上野委員、橋本委員、石田委員、黒川委員、大谷委員、
梅村委員、沢田委員、三浦議長
(欠席:三宅委員、杼木委員)
4.
委員外議員 世古副議長
5.出席した説明員 國松知事、廣田副知事、安藤副知事、
池口出納長、
緒方総務部長、
谷村県民文化生活部長、
円水琵琶湖環境部長、
宮村健康福祉部長、
西田商工観光労働部長、
浅田農政水産部長、
河崎土木交通部長、
箕浦企業庁長、
西堀教育長、
上山警察本部長および関係職員
6.
事務局職員 杉橋次長、
塩見議事調査課長、
林田議事調査課課長補佐、
上田議事調査課副主幹
7.会議に付した事件
(1) 委員席の指定について
(2) 議第1号から議第17号まで(平成16年度滋賀県
一般会計予算ほか16件)(全体質疑)
議事の経過概要
開会宣告 10時13分
1.委員席の指定について
○滝一郎 委員長 皆さん、おはようございます。
ただいまから、
予算特別委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元に配付いたしております次第のとおりであります。
まず、委員席の指定でありますが、本日から11日までの全体質疑日は、ただいま御着席いただいております席を委員席として指定いたしますので、御了承願います。
2.議第1号から議第17号まで(平成16年度滋賀県
一般会計予算ほか16件) (全体質疑)
○滝一郎 委員長 次に、本委員会に付託されました議第1号平成16年度滋賀県
一般会計予算から議第17号平成16年度滋賀県
上水道供給事業会計予算までの17議案を一括議題といたします。
これより全体質疑を行います。
質疑に当たりまして申し上げたいと思います。
発言通告者は発言席へ移動し、本職の指名の後、挙手の上、御発言願います。また、答弁者についても挙手の後、本職が指名してから、知事以外の答弁者は自席にて答弁をお願いいたします。
なお、質疑は一問一答方式になりますので、発言者は発言の都度、答弁者を明らかにして発言願います。
また、発言時間は答弁を除き1人15分以内となります。時間の計測は傍聴席に設置されております残時間表示盤により行いますので、御留意をお願いいたします。
それでは、
発言通告書が提出されておりますので、お手元に配付いたしております
予算特別委員会質疑項目等一覧表に従い、順次発言を許します。
まず、佐野高典委員、発言席へお願いします。
それでは、佐野高典委員の発言を許します。
◆佐野高典 委員 皆さん、おはようございます。
いよいよ本日から
予算委員会が始まるわけでありますが、私ども議員は限られた時間でございますから、ポイントを絞って質問をさせていただきますので、知事初め執行部におかれましては明快な答弁を賜りますよう、まずお願いをしておきます。
まず最初に、知事にお伺いをいたしますが、
防災行政推進費、
被災者居住安定支援制度拠出金3億5,219万1,000円が予算計上されております。この制度の趣旨は、
全国知事会の協議の中では、各都道府県が拠出する現基金300億円に来年度予算でも300億円を積み増し、住宅再建への公的資金、いわゆる住宅本体への支援を国に求めるために決定がされたと理解するものでありますが、
居住安定支援の目的について、まず知事にお伺いをいたします。
◎國松 知事 お答えします。
阪神淡路大震災をきっかけといたしまして、地震などの自然災害により著しい被害を受けた被災者に対しまして、その生活再建を支援する制度を47都道府県と国が協力いたしまして、平成10年5月につくりました。これは被災者に対して生活再建に必要な物品の購入費や医療費、引っ越しに要する経費など、最高100万円を限度に支給するというものであります。しかしながら、被災者が本当の意味で生活の再建を図るためには、生活基盤となります住宅の再建が何よりも重要であります。そこで、
全国知事会が中心となりまして、被災者の住宅再建を支援する
制度づくりが検討されてきたわけであります。
具体的には、これまでの
生活再建支援金の最高100万円に加えまして、
住宅再建等に要する経費の最高200万円と合わせまして、最高300万円の支援を行おうというものであります。滋賀県といたしましてもこの制度創設に必要な300億円の積立金に対しまして、3億5,200万円余を拠出するということで、この予算を今議会にお願いしているところであります。
◆佐野高典 委員 ただいま、この制度の目的について知事からお答えをいただきました。しかし、知事会の当初の考え方と内閣府の考え方に相違があるようでございまして、鳥取県の片山知事などは住宅本体への支援が前提という立場に立つものであり、一方、財務省は私有財産の形成に公費は使えないとして、現行の
生活再建支援100万円に加え、全壊した住宅を、自宅を再建する場合に最高200万円、その使い道は壊れた住宅の解体や整地の費用、あるいはローンの経費などに使えるとなっているところであります。鳥取県では、
予算計上そのものを見送った、あるいは徳島県では予算計上はするが、執行しないこともあり得ると発言され、再建費用も対象に含めるための強硬な行動や発言が続いている状況であります。國松知事は、
被災者支援法の本来のあり方はどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。
◎國松 知事 今回、この制度を創設するために取りまとめられました法案では、これまで
全国知事会が考えてきたものと、被災者の住宅再建に対する考え方、少し違っております。つまり、法案におきましては住宅再建のための対象経費として、壊れた住宅の解体撤去費などに限定されておりまして、
全国知事会が要望してきましたのは、住宅本体の建築費や補修費を対象とするというものでありましたということでございますので、それが対象になっていないということであります。この点につきましては、御質問にありましたように、全国の知事の間で意見が分かれているようであります。
つまり法案には賛成できないので、基金に拠出できないという意見から、予算は計上するが不執行もあり得るといったもの、あるいは不十分であるが一歩前進であり、一たん了承して制度拡充を目指すべきだという意見などであります。私としましてはこの法案はやはり大変重要な部分が抜け落ちている、不十分な法案であると思っております。つまり、住宅は私的財産であり公的助成は不可能とする国の考え方は、余りにも従来の形式にこだわり過ぎた画一的な理屈ではないかと思うのであります。
今、問題となっておりますのは、平常時の住宅の再建といったことではなく、まさに非常事態での住宅の再建であります。住宅は人間生活の
基盤そのものでありまして、また住宅は災害により破壊されてしまいましたまち並みやコミュニティの復興にもつながるという、地域社会にとって極めて重要な側面も持っておるということも見逃してはならない思うのであります。それを住宅という、資産という側面だけをとらえて、解体は対象だが住宅の再建は対象外というのは正直理解しがたいと考えております。
その住宅、仮に住宅がないということで、行政が仮設住宅を用意するということになりますと、その仮設住宅の建設だけでも1軒300万円ぐらいかかると言われております。それでは、いずれ解体されるというものでございますので、仮設住宅に頼らずみずから住宅を再建しようとする方がおられれば、それに対して最高200万円を限度に支援するという制度の方が大切な税金の使い道として、むしろその方がいいのではないかと思うのであります。
以上のようなことから、私は今回の制度について再考すべきであると考えるものであります。したがって、現在、政府が提出されました法案については、国会審議の場を通して住宅本体をも対象とするように修正すべきであると考えるものであります。
なお、仮にそれが実現しない場合におきましても、今回の法案がこれまでより一歩前進した制度となったことにかんがみますと、一たん成立させて、そして次なるステップとして、
住宅本体建設等も対象に入れた制度拡充を目指すということも考えられます。その場合、大切なのはやはりこの次のステップとして制度拡充を確実に行うために、できるだけ早い時期に制度の見直しを検討する旨、法律の附則または附帯決議をつけるなど、道筋をつける必要があるのではないかと考えます。
◆佐野高典 委員 実は鳥取県の場合、過去の
鳥取西部地震の教訓に基づいて、真に
被災者住民の役に立つような
支援法制定のための発言と理解をいたします。また、本県においても、
琵琶湖西岸断層帯は、30年のうちに0.9%から9%の確率で地震が発生する可能性、あるいは南海、東南海地震による震災被害の可能性も想定されるところでありまして、このような制度は、まさに
被災者支援にとっては必要な制度であると認識をするところでございます。しかしながら
知事会事務局は、当初予算に計上していただきたいと要請はしたが、拠出額などは決定したものではない、国会での法案、予算案の審議を見守りながら修正されなければ、再度協議が必要と、本丸の発言がぶれているようであります。また事務局は、拠出額は決定したものではないと発言の中でありますが、それでは本県予算に計上されている約3億5,000万円の根拠は何に基づいて計上された予算なのか、疑問を抱くものでありますが、知事にその根拠をお尋ねしたいと思います。
また、各種地震による震災災害が予測される本県の状況から、足並みが乱れつつある
居住安定支援制度拠出金でありますが、ただいまも知事もこの制度は重要な部分が抜けている、あるいは再考を促したいというふうな、今、発言があったわけでありますけれども、今後具体的に
全国知事会、あるいは政府に対してどのような行動を起こされるのか、知事に伺います。
◎國松 知事 まず、3億5,000万円余の予算の根拠であります。
全国知事会におきまして総額300億円については、拠出額の20%を均等割に、80%を直近の国勢調査に基づく所帯数により各都道府県で案分するという方針が出されておりまして、それに基づいて予算を計上いたしております。先ほど申し上げましたとおり、当初決定いたしました総額300億円の拠出金につきましては、不十分な制度ではあるが一歩前進であり、一たん了承し予定通り拠出するという意見と、法案には賛成できないので基金には拠出できないという意見など意見が分かれております。したがいまして、まずは
全国知事会の中で議論を行い、一定の方向づけがなされるものと考えております。私としましては、やはりこの法案を住宅本体の建設が対象となるように修正すべきであると考えておりまして、知事会として、
全国知事会として
国会議員等に働きかけるべきであると考えております。しかし、仮にそれが実現しない場合でも、まずは平成16年度に制度創設を目指すべきであると考えますので、この予算を議決いただき、
全国知事会の方針に沿って執行していきたいと考えます。
◆佐野高典 委員 ただいま知事から答弁をいただきまして、概略わかったところでございますが、特に本年、来年度は防災というところに視点を置きながら、
近畿府県合同防災訓練も滋賀県で開催される予定でございますから、滋賀県の立場を十二分に国の方に要望していただきますようにお願い申し上げ、この項の質問を終わらせていただきます。
次に
