滋賀県議会 > 2013-09-24 >
平成25年 9月定例会(第18号~第24号)-09月24日-02号

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  1. 滋賀県議会 2013-09-24
    平成25年 9月定例会(第18号~第24号)-09月24日-02号


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    平成25年 9月定例会(第18号~第24号)-09月24日-02号平成25年 9月定例会(第18号~第24号)                平成25年9月滋賀県議会定例会会議録(第19号)                                       平成25年9月24日(火曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第2号                                         平成25年9月24日(火)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第139号から議第174号まで(平成25年度滋賀県一般会計補正予算(第4号)ほか35件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件  追加 意見書第12号(台風18号に伴う災害対策を求める意見書(案))(議員提出)            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(46名)    1番   佐  藤  健  司       2番   有  村  國  俊    3番   大  野  和 三 郎       4番   岩  佐  弘  明    5番   山  本  進  一       6番   富  田  博  明    7番   目  片  信  悟       8番   青  木  甚  浩
       9番   山  本     正       10番   大  橋  通  伸    11番   駒  井  千  代       12番   冨  波  義  明    13番   井  阪  尚  司       14番   清  水  鉄  次    15番   成  田  政  隆       16番   九  里     学    17番   柴  田  智 恵 美       18番   江  畑  弥 八 郎    19番   今  江  政  彦       20番   木  沢  成  人    21番   粉  川  清  美       22番   宇  野  太 佳 司    23番   細  江  正  人       24番   高  木  健  三    25番   川  島  隆  二       26番   小  寺  裕  雄    27番   奥  村  芳  正       29番   野  田  藤  雄    30番   西  村  久  子       31番   石  田  祐  介    32番   宇  賀     武       33番   佐  野  高  典    34番   赤  堀  義  次       35番   家  森  茂  樹    36番   吉  田  清  一       37番   辻  村     克    38番   三  浦  治  雄       39番   蔦  田  恵  子    40番   梅  村     正       41番   山  田  和  廣    43番   山  田     実       44番   西  川  勝  彦    45番   大  井     豊       46番   谷     康  彦    47番   中  沢  啓  子       48番   沢  田  享  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              嘉  田  由 紀 子               教育委員会委員長        高  橋  政  之               選挙管理委員会委員長      伊  藤  正  明               人事委員会委員長        宮  崎  君  武               公安委員会委員長        小  林     徹               代表監査委員          谷  口  日 出 夫               副知事             西  嶋  栄  治               知事公室長           東     清  信               総合政策部長          北  川  正  雄               総務部長            北  村  朋  生               琵琶湖環境部長         堺  井     拡               健康福祉部長          那  須  安  穂               商工観光労働部長        羽  泉  博  史               農政水産部長          青  木     洋               土木交通部長          美 濃 部     博               会計管理者           谷  口  孝  男               企業庁長            南     史  朗               病院事業庁長職務代理者     多  胡  豊  章               教育長             河  原     恵               警察本部長           山  本     仁            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            安  田  全  男               議事調査課長          丸  尾     勉               議事調査課課長補佐       松  本     勉            ──────────────────────────────   午前10時 開議 ○議長(宇賀武) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(宇賀武) 日程に入るに先立ち、諸般の報告を行います。  議第144号議案について、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めておきましたところ、お手元に配付いたしておきました文書のとり回答がありましたので、御報告いたします。    ──────────────── ○議長(宇賀武) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第139号から議第174号まで(平成25年度滋賀県一般会計補正予算(第4号)ほか35件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(宇賀武) 日程第1、議第139号から議第174号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、会派代表による質疑ならびに質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、1番佐藤健司議員の発言を許します。 ◆1番(佐藤健司議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  質問に先立ちまして、さきの台風18号の災害によってお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。被災された方々のお話を伺うたびに、一日も早い復旧復興に向けて、県議会としてもしっかりと責任を果たしていかなければならないと痛切に感じています。  さて、台風襲来の前の日本国内は、2020年の東京オリンピック開催のニュース一色でした。久しぶりに日本の未来に希望が持てる明るい話題に全国が沸き立っていました。特に、パラリンピック陸上の佐藤真海選手を初め、国際オリンピック委員会、IOC総会における東京の招致団のプレゼンターの一言一言は、各国のIOC委員だけでなく、私たち国民の心に響き、そして大きな感動を与えてくれました。  それに引きかえ、嘉田知事の一言一言は、感動を与えるどころか物議を醸すことがしばしばです。過日も、今定例会に提案された流域治水の推進に関する条例案をめぐって、議会への提案前にもかかわらず、幾ら説明しても同じ、可決しない場合は対案を県議会も出すべきだと発言したとの新聞報道がなされました。既に宇賀議長から二元代表制のあり方と議会の権能について正しく認識されるよう申し入れをされたと伺っていますが、この新聞報道が事実であるとすれば、本当に残念でなりません。  嘉田知事は、1期目の就任直後の平成19年7月定例会、ここに立ち、「政策を実現するための基本的な方法は対話です。あらゆる分野で、議員の皆さんはもちろん、県民の皆さんと対話を重なる中で参加と提案の県政を実現します」と高らかに宣言したのを覚えていますでしょうか。知事もIOC総会の東京の招致団のプレゼンテーションはごらんになったと思います。県民の皆さんの心にしっかりと響く言葉でお答えくださいますよう心よりお願い申し上げ、自由民主党滋賀県議会議員団を代表して質問をいたします。  初めに台風18号による災害に関してお尋ねします。  今月15日から16日にかけ、数十年に一度の記録的な大雨を伴う台風18号が日本列島を縦断し、本県にも甚大な被害を及ぼしました。16日午前5時5分には、気象庁が先月30日から運用を始めた特別警報、大雨特別警報が発令されました。観測所ごとの2日間の総雨量は、大津市葛川の635ミリを初め、東近江市御在所で610ミリ、高島市針畑で535ミリなど、県内各地で記録的な雨量となりました。  栗東市下戸山では、土砂崩れにより3戸が全壊し、71歳の女性がお亡くなりになったほか、県内の広い範囲で避難勧告や避難指示が出され、床上・床下浸水、河川の決壊、堤防や護岸の損壊、道路でののり面崩落や土砂流出など、近年では記憶にない大きな被害となりました。琵琶湖には大量の流木やごみなどが流れ込み、また、農業や水産業、文化財などの被害も明らかになりつつあります。  初めに台風18号による本県の被害状況についてお伺いいたします。  県内の市町では、台風の接近に備えて、順次災害警戒本部を設置し、被害の発生とともに災害対策本部への移行を進めました。最も早かった栗東市では午前1時15分、彦根市は午前3時55分、高島市は午前4時18分などとなっています。その他の市町も、おおむね大雨特別警報の発令後間もなく対策本部に移行したり設置したりしました。  一方、県においては、まさか知事が不在だったことが原因ではないとは思いますが、対策本部が設置されたのは特別警報が発令されてから2時間以上経過した午前7時17分になってからです。これでは特別警報を軽視したと批判されても仕方がありません。  地域防災計画(風水害対策編)では、対策本部の設置基準について、気象業務法に基づく暴風、大雨または洪水、その他の警報が発せられて、知事が必要と認めたときとされています。既に県内の広範囲で被害が出ていることが明らかであったにもかかわらず、県の災害対策本部の設置がおくれたことについて見解をお伺いします。  知事は、昨年8月の大津市南部の集中豪雨による災害の際にもフランスへ出張、今回も中国へ出張と、偶然とはいえ、本県の防災の責任者として指揮をとらなければならないときに不在が続いています。  高島市の鴨川の決壊では、孤立した集落の住民の皆さんを救助するために、陸上自衛隊今津駐屯地に災害派遣が要請されました。知事は海外からメールで連絡していたとのことですが、住民の皆さんの不安を思えば、16日午前9時になってからの要請は遅かったのではないかと考えますが、知事の見解を伺います。  新聞報道によれば、各市町の被害の取りまとめが大きくおくれるなど、県の災害対応に問題があったことが指摘されていますが、いずれにしても県の危機管理に対する意識は低いと言わざるを得ません。今回の県の災害対応への反省とあわせて、知事の危機管理に対する考え方をお伺いします。  また、知事は、高島市の鴨川や栗東市の金勝川の堤防決壊について、想定していなかった場所とし、県の中長期整備実施河川に関し、領域をふやして確実に流す対策が必要と述べたとされています。しかし、大戸川などはダム建設が凍結され、河川改修も進まない中で起こった人災と言っても過言ではないと思います。今回の河川災害に鑑みて、県内の河川整備のおくれについて知事の見解をお伺いします。  瀬田川洗堰の全閉も県内に大きな影響を及ぼしました。41年ぶりとなる全閉操作に対して、知事としてどのような対応をされたのかお伺いします。  いずれにしても、一日も早い復旧に向けて県が迅速に取り組むことは、被災者だけでなく県民全ての願いです。既に補正予算の編成にも言及されていますが、復旧費用の見込みとあわせて、今後の取り組みについてお伺いします。  今月18日には、国に対して台風18号に係る災害対策について緊急要望書を出されたということです。この中には、信楽高原鐵道の早期復旧に向けた支援も盛り込まれました。御承知のように、信楽高原鐵道は、甲賀市の杣川の増水で貴生川駅近くの鉄橋の橋桁がおよそ30メートルにわたって流されたほか、線路の20カ所以上で土砂流入などの被害を受け、現在も復旧のめどが立っていません。国はもちろんですが、県としても何らかの支援を検討する必要があると考えますが、知事のお考えをお聞かせください。  また、要望書では、国に対して、災害復旧事業の早期着手に向けた支援に加え、激甚災害の早期指定を求めています。激甚災害指定に向けた知事の決意をお伺いして、この項の質問を終わります。  次に、来年度の予算編成方針に関して知事にお尋ねします。  日本銀行は、今月5日に開いた金融政策決定会合で、国内景気の現状判断について、緩やかに回復しているとし、2カ月続けて緩やかに回復しつつあるとしていた景気判断をさらに引き上げました。雇用や所得の環境が上向く中で、個人消費は引き続き堅調に推移しているとした上で、出おくれていた企業の設備投資も持ち直しつつあるとし、まさにアベノミクスと言われる安倍政権の経済政策の成果のあらわれとも言えます。2020年に東京でのオリンピック開催が決定し、今後、大きな経済効果が見込まれるとともに、東日本大震災の被災地でも復興の起爆剤になるのではないかと期待が集まっています。  こうした中、来年4月からの消費増税の最終判断に向け、景気腰折れを防ぐさらなる経済対策が検討されるなど、デフレから脱却し、経済成長と両立した形での財政健全化への道筋がつけられるか、今がまさに正念場です。  一方、本県においては、平成10年度以来、数次にわたる行財政構造改革取り組みが行われているにもかかわらず、依然として毎年度財源不足が発生する状況が続いています。財政再建の要諦は「入るを量りて出るを制す」とされています。そこで、本県の歳入において4分の1強を占める県税の動向が気にかかりますが、初めに来年度の県税収入を見通すに当たり、本県の経済動向に対する認識をお伺いします。  平成23年3月に策定した滋賀県基本構想や滋賀県行財政改革方針は、来年度、最終年度を迎えます。この間、基本構想に掲げた未来戦略プロジェクトをもとに8つの重点テーマを設定し、重点化特別枠を設け、行財政改革方針においても、何を残し、何をやめるのか、また、何に新しく取り組むのかという厳しい選択をしながら、一層の選択と集中を徹底してきたとされていますが、県民の皆さんから評価に値する嘉田カラーは打ち出せたとお考えでしょうか。来年度は嘉田知事2期目の集大成の予算編成となりますが、基本構想や行財政改革方針に基づく取り組みをそれぞれどのように総括されているのかお伺いします。  事業の取捨選択とあわせて、性質別経費で歳出総額の3分の1を占める人件費についても、ある意味で人への投資であり、自律型の職員育成、またその職員の能力が最大限引き出されなければ投資の効果は図れません。人件費の独自カットなどを続けている厳しい状況ではありますが、職員の士気を高め、県庁として最高のパフォーマンスが発揮できていると考えているのか見解を伺います。  また、平成23年度普通会計決算における投資的経費の歳出総額に占める割合は、本県では12.3%にとどまり、人口類似12自治体の中で実に最下位となっています。県内の社会基盤が整備され、投資的経費が抑えられる状況であればともかく、道路の整備率を見ても平成23年4月時点で全国38位と、まだまだ県民の皆さんの要望に十分応えられていないのが実情です。我が会派で開催した政務調査会においても、各市町から依然として多くの道路整備や河川整備といった要望が寄せられています。経済成長と社会成長を同時に果たし、嘉田知事の標榜する「住み心地日本一の滋賀」実現に向けて、投資的経費の状況をどのように認識しているのかお伺いをいたします。  財源確保の観点からも、国の経済危機対策予算などをもとに設置した基金の効果的な活用が求められます。今定例会で設置される滋賀県地域の元気基金について、基金の趣旨に鑑み、どのように力点を置いて活用していこうとされるのか、考え方をお伺いしてこの項の質問を終わります。  次に、新生美術館について、知事にお尋ねします。  新生美術館をめぐっては、平成23年4月に「美の滋賀」発信懇話会と当面の主要課題について検討を行う美術館、仏教美術、それにアール・ブリュットそれぞれの検討委員会が設置され、翌年2月、報告書がまとめられました。以降、県議会においてもさまざまな議論が行われてきましたが、知事は今定例会の提案説明で、新生美術館について、びわこ文化公園での一体整備とし、年内に基本計画を策定した上で早期実現に向けて取り組んでいくことを表明されました。  しかしながら、整備に当たっては今なお解決すべき多くの課題が残っていると考えています。  新生美術館は、現状の近代美術館の機能を残しつつ、琵琶湖文化館が収蔵している仏教美術、そして新たにアール・ブリュットという3つの柱で整備するとされています。初めに、この3つの柱が新生美術館で具体的にどのように相乗効果を発揮し、知事のおっしゃる「美の滋賀」の実現につながっていくとお考えなのかお伺いをします。  新生美術館の整備には、中位計画で40億円以上が必要とされる一方、開館後の来館者数は現在の7万4,000人から大幅に伸び、年間30万人以上となると見込まれています。東海道新幹線新駅の当初の需要予測について、将来への期待感が込められた過大なものと考えざるを得ない、見通しが甘いと述べていた知事でありますから、しっかりとした根拠に基づいた数字だと確信していますが、建設コストと来館者数の算出根拠をお示しください。  また、提案説明にもあったように、美術館と公園を一体的に整備し、自然の美を含めた多くの魅力を建物の内外で体験してもらえるような美術館を目指すとするならば、周辺だけでなく文化公園そのものの魅力向上のために新たな整備は必須です。この点について見解をお伺いします。  美術館における作品の収集、保管、館の運営、調査研究といった機能をどうするのかという点も大変重要です。近代美術館では、財政事情が厳しいことを理由に、何年間も新たな美術作品の購入が行われていません。これが来館者数の低下を招いた原因の一つとも言えますが、こうした状況が続けば、3本柱といいながら、柱の1本は初めから朽ち果てているも同然です。新生美術館における作品購入をどのように考えているのかお伺いします。対して、アール・ブリュットについては、海外では美術の一分野として確立されつつあるものの、まだまだ手探りの状態です。新生美術館における作品の収集や展示、特に評価に関してはどのようにされるのかお伺いします。  館の運営、作品の調査研究についても疑問が残ります。現在でも学芸員に欠員が生じているような状況にもかかわらず、新生美術館では、近代美術、仏教美術、それにアール・ブリュットに精通している人材の確保が必要となります。そもそも美術館として3つの柱はどのようにコーディネートされるのでしょうか。人材の確保も含めて、新生美術館としてどのような館の運営、調査研究が行われるのか具体的にお聞かせください。  いずれにしても、本県に財政的余裕が生まれている状況とは言いがたい中で、新生美術館の整備に取り組もうとされるのですから、しっかりと県民の皆さんに必要性が理解され、その効果を実感できる基本計画にしていただくことをお願いしてこの項の質問を終わります。
     次に、内湖の再生に関して知事にお尋ねします。  内湖は、古来、周辺に住む人々の日常生活に密着した存在であり、内湖の水は生活用水、農業用水、あるいは舟運のルートとして、魚類にとっては産卵場、稚魚、幼魚の生育の場として重要な機能を果たしてきました。しかし、戦中戦後の食糧増産や耕地面積拡大政策によって、大中の湖や津田内湖、早崎内湖は、干拓や埋め立てが行われ農地となり、過去数十年の間に総面積の7分の6程度が消失しました。  こうした中、平成12年に国の関係省庁の共同実施により、琵琶湖の総合的な保全整備計画が策定され、琵琶湖の環境改善へ向けた幅広い取り組みがスタートし、平成16年にはマザーレイク21計画に基づき、内湖を含めた琵琶湖流域全体の湖辺域ビオトープの保全、再生を目的とした水辺エコトーンマスタープランが策定され、生物の生息環境や移動経路の確保に取り組んでこられました。  さらに、平成23年10月には、第2期計画期間に向けてマザーレイク21計画が改定され、琵琶湖の総合保全のため重点的に取り組むべきプロジェクトの一つとして内湖再生プロジェクトが位置づけられました。  初めに、内湖の再生に当たって、本県として具体的にどのような取り組みを目指しているのかお伺いをします。  一方、内湖再生の課題について、地域特性を踏まえた価値の再発見や財源確保、制度上、技術上の課題、持続的な取り組みの仕組みの構築などの点が指摘されていますが、これらの課題解決に向けた考えをお伺いします。  続いて、早崎内湖の再生についてお伺いします。  早崎内湖については、内湖再生のモデル事業として長年にわたって事業が進められてきました。平成13年11月に開催された世界湖沼会議に合わせて、干拓農地86ヘクタールのうち20ヘクタールを試験的に湛水してビオトープ化し、その後、さまざまな生物調査や自然観察会が開催されるなど、かつての内湖の再生に向けて地元の期待も大いに高まりました。  その後、県では全体計画を試験湛水したおよそ20ヘクタールに縮小するとされ、今定例会において19ヘクタールを3億4,300万円余りで取得する議案が提案されています。  平成13年の試験湛水の開始から既に12年がたとうとしていますが、この間、ビオトープ化されたエリアにおける生態系は再生されたのでしょうか。これまでの生物調査においてどのような成果があらわれているのかお伺いします。  県は、財政難などを理由に、86ヘクタールとされていた当初の計画をおよそ20ヘクタールに縮小しました。年月が経過し、計画が縮小される中で、現在の地元の方々の思い、内湖再生にかける期待をどのように受けとめているのかお伺いします。  一方で、一旦干拓された農地を再び内水面に戻すという取り組みは、全国的に見てもほとんど例がありません。早崎内湖の再生は、琵琶湖生態系の再生、在来魚の再生にもつながるという意味で有意義な事業だと理解していますが、今後、どのようなスケジュールで事業を進めていこうとされているのかお伺いして、この項の質問を終わります。  次に、社会保障制度改革に関して知事にお尋ねします。  先月、政府の社会保障制度改革会議の報告書が出されました。団塊の世代が75歳を超える超高齢社会を見据えて、少子化対策、医療、介護、年金の分野ごとに改革案を打ち出されました。踏み込み不足が目立つとの指摘もありますが、持続可能な社会保障制度に向けた方向性が一定示されたことは評価しています。  報告書では、社会保障制度改革の方向性の中で、国と地方が協働して支える社会保障制度改革の項を設け、子育て、医療、介護など、社会保障の多くが地方公共団体を通じて国民に提供されていることを踏まえ、制度改革は地方公共団体に理解が得られるものとし、国と地方がそれぞれの責任を果たしていくことが必要だとしています。  初めに、この社会保障制度改革国民会議の報告書を県としてどのように受けとめているのか見解を伺います。  超高齢社会がいよいよ現実のものとなる中で、医療、介護分野には多くのページが割かれています。中でも、財政が悪化している国民健康保険について、運営主体を現在の市町村から都道府県に移管することが明記されました。国民健康保険の都道府県移管については紆余曲折が予想されますが、市町との協議を初め、報告書を受けた今後の対応についてお伺いをいたします。  少子化対策の分野では、少子化傾向に歯どめがかかっていない背景として、子供と子育てをめぐる厳しい実態があることを直視すべき、危機感を持って集中的な施策を講じるべきと強調され、子ども・子育て支援新制度に基づく施策を着実に実施しつつ、幼児教育、保育の量的拡大や質の向上、地域の子ども・子育て支援など対策の拡充をうたっています。  今定例会に提案された補正予算案にも、市町が行う子ども・子育て新制度に係る電子システム構築の経費への補助が計上されていますが、平成27年度からの新制度の施行に向けた県の取り組みの状況をお伺いします。  厚生労働省によると、認可保育所を希望しながら入所できない待機児童は、ことし4月1日現在で、全国で前年より2,084人減少して2万2,741人、滋賀県では77人減少して415人とされています。減少したというものの潜在的なニーズも根強く、真の待機児童ゼロまではまだまだ厳しい道のりであることは間違いありません。国は、待機児童解消加速化プランによって、対象の市区町村に5年間で6,000億円を投じて集中的に対策を進めようとしていますが、待機児童解消に向けた本県の課題と県としての今後の取り組みについてお伺いします。  とはいえ、待機児童解消の名のもとに目先を追って、子供たちの未来に目をつぶり、保育の質の低下を招いては本末転倒です。  こうした中、大津市は、これまで社会福祉法人に限っていた民間保育園の運営について、株式会社やNPOなどの参入を積極的に認める方針を打ち出しました。運営主体の是非はともかく、大津市においては、近年、民間保育園の整備に係る予算計上過程でずさんと言わざるを得ないような実態がまかり通っています。今年度の当初予算でも、大阪の学校法人が大津市内で計画していた民間保育園新設をめぐって、県と市の協議を経て、県が補助金を予算計上したにもかかわらず、市は法人と最終的に調整がつかなかったとして勝手に事業費の予算計上を見送るなど、協議が不十分な上に熟度の低い計画がまかり通っているのが実情です。予算執行の段階で計画が変更され、保育園の場所が変わることなど日常茶飯事です。さらに、運営主体が多様になる中で、行政がしっかりと計画を精査できなければ、ツケは子供たちに、そして保護者たちに回ってきます。  急激な保育園の増設や多様な主体の参入による保育の質の低下に大きな懸念を持つものですが、県としてどのように受けとめているのかお尋ねいたします。あわせて、質の担保に向けて、市町との事前の協議は非常に重要だと考えますが、民間保育園新設に係る予算計上をめぐる大津市とのそごについてどのように認識しているのかお伺いします。  保育士の確保、質の向上も喫緊の課題です。現在、およそ38万人とされる保育園で働く保育士のうち、毎年1割が離職する一方、保育士資格を取得した新卒者のうち半分のおよそ2万人と再就職などの2万人が新たに就職すると言われ、離職率の高さなどから保育士はふえにくい構造となっています。実際に保育園に子供を通わせる一人の保護者として、長時間の勤務や業務の増加など現場の保育士さんの大変な姿を目の当たりにすると、残念ながらこうした状況もうなずけます。  待機児童解消加速化プランでも、保育士の処遇改善や潜在保育士の掘り起こしのための保育士の再就職前研修の実施などの事業を盛り込んでいますが、県として保育士確保、質の向上の課題をどのように認識し、支援していくのか見解をお伺いします。  また、社会保障制度改革国民会議の報告書では、仕事と育児の両立の観点から学童期の放課後対策が手薄として、放課後児童クラブについて明記され、指導員の研修の整備や地域の人々が積極的にかかわり、支援していく体制の整備が必要としています。放課後児童クラブについては、現在においても県内の市町ごとの格差が指摘されていますが、どのように拡充に取り組んでいくのか見解をお伺いします。  ほっと安心子育て支援事業のように現場に受け入れられているとは言いがたい事業を、子ども・子育て新制度のモデル事業として固執するのではなく、幅広い視点から新制度の中で県の役割をどのように捉え、その責務を果たしていこうとされるのか、知事の決意をお伺いしてこの項の質問を終わります。  次に、水環境ビジネスに関して知事にお尋ねします。  21世紀は水の世紀とも言われ、世界では急激な人口増加と経済発展、都市化の進展などにより、新興国を中心に安全な水の供給と衛生設備の普及が切実な問題となっています。このように水需要が増加する一方で、河川や湖沼における水質の悪化が深刻化しています。2025年には、世界の水ビジネスの市場規模はおよそ100兆円規模にまで成長すると予測されており、産業界だけでなく北九州市や横浜市など水道事業の運営、管理のノウハウを持った政令指定都市を中心に、積極的な水ビジネスへの取り組みが進められています。  本県においても、平成23年度に実施されたアンケート調査結果によれば、既におよそ100社が水ビジネスに取り組んでいるとの結果が出ています。この中には、海水の淡水化に用いられる逆浸透膜、ナノろ過膜で世界シェアの5割を占め、県内に工場や研究開発拠点を持つ大手3社が含まれ、さらに測定機器や洗浄装置などで高い独自技術を有する中小企業も数多くあります。また、滋賀大学、県立大学、立命館大学、龍谷大学、長浜バイオ大学、京都大学の6大学を初め、県工業技術総合センターや琵琶湖環境科学研究センターといった公設試験研究機関において、長年、水環境関連の研究に取り組まれるなど、産業、大学、研究機関の集積を見ても本県には水ビジネスにつながる研究成果や技術が蓄積されています。  今こそ、こうした本県の強み、特徴を生かして、水処理や水資源の有効活用などの分野で展開を図り、世界の水ビジネス市場へ積極的にアプローチすることが求められます。ことし3月には、本県の水環境ビジネス推進のための産学官の参画によるしが水環境ビジネス推進フォーラムが設立されましたが、フォーラムの設立につながったこれまでの経緯や成果を踏まえ、設立の意義についてお伺いします。また、フォーラムにおける取り組みの状況についてあわせてお伺いします。  県としても、フォーラム設立を契機に、改めて水ビジネスを地域経済を支える重要な成長産業として位置づけ、一層の推進を図るとともに、積極的に支援していく必要があると考えますが、今年度に入ってからも台湾台南市にある工業団地の開発運営を行う台湾企業グループから視察団が本県を訪れるなど、徐々にではありますが具体的なビジネスにつながる芽が出てきています。こうした一つ一つの案件について成果を出すためにも、県が全庁的な連携のもと、企業から求められる役割を認識し、スピード感を持って役割を果たしていかなければならないと考えますが、今後、本県の水ビジネスの展開に向けて、何を目指し、どのように取り組んでいくのかお伺いしてこの項の質問を終わります。  次に、流域治水の推進に関する条例についてお尋ねいたします。  今回の台風18号に対する対応や今後の復旧への取り組みについてはさきにお尋ねしましたが、今回の台風襲来によって、50年近く幸いにも大きな災害に見舞われなかった本県が、まさに数十年に一度と言われるような豪雨に対してどのように備えるのか、その課題が浮き彫りになったと言えます。  時を同じくして、今定例会にダムや河川整備などのハード対策だけに頼らないという流域治水の推進に関する条例案が提案されました。我が会派では、条例の要綱案が示されてから政務調査会を中心に、市長会との意見交換を初め、有識者や関係する業界団体からのヒアリング、現地調査などを積極的に行ってきました。  今月18日には、兵庫県の総合治水条例の策定に取り組んだ京都大学の井上和也名誉教授を招いて勉強会を開催し、さまざまな観点から滋賀県の流域治水条例案について意見交換をしました。その後、会派所属議員で長浜市虎姫地区を訪れ、長浜市の担当者の案内で想定浸水深が3メートルを超えるとされる危険区域を実際に確認するとともに、住民の皆さんと懇談し、条例案に対する意見や県の河川行政への要望を伺いました。  昨日も危険区域となる甲賀市信楽町や竜王町弓削地区で住民の皆さんと懇談し、さらに今回の台風18号の各地の被害状況を見て回りました。  こうして県内各地で甚大な被害をもたらした台風18号の爪跡を見るにつけ、想定外に備えるといった考え方は時期を得たものだと改めて感じるとともに、今日までの河川政策の根幹を成してきたハード対策に加えてソフト対策を組み合わせ、まさに流域全体で総合的に治水対策を行うという方向性は決して否定されるものではないと考えています。  しかしながら、こうした流域治水の考え方の実効性を確保しようとする今回の条例案は大きな問題をはらんでいます。条例案では、「ながす」「ためる」「とどめる」「そなえる」という4つの対策により流域治水を推進していこうとしていますが、4つの対策のバランスを欠いているだけでなく、治水に対する自助、共助、公助のバランスも著しく欠いていると言わざるを得ません。  まず、「ながす」対策ですが、条例案では基本方針に盛り込まれているダムの洪水調節機能についての記述が一切ありません。何が何でもダムをつくるべきだと言うつもりはありませんが、あらゆる手段で水害から県民の命と財産を守るというのであれば、河川計画の中で重要な洪水調節機能を有するダムについて全く触れられていないことは、余りにも不可解です。有効な洪水調節機能を有するダムを頭から条例の中に位置づけないのは恣意的であるとしか思えませんが、なぜ手法としてのダムが抜け落ち、洪水調節機能についての記述がないのかお伺いをいたします。  また、「河川整備を行うものとします」とありますが、この条例ができたからといって、県が河川整備をこれまで以上に積極的に進めると思っている人はほとんどいないと思います。市町や住民の皆さんの要望に十分応えてこなかったこれまでの経緯からすれば仕方がありません。  確かに、限られた財源の中で河川整備を進めていくためには、中長期河川整備計画を策定、それぞれランクづけをし、それに基づいて河川の整備を進めていこうという県の考え方は理解します。とはいえ、それぞれの河川を見ると、整備計画すら策定されていない河川も多く、沿川に多くの危険区域が広がる高時川ですら、いまだ整備計画はありません。どのような理由で河川整備計画がそれぞれの河川で策定されていないのか理由をお伺いいたします。  その上で、この条例が制定された場合、条例をよりどころにどのように河川整備計画の策定が進んでいくのか、また河川整備が進んでいくのか見解をお伺いします。  次に、「ためる」対策です。台風18号の大雨によって水につかった収穫直前の稲穂に心を痛めつつ、改めて水田の持つ貯水能力には驚かされました。流域治水では、このためる機能が大切だと考えています。兵庫県の総合治水条例では、このためる機能に力点を置き、雨水の貯留や浸透機能に対して所有者や開発責任者に明確な責任を課すことで河川への流入を抑制しようとする強い姿勢が感じられます。  一方、本県の条例で「ためる」対策については、こうした貯留浸透機能を維持するように森林や農地の所有者や事業者、あるいは公園の所有者や管理者に対して努力義務があるだけで、都市計画法に別に定めがあるとはいうものの、開発を行う者に対する調整池の設置などについては記述がありません。調整池や貯水池はともかく、公共施設などの地下に設置される貯水槽などは、費用がかさむことを考慮して、あえて記述しなかったのではないかとうがった見方をしてしまいますが、水田の持つ多面的機能の保全や森林の保水能力の保全の記述も通り一遍です。条例にうたう、「ためる」対策について、これで十分であると考えているのか見解をお伺いします。  そして、ここが本県の条例の最大の特徴なのですが、「とどめる」対策として、住民に対する土地利用規制と罰則が盛り込まれています。知事は、規制と罰則がなければこの条例の実効性を担保できないと考えておられるようですが、大いに懸念をしております。  先日訪れた長浜市虎姫地区でも、「河川整備を要望しても少しも進まない。日常の管理も全くできていない。それなのに、いきなり条例をつくって、やれ規制だ、違反したら罰則だと、住民をばかにしているのか」「住んでいる場所が危険区域だと言われても、地元には条例について何の説明もない」「危険な場所だとレッテルを張られたら、若い人は町を出ていってしまう。地域がさらに疲弊する」と率直な、そして切実な訴えを聞いてきました。昨日訪れた竜王町弓削地区でも、同様に強い反発の声がありました。  つまり、少なくとも県が河川整備計画を策定し、計画的な河川整備を行うことを約束した上で、整備されてもなお危険が解消できない地域に何らかの規制をかけていくというのが順序だと考えます。この点についての見解とあわせて、知事は危険区域に指定される地域の住民の皆さんの声をどのように受けとめ、応えていくつもりなのかお伺いをします。  そもそも現実に照らして、この条例の建築規制に本当に実効性があるのか疑問です。