滋賀県議会 > 2011-09-27 >
平成23年 9月定例会(第19号〜第25号)−09月27日-03号

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  1. 滋賀県議会 2011-09-27
    平成23年 9月定例会(第19号〜第25号)−09月27日-03号


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    平成23年 9月定例会(第19号〜第25号)−09月27日-03号平成23年 9月定例会(第19号〜第25号)                平成23年9月滋賀県議会定例会会議録(第21号)                                       平成23年9月27日(火曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第3号                                         平成23年9月27日(火)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第116号から議第134号まで(平成23年度滋賀県一般会計補正予算(第4号)ほか18件)(質疑、質問)            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(47名)    1番   佐  藤  健  司  君   2番   目  片  信  悟  君    3番   有  村  國  俊  君   4番   青  木  甚  浩  君    5番   大  野  和 三 郎  君   6番   岩  佐  弘  明  君    7番   山  本  進  一  君   8番   富  田  博  明  君    9番   山  本     正  君   10番   大  橋  通  伸  君
       11番   駒  井  千  代 さん   12番   冨  波  義  明  君    13番   井  阪  尚  司  君   14番   清  水  鉄  次  君    15番   成  田  政  隆  君   16番   九  里     学  君    17番   柴  田  智 恵 美 さん   18番   江  畑  弥 八 郎  君    19番   今  江  政  彦  君   20番   木  沢  成  人  君    21番   粉  川  清  美 さん   22番   宇  野  太 佳 司  君    23番   細  江  正  人  君   24番   高  木  健  三  君    25番   川  島  隆  二  君   26番   小  寺  裕  雄  君    27番   奥  村  芳  正  君   28番   生  田  邦  夫  君    29番   野  田  藤  雄  君   30番   西  村  久  子 さん    31番   石  田  祐  介  君   32番   宇  賀     武  君    33番   山  田  和  廣  君   34番   佐  野  高  典  君    35番   赤  堀  義  次  君   36番   家  森  茂  樹  君    37番   吉  田  清  一  君   38番   辻  村     克  君    39番   三  浦  治  雄  君   40番   蔦  田  恵  子 さん    41番   梅  村     正  君   43番   山  田     実  君    44番   西  川  勝  彦  君   45番   大  井     豊  君    46番   谷     康  彦  君   47番   中  沢  啓  子 さん    48番   沢  田  享  子 さん            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員              知事              嘉  田  由 紀 子 さん              教育委員会委員長        高  橋  政  之  君              選挙管理委員会委員長代理    稲  田  喜 代 司  君              人事委員会委員長        市  木  重  夫  君              公安委員会委員長代理      堀  井  と よ み さん              代表監査委員          谷  口  日 出 夫  君              副知事             荒  川     敦  君              知事公室長           北  川  正  雄  君              総合政策部長          西  嶋  栄  治  君              総務部長            漣     藤  寿  君              琵琶湖環境部次長        上  山  哲  夫  君              健康福祉部長          渡  邉  光  春  君              商工観光労働部長        堺  井     拡  君              農政水産部長          福  井  正  明  君              土木交通部長          竹  中  喜  彦  君              会計管理者           吉  田  正  子 さん              企業庁長            和  田  慶  三  君              病院事業庁長          村  木  安  雄  君              教育長             末  松  史  彦  君              警察本部長           福  本  茂  伸  君            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員              事務局長            加  藤  誠  一              議事調査課長          丸  尾     勉              議事調査課課長補佐       澤  村  治  男            ──────────────────────────────   午前10時 開議 ○議長(家森茂樹君) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(家森茂樹君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  選挙管理委員会委員長伊藤正明君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員稲田喜代司君が、また、公安委員会委員長宮川孝昭君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員堀井とよみさんが、また、琵琶湖環境部長正木仙治郎君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として琵琶湖環境部次長上山哲夫君が、それぞれ出席されておりますので御了承願います。    ──────────────── ○議長(家森茂樹君) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第116号から議第134号まで(平成23年度滋賀県一般会計補正予算(第4号)ほか18件)(質疑、質問) ○議長(家森茂樹君) 日程第1、議第116号から議第134号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は一般の質疑ならびに質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、24番高木健三君の発言を許します。 ◆24番(高木健三君) (登壇、拍手)皆さんおはようございます。自由民主党議員団の高木でございます。  議長のお許しをいただきましたので、一般質問のトップバッターに立たせていただき、新たな感激を覚える一方で、この場に立つ重責を改めて感じている次第でございます。この気持ちを忘れず、そして、県民の方々のことを胸に抱きながら質問をさせていただきます。  今からちょうど39年前、1972年──昭和47年の9月29日、この日は日本と中華人民共和国との間で国交正常化共同声明の調印式が行われた日でございます。時の首相は田中角栄であります。田中角栄氏に対する世間の評価はさまざまありましょうが、高度成長期にあった日本のリーダーとしての資質を備えていたことは間違いないかと思います。  それでは、第1点目として、県営住宅について、土木交通部長に一問一答でお聞きします。  さて、公営住宅の建てかえなど、滋賀県住宅行政の最上位に位置づけられる滋賀県住生活基本計画には、豊かな住生活の実現を目指して住みよい住まいやまちをつくるために基本方針を定め、さまざまな施策を総合的かつ計画的に推進していくことを目的とし、住生活基本理念には快適で潤いのある安全、安心な住まい、まちづくりを掲げ、基本姿勢で、多様な主体とのパートナーシップに基づく住宅施策の推進を位置づけられています。  しかしながら、県の財政が危機的な状況にあり、財政の健全化が急務である中、県職員の方が民間経営の感覚を持ち、無駄を省く徹底した収支管理を行うことをすべての県民の皆様が求めているところであります。  そこで、県の公営住宅は45団地、3,080棟と聞いております。まず、ここ3年間の収入額、滞納額、不納欠損と営繕費を含む修繕費は幾らか、いわゆる収支管理の状況についてお聞かせください。 ○議長(家森茂樹君) 24番高木健三君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎土木交通部長(竹中喜彦君) (登壇)県営住宅の収支管理の状況についてお答え申し上げます。  3年間のお尋ねでございますが、ほぼ同額でございますので、平成22年度をもって御説明申し上げます。  家賃は、現年、過年度を合わせまして7億5,500万円を請求しております。このうち滞納額が6,600万円でございます。結果、家賃収入としましては6億8,900万円となっております。  これに対しまして、住宅供給公社その他に支払いました管理経費、4億400万円でございます。管理経費の中には国庫支出金等の補助が含まれており、家賃収入との単純な差し引きというわけにはいかないわけですが、家賃収入の残額につきましては、建設時の起債の償還に充てるということといたしております。先ほど申しましたが、21年度、22年度はほぼ同様の数字でございます。 ◆24番(高木健三君) (登壇)どうもありがとうございました。しっかりと管理をお願いしたいなと思っています。  次に、今後の県営住宅の整備方針として、住宅施策の考え方として、もっとこれから整備をしていくのか、ふやしていくのかについてお聞きしたいと思います。 ◎土木交通部長(竹中喜彦君) 今後の県営住宅の整備方針につきましては、平成18年3月に本県が策定いたしました滋賀県公営住宅ストック総合活用計画に基づき建てかえ事業を実施していく中で、今後の人口減少等も踏まえまして、戸数は減らしていくという予定にいたしております。 ◆24番(高木健三君) (登壇)次に、24年4月1日施行日の公営住宅法が改正されると聞いております。施行日から1年の期間内に条例の制定が言われておりまして、主として同居親族要件の廃止および収入基準の見直しと聞いておりますけども、その内容と、それが県や市町に及ぼす影響はどうなのか、お聞かせをいただきたいと思います。 ◎土木交通部長(竹中喜彦君) 公営住宅法の主な改正点といたしましては、今、議員御指摘のとおり、1点目は、公営住宅法で定められていた入居に際しての同居親族要件が削除されたこと、また、2点目は、同じく同法で定められておりました公営住宅整備基準および入居収入基準が条例に委任されたということでございます。  1点目の同居親族要件の削除は、若年単身者の入居が可能となるものですが、事業主体において、平成24年4月以降も引き続き単身入居について一定の制限を設ける必要があるというふうな考えを持たれる地方公共団体にあっては施行日までの条例改正が必要となります。  また、2点目の整備基準、入居収入基準でございますが、改正法で条例委任されましたことから、遅くとも平成25年3月31日までに各事業主体において条例で規定することが必要となります。  これらの改正内容や必要な措置につきましては、これまでも文書で各市町に情報提供を行いますとともに、住宅施策担当者会議において詳しい説明を行う等、周知に努めているところでございます。 ◆24番(高木健三君) (登壇)次に、近江八幡市西本郷地先県営住宅建てかえについてでございますけども、まず、経緯と状況についてでございますが、基本計画策定時に近隣の皆様と関係市および町との協議が一通り済んでいるはずでございますが、周辺の皆さんとどのような協議が行われたのでございますか。 ◎土木交通部長(竹中喜彦君) お答えいたします。  平成22年夏ごろから建設予定地に隣接する住民の皆様に計画内容の説明を行いました。また、秋ごろから3回にわたり、敷地選定の経過、計画建物の階数、戸数など、規模や配置計画について説明を行ったところでございます。  県からの説明に対しまして、日影の影響を少なくしてほしいなどの要望が出されたため、計画建物の縮小や配置の変更などを行い、説明を続けているところでございます。 ◆24番(高木健三君) (登壇)同時に、設計後に行おうとされてる説明会では周辺住民とどのような協議が行われたわけですか。 ◎土木交通部長(竹中喜彦君) 建設地が近江八幡市でありますことから、近江八幡市開発事業における手続および基準等に関する条例に基づきまして説明会を行わなくてはならないわけですが、これまでに2回開催し、図面もお示ししておりますが、住民の皆様の御理解はまだ得られていないという状況でございます。 ◆24番(高木健三君) (登壇)地元はもちろん猛烈な反対をされているわけでございまして、反対の掲示板があちこちに立っているわけでございます。今、その内容については若干聞かせていただきましたけども、今後、どういう方向で進んでいかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。次の日程との関係もございますけども、とにかく反対をされている中でございますので、今後の進む方向について、よろしくお願いしたいと思います。 ◎土木交通部長(竹中喜彦君) 今後、地域との話し合いの予定につきましては、できるだけ県営住宅を早期に着工したいという思いもあり、住民の皆様の御理解が得られるよう、根気よく説明に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆24番(高木健三君) (登壇)今の回答を聞いておりますとですね、若干、明確でないような気もいたしておりますけども、これから、前へ進むのか、しっかりと見直しをするのか、地元の声を聞いた中で見直しするのか、しっかりと話をつけていただきたいと思っておりますけども。  その中で、県営住宅は同時に、西本郷だけじゃなくて土田町もございます。昭和33年から4年ぐらいに建てて築50年たっているわけでございますけども、大変厳しい状況でございますけども、その辺のことは、土田町のことはどういうふうに考えておられるのか、また御回答いただければ、お願いしたいと思います。 ◎土木交通部長(竹中喜彦君) お尋ねの近江八幡市の土田団地につきましても、昭和33年の建設でございます。現在、建てかえを行おうとしております西本郷県営住宅と同様、コンクリートブロックづくりで耐震性能が不足しているため早急な対応が必要となってまいりました。  今回、地元と協議を進めております西本郷県営住宅へ土田団地の既存入居者の方についても移転をしていただくと。そして、残りました、移転後、不要となる現在の土田団地については用途廃止をするという予定をしております。 ◆24番(高木健三君) (登壇)土田町の自治会と話をされた経緯はございますか。 ◎土木交通部長(竹中喜彦君) 土田町の地元自治会との協議経過については、ちょっと私、現時点で承知いたしておりません。後ほどお知らせいたしたいというふうに考えております。 ◆24番(高木健三君) (登壇)やはり残地が残るわけでございますので、当然、西本郷と同じように土田町も協議に入っていただくような形のほうがええと思いますけども、どうぞ、その辺、よろしくお願いしたいと思います。  次に、建設計画地へ決定した経緯でございますけども、まず、滋賀県の住生活基本計画第4章住宅施策の基本姿勢において、県の役割として市や町との連携や市や町との取り組みを支援していくと定めておりますけども、県営住宅の建てかえについて、近江八幡市との間にですね、県営住宅の移転についてどのような連携や協議が行われたんですか。 ◎土木交通部長(竹中喜彦君) 近江八幡市とは平成20年度に現在の西本郷団地での建てかえ計画を市と県とでまとめ上げてきたわけですが、それが双方の言い分の違いから実施できなくなりました。その後、代替地等について近江八幡市と協議を重ねてまいりました。また、平成21年度になりまして、現在の建設予定地に決定するに際しましても、近江八幡市とは協議を行ってきたところでございます。
    ◆24番(高木健三君) (登壇)県営住宅の建てかえの予定地であります西本郷周辺はJR近江八幡駅の東約2キロに位置し、利便性が高いことから民間賃貸住宅が多く建っております。  平成18年に閣議決定された住生活基本計画には、市場重視の政策展開が定められ、全国計画に基づく滋賀県住生活基本計画の第5章住宅施策の展開方向において、多様なニーズに対応して公営住宅の供給と良好なコミュニティーの形成の中で民間賃貸住宅の活用を定めております。  この基本計画に基づき調査をされていると思いますが、西本郷県営住宅建てかえ予定地周辺の民間賃貸住宅の活用はどのような結論になったわけでございますか。 ◎土木交通部長(竹中喜彦君) 民間賃貸住宅を活用した、いわゆる借り上げ公営住宅につきましては、用地が高額で、また、用地取得が極めて困難な大都市圏では非常に有効な方法であるというふうに認識しております。しかし、今回は県有地を利用した事業でございます。用地取得が不要でございます。住宅の耐用年限であります70年間の民間賃貸の借り上げ方式と比較した場合、直接建設方式のほうが県の負担が少なくなるということから、借り上げ方式は採用いたしませんでした。 ◆24番(高木健三君) (登壇)近江八幡市が計画する市営住宅の移転建てかえは、移転することにより不要となった西本郷地先の土地を民間へ売却することが可能となれば、市営住宅建設費負担が大きく軽減されることが予想されるわけでございます。西本郷県営住宅建てかえにおいても、本県の財政状況が危機的な状況にある中、また、収支管理の状況を考えて、計画地の選定に経営感覚を取り入れた検討を行ったわけでございますか。 ◎土木交通部長(竹中喜彦君) 今回の建設予定地を選定するに際しましては、県が保有する未利用地の有効活用や新たな用地取得に関する時間の経費、建てかえ完了後の移転に伴って不要となる現在の県営本郷、土田両団地の敷地の処分についても検討の上、総合的に判断したものでございます。 ◆24番(高木健三君) (登壇)今、県が建てようとされている場所は本当に一等地でございまして、大変もったいないような感じでございます。反対もございます。そういう中で、やはりその辺の場所については考慮する価値があると私は思っております。ぜひ再考をいただきたいなという思いでございます。  次に、市街化調整区域における県営住宅の建設についてでございますけども、まず、市において、既存集落に限って公営住宅建設を認める基準が定められております。近江八幡市域での開発許可権限は近江八幡市に求めますが、西本郷県営住宅建てかえの計画ではどのような協議が近江八幡市となされたわけでございますか。 ◎土木交通部長(竹中喜彦君) 西本郷県営住宅建てかえに際しましては、先ほども申し上げました近江八幡市開発事業における手続および基準等に関する条例に基づきまして、事前協議が必要となる事項につきまして近江八幡市の関係各課と協議を行って今日に至っているということでございます。 ◆24番(高木健三君) (登壇)近江八幡市はですね、地区計画という手法を用いまして市街化調整区域での市営住宅移転建てかえの計画を進めておりますけども、県営住宅が市街化調整区域に建設することができないと言われるのはなぜですか。 ◎土木交通部長(竹中喜彦君) 近江八幡市からは、代替地や市街化調整区域への移転の提案がございました。県では都市計画法が平成18年、改正されました。その趣旨は、国や県、市町が行う開発行為については、開発許可を今までは必要としなかったわけですが、民間事業者と同じように開発許可を必要とするというふうに変わったわけでございます。したがいまして、幾ら公とはいえ、市街化調整区域での県営住宅の建てかえというものは都市計画法の改正趣旨に沿わないということから、原則として行わないというふうな基本的な方針を持っております。  今回の計画につきましても、この方針を踏まえて、現在の西本郷、土田両団地の建物の耐震性が不足しており、一刻も早い建てかえが必要なことや、未利用地の有効利用、さらには、入居者の移転や利便性などを総合的に勘案したところでございます。  先ほど、後ほどお答えいたしますということがありました土田団地の自治会への説明をこの場でさせていただきます。  将来的に廃止予定をするという説明は平成17年度以降、行ってきております。また、今後、建設を正式に決定した段階では、移転のスケジュール等、詳しい説明を行うということといたしております。 ◆24番(高木健三君) (登壇)ありがとうございました。  いろんな面で法律があるそうでございますけども、県の財政を考えたならば、いろんな面でアタックして、だめだった場合はどんな方法があるかというようなことをやはり前向きに取り組んでいただきたい。そうでないとなかなか進まないんじゃないかなと思っています。反対もある中で、これからの方向としてはなかなか厳しいと思っています。その辺の見解があれば、もし、お答えいただきたいと思います。 ◎土木交通部長(竹中喜彦君) 法律上は建てられるという状況には来ておるわけですが、やはり地域の皆様の御理解というものを得て工事を進めるべきであるということは変わりはないわけでございます。  現在、例えば、やや高層の県営住宅ができますことから目隠しを設置してほしいでありますとかいう具体的な御要望も伺っているところでございます。こういうことを1つずつ着実に話をしながらまとめ上げていきたいというふうに考えております。 ◆24番(高木健三君) (登壇)どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  第2点目として、鳥インフルエンザ対策について、農政水産部長に一問一答でお聞きをいたします。  養鶏農家にとって湖国への冬の季節の訪れは鳥インフルエンザ対策との戦いで、毎日が緊張の連続でございます。  まず、滋賀県として、養鶏農家に対して日常的な防疫対策はどのように対応しておられるのか、お聞きをしたいと思います。 ◎農政水産部長(福井正明君) (登壇)養鶏農家に対します日常的な防疫対策についてでございますけれども、それぞれの養鶏農家におきましては、家畜伝染病予防法に基づきまして、各農場出入り口での人や車両などの消毒あるいは防鳥ネットの設置によります野生動物の侵入防止などの飼養衛生管理基準の遵守が義務づけられております。  また、県といたしましても、家畜保健衛生所の家畜防疫員が毎年6月と1月に定期的な巡回指導を実施いたしますとともに、特に9月には鳥インフルエンザの防疫強化の観点から、訪問調査によります指導を徹底しているところでございます。  さらに、全国的な鳥インフルエンザの発生状況などを踏まえまして、必要に応じ随時の調査も実施し、基準に基づく対応が不十分な場合には施設の改修や消毒などの指導を徹底してきているところでございます。 ◆24番(高木健三君) (登壇)昨年は、滋賀県を取り巻くように他県では鳥インフルエンザの発生事例があり、いつどこで発生するかわからない、いつ発生してもおかしくない、非常に緊迫した状況下でありました。  万一にも発生したら、生産農家の影響や損失額はどのようになると考えておられますか。 ◎農政水産部長(福井正明君) お答えいたします。  本県におけます養鶏は採卵用と肉用を合わせまして59戸の農家で約71万羽が飼育されており、年間産出額は約20億円となってございます。  そういう中で、万一にも発生した場合は、家畜伝染病予防法の規定に基づきまして、当該養鶏農家で飼育されております鶏の殺処分はもちろんでございますが、鶏卵や飼料あるいは堆肥など、すべての汚染物品を処理することとなります。仮に2万羽を飼育している養鶏農家での発生を想定いたしますと、その直接的な損失額は約1,800万円程度と試算をされ、さらに、半径10キロメートル以内の周辺養鶏農家では、一定の期間は鶏や鶏卵などの生産物の出荷や移動が制限されますことから、そうした対応に伴います損失も発生することとなるというふうに考えているところでございます。 ◆24番(高木健三君) (登壇)次に、防災対策としての県の考え方についてでございますけども、そもそも鳥インフルエンザ対策については、個人対応はさまざまでございます。限界があると感じております。個々の経営環境から見ても大変厳しく限界があり、自主対応としては問題があるのではないかとも考えます。このような悪性伝染病の発生防止の対応は、特に県域全体で取り組まなければ効果がないと考えられます。  鳥インフルエンザウイルスは、ハード面としての野鳥を初め小動物の鶏舎への侵入による危険率が高いことから、その防止に向けた徹底した侵入防止施策としての補助制度が必要かと考えますけども、補助はないのでございましょうか。 ◎農政水産部長(福井正明君) お答えいたします。  鳥インフルエンザの発生防止対策につきましては、議員御指摘のとおり、野鳥を初めネズミなどの小動物の鶏舎への侵入防止が何よりも重要であると考えております。そのため、これまでから県内養鶏農家に対しまして、防鳥ネットや消毒用の動力噴霧器の導入につきまして、国の支援制度であります食の安全・安心確保交付金などを活用した施設の整備を指導しているところでございます。  その結果、例えば網目が2センチ四方の細かな防鳥ネットを整備された養鶏農家は県内59戸のうち既に53戸で整備をされてございまして、残る養鶏農家に対しましても、そうした支援制度を有効に活用し、防疫対策が徹底されるよう指導を継続しているところでございます。 ◆24番(高木健三君) (登壇)ありがとうございます。  今、補助制度があるという回答でございますけども、本当に、今述べましたように、養鶏農家の経営環境が非常に厳しいというようなことでございます。  そのような中にあって、昨年の国内での鳥インフルエンザの発生事例を見ておりますと、万全な対策をとっていたにもかかわらず、防鳥ネットの小さな穴からですね、ウイルスが、侵入して、持ち込んだというようなことがございました。  補助率、何%の補助かはわかりませんけども、補助率の中で、その自己負担すらもなかなかできない農家がほとんどでございます。そういう面では、当然、施工費用は言いませんけども、小動物の侵入防止を図れるような安全対策として、今、補助があるということですけども、その材料支給を、全額補助を県として行っていただきましてですね、水鳥の飛来の多いラムサール湿地登録としての滋賀県としての環境対策、また、鳥インフルエンザ対策を県域全体として滋賀県はとるべきと考えますけども、決意を含めまして、再度、見解をお聞きしたいと思います。 ◎農政水産部長(福井正明君) お答えいたします。  議員御指摘のとおり、昨年、国内各地で鳥インフルエンザが発生をいたしまして、特に琵琶湖を抱えます本県の状況を考えますと、野鳥によります鳥インフルエンザの蔓延、伝染が極めてリスクが高いというふうなことを認識しているところでございます。  そのような中で、近府県で発生した状況の中で、県として緊急避難的に消石灰を購入し、すべての農家に配付をさせていただいたと、そういう緊急的な対応もしてきたところでございますし、ただ、先ほど御答弁申し上げましたように、まずは、一義的には家畜伝染病予防法に基づき、当該養鶏農家でしっかりとした防疫対策を講じていただくと。そういう中での対応を、県あるいは畜産農家の皆さんと連携しながら、今後も適切に対応していきたいと考えているところでございます。 ◆24番(高木健三君) (登壇)どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  次に、第3点目として、津田干拓地の問題について農政水産部長にお聞きします。  近江八幡市には津田干拓という国営干拓事業により整備された干拓農地がございます。地目は畑地であります。このことは、昭和46年の完成を直前に、生産調整が打ち出されたことにより、以来、畑作物による営農が取り組まれてまいりました。  しかし、当地域は干拓地であり、干拓以前の湖底がそのまま耕土となっていることから、スクモ地で、畑作物にとっては大変厳しい連作障害を受ける土地柄であります。  このことから、何とか連作障害を回避すべく、水張り耕作ができないか、いわゆる連作障害回避のための水稲作付について、先般、近江八幡市が、直接、農林水産省に9月13日に確認をさせていただきましたところ、畑地なので水稲の農業者戸別所得補償制度は受けられませんけども、事業実施後何十年とたった後で、どこで水稲を作付されようが、それは個人の経営判断であるとの回答を得たところであります。  津田干拓地は、連作障害との戦いと高齢化に伴い、営農は大変厳しい状況にあります。先般、地元土地改良区が、干拓地であるがゆえの内水排除のポンプの設備の更新のため、県単小規模土地改良事業について申し出をしたところ、一部、水稲作付を行われていることから、事業を県としては認めないというように聞いております。一部の者の行為のために土地改良区全体、70数名の組合員が不利益を受ける。しかも、干拓地であるがゆえに必ずついて回る内水排除の施設の支援がいただけないのはどういうことなのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎農政水産部長(福井正明君) お答えいたします。  津田内湖の干拓につきましては、土地改良法に基づきます国営干拓事業としまして昭和39年に事業着工され、昭和46年9月に受益面積83ヘクタール規模の事業が完了したところでございます。  本件、津田内湖干拓は、県内の干拓事業地15地区の中で、唯一、国の通達に基づきまして水稲の作付が制限され、畑地として整備されました、いわゆる新規の開田を抑制した農地であり、これまで畑作物による営農活動が展開されてまいりました。  そのような中で、水稲の一部作付が行われておりますことは、畑地として整備されました津田内湖土地改良区の事業計画と合致しておりませんことから、まずは、当該土地改良区において開田が抑制されている中で、今後の営農活動をどのように展開し、現行の事業計画との整合をどのように図っていくのかなどについて十分議論をしていただくことが必要と考えているところでございます。 ◆24番(高木健三君) (登壇)再問をさせていただきたいと思います。  開田計画とはどのように理解をされておられますか。私は、補助事業の計画に水田計画があるのならば理解はできますけども、土地改良区としてそのような計画はなく、水稲の作付は一個人が経営判断として行っていることであり、その辺は生産調整の指導を徹底していただくとして、県としては事業の申請内容をしっかりと確認いただいて、支援すべきものと判断をしていただきたいと思っております。  干拓地の中には、一部、市営の運動公園がございます。畑地だけの排除ではございませんので、支援すべきものであると思っておりますけども、国の見解を聞いていただくと同時に、再度、見解をお聞きしたいと思います。 ◎農政水産部長(福井正明君) 先ほども御答弁申し上げましたように、そもそも新規開田の抑制は、昭和44年の2月から、我が国の米の需給事情を踏まえまして水稲の作付面積を需要に応じて減少させ、飼料作物あるいは園芸作物などへの転換を進めるとともに、そうした新規開田をできるだけ抑制するための政策と理解しているところでございます。  そのような経過を踏まえますと、今後、排水ポンプなどの農業水利施設の保全、更新などのアセットマネジメントの推進に際しましても、あくまでも現行の土地改良事業との整合が前提となりますことから、やはり当該土地改良区におきまして主体的に御議論いただくべきであろうというふうに考えているところでございます。 ◆24番(高木健三君) (登壇)ありがとうございました。  次に、4点目として、知事の描く滋賀の未来像について、きょう初めて知事に質問をさせていただきます。明快なる回答をお願いしたいと思います。  理想のリーダーシップを問われると、どうしても戦国武将など歴史上の人物を想像してしまいます。そのような歴史上の人物は、時代とともに伝記も人々に残った思い出も物語風に脚色されていますので現実とはかなり違った人物像になるに違いありません。タイムトラベルするわけにはいきませんので、これらの虚像をリーダーシップの模範として追い続けるケースが結構あるのではないでしょうか。この虚像をリーダーシップの模範として追い続ける習慣は、追い求めるものであってはいけないのではないでしょうか。  リーダーシップを生まれながらの資質としてとらえ、自分にはその才能があるがごとく無理していると、行き詰ったときや挫折を味わったときの傷口が大き過ぎて立ち直れなくなるのであります。だから、自信、決断力、社交性は、資質ではなく、日ごろからの行動によって獲得することができる特質であります。社会的な地位などと混同してしまいますけども、リーダーシップは、別に偉くなくても、毎日の行動の中でリーダーシップの特性をいつも思い描き、一つ一つの出来事に丁寧に対処していけば、本物の特性として身につけることになると思います。  人は皆、生まれつき特性を持っています。このようなことを、最近、頻繁に考えることが大変多くなってまいりました。新聞に載っておりました、さきの子供クーポン券問題、また、さきの代表質問でも言われておりますが、最近では原発に関する意見書の市町の不協和音など、どう考えても理解でき得ない実態があり、不安が事あります。  最近、いろんな会合に行きますと、多くの県民から「県はどうなっているんだ。それで、どうするのかがよくわからない」という声を、再三、耳にしております。いわゆる不信感を持っておられるというようなことだと思います。  知事、あなたは確かに学もあり、知事の職を1期満了されました。仕事も手際よくさばかれると思います。知事はまた人当たりもよいと思います。しかし、仕事を手際よくさばかれたとしても、本来の仕事に支障が出ているということでしたら自慢にもなりません。このような状態で、もし本県で、さきの東北震災等の大災害が起きたらと思うと、背筋が凍り、到底、前が見えなくなります。  私は、県議会議員になってまだ5カ月半でございますけども、嘉田知事と初めてお目にかかったのは数年前にさかのぼります。当時は、市議会議員として知事に接していた、物静かな、やわらかな口調で話される言葉を聞いておりました。当時も、その話に力強さを感じることはできなかったんですが、よくよく考えてみれば、感じられなかったのは、それは力強さではなく、リーダーとしての求心力、指導力という裏打ちではなかったのかと考えるのでございます。  リーダーとは孤独だと思います。時には厳しい判断を下し、批判を一身に受けることも覚悟しなければなりません。しかし、その厳しい判断を下すに当たっては正しい情報が必要です。その正しい情報を耳に入れてくれるのは何か。それは人しかありません。正しい情報を伝えるだけではなく、時には苦言を呈するような人を周りに抱えなければ、知事の下す決断に県民は決して納得することはないのではないでしょうか。県を取り巻く厳しい経営環境を感じないまま、誤ってかじ取りをしてしまう危険性が大きいと思います。  県民は、それぞれの地域では市民であり、町民であります。正しい情報を伝え、時には苦言を呈するとして県の職員は確かに優秀でしょうが、県内それぞれの地域の事情を知り、市民の、町民の生の声を受けとめているのは県の職員ではなく、代表質問でも言われましたが、市長、町長であります。  市長、町長と力を合わせなければ、知事がホームページに掲載しておられるように、知事の描く滋賀の未来像として、子や孫にツケを残さず、彼らが生きる未来のために豊かさと幸せを感じる社会を実現することは不可能だと考えますが、滋賀の知事の立場としての見解をお聞きしたいと思います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)高木議員の滋賀の描く未来像、私の描く未来像についてお答えさせていただきます。  甚だ個人的なことになりますが、私は中学校時代から歴史少女でございまして、あこがれたリーダーは織田信長でございました。修学旅行で安土城を列車から見て、何てすばらしいところなんだと。あの森の下に、田んぼの下にけんらん豪華な安土城が隠れている。それが近江の底力だということで、実は、関西に来る一つのきっかけにもなりました。  信長の時代を見通したあの決断力、大変、さまざまな課題はあったと思いますけれども、今も政治は未来をつくるもの、大きな変革を目指すときにはさまざまな抵抗がある。それでも、未来のために政治家は何をやらなければならないのか、あるいは何をやってはいけないのかという意思のもと、知事としての仕事をさせていただいております。  前置きが長くなりました。そういう中での高木議員の御質問でございます。何よりも市民、町民の実態を知っているのは市長、町長だということ、もっともでございます。県の基本構想においても、県政経営の基本姿勢として、市町と力を合わせながら滋賀の発展を目指すとしております。  そこで、市町との対話システムを通じまして緊密な意見、情報の交換により市町の声をしっかり受けとめることとしておりまして、8月の自治創造会議においても、市町長の皆様から大変貴重な御意見を聞かせていただいております。  今後も、さまざまな機会を通じまして丁寧に市の立場、町の立場をお伺いいたしまして、また、県は県としての未来を見通した考え方がございます。考え方が違うときには対話を尽くして合意形成を図っていきたい。それが知事としての私の決意でございます。  お答えさせていただきました。 ◆24番(高木健三君) (登壇)どうもありがとうございました。これで終わります。(拍手) ○議長(家森茂樹君) 以上で、24番高木健三君の質問を終了いたします。  次に、21番粉川清美さんの発言を許します。 ◆21番(粉川清美さん) (登壇、拍手)あらかじめ通告をいたしております項目につきまして質問させていただきます。  まず最初に、平和の文化の育成と滋賀県平和祈念館(仮称)について知事に質問をさせていただきます。  終戦から66年がたった今日も、いまだ世界には私たちが望むような平和は訪れず、核開発などの問題や国際テロへの不安、激しい地域紛争など、むしろ緊張は増すばかりです。今日までに人類は幾多の戦争、紛争を経験しました。その反省に立って、国連を初め国際社会は、戦争と暴力の文化から平和の非暴力の文化へと人間の価値観や行動そのものを変換していく努力が必要として、平和の文化を築く取り組みを開始いたしました。  ユネスコ憲章には「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」とあります。まさしく人の心の中の平和のとりでを築くことこそが平和の文化だと思っています。  平和とは、単に戦争、武力紛争がないことを言うのではなく、生命の尊厳、安全を脅かすすべてのものが平和の対極にあります。平和の文化を築くためには対話、教育、そして人と人とのネットワークを広げる私たち一人一人のたゆみない努力が必要です。来春開館する滋賀県平和祈念館は、その拠点としての大きな役割と期待を担っていると思います。  初めに、滋賀県平和祈念館の開館を目前にして、平和の文化への所感および平和祈念館開館への思いについてお尋ねします。  滋賀県ではこれまで、県民の戦争体験を風化させることなく平和への願いを語り継いでいく地道な活動を展開してこられました。これまでの取り組みについて、また、課題、問題点も含めて、どのように評価し、平和祈念館を拠点とした新しい滋賀の平和活動にどのように生かそうとされているのか、お聞きします。  また、より多くの人に参加していただけるような工夫も必要と考えますが、いかがですか。  次に、平和学習についてです。  滋賀県では、平成19年、平和学習支援検討委員会を設置して、実施したアンケート調査結果をもとに報告書を作成していますが、このアンケート調査結果や平和学習支援検討報告書についての評価などについて見解を伺います。  次に、この報告書を受けて、今後どのように取り組んでいくのかについてです。  特に課題として、語り部の育成やバンクといった人材の問題を指摘していますが、語り部の育成やバンクの創設について、また、戦後66年が経過し、風化も進む中、戦争体験をどう伝えていくべきか、直接戦争体験のない人たちがかわって語り部を行う語り継ぎ部の育成も重要だと考えますが、見解を伺います。  また、当然のことながら、事業推進の予算が必要となってまいります。平和学習支援検討報告書でも語り部などの人材派遣の交通費の支援を求めていますが、活動支援についてお聞きします。  また、同報告の中で拠点施設、平和祈念館の学校教育上の活用を考え、利用しやすいように交通費の補助も求めていますが、その支援についての見解を伺います。  例えば、現在、文化振興の観点から、本年の新事業かつ重点事業として、びわ湖ホールで開催する公演の鑑賞に伴う交通費について2分の1を支援する次世代文化芸術体験推進事業を実施していますが、平和文化支援の観点から大きな意義があると考えますが、いかがですか。  次に、今後の運営、活動について、特に子供の参画、育成についてです。  現在、ボランティアを募集されていますが、多くの方にかかわっていただくことと、また、子供たちにもその輪を広げてほしいと望むものですが、いかがですか。  また、県ではこれまで県民の戦争体験の聞き取りをもとに「記憶の海」として体験記を発刊しています。すばらしい取り組みだと思います。今後は、子供たちが豆記者となって戦争体験を聞いてまとめていく活動や、平和学習で学んだことを記録する活動など、未来に向けた行動へとつながる事業にも取り組んでいただきたいと望むものですが、いかがでしょうか。  最後に、滋賀県から世界への発信についてです。  2003年、2004年と2年続いて高島新旭町で「地雷をなくそう! 世界こどもサミット」が開催されました。これは、対人地雷の使用、貯蔵、生産および移譲の禁止ならびに廃棄に関する条約──オタワ条約が発効して4年目の2003年2月8日、日本が保有していた対人地雷の最終廃棄が完了し、セレモニーが開催されたのを機に、全国から子供たちが、また、アフガニスタンからは地雷で傷ついた子供の代表も参加して開催をされ、滋賀県からノーモア地雷のメッセージを発信したのです。翌年、2004年8月にも世界11カ国の参加でこどもサミットが開催されました。世界中の地雷が除去され、犠牲者がなくなる日が一日も早く訪れることを願って、世界の対人地雷の廃絶を訴え続けるすばらしい取り組みだと思います。  このように、滋賀県から世界へ平和の思想、行動をさらに発信してほしいと考えますが、今後の取り組みについて見解を伺います。 ○議長(家森茂樹君) 21番粉川清美さんの質問に対する当局の答弁を求めます。
    ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)粉川議員の平和の文化の育成と滋賀県平和祈念館についての4点の御質問にお答えいたします。  まず1点目の平和の文化への所感と開館への思いでございます。  さきの大戦においては、多くの人が亡くなり、また、人々は空襲におびえながら戦時体制下のもと、苦しい生活を余儀なくされました。戦後生まれが8割近くを占める今日の日本の社会においても、こうした戦争の悲惨さを理解をし、二度と戦争を起こしてはならないという思いを共有をしていくため、個々人の主体的、意識的な学習と行動が必要であります。  さらに、議員御指摘のように、今を生きる私たちが人と人とのきずなを大切にして広げていくたゆみない努力をしていかなければならないと考えております。  また、戦争とは原因が違いますけれども、大きな自然災害の後も、ある意味で戦争と同じような大きな生活破壊、そして、人々の不安が広がるわけでございます。  こういう今だからこそ、平和祈念館は平和の対極にある戦争や当時の苦しい生活、さらには、当時の人が何を思い、何を願ったかを知っていただくことにより、平和のとうとさを学び、県民みずからができる活動を考えていくきっかけとしていただきたいと考えております。  次に、2点目の御質問ですが、まず、これまでの取り組みの評価と今後への活用でございます。  県ではこれまで県内各地で平和祈念展を延べ10回、25会場で開催をし、約5万人が来場されました。また、体験談集や体験証言ビデオ、学習用小冊子の制作やパネル等の貸し出しなどを行ってまいりましたが、常設ではなく、県民の相談窓口や交流の場も十分ではございませんでした。  今後、平和祈念館を拠点として資料や体験談を常設展示するとともに、ワークショップや講演、講座など参加型イベントを実施してまいります。また、相談に応じて学校や地域での学習活動への支援を行い、あわせて、学習成果を館で展示、発信していく。平和祈念展も引き続き各地で開催し、より多くの県民の皆さんの参加をいただけるよう努めていきたいと考えております。  次に、検討報告書の評価でございます。  県の収集した資料や体験談を学校の平和学習で活用していくための課題を整理するとともに、平和学習の支援方策をまとめていただいております。県では、この提言に基づき、ホームページでの事例紹介など、できることから取り組んできたところでありまして、今後も平和祈念館の取り組みに報告書の結果を生かしていきたいと考えております。  3点目の今後の取り組みでございます。  語り部の育成やバンクの創設、また、議員御提案の語り継ぎ部の育成については、戦争体験者の高齢化が進む中で、直接に、あるいは話を聞かれた方々に平和祈念館の活動を通じて参画を願い、協力を求めていくとともに、証言ビデオの貸し出しなども含めて学校や地域からの相談に対応したいと考えております。  学校への語り部の派遣など活動支援については、身近な地域での戦争体験を子供たちに聞かせることが重要と考えております。また、家族の内部でも、例えば祖父母の経験を孫が受け継ぐというようなことで、意外と身近なところにさまざまな経験が隠れております。そういう中で、県内各地で協力いただける方の発掘に努めてまいりたいと考えております。  学校から来館する交通費の補助についてですが、多くの学校に来館していただくことが望ましいわけですが、むしろ学校への出前授業や資料等の貸し出し、展示など、アウトリーチに力を入れ、学校での平和学習を積極的に支援をしていきたいと考えております。  最後に、4点目の子供の参画、育成でございます。  平和を願う心をはぐくんでいく上で子供たちの積極的な参加は重要であります。例えば戦時食づくりなど、体験型事業への参加やボランティアの皆さんとともに活動し、話を聞くことを通じて平和を願う当事者としての心をはぐくんでもらいたいと考えております。また、学校では、平和学習で地域のお年寄りから話を聞いて発表する活動や平和への思いを作品にあらわす活動もされており、館内にはこれらの成果を展示するコーナーも設け、さまざまな人たちの平和への思いや願いを学び合う発信、交流の場として、さらなる子供の参画を促していきたいと考えております。  次に、滋賀県から世界への発信についてですが、平和祈念館は戦争体験者の思いや願いを伝え、平和への思いが深まるようにするとともに、幅広い県民が参加し、未来に向けた新たな行動が生まれることを目指しております。このような館の設置目的に沿った事業展開を図る中で、平和を願う県民の心を発信していきたいと考えております。  また、議員御指摘の対人地雷の廃絶といった具体の国際的な取り組みでございます。  私自身も、数年前にカンボジアを訪問したときに、地雷の被害に遭った子供たちから直接話を伺いました。日常、暮らしている田んぼや集落の中に地雷が隠れている、大変悲惨な状況であります。そういう中で、いかに苦労しているかということは直接話を聞く、そして、どうしたらいいか考えていくことは大変重要だとは考えております。  このような国際的なことにつきましても、今後、開館後において館の運営の中で判断をしていただきたいと考えております。 ◆21番(粉川清美さん) (登壇)知事からも報告書についての評価をいただきましたが、今まで身近な地域でさまざま取り組んできた状況を踏まえて、報告書では、やはり一つの拠点ができ上がることも通じて広く県内全域で平和学習やさまざまな取り組みに取り組んでほしいと。全域に広がるためにはそういった、交通費も含めた支援への取り組みが重要だと考えるというふうな報告でございますので、ぜひその趣旨を生かしていただきまして取り組んでいただけたらとお願いをしておきたいと思っています。  それから、もう1つ、最後の対人地雷の問題ですけれども、知事がおっしゃったように、世界的にもすばらしい、だれもが願う取り組みですが、そのことがこの滋賀県から出発をしている、滋賀県から世界に発信をしているという、そういう今も活動をされてきたわけです。だから、今後それを検討していただくというよりは、今のこの活動を評価して、さらに、滋賀県の、世界の平和を担う一翼としてのこの対人地雷の問題についてもぜひ、さらに県としても取り組んでいただきたい。そのことをお願いをしておきたいと思っております。  来春3月に完成いたします滋賀県平和祈念館のオープンを楽しみにしておりますし、さらに、県内からはたくさんの方がこの拠点を訪れていただき、滋賀県の平和への運動がさらに盛り上がっていくように期待をさせていただきたいと思っております。  それでは、次に、2項目めとして放射線教育について伺います。  原発事故を経験して、正しく知って正しく恐れることの重要性が再確認されました。基礎知識を学ぶなどの放射線教育について、学校での取り組みや県民の取り組みについてお聞きします。  まず最初に、学校での取り組みについて教育長にお聞きします。  来年4月から新学習指導要領で中学校理科に放射線に関する内容が組み込まれることになっています。今回の福島原発事故で、子供たちも事故の怖さとともに原発に対する関心を持ったことでしょう。放射線に対する基礎的知識はもちろんのこと、人体への影響や万が一のときには放射線から身を守ることを教えることも重要と考えますが、放射線教育についてどのように取り組まれるのかお聞きします。  また、教師への対応についてです。  中学校での放射線教育は40年ぶりの復活ですから、教えた経験あるいはみずからが授業を受けた経験のある先生は少ないと思います。そこで、教師の研修が重要と考えますが、どのように取り組まれているかお尋ねします。  また、小学校では、放射線については教科書にはないということですが、原発事故を受け、小中学生に放射線の基礎知識を教えることについてどのように取り組んでおられるのか、また、今後どのように取り組まれるのかお聞きします。  冗談にせよ、放射性物質がうつるかのような発言、行動で大臣が辞任するといったことが現実に起こったわけですから、教育現場では慎重に、また、心の通う取り組みをお願いしておきたいと思っております。  次に、県民への取り組みについて知事にお聞きします。  原発被害を受ける東日本産の農畜産物などに対する消費者の不安の声はいまだに解消されていません。さらに、大文字山の送り火のまきの問題、また、福島県産花火の使用の問題等々、事前に慎重に対応しておけば被災地の方々を傷つけるようなことにはならなかったと思うと、本当に残念でなりません。  そこで、私たち県民も正しく知る取り組みが必要だと思います。出前講座など、職員さんはもちろんですが、さまざまな知見をお持ちの専門家の派遣や、県民の学習会やフォーラムを開催して、情報提供だけでなく、疑問点の解消や意見交換など、また同時に、放射線の線量計などを使った実践的な取り組みなど、県民が正しい基礎知識を持って、考えて行動するための取り組みが必要と考えますが、見解をお聞きします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) 後半の県民への知識の周知についてお答えさせていただきます。  議員御指摘のように、目に見えない、また、においもしない放射線については、正しく計測をして、正しく知り、そして、正しく恐れることが重要でございます。県民の皆さんに原発に関する正しい知識を習得していただくためには、リスクコミュニケーションが大変重要と考えておりまして、現在、出前講座や「くらしSafety」の放送を実施しております。また、いざというときに適切な行動がとれるよう、防災訓練などの機会において線量計を使用した状況把握など、実践的な行動で学んでいくことも効果的と考えております。  今回の補正予算をお認めいただきましたら、県としても近いうちに専門家の人的補充もしていき、その中で、より一層具体的な方向を考えていきたいと思っております。 ◎教育長(末松史彦君) (登壇)学校における放射線に関する指導についての御質問にお答えいたします。  まず、放射線についてどのように指導するのかについてでございますが、中学校の新しい学習指導要領の3年生の理科において放射線についての指導が明記されたことから、放射線の種類や性質などの基本的な知識や科学的な根拠に基づく人体への影響について指導しているところであります。  次に、教員の研修についてどのように取り組むかについてでございますが、新しい学習指導要領の全面実施に向けて、各学校では理科の授業での放射線に関する指導内容や新しい教材を活用した指導方法などの研修を行っており、また、本年度はすべての中学校の理科主任を集めた教育課程協議会において指導内容の確認を行うとともに、教材の整備についても説明したところです。さらに、次年度は、県総合教育センターにおいて放射線に関する基本的な知識や授業で活用できる教材作成等の研修を計画しており、専門家による指導についても取り組んでまいりたいと考えております。  次に、小中学生に放射線の基礎知識をどのように教えるかとの御質問でございますが、放射線につきましては、小学校や中学校1、2年生の教科書にはない内容でありますが、現代の子供たちはさまざまな情報に囲まれており、発達段階において正しい知識を指導することは大切なことであると考えております。  例えば県内の小中学校では、放射線は目に見えない光線みたいなもので身の回りにあること、体にたくさん受け続けた場合には悪い影響があること、医療や工業、農業などでは有効に利用されていることなどを子供たちにわかりやすく伝える取り組みをしております。  今後も、教員自身が放射線の正しい知識を身につけるとともに、子供たちが被災された方々の思いを理解し、誤った情報に惑わされることなく正しい言動がとれるよう、あらゆる機会をとらえて指導してまいりたいと考えております。 ◆21番(粉川清美さん) (登壇)教育長の御答弁の中では基礎知識を学ぶということを中心に御答弁をいただきましたが、ぜひ、知識は知識として、また、行動は行動として、こういうふうに分けるのではなく、習った知識がそのまま、万が一のときにも自分の身を守るために生かせるような、そういう方法についても、行動についても同時にまた触れていただけたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  それでは、3項目めに、食の安全対策について知事に伺います。  国も県も、市場に流通しているものは安全と言いながら、7月以降、放射性セシウムに汚染された牛肉が消費者に販売され、またしても信頼感が失墜しました。  今回の問題では一部の汚染牛が流通してしまいましたが、生産、流通の履歴制度、トレーサビリティーが機能したことで深刻な被害拡大は防止されたと言われています。今回の牛肉汚染を受けて、トレーサビリティーの一層の機能強化を求める消費者の声が高まっています。  今後、消費者の安心のために、リスク管理からすれば生産者による飼料や薬剤等のチェック、あるいは購入・搬入段階などにおける飼料のトレーサビリティーも必要になるのではないでしょうか。  また、ほかの農畜産物のトレーサビリティーも求められますが、農畜産物がどのような管理がされてきたか消費者にわかるような制度はできないものでしょうか。見解を伺います。  一方、県は滋賀県産の牛肉や米の調査を開始されました。近江牛や近江米の滋賀ブランドを守り、消費者に安全、安心な食の提供に寄与できることは大変重要だと考えます。同時に、ほかの食品等についても、放射性物質の測定など、消費者の安全、安心の確保に向けた取り組みを望む声を多く聞いています。  しかし、今議会でも、県は市場に流通しているものは大丈夫と一貫して同じ答弁をされていますが、汚染牛肉問題の発覚以後は無責任な答弁と言わざるを得ません。消費者に安心を与える対応が今求められていると思いますが、知事はどのように考えておられますか。  今回、国は食品などの放射性物質の測定など、消費者の安全、安心の確保に向けた取り組みを支援するために検査機器の貸与および自治体へのサポート体制の構築を始めました。この事業を活用して市場や保健所などに検査機器を設置し、抜き打ち検査や消費者の持ち込み検査の実施を行うなど、県民の安心のために対応するべきと考えますが、見解を伺います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) 食の安全対策についての4点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の畜産飼料のトレーサビリティーについてであります。  我が国全体の畜産農家における飼料の自給率は25%、特に本県では10%といった現状の中で、例えば配合飼料の原料に用いられるトウモロコシや麦、大豆などは、そのほとんどが海外からの輸入に依存しております。生産者の段階で原産地の特定が必要とされる飼料のトレーサビリティーを実施することは困難と言わざるを得ない状況であります。このため、現行制度上は、飼料安全法の規定に基づき、飼料および飼料添加物の検査等により安全性と品質が確保されていると理解しております。  このように、飼料のトレーサビリティー対応には多くの課題があるものと認識をしております。県としては、まずは自給率の向上を目指し、県内産の飼料用米や稲わらの生産拡大に取り組むことにより、生産履歴の確保につなげてまいりたいと考えております。  次に、2点目の県産農畜産物がどのように管理されているか、消費者からわかるような制度についてであります。  県といたしましては、これまでよりJA等農業関係団体と連携しながら、生産者の御理解をいただき、生産履歴の記帳の推進に努めてまいりました。平成22年度は、例えば米では94%、野菜では67%の生産者で生産履歴を記帳されている状況にありますが、県としましては、まずはすべての農畜産物の生産現場での記帳の取り組みが必要と考えております。引き続き、普及、啓発に努めてまいりたいと思います。  そのような中で、議員御提案の、消費者の皆さんに安心していただくための情報を提供する制度は大変重要なテーマであります。特に子供さんを抱えるお母さんたち、あるいは妊婦の方たちなどはより多くの不安があると考えております。そのような中で、どのような仕組みが考えられるのかなどについて、生産者の皆様はもとよりJA等農業関係団体とも連携し、検討してまいりたいと考えております。  3点目の牛肉汚染の事件以来、生産地におけるモニタリング検査の対象の拡大や出荷制限、さらに、疑いのある食品が確認された場合は徹底した追跡調査と市場からの回収を行っております。また、県民からの放射線汚染に関する質問や相談にお答えできるよう、7月19日から相談窓口を保健所等に開設し、皆様の不安の解消に努めてきております。今後も、水道水や食品、大気中のモニタリング検査結果を公表するとともに、国や消費者団体と協力をして食品と放射性物質をテーマとした食の安全・安心シンポジウムを開催し、保健所における放射線相談窓口を県民の皆様に、より周知するなど、さらなる安心をいただくよう、正しい知識と理解の一層の普及に努めてまいりたいと考えております。  4点目の抜き打ち検査や消費者の持ち込み検査の実施でございます。  これまで他府県での行政検査状況や県内産の米、牛肉の調査結果から流通食品の安全性に問題はないものと理解をしておりますが、しかし、先ほど来申し上げておりますように、子供さんを抱えるお母さんあるいは妊婦の方たちの不安は消えているわけではありません。今後、環境モニタリングで平常時と大きく異なる値が検出されるなど、食品の検査が必要と判断された場合には、抜き打ち検査も含めて迅速な検査が実施できるよう体制を整えているところでございます。  また、現在、市場に流通する食品はおよそ3万点以上あると言われておりまして、消費者の持ち込み検査を実施する場合には膨大な種類と量の持ち込みが想定され、費用負担、マンパワーの問題から困難な状況にあると考えておりますが、本来、この放射線管理は加害者負担、今回の場合には東京電力、また、エネルギー政策として国の責任で管理されるべきものでございます。国に対しても、特に子供さんあるいは妊婦等、別の基準が必要ではないかというようなことで、県としても提案をしていきたいと考えております。 ◆21番(粉川清美さん) (登壇)1点だけ再問させていただきます。  私は6月議会でも同じような質問をさせていただきまして、何かあったときには、異常が検出された場合には検査できるように、対応できるように体制を整えるというふうな答弁でありました。また、今回もよく似た答弁なんですけれども、それから考えますと、牛肉問題など消費者の不安をより拡大するような事件、事故が起こったわけでございますので、ぜひ消費者の不安を、安心な人はそれでいいと思うんです、ただ、不安を持っていらっしゃる方に対する対応というのが大変大事ではないかと思っております。  さっき質問で御紹介をしましたように、国もきちんと検査しているから安心ですよ、市場に出回っているものは安全ですよ、安心ですよと言いながらも、国は今回、消費者の身近なところの食品について放射性物質の測定など消費者の安全、安心の確保に向けた地方自治体の取り組みを支援する制度をつくったので、利用したい人は手を挙げてくださいというふうな通知をしたわけです。そのように考えますと、国も、安全と言いながら、まだ不安な人がいる、それに何とか対応したいという思いで今回その事業を提示をしたわけです。そのことについて県はどのようにとらえていらっしゃるのか、ぜひ、このような国の対応も考えていただいて、国が提案をしておりますこの機器をぜひ設置をしていただいて、消費者の不安にこたえる安全対策に取り組んでいただきたいと思います。この1点について見解をお尋ねさせていただきます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  さまざまな機器などは、今回も補正予算で出させていただいておりますけれども、準備中でございます。また、専門家の補充もさせていただいております。  あわせて、多くの方が不安を感じているということは事実でございます。物があるかないか以上に、不安というのは精神のあり方の問題でございます。実態としての被害がハザードであるならば、心理的な不安はリスクということになります。そういう意味で、リスクコミュニケーション、県としても、今後、より詰めていきたいと思っております。先ほど申し上げましたように、子供さんを抱えるお母さんたち、また妊婦の方たちの不安が大きい。その背景には、残念ながら、放射線の、特に細胞分裂の盛んな子供さん、あるいは妊婦の方への影響は、まだ人類としてデータが確実にはございません。そういう未知の領域に私たちは直面しているということを県としてもしっかりと把握をしながら、ここは不安に対してどういうことができるか、真摯に、私自身も対応させていただきたいと思っております。 ◆21番(粉川清美さん) (登壇)漠然としたお答えなので、私がどうしても必要だと思っている項目について確実な答えをぜひいただきたいと思っております。  