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平成12年 6月定例会(第13号〜第17号)−06月30日-02号

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  1. 滋賀県議会 2000-06-30
    平成12年 6月定例会(第13号〜第17号)−06月30日-02号


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    平成12年 6月定例会(第13号〜第17号)−06月30日-02号平成12年 6月定例会(第13号〜第17号)                平成12年6月滋賀県議会定例会会議録(第14号)                                      平成12年6月30日(金曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第2号                                        平成12年6月30日(金)                                        午 前 10 時 開 議  第1 議第158号から議第174号まで(平成12年度滋賀県一般会計補正予算(第1号)ほか16件)(質疑、質問)            ─────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ─────────────────────────────── 会議に出席した議員(47名)    1番   佐  野  高  典  君    2番   中  嶋  武  嗣  君    3番   三  宅  忠  義  君    4番   上  田     彰  君    5番   芥  川  正  次  君    6番   家  森  茂  樹  君    7番   清  水  克  実  君    8番   徳  永  久  志  君    9番   田  島  一  成  君    10番   西  沢  久  夫  君
       11番   北  野  加 代 子 さん    12番   出  原  逸  三  君    13番   高  井  八  良  君    14番   青  木  愛  子 さん    15番   藤  崎  ヨ シ ヲ さん    16番   森     茂  樹  君    18番   小  川  暢  保  君    19番   朝  倉  克  己  君    20番   青  木  善  政  君    21番   浦  田  一  郎  君    22番   沢  田  享  子 さん    23番   梅  村     正  君    24番   吉  田  清  一  君    25番   杼  木  捨  蔵  君    26番   辻  村     克  君    27番   赤  堀  義  次  君    28番   冨 士 谷  英  正  君    29番   中  川  末  治  君    30番   中  島     敏  君    31番   宇  野     治  君    32番   脇  坂     武  君    33番   世  古     正  君    34番   三  浦  治  雄  君    35番   中  村  善 一 郎  君    36番   黒  田  昭  信  君    37番   橋  本     正  君    38番   滝     一  郎  君    39番   松  井  俊  治  君    40番   酒  井  研  一  君    41番   黒  川     治  君    43番   有  村  國  宏  君    44番   大  谷  元 太 郎  君    45番   北  川  弥  助  君    46番   稲  田  喜 代 司  君    47番   深  田  作  治  君    48番   上  野  幸  夫  君    49番   石  田  幸  雄  君            ─────────────────────────────── 会議に欠席した議員(1名)    17番   桐  山  ヒ サ 子 さん            ─────────────────────────────── 会議に出席した説明員              知事              國  松  善  次  君              教育委員会委員長        樋  口  松  男  君              選挙管理委員会委員長      山  嵜  徳 三 郎  君              人事委員会委員長        野  玉  三  郎  君              公安委員会委員長        吉  川  治  甫  君              代表監査委員          辻  本     昭  君              副知事             山  田  新  二  君              出納長             山  川  明  子 さん              知事公室長           土  井  典  彦  君              総務部長            高  田  寛  文  君              企画県民部長          今  堀  治  夫  君              琵琶湖環境部長         田  口  宇 一 郎  君              健康福祉部長          池  口  博  信  君              商工労働部長          廣  田  義  治  君              農政水産部長          中  森     武  君              土木部長            中  村     昭  君              企業庁長            堀  出  亀 與 嗣  君              教育              西  堀  末  治  君              警察本部長           渡  邉     晃  君            ─────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員              事務局長            山  岡  完  右              議事調査課長          若  林     勲              議事調査課課長補佐       長  瀬     孝              議事調査課主幹兼議事係長    徳  本  次  夫            ───────────────────────────────   午前10時8分 開議 ○議長(橋本正君) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(橋本正君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  議第166号議案および議第167号議案について、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めておきましたところ、お手元に配付いたしておきました文書のとおり回答がありましたので、御報告いたします。  次に、選挙管理委員会委員長山嵜徳三郎君が都合により本日の会議に欠席する旨の届け出がありましたので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(橋本正君) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第158号から議第174号まで(平成12年度滋賀県一般会計補正予算(第1号)ほか16件)(質疑、質問) ○議長(橋本正君) 日程第1、議第158号から議第174号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、会派代表による質疑ならびに質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、5番芥川正次君の発言を許します。 ◆5番(芥川正次君) (登壇、拍手)6月定例会に際し、自由民主党・淡海クラブを代表いたしまして、知事ならびに執行部に対し、県政の諸課題について質問をいたします。  最初に、去る6月16日崩御されました故皇太后良子様に対し、謹んで哀悼の誠を捧げたいと存じます。また、我が国の発展と安定に大きく寄与をされた故小渕恵三前内閣総理大臣、故竹下登元内閣総理大臣に対しましても、心から御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。  新たな千年紀を迎え、21世紀を目前に控えた今、我が国は混迷の中にあります。日本経済は最悪の状況を脱しつつあるとはいえ、いまだ民需を中心とした自律的回復には至らず、年金、介護、医療の社会保障改革も道半ばであります。年金はどうなるのか、医療や介護はどうか、教育改革は実現するのか、日本経済は再生するのかなどなど、多くの国民は将来に不安を抱いています。  こうした我が国の厳しい現状の中、今、政治に求められているのは、政策、ビジョンを明確に提示することによって国民の不安を払拭し、安心を担保することであります。そして、国民一人一人が平和と真の豊かさを実感し、みずからの将来にしっかりとした目標や希望を持ち、誇りと自信を持てるような社会を実現することであります。  今回の衆議院総選挙は、こうしたもろもろの課題にどのように対応するのか、また、21世紀の日本のあり方を問う重大な選挙でありました。混乱か、安定か。我々連立与党は5つの不安──平和、福祉、教育、経済、治安──を解消し、そして、新生日本の実現を国民の皆様に訴え、戦ってまいりました。幸い多くの有権者の皆様の御理解と御協力を得、3党が結束し、連立についての信を問うた結果として絶対安定多数を上回る議席をちょうだいいたしました。  本県におきましても、我が党公認候補3名中、滋賀第2選挙区小西哲、滋賀第3選挙区岩永峯一、両名が、多くの県民の皆様の深い御理解と御協力の結果、当選の栄を賜りました。ここに心から御礼を申し上げます。  しかし、一方で、県民の厳しい御批判をちょうだいしたことも事実であり、我々はこの民意を深く認識し、県民の期待にこたえるという決意をいま一度確認し、新たなるスタートを切りたいと考えております。  中国の古典「大学」いわく、「湯の盤の銘にいわく、まことに日に新たに、日々に新たに、また、日に新たなり」と。常に問題意識を持ち、緊張を忘れず、心新た、日々新たの気持ちを忘れず、県民の側に立って、県民の目線で努力していく所存であります。  さて、明7月1日は滋賀県環境基本条例においてびわ湖の日として、また、滋賀県ごみの散乱防止に関する条例においては環境美化の日として定められている日であります。  このびわ湖の日にあわせて、本日環境美化活動が実施をされたところであり、知事も従来から環境美化活動には積極的に参加され、身近に環境問題を認識されているところであります。本日はまた、家森琵琶湖環境農政水産常任委員長、徳永副委員長も御参加を賜りました。21世紀のキーワードはまさに環境であり、本日の活動は大変意義のあることと考えるところであります。関係者の御努力に感謝を申し上げながら質問に入らせていただきたいと思います。  最初に、マザーレイク21計画の推進についてお伺いをいたします。  国の関係6省庁が、平成9年、10年の2カ年にわたり共同実施した琵琶湖の総合的な保全のための計画調査の成果を受けて、県では県民総ぐるみで健全な琵琶湖を次世代に継承していくための指針として、この3月にマザーレイク21計画を策定されたところであります。  我々は、琵琶湖総合開発においても、琵琶湖の治水、利水とともに、水質保全対策自然環境保全などが円滑に実施されるよう強力に国に支援を要請してきたところであり、この琵琶湖総合開発によって水資源としての価値が一層高まった琵琶湖を次世代へ健全な姿で継承できるよう、琵琶湖の総合的な保全のための取り組みに対し、国に絶大な支援を働きかけてまいりました。  国の計画調査を受け、琵琶湖総合保全のための県計画も策定され、いよいよ本格的な保全の取り組みに着手されるわけでありますが、この計画の特色はどのようなところにあるのでしょうか。また、昨今の国、地方を問わない厳しい財政状況の中、ましてや琵琶湖総合保全の特別な法的根拠がない中でマザーレイク21計画を推進していくには、厳しい道のりが予想されますが、国などの支援を求めることなど、計画推進に当たっての知事の決意、存念をお伺いいたします。  次に、本年4月に開催されたG8環境大臣会合の成果と、その成果を、2001年11月に計画されている世界湖沼会議にどのように生かすのかについて、知事にお尋ねをいたします。  先進8カ国から環境大臣をお迎えし、我が国で初めての環境大臣会合が滋賀の地で開催され、国際的な合意の困難さが浮き彫りにされる場面はあったものの、地球温暖化を初めとする直面する環境問題について活発な議論が行われ、その結果が共同宣言として取りまとめられ、問題解決に向けて取り組む決意が表明されたところであります。  開催県である滋賀県としては、この会合に参加された各国の大臣の皆さんに琵琶湖をじかに見ていただき、また、知事みずから琵琶湖の環境保全に対する本県の取り組みについてプレゼンテーションをされたり、会場の一角では滋賀県や大津市が取り組んできた環境保全のPRが行われるなど、世界に向け環境こだわり県としての情報発信をされたことは大変意義深いものがあったと思うものであります。  今回の環境大臣会合に合わせて、さまざまな環境問題について考えるシンポジウムが開催されたり、地球の再生を願う地元大津市民リサイクル自転車手づくり花壇で歓迎するなど、市民レベルでも環境問題への関心が一層高まったところであります。  そこで、G8環境大臣会合の開催県として、知事はどのような成果があったと認識し、その結果を第9回世界湖沼会議にどう生かそうとされるのか、その所見をお伺いするものであります。  次に、地方税の独自課税についてお尋ねをいたします。  この4月から、地方分権一括法が施行され、分権時代のスタートを切ったわけでありますが、その中でも特に注目を集めているのが、地方自治体が独自の税目を条例で定めることができる法定外普通税法定外目的税であります。法定外普通税は、これまでの許可制から同意を要する協議へと国の関与が縮減され、法定外目的税は、特定の財政需要に対応するため新たに創設ができることとなったところであります。  このような流れを受けて、三重県では、産業廃棄物埋立税の導入について検討をされておりますし、神奈川県では生活環境税制の導入を、横浜市では、場外馬券売り場やパチンコ、風俗店に対する課税を目指すなど、地方独自の地方税を設ける動きが広がっております。また、法定外普通税ではありませんが、独自の財源確保策として、大手金融機関を対象とした法人事業税外形標準課税の導入について、東京都に引き続き大阪府も導入を決定されたところであります。  これらの独自課税の動きについては、税金を取りやすいところから取るという安易な増税であるという批判もありますが、国庫補助金や地方交付税といった国の財源に頼ってきた地方自治体が主体的に財政運営を進めようとするものであり、その努力について大いに評価するものであります。  知事は、「これからの行政には、住民のニーズや地域の実情に即した総合的な政策をみずから考え、みずから実施する自立した自治体としての力量が厳しく試される、新しい自治体間競争時代の幕あけである。」とおっしゃっておられますが、地方分権時代における地方税のあり方についてどのように考えておられるのか、独自課税についてどのように進めようとされているのか、知事の所見をお伺いいたします。  次に、司学館高等学校の不適切な学校運営問題についてお尋ねをいたします。  今回明らかになった司学館高等学校区域外生徒の越境入学その他の不適切な学校運営の問題は、本県私学振興を願う立場から、これまで私学助成の拡大に努めてきた我が党としてまことに遺憾であり、残念と言わざるを得ません。  今回の事態に対し、県が学校に対して、法人役員の責任の明確化や学校運営の適正化等の是正、改善を指導され、補助金の返還を命じられたことは、私学の所轄庁として、もとより当然の措置であり、また、その間、学校の指導、監督や補助金の業務に携わった職員に対して一定の処分をされたのも、それぞれの立場での指導、監督の責任を明らかにし、公務の遂行にけじめをつける意味で必要なことであると考えますが、当時総務部長であった國松知事の責任を御自身でどのようにお考えになっておられるのでしょうか。  補助金の返還と是正、改善措置によって問題がすべて解決したわけではありません。学校の開設当初から不適切な状態が続いていながら、毎年の検査でそれがわからなかったことから、今後の検査についてはどのように考えておられるのでしょうか。  理事長、理事の一部が辞任をされましたが、事の重大さからして、辞任すれば済むというものではありません。社会責任として法人の解散命令や学校の閉鎖命令等の措置を県として検討しなかったのでしょうか。また、刑事責任として訴追の検討はしなかったのでしょうか。あわせて、生徒数が大幅に減っておりますが、今後の学校の存続や経営面で不安はないのでしょうか。  これらの点について、改めて知事の所見を伺います。  次に、びわこ空港についてお尋ねをいたします。  びわこ空港につきましては、我が党は、びわこ空港の計画当初から、大交流時代と言われる21世紀を迎えるに当たって、本県が持続的発展を続けていくためには、その基幹施設として、広域高速交通基盤であるびわこ空港が必要であると申し上げてきたところであります。  しかし、その候補地を蒲生・日野地区に選定してから11年余りが経過し、到達目標でありました21世紀もあと半年余りとなった今日において、地元空港関係集落の同意が得られず、いまだ環境アセスにすら着手できない膠着状態にあることは大変残念であります。  これまでの経過を振り返ってみますと、計画当初、推進一色で大きな期待が寄せられておりましたびわこ空港も、バブル経済の崩壊を契機に、最近では、運輸省事務次官の発言や住民投票条例の制定請求に代表されるように、その投資効果などをめぐってさまざまな意見が聞かれるようになってきており、びわこ空港を取り巻く環境はこれまで以上に厳しくなってきていると思うものであります。  一方、高速交通基盤の整備という条件がついているとはいえ、日本の将来を占う首都機能移転の候補地の1つに三重・畿央地域が選ばれたということは、滋賀の地はこれからの日本の将来を担うにふさわしい未来性を備えた地域であるということが証明されたものであり、また、首都機能の誘致実現に向けて附帯条件をクリアするためにぜひとも滋賀に空港を実現しなければならないという新たな必要性も生まれてきているところであります。
     こうした状況にある中で、知事は、びわこ空港を実現するためには、地元の皆さんはもとより、県民の理解を得ることが何よりも大切であるとして、県民公聴会を開催してこられました。この公聴会では、知事みずから県民の生の声を聞かれ、そこで出された意見や疑問には、びわこ空港経済アセスメントを通して立証していこうとする知事の取り組み姿勢は評価をするものであります。  さて、そのびわこ空港経済アセスメントについてでありますが、最終報告によりますと、国内航空旅客需要見通しは、空港の開港年度で4路線、約86万人、また、国のマニュアルに準じて実施された費用対効果分析では、費用に対する便益が2.17倍、地域経済効果を生産増加額で推計すると、建設効果として2,470億円、さらに、供用後の効果では、年間90億円から約 390億円の増加が見込まれるなどなどの結果が出されたところであります。  これらの調査結果に対して、知事は、さきの提案説明において、空港の整備を進めることの妥当性や効果については、県民の皆さんの疑問や不安に対しお答えできる内容の結果が出たとしておられるところであり、我が党といたしまして、びわこ空港の必要性、事業の妥当性は十分検証できたものと評価をしているところであります。  そこで、知事は、今後この調査結果をもとに、県民の理解を深めるためにどのように取り組もうとされているのか、伺うものであります。  次に、地域情報化の推進について企画県民部長にお尋ねをいたします。  インターネットを初めとする情報通信革命、いわゆるIT革命による情報化は、私たちの社会生活に大きな変化をもたらしておりますし、経済に与える効果もまことに大きなものがあります。インターネットの利用者は、昨年12月末の郵政省の調査では 2,706万人と、約1年間で1,000万人がふえておりますし、5年後には7,670万人に達するとの予測がされております。  また、昨年12月に政府において決定されましたミレニアムプロジェクトにおいても、インターネット等を活用して2003年までに電子政府の基盤を構築することとしております。こうしたインターネットの急速な普及の一方で、国や地域で普及に差が出ており、いわゆるデジタル・ディバイド──情報格差の解消が課題となってきております。7月に沖縄で開催されます九州・沖縄サミットにおいても、情報面における格差が先進国と途上国との経済格差や先進国の国内での経済格差を大きくしてしまうおそれがあることから、正面から議論をしようとされております。  さて、県は昨年9月に、琵琶湖情報ハイウェイネット計画を策定し、地域情報化を通じて快適で豊かな生活や新たな社会活動の創出、さらには、地域を越えた情報交流や地域間の連携ができる魅力ある地域社会づくりを実現されようとしております。  そこで伺いますが、県全体の情報化を推進するためには、県内の光ファイバー網など情報化の基盤整備が急務であると考えますが、情報化の基盤整備についてのお考えをお伺いいたします。  第2点目として、民間分野では急速なIT革命に対応した取り組みがなされております。地域の情報化はそのような動きに対応することが大切で、民間と行政との情報交流を双方向で行うものでなければ効果が期待できないと考えます。この点についてどのように取り組んでいこうとされているのか、お伺いをいたします。  第3点目として、琵琶湖情報ハイウェイネット計画の着実な取り組みが大事であると考えますが、その取り組み状況はどのようになっているのか、また、この取り組みは庁内の連携を強化して、全庁挙げて総合的に推進していく必要があると考えますが、この点についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  次に、原子力防災対策についてお伺いいたします。  国においては、昨年9月に茨城県東海村のJCOの原子力施設において我が国で初めて周辺住民の避難が必要となるような事故が発生し、国民の原子力施設の安全性に対する関心が高まったことなどから、この事故を教訓として原子力災害対策特別措置法を制定し、原子力事業者の責任を明確化するとともに、万一の事故のときにおける迅速な初動態勢の確保など、原子力防災対策の強化を図ったところであります。  いよいよ法が施行され、さらに、国においては原子力災害に係る防災基本計画を定め、災害予防対策として原子力保安検査官原子力事業所の所在地に配置することや、災害応急体制については、緊急事態発生時に政府が現地対策本部を設置することなど、新たな対応が明らかになりました。  また、原子力防災対策の技術的、専門的事項を取り扱う防災指針についても、新法との整合性を踏まえ改訂され、従来定まっていなかった試験研究用原子炉施設や加工施設等の防災対策を重点的に充実すべき地域を明らかにされるなど、防災対策の内容がより実効性のあるものに充実されたと聞き及んでいます。  このように、国においては原子力災害対策の抜本的な見直しが行われ、事業者の責務が明確にされ、また、原子力施設のある福井県の市町に本県の一部の町が隣接していることから、本県は関係隣接都道府県として一定のかかわりを持つことになったところでありますが、やはり県民の安心のためには、本県の特性をもとに日ごろから考え、適切に対応することが必要であります。  