水草刈り取り事業について
琵琶湖環境部長ならびに
農政水産部長にお尋ねをいたします。
新年度予算に、
水草刈り取り事業に1億55万4,000円と、昨年並みの予算が計上されております。特にここ数年来の
琵琶湖南湖の水草の異常繁茂によります琵琶湖の環境への変化や生態系への影響を憂いながら、幾度も質問をさせていただき、積極的な対応を要望してまいりました私にとりましては、いささか不満が募る予算であります。
さて、水草については、窒素の除去や透明度については一定の役割を果たしているという評価と、腐敗した藻が湖底に堆積し無酸素化状態を招き、南湖がこのままでは死滅してしまうという声がございます。あるいは、依然と同じ水位操作による放流量であっても、藻の抵抗により流速が一段と早まり、漁業としての営みが成り立たないなど、功罪相半ばする声がございますが、今日までの水草の
刈り取り等は、
琵琶湖とりわけ南湖の環境に対してどのような貢献をしてきたと考えておられるのか、
琵琶湖環境部長にお尋ねをいたします。
◎円水
琵琶湖環境部長 水草の刈り取りによる琵琶湖の環境への貢献についての御質問でありますが、平成6年の大渇水以降、特に南湖における水草の増加が著しくございまして、平成13年の
琵琶湖博物館の調査では、南湖の56%が水草に覆われているという報告をされております。その量は約14万トンと推定しておるところでございます。このため、
漁業関係者や沿岸住民さん等の要請によりまして、県では船舶等の航行障害とか、悪臭の対策など生活環境を保全する観点から、水草の刈り取りを実施しているところでありまして、その量は水位の状況等によりまして異なりますが、毎年3,000トンから4,000トンとなっております。こうした水草の刈り取りは、水草が底質から吸収する栄養塩類も除去できることから、水質の保全にも一定の効果を有しているものと認識しているところでございます。
◆佐野高典 委員 この程度の予算では不十分であると私は思いますが、水草の繁茂が生態系に与えている影響も大きいものがあると思います。今回の一般質問におきましても、そこにお座りの滝委員長、また私も南郷洗堰の水位操作についての見直しを要望してまいりましたが、今回、
国土交通省琵琶湖河川事務所では、本年から魚の生息に配慮して2段階で水位操作をし、緩やかな放流を目指すということでございます。今日までの
琵琶湖事務所は、放流量は以前と変わりがなくても、流速が速くなるのは藻による抵抗が大変大きいというようなスタンスをとっておりましたけれども、南湖の水草の除去がその解決につながるというふうに私どもは理解するところでありますけれども、生態系に配慮して
河川事務所が水位変化を緩やかにするという前向きの方策をとってきたところでございますが、一方の原因である水草の刈り取りは、県の努力によって解決がされるものであります。
そこで
琵琶湖環境部長は、水草が生態系、中でもフナ、モロコに代表されます
琵琶湖固有種に対してどのような影響があると考えておられるのか、お尋ねをいたします。
◎円水
琵琶湖環境部長 水草の生態系に対する影響ということの御質問でございますが、以前に調査いたしました
ヨシ群落保全条例制定時の調査では、
ニゴロブナや
ホンモロコなどの固有種は、ヨシ帯や水辺の柳の木の根っこで、根元で産卵をすると、一定期間を湖辺域で過ごした後、湖の中に生活の場を移すということがわかっておりますが、また
琵琶湖博物館では、水草を除去した水域と比較いたしまして、除去していない水域の溶存酸素が低下する傾向にあるという報告もされております。
また平成6年の渇水以降、センニンモやクロモなどの在来種の水草が増加をいたしておりまして、その水草は魚類、特に固有種を含めた在来種にとって産卵の場所として有効な場所でありますが、研究者によりますと、近時、外来魚によってその機能が果たされない状態にあるというような見解もあるところでございます。
このように水草と生態系についての一定の知見があります。私もそのように認識をいたしておりますが、なおまだ未解明の部分がございますので、さらに調査が必要とも考えております。
県では、専門家によりまして、滋賀県
琵琶湖生態研究会というのを持っておりますが、引き続きここで研究を重ねていただくということと、
琵琶湖研究所やらあるいは
琵琶湖博物館、
水産試験場とも連携を図りながら、水草と魚類等の生態系とのかかわりにつきまして、解明につきまして、より調査研究を進めてまいりたいというふうに考えております。
◆佐野高典 委員 ただいま、
琵琶湖環境部長から生態系に関する水草の影響についてお聞きをいたしましたが、水草の繁茂は
ブラックバスやブルーギルの格好の温床であり繁殖の場であると指摘する声をよく耳にするところでありますけれども、水産行政を預かっておられる
農政水産部長は、南湖の水草についてどのように考えておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
もう1点は、水草の繁茂によりエビ、タツベ漁の
タツベそのものでありますとか、あるいは藻の影響により、いわゆるシジミでありますとかカラス貝、あるいは真珠母貝を作用いたしますに貝曳き漁につきましても、マンガンが底に落ちないというような影響を指摘される声もあるわけであります。また、南湖のエリは、水草の繁茂による急激な流れで、操業に支障を来すというような漁業者の声もあるところでありますが、放流した稚魚は藻の中に生息する外来魚にぱくっと食われるというようなこともよく指摘をされるところでございまして、水産振興にとっても大変な妨げになっているというふうに私は理解をいたしますが、あわせて
農政水産部長の御見解をお尋ねしたいと思います。
◎浅田
農政水産部長 佐野委員のお尋ねの南湖の水草についてどのような見解を持っているかということですが、まず近年の水草繁茂は大変異常な状態でありまして、
琵琶湖研究所の報告によりますと、1994年と2000年を比較いたしますと、琵琶湖全体でこうした水草の植生面積が6年間で約2倍に急増し、特に南湖におきましてはクロモ、センニンモ、マツモ、オオカナダモを中心に約5倍に増加していると、こうした報告がなされております。
また、
水産試験場等の調査によりますと、水草の異常繁茂はプランクトンの繁殖を抑制しますとともに、夏期においては底層や水草の群落内が低酸素状態になることから、魚介類の生息が困難な状況になるといった報告もなされております。御案内のように南湖は、
ニゴロブナや
ホンモロコ、またセタシジミなどの水産資源にとって産卵繁殖やあるいは生息に重要な水域であり、今回の異常なまでの繁茂は、生息環境の悪化を招いておるものと認識をしております。
次にお尋ねの、こうした状態が水産振興に大きな妨げになっておるのではないかというお尋ねですが、水草の繁茂による水産振興への影響につきましては、委員御指摘のように、貝曳き網漁業、あるいは
刺し網漁業、
エビタツベ漁業において、漁具を目的の位置に設置できないこと、あるいは漁業の操業に大きな影響を来しております。水草帯を好む習性がありますオオクチバスですとか、ブルーギルと言った外来魚にとっては生息の温床になっており、
ニゴロブナや
スジエビ等の在来魚介類の生息に大きな影響を及ぼしているものと思っております。
特に、エリ漁業につきましては、繁茂しました水草や切れ藻が、エリにもたれかかるようになりまして、その時は結果として、堅田漁協ですとかあるいは守山漁協のエリが倒壊しかかるという問題も生じておるところでございます。さらに漁船の航行時に水草がスクリューに絡むなど、漁業活動に大きな支障を来しておると認識をしております。
そうしたことから、水産振興を図る上から、当部といたしましては、一定幅の根こそぎ刈り取りや、冬期の刈り取りといった漁業者からの声もあります。そうした御提案も含めまして、関係部局ともども連携いたしまして、この
水草異常繁茂の解決に向けた対策に努めてまいりたいと考えております。
◆佐野高典 委員 今、
農政水産部長から、水産振興にとっても大きな影響があるとお答えをいただきましたけれども、今日までも生態系や
琵琶湖固有種の復活、あるいいは水産振興の観点から
関係部局協議がされてきたと存じますが、やはりこういった問題、オール県庁で情報の交換でありますとか、あるいは連携のもとで水草の
刈り取り方法や範囲を検討すべきであるというふうに考えるところであります。
先ほど、
琵琶湖環境部長、南湖で平成13年、面積の約56%、14万トンにも及ぶということでございますし、かつての5倍にも水草が繁茂しているというような話を今お聞きしたところでございますが、本年度限られた予算でありますけれども、今、
農政水産部長からお話がございましたように、冬期の刈り取り、いわゆる種を落とす前の刈り取りであったり、あるいは根こそぎと言いますか、根底から刈り取りするというような
刈り取り方法の検討でありますとか、今日まで船舶の航行への支障でありますとか、あるいは景観や地域の苦情にこたえるような形で刈り取りがされてきたところでございますし、またその範囲についても同様のことが言えるわけでありますが、本年度こういった1億近い予算でありますけれども、そういった
刈り取り方法、あるいは
刈り取り範囲についても再考を促したいというふうに思うところでございますけれども、
琵琶湖環境部長の御答弁をお願いしたいと思います。
◎円水
琵琶湖環境部長 水草刈り取りの方法とその範囲についての御質問だったと思いますが、県ではより効果的な水草対策といたしまして、根こそぎの除去によります抑制効果と、生態系に与える影響ということで、平成14年度、15年度、2年間かけまして、南湖4カ所で調査をしてまいっているところでございます。これまでの調査結果によりますと、水草の繁茂につきましては、その年の夏には高い抑制効果が示されていることなどがわかってきております。
一方、貝類その他生態系や水草がないことによる底泥の巻き上げ等の水質への影響につきましては、さらに
モニタリング等を含めた継続的な調査が必要であると、その調査結果を踏まえながらこうした手法を取り入れていくということと同時に、刈り取りの範囲につきましても各方面の要請も踏まえまして、関係機関との連携を図りつつ検討してまいりたいというように考えております。
◆佐野高典 委員 今、平成14年、15年、2カ年にわたってこういった根底からの刈り取りについての調査がされているということでございますけれども、何とかこういった調査結果を早急に出していただきたいと思いますのと、南湖で4カ所、こういった調査をしているという話でありますが、南湖というのはとにかく水深が浅いわけでありますから、北湖の水がやはり南湖に還流されてこそ、琵琶湖の水質の保全が図れるかと思うんですが、大変南湖のこういった異常繁茂によって、水そのものが大変心配されるような今日の状況でございますから、十二分にその辺も検討していただきたいと思うところであります。
そこで最後に、水草資源の循環システム調査について900万円が計上されていますが、どのような調査をされていかれるのか、これも3年ぐらいの調査であろうと思いますが、平成16年度新年度では、このシステム調査、どのような研究を予定されているのか、
