質問に行きます。
特別支援学校におきましては、児童生徒の特性上、災害に対してのより深い理解はもとより、いざ有事の際の避難等、より実践的な取り組みが求められると考えるところです。平成21年6月、文教・警察常任委員会で視察をさせていただきました野洲養護学校におきましては、洪水予想河川の本当に近くに立地しているにもかかわらず、避難訓練においては、地震は想定しているものの、水害を想定した訓練が未実施であるとの説明を当時の校長先生より受けました。その後の経過ならびに、こうした特別支援学校における地域特性に応じた実践的な取り組みの状況につきまして、教育長にお伺いいたします。
◎教育長(青木洋) お答えいたします。
野洲養護学校のその後の経過ですが、学校の地理的要件を踏まえまして、防災計画の見直しを進め、平成26年度より水害に対する避難訓練など学校防災マニュアルに位置づけて取り組んでおります。
また、地域特性に応じた取り組み状況ですが、河川の近くに位置する学校では、水害のときに校舎2階への避難を想定したり、また、活断層に近い学校では、幹線道路の寸断による学校待機を想定し、自助袋、これは非常用食料、あるいは個々に応じた必要なもの、例えばですが、本人の気持ちが落ちつく写真、あるいはおもちゃ、こういったものを入れた袋、これを自助袋といっておりますが、これなどの備蓄を進めたりしているところでございます。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)野洲養護学校なんですけれども、日野川の左岸部、そして、日野川に流入する河川であります光善寺川の右岸、両川が合流するところのデルタ地帯のところに立地しておりまして、県の地先の安全度マップの想定浸水深を見ていましても、野洲市においては、篠原駅の周辺と並んで最も浸水するというようなリスクの高い地域に色が塗られているわけですね。今おっしゃった、26年にそういうマニュアルを見直してということなんですけども、あそこはやはり、例えば保護者の方でも、いざそういうことが起きるとなると、かなり心配してお子さんを迎えに来たりとかするときに、導入のところを見ていましても、通路とか車の動線とか、かなり綿密な実践的な避難訓練、そして、学校の内部におきましても、私どもが視察させていただいたときに、車椅子を押されている先生方とか、いろんな方がいらっしゃって、もちろん生徒さん、いろんな方がいるのを目の当たりにしたんですけども、かなり実践的な、上の階に逃げるにしても、そういう訓練をしておかないとなかなか怖いのかなということを当時も思って、それ以降もずっと思ってるんですけども、今、その新たな防災のマニュアルができてから、今申し上げた地域の方であったりとかPTAさんなり、保護者の方を含めた総合的な水害に対する避難訓練というのは実施されたのでしょうか。
◎教育長(青木洋) お答えいたします。
申しわけございませんが、ちょっと具体的にそこまでは把握しておりません。今後、また調べたいと思います。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)ちょっと本当に気になりますので、確認とともに、もし本当に未実施であれば、まさに今また梅雨の時期に入りまして、これから降雨時期に入るので、本当に対応をお願いしたいと思います。
次に、7番目なんですが、さきに述べさせていただきました基本目標という項目の中では、小学校高学年以上では、発災時にみずからの安全を確保することはもとより、他人の安全を確保する等の活動ができることを目標とされております。知識での理解だけでなく、こうしたことの実践的な訓練はなかなか難しいのかなと思うわけですけれども、具体的にどのように指導されているのか、教育長にお伺いいたします。
◎教育長(青木洋) お答えいたします。
例えば、中学校では、災害時における行動のあり方や、地域の一員として行動できることを学ぶ機会としてデイキャンプを行い、災害時の炊飯袋を利用した炊き出し体験をするなど、自分や他の人の安全を守る防災学習を進めているところであります。
また、本県の工業高校が製作を始めました災害時にかまどとして使用できるベンチ、これは県下の小中学校にも広がり、実際に作製をしてみたり、また、そのかまどベンチで防災学習として非常食づくりを体験したりする取り組みなどにつながっております。
今後も、命の大切さや思いやりの気持ちに気づき、災害の知識や助け合いの技術をより実践的に学ぶ防災教育に取り組んでまいりたいと考えております。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)先ほども議論がありましたけれども、発災して、例えば避難所なりが開設されるというような状況になったときに、そういう今の小学生なり中学生なりが、支援を受ける側の、いわゆるそういう被支援者になるのか、みずからがある意味助ける側に回れるのかで大きな違いがありますし、やっぱりそういうことをきっちりしていかないと、なかなか行政の枠組みのサービスだけでそういうことを賄うのは難しいのかなと思います。
そういう中で、今、いろんなキャンプであったりとか言及いただきましたけど、なかなか今、中学生とか小学校の高学年の皆さんでも、ふだん、私ども自治会の活動でも似たようなことはしてますけれども、そういうところにも参加も、学業以外のことが忙しくて、土日一つとってもなかなか地域の活動にも参加してもらえないと、防災訓練にも参加してほしいと思っていても、なかなかほかのことがあるので来れないみたいな状況になってくると、なかなか地域のほうでもそういうことを教える機会もないということになってくると、学校教育の枠組みの中で今までより実践をしていただかないと、なかなかそういう知識および経験というのが身につかないのかなと思うわけでございます。