まさしく未知の領域ではありますけれども、その中でできることはたくさんあると思います。その中で一番やってほしいことが消費者の不安を安心に変えることでありまして、いろんな方法があると思いますが、今回、私はこの国の制度を活用した検査機器を設置して検査をしてほしいということを提案させていただいたわけです。  こういった消費者の安全の取り組みは、やはり滋賀県経済にとりましても、地域経済にとりましても支援にもつながりますし、また、何といっても被災地の応援にもつながる。そのことに対して不安解消に向けた一日も早い現実的な対策を、再度、お聞きをしたいと思います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  リスク管理については、実は日本はまだまだ蓄積が少のうございます。現実的な対策としては、まず、検査をする、そして、シーベルト単位の物的な確証をとる、そして、それが例えば食品であるならば、どういう世代の人はどれだけの全体の食品摂取量があるのかをアセスをして、そして、牛肉だったらば世代によってどうなのか、特に牛乳のような子供さんがたくさん分量をとるものについては別の基準を決めるべきだと思います。これについては、チェルノブイリのあの被害を経験したベラルーシなどはかなり緻密な基準を決めております。この辺のところは国のほうがしっかりと基準を決めていただき、そして、具体的に理のあるリスク管理ということを国として指針を出していただきたい。その中で、県としてはできるだけの計測をし、また、御説明もしながら、漠然とした不安に対してこたえられるような形での取り組みをしていきたいと考えております。 ○議長(家森茂樹君) いや、知事、国の制度を活用するのかしないのか、どう活用するのかという御質問なんです。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  具体的に検討いたしますが、国のほうに対しても、最低、チェルノブイリレベルのところの緻密な計画はつくっていただきたいと要望していきたいと思っております。 ◆21番(粉川清美さん) (登壇)より検査できるものは検査していきたいと。また検討すると。そのお言葉を信じて、次に進ませていただきます。  4項目め、高齢者の運転免許証自主返納について伺います。  滋賀県警が9月1日から高齢者の運転免許証自主返納を促す支援制度をスタートされましたことに対して敬意を表するものでございます。  私は平成20年9月議会で、高齢者の交通事故防止の取り組みの一環として運転免許証自主返納について質問、要望をさせていただきました。それから3年が経過して、その取り組みがスタートをしたことを大変喜んでおります。  まず、支援制度について警察本部長にお聞きします。  今回実施されました支援、サービスの概要について、また、これまで運転免許証自主返納について協議する支援検討会を立ち上げて進めてこられましたが、その取り組みと今後の対応についてお聞きします。  また、サービスが対象者にわかりやすいことが重要ですが、1割引きが適用される車や店舗の見分け方や情報提供はどのようにされるのですか。  例えば島根県松江市の取り組みは、対象車に運転免許証割引制度実施車のステッカーを張っていますが、利用者にわかりやすい情報提供が必要と考えますが、いかがですか。  また、協賛店に掲げるポスターの作成を進められていますが、一目見てわかりやすい工夫、利用者の目線で作成することが重要だと思いますが、いかがですか。  次に、県は、自主返納を促進するためにはマイカーにかわる公共交通機関の充実が欠かせないとの判断から、これまで、琵琶湖環状線の利便性向上対策や草津線複線化に向けた取り組みの強化、コミュニティーバスや琵琶湖横断エコバスの運行支援、高齢者用定期券「小判手形」の全県的拡大の検討等々、取り組んでこられましたが、それぞれのその後の状況について知事に伺います。  また、今後の取り組みについてです。  今後、バスや鉄道など公共交通機関や商店街、量販店や入浴施設などに協力を呼びかけるとのことですが、運転免許証を返納する人の多くが車を運転できないと不便になるのでバスなどの増便や路線を見直し、もっと便利にしてほしいと要望されていますが、今後どのように推進していくのか、また、特に私が住んでおります湖西地域では、JRと国道を走行するバスが並行して走っています。国道を走行するバスがJRの駅を経由すれば、公共交通機関を利用しやすい等の多くの声をいただいていますが、より利用しやすい公共交通機関の支援の今後の見通しについて知事に伺います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) 高齢者の運転免許証自主返納支援についての御質問にお答えさせていただきます。  まず、3つの取り組みのその後の状況でございます。  1つ目の琵琶湖環状線の利便性向上対策および草津線複線化に向けた取り組みでございます。  関係市町やJRとも連携して、大河ドラマの活用やのんびり草津線観光キャンペーンなど観光誘発による利用促進策を初め、駅のバリアフリー化など、鋭意取り組んでおります。  また、2つ目のコミュニティーバスや琵琶湖横断エコバスの運行等への支援につきましては、それぞれ県内各市町、交通事業者による主体的な取り組みに対する支援を引き続き行っております。  とりわけ、コミュニティーバスの支援につきましては、これまで補助の対象としてこなかった、市町が交通不便地等で取り組むデマンド型交通にも対象を広げるなど、制度の改良を図っております。  3つ目の高齢者用定期券「小判手形」の拡大については、この手形を利用すると長距離でも短距離でも同じ100円で乗車できることから、長距離路線への導入は難しいと現場から伺っております。県のバス協会においては新たな支援制度について、現在、検討されていると聞いております。  次に、5点目の公共交通機関の支援の今後の見通しでございます。  運転免許証を返納された高齢者の方はもちろん、車を運転されない方が将来的にも安心して暮らしていただけるよう、本年度より2カ年かけて滋賀交通ビジョンを策定してまいります。その中で、地域の交通のあり方を検討してまいります。鉄道を初めバス、デマンドタクシー、自転車、さらには都市型新交通システムなど何らかの交通手段が県全域にわたり確保された状態を目指してまいりたいと考えております。  また、例として挙げられた湖西地域でのバスと鉄道駅との接続など、利用者の皆さんの声は各市町で設置されている公共交通会議等での議論を通して、よりよい地域交通の実現に向けて生かしてまいりたいと考えております。
    ◎警察本部長(福本茂伸君) (登壇)粉川議員から、運転免許証を自主返納した高齢者に対する支援について3点の御質問をちょうだいいたしました。  滋賀県内では、高齢ドライバーが加害者になる交通死亡事故がここ一、二年、急増しております。また、最多最悪を記録した昨年より本年はさらに増加をいたしております。実際、本年に入りましてからも86歳と85歳の御夫婦が乗車する車が橋の欄干に衝突をし、助手席の奥様が亡くなるという痛ましい事故も発生しております。運転者の御主人は、過去にアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故も起こされておりました。こうした例に限りませず、御自身の運転に不安を感じながらも買い物や通院等の生活手段としてマイカーを手放すことができず、運転を継続されている高齢者の方々はたくさんおられます。  御質問の支援制度は、こうした方々に対し、さまざまな事業者の御理解や御協力をいただきながら、公共交通機関の料金の割引のほか、買い物その他、生活する上で手助けとなる便宜を提供することによりまして、高齢者が運転免許証を返納しやすい社会環境を整備していこうというものでございます。  県警察といたしましては、県や各市町とも連携をしながら、県民の方々のかけがえのない命を交通事故から守るため、少しでも多くの事業者の方々からさまざまな便宜の提供がなされるよう、努力を積み重ねてきているところでございます。  なお、高齢者が便宜を受けられる際は、運転免許証を自主返納したことを証明する運転経歴証明書を提示することになりますけれども、この証明書の取得に必要な1,000円の手数料につきましては、本年9月より滋賀県交通安全協会に支援していただけることとなりました。これは、近畿では和歌山県に次ぐものでございまして、返納の促進に寄与するものというふうに期待しているところでございます。  2つ目の御質問でございます支援検討会についてでございますけれども、これは昨年の11月に立ち上げたものでございます。その目的は、先ほど申し上げたとおりでございまして、これまで3回実施してきておりますが、毎回、新しい事業者にお声がけをして参加していただけるようお願いをしてまいりました。  この結果、タクシー約40事業者、鍼灸マッサージ約200カ所におきまして料金割引を本年の9月から実施をしていただくこととなりました。  また、移動手段として高齢者の方々から大変に御要望の強い路線バス、これにつきましても、来年1月をめどに、原則、運賃5割引きサービスを実施していただけないかという方向で、今、御検討をお願いしているところでございます。  さらに、商店街における割引や大規模量販店における宅配サービスなどの支援、これにつきましても実施に向けた御検討をお願いしているところでございます。  生活や通院等に関する不安が高齢者の方々に強いことから、今後とも移動手段でありますとか、宅配を初めとする関連サービスの充実が重要というふうに認識をしているところでございます。御要望の強い路線バスの運賃割引の実現を含めまして、引き続き、御理解と御支援の輪が広がりますよう努力をしてまいりたいと考えております。  最後に、協賛店を利用者目線でわかりやすくする工夫などについて御質問をいただきました。  これまでは、御協力いただける事業者の数も少なく、ポスターなども担当の警察官が自分で手づくりをしてお配りをするというような状況でございました。しかしながら、支援の輪が広がりを見せる中、今後は、御指摘いただきましたように、見やすいポスターやプレート、さらには、充実したパンフレットなどを作成することによりまして、高齢者の方々にとって便利であるというのみならず、支援の輪に加わっていただく事業者の方々にとってもメリットを感じていただけるような努力をぜひとも積み重ねてまいりたいというふうに考えております。  昭和の激動を生き抜いて我が国の発展に貢献された世代が最後に加害者の立場で苦しまれるのも、また、路上で突然に被害に遭われるのも、これは何としても食いとめねばなりません。高齢の世代はこれからもふえるばかりであります。高齢者がみずからの身を守ることができますように、県内の各地域、各職域で県民の方々によって高齢者に優しい手が差し伸べられ、高齢者を思いやる気遣いの輪がさらに広がるように祈ってやみません。免許証返納支援への御理解の広がりがこうした思いやりの輪をさらに紡いでいくよう、県警察といたしましても微力ながら最善を尽くしてまいりたいと考えております。 ◆21番(粉川清美さん) (登壇)続きまして、5点目、アドレナリン自己注射エピペンの対応について伺います。  ハチの毒や薬物、食物などのアレルギーでショックを起こしたときに打つアドレナリン自己注射薬エピペンが、今月22日、保険適用され、23万人が使う見込みと仄聞をしております。  学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインが2008年3月に示され、特に食物アレルギーなどによる重篤な症状に対処するアドレナリン自己注射薬を必要としている児童生徒に対して、本人が打てないときには教職員が打っても医師法違反にはならないとの見解が示されましたが、現実はなかなか理解が進みませんでした。しかし、それから1年後の2009年、「救急救命処置の範囲について」の一部改正が行われたことによって、その対応が大きく前進しました。  そこで、アレルギー等による重篤な症状に対処するアドレナリン自己注射薬エピペンに対する取り組みについて、以下、伺います。  まず、自己注射エピペンの携行者、万が一のときに使うとされる児童生徒の状況について、学校や保育所、児童福祉施設等、どのように把握されていますか。総務部長、健康福祉部長、教育長にそれぞれお聞きします。  次に、2009年3月、「救急救命処置の範囲について」の一部改正が行われ、国から、救急救命士や学校の先生、保育士などが本人にかわって注射を打つなど積極的に対応するようにとの通知がありましたが、通知を受けた県の対応について、また、現場では国の方針どおり実施できているのかなど、現場の状況をどのように把握されていますか。  一方、現場で対応する救急救命士や教職員、保育士、福祉施設職員等の研修についてですが、昨年1月、兵庫県姫路市立小学校で、預かっていたエピペンを教師が使用せずに危険な状況を招いたことが問題となりました。エピペンを預かっていても、いざというときに使えないのでは何にもなりません。県内の救急救命士や教職員、保育士、福祉施設職員等の研修状況と、今後さらに保険適用となったこの機会に、いざというときに救命という立場で現場対応ができるように、実技研修の徹底も求めるものですが、いかがですか。知事公室長、総務部長、健康福祉部長、教育長にそれぞれお聞きします。 ◎知事公室長(北川正雄君) (登壇)粉川議員のアドレナリン自己注射エピペンの対応についての2点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の県の対応と現場の状況についてでございます。  国の改正通知を受けまして、平成21年3月に救急救命士がアドレナリン自己注射の投与を本人にかわって行うことが可能になったことを各消防本部に周知徹底をしているところでございます。  現場の状況についてでございますが、現時点では、救急救命士により投与された事例は報告をされておりませんが、消防と医療の関係者とで構成するメディカルコントロール協議会におきまして、処置の手順書を作成したり、医師から直接助言を受ける体制を構築するなど、投与が適切に行えるよう関係機関が連携した体制整備を図っているところでございます。  次に、2点目の救急救命士に対する研修についてでございます。  各消防本部におかれましては、すべての救急救命士に対しまして、想定される状況を設定したシナリオトレーニングを実施をしたり、訓練用の人形を活用した注射の取り扱い訓練を実施するなど、投与が適切に行われるよう研修が実施されているところでございます。 ◎総務部長(漣藤寿君) (登壇)私立学校につきまして、3点の御質問にお答えをいたします。  1点目、私立学校でエピペンを携行している児童生徒の状況でございますが、照会しました結果、中学生1名、高校生3名、合計4名でございます。  2点目に、私立学校に「救急救命処置の範囲等について」の通知をしましたところ、これを受けまして、各私立学校では学校生活管理指導表により児童生徒の状況を把握しておられるところでございます。  エピペンの携行者が在籍しているのは3つの学校でございますが、生徒の情報をすべての教職員の方が共有されている状況でございます。  3点目の研修についてですが、滋賀県養護教諭研究会に私立学校の養護教諭の方々も参加され、エピペンの使用講習などを受講されているところでございます。今後とも健康福祉部や教育委員会と連携いたしまして、実技研修を含めた研修をより充実されるよう働きかけてまいりたいと考えております。 ◎健康福祉部長(渡邉光春君) (登壇)保育所、児童福祉施設の携行者の状況でございますが、現時点における各市町での確認の範囲内では、公立保育所でエピペンを携行している児童が県全体で7名、通所しておられます。また、児童福祉入所施設につきましては、エピペンを必要とする児童は在籍しないと聞いております。  次に、県の対応と現場の状況でございますが、厚生労働省では本年3月に、保育所におけるアレルギー対応ガイドラインを策定し、全国に通知されたところでございます。県では、このガイドラインを市町に通知するとともに、管内の保育所へ、アレルギー疾患を持つ子供の保育所での生活がより一層安全となるよう周知をお願いしているところでございます。  このガイドラインに基づき、各市町では保育所職員の研修マニュアルの作成を行うところや、小児保健医療センターが実施する子供のアレルギー教室への参加をする保育所など、受け入れへの円滑な取り組みが進められていると考えております。  3点目の実技研修の徹底についてでありますが、県では、来月になりますが、本年10月21日に開催します児童福祉施設対象の研修会において、厚生労働省の保育指導専門官を講師に招きまして、注射の実技も含め、ガイドラインの内容について研修を行うこととしております。  今後、保険適用等により対象者がふえることが予想されますことから、保育所職員全員の理解と保護者、嘱託医との十分な協議、連携のもと、薬の保管を含めた体制整備等が必要に応じて今後さらに進めていくものと考えておりますが、県といたしましても、実技を含めた研修の実施など、引き続き、ガイドラインの周知に努めてまいりたいと考えております。 ◎教育長(末松史彦君) アドレナリン自己注射の対応についての3点の御質問にお答えいたします。  1点目のアドレナリン自己注射の携行者の状況でございますが、県教育委員会が実施しました平成23年5月1日現在の公立学校の学校保健実態調査の結果によりますと、幼稚園14人、小学校37人、中学校13人、高等学校8人で計72人という状況でございます。  2点目の県の対応と学校の状況をどのように把握しているかについてですが、県教育委員会といたしましては、学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインの学校生活管理指導表により、対象児童生徒等の把握と緊急時に備えた適切な対応について各学校に指導してきたところです。  また、学校の状況につきましては、管理指導表によって対象児童生徒等の状況をつかむとともに、保護者や医療関係者等との連携を図っていることから、適切に対応されていると考えております。  3点目の研修状況と実技研修の徹底についてですが、県教育委員会におきましては、管理職や養護教諭等を対象にアドレナリン自己注射を携行している児童生徒等への具体的な対応について研修を行ってきたところであります。また、市町教育委員会におきましても、関係職員を対象に、研修会だけでなく独自の対応マニュアルを作成したり、実技講習のための訓練用キットの貸し出しや研修用DVDを配付したりするなど、学校の実情に合わせた取り組みがなされております。  県教育委員会におきましても、すべての教職員が知識と対応力を身につけることが重要であると考えますことから、今後も実技研修会を開催するなど、一層の周知徹底を図ってまいりたいと考えております。 ◆21番(粉川清美さん) (登壇)国からの通知を受けて適切に対応していただいておりまして、安心をしております。  そもそもこの質問をさせていただく発端となりましたのが、ある市の保育所に入所されているお子さんをお持ちの保護者から、保育所では預かってくれるけれども小学校に入ったら預かってくれないと担当医から言われたという市民相談が発端でした。医療関係者ですらそういう認識なのかなと思いまして、大変危機感を覚えて今回の質問をさせていただきました。しっかりと取り組んでいただいておりますことに安心をさせていただきました。  1点だけなんですが、これはもう要望になりますが、公立保育園については、市町に問い合わせましたが、把握をしておられます。今も御答弁で公立保育所と指定をした御答弁でした。民間保育所については、きちんと調査されている市もあれば、民間は知らないという市もありましたので、公立も民間も同じ保育所に通う子供たちですので、ぜひその辺もまた機会がありましたら対応していただけるようにお願いをしておきたいと思っております。  それでは、最後に、視覚障害者の情報バリアフリーについて健康福祉部長にお聞きします。  障害者が情報を得る手段の拡大を目指す改正障害者基本法が8月施行されました。視覚障害者の情報手段を考えるとき、点字ができるのは1割程度、ほとんどの視覚障害者はあらゆる印刷物の内容を自分で確認することができず、著しい情報格差にさらされているのが現状です。また、高齢社会を迎え、文字が読みづらいという人がふえることは間違いないだけに、情報を得る手段の拡大が急がれると考えています。  そんな中で推進されてきた、印刷物による情報を音声で伝える音声コードは、専用の読み取り装置を使えば、文字情報の内容が音声で読み上げられ、視覚障害者は耳でその内容を知ることができます。国の補助制度などもあり、少しずつ拡充されてきたことを喜んでいますが、まだまだ不十分と感じています。  そんなとき、本年4月に、待望の音声コードの読み取り機能付携帯電話が発売をされました。日本視覚障がい情報普及支援協会の溝口さとし理事長は、「2011年は視覚障害者にとって本格的な情報普及元年となる」と喜びの声を寄せられています。本気で視覚障害者の情報バリアフリーの取り組みを進める機会と考え、質問をさせていただきます。  2008年度、国の第2次補正予算で読み上げ装置の購入や職員などを対象とした研修会の実施に充てられる予算が確保されています。自治体に対しては、国の全額補助で音声コードに関する研修会を実施できる補助事業がありますが、期限は今年度までとなっています。滋賀県におきましても、研修会を実施することによって県市町あわせて音声による情報提供について理解を深めて、さらに音声コードの対象物が広がることを期待していますが、国の補助事業を活用した研修会の開催について見解をお聞きします。  次に、音声コード付印刷物の普及についてです。  例えば年金定期便には2年前から封筒に音声コードが印字され、本年秋からは年金額などの個人情報がすべての加入者7,000万人に音声コードを付記して配付されると聞いています。また、2007年の参議院選挙では、初めて音声コードを印字した選挙公報が配付され、ことし4月の統一地方選挙でも島根県知事選挙、県議会選挙などで音声コードつきの選挙公報が配られたと聞いています。また、東京都では、全都立病院で薬の説明書等に音声コードを添付しています。  このように、国や他都市で、あらゆる場面で徐々に進んでいますが、滋賀県の音声コード付印刷物の普及状況についてお聞きします。 ◎健康福祉部長(渡邉光春君) 視覚障害者の情報バリアフリーについての2点の質問についてお答えします。  1点目の音声コードに関する研修会ですが、本年4月に音声コードに対応した携帯電話が発売されたことは、健康福祉行政に携わる我々にとっても非常に意義深いものであると思っております。  このことから、情報バリアフリーにふさわしい研修内容を現在検討しておりまして、その結果を踏まえ、今年度中に県や市町の職員を対象として開催することを予定しております。  2点目の音声コード付印刷物の本県の普及状況ですが、ことしの1月に「だれもが見やすい印刷物の手引」を音声コードつきの印刷物の見本として作成し、県庁各所属に218部、関係団体に121部配付したところでございます。  今後の普及促進を図るため、まずは健康福祉部で作成しますリーフレットなどに音声コードを付加することとしたいと考えております。  また、情報バリアフリーの趣旨を踏まえ、各所属に配置されているユニバーサルデザイン推進員を通じて県のさまざまな印刷物への普及に努めていきたいと考えております。 ◆21番(粉川清美さん) (登壇)改めて研修会を開いていただけるということで大変喜んでおります。本年、改正障害者基本法の施行によって、今後、障害者の情報を得る手段の拡大について着実に取り組んでいただきたいということをお願いしたいと思っていますし、また、私の身近な視覚障害の方たちにお聞きしましても、そういう携帯電話が売り出されたことすら知らないという方もたくさんいらっしゃいますので、ぜひそういった情報を必要な方に届けていただいて、視覚障害者の方も含めまして、情報バリアフリーの解消に向けてさらに一層取り組んでいただきますようにお願いを申し上げまして、すべての質問とさせていただきます。(拍手) ○議長(家森茂樹君) 以上で、21番粉川清美さんの質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午前11時51分 休憩    ────────────────   午後1時 開議 ○副議長(佐野高典君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、30番西村久子さんの発言を許します。 ◆30番(西村久子さん) (登壇、拍手)今期定例会におきまして、私は3点、分割にて質問をいたします。  誠意ある御答弁に期待して、まず最初、ダムに頼らない滋賀の治水政策について知事にお願いいたします。  政権がかわって2年、大きな政策転換として治水政策において、できるだけダムに頼らない政策が実施され、さまざまな議論のある中、昨年、治水への政策転換の理解とダム検証への協力要請がなされ、国初め県営ダムについて一斉に検討主体による検討作業が進められています。  ことし3月11日、東日本大震災が勃発し、あらゆる災害に対し、想定外を許さない検証が求められていると考えます。  まず、治水政策における、国のダムに頼らないとする基本路線について、滋賀においては知事も同様のお考えであったと思うのですが、今回の相次ぐ災害を踏まえてもなお、基本的な考えについてお変わりないのか、以下、持論を披瀝し、お尋ねをいたします。  県は、財政の厳しいことを理由に、当面の治水目標を10年あるいは30年に一度の洪水に耐える治水政策に設定されております。今回の東日本大災害を受けて、この設定でよしとするのはいかがなものでしょう。  例えば芹川において、長年の検討結果において、この河川において一たび災害が起これば、流域である彦根市街地において甚大な取り返しのつかない被害が想定されることから、ダムプラス河川改修として100年に一度の洪水に耐え得る治水政策が進められてきました。しかし、嘉田知事の流域治水政策によって、その目標安全度は30分の1に下げられ、32億円もの大金を入れて進められてきた芹谷ダムは中止、その計画すらもなくなってしまったのです。財源上の30分の1は仕方ないとしても、積み重ねてきた努力も皆無にしてしまうことは彦根市民にとって今なお断腸の思いであります。  今日までの積み重ねた調査結果については、次にダムをつくるとなったときに活用できるとお答えでございましたが、どこかであざけられているような感さえいたします。千年に一度の災害が起こった。ならば、百年に一度の災害に備えることは至極当然なことではないでしょうか。県営ダムとはいえ、新たにダム建設を起こすとなれば、また気の遠くなるような年月を要します。その間に大災害が起こらないとも限りません。  国においてダム検証が閣議決定されましたが、その直前に中止決定された県営芹谷ダムではありますが、公共事業評価監視委員会の附帯事項にも芹川でのダムの必要は明記されているとおり、このたびの災害を機に、計画の中止、見直しをぜひ再検証されることを求め、知事の再考を願うものですが、いかがでしょうか。  このことについては何度も質問で訴えてまいりましたが、相手にすらしていただけませんでした。でも、今回の紀伊半島を襲った台風による大雨災害からも、滋賀の治水政策が県内一様に30分の1でいいとは思えないのです。40分の1、50分の1、100分の1と、より高い安全を求めるのは当然のことでしょう。  地先の安全度を提示することにより、都市計画においても条例規制をかけようとなされています。新しく住宅等を建設する場合はともかくとしても、既存の密集地は何らかの対策が当然求められます。河川の両サイドに張りついた住宅が、この大災害を教訓としても、そのままでいいとお考えですか。地先の安全度を示して、「逃げなさいよ。命だけは何としても自分で守ってください」だけでいいのでしょうか。事の起こる前にダム計画の復活を求めるものです。  県営北川ダムが検証され、ダム凍結が見え見えです。死者13人の犠牲が出た昭和28年の台風。なのに、今回、安曇川に30分の1の安全度を確保するには、コスト面を考えると河川改修が一番望ましいと判断されています。しかし、それでは昭和28年はどうであるのかと聞けば、あのときの水害は80分の1の降雨量であり、今の河川改修だけでは防ぐことはできないと言われます。ということは、80分の1だけがだめでなく、31分の1でも40分の1でも50分の1でもだめなのです。それらをお認めになるからこそ、将来計画として最後に北川ダムが計画として残されております。  同じ県営ダムで、計画までも中止という言葉で根こそぎなくなってしまった芹谷ダム。再検証を求め、知事のお考えをお聞きします。 ○副議長(佐野高典君) 30番西村久子さんの質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)西村議員の、ダムに頼らない滋賀の治水政策についての3点の御質問にお答えいたします。  まず1点目の東日本大災害を受けて当面の整備目標は今のままでよいのかについてでございます。  東日本大震災復興構想会議の復興への提言の中で3つの教訓が掲げられています。まず1つは、施設整備だけでは災害を完全に防御することはできない。2点目は、施設の能力を超える災害を想定外とするのではなく、きちんと想定しておくこと。3点目は、災害を封じ込めるのではなく、人命が失われないことを最重視して、住民避難など被害を最小化する減災の考え方を基本とすること。この3点でございます。  本件の整備計画、河川整備については、各地の県民の皆さんの要望に応じまして、できるだけ早く治水効果を県全域で発揮するため、当面の整備目標を設定し、段階的に安全度を高めることとしております。  一方、想定を超える洪水に対しても、命を失わないことを最優先に、床上浸水など生活再建が困難となる被害を避けるように、はんらん原での減災対策をあわせて行うこととしております。この考え方は今ほど述べました復興構想会議の3つの考え方を先取りをしているものでございまして、大震災の教訓にも合致したものであると考えております。  次に、2点目のこのたびの災害を機に芹谷ダム計画の中止見直しの再検証をしてはどうかとのお尋ねでございます。  国のダム検証基準では、一定の安全度の確保、コストを最も重視、時間的な観点からの実現性という3つの主要な観点から総合的に評価することとなっております。芹谷ダムの場合も同様の観点から評価した上で中止の判断をしたものであることから、再検証しても結果は変わらないものであると考えております。  次に、3点目の芹谷ダムの再検証をさらに求めるとの御質問でございます。  これまでの、私が就任するまでの滋賀県の河川整備計画については、全体の計画はございませんでした。各河川ごとの見通しを立てておりましたが、具体的には506河川、2,000キロについて、例えばある川は100分の1確率、ある川は5分の1確率とばらばらで、アンバランスでございました。それに対して、県全体として緊急性を見きわめ、そして、投資できる財源を見て、バランスを持った効率的、効果的な河川整備計画を準備をいたしました。それが中長期整備河川の目標でございます。その目標の中で段階的に治水安全度を向上させていくのが効率的、効果的であると判断に至りました。  芹川においても、将来目標100分の1達成に向けて、まずは当面の目標約30分の1、具体的で実現可能な目標を達成し、段階的に治水安全度の向上を図ることとしております。当面の整備目標達成後、20年、30年かかると思いますが、その後、議員御指摘の公共事業評価監視委員会の附帯意見にありますダムおよび河川改修、あるいはそれにかわる治水対策については、その時々の社会環境条件、自然環境に与える影響などを踏まえまして、どの方策が最も適切であるかを、将来、決定していただきたいと考えております。 ◆30番(西村久子さん) (登壇)1つだけ再問をさせていただきたいと思っております。  なるほど、言われましたように、復興構想会議の1から3番まで挙げられました。それはまさに知事が言われるとおり、流域治水であり、地先の安全度であり、国よりも早く、こういった方法が望ましい減災対策ですよというようなことをお示しされた知事ならではの提案であっただろうと、それは評価したいところです。  しかし、私は、この治水政策イコール流域治水について今もずっと疑問を持ち続けております。  例えば、知事が言われましたように、県下一円の治水安全度を順番に上げていくんだと、5分の1も10分の1もいろいろあるけれども、ランクを決めて、30分の1に決めて、そこまでみんなを平均して上げていくんだ、今までそれぞれの河川対応がされてきたと今もお話しでございましたけれども、そのそれぞれの河川対応というところに私は防災に対する治水の考え方の根本があっただろうと思うんです。毎年あふれる川もあります。でも、その毎年あふれる川は、毎年あふれても辛抱できる被害、その中で、主に農地だったけれども耐えてきました。ところが、農業政策の中において転作もふえてまいりました。水が絶対に入ってはやっていけない麦や大豆や、そういった乾田に対する作付も余儀なくされてきた。本来の農家だけであったら、「そこは毎年水がつくんだから、ここはやらないでおきましょう」は通ったんですけれども、集落営農が入り、みんなが公平、公平という主張が多くなって、全部が巡回して当たらなければならなくなった。そういう状況が出てまいりました。  また、しかるに五年に一遍あるいは十年に一遍あふれるところがある。そこで耐えてこられた方々、やっぱり辛抱できる範囲内なら、皆さん、より安全度の高いものを求めてこられなかっただろうと思う。辛抱できるなら辛抱して、そして、みんながそこには住まないようにしようとか、ある地域ではそういうものを考えてまいりました。  ところが、五百何河川ある中で、やはり農業を主体とした土地改良河川もつくられてまいった。農業を主体とした河川ではあったけれども、いつの間にかその上流に大きな団地ができた。マンションが建つようになった。はるかかなたのそういったところの水が一気に流れ込むようになって、それぞれの河川の安全度というものは変わってしまいました。どこで見直すのか。今の中長期整備河川計画の中に本当に反映しておられるのか、私はそう思います。  芹川に対しては、ここには両岸にひしめき合った、あの家棟、天井川でございます。そういったところでもし決壊が起こり、はんらんが起こり、そういった事態が起きた折には取り返しのつかない、そういった地域の特性の中で、ここは50分の1から100分の1にしようやといって、長年、計画を続けてきたところでございます。ダムが全然だめというわけではない。私は、今、北川ダムにおいて検証がされて、恐らく凍結、ダムはちょっと足踏みをする状態になりますけれども、ここの最終的なものは、やはり28年の災害を防ぐ意味においても、やはりダムは必要なんですよということは知事自身もお認めいただいていることだろうと思う。だから、最終段階においては、やはり計画は計画として残しておかれます。  私は、同じような条件であるのに、芹谷ダムだけがなぜ中止ということで幕引きをされてしまうのか、そこのところを疑問に思います。20年のこの計画が終わった段階において、もう一度、皆さんのほうで決めていかれることですと言われるのは、知事として、ここの地域の安全を考えるならば、やはり計画は計画として残しておくべきだと私は思うのですが、もう一度、知事の考えをお聞かせいただきたいと思います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
