滋賀県議会 > 2015-07-03 >
平成27年 6月定例会議(第2号〜第8号)−07月03日-04号

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  1. 滋賀県議会 2015-07-03
    平成27年 6月定例会議(第2号〜第8号)−07月03日-04号


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    平成27年 6月定例会議(第2号〜第8号)−07月03日-04号平成27年 6月定例会議(第2号〜第8号)                平成27年6月定例会議会議録(第5号)                                       平成27年7月3日(金曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第4号                                         平成27年7月3日(金)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第101号から議第115号まで(平成27年度滋賀県一般会計補正予算(第1号)ほか14件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(44名)    1番   村  島  茂  男       2番   加  藤  誠  一    3番   竹  村     健       4番   佐  藤  健  司    5番   目  片  信  悟       6番   海  東  英  和    7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       10番   下  村     勳
       11番   藤  井  三 恵 子       12番   杉  本  敏  隆    13番   節  木  三 千 代       14番   駒  井  千  代    15番   山  本     正       16番   大  橋  通  伸    17番   冨  波  義  明       18番   井  阪  尚  司    19番   木  沢  成  人       20番   中  村  才 次 郎    21番   有  村  國  俊       22番   大  野  和 三 郎    23番   岩  佐  弘  明       24番   山  本  進  一    25番   富  田  博  明       26番   細  江  正  人    27番   高  木  健  三       28番   生  田  邦  夫    29番   川  島  隆  二       30番   小  寺  裕  雄    31番   奥  村  芳  正       32番   野  田  藤  雄    33番   西  村  久  子       34番   佐  野  高  典    35番   家  森  茂  樹       36番   吉  田  清  一    37番   粉  川  清  美       38番   蔦  田  恵  子    39番   成  田  政  隆       40番   九  里     学    41番   清  水  鉄  次       43番   柴  田  智 恵 美    44番   今  江  政  彦       45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事                  三 日 月  大  造               教育委員会委員長            藤  田  義  嗣               選挙管理委員会委員長代理        新  庄  敏  夫               人事委員会委員長代理          西  原  節  子               公安委員会委員長代理          堀  井  と よ み               代表監査委員              北  川  正  雄               副知事                 西  嶋  栄  治               知事公室長               宮  川  正  和               総合政策部長              堺  井     拡               総務部長                青  木     洋               琵琶湖環境部長             拾  井  泰  彦               健康医療福祉部長            藤  本  武  司               商工観光労働部長            福  永  忠  克               農政水産部長              安  田  全  男               土木交通部長              桑  山  勝  則               会計管理者               田  端  克  行               企業庁長                森  野  才  治               病院事業庁長              笹  田  昌  孝               教育長                 河  原     恵               警察本部長               笠  間  伸  一            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長                日  爪  泰  則               議事課長                太  田  喜  之               議事課課長補佐             吉  田     亮            ──────────────────────────────   午前10時 開議 ○議長(西村久子) おはようございます。これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(西村久子) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  選挙管理委員会伊藤正明委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として新庄敏夫委員が、また、人事委員会益川教雄委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として西原節子委員が、また、公安委員会宮川孝昭委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として堀井とよみ委員がそれぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(西村久子) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第101号から議第115号まで(平成27年度滋賀県一般会計補正予算(第1号)ほか14件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(西村久子) 日程第1、議第101号から議第115号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次、これを許します。  まず、21番有村國俊議員の発言を許します。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇、拍手)ことしの3月、楽天株式会社から楽天トラベル2015年春、旅行人気急上昇エリアランキングの発表がありました。このランキングでは、開業した北陸新幹線で話題沸騰の石川県が堂々の第1位となりました。伸び率プラス53.6%、あわせて、驚き、目を見張ったのは、何と滋賀県、伸び率プラス44.5%、第4位と発表されたからです。  第1位、石川県についての説明はこのように記述されています。「北陸新幹線開業を機に、首都圏からの交通利便性が向上したことから、春の旅行先として急速に人気を高めました。石川県内のホテルや旅館も、北陸新幹線金沢開業に合わせ、新規開業や商品開発の動きが活発です。地域の魅力をそれぞれの取組で発信し、県内外からの誘客と地域活性化につなげています。」  第4位、滋賀県についての説明はこのように記述されています。「訪日外国人増&『ビワイチ』で周遊観光を促進。京阪神エリアのトレンドと同様に、滋賀県への訪日外国人観光客数が増加傾向です。また、同県内では観光ブランド『ビワイチ』の取り組みを展開し、琵琶湖を中心とした県内周遊観光を促進しています。同県内約30の宿泊施設で提供している『ビワイチ』宿泊プランでは、びわ湖一周を自転車で回る宿泊者向けにマッサージ器の無料貸し出しや自転車のお部屋持ち込み可能な特典が満載です。」  というわけで、本日は、人気急上昇エリアとして石川県を第1位に押し上げた北陸新幹線関連と、滋賀県を第4位に押し上げたビワイチ関連について、全て知事に伺います。よろしくお願いします。  まず最初に、北陸新幹線米原ルートについてですが、その前に、先日の東海道新幹線車内における不測の事件により犠牲になられた方に哀悼の意を表し、おけがをなされた方々にお見舞いを申し上げます。  さて、北陸新幹線金沢から敦賀までの延伸の方針がことし1月に政府与党により決定され、平成37年度から平成34年度に3年前倒しされることとなりました。  現在、与党においては、金沢から福井までの開業を東京オリンピック・パラリンピックが開催される平成32年へさらに前倒しすることを検討され、去る6月23日に開催された与党検討委員会では、建設主体となる鉄道建設・運輸施設整備支援機構から福井駅先行開業に必要となる留置線とシステムの改修に要する費用の具体的な試算結果の提示があるなど、前倒しの具体化に向け、大詰めを迎えています。いよいよ、北陸新幹線の終点となる大阪まで、残る敦賀以西のルートを決定しなければならない時期となりつつあり、与党における検討も加速されると聞いています。  これは新幹線鉄道網図です。  現在、東京に接続する新幹線は東海道、東北、上越、そして、この春に金沢まで開業した北陸新幹線を含め、既に4本あり、来春には函館まで延びる北海道新幹線ともつながる予定であります。また、リニア中央新幹線が、東京から名古屋までの区間を、平成39年度開業を目指し、JR東海の手によって、昨年末、着工したところであり、東京への一極集中はますます顕著となっているところであります。  一方、関西に目を向けますと、大阪に接続する新幹線は東海、山陽新幹線のみであり、北陸新幹線の敦賀以西や中央リニア新幹線の名古屋以西はルートすら決まっていない状況であります。ましてや、経済的にも文化的にも関西とのつながりの深い北陸が、関西より先に東京とつながり、東京に吸い取られることで、関西経済の地盤沈下がますます進むことに大変懸念をしております。  このことは、関西経済界のみならず、北陸の経済界も同様の危機感を持っており、北陸経済連合会会長である北陸電力の久和進氏も、敦賀から大阪までのルートをできるだけ早く決めることが重要だと発言されるなど、北陸新幹線を早く関西につなげることが急務だと考えておられます。  ルートに関して福井県知事は、整備計画どおり小浜市付近を通り、新大阪に直結すべきと主張されていると聞いていますが、6月24日に富山、金沢、福井の3経済同友会のトップが集まり開催された経済同友会北陸会議において、地元である福井経済同友会八木誠一郎代表幹事は「経済人として、最小限の費用で最大限の効果を発揮するルートのあり方を話し合っていく必要がある」と発言されました。  私自身、約40年以上前に決定した計画に固執するのではなく、我が国の現在の経済情勢や国土軸の変化に合わせたルート設定が、当然、国益にかなうものと考えております。本県も、構成員である関西広域連合において、平成25年4月に、「敦賀以西のルートについては、米原で東海道新幹線にタッチし、新大阪に至る米原ルートが、費用対効果や開業までの期間など、総合的に判断しても最も優位である」と提案しています。  現行の整備新幹線整備スキームにおいて、建設費負担および並行在来線の経営分離の大きな課題があることは認識していますが、幹線ネットワークの結節点が県内に形成される効果は何といっても大変大きいものがあります。  知事は、この議場にいる誰よりも鉄道行政に明るいはずです。米原ルートによる効果をどのように捉えておられ、滋賀県としてはどのように主張していこうとされているか、お伺いします。 ○議長(西村久子) 21番有村國俊議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)有村議員、今期もどうぞよろしくお願いいたします。  北陸新幹線について御質問いただきました。お答えする前に、私も、東海道新幹線で起こりました放火事件で犠牲になられた方々に哀悼の誠をささげ、けがをなさった方々等にお見舞いを申し上げたいと存じます。  さて、北陸新幹線米原ルートの捉え方についてでございます。  北陸新幹線は北陸圏および北関東・信越圏と近畿圏を結ぶ国土政策として極めて重要で、早急な整備が必要な事業であると認識しております。  関西広域連合が関西全体の利益を考慮する観点から、1つ、開業までの期間、2つ、費用対効果、3つ、開業による波及効果の3点を主たる評価基準としまして検討いたしました結果、米原ルートがいずれの指標においても最も優位であったところと承知しております。  近畿、中部、北陸の3圏域の結節点に位置する本県におきましては、地理的優位性をさらに高める必要がありますことから、関西広域連合が決定いたしました米原ルート案を進めていくことは極めて重要な課題であると認識しております。関西広域連合の決定を基本といたしまして、関西全体の利益を国や政府与党に対し要請するとともに、まさに、繰り返しになりますけれども、議員も主張されました、結節点となる米原の拠点性を高めることで米原ルートを進めてまいりたいと考えております。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)北陸新幹線米原ルートですが、この春の福井県知事選挙の際、関西広域連合の井戸連合長が米原ルートを否定するような発言をされました。関西広域連合の統治──ガバナンスの観点からも連合長の発言は問題であり、どういったけじめ、責任をとられるのだろうかと注視しておりましたが、5月27日、東京で開催された北陸3県が主体の北陸新幹線建設促進大会に初めて井戸連合長が出席され、大会後に、記者団からの敦賀以西ルートに関する質問に、「空白期間が長くなるだけで、理想を追いかけても何も得られない。広域連合として、現段階として米原ルートを推している」と、小浜ルートに疑問を呈した発言があったと聞いております。また、小浜ルートの通過地と想定されている京都府や北陸新幹線の運行主体など、政府与党や国以外の考え方もそれぞれです。  知事は、就任後、さまざまな案件で13回ほど上京された旨を、さきの生田議員の代表質問で伺いましたが、今後も大いに出張していただいて、敦賀以西のルート検討が加速されていることを踏まえて、米原ルートを確実なものとし、実現に向けて動くことは、関西広域連合にとっても、本県にとっても、県民にとっても大変大きな仕事となりますので、知事の決意を、再度、お伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 議員御指摘のとおり、大事な局面に入っていると思います。そして、先ほど答弁させていただいたように、我が滋賀県の将来の浮沈を決する極めて重要なテーマであるというふうに私も考えております。  私も、この局面、しっかりと主体的に情報をとりながら、何より本県、また関西圏の将来の発展につながる、そういう北陸新幹線構想にしていかなければならないという、そういう考え方で臨んでまいりたいと思います。したがって、強い決意を持って臨んでまいります。  国の決定は、40年前とはいえ、小浜市付近であります。そのことに期待される方が大勢いらっしゃいます。そして、いよいよ敦賀以西が現実味を帯びてくる段階で、運行主体になるであろうJR西日本の考え方というものもそろそろ明らかにされるでありましょう。また、関西広域連合で、関西全体の便益になるのだからということで、負担の割合でありますとか、並行在来線の問題でありますとか、言及しておりますが、そういったものに対する合意形成が果たしてそのままなるのかどうかということも大きな課題であろうかと思います。とりわけ、米原につながる際に、並行在来線になる沿線の方々のいろんな思いもあるでしょうから、そういったものをしっかりと酌み取って、繰り返しになりますが、滋賀県の将来の発展に資する、そういう北陸新幹線構想になるように、しっかり主体的に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)次に行きます。  ビワイチ振興のための湖周道路への矢羽根型マーク設置についてです。  琵琶湖をぐるっと周回する湖周道路の延長は約200キロメートルです。その距離は大津市から名古屋市までを往復する直線距離に匹敵します。四季折々の季節において、滋賀のシンボルである琵琶湖の風景を楽しみながら通行することができる道路です。  滋賀の魅力発信へ向け、将来にわたり、この道路のイメージアップを図っていくことは大切なことと思います。湖周道路のあり方についてどのようなお考えをお持ちか、伺います。  サイクリングなどで琵琶湖を周回するビワイチ。大きな達成感を味わい、湖岸の風を受けながら自転車の旅。もうすぐ夏休みなので、御家族でビワイチを計画されている方もいらっしゃいます。長距離走行になれている人なら1日で走れますが、1泊2日の日程がお勧めだそうで、周辺の観光も十分に楽しみながらと考えれば、2泊3日以上かけるのがベストと言われています。いきなりなれていない人が挑戦すると、1日目の走行により筋肉痛で翌日以降がつらくなるので、十分に注意が必要とのことであります。  さて、よりよいサイクリングコースとなり、利用者がふえ、にぎわい創出による活性化が滋賀の魅力向上につながるとして、県においても、これまでからモデル的なサイクリングマップの作成やコースの保守など、ビワイチ利用者の利便性を高める取り組みを実施され、そのかいもあって、楽天株式会社は滋賀県を第4位と評価していただいたと思います。  これまでの本県の取り組みについて伺います。  知事は、6月26日に、いでたち完璧に、自転車に颯爽とまたがって走っておられました。昨日の竹村議員の質問にも答えておられましたが、まさに近年の健康志向やエコブームに伴い、県内外を問わず、このビワイチをエンジョイされる方が多い状況です。より安全な自転車走行のための環境整備など、幾つか課題があると聞いていますが、どういった課題があるか、お伺いします。  あわせて、湖周道路利用者などからどのような意見を聞いておられるか、改善すべき意見としてはどういった意見があるか、お聞かせください。  改正道路交通法が6月1日、施行されました。例えば、自転車は原則として車道を通行するよう定めており、道路標識などにより、自転車歩道通行可とされている場所、運転者が子供や高齢者、障害者の場合、安全上やむを得ない場合を除き、歩道の走行は禁止です。  それでは、自転車は車道のどこを走ればよいのかということですが、車を避けるため、斜めに傾いたコンクリートの部分、いわゆる路肩を走っている人、また、そこを走るものと考えている人は少なくないかもしれません。しかし、自転車は路肩を走るようにとは法律のどこにも書かれていません。  そもそも道路交通法に路肩という言葉はなく、路肩を通らなければならないということ自体が法律上ありません。自転車は、まず、自動車と同じく左側通行が原則。そして、例えば片側1車線の道路の場合、車道の左側端へ寄って通行するよう定められています。左側端に寄るというと、左端ぎりぎりと認識する人が恐らく多いと思います。しかし、そうではありません。道路状況によって変わるため、一概には言えませんが、左端に近寄って、1メートルぐらいのところを走れば、十分、左側端に寄っていると思います。路肩は傾斜や段差があります。砂利や小石がたまって、あるいは排水口があるなど、走行に適さない状態のため、そこを走るのはかえって危ないのではないでしょうか。  道路が狭く、最初から自転車のことを想定していない日本の道路構造をどう変えていけばいいのか。予算がかかることでもあり、一筋縄ではいかないと思いますが、ビワイチをうたう本県としては、湖周道路がサイクリングロードとしての使用が想定されていること、大型トラックや高速車もあって、正直なところ、サイクリストにとってはかなり怖いし、リスクが高いこと、昨日、知事もおっしゃっていました。どきどきしながら全力で突っ走るものの、かなりのストレスになっていると思います。サイクリングマップを発行する本県は、常々、「気をつけて楽しんでほしい」と呼びかけていることでもありますので。
     この写真は、矢羽根型マークを実際に道路にペイントしている例です。通行方向、走行すべきエリアが一目でわかるようになっているのがおわかりいただけると思います。  湖周道路に、この写真にある矢羽根型マークを設置して自転車の走行場所を示してはいかがかと提案しますが、お考えをお伺いします。  私の自宅から、車ですと湖周道路に到達するのに1分もかかりません。ですから、県庁へは、本日もそうなんですが、湖周道路を通って、琵琶湖大橋を利用して向かいます。これまで、矢羽根型マークが設置されていれば利用者にとって憂いなしと考えてまいりました。自転車が安心して走り、自動車が安心して走れる環境づくり、正しい場所を、ルールを守り、利用者が思いやりを持って走るのが理想ですので、矢羽根型マーク設置について前向きな検討をよろしくお願いしたいと思います。  最後の質問ですが、路面着色について、やはり青系の色を用いるのがよいと思いますが、矢羽根型マークの設置の間隔や寸法について、望ましい値や目安はあるのでしょうか、お伺いします。 ◎知事(三日月大造) 5点、御質問いただきました。ありがとうございます。  湖周道路のあり方について、まず1問目。  この湖周道路は、県の道路ネットワークを構成する基幹的な路線として、県内の産業・経済活動を支えるとともに、災害発生時の緊急輸送道路にも指定されるなど、私たち県民生活にとって不可欠な道路であります。一方で、日本風景街道として登録されたさざなみ街道を代表に、他府県にない琵琶湖周辺のさまざまな風景を四季折々に楽しめる、まさに滋賀のシンボルとしてふさわしい道路でもあります。このことから、将来にわたりイメージアップを図っていくことは、議員御指摘のように、滋賀の魅力を高める、私は有効な方策の一つだと考えております。  そうした中で、ビワイチ、特にサイクリング振興につきまして、本県の取り組みについて御質問をいただきました。  「ぐるっとびわ湖サイクルライン」は、琵琶湖を一周しながら周辺の自然や歴史、観光地等に触れ、滋賀を満喫していただけるよう、既存の道路のうち、比較的、自転車が安全かつ快適に走行できる道路を選定いたしまして、平成13年度に設定されたものであります。  利用者の利便性を高めるため、案内標識や距離標識を整備するとともに、コースマップを作成しております。このマップは、毎年、5,000部程度発行しており、御好評をいただいております。昨年度は、近隣の京都、大阪以外にも、北海道、東京を初め38都道府県の利用者から求められました。  さらに、コースの設置者であります県が主体となりまして、関係市の御協力も仰ぎながら、パトロールですとか、ふぐあい箇所の修繕などを行うなど、コースの保守にも努めているところでございます。  そうした中で、3点目、より安全な自転車走行の環境整備に向けたその他の課題、利用者からの御意見等についてでありますが、私も先般、颯爽とではありませんけれども、自転車に乗らせていただいて、利用者の方や、主にそういう環境改善のためにお取り組みいただいている方と意見交換させていただきましたが、主な意見といたしましては、歩行者、自転車、自動車、いずれの立場の方から、自転車、自動車混在を注意喚起する路面の表示でありますとか、安全な通行の確保やサポート体制の充実、休息所の設置等々の御意見をいただいております。  また、タンデムというんですか、2人乗りのタンデムの走行をぜひ認めてほしいという御意見。また、総括的になるんですけれども、しまなみや淡路島に負けない、ビワイチの魅力をもっと発信してほしいといったような、そういう御意見をたくさんいただきました。  こういった御意見を踏まえまして、県としては、例えばコース案内、トイレ、休憩所、トラブル発生時のレスキュー、これは回収も含めてですけれども、レスキューサービスなど、サポート体制を充実していくことと、あともう1つ、これは大事なことなんですけど、危険箇所の解消をしていくことが課題であると考えております。  4つ目、その湖周道路に矢羽根型マークを設置し、自転車の走行場所を示してはどうかという御提案でございます。  湖周道路の安心な利用を図るための一方策として、議員御指摘の矢羽根型マークというのは、私は効果的なものであると考えています。しかしながら、設置スペースや交通量などの問題もあるため、今後、利用者や関係機関との議論を深めまして、湖周道路での矢羽根型マーク設置について、まずは今年度中、試行させていただくことを目標に取り組んでまいりたいと思います。  その矢羽根型マークの設置間隔や寸法について、望ましい値や目安についてでございますが、矢羽根型マークの設置間隔や寸法につきましては、国土交通省国土技術政策総合研究所を初めとして、検討されているところです。これらによりますと、設置間隔は、現場条件ごとで異なるんですけれども、1つ当たりの寸法は、長さがおおむね1メートルから1.5メートル、幅はおおむね0.5メートルから1メートルの範囲とされているところでございます。湖周道路のスペースの問題等を勘案しながら、試行に向けて準備を進めてまいりたいと存じます。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)矢羽型マークの実証的試行、今年度中ということで、大変ありがとうございます。  ビワイチがより充実して、北陸新幹線米原ルートを決めて、滋賀県が楽天ランキング第1位は揺るぎないものとなるというふうに思っております。県民、力を合わせて頑張っていけたらと思います。  これで終わります。(拍手) ○議長(西村久子) 以上で、21番有村國俊議員の質問を終了いたします。  次に、22番大野和三郎議員の発言を許します。 ◆22番(大野和三郎議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、滋賀のこれからの医療のあるべき姿について質問します。  現在、日本における病的死亡原因の多くはがん、心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病であります。また一方では、心、つまり精神面の不調が原因となる心身の病が非常にふえてきていることも事実であります。  知事は、予防医学という言葉を御存じでしょうか。狭い意味では、病気を事前に防ぐということでありますが、広くは、食生活を初めとする生活習慣を正し、良質なイメージを心に持ち、病や心身の不調に抵抗できる体をつくることであります。  人口が減少し、少子高齢化が進むことで、私たちの生活にはさまざまな不安というものが出てまいります。その不安を最小限にすることも行政の責務であると思います。冒頭に申し上げた死亡原因となる生活習慣病や、心身の不調や病には、高度に進んだ医学においても、いまだ根本的な療法は確立されていません。もはや、病気になったら治すという治療医学だけでは不安は取り除けないのであります。  そこで、今、叫ばれているのが、病気を予防することはもちろん、加えて、障害の防止、寿命の延長、身体的、精神的健康の増進も予防の一環と捉えた対策を講じることであります。  昨年、知事就任直後の議会で私が保健事業についてその認識を伺ったとき、健康を守り、疾病予防、介護予防によって社会保障費抑制の先行投資になると、予防は重要だと知事は答弁されています。  そこで、知事に改めて問いますが、医療は、これからは治療から予防に大きくかじを切っていくときだと思いますが、知事のこれからの滋賀の福祉、医療の方向性について、その考えを問います。  先日、笹田病院事業庁長が成人病センターの総長、病院長時代に投稿されていた広報紙を目にしました。そこには、「医療人として、病気を治すことは最重要ながら、それだけでは人は必ずしも健康にはなれないと感じました」とありました。現在、滋賀県病院事業庁長は医療人であると同時に管理者でもありますが、当時の、病気を治すことでは必ずしも健康にはなれないと感じた背景と、現に今、そのことから管理者として、今現在、何をされていて、これから何をされようとされているのかを問います。  さらに、総長のときから講演をされており、健康都市構想ということをよく言われていたようでありますが、その考えはどのようなものかを問います。  余談になりますが、私が豊郷町長を務めていたときから、地元の病院にかかわって思うことがございました。医学界の学閥意識は何とかならないものかと。  恐らく、都市構想とまで言われることからも、成人病センターだけでなし得ないことであろうと推測します。ということであれば、この際、滋賀の医療の充実という観点からも、そうした医学界の学閥を払拭するということが必要だと考えますが、病院事業庁長の考えを問います。  私は、これからの滋賀の医療の推進に当たっては、医療機関の連携は極めて重要だと思っておりますが、県内の医療の充実、発展を図るための、滋賀医大を初めとする機関との連携のあり方について、医療の現場からは病院事業庁長に、滋賀県民の福祉の向上面からは知事に、それぞれ問うものであります。  ところで、オリンピック・パラリンピック、ワールドマスターズ、そして、滋賀での国体、すぐそこまで来ています。  河原教育長は、2巡目の国体開催が内定したときに、全ての県民の皆さんが健康づくりに取り組む契機として取り組むとのコメントを出されております。まさにそのとおりであります。あと9年であります。今、競技施設の検討が進んでいますが、あわせて、今から県民の健康意識が向上され、それが行動につながり、普及する、そうした施策は早ければ早いほど効果も高まるのではないでしょうか。  そこで、教育長に問います。  コメントで言われた、全ての県民の皆さんが健康づくりに取り組む契機となるよう、今後どのように進めていこうとされているのでしょうか。  加えて、健康づくりから、国体もそのための一つでもあります。健康を増進することこそが冒頭に述べました予防医療の第一歩でもあろうかと思います。そうしたことからも、滋賀の健康づくりは独創的だなと県民が思うことも重要だと思います。病気を治すことだけでは必ずしも健康ではないと思われた医療人である方が滋賀県病院事業管理者であることもその一つであると思いますが、そうした人材の確保について、また、国体後も含めて、独創的な健康づくりの施策について、知事、病院事業庁長、教育長、それぞれに中長期での視点と、その具体を示していただくことを求め、質問とします。 ○議長(西村久子) 22番大野和三郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)大野議員、今期もどうぞよろしくお願いいたします。  滋賀のこれからの医療のあるべき姿について7点御質問いただきましたうち、私には3点賜りました。  まず、1点目のこれからの滋賀の福祉医療の方向性についてでございますが、団塊の世代が75歳に達する、多くの方が75歳に達する2025年まであと10年という節目を迎え、高齢化や人口の減少が進み、これからは慢性や複数の病気を抱える患者がふえるなど、地域の医療需要も変化が生じ、これまでの治す医療から生活を支える医療への転換が求められていると認識しております。このため、高度急性期から在宅医療まで、患者の状態に応じた適切な医療を地域において効果的かつ効率的に提供する体制を整備すること、そして、患者ができるだけ早く社会に復帰し、誰もが住みなれた地域で、できる限り自立して、生きがいのある生活を送れる医療福祉を目指してまいりたいと考えております。  一方で、医療や介護のサービスを受けながらも、健康的に日常生活を送れることは御本人にとって何よりも幸せなことであり、そのためにも、生涯を通じて疾病予防に力点を置いた健康づくりを推進していくことが重要であると考えております。  2つ目に、5点目、滋賀県民の福祉の向上の面からの、滋賀医科大学を初めとする医療機関との連携のあり方についてでございます。  年をとっても生きていてよかったと思える社会に向けて、県民誰もがいつでもどこでも適切な医療を受けることができるようになることが医療面での福祉の向上であると考えております。