そういうことを含めて最後の質問をさせていただきますけれども、県では今、うみのこ、やまのこ、たんぼのこなど、体験型の校外学習というのを実施いただいております。これらはそれぞれもともとの事業目標ということがあるかと思います。うみのこであれば、まずは環境学習というところが主眼になっているかと思うんですが、それぞれの事業の基本的な目標に加え、より防災教育を意識した自立あるいは自活の取り組みを付加していくべきと考えますけれども、このことについて教育長の御所見をお伺いいたします。
◎教育長(青木洋) お答えいたします。
議員御指摘のとおり、体験活動のプログラムの中に防災教育の観点を取り入れていくということは大変重要であるというふうに考えております。例えば、うみのこでは、カッター活動で救命胴衣をつけたり、ロープワークでもやい結びを習得したりする体験に取り組んでおります。また、やまのこでは、かまどや竹箸をつくり、火をおこし、飯ごう炊さんをしている学校もあるというふうに聞いております。今後も、本県独自の体験学習の中に防災を意識した活動を取り入れ、いざというときにみずからの安全を確保する行動のできる子供の育成に努めてまいりたいというふうに考えております。
◆19番(木沢成人議員) (登壇)うみのこではライフジャケットをつけてカッター訓練ということですけども、当然、琵琶湖では、溺れないためにということが、その中の実際はやっていることだと思うんですけど、先ほど申し上げた水害のリスクがあるようなとこであれば、いざというときは自分の家の周りがまさに琵琶湖みたいな状態になるということですので、学校ごとで、多少そういうリスクのある地域の学校が来たときは、そういうプログラムを付加していくようなことを考えていただくようなことをやっていただけるといいのかなと思いますので、特にうみのこにつきましては、新船建造……。
○議長(野田藤雄) 木沢議員に申し上げます。質問は時間が超過しましたので簡潔に願います。
◆19番(木沢成人議員) はい。うみのこの新船の建造とともに新たなプログラムをつくっていただくことをお願い申し上げまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(野田藤雄) 以上で、19番木沢成人議員の質問を終了いたします。
最後に、14番駒井千代議員の発言を許します。
◆14番(駒井千代議員) (登壇、拍手)本日最後の質問権者となります。どうぞよろしくお願いをいたします。
それでは、通告に従いまして、以下、質問をさせていただきます。
まずは、救急医療体制をめぐる諸問題についてお伺いをいたします。
私たちが安心な社会で暮らしていく上で、救急医療体制は重要なものの一つであり、平成24年の滋賀県県政世論調査の結果によりますと、力を入れてほしい分野として医療福祉分野が最も多く、その中でもがん対策に次いで救急医療の充実が望まれています。
平成27年中の全国の救急自動車による救急出動件数は、消防庁の速報値によりますと、前年比6万6,247件増の605万1,168件、搬送人員は前年比5万9,962人増の546万5,879人で、救急出動件数、搬送人員ともに過去最高となっております。滋賀県でも、救急自動車による救急出動件数は前年比1,574件増の6万1,028件、搬送人員は前年比1,161人増の5万7,134人と増加しており、1日に約167件救急車が出動し、約157名を病院へ救急搬送していることになります。
救急搬送増加の主な要因は、急病、一般負傷、転院搬送の順となっており、特に高齢の搬送者の占める割合が高くなってきております。
もっとも、救急車の利用状況を見てみますと、全体の約半数以上が軽症であることから、救急車の適正利用に向けた取り組みが必要と言えます。救急車の適正利用は、速やかに適切な医療機関へ搬送するという本来の救急業務を円滑に遂行するだけではなく、二次救急医療機関が本来の救急患者の診療を滞りなくする上でも非常に重要な課題であると認識をしております。
少し前になりますが、日本政策投資銀行の調査によりますと、小児のいる核家族世帯と成人および高齢者の単独世帯の合計が全世帯に占める割合と救急利用率の関係を都道府県別に見ますと、対象世帯の構成割合の増加が救急利用率の増加に結びついている可能性が高いものと推察をされています。滋賀県では、2010年と2035年で比較して、単独世帯全般で増加をいたしますが、特に高齢者の単独世帯が1.8倍になると予測しており、より救急利用率の増加が考えられるのではないでしょうか。
総務省消防庁では、これまで、救急車の適正利用等のための広報活動や利用マニュアルの配布などを通じて、増加する救急需要への対応に努められていますが、高齢化の進展などにより、救急需要は今後ますます増大する可能性が高いことが示されています。このような状況を踏まえ、消防庁では、平成23年度には社会全体で共有する緊急度判定(トリアージ)体系のあり方検討会を発足させ、家庭での自己判断、電話相談、119番通報、救急現場の各段階におけるプロトコル──手順について検討をされています。
そこで、軽症患者搬送の減少に向けて、まず、電話相談についてお伺いをいたします。
近年の全国的な救急出動件数の大幅な増加は、高齢化、核家族化の進行を背景とし、住民が救急要請すべきか自力受診すべきか迷った場合に119番通報するといったケースの増加が要因の一つであると考えられることから、受診可能な医療機関の情報提供に加え、より医学的に質の高い救急相談体制が求められています。この点、相談ダイヤルのモデル事業実施地域におきましては、119番通報のうち、緊急度の高い通報以外の通報件数の減少、救急医療機関への時間外受診者数の減少および救急搬送件数における軽症者の割合の減少が見られたと報告をされています。