そこで、県民が安心して暮らせるために、本県として今後どのような原子力防災対策に取り組まれようとしているのか、知事にお尋ねをいたします。  次に、資源循環型社会の構築について、琵琶湖環境部長の所見をお伺いいたします。  国の調査によると、平成8年度の産業廃棄物の総排出量は約4億トン、最終処分場の残余年数は全国平均で3.1年で、総排出量の増減を見ると、ここ数年は横ばいでありますが、焼却などの中間処理技術の進歩により最終処分量は減少する傾向であります。一方、家庭ごみなどの一般廃棄物については、横ばいであるものの、平成8年度には約5,000万トンと過去最高の排出量となっております。最終処分場の残余年数についても、全国で8.8カ年分で、ダイオキシンの汚染問題もあり、処理施設の用地確保も難しい状況であると言われています。  これらの問題に対処するためには、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会から脱却して、生産から流通、消費、廃棄に至るまでの物質の効率的な利用やリサイクルを進めることによって資源の消費が抑制され、環境への負担が少ない循環型社会を構築することが喫緊の課題であると考えるところであります。  このため、国においても、廃棄物の再生利用の促進、処理施設の規制などを強化すべく、平成9年度に廃棄物処理法の大幅な改正を実施し、さらに、一般廃棄物のうち約6割を占めるペットボトル、ガラス瓶などの包装容器類について、消費者には分別排出、メーカーには再商品化を義務づける容器包装リサイクル法を、平成12年4月より段ボールなどを含めて完全実施されたところであります。  さらに、さきの通常国会において、廃棄物・リサイクル対策を総合的かつ計画的に推進するための基盤を確立するため、循環型社会形成推進基本法を制定し、廃棄物のリサイクルに関する基本的な枠組みがされたところであります。また、事業者の発生抑制や再使用対策、回収やリサイクルなどの強化を図り、総合的な資源有効利用を図る資源有効利用促進法、さらに、廃棄物の種類を対象として対策を進めるものとして、食品廃棄物の再資源化を促進させる食品循環資源再生利用促進法、建設廃棄物の資源化を図る建設工事資材再資源化法、国や地方自治体のグリーン購入を図る環境物品調達推進法が一斉に成立したところであります。  県においては、既に資源循環型社会の構築を政策の柱の1つに据え、さまざまな取り組みをされているところでありますが、循環型社会の形成は、ただ行政だけが対応するだけでは解決するものではありません。消費者、企業、行政が三位一体でごみ排出者としての責任を果たすことにより実現できると考えますが、これらの関係法の制定について、どのように受けとめられ、どのように取り組んでいこうとされているのか、その所見をお伺いするものであります。  次に、21世紀に向けた農業・農村振興対策について農政水産部長にお伺いをいたします。  国においては、去る3月24日に食料・農業・農村基本計画が閣議決定され、同日国会に報告をされました。この基本計画は、昨年7月に施行されました食料・農業・農村基本法に掲げられた理念や施策の基本方向を具体化した、いわば我が国農業の長期計画でもあります。  この計画は、平成22年度を目標年次としておりますが、特に注目すべき点は、農業の生産力をはかる一つの尺度として、食料自給率の目標や今後10年間に政府が講ずべき施策が定められていることであります。具体的に申し上げますと、総合食料自給率の目標が供給熱量ベースで45%と規定されておりますし、その基礎となる米、麦、大豆などの主要な品目別の生産努力目標が明確に示されております。  しかしながら、日本の農業や農村の現実を直視するとき、基本計画に示された方向とは裏腹の厳しい状況にあることも現実であります。国民の食生活の変化や農産物の輸入自由化を背景に、農地面積や多くの品目での生産量の減少、担い手の高齢化や後継者不足、さらには、耕作放棄地の拡大、これら全体の結果としての食料自給率の低下傾向など、多くの問題を抱えております。  我が国農業全体を取り巻く環境はこのように厳しい状況が長らく続いているわけでありますが、本県においてもその状況に大差はないと思っております。  県では、国の新しい動きを受けまして、今年度、新たな農林水産プランの策定に取り組まれているところでありますが、私は、新たな計画の策定に当たっては、まず、本県農業・農村の現実をしっかりと把握し、その上で実現可能な新しい計画の構築をすべきであると考えております。このためには、農家の方々は言うに及ばず、多くの有識者や、さらには消費者を初め一般県民の方々の意見、提言を広く取り入れることが最も大切でありますし、また、地域計画と申しますか、おのおのの地域の自主性を尊重した個性ある計画にすべきとも思っております。  このような観点から、目下どのような体制でプランを策定されているのか、まず、その取り組み状況をお伺いいたします。  また、国の基本計画では、食料自給率の目標や食料・農業および農村に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策が示されておりますが、国の示す方向を踏まえながらも、本県の特色を生かした魅力ある独自の政策を取り入れることにより、21世紀に向けて自信の持てるビジョンを県民に示すべきであると考えますが、農政水産部長の御所見をお伺いいたします。  次に、介護保険と健康づくりについて、お伺いいたします。  本年4月1日に介護保険制度がスタートして約3カ月が経過したところであります。施行の直前には、準備のおくれや周知の点など一部不安なども指摘されていたところでありましたが、特に大きな混乱もなく、また、まだ施行直後という状況ではありますが、新聞報道などを見ておりますと、全国的にもおおむね順調に運営がされており、県内においても同様に順調な取り組みがされているものと推察するところであります。  このことは、市町村初め関係各位の施行準備への懸命な御尽力の結果であり、まずもって敬意を表する次第であります。  この制度は、我が国の社会保障システムにとりましては、21世紀の高齢社会を切り開くための一大事業と言えるものであり、高齢者介護をめぐる課題への対応を図るための、いわば社会保障制度の構造改革の第一歩となるものであります。  介護を必要とする高齢者の方々やその御家族の方々にとりましては、従来の行政の措置による支援の仕組みから、利用者自身がみずからの意思によってサービスを選び利用していく方法に大きく変化したところであります。利用者が混乱なく適切にサービスを利用することにより、みずからの生活をできる限り自立的なものとできるよう、新たな制度が高齢者や家族にとって、より身近で使い勝手のよいものになることが一層期待されているところであります。  そこで、知事に制度の実施状況ならびに保険事業の運営についての適正な実施の対応についてをお伺いいたします。  制度がスタートして3カ月という期間ではありますが、利用者にとりましては全く新しい仕組みであるだけに、制度利用の定着には少し時間も必要と思われますし、また、保険者として事業運営を実施する市町村、さらには、制度の中で具体的にサービスの実施を行う事業者にとりましても、また同様の状況にあるのではないかと思料されるところであります。  まず、現時点での利用者数、相談・苦情などの制度実施について、どのような状況にあるのか。  また、制度が適正に運営され、早期に定着することが何よりも重要と考えますし、また、ことし10月からは65歳以上の方々からも保険料を徴収することもあり、市町村や事業者における今後の適正な事業運営についての対応をどのように考えておられるのか、お伺いいたします。  次に、介護保険制度が実施された中での県民の健康づくりや介護予防について、健康福祉部長にお伺いをいたします。  この介護保険制度は、介護を要する高齢者の方々にとっては、適切な介護サービスを受けていただく重要な制度でありますが、大切なことは、介護サービスを受けなくても済むような状況で日々を健康に過ごしていただくことであり、そのためにも介護予防や健康づくりが大変重要であると言えます。  先日も、日本人の男女の平均寿命が80.9歳、あわせて、いわゆる健康寿命が74.5歳で、それぞれ世界一であるとの新聞報道がありましたが、まさしく名実ともに世界一の長寿国となったわけであります。こうした長い人生を、さまざまな社会的活動に参加し、生きがいを見出しながら生き生きとした人生を送れるよう健康寿命を延ばすには、何といっても日ごろの健康づくりが大切であります。  国では、国民の一人一人がこうした健康寿命を延ばすための総合的な施策として、本年3月31日に、21世紀における国民健康づくり運動、いわゆる健康日本21を策定し、心臓病、脳卒中、糖尿病など生活習慣病やその原因となる生活習慣の改善に関する目標値を設定するとともに、国民が主体的に取り組める健康づくり運動を推進しているところであります。  本県においても、こうした国の状況を踏まえ、健康づくりを推進する計画として健康滋賀21プランの策定を急いでいるとのことですが、今後、健康づくりをどのような視点で具体的にどのように進めようとされているのか、お伺いをいたします。  次に、産業新時代に向けた経済対策について商工労働部長にお尋ねをいたします。  我が国の景気状況は、小渕前首相ならびに森首相のリーダーシップのもと、政府を挙げての景気対策、構造改革に向けての法制度整備、規制改革などにより最悪期を脱し、GDPも3年ぶりにプラス成長に転じるなど、ようやく上昇気流に乗ってまいりました。しかし、生産面の好調に引っ張られておりますものの、消費の動きはいま一つであり、自律的回復に向けてなお一段の努力が求められるところであります。  本県の経済情勢も、国同様厳しい状況をなお脱していないものの、各種政策効果などの影響から、生産を中心に穏やかな改善が続いているとのことであり、ようやく明るい兆しが見えてきたものと考えられるところであります。  しかしながら、雇用情勢については、徐々に回復を示しているとはいうものの、依然有効求人倍率は0.5倍台で推移するなど、厳しい状況が続いております。とりわけ、多くの企業で今春卒業した新規学卒者の採用が抑制傾向であったことから、新卒の未就職者は総務庁の調べで過去最多の32万人となっており、大きな問題となっております。本県でも同様の事態が生じているのではないかと思いますが、本県における本年3月の新規学卒者の就職状況ならびにそれに対する対策について、まずお伺いをいたします。  さて、当面の景気回復に全力を尽くすのは当然のことでありますが、同時に、次の時代を展望しつつ、経済のグローバル化に対応した我が国経済社会の構造改革も急がねばなりません。近年の世界的な産業再編の流れをIT革命が加速しております。例えばインターネットを利用した取引も、企業と消費者間の電子商取引、いわゆるBtoCから、部品の発注先を従来の関連企業ではなくインターネットを使い世界に求めるといったような企業間取引──BtoBに拡大しており、これが進展してまいりますと、本県産業構造にも大きな影響が予想されるところであります。こうした状況に的確に対応していかなければ、新しい世紀にもたくましい経済県滋賀を望むことは難しいと考えるものであります。  本県でもIT革命に対する積極的な取り組みが求められるところでありますが、県内中小企業の情報化に対して、県としてどのような支援をしておられるのか、お伺いをいたします。  ところで、アメリカでは情報関連産業を中心に数多くのベンチャー企業が育つことにより、80年代の不振を克服して空前の好景気を実現し、最近では完全失業率も日米が逆転するという状況に至っております。さきに国では、中小企業基本法を36年ぶりに改正し、新たな産業の創出を柱に、中小企業の多様で活力ある成長発展を図ることにより日本経済の活力維持を目指すとし、開業企業を現在よりも年間10万社増加させるという政策目標が示されているところであります。本格的な地方分権時代を迎え、地域間競争を勝ち抜くためにも、既存企業の新分野進出も含め、新しい時代に適応した企業の創業を促進し、新産業創出による地域経済の自律的発展を図っていくことが重要であると考えます。  新規創業の活性化が本県産業の振興にとっての牽引力になるという観点から、県の新産業創出支援に当たっての基本的な考え方と現状についてお尋ねをいたします。  また、昨年4月、4つの機関を統合して財団法人滋賀県産業支援プラザが中核的支援機関として発足しましたが、昨年1年間の支援等の状況はどうであったのか、あわせて今後の取り組みについてもお尋ねをいたします。  次に、公共工事のコスト縮減対策について土木部長にお尋ねをいたします。  現下の厳しい財政事情のもと、効率的な公共事業の執行を通じて社会資本整備を着実に進め、本格的な高齢化社会到来に備えるために諸施策を実施し、公共工事の一層のコスト縮減を推進していく必要があります。  このことから、県は、平成10年1月に公共工事コスト縮減に関する滋賀県行動計画を策定して、平成9年度から平成11年度の3カ年で公共工事のコストを縮減することに全庁で取り組み、その実績が7.5%、総額145億円であったと報告を受けたところであります。  そこで、次の2点についてお伺いをいたします。  第1に、公共事業予算が縮小される中で、限られた予算を有効に活用するために、この3年間で終わることなく今後も引き続き公共工事のコスト縮減を進める必要があると思われますが、今後どのように取り組もうとされているのでしょうか。  第2に、資源循環型社会の構築が求められている現在、公共事業においても省資源・リサイクルを進めることが重要であり、このことがコスト縮減に有効であると思われますが、これらを含め、新たな施策としてどのように取り組もうとしておられるのか、お伺いをいたします。  次に、洪水・土砂災害についてお伺いをいたします。  我が国は国土が狭く、また、その7割が地形急峻な山地であり、河川が急勾配であります。加えて、世界でも有数の地震国であり、地質は複雑で脆弱な国土条件となっております。また、年間降雨量が多く、しかも、その大半が梅雨期、台風期に集中しております。さらに、近年では都市化の進展とともに、災害危険の高い山地、丘陵部まで宅地開発等が進んでまいりました。このような自然条件と社会条件により、必然的に洪水や土砂災害が毎年のように全国各地で多発し、多くの被害をもたらしております。  本県においても例外ではなく、しかも、全国有数の人口増加県となっていることからも、今後洪水・土砂災害による災害の増大が懸念をされるところであります。昨年6月29日、梅雨前線による集中豪雨により、広島市、呉市を中心として土石流やがけ崩れが多発し、死者24名、負傷者14名、全壊家屋64戸などの被害が出る大きな災害が発生したことは記憶に新しいところであります。  国におきましては、こうした災害を契機として、いわゆる土砂災害防止法が成立し、土砂災害のおそれのある区域について警戒避難体制の整備や住宅等の新規立地の抑制などソフト対策を推進するとされております。  21世紀を間近に控え、災害のない豊かな社会の創造を目指すには、地域の安全を確保し、県民が安心して暮らせるまちづくりを地域住民一体となって計画的に行うことが重要でありますが、特に洪水・土砂災害から県民の生命、財産を守るためには、治水事業に対するたゆまぬ努力を積み重ねていく必要があると考えますが、土木部長の御所見をお伺いいたします。  あわせて、今回の土砂災害防止法の制定を踏まえ、県としてどのように対処していこうとされているのか、お伺いをいたします。  次に、教育の今日的課題と今後の取り組みについて教育長にお伺いをいたします。  最近、不登校の増加や、いわゆる学級崩壊などの深刻な課題が全国的に増加をしており、さらには、社会を震撼させるような少年による犯罪が相次いで発生いたしました。こうした問題は、地域や家庭の教育力の低下、学校での指導のあり方が大きな要因であると指摘をされています。21世紀を目前に控え、新世紀を担う若者の教育をどのようにしていくのかが、今、社会全体に問われているのではないかと思います。  振り返れば、戦後50余年、我が国が戦後の焼け跡から奇跡的な復興を遂げ、世界の主要先進国の仲間入りを果たし、国際社会の中で大きな影響力を持つまでになったことは万感の思いがいたします。これひとえに、我が国を発展させようとした先達の熱い思いと、勤勉と努力を重んじた我が国の美徳のたまものと思っております。また、こうした時代は、子供たちにとっては、家庭において家族の仕事という学びの場であり、地域社会には遊びという子供の学びの場があり、そのことが子供たちの健やかな成長に大きく寄与してきたものと思うわけであります。  一方、戦後の教育は、民主主義国家として自由と平等、権利と義務を基本とし、教育の機会均等と知識の習得を目指した教授方法を重視した学校教育であったと言えます。その結果、高等学校進学率が97%に達し、大学進学率も50%に近づくなど、まさに高学歴社会が築かれてまいりました。しかしながら、その反面で過度の受験競争を招き、知識偏重の教育を助長するとともに個性や創造性などの欠如を生み出し、さらには、自立心や規範意識などが薄らいできたと考えられます。  このような状況の中、我が国は今、教育改革に全力で取り組まなければならない時期に来ております。とりわけ、心の教育の充実は最も重要な課題であり、さまざまな教育の場において、善悪を判断する心、正義を重んじる心など、人間の心をとうとぶ教育が必要になっております。そのためには、家庭でのしつけや地域の中で子供たちがさまざまな体験を通してルールを身につけることが大切であり、また、学校における道徳教育の充実は、心の教育の充実のために極めて大切なものであると考えます。今回の学習指導要領の改訂でも、体験活動を生かした道徳の時間を積極的に導入するよう強く求めているところであります。  教育長は、こうしたことを踏まえ、心の教育の充実についてどのように推進しようと考えておられるのか、お伺いをいたします。  また、同要領では、ゆとりの中で生きる力の育成が重要であるとされています。この生きる力は、子供たちみずからが考え、判断し、解決する資質や能力を育てることでありますが、こうした力は学校の授業だけで身につくものではありません。生活体験を重ねる中で身につくものであります。本県におきましても、学校教育のさまざまな場面において体験を重視した活動が取り入れられていることは承知をいたしておりますが、さらに、家庭や地域を含めた体験活動を充実していくことが必要ではないかと考えます。  一方、完全学校週5日制の実施により授業時間数が短くなる中で、児童生徒の学力不足が懸念されているところであります。基礎的な学力は、当然、生きる力の重要な要素の一つであると考えます。こうした点を踏まえ、今後どのような観点から学校教育を進められるのか、お伺いをいたしたいと思います。  次に、地域全体で子供を育てる環境づくりについてであります。  当然のことでありますが、子供たちの生活は、家庭や学校だけではなく身近な地域社会にもあるわけでありますが、今、地域社会が子供たちを育てる教育環境として危機的な状況にあります。かつて、大人同士が当たり前のようにあいさつを交わし、また、身近な子供たちに気軽におはよう、こんにちはと声をかけたり、危険な遊びやルール違反を見たらすぐに注意をしたりするような地域の姿が見られなくなりつつあります。すなわち、地域で子供を育てる教育機能が極めて弱体化してきております。地域の住民組織が解体に瀕し、他人のことにはかかわろうとしない大人社会の風潮が子供たちの健やかな成長に陰りを落としていることは大変深刻な問題であります。  申し上げるまでもなく、子供たちの教育は、学校、家庭、地域が連携してこそなし得るものでありますが、改めて地域社会の意義と役割を問い直し、その教育力を回復させる取り組みを、社会を挙げて進める必要があると思います。子供たちが、家庭や学校はもとより、地域社会においても存在感を感じることができ、身近な大人が子供たちに人間としての生き方を教えていけるような地域における教育力再生に向け、どのように取り組もうとされているのでしょうか。教育長に所見をお伺いいたします。  次に、学級編制および教職員配置についてお伺いをいたします。  今般、文部省において、今後の教職員定数の改善に関する基本的な考え方が示されました。その中で、国が定める学級編制の標準については、現行と同じ40人とするものの、基礎学力の向上を図り、学校でのきめ細やかな指導を実現する観点から、学級編制とは異なる学習集団を編成して少人数授業を行うなど、各学校における指導上の取り組みを支援することを重点に置いた教職員配置の改善などが打ち出され、これに対する教職員定数を全国で2万数千人増員するとの考え方が示されたところであります。  従来、学級とは、生活集団と学習集団としての機能をあわせ持つものとして考えられてまいりました。今回の学級は、生徒指導や学校生活の場である活動集団としての機能を主としたものとして位置づけ、学習集団という機能は学級という概念を離れた別のものとしてとらえられております。この考え方に基づいて、今回改善の柱である少人数の学習集団での授業が示されているところですが、こうした改善についてどのような方針で進めようとされているのか、お伺いをするところであります。  また、都道府県教育委員会が定める学級編制の基準については、必要があると判断する場合には、国の定める標準を下回る人数とすることも可能とするとの弾力化が示されております。地方分権の時代にあって望ましい方向であると思うわけでありますが、さきの少人数学習集団との関連も踏まえ、現時点での教育長のお考えをお伺いいたします。  次に、県警本部庁舎についてお伺いをいたします。  現在の警察本部庁舎は、老朽化、狭隘化の進展とともに、耐震性にも問題があるやに聞いているところでありますが、最近の犯罪情勢を見ますと、広域・スピード化、ハイテク化が顕著で、悪質・巧妙化の度合いも進展しており、いつ発生するかもわからないこうした犯罪や大地震発生時において警察本部における現在の施設や機能をもってして滋賀県警察の司令塔としての役割を果たし得るのか、一県民としていささか不安を感じているところであり、新庁舎の整備は県民の安全、安心を確保する上で緊急かつ重要課題であると考えているところであります。  そうした中で、警察本部庁舎の琵琶湖研究所跡地への移転整備計画が明らかにされ、その後、整備に向けた業務は着実に進んでいるものと推察するところでありますが、一日も早い新庁舎建設を希望するものであります。  ところで、このほど琵琶湖研究所の移転整備計画が明らかになったところでありますが、これと密接に関連する警察本部庁舎整備事業の現状はどのようになっているのか、琵琶湖研究所整備計画との兼ね合いで年次計画上支障がないのか、また、建物の規模等についてどのようにお考えになっておられるのか、警察本部長にお伺いをいたします。  最後に、ストーカー行為の規制についてお伺いをいたします。  近年、女性をねらったストーカー事案や子供が被害者となる事件が全国的にも多発し、大きな社会問題となっていますが、荒木前警察本部長が2月県議会で我が党の代表質問に対し、できるだけ早期に滋賀県暴力的不良行為等防止条例の一部を改正し、ストーカー行為の規制ができるよう検討を進める旨答弁をされたところであります。  この中で、去る5月18日、国会におきましてストーカー行為等の規制等に関する法律が成立をいたしました。そこで、警察本部長にお伺いをいたします。  警察本部では、ストーカー規制のための条例改正作業を6月県議会に合わせて進めてこられたと聞いておりましたが、今回、ストーカー規制法が成立したことにより条例改正にどのような影響をするのか、お伺いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(橋本正君) 5番芥川正次君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(國松善次君) (登壇)芥川議員の自由民主党・淡海クラブの代表質問にお答えいたします。  まず、マザーレイク21計画の推進についての御質問でありますが、マザーレイク21計画は、国の6省庁の共同実施による計画調査を踏まえ、県民の皆さんや各市町村の御意見を水政審議会に反映し、2020年をめどに琵琶湖の水質を昭和40年代前半の状況に戻すことを目指す琵琶湖保全の指針として、この3月に策定をいたしました。  そこで、まず、この計画の特色でありますが、琵琶湖を回復させ、健全な姿で次世代に引き継ぐため、県民、事業者などの皆さんと行政が協力し合って琵琶湖の保全を積極的に進めることが何よりも大切でありますことから、協働──ともに働くということをキーワードとして掲げ、河川流域ごとの県民、事業者等との主体的な取り組みと、行政が行います各種施策とを計画の両輪に据えたところでございます。  計画の推進に当たりましては、行政が行います施策はもちろんのことでありますが、特に、私たちの身の回りを美しくすることがひいては河川を通して琵琶湖をよくすることであるとの観点から、まずは私たちの生活のありようや経済活動のあり方についていま一度見直し、身近な自然や水環境の魅力、それが抱える問題などを一人一人が再発見するとともに、そうした感受性を子供たちの中に育てていくことが重要であります。  このため、河川流域単位に、いわば流域版アジェンダとも言える特徴のある行動計画を住民の皆さんで主体的に策定していただき、この計画に基づいた活動が今よりさらに高まりますよう、市町村ともどもこれを支援し推進していくことが大事であると考え、現在、行動計画の策定について呼びかけを始めているところであります。  本県はまるで小宇宙のようなところでありますが、自然の環境のリズムに合わせ、物の豊かさではなく心の豊かさを大切にするすばらしい人々が健在する地域でもあります。これらの人々の結集により、琵琶湖は必ずや健全な姿に回復できるものと信じております。  あすの7月1日は、20回目の、そして20世紀最後のびわ湖の日であります。私はこの節目のときに当たり、改めて次の世代を担う子供たちを初め、すべての県民の皆さん方に向け、琵琶湖を原点として自然と人間の共生の新たなあり方をともにつくり出していくことを誓おうと、環境の世紀へのメッセージとして発信させていただくこととしたところであります。  次に、計画の推進に当たっての決意等でありますが、琵琶湖は近畿1,400万人の生活と産業を支える水資源であるなど国家的財産であり、その保全は国家的な課題であるとの認識のもとに、国においては6省庁による琵琶湖総合保全連絡調整会議が、そしてまた、琵琶湖・淀川流域圏においては琵琶湖総合保全推進協議会がそれぞれ設立され、琵琶湖保全の推進についての国と下流の支援や協力体制がとられており、また、水質観測システムや家棟川におけるビオトープの整備など、本県の要請に基づいた施策の推進が、徐々にではありますが、開始されているところであります。  今後とも、琵琶湖保全は国家的プロジェクトであるとの観点から、施策の着実な推進とともに、保全のための制度や仕組みの創設に向けた取り組みについても、県議会の絶大なる支援を得ながら、国や関係機関に対し粘り強く働きかけ、計画の実効性が担保されるよう最大限の努力をしてまいりたいと存じます。