琵琶湖環境部長にお尋ねいたします。
◎円水
琵琶湖環境部長 水草資源の循環システム調査についてお答えをいたします。刈り取った水草につきましては、これまで農地にすき込んでもらうという方法を主な処分方法としてきておりますが、水草に釣り針等が混入をいたしておるということ、またそのまま搬入することによる悪臭の問題等がありまして、受け入れ先の確保が年々難しくなってきておるところでございます。
このようなことから本調査では、農地還元以外に新たな水草の利用方法、資源循環の観点から見つけ出すことを目的に進めているものでございまして、平成15年度の調査では、水草バイオマス活用に関する先端技術の事例の収集とか、その中から有望と考える複数の技術につきまして、モデル利用化の検討を行っているところでございます。16年度は、この15年度の検討結果を踏まえまして、実際に水草を用いた実証実験を行いまして、循環システムの中で適正に機能するかどうかを検証してまいりたいと考えております。これらの調査結果を踏まえまして、最終的には最も有効と考えられる手法につきまして、実用化が図られますようなところまで検討を深めてまいりたいというように考えているところでございます。
◆出原逸三 委員 それでは次に、人事評価制度をつくったとしても、私はポストや賃金に結びつけていかないと、職員に活力を持たせていくことはできないと、このように思っているわけであります。そういったことは、部長の答弁からも理解はしているわけですが、そこで本当に人事評価制度とその職務ということについて、いま一度、どのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
◎緒方 総務部長 人事評価制度の活用方法という御質問でございますけれども、この点につきましては、当面は職員の意欲や能力を最大限に発揮できるという観点から、適材適所の人事配置や人材育成などに活用していきたいと考えております。
◆出原逸三 委員 私は、過去から言わせていただいたように、能力主義人事管理ということを本当にやっていただきたい、それは人事評価を処遇に結びつける、いわゆる賃金に結びつけていかなければ意味がない、このように思っておるわけであります。しかし、今、話を聞いておりますと、期待を裏切られておるという思いがしてならないわけでありまして、これから再度、その能力主義人事管理の導入に向けて再検討をしていただきたい、このように思います。
そして最後に、せめて私は、期末手当や勤勉手当、これは一律に職員に支給されるのではなくて、人事評価を、成果を上げる者にはそれなりの処遇をしていくように早急にやっていただきたいと思います。そして人事評価で注意していただきたいのは、私は減点主義でやらないこと、失敗しても、あと頑張っていけば、敗者復活できるという仕組みもつくってほしいなと、このように思います。そして、建設的にものを言う人、あるいは言いにくいことを本当に言ってくれる人を評価していくような風土をつくっていく、そうすることによって職員がチャレンジ精神を持って前向きに業務を遂行してくれる、そしてそれが庁内に活力が生まれてくる基となる、このように思っております。そのことをお願いを申し上げまして、少し長くなりましたが、お詫びを申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。
○滝一郎 委員長 以上で、出原逸三委員の質疑を終了いたします。
しばらくそのままでお待ちください。
それでは、次に、徳永久志委員、発言席へお願いいたします。
それでは、徳永久志委員の発言を許します。
◆徳永久志 委員 それでは、通告に従いまして、まず子育て支援策についてお伺いをいたします。
この16年度は、次世代育成対策支援推進法に基づきまして、県や市町村、事業所などが具体的な子育て支援にかかわる行動計画を策定をするという、重要な節目の年になろうかというふうに思います。したがいまして、まずは原点に戻ると申しますか、まず少子化の要因に対しての方針を明確に持った上で個々の施策を立案をしていく、計画を立てていくというような姿勢が重要だろうというふうに思います。少子化の要因につきましては、これまでは晩婚化、未婚化の進行ということが言われておったわけですが、それに新たに夫婦の出生力の低下というものがつけ加えられるようにもなりました。こうした面をしっかりと把握をしてそれに対応していくことが重要ですが、まずはここのあたりの御見解について、健康福祉部長にお伺いをいたします。
◎宮村 健康福祉部長 少子化の要因の正確な把握とその対応についてにお答えをいたします。
近年の若者の結婚観や価値観の変化、ライフスタイルの多様化が進む中で、結婚にこだわらない生き方や自由な生活への要求など、新しい生き方が社会現象としてあらわれてきております。こうした世代は将来のことを考えると、いずれは結婚したいという気持ちはあるものの、結婚に対して積極的な夢や希望を見出せないまま結婚を先送りすることで、晩婚化が進んでいるのではないかと思われます。
また、近年の夫婦そのものの出生力の低下についてですが、夫婦の理想の子どもの数と実際の子どもの数には依然として開きがありまして、こうした要因は子育ての時間的、心理的、肉体的負担感のほか、子育てに伴う養育費や教育費などの経済的負担が挙げられるのではないかと考えております。こうした少子化の要因に対応するためには、仕事と子育ての両立支援策として、引き続き保育所の待機児童の解消や各種保育サービスの充実を図るとともに、子育てをしながら働くことができる就業環境の整備を進めていくことが必要であります。
また、地域における子育て支援につきましては、これまでの保育に欠ける子どもだけでなく、専業主婦家庭を含めたすべての子育て家庭を対象としたサービスの充実を図っていく必要があります。さらに子育てにおける経済的負担の軽減については、国の施策に負うところが大きい課題でありますが、こうした課題についても積極的な取り組みが求められていると考えております。
あわせて、個人の多様な生き方は尊重されるべきではありますが、若い世代の人たちに結婚や子どもを持つことの楽しさ、意義といったことについても理解を深められるよう、さまざまな機会を通じて啓発していくことも必要ではないかと考えております。県では来年度、次世代育成支援のための行動計画を策定いたしますが、こうした取り組みも盛り込みながら、少子化対策のより一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
◆徳永久志 委員 それで、今ほどのような基本的な部分をしっかりと押さえた上で、かつ子育て家庭のニーズに対応した施策の推進を図っていくことが必要かというふうに思います。平成14年に発表されました厚生労働省の子育て家庭に対する支援策に関する調査研究報告書の中で、今後、充実が必要な施策としての質問に対する回答で上位4つ、1つは子育てしながら働きやすい職場環境の整備、それから子育てへの経済的支援、保育サービスの充実、小児医療体制の充実がベスト4、4つ挙げられているわけであります。順次聞いていきたいと思います。
まず、子育てしながら働きやすい職場環境の整備についてであります。これは子育てと仕事の両立支援ということでも言えようかと思いますが、まずこれの根本的な制度としては育児休業制度、あるいは子供の看護休暇制度が挙げられるかと思います。この2つの制度、県内の取り組み状況はどうなのか、また今後の推進方策について、商工観光労働部長、お伺いいたします。
◎西田 商工観光労働部長 育児休業の取得や子供看護休暇制度の普及の現状と取り組みについてでございます。
まず現状でございますが、平成15年の県の労働条件実態調査、これは常用労働者10人以上の対象2,000の事業所でございます。その結果でございますが、そのうち回答のございました970事業所でございますが、その中で育児休業制度を就業規則等で設けている事業所は全体の72.9%となっており、また子供看護休暇を就業規則等で制度化している事業所は、全体の8.2%で、育児休業制度を設けている事業所に占める割合は11.7%となっております。
また、従業員の育児休業取得率でございますが、調査では対象となります女性が485人に対しまして、352人の方が取得をされています。取得率は72.6%。同じく男性では1,608人に対しまして18人が取得されており、取得率は1.12%でございました。なお、子供看護休暇の取得率につきましては、実態把握が困難なことから、現在のところ調査はできていないという状況でございます。
次に、育児看護休暇制度の普及に向けての取り組みでございますが、県ではこの制度が県内の事業所や労働者に広く周知されるよう、広報紙「滋賀労働」に、年に6回発行しているわけでございますが、継続して掲載するとともに、さらに育児・介護休業法のしおりを作成いたしまして、県内の従業員10人以上の事業所や労働組合等約1万カ所に配布をいたしているところでございます。また、仕事と子育ての両立を支援するため、平成14年度からは市町村を通じまして、母子健康手帳の交付の際に育児休業制度の概要を記載したリーフレットを毎年1万5,000部配布しているところでございます。
なお、昨年7月に次世代育成支援対策推進法が公布され、特に301人以上の従業員を抱える事業主は、平成17年3月31日までに行動計画を策定し、速やかに届け出ることが義務づけられたところでございまして、県といたしましても、こうしたこの機会に育児休業や看護休暇が取得しやすく、職場復帰しやすい環境の整備などを計画の柱として取り入れられるよう、事業所内で十分議論いただく資料を作成いたしまして、近々、県内の従業員10人以上の事業所や労働組合に1万部配布することとしております。
なお、来年度の予算でございますが、以上申し上げました内容のリーフレットや啓発資料の作成配布、それから事業主、一般県民を対象としたフォーラム等の開催を予定をしております。また、今後策定いたします次世代育成支援対策推進法の県の行動計画におきましても、育児休業制度や子供看護休暇制度の広報啓発を位置づけするなど、仕事と子育ての両立に向けて積極的に支援してまいりたいと考えております。なお、現在、国会で育児介護休業法の一部改正をする法律案が提出されておりまして、育児休業期間の延長や、これまで事業主の努力義務とされていた子供の看護休暇が制度として創設される内容となっております。これらの改正を受けまして、さらに育児休業や子供看護休暇制度の普及に向けて広報啓発に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
◆徳永久志 委員 今のお答えですと、2つのこの制度を次世代育成支援対策推進法の行動計画の柱にしていきたいのだというようなお答えだったと思いますけれども、調べてみますと、例えば育児休業の制度がないというのは300人以下の事業所で21%あります。子供の看護休暇制度そのものがない、300人以下の企業で93%、次世代育成支援対策推進法による行動計画というのは301人以上の事業所が義務化、300人以下だと努力規定にとどまっているわけですね。つくらなくてもいいということにもなってしまいます。300人以下の企業に対してもしっかりとこの2つの制度の普及を図る意味では、どのようなPRというか、普及を、この300人以下の事業所に対しては考えておられるのでしょうか。