東京都の共通ダイヤル♯7119を初め、全国の都道府県でも救急医療相談センターを設けているところもありますが、滋賀県では、救急医療ネットしがとして、各地域ごとに自動音声サービスで医療機関が案内されているのみです。そこで、共通ダイヤルによる救急医療相談センターの導入と課題について、
健康医療福祉部長にお伺いをいたします。
また、滋賀県では、小児救急医療については、保健医療圏域によっては二次救急医療機関が初期救急も担っていることから、小児科医師に負担がかかっていることなどを背景とし、小児救急医の負担軽減を図るために、平成26年度からは地域医療介護総合確保基金などを利用して、小児救急相談について♯8000番を開設されています。♯8000番の効果について、
健康医療福祉部長にお伺いをいたします。
次に、119番通報プロトコルについてお伺いをいたします。
救急相談センターがない中で、119番には多くの電話がかかってきます。その中で、緊急度、重要度に合わせた取り組みが始まっているところもあります。
先日、先駆けて救急コールトリアージに取り組まれている横浜市消防局にお伺いをいたしました。横浜市では、救急救命の充実を通じて消防機関と医療機関の連携が進む中、救急車の適正利用に向けて、10年ほど検討された結果、119番通報時に緊急度に応じた救急体制のトリアージを導入されています。救急コールトリアージの取り組みの現状について、
総合政策部長にお伺いをいたします。
また、救急車の利用は、あくまでも救急利用目的となることから、緊急性を要しないなど目的に合致しない場合は搬送しないということもあり得ます。この点、東京消防庁では、救急隊員により救急現場で緊急性が低いと判断された方に対し、自力通院を促す救急搬送トリアージを平成21年から本格的に実施されています。昨年は、速報値で682名の方に対して救急搬送トリアージを実施し、492名、72.1%の方に同意を得て、自力通院していただいたと伺っております。救急搬送トリアージの取り組みについての現状を
総合政策部長にお伺いいたします。
次に、転院搬送についてお伺いをいたします。
救急搬送のうち、転院搬送は約10%ほどを占めています。転院搬送については、在宅療養患者の状態が悪化した場合に、緊急性が高くないにもかかわらず、搬送手段として救急要請をしたり、一度救急車で搬送して応急処置をした後、より適切な治療を行える医療機関に搬送するなど、適正とは言えない利用がされている場合もあると言われております。2015年に全国消防協会が全国の消防本部を対象にしたアンケート調査によりますと、78%が転院搬送に関して問題があると回答し、管轄区外への転院搬送、緊急性のない転院搬送などが挙げられております。
2006年に転院搬送ガイドラインをまとめ、ルールを定めた横浜市では、ガイドラインの検討がされたころから、特に緊急性が低いと思われる病状固定患者の搬送が著しく低減をし、特に転院搬送に関し、代表者氏名の署名捺印を求めるなど、一定の手続を踏むこととしたことで、不適切な転院搬送の要請に抑止効果を発揮したと伺っております。
消防庁と厚生労働省は、ことし3月末に初めて転院搬送における救急車の適正利用の推進についてを全都道府県に通知いたしました。
医療機関の理解を求めるとともに、転送を必要とする患者の搬送の課題をどう解決していくかが課題となってまいります。病院救急車や民間救急および福祉・介護タクシーといった利用が考えられますが、現状と課題について
健康医療福祉部長にお伺いをいたします。
○議長(野田藤雄) 14番駒井千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎
総合政策部長(宮川正和) (登壇)私にいただきました御質問は、3点目の救急コールトリアージの取り組みの現状および4点目の救急搬送トリアージの取り組みの現状ということでございますので、あわせてお答えをさせていただきます。
県内の消防本部で、コールトリアージ、あるいは救急搬送トリアージを実施しているところは、現在のところはございません。もちろん、議員が御指摘をされましたように、本来の救急業務を円滑に実施していくためには、不要不急の救急搬送の抑制をしていくことが大変重要であります。こうしたことから、各消防本部におきましては、広報紙やホームページ等によりまして救急車の適正利用を周知しているところでございます。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) (登壇)救急医療体制をめぐる諸問題について、私にいただきました3点の御質問にお答えをいたします。
1点目の共通ダイヤルによる救急医療相談の導入と課題についてでございますが、平成27年7月時点で導入されているのは、全国的には6自治体にとどまっているという調査結果がございます。全国的な広がりはこれからという状況であると認識をしております。
導入に当たりましては、専門の相談員、特に医師の確保、小児救急電話相談♯8000番との連携、さらには運営費用の確保など、さまざまな課題があり、先行自治体の状況を十分研究してまいりたいと考えております。
次に、2点目の♯8000番の効果についてであります。
小児救急電話相談♯8000番は、限られた小児科医や小児医療機関に負担がかかり、現行の小児救急医療体制の維持に支障が生じないよう、医療機関への軽症患者の集中を緩和しつつ、県民の皆さんが安心して子育てをしていただける環境整備を図ることを目的として実施しております。