     もとより琵琶湖は未来からの預かり物であり、この琵琶湖を健全な姿で次の世代に継承するために、この壮大な実験に県民の皆さんとともに総力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。  次に、G8環境大臣会合の成果についての御質問にお答えいたします。  私は、日本で初めてのG8環境大臣会合が本県で開催されましたこと自体、環境こだわり県としての地道な取り組みが高く評価されたものと受けとめており、まずもって県民の皆さんとともに素直に喜びたいと思っております。  このG8会合が開催県にとってどのような成果があったかということでございますが、私は大きく3点ばかり挙げられるのではないかと思います。  その1点目でございますが、今年は21世紀を間近に控えた節目の年ということで、今回の会合では、地球温暖化の問題とともに、21世紀における持続可能な開発が議論の中心となり、20世紀に見られた持続不可能な経済社会の発展パターンと決別しなければならないということが、今後の世界の環境政策の方向として強く打ち出されました。新たな世紀、新たな千年紀を迎える歴史的な年に滋賀・大津会合が開かれ、その内容とともに世界の歴史に刻まれたわけでございまして、これは大変意義のあることだと考えております。  いま一つは、直面する地球環境問題の一つとして、今回初めて淡水資源問題の重要性が議論され、流域における環境保全上健全な水資源管理を推進することなどが共同宣言に盛り込まれたところであります。これは、湖沼の環境保全について積極的な国際貢献を果たしてきた本県の取り組み姿勢が世界の各国からも高く評価されたあかしであるとともに、マザーレイク21計画の取り組みにも大きな励みを与えていただいたものと考えております。  さらに、今回の会合では、環境NGOとG8各国の政策担当者との率直な意見交換が初めて行われました。私はかねてから申し上げていますように、持続可能な社会を実現していくためには、行政と住民とのきずなを大切にし、よきパートナーシップを築き上げていくことが今後の施策展開の上で不可欠な要素であると思っております。今回の意見交換は、そうした本県の思いとも合致したものであり、その滋賀からのパートナーシップの重要性が世界に示されましたことは非常に画期的なことであったと思っております。これが3点目であります。  また、この会合に合わせて地球環境国際議員連盟の世界総会やNGO主催のシンポジウム等、さまざまな催しが行われましたが、内外から来県されました多くの方々が、なぎさ公園からの風景などを体験され、琵琶湖のすばらしさに改めて感銘されるなど、観光面でも大きな効果があったと考えております。  次に、G8環境大臣会合の成果を世界湖沼会議にどう生かしていくかということについてでありますが、G8環境大臣会合やそのフォローアップ事業として実施いたしました地球市民フォーラム等の開催を通じまして、地球環境問題に対する県民の皆さんの関心が一層高まったものと確信しております。ぜひこの高まりを、来年11月に開催いたします第9回世界湖沼会議へとつなげていきたいと考えており、多くの県民の方々の参加が得られますよう創意工夫をしてまいりたいと考えております。  特に第9回の世界湖沼会議は、再び本県で開催されることとなる、いわば里帰り会議であります。第1回開催の原点に立ち返り、市民、企業、研究者および行政の4つの分野でパートナーシップをより深め、確かなものとしながら、今世紀において解決できなかったさまざまな問題についてともに議論し合い、解決の方向を見出していけるような会議となるよう、準備、企画の段階も含め会議運営全般にわたり意を尽くしてまいりたいと考えております。  また、今回の世界湖沼会議では、単に湖沼環境問題の討議だけにとどまらず、国際環境ビジネスメッセを同時に開催することによりまして、新たな環境産業起こしへの展開にも役立てていきたいと考えております。  そして、来年3月から始まります21世紀記念事業のフィナーレを飾る会議とするとともに、これを契機に各分野の環境保全活動にさらに弾みをつけて、県民主体の新しいムーブメントにつなげ、さらに今後の新しいライフスタイルや産業の展開にもつながるよう力を入れてまいりたいと考えております。  次に、地方税の独自課税についての御質問にお答えします。  地方分権時代における地方税のあり方についてでありますが、地方分権を進めていく上で最も大切なことは、県民と行政とが互いによきパートナーとなり、力を合わせ英知を出し合って、地域の課題解決に向け、みずからが主体的に判断し、みずからの責任のもとに地域経営を進めるということであります。  そのためには、まず、地方財源の確保が図られる必要があると考えておりますが、特に自主財源の大宗をなす県税につきましては、税収の安定性を備えた地方税体系を構築する必要があります。また、県民の皆さんが納税者の視点で県の施策を評価するということを通じて、税を身近なものとして意識していただくということが、県民と県との真のパートナーシップにもつながると考えております。こうしたことから、国から地方への思い切った税財源の移譲が極めて重要であり、かねてから国に対して強く要望してまいったところであります。  また、この4月には、12県の知事によります国と地方の税制を考える会を発足いたしまして、私もこれに参加し、これからの地方税のよりよいあり方について、地方の立場から共同で検討を始めているところであります。  また、独自課税についてでありますが、法定外目的税の創設など課税自主権が拡大されましたことは、ただいま申し上げました分権時代のもとで財源確保を進めていく観点からも大変意義のあることと認識いたしております。  ただ、今日までの税制の中で、税として負担可能なものは既に一定制度化されておりますことから、新たに有力な財源確保の手段となり得るような税源を求めることは難しい面もございますし、また、新たな税の創設には、受益と負担の関係や公平性、さらには、課税対象の捕捉方法や徴税コストとの関係などの検討すべき課題も想定されるところであります。  そこで、これまで税務部局において新税の導入を含めた財源確保について研究をしてきたところでありますが、さらに、新たな行政需要等の財源のための法定外税の導入可能性について全庁挙げて研究を行うため、部局横断的な研究会を設置したところであり、必要に応じ他府県とも共同しながら、今年度中をめどに一定の方向づけをしていきたいと考えております。  次に、司学館高等学校についての御質問にお答えします。  提案説明でも申し上げましたように、実態調査の結果、生徒の入学や学校運営等の面で不適正な事実が判明いたしましたことから、学校法人に対し、役員の責任の明確化や補助金の返還、学校運営の適正化を指導したところであります。  学校におきましては、これに基づき、現在、是正改善に向けて取り組まれておりますが、県といたしましては、法令に沿った健全な学校運営が図られるよう、今後さらに厳正な指導、監督を行ってまいる所存であります。  私自身、当時私立学校を所管する総務部長の職にあった者といたしまして、このような事態を厳しく受けとめ、自戒反省するとともに、今後このようなことが起こらないよう職員ともども最大限の注意を払い、県民の信頼を得られる県政の推進に全力を挙げていくことを通して私の責務を果たしてまいりたいと考えております。  今後の検査についてでありますが、まず、検査内容につきまして、それぞれの学校の性格や実態を踏まえて重点的に実施するなどの改善を行うとともに、従来、年1回定期に実施しておりましたものに加え、日常業務の中でも機会をとらえて実施するよう担当部局に指示いたしたところであります。また、私学指導の担当職員1名を増員し、今回の是正改善措置を初め、今後の法人や学校運営全般が適正に行われるよう指導・検査体制の強化を図ったところであります。  次に、法人の解散命令や学校の閉鎖命令等の措置についてでありますが、現に在校する生徒に対する教育を保障することの必要性、また、今日、多様な教育の場、就学の機会が求められる中で通信制高校に対するニーズや期待にこたえることの重要性などの観点から、解散命令等の措置は適当でないと判断したものであります。  また、刑事訴追等につきましては、区域外の生徒が在籍したという不適切な点はありましたものの、学校が受けた補助金は、その全額が、補助対象である学校の経常的経費に充当されていたことなどを勘案いたしますと、刑事訴追までの判断には至らなかったものであります。  最後に、今後の学校の存続や経営面についてでありますが、学校では、生徒の個性に応じた教育指導や進路指導を充実させ、結果を出していくことで新たな生徒の確保を図り、当面の経営については借り入れ等により運営資金を確保するとしております。  県といたしましては、何よりも法人および学校に健全な学校運営と信頼回復への努力を求めますとともに、通信制高校に対する社会のニーズにこたえる役割を果たしますよう十分指導、監督してまいりたいと考えております。  次に、びわこ空港についてお答えします。  びわこ空港経済アセスメントは、一昨年に実施いたしました県民公聴会において経済面での御意見や御心配の声が多く聞かれましたことから、空港をつくることによって将来の本県の経済にどのような効果があるのか、空港整備は投資に値する事業であるのかを可能な限り数値化して、広く県民の皆さんにお示しすることを目的に実施したものであります。  実施に当たりましては、その客観性が重要となりますことから、学識経験者や航空業界などの方々から成る専門家会議を設け、その指導、助言をいただきながら、おおむね1年をかけて検討を積み重ね、先ごろその結果がまとまったところであります。  この調査では、費用対効果分析や地域経済効果分析により、事業の妥当性や空港整備による経済波及効果が具体的な数値により検証されましたほか、コミューター、国内貨物、国際旅客などの分野においても新たな航空需要の可能性があることが同時に明らかにされたところであり、広く県民の皆さんに御理解いただける結果が出されたものと考えております。  この報告書は膨大なものであり、その内容も専門的、技術的な面がありますことから、これをお示ししていく際には、理解されやすいものとなるよう工夫を凝らし、具体的には、調査結果をわかりやすく説明したパンフレットをつくるなど、資料の作成や「滋賀プラスワン」の臨時号を県内全戸に配布いたしますほか、県の広報番組の活用、さらには、びわこ空港を考えるシンポジウムの開催など、さまざまな機会を通じて、できるだけ幅広く、より多くの県民の皆さんにこの結果を御理解いただけるよう努力してまいりたいと考えております。  次に、原子力防災対策についてであります。  だれもが生涯を通じて暮らしに安心できるくらし安心県づくりを進めるに当たりましては、防災は災害から県民の生命と財産を守るため基本となるものであり、地震などの自然災害や危険物による災害等について、常に総合的かつ計画的な防災行政の推進に取り組んでいるところであります。  お尋ねの原子力防災への対応につきましては、これまでから本県と原子力事業者との間で約束を交わし、原子力発電所に関する情報を迅速かつ的確に把握するとともに、事故に際しましては早期に必要な体制を確立できるよう本県独自の対応に努めてきたところであります。  しかしながら、昨年9月に茨城県東海村の原子力施設で発生いたしました日本で初めての臨界事故を契機として、国におきましては原子力災害対策特別措置法が施行され、また、発電所が多数立地する福井県に隣接している本県におきましても、その安全性に対し県民の関心が高くなっている状況を受け、さらに確実な対策とするための取り組みを現在進めているところであります。  まず、4月には、新しい法に基づく関係隣接都道府県として、原子力事業者が災害の発生および拡大の防止のために定める防災業務計画について協議を受け、その際、県民の視点に立ってその内容を確認するとともに、事業者に対して、緊急事態が生じた際には原子力発電所立地市町村に隣接する県内の町にも迅速かつ的確に情報伝達ができる体制を整備すること。また、大気中の放射線量等については、平常時からの観測とそのデータの公表を積極的に行うこと。そして、安全性の確保を図るため、業務計画全般にわたって実効性のある運用に努められるよう求めることとしたところであります。  さらに、本県が取り組むべき防災対策につきましては、本年4月に、専門家による原子力防災懇話会を設置し、過去の重大事故やJCO原子力施設での教訓をもとにしながら、本県の地勢や気象条件などの特性を踏まえるとともに、県民の皆さんの御意見も紹介する中で、広く学術的、専門的見地から協議を重ねていただいております。  今後、原子力防災懇話会からいただく提言や法による関係隣接都道府県としての位置づけを踏まえ、原子力防災に関する地域防災計画を年度内に策定することとしております。その際には、本格的な地方の時代にあって、地方の経営についてはみずからが判断し、みずからが責任を持つという基本的な考えに基づき、情報の収集、分析、伝達、さらには防災知識の普及などの各般にわたって本県の実態に即した計画として、その対策を着実に進めることによって、県民の皆さんの安全、安心の確保に努めてまいる所存であります。  最後に、介護保険と健康づくりについての御質問にお答えします。  まず、介護保険制度の実施状況についてでありますが、平成9年12月に法律が成立して以来、市町村を初め関係団体においては円滑実施に向けて多大な御尽力をいただいてきたところであり、とりわけ行政の措置という制度から介護保険でのサービスの利用という新しい仕組みへのスムーズな移行を最優先に、昨年10月からの認定業務の取り組み、さらには、サービス利用のためのケアプランの作成など、施行の間際まで懸命な取り組みが進められてきたところであります。  そうした中で本年4月に制度がスタートし、現在3カ月が経過したところでありますが、県内においては特に大きな混乱やトラブルもなく、全体的に見ておおむね順調な形で始まったものと考えております。このことは、市町村を初め関係の方々の日夜を問わず御努力をいただいたたまものと深く敬意を表する次第でございます。  県内においては、この5月末時点で約2万1,100人の方が認定を受けられ、これらの人たちにはおおむね希望に即した介護のサービスが提供されているものと考えております。また、相談・苦情につきましては、サービスに関するものを中心に100件余りの苦情が市町村等の窓口に寄せられているというところであります。  これらの多くは、制度へのふなれや事業者の説明不足等によるものでありますが、こうしたことに対しましては、県との連携のもと、市町村や事業者において、その解決に向けた適宜迅速な対応を図っていただくとともに、利用者に対する不安の解消に努めていただいているところであります。  次に、市町村や事業者における適正な事業運営についてでありますが、この新たな仕組みができるだけ早く定着し、県民の方々にとって利用しやすい制度となるためには、保険者である市町村、さらに、サービスを提供する事業者、それぞれの適正な運営が何よりも求められているところであります。  このため、県内すべての市町村における保険事業の実施状況を把握するため、去る5月下旬から関係職員を全市町村に訪問させ、認定業務やサービスの提供、さらには、10月から始まります保険料徴収の準備状況などの実情を把握するとともに、適正実施のための必要な助言、指導を行ったところであります。また、県の介護保険推進本部におきましても、過日、各健康福祉センターごとに実施状況の確認や課題の把握を行ったところであります。  制度発足後、まだ日も浅いことや、10月からは高齢者にも保険料の負担が求められるなど、制度の定着にはさらに時間もかかり、課題も考えられますことから、今後におきましても、適宜市町村の運営状況を的確に把握し、課題等に対しましては適切な助言や支援に努めてまいりたいと考えております。  また、サービス事業者に対しましても、事業の運営状況や事業展開の動向等の把握に努めるとともに、利用者に対するサービスの提供や介護報酬の請求事務の適正実施などについて実地に指導を行うなど、指導、監督に万全を期してまいりたいと考えております。  こうしたことによりまして、それぞれの市町村においてみずからの工夫や熱意で始められた新しい仕組みが、真に県民から信頼が得られ、安心して利用されるものとなりますように、市町村を初め福祉・保健・医療関係者が一体となって、一層充実した制度となるよう努めてまいる所存でございます。 ◎企画県民部長(今堀治夫君) (登壇)地域情報化の推進についての御質問にお答えします。  1点目の情報化の基盤整備についてでありますが、光ファイバー網などの情報通信基盤は、本格的な高度情報社会の到来を目前に控え、重要な社会資本の一つであると考えております。琵琶湖情報ハイウェイネット計画におきましても、先導的に推進する地域情報化事業の一つとして、光ファイバー網を活用した県域の情報通信ネットワークの構築を掲げているところであり、環境、福祉、教育、産業などのさまざまな分野における情報化の土台として早急な構築が必要と考えております。その整備方法につきましては、行政が直接敷設整備する方法と民間事業者が整備した光ファイバー網を活用する方法とがありますが、本県におきましては、既に電気通信事業者により県内全市町村への光ファイバー網の敷設がなされているところであります。これを県が活用することによって、電気通信事業者のさらなるサービスの拡充を促し、県民や企業等の利用においてもより利便性の向上が図れるものとしていくことが最も効果的、効率的であると考えております。  2点目の民間と行政との情報交流についてでありますが、この計画では、県民や企業は情報の発信者であり利用者でもあると位置づけており、行政はこのネットワークを活用してさまざまな情報を県民や企業の活動に役立てていただけるような形で提供していくとともに、各分野ごとに行政と関係団体や企業とを結ぶシステムを構築し、情報の共有化と交流を図ってまいりたいと考えております。また、ネットワークの構築に当たりましては、IT革命をもたらす手段として注目をされているインターネットの技術を活用し、いつでも容易に必要とする情報をやりとりできる環境を構築することによって、県政情報の提供や県民意識の把握など、新たな形態でのコミュニケーションを築き、パートナーシップの向上を図ってまいりたいと考えております。  さらに、産学官の116団体から成る滋賀県高度情報化推進会議を積極的に活用することによって、それぞれのニーズを取り入れた総合的な情報化の推進を図ってまいりたいと考えております。  3点目の琵琶湖情報ハイウェイネット計画取り組み状況等についてでありますが、計画がスタートする本年度におきましては、まず、この7月に県、市町村を構成員とした検討組織を発足させ、システム整備やネットワーク活用についての検討や調整を進めるとともに、県、市町村、県民を結ぶネットワークの構築のための実施設計を行うこととしており、これを踏まえて速やかに県域全体のネットワークの構築に着手したいと考えております。  あわせて、情報の受発信や情報の集め方、県民にわかりやすい見方、使い方等のシステムづくりについても取りかかることといたしており、まず、県ホームページを活用した情報受発信の仕組みを再構築することによって、県庁に出向くことなく県の情報が簡単に入手できるシステム、いわばインターネットの中にバーチャル県庁とも言うべきものを築き、より使いやすいホームページづくりを進め、利便性の向上に努めてまいりたいと考えております。将来的には、各種申請や届け出手続等行政サービスの電子化を進めるなど、電子県庁の実現を目指してまいりたいと考えております。  また、この計画に推進に当たりましては、御質問にもありましたとおり、部局横断的な連携のもとに総合的、計画的に全庁挙げて推進していくことが重要であると考えており、このために既に庁内に設置している高度情報化推進委員会において、施策の立案、総合調整機能が従前にも増して十分に発揮できるよう精いっぱい取り組んでまいりたいと考えております。 ◎琵琶湖環境部長(田口宇一郎君) (登壇)資源循環型社会の構築についての御質問にお答えをいたします。  21世紀を間近に控え、循環型社会の形成を推進するための基本的な枠組みとなる循環型社会形成推進基本法や、建設リサイクル法などの個別の廃棄物・リサイクル関係法がさきの通常国会で整備されたところでございます。  その中で、循環型社会形成推進基本法では、何よりもごみを出さないこと、出してしまったごみはできるだけ資源として使うこと、どうしても使えないごみはきちんと処分をすることといった、発生抑制、再使用、再生利用、熱回収、適正処分という廃棄物処理の優先順位が初めて明記されますとともに、国、自治体、事業者および国民の役割分担が明確にされるなど、循環型社会の形成の推進を目指す国の施策展開の内容が明らかにされたところでございます。  また、これを実行する仕組みとして、既にございます容器包装リサイクル法、家電リサイクル法に加えて、再生資源利用法の改正や建設リサイクル法、食品リサイクル法が整備され、あわせて廃棄物処理法が強化されたところでございます。  これらの法律の制定を受けまして、県といたしましても、廃棄物の発生を抑制いたしますとともに、再生利用により資源としての循環に一層の弾みがつくよう、これらの法律の一体的運用に努め、実効あるものにしていかなければならないと認識をしているところでございます。  