滋賀県議会 > 1997-12-11 >
平成 9年12月定例会(第24号〜第28号)−12月11日-04号

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  1. 滋賀県議会 1997-12-11
    平成 9年12月定例会(第24号〜第28号)−12月11日-04号


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    平成 9年12月定例会(第24号〜第28号)−12月11日-04号平成 9年12月定例会(第24号〜第28号)         平成9年12月滋賀県議会定例会会議録(第27号)                           平成9年12月11日(木曜日)       ────────────────────────── 議事日程 第4号                             平成9年12月11日(木)                             午 前 10 時 開 議  第1 会議録署名議員の補充指名  第2 議第136号から議第152号まで(滋賀県議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例案ほか16件)(質疑、質問)  第3 議第138号(平成8年度滋賀県一般会計および各特別会計歳入歳出決算の認定を求めることについて)(決算特別委員会の設置、同委員の選任)       ────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件  第2 日程第2の件  第3 日程第3の件       ────────────────────────── 会議に出席した議員(45名)    1番   芥 川  正 次 君     2番   赤 堀  義 次 君    3番   南    真 司 君     4番   望 月  由 郎 君
       5番   家 森  茂 樹 君     6番   清 水  克 実 君    7番   吉 田  清 一 君     8番   杼 木  捨 蔵 君    9番   冨士谷  英 正 君     10番   中 川  末 治 君    11番   小 川  暢 保 君     12番   辻 村    克 君    13番   小 林    優 君     14番   青 木  善 政 君    15番   森    茂 樹 君     16番   中 島    敏 君    18番   浦 田  一 郎 君     19番   角 川    誠 君    20番   大久保    貴 君     21番   朝 倉  克 己 君    22番   沢 田  享 子 君     23番   稲 田  喜代司 君    24番   梅 村    正 君     25番   世 古    正 君    26番   三 浦  治 雄 君     27番   中 村  善一郎 君    28番   黒 田  昭 信 君     29番   丸 山  省 三 君    30番   宇 野    治 君     31番   脇 坂    武 君    32番   橋 本    正 君     33番   滝    一 郎 君    34番   山 嵜  得三朗 君     35番   黒 川    治 君    36番   有 村  國 宏 君     37番   北 川  弥 助 君    38番   松 井  俊 治 君     39番   石 田  幸 雄 君    41番   大 谷  元太郎 君     43番   深 田  作 治 君    44番   大 林    清 君     45番   石 橋  修 一 君    46番   白 倉  一 路 君     47番   上 野  幸 夫 君    49番   吉 原    稔 君       ────────────────────────── 会議に欠席した議員(2名)    40番   桑 野    忠 君     48番   西 村  政 之 君       ────────────────────────── 会議に出席した説明員              知事             稲 葉    稔 君              教育委員会委員長       南    光 雄 君              選挙管理委員会委員長     小 島  幸 雄 君              人事委員会委員長       野 玉  三 郎 君              公安委員会委員長       木 邊    美 君              代表監査委員         野々村  清 嗣 君              副知事            山 田  新 二 君              副知事(琵琶湖環境部長事務取扱)                             山 脇  康 典 君              出納長            高 井  八 良 君              知事公室長          柴 谷  喜久男 君              総務部長           國 松  善 次 君              企画県民部長         小 熊    博 君              健康福祉部長         西 堀  末 治 君              商工労働部長         勝    義 隆 君              農政水産部長         田 中    茂 君              土木部長           渡 辺    浩 君              企業庁長           藤 井    喬 君              教育長            吉 川    勉 君              警察本部長          鷺 坂    正 君       ────────────────────────── 議場に出席した事務局職員              事務局長           中 森    武              議事課長           中 田  宗 男              議事課課長補佐        竹 岡  久 雄              議事課専門員兼議事係長    片 岡  直 温       ──────────────────────────   午前10時6分 開議 ○議長(松井俊治君) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(松井俊治君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  議第151号議案および議第152号議案について、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めておきましたところ、お手元に配付いたしておきました文書のとおり回答がありましたので、御報告いたします。  次に、選挙管理委員会委員長小島幸雄君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員清水藤藏君が、また公安委員会委員長木邊美君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員村田昇君がそれぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(松井俊治君) これより日程に入ります。    ──────────────── △会議録署名議員の補充指名 ○議長(松井俊治君) 日程第1、会議録署名議員の補充指名を行います。  今定例会の会議録署名議員のうち、19番角川誠君が欠席のため、本日の会議録署名議員に20番大久保貴君を補充指名いたします。    ──────────────── △議第136号から議第152号まで(滋賀県議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例案ほか16件)(質疑、質問) ○議長(松井俊治君) 日程第2、議第136号から議第152号までの各議案に対する一般の質疑ならびに質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、16番中島敏君の発言を許します。 ◆16番(中島敏君) (登壇、拍手)おはようございます。最後まで気力あふれる議論をしておられました桃野次長をしのびながら質問させていただきます。  予算編成について知事にお伺いいたします。  10月には、各部長あてに平成10年度の予算編成についての通達がありました。続いて財政構造改革の指針案が示され、一方、11月の常任委員会においては政策調整室の機能についての説明がなされております。これらから県民に対して今何を訴えようとしておられるのか、いま少し明確にしていただきたく思うものであります。国も県も厳しい財政であることは周知のことでありますが、3年の目標年次を定め、いわゆる緊縮財政を組む、そして財政運用に弾力を持たし、来るべき世紀に備えるというだけではよく見えてきません。  私は、この厳しさを悲観的にとらえるべきではなく、チャンスととらえるべきと考えます。今こそ各施策の問題点を直視し新たな展開を目指す時期ととらえ、同時にこの議論に県民がどれだけ耳を傾けていただけるか、参画していただけるかが問われるのではないでしょうか。その観点から見て、通常枠プラス見直し枠プラス重点化調整枠でよいのでしょうか。通常枠そのものの見直しが行われているのでしょうか。早く琵総の脱力感から抜け出していただきたい。(発言する者あり)より積極的な論議をしていただきたい。そもそも、公債費の増嵩に見られるこの状況は何がつくり出したものか。私は憂慮すべき状況とは思いますが、投資に対する対価や効果、また含み益的なものはどう積極的に評価しておられるのか。しかし、それが評価できないということであれば、それは失政として指摘され、今後の施策に生かされるべきものであります。県の単年度単式決算の中に企業の複式決算の目が必要であると考えます。また、何が何でも一律削減適用という考え方は全体として県政の活力低下につながるのではないでしょうか。同時に、それは見直し枠や重点化調整枠では補えないと思うものであります。  県境また国境のないグローバル競争の時代を迎えた今日、日本だけが、滋賀県だけが、競争の波、生き残りをかけた厳しい闘いから逃れることはできません。私たちは自然との共生という知事の考え方を支持するものですが、共生とか生態系の調和について県立大学の日高学長は、自然界は絶えることのない競争世界であり、調和などないのではないか、また、生態系などという自己目的型のシステムなど本当に存在するのだろうか、そして、お互いの利己的欲求のせめぎ合いとその決着したところが共生だとすると、私たち人間と自然の共生については一体どうしたらいいのだろうかと困惑しておられます。  まさに、私たちの暮らしも利己的欲求のせめぎ合いの中での共生の暮らしを実現しなければならないのであり、したがって、競争社会に取り残されていく弱者への対策には万全を期さねば共生は成り立たないと思うものであります。予算の中では競争社会に打ちかつ施策をより積極的に取り組んでいただきたい。めり張りをつけていただきたい。同時に、その両輪として、弱者への対応はしっかりと調和させていただきたく思うものであります。これらが県政施策の上で、来る世紀に向かっての県民の活力の高揚に寄与するのではないかと思います。  大国の衰退の歴史の中で、財政の赤字が主たる要因となって国が滅んだ例はない。むしろ、一律削減の無造作な適用によって、国家的危機を招いたり、将来の再生の芽をみずから摘み取ってしまったことにより、衰亡の坂を転げ落ちた例には枚挙にいとまがないという、ある学者の考えを私は大いに支持するものであります。政策が優先され、政策によって予算が組まれなければなりませんが、理念として弱者への対策は聖域とすべきであると考えます。ただ、弱者であるという範囲が現実に照らして大変拡大されているということ、また利己的欲求を満たすための偽りの弱者、これらについては再考されなければならないと思います。  政策調整室では、今、多くの情報を共有し、あらゆる部署が必要なときに必要な情報を取り出し政策形成のできるシステムを整備すべく取り組んでおられますが、大いに期待するとともに、この情報は県民の皆様と共有すべきものと考えますが、いかがでありましょうか。県庁、議会のみならず、県民の皆様からの政策提案が積極的になされることが共生への道筋ではないかと思います。同時に、県民の政策提案に対して、開かれた県政を目指す立場から、政策調整室の機能としての県民のための政策窓口およびそれに対応するシステムが必要と思いますが、これらについて知事の所見をお伺いいたします。  次に、専決処分について総務部長にお尋ねいたします。  地方自治法第180条の規定により、各定例会ごとに専決処分の報告をいただきます。損害賠償の額を定める処分が毎回多数報告され、最近ちょっと多いように思って残念でございますが、本議会では、4月22日の事故31万48円、5月6日、5月14日、6月25日、6月23日などなど、一部を除いて事故賠償としては大変少額の処分がなぜ半年以上または半年近くを経て議会に報告されるのか大変疑問であります。私たちの常識では、可能な限り早急に解決し、損害を与えた相手に謝罪するというのが道理でありますが、仮に諸般の手続で賠償協議がおくれているとしたら、それは県民に対して公の都合や論理が優先されているのではと思わざるを得ません。議会への報告はさておき、可能な限り事務手続を早くして専決処分されることを望むものですが、いかがでございましょうか。  次に、契約の変更処分についてお尋ねいたしますが、地方自治法第96条第1項第5号および県条例の規定に基づき、議決を経た契約の変更については、当初契約金額の100分の30を超えない金額は専決できるということになっております。一方、県条例では、予定価格5億円以上の工事または製造の請負が議会の議決を得なければなりません。工事契約などが大きな金額になる昨今、変更増額金額が100分の30の範囲内であっても5億円を超える事態が予測されるとき、一方は専決処分で、一方は議会の議決を経なければならないということにいささかの違和感を覚えると同時に、一層の透明性を確保しなければならない昨今、いかがなものでしょうか。この事態が生じたときの法制上の整合性について、まずお尋ねいたします。  同時に、100分の30の規定があるにしても、変更契約はできる限りやむを得ないもので、かつ少額であった方がよいと私は思いますが、そのためにも100分の30をもっと率の低い設定にしてはどうか、総務部長の所見をお伺い申し上げるところでございます。  次に、滋賀県立大学の就職指導についてお伺いいたします。  県民、県内企業の熱い期待のもと滋賀県立大学が開学して3年が経過しようといたしております。びわ湖東北部に位置するこのキャンパスは、周辺の恵まれた自然環境と調和したすばらしい施設、さらには学長を初め優秀な先生方にお越しいただき、充実した教育研究の場が整ったものと理解をいたしております。「キャンパスは琵琶湖、テキストは人間」というキャッチフレーズのもとに、環境と人間をテーマとした学問分野は本県にふさわしいものであり、その教育、研究はこれからの時代を担う豊かな人間性と創造力ある人材を養成するとともに、本県の学術、文化の向上と県勢の持続的な発展に必ず貢献するものと期待しているところでございます。昨日の一般質問の答弁に対し、ミシガン州立15大学との交流について大変喜ばしい報告がなされました。大きく期待するものであります。  さて、最近の就職を取り巻く環境は、相次ぐ金融機関の破綻など先行き不透明感があり、大変厳しい状況にあると言えます。また、本年から就職協定が廃止されましたことから、企業の採用選考が早期化、多様化するなど就職環境が大きく変化しつつあると考えております。  県立大学では、県内はもとより全国から1,500名余りの学生が日々勉学に、またクラブ活動に充実した学生生活を送っておりますが、平成11年3月には第1期生が社会へ巣立つことになります。このような中、新設大学である県立大学の就職環境は伝統ある大学と比べて大変厳しい状況になるのではないかと思います。とりわけ、女子学生の就職は厳しいのではないでしょうか。第1期生の就職状況は今後の大学の評価にもつながり、また後輩学生の就職にも影響を及ぼすものと考えるとき、その意味においては開学以来の大変重要な通過ポイントであると思います。私たち県議会もできる限りの支援をしていかねばならないのではないでしょうか。  そこで、新設大学として、景気が大変不安定な中、本年の採用選考早期化傾向により、第1期生は4回生を待たず年明け早々就職活動を始めることになるのではないかと思いますが、県立大学の学生はどのような進路を今希望しているのか、また現実の教育、研究内容と企業求人ニーズの関係はどうか、その実情についてお尋ねいたします。また、それに対してどのような就職指導の取り組みを講じられているのか、その具体策と今後の対応について総務部長にお伺いいたします。  次に、滋賀県環境総合計画と低公害車の導入について山脇副知事にお尋ねいたします。  地球温暖化防止京都会議は間もなく本会議が開かれ議定書が締結されようとしておりますが、あの京都会議を見まして、国際社会の政治、経済、外交をめぐる大変すさまじいせめぎ合いをかいま見ました。同時に、私たちは、平和なこの温室の中で環境を語る私たちのひ弱さを痛感いたしております。  環境問題を論じるとき、それは私たちが自然の許容範囲内で生活できる手段や技術を何としても開発していかねばならない強い意思が必要であり、同時に自然との共生という概念が時代の理念として、絶対的、普遍性ある価値として認識されなければならないと思うものであります。その観点から、我が県の環境総合計画を読ませていただき、大変心強く思うものです。  また、知事や山脇副知事の所信にありました率先実行計画の策定に大いに期待するものであります。そこで、率先実行するにつけて、第1に、計画策定と同時進行で直ちに行動を起こせるものは起こしてほしい。第2に、県民みずからのライフスタイルの変換が必要な今日、県政自体も理念に沿った体質の改善を、第3に、県庁における環境管理システムの構築を、第4に、確実に実行するための進行管理、責任の明確化などを訴えるものでありますが、副知事の所信をお伺いいたします。  さて、今、滋賀県庁においては、グリーン購入の行動を積極的に行っておられ、高い評価を受けていると仄聞いたします。中でも、全国のネットワークの形成については、その発起人として、活躍の成果としてネットワークがどんどん広がっていると聞き、大変喜んでおります。  そこで、第1に申し述べました直ちに行動を起こしてほしいということで、低公害車の導入を提案するものであります。さきの代表質問での答弁で副知事は、その購入促進の可能性に言及されました。また、計画の中でも、電気自動車天然ガス車ハイブリッド自動車などの低公害車の普及を促進するために、公用車への率先導入を図ると述べておられます。  今、日本のみならず世界の多くの国々は、都市大気汚染問題、地球温暖化問題を同時に解決するための運輸部門における環境対策を検討しております。こうした中で、低公害車と呼ばれる環境への負荷を少なくした新しいタイプの自動車の普及が世界じゅうの注目を集めております。12月6日には京都において、京都低公害車フェアが岡崎のみやこメッセで開催されました。ある自動車メーカーでは、環境部を来年1月1日に新設し、ことしはエコプロジェクトという環境キャンペーンを推進し、その目玉として、きのうハイブリッドカーを発売いたしました。店頭にこのハイブリッドカーが並ばない、納入できないほどの注文であるというふうに聞いております。このように低公害車は環境熱心県として我が県の目玉として早急に導入すべきと考えますが、副知事の見解をお伺いいたします。  最後に、金居原水力発電所新設工事について山脇副知事にお尋ねいたします。  電力の安定供給は電力会社にとって至上命題であり、私たちの暮らしはその上に築かれている。これは事実であります。また、ダム所在地市町村に対する財源措置として水力発電施設周辺交付金は、財政の厳しい市町村にとっては大変魅力あるものであります。同時に、数々の関連事業によって生活基盤が整備されるのも事実であります。当事業を当該市町村が歓迎することをだれが批判できましょうや。私たちが恩恵にあずかっている文明というものは、自然を私たちの利用しやすいように改変することであり、それは結果として自然を破壊することを意味します。自然の犠牲の上に成り立っているのが私たちの文明であります。  一方、今回の環境総合計画は自然保護を高らかにうたっており、そこに自己矛盾が生じております。私は、みずからこの自己矛盾を容認しつつ、当事業に係る環境影響評価書を読ませていただきました。事業者の苦悩と努力の跡がうかがえ、ほっとするものを感じますが、そこで、イヌワシについては繁殖活動に影響が出る可能性は残る、クマタカについて現在の生息が維持できない可能性があるということに対して、それらの危惧が現実のものとなった場合、本当に工事は一時中断されるのでしょうか。同時に、解決策が見つからなかった場合、工事は一時中断ではなく、断念されるのでしょうか。(発言する者あり)同時に、結果的に、イヌワシ、クマタカが繁殖活動をやめたり、生息しなくなったりした場合、責任の所在と責任のとり方はどうなのでしょうか。(発言する者あり)  次に、事業者側の金居原地点猛禽類の保全に関する協議会への行政の関与はどうなのか。県のイヌワシ・クマタカ専門委員会は、いつ立ち上がり、その意図は、専門的な立場から検討、助言するだけでなく、事業者を指導、監視するための委員会なのか、指導に従わなかった場合どうなさるのかについてお伺いいたします。  次に、岐阜県の対応についてお伺いいたします。