♯8000番につきましては、救急医療ネットしがや市町の乳幼児健診の際に配布していただいております冊子「赤ちゃんと子どもの応急手当」、さらに新聞広告等で啓発を行いました結果、平成25年度には1万8,912件であった相談件数が27年には2万306件と増加をしておりまして、また、相談件数を年少人口で除した♯8000番の利用率につきましては、本県は8.01%で全国第5位という実態でございます。
また、相談の結果、119番や医療機関への速やかな受診を勧めなかった割合が、平成25年度には80%でありましたが、27年度には86.2%まで上昇をしておりまして、小児科医や小児医療機関の負担軽減と現行の小児救急医療体制の維持に効果があったと考えているところでございます。
今後も医療機関への軽症患者の集中を緩和しつつ、県民の皆さんが安心して子育てをしていただける環境整備を図るため、さまざまな機会を捉えて啓発を実施してまいりたいと考えております。
最後に、5点目の転院搬送における病院救急車や民間救急および福祉・介護タクシー等の利用における現状と課題についてであります。
本年3月31日付で消防庁次長および厚生労働省医政局長から転院搬送における救急車の適正利用の推進についてという通知がございました。県内でも、緊急性が乏しいにもかかわらず、遠方の医療機関へ、また人手の少ない土日、夜間に、あるいは診療所から病院への転院搬送に消防機関の救急車が使われる状況があります。病院救急車の利用におきましては、搬送のための人員、例えば運転手の確保が困難である、また、転院搬送に関する院内のルールが徹底されていないといった課題がございます。また、民間救急および福祉・介護タクシーが緊急性の乏しい転院搬送に利用できるということについての医療関係者の認識が低いということが課題として挙げられます。
県では、国からの通知を受けまして、県医師会、県歯科医師会、病院協会の会長宛てに通知を発出いたしまして、緊急性の乏しい転院搬送に対しては、医療機関が所有する病院救急車を活用すること、また、消防機関が認定する患者等搬送事業者、いわゆる民間救急を活用することを内容とする救急車の適正利用をお願いしたところでございます。
さらに、緊急性の認められない転院搬送や日常の医療機関の受診等には、福祉・介護タクシーの利用について検討いただくよう、県医師会、県歯科医師会、病院協会に対し、機会を捉えて要請をしてまいりたいと考えているところでございます。
◆14番(駒井千代議員) (登壇)今、いろいろとした段階で御答弁をいただいたわけなんですけれども、確かに消防庁と厚生労働省が連名通知された救急搬送における医療機関の受入状況等の実態調査、平成26年中の調査によりますと、確かにこのときは、多分、重症患者のたらい回しによって非常に大きな話題になったときであり、救命救急センターの受け入れがどうかということもあったと思うんですけれども、このときに重症患者が照会回数4回以上という、いわば搬送先が決まらない件数が6件、これは、全国における本県の位置は2番目に低い率として、重症以上の患者はしっかりと受けとめられているということと、救急搬送全般的に受け入れが、全国に対して迅速な対応がされているということが結果として出されているわけであります。
確かに、この救命救急センターの受け入れ率が98.6%になっておりまして、これは全国で6番目に高い数字となっております。そういったことも踏まえまして、救急実施基準の検証をされた平成27年のメディカルコントロール協議会においては、本県の救急搬送の受け入れは全国に比べ迅速な対応がされており、たらい回し事案も発生していない、受入医療機関確保基準においても、最終受け入れ先として救命救急センターや後方支援病院が機能していることから、現時点においては修正なしと結論づけられているわけなんですね。
そういう意味でいいますと、じゃ、本県において、この救急搬送の事態が問題がないのかということになってきますと、この平成26年の全体の搬送人員は、救急車によって運ばれた人、約5万6,000人であります。このうち、救命救急センターの受け入れ数が約2万、そのうち重症以上の患者が3,897名というふうになっているわけで、本来、三次救急で救命救急センターが担うべき重症患者が結果として3,897名であったということであります。これはなかなか診察してみないと結果のことでわからないではないかというもちろん御指摘もあるでしょうし、三次救急が二次救急も担っているから、それで機能を今しているのであればいいのではないかという御意見もあるかもしれません。しかしながら、この救命救急センターが担っているのは救急搬送のみではないわけです。救急車で運ばれる人たちだけではなくて、これを、少し前になるんですが、私が調べましたところ、県で地域医療再生計画をつくられた中で、その中で平成21年における県内の救命救急センターにおける受け入れ患者数は11万838人となっており、そのうちの重症患者数の占める割合は2.8%と少なくなっている、このことから、重篤な救急患者以外の対応に追われる救急担当医の負担軽減策としての救急医療の適正化を図る必要があるというふうにされているわけですね。平成21年ですから、改善はされてこられているのかなというふうには思いますし、ただ、全国的にこのようなことがあることから、平成24年の診療報酬改定におきましては、院内トリアージ、すなわちその病院において重症度を判定することに対しての実施料が導入されてもきているわけであります。しかしながら、なるという中で、今質問に入りますが、じゃ、今の段階で、県民一人一人の本当に啓発だけで、今度、軽症患者を減らしていけるのかどうか、東京とか横浜の大規模なところとは違うからということだけでいけるのかなということなんですね。例えば、東京都の先ほど申し上げた現場における搬送トリアージは、本当にA4のペーパー1枚でバイタルチェックなどをすることによって、それだけでも効果が出ている、これが本当に滋賀県として取り組めないのかということであったり、横浜市においての転送のガイドラインをつくったことで、それだけでも転送搬送が減っているということもあるわけですから、それでは、じゃ、滋賀としてどういうルールをつくっていくのかということになってくると思うんですね。