このためには、健康づくりから治療に至りますあらゆるステージで、県内医療機関相互のきめ細かい連携が必要不可欠であると考えております。  具体的には、滋賀医科大学は特定機能病院として高度な診断、治療を行いますとともに、医師等の人材支援や人材育成の役割を担っていただいております。  一方で、各地域の拠点となります病院では、専門治療や療養指導を行い、さらに、身近な診療所では初期治療や安定期の治療、生活習慣の改善指導を行うという役割をそれぞれ担っております。  こうして、各医療機関が、患者さんの状況に応じて、連携して適切な治療を提供することにより、患者の皆さんが住みなれた地域で安心して生活と治療を両立できるようになります。このような役割分担と連携により、各医療機関がそれぞれの機能をしっかりと発揮し、県内各地で効率的かつ質の高い医療を提供していくことが必要であると考えております。  3つ目に、7点目、人材確保と独創的な健康づくり施策について、中長期での視点と具体策について御質問をいただきました。  滋賀の健康づくりは、子供から高齢者まであらゆる世代が家庭や地域、職場などで生き生きと活動し、元気で心豊かな生活が送れる社会の実現を目指して取り組んでまいります。今後、後期高齢者の急増や独居、おひとり住まいの人が増加し、これに伴いまして、保健医療サービス需要は量的、質的に増大、多様化が予測されます。特にがんや認知症、生活習慣病患者の増加とあわせまして、複数の病気や慢性疾患を抱える患者の増加も予測されるところです。  一方で、医療技術は進歩し、がんや認知症等に対する新しい治療法や検査方法の開発、さらには、ICTの活用によります医療や健康に関するさまざまなデータに基づきます効率的で質の高いサービス提供が期待されるところです。  こうした状況の中で、専門職の的確な助言のもと、まずは私たち県民みずからが健康の維持増進に主体的にかかわり、よりよい生活習慣を身につけることが重要であると考えております。  このため、議員御指摘のような専門職を県内各地にふやしていくことが不可欠でありまして、現在、在宅医療の地域リーダー養成のための研修に取り組んでおります。  在宅医療の推進には、医師とともに看護師の確保が重要な課題です。また、潜在看護師の皆さんの発掘や新卒看護師を訪問看護師として養成することにより、県民の皆さんが安心して地域で生活し続けることができる体制を整備してまいります。  同時に、健康に対する県民の知識や意識を高め、実践につなげるための具体策といたしまして、子供のころからの虫歯予防、企業やJA、量販店と一緒に取り組みます野菜一皿キャンペーンや社員食堂のメニュー指導など、食を通じた生活習慣病予防、3つ目、健診データを用いました糖尿病重症化予防を促します特定保健指導の強化、4つ目、障害者や高齢者に対します誤嚥性肺炎防止のための口腔ケアなどを実施いたしまして、予防に重点を置いた健康管理の一層の推進を図ってまいります。  さらに、今まさに議員も御指摘いただいたように、国体開催によります健康、スポーツへの関心が高まってまいります中、健康に関連した新たなビジネスが創出され、各地では体育施設の整備が進むこととなります。この機を捉えまして、健康を支援する環境整備として、例えば運動習慣の定着に向けました、自然に歩きたくなる公園や散歩道の整備などの取り組みを庁内横つなぎで進めてまいりたいと考えております。  人々の健康は、地域社会や企業にとっても重要な資産、資源であります。あらゆる人にみずからの能力を発揮できる持ち場をもたらし、雇用を支え、経済活動の基盤となるものと考えております。健康づくりは、医療人材の確保や疾病、介護の予防などに先行投資することによって、結果的に将来世代の負担を軽減し、県民の安心と満足につながってまいります。これが新しい豊かさにもつながると確信しております。  まさに全ての人に居場所と出番のある社会をつくる礎であるという認識のもと、今後とも健康しがの推進に取り組んでまいります。 ◎病院事業庁長(笹田昌孝) (登壇)大野議員から、滋賀のこれからの医療のあるべき姿について5点の御質問をいただきました。  まず、第1点目であります。御質問の第2項でございます。  私は、大学に在籍時の臨床経験から、人の望ましい健康をつくりたい、この目的としまして、人間健康科学の立ち上げに携わりました。この検討から、望ましい健康は体の健康と心の健康をあわせ持った状態と言ってよいと思います。  その具体的な姿としまして、子供たち、若者、高齢者の3世代が、それぞれ自立しながら、そして、それぞれが他世代を必要として、日々、健康的な生活をしている姿であります。  病院事業庁では、この望ましい健康を滋賀県のどこに住むどなたにも届ける、これを目標として掲げました。そして、この目標の達成に必要とする医療としまして、高度医療と全県型医療をキーワードといたしました。  ここでいいます高度医療は、単に技術や機器が高度ということではなく、体と心に高度である、言いかえますと、全人的な高度な医療を指します。そして、全県型医療は、県内の全ての地域に住む方々に適切な医療を届けることといたしました。  このような目的を具体化するために幾つかのプロジェクトを進めてまいりました。項目のみ申し上げます。  がん診断に不可欠の病理診断を滋賀県下全ての病院で行えるようにする病理遠隔診断体制の確立、病病診在宅の医療連携にいうような全県型医療情報ネットワークの構築、これからの医療に重要な役割を担う、すぐれた医療専門職の育成、そして、病気は、なってから治すより病気にならないを目標に、新しい予防法の開発と、予防に役立つ情報の提供などでございます。今後とも、滋賀県のどこに住むどなたにも適切な医療を提供できるように努めてまいります。  第2点でございます。  健康都市構想についてでございますが、望ましい健康を追求していきますと、3つの安寧、人の安寧、社会の安寧、環境の安寧を備えた都市をつくることに至りました。  安寧の都市は、これからの我が国において必要、有用と考え、人々が、日々、健康的に生活する姿から、私は健康生活未来都市と名づけました。この都市では、3世代が自立、共生して健康的に、子供は伸び伸びと、若者ははつらつと、お年寄りは生き生きと、日々、生活している姿でございます。  このような都市を構築するために、まず、自然、環境、文化を基盤とし、そして、交通、情報、教育、ビジネスなどが組み込まれ、必要なときにさっと機能する医療が備わっていることでございます。  滋賀県も、他府県同様に超高齢社会を迎え、また、社会構造や疾病構造、人々の意識構造に大きな変化が見られる中で、医療、福祉の観点から健康生活未来都市を考えました。  具体的には、心の健康をつくり出すための交通、教育、情報、ビジネス、医療であり、また、疾病を予防するための交通、教育、情報、ビジネス、医療があり、そして、これらを一体的に機能させるシステム、これらを持つのが健康生活未来都市の構図となります。この結果として、医療資源や医療経済に展望ができ、これからの超高齢社会を穏やかに迎えようとするものであります。  こうした取り組みを提案しつつ、産学官などと広く、より緊密な連携を図り、県民の皆さんと協働して、健康生活未来都市を目指したいと考えております。  第3点目の滋賀県の学閥を払拭する点でございます。  県民の皆さんに適切な医療を届けるという目的に学閥という語は不要と考えます。私どもは、大事な患者さんに適切な医療を提供する医療人を確保し、育てることが重要と考えます。  議員御指摘のとおり、今後の滋賀の医療の充実を考えますと、学閥などにとらわれることなく、滋賀県に意欲のあるすぐれた医療者、これを多く迎えたいと思います。そのためには、意欲ある医療人が滋賀県に来たいと、そのように思う場づくりを心がけ、また、来られた医療人に対しましては、その育成に精いっぱい対応して確保してまいりたいと考えます。  第4点でございます。滋賀医科大学を初めとする機関との連携でございます。  滋賀県の皆さんに望ましい健康を届けることを目標としながら、滋賀県も超高齢社会に突入して、医療に関する将来予測や、限られた医療資源や医療経済の視点に立って適切な対応が必要と考えます。  その基本方針として、目標に向けた明確なビジョンとともに、病院中心の医療から、病院、診療所、在宅が一連一体となった地域医療の構築が重要かと考えます。この連携は、県下の医療を担う医療機関といたしまして、滋賀医科大学を筆頭に、滋賀県下の58病院ならびに診療所、そして、多くの医療分野の方々によって構築されます。  連携に向けた幾つかのプロジェクトは、さきに申し上げました。その多くは滋賀医科大学、県下の病院、診療所、そして、いろいろな職種の方々と協力して整えたものでございます。これらが、現在、少しずつ稼働しつつあり、有機的に機能させることによって連携が進むと期待しております。  病院、医療機関の協力と機能の分担、医療人材の適切な活用と育成、新たなシステムの開発など、さらに、県民の皆さんとの協働や、病気を治すことから予防へなど、滋賀県らしい医療体制を目指して、県立病院としての役割を果たしてまいります。  最後に、5点目でございます。人材確保と独創的な健康づくりについてでございます。  まず、医療人の育成と確保でございます。  医療専門職、医療情報担当者、そして、医療行政を担当する人などにつきまして、指導的人材の育成から始めております。  人材育成センターにおきまして、上記の多職種が一堂に会し、それぞれの職種が持つプロ技を理解しながら、みずからの分野を習熟いたします。育成された指導的人材は、もとの仕事場、地域へ戻って、その地域における人材育成にかかわります。情報ネットシステムや教材の活用により、滋賀県全域に必要とする人材の育成を図ってまいります。  医療人材の確保については、若者たちが滋賀県のすぐれた医療の分野に進みたいと、そのように思う機会をつくり、また、場づくりに努め、意欲のある医療人材を確保してまいりたいと思います。  次に、独創的な健康づくりでございます。  現在進行中の健康づくりは、病理遠隔診断体制の構築や全県型医療情報ネットワークシステムの構築など、いずれも全県を視野に入れた滋賀県発の取り組みでありまして、全国で初めての成果でございます。  今後の取り組むプロジェクトといたしましては、滋賀県成人病センターの研究所で進めております、発症前の認知症の診断法の開発、身体障害になられた方の早期回復・高度回復法の開発、聴覚コミュニケーション医療の確立など、いずれも滋賀県発の健康づくりのプロジェクトになると思います。  これから進めます健康づくりは、このたびの滋賀県基本構想にいう新しい豊かさを追求するもので、滋賀発の斬新的な構想かと思います。  主な点といたしまして、1つ、望ましい健康づくりの組み立てに人間健康科学の理論を基盤としたこと、第2点は、健康づくりは3世代がそろって健康になってこそ初めて可能となる、このような視点に注目したこと、3点目、伸び伸びと、はつらつと、生き生きとなど、顔にあらわれる健康的な姿を到達度としたこと、4番目、これらの具体化に健康生活未来都市の構築が有用と考えたことなどでございます。  このような新しい進め方による中長期的展望を高齢者について述べますと、高齢者の方々に対して、「どうぞ遠慮なく堂々と長生きしてください」との意識を持って高齢者の自立を支え、励みとなる仕組みづくりをする。これにより、高齢者は生き生きとして、社会で役立ち、健康的生活をする。高齢者は病から遠ざかり、医療費はスリムになる。この結果、若者にとって高齢者は邪魔者どころか歓迎する存在となって、若者は自分の将来に対して安寧を覚える。このような流れを考えております。  以上、いずれも滋賀県の英知を集約して、今後とも進めたい健康づくりでございます。  以上です。 ◎教育長(河原恵) (登壇)県民の皆さんの健康づくりについての2点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の健康づくりに取り組む契機となるように今後どのように進めていくかについてですが、県民の皆様の健康づくりにおいては、県民一人一人が健康で明るく生き生きと生活するため、日常生活の中で、する、見る、支えるなど、さまざまなかかわり方で、みずから進んでスポーツに親しみ、楽しむことが大切です。  また、県は、市町と緊密な協力関係のもと、住民へのスポーツに対する参加、支援を促す取り組みをすることが必要であり、施策の推進を図るため、スポーツ関係部局との横断的な連携の強化や、スポーツ団体等関係団体との連携、協働をしながら進めることとしております。  一方、学校教育においては、体力づくり、保健教育、食育の指導と実践を有機的に組み合わせながら、子供たちに規則正しい生活習慣や運動習慣を身につけさせることができるよう、進めてまいる所存でございます。  次に、2点目の人材確保と国体後も含めた健康づくりの施策の具体についてお答えをいたします。
     まず、学校における健康づくりについてですが、子供の体力を高めるためには、幼児期から高校生までを総合的に考え、子供たちの発達段階に応じた指導を系統的に実施し、運動習慣の定着を図ることが重要です。  そのため、幼児期では、幼児の運動遊び実践事例集を作成して、運動遊びを促進してまいります。また、小学校では、運動時間を確保した健やかタイム、10分間運動の取り組みを推進し、運動習慣の確立を図ってまいります。中学校、高等学校においては、教員の多忙化などにより運動部活動の指導者不足が課題になっていることから、優秀な外部指導者や部活動指導者の経験がある教員OBを、今年度、中学校で23名、高等学校で19名派遣して学校の支援を行っております。  今後は、毎年実施している各学校実態調査の中でニーズを十分に把握し、市町とも連携しながら指導者の人材確保に努め、運動部活動の充実と活性化を図ってまいります。  さらにまた、食習慣の改善として、朝食摂取に関する取り組みの充実も図ってまいります。  これまで、「早寝・早起き・朝ごはん」の取り組みにより全体的に朝食摂取率は高くなったものの、平成27年2月に実施した県教育委員会の調査で、毎日必ず朝食をとる児童生徒は、小学校では約89%、中学校では約86%となっております。朝食をとらない理由としましては、生活習慣が乱れて就寝時刻が遅くなることなどが要因であると思われます。  朝食の摂取は、規則正しい生活習慣が身につき、心に安定感をもたらし、意欲や集中力を高めることにつながるなど、人が生きていく上での基本である食の中でも極めて重要であると認識しております。このため、県教育委員会といたしましては、平成26年度から平成28年度までの3年間、朝食摂取アップの取り組みを重点的に行い、小学校では93%、中学校では90%まで増加させることを目標とし、毎日必ず朝食をとる食習慣の確立に取り組んでいるところでございます。  また、今年度は、小学校から特別支援学校までの食育担当者を対象とした、食に関する指導研修会を6月に開催し、先進的な取り組みを行っている学校から取り組み事例を発表していただきました。  今後は、各学校を対象に行っている調査の中で、毎日は朝食をとれていない理由の報告を求め、改善に向けた具体的な取り組みにつながるよう指導していくとともに、食育の授業等に活用できるよう、朝食摂取アップ実践事例集を県内全ての公立学校に配付することとしております。  こうした取り組みにより、全ての児童生徒が毎日朝食をとる習慣が身につくよう、市町を初め家庭、地域が一体となって、県内児童生徒の朝食摂取アップに努めてまいります。  次に、生涯スポーツを通した県民の健康づくりについてですが、成人の週1回以上の運動、スポーツの実施状況が全国平均に比べ約2ポイント低いという調査結果から考えると、県民の運動習慣が身についていないことや、スポーツ活動への県民の参加が少ないことが課題であると認識しております。  そのため、県民のスポーツに親しむ機会をふやすことを目標に、学校や職場、スポーツ大会においてラジオ体操指導士を派遣するなど、ラジオ体操の普及を進めたり、琵琶湖を利用したサイクリングやジョギング、ウオーキングの推奨、また、スポーツボランティアを支援するための養成研修を推進してまいります。また、大学や企業との連携によるスポーツ事業の啓発、協働に取り組み、組織的にスポーツのネットワークづくりを推進して、スポーツの機会づくりをふやすよう、取り組んでまいります。  県民の皆様方が、国体後も含めて、する、見る、支えるスポーツの視点を持っていただき、スポーツを通した幸福で豊かな生活の営みに資するよう、市町とともに、健康づくりが県民の間に広がる取り組みを進めていくことで県教育委員会としての責任を果たしてまいりたいと考えております。 ◆22番(大野和三郎議員) (登壇)今、知事から、健康づくりは医療人材の確保や疾病、介護の予防などに先行投資することによって、結果的に将来負担を軽減し、県民の安心と満足につながるとの答弁をいただいたわけですが、そこで、笹田病院事業庁長に問いたいと思いますが、今御答弁いただいた中で、健康未来都市の構築、確立を目指されるわけですが、今時点においてですが、笹田病院事業庁長が描く、目指すべき、あるべき姿、これを確かなものにする、到達までにどの程度の時間と、いわゆる投資、財源が必要であるか。その辺のところの思いを率直に申し述べていただければありがたいと思います。  ちなみに、財源のことは財政課長が心配そうなもので。 ◎病院事業庁長(笹田昌孝) きょう報告させていただきました健康生活未来都市というのは、私が大学におりますときに文部科学省に提案いたしまして、その当時、今から6年前でしょうかね、約10億のお金をいただきました。この金額でもって、まだまだ具体的なものは見えてまいりませんが、現在、一つの都市におきまして、循環型のバスを回したり、そうした中でのいろいろな取り組み、それは交通でございますが、私は主に医療の面からできることをということで、京都大学の工学部と、それから、そのほか、立命館大学、その他多くの大学の方に加わっていただいて、いろんな観点からぼつぼつと進めているというのが現状でございます。  今、議員がおっしゃいました、最終的な到達度というのは、医療の面からでございますが、一応、私は2040年、今から25年先の到達度、そのときの図を描くということで作業を進めております。  このような長い時間にかかります経費というのは、ちょっと私の能力では算出できませんが、今申し上げましたように、最終的には3世代の人々が、日々、健康的に生活するわけですから、そのために必要とする要素は非常にたくさんございます。項目で挙げますと、交通も情報もビジネスも全て含んでくるわけでございます。  私どもは、今、医療の分野から少しかかわっておりますが、その他多くの要素を一体として、いろんな分野の方々とともに、そして、産官学、また、国というようなものも協力をいただきながら、時間をかけて進めていきたいと考えております。  議員の御質問に金額や期間ということ。期間につきましては、今申し上げましたように、2040年を到達と。金額につきましては、少々、私の能力では計算等はできませんが、かなり大きなところからの支援をいただかないと、これはできないということで、今後ともそういう努力をしてまいります。  以上でございます。 ◆22番(大野和三郎議員) (登壇)そこで、知事に2点ほどお尋ねをしたいと思いますが、まず、本県の今日までの、滋賀医大を初めとする医療機関等に対する、いわゆる投資ですが、地方自治法の第2条。 ○議長(西村久子) 大野議員に申し上げます。  分割質問ですので。 ◆22番(大野和三郎議員) (登壇)先行投資というのは知事が答弁されておるんですよ。でしょう。 ○議長(西村久子) ですから、最初の答弁に対して。 ◆22番(大野和三郎議員) (登壇)答弁に対して再質問しているんですよ。先行投資という答弁を知事がされているでしょうが。 ○議長(西村久子) ちょっとお聞きください。  最初、御答弁いただきました。その答弁に対して、次の段階で、だから、分割質問ですから、笹田院長に求められるのと知事に求められるのと、並行して、その場でおっしゃっていただかないと、分割質問の再質問には該当しません。 ◆22番(大野和三郎議員) (登壇)答弁、それぞれの立場でそれぞれ答弁されているんですよ。そうでしょう。ですから、どうなんですかと。目指すべきところ、あるべき姿に対して、視野に入れて、時間と費用はどうなんですかと。そういった答弁があったので、加えて、行政庁の長として先行投資、これは知事が答弁されているんですよ。そもそも再質問というのは答弁に対して行うものでしょう。 ○議長(西村久子) 分割質問のルールがありますので、守ってください。 ◆22番(大野和三郎議員) (登壇)あくまでも答弁に対して行うこと、これが再質問でしょう。 ○議長(西村久子) だから、笹田院長の今お答えになったことに対して。 ◆22番(大野和三郎議員) (登壇)冒頭、知事が答弁しているでしょう、先行投資。 ○議長(西村久子) はい。 ◆22番(大野和三郎議員) (登壇)ですから、議題以外ではありませんよ。ルール違反でもありませんよ。あんたこそ勉強してください。 ○議長(西村久子) 分割のルールに従ってください。 ◆22番(大野和三郎議員) (登壇)ですから、議題以外ではないということを申し上げておるんです、議題以外でないということを。  そういうことで、今日までの本県が、滋賀医大を初めとする医療機関等に対する投資、これが地方自治法の2条の14項と照らし合わせながら、知事の所見を、評価も含めて、求めたいということと、それぞれ知事。 ○議長(西村久子) 大野委員にもう一度申し上げます。分割質問において、2回目以降の質問は前の質問と連続していなければならないとされています。最初に言われたのは、笹田院長に対して御質問されました。 ◆22番(大野和三郎議員) (登壇)最初に質問しているでしょう、知事に。先行投資というのは、何度も言いますが、知事が申された答弁なんですよ。そのことについてどうなのかと。ルールを守りなさいよ、ルールを。  そういうことですので、1点はそういうことと。 ○議長(西村久子) 重ねて申し上げます。発言は認めません。 ◆22番(大野和三郎議員) (登壇)いま1点は、知事の立場で。知事は知事の立場で、笹田管理者は管理者の立場で、教育長は教育長の立場で答弁されているんでしょう。ですから、私が申し上げたいのは、まずは今日までの投資はどうだったのかということと、いま1点は、それぞれの立場で答弁されたわけですが、これは、後退することなく、しっかり着実に前に進めていただかなければならない。そのためには、適宜、モニタリングを行っていただいて、その結果を速やかに県民の皆さんにお知らせすること。つまり行政庁の長としての説明責任を果たすこと、これは極めて重要だと考えるんですが、その辺のところをあわせて知事の所見を伺いたいと思います。 ○議長(西村久子) 大野議員に再度申し上げます。分割質問のルールに従っていただきますので、今回のお答えはいただくことができません。 ◆22番(大野和三郎議員) あんたの会議規則は正しく理解されていない。しっかり勉強しなさいよ。 ○議長(西村久子) 続くものはありますか。 ◆22番(大野和三郎議員) 具体的にどの部分が会議規則に違反している。 ○議長(西村久子) 昨日もありましたけれども、再質問に関して、分割の再質問に関してのルールをお守りいただきます。 ◆22番(大野和三郎議員) 答弁に対して行うものでしょうが。順序ということやない、それぞれの答弁に対して質問するんです。それが再質問でしょうが。 ○議長(西村久子) しばらく休憩します。   午前11時10分 休憩    ────────────────   午前11時15分 開議 ○議長(西村久子) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  大野議員から、議運を開いて確認してほしいと。議運で確認することといたします。  それでは、暫時休憩とさせていただきます。   午前11時15分 休憩    ────────────────   午前11時50分 開議 ○議長(西村久子) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  先ほどの大野議員の再々質問については再質問との連続性が認められませんので、以上で、大野議員の質問を終了いたします。  進行します。  次に、13番節木三千代議員の発言を許します。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇、拍手)それでは、日本共産党県議会議員団の節木三千代でございます。  発言通告に従いまして、質問をいたします。  県民の生活に深くかかわります、まず、戦争法案と日米共同訓練について、分割質問で知事にお聞きをいたします。  安倍政権が戦後最長の95日間もの国会を延長してまで押し通そうとしている平和安全法制は、海外で戦争する国に日本をつくりかえる戦争法案です。  戦争法案には3つの大問題があります。  1つは、日本がどこからも攻撃を受けていないのに、集団的自衛権を発動し、米国とともに海外での武力行使に乗り出すことです。2つは、これまで政府が戦闘地域としてきた場所にまで自衛隊を派兵して軍事支援を行うこと。3つは、PKO法の改定で、実際に戦乱が続いている地域の治安維持活動に自衛隊を派兵させることです。  これらによって殺し、殺される危険が決定的に高まります。戦争法案は、従来の憲法解釈の根本を180度転換する立憲主義の破壊であり、憲法9条の破壊にほかなりません。国会論戦の中でこの問題が浮き彫りになり、戦争法案反対の声は、今や憲法学者だけでなく、法律家や演劇人、労働者、女性、青年など、広範に広がっています。  マスメディアの世論調査でも、「反対」が共同通信で58%、「今国会で成立させる必要がない」が朝日で65%など、圧倒的です。  日本共産党は、違憲性、国民世論から見ても、直ちに廃案、撤回をすべきと強く要求をしています。国会論戦と国民的共同で安倍政権を包囲し、この企てを阻止するために、戦後最悪の戦争法案反対の1点で、広範な国民の皆さんと共同して戦い抜く決意です。  そこで、4点、お聞きをします。  1点目は、知事の戦争法案についての見解をお聞きいたします。  2点目は、戦争法案の中心とも言うべき問題、集団的自衛権の行使について知事の見解を伺います。  3点目は、今回の法案の事態対処法によって県の役割、責務がどう位置づけられるのか、どう変えられようとしているのか、お聞きします。  4点目ですが、滋賀県には大津市に自衛隊駐屯地、高島市に饗庭野演習場があり、多くの自衛隊員の皆さんが活動をされておられます。自衛隊員が戦争に巻き込まれる危険が強まります。憲法を遵守する義務がある知事は、平和を願う140万県民の期待にしっかりと応え、戦争法案に反対の意思を表明されることを強く求めるものですが、見解を伺います。  次に、高島市の饗庭野演習場の日米共同訓練について伺います。  4月16日発表の平成27年度陸上自衛隊主要演習等の大要によりますと、日本国内における米海兵隊との実動演習を中部方面隊管内で実施し、その際にオスプレイの参加を検討中としています。高島市の饗庭野演習場でオスプレイを使った日米共同訓練の可能性が高まっています。  そこで、知事に3点伺います。  1点目は、防衛省に説明を、この間、求められてきたのか、情報は全て県民に明らかにすることを求めるものですが、見解を伺います。  2点目は、今年度、饗庭野演習場で日米共同訓練が行われれば、戦争法案を先取りする危険な演習になりかねません。饗庭野演習場での日米共同訓練に知事として反対を表明することを求めるものですが、見解を伺います。  今年5月17日、米海兵隊MV22オスプレイが米ハワイ州の米軍でまたもや事故を起こし、海兵隊員2名が死亡するという惨事になりました。にもかかわらず、在日米軍横田基地には、6月4日に、普天間基地配備の米海兵隊のMV22オスプレイが飛来をしています。  3点目は、県民の安全を守る知事として、県民を危険にさらすオスプレイが再び滋賀の空を飛ぶことのないように、中止を求めていただきたいと思います。見解を問います。 ○議長(西村久子) 13番節木三千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)節木議員、どうぞ、今期もよろしくお願いいたします。  御質問の法案と日米共同訓練について7点にお答えをいたします。  まず、1点目の法案についての見解と、2点目の、法案の中心とも言うべき問題として表現されました集団的自衛権の行使に係る見解についてまとめてお答えをいたします。  現在、国会で審議されております平和安全法制につきましては、我が国を取り巻く安全保障環境の変化を踏まえ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態に際して、我が国および国際社会の平和および安全の確保に資するために我が国が実施する措置について定めるものとされ、また、集団的自衛権につきましては、我が国を防衛するためにやむを得ない自衛の措置として必要最小限度の武力の行使を認めるものとされているところでございます。  一方では、日本国憲法の条文に照らし、違憲であると表明されている憲法学者もおられ、従来の政府解釈を変更したことについて国民の多くがまだ十分に理解されていないと私としては感じており、今後、国会において慎重かつ丁寧に審議されることを望んでおります。  次に、3点目の、いわゆる事態対処法によって県の役割、責務がどう位置づけられ、どう変えられようとしているのかということについてでございます。  我が国への武力攻撃への対処に関して、基本理念や国、地方公共団体の責務や体制の整備などを定める現行の事態対処法では、第5条および第7条において、地方公共団体の責務として、国および他の地方公共団体その他の機関と相互に協力し、武力攻撃事態等への対処に関し、必要な措置を実施することを規定しております。  今回の事態対処法の改正では、これらの条文の改正は行われていないものの、地方公共団体にも関係する基本理念等の条項の改正もなされており、その法律の実際の運用に当たって、県の役割や責務がどう変わるのか、今後、国会審議の中でしっかり議論を深められることを期待しながら、その動向を注視してまいりたいと存じます。  次に、4点目の、平和安全法制に反対の意思表明のいかんについての御質問にお答えをいたします。  平和や安全に関します法案は、今、国会で議論されております。私は今、知事としての公務に専念したいと思います。  次に、日米共同訓練の情報収集と県民への情報提供についてでございますが、4月16日に公表されました平成27年度陸上自衛隊主要演習等の大要について、防衛省近畿中部防衛局から、饗庭野演習場が所属する中部方面隊と米軍との間で訓練が実施される予定であるとの説明を受けました。引き続き、情報収集に努め、必要に応じて県民に情報提供をしてまいります。  次に、饗庭野演習場での日米共同訓練についてでございますが、防衛政策は、御案内のとおり、国の専管事項であることから、日米両国政府が決定される事項であります。  知事といたしましては、県民の安心安全を確保することを最優先に、地元、高島市と連携を図りながら対応してまいります。  その訓練でのオスプレイの使用についてでございますが、その使用の有無を含め、日米共同訓練の実施については日米両国政府が決定される事項で、知事といたしましては、県民の命と暮らしを守る立場から、県民の安全と日常生活に支障を来すことがないよう、引き続き、情報収集に努めてまいります。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)戦争法案については、さきに述べましたように、3つの大きな問題があって、武力行使を禁じている憲法に違憲だということが大きな、今、問題になっていまして、憲法学者だけでなく、世論が大きく広がっているということを言っておきたいというふうに思います。