◎西田 商工観光労働部長 おっしゃいましたように、300人以下の事業所につきましても、301人以上の事業所と同様に、普及啓発に努めてまいりたいと、いわゆる同様の資料を、リーフレット等、パンフレット等作成いたしまして、事業所に配布して啓発をしていきたいと考えております。
◆徳永久志 委員 こういう不況の時期だからこそ、しっかりとした取り組みというのをお願いをしたいというふうに思います。
次に、子育ての経済的支援についてでありますが、これは乳幼児医療費助成制度の対象年齢の拡充というのを代表質問の答弁として知事もお約束をいただきました。また、16年度予算案の中にも児童手当の拡充、あるいは不妊治療費の助成制度が設けられるなど、こうした動きは大いに歓迎をしたいと思います。どうかこの線に沿ってのお取り組みを強めていただきたいと思います。
また、保育サービスの充実につきましては、これも代表質問の中で申し上げましたように、ぜひ県独自の認証保育所制度のあり方についても真摯な研究をお願いをしたいと思います。
次に、小児医療の充実について伺います。滋賀県の小児医療の中核的存在は、言うまでもなく小児保健医療センターであります。この小児保健医療センターにつきましては、やはり他の2つの県立病院と同じく、子供を対象とした地域保健、そして難疾患に対する高度治療を行う高度専門病院であります。このちょっと話はそれますけれども、この小児保健医療センターおよび成人病センター、精神保健総合センターの県立3病院が、独立行政法人化の対象となっておりますけれども、これらは高度に専門性を有する存在であって、経済性や効率性といった側面よりも広域性という観点が重視されるべきであり、私は独立行政法人にはなじまないのではないかという考えを持っておりますが、まずこの点について、健康福祉部長の御見解を賜ります。
◎宮村 健康福祉部長 県立病院の独立行政法人化についての御質問でございますが、成人病センターは県下の生活習慣病対策の拠点施設として、主に、がん、心臓疾患、脳血管疾患の3大疾患などに対する高度・専門医療を提供することを使命として設置しているものでございます。また、小児保健医療センターは、小児を対象とした特定高次の専門医療、精神保健総合センターは、総合的な精神科医療の提供をすることを目的として設置しているものでございます。県立病院の使命といたしまして、公共性の面で不採算と言われる医療の提供が必要であります。反面、経営の安定化のため、経済性の追求も言われております。今後、県立病院の運営のあり方といたしまして、現状の地方公営企業法の一部適用も含め、全部適用や地方独立行政法人、公設民営などの方策を選択していくこととなりますが、病院設立の目的や一般行政施策との連携などを考慮して、御質問の趣旨を踏まえながら十分検討してまいりたいと、このように考えております。
◆徳永久志 委員 それでは、小児保健医療センターの話に移ります。眼科、目ですね、眼科についてであります。この問題は、昨年6月議会、代表質問でも取り上げました。常勤の医師2名が相次いで退職をしまして、昨年5月に休診状態となりました。それ以降、当局の懸命なお取り組みによりまして、9月から週1回、10月から週2回の非常勤医師によっての診療が続けられてきたわけであります。しかしこれはあくまでも緊急避難的な措置だと思います。多くの方々から通常どおりの再開を望む声が高まってきておるわけです。もう既に大学の医局の人事等も発表されているかと思いますけれども、4月から通常再開のめどは立っていますでしょうか。健康福祉部長、お願いします。
◎宮村 健康福祉部長 小児保健医療センターの眼科の再開についてでございますが、小児保健医療センターの眼科の再開については、昨年の5月以降休診の状態になり、患者である子供さんや御家族に大変ご迷惑をおかけいたし、申しわけなく思っております。眼科開設時からの医師の派遣元である滋賀医科大学に対して要請を重ねてきましたところ、昨年9月から週1回、10月から週2回、非常勤医師の派遣により眼科再開にこぎつけたところでございます。1日も早く正規の医師による通常の診療を実現するために、要請をいたしているところでありますが、新たに始まります臨床研修制度の指導医の確保など、大学側の事情もありまして、現在のところ、常勤医師の確保に至っていない状況でございます。県下唯一の小児の高度専門医療機関として、その使命を果たしていくためにも、眼科治療を必要とされておられる子供さんや御家族の御期待に1日も早くこたえられ、常勤医師の派遣が行われますよう、滋賀医科大学に対して実情を十分説明をいたし、引き続き要請をしてまいりたいと考えております。
◆徳永久志 委員 それでは、大体大学の医局の人事というのは春に行われるわけですから、16年度というのはもうこの眼科は非常勤医師週2回の診療の体制が、16年度ずっと続くということですか。
◎宮村 健康福祉部長 16年度当初に正規の医師を派遣していただくよう、重ねて要請をいたしておるわけでございますが、当初には間に合わないかもわからないのですが、年度の早い時期に実現をしていただくよう強く要請をいたしているところでございます。
◆徳永久志 委員 ぜひもう、なお一層のお取り組みをお願いをしたいと思います。これは、小児保健医療センター個々の問題なのかもしれませんけれども、こういう小児医療の中核病院で一つの診療科がこういうイレギュラーな形になるということは、非常に県民の不安をふやすことになるというふうに思います。ただでさえ、小児科医、小児科のお医者さんが不足をしているのだということが全国的にも言われているわけですから、もうこれ県立のいわゆる子供病院でこうだから、本当にこれから大丈夫かというような声が高まってくるのも当然やというふうに思います。県内のあるお医者さんとお話をしてましても、小児科というのは手間ひまかかって、その割には薬の量も少ないし採算が合わないという声も非常に強くなってきて、若手のお医者さんでもなり手がないのだというような声も高まっております。そうした中で、この県内の小児科のお医者さん、小児科医の現状というのはどういうふうになってますでしょうか。
◎宮村 健康福祉部長 県内の小児科医の現状についてでございますが、平成14年12月末現在の本県の小児科医は189人で、その内訳は病院に勤務する医師が121人、そして小児科を専門とする診療所の医師が68人となっております。6歳以下の人口1万人当たりの小児科医の数は、本県は18.9人でありまして、全国平均17.5人を上回っております。しかしながら、御質問ございましたように、全国的に小児科医が不足している状況の中で、全国平均そのものが十分な数とは言いがたいものでありますし、本県においても全国平均を上回っているとはいうものの、地域によっては格差があると認識しております。
◆徳永久志 委員 全国平均を上回っているということなのですけれども、滋賀県は人口急増県であります。子育て真っ最中の世代がどんどんと流入をしてこられる可能性というのもこれからも高まっているわけですから、しっかりとその地域の医療ニーズに合わせてお医者さんが派遣ができるような、そういうシステムをしっかりと今から構築をしておかないと、いざといったときにもう医師不足ですというのでは、これちょっと問題にならないというふうに思います。この医師の確保についてどのように取り組んでいかれるのか、健康福祉部長にお伺いします。
◎宮村 健康福祉部長 医師の確保のあり方についてでございますが、平成16年度から始まります新医師臨床研修制度において、小児科が必修科目として位置づけられました。そしてまた小児科にかかる診療報酬が引き上げられたことなど、小児科医師の確保につながる大きな制度見直しがなされたということでございます。今後、県内においても小児科医師の確保が期待できるものと考えております。
本県では特に住民の方々から要望の強い小児科の救急に対応するため、二次医療圏の単位で小児救急医療支援事業の推進に取り組んでおりますが、小児科医の少ない地域においては、内科医等に小児を見ていただけるよう、医師会等と連携を図りながら研修を実施するなどの、地域の実情に沿った対策を進めてまいりたいと、このように考えております。
地域医療対策協議会の設置につきまして、先日、通知があったところでございますが、県といたしましては、関係者との意見交換を行いながら、医師確保のよりよい方法についても十分研究してまいりたいと、このように考えております。
◆徳永久志 委員 今、医師を病院に供給する機能というもの、個々の医局から大学単位一本化する動きがあるなど、その各自治体とも確保にはもう躍起になっている状況であります。今、数の面だけ聞きましたけれども、地域ごとの病床数と医師の数というものをバランスをとりながら総合的に分析をして、きめ細かな対応というのを今から準備をしていただきたいというふうに思います。
以上、子育て家庭のニーズに対して聞いてまいりましたけれども、これ以外の部分で子育て家庭の人たちにとって非常に不安が、やっぱり児童虐待への対応ということであります。全国での児童虐待の相談件数は年間で2万4,000件、毎年平均して50名の幼い尊い命が虐待によって奪われているような状況であります。これも統計上のことであります。潜在的なものを含めるともっと倍以上あるのではないかと指摘する向きもあります。
ここ最近の虐待の事件を受けまして、児童相談所の役割がクローズアップされてまいりました。特に岸和田市の事件におきましては、被害者が長期間学校を欠席をし、虐待の情報があったにもかかわらず相談所が安否を確認をしなかったということが問題視をされているわけであります。そこで、県にある子ども家庭相談センターの体制および機能をこの際に見直して、強化を図らなければならないと考えますが、16年度の取り組みについて健康福祉部長にお伺いいたします。
◎宮村 健康福祉部長 16年度の取り組みについての御質問についてでございますが、県におきましては虐待相談件数の急増に伴いまして、子ども家庭相談センターの児童虐待に対応する児童福祉司を、平成12年度から現在までに5名増員いたし、地区を担当する児童福祉司の複数担当制をとるなど、現在18名の体制で児童虐待への対応を行っているところであります。
また平成14年度には、各地域振興局および大津健康福祉センターに児童福祉司や児童虐待・DV対応相談員を配置して、相談支援体制の充実強化を図ったところであります。
16年度におきましては、児童虐待への対応に当たり、関係者、関係機関の連携が重要でありますことから、これまで取り組んでまいりました市町村児童虐待防止ネットワークの設置の促進を一層推進してまいりたいと、このように考えております。現在、国においては、児童虐待防止対策の充実強化を図るために、児童相談に対する市町村の役割の明確化と、児童相談所の専門性の強化などを内容とする児童福祉法の改正が進められていますが、県といたしましてもこうした国の動向も踏まえ、引き続き子ども家庭相談センターが中核組織として機能を十分発揮していけるよう、その充実強化に努めていきたいと、このように考えております。