     ある事業関係者は、岐阜県の指導と滋賀県の指導が余りにも違い過ぎる、環境問題について滋賀県の指導を受けて目からうろこが落ちました、今後この指導を我が社の環境対策にしっかり生かしていきたいと率直に述べられました。お隣の県の知事さんは、道路予算の配分について東京タコ発言で今大変物議を醸し出しておられますが、環境問題ではいかがでしょうか。  イヌワシやクマタカにとって県境はありません。さらには、生物圏、景観も同じことであります。そこで、今まで岐阜県とはどのような協議をなさってこられたのか、同時に、我が県の環境保全に対する考え方や指導が他の県よりまさっているとしたら、それは誇るべきことであり、大いに我が県の主体性を隣県のみならず全国に主張すべきと考えますが、副知事の所見をお伺い申し上げ、質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(松井俊治君) 16番中島敏君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)中島議員の予算編成についての御質問にお答えをいたします。  初めに、今回の予算要求方針についていろいろございましたが、厳しい財政状況のもと、この機会をとらえて財政構造改革に果敢に取り組んでいくに当たっては、限られた財源をいかに効果的、効率的に活用していくかが従来にも増して厳しく問われてまいります。したがって、施策の選択を行うに当たりましては、滋賀の将来を展望し、時代の潮流を的確に読み取り、優先度、緊急度等に基づいて見直すべきは思い切って見直しながら、新たな県民ニーズに対応した施策を構築していくことが大切であると考えます。  現在の財政ピンチを乗り越えるに当たって、とにかく今のこの状況をしのげばよいということだけではなくて、やはり、いかに財政の健全性を取り戻すかという視点に立って考えてまいりたいというふうに思っているわけであります。このためには、職員一人一人がこれまで以上に県民ニーズを的確にとらえるための感性を研ぎ澄ますとともに、パートナーである県民の皆様の要望にも耳を傾け、きちんと説明し、それを踏まえた真摯な議論を重ねていく中で御理解と御協力を得る努力をしてまいることが肝要と存じます。  今回このような思いから予算要求の方式そのものを抜本的に見直し、改革を行う中から県政の活力を創造していくための新しい方法を実施することといたしました。見直し枠につきましては、各部局みずからの積極的な見直しへの取り組みを促すための手法の1つとして取り入れたものでありますが、もとよりこの枠に相当する額の見直しをすれば事足れりということではなくて、既存事業全体を制度の根本にまでさかのぼって見直し、通常枠の中においてもスクラップ・アンド・ビルドを徹底させているところでございます。何分初めての方式でありますので、多少戸惑いもあったかとは思いますが、今後、改善すべき点は改善しながら所期の目的が十分達せられるように努めてまいりたいと存じております。  また、一律削減というお言葉がありましたが、財政構造改革は、国と同様、聖域を設けることなく取り組んでいかねばならないことから、各部局に等しく事務事業の見直しを行わせるために予算要求方式を変えたものでありまして、補助金の一律カットのような削減を強行するようなことは今回行っておりません。今回の方式は、各部局みずからが積極的な見直しを行うとともに、特に新規施策で部局横断的に推進すべきものについては県政重点化調整枠を活用し、政策調整部局も加わった政策論議を通して、活力ある滋賀を将来に引き継いでいく上でふさわしい政策形成を行おうとしているものであります。  いわゆる弱者への対策についてでありますが、現下の厳しい財政事情からすれば御辛抱いただかなければならない面もあろうかと思います。そういうわけで、これを全体として聖域扱いすることはできませんが、真に必要なものにつきましては後退にならないようできる限りの配慮をすることが大切であると考えており、施策を厳選する中で適切に対応してまいりたいと考えております。  新年度予算編成は例年以上に厳しいものとなると予想されますが、このような思いを大事にしながら、厳しい中にあっても実のある予算となりますよう意を用いてまいる所存でございます。  次に、政策情報の県民との共有と県民からの政策提案への対応ということについてでありますが、今日、住民のよろず身の周りのこと、日常生活にかかわることは、可能な限り地方主権でやっていこうという時代でありますから、地域の個性を生かしながら、みずからの創意と工夫で課題を解決していくことが求められております。このためには、一層県民の県政への参加を促し、県民にとってより身近で開かれた県政を進めていくことが肝要であると考えております。  そのような開かれた県政を目指すには、どうしても情報の公開と政策形成過程への住民参加を大きな柱にしていかなければならないと思っておりますし、また行政内部におきましても、既成概念や縦割り的な行政の枠にとらわれず、県民の立場に立った総合的、横断的な視点から政策の立案を行わねばならないと考えております。このため、まずは行政部内の政策形成システムの改善を全庁的に検討しているところでありますが、政策情報の県民との共有ということでは、これまでの広報広聴制度や、一部に批判もありますけれども、情報公開制度がありまして、一応形はなしておりますが、さて、政策形成過程への住民参加ということになりますと、いろいろ議論いたしておりますが、頭では理解いたしておりますものの、運用の仕組みとなりますと解決しなければならない問題もたくさんございまして、まだまだ検討の域を出るに至っていない状態であります。  地方自治が大きな変革期にある今日、県民主体の県政にふさわしい新たな政策の展開に向かって、これまでの仕組みを見直すとともに、常に県民の立場に立ってこの問題に取り組んでまいりたいと考えております。 ◎副知事(山脇康典君) (登壇)環境総合計画と低公害車についての御質問のうち、まず率先実行についてでありますが、県は、県政の中核的な計画であります環境総合計画をリーダーシップをもって推進していく立場にあると同時に、みずから経済活動を行う事業者、消費者としての側面もございます。しかし、他に与える影響が大きいことにかんがみますと、積極的に環境への負荷を低減するための率先実行への取り組みは大変重要であると考えております。  しかし、そのための計画、すなわち率先実行計画の策定には一定の期間を要しますので、暫定的にでも並行してできることは今すぐ実行していくという姿勢で臨みたいと考えております。これは、全国に先駆けて平成6年から実施をしてきました県庁内でのグリーン購入の進め方と相通じる考え方でございます。  また、これら率先行動を環境管理システム構築の一環として継続的に取り組む環境保全行動に位置づけるとともに、既に先行して設置されております環境監制度を基本として、今後の率先実行計画の進展に合わせた進行管理の責任体制の充実を図りたいと考えております。  次に、低公害車の導入についてでありますが、早ければこの12月中旬にも公用車にハイブリッド車を1台導入する予定でございます。これは恐らく民間も含めて県下で最も早い導入になるのではないかと思っております。これらの取り組みは環境総合計画を県民とともに推進していくための重要なステップであり、県の組織を挙げて重大な決意のもとに進めていくべきものと考えており、そうした取り組みの過程を通じて職員の意識変革や組織の体質改善が図られることになるものと私は信じております。  次に、金居原発電所についてお答えをいたします。  まず、工事の中断等についてでありますが、環境影響評価において、事業者は調査結果に基づき、イヌワシおよびクマタカの生息、繁殖に重要な区域からは工事や改変をできる限り回避し、またそれ以外の区域においても、大規模な工事は繁殖時期には休止するとの対策を行うこととしており、現時点で可能な限りの影響軽減の対策が立案されていると考えております。イヌワシ、クマタカの生息、繁殖状況に大きな変化が生じた場合には、工事を一時中断し、原因の究明、保全対策の見直しによる対策の検討を行うことは環境影響評価書に明記されており、事業者は当然責任を持って対応するものと理解しております。また、工事の全体的な進行を管理するためにも、事業者は着実な生息状況のモニタリングを行うこととなっており、その結果を踏まえて確実な対策が決定されるものと考えております。  なお、生息状況に変化が生じたときの責任についてでありますが、現時点では、事業者に責任を自覚してもらうのは当然としても、まずはそれぞれの事象に応じて英知を結集することが大切であり、そのために県もどのような対応ができるのかを真剣に考えていきたいと存じます。  次に、事業者の猛禽類保全協議会と行政のかかわりでありますが、当協議会は、イヌワシやクマタカの生息状況等の的確なモニタリングに基づき、その保全対策を円滑に実行するため、学識経験者を中心メンバーとして設置されるものであります。アセス審査会から県行政としても積極的に関与するよう要望がなされていることもあり、関係職員をオブザーバーとして参加させ、必要な助言、指導を行っていきたいと考えております。  また、イヌワシ・クマタカ専門委員会についてでありますが、当専門委員会は県自然環境保全審議会鳥獣部会の中に設けるもので、設置時期や構成につきましては、なるべく早い機会に審議会を開催し、決定していきたいと考えております。なお、専門委員会は、審議会の諮問事項のうち、専門的な事項について審査するものであり、その結果に基づいて、県が事業者を指導、監視することといたしております。指導に従わなかった場合どうするのかについてでありますが、過去の経緯から見て、まずそのような事態にはならないと考えております。  次に、岐阜県との協議状況でございますが、岐阜県とはアセスメントの実施通知書の提出段階から情報交換を行っており、準備書の提出時には、本県の要綱に規定されている隣接県協議規定により協議を重ねた上で手続を実施しております。イヌワシについては、その行動圏は両県にまたがるものの、営巣地は滋賀県にあり、またクマタカについては、その営巣地、行動圏ともに滋賀県内にあることから、両県協議の上で両種に対する保全対策の検討の指導は本県で行い、岐阜県は本県から指導状況の通知を受けて適切な措置をとるなど、自然環境保全について連携を図ってきたものでございます。  我が県の主体的な取り組みを全国に主張してはとの御提言につきましては、本格的な地方分権社会を迎えた今日、地域ごとにその特色を生かしつつ、これまでの行政単位を越えた広域的な発想による連携を図ることも重要と考えており、我が県の環境保全への取り組みの特徴を機会あるごとに全国に発信していくことが県民一人一人にとっても自信と誇りにつながるものと確信いたしております。このような視点で、これからも岐阜、三重との三県県際懇談会等を通じて地域連携を推進していく施策展開を図っていきたいと考えております。 ◎総務部長(國松善次君) (登壇)専決処分についての御質問にお答えします。  まず、損害賠償に係る専決処分についてでありますが、公用車の運転事故に係る損害賠償につきましては、別途委任範囲についてなされた議会の議決に基づき、500万円以下のものにつきまして、知事への委任専決処分事項とされております。この処理に日時を要し過ぎているとの御指摘でございますが、公用車による交通事故の取り扱いにつきましては、所属によって取り扱いがばらばらにならないように、全庁的に統一した取り扱いを行っているところであります。  事故が発生した場合には、所属長はその職員から報告を受け、任命権者および自動車事故処理委員会に報告書を提出するとともに、それと並行しまして相手方と損害賠償等の話し合いを進めることといたしております。その話し合いに際しましては、双方の過失の有無や割合等が問題となるわけでありますが、それらについては専門的かつ公平な立場から判断する必要があるために、事故処理委員会において調査の上、審議、決定し、所属長に通知をしております。所属長は、その決定に基づきまして、みずからまたは指定する職員が相手方と交渉を進めることになりますが、実態といたしましては、個々具体の損害額の認定や過失の割合が相手方と折り合わず、これらの協議に思わぬ日時を要することが多く、また話し合いがまとまった後においても、示談書の作成その他一連の事務手続にも一定の期間を要しますことから、専決の手続が御指摘のような結果となっております。  このため、毎年実施しております交通事故防止講習会におきまして、事故防止のための講習に加えまして、事故が発生した場合の事務取り扱いについても研修を行っているところでありまして、今後、これらの点を周知し、補償等を含め迅速な対応ができますように留意してまいりたいと存じます。  なお、交通事故の迅速で適正な事務処理を図るために、事故の補償や示談に関する専門的な知識と豊富な経験を持った嘱託員を平成10年1月から雇用し、体制を整えてまいりたいと考えております。  次に、契約の変更に係る専決処分についてでありますが、現在、工事または製造の請負に係る契約につきましては、地方自治法施行令に定める基準に基づき、条例で定めるところにより予定価格が5億円以上のものについては議決事項とされております。一方、契約の変更につきましては、変更金額にかかわらず、契約金額の100分の30以内の変更であれば、別途委任範囲についてなされました議会の議決に基づきまして、知事への委任専決処分事項とされております。この100分の30の基準につきましては、議会において内容の軽重を判断され、知事に委任する範囲として議員提案で定められたものでございますので、答弁は差し控えさせていただきますが、執行部といたしましては、契約事務について公平性や透明性の確保が強く求められている中で、契約の変更につきましても、これまでから工事の施工上等真にやむを得ないものに限ってきたところであり、今後とも、この法令の趣旨ならびに議会から知事に委任されました趣旨を十分踏まえまして、適切な契約事務の執行に努めてまいりたいと存じます。  次に、県立大学の就職指導についての御質問にお答えします。  昨今の就職環境はまことに厳しいものがあり、また長年継続されてまいりました就職協定は今年1月に廃止され、採用活動が早期化しているところであります。  そこで、まず県立大学の学生の進路希望についてでありますが、本年6月に3回生を対象に卒業後の進路に関する調査を行いましたところ、3学部の平均では就職が58%、大学院等の進学が23%、未定というのが18%となっておりました。就職希望を学部別に見ますと、工学部が45%、環境科学部が55%、人間文化学部が70%という結果になっております。また、就職先につきましては、工学部は民間企業への就職希望が多く、環境科学部や人間文化学部では公務員や教員の志望が多いといったような学部ごとに特徴がございます。  次に、教育、研究内容と企業の求人ニーズとの関係でありますが、県立大学では、自然と調和した持続的な人間社会の形成や環境と調和したモノづくりなどについての教育、研究を行い、環境問題に広い視野と知識、技術を持った人材を養成しております。現在、多くの企業では、資源を有効に利用する生産技術の確立やリサイクルなど徹底した省資源、省エネルギー、そして地球に優しいモノづくりなど環境に配慮した企業活動が展開されており、こうした企業ニーズには対応できるというように考えております。また、課題追求型の人間学や実践的なフィールドワーク、実験、実習を重視した教育を行っておりますので、問題発見や解決能力など企業のニーズにこたえ得る創造性豊かな人材が育っているというように期待をいたしております。  次に、就職指導の具体策と今後の対応についてでありますが、開学初年度から学内に学長を委員長とする就職委員会を発足させて取り組んでまいりましたけれども、本年4月からは事務局に就職課を設置いたしますとともに、就職資料室も設けまして、求人の開拓や就職活動の支援体制を整えてきたところでございます。具体的な取り組みといたしましては、県内外7,000社余りの企業に対しまして、PR誌を送付することや県内外の本社など会社訪問をいたしました。さらには、この10月、県内を初め全国各地から185社220名の御出席をいただきまして、企業向けの大学説明会も開催してきたところであります。また、学生に対しましては、就職活動の進め方等就職ガイダンスの開催や模擬面接、公務員対策講座など各種講座を開催しておりますほか、就職手引書の作成や配布、さらに企業の求人情報の提供、教員、職員による就職相談などを行っております。  「キャンパスは琵琶湖、テキストは人間」をモットーとする県立大学の初めての卒業生の就職が期待に沿ったものとなりますように、今後とも、教職員が連携し、企業開拓を進めますとともに、最新の就職情報の収集や学生への情報提供など、さらに努力してまいりたいと考えております。 ○議長(松井俊治君) 次に、15番森茂樹君の発言を許します。 ◆15番(森茂樹君) (登壇、拍手)「あと幾つ 倒産すると お正月」。最近のある新聞に載っていた川柳であります。11月だけでも、三洋、北海道拓殖、山一、徳陽シティが自主廃業等に追い込まれ、次に危ない都銀の名前が取りざたされています。少なくないゼネコンの株価も倒産直前の安値になっています。失業率は過去最高の3.5%で、農業者は減反をしても米の値段は下がるばかりで、大規模小売店進出で地元商店街はシャッター商店街となっています。今、日本の政治転換を望む声にこたえる必要があると思います。そのためには政治を国民本位に転換する以外にありません。地方政治も国の言いなりになるのではなく、県民のために何が必要かをもとに検討されなければならないと思います。  最初に、財政構造改革指針と98年度予算編成方針について、知事、山田副知事、総務部長および健康福祉部長にお尋ねします。  今、国と地方の膨大な借金を解決することは大きな課題です。そのために、なぜ借金が生まれたのか原因を明らかにすることが大切です。ところが、県は、借金ができたことは述べても、その原因は述べられていません。知事は提案説明で「国、地方を通じて危機的な状況にある財政状況を早急かつ抜本的に改善することが喫緊の課題」としておられるだけです。98年度の予算編成についての総務部長の依命通達を見ましても原因は鮮明にしていません。知事は財政危機の原因がどこにあるとお考えですか、お尋ねします。  バブル崩壊後、国と地方双方で公共投資をすれば景気は回復するという方策を、入るをはかって出るを制すのではなく、基金の取り崩しと大型起債を発行し、県財政が大きな危機を迎えたわけです。この方策は間違っていたのではありませんか。そのことについて知事はどのように総括されているのかお伺いします。公共事業で景気を回復するというやり方はもはや通用しなくなった、そのことを見通せなかったという反省はありますか。今になって歳入に見合った歳出の原則を踏まえると財政構造改革の指針案は述べていますが、国が支持すれば、こうした原則さえかなぐり捨ててきた県政の主体性のなさが今日の危機を生んでいるという自覚はおありでしょうか。  不況を回復するためには、国内総生産の6割を占める個人の消費を拡大することが決定的です。そのためには、福祉を削ったり、国民負担を拡大する政策をやめなければなりません。また、中小企業や農業、小売業を圧迫する政策をやめなければなりません。ところが、国の財政構造改革法は、これまでの政策の延長線上で行おうとするものです。財政構造改革法では、公共事業についてはわざわざ公共事業の量を変更することなくと書き込みました。実際、96年度に閣議決定された5年間にわたる7つの公共事業長期計画の合計は、その前の5カ年計画の合計に比して40.9%ふえています。この5カ年計画を今回の法案で7カ年に延長しましたが、それを95年までの5カ年計画と単年度で比較してみると、縮減どころか、単年度ごとに501億円の増加となります。軍事費もむだ使いの柱ですが、財政構造改革法では抑制するであって縮減ではありません。財政構造改革会議の最終方針は2000年までの中期防を1割見直すとしていますが、仮にそれが行われたとしても、前中期防より約3兆円も増大するものです。国の財政構造改革法も、大幅な国債を抱えるに至った原因を明確にして、それに適した対応策をとらないために、これまでどおりの破綻の道を進む、つまりゼネコンのためのむだな公共投資や軍事費は基本的にキープして、国民所得を直撃し、福祉を削ろうとしているのです。県の財政構造改革指針案は国のこの方向に追随するものとなっています。  すなわち、県の財政構造改革のねらいは、知事の提案説明にもありますように、「新・湖国ストーリー2010」に盛り込んださまざまの分野の行政課題を着実に遂行していくためのものとなっています。「新・湖国ストーリー」の中心は、土地利用の推移に象徴されるように、農用地、森林を大きく削って、水面と道路、宅地等を大幅にふやす、具体的には、ダム開発、びわこ空港建設、リゾート開発が事業の中心となっています。知事は「新・湖国ストーリー」の開発中心の方向で県民の暮らしと環境を守れるとお思いですか、景気回復につながるとお考えでしょうか、財政が持ち直すとお考えでしょうか。知事の見解を問いたいと思います。  我が党は、こうした道はやめて、県民の福祉、医療、教育をもっと充実させる、公共事業については大型開発事業ではなく生活関連公共事業を進めていく、大企業に規制緩和ではなく民主的規制をかけていく方向で経済と政治を切りかえなければならないと思います。そうすれば、5,900億円余の県の財政規模でも県民の暮らしを守ることができると考えています。知事は財政の本当の意味での切りかえを県民本位の方向でされるお考えはありませんか。  次に、総務部長に幾つかの点でお伺いします。  第1に、予算編成方針についてお伺いします。  まず、特定経費の問題です。公債費については、これをそのまま計上しようとしていますが、私がかつての96年2月および6月議会で指摘したように、この負担を軽減するための利率の引き下げのための交渉をその後されていますか。滋賀銀行と私たちが交渉した際には個別の交渉に応ずると回答していましたが、当然行うべきではありませんか。現在の高利率の公債費をそのまま努力もしないで計上するのは、本当に経費の節減を願っているものとは言えません。  扶助費は法令に定めるものに限るとしていますが、県が独自に進めてきた扶助制度は、本来の景気回復策としてもそのまま継続することが求められています。赤字の原因となったむだな公共投資を行わない反省のもとに、びわこ空港建設、ダム開発、リゾート開発などを根本的に見直すことこそ財政再建の最も肝要な道です。行政が行う各種改革のあしきやり方の1つに一律削減があります。いかにも改革したように見せかけるが、いわゆるみそもくそも一律削減するだけで、問題の根本解決に至らないものであります。県独自の県民のための扶助費をなぜカットの対象とする予算編成方針をつくられたのか、その基本的考え方を問います。  また、同和対策事業費を特定経費としていますが、同和対策事業28年を経過して、21世紀に差別を持ち越さないとする以上、このようなものこそ抜本的な見直しの対象とするべきではありませんか。私は、特に副知事に、解同のための事実上の人件費と言われているような運動団体などへ流れる経費はこの際カットするべきではないかと考えますが、お尋ねします。  通常枠として、配分額は97年度当初予算の一般財源ベースから一定額を留保した後の額とするとされていますが、これらの一定額とは、総務部、琵琶湖環境部、県民企画部、健康福祉部、商工労働部、農政水産部、土木部、教育委員会、警察の各部門ではどれだけになるのかお伺いします。ここにもあしき一律主義がないか、あわせてお尋ねします。  第2に、財政構造改革の指針案についてお伺いします。  まず、歳入に見合った歳出の原則を踏まえると言われていますが、現時点で集中改革期間中の歳入見通しについてお聞きします。  次に、基金の取り崩しに極力依存しない財政運営を目指すとしていますが、最大限取り崩せるのは集中期間でどれくらいかお聞きします。さらに、地方債の発行額と地方債依存度は集中改革期間の3年間で発行額はどのくらいと見積もっておられますか。過日の代表質問で総務部長は、来年度の予算総額は今年度を下回り、5,900億円を下回ると言われましたが、集中改革期間の各年度の見通しもお聞かせ願います。それとの関係で、7月8日にびわこ空港見直し案を提示されたとき、収支計画を発表されました。このときの数字によれば、1,580億円とそのほかに2,000億円の大規模事業を織り込まれて、98年度は6,130億円、99年度は6,310億円、2000年は6,530億円の収支見込みをしておられましたが、この計画は大幅に見直されるのですか。見直すとすれば、びわこ空港の財政的裏打ちはなくなったと見てもよいのですか。  集中改革期間中につくる公共施設とは何か、明らかにしていただきたいと思います。原則新規の箱物はつくらないと言われますが、県営住宅、学校、特別養護老人ホームなどは建設しなければならないのではないでしょうか。特に、ゴールドプラン、障害者プラン、エンゼルプランなどとのかかわりで、新規の箱物を認めないという方針で健康福祉部は計画を達成できると考えておられるか、健康福祉部長にお尋ねします。  スクラップの対象に福祉を上げることは、景気回復のために県民の懐を温めることが重要という観点からも、政府によるすさまじい福祉攻撃を前に、地方自治体が暮らしのとりでとして県民生活を守る上からも許せません。中でも、6つの医療費無料化については、私たちが今議会に集めた見直しを認めない署名が2万4,557名に達していること、また県医師会会長が12月6日の医療改悪ストップシンポジウムで、老人、乳幼児、難病患者等へのしわ寄せは絶対にすべきでないと発言されたことなどから見直されるべきではありません。今日の進捗状況についても健康福祉部長にお尋ねしておきます。  次に、びわこ空港問題について知事にお尋ねします。  まず、今年3月9日の野出地区との話し合いで、知事は白紙撤回を視野に入れる回答をされています。当時の新聞も、知事の白紙撤回もあり得るという回答を載せました。私も野出区の当事者から詳しくお話を聞きました。話し合いに当たっては、一昨年、野出区と日野町長が締結した覚書に基づくこと、すなわち、話し合いの結果、県が白紙撤回することもあり得るということを確認したいと地元が知事に迫られました。知事は当初あれこれの話をされたようですが、地元が白紙撤回についてイエスかノーかで答えていただきたいと迫られ、知事は認められたということです。まず、この点、知事の確認を得ておきたいと思います。  問題は今そうした対応が変わってきていることです。知事は10月7日に記者会見をされました。そのとき、12月に地元の了解が得られなければ白紙撤回もあるのか、あるいは強行されるのかと言われて、凍結もありますわなと言われたようです。しかし、これは3月9日の約束違反ではありませんか。既に日野町長は一昨年みずからの押印した白紙撤回もあり得るという覚書をほごにしています。知事もまたその轍を踏もうとされるのか。知事は、みずから行った地元への約束を果たし、地元がアセス了解をしないという結論を出した場合、白紙撤回するということを明確にされるべきであると思いますが、いかがですか。  綺田の現状についても、知事の見解をただしておきたいと思います。綺田区は、びわこ空港建設計画はもとより、これに係る環境アセスメント実施にも同意していない立場から、平成8年11月29日の総会において蒲生町空港反対対策協議会を脱会することを決定し、同協議会を脱会したので、県が綺田区をアセスメント了解地区とするのは間違っていると抗議してきています。ところが、県は、これはいわゆる五協の内部問題として、そこへ差し戻すとされました。その理由の中で、知事は、当該覚書は傘下集落の意思を代表する協議会との間で有効裏に成立したものと認識しておりますことから、協議会傘下集落のアセス了解を団体意思として一括表記し、公表したものとしています。この論理は、団体意思を表明した構成に変化がない場合の話で、今回のようにその構成団体であった集落がみずからの意思で脱会を表明した以上、成り立たない論理であることは明白です。五協が一たん入った者は抜けることを許さないというような組織でないことはだれもが知っていることです。民主主義を是認するならば、自由意思により団体の立場を決定したとき、それを尊重するのは当然です。県もそれを認めて当然ではありませんか。知事の見解をお伺いします。  知事の答弁や代表質問で一部の反対という文言がよく使われます。この際、もう一度確認しておきたいと思います。