     県の河川整備計画は国と少し仕組みが違いまして、いわゆる国のほうでは基本方針という100年の方針があるんですけれども、それは県のほうではつくることにはなっておりません。それゆえ、河川整備計画として20年、30年の計画を出させていただいているわけです。  そういう中で、将来的に、その時点時点で今の整備計画が完成したときに、次、検討してどうするかというのは、今ここで、国のように基本方針を定める仕組みになっておりませんので、私としてはお答えをしかねるところであります。  ただ、誤解のないようにお願いをしたいんですが、流域治水はダムにかわるものではなく、ダムにプラスするものだ、河川整備の施設づくりにプラスするものだということでございます。県のほうでも大きく3つの治水方式を出しております。  1つは川づくり治水、ダム、堤防、河川改修を含めて川の中で対応する治水、2つ目がまちづくり治水、いわばはんらん原の管理でございます。そして、3つ目が、言い方が少しビビッドかもしれませんが、命からがら治水、やっぱり万一のときにはそれぞれの方が避難体制を考えていただく、この3つがそれぞれ相補って、最終的に命を守る対策をつくるということでございまして、流域治水があるから河川の内部の改修は要らないというようなものではない。そこのところは誤解なきよう、お願いをしたいと思います。 ◆30番(西村久子さん) (登壇)川の中の対策というものをおっしゃいました。今、県がやられようとしている治水政策の中での川の中の対策、それは、お金がないから仕方がないけれども、本来は維持管理の部分に当たると思うんです、大部分の部分が。防災、災害が起こった時点での川、それの水を治める、治水というものは、私は根っこのところが違っていると思うんですが、いかがですか。  計画までもなくすということは、私はそこにこだわりたいんです。だったら、今まで、国の方針ではなかったけれども、芹川については、北川ダムについては県営としてやっていきましょうというようなことを今日まで先代の人たちが決めていただいた。その部分は誤りだったんだろうか。私はそのように疑問を感じるものです。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  確かに芹谷あるいは北川、ダム河川については100分の1を目標にしておりました。あわせて、ダムがつくれない、例えば日野川であるとか、あるいは真野川などは、現実的に5分の1、10分の1と大変アンバランスがあったわけです。そういう中において、県下でバランスをとった今の投資の、いわば枠にはまった形での計画が中長期整備河川でございます。ですから、芹川だけを考えたら100分の1、1,000分の1は望ましいかもしれません。北川だけ、安曇川だけを考えたら100分の1、1,000分の1は望ましいかもしれませんが、県内のバランスを考えたときに、今回、中長期整備河川として全体の計画を出させていただき、そして、実現可能な計画にさせていただきました。  40年前、50年前に計画をして、もっと早くできると思っていた。それが、事実、今になって計画が遂行できていない。これに対してもしっかりと、まずは実現可能な、投資可能な計画というのが、今、御提示をさせていただいているものでございます。県民の皆さんもここのところを最も望んでおられる。すべての河川についてバランスを持った、投資効率の効果が上がる治水対策、それが今回お示しさせていただいているものでございます。 ◆30番(西村久子さん) (登壇)県内のバランスをとった河川の治水政策としてやらせていただく。お金がなくてそうせざるを得ない状況はよくわかります。そのバランスをとった政策って、じゃ、ほかの、芹川以外の地域の皆さんはどうだった、何も言われなかったのか。そんなことなかったと思う。いっぱいの声を張り上げて、日野川もやられました。野洲もやられました。いろんなところが実行に移してこられたわけでございます。非常に悔しいですけれども、32億もの金を既につぎ込んでいる芹谷ダムの計画すらもなくされたことについては非常に残念に思いますし、機会あれば、また訴えていきたいと思います。  次に、滋賀県低炭素社会づくりの推進に関する条例について、琵琶湖環境部長にお尋ねをいたします。  この条例に関しては、本年2月定例会において附帯決議が付されはしましたものの成立。現在は来年4月からの本格施行に向けて運用規則が協議されている段階にあります。当初より県内企業にあっては強い反発があったものの、既に顕著になりつつある温暖化による琵琶湖への影響を懸念し、環境先進県を標榜してきた滋賀県においては看過できない状況から、懸念される企業に対する配慮を附帯意見として県の対応を求めたところであります。  しかし、3・11の大震災以来、中でも福島原発事故による電力エネルギーの置かれた環境により、極度の節電、さらに連日の酷暑、市民生活や企業に多大な影響を及ぼしてきたのも現実であります。  この条例は、異常気象や災害の頻発、だれもが感じてきた地球がおかしくなった原因を手おくれにならないうちにと私たちの暮らしを考え直す中で理想を求めた条例ですが、今回の原発事故を受けて、少しの足踏みも仕方なく、その施行を前に運用の見直しが必要と考え、以下、質問をいたします。  節電に関しては、毎日、テレビ等で予想電力使用率が放送され、国民に協力を呼びかけられました。熱中症には十分お気をつけくださいとの言葉をつけて、使用電力15%削減に御協力お願いの関電コマーシャル、全国各地で節電協力が呼びかけられた毎日でありました。  家庭での節電はもちろんのこと、消費電力がピークを超えて停電を招かぬよう、自動車業界が電力消費の少ない土・日曜操業に振りかえを自主的にしていただきました。驚異とさえ表現できる節電であります。事務所における照明、エアコン、この夏、電力使用制限令がかけられた東電管内の電力消費は、前年に比べ、連日900万から1,000万キロワット下回り、実に中型の原発10基分にも相当したそうです。  浜岡原発を停止した中部電力管内では、ひたすら節電に努められ、原発1基分、100万キロワットもの功を奏されたと仄聞しておりますが、原発依存度の高い関電において、再稼働ないままでは今後も課題の残るところであります。  ちなみに、滋賀県庁でのこの夏の節電効果はいかがだったでしょうか。職員の皆様も来庁者も大変暑い夏を耐えていただきました。昨年比でお答えください。  しかし、原発事故で失った電力を節電が補い、停電回避のめどもついたこの流れを省エネの技術革新につなげ、脱原発を果たしたいのは世の流れであろうと思いますが、企業にとっては死活問題であります。こうした大災害に加えて、最近の超円高の直撃はいよいよ企業の国内存続に判断を迫っているように思います。  そのような中で、環境重視といえども、国よりもどこよりも規制を厳しくかけることによって、今、県内企業がどのような状況に置かれているか、先日、彦根市管内企業の方々との懇談から課題をお伝えし、対応を検討いただきたいのです。  まず、2030年における温室効果ガスの排出量を1990年と比較して50%削減することは低炭素社会の実現に向けて極めて先駆的な取り組みであり、環境関連産業の発展や雇用の創出が期待でき、地域経済が活性化することが可能とする県の考え方について厳しい批判が繰り返されてきましたが、条例制定後半年、理想と現実のギャップについてどうお感じいただいているのか、お尋ねをいたします。  温室効果ガス排出量の削減目標については、総排出量が言われていますが、数値の基準に原単位を含めることについて、たとえ原単位で目標を達成しても、生産量がふえれば排出量はふえてしまう可能性があります。また、省エネ製品への転換によりCO2削減を認めるトータルとしての目標設定など、さまざまな意見もあることと思うが、これら基準設定についても検討中の段階から情報を提供し、意見を求めていくことが大切と考えるものですが、いかがでしょう。  次に、企業に対する義務規定や公表、勧告等、罰則に近いことが定められていることについて、企業としては既に改正省エネ法等に対応しているので、その延長線上で規定いただきたいこと、また、県は書類の提出を求めるが、フォローがなく、企業に対して何をしてくれるのか見えてこないことが挙げられていました。  さらに、環境に対する企業の努力が公表されることによって、企業収益においてどれだけプラスになるか疑問であり、企業の評価は環境対策への評価よりも商品の品質で決まるのであって、県との見解の相違を訴えておられます。  要するに、企業に対し過重の負担を要求することは滋賀県にいづらい状況をつくり出すことになります。滋賀から企業が出ていけば、滋賀県内でのCO2削減は達成されても、県外あるいは地球規模において他の地域でその排出はふえることになり、結果として変わらない、減らないことになります。あげくに、県内企業が減り、雇用もおのずと閉ざされざるを得ないと考えます。規則を検討する中に、滋賀県で事業をすれば有利になるという提案を盛り込まなければ定着は望めないと思うのです。国においてのCO225%削減においても、原発事故以降、中期目標を撤廃すべきとした経団連の提案がなされているところでもあります。国と県の規制値にギャップのあることは企業にとって非常に仕事がやりづらく、素直な意見として国内での統一を望んでおられます。少なくとも条例に関する業務が環境改善につながり達成感の得られるものであるならばよいが、報告だけに終わるのではないか。企業の環境への取り組みは、会派代表質問において、国の方針見直しがなされた場合、行程表で想定する対策を精査検討する必要が生じる場合もあるとお答えになっております。  しかし、この条例の中には、全国初の試みとして、計画の中に、製品による温室効果ガス削減の効果を評価することにより環境関連産業の発展や雇用の創出が期待できると地域経済の活性化を期待して制定したものであります。状況変化による精査、検討も率先して行われるべきと考えます。環境県のメンツにかけて、理想は高くあっても、その運用規則に現状を配慮されるよう願い、所見を求めるものです。 ◎琵琶湖環境部次長(上山哲夫君) (登壇)滋賀県低炭素社会づくりの推進に関する条例につきましての4点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目のこの夏の節電効果についてでございますが、県庁本庁舎の窓側、廊下等の消灯やエレベーターの一部運転停止等を行いました結果、6月から8月の3カ月間の電気使用量は昨年度比で14.3%の削減となったところでございます。  また、県の施設の中で最も電気使用量の多い下水道施設におきましては、電気使用量の多い平日午後の時間帯を避けて設備を運転する、いわゆるピークカット対策を実施いたしましたが、これによりまして、昨年度と比較して13時から16時の時間帯におきまして、7月は26%、8月は29.5%削減したところでございまして、この夏の節電に係ります県庁の率先行動は、全体といたしまして目標を上回る成果があったものと考えております。  2点目の条例制定後半年、理想と現実のギャップについてどう感じているのかについてでございますが、震災以降、関西におきましても原子力発電所が順次停止し、再稼働の見通しが立たない中、火力発電所の稼働がふえるなど、温室効果ガスの削減にとりましては、短期的にはマイナスに働くという、条例制定前には想定していなかった厳しい状況にあることは事実でございます。  しかしながら、温室効果ガスの増加によります生態系を初めとする地球環境への深刻な影響を回避するため、化石燃料に依存しない低炭素社会づくりを進める必要があるとの条例制定の前提や背景には変わりはないものと考えているところでございます。  3点目の基準設定についても、検討中の段階から情報を提供し、意見を求めていくことが大切であると考えるが、どうかとのお尋ねでございますが、議員の御指摘のとおり、非常に大切なことであると考えておりまして、そうしたことから、昨年度の条例検討段階におきましても300を超える事業者の皆さんとの意見交換をさせていただいたところでございます。そして、その意見交換の中で、目標設定に原単位を採用すべきことや、省エネ製品の貢献によるCO2削減効果を認めるべきではないかといった御意見もいただいたところでございます。  このうち、省エネ製品のCO2削減効果の算定方法につきましては、現在、事業者の参画も得まして、検討を進めているところでございます。この省エネ製品による効果算定など、基準設定に当たりましては、事業活動における低炭素社会づくりにつながるさまざまな努力を後押しできますよう、今後とも事業者の皆さんとの意見交換を大切にしていきたいと考えております。  最後に、4点目の状況変化による精査検討や、運用規則に現状を配慮するよう望むが、どうかとのお尋ねでございます。  条例では、一定規模以上のエネルギーを使用する事業者に低炭素社会づくりに向けました取り組みの内容について提出を求める事業者行動計画書制度を設けてございます。  この制度の目的は、事業者に対しまして温室効果ガス排出削減の取り組みや削減目標を強制することではなく、むしろ自主的な省エネの取り組みや低炭素づくりにつながる製品、サービスの提供といった事業活動そのものを側面支援することにございまして、来年度からの運用を考えております。  現在、具体の運用につきまして検討をいたしているところでございますが、例えば行動計画書の様式などにつきましては、先行いたします省エネ法の届け出となるべく同じ内容とするほか、無理のない提出時期にするなど、事業者の負担を軽減してまいりたいと考えているところでございます。  今後とも、この制度の対象となります事業者の御意見をお伺いしながら、詳細を詰めていくことといたしておりまして、御意見を反映した、よりよい制度となるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆30番(西村久子さん) (登壇)代表質問をお聞きしている中で、滋賀県内の新規企業の進出状況は、やっぱり減っていました。そして、雇用の関係も、やはり平均より低かった。そういう実態がございます。  今、この条例に関してだけの原因ではないと思いますけれども、事業者さんの皆さんが非常に心配していらっしゃる内容、今、丁寧に答えていただきました。決定するまでに懇談を重ねてまいりますとお約束いただきました。また、提出書類につきましても、省エネ法に関するその提出書類と同様のものをする。きっと安心していただけると思うんです。  結局、去年の制定の段階から懇談が、意見交換会がおろそかであった。三百何社と懇談を続けてまいりましたと言われたけれども、私どもの地元には届いておりませんでした。一度、事を流せば、すべて承知していただいた、理解していただいたと決して思わずに、何度も何度も足を運び、懇談を重ねていただいて、いい規則をつくり上げていただくことをお願いしておきたいと思います。  最後に、県立高等学校の再編について教育長にお尋ねをいたします。  7月に県立高校再編計画の原案提示がされてより、疑問の声は日を追うごとに激しくなってきました。  長浜市さんにおかれては、ありとあらゆる団体からの白紙撤回、再検討を求める声としてマスコミは熱く書き立ててきました。反面、彦根市さんは「静かですね。やはり殿様ですか」などと皮肉られもしますが、とんでもございません。市長やPTAのたび重なる公開質問状、昨日も1万5,115名の署名を添えて陳情に来られております。  いよいよこれから進路指導が激化する時期となり、中学生や保護者にとっては何事もなくてもプレッシャーのきつい大変な受験に向けて、より悩ましく、不安を強いる選択となります。私は、今日まで地元彦根で聞いてきた訴えの中から、彦根市民の疑問として高校再編原案について、特に彦根市内における全日制高校の統合について質問をいたします。  高校生の長期生徒数動態調査を見れば、既に6,000人減少して、最大時から約4分の1は生徒数が減り、今後、地域性はあっても減り続けることが予測されています。このことから考えると、県の財政の厳しさも加え、また、今、県教委が再編の理由づけとされる切磋琢磨し活力ある学校づくりからも一定規模を維持した再編の必要は認めるところです。  しかし、現在より向こう15年間、子供の数は減らない、変わらない彦根から1高校減らすことについて納得がいかないのです。高校全県1通学区となったといえども、七、八割の生徒は地元の高校に通学しています。その子供たちがまちの中を通ることによってそのまちに活気が生まれます。若者が行き交うことによって、地域もそのエネルギーにともにこたえていこうと努力します。ただでさえ南高北低の滋賀県の現在、教育環境のいいところに南部からも、さらに全国からも入学希望の来るような学校をつくって均衡を図るべきではないでしょうか。  老若年齢にかかわらず、だれしも自分のまちはいいまちであってほしいと願っています。彦根西高校は、国宝彦根城を臨み、琵琶湖のさざ波や芹川堰堤の情景豊かで、全国でも8番目とされる126年の歴史を有しております。日本の夜明けを導いた井伊大老を偉人とあがめ、城を見上げて東高があり、西高があり、近江高校が、そして、滋賀大学と並ぶ姿は、まさに彦根は文化・学園都市を標榜するにふさわしい落ちつきのあるまちで、市民は誇りにしております。南高北低を冷たく認めざるを得ない今日、その弱いところから、さらに人までも引き抜いていく今回の再編は、まちづくりの観点からも、のめるものではなく、商店街連盟の皆さんも心痛めておられます。  言いにくいですけれども、教育長さんはそのひざ元に住み、だれよりも市民の思いは御存じであるはず。教育の質を高めることには賛同できても、解せない今度の再編、どのように説明されますか。お伺いします。  ある保護者が言われます。「高校無償化が政策提案された。親は望んだわけでもなかったが、無償にしてもらえるならばありがたいと安易に選んだ。その結果、滋賀県では子供の勉強する場が減らされる今日。おかしいじゃないですか。本来なら教育に回るお金は多くなるはずではなかったのか。廃校にさらされるくらいなら授業料は親の責任で払っていきます。なくさないでください」この声、どう受けとめられますか。  15の春を西高校を選び、次のステップを西高校で夢膨らませている現在校生のショックもはかり知れないものがあります。再編対象時期に影響を受ける生徒、保護者においては、統合イコール廃校であり、再編によるメリットは見えてきません。不満渦巻くマイナス面の意見、掌握をされているのでしょうか。影響が最小限となるような配慮が必要であり、特に実施時期、方法について計画の見直しは必要と考えますが、いかがですか。  統合による減員分をその通学範囲内で定員を確保するとの説明がなされていますが、どこの高校で何クラスふやすといった詳細はまだ示されておりません。そこで問題となるのが、現在の彦根エリアから普通科が3クラス減るということ。県教委は今の進路選択について、生徒が何を希望しているのか、時代がどういう人材を求めているのかを承知されているのか疑問を抱くものです。  総合学科と普通科、みずからの将来を決定し切れない年代において普通科の志望が多いのは当然のことです。自分の進路希望によって学びが選択できる総合学科においても、その将来はさらに学を深めないと納得の領域には達しないとも聞いていますし、企業や社会全般においても、さらなる教養の上での専門教育を望まれているのも現実です。  彦根市内に普通科もあるわけですが、そこで定員をふやすと言われても、正直、能力の問題もありますが、夢多い年代、いつからでも一念発起して学業に専念し、将来を開拓する機会は与えられるべき公平の権利であると思います。志望の多い普通科がなくなることについてどのように説明をされますか。  さらに、再編時、在校生の減っていく西高校にあって、切磋琢磨できるようクラブ活動や体育祭等、時期を早めて合同して実施することもお示ししておられますが、常時残る1学年あるいは2学年の学生で、果たして活力ある学校でしょうか。先輩、後輩の多感な高校生活が強制的にゆがめられてしまいます。  統合するにしても、校舎等、あらゆる準備を整えて、ある年月を期して一斉に統合するなど、やり方は考えられると思います。どの時期にあっても、国の宝である子供たちに魅力と活力ある県立高校に学ぶ権利を満たされるよう、慎重なる取り組みを願い、原案の撤回、再検討を要求し、教育長の見解を求めます。 ◎教育長(末松史彦君) (登壇)県立高校の再編についての4点の御質問にお答えいたします。  まず、再編をどのように説明するかとの御質問ですが、今回の再編につきましては、既に規模の小さな学校が多くを占め、今後とも生徒数が減少傾向にある地域につきまして、教育内容の一層の充実と地域全体の学校の活力の向上を図るため、学校統合による再編を行うことといたしました。  他の地域においても規模の小さな学校がありますが、地域で多くを占める状況にはないことや、今後、生徒数の増加に対応しなければならない地域もあることから統合の対象としなかったものであります。また、湖東や湖北の地域においても統合の対象としない学校がありますが、これは、地理的条件、すなわちそれぞれの地域における就学機会の確保や全体の学校の配置バランスなどを考慮し、複数の学校が近接して存在する彦根市や長浜市において統合することとしたものです。  学校は、各校の沿革にもありますように、歴史とともに校名や校地を変え、その伝統を脈々と次の世代に引き継いできました。今回の統合新校におきましても、新たな時代に対応した新しい形で存続していくものと考えておりますし、生徒にとって魅力のある、また、地域にとっても活力の拠点となる学校づくりを進めてまいりたいと考えております。  次に、マイナス面の影響が最小限となるような配慮が必要であり、特に実施時期、方法について計画の見直しが必要と考えるが、どうかとの御質問ですが、7月から8月にかけて行いました県民説明会や県民政策コメント等において、県民の皆さんから「これから受験する生徒や保護者への説明が足りない」「後輩がいなくなって不利益が生じる」など、さまざまな御意見をいただいているところです。  現在、こうした県民の皆さんの御意見等を踏まえ、どう対応していくのか、考え方を整理している段階でございますが、再編対象時期における生徒の皆さんへの影響が最小限となるよう配慮しながら、計画策定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、志望の多い普通科がなくなることについての御質問ですが、統合新校の総合学科は普通系列や商業・家庭の系列を設けるなど、柔軟な教育課程を編成することにより、生徒一人一人の個性を伸ばし、おのおのの進路希望にこたえることができる学科であり、普通系列においては、普通科が目指す進路にも十分こたえられるものになると考えております。  また、普通科の定員につきましても、進路志望の状況等を見ながら定員確保に努めることで地域の期待にこたえてまいりたいと考えております。  次に、魅力と活力ある県立学校に学ぶ権利が満たされるよう慎重な取り組みを願い、原案の撤回、再検討を要求し、その見解を問うとの御質問ですが、高等学校で学びたいと考える生徒によりよい教育環境を提供していくことは学校教育に携わる者の責務であると考えております。今回の再編計画は、将来の子供たちのため、教育内容の一層の充実と地域全体の学校活力向上を図るため実施しようとするものであるものの、確かに統合が実施されますと、統合対象校においては統合後2年間は1学年ないし2学年の後輩がいなくなる状態が生じてまいります。これについては、教育活動を充実させるための基本となる教員の体制について配慮するとともに、学校行事やクラブ活動において、統合対象校間の交流等を通して学校活力の向上を図るなど、教育委員会としてできる限りの対応を講じることにより、生徒が充実した高校生活を過ごすことができるようにしてまいりたいと考えております。 ◆30番(西村久子さん) (登壇)再質問をさせていただきたいと思っています。  まちづくりの観点から考える。教育長さんのおひざ元の学校がなくなることについて、それは別としましても、やっぱりこのまち、彦根市は文化・学園都市を標榜してまいりました。そして、そういった環境にあると思うんです。その落ちついたあの景色の中に古い126年の歴史を誇る学校が存在し続けること、たとえそこが、今、クラス数が減っても、そして、今後、耐震補強のそういったお金が要っても、あそこでもう一度、盛り返す方法を彦根市民は願っていると思います。  南高北低が言われて久しくなりますけれども、単に南高北低、施設があるとかそんなものではなくて、人の流れがどうなっているか。低いところは、これから若い世代、そういった人たちに来てもらって盛り上げていきたい、そのように願っております。その観点をぜひとも酌んでいただきたい。長浜も同じであろうと思います。そのまちづくりの観点から高校教育は全く無縁であるとは思いません。先人の偉業もれっきとしてあります。それを見習いながらやっていく。そこに彦根西高校の存在価値があると私は思っております。それについてお答えください。  それから、もう1点は、再編時の影響を受ける、その影響を最小にする方策を考えてまいりたいとおっしゃいました。本当にそんな方法はあるんでしょうか。再編する折にはそうしてくださいと言いましたけれども、確実に、これがこうこうすればいいんですよ、教育の配置によってこう変わります、メリットはありますと言っていただいても、9月2日の日に教育長から通達が出されまして、各中学校の学校長あてに、9月15日の進路志望調査についてはこの原案をもとにして、そして、志望調査を行ってくださいというようなお知らせがあったようでございます。各中学校の校長先生は果たしてどのように説明をされたんでしょうか。  この学校は将来、もう2年後、26年度にはなくなるんですよというようなことを言いながら、果たして、今、西高校を選ぶ生徒が本当に出てくるんでしょうか。普通科が今ある間に西高へ行って、そして、願わくば推薦の枠もとって。そんな感情は働かないと思います。悪くすれば、ことしから激減します。いかがですか。そういう御心配はいただけなかったのでしょうか。お伺いをさせていただきます。 ◎教育長(末松史彦君) お答えいたします。  学校につきまして、母校そのものの発展とか地域そのものの発展ということを願わない人はないと思いますし、今お話ししましたように、母校そのものの伝統とかそういうものはですね、歴史は、これはもう、今、脈々と世代に引き継がれていくものというふうに思っておりますし、再編においてそういうふうなことが変わったとしましてもですね、このことで学校の歴史や伝統そのものが途絶えて消えていくというふうなことは考えておりませんし、新たな場所で、時代とともに新しい形で、地域とともに存続していくものというふうに考えております。  それから、再編についての9月2日におけます通達についてですけども、これは、今こういうふうな原案をお示しした中で、混乱が生じることのないようにどうしたらいいかというふうなお尋ねのもとの中で、原案のことを前提にした形の中で中学生そのものに説明していただきたいというふうな形で説明させていただいたものでございまして、これによって混乱、そういうものが起こっているというふうなことは聞いてはいないところでございます。 ◆30番(西村久子さん) (登壇)校名がなくなるだけでも非常なショックです。まして、学び、いそしんできたその場所が全く違うものに変わっていく姿を見ることは非常に耐えられません。わがままだけでなくて、しんからそのように思います。私も、校名が変わりました、規模も小さくなりました、そんな悲哀は十分に感じてきました。そんなことを何回も何回も繰り返しているから、生徒数が減ったのは今に始まったことではないわけです。そんなにだめなことならもっと早くにやらなければならなかったことだと思います。ここへ来て、将来10年、15年、変わらないと言われているのに、ここでやる理由、そういったものを非常に疑問に思います。ほかの議員さんも続いて質問していただける課題でもございますので、どうぞ検討いただきますようお願いして質問を終わります。(拍手) ○副議長(佐野高典君) 以上で、30番西村久子さんの質問を終了いたします。  次に、31番石田祐介君の発言を許します。 ◆31番(石田祐介君) (登壇、拍手)今議会、先週行われました代表質問におきまして、我が会派の富田議員、そして、対話の会・しがねっとの井阪議員のほうから知事に、クリーンセンター滋賀で何が起こっているのかというような質問をされておりますが、知事はその際、昨年の遮水シート破損事故のみを言及されておられました。私自身は、それ以外に、また、それ以上に深刻なことが行われているんじゃないか。クリーンセンター滋賀の運用のずさんさ、あるいは法令遵守精神にもとるコンプライアンスの欠如、そのようなことを思い当たるところがございますので、以下、一問一答で知事に御質問をさせていただきます。  まず、知事の財団法人滋賀県環境事業公社における役職はいかがなものですか。お伺いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)お答えいたします。  財団法人滋賀県環境事業公社において理事長の役職にございます。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)クリーンセンター滋賀における役職はいかがですか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  クリーンセンター滋賀は公社が設置、運営を行っている施設でありまして、私は公社理事長としてクリーンセンター滋賀の運営を含め、公社経営全般を統括する立場にございます。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)では、クリーンセンター滋賀の概要を教えてください。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  クリーンセンター滋賀は平成20年10月に甲賀市甲賀町神地先において開業した県内唯一の産業廃棄物管理型最終処分場であります。  施設の概要は、埋立面積で約9.8ヘクタール、廃棄物埋立容量で90万立方メートル、埋立計画期間は15年間でございます。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)情報公開請求によって、クリーンセンターに搬入されている産業廃棄物を載せている車両の少なからぬ割合で過積載が発生している事実を把握されているでしょうか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  8月末に公社の副理事長から報告を受け、把握をしております。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)それでしたら、把握されているということでございます。  本年、つまり平成23年1月よりこの8月末までにどれくらいの件数で過積載が発生したのか、教えてください。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  具体的数値につきましては、琵琶湖環境部次長からお答えをさせていただきます。 ◎琵琶湖環境部次長(上山哲夫君) お答えいたします。  本年1月から8月末までの搬入車両は延べ4,657台でございまして、そのうち継続して搬入を行っております4,075台について調査を行いました結果、積載量をオーバーしていた車両は1,099台であったと報告を受けております。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)4,075台を調査されて1,099台、過積載。相当な割合でございますが、この過積載がなぜ起こっているのか、理由を教えていただけますか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  その具体的理由については琵琶湖環境部次長からお答えさせていただきます。 ◎琵琶湖環境部次長(上山哲夫君) お答えいたします。