◆徳永久志 委員 児童福祉司等の増員も図られているということであります。そこで、県の子ども家庭相談センターの児童虐待の相談に当たる職員さんは、1人当たりどれくらいの相談件数を抱えておられるでしょうか。
◎宮村 健康福祉部長 児童虐待の相談に当たる職員の1人当たりの相談件数についてでございますが、児童福祉司1人が担当する虐待の件数は、平成14年度の全国の児童相談所における虐待相談受付件数と、児童福祉司の配置数から、全国平均では14件となっております。広島県の29件、大分県の24件、大阪府の22件など、5府県で20件以上となっておりますが、本県の担当件数につきましては17件というような状況でございます。
◆徳永久志 委員 岸和田市では1人当たり100件以上の相談を抱えていて、それが不十分な対応というのにつながってしまったのだというふうな指摘もされているわけです。滋賀県の場合、17件ということですので、これならばしっかりと機敏な対応ができるのだというふうに思うわけですが、それでよろしいでしょうか、部長。
◎宮村 健康福祉部長 機敏な対応ができているかということについての御質問ですが、子ども家庭相談センターの平成15年12月末現在の虐待相談処理件数は276件で、昨年同期254件を上回り、立ち入り調査につきましても10件と、昨年同期の7件を上回るなど、実際に増えているという状況でございます。そうした虐待への対応につきましては、児童福祉司はもとより、児童虐待対応指導員の配置により、虐待の対応の初動班を組織するなど、限られた体制の中ではありますが、精いっぱいの対応を行っているところでございます。児童虐待への対応を行う児童福祉司の役割は大変重要であり、子ども家庭相談センターの機能を強化するためには、その配置の充実が不可欠であると考えておりますので、その充実強化に向けまして今後も引き続き、国に対して充実に向けた要望もしてまいりたいと、このように考えております。
◆徳永久志 委員 今、職員の数の面を問題にしましたけれども、それと同様に重要なのが、その専門性をいかに高めていくかということであろうと思います。そういった職員さんの専門性を高める取り組みというのはどのようにされてますでしょうか。部長、お願いいたします。
◎宮村 健康福祉部長 専門性を高める取り組みについてでございますが、県におきましては平成14年度から親子分離や立ち入り調査等の対応の困難なケースに迅速かつ適切な対応を図るために、弁護士や臨床心理士等をアドバイザーとして登録し、専門的な助言指導を受ける体制を整備するなど、子ども家庭相談センターの専門性の向上に努めてきたところであります。そしてまた一方で、児童福祉司みずからの専門性の向上には、日ごろからの研さんが大変重要でありますことから、限られた予算の中ではありますが、研修等への積極的な参加に努めているところであります。
◆徳永久志 委員 虐待については、学問的研究というのも活発に行われておるわけでして、新たな知見をすぐに現場に生かせるということができるように、そういった取り組みというのもぜひ充実をこれからもしていっていただきたいというように思います。
さて、虐待者からの分離が必要とされた場合、子供は児童養護施設等へ預けられることになります。全国では虐待によって施設に住まざるを得ない子供は年間7,000人を超えてふえる一方だということでもあります。健康福祉部長は、本委員会冒頭の予算説明の中で、児童養護施設等の職員配置の改善を行った旨を述べられました。まずその具体的中身についてお伺いをいたします。
◎宮村 健康福祉部長 児童福祉施設の職員の配置の改善の具体的な内容ということについてでございますが、近年の児童虐待の増加に伴いまして、児童養護施設等の入所児童に占める被虐待児の割合も年々増加いたしまして、本年2月現在で65%を占めまして、平成11年4月の23%から約3倍近くに増加をしているところでございます。しかし、施設の職員配置基準につきましては、被虐待児の入所が増加する中で、実態との乖離が指摘されておりまして、県としましてはこれまで国に対して最低基準の見直しを要望してきたところであります。
こうした中で、県では平成14年度から、独自措置として被虐待児にかかる職員配置の充実を図るため、職員2名を限度に助成をしてきたところでありますが、国においても平成16年度に被虐待児個別対応職員や家庭支援専門相談員の配置のための措置費の加算がすべての施設に拡大され、さらに児童養護施設の小規模グループケアの制度の創設などによりまして、職員配置の改善が予定されており、本県におきましては10名の新たな職員配置が見込まれますことから、これらの制度を十分活用しながら、虐待を受けた子どものケアの充実に向けて取り組んでまいりたいと、このように考えております。
◆徳永久志 委員 ぜひ、心の傷を負った子供たちですから、心のケアというものがしっかりと行えるような体制にしていただきたいと思います。それでは、子育て支援についてはこれで終わります。
次に、青少年問題についてお伺いをいたします。これはもういろいろと言うまでもなく、私たちはこれはもう治安確保の問題としても、個々の子供の健全育成の問題としても、社会全体でこれまで以上に危機意識を持って、真剣に向き合わなければならない課題だというふうに思います。16年度予算案では、青少年非行防止対策事業費として前の年度に比べて40%を超える厚みのある予算が計上されております。また、滋賀県青少年の健全育成に関する条例の改正案も上程をされているところであります。そこで、まず事業の概要、そして条例改正の目的について、青少年対策本部長である安藤副知事に伺います。
◎安藤 副知事 まず、事業の概要についてお答え申し上げます。
平成16年度の青少年非行防止対策事業といたしましては、青少年にふさわしい環境づくり推進事業、無職少年等非行防止対策事業に加えまして、新たに再非行を防止する取り組みとして、非行少年等立ち直り支援事業を行うこととしております。青少年にふさわしい環境づくり推進事業は、立入調査であるとか業者の指導などによります条例の適正な運用や、青少年育成県民会議が行う啓発活動に対しまして補助を行うことによりまして、青少年に有害な環境の浄化を図ろうとするものでございます。
無職少年等非行防止対策事業は、県下に17カ所ございます少年補導センターが行います街頭補導活動、相談活動、無職少年の更生支援活動などに対して補助を行うものでございます。
そして新たな取り組みでございます非行少年等立ち直り支援事業につきましては、全国に先駆けて支援システムを構築するとともに、拠点となる4つの少年補導センターにおきまして、非行などの問題を抱える少年たちに対して、そのケースに応じたプログラムにのっとって立ち直り支援を実施するそうした活動に対する補助を行うものでございます。
2点目の条例改正案の目的につきましてお答え申し上げます。
今回の条例改正では、有害図書等の規制対象業者をこれまでの販売業者と貸付業者に加えまして、図書等を閲覧させ、または視聴させる業者も対象とすること、そして有害図書等の陳列方法につきまして、具体的な基準を設けること、この大きく分けて2点を改正するものでございます。
1点目の改正点につきましては、近年、県内にも出現してまいりましたいわゆるまんが喫茶などの図書等の閲覧視聴業者に対応するものでございます。
2点目の改正点につきましては、現行の条例では陳列方法を明確に規定しておりませんところから、一見したところでは有害図書等をほかの図書等と区分しているかどうかわかりにくいといったような現状に対して、具体的に指導することが困難になっているというようなことがございますので、現行条例の実効性を高めるためにこのような基準を設けるということでございます。
以上のような改正によりまして、青少年がこうした有害図書等を容易に閲覧できない環境をつくりまして、青少年の健全育成を図るということを目的とするものでございます。
◆徳永久志 委員 本屋やコンビニとかで子供に見せたくない本や雑誌が置いてあるのは好ましくないという声をよく耳にします。またこの声に対して抵抗できる人、反対する人はいないというふうに思います。一つの社会通念になっているかというふうに思いますが、ただその社会通念になっているものをそのまま条例化するという部分において、その効果というものをしっかりと検証をしていかないといけないだろうなと思います。つまり事業や条例改正の趣旨というのを私なりにまとめますと、青少年と有害図書との接点を少なくするということにあろうかというふうに思いますが、そうすれば本当に青少年の犯罪というものが防げるのか、減少していくのかという点であります。最低限、私は2つの点が確認をされてないとだめだろうと思っております。1つは青少年が頻繁に有害図書に触れているという事実、そして有害図書が青少年犯罪を助長しているという事実、この2つのことについて学問的研究成果も含めて確認がとれているのかどうか、確認できているのかどうか、安藤副知事に伺います。
◆太田正明 委員 ただいまの御答弁から推察されますことは、これは県が設置をするということではなしに、いわゆる大津赤十字病院が主体的にといいますか、病院の責任でもってこういった医療体制を整備し、そしていわゆる24時間体制での対応を整えていただけると、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
◎宮村 健康福祉部長 24時間体制の人員も含めて、そういう体制が整備され、施設や設備が整備された上には、県からセンターとしての指定をするということになるということでございます。
◆太田正明 委員 いわゆる施設整備はこれは助成をしつつ、大津赤十字病院に施設整備を願うと、そして整備が終えた時点で、県が周産期母子医療センターという指定をすると、こういうことなんですね。
◎宮村 健康福祉部長 総合周産期母子医療センターとしての指定を県が行うということでございます。
◆太田正明 委員 そうなりますと、先ほどの答弁でも部長がおっしゃったように、こういった緊急事態に備える24時間体制、しかも医師1名、産科の医師については現在滋賀県はPICUが6床だから、辛うじて1名で何とかいけそうだということですが、基本的には産科医が2名、それから小児科医が1名、看護師については8名を増やす、この24時間体制となってまいりますと、単なる通常のいわゆる医療を施す病院側としては大変経費もかかって、おっしゃったように大きな不採算部門を抱え込むということは必定になるわけでございますが、そうすると、これは単にイニシャルの助成だけにとどまらず、センター指定に伴って、県はこの維持管理についてどの程度まで責任を負っていこうとされておるのか。いやいやそれとも、大津赤十字病院、施設の設置者の責任において運営願うということなのか、そのあたりを明らかにしていただきたいと思います。
◎宮村 健康福祉部長 総合周産期母子医療センターに指定されますと、その指定基準を満たすために、先ほど御答弁申し上げました看護師等の増員が必要となります。そして医業収益とこれらの指定に伴います診療報酬等の加算、そしてまた運営費の国庫補助というものが出てまいりますので、そういったものを収支差引いたしますと、今日まで県が運営補助をいたしております、それ以内におさまるというようなことでございまして、これ以上の、今日まで以上の補助をするということは、そういうようなことにはならないと、このように考えているところでございます。