それは、空港は仮に一部の反対であっても、それが地権者であれば基本的にはできないということであります。航空法第39条で「飛行場にあつては、申請者が、その敷地について所有権その他の使用の権原を有するか、又はこれを確実に取得することができると認められること」とうたわれておりますように、地権者の了解なしに、県は空港の申請すらできないのであります。多数決で決められるものではないのです。野出、綺田が地権者16集落のうち2集落であっても、空港建設申請はできないということについて知事の認識を問うておきたいと思います。2集落といえども地権者としては決して少数ではありません。その上、県民世論の多数はどちらにあるかも明白ではないでしょうか。  10月6日付朝日の世論調査は、空港を必要としない者は54%でした。また、予定されている航路をよく利用する者4%に対し、ほとんど利用しない者は65%に及びました。県民多数の世論が空港を必要としていないことは明確ではありませんか。2月の県職員組合のアンケートでも、知事のおひざ元の職員の81%が1県1空港は認めない、びわこ空港建設は県財政に影響を与えると答えました。さらに、民主県政の会がびわこ空港白紙撤回を、公務共闘がびわこ空港中止を求める署名が今議会に出されましたが、合わせて2万4,837名に上っております。このような県民多数の意見をなぜ知事は聞こうとしないのかという声が多くあります。知事はこれらに示された県民の意向をどのように考えておられるかお尋ねします。  次に、関西電力の金居原発電所問題について山脇副知事にお尋ねします。  関西電力は、11月21日付で金居原水力発電所新設工事環境影響評価書を知事に提出しました。評価書は、準備書に対する滋賀県および国の審査結果を踏まえ、より自然環境への影響の提言を図るよう、1、下部一号原石山の位置の変更、2、工事用道路の一部トンネル化により地表改変部の縮小化を図る、3、県境尾根筋などの仮設備ヤードの縮小化を図るなどのレイアウト上の対策を行うこととし、その変更後の環境に与える影響を再評価したものです。  私もこの地域を吉原県議と現地調査し、当時、雨上がりの高い立ち木の上で悠然を羽を休めるイヌワシを遠くから望遠鏡で確認しながら、滋賀県でも残る数少ない秘境の1つと思った次第です。私は、評価書で改めてこの地域の自然度が極めて高いことを確認しました。評価書によれば、植物相では、現地で確認されたものは127科711種で、環境庁指定の特定植物群落3件と貴重な植物種36種です。陸生動物では、貴重種等だけでも、哺乳類12種、鳥類12種、両生類5種、昆虫17種の生息が確認されたとしています。もちろん、貴重種だけが貴重なものではなく、これら貴重種を多く持つ多様な自然全体が貴重なわけですが、この自然度の高い地域だからこそ、全国で134ペア、滋賀県では恐らく13ペアと言われるイヌワシも、その1つがいがこの地に生息しているわけですし、しかもクマタカとも極めて隣接したところで生息するという珍しい地域になっているのだと思います。このような自然環境を断固守るという立場に山脇副知事は立つべきではないでしょうか。  次の問題は、イヌワシ、クマタカであります。  評価書によれば、一見自然に恵まれた当該地でも、イヌワシ、クマタカの生存にとってぎりぎりの状況であることが、その繁殖活動によって見られます。すなわち、イヌワシは95、96、97年と同じ巣を利用していますが、95年から96年は産卵は行ったがふ化に至らず、97年はふ化したものの巣立ちに至らなかったとされています。クマタカは、95年は産卵の有無は確認できず、96年は産卵は行ったが、ふ化に至らず、97年度はふ化後7月中旬に巣立ちを確認したが、その後の行動を確認できず死亡したものと推定しています。  アメリカなどでは、イヌワシなども、えさが豊富なため、通常2個の卵を産んで2個とも成育するという例が多いようです。日本では、自然が破壊され、2個産んで1個成育すれば上出来と言われています。イヌワシの繁殖率については、1981年から85年にかけては47.1%であったものが、91年から95年にかけては28.1%と低下しています。評価書が確認した金居原のイヌワシ、クマタカの繁殖活動の相次ぐ失敗も、この地では親鳥の生存を保持することがいっぱいであることを示しています。97年には両種ともふ化し、クマタカは一度は巣立ちしたわけですから、この年はえさが豊富であったという好条件であったのではないかと推察されます。この地では、3年に1回くらい、ようやく繁殖のチャンスを得ることができることを物語っているのではないでしょうか。このような状況下で、日本でも最大級の揚水発電所をつくるということは、それだけでも両種を絶滅に追いやるものであると言わなければなりません。私は、環境熱心県を標榜するなら、イヌワシ、クマタカにとっては繁殖活動すらままならぬ厳しい自然環境を守ってやるということを貫くべきだと考えますが、山脇副知事のお考えをお聞きします。  評価書の結論も、イヌワシ、クマタカの生存が万全に保障できるものでないことを事実上認めています。イヌワシについては、環境保全水準をほぼ満足しているというものの、しかし、行動圏域で大規模な改変が行われ、えさ動物の生息にも影響を与えることから、繁殖活動に影響が出る可能性は残ると言います。この評価書そのものが甘過ぎるという意見もあります。下部ダムのダム湖予定地からわずか500メートルの近距離にイヌワシの巣が発見されているのです。彼らがその巣を中心に安定してえさをとるには50ないし100平方キロメートルの広い地域が必要と言われます。しかも、営巣期には、営巣の高利用域は半径2キロ程度と言われており、今回の場合は、営巣確認地点から500メートルのところにダムが建設されるわけですから、環境保全水準をほぼ満足するというのは甘過ぎるというわけです。まさに最初にダム建設ありきの評価書と言わなければなりません。  クマタカについては、下部ダムのダム湖のわずか30メートルの地点に営巣木が確認されています。湛水すれば水面はもっと営巣木に迫ります。評価書は、クマタカについては現在の生存が維持できない可能性があるため、環境保全水準を満足しない可能性もあると言わざるを得ないのです。  イヌワシ、クマタカは、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律によって国内稀少野生動植物種に指定されています。環境庁の「日本の絶滅のおそれのある野生生物−レッドデータブック」の中で、両種とも絶滅のおそれが最も高いランクの絶命危惧種とされています。アメリカなどでは、食物連鎖の頂点にいるイヌワシ、クマタカなどの猛禽類が存在するということは、即その地域の自然が高度に保持されているメルクマールとして大切に保存しています。このような両種の持つ重要性から見て、環境保全水準がほぼ満足できるが繁殖活動に影響が出る可能性を否定できないイヌワシ、環境保全水準を満足できない可能性もあるクマタカなどというような条件下で工事を認めるべきでないのではありませんか。  評価書は、このような状況にかんがみ、今後の課題を挙げています。しかし、これも両種を絶滅に追いやる危険性をクリアするものではありません。  1つは、営巣地の移動に関する課題としていますが、ここではまず営巣木を移動する可能性と場合によっては行動圏外への移動も考えられるとしています。行動圏外への移動というのは、どこへ飛んでいくのかわからないということです。長い期間にわたって全体としてのテリトリーとの関連で、この地を選んできたクマタカにとって、行動圏外への移動とは、まさにみずからの生存をかけた行為とならざるを得ないでしょう。他地点でのダム周辺で生息している例があると評価書はしていますが、これはあくまで例であって、絶滅に追い込む危険性に変わりはありません。営巣木を移動する場合のために、周辺の森林の保存、えさ環境ならびに関連生態系の整備などを述べていますが、神経質なクマタカが、人間の知恵でつくった間に合わせの環境で生存が保障される確証はないと思いますが、いかがですか。  今後の課題の第2として、えさおよび狩り場の確保に関する課題という点で、対策として3つ挙げていますが、これらは全く画餅に期すものではないでしょうか。これらの一つ一つについて確実な保障があるのかどうか、具体的に明確にしていただきたいと考えるものです。  種の保存に関する法律では、生息環境の保護のためには、環境庁長官による生息地域保護区を設けることが必要となっています。私は、滋賀県が環境熱心県を主張するのなら、むしろこうした法的保護対策をとることこそ求められるべきだと思うのですが、お伺いをいたします。  全解連・滋賀県部落解放運動連合会は、このほど「特別な教育を廃止し、すべての子どもたちに、豊かな教育を保障するために」と題する同和教育廃止の提言を発表して各界から注目されています。このことに関連して教育長にお尋ねします。  提言では、滋賀における部落問題解決の到達点として、過去28年間の同和対策事業と部落住民の努力と相まって、同対審答申にいう一般地区の生活状態および社会、経済的な一般水準と比較して、同和地区なるがゆえに解決されずに取り残されてきた実態は既に過去の問題になったとしています。教育の問題でも、97年3月末の高校進学率は全県96.8%に対し、同和地区はなお5.5ポイントの差があるものの、実数ではあと27人の差であり、しかもブロック別に分けてみれば、6ブロックのうち全県平均を下回る地区は3ブロックであることを明らかにして、ブロック間格差が大きいこと、平均値をとらえて同和地区にはなお特別な教育課題があると結論づけることはできないとしています。  学校における部落問題学習がこのような中で行われているわけですが、その前提は厳然と存在する部落差別があるということを前提にしています。これは、この28年間の努力が無為であったことを認めるようなもので、部落の子供に無力感やあきらめしか生まないとしていますが、そのとおりだと考えます。教育委員会は依然として部落差別は厳然として存在していると考えて部落問題学習をすることを進めておられますが、この点を改められる考えがないかお尋ねします。  さらに、部落の子供にとっての部落問題学習は、部落差別は解決していない、差別されていると教えられ、それに立ち向かう以外に生きる道がないことを余儀なくされています。立ち向かわないことには差別をされるわけですから、自己否定につながるからです。部落の子供にとって極めて狭い選択の幅しか認めないような同和教育はすべきではないのではないでしょうか。  かつて企業が地名総鑑を手に入れて労働者の雇用に差別を導入することへの大きな闘いが取り組まれました。ところが、今はその逆に、部落の子供としての特別扱いすることが継続されているところに問題があります。直ちに自主活動学級や県教委が毎年5月1日付で行う同和教育基本調査、さらに高校と地域総合センターとの連携を名目に、ほとんどの高校は各学期ごとに同和課の教師が地域総合センターを訪問して同和地区の生徒の状況をセンターの担当者に報告する行為などは直ちにやめるべきだと考えますが、教育長のお考えをお伺いしたいと思います。  最後に、新しい農政で滋賀県の農業はどうなるのでしょうか。農政水産部長にお尋ねします。  県は、100億円に上る農家の減収に対し、近代化資金、農業改良資金の返済の1年猶予を認めましたが、利子補給をするべきではありませんか。島根県は稲作経営安定化緊急対策資金を創設していますし、北海道は営農資金の利子補給を決定しています。  また、新米政策よって、政府米引き下げによる減収は、1万7,863トンの政府米買い入れとして1億2,400万円減収となり、その上、減反面積の拡大による農家の減収は、反当たり6万2,165円の減収として3,814ヘクタールで23億7,000万円余の減収となります。このような減収に対する県としての対応は考えておられますか。こうした対策抜きに、兼業農家、中核農家、法人のそれぞれがやりがいのある農政を目指すとされても、精神力で奮闘するというのに等しいものにならざるを得ません。  また、今回の24.5%の減反率は、4年に一度、我が田でありながら米はつくるなというものですが、問題は減反目標を達成すれば2万円台に回復できる保障はあるかということです。この点についても農政水産部長の明確なお答えを得たいと思います。  農政水産部長は、米の需給関係によって米価が決まるのだからやむを得ない、自然現象のような発言をされています。減反をしなかったらもっと下がるという人もいますが、今日の米価は決して自然現象で起こっているのではありません。これは、自民党政府の政策によって2つの大穴があいていることからきているものです。1つは、輸入自由化の穴、他の1つは新食糧法という穴です。この2つの穴をあけておいたまま幾ら減反しても、ばんそうこうを張っているようなもので、米価の下落は避けられないものとなります。  滋賀県の農業を守るためにも、農政水産部長は国に向かって、政府の責任で政策者米価を最低2万円で下支えするなどの価格安定対策を確立するよう求めること、米過剰の原因となっている義務米輸入については、その中止を求めるとともに、当面は海外援助に回し国内市場から切り離すこと、政府米は1年間保管し、その後はすべてを食用に放出する回転方式ではなく、豊作になった場合はえさ用など食用の需要と切り離すことなどを求めることこそ、県下の農家や農業者が希望を持って農業に当たれる保障ではありませんか。(発言する者あり)  これで私の質問を終わります。(拍手) ○議長(松井俊治君) 15番森茂樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)森議員の質問にお答えします。  まず初めに、財政危機の原因についてであります。  さきの自民党議員会の代表質問でお答えしましたように、バブル経済崩壊後の景気後退により税収が激減したことによる財源不足、この影響が大であったということであります。これに加えまして、国の数次にわたる経済対策に呼応する補正予算等に対応するため、地方財政措置による県債の発行や基金の取り崩しに依存せざるを得なかったことなどにより悪化してきたものと考えております。  景気対策としての経済対策は、公経済の両輪である国と地方が共同で実施して初めて効果が期待できるものであります。国が定めた経済対策について、地方に要請があれば、これにこたえようとするのは当然のことであると考えております。また、その対策の内容についても、減税や中小企業対策、雇用対策、住宅対策などを総合的に取り組んできたものであり、公共事業ばかりを行ってきたものでないことは言うまでもありません。とは申しましても、公共事業は経済対策の主要な部分を担ってきたものであり、その効果については、いろいろな見解はありますものの、景気の下支えとしての一定の役割を果たしてきたと考えております。また、公共事業を通じて県下の社会資本の整備が促進されたのも事実であります。  また、「新・湖国ストーリー2010」は、政策推進の視点を生活者や地域に置き、人の活力を生かした地域づくりを進める、暮らしを環境保全型に転換する、そして滋賀らしさを創出する基盤を整えるという3つの方向を滋賀の新しい時代を切り開くための施策展開のかぎとして、ハード面よりはソフト面、そして質的な面を重視した新しい豊かさを実現することを目指したものでありまして、決して大型開発事業優先の構想ではございません。  これらに取り組んでいくためには、なおのこと遂行を担保する財政基盤がまずもって堅固なものである必要があることから、今般、財政構造改革の指針案を定め、財政構造の改善を進めていくこととしたものであり、短期的には優先度や緊急度等による施策の選択や進度調整等も必要でありますが、長期的な展望に立って「湖国ストーリー」の実現を達成したいと考えております。  次に、びわこ空港についてでありますが、御承知のように、今、日野町の地権者集落では、年内に集落としての総意をまとめるために努力していただいており、県としての対応は、その結果を待って地元両町と協議し、県議会にお諮りした上で適切な方向に定めてまいりたいと思っております。  蒲生町対策協議会からの一部集落の脱会については、協議会設立時の経過やこれまでの取り組みを踏まえて引き続き歩調を合わせて対応していくことについて内部協議が続けられていると聞いておりますが、県といたしましては、対策協議会とのアセス調査の覚書は協議会傘下集落の意思を代表して締結されたものと理解しております。  空港の実現のためには、地権者はもとより、影響が生じる地域の理解を得ることが不可欠でありますが、さきに実施された、これは地元町における町民アンケートでありますが、これは空港に賛成される意見が約65%を占めるという状況でありまして、引き続き、地元集落の方々はもちろんのこと、広く県民の皆さんの御理解が得られるよう努力してまいりたいと考えております。 ◎副知事(山田新二君) (登壇)同和対策事業に係る各種指導員等の制度についてお答えをいたします。  このことにつきましては、地域改善対策協議会の意見具申における指導員、相談員等については、受け皿の検討も含め円滑な移行に努めるべきであるとの考え方等を踏まえまして、本年6月に策定いたしました今後の同和行政に関する基本方針に基づき、一定の経過措置を講じ対応をしてまいる所存でございます。 ◎副知事(山脇康典君) (登壇)金居原揚水発電所についての御質問にお答えをいたします。
     まず、自然環境保全についての基本的な考え方でございますが、計画地は、質、量ともに極めて豊かな生物生息環境を維持している地域でございます。このような地域における開発は、自然との共生を大前提とする必要がございます。すなわち、大規模な施設の立地等に当たりましては、他の公益との調整、財産権との調整、法律上の問題等を十分に検討し、やむを得ないものに限られ、かつ事業の実施過程で自然環境への影響を必要最小限にとどめるよう配慮されているものに限定されると考えております。  今回の揚水発電建設事業地は、イヌワシ、クマタカの生息地という自然度の高い土地ではありますが、ただいま申しました観点から開発事業の計画が進められたものと考えており、今後は、これに基づいて自然環境保全対策が適切に実施されるよう、県としても積極的に対応していきたいと考えております。したがいまして、環境保全水準に対する整合性についても、満足し得る結果となるよう十分に注視してまいりたいと存じます。  次に、営巣地の移動やえさ、および狩り場の確保といった課題につきましては、イヌワシ、クマタカの生態は学術上十分に明らかにされていないことから、今後の生息状況に応じたきめの細かい保全対策が必要であると考えており、環境影響評価書の段階では、事業者として現段階でできる限りの保全対策が検討されたものと認められます。  それでも残ると考えられる課題といたしましては、まず、営巣地の移動であります。クマタカの営巣地の移動先は、現在の行動圏のうちの中心部分である占有領域やよく利用する範囲となる可能性が高く、その範囲内で営巣に適した樹木を保全することが重要であると考えております。次に、えさおよび狩り場の確保に関し、えさ動物に及ぼす影響低減のための樹木伐採方法については、一斉に伐採せず、順次小規模に行うなどが考えられております。緊急的対応であるえさ動物の補給措置の検討、実施につきましては、生態系を乱さない範囲でえさ動物を補給することであり、えさ動物の生息に適し、両種が狩りを行うのに適した環境の創造につきましては、森林環境の一部を草原環境にするなどの手法が考えられております。  しかし、これらの手法の効果については、学術上確立したものでないことから、事業者が専門家の参加を得て設置した協議会などで今後具体的に検討されることとなっております。県といたしましても、これらの対策が確実に実施されるよう事業者に強く申し入れており、その効果の判定のための体制整備も考えております。  次に、イヌワシ、クマタカの生息地を絶滅のおそれのある野性動植物の種の保存に関する法律に基づく生息地等保護区に指定してはとのことでございますが、イヌワシやクマタカといった行動範囲の広い種の保護区の指定は、対象地域が広大となり、また生息環境を一体的に保全することを意図していることから、規制対象行為も多岐に及ぶものとなります。保護区の指定は環境庁長官が行うこととされていますが、関係地方公共団体や関係住民等との調整が必須条件となり、現段階ではこのような広大な地域についての保護区の指定について十分な理解が得られるとは限らず、保護区の指定は極めて困難と考えております。 ◎総務部長(國松善次君) (登壇)財政構造改革指針案および予算編成についての御質問にお答えします。  まず、予算編成方針案についてでありますが、その中で、特定経費のうち公債費に係る県債利子の引き下げについてでありますけれども、従来から申し上げておりますように、本県では民間資金の借り入れは証券発行を基本としております。発行後は、引受銀行等のお手元を離れ市場に流通し、多くの投資家の保有するところとなるものであります。滋賀銀行とも協議いたしましたが、やはり県の都合により期日前に償還しますと、投資家の期待利益を損なうなどにより、市場や投資家の信頼を失い、引いては今後の県債発行に不利になると、そういうおそれがあるということでありますので、こうしたことは行っておりません。  また、法令に基づかない扶助費については、県みずからの判断に基づき行うものでありますことから、昨年度以来、他の単独施策と同様の取り扱いとしております。  同和対策事業につきましては、本年6月に策定いたしました今後の同和行政に関する基本方針に基づき、特別措置として経過措置を講じた事業を円滑に推進するため、特定経費として扱うことにいたしたものであります。  次に、通常枠の配分の際、一定留保した額についてでありますが、これは各部局の積極的な見直しを促進するための見直し枠を設けるために、各部局10%程度の額を留保したものでありまして、その総額は一般財源ベースで約80億円であり、各部局の見直しに対する努力の結果に応じて配分をしたところであります。  2点目の財政構造改革に関連して、集中期間中の各種歳入の見通しや予算規模等はどうかというお尋ねでありますけれども、国、地方を通じた厳しい財政状況の中で、将来にわたり堅固な財政基盤を確立し、財政の健全性、弾力性を維持していくためには今のこの時期にこそ財政構造改革に取り組む必要があるという認識から、今般その基本方針を指針案として取りまとめたものであり、今後この見通しにつきましては、地方財政対策や政府予算原案などが明らかになった段階で、所要の検討を行うこととしております。  空港に関する収支試算につきましては、びわこ空港の整備をより確実なものとするため、昨今の急激な社会経済情勢の変化に伴う県財政への影響を見通しながら、空港計画を見直す中で長期的な推計を行ったものであります。今回の財政構造改革は、向こう3年間の集中的な取り組みでありますので、空港事業への実質的な影響はないと考えております。  また、集中改革期間中に整備する公共施設にはどのようなものがあるかということでありますが、平成9年度中に実施設計を終えたものとしては、成人病センターの新病棟、アイスアリーナ等がありますし、債務負担行為に係るものとしましては、彦根児童相談所、成人病センター研究所等が例として挙げられるものと考えております。 ◎健康福祉部長(西堀末治君) (登壇)財政構造改革と福祉3プランに関連しての御質問にお答えをいたします。  特に、社会福祉の基盤となる施設の整備につきましては、より身近な市町村や圏域を中心に進めていただいているわけでありますけれども、援護や支援を必要とされる皆さんの生活に直接かかわるものでありますことから、その優先度や緊急度を十分踏まえながら、計画的な推進が図れるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、医療費無料化についての御質問でありますが、本県における福祉医療費助成制度につきましては、昭和48年度に創設し、今日まで20年余りが経過しているわけでありますが、この間、福祉、医療をめぐる状況も大きく変化しており、少子高齢社会に向かって、福祉や保健、医療のバランスのとれた施策の展開を図っていく上で、本制度についてもそのあり方を検討するものでございます。  そこで、ただいま学識経験者等から成る検討委員会を、また実施主体である市町村の実務担当者から成る懇談会をそれぞれ設置し、制度の現状等からの議論をいただいているところでありまして、こうした検討の中で、今後の福祉医療制度のあるべき方向を見定めてまいりたいと考えているところでございます。 ◎農政水産部長(田中茂君) (登壇)農業政策についての御質問にお答えをいたします。  まず、農家の減収に対し利子補給をすべきではないかとの御質問でありますが、一部の道府県におきましては、米価の下落対策としての措置を講じられていることは承知をいたしておりますが、本県におきましては、災害によります減収対策として、期央の借入金についての償還猶予の措置を講じたところであります。また、減収等によります負債償還困難な場合におきましては、経営再建や負債整理のための資金を必要といたします農家に対しましては、農業経営安定資金などを活用していただきたいと考えております。  次に、減反面積の拡大によります農家の減収対策でありますが、生産調整につきましては、従来から、集落での集団転作によります共同作業や意欲ある中核農家が主要作業を担うなど地域の実情に合った取り組みによります生産性の高い転作営農が進むよう指導してまいったところであります。