条例では、3メートル以上浸水すると想定される地域で家を建てかえる場合、盛り土をして家の高さをかさ上げする、鉄骨づくりなど3階建てにする、あるいは地域全体で3メートル以上かさ上げした避難場所を整備することなどを求めています。しかし、個人で土地をかさ上げしようとすれば、数百万円単位の支出が余分に必要となり、助成制度を設けるとはいうものの、十分な誘因策にならなければ、建てかえを思いとどまり、その結果、危険区域の安全度は向上しないままとなってしまうことは容易に想像できます。  危険区域におよそ800戸もの既存住宅がある長浜市虎姫地区の場合、避難場所の整備による対応もあるといっても、かさ上げを実施する既存住宅が県全体で年間二、三件と見込まれている程度では、地域全体の安全度を向上させるための本当に有効な手段だと言えるのでしょうか。しかも、危険区域における既存住宅数はおよそ1,100戸とされ、このうち長浜市が837戸、甲賀市が189戸なっています。実に両市で9割以上を占めていますが、それであれば全県で規制や罰則をかけなくても、重点的な河川整備など両市における個別の対応で安全度の向上につながるのではないかと新たな疑問が生じます。危険区域が偏在する中で、どうしても建築規制で対応しなければならない理由をお聞かせください。  いずれにしても、知事や流域政策局の担当者は、この条例案について、危険区域に指定される地域の住民の皆さんに説明責任を果たしたと胸を張って言えますか。知事は、住むなと言っているのではなく、安全に住んでくださいと言っているのだと強弁されますが、自宅に住んでいるだけで何の落ち度もない住民に規制や罰則をかけることに対して、当事者の皆さんの十分な理解が得られていると考えているのか認識をお伺いします。  また、知事は、我が会派との政策懇談会の場で、条例ができてもすぐに危険区域に指定されるわけではない、市町と協議した上で、最終的には地元の了解を得てから指定する旨の発言をされました。となれば、この条例が制定されたところで、危険区域のある市町や地元が合意しなければ、結局何も変わらないということにもなりかねませんが、条例が制定されてから危険区域として指定される具体的な手続についてお伺いします。  最後に、「そなえる」対策です。大きな河川だけでなく普通河川や用水路まで対応した地先の安全度マップが県内全市町で公表されました。地先の安全度マップを作成、公表されたことについて、さらに精度を高める必要があるとはいえ、一定の評価をしています。まずは、この地先の安全度マップの情報を市や町でしっかりと活用していくことが求められます。台風18号の大雨被害でも、避難勧告が出された地域で実際避難された人が少なかったことや、日ごろからの災害に備える意識の低さなど、自助、共助の観点からさまざまな課題が明らかになりました。もちろん、住民への情報伝達のあり方や県と市の連携など行政の対応もしっかりと検証し、今後に生かしていく必要があります。  この「そなえる」対策こそが、ハード整備だけに頼ることなく、命を守るソフト対策として何よりも重要であると考えます。殊さら規制に頼らずとも、日ごろからの訓練や教育、情報伝達の体制整備や関係機関の連携などで水害から県民の命を守ることが可能だとは考えられないんでしょうか。この点についての見解とともに、「そなえる」対策の充実に向けた具体的な取り組みをお伺いします。  流域治水という考え方は、県が河川管理者としての責任を転嫁することなく、ダムを含めたあらゆる河川整備を進めるハード対策を最大限進め、それとともに自助、共助、あらゆるソフト対策を駆使し、県、市や町、地域、住民がそれぞれの立場で役割を果たし、水害から命と財産を守っていくことだと理解しています。その意味において、本当にこの流域治水の推進に関する条例案は、真に県民の皆さんが望む条例となっているとは思えません。県内市町についても、どこの市町が条例に賛成で、どこの市町が反対だなどと色分けするのではなく、それぞれの地域の実情に合わせて市町の主体的な取り組みを支援していく条例でなければ、実効性のあるものにならないだけでなく、機能しないことは明白です。我が会派としても今後ともこの条例案について議論を深めてまいることを申し上げ、この項の質問を終わります。  最後に、第2期滋賀県教育振興基本計画と全国学力・学習状況調査について、知事ならびに教育長にお尋ねします。  現在、来年度からの5年間を計画期間とする第2期滋賀県教育振興基本計画の策定に向けて議論が進められています。こうした中、先日、全国学力・学習状況調査の概要が公表されました。この結果を受けて、改めて本県の教育において、いま一度力を入れていかなければならない問題点も明らかになったと思います。小学6年生、中学3年生とも、どの科目を見ても全国で最下位に近いということは、どのような意味を持つのでしょうか。特に国語力の低さはゆゆしき事態です。  とはいえ、この全国学力・学習調査のそもそもの趣旨からすれば、一部の市長が、自分のところは結果がよいので一緒にしないでほしい、風評被害だなどという発言があったことは本当に残念でなりません。だからこそ、県がどれだけ危機感を持って学力向上に向けて取り組んでいくのか、その姿勢が問われています。  先日開かれた文教・警察常任委員会での説明では、秋田県を初め成績上位の自治体の取り組みを学ぶために担当者を派遣するとのことでしたが、成功事例を貪欲に学び、その手法を取り入れていくことは大切だと考えます。実際に先進地で教員を1年間研修したり、民間ボランティアの手をかり、地域での学習機会をふやしたりすることで学力向上につなげた自治体もあります。  初めに、今回の調査結果に対して本県としてどのような危機感を持ち対策を講じていこうとされるのか、教育長にお伺いします。  静岡県の川勝平太知事などは、点数の悪かった学校長の公表にも言及し、学力低下に対する危機感をあらわにしましたが、今回、平成21年の調査結果と比較しても全国平均とのポイント差がさらに広がり、悪くなっているという状況にもかかわらず、嘉田知事からは余り危機感が伝わってきません。順位に一喜一憂するというのではなく、市町も含め全県挙げて学力向上に取り組むという意味で、市町別に結果を公表することも選択肢ですが、知事の見解をお伺いします。  また、滋賀県は平成23年度で一人当たりにかける予算が小学校で全国37位、中学校で38位、それに高校で39位と、学力同様、教育予算も下位に甘んじています。今回の調査結果を受けて、来年度予算も含め、今後の対応について知事の見解をお伺いします。  第2期教育振興基本計画では、社会情勢の変化や子供をめぐる状況の変化に対応して、防災教育やいじめ問題への対応など、第1期計画と比べて厚みを持たせた分野もありますが、一方で、行政計画の例に漏れず、さまざまな観点から網羅的に記載され、滋賀県における教育でどのような人間像を目指しているのか、そのイメージがはっきりしません。  子供の教育にとって肝要なのは、学力に加えて、いかに社会で生きていく力をつけていくかという人間力を身につけさせるところにあると思います。滋賀の教育がどのような人間像を目指し、滋賀の教育のあるべき姿はどのようなものだと考えているのか、教育長の御所見を披瀝していただきたいと存じます。  また、第1期計画で達成できなかった課題と、その課題をどう第2期計画に反映させていこうとされているのか、あわせて教育長にお伺いします。  体力調査でも下位に甘んじている本県ですが、第2期計画では、小学校における10分運動の実践校の数を初年度の19校から5年後には全校とすることを目指すとしています。授業開始前の朝の10分間の活用については、読書を初め、漢字や算数、それに英語などのテストを短時間で実施することで集中力を養うことができるとの成果が出ています。これまでは、それぞれの学校や担任に任せていたということですが、この10分運動同様、学力向上に向けて県内の全校でこうした取り組みを一律に実施することも検討に値すると考えますが、教育長に見解をお伺いします。  教育は地域経済の浮沈と密接にかかわってきます。これまで本県は、人口増加県ということであぐらをかき、どのように人を呼び込んでいくのか、そして、どのような人材を社会に送り出していくのかという考えが乏しかったように思います。今回の全国学力・学習状況調査の結果について、県教育委員会だけでなく、県全体で危機感を持って受けとめ、抜本的に教育改革をしていかなければ、本県は教育後進県となってしまいます。未来を担う子供たちに滋賀で教育を受けたいと思ってもらえるよう、そのような教育振興基本計画とするべく、改めて今後5年間の滋賀県の教育の指針となる計画の策定にかける教育長の決意をお伺いして全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(宇賀武) 1番佐藤健司議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子) (登壇)佐藤議員の代表質問に対する答弁とさせていただきます。  まず、最初の県内の台風18号の被害状況でございます。  このたびの台風18号において、栗東市で女性が1名お亡くなりになりました。突然の災害によりお亡くなりになられた女性の御冥福を心よりお祈り申し上げます。また、被害を受けられた皆様に対しましても心からお見舞いを申し上げます。  さて、県内の被害状況の全容でございます。  台風18号の影響により、9月15日から降り始めた雨は16日まで降り続き、この2日間において大津市の葛川、東近江市の御在所、神崎など、600ミリを超える雨が降った地域もあり、県内の各地で被害が出ました。  人的被害については、今ほど申し上げました栗東市の下戸山で土砂による家屋の崩壊により71歳の女性が1名お亡くなりになり、大津市の石場では土砂の流入により男性が重傷を負われております。  住宅の被害については、栗東市における全壊3棟を初めとして、床上浸水304棟、床下浸水823棟の被害の報告を受けております。  16日には、高島市において床上浸水のため、取り残された27世帯の住民救助のため、自衛隊に災害派遣要請し、全員を救助していただきました。  避難指示等の状況については、12市3町において避難指示が2万5,803世帯、6万6,838人に、また、避難勧告が3万3,847世帯、9万3,802人に出されました。この指示を受け、県内で9,162人の方が避難され、栗東市では現時点において1世帯4名の方が避難されておられます。  このほか、県が管理している道路については、雨量超過、のり面崩壊等による通行どめが、最も多かった時点で59路線ございました。現時点における通行どめは、国道3路線、県道19路線となっております。現在、契約業者による土砂撤去などの応急復旧工事、また、協定に基づき建設業協会へ応援要請を行い、応急対応をしております。  河川の被害については、金勝川や鴨川の決壊のほか、大戸川、野洲川など県内全域にわたり、堤防、護岸の損壊等が発生をいたしました。全120カ所を確認しておりますが、さらに調査中でございます。決壊箇所については応急工事を実施しております。  交通機関については、信楽高原鐵道および京阪電鉄京津線において不通となっており、バスによる代行輸送等が行われております。  下水道については、湖南中部流域処理区および高島処理区においてポンプ施設の浸水により機能が停止し、該当市町の皆様に下水道の使用自粛要請をお願いいたしました。現在では運転を再開し、自粛要請は解除しております。  水道施設については、高島市、栗東市の一部で断水し、タンク車等による給水活動を行っております。  農業・水産業関係については、冠水等による農作物の被害面積は1,658ヘクタール、ビニールハウスなどの施設で444カ所、農地や水路などで490カ所、水産施設で12カ所の被害を確認しております。関係者の懸命な排水作業により冠水、浸水した農地は減少してきておりますが、引き続き被害の実態把握とともに、農業者等への技術指導を行っております。  森林被害については、山腹崩壊が栗東市下戸山、安養寺のほか県内で27カ所、林道は現在調査中ですが、141路線において395カ所ののり面崩壊等の被害を確認しております。  文化財については、国指定文化財で15件、県指定文化財で2件の被害を確認しており、復旧に向けた修理の検討を進めております。  県内企業については、現時点で7市町において被害を確認しており、他の市町について現在も調査を行っております。  なお、引き続き被害の全容の把握に努めてまいります。  2点目の県の災害対策本部の設置がおくれたのではないのかとの御質問でございます。  9月15日18時48分に、近江南部、甲賀、近江西部を対象とする大雨警報が発令され、県ではこの時点で警戒2号体制を立ち上げました。同じく9月15日23時15分には、県内市町の警戒本部等設置状況、守山市、栗東市、湖南市、日野町、甲良町の3市2町や、土砂災害警戒情報の発令状況、栗東市、甲賀市、湖南市の3市等から災害発生のおそれがあると判断をし、副知事を本部長といたしまして、各幹事課長を本部員とする滋賀県災害警戒本部を設置いたしました。  翌16日5時5分に大雨特別警報が県内で発令され、6時50分に県内複数箇所で行方不明者が発生しているとの情報を得たことから、知事を本部長とし、各部局長を構成員とする災害対策本部を7時17分に設置いたしました。  県としましては、特別警報が発令された時点では既に警戒本部による警戒体制をとっていたところでございます。その後の気象情報や関係機関からの被害情報をもとに、県下全域に被害が拡大するおそれが生じたため、対策本部を立ち上げ全庁的な対策をとったものでございます。  今回の特別警報への対応については、しっかり検証し、今後に生かしてまいりたいと考えております。  3点目の自衛隊への災害派遣要請についてでございます。  まず、今回の海外出張を初め、長期出張に当たりましては、常に連絡先を明らかにし、必要な指示ができる体制をとっております。随時、メールあるいは国際電話で被害情報や県の対策についての情報を受け取り、対応を指示してまいりました。9月15日から16日につきましては、中国広州において徹夜で情報のやりとりをさせていただきました。  そういう中で、自衛隊への災害派遣については、9月16日7時5分に高島市から提出された災害派遣要請の文書を受け取りました。県ではこの要請を受け、被災地の状況や、そこでの警察、消防の活動状況ならびに自衛隊の出動態勢の準備状況を調整し、公式に9時に県から派遣要請を行ったものでございます。  4点目の県の災害対応への反省と危機管理に対する考え方でございます。  情報の収集については、災害対応のため県への被害情報の報告が困難となる市町が生じることから、今回、避難判断水位を超えた河川のある市町に対しては、県職員を派遣するなどの対応をとりました。しかしながら、今回の災害情報の収集には、かなりの時間を要したことから、特別警報や大災害への対応をしっかり検証し、今後に生かしてまいりたいと考えております。  災害や事故はいつどこで発生するかわからないということを改めて肝に銘じて、今後の危機管理に全力で当たっていく所存でございます。  次に、5点目の今回の河川災害に鑑みて、県内の河川整備のおくれがないかとの見解でございます。  県が管理する河川において破堤や溢水による被害を受けられた皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
     台風18号は、数十年に一度の降雨量となる大雨が予想されるとして、気象庁から大雨に関する特別警報が出されたように、本県にとって戦後最大規模に相当するような大雨でございましたが、改修済み区間については大きな被害が見られず、一定の改修効果は確認されたと理解をしております。  一方で、河川災害の多くは、整備途上の未改修区間において発生をしております。河川整備の進捗率は、平成24年度末において時間雨量50ミリメートル相当以上の改修を必要とする要改修延長、約1,260キロメートルに対して55.6%で、この1,260キロメートルは全国的に見ても大変長い対象区間となっております。また、この55.6%は全国的に見ても決して低い状況ではございません。  今回の天井川の破堤を含む災害の状況を十分検証いたしまして、中長期整備実施河川の検討結果とも考えあわせ、一層効果的で効率的な河川整備を推進してまいります。特に、天井川については、これまでからTランク河川として全国的にも先駆けて堤防補強を行ってきたところでございますが、今回の破堤災害を踏まえて重点的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、6点目の全閉操作に対しての対応でございます。  今回の豪雨により、天ヶ瀬ダムへの流入量が洪水調節を開始する毎秒840トン以上となったことから、瀬田川洗堰操作規則第15条の下流淀川の洪水流量の低減に関する規定に基づき、16日午前2時半から全閉操作が行われたと理解をしております。この際、操作規則に基づき、国土交通省琵琶湖河川事務所長から事前通知を受けており、操作規則に基づく操作であることを確認しております。また、全閉中も天ヶ瀬ダムの流入量、貯水量や琵琶湖水位などを確認しながら、早期に全閉を解消し、放流量を増加するよう申し入れを行っております。  知事としては、全閉操作は琵琶湖水位の上昇を伴うものであることから、国に対し、全閉操作に伴う琵琶湖周辺の農地や住宅地への浸水被害を最小限に抑えるとともに、琵琶湖の水位を速やかに低下させるため、引き続き天ヶ瀬ダム再開発や宇治川の改修の促進を強く求めていきたいと考えております。  次に、7点目の復旧費用の見込みと今後の取り組みでございます。  現在、各部局に対し、今回の被害の状況を把握の上、必要な経費を至急取りまとめるよう指示をしており、財政当局へは追加の補正予算編成を急ぐよう、あわせて指示をしております。現時点では、今回の災害に関連する補正予算の規模について取りまとめ中でありますが、必要な予算についてはしっかり確保し、できるだけ早く議会へ提案をさせていただきたいと考えております。  次に、8点目の信楽高原鐵道の被害に対する県としての支援でございます。  信楽高原鐵道が本年4月から上下分離方式による新たなスタートを切った矢先に、このような事態となり、まことに痛恨のきわみでございます。一日も早い復旧が待ち望まれます。  議員御質問の県としての支援ですが、まずは被害状況の正確な把握が重要であります。このため、被災当日の9月16日に、杣川橋梁が流出した事態を受け、直ちに担当課長を被災現場に派遣し、現地確認を行うとともに、甲賀市役所において、副市長であるSKR社長と被害状況や今後の対応について情報交換を行いました。この内容については、被災当日の深夜に県庁にて詳細に報告を受け、引き続き状況把握を行うよう指示を出しました。翌17日には、担当課長および課員が、杣川橋梁を初め、主だった線区の被害状況をSKR社員とともに確認をいたしました。  私自身も、被災2日後の18日に崩落した杣川橋梁の現地確認を行うとともに、甲賀市長やSKR社員から被害状況をお聞かせいただき、状況把握を行いました。現在、甲賀市、SKRとで把握している被害の状況でありますが、杣川橋梁の流出のほか、のり面崩壊6カ所、土砂等流入10カ所など、被災箇所は計25カ所となっており、引き続き、甲賀市、SKRとともに被害状況の把握を行ってまいります。  こうした状況把握とあわせ、国への支援要望が重要であります。18日早朝には、栗東市内の被災地を視察された内閣府の西村副大臣にお出会いをし、信楽高原鐵道含め、本県の被害状況について直接お伝えするとともに、緊急要望書を手渡し、台風18号に係る災害対策について国の支援をお願いいたしました。翌19日には、副知事が国土交通省を訪れ、事務次官等に直接支援を要望いたしました。  また、国土交通省鉄道局、近畿運輸局鉄道部には被害状況を報告するとともに、国の補助制度に係る情報収集を行っております。今後とも、これら機関と連携を図るとともに、JR西日本からは力強い技術的支援の申し入れもいただいております。鉄道施設を保有する甲賀市が早期に復旧事業に着手できるよう、県としても全力で必要な支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、9点目の激甚災害指定に向けた決意でございます。  激甚災害の指定は、中央防災会議の定める激甚災害指定基準および局地激甚災害指定基準によることになります。今後、指定基準への該当が見込まれる場合、速やかに指定していただけるよう、9月18日に内閣府西村副大臣に緊急要望いたしました。このため、まず指定基準に該当するかどうか、公共土木施設や農地等の被害についても、その全容の早期把握に全力を尽くしてまいります。  次に、大きな2問目の新年度予算編成についてでございます。  5点の御質問のうち、まず1点目の本県の経済動向についての認識でございます。  直近の経済指標から見ますと、県経済の動向は、昨年11月ごろからの円安の傾向や経済対策の効果などを反映し、生産動向や個人消費などについては持ち直しつつあると分析をしております。一方で、雇用情勢は緩やかに持ち直しているものの、依然として厳しい状況にあることから、より一層景気が上向き、県税の増収が見込めるよう地域経済の活性化に引き続き取り組んでまいります。  2点目の基本構想や行財政改革方針の総括でございます。  まず、基本構想については、基本構想の折り返し点となる平成24年度末の進捗状況としては、31の成果指標のうち、目標の半ば以上達成したものが、男女共同参画センターの支援を受けて活躍する女性の数や、安全、安心な通学路整備計画の策定など、約3分の2の21指標となっております。全体的には所期の目標に向けて順調に進んでいると評価をしております。  一方で、琵琶湖漁業の漁獲量や観光客数など、前年度を下回った指標もあり、基本構想の仕上げの年となる平成26年度に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  次に、行財政改革方針についてですが、平成25年度の知事部局の職員定数は、22年度との比較で104人の減、外郭団体数は、平成21年度の30団体から23団体に、公の施設は、70施設から58施設にそれぞれ減少いたしました。また、財政面では、平成22年度と平成25年度の6月補正後を比べますと、財源調整的な基金残高は、147億円が225億円に増加する一方、臨時財政対策債を除く県債残高は、7,245億円が6,702億円に543億円減少すると見込んでおります。  このように、これまでの財政健全化に向けた取り組みの成果が着実にあらわれているものと考えております。  3点目の県庁としての最高のパフォーマンスが発揮できているかについてでございます。  定数削減や給与カットなど、大変厳しい状況が続く中にあっても、職員は、重点施策での効果的な政策づくりや、あるいはゼロ予算での知恵だし汗かきプロジェクトなど、さまざまな工夫をしながら、県民サービスの向上に取り組んでおります。この連休中も、台風18号による被災地の復旧支援や災害関連の補正予算の編成作業などに休日を返上して一生懸命頑張ってもらっております。  4点目の投資的経費の状況への認識であります。  本県では、平成10年度以降、時々の財政状況を踏まえ、6次にわたる財政構造改革を進めております。その中で、投資的経費については、事業の緊急性や必要性を十分見きわめながら、重点化や効率化を図ることとし、可能な限り県債発行額の抑制に努め、財政の健全化を図っております。  このような中、近年多発する災害に対し、県民の不安が広がっていることから、県民の安全、安心につながる分野、例えば、防災減災のためのインフラ整備や交通安全施設の整備、また、県立高等学校の耐震対策などに重点的に取り組んでおります。引き続き、緊急性、必要性を十分見きわめながら、投資的経費に必要な経費についてはしっかりと確保してまいりたいと考えております。  5点目の地域の元気基金の活用であります。  これまで、地域の元気臨時交付金を活用して実施してきた事業と同様、県民の安全、安心につながるハード整備等に重点的に活用したいと考えております。これらの事業については、県内事業者の受注機会の増加につながることから、基金の設置趣旨である地域経済の活性化および雇用の創出にも寄与するものと期待をしております。  次に、大きな3点目の新生美術館についての6問の御質問にお答えいたします。  まず、新生美術館の3つの柱がどのように「美の滋賀」の実現につながるのかとのお尋ねでございます。  「美の滋賀」の魅力は県内至るところにございます。実に滋賀の美の魅力は奥深く、それらを一つ一つ現場を訪れてもらって体感していただくことこそ究極の目標でございますが、そのためにも、それらのエッセンスをぎゅっと凝縮して伝える入り口となるオリエンテーションポイントが必要であります。  「美の滋賀」の3つの分野といたしましては、歴史の表舞台にあった滋賀の時の重みを秘める仏教美術、2つ目には、戦前から今につながる、進取の県民性から生まれた近代美術や現代美術、そして3つ目に、多くの人のつながりから生まれ育まれてきたアール・ブリュットと、3つの柱それぞれが滋賀県ならではの県民性や風土の結晶であると考えております。新生美術館では、これらの魅力、いわば滋賀の真髄に接するとき、多くの人がその底に流れる精神の豊かさに気づいていただけるものと私は考えております。  次に、2点目の建設コストと来館者数の算出根拠でございます。  新生美術館の施設整備費用については、新館の建設費用と現在の近代美術館の施設の改修費用を合計したもので、近年、全国で整備された美術館等の事例に基づいて試算し、上位の場合で約56億円、下位の場合で約36億円と想定をいたしました。具体的な整備費用については、今後、基本計画の方針に沿って、施設、設備の機能や配置、施設構造、立地条件等を検討し、工事経費の変動状況等も踏まえつつ検討していくこととなります。  また、目標とする来館者数については、現在の近代美術館の数値は、教育普及事業の参加者も含めて約13万人でございます。この数値に17万人をプラスして30万人としたものでございます。17万人の内訳といたしましては、コレクション展示、企画展示の充実で約9万人、キッズルームやレストラン、ショップ等、無料エリアの充実等で約2万人、来館者の増により約6万人ということで、合計17万人を積み上げ30万人としたものでございます。  次に、3点目のびわこ文化公園そのものの魅力向上のための新たな整備についてでございます。  新生美術館は、びわこ文化公園の緑豊かで広がりのある空間の中に立地するという特徴を積極的に生かし、公園全体を美術館とみなして運営することを想定しております。美術館の施設と公園の魅力や機能向上の整備を一体的に行う必要があると考えております。  具体的には、屋外でのアート作品の展示やイベントの開催などが可能となるよう改修を行うほか、駐車場の増設や園路のバリアフリー化対策なども進めてまいります。また、アクセスルートにおいて美術館を認知してもらえるよう、案内表示の改善を行い、特に瀬田駅周辺においては交通機関や地域と協働して、美術館最寄り駅としての演出に取り組みたいと考えております。  びわこ文化公園都市には、美術館を初めとする文化芸術施設のほか、大学などの知的資源や福祉施設などが集積し、また、高速道路の結節点であるなど、非常にポテンシャルの高い地域であります。このポテンシャルを生かすため、びわこ文化公園都市将来ビジョンを策定し、その実現に向けて取り組んでおり、新生美術館の整備とともに、立地施設や地域、県民、企業等と連携しながら、情報発信にも努め、まちとしての熟成を図ってまいりたいと考えております。  次に、4点目の御質問の作品の購入でございます。  作品の収集によるコレクションの形成は、美術館の生命線の一つともいえ、大変重要な部分であります。特に新たな美術館をこれから整備していく上で、そのシンボルや核となる作品を収集していくことが必要です。これまでも寄贈や寄託によりコレクションの充実に努めてまいりましたが、購入の再開に向けて積極的に検討してまいりたいと考えております。  次に、5点目のアール・ブリュット作品の収集、展示、評価についてでございます。  作品の収集については、造形現場である施設職員の気づきや、公募展などで発掘された作品の情報を美術館で蓄積しつつ、寄贈の申し入れや売却の打診等、所有者側から何らかの意思表示があったものについて、収集の可否を判断していくものと考えております。  その手順は、これまで近代美術館で行ってきた作品収集の手順と同様に、学芸員が必要に応じて専門家からアドバイスを受けながら調査し、収集審査会の審議にかけて収集の可否を決定するものでございます。  展示については、現在の近代美術館で常設展示を行っている郷土ゆかりの作品を含む近代美術と現代美術の2分野に加え、新たに仏教美術およびアール・ブリュットの2分野についても常設の展示空間を設けたいと考えております。作品によってふさわしい展示環境となるよう、各展示空間はそれぞれ独立させることが基本と考えておりますが、既存館を含め、各室の配置、面積は今後の設計の段階で決定してまいります。  評価については、芸術性評価と価格評価の二通りの意味があると考えております。美術館に収集すべき作品であるかどうかの芸術性評価は、経験豊かな専門家が数少ないながらも全国におり、その方々に協力いただきながら判断できるものと見通しております。一方、価格評価については、議員御指摘のとおり、作品が限定的な市場にしか流通していない中で、どのように評価するのか、課題として認識をしております。今後なるべく早く、有識者を交えて価格評価の方策についての検討を進めるとともに、この検討を踏まえて、収集全体の仕組みづくりも進めてまいりたいと考えております。  次に、6点目の3つの柱をどのようにコーディネートして館を運営していくのかでございます。  冒頭の質問でお答えしたとおり、3つの柱の基盤には、「美の滋賀」を形づくる滋賀県としての共通の県民性、風土がございます。したがって、それぞれの柱を確立すると同時に、それらをコーディネートして新しい活動を生み出していくことが新生美術館の運営の基本であると考えております。  そのために、まず何より重要であるのは、美術館が柱とする分野に関する必要な知識や経験を有する学芸員を初めとした職員が確保されて、みずからの専門分野について日ごろより調査研究を行うことであると考えております。また、それらの職員を統括する幅広い見識や経営感覚を持った館長がリーダーシップを発揮し、柔軟かつ機動的な館運営を行うことや、戦略的な広報、マーケティングの取り組みが重要であると考えております。  今後、新生美術館が展覧会やさまざまな事業を実施していく際には、それぞれの学芸員の専門性を踏まえた上でテーマを掘り下げるとともに、分野横断的な要素や外部との連携もあわせて取り込み、展示やイベントに反映し、「美の滋賀」の魅力を凝縮して伝える入り口としてのオリエンテーションポイントとしての役割を果たしていきたいと考えております。  次に、大きな4問目の内湖再生についての5点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の内湖の再生に当たって、どう取り組みを目指しているかということでございます。  ことし3月に、内湖の再生に向けた道筋を示すものとして、マザーレイク21計画第2期計画にも位置づけた内湖再生全体ビジョンを策定いたしました。このビジョンの中で、琵琶湖流域の生態系を支える価値を持つ内湖の再生に当たっての基本理念を内湖の価値を再発見し、琵琶湖や人とのつながりをつくる内湖づくりと定め、内湖の機能を再生する方針を示したところでございます。  議員御指摘のように、これまで多くの内湖が食糧増産などのため失われ、残された水域の環境や内湖と地域とのつながりも大きく変化をしております。また、それぞれの内湖は、流域、魚種、水生植物といった自然的状況や、漁場、レジャー利用等といった社会的状況も異なり、一つ一つに個性があり、解決すべき課題も異なっております。したがって、個々の取り組みは、地域の方々の声を聞かせていただき、関係者の合意を得つつ、効果を検証しながら進めていく必要があります。このことを踏まえ、多くの関係者が主体的にかかわり、内湖の多面的な価値を共有しながら、内湖本来の機能再生が図れるよう取り組んでまいりたいと考えております。  2点目の内湖再生の課題解決に向けた見解でございます。  まずは地域特性を踏まえた価値の再発見についてでございます。  取り組みの一つとして、NPO、企業、市町、県など、関係者が参画し、内湖の歴史、水質、生態系、暮らしとのかかわりなど、内湖の多面的な価値を再発見し、つながりの再生に向けたモデルを構築していくため、今年度より取り戻せ!つながり再生モデル構築事業を実施しております。  次に、財源の確保についてですが、関係者間の役割分担のもとに、それぞれが確保する必要があり、県としては、環境省の自然環境整備交付金などを活用しながら、必要な事業を進めてまいります。  さらに、内湖は琵琶湖と一体の生態系を構成しており、ひいては淀川流域圏の生態系、生物多様性に貢献するものであります。現在、自民党国会議員により結成された琵琶湖の環境改善を促進する議員連盟で検討が進められている琵琶湖再生法案の制定により、国の積極的な支援が得られるよう、私としても力を尽くしてまいりたいと考えております。  各種の法令など、制度上、技術上の課題については、県が主体となり、関係部局間の調整を行うとともに、専門家の助言をいただきながら対応してまいります。  また、持続的な取り組みの仕組みについては、地域住民に加え、NPOや企業、行政機関、研究者がそれぞれの強みを生かして内湖再生に貢献できる場をつくることが必要であります。県としても再生の取り組みが持続されるよう、それぞれの主体をつなぐとともに、県みずからの役割を果たしてまいります。  次に、3点目の早崎内湖について、ビオトープ化されたエリアでの生態系の再生と生物調査の成果でございます。  ビオトープ化されたエリアについては、地元の協力もいただきながら、生物環境モニタリングや自然観察会を継続して実施し、内湖再生による効果を検証してまいりました。生物環境モニタリングの結果、これまでに植物が421種、鳥類が125種、魚類が24種、そのうち在来魚が20種、それぞれ確認をされました。特に魚類については、フナ、コイ、モツゴ、ドジョウの稚魚や幼魚が確認され、ビオトープを繁殖の場として利用していることが示唆されております。また、ニゴロブナなどの温水性の魚類の餌となるミジンコなどのプランクトンは、琵琶湖と比べても極めて多様で豊富であることが確認されております。早崎内湖の再生によって、琵琶湖生態系の回復の効果が十分期待できることが明らかとなっております。  次、4点目の地元の方々の思い、内湖再生にかける期待をどう受けとめているかについてでございます。  議員御指摘のように、県財政は非常に厳しい状態が続いております。また、内湖再生は完成までに長期間を要することなどから、早崎内湖は当初計画の86ヘクタールから20ヘクタールに事業面積を縮小させていただきました。かつての内湖の姿がフルによみがえるものと大きな期待を寄せていただいていた地元の皆様には、計画の変更、縮小に当たって、大変な御心労、御心配をおかけしてしまいました。それにもかかわらず、20ヘクタールでの内湖再生を行うことについて御了解をいただいた地元の皆様に心より感謝を申し上げます。  また、地元の方々には、自然観察会などに熱心に取り組んでいただいております。その中で、今後とも、生き物がにぎわい、子供たちの学びとなるような内湖再生をぜひ実現してもらいたい、その協力もさせていただくとのお声もいただいております。こうした地元の方々の思いを重く受けとめ、御期待に沿えるようピッチを上げて内湖再生事業に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、5点目の今後のスケジュールについてお答えいたします。  今議会に提案をしている事業用地の取得をお認めいただきましたならば、今年度中に、地元の方々の意見を踏まえて、内湖の再生に向けた実施計画を作成する予定でございます。来年度以降は、具体的な工事の実施設計を行い、平成27年度より順次着手してまいります。モニタリングを実施しつつ琵琶湖と内湖の間を魚類が行き来できるゲートの設置や、生物に配慮した護岸の整備などを段階的に進め、平成35年度の完成を目指しております。  なお、事業の実施に当たりましては、環境省からも継続的な財政支援を前向きに検討いただいており、生態系再生の効果を確認しつつ、順応的、段階的に進めてまいりたいと考えております。  次に、大きな5問目の社会保障制度についての9点の御質問にお答えいたします。  1点目の社会保障制度改革国民会議の報告書についての県の受けとめでございます。  今日の長寿社会の実現は、皆保険、皆年金を初めとした我が国独自の充実した社会保障制度のおかげと考えております。このすばらしい社会保障制度をしっかりと将来世代に伝えていくことが重要でございます。  こうした中、まとめられた今回の報告書でのポイントは、大きくは2点あると考えております。まず1点目は、社会保障費が経済成長を上回って継続的に増大する中で、国民の負担増大は不可避であり、全ての世代がその能力に応じて支え合うという点であります。2点目は、21世紀日本モデルの社会保障を目指し、これまでの高齢者世代中心の社会保障から、子育て支援も含めた全世代を対象とした社会保障への転換という点であります。  本県では、全国の都道府県においては、先駆的な取り組みとして重点施策にも入れさせていただいております在宅医療福祉、在宅みとりを進めてまいりました。こうした取り組みは、今回の報告書で、病院完結型医療から地域完結型医療への転換、いわゆる御当地医療の推進として取り上げられており、本県のこれまでの取り組みがしっかりと評価されたものと考えております。  