◆太田正明 委員 そうすると、今日までもこういった要件をすべて兼ね備えた、周産期の総合母子医療センターの基準を満たした後も、これまで以上のこの運営にかかわる助成は必要でないと、このように見通していらっしゃると、こういうことですか。
◎宮村 健康福祉部長 新たに、国の方が国庫の運営費の補助金というもの、そしてまた診療報酬の点数の加算というものによりまして、収入がふえるということでございますので、そういった意味でこれまで以上のことはないという御答弁を申し上げます。
◆太田正明 委員 それでは、ちなみにきょうまで助成してこられた、いわゆる年額で結構ですが、大体どの程度の額をきょうまで助成をしてこられましたか。
◎宮村 健康福祉部長 運営費補助で1億9,500万円でございます。
◆太田正明 委員 ところで、こういった体制のもとに、県下で年間どれぐらいの母子がこういった危篤状態と言いますか、緊急事態に陥って、これら施設に運び込まれてらっしゃいますか。
◎宮村 健康福祉部長 その数等につきましては、健康対策課長から御答弁申し上げます。
◎勝山 健康対策課長 個別の件数ではございませんが、一定の延べ患者数ということで資料を持っておりますが、例えば平成14年度ということで見ますと、NICU,現在9床ございますが、延べ患者数で見ますと9,786、それからPICUの6床の利用でいきますと1,896というような稼動状況になっております。
◆太田正明 委員 ちょっとわかりにくいんやけど、延べということはどういうこと。1人の患者さんが、いわゆる例えば1週間入られたら7という勘定になるんですか。だから、その延べの利用ベッド数、ベッドの延べ利用日数ですか。では、逆に、いわゆるそういった利用なさる人数では大体概略どれぐらいのものなんですか。
◎勝山 健康対策課長 実数については、今手元にデータございませんので、また後ほどということでお願いいたします。
◆太田正明 委員 後ほど分科会でお知らせ願えればありがたいと思います。
このように多額の費用は、いわゆる投入しつつも、今お聞きいたしますとかなりの方がこの施設におかれて、母子とも命が救われるというんですか、そういった意味での効果は上げていらっしゃるということは推測できるわけでございますが、部長さん、この1億9,500万円という年額というのは、これは県の単費分でこれだけですか。それとも国庫助成を入れての額ですか。
◎宮村 健康福祉部長 県全体の運営費補助でございます。
◆太田正明 委員 県費なのか、国費も入れての1億9,500万なのか。
◎宮村 健康福祉部長 県費からの補助でございます。
◆太田正明 委員 県単費でこれだけかかるということ。
◎宮村 健康福祉部長 県費からの補助でございます。
◆太田正明 委員 はい、わかりました。
ところで、実は同じ隣の京都でも、当然こういったセンター整備がなされて、いわゆる母子の緊急事態に備えているわけでございますが、いずれにしましても、これだけの体制を24時間になりますと、これはもう多大な費用がかかることはもう必定でございます。それで仄聞するところによりますと、京都は京都第一赤十字病院でこの施設を整備をされてやってらっしゃるそうでございますが、ただ医師なんですが、こういった経費をできるだけ少なくしますために、実は大学の医学部のいわゆる医局と連携をとられて、いわゆる、一般の医師じゃなくて、一般的な意味での医師の卵というんですか、そういった方を医局から、いわゆるボランティア、まるっきりボランティアではないでしょうけども、いわゆる大学の医学部と連携することによって、この待機の医師にかかる費用を極力抑えるべく連携をとってらっしゃると、このように伺うわけでございますが、当県が整備をしつつ、またこの16年を目指して、16年度の指定を目指すこの施設ですが、一番経費のかかる医師について、どのような体制、またどのようないわゆる支援体制、大学医学部と、とってらっしゃるか、お教え願いたいと思います。
◎宮村 健康福祉部長 基本的には、ただいま御質問の件につきましては、大津赤十字病院の方において御検討されて、今おっしゃっておられますような大学との連携のもとで医師の確保はされるものというふうに考えております。
◆太田正明 委員 甚だ心もとない答弁ですね。1億9,500万円もの多大のいわゆる県費を助成しているにもかかわらず、今の答弁を聞いてますと、これはもう日赤任せで、中身については多分してらっしゃるでしょうというようなぐらいのことで、それではこの1億9,500万円の根拠というのは、当然根拠があってなさってるわけですから、そういったことも今の答弁では、どうも納得しかねますね。
◎宮村 健康福祉部長 日赤の現状というものにつきましては、健康対策課長から御答弁申し上げます。
◎勝山 健康対策課長 現在、小児科医としてNICUの勤務ということで、日赤の方の医師としてNICUの専任が5名、それから小児科医ですがNICUも兼務するといった兼任の方が7名、それから産婦人科の医師につきましてはPICUの診療に従事しますが、医師については専任の方が1名、それから一般の産婦人科と兼務される方が5名というような体制になっておりまして、その県費の補助につきましても、こうした医師なり、それから看護師、助産師等の看護職、その他の医療従事者等も含めて、新生児救急医療センターに従事する者の按分等も含めて計算の上、積算させていただいております。
それから、先ほどお話のありました医師の制度も、来年度から、新臨床研修医師の制度等がございますので、同じような体制でいけるかどうかというのは、なかなか難しいかというふうに思います。
◆太田正明 委員 ただいまの課長の答弁をお聞きいたしますと、部長がにおわされたいわゆる大学の医学部との連携と言いますか、いわゆる研修医ですね、今おっしゃった、そういった方を受け入れてできるだけ費用を抑えていく、また派遣をお願いして費用を抑えていくということにはなってないということですね、現在。
◎宮村 健康福祉部長 ただいまの御質問に対しまして、課長よりお答えいたします。
◎勝山 健康対策課長 済いません。説明がちょっと足りませんでした。なおまたその大津赤十字病院の新生児救急医療センターの、特に小児科の医師については、現在、滋賀県にあります大学医学部、滋賀医科大学の小児科教室の方からも医師の派遣等も含めて、連携して運営していただいているということでございますが、今現在、研修医の方々がまた一定の研修医制度の中で、こちらの方に短期間ではあるが、一定の研修を積んでいただくというのはあるかなというふうに思っております。失礼しました。
◆太田正明 委員 私は、実はこれはもう県もかつて、そして私の選挙区の草津市もそうでございます。滋賀医科大学を滋賀県に誘致するときに、これはもう市も、大津市も草津市もそれから県も、多大の負担をしながら、滋賀県でようやく医科大学の誘致ができました。そして、爾来、優秀な医学生またお医者さんをこの県内に輩出をしてもらっているわけでございます。特に滋賀医科大学は、いわゆる産科については大変優秀な教授陣もそろっていらっしゃると。たくさんの産科医が育っていってらっしゃるということでございますが、残念ながらこういった施設に対して、滋賀医科大学の医学部からは実は連携がうまくとれてないと、このように仄聞をしておりますし、聞きますところによりますと、今度、16年度に、こういったNICUが整備をされても、滋賀医科大学からは多分新しいセンターに、いわゆる研修医等々の医師の派遣はできないであろう、このように聞いておるわけですが、これが事実とすれば、やっぱり余りにまずいというのが私の率直な受けとめ方です。ぜひ今後の県民負担のあり方も考えて、ぜひこのせっかく滋賀県の地に来てもらった滋賀医科大学、特に産科については大変力を入れて学生を教育していらっしゃると、このようにお聞きいたしますので、うまくこのセンターと滋賀医科大学が連携をとれるように、ひとつ県も努力をしていただきたいということを申し上げたいのですが、これに対して決意と言いますか、思いを県の担当部長からお聞きをしたいと思います。
◎宮村 健康福祉部長 ただいまいただきました御意見ということ、非常に医大との連携を図るということは、県におきましても大切なことと考えております。今後ともあらゆる機会をとらえて、そういった方向で取り組んでまいりたいと、このように考えております。
◆太田正明 委員 それでは、よろしくお願いいたします。それでは、次の項に移ります。
実は過日の新聞記事であるわけでございますけれども、いわゆる衝撃的と言いますか、福祉に感心を持っておる者としては、えっという思いで読んだのでございますけれども、いわゆる厚労省の障害者向けの新年度の方針として、2004年度からは、いわゆる新設の入所施設に対しては、増設も含めて原則国の補助を出さない方針だと、こんなことが報道されております。具体的にはこの6月にも各都道府県に内容を通知していくと、こんな新聞記事に接したわけでございますが、当然、担当部としてもこのことは掌握してらっしゃると思いますが、これについて真意と言いますか、新聞記事についての記事が事実なのか、いやそうでないのか、その辺のところを答えていただきたいと思います。
◎宮村 健康福祉部長 私もこの新聞記事等でおおむね今、御質問のようなことを聞いております。
◆太田正明 委員 当然、部長も行ってらっしゃると思いますが、國松知事もこの間、参加しておられましたが、実は去る2月20日から20、21日、22日と、プリンスホテル全会場、一番大きなホールで、全国から1,500名という多数の参加者を集められて、いわゆる身体障害者はもとより、知的障害者であり身体障害者、こういった障害者のことにかかわっていらっしゃる全国各地から集まって、アメニティフォーラムinしがと、7回目になるそうでございますが、参加をしてまいりました。この中で、いわゆるこの催しの主催者の1人でございます浅野宮城県知事が、その会場において、いわゆるショッキングな表現だったわけでございますけれども、知的障害者を地域に帰していくと、したがって、全いわゆる入所施設を解体と、解体宣言と、こんなアピールがなされたわけでございますが、こういったこと、言葉だけ見ますと書いてあってえっと思うんですが、よくよく中身を聞いてみますと、いわゆる入所施設にもそのまま入所しっぱなしではなくて、やっぱりノーマライゼーションの理念を考えるならば、障害者も健常者も、そして子供たちもお年寄りも、同じ住みなれた地域でともに暮らしていくと、こんな社会を目指そうと、そういったことの整備をしていくことによって、結果として入所施設をなくしていこうと、それが目指すべき社会だと、こんなことであったわけでございますけれども、こういったことは理解はするものの、一挙に新年度から補助金を出さない、こういったことになってまいりますと、県も実は14年度、策定し、そして今年度から新たな滋賀県における障害者プランがスタートをしたところでございます。大きな支障が出てこようと思いますが、この新たな障害者プランでは、県下に今後こういった入居施設をあと何カ所ぐらい、そして何ベッドぐらい整備をせんとされておるのか、明らかにしていただきたいと思います。