そこで、個別法も含め全体の枠組みについて企業や県民の皆さんに十分御理解いただくことが肝要でありますことから、あらゆる機会をとらえ啓発活動に取り組んでまいりますとともに、県民の皆さんや事業者の皆さんがそれぞれの立場で責任を果たしていただけるよう、琵琶湖環境部内はもちろんのこと、他の部局とも十分な連携をとりながら、施行に向け準備を進めてまいりたいと考えております。  本県では、従来から、発生抑制の観点で淡海くらしスリム運動やお買い物袋持参運動の推進、再生利用の観点からは、事業者の行動指針や一般廃棄物の減量化マニュアルの作成、また、熱回収の観点から広域処理システムの検討などを進めております。  今後は、さらに、ごみを出さないということから、また、リサイクルされた製品を広く流通させるということから、県民の皆さんには、商品の購入段階から適正な選択をしていただけるような情報の提供などの支援を、小売店などの協力も得て実施していきたいと考えております。また、事業者の皆さんには、資源循環を取り入れた事業活動の展開を、ISO14001に基づく環境マネジメントシステムの構築も含めて促すなど、できるだけごみを出さない仕組みづくりに向けて、環境こだわり県にふさわしい取り組みを一層進めてまいりたいと考えております。 ◎健康福祉部長(池口博信君) (登壇)介護保険と健康づくりについての御質問にお答えをいたします。  去る6月19日のある新聞紙上に、21世紀に実現してほしい夢の技術について1,000人のビジネスマンを対象にしたアンケート調査の結果が掲載をされておりました。それによりますと、第1位は、100%効果のあるがんの予防や治療の技術の実現を望むと答えた人が約70%となっておりました。さらに、上位20項目の中には、アルツハイマー病の予防や治療の技術の実現、また、平均寿命を100歳以上に延ばす技術の実現、健康的にやせられる肥満治療薬の実現など、健康・長寿にかかわる技術の開発に期待を寄せる項目が数多く見られたところでございます。人々は、いつの時代になっても健康で長生きできることを強く願っているものであります。  21世紀の新しい時代を迎える中で、今、世界各国においても、生活習慣病の予防などを中心とした健康づくりへの取り組みが一層重要視されているところであり、そうした中で、世界保健機関、いわゆるWHOにおきましてもヘルスプロモーションの理念が提唱され、我が国も、この理念に基づき、去る3月には新たな国民健康づくり運動を展開するための健康日本21が策定をされたところでございます。  このヘルスプロモーションの理念とは、国民のすべてがより健康的な生活習慣を実践できるようにするためには、一人一人の努力に加えて、さらに、個人を取り巻く生活環境を健康的なものに変えることが重要であるという考えを基本として、健康づくりを総合的に推進していこうとするものであります。  そこで、本県におきましても、こうした国の考え方を基本に、本年度には健康づくりの指針となる健康滋賀21プランを策定することといたしておりますが、このプランの中では、県が従来から提唱してまいりました栄養、運動、休養、健診、生きがいという健康づくりの5本の柱を中心にして、さらに加えて、たばこ、アルコール、歯の健康などを具体的な課題として取り上げ、県民の健康増進や生活習慣病の予防、さらに、生活の質の向上を図るための具体的目標などを掲げたプランにしてまいりたいと考えております。  策定に当たりましては、今後、保健・医療の関係者を初め、公募によります県民委員なども参画していただく検討委員会を設置し、その中で具体的内容について議論をしていただくことといたしております。  また、今後の健康づくり推進のための具体的な取り組みにつきましては、従来からの健康づくり県民会議などを通じた啓発活動に加えまして、新たに官民一体となった健康づくりネットワークの構築や、一市町村一健康づくり事業などを通じた市町村への支援、さらに、地域住民を主体とした健康づくりボランティアグループの活性化などの事業に取り組みますとともに、県民の皆さんの一人一人が主体的に健康づくりに取り組めるよう、みずから取り組む健康の日の設定についても呼びかけてまいりたいと考えております。  また、本年4月から介護保険がスタートいたしましたが、お話がありましたように、介護予防の視点からも健康づくりは極めて重要であると考えますことから、県民の皆様方に対しましても、みずからの健康はみずから守り育てるという意識の定着を図りますとともに、さらに、健康的な生活を支える社会環境の整備に努めるなど、健康滋賀日本一の実現を目指して各種の施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。 ◎商工労働部長(廣田義治君) (登壇)産業新時代に向けた経済対策についての御質問にお答えいたします。  まず、1点目の本年3月の新規学卒者の就職状況およびその対策についてでありますが、県内の高卒者の就職決定率は94.5%でありまして、前年同月と比べますと2.1ポイント下回る状況でありますものの、全国の平均と比べますと2.4ポイント上回ったところであります。また、大学・短大生につきましては、各学校からの情報によりますと、大学で9割弱、短大でも9割程度の就職決定状況で、県立大学については98%であったということであります。  職業意識の変化を背景に、卒業しても定職につかない、いわゆるフリーターが増加している社会風潮も一方にはありますが、夢を持って社会人への第一歩を踏み出そうとする新規学卒者が1人でも多くその思いをかなえられるよう、県といたしましては、県内企業に対して文書や幹部職員の訪問による求人要請に努めてまいりました。  さらに、この23日には県立体育館において、来春の新規大学等卒業予定者などを対象にした就職面接会を開催しましたところ、1,718名もの学生の参加があったところであります。新規学卒者にとってはまだまだ厳しい情勢が続くものと予想されますことから、滋賀労働局、教育委員会や学校を初め関係機関とも十分な連携を図りつつ、県内企業への求人開拓活動を強めますほか、就職面接会につきましても、この11月と来年2月に開催することといたしております。  また、学生の就職活動をサポートする県学生職業プラザでは、新たに企業情報ホームページを開設するなど、きめ細かな職業相談に努めてまいる考えであります。  2点目の県内中小企業の情報化に対する支援についてでありますが、既に県内におきましても、商店街でホームページを開設し、新しい購買層を獲得しようとする試みでありますとか、湖北地域での民間企業で電子商店街を開設するなどの動きが見られるところであります。  県としましても、中小企業が技術革新や経営革新あるいは新事業進出を図る上で、インターネットなど情報技術の活用は欠かせない手段であると考えておりまして、産業支援プラザや商工会議所、商工会を通じて、ITの活用に関する交流会、視察研修会の開催やホームページ作成・情報化講習会を開催しておりまして、また、情報化のアドバイザー派遣にも支援をしております。  最近では、御質問にもありましたEコマース、つまり電子商取引の分野が注目を集めておりますが、県が支援している例としましては、県商工会連合会や県物産振興会がホームページで県内の地域特産品を紹介し、個別注文ができるよう工夫しておりますし、産業支援プラザでは、滋賀環境ビジネスメッセをインターネット上で開設しようとするバーチャル環境ビジネスメッセの実証実験を6月からスタートさせており、これなどは企業間取引につながるものと考えております。  また、他の産業分野まで範囲を広げた滋賀バーチャルビジネスプラザの開設にも取り組んでいるところであります。  さらに、県として本県産業の情報化への対応をどのように進めていくかについて、今年度設置しました有識者による県産業振興委員会におきまして集中的に議論していただくこととしており、時代の動きにおくれをとることのないよう努めてまいる考えであります。  3点目の新産業創出に当たっての基本的な考え方と現況についてでありますが、経済が世界的な転機を迎えている中で、本県として産業の構造改革と経営革新への対応を急ぐことが課題であります。  本県では滋賀県産業振興指針を策定し、環境関連を初めとする7分野を本県として取り組むべき成長分野と位置づけております。中でも、本県にポテンシャルのある環境や健康福祉分野、さらに、21世紀の有望産業でもある観光の3つの分野を重点として取り組んでいるところであります。  そこで、その振興支援についてでありますが、県では、工業技術センターの充実とともに、理工系大学の立地促進に努めてまいったところであり、昨年度には産業支援プラザを立ち上げ、産学官連携体制を整えたところでありまして、研究開発から事業化まで、企業の成長段階に応じた支援に努めているものであります。  こうした中から、新規開業に関する関心も高まりを見せ、セミナーなどへの参加者も増加しており、中小企業創造活動促進法による事業計画の認定も83社、90件にまで至っております。中には海外にも事業を展開しているベンチャー企業も見られるなど、徐々にではありますが、成果も出ているところであります。本年度は新たに、ハード面ではレンタルファクトリーを整備しますほか、ソフト面では産学官連携のさらなる促進やベンチャー人材無料職業紹介所の設置にも取り組むこととしております。  最後に、産業支援プラザの昨年1年間の支援等の状況および今後の取り組みについてでありますが、県内企業の有する技術や人材など経営資源の情報収集を初め、新商品開発や事業化についての可能性調査、企業退職者などをベンチャーの支援人材として活用する事業などを実施いたしました。さらに、総合相談窓口の設置によりワンストップサービスを充実するなど、新事業創出を総合的に支援する体制の整備に努めたところであります。この結果、昨年度1年間で3,299件の相談を受け付けることができましたし、ホームページへのアクセスは1万2,793件にも上っております。  また、今年度は、民間のノウハウを持つサブマネジャー3名を採用し、県域の中小企業支援センターとして新規創業を支援する体制の充実を図りました。これにより、新規創業に関する相談は、昨年度1年間で38件であったものが、この2カ月だけでも29件と飛躍的に増加しているところでございまして、プラザに寄せられる期待とニーズの大きさをひしひしと感じているところであります。  今後も、先ほど申し上げましたIT化対応や産学官連携、人材紹介など、ニーズに的確にこたえる取り組みを強化し、企業のよきパートナーとして活用していただけるよう、さらに努めてまいりたいと考えております。  既存産業の経営革新、新分野進出を促進しながら、新規成長産業を育てることが、これからの経済社会に適合した本県産業の振興につながるという基本認識に立って、たくましい経済県の実現に鋭意努力してまいりたいと考えております。 ◎農政水産部長(中森武君) (登壇)農業・農村の振興策についての御質問にお答えいたします。  まず、新しい農林水産プランをどのような体制で策定しているのかということでございますが、現在、農林水産業を担う担当課長以上で構成する策定会議を設置するとともに、そのもとに実務者レベルによる策定調整会議を設け、各部門間の調整を図っております。  具体的な作業に当たりましては、例えば環境調和型農業班、経営・担い手班、地域計画班といったテーマごとに18の作業班を設け、農林水産業の現状把握と現行プランの評価を行いつつ、今後の振興方策を見定め、計画立案を行っているところであります。  次に、本県の特色を生かした自信の持てるビジョンを県民に示すべきということについてでございますが、現行プランを評価いたしますと、本県農林水産業の置かれている現実は非常に厳しく、農業近代化の前提となります生産基盤の整備は大幅に進捗してまいりましたが、それ以外の多くの項目では目標を下回っている現状であります。  今回、国の基本計画で示されました食料自給率目標や品目別生産努力目標の達成の視点から、生産面に焦点を当てますと、趨勢としましては、農業を支える担い手が減少していくとともに、転作作物として定着しつつあります麦、大豆を除いて野菜や果樹など主要な品目で生産量が減少していくことが予想されます。  このため、新しいプランにおきましては、食を初めとして、農業・農村を取り巻く大きな変化を十分見定めながら、これに歯どめをかけるような施策を展開していくことが大切であると考えております。  幸い、本県では、5万1,900ヘクタールの優良な農用地のうち約4万ヘクタールで圃場の整備が完了するという全国的にも非常に高い水準で生産基盤の整備が進み、カントリーエレベーターなどの共同利用施設の整備もほぼ終了してまいりました。  したがいまして、この成果を生かし、従来から取り組んでまいりました集落営農を引き続き推進していくとともに、地域農業の担い手として、認定農業者など意欲ある担い手をしっかりと支援し、技術と経営にすぐれた農業者や経営体を育成していくことによって、量から質への転換と申しますか、消費者ニーズに合った質の高い農産物の供給を目指してまいりたいと考えております。  また、女性や高齢者も大切な担い手の一つと考え、野菜や果樹など、少量でも多品目の農産物を供給できるようなシステムづくりや、健康農業や生きがい農業といった農業の育成も視野に入れているところであります。さらに、中山間地域等で受け手のない農地につきましては、集落を超えた地域で農地の管理や農作業を請け負うような体制づくりも検討していく必要があると考えております。こうした多様な農業の担い手が相互に補完し合いながら農業・農村を支えていく重層的な体制整備が、本県農業にとって一つの有効なセーフティーネットになるのではないかと思っております。
     まだ、生産者対策とあわせて、消費者にも食や農や環境の大切さや、それを支える農業・農村の重要性を再認識していただくことにより、県民全体で湖国の農業・農村を活性化していくような展望を開いてまいりたいと考えております。 ◎土木部長(中村昭君) (登壇)最初に、公共工事のコスト縮減対策についての御質問にお答えいたします。  コスト縮減対策につきましては、効率的な公共事業の執行を目指して平成9年度に策定いたしました県の行動計画に基づき、全庁を挙げて取り組んでまいりました。その結果、最終年度であります11年度のコスト縮減率は7.5%、3年間のコスト縮減の合計額は145億5,600万円となり、大きな成果を見たところであります。  そこで、今後の取り組みでありますが、公共工事の効率的な執行は、引き続き重要な課題であると認識しており、これまで実施してきた諸施策の定着を図るとともに、計画・設計方法の見直しや新技術の導入など、より大きな効果が期待できる施策にも取り組む考えであります。  このため、今後、国の動向も参考にしながら、本年度から5カ年程度を計画期間とする新たな行動計画を策定し、引き続き縮減対策を推進してまいりたいと存じます。  次に、省資源、リサイクルを含む新たな施策についてでありますが、11年度における建設副産物対策による縮減効果は、全体の縮減額の約17%を占めており、また、環境対策や資源循環型社会の構築にも大きく寄与しますことから、今後も引き続き建設副産物の発生抑制、建設発生土の工事間での流用や間伐材の利用等諸対策を積極的に推進する考えであります。  さらに、新技術の活用、設計段階でコスト縮減を図る設計VE方式や公共工事の実施過程の一層の効率化を目的とした電子情報化による建設CALS/ECの導入など、より大きな効果あるいは長期的な効果が期待される施策に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。  次に、洪水・土砂災害対策についての御質問にお答えいたします。  まず、治水事業の推進についてでありますが、御質問にあります我が国の厳しい自然的、社会的条件に加えて、本県では流路延長がほとんどの河川で50キロメートル未満と短く、しかも地形的、地質的条件などと相まって天井川を形成する河川が多くございます。このため、一たび洪水はんらんが生じると大きな災害となり、とうとい人命や貴重な財産が失われてまいりました。  こうしたことから、天井川の平地化や河川断面の拡大、ダムの建設など治水事業に積極的に取り組んでまいりました結果、平成11年度末には、時間雨量50ミリに対応できる河川の整備率は約47%まで向上いたしました。しかしながら、新幹線、在来線の鉄道や幹線道路との横断部において多額の費用や調整を要する箇所がまだ多く残されている状況にあり、今後、上流部までの改修にはなお年月を要する見込みでございます。加えて、近年の宅地開発や急激な都市化の進展により人口、資産が増大傾向にありますことから、河川整備はますます緊急、重要なものとなってきております。  一方、洪水被害の軽減を図るためには、治水事業によるハード対策に加えまして、河川情報等をリアルタイムで的確に収集し伝達するソフト対策が重要であります。このため、平成8年度から情報基盤整備事業を進めており、県下全域にわたり雨量観測局92カ所、水位観測局65カ所のデータ収集と市町村への伝達システムが昨年度末までに完了しております。今後は、これらの河川情報等を防災対策や洪水予警報に活用し、高度化を図っていく考えであります。  次に、土砂災害対策についてでございますが、県内において土砂災害の起こるおそれのある危険箇所は、現在2,347カ所あり、昨年度末の整備率は約38%と、まだまだ安心できるとは言いがたい状況にございます。このことから、今後も砂防施設等の計画的かつ着実な整備に努めてまいります。  また、近年全国的にも局地的な豪雨による土砂災害が毎年のように各地で発生しておりますが、自然的、社会的条件から見て本県も例外ではないと考えており、万一に備えた警戒避難体制の整備が重要であります。このことから、県では、情報基盤整備事業による防災情報システムや危険区域を図示したハザードマップを活用して、いざというときには、より早く確実な避難ができるよう、市町村と連携を図りながらソフト対策を推進してまいりたいと存じます。  治水事業は、県民の生命と財産を守る最も基礎的で根幹的な事業でありますことから、安全で安心して暮らせる地域づくりを進めるため、21世紀の県土のあるべき姿を見据えながら、中長期的な整備方針に基づき治水対策を着実に推進し、不断の努力を積み重ねてまいる所存であります。  次に、土砂災害防止法についてでありますが、この法律は、土砂災害から国民の生命および身体を守るため、土砂災害のおそれがある区域を土砂災害警戒区域ないしは土砂災害特別警戒区域に指定し、住民への危険の周知や警戒避難体制の整備、住宅等の新規立地の抑制、建築物の構造規制や既存住宅の移転促進等のソフト対策を推進しようとするものであり、来年4月から施行される予定となっております。  今後も人口増加が予想される本県におきましては、危険箇所における新たな住宅等の立地抑制や建築物の規制が極めて重要な課題となってきているところであり、この法律に基づく諸施策の推進に努めてまいりたいと存じます。  県といたしましては、今後、国の基本方針の策定を待って、土砂災害警戒区域等の指定に必要な基礎調査に取り組んでいくこととし、関係部局や市町村と綿密な連携を図るとともに、警戒区域等の指定に際しては、規制を受けることとなる区域の住民にソフト対策の必要性や重要性を十分御理解いただけるよう啓発に努め、この法律の目的が有効に達成できるよう鋭意取り組んでまいる所存であります。 ◎教育長(西堀末治君) (登壇)教育の今日的課題と今後の取り組みについての御質問にお答えをいたします。  昨年来、少年による殺傷事件や恐喝事件等が全国で発生をしておりますことはまことに悲しい限りでありまして、改めて教育のありようを問い直すべく、重く受けとめているところでございます。  今改めて、知育であれ、徳育であれ、体育であれ、基礎基本の部分を、その学ぶべきときに、教えるべきときにしっかりと学習をさせ、身につけさせることが何よりも大切であるということに強く思いをいたさなければならないものと考えております。  そこで、御質問の心の教育の充実についてでございますが、これまでも学校においては、命の大切さや物事の善悪の区別など、人としての基本的な倫理観や規範意識が身につくよう指導し、また、生活体験や自然体験など、さまざまな体験活動を取り入れた教育を推進してきたところでありますが、とりわけ道徳教育につきましては、今日の子供の実態にかんがみ一層の充実を図るため、他の教科に先駆けて新しい学習指導要領に基づき実施をするとともに、これを契機として、各小中学校におきましては、道徳教育推進のための3年計画を作成し、校長のリーダーシップのもと、全教育活動の中に位置づけ、魅力ある授業づくりや手づくり教材の作成など、各学校の特色を生かした道徳教育を計画的に推進するよう、指導、助言しているところでございます。  また、地域ぐるみで道徳教育を推進するモデル地区を指定し、あいさつを通して地域の人とのつながりを深めたり、大人と子供が一緒になって豊かな心について考えるフォーラムを開催するなど、学校と家庭、地域社会が一体となった道徳教育の推進をも目指しているところでございます。  今後の学校教育の推進についてお尋ねがございましたが、これからの教育は、子供たち一人一人に生きる力を育成することを第一のねらいとして、子供みずからが問題を見つけ、みずから考え、問題解決ができる能力や資質を身につけていかなければならないものと考えております。  そのためには、体験的な学習や問題解決的な学習を重視するとともに、基礎基本の力を確実に身につけさせることが不可欠でありますので、学校においては、子供たちが読み・書き・計算等の基礎基本を確実に習得できるよう生み出されたゆとりの中で繰り返し指導したり、学習の理解の状況に応じたグループ学習などの指導をいたしております。  また、学ぶ意欲や学び方、生き方などの育成をねらいとして創設をされました総合的な学習の時間におきまして、地域の自然や伝統文化等を教材とし、教科の枠を超えた特色ある教育活動が、既に多くの小中学校で創意工夫しながら展開をされているところでございます。  さらに、本県では、平成8年度からすべての公立学校で体験的な学習に取り組んでおりますが、その結果、多くの学校から、地域の人たちに触れ、地域のよさを学ばさせることができた、子供が自信を持ち、生き生きとしてきたなどの成果も報告をされております。こうした体験を通して、よりよい人間関係づくりや社会規範を学ぶ取り組みが効果的に行えるよう、これまでの成果を生かし、子供の発育発達段階に応じて必要とされる体験を体系化する中で、それぞれの段階にふさわしい体験的活動の充実に努めてまいりたいと存じます。子供たちの生きる力としての学力の質を向上させ、また、一人一人の児童生徒の資質、能力の育成に努めていきたいと考えているところでございます。  次に、地域全体で子供を育てる環境づくりでございますが、御指摘のとおり、大人と子供の、あるいは子供同士の自然な触れ合いや遊びの中で営まれてきた地域における教育が危機的な状況にある今、そうした地域の教育力の再生を図ることは重要な教育上の課題であると考えております。  これまでも、県教育委員会といたしましては、学校休業日などにおける自然体験や社会体験活動を推進してまいりましたが、今後は、こうしたことに加えて、より日常的な活動の中で、学校教育、社会教育の枠にとらわれることなく、例えば公民館における大人の活動への子供たちの参加を図る、地域の職場や公共施設などで子供たちの体験学習を積極的に受け入れるなど、地域におけるさまざまな場やそこでの活動を子供の学びの場ととらえ、地域の大人が子供たちの教育にかかわることができるような仕組みづくりを進める必要がございます。  同時に、子供たちは、自然と集まり自由に活動できる居場所を求めており、公民館などの地域の身近な施設を大人だけのものから子供たちも自由に利用できる場へと変えていくことも重要と考えております。こうした観点から、本年度から2カ年にわたり、地域子供体験キャンパス推進事業を実施し、地域における人材のネットワーク化、さまざまな施設を活用した体験メニューづくり、子供たちの居場所づくりなど、地域の教育力を結集し、組織化するためのモデルづくりを行い、各市町村における取り組みを促していきたいと考えております。  また、すべての社会教育関係団体の皆さんにも、これまでにも増して、子供を視野に入れた活動を活発に行っていただくよう働きかけるとともに、青少年育成関係団体が推進する「大人が変われば子どもも変わる運動」や「家族ふれあいサンデー運動」の支援を通じて、地域で子供をはぐくむという意識の醸成にも努めてまいりたいと考えているところでございます。  