今回の報告書を受け、まずは将来にツケを回すことなく、そして、我が国の貴重な財産である社会保障制度を、次代を担う子供たちに確実に引き継げるよう、県としても引き続き御当地医療福祉を初めとした取り組みを進めるとともに、必要に応じ、国に働きかけをしてまいりたいと考えております。  2点目の国民健康保険の都道府県移管についての今後の対応でございます。  国民健康保険の都道府県移管については、高齢者や低所得者が多いことなどにより、構造的に厳しい運営状況をどのように解決するのか、収納率や保健事業などの市町の運営努力が生かされる仕組みをどうするかなどの課題があると承知をしております。  県では、これまでから、国保の都道府県単位化に関して、保険料や医療費の適正化、組織体制などについて、問題意識を持ちながら、県と市町等で構成する滋賀県国民健康保険広域化等協議会において情報共有や課題整理を行ってまいりました。現段階では、国から国保の構造的な問題の解決方法や県と市町との役割分担など、具体的な制度設計はまだ示されておりませんが、9月9日の社会保障審議会医療保険部会において、平成29年度までに国保を都道府県に移管するというスケジュールが示されました。  今後、国保の都道府県移管に向けて、被保険者等にも混乱を招くことなく、また、県と市町と体制や経費にも配慮する中で、本県として最もよい形となるよう、県と市町の役割分担や運営方法などについて、広域化等協議会において検討し、必要に応じて国に要望してまいりたいと考えております。  次に、3点目の子ども・子育て新制度の施行に向けた県の取り組み状況でございます。  県では、昨年度から、市町や関係団体を対象に制度説明会や意見交換会を開催するなど、積極的な情報提供および情報交換に努めてまいりました。この4月以降、国において子ども・子育て会議が設置され、制度の詳細が順次提示されております。実施主体である市町や関係団体において円滑に準備が進められるよう、迅速かつ丁寧な情報提供に努めるとともに、国に対しても保育の質の改善を要望、提案するなど働きかけを行ってまいりました。  また、新制度に向けた県としての子ども・子育て支援事業支援計画を平成26年度に策定する必要があり、本県においては、子ども・若者育成支援に関する県の総合計画、淡海子ども・若者プランを既に先駆的に進めており、この中に一体的に位置づけたいと考えております。これを検討するため、新たに滋賀県子ども若者審議会を設置し、第1回の開催に向け、現在準備を進めているところでございます。  この審議会においては、学識経験者や子育て当事者、子育て支援関係者など幅広い参画を得て、子供が生まれる前から自立するまでの切れ目ない支援について議論いただくとともに、各市町とは丁寧な意見交換や協議によって状況把握と助言に努め、これらを通じて広域自治体としての県計画の策定につなげてまいりたいと考えております。  次に、4点目の待機児童解消に向けた本県の課題と今後の取り組みでございます。  待機児童の解消に向けては、安心こども基金を活用して、市町が行う保育所整備を積極的に支援してきております。平成21年度からの4年間で2,290人分の定員増を図ってまいりました。しかしながら、都市部を中心に待機児童の解消には至っておりません。さらに、本県においては、低年齢児の保育所利用率が全国平均より低いことなどから、都市部を中心とした潜在的な保育ニーズには大きなものがあると推測されます。  このような中、平成27年4月からの新制度に向けて、現在、市町がニーズ調査に取り組んでおります。この調査結果をもとに、来年度、各市町が策定する子ども・子育て支援事業計画に、地域の実情に応じたサービス料が適正に盛り込まれるよう、きめ細かい助言等を行ってまいります。さらに、策定された計画の着実な推進を支援し、待機児童解消に取り組んでまいります。また、保育所整備と両輪で取り組むべき保育士確保についても、今後とも県の役割として積極的に取り組んでまいります。  次に、5点目の保育園の急激な増設や多様な主体の参入による保育の質の低下への懸念についてであります。  県では、保育所の認可に当たっては、施設基準、保育の基礎となる保育課程の内容、保育人材の確保など、保育の質が確保されるよう、丁寧な審査を行っております。また、社会福祉法人以外が設置主体となる場合には、これらに加えて、直近の3カ年財務諸表による経済的基礎の状況や経営者の社会的信望など、ヒアリング等も行い、設置主体の適性について審査を行うこととしております。  なお、認可後においても、指導監査等において、運営状況はもとより、児童の処遇等も含めた丁寧な指導に努めているところであります。  こうしたことによりまして、設置主体にかかわらず、一つ一つの保育所の保育の質が確保され、安定的に運営されるよう努めているところでございます。  次に、6点目の民間保育園新設に係る予算計上をめぐる大津市とのそごについての認識でございます。  大津市においては、待機児童が特に多く、その解消のため、保育所整備による定員増に積極的に取り組まれております。その中で、平成25年度予算においても、大津市から690人分の定員増を図るべく事業計画の協議があり、県としては、市町の保育所整備を積極的に支援する考えのもと、県予算に計上してまいりました。  しかしながら、その後、大津市の予算編成の過程で、一部事業について当初予算計上が見送られました。このことについて県に報告がなされておらず、その結果、県予算とのそごを生じたことはまことに残念であると考えております。  次に、7点目の保育士確保、質の向上の課題をどのように認識し、支援していくかでございます。  保育士については、議員も御指摘のように、大変多忙で責任が重い割に処遇が低いことなどから、就労率が低く、離職率が高い実態があり、保育士不足は年々大変深刻となっております。保育士の確保、質の向上は喫緊の課題であると、かねてより県としても認識をしております。  そのため、県では、これまで全国に先駆けて保育人材バンクによる潜在保育士の就職支援を実施してまいりました。また、本年度からは、新たに離職防止や新卒者の就職支援を行う保育士・保育所支援センターを設置するとともに、保育士修学資金貸付事業、保育士の処遇の改善、また、保育士の就職フェアなど、新たに取り組んでおります。  さらに、保育士の質の向上については、従前から滋賀県保育協議会が行う体系的な研修や市町が行う地域に応じた研修事業への支援、県の保育指導員による訪問指導などを行っております。
     こうした取り組みを中心に、今後とも保育士の確保、質の向上にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、8点目の放課後児童クラブの拡充にどのように取り組んでいくのかでございます。  放課後児童クラブは、その施設環境、受け入れ規模、職員数、職員の資格状況、職員への研修の状況など、各クラブによってさまざまであるのが現状でございます。仕事と子育ての両立支援にとって、放課後児童クラブは大変重要な事業であります。今後より一層、その拡充に取り組んでいかなければなりません。そのため、県としては、放課後児童クラブの実施主体である市町に対し、これまでから施設整備や運営に対する補助を行うなど支援をしてまいりましたが、今後も支援に一層努めていきたいと考えております。  特に指導員の研修については、県が行う子育て支援機関交流事業の中で、放課後児童クラブ指導員の研修となるような内容を設けたり、今年度からは団体が実施する研修会に協力するなど工夫をしておりますが、今後とも放課後児童クラブ指導員のさらなる質の向上について検討してまいります。  さらに、子ども・子育て支援新制度においては、市町が放課後児童クラブの設置および運営の基準をそれぞれ条例で定めることとなりますが、地域の状況を勘案しながら、県として必要な情報提供や助言等を行ってまいりたいと考えております。  次に、9点目の新制度の中で県の役割をどう捉え、責務をどう果たしていくのかとの知事の決意でございます。  子ども・子育て支援新制度は、質の高い幼児期の学校教育、保育の総合的な提供、保育の量的拡大および確保ならびに地域における子ども・子育て支援の充実を図ることを主眼としております。あるアメリカの研究者の事例によりますと、教育投資が一生の中で最も確実に効果があるのは未就学児の教育投資であるという結果もございます。そのような中で、県の役割としては、施策の実施主体である市町に対する支援とともに、専門的職員の確保および質の向上など広域的な対応が必要な施策や児童虐待防止対策など、特に専門性の高い施策などの実施を求められております。  県としては、今後とも市町やさまざまな主体との連携のもと、幅広い視点から、本県の未来を担う子供が安心して健やかに育つ「子によし」、親が子供を産むことに幸せを感じ、そして主体的に子育てをしていける「親によし」、結果として社会に活力がもたらされる「世間によし」という「子育て三方よし」社会を目指して、新制度に対応した県の役割を積極的に果たしてまいる覚悟でございます。  次に、大きな6問目の水環境ビジネスの推進についての3問の御質問にお答えさせていただきます。  まず1点目のフォーラムの設立に至った経緯や成果を踏まえた意義でございます。  滋賀県では、住民の高い環境意識、行政による規制や事業、これに応える企業の努力と技術開発が相まって、琵琶湖を初めとして水環境保全に取り組んでまいりました。そのような中で水環境分野における経験と技術が集積をしております。こうした企業や団体のすぐれた技術を本県経済の発展につなげるため、他県に先駆けて、平成10年以来、びわ湖環境ビジネスメッセを開催するなど、環境産業の振興と市場の拡大を図ってまいりました。  このような本県の特徴やこれまでの取り組みを踏まえ、産業振興戦略プランにおいても、成長が期待される戦略領域の一つとして環境分野を位置づけ、今後、さらに伸ばすべき分野として期待される水環境ビジネスに取り組むことといたしました。ことし3月に立ち上げたしが水環境ビジネス推進フォーラムは、具体的な事業展開をするためのプラットフォームとなるものであり、技術やノウハウを持った企業や団体と県や支援機関などが総力を結集し、プロジェクト案件の創出やチーム形成を行っていこうとするものであります。  2点目のフォーラムにおける取り組み状況であります。  しが水環境ビジネス推進フォーラムは、現在83の企業や団体に参加いただいており、セミナーの開催による最新のビジネス情報の提供や企業間の交流を図るとともに、水環境ビジネスコーディネーターにより、すぐれた技術を持つ企業の発掘と、水環境ビジネスへの参加の促進を行っております。また、ホームページの開設や、3カ国語によるメンバー企業の紹介冊子の作成により、国内外へのPRや、フォーラム企業間あるいは県外企業とのマッチングを進めております。  さらに、フォーラムでは、メンバー企業の参画による具体的なビジネス案件の創出を進めており、現在、中国湖南省、台湾の台南市、ベトナムにおけるプロジェクトの構築を進めております。このうち湖南省については、JICA事業による本年から実施している汚水処理分野における技術協力プロジェクトのほか、洞庭湖における環境モデル地区の形成プロジェクト、東江湖における水質モニタリング構想プロジェクトなどの技術協力を進めながら、ビジネスへの展開を目指すこととしております。  また、議員御質問の台湾台南市における工業団地の汚水処理の案件については、メンバー企業による訪問団により、現地での視察や商談を行い、ビジネスの具体化に向けた取り組みを進めております。さらに、企業から提案のあったベトナムにおいても、ニーズの発掘とプロジェクトの立ち上げに向けて、関係の機関と協議を進めております。  3点目の何を目指し、どのように取り組むのかであります。  議員御指摘のように、水環境ビジネスは21世紀の大変大きな世界的課題であります。世界の水企業との競争の中で、スピード感を持って当たることが不可欠であります。今回の台湾の案件についても、フォーラムの場を活用して、企業や行政が一体となり、相手側から提示されたニーズに対して適時的確に応え、先月には、現地へ企業とともに県職員を派遣し、相手企業はもちろん現地政府とも早期の関係構築に努めてまいりました。  本県の強みは、琵琶湖を中心とした水環境保全に、行政、企業、大学や研究機関、そして住民が一体となって取り組む中で蓄積された豊かな社会的知識や技術、経験があることでございます。私自身、アジア、アフリカの水環境の現場を日本水フォーラムの副会長としても訪問し、海外での水環境の現場の課題を研究してまいりました。その中で大きな課題は、水利用者の価格意識が低い場合には、上水はもちろん下水道もなかなか料金支払いが完結されません。となると、ビジネスそのものが運営できないという状態に特に途上国では陥っております。そういう中で、水の重要さを伝えるためには、環境学習が何よりも重要でございます。これは、これまで県が取り組んできた大きな他府県との、また他の自治体との違いであると、強みであると考えております。  そのような中で、滋賀県としては、商工観光労働部だけでなく、琵琶湖環境部など全庁が一体となって、こうした蓄積を琵琶湖モデルとして発信しつつ、フォーラムにおいて関係者との連携を図りながら、相手方の課題やニーズを発掘し、企業の技術のみならず、行政の取り組み、住民の環境学習なども含めた解決策をトータルに提案する中で、ビジネスにつなげる取り組みを展開してまいりたいと考えております。  ビジネスの推進とあわせて、世界の水環境問題の解決にも貢献することにより、琵琶湖モデルの存在感を高め、これがさらなるビジネス展開につながっていくといった好循環が生まれるよう、県全体として取り組んでまいりたいと考えております。  次に、大きな7問目の滋賀県流域治水の推進に関する条例案についての11の御質問にお答えいたします。  まず1点目のなぜ手法としてのダムが抜け落ち、洪水調節機能についての記述がないのかについてでございます。  条例案第9条第1号において、「ながす」対策のうち、河川整備に関する手法の例示として「河道の拡幅、堤防の設置、河床掘削等」と記載をし、洪水調節施設は「河床掘削等」に含まれております。ダムは治水対策の手段の一つとして認識をしておりますが、本県では、計画をしていた県営芹谷ダムや北川ダム建設事業について、公共事業評価監視委員会の評価を受けて、中止あるいは一旦中止としたところでございます。県としては、まずは河川を整備することにより、より早く低コストで治水安全度を上げることとしております。ダムは自然環境や地域社会への影響が極めて大きいことから、最後の手段と認識をしております。  次に、2点目の河川整備計画がそれぞれの河川で策定されていない理由でございます。  本県の河川整備計画は、県内を7圏域に分け、策定することとしております。現時点では4圏域、志賀・大津圏域、信楽・大津圏域、甲賀・湖南圏域、東近江圏域の4圏域が策定済みであり、湖東圏域および湖西圏域は、今年度内の認可申請を予定しております。  御指摘の高時川を含む湖北圏域は、国による丹生ダム建設事業の検証中のため、未策定であります。なお、河川整備計画が未策定であっても、全体計画、つまり旧河川法が有効な河川や、県単独費で対応している河川にあっては事業を継続して実施しております。今回、議員御指摘の課題となっております長浜市虎姫地区については、高時川や姉川の氾濫の想定ではなく、土地そのものが低く、田川の流出量不足による影響が大きい場所でございます。それゆえ、河川整備計画を待たずに田川の改修計画の検討に入っております。  次に、3点目の条例をよりどころにどのように河川整備計画の策定が進んでいくのかの御質問でございます。  条例案においては、第3条の基本理念で、河川の整備を流域治水の基幹的な対策と位置づけており、河川の整備を計画的かつ効果的に実施することとしております。第9条の河川における氾濫防止対策では、河川整備を推進するに当たっての県の基本的な考え方について明文化しております。  1として、河道の拡幅や堤防の設置等を計画的かつ効果的に組み合わせて行うこと。2として、流下能力を維持するための河川内の樹木伐採や堆積土砂のしゅんせつ等を行うこと。3として、天井川等のTランク河川で堤防の性能向上を図る改良を行うこと。  この9条に規定した河川整備の基本的な考え方をよりどころとして、各河川の特性を踏まえた具体的な整備計画を作成し、圏域ごとに河川整備計画として取りまとめることとしております。この河川整備計画に基づき、各河川において、河川の整備を着実に推進してまいります。  なお、河川整備計画が未策定であっても、先ほど申し上げましたように、旧河川法が有効な河川や、県単独費で対応している河川にあっては、事業を継続して実施していることは先ほど述べたとおりでございます。  次に、4点目の「ためる」対策は十分かとの御質問でございます。  「ためる」対策は、条例案第10条において、森林または農地の雨水貯留浸透機能の確保を、第11条において、公園や建物等の雨水貯留浸透機能の確保を明記しております。本条例では、県、住民、企業の対策について具体的に明記しており、「ためる」対策の記載は十分と認識をしております。  議員御指摘の兵庫県との違いでございますけれども、開発に伴う調節池の設置については、都市計画法に基づき既に実施をされており、これまで同様、県および市町が連携をし、適正に運用していくことから、本条例には位置づけをしておりません。  次に、5点目の河川整備を行った上で、なお危険が解消できない地域に対して規制をかけていくのが順序であり、危険区域の住民の皆さんの声をどのように受けとめていくのかとの御質問でございます。  議員御指摘のように、もちろん計画的な河川整備を引き続き強力に推進していくことは、県民に対するお約束でございます。条例案では、河川整備を基幹的な治水対策として明確に位置づけております。  河川整備では、一定レベルの安全度は確保できますが、施設整備だけでは対処し切れないような異常な豪雨が現在全国各地で頻発をしております。最近では、平成23年7月の新潟・福島豪雨、9月の紀伊半島を襲った台風12号豪雨、平成24年7月の九州北部豪雨、また、今回の滋賀県を襲った台風18号豪雨も本県の河川整備の目標を上回る降雨量でございました。  また、河川整備の途上においても、その時点の河川整備レベルを超える水害も起こり得ます。このような場合にあっても、人命にかかわるような壊滅的被害を回避するためには、「ながす」河川整備に加えて、「ためる」「とどめる」「そなえる」対策を同時に多重に実施することが重要でございます。「ながす」対策について規定する河川整備計画と、「ためる」「とどめる」「そなえる」対策について規制する対策とは並行して同時に策定されるべきものであると考えております。  議員御指摘のように、規制に対して反対の意見もあることは十分に重く受けとめております。ただ、一方では、早く制度をつくってほしいといった御意見もあり、水害に強い地域づくり協議会を進めてきた地域の人たちや、今回、浸水被害を受けた住民の方や、何人かの首長から伺っております。このため、まずは土砂災害防止法による土砂災害警戒区域の指定制度と同様に、ハード対策では対処し切れない部分については、条例制定により、命を守る安全な住まい方への誘導などのソフト対策を講じる仕組みを構築することが大切であると考えております。その上で、個別の地域指定については、御理解いただけるよう何度も丁寧に説明するとともに、地域社会の皆さんや首長の御意見を十分にお聞きし、理解を得た上で区域指定を進めていきたいと考えております。  次に、6点目の危険地域が偏在する中で、どうしても建築規制で対応しなければならないのか、その理由についてでございます。  河川整備では一定レベルの安全度は確保できますが、施設整備だけでは対処し切れないような異常な豪雨が全国各地で頻発していることは先ほど述べたとおりであります。このような異常豪雨が頻発する状況を踏まえて、治水関連施設の能力を上回るような洪水に対しても、命を守る対策として、住宅の耐水化、つまり垂直避難、あるいは緊急時の避難場所確保、これは水平避難といっておりますが、これらを内容とする建築制限はぜひとも必要なソフト対策と考えております。地先の安全度マップで浸水リスクの高さが明らかになった地域については、既にそこに住んでいる方の安全性を確保するため、「ながす」対策を初めとする対策を重点的に実施する必要があると認識をしております。特定の地域の安全度向上に、県民の皆さん全員からいただいた税金を投入するためには、まずは、浸水リスクの高い区域であることを法的に根拠のある手続により明らかにし、区域指定をする必要があり、税金投入の根拠となるものでございます。  一方、既存住宅がない区域を含めれば、浸水危険区域となり得る200年確率の降雨で3メートル以上の浸水が予測される区域は、どの市町にも存在をします。既存住宅がない区域、また、既存の集落の付近にある水田等の低地に、新たな住宅等が水害リスクに無防備なまま建築されることがないよう、安全な住まい方への工夫が必要な区域として建築制限をかけるべきであると認識をしております。水害リスクを盛り込んだ結果、地価が周囲より相対的に低くなることが万一発生したとしても、結果的に、新規住民や社会的弱者がこの危険な区域に居住することがあってはならないと考えております。滋賀県全体を子供たちの世代に水害に強い地域として残したいという思いが、安全な住まい方への確実な誘導という建築制限を導入する理由でございます。  次に、7点目の浸水危険区域において自宅に住んでいるだけで何の落ち度もない住民に規制や罰則をかけることに十分に理解が得られているのかとの御質問でございます。  本条例では、自宅に住んでいるだけで何の落ち度もない住民に制限や罰則をかけることはございません。建築規制の内容は、今後、新築や増改築する際に、いざというときに命を守るために、2階の床面または屋上の高さが想定水位よりも高い位置にあるか、または平屋建てであっても付近に有効な避難場所があるかどうか等を確認する許可制度にすることでございます。また、増改築時に耐水化、つまり水に強い住宅に改善するための助成制度を用意し、できる限り当該住民の負担を少なくするものであります。罰則は、その許可制度を経ずに、子や孫が安心して暮らせる建築がなされなかった場合に適用するものであります。  これまで、地先の安全度のようなリスク情報が明らかにされなかったために、結果として、何の落ち度もない住民の皆さんが、建築基準法や都市計画法に基づく住民を守る既に存在する諸制度が適用されず、水害に対して無防備な箇所にお住まいになり、あるいは水害に無防備な福祉施設等に入居をして被害を受ける事例が後を絶ちません。滋賀県内はもちろん、近畿圏各地で水害被害調査を長い間、私自身行い、被災者の生の声を聞き取ってきた立場といたしましては、リスクを知らずに住宅投資をして結果的に困難に陥る、あるいは命の危険にさらされることはあってはならないと強く念じております。  これに対して、適用可能なあらゆる対策を講じて、安全性を確保するのが行政としての責務であります。今回の建築許可と助成制度は、何の落ち度がないにもかかわらず、危険にさらされている住民の皆さんや子や孫たちが、将来にわたってその場所で安心して暮らしていただくための人々の暮らしと命を守る仕組みでございます。  ただ、議員御質問のように、まだまだ十分に条例の趣旨が御理解いただけていない地域があるのも確かでございます。危険区域にお住まいの住民の皆さんの御理解をいただくためには、先ほども御説明申し上げましたように、まずは土砂災害防止法による土砂災害警戒区域の指定制度、この指定制度は平成12年に確立されておりますけれども、この制度と同様、ハード対策で対処し切れない部分については、安全な住まい方への誘導などのソフト対策を講じる仕組みを構築することが大切であると考えております。その上で、個別の区域指定については、御理解いただけるよう何度も丁寧に説明をさせていただくとともに、地域住民の皆さんの意見を十分お聞きし、理解を得た上で区域指定を進めていきたいと考えております。  具体的には、来年度、モデル地区を選定し、条例案第33条に規定をしております関係住民の皆さんや関係機関で構成する水害に強い地域づくり協議会において、避難場所の選定、住宅の耐水化あるいは緊急避難場所、安全な避難経路、避難のタイミングなど、地域の特性を踏まえた具体的な避難・警戒体制等を内容とした水害に強い地域づくり計画を策定した上で、区域指定を行いたいと考えております。  モデル地区での区域指定作業を通じて、区域指定に係る課題を検証し、今後の区域指定等の作業が円滑に推進できるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、8点目の条例制定後の浸水危険区域の指定の具体的な手続でございます。  ただいま具体的な手続について御説明させていただきましたが、関係住民と県、市町との関係機関で構成される水害に強い地域づくり協議会において、避難場所の選定、安全な避難経路、避難のタイミングなど、地域の特性を踏まえた避難・警戒体制等を内容とした水害に強い地域づくり計画を対話と共感の中でじっくりと議論し策定していくこととしております。その後、関係住民、市町と境界等の現地確認を行い、住民への公告、縦覧および市町長への意見照会を経た後、区域指定を行うこととしております。  次に、9点目の建築指定によらずとも、日ごろからの訓練や教育、情報伝達の体制整備や関係機関の連携などで水害から命を守ることが可能であると考えるが、意見はとの御質問でございます。  流域治水政策は、基幹的な治水対策である川の中で水を安全に「ながす」対策に加えて、川の外の対策、すなわち、雨水を「ためる」対策、被害を最小限に「とどめる」対策、水害に「そなえる」対策を組み合わせて行うことにより、すなわち、ハード、ソフトの全ての対策を総動員した多重防護により、どのような洪水にあっても県民の命を守り、甚大な被害を回避することを目的とするものであります。  議員御指摘の訓練や教育、情報伝達の体制整備や関係機関との連携などは、「そなえる」対策の一環であり、みずから備え、判断し、行動する人々を育成し、水害に対する地域防災力を高めるための取り組みであります。ソフト対策として、そのような取り組みが重要であることは議員御指摘のとおりでありまして、どのような洪水からも命を守るためには、あらゆる対策で多重防護することが必要であります。  次に、10点目の「そなえる」対策の充実に向けた具体的な取り組みであります。  「そなえる」対策の充実に向けては、まずは、地先の安全度マップに関する情報を広く公表し、国や市町等の関係機関と協働して積極的に普及を行い、地域で暮らす住民の皆さんと水害リスクに関する認識の共有化を図ることが大切であると考えております。その上で、関係機関および住民の皆さんと協働し、地域の実情を踏まえた、きめ細やかな避難計画の検討などを行い、地域防災力の強化を図ることとなります。  具体的には、条例案第6章、浸水に備えるための対策に規定しているとおり、県の取り組みとして、避難に必要な情報の伝達体制の整備、地先の安全度に関する情報提供や技術助言など市町に対する支援、流域治水の効果的推進に必要な調査研究、出前講座など、県民の意識啓発のための教育訓練、水害に強い地域づくり協議会の推進を考えております。また、県民の皆さんの取り組みとして、浸水時の的確な避難に係る日ごろからの訓練や水防活動・訓練への積極的な参加なども考えております。  最後に、11点目の流域治水の推進に関する条例案は真に県民の皆さんの望む条例になっていると言えるかについてであります。  県民の皆さんの望みは、水害から命を守るために、水害に強い地域をつくり、その地域を次の世代に残していくことであると考えております。今回提案した条例案は、その水害に強い地域づくりを実現するための手段であり、さまざまな取り組みを取りまとめたものであります。久しく大規模な水害を経験していなかった本県でも、今回の18号台風による豪雨災害を目の当たりにして、水害に強い地域づくりに向けて、県民の皆さんの思いは一層強くなったものと考えております。治水行政を担う県としても、一層の治水政策の推進に取り組んでいく覚悟でございます。  治水の要諦について、日本を代表する治水政策の大家である高橋裕先生の言葉をかりると、「我が国のような土地や水文の条件、人口と産業配置の現状では、全ての河川の全流域の氾濫浸水を完全にとめることは到底できない。治水事業の価値は、未曽有と言われる大出水時にいかに流域住民の生命財産を保護したか否かによって判断される」とされております。今回提案した条例案は、この治水の要諦を基本理念としたものであり、この条例に基づく諸施策を着実に実行することで、県民の皆さんが望む水害に強い地域づくりを目指してまいりたいと考えております。  次に、第8問目の教育振興計画の策定と学力テストの結果についての2問目と3問目の御質問にお答えいたします。  まず、全国学力・学習状況調査の目的は、単に子供たちの学力をはかるだけでなく、その結果を分析して授業改善など教育指導の充実や学習状況の改善に役立てることでございます。市町別の学力調査の結果の公表については、各市町がしっかり分析し、対策を立てるために必要であると思っておりますが、国の実施要項の規定により公表できないということになっております。  今回の学力調査の結果については、特に小学生の話す、聞く、書く、読むというコミュニケーション能力の基盤となる国語力が全国と比べて低いことに、私自身も大変強い危機感を持っております。これまで何度も記者会見でも述べさせていただきました。その理由は2点ございます。国語力は全ての教科学習の基礎であるということでございます。また、2点目は、議員も御指摘のように、今後よりよい人生を歩むためには、真の生きる力、人間力の基礎としての国語力が重要であるという認識からでございます。そのような中で、大変強い危機感を持っております。県はもちろんのこと、市町教育委員会、学校が今回の結果をしっかりと分析し、子供たちの学力向上に生かしていただきたいと強くお願いをしております。  次に、3点目の来年度予算も含めた今後の対応でございます。  まず、児童生徒一人当たりの教育費が低いことについてですが、本県は学校も地理的にコンパクトにまとまっており、比較的学校規模も大きく、スケールメリットが働き、効果的な運営が図られているということでもございます。いずれにしても、教育振興基本計画が実効あるものとなるためには、その裏づけとなる財政上の措置や体制づくりが適切に確保されなければならないと考えております。今回の計画づくりに当たりまして、財政上の措置、体制づくりについては明記するよう、私自身も教育委員会に強く指示を出させていただいたところでございます。  以上、長くなりましたけれども、佐藤議員の代表質問への答弁とさせていただきます。 ◎教育長(河原恵) (登壇)第2期滋賀県教育振興基本計画の策定と全国学力テスト結果についての5点の質問にお答えをいたします。  まず、1点目の今回の学力調査の結果に対して、本県としてどのような危機感を持ち、対策を講じていこうとするのかについてでございますが、今回の全国学力・学習状況調査の結果から、全国と比べて、小学校国語の記述式の設問で正答率が低く、算数においても、記述式の設問等で無解答の率が高いことがわかりました。国語力は全ての教科の基本であることから、どの教科の学習にも大きく影響いたします。また、自分の考えを伝えたり、相手の考えを理解したりする上で欠かせない力であり、不足していると、今後、社会において自立し、人と協働して生きていく上で大きな支障となります。このようなことから、この状況を一刻も早く改善しなければならないと強い危機感を持っております。  次に、今後の対策についてでありますが、まず、小学校低学年から学びの姿勢や態度が身につけられるよう、学習の約束や心構えを根気強く教えることや、家庭学習の習慣を定着させ、主体的に学習に取り組むよう指導してまいります。さらに、先進校の教育実践に学び、子供の成長に合わせて、自分の考えを友達に伝えたり、グループでの話し合いを行ったり、考えをノートにまとめて発表するなど、言語活動の充実を図っていきたいと考えております。  県教育委員会といたしましては、今回の調査結果を真摯に受けとめ、その原因や改善点を分析し、県内の全ての教員に課題を共有してもらうとともに、教員がみずからの指導のあり方を問い直し、子供が意欲を持って取り組める質の高い授業を行うなど、教育全体のレベルを上げるため、市町教育委員会や学校と一体となって取り組んでまいりたいと思います。  次に、滋賀の教育が目指す人間像と、滋賀の教育のあるべき姿についての御質問にお答えをいたします。  まず、教育とは、子供たち一人一人の人格形成を図り、社会に貢献できる人を育てることにあると考えております。また、全ての子供たちは、それぞれに輝く能力を持っており、その能力をみずから見出し、それを磨き、成長させながら人生を生きていきます。そして、その力が集まって社会を形成するものと考えます。その個性とも言うべき子供たち一人一人の持つ能力を最大限に伸ばすこと、そして、よりよい社会をつくること、その基盤となる力を育てることが教育の使命であると考えます。  こうしたことから、滋賀の教育が目指す人間像として、まず自立し、さまざまな人々や自然と共生できる人といたしました。そして、どのような困難な時代にあっても、さまざまな人々と互いに支え合い、協働することで、勇気を持って切り開いていく人になってほしいと考えました。同時に、この滋賀という山と湖に囲まれた美しい自然とともに生きる人々、伝統や文化の中で交流し、暮らしが息づく地域社会、先人たちの知恵が伝えてきた人や自然を大切にする近江の心を育み、郷土に誇りを持ち、地域社会や国際社会に貢献できる人を目指す人間像といたしました。  このような自立と共生の社会づくりに向け、学校だけでなく、家庭や地域が一体となり、教育の質を高め、知徳体の全てを身につけた人間力を育てる教育を滋賀の教育のあるべき姿として推進していきたいと考えております。  次に、第1期計画で達成できなかった課題と第2期計画への反映についてですが、第1期計画において、学力の向上や豊かな心の育成など、さまざまな施策の展開を図ってきましたが、今回の全国学力テストの調査結果や一昨年度のいじめ問題への対応状況などを考えたとき、滋賀の教育の振興や子供たちの成長につながっていたかという点では課題を残したと反省しているところでございます。また、教育のかなめである教職員の教育力の向上にも課題があったものと認識しております。さらに、教育の目指すべき大きな方向性は示していたものの、具体的な取り組み内容や目標を十分に盛り込めていなかったため、有効な施策が十分に構築できなかったこと、また、その進行管理と評価にも甘さがあったものと考えております。  このため、第2期計画においては、滋賀の教育の方向性を個々の施策につながるものとなるように明確に示すとともに、具体的な指標を掲げ、教育施策を着実に実行し、その成果が目に見えるものとなるよう基本計画の策定を進めてきたところです。このことによって、県民の皆様への説明責任を果たし、信頼される教育が推進できるよう取り組んでいきたいと考えております。  次に、4点目の10分間運動同様、漢字、算数、読書などの取り組みを実施することについてでございますが、授業開始前の朝の取り組みにつきましては、今年度、県内の小学校227校のうち、授業開始前に読書に取り組んでいる学校が204校、国語、算数等の学習に取り組んでいる学校が166校あります。これらの取り組みに対し、多くの学校から本や文字に親しむ習慣がついたことや、集中力を養うことができたことなどの効果があったと報告を受けております。  今回の全国学力テストの調査結果では、無解答率が後半の問題になるほどふえるなど、児童の問題を読む力に課題があったと分析しております。また、小中学校とも、国語のA問題、B問題の平均点が全国平均を下回りました。こうしたことから、県教育委員会といたしましては、学力向上に向けた取り組みの一環として、朝の時間に全ての学校で10分間読書などの活動を取り入れるよう、市町教育委員会と連携して進めてまいりたいと考えております。  次に、教育振興基本計画の策定にかける決意についてでございますが、この計画は、今後5年間の滋賀の教育の指針となるものです。これからの5年間は、世界が、日本が、社会が大きく変わると考えられます。教育もこれまでとは違う観点で進めなければなりません。グローバル社会の中で、英語力も含め、子供たちに生きる力をつけることが重要です。あわせて、地域の中で生き、地域に根差し、地域を支える人を育てることも重要です。また、先ほども答弁させていただきましたように、滋賀の教育が大きな課題を抱えていることも事実です。このような中で、全ての子供たちに等しくつけなければならない力と、それぞれの個性や能力を最大限に伸ばす教育、つまり、教育の不易と流行を踏まえた教育を進めなければなりません。  子供たちが生き生きと輝くための道筋を示し、実効ある計画となるよう、市町教育委員会や学校はもちろんのこと、地域や家庭など全ての県民の皆様方とともに真正面から教育に取り組んでいきたいと考えます。そして、何より子供たち自身が立ち上がり、子供たち自身が心をつなぐ教育の推進を図るとともに、それを支え、励まし、見守り、子供たち自身の成長につなげる教職員の教育力を高めていきたいと考えております。  本県には、美しい自然や豊かな歴史文化があり、先人の知恵を受け継ぎ、助け合い、支え合えるコミュニティーがあります。このすばらしい環境の中で、子供たちが学び、成長できたことを誇りとして、地域社会に貢献し、夢や希望に向かって勇気を持ってチャレンジできるよう、全力を傾けて滋賀の教育振興に取り組んでまいります。 ○議長(宇賀武) しばらく休憩いたします。   午後0時20分 休憩    ────────────────   午後1時32分 開議 ○議長(宇賀武) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、16番九里学議員の発言を許します。 ◆16番(九里学議員) (登壇、拍手)それでは、民主党・県民ネットワークを代表して質問をします。  重大な災害が起こる危険性を示す特別警報の運用を始めたのが8月30日。その半月後の9月15日から滋賀県に激しい豪雨をもたらした台風18号。気象庁が本県に初めて発表した大雨特別警報後、県内各地の河川はあふれ、家屋や農地は冠水し、山崩れがとうとい県民の人命をも奪いました。お亡くなりになられた方の御冥福を心からお祈りし、被害に遭われました方々や地域に心からお見舞いを申し上げますと同時に、一刻も早い復旧復興に皆で力をともに合わし合うことを誓い合いたいと思います。  さて、現在放映中で、今週最終週の大人気NHK連続テレビ小説「あまちゃん」、この中の名シーンにこんなものがありました。東日本大震災で甚大な被害を受けた主人公の祖母、宮本信子演じる海女クラブ会長、天野夏ばっぱが、孫の主人公アキに向けて、自然の大切さを諭す場面で発する名せりふです。「津波は誰のせいでもねえんだ、アキ。自然のいいとこばかり利用して、自然のこええとこさ目背けて、そのうち忘れてしまう。それが人間の傲慢さだ。」  議場にいる皆さん、東日本大震災が発生した2年半前をどうか思い出してください。日本中の国民が「がんばろう東北」を合い言葉に、人と人との絆の大切さを確認し合っていたことを。あのころのかけ声とは裏腹に、いまだ汚染水の流出や原発汚染作業、瓦れきの撤去を含め、被災地の復興は遅々として進んでいません。震災復興を掲げ、世界中が注目した2020年夏季五輪東京招致、お祭りムードに被災地以外は沸き立っていますが、あまちゃんの舞台である岩手、宮城、そして福島の被災東北3県では、いまだ再建が大きな課題となっています。震災での死者は、9月10日現在で1万5,816人、行方不明者2,650人、震災関連死者2,704名、今もふるさと東北を思いつつ、滋賀県で生活をされている避難者、9月2日現在128世帯、317名がおられます。  今回の台風18号で、私たちは自然の脅威をまざまざと体感をしました。直ちに災害から命を守るための手だてとは何かを身をもって実感したのであります。自然を利用するだけ利用し、時とともに自然の怖さを忘れてしまう人間という生き物の傲慢さ、夏ばっぱの言葉の重みをかみしめつつ、近年の異常気象や動植物の生態系の著しい変動に注視し、自然に感謝し、謙虚にともに生きていきたいものです。こうして県政に携わらせていただいている重責に使命感を持ち、自然災害から県民の命を守るための判断や決断、そして行動とは何かを共有し合い、以下8項目について知事ならびに教育長にお伺いします。  まず、初めに台風18号に関して知事にお伺いをします。  大雨特別警報が京都、滋賀、そして福井県に発表されました。滋賀県下にも台風18号は長時間にわたる豪雨により深い爪跡を残しました。発災から日がたつにつれて、さまざまな課題が浮かび上がりつつあります。今こそしっかりとした検証をし、次に生かしていかなければならないのであります。これからの減災対策が何よりも重要なのです。そこでまず、きょう現在の台風18号による県内の被害状況の全容についてお伺いをします。  次に、県と19市町の警戒体制と情報伝達手段についてお伺いをします。  運用されてから初めての特別警報ということもあり、19市町や地域、自治会において、対策本部の設置時間のスピードに大きな差があり、名称や位置づけの統一的な対応も不足をしていたのではないかと私たちは受けとめております。今回、特別警報の周知義務が果たせていなかった自治体もあり、さらに、住民の中には耳なれない特別警報の意味そのものが理解されず、戸惑いがあったとも聞いております。学校や幼稚園、幼児園、保育園など、子供たちや高齢者、障害者施設などでは、明確な対応方針が必要不可欠だと考えております。今回の市町ごとのこれら対応状況と今後の課題についてお伺いをします。  次に、避難現場においての避難指示と避難勧告の文言による意味の違いやメール配信など、情報の錯綜や情報過多による混乱がその時々にあったようです。とりわけ、市町や各自治会単位での情報発信の有無やスピードの違い、受けとめ方に今回ばらつきがあったとも聞いております。情報の受発信の仕方、伝達手段全般について、オール滋賀で統一化をすべきだと考えますが、県として今回のこのことをどのように市町ごとにチェックし、今後、どう県としてスピード感を持って対応の仕方を統一化されるか、お伺いをします。  次に、昭和47年、天ヶ瀬ダムが洪水調節不可能になって以来、41年ぶりの洗堰の全閉操作についてお伺いをします。  まずは、今回、国土交通省からプロセス、経過を含め、滋賀県へ全閉操作の事前調整があったのかどうかお伺いをします。また、全閉操作が及ぼした県内河川の水位上昇等にどのような影響があったのかお伺いをします。