     建設現場等から直接搬入される場合、現場に計量器が設置されていないため過積載となったり、また、輸送コストの削減を意図して過積載が発生したものもあるのではないかと推測をいたしております。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)質問項目にはちょっとないんですけれども、クリーンセンター滋賀はトラックスケールで自動的に重量を計算されていますし、展開検査場もあるんですけども、ちょっと今の次長、計量がないというのは、一体どういう意味なんでしょう。 ◎知事(嘉田由紀子さん) その具体のところについては次長からお答えをさせていただきます。 ◎琵琶湖環境部次長(上山哲夫君) 申し上げましたのは、建設現場から廃棄物を運んでこられるわけですが、その建設現場に計量器がないために積んだ量がわからないと、こういうことを申し上げたところでございます。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)その現場にないのかもしれません。ない現場が多いと思います。しかし、受け入れのクリーンセンター滋賀、これ、知事が平成20年に「安心と信頼、環境こだわり県にふさわしい施設を実現します」と、こう、顔写真でつくっておられる中で、自然と生活環境を守る、安全、安心な社会を支える、開かれた施設運営を行う、その中で、しっかりと計量すると明記されているんですけれども、ちょっと何かよく理由がわからないです。  過積載といいますのは、正直な話、新交通三悪の一つでございますので、トラックが過積載で走りますと振動や騒音、最悪、やっぱり道路の損傷にもつながりますし、車軸が折れるような事故、横転、あるいはカーブを曲がり切れない、そのようなこと、そして、制動距離が長引きますので、最悪の場合、ブレーキがきかないフェード現象も起こりますね。それに、沿道における、やっぱりクリーンセンターへの途中で、もしそのような事故が発生した場合、今おっしゃったような大変頻度の高い範囲で過積載を受け入れている、それもわかっていながら受け入れている、そんなことになりましたら、県のほうとしてもやはり一定以上の責任が発生すると私は思いますので、再度、では、もう理由ではありません、質問項目に戻りますけれども、過積載を起こさないよう、どのような手段、対策を立てているのか、お伺いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  道路交通法の遵守については、これはもちろん警察でしっかりやっていただかなければなりません。あわせて、クリーンセンターとしての対策でございますが、8月末に私が報告を受けてから、厳正に対処するよう指示を出しております。具体の手段、対策については琵琶湖環境部次長からお答えをさせていただきます。 ◎琵琶湖環境部次長(上山哲夫君) お答え申し上げます。  これまでから、排出事業者に対しましては搬入要領によりまして道路交通法の遵守を求めてきたところでございます。また、廃棄物搬入予約承認書に過積載防止を明記いたしておりますし、場内にも掲示しているところでございます。さらに、排出事業者への立入調査時にも過積載防止の要請をしてきているところでございます。  今回の事案を受けまして、すべての契約事業者に対しまして過積載防止徹底を求める文書を通知いたしましたほか、一部事業者に対し、直接、改善を申し入れたところでございます。  また、車両の積載状態を速やかにチェックできますよう、搬入車両情報に係ります管理プログラムを9月中に修正をし、防止対策強化に努めることとしていると報告を受けているところでございます。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)先ほど知事がおっしゃったように、クリーンセンター滋賀、県の環境事業公社がやっぱり進めているということでございますので、そのあたりの信頼感をやっぱりしっかりと地域住民の皆様方にお示しいただきたい。やっぱり勧告だとか文書等もよろしいんですけど、最近はやっぱり方々の最終処分場、管理型処分場でも、入ったときに荷重がわかれば、それが過積載であるということが判明されましたら、すぐさまブザーが鳴って、すぐ、180度右回れで帰ってくださいというようなことまでやっておりますので、それぐらいの徹底さは、やっぱりこれからは必要になってくるんじゃないかなと私は思っていますが。  それでは、過積載はそれとしまして、現場で、さまざまな検証や、あるいは目撃情報によりますと、埋立地で燃え殻またはばいじんが飛散しているのではないかというような話になっておりますが、知事、このことに関しましてどのようにお思いですか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  ばいじんの発生について、具体の現場の状況を琵琶湖環境部次長から答弁させていただきます。 ◎琵琶湖環境部次長(上山哲夫君) 新聞報道の現場写真にありましたような場内に粉じんが舞い上がる状況もあったと聞いておりますが、それがばいじん、燃え殻やすすでございますけれども、であったものかどうかにつきましては、公社でも確認できていないと聞いているところでございます。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)これらの埋立地において、ばいじんあるいは燃え殻らしきものがしょっちゅうと言っていいほど飛散しているということは、目撃者もおりますし、写真のほうにもおさめられているということでございますので、答弁としていかがなものかなと思っております。もしあれでしたら常任委員会のほうでも取り上げさせていただいてもどうかなと思っているんですけども。  それでは、もう一度お聞きしますが、現場においてばいじんや、あるいは燃え殻が飛散していないと、そのように思われるわけですね。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  その具体のところについては琵琶湖環境部次長からお答えさせていただきます。 ◎琵琶湖環境部次長(上山哲夫君) 申し上げましたのは、粉じんの飛散、これは認識をいたしておりますが、それが燃え殻あるいはすすであったということを確認しておらないということでございます。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)このクリーンセンター滋賀の手引では、明確に書かれていらっしゃいますのは、燃え殻などのものは、あらかじめ水分を添加して加湿するか袋にこん包することによって飛散防止措置を図ってから持ち込んでくださいというふうに書いていらっしゃるんです。だから、このようなことを、やっぱり野放しにされているということも、先ほどの過積載同様、少しコンプライアンスに欠けているんじゃないかなというふうに私は感じます。  それでは、1項目飛ばさせていただきまして、次に、過積載のときでも指摘しておりますけども、業者にあらかじめ搬入前に出させている搬入予約申込書が、なぜ当日搬入に限って簡単なパソコン入力で受け入れをオーケーしているのか、お聞かせください。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  具体の現場についての状況については琵琶湖環境部次長からお答えさせていただきます。 ◎琵琶湖環境部次長(上山哲夫君) お答えいたします。  クリーンセンター滋賀におきましては、排出事業者とは、あらかじめ契約を締結した上で事前審査に適合した廃棄物についてのみ受け入れを行っているところでございます。  御質問の搬入予約申込書につきましては、搬入当日の受入作業を円滑に行いますために、契約事業者に提出を求めているものでございます。しかし、仕事の都合等によりまして事前に提出のない場合もございまして、その場合には、搬入時に予約申込書の記載事項をパソコンに入力した上で対応をいたしていると、こういうものでございます。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)それは事実でしょうけども、ですから、先ほどの過積載とか、あるいは粉じんや防じんなどによる飛散防止処理なんかが、チェックがあいまいになっているんじゃないかなと。この議場でこのようなことをしても仕方ないんですけど、パソコンの画面だけではやっぱり重量とかそんなんわかりませんので、これはやっぱり先にぱしっと出させていただいて、当日そのような受け付けということに関しましては、やっぱりお断りするぐらいの運営をしていかなければ安全、安心の確立につながらないと思います。  次の項目に行きますが、チェックが非常にあいまいなものとなり、危険性が増していると考えられないか、これは飛ばさせていただきます。  あと、次の項目に入らせていただきますが、搬入管理票の実物を入手してチェックさせていただきますと、これがまた、業者からの記入が抜けているのに受け入れを承認している書類が散見されていますが、見解をお伺いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  議員御指摘のように、現場でのチェックが甘くならないよう、8月末以降、厳正に、手続も適正に、そして、コンプライアンスが具体的に現場で機能するようにと私も強く申し上げております。  今の具体のところにつきましては琵琶湖環境部次長からお答えをさせていただきます。 ◎琵琶湖環境部次長(上山哲夫君) お答え申し上げます。  搬入管理票の一部に記入漏れが見られたことは事実でございます。今後このようなことがないよう、契約業者に対しまして記入の徹底を図っていると報告を受けているところでございます。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)記入の徹底を強く業者のほうに指導していただきますように、お願いいたします。  次の項目で、持ち込まれている廃棄物の種類といたしましては燃え殻とか有機汚泥、紙くず、木くずなど数種類がございますが、その中で建設系混合廃棄物が年々かなりの割合で増加をしています。この建設系混合物というものをどのようなものと認識されているでしょうか。お伺いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  建設系混合廃棄物はどのようなものかについて、具体は琵琶湖環境部次長からお答えさせていただきます。 ◎琵琶湖環境部次長(上山哲夫君) お答えいたします。  がれき類のうち、工作物の新築や解体等に伴いまして生じました廃棄物で、安定型物と管理型物を分離していないもの、これを公社では建設系混合廃棄物と分類しているところでございます。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)県が出しておられる平成23年度のクリーンセンター滋賀処分実績でございますけれども、これはすべての受け入れ量から建設系混合廃棄物、20年度は計算しますと1.8%にすぎなかったのが、翌年は29.6%、その翌年、22年度は39.9%、40%、さらに、ことしになって50%と膨れ上がってきておるんです。それなのに、その持ち込みが建設業者じゃなく、かなりの割合で金属業者の持ち込みが多い。その理由についてはどのように考えておられますか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  具体的なところにつきましては琵琶湖環境部次長からお答えをいたします。 ◎琵琶湖環境部次長(上山哲夫君) お答えします。  建設系混合廃棄物を搬入いたしております金属業者は、工作物の新築や解体等に伴って発生した廃棄物の破砕や圧縮を行います中間処理業の許可を持っておりまして、これらの事業者が、建設現場で発生した産業廃棄物を中間処理し、搬入しているものでございます。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)その御答弁を信じるといたしましても、なぜ中間処理業者がこれだけの割合でというのが疑問には残ってくるわけでございますが、金属業者でありますので、下請だけではなく、かなり悪い廃棄物をブレンドされて持ち込まれている可能性は考えられないんですか。お伺いします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  具体のところにつきましては琵琶湖環境部次長からお答えをいたします。 ◎琵琶湖環境部次長(上山哲夫君) お答えいたします。  建設系混合廃棄物は建設現場から排出されるものでございまして、排出段階におきまして金属くずやガラス類、廃プラスチックが一部混入することはありますが、搬入時の展開検査におきまして異物や他の品目の混入がないかの確認を行っていると報告を受けているところでございます。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)もしくはシュレッダーダストの可能性があるとは考えられませんか。お伺いします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  シュレッダーダストは、法律上、管理型最終処分場で埋立処分することが義務づけられていますが、具体のところにつきましては琵琶湖環境部次長からお答えをさせていただきます。 ◎琵琶湖環境部次長(上山哲夫君) クリーンセンター滋賀におきましては、水処理の影響が大きいということから、自動車、バイク、電気機器の破砕によって生じた廃棄物、いわゆるシュレッダーダストではないことを受け入れ基準をいたしているところでございます。  なお、このような受け入れを認めていないシュレッダーダストが持ちこまれないよう、排出事業者への事前立入検査で確認を行いますとともに、クリーンセンターにおきまして抜き打ち検査による確認を行っているところでございます。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)第5回クリーンセンター滋賀経営改革方針検討委員会が平成23年2月16日、大津合同庁舎で開催されました。その席で地元役員との意見交換がなされましたが、さきの代表質問で我が会派の富田議員がクリーンセンター開場に関する協定締結は地元がもめにもめたと発言をされています。その反対を最終的に地元が合意をしたのは、平成7年度当時、地元神区、神様の区ですね、の区長代理をされていたBさんの発言、「一番大きかったのは滋賀県の知事が公社の理事長であるということから、この処分場に何か環境面で問題があるとか、あるいは交通上の何か問題があるときには県が責任を持っていただく、知事が責任を持つという事業体であるということから」と合意の理由を説明されています。このBさんの議事録上の声を今回の事実と照らし合わせて、知事としてどう思っておられるか、見解をお伺いします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  クリーンセンター滋賀の設置を受け入れていただくに当たりましては、地元神区におかれて、地域を二分する混乱の中、当時の役員の皆さんには大変な御苦労をいただき、受け入れを決断いただいた経緯については十分承知をしております。  今後、さらなる安全、安心の確保へ向けた取り組みを進めていくことが公社に課せられた使命と理解をしておりまして、本日御指摘いただきましたようなこと、9月に入って、私自身、記者会見でも、適正、厳正に対処をし、改善が必要なところは改善するようにと公社、具体的な現場にも申し伝えてきたところでございます。 ◆31番(石田祐介君) (登壇)ただいまの知事の御答弁どおり、知事自身が主体的に責任をお持ちになって、公社の理事長としてクリーンセンター滋賀の運営に当たっていただきたい、そのように熱望するわけでございます。  このままいきますと、クリーンセンター滋賀は、だれもが望まない不幸な施設に転落する可能性も見えてきているわけでございますし、クリーンセンター自身の自助努力の欠如、あるいは責任のあいまいさというものは抜き差しならないものであります。何かあったときに県に援助を求めればいいという甘えの構造すら感じられるわけでございますので、そのあたりは、公社理事長として強い指導力を発揮していただきますことをお願いを申し上げます。  最後の項目の質問は、ただいまの知事の御答弁をいただきましたので割愛させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○副議長(佐野高典君) 以上で、31番石田祐介君の質問を終了いたします。  次に、16番九里学君の発言を許します。 ◆16番(九里学君) (登壇、拍手)「どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよなあ」。  野田首相は党代表選の演説で相田みつをさんの作品集「おかげさん」の中にある、自分を他人と比べないというテーマの詩「どじょう」を引用し、優雅に泳ぐ金魚の下で砂の底をはうドジョウのように、目立たないが、一歩一歩、政治を前に進める気概を示されました。  この演説を聞かれた故相田みつをさんの長男一人さんは「ドジョウのごとく、泥だらけになっても信念を持って国民を引っ張っていってほしい」と野田首相に対してコメントを出されています。  国のトップリーダーが泥の中にすむドジョウなら、我々滋賀県議会議員は各地域から選ばれた、琵琶湖に生きる、生かされている淡水のドジョウのように、愚直に、地道に県内各地をはいずり、活動しなければなりませんし、同時に、滋賀の大地を、田畑を、耕作放棄地をやわらかく、多くの作物のできる肥えた土地にするよう、同時に、そこに住む人々の生活をよりよきものにするよう汗を流す、そういうことをしていかなければならないということを冒頭申し上げ、私の質問をさせていただきます。  まず、下水道ハブについて伺います。  下水道ハブ構想とは、下水道処理技術の拠点化基地を我が国に設置し、上下水道のシステム整備から運用までを一括して請け負うことにより、水環境ビジネスの世界市場進出の足場づくりを確実なものにするための政府の一大プロジェクトです。  知事は昨年8月に国土交通省を訪れ、同省の成長戦略に盛り込まれた下水道の水・エネルギー再生技術の開発とショーケース機能をあわせ持つ国際拠点、日本版ハブの設置提案と誘致活動について、全国の自治体に先駆け、名乗りを上げられました。そして、ちょうど1年前の9月、県議会定例会においても、みずから、官民挙げて日本版ハブの誘致に努めたいと答弁をされています。昨年末には、本県への誘致の実現をさらに強力に進めるため、官民一体で構成された下水道ハブ誘致会議を設置されました。そして、ことしに入り、2月17日の県議会答弁では、下水道ハブ誘致にあわせ、水環境関連ビジネス関連企業の育成をスタートすることを表明されたのです。本年度に入り、しが水環境ビジネス研究会を立ち上げ、県内はもとより各企業や大学を中心に水環境ビジネスに関してのデータ収集や世界的ニーズの分析、研究を本格化されることがマスコミ各社で報道され、関係団体や企業、大学はもとより県民の多くが下水道ハブの現実化に期待し、胸膨らませたものです。勢い、本県の誘致活動が活発化する中、去る3月11日、東北地方を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災が発生、その対応のために国の公募等の手続がおくれていると仄聞をしています。  将来的には100兆円マーケットにも水ビジネスはなるとも言われています。琵琶湖のある立地条件の中ではぐくまれ、集積されてきた企業や大学、研究所の優秀な技術力を生かすと同時に、国際競争力を持つ県内企業を行政としても積極的にサポートすることで、新たなビジネスチャンスが生まれ、産業や雇用の創出、拡大につながり、ひいてはこのことにより本県が水環境ビジネスの分野において、全国はもとより東アジアの中心地として、海外に向け、水ビジネスの先進地に大きく羽ばたく可能性が現実味を帯びてきたのです。  東日本大震災が発生してから6カ月が経過した今、復旧、復興の道のりはまだまだ厳しい状況ではありますが、国の通常業務も本来の姿に戻りつつあると聞き及んでおります。  そこで、まず、国の下水道ハブ設置に係る手続等の状況を県として現在どのようにお聞きになっているのでしょうか、また、今後どのように進めていかれるのでしょうか、伺います。  私は、水環境ビジネスの分野においては他自治体におくれをとらないだけのスピード感を持った対応を滋賀県として独自にすべきだと考えています。  同時に、下水道ハブ構想を実のあるものにするためには、県土全体にわたる機運の醸成と取り組みのタイミングが非常に重要だと指摘をしてまいりました。  東日本大震災や円高等による経済不況を打破するためにも、閉塞感に包まれた滋賀県経済の状況を一掃する意味でも、産官学がともに連携、協力し合う下水道ハブ構想による水環境ビジネスモデルを、今こそ全国はもとより海外に向けて本県から発信すべきなのです。環境社会学者でもある知事として、今後の取り組みの方向性について具体的な所見を伺います。 ○副議長(佐野高典君) 16番九里学君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)下水道ハブ誘致の現状についての2点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の国の下水道ハブ設置に係る現状と今後の対応についてであります。  これまでの国の説明では、年度当初に公募を実施して決めたいということでございましたが、東日本大震災の影響等もあり、その手続がおくれていたことから、国の動向を注視してまいりました。  そうした中、去る9月2日に開催された国の会議において、下水道ハブは国が設置するものではなく、自治体が拠点をつくり、国はハブネットワークのマネジメントを行うとの考え方が示されました。これは、昨年までの方針と大きく変わるものでございます。国の方針転換がなされたというふうなことと理解せざるを得ません。  そのような中で、今後の対応についてですが、水環境関連企業や環境技術に関する研究所、大学が集積している滋賀県の特性、強み、また、これまで誘致会議で得られたネットワーク等さまざまな資産がございます。これを生かして主体的な取り組みを進めていきたいと考えております。その際、国の動向も見ながら、積極的に国へも働きかけていきたいと思っております。  ことし3月に閉館した水環境科学館、あるいは矢橋帰帆島内の未利用地を利用して、下水道だけでなく、広く水環境等の分野において企業等が実施する新技術の研究開発や普及促進等について総合的に支援できる拠点づくりができないか、調査、検討を行っていきたいと考えております。  2点目の今後の水ビジネスの取り組みの方向性でございます。  ただいま申し上げましたように、国の施設ではないということになりますと、本県として持つポテンシャルを生かした県内企業の支援などの取り組み、県としてどのように可能か、検討していきたいと考えております。  あわせて、10月には水処理や環境分野等に関する企業や学識経験者をメンバーとする「しが水環境ビジネス研究会」を立ち上げる予定であります。ソフト面から本県における今後の水環境ビジネスの発展の方向性も取りまとめていきたいと考えております。 ◆16番(九里学君) (登壇)今、方針転換のお話を聞かせていただきまして、非常に残念でもありますし、同時に、驚きを隠せません。9月2日以降、国のほうの方針転換があったと、それを受けた部分だという知事の答弁があったんですが、これまで国の説明の中にも、日本版ハブを全国に二、三カ所、公募して設置するというような説明がございました。それを受けて、滋賀県としても今日までやってきていたわけですが、国の下水道ハブがなくなったんでしょうか。また、国が方針転換されたということですが、知事としてその見解について理解し、承知をされているんでしょうか。多くの方面に影響を及ぼすと思います。もう一度はっきり明快に、この方針転換について県民に理解をしていただけるように答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  これまでの経過、少しおさらいをさせていただきます。  昨年5月策定の国の成長戦略において、海外へ進出する日本企業への支援と政府の支援体制整備のために下水道分野の国際戦略拠点ハブを設置するということであったことから、滋賀県では、先端技術だけではなくさまざまな地域の水文化も含めて多様な汚水処理モデルがある本県がふさわしいと考え、誘致活動を展開してまいりました。  昨年度8月、11月には、私自身、国に対し誘致要望を行うとともに、下水道ハブ誘致会議には国からも参加をいただき、地域要件や公募の時期などについて説明をいただく中で、滋賀県としての優位性を整理してまいりました。また、ハブ誘致会議には地元草津市初め、関係の多くの皆さんの御協力をいただいてきております。  ところが、先ほど申し上げましたように、ことしの9月に入り、下水道ハブは国が設置するものではないとの方針が公に示されたとの報告を受けたところでありまして、下水道ハブに係る国の取り組みの方向が変わってきたものと理解をしております。  国のほうとしては、大震災の復旧、復興、そちらへ重点を移したのではないのかと理解をしておりますが、その背景については詳しく知るところではございません。 ◆16番(九里学君) (登壇)背景については詳しくわからないという話なんですが、この場で、こういうようなお話の中で、今もお話がありました当該地元であります草津市さんあるいは草津市長さん、どれだけこういう情報が伝わっているのか、あるいは、多くの方々、名誉あり、優秀な方々、下水道ハブ誘致会議のほうの委員として御労苦をいただこう、そういうような状況の中にあって、今の9月2日ですか、その部分がある。今後の運営はどうなるのか。また、委員の方々の、国の方向転換とはいえ、県も含めてそういった情報、きちっと伝わっているのかどうか。あるいは、この間の進捗状況や今日までの動き等についてどういった状況なのか、県としても大きな説明責任、アカウンタビリティーがあると思うんですが、その辺、知事、どうでしょうか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  まず、草津市にどれだけの情報が伝わっているか、また、委員の関係の方々にはどうかということでございますけれども、3月16日に、実は国のほうで、この会議を県としても開催する予定でございました。その直前、3月11日に震災があり、その後、4月以降も何度も国と問い合わせをしながら、なかなか動かない。その途中経過については、ある程度、御報告をさせていただいておりますが、この9月2日以降のことについて草津市あるいは関係の機関に対しても、国の条件が変わりつつあるということは御報告をさせていただいております。