例えば、集落で共同作業によりまして麦や大豆の転作を行えば10アール当たり5万円程度の助成金があるほか、転作作物の収益も見込まれますので、生産調整が直ちに農家の減収になるとは思っておりません。しかし、今回の生産調整目標面積の拡大を受けまして、農家の皆さんの理解と協力はもちろんでありますけれども、関係団体等との連携を強めまして、これまで以上に指導、啓発していかなければならないと思っております。  次に、減反面積を達成すれば、米価が2万円台の保障はあるかとの御質問でありますが、国は、米の需給および価格の安定を図るために、新たな米政策として、生産調整対策、稲作経営安定対策および計画流通制度の運営改善を柱とする総合的かつ実効性の高い対策を講じることとされたわけであります。この新しい米政策は2万円の価格を保障するものではございませんけれども、生産調整目標を達成した農業者につきましては、農業者の拠出と政府の助成によります自主流通米の価格低下に対する措置が仕組まれております。また、生産調整によって需給バランスが保たれるようになりますれば、生産者の売り渡し価格にもよい影響を与えるものと思っております。  最後に、国に対する要望でありますが、これまでからも機会あるごとに、稲作を基幹とした本県の農業振興を図るために、1つとして、農家の再生産意欲の視点を盛り込んだ米の政府買い入れ価格の決定、2つには、国産米の需給と価格に影響を与えないミニマム・アクセス輸入米の処理など、強く要望しているところでありまして、今後とも引き続き要望してまいりたいと考えております。 ◎教育長(吉川勉君) (登壇)同和教育についての御質問にお答えいたします。  昨年5月に出された地域改善対策協議会の意見具申の同和問題に関する基本認識において、同和問題は多くの人々の努力によって解決へ向けて進んでいるものの、残念ながら依然として重要な課題とし、また同和問題は過去の課題ではない、この問題の解決に向けた今後の取り組みを人権にかかわるあらゆる問題の解決につなげていくという広がりを持った現実の課題であるとしております。さらに、今後の重点施策の中では、差別意識の解消に向けて教育および啓発は引き続き積極的に推進していかなければならないとしており、意見具申を受けて制定された地対財特法の一部改正法、あるいは人権擁護施策推進法や人権教育のための国連10年国内行動計画の中でも、課題解決に向けては同和問題を人権問題の重要な柱としてとらえ、教育、啓発の必要性を示しております。  県においては、同和問題の抜本的解決を図ることを目的として、県の同和対策に関する長期計画に沿って関係諸施策を総合的かつ計画的に推進してきたところでありますが、予断と偏見による差別事象の発生や、同和地区生徒等の進学率の格差、長期欠席や中途退学および新規学卒者の就労の課題など、社会教育、学校教育の面で依然として課題が残されております。  御質問でありました高校進学率においても、全県96.8%に対し、同和地区生徒は5.5ポイントの格差があるのが現実であり、こうした実態的格差や差別意識の現状を見過ごすことはできませんし、その一日も早い解消に向けて必要と考えられる取り組みを進める中で努力をすべきであると思っております。  今後の同和教育推進に当たっては、同和問題を人権問題の重要な柱としてとらえ、この問題に係る固有の経緯等を十分に認識しつつ、国際的な潮流とその取り組みを踏まえて推進することが大切であり、その場合、人権教育のための国連10年との関連において人権教育への広がりを展望する同和教育の推進が求められております。すなわち、同和問題を人権問題という本質からその課題を整理し、同和教育の深まりを通して人権教育への広がりを展望しつつ、すべての人の基本的人権を尊重していくための教育として発展的に推進することが一層重要となってきております。このような基本認識に立って、人権尊重の精神を具現化する中で、学校教育、社会教育の教育の場において、あらゆる人権が尊重される社会の実現に向けて積極的に取り組んでいく考えでございます。 ◆15番(森茂樹君) (登壇、拍手)知事さんにまず再質問したいと思います。  バブルの経済が破綻した後で、税収の不足が今回の財政危機の大きな根本であったという認識を示されたわけですが、そのときに今言われているように歳入に見合った歳出を図るということをすれば、今回のことは起こらなかったわけですね。ですから、そのときに、大型の基金を取り崩して、大型の起債で、例えば、びわ湖ホールとか、ピアザ淡海とか、あるいはモーターボート場は一般会計とはちょっと違いますが、そういうような大型箱物をどんどん進めてきたと。そこに問題があったわけです。宮沢内閣以来、60兆に及ぶ公共投資がこの間行われてまいりましたけれども、結局、景気は回復しなかった。だから、そういう点では国の見通しは間違っていたし、これに従った県のやり方も間違っていたのだということの反省が私は必要だと思うのです。なぜ税収の不足が大きくなったときに、(「法人二税が落ち込んだって言ってるじゃないか」)、だから、その法人二税の落ち込みのときに、ちゃんとそれに対応する財政を組んでいれば問題なかったということを私は言っているわけであります。それをしなかった知事の見識を私は問うているわけでありまして、なぜそのときに歳入に見合う歳出という予算の原則を守られなかったのか。この点についてなぜなのか、お聞きをしておきたいと思うのです。  そして、公共事業ばかりではないと知事はおっしゃいましたけれども、私も別に全部が公共事業と言っているわけではありません。(発言する者あり)しかし、県の財政課が5月と11月に発行します「財政の事情」を見ましても、現在、県債残高の大半は土木と農林と、こういう状況になっているわけでありまして、もちろん教育や福祉にも全く使われなかったなどとは私は思いませんが、しかし、やはりそこに一番大きな滋賀県の財政破綻の問題があったということについての知事の認識を私は問うているわけであります。ぜひその点もう一度、なぜ税収不足になったときに歳入に見合うようなものをしなかったのか。そして、これは結局、景気の回復にはつながらなかったではないかということについての知事の見解を問うておきたいというように思います。  「新・湖国ストーリー」についても、暮らしの問題や環境の問題や滋賀らしさの問題があることは私も別に否定はしておりませんが、大宗はやはり私が申し上げました土地利用関係に象徴されるような3つの事業をこれからも進めていくと。空港、ダム、そしてリゾートと、これを進めていくということが予算配分としても大宗にならざるを得ないと私は思いますので、その点についても、先ほどとのかかわりで、同じ轍を踏まないためにも、もう一度認識を問うておきたいと思います。  びわこ空港については、ほとんど私の質問には答えていただきませんでした。  まず最初に、知事は、白紙撤回をすることもあり得るということを、ことし3月9日の野出との話し合いで認められたということについて認められたのですね。そのことをちょっと確認しておきたいと思います。知事のお口からもう一回お伺いしたいと思います。  そういう白紙撤回もあるということを知事がお答えになって、まあ20日前後にどういう結論が出るかわかりませんが、そこでノーという結論が出れば、白紙撤回をするのだということを言われるのが、私は、知事が3月9日に地元で話し合いをされたときの約束を果たす道だと思うのです。そこをきちんと確認しておきたい。もちろん、どういう結論が出るかわかりませんが、地元がノーと言った場合には、地元がノーと言った場合には、私は──私はというのは知事はですが、知事は、3月9日に約束した路線に基づいて白紙撤回をいたしますということをきちんと確認していただきたいというように思います。  それから、蒲生町の綺田の問題についても、結局、知事が蒲生、綺田にお答えになったこと以上は言われませんでした。先ほど私が申し上げましたように、五協が五協として存在しているときにああいうアセス了解の態度が打ち出されたことは事実でありますが、その五協の中から綺田が抜けると。綺田は、空港建設計画も認めないし、従ってアセスも了解していないということで、綺田の総意として、区の総意として、きちんと五協にも申し入れられ、さらには県に対しても綺田が依然としてそういう態度を鮮明にしているにもかかわらず、県の報告では綺田がアセス了解地域に入っているのはおかしいと。我々の意思として抜けるのだということを言ったわけですから、五協のこういうような、五協の中から、私は、抜けるといったことを言った以上、それを尊重するのは当たり前ではないかということを言っているわけであります。そういう点で、綺田はアセス了解の地域ではなくなったということについても、知事はそういう認識をされるべきだというように思いますので、その点についての質問を再度させていただきたいと思います。  同和事業の問題で山田副知事に私は1点申し上げたいと思いますが、解放県民センターの館長が現在の時点でも解同の書記長であります。聞きますと、解同の書記長であるという辞任届を出しているけれども、なお組織としてそれが承認されないので、やむを得ず両方ともやっておられるのだということがきのう時点における同和対策課のお話でございましたが、私はやはり、そこに県のけじめのつけ方の間違いがあると思うのです。館長にされるならされるで、そういう運動団体からはきちんと出るということをしてから館長にするなり何なりの対応をされるべきではないかと思いますので、この点、今後どういう対応をされるのかお聞きをしたいと思います。(「再質問でない。それは」)いや、再質問ですよ。先ほど質問したことです。(「だれに再質問しとる」)山田副知事であります。  次に、山脇副知事に、このイヌワシ、クマタカの問題で…… ○議長(松井俊治君) 簡略に。 ◆15番(森茂樹君) (続)評価書によれば、イヌワシ、クマタカともに、私は生存が基本的に脅かされるというように読むべきではないかと思うのです。何度もこの評価書も繰り返し言っておりますように、イヌワシ、クマタカの営巣地を中心としたところで、営巣地を中心にこのダム開発が行われるわけであります。先ほど私が神経質なクマタカと言えば、お笑いになった方もたくさんおられましたけれども、専門家と一緒に見せてもらいに行きましたときも、これ以上は近寄ってはならないとそれはもう、300メートル以上離れているところで近寄ってはならないということを言われて、我々は望遠鏡で見せていただいたわけです。そのど真ん中でこういう大規模な工事が行われて、神経質なクマタカが、あるいはイヌワシが、生存できなくなるというのは、この評価書自体が認めたと私は思うのです。評価書自体が認めた。少なくともクマタカについては環境保全水準を満たさないということを言ったわけです。  しかし、それについては、今後の課題2つをやるというのですけれども、今後の課題2つも極めてあいまいもことして、まあ努力目標みたいなものでありまして、それによって生存が維持できるというような保障は何もないというように私は思います。もし何かの事が起これば、モニタリングその他をして対応するというけれども、そもそも何かが起こるということを、つまり環境保全水準はほぼ満足できないと──クマタカについてはですね。そして、イヌワシについても繁殖活動に影響が出るということを評価書自体が認めざるを得なかったわけですから、私は、この評価書を土台にする限り、金居原の水力発電は認められないと。この自然を守る基本がなければだめだということをもう一度鮮明にされる必要があるのではないかと思いますので、その点についてもお聞きをしておきたいと思います。  以上で終わります。(拍手) ◎知事(稲葉稔君) (登壇)再質問にお答えいたします。  まず、バブル経済崩壊後の財政運営についていろいろお話がありましたが、バブル経済崩壊後、法人県民税が非常に落ち込んだということと同時に、経済対策というものも起こってきたわけでありまして、それをあわせて実施したわけであります。それは、国の地方財政計画なり、あるいは地方財政措置というものに準じて措置をしたものでございます。(「それが間違っていたのではないかと聞いているのです」)そうは考えておりません。(発言する者あり) ○議長(松井俊治君) 静かに。 ◎知事(稲葉稔君) (続)次に、びわこ空港の方で、3月9日の話し合いで白紙撤回もあり得ると答えたかどうか確認せよということでありますが、白紙撤回もあり得ると申しました。白紙撤回いたしますとは言っておりません。  綺田の問題でありますが、空港整備に関するこの地域との話し合いにつきましては、蒲生町空港反対対策協議会、これをただ1つの窓口としてやってもらいたいという向こうの方のお申し出で、そういう形で進めてきたわけでありまして、その中で、平成3年3月29日に環境影響評価に関する覚書を締結させていただいたものであります。こういった覚書締結に至る経過からいたしましても、私どもは有効裏にこれは存在しているというふうに思っております。協議会と綺田区との間にある脱会問題につきましては、集落と対策協議会の間で当然解決を図られる問題であるというふうに私どもは思っております。  以上であります。 ◎副知事(山田新二君) 解放県民センターの人事につきましては、センターの理事長の専決事項であるということからいたしまして、県として、また私の立場として、とやかく申し上げることはできないわけでございます。ただ、承知している限りでは、書記長の辞表を提出の上、館長として採用されたというふうに私は承っておりましたが、いまだその書記長の辞表が受理されていないということは今初めて知ったような状況でございます。あえて意見を言えということであれば、余り好ましいことではなかったのではないかというふうに思ってございます。  以上です。 ◎副知事(山脇康典君) 森議員の再質問にお答えをいたします。  環境影響評価制度そのものが、当該事業実施による環境保全上の影響を把握し、その影響予測に基づいて環境保全対策を明らかにすることを目的としてされたものでございまして、今回の手続もそういった目的に従って進めてきたところでございます。つまり、アセスの結果に基づき、県がこの事業を中止させるということは制度上無理であるというふうに思っております。しかしながら、自然環境を守るという県の立場から、この事業実施につきましては、自然環境への影響を必要最小限にとどめるよう強くこれまでから指導してきておりまして、今回の評価書でも明らかにありますように、事業者としても最大限の努力をされたということでございまして、今後は、こういった評価書に基づく事業者の自然環境に対する対策について県としても注視し、指導を強めていきたいというふうに考えております。 ○議長(松井俊治君) しばらく休憩いたします。   午後0時3分 休憩    ────────────────   午後1時4分 開議 ○副議長(上野幸夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、7番吉田清一君の発言を許します。 ◆7番(吉田清一君) (登壇、拍手)最初に、南部上水道供給事業の拡張計画についてお伺いいたします。  広域的水道整備計画に基づき、守山市、栗東町、野洲町、中主町、石部町、甲西町に草津市を加えた2市5町を給水対象とし、上水の需要増に対処するため、拡張計画が実施されようとしています。計画目標年度を平成22年度とし、中主町吉川浄水場の施設能力を拡張水量日量6万7,300立方メートルを含め1日最大給水量を14万8,400立方メートルとするものであります。本整備計画は、平成7年度に関係市町議会ならびに本県議会の議決を経て策定されたものであります。また、総事業費は現在の試算でおおむね650億円とされています。  本県において、人口増加率が特に高いこれらの地域にあって本整備計画が万一遅延でもすれば、生活水の不足を生じ、大変な事態に遭遇することは想像にかたくありません。水と安全はだれかがうまくやってくれるという日本人の楽観意識は常に否定されなければなりません。そこで、本計画について山脇副知事ならびに企業庁長にお尋ねいたします。  水道整備計画による平成22年の2市5町の全需要水量予測は、市町が持つ自己水源量を含め、日量26万5,800立方メートルと見込まれています。拡張必要水量は日量6万7,300立方メートルであります。びわ湖・淀川水系における平成12年までのフルプラン水利枠のうち、南部上水と草津市を合わせた水利枠、日量17万4,250立方メートルのうち、既使用水量の残枠──残り枠は日量2万9,700立方メートルであります。この残枠が滋賀県の水利権として認可されても、なお日量3万7,600立方メートルの水量不足を生じ、フルプラン水利枠を超える新たな水利権が必要になるということであります。  このような状況を踏まえ、県関係機関は鋭意努力をいただいておりますが、拡張計画によると、本年度中に事業変更認可申請書を作成の上、厚生省に提出、平成14年度一部供用開始の予定と仄聞するところであります。目の前のびわ湖の水を地元滋賀県が自由に使えないという理不尽なことのように思えてなりませんが、厚生省の認可条件である水利権の問題は解決をしたのか、山脇副知事に伺うものであります。  次に、水利権の問題がクリアしても、これらの地域の上水の需給関係を見ると、平成12年には需要量が供給量を上回る見込みになっております。  そこで、先ほど述べましたとおり、本拡張計画の一部供用開始は平成14年であり、その時間差の2年はどのように対処されようとしているのか。また、事業認可の中で、その後の関係市町の水需要の見込みの見直しは必要ないのか。県民が不安を持たないように説明をしていただきたいと思います。  最後に、拡張による資金計画の基本的な考え方についてお伺いいたします。さきにも述べましたとおり、拡張には莫大な資金を必要とし、当然のこととして国庫補助事業に採択されるよう努力するということは言をまちません。また、莫大な資本投下をするがゆえに、長期にわたる負担を強いられ、地域住民としては料金への影響を心配するわけであります。そこで、資金計画を大きく左右する国庫補助事業採択をめぐる現状と今後の見通し、および対応をどのようにお考えなのか。  以上の点について企業庁長にお伺いいたします。  次に、本県の各部局には、それぞれ所管する重要課題に対し、総合的、長期的、効率的な視野に立った施策実行のため、構想、ビジョン、大綱、指針、プラン、計画といったものが作成されています。教育委員会を含め、今生きているもので45に上ることがわかりました。国の計画を受け、県の計画としてつくられたものや、本県独自の計画や構想もありましょうが、その背景などが異なっていても、県民の福祉向上のため、行政はその計画や構想を現実のものとする努力を払わなければなりません。同時に、財政措置、すなわち計画実行のためには財政的な裏づけがなくては絵にかいたもちに終わってしまいます。  そこでお尋ねをいたします。各部局の所管課は、計画、ビジョン、構想等において財政との調整が行われているのかどうか、またその段階はいかなるときか。さらに、議会や県民に対する周知はどのような方法でなされているのか、そのルールはあるのか。また、計画期間終了後、その評価やその後の課題についてまとめられ、その後の施策に生かされているのかを伺うものであります。  各部局を代表していただいて、企画県民部長に、滋賀県長期構想、科学技術ビジョン、科学技術政策大綱、総合交通ネットワーク構想、琵琶湖リゾートネックレス構想、国土利用計画滋賀県計画、滋賀県地域情報化基本計画、男女共同参画社会づくり滋賀県計画、地域防災計画のそれぞれについて答弁を求めるものであります。  最後に、職員倫理規程について総務部長に質問いたします。  県は、さきの県会議員の不祥事に職員が関与したことに対する反省を内外に示すとともに、再発防止のため、去る10月に職員倫理規程を制定されたところであります。こうした規程の制定は、都道府県では全国で4番目と聞き及んでおりますが、他県の規程をなぞるだけでなく、不公正な行為を求める要求に対して組織として対処するという本県独自の規程も盛り込み、先駆的な内容を持って制定されたものと聞いておりまして、このこと自体、大いに評価するものであります。  一方で、この倫理規程の縛りによって、職員の積極性の欠如、保身だけが目につくという懸念を抱くのは私だけでしょうか。県職員が関係事業者等と下手に接触すると後々処分を受けるのではないかとおそれる余り、さわらぬ神にたたりなしとばかりに関係団体等との接触やつき合いを避ける傾向が出てきていることがあります。県民の信頼を損なわないために、李下に冠を正さずという注意が必要であることも理解できますが、現状は、職員が萎縮してしまって、関係団体等との情報交換や昼食ですらすべてお断りといった状況になりつつあるのではないでしょうか。これでは、県民との間に信頼関係が築かれるどころか、ぎくしゃくするばかりであり、また必要な情報交換や意見交換の場も県の方から放棄してしまう結果になりかねません。このことは決して県民の望むところではありません。  時あたかも「新・湖国ストーリー2010」のスタートの年であり、また待望久しかった地方分権時代の本格的な幕あけを控えた今、このようなことでは今後の県政運営の方向を決める政策形成にも支障が生じるのではないかと懸念されてなりません。また、県職員の士気にも悪影響を与えるのではないかという点でも心配をしているところであります。このような事態になれば、一番困るのは県民であります。  そこで、県政を力強く推進していくために関係団体等とのつき合いも大事にすべきものと考えますが、倫理規程との関係で、このことについて総務部長はどのようにお考えになるのかお伺いをして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○副議長(上野幸夫君) 7番吉田清一君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎副知事(山脇康典君) (登壇)吉田議員の南部上水道供給事業の拡張計画の御質問のうち、水利権の御質問にお答えをいたします。  御案内のように、南部上水道供給事業の拡張計画につきまして、厚生省の事業認可を受けるためには拡張に必要となる水量の確保が最も重要な条件となっておりますが、この拡張計画は平成13年度以降の第5次フルプランの改定にもつながる計画でありますことから、そのことも想定して庁内の水資源関係課でフルプランフォローアップ調査検討会を組織し、本県における将来の人口動向や開発計画などをもとに水需要の将来予測を算出し、その需要予測を満たす水源手当の方策について検討を行うとともに、近畿地方建設局とも協議をしてまいりました。しかしながら、南部上水道拡張事業の一部供用開始が平成14年を目途とされておりますことから、この事業の認可申請を早急に行うために、拡張計画に伴い新たに増加する日量3万7,600トンの水の確保を優先させることとして検討を行っているところでございます。  この検討に際しましては、本県の水利使用について認められている各種の水利枠の転用や事業の廃止等により既に使用されないこととなっている水利の活用等により必要な水量を確保する方策等について、庁内関係部局および近畿地方建設局と協議を行っているところであり、事業の認可申請に間に合うよう、さらに細部の詰めを行ってまいりたいと考えております。 ◎総務部長(國松善次君) (登壇)職員倫理規程に関する御質問にお答えします。  さきに制定いたしました滋賀県職員倫理規程の趣旨は、御承知のとおり、公務員にまつわる一連の不祥事に対する反省を踏まえまして、職員の遵守事項および関係事業者等との接触について原則を具体的に示し、職員が一層襟を正すことによって県民の信頼を確保しようとしたものであります。また、本県独自の取り組みといたしまして、県民の皆さんや市町村との新しいパートナーシップの構築など、地方分権にふさわしい職務執行のあり方を示したものであります。  倫理規程の制定後、職員が萎縮してしまい、県民との必要な接触までも行わなくなっていないかとの御指摘でありますが、この倫理規程は、今日の社会通念の変化を踏まえまして、関係事業者等県民と県職員の接し方について従来の慣習を改めようとする面がありますだけに、確かに職員の間に戸惑いがあったり、個々のケースの取り扱いについて、ややもすると安全側に判断しようとする傾向があるという点で議論のあることは承知しております。  しかし、この職員倫理規程は県民の皆さんとの接触を禁止することを意図したものではありません。当然のことながら、県政の推進にかかわるさまざまな団体や個人との意見交換や情報収集など県政を進める上で必要な接触は行わなければならないものであり、そのあり方について、この倫理規程により一定の整理が図られ、やるべきことを自信を持って行えるようにしようとしたものであります。  ただ、接触の仕方につきましては、今日の社会通念に照らしまして、納税者である県民の皆さんの御理解と御支持が得られるものでなければなりません。特に、会食等を伴う場合は、まず職務上必要かどうかを判断し、また必要な場合には対価を支払って行うこととしたものであります。  管理監督者は、この倫理規程の趣旨に照らして、個々のケースを適切に判断する必要がありますが、その過程においては試行錯誤もあり得ると考えております。