次に、学級編制と教職員配置についてでございます。  去る5月19日に、教職員配置の在り方等に関する調査研究協力者会議から文部省に対し、学級規模と学習効果についての定説的な見解がないことから、現行の1学級40人の学級編制基準を維持すること、また、学級編制とは異なる学習集団を編成して、少人数授業を行うことなど、多様な学習集団の編成が可能な一定の教職員配置の改善を図ること、さらには、国庫負担定数の枠組みの中で、地方の実態に応じた学級編制基準の弾力化を図ることなどが報告をされました。  文部省では、この報告に基づき、今後5カ年の改善計画が策定をされるとともに、必要な法改正等条件整備が進められることになっております。今後、私どももその動向を十分に見きわめていく必要があるというふうに思っています。  特に、学級編制基準の弾力化につきましては、特別な事情のある場合に基準の変更が可能とされているものであり、今回の配置改善は一律の学級編制基準の引き下げを目的としたものではなく、主として少人数授業を行うなど、個別の学校の状況に着目した加配方式によることとされているものでございます。  一方、児童生徒の社会性の育成からは一定の学級規模が必要であることや、今回予定されております全国で2万数千人の改善規模を考慮いたしますと、学級編制基準を一律に引き下げることは困難と考えておりまして、文部省も同様の見解をされているように伺っております。  今回提言されております少人数授業等の多様な学習集団による授業が、1人の児童生徒に対して何人もの教職員がかかわれることや、子供たちの個性や特性、能力を引き出せるなど基礎学力の向上と問題解決能力を育成する上で大変有効であると考えているところでございます。  いずれにいたしましても、国の改善計画の内容も見ながら、事務局内に設置した検討チームにおいて、本県の学校での教育課題等の実態に対応した最も適切な少人数授業を含む教職員配置のあり方について検討し、本県における配置改善計画を取りまとめていきたいと考えているところでございます。 ◎警察本部長(渡邉晃君) (登壇)警察本部庁舎についての御質問にお答えします。  まず、本部庁舎整備事業の現状についてであります。  整備事業につきましては、平成8年度から3カ年にわたり基礎的調査を実施してまいりましたが、昨年度は、琵琶湖研究所一帯県有地を移転整備候補地として特定し、土地利用計画や外部空間計画などについての基本構想を策定したところであります。平成12年度は、引き続いて、基本構想を踏まえた構造、設備、外構等の基本計画を策定することとしております。  なお、年次計画につきましては、警察本部庁舎の移転先であります琵琶湖研究所の移転計画の進捗状況に大きくかかわることから、関係部局と緊密な調整を図っているところであり、平成15年度を目途に着工したいと考えております。  次に、建物の規模等についてでありますが、県民の安全と安心を守る警察活動の中枢機能を果たしていくためには、最低限、駐車場を除き約2万平方メートルの面積が必要であり、10階建て程度の規模になるものと考えております。  主な設備としては、震災等の有事に即応できるよう屋上にヘリポートを設置するほか、高度情報化社会に的確に対応できるインテリジェント機能を備えたものにしたいと考えております。  続きまして、ストーカー規制法の成立に伴う滋賀県暴力的不良行為等防止条例の改正への影響についてお答えします。  警察本部におきましては、本年2月県議会の代表質問にお答えしたとおり、年々増加する悪質なストーカー事案に対処するため、6月県議会への上程を目指して、ストーカー行為の規制等を盛り込んだ滋賀県暴力的不良行為等防止条例の一部改正作業を進めてまいりましたが、御案内のように、ストーカー行為等の規制等に関する法律が本年5月18日に成立いたしました。この法律は、つきまとい等の行為を反復して行うストーカー行為に対する警察本部長や警察署長の警告、公安委員会の禁止命令のほか、ストーカー行為に対する被害者の告訴に基づいての検挙、被害者からの申し出に応じて行う警察の援助などが規定されておりまして、本県で滋賀県暴力的不良行為等防止条例を改正し規制しようとしておりました、つきまといや面談要求行為の禁止、電話、文書や物品の送付による嫌がらせ行為の禁止などがすべて盛り込まれているところであります。  これらのことを踏まえ、種々検討いたしました結果、滋賀県暴力的不良行為等防止条例を改正するには及ばないものと判断したところであります。  今後は、法律の施行に向けた体制の整備を図るとともに、法律の適正な運用に努め、県民に不安感を与えるストーカー行為の規制に万全を期してまいりたいと、このように考えております。 ○議長(橋本正君) しばらく休憩いたします。   午後0時17分 休憩    ────────────────   午後1時18分 開議 ○議長(橋本正君) 休憩前に引き続き会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(橋本正君) この際、諸般の報告をいたします。  選挙管理委員会委員長山嵜徳三郎君が会議に出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(橋本正君) 次に、49番石田幸雄君の発言を許します。 ◆49番(石田幸雄君) (登壇、拍手)平成12年3月1日、私たちは、新しい時代にふさわしい新しい県政の流れをつくるため、また、緊張感を欠く県政の現状を打破するため、県民連合、グローカルネットワーク滋賀、淡海クラブの一部、そして無所属議員が大同団結をいたしまして、16名から成る県民ネットワークを結成いたしました。  1つの時代、世代にとってゴールであったものが、次の時代、世代にとってはスタートとなります。このことは、進歩を愛する人類の歴史そのものでもあります。特にこの1カ月の間に内外で時代の転換を象徴する事態が相次ぎました。皇太后陛下の崩御や朝鮮半島の南北首脳会談実現は一つの時代の終えんを意味するものと思われます。  これと同時に、IT革命が国際社会を席巻し、国際化、少子高齢化の波は滋賀県にも着実に押し寄せてきております。今日の時代状況について、一般的に、明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革と言われますが、私たちの認識は、産業革命に匹敵する情報革命が起きている、いわば文明史的転換点に来ているという認識であります。  文明史的転換点においては、県政の改革も部分的なびほう策では意味をなし得ません。抜本的な改革、体質改善が求められるのであります。すなわち、集団から個へ、帰属から自立へ、官から民へ、中央集権から地方分権へ、もたれ合いから自己責任へと、心の時代と言われ、共生がキーワードとなる21世紀を迎えるためには、新しい価値観の創造へと邁進しなくてはならないのであります。  このような時代認識の中で、私たちは、県民に軸足を置いた、言いかえれば、一部の特定の団体や組織の利益のみを代弁するのではなく、県民全体の利益を代表するという立場に立脚するものであります。そして、タックスペイヤー──納税者の視点に立った政策提言を積極的に行うとともに、健全なチェック機能を持つ会派として議会活動を展開していく決意であります。  湖国滋賀は、悠久の歴史とすばらしい文化を誇る地域であります。私たちは、それらを守り育てていく義務があります。私たちのこの時代は後世の人にどう語られるでしょうか。私たちは、一時の快楽に心を失っていないでしょうか。歴史と伝統の重みを忘れてはいないでしょうか。こうした時代こそ、政治家には文明への責務という認識が求められているのであります。厳しい倫理観、多いなる責任感、的確な判断力、そして、いかなる困難に直面しても、「それにもかかわらず」と言い切れる情熱。私たちは、これらを持って県政の改革に挑戦したいと思います。  以上の観点に立って、歴史的に大きな節目となる2000年度最初の県議会に当たり、県民ネットワークを代表して、県政の重要課題および諸課題について知事ならびに関係部長に質問をいたします。  まず、琵琶湖の総合保全についてであります。  県では、新しい琵琶湖総合保全計画であるマザーレイク21計画を策定されました。この計画は、関係6省庁の計画調査を踏まえ、県民総ぐるみで健全な琵琶湖を次の世代に継承するための指針であると位置づけられ、琵琶湖水政を常に県政の中心課題に据え続けてきた本県にとりまして最重要の計画の1つではないかと考えます。この計画を知事は、世界の湖沼保全にも貢献するスケールの大きな実験であると位置づけられております。まさに22年の長い年月をかけて、昭和40年代前半の水質に戻すという取り組みはスケールが大きいものでありましょう。しかし、少なくとも計画と称するからには、つくりっ放しで実効性のないものであってはならないと思うのであります。  過去25年の長期にわたり、国や下流府県の多大な協力を得て実施されました琵琶湖総合開発事業の大きな柱の1つは、いかに琵琶湖の水質を保全するかでありました。しかし、琵琶湖の水質は一向に改善を見ないのであります。おそらく、その総括もしくは反省の上に立って今回の計画を策定されたのだと思いますが、まず最初に、知事は、琵琶湖総合開発において琵琶湖の水質改善が進まなかった原因はどのあたりにあると考えておられるのかを伺います。  次に、20世紀を振り返りますと、これまでの私たちの生活は、人間にとって不都合なもの、害になるものはすべて排除し、根絶しなければならないという避けがたい衝動に誘われていたと思います。ありとあらゆるものが人間を中心に考えられた結果、大きなゆがみ、ひずみとなって、戯れることのできる自然を減らしてきたのであります。新しい世紀には、こうしたゆがみやひずみを除き、バランスのある世界を築き上げていかなければなりません。その努力は、私たちすべて、一人一人に求められるものであると思います。  そういう意味で、琵琶湖を総合的に保全するためには、マザーレイク21計画の中で琵琶湖保全の規範として示されておりますように、まさに県民、事業者、行政の協働により取り組まなければならないことは言をまちません。  しかし、川の流れも、上流のせせらぎは簡単にまたぐことができますが、下流の大河になると堰をつくることも容易ではありません。従来からの取り組みのような事後の対症療法では、今後22年間かけても恐らく水質の改善は望めないかと思います。県民や事業者がみずからの問題として、日常生活の中でさりげなく琵琶湖のことを思い、汚水を流さないようにしよう、ぽい捨てをしないようにしよう、身近な水路を大切にしようと、いわばせせらぎの部分で押さえなければならないという思いを持っておりますが、いかがでしょうか。  そのためには、まず、県民の皆さんに計画を知っていただかねばならないと思いますが、どのような周知、啓発等をしていかれるのか。  また、計画が実効性を上げるためには県民の皆さんの実際の行動によるところが非常に大きいと考えますが、県民一人一人が、いわば身の回り1平方メートルごとの環境づくりに取り組んでいただけるような動機づけをしなければ、計画の実効性を担保したとは言えないと思います。2020年の目標値を達成するために、県民や事業者に取り組んでいただくための誘導策、支援策を県としてどのように考えておられるか、伺います。  さらに、過去25年、今後22年、合わせて半世紀にわたる取り組みでありますが、つくりっ放し、行政の自己満足の計画に終わらないよう、真に県民との協働により、県民の一人一人が主体的に取り組んでいただけるように、知事の心のこもったメッセージを表明していただきたいと思います。  次に、男女共同参画条例の制定についてお尋ねします。  我が国の憲法では、個人の尊重と平等が基本的人権として国民にひとしく保障されており、男女平等をめぐる法律の整備も、国際的な潮流の中で徐々に進展を見ているところであります。県においても、1983年に「滋賀の婦人対策の方向」を、また、1998年にはパートナーしが2010プランを策定されるなど、男女共同参画社会の実現に向けて鋭意取り組みを進めてこられました。  しかしながら、今日なお、私たちの周りには男女の役割分担意識や女性の能力への偏見が見受けられ、男女がひとしく参画する社会の実現には遠い道のりを実感するものであります。例えば、改正男女雇用機会均等法が制定され、職場における女性の地位が保障されることになりましたが、男性優位の企業風土には根強いものがあり、仕事と家庭の両立に苦しむ女性たちの姿があります。また、女子学生の就職は超氷河期と言われ、不況の中で女性が真っ先にリストラの対象となるなど、男女の格差の厳しい実態が見られます。  少子高齢時代を迎え、女性の労働がますます求められる中で、男女がともに生き生きと働き、ともに安心して暮らすことができる男女共同参画社会の実現に向けて、女性の能力が生かせる環境づくりが何よりも大切ではないかと考えるものであります。  そのためには、パートナーしが2010プランを一歩進めて、行政、企業、団体など、県民が一体となって男女共同参画社会を推進する基本理念の確立と条例制定が必要と考えます。  知事は、これまで条例制定について、勉強したいと表明をされてこられましたが、最近における他府県の条例制定の動きを見るにつけ、私たちは、本県として男女共同参画条例の早期制定を強く求めるものであります。改めて知事のお考えと今後の見通しについてお尋ねをいたします。  次に、市町村合併推進における県の役割について総務部長にお尋ねします。  ことし4月1日から地方分権一括法が動き始め、広域行政あるいは市町村合併が大きな話題になってまいりました。滋賀県におきましても、私のテリトリーであります高島郡のように広域連合が、地方が主体となる介護保険制度を契機としてスタートしました。また、行政の効率化、分権の受け皿として合併が具体的な政治日程──とは言わないまでも、課題として上がってきたというのが国の動きの特徴でないかと思うものです。  また、合併特例法が改正されましたが、平成17年3月末日を具体的なタイムリミットとして、国は市町村合併を真剣に考えています。時間的にも厳しい状況下で、期限内に何らかの成果を上げることができるのか、不安を抱きつつも、本県では合併に関しての「将来のまちを考える滋賀県懇話会」が昨年度設置され、同時に、県事務所単位の県内6地区で地域懇話会も開かれました。ここで合併の基本的な考え方なども示されましたが、一番注目される部分は、合併パターンであります。  懇話会が示したパターンというのは、あくまでも懇話会としての考え方、多くある中の1つの考え方を示したものであり、このパターンは、この方向で合併を進めるべきだというよりは、各地域、各市町村でそれぞれ考えていただくきっかけづくりの材料を提供したと解釈していますが、十分な情報がないまま、この合併パターンだけがひとり歩きをしているように思います。  本議会冒頭の知事の提案説明でも、今年度中に県は合併の要綱づくりを進めていくとの説明がありました。こうした動きから見てもわかりますように、県も積極的に市町村合併を進めていくという考えがあることは間違いないだろうと考えます。我が会派においては、市町村合併の必要性を十分踏まえ、県民相互の深い理解と議論に基づく中で円滑に進むことを強く願うものであります。ところが、現在の推進状況や意識調査の結果を見る限り、議論はもとより関心もまだまだ薄い状況と判断いたします。  市町村合併の推進は県民が中心となって進められるべきとの見解で県は今日まで取り組んでこられましたが、県としての役割を十分に認識し、合併パターンを提示するといった国主導の動きに追随するにとどまらず、積極的に取り組む必要があると考えます。  また、具体的に進めるなら、極論かもしれませんが、「もし合併をしなかったら、こんなまちになってしまう」というような例を示すぐらいのことが求められていると考えます。  さらに、県は今後、市町村合併に関するあらゆる情報の提供に力を注ぐべきだと考えます。県民の関心の薄さや議論の停滞状況は、明らかに情報不足に原因があると考えます。今後、市町村合併における情報の効果的な広報について、お考えをお聞かせください。  次に、市町村合併の要綱づくりに向けての取り組みについてお尋ねします。  まず、市町村合併の推進に向けて、県がリードしなければならないと考えます。そこで、要綱を作成するまでの間に、民間における積極的な議論を鼓舞するための方策として、民間もしくは自治体主導によるフォーラムやシンポジウムの開催に係る経費の応分補助や実施の呼びかけなど、早急に対応すべきと考えますが、いかがでしょうか。  今や広域行政の必要性を否定する人はまずいないと思いますが、それでも基礎自治体で行われている公共事業や政策の推進は十分に広域行政の視点に立って行われているか、疑問であります。市町村合併を見込んで過剰な公共投資になっていないかどうか、広域的な観点に立って自治体のビジョンが組み立てられているかどうか、地方分権型社会の中で対等、協調の関係を保ちながらも、こうした自治体経営の検証において県としての役割が期待されているのではないかと思いますが、総務部長の見解を求めます。  市町村合併の議論の主役は地域住民です。議論において積極性に欠ける地域住民を嘆く前に、情報公開や議論の場をつくること、県全体を見渡した中で個別の合併論議を醸すなど、県の役割をしっかりと果たす中で、住民本位の市町村合併の議論が広がることを強く念願するものであります。  次に、びわこ空港問題についてお伺いします。  知事は、さきに経済アセスメントを全国に先駆けて取り組まれ、現在各界でこの評価について検証が進められていますが、この手法は、今後公共事業を実施するたびに取り入れられるべきであるという意味においては評価をしたいと思っています。しかし、びわこ空港の問題は、費用対効果だけでは解決できないところに問題があるのではないかと思います。  多くの県民が、高度の文明社会の中で、びわこ空港が全く必要でないとは思っていないと思うのですが、問題は、建設計画が発表されて10年以上が経過した状況のもと、依然として建設にめどが立たないということ、財政状況が悪化していることの中で建設計画を進めていくか否かが問われているのではないかと思います。  そこで、空港建設を推進するのか、あるいは凍結するのか、断念するのかの結論を、20世紀中、すなわちことしの12月までに出すべきであると考えます。その理由として、地元の中で10年以上もの間、賛成、反対で意見が分かれ、これ以上結論を長引かすのには限界があるのではないかということが挙げられます。さらに、第7次空港整備計画に採択されるには、ことし中に環境アセスメントに着手しなければならないと思うのですが、びわこ空港建設をこの第7次空整で採択を受けることを前提として進めている以上、重ねてことし中に建設の是非の結論を出すべきであると考えますが、知事の見解を求めます。  次に、循環型社会の構築に向けての産業廃棄物等の取り組みについて知事に質問いたします。  環境の保全、安全な生活の確保、そのための産業廃棄物排出者の責任の明確化と、消費者、利用者の環境への配慮、省資源化と持続性の追求など、課題に対する取り組みは、まず行政がその先頭に立つべきであるとの観点から、資源循環型社会に向けて、産業廃棄物の処理と再生について知事に質問いたします。  その基本は、住民の健康と生活の安全をすべてに優先させ、住民の不安を取り除き、信頼を確立すること、そのために、産業廃棄物の処理の取り組みに当たって、その処理施設の建設は行政が中心となって公的機関が行うことが望ましいし、その運営については処理業者等の参入を図り、民間の経営感覚を取り入れた手法を考えることも必要ではないかと思います。  知事は、処分場等の建設に伴って、地域住民と建設業者とのトラブル発生の要因ともなっている今日の産廃を中心とする廃棄物対策の問題について、どのような取り組みと手法をお考えになっているか、伺います。
     今や廃棄物問題は私たちの暮らしと経済活動に重要な問題を提起しています。産業廃棄物は、単なる廃棄に終わるのでなく、資源として再利用し、新しい製品をつくる原料を補強する役回りとして位置づけられており、資源循環型経済のもととして重要視する方向が定着しつつあります。  生活を営む上で環境を最も重視するドイツを初め北欧の諸国では、幼児から環境保全の教育を柱に据えて取り組んでおり、行政が先頭に立って産廃処理施設建設運営に取り組み、再利用等新産業として位置づけ、経済活動として組み入れていると聞いております。環境熱心県として自他ともに認める本県は、国や他府県のモデルとなるような積極的な取り組みが望まれるが、どのような実行計画を考えておられるのか、お伺いします。  次に、栗東町のアール・ディエンジニアリングの産廃処分場から発生した硫化水素ガス対策について琵琶湖環境部長にお伺いします。  アール・ディエンジニアリング産廃処分場での硫化水素ガスの発生問題の解決は、地域住民の安全確保を最優先し、不安の解消を図る立場から、違法性の物質は混入していないか、硫化水素ガス発生の原因究明のため処分場全域の調査をし、不安の解消に努めるべきだとの立場から、県行政の一連の取り組みと今後の進め方について質問します。  まず、6月22日、23日に行った処分場に隣接する池の埋立地などの追加調査の結果はどうであったのか。その結果、硫化水素ガス発生要因の物質は発見されたのか。違法物のたぐいはどうであったのか。また、この地点を選定した理由は何か、明らかにされたい。  いずれにしても、大量の硫化水素ガスの発生という事態は、廃棄物処理が不適切であったことに起因すると考えられます。したがって、抜本的な改善対策と指導が求められます。そのために、処分場全域にわたる調査を行うこと、その結果、違法物および硫化水素ガス発生要因物質の撤去、処理が行われること、このことが確認されなければ、問題のガス化溶融炉の運転は許可すべきでないと考えますが、その点についてどう対処されるのか、琵琶湖環境部長にお伺いいたします。  環境熱心県として、何よりも地域住民の生命と生活を守るという明確な指導方針を確認すべきであります。  最後に、すべての企業モラルの向上のため、指導強化をされるべきであると考えますが、知事の明快な答弁を求めるものであります。  次に、介護保険制度の諸問題について知事ならびに健康福祉部長にお尋ねします。  高齢者社会にとって全く新しい介護保険制度が4月から施行されました。県内で、スタート時点では約2万人の方が本制度のサービスを受けられたとのことですが、順調にスタートしたかどうか。  制度開始前の措置としての介護を受けてこられた方にとって、契約としての介護を計画的に受けられるようになったものの、ヘルパーが次々と入れかわったり、時間的に制約を受けて慌ただしくなったなどの声を聞いていますが、サービスの低下はないかどうか。  居住している市町村によって違いはあるものの、くらし安心県の滋賀県民として格差のないサービスを受けられているかどうか。  自助、公助、共助、商助という概念をもって、いざというときの高齢期に備える旨、知事は表明しておられましたが、介護保険制度が開始した時点に当たって、知事の所信を伺います。  次に、3点について健康福祉部長に答弁を求めます。  まず第1に、介護保険制度は、高齢者が自分らしい生活を保持しながら介護を受けられるように、個人の意思を尊重し、必要なサービスを選択し利用できることを本旨としています。本制度がスタートして約3カ月のたった今日、自由な選択をした上でサービスの利用がされているかどうか。  契約という行為にふなれなこともあって、高齢者や家族はケアマネージャーに依存している中で、介護保険制度の実施においてケアマネージャーの役割が重要だと考えますが、県としてケアマネージャーの資質の向上についてどのように考えておられるのか。  第2に、実施直前、選挙を意識した政府の特別措置で、高齢者の直接的な負担は瞬間的に後送りになりましたが、結果的には次の世代に負担を強いる形となりました。そして、この10月から65歳以上の高齢者も、市町村ごとに定めた介護保険料の2分の1を納付することになります。納得のいく負担と受益の関係を創出するためにも、納付に向けた説明や介護保険制度の普及、啓発は引き続き重要であると考えます。  だれもが安心して暮らし続けていけるように、個人をエンパワーメントしなければなりません。そのために出前講座などを、規模や時間帯など、県民の積極的なニーズに合わせて実施しやすくする手だてが要ると思われますが、部長のお考えはどうですか。  