そう考えますと、
健康医療福祉部長に再質をさせていただきたいんですが、♯8000番、先ほど、まずは効果があるということで、かなり八十何%の方が救急に行かれない効果を出されているということであります。過去、小児救急の搬送は70%が軽症患者であったということから、非常にこれは効果を生んでいると思うんですけれども、そうであるならば、これを一般の相談支援センターの取り組みとしてできないかどうかということであります。この小児救急におきましても、24時間ずっとした体制で取り組まれているわけではなくて、深夜の時間と土日、年末年始といったときに相談体制を取り組まれていて、今のような結果が出ているんですよね。そういうことを考えますと、この相談支援センターでも、過去、どのように検討されたかというのを詳しくお聞きするとともに、そういった時間帯を区切って導入の検討がされるべきではないかと思うんですが、その点についてお伺いするのと、♯8000番で基金を使われているわけですが、一般の相談センターを開設するに当たっては、この基金が使えないのかどうかということの確認をさせていただきたいと思います。
以上、再質、よろしくお願いいたします。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) 救急の体制については、県内の救急関係者等で構成いたしますメディカルコントロール協議会で議論をいろいろいただいているというふうに承知をしておりますけれども、♯8000番ができて、それ以外の、じゃ、大人の方等の救急対応の相談体制をできないのかと、こういう趣旨で御質問いただいたかと思うんですけれども、子供さんの場合には、みずからその症状がうまく説明できないとか、ですから朝まで待つことが困難であるとか、そういう事情もいろいろあるかと思います。大人の場合に、そういうことは多少我慢ができるというようなこと、あるいは、みずから判断もある程度、朝まで我慢ができるのではないかというようなことも御自身で御判断される場合もあるかというようなことも含めて、子供さんの場合とはやや状況が違うのではないかなというふうに、これは私なりに思っているところでございます。
具体に、今後、滋賀県において、どういう体制が望ましいのかということにつきましては、先ほど申しましたように、全国の状況もいろいろ先進事例を調査しながら研究をしてまいりたいと思いますと申しましたし、関係者においても、そうした問題提起をこの場でいただいたということも含めて、今後、そうした議論の中に、意見交換の中に含めて検討もお願いをしていくというふうに考えたいと思います。
それから、基金の対象になるのかということでございますが、これはちょっと今すぐ御返答ができませんので、後ほどまた回答させていただきたいと思います。
◆14番(駒井千代議員) (登壇)ありがとうございます。今、その小児♯8000番の小児の場合と成人の場合とというふうに部長はおっしゃったんですけど、半数以上が全体の中でやっぱり軽症であって、そして、高齢化が進むし、高齢者の方はなかなかうまく説明できないということも言われたりするんですけれども、この成人の方の場合の軽症率も過去70%なんですよね。そういう中でやはりどうしていくかということは、やはりきちんとこの相談体制、検討していただくということですので、ぜひよろしくお願いをいたします。
また、介護タクシー等の件につきましては、やっぱり災害の件もありますし、やっぱり日ごろからの連携をどうとっていくかということも重要ですので、ぜひよろしくお願いいたしまして次の質問とさせていただきたいと思います。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) すいません、先ほどの基金を使えるかどうかということでございますが、例えば、♯7119というような事業でありますと基金は使えないということでございます。
◆14番(駒井千代議員) (登壇)ありがとうございます。♯7119は24時間全てされておりますので、またそういった意味でコスト的にも変わってくると思いますので、ぜひ御検討ください。
次に行きます。
介護とリハビリテーション体制についてお伺いをいたします。
これまでにも介護人材の確保と育成については、議会でもたびたび議論されてきたところでもあります。国においては、介護離職ゼロを目指した働き方改革などが政策提示されていますが、厚生労働省によりますと、2025年の団塊の世代が75歳以上を迎えるころに、滋賀県では介護人材が2万5,000人必要とされており、今のままでいくと約3,500人の需給ギャップが推計されているのが現状であります。とはいえ、急速に進む高齢化に介護の現場は待ったなしの状態で、人手不足が続けば、職場環境の悪化ともなり、悪循環となります。滋賀県が安心して老いていくことのできる場となるには、糸賀先生を初めとした障害福祉に関してのみならず、高齢者福祉といった福祉全般で福祉先進県と言われる体制づくりが求められるものであります。
そこでまず、福祉人材の確保について、昨年の9月定例会議答弁において、三日月知事は、養成施設における福祉人材確保への支援をされる旨、答弁をされております。これについて、現在の取り組みの現状と課題につきまして、
健康医療福祉部長にお伺いをいたします。