今回の倫理規程は、長年の慣習や文化をも改めようとする側面があり、また施行後日も浅いこともあって、新たなルールとして定着するまでのしばらくは、職員に気迷いもあると思いますが、具体的な事例を積み上げながら趣旨の徹底を図り、県民に信頼される県政の確立に努めてまいりたいと存じます。 ◎企画県民部長(小熊博君) (登壇)中長期計画についての質問にお答えします。  県における各種施策の推進に当たりましては、長期構想を踏まえつつ、各部門、分野ごとに計画、プラン、指針等を作成し、中長期的な観点から施策の円滑な推進を図っているところであり、企画県民部におきましても、御質問にありましたように、長期構想を初め中長期計画を策定、推進しているところであります。  これらの計画等につきましては、御指摘のように、財政的な裏づけと県議会や県民の皆さんの御理解が不可欠でありますので、計画の性格等により若干異なりますものの、各界各層の代表の方々などで構成する審議会、検討会等において幅広い観点から御審議いただくとともに、策定の最終段階では財政部局と調整を行い、県議会の委員会等で御審議いただくことを基本としております。また、県民への周知につきましては、計画策定後に「ニュー滋賀」等の広報紙やシンポジウムなどにより周知を図るとともに、近年では、原案段階においてもできる限り県民の方々の御意見をお伺いし計画等に取り入れているところであります。さらに、これらの計画等につきましては、施策の円滑な推進を図るため、毎年度、情勢の変化等を踏まえながら進行管理を行うことを基本とし、必要に応じて計画等の見直しを行うとともに、計画期間終了時には課題等を改めて点検し、新しい計画等の策定に反映させております。  今後とも、各種計画等の策定、推進は、県民との共同作業であるという認識のもとに、県議会とのより密接な連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。 ◎企業庁長(藤井喬君) (登壇)南部上水道供給事業の拡張計画に関する御質問にお答えをいたします。  まず、事業の変更認可申請を行うに当たっての水の需要見込みの見直しについてでありますが、平成7年度に広域的水道整備計画が改定され、その当時の水量見込みに対し、最近の実績はこれを若干下回る傾向で推移しております。この原因が景気動向の影響を受けた一過性のものなのか状況判断が難しいところでありますが、御質問にもありますとおり、この地域が特に人口増加率が高いということでもありますので、基本的には現計画あるいはそれに若干の調整を加える程度の範囲で認めていただくよう国と折衝しているところでございます。  次に、拡張事業による一部供用開始が平成14年度となり、それまでの間に施設能力を超過する水量の確保についてでありますが、この超過水量は恒常的に発生するのではなく、一時的なものと予測されますことから、既存施設のより効率的な運転管理や調整池を有効活用することにより、こうした事態に対応してまいりたいと考えております。現在、野洲町小篠原地先に建設中の調整池は容量1万立方メートルで、来年度半ばには供用開始できる予定でありまして、既存の調整池8,000立方メートルと合わせて有効活用することにより、ピーク時の対応に十分威力を発揮してくれるものと思っております。  最後に、資金計画についてでありますが、国の財政構造改革が進む中にあって、建設財源の柱となる国庫補助金の動向をつかむことが非常に難しくなっており、従来の補助基準や運用方針で補助採択がなされるかどうか、今のところ余りいい情報が得られていない状況であります。しかしながら、水道事業は資本費の占める割合が非常に大きい事業で、建設段階での事業費の設定や財源構成の良否が水道料金に大きく影響することになりますので、国庫補助金の導入と長期低利の企業債の確保は欠かせない要件であります。  幸い、受水市町も、市長、町長さんを先頭に要望活動等で御協力をいただいており、心強く大変ありがたいと思っております。拡張事業の実施によって経営収支の悪化を招き、大幅な負担増を求めるような事態は避けたいということで事業の推進に当たらさせていただいており、また、この事業は計画段階から補助を受けることを前提にして進めてきた経緯がありますことからも、引き続き補助採択に向けて国に強く要望いたしてまいりたいと考えております。  このように大変厳しい状況下に置かれておりまして、議員を初め地元の皆さんにも御心配をおかけしているところでありますが、何とかこの状況を打開し、事業の推進を図ってまいりたいと考えており、早期着工に向けて精いっぱいの努力をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(上野幸夫君) 次に、24番梅村正君の発言を許します。 ◆24番(梅村正君) (登壇、拍手)私は、過日行われました第1回糸賀一雄記念賞受賞式に参加をさせていただきました。糸賀先生は、すべての原点を障害者自身の生き方こそ人間の本質であるとされ、戦後の混乱と不安定な社会、大変な生活の中で私財をなげうって知的障害児などの施設、近江学園の設立を初めとして全国をリードする障害福祉へ取り組んでこられたことは周知のとおりであります。参加されておりました当時の園生の方々は口々に、「先生は、人を大切に、そして人との出会いを大切にされ」と述べ、そしてまた、「子供を教えるではなく教えさせてもらう、育てるではなくて育てさせてもらう」と常に語られていたとありし日をしのび述懐されておりました。そして「今日、多くの励ましを受けて、きょうここにいる私がある」、また「今貴重な人生を歩んでいます」と涙で言葉を詰まらせながらの体験の中にすべてが凝縮されていた感動の一日でありました。相手を思う心と努力が、そして人と人との出会いが困難な多くのハードルを越えながらも解決への1つの形をつくり、一人の人に感動を、そして多くの人に生きる喜びを享受していただくことは行政も同じであると感じた次第であります。どうかそのような思いがちりばめられた御答弁を期待するものであります。  1点目は、財政構造改革案と平成10年度予算編成方針について知事ならびに総務部長に伺います。  過日、知事は、21世紀の少子高齢社会を展望し、多くのニーズと課題に的確にこたえられる弾力的な財政運営の確立を目指し、本県の財政事情が極めて厳しいことから財政構造改革案の指針を出され、明年度平成10年をスタートに当面平成12年までの3カ年を集中改革期間とすることを発表されました。その内容は、歳入に見合った歳出という原則で、基金に依存しない歳出への抑制、この期間は公共施設の新規着工はしない、歳出全般の見直しでスリムな体質、県債発行額とその依存度を平成4年度当時まで抑えるなどとしております。
     1点目は、国、地方とも厳しい財政状況に置かれ、喫緊の課題である今回の財政構造改革という見直しは、単に当面する財源不足の解消といった一面だけではなく、むしろ財政状況が悪いこのときだからこそ、本県の将来を見据え、中長期的な視点に立って施策のスリム化と強靱な組織を目指し、県民に、そして未来のために今何が必要なのかを構造的に見直すチャンスであると私は思うのであります。そのために、外郭団体も含めた効率的な組織と運営状況の点検など行政のスリム化を一層図るなど、すべてについて見直すとともに旧来のシステムも総点検する必要があります。その際には、健康や住民生活に直結している施策の内容に後退はあってはならないことであります。すなわち、福祉、医療、教育などは将来県政の明るい展望を切り開く土台となるものであり、慎重な対応とともに、いささかも県民に不安を与えてはならないと思います。この構造改革はあくまでも県民の側に立ったものであるということを知事に改めて確認するとともに、これらの基本的な考え方について所見を伺うものであります。  2点目に、このような状況をつくり出したのは何が原因であったのかということであります。過日の答弁は経済対策への対応などをその主な理由とされておりましたが、財政難という結果の対応だけでなく、何が原因で、どのような視点が、考え方が不足していたと分析されているのか、それを将来のためにどのように生かそうとされているのか伺います。  3点目に、構造改革と県民の理解についてであります。今日まで県民がパートナー、住民が主役と強調され、一方では、財政難、聖域なしを理由に大変だから県民に辛抱をというのは都合がよ過ぎるとの声も聞こえます。そういう前に、より以上に県みずからが努力するとともに、その結果を県民により具体的に提示すべきと思います。内部努力の具体的な成果を示す必要があります。例えば、県は職員数を長年増加させなかったなど取り組まれてまいりましたが、県民の方々にはなかなか理解しにくいのであります。一例ですが、そのために、時間外勤務の縮小を目指して定時退庁の日数をふやすことや、外郭団体についても、経営状況、経営感覚のすぐれた民間人の採用状況など改善努力の現状を含め、自立した運営を促進するため、財務、事業、組織などの観点から、経営目標と実績など、その評価と分析はどうなのでしょうか。行政組織も含め、県当局みずからの努力により経費削減を行い、可能な限り財源確保を図るという視点からの総点検が必要でありますが、その取り組みと結果はどのような状況なのか、具体的に答弁を求めるものであります。その上での県民に辛抱という3カ年の構造改革は、将来の本県の発展を目指す間違いのない基盤の構築、すなわち構造改革という文字のとおり時代を開く視点を持った改革となり得る結果を期待したいのでありますが、この改革が将来の県勢発展にどのように位置づけられるのか伺います。  4点目に、また県民に辛抱を理解していただくためにどのような手だてをされるのか、政策選択を県民に明らかにするなど納得を得られる方法を考えるべきですが、どうでしょうか。また、県民の声をどのように反映されようとしているのか。明年度からスタートさせるのでありますが、その執行についての結果、県民への影響など、今まで以上に点検、対応する必要がありますが、このことをどのようにお考えになっているのか伺うものであります。  視覚障害施策の拡充について健康福祉部長に伺います。  高齢化の進展とともに、寝たきりを生む原因は住居の中でも多く発生しております。例えば、大津消防署の平成8年度中に発生した事故種別、年齢区分別、傷病程度別搬送状況調べの中で、年齢別傷病者数を見ますと、特に65歳以上の高齢者は2,567人で全搬送人口の30.1%、約3分の1を占めており、高齢化がますます進展している状況を示すとともに、今後もふえ続けるものと予測されております。  一方、県民アンケートでは、在宅での生活の希望が多く、ほとんどの時間を過ごす住まいや住宅は殊のほか大切であります。家族の大きな負担や互いの精神的負担に加え、病院や福祉施設などでのリハビリで回復しつつも、安心のはずの自宅が十分でない住宅事情によりましては再び寝たきりにならざるを得ないことが危惧されます。これらのことから、住まいを取り巻く課題の克服は高齢社会を楽しく生きるためへの主要なテーマであります。  そこで1点目でありますが、私は過日、不幸にして全盲になられた御婦人といろいろなことを話し合いました。幼いときから弱視で、30歳を過ぎて全盲に。光を失ってより以来、今日までの32年間、さまざまな労苦を重ねられる中でマッサージ師の資格も取得されました。しかし、長年の視力不足のために十分な体力がつかず、加えて加齢ということから、必然的に寝たきりになる可能性が大きい不慮の事故には最善の注意を払っておられましたが、昨年、玄関で転倒され、骨にひびが入り入院、体力も激減されました。また、このような転倒は日常の入浴やトイレなどで発生しやすいため、ちょっとした住宅改造が本人、家族にどれほど助かるかと語られ、そのぎりぎりの日常生活の中からの懸命の願いの声に何としてもこたえねばならないと感じた次第であります。  本県では、これらの課題解決のために、現在、在宅重度心身障害者の日常生活の便宜を図り、ふろやトイレなどの住宅改造経費の一部助成を目的として滋賀県重度障害者住宅改造費助成事業実施要綱が設けられており、大変喜ばれています。しかし、その対象者は身体障害者手帳の交付者で、その障害部位が肢体不自由の障害程度1、2級、また療育手帳のAを持っておられる方とされております。一方、老人小規模住宅改造費助成事業では、65歳以上の方で寝たきり、準寝たきりに該当する人を対象とした、ふろや玄関、トイレなど小規模の住宅改造への助成制度があります。  1級の障害者手帳を持つこの女性は、視覚障害のためにこれらの制度のはざまに置かれ、いずれも該当しません。寝たきりをつくらないことを目指す高齢社会への対応と、今日的な状況も踏まえ、65歳未満の視覚障害者に対し、ぜひ手を差し伸べるべきであります。視覚障害者の方の多くは在宅で、また限られた職種を身につけながら地域で活躍されることは大変すばらしいことであり、そうなっていただくことが障害者プランの目指す姿であります。その貴重な生活を、ちょっとした不慮のつまずきで寝たきりにならぬよう配慮した施策は私は大変有意義と考えるのであります。一定の条件をつけるにせよ、ぜひ視覚障害者を初め他の障害者の方々にもこれら制度が適用されるよう制度内容の拡大を図るべきと考えますが、これらの現状をどのように把握され、またその対策をどのように考えておられるのか、御所見を伺いたいのであります。  2つ目に、視覚障害者の方々がより必要なものは情報であります。本県では、盲人ガイドヘルパー派遣制度、盲人ガイドヘルパーネットワーク事業など設け、より広い行動範囲の確保策を講じておりますが、その活用や効果はどうでしょうか。また、身近なところでの情報提供は大変喜ばれると思うのでありますが、現状では十分とはいまだ言えないのではないでしょうか。さらに対策の強化を求め、現状と今後の具体的な取り組みについて伺うものであります。  3点目の項目は介護保険制度についてでございます。続けて健康福祉部長に伺います。  一昨日の9日、多くの課題を含みながら、新たな仕組みである介護保険法案が成立いたしました。実施主体の市町村は、2000年4月1日スタートに向け、多くの課題を克服しなければなりません。介護保険の最大の問題点は、ゴールドプラン目標量の達成と財源の確保、そして運営体制の確立、運用の大前提となる要介護認定の手続とその基準について公平、公正が確保できるのかという点などであり、間近に迫っている今、想定されるその主なものについて見解を伺うものであります。  1点目は、2000年平成12年4月1日スタートのために、介護認定事務は半年前の平成11年10月から実施することとされます。その事務を円滑に進めるためには、介護ニーズの的確な把握とゴールドプランの目標量と進捗状況との整合と対応、認定評価体制の確立と県下漏れのない体制の整備、そして被保険者となる40歳以上の方々を含め、広く県民に対し、制度内容、介護申請方法、システムなどきめ細かな啓発が最も重要であり、十分な時間も費やさねばならないことから、明年平成10年度から具体的に取り組まねばならないのではないかと思います。これらのことも考えあわせ、まず2000年実施までの具体的なスケジュールについて明らかにしていただきたいのであります。  そして、この制度の特徴は、制度の実際の運用規則となる政令、厚生省令などが大変多く、その項目は約300項目ほどに上るとのことであります。また、保険者となる市町村は、財政的、人的負担など多くの課題を持っております。制度の導入に伴い、各自治体は保険料徴収や要介護認定など多くの事務負担を背負うために事務量が増大しますが、制度の円滑な運営のためへの人員はどれほど必要なのか具体的に示していただきたいのであります。  2点目に、スタートまでにその実務体制が確立できるかどうかは不可欠の課題であります。県下自治体による独自の運営体制や介護認定審査は可能かどうか。財政的、人的など種々の条件によって地域間格差が生じないよう広域的に取り組むことも必要と思われますが、どのような見解をお持ちなのでしょうか。また、本人や家族が介護サービスを受ける資格があると考えても、審査会で否定されたり、要介護レベルが期待とは異なる結果が出た場合の対応など、さまざま想定されます。これら想定される認定評価の公平性の確保や運用の問題は、事前の準備量がより正確さを決めるものと思われますが、今日までどのような取り組み状況なのか。そして、市町村の介護サービスの内容を決定する事業計画の策定や要介護者の介護計画を策定する専門知識を持ち、制度のかなめになる専門員、ケアアドバイザー、ケアマネージャーは本県では何人ほど必要なのか。また、その人材確保への取り組み状況と見通しについて伺います。  3点目に、一方、今日まで国の福祉施策のおくれを補うために、多くの自治体が先行した独自の福祉サービスがあります。これが保険対象外になれば、存続可否の判断が必要であります。しかし、結果的にサービスが向上するような現在の制度との整合を持たす必要がありますが、これらの問題については慎重な対処が必要であります。現在の制度内容から、本県ではどのような制度がその対象となるのか、あわせてその対応策について伺います。また、この制度は、県の指定を受ければ企業なども公的介護分野に参入できることになりますが、この民間活力はどの程度利用されると予想しているのか。これらの諸課題について伺います。  4点目に、さらに、この制度の持つ問題の1つに、40歳から64歳の被保険者がサービスを受けられるのは加齢による場合に限られるとされ、例えば、交通事故で要介護状態になってもサービスは受けられないなど、これらの制限の課題もあります。また、1人当たりの2,500円、高齢夫婦世帯で5,000円の保険料は、年金生活者など低所得者にとっては重い負担となります。また、保険料の未納者問題や、そうした人に対して給付制限や差しとめなどのペナルティーが科せられるとのことでありますが、介護サービスから排除されるケースも考えられることから、安心して介護が受けられる何らかの対応策を検討すべきと思いますが、当局のお考えについて伺うものであります。  最後に、以上のことから、2000年実施が決まった今、介護ニーズの的確な把握とサービスの提供、運営体制の確立とともに、地域間格差の是正、何よりも公平、公正なシステムを構築しなければならないことから、県として事前の相当な支援、対策が必要とされます。しかし、現実的には介護供給体制のおくれを危惧する自治体が多く、保険あって介護なしのおそれや、財政負担のしわ寄せを市町村が受ける危険性を招かないためにも、県下におけるあらゆることを想定した課題への対応、広域的調整や市町村とともに誤りのない体制を構築していくために、当局の的確な対応が混乱を招かず成否を決めると言っても過言ではないという観点からの以上の質問であります。当局は、この重大な課題である市町村を強く支援していく体制づくりをどのように考えているのか、お示しをしていただきたいと思います。  最後に、児童生徒の薬物乱用の実態と対応について教育長、県警本部長に伺います。  過日の報道によりますと、文部省は去る10月、少年少女が関係する薬物事件が年々増加傾向にあることから、全国で公立の小学校5、6年、中、高校825校7万8,000人を対象に、薬物に関する知識や考え方についてアンケート調査を実施いたしました。その結果、使用は絶対許されないとの答えは、小学生から中学1年生までは9割前後、高校3年男子は68.6%、また使用は個人の自由との回答は、高3男子で15.7%、1回ぐらいはよいは4.5%で、これら薬物使用の容認派は20.2%を占めております。高校2年生男子もほぼ同様、高校2、3年の女子でも1割を超えるなど、驚くべき内容であったと報じておりました。また、総務庁は11月、全国5県の20校の公立中学、高校生2,146人を対象に薬物認識と非行に関する調査の結果を発表いたしました。その結果は、全体の3.6%がシンナー、大麻、覚せい剤などの薬物使用を誘われ、0.7%が実際に使用したと答え、また、少しぐらい、本人の考えに任せればいいなどの容認派は男子高校生でこれまた25%前後が回答するなど文部省の意識調査を裏づける結果であり、児童生徒の周辺に薬物汚染が確実に広がりつつある調査結果でありました。  そこで1点目でありますが、近年の本県での薬物の乱用実態と特色、補導やかかわった児童生徒の現状について県警本部長にお伺いをいたします。  2点目に、教育長には、この両調査結果から事態は大変深刻と思います。この事態を重視した文部省では、指導の徹底を通知したとのことでありますが、教育長はこの実態をどのように受けとめておられるのか。中、高校の現行学習指導要領には薬物乱用と健康に関する内容がありますが、本県での中学、高校での指導実施状況はどのような実態なのか。また、特に低年齢化が心配されることから、小学校における啓発教育について伺います。  最後に、薬物は、幻覚や幻想、そして強い依存性が高く、ついに体もむしばんでしまう、その危険性、有害性はだれもが認識をしております。しかしながら、今回の調査結果で見られるとおり、そのような薬物について、本人の考えに任せればいい、個人の自由である、少しぐらいはよいという、この薬物容認が、意識の上だけかもしれませんが、男子高校生で2割を超えていること自体が異常であると思います。  本県のこれら実態はどうなのか。また、そのような意識とともに、正邪の判断力、罪悪感の希薄化が心の中に広がっているのではないでしょうか。根が深く、深刻なこの現実をどのように考え、克服しようとされるのか。喫緊の課題であるがゆえに、教育長の明確な見解を伺うものであります。あわせて、今後の薬物乱用の未然防止策について教育長ならびに県警本部長に伺いまして、質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○副議長(上野幸夫君) 24番梅村正君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)梅村議員の御質問にお答えいたします。  財政構造改革の基本的な考え方と平成10年度の予算編成方針につきましての御質問でございますが、財政構造の改革は、将来の滋賀を築き上げていく上で、どうしても乗り越えなければならない、避けて通れない課題であります。本県の将来構想につきましては、21世紀を展望して本県が取り組んでいかなければならない施策を盛り込んだ長期構想「新・湖国ストーリー2010」が今年度からスタートいたしましたが、今後この構想の着実な推進を図っていくことが新しい世紀に向けた本県の取り組みであると考えております。そのためには、財政基盤がまずもって堅固なものであること、財政の健全性、弾力性を維持することが必要であり、公債費が累増していく財政構造を改革し、限られた財源の中で従来にも増して施策の選択や重点化を図っていかなければなりません。徹底した行政のコスト削減や見直しにも取り組んでいく必要があります。  組織機構につきましては、本年4月に、県政の最重要課題を総合的に推進する体制を確立するために、既存の枠組みにとらわれることなく組織機構の改編を実施したところであり、今年度は、公社、事業団の見直しを重点的に進めることとしております。廃止、統合や簡素で効率的な組織、人員配置などの徹底した見直しを行い、来年度から3年間で可能なものから順次実施したいと考えており、こうした見直しを通じまして、県民の視点に立った県民の期待に的確にこたえることのできるスリムな県行政システムを構築してまいりたいと考えております。  また、施策の選択や事業の実施におきましても、現下の財政事情からすれば、県民の皆さんの多種多様な御要望のすべてにおこたえすることは到底かなわぬことであります。御辛抱いただかなくてはならない面もあり、福祉や医療についてもその例外ではないと考えております。しかし、そうした中にありましても、真に必要なものにつきましては可能な限り配慮することも大事であると認識しておりまして、財政構造改革に果断に取り組みつつ、限られた財源の中で、県民ニーズを的確に把握しながら、個々の施策について厳選し、知恵を絞り、適切な対応をしてまいりたいと考えております。 ◎総務部長(國松善次君) (登壇)財政構造改革と明年度予算編成についての御質問にお答えします。  まず、県の財政が近年急速に悪化した原因、不足した視点や考え方、またそれを将来にどのように生かそうとするのかとの御質問でございますが、財政状況の悪化の原因につきましては、県財政がバブル経済崩壊後の景気後退により税収が激減したことや、国の数次にわたる経済対策に呼応する補正予算等の対応のため、地方財政措置による県債の発行や基金の取り崩しに依存せざるを得なかったことなどがあります。これらの経済対策は、当時の我が国が置かれた経済情勢から国と地方が一体となって取り組んでいかなければならなかった施策であり、景気対策として必要な施策であったと考えております。しかし、我が国の急激な社会情勢の変化の中で、景気が長期にわたり低迷し、もはや右肩上がりの成長の時代ではないということが鮮明となった今、このままの状況で推移すれば、早晩基金も底をつき、公債費の増嵩等により財政の硬直化が進み、政策経費を圧迫することが危惧されるという状況となったものであります。今後は、抜き差しならない状態に陥る前に、速やかに財政構造の改革に着手すべきと考え、今般、向こう3年間の財政構造改革の指針案を取りまとめたものであります。歳入に見合った歳出の原則を踏まえ、基金の取り崩しに極力依存しない財政運営を目指しまして、堅固な財政基盤を確立し、財政の健全性、弾力性を維持していきたいと考えております。  