     いずれにしても、利水洪水で上流、下流がともに補完し合うことが大切であり、流域管理には微妙なバランスが必要かと考えます。今後の全閉操作にかかわる課題解決に向けた知事の決意をお伺いします。  冒頭にも触れましたが、今回、これまで想定をもしなかった台風18号の襲来が、県内各地、甚大な被害を及ぼしました。一日も早い復旧が急務であります。最後に知事として復旧に向けての具体的なビジョン、覚悟をお伺いし、次の質問に移ります。  次に、滋賀県流域治水の推進に関する条例案について、知事に伺います。  近年、何が原因なのかは定かではありませんが、地球規模的な異常気象等による、これまでにない災害が頻発をしております。我が国でも竜巻が一昔前とは比べものにならないほど数多く発生し、ゲリラ的な集中豪雨による水害や土砂災害は枚挙にいとまがありません。東日本発災以来、想定外をつくらないとの思いを、国民はもちろん、国や地方自治体が持ち、そのための対策を講ずべくこれまで努力をしてきました。滋賀県においても、地域防災計画の見直しなどを進めるとともに、自助、共助、公助の有機的な連携を徹底すべく、ソフト面での対策に努めている一方、年次的にハード面における災害対策を推進されてきました。  ただ、ソフト面では、住民参加の議論や地域コミュニティーの充実はもちろん、自治力を向上するためには、少ない費用でそれなりの効果が期待できるのですが、ハード面においてはかなりの費用が必要となり、現在の財政状況ではそれぞれの分野に投じられる額については大変厳しいものがあるのが現状です。特に、台風18号でも現実になったように、想定以上の災害が起こったとき、その時々の実態を重んじ、リスクを共有し、次の対策を講じることが防災の観点からも問われるのが河川整備との関係では重要だということがわかりました。  河川改修や河川維持管理に使われる費用ですが、滋賀県単独事業費は何とか確保され、数年前の20億円余から今年度54億へと、かなり努力をいただいていることが見てとれます。一方、国庫補助事業費は、ここ数年20億円から30億円と伸びがなく、合わせて25年度は七十数億円となっています。このペースでいくと、現在予定されている河川改修と県民からの要望の多い河川維持管理が全て完遂をするのに100年近くかかると予測がされているのであります。  そういった状況下で、何としても県民の命だけは守るとの思いで、一連の本県治水政策は進められてきました。  まず、平成23年11月議会に「滋賀県流域治水基本方針の策定につき議決を求めることについて」が提案されました。議論の末、継続審査となり議決には至りませんでした。続く平成24年2月議会では、継続審査となった議案を一旦撤回され、一部修正を加えた上で、改めて「滋賀県流域治水基本方針の策定につき議決を求めることについて」が提案、可決をされました。そして、平成24年9月には、基本方針に基づく地先の安全度マップを公表されました。このときも市町からはさまざまな意見が出され、県全域で公表されたのはつい最近のこととなったのであります。  そして、今議会に滋賀県流域治水の推進に関する条例案が提出されることになったのです。この治水政策は、全国的にも先駆けたもので、注目を集める施策であります。残念なことですが、この一連の流れの中で条例化を政争の具とし、政局的な動きを感じるのは私たちだけでしょうか。  私たちは、ハードとソフトの対策を並行して進めるのは当然ですが、自然災害をとめることはできないが、軽減することはでき、総合的、立体的に多重防護をすることの必要を訴え続けてきたのであります。これまで以上に、県民に主軸を置き、住民の生活実態に即した安全で安心な治水政策を進めることが何よりも大切だと言っているのであります。  そこでお伺いをします。今回の滋賀県流域治水の推進に関する条例案については、滋賀県流域治水基本方針や地先の安全度マップ作成時の経験を生かしながら対応をされたとは思いますが、県内幾つかの市町の反対や地域住民の間に不信の声が上がりつつあるのも現実であります。知事として、なぜそうなったのか、その原因をどう認識しているのか、まずは伺います。  今回の台風18号で決壊した栗東市の金勝川や高島市の鴨川は、堤防が整備中でありました。未完成の堤防が大雨で増水すれば、付近にどんな危険をもたらすのか含む日ごろからのハザードマップなど、住民に知らせ、水害の危険性や災害の怖さを具体的に伝える説明責任が県にもあると私たちは考えております。今後、地先の安全度マップをより精度の高いものにするため、現行の地先の安全度マップの信憑性、今回の台風18号による各地の氾濫、浸水状況と地先の安全度マップとの整合性、どのようなものなのか伺います。  次に、今回の議論の中で、特に注目されている以下の項目について具体的に質問します。明快な答弁により、県民や議会の疑問を払拭していただきたいと思います。  まずは、9月13日現在で、県内1,111戸が災害危険区域に指定されており、個人の資産に対して強権的であるとの懸念の声が上がっています。今後、災害危険区域指定はどのような手続で進められるのか伺います。  次に、規制があるからこそ、安全な住まい方への確実な誘導が可能となると我々は考えていますが、そもそも建築制限までする理由、その必要性について伺います。さらに、河川対策や水防が不十分な現状にあって、罰則規定まで設けるのはいかがなものかという意見が聞かれますが、今回、条例に罰則規定を設ける意味について伺います。  条例化することが目的であったり、条例が一義であってはならないのであります。県民の命を守るには、条例が成立した以降が極めて重要なのであります。仏つくって魂入れずとならないよう、画餅に帰すことなく、条例をつくることで、いかに実効性を担保させるか、できるかにかかっています。本条例の実効性について、知事の決意をお伺いします。  最後に、本定例会において、滋賀県流域治水の推進に関する条例案が前向きな議論の中で議決され、同時に、県民の不安を払拭するため、これまで以上に河川改修や河川整備に鋭意推進されることを強く求め、次の質問に移ります。  次に、陸上自衛隊饗庭野演習場での日米共同実動訓練について、知事にお伺いをします。  今月6日、防衛省の及川博之近畿中部防衛局長が訓練方針の説明に高島市長と知事を訪ね、10月上旬から中旬にかけ、米海兵隊新型輸送機MV-22オスプレイが初めて参加する日米共同実動訓練を、本県高島市に所在する陸上自衛隊饗庭野演習場で実施する旨の対応について発表をされました。訓練実施まで残り1カ月を切ったこの時期の地元公表に対し、住民への説明責任や安全性の確保に向け、今月10日、知事は高島市長とともに防衛大臣に対し14項目の質問を提出されました。そして、13日には防衛省より回答を得ました。この回答を踏まえ、現時点での陸上自衛隊饗庭野演習場で日米共同実動訓練が実施されることについての知事の見解をまず伺います。  次に、関西広域連合におけるこの問題に関しての知事の立ち位置について伺います。  関西広域連合は、8月末に沖縄の負担軽減も含めて訓練場所の選定には日米地位協定に規定された演習場に限定せず検討することとした緊急要請を政府に出されました。これを受け、井戸連合長は、関西広域連合は防衛当局からそれなりに説明を受ける必要があるとコメントをされ、橋下大阪市長は、滋賀、高知両県の訓練参加について、本州でオスプレイの訓練が始まることはよいことだと歓迎の意を表明されています。関西広域連合の一員としてこれまで会議に出席されてきた知事として、国防を含め、本土での訓練実施に理解を示されるのか、また、地元県の首長として訓練について一定条件を求めた上で理解を示すのか、あるいは反対なのか、関西広域連合での立ち位置含め、訓練の是非について所見を伺います。  次に、知事、高島市長の連名での質問書に対する9月13日の近畿中部防衛局長からの回答について、以下伺います。  まず、1点目に、8月22日、一部マスコミにより饗庭野演習場にて共同実動訓練がされると報道されたことに、防衛省は遺憾であるとの回答をされています。地元に情報提供される前に、先んじてなぜマスコミに情報提供をされたのか、今後のことも含め、防衛省に対して原因究明をする必要があると私たちは考えますが、知事の見解を伺いたいと思います。  2点目に、1カ月後に迫った訓練が、日程、参加人数、飛行ルート、内容、主要装備ともにいまだ明確になっていないことに対し、県民理解をどう得るかについてであります。  防衛省からは、日米間の調整や進捗が整った段階で可能な限り県民に早期に知らせるとの回答ですが、安全性の根拠含めて当事者である住民が一刻も早く訓練の詳細を知りたいと思うのは当然であると私たちは考えます。不明瞭な参加期日や当日の天候等の事情により飛行ルートが決定されるといった今回の回答では、ますます住民の皆さんの不安をかき立てることにもなりかねません。住民理解を得るため、防衛省からの情報伝達の機能強化向上と県民に対しての情報提供を早急かつ丁寧にするよう高知県と連携し、防衛大臣に強く訴えるべきだと考えますが、知事の所見を伺います。  3点目に、今回防衛省は、実弾を用いた射撃や各種航空機の飛行を予定していることを踏まえ、事故の絶無を期すことはもちろん、オスプレイの安全確保や、騒音、振動測定の実施等、具体的な事項を関係地方公共団体や地元住民に誠意を持って丁寧に説明すると回答をされています。本日午後6時から、近畿中部防衛局佐竹局長が知事に概要説明の面会申し入れがあったと仄聞していますが、今後、防衛省から詳細な説明があるのか、県民の立場で具体的な情報伝達の日を積極的に開示されるよう防衛大臣に知事からは要請すべきだと考えますが、所見を伺います。  最後に、饗庭野演習場の今後について伺います。  防衛省は、離島防衛や災害救助などに迅速に対応することを目的に、8月20日、MV-22オスプレイを2015年度にも陸上自衛隊に導入する検討を始めました。国は本年度、実施に向けた研究調査予算を800万円計上し、導入を進めていますが、先ごろ、2014年度予算では、実に1億円に増額する検討も始めました。このことは、日本全国の陸上自衛隊に新型輸送機MV-22オスプレイを配備し、大規模に国防の備えを進めようとしているあらわれではないかと考えます。沖縄県普天間基地の負担軽減策の一環として、今回、饗庭野演習場で新型輸送機MV-22オスプレイ実動訓練が行われることで、今後、滋賀県と滋賀県民にどんな影響を及ぼすことになると知事は考えますか。所見をお伺いし、次に移ります。  次に、新生美術館について、知事に伺います。  昭和51年4月の機構改革で県教育委員会に文化部を創設。当時の知事には、行政が行う事業全体に文化を意識し取り組もうとした強い思いがありました。そして、文化の香り豊かな県づくりに向けて提言してもらうことを目的に湖と文化の懇話会を発足させるなど、県政に文化の屋根をかける事業がスタートをしたのであります。  同時期、琵琶湖文化館の所管が県総務部総務課より文化振興課に変更。その後、大津市瀬田丘陵に文化ゾーンとして開発された公園内に県立図書館を開館。続いて、県立近代美術館が昭和59年8月に開館をしました。さらに、琵琶湖文化館の機能を一部移転した琵琶湖博物館が平成8年に開館されるなど、ハード、ソフト両面にわたり文化の屋根の広がりを滋賀県全体で実感できる事業の展開がなされてきました。言うまでもなく、その後は、県の財政難からさまざまな公の施設のあり方が検討されるなど、最近の文化施策となったのであります。  そして、平成23年5月、「美の滋賀」発信懇話会が設置されるとともに、県立近代美術館機能・発信力強化検討委員会、近江の仏教美術等魅力発信検討委員会、アール・ブリュット発信検討委員会の3つの委員会が設置をされました。各委員会では、これまで果たしてきた役割、成果、特色や使命、そして現状についてそれぞれ検証され、議論が深められてきたと聞いております。  そこでまず、近代美術館と琵琶湖文化館の現状について伺います。  近代美術館は、来年、開館30周年を迎えることになりますが、既に県の財政難から平成17年から作品の購入が中止をされております。美術館として計画的な作品購入は必要不可欠だと考えますが、購入再開を考えておられるのか伺います。  また、企画展の内容で多少の差はあるものの、来館者数の減少、建物や設備の老朽化、学芸員の欠員、高齢化などは重要な課題であると私たちは捉えております。これら課題解消に向けて取り組みが進まない現状を見ていると、いずれリニューアルされるということで課題の先送りがされているのではないかと大変懸念をしております。  美術館には多くの方が今も訪れています。そのような中において、今を充実させることは、次なる新生美術館の発展にもつながるのです。温故知新ではありませんが、現存の美術館をこれからの美術館へ大きく進展させるには、何にも増して現場の声が重要なのであります。県として、このような現状をどのように把握しておられるのか、また、現状の課題解消への取り組みについてどのように考えておられるのか伺います。  次に、琵琶湖文化館について伺います。  琵琶湖文化館は、平成20年3月末に休館されて以来、既に5年の年月が経過をしました。この間、滋賀の宝である文化館所蔵の文化財が県外に発信され、そのすばらしさに多くの国民の皆さんが触れてこられたのであります。そして、学芸員の調査研究や文化財の保護、保存などの活動は、スタッフの文化活動を愛する情熱のもと、休館中もたゆまなく続けられてきたのであります。  先般、今後、整備まで5年かかれば、休館が10年もの長い期間となってしまい、寄託をしていただいている方々からは、いつまでこの状態なのかとの声が寄せられているとの新聞記事を読みました。また、県民の皆さんが文化館所蔵の文化財の鑑賞を望まれているということもお聞きをしております。このような不安や希望をどのように捉えておられるのか、また、県民の皆さんの願いや思いに対して、今後の方策についてどう考えておられるのかお伺いをします。  近代美術館、琵琶湖文化館は、これまで数十年にわたり、それぞれに蓄積をされてきた学芸員のノウハウや技術、多くの県民の皆さんとの信頼関係の構築なしには語れず、その功績は内外で高く評価をされています。この人の力を今後しっかりと継承し、次なる新生美術館に生かすべきだと私たちは考えます。学芸員の皆さんとの連携をこれまでどのように図られてき、また今後、どう図られようとしているのか伺います。  次に、このたび、新生美術館構想の中心となるべく、新生美術館立地・機能配置案の検討状況の提案がありました。その内容は、現在のびわこ文化公園内にあります近代美術館の増設と既存の建物を整備していくこと、従来の近代美術館、琵琶湖文化館の後継施設機能、そして、障害のある人を中心とした芸術であるアール・ブリュットの展示の3本柱でありました。  具体策としては、全ての作品、機能を同一場所に集中させることで、「美の滋賀」の拠点となる美術館のコンセプトを明確に実現するという現在地での一体整備案、いわゆるA案。現在地を本館として立ち寄りやすい便利な場所に新生美術館の一部機能を展開する分館の整備と両館の連携による相乗効果で「美の滋賀」の拠点というコンセプトを実現。分館では特に活力ある地域社会への貢献に重点を置くという「まちなか分館整備案」、いわゆるB案の2つでありました。  そこに、琵琶湖を意識した既存のものにとらわれない3つ目の提案、すなわちC案という目新しい発想がなかったことを私たちは大変寂しく残念にも思います。  これから整備案を選定し、新たに生まれ変わるふさわしい美術館にするため、計画が進められていくわけですが、多くの県民の皆さんや訪れる方々にその価値を感じてもらい、再び訪れたいと感動してもらえるような美術館にするためには、整備計画と実行、運営にかかわる人材が何よりも重要だというふうに考えます。魂の抜けた単なる箱物にしないためにも、芸術文化に造詣が深く、情熱的でやる気があり、責任ある方向性を示すことができる方、開館後も館長となってもらえるようなリーダー的な人材を早い時期から発掘、招聘し、整備計画にかかわっていただき、新生美術館についての発信を県民の皆さんにしていくことが何よりも大切だと考えます。  そこで、かつて琵琶湖博物館の建設に携わった知事は、その当時の経緯もよく御存じかと思いますので、これまでの経験も含め、そうした人材の招聘の考えを伺いたいと思います。  新生美術館には、滋賀の文化資産として、その役割を果たしていただき、存在感をしっかりと示しながら、さらに県民の皆さんの人生の中に心の豊かさを醸成していただきたい、そのように考えます。我が会派も県外行政調査で、広島県、長崎県、そして福岡県の公立美術館を訪問してまいりました。これら全ての美術館は、建物もさることながら、作品に対しての空間や照明のあり方、使い方、あるいは自然との調和、美術館へ訪れる方々へのおもてなしなど、どれも心和らぐスケールの大きな存在感である美術館でありました。今回、各地の公立美術館の取り組みや活動について調査分析をされていると思いますが、他県にない滋賀ならではの知事が思い描く新生美術館整備に向けてのビジョンを伺い、次の質問に移ります。  次に、琵琶湖の再生、保全について、知事に伺います。  先般、IPCC、国連の気候変動に関する政府間パネルの報告書案に、今世紀末の地球の平均温度は、最近20年間に比べると最大で4.8度上がり、海の水位は最大81センチ上昇する可能性が高いという予測が盛り込まれました。実際に、この夏には、高知県四万十市において41度と国内最高気温の記録を更新、千葉県や埼玉県、栃木県では竜巻被害が起こるなど、気候変動による著しい影響が各地で起こり始めています。  私たちは、琵琶湖が今どのような状態にあるのかを的確に把握し、変化が起こった際に、いち早く察知し対応することが、琵琶湖を守っていく上で重要だと考えています。会派で先ごろ、現状の琵琶湖を取り巻く課題に対して、琵琶湖環境科学研究センター、赤野井湾、そして滋賀県水産試験場を訪ね、調査をしてまいりました。そこで、この調査を受け、まず外来植物の現状と課題について伺います。  侵略的外来水生植物であるオオバナミズキンバイは、赤野井湾にて2009年12月に142平米確認されました。以来、2010年478平方メートル、2011年1,638平米、2012年1万8,000平米と猛烈な勢いで拡大し、今では南湖全体にまで生育面積が広がっています。今年の夏も懸命に駆除作業が行われてきましたが、2009年の発見と同時に根絶に向けた早い対応をしていれば、これほど広範囲に拡大することはなかったと思われます。  そこで、近年、オオバナミズキンバイが琵琶湖の西岸にも拡大しつつあり、さらに先般の台風18号の影響により烏丸半島にまで流れ着いたと聞いておりますが、外来水生植物等の早期発見、早期対応により被害の拡大を食いとめ、琵琶湖の生態系を脅かすような外来水生植物等の抜本的根絶に向けて重点的に取り組みを行っていかなければならないと考えます。知事の所見を伺います。  次に、本県に生息する在来種の保全について伺います。  昨年秋、天然アユ産卵総数は平年の6%しかなく、まれに見る少ない数でした。琵琶湖の在来種は、これまでにもカワウによって脅かされるなど、さまざまな要因により減少の一途をたどっています。滋賀県には60種以上の固有種を初め、1万種を超える多様な野生生物が生息生育していますが、滋賀県レッドデータブック2010年度版によると、滋賀県に大切にすべき野生生物1,288種のうち168種が絶滅危惧種であります。  そこで、アユやビワマスも含め、琵琶湖在来種の生態系が大きく崩れている現状を県としてどのように分析をされているのか、琵琶湖在来生物保全に向けた取り組みのこれまでの成果と今後の対策について伺います。  次に、琵琶湖環境科学研究センターについて伺います。  センターでは、琵琶湖とその流域を一体のものとして捉え、健全な水環境、物質循環、生態系の保全の視点から、琵琶湖と滋賀の環境に対する現象の解明、行政課題に取り組んでおられます。また、幅広いネットワーク形成を図りながら、総合的に試験研究を推進されることで、滋賀をモデルにした持続可能な社会の構築にも貢献をされています。  琵琶湖環境科学研究センターだけでなく、このほか、琵琶湖博物館、森林センター、衛生科学センター、工業技術総合センター、東北部工業技術センター、農業技術振興センター、畜産技術振興センター、そして水産試験場の9つの研究機関が連携し、琵琶湖と滋賀県の環境に関する試験研究機関連絡会を、相互の試験研究の円滑な推進や情報発信を図ることを目的に設置をされております。  しかし、琵琶湖の最近の現状を見ると、これら施設の研究や連絡会の連携がどれだけ施策に反映され、琵琶湖の保全に有効なのか、功を奏しているのかが見えにくい状況にあります。生態系の環境も大きく変貌を遂げ、時代ととともに琵琶湖を囲む山々は荒廃し、河川はコンクリートで固められてきました。生活排水や農業排水、下水道、川や琵琶湖に流れ出す水環境も刻々と変化をしてきています。近年の気候変動も影響しているのか、最近の南湖の外来水生植物や水草の繁茂状況を見ると、正常な琵琶湖の状態であるとは到底言えません。こうした琵琶湖の状態に対し、機動力をもって研究を行い、施策に反映させていく必要があると我々は考えます。滋賀県が主導的、主体的に一丸となって取り組みを進めなければ取り返しのつかないことになると大変危惧をしております。  そこで、琵琶湖にかかわる政策課題に対し、滋賀県の研究機関初め、全庁的に課題解決に向けた取り組みを行えるよう、部局や施設を超えた横断的な体制を喫緊に整える必要があり、何よりも知事のトップダウンによる琵琶湖再生の施策展開が最重要であると考えますが、所見を伺います。  さらに、県庁のみならず、県内にある大学や企業も含め、産学官の英知を結集し、オール滋賀でプロジェクトチームをつくり、これら課題に対し対峙をしていく必要があると思います。このことに関しての知事の所見を伺います。  次に、琵琶湖再生に向けた新たな取り組みについて伺います。  これまで、琵琶湖に関して滋賀県が負担してきた額は毎年約50億円です。国では、民主党政権時、(仮称)琵琶湖総合保全法の骨子が出されるなどの動向がありました。私たちは、本県だけでなく、国や関西広域連合をも巻き込み、琵琶湖再生に向けて法整備を含めた新たな枠組みや仕組みの構築と対策強化が必要であると考えております。知事の所見を伺います。  この項の最後に、第四次滋賀県環境総合計画について伺います。  今年度、滋賀県環境総合計画が見直される予定であります。第三次滋賀県環境総合計画で示されています長期的目標の琵琶湖環境の再生において、豊かで望ましい生態系を保全するための取り組み強化を求め、生物多様性を確保し、さまざまな在来種でにぎわう生命あふれる琵琶湖の再生を目指しておりました。そこで、これまでの計画に対する評価について伺います。  複雑多様化している琵琶湖を取り巻く課題に対して、新たな問題が生じたとしても、施策に柔軟に対応できるようなフレームワークが必要だと考えます。最後に、今回改正される第四次滋賀県環境総合計画において、琵琶湖の再生、保全をどんな位置づけにしているのか伺い、次の質問に移ります。  次に、災害医療と救急医療について、知事に伺います。  さきにも述べたように、東日本大震災発災から2年半がたちました。被災者の皆さんに寄り添う気持ちを大切にし、全ての課題に対し震災復興を最優先していかなければならないと決意を新たにしております。同時に、多くの犠牲の上に示された教訓を生かした防災対策の構築こそが私たちに課せられた大きな使命だと言えます。とりわけ、阪神・淡路大震災を近くで体験し、将来予測されている南海トラフ巨大地震に備えて、さまざまな減災対策を進めることは県としての責務でもあります。  具体的に、災害発災時にいかに被災者の命を守るか、災害医療と救急医療の体制整備が急務であります。そこで、8月に実施した会派県内調査を踏まえ、発災時における滋賀県の果たす役割について、以下伺います。  まず、2013年に改定された滋賀県保健医療計画の災害医療対策の具体化と広域災害時医療救護活動マニュアル見直し作業の進捗状況についてお伺いをします。  次に、災害時の救急医療になくてはならない医薬品の確保について伺います。  医薬品の確保は、東日本大震災の大きな教訓でもあります。震災以来、その教訓を踏まえ、医薬品の備蓄を見直した実施都道府県は47都道府県中18都道府県です。そこで、現行の滋賀県の医薬品の備蓄状況と今後の課題について伺います。  先日も、NHKのある番組で、医薬品の確保と同様に、薬剤師の確保も重要な側面があるとの指摘がされていました。足りない薬剤師の確保のため、一線から離れた有資格者の活用を検討されている都道府県もあると報道をされていましたが、滋賀県の災害時における薬剤師の確保について、どのような状況であるか具体的にお伺いをします。  次に、この7月に第1回滋賀県災害医療体制検討会が開催され、災害医療体制が議論されたと仄聞をしております。その場で座長から、検討の前提条件として、琵琶湖西岸断層帯と花折断層の存在、原発事故災害時の湖西、湖北からの避難ルートの想定など、滋賀県における懸念材料が提起されたと聞き及んでおります。その上で、広域医療搬送拠点、いわゆるSCUの整備方針や災害コーディネーターの設置など、広域災害時における滋賀県が求められている役割について活発な意見交換がされたと仄聞をしております。そこで、現在のこれら検討状況と今後の方向性についてお伺いします。  次に、救命救急センターと高度救命救急センターの指定について伺います。  救命救急センターの指定は、医師等の人材育成にも大きな役割を果たすと聞き及んでいます。過日、県下で初めて大津赤十字病院が高度救命救急センターに指定をされました。大津赤十字病院が指定されることになった経緯について伺います。  全国的に、高度救命救急センターには大学病院の多くが指定をされています。滋賀県保健医療計画には、県内唯一の特定機能病院として、質の高い医療を提供するとともに、大学では高度先進的医療の研究開発やすぐれた医師、看護師等の人材育成が行われ、引き続き信頼と満足を追求する全人的医療を理念として、本県の地域医療や地域福祉の分野への貢献が期待されますとうたわれています。滋賀医科大学を救命救急センターに指定する可能性も含めて、災害医療体制における滋賀医科大学の果たす役割について、県としてどのように捉えておられるのか伺います。  最後に、ドクターヘリの活用について伺います。  SCU、いわゆる広域医療搬送拠点の整備を考える上で、ドクターヘリの活用は、空港がない本県にとってはなくてはならない移送手段であると私たちは考えます。現在、滋賀県から最も近いドクターヘリ基地病院は大阪大学附属病院ですが、50キロ以上離れているのが現状です。関西広域連合の中で6台目となるドクターヘリの設置場所について、京都府、滋賀県のいずれかで条件整備する調整がなされていると仄聞をしています。基地病院の設置を含め、ドクターヘリの必要性について、これまで私たちは積極的な発言をしてきました。現在、県内には救急科専門医師の確保や看護師同乗研修のほか、臓器提供施設や災害拠点病院としてDMATの救護班養成研修にも積極的に取り組んでおられる済生会滋賀県病院などがあります。私たちは災害拠点病院として県内にドクターヘリ基地病院を早期に設置すべきだと考えております。ドクターヘリの誘致に向けた知事の決意と受け入れ準備の具体的状況について最後にお伺いし、次の項へと移ります。  次に、滋賀県「観光交流」振興指針案について、知事にお伺いします。  まず、新・滋賀県観光振興指針の目指す方向と特徴について伺います。  平成21年3月に策定した「新・滋賀県観光振興指針 近江の誇りづくり観光ビジョン」の期間が今年度末に終了します。平成22年滋賀県観光動態調査報告書によると、本県での観光消費額は約1,251億円と推計されており、観光は裾野の広い大切な産業だと言えます。一方、滋賀県は、地域ブランド調査2012年魅力度ランキングで37位、観光庁平成24年宿泊旅行統計調査でも、延べ宿泊者数で全国34番目という低い結果になっています。  我が国では、平成20年以降、人口減少が始まり、団塊の世代が定年退職を迎えるなど、社会環境が大きく変動してきています。国では、観光立国推進基本法に基づき、観光の裾野の拡大と観光の質の向上を掲げた観光立国推進基本計画を平成24年に閣議決定しました。この基本計画では、平成28年までに国内における旅行消費額について、平成21年実績25.5兆円だったものを30兆円に、訪日外国人旅行者数平成22年実績で861万人だったものを1,800万人にする目標を掲げておられます。滋賀の年間延べ観光客数は、現在4,700万人前後とほぼ横ばいの状態であり、そのうち日帰り観光客は全体の約82%を占めています。さらに、一人当たりの旅行費用は、宿泊客一人当たりの消費額で1万9,237円で、日帰り客一人当たりの消費額3,800円の約5倍の支出という状況であります。宿泊者数をふやすためには、宿泊施設の改装やゆったりと滋賀を楽しんでいただくための琵琶湖や近江をキーワードとした知事のトップセールスによる滋賀県挙げての広報やブランド化が大切だと考えます。  今回、指針の見直しに当たって、観光事業審議会から滋賀県「観光交流」振興指針案が答申をされました。本県を取り巻く状況で見れば、認知度、ホスピタリティー度などは、課題は現在の指針と変わらず、5年かけて改善をする必要があります。団体旅行から小単位での旅行、地域との交流、県内各種のイベントなど、観光も大きな方向転換期にあり、集客の核となるキーワードも変わりつつあるような印象を受けます。この5年間の総括と検証をし、今回の指針案の目指す方向、そのために重点を置くものは何か、滋賀ならではの観光の特徴とは何かをお伺いします。  次に、新・滋賀県観光振興指針の目標について伺います。  観光振興には、市町や団体などとの連携協力が必要不可欠です。名所旧跡を訪ねる旅、琵琶湖や周囲を取り囲む山々など自然を体感する旅、陶芸や食など芸術文化を楽しむ旅、エコツーリズムやグリーンツーリズムなど定着型の旅や、一昨日まで開催され、多くの若者たちでにぎわったイナズマロックフェス2013など、イベントなどを通じて市町や地域団体などと積極的な取り組みを結集することで誘客につながっていくと考えます。観光にストーリー性を持たせ、映画やドラマなどの誘致を行うことで本県観光のブランド化を押し進めていくことが重要です。  活力ある地域社会の実現を目指し、「訪れてよし、迎えてよし、地域よしの観光・三方よしの推進」をうたうこの指針案に基づき、本県に観光客を誘客するため、観光入り込み客数延べ人数4,800万人、観光消費額1,640億円の目標をどう具体的に達成されるつもりか伺います。  次に、新・滋賀県観光振興指針の災害時における対応について伺います。  昨年の台風12号による和歌山那智勝浦や先般の台風18号による京都嵐山の豪雨災害での観光客に対して地元の方々のいち早い対応は、多くの国民に称賛をされました。災害時のボランティア等の対応も今後の観光における課題と考えますが、指針での対応についてお伺いします。  次に、2020年東京オリンピックを視野に入れた外国人観光客誘客について伺います。  オリンピックが観光に与える影響や経済効果は大きく、その前後で社会が大きく変わるとも言われています。とりわけ、オリンピックを契機に、海外から我が国に来られる観光客に日本社会や日本文化のよさを知ってもらい、全世界に広げる大きなチャンスでもあります。本県は、東京、名古屋、京都、大阪など外国人観光のゴールデンルート上に位置することからも、オリンピックで日本に来られたことを機会に訪れられた外国人観光客の皆様に、琵琶湖を初め、名所旧跡など本県にある自然や歴史文化等の宝物を生かし、堪能していただきたいと思います。そのためにも、日本滞在中に活用の多いスマートフォンやパソコン、インターネットを初め、外国語での案内板やチラシの作成などの広報活動にオリンピック開催までに積極的な投資をする必要があると思います。ハード、ソフトの環境整備を含め、2020年までの7年間に取り組むべきことは多く、オリンピックを視野に入れた外国人観光客を意識しつつ誘客を進めるべきだと私たちは考えますが、知事の所見を最後に伺い、次の項へと移ります。  最後に、スポーツ振興について、知事ならびに教育長にお伺いをします。  スポーツは、私たちの健康に貢献し、精神力を高め、チームワーク力とリーダーシップ力を養うことにつながります。1964年以来、56年ぶりに2020年東京でオリンピック、パラリンピックが開催されることが決まりました。2024年に内々定をしている本県での2巡目国体、全国障害者スポーツ大会の開催とあわせ、県民の間で暮らしの中にスポーツをいかに位置づけ育んでいくのかといったスポーツの意義、スポーツに対する期待が最近とみに高まりつつあります。  民主党政権下の2011年6月に成立をしましたスポーツ基本法の附則の中で設置の検討が明記されましたスポーツ庁の創設についても、先般、国で本格的な議論が始まりました。本県としても、総合的、一体的にスポーツ行政を担い、県民のスポーツ機運の向上やスポーツ関連の予算の充実を図り、オール滋賀の体制でスポーツ立県滋賀を構築すべきなのです。  先般、政府がスポーツ庁の創設を検討しているといった報道がありました。現在、厚生労働省と文部科学省に人、物、予算が二分している所管を統合一元化できるスポーツ庁の創設を我々は歓迎します。本県としても、現在、教育委員会部局内にある国体準備室を含むスポーツ健康課を知事部局に移し、知事部局の健康福祉部が所管している高齢者、障害者スポーツの分野を教育委員会と一元化することで、意思伝達系統が明確化され、県庁一丸となってスポーツ振興に取り組むといった相乗効果が生まれることは明白であります。県として、スポーツ行政組織の改編について早急に取り組まれるべきだと考えますが、知事の考えを伺います。  次に、第79回国民体育大会、全国障害者スポーツ大会開催に向けた課題について伺います。  去る7月24日に本県で開催されることが内々定しました国民体育大会、この知らせは県民にとって大変喜ばしい反面、これから開催までの11年の間に乗り越えなければならないハード、ソフト両面にわたる多くの課題が山積していることを改めて感じた瞬間でもありました。  まず、ハード面でいえば、19市町の力をかりながら、全県的に競技場の施設整備を進めなければなりませんし、特に、現行の施設基準に適合した主会場を新たに選定、整備を急ぐことは喫緊の課題でもあります。  そこで、知事として、主会場候補地について、現在どのように考えておられますでしょうか。また、主会場をどのような基準で選定、いつごろどんな手順で決定をされるのか伺います。  国体や全国障害者スポーツ大会は、本県にとって数十年に一度のビッグイベントであり、県民スポーツの振興はもとより、福祉、教育、観光、経済等、あらゆる分野にわたり地域の活性化が期待される一大事業でもあります。県を挙げて、141万余総県民が参加し、かかわれるような大会にする必要があると考えますが、そのためには19市町で何らかの協議が行われるように取り組みを早めていく必要があります。各市町の実施競技を今後どのように決めていこうとされているのか、知事に伺います。  次に、ソフト面の課題についてであります。