     知事は、記者会見におきましても、個人的には集団的自衛権の行使については反対と、このように述べられたというふうに私は思っていますので、この点について、再度、質問をさせていただきたいというふうに思います。  同時に、地方自治体に大いにかかわるこの戦争法案について、公務だからということではなくて、本当にしっかりと見ていただきたいというふうに思うんです。  特に事態対処法の中で、今回、存立危機事態が加わりましたけれども、この存立危機事態というのは、日本に対する武力攻撃がなくても、時の政権が集団的自衛権を行使すると判断すれば、自治体はその方針に従って万全の措置をとるという義務が生ずるわけです。  今、中身が全くわからない中でも、この存立危機事態自身が非常に問題だという声も委員会などの議論でも明らかになっていますし、物品、施設または役務の提供その他の措置というのですから、海外の戦争に地方自治体が、集団的自衛権の行使が認められれば何でも行わなければならない、こういう義務が生ずるということでは大きな問題だというふうに思うんです。その点でも、自治体の長として、この戦争法案については問題があるということをぜひ言っていただきたいと思いますけれども、見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 憲法というもの、また、平和を守るための法律がいかにあるべきかということ、そして、集団的自衛権というものをどう考え、どう行使するのか、しないのか、個別的自衛権とのかかわりも含めて、今まさに国会で審議をされているところであります。また、この機会に、私たち県民、国民が全て、深く、広く考えることが必要だと存じます。私は個人的な見解、またいろんなものを持っておりますが、知事は知事として、この議場としての立場を表明させていただいているところでございますので、今後、この議論が深まり、国民の理解がきちんと広がることを期待するものでございます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)集団的自衛権の問題は、今、国会に出されている戦争法案の中の中心中の中心で、今、違憲だということが憲法学者の中でも大半の広がりがあるわけなんです。知事は一旦、個人的には集団的自衛権は反対だとおっしゃいましたし、昨年の7月1日の閣議決定があった知事選挙の中でも、多くの県民が、戦争はあかんということで知事に期待をされたと思うんです。そういう点でも、再度、私は知事に問いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 私は知事として、県民の皆様方の命と暮らしを守るという立場で、知事としての公務を遂行したいと存じます。  今お尋ねのさまざまな法案や事態、自衛権の問題については国会で審議をしていただいておりますので、そこで議論が深まることを期待したいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)非常に、地方自治体にとっても重大な問題を含んでいるというふうに思いますので、知事として、しっかりと国会での議論を見定めていただいて、この時点で、私はやはり県民が戦争に巻き込まれるような戦争法案には反対を表明をしていただきたいということを強く求めたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  次に、特別支援学校について、分割質問方式で教育長に伺います。  特別支援学校は、全国で知的障害のある子供たちを対象にしたものを中心に大規模化し、超過密の状態となっています。  滋賀県でも、平成15年から25年の学校基本調査によると、在籍児童生徒の増加率を見ると、特別支援学校では1.77倍と、全国は1.39倍、増加率は全国トップとなっています。現在、音楽室、図書室などの特別室を教室として転用、教室をパーティションで間仕切りをし、狭い教室で活動を余儀なくされている学校もあります。また、野洲養護学校では、平成20年開校時、191人でしたが、今年度は368人、平成34年には428人と、2倍を超えようとしています。現場からは、幾ら教室をふやしても、共有スペースは変わらない。校内の人口密度が高くなることによって、落ちついて学習ができなくなるとの声が上がっています。分離、新設は保護者、関係者の切実な願いです。  このような状況になった背景には、特別支援学校に、現在、教育を保障するにはふさわしい条件を整えるための国の基準がなく、どんなに過密になってもそれに歯どめをかけるルールさえないこと、教育条件の整備という教育行政の最大の仕事を曖昧にしてきたことに大きな原因があると言わざるを得ません。政府のイニシアチブで速やかに具体化を図り、障害のある子供たちの教育条件の整備をするように強く求めるものです。  ことし3月、策定された滋賀のめざす特別支援教育ビジョンでも、本県の現状と課題として、湖南地域を中心に、引き続いての増加傾向が見られることから、さらなる対応策の検討が求められているとしています。  障害がある子供たちが極めて劣悪な環境に置かれている教育条件の改善を急ぐことが、障害者権利条約の立場からも看過できないと考えます。学校の新設を柱に、緊急計画を県が作成をすべきと考えますが、教育長の見解を伺います。  次に、医療的ケアの必要な児童生徒の通学支援についてお聞きします。  先日、学校まで保護者送迎をされておられる、医療的ケアを必要とする子供さんのお母さんお二人からお話を聞かせていただきました。「学校に行くと、子供のわずかに見せる表情や小さな声にも先生方がその意味を見出してくださる。友達とのかかわりで自分の存在を見出すんです。それが励みになっています」とおっしゃっておられました。こうした保護者の思いに応えて、一日も早く通学が保障されるように強く願うものです。  Aさんは、子供の学校の送迎だけでなく、経管栄養など、学校に行くまでの準備、帰宅すれば吸引器の掃除、洗濯、夜間は吸たん、たんを取ることですが、体位変換で休む間がありません。安全に通学を保障するために、保護者に任せるのではなく、県教育委員会の責任で対応をすべきではないでしょうか。認識を問います。  昨年度は守山市で、医療的ケアが必要な生徒を対象に、看護師が事業者の車に同乗して登校するという実証実験が行われ、期待が広がっています。その成果と課題、保護者、関係者への情報提供について見解を伺います。  今年度は、保護者による送迎は46名と聞いています。平成25年11月に出された医療的ケア児童生徒通学支援研究会の中間まとめでは、市町、事業者との連携、看護師の確保のための看護協会などの関係団体との意見交換、研修などの手だてを講じる必要があるとしています。こうした取り組みを県教育委員会が責任を持ってされるように強く求めるものですが、見解を伺います。 ◎教育長(河原恵) (登壇)特別支援学校についての4つの質問にお答えをいたします。  まず、1点目の、学校の新設を柱に県が緊急計画を作成すべきとの御質問についてお答えをいたします。  県教育委員会では、平成24年10月に知肢併置特別支援学校における児童生徒増加への対応策を策定し、普通教室の増築や高等養護学校、高等部分教室の新設など、児童生徒増加への対応を図ってきたところでございます。まずは、この対応策に基づき、教室整備などを着実に進めてまいりますとともに、改めて、特別支援学校在籍者の将来推計を行い、さらなる対応策について、その必要性も含めて検討していきたいと考えております。  また、本年3月に策定した、滋賀のめざす特別支援教育基本ビジョンに基づき、ともに学ぶことを基本に、児童生徒の障害の程度や学習内容、発達段階に応じた柔軟な教育を進めることとしており、地域の小中学校への分教室の設置等を含め、さまざまな教育的ニーズを踏まえた学校づくりに努めてまいりたいと考えております。  2点目の、医療的ケアの必要な児童生徒の通学保障を県教育委員会の責任で対応すべきとの御質問についてでございますが、障害のため、通学して教育を受けることが困難な児童生徒に対しては、学校から教員を派遣して訪問教育を行うか、保護者に児童生徒を学校まで送っていただき、特別支援学校の中で教育を行うかのどちらかになっております。特に、医療的ケアが必要な児童生徒が特別支援学校の中で教育を受ける場合は、学校に看護師を配置し、医療的ケアを行って支援しているところでございます。  このように、医療的ケアが必要な児童生徒の通学については、保護者に、責任を持って送迎していただくものとなっており、県教育委員会の責任で対応するものではないと認識しております。  3点目の、医療的ケア児童生徒通学支援実証研究事業の成果と課題、保護者への情報提供についてでございますが、昨年度、実施した実証研究については、医療的ケアの必要な児童生徒が保護者の理由で欠席することを極力減らすため、また、保護者の身体的疲労や精神的負担を少しでも軽減できるようにするため、月に2回程度の送迎を行うものであり、保護者のレスパイトを目的に実施したものであります。  その成果としましては、関係者が連携し、意見交換をする中で、具体的な課題を明らかにすることができたことであります。  一方、課題といたしましては、送迎車両や看護師の日程調整が困難な場合があったことや、近くに医療機関がない場合の緊急対応について、さらに丁寧に検証する必要があることなどでございます。  次に、関係する保護者への情報提供についてですが、これまでも研究会議を公開の場で行うとともに、その内容をホームページに掲載し、情報を提供してきたところでございます。  今後も、実証研究の結果を研究会議で議論し、ホームページに掲載するなど、引き続き、情報提供に努めてまいりたいと考えております。  次に、4点目の、中間まとめにあるようなさまざまな取り組みを県教育委員会が責任を持ってするようにとの御質問でございますが、議員御指摘の中間まとめは、平成25年11月に医療、福祉、教育の各分野が連携し、取りまとめたものであり、この内容に基づいて、昨年度から実証研究に取り組んでいるところであります。  今年度も引き続き、医療関係者等と密接に連携をとりながら、県教育委員会として責任を持って取り組んでいるところでありまして、今後も福祉部局と一体となって実証研究を進めてまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)大規模化の問題ですけれども、その推移で、野洲養護学校では平成34年には428人と、開校時の2倍を超えるということです。質問でも言いましたように、増設、増設の対応を行ってもらっても、共有のスペースは変わらないということでは、子供たちの学習環境にも落ちついて学習ができないという、そういう支障が出ているということなんです。私は、分離、新設こそ、そうした関係者、保護者の思いに応えるというふうに思いますので、再度、分離、新設を求めたいと思いますが、教育長の考えをお聞きしたいというふうに思います。  特に、滋賀のめざす特別支援教育ビジョンの中では、この議場でも議論になりましたけれども、インクルーシブ教育を進めるというふうにされていますけれども、このインクルーシブ教育の目標は、最大限の発達と社会への完全かつ効果的な参加をするために、そのために教育条件の整備そのものも大事やというのが私は権利条約の概念であると思いますので、このビジョンで掲げているその思いからも、私はこの新設は待ったなしの課題だというふうに思います。ぜひ、大規模化に伴う教育条件の悪化、分離、新設は待ったなしという、この思いに応えていただきたいと思いますけれども、教育長の答弁を、再度、伺いたいというふうに思います。  医療的ケアの必要な児童生徒の通学支援についてです。  昨年、実証実験がされました。今、課題も教育長のほうから述べられました。今年度、実施をするに当たって、まだどこの市町もなかなか具体化が図れないという、そういう状況があるんです。保護者の皆さんの強い願いを教育長も御存じだと思いますけれども、私は、実際にお母さん方としゃべって、本当に切実だというふうに思っているんです。  あるお母さんは、6年生の女のお子さんを持っておられて、このようにおっしゃっておられます。「人工呼吸器をつけて通学をしています。体も大きくなって、いよいよ私──母の介助にも限界が近づいているなと感じながら、日々、通学、送迎に頑張っている状況です。ぜひ通学支援が実現してもらえることを強く願っています」と、このように答えておられます。  昨年度の実証実験の課題を踏まえながら、私は、県の教育委員会が、やはり責任を持って課題を解決をして、そして進めていく、この立場が、今、求められている保護者の願いに応えるものだというふうに思いますので、その点についてもお聞きします。 ◎教育長(河原恵) 特別支援学校について再質問2点をいただきました。  まず、急増に対する対応ということでございますけども、先ほども申し上げましたように、児童生徒増加への対応策を策定をしまして、それぞれ分教室、また、高等学校等の設置、さらには増築等をして対応しているところでございます。  将来の推計を十分に検討しながら、また、先ほども申し上げましたように、滋賀のめざす特別支援教育のビジョンというものを踏まえ、小中学校への分教室の設置等を検討しながら、必要性につきまして、適切に検討を進めていきたいというぐあいに考えております。  2点目の医療ケアのところであります。  実証研修を速やかに実施するということでありまして、今年度におきましても、市町と協議をし、実証研修を速やかに実施できるよう、県の教育委員会としましても、先ほど申しました福祉部局等とも連携をしながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)学校の分離、新設の問題は財政にもかかわってきますので、また改めて知事に伺いたいと、今後、思っています。  それでは、職員の定数について、分割質問方式で総務部長にお聞きします。  滋賀県では、人口が年々増加し、行政需要が高まっています。一方、この間、県は、行政改革により広範な分野で県民の暮らしを支える県職員の数を減らしてきています。ここ10年ほどの間で、行政改革の取り組みとして職員定数はどれだけ減らしてきたのか、直近の一般行政部門の職員数を人口が類似する他県と比較するとどうなのか、お聞きします。  例えば、かけがえのない県民、子供の命にかかわる虐待相談件数は増加の一途をたどっています。こうした現場を担う子ども家庭相談センターの専門職種は必要数が確保されているのか、確保されていないのならば、どのように考えているのか、お聞きします。  労働基準法に係る、時間外労働の限度に関する基準では、その限度を月45時間としていますが、厚生労働省が出している「脳血管疾患および虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準」では、発症前2カ月間にわたって、1カ月当たりおおむね月80時間を超える時間外労働が認められる場合、いわゆる過労死ラインとしての業務として発症との関連が強いとされています。  そこで、県職員の平成26年度1年間の月80時間を超える時間外労働を2カ月間以上わたって行ってきた職場はあるのか、職員数は何人か、主な職場もあわせてお聞きをします。  最後に、知事にお聞きします。  法令遵守の立場はもとより、職員の健康管理、ワーク・ライフ・バランスの観点からも、職場から要求されている人員の確保が必要だと考えます。県民の願いに応えるために職員をふやすこと、職員定数をふやす必要があるのではないかと問います。 ◎知事(三日月大造) 職員の定数について、詳細は総務部長から答えさせていただきますが、最後に御質問いただきました、職員定数をふやす必要があるのではないかという御質問についてでございますが、現在の職員定数は事務事業に見合った適正なものになっているものと認識しておりますが、今後は、第79回国民体育大会の開催準備を初め、基本構想を実現するための取り組みなど増員が見込まれる要素もございます。こうしたことを考慮しながら、事務事業の見直しや業務の効率化を徹底いたしますとともに、限られた人員を効果的に配置することにより、引き続き、業務とのバランスを考慮した適正な定員管理を行ってまいりたいと存じます。 ◎総務部長(青木洋) (登壇)職員の定数に関する御質問のうち1点目から4点目についてお答えをいたします。  まず、1点目のここ10年間で職員定数はどれだけ減らしてきたかについてであります。  知事部局の職員定数は、10年前の平成17年度は3,529人でありましたが、平成27年度は3,051人となり、この間、478人削減をいたしました。  次に、2点目の一般行政部門の職員数を人口類似県と比較するとどうなるかについてであります。  平成26年度総務省定員管理調査によりますと、人口1万人当たりの一般行政部門の職員数は、人口が類似する17県の中で2番目に少ない状況となっております。  次に、3点目の子ども家庭相談センターの専門職の確保についてであります。  相談指導業務を行う児童福祉士については、児童虐待相談件数の増加を踏まえて増員を図ってきたところであり、平成26年度の1人当たりの管轄人口では、全国平均よりも充実した体制となっております。  なお、児童福祉士につきましては、今年度もさらなる増員を予定していたところではありますが、残念ながら採用できていない状況にあり、早急に優秀な人材の確保に努めてまいりたいと考えております。  最後に、4点目の、1年間で月80時間を超える時間外労働を2カ月以上にわたって行った職員数と主な職場についてでありますが、知事部局における平成26年度の該当者は107人であり、時間外勤務の対象者となる課長補佐級以下の職員2,622人の約4.1%に当たります。  主な所属といたしましては、一昨年からの災害対応が引き続いている土木事務所や児童虐待相談件数がふえている子ども家庭相談センターなどであります。  こうした状況も踏まえ、去る4月には知事を初め各部局長や所属長がイクボス宣言を行い、長時間労働の是正を通じて仕事と家庭の両立を応援する取り組みを行っているところであり、今後、一層の時間外勤務の縮減に努めてまいりたいと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)答弁でもありましたように、人口の類似県の中で下から2番目、非常に職員が少ないということが明らかになりましたし、107人の職員さんが過労死ラインを超えるような長時間労働をされているということも明らかになりました。  土木、子ども家庭相談センターなど、こういう分野は本当に24時間体制、また、直接、災害対応や相談活動など、県民の命にかかわる部門ですので、私は、こういうところはきちっと、適正管理というよりも、やはり職員をしっかりとふやすべきだというふうに思います。求めておきたいというふうに思います。  時間がありませんので、次に行きます。  最後に、中学校までの医療費。(発言する者あり) ○議長(西村久子) ただいま小寺議員から、この際、しばらく休憩されたいとの動議が提出されました。所定の賛成の声がございましたので、動議は成立いたしました。  よって、本動議を直ちに議題とし、採決いたします。  お諮りいたします。  本動議のとおり決するに賛成の方は御起立願います。    〔賛成者 起立〕  賛成少数でございます。  よって、節木議員の質問を続行します。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)次に、中学校までの医療費の無料化を求めて、一問一答で全て知事に伺います。  暮らしが大変な中、お金の心配をせず、子供たちをお医者さんに……。(発言する者多し) ○議長(西村久子) 失礼しました。節木議員に申し上げます。ちょっとお座りください。  議運の委員長からの申し出でありますので、休憩させていただきます。  しばらく休憩いたします。   午後0時32分 休憩    ────────────────   午後1時49分 開議 ○議長(西村久子) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  節木議員の質問を許します。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)次に、中学校までの医療費の無料化を求めて、一問一答で全て知事にお伺いいたします。  暮らしが大変な中、お金の心配をせず、子供たちをお医者さんに連れていける子供の医療費の助成制度の拡充は、子供の貧困対策の一つとして非常に大切です。  3歳と5歳の子供さんを持つ大津市内のお母さんは、「2カ月に一度、歯医者さんに受診をしてもらって、歯石を取ってもらう。早目に治療をしてもらったりして助かっています。アトピーやぜんそくもあるし、小学校に上がって一部負担となれば、お医者さんにかかることはやっぱりためらいます」と話されていました。  知事は、提案説明の中で、子育てするなら滋賀と思っていただけるようにと述べておられましたが、子育て世代の強い要望に応えるために、子供の医療費助成制度についての知事の認識を問います。 ◎知事(三日月大造) お答えをいたします。  本県の医療費助成制度は、社会的・経済的に弱い立場にある方の医療費を助成し、人々の保健の向上と福祉の増進を図ることを目的といたしておりまして、乳幼児福祉医療費助成制度は、子育て家庭の負担軽減として重要な施策の一つであると認識いたしております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)知事も認識されておられるように、大変重要な制度です。  子供の医療費の助成制度は全国に大きく広がっております。厚生労働省が3月末に発表した調査では、中学校卒業まで医療費無料化の自治体は、この10年間で11自治体から103倍の1,134自治体になっており、全自治体の65%を占めています。滋賀県は、全国的に見てもおくれていますけれども、知事にはその認識がおありですか。問います。 ◎知事(三日月大造) 本県の助成制度は、小学校就学前を対象といたしまして、所得制限や自己負担を設けております。  昨年度の厚生労働省の調査によりますと、全都道府県のうち通院助成で33、入院助成で23が本県と同様、もしくはそれ未満の年齢を対象としているところと把握をしております。また、本県と同様に所得制限を設けているところは30、一部自己負担を設けているところは39となっております。  こうしたことから、本県の取り組みは、都道府県で全国的に比較をいたしますれば、平均的な位置づけにあると認識をいたしております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)10年間で、各市町で取り組みが大きく進んだということを私は言ったんですけれども、滋賀県の今の制度は、平成18年の10月からということで、この9年間、全然拡充がされていないんです。  市町の取り組みに任されてきましたし、中学校まで通院で助成している自治体が、市町において、ほかの都道府県と比べても少ないということなんです。それは、県の制度がおくれているからこそ、市町での医療費の助成制度が中学校まで広がらないという、それが大きな原因だというふうに思うんです。  例えば兵庫県では、対象年齢が既に15歳まで拡大していますし、京都府としても6年生までと、府県単位での底上げを行って、市町で独自の補助が進んでいるというのがこの10年間だというふうに思いますので、そういう意味でも、この9年間、滋賀県としては拡充をされてこなかった。これは、私はおくれているというふうに認識をしています。  次に、県下の市町で、この数年間、子供の医療費の助成制度が急速に広がりました。今、滋賀県と同じ助成制度にとどまっている市町があれば教えてください。
    ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  ことしの平成27年4月1日現在、本県制度と同じ内容となっている市町はございません。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)お答えにありますように、全ての市町で県の制度を上回る医療費の助成が進んでいるということは、それだけ県民の強い願い、子育て世代の強い願いだというふうに思うんです。だからこそ、私は市町に任せてもよいのかということを問いたいと思うんです。  県内で、外来においては小学校3年生までが2市、小学校卒業までが2市町、中学校卒業までが3市町、豊郷町においては、昨年の10月から高校卒業まで無料となりました。ほかの市町においても、入院について、中学校卒業まで無料化が15の市町、小学校卒業までが1市、就学前までが2市にとどまっていますけれども、今、同じ滋賀県に住んでいながら、市町によって子供の医療費の助成に格差が生まれていますけれども、その現状について、知事はどのように見解をお持ちでしょうか。 ◎知事(三日月大造) この乳幼児福祉医療費助成制度は、昭和48年の制度創設以来、市町村と県が協力して制度の充実強化に努めてきたと。そうした中で、今御指摘のように、それぞれの市町において、それぞれの政策の選択のもとで、自律的な判断として、市民、町民の御理解をいただかれて実施をされているものと認識をしております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)各市町に任せてきたというのがこの9年間の県の福祉医療の取り組みだというふうに思うんです。  大津市では、通院で小学校3年生までが医療費助成が広がりました。お隣の高島市では、入院も通院も中学校まで無料なんです。無料になることで、歯医者さんの治療が進んだということもお聞きをしていますけれども、私は、同じ滋賀に住んでいながら、子供の医療費助成に違いがあって、これは子供の健康や命にも格差を生み出しているというふうに思います。  この格差が生まれているという現状について、再度、知事にお伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) この現状をもって格差が生まれているという議員の御指摘は承りたいと存じますが、私は、先ほども答弁させていただいたとおり、それぞれの市町の政策的な判断、選択の中で実施をされている、市民、町民の皆様方に御理解をいただかれながら実施をされている、そういう施策だという受けとめで、今、この県政を預からせていただいております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)今の段階では市町任せというふうに思わざるを得ない知事の答弁だというふうに思います。  医療費の無料化の拡充に当たっての障害になっているのが国の国保会計の補助金のペナルティー問題です。  我が党の小池晃参議院議員が、4月14日に委員会で少子化対策に取り組む地方の努力の足を引っ張るものだと述べ、ペナルティーの廃止を求めました。  与党の中でも、ペナルティーの見直しを求める意見が国会の場でなされています。厚生労働大臣も、子供の医療費のあり方を検討する場の設置に触れて、ペナルティーも検討課題であることを認めています。  さらに、こうした動きを加速させるためにも、国への働きかけを一層強めるべきではないでしょうか。見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 国への働きかけは、引き続き、行っていきたいと思います。  ペナルティー、今おっしゃった国民健康保険の国庫負担金の減額措置、それを子供医療費助成制度の実施に伴って行うことにつきましては、全国知事会として、毎年、国への要望の中でその廃止を求めておりますし、昨年11月には県単独での要望も行っております。  先般、次世代応援知事同盟ということで、12県の知事が集まってさまざまな政策協議をさせていただいた折にも、国にそのことを共通して求めているところでございますので、今後も引き続き、機会を捉えて、国に要望等を行ってまいりたいと存じます。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)それでは、中学校卒業までの医療費の無料化をするにはどれぐらいの財源を必要とするのでしょうか。お聞きします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  一定の条件のもとでの試算ではございますが、県の負担額では推計で約20億円でございます。  平成26年度の乳幼児福祉医療費助成事業補助金の県負担の実績額が約10億円でございますので、約11億円の負担増になるものと推計しております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)再度、求めたいと思うんですけれども、少子化対策を進める柱として、中学校卒業までの医療費の無料化を、今、財源はお聞きいたしましたけれども、5,000億円の県の予算の中での、プラス11億円をふやすという理解でいいと思うんですけれども、ぜひとも県が取り組んでいただく、このことを強く求めたいと思いますけれども、知事の見解を問います。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来、御質問をいただき、私自身も答弁させていただいておりますとおり、この制度は子育て家庭の負担軽減のための重要な施策の一つです。一方で、医療費の増大、さらには、本県の安全安心な医療提供体制の確保にも留意する必要があることから、こうした事情を総合的に勘案し、まずは限られた資源、財源の中で安定的に現行の制度を維持していくことが重要だと考えております。 ◆13番(節木三千代議員) (登壇)ぜひ、群馬県が全国に先駆けて、平成21年、2009年から全県下で中学校卒業までの医療費の無料化を実施をして、その効果について、議会でも健康福祉部長がこのように述べているんです。これは群馬県で平成24年5月の議会での答弁なんですけれども、「子供のときから歯を健康な状態に保つということは生涯にかかわる健康にとってもとても大切なことでありまして」ということで、虫歯の治療率がかなり、5から10ポイント、全国平均よりも向上したと、ひいては、それが医療費の抑制につながるというふうに考えていますと、このように群馬県の担当者が言っているんです。  それと、加えて、当初、心配されていたコンビニ受診、時間外の受診もふえるのではないかという懸念があったんですけれども、群馬県では、これについても減少傾向が確認されたと、このように言われています。  1人当たりの受診件数も、拡大のときは確かに、1年間はぜんそくや皮膚炎、また、アトピー性皮膚炎などの受診は確かに16から20%ふえたんですけれども、その後は、やはり早期に受診をして、減り続けているというふうに群馬県のほうでは評価をしているんです。  ですから、医療費の増大とか医療体制の問題を知事が言われるならば、私は、この群馬県でのこの間の取り組みの成果をぜひ研究をしていただきたいというふうに求めたいと思いますが、再度、御答弁をお願いします。 ◎知事(三日月大造) 群馬県のそういう事例は、そう答弁されているとすれば、そういう面もあるんだと思います。また、群馬県以外にも、本県を含めて、それぞれの県がそれぞれの判断の中で、子供や子育て世帯のそういう負担を軽減するための通院、入院の支援のあり方、また、所得制限、負担の求め方、そういうことを今検討されているんだと思います。  私どもとしては、いずれにしても、先ほども答弁させていただいているとおり、まずはこの限られた資源、財源の中で安定的に制度を維持していくということに、今、力を注いでいるところでございますので、議員からの御指摘は承り、今後の検討の素材にしたいと思いますが、私の答弁としては変わらないということで御理解をいただければと思います。 ◆13番(節木三千代議員) 終わります。(拍手) ○議長(西村久子) 以上で、13番節木三千代議員の質問を終了いたします。  次に、20番中村才次郎議員の発言を許します。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇、拍手)公明党滋賀県議団の中村でございます。初めて質問をさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。  通告に従い、3項目について分割方式で質問をいたします。  私は、32年と半年、現場の小学校教員として勤めてまいりました。全ての子供たちに限りのない可能性があるのだと信じて、一人一人の子供と正面から向き合ってまいりました。かけがえのない32年間半でございました。  ほとんど学級担任、学年主任等をしておりましたけれども、退職前の1年半、拠点校指導員として新任の先生方の指導に当たらせていただきました。1年間に4人の先生、学級を受け持ちました。どの先生も、自分の仕事に夢と希望、誇りを持ち、非常に熱心で、とても優秀だったと、率直にそのような感想を持ちます。若い先生ならではの、子供たちと一緒に学び、一緒に遊ぶというはつらつとした姿もすばらしいものでございました。  新任の先生が担任をするクラスの児童数は、少ないクラスで十数人、一番多かったクラスで38人でした。35人以上になると学級経営も指導も大変でした。学級の児童数は多いほど活気があり、また、授業にも多様な考えが出てきます。しかし、一人一人の子供と向き合い、きめ細かな指導ができるという点では少ない人数にこしたことはございません。  滋賀県では今年度より、小中学校において全学年で35人学級、また、少人数での指導員の教員配置が実施されました。大変すばらしいことだと思います。そして、感謝をしております。ありがとうございます。  私が新採用の先生とともに過ごす中で、改めて考えることがさまざまありました。その中でも一番に改善が必要と感じたのは、新任の先生が4月1日に赴任をしてから、わずか1週間後には学級開きをしないといけないという、そういうことです。初任者の研修が始まるのも赴任をしてからです。  講師経験のある先生なら、見通しを持って学級開きができるのですが、新卒の先生はそういうわけにはいきません。新卒の先生でも見通しを持って学級開きができるように、初任者の研修を赴任前に行うべきと考えますが、そのような工夫はできないものでしょうか。  現場にいて、本当に若い先生がふえたことを実感しておりました。大量の退職時代、そして、大量の採用時代を迎えていることは確かです。滋賀の教育の未来を支えるこのような先生方が柱になってくれることは確かです。今後、教員の年齢構成の偏りもある中で、教員の採用数も気になるところです。  そこで、教育長に伺います。  1点目、全学年での35人学級、少人数指導の実施と本県教育のこれからの取り組みについて。  2点目、新任の先生方の研修のあり方について。  3点目、今後の教員採用数の推移など、教員採用の展望について教育長に伺いたいと思います。  次に、知事に伺います。  私が若いころに読んだ本の一節に、このようにありました。