次に、平成26年6月に、湖北地域にサテライトの介護・福祉人材センターを開設され、8月には長寿社会福祉センターから草津駅前へと移設されてから2年近くになろうとしています。これまで、週末にも開所するといった弾力的な運用もお願いしてきたところでありますが、これまでの成果と現状の課題について、
健康医療福祉部長にお伺いをいたします。
滋賀県では、全国に先駆けて、昨年度から滋賀県に在住する外国籍の方を対象に、外国人介護職員養成研修を始められました。研修は、仕事や家庭との両立、遠距離の通学の方もいらっしゃり、最後まで研修を受けるにはハードルが高かったと思いますが、それゆえに修了された方にとっては大きな自信となったのではないでしょうか。この研修は、日本語研修と事業所での実習が関係各位の御協力により丁寧にされたことによって、外国籍の方にとって職業選択の自由が広がることとなりました。まさに人の力を生かす事業の一つと言えますが、この外国人介護職員養成研修の成果と課題、それを踏まえ、2年目の今年度はどのように取り組もうとされているのか、
健康医療福祉部長にお伺いをいたします。
また、現在、国においては、外国人技能実習制度の枠を介護の分野に広げる議論がされています。既に外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案と、入国管理法を改定して介護の在留資格を新設する出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案が提出され、継続審議となっています。確かに、これまでの外国人技能実習制度については、実際の運用面で技能実習と必ずしもならない場合もあり、課題があったことは否めません。しかし、一方で、民間レベルでは、既にこれらの課題を踏まえた上で、介護業務が生命、身体にかかわる業務であることから、専門性に加え、日本語によるコミュニケーションが十分に図れることが必要であるとして、受け入れに向けた現地での日本語研修を含めた研修が始まっており、法案通過を切望されてもいるところであります。これまでの検討では、入国当初は日本語検定N4レベル、すなわち小学生レベルでよしとされ、その後、移行するには新しく設置されたN3レベルを取得とされていますが、現場の経験から、N3を標準とし、N1レベルの方も技能実習候補生として研修を現地で受けられていると仄聞しています。今後、法案が通れば、県内でも技能実習生を受け入れる事業所があるかとは存じますが、実施に当たっての課題と展望について、
健康医療福祉部長にお伺いをいたします。
介護人材の確保、育成も重要ですが、できる限り自立して生活できる状態にすることが望ましく、そのためにはリハビリテーションの充実が求められます。リハビリテーションの対象は、運動器障害、脳血管障害、循環器や呼吸器などの内部障害、摂食嚥下障害、小児疾患、がんなど、極めて幅広い領域に及んでいますが、昨今の認知症患者の増加に鑑み、認知症の方の摂食嚥下障害のリハビリなども重要となってまいりました。
現在、滋賀県では、リハビリを担う理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が1,400名ほどいらっしゃると仄聞しておりますが、現在、リハビリ人材は充足していると言えるのでしょうか。現状と課題について、
健康医療福祉部長にお伺いをいたします。
また、2025年にはリハビリ人材が3,000名程度必要とされています。現在、県庁前の医療福祉拠点構想では、リハビリ人材の育成確保の拠点としても考えられているようですが、ほぼ現状の2倍の人数にしていくために、今後のリハビリ人材の育成確保をどのようにしていこうとされているのか、あわせて
健康医療福祉部長にお伺いをいたします。
脳血管障害は、一般に高齢者を対象に述べられることも多いですが、急病に係る平成23年の救急搬送人員を疾病別に見ますと、中等症の脳疾患や心疾患といった循環器系が成人、高齢者ともに多くなっています。重症者のうち、2,602人のうち脳疾患系が24.3%、心疾患等が22.8%と、循環器系が47.1%を占めるとされています。勤労者世代においては、不規則な生活、栄養バランスの偏った食事、ストレスの増加などの影響によってか、脳梗塞に罹患する方が増加しているとも言われています。救急医療体制の整備などにより、早期の処置によって一命を取りとめる率は高くなっていますが、後遺症の課題があります。特に、働き盛りの世代については、人口減少する中で、さらなる勤労者の減少、将来の社会保障負担に鑑みても、より早く社会復帰して自立した生活を送っていただくことも重要となり、リハビリテーション体制の充実はどの世代にとっても重要になってきていると考えます。
このようなことに鑑み、ドイツでは、近年、日本で開発されたサイバーダインのロボットを用いた機能改善治療に対して、ドイツ法的損害保険による労災保険の適用が認められたと仄聞しております。日本では、今年度から神経筋難病疾患に対する歩行機能を改善するロボットスーツに保険適用がされることになりました。一部とはいえ、大きな一歩となったのではないでしょうか。
私も、ことし、湘南ロボケアセンターと鈴鹿ロボケアセンターに寄せていただき、脳から発信される微弱な信号を検知し、歩行などの動作を支援する装着型ロボットを体験させていただきました。現在、機能回復を支援するロボットの開発は各企業でも活発となってきておりますが、今後のリハビリテーション技術の向上と普及に期待を寄せるものです。
そこで、このような機能回復に寄与するロボットの導入も、リハビリ人材の育成確保とあわせて今後必要ではないかと考えますが、滋賀県内におけるロボットの導入状況について、
健康医療福祉部長にお伺いをいたします。