     国体や全国障害者スポーツ大会の開催まで残り11年の間に、多くの県民の皆さんがスポーツに親しめる環境をつくり、普及させ、選手、指導者の育成、強化を図るためには、長期的な戦略ビジョンの構築が必要不可欠です。東京オリンピック、パラリンピックの開催や滋賀での国体、全国障害者スポーツ大会の開催は、本県の子供たちにとっても大きな目標ができたところであり、私たち大人は、この大会を彼らに夢と希望を与えるスポーツイベントに是が非でもしなければならないのであります。そのためには、とりわけジュニア世代の選手や指導者の持続的かつ計画的な育成、強化が可能となる体制づくりは、何にも増して重要なのであります。  滋賀の子が滋賀で育ち、活躍するため、選手、指導者の発掘・育成・強化費や競技力向上対策に係る経費をいかに現実的に来年度以降予算化されるのか伺います。  最後に、子供の体力向上に向けた取り組みについて、教育長に伺います。  本年3月、滋賀県スポーツ推進計画が策定され、今後、全ての県民が身近にスポーツを楽しむことのできる環境を形成していく必要があることが具現化をされました。2024年には国体が開催をされます。成功に向け、準備の早い段階から、その主役となるべく世代の子供たちが運動、スポーツに気軽に親しみ、主体的にかかわれる機会の確保に積極的に努めてこそ、子供たち自身がたくましく生きる力を育めるのであります。体力・運動能力向上につながる取り組みを、学校、家庭、そして地域挙げて実効的に充実をすることは大変重要なことであります。  一方、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の最新結果では、本県小学5年生の体力・運動能力は、男子が全国32位、女子が全国44位と低位置にあるのも事実であります。今後、子供たちの体力向上や、地元のジュニアアスリートを支援するため、県としてどんな手法を取り入れ、生涯にわたってスポーツに親しむ能力や態度を養うため、学校や家庭、地域でどんなプログラムを取り入れていくことが重要だと考えておられますか。教育長にお伺いをします。  滋賀の未来を元気にしてくれるスポーツの祭典がぜひ成功することを心から念じ、そのために皆の力を結集することをともに誓い合い、民主党・県民ネットワークを代表しての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(宇賀武) 16番九里学議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子) (登壇)九里議員の代表質問に対する答弁をさせていただきます。  まず、第1問目の台風18号に関しての7問の御質問にお答えいたします。  1問目の県内の被害状況でございます。  県が管理する河川において破堤や溢水により被害を受けられた皆様方に心からお見舞いを申し上げます。  台風18号の影響により、9月15日から降り始めた雨は16日まで降り続き、この2日間において、大津市の葛川、東近江市の御在所、神崎など、600ミリを超える雨が降った地域もあり、戦後最大とも言える豪雨となり、県内の各地で被害が出ました。  人的被害については、栗東市の下戸山で土砂による家屋の崩壊により女性が1名お亡くなりになり、大津市の石場では土砂の流入により男性が重傷を負われております。  住宅の被害については、栗東市における全壊3棟を初めとして、床上浸水304棟、床下浸水823棟の被害の報告を受けております。16日には、高島市において床上浸水のため、取り残された27世帯の住民救助のため、自衛隊に災害派遣要請し、全員を救助していただきました。  避難指示等の状況については、12市3町において、避難指示が2万5,803世帯、6万6,838人に、避難勧告が3万3,847世帯、9万3,802人に出されました。この指示等を受け、最大で9,162人の方が避難され、栗東市では現時点においても1世帯4名の方が避難されておられます。  この他、県が管理している道路については、雨量超過、のり面崩壊等による通行どめが、最も多かった時点で59路線ございました。現時点における通行どめは、国道3路線、県道19路線となっております。現在、契約業者による土砂撤去などの応急復旧工事、また、協定に基づき建設業協会へ応援要請を行い、応急対応していただいております。  河川の被害については、金勝川や鴨川の決壊のほか、大戸川、野洲川など県内全域にわたり、堤防、護岸の損壊等が発生をしました。約120カ所を確認しておりますが、さらに調査中でございます。決壊箇所については応急工事を実施しております。  交通機関については、信楽高原鐵道および京阪電鉄京津線において不通となっており、バスによる代行輸送等が行われております。  下水道については、湖南中部流域処理区および高島処理区においてポンプ施設の浸水により機能が停止し、該当市町の皆様に下水道の使用自粛要請をお願いいたしました。現在では運転を再開し、自粛要請は解除しております。  水道施設については、高島市、栗東市の一部で断水し、タンク車等による給水活動を現在も続けております。  農業・水産業関係については、冠水等による農産物の被害面積は1,658ヘクタール、ビニールハウスなどの施設で444カ所、農地や水路などで490カ所、水産施設で12カ所の被害を確認しております。関係者の懸命な排水作業により冠水、浸水した農地は減少してきておりますが、引き続き被害の実態把握とともに、農業者等への技術指導を行っております。  森林被害については、山腹崩壊が栗東市下戸山、安養寺のほか県内で27カ所、林道は現在調査中ですが、141路線において395カ所ののり面崩壊等の被害を確認しております。  文化財については、国指定文化財で15件、県指定文化財で2件の被害を確認しており、復旧に向けた修理の検討を進めております。  県内企業については、現時点で7市町において被害を確認しており、他の市町についても現在も調査を行っております。なお、引き続き被害の全容の把握に努めているところでございます。  次に、2点目の今回の市町ごとの警戒体制の対応状況と今後の課題についてでございます。  今回の災害においては、それぞれの市町が災害の状況を踏まえながら、それぞれの地域防災計画に基づいて、災害対策本部を設置するなどの対応をされました。議員御指摘のとおり、設置された防災組織の種別やその時期には、市町間で差が生じております。今回は、本県にとって歴史的な大災害であり、設置された防災組織の種別やその時期が適切であったかについて、今後、県と市町との意見交換を行う中で、しっかりと検証していきたいと考えております。  次に、3点目の情報伝達全般について、対応の仕方を統一することについてでございます。  今回の特別警報については、防災行政無線で各市町や消防等の関係機関に通知するとともに、県のホームページ、フェイスブック、ツイッター、しらしがメールにより広く県民に周知いたしました。また、各市町においても、携帯電話へのメール配信やホームページ、防災無線、広報車など、さまざまな手段で住民への伝達に努められました。しかしながら、御指摘のとおり、特別警報や避難指示、避難勧告等の意味が県民に十分浸透していなかったことや、情報の不足や錯綜による混乱、また、特別警報の周知をしなかった事例があったことも承知をしております。  災害時においては、まずは県民の皆さんへ正しい情報を迅速にお伝えすることが必要不可欠であります。このため、情報伝達手段についても、気象台や市町と意見交換を行い、県民の皆さんの命が守れるよう、より適切な情報の伝達に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。  次に、4点目の国土交通省から滋賀県へ瀬田川洗堰の全閉操作の事前調整があったのかについてでございます。  今回の豪雨により、天ヶ瀬ダムへの流入量が洪水調節を開始する毎秒840トン以上となったことから、瀬田川洗堰操作規則第15条の下流淀川の洪水流量の低減に関する規定に基づき、16日午前2時半から全閉操作が行われたと理解をしております。この際、操作規則に基づき、国土交通省琵琶湖河川事務所長から事前通知を受けており、操作規則に基づく操作であることを確認しております。  次に、5点目の全閉操作が河川の水位上昇等に影響があったかどうかです。  今回の豪雨により、琵琶湖の水位は9月17日午前8時にBSL77センチに達しました。このように琵琶湖の水位が上昇すると、河川の河口部では、河川からの流出が抑制されることにより、水位が上昇し、その結果、周辺の農地等が浸水するなどの影響がございました。ただ、今回甚大な被害を生じた鴨川の破堤地点は、河口から約4.8キロメートル上流であり、河床の高さが今回の豪雨による琵琶湖のピーク水位より高いことから、琵琶湖の水位上昇による鴨川破堤への影響はなかったものと推測をしております。  次に、6点目の全閉操作にかかわる課題解決に向けた知事の決意でございます。  今回の全閉操作は、下流の宇治川が氾濫危険水位を超え、宇治市の一部において避難指示が出されたという状況からやむを得ないと考えております。この操作により、琵琶湖で洪水を貯留したことで、下流の水害被害の軽減に大きく貢献することとなりました。このことは、下流、京都、大阪の府県民の皆様にも広く知っていただきたいと考えております。しかしながら、全閉操作は琵琶湖水位の上昇を伴うものであることから、国に対し、全閉操作に伴う琵琶湖周辺の浸水被害を最小限に抑えるとともに、琵琶湖の水位を速やかに低下させるため、引き続き天ヶ瀬ダム再開発や宇治川の改修の促進などを強く求めていきたいと考えております。  最後に、7点目の台風18号による災害からの復旧に向けたビジョンと覚悟でございます。  9月17日から20日の4日間、栗東市の安養寺や下戸山の土砂災害現場を初め、金勝川や高島市の鴨川の決壊現場などに赴き、直接被害の状況を確認し、また、被災された方々のお話も直接聞かせていただきました。改めて被災者の生活への影響の大きさを認識いたしました。今後、被災者の皆様が一日も早くもとの生活に戻れるよう、迅速な復旧対応が必要と考え、9月18日には国に対して19項目の緊急要望を行いました。また、被災者の目線に立って、住民の要望に応えられるよう、被害の大きい市に県職員を派遣するなどソフトとハードの両面から迅速かつ適切に対応し、広域行政を担う責任を果たしてまいります。その際には、各部局の横つなぎの連携で、住民の皆さんにとって効果が一日も早く見えるような形での方策を強く対策本部でも指示をしているところでございます。  次に、滋賀県流域治水の推進に関する条例案について6点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の市町の反対や地域住民の不信の声が上がりつつある原因についてでございます。  今回の条例案のもととなっている流域治水基本方針は、平成19年から行政部会、学識者部会、住民会議、また虎姫地区等の水害に強い地域づくり協議会において議論を重ね、昨年3月に基本方針の議決をいただきました。また、条例案についての市町に対する説明は、ことし3月、5月、7月の市町担当者説明会、5月の町村会、5月と7月の市長会、また8月の自治創造会議の場など、できる限りの機会を捉えて説明をさせていただきました。  一部市町の反対や地域住民の不安の声については、主に次の3つの点についての心配が払拭できていないからであると考えております。第1に、治水対策の中での河川整備の優先順位が下がるのではないのかという心配、第2に、規制と罰則が住民に対して負担ではないのかという心配、そして第3には、地価の下落などが生じるのではないのかとの3点でございます。  この3点についての県としての見解ですが、まず1点目ですが、河川整備については、これを基幹的な治水対策として引き続き着実に推進することとしております。条例案による建築制限は、着実な河川整備に上乗せして行うものであり、決して河川整備の優先度が下がるものではございません。  また、2点目ですが、条例案で定めている建築制限は、河川整備の目標水準を上回る洪水に対しても命を守るためのソフト対策であり、その許可の基準としては、建物を水に対して強くする、いわば耐水化するか、避難できる場所を確保するか、どちらかの選択肢がございます。この建築制限は水害から命を守る基準であり、地震災害に対する耐震基準や土砂災害に対する土砂災害特別警戒区域での建築制限と同様の性格を持つものであり、厳格に適用されてこそ初めて命を守るという実効性を担保できるものであることから罰則は必要と考えております。ただし、この規制と罰則は、新築あるいは増築、改築の際に適用されるもので、既存住宅には適用されるものではございません。  また、浸水危険区域の指定を行うことによる地価の下落についてですが、浸水危険区域と同様、予見した災害リスクに基づき警戒区域指定を行う土砂災害防止法の制定時に国会でも議論されております。平成12年の当時の参議院災害対策特別委員会で竹村公太郎河川局長は以下のように答弁をしておられます。「本法は、土砂災害のおそれのある土地の区域を明らかにして、開発や建築に対して必要最小限の規制を行うことにより、住民の自己責任に期待して、安全確保のための施策を講ずるものであり、土砂災害特別警戒区域の指定は、住民自身の生命身体を守るために、その土地が持つ地形や地質という自然の危険性を明らかにするものであり財産権の侵害には当たらない」と答弁されております。今回の浸水危険区域における建築制限も同じ考え方でございます。  次に、2点目の地先の安全度マップの信憑性と台風18号による各地の氾濫・浸水状況との整合性についてでございます。  今回の台風18号の氾濫・浸水状況と地先の安全度マップを現地で詳しく比較しましたところ、浸水被害の出た大戸川沿川の大津市堂、石居や、日野川沿川の竜王町弓削、野洲駅付近、貴生川駅付近、その他内水氾濫した区域など、多くの箇所で浸水の傾向が合致しており、おおむね整合していることを確認しております。  一方、今回の台風において破堤した箇所については、鴨川あるいは金勝川については浸水傾向に差異がございまして、今後このような浸水実績を積み重ねることで、一層の精度向上、改善に生かしていきたいと考えております。  次に、3点目の災害危険区域の指定の手続についてでございます。  区域指定の具体的な手続については、関係住民と県、市町等の関係機関で構成される水害に強い地域づくり協議会において、避難場所の選定、安全な避難経路、避難のタイミングなど、地域の特性を踏まえた避難・警戒体制等を内容とした水害に強い地域づくり計画を対話と共感の中でじっくりと議論し、策定していくこととしております。その後、関係住民、市町と境界等の現地確認を行い、住民への公告、縦覧および市町長への意見照会を経た後、区域指定を行うものでございます。  次に、4点目の建築制限までする理由と、その必要性についてでございます。  建築制限は、河川整備等のハード対策で対処し切れない異常豪雨の際にも、命を守るために安全な住まい方へ確実に誘導する施策であり、全てのソフト、ハード対策を駆使した多重防護の流域治水施策の中でも不可欠のものであります。努力規定では、緊急時の避難空間の確保、住宅の耐水化、つまり垂直的な避難、あるいは緊急時の避難場所確保、水平的避難が確保されません。地震災害に対しては建築基準法による耐震基準、土砂災害に対しては土砂災害防止法による土砂災害特別警戒区域での建築制限など、それぞれの自然災害の特性に応じた建築制限がこれまで定められております。今回の建築制限についても、これと同様の考え方にのっとっております。  地先の安全度マップができたことにより、最大クラスの洪水により著しい生命、身体の被害が生じるおそれがある区域において、水害の特性に対応した安全な住まい方への確実な誘導、緊急時の避難空間の確保を内容とする建築制限について規定しているものでございます。  次に、5点目の条例に罰則規定を設ける意味についてでございます。  先ほども申し上げたとおり、建築制限は水害から命を守る基準であり、地震災害に対する耐震基準、土砂災害に対する土砂災害特別警戒区域での建築制限と同様の意味を持つものでございます。厳格に適用されてこそ初めて命を守るという実効性を担保できるものであることから、罰則規定は例えば地震災害の耐震基準でもあるのと同様の必要なものと考えております。  最後に、本条例の実効性に向けた決意についてでございます。  流域治水政策は、県民の皆さんが今の世代だけでなく、子や孫の世代まで含め、将来にわたって安心してこの地域に暮らすことができるよう、水害に強い地域づくりを目指すものであります。今回提案した条例案は、その水害に強い地域づくりを実現するため、県を初め、全ての人の決意を表明するとともに、流域治水政策に係るハード、ソフト両面にわたるさまざまな施策に法的な根拠を与えるものであります。今回の台風18号による豪雨災害を目の当たりにして、県民の皆さんとともに実感を持って水害に対する危険性の認識を共有することができました。まさにこのタイミングで、機を逸せずに、従来の河川整備等のハード対策を中心とした防災の観点からの取り組みに上乗せをして、ハード対策では対処し切れない部分に対して、たとえ被災したとしても命を守ることを最重要視する減災の観点から、ハード、ソフト両面から全ての手段を総動員する多重防護による流域治水政策の取り組みをぜひともスタートさせたいと考えております。  今回提案した流域治水の推進に関する条例案の実効性の確保については、特にさまざまな意見をいただいている浸水危険区域の指定による建築制限について、モデル地区を選定し、具体的な作業を行うことで、実地に区域指定に係る課題を検証し、今後の区域指定等の作業が円滑に推進できるよう努めてまいりたいと考えております。  あす、2013年9月25日は、これまで戦後最大の被害と言われてきた28水、つまり、昭和28年、1953年9月25日の13号台風から奇遇にも丸60周年であります。  私がなぜここまで流域治水にこだわるのか。大切な家族の命を水害で失ってしまった人たちの無念を二度と繰り返したくないという思いからであります。  多くの方から伺っておりますが、例えば、28水の安曇川決壊で1歳半のお嬢さんを亡くした高島市旧安曇川町の白井豊吉さんに伺ったお話は、今も心に深く残っております。白井さんのお話を詳しく聞き取りをして整理しますと、安曇川決壊の理由は、水量そのものが多かったということにあわせて3点あったようです。1つは、新しい橋が20年前、昭和8年にできて、もとの古い橋のところが一部、堤防が低く残されたままで、そこから切れてしまった。2点目は、戦争で男手が取られ、建築資材用の砂利採取がなされず、川床が異常に高かった。3点目は、戦争で金属供出がなされ、堤防沿いの半鐘がなく、住民に危険を知らせることができなかった、そして避難ができなかったということです。  水害被害は、自然の水量だけに依存するのではなく、社会的条件が左右しており、洪水は自然現象ですが、水害は社会現象であることを多くの被害から学ばせていただきました。白井さんの1歳半のお嬢様は、9月25日の夕方、家ごと流され、2週間も発見されませんでした。上のお嬢様と奥様と御本人は、暗闇の水中で松の木につかまり、翌朝助け出されたということです。2週間後、下流の琵琶湖岸金丸橋横の桑畑の中から幼い子供の遺体が見つかったという知らせがあり、走っていって、そこに子供の腐乱遺体にハエがたかり、それはそれはつらい情景だったということです。その金丸橋に家の屋根のカマチがひっかかっていた。そのカマチを持ち帰って今の家を建て直したということです。  その後、10月中ごろ、東江州の八幡で安曇川から流されたらしいたんすが発見されたという知らせが入り、北舟木の漁師に船を出してもらってたんすを引き取りに行った。そのたんすの中には亡くなったお嬢様の写真が奇跡的に残っていたということです。このたんすと写真は今も白井家で大切に受け継がれております。  自然の猛威を侮ることなく率直に受けとめ、命を失うことのないよう、社会全体として備えていく。洪水は自然現象ですが、水害は社会現象です。それゆえ、自助、共助、公助を組み合わせて社会的に、子や孫という次の世代の命も守る多重防護の仕組みをつくり上げていく中で、議員御指摘の流域治水条例の実効性を高めていきたいと決意を新たにしております。  長くなってしまい申しわけございません。  次に、大きな3問目の陸上自衛隊饗庭野演習場における日米共同実動訓練についての6点の御質問にお答えいたします。  まず、訓練実施についての質問でございます。  これまでの説明では、訓練期間や内容、さらにオスプレイの飛行ルート等が明らかになっておらず、県民の安全性の確保を最優先してほしいという立場からすれば、非常に残念に思います。  2点目の関西広域連合での立ち位置を含め訓練の是非についてでございます。  関西広域連合では、長年にわたり、沖縄県および沖縄県民に対して過剰な負担を強いている現状は大きな課題と認識し、負担軽減について、平成22年の全国知事会で要請した趣旨を踏まえて、改めてこの7月に要請を行ったものであります。私自身、沖縄県の米軍基地負担軽減については必要と考えております。日米共同実動訓練については、日米両国が決定される事項であり、私としては県民の安全を確保することを最優先に、地元高島市と連携を図りながら対応してまいります。  次に、3点目の事前のマスコミへの情報提供についての御質問です。  8月22日、一部マスコミにより高島市の陸上自衛隊饗庭野演習場で実施する日米共同実動訓練において、オスプレイを使用することで最終調整に入ったとの報道がなされましたが、地元自治体に情報提供がないままこのような報道がなされたことは極めて遺憾でございます。その後、防衛省からは謝罪があり、本省を含め情報管理について細心の注意を払うとの説明がございました。こうしたことは、お互いの信頼関係を損ねることから、防衛省に対しては、情報管理の徹底に万全を期していただくよう今後ともお願いをしたものでございます。  次に、4点目の県市や県民への情報提供についての質問でございます。  去る9月10日、防衛大臣に対して、情報管理を徹底するとともに、速やかに必要な情報を伝達するよう文書で申し入れをいたしました。また、防衛大臣からは、地域住民への説明は、防衛省が前面に立ち実施するとの回答をいただいており、今後、地域住民に理解が得られるよう、できるだけ丁寧な説明をお願いしたいと思います。  なお、高知県においては、防衛大臣に対して日米共同統合防災訓練に関する要請を独自に行われたと伺っております。  次に、5点目の防衛省からの情報伝達に関する質問でございます。  訓練開始期日が迫っていることから、防衛省には具体的な訓練内容等の情報提供を繰り返し求めてまいりましたが、本日夕刻に概要広報の説明に来庁するとの連絡がございましたので、そこでの詳細な説明を期待しております。  次に、6点目の訓練による滋賀県民等への影響に関してでございます。  これまで日米共同実動訓練は、中部方面隊において14回実施されており、このうち12回が饗庭野演習場で実施されているという現状から、滋賀県が大きな負担を担ってきております。さらに、今回の共同訓練でオスプレイの使用が予定され、県民の不安が解消されていない現状を見ると、本県の負担は依然として大きいと考えております。今後とも、県民の安全性を確保することを最優先に、地元高島市と連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。  次に、大きな4問目の新生美術館についての8点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の作品購入再開についての考え方です。  議員御指摘のとおり、平成17年度以降、作品の購入は凍結しており、寄贈の受け入れを中心に収集を行っております。新生美術館では、これまで近代美術館が収集してきた近代・現代美術を今後も収集の柱とすることとしており、さらに新しく扱うことになるアール・ブリュットや若手作家の分野においても積極的に収集する方針で臨みたいと考えております。適切な時期に収集の機会を逸することなく、必要な作品の購入を行うなど収蔵品の充実を図り、魅力的なコレクションの形成に努めてまいります。  2点目の近代美術館の現状についてでございます。  近代美術館では、開催する各企画展の内容では高い評価を得ながらも、観覧者数は期待したように伸びず、長期的に見て減少傾向にあります。施設、設備等に関しては、開館から29年が経過し、全体的に老朽化していることに加え、近年の展覧会の大型化や表現方法の多様化に対応できなくなるなどの課題があり、県民のニーズに十分応えられていない現状となっております。  運営体制については、ここ数年間で、学芸員の退職に伴って、学芸員資格のある職員を臨時的に配置したり、教育普及事業の充実のため人材を増強するなど、運営体制を整えてまいりました。また、経験を積んだ学芸員の人脈やノウハウを十分活用しているところですが、新たな事業への取り組みなどもあり、事務量が増加している現状もございます。今後、これまでの蓄積を若い次の世代に継承していくことが必要であると考えております。  次に、3点目の課題解消への取り組みでございます。  来年開館30周年を迎えるに当たり、企画展の内容の強化や多彩なイベントを計画し、来館者の増加を図るとともに、これを契機にして一層にぎわいのある美術館にしたいと考えております。施設、設備の老朽化への対応などハード整備を伴うものについては、新生美術館の計画と整合を図りながら進めてまいります。また、美術館が対象とする分野の拡大に伴い、必要な人員数と専門性を備えた専任の学芸員を早期に確保するべきと考えており、検討中の新生美術館の体制を見据え、可能な限り必要な人材を確保したいと考えております。  近代美術館が現在抱えるこうした課題に対しては、新生美術館のオープンを待つことなく、早急にその解消に向けての取り組み、現在の近代美術館がよりよい美術館となるよう、また、新生美術館への期待が一層高まるよう進めてまいります。  次に、4点目の琵琶湖文化館の休館による不安や希望についての御質問でございます。  琵琶湖文化館は、仏教美術を初めとして、国宝、重要文化財を含む約7,800点に及ぶ収蔵品を有しており、長年にわたる活動を通じて多くの方に親しまれてまいりました。しかし、平成20年3月末で休館しており、県民の皆さんは、琵琶湖文化館の収蔵品を身近で鑑賞したいと願われております。  また、近年は県内の他の博物館での展示や、東京、静岡、仙台、また海外では韓国などの展示に取り組んでおりまして、多くの人々から近江の神と仏の芸術、美術すばらしい、もっと鑑賞したいとの声を伺っております。さらに、文化財を寄託している方々の意向を踏まえ、平成23年度に近江の仏教美術等魅力発信検討委員会を設置し、琵琶湖文化館の機能を継承する施設は県立近代美術館がふさわしいとの提案もいただいております。しかし、新生美術館への琵琶湖文化館の収蔵品継承には相当の時間がかかる見込みであり、不安を感じられていると捉えております。  次に、5点目の寄託者の不安、県民の鑑賞への希望、その方策でございます。  寄託者の皆さんの不安や県民の皆さんの希望に応えて、琵琶湖文化館の収蔵品の安全な保存管理と、魅力的な展示公開を実現するためには、新生美術館の基本計画にしっかりと仏教美術等を位置づけ、琵琶湖文化館の機能継承の見通しを盛り込むことが重要と考えております。また、収蔵品を新生美術館において展示公開できるようになるまでの間、県内および県外の博物館の展覧会への貸し出しや、文化財講座で収蔵文化財の魅力を伝える活動なども行ってまいりたいと考えております。  次に、6点目の学芸員との連携でございます。  基本計画の検討に当たっては、新生美術館の理念の検討段階から施設の構成、面積想定に至るまで、琵琶湖文化館、近代美術館の学芸員と意見や情報の交換を行い、検討案のベースをつくり上げてまいりました。さらに検討を重ねていく過程においても、ワーキングを初めとする庁内の会議や、有識者で構成する検討委員会にも両館の学芸員を参画させるなど、現場の声がしっかりと生かされた計画となるよう留意して進めてきたところでございます。また、今後の新生美術館の実現に向けても、両館の学芸員が主体的にかかわる体制を整備するなど、その力を十分に発揮できる形で準備を進めていきたいと考えております。  次に、7点目のリーダー的人材の早期招聘についてでございます。  美術館の方針を決め運営に当たる館長は、まさに美術館の顔として、幅広い見識と専門性、経営感覚が不可欠でございます。私も琵琶湖博物館の建設に携わってまいりましたが、準備の段階から、この分野の第一人者とも言うべき方を顧問として迎え、現在の道筋をつけていただくことができ、そのことは私にとっても大変貴重な経験でございました。新生美術館についても、基本計画の実施、すなわち設計や事業活動の具体化に当たっては、早期にリーダー的な人材にかかわっていただくことが必要と考えております。御質問にあった、こうした人材を外部から招聘することも選択肢の一つと考えるものでございます。  次に、8点目の新生美術館整備に向けてのビジョンについてでございます。  新生美術館は、他県にはない滋賀県ならではの、地域、地域で大切に受け継がれてきた千年の仏教美術から百年の美とも言える近代・現代美術、さらに若手作家やアール・ブリュットという、今、目の前で見出されつつある新たな美まで、そこに行けば一堂に出会える、まさに滋賀の重層的な美を体現する美術館にしたいと考えております。  こうしたビジョンを持って、緑豊かなびわこ文化公園自体を美術館と見立て一体的な整備を行い、他県にはない琵琶湖、比叡山の眺望を生かした象徴的な恒久展示などの演出で、訪れた人が感動にあふれる魅力的な空間を提供していきたいと考えております。  今回の美術館整備は、30年、50年に一度のことでございます。県民の皆さんの誇りとなり期待に応えられるよう、思い切って質の高いものをつくり上げたい、そして、長く愛され続け、後世に残る滋賀らしい誇りの持てる美術館を実現してまいりたいと考えております。
     次に、大きな5問目の琵琶湖の再生、保全についての7項目の御質問にお答えいたします。  1点目の外来水生植物についてでございます。  外来種の問題は、生物が本来有している移動能力を超えて、人間活動によって人為的に導入された生物が共生のバランスを崩すという大変深刻な問題であると認識をしております。国では、平成17年に施行した外来生物法に基づく特定外来生物について、輸入や販売、運搬などを規制しております。また、県では平成19年には、ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例を施行し、これに基づき、外来種による生態系等に係る被害の防止に鋭意取り組んでまいりました。  しかしながら、侵略的外来種である議員御指摘のオオバナミズキンバイは、この数年間に赤野井湾を中心に生息域を急激に拡大しており、琵琶湖の生態系などの深刻な影響を懸念しております。県としては、エイリアン・ウォッチャー事業により、オオバナミズキンバイの徹底駆除に取り組んでおりますとともに、エイリアン・バスター事業により、県民の皆さんや地元企業などが協働して取り組む駆除事業も県として支援をしております。  今後、さらに駆除を徹底するためには、その生態を明らかにして、より効果的、効率的な駆除方法を確立し、拡大防止と早期根絶を図ってまいりたいと考えております。あわせて、国に対して防除モデル事業の実施や財政支援も強く要望しております。  琵琶湖の生態系の回復は喫緊の課題であります。そのためにも、外来種対策は大変重要であり、緊急かつ重点的に取り組んでおり、今後とも一層力を入れていきたいと考えております。  2点目の琵琶湖の在来種の保全についてであります。  琵琶湖の生態系の中で、例えば在来種の魚類は62種ございます。このうち、滋賀県版レッドデータブック2010年版に掲載されているものは56種であり、約9割もの種が生息の危機にさらされているわけでございます。この要因としては、先ほどのような外来種の増加、湖岸などの生息環境や開発の影響、琵琶湖と人々のかかわり方の変化、また、琵琶湖深層部の低酸素化など、大変多様な要因が複雑に絡んでおります。  県では、マザーレイク21計画に基づき、在来種をふやす対策として、琵琶湖と水田のつながりを確保する魚のゆりかご水田プロジェクトや、在来種の生息、繁殖を促すためのヨシ群落の保全、再生、また、湖底環境の改善のための砂地造成、水草対策などを推進しております。また、外来種対策としては、ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例に基づき、新たな外来種の侵入や野外放棄の防止を図るとともに、外来種の駆除や、琵琶湖レジャー条例に基づくキャッチ・アンド・リリースの禁止など、行政、住民が一体となって対策を進めてきております。  これらの取り組みにより、外来種の推定生息数は平成18年の1,920トンから平成24年には1,295トンへと減少し、水草対策によるシジミの稚貝の生育も見られます。しかしながら、琵琶湖の漁獲高の減少に歯どめがかかっておらず、在来種の生態系は極めて危機的な状況にあると考えております。今後も、外来種の駆除、新たな種の侵入、定着の防止、水系と生物のつながりに着目した研究など、在来種をふやす取り組みを総合的に推進していきたいと考えております。  3点目の県の試験研究機関による全庁的な体制と知事のトップダウンによる施策展開についてでございます。  これまでも県内の試験研究機関による研究の成果は、できる限り施策に反映するよう取り組んできており、例えば、琵琶湖環境科学研究センターが開発した水質シミュレーションモデルは、琵琶湖に係る湖沼水質保全計画策定に活用しております。しかし、今日、琵琶湖で顕在化している課題は、水質と琵琶湖の生態系の課題、あるいは議員も御指摘のような、地球温暖化問題のように、互いに影響を及ぼし合い、一方の課題の解決が必ずしも全ての課題の解決につながらないなど、複雑化、多様化してきております。  このため、今までの試験研究機関の連携に加えて、行政と試験研究機関の連携を強め、全庁的に琵琶湖に係る知見と課題を共有し、試験研究から施策実施につなげる、より効果的な仕組みが必要と考えております。琵琶湖研究に係る公設試験研究機関や大学の一層の連携強化によりまして、複雑化、多様化している琵琶湖の課題を解決し、次世代に美しい琵琶湖とその恵みを引き継いでいけるよう、私自身、研究者としての経験に基づき、先頭に立って琵琶湖の再生の施策展開を図ってまいりたいと考えております。  次に、4点目の産学官の英知の結集についてでございます。  県内には多くの大学が所在するとともに、すぐれた技術を有する事業所もたくさん存在しております。多方面にわたるすぐれた知見があると認識をしております。これまで大学とは積極的な連携を進めており、特に琵琶湖水質、生態系に関して共同研究もさまざま実施してまいりました。また、産業についても、例えば生物などを用いた分析手法であるバイオアッセイにより化学物質を検出測定する技術に関して、琵琶湖環境科学研究センターおよび工業技術研究センターは、県内の環境分析事業者、長浜バイオ大学と共同研究開発を実施してまいりました。  産学とのチームで対応することは大変効果的だと考えており、今後とも、複雑化、多様化した琵琶湖の課題に対して、大学や事業者の持つ多くの知見を生かせるよう、課題の解明、対策の研究などにおける効果的な連携を進めてまいりたいと考えております。  5点目の琵琶湖再生に向けた法整備を含めた新たな仕組みでございます。  琵琶湖は、滋賀県民のみならず、琵琶湖淀川流域に暮らす1,450万人の人々に命の水を供給するなど、関西地域を支える存在でありますと同時に、60種を超える固有種を初め、多くの生き物を育む豊かな生態系の宝庫として国家的な財産であります。琵琶湖は現在、先ほどまで述べてまいりましたようなさまざまな課題を抱えております。