     また、誘致会議ですけれども、この誘致会議につきましても、委員の皆様にこれまでの蓄積、無駄にしないように説明をさせていただきたいと思っております。  最初に申し上げましたように、国は力を入れない、方向転換をしたといたしましても、滋賀県としては矢橋の帰帆島、大変大きな蓄積がございます。また、企業、大学の蓄積もございます。これらをよりうまく生かせる方向で、これまでの御協力体制はできるだけ維持していきたいと考えております。 ◆16番(九里学君) (登壇)我々地方議員に対しても、非常に驚きを隠せないわけですが、毎年、今度行われます、知事自身、琵琶湖の環境ビジネスメッセ、行っておられると思いますけども、多くの企業、団体、また大学関係、そうした方々が下水道に関する先端技術を開発するため、あるいは、この下水道ハブを見越した上での多くの皆さん方が出展、出品をされていることも承知を私もしております。そうした方々の思い、熱意、あるいは経営者としての歩みに対して、きょうの発言も含めて非常にショックやということを感じざるを得ません。  近隣の府県や関係市の首長、トップに、含めて、どういうふうに説明されるのか、また、計画変更に当たり、滋賀県として新たな振興策をというお話ですが、多方面にわたり影響を及ぼすだろうと想定されることをきちっと説明責任すると同時に、やはり県としての、一定、責任はあると思いますし、方針転換を国がしたなら、それを受け、県としてどう動きをするのか、今までやっぱり滋賀県というのは、この優位性、下水道ハブに対する優位性──冒頭、知事も申されました、答弁で──あるいは、施設や技術やノウハウや、そういったものをつなぐ、そういった部分が滋賀県はあるんだということですので、そういった部分も含めて、きちっと振興策を示さなければならないですし、同時に国に対しても、国と県との部分の一つの説明を県民の皆さん方にしていただけるように求めたいというふうに思います。  こういった、私も、冊子もずっと読まさせていただきました。多くの皆さん方が大変な御労苦の中でこうした冊子もできていると思いますので、ぜひそうしたことをお願いを申し上げ、次の質問に移らさせていただきたいと思います。  県民に開かれた県政について伺います。  住み心地日本一、滋賀県づくりを目指し、嘉田知事の2期目がスタートして、はや1年余りがたちました。私は、知事が直接現場を訪ね、県民の皆さんと対話を重ね、生活者の視点、生活現場の発想、そうしたものを県政に生かしていくといった研究者時代から培われた県民に身近で開かれた政治姿勢が多くの人たちの共鳴、共感を呼び、その結果が2期目の当選につながった大きな要素の一つだと考えています。  そこで、まず、県民にとって開かれた県政を実現するため、どのように知事として取り組まれるのか、基本的な考え方を問います。  平成18年9月から今日まで、「知事と語る滋賀の未来」事業として「知事とふれあい座ぶとん会議」を31回開催、「おじゃまします!知事です」を42回開催されています。合計73回、地域、テーマ、世代に偏ることなく県内各市町へ知事はみずから訪問され、703人の皆さんと定期的にこれまで対話を重ねてこられました。  この間5年、近年の開催状況を分析してみますと、「おじゃまします!知事です」の企業、施設、団体を対象とした開催は、19年度5回、20年度6回、21年度9回、22年度8回、本年度10回と年を追うごとにほぼ横ばいか、年によっては右肩上がりとなっていますが、「座ぶとん会議」は、就任が年度途中でありました平成18年度の3回の開催は別として、平成19年度10回、平成20年度および21年度7回、平成22年度3回と、近年になるほど開催数が激減をしております。本年度に至っては、半年経過した今でも、6月19日に東近江市で開催された1回のみの開催となっています。  さらに、東日本大震災以来半年、県政の重要課題でもあり、知事自身が防災の現場を訪ねることで地域の防災力や課題の実情を把握でき、防災対策面からも大変意義があると思われます「知事との対話─防災の現場を訪ねて─」に至っては、就任1年目、2年目の平成18年度、19年度は、就任後、毎月、県内各地を精力的に訪ね歩いておられましたが、平成20年度には10回、21年度8回、22年度、昨年度3回、本年度は東日本大震災後の対応に尽力されていたとはいえ、原子力政策や自然・再生エネルギーに対する県民意識が向上しているにもかかわらず、今、半年が経過した今日でも一度も開催がされていません。  「2006かだ由紀子マニフェスト」の政策提案の評価ランクで、自身、自主防災組織や市町防災力への支援内容について目標達成に向け成果があらわれるか、引き続き努力をすると、B、Cランクを知事自身つけておられます。議会でも話題になっています市町との関係も含めて、首長がきめ細やかに現場をくまなく歩くことで行政が保有する情報を住民に発信でき、市町や地域から情報をタイムリーに受信をすることで、県民に開かれた、透明度の高い行政運営につながる、実現をすると思うのですが、近年、なぜ事業の実施回数、機会がこれほど激減しているのでしょうか。その理由と、今後の事業回数が減っていくのか、また、ふやす努力をされるのか、事業に対する知事の思いについて伺います。  次に、県政を開かれたものにするための情報活用について伺います。  嘉田知事は県政の見える化を進めるため、行政サービス等の値札の表示や情報公開制度の拡充、予算編成過程の公開など、積極的に今日まで進めてこられました。県の仕事やサービスなどを公開することで、より県民の皆さんに軸足を置いた県政になると思いますし、そのことで、昨今、県民の皆さんが求めておられる、わかりやすく開かれた県政になると私自身考えています。そのための県の施策や魅力を効果的に情報発信するための広報活動、公聴の充実、さらには、職員の皆さんの意識改革や組織強化など、内部改革はもとより、地域主権が進んでいくと、市町や地域に県広報特派員を置く工夫や、お客様センターなど相談窓口の時間的、立地的拡充、市町との情報共有や受発信の協力体制づくり、県民の利便性を考えた工夫、取り組みがこれからは必要不可欠になってくることは必至です。さらには、インターネットを活用した県民との双方向直接情報交流システムによるインターネット県民モニター制度の活用や県所有の資料、写真あるいはビデオなどを県民や報道機関に自由に貸し出しのできる県政ライブラリーの実施、24時間365日出入り自由な電話ボックス型のような無人情報ボックスの県内各所への設置など、国際的に定着している情報通信技術ICT──インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジーを県民参加型のツールとしても県政に積極的にとり入れ、駆使し、行政運営に生かしていくことが、高度情報化社会の将来にわたり進展していくだろう状況の中では大変有効なファクターだと私は考えています。  自治体の個人情報保護や消費者保護対策の強化が叫ばれる昨今だからこそ、逆に言えば、情報を正しくタイムリーに流すことのできる情報システムをいかに構築できるか、そのことが自治体の情報公開度の正確性や俊敏性の成否のかぎを握るとも言えると思います。  そこで、情報システム活用、拡充について、本県として将来的に今後どのような工夫をし、どんな対策を進めようとされているのか、具体的な方策も含めて伺います。  最後に、開かれたハードとしての県庁舎について伺います。  東京都庁では、動物の種類に応じ、携帯用ペットケージに入れればペットの入退室が可能ですし、芸術・文化的な展示スペースとしてアートワークを都庁内に開設をされています。宮崎県庁や茨城県庁では、庁舎前のスペースを活用し、催事や市を定期的に行い、新潟県南魚沼振興局では近隣の保育・幼稚園児に局周辺の草花を育ててもらう事業を推進をされています。また、埼玉県所沢市役所では、庁舎利用時に託児所として利用できる保育・幼児ルームを設置するサービスまでも拡充をし、実施をしておられます。  本県でも、県庁舎の建物を県民にとって開かれたものにするため、ロビーや前庭、議会棟などで休日ランチコンサートや落語会などを開催、庁舎前広場や県庁舎と滋賀会館を結ぶ地下通路を利用しての地元野菜やリサイクル品などの定期市やフリーマーケットの公募開催、あるいは、県民サロンを利用してのお話し会や子育てサロンの開会、特色ある県産品の販売、議会図書室の対象者の拡充など、もっとこの県庁舎を使った企画を前向きにしてはどうかと考えています。  さらには、障害をお持ちの方や外国籍の方のために、県庁舎とその周辺のさらなるバリアフリー化を推進することはもとより、点字ブロックや点字表示板、手話通訳者や国際通訳者をもっと整備拡充するべきではないかと考えています。  現在、県政や県議会レポートで一部取り入れられています手話を県の各種事業や議会でももっと取り入れるべきとの御意見を県民の多くの皆さん方から、私自身、聞き及んでいます。  国の経産省、経済産業省のアイデアボックスではありませんが、滋賀県庁の今ある建物や施設、設備を活用し、でき得る限りお金をかけずに、創意と工夫により、県民に開かれた県政となることを願い、知事のアイデアや具体的な方策を伺い、質問します。 ◎知事(嘉田由紀子さん) 県民に開かれた県政についての5点の質問にお答えいたします。  まず1点目は、県民にとって開かれた県政を実現するための全体としての考え方でございます。  今後の県政運営に当たりましては、県民の皆さんの暮らしの現場を基本に、暮らし感覚に基づく視点や発想に即した行政を進めることが必要でございます。そのために、私自身は2点あると思っております。  1つは、行政の中で、ともすれば行政用語というわかりにくい言葉、これをできるだけ暮らし言葉に翻訳をして、わかりやすく表現をするということでございます。  それから、もう1点については、さまざまな仕組みあるいは制度ですけれども、それらがなぜ、どのようにつながっているのかというような仕組みを丁寧に説明することだと思っております。例えば乳幼児医療費の問題などありますけれども、全体としてどれだけかかっていて、だれがどれだけ負担をしているか、そのような受益と負担のかかわりをわかりやすくするというようなこと、それが、例えば値札づくりというようなところにもつながっているわけでございます。  そのような意味で、暮らし言葉に即した形で、仕組みを丁寧に説明するということが開かれた県政の最低の条件だと思っております。  次に、2点目の「座ぶとん会議」あるいは「防災の現場を訪ねて」など、回数が減っているが、なぜかということでございます。  「座ぶとん会議」は自治会、NPOなどの皆さんとかなり組織的に、しっかり準備をして行う会議でございます。それに対して「おじゃまします!知事」は、企業、施設にこちらから比較的少人数でお邪魔をするという、そのような区分をしております。  最近、限られた時間の中で、できるだけ多くの県民の皆さんとひざを交えて意見交換をさせていただくには、時間的にも組織的にも制約の少ない「おじゃまします!知事」のほうが効果的ではないかということで、そちらの回数をふやしているところでございます。  ちなみに本年度は、両者を合わせて既に13回開催をしておりまして、最終的には例年を上回る見込みであります。実施要綱についても、これまでの経過、また、効果を見て、微修正も必要なところはしていきたいと思っております。  また、「防災の現場を訪ねて」ですけれども、ここにつきましても、県内で自主的に活動しておられる皆さんの中身を具体的に聞かせていただき、大変学ぶところが多うございます。滋賀の減災・防災力を高める重要な組織の皆さんと接触をすることで、こちらとしても学ぶところが多うございます。そのプロセスは「くらしSafety」として放送させていただいているわけですけれども、3月以降、実は防災危機管理局も東北・東日本大震災の応援あるいはその受け入れなどでかなり忙殺をされておりました。この秋以降、できるだけ、より一層現場に出向いてまいりたいと考えております。  3点目の情報システムを活用した事業の拡充でございます。  県のホームページでは、県政情報のほか、写真ライブラリーや動画配信を行うなど、予算のない中であっても職員が大変工夫をいたしまして、魅力ある内容の充実に努めております。昨年度は過去最高の年間3,835万件のアクセスがございました。また、毎月2回、メールマガジンを配信するほか、ブランドイメージ向上の取り組みの一つとしまして、滋賀県の魅力をタイムリーに発信するブログ「キャッフィーのびわブロ」を職員が随時更新をしておりまして、全国の自治体アクセスランキングでも上位に入るなど、好評でございます。  一方、県民の声をお聞きするため、インターネットを活用した県政モニターアンケートにも取り組んでおります。モニターを昨年の194人から352人に拡大をいたしまして、随時、意見を集約しておりまして、昨年は16項目についてアンケートを実施しております。  情報通信技術ICTとしてはツイッター、ソーシャル・ネットワーク・サービス──SNSなどがございます。双方向で刻々と変化する状況や情報を常に発信し続けるという利点もございますが、一方で、不用意な書き込み、あるいは利用者数が伸びないなどの課題もございます。先進事例も含め、メリット、デメリットを研究した上で活用すべきであると考えております。  さらに、議員御指摘のように、緊急時には情報をタイムリーに出すことが必要でございます。県ホームページのトップページには災害関連情報を掲載し、随時更新しております。例えば先日の12号台風、15号台風では、「今こういう河川情報があります」「土砂災害情報があります」ということをトップページでアナウンスをして、アクセスしやすいようなボタンをつくったりしております。私自身もこの河川情報を、随時、自宅からでも、あるいはよそからでも見ながら、今、日野川がどうなっている、安曇川がどうなっているというようなことで具体的に見させていただいております。  また、21年度からは「しらせる滋賀情報サービス」、通称「しらしが」を運用しまして、防災情報などをメールでお知らせしております。今、登録者数は約1万8,000人を超えておりまして、今後とも発信項目の充実を図るなど拡大をしていきたいと思っております。  また、知事の毎日の公務活動、これにつきましても、できるだけわかりやすく、写真を入れて「かだ便り」として詳しく発信をしております。公務のある日はすべて、一日も欠かさず掲載をさせていただいております。  これら各媒体の特性に応じた活用によりまして、今後とも県内外へのタイムリーな情報発信と県民参加に努めてまいりたいと考えております。  次に、だれにでも開かれた県庁舎についてのアイデアあるいは具体的方策でございます。  これまでから、本庁舎前広場を使いまして全国高等学校野球選手権出場校激励会などに利用しているほか、駐車場を大津祭や地元自治会の行事にも提供しております。また、県民サロンを展示、イベント等のスペースとして活用しておりまして、2月には県庁舎で撮影された映画のパネル展を開催し、これを見るために来庁された方もいたと聞いております。5月には近江学園園生の絵画、陶芸などの作品展示も行っております。  一方で、県のさまざまな入札の仕組みがインターネット入札などになりまして、具体的に県庁に足を運ぶ人はめっきりと減っております。そういう中で、議員御指摘の、他府県での取り組み事例を参考にさせていただきながら、今ある建物、施設あるいは設備を生かして、いかににぎわいを創出するか、創意工夫し、一層開かれた県庁舎づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆16番(九里学君) (登壇)ありがとうございます。  いろいろとやっていただいていることは承知の上での今回の質問なんですが、冒頭言いました、ドジョウというのは金魚と同じ金魚鉢に入れると、金魚の残したえさを地べたで食べ、そして、掃除をすると言われています。どうか知事も、そして、県の執行部の皆さん方も、県民と同じ目線で、同じ歩みで、同じ軸足で、開かれた県庁、県政となることを望み、質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(佐野高典君) 以上で、16番九里学君の質問を終了いたします。  それでは、しばらく休憩いたします。   午後2時59分 休憩    ────────────────   午後3時20分 開議 ○副議長(佐野高典君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  次に、48番沢田享子さんの発言を許します。 ◆48番(沢田享子さん) (登壇、拍手)それでは、通告に従い、3つの質問を分割方式によってさせていただきますが、いずれもこれは県政にとってどれも大事なことで、しかも担当の職員の皆さん方は、いわゆる関係の地元あるいはその団体の方々と一生懸命取り組んでいただいていることばかりでございますけれども、懸念される問題などもありますので、質問をさせていただきたいと存じます。  まず、大きな第1項目、私立学校の開設問題につきまして質問をさせていただきます。お答えは総務部長にお願いをいたします。  大津市議会では、2月定例議会におきまして「幸福の科学学園建設計画に対する住民不安の解消に向けた取り組みと、住民との合意形成の環境を整える取り組みを大津市に求めることについて」を全員一致で採択をされまして、その手続を進められておりますけれども、建設に関して学校設置予定者と地元関係者との話し合いがスムーズにいっていないと仄聞をいたしております。  県にありましては、さきの2月県議会の一般質問に答えて、総務部長は、「学校設置の認可申請がなされた場合には、県の設置認可に関する審査基準や国の省令に基づきまして、学校法人が必要な財産を有しているかどうかなどの審査を行い、あらかじめ私立学校審議会の意見を聞いた上で知事が学校設置の認可の可否を決定することになる。現在、学校の設置に対し地元の中で反対の動きが出ていることから、学校側として地域住民の方々の不安の解消と理解の醸成を図るため、自治会単位での説明会等を行っておられると承知している。県としても引き続き状況の把握等に努めてまいりたい」と答弁をしておられます。  その後、学校設置申請関係はどのようになっておりますか。私立学校審議会に諮問されていると聞いておりますが、会議が非公開でありますことから、今後どうなっていくのか、不安を抱く声がたくさん届けられております。今後、本件に関し、県としてどのような段取りや調査を行われていくのか、総務部長に答弁をお願いいたします。 ○副議長(佐野高典君) 48番沢田享子さんの質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎総務部長(漣藤寿君) (登壇)私立学校の開設問題についての2点の御質問にお答えをいたします。  1点目、その後の学校設置認可の申請関係についてでございますが、学校法人幸福の科学学園から4月15日に幸福の科学学園関西高等学校および関西中学校の設置認可申請が提出されました。この申請書をもとに教職員の人数、校舎の面積、校具の数などについて事前に審査し、8月29日に滋賀県私立学校審議会に諮問をしたところでございます。  2点目、今後、県としてどのような段取りや調査を行うのかについてですが、今後、施設面では教室の配置、トイレなど衛生面の状況、非常口の確保などを確認し、また、申請にありました教具や校具などが導入されているかの確認などを行い、私立学校審議会の答申を受けて認可の判断をする段取りとなっております。 ◆48番(沢田享子さん) (登壇)御答弁、ありがとうございます。  今お答えになっていただいたのは順調にいっている場合の段取りだというふうに存じますし、それから、学校をつくられる場合には絶対に審査をしていただかなければならない問題だと思います。  しかし、先ほど来申し上げておりますように、大津市の議会でも採択された問題は、住民不安の解消に向けた取り組みということになってございます。したがいまして、申請者から申請があったということ以外に、私学審議会を所管をされます県の総務部におかれましては、やはり住民不安の解消に向けた事柄について、それはさきの2月の答弁でもおっしゃっていますから、そういう点では把握をなさっていると思いますけれども、どのようなことを把握しておられて、そして、何が問題になっていると考えておられるのか、伺います。 ◎総務部長(漣藤寿君) お答えいたします。  ただいまのお尋ねになったことでございますが、私ども総務課のほうへも住民の方々が足を運んでいただいておりまして、その中から実際のお声を聞いているところでございます。また、せんだって、知事あてに要望書の御提出もちょうだいいたしておりまして、その中を拝見いたしておりますと、説明が十分でないとか、あるいは大規模な施設の開発であるというふうなところに不安の背景があるというふうに受けとめさせていただいているところでございます。 ◆48番(沢田享子さん) (登壇)今お答えいただきましたように、説明が十分でないというところの最も問題になっているなと思われますことは、どういう地盤に学校がつくられようとしているかということに関して、法律が途中で変わっているというような問題などもございますけれども、学校というものは、一たん設置をされますと、ずっと100年、150年続けて学校として活動していただくものになろうと思います。それから、そういうことに対しては、私学助成などでですね、県の予算を使っていくということになります。  したがいまして、この説明が十分でないということの中に地盤調査の問題があります。地元の方々の中には不安に思っておられる、その根底、まさに根底というところは、上に建つものの問題というよりも根底にある地盤の問題を一番強く感じておられるわけですね。本当に安全なのか、あるいは崩れていかないのか、あるいは、学校設置予定者はそれに対する万全の準備をなさるのかどうかというようなことなどについて強い懸念を地元関係者の方々は持っておられるわけです。そのことについては、私学審議会ではどのように把握をし、それから、どのようにチェックをされておるのか、総務部長に伺います。 ◎総務部長(漣藤寿君) お答えいたします。  県が私立学校の設置につきまして認可をさせていただきます。その仕事の中でございますけれども、例えば国が定めております設置基準あるいは県が定めております審査基準、これらに基づきましてその適合性を判断するということでございまして、先日の私学審議会につきましても、このような基準に照らして審議をしていただいたというところでございます。 ◆48番(沢田享子さん) (登壇)私は私立学校のこと以外に、行政がチェックをする事柄で、「はあ、そんなに上物と下物とを分けて考えるのか」と思ってびっくりしたことがあります。例えば建物を建てる場合に、下が借地であろうがなかろうが、あるいは、その底地が、例えば不法に河川を占用しているようなものであろうがなかろうが、上物を審査するところは上物だけを審査するというふうに、実に行政はそれぞれの役割、区分をして仕事をしていてくださるんだなということでびっくりしたことがあります。  そこで、総務部長にですね、ぜひお願いしておきたいこと、それは、学校というのは子供さんたちが安心して勉強に励んでいただく、それから、この設置者の申請内容によりますと、寮も設置をされるということですから、まさに暮らしそのものがそこの場所で展開をされるわけです。そのために申請をなさるということになりますが、地元の方々が心配をしておられるのは、それにしても地盤の安全性、これは最も大事なことではないかというふうに懸念を持っておられます。  それに対して、確認申請自体は別の機関に出されるというふうに承知をいたしますけれども、やっぱり学校全体の設置の認可をされる私学審議会というところはトータルに、今までのやり方とは違って、さらにそこに加えて子供さんたちの安全というものについて、地盤、底地そのものの安全性についてもですね、ぜひ調査を続けていただけるようにお願いをしたいと思いますが、そのことに対する部長の見解をもう一度求めておきたいと思います。 ◎総務部長(漣藤寿君) お答えいたします。  県が私立学校の認可をするに際しまして、県の権限と責任の中で、基準に基づいて手続を進めさせていただきたいと考えております。 ◆48番(沢田享子さん) (登壇)大変、私たちがどこにどんなものを建てるのか、そこにだれがいつどんなふうに認可をしたのかということは将来にわたって問われることになりますし、何よりも学校というものは、公立、私立に関係なく地域の皆さん方に理解をしてもらって、そして、学校そのものが子供さんたちをはぐくんでいける、地域と学校とが連携していけるということが重要になろうと思います。これは要望をしておきたいと思いますが、今後の審議会の審査について、ぜひそうした観点で、引き続いて、継続審査となっているようでございますので、ぜひお願いをしておきたいと思います。  次に移ります。大きな2項目めですが、医療法に定める4疾病に精神疾患が追加されることを受けまして、健康福祉部長病院事業庁長に質問をさせていただきます。  今まで私たちがよくかかって、死亡率も高いと言われている疾病にがん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病と言われる4疾病がございましたが、さらにそこへ精神疾患が加えられ、5疾病となり、国が対策に乗り出すと報じられております。  世の中、それほどストレス社会になって、だれもがかかる可能性の高い病気になった精神疾患。現に、うつ的な傾向があって通院しておられるという方や休職しているという人が大変多くなってまいっております。だからこそ、その予防や治療、治癒した後の社会復帰のための環境整備に力を入れなければならないと思います。  しかし、精神疾患は、ほかの病気と違って、ほかの人から見れば、他者から見れば一見して症状がわかりにくいケースも多く、本人が訴えられますその訴状も変わりやすいというようなことがあって、周囲に十分理解されにくい場合や、精神病に対する偏見があることも事実であり、患者や家族、職場の同僚、地域社会でも十分な理解を深め、医療や福祉、労働、教育における対策にも力を入れていかなければならないと考えております。  精神疾患が5疾患になるということを受けて、この際、精神疾患に関する治療や治癒後の社会復帰をよりスムーズにできるように、また、未然防止ができることを目指して質問をさせていただきます。  初めに、健康福祉部長に3点質問します。  病気と障害は区別をされるということを大前提に話を進めますが、精神医療が今まで日本では立ちおくれてきたことによって、病気や病人、家族に対する理解が深まらず、偏見や誤解があるために社会的入院生活を余儀なくされてきた人が多いと言われております。  人生のほとんどを入院生活で過ごすというようなお方も多いと伺っていますが、いつまでも自由から人権をじゅうりんしたり踏みにじられてきてはならないとの観点から、法整備も少しずつ進められてきました。  そこで、第1問ですが、精神疾患が5疾病になることで県民の医療や福祉の面から何がどう変わるのか、伺います。  2点目に、障害者自立支援法が施行されましてから5年たちますが、それまでばらばらであって一番よくおくれていたのが精神障害者に対する支援です。3障害の中でも精神障害者の人権を尊重することの重要性にかんがみ、これまでにどのように取り組み、どのような成果を上げてこられたのか、伺います。  3点目に、障害者が20歳を過ぎていても親の責任は大きいと言われて、親御さんの心労は並大抵ではありません。在宅生活や通所型のサービスを受けながら、親御さんの庇護のもとで生活をしてこられたうちはともかく、親が年をとったり、あるいは病気などで、そのような庇護が受けられなくなったというような事態になっても、精神障害をお持ちの人が自立した暮らしに突然移るというのは大変困難なのも実情だと伺っております。そうした家庭への訪問活動や支援を行うことで、親亡き後もできるだけスムーズに暮らしていけるような対応を求められますが、どうでしょうか。  以上、健康福祉部長の答弁を求めます。 ○副議長(佐野高典君) 質問者に申し上げますが、病院事業庁等々の質問も一括してやってください。 ◆48番(沢田享子さん) 済みません。失礼しました。  続きまして、病院事業庁長に2点質問します。  滋賀県立病院の経営改善に向けましては、病院事業庁長が中心になられて中期計画を立てておられまして、今年度が最終年を迎えております。成人病センターあるいは小児医療センター、そして精神医療センターと、この3病院のうち精神医療センターの中期計画では、1つ、県内の精神医療を担う中核施設としての専門医療の充実を図ること、1つには政策医療として救急医療の充実や地域生活への移行を図るとともに医療観察法に基づく役割を果たすこと、1つには精神障害の予防、治療、精神障害者の社会復帰のため関係機関と連携を図ることがビジョンとして挙げられ、今年度までを一区切りとして事業を進めてこられました。今のこの3つの中にも医療観察法に基づく役割というのがあるわけですが、私の質問としては、医療観察法に基づく、新たに医療観察病棟の設置事業が進められておりますが、これはどのようなねらいを持つものなのか、伺います。そして、この医療観察病棟の設置のために周辺住民の方々への説明が始まっておりますけれども、医療観察病棟という耳なれないことの説明を初めて受けられる方々にとっては不安な気持ちになることも少なからずあろうと思われます。そこで、こういう説明会そのものを通して、精神疾患に対する理解を深める機会としていただくのも重要なものだと考えておりますが、少し問題があるようです。どのように進められ、何が課題となっており、今後どのように取り組まれるのか、病院事業庁長に質問をいたします。 ◎健康福祉部長(渡邉光春君) (登壇)4疾病に精神疾患が追加されることを受けての3点の御質問にお答えいたします。  1点目、精神疾患が5疾病になることで、県民の医療や福祉の面から何がどう変わるかについてでございます。  全国の精神疾患の患者数は323万人で、4疾病のいずれの患者よりも多くなっていること、患者の早期治療や地域への移行を目的として急性期の入院医療の重点化や訪問診療、訪問看護等の充実を図るとともに、病病診連携を推進することが必要な疾病として精神疾患を国が指定したものでございます。  こうしたことを踏まえまして、県では、病病診連携を基本とし、入院患者の地域生活の受け皿となります就労継続支援事業所などの日中活動の場やグループホームなどの生活の場の整備に一層取り組むとともに、来年度、5年に一度の見直しとなります保健医療計画策定の中で、5疾病とされたことを踏まえました対策を盛り込んでいきたいと考えております。  2点目、障害者自立支援法の施行後の取り組みと成果についてでございます。  平成18年度に策定しました「障害者福祉しがプラン」の重点応援プロジェクトとして位置づけ、3つの主な取り組みを行ってまいりました。