先日、成人病センターのリハビリテーションセンターに寄せていただきました。多くの方が理学療法士などによってリハビリを受けていらっしゃいましたが、ここでは、ことし2台のロボットを導入されています。先般の政府提案の項目の中でも、先進的リハビリテーションの構築としてロボットについても触れられていますが、現在のロボットの活用状況と今後のロボット活用に向けての展望を
病院事業庁長にお伺いいたします。
最後に、身体機能のリハビリとともに、突然の病や事故により一部の機能が失われることにより、心理面でのサポートも重要と考えますが、心のリハビリについての現状や今後の取り組みについて、
健康医療福祉部長にお伺いをいたします。
◎
健康医療福祉部長(藤本武司) 介護とリハビリテーション体制についての8点の御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の養成施設における福祉人材確保に向けた取り組みの現状と課題についてでございます。
県内に2つございます介護福祉士の養成施設の平成26年度、27年度の卒業生98人のうち、76人が県内の
社会福祉施設に就職をされております。しかしながら、いずれの養成施設も入学者が定員割れの状態が続いておりまして、深刻な事態であるというふうに受けとめております。そのため、介護福祉士の養成施設の学生を対象とした修学資金の貸付制度の拡充を図りますとともに、養成施設が行う情報発信や学習環境の改善に対する支援について、地域医療介護総合確保基金を活用した事業の実施を予定しているところでございます。
養成施設は、質の高い介護福祉士の育成確保に重要な役割を担っていただいていると認識をしておりまして、介護・福祉人材の確保に向け、養成施設からの意見も聞きながら、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
次に、2点目の介護・福祉人材センターにおける福祉人材確保の成果と課題についてであります。
介護・福祉人材センターでは、無料職業紹介事業による求人事業所と求職者とのマッチング支援のほか、市町やハローワーク等と連携した出張相談や就職フェアの開催、高校、大学等への訪問による学生の進路選択への働きかけなど、積極的な情報発信に取り組んでいるところでございます。これらの取り組みの結果、ここ2年間でセンターの紹介により345人が採用され、特に人材不足が深刻でありました湖北圏域においては有効求人倍率の改善が見られるなど、一定の成果があったものと考えております。
一方で、国の調査結果によりますと、介護福祉士の資格取得者の約4割が介護職に従事していないとされておりまして、将来の需給ギャップの解消に向けた介護人材の確保に向けては、新たに介護職につく人材の確保とあわせまして、潜在有資格者の活用も大きな課題と認識をしております。
こうした中、国においては、離職した介護人材の呼び戻しを促進するため、再就職準備金の貸付制度を創設するとともに、来年度から、離職した介護職員が氏名、住所等を人材センターへ届け出る制度の運用が開始をされます。県においても、これらの制度を活用し、離職者情報の把握や再就業を促進することにより、一人でも多く介護・福祉職場に従事いただくよう取り組んでまいりたいと考えております。
3点目の外国人介護職員養成研修の成果と課題、今年度の取り組みについてでございますが、外国人介護職員養成研修は、介護人材の確保が課題となる中、多様な人材の新規参入を促進する方策の一つとして、平成27年度から開始した事業でございます。県内の介護サービス事業者や外国人住民支援団体等の御意見もいただきながら事業内容を検討し、定住外国人を対象とした介護職員初任者研修と日本語研修に加え、研修受講や就労のためのさまざまな支援を一体的に実施しているところでございます。昨年度は、定員19名の受講生のうち14名が研修を修了し、6月現在、うち6名が県内の介護の職場等で就労をされております。
この事業により、外国人の方に介護職員初任者研修を修了して専門的な知識や技術を身につけ、利用者とのコミュニケーションや業務に不可欠な日本語の力をつけた上で、自信を持って介護の職場に就労していただくことができたと考えております。修了に至らなかった方々の中には、家庭の事情などやむを得ないものもございましたが、平日夜間中心の研修課程が受講生の負担になったという声も考慮し、今年度は土日に集中的に開催して受講日数を減らし、受講生の負担軽減に努めているところでございます。
今年度の研修は、6月6日から17名の受講生で開始をしたところであります。一人でも多くの受講生が研修を修了し、介護の職場に就労できるよう支援を行うとともに、この事業を機に、多くの外国人の方に介護の職場への就労をみずからの選択肢として考えていただくことができるよう努めてまいりたいと考えております。
4点目の技能実習制度の実施に当たっての課題と展望についてでございます。
技能実習制度への介護職種の追加につきましては、国会で継続審議となっている技能実習法案に基づく新制度の詳細が確定した段階で、介護サービスの特性に基づく要請に対応できることを確認の上、新制度の施行と同時に職種追加を行うという手順で進めることとされております。
技能実習制度については、これまでから、長時間労働や残業代の不払い等の不正事案の発生などが問題となっていることから、今回の制度改正においては、新たな外国人技能実習機構の創設や、通報・申告窓口の整備など、監督体制の強化や技能実習生の保護が図られているところでございます。
さらに、介護サービスの特性に基づくさまざまな懸念に対応するため、介護が外国人が担う単純な仕事というイメージとならないようにすること、業務内容に応じた適切な処遇を確保し、日本人労働者の処遇、労働環境の改善の努力が損なわれないようにすること、そして、介護のサービスの質を担保するとともに、利用者の不安を招かないようにすること、この3点について具体的な対応を図るとされているところでございます。