これを滋賀県だけで対応することは困難であり、国や琵琶湖淀川流域の関係者が一体となって取り組む仕組みや体制が整備されることが重要であります。  これまでから、自民党、民主党、それぞれ国会議員の皆様による議員連盟が立ち上げられ、琵琶湖の再生や総合保全に関する新法の制定に向けて取り組みを進めてこられました。県としても、琵琶湖に関する新法の制定が実現すれば、法律により琵琶湖の重要性が明確にされ、その再生が担保される点で意義は非常に大きいと考えております。国に対する政策提案の場においても、琵琶湖再生に向けた法整備を含めた新たな仕組みの構築と対策の強化を求めております。県としても、国会での動きに大いに期待するとともに、よりよい琵琶湖に関する新法が制定されるよう、積極的に提案、協力を行ってまいりたいと考えております。  次に、6点目の第三次滋賀県環境総合計画における琵琶湖環境の再生の評価に関してでございます。  この再生については、マザーレイク21計画第2期計画との整合を図りながら取り組んでおり、その評価についてはこの計画のもとに一元的に行っております。御質問にあった生態系の保全の観点から見ると、湖内では、水質は流入負荷は削減されてきておりますが、環境基準が未達成の項目がたくさんございますとともに、湖の栄養塩バランスの変化や深水層の溶存酸素濃度低下に加え、プランクトンの質的な変化など新たな課題が生じております。  湖辺域では、在来魚介類の回復や湖岸景観の回復などに向けた取り組みを進めており、ヨシ群落の拡大などの成果も見られるなど、在来魚介類の減少や外来水生植物の繁茂などの課題も多うございます。  集水域では、森林の適切な管理や生物多様性に配慮した農地の増加などに向けた取り組みを進めておりますが、森林部におけるニホンジカや病害虫などによる被害は大変深刻な状況にございます。新たな課題が生じております。  このように、琵琶湖を取り巻く環境は、従前からある課題に加え、新たな課題が生じ、大きく変貌しており、一刻の猶予も許されないと考えております。さらなる琵琶湖の総合保全の取り組みは喫緊の課題であり、そのための対策は強く求められており、知事としても全力で立ち向かっていきたいと考えております。  次に、7点目の第四次滋賀県環境総合計画において、琵琶湖の再生、保全をどう位置づけていくのかでございます。  次期計画の策定に向けては、平成25年3月に滋賀県環境審議会に諮問を行い、これまで環境企画部会において3回の御審議をいただいております。議員御指摘の複雑化、多様化する環境問題に対処するためには、山、川、里から琵琶湖に生じている環境課題の全体像を俯瞰し、これを一連のつながりとして捉え、課題を共有することが何よりも重要であります。さらに、課題の解決に向けて、迅速かつ柔軟に連携し、総合的に対応していくことも必要でございます。琵琶湖の再生、保全は、本県の環境分野における最重要のテーマと考えており、こういった視点に重きを置きながら、しっかり計画に位置づけていきたいと考えております。  次に、大きな6問目の災害医療と救急医療についての7項目の御質問にお答えいたします。  まず、滋賀県保健医療計画の災害医療対策の具体化と広域災害時医療救護活動マニュアルの見直し作業の進捗状況についてであります。  滋賀県保健医療計画の災害医療対策を具体化するため、本年7月に災害医療の有識者や関係団体で構成する滋賀県災害医療体制検討会を立ち上げました。この検討会において、災害発生時における迅速かつ円滑な医療救護活動が行えるよう、具体的な体制づくりを進めております。  広域災害時医療救護活動マニュアルについては、検討会の医療救護活動部会を8月に開催し、東日本大震災の教訓を踏まえ、南海トラフ地震の被害を想定して、見直しの考え方について意見交換したところであり、今後、さらに部会員の意見を伺いながら、今年度末までにはマニュアルの改定を行ってまいります。  次に、2点目の医薬品の備蓄状況と今後の課題についてであります。  本県では、滋賀県医薬品卸協会との協定に基づき、市場に流通している医薬品が優先的に供給される、いわゆる流通在庫備蓄方式によって医薬品など約2万6,000人分を備蓄しており、災害時には医療機関や救護所からの要請に基づき供給することとしております。なお、今後の課題としては、医薬品を安定的に供給するためには、災害規模に応じた医薬品の種類や数量を見直すことが必要であり、また、医療機関や薬局と卸売業者とのさらなる連携を図り、その実効性を高める必要があります。  次に、3点目の災害時における薬剤師の確保についてであります。  災害発生時には、滋賀県薬剤師会が薬局や薬店の被害状況などを把握し、医療救護活動が可能な薬剤師を確保することとしており、現時点においては、県内の薬局、医療機関に従事する薬剤師約2,000人で対応が可能と考えております。  次に、4点目の現在のSCUの整備方針、災害医療コーディネーターの設置についての検討状況と今後の方向性についてであります。  滋賀県災害医療体制検討会においては、災害時の医療救護活動、医療救護活動の基準やマニュアル、災害医療コーディネーター、さらに広域医療搬送などについて検討しております。中でも、災害時に県内外への搬送の拠点となる航空搬送拠点臨時医療施設SCUの設置については、8月に開催した医療救護活動部会において候補地の選定を行っているところであり、今後さらに調査、検討を行い、今年度中に運用手順を作成し、SCUを設置してまいりたいと考えております。  また、災害時に県内の医療体制の調整を行う災害医療コーディネーターの設置についても、要件や業務内容等について検討を進めておりまして、今後、具体的な人選を行い、今年度中に設置を行います。  こうした具体的な取り組みを着実に進め、関係者が連携を図りながら、災害医療体制の一層の充実に万全を期してまいりたいと考えております。  5点目の大津赤十字病院が高度救命救急センターの指定を受けたそれまでのプロセスについて御説明申し上げます。  まず1点目は、高度救命救急センターとは、救命救急センターの中でも、広範囲熱傷、指と足の指肢切断、急性中毒等の特殊疾病患者に対する救命治療を行うために必要な相当高度な診療機能を有するものと、昭和52年厚生省医務局長通知により定められております。本年3月に改定した滋賀県保健医療計画において、高度救命救急センターの設置について明記をいたしました。そして、高度救命救急センターの設置についての検討を行い、大津赤十字病院は指定の要件を満たしていること、およびその実績もあることから指定の判断をしたものでございます。そして、本年8月2日に開催された滋賀県医療審議会で承認され、8月12日付で指定をしたところでございます。  次に、6点目の滋賀医科大学を救命救急センターに指定する可能性も含め、災害医療体制における滋賀医科大学の果たすべき役割についてでございます。  滋賀医科大学医学部附属病院を三次救急医療を担う救命救急センターに指定することについては、指定要件に照らし合わせて、大学の意向も踏まえて検討していきたいと考えております。また、同病院については、平成22年3月に、災害時に本県の広域災害医療の中心的な役割を果たす災害拠点病院として指定しております。さらに、滋賀医科大学は、多数の医師を有しており、広域災害時において医療チームの派遣ができるなど、災害時において大きな役割を果たしていただけるものと期待をしております。  次に、最後7点目のドクターヘリの誘致に向けた決意と受け入れ準備の状況でございます。  現在、関西広域連合で6機目のドクターヘリについて検討しているところでございますが、まず、条件といたしましては、①救命効果が高いと言われる30分以内に初期治療を行える体制の構築を図る必要があり、そのためには運航範囲を半径70キロメートル程度とするよう基地病院を配置する必要があります。  2点目には、そのことから、関西広域連合で策定された関西広域救急医療連携計画において、滋賀県全域と京都府南部を運航エリアとする京滋地域に1機配備すると位置づけられました。  3点目ですけれど、連合内をこの運航範囲でカバーするには、少なくとも滋賀県南部に基地病院を配置しなければならないと考えております。  以上のことから、できるだけ早く連合の京滋地域ドクターヘリを何としても本県に誘致してまいりたいと考えております。  受け入れ準備等についてですが、まず1点目ですが、昨年度より広域連合の広域医療局において、基地病院を本県へ誘致するための調整を行ってまいりました。  2点目ですが、ドクターヘリ搭乗医師5名および看護師5名については確保できております。今後、マンパワーの充実を図るため、研修会への派遣要請を行っております。  3点目ですが、ドクターヘリの有効性を発揮するためにはランデブーポイントの確保が必要です。現在89カ所のランデブーポイントを45カ所増設して134カ所にする予定で、現在、候補地の調査を開始しております。  以上のような状況でありますことを御報告させていただきます。  次に、大きな7問目の滋賀県「観光交流」振興指針案についての4点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目のこれまでの5年間の総括と検証、指針案の目指す方向、重点を置くもの、滋賀ならではの特徴についてであります。  審議会でも、これまでの方向性は、滋賀県の状況を的確に捉えたものであり、今後も基本的に継承すべきものと評価されました。県としては、観光入り込み客数について、大河ドラマの舞台となった平成23年には、関係者が一体となった取り組みの成果により過去最高を記録したものの、計画期間前半では、新型インフルエンザの発生等外的要因の影響による大きな落ち込みがあるなど、決して順調とは言いがたい状況であったと認識しております。  これを踏まえ、新しい指針が目指す方向性は、これまでのものを踏襲し、「訪れてよし、迎えてよし、地域よしの観光・三方よしの推進」と位置づけるとともに、外的要因の発生等にも素早い方策を講じるなど、臨機応変に対応することとしております。  この方向性に沿って、観光地滋賀の認知度向上、滋賀ならではの素材や強みを生かした特色のあるツーリズムの展開、来訪者、居住者双方がともに満足できる「観光交流」推進の体制づくりという3点を重点としております。滋賀ならではの観光としては、例えば、琵琶湖の豊富な観光資源を生かした観光ブランド琵琶湖「ビワイチ」の推進による、テーマ性、ストーリー性のある観光メニューの展開や、本県には全国から多くの学生が集まっており、その学生の力を生かした形で取り組むなど、滋賀県が持つ多様な可能性を最大限活用することとしてまいりたいと考えております。  2点目の目標をどう具体的に達成するかでございます。  答申でも御指摘をいただきましたが、指針が目指す観光交流を推進するには、さまざまな主体が指針に掲げる理念を共有し、連携を図りながら、それぞれが目標に向かって力を尽くしていくことがまず必要であります。その際には、マーケティングの戦略的視点によりまして、経済環境や社会情勢の変化に敏速に対応した実効性のある取り組み展開が必要でございます。県の施策については、毎年度、具体的な取り組みをまとめたアクションプランを策定するとともに、進捗状況を確認し、適宜見直すことを通じて、効果的な推進を図ることとしてまいります。具体的には、例えば、観光ブランド「ビワイチ」による魅力的な旅づくりや、県内学生の若い感性を生かした観光素材の発掘、地域におけるおもてなし向上のための人材育成などに取り組んでまいります。  次に、3点目の新しい指針の災害時対応についてであります。  災害発生時における来訪者の安全確保のためには、観光事業者や県、市町、関係団体等がそれぞれの立場で適切に対応することが大変重要であります。このため、今回の指針案では、安全、安心な観光地づくりを進めるため、災害発生時に来訪者の安全確保を図る体制整備を重要な課題と位置づけており、既に課題に関連する研究会に参加するなど情報収集に取り組んでおります。  4点目のオリンピックを視野に入れた外国人観光客への取り組みでございます。  東京でのオリンピック開催は、多数の外国人観光客が見込まれることから、多くの方々に関西や、あるいは滋賀県の魅力に触れていただく絶好の機会と認識しております。このため、オリンピックの開催を視野に入れて、滋賀県の認知度向上に向けた取り組みを継続的に推進するとともに、関西広域連合とも協力をしながら、あるいは中部圏の知事会などとも協力をしながら、多言語ガイドマップや案内表示の充実など、外国人観光客の滞在環境向上に向けた取り組みを着実に進め、7年後のオリンピック開催時には多数の方々に滋賀県にもお越しいただけるようにしていきたいと考えております。  最後に、8問目のスポーツ振興についての5点の質問にお答えいたします。  まず、1点目のスポーツ行政組織の改編についてでございます。  本県においては、学校における体育と、競技スポーツ、生涯スポーツとの一体的な推進や、市町教育委員会との円滑な事務執行を図る観点等から、スポーツ行政を教育委員会が所管しております。一方、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定に基づき、学校における体育に関すること除き、スポーツに関する事務を知事部局へ移すことは可能となっております。  今後のスポーツ振興については、国体や全国障害者スポーツ大会の開催に向けて重点的に取り組んでいく必要があると考えておりますが、御指摘のスポーツ健康課の知事部局への移管や、健康福祉部が所管をしている高齢者スポーツ、障害者スポーツの分野の教育委員会との一体化については、その課題やメリット、デメリットを整理し、他府県の例等も参考にしながら前向きに研究してまいりたいと考えております。  次に、2点目の主会場候補地についての御質問でございます。  陸上競技会場および開会式、閉会式の会場となる主会場については、原則として県有施設での確保を目指す必要があると認識しております。候補地としては、既存の県有施設である彦根総合運動場や希望が丘文化公園、および、びわこ文化公園都市内の県土地開発公社所有地の活用を想定しております。なお、これら以外にも、市町が保有する既存施設を核とした整備の可能性についても、市町からの御提案に基づき検討してまいりたいと考えております。  3点目の主会場選定の基準や手順についてでございます。  主会場の選定に当たっては、交通手段の確保や開会式、閉会式で必要となる仮設施設の設置スペースの確保、さらには防災や国体後の利用など多目的に使用できる施設として、大会後も有効に活用できることなどが重要な要素になると認識をしております。このような観点を踏まえた選定基準を、開催準備委員会の設置後、速やかに決定いただく予定でございます。  主会場決定に向けた手順としては、開催準備委員会において、候補地ごとの現状分析や課題の整理を行い、概算整備費等も踏まえながら検討を行っていただきます。その結果をもとに、今年度中をめどに県としての判断を行ってまいりたいと考えております。  次に、4点目の市町の実施競技についての御質問でございます。  先催県の例によりますと、各市町における実施競技については、市町や競技団体の意向を踏まえつつ、各種競技会の開催実績、競技施設の状況、宿泊や交通等の諸条件を勘案しながら、総合的に判断し決定されており、同様の手続を踏む必要があると認識しております。今後、開催準備委員会において、各競技会場の選定基準を決定いただいた上で、市町や競技団体に対し選定の手順をお示しするなど、具体的な作業に着手してまいります。また、国体開催を県内各地における地域振興に結びつけるためにも、県内全ての市町において、何らかの競技を開催していただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、5点目の競技力向上対策に関する御質問でございます。  国体開催を視野に入れ、本県で育ったすぐれた選手が全国で活躍し、その後、地域のスポーツ推進に寄与するという好循環を生み出せるようなスポーツ環境の整備が重要であります。今後、先催県の例を参考としながら、県体育協会はもとより、各競技団体、大学、企業等のスポーツ関係者と連携し、御意見を伺いながら、選手、指導者の育成や強化のための計画を策定する必要があると認識しております。  一方、11年後の国体の主役となるジュニア世代をターゲットにした育成策など、早期に着手することが効果的と考えられる取り組みについては、実施に向けて具体的に検討を行ってまいりたいと考えております。  財源確保に向けたさまざまな方策も含め、先催県における事例も参考に、今後、議会にもお諮りをしながら、滋賀の未来を担う子供や若者が、スポーツの分野で将来の夢や希望を実現できる環境づくりに前向きに取り組んでまいりたいと考えております。  以上、九里議員の代表質問への答弁とさせていただきます。 ◎教育長(河原恵) (登壇)スポーツ振興についての6点目の御質問にお答えをいたします。  まず、子供たちの体力向上や地元ジュニアアスリートを支援するための手法についてでございますが、本県の子供の体力向上につきましては、各小学校の体力向上委員会で学校の実態に応じた体力向上プランを作成し、例えば、異学年が一緒に遊ぶ縦割り遊びや鬼ごっこを実施するなど、子供を運動好き、遊び好きにするための取り組みを進めております。また、幼児期に運動遊びに親しむことが大変重要であることから、幼児期の運動能力調査を今年度から実施し、実態を把握しているところであります。今後は、小学校において10分間運動を実践するなど、さらに充実した取り組みを進めていきたいと考えております。  ジュニアアスリートへの支援につきましては、2020年の東京オリンピックや、2024年に本県で開催される国体への出場など、子供たちの夢や希望が実現できるよう、才能を見出し育成する新たな仕組みを検討するとともに、小学生から高校生までの一貫指導体制の充実に向けて、スポーツ少年団と競技団体等との連携を深めてまいりたいと考えております。  次に、生涯にわたってスポーツに親しむ能力や態度を培うプログラムでありますが、学校においては、授業を通して仲間と仲よく運動したり、各種の運動の楽しみや喜びを味わえるよう、教員の専門性と資質の向上に取り組んでまいります。  また、各家庭に対しては、先ほどの幼稚園、保育所での調査を踏まえ、親子が一緒に楽しく体を動かす取り組みを例示するなど、幼児期からの運動遊びの重要性を啓発してまいりたいと考えております。  さらに、地域においては、地域コミュニティーの場として期待されている総合型地域スポーツクラブで、発達段階に応じた運動教室の実施など、大学とも連携しながら、子供たちに対して効果的なプログラムが提供できるよう努めてまいります。  平成36年に本県で開催される国体を見据え、滋賀の子供たちが、運動、スポーツに親しむことにより、たくましく生きる力の基礎となる体力が向上するよう、また、スポーツに夢を抱き、スポーツに打ち込むことができるよう、その支援に力を尽くしたいと考えております。 ○議長(宇賀武) しばらく休憩いたします。   午後3時33分 休憩    ────────────────   午後4時15分 開議 ○議長(宇賀武) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  最後に、11番駒井千代議員の発言を許します。 ◆11番(駒井千代議員) (登壇、拍手)対話の会・しがねっとを代表し、9項目について質問をいたします。  このたびの台風18号では、安曇川の最上流である葛川で、16日17時までの24時間累加雨量が635ミリを初め、各地で観測史上最大の降雨量を記録し、気象庁から京都府と福井県の全域、滋賀県下のほぼ全域に対して大雨特別警報が発令されました。滋賀県内では、大雨による山崩れでとうとい命が失われたり、河川の決壊や内水氾濫で多くの家屋や田畑が浸水被害を受けるなど、各地で甚大な被害が発生いたしました。  被害を受けられた地域や住民の皆様には、心よりお見舞い申し上げますとともに、水防活動や避難所開設を初めとする災害支援に取り組まれた方、災害復旧に向けてボランティア活動をされている皆様に感謝申し上げます。私たちも一刻も早い復旧復興に向けて全力で取り組み、また、今後も起こり得る自然の猛威に対して命と暮らしを守る対策の構築に努めることをお誓い申し上げます。  そこでまず、第1項目めは、滋賀県流域治水推進に関する条例の制定についてお伺いします。  2005年気象庁の地球温暖化予測情報第6巻によりますと、日本の年平均気温は、統計のある明治29年、1896年以降、100年におよそ1.07度の割合で上昇し、日降水量は増加傾向にあるとされています。さらに、100年後の日本の平均気温は二、三度程度上昇し、降水量の年変動の増加や大雨の発生頻度の増加が予測されています。地球規模の温暖化を原因とする気象異変は、今後、異変ではなく恒常的なものとなるとも言われており、大雨だけに限らず特別警報が発令される事態に備えていかなければなりません。  私たち県議会も、このたび、本県が経験した数十年に一度と言われた大雨による被害状況と河川管理体制、そして、住民の命を守る危機管理体制について、改めて真摯に議論を進めたいと感じるところです。  東日本大震災以後、いかにすれば命を守れるか、減災対策の重要性が頻繁に言われるようになり、情報の共有と日ごろの備え、地域実情に応じた避難訓練が生死を分けるとさえ言われています。  また、平成20年の社会資本整備審議会において、河川で安全を確保する治水政策で対処することに加え、増加する外力に対し、流域における対策で安全を確保するという治水政策を重視的に行うべきである。浸水頻度や浸水のおそれが高い地域、崖崩れや土石流など土砂災害の危険性が高い地域などでは、土地利用の規制、誘導と一体として被害を抑制する方策は有効であると答申されています。これは、ダムや堤防などのハード面の対策だけでは全てを防ぎ切れないこともあり得ることを想定内とし、ソフト面の対策の重要性も示したものであります。
     今回の流域治水推進条例は、この答申を踏襲し、まさに命を守るために、逃げることのできる空間や場所を確保するための政策を盛り込み、川の中の対策だけではなく、あわせて川の外の対策も実施するという、これまでの対策に加えた減災対策を講じるものにほかなりません。  私たちの会派、対話の会・しがねっとは、昨年2月議会において、流域治水基本方針を議決してからも、一貫して、いかなる洪水に遭っても人命を守ることを最優先にし、早期に条例の制定を求めてきたところです。知事は、環境社会学者として、これまで30年にわたり各地を回って水害被害について聞き取ってこられ、また知事として、2006年以降、条例制定に向けて取り組んでこられました。改めて流域治水の基本的考えと条例制定に向けた知事の思いを伺います。  次に、このたびの流域治水推進条例要綱案に対するパブリックコメントにおいて出された意見の中から、主なことを中心に2点、知事にお伺いします。  まず、1点目に滋賀県の河川整備についてお伺いします。  流域治水推進条例案第9条、河川における氾濫防止対策においては、知事は、その管理する河川について、県の全域における河川の整備状況の均衡に配慮しつつ、河道の拡幅、堤防の設置、河床の掘削などの対策を計画的かつ効果的に組み合わせて行うことと規定されています。パブリックコメントの中には、県は河川管理者として河川整備をまずすべきという声もございました。私たち、対話の会・しがねっとも、川の中の対策である河川整備についても重要であると認識しています。  図をごらんください。(資料掲示)  滋賀県には509本の一級河川がございますが、河川整備予算の推移を調べてみますと、近年、県単独事業費は年々増加し、ここ10年で河川改修費は218億4,100万円、しゅんせつや伐木といった維持管理を含めますと総額378億6,400万円となっています。一方、国の補助事業は、しばらく滋賀県での災害が少なかったこともあり、時に補正予算で増加する年があるものの、総じて減少していき、平成16年と比較してほぼ半減しております。しかし、そういう状況であっても、河川整備を進めることも重要であります。  そこで、私たち会派でも河川整備の状況を確認すべく、昨年4月に日野川へ寄せていただきました。(資料掲示)これは平成20年撮影の仁保橋です。上が改修前で、下が改修後となっております。日野川は、平成2年の台風19号の被害から、災害復旧助成事業に始まった改修事業は、平成8年に補助河川事業に乗りかえて、これまで23年間、約210億円を投じて、河口部から6.3キロ付近の仁保橋上流まで整備が進みました。河川の拡幅のために周辺の土地収用などがあれば、特に日野川は大河川であることから、1メートル進めるだけでも約460万円を要し、河川の伐木でも、所有者を確認する作業が必要な場合もあるなど、単に目の前にある川の中のものを除去すればよいだけの単純なことではないさまざまな苦労もお聞きしました。  滋賀県では、平成20年に中長期整備実施河川の検討を行い、Aランク河川、Bランク河川、Tランク河川と優先度を精査しながら、改修整備と河川管理を進められてこられました。しかし、今回の浸水危険区域に指定されると考えられる地域で、住居数が最も多い長浜市の虎姫地区では、付近を流れる姉川、高時川、田川について河川の整備計画が策定されておらず、早急に策定されるべきという自治体意見が出されていますが、ここについてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。姉川、高時川はAランクとTランクに位置づけられており、河川の維持管理事業も多くの箇所で進められていると伺っておりますが、湖北圏域の河川整備計画については、国による丹生ダムの検証中のため、高時川の計画流量が決まらないことが原因で策定がおくれていると仄聞しております。そこで、河川における氾濫防止対策と流域治水の考え方について、知事の考えをお聞かせください。  2点目に、想定浸水深の情報提供について伺います。  流域治水推進条例第29条においては、宅地または建物の売買などにおける情報提供について、宅地建物取引業者は、当該宅地または建物が所在する地域の想定浸水深および水防法第14条第1項に規定する浸水想定区域に関する情報を提供するよう努めなければならないと規定されています。パブリックコメントでは、浸水危険区域における情報提供は、土地の売買において支障が出るとの意見もございます。災害危険区域においては、宅地建物取引業法第35条による重要事項説明義務が課せられていますが、命や財産にかかわる貴重な情報は、行政と事業者、県民が共有することによって、命や財産を台なしにせずに済むようにしなければなりません。  条例は、土地の特性に鑑みながら、将来に向かってどういう住まい方をしていくかの誘導策でもあります。特に家を構えるということは、人生において大きな投資でもあることから、その土地がどのような特性を持っているかということについて十分に知る権利があるのではないでしょうか。それゆえ、私たちは行政の有する情報は全て開示すべきであり、1メートル、2メートルの浸水想定情報も不動産売買時に提供することは重要であると考えますが、条文上、情報を提供するよう努めるとされています。そこで、情報提供のあり方についてお伺いします。  最後に、今回の流域治水推進条例は、河川整備を進めるとともに、現在の河川改修計画を完了するだけでも100年近くかかること、完成してもさらなる想定外の大雨に対応できるとは言えないことから、指定区域で住宅や福祉施設、医療施設などのその他の施設を新築、増改築する場合に敷地のかさ上げをするか、もしくは避難場所の確保をしていくものであり、既存の住宅を直ちに違法とするわけではないと理解をしております。特に浸水危険区域に指定が予定されている地域におきましては、条例の趣旨、内容が理解されるよう十分な説明をお願いして次の質問に移ります。  次に、2項目めの防災対策についてお伺いします。  1点目に、風水害対策について、知事に伺います。  今回の台風18号では、重大な災害の危険性が著しく高まった場合に発令される最大級の警戒を呼びかける大雨特別警報が、この制度の施行後、初めて発令されました。数十年ぶりのまれに見る大雨で、県民からはどこでどのような被害が生じているのか、道路を初めとする生活インフラの状況についての情報はどこから得られるのか、戸惑いの声も聞かれたところであります。  特別警報が発令された場合、その地域は数十年に一度しかないような非常に危険な状況にあり、市町村は直ちに最善を尽くして身を守るように住民に呼びかけ、非常に危険な状況にあることを住民に周知する対応をとること、また、住民も直ちに命を守る行動をとらなければならないとされていますが、その前提として、住民が適切な行動がとれるような情報提供が重要であります。  滋賀県としても、速やかに全県下の被害状況把握をし、県民に知らせることが重要でありますが、50年前との大きな違いは、降雨量や河川流量などの観測情報を県民に提供できたことにあります。しかし、今回の災害における市町との間での情報収集、県民への情報発信はどのような状況であったのか、お伺いいたします。  また、防災、防犯などの身の回りの危険に関する情報を発信するしらしがメールの登録者数は3万5,159名と仄聞しておりますが、昨今の携帯、スマートフォンの普及率を考えますと、非常に少ないため、さらなる登録推進を図っていくべきではないかと考えますが、これを含めた今後の県民への正確で迅速な情報発信についての所見をお伺いします。  2点目に、原子力防災対策について、知事にお伺いします。  東日本大震災の発災後、早くも2年6カ月が経過いたしました。しかし、被災地の復興はまだまだ進んでおらず、東京電力福島第一原発では、原発事故の収束どころか、むしろ被害が拡大しているような事態が起こっています。8月20日に明るみに出た東電福島第一原発のタンクからの高濃度の放射能汚染漏れ、そして汚染水の海洋流出の実態を、アメリカのCNNはフクシマ・リークと表現し、世界中に報道しました。現在、政府や東京電力は汚染水の流出防止対応に追われていますが、一向に改善されず、世界中から懸念を持って注目され、国際問題になりつつあります。  このような状況下、9月8日、安倍首相は、2020年オリンピック招致に向けた日本の最終プレゼンテーションの場で、「汚染水問題は結論からいって全く問題がない。健康問題については今までも現在も将来も全く問題がないと約束する」と発言されました。しかし、私たちが新聞報道などで知る限り、この発言については、東電関係者の認識とは隔たりがあるように感じられ、信憑性には疑問を抱かざるを得ません。今さらながら原発事故の深刻な被害を知るにつけ、原発施設を隣県に抱える本県としても、万が一の原発事故への備えは万全でなければなりません。  滋賀県は地域防災計画の原子力災害対策編の見直し作業を3年続けて行っており、8月5日に開催された平成25年度第1回滋賀県地域防災計画の検討会では、見直しに係る検討項目について協議されましたが、この協議内容を踏まえて知事にお伺いします。  原子力災害対策指針では、県境を越える広域避難について、「国では、避難及び一時移転の実施に当たっては、原子力規制委員会が、施設の状況や緊急時モニタリング結果を踏まえ、気象予測や大気中拡散予測の結果等を参考にしつつ実施の判断を行った上で、国の原子力災害対策本部が避難等の指示を地方公共団体を通じて住民等に混乱がないよう明確に伝えなければならない」と記載されています。  今回の滋賀県の大気シミュレーションモデルは、放射性ヨウ素で行われていますが、福島第一原発では大量のセシウムが放出されております。セシウムとヨウ素では放射能の性質が異なり、これにより避難方法も異なるものと考えます。そこで、このように性質の違う放射性物質からの広域避難計画についてお伺いいたします。  また、福祉施設などに入所されている方は、災害時には特に健康を損ね、死に至る場合も少なからずあります。これらの方々の広域避難は非常に困難を伴うことから、早期に避難計画を策定し、訓練すべきと考えますが、その進捗状況についてお伺いいたします。  3点目に、地震対策について、知事にお伺いします。  国は、2012年に南海トラフ地震と津波の想定を最大クラスに見直されました。滋賀県で想定される最大の全壊棟数は、揺れで約7,800戸、液状化で約2,800戸などと推計され、建物倒壊による死者数は約500人と言われております。これは、国の防災対策を検討するための広域的な被害想定が公表されたものですが、滋賀県としてもより詳細な地震被害想定調査をすべきだと考えます。被害分布についても県内市町別に被害想定を策定し、これに対する対策を早急に講じなければなりません。そこで、現在の被害想定調査の進捗状況と今後の滋賀県地域防災計画についてお伺いします。  次に、3項目めの再生可能エネルギーの取り組みについて、3点、知事にお伺いいたします。  8月21日に我が会派では、経済産業省の資源エネルギー庁に赴き、我が国の再生可能エネルギーをめぐる現状について説明をお聞きしました。昨年7月に施行された電力買取制度により、再生可能エネルギーの導入は一気に進み、2011年度末で太陽光、風力、小水力などで合計約2,000万キロワット、2012年4月から2013年5月末までに運転を開始した設備が約336万キロワットで15%増、そして、2013年5月末までに設備認定を受けたものの、まだ運転を開始していない設備は約1,932万キロワットあり、1年半もの間にこれまでの実績の約2倍以上に拡充をされています。資源エネルギー庁としては、今後も再生可能エネルギー導入促進に向けて、積極的に補助金、研究開発、税制優遇等の政策を総動員する予定だとの説明を受けました。  私たちからは、今後、特に防災拠点の整備に当たり、防災拠点施設のエネルギー自立に向けた施策の推進などを申し上げたところ、被災地のみならず、対象を拡大することにつき検討するとの回答をいただいたところでもあります。  そこで、このように全国的に再生可能エネルギーの導入が進む中で、例えば、県としても屋根貸し事業など、みずからより積極的な取り組みが必要だと考えますが、所見をお伺いします。  2点目に、電力の確保には、既存エネルギーの有効活用に加え、安全でクリーンな自然再生エネルギーが求められています。特に、小さくても電力を生み出す太陽光発電や小水力発電の活用は、時代の要請でもあり、琵琶湖に流入する河川の傾斜を生かした小水力発電にも期待がかかっています。  そこで、小水力発電は、水資源の有効活用として安定した電気を賄えることから、積極的に推進すべきと考えますが、新たなエネルギーを生み出す水資源の活用について、今後の見通しも含めて所見を伺います。  3点目に、今夏、知事はドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州に視察に行かれましたが、この経験に基づき、本県でも実施可能な事業の推進、再生可能エネルギーから発送電を行う取り組みの強化、そして、これを担う人材の育成や教育に力を入れる考えを公表されたところです。そこで、視察されてきたドイツの再生可能エネルギー導入の取り組みについて、所見を伺います。  次に、4項目めの琵琶湖の保全についてお伺いします。  マザーレイク21計画は、「琵琶湖と人との共生」をスローガンに、琵琶湖を健全な姿で次世代に継承することを理念に掲げ、人と地域との幅広い共感、保全と活力のある暮らしの共存、後代の人々と琵琶湖の共有を基本方針としています。この中で示されている水質保全、水源の涵養、自然的環境、景観保全への取り組みについて、これまで重点的に施策が講じられてきました。しかし、琵琶湖の保全対策が進む一方、温暖化による影響や外来種の増加、さらに予測不可能な原発事故による放射能汚染も含めた新たな脅威への不安も拭い去れません。  マザーレイク21計画の2期目の中ごろに差しかかっている本年、琵琶湖保全に対する個別面から面的な対策へと一層の広がりが認められることから、これまでの施策の成果と産官学民による琵琶湖保全への今後の展望について、以下3点について、知事にお伺いします。  1点目に、琵琶湖と現状と課題をどのように認識しているのかお伺いします。  近年、水質は以前に比べ改善されつつあり、富栄養化につながる水質は横ばいとの報告であります。しかし、マザーレイク計画が目指す昭和40年代の前半の水質状況と多様な生物でにぎわう琵琶湖に戻すには、まだまだ遠い道のりであると言えます。  まず、外来種の増加による被害を危惧しております。外来種が琵琶湖に入る経路はさまざまですが、ペットで飼われていたものが手に負えなくなり、放流されるものもあるように仄聞しております。特に危害を加える生物が琵琶湖で増殖すると、人が水辺に近づきにくい状況となることを心配しています。さらに、琵琶湖で急速にふえている侵略的外来水生植物と呼ばれるオオバナミズキンバイが猛威を振るっており、市民活動団体も除去に乗り出していらっしゃいます。これらの外来種に対する対策についてお伺いします。  次に、早崎内湖再生のような内湖のモデル事業に加え、農業排水の再利用や水質浄化能力の高いヨシ帯の拡大、貝類の増殖等に力を注ぐことも効果的ではないかと考えます。貝類の水の浄化力の高さについては、県内のベテラン漁師の方々も貝類の水の浄化力を環境保全活動や環境学習の中に取り入れられていたり、有明海ではカキの殻を海中にまいて多くの生物による水質浄化を期待する取り組みが進められていることなどから、琵琶湖でもセタシジミなどの放流による水質浄化を期待したいところですが、所見を伺います。  2点目に、2020年に向けて、課題に対する解決策と新たな脅威に対する対策をどうするかについてお伺いします。  2020年は、マザーレイク21の第2期目が終わる年であり、折しも東京オリンピックが開催される年でもあります。今後7年間でどこまで達成できるかは、これからの施策と取り組みにかかっていますが、既存目標の見通しについて伺います。  