「湖のあるところは一個人の少年少女時代の教育に最も適するところであり、世界に雄飛する青年を育てる」という言葉があり、大変感動いたしました。  私が初めて教師になった翌年から、学習船「うみのこ」でのフローティング・スクールが始まりました。初めての準備では苦労しましたが、教師も子供たちも、うきうきとしながら乗船したことをきのうのことのように思い出します。今や乗船人数は50万人を超え、本県人口の約35%に当たるとなっています。また、その学習船「うみのこ」も新造されます。私たちの愛する、そして、誇りの琵琶湖と一体となった取り組みであり、伝統、歴史をつくっていると思います。  滋賀県にはたくさんの大学も集まってきており、まさに青少年を育てる基盤がある、そういった土壌があると感じます。今後ますます深刻になる少子高齢化、人口減少時代に対応する大きな手だての一つは、多様な人材の輩出と確信します。  今申し上げた豊かな教育土壌からも、滋賀県は教育立県として進んでいくべきだと考えます。先生方が自信を持って、一人一人の子供たちと真剣に向き合える環境をさらに整えることが子供たちの教育環境の向上に結びつきます。強いて言えば、学力の向上としてあらわれてくると思います。  教育の滋賀、教育立県という構想はいかがでしょうか、知事に伺います。 ○議長(西村久子) 20番中村才次郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)中村議員、御当選おめでとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。32年を超える学校での御経験、ぜひ議会でも、行政に対しても御指導いただければと存じます。  滋賀の教育についての御質問のうち、2点目の滋賀の教育、教育立県という構想について、私の思いでございますが、今後、人口減少を見据えた中で、これからの滋賀を担い、支えていく人材を育てていくことが非常に大切であります。その中で、教育の果たす役割は大きく、滋賀の教育の魅力をさらに向上させる取り組みが重要であると考えております。  ただいま議員のお話にもございましたが、「うみのこ」を例にとりますと、50万人もの子供たちが安全に充実した学習航海をできたのは、長年にわたりまして、教職員の方々が「うみのこ」の体験学習の充実のため、創意工夫を重ねてこられたからであります。  この「うみのこ」の新船を建造するに当たりまして、30年間蓄積してまいりましたよさを継承し、世界に誇れる滋賀ならではの環境学習のシンボルとなるよう、一層の取り組みを進めてまいります。  また、学校現場の教職員の方々のみならず、地域の皆様方が一人一人の子供の思いを、日々、大切にして、教育に力を尽くしていただいていること、このことに深く感謝を申し上げたいと存じます。  また、それ以外でも、塾関係者の皆様やさまざまな機材、機器を開発される方々も、先般、総合教育会議の中で伺いましたけれども、子供たちのことを考えて、教育をよりよくしようということで精力的に取り組みをしていただいております。  また、本県の子供たちは、「うみのこ」のみならず、「やまのこ」「たんぼのこ」「ホールの子」「つちっこ」など、また、チャレンジウイークという職場体験実習もそうですけれども、現場での体験学習を大事にする、その教育に力を注いでいただいておりますし、スポーツ、文化活動、地域行事に、他の府県の子供たちよりも多く参加する機会をいただいていると、こういうこともございます。  今後、教育委員会と連携しながら、先生方が自信を持って一人一人の子供たちと真剣に向き合える環境の充実に努めるなど、先生方を、関係者を全力で応援してまいりたいと存じます。  今年度から新教育委員会制度が始まり、私と教育委員会が一緒になって教育政策の検討を進めていこうとしているところであります。その際には、私自身も現場に出向き、現場で頑張っていらっしゃいます関係者の皆さんの御意見も伺いながら、さらには、家庭や地域などとも一体となって、これこそ滋賀の教育と誇れるような、子供たちの夢と生きる力を育む教育をしっかりとつくり、また、推進してまいりたいと存じます。 ◎教育長(河原恵) (登壇)滋賀の教育についての3点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の、全学年での35人学級、少人数指導の実施と、本県教育のこれからの取り組みについてでございます。  今年度から小中学校全学年で35人学級を導入いたしました。今後の取り組みにつきましては、35人学級をベースにして、少人数学級の利点を生かした活発なグループ学習や、自主的に課題解決を図るアクティブ・ラーニングを推進するとともに、小学校における専科教員による指導の拡大など、少人数教育のさらなる充実が必要であると考えているところでございます。  次に、2点目の新任教員の研修についてでございますが、採用内定者に対しては1月に内定者研修会を行い、教員としての心構えや本県の学校教育の取り組みについて研修を行うとともに、今年度からは、教員生活のスタートがイメージできるよう、総合教育センターのホームページに掲載している学級経営スタートブックを活用して準備をするように指導したところでございます。  また、本年2月には、新規卒業生を対象にした内定者研修を新たに実施し、4月から見通しを持った学級経営等ができるよう、より詳しい研修や指導を行いました。受講者からは、「学級開きで何をすべきか具体的にわかり、不安が解消した」や「4月からの自分が楽しみになった」など、前向きな感想が多く寄せられました。  こうした研修は、担任としてスムーズなスタートができるようにしたものであり、来年度以降も、より実効性のある研修となるよう、充実を図ってまいりたいと考えております。  最後に、3点目の、今後の教員採用数の推移など、教員採用の展望についてでございます。  児童生徒数は、県下全体を見れば、今後数年間は横ばいかやや減少すると推定しているところでございますが、子供の数が減少しても学級数はほとんど変化せず、ほぼ横ばいであり、教員定数の増減も少ないものと見込んでおります。  一方、教職員の退職者については、小中学校では、今後数年間は毎年350人程度が見込まれるところでございます。また、来年度の採用予定数は、小学校220名程度、中学校120名程度としておりますが、今後数年はこれと同じ程度の採用数が必要であると考えております。  また、本県教員の年齢分布を調べてみますと、50代と20代、30代前半は多いものの、40代の教員が少なくなっております。このため、来年度の採用からは、採用年齢の上限を40歳未満から50歳未満に引き上げるとともに、教諭経験者の一部試験免除を取り入れるなどして、幅広い年代からの採用ができるようにしたところでございます。  採用に当たっては、私自身も、滋賀大学を初め、採用者数の多い近隣の大学の説明会に出向き、大学生に直接語りかけることで、受験者が少しでも多くなるよう、努めたところでございます。  また、今年度の採用者からは、大学から優秀な学生を推薦していただく制度も導入するなどしており、今後も意欲を持った優秀な人材が確保できるよう、より一層工夫を重ね、教員採用の充実と改善を図っていきたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)知事がおっしゃった、現場で、また新しい先生方、子供たちと会いたい、そういうお話に一番感動いたしました。ぜひ現場へ出向いていただきまして、新しい先生方や、そして、子供たちを激励していただければ、どれほどうれしいかな、このように感じます。ありがとうございます。  教育長からも数々お答えいただきまして、ありがとうございました。私が知っているときよりも、この半年でぐっといろんなことが進んだな、そのように感じさせていただきました。私が選挙で動き回っている間に、えらく進んでいただいたなと、このように感心をいたしました。ありがとうございます。  けれども、まだまだ足りないというふうに思うのです。やはり新任の先生方というのは不安をいっぱい持って赴任してきます。希望も持っていますが、いっぱい不安を持って赴任してきます。お答えいただいた、その研修の日数、もう少しふやしていただく、このようなことはできないでしょうか。よろしくお願いいたします。 ◎教育長(河原恵) 再質問を1点いただきました。  新任の先生、特に講師をしている先生については、一定、経験があるんですが、新卒で新任になる先生方の、特に小学校においては、中学校もそうですが、担任に入っていただくという形が非常に多くございます。そのときに、本当にいいスタートが切れるように力をつけていただくということにつきましては、私自身もしっかりと考えていかなければならないというふうに思っております。  日数につきまして、今回もふやしました。卒業間近の生徒ということもございまして、どこまでふやせるかということにつきましては、今お答えすることはできませんが、今、議員のほうからいただきましたような形で、先ほどのホームページ等の研修も含めまして、何らかの形で、より一層、支援ができるような工夫をしていきたいというふうに思っております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ありがとうございます。ぜひとも、前向きなそういう意見をいただきましたので、しっかりとした研修をしていただきまして、現場の新しい先生、若い先生方が自信を持てるように、元気になっていけるような、そういった研修を進めていただきたい、このように思いますので、どうかよろしくお願いいたします。  それでは、次の質問に入らせていただきます。  特定外来生物について質問をいたします。  2005年に外来生物法が施行され、琵琶湖の魚類ではオオクチバス、いわゆるブラックバス、また、ブルーギルなどが特定外来生物に選定されており、飼育や栽培、運搬、勝手に放すというようなことが規制をされました。動物、植物にわたって100種類ほどが指定されています。今、琵琶湖で問題になっているオオバナミズキンバイも、昨年、指定をされました。  私は植物が好きで、野山を歩くのが大好きです。自然観察をするのが大好きなんですが、野草の観察をしてまいりました。数年前から、特に気になる植物がございました。5月から6月になると黄色いきれいな花をつけるオオキンケイギクという、そういう植物があります。  ちょっと変わったものを持ってきましたので。パネルを持ってきました。こういう植物なんですが。  今、どこでも道端に咲いているんですが、実はこのオオキンケイギク、特定外来生物に指定をされておりまして、自分の家で栽培をしたりすることが禁止をされています。そして、最悪の場合は罰則も科せられるという、こういうことになりますが、そういうことはめったにないというふうには思いますけれども、そういった植物でございます。  この植物は繁殖力が旺盛で、在来の植物を駆逐する勢いがあります。繁殖し始めると一面を黄色い花で埋め尽くし、あたりの景色が一変してしまいます。また、多年生の植物でして、一時は鳴りを潜めますが、次の年も同じところに生えてまいります。最近ではどこでも見かけるようになり、そのかわいい容姿から、キバナコスモスだと思われている方も多くいらっしゃいます。キバナコスモスというのは秋に咲きます。  中には、特定外来植物と知らずに、オオキンケイギクをプランターなどで大切に栽培されている方や、庭などに自生したものを、花がきれいだからといって、そのまま栽培されている御家庭もあります。  滋賀県のホームページから調べさせていただきました。そうすると、平成19年に行われた駆除のための実験、また、専門家を入れた会議の内容を見つけることができました。また、栽培禁止のチラシも、滋賀県のホームページの中から探すことができました。  これだけふえた理由の一つには、指定される以前でございましたけれども、県が河川改修をした折に、堤防斜面の土の流出を防ぐために種子をまいたことも大きく影響していると新聞に報道されました。  そこで、2点、琵琶湖環境部長にお伺いいたします。  1点目です。  特定外来生物は飼育や栽培が禁止されているだけでなく、罰則が科せられます。オオキンケイギクについては、チラシを作成されていることから、以前にも栽培禁止などの啓発活動を行われたと思いますが、きょうまでの取り組み内容と課題について伺います。  次に、特定外来生物全般について伺います。  発生した特定外来生物に対する県の対応については、オオバナミズキンバイを初め、発見から初期の対応が極めて重要です。初期対応がおくれたり抑制が不適正であったりすると一気に繁殖するため、駆除を行うために何年もかかります。当然、地域産業や経済への影響、県民生活への影響が甚大になるとともに、対策経費が多額となり、財政や県政運営全体に影響を与えることになります。実際に影響を与えているというのはオオバナミズキンバイとか外来魚だというふうに思います。  そこで、2点目の質問は、特定外来生物の現状と、県民生活に与えている影響などをどのように総括されているのか、また、今後の方針について伺います。特に初期対応の迅速化、的確性などが求められますが、一層の効果、効率化を求めた初期対応のあり方についてお聞きします。  以上です。 ◎琵琶湖環境部長(拾井泰彦) (登壇)特定外来生物についての2点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目のオオキンケイギクに対するこれまでの取り組み内容と課題についてでありますけれども、県では、平成18年にふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例を施行しておりまして、その際に作成しました啓発パンフレットに、条例に基づきます指定外来種とともに、県内で特に注意を要する特定外来生物として、御指摘のオオキンケイギクを掲載、紹介いたしております。また、平成24年にはオオキンケイギクの駆除についてのチラシをホームページで提供させていただくなど、普及啓発に努めてまいったところでございます。  一方、議員御指摘のように、オオキンケイギクは美しい花を咲かせることから、特定外来生物であることを知らずに家庭で栽培をされている場合が多いのではなかろうかと推察されるところでございます。
     今後とも、県として、オオキンケイギクに関する正確な情報を県民の皆さんにしっかりとお伝えしていくことが課題であると考えております。  2点目の御質問のうち、特定外来生物の現状と県民生活への影響、今後の方針についてでございますけれども、まず、現状につきましては、県内ではこれまでに動物で15種、植物で10種、計25種の特定外来生物を確認いたしております。その中で、オオバナミズキンバイ等の水生植物とオオクチバス、ブルーギル等の外来魚については、御指摘のように、特に対策が重要であると認識をしております。  これらの現状につきましては、オオバナミズキンバイでは平成26年度の最大生育面積が15万7,400平方メートルに達しましたものの、平成26年度末には、生育面積が4万6,300平方メートルとなったところでございます。  また、外来魚につきましては、平成18年度に推定生息量が1,914トンでございましたものが、漁業者の皆さんや釣り人の皆さんなどによります駆除によりまして、平成25年4月1日時点の生息量が916トンと推定されているところでございます。  次に、県民生活への影響についてでございますけれども、これらの特定外来生物は在来の動植物を減少させ、豊かな生物多様性を損なうほか、漁獲量の減少や船舶の航行阻害を招くなど、県民生活に大きな影響を及ぼしております。  今後の方針でありますけれども、特定外来生物の根絶に向け、オオバナミズキンバイについては、機械による大規模な駆除に加えて、人力駆除を徹底してまいります。また、外来魚につきましては、漁業者の皆さんに駆除の協力を求めたり、外来魚釣り上げ隊の募集や外来魚釣り大会の開催など、農政水産部と連携しまして、より多くの方々の協力を求めてまいります。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)努力はしていただいているというふうに思うのですけれども、県民の方への啓発運動、ホームページだとかいうと、滋賀県の県のホームページを開くというと、本当に今まで私たちも年に数度というか、数回だったので申しわけないなというふうに思っているのですが、例えば広報誌である滋賀プラスワンでそういうあれをやっていただくとか、もう少しそういった啓発活動に工夫をしていただきたいなというふうに思うのです。  「せっかく育てているのに、隣のおばちゃんから嫌なことを言われた」というのでは、大変嫌な思いをされるというか、不幸なことですので、どうか県民の皆様方にオオキンケイギクのことについては啓発活動をしっかりしていただきたい、このように思います。  その啓発活動について、もう少しお答えをお願いします。 ◎琵琶湖環境部長(拾井泰彦) お答えいたします。  議員も御指摘のとおり、オオキンケイギクにつきましては、特定外来生物の中でも、除去の仕方でありますとか、あるいは、その除去した株の取り扱いでございますけれども、これにも十分な注意と配慮が必要ということで、なかなか対応が難しい種類でございます。そんなことも含めまして、御指摘のように、ホームページ等を通じた広報媒体、さらに工夫を加えまして、正確な情報発信に努めてまいりたいと思います。そして、普及啓発に努めてまいりたいと思います。  それと、先ほど第2問の質問を1つ飛ばしてしまいまして、大変申しわけございません。お答えをさせていただきます。  2点目の御質問のうちの特定外来生物に対する初期対応のあり方についてでございますけれども、これも議員御指摘のとおり、特定外来生物対策におきましては、迅速かつ的確な初期対応が大変重要であると認識をいたしております。そのため、専門家からの指導、協力を得ますとともに、先行する事例の情報を積極的に収集しまして、一層効果的な初期対応を行うことによって、健全な生態系の維持回復に努めてまいりたいと考えております。  また、御指摘いただいていますように、特定外来生物の早期発見や適切な初期対応につなげていくためにも、県民の皆さんへの普及啓発につきまして、積極的に推進してまいりたいと考えております。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)ありがとうございます。  先日も行われました水草フォーラムという会議にも出席をさせていただいて、あらゆる方々が、ちょっと話はそれますけれども、琵琶湖の自然、そういうものを守ろうということで、多方面から努力をしてくださっているということを大変感動いたしました。  そういったことからも、湖国の自然がこれからもしっかり守られていくということを願って、次の質問に入らせていただきたいと思います。  次に、びわこ文化公園都市について質問をいたします。  私は、平野学区に住んでおりますし、勤めていた学校も湖西のほうが中心でございましたので、県立図書館を利用するときぐらいしか、びわこ文化公園に行く機会がありませんでした。しかし、瀬田東文化振興会の方々が主催された遠近めぐり、ちょっと難しい字で、遠いという字と近いという、「遠近」と書きまして、「おちこち」めぐり、こういう催し物を主催されています。遺跡などを回る歴史ウオークのようなものでございますが、それに参加させていただいたり、振興会の皆さんが復元された古代の製鉄所跡、源内峠遺跡と申しますけれども、ここなどを一緒に歩いたりする中で、新たな魅力に気づかせていただきました。遠近めぐりには他府県の遠方からも多くの方が参加されておりまして、大変びっくりしました。  ちなみに、平成17年には瀬田丘陵生産遺跡群として史跡指定もされております。  知事に、大きく3点について伺いたいと思います。  まず1点目、びわこ文化公園都市将来ビジョンについてです。  びわこ文化公園都市には大学、高校、図書館、美術館、病院や福祉関係機関、スポーツゾーンや、近くに公設市場など、多様な機能を持つ施設が集積しており、すばらしい可能性を持った地域です。  平成24年の8月にはびわこ文化公園都市将来ビジョンが策定されており、その中で5つの将来像が描かれています。  1つ、県内外の人々が交流する場、2、文化・芸術を創造する場、3、未来成長へ挑戦する場、4、歴史と暮らしを紡ぐ場、5、命と健康を支える場とあります。  今後、社会が少子高齢化など大きく変化する中、多くの可能性を秘めたこの地域全体を本県の社会成長や経済成長に貢献する場として、その将来像の実現にどのように取り組んでいくのか、また、このびわこ文化公園都市には県内のほかの地域にはない多くの魅力と可能性が秘められています。  大津市と草津市にまたがっていることから、両市の連携、協力が不可欠と考えます。そのためにも、県が積極的に役割を果たすことを期待するものですが、知事の見解を伺いたいと思います。  2点目は、びわこ文化公園都市活性化への具体的な施策展開についてです。  前述の瀬田東文化振興会の皆様が整備された源内古道などは、自然の木々の中を歩くすばらしいウオーキングコースでした。また、自然が多く、学術研究の場ともなっている龍谷の森も歩かせていただく機会に恵まれました。美術館に行くだけ、また、図書館に行くだけなど一つの施設に訪れるだけではなく、個々の施設や自然、遺跡などを面として捉え、県内、県外の皆さんに知ってもらえば、より多くの方々がびわこ文化公園都市を訪れていただけると思います。今取り組まれている新生美術館にもこのような視点を取り入れることが重要と考えます。  県内外や地域の方々に親しまれるようなびわこ文化公園都市の活性化に向けて、新生美術館など、将来に向けたさまざまな取り組みも含め、個から面への具体的な施策展開についてお伺いいたします。  3点目は、日本遺跡登録についてです。  国においては、地域の観光振興につなげるなどの狙いで、東京五輪、また、パラリンピックが開かれる2020年までに100件程度、日本遺産を認定する予定と報道されております。その認定は、歴史的な価値や意義をわかりやすく伝えるストーリー性や、その魅力を海外にも発信できることなどが基準とされていると伺っています。  今年度は、全国各地の有形無形の文化財を地域やテーマごとにまとめた18件が日本遺産として初認定され、その中に本県の大津市、彦根市、近江八幡市、高島市、東近江市、米原市にまたがる琵琶湖とその水辺遺産が登録されたことは私たちの喜びであります。  そこで、本県の瀬田丘陵の生産遺跡群や近江国府、日本三大名橋といわれている瀬田の唐橋や石山寺などは、我が国の古来の文化や政治、経済などの発祥の地として誇るべき歴史的な遺産であり、ぜひ日本遺産への登録の検討を強く推し進めていただきたいと考えますが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) びわこ文化公園都市について、日本遺産も含めまして4点、御質問をいただきました。  1点目の、びわこ文化公園都市将来ビジョンの将来像の実現にどう取り組んでいくのかということについてでございますが、将来ビジョンに掲げました5つの将来像は、立地、施設それぞれの取り組みに加えまして、相互に連携して機能を高め合うことにより実現できるものでありまして、立地24施設で構成いたします施設連携協議会を開催し、びわこ文化公園都市全域に係る情報共有や調整を図っております。  また、新生美術館の整備やスポーツ・健康づくり拠点整備など、個々の事業につきましても、関係施設、機関と緊密な連携を図りながら取り組みを進めております。  こうした立地施設、機関や関係市はもとより、周辺地域の住民や活動団体など、幅広い主体の皆さんと連携、協力することで、先ほども御紹介いただきました、繰り返しませんけれども、県内外の人々が交流する場を初め、5つの将来像を着実に実現し、魅力ある地域にしてまいりたいと存じます。  2点目の、大津市、草津市との連携協力に県が積極的に役割を果たすべきとの御意見についてでございますが、びわこ文化公園都市を全体として捉え、そのポテンシャルを生かしていくためにも、両市との連携、協力に努め、力を合わせて取り組んでいくことが重要であると認識しております。  将来ビジョンの策定の際にも、両市から検討委員会に参画いただいたんですけれども、その後も県・市推進調整会議の開催とともに、知の連携プロジェクトといたしまして、立地する3大学の知的資源を生かしたセミナーを開催するなど、両市と協働して取り組んできたところでございます。  今後も、びわこ文化公園都市の交通利便性の向上でありますとか、未利用地の利活用など、将来ビジョンの実現に向け、県のリーダーシップのもとで、より一層、両市と県の3者が連携、協力し、取り組みの推進、調整を図っていきたいと考えております。  3点目に、個から面への具体的な施策展開についてでございますが、議員御指摘のとおり、びわこ文化公園都市を訪れる人たちが、1つの施設を利用されるだけにとどまらず、この機会に豊かな自然や歴史文化に触れていただいたり、他の施設を利用されたりすることは、利用、交流者の増加や魅力の発信につながり、この地域全体をさらに活性化させるものと私自身も思います。  こうした観点から、新生美術館の整備に当たりましては、周辺の都市公園を美の空間といたしまして一体的なものとしたり、図書館等と行き来しやすくしたりすることといたしております。  また、「みんなで創る美術館」というコンセプトのもと、他の施設や活動団体とも連携いたしまして、美術館の楽しみや魅力を体験できるよう、取り組んでいくことといたしております。  今後の取り組みにおきましても、びわこ文化公園都市が持つ多くの魅力をさらに多くの方々に感じていただけるような、多様な資源をつなぎ、相乗効果を高めていきたいと考えております。  最後に、日本遺産についてであります。  去る6月29日に平成27年度の認定交付式がございました。全国18件のうち、そのうちの1件として、晴れて第1号の認定を受けたところでございます。議員を初め、御協力いただきました関係者の皆様方に深く感謝を申し上げたいと存じます。  本県には、御質問にもありましたように、近江国府跡などを初めとした、国内外に誇ります有形無形の文化財がまだまだ数多く存在しますことから、今回は6市にまたがります21の施設等でございましたけれども、これらにうまくストーリー性を持たせることによって、本県からのさらなる日本遺産認定に向けまして、関係市町とともに積極的に取り組み、本県の魅力を県内外に発信していけるよう、努めてまいりたいと存じます。 ◆20番(中村才次郎議員) (登壇)前向きなご答弁をいただきましたので、ありがとうございます。ぜひ、いろんな面で進めていただきたいというふうに思います。  けれども、例えば今度始まるであろう新交通システム、BRT──連接バスなどについても、草津から立命館大学までしか行かない。美術館のほうまでは行かないと。やっぱりここには草津市、大津市の協力が大変必要であろうなというふうに思います。その点、しっかりと進めていただきたいというふうに思いますし、要望させていただきたいというふうに思います。  また、新生美術館がそのシンボルになるのかもわかりませんけれども、何か、そこに行ったら子供たちが遊べるとか、すばらしいものがあるという、そういったシンボルになるようなもの、ちょっと難しいですけれども、例えば大型遊具であるとか、そういうものがあれば大変いいだろうな、このように思います。帰帆島なんかへも、子供たちが小さいときは何回も連れていった覚えがあります。そのようなものがあれば、近くに図書館があれば、これ、言うことがない、こういうふうに思うのですけれども。また、ちょっと遺跡を見ていこう、ここにはこんなすばらしい遺跡があるから見ていこう、こういうことになるというふうに思いますので、どうかそういったシンボルになるようなものもしっかり考えていただいて、進めていただきたいと、このように思います。  本日は大変ありがとうございました。以上で終わらせていただきます。(拍手) ○議長(西村久子) 以上で、20番中村才次郎議員の質問を終了いたします。  次に、37番粉川清美議員の発言を許します。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇、拍手)公明党滋賀県議団の粉川清美でございます。あらかじめ通告をいたしております3項目について質問をさせていただきます。  まず、1項目めに、(仮称)人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略の策定について質問をいたします。  日本は、2008年をピークに人口減少社会に突入し、少子化、高齢化が急速に進んでおり、このままでは2050年には人口は9,700万人、2100年には5,000万人になるとの推計もあります。人口が減れば経済活動も縮小し、社会保障の担い手も減り、私たちの暮らしを今のまま維持することが難しくなります。また、対策の具体化は待ったなしの状況であります。  滋賀県は、人口減少を食いとめながら、また、人口減少を見据えて、滋賀の強みを伸ばし、生かすことによって、これからの豊かな滋賀を、将来を担う子供、若者を初めとする県民とともに共有することができるよう、現在、総合戦略策定を進め、先月6月にはその骨子案が公表されたところです。  私たち公明党は、「人が生きる、地方創生」を掲げて、これまでも具体的な提案を行い、また、2月議会でも取り上げましたが、現在、本格的な議論が進んでいることから、改めて知事に質問をさせていただきます。  1点目は、策定状況や今後のスケジュールについて伺います。  2点目に、策定、推進体制についてです。  私は、2月議会において、現場の意見を反映する戦略を策定するために、県民はもちろんのこと、産官学に加えて金融機関や労働団体、メディア等を巻き込んだ取り組みや市町との連携を要望しましたが、策定に当たっての推進体制や取り組みについて伺います。  3点目に、国立社会保障・人口問題研究所によると、滋賀県でも間もなく人口減少局面に入ると予測されていますが、滋賀県の人口の動向と将来の展望、また、人口の変化による影響をどのように考えておられるのか、伺います。  4点目に、基本目標、重要業績評価指標、KPIといわれるものですが、この設定についてです。  総合戦略の具体的な施策に対しては、客観的な重要業績評価指標──KPIを設定することが必要とされています。基本目標を達成するためのKPIは、できる限り施策ごとに設定し、基本目標の下には体系的に位置づけることが望ましいと思いますが、基本目標やこの指標の設定についてどのように考えておられるのか。  また、重要業績評価指標の検証を行うPDCAサイクルの整備。例えば外部有識者を含めた検証機関の設置など、具体的な進め方を示すことが重要と考えますが、重要業績評価指標の検証についての見解を伺います。  5点目に、ほかの計画との整合性と、また、位置づけについてです。  本年3月に策定をいたしました滋賀県基本構想や淡海子ども・若者プランは計画期間もほとんど同じですが、滋賀県総合戦略について、ほかの計画との整合性と、また、位置づけ等について見解を伺います。  6点目に、戦略の考え方や、特に重要視する分野施策について4点伺います。  1点目。地方版総合戦略には、仕事づくり、人の流れ、結婚・出産・子育て、まちづくりに係る各分野を幅広くカバーして施策を盛り込むことが望ましいと言われていますが、しかし、何より地域の現状を把握した中で、実情に応じて対象範囲を決めていくことも重要と考えますが、滋賀県が考える対象範囲、特に重要視する分野について見解を伺います。  次に、特に若い世代、女性が活躍する滋賀県創出についてです。  地方における安定した雇用の創出や若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえ、地方に新しい人の流れをつくっていく上で大変重要な施策と考えますが、若い世代、女性が活躍する滋賀県創出の成果指標の考え方について伺います。  続いて、学生のUターン就職支援についてですが、文部科学省では、学生のUターンを支援するため、来年度から奨学金の地方創生枠を設けることを決めていると伺っています。私は、2月議会でもこのことについて県に提案をさせていただきましたが、積極的に国の政策を活用するように要望するものですが、いかがでしょうか。  最後に、進学で故郷を離れた若者をふるさと滋賀に呼び戻す施策や、大学生に滋賀で就職してもらう施策が重要と考えますが、大学生などのUターン就職や大学生などの若者求職者支援策についての取り組みや成果、課題など、また、今後の取り組みについて、特にUターン就職のための情報提供や交通費の支給等に取り組むことについて見解を伺います。 ○議長(西村久子) 37番粉川清美議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)粉川議員、今期もどうぞよろしくお願いいたします。  人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略の策定について、9つ、御質問をいただきました。  まず、1点目の、策定状況と今後のスケジュールについてでございますが、この総合戦略につきましては、先般、6月に骨子を作成したところであり、現在、その骨子から、さらに次の段階であります素案を検討しているところです。  