次に、構造改革と県民の理解についてでありますが、本県におきましては、有識者から成る行政改革委員会の御報告をもとに行政改革大綱を策定し、その着実な推進を図るため、毎年度実施計画を作成するとともに、進行管理に努めているところであります。また、これまでの具体的な取り組みといたしましては、職員定数につきましては、行政需要の増大に対応して一般会計予算がここ10年で6割以上の伸びとなる中で、スクラップ・アンド・ビルドに徹し、定数をふやさず行政運営に努めてまいりました。ここ3年間を見ましても、新規事業等に要する約200人を事務事業の見直し等による削減で対応してまいりました。この結果、人口類似の16県と比較いたしましても、人口に対する一般行政部門の職員数は3番目に少なく、平均を大きく下回っております。本庁の組織数につきましても他県と比べて少なく、地方の事務所にあっては、昭和58年度で130あったものが平成9年度には93にまで縮減するなど、積極的な統廃合に努めてきたところであります。  また、事務事業の見直しにつきましては、今回の行政改革において、平成8年度から12年度までの間に1,300件の縮小、廃止、統合などの見直しを計画しておりましたが、平成8年度中にはその半数を実施したところであります。経費節減では、例えば、旅費や食糧費、使用料などの経常的な事務経費につきまして、これまでも節減を図ってきたところであり、平成10年度におきましても、より一層その節減に努めていきたいと考えております。  また、外郭団体につきましては、今年度見直しをし、来年度から3年間で順次実施していくこととしておりますが、事業の評価と分析につきましても、外郭団体に限らず、県政全般においても取り組まなければならないものであり、先進県の状況も参考にしながら現在研究を進めておりまして、御指摘のとおり今後の課題であると考えております。  また、現行の行政改革大綱は期間が来年度まででありますので、来年中には新たな県の行政改革大綱を策定する予定であります。ここでは、定員管理等の目標を数値化し、これをわかりやすい形で公表するなど、県民の監視のもとに行政改革を進めてまいりたいと考えております。  次に、財政構造の改革が将来の県政展開にどのように位置づけられるかとのお尋ねでありますが、この時期にこそ堅固な財政基盤の確立と財政の健全性、弾力性の維持に取り組むことが、長期構想「新・湖国ストーリー2010」に沿ってさまざまな分野の行政課題を着実に進める上で欠くことのできないものであると考えております。  また、財政構造改革の推進に当たりましては、従来にも増してさまざまな機会をとらえまして、県民の皆さんに本県財政の状況、さらには将来の見通しをできるだけ具体的にお示ししながら、財政構造改革の必要について御説明することによりまして、県民の皆さんの御理解と御協力を得られる努力をしてまいりたいと考えます。  さらに、事業の効果、影響などの点検、対応でございますが、これまでも、県におきましては、事業の実施に当たり、常にその必要性や効果を検証しながら進めてまいりました。特に、平成10年度からの財政構造改革期間においては、これまで以上に厳しく事業効果の評価、点検を行い、県民の皆さんの御意見もさまざまな形でお聞きしながら、事業の必要性や緊急性を十分吟味し、厳しく施策を選択する中で実のある予算とするなど、大変難しいことではありますが、県民の御理解と御協力のいただける財政構造改革になるよう精いっぱい努力をしてまいりたいと考えております。 ◎健康福祉部長(西堀末治君) (登壇)視覚障害者施策の拡充についての御質問にお答えをいたします。  まず、障害者の住宅改造に係る施策につきましては、各種の公的な融資制度や生活福祉資金貸付制度とともに、県において重度障害者住宅改造費助成事業を行っておりますが、特に住宅内での移動、入浴、排泄等日常生活の基本的な部分における障害者の利用上の困難性や介護の困難性等に着目をして実施しているものでありまして、現在のところ、重度の肢体障害者と重度の知的障害者を対象としております。  そこで、視覚障害者を初め、その他の障害者についてでございますが、それぞれ日常生活において御苦労も多いものと思っておりますが、対象者によりましていろいろな状況がございまして、制度として一定の体系化を図ることがなかなか難しいものがございまして制度化するまでには至っていないわけでございますが、今後、具体的な相談事例等の調査をしてまいりたいと思っております。  次に、盲人ガイドヘルパーなどの活用状況等についてでございますが、平成8年度におけるガイドヘルパーの登録数は522人で、1年間の派遣件数は1,941件、延べ9,418時間となっております。視覚障害者の家庭生活に必要な訓練や余暇活動の支援などを行います生活訓練事業につきましては、平成8年度では122回の講習会等を開催し、延べ1,938人の参加がございました。  なお、ガイドヘルパーネットワーク事業は、制度が十分に浸透していないこともあり、今後とも利用の普及に努めてまいる必要があると考えております。  次に、情報提供に係る事業の現状と今後の具体的な取り組みについてでございますが、情報提供活動の拠点でございます県立点字図書館におきましては、平成8年度、点字図書、録音図書の貸し出し件数が約3万7,000件で、年間延べ1万6,000人余りの視覚障害者の方々に御利用をいただいているところであります。県広報「ニュー滋賀」の音訳テープの作成、貸し出しもあわせて行っております。また、市町村障害者社会参加促進事業によりまして、県下6市におきまして点字広報や録音広報が行われておりますほか、ボランティアによるさまざまな情報提供活動にも取り組んでいただいているところでございます。  今後、淡海障害者プランに沿って、視覚障害者に対するコミュニケーション支援の充実や社会参加の促進を一層図りますとともに、市町村における視覚障害者施策が一層充実もされますように支援をしてまいりたいと考えております。  次に、介護保険制度についての御質問にお答えをいたします。  最初に、制度開始までのスケジュールについてでございますが、まず国との緊密な連携のもとで、情報の収集、提供、広報啓発を行いますとともに、介護支援専門員の養成、介護支援モデル事業の実施や要介護高齢者の把握などがございます。平成10年度に入りますと、事務処理体制の整備、高齢者保健福祉台帳の整備や、事務処理システムの整備、またニーズ調査やサービス基盤の整備、点検など、介護保険事業計画の策定に向けての作業などがございます。平成11年度になりますと、準備事務の仕上げに加えて、条例、規則の制定、審査会や特別会計の設置など具体的な施策、体制を整備していくこととなり、9月には事務処理システムの本格稼働、10月には準備要介護認定を開始することになります。制度発足まで2年余りでございますので、事務処理スケジュールの精査をしながら、平成12年4月の円滑な制度導入に向けて、市町村を指導、支援してまいりたいと考えております。  また、制度運営のための必要人員についてでございますが、市町村では、被保険者管理や要介護認定、保険料の賦課徴収等の新しい事務が生じるわけでございますが、一方では、現行の事務の整理もございまして、現時点で必要人員を見込むことは難しいものがございますが、今後、制度運営の細部を詰めていく中で、市町村とともに研究もしながら、体制整備が図られるよう努めてまいりたいと考えております。  なお、介護保険運営の広域的な取り組みにつきましては、規模の小さな市町村を念頭に、複数の市町村が共同で介護認定審査会を設置したり、広域連合や一部事務組合で保険事業を行う方法、また財政運営を共同化する市町村相互財政安定化事業など、共同化、広域化の方法が設けられておりますが、こうした取り組みは地域によっても実情が異なりますことから、単独で実施が困難な状況、あるいは共同で行う場合の利点や合理性について、まず各市町村において十分検討していく必要があると考えております。  次に、介護認定審査の公平性の確保等につきましては、国におきまして全国統一しての認定基準やマニュアルが示される予定でありまして、本年度、7市町が各保健福祉圏域で要介護認定の試行に取り組んでいただいておりまして、来年度は全市町村で実施するよう計画をされておりますが、こうした状況を踏まえまして、より公平な認定審査基準をつくっていくこととされているところでございます。  また、介護支援専門員、いわゆるケアマネージャーにつきましては、制度開始までに全国で4万人が必要とされておりますが、県としても、これまでに指導者の研修派遣を行っておりまして、今後、指導者による養成研修を行い、必要な人員の確保を図ってまいりたいと考えております。  次に、県における独自の福祉サービスと保険給付との関係でありますが、ミニ・デイサービス事業や老人小規模住宅改造助成事業の一部などが相当するのではないかと思われますが、保険給付内容の細部が明らかになりました段階で施策のあり方についての検討が必要と考えております。  また、介護保険制度におきましては、民間企業等さまざまなサービス提供主体が参入できる仕組みとなっておりますことから、今後県内でも民間事業者の活動が拡大していくことが想定されておりますので、今後、その参入意向等を把握しながら介護保険事業支援計画に反映させてまいりたいと考えております。  次に、介護保険料の関係についてでございますが、保険料は、低所得者にも配慮し、所得階段別の定額保険料とされております。さらにその上で、保険料の未払い者には、被保険者間の公平の観点から、給付率の調整や償還払い化といった未納対策が講じられることになっておりますので、まずは保険料の未納問題が生じないように納付相談等が適切になされていくことが大切であると考えております。  最後に、介護保険制度の円滑な導入を図るための県の体制でございますが、県、市町村ともこの新たな制度に円滑に対応していかなければならないと考えておりまして、今後示されてまいります準備事務の具体的な内容も踏まえて、さらに市町村との連携を密にしながら万全を期してまいりたいと考えているところでございます。 ◎教育長(吉川勉君) (登壇)児童生徒の薬物乱用の実態と未然防止についての御質問にお答えいたします。  さきの文部省と総務庁の調査結果は、これまで学校において薬物乱用防止教育を実施してまいりました教育委員会としましては、まことに深刻な結果であると受けとめております。  このように青少年の間に覚せい剤汚染が急速に進む背景には、手軽に手に入る供給ルートがあり、また、格好がよいとか、ダイエットや眠気覚ましに効果があるような遊び感覚で薬物に手を染めている者もいるようですが、そうした中で、先日も本県の県立高校生が逮捕されるという事態が起き、まことに残念な思いでいっぱいであります。各中学校、高等学校での薬物乱用防止教育は、教科としての保健体育における指導はもとより、大半の学校が学級活動やホームルーム活動の中で取り上げているほか、文化祭などの学校行事でも取り組んでおり、中には、保護者会の機会をとらえて生徒とともに学習するなど、地域や学校の実態に合わせた指導もいたしております。さらに、小学校においても、シンナー等の危険性、有害性についての正しい理解、態度を育てる指導もなされているところでございます。  この全国調査は都道府県別にまとめられておりませんが、全国の5県で実施しました総務庁の調査には滋賀県が含まれておりますことから、この総務庁の調査結果の傾向がほぼ本県にも当てはまるものと考えて、薬物乱用が法律に抵触するとともに、人を廃人にし、社会の基盤を根底から覆すものであるということを重ねて強く指導していきたいと考えております。  事態を深刻に受けとめ、県教育委員会といたしましては、11月以降、3回にわたり市町村教育長等関係先に指導徹底の通知をしたほか、12月4日には県下の小中高等学校の教員等を対象に薬物乱用防止教育の研修会を開催し、すべての教員、学校が薬物に絶対に手を出させない教育の推進をという強い危機意識を持って対処するよう促し、健康教育や生徒指導の観点から研修を深めたところでございます。今後さらに、喫煙、飲酒についての指導を含めて、小学校の段階からその発達段階に応じた薬物乱用防止教育を系統的に計画的に繰り返して進めていくとともに、警察機関との連携も一層深め、滋賀県薬物乱用対策推進本部のもとで、これの未然防止に力を注いでいきたいと考えております。 ◎警察本部長(鷺坂正君) (登壇)児童生徒の薬物乱用の実態と未然防止についての御質問にお答えします。  薬物の乱用、中でも覚せい剤事犯は年々増加し、暴力団関係者から一般市民に浸透し、また青少年、とりわけ高校生の乱用が激増するなど大きな社会問題となっております。県内における少年の覚せい剤事犯につきましては、昨年5人を検挙いたしましたが、いずれも中高校生ではなく、職業についているか、または無職の少年でした。本年は11月末現在で12人を検挙、補導しておりますが、この中に高校生1人が含まれており、本県においても初めて高校生の乱用を認知したところであります。また、昨年、中高校生34人を含む113人の少年をシンナー吸引で検挙、補導しておりますが、本年は10月末で既に昨年の人数を上回っております。本年覚せい剤の乱用で検挙、補導した少年12人のうち、11人がシンナー吸引の補導歴を有しており、本県においても、青少年がシンナー吸引から覚せい剤に移行している傾向が認められます。  警察といたしましては、今後とも、シンナーや覚せい剤等の薬物の乱用者と供給源の取り締まりを強化するとともに、県当局を初め関係機関や団体と連携して薬物乱用防止の広報啓発に努めてまいる所存であります。とりわけ、中高校生に対しましては、教育委員会、学校等と連携して街頭における補導活動を積極的に行うとともに、警察職員を学校に派遣して薬物の有害性や危険性についての正しい認識を持たせるための薬物乱用防止教室等を継続して開催し、薬物乱用の未然防止に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(上野幸夫君) 次に、2番赤堀義次君の発言を許します。 ◆2番(赤堀義次君) (登壇、拍手)1853年、思い出しますと、あのペリーの艦隊が日本の開国のきっかけをつくったわけでございます。あの当時に、「太平の眠りを覚ます蒸気船たった四杯で夜も眠れず」と、当時江戸幕府がパニック状態に陥ったことは御承知のとおりであります。自来、世界は大変小さくなったわけでございまして、昨今、規制緩和という、たったこの4つの文字が、日本列島、企業なり社会なり経済を大いに震撼させているわけでございまして、とりわけ橋本内閣のかじ取りを一層期待しながら、私の通告に従って一般質問をさせていただきます。  急速な経済成長を遂げた戦後半世紀から新たな半世紀へ時代が転換する中、我が国経済はバブル期後の低成長から抜け切れない状況であり、今日まで公共事業の追加等から成る経済対策によって景気を下支えしてきたにもかかわらず、いまだ力強い景気回復の軌道に乗っていない現況にあるわけでございます。こうしたことから、政府は、11月28日に開催された経済対策閣僚会議において21世紀を切り開く緊急経済対策を決定されたところでありますが、現在のいわば閉塞状況から脱却して強靱で活力に満ちた日本経済を早期に実現するため、この新たな経済対策に大いに期待するものであります。  さて、この緊急経済対策の大きな柱である土地の取引活性化、有効活用策として、積極的な土地、住宅の供給を図ることとされておりますが、県が発表した土地管理情報分析調査では、平成8年の本県の農地転用面積は約358ヘクタールで対前年3.5%増しとなったとのことであります。積極的な宅地の供給を図る上では、農地転用許可を初めとした各種法令の許認可事務が円滑に進められることが肝要であると考えるところでありますが、緊急経済対策の主要な政策の1つとして掲げられております農地転用の円滑化について農政水産部長にお尋ねをいたします。  まず、第1点目として、緊急経済対策では、農地転用をしたい者が円滑に転用できるよう、農地転用および農用地域の除外について透明化、簡素化、迅速化の措置を講ずるとされているが、どのように進めようとされているのか。  第2点目は、農業、農村を取り巻く情勢はますます厳しくなっており、農山村地域の活性化を図る必要があることなどから、各市町村が主体的に土地利用を進めようとしている。こうした市町村のまちづくりや農村の活性化を農業振興地域内で取り組もうとする場合の農地転用をより円滑に進めるためにどのような措置が講じられようとしているのか。  第3点目は、2ヘクタール以上の農地転用は農林水産大臣許可となっていたが、今回の措置では4ヘクタール以下の農地転用の許可権限が農林水産大臣から知事に移管されるとされているが、それはいつからの予定なのか。  以上3点についてお尋ねをいたしますとともに、これらの改正内容を県はどのように関係機関に対して周知徹底を図ろうとしておられるのかをあわせてお尋ねいたしまして、一般質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○副議長(上野幸夫君) 2番赤堀義次君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎農政水産部長(田中茂君) (登壇)赤堀議員の農地転用の円滑化についての3点の御質問にお答えいたします。  まず、農地転用および農用地区域の除外に係る事務の透明化、簡素化、迅速化についてでありますが、事務の透明化につきましては、農地転用の基準や手続などをわかりやすく記載したマニュアルが現在国において作成中であると承知をいたしております。このマニュアルは、市町村農業委員会の窓口に備えつけまして、農地転用をされる皆さん方の手続の手引となるものと考えております。また、簡素化、迅速化につきましては、市町村が農用地区域の除外すなわち農用地利用計画を変更する場合、県への事前協議の義務づけの廃止による簡素化、農地転用の許可事務手続に係る標準的な処理期間を8週間以内から6週間以内に短縮を図るなど迅速化を図るための措置でありまして、近く通達の改正が予定されております。県といたしましても、改正通達の趣旨に沿った円滑な農地転用の事務処理に努めてまいりたいと考えております。  次に、市町村のまちづくりなどを推進するための措置についてでありますが、集団的な優良農地の転用は原則として認められておりませんが、市町村が農業の振興方策と調和した就業機会の確保等による地域の活性化を図るため、農業振興地域内に住宅や店舗、工場などの施設用地を確保しようとする場合に農村活性化土地利用構想を策定いたしまして、この構想に位置づけられました施設等が立地する場合には農地転用が許可できることとされております。従来はこうした市町村の構想を県が認定する際にはすべて国への協議が義務づけられておりましたが、このたびの緊急経済対策を受けて、土地基盤整備事業の終了後8年を経過しない農地および2ヘクタール以上の農地を含む場合のもの以外は国への協議が廃止されるなどの改正が予定されております。  第3点目の農林水産大臣からの許可権限の移譲時期についてでありますが、次期通常国会に農地法改正法案を提出する予定と聞き及んでおります。また、これらの改正内容についての周知徹底につきましては、法律改正、通達改正等は逐次速やかに市町村農業委員会等の関係機関に通知をいたしますとともに、改正内容についての関係機関への説明会を来年の1月に予定いたしております。  いずれにいたしましても、農地は食糧の供給の基地であるとともに、水の涵養や災害防止等の重要な役割を果たしておりますことから、優良な農地を守っていくことが基本であるとの認識をいたしておりますが、一方では非農業的な土地利用もありますことから、農地転用の円滑化につきましては、国の改正通達等の内容を踏まえまして、関係機関と十分連携しながら適切な運用と指導に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(上野幸夫君) 次に、13番小林優君の発言を許します。 ◆13番(小林優君) (登壇、拍手)通告しておきました2点について質問をいたします。  まず、野生鳥獣保護センターの設置計画について、琵琶湖環境部長を兼ねておられます山脇副知事にお尋ねいたします。  本県におきます自然環境の保全については、環境熱心県らしく積極的な保護施策を打ち出し、取り組んでいただいているところでございます。特に野生鳥獣についてですが、野生鳥獣は自然環境を構成する重要な要素であると言われております。県では、これまで自然公園法や滋賀県立自然公園条例により保全されている地域等、鳥獣の保護、繁殖上重要な地域を初め必要な地域については鳥獣保護区の設定が推進されており、自他ともに認める先進県であると評価されております。それにより、県設鳥獣保護区の設定状況は、平成8年度末で44カ所、10万166ヘクタールで、県土に占める割合は約25%と都道府県の設定する鳥獣保護区の率としては全国第1位となっております。県下各地で探鳥会や自然観察会が開かれるなど野生鳥獣保護に対する県民意識の高揚に大きな効果がもたらされてまいりました。  中央にびわ湖が位置し、緑なす穀倉地帯、そして奥深い山々と自然に恵まれた環境下で野生鳥獣も数多く生息し、私たちの心を豊かにしてくれております。特に、我が国最大のびわ湖は、各地より飛来する水鳥も多く、平成5年にはラムサール条約に登録された湿地となり、ますます重要な湖として県民に認識をもたらしてきたところであります。そういう中で、自然と人が共生する社会づくりが声高に叫ばれ、野生鳥獣の保護対策にも取り組まれてきたところであります。その1つとして、昭和54年には社団法人滋賀県獣医師会の手により、傷ついた野生動物の救護活動をする滋賀県野生動物ドクター制度が生まれ、既に18年が経過いたしております。  滋賀県野生動物研究会会長の須藤正之先生は、ことし9月に発行された「滋賀県野生動物ドクター制度−18年の歩みから−」の序文で「近江の国では、湖東地方に狐の恩返しや犬胴松の話、また湖北地方を中心に森の黒ぬしやおとら池の伝説など、動物をいたわる昔話が数多く伝えられています。これらの話から、私たち人間は古くから、傷ついたり弱ったりしている野生動物に出会ったときに、その命を助けてきたことがわかります。海外でも同様であり、洋の東西を問わず、多くの人々がこのように振る舞ってきたのは、動物の命を救うことが人間としてごく自然な行為であることのあらわれだ」と記しておられます。私も全く同感でありまして、生をもって地球上に住む生き物の命はとうといものとして扱うことが命あるものとして当然のことであり、その心こそが地球を守る大きな原動力になるものと信じております。  ところで、野生鳥獣の保護等に関しては、滋賀県自然環境保護審議会の鳥獣部会でその必要性が論じられ、特に専門の獣医師により傷病等で弱った野生鳥獣の治療、保護ができる野生鳥獣保護センターの建設が要望されてまいりました。それに伴い、県は、平成9年4月1日から平成14年3月31日までの5年間の第8次鳥獣保護事業計画書の中で、自然と人が共生する命あふれる社会の創造を目指し、県内の希少動物の保護を図るため、野生生物の分布状況やその生態および生息環境を調査し、かつ傷病野生鳥獣に係る治療および機能回復のできる施設、野生鳥獣保護センターの整備について検討することを打ち出しておられます。  そこで、この検討がどの程度進められているのか、その進捗状況を。また、施設建設予定候補地は見つかっているのか、その規模はどのようなものになるのか。さらに、これらの検討結果がまとまるのはいつごろになるのか。財政上、施設整備等が非常に厳しい中で選択優先して建設するべきものの1つと考えます。とうとい命の再生へ向けた温かい施設の実現を夢見る多くの人たちの気持ちを反映していただくべく、早期建設を望み、お尋ねするものであります。  次に、全国スポーツ・レクリエーション祭の滋賀県開催招致について教育長にお尋ねいたします。  生涯スポーツの祭典、全国スポーツ・レクリエーション祭は、通称スポレク祭の愛称で親しまれて、ことしで10回を数え、11月中旬に行われた沖縄大会も、隣国大韓民国からの参加もあり、大成功を上げられたようであります。スポレク祭は、中高齢者のスポーツ祭典として国民体育大会に次ぐ大規模な大会となり、種目も従来からのスポーツとだれでも身近にできるニュースポーツや年齢別競技など15競技が都道府県参加種目になっており、今回は、ウオークラリー、クロスカントリー、ビーチバレーやパラグライダーなど6種目がフリー参加種目となり、一層盛り上がりを見せておりました。  私は、高齢化社会を迎え、社会情勢も厳しい中で、今こそ心の豊かさを求める生活スタイルが必要であると考えます。では、どういう生き方をすればいいのか。いろいろな趣味を生かすのもよいと思います。しかし、何と言っても、体を動かし快い汗を流して楽しさも倍加するスポーツ・レクリエーション活動こそ、これからの生き方に最も適しており、もっともっとその人口を拡大していかなければならないと思っているものであります。広く国民にスポーツ・レクリエーション活動を全国的な規模で実践する場を提供することにより、国民一人一人のスポーツ・レクリエーション活動への参加意欲を喚起し、もって国民の生涯を通じたスポーツ・レクリエーション活動の振興に資することを目的とすると実施要項にうたわれておりますように、これこそ生涯スポーツの歩み方そのものであると信じております。