第3に、納得のいくサービスを恒常的に維持できるようにするため、提供者の努力は論をまたないのでありますが、業者の激しい競争にあって従事者の勤務状況が過酷であってはなりません。介護保険制度は、専門の知識や技能を生かされなければならないのは当然のことながら、人が人を介護するもので、サービス提供者側の労働条件が高齢者に影響して、あの人には来てもらいたくないという気持ちを抱かせるようなことがあってはならないのであります。  県が実施する行政監査や指導は的確に行われなければなりませんが、利用者県民の立場に立った第三者を含む介護オンブズマン制度が不可欠であります。本来はスタート時期に合わせて発足が望まれたオンブズマン制度について、その役割、構成、権限とあわせて、開始までの見通しを問うものであります。  次に、経済・雇用対策について企画県民部長ならびに商工労働部長にお尋ねをいたします。  今月19日、経済企画庁は、景気が後退局面から拡大局面に移った転換点、いわゆる景気の谷が昨年4月と判定しました。しかし、同時に、自律的な回復軌道に乗ったという景気回復制限ではないとしたところであります。平成3年にバブル経済が崩壊して以降、景気の低迷はほぼ10年に及ぶものとなっております。失われた10年と言われるゆえんであります。  平成10年7月に成立した小渕前内閣では、財政構造改革を一時棚上げし、景気回復を最優先し、公共事業を中心とするたび重なる経済対策を実施されました。今月9日に発表された国民所得統計速報では、ようやく平成11年度のGDP成長率が実質0.5%と3年ぶりのプラス成長となるとのことでありますが、リストラによる雇用不安や年金など将来の生活への不安から、依然個人消費が低迷しており、景気の腰折れも懸念される状況であります。  6月の政府月例経済報告は、企業部門を中心に自律的回復に向けた動きが徐々に強まってきていると、総括判断を2カ月連続で上方修正をしておりますが、正直なところ、景気回復したという実感に乏しいのであります。また、新聞報道では、依然として企業の倒産件数が多いという記事や、県内中小企業の夏のボーナス支給状況は昨年をさらに下回るという調査結果も出ておりました。  そこで、本県の景気動向はどうなっているのか、商工労働部長に、まずお伺いをいたします。  また、国の数次にわたる公共事業を中心とした経済対策が本県の地域経済に及ぼした効果は、どのように評価されておるのか、企画県民部長に伺います。  次に、県では、知事を本部長とする総合経済対策本部を設置し、庁内横断的な景気対策を進めていると承知しておりますが、こうした経済情勢を踏まえ、また、11年度の実績も踏まえた上で、今年度、どのような取り組みを進めておられるのか、商工労働部長にお尋ねをいたします。  次に、雇用対策について商工労働部長にお伺いします。  雇用情勢は、産業構造の変革期の中で失業者が増加し、総務庁が発表した我が国の4月の完全失業率は4.8%と、これまでにない最高水準が続くなど、かつてない深刻な状況が続いております。一方、本県の4月の雇用失業情勢も、有効求人倍率は0.57倍と前月をやや上回ったものの、依然厳しさが続いております。雇用情勢の厳しさを強く受けている中高年の、特に非自発的失業者に対する雇用の確保は喫緊の課題でありますし、今、雇用を取り巻く問題は何としても克服しなければならない課題であります。  こういう状況の中で、本年4月に地方分権一括法が施行されたことに伴い、従来、県の商工労働部の中で行われてきた職業安定行政が、国の機関である滋賀労働局に移行されたわけでありますが、このことによって、現下の厳しい雇用情勢に対する取り組みが後退することがあってはならないと考えるものであります。  そこで、まず、国、県の組織体制と相互の連携はどのようになっているのかをお尋ねします。  次に、昨年6月に政府は緊急雇用対策を決定され、その一環として緊急地域雇用特別交付金制度がつくられ、本県にも平成11年度から13年度の3年間の事業費として21億5,200万円の配分がありました。県全体の計画では、雇用人員が4,187人創出されることになっておりますが、現在の状況はどうなっておりますか。  また、県の総合経済対策本部は、この事業の趣旨にかんがみ、事業実施に当たっては新規雇用の一層の創出につながるよう留意するとしていますが、雇用対策は一過性では困るのであります。厳しい雇用情勢を受けて、本県における雇用の場の創出については、長期的には社会経済の変化に対応して産業構造の変革も展望しつつ、新規企業の誘致や新産業の創出への取り組みが重要であることは言うまでもなく、県として鋭意取り組んでいただいているところでありますが、国との連携の中で、県は、当面の緊急雇用対策にどのように取り組もうとしておられるのか、伺うものであります。  次に、新しい農政の展開について農政水産部長にお伺いします。  今、我が国の畜産農家の最大関心事は、牛の口蹄疫についてであります。  宮崎県で発生した口蹄疫は、家畜の伝染病としては最も恐ろしい病気であり、発生農家で飼育されていた35頭がすべて埋却処分されたと聞いております。もし本県で発生すれば、脆弱な本県の畜産農家は壊滅的な打撃を受けることは必至であります。  ところで、この口蹄疫の感染経路の一つとして、外国産──中国と台湾──の稲わらや麦わらに疑いが持たれております。瑞穂の国、日本で約200万ヘクタールに及ぶ稲作を営んでいるにもかかわらず、畜産用のわらを外国から輸入していること自体に私たちは強い疑問を持つものであります。  日本で生産される稲わらは全部田に敷き込み、飼料用は別に外国から購入するという動きは、自給率向上というテーマからほど遠い、むしろ逆行するような事態と考えますが、本県の実態はどうか。また、稲作農家と畜産農家が連携して、稲わらとふん尿を交換し合うような交流が必要だと考えますが、いかがでしょうか。  去る3月、国においては、新基本法に基づき、食料・農業・農村基本計画が策定され、平成22年度を目標年次とする食料自給率の目標や、米、麦、野菜、肉類など主要な農畜産物に係る生産努力目標が決定されたところであります。  基本計画では、食料自給率の目標を現行の40%から45%へ、生産努力目標についても、ほとんどの品目で現行水準を上回る生産量が示されたところですが、別途参考として、平成22年度の趨勢試算値が示されております。こちらの方は目標値とは裏腹にほとんどの項目で現行水準を下回る値が示されるなど、我が国農業が置かれている厳しい現実を物語っていると推察されるところであります。また、この基本計画の策定とあわせて、食料自給率の向上のために、我々日本の食生活を見直していく食生活指針が、文部、厚生、農水の3省共管事項として閣議決定がされたところでもあります。  県においては、このような状況を踏まえながら、本県の地域特性に即した新しい農林水産プランの策定に取り組まれていることと思います。農業を取り巻く環境が厳しければなおのこと、誤りのない海図を描き、正しい航路を目指すべきだと考えますが、今後の作業手順を示していただきたいと思います。  また、当面の課題として、地域における食料自給率の維持向上に向けてどのように取り組まれようとしているのかをお伺いするものであります。  次に、新基本法には農村という二文字が加わっております。このことが地域振興法とも言われるゆえんであり、期待されている部分でありますが、本県が柱として進めてきた集落営農ビジョンは、今後、この新基本法とどうドッキングしていくのか、お示しを願いたいと思います。  また、今年度から特に、耕作放棄の発生が見られる中山間地域の振興を図るため、我が国農政史上画期的な中山間地域直接支払制度が実施されることになりましたが、県として具体的にどのように取り組まれようとしているのか、お伺いをいたします。  このほかにも、若者の新規就農を初めとする担い手の確保や、安全、安心な食品の生産、さらには、農薬や化学肥料などの削減など、新しいプランの策定に当たって解決すべき課題は数多くあるように思われますが、我々の生活基盤を支える農業・農村の維持、振興に誤りのないプランが策定されることを強く望むものであります。  次に、今後の本県における公共事業のあり方について企画県民部長ならびに土木部長に伺います。  本県における社会資本の整備は、まだまだ十分とは言えない状況にあります。しかし、公共事業は多大な費用を必要とするがゆえに、さきの衆議院選でも争点となったように、地域住民のニーズに合っているか、費用対効果にすぐれているか、さらに、自然環境と調和がとれているのか、本当に景気対策として効果があるのかなど、県民へのアカウンタビリティー、すなわち説明責任が強く求められています。  厳しい財政状況の中、社会資本整備、景気対策というお題目だけで既得権益化しつつあるとの批判もある公共事業を聖域扱いにするわけにはいきません。個別に厳しい目でチェックする必要があります。県民の目線で、新しい時代の本県の公共事業のあり方を考えていきたいものであります。以下、県民の素朴な疑問を挙げてみます。  これまでの社会資本の整備ということだけでなく、少子高齢化社会、情報社会、資源循環型社会など、新たなニーズへの対応が必要ではないでしょうか。  公共事業のコストは高過ぎないでしょうか。内外価格差、官民格差、積算基準の高さ、価格の高どまりなどが指摘されておりますが、コスト縮減対策など、どう改善していくのですか。  公共事業の費用対効果の事業評価をきちんとすべきではないでしょうか。新しい手法としてPFI導入は具現化できるのでしょうか。  公共事業と環境との整合性をどう保っていくのですか。  地方自治体の自主性が持てて、地域住民のニーズがより的確に反映されるように公共事業を進めるべきではないでしょうか。  以上、公共事業に対する県民の素朴な気持ちに対して、県として、厳しい財政状況の中、今後の本県の公共事業のあり方、進め方をどう考え、どんな方策を持って新しい方向を目指していくのか、企画県民部長ならびに土木部長のお考えを伺います。  次に、青少年の健全育成についてお伺いいたします。  いよいよ21世紀を迎えるとき、教育委員会は、今日まで取り組んできた個性尊重やゆとりや多様化を掲げた教育改革の成果などをどのように評価し、今後、情報技術の進展など、社会の急速な変化に対応できる21世紀の人材育成のあり方について基本的にどのように考えておられるのか、まず、樋口教育委員長にお伺いをいたします。  次に、昨今の17歳に代表される凶悪犯罪にかかわって西堀教育長に質問をいたします。  西鉄高速バス乗っ取り事件、愛知県の夫婦殺傷事件、岡山県の金属バット事件は、いずれも17歳の少年が起こした凶悪犯罪であります。これらの事件の背景や要因については、ケースによって異なっていると思います。  そこで、まず第1点は、今日までの報道によって、その共通することとして、いじめが背景にあります。滋賀県においても凶悪犯罪少年は増加傾向にあり、いつこのような事件が起こるかわかりません。過去から、いじめは少年犯罪の温床とも言われてきただけに、いじめを見抜き、そのいじめを根絶していかなければなりません。そのためには、いじめの現場の近くにいる少年たちが勇気を持って注意したり、教師を初め大人に連絡することが大切であります。  しかし、総理府の調査によりますと、高校生の約5割が「自分がやられるかもしれないから、いじめに知らんふりをしている」であり、7割近くは「どうやってもいじめはなくならない」と答えています。いま一度、いじめは卑劣な行為であること、また、勇気を持って注意や連絡することをあらゆる場で徹底して教え込むことが必要でありますが、どのように考えておられるのか、お伺いいたします。  第2点は、凶悪事件の報道を見ていると、「いつもあいさつする礼儀正しい青年」とか、よい子、普通の子がなぜと言われて驚いておりますが、これは、周囲の人々が凶悪事件を犯すいじめ等の要因や前兆をつかみ切れないだけではないでしょうか。凶悪事件を犯した少年からすると、決してよい子であったり、普通の子だとは思っていないと思います。凶悪事件を起こす少年は、ただよい子ぶっているだけだと思います。例えば内申書の問題もあり、少年はあらゆる面でよい子を演じなければならないと思い込み、プレッシャーをため込んできているのではないか。それだけに、教師、親、近所の人々が少年たちにちょっとでも手を差し伸べるだけでプレッシャーを解消できるものと思います。  そこで、このような状況をどのように受けとめ、対策をとろうとされているのか。例えば少人数学級の実現も有効な方策と考えますが、いかがなものでしょうか、お伺いします。  第3点は、SOSを出している者に対する対応についてであります。  例えば少年の危険な状態を察知して医療機関や警察に相談しても、事件が起こらない限り動かないのが実態ではないでしょうか。そこで、SOSが出てきた場合、迅速に学校と警察、医療機関が緊密に連携して、少年の凶悪事件を防止する仕組みをつくらなければならないと思いますが、どのように考えておられるのか、お伺いいたします。  第4点は、テレビやコンピューターの影響によるバーチャルリアリティーをつくり、それと現実との区別がつかない少年が出てきていることについてであります。  例えばテレビやコンピューターのディスプレーで繰り広げられる戦闘ゲームと本当の戦争とを混同すること。このコンピューターゲームでは、画面上の人物を刺し殺したり撃ち殺したりすることもでき、殺される相手の苦しみや痛さはわからない。少年たちは、ゲームでは現実の世界では味わえないことが体験できて、気分がすかっとすると言っています。このように、少年たちには嫌なことがあったときの逃げ場にもなっています。また、少年にとってパソコンは、文字だけで自分の顔も相手の顔も見えないし、声も聞こえないから、気軽に話せるといったように、文明の利器は人間関係を希薄にしています。このことを考えたとき、仮想現実から現実の世界へ常に引き戻す必要があります。  そこで、少年の心が豊かに育つような人間関係を取り戻す教育をどのようにされているのか、お伺いをいたします。  最後に、県民に信頼される警察のあり方について質問をいたします。  ことしの3月に発足し、現在も精力的に警察のあり方を議論されている警察刷新会議の結論を待つまでもなく、滋賀県民に信頼される警察の道筋を追求することは喫緊の課題であります。  そこで、まず、滋賀県警察組織の最高責任者として赴任された渡邉警察本部長に、警察に寄せる県民の期待も含めて、抱負をお聞きいたします。  次に、法と社会の秩序を守る警察にとって、警察官の気概や士気が高いということが警察組織にとって不可欠であることは言うまでもありません。人材の確保と育成という観点から、警察官の採用、昇任および研修についてどのような方策を講じられているのか、お尋ねをいたします。  さて、警察の不祥事がマスコミなどで大きく取り上げられていますが、多くの現場で働く第一線の警察官にとって不祥事件に関する報道は、それがあるごとに不愉快な思いを持ち、自分たちは警察の職務を全力で遂行しているとの自覚を持っておられると思います。しかし、一方で、対岸の火事との思いを持っておられるとしたら大変なことです。特に最近の不祥事とされるものの中には、苦情や民事事案に属すると判断したために事件への対応がおくれ、悲惨な結果になってしまったことが特徴となっています。そこで、これまで民事事件として取り合わなかったことや苦情への対応が大きな問題となってきていることから、これらに対する意識の改革が求められるのではないかと思うのですが、ストーカーや家庭内暴力などへの対応も含めて、どのような改革をされているのか、あるいはされようとしているのかをお尋ねいたします。  次に、犯罪捜査には内部機密の確保が不可欠であります。捜査の機密性は当然のことでありますが、一方で、通常の活動については、他の行政機関と同様、情報公開が求められているのであります。滋賀県警における情報の公開と非公開について基本的な考え方を示していただきたいと思います。  最後に、公安委員会委員長にお尋ねいたします。  公安委員会の権限は、警察法により「都道府県公安委員会は、都道府県警察を管理する」と規定しています。警察法では、滋賀県警察は滋賀県公安委員会の管理下にあると規定しているということだと思うのですが、日ごろ、滋賀県公安委員会としてどのように滋賀県警を管理しておられるのか。例えば昨年1年間にどのような活動をされてきたのでしょうか。具体的にお示しいただきたいと思います。  次に、国家公安委員会は、相次ぐ警察不祥事から警察刷新会議を立ち上げ、各界の代表により、警察の組織だけでなく、警察に関するすべての事案に対して検証と改革ができないのかの議論を求め、その結論については経過も含めて尊重するとされています。我が滋賀県公安委員会においても、警察刷新会議の報告をもとに、警察のあり方についてぜひ検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。  以上をもちまして私の代表質問を終わります。(拍手) ○議長(橋本正君) 49番石田幸雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(國松善次君) (登壇)石田議員の県民ネットワークの代表質問にお答えします。  まず、琵琶湖総合保全について、琵琶湖総合開発による水質改善に関するお尋ねでありますが、琵琶湖総合開発においては、積極的に下水道の整備が進められましたほか、農村集落の隅々に至るまで農業集落排水処理施設によるきめ細かな対策が行われるなど、このことによって生活系の流入負荷の削減に大いに効果を発揮いたしました。  この間の目覚ましい都市化の進展や産業経済の発達により、琵琶湖集水域に130万人もの人口と活発な生産活動を抱えることになりましたが、琵琶湖は、なお一定の良好な状態を保っている世界でもまれな湖であります。このことは、琵琶湖条例による規制等の措置と相まって、琵琶湖総合開発による下水道の本格的な整備等の保全事業が果たした役割は大変大きなものがあり、その成果であると思います。  しかし、下水道等の整備を上回って人口が増加したことや、流出形態の変化により農地からの排水、また、市街地や山林などからの排水といった、いわゆるノンポイントソースの影響などによって、結果的には水質の抜本的な回復までにはつながらなかったものと考えられます。  また、人々のライフスタイルの面からも、川や池といった身近な水が暮らしから遠ざかり、身近な水環境はみずからが守るといった意識がややもすれば薄れてきたことも、河川や、ひいては琵琶湖の水質にも一定の影響を与えてきたのではないかと思われます。  この琵琶湖の恵みをさらに高めつつ、次世代に引き継いでいくためには、琵琶湖総合開発による水質改善対策の成果と課題を踏まえながら、20年前の、県民こぞって立ち上がり琵琶湖条例を制定した当時の県民の皆さん一人一人の取り組みの心にいま一度立ち返ることが必要ではないかと考えております。  こうしたことから、今回のマザーレイク21計画の策定に当たりましては、従来からの特定汚濁源対策の充実に加えまして、市街地からの排水浄化対策や、河川などでの自然浄化機能を利用した浄化対策などのノンポイントソース対策をより一層進めていくこと、さらに、行政と県民とのパートナーシップのもとに、行政の施策のみならず県民一人一人の主体的な取り組みを重視し、家庭や身近な地域における参画と実践の取り組みを積極的に進めることなどを盛り込んだところであります。  次に、県民への計画周知・啓発方法についてでありますが、計画にもございますように、一人一人の身近な取り組みの積み重ねが極めて重要であり、県民の皆さんに計画の内容をわかりやすくお知らせすることが何より大切であると考えております。  こうした観点から、計画の策定段階から素案に対する県民の皆さんや市町村の御意見をお聞きし、それらを計画づくりに反映したほか、私も参加いたしましたが、平成環境塾などにおいて県民の皆さんとともに環境保全に関する熱い議論を積み上げてきたところであります。  策定後におきましては、いち早くホームページに計画全文を公開するとともに、市町村説明会を開催し、続いて、県広報紙への特集記事の掲載、テレビフォーラムやシンポジウムの開催などを計画しているところであり、あらゆる機会をとらえ、計画の周知、啓発に努めてまいります。  また、県民、事業者等の実際の行動を促す誘導策や支援についてでありますが、身近な地域の環境保全を責任を持って実践するエコフォスター制度の導入や、小グループの地道な活動をサポートする夢発見手づくりエコ交流事業、あるいは、皆さんに苗木づくりから参加いただく(仮称)地域市民の森づくりなど個々の施策の推進に加え、県事務所を中心に流域ごとの協議会を設置して、流域ごとの特徴を生かした、いわば流域アジェンダといったものを県民の皆さんみずからに策定していただき、身近な保全活動に主体的に取り組んでいただけるよう、地域のコーディネーターの育成や活動の支援にも積極的に取り組んでまいりたいと存じます。  計画の策定は、琵琶湖保全が目指します琵琶湖と私たちの新しい共生のあり方を創造するためのスタートにすぎず、計画そのものにつきましても、国や学術委員会等、県内外の英知を結集した研究、調査に基づき、持続的に改善してまいりたいと存じます。  私たちが暮らす滋賀県では、400万年の命の歴史をつなぐ琵琶湖、それに注ぐ幾百本の川、湖辺に広がる田畑、水をはぐくむ山々が一体となった小宇宙を形づくっています。そこにおいては、琵琶湖はまさに私たちの暮らしや産業活動のあり方を映し出す鏡であり、私たちは琵琶湖の汚れに対する被害者であると同時に加害者であります。琵琶湖の回復は、県民や事業者の皆さんのみずからの問題として、一人一人の身近な取り組みを積み重ねることこそが大切であります。  あすは20世紀最後の、そして20回目のびわ湖の日であります。このびわ湖の日をあすに控え、20年前に琵琶湖に発生した赤潮という人間社会に対する警鐘を真っ正面から受けとめ、石けん運動等の運動を起こした県民のあのときの決意に思いをめぐらし、改めて県民の皆さんとの協働のもとに、自然と人間との共生の新たなあり方を、この琵琶湖を原点としてつくり出していくことを誓い合う必要があるのではないかという思いから、環境の世紀へのメッセージを県民の皆さんに送らせていただいたところであります。  今後とも、琵琶湖の保全を積極的に推進し、健全な姿で次の世代に引き継ぐため、県民の皆さんとともに総力を挙げて取り組んでいく覚悟であります。  次に、男女共同参画条例に関する御質問にお答えします。  私は、来るべき21世紀社会が、少子化や高齢化の進展により社会の大きな変化が予測される中で、男性と女性が互いの人権を尊重し合いながら、あらゆる分野に対等に参画し責任を分かち合う、そうした男女共同参画社会の構築が今後の我が国のあり方を決定する重要な課題であると考えております。  御承知のとおり、男女共同参画社会の実現は世界共通の課題となっており、国際的にも国連を中心にさまざまな取り組みが進められておりますし、政府では、女性の就労機会の拡充に向けた法制度の確立や男女共同参画社会基本法の制定、あるいは、来年1月には省庁再編に伴って男女共同参画会議および内閣府男女共同参画局の設置が予定されているなど、女性の社会参画を促進するための体制整備が図られてきております。  一方、本県におきましても、一昨年、パートナーしが2010プランを策定し、男女が互いに個性や能力を発揮しながら自己実現できる共同参画社会づくりに向けて、県政のさまざまな分野から62項目にわたる到達目標を掲げ、多面的かつ総合的な取り組みを進めているところでございます。  また、最近の動きとして、本年6月の国連特別総会の女性2000年会議、総理府による基本法に基づくところの男女共同参画基本計画の策定作業、さらには、一部自治体での条例制定の動きなど、男女共同参画社会への取り組みに大きな進展が見られるようになってまいりました。  そこで、御質問の本県における男女共同参画条例の制定とその見通しについてでありますが、私は、こうした内外の動きからいたしまして、パートナーしが2010プランを着実に推進し、男女共同参画社会の一日も早い実現を目指す上で、さらなる手だてが必要ではないかと考えております。そのため、先月スタートいたしました第9期の男女共同参画懇話会において、男女共同参画社会の実現を加速する新たな方策を検討していただくこととしており、その中で、条例の制定も視野に入れ、大いに議論していただけるものと思っております。  今後の取り組みに当たりましては、本懇話会での御提言を待つことになりますが、そこでお示しいただきました内容を踏まえて、年度内にも県としての考え方をまとめてまいりたいと存じます。