マザーレイク21計画の水源の涵養には、森林、農地等が有する浸透貯留機能の向上と自然の水循環を生かす適正な水利用の促進が示されています。表記の浸透貯留機能には、表層面が想定されていますが、地下水の果たす役割も大きいところです。そこで、地下水の量的把握に加え、不法投棄などに起因した地下水への汚染から守るための対策が必要と考えますが、所見を伺います。  また、想定外の事故とされた福島原発事故の被害を考えると、福井の原発群に近い琵琶湖の安全対策が不可欠であります。琵琶湖の放射能汚染に対する研究と対策についての考えについてお伺いします。  3点目に、琵琶湖保全と利活用に関する各主体の取り組みと協働についてお伺いします。  マザーレイク21計画による琵琶湖の保全と利活用が効果的に進むには、さまざまな主体が連携し、協働して取り組みを進めることが重要であると考えます。保全を進めている市民活動団体の方にお聞きすると、浜辺の沖合10メートルぐらいのところに粗朶消波堤をつくることで波を和らげ、さらにヨシの苗を波から守るために半割竹筒にヨシ苗を埋め込む作業を行った結果、効果が見られたとのお話でした。  そこで、県内の各主体でどのような取り組みが行われており、協働化されているのか、現状と見通しについてお伺いします。また、琵琶湖は近畿の水源であることから、関西広域連合でも、琵琶湖淀川流域の問題として琵琶湖保全を位置づけることが重要であります。関西広域連合における琵琶湖保全の視点での取り組み状況と今後の見通しについてお伺いします。  次に、5項目めの饗庭野演習場でオスプレイが使用されることについてお伺いします。  去る8月22日に、突然一部のマスコミにより、政府関係者によると、日米両政府は高島市の陸上自衛隊饗庭野演習場で10月上旬から中旬にかけて実施する日米共同訓練でオスプレイを使用することで最終調整に入ったとの報道があり、私たちは耳を疑うほど驚きました。滋賀県や地元高島市に情報提供が全くないままにこのような報道がされたことに、県民の皆様も大変驚かれ、不安を感じられたのではないでしょうか。その日のうちに、宇賀議長から滋賀県内での日米共同訓練に関する報道についての議長コメントが各報道機関に出され、詳細な情報が得られていない状況にあり、二元代表制の一翼を担う県議会として、正確な情報の把握に努め、適切に対応してまいりたいとされたところです。このことだけを見ても、オスプレイの導入が滋賀県にとって重大な事案であることをあらわしております。  9月6日に、防衛省の陸幕広報室より日米共同訓練にオスプレイが参加予定であると正式に公表され、防衛省近畿中部防衛局長より滋賀県知事および高島市長へ説明がありました。それを受け、滋賀県知事は高島市長とともに9月10日に防衛省の小野寺大臣に対して14項目にわたる質問をし、回答と説明を求められ、9月13日に近畿中部防衛局長より滋賀県および高島市に対して回答がありました。この回答に対して、高島市長は、住民に説明しなければならず、一日も早く情報を知らせてほしいと注文されていますが、滋賀県としてどのように考えておられるのか、以下3点を知事に、あとの2点を警察本部長にお伺いします。  1点目に、滋賀県や高島市への情報提供がないままに一方的にマスコミ報道がされたことについて、知事はどのような受けとめ方をされているのか、所見を伺います。  2点目に、饗庭野駐屯地の地元高島市は、自衛隊と高島市は共存共栄の関係にあり、常に協力関係にあります。そのような中、今回のオスプレイが使用されるに当たり、県民の不安解消のために、迅速で的確な情報提供や説明が求められます。防衛省からの回答を受けて、1、オスプレイは当初からたびたび事故を発生しており、報道等によると機能的欠陥が危惧されているが、機体の安全性や運用の安全対策は確保されたか。2、饗庭野で日米共同訓練にオスプレイが使用されることが沖縄の負担軽減につながるかどうか。以上2項目に関し、県として十分納得のいく回答を得られたのかどうか、また、県民への説明をどのようにされるのか、知事にお伺いします。  3点目に、今回防衛省が地元高島市や滋賀県を頭ごなしにして日米共同訓練でオスプレイ使用を決定されたことはまことに残念です。国の専管事項とはいえ、滋賀県を抜きにした日本の国はあり得ないのですから、今後このような形で物事が決定されることのないよう、県としてどのようにお考えか、知事に伺います。  4点目に、訓練期間中は米軍の公務であると解釈した場合、日米地位協定の関係上、事故発生時などにおいて、捜査や検証などに警察権限を行使できる範囲はどのようであるのか、警察本部長に伺います。  5点目に、日米共同訓練にオスプレイが使用されるに当たり、饗庭野演習場周辺ならびに高島市にはさまざまな方が詰めかけると想定されます。住民の日常生活に支障を来さないよう警備体制をしっかりとっていただきたいのですが、警察本部長の考えを伺い、次の質問に移ります。  次に、6項目めの滋賀県の観光戦略について、3点、知事にお伺いします。  1点目に、国際観光についてお伺いします。  現在、我が国では、訪日外国人旅行者数を2016年までに1,800万人、2020年初めまでに2,500万人、将来的に3,000万人とする目標を掲げておりますが、ことしは、円安、一部アジア諸国へのビザ緩和などの影響もあり、訪日外国人旅行者数が増加し、既に今年度目標の1,000万人を達成いたしました。関西でもLCCといった格安航空会社の関西空港における増加や、近くインドネシア関西空港の増便がされることにより、今後、特にアジアからの観光客の増加が見込まれます。関西広域連合でもアジアを中心に観光プロモーションを実施され、また、滋賀県でもシンガポールからの招聘旅行でフードツーリズムの推奨をされており、このような継続的な取り組みが、関西、ひいては滋賀県への観光客の増加へとつながることを期待しています。  しかし、滋賀県の弱みは何といっても知名度が低いことにあります。日本の観光に関してアクセス数が高いジャパンガイドによりますと、日本の都道府県別アクセス数で滋賀県は36位でありますが、こちらのホームページに掲載されているのは彦根城と忍者屋敷の写真のみです。もちろん滋賀県の観光ホームページの充実も重要ですが、先ほど申し上げたように滋賀県の知名度が低いこともあり、こういったアクセス数の高いところでどう知名度を上げていくかも重要です。  関西空港でのレンタカー会社の方に伺いますと、レンタカーを事前に予約し、五、六人の友人や家族で世界遺産を目的に来日される方も多いようで、今後は富士山が世界遺産として登録されたことで、羽田空港、成田空港まで借りられる方がふえていくということでした。  そこで、滋賀県はJRと連携して集客活動もされていますが、例えばレンタカー会社と連携するなど、日本一高い山である「Mt.Fuji」に対して、日本一大きな湖である「Lake Biwa」と、知名度アップのために「BIWAKO」を国際語にしていく取り組みが必要なのではないでしょうか。このたび、滋賀県観光振興指針の改定に当たっての考え方について答申がなされましたが、滋賀県の知名度についてどのような指摘がなされ、それを受けてどのような戦略を持たれるのか、お伺いいたします。  2点目に、国内観光についてお伺いします。  国内観光は、平成23年度はお江効果もあり、滋賀県は例年にない観光客数でありましたが、東北を含めた関東方面の持ち直しや、今年度は伊勢神宮の式年遷宮、富士山の世界遺産登録などで厳しい状況であるかと思います。さらには、今後、北陸新幹線が富山県、石川県で開業することから、北陸方面への注目が集まるようにも思え、ますます滋賀県ならではの地域の魅力が問われてくるのではないでしょうか。  国内観光における滋賀県の課題の一つに、日帰り観光客が8割を占め、宿泊・滞在型観光客の割合が少ないことがあります。日帰り客と比較して、宿泊客の消費支出は大きいことから、夜、早朝のイベントやストーリー性のある広域観光の企画造成などを通じて、宿泊への誘導策が必要かと思われます。国内観光における宿泊者増に向けた取り組みについて、知事にお伺いします。  3点目に、観光振興条例制定に向けてお伺いします。  観光は人と人との触れ合いを促進し、それを通じて新しい文化を育む文化活動であると同時に、その行動から地域の雇用や消費の活性化など、幅広い経済効果も生まれる経済活動であり、観光客の方に訪れていただくことは、住んでいる人々がみずからのまちの価値を問い直し、磨くまちづくり活動でもあります。  観光振興においては、県と市町や観光協会その他民間施設との連携は当然のこと、県庁内においても、第一義的には観光交流局の所管ではありますが、歴史文化遺産をめぐる学習観光や教育旅行は教育委員会もかかわり、エコツーリズムやグリーンツーリズムでの自然観光資源については琵琶湖環境部、農政水産部、観光行動を支える交通基盤の整備は土木交通部、災害時には防災危機管理局など、全庁的な連携も求められます。ショッピングツーリズムやスポーツツーリズム、ヘルスツーリズムといったニューツーリズムが台頭する中では、今後さらなる連携が求められるでしょう。  そこで、滋賀県の観光振興に向けて、それぞれの責任を明記し、より連携していくためにも滋賀県観光振興条例の制定をしてはいかがと考えますが、知事にお伺いします。  次に、7項目めの第2期滋賀県教育振興基本計画の策定に向けてお伺いいたします。  平成21年に滋賀県教育振興基本計画が策定され、本年度までの5年間、本県の教育に反映されてきました。そして、このたび、平成26年度から平成30年度までの向こう5年間の本県教育を担う第2期滋賀県教育振興基本計画が策定されようとしています。  そこで、まず最初に、滋賀県教育振興基本計画の成果と課題を踏まえ、第2期滋賀県教育振興基本計画を策定されるに当たり、知事の思いをお伺いします。  次に、滋賀県教育振興基本計画では、子供たちのたくましく生きる力を育むことを重点的な取り組みと位置づけ、その具体的な内容として、確かな学力、豊かな心、健やかな身体を育む教育の推進、特別支援教育、キャリア教育の充実などが掲げられています。そこで、たくましく生きる力を育む中から4点について、全て知事にお伺いします。  1点目に、確かな学力を育む取り組みについてお伺いします。  文部科学省は、8月27日、本年度の全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストの結果を公表され、これを受け県教育委員会も県内の児童生徒の結果を公表されました。このたびの調査は、全国の小学校6年生と中学3年生の全児童生徒を対象に、国語A、B、算数、数学A、Bの2教科の学力調査および児童生徒の生活習慣や学習環境に関する質問紙調査が実施されました。  この結果、本県では、中学3年生の数学Aで平均正答率が全国平均を0.7ポイント上回った以外、中学3年生、小学校6年生とも全国平均を下回ったとされています。特に小学校6年生の国語においては、全国正答率より国語Aがマイナス3.9ポイント、国語Bがマイナス3.0ポイント低く、どちらも全国ワースト4に入る順位で、これは、学習状況に関するアンケート調査の自分の考えを他人に説明したり、文章にすることが困難とする児童数が全国平均を上回る結果とも合致しています。  国語という教科は、ほかの教科を学ぶ基礎基本となる教科であり、国語を使う能力を高める教科であり、さらには他人との対人関係力を育む教科でもあります。このような観点から、国語力の低下は、子供たちの人間関係の健全な育成、いじめ問題に及ぼす影響も大きいのではないかと心配されるところです。  全国学力・学習状況調査は、特定教科の学力テストの正答率で、各都道府県や学校に順位をつけ、序列化し、これを他府県と比較したり、子供たちに優劣をつけることのないように十分な留意が必要であると考えますが、本県の児童生徒の結果が全ての教科で全国最下位に近い成績結果と聞きますと、保護者を初めとする県民の皆様が、本県の教育水準について懸念されることも当然だと考えます。  調査結果を詳細に分析しますと、正答率は全ての教科でほとんどが平均点前後の狭い範囲に集中しており、都道府県の結果には大差はなく、この差も年々縮まっていることがわかります。しかし、本県の児童生徒の正答率を全国平均正答率と比較してみますと、その差の範囲が前年度より拡大していること、それが相対的に低下傾向にある状況は重大な観点であり、県民に対する説明責任と早急な対策が必要と考えます。  そこで、このたびの全国学力・学習状況調査における本県の児童生徒の結果についての所見、あわせて、この結果を第2期滋賀県教育振興基本計画にどのように反映されていかれるのか、お伺いいたします。  2点目に、豊かな心を育む取り組みについてお伺いします。  教育振興基本計画では、「豊かな心育む」については、「一人ひとりが社会生活のルールや社会性を身につけるとともに、相手の身になって考えたり、人を思いやる心や感動する心などの豊かな心の育成を図ります」とされていますが、残念ながら、本県では平成23年度に大津市立中学校でのいじめ問題が起こるなど、厳しい教育現場の現実を突きつけられました。  これを受け、有識者による滋賀県いじめ対策研究チーム会議が中間報告書をまとめられ、5月初旬に、知事を本部長とする滋賀県いじめから子どもを守るための対策本部に中間報告書を提出されました。この中間報告書では、いじめ問題の本質、いじめ問題解決に向けての課題整理、そして、具体的な対策の方向性についての提言が詳細に記載されており、その上で、今後、教員を含めた私たち大人が、いじめ問題への対策を考えていく場合、今まで以上に子供の目線を基本にして考えることが最重要であるとの明確な方向性を示されたところです。  そこで、第2期滋賀県教育振興基本計画の中に、いじめ問題に対する本県の対策がどのように反映されているのか、お伺いをいたします。  3点目に、特別支援教育の充実に関する取り組みについてお伺いいたします。  滋賀県教育振興基本計画の特別支援教育の推進では、障害のある子供一人一人の教育的なニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を克服するために、適切な指導および必要な支援を行うとされています。しかし、特別支援を必要とする子供たちのここ10年余りの増加から、教室数が不足するなどの状況が生まれてきており、県は対象となる学校での増築に加え、本年4月には愛知高等養護学校の新設や伊吹高校、石部高校への分教室の併設などで対応が進められているところです。  特別支援学校は、単に生徒数を収容できればよいといった財政上の観点ではなく、特別な教育的支援を必要とする子供たちのニーズに合ったよりきめ細かい環境づくりや、特別支援学校が地域づくりの核となって、障害のある子とない子が共同学習や地域での共同の活動を展開することが基本であり、学校や地域全体で子供を見守る体制を積極的に築いていくためにも重要なことだと考えます。これは、インクルーシブな教育を推進する観点として、中教審の報告の趣旨にも合致したものと考えます。  そこで、障害を持つ子供たちや保護者の教育的ニーズに応え、地域に根差し、地域に溶け込んだインクルーシブな特別支援教育の推進について、本県の現状を踏まえ、第2期滋賀県教育振興基本計画にどのように反映されているのか、お伺いをいたします。  4点目に、キャリア教育に関する取り組みについてお伺いいたします。  第2期滋賀県教育振興基本計画素案においては、多様な進路、就労の実現に向けた教育の推進として、社会的・職業的自立を目指すキャリア教育の推進が挙げられていますが、子供たちが育つ社会環境の変化に加え、産業、経済の構造的変化などは、子供たちみずからの将来の捉え方にも大きな変化をもたらし、若者の就労の意欲や関心の低下にもつながっています。子供たちは、自分の将来を考えるのに役立つ理想とする大人のモデルが見つけにくく、みずからの将来に向けて希望あふれる夢を描くことも容易ではなくなっています。  そこで、第1期の計画に基づくキャリア教育の取り組みの成果と課題を踏まえ、第2期滋賀県教育振興基本計画には、どのようなキャリア教育の方向性が示されているのか、お伺いいたします。  次に、8項目めの社会保障と税の一体改革についてお伺いをいたします。  日本は今、65歳以上の高齢人口の比率が既に総人口の4分の1となり、これに伴って年金、医療、介護などの社会保障給付は、既に年間100兆円を超える水準に達し、この給付を賄うため、現役世代の保険料や税負担は増大し、そのかなりの部分は国債などによって賄われるため、将来世代の負担となっております。  この財政状況を改善すべく、現在5%の消費税率を2014年4月に8%、2015年10月には10%へと2段階で引き上げられることになっており、政府内では増税時期を予定どおり進めるとされています。私たちは、消費税増税が地方財政にどう影響するのか、さらに国や県の財政の大きなウエートを占めている社会保障関連予算にどう反映するのか、社会保障制度と税の一体改革により将来の地域医療がどう変わっていくのか注視をしております。  そのような中、社会保障制度の改革に関して、本年8月6日、社会保障制度改革国民会議から「社会保障制度改革国民会議報告書~確かな社会保障を将来世代に伝えるための道筋~」が出されました。報告書は、「『21世紀型(2025年)日本モデル』の社会保障では、主として高齢者世代を給付の対象とする社会保障から、切れ目なく全世代を対象とする社会保障への転換を目指すべきである。その際、全世代型の社会保障への転換は、世代間の財源の取り合いをするのではなく、それぞれ必要な財源を確保することによって達成を図っていく必要がある。また、世代間の公平だけではなく、世代内の公平も重要であり、特にほかの年代と比較して格差の大きい高齢者については、一律横並びに対応するのではなく、負担能力に応じて社会保障財源に貢献してもらうことが必要である。このような観点から、これまでの『年齢別』から『負担能力別』に負担のあり方を切りかえ、社会保障・税番号制度も活用し、資産を含め負担能力に応じて負担していく仕組みとしていくべきである」と提言しています。  これまでの社会保障制度からの大転換であることから、これから進む社会保障制度改革と消費税増税が、今後の滋賀県の社会保障のあり方にどのように影響するのかについて、以下3点について、知事にお伺いします。  1点目に、消費税8%および10%時の県財政の社会保障費への影響についてお伺いします。  政府は、このたびの消費税増税に合わせて、3%増税分の2%分に当たる5兆円規模の経済対策をあわせて行うことを検討しており、今月の10日に開かれた社会保障と税の一体改革に関する閣僚会合では、現在5%の消費税を税率を10%に引き上げた時点で、消費税1%分に相当する2.8兆円を医療や子育て支援などの社会保障の充実に充てることが確認されたところであります。しかし、消費税については、全額を社会保障に使うとした自民党の参院選公約との整合性から慎重論が強いものがあるとも仄聞しています。  当初、消費増税は、消費税率5%引き上げ分13.5兆円程度のうち、約1%分の2.7兆円程度は、子ども・子育て支援の充実に0.7兆円、年金制度の改善に0.6兆円、医療、介護の充実に1.6兆円など社会保障のさらなる充実に、残りの約4%分、10.8兆円程度は、社会保障の安定化に向け、2.9兆円程度を基礎年金国庫負担2分の1分に、7兆円程度を将来世代にツケ回しをしている負担の軽減に、0.8兆円程度を消費税率引き上げに伴う社会保障支出増などの財源にするとしています。これにより、滋賀県の社会保障費予算にどのように影響するのか、見積もり予測についてお伺いします。
     2点目に、社会保障制度の改革の影響と施策の見通しについてお伺いします。  さきの社会保障制度改革国民会議報告書によりますと、社会保障制度改革の方向性として次の8点が挙げられています。  1、1970年代モデルから21世紀(2025年度)日本モデルへ。2、全ての世代を対象とし、全ての世代が相互に支え合う仕組み。3、女性、若者、高齢者、障害者など、全ての人々が働き続けられる社会。4、全ての世代の夢や希望につながる子ども・子育て支援の充実。5、低所得者、不安定雇用の労働者への対応。6、地域づくりとしての医療、介護、福祉、子育て。7、国と地方が協働して支える社会保障制度改革。8、成熟社会への構築へのチャレンジ。以上のうち、特に6点目と7点目に注目をしております。  6点目では、住みなれた地域で人生の最期まで自分らしく暮らせるよう、医療機能の分化、連携や地域包括ケアシステムの構築について、コンパクトシティ化などハード面の整備やサービスのネットワーク化などソフト面のまちづくりとして実施し、21世紀型のコミュニティーの再生を図るとされています。これは、滋賀県が進めている医療・介護福祉の連携である地域医療体制の確立とみとり看護などの地域包括ケアシステムの構築に該当すると思われますが、県全体のシステムを確立する見通しと課題についてお伺いします。  次に、7点目では、子育て、医療、介護など社会保障の多くが地方公共団体を通じて国民に提供されていることを踏まえ、制度改革は地方公共団体に理解が得られるものとし、国と地方がそれぞれ責任を果たしていくことが必要とされています。これは、国民健康保険が現在市町で行われているものを都道府県で扱うよう提案しているものでありますが、これに関して県の考えと新制度への準備についてお伺いします。  最後、9項目めは、かだマニフェスト自己評価と県政運営についてお伺いします。  かだマニフェスト2010「もったいないプラス+」は、3年前の作成の段階から、県民の皆様が参画し、知事と率直な意見交換を重ねる中で生み出されたものでした。知事としては、それらを滋賀県基本構想や基本計画、実施計画の中でどのようにして施策として実現を図り、県政運営をしてこられたのでしょうか。このほどマニフェストの自己評価をし、公表をされました。県政経営では、県民の皆様にとって参加でき、わかりやすい対話と共感の自治を目指し、前年度では対話型アンケートの実施などで成果が見られましたが、知事の任期をあと1年弱にして、未達成の部分をいかにし、平成26年度予算をどのように立てられるのか期待をされています。  そこで、3点、知事にお伺いします。  1点目に、自己評価の結果と今後の県政運営、予算編成への反映についてお伺いします。  知事は、県民の皆様がどの市町に住んでおられても安心して暮らしていけるよう、少子化社会の到来に備え、時代を先読みし、命を大切に守る取り組みをされてきました。自己評価基準を4段階で行い、合計を仮に100点満点で換算すると、平成22年度が40点、平成23年度が53点、このたび公表された24年度が72点と、着実に成果を上げてこられたようにも見受けられますが、しかし、3・11福島第一原発事故が発生し、福井県の直近に琵琶湖を預かる滋賀県として、原子力災害を現実の問題として考え、人類最大の環境問題として取り組むこと、大津市内中学生の自殺問題など、マニフェストにない重要かつ緊急の対応も迫られてきました。知事は、県民との約束であるマニフェストの150項目の個別評価の結果をどのように分析し、任期4年間の締めくくりとして今後の県政運営や平成26年度予算編成に生かしていかれるのか、お伺いします。  2点目に、地方分権時代における足腰の強い自治体づくりについて伺います。  今年度、安倍政権は、地方公務員の給与削減を要請という形で地方交付税の削減を図られておりますが、このことは地方分権の流れに逆行するものであるととられます。だからこそ、国と地方の協議の場づくりなどを積極的に推進し、権限および税財源の移譲を求め、県政課題をみずから果敢に遂行できる足腰の強い自治体づくりをすべきと考えますが、所見をお伺いします。  3点目に、広域的課題や高度・専門的課題に対応する県政についてお伺いします。  日進月歩でICTが発達し、国の情報も各自治体の情報も、情報機器を駆使すれば誰でも手に入れ、活躍できる時代となっている今日、広域的課題や高度・専門的課題へ対応するには、知事はもちろん、職員の方々も市町や県民の皆様から頼りにされる存在であり、そのように組織構成されていなければなりません。知事は、この夏、ドイツへ視察、研修に行かれました。また、9月13日からは関西広域連合のトッププロモーションとして香港、広州へと出張されてきました。知事が職員の方とともに直接海外に赴き、見聞きし、交流を深められることは、今後の県政発展とどのように結びついていくのかお伺いしまして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(宇賀武) 11番駒井千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子) (登壇)駒井議員の代表質問への答弁をさせていただきます。  まず、第1問目の滋賀県流域治水の推進に関する条例案についての3点の御質問にお答えいたします。  1点目の流域治水の基本的考え方と条例制定に向けた思いについてでございます。  議員御指摘のように、流域治水は、国の社会資本整備審議会や復興構想会議、中央防災会議などが提言をしている、ハード、ソフト両面からの全ての手段を総動員する多重防護の考え方に基づいた治水政策であります。滋賀の流域治水は、地先の安全度という客観的な基礎情報を指標として、4つの対策、「ながす」「ためる」「とどめる」「そなえる」を組み合わせ、いかなる洪水に対しても命を守ることを最重要視するものです。特に、洪水を安全に「ながす」対策である河川整備等は、基幹的な治水対策と位置づけており、通常の河川改修による整備だけでなく、本県の特徴である全国一の数を有する天井川にも対応するため、堤防補強対策等にも力を入れた取り組みを行うこととしております。さらに、被害を最小限に「とどめる」対策として、土地利用誘導や建築制限による安全な住まい方への誘導を行い、水害から命を守るとともに、水害に強い地域づくりを目指しております。  今回の条例は、平成24年2月議会に議決いただいた流域治水基本方針を実効性あるものとするため、流域治水政策に係るハード、ソフト両面にわたるさまざまな施策に法的な根拠を与え、一つの制度として確立させるものであります。  9月15、16日の台風18号による豪雨被害、豪雨災害では、洪水氾濫による浸水被害が広範囲で発生し、甚大に被害が滋賀県にも発生してしまいました。被災地では、床上浸水時に2階へ避難するという垂直避難により難を逃れた事例も数多く見られました。改めて、河川整備の重要性と安全な住まい方の必要性が、県民の皆さんにも認識していただけたのではないかと考えております。まさにこのタイミングで、機を逸せずに、従来の河川整備等のハード対策を中心とした防災の観点からの取り組みに上乗せをして、ハード対策では対処し切れない部分に対して、たとえ被災したとしても命を守ることを最重要視する減災の観点から、ハード、ソフト両面から全ての手段を総動員する多重防護による流域治水政策の取り組みをぜひともスタートさせたいと考えております。  そのためには、今回提案をしております流域治水の推進に関する条例案が条例として成立することが必要であり、本議会においてもしっかり審議いただきたいと考えております。  2点目の河川における氾濫防止対策と流域治水の考え方についてです。  河川における氾濫防止対策については、条例案第3条の基本理念で、河川の整備を流域治水の基幹的な対策と位置づけており、河川の整備を計画的かつ効果的に実施することとしております。  また、第9条で、その河川整備を推進するに当たって、県の基本的な考え方について明文化しております。まず、①として、河道の拡幅や堤防の設置等を計画的かつ効果的に組み合わせて行うこと、②として、流下能力を維持するための河川内の樹木伐採や堆積土砂のしゅんせつ等を行うこと、③として、天井川等のTランク河川で堤防の性能向上を図る堤防改良を行うことでございます。  議員に御紹介いただきましたように、本県では、既に具体的に中長期整備実施河川の検討結果、いわゆる道路のアクションプログラムに相当するものでございますけれども、このアクションプログラムを制定し、A、B、Tランクの区分と優先度により河川整備を推進しております。特に、今回の災害に見られるように、天井川等の築堤河川では、一たび堤防が破堤すると甚大な被害が発生することから、氾濫時に人的被害が予見される区間においては、堤防強化対策を一層着実に実施していきたいと考えております。  また、議員御指摘の姉川、高時川につきましては、丹生ダム検証の結果を踏まえ、他の河川も含めて湖北圏域河川整備計画として早急に策定したいと考えております。また、姉川、高時川の堤防に囲まれた区域は、もともと土地が低く、特殊な地形条件から、姉川、高時川の氾濫がなくても、中心部を流れる田川の氾濫により浸水が発生しやすいという特性がございます。地先の安全度マップにおいても、その水害特性が反映され、この区域では想定される家屋水没戸数が著しく多くなっております。このような状況を踏まえて、今後、田川の河川改修に向けた調査、検討を進めたいと考えております。  流域治水の推進に当たっては、「ながす」対策を基幹的な治水対策として推進するとともに、「ためる」「とどめる」「そなえる」対策を並行して進め、多重防護による取り組みで、地域の安全を今また次の世代、将来的にも向上させることが重要と考えております。  次に、3点目の想定浸水深に関する情報提供のあり方についてでございます。  想定水位、いわゆる地先の安全度は、流域治水政策を推進する上での根幹となる基礎情報であります。県民の皆さんと共有をし、各地域において水害に対する危機意識を醸成することが非常に重要なことと認識しております。地先の安全度に関する情報は、県民の生命や財産にかかわるものであり、先月8月13日までに、県内19の全ての市町の区域について、各市町の合意をいただき公表させていただきました。公表の方法としては、県庁や地方機関における図面の備えつけのほか、県のホームページに掲載をしております。特に、県ホームページ防災ポータルの滋賀県防災情報マップにおいては、家一軒一軒のレベルで想定浸水深を御確認いただくことが可能でございます。  また、新たに宅地等を取得しようとする際には、浸水等の危険を知らずに住み始めることのないよう、条例案では、第29条に宅地または建物の売買等における情報提供の規定を設けております。これにより、取引の相手方は、宅地建物取引業者からその地域の水害リスク情報を知ることができ、事前に必要な対策を講じていただことができると考えております。  議員御指摘のとおり、宅地建物取引業法第35条の重要事項の説明等においては、建築基準法による災害危険区域、今回の条例案では浸水危険区域に係る情報提供義務の規定は置かれておりますが、災害危険区域以外の水害リスク情報、地先の安全度や水防法による浸水想定区域に関する情報は対象となっておりません。このため、条例案第29条で補完するものであります。この条項は、流域治水政策の一つである安全な住まい方への誘導を推進する上で特筆すべき重要なポイントであると考えております。  なお、法で義務規定とされていない事項については、条例で義務づけすることはできないことから、条例第29条は努力義務としているところでございます。  次に、大きな2問目の防災対策についてでございます。  まず1問目の1点目、市町との間の情報収集、県民への情報発信についてでございます。  まず、市町との間での情報収集については、今回の大雨の場合、15日夕刻の大雨警報発令時から、県は警戒2号体制をとり、防災情報システムや電話、ファクス等により被害情報の収集を行ってまいりました。こうした中で、市町における避難準備情報、避難勧告の発令および土砂災害警戒情報、降雨量等から県内全域への被害拡大が予想されました。このため、避難判断水位を超えた河川のある5市2町への職員の派遣を指示し、派遣した職員から直接被害状況およびその対応状況、県への要望等を把握しました。  次に、県民への情報発信の状況については、多様な広報手段で、迅速かつ正確に県民の皆さんへ情報を提供するため、報道機関への資料提供を初め、ホームページやしらしがメールのほか、ツイッター、フェイスブックといったソーシャル・ネットワーキング・サービス、いわゆるSNSを用いて情報発信を行ってまいりました。内容としては、大雨特別警報や市町から発令された避難勧告や避難指示といった避難関連情報、家屋や道路、河川などの被害情報、下水道の自粛要請など、県民の皆さんが必要とする情報を発信できたところでございます。また、滋賀県コンビニエンスストアセーフティステーションネットワークを通じて、県内の各加盟店において道路情報を掲示するなど、御協力もいただきました。  次に、2点目のしらしがメールの登録推進など、今後の県民への正確で迅速な情報発信についてであります。  しらしがメールについては、3万5,159名ということで、人数的に今後の拡大が期待をされます。そして、しらしがメールそのものは、河川水位、雨量、避難情報など、県民の皆さんに迅速に提供する仕組みとして、平成21年4月にスタートをし、配信情報を追加するなど内容の充実にも努めてまいりました。この登録推進については、これまでも市町や県内の携帯ショップ、コンビニなどにも協力をお願いし、ポスターやチラシで啓発を行ってきました。今後も、内容の充実を図るとともに、これを機会にチラシの配布場所の拡大や広報の活用など、啓発にも工夫を凝らしながら登録者数の増加を図ってまいりたいと考えております。  今後、改めて災害時における情報伝達全般について検証を行い、県民の皆さんの命が守れるよう、しらしがメールの活用、さらにSNSなどのより適切な情報の活用に向けて、気象台や市町とも連携しながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。  次に、大きな2点目の1でございます。放射性物質の情報についてでございますけれども、特にセシウム、ヨウ素という性質が違う放射性物質に伴う広域避難計画についてであります。  昨年度、地域防災計画(原子力災害対策編)の見直しを行い、国において、新たに定められた避難などの防護措置の基準、いわゆるEAL、緊急時活動レベルと、OIL、運用上の介入レベルを踏まえ、本県における防護措置基準を設定いたしました。  ヨウ素については、浮遊している放射性物質の吸入による甲状腺の被曝を防止するため、屋内退避やヨウ素剤の服用などにより放射性物質放出後のプルーム通過に備える必要があります。一方、セシウムについては、プルーム通過後の放射性物質の地表面への沈着の状況により一時移転や避難の措置をとる必要があると考えており、その影響について現在調査研究を実施しております。  さらに今年度は、避難時間シミュレーションを実施し、有効な避難経路や避難手段を検証しております。今後、シミュレーション結果を踏まえ、長浜市、高島市における避難計画の検討作業と連携しながら、県内、県外を含む広域避難対策を具体化していきたいと考えております。  次に、福祉施設などに入所されている方の避難計画の策定と訓練の進捗状況でございます。  福祉施設などにおける避難については、地域防災計画や施設の運営基準に基づき、施設みずからが計画を策定しており、訓練についても関係機関と連絡を密にして実施しております。しかしながら、原子力災害などの大規模災害における広域的、長期的な避難に当たっては、被災施設の努力だけでは対応できず、市町の域を超えて、他の施設で入所者を受け入れていただくことや、移送手段の確保が必要になると考えており、このような広域避難に対応する計画が整備できていない状況にあります。そのことから、施設の広域避難計画が円滑に策定されるよう、移送手段の確保や施設間協定の締結などの支援に努めるとともに、今後、県が策定する広域避難対策の中でも、支援員の派遣や市町との連携などについて、しっかり位置づけてまいりたいと考えております。  また、昨年度の総合防災訓練では、広域避難を想定した図上訓練を実施しており、今年度においては、施設から施設への避難など、より実動的な訓練を実施し、広域避難の課題の整理と対策の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、3点目の被害想定調査の進捗状況と今後の滋賀県地域防災計画についてです。  昨年度より着手をしております地震被害想定調査については、琵琶湖西岸断層帯、鈴鹿西縁断層帯などの内陸活断層による地震および内閣府から公表された南海トラフの巨大地震について、震度分布等の推計を終えたところであり、近く中間報告としてその結果を公表させていただく予定でございます。公表する震度分布等は、防災対策の検討のために一定の仮定条件により推定したものでございます。県民の皆様へも、実際に起こる地震を予測するものではないことを説明した上で、個人や地域の防災対策に取り組む際の起こり得る地震災害のイメージとして活用していただきたいと考えております。今後、地震動等の推計結果をもとに、建物、人的被害、ライフライン、交通施設被害等について取りまとめていく予定でございます。  また、地域防災計画については、6月に改正された災害対策基本法、他の関連法令、近々修正される予定の国の防災基本計画の内容を反映するとともに、前述の被害想定により得られる災害イメージにより、各種減災対策、広域連携を含めた応急対応体制等についても見直してまいりたいと考えております。  次に、大きな3点目の再生可能エネルギーの取り組みについての3点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の県みずからの取り組みが必要ではないかとの御質問でございます。  本県においては、固定価格買取制度の開始以降、国の認定を受けた発電施設は、この5月末段階で19.6万キロワットとなっており、平成23年度までの累計導入量の約2.8倍の水準に達しております。こうした中、滋賀県再生可能エネルギー振興戦略プランに掲げる県庁率先プロジェクトに基づき、県みずからも率先して再生可能エネルギーの導入促進に向けて取り組んでおります。  