     1つ目でございますが、1年以上の長期入院患者の退院支援です。平成19年度から22年度の4年間で延べ91人を支援し、18人の方々が地域のグループホームなどで生活を送られております。  2つ目は、相談支援体制の充実です。保健所、精神保健福祉センターなどにおいて市町と連携しながら相談を行い、定期的な受診、障害福祉サービスの利用や就労につなげました。また、精神障害者である当事者の方を生活や就労に関する相談員として養成し、平成22年度末までに41人の養成を見たところでございます。  3つ目は、障害福祉サービス基盤の整備でございます。市町とともに日中活動の場や生活の場の整備を促進し、平成23年4月現在で就労支援事業所、授産所でおおむね600人分、グループホーム、ケアホームでおおむね100人分が整備されたところでございます。  3点目、家庭への訪問活動や支援を行うことでスムーズに暮らしていくための対応でございます。  精神疾患は、病気に気づきにくく、みずから受診することが困難なことから、症状が悪化する前に在宅において受診の支援などを行うことが必要でございます。このため、日常的に保健所や相談支援事業所などにおいて訪問活動に取り組んでおり、平成22年度においては、訪問件数は延べ2,830件でございます。加えて、今年度から受療中断者や未受診者を医療と福祉の多職種のチームで、昼間は定期訪問、夜間は電話相談により支える24時間365日の試行事業を、具体的には湖南地域において、精神科医、作業療法士、精神保健福祉士などのチーム支援を10月1日から実施することとしております。こうした取り組みを始めまして、今後とも地域生活への支援の充実強化に取り組んでまいります。 ◎病院事業庁長(村木安雄君) (登壇)医療観察病棟の整備に係ります2点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の医療観察病棟の設置事業のねらいについてでございますが、医療観察法は、精神障害のために善悪の判断がつかない状態で他人に害を及ぼす行為を行った人に専門的な治療を行うことで再発防止等、対象者の円滑な社会復帰の促進を目指しているところでございます。  医療観察制度処遇の流れを簡単に申し上げますと、まず、指定入院医療機関で手厚い医療を提供した後、指定通院医療機関による通院治療、そして、保護観察所で国、県、市町等が参加して開催されますケア会議で社会復帰を促進することとなっております。  こうした流れの中で、本県には指定入院医療機関が未整備でありますことから、国の要請を受けまして、整備しようとするものであります。  また、法施行以降、県内からの対象者は10名となっておりまして、単純に推計いたしますと、毎年1名から2名の患者さんが生まれることとなります。対象者は少数ではございますが、指定入院医療機関の指定を受けられるのは県立病院精神医療センターのみでありますことから、病院機能を整備し、手厚い医療を提供していくことが医療機関としての責務であり、精神障害を持って苦しんでおられる患者さんの社会復帰に貢献したいと考えているところでございます。  次に、2点目の住民への説明をどのように進められ、何が課題で、今後どのように取り組まれるかについてでございますが、医療観察病棟は、平成23年3月31日現在におきまして、既に全国26カ所で整備されております。先進施設の整備に当たりましては、その地域の住民の皆さんからの生活面からの不安といったさまざまな意見が出されてきたという経緯がございます。  こうしたことから、本県の整備に当たりましては、しっかりとした説明ができるよう、施設の安全面や機能面を明確にした上で、精神医療センターの近隣施設や地先の学区自治会、隣接の4学区自治会と、順次、説明を行ってまいりました。また、個別に説明の要請がありました団体には説明会を開催させていただいております。説明会では、医療観察制度やその対象となる精神疾患、施設の概要などを説明し、御理解をお願いしているところでございます。  課題と今後の取り組みにつきましては、周辺地域の住民の方からまだ不安の声も聞かさせていただいているということが課題と受けとめておりまして、皆さんからの声の一つ一つに誠意を持ってお答えするとともに、改善すべきは改善しながら進めたいと思っております。 ◆48番(沢田享子さん) (登壇)この法律ができる段階での議論でもさまざまな議論があったように伺っています。こういう特別の枠をつくることによって、かえって障害のある人、とりわけ精神障害のある人、精神病の人たちに対してより嫌悪な状態を生み出さないかというようなことなどについて懸念がされたところもありますし、それから、世界的な動きでは、精神病患者の皆さん方もほかの病気の人たちと同じように治療を受けて、そして、社会復帰をしていくのだということが当たり前に考えられるようにするためにはこういう特別の病院を持たないほうがいいのだというふうな議論もあるやに伺っています。そういう中で、先ほど事業庁長もおっしゃいました、近隣といいますか、周辺の皆さん方の不安というようなことがあるやに伺っていますが、私は、施設は少し違いますが、滋賀刑務所のあるところのそばで勤務をしたことがありますし、それから、そこで暮らしておられる方々とも知り合いがありますが、病院と刑務所は違います。ですから、違うのですけれども、この医療観察病棟というものが、犯罪を犯した方と、それから、病気を持っておられて、治していかなければならないということとの間にある、そういう組織であるということから、やはり十分丁寧な治療というようなものはされるべきだというふうに思いますけれども、でも、社会復帰をされるようにしていかなければならないということについて、もっと社会的な、みんなの問題にしていかなければならないというふうに思います。  そういう点で、先ほどは再発防止を避けるということや、治療をする、社会復帰をしていただくというようなことで事業庁長は御答弁でございましたが、伺いますが、質問いたしますが、これらに入院しておられる方々は今まで、全国的に26カ所の施設があるということですけれども、そういうところからですね、再発があったとか、あるいは、そういう方々にはほかの病気の方々に比べて特徴があるとか、そんなようなことなどはあるのでしょうか。そして、地域への、皆さん方への説明のときには、そういったことなども十分ですね、踏まえた説明をしていただくことが必要ではないか、早期発見をして早期介入して、そして、その人らしい暮らしをしっかりやってもらえるようにするための治療を受けられるようにするんだというような点で丁寧な説明が要ろうかと思いますけれども、その点の御答弁を病院事業庁長にお願いしたいと思います。 ◎病院事業庁長(村木安雄君) お答えいたします。  観察病棟で治療された方で、まず、再発があったのかどうかという話でございますけれども、制度ができまして7年でございますけれども、対象となられたのは約1,300名、そのうち退院されたのが600名というふうに伺っております。そうした中で、再発があったというような事例はお聞きはしておりません。  また、今現在、地域の皆さんとの話し合いということでございますが、今はまだ、反対という声の中には、入り口で、危険な施設という思いをお持ちでして、中に入り切れていないという現状がございます。したがいまして、その安全性という面なんですけれども、国のほうでは医療機関の運営のガイドラインというのが決められております。無断退去、いわゆる離院、逃げ出したりというような意味でございますけれども、玄関は二重構造になりまして、1枚の扉があかないと後ろの扉はあかないと。いわゆる、一たん中に入らないと次の扉があかないという構造にいたしますし、また、窓のガラスも厳重なガラスでございまして、椅子を30回当てても割れないというような強硬な防弾的なガラスでございますし、また、病棟内の安全管理体制の整備ということが求められておりまして、監視カメラでありますとか、警備員は24時間体制で行うなどの、安全性では十分に尽くしてまいりたい。また、こうした点をしっかりと説明させていただいて、皆さんに御理解を求めていきたいと思っております。 ◆48番(沢田享子さん) (登壇)逃げ出したいというような気持ちにならないような、いい治療がしっかり病院の中で行われる、そして、希望を持って、ちゃんとここでやっていったら社会に戻れるんだというようなことをしっかりやっていただくことが何よりも重要だと思いますし、そういう点では、お医者さんはもちろんですが、看護師さんとか、治療に当たっていただく方々をしっかり専門の訓練や、あるいは知見をお持ちになっていただいて患者さんお一人お一人に対応していただけるような、医療そのものをしっかりやっていただくということもあわせて地元への説明をお願いしておきたいと思います。そうでないと、閉じ込められているとわかったら逃げ出したくなりますね、だれでもね。ですから、ここでちゃんとしてもろうているとわかったら、しっかりやって出ていこうというような、こういう自分の設計を持てるようになると思いますから、その辺をお願いしておきたいと思います。  次に、大きな質問、3つ目に入ります。  教育長に、県立高等学校再編計画で問われていることについて質問をさせていただきます。  せんだって、あるグループの集まりだったんですけれども、小グループに分かれて話し合いをしました。テーマは「安全・安心な社会とは何か」というテーマでしたが、その場でこんな話がありました。みんな、いろんなことが言える。いろんな考えが出せる。しかし、ここが間違うてるでと言うてもらえて、ありがとう、教えてもらえてと言える社会というのが一番安全で安心な社会なのだということがありまして、真髄をついているなという気がいたしました。  子供には一人一人個性があり、それを存分に伸ばしていけるように、そして、一人一人が自分の考えをしっかり持って周りの人たちと一緒に活動していける、成長していける、働いていける、役に立てる、夢を持てる、そういうようにしていきたいと思いますが、教育制度の改革というものは、その都度、よかれと思って改革を進められてきています。私もここに、議会に臨ましていただいて、その都度、議論をさせてもらいながら賛同をしてきた経緯もあります。そのようにしてきても、やっぱりゆがみとか取りこぼしというのはあるんですね。あります。  で、教育委員会は頑として認められませんけれども、格差があるし、その格差はどんどん拡大してきております。この格差は、みんな、現場で一生懸命やっておられると思うんですが、制度の中の問題点というのがあるわけです。  7月11日には高等学校再編基本計画(原案)、そして、同実施計画(原案)が同時に公表されました。これ、2つが一遍に公表されたということについても問題があると思うのですが、その実施計画の原案のほうに議論が集中している感がございます。  私たちは、さきの代表質問で井阪議員が述べていただきましたように、もっと本質的な教育論議が県内各地で広がって、第二の学校として地域も豊かになって教育力を上げていただく、あるいは、今まで持っておられる地域の教育力に根差しながら、その期待にこたえた再編を目指したいというふうに思います。  私どもが調査で伺ったところでは、特に長浜地域では、高校生くらいまでは長浜の地に、湖北の地に足をしっかりつけた教育をしてもらいたいんだというようなことや、彦根市長さんは、わざわざ私どもの控室にまでお越しをいただいたのですけれども、どこでだれが決めたんやわからんというような決め方でなく、県議会での徹底した議論を求めておられました。  そこで、単刀直入に教育長に伺います。  1つ目。現地では中学生の数が減るというのではなくて、この再編計画では子供さんたちが南進してしまうということを深く懸念をしておられます。子供の数が減るから統合、縮小するというのではなくて、新たな学校をつくるんだというような希望を抱けるものにすべきですし、説明の段階でも、そういうことが伝わっていくような、そういうものにすべきだと考えるのですが、どうですか。  2つ目は、まだこれは原案段階だと承知をいたしております。さきの西村議員の御質問にもありましたが、9月2日の段階でですね、今の中学3年生の進路指導をするに当たって、原案対象校に関しては原案に基づいた応募となるように指示をされたと伺っております。  まだ決まっていないわけですよね。大人が協議途中なんですね。子供さんたちはまだなんですね。協議途中のものについてそのような対応をされますと、いよいよこれから来年度の進路を決めなければならない段階に来ておられる中学3年生に、一層、直接的な衝撃というか、影響が出てしまうことが新たな問題だと思うんですけれども、教育長はどのように考えておられるのか、見解を伺います。 ◎教育長(末松史彦君) (登壇)県立高等学校再編計画で問われていることについての御質問にお答えいたします。  まず、1点目の新たな学校をつくるという希望を抱けるものにすべきとの御質問ですが、今回の再編計画は、少子化など社会の変化や生徒の多様化、生徒数の増減に伴う高等学校の規模の変化等の課題を踏まえ、生徒にとって今まで以上に魅力と活力ある学校づくりを目指していきたいとの思いから進めてきたものであります。  再編計画原案では、湖東地域と湖北地域において学校の統合を考えておりますが、新たに統合の上、スタートします学校においては、両校の伝統を受け継ぎながら、多様で特色ある学びを展開することにより、他の地域からも生徒が集まるような魅力と活力ある学校づくりを進めていきたいと考えております。  次に、進路志望調査についての御質問にお答えいたします。  中学校および特別支援学校中等部卒業予定者の第1次進路志望調査については、毎年9月の中旬までに報告いただくよう各市町教育委員会へお願いしております。  今回、高等学校再編計画(原案)を公表したことにより、市町教育委員会より調査の前提をどのように考えればよいのか、あいまいなままでは進路指導も難しいというお問い合わせがあったことから、現在、公表している高等学校再編計画は、原案の段階ではありますが、このまま原案が進めばこうなるということを生徒がわかった上で選択できるようにすることが混乱が生じないと考え、再編計画が実施に移された場合を想定して調査をお願いしたものでございます。 ◆48番(沢田享子さん) (登壇)教育長にもう一度伺いたいと思います。特に後のほうです。  原案ですから、原案はそのままになるかもしれないし、そのまま実施されるかもしれないんですが、原案というものの位置づけから考えてみたときに、それでは何のためにこれから後、議論をするのか、議会だけでなく、本会議でなく、委員会などもありますし、それぞれの教育委員さんの会議もございましょうし、地方の自治体の地域の教育委員会議もなさると思いますね。何のために、じゃ、議論をするんですか。  原案というものと、それから、この後についてですね、私はせめて、今年はこれは原案の段階ですと、今までどおり、皆さん、進路希望を募ってくださいというようなことにしていくとしても、まだどうなるかもわからないものに対して、生のものを子供さんたちに直接ぶつけるというこの乱暴さ。乱暴だと思うんです。そんなことでは教育改革そのものに、まさに子供を巻き込んでしまうというふうに思うんですが、これについて、教育長は9月2日のこの通知についてですね、撤回をされるつもりはないかどうか、お聞きします。 ◎教育長(末松史彦君) 実施計画および基本計画そのものの原案を7月12日に公表させていただいたんですけれども、その前提のもとに、我々そのものは教育改革そのものを進めていきたいというふうには思っておりますので、その時点におきます撤回と言われるものは今のところ考えておりませんし、この今の状況の中で進めるという場合におきましては、混乱が生じないような形の中で、原案がこういうふうな形で進めばこういうふうになるということをやっぱり想定した中で子供たちにもお願いしたというところでございます。 ◆48番(沢田享子さん) (登壇)県の教育委員会の責任者としてはそのようにおっしゃらないとつじつまが合わなくなっていくのかもしれませんが、しかし、現にそこに学ぼうとする子供さんたち、あるいは今学んでおられるお子さんたち、自分の行き先を決めなきゃいけない、そういう時期のお子さんたち、保護者さんたち、そういう人たちの思いから考えてみたら、全然時間的な余裕を置かないで、だっとやっていく。今、何でも選択の自由だとか何とか言いますけれども、選択をしようと思ったら何がどうなのかということを十分よくわかっていて、その情報が伝えられていて、そして、そのことをのみ込んで、自分でいろいろ選ぶというようなことにならなきゃいけないですし、この選択の自由と言われるようなものであっても、本来つけておくべき学力というものを十分に備えないままでどんどん分けていくということの問題点における格差の拡大ということがあるわけですから、そういう点において、時間の問題で、私は絶対にやっぱりいかんと思うんですよ。9月2日のですね、この通達というものをやはり撤回すべきだと思いますが、どうですか。御自身が高等学校の教員だったころのことを思っていただいてはいけないんです。中学3年生の担任だとか、あるいは中学3年の子供の親だとか、自分が中学3年生だというふうなことに立場を置いて考えていただいたときにどうなのか、もう一遍、教育長に質問をいたします。 ◎教育長(末松史彦君) この今回の再編計画そのものは、子供の視点に立ちまして、生徒一人一人がみずからの進路希望に応じまして、学び、また個性や創造性を伸ばしながらですね、自己実現そのものが図っていけるように、高等学校の教育環境の、そういうふうな整備を行おうというふうなものでございますので、これからの子供たちにとりまして必要な取り組みだというふうに感じております。その面におきまして御提案をさせていただいているということでございます。 ◆48番(沢田享子さん) (登壇)済みません、自分の納得する回答を得るまでやるかというような気持ちで誤解を受けたらいけないんですが、いけないんですが、今、教育長のお述べになったことは、教育改革全体のお考えです。そして、それでよかれと思うものをつくりたいんだというふうに思っておられるということは、教育長の思いは、それは今お聞きしましたけれども、この9月2日の通知を撤回するおつもりがないかどうかということです。それについてもう一遍お答えをいただきたいと思います。 ◎教育長(末松史彦君) 9月2日に通知させていただきまして、それぞれ、今いただきましたやつを集計している最中でございますけれども、そういう中で、それぞれの学校においてそういうふうな調査をしていただきましたことにおきましても、そういうふうな大きな混乱そのものがなかったというようなことも聞いておりますし、そういう面におきまして、今このままで、今のところは進めていきたいなというふうには思っております。 ○副議長(佐野高典君) 以上で、48番沢田享子さんの質問を終了いたします。  次に、7番山本進一君の発言を許します。 ◆7番(山本進一君) (登壇、拍手)皆さん、眠いようですけども、もう少し我慢していただきまして、お話を聞いていただけたらと思います。早速始めさせていただきます。  このたびの東日本大震災後の脱原発政策で全国に広がった電力不足によるエネルギー政策について、また、大津市の中心市街地である県庁周辺地域や琵琶湖岸の県保有施設の活用策について質問をさせていただきます。  まず初めの質問は、脱原発と滋賀県の産業振興についてであります。  今、我が国の企業は2つの大きな困難に直面しております。まずは円高であります。1ドル70円台の超円高は輸出関連産業にとりましては深刻な状態でありますし、我が国の重要な輸出産業である自動車や電機も営業利益が大幅に減少しており、軒並み赤字に転落する可能性も高く、日本経済にとって大変厳しい状況になっています。  もう1つ、我が国の企業を苦しめているのが電力の不足です。嘉田知事は脱原発ではなく卒原発と言っておられますが、原発依存からの脱却であっても、原発からの卒業であっても、言葉はいろいろですが、今の民主党政府では、いつまでにどれだけの原発を廃炉にして、それを補う電気をどうやって調達するのかが全く見えてまいりません。現実をとらえず、時間軸をあいまいにしたまま短絡的、教条的に自然エネルギーを語り、電力の安定供給についてまるで配慮しない脱原発議論は現実的には何の意味も持たないと思います。  また、その一方で、化石燃料にできるだけ依存しない社会経済構造への転換をうたい、温室効果ガスの排出を大幅に削減する低炭素社会の実現を目指しています。  太陽光発電などの自然エネルギーで原発による供給分を代替できるなら、それにこしたことはないのですが、当面は、現実的な電力供給に関してはこれまで以上に火力発電に頼らざるを得ない状況にあります。つい数か月前までは地球温暖化とCO2増加の防止に逆行する施設のように見られていたのに、その人たちはどこに行ってしまったかのように、その声は全く聞こえなくなり、是正議論も停止しています。  今回の東京電力の福島第一原発事故により、原発への依存度を段階的に縮小していかざるを得ないことは国民だれもが認識しているところでありますが、しかし、家庭での節電には限界があること、再生エネルギーが原発にかわるものとなるにはまだまだ時間と投資が必要だということも、そして、電力不足は経済に深刻な影響を及ぼすことも国民は理解しています。  ことしの夏は国民一人一人の努力と企業の工夫によって何とか乗り切ったようですが、国のエネルギー環境会議において、関西ではこの冬は8.4%、来年の夏は19.3%、需要と供給にギャップがあると発表されております。  電力不足の一方で、滋賀県は工場誘致を進めておられますが、工場立地には優秀な人材と資源、とりわけ水と電力は欠くことができないものであります。言うまでもなく、滋賀県では製造業は重要な基盤産業であります。平成21年工業統計調査では、滋賀県の製造品出荷額は全国16位であり、特に1事業所当たりの付加価値額は全国1位であります。農業、漁業や観光だけでなく、滋賀県はものづくり産業県でもあるということです。  それらのことを踏まえて知事に質問いたします。  片方では原発依存からの脱却、あるいは卒業をうたいながら、片方では滋賀県の工業団地に進出してほしいと企業に呼びかけておられますが、産業用電力の確保をどのように進められるおつもりなのか、自家用発電機導入補助のような制度を考えられるのか、あるいは、電力を余り必要としない工場に限って企業誘致を図られるおつもりなのか、お尋ねいたします。  また、知事は再生可能エネルギーの拡大を言っておられますが、現状では水力を含む自然エネルギーで約10%、太陽光や風力などで賄える電力は約1%です。今後、滋賀県は再生可能エネルギー普及のためにどのような政策をとられるのか、そのことについてどれだけの電気を賄えると考えておられるのかにつきましてもお伺いいたします。  再生可能エネルギーを進めることは、環境県を標榜する本県にとりまして新たなビジネスチャンスを生み出す機会になるかもしれません。そこに唯一希望があるように思いますが、電力不足の中で低炭素社会実現プロジェクトに取り組まなくてはならず、県内の製造業は大変な苦労をしていかなければなりません。県内のものづくりにかかわる人たちが希望の持てる御答弁をお願いいたします。  続きまして、県庁周辺地域の将来構想について知事に質問いたします。  この構想につきましては平成22年3月の議会でも取り上げられましたが、もともとは、滋賀会館など県庁周辺地域のにぎわいの創出という名目で、集合住宅や生涯学習施設に民間主導で転換していこうとするものであったと理解しております。その根底には、利用の予定のない土地を処分してマンションにすることで歳入の確保と人口増加による活性化という図式があったのではないかとは思うのですが、しかし、議会からは「住民の意見をもっと聞くべき」とか「滋賀県の顔となるのか」「大津市と連携すべきだ」とかの厳しい意見が出され、当初の滋賀県がまとめた案をもとに、再度、学識経験者や大津市の関係者を含めた県庁周辺地域の将来構想検討会を開催し、見直しされたものであります。その結果は、旧東海道の町並み特性を踏まえた上で具体的な検討を進めていくということになりました。地元自治体である大津市との協議の中から答えを見出していこうとされる姿勢は評価できるものでありますが、今、協議されている現状が見えてきませんので、幾つか質問をさせていただきます。  まず、危機管理センターについてお伺いします。  検討されているときは東日本大震災が起こっていなかったのですが、現在では県庁周辺地域の将来構想の中でどのように位置づけられておられ、特にその位置は滋賀会館や、いわゆる武徳殿の旧体育文化館などと関連してくることはないのか、お尋ねいたします。  また、大津市では中心市街地活性化の一環として県庁周辺地域の整備のあり方を考えておられるようですが、現在、大津市との間ではどのような議論が進められているのでしょうか。また、滋賀県でも数少ない昭和初期の建築物である武徳殿は解体されるのか、保存活用されるのか、そのあたりの議論の内容もお聞かせください。  そして、最も大事なことですが、滋賀県としては、限られた財源の中で大津市におけるまちづくりの議論を踏まえて、どのように実現されるおつもりなのか、お伺いいたします。  最後の質問は琵琶湖文化館についてであります。  本年7月24日の京都新聞において、琵琶湖文化館の収蔵品である国宝や重要文化財の外部貸し出しが大反響を呼んでいるということや、これからは文化財の収蔵から観光情報の発信へと琵琶湖文化館の役割を変えていかなければならないというコメントも掲載されておりました。限られた予算の中で懸命に努力を重ねておられる学芸員や関係者の努力には心から敬意を表するものであります。  その琵琶湖文化館は、市民を初め大津市からも滋賀県に対し文化館の利活用の要望が出されているようですが、私自身も琵琶湖文化館には特別な思いがあります。  琵琶湖文化館は今から50年前、昭和36年に1億5,000万円の工事費で建設されましたが、そのうち9,000万円は市町村や企業、個人からの寄附によるものでした。文字どおり、琵琶湖の恵みを受けた県民の建てた文化館でした。私が卒業した学校でも、鉛筆を購入することで建設資金の一部になる募金があったことを覚えていますし、文化館にはプールがあったり、展望台や水族館があったり、その前の広場は子供たちの遊び場でもありました。また、琵琶湖湖畔に建つシンボル的な建物で、大津市内のどこからでも見えるようなランドマークにもなっていました。現在は休館されたままで、主に仏教美術の収蔵庫として使用されている琵琶湖文化館でありますが、再利用するにも、現状のままでも大きな問題を抱えています。それは、老朽化に加えて耐震診断がなされていない建物であり、バリアフリーにもなっていないこと、さらに、湖上に建設されていることもあり、改修や耐震補強等に莫大な経費が見込まれます。また、その一方で、湖岸活用をうたった大津市中心市街地の活性化の取り組みを阻む要因にもなっています。  大津市では、びわ湖ホール横の公共空間を活用し、まちの新しいスポットとなる商業・交流施設としてオープンカフェをつくり、琵琶湖の活用と琵琶湖観光の促進を図っていますが、文化館は湖岸エリアの浜大津、大津港周辺とびわ湖ホール周辺をつなぐ重要な位置にあって、その活用が、期待とは裏腹に文化交流施設として生かされていない状況になっています。  そういった現状を踏まえて、知事に質問いたします。  現在、琵琶湖文化館が果たしている機能を継承するため、検討委員会を設置して、仏教美術を初めとする数多くの収蔵品を別の展示保存施設へ移すことが検討されていますが、収蔵されている文化財の問題とは別に、建物自体を今後どのようにされるおつもりなのか、また、湖岸エリアのまちづくりの観点から、現在の琵琶湖文化館についてどのように考えておられるのでしょうか。  最後に、大津市が要望されている文化振興の施設として、耐震対策やバリアフリー化によって再生するおつもりがあるのか、お考えをお聞かせください。  以上で質問を終わります。ありがとうございます。(拍手) ○副議長(佐野高典君) 7番山本進一君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)山本議員の、まず第1問目、脱原発と滋賀県の産業振興についての2点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の産業用電力の確保でございます。  この夏の節電の取り組みに際しましては、県としては家庭やオフィスを中心に取り組むこととし、関西電力さんに対して経済産業活動に影響を及ぼすことのないよう、繰り返し要請を行ってまいりました。  また、関西電力とは県と市町とともに産業立地推進協議会を組織いたしまして、新規企業の誘致活動や県内企業との情報交換会など共同の取り組みを行っておりまして、今後とも産業用に必要な電力が安定的に確保されるよう強く要請してまいりたいと考えております。  次に、自家用発電機導入補助についてですが、現在、国のほうで準備をしております3次補正予算案で自家発電・コジェネの導入支援が検討されておりまして、その動向を注視してまいりたいと考えております。  3点目の企業誘致についてですが、関西電力に、引き続き安定供給を要請しつつ、本社や研究開発機能を有する付加価値の高い企業や景気動向に左右されにくい食品や医薬品などの内需型企業の誘致に滋賀県としては力を入れ、足腰の強い本県産業の振興を目指してまいりたいと考えております。  次に、再生可能エネルギーの普及のための政策でございます。  現在、個人住宅への太陽光発電の導入に対して積極的な助成を行っております。また、昨年度実施した再生可能エネルギーの賦存量調査では、太陽光のほか小水力発電や風力発電などにも一定の利用可能量があるとの結果が出ております。しかしながら、再生可能エネルギーの普及には、議員も御指摘のように、経済性や法規制、技術面などさまざまな課題がありますことから、先進事例も含めて、そうした点について調査を行い、今後どうすれば普及できるのか、事業所や市町とともに検討していきたいと考えております。  次に、どれだけの電力が賄えるかについてであります。  昨年度の調査では、あくまでも理論上の利用可能量ということにいたしました。一戸建て住宅に設置する太陽光発電により全家庭で消費される電力量の約20%相当分、小水力発電により県内で消費される電力量の約5%相当分の電力を賄えるとの結果となっております。  ただ、現実的にどれだけ利用可能な電力が得られるのか、先ほど述べましたように、経済性、技術面などの課題がありますことから、今後、調査研究してまいりたいと考えております。  議員御指摘のとおり、県内には太陽電池や蓄電池などの再生可能エネルギー関連産業が集積しております。先日発表されました関西経済研究所の発表によりますと、特に関西の中でも滋賀県は雇用増加、生産額増加において、この再生可能エネルギー普及促進を図ることが経済振興にもつながるとの指摘を受けております。そのような意味で、この分野への県内中小企業の参入や新規創業には積極的につなげてまいりたいと考えております。  次に、県庁周辺地域の将来構想についての5点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の危機管理センターの位置づけと、2点目の県庁周辺地域の県有財産との関連でございます。  昨年10月に策定をいたしました県庁周辺地域の将来構想では、危機管理センター機能の新たな確保に関しては、別途、早急に検討するといたしました。  一方、危機管理センターの立地条件については、知事や関係職員が迅速に参集できる県庁敷地内またはその周辺に整備することが望ましいといたしまして、現在、危機管理センター基本計画検討委員会で検討をいただいております。センターの位置については、この委員会での御意見等を踏まえて早急に決定していきたいと考えております。  3点目の大津市との議論の状況、4点目の武徳殿の現存・解体の議論についてでございます。  県庁周辺地域の県有財産の土地利用の方向性については、今年度、大津市が設置されるまちづくりの検討会に県も主体的に参画し、望ましい都市機能について議論をしていくこととしております。  検討会の開催については、現在、大津市において調整をされているところであります。今後この検討会の中で、さまざまな条件を念頭に、武徳殿も含めて議論がされるものと考えておりまして、その都度、適時、議会に報告をさせていただく予定でございます。  5点目の大津市の検討会を踏まえた今後の利活用方法についてでございます。  県としては県庁周辺の現状や他府県の活用事例等を提供するなど、県庁周辺が県の顔として歴史と風格あるまちづくりにつながるよう、大津市の検討会に積極的に参画していく予定でございます。  県庁周辺の土地利用については、こうした検討会での議論を踏まえた上で県議会や県民の皆さんの御意見をお聞きしながら、県として主体的に決定してまいりたいと考えております。  次に、琵琶湖文化館に関する3点の御質問にお答えいたします。