これらについては、今後、国において具体的な制度設計が進められることとなっておりますことから、引き続きその動向を注視し、県内の事業者団体等とも情報を共有してまいりたいと考えております。
次に、5点目のリハビリ人材の現状と課題についてでございます。
リハビリ人材の現状につきましては、本県の専門職の現状は、理学療法士約900人、作業療法士が約400人、言語聴覚士が約100人となっておりまして、合計約1,400人でございます。平成25年の人口10万人当たりのリハビリ人材は、全国の106.9に対しまして本県は77.8でありまして、全国45位という少ない現状にございます。
課題につきましては、本県では、団塊の世代が後期高齢者となる2025年には約3,000人の専門職が必要というふうに推計をしておりまして、今後、約1,600人の確保が必要と考えております。現在、県内では年間に約60名程度が増加をしているという状況でございますが、このままでは必要数の確保が困難な状況にございます。そのため、リハビリテーション専門職の養成、確保に取り組むことが喫緊の課題であると考えております。
次に、6点目の今後のリハビリ人材の養成、確保についてでございます。
県では、現在、リハビリテーション専門職を中心とした医療福祉専門職の養成を行う大学等、高等教育機関の設置等を内容とする医療福祉拠点の整備に取り組んでおります。今年度内に公募型プロポーザルを実施するべく準備を進めているところでございます。また、リハビリテーション専門職の県内定着、県内誘導を図るために、資質向上やスキルアップの機会確保や、魅力ある職場環境づくりなどの支援方策等について検討してまいります。
7点目の県内におけるロボットの導入状況についてでございますが、県内の医療機関においてリハビリ用ロボットの導入をしているところは、現在、当部で把握している限りでは、県立成人病センターのみであります。なお、近畿圏内の医療機関においても、導入されているところは少ないと聞いております。
最後に、9点目の心のリハビリの県内の現状や取り組みについてでございます。
県内の取り組み状況につきましては、多くの急性期病院や回復期病院においては、患者の状況に応じて、生活全般の悩みや心理的負担を軽減するための相談を実施し、対応しております。また、臨床心理士によるカウンセリングや患者家族交流会、レクリエーション活動などによる社会参加をふやす取り組みをしている病院もございます。例えば、県立リハビリテーションセンターにおいては、脳外傷友の会しがや脳卒中者友の会淡海の会などの当事者団体と協働をして、ピアカウンセリング事業やリハビリテーション交流会を実施するなど、個別的な支援だけでなく集団的な支援も含め、心理面へのサポートがさらに充実できるよう取り組んでいるところでございます。
今後の取り組みにつきましては、身体機能のリハビリとともに、各病院において、障害の御自身での受け入れ、受容段階に応じた心理面でのサポートが効果的に実施できるよう、県立リハビリテーションセンターを中心に研修会や啓発に取り組んでまいりたいと考えております。
◎
病院事業庁長(笹田昌孝) (登壇)いただきました第8番目の御質問にお答えいたします。
成人病センターにおけますリハロボットの活用状況と今後の展望につき、お答え申し上げます。
成人病センターでは、手術後や障害に対して身体的なリハビリテーションを効果的に行う目的で、ロボット活用を始めたところであります。今後の疾病の量的、あるいは質的な変化に対応したロボットの活用、有効性は、先ほど議員が御指摘のとおり、極めて有効、有用であります。したがいまして、これを臨床的に導入、展開する目的で、新たな活用に向けました臨床研究、高度人材の育成を進めるところでございます。
次に、ロボットの新たな活用といたしましては、このたび政府提案をいたしました自立・共生型リハビリテーション体制の構築におきまして、体の健康のみならず、心の健康づくりにロボットを重要な位置づけをいたしまして展開するところでございます。今後、健康医療福祉部等と連携し、国の指導、支援を得ながら取り組んでまいりたいと考えております。
◆14番(駒井千代議員) (登壇)ありがとうございます。介護の現場、いろいろ課題はあるんですけれども、外国人の方が入ることによって、ダイバーシティーが介護の現場に新たな刺激となって、滋賀ならではの福祉、介護というのがつくっていけるといいのではないかなというふうに期待しております。
ただいま、いろいろリハビリテーションの件についておっしゃったわけですが、なかなかリハビリ人材が確保できない中で、このロボットが今年度から一部であれ保険適用され、大きく1つ節目になったことと、また、今度、平成27年では、リハビリテーション科が医師のほうも養成が京都府のほうでも今年度から始まっていくことを考えますと、新たなリハビリテーション体制が見えてきたんだと思います。病院事業庁にも、今、臨床試験をされるというふうにおっしゃいましたけど、これを具体的に確実に前に早く進めていただきたいと思います。願いまして私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(野田藤雄) 以上で、14番駒井千代議員の質問を終了いたします。
以上で、本日の質疑ならびに質問を終わります。
明10日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時17分 散会
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