御質問にありました県施設の屋根貸しについては、太陽光発電の新たな普及促進策として実施することとしており、第1弾として、まず条件の整っている県立高校2校を対象に、近く事業者の公募を行い、事業をスタートさせたいと考えております。あわせて、県が所有する未利用の土地についても、活用に向け調整を進めております。  また、防災拠点となる県施設において、県みずからが太陽光発電とあわせて蓄電池の整備を計画的に進めており、県立高等技術専門校の米原および草津校舎の2カ所が10月に竣工予定であり、平成28年度までに県立高校を含め計6カ所に整備することとしております。再生可能エネルギーに関する普及啓発や民間の取り組みに対する支援とあわせて、こうした県みずからの取り組みも積極的に展開してまいりたいと考えております。  2点目の水資源の活用についてでございます。  小水力発電は、太陽光発電に比べ、量的に多くは見込めませんが、エネルギーの地産地消の観点から大変重要と認識しております。今年度は、農業用水を活用して、湖北地区において県営事業による小水力発電の工事着手に向けた実施設計を行うとともに、県内6地区において、集落等が行う小規模な小水力発電の取り組みに対し、県も支援をしております。  また、河川においては、既設ダムや砂防堰堤など、既設の構造物を活用した民間の取り組みによる小水力発電の可能性について研究を進めているほか、高島地域では、民間が主体となって、百瀬川の流れを利用した小水力発電の導入に向け取り組みがなされております。  振興戦略プランでは、農山村の地域資源を活用したエネルギー創出プロジェクトの中で小水力発電の導入促進を掲げており、早期に実施事例をつくり出していくとともに、普及拡大に向けた取り組みを通じて成果を着実に積み上げていきたいと考えております。  次に、3点目のドイツの取り組みについての所見でございます。  今回の視察から学んだことは3点ございます。  1点目は、エネルギー政策は総合的な社会政策であるということでございます。ドイツでは、エネルギー問題が住宅や交通政策、地域振興など総合的な社会政策とつながっており、まち全体としてエネルギー需要を減らすことに成功している地域がたくさんございます。  2点目は、動かすのは人であり、人材育成が大変重要であるということでございます。ドイツでは、協同組合や市民企業、エネルギーコンサルタントなど、地域、市民レベルでのさまざまな主体が存在し、互いに連携協力しながらエネルギーシフトに向けた数多くの取り組みが展開されており、地域を支える人材の育成も効果的に図られております。  そして、最後に3点目です。地域の中でお金を循環させることの重要性です。エネルギーの消費によって外へ流失する燃料費などのお金を省エネで減らすとともに、地域でエネルギーをつくり出すことで、地域内でお金を循環させるビジネスモデルが成り立っております。キロワットアワー・イズ・マネーという考え方に基づき、地域経済が活性化し、雇用も創出されるという好循環が生まれつつあります。  以上、3点のとおり、総括すれば、まさにエネルギーづくりは地域づくりであるということで、今回の視察で得られた数多くのヒントを、中長期的な滋賀の姿を見据えながら、今後の施策等に十分に生かしてまいりたいと考えております。  次に、琵琶湖の保全についての御質問にお答えいたします。  まず、1点目の外来種対策です。  外来種の問題は、生物が本来有している移動能力を超えて、人間活動によって人為的に導入された生物が生態系の共生のバランスを崩すという大変深刻な問題であると認識しております。人の身体に危険を及ぼすようなカミツキガメが捕獲された例や、琵琶湖の生態系に影響を及ぼすオオバナミズキンバイが生息を拡大するなど、琵琶湖などへの放流、放棄によると考えられる外来種が確認され、本来、このような行動は許されるものではありません。  国は、平成17年に施行した外来生物法に基づく特定外来生物について、輸入や販売、運搬などを規制しております。また、県では、平成19年に施行したふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例に基づき、外来種による生態系等に係る被害の防止に鋭意取り組んでまいりました。  こうした取り組みとあわせて、今後は、外来種リストを作成して、広く普及啓発を行い、外来種に対する認識や理解を深め、県民の皆さんによる監視や自主的な駆除活動などの展開を促進してまいります。とりわけ、オオバナミズキンバイについては、琵琶湖の生態系や水産業への影響が危惧されます。県による駆除を現在進めておりますけど、それとあわせて、県民の皆さんや企業など、多様な主体の協働により重点的に徹底した駆除を行っていきたいと考えております。  琵琶湖の生態系の回復は喫緊の課題であります。そのためにも外来種対策は重要であり、県民の皆さんや関係機関との協働により、琵琶湖の健全な姿を取り戻すための取り組みを進めたいと考えております。  次に、2点目のセタシジミなどの放流による水質浄化への考え方でございます。  セタシジミは、大きさ2センチメートルの1個体が1時間当たりに約100ミリリットルの水をろ過し、水質浄化に効果があることが水産試験場などにより確認をされております。県では、平成19年度から草津市地先の南湖において、砂地造成や湖底耕うんによる漁場環境整備を行うのにあわせて、セタシジミの種苗放流を行っており、放流後の調査においてシジミの定着が確認をされております。また、南湖において平成23年度より実施している水草の根こそぎ刈り取り事業の成果として、セタシジミの稚貝も見られております。  今後、セタシジミ資源が増加をし、貝引き漁具による漁業活動が復活することにより、自然のサイクルと調和したかつてのような漁業が営まれ、湖底環境の改善や水質保全にもよい効果があらわれるものと期待をしております。  次に、マザーレイク21計画の既存目標の見通しについてでございます。  マザーレイク21計画第2期計画では、目標への達成状況をわかりやすく評価するため、環境、社会の状態を示すアウトカム指標と、施策の進捗状況を示すアウトプット指標を延べ93項目定めております。これらの指標の目標値について、平成24年度末での達成状況を見ますと、全指標のうち、水質項目の中のリン、淡水赤潮の発生日数、化学合成農薬の使用量など22の指標で既に目標値を達成しております。  その一方で、琵琶湖漁業の漁獲量や、カワウやニホンジカの推定生息数、水草群落面積など、目標達成できていない指標もあり、今後、重点的に取り組んでいく必要があります。  マザーレイク21計画は、これらの指標による評価を行い、それを計画と実施に反映させる順応的管理の手法により計画を進めております。今後とも指標管理による適切な進行管理を行いながら、目標達成に向けて琵琶湖の総合保全の取り組み、推進してまいります。  次に、地下水の量的把握と汚染対策についてでございます。  地下水は、琵琶湖に対して年間を通じて比較的安定した供給量を保つとされており、その量は年間約7から11億トンで、琵琶湖への総流入量の16から26%を占めると推定されております。また、長時間をかけて地中を浸透しながら琵琶湖に流入するため、良質な水質の供給源としての役割も果たしております。このため、地下水の汚染を防ぐことは、琵琶湖を守る上でも大変重要なことでございます。  地下水の汚染の防止については、廃棄物の不法投棄に起因する汚染が生じないよう、監視指導員によるパトロールや県境での路上検問を行うなどして不法投棄の未然防止に努めており、工場等に対しては有害物質の漏えい防止や地下水のモニタリングを義務づけております。さらに、県では5年で県内を一巡する継続的な地下水調査を実施しており、この調査等によって有害物質が検出された場合には、汚染や地域の状況の把握、飲用指導、事後調査等を実施するとともに、原因が明らかになれば原因者に対して対策の実施を指導しております。  今後とも、情報共有や調査の実施において市町とも連携しながら、地下水汚染の未然防止や対策に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、琵琶湖の放射性物質に対する研究と対策についてであります。  現在、琵琶湖環境科学研究センターにおいて調査研究を進めております。評価結果については、今年度中に取りまとめるとともに、地域防災計画にも反映していきたいと考えております。また、琵琶湖においては、万一の事故時には、飲料水や生息する多くの固有種など、生態系への影響が危惧されることから、本県の調査結果を踏まえ、原子力政策を進めてきた国において、さらに高度な研究を実施されるよう要望、提案していきたいと考えております。  次に、3点目の各主体の取り組みと協働についての現状と見通しでございます。  近年、県内の山、里、川、湖のそれぞれの領域ごとに、県民やNPO、企業などの主体的な取り組みによる環境保全活動が広がってきております。また、各主体の協働の取り組みということでは、例えば、赤野井湾流域においては、環境NPOや漁業者、自治会の方々などが主体的に連携し、湖岸の清掃活動や、今、大きな問題となっておりますオオバナミズキンバイの駆除活動なども行っておられます。しかしながら、こうした行動はまだまだ広がりが十分とは言えず、課題と目標を共有しながら連携していくための場が必要であります。  このため、平成24年3月にマザーレイクフォーラムを立ち上げ、また、去る8月31日にも、「水でつながる、人がつながる びわ湖の環」をテーマにびわコミ会議を開催し、多くの団体に参加をいただきました。その結果、インターネットの情報交流サイトへの登録も含め、フォーラムへの参加団体数は現在129団体となっております。こうした連携の場を今後さらに充実させることで、さまざまな主体による協働の取り組みがより広がっていくものと期待をしております。  次に、関西広域連合における琵琶湖保全の視点での取り組み状況と今後の見通しでございます。  琵琶湖は、近畿1,450万人の人々の暮らしや産業活動を支える水資源としての価値に加え、多様な生態系としての価値、また、日本の水辺分化を代表する価値など、滋賀県にとどまらない大きな価値を有しております。その保全、再生は関西広域連合における重要な広域的課題でもあります。  このような認識のもと、関西広域連合の広域環境保全分野では、琵琶湖に大きな影響を及ぼす地球温暖化への対策と、喫緊の課題であるカワウの保護管理に関する取り組みを実施してまいりました。特にカワウについては、本県が主導的な役割を果たし、関西地域カワウ広域保護管理計画を策定し、関西地域が連携した取り組みを開始するなど、琵琶湖の生態系保全を図る上で大きな成果を上げております。  現在、検討を進めております次期広域計画においては、琵琶湖保全に資する取り組みとして、ニホンジカなどの野生鳥獣に関するモデル的な被害対策の実施や、環境保全に係る地域の実践力を高める人材育成などの新たな取り組みを議論しております。今後とも、関西広域連合およびその構成府県市とともに多面的な取り組みを推進し、琵琶湖の保全、再生につなげていきたいと考えております。  次に、大きな5問目の饗庭野演習場でオスプレイが使用されることについての5点の御質問のうち、3点お答えさせていただきます。  まず、1点目のマスコミ報道に対する受けとめ方でございます。  8月22日、一部マスコミにより、高島市の陸上自衛隊饗庭野演習場で実施する日米共同実動訓練においてオスプレイを使用することで最終調整に入ったとの報道がなされましたが、地元自治体に情報提供がないままこのような報道がなされたことは極めて遺憾でございます。この件につきましては、私のほうからも防衛省にその遺憾の意を伝え、防衛省からは、この件に対し謝罪があり、誠意を持った対応をするとの御説明をいただきました。今後は、相互の信頼関係が損なわれることがないよう、情報管理の徹底をお願いしたいと考えております。  次に、2点目のオスプレイの安全性確保と沖縄の負担軽減に関する質問でございます。  まず、機体の安全性や運用の安全対策が確保されたかについてですが、オスプレイの安全確保対策については、防衛省から一定の説明を受けたものの、8月下旬にもネバダ州で着陸失敗の事故が起きていることから、いまだ県民の不安は払拭されていないのではないかと考えております。詳しい事故原因が判明次第、速やかに情報提供していただくよう申し入れをしております。  次に、沖縄の負担軽減につながるかどうかの質問についてですが、防衛省からは一定の説明があったものの、具体的かつ客観的な数値は示されておらず残念でございます。沖縄県の米軍基地負担の軽減をいうのであれば、まず全体計画を示した上で、今回の訓練がどのように沖縄の負担軽減につながるのかということについて説明すべきと考えております。  県民の不安解消のためには、積極的な情報提供が必要なことから、これまでも、その経過を公開するとともに、県のホームページ上で資料公開しております。本日夕刻の概要広報についても公開するなど、引き続き情報提供に努めてまいります。  また、地域住民への説明については、防衛大臣からも防衛省が前面に立って直接実施すると回答をいただいており、一日も早い丁寧な説明をお願いしたいと考えております。  次に、3点目の日米共同訓練に関する決定方法についての質問でございます。
     日米共同実動訓練の内容について、地元自治体に説明される前に一部マスコミによる報道が先行したことはまことに遺憾でございます。先ほど述べたとおりです。日米共同実動訓練については、日米両国において決定される事項でありますが、今後はできるだけ早く詳しい情報提供をいただくようお願いしたいと思います。私としては、県民の安全を確保することを最優先に、地元高島市と連携を図りながら対応していく所存でございます。 ◎警察本部長(山本仁) (登壇)駒井議員の日米共同訓練についての警察に対する御質問にお答えします。  まず、事故発生時などの警察権限についての御質問にお答えします。  米軍に係る事件、事故については、日米地位協定やその実施に伴う刑事特別法などの規定により、公務執行中のものであるか否かにかかわらず、日本国の法令によって処罰することができる犯罪を認知した場合には、県警は必要な捜査等をするということになります。  次に、警備体制についての質問にお答えします。  県警といたしましては、情勢に応じた適切な警備を実施する予定であり、県民の安全と平穏の維持に万全を期してまいります。 ◎知事(嘉田由紀子) (登壇)駒井議員への答弁を続けさせていただきます。  6問目の滋賀県の観光戦略についての3点の御質問のうち、まず、1点目の審議会答申における国際観光についての滋賀の知名度に対する指摘と、それを受けての戦略についてでございます。  審議会では、滋賀県観光の最大の課題について、国内外を問わず、滋賀県にはよいものがあるにもかかわらず、知られていないことであると御指摘いただいております。これを踏まえて答申では、観光地滋賀の認知度向上を基本目標の一つと位置づけ、琵琶湖を初めとする観光地滋賀の多彩な魅力をアピールすることが重要であるとされております。  これに向けた戦略としては、外国人観光客の目線を大切にし、滋賀県の観光地を紹介するなど、伝える工夫により外国の方々に滋賀県に行ってみたいと感じていただけるようにすることであると考えております。  例えば、外国語ウェブサイト「go.biwako」では、琵琶湖を中心とした自然環境や奥深い歴史等の観光資源を、外国人留学生の視点で臨場感あふれる紹介を行い、本県の魅力を発信しております。また、海外のメディアやブロガーに対しては、本県への招請事業を実施し、滋賀県の魅力を直接に実際に体感していただき、その感動をまたこれも直接発信していただく等の取り組みを進めております。  このほか、空港に到着した外国人観光客に対し、本県への来訪を促進するため、関西国際空港にある関西観光情報センターに配置している本県の魅力を掲載したパンフレットを充実するなど、さらなる発信に取り組んでおります。  また、先日来も、9月には関西広域連合の中で、香港あるいは中国広州へのトップセールスも行ってまいりましたけれども、その際にも、外国の方それぞれの方のニーズを的確に踏まえて、発信情報を戦略的につくり上げていくことが必要と考えております。  次に、2点目の宿泊者をふやす取り組みでございます。  議員御指摘のように、宿泊を促すためには、例えば、船やカヤックで琵琶湖から日の出を見るといった早朝のプログラム、これはココクールの中にもございます。あるいは夏の蛍の鑑賞会、あるいは桜やもみじのライトアップといった夜のプログラムなど、県内各地で戦略的に実施されております。  また、県内の観光資源を一定のテーマやストーリーでつなぎ合わせ、周遊することで、日帰りではなく宿泊にもつながる魅力的な体験型の旅をつくり出す観光ブランドビワイチも積極的に推進をしております。さらに、遠隔地からの宿泊を伴う旅行者の誘致を目的として、JR西日本と連携をした九州でのキャンペーンや、首都圏の旅行会社へのプロモーション、あるいはマスコミを対象とした招請事業など、ターゲットを意識して効果的に観光情報を発信してまいりましたし、今後も一層強化していきたいと考えております。  3点目の滋賀県観光振興条例についてであります。  観光振興は、御指摘のとおり、行政のみならず、観光事業者、観光関係団体、さらには県民の皆様など、さまざまな主体がそれぞれの役割を果たしながら連携することが極めて重要です。もとより、県庁内でも相互に連携した取り組みが必要であり、従来から滋賀県観光施策推進本部を設置し、全庁挙げた推進体制を構築しております。  議員から、条例を制定し盛り込むべきと御提案をいただいております各主体の役割分担や連携などについては、現在、審議会で議論をし、今回の指針案に明記をしております。まずは、新たな指針の理念を観光に携わる全ての者が共有しながら、観光振興の成果を見定めていきたいと考えておりますが、他府県の条例、既に全国的にも二十数件の条例設置がなされていると伺っております。他府県の条例なども研究をしながら、必要性についても検討していきたいと考えております。  次に、第2期滋賀県教育振興基本計画の策定に向けて、5点の御質問にお答えさせていただきます。  まず、1点目の現行計画の成果と課題を踏まえた第2期滋賀県教育振興基本計画策定に当たっての思いでございます。  現行計画の期間中には、少人数学級編成等、きめ細やかな指導に向けた教育環境の充実や、各学校の特色を生かした魅力と活力ある学校づくりなどに取り組み、一定の成果を掲げてまいりました。一方で、確かな学力の育成やいじめの問題、さらに子供たちの安全や安心を揺るがす事故等への対応など、さまざまな課題がございます。議員が御指摘のとおりでございます。  第2期計画の策定に当たっては、こうした課題に的確に対応しながら、滋賀が持っている本来の自然の豊かさ、あるいは歴史文化の奥深さを生かして、自然や地域とともに生きていく力を育む滋賀らしい教育の一層の推進を図ってまいります。また、これからの時代を見据えた子供たちが身につけるべき力を育てていくことも求められております。ライフステージをつなぎながら、ストーリー性を持って生涯を見通す教育の指針となるよう工夫してまいります。  さらに、計画が実効性あるものとなるよう、その裏づけとなる財政上の措置や体制づくりの必要性についても明記していきたいと考えております。そして、学校はもとより家庭や地域など、みんなで力を合わせて子供を育てていくという強いメッセージを発しながら、「住み心地日本一の滋賀」の実現につなげていきたいと考えております。  次に、2点目の全国学力・学習状況調査における本県の児童生徒の結果についての所見と、この結果を第2期教育振興基本計画にどう反映させていくのかとの御質問でございます。  今回の結果では、小学校、中学校ともに全体として全国平均と比べて大変低い結果となっております。特に、小学生の話す、聞く、書く、読むというコミュニケーション能力の基盤となる国語力が全国平均と比べて極めて低いことは、大変重く受けとめ、危機感を持っております。先ほども申し上げましたけれども、国語力は全ての教科の基本的な学力であるとともに、今後生きていくための人間力の基礎でもございます。そのような中で、全国学力・学習状況調査の結果は重く受けとめる必要があると思っております。そして、この結果は、いわゆる格差、あるいは比較のためというよりは、適切に取り扱いながら、子供の学習状況を分析して授業改善など教育指導の充実や改善に役立てるためのものでございます。  そこで、第2期の教育振興基本計画では、確かな学力を育むために、調査結果の分析と検証のために、新たに学力向上プロジェクトチームを設置し、学力向上を検討し、実施していくこととしております。あわせて、思考力、判断力、表現力等を効果的に育成するために、読書活動、説明や発表の機会の増大、あるいは言語活動の充実を図ることを盛り込んでおります。さらに、幼いころから子供たちの発話を促すためには家庭教育が大変重要でございます。子供の対話的な言語能力を支えるための家庭、地域での果たすべき役割や連携も盛り込んでいきたいと考えております。  次に、3問目の第2期滋賀県教育振興基本計画の中に、いじめ問題に対する本県の対策がどう反映されているのかとの御質問でございます。  いじめは子供の命にかかわる重大な問題であるという共通理解のもと、学校だけではなく家庭、地域、関係機関との連携を一層強化して取り組む必要がございます。また、いじめ問題の対策チームからの中間報告書にもありますように、いじめはイベントあるいは事件というよりは人間の関係性の病理でございます。ともすれば個性を尊重するといいながら、同質性の過剰同調を求めがちな学校社会、あるいは地域社会、家庭において、社会的な背景からこの個性の尊重というところは強化をする必要があると考えております。  そこで、いじめを未然に防ぐ観点からは、豊かな心を育むということが単なるスローガンに終わらないよう、一人一人の個性を尊重し、その中から自己肯定感を育む教育、また、学級会や児童会活動、生徒会活動などの活性化も盛り込んでおります。さらに、いじめの早期発見、早期対応の観点からは、いじめ対策委員会を常設するなど、校内体制の充実を図ることや、PTAや警察等の関係機関と連携し、ネットいじめ等、インターネットに係る問題から、子供を被害者にも加害者にもしないよう指導の充実を図ることも盛り込んでおります。  次に、4点目の特別支援教育の推進が、いかに第2期教育振興基本計画に反映されているかとの御質問でございます。  今回の計画は、近年の特別支援学校や特別支援学級における在籍数がふえている状況も踏まえ、共生社会の育成に向けて、インクルーシブ教育システムの構築のための特別支援教育を推進するものでもあります。このため、子供一人一人の障害に応じた適正かつ柔軟な学びの場への就学を進めるとともに、障害のある子とない子が同じ場でともに学ぶなど、きめ細やかな指導を目指しております。  また、特別支援学校においては、児童生徒増加への対応策について着実に進めるとともに、地域の特別支援教育の中心的役割を担っていけるようなセンター的機能も充実させたいと考えております。  障害のある子供一人一人が、その持てる力を十分に伸ばし、自立と社会参加ができるよう、本県における望ましい特別支援教育のあり方を考えることとしております。  次に、5点目のキャリア教育の方向性は、この教育振興基本計画にどう生かされているのかとの御質問でございます。  まず、第1期のキャリア教育にかかわる成果といたしましては、中学生チャレンジウィークにおける5日間の職場体験の実施によりまして、中学生みずからが大人の仕事の場に接し、経験することで、自分の生き方を考える機会にできたことと成果を評価しているところでございます。高等学校においては、インターンシップの実施などによりまして、地域産業と連携した実践的な職業教育が進み、勤労観や職業観を育成してきたことと成果を評価しているところでございます。  ただ、一方で、課題として、小中高等学校を通しての系統的なキャリア教育の実施が十分とは言えず、学校から社会、職業への移行をより円滑にしていく必要があります。実は、かつて日本の就職状況は、学校から職場に、いわばところてん式でという状況が多かったわけですけれども、今、一人一人が一層就職、キャリアについて向き合わなければならない時代になっております。そういう中で、現在の課題を踏まえながら、第2期教育振興基本計画では、子供が社会人、職業人として自立していくことができるよう、また、子供たちも男性、女性、大変将来のキャリアは変わってくるわけでございます。そのような男女共同参画も具体的に実感として意識できるような形で、発達段階に応じた系統的なキャリア教育を展開していくこととしております。同時に、本人の適性、希望も踏まえた適切な進路指導を行うこととしております。  次に、大きな8問目の社会保障と税の一体改革についての3つの御質問にお答えいたします。  1点目の社会保障費の県の税金への影響でございます。  現在、国においては、消費税率の引き上げについての最終判断をされている段階であり、消費税率引き上げ後における地方財政対策等の制度設計については、詳細がいまだ示されておりません。それゆえ、現時点において消費税率引き上げに伴う地方財政への影響額を試算することは困難であります。仮に現時点の情報により県税について試算しますと、消費税が5%から8%へ引き上げされた場合における県税の増収見込みは、地方消費税の清算や市町への交付後において約78億円の増、また、10%への引き上げ後については約136億円の増になるものと見込んでおります。  しかし、制度上、県税の増収に伴い、普通交付税については減額されることが見込まれます。消費税率引き上げ後における歳入面の全体像はそのような意味で不明確でございまして、現時点では来年度における本県の社会保障費予算への影響についてお示しできる段階ではないと考えております。  2点目の県全体の地域包括ケアシステムを確立する見通しと課題でございます。  まず、今後の見通しですが、医療や介護が必要となっても、可能な限り住みなれた地域や自宅で最期まで自分らしく暮らしたいという県民の皆さんの強い願いがございます。この願いに応えるためにも、団塊の世代が75歳になる、いわゆる2025年に向けて、医療と介護が連携した地域における包括的、継続的な医療・福祉サービスの提供を目指すことが必要でございます。重点施策の中でも取り上げているとおりでございます。  本県では、具体的には、東近江圏域の三方よし研究会において、地域の医療・福祉関係者と住民とが顔の見える関係をつくり、医療と介護との連携体制の構築に向けて先駆的にさまざまな実践を行ってきております。県としては、このような地域の先駆的取り組みを、各地域の実情に応じた形で県全体に広げ、全体の地域包括ケアシステムの確立を目指していきたいと考えております。  次に、地域包括ケアシステムを確立するための課題ですが、在宅療養を支援する訪問看護ステーションなどの医療資源の充実、また、ネットワークづくり、さらには在宅医療を担う人材養成の仕組みなどがまだまだ不十分でございます。そのため、本年度から在宅医療に携わる医師の増加を目指したセミナーの開催や、在宅療養を多職種で支える地域リーダーの養成などを行っており、これら諸課題の解決に向けて取り組んでまいります。  次に、3点目の国民健康保険の市町から県への移管についての県の考えと今後の準備についてでございます。  県では、これまでから国保の都道府県単位化に関し、問題意識を持ちながら、保険料や組織体制などについて、県と市町等で構成する滋賀県国民健康保険広域化等協議会において、情報共有や課題整理を行ってまいりました。今後、国保の都道府県移管に向けては、被保険者等にも混乱を招くことなく、また、県と市町の体制や経費にも配慮する中で、本県として最もよい形となるよう、県と市町の役割分担や運営方法などについて、広域化等協議会において検討し、必要に応じ、国へ要望してまいりたいと考えております。  最後に、9問目のかだマニフェスト評価と県政運営についての3点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目のマニフェストの評価およびその結果をどのように県政運営や平成26年度予算編成に生かすかとの質問でございます。  3回目となる今回の評価においては、具体的な成果があらわれているか、あらわれることが確実なA評価が150項目中34項目と大幅にふえました。その中には、産婦人科医や助産師の確保、中小企業振興条例の制定などがございます。また、一定の成果があらわれるか、あらわれることが確実なB評価は106項目となり、全項目の約3分の2を占めるとともに、未着手の項目はなくなりました。このように、実を結びつつある取り組みがふえるとともに、全ての項目で具体的な施策として着手でき、滋賀の未来を開く道筋をより確かなものにできたと感じております。  しかし、目標達成に向けて引き続き努力する必要があるC評価も10項目あることから、在来魚の漁獲量拡大などの項目について、関係部局が横つなぎで次年度に向けた抜本策を検討するよう指示したところでございます。  さらに、マニフェスト作成時には入っていなかった課題であります、例えば東日本大震災発生後の原子力防災対策については、放射性物質の拡散シミュレーションを県独自に行い、原子力防災体制の確立などに努めてまいりました。また、学校でのいじめ問題については、研究チーム会議での有識者の意見を参考に対策の方向性を検討するなど、解決に向けた施策を適宜行ってきたところでございます。  残り任期をかけて、県民目線に沿った成果を出していけるよう、新年度の予算編成に向けて、残された課題に全力を挙げて取り組む所存でございます。  次に、2点目の国に権限や税財源の移譲を求め、足腰の強い自治体づくりをすべきとのお考えでございます。  知事就任以来、常に生活者目線での政策づくりを心がけてまいりました。みずからの判断と責任による自治体運営のためには権限と財源の一層の確保が必要なことは、常々痛感しているところでございます。このため、地方がその役割を全うできる権限と税財源を移譲するよう、関西広域連合の国出先機関対策委員長として、私自身先頭に立って国と直接交渉してまいりました。また、全国知事会やブロック会議などを通じて求めてきたところでございます。  ことしは、地方分権の推進に関する決議から丸20年目に当たります。地方分権改革は、しかし、いまだ道半ばであります。今後とも国と地方の協議の場や全国知事会などを通じて地方として強く国へ働きかけていきたいと考えております。同時に、国への届出義務の廃止や施設の設置基準の緩和など、これまでの地方分権の成果を最大限活用しながら、地域の特性にしなやかに対応する対話と共感による県政を引き続き進めてまいりたいと考えております。  3点目の職員とともに海外に赴いたことが今後の県政の発展にどのように結びつくかとの御質問でございます。  さきにお答えしましたように、ドイツの視察では、再生可能エネルギー導入の取り組みから、エネルギーづくりは地域づくりということを肌で感じたことや、香港、広州へのプロモーションでは、政府高官や旅行会社から生の情報や課題解決への提案を直接聞けたことは、私自身にとってだけでなく、同時に、一緒に行きました職員にとっても大変大事な情報であったと考えております。滋賀県で具体的に取り組むべき施策や事業へのヒントになり得るものがたくさんございました。随行した職員にとって、海外の先進的な取り組みを直接見聞きし、肌で感じることは何事にもかえがたい情報であり、経験であり、財産になったものと考えております。これらの視察の成果を受けて、政策課題協議においても、担当部局から地産地消型、自立分散型エネルギー社会づくりの提案などを受けております。予算編成作業等を通じて今後の施策や将来ビジョンにも前向きに生かしていきたいと考えております。  以上、駒井議員の代表質問への答弁とさせていただきます。 ○議長(宇賀武) 以上で、会派代表による質疑ならびに質問を終わります。    ──────────────── △意見書第12号(台風18号に伴う災害対策を求める意見書(案))(議員提出) ○議長(宇賀武) お諮りいたします。  意見書第12号台風18号に伴う災害対策を求める意見書(案)が議員から提出されました。  この際、これを日程に追加し、直ちに議題といたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、この際、意見書第12号議案を日程に追加し、直ちに議題とすることに決定いたしました。  意見書第12号議案を議題といたします。  この際、件名および提出先を職員に朗読させます。    (丸尾議事調査課長朗読)            ────────────────────────────── △意見書第12号 台風18号に伴う災害対策を求める意見書(案)                                           平成25年9月24日 滋賀県議会議長  宇 賀   武   様                                  提 出 者  清 水 鉄 次                                         吉 田 清 一                                         蔦 田 恵 子                                         梅 村   正                                         大 井   豊                  議 案 の 提 出 に つ い て  平成25年9月滋賀県議会定例会に下記の議案を提出します。                          記  意見書第12号   台風18号に伴う災害対策を求める意見書(案)            ………………………………………………………………………………  9月15日から16日にかけての台風18号による豪雨により、本県において河川の決壊、氾濫や土砂崩れ等が発生し、死者、負傷者等の人的被害は元より多数の家屋や商業施設、工業施設および福祉施設等の建物が床上・床下浸水に見舞われ、同時に甲賀市の茶畑の崩壊や竜王町のぶどう園の壊滅等を含む多くの農林畜水産物に対する被害、そして道路、河川、鉄道を始めとする社会資本の損壊など甚大な被害がもたらされた。  本県においては被災市町および関係機関との連携の下、被災者への支援、復旧等に最大限の努力をしているところである。  しかしながら被災地の復旧および被災者の生活再建には、地方自治体による対応だけではなく国による強力な支援が必要である。  よって、国会および政府におかれては、被災者に対する支援、災害の早期復旧及び災害に強い地域づくりに向け、下記の事項について、必要な措置を講じられるよう強く求める。                          記 1 今回の台風18号に伴う災害について激甚災害指定を行うとともに、復旧に要する経費に対し、特別交付税を始めとする特段の財政措置を講じること。 2 被災した道路、河川、鉄道等の公共土木施設、農地、林道等の農林施設や社会福祉施設、学校等文教施設、文化財等の災害復旧に対して支援を行うこと。 3 今回、決壊をした鴨川、金勝川を始めとする一級河川の整備の遅れから甚大な被害を引き起こしている河川や引き起こす可能性がある河川が多く見られることから、こうした浸水被害解消のため抜本的な河川改修が可能となるよう特段の財政措置を講じること。 4 住宅被害を受けた被災者が、元の生活を取り戻すために必要な災害救助法等の各種支援制度について、充分な財政措置を講じるとともに、迅速かつ柔軟な運用を行うこと。 5 今回、被害に見舞われた農林畜水産物被害について経営意欲を後退させないよう特別な措置を講じること。 6 被災中小企業に対し資金繰り支援を行うこと。  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。   平成25年9月24日                                    滋賀県議会議長 宇 賀   武 衆議院議長
    参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 総務大臣    あて 文部科学大臣 厚生労働大臣 農林水産大臣 経済産業大臣 国土交通大臣            ────────────────────────────── ○議長(宇賀武) お諮りいたします。  意見書第12号議案については、提出者の説明、質疑、委員会付託および討論を省略して、直ちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、直ちに採決いたします。  意見書第12号議案を原案のとおり可決することに賛成の方は御起立願います。    〔賛成者 起立〕  御着席ください。起立全員であります。よって、意見書第12号議案は、原案のとおり可決いたしました。  お諮りをいたします。  ただいま議決されました意見書中、万一字句等について整理を要する場合は、その整理を本職に一任されたいと思いますが、これに御異議ございませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らいます。  なお、意見書は、本職から直ちに関係先へ提出をいたします。    ──────────────── △休会の議決 ○議長(宇賀武) お諮りいたします。  明25日および26日は、議案調査のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(宇賀武) 来る27日は、定刻より本会議を開き、上程議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。  御苦労さまでございました。   午後6時9分 散会    ────────────────...