私も、第1回の山梨スポレク祭からたびたび選手として、また選手団に随行するなどで参加してまいりましたが、文字どおり、日常行い、楽しめる、スポーツやレクリエーションで明るく和気あいあいに都道府県の選手の皆さんが交流されている姿を目のあたりにして、深い感激を覚えたところであります。  そこで、この全国スポレク祭開催をぜひ我が滋賀県に招致し、全国の人たちの交流と友情の輪が広がる場にしたいと考えております。スポレク祭開催の関心度は高く、人気があるため、手を挙げる県も多く、既に第15回までは開催県が決まっているようであります。1万人を超える人たちの来県は、単にスポーツ・レクリエーション活動の広がりを期待するにとどまらず、まさに本県の活性化に大きく結びつくものと思われます。全国の皆さんにびわ湖を、また特色ある滋賀の物産を見てもらい、いにしえの都近江、そして新しい創造の淡海文化に接してもらおうではありませんか。ぜひ近い将来に招致が実現するよう希望するものであります。主管となる教育委員会保健体育課では、開催招致に向けて鋭意御努力をいただき、取り組みを進めておられることと思いますが、その取り組み状況と見通しについてお伺いするものであります。  さらに、開催するに当たっては、全県挙げての協力体制と施設の整備が必要であります。特に、施設については、開会式典などのメーン会場となる陸上競技場は、周辺の広さ、交通などの点を考えなければなりません。県の財政上新たな施設建設が望めない今日、私は再三申し上げておりますように、希望が丘文化公園のスポーツゾーン施設の管理部門の改革も視野に入れた施設整備を考えていただくよう当局に強く要望し、質問を終わらせていただきます。(拍手) ○副議長(上野幸夫君) 13番小林優君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎副知事(山脇康典君) (登壇)小林議員の野生鳥獣保護センターの設置についての御質問にお答えをいたします。  御質問にもございましたが、本県の傷病野生鳥獣の保護対策は、県獣医師会の御協力により野生動物ドクター制度を実施して以来、一時収容を行う救護施設の委託や自然復帰できない鳥獣を飼養する介護ボランティア制度を実施してまいりました。しかしながら、傷病鳥獣の治療件数はここ10年で倍増し、収容日数も5倍になるなど長期化してきており、その原因として、自然開発や人間社会の生活スタイルの変化といった人為的要因も多く考えられます。こういった状況の中、完治しないままやむなく鳥やけだものを自然に放つケースや、治療してももとに戻らず、かといって収容もできない鳥獣の処分に困るなど、傷病鳥獣の治療制度の見直しについて新たな対応が強く求められております。また、先代から引き継いだ生き物の命のとうとさを重んじる心豊かな県民性を次代に引き継いでいくことの重要性などを考えますと、県としましては早急に新しい傷病野生鳥獣の保護対策を推進していくことが重要であると認識しており、その拠点施設として野生鳥獣保護センターの整備を検討しているところでございます。  センターの機能や規模でございますが、野生動物ドクターの要望や他府県の設置状況を参考にしながら検討を進めているところでございますが、鳥獣の種別ごとの長期収容や野生復帰のための機能、野生鳥獣との触れ合い機能などを持った施設が考えられます。候補地の選定につきましては、効率的に運営できる既存の自然触れ合い施設との併設が好ましいと考えております。なお、財政事情が厳しい中ではありますが、可能な限り早期に整備してまいりたいと考えております。 ◎教育長(吉川勉君) (登壇)全国スポーツ・レクリエーション祭についての御質問にお答えいたします。  議員には、再三にわたって全国スポーツ・レクリエーション祭に選手や役員として御参加いただくなど、生涯スポーツのリーダーとして実践を賜り、厚く御礼を申し上げます。  さて、全国スポーツ・レクリエーション祭は、全国から約2万人の選手、監督が参加し、いつでも、どこでも、だれでもをモットーに、軽スポーツやニュースポーツを中心に幅広い年齢層で楽しさやお互いの交流を深めるという生涯スポーツの祭典として展開されているものであります。本年は第10回大会が沖縄県で開催され、県内外から約3万4,000人の選手、役員が参加をされ、大変な盛況であったと聞いております。
     この大会は、基本的には既存の施設を活用して各競技を運営できるというところから、本県での開催についてかねてから文部省に要望してまいりました。現時点での開催順序は平成13年度の三重県開催まで決定しており、平成14年度以降の開催については、県名は定かではありませんが、およそ10県が招致活動をしており、そのうちの1つが本県であります。文部省では、地域バランスなどを考慮して、おおむね5年前に開催県を正式決定していくとの方針で現在選定作業を進めておられますが、ぜひ早期に本県での開催ができますように招致活動に努めていきたいというように思っているところであります。  また、この大会を中心に据えた生涯スポーツの振興計画を策定することとしておりますが、その一環として市町村における生涯スポーツの一層の普及と各種目団体の組織強化に努め、あわせて生涯スポーツの統括的な組織基盤の整備を図るなど、来るべきときに備えたいと存じております。 ○副議長(上野幸夫君) 次に、33番滝一郎君の発言を許します。 ◆33番(滝一郎君) (登壇、拍手)環境の厳しい農業の振興策について質問をいたします。  農業は国のもと、農業は国の礎であると言われてきました。これは、農業が産業の中心だということではなく、生きていくための国民の食糧を生産する産業であること、農業を通して日本の精神文化が培われてきたこと、日本国土の大切な自然を守ってきたことなどが理由であろうかと思います。しかし、近年農業は米余りによる米価の下落や生産調整の拡大など厳しい状況にあります。  このような状況を掘り下げて究明してみますと、私たちの大切な主食である日本社会での米は単純な物質としての農産物ではないと思いますが、日本経済が大発展したころから、日本人は、米を国の礎である農産物であり、農業者の汗の結晶であることを忘れ、産業界の一生産物としてとらえてきたのが大きな原因の1つだと思います。  私たち日本人は2,000年前から米を食べてきた歴史があり、生きていくためには欠くことのできないものの1つでありました。近年、食生活が多様化し、洋風化が進んだことや若者を中心に朝食には御飯を抜くなどの風潮が高まり、米の消費は年々歯どめがかからぬほど減少してまいりまして、昭和35年には1人の消費量が118.3キログラムであったものが平成6年には66.3キログラムと約半減している状況であります。それらに加えて、農業栽培技術の進歩の結果、生産量が大幅にアップしたこと、さらに米を自動車産業や電機産業等と同列に考えた一生産物としての考え方や食糧安保の考え方を打ち消したガット・ウルグアイラウンド条約の実施で輸入米が年々増加をしていることなどで生産調整の大幅な拡大を余儀なくされております。そうしたことで、来年は我が県においては24.5%の減反が実施される状況であります。  私は、このような深刻な農業を取り巻く環境を考えるとき、これを打破していくためには、県民の農業に対する、そして米に対する意識の改革を行った上で、消費者の米を守っていこうとの御支援がぜひ必要であると思います。私たち国民は、以前田中内閣のときに、教職員の資質の向上を図るため、公務員以上のベースアップに同意をいたしました。これは、日本の国の発展は人づくりにあると考えたからであります。現在の農業者は、国土づくり、国づくりのエキスパートであります。国民が生きるために必要な食糧の生産をしているだけでなく、国土の自然を守り環境を育てていること、さらに古来からの稲作によって培われた日本の文化を継承してきているのであります。国民が農業について話し合い、研修し、消費者と生産者が相互の理解を深めるために率直に意見を交換するなど、県民一人一人が農業を守り育てる運動を進めていくこと、例えば、県、市町村、集落挙げて取り組み成果を上げている人権研修会のような形で農業問題に取り組む会議を開催し、米の産出県として日本じゅうにその成果を発信することが必要と思います。  こうした努力によって、例えば農業、米の大切さを理解していただければ、自然にパン食を御飯に切りかえる、あるいは御飯をあと1杯食べていただくことによって米の消費拡大につながり減反の解消ができるのを初め、環境に優しい農業の実践、県がびわ湖の総合保全の切り札として期待しているみずすまし作戦への御協力や、新しい淡海文化の創造の実現のための各種活動への参加等々、県政や国政の抱える多くの課題が解消し、速効性はないけれども、必ず行財政改革につながることだと確信します。こうした農業を守り育てる運動の展開について知事の所信を伺うものであります。  次に、来年度から、県下一斉に水稲航空防除を中止との指導をされております。今日の社会情勢からいたしますと、農家としても環境に配慮するためには協力せざるを得ないのでありますが、高齢化が進んでいる中で、農家はこれにかわる安価で有効な防除方法がなく、現場では混乱しているのが現状であります。  そこで質問をいたしますが、環境に配慮した防除とはどのような方法なのか県下の農業者にお示しをいただきたい。また、航空防除を中止し、地上防除が安全で良質な生産になるとすれば、県は消費者にどのように理解を求め、PRしていくのか。さらに、航空防除を中止にと指導される以上、国、県、市町村が一体となっての支援対策が必要と思われますが、農政水産部長に具体的な対応策をお尋ねいたしまして、質問を終わります。(拍手) ○副議長(上野幸夫君) 33番滝一郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)滝議員の御質問にお答えいたします。  いささか唐突かもしれませんが、私は、昭和29年制定の「滋賀県民のうた」、これが好きであります。西条八十補作、古関裕而作曲のこの歌は、大変古臭いと言って笑う人もありますけれども、「比良の峰ゆく白い雲 緑に映える琵琶の水 機織る町に稲刈る村に 今日も平和の日はうらら」。2番に入りますと「高い文化の伝統に 野花も聖く勾う国 漁る舟にベルトの歌に」云々と続くわけでありますが、まさに「美(うるわ)しの滋賀」であり、「明かるき滋賀」であります。「讃えんわれらの伸びゆく滋賀を」であります。最近、2番、3番まで歌うことが少なくなったのでありますが、全体を通して歌いますとき、私は滋賀に住む幸せというものをしみじみと感じるものであります。  本県がこの歌のように、調和のとれた「美しの滋賀」であるためには、農業、農村がかつてそうであったように確固とした基盤でなくてはならないと思うのであります。いつの時代にありましても、人間の基本的な生活を支えるのは農業生産であります。農業は、安全で、安心できる食糧の供給という人々のかけがえのない命にかかわる大切な使命を帯び、農業と農村の存在は、それぞれの地域の環境や文化の維持、発展に欠かせないものであります。  滋賀では、古来より肥沃な水田と母なるびわ湖が県民の豊かな食生活を支えてきたのでありますが、経済の急速な成長の中で農業が次第に産業としての主役の座を譲り渡しまして、今、社会構造が大きく揺れ動く中で厳しい逆風にさらされております。今が農業に携わっておられる皆さんにとって一番の正念場であろうと思います。  しかし、いかに長く厳しい冬にも必ず春はめぐってくるように、農業の持つ役割や大切さに私たち一人一人が目を向けまして、当面する七難八苦に立ち向かい、常に挑戦する心を失わなければ展望は必ず開けてくると信じます。農業というのは希望の持てる産業として若者が競って携わる魅力ある産業になっていく──甘いと言われるかもしれませんけれども、私はそう思い、またそうしていかなければならないと思うものであります。今、国では新たな農業基本法の議論がされておりますが、農業、農村は我が国経済社会の繁栄と安定を支える基盤であり、まさに国の礎の役割を果たしているという点が正しく位置づけされ、新しい世紀になっても決してゆるぐことのない、また次の時代を担う若者に農業の魅力を感じさせる指針となってほしいと期待しているところであります。  県におきましては、昭和53年に土に生きる県民運動を提唱して、ことしでちょうど20年になります。これまで土に学ぶ里事業や湖国農林水産まつりを初め、さまざまな事業を通して多くの県民の皆さんが土に触れ、親しむことによって土とのかかわりの大切さを知り、生産者と消費者の対話を通して農業が果たしている役割を理解していただく機会を広げる運動を展開してまいりました。今後もこの運動が、ふるさとづくり、人づくりの運動として、その輪がますます大きくなって県民一人一人に定着し、自然とのきずなを強める中で安らぎと思いやりのある心を育てていくものになればと思っているわけであります。そのことが農業と環境とのかかわりについて考え、環境と調和した農業の実践にもつながっていくのだろうと思います。  御提言のありましたことにつきましては貴重な御意見と受けとめさせていただきまして、これまでからも湖国農政懇話会や地域農業意見交換会などで県民各層の方々から御意見をいただきながら施策を進めてきておりますが、一層さまざまな場面で農業や農村のあり方について議論がされるよう努めてまいりたいと思っているところであります。 ◎農政水産部長(田中茂君) (登壇)農業問題のうち、水稲の病害虫防除についての御質問にお答えをいたします。  航空防除につきましては、県下各地で都市化や混住化が進んでいること、さらには気象条件などから、ある程度、住宅地や河川、道路などの散布区域外への農薬の飛散が避けられず、周辺環境への影響が懸念されること、また気象条件や生育状況に応じた適期防除が困難な面があることなどから、地上防除への転換について関係市町の理解と協力を重ねて要請しているところでございます。  そこで、まず環境に配慮した防除方法についてでありますが、地域に適した病害虫に強い品種の選定や施肥法の改善、畦畔の除草等によります病害虫が発生しにくい環境づくりをすることを基本といたしまして、病害虫防除所から出ます発生予察情報をもとに各地域における病害虫の発生に応じた適期、適切な防除を進め、可能な限り農薬の使用量の節減に努めていくことであると考えております。  また、農薬の散布方法につきましては、例えば、飛散が少ないビーグルや圃場条件に合わせたきめ細かな防除ができる無人ヘリコプターなどの防除機の活用が考えられますので、地域の実情に応じた効果的な防除方法について、病害虫防除所や地域農業改良普及センターなどの関係機関が一体となって引き続き指導してまいりたいと考えております。  次に、消費者にどのように理解を求め、PRしていくかについてでありますが、県におきましては、近江・米の日推進事業により、京阪神の消費者を対象といたしました田植えや収穫の稲作体験を初め、ビデオやパネルによります環境に配慮した本県の米づくりを御理解いただくとともに、道の駅びわ湖大橋米プラザにおいてもこのような取り組みをPRしているところでございます。  今後におきましても、発生予察情報をもとにした省農薬栽培や量より質への品質を重視した施肥法により、消費者が求めております安全で安心なおいしい米づくりにさらに積極的に取り組み、近江米振興協会や関係団体と連携をとりながら、近江米の名声向上と消費拡大に努めてまいりたいと考えております。  次に、転換に向けました支援対策についてでありますが、農業者や集落での合意形成を進めていただくための検討会や防除技術者の養成、さらには集落営農における共同防除や農家の協力によります共同一斉防除に向け、指導、支援を行っているところでありまして、今後とも、生産現場において防除が円滑に実施されるよう、市町村、農協などと連携をより一層強化してまいりたいと考えております。  防除機につきましても、大型防除機や無人ヘリコプター、さらに背負い式防除機など、地域の防除体制に見合った機械の導入について、国ならびに県の既存制度も最大限に活用し、支援をしてまいりたいと、このように考えております。 ◆33番(滝一郎君) (登壇)航空防除について再質問いたします。  ただいま部長の方から、環境に配慮した防除はという質問に対しまして、害虫発生などの時期に適期に防除作業が行われることというふうなことを含めてお答えをいただきましたが、今までヘリコプターを使っての防除を県下の農業者はやってこられました。なぜヘリコプターではいけなくて、無人ヘリとかビーグルであればいいのかというふうな素朴な疑問も聞いているわけでございます。そうすると、ヘリコプターの会社に、病害虫が発生したときに、そういうときに注文をして防除をやっていただくというふうなことであればいいのではないか。原課に聞いてみますと、2月ごろの時期に既に防除の時期を決めている。こういったことでは環境を悪くするだけで実際の防除にはなっていないからというふうなことも聞いておりました。  そうしますと、いろいろなことで、そういう理由をただせば、ヘリコプターでもいいのではないかと、こういうふうに思われるわけもわからないことはないわけでございまして、航空防除の歴史といいますと、当初は薬剤を粉末で散布しておられました。そして液状の散布にかわり、現在では液体、滴で落下させて全面で散布させて、周りの環境に配慮した、そうした防除方法をとられているとも聞いております。こうした防除内容を、反対をされる県民が余り承知されていないのではないかというふうにも思っているところでございます。  こうした防除の歴史を考えてみますと、数十ヘクタール全面が連担しているような地域では、こうしたヘリコプターの散布によっても環境の被害がないわけでございまして、実施してもいいのではないかというふうに思っているところでございます。やはり滋賀県の県下全体を考えますと、いろいろな地域があるわけでございますから、適時また適量に、そして適当な方法を条件に航空防除を認めてもいいのではないかと私は思っております。そういったことから農政水産部長に再度お尋ねをいたします。  なお、県下全域の農地を航空防除ではできないことはわかっております。そうしたときに、地域、市域の実情に合わせて防除機械を購入されるわけでございますが、農業を取り巻く環境の厳しい状況の折でもございます。十分な配慮はしていただけると思いますが、さらに、環境や国土を守る、働く人々の立場に立った対応策を重ねて要望させていただきます。これは要望いたします。  以上です。 ◎農政水産部長(田中茂君) 滝議員の再質問にお答えをいたします。  滝議員は恐らく、干拓地とか平場の広がったところにおいてはやはり有人ヘリコプターによる従来の航空防除も認めてもいいのではないかと、このような御質問の趣旨であったかと思います。  有人ヘリコプターによります航空防除につきましては、農地がある程度広がりがあるとはいえども、やはり先般申し上げましたように気象条件等から河川や道路などの散布区域外への飛散が避けられないこと、さらには転作率が24.5%という、非常に転作面積が増加することによって散布適地が減少すること、そのような観点から、よりきめ細かな適期適切な防除が必要であると、このように考えておりまして、有人ヘリコプターにかわるべきものとして、無人ヘリコプターや大型防除機を最大限活用していただきまして地上防除への転換をお願いするところでありまして、御理解を賜りたいと思います。 ○副議長(上野幸夫君) 最後に、11番小川暢保君の発言を許します。 ◆11番(小川暢保君) (登壇、拍手)最後でございますので、いましばらく御清聴と御辛抱のほどよろしくお願い申し上げます。  私も地方政治に参加して10年になりますけれども、仕事柄多くの方々がいろいろな相談に 皆さんもそうでありましょう 来ていただきます。このごろ本当に高齢化社会の問題の相談が多くなったなということを感じております。また、身近なところでも福祉や年金や介護保険の問題が、私も年いったせいかもわからぬですけれども、周りで真剣な議論がされております。あわせて、我が家でも90歳の寝たきりのおふくろを抱えて高齢化社会の現実を実感しています。行政に対する県民、市民の要望アンケートでも高齢者福祉施策の充実が最上位にあるのも当然のことかなと実感します。高齢者の介護をしていただいている多くの女性の方々ならびに保健、福祉、医療の現場で御苦労いただいているボランティアの方を含めた多くの方々に感謝とお礼を申し上げながら、質問に入ります。  2000年度から新たな保険料を徴収して高齢者に介護サービスを提供しようとする介護保険法が一昨日夜の衆議院本会議で成立しました。医療と公的年金などに加えて新しい社会保険制度が創設されることになったわけです。高齢者福祉施策も新たな段階を迎えたことになります。保険料や認定など多くの課題を残しているものの、2000年度からのスタートが決まったわけですから、サービスの提供を受け持つ地方の行政責務は重大なものとなります。先ほどの梅村議員の答弁にもありましたように多くの作業が待ち受けていますが、県民のため、さらなる充実に向けての高齢者福祉施策の展開を切に望むものであります。  そこで、まず介護保険成立を受けて、本県の高齢者福祉施策の遂行に対する御所見を健康福祉部長にまずお伺いいたします。  本県では、平成6年3月に湖国しが新ゴールドプランが策定され、その計画にのっとったハード、ソフト両面の整備が平成11年度を目標年度として市町村と一体となって進められているところです。先日の各会派の代表質問の答弁の中で当局は、その達成率を平成9年度実施予定を含めて、計画目標に対し、特別養護老人ホーム、短期入所のショートステイ専用ベッドはおおむね90%、ホームヘルパー、デイサービスセンターおよび老人訪問看護ステーションはおおむね80%、老人保健施設、在宅介護支援センターはおおむね70%となる見込みだと答えられました。また、長期にわたり療養を必要とする療養型病床群については、現在2病院で329床が整備されているとの答弁がありました。これは、例えば、特別養護老人ホーム、ショートステイ専用ベッドなどは福祉圏域でとらえれば100%の整備が整ったという圏域も出てきたということになります。湖北圏域でも、びわ町の特養が完成すれば100%になります。  しかし、私たちのところには、何とか特養の施設に入れないだろうかという相談が多くあります。待機者が多くおられます。昨日の角川議員の質問もそのことを訴えておられました。在宅介護の必要な高齢者はもとより、在宅介護が困難な高齢者がゴールドプランの策定時予測よりもふえているのではないでしょうか。ゴールドプラン策定時に比べ、主な事業の進捗状況が相当進んできたところですが、現在の県民ニーズも、量に対しても、質に対しても相当変わってきているものと思われます。介護保険導入の背景を踏まえれば、平成11年度のゴールドプランの達成目標年度はゴールではなく、単なる一里塚となります。介護保険導入を控え、まず現在の県民ニーズをしっかり把握する必要があります。そして、ゴールドプランに続く計画策定が県においても、市町村においても急務であります。その対応策について当局の御所見をお伺いいたします。  現在、県においても、また市町村においても高齢者のためのいろいろな保健、福祉サービスを展開していただいているわけですが、具体的内容が意外にも県民、市民の方々に知られていないとも実感します。例えば、脳梗塞で病院に入っておられ、医学的治療が終わり、在宅あるいは中間施設の場合もありますが、在宅へ移られる場合、家族介護支援サービスの内容を詳しく御存じでない方が多くおられ、退院することに不安を感じられるケースが多くあります。行政サービスの種類や相談方法などを含めて、もっと県民の方々にわかりやすく知らせる必要があると考えますがいかがでしょうか、お伺いします。  行政は、いつも高齢者福祉については保健、福祉、医療の連携を言われますが、そのソフトのシステムがまだまだ現場では確立されていないと実感しています。ハード事業の進捗率は数字ではかれます。答弁にもありましたように90%とかいろいろ出てきますが、ソフトは数字ではなかなかはかれません。  例えば、在宅介護のことで市町村役場に相談に行ったとします。貸しベッドは社会福祉協議会、訪問看護婦さんのことは保健センター、デイサービスは役所で受け付けます。痴呆性老人の相談は保健所に行ってくださいなどと説明され、民生委員さんの判こをもらってきてなどと例によって役所の縦割り弊害が出てきて振り回されます。病院から在宅に移る場合など、病院でケースワーカーがおられ、しっかり指導してもらえればいいのですが、お医者さんの中にも在宅システムのことを余り知られない方もおられ、在宅における個人個人のサービスのメニューが決まるまで介護者の大変な労力と精神的な苦痛が伴います。また、寝たきりや痴呆性のお年寄りにとっては医療機関との連携は不可欠です。  ゴールドプランではこのことを、高齢者のニーズに応じて在宅サービスと施設サービスが一元的かつ連続的に提供できる体制の整備を図ります、また、地域の特性を踏まえ、医療機関との連携のもとで保健、医療、福祉サービスを総合的に提供することが可能となるようなシステムの確立を図りますという文章で表現されております。窓口が1つあり、そこに行けば安心してその人に応じたサービスのメニューが具体的に決まる、介護用具の購入のアドバイスなども受けられる、そんなシステムを県民の方々は望んでおられます。総合的にコーディネートできる介護専門員さんやケースワーカーさんがおられる在宅介護支援センターがそのイメージなのだと思います。  