     次に、びわこ空港についての御質問にお答えいたします。  びわこ空港につきましては、かねてより申し上げておりますとおり、来るべき21世紀が、人や物、情報が地球的規模で行き交う大交流時代であるということを考えますと、そういう時代に人々が交流する手段を持たない地域が時代に取り残されかねないということは容易に想像できることであります。  これまでの滋賀県は、新幹線や高速道路などに代表されるように、常に時代の先端をいく交通手段に恵まれて、内陸工業県として発展してきたところでありますが、本県が今後とも持続的に発展し続けるためには、今から将来に向けての次の手を打っておかなければならないことは明らかであります。  そうした意味で、グローバルに飛び回ることができる唯一の交通機関である航空交通が重要であり、21世紀に創造性の高い地域として滋賀県の魅力を高めるためにも空港を整備しておかなければならないと考えているところであります。  ただ、びわこ空港のように大きなプロジェクトは、地元を初め、広く県民の皆さんの御理解なくしてはなし得るものではありません。このため、県民の皆さんに対しましては、一昨年に実施いたしました県民公聴会において、空港への期待の声も多くありました一方で、経済面での御意見や御心配の声も聞かれましたことから、空港をつくることによって本県にどのような効果があるのか、空港整備は投資に値する事業であるのかを可能な限り数値化して、広く県民の皆さんにお示しするために、びわこ空港経済アセスメントを実施してきたところであります。  このほどまとめられました調査結果につきましては、さきの提案説明で申し上げましたとおり、びわこ空港の必要性や投資することへの効果について一定の成果が示されてきたものと思っており、この調査結果をもとに、広く広報・啓発活動を進めることによって県民の皆さんの大方の御理解をいただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。  一方で、これまで県といたしましては、地元の皆さんの御理解を得て第7次空港整備計画期間内に飛行場設置許可申請ができることを目標として取り組みを進めてきたところでありますが、あと2集落の御理解が得られず膠着状態にありましたことから、昨年の9月県議会において新たな取り組み姿勢を表明し、ことし年明け以降、話し合いの手法は異なりますものの、2集落との話し合いを県、町が一体となって進めてきているところであります。  県といたしましては精いっぱいの話し合いを進めさせていただいておりますものの、現時点では空港問題の解決につながる糸口が見つけられず、喫緊の課題となっております環境アセスメントに着手できるという状況には至っていないのが現状であります。  こうした厳しい地元状況に加えまして、びわこ空港に対しましては、激変する社会経済情勢の中でさまざまな御意見や御心配もいただいておりますが、そもそも空港のような大型プロジェクトは、その実現までに相当の期間がかかることも事実であります。滋賀県の将来のことを考えますと、やはり空港は必要な交通基盤でありますことから、問題が早期に解決できますよう最大限の努力をしてまいる所存でありますので、御理解を賜りたいと存じます。  次に、循環型社会の構築に向けての産業廃棄物等の取り組みについての御質問にお答えします。  生活環境の保全や資源を有効に活用するなどの観点から、循環型社会の構築が大きな課題となっております。他方で、処理施設についての法的規制の強化などによりまして、最終処分場の確保が困難になっていることや、悪質な不法投棄など、適正でない廃棄物の処理が全国的に増加するなど、廃棄物の適正処理を確保する上でさまざまな問題が生じているところであります。  このことから、さきの国会では、循環型社会形成推進基本法が制定され、ライフスタイルや経済活動を早急に見直し、循環型社会への転換を目指すための基本的な枠組みが規定されたところであります。また、建設廃棄物のリサイクル化、食品残渣の排出抑制やリサイクル化などを義務づける個別法が制定されるとともに、廃棄物処理法の改正により都道府県が廃棄物処理に関与すること、さらには、産業廃棄物の適正な処理のため、マニフェスト制度の改正等により排出事業者の責任が強化され、これらの法律の一体的な運用により循環型社会の形成に向けた取り組みの法的整備が図られたところであります。  本県でも、適正処理の確保と資源循環の流れをつくり、安心して暮らせる社会をつくる観点から、産業廃棄物対策の取り組みにつきましては、民間の資本、人材等も活用した公共関与による新しい処理システムの整備促進に向けた検討を進めていくこととしております。  次に、循環型社会の構築に向けてのお尋ねでありますが、さきの国会での関係法令の改正に伴い、新たな廃棄物処理計画を策定する必要があります。今後、国が策定いたします基本方針に即し、一般廃棄物も含めて県内の廃棄物の減量目標や適正処理に関して必要な事項を盛り込むこととされたところであります。  廃棄物を、これまでのように単に焼却し埋め立てるといった処分することから、資源としてとらえ、循環的な利用を促進することにより環境の負荷を低減し、持続的発展が可能な社会が実現できるよう、環境こだわり県にふさわしい取り組みを検討し、新たな基本計画を策定してまいりたいと考えております。  次に、企業モラルの向上のための指導強化についてのお尋ねでありますが、産業廃棄物にかかわる問題の解決には、排出事業者がみずからの廃棄物を責任を持って適正に処理する、または適正に処理できる産業廃棄物処理業者に委託することが大切なことであります。折しも廃棄物処理法が改正され、排出事業者の責任がより明確となっていることもあり、処理業者への指導強化はもちろんのこと、排出事業者に対しましても、マニフェストの適正な運用の指導や措置命令などの厳格な適用に努めてまいりたいと考えております。  最後に、介護保険制度の諸問題についての御質問にお答えします。  介護保険制度は、老後の不安を解消するため、従来の行政の措置による仕組みから、利用者がみずからサービスを選び、事業者との契約によって介護のサービスを利用するという新しい制度へ大きく転換することとなり、高齢者自身の希望を尊重し、その人らしい自立した質の高い生活が送れるよう、社会全体で支えるシステムとしてスタートしたところでございます。  そうした中で、現在3カ月が経過したところでありますが、県内においては5月末時点で約2万1,100人の方が認定を受けられ、これらの人たちには、利用者本人や家族の希望を踏まえたケアプランが作成され、これに基づいた具体的なサービスの利用が始まっているところでございます。施行直後ということで、利用者はもとより事業者におきましても制度へのふなれや説明不足による行き違いもありますものの、おおむね希望に即したサービスが提供されているものと考えております。  また、具体的なサービスの利用が進む中で、市町村等の窓口に苦情等も寄せられているところでありますが、こうしたものに対しましても、県との連携のもと、市町村や事業者において適宜迅速な対応が図られており、利用者の不安解消に努めていただいているところであります。  全体的に見て、おおむね順調な形で始まったものと考えておりますが、まだ施行後3カ月という状況でありますことや、10月からは高齢者にも保険料の負担が求められるなど、制度の定着にはさらに時間がかかり、課題等も考えられますことから、今後におきましても、適宜、市町村の運営状況を的確に把握し、課題等に対しましては適切な助言や支援に努めてまいる考えであります。  この制度は、それぞれの市町村が地域にふさわしい仕組みをみずからの責任のもとにつくり上げるという、いわば地方分権の実践として、各地域において、住民参加のもとに給付と負担の関係について理解を得ながら、サービスの量や、それにふさわしい保険料などを内容とする市町村の介護保険事業計画が策定されたところであります。  県といたしましては、こうした市町村の事業計画の着実な推進を支援するため、だれもが健康で安心して暮らせる超高齢社会づくりに向けて、この3月に介護保険事業支援計画としての淡海ゴールドプラン2000を策定したところであり、これにより、平成16年度を目標に、市町村における介護サービスの基盤の確保に万全を期してまいりたいと考えております。  また、この計画では、県民みずからの自助を初め、地域における共助、さらに、行政の公助、また、介護などに関連して展開される事業、いわば商助の役割も加えまして、市町村を中心に、福祉、保健、医療の関係者が一体となって、介護が必要となっても、きめ細かなサービスを利用して、住みなれた地域や家庭で暮らしていける地域の安心システムの構築を目指すこととしており、今後は、さらにこれらを着実に進めることによりまして、くらし安心県の実現を図ってまいりたいと思います。  先日、県民の方から、保険料を徴収されるようになったことにより、高齢者介護という問題に対して社会全体で支える仕組みの大切さを実感するとともに、これからは自分の両親も一層大事にしなければならないと再認識したといった御意見も聞かせていただきましたが、こうした県民の期待にこたえるためにも、改めてこの介護保険制度をよりよいものに育てていかなければならないと強く感じているところでございます。 ◎総務部長(高田寛文君) (登壇)市町村合併推進における県の役割についての御質問にお答えいたします。  我が国の社会経済構造が大きく変化している中にありまして、地方自治を取り巻く環境も分権型社会へと移行して、従来型の行政システムから、21世紀にふさわしい新しい地方自治の構築が急務となっております。そうした中で、市町村の姿が現在のままでよいのかどうかを真剣に考えなくてはいけない時期が来ているということは論をまたないところと考えております。  こうしたことから、県といたしましては、将来の町がいかにあるべきかということにつきまして、県民の皆さんに考えていただく機運の醸成や議論の促進を図るために、市町村合併についての幅広い情報の提供に努めてきているところでございます。  今後は、さらに県民の方々に容易にイメージしていただけるような具体的でわかりやすい形を工夫しながら、テレビやラジオ、県の広報紙、さらには定期情報紙やインターネットなど、さまざまな手法を用いて情報提供をしてまいりたいと考えておりますが、その際には、例えば財政基盤の脆弱さなどの厳しい現実に関する情報も、必要に応じて提供していかなければならないというふうに考えております。  次に、要綱を作成するまでにおける県の取り組みについてでございますが、合併についての議論の場に助言者を派遣いたします合併アドバイザー派遣事業や、市町村や民間団体などが合併に向けた検討や啓発の取り組みを行われる際の助成制度を創設して、そうした取り組みを支援してまいりたいと考えております。これらの制度を積極的に利用していただくことで、県民の皆さんの間で関心がさらに深まり、議論が広がっていくものと期待をしているところでございます。  次に、分権型社会において県に期待されている役割についてでございますが、現在の市町村の体制ができましてから、おおむね半世紀を経たわけでございますが、この間、それぞれの市町村におきましては、地域住民の生活を守り、福祉の向上を図りますために積極的に取り組まれますとともに、市町村間の共通する課題に対しましては、一部事務組合などの広域行政の取り組みによりまして相互に連携した対応が図られてきたところと考えております。  しかしながら、新しい分権型社会の担い手としての市町村のあり方を考えますときには、市町村合併の議論が避けて通れない課題でございます。したがいまして、県内すべての地域で市町村関係者や住民の皆さんによって、将来のまちのあるべき姿や、さらには、それに向けての地域経営のあり方ということについても十分に議論がなされ、判断をしていただくということが大切であると考えております。  県といたしましては、これらに対しまして必要な助言や情報提供による支援、また、市町村間の連絡調整などにおいて、広域の地方公共団体として積極的に役割を果たしてまいりたいと考えております。 ◎企画県民部長(今堀治夫君) (登壇)経済・雇用対策についての御質問のうち、国の経済対策が本県の地域経済に及ぼした効果の評価についてお答えをいたします。  経済対策は、公経済の両輪である国と地方とが一体となって実施することにより、その効果が発揮できるものであるとされております。また、その経済対策の内容は、公共事業の推進や住宅関連融資の推進などの需要を拡大させるための対策、あるいは、金融対策や新産業支援等の中小企業の振興を図るための対策、雇用の安定・確保等のための対策といった幅広い分野にわたるものであり、しかも、それぞれの分野が相互に複雑に絡み合い、さらに県域を越えて影響を及ぼし合いながら、国、地方を通じて全体としてその効果が発現されるものであります。  このようなことから、県域のみをとらえた経済効果を把握し評価することには大変難しいものがありますが、このほど経済企画庁が発表した月例経済報告によりますと、我が国経済は自律的回復に向けた動きが徐々に強まっているとされており、県内経済につきましても、生産や消費の動向を初め、雇用情勢などの最近の経済指標、さらには県内企業の業況判断などから見ますと、総じて国と同様の傾向で推移している状況にありまして、これまでの数次にわたる経済対策の効果が徐々にあらわれてきているものと考えているところであります。  次に、公共事業のあり方についての御質問のうち、PFI導入の具現化についてお答えをします。  PFIは、公共施設等の設計、建設、維持、運営に民間の資金とノウハウを活用し、財政支出の削減を図りながら、より質の高い公共サービスの提供を図ることを目的とするものであり、行財政改革の有効な手段としてはもとより、民間事業者に新たな事業機会をもたらすなど、その効果は大きいものと期待をいたしております。こうした観点から、本県におきましては昨年度より、制度の研究を初めPFIの導入の可能性や事業化に向けての調査研究を行っているところであります。  また、国におきましては、昨年9月のいわゆるPFI法の施行に引き続き、本年3月には法律の運用に関する基本方針が示されたところであり、さらに、費用対効果の算定や官と民とのリスク分担のあり方などの、より具体的な指針、すなわちガイドラインが本年秋までに作成をされることになっております。  こうした国の動きにも留意しながら、引き続きPFI手法についての検討を行い、その中で事業実施が適当であると判断されるものにつきましては具体化を図る方向で進めてまいりたいと考えております。このため、今年度予算におきまして、PFI推進調整調査費として所要額を計上させていただき、年度途中でありましても柔軟に対応できるよう、必要な措置を今しているところでございます。 ◎琵琶湖環境部長(田口宇一郎君) (登壇)循環型社会の構築に向けての産業廃棄物等の取り組みについての御質問のうち、栗東町のアール・ディエンジニアリングの産業廃棄物処分場から発生した硫化水素ガス対策についてお答えをいたします。  まず、6月22日、23日の調査結果についてであります。この調査は、昨年12月から本年1月にかけて、処分場内の一部について37地点で地下2メートルの表層ガス調査を実施いたしましたが、残りの未調査部分53地点および隣接地の10地点で硫化水素の発生の有無を確認しようとするものでございます。しかし、一部調査に着手いたしましたものの、雨天のため中断をしておりまして、全体調査の結果はまだ出ておりません。  なお、この調査は、原因物質を特定するものではなく、硫化水素の分布状況を把握するために行っているものでございます。  また、隣接地につきましては、アール・ディエンジニアリングが兵庫県尼崎市の事業所から放射性廃棄物の処分を受託し、埋立処分を行ったとの情報があり、当該事業所から事情聴取を行った結果に基づき、産業廃棄物の埋め立ておよび埋立場所を確認するため、表層ガス調査で硫化水素が発生していないことを確かめた上、調査させたところであります。その結果、当該事業所の産業廃棄物の一部が許可区域外で発見をされました。また、この廃棄物の放射線量を測定いたしましたが、これについては何ら問題がございませんでした。  この廃棄物は、自動車のブレーキ用摩擦材の製造に使用されるチタン酸カリウムの焼成工程で用いられたトレーの破片であり、廃棄物の種類としては、ガラスくずおよび陶磁器くずに分類されているものであります。  次に、ガス化溶融炉の運転についてでありますが、県といたしましては、かねてから申し上げておりますように、硫化水素問題の原因解明と解決に向けた取り組みによりまして地域の住民の皆様の一定の理解がいただけることが必要であると考えておりますことから、試運転につきましては、これらを十分見きわめました上で判断をしてまいりたいと考えております。 ◎健康福祉部長(池口博信君) (登壇)介護保険制度の諸問題についての3点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の自由な選択でのサービス利用とケアマネージャーの資質の向上についてでありますが、介護保険制度におきましては、ケアマネージャーは利用者の立場に立ってケアプランの作成や事業者の調整などを行うことが中心的な役割とされているところでございます。このため、県といたしましては、ケアマネージャーが必要な情報を利用者に伝え、利用者の選択や希望を踏まえた適切なケアプランが作成されますよう、施行直前における実務研修を初め、各健康福祉センターでの個別指導などに努めてきたところでございます。  現在では、制度のスタート直後ということで、利用者にとりましてもケアプランに基づくサービスの利用にふなれなことなどもあり、戸惑いも見受けられますが、おおむね希望に即したサービスが提供されているものと考えております。  また、ケアマネージャーの資質の向上につきましては、利用者本位のサービス利用を確かなものにしていくためにも大変重要であると考えており、今後とも、専門的な知識や技術の向上を図りますための現任研修や、ケアマネージャー全体の組織化を進め、みずからの技能を高めるための研修や調査研究活動などへの支援を行うことにより、一層の資質の向上に努めてまいりたいと考えております。  2点目の保険料納付に向けた介護保険制度の普及、啓発についてでございますが、介護保険における給付と負担の仕組みによる新しい制度につきましては、各市町村において、準備の段階から自治会などを対象とした出前講座や各種団体への説明など、それぞれ工夫を凝らした普及、啓発が精力的に行われてきたところでございます。  そうした中で、この10月からは65歳以上の方からの保険料の徴収が始まることになるわけでありますが、現在、市町村におきましても広報紙やパンフレットによる啓発や、さらに自治会単位での説明会、また、地域のニーズに即した出前講座なども取り入れながら、制度の仕組みや保険料の徴収について一層の周知、広報の取り組みが進められているところでございます。  また、県におきましても、市町村が作成する利用手引書に助成をするなど、今後も市町村への支援にも配慮しながら制度の周知に努めてまいりたいと考えております。  3点目のオンブズマン制度についての役割、構成、権限とあわせて、開始の見通しについてでございますが、この制度は、利用者保護の仕組みとして、今年度から国のモデル事業により取り組みが進められるものでございます。  この事業の内容は、地域における民生委員や老人クラブ関係者などを市町村の介護相談員として登録し、介護施設などを訪問することにより利用者の疑問や不満などの相談に応じますとともに、サービス事業者との意見交換を行うなど、介護サービスの質的な向上を図ることを目的とするものでございます。  県内の市町村におきましては、現在のところ6つの市におきまして約30人の登録が計画をされているところでありますが、そうした人たちを対象にして、国におきましてはこの8月から養成研修が実施されることとなっており、その研修を修了した後に事業が開始をされることとなっているところでございます。  県といたしましては、今後、他の市町村に対しましても、できるだけ早期にこの制度が導入されますよう働きかけを行うなど、一層の利用者保護の取り組みが進められるよう努めてまいりたいと考えております。 ◎商工労働部長(廣田義治君) (登壇)経済・雇用対策についての御質問にお答えいたします。  まず、本県の景気動向でありますが、最近の経済指標から見ますと、生産動向におきましては、鉱工業生産指数と電力需要がともに前年を上回る水準で推移しておりますし、消費動向におきましても、大型小売店舗売上高が3カ月連続で、また、乗用車の新規登録台数が6カ月連続で、それぞれ前年同月を上回るなど、堅調な動きを示しております。  一方、投資動向では、新設住宅着工戸数、公共工事請負金額ともに、直近は前年を下回る水準となりました。  また、企業の倒産状況でありますが、件数につきましては、依然として前年同月を上回る水準で推移しておりますものの、大型倒産が減少傾向にあることから、負債総額につきましては前年同月より大幅に減少しております。  さらに、雇用情勢におきましては、有効求人倍率は、昨年5月の0.41倍を底に回復傾向が続いておりまして、ここ3カ月連続で全国平均を上回ったところであります。雇用保険受給者実人員につきましても、4月には1万1,000人を割り、8カ月連続で減少しておりまして、厳しい中にも明るい兆しも見え始めているところであります。  このようなことから、県内景気は、厳しい状況をなお脱しておりませんが、各種の政策効果などの影響から緩やかな改善が続いておりまして、自律的回復に向けた動きが徐々にあらわれているといった状況であります。  次に、今年度の県総合経済対策本部の取り組みについてでありますが、昨年度におきましては、従来の対策に新しい社会資本整備や民間需要の喚起といった需要拡大策を加えて、部局横断的に取り組みを進めました。ほぼ当初計画どおりのスケジュールで事業執行ができ、公共事業の上半期執行率につきましては80.1%と、対前年度比で約5ポイント上回る実績となりました。  今年度におきましても、国の経済新生対策に呼応した形で、全庁的な取り組みをより充実し、金融対策では、設備投資を行おうとする意欲的な中小企業者を支援するために、中小企業金融円滑化資金を創設するとともに、景気の状況を踏まえ、特別経済対策資金の延長実施や要件緩和、さらには回収新規、いわゆる借りかえを新たに導入いたしました。また、公共事業につきましては、景気動向や過年度の実績を踏まえ、年度を通じた切れ目のない執行としたところであります。  これら経済対策として取り組む事業につきましては、定期的に執行状況を把握するなど進行管理を行うことにより計画的な執行に努め、県内景気が一日も早く本格的な回復に向かうよう、全庁挙げて精いっぱい努力してまいりたいと考えております。  次に、雇用対策についてでありますが、1点目の組織体制と相互の連携については、本年4月の地方分権一括法の施行により、職業安定課と雇用保険課が滋賀労働局に移行し、職業紹介事業などが滋賀労働局の指揮監督のもとにおいて行われることになりました。  しかしながら、雇用問題は県民生活の基本にかかわる重要な問題でありますので、県といたしましても、新たに商工労働部に雇用支援室を設置し、きめ細かな取り組みを行うこととしたところであります。  具体的には、就職面接会の開催や学生職業プラザの運営など、新規学卒者対策を初め、シルバー人材センターの設置、育成等高齢者対策、障害者の雇用促進等の対策に積極的に取り組んでいるところであります。  県としての施策を推進していくためには、滋賀労働局との連携協力体制の確立を図るとともに、職業安定行政全般にわたる情報や雇用対策実施のノウハウを共有していくことが不可欠であると考えております。  このたび労働局では、県との滋賀県労働関係連絡会議を設置され、今後定期的に開催されるわけでありますが、今般の会議には知事みずからも出席をいただき、双方の連携協力の必要性について確認するとともに、雇用対策についての率直な意見交換が行われたところであります。今後は、日常的なつながりはもとより、当会議を通して国、県の労働施策および関連施策が円滑かつ効果的に実施されるよう努めてまいりたいと考えております。  