     まず、1点目の建物自体を今後どのようにするつもりかでございます。  琵琶湖文化館は、議員も御指摘のように、昭和36年、皆さんの浄財によってつくられた、まさに心のこもった、また、600万人以上の方たちが利用したシンボリックな施設でもございます。そのような中にありまして、この文化館の方向については、私自身も丁寧に皆さんの御意見を聞いて、議論を重ねて、具体的な最も望ましい方向を考えていきたいと思っております。  平成21年に策定をいたしました公の施設見直し計画において、現施設の機能は廃止をし、別の展示保存施設の確保に努めることとしておりまして、それまでの間は、現施設において、特に貴重な仏教美術の保管を継続することとしております。  また、今年度は、外部の専門家等によります近江の仏教美術等魅力発信検討委員会を設置いたしまして、別の展示保存施設について検討を行っていただいているところであります。これまで3回の会議が開催され、別の展示保存施設については安土城考古博物館、琵琶湖博物館、県立近代美術館の3館を比較検討いたしましたところ、県立近代美術館の活用を中心として検討していくという考え方が示されたところであります。今年度中に最終報告を取りまとめていただく予定でございます。来年度以降、この検討委員会における議論を踏まえ、県としての方向性を決める必要があると考えております。現在の建物自体については、当面、貴重な文化財をしっかりと収蔵、管理するなどの役割があるため、別の展示保存施設の確保方策の方向性を県として決めた後、別途、検討していくべき重要な課題であると考えております。  次に、2点目の湖岸エリアのまちづくりの観点からでございます。  議員御指摘のように、施設としての思い出深いものでございますが、一方で、人々の湖岸エリアでの移動の阻害になっているという御指摘もいただいております。ちょうど9月17日から「大津まちなか食と灯りの祭2011」が開催されているところですが、大津市では市民、事業者、各種団体、行政など幅広い主体が連携、協力して中心市街地活性化に取り組まれております。私も常々申し上げておりますが、この大津の琵琶湖岸というのは、例えば海外でいいますと、スイスのレマン湖畔のジュネーブにもまさるとも劣らない大変重要な水辺の地域であると考えております。こうした中、琵琶湖文化館は湖岸エリアのまちづくりの観点から重要な地点に立地していることも承知しております。先ほど申し上げましたように、現在の建物自体の検討の際には十分配慮すべき事柄であると考えております。  次に、3点目の大津市から要望いただいております文化振興の施設としての再生についての御質問でございます。  ことしの6月24日、大津市長、目片信市長様から建物についてのバリアフリー化などの御要望をいただいております。先ほど申し上げましたとおり、建物自体については、別の展示保存施設の方向性を決めた後の検討課題となってまいります。その際には、地元大津市のお考えを十分お伺いしながら決めていくことが重要であると考えております。 ◆7番(山本進一君) (登壇)再質問を、1点目の質問に対して、関連でちょっとさせていただきます。  知事は富田議員の代表質問で、低炭素社会づくり推進に関する条例について原発事故の影響による変更の必要性を問われ、省エネが広まっており、時期尚早だとして必要ないとの考えを示されております。また、卒原発と低炭素社会実現の二兎を追うには無理があるのではとの指摘に対し、短期的には排出量がふえるが、効率のいい発電法の開発や普及で減少も見込まれるとして条例の目標実現への意欲を示されましたが、少し矛盾があるように思われますのでお聞きいたします。  天然ガスを使った発電もCO2は排しますし、効率のよいコンバインドサイクル発電もCO2を排します。要は排出量の少ないか多いの問題で、火力発電はCO2を排出することに変わりはなく、それに加えて、脱原発による電力不足で、廃止された効率の悪い火力発電を修理して再稼働をしております。そこへもって、年末までに関西電力の原発は11基中10基が停止をします。このことから、CO2排出量がふえることは明らかであります。また、知事が座長をしておられるエネルギー検討会において、この冬の電力需給の見通しの中で家庭や企業を中心に節電協力を呼びかける考えを示されましたが、その一方で、産業用は切るところまで切っていて、負担をかけたくないと述べておられます。  このままいくと全原発がとまり、総電力量が少なくなり、原発の再稼働がなければ知事が言っていることはクリアできないと思うんですけども、このことに関してお答えをお願いしたいなと思います。  また、知事は原発の再稼働は必要だと思いますか。そのこともお聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(佐野高典君) 山本議員、第1問目の答弁に対する再質問という形をとっていただきたいと思いますので、今の質問は、若干、第1問目の答弁から外れているということでございますので、答弁は求めません。 ◆7番(山本進一君) (登壇)わかりました。  もう1点、お聞かせ願いたいと思います。  琵琶湖文化館のことについてですけども、県のほうで、もし建物の取得を大津市のほうが求められたら協力する用意はあるかないかをちょっとお聞かせいただきたいと思います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  前半のほうについては、質問ではないという御理解でよろしいでしょうか。 ○副議長(佐野高典君) はい。 ◎知事(嘉田由紀子さん) それでは、後半の琵琶湖文化館についてですが、大津市さんのほうで、今、県庁周辺はですね、検討会を始めますし、また、大津市は中心市街地の活性化、水辺から含めて大津駅まで考えていただいております。そういう中で、琵琶湖文化館を活用するというような御提案が出てきましたら、その時点でまた相談をさせていただきたいと思います。 ◆7番(山本進一君) (登壇)では、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(佐野高典君) 以上で、7番山本進一君の質問を終了いたします。  最後に、20番木沢成人君の発言を許します。 ◆20番(木沢成人君) (登壇、拍手)早速、通告に従いまして、大きく2項目について質問をさせていただきます。  まず初めに、家庭医育成について、すべて知事にお伺いをいたします。  平成23年度実施の第44回県政世論調査の集計結果速報値によると、県で力を入れてほしい政策の第1位がアンケート項目の健康分野における在宅医療の推進や介護サービス、医療施設の整備で、24.5%の値となっております。過去2年間に行われた県政世論調査結果でもこの分野は第1位となっており、また、その具体的施策の要望の中では、質の高い医療サービスの提供体制の整備および医師確保の総合的な対策の推進を求める数値が高くなっているなど、県民の医療施策の充実を求める声は県内における深刻な医師不足と、そのことに伴う地域医療をめぐるさまざまな問題を反映したものとなっております。  県内の他地域と同様に、東近江医療圏においても、東近江市の国公立3病院の急激な医師不足により2次救急医療が担えなくなり、そのため、3次救急医療を担う病院の過度な負担が生じていることを初めとし、さまざまな課題を抱えております。  こうした課題の解決に向け、滋賀県地域医療再生計画のもと、3病院の再編が具体的課題として議論され、また、滋賀医科大学への寄附講座の設置など、当該地域の医療再生に向けて、昨年来、県、市、各医療関係者の連携のもと、対策が講じられてきたところであります。  この一連の流れの中、当該3病院の一つ、東近江市立蒲生病院については、現在120床を抱える病床をゼロもしくは60床に削減するという方向性が東近江市立病院等整備計画の中で示されたことを受け、「すわ病院がなくなる。つぶれる」「お医者さんがいなくなる」といううわさが町じゅうに飛び交い、ベッドは残してほしい、病院は何としても存続してほしいという多くの声とともに、地域住民の間で急激に危機意識が高まりました。  その過程の中で、具体的にベッドが要る要らないとはどういうことか、入院するということと在宅医療とはどのような違いがあるのか、専門医の受診と総合医の受診の違いは何か等々、住民側もしっかりと医療サービスの受け手として情報収集、状況把握に努め、そして、地域としての判断を下していこうという思いから、地区まちづくり協議会や自治会連合会が主体となって勉強会や先進地研修を重ねるなど、この問題に取り組んできたところでもあります。  本年2月20日には東近江市あかね文化ホールにおいて、東近江市蒲生地区まちづくり協議会が主体となり、滋賀医科大学柏木副学長による「みんなで考えよう! 今後の地域医療」をテーマとした講演会、勉強会が開催されました。地元地区住民を初めとし、周辺地域からも多数の住民が聴講し、この問題に対する関心の高さを改めて実感するところとなりました。  また、去る8月2日には、同ホールにおいて滋賀医科大学家庭医療学講座、東近江市蒲生地区まちづくり協議会、東近江市蒲生地区自治会連合会、3者主催の家庭医療学講演会が開催されました。地区まちづくり協議会や自治連としても地域医療のあり方を模索し、勉強を重ねる中で、家庭医、総合医に着目し、このことを住民に広く周知する必要性を感じての開催でありました。当日は、多数の地元住民に加え、この講演会の開催を聞きつけた京都府内の若手医師も参加されるなど、充実した勉強会となりました。  そして、この8月25日には、東近江市域の各医療関係者、県、市、市議会、地区まちづくり協議会の代表が委員として集う東近江市立病院体制整備委員会の第1回会合が開かれ、この1年間の市内各域での議論を踏まえ、より具体的な市立病院の整備の方向性が検討され始めました。この中で、県、市、滋賀医科大学の3者による家庭医療学講座開講についても、その方向性が示されたところであります。  こうした背景を受けて、以下、お伺いをいたします。  まず初めに、この家庭医育成について、全国的な現状をお伺いいたします。  また、県外他地域における取り組みに対してどのような評価をされているのか、あわせてお伺いいたします。  そもそも滋賀県内において、なぜ家庭医の育成を進めていこうとされるのか、滋賀県が直面する地域医療の課題とその解決策の観点からお伺いをいたします。  また、他府県とは違う滋賀県独自の取り組み、あるいは、滋賀県の地域特性をかんがみた取り組みがあればお示しをください。  今議会に提案されている補正予算において、家庭医養成プログラム事業として滋賀医科大学におけるプログラム開発関係予算400万円が計上されております。今後、県が目標とする家庭医の確保を具体的にどのように進められるのか、お伺いをいたします。  地元地域における住民議論に参加し、実感したところでありますが、この家庭医育成を県として推し進めるに当たっては、医療サービスの受け手である県民の理解が欠かせません。大多数の県民がイメージしている、総合病院へ通い、専門医ごとに診察を受けるという医療サービス受診の形態からは大きく異なる、家庭医による医療サービスの提供形態について、現段階では多くの県民の理解が不十分であると思います。  先ほど述べた家庭医療学講演会においては、静岡県家庭医養成プログラム指導医の佐野潔先生が「何でも気さくに診、いつでも相談に乗ってくれる」という総合診療の内容について、ある家庭の事例、家族関係に触れながら説明をされました。その家庭のお子さんの胃が痛いという症例については、通常の病院では何らかの具体的疾患を疑い、「直ちに検査してみましょう」とか「胃薬を処方します」ということになりますが、実際に話をよく聞いてみると、親との関係がうまくいっていないことがわかり、精神的なストレスに起因することが判明しました。この場合、親にもしっかり話を聞き、その中で両者の関係性をうまい方向に誘導する、そのような役割も家庭医、総合医は担っていかなくてはならないことを話されました。  また、同じく講師のサウスダコタ大学家庭医療学臨床助教の萩原裕也先生は、日本と違い、人口密度が低く、医師の偏在が激しい赴任地における、まさに何でも屋としての実態、例を挙げると、風邪等の軽微な疾患はもちろんのこと、簡単な外科手術やお産の取り上げ等、あらゆる症例に対応しなくてはならない総合医療について、スライド事例を紹介しながらわかりやすく説明をされておりました。  また、若い日本人の医学生が、日本国内では研修医体制が不十分な総合医療分野での技術習得のため、米国を訪れているという医療研修体制の実情、そして、現地での研修プログラムについても、実体験をもとに詳しく説明をされておりました。  講演会終了以降、聴講された参加者の方にお話をお伺いしましたところ、「今まで漠然としていた総合医や家庭医というもののイメージがより具体的に理解できてよかった」「何でも診てくれる先生が本当に近くにいてくれるようになるなら、今よりは安心かもしれない」「医者不足で地元の病院がなくなるという話ばかり聞いていたので不安だったが、少し考え方が変わった。勉強になった」等の声もいただきました。  病院問題が地域住民の最大の関心事であり、また、その危機意識からこうした講演会における聞き手としての感度も高いという状況にはあるとは思いますが、逆に言うと、県全体、県民一般という視点で考えるならば、家庭医に対する理解はまだまだ低いのではないでしょうか。  こうした状況のもと、どのように家庭医という名称、そして、総合医療というその医療サービスの内容についての県民理解を深めていくのか、その具体的手法についてお伺いをいたします。  家庭医を中心とし、訪問診療、在宅医療を推し進めていくには、さきに述べたように、医療サービスを受診する住民側の意識改革と、地域に入っていく家庭医を受け入れる体制整備が不可欠であります。一人一人の患者個人の課題だけではなく、疾患の背景としても時には位置づけられる個々の家庭や地域社会のさまざまな課題と向き合うことが求められるのが家庭医とするならば、患者が住まう地域全体への深い理解が欠かせません。そのためには、地域のさまざまなコミュニティーと医師とのふだんからのコミュニケーションが今以上に必要とされます。地域で医者を育てるという言葉もあるようですが、地域との関係を具体的にどのようにつくっていくのか、お伺いをいたします。 ○副議長(佐野高典君) 20番木沢成人君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)木沢委員の家庭医育成についての7点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の家庭医育成についての全国的な現状でございますが、大学や病院、診療所などさまざまな主体によりまして個々に取り組まれているところが127カ所あると理解しております。このうち県が関与し、取り組んでいるのは静岡県、福井県、高知県などでございます。  2点目の県外での取り組みに対する評価ですが、在宅医療を担う医師の確保につながる取り組みと大いに評価をしております。例えば静岡県においては、本年度、8人の定員に対して11人の応募があったと聞いております。  3点目のなぜ家庭医の育成を進めていくのか、滋賀県が直面する地域医療の課題とその解決策の観点からという御質問にお答えいたします。  まず、なぜ家庭医の育成かでございますが、3点あると思っております。  1つは人口構造の急速な高齢化でございます。現在、滋賀県内では毎年1万1,000人、お見送りをしているわけですが、これが20年後、団塊の世代が寿命を迎えるときには1万7,000人近くになる。その人たちをどのようにお送りするかという人口構造の問題でございます。  そして、2つ目には、県政世論調査などでも出ておりますけれども、今は8割の方が病院で亡くなるわけですが、できるだけ最期までなじみの自宅でというような希望が5割以上ございます。そのような人々の希望をかなえるにはどうしたらいいかという点でございます。  また、3点目、高齢化の中で、これまでの病から死という問題、その流れの中で病、老い、死という、老いに直面をしなければならなくなっております。この老いの部分は必ずしも高度の専門医療である必要はなく、介護、看護を含めて多様な皆さんの支援が必要ということになります。そのような中で、地域で他職種と連携しながら患者の皆さんの願いにかなう形での医療福祉体制をつくり上げていこう、そして、在宅みとりまでを一貫して実践できる家庭医の確保が重要ということを県としても考えているところでございます。  4点目に、本県の取り組みあるいは地域特性にかんがみた取り組みでございますが、本県独自といたしましては、議員御指摘のように、今、東近江市では滋賀医科大学、医師会、また市と県が入りまして、4者によります家庭医、かかりつけ医の育成に取り組もうとしております。あくまでも地域を基本とするという考え方のもとに大学、民間、行政が一体となって取り組みを進める手法は本県独自のものとして地域性をかんがみたものと考えております。  次に、5点目の家庭医の確保を具体的にどう進めるかでございます。  県内における育成拠点としては東近江地域で実践し、その成果として、この地域で育成された家庭医が県内各地で活躍していただけるよう努めてまいりたいと考えております。  また、本年6月にはNPO滋賀医療人育成協力機構を設立をしていただいております。こちらで実践をしております里親交流事業などを通しまして、医学生が滋賀のさまざまな地域に溶け込み、開業医や病院の方々との交流を進めることによりまして、卒業後、本県の地域医療に従事してもらえるよう取り組んでまいりたいと考えております。  6点目の県民理解を深めていく具体的手法でございます。  県民理解の基本は、地域で安心して暮らすためには病院医療から地域医療との意識の醸成が必要であります。家庭医の役割、重要性、また、専門医療と総合医療の違いなどをフォーラム、広報媒体を通じてわかりやすくお伝えし、県民理解を深めてまいりたいと考えております。議員も今、具体的に御指摘をいただきましたけれども、病というのは特定の部分疾患だけに限りません。体全体、人間全体の問題とも深くかかわっているところでございます。そういう中において、保健所単位での医療福祉ビジョンづくりなどとも連携をしながら県民理解を深めていきたいと考えております。  最後に、医師と地域との関係をどのようにうまくつくっていくかでございます。  地域住民が主体となって、上手なお医者さんのかかり方の勉強会など、大変重要だと考えております。そのため、この8月末には医療福祉を考える創造会議が発足したわけですが、その中でも、医療福祉を県民が守り育てていく取り組みが重要であるということを指摘いただいております。  特に、県民の皆さんからは看護師さんあるいはお医者さんに感謝の気持ちを伝えていただくことによって医療従事者の方もやる気を持っていただけると思っております。昨年は、看護師さんありがとうメッセージを寄せていただき、歌もつくりました。今年度は、お医者さんありがとうメッセージを寄せていただきまして、その中からお互いのコミュニケーションの醸成を図っていきたいと思っております。  このような継続的な取り組みをしていく中で、県民、医療福祉関係者との信頼関係を一層深めていくことにつながり、結果として、地域に根差した医師、また、地域住民から信頼される医師の姿を知った医学生、若手医師はもとより、高校生など若い世代の中から地域医療を志す若者があらわれてくることを大いに期待をしたいと思っております。 ◆20番(木沢成人君) (登壇)1点だけ再質問させていただきます。  家庭医の確保を具体的にどのように進めるのかという質問に対して、育成拠点について東近江地域を考えていただいているという答弁があったかと思いますが、まさにこの問題、先ほど申し上げましたようにですね、東近江の市立の病院体制整備委員会の2回目が来月早々行われるわけですけども、今まさにそういう意味で市のほうも、その辺、詰めの段階に入ってきている部分ではあるんですが、その中でですね、家庭医、具体的には平成25年度からその辺のスタートをするところの最初の部分のお医者さんについては、何とか確保の見込みがあるというようなことも私は伺っているんですが、その後ですね、育成をしていく部分、研修医さんを育てていくという部分についてですね、市議会のほうなんかでも、ちょっとそこの部分の予算的裏づけは本当に大丈夫なのかという声があります。もともとこれ、地域医療再生計画、国のほうの政権交代前にですね、100億という大きなフレームがあってですね、その中で、滋賀県もその中の一つということになっていたかと思いますけども、それ以降、大幅に予算が削減される中でいろんな見直しを行ってきているという経緯がありますので、そういう前例もあることからですね、ちょっと住民さんを含めて、本当に大丈夫なのかというところの心配がありますので、今申し上げた点についてですね、知事のほうから、逆に、本当に大丈夫だというようなしっかりとした力強い答弁をいただけたらありがたいんですけれども、お願いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  家庭医の育成につきましてはNPO滋賀医療人育成協力機構が中心になっていただきまして、滋賀医科大学、あるいは県の医師会、また、病院協会会長などを含めて組織をつくっていただきまして、こちらに県としても補助金、委託金を出して育成をいただくことになっております。それにプラスしてということでございましょうか、ちょっと質問の意味がよくわからなかったんですけれども。 ◆20番(木沢成人君) (登壇)県のほうから予算を出していただく中でですね、大もとでいくと、国の地域医療再生計画に基づいたお金が国のほうからおりてくるかと思うんですけども、先ほど申し上げたように、100億の計画があったときもですね、100億でこれは大丈夫やと、これで滋賀県の地域医療再生はもう本当にばっちりいくんだというようなことがあってですね、いきなりああいうことになりましたので、その意味で、まだ最終的に、国とのその辺の調整はこれからだということを原課からも伺っているんですけども、その点においてですね、そのことをしっかり知事としても国のほうとの協議を含めてですね、予算を担保していくというその部分がちょっと欲しかったので、お願いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  東近江の医療再生につきましては、国立病院八日市病院、それから滋賀医科大学、東近江市が中心になっていただいて、そこに県が支援をさせていただくということで動いております。  これまでの経緯を踏まえてですね、県としては今の医療再生計画の中でできることをやらせていただき、また、この後、国のほうもプラスアルファがありましたら、それで考えさせていただきたいということでございます。 ◆20番(木沢成人君) (登壇)それでは、2項目めの質問に移らせていただきます。  次に、県人会について、一問一答方式ですべて知事にお伺いをいたします。  近江商人の経営哲学としての「三方よし」すなわち「売り手よし、買い手よし、世間よし」という言葉は今や世間のよく知るところとなりました。他国での商業活動を行う近江商人は行商先での信用を築く必要があり、したがって、自己の利益よりも売り手や買い手、その行商先のためを思う精神を重視しておりました。これは、古くからの歴史文化に裏打ちされた近江独特の生活規範の反映であります。しかも、ひそかに善行を行う「陰徳善事」が信条でありました。つまり社会貢献を視野に置いた商いを大切にしていたということであります。まさに経営学の泰斗、ドラッカーの唱えるCSRそのものであります。  初代伊藤忠兵衛は「商売は菩薩のわざ」と唱えましたが、その心は、商い道のとうとさは売り買いいずれにも益し、世の不足を埋める、という共存共栄の精神であると説きます。また、山中利右衛門家の家訓にも、その取引が社会全体の幸福につながるものでなければならない、と説きます。近江松居家の屋印にある「星とてんびん棒」は勤勉をあらわし、朝早く起き、星がまだ出ている間に家を出て、中山道などの街道を歩いて、また、星が出ているときに目的地に着く、勤勉に懸命に、額に汗して働くことの大切さと、てんびん棒は「三方よし」のバランス感覚をあらわしているとされます。こうした精神のもと、全国各地に足跡を残した近江商人ゆかりの方々、県外に住まう県内出身者が集う全国滋賀県人会は1964年に発足いたしました。1989年には国内21県人会、海外8県人会を統合した全国滋賀県人会連合会が活動を開始し、1990年には伊藤忠商事の越後会長が全国滋賀県人会連合会の初代会長に就任、同時に、広報誌「全滋連」が発刊いたしました。現在は、47都道府県すべてに滋賀県人会が設立され、海外にもドイツやフランスなどの欧州諸国を初め、15の滋賀県人会が設立されております。  県人会として全国組織となっているのは滋賀県のみであります。会員数7,000人を擁し、親睦と相互協力のもとで推進されている県人会の各種事業、および後進に対する指導の輪を広げようと日夜努力されているところであります。専従職員はボランティアで奉仕されており、まさに陰徳善事の信条を地でいく活動をされております。  まず、この県人会、全国滋賀県人会連合会について知事はどのように評価されているのか、お伺いをいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  全国滋賀県人会連合会ですが、まさに議員御指摘のように、近江商人の精神、陰徳善事を地でいく活動をしていただいておりまして、国内外にある71の滋賀県人会の連合体としてネットワークを形成し、滋賀県出身者、また、ゆかりの方々のきずなをさらに深めるべく、各県人会の活動を支援されております。県の事業へもさまざま御協力をいただいている団体と、大変深く感謝を申し上げております。  また、日本国内はもとより世界中からふるさと滋賀への熱い思いを皆様からお寄せいただいておりますことは、いつも全滋連の雑誌などを見せていただき、私自身も大変心強く、県政を預かるものとして大きな励みとなっております。 ◆20番(木沢成人君) (登壇)それでは、次の質問ですが、東京の東日本橋に立地する県人会連合会の事務所には、首都に集積するさまざまな企業とのビジネスチャンスを求め、また、県人会のネットワーク、人脈に期待し、毎日のように本県ゆかりの方々の来客があり、実際、そのネットワークを生かしてさまざまなマッチングが行われているところであります。決して立地は便利な場所ではございませんけれども、インターネット等で検索し、訪れる方が多数いらっしゃると伺っております。  本県の首都における出先機関としては東京事務所がございますけれども、では、東京事務所と県人会はどのように連携されているのか、お伺いをいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  東京事務所においては、元気な滋賀を全国に発信していくためには人や情報が集まる首都東京での人脈づくりが大事と認識をしておりまして、県人会とも連携を図っております。  そうした中で、今回初めて10月に開催するイベントがございます。東京滋賀県人会を初め関東地方の各県人会等と連携をいたしまして、首都圏で活躍する滋賀県ゆかりの人々が一堂に会して親睦と交流を図る「淡海の人大交流会」を開催する予定です。ここでは、田原総一朗さんが実行委員長となってお声をかけていただいております。こうした機会を通じて、新たなビジネスチャンスにつなげるなど、今後ともふるさと滋賀のきずなで結ばれていたネットワークをお持ちの滋賀県人会との連携を図っていきたいと考えております。 ◆20番(木沢成人君) (登壇)それでは、次に、この県議会におきましても議論が交わされたところでありますが、いよいよ来春、東京に進学する滋賀県出身の学生支援を目的とした新しい湖国寮が開寮をいたします。県人会としてもこれをサポートすべく、県人会における次世代育成事業の位置づけの中で、食育の推進、具体的には近江米を初めとする県産農水畜産物を食堂メニューとして提供すべく、現在、各種団体と協議を進められていると仄聞をしております。こうした取り組みを県としてどのように評価されているのか、お伺いをいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  遠くふるさとを離れた学生の皆さんが湖国寮での生活を通して、近江米を初め、安全、安心でおいしい滋賀の食材を食することで、改めて郷土への思いをはせ、愛着と誇りを一層深めていただくことができると思っております。  ここにいるときにはわからない、離れて初めてわかる郷土の食ということもあると思います。東京で若い世代の人たちに滋賀の魅力、おいしい食材を伝えていただくことは大いに期待をさせていただきたいと思います。 ◆20番(木沢成人君) (登壇)今の食育と同様に、次世代育成事業の位置づけの中で、大学生さんが多いと思いますので、就職も見据え、県出身者のさまざまな企業人の方を招いてのキャリア教育や、また、近江の歴史や文化に関する講座設置等も企図されているところであります。こうした取り組みに対して知事はどのように評価されるのか、お伺いをいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  滋賀県の歴史、文化、また近江商人から引き継がれたビジネスの精神などを滋賀県にゆかりのある現在の若者が身につけることは、これからの滋賀あるいは県人会活動を担う人材の育成という観点からも大変重要であると思っております。幅広い人的ネットワークを有する県人会だからこそ、こうした事業を自主的に企画、実行されますことは会の特徴、また蓄積を生かした取り組みであると評価をさせていただきたいと思います。 ◆20番(木沢成人君) (登壇)それでは、次に、これも以前からこの議場で何度も私、取り上げさせていただいておりますが、県では、現在、滋賀に誇りを持ち、幸せや豊かさを実感して暮らせる滋賀の実現と、地産品の消費拡大、観光客、交流人口および定住人口の増加、企業の誘致による投資の呼び込みなどによる地域の活性化を目的として、滋賀・びわ湖ブランドの推進を図られ、この7月には滋賀・びわ湖ブランドネットワーク設立総会が開催されたところであります。こうした県のブランド推進における県人会の位置づけについてお伺いをいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  滋賀・びわ湖ブランドですけれども、平成16年には47位であったものが、その後、38位、29位、そしてまた、最新の情報によりますと、36位に戻ってしまったというようなことで、私自身も、努力をしてもなかなか報われないという思いに立っております。  そういう中で、県人会はふるさと滋賀を思う方々によって全国、そして世界各地で活躍されておりますので、滋賀・びわ湖ブランド向上の一翼を担っていただけるものと期待をしております。
    ◆20番(木沢成人君) (登壇)今、一翼を担っていただけるものと期待という答弁がありましたけれども、先ほど申し上げた、例えばブランドネットワークのですね、委員さんを見ていますと、それは県内のメンバーさんに限定されるんですけども、そうすると、今、一翼を担っていただきたいという中で、具体的に何らかの、県人会さんにお願いといいますか、その人たちの意見を聞いていただくような場といいますか、機会というのを設けていただけるというようなことでよろしいでしょうか。確認させていただきます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  企画調整の担当のほうにそのような機会がつくれるかどうか、また提案をしていきたいと思います。 ◆20番(木沢成人君) (登壇)それでは、次に、この既存の資産としてのネットワーク、その強みを生かせというのがこの質問項目全体の趣旨であります。その強みというのは、先ほど申し上げたように、全国でいくと47都道府県すべてのところにそのネットワークがあり、さらに海外にもかなりのネットワークを持っているという部分なんですが、このネットワークを生かすという点では、災害対策等における分野も重要かと思います。  このたびの東日本大震災のような大規模災害や福島の原発事故のように非常に広域に影響の及ぶ災害対応には広域の協力体制が不可欠であることを多くの国民が実感したところであります。その意味で、先ほど申し上げましたように、全国47都道府県に組織を持つ県人会のネットワークを防災あるいは災害対策に生かしていくことも必要だと考えるわけですけれども、このことについて所見をお伺いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  東日本大震災の被災者に対して全国の滋賀県人会の皆様から義援金をお寄せいただきました。感謝申し上げます。  滋賀県人会は、議員御指摘のように、全国に強いネットワークを持っておられます。活動も活発であると認識をしておりまして、今後、広域災害について県人会から活動の御提案をいただき、また、県としても、どういった協力がしていけるものか、考えていきたいと思っております。 ◆20番(木沢成人君) (登壇)ただいまの質問までですね、県と県人会の役割といいますか、連携といいますか、県における位置づけ等々を伺ってまいりました。その中で、平成20年度以降、これは県全体の財政が非常に厳しいということの中でですね、県人会に対しても、これまでずっと予算がついているわけなんですけれども、県人会向けの予算が、20年度以降、削減されてきております。そういう背景の中でですね、来年度以降、予算面も含めてですね、どのように県人会組織とですね、協働をされていくのか、お伺いをいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  県人会連合会の活動に対しては、全国的に他府県の補助状況などを見ましても遜色のない支援を行っていると認識しております。  さきにも述べましたように、県人会は国内外に大きなネットワークを持っておられる大変重要な組織だと考えております。県としても、そのネットワークを生かされた活動の中で協働できるところがあると考えております。 ◆20番(木沢成人君) (登壇)県人会さんのほうもですね、私もおつき合いがあるので中身というか、ある程度はわかっているんですが、やはり組織自体が、人の面でいきますと高齢化がどんどんされている部分というのがあると思います。そして、そのすそ野といいますか、新規会員さんが、若い世代も含めてですね、広がって、なかなかいっていないという部分があると思います。そういう中で、一方の県としては、予算が非常に厳しい中でですね、かつては潤沢に、ある程度予算をつけていただいていたのかもしれませんけど、そういうことができないという事情がある。そういう中で、この、やっぱり組織のほうの位置づけといいますか、再構築ということも、県人会の組織としても考えていかなくてはいけないかなと私も思っていまして、その一方で、先ほど来、この10月には今までなかった試みの中で、首都圏のそういう経済人が一堂に会してというような試みもされるということを伺っておりますけれども、そういう中で、これからのですね、県人会、先ほどの淡海の人の大交流会は県人会以外も、同窓会組織であるとか、さまざまな方が参加されるということですけども、単に本当の、皆さんが集まってですね、わいわい騒ぐというイベントだけではなくてですね、今まで質問してきたそこの内容の具体をですね、これからどういうふうに再構築していくかという、一つのきっかけにしていかなくてはならないのかなと思っています。  そういう意味で、今ついている予算も含めてですね、来年度の予算、それから、県人会組織のほうのですね、あり方というものも、知事がしっかり組織のほうとですね、今申し上げたような前向きな中での議論をですね、していただきたいと思うんですけども、そのことについて、最後、もう一度お答えをお願いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  県人会はまさに議員御指摘のように、陰徳善事、自主的にお集まりいただき、御活躍いただいている組織でございます。知事として何かそこに積極的に引っ張るというような性格のものではないと考えております。そのような意味で、自主的に御活躍いただけるところを県としてできる限りのサポートをさせていただきたいと考えております。 ○副議長(佐野高典君) 以上で、20番木沢成人君の質問を終了いたします。  以上で本日の質疑ならびに質問を終わります。  明28日は、定刻より本会議を開き、一般の質疑ならびに質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後5時20分 散会    ────────────────...