そこでお尋ねします。保健、福祉、医療サービスを総合的に受けられるソフトのシステムの確立は現在どのような状況にあるのでしょうか。現況の課題と確立に向けての方策についてお伺いをいたします。  在宅介護が困難な高齢者が多くおられます。当然施設入所となるわけです。特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型病床群、特例許可病院などがその施設に該当するわけですが、これらの施設がきちんと整備されてこそ初めて高齢者の方々の選択の自由が保障されるわけです。ゴールドプランでは、特別養護老人ホーム、老人保健施設の達成目標は明示されていますが、療養型病床群、特例許可老人病院の計画目標ベッド数は明示されておりません。現在、療養型病床群2病院──県下で2病院です──329床、特例許可老人病院10病院785床とうかがっていますが、介護保険導入を控え、将来ニーズをどのように予測されているのでしょうか、お伺いします。  一般病院は病人の早期の社会復帰を前提に運営されており、家に帰りたくても帰れない長期療養を必要とする高齢者の入院患者にとっては、いづらい病院になります。そういう方々のために療養型病床群の充実を望むものですが、当局はいかがお考えでしょうか、お伺いします。  また、在宅介護を中心に高齢者福祉施策が展開されており、高齢者が一番望まれているのも在宅です。病気になっても在宅での医療を望まれています。高齢者のためにも在宅医療の一層の充実が望まれます。在宅医療充実に向けての御所見を伺います。  高齢者の保健、福祉、医療施策についてお伺いしてまいりましたが、これらの施策は、諸先輩が御苦労いただき、今日の日本を築いていただいた老後が幸せであるように、また健やかで活力ある理想の長寿社会とするための施策であります。しかし、人間は必ず死を迎えます。いかなる死の迎え方が幸せなのか、人間の尊厳を保ったままの死とは何かを、私たち日本人がどちらかと言えば避けて通ってきた問題を、世界一の長寿社会になった今、私たちは考える時期に来ているのではないでしょうか。  人が人として尊厳を持ったまま終末期を迎えるためのターミナルケアの充実は、医療、福祉にとって重要な課題であると言えます。終末期を迎えた超高齢者の方、またその家族も、最期は家で過ごしたい、家で過ごさせたいと思っておられる方が大半であるにもかかわらず、なかなかそうはいかないのが現実であります。医学の進歩は生命の神秘とも言うべき領域にまで挑戦しようとしており、治療技術が優先されることで、人間を人間として治療するというあり方、心が失われつつあるのではないでしょうか。医療関係者も行政も、また私たち一人一人も、悩みながらもこの問題を避けて通っているような気がしてなりません。行政の範疇ではない哲学や宗教の分野だとお叱りを受けるかもわかりませんが、あえて超高齢化社会を迎え、医学の進歩が生命の領域まで発達した今日、人間が人間として尊厳を保ったまま終末期を迎えるターミナルケアのあり方について健康福祉部長の御所見をお伺いします。  先ほど農業問題でほのぼのとした知事の御答弁がございました。滋賀に住んでよかったな、そんな思いで滋賀県民はおられます。高齢化社会については、いい地で老後が送れ、この滋賀でいい最期が迎えられたなら、そんな安心の社会をつくることがこの施策の基本ではないかと思いながら、質問を終わらせていただきます。(拍手) ○副議長(上野幸夫君) 13番小川暢保君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康福祉部長(西堀末治君) (登壇)小川議員の高齢者福祉施策のさらなる充実についての御質問にお答えをいたします。  介護保険法が成立をいたしました。介護に関する国民の不安に対応し、社会全体で支える、利用しやすく公平で効率的な社会的支援システムとして円滑な導入が図られますよう関係機関等それぞれの連携を深め、福祉、保健、医療が一体となった高齢者福祉諸施策の推進に精いっぱい努力をしてまいりたいと考えております。  まず、湖国しが新ゴールドプラン終了後の計画策定についてでございますが、高齢者や家族の介護サービスに対する意識も変化をしておりますし、介護保険制度も考えますと、今後、介護サービスに対する需要にこたえられる体制が必要であり、改めて介護保険法のもとで要介護者や介護需要等の把握を行い、市町村においてはサービス量の見込みや整備計画等を内容とする介護保険事業計画を、また県においては介護保険事業支援計画を策定し、計画的な基盤整備を推進していくこととされておりますので、国の基本指針を得次第、適切に対応してまいる所存でございます。  次に、福祉サービスの県民への周知についてでございますが、県では、これまでも各関係機関等において相談、支援を行いますとともに、県広報紙や新聞、テレビ、ラジオ等を活用して広報に努め、また本年にはサービスの内容や関係機関などを取りまとめた健康福祉ガイドブックを全戸配布したところでもございます。また、市町村においても、パンフレットの配布などさまざまな方法で広報を行っていただいており、関係団体等の幅広い御協力もいただいているところでございます。今後一層の創意工夫をしながら、必要な情報の提供に努めてまいりたいと考えております。  また、医学的治療が終わり、退院される高齢者が安心して在宅生活が送れるためには、病院と地域の連携が必要でありますので、退院患者情報システムにより、医療機関が患者家族の同意を得て保健所を通じて市町村や関係機関へ情報を提供し、こういった情報のもとに市町村福祉担当者や保健婦が中心となって病院のソーシャルワーカーや看護婦との連携のもとで適切な在宅サービスの利用が図られるようなことも努めているところでもございます。また、一人一人の介護サービスの調整につきましては、保健福祉担当者、施設職員、医師等から成る高齢者サービス調整チームを設置し、適切なサービスの提供に努めているところでもございます。  次に、保健、医療、福祉サービスを総合的に受けられるシステムの確立の状況等についてでございますが、県民だれもが住みなれた地域で安心して生活していくためには、身近なところで気軽に相談ができ、高齢者一人一人に最も適したサービスを総合的、継続的に受けられる体制の整備が必要でございます。このため、専門家が24時間体制で総合的な相談に応じ、本人や家族にかわっての市町村への申請、さらには介護機器の展示、相談等の機能を持つ在宅介護支援センターをすべての市町村に整備するように努めているところであります。また、支援センターの調整機能を生かしてホームヘルパーステーションおよび訪問看護ステーションが連携し、急な介護需要にも迅速に対応できるモデル事業にも取り組んでいるところでありまして、今後このような取り組みを各市町村に広げていくとともに、一層の機能強化を図ってまいりたいと考えております。  次に、長期入院患者の対応施設としての療養型病床群についてでございますが、今国会で成立いたしました医療法の改正により、保健医療計画においてその整備目標数を定めることとされておりまして、その算定については今後示される国の基準に基づき対応していくこととなりますが、介護保険制度も踏まえて、今後関係機関と協議し、その整備を促進していきたいと考えております。  次に、在宅医療の充実についてでございますが、御指摘のとおり、高齢者を在宅で支えるには、在宅医療の充実が重要でございますことから、平成6年健康保険法等の改正により、在宅医療が法律上明確に位置づけられ、訪問看護事業の対象者の拡大、訪問診療等の診療報酬上の新たな評価が行われております。県におきましても、かかりつけ医機能の推進、医療機関によるデイケアの拡大および訪問看護ステーションの整備等の在宅医療の充実のための諸施策を推進しているところでもございます。  次に、ターミナルケアについてでございますが、総務庁などの調査によりますと、終末を自宅で迎えたいという希望が大半であり、またほとんどの人が延命治療よりも自然に任せてほしいと答えているようであります。本県でも、在宅の末期がん患者への訪問診療を実施しておられる医療機関や健康保険法により制度化されている緩和ケア病棟の整備を検討されている病院もございますが、今後、患者の願いを受けとめ、またターミナルケアの基本であります痛みなどの症状の緩和、精神的苦痛の緩和、患者、家族の社会経済的な問題の解決、死別などの霊的な問題解決の援助などが医療の現場で提供できるよう、そのあり方について関係団体と協議しながら検討いたしますとともに、医療従事者の資質の向上にも努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆11番(小川暢保君) (登壇)現状把握について再質問します。  次なる計画策定をどうするかということにつきましての今ほどの御答弁は、ゴールドプランを達成した後、介護保険法に基づく計画策定を、まず調査して、そしてゴールドプランが終わった後に介護保険の新計画につながるような形で計画策定をした上で整備を図っていきたい、そんな順序の答弁だったろうと思いますが、一番私たちが現場で感じておりますことは、現実の県民ニーズを早急に把握する必要があるのではないかということが一番言いたいわけであります。当然、介護保険導入を含めて、ゴールドプランの11年度の終期に向けての計画策定はできているわけで、それからの策定の準備を調査等々で入られるかと思いますが、まず今の現実をしっかり把握して、そして介護保険の導入ということになりますと、負担をお願いするわけですから、ゴールドプランの達成だけで、県民がそのことで満足されるなり、そこで御理解なされる、そんな現状ではないと思いますので、次なる計画を早めるためにも現状調査をまずしっかりすべきだと、そして次なる計画に入る、その計画を早めてでも実行する、そんな体制が必要ではないかなと思いながら再質問させていただきます。 ◎健康福祉部長(西堀末治君) 再質問にお答えをいたします。  現状につきましては、市町村や福祉事務所等で一定の把握をしながら、現在ともかくも現行の新ゴールドプラン達成を急いでいるわけでございます。状況につきましては、先日の角川議員にもお答えを申し上げましたが、特別養護老人ホーム等の待機者があるような状況もあるわけでございます。そういったことについては、平成9年度、10年度の施設整備を通じて、これらの方々の解消が図れるよう努力していきたいというふうに思っておりますが、いずれにしても、介護保険法を踏まえまして新たな保険事業計画を策定いたしますのが既に目前に迫っておりまして、私どもとしては、要介護者の状況なりを早急に把握しながら、新しい計画策定に向けて進んでまいりたいと考えているところでございます。 ○副議長(上野幸夫君) 以上で発言通告のありました発言は終わりました。  この際、関連質問はありませんか。     (「なし」)  以上で質疑ならびに質問を終結いたします。    ──────────────── △議第138号(平成8年度滋賀県一般会計および各特別会計歳入歳出決算の認定を求めることについて)(決算特別委員会の設置、同委員の選任) ○副議長(上野幸夫君) 日程第3、議第138号議案を議題といたします。  お諮りいたします。  本件については15名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。  お諮りいたします。  ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定によりお手元に配付いたしました名簿のとおり指名いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。    ────────────────      決算特別委員会委員名簿    議席番号  氏  名     2番  赤 堀 義 次     3番  南   真 司     4番  望 月 由 郎     6番  清 水 克 実     7番  吉 田 清 一     13番  小 林   優     15番  森   茂 樹     18番  浦 田 一 郎     20番  大久保   貴     22番  沢 田 享 子     23番  稲 田 喜代司     26番  三 浦 治 雄     28番  黒 田 昭 信     32番  橋 本   正
        39番  石 田 幸 雄    ──────────────── △請願第18号(びわこ空港計画白紙撤回を求めることについて)(びわこ空港・交通・防災対策特別委員会付託) ○副議長(上野幸夫君) お諮りいたします。  請願第18号については、びわこ空港・交通・防災対策特別委員会に付託いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。       ───────────────────────── △請願第18号 びわこ空港計画白紙撤回を求めることについて 受 理 年 月 日  平成9年12月9日 請願者住所氏名  (略) 紹 介 議 員  森茂樹 吉原稔 付 託 委 員 会  びわこ空港・交通・防災対策特別委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  マスコミの世論調査に対して、県民の過半数は「滋賀県に空港はいらない」と回答している。空港ができたところで便利になるとは考えられず、したがって県民の多くが空港は不必要と判断するのは当然と言える。  県は、空港は滋賀県の将来にとって必要と主張するが、関西・中部圏と首都圏にある10府県は空港計画を持っていない。これは、これらの府県では東京便や大阪便を必要としないからで、滋賀県も事情は同じであり、空港がなければ発展性がないというものではない。また、県はこのほど空港計画を見直したが、それでも約1,580億円の大規模事業で、県の財政破綻をおし進めることに変わりはない。  よって、県の財政を健全化し県民の暮らしを守るため、びわこ空港計画は白紙撤回されたい。       ───────────────────────── △議第136号、議第137号および議第139号から議第152号まで(滋賀県議会の議員その他非常勤の職員の公務災害保障等に関する条例の一部を改正する条例案ほか15件)ならびに請願(各常任委員会付託) ○副議長(上野幸夫君) 議第136号、議第137号および議第139号から議第152号までの各議案ならびに請願第18号以外の請願は、お手元に配付いたしておきました文書のとおり所管の常任委員会に付託いたします。       ─────────────────────────          平成9年9月滋賀県議会定例会議案付託表                             平成9年10月2日(木) 〇総務企業常任委員会  議第136号 滋賀県議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例案  議第148号 山東町と伊吹町との境界変更につき議決を求めることについて  議第151号 滋賀県職員等の給与に関する条例の一部を改正する条例案 〇企画県民土木常任委員会  議第144号 契約の締結につき議決を求めることについて(国道303号道路改築(改良)工事)  議第147号 滋賀県営住宅の明渡しおよび滞納家賃等の請求訴訟の提起につき議決を求めることについて 〇琵琶湖環境農政水産常任委員会  議第139号 契約の締結につき議決を求めることについて(琵琶湖流域下水道湖南中部栗東南幹線岡工区管渠工事)  議第140号 契約の締結につき議決を求めることについて(琵琶湖流域下水道彦根長浜伊吹第一幹線梓長岡工区管渠工事)  議第141号 契約の締結につき議決を求めることについて(琵琶湖流域下水道彦根長浜伊吹第一幹線長岡工区管渠工事)  議第149号 県営土地改良事業の計画変更を適当とする旨決定することにつき議決を求めることについて  議第150号 日吉ダム建設事業に関する事業実施方針の変更について意見を述べることにつき議決を求めることについて 〇健康福祉商工労働常任委員会  議第137号 知的障害に関する用語の見直しに伴う関係条例の整備に関する条例案  議第142号 契約の締結につき議決を求めることについて((仮称)成人病センター研究所新築工事)  議第143号 契約の締結につき議決を求めることについて((仮称)成人病センター研究所新築空調設備工事) 〇文教警察常任委員会  議第145号 財産の取得につき議決を求めることについて(国際情報高等学校情報教育および学校運営管理用機器)  議第146号 財産の取得につき議決を求めることについて(安曇川高等学校情報教育用機器)  議第152号 滋賀県公立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案       ──────────────────────────                 請願文書表 △請願第12号 障害者小規模作業所に対する国庫補助金制度の改善と充実を求めることについて 受 理 年 月 日  平成9年12月8日 請願者住所氏名  (略) 紹 介 議 員  青木善政 朝倉克己 黒田昭信 山嵜得三朗 付 託 委 員 会  健康福祉商工労働常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  障害者の小規模作業所は全国的に急速な勢いで増えており、1997年8月現在で4,337カ所を超えた。本県でも77カ所(1997年10月現在)となり、重い障害を持つ人々や精神障害者の地域生活を支えるうえで欠かすことのできない社会資源となっている。  しかし、この小規模作業所は法定外事業であるため不安定な運営を余儀なくされており、施設・設備面の貧弱さなど多くの困難を抱えている。  こうした小規模作業所の問題を真に解決していくためには現行の障害者施設を質・量ともに抜本的に改善していく必要があるが、これを達成するには一定の期間が必要となる。このため、さしあたって小規模作業所に対する国の補助金制度については、現行の障害別制度を一本化し補助額を大幅に引き上げ一定の条件を満たしたすべての小規模作業所に交付するなどの援護策が求められる。  ついては、小規模作業所対策について改善を求める意見書を政府関係機関に提出されたい。       ─────────────────────────                 請願文書表 △請願第13号 医療費無料化制度の充実を求めることについて 受 理 年 月 日  平成9年12月9日 請願者住所氏名  (略) 紹 介 議 員  森茂樹 吉原稔 付 託 委 員 会  健康福祉商工労働常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  滋賀県は来年度から乳幼児・老人・障害者等にかかわる6つの医療費無料化制度を見直すことを初め、様々な県民本位の施策を削減しようとしている。この原因は国の言いなりに公共事業をどんどん進めて来た結果引き起こされた財政難である。  県はこれからも、びわこ空港を初めとした大規模公共事業を進めるとしており、この事業費を捻出するために医療費無料化などの県民本位の施策を削ろうとしている。これは、地方自治体の本業である「住民の安全、健康および福祉を保持すること」と相入れない。  ついては、老人・障害者医療費無料化の対象者枠の拡大や乳幼児医療費無料化の3歳未満児への拡大など、医療費無料化制度についての積極的な方策を実施されたい。       ─────────────────────────                 請願文書表 △請願第14号 民間保育所・社会福祉施設運営改善費等補助金の増額および保育所・福祉施設職員の労働条件改善を求めることについて 受 理 年 月 日  平成9年12月9日 請願者住所氏名  (略) 紹 介 議 員  森茂樹 吉原稔 付 託 委 員 会  健康福祉商工労働常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  今、滋賀県の民間保育・福祉現場では、公的施設との格差が著しく広がって来ている。この問題を解決するためには、施設運営改善補助金の増額、民間保育・福祉施設の職員の労働条件改善や増員が必要である。  ところが、県は来年度から医療、福祉など県民のための施策を削減しようとしている。このような県民軽視の県政のもとでは福祉など社会保障の充実は期待できない。この原因は、国の言いなりに公共事業をどんどん進めて来た結果引き起こされた財政難である。  地方自治体の本業は「住民の安全、健康および福祉を保持すること」である。  ついては、民間保育所・社会福祉施設運営改善費等補助金の増額および保育所・福祉施設職員の労働条件改善を図られたい。       ─────────────────────────                 請願文書表 △請願第15号 草の根ハウス設置事業の補助金など県民本位の事業に対する終期設定の取りやめを求めることについて 受 理 年 月 日  平成9年12月9日 請願者住所氏名  (略) 紹 介 議 員  森茂樹 吉原稔 付 託 委 員 会  総務企業常仕委員会 審 査 結 果
    請 願 要 旨  滋賀県は来年度から草の根ハウス設置事業や草の根ひろば整備事業などの補助金事業の終期設定を初め、様々な県民本位の施策を後退させようとしている。この原因は国の言いなりに公共事業をどんどん進めて来た結果引き起こされた財政難である。  県はこれからも、びわこ空港を初めとした大規模公共事業を進めるとしており、この事業費を捻出するために県民本位の施策を削ろうとしている。これは、地方自治体の本業である「住民の安全、健康および福祉を保持すること」と相入れない。  ついては、草の根ハウス設置事業や草の根ひろば整備事業などの補助金事業の終期設定を取りやめられたい。       ─────────────────────────                 請願文書表 △請願第16号 教職員の抜本的増員を求めることについて 受 理 年 月 日  平成9年12月9日 請願者住所氏名  (略) 紹 介 議 員  森茂樹 吉原稔 付 託 委 員 会  文教警察常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  今、滋賀県の教育現場は、いじめ、不登校など多くの問題を抱えている。これらの問題の解決には、教育予算の増額と教職員の大幅増員が必要である。  ところが、県は来年度から医療、福祉など県民のための施策を削減しようとしている。このような県民軽視の県政のもとでは教育の充実は期待できない。県民本位の施策削減の原因は、国の言いなりに公共事業をどんどん進めて来た結果引き起こされた財政難である。  県はこれからも、びわこ空港を初めとした大規模公共事業を進めるとしており、この事業費を捻出するために県民本位の施策を削ろうとしている。これは、地方自治体の本業である「住民の安全、健康および福祉を保持すること」と相入れない。  ついては、いじめ、不登校をなくすために教職員の抜本的増員を図られたい。       ─────────────────────────                 請願文書表 △請願第17号 ゆきとどいた教育を進めることについて 受 理 年 月 日  平成9年12月9日 請願者住所氏名  (略) 紹 介 議 員  森茂樹 吉原稔 付 託 委 員 会  文教警察常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  すべての父母や教職員は「どの子も豊かにすこやかに育ってほしい」と願っている。しかし、いじめ、中途退学、不登校、非行など子供たちの現状は深刻なものとなっている。それだけに、教職員をふやし学級規模を縮小して、子供たち一人ひとりを大切にするゆきとどいた教育を保障することが重要になっている。また、教育費の父母負担も年々多くなって来ており、教育予算の大幅な増額は切実な願いである。  よって、21世紀の未来に生きる子供たちのために、下記の事項を速やかに実現されたい。                    記  1、教育費の父母負担の軽減と教育予算の大幅増額  2、35人学級の実施および30人学級に向けた年次計画の立案  3、すべての学校への教育相談加配の実施  4、養護教諭を12学級以上で2名、30学級以上で3名配置すること  5、専任図書館司書教諭のすべての小中学校への配置  6、医療的ケアが必要な障害児が保護者の付き添いなしでも通学できるための条件整備の推進  7、障害児の訪問教育の充実と後期中等教育の保障  8、各障害児学校のランチルームへのエアコンの設置       ───────────────────────── △休会の議決 ○副議長(上野幸夫君) お諮りいたします。  明12日から17日までは、委員会審査等のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。    ──────────────── ○副議長(上野幸夫君) 来る18日は定刻より本会議を開き、付託案件に対する各委員長の報告を求めます。  本日はこれをもって散会いたします。   午後3時31分 散会    ────────────────...