今後のスケジュールについてでございますが、平成28年度予算編成作業を念頭に置きながら、施策を着実に実施するためにも、7月には素案、8月には原案を策定いたしまして、県民政策コメントを実施した上で、10月末を目途に策定してまいりたいと存じます。  こうした中で、策定の段階ごとに県議会や基本構想審議会に御報告し、御意見をいただきたいと考えているところでございます。  2点目、策定に当たっての推進体制と取り組みについてでございます。  現在、全庁的な組織といたしまして、私自身が本部長を務めます、人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり推進本部を設置いたしまして、精力的に議論を進めているところです。また、県・市町人口減少問題研究会を立ち上げまして、地域の実情や課題、戦略の策定状況について、市町とともに研究や情報共有を行っているところです。  さらに、総合戦略の策定に当たりましては、対話と共感、協働の姿勢のもと、産・官・学・金・労・言、まさにメディアも含めた金・労・言、子育て、教育、医療、農林水産関係などさまざまな分野の方々、広く県民の皆様との意見交換を重ねているところでございます。  また、この7月5日、明後日でございますが、には、若者、女性を初め多くの方に御参加いただき、夢や希望を持てる豊かな滋賀づくりフォーラムを開催させていただきますとともに、その夜には県政テレビ対話を生放送で行う予定であり、私自身、県民の方と幅広く意見交換をさせていただく所存でございます。  3点目の、滋賀県の人口の動向と将来展望、人口の変化による影響についてでございますが、まず、人口の動向につきましては、1960年代後半から人口がふえ続け、2008年には140万人を超えました。しかし、昨年10月1日現在の推計人口では、前年同月比で48年ぶりの減少となりまして、本県におきましても本格的な人口減少局面に入ったと考えられます。  年齢区分別で見ますと、戦後、15歳から64歳までの生産年齢人口は増加し続けていましたが、2005年をピークに減少に転じました。また、14歳以下の年少人口は長期的に減少傾向が続いている一方、65歳以上の高齢者人口は伸び続けており、2000年代前半には、高齢者人口が年少人口を上回ったところでございます。  国立社会保障・人口問題研究所の推計では、このまま推移すれば、本県の人口は2040年には130万9,000人にまで減少するとされており、高齢者人口の割合は全人口の約3分の1まで上昇するとされております。  また、人口の変化による影響につきましては、例えば生産年齢人口の減少により生産力や消費が減少し、経済活動が低下すること、コミュニティーの構成員が減り、地域によっては集落そのものが維持できなくなること、さらには、防犯、防災力の低下や社会資本の適切な管理が困難になることなど、重大な影響があると考えております。  一方で、自然環境に負荷を与える人間活動や開発が減少し、汚濁負荷が減ることにより、良好な環境の保全につながることや、生活環境にゆとりを取り戻せることなど、プラスの影響も無視できないと考えております。  4点目に、基本目標や重要業績評価指標の設定と検証についてでございます。  基本目標や重要業績評価指標につきましては、施策の結果として、住民などにもたらされる効果を客観的に示すことができる数値目標として、県民の皆さんにもわかりやすい指標の設定を検討してまいります。  また、基本目標や重要業績評価指標の検証につきましては、施策の進捗状況を、毎年度、把握し、その結果を県議会や県民の皆さんへ報告するとともに、戦略の推進や施策の成果を検証するための組織の設置を検討したいと存じます。  こうして検証した結果につきましては、その後の施策展開に的確に反映してまいります。  5点目、他の計画との整合性と位置づけについてであります。  この総合戦略は、本年3月に策定いたしました滋賀県基本構想の基本理念であります、夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀、新しい豊かさの実現を目指し、人口減少の視点から、課題を深掘りするとともに、基本構想に掲げます重点政策のエンジンになるものと考えております。  また、総合戦略は、本県として取り組む初めての総合的な人口政策でありまして、淡海子ども・若者プランを初め、人口減少に関連いたします施策を掲げている他の計画とも十分整合を図る必要があり、人口減少の観点から、横串を刺す戦略としてまいりたいと存じます。  6点目に、重要視する分野についてでございます。  この総合戦略は、人口減少に歯どめをかけながら、人口減少を見据えて、滋賀の強みを伸ばし、生かすことによって、訪れるなら滋賀、住むなら滋賀、働くなら滋賀、子育てするなら滋賀、幸せな最期を迎えるなら滋賀と思っていただけるような豊かな滋賀をつくるための戦略としたいと考えております。  そうしたことから、現在、総合戦略の骨子では、3つの視点として、今いる全ての人、生まれてくる人の健康、3世代の自立と共生、未来・次世代への応援を重視しながら、少子化を食いとめ、人口を安定させること、人口減少の影響を防止、軽減すること、人口急増時代に失ったものを取り戻し、回復、再生させることの3つを基本的方向として検討を進めているところでございます。  特に、人口流出が著しい20から24歳の雇用対策などにより、若者の生活基盤を安定させることや、出産や子育ての環境を改善するなど、女性の出産や子育ての支援を行うことで、子供を安心して産み育てられる社会をつくっていくことが大切であると考えております。
     7点目の、若い世代、女性が活躍する滋賀県創出の成果目標についてでございます。  少子化を食いとめ、人口を安定させるためには、6点目にお答えいたしたように、若い世代や女性が活躍できる環境を整えることが何よりも重要であると認識いたしております。このため、総合戦略の策定を進めるに当たりましては、若者や女性の就業率、正規雇用の割合など、若い世代や女性の活躍を図ることができる基本的な指標を設定し、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  学生のUターンを支援するための奨学金の地方創生枠の活用についてでございます。  学生を初めとする若者が、Uターンも含めて、県内企業に就職していただくためには、まずは県内企業の強みや魅力を発信することに力を入れて、若者との出会いの場を創出していく必要があると考えております。あわせまして、県内企業が若者にとって、より魅力ある企業となるよう、さまざまな支援、努力を行っていくことも重要であると考えます。  御質問の奨学金制度は、大学生の地元定着やUターンを支援するために、県と産業界が相互に費用負担して基金を設け、特定分野の地元企業に就職した場合に学生の奨学金の返還を支援する仕組みであります。  この制度の活用は、若者が滋賀に就職していただくための施策の一つと考えますが、他府県での状況を見ると、実施に至っているのは1県のみであり、県の財政負担だけでなく、産業界に費用の負担を求めること、どういった人材を対象とするのか、費用対効果等、多くの課題があることから、本県としても、施策としての慎重な見きわめが必要であると考えております。  つきましては、7月中に中間報告がまとまります予定の、大学生の就職意向調査の分析や、企業ニーズの把握などを考慮しながら、また、他府県の事例等も参考にして、引き続き、研究してまいります。  次に、若者に対するUターン就職を含みます就労支援策についてであります。  本県では、昨年度より大学生のU・I・Jターンを促進するため、首都圏の大学へ県内企業の情報を発信しております。今年度は、県内外の若者に対しまして情報発信を強化するとともに、両者が出会う場を提供する、ふるさと滋賀就職応援事業を実施しております。この6月29日に、県内中小企業の若手社員が自社の魅力を直接伝える形での合同企業説明会を初めて開いたところ、県内外の大学生を含みます119名の参加があり、「若手社員の話を直接聞けて、興味のある企業が見つかった」などのお声をいただいたところです。また、県の担当者が大阪の大学に出向き、滋賀県での就職に関する情報を、直接、学生に伝えるなどの取り組みを行っているところです。  これらの取り組みを通じまして、県外の学生にとっても、滋賀県の企業が十分に就職活動の対象になり得ることが把握できたところでございます。  その一方で、県外の若者に対する県内企業の情報発信がまだまだ不十分であることが課題であると認識いたしました。そのため、今後は、より一層、県内企業を知っていただくために、県外での合同就職面接会やバスツアーによる企業見学会を実施いたしますとともに、企業情報サイトであります「WORKしが」や企業PR冊子を活用いたしまして、ふるさと滋賀への就職につなげてまいりたいと存じます。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)政策や、また、目標数値につきましては、またこれからしっかりと議論をさせていただきたいと思いますが、知事に、策定推進体制等について再問させていただきます。  1点目は、各関係団体との意見交換は一覧表をいただきました。6月以降の予定がほとんどでありまして、今、6月に総合戦略の骨子案が、もう策定されて公表されましたけれども、この骨子案に現場の声を反映することは多分できなかったんだと思うんですけど、骨子案のように、このように枠がはめられてから議論をして現場の多彩な意見を反映していくというのは大変難しいのではないかと思うんですけども、骨子案のように枠をはめてから議論して、現場の多彩な声が反映できるのか、お聞きします。  また、多種多様な団体との意見交換を予定されていますが、これからの地方創生の鍵を握るのは若者や女性だと指摘がされています。若者との意見交換の場がないように思いますが、若者の意見をどのように把握して戦略に生かしていくのか、お聞きします。  また、この若者や女性の意見を把握し、取り入れていくという取り組みの中で、これもまた県庁内の組織でも可能ではないかと私は思っております。  例えば島根県浜田市の移住への取り組みがマスコミで大変注目を浴びておりまして、マスコミでも「経済的な自立を応援しつつ地方への人の流れも生む。これこそ地方創生」と評価をされ、全国から問い合わせが殺到しているという、そのような記事でございました。この事業は、浜田市の女性職員のアイデアから生まれたもので、これを機に、市では女性職員を募り、定住プロジェクトを結成して、約2カ月間で10回以上の議論を重ねて、女性の定住につながる事業をまとめているというような記事でございました。  このような取り組みについて、若者や女性の意見を反映する、庁内でも可能かと思うのですが、知事の所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) 3点、御質問いただきました。  骨子案までつくって、その過程でもいろんな方の御意見を伺いましたが、この6月から7月、さらに、より広く、いろんな方の御意見を伺っているところです。何もなければないで、何かつくってから意見を言わせてよということもあるものですから、骨子案をつくって、御意見をいただいたところです。  だからといって、骨子案で枠をはめて、何か固めていこうというつもりもございませんので、いただく御意見を踏まえて、よりよい素案をつくり、また、原案へと高めていきたい、練っていきたいと思います。  また、多種多様な方々の御意見を伺うべく、何も私だけではなくて、四角四面の会議だけではなくて、それぞれの部をして、それぞれの地方機関も含めて、いろんな関係者の皆さんの御意見を伺おうという取り組みを進めております。  とりわけ若い方々や女性の方々の御意見もしっかりと承っていこうということで、例えば大学生とのミーティングや高校生にも御意見をもらう、そういう取り組みを、この夏、私も入りながらさせていただくつもりでございますし、県庁内においても、それぞれ素案をつくる過程で、それぞれの部局において、まさに女性職員の皆さんにも入っていただいて、いろんな議論をしていただいているところでございます。  そういう意味では、女性も男性も、若い人もシニアの方も、いろんな方の議論を巻き起こしていこうということで、例えばあさってのテレビ対話もそうですけれども、そういう機会をしっかりとつくりながら、議論を深めていきたいと存じます。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)いろんな人の意見を反映していくというのは大変重要なことだと思いますが、中でも特に若い世代の方々の意見をしっかりと反映した総合戦略になるように、ぜひ、お取り組みをお願いしておきたいと思います。  それでは、2項目めに、子育て支援の人材育成について質問します。  国の子ども・子育て支援新制度がスタートして3カ月が経過し、認定こども園や小規模保育など、保育の受け皿をふやす取り組みが進んでいますが、施設やサービスの充実とともに、担い手となる人材を確保することも大変重要です。  子ども・子育て支援新制度において、保育の新たな担い手として新設される子育て支援員は、都道府県等が実施する研修を修了し、子育て支援員研修修了証書の交付を受け、子育て支援分野の各事業等に従事することができ、修了証書は全国で通用するものです。  子育て新制度の推進で県内地域の保育の選択肢が広がり、安心して子育てができ、また、働き続けられる環境整備がどのように進んでいるのか、また、子育て支援員の取り組みなど、人材育成について、以下、健康医療福祉部長に質問をさせていただきます。  1点目に、子ども・子育て支援新制度の取り組みで、県内子育て施設は大きく拡充されたと思いますが、県内の各施設の状況と、それに伴って必要となる人材、また、その中で子育て支援員の必要性についての県の見解を伺います。  2点目に、国が示しています子育て支援員養成の研修について、地域子育て支援コース、地域保育コース、放課後児童コース、社会的養護コースの4コースの取り組みについてです。  研修4コース10事業のうち、滋賀県では、本年、地域子育て支援拠点事業、専任職員の研修ですが、この1事業を実施する計画ですが、その事業内容について、また、ほかの研修を実施しない理由について伺います。  また、県が取り組む地域子育て支援拠点事業の研修を修了し、修了証書の交付を受ければ、専任職員となって従事できるわけですが、専任職員としての活動について伺います。  3点目に、保育の新たな担い手として新設される子育て支援員の研修のあり方についてです。  子育て支援員は保育士の補助的役割を担い、保育士不足解消や育児経験の豊富な主婦らの活動の場として期待がされています。地域で育児を支える制度、そして、質の高い人材を育てることが大切で、そのために、適切な研修が必要となってきます。特に、従来の保育士資格を取得するための大学などの保育士養成施設で教育を受ける価値や、その意義を十分に踏まえた研修が重要と考えます。また、子育て支援員の研修では、基礎を学び、現場で実践を積んで深めていく取り組みが必要不可欠と思いますが、県はこうした研修についてどのように考えて取り組んでいかれるのか、伺います。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) (登壇)子育て支援の人材育成についての、小問も含めまして、4点の御質問にお答えします。  まず、1点目の子ども・子育て支援新制度の取り組みによる県内の子育て施設の状況ですが、平成27年4月現在で、施設型保育としましては、幼保連携型認定こども園41カ所、保育所240カ所の、合わせて281カ所でありまして、平成26年度当初に比べて10カ所の増となっております。  また、地域型保育としまして、定員5人以下の家庭的保育が26カ所、定員6人から19人の小規模保育が14カ所、事業所内保育が1カ所の、合わせて41カ所が新たに位置づけられまして、保育の受け皿として拡充が図られたところでございます。  こうした子育て施設の拡充に伴い、必要となる人材といたしまして、施設型保育では保育士が127人ふえ、地域型保育では保育士79人、家庭的保育者40人、家庭的保育補助者73人が従事をされているところでございます。  また、子育て支援員の必要性でございますが、小規模保育などの地域型保育や地域子育て支援事業の従事者、補助者として、今後、活躍が期待されますことから、県としても新しい保育サービスの担い手として養成していく必要があると考えております。  次に、2点目の、本年度、県が実施する研修の事業内容と、他の研修を実施しない理由でございます。  まず、研修事業の内容ですが、子供の発達や保育の原理といった子育て支援員共通のカリキュラムである基本研修8科目8時間と、さらに、地域子育て支援拠点事業における実務に必要となる知識や技能を習得する専門研修6科目6時間から構成をされております。  専門研修の内容としましては、地域子育て支援拠点における支援者の役割、子供の発達を意識した環境づくりの講義のほか、利用者の立場になって、支援のあり方について検討、理解するための演習などとなっております。  次に、4コース10事業ある研修のうち、他の9事業の研修を実施しない理由でございます。  地域の子育て家庭の多様なニーズに、身近なところできめ細かく対応することが重要でありますことから、まずは、その拠点であります地域子育て支援拠点事業に従事をする専任職員を養成するコースに重点的に取り組むこととしたところでございます。  今後、市町が中心となって実施されます子ども・子育て支援新制度の状況を踏まえ、また、子育て支援へのニーズなど、市町の意見をお聞きし、子育て支援員の養成の必要性を把握しながら研修コースの拡充について検討してまいります。  次に、3点目の地域子育て支援拠点事業における専任職員の活動内容についてでございますが、地域の子育てセンター等に置かれている地域子育て支援拠点におきまして、子育て親子の交流の場の提供やサークル活動による交流の促進、子育て等に関する相談や援助、地域の子育て関連情報の収集や提供など、子育て家庭の不安感や負担感を少しでも和らげ、また、多様な子育てニーズにきめ細かく対応できるよう支援を行うものでございます。  4点目の、研修についてどのように考え、取り組んでいくかですが、子育て支援員は、地域型保育や地域子ども・子育て支援事業の担い手や補助者としての役割が期待をされており、子育て支援員研修では、事業実施に必要な保育に関する知識と技能を習得できるものと考えております。これに加えて、議員の御指摘のとおり、基礎を学び、現場で実践を積んで深める取り組みも重要であると考えますが、実践面での取り組みは、やはりおのおのの仕事を通じて深めていただく必要があります。  こうしたことから、県といたしましては、この子育て支援員研修と各現場での仕事を通じたOJT研修を組み合わせまして、実施主体である市町とともに人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)健康医療福祉部長に3点、再問させていただきます。  1点目は、新制度を生かした県の保育施設の状況です。  今御説明をいただきましたように、施設の数も拡充をいたしました。大きな課題と言われていた待機児童の解消に向けた取り組みが拡充をしたように感じています。  今後は、例えばゼロ歳から2歳を対象にした小規模保育所を卒業した3歳児を受け入れる連携保育施設の充実とか、また、病児・病後児保育、障害児保育などを行う居宅訪問型の保育など、子ども・子育て支援新制度できめ細かなサービスが展開できるようになったことを生かして、制度のはざまにいて、従来はサービスを届けられなかった子供たちを支える取り組みも重要と考えますが、見解を伺います。  2点目に、今、必要な人材確保に向けた研修については、部長から市町と連携しながらという答弁をいただきました。  必要な人材確保に向けた子育て支援員研修についての考え方、取り組みについてなんですが、県は国が示した10事業のうち1事業を実施をされます。  例えば、全国的な例を見ますと、徳島県では全ての子育て支援員研修事業を、県で一括して、県内数カ所で行うとしています。このほかの子育て支援員研修も、市町がそれぞれ行うのではなく、県が一括して行うほうが効率的かつ質の高い人材を育てることにつながるのではないかと考えますが、見解を伺います。  3点目に、県が実施をされます地域子育て支援拠点事業なんですけれども、さっき部長から事業の説明をいただきましたが、この研修には実習がありません。科目の研修のみとなっています。さきにも述べましたが、実習は本当に重要だと考えます。実習なしに修了証書を取得しても、実際にすぐに現場で専任職員として働くことができるのだろうか、また、支援員として従事する人も、また、受け入れる施設も、戸惑い、混乱するのではないでしょうか。  県内どこからでも受けやすい体系や、実習を追加すること、また、修了後のフォロー体制など、この県の実習事業について、中身について要望させていただきますが、見解を伺います。  以上3点、よろしくお願いします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えします。  まず、最初の御質問にございました、小規模保育を終えて、3歳児の保育への受け入れでありますとか、病児保育等の取り扱いの対応ということでございます。  新制度の取り組みにつきましては、答弁でも申し上げましたが、市町が中心となって進めていただいております。市町は、地域の子育て家庭の状況あるいは子育て支援へのニーズというのをしっかり把握いただきまして、さまざまな施設、事業などの支援メニューの中から地域のニーズに合ったものを計画的に整備をし、実施をしていくというふうにされておりますことから、十分、その辺の市町の取り組みというのを把握をいたしまして、今後の取り組み、展開を考えていきたいというふうに思います。  2点目でございますが、3点目とも絡むんですけれども、子育て支援員の研修につきましては全国統一のカリキュラムで実施をすると。したがって、その資格を得ると全国どこででもその資格が認められるというふうな仕組みになってございまして、そうしたこともございまして、内容につきまして、県のほうで何か加えるというようなことをすることが難しいというふうなことも考えております。  ただ、先ほども申しましたように、どこから来られてもというふうなこと、全県でまとまってやったほうが質が高い、効率的になるという御指摘は当たっていると思いますので、私どもといたしましても、そうした実情を踏まえながら取り組みを進めていく、そして、必要な実習、実践の部分につきましては、先ほど申しましたように、OJTという、仕事の実際の現場でその取り組みを深めていただく、そういう工夫ができるように、市町と連携しながら工夫をしてまいりたいと考えております。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)子ども・子育て新制度の導入につきましても、さらに地域のニーズに合う政策が進みますように、今後ともよろしくお願いいたします。  それでは、次に、3項目め、琵琶湖大橋有料道路の今後の方針について、一問一答方式で質問をさせていただきます。  琵琶湖大橋は昭和39年9月に滋賀県の湖東と湖西を連絡し、県勢の均衡のとれた発展と琵琶湖観光の展開を図るため、建設されました。開通以来約50年、産業、経済、観光発展に大きな役割を果たしてきました。  今さら言うまでもございませんが、区間は守山市洲本町から大津市真野普門町まで国道477号線、守山市洲本町から栗東市林まで県道守山栗東線で、全長約15.4キロメートルがあります。その中で、橋本体は1.4キロメートルで、その維持管理の多くが橋につながる道路となっております。  これまで周辺道路の整備や2本目の橋の建設などで料金徴収期限は2回延長されてきましたが、現在、保有資産が未償還額を上回る公社の財源状況においては、既に道路利用者から料金徴収を続ける根拠をなくしているため、公社はすぐに無料化の手続に入るべきであると、平成26年7月に滋賀県道路公社監事から知事に対する意見書で指摘されています。また、琵琶湖大橋有料道路のあり方に関する研究会により議論をされ、無料、有料の両論併記の取りまとめが行われたところです。  琵琶湖大橋有料道路の今後の方針について、全て知事に質問いたします。  まず、滋賀県の発展に寄与する琵琶湖大橋の役割についてです。  琵琶湖大橋が果たしてきた役割についてですが、県の東西が隔絶されていた地勢を琵琶湖大橋の建設によって一気に解消することとなり、その琵琶湖大橋の存在はその後の県の発展に偉大な貢献をしてきましたが、県の地勢学的見地から見た琵琶湖大橋の価値をどのように位置づけられているのか、お聞きします。 ◎知事(三日月大造) 県の地勢学的見地から見た琵琶湖大橋の価値でございますが、議員御指摘のとおり、琵琶湖大橋は琵琶湖で隔てられた湖東地域と湖西地域を連絡し、県勢の均衡のとれた発展と琵琶湖の観光振興を図るために大変重要な幹線道路として位置づけております。  また、緊急輸送道路として、災害時におけます物資輸送という重要な役割を担う道路でもあると考えております。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)さまざまな面で大変重要な橋、また、道路だと位置づけをいただいております。  その後の当該路線と前後する道路施設の質的向上等によって利便、安全性は向上し、県の財産価値から見た琵琶湖大橋は画期的進化を果たしたと言えますが、このような県の発展上欠くことのできない財産を、一部、利用者の負担によって維持管理を続けることの妥当性についてどのように考えておられるのか、お聞きいたします。 ◎知事(三日月大造) 琵琶湖大橋有料道路には、渋滞などさまざまな課題があることが確認され、4車線化などの対策は琵琶湖大橋利用者の利便性の向上にも寄与することから、事業を追加して、建設有料事業を継続するものでありまして、料金徴収期間中の管理区間の維持管理についても、引き続き、利用者の負担をお願いするものでございます。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)先ほどの議論の中で、大変重要な橋であり道路であると、そのようにおっしゃってくださいましたが、県勢発展にとって重要な財産と位置づけるなら、それにふさわしい維持管理を考えるべきであると私は思いますけれども、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 当然のことながら、重要な橋でございますし、多くの方が利用されている、安全第一で維持管理していかなければならないという旨のもと、維持管理をしっかりと行う。このことは当然のことと認識しております。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)維持管理と国への要望についてです。  県の発展、地方創生を目指す県行政にあって、観光、文化の発展、とりわけ防災対策の強化が求められている今日、この基幹道路はさらに重要度が増幅されます。例えば、市長会が要望しているように、直轄国道としての維持管理を国に求めていくなどの考えについて知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 直轄国道の要件といたしましては、議員も御案内のとおり、道路法施行規則第1条の2の2号におきまして、国土を縦断し、横断し、または循環して、都道府県庁所在地、その他政治上、経済上または文化上、特に重要な都市を効率的かつ効果的に連絡する一般国道の区間と規定されているところでございまして、県内の直轄国道は国道1号、8号、21号、161号の4路線のみが指定されております。  琵琶湖大橋を含みます県管理の国道477号は、平成5年4月1日に一般国道として路線指定されたものでありまして、その際に、県管理の国道として整理されたものでございます。これ以降、国道477号を取り巻く状況に大きな変化がなく、こうした状況を踏まえますと、国道477号は、重要でありますけれども、比較衡量いたしますれば、直轄国道への指定は、現状では困難であると考えます。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)6月議会開会日の提案説明の中で、知事は、これまで国と相談してきたとありましたけれども、その中身について、この直轄国道について、今、無理だというお話もございましたが、このことについて相談されたことや、また、そのほか、県民負担への支援を求める相談などをされたのでしょうか。これまで国と相談してきた中身についてお聞きします。 ◎知事(三日月大造) 答弁を土木交通部長に委任いたします。 ◎土木交通部長(桑山勝則) 国への相談内容でございますけれども、当該道路を通ります道路の交通量でありますとか、今後の161号が4車線化といったぐあいで整備されてまいります。そういったときに、将来の交通形態、交通量、そういったものがどのように琵琶湖大橋を通るか、そういったことを含めまして、利便性向上につきまして、国のほうとも相談いたしまして、その影響範囲でありますとか、そういったことにつきまして、国のほうともいろいろ助言等をいただいたところでございます。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)国と相談されたのは、つまり利便性向上を図るためにどういう対応が必要かということであって、そのような負担をこれまでの有料道路なのか、もっとふさわしい維持管理があるのか、そういったことについて相談されたということではないという理解でよろしいでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 土木交通部長に答弁を委任いたします。 ◎土木交通部長(桑山勝則) お答えします。  維持管理につきましては、現状の琵琶湖大橋もございます。引き続き、同じような形態で維持管理を進めていくということで、この琵琶湖大橋を維持していきたいというふうに考えております。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)私は、有料にするにしても、無料にするにしても、県民の皆さんがしっかりと納得いただけるように説明をしたいと。そのような思いから、国に相談をしてきたと。このまま有料を続けたいと言って相談してきたのでは納得はできないですよね。今後、どうしていったらいいのかと。いろんな方法がありますねという、そういうことでなかったら。国に、こうやりたいんですと相談、それは、まあ、相談と言えるんでしょうけど、そういう相談では県民は納得しないと思いますけれども、もう一度、お伺いさせていただきます。 ◎知事(三日月大造) 今、実務的なやりとりの一端を土木交通部長のほうから説明をさせていただきましたが、議員も御案内のとおり、道路は無料開放の原則がございます。建設に要した費用を利用者のお支払いいただく料金で回収し、償還をし、その償還が終わった際には開放するという原則がある中で、維持修繕の費用をどうしていくのか、また、付随する利用者利便にも資して、利用者負担により行うことができる周辺道路の整備、このことにどれだけの理解が得られるのか、そのことを道路整備特別措置法第15条に比して、この琵琶湖大橋の有料道路がさらに料金徴収期間を延長して行うことができるのかどうか、さらに、滋賀県の場合は、同様、地方道路公社管理の近江大橋の料金問題のことがございました。こういうこととも照らし合わせて、この琵琶湖大橋の料金問題について、法律を所管いたします国の見解を求めてきたというところでございまして、今般、私は琵琶湖大橋の維持管理の必要性、さらには、琵琶湖大橋に接続をいたします、全てではありませんけれども、161から守山の一定交差点の地先までの4車線化は、利用者の利便性にも資することから、料金徴収期間を延長し、料金負担で賄うことをお願いすることを提起させていただいているところでございます。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)知事が示されました方針については後でまた議論をさせていただきたいと思っておりますけれども、議案提出説明の中で、これまで国と相談してきたと、そういう言葉を聞きますと、どういう方法があるんだろうかと悩んで悩んで相談をしてきてくれはったのかなと、そういうふうにすごく期待をしていたので、県はこういうふうに、ある意味、方針を決めてご相談をされていたのかなというふうな意味合いの答弁で、少しがっかりはしましたが、後でまた議論させていただきます。  次に、今後の琵琶湖大橋が果たす役割について少し議論をさせていただきたいと思います。  余りいい地図がなくて、わかりにくくて申しわけないですけども、これ、表のこちら側は、4月に文化庁が指定をいたしました日本遺産認定、全国で18ありましたが、これは滋賀県が指定されたところでありますし、こちらの黄緑色に塗っておりますのは、福井県が指定されました「御食国(みけつくに)若狭と鯖街道」という文化指定であります。下が、京都府が指定されました「日本茶800年の歴史散歩」ということで、滋賀県と、それから南の京都と、福井と、まさしく滋賀県に接して、3つの文化遺産が指定がされた、認定がされたということです。  こちら側を見ていただきますと、これも全国地図がありますように、国交省が広域観光周遊ルートということで、全国で7ルートを指定いたしました中に、滋賀県を挟みます関西広域連合の「美の伝説」と、中部が中心となっております「昇龍道」という2つ、7つのルートの認定のうち2つのルートがまさしく滋賀県の琵琶湖を挟んで認定がされたという、本当にすばらしい観光振興、滋賀県経済の取り組みのチャンスをいただいた、そういう取り組みではないかと思っております。  このような日本遺産や広域観光周遊ルート認定を生かした観光振興についてなんですが、滋賀県に人をどう呼び込み、人の流れをどのようにつくっていくのか、観光による交流人口の拡大で地域振興と経済の活性化をどう図っていくのか、本当にわくわくする取り組みであり、何としても成功させなければなりませんけれども、このような日本遺産や広域観光周遊ルート認定を生かした観光振興についての見解をお聞きします。 ◎知事(三日月大造) ただいま議員から御紹介をいただきました日本遺産および広域観光周遊ルートに認定されたことにつきましては、私たちの滋賀の魅力を国内外に発信するまたとない機会だと捉えております。  まず、日本遺産におきましては、滋賀の持つ豊かな観光資源を点から線、線から面へと広げることにより、県内をぐるっと回っていただくことも視野に入れながら、周遊型観光でありますとか滞在型観光へと誘導することで経済効果を高め、一層の観光振興に努めてまいりたいと考えております。  また、広域観光周遊ルートにおきましては、中部および関西の広域の中で、幅広く、滋賀のよさをうまくPRすることにより、中京圏や京都、大阪へお越しになる訪日外国人観光客を初め、観光客の皆様方を今以上に滋賀に呼び込めるよう、有効に使わせていただきたいと考えております。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)今、知事もおっしゃいましたように、大きな期待が寄せられている日本遺産や、広域観光周遊ルートを生かした取り組みを展開していく中で、先ほど地図にもお示しをしましたように、まさしくこの2つの広域ルートは琵琶湖を挟んでおりまして、ここを挟んでいる琵琶湖大橋の存在価値というのが、今、改めて問われているのではないかと思っておりますし、こちらの日本遺産におきましても、西側は高島、大津、そして、東側は米原市、彦根市、東近江など、まさしく琵琶湖を挟んで東西が一緒になって、また、福井の鯖街道や京都の日本茶の歴史、本当に、琵琶湖大橋を中心に挟んで、東西南北、全てが一緒になって取り組んでいくことが成功の鍵を握っているのではないかと私は考えております。そんな中で、大きな期待が寄せられている日本遺産や広域観光ルートを生かした取り組みを展開していく中で、琵琶湖大橋の果たす役割をどのように考えておられるのか、お聞きします。