◎宮村 健康福祉部長 本県におけます入所施設の整備についての御質問でございますが、本県におきます障害者の施設整備につきましては、昨年の6月に策定いたしました「新・淡海障害者プラン」に基づきまして整備を推進することといたしておりまして、身体障害者や知的障害者の通所授産施設と精神障害者の施設整備につきましては、目標数値を掲げてその促進を図ることといたしております。
一方、入所施設の整備につきましては、プランの目標であります地域で自立した生活の実現を総合的かつ戦略的に進めるために、入所のニーズや地域バランスを踏まえた整備を考慮することといたしております。
今般、国は入所施設の新増築補助は行わないとの新聞報道があったところでございますが、各都道府県に対して示されている平成16年度の国庫補助協議にかかります整備の採択方針によりますと、「国は新障害者プラン等に基づき、障害者の地域生活を推進するための整備等を優先的に行い、身体障害者療護施設や知的障害者入所更生施設等の入所施設については、原則として創設や増築等の入所枠の増となる整備は行わないこととする。ただし老朽による改築、居室の環境改善を伴う拡張や大規模修繕など、真にやむを得ない理由があるものと判断されるものについては、従来どおり協議対象とする」とされております。
しかしながら、去る3月3日に開催されました全国障害者福祉主管課長会議におきまして、平成16年度の各都道府県からの施設整備要望の中には、入所施設の新設等の案件が相当数盛り込まれていることから、入所施設の整備のあり方につきまして、今後、外部の有識者の意見を聞き、具体的な方針を検討するとの説明があったところでございます。
こうしたことから、本県におきます今後の入所施設の整備におきましては、国の検討経過を十分把握しながら、障害者の施設から地域生活への移行という大きな施策の流れや地域の入所ニーズを総合的に勘案し、真に必要なものにつきましては整備できるよう、国に対して協議してまいりたいと考えております。
◆太田正明 委員 今の答弁では、いわゆる「新・淡海障害者プラン」の中で、通所施設での整備は言及されたわけですが、入所施設についてはできるだけ流れとしては地域で健常者とともにという理念はわかるというものの、すべてそれでいけるんじゃなくて、やっぱり最低必要限度、入所施設の整備を伴うと、このようにプランでは僕は理解しているのですが、具体的に入所はその中でどれぐらい、このプランの中では考えてらっしゃるのか、いま一度、御答弁願いたいと思います。
◎宮村 健康福祉部長 入所施設の目標数値というものは、プランでは掲げておりませんが、真に必要なニーズというものを的確に把握しながら、先ほど御答弁申し上げましたように、そういったニーズや地域バランスを十分踏まえて、整備を考慮することが必要であると、このように考えております。
◆太田正明 委員 ただいまの答弁で結構でございますが、いずれにいたしましても大きな施策の流れとしてはわかりますものの、しかし、すべて入所施設が今後1カ所も要らないという実情ではないと思いますので、今後これらの実態をよく精査願って、結果としていわゆるノーマライゼーションが果たせる立場で頑張っていただきたいと思いますし、僕たちもできる限りの支援をやっていきたいと、このように思います。よろしく今後の展開をお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○滝一郎 委員長 以上で、太田正明委員の質疑を終了します。
しばらくそのままでお待ちください。
次に、上田 彰委員、発言席へお願いいたします。
それでは、上田 彰委員の発言を許します。
◆上田彰 委員 せんだっての4日の一般質問におきまして、男女共同参画社会と、それから小学校における過激な性教育につきまして質問をいたしました。重複する点がございますので、よろしくお願い申し上げたいと存じますと同時に、先ほども清水委員の方からもこのことにつきまして質問がございました。私は、せんだっての生と性というこの総合学習の資料がどこから出てきたものか、そのことをお聞かせをいただきたいのでございます。
それと同時に、「例のラブ&ボディBOOK」これは教育長の答弁で回収がされたということをお聞きいたしました。これと同じ事件がきのうの新聞で、これは3月8日の新聞でありますけれども、過激性教育の東京書籍の副教材廃刊という記事が出ておりました。学校現場から強い批判があってということであります。各地で過激な性教育が問題となっている中で、教科書出版の最大手、東京書籍が編集発行した性教育の副教材が学校から強い批判を受けて絶版、廃刊となった。これはよく聞く教材であります。「1人で、2人で、みんなと、性って何だろう」この副教材はよく今までから聞いていた問題の教材でありますが、これも廃刊になった。これと同様に、子供の未来社、これもそのような内容が、同じであります。こんなものだれがつくってどこから来たのか。どういうルートで先生の手に入って、先生がどういう格好でこれを入手して、いやしくも教室の中で純真な子供に教えているのか、私はつくっているところと、どういうルートで来るのか、そんなところを聞きたいのであります。教育長にお願いをいたします。
そして、この勉強と一緒に、これもこの前、聞いたのでありますけれども、道徳教育をどういうところでやっているのかもあわせてお聞きをしておきたいと存じます。お願いをいたします。
◎西堀 教育長 何点かの御質問でございましたが、まずこの資料を出版した団体ということでございますが、性教協と呼ばれていますが、「人間と性教育研究協議会」という団体名で出されておるものというふうに聞いております。この団体については、性教育に関するセミナー、講演会の開催でありますとか、性教育に関する本、雑誌の発刊活動、あるいは電話活動などを行い、独自の性教育の研究をしている団体というふうに聞いております。
性教育に関する図書等でありますけれども、学校が図書を購入する場合には、それぞれ図書選定委員会を設けまして、適切な図書を選定するようにいたしておりますが、教員がそれぞれ市販の図書や参考図書やあるいは新聞等から情報を得ながら教材研究を行っておりますが、そうした場合には個人の蔵書ということで、実態を把握するといったことは大変難しいというふうに思っております。
それから、東京書籍の副読本のお話がございますが、私も詳しい事情はわかりませんけれども、内容等についても再度検討の上、絶版ということで判断をされたものというふうに聞いております。なお、この副読本の滋賀県での採用の実績というものはないというふうに聞いております。
それから、徳育ということでどういう指導をしているかということでございますが、学校では道徳教育を教育課程に位置づけ、道徳の時間を中心に、全教育活動を通じて、道徳価値の自覚を深め、実践を高めるよう指導をいたしているところでございます。これからの豊かな社会を築く人づくりのためには、発達段階に即した人格形成が何よりも重要であります。性についても望ましい対応能力もその中に含まれると思いますが、道徳教育についてきちんと指導をしていくことが大切であるというふうに認識をいたしております。
◆上田彰 委員 この資料だけ、資料等と言われましたけれども、この冊子だけではございませんで、人形、しかも等身大の人形、紙芝居、そのようなものも冊子だけでなしにあるということを皆さんに聞いてもらっておきたいと思います。これもやっぱり同じ経路を経てくると思うんですけれども、そういうことの予算はどこでどういうふうにして見て、見積もられているのか、これもあわせて教育長にお願いをいたします。
◎西堀 教育長 教育教材の購入につきましては、市町村で取り扱っておりまして、各学校で具体的にどういう教育資材が購入されているかということについては把握はしておりません。
先日の御質問で大変気になりましたので、御指摘の2つの市町村について調査をいたしましたけれども、この学校についてはビデオやチャート式の教育教材を使用していたということでございました。
なお、予算につきましては、そういったことで、市町村の学校における教育教材については、市町村の予算で執行されるわけでございます。なお、県としましては、こういったことから性教育も含めてでございますが、適切な教育が行われるために指導担当者の研修でございますとか、専門の医師を学校等の現場に派遣をして、教員等の相談に応じる等の事業を行っているところでございます。これについては県で必要な経費を支出をいたしております。
以上でございます。
◆上田彰 委員 私はこのような教材を使いながら、興味本位の分別のつかない子供に、いかに成長段階に応じてとは言いながら、そのことは余りにも過激過ぎるのではないか。ましてやこの国を担っていく国民の教育として、本当に道徳教育ともどもに並行してやられているのか、そういうところを懸念するわけでございます。そして、男女共同参画社会もそれはその言葉のとおり解釈すれば、この前も一般質問で申し上げましたように、立派なことであります。けれども、大沢真理教授と上野千鶴子教授との対談の中には、ようこんなことで男性の委員の合意が得られたなという裏話を、きちんとしたあの本に書いておられますのを見ますと、こんな思想が、子供と言わず男女共同参画社会を進めていこうとする一般社会の中で、こんな思想がじわじわと浸透してくるということは本当に怖いことである。偏った、この中に家庭、親、父親を中心にして一家の責任者としての父親の存在、それを中心にした家庭というものをどういうふうに考えておられるのか。この偏った思想の推進のために、1億5,700万円という滋賀県の県費を投じて推進を進めていこうと、これは私は本当に偏った、そして将来怖い推進であると思うのでありますけれども、これは安藤副知事にお伺いをいたしますが、もう一度このことについてお考えを賜りたいと思います。
◎安藤 副知事 滋賀県では、男性も女性も性別にかかわらず、お互いの人権を尊重しながら、その持てる個性や能力を十分に発揮して、あらゆる場面で責任と喜びを分かち合い、お互いが対等なパートナーとして生き生き活躍できる、そういう男女共同参画社会を目指しているところでございます。したがいまして、県が目指しております男女共同参画社会というものは、先般の答弁でもお答え申し上げましたように、男女に生物学的な差があるというようなことまでも認めずに、人間を中性化するといったような、そのような社会ではないということを改めて申し上げておきますとともに、家庭のあり方につきましてもこれを否定するものではないし、むしろ個々人としてお互いのパートナーをしっかり見つめ合って、家庭のきずなを強めていこうという社会ではないかというふうに考えております。