2点目の緊急雇用特別交付金事業の状況でありますが、平成11年度の雇用人員につきましては、当初の予定を79人上回ります338人となったところであります。  この事業は、基本的には臨時応急のつなぎの措置でありますが、雇用期間終了後もそのまま社員として迎え入れられたという例も聞いておりまして、所期を上回る効果があったのではないかと考えられるところであります。  12年度は、前年度に比べ事業も大幅にふえております。雇用人員で2,211人という計画でありますが、これを上回る実績が残せるよう、引き続き事業の効果的な執行に努めてまいる考えであります。  最後に、雇用対策の取り組みについてでありますが、既に昨年11月に、県、連合滋賀、県経営者協会の三者で雇用創出・安定プランを策定し、緊急地域特別交付金事業や成長分野における雇用創出などで、平成13年度末までに県内で1万1,000人の雇用就業機会の創出を目指して鋭意取り組んでいるところであります。  県におきましては、新産業の創出や新規企業の誘致などに努めますほか、緊急の雇用確保対策として、交付金事業の推進や各種助成制度の積極的な活用促進など、さまざまな事業に引き続き取り組んでまいります。  プランの実効ある推進を図るため、今後は、滋賀労働局の参画をいただき、労使を含む四者が緊密な連携をとりながら、雇用創出・安定に取り組んでまいりたいと考えております。 ◎農政水産部長(中森武君) (登壇)新しい農政の展開についての6点の御質問にお答えをします。  まず、1点目の本県の畜産農家における稲わらの使用状況についてでありますが、本年4月に緊急に実態調査を実施しましたところ、1年間に使用される稲わらの量はおおよそ1万3,000トンで、そのうち県内産の稲わらは約2割であり、残りは中華人民共和国、台湾、朝鮮民主主義人民共和国などからの輸入でありました。  2点目の稲作農家と畜産農家の連携についてでありますが、県内産の稲わらを有効利用することは、食料自給率の向上につながる上、家畜防疫の面からも大変重要であると考えております。  現在、水口町において、稲作農家と畜産農家が有機堆肥の利用組合を設立し、稲作農家が堆肥を利用するとともに、畜産農家には稲わらやもみ殻を供給するといった相互利用のシステムづくりを行っております。  県といたしましては、このような取り組みを拡大するとともに、稲わらの収集や堆肥散布などの作業を受託する組織の育成などにより、一層連携を強化してまいりたいと考えております。  3点目の新しい農林水産プランの策定の作業手順についてでありますが、現在、プランの策定会議を設置し、作業を進めているところであります。今後、原案を策定した後、市町村や関係団体、さらには、湖国農政懇話会などの意見を聞くとともに、本年度から新たに始まりました県民政策コメント制度に基づき、広く県民の皆さんの御意見をお伺いし、来年3月末までにプランを策定してまいりたいと考えております。  4点目の地域における食料自給率の維持向上に向けた取り組みについてでありますが、食料自給率の維持向上を図るためには、食料生産の拡大を図りますとともに、現在の食料消費のあり方を見直すなど、生産と消費の双方からの取り組みが重要であると考えております。  このために、去る5月末には、行政、団体、企業および県民が一体となって、食生活の改善や農業の振興と農村の活性化、多面的機能の発揮を図りながら、県域での食料の安定供給を目指していくための自主的な運動体として、食と農と環境を考える県民会議が設立されたところであります。今後とも、当県民会議の趣旨に賛同する会員を1人でも多く募り、食料消費の面からも自給率の向上を目指してまいりたいと考えております。  5点目の集落営農ビジョンと新基本法とのかかわりについてでありますが、本県では、早くから集落の持つ生産機能や生活、文化に着目し、集落を守り育てることが農業生産の拡大と農村の活性化に結びつくものと考え、今日まで集落営農を推進してまいりました。昨年制定されました新基本法におきましても、集落を基礎とした組織に対して必要な施策を講ずると規定されておりまして、このことは、本県が進めてまいりました集落営農に合致するものと認識しております。このことから、引き続き集落営農を推進し、農業と農村の両面の振興が図れるような取り組みを進めてまいりたいと考えております。  最後に、中山間地域等直接支払制度の具体的な実施についてでありますが、本制度は我が国農政史上初の取り組みでもあり、直接支払いという制度の性格上、特に透明性と公平性が求められております。  このようなことから、中立的な立場で実施状況の審査や点検に当たる第三者機関をこの7月に設置することとしております。対象となる農地につきましては、目下、関係市町村と協議を進めているところでありますが、中山間地域等の農地6,500ヘクタールのうち約18%と見込んでおります。  対象農地の確定につきましては、生産条件の不利な1ヘクタール以上の一団の農用地の設定や、関係者全員による集落協定の締結などの課題もありますが、今後とも、市町村と連携を図りながら、本制度が有効に活用されるよう努めてまいりたいと考えております。 ◎土木部長(中村昭君) (登壇)公共事業のあり方についての御質問にお答えいたします。  本県は、人口増加率が全国1、2位の急増県であり、急激な都市化や産業の集積が進んでおりますが、道路、河川などの社会資本整備はまだまだ十分とは言えない状況にございます。  例えば河川につきましては、治水上危険な天井川が依然として残されており、早急な対策が求められております。  また、道路では、自動車交通量の増大に対して幹線道路の整備がおくれており、県内各地で交通渋滞が慢性化するとともに、通過交通と生活交通が混在するなど、道路機能が低下し、地域の生活にも少なからず影響を与えている現状にございます。加えて、本県の歩道整備率は約36%と全国平均をやや下回っており、歩道の幅員が総じて狭いことや不連続の箇所が見受けられるなど、利用者の立場に立って整備改善すべき箇所も多くあります。さらに、地域の活性化や経済活動を支える社会資本の観点からは、県勢の発展に不可欠な第二名神高速道路の整備や、県土の均衡ある発展のための国道、県道の整備が喫緊の課題となっております。  公共事業の本来の目的は、現在および将来の県民の安全で快適な暮らしや経済社会の発展を支えるために必要な社会資本ストックを増大させることにあります。したがいまして、現下の厳しい財政状況のもとではありますが、限られた財源を有効に活用し、これまで以上に効率的、効果的な公共事業の執行に努め、社会資本整備を計画的かつ着実に推進することが大変重要であると認識しております。  そこで、まず、少子高齢化社会、情報社会、資源循環型社会など新たなニーズへの対応についてでありますが、今後の社会資本整備を考える上で欠くことのできない重要な視点であると認識しており、具体的には、だれもが安全で安心して移動できる歩行環境の整備推進や公営住宅のバリアフリー化などに取り組んでいるところでございます。  また、資源循環型社会の構築につきましては、平成10年度から建設リサイクル推進計画により、建設副産物の発生を抑制し、リサイクルを積極的に推進しております。  次に、公共工事のコスト縮減対策でありますが、平成9年度に策定いたしました県の行動計画に基づき全庁的に取り組んだ結果、この3カ年での縮減額は145億円に達する大きな成果を見たところであります。今後も引き続き縮減対策を推進していく考えであります。  次に、公共事業の費用対効果の事業評価についてでありますが、10年度から建設省等の補助事業について、県施行、市町村施行分を合わせて83事業の再評価を実施したところであり、再評価の視点としては、事業の進捗状況、社会経済情勢の変化、費用対効果、代替案の可能性などとしております。さらに、本年度からは、補助事業に準ずる規模の単独公共事業につきましても再評価の対象に加えることとし、システムの拡充に努めているところであります。  次に、公共事業と環境との整合性についてでありますが、県では全国に先駆けて、5年度に公共工事の環境対策の手引を作成するとともに、6年度には生物環境アドバイザー制度を設けるなど環境対策に積極的に取り組んでまいりました。今後は、ISO14001の活動の一環として、公共工事に係る環境配慮指針を作成し、一層の充実を図ってまいる考えであります。  次に、地方自治体の自主性についてでありますが、国におきましては、都市計画、住宅などの分野で地方公共団体の主体的な取り組みや創意工夫を生かした事業展開を支援するための統合補助金制度が拡充されてきており、これらの活用によって、より主体的な事業が実施できるものと考えております。
     また、地域住民のニーズが的確に反映される公共事業でありますが、昨年度から、流域の皆さんに参加していただく淡海のかわづくり未来会議や地域の参加と連携による道づくりを始めたところであり、今後もこうした取り組みを広げ、地域の円滑な合意形成を図りながら公共事業の推進に努めてまいる所存であります。  公共事業の進め方につきましては、透明性の確保や県民への説明責任をより重視するとともに、21世紀にふさわしい県土の整備と保全を見通しながら、琵琶湖の総合保全や、高齢化、情報化など社会経済の変化に伴う新たなニーズにも積極的に対応することとし、本県の社会資本整備を着実に推進してまいりたいと存じます。 ◎教育委員会委員長(樋口松男君) (登壇)少年の健全育成に関連して、教育改革と人材育成についての御質問にお答えをいたします。  いつの時代も、人々は、時代が進めば世の中がよくなる、よくしたいと理想を描いてまいりました。教育もまた、それぞれの時代の社会的背景をも踏まえて、ほぼ10年ごとに学習指導要領の改訂を行うなど、教育のあるべき姿、よりよい方向を示しながら改革が進められてまいりました。今日の個性尊重、ゆとりといった教育改革も、このような時代の要請にこたえるものとして取り組んできたものであります。  このような中、本県では、教育の基本目標を、新時代に生きる創造性と行動力のある人づくりに置き、この目標を達成するため、知徳体の調和のとれた、豊かでたくましい心をはぐくみ、自国に誇りを持ち国際社会に貢献できる人間の育成を目指してきているところであります。  今日までの取り組みの中では、例えば小中学校では、個性に応じた指導方法の工夫、改善、選択授業の導入などを、また、高等学校におきましては、総合学科や総合選択制などを通して特色ある学校づくりを進めているほか、入学者選抜方法についても推薦入試の拡大や多様な選抜方法の実施など、その改善に努めてまいりました。その結果、子供たちの個性を生かし、多様な進路希望や学習意欲にこたえ得る教育システムが一定整いつつあり、これらのシステムの中で、子供たちの多くがそれぞれの個性に応じて学業や部活動に積極的に取り組んでいるところでございます。  しかしながら、一方で、社会の急速な変化により、子供たちの人間関係の希薄化や直接体験の不足、また、ゆとりのない生活などが原因となり、いじめや不登校、青少年の非行など、新たな問題も生じてきたことも事実でございます。  教育は、常に不断の努力を積み重ねて進めていかなければなりませんし、その改革も道半ばではありますが、これからの教育においては、特に基礎的、基本的な内容を確実に習得させるとともに、家庭、地域社会、学校が一体となって社会生活のルールなどを幼少年時から身につけさせ、正義感や倫理観、思いやりの心などの豊かな人間性をはぐくむ心の教育を充実していくことが必要であろうと考えております。その上に立って、急速に国際化や情報化が進展する社会の中で、創造性と行動力があり、国際社会に対応できる豊かな国際感覚を持った日本人を育成することに努力してまいりたいと考えております。(発言する者あり) ◎教育長(西堀末治君) (登壇)少年の健全育成についての御質問にお答えをいたします。  まず、いじめ防止のための指導についてでありますが、いじめは、人として絶対に許されない行為であるとの認識に立ち、その根絶に向けて社会を挙げて取り組むべき問題と考えます。文部省の子供の体験活動等に関する国際比較調査によりますと、日本の子供たちで、いじめを注意したとか友達のけんかをやめさせた経験のある者は、他の国に比べ際立って低い結果が出ています。このことは、日本の子供たちが、社会や他人に対して余り意を用いず、いじめに際しても見て見ぬふりをするという、大人社会にも見られる行動につながっているのではないかというふうに思います。  学校では、子供たちに対し、いじめられた者の苦しみを理解させ、正義感を持って対処できるようにするとともに、人はだれでも長所や短所を必ず持っていることを理解させ、一方的に人の心を傷つけることは決して許されないということ、友達のよい面を見つけ、互いに認め合っていくことの大切さに気づかせるよう指導をいたしております。  また、自然体験や社会体験が豊富な子供ほど道徳観や正義感が充実しているという調査結果も出ておりますように、子供たちにさまざまな体験や、あるいは遊びを通して、友達のよい面を見つけ、互いに認め合っていくことの大切さに気づかせる取り組みが何よりも重要と考え、その推進を図っているところでございます。ある学校におきましては、いじめをなくすために、生徒がみずからの体験を演劇にして訴えるなどの取り組みも生まれてきておりまして、子供たち自身の気づきとその活動にも十分注目をしてまいりたいと存じます。  次に、子供とのかかわりについてでありますが、保護者の過保護や過干渉のもと、過剰な期待を寄せられ、ストレスをため込んでいらいらしている子供がいる中で、何よりも大切なことは、子供に対するかかわり方を社会のみんなで考え直すことでございます。とりわけ、日ごろから子供たちのわずかな変化を見逃さず、いち早く的確に対応することが基本であると考えております。  本県におきましては、教員のカウンセリングマインドを高めるための特別研修を実施するとともに、スクールカウンセラーの配置や生徒指導主事を中心に複数の教員で状況把握を行うなど組織的な対応をすることとし、生徒指導実践の手引により、きめ細かな対応をするよう指導しているところであります。  今後とも、学校の教育相談や生徒指導の体制を随時点検する中で、子供にかかわる機関や団体を含めて一層充実したものになるよう努めてまいりたいと存じます。  なお、少人数のクラス編制については、一律に学級編制基準を引き下げることは困難と考えられる中で、個々の児童生徒に多くの教職員がかかわり、きめ細かな指導ができる少人数授業を含む新しい学習集団のあり方について検討してまいりたいと考えております。  また、警察や医療機関との連携についてでありますが、少年の発するSOSに気づいた場合、少年に手を差し伸べるため、速やかに情報を交換し、実態を把握することが大切でございます。そのため、日ごろから学校と警察や関係機関などによる関係者会議を設置しておりまして、具体的な対応策の検討や情報の共有をしながら、組織的な対応に努めているところでございます。今後さらに、それぞれの機関の持てる専門的な力を最大限に発揮していただき、地域の関係者を含め連携を深めるとともに協力しながら、子供たちを総合的に支援をしていきたいと考えております。  最後に、人間関係を取り戻す教育についてでありますが、幼児期から群れて遊ぶ経験の少ない子供たちがふえ、人間関係のつくり方を身につけず成長してきている現状がございます。  本県におきましては、子供たちが人としてのあり方を自覚し、人生をよりよく生きるために自分を見つめることや、他の人とのかかわりについて理解をし、自然や崇高なものに感動する中で集団や社会等との主体的なかかわりを深めていけるよう道徳教育の充実を初め、福祉体験や農業ふれあい体験などの体験活動を通して現実を見詰めさせ、感動する心、我慢する心、思いやりの心などの育成を目指した教育を進めてまいりました。今年度からは、これらに加えて、新たに人間関係づくりをねらいとして、幼児と児童の異年齢ふれあい体験事業や中学生宿泊オリエンテーション事業を開始したところでございます。  いずれにいたしましても、青少年の健全育成については、現実の中での直接体験を重視しながら、学校教育はもとより、社会教育とも連携、融合しながら進めていかなければならないものであり、今後とも、学校、家庭、地域社会が一体となって、子供たちに豊かな心が育つよう施策の推進に努めてまいりたいと思います。 ◎公安委員会委員長(吉川治甫君) (登壇)公安委員会には2つの御質問をいただいておりますが、まず、滋賀県公安委員会として、どのように県警察を管理しているのかと、こういう御質問にお答えをさせていただきます。  議員御承知のとおり、公安委員会は、強力な執行力を持つ警察が独善的な組織となることを防止し、かつ、その政治的中立性を確保するため、警察行政の民主的機関として設けられた行政機関であります。  具体的には、毎週1回、定例の公安委員会を開催いたしまして、警察本部長を初め各部長から、滋賀県警察の運営方針や、それを踏まえた警察の各種施策のほか、日々発生いたします事件事故、警察が取り組んでおります事項についての報告を受け、これに対して公安委員会として意見を述べ、県民の声をできる限り警察の業務運営に反映させるよう努めておるところでございます。  また、自動車の運転免許、風俗営業、古物営業、銃砲刀剣類所持等につきまして、公安委員会として、その許可および取り消し処分を行っております。  さらに、交通安全運動関連事業や年末警戒啓蒙活動などの諸行事に参加をいたしまして、できるだけ多く現場の生の声を聞く活動を実施しているほか、警察署長会議におきまして公安委員会としての基本的な考え方を示しましたり、また、年頭視閲式や警察学校入校式、殉職警察官慰霊祭などの諸行事にも出席するなど、警察行政が適正に運営されるよう努めているところでございます。  次に、警察刷新会議の報告をもとに警察のあり方について検討すべきとの御質問でございますけれども、現在、国家公安委員会において警察刷新会議を立ち上げまして、警察に関するあらゆる問題について論議が行われているところでございます。  滋賀県公安委員会といたしましては、近く発表されます警察刷新会議の提言を踏まえまして、今後、当公安委員会としての管理機能をさらに充実強化する方策や、滋賀県警察の業務運営のあり方について十分に検討いたしまして、県民の期待にこたえてまいりたいと考えております。  諸先生方の御理解と御協力を賜りますよう、切にお願いを申し上げます。 ◎警察本部長(渡邉晃君) (登壇)県民に信頼される警察のあり方についての御質問4点にお答えいたします。  まず、警察本部長としての抱負についてでありますが、美しい自然環境に恵まれ、日々県勢が発展しつつある本県で勤務できることを大変うれしく思っております。  他方、人口急増等によりまして、刑法犯の発生件数、交通事故、ともに年々記録を更新し続け、治安情勢が極めて厳しくなってきておりまして、134万県民の安全を守るという重責をひしひしと感じているところであります。  ところで、警察は、申すまでもなく県民のための警察であり、私は、こうした観点から、着任以来、特に次の2点につきまして全警察職員に訴えてまいりました。  その1つは、県民の要望や訴えに迅速に、そして真摯に対応するということであります。警察に守ってほしい、対処してほしいという県民の切実な願いに一つ一つ的確に対応していくことが、県民のための警察の基本であると考えております。  もう一つは、県民に評価されるような成果を上げるということであります。県民が身近に不安を感じる犯罪を確実に検挙し、また、悲惨な交通死亡事故を少しでも減らしていくというような、県民に評価される成果を上げることによりまして県民の信頼をかち得ていきたいと考えております。  県民生活を脅かす事件事故が年々増加をし、決して楽観できない厳しい情勢にある中で、全職員の先頭に立って、県民の安全と安心を守るために奮闘努力をしてまいりたいと考えておりますので、御支援、御協力のほどをよろしくお願い申し上げます。  次に、警察官の採用、昇任および研修について申し上げます。  警察官の採用につきましては、競争試験を中心に実施をしているところであります。試験の内容は、教養試験、作文試験、適性検査、身体検査、体力検査、口述試験等を行い、成績、適性等を総合的に判断する試験内容となっております。  また、最近における採用状況でありますが、施設、処遇の改善を初め、募集広報等各種施策を積極的に推進した結果、応募者も増加をし、優秀な人材を採用することができております。  今後とも、社会情勢の変化、科学技術の急激な進歩等の現状を踏まえ、幅広い分野から、より優秀な人材を確保していくため、中長期的な展望に立って募集活動を積極的に推進していくこととしております。  次に、警察官の昇任方法は、大別して、試験昇任制度、特別昇任制度、選考昇任制度の3種類があり、これらの制度によりまして幹部としての適格性を判断し、巡査部長、警部補、警部等の各階級に昇任をさせております。  次に、警察における教養研修でありますが、大別して学校教養と職場教養とに分けられ、学校教養は採用時の教養、上位階級への昇任時教養のほか、各専務係の警察官に対する実務教養等を計画的に実施しております。また、職場教養として、各級上司を初め本部主管課による巡回指導、さらには、実例をもとにした実践的な研修等を実施しております。これらの教養研修を通じて、職務執行に必要な知識、技能を習得させるとともに、人格の陶冶、良識の涵養、職務倫理の確立等を図り、気概のある警察官の養成に努めているところであります。  次に、民事事案や苦情等に対する職員の意識改革についてでありますが、従来、本県におきましても、民事事案等に対し消極的対応になりがちであったことは否めない事実であります。その反省に立ちまして、他府県での問題事例を他山の石として、あらゆる機会を通じて全職員に対し、個人の生命、身体、財産を保護することが警察の責務であるということを再認識させるとともに、苦情や民事事案につきましても、相談者の立場に立って真摯に対応し、たとえ相談事案が刑罰法令に抵触しないケースであっても、個々の事案に応じて防犯指導や相手方に対する警告等の措置を講じるよう指導を徹底しているところであります。  さらに、県民から寄せられるこれらの相談に適切に対応するため、警察署における受理担当者を指定するなど、相談受理体制を整備し、受理した相談については、すべて警察署長まで報告をさせ、組織として対応することとしたところであります。  また、本県におきましては、本年2月に、全国に先駆けまして女性警察チームCLARAというものを設置し、女性からのストーカーや家庭内暴力などの相談対応や保護、警戒などの活動を推進しているところであります。  今後は、過日制定されましたストーカー規制法の施行に向けまして体制を整備するとともに、法律の適正な運用に万全を期してまいりたいと考えております。  最後に、滋賀県警察における情報の公開と非公開についての基本的な考え方を申し上げます。  言うまでもなく、警察活動を推進していくためには県民の理解と協力が必要不可欠であり、このような観点から、県民への積極的な情報提供に努めているところであります。  また、情報公開制度の導入につきましても、過日、県当局に対し、滋賀県公文書の公開等に関する条例が改正される際に滋賀県公安委員会および滋賀県警察が情報公開の実施機関に加わる旨、申し入れたところであります。  御指摘のように、警察の保有する情報は、犯罪の予防、捜査等に関する情報など、秘密の保持が求められるものが多く、また、警察行政は全国的な相互関連性が強く求められるという特殊性があることから、情報公開法第5条に規定されております個人に関する情報、公共の安全等に関する情報等につきましては、滋賀県警察におきましても非公開となるべきものと考えているところでありますが、それ以外につきましては公開することを基本に考えておりますので、御理解を賜りますようによろしくお願い申し上げます。 ○議長(橋本正君) 以上で会派代表による質疑ならびに質問を終わります。    ──────────────── △休会の議決 ○議長(橋本正君) お諮りいたします。  明7月1日から4日までは、議事等の都合により休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(橋本正君) 来る7月5日は定刻より本会議を開き、上程議案に対する一般の質疑ならびに質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。   午後3時29分 散会    ────────────────...