    ◎知事(三日月大造) 先ほど来、答弁させていただいておりますとおり、私たち県民にとっても、この琵琶湖大橋は重要な幹線道路であることに加えまして、琵琶湖の観光を楽しんでいただく、さらには昇龍道や京阪神の2つの広域観光周遊ルート、さらには日本遺産、こういうものをお楽しみいただくためにも、ますますその役割は重要になると考えております。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)滋賀県は観光振興によって観光入り込み客数や観光消費額などについてどのように見込んでおられますか、お聞きします。 ◎知事(三日月大造) 昨年1月に策定いたしました「観光交流」振興指針におきましては、平成26年度から平成30年度の毎年度において、観光入り込み客数4,800万人、観光消費額1,640億円と設定したところでございます。  しかしながら、平成27年度につきましては、国の交付金を活用いたしましたさまざまな観光振興事業の実施による効果でありますとか、先ほど来、お取り上げいただいております日本遺産認定による効果などを盛り込みまして、平成27年度のアクションプランにおきましては、指針の目標を上回る観光入り込み客数5,000万人、観光消費額1,700億円の達成を目指しているところでございます。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)今、知事が御説明くださいました観光振興の数字等を見ておりますと、アクションプランのほうでは5月に策定をしておりますし、広域観光周遊ルートは、その後、指定がされておりますので、そういういろんなことから考えたら、今の見込み以上の効果があるのではないかと思います。  滋賀県は、現状では他府県に埋没しているという感があります。滋賀県の強みは、やはり琵琶湖です。琵琶湖を取り巻く地域によってそれぞれの魅力があり、日本遺産や広域観光周遊ルートを生かして、その地域と地域を、魅力と魅力をつなぐ、結ぶことによって、より県の独自性を発揮して、見込み以上に外国人誘客や、交流人口をふやすことが可能だと思っております。  そのかけ橋役としての役割を果たすのが、私は琵琶湖大橋だと思っておりますけれども、この琵琶湖大橋について、県の財政が厳しいから利用者負担に頼るという発想から、渋滞対策や安全対策を確保して、さらに、滋賀に人を呼び、人や物の交流を活発化して、地域経済、県経済の活性化を進め、県の財政力向上に取り組んでいただきたいと考えますが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 今御指摘いただいたように、財政のことも考えながら、維持修繕のことも考えて、そして、琵琶湖大橋周辺の渋滞対策をどうするのかということも考えて、あわせて、広域観光周遊ルートで大いに、東に渡るときも、西に渡るときも、右にも左にも琵琶湖が見えるという非常に重要な橋でございますので、こういうものをしっかりと活用するという観点も持ちながら、この琵琶湖大橋の料金問題を考えていきたいと存じます。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)これまで琵琶湖大橋が果たしてきた役割や、これからの県勢発展に果たす重要な役割について質問させていただきましたが、その重要性については知事とも認識が一致していたと思います。しかし、知事は、今議会冒頭に、琵琶湖大橋有料道路の通行料の有料を継続するという方針を示されました。  そこで、これからは県が示されました考え方、有料を継続することについてお聞きします。  琵琶湖大橋のあり方研究会の取りまとめは「無料、有料の両論併記」で、報道では「座長が知事の政治的判断に委ねる」と報じられ、また、2月10日の市長会での意見交換で、知事は「政治的判断が必要で、その環境を整えたい」と説明されています。  政治的判断の言葉の裏には、一般的に、釈然としない、暗いイメージを連想させますが、改めて、政治的判断の意味と、知事の政治的判断をどのように考えられたのか、お聞きします。 ◎知事(三日月大造) 政治的判断という言葉の裏に暗いイメージがあるとすれば、それは私たちの不徳のいたすところであろうかと思います。そういう意味で私は申し上げたのではなくて、私は、大きく2つあろうかと思います。  1つは、やはり料金をいただく、または、いただき続けるということの重さです。これは、片道だけでもそうですし、普通車であろうと、大型車であろうと、また、往復の方であればなお、非常に重いものがあると思います。そういうものをいただく、いただき続けるということの重さを政治的判断という言葉の中に込めておりますし、また、もう1つ申し上げれば、昨年、研究会をしていただきました。いろんな方にいろんな御意見をいただきましたが、両論併記と結論づけて私にいただいたように、やっぱりいろんな御意見がある中で、一つの方向性を決めていくということの重大さゆえに、政治的判断という言葉を使わせていただいて、今般、議会にも提案をさせていただいているところです。  その過程においては、先ほど御提起いただきました国との相談、これは当然ありました。公式、非公式、ございました。また、議会の皆様方の御意見も多々伺いました。さらには、西側、東側で市政を担当されている市長会の皆様方からも御意見をいただきましたし、利用者のアンケート等をいただきました。そういうものを勘案して、一定の方向性を議会に提出するに当たり、一つの政治的判断を下させていただいたというところでございます。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)私は、渋滞対策とか安全対策などの追加工事が本当に必要ならば、必要な事業として説明すればいいことであって、それを政治的に判断するようなことではないと考えます。  有料道路制度とは、先ほどおっしゃいましたけれども、道路無料公開の原則に対し、特別の措置として規定されているもので、琵琶湖大橋や周辺道路整備の借金を通行料で返済すれば無料になるというのが原則です。どうすれば、原則を踏まえて、さらに必要な事業が実施できるのか。例えば公社を解散して無料化し、精算した残金で渋滞緩和などの追加工事をする方法などが考えられると思いますが、さまざまな方法について、どのように議論をされたのか、お尋ねします。 ◎知事(三日月大造) この間、研究会でも御議論をいただきました。そして、おっしゃったように、料金徴収をもうやめて、公社を解散し、その公社にあるお金を残金として、また基金として活用し、そして、必要な道路整備を行うという方法もございますし、さらには、そういうものに加えて、一般財源を充当しながら道路整備を行っていく、こういうことも、当然、視野に入れて、さはさりながら、そういう、例えば基金につきましてもなかなか造成することが難しいのではないか、さらには、一般財源を充当し、道路整備に、御要望に沿う形で賄うことができないのではないか、また一方で、全て無尽蔵に、橋につながる全ての道路を、料金を御負担いただきながらということに理のないことは承知の上で、じゃ、どこまでであれば、御利用いただく方々の御負担で賄うことができるのかといったようなことを総合的に勘案しながら、今回、料金徴収期間を延長させていただくという一定の方針を議会に示させていただいたところでございます。  今回で全て決定ということではなくて、むしろ議会の中で、今、議員から御提起いただいたようなことも含めて、十分、御確認をいただくなど、御意見を承った上で、今後の方針等を決定してまいりたいと存じます。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)それでは、今後の整備や料金設定についてです。  この地図にありますように、今後の整備についてです。  研究会の意見によれば、通行料金で整備することに理解が得やすい範囲として、橋本体やその周辺区域としていますが、今後、将来的にも、その事業以外は対象としないということでしょうか。これからの考え方について伺います。 ◎知事(三日月大造) 今お示しいただきました、追加事業としてお示しいたしました範囲は、現時点で必要な事業と判断したものであって、議員御指摘の、その事業以外について、事業手法も含めまして、今の時点で確定的なことは申し上げられません。改めて検討すべきものであると考えております。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)そこのところを県民の皆様、特に湖西地域の皆様が強く懸念をされているところなんです。建設されてから約50年間、これまで道路周辺の整備や2本目の橋の建設などで料金徴収期限は2回延長されてきました。ここでまた渋滞対策や耐震性能を最新の基準まで向上させるために実施する対策を通行する人の負担で賄うとすれば、今後も永久に通行料徴収は続くものとなってしまうのか、お聞きします。 ◎知事(三日月大造) 永久にというお言葉を加えていただいての御質問でありましたので、そのことはわかりません。今回は、まだ期間は、今後、お示しをさせていただくことになると思うんですけれども、必要な事業とさせていただいたところを何年で、どれだけの料金で賄わせていただくのかということでございますので、永久ということには、私はならないのではないかと考えております。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)地域住民の方の思いのこもった言葉で質問をさせていただいたところです。  次に、料金についてです。  知事は、アンケート結果等も十分踏まえて検討すると説明をされましたけれども、通行料を100円などのワンコインにするなどの考えがあるのか、お聞きします。 ◎知事(三日月大造) アンケートもいただいて、種々、御意見もいただいているところでございますので、通行料金につきましては、事業内容、事業費等を精査いたしまして、料金支払いのストレス緩和も視野に入れながら、議会の皆様方にお示しをさせていただきたいと存じます。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)研究会の意見でも、ETC設置や料金の値下げについても触れられています。  しかし、一方で、県が示したシミュレーションを見てみますと、現状の料金設定のままという設定も含まれていました。ワンコインなどの料金設定をするのか、現状のままもあり得るのか、それがわからないと、県の方針への理解を得る県民への説明責任が果たせないと思うのですが、いかがですか。 ◎知事(三日月大造) いずれにいたしましても、先ほど私が料金徴収期間を延長させていただきたいということで、政治的判断という言葉でやりとりをさせていただきましたけれども、料金を払っていただく、払い続けていただく、そのことに御理解いただくことは大変、私は難しく重いものであるという認識のもと、繰り返しになりますけれども、料金支払いのストレス緩和を視野に検討させていただきたいと存じます。 ◆37番(粉川清美議員) (登壇)琵琶湖大橋がこれまで果たしてきました役割、また、今後の観光振興や人、物の交流や、地域経済、また、県経済の発展に寄与することなどをこれまで議論させていただいてきました。  県民の皆さんにわかりやすい議論を進めていただき、しっかりと、どちらにいたしましても、説明責任を果たす取り組みをしていただきたいと、そのように要望させていただき、質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(西村久子) 以上で、37番粉川清美議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後3時56分 休憩    ────────────────   午後4時19分 開議 ○議長(西村久子) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  次に、1番村島茂男議員の発言を許します。 ◆1番(村島茂男議員) (登壇、拍手)自由民主党滋賀県議会議員団、村島茂男です。よろしくお願いします。  私は、選挙公約の一つである「住みよい未来と安全を子供たちのために」と掲げ、町議会に、また、この県議会に送り出させていただきました。このことからも、まず最初は、防犯にかかわる立場から、県民の安全安心を確認する立場として、通告書に伴い、2点、質問をさせていただきたいと思います。  遠回りな前置きはせず、率直に質問させていただきますので、執行側も再質問しなくてもよい答弁で、よろしくお願いします。  まず1つ目として、サイバー犯罪の現状と対策について質問させていただきます。  昨日、田中議員からも質問がありましたが、私としては、企業、省庁もさることながら、県民一人一人が危険にさらされるであろうサイバー的な犯罪に対し、質問させていただきます。  近年、次々と新しい巧妙な手を使った犯罪が横暴しており、全国的に見ても、窃盗、横領、傷害などを初めとし、あらゆる種類の詐欺はとどまるところがなく、高齢者が多数、被害者となる特殊詐欺は微減にとどまり、その被害金額は過去最高となったほか、県内でも、先日、県警本部の警察官を名乗る男と銀行員を装う男によってだまし取られるといった、直接、手渡す手段の詐欺も発生しております。  DVなど女性が被害となる犯罪や、特に、時代に沿ったパソコンやスマホまでも操り、乗っ取るといったサイバー犯罪では、個人から情報を抜き取るなど、また、日本年金機構など公な省庁、企業を狙った犯罪も起きており、対処の難しい犯罪が後を絶ちません。  多様化する犯罪に対して、今後、あらゆる手段を駆使してでも県民の安全を守っていかなければならないのですが、例えば個人が物品購入のとき、銀行のサイトに行かなくても入金画面が出てきて、気づかない間に暗証番号を打ち込み、口座から金額を抜かれるといった犯罪、また、メールが来て、それに従うといった犯罪は個人個人がしっかりとしていなければ防ぎようがありません。  大企業などでは、多額の費用をかけた対策や大規模な体制を整えるなどの備えがされていますが、県としては、県内市町、また、県民に対してどのように働きかけを行っているのか、また、今後、行っていくのか、知事にお伺いしたいと思います。  また、サイバー犯罪の現状、県民に向けた啓発等については警察本部長にお伺いします。 ○議長(西村久子) 1番村島茂男議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)村島議員、御当選おめでとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  サイバー犯罪の現状と対策について、2問の御質問のうち、私に対しては市町や県民の皆さんに対する働きかけについて御質問いただきました。  各市町に対しましては、今回の日本年金機構の事件を受けまして、情報セキュリティー対策について注意喚起を行っておりますほか、これまでも国や専門機関等から発信されます情報セキュリティー対策に関する最新の情報やセミナーの案内など、関連情報の提供を行っております。  また、各市町も参加されております産学官によります滋賀県地域情報化推進会議におきまして、情報セキュリティー対策に関する研修会を行っております。  一方、県民の皆さんに向けました取り組みといたしましては、昨年度、消費生活センターにおきまして、くらしの情報セミナーを開催いたしまして、インターネットやスマートフォンの利用に伴う危険性について啓発を行いました。  そのほか、県内通信事業者および関係行政機関で構成されます滋賀県インターネット安全対策協議会におきまして、街頭啓発を行うなど、注意喚起に努めているところです。  また、しらしがメールにおきましても、インターネットを悪用した犯罪の被害予防などについて注意喚起情報を発信しております。  今後も、県や市町が保有いたします県民の皆さんの重要な情報を保護するため、また、県民の皆さんの被害を防ぐために、情報セキュリティーにかかわります最新情報の収集に努めますとともに、近々開催予定の情報セキュリティー対策に関します市町との意見交換会などのあらゆる機会を捉えまして、市町や関係機関と連携しながら取り組んでまいります。 ◎警察本部長(笠間伸一) (登壇)サイバー犯罪の現状と啓発等についての御質問にお答えをいたします。  サイバー犯罪の現状についてでありますが、当県では、サイバー空間を利用した犯罪が急増している状況にありまして、昨年、平成26年の検挙件数は73件で、その前年と比べると35件増加をし、また、相談件数は1,607件で、前年と比べると575件増加をしており、過去最悪となっております。  また、本年5月末現在の状況でございますけれども、検挙件数はほぼ横ばいの傾向でございますけれども、相談件数は678件と、さらに、昨年同月比で160件の増加という状況でございます。  主な相談内容としては、インターネット詐欺、それから、名誉毀損、誹謗中傷、脅迫に関するもの、さらには迷惑メール等が多く、全体の約85%を占めておる状況にございます。  このような現状を踏まえまして、警察としましては、積極的にサイバーパトロール等を実施をしており、違法情報や有害情報の発見に努めるなど、取り締まりを強化しております。  また、県民の方々がサイバー犯罪の被害に遭わないために、サイバーボランティアの方々や、産学官と連携した啓発活動のほか、県警のホームページを活用しました広報啓発を実施しているところでございます。  特に県民の方々に対しましては、3点、個人情報等の重要な情報の取り扱いは慎重にしていただく、それから、パソコン等は常に最新のセキュリティー状態に保っていただく、3点目、不審なサイトにアクセスしたり不審なメールは開かないという点について注意喚起をしております。  警察としましては、今後も取り締まりを徹底をするとともに、被害防止対策を推進をしまして、安全安心なサイバー空間の構築に取り組んでまいる所存でございます。 ◆1番(村島茂男議員) (登壇)知事に1つだけお尋ねします。  大きな被害はまだ県内でないわけなんですけれど、今、本部長が言われた、また、知事がおっしゃられる、いろんなホームページとか、しらしがメールとか、少し奥に入らんとそれは確かめられん、みんなが覚えてもらえないというサイトですので、やはり今後、多分、これはもっと多くなってくると思います。変な詐欺より、こういうパソコンとかスマホを使ったというのがどんどんふえてくると思うんですけれど、そのときやったら、そういうサイトの画面を、先ほどから出ております滋賀プラスワンにぱっと載せるとか、例えばテレビ広告、BBCのほうのを使ってもらって、何らかで「こういう画面ですよ」と、ぱっと目につくような、そういうような予防対策も、今後、考えていただきたいなと思いますが、どうですか。 ◎知事(三日月大造) 今、警察本部長のほうからも御答弁があり、私も答弁させていただきましたが、いずれにいたしましても、非常に巧妙に、それぞれの方に忍び寄る、また、便利になったインターネットやスマートフォンを通じて攻撃が仕掛けられる、こういうことに対しましては、私は1つ、システムでブロックすること、そして、それらをかいくぐって本人のところに来たときに、やっぱり私たち、利用者の意識を高めて、そういったものを開かない、そういったものに惑わされない、そういう知識をつけていくこと、そのために啓発をしていくこと、そういうことが必要だと思いますので、先ほど答弁させていただきましたとおり、いろんな機会を通じて、より広く県民の方々にお知りいただく、また、予防していただく、そういう対策を、皆さんの御協力をいただきながら展開してまいりたいと存じます。 ◆1番(村島茂男議員) (登壇)ありがとうございます。  これからたくさん、そういうふうなものが出てくると思いますし、私も確認したところ、専門の方に聞いたんですけれど、やはり今のところでは一人一人がしっかりと防御しなければ防ぎようがないというのが現状ですので、また、そういうことが多発したときには、速やかにいろんな対処をよろしくお願いします。  2つ目の質問に入らせていただきます。  地域住民防犯ボランティアの活性化について。  滋賀県では、犯罪に遭いにくい安全なまちづくりの基本理念を定め、県、県民および事業者の責務を明らかにして、取り組みを一体となって推進していくため、「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり条例を平成15年4月にスタートさせました。  私の地元でも、9小学校区、7地区それぞれに、また、県下では100を超える団体が、順次、地域住民防犯ボランティア団体が発足しました。その後、12年が経過し、県内での犯罪は半減しつつありますが、先ほど1問目の質問に述べたように、さまざまな形態の犯罪はなかなかつかみどころがない状態であり、やはり地域住民一人一人が注意し、また、周囲に呼びかけ、気にかけ、向こう三軒両隣の精神で対応し、我がまちは私たちが守っていくと立ち上がっていただいた防犯ボランティア団体に委ねているのが現状であります。  しかしながら、県内全体に、このところ、会員の高齢化や後継者問題等、諸問題を抱える中、モチベーションが下がっているように感じられます。  そんな中、一方、この前、警察本部の説明によりますと、警察官1人当たりの負担状況は634人と、全国順位で2位と、滋賀県は厳しい状況であるとお聞きしました。それを補うためには、行政を初め企業、事業所の取り組みの強化は必要でありますが、やはり一番に、県民の皆さん、また、地域住民防犯ボランティアの方々の協力により、警察の負担を担っていただかなければなりません。  そのためには、いま一度、発足同時の勢いを取り戻すため、起爆剤を投入、また、諸団体の活性化が必要不可欠となってきていますが、警察本部長の見解をお伺いします。 ◎警察本部長(笠間伸一) 防犯ボランティアの活性化についてお答えをいたします。  「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり条例は、平成14年に犯罪発生件数が年間3万2,000件を超え、治安が大きく悪化をする中で、警察だけでなく、県や事業者、地域の防犯ボランティアの方々も一体となって犯罪抑止を図ることを目指して定められたものであります。  この条例制定後、特に県内各地域で自主防犯団体が数多く結成されまして、防犯ボランティアの方々が熱心に犯罪抑止に取り組んでいただいた結果、犯罪発生件数は昨年までに2万件近く減少しまして、昨年は1万2,435件ということでありました。  自主防犯団体を中心とした防犯ボランティアの方々のお力は治安の維持に不可欠なものであると、改めて敬意を表しますとともに、心より深く感謝を申し上げます。  今後とも、犯罪発生件数を減少させまして、安全安心の滋賀を目指すために、警察としましても、限られた体制、執行力を最大限に活用して街頭活動を強化してまいる所存でありますが、やはり地域の安全安心のためには防犯ボランティアの方々が中心となり、地域住民の防犯意識を高めていただくなど、各種の防犯活動を活性化していくことが必要不可欠であります。  こうした防犯ボランティアの方々の地道な取り組みの継続と警察の活動とが相まってこそ地域の治安が守れるものでありますが、議員御指摘のとおり、防犯ボランティアの高齢化などの問題もございますので、さらなる活動の活性化が課題と考えております。  そのため、本年7月25日でございますけれども、県内各地で活動する自主防犯団体、そして、ヤングボランティア等のリーダーにお集まりをいただきまして、世代間交流やボランティア間のきずなの強化を図ることを目的としました滋賀県防犯ボランティアサミット、これを開催する予定でございまして、これを機に、さらに防犯ボランティアの活動の活性化に向けた取り組みの強化を図ってまいる所存でございます。 ◆1番(村島茂男議員) (登壇)今回はお願いと確認ということですので、再質問はしませんけれど、先ほども申しましたが、警察官1人当たりの負担状況は634人と、全国順位で2位と滋賀県は厳しい状況でありますが、しかし、決して事故・犯罪率など、滋賀県は下位に低迷してはおりません。  私の地元の日野町のデータを捉えますと、防犯に関するボランティアの方々は200名を優に超えておられます。2万3,000人足らずの人口でありますので、この方々はお一人が100人を担っているということになります。  このことからもうかがえるように、まさに不足とする警察を、また、治安を支えていくのは県民一人一人であり、安心安全を担う地域ボランティア団体の協力あってのたまものと思っております。今後も、県民を初め、県、市町、警察、三位一体となり、安心した生活を守っていかなければなりません。知事、警察本部長にしっかりとサポートしていただけるようにお願いして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(西村久子) 以上で、1番村島茂男議員の質問を終了いたします。  次に、2番加藤誠一議員の発言を許します。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇、拍手)自由民主党滋賀県議会議員団の新人の加藤でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。  早速でございますが、通告に従いまして、御質問をさせていただきます。  この4月1日に滋賀県ブランド推進本部が立ち上がりました。知事は記者会見で、スピード感を持って対応するため、御自身が本部長となり、さまざまな施策を検討し、推進すると述べておられます。  また、このとき、御自身は、観光立国基本法の制定にかかわり、政権与党にあるときは観光政策を担当し、国にいて世界に売り出すとき、滋賀のよさに改めて気づいたとも言われております。まさに滋賀のブランドの向上は、すなわち滋賀の認知度が上がり、観光振興そのものでもありますから、県民の皆さんも知事に大きな期待を寄せられていると思いましての質問でございます。  以下、伺ってまいります。  この6月の観光立国推進閣僚会議で、観光立国実現に向けたアクションプログラム2015が協議、決定をされました。訪日外国人旅行者は昨年までの2年間で500万の増、年間1,300万人を超え、ことしも4月までで既に前年比で4割以上の増との報告がなされております。御承知のように、今回のアクションプログラムは、この流れを全国津々浦々に浸透させるためと位置づけられております。  また、訪日外国人観光客2,000万人の時代を迎えるための体制を強化する方向性も出し、全国各地で通訳ガイドの増強、観光協会の営業力強化などの政策を進め、再び訪れたくなる観光地づくりを実現するとのことであります。非常にわかりやすいプログラムだと思います。