16年度の県予算につきましては、男女共同参画施策の総合的な推進を図るのに必要な経費として約1,200万円、広報啓発等県民の理解を深めるのに必要な経費として約1,900万円、男女共同参画センターの事業費として約3,600万円、修繕を含む管理運営費として約9,000万円、合計で1億5,900万円を予算計上しておりますところでございますが、これらにつきましては、滋賀県男女共同参画推進条例および男女共同参画計画に基づきまして、家族のきずな、地域のきずな、自然とのきずなを大切にして、冒頭申し上げましたような、男女がともに輝いて生きることができる社会のために必要な経費だと考えておりますので、どうぞ御理解の方賜りたいと、よろしくお願い申し上げます。
◆上田彰 委員 そのように、先ほども答弁をなさっておいでになりました。性差、性は後天的につくられる、このようなお考えでございますけれども、もう生まれるまでに脳は男は男の発達をし、女は女の脳を持って、だから俗に言う、顔を見れば、お母さんの顔を見れば、「あんた今度生まれてくる子は男やな。きつい顔してるな」このように顔を見たらわかると、昔からそんなことを言われるように、これは後天的なものではございません。そこら辺がちょっと考えと違うのと、それから何回も言うてますように、上野千鶴子さんと大沢真理さんの対談、これを見れば、きちっともうそれはジェンダーフリーだということを言っているのであります。一度、副知事もそれを見ていただきたい、このように思います。
そのように一般社会では、そういう考えがじわじわと、公費を持ってこれは進められている。学校全般においては、小さな純真な子供にそのようなことを教えている、きちっとした道徳をやっぱり教えるべきだと。まさにこれはせんだっても申し上げましたように、働かない人間が目標を失った人間を育てている、そんなことを思いますときに、将来のこの国はどうなっていくのであろうかということになるわけであります。私はここに、中西輝政さんの「大英帝国衰亡史」の巻頭に出ております、済いません、3行ほどでありますので、「多くの大国が衰退のプロセスをたどりつつあるとき、その時代を生きた知識人の多くが、既に早くから衰退の進行を指摘して、後世から見て適切な処方せんを提起していたことは、決して珍しくない。にもかかわらず、現実にはわかっていながらどうすることもできないまま、坂道を転げ落ちてゆく、これが歴史上、最もポピュラーな大国の衰退のプロセスである」、このように言いまして、今の日本はあのイギリス領、7つの海を席巻しておりましたイギリスが、第2次世界大戦を切り抜けて、1945年取りつかれたイギリス領、そのような事態が我が国にきているのではないかということを中西輝政さんは指摘しております。それを救ったのはだれだ。そこから救ったのはサッチャーであります。滋賀県のサッチャーは知事であります。教育だ。教育からして立て直さなかったら、この国は立ち直らないといって、サッチャーが叫んで実行した。私はきょうは知事さんに所信を聞きたいのでありますけれども、これはまた次の機会にさせていただいて、きょうは教育長に、これからはこうするのだと、そういう決意をお聞かせいただきたい。終わります。ありがとうございます。お願いいたします。
◎西堀 教育長 上田議員が、まさに将来を憂いて、教育を憂いていただいたというふうに思います。私どももこの国の将来を担う将来の子供たちを育てるために、みずから考え、みずから課題を解決し、生きる力をはぐくむ、そういったことによりたくましく将来を切り開く青少年の子供たちの教育に精いっぱい取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
◆上田彰 委員 ありがとうございました。
○滝一郎 委員長 以上で、上田 彰委員の質疑を終了いたします。
しばらくそのままでお待ちください。
最後に、辻 貢委員、発言席へお願いいたします。
それでは、辻 貢委員の発言を許します。
◆辻貢 委員 私は、質問通告に従いまして、カワウ対策の1点について質問をいたします。
カワウは魚を食べる大型の水鳥であり、鵜飼いに使われる海鵜と同じペリカンの仲間であるようです。その生息数は1970年ごろには全国で3,000羽以下であったようでありますが、その後、環境の改善から次第に増加し、1980年代末には2万5,000羽、2000年には5ないし6万羽と推定されております。本県では昭和50年代末に、琵琶湖の竹生島に営巣地でありますコロニーがあり数羽が生息していたようでありますが、初めて一斉調査が行われた平成4年春に、約4,000羽が確認されました。平成10年には3倍の1万2,000羽、そして昨年秋には実に1万7,000羽余りと、この20年間ほどの間に爆発的に増加しております。この間、カワウのコロニーは竹生島1カ所から近江八幡市の伊崎など4カ所に拡大している状況であります。竹生島は日本三弁財天の1つであり、古くから信仰の島として多くの参拝客や観光客が訪れており、また琵琶湖八景の1つに数えられております。しかしながら、現在竹生島は、カワウの巣やふんにより、島の半分以上の樹木が枯れ、無残な姿になっております。また、近江八幡市の伊崎は健康保安林に指定されておりますが、枯れ木が目立ち、竹生島と同様の経過をたどっております。
そんな中、本日はカワウ駆除に絞って質問いたします。
カワウは魚を餌としておりますことから、毎日早朝にコロニーを飛び立ち、琵琶湖や河川に飛来し、アユを初めフナやハスなど、在来種を1年間通じて食べ続けております。この捕食量は大変な量に達しているものと想像しているところであります。漁業被害は深刻であります。県では、これまでカワウ対策として、漁場における追い払いや駆除を行ってこられましたが、先ほど申し上げましたように、カワウの数はふえる一方であり、被害は拡大しております。抜本的な対策をとる必要があるのではないかと考えます。そこで、
農政水産部長にお尋ねします。1点目は、カワウの捕食量はどれぐらいであると推定されているのか。
◎浅田
農政水産部長 カワウ対策のうち、どれぐらい捕食しているのかというお尋ねでございますが、カワウによる魚の捕食量につきましてでありますが、カワウの生息量は今お話がありましたように、年々増大をしております。県が野鳥の会などに委託をしまして実施している一斉調査によりますと、昨年秋には1万7,000羽余りが確認をされております。また、水産庁は日本野鳥の会などに委託をして調査した報告書によりますと、カワウは魚だけを捕食しておりまして、その捕食量は飼育下の調査で、1日当たり1羽400から620グラムを食すると報告をされております。また、自然界に生息しておりますカワウは体重1キログラム当たり1日に262グラムの魚を食べているという報告がされております。カワウの体重が1.5キログラムから2.5キログラムでありますから、少なく見積もりましても1日当たり仮に350グラムの魚を食べているとして、1年間に約2,000トンの魚が食べられたと考えられます。この量は、琵琶湖漁業の漁獲量2,100トンに匹敵する量となります。
◆辻貢 委員 そのようなたくさん魚を食うカワウですが、いろいろな駆除をされてまいりましたが、これまでどの程度のカワウを駆除されてきたのか、お尋ねします。
◎浅田
農政水産部長 駆除数はどれぐらいかというお尋ねですが、これまでのカワウの漁業被害につきましては、カワウ漁業被害防止対策事業という名で、平成5年度から市町村に補助を行いまして、琵琶湖や河川の漁場における銃器駆除を、その当時18町から、今は28市町村までふえて行っていただいております。また平成13年度からは、花火による追い払いを、安曇川町など3、4町で行っていただいております。
それで、銃器の駆除による状況でありますけども、銃器駆除では、漁業被害が最も集中いたします4月から6月に、平成9年度からはこの間に一斉駆除日を設けまして、年3、4回、効果的な駆除を行っているところでございます。県猟友会の方々の大変な御協力を得て、毎年4,000羽程度を駆除しているというところでございますが、依然カワウは増加傾向にあるというのが現状でございます。
◆辻貢 委員 毎年4,000羽をとっててもまだふえてきているというような状態ですが、漁業被害の軽減のために、来年度はカワウ駆除対策事業補助金として1,275万円が予算計上されております。どれだけの数のカワウを駆除されようとしているのか、お答え願います。
◎浅田
農政水産部長 来年度どのように対処するかということですが、来年度のカワウの被害対策につきましては、これまでカワウ対策はあくまで飛来地であります琵琶湖ですとか、河川の漁場におきまして追い払いや銃器による駆除を基本として実施してまいりました。これを根本的に見直しまして、飛来地の漁場だけではなしに、竹生島ですとか伊崎などのコロニーなどでも駆除を実施する必要があるというふうに考えております。このため、平成16年度は今までの事業は継続しながらも、新規事業として営巣地対策事業を起こしまして、竹生島、伊崎、それから大津市の瀬田川河畔など、本県に4カ所程度あると言われるコロニーにおきまして、地元市町の御協力を得ながら、猟友会の皆様の絶大なる御支援を賜りながら、短期集中的な駆除を実施する考えでございます。
なお、この駆除数でありますけれども、このことは具体的な推量をいまだ行っておりませんが、漁業被害が甚大であると認められるようになりました平成5年ないし6年度の状態でありました生息数4,000羽以下を念頭に置きながら、カワウの専門家ですとか、あるいは漁業者などの御意見を聞くカワウ対策検討会議を設置いたしますとともに、琵琶湖環境部と十分話し合いをしまして、最終の詰めを行ってまいりたいと、このように考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
◆辻貢 委員 積極的に取り組まれるということですが、カワウは学習するところから、十分な工夫をして駆除していかないと、これだけの予算をつぎ込んでいてもその実効は出せないのではないかな、徹底的な駆除をしておかないと、何年かするとまた爆発的に増加すると思いますが、そのようなことのないように、どう考えておられるのか、御答弁を。
◎浅田
農政水産部長 カワウにつきましての学習能力があるかどうかなども含めまして、今後専門家の先生方から御意見を伺わせていただきたいと思っております。今般行おうとしておりますコロニーでの駆除というのは、結果としては成鳥だけではなしに、幼鳥なども結果的には駆除することにつながっていくと思いますので、私どもといたしましては、過去に取り入れなかった画期的な対策を今般はとれるのではないかと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
◆辻貢 委員 いろいろと工夫して、委員会等でも研究してやっていただけるようですので、抜本的な対策に向けて、きめ細かな取り組みをしていただき、漁業被害だけではなしに、景観被害の対策に向けても関係部局一丸となって取り組んでいただきますことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○滝一郎 委員長 以上で、辻 貢委員の質疑を終了いたします。
これで、本日の日程は終了いたしました。
明10日は午前10時から委員会を開会し、全体質疑を続行いたします。
以上をもちまして、本日の
予算特別委員会を閉会いたします。御苦労さまでございました。
閉会宣告 16時43分...