     こうした国のプログラムの中で、実際に観光客を受け入れる、いわゆる観光地や観光施設を持つ市や町では、にぎわいを創出し、さらに来訪者を増加させるためにと、まちづくりと産業振興のいろんな面からさまざまな取り組みが進められております。また、その成功には民間の力、発想が極めて大きくかかわっていることも事実でございます。  そこで、まず、観光振興における県の役割について、国政で観光を担当された知事はどのようにお考えかを伺います。  なぜこのような質問をするかと申しますと、代表質問において、地方創生予算で観光消費を喚起する宿泊や名品の割引事業を行うとの答弁がございまして、予算化もされておりますが、既に大津市でも、この6月から宿泊割引クーポン券の発行がなされております。当然、県は県の役割を踏まえての事業だと思いますが、県民から見ますと同じものに見えかねません。念のため、この事業の狙いと効果が大津市の事業とどのように違うのか、すみ分けができているのかをあわせて伺います。  観光といいますと、いかに来訪者をふやすかということが大きな目標の一つであります。最近、路線バスの旅というようなテレビ番組もあるようでございますが、滋賀県内を公共交通機関で旅をしようとするとき、観光客への利便性はどんなものでしょうか。県の「観光交流」振興指針の中に、県の観光の弱みとして、不便な県内アクセスとあります。旅行者は確かに県内のさまざまなコースを選択するわけでございます。この弱みを克服するために、先頭に立つのが県ではないかと思います。観光振興上の県内アクセス改善に向けたこれまでの取り組みと、今後の方針を知事に伺います。  滋賀県といえば、やはり琵琶湖は切っても切り離せません。昨日の竹村議員もマリンスポーツを取り上げられました。ところが、県外の方を含めて、水泳場、マリーナを利用する人は平成14年には年間131万人であったものが、平成25年には28万人まで減っていることが入り込み客調査でも明らかになっておりますが、また、少し古いですが、2009年の県政世論調査で県民の方に、琵琶湖を訪れる頻度というのが問われております。年に一、二回というのが35.6%で、ほとんど訪れないという県民の方も1割ございます。県民と琵琶湖の距離が遠くなったと、そのとき、報道もされておりました。  この数値から、「滋賀・びわ湖ブランド」の推進を掲げる中で、ブランド推進本部長の知事はどのように感じられましたでしょうか、お伺いをします。  知事は4月の記者会見で、滋賀のよいものが知られていない原因として、県民の自覚が足りないということと、発信が足りないということを述べられました。もちろんそれもありますが、そう簡単なものではないように思います。また、生田議員の代表質問のときの答弁の中に、知事はさまざまなデータをしっかり把握され、政策構築に生かされるように、ますます力を入れたいというような答弁もございましたが、こうした琵琶湖への来訪者が減少している基本的な部分の分析をどのようにされているのか、その結果がどのように政策に生かされているのかをお伺いします。  また、この「滋賀・びわ湖ブランド」というのは、平成22年に民間を交えた協議会組織で戦略が策定をされています。策定後5年が経過をいたしましたが、この5年間で、当時と比べましてどれだけ「滋賀・びわ湖ブランド」力が増してきているのかを伺います。  ところで、これまでの質問にもたびたび出てまいりました、国のアクションプログラムにある広域観光周遊ルートの形成・発信の一環として、中部圏の「昇龍道」、また、関西圏の「美の伝説」のテーマのもと、本県の観光資源も入りまして、知事を含め、関係自治体も歓迎の声が上がりました。大変喜ばしいことであります。  ただ、ちょっと気になったのは、それぞれの圏域のリーフレットなりを見ますと、やはり滋賀はそれぞれの圏域の端になります。これは地理的な面から、それは当たり前なのでありますが、先ほどの粉川議員の、琵琶湖大橋の質問の中に、粉川議員も言っておられましたけども、埋没するように思うと。このような発言もございましたが、まさに私もそんな思いになったということでございまして、滋賀県は、両圏域と北陸圏にも属しております。結節点という優位性をと言ってきました。代表質問でもいろんなところで強みと述べています。ただ、ここで感じたのは、結節とは言いながら、それぞれの圏域に参加しているということでとまっている、あるいは、圏域で連携していますということで終わっているようになりません。  3月に、中部圏における広域連携のための戦略検討調査というのを県がされております。その後だと思いますが、中部と北陸の広域連携の指針というのがホームページでも出ております。  この際、真ん中に滋賀県を据えて、周りに3つの経済圏があるという見方の、3圏域の戦略が必要ではないでしょうか。滋賀県を真ん中に据えた、3圏域を一つにした戦略というようなものをお示しされる考えはないか、これも県の役割と思うのですが、知事に伺います。  国の観光政策にかかわっておられました知事でございます。国のアクションプログラムは、先ほど言いましたように、大変わかりやすいと思います。このわかりやすい中で、ここで各地域がどのような手を打つかが地域間競争でございます。  奈良県知事はこんなことをおっしゃっていたという報道がされておりました。「国が決めた周遊ルートについて、特段、価値を認めるとか観光振興を行おうという気はありません。実際、あのルートで旅する人は皆無だ。ルートというよりゾーンというイメージ。参考にすることはない。奈良の中で、1泊2日で行けるルートをつくろうと思う。世界の観光地競争は、今、すごいことになっている。奈良もおくれをとらないようにしたい」と、県としての主体的に取り組む考えを強調されたと報道されておりました。発言内容はともかくとしまして、県として、主体的に独自の考えをはっきり示すことは大事だと思います。  国のアクションプログラムを見据えた、県の主体的な独自の考えはどのようなものかを知事に伺います。  また、その独自の考えに加えまして、目指すところがはっきりしないとなりません。基本構想の副題は「夢と希望に満ちた」という言葉から始まります。何をするにしても、夢と希望は重要であります。観光立国推進基本法の基本理念にも、地域における創意工夫を生かした主体的な取り組みを尊重しつつ、地域の住民が誇りと愛着を持つことのできる、活力に満ちた地域社会の持続的な発展を通じて云々とありますが、地域づくりでも、観光でも、きれいな言葉ではなく、目指すものが見えること、夢とする目標が見えることが重要ですし、そうでなければ県民も盛り上がらないのではないでしょうかと思います。  知事も御存じだと思いますけれども、元観光庁長官を務められた溝畑宏さんが、この6月中ごろでしたが、「滋賀のスポーツと観光の振興を考える」と題して講演をされまして、私も拝聴をさせていただきました。その中で、滋賀が誇る史跡の一つとして安土城址を取り上げられておりました。だからというわけではありませんが、安土城の復元を目指すプロジェクトを立ち上げることを知事はお考えになりませんでしょうか。  県教育委員会が作成をしております「特別史跡安土城址」というリーフレットがございまして、そこには「現時点ではそれ以外の建物を復元する計画はありません」とありました。現時点はないということで、将来は復元できる可能性はあるということだと解釈できるように、実は書いております。  安土城を築いた織田信長は大河ドラマでも実に10作以上に出てまいります。何といっても、安土桃山時代とあるように、滋賀の安土は日本の歴史に名を残す地名でもあります。信長に、天高くそびえ立つ天下一の城をつくれと命じられた尾張熱田の宮大工、岡部又右衛門が安土城を完成させるまでを描いた映画「火天の城」、知事は御覧になりましたでしょうか。私も見ましたけれども、この映画を見たある人が、将来、本物の安土城を見たいなということを言っておられました。1534年に生まれた織田信長、2034年で生誕500年です。あと19年あります。  以前、安土城の質問がされたとき、当時の教育長の答弁は、復元は国の示している基準から判断すると非常に難しいというのが現状だというのが答弁の趣旨でありましたが、難しいから何も動かないのか、可能性を追求することで、その力を滋賀ならではの観光に結びつけることはできないのかであります。  当然、さきに述べましたように、観光振興には民間の力こそ重要であります。その上で、観光立国として海外から多くの観光客を迎えようとしている今、長期的な視点に立ち、滋賀県がその気にならなければ動かない、日本における壮大なプロジェクトの一つとなるような、安土城復元という夢のある取り組みについて、知事のお考えをお伺いをいたします。 ○議長(西村久子) 2番加藤誠一議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)加藤議員、御当選おめでとうございます。どうぞ、豊富な行政経験を生かしていただいて、御指導いただければと存じます。  観光につきまして9点、御質問をいただきました。  1点目の観光振興におけます県の役割についてでございます。  現在、インバウンドの急増などの社会情勢や観光客のニーズなどが大きく変化する中におきまして、県の持つ広域性が重要になっていると考えます。  例えば情報発信やプロモーション活動などにつきましては、市町単独で取り組むよりも県や広域連携で実施するほうがより有効であります。  また、地域資源を活用した観光資源開発の取り組みにつきましても、専門的知識やノウハウなどが必要でありますため、びわこビジターズビューローと連携しまして、観光ブランド・ビワイチの取り組みなどを通じまして、市町などの取り組みを支援しているところです。  さらに、観光客の受け入れ体制を整えることも需要であると考えておりまして、地域におけるボランティア人材の養成でありますとか、2次交通アクセスの整備に対する支援、さらには外国人観光客向けガイドブックの作成といった多言語対応なども行っております。  県といたしましては、市町などとの連携をさらに強化しながら、地域と一緒になって観光振興に取り組んでまいりたいと存じます。  2点目の、観光消費を喚起する宿泊や名品の割引事業について、県と市町で狙いと効果がどのように違うのか、すみ分けできているのかということについてでございますが、これらの事業は、地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金を活用いたしまして、地域における消費喚起という効果を期待して事業を行っております。実施に当たりましては、都道府県は域外消費喚起を目的といたしました、ふるさと名物商品・旅行券の事業を、市町村は、域内消費喚起を目的といたしましたプレミアムつき商品券の事業を行うことが国において想定されております。  一方で、この交付金は地方の自由な発想で事業に取り組むことができることから、市や町も域外需要の獲得を目的とする旅行券などの事業ができることとなっております。そのため、一部では県と市町の双方で同様の取り組みを行うこともあるものの、こういった地域では、より多くの誘客と名物商品の販売促進など、一層の観光消費拡大につなげられるものと考えております。  3点目の観光振興上の県内アクセス改善に向けたこれまでの取り組みと今後の方針についてでございますが、本県は、鉄道や高速道路などの他府県からの広域交通基盤に恵まれておりますが、県内での移動という点では、駅から観光地までの2次交通アクセスは十分とは言えないと考えております。  そういったことから、市町や観光関係団体が、駅を拠点に複数の観光地を結ぶコースを設定し、観光客の利便性を向上するためにバスや船舶などの2次交通アクセスを整備する事業に対しまして、びわこビジターズビューローを通じて支援を行っているところでございます。  本県への観光客に県内を周遊いただくとともに、滞在環境を向上する上で、2次交通アクセスの改善は非常に重要であると考えておりまして、今後とも、市町や観光関係団体、交通事業者とも連携しながら取り組んでまいりたいと存じます。  4点目に、「滋賀・びわ湖ブランド」の推進を掲げる中で、琵琶湖を訪れる方が減少しているということについて、ブランド推進本部長としてどのように感じているのかということでございますが、琵琶湖でレジャーを楽しむ方の減少や、県民であっても琵琶湖を訪れる方が多くないという状況については、琵琶湖の魅力を伝えようとする立場にある者として非常に残念に思っております。  県内外の方々に琵琶湖を知っていただき、親しみを持ってもらい、多くの方に来てもらえるよう、例えば今回認定された日本遺産「琵琶湖とその水辺景観」などにより、県内外にもっと広く伝えてまいりたいと存じます。そうすることによって、県民には、琵琶湖を初めとする本県の魅力に気づき、地域への誇りや郷土愛を深めていただき、そのような県民とともに、そのすばらしさを内外に発信していくことにより、「滋賀・びわ湖ブランド」を推進してまいりたいと考えております。  5点目に、琵琶湖への来訪者が減少している、分析をどのように行い、その結果をどのように政策に生かしていくのか、いるのかということについてでございますが、琵琶湖への来訪者のうち水泳場やマリーナの利用者は、最近の10年余りで大幅に減少しております。逆に、この間の県全体での観光入り込み客数は約120万人の増となっており、プールの利用でありますとか、釣り、キャンプなどのアウトドアといったレジャーの多様化によるところが大きいと考えております。  こうした中でありますが、滋賀といえば、やはり琵琶湖という認識に立ちまして、例えば観光ブランドビワイチの取り組みにおいて、今のこの時期であれば、烏丸半島のハス観察船を観光素材として開発をしたり、日本遺産に「琵琶湖とその水辺景観」を提案するなど、琵琶湖周辺の地域資源を滋賀ならではの特色ある観光資源に磨き上げる取り組みをさらに進め、多くの観光客に琵琶湖に触れていただくよう取り組んでまいります。  6点目に、この5年間でどれだけ「滋賀・びわ湖ブランド」力が増してきているのかということについてでございますが、平成22年の滋賀・びわ湖ブランド推進協議会によります滋賀・びわ湖ブランド戦略の策定を受けまして、産学官の連携による新たなブランド推進組織、滋賀・びわ湖ブランドネットワークを設立したところでございます。  このネットワークの事業といたしまして、関係機関の連携のもとに、滋賀・びわ湖ブランド展や、早稲田大学との連携講座の開催、ブランディングディレクターの起用による滋賀の魅力の発掘、発信などに取り組んでまいりました。  これらの取り組みの結果、本県への観光入り込み客数や観光消費額の増加等はあったものの、平成25年発表の民間調査会社の地域ブランド力評価では39位となるなど、滋賀の地域ブランド力は、依然、低位にとどまっております。  こうしたことを受けまして、昨年度から実施しております、滋賀・びわ湖+DESIGNプロジェクトを継続するとともに、イベントやウエブを活用した「滋賀・びわ湖ブランド」の発信に取り組んでおりまして、首都圏におきましては、新たな発信拠点の整備に先行いたしまして、この9月から秋葉原の「ちゃばら」というところで、食を中心とした販売、発信機能も展開するところでございます。  本県の有するさまざまなブランドを滋賀のイメージと結びつけ、その魅力を伝えていくことで、さらなる「滋賀・びわ湖ブランド」力の向上に努めてまいりたいと存じます。  7点目の、滋賀県を真ん中に据えた3圏域を一つにした戦略を示す考えについてでございます。  本県の国際観光の推進におきましては、琵琶湖を中心とした豊かな自然と、それを活用した体験、さらには比叡山や彦根城といった歴史資産などに、海外からはもちろん、京都、大阪、名古屋、金沢などの周辺府県からも外国人観光客を、また、国内観光客を誘致し、地域に経済効果などをもたらすことが重要であると考えております。  このため、関西広域連合、中部広域観光推進協議会、北陸を中心としたグランドサークルプロジェクトを活用しながら、滋賀ならではの魅力を旅行博でのプロモーション活動や海外メディアの活用などを通じて発信し、海外からの誘客に取り組んでおります。  県民の皆さんや、県民の皆さんを代表いただく県議会議員の皆様方に、滋賀県が埋没していると多くの方に評価されるほど滋賀県が埋没しているとは私は思いませんが、しかし、まだまだ高められる余地はあろうかと思いますので、3つの圏域の結節点であるという本県の地理的優位性を真に生かすためにも、広域連携による取り組みを最大限に活用し、むしろ本県が3圏域における観光の中心的存在となれるよう、努めてまいりたいと存じます。  8点目の国のアクションプログラムと県の主体的な考え方についてでございます。  本県としても、滋賀県「観光交流」振興指針と、指針に基づきますアクションプランを策定いたしまして、計画的に取り組んでおります。  琵琶湖とその自然を生かした体験、歴史資産、甲賀の忍者、今回認定された日本遺産「琵琶湖とその水辺景観」などは、テーマ性やストーリー性を好む外国人観光客の興味や関心も得られる独自性があり、精神性の深い、質の高い観光資源であるため、その魅力を積極的に情報発信し、誘客につなげていく取り組みを推進いたします。  そして、本県を訪れた外国人観光客に対しましては、多言語のガイドブックとウエブサイトで本県の周遊に役立つ情報提供を行いますとともに、観光施設などにおきましても、コールセンターを活用した多言語通訳サービスを提供するなど、先進的な手法も活用しながら、本県で満足して滞在していただき、さらには、再び訪れてもらえるよう、受け入れ体制の整備を進めてまいりたいと存じます。  同時に、本県といたしましては、国のアクションプランでは、どちらかというと訪日外国人の取り組みに偏重されるところに加えまして、本県は、観光客の9割以上を占める国内観光客の誘客にも力を入れることといたしまして、特に今年度は、情報発信力があります、旅の決定権を持つと言われる女性を引きつける女子旅に、本県ゆかりの日本旅行にも御協力をいただきながら、焦点を当て、観光地としての滋賀の認知度向上と誘客を図ってまいりたいと存じます。  さらに加えまして、議員も御案内のとおり、旅行・観光産業、まだまだグレード・バージョンアップをさせることが必要だと考え、そうした取組をしていかなければならないと考えております。  訪日旅行客の大変多い流入と消費によって、旅行・観光産業の構造問題が実は置いていかれているのではないかという、そういう危機感を持っております。  例えば生産性の低さ。まだまだ稼ぐ力が向上できていない。アメリカの労働生産性に対しまして、日本では4分の1とも指摘されております。こういう問題。また、ゴールデンウイーク、お盆、年末年始に集中する地理的・季節的な偏在ですね。東京、京都、北海道に偏在する地理的な偏在と、ゴールデンウイーク、お盆、そして、年末年始に集中する、この偏在が旅行・ホテル産業の大きな収益の課題にもなっております。  さらには、これはなかなか顕在化していないんですけれども、国内宿泊旅行に参加される私たち国民の比率が、ここ数年、減少してきております。交通が便利になったこともあり、日帰り旅行はふえているんですけれども、国内宿泊旅行に行かれる方が減ってきているという、こういう状況に私たち滋賀県がどう取り組んでいくのかということ、これも非常に重要な課題であると位置づけて、この構造問題克服にも取り組んでいきたいと考えております。どうか、それぞれの議員の皆さんの御知見もいただければと存じます。  9点目の安土城の復元という夢のある取り組みについてでございますが、安土城跡は、特に重要で価値のある遺跡として国の特別史跡に指定され、まさに国民共有の財産として保護されているところです。  安土城の復元に当たりましては城址の現状変更を行う場合、国の許可が必要とされております。特に、現存しないような建物を復元する場合は、遺構の調査が十分なされて、復元するに足り得るだけの資料が整っているのか、また、建築された当時の設計図や絵図等の同時代の資料が残っているかなどの国の専門委員会が定めた基準に基づく審議を経る必要があると承知いたしております。  戦国武将を代表する織田信長が築城した安土城は、大変貴重な文化財であるとともに、国内外から多くの観光客を引きつけることのできる可能性のある観光資源であると考えております。安土城復元というアイデアは大変夢のあるものと私自身も考えます。文化財としての復元には相当な障害がございますが、民間の方々のお知恵とお力もおかりして、今後、このアイデアを観光振興にどう生かしていくのか、研究してまいります。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)2点でございますが、最後から2つ目の、知事が観光産業のところまで踏み込んでいただきまして、県独自の考え方で、訪日以外にも、やはり国内旅行者をふやしたいという思いで言われました。  そこなんですね。そういうことを、先ほど私が申し上げました、3圏の、滋賀県を真ん中に置いたやつを示したらどうかというのは、実は7月18日でございますが、京都縦貫道路が開通しますよね。それで、多分、NEXCOを含めて、周遊のキャンペーンがされます。これは滋賀県と京都と福井なんですよね。商工観光労働部長は知っている。これは、今言うたように、関西だけではないんです。北陸と滋賀県。先ほど粉川議員が言われましたように、やはり必ずしも、圏域が3つあってですね、関西だけではこうしています、北陸だけでこうしましょうという話じゃなくて、今言いましたように、既に京都縦貫道路が動いておりますように、北陸と京都と滋賀、やっぱり関西圏と北陸を滋賀県が結んで、現実にこういうキャンペーンもされているわけです。そういうことがいっぱいあるわけなので、先ほど僕が初めの質問の中で申し上げましたけれども、今回、3圏域の指針で、たしか中部と北陸だけの、中部と北陸の広域連携の指針というのが、たしか今、県のホームページでもアップされていると思います。これは関西が入っていないんですね。  そういう意味で、それぞれでやろうというのはいいんですけれども、滋賀県としては3圏域を一つにしたというような形で常に意識を持っていますというようなことを、形は別にして、戦略としてこれから示して取り組んでいくというようなことはないかというのが先ほどの質問なんですが、先ほど知事が言われた、滋賀県独自の考え方の中で言われましたけども、それを3圏域を一つに見せるような形で、これは指針ではなくて、指針というのはこういう方向だというのですが、戦略まで落として具体的に、やっぱり戦略というのは、企業戦略といいますと強みを生かしてどうやって攻めるかというところなので、そういう形で、ぜひ示されてはどうかというのがあれなので、もう一度、そこをお聞きしたいなと思います。  それから、最後の安土城址の話でございますけれども、民間を含めて、どうするか研究をされるということでございましたけども、実はこの質問を思いつきましたのは、知事が知事選挙のときに使われました政策集がございまして、あそこに7圏域のいろんな取り組みをしたいという部分がたしかあったと思います。このときに、東近江地域のところで、実は八幡堀、安土城、西の湖と書いているんですね。僕、安土城址と書いていなくて、安土城と書いていたところに、知事は非常にやっぱりそういう夢のある取り組みをされるのかなという思いをいたしましたのが1つでございまして、それと、こういう問題は、確かに難しいのはわかっているんです。非常にいろんなことが難しいなとわかるんですけれども、しかし、可能性がゼロでないというところであれば、知事が、さっきの研究に、確かに研究も一歩だと思いますが、知事みずからが、一遍、復元に向けて一歩を。研究でも、これは確かに一歩です。研究でも一歩ですが、そういう一歩を踏み出さないかというのが今回の趣旨だったんですけれども、先ほど、研究という言葉で最後を締めくくられましたけれども、もう一回だけ、何を研究するんだというところを確認したいんですが、安土城の復元という大きな夢がある一歩を踏み出すという研究なのか、そこだけを教えてください。 ◎知事(三日月大造) ありがとうございます。いずれも滋賀県のこれからを伸ばす大切なテーマだと思います。  再質問の1つ目におっしゃっていただいた、まさに北陸圏、中部圏、関西圏の結節点であり、真ん中に位置しているんだから、その地理的優位性を生かして、例えば道路ネットワークや鉄道ネットワークも使っていただいて、単なる通過県だけではなくて、滋賀にもおりていただく取り組みをしようと。滋賀のものを買っていただく取り組みをしようと。  だからこそ、例えば道路ネットワークの中でいえば、高速道路のスマートインターチェンジの話でありますとか、北陸新幹線の構想も、その文脈の中で捉えさせていただいているつもりですし、今回、広域観光周遊ルートに昇龍道と関西圏の広域周遊ルートが認定いただけましたので、日本遺産の水辺景観とあわせて、非常にホットな北陸にたくさん来ていただいている方に滋賀にも寄っていただく、そういうPRをさらに力を入れて進めていきたいというふうに思います。  また、2つ目に、安土城のことでさらに御指摘をいただきました。  研究という言葉にさせていただいているのは、議員もよくよく御経験ゆえ、御存じだと思うんですけれども、限られた時間なり、また、財源をどう充てていくのか。やったはいいけど、できませんでしたということに、それだけ時間とお金をかけていいのかどうか、また、かけるだけの意味や価値や可能性があるのかどうか、そういうことを私は研究させていただきたいと申し上げたことが1つ。  また、これもよくよく御案内だと思うんですけども、もちろん織田信長、安土城といえば、世界にも知れた、全国にも知れた、私は、すばらしい文化的な価値のある、また、観光の資源にもなり得る、そういう素材だと思いますが、一方、歴史的に見ると、比叡山との関係、坂本との関係、いろいろあるものもございます。そういうことも含めてドラマになるということも含めて、一方でいろんな感情をお持ちになる方がいらっしゃることも踏まえて、研究をさせていただきたいと存じます。 ◆2番(加藤誠一議員) (登壇)初めのほうの、2つ質問しましたけれども、やっぱり知事は、先ほどの答弁は、北陸に来ていただいた人に滋賀県へ来てもらう、こっちへ来てもらった人に来てもらうと、こういう言い方が多いんですよね。確かにそうかもしれないんですけれども、トータル的に見て、滋賀県は真ん中にあるので、北陸へ来たら滋賀県へ寄れよと、こっちへ来たら滋賀県へ寄れよというような雰囲気の、やっぱり答弁をされるようなものを欲しいなと思いました。これは感覚です。  先ほど来、全てが、せっかく北陸へ来てくれたので滋賀県へ寄ってくれとさっきおっしゃったんですけども、そういう感覚じゃなくて、滋賀県へ来てもろうたら北陸もあるよと、こういう、やっぱり滋賀県としての真ん中の位置づけをしてPRすべきではないかというのが私の趣旨でございまして、それは答弁は求めませんけれども、そういう意味です。ですから、そういう考え方で、先ほど、真ん中に置いた形にしてほしいなという思いだけ申し上げておきます。  それから、安土城、わかっておりますけれども、そしたら、わかりました。どういうリスクがあって、どれだけお金がかかるかわかりませんので、そういう研究もという話でございますが、例えばその中で、1つ研究の中に入れてほしいなと思いますのは、今、滋賀県で、民間にせよ、誰にせよ、安土城の復元に向けていろんな方の動きが出てきたと。民間でも行政でも、いろんなチームでそういう動きが出てきたということになれば、どれだけの観光の誘客効果があるか。私はかなりあると思うんです、そういう動きがあるだけでも。それは確かに知事ですから、行政のトップとして責任とれないという部分について、一歩踏み出すということは、それは確かに難しいかもしれませんけれども、先ほど言いましたように、民間の方を含めて、そういう動きが出てきたときに、どういう観光的な効果があるかということも含めた研究は、ぜひしていただきたいと思いますが、ここだけ、もう1つ、最後だけ。 ◎知事(三日月大造) 大事な視点だと思います。  一昨日ですか、比叡山に星野リゾートの星野さんが運営委託されるロテルド比叡というのがリニューアルオープンをいたしました。その星野さんと会談の機会をいただいてお話をさせていただいたときに、もう京都は捨てると。やはりこれからは滋賀だと。滋賀の素材を比叡山で食べていただくんだと。やはり本物の観光素材がある滋賀というものに魅力を感じていただいている。その星野さんが、もう1つ、次に私に言われたことは、「滋賀県は近江県に改称されるんですか」というお話だったんです。どういうことかといえば、やはり近江県についても、県名についても多くの方々が、今、滋賀県ってどういう意味があるんだろう、近江ってどういう意味があるんだろうということをいろいろとネット上で、また、メディア上で御議論いただいている、このことが、そういう観光をされるトップの方が知事に会ったときに口にされるということは、いろんなところで関心を呼んでいることではないかとも思います。  安土城の問題も、多くの民間の研究されている方やその復元を願われる方の動きが高まってくれば、当然、そのことは観光に対してもプラスの影響があろうかと思いますので、そのことも含めて、研究をさせていただきます。 ◆2番(加藤誠一議員) 終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(西村久子) 以上で、2番加藤誠一議員の質問を終了いたします。  最後に、14番駒井千代議員の発言を許します。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇、拍手)本日最後の質問者となりますしが県議団の駒井千代でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、通告に従いまして、分割で大きく2問、質問をさせていただきます。  まず初めに、イノベーションを生む滋賀についてお伺いします。  少子高齢化、人口減少、グローバル化が急速に進む時代の転換期においては、イノベーションの創出が求められます。  イノベーションといえば、技術革新と思われがちですが、広く方式や制度、組織などの古い枠組みを壊し、新しい仕組みをつくり上げることが本来的な意味です。  iPadなどで有名なアップル社ですが、技術の開発、ものづくりから、顧客価値の創出、価値づくりへと、従来のものづくりの視点を大きく変えたと言われています。アップル社は、常に世界中から最先端のデバイスについての情報を集め、その特徴を見ながら次の製品にどう生かせるか、オープンイノベーションの考えを持っているのです。  社会的不寛容さが拡大しつつあると言われておりますが、イノベーションは失敗を積み重ねた先にもたらされるものでもあります。だからこそ、今の滋賀県には、失敗を恐れず、果敢にチャレンジすること、そして、チャレンジするためのチャンスのある社会をつくることが重要であると考えています。  今年度からの基本構想の中では、滋賀の強みを生かし、新たな強みを生み出す滋賀発の産業の創造の中で、これからの時代を切り開くイノベーションの創出として、5つの観点からのイノベーションの創出が掲げられています。  新規事業も数多く挙がっているのですが、これまでも産業クラスターの形成や新しい産業の創出に向けた支援をされてきました。今後のイノベーションの創出に向け、これまでの取り組みの成果と課題をどのように捉えているのでしょうか。  また、健康創生特区制度を使って、各種の医療・健康分野の機器開発に向けて取り組みが進んでいますが、現在の状況について、商工観光労働部長にお伺いします。  交通は、地域が抱える重要課題の一つであり、都市を中心に産官学連携で、次世代ITS──高度道路交通システム構想による将来の交通網整備や次世代モビリティーに関する研究、実証事業が進んでいます。その中でも私が特に注目しているのが一人乗り用の乗り物です。  昨年、環境・農水常任委員会の県外調査に参加された方は御存じと思いますが、とよたエコフルタウンのスマートモビリティーパークでも、超小型電気自動車コムスや、ガイドの方が乗られていたウィングレットなど、次世代モビリティーの息吹を大いに感じることができました。  最近では、例えばコンビニエンスストア、セブン−イレブンで、駐車スペースが少なくて済むというメリットを期待してコムスが使用されており、町なかで目にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。  国土交通省は、3年間、構造改革特区での実験結果を踏まえ、この7月から、セグウェイなど2輪の立ち乗り型ロボットを、幾つかの条件はあるものの、全国の公道で走れるようにすると発表されています。  トヨタでは、車とバイク双方のポテンシャルをあわせ持つ新発想の都市型モビリティー、i-ROADの本格的な実用化に向けて、この7月から、特有の技術を持つ企業や一般の生活者とともに取り組む施策、OPEN ROAD PROJECTを東京都内で1年間実施されることとされています。今後、都市を中心に交通分野でのイノベーションが起こりそうです。  滋賀県でも、電動一輪バイク、ONEWHEELが発売されることになりました。この商品は、わくわくするようなものが欲しいという思いで、数々の困難を乗り越え、10年かけて生み出されたものです。まだまだ改良の余地があるとのことですが、滋賀発のベンチャー、今後を楽しみにしております。  ものづくり立県滋賀として、県民が物に実際に触れ、その驚きと喜びを体験することは、将来のイノベーションを生み出す素地にもなるのではないでしょうか。  そこで、このような次世代モビリティー社会に向けて、まずは企業と連携して進めることについて、知事にお伺いします。  先般、びわこ文化公園に伺いましたが、駐車場から埋蔵文化財センター、県立図書館、県立近代美術館まで相当の距離があります。今後、新生美術館の整備も控えており、例えば一般車両通行ができない公園内の道路で、まずは次世代の乗り物の試乗の機会を企業と連携して設けてはどうかと考えますが、土木交通部長にお伺いいたします。  地方創生と盛んに言われる今日ですが、その鍵を握るのは人と地域資源です。  人と地域資源の可能性を最大限に発揮し、イノベーションを創出するにはネットワーク──連携とコラボレーション──協働が重要な要素の一つであると考えます。
     近年、日本でも、ものづくり技術を生かして新たなものが次々と生まれています。すずの生産で知られる富山県高岡市の「能作」という会社を御存じでしょうか。これまでの技術と素材を最大限に生かすデザインを探求し、ベルや食器、手術用ナイフの製造などを産地の職人のネットワークを活用して手がけ、今では国内の有名百貨店に店舗を構えるまでになりました。  滋賀県でも、このように、これまでの工業技術とデザイン、伝統産業とデザインなどのコラボレーションで、スマートフォン・スタンド、仏壇や食器などが生み出されてきており、クリエイティブ産業の振興に大いに期待を寄せるものであります。  そこで、これまでの本県におけるクリエイティブ産業の振興が、現在、どのような成果が見られるようになっているのか、また、今後、ネットワークとコラボレーションを進めるためには、さらなる異業種のマッチングも必要となってまいります。どのように取り組んでいかれるのか、商工観光労働部長にお伺いいたします。  次に、イノベーションを生むキャリア教育についてお伺いをいたします。  小学生の子供たちが大人になったときにつく職業のうち、60%はまだ存在していない仕事に、45%は人間による労働から機械による労働にかわると言われています。変化の激しい時代においては、社会や環境がどんなに変化しようとも、たくましく、自分で人生を切り開いていく子供の生きる力を育むキャリア教育を進めることが重要です。  ドイツのミュンヘンでは、30年以上にわたり、7歳から15歳までの子供だけが運営する、期間限定の仮設都市をつくるミニ・ミュンヘンという取り組みをされています。  ここでは、市長や議員を選び、ルールも子供たちが自分たちで決めて運営をし、ハローワークを通してさまざまな職業についたり、起業をする子供もいます。まさに小さな都市を子供たちだけで運営するのです。近年、このミニ・ミュンヘンに近い取り組みが国内でもされるようになりました。  滋賀県では、毎年、事業者の方々に御尽力をいただきまして、職業体験をするお仕事体験フェスタが開催をされています。確かに職業体験としては十分に意義のあることだと考えます。しかし、一方で、子供たちは体験を享受する受け手側であります。全国学力調査とともに実施された学習状況のアンケートでも、地域の行事の参加率は全国平均よりも高いですが、地域の問題や課題への関心度はそれほど高くないというデータがございました。子供たちの自由な発想が生かされ、主体性を重視した仕組みづくりが求められると考えます。  各地でのミニ・ミュンヘンの取り組みもさまざまですが、総じて、子供たちの成長を感じることができたとの多数の声が寄せられております。このような子供主体の社会参画の仕組みに取り組んでいくことの必要性について、教育長に所見をお伺いいたします。  最後に、県庁のイノベーションについてお伺いをいたします。  県の事業を見ていますと、毎年、新規事業があるのですが、なかなか部局を横断した事業が見受けられません。それは、事業を実行するに当たり、予算化するには部署を基本として事業を創出するということもあるかと存じますが、複雑多様化するニーズ、課題に対しては、価値創造の視点での事業企画が求められると考えます。いわば柔軟な発想での企画をするためにも、県庁職員の方を対象に企画コンペをしてはどうかと考えますが、知事にお伺いをいたします。 ○議長(西村久子) 14番駒井千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)駒井議員、今期もどうぞよろしくお願いいたします。  私には2点、イノベーションを生む滋賀に向けてということで御質問をいただきました。  まず、1点目は、次世代モビリティー社会に向けて、企業と連携して進めることについてです。  議員御指摘のとおり、これまでから二輪の立ち乗り型ロボット、セグウェイなどですね、新たな移動機器が開発、実用化されてきたところでありますけれども、今月中には道路運送車両の保安基準等が改正され、条件つきではありますけれども、公道での走行実証が可能となる予定でございます。  環境に優しく、コンパクトで近距離移動に適した次世代モビリティーは、高齢社会の対応や地球温暖化防止対策の推進等に資することなどから、このような国の規制緩和の動きと相まって、将来に向けて開発、普及への期待が高まっております。  このような中、議員にも御紹介いただいたように、県内の企業が、長年の歳月をかけられ、開発、商品化された事例も生まれてきておりまして、本県発のイノベーションとして、私も大変心強く感じております。  今後、県といたしましては、次世代モビリティーに係ります県内企業の新たな技術や取り組みにつきましても、さまざまな機会を捉えて、県民の皆さんに広く発信することにより、次世代モビリティー社会の実現に向けました新たなイノベーションの創出のきっかけとなるよう、取り組んでまいりたいと存じます。  次に、職員を対象に企画コンペをしてはどうかという御提案についてでございます。  県庁力の最大化を図るためには、職員一人一人が目的意識を持って業務に取り組むとともに、斬新で自由な発想が生かされる職場風土をつくることが重要であり、その一方策として施策提案制度を実施しております。  この制度は、所属の枠にとらわれず、長期的な視点に立って県民ニーズを予測し、将来の本県のあるべき姿を念頭に置いた施策や事業について、全職員から提案を募集するものであります。  提案内容につきましては、私も、昨年度、知事になって初めてだったんですけれども、全てに目を通させていただきまして、施策化が可能な提案については政策課題協議や次年度の予算要求につなげていこうということで検討していただいておりますし、今年度は、少しバージョンアップいたしまして、年度末に優秀な提案の表彰をしようということの改善を図ったところです。  今年度、またこの取り組みをやってみて、どのような提案がどのぐらい出てくるのか、また、議員御指摘いただいたように、柔軟な発想で企画するために資する制度となるよう、さらに改善を図ってまいりたい、また、それを積極的に行政経営に反映してまいりたいと考えております。 ◎商工観光労働部長(福永忠克) (登壇)イノベーションを生む滋賀についての4点の御質問にお答えをさせていただきます。  まず、1点目のこれまでの取り組みの成果と課題をどのように捉えているかについてでございますが、御質問にもありました、産業クラスターの形成によります新しい産業の創出につきましては、本県では、国の施策と連携しながら、平成15年3月に策定をいたしました産業振興新指針以降、重点的に取り組んでまいりました。  平成23年度から昨年度までの4年間を計画期間といたします産業振興戦略プランでは、これまでの取り組みをさらに発展させ、環境、医療・健康、モノづくり基盤技術、そして、にぎわい創出・観光、この4つの分野を戦略領域として施策を進めてきたところでございます。  その結果といたしまして、産業創出のプラットホームであります医工連携ものづくりネットワーク、また、水環境ビジネス推進フォーラム、このいずれにも100を超える企業の皆様方に参加をいただきまして、産学官金民の連携の中から、滋賀健康創生特区の指定でありますとか、水環境ビジネス、こちらではベトナムや台湾などで具体的なプロジェクトが動き始めているところでございます。  このように、滋賀らしい産業の創出、また、異分野・異業種間の連携に向けた素地ができたことは一つの成果であると認識しております。  一方で、今後、人口減少、また、少子高齢化によりまして国内市場が縮小する、また、生産活動への影響が懸念される中で、従来の発想にとらわれず、いかにして国内外の市場を開拓して、県内での経済循環につながる新しい価値を生み出していくかが今後の課題であると認識をいたしております。  このため、県内の中小企業が持っておられる独自の技術力、また、地域とのつながりを生み出すサービスを生かしまして、若者や女性の視点を取り入れながら、県内企業の積極的な事業展開をしっかりと支える環境を整え、産業振興ビジョンに掲げます5つのイノベーションの創出を図ってまいりたいと考えておるところでございます。  次に、2点目、滋賀健康創生特区におけます医療・健康分野の機器開発に向けた現在の取り組み状況でございますが、この特区におきましては、今後、急速に進みます高齢化を見据え、疾病予防や健康づくりに寄与する医療・健康管理機器の開発、事業化とあわせまして、健康支援サービスの創出、こういった取り組みを推進しているところでございます。  このうち、御質問にございました機器開発の取り組みにつきましては、特区の指定をいただく以前から国の競争的資金等を活用しながら、医工連携によりまして、各種の機器開発に取り組んできたところでございます。  平成26年3月に特区計画の認定をいただきましたことを契機といたしまして、企業と大学や金融機関等の連携が一層深まりまして、新たなプロジェクトの構築に向けた取り組みがより一層活発化してきているところでございます。  その結果といたしまして、特区制度の財政支援措置、また、金融支援措置を活用いたしまして、新たに5件の機器開発事業を立ち上げることができまして、特区の目標でございます地域経済の持続的発展、また、県民が生き生きと健康に暮らす社会の実現に向けた取り組みを加速化させることができているものと認識しております。  今後とも、新たな医療・健康管理機器の開発、事業化に向けた取り組みを積極的に展開してまいりたいと考えております。  次に、3点目の、クリエイティブ産業の振興について、現在の成果についてお答えをさせていただきます。  議員も御指摘をいただきましたとおり、クリエイティブ産業が、地場産業でありますとか既存の製造業などとコラボレーションすることによりまして、製品等の高付加価値化あるいは新しい販路開拓などの可能性が期待できるものでございます。  県といたしましては、このようなクリエイティブ産業振興の将来性に鑑みまして、平成25年度から、推進の中心となります滋賀クリエイターズ協会の設立を支援いたしますとともに、事業への助成でありますとか、あるいはクリエイティブフェアの開催、こういったものを行ってきたところでございます。  こういった取り組みを通じまして、クリエイティブ産業の認知度は、徐々にではありますが、高まってきておりまして、例えばパッケージデザインなど、クリエイティブな力を生かして新たな連携に取り組むという、こういった事業者さんも出てきたところでございます。  また、クリエイターみずからがネットワークをつくって多様な連携を模索、また、活動をアピールしていきたいと、こういった機運も高まっておりまして、本年度は、クリエイターの方々が自主企画によるイベントや事業の検討も進めていただいておるところでございます。  次に、異業種とのマッチングについてでございます。  県内には製造業を初めといたしまして多くの産業が集積をしておりますけれども、クリエイティブ産業との出会いというのはまだまだ少なく、また、クリエイティブな要素により製品価値の向上、あるいは顧客の拡大、さらには新事業の展開、こういったことにつなげることができるといった認識もまだまだ一定低い状況にございます。  そこで、本年度から新規事業といたしまして、県内のクリエイターの方々と製造業者の方々を対象に、売れる製品づくりに向けまして、クリエイティブ産業との連携の効果を実感しながら、実践的に異業種マッチングができる場を設けることとしております。  具体的に申し上げますと、まず、成功事例を通しまして、製品化戦略を学ぶセミナーを行い、次に、異業種間でお互いの強みや課題を情報共有しながら事業化に向けて議論するワークショップをマッチング会と一体的に開催するということを行うことにより、相乗効果の高い、新しいビジネスの具現化につなげていきたいと考えております。  また、この事業を通じて生まれたものにつきましては、広く県民に発信をさせていただくとともに、モデル的な事業につきましては助成などの支援も行っていくこととしております。  こうした取り組みをきっかけに、さまざまな強みを持つ事業者が交流、連携し、これまでにないコラボレーションを生み出すことによりまして、新しい価値を創造するイノベーションや地域内の経済循環につなげてまいりたいと考えておるところでございます。 ◎土木交通部長(桑山勝則) (登壇)4点目の、公園の道路で試乗の機会を企業と連携して設けてはどうかについてでございますけれども、びわこ文化公園は、子供からお年寄りまで、安全で安心して文化、芸術、自然に親しめる空間として広く県民に提供しているところでございます。来園者の安全への十分な配慮は必要でございますが、次世代モビリティーの新しい取り組みの一つとして、園内における試乗などについて、指定管理者とともに検討してまいりたいと考えております。 ◎教育長(河原恵) (登壇)子供主体の社会参画の仕組みに取り組んでいくことの必要性についての御質問にお答えをいたします。  ドイツのミュンヘン市で始まったミニ・ミュンヘンの取り組みにつきましては、神戸など国内でも行われており、子供だけで運営する小さな仮設都市をつくる取り組みであると捉えておるところでございます。  この仮設都市の住人になるには市民権を得ることが必要であり、その上で、子供たちがケーキ屋さんや銀行員になって働くなど、まさに主体的な社会参画を体験するものであると思いました。  また、子供たちが働いて得た専用通貨は、買い物などに使うとともに、市役所に税金として納めなければならないなど、社会の仕組みや仕事について楽しく学ぶことができるものであると聞いております。  これらの活動により、社会で求められる役割や守るべきルールが何かを理解するなど、多くのことを知ることができ、子供たちの成長につながるものと思いました。  これらの取り組みは、多くの大人や関係団体の支援のもとで行われており、また、夏休みや土日を有効に使い、一定の地域内の異年齢の子供が集まって、学校外で行われていることから、子供たちにとっては、学校にはない貴重な体験になるのではないかと捉えております。  この事業を実施するためには、地域や企業など多様な方々の協力が不可欠でありますが、地域の中でこのような取り組みができる環境が整えば、子供たちにとって生きた社会体験の場となるとともに、新たなキャリア教育の機会になるのではないかと感じたところでございます。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)2点だけちょっと再質問させていただきたいんですけれども、まず、コンペのほうに関しましては、私、今回の教育長に質問の仕方が、ミニ・ミュンヘンをやっている、どうですかと最初は質問しようと思ったんですけども、教育長がおっしゃったように、学校外でやることについては教育課が言えないということで、じゃ、お仕事体験フェスタは商労部がやっているから商労部でできませんかというと、これは職業の事業者がするんじゃなくて、まちづくりにかかわるキャリア教育にかかわることだからできませんと言われて、結局、どこの部局も受けてくれないという状況があったんですね。だから、そういう中で、でも、やっぱりこういうことがキャリア教育という本質論からして必要だと思うときに、じゃ、どう事業を上げていくのか。県庁職員さん、いろんな方がいらっしゃいますし、やっぱりアイデアはあると思うんですね、これに限らず。そういうときに、どうやって政策提案で入っていって、どうやって、この新しい豊かさの滋賀についてやっていくのかという中で、やっぱりこういったことの企画もあったほうが部局横断のアイデアが出るのではないのかなと思うことで、ちょっと提案をさせていただいた次第です。  知事に1点、さまざまな機会を捉えてということなんですけれども、私、一番足りないのは、滋賀県にもっと呼び込む、巻き込む力強さが足りないと思うんですね。来てくれればやるけれどもという感じの、ちょっと引いた感じがありますので、もう少し前向きな御答弁をいただきたいのと、商工観光労働部長に1点ですが、ネットワークができて、素地ができてきたということは十分いいと思うんですけれども、ただ、滋賀は素材産業とか、パーツの技術が多くて、オール滋賀で全てできないというところの課題というのもちょっと見えてきたんじゃないのかなというふうに思うんですね。そうすると、オープンイノベーションの感覚で、もっとほかとの連携をとるとか、再生戦略の中ではクラスターマネジャーだとか中核企業を呼び込むという話が出ているんですけども、もっと滋賀の技術でない、でも、必要だという人たちにネットワークに入ってもらうよう巻き込んでいくということも課題として見えてきたのではないのかなということを思いますので、少し、こういうことも今の時点で課題であるというふうな認識を持たれているのかどうかの確認を、ちょっと部長にさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ◎知事(三日月大造) ありがとうございます。  やれば県民のためや子供たちのためになることでも、担当外だからということで部局の間に落ちてしまうことが少なからずあるのではないかという、そういう思いがあります。そういうことを埋めていただくのも、指摘し、改善の方策なり御提案をいただくのも、これ、議会からの貴重な、私は御提案だと思いますので、少し、どういうことができるのか、このミニ・ミュンヘンも、私も非常に興味深く拝聴いたしましたので、考えたいなと思います。  と同時に、決して次世代のモビリティーについても待ち受けではありません。待ち受けのように聞こえたとすれば、言いかえたいと思います。こういう乗り物を県内の企業がつくっていただいている。そして、国の規制緩和の流れの中で、こういうことの活用方策についても前向きに検討されている。であるならば、我々のほうから出ていって、連絡をして、ぜひ、いろんな機会で試行してみたいということを前向きに発信していくことは大事だと思いますので、早速、担当部局に指示をしたいと思います。 ◎商工観光労働部長(福永忠克) お答えをさせていただきます。  ネットワークにつきましては、先ほど医工連携、そして、水環境ビジネス、この2つについて挙げさせていただきました。  議員も御指摘のように、本県の場合は素材産業を中心とするものづくりというのが非常に大きなウエートを占めております。ただ、今後の展開を考えますと、やはりものづくりと、例えばサービス産業の連携、あるいはITとの融合、こういったものも念頭に置いて取り組まなければならないのではないか。また、農商工の連携、そして、地場産業と観光業との連携。さまざまな連携を生み出すような仕組みというのは、今後、非常に重要ではないかというふうに思っております。  従来、一次産業、二次産業、そして、三次産業という定義がございますけれども、こういった枠組みにとらわれない異分野、異業種の、先ほど例として申し上げましたようなものを中心としたものを推進いたしまして、ちょっと新しい発想が生まれる場というのを、今後、つくっていきたいというふうに考えております。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)ぜひ、仕組みづくり、仕掛けづくりによってチャンスをどうつくっていくのかということを意識して、今後、進めていただきたいと思います。  それでは、2問目の滋賀のブランド力向上についてお伺いをいたします。  滋賀県では、今議会でもほかに質問をされている方もいらっしゃいましたが、観光立県・滋賀を目指し、今年度は地方創生の観光消費喚起事業を使って、観光入り込み客数5,000万人、観光消費額1,700億円の達成を目指すとされています。これを機に、多くの方に滋賀の魅力が伝わり、滋賀のブランド力が向上することを期待するものであります。  国内外でのプロモーション事業、特に国際観光に関して、海外の旅行エージェントやメディアを活用した情報発信、海外旅行博への積極的な出展をされる予定ですが、国際観光推進に関連して、これまで、年間どれぐらいの事業をされてきたのでしょうか。  今年度はさらに事業を強化するということですが、どれぐらいの事業をされようとしているのか、商工観光労働部長にお伺いします。  特に昨年度までの事業でもインバウンド事業は、海外とのやりとりもあり、大変かと存じますが、事業がふえている今年度、今の組織体制で十分と言えるのでしょうか。場合によっては人員の補強も必要かと考えますが、知事にお伺いいたします。  滋賀県では、滋賀・びわ湖ブランド推進事業で、民間ブランディング・ディレクターによるMUSUBU SHIGAの取り組みをされています。県内外の人と人、地域資源を結んでいくことが滋賀のブランド力向上に必要だと思われますが、これまでどのような取り組みをされ、滋賀のどのような魅力を発信されてきたのか、総合政策部長にお伺いします。  ブランドネットワークは、従来の関係団体による集まりのみならず、サポーターとも言うべき会員をふやし、滋賀の魅力を県内外に広げていくことも狙いとされているものです。メディアのみならず、会員を通じて発信をするには、タイムリーな情報を提供し、情報が拡散される流れをつくることが重要と考えますが、現状はまだそのようになっていないように見受けられます。改善の余地があると考えますが、総合政策部長に所見をお伺いいたします。  先日、有楽町のゆめぷらざにお伺いしました。ここ数年、物産販売額も伸びてきており、昨年度は1,000万円を超えるようになりました。節電の影響もあってか、高島ちぢみが販売を牽引しており、夏に大きく売り上げを伸ばしています。リピート率も高く、夏前早くから問い合わせもいただくとのことでした。琵琶湖の周りで育まれた、この素材のよさが改めて注目を浴びるようになってきたと思います。  首都圏での発信を高める1つとして、ゆめぷらざの移転強化を予定され、それに伴う予算が当初予算で計上されていますが、場所の前に、どのような機能を持たせるかが重要であります。  近年、首都圏での展示会に、衣食などでも積極的に参加する意欲ある方がふえてきました。首都圏進出への足がかりとして、商談やコワーキングによって交流できるビジネスサポート機能を希望されている方もいます。また、滋賀の魅力は人と地域資源にあることから、滋賀県の魅力ある人や魅力を語る人と首都圏の人との交流も、滋賀県のブランド力向上につながるとも言えるのではないでしょうか。  新たな拠点のコンセプトをどのように考えていらっしゃるのか、現状について知事にお伺いします。  今後、首都圏での発信をメディアミックスで進めるにしても、新たな拠点との連携強化が必要と考えます。以前は東京事務所所長がゆめぷらざの所長を兼任されていたようですが、人的連携や企画も含めて、首都圏発信との連携をどのようにしようと考えていらっしゃるのか、知事にお伺いします。  また、滋賀県の魅力発信には人材育成も欠かせません。特に、短期間での人事異動によって、それまでに培われた人間関係やノウハウなどが失われてしまうことは非常に残念なことではないでしょうか。  具体的には、観光交流局、びわこビジターズビューロー、国や民間企業への出向、東京事務所、広報など一連の部署の異動を通じて、営業のプロフェッショナルを育成していくことも必要かと考えますが、知事に所見をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) ありがとうございます。ブランド力向上について4点、御質問をいただきました。  まず、1点目の人員の補強についてでございますが、今年度、インバウンドを含めた観光振興には、国の地方創生交付金も活用しながら、積極的な展開を図っております。また、日本遺産や、先ほど来、話題になっております広域観光周遊ルート形成事業など、新たな取り組みへの対応もございまして、事業量が大幅に増加していることは事実です。  現在、限られた人員の中、びわこビジターズビューローなどの関係団体とも密接に連携しつつ、事業の推進に取り組んでおります。  今後、地方創生を進めていく中では、観光には大きな期待を寄せられているところであり、今後の事業量も見きわめながら、必要な対応について考えてまいりたいと存じます。  2点目の新たな拠点の機能、コンセプトについてです。  ゆめぷらざ滋賀は、これまで本県の観光および物産の振興、発展に加えまして、企業や関係機関との連携といった新たな役割も果たしてまいりました。昨年度からいろいろと担当の皆さんにも頑張っていただいて、また、議員を初め、皆さんにも応援していただいて、随分よくもなってきています。しかし、観光業務が中心で、面積も限られることから、豊富な品ぞろえによる販売が困難であります。  滋賀・びわ湖ブランドを発信するためには、人や物が集中する首都圏での発信は重要でありまして、ゆめぷらざ滋賀の現状や課題を踏まえて、拠点づくりを進めていくことが必要であると考えております。  首都圏における新たな拠点の整備に先行いたしまして、9月から秋葉原の「ちゃばら」というところで、食を中心とした販売・発信機能を先行展開することといたしております。  新たな拠点は、滋賀らしさをシェアする窓口として、また、ビジネス等において、首都圏から全国、世界に発信する起点として位置づけ、これまでブランド化に取り組んできたココクールでありますとか、「おいしが うれしが」を初め、滋賀の豊かな食や物を一体的に発信する場、マーケットリサーチする場としたいと存じます。  ゆめぷらざでは、限られていた機能を新拠点で拡充いたしまして、情報発信、案内、相談、営業、販売機能等を集約しながら、滋賀の多様な魅力を発信することで、滋賀のイメージアップとブランド力の向上、県産品の販路拡大や滋賀への来訪につなげることを目指してまいりたいと存じます。  滋賀にはいいものがたくさんあるということを、携わる人々も含めて、滋賀の魅力として発信し、滋賀らしさが全国に認知されることで、県民の皆さんの誇りにつながるよう、取り組んでまいりたいと存じます。  3点目に、人的連携や企画を含めた首都圏発信との連携でございますが、首都圏発信では、これまでゆめぷらざが窓口となり、庁内各課と東京事務所の連携によるイベント等を行ってまいりましたほか、首都圏の旅行エージェントと市町や地域の観光協会をつなぐ役割を担ってまいりました。  昨年10月から、県と市町の情報発信の連携等を目的に行っております私の定例会見、「今月のイチオシ」コーナーで紹介した県内各市町の特産品をゆめぷらざ滋賀で販売もいたしております。  今年度は、新聞、テレビ等の最適なマスメディア戦略を構築いたしまして、首都圏において、コンテンツに応じた効果的な情報発信の強化にも取り組むことといたしております。  今後は、議員御指摘のとおり、こうした取り組みに情報発信拠点がかかわることによりまして、県庁各部局はもとより、各市町、関係団体、本県ゆかりの企業などとの連携、情報共有を図っていくことが重要であると考えております。  新たな拠点では、東京事務所職員を駐在させることも視野に入れ、これまでゆめぷらざにおいて培われたノウハウや人のつながりをしっかりと引き継ぎ、滋賀の魅力を効果的にアピールできる企画を打ち出せるよう、滋賀・びわ湖ブランドネットワークや、今年度設置いたしました滋賀県ブランド推進本部とも連携を図りながら、本県ならではの首都圏での発信に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、異動を通じました営業のプロフェッショナルの育成についてです。  人事異動につきましては、職員の高い専門性や知識、能力の育成の観点から、従来の3年の人事ローテーションを4年から5年に延長してきたところです。  特に、議員御指摘の営業の分野につきましては、これ、なかなか議会や行政の中でも、言葉として使われることも少なかったようでございますが、職員の専門性やスキル、培った人脈を生かしてもらうことが大変重要であると認識しておりまして、そういった職員の異動に当たりましては、関連する部署への配置に配慮をしているところです。  また、異動により幾つかの分野を経験した後、再度、営業の分野に配置することも行っているところです。  こうした人事ローテーションを通じまして、本県の魅力を効果的に発信できる職員を育成、また、増員、増強してまいりたいと考えております。
     以上です。 ◎総合政策部長(堺井拡) (登壇)滋賀ブランド力向上に関する2点の御質問にお答えします。  まず、MUSUBU SHIGAについて、これまでの取り組みと魅力発信についてであります。  産学官連携による滋賀・びわ湖ブランドネットワークにおいて、滋賀の地域ブランド向上のため、平成26年度から新たにブランディング・ディレクターを起用し、デザイナーやアーティストとともに、新たな視点で滋賀の魅力を発見し、映像等により発信する、滋賀・びわ湖+DESIGNプロジェクトをMUSUBU SHIGAと称して展開をしております。  その取り組みとして、地域産業や食など6つのテーマについて、デザインの視点で新たな滋賀の魅力を発掘し、ホームページやフェイスブック等のSNSにより発信をしております。  このほか、JR大阪駅における滋賀・びわ湖ブランド展の開催や、日本航空と連携による情報発信を行ってまいりました。  さらに、新たな首都圏情報発信拠点の整備を見据えまして、本年6月には、東京ビッグサイトで開催されたインテリアライフスタイル展に出展し、ココクール等の商品PRを実施してまいりました。  これらの取り組みを、多様な関係者との連携やSNS等の媒体の活用により効果的に発信することで、地域ブランド力と認知度の向上を図ってまいりたいと考えております。  次に、2点目の、滋賀・びわ湖ブランドネットワークについて、改善の余地があるが、どうかについてであります。  滋賀・びわ湖ブランドネットワークは平成23年7月に県内各界各層の関係者、県民が手を携え、一体となって滋賀の地域ブランドの向上を図るため、設立されました。当初、15団体で発足しましたが、現在では、法人・個人会員を含め40会員にふえるなど、滋賀の魅力を発信いただける方々のネットワークは広がりつつあると認識をしております。  一方で、会員の方が自発的に滋賀・びわ湖ブランドの魅力を発信し、情報の広がりにつながるまでの流れが、まだ確立していないという課題を認識しております。滋賀の地域ブランド向上のため、会員を通じた積極的な発信の広がりが重要であることから、ポータルサイトを通じた会員募集、ブランド展における周知活動など、あらゆる場面で取り組みを紹介することで、会員をふやしていきたいと考えております。  さらに、会員に、みずからの人的ネットワークを生かし、滋賀の魅力発信を行ってもらえるよう、MUSUBU SHIGAの取り組み等についてメール等で積極的に情報提供を行いますとともに、SNSで発信された情報をサイト上で共有できる仕組みをつくることで、人から人へ情報が広がる流れをつくってまいりたいと考えております。  こうしたネットワークによる草の根の活動と、今年度設置いたしました滋賀県ブランド推進本部を中心とする県の各種施策が相まって、本県のブランドが一層向上するよう、取り組んでまいりたいと考えております。 ◎商工観光労働部長(福永忠克) ブランド力向上についての御質問のうち、国際観光推進についての御質問にお答えをいたします。  これまで、年間どのくらいの事業を実施してきたかについてでございますけれども、国際観光の推進につきましては、公益社団法人びわこビジターズビューローと県が一体となって取り組みを進めております。特に東アジア、東南アジアを中心に、本県への誘客促進を図ってきたところでございます。また、関西や中部などの広域的な取り組みにおきましても、他府県と連携して、滋賀の認知度の向上に努めてきたところでございます。  具体的には、昨年度──平成26年度の国際観光関連の予算は、広域連携に係るものも含め、およそ3,000万円でございます。このお金を使わせていただきまして、現地旅行社への訪問営業や旅行博出展をおよそ10回、旅行エージェントやメディア等の招請を20回以上実施するとともに、海外向けのウエブによる発信、本格的な訪日外国人旅行者向けガイドブック「GOOD LUCK TRIP」の作成など、情報発信ツールの整備を行ったところでございます。  次に、今年度、どのぐらいの事業を実施するつもりなのかについてでございます。  今年度の事業量につきましては、国の地方創生交付金分を合わせまして7,800万円余りでございます。  具体的な事業といたしましては、農政水産部と連携をいたしまして、タイ、マレーシアに向けた食と観光のトッププロモーションを県単独で実施しますほか、訪日外国人旅行者に対応するため、多言語の観光情報ウエブサイトの構築、また、宿泊施設、観光施設などの外国人受け入れ施設への通訳支援業務を試行的に実施することとしております。  そのほか、広域連携の取り組みを活用させていただきまして、現地旅行会社への訪問営業や旅行博覧会への出展等、15回程度の現地プロモーションを行いますとともに、海外の旅行エージェントやメディアの招請に昨年度以上に取り組ませていただき、本県への誘客促進を図っていくところでございます。  加えまして、広域観光周遊ルート形成促進事業においても、構成府県と連携をいたしまして、マーケティング調査やガイドブックの作成などに取り組んでまいります。  これらの事業を通じまして、本県を訪れる外国人旅行者に満足いただける滞在環境を整備いたしまして、多くの外国人旅行者に来ていただけるよう、滋賀の魅力を伝えていきたいと考えております。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)今回、何度か、ブランディングに関しては質問させていただいているんですけれども、なかなか県外、国外もそうなんですけども、県内でも知られていないなという感じが、回っていて思うんですね。  今年、サマーエコスタイルでよかったのは、地場産の服を、強制ではないですけど、できる限り着ましょうという1行が入っていたのが、私はすごくよかったなというふうに思っているんです。ただ、なかなかそれが広がっていないなと、周りを見ても、思うことで、沖縄のように、毎日というふうな感じではないと思うんですけれども、たまにはそういうものを着てもいいんじゃないのかなというふうに思うんですね。  そういうものも少しずつふやしていくことによって、それが、魅力が県内の人もわかって、サポーターもふえて、どんどん広がりを増していくわけですし、それが、東京での発信を魅力的に、多くの方ができていくという形がつくれると思うんです。  知事にちょっと1点、最後、確認をしたいのは、拠点のコンセプトで、幾つか挙げられたんですけども、そうしますと、様子を見ながらも、場所をある程度、もう決めてしまうと、これで行ってしまうという形でよかったでしょうか。ちょっとその点だけ、最後、もう一度確認させてください。お願いします。 ◎知事(三日月大造) ありがとうございます。  おっしゃるように、私たち県民が、地場産業の産品も含めて、よさに気づき、発信することが大事だと思います。きょうも私は高島ちぢみでつくっていただいたシャツを着て、一日、蒸し暑い議場ではありますけれども、非常に爽やかに過ごさせていただいております。こういうことをもっともっとPRすることが大事だと思いまして、そういうことの拠点に、この首都圏の拠点もしてまいりたいと思います。  先ほど申し上げたように、まず、この首都圏の情報発信拠点に持たせるべき機能として、情報発信、案内、相談、営業、販売機能等を集約したものとして持たせたいと。そのことに資する場所はどこなのか、また、必要な規模はどの程度なのか。機能先行型で、持たせるべき機能を考えながら場所を選定していくという、こういうプロセスをとっていきたいというふうに考えております。 ◆14番(駒井千代議員) (登壇)ぜひ、ブランドに関しては多くの議員の方も、また、多くの県民の方も非常に興味、関心を持っていただいていますので、これをしっかりと伝えていただきたいと思います。  本日、私も地場産の「Made in SHIGA」のジャケットを着て、一応、琵琶湖ブルーを合わせてみましたので、ぜひとも皆さんで盛り上げたいと思います。どうも、長く、ありがとうございました。終わります。(拍手) ○議長(西村久子) 以上で、14番駒井千代議員の質問を終了いたします。  以上で、本日の質疑ならびに質問を終わります。    ──────────────── ○議長(西村久子) 明4日および5日は、県の休日のため休会であります。来る6日は定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後6時6分 散会    ────────────────...